<射撃ニュース9月>
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(公園でまたシカの死骸:北海道)
北海道釧路市の公園で2022年9月25日、シカの死骸が見つかりました。この公園では野犬の群れの出没が相次いでいて、今回は付近で目撃情報はないものの、シカの尻の部分にかまれたような痕があり、釧路市で注意を呼びかけています。25日午前6時ごろ、釧路市の釧路大規模運動公園で、通行人がシカの死骸を見つけ、警察に通報しました。シカはメスの成獣で、体重は110キロほどありました。釧路市が25日中に死骸の処理を済ませたということです。この公園付近では8月から相次いで野犬が出没していて、近くでシカの死骸も見つかっています。今回、死骸が見つかった周辺で野犬の目撃情報はなく、釧路市では、野犬によるものか不明だとしています。釧路保健所によりますと、9月15日に「箱わな」にかかった1匹の犬は、まだ保健所内にいて、今後の対応は決まっていないということです。

(「ヌートリア」を狩猟期間外に捕獲したとして逮捕・送検された男性、罰金30万円の略式命令:愛知)
愛知県豊川市の河川敷で、大型のネズミ「ヌートリア」を狩猟期間外に捕獲したとして逮捕・送検されたベトナム国籍の男性に、名古屋簡易裁判所は28日、罰金30万円の略式命令を出しました。略式命令を受けたのは、西尾市の派遣社員でベトナム国籍の男性(39)です。男性は、狩猟期間外の今年3月ごろ豊川市の河川敷で、箱型のわなを使って「ヌートリア」1匹を捕獲した疑いで9日、愛知県警に逮捕・送検されていました。この罪に対して、名古屋簡易裁判所は28日、男性に罰金30万円の略式命令を出しました。

(発生した豚熱(豚コレラ)に関するお知らせ:茨城)
令和4年9月23日に大子町大字初原地内で捕獲された野生イノシシから,豚熱(豚コレラ)の感染が確認されました。茨城県内で165例目,町内では19例目となり,豚熱の感染が多数確認され,警戒が必要となっています。豚熱の防疫対策として,大子町内の死亡した野生イノシシの防疫検査を実施していますので,町内で死亡したイノシシを発見した場合,手を触れず,平日は農林課,土日祝日は役場日直まで御連絡くださいますようお願いいたします。

(クマ対策会議、大量出没可能性低い:福井)
クマが出没した際の対策を話し合う、大野市の会議が開かれ、この秋は、エサの状況からクマの出没が数多く確認される可能性は低いものの、集落周辺の里山では出没するおそれがあることから、引き続き住民に注意を呼びかけていくことを確認しました。28日の会議には、大野市の担当者や消防、猟友会などから20人が出席しました。はじめに市の担当者が、ことし4月から8月にかけての、県内のクマの出没件数が220件と、年間で1000件以上確認されたおととしの同じ時期と比べると、6割以下になっていると説明しました。そして、県自然保護センターの担当者が、クマのエサとなるブナとミズナラ、コナラを調査したところ、約9割の木で実がついていることを報告しました。こうした状況を踏まえ、会議では、去年に続いて県内全域でクマが大量に出没する可能性は低いとしたものの、ここ数年でクマの生息範囲が拡大し、集落周辺の里山では恒常的に生息しているおそれがあるとして、警戒が必要だとする認識を共有しました。そのうえで、住宅の近くでクマが確認された場合は、防災無線や広報車などで住民に速やかに注意を呼びかけ、被害防止に取り組むことを確認しました。

(ツキノワグマ686頭捕獲へ:岩手)
岩手県内で目撃が相次ぐツキノワグマについて自治体と専門家が被害への対策を話し合う会議があり、2023年度のクマの捕獲上限数を2022年度より60頭増やすことが決まりました。会議では県や自治体の担当者が2022年度のクマによる被害状況を報告しました。2022年、県内での出没は8月末までに1914件報告されていて、過去5年の同じ時期と比べると最も少なくなっています。一方で、人への被害は過去最多だった2020年に並ぶ勢いとなっていて、9月26日時点で22人への被害が報告されました。これは全国の報告数の約4割を占めています。ツキノワグマ管理検討委員会 由井正敏会長「山村過疎化で都市・農村周辺に進出し、見かけ上遭遇する機会が多くなっている。人家の周りや農家のゴミ捨て場に食べ物を置かないことが大事」。県内には約3700頭のクマが生息し、2026年度までに3400頭まで減らす計画となっています。この上で9月29日の会議では2023年度最大で686頭捕獲するとの計画が発表されました。担当者は会議で出た専門家の意見を参考に、今後の対策を検討していくとしています。

