<射撃ニュース7月>
7/29
(イノシシ急増、過疎化見透かしたか:岡山)
ハンセン病の国立療養所、邑久光明園と長島愛生園がある長島(岡山県瀬戸内市)でイノシシの子どもに出合った。道路脇で親子連れのシカを見かけ撮影していた今月中旬、4匹のウリ坊が現れた。小さな鼻で盛んに地面を掘り餌を探していた。親は見当たらなかったが、イノシシもこの島で繁殖しているのだ。海を泳ぐイノシシや、本土と長島を結ぶ邑久長島大橋を渡るシカも目撃されている。かつて新たな耕作地や居住地を求め人々が移り住んだ中山間地域や島しょ部。その過疎化を見透かしたかのようにイノシシやシカが増加している。長島では、菜園をフェンスで囲い、桜などの樹木には防護ネットを巻くなどの対策を余儀なくされている。捕獲も試みてはいるが、イノシシやシカはここ5年で急増。車との衝突注意の道路標識も設置された。日中望遠レンズで捉えた長島のウリ坊。その瞳は穏やかで優しかった。

(年約200件ヒグマ出没の危機感:北海道)
7月中旬、札幌を訪れた。市内中心部は再開発ラッシュが進行中だ。2030年度に向けた北海道新幹線の札幌延伸や冬季五輪誘致をにらんで新たな商業施設、超高級ホテル、オフィスビルなどが続々と誕生することになる。札幌の飛躍の転機となった冬季五輪から50年。市内のインフラは老朽化し、コロナ禍で訪日外国人の姿も消えた。人口も戦後初めて減少に転じた(2021年の人口動態=280人減)。7月1日時点の人口は196万2389人(住民基本台帳)となっている。そんな北の都に再び光が差し始めている。7月31日には、2300人の市民を公募しての市制100周年記念式典が開催されるほか、大通り公園でのビアガーデンも復活。コロナ前は100万人以上の来場者を集めた一大イベントだけに、消費マインドを刺激しそうだ。実際、今年に入って札幌・北海道の経済指標は復調傾向にある。道内の百貨店売り上げは3カ月連続、コンビニ売り上げは6カ月連続で前年を上回っている。7月17日には新千歳空港の国際定期便が2年4カ月ぶりに再開した。2028年度には札幌駅南口に43階建て、高さ245メートルとなる道内一の高層ビルが竣工し、駅前の雰囲気が一変する。北海道新幹線札幌駅と直結し、マリオット・インターナショナルと提携した国際水準のホテルも入る。北海道新聞のサイトには「札幌再開発マップ」が掲載され、30以上の再開発計画が紹介されている。まさに大変貌の渦中にあるといっていい。一方で気がかりな現象がある。ヒグマの出没件数の多さである。札幌市内におけるこの5年間の出没件数は、2017年度106件、18年度137件、19年度196件、20年度95件、21年度185件となっている。22年度は最新の目撃情報が寄せられた7月24日までで72件。この5年間で2番目に多かった昨年とほぼ同じペースだ。かつてはヒグマの生息地である山間部が多い南区が圧倒的だったが、ここ数年は札幌市内10区すべてで出没。昨年はついに市街地(東区)で住民ら4人が負傷する事件まで発生した。人口200万人近い大都市で、年間185件ものヒグマ出没件数が確認されている。カナダのバンクーバーを除くと、おそらく世界的にも例がないのではないだろうか。ヒグマ出没が増えている背景には、道内全体における総個体数の増加が根底にある。北海道では1962年の十勝岳噴火による降灰の影響などで、ヒグマによる人や農作物に対する被害が増加したことから、1966年から冬眠明けで動きの鈍いヒグマを対象にした「春グマ駆除」が始まった。その後、人口増加に伴う宅地化や耕地化が進み、ヒグマの生息域が分断され、個体数の減少が懸念される事態となったことを受け、1989年度をもって春グマ駆除は廃止され、保護に重心が置かれるようになった。その結果、北海道のヒグマの推定生息数は、道の資料によると1990年度の中央値が5200頭、2014年度は1万0500頭、2020年度には1万1700頭と増加の一途をたどっている。それに加えて、市域の6割が森林という札幌市の地理的、社会的事情もある。住民の高齢化、人口減少などに伴う市郊外の農地(耕作地)の減少と里山の荒廃、ヒグマの生息場所である森林ギリギリまで進んだ住宅開発により、ヒグマとの接点が増え続けている。また、市内を流れる川や水路が多く、これがヒグマの移動経路となっている。さらに、市が進めた緑化計画で生まれた緑地帯が、これまたヒグマが身を潜めたり、移動する場所となってしまっているという。つまり、ヒグマにとって札幌市の郊外が活動エリアになってきてしまっているということだ。そうした環境下でここ数年、今度は住宅街への出没が増え、昨年6月には近くに小学校もある札幌市東区の市街地にヒグマが現れ、次々と住民を襲い4人が負傷するという事件が発生した。周辺住民の避難が終了した後、丘珠空港近くの茂みにいるところをハンターによって駆除された。体重158キロの雄の成獣(推定4ー6歳)だった。今年度になってからも、東区や手稲区などの住宅街でヒグマらしき動物の目撃情報がある。市の担当部署によると、「同じ個体が複数の場所で目撃されているケースがあるので、出没件数と個体数は一致しません。ただ、住宅街への出没が増えていることは確かです。昨年6月のケースは、市外の近隣の町のほうから石狩川を渡って市内に移動して来たと見られています。川や水路が移動経路になっているということですね。耕作をしなくなった果樹園の木になる果実を狙って出没する個体も確認されています。こうした事例が見られることから、市街地への侵入を防ぐために河川敷の草刈りを行ったり、耕作していない果樹園の木の伐採、電気柵の貸出、購入補助などの対策をしています」。昨年の東区での人身被害を受け、市は「さっぽろヒグマ基本計画2023」(仮称)の策定に向けて検討委員会で議論を行っている。10月までには原案を報告し、パブリックコメントの募集を経て来年3月には計画を完成し公表する予定だ。その中に、ゾーニング管理による共生を目標とする案がある。ゾーニングを見直していく過程で、市街地侵入を抑制、出没対応の迅速化、市民のヒグマへの意識醸成などを進める。ヒグマ対策は札幌市だけでなく北海道全体の問題だ。道は「北海道ヒグマ管理計画(第2期)」において、「人とのあつれきの多くは問題個体に起因しているため、問題個体を特定して排除することで、総個体数を維持しつつあつれきの抑制を図ることができる」といった考え方を基本にしている。さらには、最新の生息状況などの科学的データを精査したうえでの、個体数調整の可能性やあり方についての検討にも言及している。道内では2021年12月末までに人身被害が8件(死者4人 負傷8人)発生した。これはデータが残っている1962年(昭和37年)以降で最多となっている。これだけの被害が出ているだけに「ヒグマとの共生を目指す」というのは、理念としては尊重されるべきだが、実効性のある対策をめぐり市民や道民からはさまざまな受け止め方が出てくるだろう。ニセコなどで続く外資によるリゾート開発の影響も懸念される。札幌の街並みが大変貌を遂げようとしている一方で、ヒグマの行動領域が住宅街、市街地にまで拡大してきている。このギャップには驚愕するばかりだ。札幌市や北海道がどんな施策を打ち出していくのか、注目したい。

(サル2頭目捕獲も引き続き警戒:山口)
野生のサルに襲われる被害が相次いでいる山口市の小郡地区で28日夜、社員寮に侵入したサルが捕獲され殺処分されました。サルの捕獲は2頭目で28日夜の捕獲以降、被害は確認されていませんが、山口市では29日朝もサルの目撃情報が寄せられたことなどから引き続き麻酔銃を使って警戒にあたっています。7月8日以降、山口市の小郡地区では、サルにひっかかれたりかみつかれたりする被害が相次いでいて、これまでに60人余りが被害に遭っています。こうした中、山口市によりますと28日午後9時ごろ、山口市小郡新町2丁目の土木建築会社の社員寮の2階で、野生のサルが網戸を開けて侵入し、部屋にいた20代の男性社員に飛びついたということです。男性社員は腕をひっかかれるなどしましたが、同じ寮に住むほかの社員と協力してその場でサルを捕獲したということです。捕獲されたサルは体重7キロ余り、体長およそ54センチのオスで4歳前後とみられ、直前にも社員寮の近くでサルが網戸を開けて侵入し、人を襲う被害が発生していたことから市は、28日このサルを殺処分したということです。サルの捕獲は7月26日に続いて2頭目で、このサルが捕獲されて以降はサルに襲われる被害は確認されていないということです。ただ、山口市では29日朝もサルを目撃したという情報が寄せられたことなどから、引き続き麻酔銃を使って警戒にあたるとともに戸締まりを徹底するなど被害に注意するよう呼びかけています。サルが捕獲された社員寮の近くに住む88歳の女性は「7月20日に社員寮の近くの橋でサルを見たところでした。怖かったので目を合わさないように引き返しました。28日夜、サルが捕獲されたので少し安心しましたがほかにも人を襲うサルがいるかもしれないのでこれからも戸締まりに気をつけたいです」と話していました。28日夜、土木建築会社の社員寮で同僚とサルを捕まえたインドネシア出身のガブリエル・マウさん(29)は「食後にフライパンを洗っているときにキキーと声をあげてサルが顔に向かって飛んできました。びっくりしましたし、少し怖かったですが友達もかまれてけがをしていたので自分が取り押さえないといけないと思って暴れているサルを体を使って押さえつけた。腕をひっかかれて痛かったですが、多くの人がけがをしていたので捕まえることができてよかったです」と話していました。

(子グマの死骸見つかる、親グマいる可能性もありパトロール:広島)
広島県竹原市の山の中でクマの死骸が見つかりました。子グマとみられ、親グマなどが近くにいる可能性もあることから警察などが周辺住民に注意を呼びかけています。竹原市や警察によりますと、きょう(28日)未明、竹原市田万里町の新幹線のトンネル付近で、線路を点検作業中のJR職員がクマの死骸を見つけ、市や警察に通報しました。市役所の職員が現場で確認したところ、体長はおよそ1メートルあり、死骸はその後焼却処分されたということです。猟友会から、死骸は子グマで、親グマがまだ近くにいる可能性があるという指摘があったことから、警察は付近をパトロールし、周辺の住民に注意を呼びかけているということです。竹原市では明確な統計はとっていないということですが、市内でここ数年、クマの目撃情報はなかったということです。県内では先月、呉市で初めて確認されるなど、クマの生息域が拡大しています。

(中心市街地に、エゾシカ出没:北海道)
27日正午ごろ、白老町の中心市街地の空き地に、エゾシカの子どもとみられる1頭が出没し、付近の住民を驚かせた。60代女性読者が「市街地に白昼堂々シカが現れるのは珍しいのでは」と、スマートフォンで撮影した動画を白老支局に寄せた。

(ビート畑荒らされる、クマ被害か:北海道)
28日午前、森町でビート畑が荒らされているのが見つかり、警察はクマによる被害とみて付近の住民に注意を呼びかけています。8日午前9時ごろ、森町砂原でビート畑がおよそ250平方メートルにわたって荒らされているのを農家の男性が見つけました。ビートは掘り起こされて根の部分が食べられるなどしていて、近くにはクマのものとみられるふんや足跡が見つかりました。警察などによりますと、現場付近では地元の猟友会のハンターが見回りをしているほか、警察や町の職員が住民に注意を呼びかけているということです。森町農林課の南一也課長補佐は「外で作業をするときは1人で行わず、夜遅い時間は出歩かないようにするなど注意してほしい」と話していました。道南では今月15日、松前町で畑仕事をしていた高齢の夫婦がクマにかまれるなどして大けがをするなどクマによる被害や目撃情報が相次いでいて、警察などが注意を呼びかけています。

(軽乗用車とクマ衝突:秋田)
28日午後7時半ごろ、秋田県北秋田市七日市字長根沢の市道で、同市の50代女性が運転する軽乗用車がクマと衝突した。女性にけがはなかった。

(県道でクマと車が衝突:山形)
28日午後3時27分頃、山形県長井市上伊佐沢の県道で車とクマが衝突しました。現場は長井市立伊佐沢小学校から北西に約330メートル行った県道です。警察によりますと70代男性が運転する車が道路に飛び出してきた体長約80センチのクマと衝突したということです。男性にケガはなく、クマはその後山に逃げたということです。長井警察署では現場にパトカーを出動させ、付近住民に警戒を呼び掛けています。また市は付近の小学校や中学校に連絡し注意するよう呼び掛けています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午前8時ごろ、仙台市青葉区新川窪田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、29日午前10時30分ごろ、栗原市花山本沢早坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前8時ごろ、仙台市泉区根白石花輪山のゴルフ場にクマが出没しました。

TOPへ

7/28
(畑で農作業中の女性が頭部を負傷して死亡:福島)
警察によると、2022年7月27日、福島県会津若松市門田町の竹やぶで、近くの畑で農作業をしていた渡部キミ子さん(89)が頭部などを負傷して倒れているのを家族がみつけた。渡部さんは病院に運ばれたが、死亡が確認された。渡部さんの体には大型の有害鳥獣によって受けた傷跡が残されていたという。渡部さんが見つかった現場の近くでは、住民が親子と認められるクマ2頭(体長約1mと50cm)を目撃していたほか、複数のクマの目撃情報が寄せられていて、警察が注意を呼びかけている。

(クマに襲われ女性けが:宮城)
27日午前4時50分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根の農道を歩いていた同市の50代女性が体長1メートルほどのツキノワグマに襲われ、首や胸などに軽いけがをした。仙台北署などによると、現場は畑や雑木林などがある区域で、女性は近くの畑で農作業を終えて歩いていたところ、雑木林から出てきたクマに突進され覆いかぶさられた。クマはその後雑木林に逃げ、女性から助けを求められた付近住民が110番した。北署や市が車などでパトロールして住民に注意を呼びかけた。宮城県自然保護課によると本年度、県内でクマによる人身被害は色麻町で4月17日に発生したのに続いて2例目。

(ツーリング中の男性に、のり面から飛び出したシカ衝突:群馬)
24日午前8時半頃、群馬県神流町神ヶ原の国道299号で、東京都青梅市、団体職員の男性(44)のロードバイクタイプの自転車が、のり面から飛び出してきたシカとぶつかった。男性は転倒し、左肩と左脚の骨を折る重傷を負った。群馬県警藤岡署によると、男性は1人でツーリングをしていた。

(初のツキノワグマ出没警報:福島)
会津若松市で、ツキノワグマによるとみられる死亡事故が起きたことを受け、県は27日、初めての出没警報を会津若松市に発令しました。27日正午すぎ、会津若松市門田町でクマに襲われたとみられる女性が見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。県内でクマによるとみられる死亡事故は2013年以来です。これを受け県は27日、県内全域を対象としていた「ツキノワグマ出没特別注意報」を7月末まで延長し、会津若松市については8月末まで「ツキノワグマ出没警報」へ引き上げました。警報が、発令されるのは初めてです。県は、午後から現地調査をするほか、午後3時に緊急会議を開き対策を検討します。

(放牧中の牛1頭死ぬ、3年前から牛襲う同一のヒグマか:北海道)
27日、道東・標茶町の牧場で放牧中の牛1頭が襲われて死んでいるのが見つかりました。標茶町内での牛の被害は今月に入って6頭目で、町は3年前から牛を襲っている同一のヒグマによる被害とみて警戒を強めています。標茶町によりますと、27日の早朝、標茶町阿歴内の牧場で放牧中の牛1頭が死んでいるのを牧場の関係者が見つけました。牛は背中から襲われ、内蔵の一部が食べられていたということです。町は襲った方法や残された足跡の大きさなどから、3年前から標茶町や厚岸町一帯で牛を繰り返し襲っているヒグマ、通称「OSO18」による被害とみて、現場に残っていた体毛の鑑定を進めています。標茶町内では今月1日に同じ阿歴内の牧場で牛3頭が襲われ、2頭が死んだほか、今月11日と18日にもそれぞれ牛1頭が死んでいて、被害は今月に入って6頭目です。「OSO18」に襲われたとみられる牛はあわせて63頭に上り、町や道、猟友会などは、監視カメラを設置して追跡する一方、ハンターによる巡回を強化したり、わなを設置したりして捕獲に向けた取り組みを進めています。

(サル被害、1頭捕獲後も収まらず:山口)
山口市は27日、住民がサルにかまれたり、引っかかれたりするなどの被害が相次いでいた同市小郡地域で雄のニホンザル1頭を捕獲し、殺処分したと発表した。同地域では8日以降、サルが捕獲された26日夕方にかけて52人が被害に遭った。しかし、捕獲後も27日正午までに6人が同様の被害に遭っており、市は人に危害を加えているサルが他にもいるとみて、引き続き捕獲に取り組む。市などによると、26日午後、同市小郡上郷の山口農高からサルの目撃情報が寄せられ、駆け付けた市職員や捕獲業者が校内の東側ため池付近の木の上にいた1頭を発見。麻酔銃を発射するとサルは逃げたが、約30分後に付近で眠っているところを捕獲した。推定4歳で、体長約49センチ、体重6・9キロ。捕獲業者が設置した定点カメラに映った姿や、これまで周辺住民から寄せられた目撃情報などから、人に危害を加えていたサルとみられる。しかし、捕獲後も10~70代の住民6人がサルにかみつかれたり、引っかかれたりする被害に遭った。同地域では、サルが屋外だけでなく、民家の網戸を開けて侵入し、住民を襲うなどの被害が相次ぎ、27日正午までに58人が軽傷を負った。このため市や県警は周辺の警戒を強化し、捕獲用のわなを設置するなどしている。

(ヒグマ防除重点地区指定、電気柵設置へ:北海道)
札幌市は25日、「さっぽろヒグマ基本計画」改定検討委員会を開き、ヒグマの市街地侵入抑止策として、来年度に「ヒグマ防除重点地区(仮称)」を新設し、三角山(西区)などを指定する案を示した。ハンターによる見回りや市街地との境界に電気柵を設置することを想定する。

