<射撃ニュース9月>
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(期間外にヌートリア捕獲疑い逮捕「動画で稼ぎたかった」:愛知)
愛知県警は9日までに、ネズミの仲間で特定外来生物の「ヌートリア」を狩猟期間外に捕獲したとして、鳥獣保護法違反の疑いで、ベトナム国籍の派遣社員ズオン・タィン・ズン容疑者(39)=同県西尾市=を逮捕、送検した。県警によると、容疑者はヌートリアを捕獲する様子などを動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信。「動画で金を稼ぎたかった」とする一方、狩猟期間などを把握していなかったとも供述している。逮捕容疑は狩猟期間外の3月ごろ、同県豊川市の河川敷でわなを使い、ヌートリア1匹を捕まえた疑い。動画の視聴者から県警に複数の情報提供があった。

(シカを狙って発砲した銃弾が車に当たる、元猟友会の男性を不起訴処分:長野)
上田市の山中で4月、猟銃の弾が通りかかった車に当たった事件で、書類送検された猟友会の会員を長野地検はきょう付けで不起訴処分にしました。不起訴処分になったのは、上田市に住む当時猟友会の会員だった86歳の男性です。4月、男性が上田市平井の山中でシカの駆除のため猟銃を発砲した際、道路を走っていた車の窓ガラスに当たりました。弾はシカに当たった後、車に当たったと見られ、警察は銃による猟が禁じられている方向に銃を発射した鳥獣保護法違反などの疑いで、書類送検していました。この男性について長野地検がきょう付けで不起訴処分としたことがわかりました。男性は事件後免許を返納し、猟友会を脱退したということです。上田市は猟友会員に対し、注意を呼び掛ける文書を出したり研修会を開くなど、再発防止に努めているということです。

(山林でクマに襲われ、男性は右腕の骨を折る大けが:宮城)
9月13日朝、宮城県大崎市の山林で山菜採りをしていた70代の男性がクマに襲われ、大けがをしました。クマによる人身被害は今年に入って、これで7人目で、ここ10年で最も多い被害人数となっています。警察によりますと、13日午前8時ごろ、大崎市鳴子温泉鬼首の山林で、山菜採りをしていた70代の男性が1頭のクマに遭遇しました。クマは男性に覆いかぶさり、男性の右足や手にかみついたということです。男性は自力で近くに止めていた車に戻り、大崎市内の病院で手当てを受けました。県自然保護課によりますと男性は右腕の骨を折る大けがということです。県内でクマに襲われてけがをした人は今年に入ってこれで7人目で、ここ10年で最も多い被害人数となっています。県自然保護課は山林に入る際はクマの活動が活発化する朝や夕方の時間帯を避け、鈴など音の出るものを身に付けるよう呼びかけています。

(住民襲うイノシシ出現、庭にいた男性の足にかみつき:愛媛)
住宅にイノシシが現れ、住民の男性を襲って逃げた。11日午後5時10分ごろ、愛媛・松山市の住宅にイノシシが現れ、庭にいた70代の男性の左足にかみついた。イノシシはその後、近くの老人ホームの敷地内に逃げ込んだため、警察や市、猟友会などが夜通し施設を包囲した。12日午後には、猟友会などがイノシシが逃げないよう壁を作り、おりに誘導。住民を襲ってから20時間たった午後1時20分ごろ、イノシシは捕獲され、その後、殺処分されたという。

(クマにかまれて女性けが:栃木)
9日午前6時ごろ、那須町高久丙の路上で、散歩をしていた同町、無職女性(79)がクマに遭遇し、右手付近をかまれて裂傷を負った。那須塩原署によると、クマは体長約1.3メートル。同署は付近のパトロールなどを行い、注意を呼びかけている。

(サルが母親に抱かれた幼児襲う:佐賀)
9日夕方、佐賀県みやき町の路上で、幼児を抱っこした母親が、サルに襲われ、幼児が足首に軽いけがをしました。警察によりますと、9日午後5時5分ごろ、みやき町白壁のファミリー公園付近の路上にサル1匹が出没しました。サルがいるのを見かけ、家に避難していた女性が外を歩く近所の人に注意を促そうと、家の外に出たところ、サルと鉢合わせ、襲われたということです。当時女性は、幼い娘を抱っこしていて、娘は、サルに右足首を引っかかれ、軽いけがをしました。付近では8月7日にも、サルの目撃情報があり、警察は、サルが今後も出没し、人を襲う可能性があるとして、注意を呼び掛けています。

(キノコ採りの男性、クマに襲われる:岩手)
11日朝、岩手県田野畑村の山中でキノコ採りをしていた40代の男性がクマに襲われケガをした。命に別条はないという。警察と消防によるとケガをしたのは、田野畑村に住む40代の男性で、きょう午前7時ごろ、田野畑村日蔭の山中でキノコ採りをしていたところ、突然現れたクマ1頭に顔をかまれたという。男性は自力で下山した後、自ら消防に通報。搬送時、意識はあり会話も可能で、病院で手当てを受けているが命に別条はないという。クマは現在も見つかっておらず、警察が現場付近の警戒にあたるとともに田野畑村では防災無線で住民に注意を呼びかけている。

(ウォーキングの女性がクマに襲われけが:長野)
14日午前、御代田町でウォーキングをしていた65歳の女性がクマに襲われ、頭や首などにけがをしました。警察などは現場周辺で注意を呼びかけるとともに周辺の警戒を続けています。14日午前6時半ごろ、御代田町塩野の林道でウォーキングをしていた町内に住む65歳の女性がクマに襲われました。女性は、頭や首などをかまれたり、ひっかかれたりしてけがをしましたが、意識はあり、自力で自宅に帰ったあと病院に搬送されて手当てを受けたということです。警察によりますと、女性やその家族の話などからクマは成獣とみられるということです。女性が襲われた林道の周辺は住宅が点在している場所で、警察や地元の猟友会が現場周辺でパトロールをするなどして注意を呼びかけているほか、ワナを設置してクマの捕獲を試みています。女性が襲われた現場近くに住む男性は「このあたりは獣道もあるし、クマもよく出ます。怖いので、出かけるときは鈴を鳴らすなど対策をして出かけたい」と話していました。

(クマに襲われる被害、過去10年で最多:宮城)
宮城県内でクマに襲われる被害が相次ぐ。4月に色麻町で1件、7~8月に仙台市で3件あり、計6人がけがをした。県によると4~8月の目撃情報は410件と昨年同時期を146件下回るが、人的被害は過去10年間の同時期と比べて件数、人数ともに最多となった。県は、冬ごもりに備えてクマが活発になる時期を迎えることから注意を呼びかける。具体的には(1)ラジオやクマよけの鈴を持ち歩いて音を出す(2)家庭ごみや未収穫の農作物、残飯などを野外に置かない(3)クマが隠れやすいやぶや草を刈り払う-といった対策を求める。県自然保護課の担当者は「クマの行動範囲が広がる時期で、どこに出没するか分からない。朝夕の散歩や農作業時も気を付けてほしい」と注意喚起する。同課はクマの人身被害や目撃情報があった位置をホームページで公開している。クマに遭遇した場合は、刺激をせずゆっくり後ろに下がり、襲ってきたら両手で首の後ろを守って伏せる。クマは執拗(しつよう)には攻撃を続けず、その場から離れるという。

(豚熱発生4年、防疫の検証・見直し必要)
9日で豚熱の26年ぶりの発生から4年。栃木県では7月23日から過去最大の約5万6000頭の防疫措置が続く。各地で野生イノシシの感染は広がり、リスクは高まる。加えて飼料や燃油高で経営の厳しさは増す。今まで通りの対応を続けるべきか。検証と見直しが必要だ。発生は4年間で83事例に及び、155農場と五つのと畜場で、約35万3852頭が殺処分された。ここ2年間では22事例となり、最も間隔が開いたのが3カ月ほどと、高い頻度で発生が続いている。農家や防疫に当たる現場の厳しさは、7月の過去最大規模となる栃木県の事例で改めて浮き彫りになった。県が防疫措置などのため知事専決処分で確保した経費は18億円。豚の殺処分や埋却、消毒ポイントの設置に使う。酷暑の中、作業は夜間から午前中としたものの、気密性の高い防護服を着用しているため脱水症状や体調不良で4人が救急搬送されたという。現在は冷房の設置や作業時間の短縮などで対処するが、農場の清掃・消毒が完了するのは今月30日となる見込みだ。豚熱は強い感染力があり、治療法もないため、殺処分は迅速に行うことが求められている。ただ、飼養規模によっては短期間で完了させることは難しい。5万6000頭に及ぶ防疫措置は、当初から殺処分と埋却までに2カ月、清掃・消毒で2週間かかると長期化を見通していた。発生農場から半径10キロ以内の22農場はワクチン接種済みのため、状況を確認し、生産・出荷を続けている。畜産、養豚農家の経営環境は厳しい。家畜防疫は農家にとって不可欠なもので、手を抜くことはできない。日頃の防疫作業に加え、出口の見えない飼料・燃油の高騰がのしかかる。負担が増す中、豚熱対策はこのままでよいのかという疑問の声も上がる。北海道大学大学院の迫田義博教授は、今月7日の日本獣医学会のシンポで、農家や関係者の負担低減策として、全頭殺処分から部分殺処分への転換について私案を示した。部分殺処分を実行するには、ワクチンの再接種や清浄性確認のモニタリングなど新たな議論が必要になる。それでもここ3年で農場へのワクチン接種が広がったことを踏まえ、発生農場でも抗体のある母豚を残すことができれば、関係者の負担軽減や経営再開の早期化につながるとみる。農水省は今年3月以降の発生は北関東にとどまり、農場間の広がりは抑えられているとの認識だ。一方でウイルスに感染した野生イノシシは各地で広がる。各種知見を基に、現場の負担をどう軽減し、感染を食い止めるべきか。難局を乗り切る施策の充実と強化を求めたい。

(イノシシ検査8707頭、獣医師ら農場点検:岐阜)
豚熱の国内再発生から、9日で4年。最初に確認された岐阜県では、飼養豚で計22件の発生が相次いだが、初確認から1年後の2019年9月を最後に、農場での発生を食い止めている。

(クロスボウ不法所持で罰則対象に)
改正銃刀法で許可制に移行したクロスボウ(洋弓銃)の所持について、許可申請や廃棄などの対応を行うために設けられた経過措置期間が、改正法施行から半年が経過する14日で終了する。15日以降も無許可で所持を続けると罰則対象となるため、埼玉県警は所持者に対し、改正法の周知を呼びかけ、無償でのクロスボウ回収を進めている。ボーガンとも呼ばれるクロスボウは、もともと無許可で所持することが可能だったが、令和2年に兵庫県宝塚市で起きたクロスボウを使用した4人殺傷事件などを受け、3年6月に改正法が成立。18歳未満は所持できなくなったほか、所持には都道府県公安委員会による許可が必要で、使用目的も射撃競技や動物麻酔などに限定される。15日以降もクロスボウを不法所持し続けた場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。埼玉県警では、改正法が公布された3年6月16日からクロスボウの破棄を無償で受け付け、今年8月15日までに計285本を回収した。9月14日までは無償での回収に応じる。廃棄などの目的で警察署に持ち運ぶ際には、容器に入れるなどして安全に運搬することが必要だ。

(火薬取締法に違反しないのはなぜ:沖縄)
沖縄県警は12日、県知事選に立候補していた佐喜真淳氏の演説中に複数の空包のような物を投げ付けて選挙活動を妨害したとして公職選挙法違反(選挙の自由妨害罪)の疑いで、チョウ類研究者の女性(43)=同県東村=を那覇地検に書類送致した。送検容疑は8月26日午後6時半ごろ、那覇市の県庁前広場で、演説中の佐喜真氏らに複数の空包のような物を投げ付け選挙活動を妨害した疑い。自民党県連(中川京貴会長)が8月下旬、那覇署に刑事告訴し、同月中に署が受理。県警は女性の自宅を家宅捜索するなどし、詳しく調べていた。米軍北部訓練場の跡地では銃弾などの廃棄物が大量に見つかっており、女性は撤去を求める抗議を行っている。女性は沖縄タイムスの取材に、投げ付けたのは北部訓練場の跡地で拾った火薬入りの未使用空包だと主張。「なぜ私が火薬類取締法違反で摘発されないのか。警察はやんばるの森に米軍廃棄物の空包が残されている事実を隠そうとしている」と話した。県警は今後、空包のような物についても調べる方針。

(牛65頭殺傷の最凶ヒグマ「OSO18」、動物愛護団体らからの抗議でハンターが動けない不条理:北海道)
コードネーム「OSO(オソ)18」、別の名を「忍者グマ」と呼ばれる最凶ヒグマをご存じか。3年前に北海道で発見されて以降、65頭もの乳牛を殺傷しているシリアルキラーだ。神出鬼没で酪農などへの被害も深刻。なんとか退治しようと闘う地元民の前に立ちはだかるのは、意外にも同じ“人間”たちだった。北の大地で今、何が起きているのか。その実態に迫る現地ルポである。「この目でOSOを一番最初に見ました。クマは自分より高いところにいる動物を強いと認識するらしく、自分とクマの位置が逆だったら、ほぼ間違いなく死んでいたと思います」。奇しくもクマを見下ろす格好だったゆえ、九死に一生を得たと振り返るのは、北海道標茶(しべちゃ)町の酪農家・高橋雄大さん(35)。2019年7月に、彼が最凶ヒグマと遭遇して以降、確実にOSOと断定できる個体を目撃した住民はおらず、貴重な第一発見者の証言なのである。「あの日は午後3時半頃、放牧していた牛が1頭少ないことに気付き、薄暗い山の中を探していたんです。その途中、うっかり足を滑らせてしまい“ワーッ”と大きな声を出したところ、下の沢の方でガサガサーって音がして……。なんだと振り向いたら、探していた牛が横たわっており、OSOが食べきれない分を埋めようと穴を掘っていた。私の姿を見て逃げていきましたが、こちらは意外にも冷静で、牛は生きているかと確認しようとしたんです」。ところが、クマが去ってから、高橋さんの背筋は恐怖で凍りつくことになる。「牛の内臓から何からお腹まわりまで全部、食いちぎられて息絶えていました。クマが動物を襲う時は首を狙ってかみ殺しますが、最終的には乳房とかお腹まわりの柔らかいところを食べていた。仕事柄、死んだ牛は何百頭と見てきたので怖いと思ったことはありませんが、あんなにグチャグチャにされたのを見るのは初めてで……」。高橋さんの住む標茶町は、北海道東部にある釧路湿原を抱え、人口7千人を数える住民よりも乳牛の方が多い酪農業が盛んな土地。「OSO18」は、高橋さんが最初に目撃した町内「オソツベツ」という地名と、前足の幅が「18センチ」だったことから名づけられた。この雄のヒグマが特異なのは、これまで滅多に狙われなかった乳牛を獲物にしていることだという。「体長は大人が両手を広げたくらいのサイズで、3メートルほどはあったと思います。実は自分が目撃するより何週間か前、OSOはここから車で10分ほど離れた久著呂(くちょろ)という町の共同牧場で最初に牛を襲って味をしめ、移動してきたようです。そちらでも白骨化した牛が何頭も見つかっていますので」(同)。この共同牧場で放牧し、最初に被害に遭ったという酪農家の男性(71)にも話を聞いた。「一気に6頭やられてしまったんですが、ウチの場合は鹿が入らないように牧草地の周りをぐるっとフェンスで囲っていた。だけどクマは下から潜ったりよじ登ったりと自由自在。工事現場などで夜間に発光するLEDライトをつけて、クマが出るところに等間隔でズラーッと並べても効果なし。そこをよじ登って出入りしてくるし、檻を仕掛けても入らない。何をやっても打つ手がありません」。地元のハンターたちの集まりである北海道猟友会標茶支部の本多耕平・副支部長(76)に聞くと、「恐ろしくOSOは頭が良くて、日中はまず姿を見せません。なるべく痕跡を残さないよう河原ではなく川の中を歩いたり、舗装道路に足跡をつけないように橋の下を迂回(うかい)したりして、ハンターの我々にとっても難敵。それらしきクマが無人カメラに映るのも夜中の22時から午前2時くらいまでの真夜中なんですが、法律で日没から日の出までハンターは銃を撃てない決まりになっています。銃器で倒すのは本当に厳しい」。追い打ちをかけるように熊撃ちのプロたちを悩ますのが、主に北海道外の人たちによる“抗議の嵐”だ。猟友会同支部の後藤勲・支部長(78)が明かすには、「地元の人たちは“襲われる前に鉄砲で撃って下さい”と言うけど、本州の動物愛護や自然保護の団体が“かわいそう”“殺すな”“動物虐待だ”と抗議してきて、ハンターたちは板挟みです。国や道など行政も、檻を設置してOSOを獲ってくださいとは言うけど、それ以外のクマを捕獲したら、できるだけ山に放してくれと。保護団体に配慮し、バカげた話がまかり通っているんです」。猟友会厚岸支部事務局の根布谷昌男さん(69)が言う。「OSOは罠の横を通ってもエサに見向きもしない。ふた昔くらい前は希少動物だからと罠にかかっても悪さしなけりゃ山の中に放したりしたので、学習してしまったのかもしれない」。先の本多副支部長も、「愛護団体の抗議は本当に多くて、標茶の役場の電話が鳴りやまないそうなんです。我々ハンターだって、むやみやたらにクマを見つけたら撃つ、なんでも殺せばいいと考えているわけではなく、人命にかかわることなので、しっかり頭数を管理しないといけないと思っているのです。クマの頭数が増えて、今のようにそこら中にいる状況になったのは、かつて道内でも保護の動きがあって、三十数年前に『春クマ駆除』が禁止されて以降のことですから」。再び後藤支部長に聞くと、「これだけの被害があって大騒ぎしているのに、まだ捕ったらダメだというなら、苦しんでいる農家のことを考えてもらわないといけない。このまま放置したらどうなる。じゃあ、抗議する人らはここに住んでみるかいと。農家の被害を補償してくれるのかと言いたいです」。いったい地元の被害はいかほどなのか。そこで標茶町役場農林課に尋ねると、「21年までの農家さんの被害ですが、牛の死亡や治療などにかかる費用から算出した額は約1900万円。牛を放牧中、被害があったため中止した場合に発生した牛の飼料購入費については約2千万円(想定額)となります。その他にも損害が発生しているかもしれませんが、町で算出しているのは以上です」。最後に、冒頭で話した第一発見者の高橋さんは、「本当は自然の中で育てるのが一番なのに、襲われた当日から仕方なく放牧はやめています。ずっと牛舎に閉じ込めっぱなしなんですが、そうなると足腰が弱くなって、乳牛として長く使えない。収入が何百万円も違ってくるので、本当に大変です……」。それでもクマの命の方が大事だと声高に叫ぶ人々は、是非とも標茶の町へ足を運ぶことをお勧めしたい。

(姿を見せない“忍者グマ”を捕獲するには?:北海道)
北海道で次々と乳牛を襲う巨大ヒグマ「OSO(オソ)18」。専門家の調査で、捕獲のチャンスが見えてきました。7月。酪農の町、北海道標茶町。放牧中の乳牛が、変わり果てた姿で発見されました。近くには、大きなクマの足跡。電気柵を避けるために掘ったとみられる穴も見つかっています。推定、体長およそ2メートル、体重300キロの巨大グマ「OSO18」。2019年7月以降、北海道東部の標茶町と厚岸町で60頭以上の乳牛を襲っています。最初に被害が報告された標茶町下オソツベツの「オソ」と、前足の幅が18センチあったことから名づけられました。地元のハンターは、警戒心が強く、ヒグマ特有の獲物に対する執着心を見せないと証言します。北海道猟友会標茶支部 後藤勲 支部長「自分の餌だからと普通はとられた困るから、そこから逃げないでいるけど、それ関係なしに、食べては逃げていなくなってしまう。我々は『ここが餌場だから寄ってくるだろう』と待ち構える。しかし寄って来ない。それだけ利口だということ」。町などは、箱わなを仕掛けて捕獲を試みてきましたが、わなにかかるのは若いクマばかり。3年間で監視カメラに姿が映ったのはわずか2回だけ。それもハンターが銃を使えない夜の時間帯です。終わりの見えない忍者グマとの知恵比べ…。道は、ことし2月、クマの生態に詳しいNPO団体に調査を依頼します。南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖 理事長「被害現場をベースに、クマが移動したであろう部分が見えてきた。ここを中心に、こっちに行ったり、こっちに行ったり、必ずここに戻っている」。新たな調査の結果、移動ルートや拠点になっている場所が判明。強い警戒心を解くことができれば、捕獲のチャンスはあると話します。南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖 理事長「今までの対応の仕方がなかなか上手くいっていなくて、そこら中に人間の臭いを置いてきて、クマに警戒を与えるようにしてしまった。今年はそれ(人間のにおい)をなくして静かにしたところ、自分の餌だと思って、死んだ牛を違うところに引っ張って行ったりしてますから。(OSO18は)全然、普通のクマです。タイミングさえ合えば捕獲のチャンスはあります」。酪農のマチを恐怖に陥れている巨大グマ。住民が平穏を取り戻せる日は、近いかもしれません。

(作物の被害を守り適正な生態系を、九州5県でシカ一斉捕獲)
シカによる農林産物への被害を防ぎ適切な生態系の維持を目的とした、シカの一斉捕獲が九州5県合同できょうから始まりました。熊本や福岡など九州5県合同で始まったシカの一斉捕獲は、県境にある各地の山で始まりました。九州山地はシカの生息密度が高く、農林産物への被害が各地で発生していて生態系への影響も懸念されています。一斉捕獲が実施された地域のひとつ人吉市木地屋町(キジヤマチ)の山には、猟友会のメンバーたちが背の高さほどまで伸びた草木の中を進み、猟銃を使って重さ50キロほどのシカ1頭を仕留めました。シカの一斉捕獲は今月25日まで行われます。

(3年ぶりにクマ猟解禁へ:兵庫)
兵庫県は12日、ツキノワグマの狩猟を3年ぶりに解禁し、猟期期間を11月15日~12月14日にすると決めた。生息数維持のため禁止していたが、隣接府県を含む東西二つの地域で推定生息数が解禁基準(800頭以上)を上回った。12日にあった県環境審議会鳥獣部会で了承された。1月時点の推定生息数は、県東部と京都北部が814頭(県内325頭)、県西部と鳥取、岡山県が808頭(同315頭)だった。ツキノワグマの増加傾向を受けて、県は2017年度、被害防止と保護を両立する5カ年の管理計画を策定。解禁基準を決めて20、21年度は禁止した。22年度以降の5年間は円山川と市川を境にした東西の地域で、いずれも800頭以上になれば狩猟を解禁すると決めていた。

(野生イノシシで「豚熱」確認、猟友会も対応に苦慮:秋田)
8月、秋田県湯沢市で死んだ状態で見つかった野生イノシシ2頭から「豚熱ウイルス」が検出された。人に感染することはないとされているが、畜産農家は今後の広がりを警戒している。これまで農作物被害を防ごうと最前線でイノシシと対峙(たいじ)してきた猟友会も、対応に難しさを感じている。コメ作りが盛んな湯沢市高松地区一帯をパトロールし、野生イノシシによる食害の状況を確認するのは、湯沢市南部猟友会の高橋俊一さんだ。湯沢市南部猟友会・高橋俊一さん:「これがイノシシの足跡。これもだ、ウリボーの。春から田んぼ掘って代かいて植えて、いよいよ収穫ちょっと前になってこれ(イノシシによる食害)やっちゃうと農家の人はがっかりしますよね」。イノシシは、秋田県内では湯沢市で2012年に初めて捕獲され、それ以降、県内全域に生息域を広げている。農作物への被害が拡大する中、8月中旬から下旬にかけて、市内でイノシシ2頭が相次いで死んでいるのが見つかり、豚熱に感染していた。湯沢市南部猟友会・高橋俊一さん:「正直言ってショックだった。1頭、2頭から出てしまったということは、その5倍、10倍、もっといるかもわからない」。現在は禁猟期のため、高橋さんは農作物への被害を防ぐ有害駆除という形でイノシシの足跡をたどり「くくりわな」などを仕掛ける。例年、この時期は10個ほど仕掛けるが、現在は3個にとどまる。湯沢市南部猟友会・高橋俊一さん:「ちゅうちょ。捕ったあとどうしようかと、やる前から不安になるから困っている」。豚熱という見えない敵の出現に、有害駆除の手を緩めざるを得ない状況で、最前線の現場には困惑が広がっている。

(「クマ出没」行政や警察が実践訓練:新潟)
ツキノワグマが市街地に出没し、建物に侵入したとの想定に基づく訓練が、新潟県長岡市で7日に行われた。県鳥獣被害対策支援センターと長岡市、長岡署などが実施。麻酔銃を扱う業者や猟師とも連携し、リアルなかぶり物をしたクマ役が建物内に出没するなど実践的な訓練で、目撃情報の認知から捕獲まで一連の対応を確認した。同センター主体の訓練は、クマによる人身被害が相次いだ2020年に魚沼市で初めて実施し、2回目。今回は約20人が参加し、長岡市の栃尾地域交流拠点施設「トチオーレ」で机上・現地訓練を約3時間かけて行った。机上訓練は、長岡市内にクマ1頭が出没したとの通報を合図に開始。西谷川に沿って移動▽栃尾中央公園に向かった▽パトロール中の市職員がトチオーレに侵入するのを目撃――という流れで、刻一刻と変わる状況に合わせた対応をワークショップ形式で協議した。続く現地訓練は、クマがトチオーレに侵入したとする机上訓練の状況に基づいて実施。まず各機関の配置などを確認、初期対応を話し合った。「建物に閉じ込める前に車で逃走経路を塞ぐべきか。建物に近づくとクマが寄ってくるのではないか」。こう質問する長岡市職員に対し、麻酔銃業者が「クマの視線は低いので車のバリケードは有効と判断する。閉じ込められずに逃げても川の方面に行くだろう」とアドバイスをする場面もあった。屋外では車両3台を並べ、すき間をシートで塞いだバリケードを構築した。すると建物内にクマが出没。外に出ないよう包囲した上で麻酔銃を構えた猟師が少しずつ距離を詰めていった。銃弾が命中したとの想定でクマが倒れると、近づいて麻酔が効いているかを確認。「心拍数問題なし。不動化できている」との情報を共有し、訓練を終了した。同センターの葉葺久尚副所長は「実践に近い形の訓練で、各機関が顔の見える関係を作ることができた。一緒になって住民の命、安全を守っていきたい」と話した。県鳥獣被害対策支援センターによると、県内のツキノワグマ目撃情報は今年度、496件(9日時点)。例年並みで、人身被害は胎内市で登山者がけがをした1件。6月には阿賀町の道の駅「阿賀の里」で、体長約1メートルのクマ1頭がガラスを割って店舗内に侵入する事案が起きた。クマの餌となるブナの実の豊凶調査で「凶作(結実は認められない)~不作(わずかに結実)」となった2020年度には、人身被害が17件21人で過去最多となり、19年ぶりに死者も出た。一方、今秋の県内状況(速報)は「並作(樹冠全体にまばらに、または一部に結実)」という。同センターはクマと遭遇したら刺激せずにゆっくり後ずさりし、襲われた場合には爪先を外側に向けてうつぶせになり、手で首を守る防御姿勢を取るよう注意喚起している。