(イノシシ被害増、農作物食い荒らす:山形)
農作物を食い荒らすイノシシによる被害は県内でも深刻化していますが、これまで庄内地方では少ないと言われてきました。しかし鶴岡市の三瀬地区では目撃がこの1、2年で増え、掘り返しの被害も起きています。現状を取材してきました。あたり一面がイノシシによって掘り返され、「足跡」までくっきりと残っていました。ここは鶴岡市三瀬にある中学校裏の敷地。授業で畑として使っていたところにイノシシが出るようになり、畑を別な場所に移動せざるを得なくなりました。(豊浦中学校・沓澤誠校長)「頻繁に見るようになったのは今年度。子供たちに実害が出るのが一番恐ろしいことで、そうならないように何らかの方策を講じていかなければならない」。地区ではこの1、2年でイノシシの目撃が急増したと言います。県内のイノシシは県の南東部、宮城・福島県境の山から侵入してきたと見られていて、鶴岡市を含む庄内地方はかねてから目撃や捕獲も少ないと言われてきた地域です。(三瀬地区自治会・加藤勝会長)「4、5年前までイノシシなんていなかった。山の奥にいるだけで里に下りてこなかった。あぜ道が破壊されたりしている」。山間で農業も盛んなため、一番の心配は「コメ」です。しかし、最近はイノシシに稲が踏みつぶされる被害が確認されてきたと言います。(コメ農家・小笠原和司さん)「結構大きな穴が開いている状態で、イノシシにより潰れた所は臭いが移るという話も聞いたので、斜めの稲とかは刈れずに収穫できない状態。これから増えると言われているので不安で…」。こちらの住宅地は山沿いで、先週末には子連れのイノシシが目撃されていました。ここには実が熟した「クリの木」があり、クリが食べられた痕や草を掘り起こして根を食べた痕もありました。同じ場所にある近所の住民が育てた畑は荒らされていませんでしたが、ここも時間の問題と、自治会長の加藤さんは畑の所有者に注意を呼びかけました。(畑の所有者&三瀬地区自治会・加藤勝会長)「俺もこの間から気付いていた。その辺をばあーっと掘っていた。野菜を採ったほうが良い。みんな一晩で無くなる」。地区内の一部の農家では行政の補助を受けて電気柵などを設置する動きもありますがまだ広まってはおらず、自治会では警戒のための見回りや呼びかけを続けていくことにしています。(三瀬地区自治会・加藤勝会長)「実際出た。見た人は意識が高まっているけど、見たことがない人は薄い。全体的に警戒ムードは高まっているがまだまだ期待するレベルにはない。もう少し地域として真剣に持って行かないとダメ。まあ、困った…」。三瀬地区では人的被害は出ていないと言いますが、先日は酒田市の街なかでも目撃されています。実感として庄内地方でもイノシシが増えていると感じる人も多く、今後、対策に本腰を入れる必要性も増してきそうです。