(ハトに餌、条例で禁止:東京)
ハトに餌をあげないで――。大田区が今春、駅前や公園での餌やりを禁止する条例を施行した。同様の条例は各区で制定され、罰則つきのものもある。背景を探ると、街の景観を乱す「鳥害」に悩む住民や自治体の危機感があるようだ。「数え切れないほどのハトがビルや街灯にとまり、異様な光景だったよ」。大田区の大森駅東口商店会で長く会長を務める荻野正助さん(77)が振り返る。最大で150羽ほどが集まっていたハトの目当ては餌だ。高齢の男性がスーパーで大量のペットフードを買い込み、路上にまいていたのだという。落ちてきたフンが通行人にかかり、食べ残しを狙うネズミの姿も。周辺には飲食店街が広がっていて、荻野さんは苦情に頭を悩ませていた。男性に注意してもやめてくれず、困り果てた荻野さんは区議に相談。これを機に区議会で「区ハト・カラスへの給餌による被害防止条例」が制定された。条例は野生のドバトやハシブトガラス、ハシボソガラスに、道路や公園などの公共の場所で餌をやることを禁止。騒音やフン、羽毛の散乱といった被害が確認された場合は区が指導し、従わない場合は5000円の過料を科すこともある。「区も対応に困っていた」と打ち明けるのは、区環境対策課の菅野俊明課長だ。区によると、餌やり自体を禁じる法律はなく、餌を廃棄物と捉えて廃棄物処理法を適用することも検討したが、「『ゴミではない』と主張されれば、立証するのは難しかった」という。4月の条例施行後、男性は駅前に現れなくなり、被害は収まった。菅野課長は「条例の制定により、悪質な事例に対処する根拠ができた」と意義を語る。ほかの区にも同様の条例がある。先駆的だったのは荒川区で、2009年に過度な餌やりに罰金を科すこともできるようにした。被害が広がり、複数の住民が苦情を訴えることなどが条件で、立ち入り調査や警察への告発もできる。調査を拒むと10万円以下の罰金となるが、適用事例はまだないという。世田谷区も18年、迷惑な野鳥への餌やりを禁じた。区は「お金を払えばやってもいいと曲解されかねない」として罰金制度は設けていない。各区とも「抑止効果に期待している」(大田区の菅野課長)というわけだ。そもそもハトに餌をやるべきなのか。NPO法人「バードリサーチ」(国立市)代表の植田睦之さん(52)は「木の実などを食べているので必要ない」と話す。バードリサーチなどの民間団体が、16~21年にかけて都内1400超の地点で行った分布調査では、1990年代と比べてドバトは都心部で減り、下町や郊外で増える傾向があった。以前は餌を求めて都心に集まっていたが、餌やり禁止の条例効果もあってか、分散が進んでいるとみられる。植田さんは「鳥が餌を食べる姿はかわいいので、あげたくなる気持ちはよくわかる」としつつ、「鳥が増えすぎれば嫌な気持ちになる人も出てくる。何事もやりすぎはよくない」として注意を呼びかけている。

(鳥獣害ソリューション実証実験の開始:山形)
酒田市(市長 丸山 至)、一般社団法人山形県猟友会酒田支部(支部長 後藤 亮光 以下「山形県猟友会酒田支部」)、東日本電信電話株式会社山形支店(支店長 渡会 俊輔、以下「NTT 東日本」)は、鳥獣害対策において、赤外線センサーとネットワークカメラを活用した鳥獣害の検知、アラート通知による、みまわり稼働省力化に向けた実証実験を8 月末まで実施いたします。

(クマの目撃急増、昨年7月の3倍:栃木)
7月に入ってから栃木県日光市など栃木県北部を中心にクマの目撃が増加している。警察発表などに基づく目撃情報は25日現在で35件となり、12件だった昨年7月の3倍に上る。夏場の山中の木の実不足に加え、新型コロナウイルス禍での観光客の戻りも目撃情報の増加に影響しているとみられる。日光市では小中学校敷地内に出没したほか、鹿沼市では登山客が左腕をかまれ重傷を負った。夏休みの観光シーズンを迎え、県などは改めて注意を呼びかけている。県自然環境課などによると、7月の目撃件数は日光市25件、那須町4件、那須塩原市3件、足利市、佐野市、鹿沼市各1件の計35件。過去5年間の目撃件数の平均は約18件で、今年は既に2倍になっている。7月で最多だった2019年の37件に迫る勢いだ。目撃情報は4月1件、5月3件、6月9件で、7月に入り急増している。県内に生息するのはツキノワグマで、推定生息数は606頭。冬眠明けの5月ごろから目撃が増え出し、6~8月に多くなる傾向があるという。日光市では奥日光の観光名所「竜頭の滝」周辺で目撃が相次いだ。このため同市は注意喚起の看板を滝周辺4カ所と中宮祠小中学校付近の2カ所に設置した。相次ぐクマの目撃について、同課は「食糧を求めて行動範囲を広げている可能性がある」とみる。例年7、8月は木の実など山中の餌が少なくなりやすい。奥日光の目撃場所の周辺などでは、クマが好むオオヤマザクラの実がなる季節を迎えているという。また同課は、新型コロナの行動制限がなくなり、観光客が一定数戻ったことも影響したとし、「人出が増えれば目撃件数の増加につながる」と分析する。夏休みシーズンを迎え、登山やキャンプなどで山に入る機会が増えることも見込まれる。同課は(1)クマがいそうな場所に行かない(2)早朝や夕方は特に注意(3)1人での行動は避ける(4)鈴などで音を出しながら歩く-などの対策を求めている。本年度の負傷者は1人。過去10年は年間0~4件で推移している。万が一、クマに出合ってしまった場合について同課の担当者は「背中を向けずゆっくりと離れることが大切。刺激しないことが重要」と話した。

(クマが飼い犬襲う、子グマは小屋に侵入:岩手)
26日午前5時ごろ、矢巾町岩清水の男性(82)方敷地で、成獣のクマが飼い犬を襲った。住家に隣接する小屋には子グマ2頭が侵入し、断熱材などを壊した。男性の次女(53)によると、外で飼う中型犬の吠える声を聞いた次女の夫(53)が様子を見ると、体長1・8メートルほどのクマが爪を立てて犬を押さえつけていた。夫が大声を出すとクマは北西側の山に逃げた。犬は腹を引っかかれた。その後、小屋を確認すると、体長50センチほどの子グマ2頭が保管していたキュウリを食べ、断熱材などを荒らしていた。町役場や警察に連絡し、町猟友会員が子グマを追い払った。

(3匹の飼育ブタ、1匹ずつ姿を消す:長野)
長野県須坂市山間部にある豚舎で今月20~22日、飼育されていたブタ3匹が相次いでいなくなった。豚舎の壁などにはツキノワグマの足跡とみられる血痕が残されており、須坂署はクマによる被害の可能性を含めて調べている。被害に遭ったのは同市亀倉の市之宮一之さん(90)。10匹飼育していたが、今月20日朝から22日朝にかけて1匹ずつ姿を消していたという。市之宮さんは盗まれた可能性もあると考えて同署に相談したところ、豚舎内の壁面にブタの血がついた足跡が見つかり、市などの調査でクマの可能性があることが判明した。地元猟友会員によると、今月中旬、豚舎付近に設置したわなからクマが脱出した形跡があった。24日には体長約1・5メートルのオスの成獣1頭がわなにかかり駆除されたが、胃からブタの肉片などは見つからず、豚舎を襲ったとみられるクマと同じ個体かどうかは分かっていない。市之宮さんは「ブタの飲み水を川から運ぶのも一苦労で、一生懸命世話をしていたのに残念だ」と話した。市は25日、看板を設置して周辺住民に警戒を呼びかけた。捕獲用の檻(おり)も設置する予定だ。環境省鳥獣保護管理室によると、クマはドングリなどを主食としており、ブタを襲うことは珍しいという。担当者は「一度食物として学習した動物を再び襲う可能性はある」とし、電気柵などの対策が有効だと指摘している。

(スイカ5個食べられる、クマによる被害か:山形)
24日、大石田町の畑でおよそ5個のスイカが食べられているのが見つかり、警察はクマによる被害とみて注意を呼びかけています。警察によりますと、24日午前8時ごろ、大石田町田沢の畑でおよそ5個のスイカが食べられているのを近くで作業をしていた男性が見つけました。25日になって役場から通報を受けた警察が調べたところ、足跡や食い荒らされたスイカの痕跡からクマによる被害とみられ、警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、クマによるとみられるスイカの被害は今シーズン、2件目だということです。現場は、田沢公民館から南西におよそ250メートルほどの場所です。

(ヒグマが「全力疾走」時速50キロも可能という身体能力:北海道)
北海道・十勝の大樹町で7月20日、道路を走るクマが目撃されました。発見から1分以上、全力疾走するクマが車と並走しました。ヘッドライトに照らさた夜道に浮かぶクマの走る姿。躍動的に疾走する様子がはっきりとみてとれます。目撃した人によりますと、7月20日午後10時すぎ、十勝の大樹町の道道を車で西方向に向かっていると目の前にクマが走っていました。その後、クマは道路の脇の草地に立ち去ったということです。北海道の担当者によりますと、クマが車のヘッドライトに驚いて逃げた可能性が高いということです。クマは瞬間的に時速50キロの速さで走ることから、見かけても車から降りることはせずクマから離れるよう注意を呼びかけています。

(川でクマを目撃、泳いで国道に向かう:新潟)
27日午後2時半ごろ、村上市貝附の荒川でクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。クマは川を横断するように泳ぎ、国道113号線に向かっていきました。目撃された場所は村上市と関川村の境界付近で、関川村の民家から約800mの地点であることから、警察が住民に注意を呼びかけています。

(カラス撃退プレート:東京)
害虫駆除・害獣・害鳥駆除の殺虫剤・殺鼠剤をはじめとする資機材を日本全国の害虫駆除業者、シロアリ駆除業者に卸売販売する鵬図商事株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役:添野正宏 https://www.hohto.co.jp/)は、カラスの視覚・頭の良さを逆手にとったカラス撃退プレート「カケフ」を大阪府立大学中澄博行名誉教授と共同開発し、発売開始しました。

(捨てるにはおいしい、イノシシの骨活用:広島)
広島県北広島町芸北地域にあるイノシシやシカなどのジビエ(野生鳥獣肉)処理加工施設が、これまで捨てていたイノシシの骨を栄養の補給できる商品に加工し、販売を始めた。ミネラルやビタミン類などの栄養成分が豊富に含まれている骨を煮出して、だしの効いたスープにできるようにした。

(サル出没:宮城)
登米市によると、28日午後1時30分ごろ、登米市石越町東郷大根澤付近にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後1時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢末坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、28日午前10時ごろ、栗原市栗駒片子沢杉屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前10時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢川坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前4時50分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根町五番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前5時10分ごろ、仙台市泉区寺岡2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後0時ごろ、仙台市青葉区芋沢末坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後2時45分ごろ、仙台市青葉区芋沢権現森山にクマが出没しました。

(サル出没:宮城)
登米市によると、26日午前10時ごろ、登米市中田町宝江黒沼浦にサルが出没しました。

TOPへ

7/26
(住居集合地域で猟銃発砲した疑い:長野)
上田市で4月、猟銃の流れ弾が走行中の車に当たる事故がありました。警察は猟銃を撃った86歳の男を書類送検しました。鳥獣保護管理法等違反などの疑いで書類送検されたのは、上田市に住む86歳の男です。警察によると今年4月、上田市平井の河川敷で、付近に住宅などが多くあるにも関わらず、近くにいたニホンジカに向けて猟銃を発砲した疑いが持たれています。弾は近くの道路を走っていた車の窓ガラスを貫通しました。けが人はいませんでした。男は猟友会のメンバー複数人とニホンジカの駆除をしていました。警察の調べに対し、容疑を認めているということです。また、上田市は、書類送検された男が、市が任命する「鳥獣被害対策実施隊員」だと発表しました。被害者や市民に多大な迷惑と心配をかけたと謝罪するとともに、事故があった上田市丸子地域での猟銃を使った有害鳥獣駆除事業を今年度いっぱい自粛し、研修会を開くなどの事故防止活動に取り組むとしています。

(クマに腕などをかまれけが:栃木)
24日午前、栃木県鹿沼市で登山をしていた30代の男性がクマに襲われ、腕などをかまれるけがをしました。24日午前11時半ごろ、鹿沼市の山中を通る県道草久足尾線の路上で男性が倒れているのをオートバイで通りがかった人が見つけ、119番通報しました。警察によりますと、男性はクマに左腕などをかまれてけがをしていて、意識はあり命に別状はないということですが搬送先の病院で手当を受けています。男性は、栃木県外に住む30代で、午前10時半ごろ1人で登山中に子グマぐらいの大きさのクマに遭遇し、かまれたと話しているということです。現場は鹿沼市北西部の標高およそ1100メートルの峠道です。

(豚熱、県内初確認:徳島)
県は25日、徳島市で死んでいた野生のイノシシ1頭が家畜伝染病「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」に感染していたことを明らかにした。県内で豚熱の感染が確認されるのは初めて。県によると、20日に徳島市上八万町の畑で雄のイノシシ(体長50センチ、2キロ)が死んでいるのを住民が発見。検査で感染が確認された。県は25日、庁内で危機管理会議を開催。感染が確認された地点から半径10キロ圏内で野生イノシシの捕獲を強化することを確認した。豚熱は人には感染せず、感染した肉を食べても人体に影響はない。県内で飼育されている約4万4000頭の豚やイノシシはワクチンを接種していることから、搬出制限は設けないとしている。

(新たに男女4人がサルに襲われケガ:山口)
サルによる被害が相次いでいる山口市小郡地区で、20日夜から21日にかけても、新たに男女4人がサルに襲われ、軽いケガをしました。これでサルの被害者は合わせて26人になりました。警察によりますと、20日午後8時ごろ、山口市小郡新町で、散歩をしていた40代の女性が、突然、サルにしがみつかれ左足をひっかかれました。そのおよそ2時間半後には、小郡みらい町で、ゴミを捨てるために外に出た40代の男性が、背後からサルにしがみつかれ左足をひっかかれました。また、21日午前10時半ごろにも、山口市小郡尾崎町で、散歩をしていた60代の女性が、サルに襲われて左足をひっかかれました。このほか、21日の午後3時半ごろ、山口市小郡円座西町で、60代の住民がサルに襲われ、ケガをしたという情報も入っています。この地区では、7月8日以降、子どもやお年寄りなどがサルに襲われる被害が相次いでいて、被害者は合わせて26人に上っています。これを受けて、県や山口市などは、22日、県庁で対策会議を開いてサルの捕獲方法を検討することにしています。

(サルに襲われ8人けが、麻酔銃で捕獲へ:山口)
サルによる被害が相次いでいる山口市小郡地区では、23日から24日にかけて新たに8人がサルに襲われてけがをしました。7月8日以降、近隣での被害者は合わせて38人にのぼり、山口市はサルの捕獲に向けて24日から麻酔銃を使った捕獲に乗り出しました。警察によりますと24日午前2時15分ごろ、山口市小郡新町のアパートの3階で、網戸を開けて入ってきたサルに10代の少女が右足をかまれました。その後、一度サルが外に出たため網戸を閉めましたが、サルは網戸を突き破って再び部屋に入り、今度は40代の母親の左足にかみついたということです。また、午前6時前には同じ地区のアパートの4階で窓からサルが侵入し、この部屋に住む50代の女性の両手をかんだということです。同じ頃には近くの屋外にいた50代の女性が後ろからサルに襲われ、左足にかみつかれました。この女性が傘を振り回したところサルは逃げていったということです。このほか小郡地区では23日夕方から24日にかけて男性2人と女性2人が家の中や屋外で相次いでサルに襲われていて、合わせて8人がサルに襲われてけがをしました。これで7月8日以降、サルによる被害者は合わせて38人になりました。相次ぐ被害を受けて山口市はサルの捕獲に向けて麻酔銃を使用するための許可を受けていて、24日から麻酔銃を使った捕獲に乗り出したということです。夜勤明けだったという近くに住む50代の男性は、「けさ6時くらいに、団地の方からキャーという悲鳴が聞こえたので車で見に行ったところ、警察や救急車が停まっていて、人がまたサルに襲われたと聞きました。子どもやお年寄りが狙われているようなので不安です」と話していました。また、近くに住む60代の男性は、「麻酔銃を使った捕獲方法をとるという連絡がきょうありました。1日も早くサルを捕獲してこれ以上被害が増えないようにしてほしいです」と話していました。

(夫婦襲ったクマ、去年の福島町の“死亡事故”と別個体:北海道)
今月15日、道南の松前町で高齢の夫婦がクマに襲われて大けがをした事故で、このクマは去年、隣の福島町で女性が襲われて死亡した事故のクマとは別の個体であることが分かり、町などは警戒を強めています。松前町白神では今月15日、畑仕事をしていた高齢の夫婦がクマにかまれるなどして頭や腕に大けがをしました。今回の現場からおよそ10キロ離れた隣の福島町では去年7月、70代の女性がクマに襲われて死亡する事故が起きていて、道が道立総合研究機構に依頼して現場に残された体毛のDNAを調べたところ、このときのクマとは別の個体のものだったということです。松前町は人を襲ったクマが再び人里に現れる可能性もあるとして注意を呼びかけていて、猟友会のハンターが出て付近を見回っているほか、わなを2か所に設置するなど警戒を強めています。

(家畜が脱走?野生化したヤギ100匹超:沖縄)
「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」が世界自然遺産に登録されてから26日で1年を迎えた。沖縄県の西表島では、家畜のヤギが野生化した「ノヤギ」が生息数を増やし、固有植物の減少や生態系の崩れが危惧されている。環境省の調査によると、島に定着したノヤギは推定100匹以上。県は今後、防除の優先度が高い「重点対策種」に指定し、駆除に取り組む見通しだ。早ければ9月に試験的な捕獲を実施する。ヤギは1年に2回出産するなど繁殖力が高く、国際自然保護連合(IUCN)は「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定している。西表島では、家畜として持ち込まれた個体が脱走し、野生化した可能性が高い。環境省はイリオモテヤマネコのモニタリング調査のため、島内全域の約30カ所にセンサーカメラを設置している。ノヤギの出没が確認され始めたのは2017年ごろから。特に島の東側で多く、群れも見られる。ノヤギの分布調査を経て、20年度からは竹富町の猟友会と協力して緊急的な捕獲に乗り出した。同年度は3匹、21年度は61匹を駆除した。沖縄と同時に世界自然遺産に登録された鹿児島県奄美大島でもノヤギの定着は問題になり、食害によって崖崩れが発生した事例も報告されている。土壌が海へ流出すると、サンゴなどの海洋生物にも影響が及ぶ。西表島には貴重な動植物が多く、食害や踏みつけで被害を受けかねない。環境省西表自然保護官事務所は「生態系が崩れれば、食物連鎖の頂点にいるイリオモテヤマネコにも影響が及ぶ可能性がある」と危機感を示した。