(鳥獣被害2億6000万円:和歌山)
2021年度に和歌山県内で発生した野生鳥獣による農作物の被害額は2億6164万2000円で、前年度より2843万3000円(10%)減少し、1998年度以降で2番目に低い水準となったことが県のまとめで分かった。イノシシの被害が特に減り、豚熱の流行による生息数の減少が影響しているとみられる。被害額を加害鳥獣別に見ると、イノシシが9177万1000円(前年度比3691万7000円減、構成比35%)で最も多く、シカ5510万3000円(同1231万8000円増、21%)、サル4393万4000円(同244万円増、17%)、アライグマ2467万3000円(同820万9000円減、9%)と続いている。農作物別では、果樹の被害額が79%と大半を占め、野菜が11%、水稲が5%となっている。イノシシの被害は市町村別でも24市町で減少した。県内では20年10月に初確認された豚熱により、イノシシの生息数が減少したことが要因とみられる。県農業環境・鳥獣害対策室は、22年度以降も減少が続くのか、動向を注視する。被害額が増加したシカは、生息数が増加傾向で推移し、同室は「対策はしているが、なかなか減らせていない」と話す。20年度は約1万5000頭を捕獲し、生息数は推定約6万5000頭。県は「第2種特定鳥獣管理計画」(22~26年度)で、シカの年間捕獲数1万9000頭以上を目指し、被害の減少を図る。

(クマ対策連絡会「今秋は大量出没の可能性低い」:福井)
冬眠に向けてツキノワグマが餌を求めて活発に動き回る時期を控え、ツキノワグマ出没対策連絡会が、県庁で七日に開かれた。県自然環境課は「餌になるドングリ類の生育状況から、今秋、県内全域での大量出没の可能性は低い」と報告。一方で「里山に恒常的に生息しているクマが集落に出没する恐れがあり、警戒が必要」と注意喚起した。

(クマ大量出没のおそれ、ブナの実“凶作”予想:石川)
石川県は、クマの餌となるブナの実がこの秋、凶作になり、クマが人里に大量出没するおそれがあるとして12日、出没警戒情報を発表しました。石川県で今年に入ってから、クマが目撃された回数は8月末までに208件に上り、過去最多のペースで推移しています。石川県が8月中旬以降、クマの餌となるブナの実のなり具合を調べたところ、今年4月と6月の調査に続き、凶作になるとみられることが分かりました。このため石川県は、冬眠前のクマが餌を求めて人里に大量出没するおそれがあるとして、過去最多の15人が重軽傷を負った2020年以来、2年ぶりに出没警戒情報を発表しました。石川県自然環境課 野上達也課長補佐「自宅の周りに生ゴミ、ペットフードなどクマを誘引するようなものを放置しない。山へ入る際には、2人以上で行動する。あるいは、鈴、ラジオなど音の鳴るものでクマに自分たちの存在を知らせる。そういった対策を行うことが山へ入る時に重要」。石川県は、クマを引き寄せるカキやクリの実などを取り除き、やぶを刈り払うなど、対策を徹底するよう呼びかけています。

(問題ヒグマ、ドローンで監視:北海道)
道内の自治体で、ヒグマ警戒の見回りや個体の捜索などに熱赤外線センサー付きカメラを搭載した小型無人機ドローンを導入する動きが広がっている。道は効果的な飛行・撮影方法を研究しており、昨秋には山中のヒグマの撮影に成功。札幌、旭川、砂川市など活用する自治体も増えつつある。人手に頼るやり方より作業を効率化できるほか、襲われるリスクも減る。費用や人材面に課題もあるが、道はノウハウを市町村に提供して普及を目指す。道はヒグマの出没増を受け人工知能(AI)やドローンを活用してヒグマを効果的に見つけ出す実証事業を2019~21年度に実施。ソフト制作のサンクレエ(札幌)に委託し市街地や山中に潜むヒグマの捜索に適した飛行高度や時間帯を研究した。熱赤外線センサーで探知するためヒグマの体温が際立つ環境が望ましく、夏以外の季節で精度が高まることや夜間、早朝が適していることなどを確認。出没場所の地形を把握することで効率的な飛行ルートの設定も可能となった。昨年10月に後志管内島牧村の山林での実験で、初めてドローンによるヒグマの撮影に成功。機体に付けたスピーカーで人の声や犬のほえる声を流し、山奥へ追いやることもできた。問題個体などの捜索は、数人で一日がかりで行うことも珍しくなく、人手や時間がかかる上、襲われる危険と隣り合わせだ。3月、札幌市西区三角山で冬眠穴の調査中に男性2人が襲われる事故が発生。市は4月に再度入山した際、猟友会に委託して試験的にドローンを活用した。来年度以降に本格運用する方針。

(マングース根絶近づく、奄美大島で4年捕獲ゼロ:沖縄)
環境省は10日までに、鹿児島県奄美大島で進める特定外来生物マングースの防除事業の2021年度実績をまとめた。わなや探索犬によるマングースの捕獲はなく、捕獲ゼロの状態が約4年にわたって続いている。同省は「生息数は極めて少ない状態か根絶できている状態」とみている。早ければ23年度の「根絶宣言」を目指し、根絶したかどうかを確認する手法の構築と防除完了に向けた作業を進める。奄美大島のマングースは1979(昭和54)年にハブやネズミの駆除を目的に奄美市名瀬で約30匹が放され、急速に分布域を拡大。推定生息数はピーク時に1万匹まで増え、アマミノクロウサギなど希少な在来生物を捕食して生態系に深刻な影響を及ぼした。各市町村が有害鳥獣として1993(平成5)年に捕獲をスタート。環境省は2000(平成12)年に駆除を本格化。05(平成17)年から外来生物法に基づく防除事業を開始し、捕獲を担うマングースバスターズを配置して駆除を進めた。捕獲総数は約3万2千匹。防除が進んで捕獲数は次第に減少し、18(平成30)年4月に1匹が捕獲されて以降、捕獲ゼロの状態が続いている。21年度実績報告によると、島内に設置した捕獲用のわなは約6700基を撤去して約2万1千基。わなや探索犬による捕獲はなく、474カ所の自動撮影カメラでもマングースは撮影されなかった。住民から12件の目撃情報が寄せられ、調査を行ったが、生息は確認されなかった。22年度もわなや探索犬、自動撮影カメラによるモニタリング調査を継続する。これまでの捕獲実績などの情報を基に、根絶確率を算出する数理モデルの構築を進める。合わせて根絶確認の判断材料とするため、マングースの目撃情報を収集しており、同省奄美群島国立公園管理事務所は住民に情報提供を呼び掛けている。

(集落でヤギ放牧したら、サルによる農業被害ゼロに:長野)
意外な鳥獣対策です。長野県小谷村の集落で、ヤギの放し飼いを始めたところ、サルによる農業被害がなくなりました。住民にはそれ以外にも「効果」があるようで、集落ぐるみでヤギをかわいがっています。山あいの小さな集落・小谷村伊折。春から秋、集落の斜面などである動物が放し飼いにされています。斜面を下りてきたのはヤギ。住民でつくる伊折農業生産組合が5年前から飼っています。その目的は…伊折農業生産組合・青木剛司副組合長:「小谷の中でサルが増え始めて『畑の野菜が全滅した』とか被害を聞くようになって、対策をということで入れたのがヤギ」。収穫前のリンゴをもぎとるサル。こちらは2016年に長野市で撮影された映像です。山間部では畑を荒らされたり果樹を食べられたりと、サルによる農業被害が後を絶たちません。その被害金額は県内で毎年1億円前後に上り、農家を悩ませています。伊折集落でも10年ほど前からサルの群れが現れるようになり、3段の電気柵を設置するなどの対策をしてきましたが…伊折農業生産組合・青木剛司副組合長伊折農業生産組合・青木剛司副組合長:「(電気柵を)7段張らないとサルは防げないと…」。費用をかけずにサル被害を防ぐ方法を探していたところ、ヤギを飼うと寄り付かなくなると聞き、5年前に飼い始めました。サル対策と言えば、「犬猿の仲」を生かし「モンキードッグ」による追い払いが大町や飯田で行われています。一見、おとなしいヤギ。サルを追い払うことができるのでしょうか?伊折農業生産組合・青木剛司副組合長:「人懐っこい好奇心旺盛な性格で、何か寄ってくると見つめてにらんだりする。その辺が野生動物にとっては嫌な存在なのかなと」。ヤギによるサル被害を研究している滋賀県農業技術振興センターによると、ヤギは好奇心が強く興味を持ったものを見つめ、さらに近寄る習性があり、これがサルの追い払いに有効だということです。青木さんは2021年10月、実際にその場面を目撃しました。伊折農業生産組合・青木剛司副組合長:「サルが木に登っていたりして、ヤギは草食うのをやめてサルの方をハッと見るような。サルは見られると嫌なのか、ワーワー騒いでどこかへ行っちゃいました。予想以上に効果がありまして、ヤギを放牧している間は、獣は下りてこない」。ヤギを飼う場所も重要です。野生動物が集落のそばまでやってくるのは、耕作放棄地などが増え、身を隠せる茂みがあるからと言われています。そこでヤギを山林と畑の間の斜面や耕作放棄地で放し飼いにしたところ、ヤギが雑草を食べ、山林と畑の間に見通しの良い「緩衝帯」ができました。これでサルが近寄りにくくなり、集落ではサルによる被害はなくなり、イノシシやクマの被害も減っているということです。さらにーヤギを見に近くの園児たちが集落に寄るようになったと目を細める坂井さん。ヤギは住民たちの心を和ませる存在にもなっています。ヤギの導入を最初に唱えた青木さん。伊折での「成功」は、住民が組合員となって農業をしたり、都会の人を招く交流拠点をつくったりと、以前から集落のまとまりがよく、新たな挑戦にも理解があったからだと話します。伊折農業生産組合・青木剛司副組合長:「周りの人の理解があってやっとここまで来られた。集落で飼っているヤギですけど、みんなで対策していく。これからはそういう体制が必要」。のんびり草をはむヤギたち。山あいの集落のいわば「救世主」となっています。

(カラスに越谷市、撃退にスピーカー・ICT活用:埼玉)
大量のカラスが飛び交い、フンや鳴き声などに悩まされてきた埼玉県越谷市が本格的な対策に乗り出した。市内の電柱にスピーカーを設置し、カラスが仲間に警戒するよう伝える鳴き声を流す実証実験を始めた。これまでカラスが止まらないよう駅周辺の街路樹を切るなどの対応をとってきたが効果はいま一つ。今回の取り組みがカラスの減少につながるか、期待がかかる。9月12日午後、市内のJR南越谷駅前に植えられた木の上に5~6羽のカラスが止まっていた。路上には大量のフンの跡が目立ち、カラス被害の大きさをうかがわせた。市の担当者によるとフンのほか鳴き声の被害もひどいという。食べ物を手にしていると持っていかれることがある他、繁殖期に当たる初夏には人への攻撃も問題になっている。市民はうんざり顔だ。70代男性は「フンがひどい。道が真っ白になる」。40代女性は「夜中に鳴き声がする。庭にやってくることもある」と嘆く。市はこれまで街路樹の管理に加え、ごみを荒らされないよう飲食店に管理の徹底を呼びかけるなどの対策をとってきた。市民から被害の報告があった場所に職員がカラスが嫌がる音を発する機械を持って出向く対応も行ってきた。だが、こうした取り組みの甲斐なくカラスの数は減らなかった。このため市はカラス対策の専門業者「クロウラボ」(宇都宮市)に協力をあおぎ、2021年夏から秋にかけて市内の東武伊勢崎線北越谷駅前の自動販売機など3カ所にスピーカーを設置、複数の警戒の鳴き声を流して撃退する取り組みを行った。この取り組みは、「いったん減って、また戻るの繰り返しだった」(市の担当者)。とはいえ一定の効果が認められたことから、22年は別の警戒の鳴き声を採用し、北越谷駅前の3カ所の電柱に設置したスピーカーから流すようにした。東京電力パワーグリッドとNTT東日本の協力を得て、ICT技術も取り入れた。21年は音声の切り替えを現地で手動で行っていたが、22年は市役所でリモートでできるようにした。開始から約2カ月が経過し、市の担当者は「カラスの数は減っているように感じる」と話す。22年の取り組みは11月30日まで行い、効果が認められればスピーカーの設置場所を増やしたい考えだ。

(「今後も発生の懸念」鳥インフル:北海道)
北海道は8日、道内の農場で感染力や致死率が高い高病原性鳥インフルエンザ感染が相次ぎ確認された問題を議論する会議を開いた。専門家は今後も感染の可能性があるとして、防疫体制の強化を求めた。道内では4月以降、養鶏場など農場4カ所で鳥インフル感染を確認。家禽(かきん)への感染は2016年以来6年ぶりだった。白老町の養鶏場では道内で過去最多の約52万羽を処分し、網走市のエミュー農場では国内初のエミューへの感染が確認された。道内では年初以降、カラスなど野鳥への感染も相次いでいた。検討会後に取材に応じた迫田義博・北大教授は、各農場では野鳥由来のウイルスが何らかのルートでそれぞれ持ち込まれた可能性があると指摘した。迫田教授は「渡り鳥の間で鳥インフルのウイルスが定着していることが懸念される」と話した。会議では、大規模農場での防疫体制の徹底や従業員間の情報共有の重要性が指摘され、自然農法で飼育する農場では講習会を開くなど防疫意識を高める必要があるとした。エミューなど大型鳥については、放牧場に屋根を設けるなどの対策が考えられるとした。また道内では、国内の哺乳類で初となるキタキツネとタヌキの感染も確認された。今回の感染は偶発的なもので、現時点では人への感染を過度に心配する必要はないという。迫田教授は「今後も毎シーズン発生する可能性があり、十分な注意が必要。専門家の知見を集め、備えをしておくことが重要だ」と話した。道は検討会の意見を踏まえ、各農場に防疫対策の指導をしていく方針だ。

(シカ襲う“野犬”、わなにもかからず住民の不安続く:北海道)
幼稚園が近い釧路市の公園で野犬の群れが目撃されてから2週間がたちました。住民の不安な生活が続く中、現状と課題を取材しました。道路沿いを走る「3頭の犬」時折、撮影者の方を気にする様子で走っています。そして、草むらでは…3頭のうち2頭が伏せていて、リラックスしているようにも見えます。この2週間、周辺では野犬の目撃が相次いでいるのです。釧路市は捕獲を試みていますが、9月8日も…わなにむなしく残る肉…。突如、現れた野犬の群れに打つ手はあるのでしょうか?釧路市周辺で野犬の目撃が相次いでいる問題。8月24日に釧路 大規模運動公園で目撃された3頭の近くにはシカの死骸が残されていました。周辺には病院や幼稚園などもあり不安が広がっています。住民の声を受けて釧路市は箱わなを3個設置しましたが、これまで捕獲には至っていません。釧路市の条例では、緊急時には人や家畜への危害防止のため、野犬を駆除できるとしています。しかし行動範囲が広く、かなりの速さで走る犬を網や麻酔銃などで捕獲するのは困難を極めるため、現状は箱わなにかかるのを待つしかないと釧路市は説明しています。一方で、なぜ野犬が出没するのかを考える必要があると話す人もいます。釧路地方で獣医をしながら野犬の保護活動に取り組む粉川幸樹さんです。牛などを診療する粉川さんは牧場などで野犬がどんどん増えていくのを目の当たりにしてきたといいます。粉川さんはこれまでに67頭の犬を保護し、新しい飼い主につなげてきました。北海道東部の野犬の生態に詳しく保護活動にも協力する男性によりますと、捨て犬などが山林に住みついて野犬が増えてしまった背景があると話します。こういった事情から、粉川さんは飼い主に意識を高めてほしいと訴えます。野犬問題の早期解決が求められる一方で、同様の事態を招かないためには飼い主のマナーも重要と言えそうです。

(山すその集落周辺でクマの出没に十分警戒を:富山)
県内ではクマのエサになるブナやミズナラの木の実が不作となる見込みで、県は山すその集落周辺でクマの出没に十分警戒するよう呼びかけています。6日は富山市で「野生動物被害防止対策会議」が開かれ、県や市町村のほか警察の担当者など約40人が出席しました。会議では県の担当者がクマのエサになるブナやミズナラについて、ことしの作柄は県全体で不作だと説明しました。なかでも県東北部ではブナの作柄が一部で凶作となっている上、ミズナラもガの仲間の「マイマイガ」による葉の食害の影響で凶作のところが多くなっているということです。このため県は、山すその集落周辺ではクマの出没に十分警戒するよう呼びかけています。また、秋は冬眠を前にしたクマが食べ物を求めて活発に行動することからクマを引き寄せないためにエサになる庭の柿の実などを放置しないよう呼びかけています。県自然保護課の利田益幸野生生物係長は「柿の実などを早めに収穫したり取り除いたりするとともに、家庭の生ゴミなども適切に処分してほしい」と話しています。

(ニホンジカの侵入防げ、高機能カメラ設置:兵庫)
生息域が拡大しているニホンジカの侵入・定着を防ごうと、神戸市が今月から六甲山にセンサーカメラの設置を進めている。「防衛ライン」とする六甲山での生息状況を調べ、捕獲にもつなげたい考えだ。新たに設置するのは通信機能付きのセンサーカメラ50台。熱と動きを検知すると、すぐに静止画がメールで送信される。これまで六甲山と周辺には通信機能のない109台があったが、より迅速な対応が可能になるという。県によると、ニホンジカは県内では但馬・丹波・播磨地域に多いが、分布や密度が拡大している。近年は六甲山でも目撃が増えているという。神戸市内では5月、灘区の市街地に現れた。北・西区の一部で定着していたものの、六甲山の南側市街地で目撃されたのは市が把握する限り初めて。久元喜造市長は同月の会見で「いよいよ『防衛ライン』が突破されたかもしれない」と危機感を示した。シカが市街地におりてくると、車との事故や媒介するダニなどによる感染症のリスクがある。樹皮や草が食べ尽くされて山の裸地化が進み、土砂崩れが起きやすくなる危険があるという。今のところ六甲山に多くの頭数がいる様子はないというが、市の担当者は「数が増える前に対策をしたい」と話している。

(熟れたブドウ、闇夜にごっそり:兵庫)
ブドウ畑が広がる兵庫県加西市。収穫時期を迎えた夏、その親子は毎晩のように、どこからともなく現れる。するするっと2メートル近い木を登り、地面と水平に伸びる枝を伝って歩き始めた。樹上で行ったり来たりを繰り返し、鼻を利かせて熟した房を探しては器用な手先で袋を破り、実を食べていく。北米原産のアライグマ。兵庫県内では1998年に神戸市で確認された。まず神戸・阪神間で。さらに丹波、北播磨、東播磨、中播磨、但馬地域へと生息域を広げ続けている。夜行性で、雑食性。中でも甘い物が大好物。春はイチゴ、夏はスイートコーン。そして近年はブドウの一大生産地、北播磨で被害が増加傾向だ。「他の動物よりもたくさん食べるし、ここ数年は特にひどい」。加西市でブドウを栽培する内藤行基(ゆうき)さん(39)はそう話す。房にかけた袋が縦にきれいに裂けていて、中をのぞくと実がごっそり食べられている。一部が傷つけられただけでも「駄目。商品にならない」。古くからの常連向けに出荷しているような、高齢の小規模農家の中には、手だてが打てないまま一房も収穫できなくなり、栽培を諦める人も出てきている。「頼りにしてくれている人に『ごめんなさい』と謝る。次の年も取れんかもしらん。そうやって長年の関係が崩れていく。心が折れてまうんです」。やめていく人たちの思いを、ある農家が代弁する。担い手の減少とともに、ブドウ団地には雑草がうっそうと茂った放棄地が増えつつある。そこがアライグマにとっての獣道となる。アライグマの生息域の拡大と農業の担い手不足とが、負の連鎖を織りなしている。アライグマは1960年代、愛知県内で飼育個体が脱走したことを発端に野生化したとされる。70年代には人気アニメの影響でペットとして盛んに輸入された。しかし、気性が荒いため飼育が難しく、多くが野に放たれて一気にその数を増やした。兵庫県森林動物研究センター(丹波市)によると、タヌキやイタチといった同じような中型哺乳類の中でも、アライグマは特に餌の採取能力が高く、農作物被害が大きい。水辺を好み、水生生物も食べるため、ニホンアカガエルなどの希少生物の生存を脅かす存在にもなっている。外来生物法に基づいた捕獲が進むが、対策の両輪となるのは畑を「餌場」にさせないこと。電気柵の設置が主な方法になる。ただ、イノシシなどに対応しつつ、アライグマの侵入を防ぐ電気柵を張るには費用的な負担が大きい上に、人手も必要になる。有効な対策を打てる農家は多くないのが実情だ。県の統計では2021年度、アライグマによる農業被害金額イノシシ、シカに次ぐ3番目の約4800万円に上る。

(アライグマはラーメン派?:兵庫)
「アライグマはインスタントラーメンが好きらしいよ」。取材で兵庫県の三木市内の山道を歩いている途中、同行者が茂みに置かれたケージを指して教えてくれた。生態系や農作物に被害をもたらし、「特定外来生物」に指定されているアライグマ。仕掛けわなへとおびき寄せるため、即席麺を餌に使っているという。環境省などのホームページによると、北米原産のアライグマは一時期ペットとして日本に輸入されたが、飼育が難しく放棄され、増えたとされる。雑食性で農作物やカエル、魚、昆虫などを食べ、日本の固有在来種への影響や農作物の被害が懸念されている。また、民家への侵入や感染症を媒介する恐れもある。現在法律によって、飼育や放出が禁じられている。三木市農業振興課によると、市内ではブドウやイチゴ、スイカ、カボチャなどの農作物がアライグマの被害に遭っている。市は対策として、農家に仕掛けわなを貸し出し、捕まったアライグマは猟友会の会員が回収している。2021年度の市内のアライグマ捕獲数は1875頭に上り、近隣の加東市(409頭)、三田市(429頭)を大きく上回る。県猟友会三木支部会員の稲見泰男さん(73)に尋ねると、市内の猟友会では即席麺を仕掛けわなの餌に使っているという。野菜や果物を好むが「インスタントラーメンでもアライグマが(わなに)よく入る」と、会員内で情報が広まり、今は猟友会が廃棄扱いになった即席麺を市外の工場から購入している。餌は縦横約30センチ、奥行き約90センチのわなの中に置き、アライグマが餌を取ると入り口のふたが閉まる仕組みだ。アライグマの生態を研究する兵庫県立大の栗山武夫准教授によると、即席麺の油っこさや香ばしい匂いがアライグマを引きつけるという。袋麺は三木特有で、県内ではアジフライや菓子の「キャラメルコーン」などを使う例も。栗山准教授は「地域ごとの文化が表れる」と話す。深刻化するアライグマ被害。昨年度、県内では8千頭以上が捕獲され、三木市は神戸市に次いで2番目に多い。同センターは野生動物への餌付けや、生ごみや収穫しない作物を放置する「無意識の餌付け」への注意を呼びかけている。

(農作物の鳥獣被害対策、猟友会会員に委嘱状:大分)
収穫の時期を迎えたみかんやくりなどを野生動物による被害から守ろうと、津久見市で、猟友会の会員でつくる鳥獣被害対策実施隊に委嘱状が交付されました。津久見市は地元の猟友会の会員を鳥獣被害対策実施隊に委嘱し、サルやシカ、イノシシなどから農作物を守る取り組みを10年前から続けています。12日は、津久見市役所を訪れたことし活動する隊員8人に、川野幸男市長から委嘱状が手渡されました。8人の隊員は、今月から畑などを巡回して被害状況を調査したうえで、さくやわなを設置したり猟銃で追い払ったりするなど、来年3月末まで活動します。この時期から、野生のサルがみかんやくりを食い荒らす被害が多くなるということです。

(おもちゃの拳銃で実弾撃てるの??:兵庫)
インターネットで販売されていた中国製のおもちゃの拳銃が、改造によって実弾が発射でき、実際の銃と同様の危険性があることが判明し、全国の警察が購入者から回収を進めている。兵庫県警などへの取材で分かった。「スカイマーシャル」という中国製のおもちゃの拳銃で、大手通販サイトなどで販売されていた。兵庫県警薬物銃器対策課によると、そのままでは拳銃として使えないが、改造すれば実弾の発射が可能と分かった。警察庁は9月5日、スカイマーシャルを回収するよう全国の警察に通達した。警察庁がインターネットの販売履歴から作ったリストに基づき、兵庫県警などが直接、購入者に連絡を取るという。関東地方在住の購入者は今年6月、ネット通販大手アマゾンで約4千円で買った。金属パーツが多用されており、「カッチリした動きで重量感もあり、非常によくできていると感じた」と振り返る。9月2日、近くの警察署から電話があり、やってきた警察官に現物を引き渡したという。「回収時の物品名がトイガン(おもちゃの銃)ではなく、回転式拳銃となっていて、緊張しました」。スカイマーシャルは現在のところ、所持していても銃刀法違反ですぐに摘発されることはないが、兵庫県警薬物銃器対策課は「トイガンとはいえ、改造すれば危険な物になり得る。過去にも改造銃や密造銃が摘発された事例はあり、注意してほしい」としている。

(人を“襲う”野生動物、餌やりが「人間の住んでいる世界に野生動物が入って来るきっかけに」)
俳優の谷原章介(50)が9日、MCを務めるフジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。人に襲いかかる野生のトビについてコメントした。番組では、愛知県蒲郡市の海辺で、人の持っている食べ物を狙う野生のトビについて特集。専門家は「餌づけをすることで人を襲いやすくなる」と説明しているが、餌を与える人が後を絶たない現状を伝えた。谷原は「こうした野生動物への餌やり、問題になっていて、結局これがイノシシとかサルとか人間の住んでいる世界に野生動物が入って来るきっかけにもなっている」と指摘。「動物は意図せずして(餌が)欲しいから来たことが、けがさせようと思ってなくてもけがにつながることもある。野生の動物が、僕たちが食べている人間の食べ物をあげることが果たして健康にいいのかどうか、トビにとって」と言い「トビに限らず野生動物への餌やり、やめておきましょう」と呼び掛けた。

(サルに女子高校生が襲われケガをした現場で竹林を伐採:長野)
6月に登校中の女子生徒がサルに襲われてケガをした長野県飯田市の飯田風越高校が再発防止に向け住民やNPOと協力して11日、通学路の竹林を伐採しました。チェーンソーで倒される大きな竹。11日は飯田風越高校の生徒職員と住民、地元NPOのメンバーなど40人が参加して通学路沿いの竹を伐採したり片付けたりしました。ここは6月に登校中の女子生徒がサルに足をひっかかれて軽傷を負った現場で、坂道の脇はうっそうとした竹やぶになっていました。その後もサルの目撃情報は続いていて、竹林を整備し見通しを良くすることでサルが隠れる場所を減らし被害を無くすのが目的です。NPO「いなだに竹Links」の曽根原宗夫代表:「竹林を整備して安全な通学路を作りたい。多くの方々にいろいろな角度で携わってもらうことが重要」。飯田風越高校では活動を「美しい里山プロジェクト」と名づけ、今後も地域の人たちと連携して竹林の整備を続けることにしています。

(酪農大生、鳥獣駆除研修:北海道)
沼田町は本年度から、酪農学園大(江別市)の学生向けに有害鳥獣駆除の研修を町内で始めた。学生が地域に密着してわなの設置や駆除について学ぶと同時に、加工用トマトの収穫体験も行うことで、新たな関係人口の創出につなげたい考えだ。研修を受けるのは同大「狩り部」の学生。2020年に設立されたサークルで、普段はシカなどの有害鳥獣駆除のほか、骨や角を使ったクラフトづくりなどをしている。