(タワマンで予期せぬ「鳥害」)
マンション住人の多くが頭を悩ませている「鳥害」。ハトやカラスなどの野鳥がベランダに巣を作ったり、フンをまき散らしたりする……といったお悩みは、日本各地でよく耳にするものです。しかし今回ご紹介するのは、少し違ったタイプの鳥害。せっかくタワーマンションに引っ越したものの、思わぬ被害に驚いてしまったタワマンマダムのお悩みです。アドバイスは東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんです。関西圏在住の相良多恵さん(仮名・41歳)は、なるべく鳥と関わらない生活を送ってきました。幼い頃に兄弟と公園で遊んでいた時、母親からもらったおやつの袋を不用意に開けたことで多数のハトに襲われ、鳥が大嫌いになってしまったのだそう。結婚相手は、大の鳥嫌いを「大げさ」と笑うことなく、理解してくれる人。住んでいた低層マンションには、何度追い払ってもハトが飛んでくるため、2人で懸命にお金を貯めて地元のタワーマンションを購入することになりました。「夫が職場で『高層階に鳥は飛んでこない』という話を聞いたんです。『15メートルくらいから上は飛ばないんだって。だから20階以上だと鳥は来ないはず。タワマンに住めば怖い思いをしなくなるよ』って、笑顔で言ってくれた時は、この人と結婚して本当に良かったと思いました」。そして多恵さんご夫妻は、ベランダがなく、ガラス面が多いタイプのタワマンを購入。引っ越してからは、耳に入るだけで気持ち悪さを感じていた鳥の声に悩まされることもなく、幸せな暮らしが始まりました。「でも……まさかの出来事があったんです。夕方頃かな。やけにオレンジ色をした夕日が見えた日で、私はリビングのソファでうたた寝をしていました」。バガンッ!! 多恵さんは激しい音に慌てて飛び起きました。何が何だか分からず周囲を見渡すと、窓にベッタリと何かが張り付いています。それを見た途端、慌てて寝室に駆け込みました。「帰ってきた夫に確認してもらったところ、どうやら鳥のぶつかった跡が付いているとのことでした。血や羽が付いていたので生死は分からないと言われ、動悸が止まらなくなってしまいました」。いわゆる「バードストライク」です。マンションのコンシェルジュに「窓の汚れを洗い流したい」と連絡するも、その窓だけ掃除をするのは難しいとのこと。たまたま夏場だったため、しばらく後に来た強めの台風でどうにかなりましたが、それまでは跡が見えないようカーテンを閉じたまま過ごしたそうです。米国のコーネル大学鳥類学研究所が2019年に発表した調査結果によると、全米で年間5億羽以上の渡り鳥が高層ビルに衝突して命を落としているそうです。主に発生しているのは複数が立ち並ぶ高層ビル群で、照明により方向感覚を失うことが原因とされています。日本でもバードストライクは都市部を中心に発生しています。今回の多恵さんのように、タワマンの高層階でも鳥害は避けられないのでしょうか。「コレカライフ不動産」の姉帯さんは、日本でタワマンのバードストライクはまだ珍しい部類に入ると語ります。「日本ではまだ珍しいこと。タワマン密集エリアでは、今後そうした被害が増えてくるかもしれませんが、大きく問題視するほどではないと思います。マンションの低層階はもちろん、高層階でも被害が多いのは、ハトやムクドリといった野鳥のフンです。ベランダにネットを張るなどの対策をした方がいいでしょう。ただしネットは落下すると危険なため、超高層マンションでは禁止されている場合があります。規約をしっかり確認してください」。ちなみにハトやカラスなどのフンには、オウム病などさまざまな菌やウイルスが含まれていることがあります。また、フンで排水管が詰まり水漏れを起こす事例もあるため、ネットを設置できない場合でも何らかの対策が必要かもしれません。「30~40階まで行けば、さすがに野鳥が巣を作る確率は減ると思いますが、10~20階程度ならハトなどが普通に飛んでくると思います。ネット以外にも、ハトの嫌いな臭いを放つ円盤状のゲルなどもあるので、いろいろ試してみると良いでしょう」人間が作る町と鳥たちの暮らす場所。都市部ではこれらを完全に切り離すことができません。バードストライクやフン問題などは、どちらかだけが一方的に悪いと言い切ることもできないでしょう。うまく共存できる社会を目指したいものですね。

(児童たちがキジの放鳥を体験:熊本)
自然の中で元気に育って欲しいと阿蘇市の児童たちがキジの放鳥を体験しました。キジの放鳥は県の猟友会が狩猟期間に捕獲され減少する野鳥のキジを増やそうと行っているものです。阿蘇市では毎年、阿蘇小学校の児童が放鳥を体験しています28日は1年生37人の児童が猟友会のメンバーからキジの持ち方などを教えてもらいながら球磨郡多良木町の養殖場でことし4月から5月に生まれた33羽のキジを恐る恐る抱いて次々に原野に放ちました。児童たちは「楽しかった」「キジがふわふわしていた」など話していました。キジの放鳥は10月中旬まで行い、今年は県内12ヶ所であわせて400羽が放される予定です。