(かつては餓死多数、今は人里でぬくぬく:福岡)
イノシシによる農作物被害がやまず、生息域が拡大するのはなぜか―。麻布大フィールドワークセンター(島根県美郷町)で野生動物の運動や学習能力、行動特性を研究している江口祐輔教授に聞いた。近年、都市部でイノシシが生ごみをあさる事例が出ています。「餌は絶対やってはいけない。故意に限らず、売り物にならない農作物を畑に放置するなど、無意識の餌付けもなくす必要がある。イノシシは通常、山の中で毎日6~7時間、ひたすら土を掘ったり、石を転がしたりして、虫や植物の根など食べられる物を探している。野生動物が命をつなぐために食料を得るのはそう簡単ではない。人が食べる茶わん1杯分のご飯に相当するカロリーを摂取することすら大変だ」。環境省によると、全国のイノシシの推定個体数は1989年度の約19万頭から、約30年後の2020年度には4倍以上の約87万頭まで増加しています。「以前は耕作や炭焼きなどで山の中まで人の手が入り、山際も民家や耕作地が広がっていた。イノシシの行動範囲は限られ、餓死する個体が多かった。しかし、山や山際の利用が少なくなり、イノシシの生息域が広がり、放置された竹林や果樹園などから餌も得られるようになった。そのため、冬を越せずに死ぬイノシシが減ったとみられる」。イノシシの捕獲数は2000年の約15万頭から、20年は約68万頭まで増えました。それに比べ、イノシシによる農作物被害が大きく減ったとは言えない状況です。「山のイノシシと人里のイノシシは生息域が分かれている。被害を引き起こすのは畑などの食べ物に依存して、人里のすぐ近くに生息しているイノシシだ。被害を減らすには、人里のイノシシを捕獲することが重要となる。しかし、現在は、人里のイノシシ捕獲の必要性がしっかり意識されず、逆に山のイノシシを捕獲しようとして、人里に追いやっているような印象だ。捕獲数に比べ、農産物被害が大きく減っていないのはそのためではないか」。どのような対策が必要ですか。「私が調査している島根県や大分県の集落は、被害ゼロになったところもある。何より、人里の田畑をしっかり守ることが大切だ。対策として田畑を柵で囲っても、イノシシは出入り口などの強度が弱い部分から力ずくで侵入してくる。そこで農産物を確保できれば、イノシシは警戒し、怪しい箱わなにはなかなか入らない。全国の箱わなの半分が、年間に一度も捕獲実績がないと言われる。柵を厳重にして田畑への侵入を防げれば、山の中で餌を取った経験が少ないイノシシは、箱わなに寄ってくる」。イノシシが川沿いを移動し、都市部まで入り込んでいる現状もあります。「どんな動物も移動には川や水辺を使う。餌が少なくなれば、あぶれたイノシシは餌を求めて新たな場所へ移動する。耕作放棄地など、人が住む場所の近くにすみ着くケースは多い。クズ(植物)の根や葉などの餌と茂みがあれば、“三食昼寝付き”とも言える好環境。そのような状況だと、イノシシはだんだんずうずうしくなって、人前に出てくる。イノシシの生息域の拡大は、人間が数十年かけて、人里に慣れさせてきた結果とも言える」。江口祐輔(えぐち・ゆうすけ) 農林水産省中国農業試験場研究員、麻布大獣医学部講師、農業・食品産業技術総合研究機構・西日本農業研究センター鳥獣害対策技術グループ長などを経て、2021年より現職。野生動物の行動特性を通じて、農林業や生活への被害、住民による持続可能な対策を研究中。イノシシの目撃情報が福岡市内でも相次いでいます。戦後、福岡県内の約1割だった分布域は、近年は9割に拡大。その被害はもはや農村部だけの問題ではありません。西日本新聞「イノシシ特命取材班」は、主に福岡都市圏での生息、被害状況を取材中です。街をすみかにしつつある野生動物の現状を今後も追跡していきます。こちらの「イノシシポスト」に、皆さんの目撃情報をお寄せください。この企画「街がすみかー追跡・イノシシ特命取材班」は随時配信します。

(ヤギが農作物の鳥獣被害を防ぐ:福島)
オリの中にいるのは、2022年4月、福島県天栄村の農地で捕獲されたハクビシン。天栄村産業課・桑名潤一さん:「有害鳥獣による被害もそうですし、年間の捕獲頭数も年々増加している傾向にあります」。野生動物が増加している要因に考えられているのが、耕作放棄地だ。豊かな自然に囲まれ、農業が基幹産業の天栄村でも高齢化などを背景に担い手となる農家が減少。10年前と比べて7割ほどに減り、作付けされていない田んぼや畑が増えている。野生動物による被害を減らそうと天栄村が2022年6月から取り組むのが「ヤギ」の飼育。天栄村産業課・桑名潤一さん:「村民の高齢化も進んでおり、耕作放棄地の整備というのが中々難しいような状態で、ヤギを放つことによってヤギは自分のご飯を食べる耕作放棄地も整備される」。ヤギの力を借り耕作放棄地の草を取り除き、住み分けを図る狙いがある。ヤギの世話はシルバー人材センターのメンバーが担い、午前と午後の2回健康状態の確認などを行っている。天栄村シルバー人材センター理事長・添田義美さん:「懐いてくれというのが一番、安心感があるというかね。本当に子供みたいに可愛い可愛い所ありますね。放置された農地がまた綺麗になるのではないかという、そういう希望を持ってみんなでやっている」天栄村産業課・桑名潤一さん:「始めた当初はこのぐらいまでは(草が)伸びていました」。ヤギが放牧されているのは、以前キュウリなどを栽培していた17アールの農地。一カ月ほどで全体の約4分の1を除草し、順調に緩衝帯を整備している。一方で、課題も見えてきた。天栄村産業課・桑名潤一さん:「ヤギは生き物なので、病気やケガそういった所に注意してやっていかなければいけないという所がデメリットなのかなと。雨の日とかはなかなか草を食べなかったり畜舎から出てこないという・・除草の進行具合が天気に左右されやすいのかなと思います」。農家の力になろうとしている親子ヤギ。天栄村では2022年10月まで放牧を続け、野生動物による被害の軽減を確かめることにしている。

(推定7000超生息か、増えるクマ「カメラトラップ」で捉え個体識別:福島)
2022年度、クマの目撃情報が福島県で相次いでいる。4月からの3カ月で190件にのぼり、7月には初めて人的被害も発生。県は、すでに発令していた「ツキノワグマ出没注意報」を「特別注意報」に切り替え、市町村に注意喚起の文書を出している。7月11日、福島県にある安達太良山(あだたらやま)。猪苗代町にある登山口から1人で入山した郡山市の40代男性が、下山中にクマに遭遇した。突進してきたクマと接触して転倒、頭に軽いけがをした。2022年度では初めての、クマによる人的被害だ。これを受け福島県は、すでに発令していた「注意報」を「特別注意報」に切り替えた。市町村に注意喚起の文書を出し、人的被害の防止に努めている。また、男性が負傷した翌日の7月12日には、午前9時すぎ、東北新幹線が宮城県栗原市内を走行中にクマと衝突。一時、東京駅~盛岡駅の上下線で遅れが出ている。6月には福島県会津若松市の中心部でも出没するなど、今シーズンはクマの話題が多い。福島県の2022年度の月別のクマの目撃件数は、毎月、前年度の同じ時期を上回っていて、6月までで190件。要因は、2021年の秋に、エサとなるブナやコナラの実が平年並みだったこと。また、今の時期はクマの繁殖期にあたり、より活発に行動するからだという。7月10日には、多くの観光客が訪れる浄土平でも、クマが目撃された。近くに観光客や登山客はなく被害はなかったが、浄土平ビジターセンターなどでは、看板やアナウンスで注意を呼びかけている。県内では近年、クマの目撃頭数・捕獲頭数がいずれも増加傾向にある。目撃頭数は、2013年度は227頭だったが、2020年度は603頭と3倍近くに増えている。比例するように、捕獲頭数も増えた。福島県が発表した県内の生息頭数(推定)は、2018年度の1,927頭~6,550頭に比べ、2020年度は4,425頭~7,116頭に増加。どうやって数えているのだろうか。森の中にカメラを設置して撮影する「カメラトラップ」で、推定頭数を算出しているという。カメラの前の高い位置に、餌を仕込んだ筒を置き、クマが立ち上がるようにする。こうすることで、クマの胸元の月の模様がはっきり見えるようになる。1頭ごとに違う模様を見て、個体を判別して数えているという。最近の推定生息数が増えているのは、森の中のカメラトラップを増やしているので、個体を多く識別できたからというのが理由だそうだ。だが一方で、市街地に出没するクマも多くなっている現状がある。近くにいないか、痕跡に注意が必要だ。成獣の足跡の平均は、長さ約17cm、幅約12cm。フンは、人間と同じか少し大きめで、人間と同じような形をしている。食べたものがほぼそのまま出てきて、時間が経つほど表面が黒くなるという。爪の跡が、木登りなどで樹木に残っていることもあるほか、時には枝を折って木の実などを食べるそうで、鳥の巣のように木の上に折れた枝が集まっていることもあるという。近づかないことが重要だが、音を出すなど、出会わない対策が大切と言えそうだ。

(缶に頭を突っ込んだクマの映像:福島)
NHKの動画投稿サイト「スクープBOX」に南会津町からクマの映像が寄せられました。20日午前9時ごろ、南会津町で撮影された映像にはクマが金属の缶に頭を突っ込んだ状態で歩いている様子が捉えられています。クマは頭を振るしぐさをしますがすっぽりとはまってしまったようで缶は外れません。前が見えないのか道路をうろうろしたあと5メートルほどの段差を踏み外し川に落ちてしまいました。撮影した猪俣幸一さんによりますと、クマはこのあと川の「のり面」を登りきることができず下流に向かって歩いて行ったということです。付近には2頭の子グマの姿もあったそうで、猪俣さんは「かわいそうなので頭から缶を外してあげたいと思った。連絡した役場の担当者たちと再度現場にかけつけたときには姿が見えなくなっていた」と話していました。県警察本部によりますと、20日までのクマの目撃件数は234件で、去年の同じ時期と比べて44件増えています。例年、クマの繁殖期と重なる6月から7月にかけてはクマが目撃されるピークとなっていて、県は7月いっぱいまで「クマ出没特別注意報」を出しています。県自然保護課は、クマの嗅覚は犬よりも強く、ペットフードや生ゴミなどクマのえさとなるようなものを民家の周りに置かないよう呼びかけるとともに、万が一、クマに遭遇した場合は目を離さないようにしてゆっくり後ずさりしながら距離をとって離れるよう注意を呼びかけています。

(「ヒグマ出没」交通規制も多数発生:北海道)
「4月21日午前4時20分ころ、東区北13条東12丁目付近でヒグマらしき動物の目撃情報がありました。周辺住民の方はお気をつけください」「ヒグマを発見したら、大変危険ですので決して近づかず、直ちに避難し110番通報を行うなど十分注意してください」。2022年春、このような“緊急情報”が札幌市から発せされた。前日の20日には同市北区、15日には清田区でも同様に目撃情報が寄せられている。北海道にヒグマがいることはよく知られているが、それがまさか札幌の市街地で目撃されているとは、道外の人々ならずとも驚くのではないだろうか。2021年春に続いて2022年も、開拓期ならいざ知らず21世紀の令和のこの時代に、200万都市の札幌で、このようなことが起こるとは。地元は大騒ぎとなった。人里にヒグマが出没すれば、周辺エリアでは当然、人的被害を防ぐために通行止めといった交通規制などが実施され、市民生活に多大な影響をおよぼす。なぜヒグマが出てくるのか。それは、人間とヒグマの棲む地域が重なり合い出したからだ。 「ヒグマとの共生」が早くから叫ばれ、人間側はいくらか工夫を凝らしたが、うまくマッチングせず。ヒグマはしばしば、街中に姿を現すようになった。ひるがえって、札幌の町を恐怖に陥れた歴史的なヒグマ事件は、1878(明治11)年に当時の丘珠村(現在の札幌市東区)の炭焼き小屋で3人が食い殺された事件だ。当時は開拓が始まって日が浅く、ヒグマとオオカミによる被害が頻発していた。開拓使や北海道庁による大がかりな駆除政策により、オオカミは完全に絶滅したが、ヒグマは一時減少したもののまた増え出し、現在は数千頭が棲息していると言われ、毎年のように騒ぎが起こっている。地元の北海道新聞は「ヒグマは見ていた」という表題で特集を組むなど、再三にわたり報道している。その中のひとつ、北海道立総合研究機構の釣賀一二三(つるが ひふみ)研究主幹による「ここ5年間のヒグマの出没研究」が興味深いので、要約して紹介しよう。まずヒグマの出没例は、(1)長距離移動する若い雄(2)老練な成獣(3)子育てする母グマ以上の3種類に分けられるとしている。(1)のケースは2019年夏、札幌市南区や近郊の野幌森林公園(江別市など)に出没した例と、2021年に石狩市方面から石狩川を渡って札幌市東区の住宅街に現れたクマが男女4人を襲った例だ。それぞれ2歳と4歳の若いクマだった。ともに猟銃で駆除されたが、市街地での猟銃使用は住民の安全確保などから制約があり、対応が難しいのが実際だ。(2)は2019年夏、札幌市南区藤野の住宅街に大ヒグマが毎夜のように出没し、果樹園や捨てられた果樹類が食いあさり、家庭菜園まで荒し出した。このヒグマは2週間にわたり出没し、箱わなを仕掛けてもかからず、追跡したハンターが近くの山林に潜んでいるところを猟銃で駆除した。雌で13歳以上の大物だったという。(3)は2019年夏および2020年初夏、親子連れのヒグマが札幌市南区のすずらん丘陵公園内に侵入し、大騒ぎになったケースだ。そして2022年3月には、西区の三角山でNPO法人の職員ふたりが、冬眠中のヒグマを調査中、母グマに襲われる惨事が発生した。穴の中には2頭の子グマがいたことから、母グマが子グマを守ろうとして職員に襲いかかったのは明らかだった。母子グマはそのまま姿を消したが、穴の中に残されていたクマの毛が2015年から2019年に中央区盤渓の森林で、さらに2019年から2021年にかけて西区小別沢の市民農園で採取した毛と同様で、同一の固体と判断された。これにより雌グマは、激しく移動する雄グマと異なり生活圏が狭く、この地帯で長く繁殖を繰り返していたことが明らかになった。従って人里近くで生まれた子グマは、そこで暮らすのに慣れ、人間と接触する機会が高いと指摘している。さらに2022年5、6月には同市南区中ノ沢の住宅街に、母グマが3頭の子グマを連れて現れたと、各所から目撃情報が届けられた。人々はわが家の戸を締め切り、息を潜めてクマが去るのを待ったという。地元のテレビや新聞は、現れたクマの姿を撮影し報道したため、札幌市民はもとより北海道内全体で大きな話題となった。写真は、親グマが札幌市東区の住宅街の道路を横断しているもので、背後には乗用車が見える。どうしたらクマ被害を防ぐことができるのか。先述の釣賀研究主幹は、まず第一に若い雄グマ対策には草を刈って移動を遮断するのが大事だとしている。雄グマは2歳までに親離れし、4歳くらいまでに雌を求めて身を隠しながら別の土地に移動する習性があるので、草を刈り取ることでクマの移動を遮断するのだという。次に、成獣は強靭(きょうじん)な体を持ち暴れ回るので、果樹園などに侵入させないよう周辺を電気柵で囲んで追い払うのが一番効果的とのこと。最後に子育て中の母グマは近年、人里に近づいて出産する例が増え、2022年3月には西区の三角山登山道付近で、冬眠穴が見つかっている。どんな対策が効果的か、札幌市を中心に論議が交わされているが、これといった決め手がないのが実情だ。クマに揺れる大都会。何やら人間の乱開発に怒ったクマが立ち上がった。そんな風にも見えてくるのは飛躍し過ぎと思いつつも、やはり考えてしまう。

(「RT」…捕殺までの一部始終:北海道)
「18年から相次いで住宅街の飼い犬を襲っていたヒグマ『RT』がついに駆除されました。箱罠にかかり、箱が激しく揺れるほど暴れていたところを、肩に刺した電極から高圧電流を流す機械で仕留められたのです」(羅臼町の職員)。7月11日未明、知床半島・羅臼町で、1頭のヒグマが駆除された。死骸の一部が北海道大学へ送られ、DNA鑑定を行った結果、この個体が羅臼町を恐怖に陥れていたRTだと判明したのだ。「RTとはこのヒグマが最初に目撃されたルシャ地区からつけられたコードネームです。猟友会や町、知床財団は対策を打っていました。しかし箱罠にはかからず、猟師と遭遇した際も猟銃を発砲できない方向へ素早く逃げ出すなど、実に4年間にわたり逃げ続けていた」(地元住民)。例年RTによる被害は6月以降に起きていたため、今年に入り町は監視カメラ付きの箱罠を増設していた。RTが捕獲されたポイントは、昨年6月に3匹の飼い犬が襲われた海岸町・ハシコイ川の付近。箱罠が置かれていなかった場合、再び住宅街へと姿を現していた可能性が高かった。猟友会所属のハンターが語る。「住民を悩ませてきたRTを駆除できたことはよかったです。しかし、ヒグマの餌場である山と海岸の間に位置する羅臼町は、常にクマの通り道になっています。RT以外のヒグマも数多く目撃されている。こうした個体も放置しておけば、いつ人的被害が出てもおかしくない状況なのです」。危険個体が駆除されても、それは氷山の一角に過ぎない。羅臼町を襲う試練は、まだ終わりを迎えそうにはない。

(シカ急増、自動車との衝突事故は5年前の2倍に:北海道)
北海道内では住宅街にもシカの出没が増え、交通事故や食害などの被害も深刻化しています。夕暮れ後の国道を走る車の目の前に、突然飛び出してきた2頭のシカ。車はよけきれずに1頭と衝突しました。北海道道警察によりますと、自動車がシカと衝突する事故はここ5年間は、毎年増えていて去年は4009件‥5年前の2倍となっています。なかでも最も多かったのが苫小牧市の303件。人の生活するエリアに現れるシカが増えています。去年3月、市内小学校のグラウンドシカ20頭がかけまわりました。中心部に近い市立病院の前にも。悠然と草や葉を食べるシカたちこうした光景は、もはやめずらしくないといいます。北大文学研究院立澤史郎助教:「石狩平野はもともとシカの一大生息地。人が開発して都市圏をつくってシカが追い出されたんですけれど、コロナ禍で人の活動が鈍ったということでだーっと山から降りてきたという情況だと思います」。山に隣接した住宅街、苫小牧市桜坂地区。市では当初初、オオカミの糞でシカを寄せ付けないように対策をおこないましたが、あまり効果が出ませんでした。そこで町内会で独自にシカが侵入しないよう、ネットの柵を設置しました。桜坂町内会小杉茂・副会長:「全部で10万円以上はかかっています飛び出して車だとか人と接触しないようにっていう対策としては、これがベストかなと思って設置したわけなんですけどあるのかな」。シカの被害は農地でも深刻です。根室市内の牧草地にもシカの姿が…。道内で相次ぐ、『シカによる農林業への食害被害』被害の減少が続いていましたが、2020年度には増加に転じ、40億円を超えました。北大・文学研究院立澤史郎・助教:「(繁殖率は)平均で20%くらいシカが特徴的なのは、栄養状態がいいと30%くらいに上がるあがるときも」。シカの推定生息数は2011年をピークに減少していたものの、3年前に増加に転じ、最近の調査では67万頭とみられています。鶴居村鳥獣対策員桂川裕介さん:「あそこで被害量の調査してるんですよね」道東の鶴居村で鳥獣対策を行う桂川裕介さん。桂川裕介さん『この地域でシカの被害量がどれくらいかというのを推定するために立てていて」。別の場所で撮られた写真を見ると…ケージで囲った部分は、シカが食べることができないので高さ120センチほどまでに成長していますが、ケージの外はシカに食べられ伸びていないのがわかります村ではシカによる牧草などの農作物が食べられる被害が年々増加し、去年初めて被害額が1億円を超える事態に。酪農家館山祐介さん:「ルーサンヘイという草なんだけど、わざわざ種植えるだけどみんな食われちゃって頭だけないの、(ブチッ)こう一番上はやわらかいから、一番栄養あるし食っちゃうんだよね」。電気柵を設置してシカの侵入対策をしていますが草が伸びて柵と触れてしまうと電気が流れにくくなってしまいます。酪農家館山祐介さん:「草刈り管理が本当に大変農作業やりながら牛の仕事するっていったら本当に追いつかない」。シカの被害を減らそうと1昨年度、道内では前の年より2万3000頭多い、13万頭のシカが捕獲されています。しかし、そのハンターたちを悩ます問題もあらたに出てきています。鶴居村鳥獣対策員桂川裕介さん:「弾の不足ですよね」。業界団体などによると新型コロナなどの影響で、国内では1年ほど前から銅製の弾の品薄状態が続いています。捕獲による対策を進めるいっぽうで、市街地に現れるシカへは早急な対策が必要です。北大・文学研究院立澤史郎・助教:「産まれたこどもは、そこが故郷になってしまうのでよほど追いたててもそこに帰ってきてしまう」。人里に今やってきているのは、ほとんどがオス。やがてはメスを連れてきて、人里で子育てする可能性もあるそうです。オスだけが徘徊している、いまのうちに山へ帰すことが、最優先の課題です。