(市民「家庭菜園でクマ対策せず」8割:北海道)
札幌市が6~7月に行った本年度1回目の市民意識調査で、ヒグマ被害を防ぐための対策が浸透していない現状が浮き彫りになった。家庭菜園への防護用ネットなどの設置は1割に満たず、特に対策していない人が8割超だった。除排雪に関する設問では、生活道路沿いの雪山の高さや交差点の見通しを改善するよう求める意見が多かった。ヒグマ対策では、野菜や果物を「畑や自宅の庭などで育てている」と回答した人のうち、被害を防ぐための取り組みについて「特に対策していない」が83・2%に上った。「防護用ネットやフェンスなどで囲っている」は4・8%、「できるだけ早めに収穫している」は3・0%でごく一部だった。登山やキャンプなどで、クマ鈴やクマスプレー、ラジオなどを持ち歩く対策について「今は行っていないが、今後行ってみたい」が35・0%と最も多く、「行っている」の27・1%を上回った。ヒグマが出没した場合の対応では、都市部か山間部かで回答に差が出た。市街地や住宅街では「駆除」「人身被害の恐れがあれば駆除」が合わせて70・9%だったのに対し、郊外では51・7%、市街地から離れた山間部では23・3%だった。市は家庭菜園用電気柵の貸し出しや購入補助事業を行っているが、あまり認知されていないとみる。市環境共生担当課は「山に隣接する地域を中心に、防御策をさらに普及させたい。ヒグマ対策の講習会を開いていることなど、情報発信も進める」としている。

(ヌートリア各地で目撃!かつての“救世主”がいまや“害獣”に)
最近、関西地方を中心に目撃が相次ぎ、SNSをにぎわせているヌートリア。実は農業などに被害及ぼす“害獣”として駆除の対象になっています。もともと軍服の毛皮用に海外から連れてこられたにもかかわらず、野生化し増えすぎたとして特定外来生物に指定されるという気の毒な一面も。私たちはヌートリアとどう向き合っていけばいいのでしょうか。ツイッターには大阪で目撃されたヌートリアの画像や動画の投稿が相次いでいます。大阪市中心部を流れる大川沿いの遊歩道や、東大阪市の住宅街の長瀬川の川沿い。その姿は大阪のシンボル、大阪城のお堀でも目撃されているといいます。大阪のあちこちで目撃されているヌートリア。生息エリアは拡大を続けています。大阪市立自然史博物館の動物研究室が、地元の人のヌートリアの目撃情報などをもとにまとめたマップがこちらです。2000年代前半は北部に点在していた目撃情報ですが、2010年代後半には大阪府内各地に大きく広がっているのが分かります。学芸員の和田岳さんは、ヌートリアは2000年ごろに大阪に定着し始め、今は大阪南部に広がりつつあるとみています。淀川水系を中心に広がっていて、淀川には注意書きの看板が立っています。「堤防などに穴を掘るため、堤防決壊の原因になります」「在来生物などを食べ、生態系への影響が懸念されます」。2005年、ヌートリアは特定外来生物に指定されました。年2、3回出産し、一度に平均5匹の子供を産むなど、爆発的に増加するのが特徴です。大阪市立自然史博物館 和田岳学芸員「この2、3年は住宅地にも姿がみられるようになり、家庭菜園が荒らされたという話も寄せられている。住宅地にいるということは人との接触の可能性が出てくる。触ろうとするとかまれるので気をつけてほしい。ヌートリアに餌をやるのはやめてほしい」。ヌートリアはいったいどれくらい広がってるのでしょうか?国立環境研究所がまとめた分布図では、ヌートリアは西日本を中心に定着しているとみられます。例えば京都では鴨川沿いでヌートリアの目撃情報が相次ぎ、府が年間40回にわたりパトロールする事態になっています。また、ヌートリアは泳ぐことができるため、瀬戸内海の島にも生息。マップで色が塗られていない多くの県でも目撃情報があり、今後も広がっていくおそれがあります。ヌートリアを飼育しているところもあります。兵庫の姫路市立水族館です。駆除のために捕獲された2匹が水族館にやってきたそうです。尻尾を除いた体の大きさは約50センチ。特徴は、後ろ足にある水かきです。もこもこした体で水面に浮かぶ姿が、小さな子供を連れた家族連れの注目を集めていました。餌はにんじん、サツマイモ、小松菜などですが、いちばんの好物はカボチャ。前足を伸ばして餌を受け取っていました。姫路市立水族館 杉原直樹さん「寝てる姿などを見てかわいいという声も聞ききます。でも、歯がするどいので、野外で見つけても近づかないようにしてください」。水族館ではかわいらしく野菜を食べていましたが、農作物被害は深刻です。ヌートリアのせいで米作りをやめざるをえなかった人もいます。島根県江津市で宮司をしている高橋晶彦さん。4年前、収穫目前の田んぼがヌートリアの被害を受けました。ヌートリアに稲をかじられたところが穴が空いたようになっています。高橋晶彦さん「あぜに直径30センチぐらいの穴が空いていて、体長50cm位の黒いヌートリアが稲の茎をかじっていました。茎をかみ切るので、一株がバサッと倒伏し、そこから枯れてしまいました」。田んぼを守ろうと、あぜにできた穴をコンクリートブロックで塞ぎましたが、ヌートリアは今度は別の穴を掘るなどイタチごっこが続きます。結局、稲は食い荒らされ、ほとんど収穫できませんでした。ショックを受けた高橋さんは、翌年からその水田で米を作るのをやめました。近くの大学の留学生たちと一緒に米作りを続けてきた大切な場所でした。高橋晶彦さん「イノシシなら柵で囲えば水田に入ってこないが、ヌートリアは穴を掘って侵入してくるから止めようがない。みんなで一緒になって作ってきた米作りを諦めることになって本当に悔しい。行政はもっと真剣にヌートリアの駆除に力を入れてほしいと思います」。ヌートリアによる農業被害額は、全国で4847万円(令和2年度)、米だけでなくレンコンなどの野菜も被害を受けているそうです。やっかいもののヌートリアですが、かつて日本の“救世主”とされていました。ヌートリアが日本に来たのは1907年。上野動物園でオスメスのつがいが輸入されたのが始まりといいます。大量に入ってきたのは太平洋戦争が始まる前の1939年。目的は毛皮を軍服の材料に利用するためだったといいます。ヌートリアの生態や歴史に詳しい岡山理科大学 小林秀司教授「毛皮用に150頭が輸入されていますが大規模な輸入は後にも先にもこれだけで、軍や民間業者に納入されました。その後、太平洋戦争が始まると、高度1万メートルくらいでも凍らないヌートリアの毛皮は飛行機乗りに重宝され、1944年に軍が大号令をかけてヌートリアの増産に踏み切ったそうです」。その後、終戦を迎え軍服としての需要がなくなると、今度はヌートリアの“肉”の部分に注目が集まります。終戦直後は、厳しい食糧難だった時代。飼育しやすく、繁殖力が強いヌートリアは重要なタンパク源になると国をあげて養殖に力を入れることになったといいます。しかし食料事情が改善されていくと、ヌートリアの飼育は下火に…。飼育していた人たちが買い手の見つからないヌートリアを野や川に放ったことで、増えていったと小林さんは指摘します。小林秀司教授「ヌートリアはかつて、日本を救う『救荒動物』と位置づけられたときもあったのに、危機が過ぎたら捨てられ、今は“害獣”扱い。まさに国の政策に振り回された点で言えば他の外来種と違う、同情すべき点が多い動物ともいえると、私は感じています」。ヌートリアに私たちはどう向き合えばよいのでしょうか。小林さんはまずは、そっとしてあげてほしいと伝えています。小林秀司教授「基本的に争いを好まず人を襲う動物ではありませんが、追っかけられたり生命の危険を感じたりすると、かんだりするおそれはあります。その場をそっと離れてください」。そして、農作物などの被害を減らすためには、ヌートリアの性格を理解した対応がポイントだといいます。小林秀司教授「ヌートリアは基本的に相当な“面倒くさがり”です。農地をこまめに見回り、農地への侵入ルートに木の板を置いたり、深い柵を設置したりすると、ヌートリアは“面倒”と思って侵入しなくなることがあります」。かつて“救世主”として日本に連れてこられたヌートリア。駆除の対象となるのは少し気の毒な気もしますが、農業被害や生態系に与える影響も深刻です。かわいらしい見た目に気を許しすぎることなく、餌などをあげないように気をつけましょう。

(有害鳥獣問題を学ぶ、対馬グローカル大学:長崎)
国際的な視点で地域課題を解決できる人を育成する対馬市のオンライン講座「対馬グローカル大学」の現地実習が8月31日から9月2日、市内であった。同講座を受講する島外の学生が、対馬の山林に赴き、有害鳥獣問題などを学んだ。講座は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた取り組みの一環で2020年度から開始。専門家の下、少人数グループで学ぶ「オンラインゼミ」(8種類)では、現地実習に取り組み、対馬の地域課題や可能性を考える。今回は大学生対象のオンラインゼミの現地実習で、同市出身者を含む14人が参加した。1日は市島おこし協働隊員からイノシシ、シカの食害などについて座学で説明を受け、峰町の山林に移動。協働隊員からくくりわなの仕掛け方を学んだり、食害などの影響で絶滅が危惧される対馬固有のチョウ「ツシマウラボシシジミ」の保護区を見学したりした。島内の空き家や藻場、林業などの現状も学び、同市出身で西南学院大3年の武本倖奈(ゆきな)さん(21)は「イノシシやシカの被害は何となくイメージで知っていたが、実際に現場を見て地面に草がほとんど生えていないのは想像以上だった」と話した。

(公園で植樹、55人が参加:三重)
三重県菰野町の御在所岳(1212メートル)山上公園で11日、植樹体験イベントがあった。同岳をはじめとする三重県と滋賀県にまたがる鈴鹿国定公園内では近年、シカによる食害が問題となっていて、雨水による土壌侵食も拡大している。こうした現状を知ってもらい、山に緑を戻そうと、御在所ロープウエイが「みえ森と緑の県民税」を活用し、催した。家族連れや友人同士のグループなど、20組55人が参加。環境保全に取り組む四日市市のNPO法人「森林(もり)の風」(瀧口邦夫会長)の指導で、ミズナラやドウダンツツジの苗木200本を植えた。参加した菰野町の伊藤貴子さん(46)は「シカの害によって、こんなに緑が衰退しているとは今まで知らなかった。機会があれば、また植樹活動に参加したい」と話した。

(薬草の「里親」で伊吹山再生:滋賀)
地域住民の力で、伊吹山をかつてのような薬草の宝庫に。岐阜県揖斐川町春日でヨモギの栽培などを手がけるNPO法人「山菜の里いび」は本年度から、町民らに薬草を自宅で育ててもらう「里親」を募る取り組みを始めた。成長した薬草を二年後をめどに滋賀、岐阜両県にまたがる伊吹山に植栽する。シカの食害で希少な植物が激減する中、伊吹山周辺の滋賀県にも活動を広げたい考えで、住民らが一体になり、再生を目指す。小寺春樹理事長(74)によると、伊吹山では戦国武将の織田信長が薬草園を造らせたとされる。春日地域の住民は薬草を乾燥させて薬草風呂に使ったり薬草茶を作ったりしてきた。伊吹山にはさまざまな薬草が自生していて、薬草を採るために入り、種を落としてから摘み取っていたという。ただ、数年前からシカが植物全般を食い荒らして山肌が露出する状態が続いている。伊吹山の麓にある春日地域の畑には、雨が降ると山から土砂が流れてくる被害も発生している。植物が減少した影響があるとみられる。「多くの人に薬草を栽培してもらい、まずは苗を増やそう」。小寺さんは里親制度を思い付いた。四日には揖斐川町春日美束の春日森の文化博物館に地元住民ら計十四人が集まった。小寺さんがシカの食害について説明した後、参加者がプランターに水はけの良い二種類の土を入れ、その上に薬草「大和当帰」の種をまいて薄く土をかけた。一年ほど育ったナギナタコウジュをプラスチック製のポットに植え替える株分けの作業も体験した。参加者が自宅に持ち帰り、水やりをして育てる。小寺さんは「長い時間がかかると思うが、今から行動を起こさなければ。活動を広めて皆の力で薬草を増やし、伊吹山の元の姿を取り戻したい」と意気込む。

(荒廃農地対策で試験的に牛を放牧:岐阜)
使われなくなった田畑や山林などの再生を図ろうと岐阜県飛騨市は12日から水田だった市内の農地に試験的に牛を放牧する取り組みを始めました。飛騨市によりますと高齢化に伴う担い手不足などを背景に使われなくなった田畑や山林などのいわゆる「荒廃農地」が市内には178ヘクタール余りあり野生のイノシシやシカなどの鳥獣による農作物の被害も年々増えているということです。こうした中飛騨市は「荒廃農地」の再生を図ろうと12日から古川町畦畑地区で牛を試験的に放牧する取り組みを始めました。12日は周囲に電気柵が設けられたおよそ17アールの農地に妊娠している2頭の飛騨牛が放牧されました。ここは水田だったものの20年ほど前から牧草を栽培するようになったということですが牛の放牧は今回が初めてだということです。大下農場の大下立美代表は「放牧すると餌代が減り労力もかからないので助かります」と話していました。飛騨市畜産振興課の古川尚孝課長は「市内の小さな農家は放牧した経験がないので放牧は安全であることを農家の人に知ってもらい荒廃農地の解消につなげられたらたらと思います」と話していました。放牧は1か月ほど行われるということです。

(森の中にオオカミ型ロボット、70種類の声で野生鳥獣を撃退?:富山)
野生鳥獣から農作物被害を減らそうと、頼もしくてユニークな助っ人が登場しました。正体はオオカミ型のロボット。その名もモンスターウルフです。イノシシやサル、クマなどの野生動物から田畑を守るために設置された「モンスターウルフ」。少しでも近づくと。動きを赤外線センサーで感知。さまざまな威嚇音を発して、野生鳥獣を撃退します。威嚇音はオオカミの遠吠えや人の声などおよそ70種類。音量は車のクラクションと同じ大きさの90デシベルで100メートル先まで鳴り響きます。この「モンスターウルフ」を開発したのは北海道にある太田精器。なんとひとつひとつ手作りしています。地元の鳥獣被害が深刻だったことがきっかけで社長自ら作りはじめました。太田精器 太田裕治 社長:「シカ・クマ・イノシシ・サル、この4つには大体効果がありますが、特にクマとイノシシには特段効果があるような感じがしてますね。(農作物が)100パーセント守ることができているわけではないですが、これつけたけど前と全然変わらないよというクレームはないので、一定の評価はいただいているのかなと感じています」。畑にモンスターウルフを設置して、無人カメラで撮影してみると…。モンスターウルフが発する音や光に驚き一目散に逃げていくのがわかります。太田精器 太田裕治 社長:「作物を全部やられてしまって、高齢の農家の方が、もうがっくりきて農家やめちゃうとかする方も結構多いという話をお伺いして…」。富山県の小矢部市(おやべし)でも、それまでは電気柵などを活用しなんとか被害をとめようとしましたが。小矢部市農林課 篠原和真さん:「イノシシによる獣害が主な被害になっています。獣害に対する市からの支援をしていただきたいという相談であるとか、要請であるとかも伺っています」。農家からの要請を受けて小矢部市では「モンスターウルフ」を去年の10月、末友(すえとも)地区に1台設置。2019年度の小矢部市の鳥獣被害額は412万円でしたが、モンスター・ウルフを導入した2021年度の被害額は100万円に減少しました。小矢部市農林課 篠原和真さん:モンスターウルフ1台で市内全域をカバーできるわけではないので「モンスターウルフのおかげ」とまでは言えませんが、一定の効果があったとみています。小矢部市農林課 篠原和真さん:「イノシシについて見ることがなくなった、痕跡も減っていると聞きました。ある程度効果があったと考えています。イノシシについては音や光に慣れやすいといわれていますが、いつまで効果的な期間が継続できるのかというのは、実証実験の中で把握していき、使い方については今後検討していきたいと思っています」。大音量と点滅する赤い光を武器に、小矢部の田畑を守っていくことができるのか!新ヒーローの登場に農家は期待を寄せています。

(キタキツネが地下鉄止める:北海道)
わが物顔で家庭菜園のトマトを食べるシカや、深夜の果樹園に侵入して荒らしていくクマなど、北海道・札幌市で、たびたび住民を悩ませている野生動物。今度は、地下鉄を止めてしまった。犯人は、キタキツネ。8日、札幌市営地下鉄で、線路に侵入したのを、運転士が発見。列車を停止させた。およそ3分後、逃げ出したのを確認し、運転を再開。しかし、その1時間半ほどあとにも、線路で目撃され、列車がストップする事態に。札幌市交通局は、乗客に注意を呼びかけつつ、行方を捜していた。そして、11日の夜、キタキツネが、駅のホームに姿を現した。

(乗用車とクマ衝突、けが人なし:秋田)
9日午前6時5分ごろ、秋田市金足浦山字蟹沢の秋田自動車道下り線で、秋田市の50代男性が運転する乗用車が体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。

(家庭菜園にクマ足跡、カボチャ食い荒らされる:北海道)
八雲町下の湯の民家の脇にある家庭菜園で11、12の両日、クマの足跡とカボチャが食い荒らされているのが確認された。周辺に別の民家もあり、八雲署と町は注意を呼び掛けている。

(クマの目撃情報が相次ぐ:宮城)
9月11日夜、宮城県富谷市でクマの目撃情報が相次ぎました。そのうち1件は近くに幼稚園や小学校がある場所で、警察が注意を呼び掛けています。警察によりますと、11日午後9時20分ごろ、富谷市富谷の県道256号線で「クマが歩いていた」と、近くに住む人から通報がありました。クマは体長1メートルほどで、北の方角に向かったということです。警察が付近の警戒に当たりましたが、クマは見つかりませんでした。現場は富谷市役所から南におよそ300メートルの場所で、近くには幼稚園や小学校があります。この目撃情報からおよそ2時間半後、南西に3キロほど離れた富谷市杜乃橋1丁目でも体長およそ1メートルのクマが目撃されました。周囲には住宅街もあり、警察は朝からパトロールを行い、付近の住民に注意を呼びかけています。

(国道横切るクマを目撃:盛岡)
岩手県盛岡市では9月9日朝も中心部近くの国道で、クマの目撃情報が警察に寄せられました。警察が注意を呼びかけています。9日午前7時15分ごろ、盛岡市茶畑一丁目でクマ1頭が国道106号線を横切るのを見たと、近くの住民から警察に通報がありました。クマは体長1メートルほどで県自治会館の方向へ歩いて行ったということで、警察が警戒にあたっていますが発見には至っていません。現場は盛岡市役所から1キロあまり南東に位置し、近くには盛岡八幡宮があるほか住宅街が広がっています。盛岡市の市街地では8月からクマの目撃が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。

(住宅街にサル出没:新潟)
8日正午ごろ、新潟市西区真砂3の民家の庭でサル1匹が出没した。住人の男性が新潟市西区役所に連絡した。場所は真砂小グラウンド脇の住宅街。西区役所に寄せられた男性の情報によると、やせ細ったサルが庭に座っており、男性に気付くとゆっくり海沿いの林へ逃げた。これを受け、真砂小は児童に集団下校するよう指導。新潟西署や西区役所などが周辺をパトロールした。

(駅の近くでクマ目撃:山形)
10日午後2時半頃、新庄市泉田でクマ一頭が目撃されました。現場はJR泉田駅から南東に約200メートル行った休耕地です。目撃した70代の女性によりますとクマの体長は約1メートルだったということです。ケガ人や物的被害はありません。新庄警察署は市に連絡するとともに、パトカーを出動させ現場付近の警戒と注意を呼び掛けています。

(市役所の近くでクマ1頭目撃:宮城)
11日夜、宮城県富谷市役所の近くの路上でクマ1頭が目撃されました。警察がパトロールを強化しています。11日午後9時20分ごろ、富谷市富谷の県道西成田宮床線をクマが北の方に走っていったと近くに住む人から警察に通報がありました。クマは体長1メートルほどで、その後の行方は分かっていません。現場は富谷市役所の300メートルほど南側で、小学校や幼稚園も近くにあります。警察は、この付近でクマが目撃されるのは珍しいとして、パトロールを強化しています。

(ジビエ活用法を料理人に紹介:宮城)
イノシシによる農作物被害の軽減とジビエ(野生鳥獣肉)の特産化を目指す宮城県大崎市は8月24日、同市鳴子温泉の旅館やホテル、飲食店の料理人を対象に「ジビエ料理セミナー」を鳴子公民館で開いた。来年2月末には同市岩出山にジビエ用加工施設が完成予定で、利活用の本格化に向けてジビエの魅力をアピールした。講師を務めた日本ジビエ振興協会(長野県)の藤木徳彦代表理事が、参加者11人を前にイノシシの枝肉をさばき、部位ごとの特徴と、それぞれに合った調理方法を紹介。牛や豚に比べ肉の歩留まりが悪い点や、夏は脂が少ないこと、生食は避けて十分に加熱するといった留意点を説明した。参加者はステーキや生春巻き、唐揚げ、シチュー、マーボー豆腐など8品を試食。旅館「ゆさや」の料理長矢内信孝さん(57)は「思ったより臭みもなく、やわらかくてとてもおいしい。秋のキノコ、春の山菜など鳴子の山の幸を存分に使った料理にすれば新しい名物になる」と高評価した。ジビエを使ったフランス料理店のオーナーシェフでもある藤木代表理事は「ジビエを求める客はたくさんいる。地元のお酒と合わせてもいい。店ごとではなく地域全体で情報発信して特産化を目指してほしい」と呼びかけた。官民でつくる「おおさきジビエコンソーシアム」代表の安部祐輝市産業振興局長は「ジビエのおいしさ、魅力を感じてもらえた。調理や衛生管理の研修を重ね、大崎に新しい食文化を生み出したい」と話した。

(ジビエ消費拡大へフェア:千葉)
ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を広く知ってもらおうと、県内の野生鳥獣対策で捕獲されたイノシシ肉を使ったメニューを提供するフェアが、千葉市中央区の京成ホテルミラマーレで開かれている。期間は今月末までの見込みで、食材がなくなり次第終了する。イノシシ肉は、たんぱく質が多く脂質は少ないとされている。一方で、臭みや衛生面を気にして食べるのをためらう人も少なくない。県によると昨年度、県内ではイノシシ2万729頭を捕獲。このうち、食用として放射性物質検査にかけられたのは、1523頭にとどまり、資源としての活用は進んでいない。県は2016年度から、県内で捕獲・加工されたイノシシやシカ肉を「房総ジビエ」と銘打って消費拡大に取り組んでいる。新型コロナによる飲食業界全体への影響もあり、ジビエの消費が落ち込んでいるのを知った同ホテル担当者が、ジビエ料理を集めたフェアを初めて開催することにした。今回使うイノシシ肉は、捕獲直後に下処理をしたことで臭みを抑えた。あえて身近なメニュー構成とし、中華料理「景山」では、カレーやシューマイ、しゃぶしゃぶに、カフェレストラン「ミレフォリア」では、オムライスとクリームパスタに取り入れた。肉の食感やダシがきちんと感じられるよう仕上げたという。景山の若林竜也料理長は、「(消費拡大の)起爆剤になれば。肉のうまみを味わって」と呼びかけている。

(鹿肉など使いペットフード事業:長野)
県内で飲食店7店舗を運営する酒楽(松本市中央1)は、鹿肉や馬肉などを使ったペットフードブランド「ISOP(イソップ)」を立ち上げ、商品の販売を始めた。事業拡大のためクラウドファンディング(CF)を実施している。ジビエ料理や郷土料理を中心に提供する同社が、馬肉の端など廃棄していた部位を活用し、食品ロスを減らそうと昨年始動した取り組み。愛犬家の社員の提案でペットフードに着目した。商品は犬・猫向けで、鹿肉や馬肉の水煮、ジャーキー、信州サーモンのチップスなど。北海道から一頭買いする馬や、国産ジビエ認証を受けた鹿など自慢の食材を使い、スチームコンベクション(蒸気を使う調理器)で水分や油分を飛ばすなど食べやすいよう試作を繰り返した。高タンパク低脂質で反応も上々。「夏バテで食欲のない犬がよく食べたり、毛づやが良くなったりした、という声もあります」と同社。開発に携わった磯尾猛さん(24)は「食材を余すことなく使い、喜んでもらえる商品を届けたい」と話す。CFの目標は30万円で、商品開発やイベント費用などに充てる。返礼品はISOP割引セットやそばなど。

(別府大でジビエ料理教室:大分)
県内の女性狩猟者でつくる「大分レディースハンタークラブ」(広畑美加会長)は8日、「ジビエ料理教室in別府大」を別府市の同大で開いた。

(捕獲された鹿の革を使いペンケースを作る催し:鳥取)
鳥取県内で捕獲された鹿の革を使って、ペンケース作りに挑戦する催しが鳥取市で開かれました。これは、農作物に被害を与える野生動物を捕獲して有効利用するために活動している「いなばのジビエ推進協議会」が開き、事前に申し込んだ10人が参加しました。鹿革を使った小物を製作している職人が講師を務め、参加者たちは、まず、草木染めの独特の風合いの革に、専用の機械を使って金ぱくを張り付けました。そして、縦6センチ、横18センチの2枚の革の片端に、針と糸を使ってファスナーを丁寧に縫い付けていました。県内では、野生のニホンジカの個体数が増え、昨年度は、過去最多の1万2000頭あまりが捕獲されていて、肉は食用やペットフードなどに活用されていますが、皮の活用法が課題となっています。鳥取市内から参加した50代の女性は「鹿革は、手触りが柔らかくて気持ちがいい。できあがるのが楽しみです」と話していました。八頭町から参加した8歳の男の子は「難しかったけど、楽しかった。完成したペンケースは鉛筆を入れて勉強会に持って行きたい」と話していました。講師の窪田恵里花さんは「ふだん、鹿革にはなかなかなじみがないと思うが、柔らかくて独特な鹿革の風合いを楽しんでもらいたい」と話していました。

(生き物モチーフ作品展示・販売の「いきもにあ」:京都)
生き物をモチーフにした作品やグッズの展示・販売ブースが集まる「いきもにあ」が10月29日・30日、「みやこめっせ」(京都市左京区岡崎成勝寺町)で開催される。2015(平成27)年に始まった同イベント。コロナ禍のため2020年と2021年はオンライン開催となり、リアルイベントとしては3年ぶりとなる。普段目にする植物、昆虫や動物をはじめ、原生生物や空想動物までを含む生き物をモチーフとした財布やバッグや文具のほか、フィギュアやイラスト、標本や研究をまとめた冊子を販売する。例年行っていた専門家を招いての講演会は新型コロナウイルス感染症の予防のため中止する。約200ブースが出展。「MAKAMI」はシカやイノシシなど駆除された動物の皮(ジビエレザー)を使った革小物を販売する。「京都爬虫(はちゅう)両生類の会」と類爬虫類と両生類の専門雑誌の「有尾社」の合同ブースではそれぞれの雑誌を販売。このほか昆虫を身近に観察できる 「ふれあい昆虫館」も参加する。

(イノシシ肉の料理店、観光農園に姉妹がオープン:広島)
広島県三原市大和町の観光農園「果実の森公園」に、県内産のイノシシを楽しめる「山鯨」がオープンした。尾道市栗原町の山本鈴香(れいか)さん(29)と静香(せいか)さん(27)姉妹が、5年以上空き店舗だった元レストランを借りて開いた。