(捕穫したウリボウを沖縄子どもの国に寄贈:沖縄)
琉球補聴器(那覇市)の創業者で相談役の森山勝也さん=東村=が17日、沖縄市胡屋の沖縄こどもの国に、琉球列島に生息する固有亜種のリュウキュウイノシシ1頭を贈呈した。東村ではイノシシなどによる農作物の食害が発生している。森山さんは「どうすればイノシシを社会の役に立てられるか」と日頃から考えていた。現在、沖縄こどもの国にリュウキュウイノシシは雌の1頭しかいないことを聞き、自ら捕獲した生後5カ月ほどの雄のウリボウを寄贈した。「子どもたちにリュウキュウイノシシがどんな姿か、見て感じてもらいたい」と話した。

(松山ケンイチ、人生を変えた“ある生き物との出合い”)
俳優の松山ケンイチ(37)が28日放送のNHK「ニュースLIVE!ゆう5時」にVTR出演。人生の分岐点を語るコーナー「The Crossroad」に登場した。松山は数年前から東京と田舎の2拠点生活を送っている。その上で人生を変えた10年前の“出合い”を口に。「2012年に鹿に出合ったんですよ。鹿肉を食べたんですよ。今まで食べたことなかったんですけど、肉になってからじゃなくて、鹿を獲りに行くところから見たかったんです。それはある意味、野菜を自分で育てて食べることとか、魚を釣って食べることとか、そういうことと同じだと思うんですけど、動物も自分で一からやりたいと思うようになったんです」と語った。その後、松山は狩猟に興味を持ち、知り合いの猟師に誘われて鹿狩りにも参加。「引っ張って、荷台に乗せて、解体して、肉になって、それを食べた時にちょっと変わったんですよね、自分の中で」と回想。「今まではスーパーでモモ、バラ、ロースを買っていたんですよ。商品なんですよね」とした上で、「実際、猟を見て食べた時に『いただきます』の意味が変わるじゃないですか。(料理を)作ってくれた人の他に、やっぱり命に対して『いただきます』って言うようになった。命なんですよね、肉って」と噛みしめるように語った。鹿は89年に25万頭だったが、20年には218万頭まで数を増やしており、その農業被害は年間56億円以上になっている。松山は「鹿は畑だけじゃなくて、山の高山植物も全滅させているって話を聞いたんです。笹とかがないんですよ。10年前はあったんですけど、ないんですよ。どんどん下の草を食べていくと、人がきれいに刈ったみたいになるんですよ。一瞬きれいだなって思うんですけど、どんどん食べていくと土がむき出しになってくるんですよね。そうすると雨で流れちゃうんですよね。川にどんどん入っていったら、土砂崩れの原因になったり。みんなが命をつないでいて、その中に人もいるわけだから、上下なんかないんですよね」と説明。「そういうことに気付かせてもらったので、謙虚さも物凄く大事だなと思うし、鹿との出合いがあったから、知りたいと思ったから、東京から一歩出たんだと思いますし、俳優にも凄く影響を与えているような気がしますね」と明かした。

(クマ目撃、豊平川沿いの遊歩道:北海道)
29日午後3時50分ごろ、札幌市南区石山1の7の豊平川沿いの遊歩道で、クマ1頭が歩いているのを散歩中の60代女性が目撃し、110番した。札幌南署によると、付近にクマのふんがあった。クマは体長約1メートルで、川の上流方向へ歩いていたという。現場は民家から約50メートル。

(公園にサル、出没もつかまらず:青森)
8日午後、サル1頭が弘前市の弘前公園に現れました。市の職員などが捕獲しようとしましたが、サルは園内を逃げ回り、午後3時半ごろに公園の外に出たあと見失ったということです。弘前市はサルを見つけても刺激せずに市へ連絡するよう求めています。木の枝から枝へ、渡り歩く1頭のサル。28日午後2時ごろに弘前公園の中堀で撮影されました。見つけたのは、弘前市みどりの協会の職員、朝田卓(あさだ・まこと)さんです。植物園で作業をしていたとき、中堀の対岸にサルがいることに気付きました。サルは、比較的小柄で、その後、下乗橋周辺などに逃げ市の職員などが捕獲しようとして追いかけますが。逃げ回ったサルは午後3時半ごろに西堀周辺で公園の外へでましたが、その後、姿を見失ったということです。弘前市は、サルを見つけても刺激せずに市へ連絡するよう求めていて、今後、目撃情報が寄せられ次第、捜索するとしています。