(憩いのビオトープ、イノシシ被害防止へ再整備:山口)
山口県岩国市南岩国町の麻生田自治会(160世帯)が、ビオトープのある地元の遊水池で憩いの広場づくりを続けている。安心して住民が交流できるよう、イノシシの被害を防ぐ柵を設けたり、古くなった遊具を作り替えたりと、力を合わせて作業に汗を流している。

(特急大雪がクマと接触し緊急停止:北海道)
21日午後6時20分ごろ、オホーツク管内遠軽町のJR石北線上川―白滝間で、旭川発網走行き特急大雪3号(4両編成)がヒグマと接触し、緊急停止した。乗務員2人と乗客30人にけがはなかった。JR北海道によると、列車は直後に運転を再開した。列車後方の線路上にいたクマを除去するため、後続の特急2本を運休し、約60人に影響が出た。

(ヒグマ2頭に遭遇、施設閉鎖相次ぐ:北海道)
八雲町熊石大谷町で21日、国道を歩く親子とみられるヒグマ2頭に遭遇した。クマは国道脇の土砂崩落防止の鉄柵を乗り越えようとしたが断念し、国道を横切って反対側の草むらに入っていった。直後、男性が乗ったオートバイが通過。クマとの距離は5メートルほどだったが、男性は気付かなかった。

(クマの目撃相次ぐ:和歌山)
和歌山県田辺市中辺路町西谷で21日午後5時過ぎ、クマの目撃情報があった。市中辺路行政局は防災・行政メールなどで注意喚起している。中辺路町内では20日にも小皆地区でクマが目撃されたばかり。同行政局は「家の周りに生ごみなどを放置せず、山に入るときは鈴やラジオの音で人の存在を知らせてほしい」と呼びかけている。市大塔行政局によると、同市鮎川でも21日午後8時ごろ、クマとみられる目撃情報があったという。

(道路を横断するクマを目撃:新潟)
25日午後5時すぎ、長岡市栖吉町で道路を横断するクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。目撃された場所は民家の近くで、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(校門前にクマ3頭:秋田)
25日午前7時20分ごろ、北秋田市桂瀬字下柏木岱の森吉中学校の校門前にクマ3頭がいるのを、近くを通りかかった男性が目撃し、学校を通じて北秋田署に通報した。けが人はいなかった。学校は夏休み中で、校舎内に生徒はいなかった。署によると、クマは校門周辺から学校敷地内に入った後、東側の山林へと去った。大きさは不明。民家まで約50メートル。署はパトカーで付近を警戒し、注意を呼びかけている。

(利尻島でクマのような動物を目撃:北海道)
25日、道北の利尻島でクマのような動物を目撃したとの通報があり、警察は26日朝から痕跡を探すとともに付近の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、25日午後6時半ごろ利尻富士町鬼脇の道道でクマのような動物が道路を横切っているのを見たとの通報がありました。通報した人によりますと、目撃した動物は1メートルくらいの大きさで、黒っぽい色をしていたためクマではないかとして通報したということです。警察によりますと、利尻島では島内にはクマがいないとされていて、平成30年にヒグマが確認されましたが、その後、目撃したとの情報はなかったということです。警察は26日朝から、痕跡を探すとともに付近の住民に注意を呼びかけています。

(スイカ5個食べられる、クマによる被害か:山形)
24日、大石田町の畑でおよそ5個のスイカが食べられているのが見つかり、警察はクマによる被害とみて注意を呼びかけています。警察によりますと、24日午前8時ごろ、大石田町田沢の畑でおよそ5個のスイカが食べられているのを近くで作業をしていた男性が見つけました。25日になって役場から通報を受けた警察が調べたところ、足跡や食い荒らされたスイカの痕跡からクマによる被害とみられ、警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、クマによるとみられるスイカの被害は今シーズン、2件目だということです。現場は、田沢公民館から南西におよそ250メートルほどの場所です。

(ジビエ料理でイノシシの肉PR:鳥取)
ジビエ料理などで注目されるイノシシ肉の魅力を多くの人に知ってもらおうというイベントが北栄町で開かれました。このイベントは、害獣として捕獲されたイノシシを飼育して、ジビエ店などに出荷する全国でも珍しい取り組みを進めている「日本猪牧場」が開きました。北栄町の会場には、9つの飲食店やキッチンカーが集まって、イノシシ肉を使ったキーマカレーやタコスなどを格安の価格で提供し、訪れた人たちは、青空のもと、独特のジビエ料理を楽しんでいました。また、会場では、イノシシの皮を使った財布などの革製品も販売され、多くの人が手に取ってその肌触りを確かめていました。料理を味わった女性は「おいしいです。お肉がしっかりしてて、臭みがなくていいですね」と話していました。イベントを主催した「日本猪牧場」の徳岡憲一さんは「いい肉、おいしい肉を、みんなに体験してもらい、イノシシの肉が広がっていってほしい」と話していました。

(ごろっとシカ肉、レトルト食品に:北海道)
新冠町内の食肉加工業「北海道食美楽」(石崎英次社長)は今月から、エゾシカ肉を使ったレトルト食品の販売を開始した。同社が加工食品を販売するのは初めて。道の駅「サラブレッドロード新冠」で販売されているほか、町のふるさと納税の返礼品としても扱われている。同社は2005年の創業以来、ハンターから買い取ったエゾシカを食肉に加工処理し、レストランなどに販売する食肉加工業を主として営業していた。

(信州ジビエまるっと体験:長野)
オリジナル商品を製作するグルーバーレザー(所在地:長野県千曲市、代表:徳永 直考)は、2022年7月26日(火)にグーギーズカフェ 千曲店にてジビエの鹿肉料理と鹿革ワークショップのイベント「信州ジビエまるっと体験」を開催します。

(元農協職員がシカ肉加工会社:北海道)
美唄市進徳町の山本峻也さん(35)が美唄市農協を退職し、エゾシカなどの食肉加工会社「Mt.(エムティー)」を設立した。農協時代、農家らから野生動物による農業被害を耳にしたことが起業のきっかけになった。加工場を新設し、10月にもハンターからの買い取りを始める考えだ。山本さんは同市出身。北翔大を卒業後、農協職員を養成する北海道農業協同組合学校(JAカレッジ、江別市)を経て、美唄市農協に就職した。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前8時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場西向にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前6時30分ごろ、仙台市泉区福岡下野中沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後4時30分ごろ、仙台市泉区寺岡1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後4時20分ごろ、仙台市泉区寺岡1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、24日午前7時30分ごろ、利府町赤沼越戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、22日午前9時10分ごろ、丸森町耕野岩の国道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前8時ごろ、仙台市青葉区上愛子下十三枚田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後0時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋山根にクマが出没しました。

TOPへ

7/22
(サルの被害相次ぐ、25人がケガ:山口)
7月8日から、山口市でサルが小学校や住宅で人を襲う被害が相次いでいます。21日までに25人がケガをしています。「小郡地域にサルが出没しています。戸締まりをしっかり行ってください」。19日、山口市の小郡地区では、市役所の車が警戒を呼びかけていました。この地域では今月8日からサルが小学校や住宅で人を襲う被害が相次いでいて、21日までに25人がケガをしています。この女性は、背中や右足にケガをしました。襲ってきたサルの体長は、30センチから40センチほどだったといいます。被害が相次いでいることを受け、山口県や市、警察が対策連絡会議を22日に開く予定です。

(自宅で改造拳銃と実弾5発所持の疑い:大阪)
大阪府八尾市の自宅で改造拳銃を所持していたとして、無職の男(69)が逮捕されました。男は「20年前、露天商の親方から預かって形見にしていた」と話しているということです。銃刀法違反の疑いで11日、逮捕されたのは、大阪府八尾市に住む無職・蜷川浩二容疑者(69)です。蜷川容疑者は5月、自宅の寝室で回転弾倉式改造拳銃1丁と、実弾5発などを所持していた疑いがもたれています。警察の調べに対し、蜷川容疑者は容疑を認めているということです。警察によりますと、5月、蜷川容疑者が拳銃を所持しているという情報が警察に寄せられ、家宅捜索をしたところ、段ボールの中にタオルに巻かれた状態の拳銃と、ポリ袋に入った実弾8発が見つかったということです。鑑定の結果、拳銃はモデルガンを改造したものでした。蜷川容疑者は拳銃を入手した経緯について、「約20年前、露天商の親方から預かって、その後、親方が亡くなり形見と思って大切に保管していた」と、話しているということです。

(雨竜沼湿原、秋からシカ駆除:北海道)
空知総合振興局は今秋から、ラムサール条約登録湿地の雨竜沼湿原に出没し、エゾカンゾウなどの植物への食害をもたらしているエゾシカの捕獲を始める。高層湿原での駆除は全国的にも前例が少ないことから道立総合研究機構(道総研)と調査を行い、有効な対策を検討している。雨竜沼湿原では、2013年ごろから初夏から秋にかけての雪がない期間にシカが侵入。ボランティア団体「雨竜沼湿原を愛する会」が、エゾカンゾウやタチギボウシなどの植物が捕食されているのを確認している。道総研の調査によると、17~21年は同湿原のエゾカンゾウの83~99%に食害があった。

(ニホンジカの試験捕獲開始:長野)
環境省は6月6日、北アルプスなどを区域とする中部山岳国立公園で初となるニホンジカの試験捕獲に向け、上高地の梓川河川敷に餌を置き、シカをおびき寄せる作業を開始した。繁殖や移動を抑え、高山植物への被害を防ぐ対策を探る。環境省によると、2010年ごろから八ヶ岳や南アルプスなどの高山帯で、シカによる植生への被害が深刻化。食害や踏み荒らしなどによって、コマクサやクロユリといった希少な高山植物が被害を受け、ライチョウや高山チョウのすみかが損なわれるなど、高山帯の生態系が大きく変化している。それにより、防護柵の設置やシカの捕獲などが進められてきたが、いまだに苦戦を強いられている状況だ。環境省信越自然環境事務所によると、上高地では14年以降シカの目撃数が増加。21年度に大正池~河童橋間の40地点に自動撮影カメラを設置したところ、梓川の両岸で少なくとも11頭を確認した。その後も、今年5月には6頭の群れが撮影されるなど、すでに一帯で繁殖している可能性もある。今回始まった上高地の試験捕獲によって、生息密度を管理するノウハウの蓄積を図る。ただ、北アルプスエリアでは、シカの生息密度が低い段階にあり、行動経路もわかっていないため、捕獲手法は手探りの状態だ。6日から1週間ほど餌づけを行ない、行動範囲を狭めた上で捕獲を試みる。6日は同事務所の職員らが、捕獲用くくり罠を仕掛ける予定の10カ所に牧草を使った餌を配置。その後、約2週間かけて一帯に30基ほどの罠を設置した。26日までの実施期間に捕獲した2頭は松本市の処理業者へ運び、食肉に活用されている。

(道南のクマ出没、生活・観光に影:北海道)
道南でヒグマの出没が相次ぎ、市民生活や観光に影響が出始めている。15日に高齢夫婦がクマに襲われた松前町白神地区では、地元の小学校が児童の登下校時の安全確認を保護者らに求めているほか、付近でクマのふんが見つかった函館市南茅部地区の大船遺跡では臨時閉鎖が続く。通報件数も昨年を上回るペースで、道警函館方面本部は警戒を強めている。松前町は16日朝から、夫婦が襲われた現場付近に箱わなを設置。町によると、地元のハンターらがふんや足跡なども確認しているが、今のところ新たな痕跡は見つかっていないという。同本部は22日ごろまで、24時間態勢でパトカーによる巡回を続ける。

(都会にすむタヌキやアナグマは「早食い」だった!)
シカ、イノシシ、サルなどの野生動物が、大都市圏に出没というニュースがよく聞かれるようになった。シカやイノシシは近づくと危険なので出没すると大騒ぎになる。一方、タヌキやアナグマのように小型で人にあまり害を及ぼさない動物は、すでに都市の森や周辺の住宅街にまでしっかりと分布を広げている。では、都市に進出した動物はどんな生活をしているのだろう? 現在好評発売中の小中学生のためのニュースマガジン『ジュニアエラ7月号』(朝日新聞出版)から紹介する。東京農工大学大学院特別研究生の大杉滋さんと小池伸介教授らの国際共同研究チームは、「山間部の森林」と、住宅街に接した「都市の森林」にすむタヌキとアナグマの食事のしかたを調査して、興味深い事実を明らかにした。どんなことがわかったのだろう?タヌキもアナグマ(ニホンアナグマ)も木登りが得意ではない動物で、地面近くの昆虫や、木から落ちてきた果実を食べている。とくに果実は主食なので、大杉滋さんと小池伸介教授らはこれらの動物がどのように果実を食べているのか、二つの調査を行った。6月ごろに熟して落ちるヤマザクラの実を食べるときに、山間部の森林と都市の森林で、タヌキとアナグマが1回の食事にかける時間を調べた。山間部の森林は、東京都八王子市の森林総合研究所の試験林、都市の森林は東京都三鷹市にある国際基督教大学(ICU)キャンパス内の森林だ。現れた動物を感知し自動撮影するカメラを設置。それぞれの食事の様子を録画した。山間部の森林ではタヌキは61回、アナグマは63回、都市の森林ではタヌキは23回、アナグマは24回、ヤマザクラの実を食べる様子が録画されていた。それらを詳しく調べると、都市の森林にすむタヌキとアナグマは、山間部の森林よりも夜間に食事をすることが多かった。さらに、1回あたりの食事にかける時間は、タヌキもアナグマも、都市の森林では山間部の森林より短いことがわかった。ICUの森林の中で、タヌキとアナグマがどのような木の下で食事をしているかを調べた。この調査は秋に行い、ムクノキとイチョウの実を食べる様子を、自動撮影カメラで録画した。木の実を食べる動物は、効率よく食事ができるように実がたくさんなった木を選ぶのがふつうだ。しかし、警戒心の強い動物は周囲からの見通しを気にするとも考えられる。そこで、実がたくさんなった木を選ぶのか、それとも根元にやぶが茂って周囲からの見通しが悪い木を選ぶのかを調べた。タヌキでは計397回(イチョウで316回、ムクノキで81回)、アナグマでは144回(イチョウで12回、ムクノキで132回)の食事の様子が録画されていた。それらを分析すると、タヌキもアナグマも実がたくさんなった木を選ぶのではなく、根元にやぶが茂り周囲から見通しの悪い木を選んで、実を食べていることがわかった。小池教授は次のように語っている。「タヌキもアナグマも、さまざまな環境に比較的、適応しやすい動物です。しかし、人間の活動が盛んな都市に、どのように適応しているか、よくわかっていませんでした。二つの調査からは、都市ではタヌキやアナグマが人間を避けるように、素早くこっそりと食事をしていることが明らかになりました。彼らは、私たちが想像する以上に人間をよく観察しているのかもしれません。どこまで人間の生活圏に入っても大丈夫か試しながら、人間の反応を注意深く見て都市の環境に適応しているのだと思います。今回は、食べる行動だけに焦点を当てましたが、もし食べる量が総量として減っているのであれば、生まれる子の数が少なくなる可能性や寿命が短くなっている可能性もあります。今後、一回に産む子の数なども調べていくと、彼らは彼らなりに苦労して、都市にすんでいることがわかってくるかもしれません」。今から40~60年前ごろは、東京郊外の多摩ニュータウンに代表される大規模開発が各地で行われ、人里近くにいた野生動物は、山奥に追い込まれていった。ところが現在は、大都市郊外では高齢化や人口減少が進み、山林に接した農村では耕作放棄地が増えるなど、人間の野生動物に与えるプレッシャーも小さくなってきている。その結果、野生動物が都市に迫ってきたのではないかと小池教授は言う。「近年の野生動物には『人間は大したことないじゃないか』と見えているのかもしれませんね」。小池教授らの調査では、ICUのタヌキは住宅街に出てくることがあっても、木の実や昆虫など自然由来のもので生活していることがわかっている。都市にいる動物は、かわいそうな動物、えさが不足している動物と決めつけてはいけない!野生動物は、どんな病原体を持っているかわからないので、決して触れてはいけない。動物が逃げ出さない程度の距離からそっと観察しよう!