(害獣のイノシシをホテルの味に:島根)
島根県飯南町で有害鳥獣として捕獲されるイノシシの肉を使ったシチューが12日、町役場でお披露目された。これまで活用しづらかったもも肉を、高級路線の商品に作り上げた。取り組んだのは、町で捕れたイノシシ肉の加工と商品開発をしているグループ「グランディア赤名峠」。赤身が多く商品にしにくかったもも肉の活用をめざし、東京の有名ホテルや松江のホテル一畑で料理長を務めた照沼英則シェフ(64)にシチュー開発を依頼した。3年がかりで完成した「美猪子(びちょこ)シチュー」は、低温調理で軟らかくなった塊肉と丸ごと煮込まれたタマネギが特徴。2人前450グラムで税込み2300円と高めの設定だが、県内外のホテルでも提供が予定されるほどの味に仕上がった。試食した塚原隆昭町長は「肉のうまみ、野菜の甘みがあり濃厚な味わい」。グランディアの奥野佳代子代表(74)も「完成品のおいしさに感激した。全国の人に食べて欲しい」。町は、年に500頭以上捕獲されるイノシシの商品開発で、猟師の収入増加や農地保全につながることを期待する。町の道の駅「赤来高原」でも販売される。

(クマ出没:宮城)
14日午後1時50分頃、登米市東和町錦織字石沢地内(錦織4区行政区)で、熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
14日午前9時50分頃、登米市東和町錦織字芝山地内(錦織1区行政区)で、熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、14日午前8時40分ごろ、登米市東和町米川南上沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
宮城県警などによると、13日午前8時ごろ、大崎市鳴子温泉鬼首久瀬の山林にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区大倉西原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前3時50分ごろ、仙台市宮城野区岩切青麻沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前4時ごろ、仙台市青葉区川内大工町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後5時ごろ、仙台市青葉区上愛子麓道下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後11時40分ごろ、富谷市富谷熊谷下にクマが出没しました。

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(散歩中の女性、クマに襲われけが:栃木)
栃木・那須町で9日朝、散歩中の高齢女性(79)がクマに襲われ、手をかまれた。命に別条はないという。午前6時ごろ、那須町高久丙で「妻がクマにかまれた」と、通報があった。警察によると、女性は散歩中に、林から突然現れたクマに右手をかまれたが、命に別条はないという。クマは、体長1.3メートルほどで親グマとみられている。那須町では、クマの目撃情報が相次いでいて、警察は、パトロールの回数を増やすなどして警戒を強めている。

(イノシシ集中捕獲奏功、鹿は過去最多72万頭)
鹿とイノシシの捕獲数が2021年度の速報値で125万頭となり、前年比7%減となったことが環境、農水両省のまとめで分かった。

(シカの林業被害、捕獲しても別地域で増加)
野生のニホンジカの捕獲は林業被害を減らす効果があるかどうか。こんな疑問に答える研究結果を、国立研究開発法人の森林総合研究所と熊本県林業研究・研修センターの研究グループが公表した。熊本県全域を対象にした調査によると、シカの捕獲にも関わらず、県全域では林業被害の増減は確認されず。ただ、捕獲数が多かった県内の一部地域では林業被害が確実に減少したという。このため研究チームは害獣捕獲に被害軽減効果はないとの見方は適切ではないとし、より精緻な捕獲計画を立案することが重要だと指摘している。林野庁の調べでは、2020年度の野生鳥獣による森林被害面積は5700ヘクタール。このうちシカによる枝葉の食害や剥皮被害が73%を占めた。シカによる農林業の被害額は年間100億円以上と深刻で、捕獲数は年間約60万頭に上る。ただ、シカによる森林被害面積はここ数年横ばい状態で、捕獲が十分な効果を挙げているのかどうかには不透明な部分も多い。そこで森林総合研究所と研究グループは熊本県のほぼ全域を対象にしたシカ被害に関する研究を実施。広い範囲でシカの捕獲数、被害の増減、生息密度の増減をまとめた研究はこれまで国内外で見られなかったという。この研究では、2009年から2017年にかけて、25平方キロメートル(5キロメートル×5キロメートル)を1地域とした県内184地域の捕獲数などを比較。その結果、捕獲数が多かった地域ほど被害が減少していたことが分かった。特に南東部では捕獲数が1000頭以上の地域が多く、被害も生息密度も減少していた。一方、北部や南西部では1地域あたりの捕獲数が1~499頭と比較的少なく、被害と生息密度が増加。捕獲数が多かった南東部を除くほとんどのエリアで生息密度が増加していた形となった。総合的には県全体としての明らかな被害軽減効果は認められなかったという。

(相次ぐクマ目撃“しばらくは活動活発な時期注意を”:宮城)
6日夜、仙台市青葉区のJRの駅前で街路樹に登ったクマが見つかるなど、ここ最近、県内各地でクマの目撃が相次いでいます。クマの生態に詳しい調査会社は、しばらくは活動が活発な時期にあたるとして、注意を呼びかけています。6日夜、仙台市青葉区落合のJR陸前落合駅前で、街路樹に登ったクマが見つかり、およそ6時間後に捕獲されました。現場からおよそ4キロ離れた場所では、同じ時間帯に別のクマ3頭が目撃されていたほか、8月末には、青葉区上愛子で小学生の男の子と祖父がクマに襲われてけがをする被害も起きています。クマの生態にも詳しい東北野生動物保護管理センターの宇野壮春代表は6日、仙台市から依頼を受けて、街路樹に登ったクマを麻酔銃を使って捕獲しました。今回見つかったクマについて、宇野代表は「山から近くの川を伝って人里におりてきて、河川敷から街なかに迷い込んだのではないか」と話しています。県によりますと、ツキノワグマの個体数は、昨年度の調査で3629頭と、同じ方法で調査した2014年度と比較すると2倍以上に増えています。宇野さんによりますと、ツキノワグマは、収穫前の稲も好物だということで、この時期は田んぼの近くに出没するケースもあるとしています。しばらくは活動が活発な時期にあたり、クマの目撃が続くとみられることから、宇野さんは、山や林に近づく際は、活動が活発になる朝と夕方はなるべく避け、鈴を持ち歩くよう呼びかけています。また、家の近くに、クマが好むやまぶどうやくり、それにクルミなどが生息している場合は、なるべく伐採してほしいと話しています。

(鳥獣対策「SARUSARU大作戦」で暮らしに安心を:長野)
農作物を荒らすだけでなく、猿が網戸を開けて家の中に入り、食べ物をあさったり、ふんをしたり。猿にかみつかれたといった事故や熊の目撃情報もあり、生活に不安を抱える住民も多い。そんな状況を打破しようと、安曇野市穂高有明の立足地区の住民らが立ち上がり8月21日、放棄された果樹を伐採、樹木の枝打ちや草刈りなどを行った。ある住民が、この活動を称して「SARUSARU(猿去る)大作戦」。立足区は10月に、高齢者や障がい者のための支え合いの制度を立ち上げようと準備する。その中に、有害鳥獣対策活動も組み入れられそうだ。住民同士がしっかり手をつなぎ、必要な人と場所に、迅速に対応するフットワークの軽さを整える。伐採などは今後も続けていく方針だ。8月21日、安曇野市穂高有明の立足地区で作業が行われたのは、以前はリンゴ畑や栗畑だった場所約9900平方メートル。半分以上が農地で、放棄された果樹が残り、山林、原野などもある。参加者は、立足区第7常会の住民有志や区長、区長経験者、地区外のボランティアなど約20人。チェーンソーで木を切り倒す、草を刈る、切った木を運ぶ―など、それぞれができることで力を合わせた。この日伐採した木は500本ほどになった。事前の準備で木を切り、後片付けなどをした人を含めると延べ約40人が作業に関わったという。ニセアカシアやリンゴといった大きな木は9月4日、木の扱いにたけたグループ、安曇野樹楽会に依頼して伐採した。第7常会では、散歩中に猿に脅かされ逃げようとして転倒する、引っかかれる―といった被害が3年ほど前から深刻になっている。家の中に入られ食べ物を取られたケースもあり、熊の目撃情報もあるという。稲垣次代さん(82)も、重いガラス戸を開けて猿に侵入された。「大きな猿で、距離は2メートルほどしかなく、怖かった。奥に来られないように戸を閉め、隣の家へ駆け込んだ」と、遭遇した時の様子を話す。区は、鳥獣対策の実務を担う支え合いの制度をつくるに当たり、6月にアンケートを実施。第7常会の住民の半数以上から「猿が怖くて、安心して暮らせない」と回答があったという。「見通しを良くすれば、猿が頻繁に出入りできない環境がつくれるのではないか」。放棄されたリンゴや栗があり、草が茂るなど手入れがされていないことから、所有者と話し合い、木を伐採したり、下草を刈ったりすることにした。10月には支え合いの制度を立ち上げようと準備中で、高齢者や1人暮らしの人、要介護者、要支援者などから依頼があれば、雪かき、草取り、ごみ出しなどに対応する。「猿の被害が大変」といった声を聞いたら、今回のように住民に声をかけ、自分たちから積極的に地域の困り事の解決にも乗り出すという。8月の作業は、住民の「何とかしてほしい」という声と、区の「住民の声に応えたい」という思いが一致し実現した。効果はまだ分からないが、今後も活動は継続していく予定だ。小林慈彦(やすひこ)区長(69)は「個人や家庭を対象とした福祉だけでなく、地域の環境整備にも踏み込んでいかないといけない」と力を込める。誰もが安心して暮らせる地域を目指し、そこに暮らす住民が力を合わる―。「今後もかゆい所に手が届く活動を模索していく」と小林さんは語った。

(鳥インフルエンザで道が対策会議:北海道)
ことしの春にかけて道内各地で鳥インフルエンザの発生が相次いだことを受け、道は8日専門家を集めた会議を開きこの秋以降に向けた対策を話し合いました。会議では、去年の秋からことしの春にかけてカラスや大型の鳥「エミュー」のほか、国内では初めて哺乳類のきつねとたぬきからも鳥インフルエンザが検出され、胆振地方では感染が確認された養鶏場でニワトリ52万羽が殺処分されるなど養鶏業への影響も出たことが報告されました。その上で専門家らは、道内の広い範囲で同時多発的にさまざまな種類の生き物で鳥インフルエンザへの感染が確認されたことはこれまでにない傾向だとしてこの秋以降に向けた対策を話し合いました。具体的には、感染状況を迅速かつ効果的に把握するため感染を判定する遺伝子検査を新たに感染が確認された場所で重点的に行うべきだとか、家きん類の飼育方法に合わせた講習会を開いて感染対策をより一層強化すべきだといった意見が出たということです。会議に参加した北海道大学の迫田義博教授は「鳥をはじめとした生物の感染リスクをどうすれば下げられるか引き続きデータを取って対策につなげたい」と話していました。

(豚熱感染、捕獲が激減:三重)
野生イノシシによる農作物被害に頭を痛めている志摩半島の鳥羽、志摩両市で、イノシシの捕獲頭数が激減していることが明らかになった。現状のまま推移すると、昨年度比で半数以下になる可能性も出ているという。県家畜防疫対策課によると、3年前に北勢地方で初めて確認された家畜伝染病の豚熱の感染地域が南下し、ピークを迎えた志摩半島付近で、イノシシが死んだり活動が低下したりしたのが原因らしい。鳥羽市によると、年度別の捕獲数は過去最多となった2020年度が570頭、21年度が458頭だったのに対し、22年度4~8月はわずかに19頭だった。同市はイノシシ1頭につき7000円を報償金として支払っているが、「このまま推移すると大幅な減少が見込まれる」と話している。

(エサとなりそうな木の実や野菜くずなどはそのままにしない:新潟)
秋が深まるにつれて心配されるのがクマの出没。仮に市街地にクマが出没して建物に立てこもった場合にどう対応すべきなのか。そんな想定のもとで安全な捕獲方法を確認する訓練が、7日に新潟県長岡市の「トチオーレ」で行われました。新潟県や長岡市の職員と、警察や猟友会のメンバーらが行ったクマへの対応訓練では、市街地に姿を現した大人のクマが、長岡市栃尾地域の施設に立てこもったというケースを想定しました。まずは、クマが住宅地に逃げていかないように建物の周囲を車で囲みます。その後、駆け付けた業者が麻酔銃を使ってクマを眠らせ、慎重に捕獲するまでの手順を確認しました。新潟県内では2019年に、南魚沼市の山あいにある診療所に3頭のクマが立てこもる騒ぎがありました。幸いけが人は出ませんでしたが、捕獲までに26時間を要しました。【新潟県鳥獣被害対策支援センター 葉葺久尚副所長】「かなり実践的な訓練ができた。実際にクマの出没が起きたときに、本当にスムーズにできるかどうかが1つの課題だと思っていますので、関係者には何回も何回も訓練を繰り返しながら、実際に起きたときには対応できるようにしていただきたい」。新潟県によりますと、2020年度の県内ではクマによる人身被害が過去最多の17件発生し、1人が死亡し20人がけがをしました。昨年度とは1件、今年度もまだ1件にとどまっていますが、出没が増えるこれからのシーズンには警戒が必要だとしています。【県鳥獣被害対策支援センター 葉葺久尚副所長】「人身被害が最多だった年は、秋口から非常に出没件数も増えています。あわせて人里や住居などにもクマが出没して人身被害が起きていますので、これからが本当に注意」。クマのエサであるブナの実について「今秋は去年よりも若干多い」という観測があるということですが、新潟県ではクマを人里に近づけないようにするために、エサとなりそうな庭先の木の実や畑の野菜くずなどはそのままにしないように呼び掛けています。

(アライグマ駆除へ、地元農家らが研修会:埼玉)
農作物を食い荒らし、特定外来生物にも指定されているアライグマを駆除するため、加須市で8日、地元の農家などが捕獲に必要な資格を取るための研修会に参加しました。研修会は、県などが企画して、不定期で行っていて、今回は地元の農家や家庭菜園に取り組む市民などおよそ30人が参加しました。アライグマを捕獲するためには、原則としてわな猟の免許が必要ですが、研修会を修了すれば「捕獲従事者」の資格を得て、はこわなを使用した捕獲ができるようになります。県農業支援課によりますと、昨年度のカラスやハクビシンなどの野生動物による農作物の被害総額は速報値でおよそ8681万円で、このうちアライグマによるものが最も高く2348万円となっています。参加者は、両足の足跡が並行につくアライグマの特徴や捕獲する際にかまれたり引っかかれたりして、狂犬病にかかるリスクがあることなど捕獲従事者として必要な知識や技術を熱心に学んでいました。

(クマのようなものが木に:宮城)
6日午後6時25分頃、仙台市青葉区落合の住宅街で、近隣住民から「クマのようなものが木に登っている」と110番があった。クマは街路樹に登ったままとどまり、宮城県警や市などが警戒する中、5時間半後に市から委託された鳥獣調査などの専門業者が麻酔銃を発砲。落下したところを捕獲され、移動後に殺処分された。けが人はなかった。市や仙台北署によると、現場はJR仙山線の陸前落合駅から約100メートル離れたマンションの前。クマは体長1メートル20ほどで3歳くらいのメスだった。同じ時間帯に現場から約4キロ離れた同区上愛子前堀では、長約80センチのクマ3頭が道路を歩いているところを目撃されている。近くでは先月29日、男性(64)と孫の男児(9)がクマに襲われ、けがをする被害があった。このマンションに住む主婦(73)は「最近クマのニュースが多い。近くで見ると大きくて怖かった。駆除されて一安心」と安堵あんどした様子だった。市は「クマを見つけたら、近づいたり大声を出したりせず、すぐ市や警察に連絡してほしい」と注意を呼びかけている。

(またクマか?付近でニホンカモシカも目撃:岩手)
9月7日夜、岩手県盛岡市内の住宅街でクマ1頭を見たと警察に通報がありました。一方、付近ではニホンカモシカも目撃されていて警察などが注意を呼び掛けています。9月7日午後7時半ごろ、盛岡市天神町で大型犬ほどの大きさの子グマ1頭を見たと通りがかった人から警察に通報がありました。クマは西側の上の橋方面に逃げて行ったということですが、現在も発見されていません。現場は住宅が密集する地域で近くには学校がいくつもあり、8日朝は保護者と一緒に登校する児童の姿が見られました。一方、通報があった時間帯に近くでは別の動物が目撃されています。クマの目撃場所から約1キロ離れた盛岡市保健所の駐輪場で、8日午前8時ごろに撮影された写真には、ニホンカモシカが慌てる様子もなく立っている様子が映っています。写真とよく似た動物が7日夜、クマの目撃があった住宅街でも見られていました。7日夜と8日朝に目撃されたクマとカモシカの関係性は分かっていませんが、警察などが注意を呼びかけています。盛岡市の中心部で2007年に撮影されたニホンカモシカの映像を見ると、捕獲しようと近づいたところ、ものすごいスピードで逃げていきます。市の担当者によりますと、刺激されると興奮し暴れることがありますが、ほとんどの場合人を見かけると山に帰り、基本、危害を与える動物ではないということです。また国の特別天然記念物であるニホンカモシカは、クマやシカとは異なり保護対象となっています。盛岡市教育委員会 歴史文化課 三浦陽一さん「角がありますしちょっと怖いので心配な方も多いと思うんですけれど、基本的には逃げていくので、そのままそっとしておいていただくのが一番ありがたい」。特別天然記念物の「ニホンカモシカ」は保護の対象だが、人や農作物への被害がある「シカ」は駆除の対象になっています。2022年、盛岡市内ではカモシカの目撃情報が11件寄せられていて市街地での遭遇が多いということです。一方、8日はこの他にも午後4時20分ごろ、盛岡市つつじが丘でもクマの目撃情報がありました。

(特別な三日間~知って食べる AKIYAMAGO~:東京)
新潟県十日町地域振興局と長野県北信地域振興局では、県境の魅力を両県でプロモーションする取組を進めています。このたび、新潟県と長野県をつなぐ秘境「秋山郷」をテーマに、両県の魅力に触れていただくプロモーションイベントを企画しました。首都圏の皆さまに、日本の原風景とマタギ文化が残る秋山郷の魅力を伝えることで、両県への誘客促進と交流人口拡大につなげます。

(フレンチ店がペットフード開発:島根)
ペットの健康を気遣う飼い主から注目されているのが、イノシシやシカなどのジビエを使ったペットフードです。出雲市のレストランのオーナーがペットを愛するあまり、イノシシ肉を使った犬猫用のペットフードを自ら開発、話題となっています。出雲市の創作フレンチレストラン「サンクサンス」。素材や調理法にこだわった料理が自慢。なかでも地元産の野菜やジビエを生かした料理が人気です。オーナーは山根大さん。出雲市内の会社で営業職として勤務していましたが、2019年に脱サラし、この店を開きました。コロナ禍での船出でしたが売上は右肩上がり。その原動力は。出雲市内の猟師から直接仕入れたイノシシやシカなどのジビエをコース料理の一部に取り入れています。ただ、ジビエには料理に使いにくく棄てられる部位も多いといいます。そこで。犬猫用のペットフードへの利用です。試食してみると。人も食べられるこだわりのペットフード。開発を思いたったきっかけは、チワワのむぎくんです。山根さんが去年飼い始めたむぎくん。人の気配を感じるとすぐ鳴いてしまうという臆病で人見知りな性格です。家族の前では甘えん坊、食欲旺盛なむぎくん。実は。飼い始めたころは食いつきが悪く、体重も増えなかっためエサの管理に気を使っていたといいます。ジビエフードに「まっしぐら」でした。農林水産省によると飼育環境の改善などによりペットの寿命が伸びる一方、高齢化による健康リスクも高まっていて低カロリーで栄養豊かなジビエはペットの健康食、療養食としても注目されています。むぎくんのためにと作ったエサがペットフード開発のきっかけになりました。ペットを愛する気持ちから生まれたペットフード。家族同然のペットの健康を守るだけでなく、野生動物による農作物被害が後を絶たない中、田畑の「厄介者」の活用にも一役買いそうです。

(夏の鹿肉料理、味わって:鳥取)
捕獲した鹿やイノシシ肉の高級食材としての普及を進める「いなばのジビエ推進協議会」(鳥取市)は30日まで、初の「いなばのジビエ鹿フェア」を展開している。さらに来年1月まで毎月第4火曜を「シカの日」に設定。この日に参加飲食店などを利用すると、抽選で1000円分のチケットが当たるキャンペーンを実施している。この時期の鹿肉は、春以降に若草や新芽を食べ、ひときわ味わいが増すという。協議会はこれまで11月にジビエフェアを開催してきたが、この「夏鹿」の魅力に焦点を当てたフェアを初めて企画した。参加したのは、鹿肉料理を提供する県東部16の飲食店や宿泊施設をはじめ、鹿肉を扱うスーパー「サンマート」各店や智頭町の専門店、若桜町の皮革雑貨販売「若桜革工房 Dear Deer」など。期間中それぞれが自慢のメニューや商品をPRする。シカの日(次回は27日)に参加店を利用すると、抽選で各店3人にチケットが当たる。来年2月には「 猪いのしし フェア」を開く予定で、チケットは2月28日まで参加店で使える。協議会の米村晴己ジビエコーディネーターは「新鮮な夏鹿の肉を提供できるのは、猟師らの努力のたまもの。そのおいしさにふれ、農作物被害の軽減や環境維持につながることも知ってほしい」。参加店などの詳細はホームページで紹介している。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日早朝、仙台市青葉区新川清水頭にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後11時ごろ、仙台市青葉区熊ケ根町一番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
涌谷町によると、8日、涌谷町猪岡短台川畑二付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、8日午前11時30分ごろ、村田町足立釜口付近にクマが出没しました。

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(標識や看板に15カ所の弾痕、誤射ではなく故意か:京都)
京都市右京区京北上弓削町の山間部にある標識と看板に、銃器で撃ったとみられる複数の弾痕が見つかったことが2日、京都府警や府などへの取材で分かった。誤射ではなく故意に撃ち込んだ可能性があり、右京署が銃刀法違反容疑を視野に調べている。右京署によると、弾痕が見つかったのは、府が設置した「砂防指定地」の標識と、設置者不明の防火啓発看板と地名看板。看板2枚は同じ場所に並んで立つ。計3枚から少なくとも計15カ所の弾痕が見つかった。標識には表側から撃ち込まれたとみられる6カ所の弾痕があり、多くが金属製の標識面を貫通していたが、一部の銃弾が残っていた。また、防火啓発の看板には4カ所、地名看板には少なくとも5カ所に弾痕があり、全て貫通していたという。右京署の説明では、何らかの銃器で撃ったとみられる。時期は不明だが、看板2枚の弾痕の方が古いとみられる。被弾の状況から誤射ではなく、近距離から標識を狙って撃った可能性があるという。同署は、看板などを標的にしたり、銃の使用許可がなかったりした場合は、銃刀法違反容疑の可能性があるため、標識を回収して銃弾の種類などを調べている。府から被害届は出ていないという。府によると、現場は狩猟や有害鳥獣駆除で猟銃を使用できるエリア。標識と看板は約1・5キロ離れている。いずれも国道162号深見トンネル東方の林道沿いで、付近に民家はない。

(わなにかかったイノシシが突進、近くにいた男性が足をかまれて救急搬送される:新潟)
新潟県長岡市の山中で有害鳥獣のイノシシを捕獲しようと作業していた男性が、イノシシに足をかまれて救急搬送される事故がありました。長岡市によりますと9月2日午前10時すぎ、長岡市気比宮(きいのみや)の山中で、長岡市の鳥獣被害対策実施隊員が、わなを仕掛けてイノシシの捕獲作業をしていたところ、わなにかかったイノシシ1頭が、鉄製のわなにくくられた自らの左足首をちぎって逃げ出しました。逃げ出した際、イノシシがわなの付近にいた40代の男性隊員に突進。男性は右ひざの裏をかまれるケガをし、病院へ救急搬送されました。命に別状はないということです。イノシシは体長が80センチほどでわなにかかった後、激しく暴れ、わなから足をちぎって逃げ出したということです。かまれた男性は、わなから8メートルほどのところで作業していたということです。イノシシはそのまま山中へ逃走したため、長岡市は付近の住民などに十分注意するよう呼びかけています。イノシシを見かけたら、刺激せずにその場から静かに立ち去り、長岡市役所又は最寄りの警察署へ連絡してほしいとしています。

(野生イノシシの豚熱確認:秋田)
秋田県は2日、湯沢市で先月27日に死んだ状態で見つかった野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内でのイノシシの感染確認は先月26日に続いて2例目。県によると、国立環境研究所の検査で1日に陽性と判明。県内では82農場で計約27万頭の豚を飼育しているが、全てワクチンを接種済みのため、搬出制限などは行わない。

(「犬が3匹いる」の通報後、またシカの死がい発見:北海道)
2日早朝、北海道釧路市で、また、野犬に襲われたとみられるシカの死がいが見つかりました。これで4頭目です。シカの死がいが見つかったのは、釧路市広里の釧路大規模運動公園の草地です。2日午前5時半ごろ、散歩中の人が「犬が3匹いる」と警察に通報しました。警察官が駆け付けたところ、付近に野犬はいませんでしたが、現場近くにいた他の人から「シカの死がいがある」という情報があり、草地で死んでいる子ジカ1頭が見つかりました。釧路市の環境保全課によりますと、死んでいた子ジカは、尻のあたりに一部、食べられたような痕跡がありました。釧路市では、8月以降、野犬に襲われたとみられるシカの死がい発見が相次ぎ、2日で4頭目になります。釧路市は、現場の近くに箱わなを設置するなどしていますが、捕獲には至らず、噛まれると、狂犬病の危険性もあるため、野犬には近づかず、目撃したらすぐに通報するよう呼びかけています。

(ヒグマが車揺するトラブル:北海道)
北海道・知床国立公園内で8月、ヒグマ1頭が道路上で止まった乗用車を足で揺するなどするトラブルがあった。車は足が外れた隙に現場を離れて事なきを得たが、公園を管理する知床財団は「危険を避けるためにも、走行中にクマを見たら速やかに通過してほしい」と呼びかけている。

(国道に突然“エゾシカ”飛び出す、バイクが衝突・転倒:北海道)
北海道の国道でバイクがシカと衝突し運転していた男性が大けがをしまし。事故があったのは、十勝地方の足寄町鷲府の国道です。5日午前9時30分ごろ、バイクが足寄町から陸別町方向へ走っていたところ左からシカが飛び出してきました。バイクはシカを避けようとしましたがシカと衝突し転倒しました。この事故でバイクを運転していた60代とみられる男性が肋骨や鎖骨を骨折する重傷を負いました。シカは衝突後いなくなったということです。警察は当時の状況を詳しく調べています。