(サル目撃相次ぐ、同じサルが移動した可能性:青森)
29日午前、弘前市にサルを目撃したという情報が4件寄せられました。弘前市内で28日、弘前公園で目撃されたサルが移動している可能性があると見られています。こちらは29日午前10時頃、弘前市の桔梗野小学校で撮影された映像です。サルが1頭、ネットの上を移動しています。サルの目撃を受け、小学校は、児童が下校する時は各ルートに職員を配置して見守りをするなどの対応をとったということです。こうしたサルの目撃は、弘前市内で28日から5件にのぼります。その発見場所は、28日の弘前公園から29日午前7時半の弘前消防本部前、そして、午前11時の第四中学校まで徐々に南側へ移っています。このため、28日弘前公園で目撃されたサルが移動している可能性があると見られています。弘前市は、サルを見つけても刺激せずに市へ連絡するよう求めています。

(イノシシなどの獣害対策、自作のイラストなどで紹介:島根)
イノシシなどの獣害対策に積極的に取り組んでいる美郷町で、地元の住民たちが、自作のイラストなどを使って地域の取り組みを紹介する催しが開かれました。美郷町では、捕獲したイノシシの肉を食用として活用するなど、獣害対策を通じた地域おこしに積極的に取り組んでいて、催しには、県内外からおよそ100人が集まりました。会場では、地元の住民たちが自作のイラストや写真を使って、イノシシの被害に悩まされてきた苦労話を紹介する一方で、害獣の肉や皮から加工品を作るなど、町と連携しながら地域の特産として活用することの重要性を強調していました。また、会場では、イノシシの皮を使ったペンケースやポーチのほか、イノシシ肉の加工食品などが販売され、訪れた人たちが買い求めていました。地域の取り組みを紹介した、「なでしこ会」の安田兼子会長は、「地元の住民が、試行錯誤を続けながら獣害対策に取り組んできた歴史を、多くの人に知ってほしい」と話していました。

(獣肉処理施設、10月再スタート:大分)
経営難などで今春から休業していた日田市獣肉処理施設(上津江町川原)が、10月1日から再開する。同業のトラックス(福岡県糸島市、江口政継社長)が新たな指定管理者となって運営。

(冬の味覚・猪鍋解禁:和歌山)
和歌山県の世界遺産・熊野古道にある1棟貸し宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」が、「オール和歌山にこだわった“猪肉しゃぶしゃぶ”プラン」の予約を9月29日(木)に受付開始した。地元で獲れた猪肉を使用した当プランを利用できるのは10月1日(月)から。パワースポットの熊野古道でリトリートしてみては。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、29日午前10時5分ごろ、栗原市栗駒文字東戸井沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、28日午後5時30分ごろ、富谷市富谷高屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前8時10分ごろ、仙台市太白区上野山1丁目にクマが出没しました。

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(またシカの死がい、野犬の群れに襲われたか:北海道)
シカを襲う野犬の群れが問題となっている北海道釧路市で、新たにシカ1頭の死がいが見つかっていたことがわかりました。シカの死がいが見つかったのは、釧路市広里の釧路大規模運動公園です。24日午前5時ごろ、公園を訪れた人がゲートボール場の北側で見つけて、警察に通報しました。回収した釧路市によりますと、死がいはメスの成獣で、尻の辺りに小さな傷があり、野犬に襲われた可能性があるということです。8月以降、釧路市と隣接する釧路町では、野犬に襲われたとみられるシカの死がい発見が相次ぎ、これで7頭目、このうち大規模運動公園では3頭目となります。釧路市は15日までに、大小合わせて5つの箱わなを大規模運動公園内に仕かけていますが、今のところ野犬の捕獲には至っていません。一方、15日に釧路市の男性の私有地の箱わなに入った、首輪のない1匹は、保健所が保護していて、期限の22日までに飼い主が現れなかったことから、今後、新たな飼い主を募ることなどを検討中です。また、25日の早朝には、大規模運動公園から直線距離で西に5キロほどの昭和20号公園で、大きなシカを追い回す犬1匹の目撃情報が寄せられています。釧路市は、野犬を見てもむやみに近づかず、すぐに連絡するよう呼びかけています。