(野生動物のふん探し:長野)
私たちの身近にはたくさんの野生動物が生息しているが、ほ乳類は夜に活動するものが多く、直接観察することは難しい。だが、痕跡に着目すると種類や生態、暮らしぶりをうかがい知ることができる。彼らの“落とし物”であるふんを探しに出かけてみた。記者がふんの観察をしてみようと思ったきっかけは、昨年取材した大町市の八坂中2年生(当時)女子3人の取り組みだ。通学路付近に出没する動物のふんを片付けながら種類や分布を調べ、地域の獣害対策にも役立てたいというもの。道端のふんを探して観察、ほぐして内容物を確認して記録。なんともシュールな光景だが、とても楽しそうな様子で興味をそそられた。彼女たちに見分け方などを教えた、野生動物に詳しく猟師でもある市立大町山岳博物館学芸員の藤田達也さん(33)と、同市八坂地区の野山を訪れた。獣道近くの舗装路の端に目をこらすと、早速、実のような物を含んだふんを発見。藤田さんによると、節に分かれて連なる「モスラ(架空の怪獣)」の幼虫に似ている形状のふんは、ほぼニホンザルのものだという。ぶつぶつしたものは消化されなかったサクラの実とみられる。三原にある「野菜団地」で見つけた同じようなふんからは、昆虫の足や羽なども確認でき、藤田さんは「実も虫も食べるからテンかハクビシンか。サルの可能性も高い」。形状や大きさ、生態の特徴を知っておくと判別しやすそうだ。俵状で、黒いころころとした形状はニホンジカ。野菜団地の舗装路で見つけた。畑に面した山に少し入ると、一面におびただしい数のシカふんが。「これを見た時には絶句しました」と藤田さん。畑のマルチシートの上には群れが通ったとみられる足跡も。温暖化、天敵や狩猟者の減少などで同市周辺にも進入して数が増え、農作物や生態系に深刻な影響を及ぼしている現状も目の当たりにした。一定範囲の縄張りを持つニホンカモシカ(ウシ科)のふんは、ニホンジカと似ているが少し細長い。決定的な違いは、トイレのような決まった場所でする「溜(た)めふん」だ。野生動物は所構わずのイメージだったので驚いた。タヌキも溜めふんの習性がある。大町の里山の舗装路で観察しやすいのはシカやクマ、キツネ、ハクビシン、サル、テンなどのふんという。「ふんだけでは種類の判断が難しい場合もあるので、足跡など複合的に見ると分かりやすい」と藤田さん。巣や食痕なども含めて「フィールドサイン」と呼ばれ、子どもの夏休みの自由研究で取り上げても面白そうだ。野山を訪れる機会の多い夏、足元に注目してみては―。

(ワーケーションで鳥獣被害学ぶ:徳島)
阿波(徳島県)の魅力と休暇を楽しみながら仕事をする徳島県の「アワーケーション」が三好市で行われた。全国から5人が参加し、鳥獣被害対策を学んだ。プログラムでは、市内で捕獲・加工された野生鳥獣の肉「ジビエ」を使った料理を堪能。狩猟免許を持つ市職員と山に入り、動物の生態について説明を受け、職員がわなを設置するのを手伝った。大阪府から家族3人で参加した会社員の五十川敦史さん(38)は「『田舎暮らしは嫌だ』と言っていた妻から『住んでみたい』と言ってもらえた。良い経験ができた」と話した。市内では農作物への食害が深刻化。シカ・イノシシの捕獲頭数は激増しているが、1割程度しか食肉にできていないという。市担当者は「食害の現状やジビエのおいしさをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話した。プログラムは2020年から行っており、今年は13回実施する。いずれも違う内容で、ウミガメの生態を学んだり、うどんの手打ち体験をしたりする。

(市街地のクマ、対策本腰:岩手)
ツキノワグマの市街地への出没増加を受け、県は20日、盛岡市若園町の市総合福祉センターで野生獣類市街地出没時対応訓練を初めて実施した。県によると、本年度は人身被害が多く、19日時点で既に昨年度1年間の総数に並ぶ統計開始後最速ペース。関係機関や団体は危機感を強め、人身被害の防止に向けて対応を検討した。机上訓練には自治体や警察、地元猟友会などの32人が参加。「午前6時に盛岡市内で住宅地にクマが入って行った。近くには保育園もある」との通報を受けた想定で行った。

(約3100個の桃が食べられる被害、クマか:秋田)
大館市の果樹園でおよそ3100個もの桃が食べられたり落とされたりする被害を受け、警察は、クマによるものとみて注意を呼びかけています。被害があったのは大館市軽井沢の果樹園で、警察によりますと、およそ3100個もの桃が食べられたり落とされたりしていたということです。果樹園を所有する畠山良光さん(71)によりますと、今月5日から20日まで、毎日のようにクマが果樹園にあらわれていて、18日も午前4時ごろにクマが果樹園の電気柵を飛び越えて桃を食べているのを家族が見つけたということです。桃の木の枝が折られていたことなどから、クマは木に登って桃を落としているとみられるということです。警察は、果樹園でクマのものとみられるふんや爪痕が確認されたことから、クマによる被害とみて、周辺に注意を呼びかけています。畠山さんは「冬の間から真心こめて育ててきた桃が、出荷直前に食べられてしまい寂しいし悔しく思います。早くクマが捕獲されてほしいです」と話していました。

(東北中央道で車とクマ衝突:山形)
20日午後7時50分ごろ、尾花沢市芦沢の東北中央自動車道で、乗用車を運転中の40代男性がクマ1頭と衝突したと110番通報した。男性にけがはなかった。尾花沢署によると、クマは体長約1メートル。男性が時速約70キロで南進中、突然道路左から出てきたクマと車の左前部でぶつかった。男性はそのまま車を走らせ、約1キロ先の野黒沢インターチェンジで下り通報した。20日午後6時ごろ、米沢市通町3丁目でクマ1頭を目撃したと40代男性が市役所を通じて米沢署に届け出た。同署によると、クマの体長は約1メートル。男性が車で西へ向かっていたところ、道路を左から右に横切り、JR奥羽本線沿いの防風林へ入っていくクマを目撃した。現場は米沢五中の西側約200メートル付近。

(シカと列車が接触:北海道)
20日午前7時10分ごろ、苫小牧市のJR千歳線沼ノ端―植苗間で、苫小牧発手稲行きの普通列車(6両編成)がシカと接触して停車した。乗員と乗客380人にけがはなかった。

("ヒグマ事故"多発でパネル展:北海道)
北海道では、ヒグマによる人身事故が多発していることから、注意を呼びかけるパネル展が札幌市内で行われています。札幌市中央区の地下歩行空間で行われているパネル展では、ヒグマの生態や遭遇した場合の対処方法、市街地に引き寄せないために人の食べ物の味を覚えさせないことなど、事故に遭わないためのルールが41枚のパネルで紹介されています。道内ではヒグマによる人身事故が増えていて、2021年度は過去最多となる14人の死傷者が出ています。また道南の松前町では7月15日、畑仕事をしていた高齢の夫婦がヒグマに襲われ、大けがをしていて、北海道では警戒を強めています。パネル展は7月22日まで開かれています。

(わなをシェア、おいしくいただくシカ肉:長野)
山の中にわなを仕掛け、捕獲したシカの肉を仲間とともにいただく。そんな猟師の営みを、街にいる人たちに模擬体験してもらう取り組みが長野県で行われている。その名も「罠ブラザーズ」。害獣として駆除したシカ肉の有効活用やわなの管理費の確保のため、地元の猟師集団が始めた試みだ。参加者からは意外な反応が寄せられたという。6月中旬、長野県のほぼ中央部に位置する長和町の山林。「この線がシカが通った跡です」。地元の猟師集団「山学ギルド」のメンバーの一人、猟師の手島昭夫さん(36)が、斜面を指さして教えてくれた。「痕跡をヒントにしてシカが通りそうな場所にわなを仕掛けていきます」。浅く掘った穴にわなを置き、土と落ち葉で隠した。踏むとワイヤが足に絡みつく仕組みになっている。「わなを仕掛けてから食べるまでが猟。罠(わな)ブラザーズではその全てを体験してもらいたい」。企画者の川端俊弘さん(41)はそう語る。

(私たち“ジビエ部”です:高知)
誰もが安心して暮らせる社会の実現にむけて、高知県で進む取り組みをお伝えする、「未来につなぐSDGs」今回はジビエ料理を通して、「陸の豊かさを守る」活動に取り組む、“ジビエ部”の高校生たちです。高知商業高校、ジビエ商品開発・販売促進部。創部5年目を迎えた通称“ジビエ部”には現在20人以上の生徒が所属しています。全国的に問題となっているシカやイノシシなどの野生鳥獣による被害。県内での被害額は2012年度の「3億6000万円」をピークに年々減少していますが、2020年度で「1億1300万円」と、依然として大きな被害が出ています。こうした現状を知った生徒たちが立ち上げたジビエ部。ジビエをおいしく食べてもらうための商品開発に積極的に取り組み、イベントへの出店やレストランの運営で得た収益を県内の森林保護活動に寄付してきました。コロナ禍で活動が激減する中、去年は新たな活動にも挑戦しました。(高知商業 ジビエ部3年 山崎美雨さん)「コロナで直接販売する機会がなく利益がなかったのでちょっとでも寄付するためにクラウドファンディングで寄付を集めました」。クラウドファンディングです。SDGsの15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」を目標に掲げました。(高知商業 ジビエ部3年 部長 小松大耀さん)「私たちがしている活動が森林を守る活動。つまり陸の豊かさを守ることにつながるのでSDGsの活動につながってるなと思って設定しました」。1か月間の支援の呼びかけで、予想を大きく超える額が集まり、今年3月にはこれまでで最も多い30万円を森林保護活動に寄付することができました。(高知商業 ジビエ部3年 近森蒔南さん)「インターネット上で多くの人の応援や感謝の言葉を目にすることができて、高知だけじゃないんだな、わたしたちのやってる活動は意味のあることだったんだなと感じることができました」。では、実際にジビエ部の生徒たちは、どのような商品を開発しているのでしょうか。高知商業高校の、通称“ジビエ部”。ジビエをおいしく食べてもらうための商品開発に取り組み、商品を販売して得た収益を、県内の森林保護活動に寄付してきました。6月、高知市のひろめ市場に出店し、シカ肉を使った「ジビエパイ」と「シカジャーキー」を販売しました。定期的に場所を提供しているひろめ市場は、ジビエ部から出店料を取っていません。(ひろめカンパニー 浜田泰伸 企画営業部長)「高知商業ジビエ部が森林保護活動をしているということで、私どもも微力ながら貢献したいという思いから、寄付に回していただければと」。ジビエ部の活動を通じて森林保護の意識が地域へと広がっています。(高知商業 ジビエ部1年 内川凌太さん)「自分たちでも販売することによって助けられることがあるんだなと思ってこれからも頑張っていきたいなと思います」。ジビエ部のメンバーは高知市役所2階にあるレストランの厨房にいました。25日(月)にオープンする期間限定レストランのため、調理の練習です。提供するメニューは、シカ肉を使ったオムライスと、ハンバーグ!ジビエ部の生徒たちを指導しているのは、レストランの総料理長を務める“現代の名工”、島田和幸シェフです。一人一人に、オムレツの作り方を教えます。期間限定でオープンする、ジビエレストラン。ここで生徒たちが提供するのは、シカ肉入りのオムライスとハンバーグです。ジビエへの抵抗を少しでも和らげようと、子どもから大人まで誰もが日ごろ食べ慣れているメニューを選びました。(高知商業 ジビエ部1年 公家悠希さん)「シェフの方が優しく教えてくださってやっているうちにどんどん緊張がほぐれて失敗も多くあったんですけど本番までにはもっとうまくできるように家でもしっかり練習していきたいなと思っています」。(高知商業 ジビエ部3年 部長 小松大耀さん)「やっぱり臭みがあると思われがちなのでジビエ肉はこんなにおいしいがやとおもっていただければいいなと思います」。高知商業高校ジビエ部による期間限定のジビエレストランは、来週25日(月)にスタートします。

(日本の田舎が大好き「わらじ」を愛するイギリス人:長野)
特集です。県内で一番人口の少ない村で、ある外国人が奮闘しています。注目しているのは、「わらじ」。わらじを使った新たな村おこしが始まろうとしています。お気に入りのわらじをはいて山道を登ります。わらじを愛し、日本文化に熱中しているイギリス出身のマイケル・キングさん33歳。マイケル・キングさん「どうしても日本の田舎が大好きで、わらじは私の中の田舎のシンボルになっている」。信州の南端に位置し、岐阜県との境にある下伊那郡平谷村。曾村民は385人と県内の市町村で最も人口が少ない村です。キングさんは2年ほど前に平谷村の地域おこし協力隊として採用され、日本で狩猟の免許をとり、農作物を荒らすハクビシンやイノシシなど有害鳥獣の駆除も行っています。キングさん「ジビエの肉を販売ができるように、ビールと一緒に販売したいと思っている。楽しい。全然寂しくない集落です。(平谷村は)水がすごくきれい」。この日の午前中、キングさんは田んぼに向かいました。きれいな水を生かし、農薬を使わないコメ作りを去年から行っています。キングさんにとっては鳥のさえずりや風の音といった自然を感じられるお気に入りの時間です。平谷村での生活を満喫しているキングさんですが、平谷村への移住は大きな人生の分岐点がきっかけでした。生まれてから大学生までイギリスで生活史ていたキングさん。卒業後は外国で暮らしたいと10年前に来日しました。沖縄県にある人口60人ほどの離島、慶留間島の小中学校で外国語指導助手に就きました。1年間の滞在のつもりでしたがそこで妻の美南さんと出会い結婚。外国語指導助手を辞め、夫婦でカフェを営んだり観光ガイドをして生活しました。その後、屋久島に移り住み、2019年には長男の水葉くんが生まれました。しかし、早産だったため、一度、妻の実家がある東京に引っ越し、キングさんは、富士山の山岳ガイドなど、外国人向けのアウトドア事業を始めました。しかし、新型コロナウイルスの流行で客が一気にゼロになりました。キングさん「私の息子が生まれたばかりで、無理やり東京に住まなくていい。沖縄に住んでいた時は50人くらいの人口の島に住んでいた。すごく楽しかった。山バージョンがあるかなと思って、平谷村だと思った」。今は、平谷村の賃貸住宅で妻と長男の3人で暮らすキングさん。家族もキングさんの大きな決断を応援してくれています。妻・美南さん「都会とは全然違う。いつも声かけてくれたりとか気にかけてくれたりするのがすごくうれしい」。日本文化には特に興味津々のキングさん。その中で一番好きなのが、わらじです。わら細工の体験会をきっかけに興味を持ったキングさん。去年から週に1回、飯島町の工房に通い、師匠からその技を教わっています。かつては、日本人の生活に欠かすことができなかったわらじ。靴の普及で今の私たちの生活では触れる機会がないものになりました。キングさんは、このままではわらじを作れる人がいなくなり、わらじの存在が消えてしまうのではないかと心配し、ある取り組みを企画しました。キングさん「わらじは気になるもので、かっこ良さがある。どうやってわら細工を含めて使うのがいいかと考えて、わらじマラソンではないかと思って」。9月3日と4日に初めてとなる「平谷村草鞋(わらじ)マラソン大会」を開きます。この日は、村内の友人とコースの下見。イベントでは、1日目に職人からわらじ作りを教わり、2日目にわらじを履いて平谷村のコースを走ります。コースは役場近くの諏訪神社をスタートし、標高1570メートルの長者峰駐車場までのおよそ4キロ。途中、山道を通り、標高差600メートルを駆け上がります。定員は100人ですがすでに半数以上の予約が入っています。キングさん「昔は毎日、学校にわらじを履いていきました。今の若い人はわかっていないから、その文化が無くなる前に早く守らないといけないと思う」。外国人だからこそ感じられるすばらしい日本文化を後世に。ゆくゆくは、外国人にも楽しんでもらえる平谷村の観光の柱に育てていきたいとキングさんは意気込んでいます。

(冬眠中のクマの血清に人間の筋肉細胞を増やす効果があることが判明)
あの手この手、熊の手を使って筋肉を増やしたいのなら、本物のクマが力になってくれるかもしれない。広島大学の研究グループによって、冬眠中のツキノワグマの血清に、ヒトの筋肉を増加させる効果があることが明らかになった。これは長期間眠り続けねばならないツキノワグマが、筋力を維持するためのメカニズムだと考えられる。我々人間の場合、筋肉を使用しなければ徐々に衰えいく。一定期間寝たきりの入院したことのある人なら実感済みだろう。広島大学のプレスリリースによれば、寝たきりの状態が続けば筋力は1日に0.5~1%ほど低下し、体の機能が低下してしまうそうだ。筋肉を使わない生活や、加齢などが原因で筋肉量が減少したり筋力が低下していくことを、サルコペニアという。筋肉が体を動かすだけでなく、エネルギー代謝や熱生産など、生きるうえで大切な機能に関係していることを考えれば、由々しき事態だ。ところがツキノワグマをはじめ、冬眠する動物はそうではない。冬の間、何ヶ月も飲まず食わずで眠り続けるというのに、筋肉が大きく落ちることはない。冬眠中に骨格筋が萎縮することを防ぐ不思議な耐性があるのである。広島大学大学院の宮崎充功准教授らは、そのメカニズムの一端を学術誌『PLOS ONE』(2022年1月25日付)に掲載された研究で解説している。冬眠中のツキノワグマから採取した「血清(血液が凝固した時、上澄みにできる淡黄色の液体成分)」を「ヒト骨格筋細胞」に与えてみたところ、骨格筋細胞のタンパク質量が増加した。さらに冬眠期ツキノワグマ血清が、タンパク質合成系や分解系の制御に関係していることも明らかになっている。こうしたことは、ツキノワグマの血清に含まれる「何らかの因子」が、長期間眠らねばならないクマの筋肉の維持に関係していることを示している。ただし、今の時点でその何らかの因子が具体的に何なのかは不明だ。だが、その正体を特定し、冬眠動物の「使わなくても衰えない筋肉」の秘密が解明されれば、人間の寝たきりを予防したり、効果的なリハビリなどに使える可能性があるとのことだ。

(鹿革レザーグッズ販売開:新潟)
村の鍛冶屋は尾瀬・南会津町で駆除される鹿の問題を解決するため、鹿革製品の制作・販売を手掛ける、おぜしかプロジェクトと協力し、鹿革を使用したアウトドア用レザーグッズを各ECサイトにて販売開始しました。株式会社山谷産業(本社:新潟県三条市、代表取締役:山谷武範、ECサイト:村の鍛冶屋)は鹿革製品の制作・販売を手掛けるおぜしかプロジェクト(住所:福島県南会津町古町字中川原50、代表:小山 抄子)の協力のもと、廃棄される鹿革を使用したアウトドア用レザーアイテムをリリースいたしました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、21日午前5時30分ごろ、登米市迫町新田品ノ浦にクマが出没しました。

TOPへ

7/20
(畑でクマに襲われ2人けが:北海道)
15日昼すぎ、道南の松前町の畑で2人がヒグマに襲われてけがをしましたが、警察によりますと、いずれも意識はあるということです。ハンターが付近を警戒するとともに、警察と町は住民などに注意を呼びかけています。15日午後0時40分ごろ、松前町白神の畑で「クマに襲われた」と男性から警察に通報がありました。警察によりますと、クマに襲われたのは2人で、いずれもけがをして病院で手当てを受けていますが、2人とも意識はあるということです。また、松前町によりますと、けがをしたのは高齢の夫婦だということです。現場は国道沿いの住宅も建ち並ぶ一角にあり、現在、猟友会のハンターが出て付近を警戒しているほか、警察と町が住民などに注意を呼びかけています。

(幼稚園にサル侵入、園児が襲われ軽いけが:山口)
14日午前、山口市小郡下郷の幼稚園にサルが侵入し、4歳の女の子がサルに引っかかれて足に軽いけがをしました。小郡地区の周辺では、先週から子どもがサルに襲われるケースが相次いでいて、警察などが注意を呼びかけています。14日午前8時15分ごろ、山口市小郡下郷の山口県鴻城高校附属幼稚園の2階の教室にサルが侵入し、着替えをしていた4歳の女の子が左足の親指を引っかかれました。女の子は、救急車で病院に運ばれて手当を受けました。サルは体長が40センチから50センチほどで、女の子の泣き声を聞いて職員がかけつけると、階段で1階に降りて外に逃げたということです。ほかの園児にけがはありませんでした。警察によりますと、幼稚園では、1階のトイレの窓を半開きの状態にしていて、サルはこの窓から侵入し、階段を上がって女の子がいた教室に入ってきたということです。警察は、逃げたサルの行方を探すとともに、パトカーを巡回させて、窓などを開けたままにしないよう注意を呼びかけています。小郡地区の周辺では、ことし5月以降、サルの目撃情報が40件寄せられ、7月8日には、0歳の女の子が住宅に侵入したサルに足をひっかかれて軽いけがをしたほか、7月11日にも、小学校で授業を受けていた3年生の男の子が左足を引っかかれて軽いけがをするなど、被害が相次いでいます。