(シカ捕獲が被害軽減に与える効果、都道府県レベルの広いスケールで検証)
森林研究・整備機構森林総合研究所と熊本県林業研究・研修センターの研究グループは、ニホンジカの積極的な捕獲を実施した地域では、確かに林業被害軽減につながることを実証した。同研究グループは、熊本県全域を対象にシカの捕獲数、密度、林業被害の程度を解析したところ、林業被害の増減傾向には地域差がみられた。また、多く捕獲した地域ほど生息密度が減少し、それに伴って被害が減少していた。捕獲が被害軽減に与える効果について、これまで小さなスケール(林分単位)で検証した例はあったが、都道府県レベルの広いスケールで検証した研究は世界的にも少なく、とても重要な知見となる。この研究では、熊本県を184の地域に分割し、2009年から2017年までの各エリアの林業被害やシカ生息密度の増減傾向とシカの総捕獲数を調べた。まず、シカの捕獲数と被害の傾向を比較したところ、たくさん捕獲したエリア(図1A)ほど被害は減少(図1B)。また、県南部ではたくさん捕獲されているエリアが多く、さらにシカの生息密度も減少(図1C)していた。これらの結果は、シカ捕獲により生息密度が減少し、結果として、捕獲が被害の軽減に効果的であることを示す重要な証拠となる。しかし、県全体としての被害件数には明らかな増減傾向は認められず、たくさんのシカを捕獲したエリアで被害が減少。一方で、捕獲が少ないエリアではシカが増え、被害も増加していた。つまり捕獲の効果がおよぶ地理的範囲には限界があり、一部の地域でたくさん捕獲しても、県全体としては効果が見えないことから、捕獲の効果がなかったという間違った評価をもたらす危険がある。このことから、都道府県レベルで広域的な被害軽減をめざす際には、都道府県という広い単位だけで捕獲数を決めるのではなく、小エリアに分割し、エリアごとに目標とする捕獲数の下限を決めて実施・評価する必要がある。

(改正鳥獣被害特措法で対策が加速、進む「広域捕獲」)
昨年6月に議員立法で成立した改正鳥獣被害特別措置法により、都道府県による広域捕獲や、ICTを活用した調査に基づく捕獲が全国で進んでいます。都道府県が市町村をまたいだ繁殖地等を特定して捕獲。ICT技術を生かして、情報を共有し、市町村が農地に近づく鳥獣を効率的に捕獲する枠組みが進められています。また、農林水産省と環境省では、農地から山奥まで切れ目のない「攻めの捕獲」を推進。法改正によって幅の広い鳥獣被害対策が進められています。

(クマ被害対策会議」、岩手県と秋田県中心に警戒強める)
環境省は1日、警察庁、農水省、林野庁との「クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議」を開き、「22年度は直近5年の同時期と比べてもっとも少ない出没件数のペースではあるが、人の生活圏での出没が多い傾向にある」との見解を示した。ツキノワグマの出没件数が近年で最多だった20年度の7月末時点の人身事故件数は30件だが、22年度は40件。例年10月に出没、被害件数がピークになるため、22年度の出没数が全国で突出している岩手県と秋田県を中心に、警戒を強めた。講師を務めた東京農大で動物生態学を専攻する山崎晃司教授は「10月ごろは冬眠前にエサを食べる時期。9月中旬以降にドングリの量が少ないと人の生活環境に来る」と説明した。個体数は減っていることから、種の保存と捕獲のバランスの重要性を強調。「1番大事なのは地域集団での個体数把握が大事。奥山に住んでいるクマの生息状況が把握出来ているのであれば、手前(人里に近いところ)の排除地域で捕獲していいよねとなる」とした。自身の研究対象でもある東京・奥多摩町に生息するクマの行動事例を出し「特にオスは繁殖を目的に長野の千曲川や、埼玉の秩父まで移動している個体がある」と行動範囲が広い特徴も公表。「森があればクマがいると思って」と注意を促した。

(農作物の鳥獣害2億6千万円、豚熱でイノシシ減:和歌山)
和歌山県は、2021年度の野生鳥獣による県内の農作物被害額は2億6164万円だったと発表した。前年度から約2800万円減少した。特にイノシシによる被害額が減少しており、豚熱の影響で生息数が減ったことが要因として考えられるという。近年の被害額は3億円を少し超える金額で推移し、20年度に11年ぶりに3億円を下回って2億9008万円となった。21年度はさらに減って、1998年度以降で2番目に低い水準となった。作物別の被害割合は、果樹79%、野菜11%、水稲5%。鳥獣別の被害額は多い順に、イノシシ9177万円(構成割合35%)、シカ5510万円(21%)、鳥類などその他4616万円(18%)、サル4393万円(17%)、アライグマ2467万円(9%)。前年度と比べて、イノシシは3692万円、アライグマは821万円減った。一方で、シカが1232万円、サルが244万円、その他が194万円増えた。県農業環境・鳥獣害対策室は21年度の被害額減少の要因について、豚熱の感染がイノシシに広がったことで、数や被害額の減少につながったとみている。市町村別の農作物被害額をみても、イノシシによる被害額は前年度と比較して、30市町村のうち、24市町村で減った。紀南地方の市町村別の被害額は多い順に、田辺市3299万円、印南町1307万円、那智勝浦町663万円。田辺市は獣種別で、サル1399万円、シカ783万円、イノシシ401万円などだった。県は、イノシシ、シカ、サルの管理を目的にした「第2種特定鳥獣管理計画」(22~26年度)を定めている。各動物とも10年後に推定生息数を半減させること、農作物被害額は計画の最終年度にイノシシが9千万円以下、シカが2900万円以下、サルが2900万円以下を目標にしている。同対策室は「特にシカの被害は増えており、年間の捕獲目標1万9千匹以上を目指し、イノシシによる被害もこのまま減ってくれるとありがたいが、捕獲圧を高め、被害が減るよう取り組みたい」としている。

(ヒグマの被害防ぐ対策計画の素案提示:北海道)
去年、札幌市の市街地にヒグマが出没し、4人が重軽傷を負った事故などを踏まえ、札幌市は、被害を防ぐための対策を盛り込んだ新たな計画の素案を専門家の会議に示しました。札幌市では、去年6月、東区の市街地にヒグマが出没し、4人が重軽傷を負う事故が起きたほか、この夏も住宅地などでクマの目撃情報が相次ぎました。これを受けて、市は、5年前に策定した「ヒグマ基本計画」の改定を進めていて、1日開いた専門家の会議に素案を示しました。素案では、人とヒグマが住み分ける「ゾーニング」を進めるため、「市街地」と、小規模集落や農地を指す「市街地周辺」、それに、「森林」というこれまでの区分に加え、自然歩道など市街地に接する森林を指す「都市近郊林」という新たな区分を設け、ヒグマの市街地への侵入を防ぐための対策を講じるとしています。また、出没したヒグマの危険性を行動の内容にしたがって「4段階」にレベル分けし、「捕獲」や「見回り」など、地域ごとにとるべき対応を定めます。これに対し、専門家からは、「ゾーニング」の区分を分かりやすく示した地図を作成すべきだとか、ヒグマについて学べるインターネットのサイトをPRし、市民に働きかけるべきだといった意見が出されました。市は、こうした意見を踏まえ、今年度中に計画をとりまとめることにしています。

(鳥のふん一因で橋崩落の衝撃:和歌山)
水色に塗られた水管橋のアーチは、以前からカワウの群れで黒く染まっていた。2021年10月、和歌山市の紀の川に架かる六十谷(むそた)水管橋(全長約550メートル)が崩落し、大規模な断水を引き起こした問題で、市の調査委員会は22年5月、衝撃の崩落原因を明らかにした。アーチと水管橋をつなぐ鋼鉄製のつり材が鳥のふんや雨水の作用で腐食し、崩落につながったというのだ。県によると、県内にはカワウの大規模なねぐらが10カ所程度あり、水管橋周辺は有数の規模という。調べてみると、一帯の環境はカワウにとって楽園だった――。水管橋は浄水場から市北部へ水道水を送る唯一のルートで、崩落から仮復旧までの1週間、市の人口の3分の1にあたる約6万世帯(約13万8000人)が断水、市民生活に大きな影響を与えた。

(AIカメラでクマ動向把握、人身被害防止:石川)
石川県は目撃が相次ぐクマによる人身被害を防ぐため、10月初旬にAI(人工知能)を活用したカメラを各地に設置する。出没が多い金沢や白山の里山地区を中心に50台を取り付ける計画で、クマの検知、撮影に加え、地元自治体や猟友会への連絡までを完全自動化し、迅速に情報共有できる体制を整える。県が1日発表した9月補正予算案にカメラの購入費など1300万円が計上された。AIカメラは、熱を感知して動物を自動撮影する。画像データはパソコンに転送され、AIが動きや大きさでクマかどうかを判別する。クマの場合、自治体や猟友会に画像、位置情報がメール送信される仕組みとなっている。猟友会などは時間帯や場所などを考慮した上で駆除、警戒に当たる。わなの設置にも役立てる。クマは近年、人里に近い里山地区に生息しているとみられ、県内では目撃件数が増加傾向にある。エサとなるブナが「大凶作」だった2020年は目撃件数が869件、人身被害が15件といずれも過去10年で最多だった。今年も6月の調査でブナが「凶作」と見込まれている。8月16日時点では目撃件数が201件と過去最多ペースで、県は、例年では冬眠前で出没が増える秋に発出する「出没注意情報」を7月に前倒しで出して注意を呼び掛けている。

(媒介するイノシシ、ドローンで生息域把握し捕獲強化:群馬)
CSF(豚熱)の発生リスクを軽減しようと、群馬県は小型無人機ドローンを活用し、ウイルスを媒介する野生イノシシの捕獲強化に乗り出す。夜間でも捜索できる赤外線カメラや追尾機能が付いた最新の2台を導入し、地上から見つけにくい生息域を正確に把握する。群れでの捕獲を目指し、ネット(網)を使った囲いわなの有効性を養豚農家が集中する赤城南麓地域で検証するほか、伐木など河川内の緩衝帯を整備してイノシシの出没を抑制する。県が1日発表した本年度一般会計9月補正予算案に計6億円を計上した。ドローンの導入やわなの検証にかかる費用は既決予算を活用する。県鳥獣被害対策支援センターによると、現在はドローン1台をカワウや農地の撮影に使っており、有害鳥獣の調査に活用するのは初めて。高度な技術が必要なため、同センター職員が研修を受けて操作する。人間の目では捜索が難しい夜間に広範囲を調査して出没エリアを特定し、最適なわなの設置につなげる。囲いわなで使用するネットは円形で直径約6メートル。重さは約30キロと軽く、容易に取り外して移設できるのが特長という。地面に打ち込んだ数本の単管パイプにネットを取り付け、円内に餌を置いてイノシシをおびき寄せて捕獲する仕組み。イノシシは警戒心が強いため、同じ場所のわなには何度もかからない。囲いわなはこれまでも実施していたが、金属製のため重く、移設するのが困難だった。ネットの囲いわなは前橋と桐生両市の2カ所に設置して有効性を検証する。イノシシの移動経路を絶つため、河川内の伐木や除草を行う費用として1億円を盛り込んだ。前橋市内の粕川と荒砥川で緩衝帯の整備を進めているが、市町村からの要望を踏まえ、さらにCSFの発生リスクが高い複数箇所を整備する。そのほか、発生時に豚の埋却や消毒作業に充てる特定家畜伝染病対策調整費として5億円を計上した。県内では本年度に入ってCSFが3例発生し、当初予算で確保した1億7000万円は使い終えた。

(ヒグマ有害性の判断、より具体的に:北海道)
札幌市は1日、「さっぽろヒグマ基本計画」改定検討委員会を開き、ヒグマの出没時に有害性を判断する段階の分類を見直す案を示した。現在は道と同じとしているが、市街地付近への出没が多い札幌の実情に合わせ、詳細にした。

(「シカ衝突事故」過去最多に、果たして防ぐ手立てはあるのか)
2022年5月、広島県と岡山県をつなぐJR芸備線(げいびせん)で、3本の普通列車が計4頭のシカと相次いで衝突した。この事故で、上下線計14本に最大50分の遅れが発生し、約1000人に影響が出た。また、2022年3月には、三重県津市でシカと衝突したワゴン車が大破するという事故が起こった。助手席などのガラス3枚が粉々に割れ、修理には約70万円もの費用がかかった。現場は山奥ではなく、民家が立ち並ぶ住宅街で、近隣住民からは驚きの声が上がった。電車と動物の衝突事故による損害額は年間数千万円にものぼるといわれているが、特にシカが関係する事故は、ここ数年で増加の一途をたどっている。JR東日本盛岡支社によると、2020年にはシカとの衝突事故が647件発生した。そのうち、最も衝突事故が多い釜石線での事故件数は2016年の約2倍、山田線では約6倍であった。さらに、JR北海道が2022年6月に発表した調査報告結果によると、2021年度のシカ衝突事故発生件数は2632件にものぼり、過去最多だった。北海道において最多となったのは電車事故だけではない。自動車とシカの衝突事故発生件数も2016年から増加し続けている。北海道環境生活部自然環境局の「令和3年 エゾシカが関係する交通事故発生状況」によると、2021年の発生件数は4009件で、5年連続で最多記録を更新し続けているのだ。前述した三重県での事故のように、シカと衝突すると自動車が大破することもある。2021年に北海道で起きた衝突事故では、修理見積もりが約250万円となり、廃車にせざるを得ないという事例もあった。各関係機関が発表した数字を並べてみるだけでも、北海道・本州ともに、事故件数が年々増加していることが見て取れる。耕作放棄地が増え、・シカにとって住み良い環境が整った・狩猟者が減少したため、シカの生息数や分布域が全国的に拡大している。増え続けるシカとの交通事故を防ぐためには、どのような対策が有効なのか。さまざまな検証が重ねられてきたなかで、最も効果があるとされたのは、超音波や高周波を使った方法だ。電車との衝突事故を防ぐために、鉄道各社は対策に苦慮してきた。シカが嫌うとされる、オオカミの尿が入った容器を線路脇に置いたり、ライオンのふんの成分が入った薬剤を線路付近に散布したり、赤色発光ダイオード(LED)を照射したりするなど、さまざまな対応策が講じられてきたが、いずれも大きな効果は見られなかった。そんななか、話題となったのは、近畿日本鉄道が京三製作所(神奈川県横浜市)、モハラテクニカ(群馬県高崎市)と共同開発した「シカ踏切」だ。シカ踏切は、シカの線路への侵入経路を侵入防止ネットで限定した上で、列車が運行しない時間帯にはシカが自由に行き来できるようにしておく。そして、列車運行時間帯にはシカが嫌う超音波を発信し、シカの線路侵入を抑止するというものだ。このシカ踏切を導入した大阪線青山駅付近の約1km区間(三重県津市)では、2015年までは毎月1~2件の衝突事故が発生していたが、2016年の導入以来、ほぼ0件になった。では、自動車とシカとの衝突を防ぐ方法はあるのだろうか。国土交通省北海道開発局は、シカの習性を踏まえ、次のような状況では、ゆっくりと注意して走行することを推奨している。・早朝や夕方(シカの活動ピークである上、姿を見つけにくいため)・1頭目が道路を横切った後(シカは群れで行動するので、後から複数頭飛び出してくる場合が多いため)・なにかが暗闇で光っている時(自動車のヘッドライトの光がシカの目に反射している可能性があるため)・山間部でブレーキ痕を見つけた時(その場所で以前にシカに出くわした自動車がいた可能性があるため)・道路脇に林がある道路(森の中を走る道路はシカのテリトリー内であるため)また、アスファルト上では、ひづめが滑って逃げるのが遅くなることもあり、シカと運転手双方の反応が遅れることで事故につながる危険性もある。しかし、もっと具体的な対策がないと不安だという人もいるだろう。そのような場合には、車両用の対策ユニットがある。T.M.WORKS(山梨県河口湖町)が2018年に開発した「鹿ソニック」は、車両の進行方向に対して高周波音を照射することで、シカなどの野生動物との衝突を防ぐ。本体を自動車のフロントグリルに固定し、付属のスピーカーをドアミラーの下側や、フロントグリルの平らな面などに貼り付けて使用する。鹿ソニックは全日本ラリー選手権出場車にも装着され、走行中に遭遇したシカ3頭が逃げていったのを確認した。発売開始以来、超音波の到達距離の見直しなど、改良が重ねられている。電車との衝突防止策として紹介した「シカ踏切」は、電車にはねられた子ジカを見つめる親ジカの姿に心を痛めた鉄道マンの声をきっかけに生まれたシステムだ。シカとの共存をコンセプトとして、新たな発想で誕生したシカ踏切は、「鉄道と野生動物の関係について、野生動物の視点で考えることの大切さを教えてくれた」として、2017年にグッドデザイン賞を受けた。全国の事故件数を見ると、シカ踏切はまだ普及拡大には至っていないものと思われるが、このような共存を軸とした対策が広く講じられることを強く願う。耕作放棄地の増加など、シカの増加には人間が影響していることを忘れず、シカの個体数を適正に管理しつつ、共存していく術を見いだしていく必要がある。

(クマ被害に注意を!4~7月で人身被害40件)
クマによる人身被害が各地で相次いでいるとして、環境省は1日、関係省庁との連絡会議を東京都内で開き、冬眠前で出没が増える秋に向け、各都道府県に対策を呼びかける文書を、月内にも出す方針を明らかにした。環境省の集計では、2022年4~7月の出没件数は過去5年の同期間で最少の6127件。

(街中にイノシシ、急ぎ110番?:広島)
イノシシを目撃した場合、通報は110番でいいのか―。8月上旬、広島県福山市中心部で相次いだイノシシの目撃情報。中国新聞が報じると、インターネット上で通報先に対する疑問の声が上がった。市街地で害獣が出た場合、警察と自治体が連携して対応するケースは多い。それぞれに得意な役割があり、どちらへの通報が正解ということではなさそうだ。「バシャバシャと音がして振り向くとイノシシが水辺を歩いていた」。福山市原爆被害者友の会の植岡進次事務局長(66)が振り返る。8月6日午前6時半ごろ、同市霞町の中央公園で原爆死没者の慰霊式典の準備をしていた。とっさに110番。これを含め、同8時半ごろにかけて、イノシシに関する県警への通報は少なくとも5件あった。福山東署員と市職員が目撃場所に駆け付けたが、イノシシの姿は消えていた。市街地に害獣が出た際、警察官の出動する姿はよく見る。昨年12月、広島市安佐北区の公園にイノシシが現れた際は、警察官たちが負傷しながら捕獲した。ただ、警察官は狩猟免許を持っているわけではない。県警生活安全総務課に聞いてみた。「鳥獣害対策は自治体の所管業務」とした上で「住民の安全を確保するのが第一。危害を加えてくる恐れがある場合110番は間違いではない」。一方、警察官は原則、駆除できない。市街地で害獣出没との一報があれば、捕獲班を持つ自治体に連絡する。では最初から自治体に連絡したほうがいいのか。福山市農林水産課に尋ねた。市は狩猟免許所持者102人で捕獲班を編成している。渡辺光広里山里地担当課長は「いつでも出動できる体制がある」と強調。ただ、住民の安全確保のためには警察の力も必要になるとも。交通整理や雑踏警備、避難の呼びかけなど警察が普段の業務で精通していることは多いからだ。関係機関の役割分担を明確にした自治体もある。香川県は2011年5月「イノシシ等が出没したときの対応マニュアル」を作った。獣の出現場所や人身被害の恐れに応じて3段階の対応レベルを決め、県、市町、警察の役割と初動対応を決めている。同県では市街地でのイノシシ出没件数が、11年度の26件から21年度には223件と9倍近くまで増加しているが、マニュアルのおかげで判断に迷うことがないという。県みどり保全課は「連絡が迅速になり、人事異動後も対応に慌てることがなくなった」とする。長崎県や石川県でも同様のマニュアルがある。広島県にマニュアルはないが、役割分担などに関する内部の指針はある。「より具体的な内容にする」として市町や警察と協議を続けていくという。目撃者がどこに通報したとしても、迅速に対応できる体制づくりが鍵を握っていそうだ。

(吸血「ヤマビル」生息域拡大、シカやイノシシに付着:兵庫)
兵庫県姫路市内でヤマビルの生息域が拡大している。シカやイノシシに付着して広がり、都市部を含め市内全域に分布しているとみられる。人や動物の血を吸い、吸血跡からは出血が数時間続くことも。街中の畑などでも生息が確認されているためハイカー以外も注意が必要で、専門家は「人里近くでも見つかるケースが増えている。これまでいなかったからといって油断しないで」と呼びかける。ヤマビルは吸血性のヒルの一種で、体長は2~8センチほど。4~11月が活動期で、日陰の湿った環境を好む。動物の二酸化炭素などに反応し、分速1メートルのスピードで地面からはい上がって血を吸う。吸血跡からは出血が続き、1カ月ほどかゆみが継続することもある。市内の登山愛好家の間では10年ほど前まで、市北部を東西に走る中国自動車道より北側に生息しているというのが通説だった。しかし、県森林動物研究センター(丹波市)が2019年に県内の農業集落ごとに初めて調査を実施したところ、姫路市内では都市部の南東部を含めほぼ全域に広がっていることが分かった。その後もさらに生息域は拡大しているという。同市西部の太市地区で、5年前に父の畑を受け継いだ兼業農家の谷口真吾さん(44)は昨年、自宅近くの畑で初めて被害に遭った。「父の時代には畑でヤマビルにかまれるなんて聞かなかった」とこぼす。市北部農林事務所の担当者によると、ヤマビルはシカやイノシシに付着。市内ではとりわけシカの生息域が広がったため、ヤマビルも各地で確認されるようになったという。シカの駆除も進めるが、地域によって対応に差が出ているという。「街に近い山では猟銃が使えずわなも置きにくい。『シカがかわいそう』との声もあって駆除が難しい」と打ち明ける。民間団体「ヤマビル研究会」(千葉県)代表の谷重和さんは「グロテスクな見た目で出血も多く、かまれるとショックを受ける人もいる。生息していそうな場所では忌避剤を靴に塗布したり、止血用のばんそうこうを持参したりと備えを万全にしてほしい」と話す。

(相次ぐヒグマの食害、農作業中襲われ大けがも:北海道)
道内各地の農地や家庭菜園で今夏、ヒグマによる農作物の食害が相次いでいる。近年、農業被害は増加傾向にあり、今夏は札幌市のほか、これまで被害が少なかった小樽市などでも頻発。7月には道南の家庭菜園で作業中の夫婦がクマに襲われる事故も起きた。クマの頭数増加に伴う生息域拡大や、作物の味を覚えたクマの増加などが要因とみられ、専門家は「8~9月は山の作物がなくなる端境期。電気柵設置などで対策を」と呼び掛ける。「50年近く果樹園を営んでいるが、クマの食害は11年前に一度あっただけ。太い枝が折られたモモの木を見つけ110番した」。山林に近く、8月中旬以降、クマの出没が相次ぐ札幌市南区白川の果樹園の社長高坂博文さん(64)は語る。高坂さんは8月13日午前9時ごろ、園内のモモ50個が食べられた痕跡を見つけて通報。20日までに4回、プラムの木が倒されるなどした。電気柵を一部設置したが、園内の監視カメラには体長約2メートルのクマが写るなど出没が続く。果樹園の広さは2ヘクタールで、使用する電気柵は計2キロある。園内を1人で管理している高坂さんは「設置作業は2週間以上かかる」とため息をつく。道などによると、2001年度に1億2400万円だった全道の農作物の被害額は、20年度には過去最多の2億4900万円にほぼ倍増。本年度の集計はないが、札幌市では20、21年度に各7件だったクマによる食害が、本年度は8月までに既に5件発生している。今夏はこれまで食害の少なかった地域でも被害がみられる。食害の件数が19、20年度はゼロ、21年度は1件だった小樽市では8月中旬以降、山林に近い忍路(おしょろ)と蘭島の農地で7件の被害があった。現場に約16センチの足跡があり、両地域が隣接することから、作物の味を覚えた同一個体が繰り返し出没している可能性がある。

(クマに注意、ブナ凶作で餌不足:岩手)
県内でツキノワグマによる人身被害が急増している。県が8月29日現在でまとめた2022年度の人身被害は20件で、過去最多だった20年度の27件を上回るペースという。秋は紅葉やキノコ採りで山に入る機会が増えることから、県は県民に対し注意を呼び掛けている。月別の内訳を見ると最多だった6月の6件に続き、8月も5件発生。8月10日に住田町で70代男性が散歩中に襲われ重傷を負ったのをはじめ、同11日には遠野市で渓流釣りをしていた30代男性、同27日には八幡平市で山菜・キノコ採り中の70代男性が襲われて負傷するなど人身被害が相次いでいる。このほか、県南でも8月下旬から今月上旬にかけてツキノワグマによるとみられる物的被害が続発。一関市では袋に入った玄米を食べられる被害が発生し、北上市や花巻市でも養蜂箱が壊されたり、くず米を食べられたりする被害があった。県は被害が急増していることについて、ブナの凶作による餌不足が背景にあるとみる。市街地や人里に出没するケースも目立っており、餌を求めて行動範囲を広げているとして注意喚起している。特に入山する人に対しては▽単独ではなく複数で行動する▽鈴やラジオなど音の出るものを携行する▽悪天候時や渓流沿いなど音の届きにくい状況では特に注意する▽忌避スプレーや鉈(なた)などの撃退グッズを携帯する―よう呼び掛けている。県自然保護課の酒井淳総括課長は「クマを見掛けた場合は慌てず落ち着いて安全な場所に避難し、すぐに最寄りの警察や市町村に連絡してほしい」と話している。

(野生動物による県内の農作物被害、わなの設置などで過去最少:青森)
青森県では、野生動物による農作物の被害をいかに減らすかが課題となっていますが、昨年度の被害は電気柵やわなによる効果が出ていることなどから、前の年度と比べて2割ほど減少し、現在の調査方法ではこれまでで最も少なくなりました。県は、このほど野生動物による農作物への食害の昨年度の被害額について速報値を発表しました。それによりますと、被害額は4519万円、被害面積はおよそ21ヘクタールで、前の年度と比べるとそれぞれ2割ほど減少して、現在の方法で調査を始めた平成19年度以降、最も少なくなったということです。背景には、被害全体に占める割合が多い、カラスとツキノワグマによる被害額が2割から3割減少していることがあるとみられ、県は、畑に入れないようにする電気柵やわなの設置などによる効果が出ていると分析しています。一方で、イノシシによる被害は、面積、額ともに過去最高で、県内で生息数が増えていることが原因とみられています。県は、今後、センサーで動物がかかったことを知らせる、ITを活用したわなを広く設置するなどして被害を抑え込みたいとしています。

(シラサギ大繁殖、しかし場所は『白鷺城』近くで:兵庫)
『白鷺城』の愛称で有名な世界遺産・姫路城(兵庫県姫路市)。しかしその姫路市でシラサギが大繁殖しているということです。シラサギによるさまざまな被害に住民らは頭を抱えています。世界遺産の姫路城。真っ白の天守閣がシラサギの飛ぶ姿に見えることなどから『白鷺城』とも呼ばれています。姫路市はシラサギを街のシンボルである市鳥に指定していますが、今そのシラサギを巡って問題が起きているのです。現場は姫路城から車で約4分の場所にある手柄山。周辺には小中学校があり生徒たちの通学路になっています。体長90cmほどの大きなシラサギ。山の至る所にずらっと100羽以上が確認できます。よく見てみると木の上には巣がつくられています。この山はシラサギの一大繁殖地になっているのです。取材班が近づいてみると、シラサギがいる木の下部は、葉がフンで真っ白になっています。道路にも白いフンの跡が点々とついています。さらに、路上にシラサギの食べ残しがそのまま放置され、あたりには悪臭が漂っています。被害は現場の目と鼻の先にある小学校でも出ています。映像では、水を飲みにきたシラサギがプールを占拠する事態になっていました。プール周辺の建物には鳥よけのワイヤーが設置されていますが、プールサイドに降り立たれると打つ手はありません。さらにフロントガラスにべったりとついたフン。シラサギが小学校の上空を飛ぶため、教職員の車は頻繁にフンまみれになるといいます。被害はフンだけではありません。日中はエサを求めて海や川に移動するシラサギ。日が暮れるとねぐらとなる山に戻ってきます。そして独特の鳴き声があたり一面に響き渡ります。近所の人によりますとシラサギの“大合唱”は一晩中続く日もあるといいます。この山でシラサギが確認されたのは2011年ごろ。毎年、繁殖期の春~夏ごろにやってきて、最も多い時期には500羽を超えるといいます。そもそもなぜこの山に住みついたのでしょうか。姫路市などによりますと、シラサギの群れは元々は南部の臨海部に生息していたとみられます。2011年ごろまでに臨海部で工場開発が行われ、森林が伐採されたことから、この山にねぐらを移したとみられています。一方で鳥の生態に詳しい大阪市立自然史博物館の和田岳さんは、この山に集まった理由ははっきりしないとした上で、サギの種類に特徴があると指摘します。(大阪市立自然史博物館 和田岳さん)「サギと一口に言っても、バラバラで繁殖する種類もいるし、すごく大きな集団を作る種類もいる。集団になりやすいサギがあそこに集まっているんですよ」。山に集まっているシラサギは主にダイサギと呼ばれる種類で、集団で巣をつくり繁殖する性質があるといいます。シラサギの群れは今後より一層拡大する可能性があると和田さんは話します。(大阪市立自然史博物館 和田岳さん)「大きめのサギは日本全国的に増えていると言われていて、その増えている種類の筆頭が(この山にいる)アオサギとダイサギなんです。この10年くらいですね。ダイサギがガンガン増え出したのは」。急増するシラサギ。一方で駆除は簡単ではありません。兵庫県丹波篠山市では15年以上前からシラサギの被害があり、市は巣がある木を伐採するなどの対応をとってきました。しかし群れは別の木に移り、そこで再びトラブルに。住民たちは鳥獣駆除用のロケット花火で追い払おうとしましたが、一旦飛び立っても数分後には元の木に戻り、全く動じません。一方の姫路市。シラサギは街のシンボルということもあり駆除には消極的です。市は道路の清掃や、落ちてくるフンへの注意を呼びかける看板を設置するなど、まずは住民の被害の軽減に取り組んでいます。

(愛らしいけど、湖で増え続ける外来種のハクチョウ:島根)
秋から冬にかけて島根県東部の宍道湖や中海で見かけるハクチョウ。渡り鳥の一種で、冬が終わると北方へ移動するが、近頃、夏でも宍道湖で泳いでいる姿を見る。渡り鳥のハクチョウがなぜ真夏に日本にいるのか。個体数が増加して、生態系や環境への影響はないのか。専門家や関係者に話を聞いた。専門家によると夏の時期に宍道湖で見かけるのは「コブハクチョウ」という外来種。もともとはヨーロッパやモンゴルなど大陸地方に分布するという。コブハクチョウはコハクチョウやオオハクチョウとは異なり、春が来ても北へ渡らず日本にとどまる。秋から冬にかけて宍道湖で見られるハクチョウは主にコハクチョウ。シベリアなど極北を繁殖地とする渡り鳥で、越冬のために秋ごろから日本に飛来し、冬が終わると再び北へ渡る。コブハクチョウが初めて日本に来たのは1950年代で、観賞・飼育用として輸入されたという。その後、飼育されていた個体が逃げ出すなどして繁殖し、増えたとみられる。春から夏が繁殖期で、日本全国で個体数が増えていると考えられるという。宍道湖エリアの鳥類を中心に研究しているホシザキ野生生物研究所(島根県出雲市)によると、宍道湖で冬に確認されるコブハクチョウは10羽前後であるのに対し、夏から秋口は40羽前後になる。コハクチョウは秋から冬にかけて300~600羽確認される。コブハクチョウは数としては多くはないが、1年を通して姿が確認され、冬よりも夏の方が多く生息しているという特徴がある。このまま数が増え続けると、生態系の変化や周辺の農家への被害など、問題は生じないのだろうか。島根県東部農林水産振興センターによると、コブハクチョウ単体での被害状況は把握していないが、スズメやカモ、ハクチョウといった野鳥による農作物被害は少なくない。収穫前の麦や稲を食べられたり荒らされたりしてしまう場合が多く、農業被害のほかにも、人や車が行き交う道路にハクチョウが侵入して通行止めになるといったトラブルも発生している。野鳥の専門家によると生態系への影響は当面の間、心配はないものの、田畑の苗を食べてしまうといった農業被害が拡大する可能性があるという。ハクチョウは草の根や柔らかい葉、水草を食べるため、希少な水草がなくなってしまうといった懸念もある。コハクチョウは稲刈り後に田んぼに落ちたコメなどを主に食べるが、コブハクチョウはまだ稲が植えてある季節に飛来しているため、苗を荒らすといった被害を受ける可能性もある。関東地方では実際に農業被害が報告されるなど、影響が出始めているという。また、人間から餌をもらうことが習慣となっているハクチョウは、餌を求めてかみつくといった人間を攻撃することがある。コブハクチョウに限らず、野生の動物にむやみに餌を与えないことは基本的なルールだ。ホシザキ野生生物研究所によると、島根県内での事例は確認していないが、人の与えた餌が野鳥の繁殖の原因になっている地域もあるとのこと。何気なく餌を与えるといった行為が在来種の生態系の変化や思わぬ被害につながってしまうかもしれないため、気を付けたい。野鳥の専門家は「外来種にも命がある。生きているものを人為的に移動させたり駆除したりすることはあまりやらないほうがいい」とした上で「外来種が増えすぎることで在来種がいなくなってしまうなど、状況によっては駆除する必要が生じることもある」と話した。宍道湖で姿を見ることが多くなったハクチョウの場合、外来種のコブハクチョウが多くなるといろいろ懸念されることがありそうだ。ハクチョウを見かけてもむやみに餌をやらないといった基本的な対応が、生き物の命や生態系を守る鍵となりそうだ。

(「獣害につよい三重づくりフォーラム」:三重)
三重県では、野生鳥獣による農林水産被害の軽減に向けた「獣害につよい」集落の体制づくりを推進しており、その一環として平成22年度から「獣害につよい三重づくりフォーラム」を開催しています。本年度は、「次世代につなぐ獣害対策の推進」をテーマとし、令和元年度以来となる、会場での開催となります。県内優良活動団体の表彰や基調講演、獣害対策資材・製品や狩猟免許取得支援の展示等を行います。どうぞお気軽にご参加ください。

(今年秋のクマ出没予測、平野部は大量出没の可能性低い:富山)
富山県は今年秋のクマの出没について、平野部で大量出没する可能性は低いとの予測を示しました。一方、県東北部の標高の低い地域では、活動するクマが増加すると予測していて注意が必要です。6日開かれた野生動物の被害防止対策会議で、県森林研究所が報告しました。県森林研究所が先月、今年のドングリの作柄を調べたところ、ブナとミズナラは県全体で不作、コナラは並作でした。これは、人身被害が20件起きた2019年などの大量出没した年に比べ作柄は良く、今年の秋はクマが平野部に大量出没する可能性は低いと予測しています。ただ、ブナ、ミズナラともに作柄が悪い県東北部、黒部市から立山町にかけて標高の低い地域ではクマが増加すると予想され、注意が必要です。県では、クマとの遭遇を減らすためにも庭などにある柿の実などを早めに収穫するよう呼びかけています。

(昨年度の鳥獣による農作物の被害額:和歌山)
イノシシやシカなどによる昨年度の農作物の被害額は2億6000万円あまりで、平成10年以降で二番目に低い水準となりました。県農業環境・鳥獣害対策室によりますと、昨年度の野生鳥獣による果樹や野菜などの農作物の被害額は2億6164万円でした。県内の被害額は平成22年度から連続して3億円を超えていましたが、令和2年度に11年ぶりに3億円を下回りました。昨年度はさらに約2800万円減少し、平成10年度以降で二番目に低い水準となりました。減少額が最も大きいのはイノシシによる被害で、これについて県は、捕獲や防護柵の設置支援に一定の効果が出ているとしているほか、前の年度からイノシシの間で豚熱の感染が広がり、生息数に影響を与えた可能性があるとしています。一方で最近はイノシシ、シカ、サル、アライグマの主要4獣種以外のカラスによる果樹への被害が多く報告されているということです。

(9月以降はツキノワグマの出没に注意:新潟)
これからの時期は、柿やキノコなども旬を迎え、まさに実りの秋となりますが、今回の〈気になる数字〉はこちら。『483件』です。これは、4月から8月までのツキノワグマの目撃・痕跡報告件数です。過去5年間を見てみますと、500件前後で推移しているのがわかります。そして9月からの件数が、こちらです。クマが冬眠する前の9月から11月にかけては、特に件数が多く、注意が必要となります。また、出没件数が多かった2019年と2020年は、クマのエサとなるブナの実が凶作でした。Q.今年のエサの豊凶状況は?今年のブナの実などの豊凶状況について、県は県内全域で『並作』と発表しています。ただ、地域によってばらつきがあることや、冬眠前にクマが人里に出没する可能性はあります。

(ハス激減、食害で地下茎腐敗:福島)
いわき市の9月議会は5日、一般質問に入り、5議員が登壇した。市は、同市内郷白水町の国宝・白水阿弥陀堂で名所として親しまれている敷地内の池のハスが激減していることから、対策に乗り出す。食害や降雨の影響が考えられるとして、外来種の駆除やハスの定植を行う方針。議員側の質問に千葉伸一郎観光文化スポーツ部長が答えた。白水阿弥陀堂では、敷地内の浄土庭園の池の東南に多数のハスが植えられている。花が咲く7~8月には阿弥陀堂と一緒の光景が楽しめることから、多くの市民や観光客が訪れていた。しかし、昨年ごろから池のハスがほとんどみられない状況で、市が福島高専の教授と協力して昨年9月に調査したところ、地下茎に腐敗が確認された。市によると、池に多数生息する外来種のカメやザリガニのほかイノシシによる食害、降雨で池の水が増えたことで長期間にわたりハスの葉が呼吸できなくなった、などの可能性があるという。市はこれまでにイノシシ対策として電気柵を設置し、効果が出ている。今後は食害抑制のためにカメやザリガニの捕獲を検討する。また地域住民や小学校と連携してハスの育成や定植に取り組み、再生を図る方針だという。

(野生鳥獣の捕獲増加、原発事故後の若松市内:福島)
会津若松市議会の9月会議は5日、一般質問に入り、7議員が登壇した。東京電力福島第1原発事故後、市内で捕獲される野生鳥獣の数が増加傾向にある。ツキノワグマの年平均捕獲数を見ると、原発事故前の2008~10年度は約7頭だったが、19~21年度は約30頭と4倍超に上った。議員の質問に室井照平市長が答えた。室井市長は捕獲頭数だけでなく、捕獲される獣の種類も増えていると説明。08~10年度にイノシシ、ニホンジカの捕獲はなかったが、19~21年度は年平均でイノシシ約54頭、ニホンジカ約10頭が捕獲された。鳥獣被害対策を巡っては、県会津地方振興局が管内の野生鳥獣の出没状況を集積している。室井市長は「今後、県と協議を重ねながら、データの活用方法を研究する」と述べた。市内では7月、クマに襲われたとみられる女性が死亡した。8月にはクマに襲われた男性が右の顎の骨を折る重傷を負った。

(クマの繁殖スピードに駆除が追いつかない?:宮城)
深夜の住宅街で大捕り物が繰り広げられました。6日夜、仙台市内の住宅地で街路樹に登っているクマ一頭が目撃され、麻酔銃を使って捕獲されました。同じ時間帯に近くでも3頭のクマが目撃されていて、警察が注意を呼びかけています。6日午後6時半頃、仙台市青葉区落合5丁目の路上で、街路樹にクマが登っていると近くを通った人から警察に通報があり、5時間半後、専門の業者が麻酔銃を使いクマを捕獲しました。捕獲されたクマは、体長1メートル20センチの3歳くらいのメスで、殺処分されたということです。また、6日夜は同じ時間帯に4キロほど離れた青葉区上愛子の路上でも、クマ3頭が歩いているのが目撃されました。近くには住宅もあり、警察が住民に注意を呼びかけています。相次ぐクマの出没について専門家は、クマの繁殖スピードに駆除が追いついていないと指摘しています。森林総合研究所東北支所 大西尚樹センター長:「基本的にはクマの数が増えてきていて、分布域が住宅地に隣接するようになってきているので、住宅地に出没する可能性は、10年前20年前より確率は圧倒的に高い」。また、これまでクマを見たことがない地域でも、今後は出没する可能性があると話します。森林総合研究所東北支所 大西尚樹センター長:「山際や森が近い所に住んでいる方は、基本的にクマが近くにいるものだという考え。今までいなかったから大丈夫ではなく、今後10年20年先に向けてクマはここにいるものだという前提で生活していくことが大事」。仙台市内でも出没が相次ぐクマ。もし、クマに遭遇したときは、刺激しないよう注意する必要があります。

(イノシシ駆除依頼が増える秋:秋田)
県内では2021年度、野生のイノシシの目撃頭数が264頭に上り、農業被害額が400万円を超えました。被害額はこれまでで最も多くなっています。こうした中、先週金曜日、湯沢市の農道上で死んだ状態で見つかった野生のオスのイノシシ1頭が家畜伝染病の豚熱=CSFに感染していたことが県内で初めて確認されました。農作物を食い荒らすイノシシの駆除の依頼が急増する秋、地元の猟友会などは豚熱への対応も迫られています。現場を取材しました。湯沢市では1日、野生動物による農作物の被害対策を話し合う会議が開かれ、冒頭のみが公開されました。県や湯沢市、それに地元のJAや猟友会が出席し、年々増加する農作物の被害を防ぐため、引き続き有害駆除を行う方針を確認しました。出席した猟友会からはイノシシの見回りに使用する車両のタイヤの消毒など、豚熱=CSFの感染拡大を防ぐ防疫体制の在り方を検討してほしいという意見などが出されたということです。8月29日、湯沢市南部猟友会の高橋俊一さんは、野生のイノシシが目撃された湯沢市内の田んぼの見回りをしていました。高橋さんは県などとともに豚熱への感染が確認された野生のイノシシの血液の採取に立ち会った一人です。人には感染しない豚熱、ブタやイノシシの致死率が高いのが特徴で、農場に広がれば全頭の殺処分といった対応を迫られることになります。県は野生イノシシ向けのワクチン散布の範囲を広げるなどの対策を進めています。高橋さんのこの日の見回りでは、野生のイノシシの痕跡が各地で見られました。収穫を目前にした稲がイノシシによって根本から倒され食い荒らされる被害も数か所で見つかりました。ノシシが、冬に備えるために、より多くの食料を必要とする秋は1年で最も農作物の被害が増える時期です。これに合わせて駆除の依頼も急増します。しかし、高橋さんはイノシシを駆除して処理する際に目に見えない豚熱のウイルスを自分自身が運ぶことにつながらないか不安を抱えているといいます。感染を広げずに、農作物への被害を抑えるために。実りの秋を迎える中、野生イノシシと向き合う“最前線の現場”では模索しながらの対応が続きます。

(害獣駆除報奨金を障害者団体へ寄付:静岡)
清水猟友会(金沢俊二郎会長)は6日、有害鳥獣駆除による報奨金10万円をNPO法人しずおか障がい者フライングディスク協会(大塚康夫理事長)に寄付した。5年ほど前から続けている活動。静岡市清水区駒越西の市しみず社会福祉事業団で行われた贈呈式で、金沢会長は「有意義に使ってください」と大塚理事長に現金を渡した。同協会では市内各地の特別支援学校などにフライングディスクの楽しさを教えるスポーツ教室を行っていて、備品購入費などに充てる予定という。清水猟友会の会員は163人。区内の山間部を中心にイノシシやサル、ハクビシンなどが生息し、頭数が多くなると農作物などに被害を及ぼすため、会員が定期的に駆除している。

(マンション前の街路樹にクマ、麻酔銃で捕獲:宮城)
6日午後6時25分ごろ、仙台市青葉区落合5丁目の県道で「クマが木を登っている」と住民から110番があった。現場はJR仙山線陸前落合駅から約120メートル南にあるマンション前の県道。市によると、クマは体長約60センチ~1メートルで、マンション前の県道沿いにある街路樹の上方にいた。仙台北署や市などが警戒に当たり、住民に注意を呼びかけた。市に委託を受けた業者が7日未明、クマに麻酔銃を発砲するなどして捕獲した。近くに住む中学2年の男子生徒(13)は「近くでクマの出没は珍しい。けが人がいなければいい」と心配そうに話した。

(空を見上げると…ムクドリの大群:愛媛)
松山市内の電線にムクドリの大群が集まり、そのフンや鳴き声に住民が困っています。松山市天山の交差点近くの歩道。大量のフンと羽が散らばっています。これを落としたのは…。日が暮れ始めた午後6時半ごろ、大群で押し寄せてくるのは「ムクドリ」です。時間を追うごとにどんどん増えていきます。ものの10分で、通りの電線を埋め尽くしてしまいました。辺りには甲高い鳴き声が響きます。電線の下にはちょうどバスの停留所が。バスを待つ人は数メートル離れた所に“避難”していました。この通りは松山市内中心部から環状線に抜ける道で、昼夜問わず、交通量が多く、ムクドリに気を取られると危険も伴います。傘をさして待つこと10分。たった10分で傘には6個のフンが。ムクドリの大群は日が暮れてから朝の5時ごろまで居座るということで、掃除するにも一苦労です。近くでから揚げ店を営む日野忠司さんは3年前からムクドリに悩まされてきました。日野さんによると、5月の中ごろから半年ほど居座るといいます。近隣住民を悩ませる厄介者のムクドリ。なぜこんなにも集まるのでしょうか。日本野鳥の会愛媛・山本貴仁さん:「集団でねぐらを取る習性があるんですね。集まって寝ることによって天敵から身を守るということはあるんですけれども、夕方集まることによって、昼間どこに餌が豊富にあるかっていう情報を交換しているっていう説もあります」。住民はすでに松山市にも相談しています。この悲痛な声を受けて松山市は…。松山市 市民生活課・清水優司課長:「ムクドリ自体が鳥獣保護の鳥ですので駆除ができない。ただ、そこから追い払うという行為しかできまでんので、他市町村で拍子木が有効ということで、地元の方が拍子木を使ってやりたいというようなご希望がありますので、そちらの方に対応できるよう、松山市としても応援していきたいなと思っております」。こうしたムクドリによる被害は全国的に発生していて、問題になっています。日本野鳥の会愛媛・山本貴仁さん:「その場所からはいなくなったとしても、街の中の同じような環境の所にまた集まってしまうっていうようなことを繰り返している例がほとんどだと思います」。住民の声を受けて動き始めたムクドリ対策。解決策は見いだせるでしょうか。

(倉庫で2週連続クマ被害、コメ袋持ち去る:岩手)
先週に続き、また被害。1日朝、岩手県西和賀町で倉庫内のコメ袋1袋がクマに持ち去られる被害があった。けが人はいなかった。2週連続でクマの被害にあったのは、西和賀町沢内の農業、有馬富博さん(71)の敷地内の倉庫。1日午前6時半ごろ、倉庫のシャッターが開いていて、中を確認したところ30キロ入りのコメ袋1袋がなくなっていたという。倉庫内にクマとみられる足跡があり、現場から離れた路上にコメと破かれた袋が散乱していた。8月26日にもクマの被害を受けたこちらの倉庫。去年9月、倉庫に防犯カメラを設置した際、クマがシャッターを開ける様子が撮影されていた。先週、被害を受けた後、地元猟友会が倉庫近くに仕掛けたワナに1頭が掛かり、前日に駆除されたばかり。倉庫の持ち主は今後、防犯カメラを再度設置するなど対策を考えるという。

(軽トラと衝突したクマ、うずくまり立ち去る:秋田)
1日午前11時25分ごろ、北秋田市道城字上堀の県道で、同市の70代男性が運転する軽トラックが体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。北秋田署によると、男性が鷹巣方向から米内沢方向に走行中、進行方向左側から出てきたクマと衝突した。クマはしばらくうずくまった後、立ち去った。現場は秋田内陸線米内沢駅の北西約1・6キロ。直近の民家まで約150メートル、近くに阿仁川が流れる。

(クマか、トウモロコシ500本食い荒らす:山形)
4日朝早く、山形県米沢市の畑でトウモロコシおよそ500本が食い荒らされているのが見つかった。クマによる食害と見られている。午前6時20分ごろ、米沢市万世町桑山の畑に借り主の60代の男性が訪れたところ、畑を囲っていたネットが倒されているのを発見した。畑では栽培していたトウモロコシの半分ほど、およそ500本が、食い荒らされるなどしていた。警察によると、近くに残された足跡から、成獣のクマによる被害とみられるという。人への被害は確認されていない。米沢市では、8月31日にも、南原小学校の近くの畑で、トウモロコシおよそ60本がクマによる食害にあっていて、警察などが注意を呼びかけている。

(「今日もトウモロコシが食われている!」2日間で“1,000本”:山形)
4日午前6時20分ごろ、山形県米沢市万世町桑山で「畑を囲っていたネットが倒れている」などと畑を借りている60代の男性から警察に通報がありました。警察によりますと、トウモロコシおよそ500本が食い荒らされていたということです。倒されたネットはハクビシンなど小動物用のもので近くには25センチほどの大きな足跡が残っていたことから、クマの成獣による食害とみられます。しかし、被害は、これだけでは終わりませんでした。「きょうも、畑のトウモロコシが食われている!」同じクマが、再び現れたのでしょうか?さらに500本ほどのトウモロコシが食い荒らされていたのです。男性によりますと、2日間であわせて1000本、被害額は25万円相当に上ります。幸い、けが人はいませんでしたが、住民からは心配の声が聞かれます。おとといにはトウモロコシ畑のすぐ近くにある別のスイカ畑でもクマと見られる食害が確認されていて、警察などで注意を呼び掛けています。一方、山形県によりますと、2012年からの10年間に、県内ではクマによる人的被害が24件発生。このうち、9月から11月が、7割にあたる17件となっています。今年はクマの目撃情報も多くなっているため、県では、山や田畑に行く際はラジオや鈴を身に着けたり、エサとなる取り残しの果物などを無くしたりと、十分注意するよう呼びかけています。

(クマがハチミツ狙い襲撃か、ミツバチの巣箱が壊される:岩手)
8月30日午後7時頃、岩手県北上市稲瀬町、団体職員の男性方(64)方で、ミツバチの巣箱が壊され、中のハチミツがなくなっているのを家族が発見し、北上署に通報した。約20分前に付近の路上で「成獣のクマを目撃した」と110番があり、同署はクマによる被害とみている。

(クマか、比内地鶏食い荒らされる:秋田)
4日午前6時ごろ、秋田県大館市比内町味噌内の鶏舎で、比内地鶏6羽が食い荒らされているのを飼育する80代男性が見つけ、大館署に通報した。鶏舎として使っているビニールハウスに付いた爪痕などから、署はクマによる食害とみている。

(鶏舎で連日比内地鶏が襲われ死ぬ:秋田)
大館市でクマによるものとみられる比内地鶏の被害が確認されました。同じ鶏舎で4日と5日、合わせて14羽の被害が確認されています。大館警察署の調べによりますと、4日午前6時ごろ、大館市比内町味噌内の鶏舎で比内地鶏6羽が被害に遭い死んでいるのを飼育する80代の男性が見つけました。鶏舎として使っているビニールハウスに穴が開いていて、爪跡もあったことからクマによる被害とみられています。さらに5日午前6時ごろ、男性が見回りに訪れたところ、ビニールハウスの出入り口が壊され、新たに8羽の比内地鶏の被害を見つけました。8羽は男性が自宅に帰った4日午後6時半から5日朝までの間に新たにクマに襲われたとみられます。周辺には比内地鶏の鶏舎が複数あり、警察はパトロールを強化して警戒を呼びかけています。

(熊の被害が続く地区に捕獲用の罠を設置:宮城)
仙台市青葉区の上愛子で、男性と孫の2人が熊に襲われけがをしたことを受け、仙台市は現場付近に捕獲用の罠を設置しました。青葉区上愛子では、8月29日に64歳の男性と9歳の孫がやぶから現れた熊に襲われ頭などに軽いけがしたほか、8月14日にも700メートルほど離れたところで散歩をしていた男女が熊に襲われ軽いけがをしています。熊による被害が相次いでいることから、仙台市は8月30日に現場周辺に捕獲するための箱わなを2台設置しました。仙台市の担当者は「この時期は山に熊の餌となる木の実などが少ないため、行動範囲が広くなり人里近くでも出没することがある。山林につながっているやぶなどに近づく際は注意をしてほしい」と呼び掛けています。

(イノシシ駆除、初日は雄5頭を駆除:沖縄)
サトウキビなどを食害するイノシシの駆除が27日から城辺の長北、福北両地区で始まった。宮古島市、県猟友会石垣、竹富両地区のメンバーら総勢約40人が林野帯で実施し、初日はイノシシとみられる雄の5頭を駆除した。このうち1頭は100㌔を超えていた。駆除は28日まで。市では引き続き城辺長北、福北の海岸線には近付かないよう注意を呼び掛けている。駆除活動は午前7時に開始した。イノシシの行動範囲を分析し、事前に市が仕掛けた網が奏功。狩猟犬で追い込み、散弾銃を使って5頭を仕留めた。最も大きいものは体長140㌢で重さは100㌔を超えた。ほか60㌔1頭、30㌔1頭、20㌔2頭。この5頭がイノシシなのか、イノブタなのかは今後のDNA鑑定で確定させる。駆除は28日にも行う。駆除対象区間は浦底漁港から平良向け約2㌔ほどの畑や林野の一帯で、一周道路より海岸側で実施する。市は、引き続き対象区間の海岸側の農道や畑、林野に近付かないよう注意を呼び掛けている。市農政課の福里匡課長は「農作物に大きな被害を与えているイノシシの駆除につき農家や市民の皆さんの理解をいただきたい。駆除が終わるまで海岸側には近付かないようお願いしたい」と述べた。28日の駆除も午前7時から日没まで行う。

(いばらき狩猟入門オンラインセミナー&狩猟体験会:茨城)
狩猟について、より身近に感じて、狩猟免許の取得に興味・関心を持っていただくため、「いばらき狩猟入門オンラインセミナー2022」及び「いばらき狩猟体験会2022」を開催します!普段なかなか触れることのできない「狩猟」の世界をご案内しますので、ぜひご参加ください!