(サル1時間に3人襲撃:山口)
サルが人を襲う被害が相次いでいる山口市小郡地域で15日朝、またもサルが出没し3人が引っかかれて軽いケガをしました。午前7時ごろ山口市小郡新町の住宅の1階にサルが侵入し、4歳の女の子の足をひっかきました。女の子は左足の甲に軽いケガをしたということです。そのおよそ20分後には別の住宅に侵入し40代女性を、午前8時ごろにも別の住宅の2階に侵入し0歳の子どもをひっかきました。いずれもケガは軽く、警察によると網戸にしていた窓をサルが開けて侵入したということです。山口市小郡地域ではサルの被害が相次いでいて今年5月以降、46件の目撃情報が寄せられ、今月に入って4人がケガをしています。警察はパトカーで巡回し「窓を開けたままにしない、サルにあったらむやみに刺激をしない」などと注意を呼びかけています。

(今月17人目の被害、サルに襲われ女性がけが:山口)
山口県山口市小郡地域で、人がサルに襲われる被害が相次いでいます。18日も女性がサルにかみつかれて軽いけがをしていて、市では捕獲などの対策を急いでいます。午前3時すぎ、集合住宅1階のベランダに1匹のサルがいるのを、部屋の中にいた女性が見つけました。サルは女性に向かって飛びかかり、勢いで破れた網戸から部屋に侵入したということです。女性はかまれたりひっかかれたりして、両足に軽いけがをしました。異変に気がついた女性の夫が追い払いました。山口市小郡地域では今月8日以降、17人がサルに襲われてけがをしています。市では猟友会と共に箱わなを設置していますが、これまで捕獲されていません。市では、個体の特定や行動傾向の絞り込みなどを進めていて、今後山狩りも含め、どうすれば捕獲できるか検討したいとしています。また窓を閉めてエアコンを使うなど、侵入防止に努めるよう呼びかけています。

(河川敷にイノシシ出没、79歳男性が自力で取り押さえるも頭や腹などをかまれけが:香川)
15日朝、高松市で79歳の男性がイノシシにかまれけがをしました。イノシシが出没したのは高松市春日町の河川敷です。高松市によりますと、15日午前6時15分ごろ近くに住む79歳の男性がイノシシに頭や腹などをかまれました。けがの程度は分かっていませんが、病院に搬送されたとき意識はあったということです。近所の人からの通報を受けた警察と消防が駆け付けた時、男性は自力でイノシシを取り押さえていました。イノシシの体長は約1メートル。警察と消防がロープで捕獲しましたが、そのときのショックが原因で死にました。

(クマ出没、罠を見に行った30代男性が腕ひっかかれ軽傷:静岡)
17日午前、静岡市葵区の山中でクマが出没し、山に入っていた男性が腕をひっかかれて軽いケガをしました。17日午前9時20分頃、静岡市葵区田代の畑薙第一ダムから約3km西に進んだ山の中で、クマを駆除するために仕掛けられた罠を1人で見に行った30代の男性がクマと遭遇しました。男性は体長1.3mほどのクマに左腕を引っかかれ軽いケガをしました。警察によりますと罠には子グマが掛かっていて、男性を襲ったのは近くにいた親グマの可能性もあるということです。警察はキャンプ客も多いことから、現場付近をパトカーで巡回するとともに、消防の同報無線を使い山に近づかないよう登山客や市民に注意を呼びかけています。

(羅臼で駆除のヒグマ、犬8匹を襲ったクマと判明:北海道)
根室管内羅臼町は14日、箱わなで捕獲して11日に駆除した雄のヒグマについて、北大のDNA鑑定の結果、町内で2018年から21年にかけて屋外飼育の犬8匹を襲った個体(通称・RT)と断定したと発表した。推定11歳以上で、体長約160センチ、体重約200キロだった。町によると、RTは町が6月30日に町北部に設置した箱わなにかかっていた。鑑定の結果、18~21年に犬が襲われた現場に残されていたクマの毛や唾液とDNAが一致した。

(飼い犬を「簡単に手に入る食料」と学習か:北海道)
北海道・知床半島の羅臼町で、民家の飼い犬を襲い続けたとみられるクマが4年がかりで、ようやく捕獲された。駆除した個体のDNAについて北大に検査を依頼したところ、14日に、一致したと町役場に連絡があった。駆除されたのは、最初に出没情報があった斜里町ルシャ地区にちなみ、ローマ字の頭文字を取って「RT」と呼ばれたオスのクマで、2018年から次々と飼い犬を襲っていた。町役場によると、先月飼い犬が襲われた羅臼町海岸町でクマのフンが見つかったことなどを受け、町は先月30日に現場の住宅街に注ぐハシコイ川の上流部に箱わなを設置。今月11日朝に捕獲を確認し、町は電殺機を使って駆除した。クマは推定10歳以上で体長約160センチ、体重約200キロ。体格やこれまで出没が相次いだ地域と近かったことから、RTの可能性があるとみて、北大の専門家に試料を送ったという。羅臼町海岸町では、RTが18年8月の昼間に、民家で飼っていた犬2頭を襲い、飼い主が遭遇して危うく襲われそうになった。翌19年7月には民家で飼い犬3頭が襲われた。21年6月にも民家で飼っていた犬3頭が襲われた。町は複数の現場で見つかったクマの排せつ物を北大に検査してもらったところ、同一個体と判明。RTが飼い犬について、エサの少ない夏場に、簡単に手に入る食料と学習した可能性があるとして、調査、追跡を続けてきた。ただ、RTが草やぶなどを使って隠れながら民家に近づくなど、慎重かつ大胆な行動を取っていたことから、なかなか捕獲できなかった。関係者からは 安堵あんど の声も出ているが、町役場では「RTだけでなく、ヒグマが人里近くに出没することが相次いでいるので、引き続き監視するとともに対策を講じていく」と話している。

(猟友会分裂、続く混迷:長野)
有害鳥獣駆除したニホンジカ肉のペットフード化で全国的に知られる小諸市で、猟友会組織が二つに分裂した状態が続いている。「小諸市猟友会」の一部会員が駆除事業を巡る意見の違いで脱退し別組織を結成している。

(巨大ヒグマ「OSO18」か、乳牛がまた:北海道)
北海道標茶町の牧場で7月18日、牛1頭が死んでいるのが見つかりました。相次いで牛を襲っている大型のオスのクマ、コードネーム「OSO(オソ)18」によるものとみられています。地元猟友会によりますと、死んで見つかった牛は5歳くらいの乳牛のメスで、腹が少しえぐられ食べられた痕があり、背中にも傷があるということです。標茶町内の牧場では、8日前にも、放牧中の牛がクマとみられる動物に襲われ、死んでいるのが見つかったばかりでした。今回、死んだ牛が見つかった牧場での被害は初めてですが、前回、被害があった牧場からわずか3キロの場所だということです。標茶町周辺では2019年以降、推定で体重300キロから350キロ、体長3メートル、前足の横幅が18センチ近い巨大なのオスのヒグマ「OSO(オソ)18」とみられるクマが、放牧中の牛を襲う被害が相次いでいます。北海道によりますと、OSO18による牛の被害は、2022年6月までの3年間で、60頭に上るということです。今回、死んだ牛の近くで、約17センチのクマとみられる足跡があり、猟友会では、「今回は毛が残っていないので断定はできないが、大型のオスグマ、OSO18の仕業か」とみています。標茶町役場では、付近にカメラ設置し、パトロールを強化するとともに、町民に大きなクマの足跡などを見つけた場合、連絡するよう、呼びかけています。

(イノシシ駆除、初日は雄5頭を駆除:沖縄)
サトウキビなどを食害するイノシシの駆除が27日から城辺の長北、福北両地区で始まった。宮古島市、県猟友会石垣、竹富両地区のメンバーら総勢約40人が林野帯で実施し、初日はイノシシとみられる雄の5頭を駆除した。このうち1頭は100㌔を超えていた。駆除は28日まで。市では引き続き城辺長北、福北の海岸線には近付かないよう注意を呼び掛けている。駆除活動は午前7時に開始した。イノシシの行動範囲を分析し、事前に市が仕掛けた網が奏功。狩猟犬で追い込み、散弾銃を使って5頭を仕留めた。最も大きいものは体長140㌢で重さは100㌔を超えた。ほか60㌔1頭、30㌔1頭、20㌔2頭。この5頭がイノシシなのか、イノブタなのかは今後のDNA鑑定で確定させる。駆除は28日にも行う。駆除対象区間は浦底漁港から平良向け約2㌔ほどの畑や林野の一帯で、一周道路より海岸側で実施する。市は、引き続き対象区間の海岸側の農道や畑、林野に近付かないよう注意を呼び掛けている。市農政課の福里匡課長は「農作物に大きな被害を与えているイノシシの駆除につき農家や市民の皆さんの理解をいただきたい。駆除が終わるまで海岸側には近付かないようお願いしたい」と述べた。28日の駆除も午前7時から日没まで行う。

(「シカとの衝突事故」多発、一瞬で修理費250万円:北海道)
行楽シーズンが到来し、ドライブで遠出するという人も多いのではないだろうか。そんな時、注意しなければいけないのが野生動物との衝突事故だ。これはシカとの事故の瞬間を撮影したドライブレコーダーの映像だ。飛び出してきたシカが画面中央右側に見えるが、暗い夜道では判別することも難しい。2021年、北海道内で発生したシカとの衝突事故は約4000件。過去最多を記録している。増加するシカとの事故。避ける方法はあるのだろうか。夜道を走行中、勢いよくシカとぶつかってしまった事故で車は大破。運転していた男性によると、修理費の見積もりは約250万円となり、廃車にせざるを得なかったという。北海道警察によると、エゾシカによる交通事故の発生件数は、5年連続で過去最多を更新。2021年は初めて4000件を超えた。誰もが可能性があるシカとの衝突事故。どういった時に事故は起きやすいのだろうか。シカの習性に詳しい専門家に聞いた。酪農学園大学 環境共生学類 伊吾田宏正 准教授:シカはどの時間帯も活動はしますが、特に早朝と夕方に活動が活発になりますから、その時間帯は特に注意が必要だと思います。北海道警察本部による時間帯別の発生状況を見ても、夕方の事故が最も多く、午後4時から午後8時までの間で、全体の半分以上を占めている。酪農学園大学 環境共生学類 伊吾田宏正 准教授:よくシカが出やすい所や過去に事故があった所は、飛び出し注意看板があちこちにあると思うんですが、そういう場所はリスクが高い。そこでは極力スピードを制限する。一頭かわしても続けて出てくるので、油断しないことだと思います。最近ではシカが市街地に出没することも珍しくなく、交通量の多い札幌市内の幹線道路でも衝突事故が起っている。特に2022年は、市街地に出没しやすい傾向にあるという。酪農学園大学 環境共生学類 伊吾田宏正 准教授:この前の冬のように雪がすごく多いと、標高の高いところで越冬できず標高の低いところに下がってきて、その先には市街地があると。そのため、市街地への出没も増加したと思います。万が一、シカとの事故に遭ってしまった場合に重要になるのは車両保険だ。日本損害保険協会によると、ここ数年は保険金の支払い額が増加しているという。日本損害保険協会 北海道支部 長崎達さん:2021年度は保険金支払い件数・金額とも最高になっていて、平均支払い額も58.2万円に及び、非常に高額になっています。その車両保険。対象を限定し保険料を抑えたエコノミー型だと、動物との事故は補償の対象にならないケースがあるという。一方で、大手損害保険会社の一部では新たな動きも出ている。日本損害保険協会 北海道支部 長崎達さん:一番早かった会社は2021年4月から。その次に2022年1月から補償を拡大して、動物との衝突による車体の損傷も、エコノミー型の車両保険で補償するように少しずつなってきています。今一度、保険の内容を確認すること。そして、何より大事なのはスピードを落とした安全運転だ。シカに十分注意して、楽しいドライブシーズンを過ごそう。

(農作物の鳥獣被害3億8040万円:愛媛)
県は13日までに、2021年度の野生鳥獣による県内農作物被害の概況を発表し、被害額は前年度比4%増の3億8040万円だった。全体の58%を占めたイノシシのほか、ヒヨドリ、サルの被害も増加した。鳥獣別では、イノシシによる被害が2億2103万円(前年度比7%増)、ヒヨドリ3891万円(5%増)。サルは3602万円(11%増)で9年連続増加した。一方、カラスは3196万円(8%減)だった。作物別は、果樹が全体の76%を占める2億8945万円(7%増)。稲・麦が4295万円(7%減)、野菜が2061万円(1%増)だった。地域別では南予が最多の2億5405万円(7%増)。東予7048万円(3%増)、中予5587万円(7%減)だった。

(人知れず牛を襲う忍者グマ、その名は「OSO18(オソジュウハチ)」:北海道)
釧路管内標茶、厚岸両町で2019年7月以降、放牧中の牛がヒグマに襲われる被害が相次いでいる。今年も今月1日に3頭、11日にも1頭が死傷した。足かけ4年間の被害は61頭(7月14日現在)に上り、うち29頭が死んだ。毛のDNA解析や足跡などから同じ雄グマの仕業とみられているが、これまで目撃されたのは最初に被害が出た19年7月16日の一度きりだ。忍者さながらひそかに動き回り、箱わなにもかからない。地元で「OSO18(オソジュウハチ)」と呼ばれるこの老練なクマと、駆除を試みる関係者の闘いを追った。1日正午ごろ、釧路管内標茶町阿歴内(あれきない)付近を釧路市に向かって車を走らせていると、牧草地に面した道路脇に10台ほどの車が止まり、周囲に十数人の人影があるのが見えた。昨年までのオソによる被害状況と今後の対策について関係者に取材するため、6月29日に標茶町入りし、10人近くに話を聞き終わり、まさに帰路についたところだった。そこは20年に2回、21年にも1回、計5頭の牛が死傷する被害があった放牧地で、2日前の取材初日にも通りかかって写真を撮影していた。「まさか」と思い、車を止めて降りると、オレンジ色のベストを着て猟銃を持つ複数のハンターが真っ先に目に入ってきた。「標茶町」と書かれた町の公用車もある。牧草地を囲う柵には肩や腹から血を流している牛がつながれていた。まもなく重機が死んだ牛を運んできた。クマによる今年最初の被害現場だった。死んだ牛は腹を割かれ、内臓の一部を食べられていた。現場は20、21年の連続被害を受け、LEDライトとサイレンで野生動物を追い払うオオカミ型の忌避装置「モンスターウルフ」を町の補助金で設置していた場所だった。それだけに、調査に当たっていた町林政係宮沢匠係長(38)は「対策してきた場所だったのに。起きてほしくないことが起きてしまった。忌避装置は正常に作動していた。オソが装置に慣れてしまったのか、それとも襲われた時にたまたま装置が反応しなかったのか。当時の状況は分からない」と険しい表情で語った。その後、現場に残された毛のDNA解析から、オソの仕業だと確定した。11日にも約20キロ北側の同町上茶安別(かみちゃんべつ)の放牧地でも死んだ牛1頭が見つかった。雄の行動範囲は広い。足跡の大きさなどから見ても、オソの連続襲撃の可能性が高いという。「オソ18」。こう命名された由来は1頭目の被害が出た3年前の19年7月16日にさかのぼる。

(シカやクマが列車と衝突、遅れ・運休件数が過去最多:北海道)
昨年度に道内で線路内に侵入したシカやクマと列車が衝突して運休したり、遅れが出たりした件数がそれぞれ過去最多に上ったことがわかりました。JR北海道によりますと、昨年度に道内で列車がシカと衝突し、運休や遅れが出たケースは合わせて2632件に上り、一昨年度に比べて219件増えて過去最多となりました。また、列車がクマとの衝突で運休したり遅れたりしたケースも46件に上り、一昨年度に比べて5件増えてこちらも過去最多となりました。JR北海道ではこうした動物の線路内への侵入を防ごうと、昨年度は新たに線路の近くに音や光で威嚇する装置を付けたり、線路内に無数の突起物が付いた板を設置したりして対策を講じています。また、クマと列車が衝突した場合には近くに別のクマがいるおそれもあることから、作業員が線路で作業する代わりに除雪時などに使われる列車にアームを取り付けてクマを排除したりしているということです。この「熊キャッチャー」は重さ800キログラムまでの動物を直接つかんで処理することが可能で、昨年度はこれまでで最も多い11回、クマの処理を行ったということです。JR北海道は「列車とぶつかる野生動物が増えているが、衝突事故をできるだけ防ぐとともに起きた場合でもなるべく早い復旧に努めていきたい」と話しています。

(世界でも例がない封じ込め:熊本)
熊本県の宇土半島(宇城市、宇土市)に生息している外来種のタイワンリスの根絶が、目前に迫っている。数千匹まで増えたタイワンリスの防除が成功した地域は世界でも例がなく、封じ込めは「宇土半島モデル」として注目される。地元住民や専門家らによる防除活動の歩み、外来種を巡る課題を考える。5月下旬、宇城市三角町の山を上っていくと、樹皮を横方向にはがされた傷だらけの樹木が見えた。「これが環状食痕[しょっこん]」。宇土半島でタイワンリスの防除活動をけん引してきた森林総合研究所九州支所(熊本市)の森林動物研究グループ長・安田雅俊さん(53)がホルトノキを指した。タイワンリスが樹液をなめるためにかじった跡だ。上へ目をやると、目視できる限り無数の食痕が続いていた。タイワンリスは腹が栗色であることから、クリハラリスとも呼ばれる。体長は約20センチで、同じくらいの長さの尻尾。重さは約350グラムで、果物や昆虫、鳥類の卵など何でも食べる。繁殖力が強く、最大で年に3回、平均2匹を産む。リスの生態に詳しい同研究所多摩森林科学園(東京)の田村典子さん(61)によると、タイワンリスは台湾をはじめ中国南部、インドシナ半島、マレー半島など東南アジアに広く分布。イタリアやフランスなどにも外来種として定着している。国内では1930年代、台湾から東京都の伊豆大島の動物園に持ち込まれ、逃げた個体が野生化した。現在は伊豆大島のほか神奈川県や茨城県、静岡県などに分布。伊豆大島と神奈川県は10万匹もの生息が推定されている。九州では宇土半島のほか、大分県の高島、長崎県の壱岐島と福江島に定着。最近では、大分県別府市でタイワンリスとみられる個体が監視カメラに映っていることが発覚し、県などが実態把握を急いでいる。分布拡大の背景の一つに、小動物が飼育される「ふれあい動物園」の流行がある。宇土半島でも93年、三角町に開園した施設でタイワンリスが飼育されていた。現在は閉園しているが、施設の壁にはリスのイラストが残る。ただ、現地を取材しても当時を知る人はいなかった。宇城市三角支所の若本純一さん(58)は2005年、三角町の石打ダム周辺で地籍調査の最中、竹から竹へ飛び移る小動物の姿を覚えている。住民から「あれはリス」と聞き、「なんでこがんとこにおるとだろか」と首をひねった。さらに約3年後、ブドウの栽培用の袋を破り、実が食べられる被害が発生。農家がビニールハウスにネズミ用の捕獲器を設置するとタイワンリスが入った。「リスというよりドブネズミのようだった」と若本さん。タイワンリスは05年に特定外来生物に指定されたが、まだよく知られていなかった。熊本西高生物部の調査で08年、三角町の路上でひかれていた動物がタイワンリスと「公式確認」された。ここから宇土半島での防除活動が始まった。

(シカが全国各地で増加、農業や森林への被害深刻に)
14日朝、北海道札幌市の住宅街に野生のシカ2頭が現れ、あたりは一時騒然となりました。実はいま、全国各地でシカの生息数が増えていて、農業被害などが深刻になっています。警察が出動し、通学中の小学生が足を止めてみていた先には、1頭のシカの姿がありました。住宅に植えられた野菜を食べたり、横になったりと周りを気にする様子はありませんでした。さらに、近くでも別のシカの姿が見られました。14日朝、北海道・札幌市で2頭のシカが出没し、住宅街が一時、騒然となりました。実はいま、全国各地でシカの生息数が増えているのです。環境省が推定した、北海道を除いた全国のニホンジカの推定個体数(中央値)は、1989年度に25万頭でしたが、2020年度には218万頭にまで激増しています。ピーク時からは減少しているものの、積雪量の減少で冬でも生息しやすくなったことや、えさ場となる放棄された畑の増加などが要因となり、この30年あまりで約9倍にまで増えたとみられるのです。広島県でも、暗闇の中で光る目を住宅街でみつけました。公園で、親子とみられる3頭のシカが草を食べていました。広島県によると、広島県内のシカの推定個体数は、2020年までの20年ほどの間に、4倍以上に増えているといいます。そのため、家庭菜園のトマトやキュウリ、花などが根こそぎ食べられる被害が出ているといいます。こうした状況に町では先月、初めてシカ用のワナを設置しました。すると、1週間で2頭捕獲したといいます。農業への被害も深刻です。広島県によると、2021年度のシカによる農作物への被害額は4773万円でした。2020年度の5299万円に比べ減少しましたが、近年は高止まりの状態が続いているといいます。こうしたシカなどによる被害を減らすため、安芸高田市では一部の地域で対策を実施しました。モデル地区として、水田の周りをすべて柵で囲う対策などがとられ、効果が検証されれば他の地域へ拡大するということです。関東でも対策がとられていました。群馬県の赤城山の山林では、木材に使われる苗木を守るため、あたり一帯をネット状の柵で覆っていました。しかし、中にはネットの上に木が倒れてしまい、柵が低くなっている所もありました。群馬県によると、2020年度の森林被害額、約2億3300万円のうち、約1億3600万円(約6割)がシカによる被害だといいます。苗木や木の皮が食べられてしまう食害や、ツノで木をこするなどして、木材として使用できなくなるものもあるといいます。こうした状況に、県の林業試験場は新たな防護柵を開発しました。苗木一つ一つを柵で囲うことで、シカなどの食害を防ぐことができるといいます。林業試験場では、3年ほどかけて効果を検証するということです。

(ジビエの生食でE型肝炎、リスクどれぐらい?)
ジビエの生食はE型肝炎をはじめとしてさまざまな感染症のリスクがあり、お勧めできません。しかし「猟師たちはこれまで鹿や猪を生で食べてきたがなんの問題もなかった」という意見もあります。実体験に基づいた意見であり、おそらくはその通りなのでしょう。ジビエを生で食べると必ず食中毒を起こすのであれば危険性も昔から知られていたはずです。たいていは大丈夫でも、ときに重篤な症状を引き起こすからこそやっかいなのです。E型肝炎のリスクを考えてみましょう。E型肝炎が鹿肉の生食で感染することが最初に報告されたのは2003年です。E型肝炎が人畜共通感染症であることがはっきりわかってから、まだ20年も経っていません。なかなか気づかれなかったのには理由があります。まず、鹿や猪が必ずE型肝炎ウイルスを保有しているわけではありません。ウイルスを保有している個体もいれば、そうでない個体もいます。さまざまな調査がありますが、平均すると数%といったところです。また、ウイルスを保有している個体を生で食べたからと言って必ず感染するとは限りません。これは実験するわけにはいかず、どれぐらいの確率なのかはわかりません。E型肝炎は不顕性感染、つまり感染はするけど発症はしないことがわりとあります。発展途上国では汚れた水を介した感染で多くのE型肝炎が発生しています。WHOの推計では、世界中で毎年2千万人がE型肝炎ウイルスに感染し、330万人が発症したとされています。割合では16.5%ぐらいです。つまり不顕性感染が80%以上あります。また、発症した人も多くは軽症にとどまり自然治癒します。E型肝炎による死亡者は約4万4千人と推定されていますので、発症者に対する割合では1.3%ぐらいです。他の報告でも致死率は0.2~4%の範囲です。いずれにせよ、発症しても9割以上の人は死にません。感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)が平均して5~6週間と長いのも、なかなか危険性が気づかれなかった理由でしょう。山に入って狩りをする猟師さんは、たいていは健康な成人です。鹿肉や猪肉を加熱せずに食べてE型肝炎ウイルスに感染しても、発症しなかったり、発症しても5~6週間後に軽度の発熱、食欲不振、黄疸(おうだん)が出たりするぐらいで、たいていは自然に治ります。とても運の悪い人は重症の肝炎を起こして亡くなった人もいたかもしれませんが、ごく少数に限られていたでしょう。山中で事故に遭って死亡する確率のほうが高いかもしれません。ただ、自己消費に留まらず、飲食店で提供するとなると話が違ってきます。妊婦がE型肝炎ウイルスに感染すると致死率が20%と高いことが知られています。乳幼児や高齢者、もともと肝臓疾患を持っている人も危険性が高いです。他の食べ物と比べても容認できるリスクではないと思います。飲食店での提供は禁止し、どうしても食べたい人が自己責任で食べる選択肢は残しておくというのが、妥当な落としどころだと私は考えます。

(駆除した猪・鹿「ジビエレザー」に)
年間161億円に達する農作物被害防止のために、駆除された野生のイノシシとシカは年間109万頭にも及ぶ(農林水産省)。ジビエ料理への食利用が知られているが、「ジビエレザー」というファッション活用も広がってきた。バラツキが大きな野生の個体処理は簡単ではないが、優れたなめし技術が活用を支えている。人間の都合でいただいた命を無駄なく使い切る。それは現代のSDGs(持続可能な開発目標)であり、昔から人々が抱いてきた動物への素朴な感謝の思いの具現でもある。革のキメと風合いが美しいボストンバッグ。手触りは堅牢(けんろう)かつしなやかだ。「イノシシの革です。傷もあるけれど、それが個性だよね。とても丈夫」と、山口産業の山口明宏社長(55)。伊達な黒革のブルゾンはエゾシカ製だ。東京都墨田区。荒川沿いの木下(きね)川地区は、戦前からタンナー(なめし業者)の集積地である。なかでも同社は、環境負荷が大きいクロムなめしを行わず、30年前に独自開発した植物性タンニンによる「ラセッテー製法」で高く評価されてきた。その豚革は、フランスの超高級メゾンのバッグ素材に使われるほどだ。ジビエも全く同じ技術でなめされ、工場には深みのある発色の赤やブルーの革が並んでいる。平成20年。獣皮を資源活用することで各地の活性化につなげる「MATAGI(マタギ)プロジェクト」を始めた。皮の大きさに応じて1枚5500~7700円ほどの工賃でなめし、送り返す。現在までに550カ所以上から皮を引き受け、年間3千枚のジビエレザーを製作している。きっかけは2人の男性のアポなし訪問だった。リュックからそれぞれエゾシカとイノシシの獣皮を取り出し、「レザーにしてもらえませんか」。ジビエの勉強会で上京していた北海道の猟友会関係者と島根県の町役場職員。駆除後の処理が地元の重荷になっているという。「これをよく飛行機に持ち込めたなという、毛の付いた皮。持ち帰らせるわけにいかないと預かった。なめしてみると、とてもきれいな革になった」東京と地方で2拠点生活を送る俳優の松山ケンイチさんも、シカのなめしを依頼。本人のインスタグラムによると、ジビエレザーブランド「momiji(モミジ)」を立ち上げ販売準備を進めている。だが、年々増え続ける駆除数に対して活用数は遠く追い付かない。山口社長は次の手として、革を持ち込む猟師や自治体側と革製品メーカーをつなげる「レザーサーカス」という仕組みを始動。レザースニーカーのスピングルムーヴ(広島県)、革手袋のスワニー(香川県)など、北のマタギと西の工場とのつながりが生まれた。「捨てられる獣皮を減らすために必要なことは、ジビエレザーの安定供給とそれを使った製品への継続的な需要」。タンナー他社への技術提供、革製品業者との〝サーカス=輪〟の広がりに挑んでいる。東京都中央区日本橋浜町のクロスディーズジャパンは、3D計測器による足形測定で、オーダーメードシューズを製作する。大物歌手から舞台用ハイヒールを受注するなど、履きやすさにこだわる工房でも、ジビエレザーが使われていた。「エゾシカ革は牛革に比べても柔らかく軽量で、通気性や吸放湿性に優れている。快適なこの革で靴を作りたいと思った。足なじみがいいと好評です」と諏訪部梓社長(37)。「もともと、無駄になる靴を作りたくなくて始めたオーダーメード。獣皮を無駄なく生かす理念に共感しています」独特のタイダイ染は野生獣の傷をカムフラージュする模様であり、「デザイン性という付加価値もついた」。ジビエレザー製は、パンプス7万7千円、紳士靴9万200円など。猪鹿(いのしか)。花札にも描かれた縁起の良い動物が「害獣」と呼ばれるようになったが、「害」の源は開発で環境や生態系を乱している人間側だ。そこは心したい。

(シカ探し「ナイトジャングルトレイン」が初運行:岩手)
三陸鉄道(宮古市、石川義晃社長)は、釜石-大槌駅間で企画列車「ナイトジャングルトレイン」を初運行した。鉄路で衝突事故を起こし、運休や遅れの原因となるニホンジカを観光資源に変えようと若手運転士が企画した。乗客は列車内からシカを探し「いたいた」「向こうに逃げたぞ」と熱気に包まれた。県内外の35人が列車に乗り込み、9日午後6時45分ごろ釜石駅を出発。車内で盛岡市動物公園ZOOMOの辻本恒徳園長らがシカの生態などを解説した。午後8時過ぎ、明かりを消した車内から懐中電灯を外に向けると、目が光るシカが草むらの中から現れた。

(高原で狩猟の疑似体験:長野)
ホテルグランフェニックス奥志賀(下高井郡山ノ内町)は、奥志賀高原内で狩猟や鹿の解体などを体験する「ジビエ狩猟体験ワークショップ」を今月から計3回開く。体験などを楽しむ「コト消費」を重視した有料の催しで、宿泊と組み合わせたプランも用意。ジビエ(野生鳥獣肉)を味わうだけでなく、奥志賀の自然の豊かさを体で感じてもらう。昨年に続き2年目の催し。

(被害拡大前の対策重要、シカの低密度管理:武田裕希子)
私が以前住んでいた京都では、市街地に出没するほど爆発的にニホンジカが増え、森林生態系への悪影響や農林業被害、病害虫の増加、災害リスクの増大などさまざまな問題を引き起こしています。特に森林生態系については、シカが届く範囲全ての植物を食べ尽くしてしまい、森林の世代交代ができなくなっていることが深刻です。好みの植物から際限なく食べて次々に絶滅させていく様子は、人間の振る舞いにも重なって見えます。餌となる植生が失われてくるとシカの数が次第に減ることがありますが、芽は飢えたシカにたちまち食べられるため、柵で囲わない限り植生は回復しません。下草がない状態が長く続くと、土壌ごと種が流されてしまうのでさらに再生が難しくなります。個体数だけでなく、植生と合わせて状況を把握し、対策を検討することが大切です。みなかみ町はまだシカの食害による植生への悪影響が顕著でなく生息密度が低い状況ですが、これまでの調査から確実に数が増えていることが示されています。そこで、赤谷プロジェクトは10年ほど前から「シカの低密度管理」を目指し、遭遇頻度が低い中で捕獲する技術の開発や、摂食状況を調べる植生調査などを進めています。近年、町とも連携を強め、ユネスコエコパークとして生物多様性を保全するため、また、農林業被害を抑えるためには植生に顕著な影響が表れない低密度状態を維持する方が、被害拡大後に対策を講じるよりも費用対効果が高いという認識が共有されています。シカが全国で爆発的に増えているのは、戦後の狩猟規制が長く続き過ぎたことや狩猟者の高齢化、気候変動による積雪の減少などさまざまな要因が重なっているためと考えられています。そしてその対策は、捕獲圧を掛けることに尽きると考えます。京都で若手ハンターを増やすことに寄与していたのはジビエ活用でした。事業性だけでなく、自然と向き合い、自然の恵みを活用することが大切だという考えに共感している人が多い印象でした。しかし本県では、いまだ原発事故による野生鳥獣肉の出荷制限が解かれていません。解体所ごとに全頭検査などの体制を整えて「一部解除」を目指すのが現実的だと考えます。消費者の観点からもそのようなジビエは安全安心であると感じます。山からシカを運び出し、解体所の経営を成り立たせることは容易ではありませんが、この地域で思いを持った人たちに出会うたび、きっと良い取り組みが実現するはずだと可能性を感じています。一度失われた自然を取り戻すのは本当に大変です。低密度管理によって地域全体で生息数のバランスを保つことができれば、全国各地の希望になると期待しています。

(道南のクマ出没、通報前年比10件増:北海道)
道南でヒグマの出没が相次ぎ、市民生活や観光に影響が出始めている。15日に高齢夫婦がクマに襲われた松前町白神地区では、地元の小学校が児童の登下校時の安全確認を保護者らに求めているほか、付近でクマのふんが見つかった函館市南茅部地区の大船遺跡では臨時閉鎖が続く。通報件数も昨年を上回るペースで、道警函館方面本部は警戒を強めている。松前町は16日朝から、夫婦が襲われた現場付近に箱わなを設置。町によると、地元のハンターらがふんや足跡なども確認しているが、今のところ新たな痕跡は見つかっていないという。同本部は22日ごろまで、24時間態勢でパトカーによる巡回を続ける。

(普通列車がイノシシと衝突:福岡)
JR九州によると、18日午後8時36分ごろ、福北ゆたか線小竹―鯰田間で、上り普通列車(博多午後7時34分発直方行き)がイノシシと衝突した。同8時59分現在、同線で列車遅れが発生している。

(クマが横切りぶつかる、乗用車は自走困難に:北海道)
15日午後9時50分ごろ、湧別町芭露の道道・遠軽芭露線でクマと乗用車が衝突しました。北海道・遠軽警察署によりますと、乗用車には男女4人が乗っていました。乗用車は遠軽町からサロマ湖方向に走っていて、クマは左から右に横断していたということです。乗用車はクマとの衝突で自走が困難になったということですが、乗っていた男女4人にけがはありません。衝突したクマは体長1.5メートルとみられ、衝突後逃げたということです。

(ニホンカモシカ確認:大阪)
大阪府立環境農林水産総合研究所は15日、同府泉佐野市の森林で特別天然記念物のニホンカモシカを確認したと発表した。過去に同府内でニホンカモシカの生息を確認した記録はないという。距離の近い紀伊山地の個体群から分かれてきたとみている。同研究所によると、4月8日昼ごろ、研究所が設置していたカメラに写っていた。2カ月にわたり2台のカメラを設置していたが、1度しか写っていなかった。担当者は「縄張りを作ったわけではなく、親の行動圏から分かれた若い個体が通り過ぎたのではないか」と話している。紀伊山地の個体群は環境省の「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。

(「シカがいる」住宅街に2頭出没:北海道)
14日朝、札幌市中央区や西区の住宅街に、シカが現れました。警察は、小学校などに注意を呼びかけています。物置のかげから、こちらを見ているシカ…14日午前7時半ごろ、札幌市西区山の手の住宅街で撮影されました。警察によりますと、14日午前4時まえ、札幌市中央区北3条西30丁目付近で、通りかかった人が「シカがいる」と通報しました。札幌市によりますと、シカは2頭で、最初の目撃場所から2キロほど移動したあと、1頭は捕獲されました。もう1頭は、まだ住宅街付近にいるとみられ、近くには小学校もあることから、警察は、むやみに近づいて刺激しないよう呼びかけています。

(「白いカラス」都内で確認:東京)
番組に寄せられた動画には、非常に珍しいある鳥の姿がとらえられていた。電柱にとまっているのは、真っ白なカラス。「カァカァ」と鳴き声をあげている。黒いカラスと並ぶとひときわ目立つ白い羽。飛んできた黒いカラスに餌をねだる場面も見られた。白いカラスが現れたのは、東京・稲城市の山の中にある穴澤天神社。動画を撮影した女性が白いカラスを見たのは、7月10日朝、犬の散歩をしている時だった。女性は「見られないものを見られたので、その日は本当に1日テンションが高かった。神社の神の使いかなとか言っていた」と話す。住民によると、白いカラスが町に現れたのは1週間前。朝と夕方に神社の森にいることが分かった。神社の人にも動画を見てもらった。穴澤天神社の山本秀信禰宜(ねぎ)は、「初めて見た。神様のお告げみたいな、ありがたいというか…」と笑顔で話した。また、山本大貴権禰宜(ごんねぎ)は「貴重な鳥が神社にいるのは、神がかりなものを感じますよね」と話した。住民にも動画を見てもらうと「本当だ、カァって言った!」「カラスに見えない」と驚きの声を上げた。出現する確率は数万羽に1羽程度と、極めて貴重な白いカラス。しかし、2022年に目撃されたのは今回が初めてではない。今から2カ月前、群馬・高崎市で電柱に止まったり、畑を飛び回る白いカラスが確認されていた。では、今回の白いカラスは、群馬から飛んできたのか。“カラス博士”こと東都大学の杉田昭栄教授は「前回(群馬)と今回の(東京)の比較してみると、カラスの種類が違います」と指摘する。住田教授によると、群馬のカラスは「白変個体」と呼ばれ、体の色を作るメラニン色素がわずかのため、体の一部に黒く色がついている。一方の東京のカラスは「白化個体」と呼ばれ、メラニン色素が全くないため、全身が真っ白いのが特徴だという。杉田教授は「今回のような白化個体というのはとても珍しいという風に思いました。なかなか長年追いかけてても撮れるものではない」と話している。