(四国のツキノワグマ紹介する企画展:高知)
絶滅のおそれがあるとされている、四国のツキノワグマの生態などを紹介する企画展が、高知県南国市で開かれています。南国市にある「海洋堂SpaceFactoryなんこく」で開かれている企画展では、ツキノワグマの剥製や生態を紹介するパネルなど、およそ60点が展示されています。四国のツキノワグマは、高知県の物部川の源流などで20頭ほどしか確認されておらず、環境省が「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定しています。クマが減ってしまった理由を説明するパネルには、木材を生産しようとスギを多く植えたためにツキノワグマが好むブナなどの自然の広葉樹林が減ったことが、四国の森林を人工林と自然の林とで色分けした地図とともに紹介されています。また、会場にはツキノワグマが住む森で見られる、天然記念物「ヤマネ」など、哺乳類や鳥類の標本も展示されていて、多様な生き物が周りで生息していることがうかがえます。施設を運営する海洋堂高知の今久保康夫事務局長は「ツキノワグマが生息するにはとても豊かな自然が必要で、その自然が失われている現状を知ってほしい」と話していました。この企画展は9月25日まで開かれています。

(鳥獣対策、海外も注目:熊本)
熊本県宇城市三角町の戸馳島で鳥獣被害対策に取り組む「くまもと☆農家ハンター」(約130人)の多彩な取り組みが、海外からも注目を集め始めている。海外の優秀な生産者が視察に訪れたり、DX(デジタルトランスフォーメーション)による地域課題の解決を図る県の実証事業に選ばれたり。ジビエを活用し、島全体を生かす観光事業の準備も進めている。「Think Globally Act Locally(広い視野を持って、地域で行動しよう)。これは僕がいつも大事にしている言葉です」。8月10日、農家ハンター代表の宮川将人さん(44)は、オーストラリアやブラジルから訪れた農業者ら11人を前に、農家ハンターの活動や自らの思いを熱心に英語で語りかけた。島を訪れたのは、世界から選ばれたナフィールド国際農業奨学金制度の奨学生。海外の大手企業がスポンサーで、国内では農林中央金庫が支援している。制度の国内の運営組織から視察の打診があったという。11人はわなにかかったイノシシの捕獲現場のほか、農家ハンターが運営する鳥獣解体施設「ジビエファーム」、宮川さんが経営するランのビニールハウスを見学。鳥獣対策の現状やビジネスモデルなどについて矢継ぎ早に質問していた。農家ハンターは、宮川さんら若手農家が2016年に設立。捕獲した鳥獣を食肉にするジビエファームを運営するため、19年には株式会社「イノP」を立ち上げた。ジビエファームは県内で初めて農林水産省の認証施設に認定。ことし7月には、県のDX実証事業3件の一つに選ばれた。来年から本格始動するのは、家族で参加できる「ジビエツーリズム」。島で鳥獣対策を見学し、処理した肉を食べたり、獣皮で小物を作ったりして、「命の現場」を体験する。島内の小規模農園を巻き込んで、滞在しながら農業と海遊びを楽しむツアーも検討中だ。農家ハンターのプロジェクトリーダー稲葉達也さん(44)は「地域は自分たちで守るという『自分ごと化』が大切」と話す。SNSなどを通じて地道な活動が知られるようになり、県外から、旅先で余暇を楽しみながら仕事するワーケーションで訪れる人もいる。「マイナスをプラスに」という鳥獣対策の基本の考え方にICT(情報通信技術)を加え、活動の幅を広げる農家ハンター。現在はイノシシのほか、県内で農業被害が広がるカモ対策にも乗り出している。「自分たち農家の営利だけでなく、社会貢献に携わるのが面白い」という宮川さん。「島での交流人口を増やし、日本の地方再生のモデルにしたい。たとえ小さくても奇跡を起こせると信じている」と力を込める。

(猟犬愛し、育成50年:茨城)
猟犬の育成に力を注ぎ、2度の全国優勝を果たした人がいる。茨城県八千代町粕礼の菊保雄さん(73)だ。育成歴50年を誇り、日々愛犬に寄り添い〝人犬一体〟を体現する。訓練や競技会への遠征は大変だが「犬が好き。気持ちは若く、体力が続く限り続けたい」と意気盛んだ。菊さんは今年3月、山梨・静岡両県で行われた第81回全日本猟野競技会決勝大会(全日本狩猟倶楽部主催)の若犬部門で、イングリッシュ・セッターのクリサンセマム・ハナグロ号(雌、当時1・9歳)とともに全国の頂点に立った。第70回大会(若犬部門)以来、2度目の優勝だった。本人も「2回目はないと思っていた」と驚く快挙。優勝カップと一緒に孫とひ孫を写した写真を眺めて「うれしい」とほほ笑んだ。大会は調教者の「ハンドラー」と猟犬が1チームとなり、雑木林や雑草地などで相手チームと競い合う。スタートの合図で猟犬が放たれ、指定された時間内で茂みなどに潜むキジを探す。嗅覚を生かした探索、スピード、獲物を見つけた後に停止する姿勢、ハンドラーへの忠誠などが総合的に審査される。若犬部門には62頭が出場し、2日間の予選で20頭に絞られた。菊さんとハナグロ号は決勝でも安定した探索や動きを発揮し、審査の結果、1位に選ばれた。菊さんは猟友会での活動を機に、23歳ごろ猟犬育成の道へ進んだ。犬は幼少時から身近な存在で、育成を始める前は大型犬のドーベルマンやグレートデーンを飼っていたという。現在、競技会で活躍する中型のハナグロ号と同時に生まれたチビクロ号(雌)、その親犬の4頭を育てる。チビクロ号も第81回大会出場の実力を持つ。猟犬の育成は気苦労が多い。食事は1日1食だが、栄養バランスを考えてドッグフードや肉、野菜を取らせる。早朝訓練に向け午後8~9時には就寝。特に夏場は午前3時前に起床、犬舎を掃除し出発。約1時間訓練して帰宅する。これを毎日繰り返す。体力が必要な作業だ。妻の美津江さん(73)は「最初に優勝した時、本当はやめるつもりだった。それが余計に熱くなって続けている」と笑う。ハナグロ号は嗅覚が鋭く、チビクロ号は走りに優れ忠実だという。菊さんは「何を考えているのかよく見て、理解し、いい時は褒めてあげる。年中犬に触れて愛情を注ぐ。(同時に)勝つという信念が必要」とこつを語る。愛犬中心の生活も「気持ちは若いつもり。体力が続く限り続けたい」と話している。

(目撃相次ぐ熊、安心安全へ生態学ぶ:長野)
伊那市西春近北小学校は6日、熊の学習会を同校で開いた。学校周辺では5月に子熊の目撃が相次ぎ、下校途中の児童も目撃。相次ぐ出没を受けて企画した。信州大山岳科学研究拠点(南箕輪村)の滝井暁子助教を講師に招き、1~4年生118人が身近な野生動物の生態について理解を深めた。

(有害鳥獣追い払い、町民が捕獲サポート隊:長野)
辰野町有害鳥獣駆除対策協議会は5日夜、地域住民がわなの見回りや有害鳥獣の追い払いなどを行うことで捕獲従事者の負担を軽減し、被害の軽減を図る「捕獲サポート隊」を結成した。国の補助制度を導入する事業で、関東農政局管内では初結成。同日夜下横川営農総合センターで行われた安全講習を受講した隊員は、地元猟友会らと連携した活動をスタートした。同事業は高齢化やなり手不足が問題になっている捕獲実施隊を支援する。住民が積極的に関わることで有害鳥獣への問題意識を高める狙いもある。国が40人以上の隊に100万円、80人以上の隊に200万円を補助する。町内では近年、ニホンザルやイノシシなどによる農作物の食害が多発。川島地区では近年、ニホンジカの被害も出始ていることから、同隊は川島地区を活動エリアとして結成された。実施主体は同協議会で、隊員は川島地区内の7耕地から選出された46人。活動期間は来年1月末までだが、実際は狩猟が始まる11月15日までとする。隊員のとりまとめは川島区有害鳥獣対策委員会が行い、指導は町有害鳥獣対策実施隊員らが担当する。活動は、各耕地ごと隊員のローテーションで実施。具体的活動内容は、猟友会らが設置した捕獲おりやくくりわなの見回り、おりの餌補充、電気柵の見回り(点検、補修)、有害鳥獣の追い払いなど。おりやわなに鳥獣がかかっていた場合は猟友会に連絡。活動時は危険回避の観点から2人1組とし、1時間1000円の日当が支払われる。講習会では、隊員の活動内容、わなやおりを見回るときの注意点、電気柵の点検法、追い払い方法、活動日誌の記載法を確認したほか、有害鳥獣の追い払いに使う動物駆逐用大型花火の安全な取り扱いも習得。講習後、隊員の証しとなる受講証が一人ひとりに交付された。一般的に獣害対策にはマンパワーが不足していると言われており、川島区有害鳥獣対策委員会の一ノ瀬明弘委員長は「区内での有害鳥獣による食害を減らせるよう協力して取り組んでほしい」とし、川島区の吉田秀志区長も隊の成果に期待を寄せている。

(地域おこし協力隊、松本さんに委嘱状:静岡)
伊豆市は5日、新たに地域おこし協力隊に就任する松本天太さん(24)=横浜市出身=の委嘱状交付式を市役所で開いた。松本さんはかばんや靴を製作する革職人として活動していた。技術や経験を生かし、市内で有害鳥獣として捕獲されたシカの革などを使った製品づくりに取り組む。ふるさと納税の返礼品への展開やクラフト体験などの事業も検討している。交付式で菊地豊市長から委嘱状を受け取った松本さんはこれまでに製作したかばんなどを紹介し、「狩猟にも挑戦して広い視野で商品開発したい」と抱負を語った。菊地市長は「市民にも新たな刺激を与えてほしい」と期待した。

(市街地に「サル」出没:岐阜)
岐阜、瑞穂市の市街地で8月30日朝から翌31日午後にかけて、体長50センチ程度とみられるサルの目撃が相次いでいる。県庁や瑞穂市役所穂積庁舎、朝日大など国道21号周辺で出没し、少なくとも17カ所で情報が寄せられた。県警や瑞穂市によると、現在けが人や農作物などの被害は確認されていない。住宅が多く集まる地域で、9月1日から夏休み明けの小中学校もある中、地域住民は不安を募らせている。「すばしっこくてすぐに逃げてしまったよ」。8月31日午前10時半ごろ、瑞穂市稲里の会社役員男性(79)は自宅の屋根に上るサルを目撃した。自宅にはイチジクや桃などが植わっているが、食べられた形跡はなかった。男性は「この辺りで商売してもう45年くらいになるが、サルを見るのは初めて」と驚いた様子で語った。瑞穂市や岐阜南署、北方署によると、サルは30日午前6時15分ごろ、県庁付近で発見されたのを皮切りに、翌31日午後2時20分ごろまでに国道21号中川橋、朝日大、瑞穂市役所穂積庁舎駐車場などで目撃情報が寄せられている。市職員や署員が捜索したが、捕獲できておらず、市は防災無線で注意を呼びかけた。1日は、瑞穂市内の小中学校計10校で夏休みが明け、最初の登校日だった。防犯パトロール隊が登下校時間帯、目撃場所付近を中心に市内全域を巡回した。小学生2人の母親(39)=同市本田=は「動物なのでとっさに動くこともある。子どもたちだけできちんと対処できるか不安」と心配そうに語った。野生動物の保護管理に詳しい岐阜大応用生物科学部の浅野玄(まこと)准教授(52)によると、元々は山間部にいたサルが川や電線、屋根を伝って市街地に出てきた可能性があるという。山口市では7~8月、サルが住宅街に出没し、60人以上が襲われる被害も発生しており、浅野准教授は「見かけたらむやみに刺激せず、大騒ぎしないように立ち去る必要がある」と話した。

(ツキノワグマ目撃、県内今年3例目:徳島)
徳島県那賀町岩倉の町道で8月31日、ツキノワグマの写真が撮影された。6月26日にも現場近くで目撃されている。徳島県によると、写真で確認された県内の目撃情報は今年3例目。撮影したのは、同町岩倉の「山の家・奥槍戸」を運営する中野久さん(42)、夏美さん(43)夫妻=同町木頭。午後4時ごろ、帰宅途中に町道をうろついているツキノワグマを見つけ、山の方に逃げていったところを車内からカメラで撮影した。久さんは「クラクションを鳴らしたり大きな声を出したりしても反応しなかった。人慣れしているのかもしれない」と話している。認定NPO法人四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)の安藤喬平主任研究員(32)は「6月に目撃された個体と同じかどうかは判別できない」とした上で、「四国のツキノワグマはこれまで人前に姿を見せることはほぼなかった。町道をまたぐ範囲で行動圏が形成されている可能性も考えられる」と分析する。一方で6月の目撃情報を知り、現場付近を訪れた人がパンを投げ与えたという話があることを問題視。「人を警戒しないようになると、また町道に出てくる。餌付けなどは絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。

(サービスエリア付近でクマ3頭を目撃:新潟)
3日午後0時すぎ、阿賀町釣浜の磐越道(下り)の阿賀野川サービスエリア付近で、警戒中の警察官がクマ3頭を目撃しました。目撃された場所は民家から約60mの地点で、警察と町役場は付近の住民に注意を呼びかけています。

(クマの目撃情報相次ぐ:鳥取)
県内ではこのところ、各地からクマの目撃情報が寄せられていて、果樹園の梨がクマに食べられるなどの被害も出ています。県では今後もエサとなるドングリなどの出来が悪いと、クマが下山してくる可能性があるとして警戒を呼びかけています。県によりますと8月17日、八頭町の梨の果樹園から、クマが梨を食べた痕跡があるという連絡が寄せられました。果樹園が設置したカメラで撮影された映像には、ツキノワグマが梨を食べたり、木の枝を折ったりする様子が撮影されています。この果樹園によりますと、8月は2日に1回のペースでクマが果樹園に出没し、これまでに200玉を超える梨が食べられるなどの被害が出ているということです。県によりますと8月、こうしたクマの出没情報があわせて6件あったということです。県では、今後もエサとなるドングリなどの出来が悪いと下山してくる可能性が高いことから、生ゴミを屋外に置かないようにするほか、木に実っている柿やクリを放置しないようにするとともに、クマと遭遇したときは、あわてずゆっくりと後退しその場を離れるよう呼びかけています。

(小動物を追いかけるクマ、未明に目撃情報:岩手)
9月5日未明、岩手県盛岡市でクマ1頭が目撃されました。相次ぐ目撃情報に警察では警戒を呼びかけています。9月5日午前2時すぎ、盛岡市上田で通行人から「クマ1頭が小動物を追いかけて走っていくのを見た」と警察に通報がありました。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで東黒石野方面へ走り去ったということですがまだ見つかっていません。人や物への被害は確認されていませんが、警察は周辺を見回るなどして警戒を呼びかけています。また北上市立花でも4日午後9時ごろ、クマの目撃があり養蜂箱が壊される被害が確認されています。

(高校敷地内で生徒がクマ目撃:秋田)
5日午後、秋田市の秋田高校でクマ1頭が坂道を横切るのが目撃され、警察などが注意を呼びかけています。警察や秋田高校によりますと、5日午後2時ごろ、秋田市手形にある秋田高校の敷地内で、3年の男子生徒が体長1メートルほどのクマ1頭が坂道を横切るのを目撃し、生徒からの報告を受けて教員が警察に通報しました。秋田高校によりますと、去年とおととしも敷地内でクマが目撃されているということで、高校では5日、校内放送で生徒に1人で行動しないよう呼びかけたということです。目撃された場所は、JR秋田駅から北に2キロほどのところにあり、住宅街も隣接していることから警察がパトカーで警戒するとともに注意を呼びかけています。

(ドラレコが記録した映像、飛び込んできたイノシシと:広島)
今月3日、広島・東広島市を走っていた車のドライブレコーダーの映像です。時刻は午後9時半ごろ。突然、ライトに何かが照らされました…。イノシシです。車は、一番大きなイノシシと衝突しました。運転していた女性は、「一瞬の出来事で、よける間もなかった」と話します。車には子ども3人を含む家族5人が乗っていましたが、幸い、けがはありませんでした。同乗していた夫が、事故の後、警察に通報しました。映像からは、大きなイノシシ1頭と小さなイノシシ3頭ほどが確認できます。ぶつかったのは大人とみられるイノシシで、このあと、死んでいるのが確認されたということです。現場周辺は片側1車線で、両わきを田んぼにはさまれていて、緩やかなカ―ブもありますが、事故があった場所は直線でした。今回、イノシシと事故にあった車は、フロント部分が大きく破損…。事故の衝撃を物語っていました。夜間、道路わきから飛び出してくる動物との衝突事故は少なくありません。こちらは6年前の映像です。安芸高田市の国道を走っていた車が突然、飛び出してきたシカと衝突しました。また、12年前には、尾道市のしまなみ海道で車にはねられたイノシシに接触し転倒したとみられるバイクの男性が、後続車にひかれ、亡くなる事故がありました。今回も一歩間違うと、大きな事故となっていた可能性があります。警察は、▽ドライバーと動物がお互いに早く気付くために上向きライトを活用する、▽動物が出てきそうな道路ではあらかじめ速度を落とし余裕をもった走行する、▽ハンドルを切るのではなく、ブレーキで衝突を回避するなど、注意を呼びかけています。取材に応じてくださった女性は、子を持つイノシシを死なせてしまったとたいへん心を痛めていました。車には3歳・5歳・7歳の子どもが乗っていて、あわやという状態でしたが、ハンドルを切らなかったことで大きな事故にならなかったのではないかと振り返っていました。

(JR新宿駅構内に“タヌキ”侵入:東京)
2日午後9時半ごろのJR新宿駅、新南口の辺りをトコトコと歩くのはタヌキです。大勢の人に囲まれても動じなかったというタヌキ。駅構内を数分トコトコと歩き回ると…。東京・新宿区によりますと、ここ数年、新宿駅周辺でのタヌキの目撃情報はなく、どこからやってきたのかは分からないということです。

(「またネコか」で行ってみたら、台所でエサを食べるクマに遭遇:福島)
「恐怖覚える間もなく、とにかく逃げなくちゃという」福島県福島市在庭坂に住む林澤一さん。9月6日午前4時ごろに、台所から聞こえてきた物音で目を覚ました。飼っているネコが音を立てていると思って、向かった台所にいたのは…そこにいたのは、体長・約1メートルのクマ。換気のために10センチほど開けていた窓から入って、ネコのエサを食べていたという。林さんは、ドアを開け閉めして音を出し、クマを追い払った。林さんにケガはなかったが、部屋は荒らされてしまった。実は、約1カ月前にも林さんの自宅にクマが現れていた。この時も被害はなかったが、繰り返しクマが現れていることから危機感を募らせている。2022年7月には、会津若松市で女性がクマに襲われて死亡したほか、福島県内の目撃件数が2021年より約50件多い337件に上っていて、警戒が必要となっている。

(中心部でクマの目撃相次ぐ、同じ子グマか:岩手)
7日午前、岩手県一関市の中心部で相次いでクマが目撃されました。周辺には住宅街や工業団地があり、警察や市が注意を呼びかけています。一関市によりますと7日午前9時ごろ、一関市三関小沢の市道で「クマを見た」と通行人から立て続けに2件の通報がありました。ほかにも付近ではクマの目撃が相次いでいて、午前6時40分ごろには三関外山で、午前7時半ごろには三関小沢の住宅街で、午前8時前には東台の市道でも確認されました。目撃されたのはいずれも子グマ1頭で、これまでにけが人や被害の情報はありません。周辺には住宅街や一関東工業団地があり、警察や市がパトロールをして注意を呼をかけています。

(ジビエ気軽に味わって、毎月第4火曜日「シカの日」:鳥取)
鳥取県東部のジビエ関係者で組織する「いなばのジビエ推進協議会」は、毎月第4火曜日を「シカの日」に制定した。おいしい県内産のジビエを気軽に味わってもらおうと、4(シ)・火(カ)の語呂合わせでPRする。毎月シカの日には約20の登録店で使える「ジビエ消費券」を店で配り、ジビエの認知度向上を目指す。シカ肉が“旬”を迎える9月は、アピールを月間で強化する「シカフェア」を開催する。

(おいしイノシシ、地元の加工肉:栃木)
障害者支援施設などを運営する那須烏山市の社会福祉法人「大和久福祉会」は、7月から那珂川町の「イノシシ肉加工施設」で加工された肉を使った給食の提供を始めた。提供先は、同福祉会が運営する支援施設などの入所者やデイサービス利用者など計180人。イノシシ肉の使用を提案したのは、同町在住で同福祉会の管理栄養士を務める星雅樹さん(34)だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、これまで定期的に実施していた外食や保護者との面会、イベントが中止となった。

(ジビエ調理は「弱火でじっくり」:広島)
ジビエ(野生鳥獣肉)の普及を目指し、調理方法を学ぶ講習会が6日、広島県呉市中央のつばき会館であった。市有害鳥獣被害防止対策協議会が開き、市内の飲食店やホテルの関係者たち13人が参加。イノシシのさばき方や、肉の特性を生かす料理を学んだ。

(かみのやま温泉、ジビエや森の食材楽しむサスティナブルなディナーを:山形)
山形県・古窯グループの宿泊施設「おやど森の音」(かみのやま温泉)は2022年9月20日(火)~11月30日(水)、「子リスと秋の収穫祭」と題し、ジビエや森の食材、ナチュラルワインを楽しめるディナーを提供する。全14室の自然の中に佇むおやど森の音は、「森にも人にも、心地よい宿へ。」を新しいコンセプトに掲げ、環境や人にやさしい「サステナブルなおやど」を目指している。第1弾として、近くの森に住む子リスが「秋の収穫祭」を宿泊客と一緒に楽しむというストーリーに合わせ、ディナーを創作した。料理の一部には、ジビエである鹿肉を使用。年々増加し農作物に被害を与えている鹿を美味しく提供することで、無理なく環境保護に貢献する。鹿肉に含まれる「アセチルカルニチン」は疲労回復やストレス軽減に効果があり、脂質も少ないため体にもやさしい食材だ。秋が旬で、食物繊維やビタミンを多く含むキノコや木の実も楽しめる。食事を引き立てるのは、山形県産の農薬や化学物質を使用しない(または少量にする)ナチュラルワイン。宿に在籍するソムリエが、料理に合うものをセレクトしてくれる。

(「ジビエ」を通じて鹿の命を最大限活用するための新商品開発プロジェクト:岩手)
岩手県大槌町で鹿肉の食肉加工販売を行っているMOMIJI株式会社が、2022年8月にクラウドファンディングサイト「ready for」にて新商品開発プロジェクトを開始しました。今回私たち「よぼし」が関わらせていただいたMOMIJI株式会社の新しい取り組みについてお知らせさせていただきます。プロジェクト名:捕獲された鹿の命を余すことなく価値へ変える。大槌の自然の恵みで育った鹿の命を「ボーンブロス」に変えてジビエ文化を広めたい。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後4時40分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前7時30分ごろ、仙台市泉区小角鹿にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、7日、大崎市岩出山地域にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日深夜、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子前堀にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、7日午前10時40分ごろ、利府町菅谷鐘撞堂にクマが出没しました。

(クマ出没の可能性:宮城)
宮城県警などによると、6日午後6時25分ごろ、仙台市青葉区落合5丁目の路上にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日早朝、仙台市青葉区熊ケ根町一番にクマが出没しました。

(クマ出没の痕跡:宮城)
大崎市によると、6日、大崎市古川引田堀込道下でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午後1時ごろ、仙台市青葉区郷六大森にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日未明、仙台市青葉区大倉川縁にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、5日午後3時10分ごろ、登米市津山町柳津幣崎にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前8時15分ごろ、仙台市泉区根白石愛宕脇北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後3時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8月31日、仙台市泉区西田中杭城山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、2日、富谷市富谷落合にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、2日午前7時10分ごろ、栗原市栗駒松倉山田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、2日午前8時30分ごろ、富谷市富谷熊谷下にクマが出没しました。

(クマ出没の痕跡:宮城)
栗原市によると、1日朝、栗原市鶯沢北郷早坂でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、1日、大崎市岩出山上野目地区にクマが出没しました。

(クマ出没の痕跡:宮城)
栗原市によると、8月31日夜、栗原市花山草木沢角間でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午前8時ごろ、仙台市青葉区芋沢権現森山にクマが出没しました。

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(野生イノシシ7頭から豚熱:三重)
三重県は31日、志摩市と紀北町の山林で今月中旬から下旬にかけて捕獲した野生イノシシ7頭について、豚熱への感染が判明したと発表した。県内で豚熱への感染が確認された野生イノシシは703頭となった。

(サル捕獲の麻酔銃誤射、委託業者 銃口の向き確認せず:静岡)
29日、静岡県富士市でサルを捕獲するための麻酔銃が誤って発射され、近くにいた女性に当たった事故で、銃の準備をしていた市の委託業者が、銃口の向きを確認せず、不適切な手順で作業をしていた疑いがあることが分かりました。小長井義正市長は「事故の検証を行い対策を講じる」とするコメントを発表しました。29日午後3時ごろ、静岡県富士市中之郷のJR富士川駅の近くで、目撃されたサルを捕獲するため、市の職員と委託業者が準備していた麻酔銃が誤って発射され、1メートルほどの距離にいた情報提供者の女性の左腕に刺さりました。女性は、一時意識を失いましたが、搬送先の病院で意識を取り戻したということです。市によりますと、委託業者が、誤ってトリガーに触れたことで発射されたとみられ、準備の際、銃口の向きを確認せず、不適切な手順で作業をしていた疑いがあることが分かりました。富士市の小長井義正市長は「委託業者の安全管理の不備が大きな原因と言わざるをえない。事故の検証を行い対策を講じる。毎日のようにサルが出没しているので、細心の注意を払い、わなや麻酔銃による捕獲も実施していく」とするコメントを発表しました。また、委託業者の「野生動物保護管理事務所」は「安全管理教育や管理体制に不備があり、当該社員においても、気の緩みがあったことは否めず、大変申し訳なく思っています」としています。

(農作物鳥獣被害2.6億円:和歌山)
野生鳥獣による県内の農作物被害について、県は2021年度の被害額が計2億6164万円だったと明らかにした。2年連続で3億円を下回った。最も深刻なイノシシによる被害は減少したものの、シカやサルが増加に転じた。かんきつ類など果樹の被害が全体の8割を占めた。

(野生鳥獣による農林業被害額2%増:群馬)
群馬県は、2021年度の野生鳥獣による農林業被害額が5億7311万5000円と、前年度比2.1%増えたと発表した。増加の要因は主にシカとクマで、生息数の増加や生息域の拡大によって、キャベツなど高原野菜の被害額が増えたという。捕獲総数は1万8058頭で、前年度比13.4%減った。シカが捕獲強化により9.4%増えた一方、イノシシは50.9%減とほぼ半減した。豚熱への感染が広がり、個体数が減少しているためと考えられるという。

(ニホンカモシカの保全へ:宮崎)
激減している国の特別天然記念物・ニホンカモシカを保全する取り組みです。生息の南限とされる綾町で、大学生が激減の原因を調査しました。この取り組みは、綾町と連携協定を結んでいる南九州大学が課題解決学習の一環として行ったもので、学生7人が参加しました。ニホンカモシカが激減している原因について、林業関係者などからレクチャーを受けました。原因の一つとして考えられているのが、各地で増え植物を食べつくしている二ホンジカです。シカ防除用のネットが張られている内側と外側で植物の種類や成長にどのような違いがあるかを観察し、二ホンジカによる影響を確認しました。9月1日には今回学んだ問題を考察し、解決方法を探っていくことにしています。