(住宅街にシカ、6時間近く居座り:北海道)
住宅街に突如、2頭のシカが現れました。野菜を食べ、辺りをウロウロとする様子が。住民らによる捕獲作戦の行方は。物陰に隠れる茶色の毛並みに白い斑点模様、間違いなくシカです。陣取ったのは家庭菜園がある住宅の庭でした。捕獲作戦の行方は…。札幌市の住宅街、物置の陰に身を潜めるシカの姿。最初は隠れ続けていましたが、しばらくすると住宅の家庭菜園に顔を出し、なにやら口をモグモグと…。頬張っているのは色付く前のトマトです。14日午前4時前、「小ジカが2頭、走り去っていた」と通報がありました。現場は札幌市中心部から4キロほどの山の手地区。南にある緑地、宮の森の方向から歩いてきている様子が目撃されています。その後、警察が現場に駆け付け、シカとのにらみ合いが続きましたが、午前10時前、札幌市が麻酔の吹き矢を使い、動かなくなったところで捕獲。シカは安楽死となりました。

(河川敷でクマを目撃:新潟)
17日午後1時半ごろ、新発田市押廻の加治川橋の下にある河川敷でクマ1頭(体長約80cm)が目撃されました。目撃された場所は民家から約70mの地点で、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(キノワグマ捕獲、目撃相次ぎ設置した箱わなで発見:埼玉)
埼玉県飯能市は13日、同市下畑でツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。同市南高麗地区で6月下旬にクマの目撃が相次いだため、捕獲のための箱わなを設置。同日早朝、わなに入ったクマを発見した。市農業振興課によると、クマは体長約1メートル25、体重約60キロのオスで殺処分された。市内でのクマの捕獲は2019年7月以来という。

(線路内にクマ侵入、約4時間運転見合わせ:岩手)
7月14日午前、岩手・IGRいわて銀河鉄道の厨川駅と巣子駅の間の線路内にクマが侵入しました。この影響で約4時間にわたって運転が見合わせとなりました。14日午前10時20分ごろ、IGRの厨川駅と巣子駅の間の線路内にクマが侵入したと作業員から連絡が入りました。これを受けIGRでは、現場周辺の安全を確認するため10時25分から全区間で運転を見合わせました。厨川駅ではタクシーやバスで帰る生徒の姿が見られました。IGRは猟友会と付近を見回りましたが、クマは発見できず、約4時間後の午後2時前に運転を再開しました。この影響で上下線合わせて14本が運休、乗客約620人に影響がでました。

(電車がシカと接触か:滋賀)
18日午後9時50分ごろ、大津市のJR湖西線和邇-蓬莱間で電車が動物と接触した。この影響で山科-近江今津間の運行を上下線で一時見合わせ、約1時間後に再開した。JR西日本によると、動物はシカとみられるという。乗客約150人にけがはなかった。上下線各2本が部分運休するなどし、約1700人に影響が出た。

(シカが高野川に取り残される:京都)
大雨に見舞われた19日、京都市左京区松ヶ崎で、増水した高野川で行き場を失った子ジカ3頭の姿が見られ、近所の住民らが心配そうに見守っていた。

(住宅街にシカ2頭、警察とにらみ合いに:北海道)
住宅街の物置場所の陰に不安げな顔で身を潜めるシカが確認された。14日午前8時ごろ、札幌市の住宅街で、茶色い毛並みに白い斑点模様のシカが物置の陰に不安げな顔で身を潜めている様子が伺える。その光景に指を指しながら子どもたちが見ていると、民家の方に顔を出し、口をモグモグさせ、色づく前の家庭菜園のトマトを食べた。「小鹿が2頭走り去っていった」と通報を受けた警察が駆けつけ、にらみ合いが続いたが、札幌市が麻酔の吹き矢を使って捕獲したという。

(公園、20日から閉鎖:秋田)
秋田市は19日、クマの目撃が相次いだとして、浜田森林総合公園と、隣の市民の森を20日から閉鎖する。来月3日までの予定。市はクマを捕獲するための箱わなを2カ所に仕掛ける。

(車の前を“野生のヒグマ”横切る:北海道)
休日の国道に突然現れた黒い影。その正体は…クマでした。7月16日正午過ぎ、北海道三笠市の国道を芦別市方面へ走る車。信号がないのにも関わらず急に車の流れが悪くなりました。そこに現れたのは…平然と車の前を横切るクマ。その後、山へ消えていきました。体長は約1m。体つきなどからも子グマだとみられます。北海道は、クマを目撃しても車から降りることはせず速やかに離れるよう注意を呼びかけています。特に子グマの場合は、付近に親グマがいる可能性があるため危険だとしています。

(大型トレーラーとクマ衝突:北海道)
18日夜、北海道南部の長万部町の国道で、走行中の大型トレーラーがクマと接触しました。クマは、そのまま逃げていて、警察は注意を呼びかけています。18日午後9時55分ごろ、長万部町栗岡の国道5号線で、大型トレーラーを運転していた62歳の男性が「クマとぶつかりました」と警察に通報しました。クマは体長1.5メートルほどで、尻が大型トレーラーと接触したとみられますが、そのまま長万部川の方向に逃げたということです。大型トレーラーの男性に、けがはありません。付近に住宅街などはありませんが、警察は、近くを走行する車のドライバーなどに注意を呼びかけています。

(遺跡近くにクマのふん、安全確保へ臨時閉鎖:北海道)
世界文化遺産の「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する函館市南茅部地区の大船遺跡近くの市道脇でクマのふんが見つかり、市教委は16日、同遺跡を臨時閉鎖した。安全が確認されるまで当面閉鎖する。

(給食センターでクマ目撃:栃木)
15日午前5時55分ごろ、日光市足尾町向原の市足尾学校給食センター敷地内で、センター職員がクマ1頭を目撃した。日光署によると、クマは体長約1メートル。南へ移動したという。

(小学校の校舎屋上にサル3匹:栃木)
那須塩原市の青木小学校の校舎の屋上に体長50センチくらいのサルが3匹いるのを14日午前5時15分ごろ、近所の人が見つけ警察に通報しました。被害は確認されていないということですが、警察は関係機関と連絡してパトロールを強化しています。

(狩人先生が解体手ほどき:福岡)
5月末、木漏れ日が差す福岡市西区の九州大伊都キャンパス。捕獲したばかりのイノシシを前に、新入生5人が“狩人先生”として知られる同大基幹教育院准教授、安田章人さん(40)の手さばきに目を凝らした。「喉元から切り開いて、内臓を抜き取る」。安田さんが一つ一つの工程を説明する。学生も加勢しながら、皮を剥ぎ、四肢を切り取り、ロースやももなどの部位に分けていった。キャンパス内に出没するイノシシを捕獲、解体する同大「狩猟研究会」(通称・狩り部)の新歓イベントだった。この日の朝、8個の箱わなに20キロ前後の3頭がかかった。交流サイト(SNS)で45人の部員に「捕獲」連絡が回ると、新入生5人が駆け付けた。イノシシはうなり声を上げ、金属製のわなに激しくぶつかる。狩猟免許を持つ顧問の安田さんが足を捕まえてとどめを刺そうとすると、イノシシは必死の叫び声を上げた。5人は息を殺して見守った。作業は午前10時に始まり、終わったのは午後5時ごろだった。長崎市の父の家庭菜園がイノシシに荒らされていたという理学部1年の桑原駿介さん(19)。「動物の命を奪うのを初めて見て、肉を食べることに感謝の気持ちが芽生えた。重労働だったけれど、できる限り続けたい」と話した。肉は各自で持ち帰る。SNSで“珍サークル”と評されているのを見て参加した工学部1年の中村海斗さん(19)は「通常は見られない現場に立ち会えた。肉がおいしかったら、また参加したい」と語った。2013年からキャンパス内で捕獲に携わる安田さんは環境社会学が専門。人と野生動物の共存関係の研究を続けている。「米国では狩猟を通じ、親から子へ自然との向き合い方が伝えられる。大学でのイノシシ捕獲、解体を通じて、人間は自然の一部だと感じるようになってほしい」と部の顧問を引き受けている。キャンパスは4割(約100ヘクタール)が森林。近隣ではもともとイノシシは見られなかったようだが、新キャンパスの造成が始まった2000年ごろから目撃情報が増えた。周辺には農家も多く、イノシシの増加は地域の大きな課題だ。狩猟体験を通じて、人間の生き方を考えようと14年に発足した狩り部。これまでに15人以上がわな猟の免許を取得した。他大学でも同様のサークルが増え、18年には10大学が参加して学生狩猟サミットも千葉県で開催されたほどだ。部長の松本龍さん(21)=共創学部3年=は群馬県の尾瀬周辺で過ごした高校時代にわなの狩猟免許を先行取得した。「当時から尾瀬の植物を食い荒らすシカが問題になっていた。狩り部ではイノシシを頻繁に捕獲するが、近くの農家にとっても重大な問題だと実感している」と話した。福岡女子大(福岡市東区)では18年から、狩猟をテーマにした体験授業が開かれている。国際文理学部の和栗百恵准教授(体験学習)が企画した。「誰もが性別にとらわれず、自分らしく生き、生活スタイルも多様な時代。狩猟で命と向き合い、生きて働いていく原点を見つめ直してほしい」と願う。シェアハウス経営や狩猟グループなど、さまざまな立場から狩猟に携わる6人がこの体験学習に協力。3月には、大学から約20分の福岡県新宮町の森でシカを捕獲、解体した。5人で4時間かけて解体した同学部2年の萬谷晴佳さん(19)は「シカがとどめを刺される前、激しく動き回るのを見て立ち尽くした。命をもらって生きていることを強く実感した」。今は管理栄養士を目指しており「食べ物を残さず、おいしく食べる後押しをできるよう勉強を頑張りたい」と話す。2年連続で解体に参加したという同学部3年の宮崎綾さん(21)。「大量生産される肉に違和感を持っていると猟師から教えてもらい、私もエシカル(倫理的)な消費を意識するようになった」イノシシやシカをいただく営みが、確かに若者に変化をもたらしていた。

(「町の厄介者」を狩る:三重)
野生のシカによる農作物の被害が増加している三重県に、“独自の罠”で狩る達人のハンターがいる。仕留めたシカはシェフが「世界一」と絶賛する品質で、絶品の高級フレンチに生まれ変わる。達人の猟に密着し、こだわりを探った。三重県津市美杉町。町は増え続ける“厄介者”シカに困り果てていた。三重県内で、2020年に駆除された野生のシカの数は、9年前の3倍にあたる約1万8000頭。県内での農作物への被害額は、年間4700万円を超える。古田洋隆さん(67)は、年間約600頭のシカを仕留めるという「凄腕ハンター」だ。元々趣味でやっていた狩猟。人助けのつもりが本格化し、17年前に本業になった。そしていつしか、古田さんが仕留めたシカは「ジビエ料理」の食材としても評判になった。野生動物の肉に残る独特な獣臭さも、古田さんが持ち込んだ肉にない。古田さんのシカを提供している津市の「ミュゼボンヴィヴァン」のシェフも絶賛だ。古田さんのシカ肉が絶賛されるのは、独自の狩猟方法にあった。「猟銃」でシカをしとめた場合、心臓が止まった後も体の中に血が残り、肉に特有の臭いが残る。「檻」で捕獲した場合は、獲物が体をぶつけて内出血を起こすため肉の色が変わってしまう。古田さんは無駄にシカを傷つけないよう、改良を重ねたオリジナルの「罠」を使う。シカが罠に掛かると、すぐに次の作業に取り掛かる。“血抜き”と呼ばれる作業だ。最高の食材になるのか、普通の食材になるのか、重要な分かれ目だ。その場で血抜きを終えた後は、自宅の作業場ですぐに解体へ。鮮度を保つには、仕留めてから1時間以内に解体しなければならない。素早く作業を済ませ、向かった先はレストラン「ミュゼボンヴィヴァン」。ミュゼボンヴィヴァンのシェフ:「キレイですね。若いシカですけど色が濃いですね。こういうシカは肉質がやわらかいんですけど、味が濃いんですよ。実は一番うまいんですよ」。こうして、厄介者が最高のジビエ料理に生まれ変わる。古田さん:「人々はどれだけ文明が進んでも電気や原子力では動かないので、やはり物の命を頂いて自分の命をつないでいるんですね。ですから、最高の食材にして余すところなく使ってくれる料理人にバトンタッチができたらいい」。

(広まれジビエ、普及に力:愛知)
苗が踏みつぶされ、熟した果実が食い荒らされる。イノシシやシカ、鳥類による農作物への被害が広がっている。県の二〇二〇年度調査によると、地域別で豊田加茂地域の被害額は県内最大の一億二千万円に上る。そんな同地域でいま、野生のシカやイノシシの肉「ジビエ」を活用した獣害対策が進められている。

(大規模焼却施設が完成:富山)
有害鳥獣の代表格「イノシシ」。富山県内の捕獲頭数は統計が始まって以降、増加傾向にあり、3年前には年間7000頭を超えました。また、イノシシを捕獲したあとの処分は地下に埋めるしかなく、地域住民の大きな負担となっています。そうした負担を一気に軽減してくれるのではないかと、県内では初となる施設が完成しました。これは、富山市などでつくる富山地区広域圏事務組合がおよそ4億円かけて整備したものです。原則、広域圏内が対象で施設は一日最大で500キロ処理できる焼却炉2台を備え、年間、およそ1700頭のイノシシを処理する能力があります。また、豚熱などの感染症を媒介するマダニなどを死滅させるため、運ばれてきた有害鳥獣をマイナス20℃程度で保管する冷凍庫も備えています。これまで駆除した有害鳥獣は埋め立て処分していて、必要な深さの穴を掘ったり付近の消毒したりする負担が大きく、土地の確保も課題でした。富山地区広域圏事務組合 梅澤 博 所長:「これまでは埋め立てを行っていましたが、今回は安全に焼却できる設備によって皆様方が安全に暮らせるようになったらと思います」。

(柿渋や鹿の角で「揖斐ギター」製作:岐阜)
千葉県から岐阜県揖斐川町に今年3月に移住したギタリストが、地元特産の柿渋や、山で捕獲した鹿の角などを使ったエレキギターを製作した。自ら演奏活動をしながら、町の自慢が詰まったご当地ギターの音色を響かせている。ギターを製作したのは柳沢慶太さん(42)。若者から絶大な人気を誇っていたシンガー・ソングライターの尾崎豊さんにあこがれ、高校入学と当時にギターを始めた。ロックバンドを結成して演奏活動を続けながら、専門学校でギター製作の技術を学んだ。卒業後は楽器店でギターの修理などを担当した。柳沢さんは2年前、音楽仲間が揖斐川町の古民家貸別荘に宿泊し、ライブを開いた様子をSNSで見て感動し、すぐに足を運んだ。「縁もゆかりもなかったが、こんな豊かな自然のなかで、のんびりと過ごせたらいいな」と思った。貸別荘のオーナーで隣接する大和神社神主の保井円さん(59)とも意気投合。今年3月、空き家を紹介してもらい移住を決意した。1年ほど前から、国産材を用いて、地域性を前面に出した「和テイスト」のギターづくりの構想を頭に描いていた。移住後、美濃地方が日本三大柿渋の産地と知った。保井さんが橋渡し役となり、地元で柿渋染めを手がける金子悟さん(38)に協力を依頼。エレキギターのボディーは柿渋を塗って仕上げた。金子さんもギターに柿渋を塗るのは初めてだったが、「思ったより渋い感じに仕上がった」と喜ぶ。弦を安定させ、音質にも影響するナットは、金子さんが山で捕獲した鹿の角を削って作った。ナットに最も適しているとされる象牙に近い音質に、柳沢さんも驚いたという。ギターのロゴマークは、地元の酒蔵で働きながらグラフィックデザインを手がける折戸万智子さん(40)に制作を依頼。ほかにもピックガードは地元の家具店が協力。約3カ月かけ、地域の力を結集して「揖斐ギター」が完成した。6月下旬に、大和神社境内でのイベントで初めて演奏を披露し、保井さんがたたく和太鼓との共演も実現した。柳沢さんは、揖斐川町でアイリッシュバンドを結成していて、今後は揖斐ギターを携えて演奏に参加する予定だ。ベースを演奏する保井さんとのバンド活動を検討している。柳沢さんは「ギターの音色を通して揖斐川町のことをたくさんの人に知ってほしい。今後も地元の材料にこだわったギターづくりをしていきたい」と話す。

(「ICT機器を活用した鳥害対策の有効性確認」のトライアルを開始:埼玉)
越谷市(市長 福田晃)、株式会社CrowLab(代表取締役 塚原直樹 以下「CrowLab社」)、東京電力パワーグリッド株式会社 川口支社(川口支社長 渡部 恵美 以下「東京電力パワーグリッド」)、東日本電信電話株式会社 埼玉南支店(埼玉南支店長 花石 啓介 以下「NTT東日本」)は、越谷市内のカラスによる被害を減らし、住環境における地域課題を解決していくため、ICT技術等を活用した有効性確認の4者連携トライアルを開始することから、2022年7月14日に、協定を締結いたしました。今後は、本協定に基づき地域課題の改善に向け、取り組みを推進してまいります。

(白神のクマ肉:青森)
西目屋村ブナの里白神公社が4月に発売した「白神クマカレー」と「白神クマ丼」(各980円)は、パッケージのキラリと光る爪痕が目を引く、お手軽なクマ肉商品です。GMUの木村莉奈、鳴海ルナ、水樹華の3人が初めての食材にドキドキしながら、気になる味をチェックしてきました。材料のクマは、野生動物から作物を守るわなにかかったもの。「獣を授かりものとして大切にする」というマタギ(猟師)の文化を受け継ぎ、熟成の技で野生動物の硬さや臭みを取り除いているそうです。試食は、観光客に人気の道の駅津軽白神ビーチにしめやで。お肉たっぷりのカレーは「柔らかいのに力強い味わい」(木村)、クマ丼は「甘じょっぱい味付けで、タケノコなどにも地元へのこだわりが感じられる」(水樹)と、驚きの食べやすさでした。これならお土産にもピッタリだと思います。続いて、クマ料理ではありませんが桑田翼駅長おすすめの津軽ダムカレーです。ライスと豚カツでできたダムが、カレーをせき止めているような楽しい盛り付け。小さなスコップみたいなスプーンで試食した鳴海は「おいしいのはもちろん、ダムの形をしていて小さい子も楽しめそう」と、うれしそうでした。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、19日午前9時50分ごろ、富谷市穀田土屋沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後3時ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前7時30分ごろ、仙台市泉区加茂1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後7時30分ごろ、仙台市泉区根白石花輪山下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、18日午前11時ごろ、富谷市西成田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、17日午後3時45分ごろ、利府町神谷沢菅野沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、17日午後2時20分ごろ、利府町神谷沢北沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、15日午前8時ごろ、色麻町志津鷹巣屋敷岸付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時30分ごろ、仙台市泉区福岡板橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前9時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子白沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、14日午前11時50分ごろ、富谷市石積猿田にクマが出没しました。

TOPへ