(乳牛60頭超襲った最恐熊「OSO18」、姿消して3年:北海道)
北海道東部の酪農が盛んな地域で、正体不明の巨大ヒグマが跋扈(ばっこ)して、乳牛を襲う、飼料用トウモロコシを荒らすなどの農業被害が相次ぐ。猟友会が地域一体で懸命に狩猟を続けるが、捕獲の兆しはない。ヒグマが家畜を襲う事態はかつてはなかったが、2019年以降は毎年、乳牛が死傷する異常事態だ。酪農家は、恐怖を抱きながらの営農を余儀なくされている。正体不明の巨大ヒグマのコードネームは「OSO(オソ)18」。被害が出た標茶町オソツベツの地名と、現場に残された足跡の横幅が18センチだったことから名づけられた。ヒグマの平均体重は雄が200キロ前後だが、オソ18は推定300~400キロとされる。200キロ近い乳牛を襲うなどその怪力ぶりも特徴的だ。全国屈指の酪農地帯である同町と厚岸町では、最初に被害があった19年度から19日までに、オソ18が合計で64頭の乳牛を襲ったとみられる。釧路総合振興局は「誰も直接見たことがなく、想像の世界でしかない。大きさなどもあくまでも推測」とする。襲われた乳牛の背中には太い爪による大きな引っかき傷があり、周辺には大きな足跡が残されているなどから、オソ18の仕業だとみられている。酪農を守るため地元の猟友会、JA、自治体は懸命に捕獲を試みるが、3年以上成果はない。ただ、監視カメラや足跡の近くにあるふんや体毛などをDNA鑑定し、行動履歴などは把握しつつあるという。地元猟友会代表で標茶町の後藤勲さん(78)は、乳牛を襲った被害が発生すれば、狩猟者10人と日の出から日没まで牧場周辺を見張ってきた。襲った乳牛に再びOSO18が近づく可能性があるためだ。猟友会はすぐに乳牛の死体は片づけず、炎天下でも氷点下の寒空でも待ち伏せを続ける。しかし、一向に姿を見せない。最近は牛舎のすぐそばで牛が襲われる被害もあった。狩猟歴60年の後藤さん。これまで10頭以上のヒグマを捕獲してきたが、OSO18のような乳牛を襲う被害はなかった。OSO18以外のヒグマとみられる飼料用トウモロコシの食害も増えている。「この辺りではエゾシカが激増している。冬に餌となるエゾシカが多いからヒグマは冬眠しなくなった。地域環境の変化がヒグマの農業被害につながっている」と推測する。その上で後藤さんは「この町は酪農が基盤。誘因する飼料用トウモロコシの栽培拡大をためらうような酪農家の苦境を何とかしたい。行動の特徴やパターンはつかみつつある。酪農家のため、地域農業のため、何とか捕獲したい」と諦めない。地元自治体と被害が確認されているJAしべちゃとJA釧路太田は、専門家と連携しながら懸命な対策を続ける。JAしべちゃは夏場の狩猟用の服や箱わなへの助成などで狩猟者を支援。ドローンで飼料用トウモロコシの食害状況の把握に努める。飼料用トウモロコシの食害を確認した管内農家は昨年度は20戸近いという。JA釧路太田も捕獲用の箱わなや飼料用トウモロコシなどの食害を空撮するドローンを導入する。職員は農家から被害の情報があればJAに連絡する態勢を整えている。

(野犬出没、群れでシカ襲う:北海道)
国立公園の釧路湿原に近い釧路市内で、8月以降「野犬」の目撃が相次いでいます。釧路市や釧路署に寄せられた4件のうち、2件は「群れでシカを襲っている」との内容でした。湿原の近くとはいえ、現場には公園や病院、幼稚園があり、人が行き交う生活圏でした。釧路市は箱わなを設置し、野犬に近づかないよう注意を呼びかけていますが、警戒心が強い野犬の捕獲は簡単ではなさそうです。野犬が最初に確認されたのは8月9日午後8時ごろ、釧路市昭和の病院敷地内でした。野犬5頭が子鹿1頭を襲う様子が防犯カメラに写っており、病院が釧路市に連絡。翌朝、一部が食べられたような痕がある子鹿の死骸が確認されました。その後、直線距離で5キロほど離れた釧路大規模運動公園の周辺で、相次いで野犬が目撃されました。23日午前7時半ごろには、釧路大規模運動公園近くの幼稚園の敷地から、走り去る2頭の野犬をバスの運転手が発見。近くでシカの死骸を見つけました。翌24日午前4時半ごろには、同公園内でジョギング中の男性が「野犬3頭が子鹿を襲っている」と釧路署に通報。市が子鹿1頭の死骸を回収しています。さらに24日午後7時ごろには、帰宅中の女性が公園の近くで野犬3頭を目撃し、動画を撮影しました。撮影した女性によると、3頭は中型犬ほどの大きさで1頭は黒色、ほかは茶色でした。女性は「野犬が出ると聞いていたので思わず撮影した。やせ細っているのかと思っていたが、毛並みはモフモフとしていて野犬のイメージと違った」と証言します。週に2、3回夕方に公園内を散歩していたという男性(65)は「何頭いるのか分からず怖い。朝夕に出没していると聞き、散歩の時間をずらした」と話します。野犬が出没した地域は、いずれも早朝や日没後に日常的にシカが現れる場所です。

(市街地想定、クマ捕獲訓練:福井)
小浜市遠敷地区で三十一日、市街地でのツキノワグマ出没を想定した緊急捕獲の実地訓練があった。県安全環境部自然環境課の呼び掛けで同市や敦賀市の担当課、県警、猟友会など関係機関の約二十人が参加。住民の安全を最優先に、クマを迅速に捕まえるための人員配置や追い出し方法を確認した。県内の今年のクマ出没は、四~八月で約二百二十件。例年より少ない傾向だが、冬眠前の秋はえさを求めて出没が多くなると考えられるため、警戒が必要になる。小浜市では六月、クマが民家に侵入する事案も起きている。訓練は小学校や住宅地に近い若狭の里公園と周辺で実施。園内でクマの目撃情報があり、近隣住民や学校に注意喚起をした想定で捕獲を開始した。クマの捜索や追い出し、住宅地への逃走の見張り役など、複数の地点に人員を配置。クマ役の県職員を見つけると、無線で連絡を取りながら河川敷の土手の下まで追い詰め、周囲の安全に十分注意した上で発砲、捕殺までの動きを確かめた。訓練後には、猟友会のメンバーが「クマは危険な動物だと認識し、一人一人が緊張感を持って対応する必要がある」と強調。

(3日でマスター!サル対策を効果的に進めるために行政担当者が身につけるべき知識・技術・説明力:兵庫)
「サルは頭が良いから何をやってもダメ」「行政がもっと捕獲を」「もっと抜本的な対策を(全部捕ってくれ)」サル対策が問題となっている自治体の担当者なら、だれでも耳にしたことがあるこのセリフ。「地域主体の対策」を進めようと思っても、要望の割に住民の方は何もしてくれずに悶々と悩んでいませんか?仕方がないから、頑張って「捕獲」をしても被害が減らずに困っていませんか?被害が減らないから、「もっと捕獲を」という声が議会であがっていませんか?真剣に地域と向き合う担当者ほど、苦しい思いをしてしまいがちなのが「サル対策」。住民が望むままに、ただ機械的に「捕獲」をすれば楽になれるのかもしれません。実際、そうしている地域も少なくありません。でも、そのような捕獲を続けて被害が減少している地域はほとんどありません。さらに、行政まかせの対策は、してもらって「当たり前」。捕獲でその場の感情は収まったとしても、人口減少・高齢化が進行していく地域の未来につながる対策にはなりません。そのため、それを知る熱意ある担当者は「地域主体の対策」を進めようと奮闘しています。いわゆる「獣害対策の教科書」では、被害を出す野生動物の生態や行動、地域が主体となってやるべきことが網羅されているかもしれません。知れば知るほど、やるべきことはたくさんあることが分かってきます。でも、それをそのまま伝えても、多くの地域は動き出しません。ただでさえ人口が減少し、高齢化が進む地域に対して、サル対策は行政が行うものだと思っている地域に対して、住民自ら対策に取り組む意欲を引き出すには、確実な「手法」と地域の実情に応じた「戦略」が必要であり、そのためには「行政の役割」が非常に重要となります。その中ではもちろん、個体数管理(捕獲)をどのように位置づけ、実践していくのかということも重要なテーマであり、その成果を地域に還元していかなければなりません。幸いにも、これまでの研究蓄積や各地での試行的な実践により、こうした「地域主体の対策」を効果的に進めるためにのノウハウが整理されてきています。そこでサルカンでは、効率的なサル対策の推進に向けて、地域の課題を整理し実効性のある計画を立案するための、座学と現場実習とワークショップを組み合わせた「集中セミナー」を開催します。行政職員の方々のみを対象とし、2泊3日でサル対策を効果的に進めるための知識や技術を習得できるような内容となっています。さらに集中セミナーを通して、参加者が自らの地域のサル対策の3年計画を策定し、実行プランを立てられるよう、サポートさせていただきます。ぜひご参加くださいますよう講師一同、心よりお待ちしております。

(“特定外来生物”タイワンリス、生息範囲が拡大か?:神奈川)
神奈川の人気観光地・鎌倉に生息する野生のタイワンリス。その数が増加している可能性があり、今後、生息範囲が東京などにも広がる恐れがあるといいます。29日、神奈川県の人気観光地・鎌倉を訪れると、リスが姿を見せました。住宅の壁にも、もぞもぞと動くリスが確認できました。タイワンリスとみられます。時には、電線から木にジャンプする様子も見られました。人なれしているのか、近づいても逃げることはありません。鎌倉から離れた同じ県内の神奈川・三浦市でも今年6月、屋根の上をさっそうと走る姿が目撃されています。いま、このタイワンリスの生息範囲が拡大しているといいます。タイワンリスはその名の通り、元々は台湾などに生息していました。外来種の中でも、人や生態系に影響を及ぼす可能性のある特定外来生物に指定されています。鎌倉の住宅街で目撃情報が相次いでいて、28日に訪れると、何かくわえたリスがパイプをつたって進む様子や、木を器用につたって渡る様子などが見られました。ただ、鎌倉市民にとっては当たり前の存在のようです。しかし、被害がないわけではなく、“果物を食害される”という人もいます。家に近づかないようにパイプにトゲをつけるなど対策をしても、やってくるタイワンリスは後を絶たないといいます。鳴き声も住民の悩みの種になっていました。自治体もこの状況を受け、対策に乗り出していて、鎌倉市では現在、約200個のワナを市民に貸し出しています。周辺の木々を荒らされないようにワナを設置したマンションでは、ワナを仕掛けるたびに、タイワンリスがかかるといいます。今年は、すでに13匹を捕獲したということです。ネズミ用のワナにタイワンリスがかかっていたという住宅もありました。鎌倉市によると、昨年度は1092匹のタイワンリスが捕まっているということです。タイワンリスの捕獲などをする団体は、今年“ある傾向”が目立つと話します。NPO法人 三浦半島生物多様性保全・天白牧夫さん「今年の夏は妊娠中だったり、授乳中だったり、繁殖に関わっている個体が全体の半数ほどいた。おそらく、今年の冬は例年以上に、多くのタイワンリスを目にする機会が増えるのではないか」。“生息範囲を拡大させ、今後、東京都心でも人の目につくようになるのではないか”と指摘しました。ワナを設置し、早い段階での捕獲が大切だということです。

(射撃場に「ラビット」射撃施設:大分)
別府市営湯山クレー射撃場に「ラビット」射撃施設が設置された。ウサギなど地面を走る動物を想定した競技で、大分(豊後大野市)、玖珠郡(玖珠町)両射撃場に次ぐ設置。これで県内全クレー射撃場に同施設が整った。27日、現地で完成記念式典と大会があった。イノシシやシカなど有害鳥獣を捕獲する狩猟技術の向上や新たな狩猟者育成などを目的に、別府市や県、市鳥獣害対策協議会(久保賢一会長)、市猟友会(冨田能範会長)が設置した。クレー競技の「ラビット」は、空中のクレー(円盤状標的)=直径約10センチ=を撃つ「トラップ」や「スキート」種目とは違い、地面を転がるクレーを狙う。新たに専用クレー放出機2機や機械を収納する小屋、木製の目隠し柵(縦0・6メートル、横15メートル)などを整備。事業費は約162万円。式典には約60人が参加した。久保会長が「農林業への鳥獣被害は深刻で、離農者もいると聞く。この施設で練習を重ね、技術向上につなげてほしい」などとあいさつ。松崎智一副市長、市原隆生市議会議長の祝辞に続き、関係者5人がテープカットした。その後、大会が開かれ猟友会員ら25人が出場。ラビットクレーを狙って腕前を競い、市内の毛利宜美さんが優勝した。市によると2021年度の鳥獣捕獲数は2086頭(シカ1313頭、イノシシ615頭など)と増加傾向にあるという。市農林水産課は「捕獲数の増加は個体数の増加を意味し、農林業被害も増えていると判断している」と話す。

(害獣対策の専門家が調査、クマ人身被害現場:宮城)
29日、青葉区上愛子で64歳の男性と孫の9歳の男児がクマに襲われケガをした現場で、30日害獣対策の専門家による調査が行われた。30日午前、青葉区上愛子の現場には仙台市の職員と委託を受けた害獣対策の専門家が入り、付近の状況確認とクマがどのような経路で現場周辺に出没したのかを調査した。これは29日午後5時頃、農作業中の64歳の男性と一緒にいた孫の9歳の男児が、突然ヤブから現れた体長1メートルほどのクマに襲われたもの。2人は頭などにケガをしたが命に別状はない。8月14日には、29日の現場から約600メートル離れた所で40代の男女2人がクマに襲われ軽いけがをしている。29日のクマと同じ個体かどうかは分かっていない。30日の調査ではクマの食べ跡や糞などが残っていないことから、別のエリアから移動中だったのではとのこと。農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーの吉田淳久さんは「(この場所は)イノシシなりクマなり入り込んで身を隠したり、移動経路として使っているようなことが考えられる」「今は(クマが)出没している状況ですのでヤブを避けるということです」と語る。仙台市では引き続き住民に注意を呼び掛けるとともに、早急に罠を設置してクマの捕獲を試みる方針。

(クマに遭遇しないためには?:宮城)
29日、仙台市内で男性と孫の男の子がクマに襲われ重軽傷を負ったことを受け、30日朝、仙台市が現場近くで調査を行いました。2週間前にも、近くで散歩中の男女が襲われています。調査が行われたのは、仙台市青葉区上愛子です。この場所では、29日午後5時頃、田んぼのあぜ道で電気柵の補修をしていた64歳の男性と、9歳の孫の男の子が体長1メートル程のクマに襲われました。男性は頭に大けがをして入院したほか、男の子も顔などにけがをしました。これを受け30日、仙台市の職員と野生生物に詳しい専門家ら6人が、現場近くに獣道やクマの痕跡がないかを確認しました。地域環境計画 吉田淳久さん:「(襲われた場所は)やぶの向こう側が見えない状態、そういうところからクマが飛び出してきたのだろう」。ここから直線距離で700メートルほど離れた場所では、8月14日、散歩をしていた男女2人がクマに襲われていて、女性は腕をかまれ、男性は肩を打撲するなどのけがをしてます。襲撃したクマが同一個体である可能性はー。地域環境計画 吉田淳久さん:「関連は不明、場所が離れている。能力的には移動できる距離、可能性がないとは言えない」。近くでの相次ぐクマ襲撃について専門家は「夏は、クマが人里に出没しやすい時期」と指摘します。森林総合研究所東北支所動物生態遺伝担当 大西尚樹センター長:「今はエサが少ない時期で、一年を通して冬眠明けと夏が、痩せている時期。エサが少ないなりにエサがある場所として、高いところから低いところにあるので、おりてきている。夏はクマにとって繁殖期、オスがメスを求めて動き回っている。行動範囲が広い」。クマに遭遇しないためには、鈴やラジオなど音の出るものを持ち歩くなどの対策をとってほしいとしたうえで、次のような点にも気を付けて欲しいと話します。森林総合研究所東北支所動物生態遺伝担当 大西尚樹センター長:「クマは鼻が良い。人間が出している匂いに惹きつけられることがよくある。生ごみの匂い漬物樽、家畜のエサ、ペットフード。山際に住んでいる人は匂いを出さないことがポイント」。

(ことしのクマ目撃情報19件、去年を大幅に上回る:岩手)
ことし岩手県警に寄せられたクマの目撃情報の件数は19件と前の年の同じ時期を10件以上上回っている。県警によると、8月17日現在、県警に寄せられたクマの目撃情報は前の年の同じ時期を12件上回る19件で、このうち市街地での目撃は去年の4倍にあたる12件となっている。一方、人的被害は前の年の同じ時期を8人上回る18人、このうち、重傷者は12人で顔や頭を負傷して大けがをするケースが多い。また、物的被害は17件で去年より5件増えた。県警は、クマに遭遇した場合はむやみに刺激しないことや目を離さずゆっくり後退するなど注意を呼びかけている。

(クマ、木登り防ぎ餌取らせず:石川)
津幡町太白台(おおしろだい)小付近で6月上旬、クマの出没が相次いだ事態を受け、町は30日までに、校舎の周囲に植えられた約100本の桜の幹に、トタンを巻く対策を行うことを決めた。桜の実を狙うクマが、爪を引っ掛けて木に登れないようにすることで餌が取れないと覚えさせ、出没を抑える。今秋から準備に取り掛かり、クマの冬眠から覚める来年3月までに作業を終え、児童や住民の不安解消を図る。太白台小では6月上旬、体育館裏や職員駐車場横の桜の木にクマが登り、実を食べる事態が続いた。津幡署や町などは、児童を守るため、登下校時間帯のパトロールを連日行った。クマは6月13日、付近に仕掛けられたおりで捕獲され、以降は町に同校での出没情報は寄せられていない。6月下旬に町は、木登りを防ぐため、低い位置の枝を切り落とした。さらに来春までに、地上から3メートルほどまでトタンを幹に巻く。クマが背伸びしても幹に届かない高さで、つなぎ目を縦向きにするなど、爪が掛からない工夫を施す。津幡署や猟友会などを交えた対策会議では、桜の伐採を求める声があった。ただ、春に桜の開花を楽しみにする児童や住民も多いことから、桜の木を残したクマ対策を選んだ。果樹などの幹にトタンを巻くクマ対策は、全国で行われている。実施した京都府与謝野町では、カキの木の被害が減ったとされる。クマの生態に詳しい、石川県立大の大井徹教授(動物生態学)は「太白台小のように、木の除去や、子どもの安全確保のため電気柵の設置が難しいケースでは、トタンを巻く対策は効果的だ」と評価。クマは賢いため、実がなれば1度は訪れるが、木に登れないと分かると再び来ることはないとし「地面に落ちた実をしっかり掃除すれば、さらに効果は上がる」と指摘した。津幡町は9月補正予算案に今回のクマ対策の事業費370万円を計上する。担当者は「餌場としての魅力をなくし、太白台小付近へのクマの出没を抑えたい」と話した。

(中学生が動物被害防ぐ電気柵設置:宮城)
野生動物による農作物の被害から畑を守るため、七ヶ宿町の中学校で、電気柵の設置方法を学ぶ特別授業が行われました。宮城県の山あいにある七ヶ宿町では、野生動物による農作物の被害が毎年、多く発生していて、深刻な問題となっています。地元の七ヶ宿中学校では、3年前に学習用の畑が被害を受けたことから、動物が畑に侵入しようとした際に電気ショックを与えて侵入を防ぐ「電気柵」について学ぶ特別授業を行っています。8月30日は、3年生の生徒6人が、講師の設置業者から電気柵の仕組みや設置の手順などを学びました。そして、イノシシやサルの出没が頻繁に確認されている枝豆の畑の周りで、漏電を防ぐために草を刈り取ったあと、実際に電気柵の支柱を立てていきました。生徒たちは、動物が侵入しないように考えながら電線の間隔や高さを調節し、およそ1時間ほどかけて電気柵を設置しました。3年生の女子生徒は「電気柵の設置は難しかったけど、きれいに出来ました。農作物を作っている人の大変さもわかったので、動物による被害がなくなればよいと思います」と話していました。電気柵は枝豆の収穫を行う9月下旬まで、学校に人がいなくなる夜間だけ電気を流して使用する予定だということです。

(住民の維持管理10年要件撤廃へ:広島)
広島県福山市は農作物の獣害対策として、イノシシの生息域と人里を隔てる緩衝地帯(バッファゾーン)の整備を支援する補助制度を巡り、整備後10年間は住民が草刈りなどの維持管理をする要件を撤廃する。市民の声を踏まえ2021年度に創設した制度だが、この要件がネックとなり利用がなかったため。市は草刈りなどに活用できる補助制度も拡充し、活用を呼びかける。

(電気柵の夜間通電開始、イノシシ被害防止へ:新潟)
上越市西戸野のたにはま公園で1日から、イノシシによる芝生の掘り起こし対策として、夜間の電気柵の通電が始まる。期間は冬季閉鎖開始(降雪状況により決定)までで、これに伴い午後7時から翌日午前7時までの間、同公園内の多目的広場への立ち入りが規制される。

(住宅敷地にクマ侵入、養蜂箱が壊される被害:岩手)
30日夜、岩手県北上市内の住宅の敷地内にクマが侵入し、養蜂箱が壊される被害がありました。30日午後7時ごろ、北上市稲瀬町で「成獣のクマ1頭を目撃した」と通行人から警察に通報がありました。警察が調べたところ、北上市稲瀬町の団体職員柿崎孝博さん(64)の自宅敷地内にある養蜂箱1つが壊されているのが見つかりました。けが人はいません。現場は北上川にかかる国見橋付近の農村地帯で、クマの目撃情報が相次いでいて、8月に入ってからも目撃の報告があったということです。警察は、北上市と連携しながらパトロールを強化していて、クマを見かけたらすぐに通報することや荒らされやすいものがある場所への鍵かけなどを呼びかけています。

(特急列車にクマ接触、宗谷線で3本に遅れ:北海道)
JR宗谷線で31日、特急列車とクマが接触し、特急列車など3本に遅れが出ました。31日午後7時半ごろ、JR宗谷線の佐久駅と筬島駅の間で稚内発、札幌行きの特急列車がクマと接触して停止しました。列車には乗客32人と乗員2人が乗っていましたが、いずれもけがはありませんでした。JR北海道が接触したクマの撤去作業を行って車両の安全を確認したあと、午後10時28分に運転が再開されました。これにより、接触した列車に190分の遅れが出たほか、稚内発名寄行きの普通列車1本と、旭川発稚内行きの特急列車1本も遅れて、合わせておよそ50人に影響が出たということです。

(赤穂線に遅れ、シカと接触:兵庫)
JR西日本によると、30日午後8時55分ごろ、赤穂線の天和駅―備前福河駅間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。この影響で、同線の播州赤穂―岡山駅間の一部列車に遅れが出ている。

(アライグマ捕獲、昨年6月に続き県内2例目:秋田)
生態系などに被害を及ぼすとして特定外来生物に指定されているアライグマが30日、秋田県大潟村で捕獲された。県によると、県内で捕獲されたのは昨年6月に続き2例目。それまで県内では生息が確認されていなかった。繁殖、定着すれば農作物にも被害の出る可能性があり、関係機関は危機感を強めている。環境省によると、アライグマは北米原産の哺乳類。雑食性で、農作物被害や、希少な在来生物の捕食による生態系への影響が懸念されるほか、感染症をまん延させる恐れもある。2018年公表の環境省の調査では44都道府県で生息が確認され、本県を含む3県では生息情報がなかった。

(クマがトウモロコシ食い荒らす:山形)
31日午前、米沢市のトウモロコシ畑でクマによる食害がありました。近くには小学校や民家があり警察が注意を呼びかけています。現場は米沢市南原猪苗代町の民家の畑で午前5時半頃この家に住む70代の男性が発見しました。ケガ人はいませんがトウモロコシおよそ60本が食い荒らされました。南原地区では、今年、クマの目撃情報が相次いでいて、男性も畑にネットや柵を張るなどの対策をしていましたが、被害にあいました。近くには民家が多いことや小学校とも300mほどしか離れていないため警察が注意を呼び掛けています。

(民家近くの国道を2頭のクマが横切る:新潟)
村上警察署は31日午前、新潟県村上市岩ケ崎の国道でクマ2頭が目撃されたとして注意を呼びかけています。警察によりますと31日午前8時前、車で通行していた人から村上市岩ケ崎の国道345号で「クマが海側から国道を横切り、山側方向に走っていった」という通報がありました。2頭のクマは、体長約0.8メートルだったということです。クマが目撃された場所は、民家から200メートルほどの距離であることから、警察と村上市が住民に注意を呼びかけています。

(ニホンカモシカ出没:石川)
小松市二ツ梨町の寺西武久さん(72)が30日午前11時半ごろ、自宅近くの用水路に架かる橋の下で、ニホンカモシカ1頭を見つけた。すぐに同市に通報し、市の担当者が捕獲して近くの山に逃がした。寺西さんによると、付近ではこれまでにサルやイノシシも出没している。寺西さんは「カモシカが近くにいたので驚いた。とてもおとなしいカモシカで、無事に逃がすことができて良かった」と話した。

(ジビエバーガー販売:山梨)
富士マリオットホテル山中湖(山梨県山中湖村)内にあるレストラン「Grill&Dining G(グリルアンドダイニング ジー)が9月1日、「グルメバーガー『富士の鹿肉100%プレミアムバーガー』」の販売を始める。通常メニューのほかに、テーマを決めた季節限定バーガーを販売している同店。今回は、富士山周辺にある秋の食材にスポットを当て、ハンバーガーの具材には、地元漁師の提供するシカ肉で作ったパティを使うほか、山梨県内産のクレソン、エリンギやアワビダケを使う。ソースには山梨県産の赤ワインを使う。価格は3,630円。提供は11月30日まで。宇井春彦シェフは「シカ肉は脂身や臭みが少ないのが特徴で、地元の漁師と綿密な打ち合わせを行って仕入れている。赤ワインをソースに使い、ジビエの良さを引き出す工夫をした。今後も利用客を驚かすような豪快なバーガーを提供していきたい」と話す。

(ジビエの精肉過程、施設で研修:長野)
ジビエ(野生鳥獣肉)の食肉加工施設「信州富士見高原ファーム」(富士見町)で30日、調理技術の教育機関「エコール辻東京」(東京)の学生約20人が研修した。シカを解体し、枝肉や精肉に加工していく過程を見学。プロの料理人も加工を見る機会は少ないといい、学生は真剣な表情で動画を撮影し、記録を取っていた。

(素材は地元産ジビエ:熊本)
熊本県多良木町と宮崎県小林市の県境にある山里の同町槻木(つきぎ)地区に今春、地元産のジビエを素材にしたハム・ソーセージ工房がオープンし、静かな人気を呼んでいる。地元出身のオーナーは「限界集落になった槻木に足を運んでもらうきっかけにしたい」と、古里の活性化に奮闘している。

(姫路城近くにジビエ料理店:兵庫)
ジビエ料理店「kitchen Kokoro」(姫路市本町、TEL 079-224-7556)が8月5日、オープンした。店舗面積は約18坪。席数はカウンター=10席。野生の鹿やシノシシなどの肉を使った料理を中心に、ケーキやフルーツジュース、アルコールなどを提供している。店長を任せられたのは自給自足に憧れて2017(平成29)年に猟師の免許資格を取得した清瀬文さん。清瀬さんは「狩猟で捕獲した肉の処理を素早く丁寧にすれば臭みはない。おいしくて栄養価が高いジビエの魅力を伝えていきたい」と意欲を見せる。「冬になればイノシシも味わってほしい」とも。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午後9時ごろ、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午後5時ごろ、仙台市青葉区上愛子岩元にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後9時30分ごろ、仙台市青葉区大倉滝ノ上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、31日午後3時30分ごろ、富谷市石積猿田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、30日午後4時30分ごろ、富谷市富谷関ノ川にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午後3時30分ごろ、栗原市築館下高森にクマが出没しました。

(クマ出没の可能性:宮城)
角田市によると、28日午後4時30分ごろ、角田市小田舟沼にクマとみられる動物が出没しました。

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