(クマが錦鯉ぺろり、8匹被害:秋田)
22日午前9時40分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字堂の上の民家敷地で、池のニシキゴイがクマに捕食されたと、この家に住む60代男性が市役所を通じて鹿角署へ通報した。署によると、男性が設置した防犯カメラに、同日午前5時50分ごろ、池に入ってニシキゴイを捕食する体長約1メートルのクマが映っていた。

(クマの人身被害、過去10年で最多:東北)
東北で本年度、ツキノワグマが人を襲うケースが相次いでいる。8月までの人身被害40件は過去10年で最も多かった。個体数の増加に伴う生息域拡大が一因とみられ、各県担当者は「クマはこれから冬眠に備えて活動が活発になる。山に入る際は万全の注意をして」と呼びかける。「クマに襲われた」。7月下旬の早朝、仙台市青葉区熊ケ根の無職男性(67)の自宅に50代女性が駆け込んできた。雑木林から出てきたクマに突進されたといい、引っかかれたような傷痕があった。現場は仙台市西部の山間部。男性は「近所でクマの目撃例はあったが、人が襲われたのは初めて。女性は恐怖で顔が真っ青だった」と語る。環境省などによると、本年度の東北の人身被害40件は既に昨年度1年間の32件を超えた。4~8月ベースでは過去10年で最多だった2017年の38件を上回る。県別では岩手(20件)が最も多く、福島(7件)と秋田(6件)が続く。5月下旬には北秋田市で農作業中の男性(78)がクマに襲われて亡くなった。会津若松市で7月下旬、頭から血を流して倒れ、その後死亡が確認された無職女性(89)も傷の形状からクマに襲われたとみられる。クマの個体数増加は顕著だ。宮城県の調査によると、県内のツキノワグマの推定生息数は08年度に633頭だったが、21年度には3629頭と6倍近くになった。他県も同じ傾向にあるとみられる。人口減少に伴う過疎化も影響している。増えたクマの一部は、本来の生息地の山林から果実などの餌が豊富な耕作放棄地に移動し、人と遭遇しやすくなった。狩猟者も減っており、増加に駆除が追い付いていないとの指摘もある。全国的には19年度以降に人身被害が増え、環境省は20年度から関係省庁の担当者を交えた連絡会議を毎年開催。本年度も今月1日に開き、被害防止に向けた取り組みの推進を確認した。近年は都市部や住宅地での出没も相次ぐ。盛岡市では8月中旬以降、市中心部で目撃情報が多く寄せられ、JR盛岡駅近くの旭橋付近でも体長約1メートルのクマが見つかった。今月7日未明には仙台市青葉区のJR陸前落合駅前の街路樹で、クマが捕獲された。森林総合研究所東北支所(盛岡市)の大西尚樹博士は「分布域拡大と個体数増加は防ぎようがない。山際や中山間地に住む人は、クマが近くにいるという前提で被害に遭わない対策を講じる必要がある」と話す。

(忍者ヒグマ「OSO18」、乳牛65頭に牙:北海道)
令和元年7月以降、深夜に乳牛を襲う神出鬼没の「忍者ヒグマ」が北海道東部の酪農家に言い知れぬ恐怖を与えている。仕掛けたわなを歯牙にもかけず「犯行」を重ねるヒグマに付けられたコードネームは「OSO(オソ)18」。専門家は「臆病なはずのクマが人間を恐れなくなっている」と警鐘を鳴らす。今年7月1日。人口の6倍近い約4万頭の乳牛が草をはむ北海道標茶町(しべちゃちょう)にそのヒグマは戻ってきた。連絡を受け現場に駆け付けた町職員は腹を裂かれ内臓を食い散らかされた乳牛を目にして「やっぱりまた来たか」とため息を漏らした。同時に襲われて後日死んだ牛を含め、同月だけで町内で5頭が死んだ。このヒグマが初めて確認されたのは令和元年7月。殺した乳牛を穴に埋めようとしているところを、放牧中の乳牛が足りないことに気付いて周囲を捜索していた酪農家の男性が目撃した。初出現した地名「オソツベツ」と前足の幅18センチから「OSO18」と命名されたものの、その後姿が確認された事例はない。だが現場に残された毛などのDNA型鑑定によると、同一個体による被害は隣接する厚岸町(あっけしちょう)を含め65頭(今月16日時点)。放牧を断念する際の飼料費を含め、被害総額は約4千万円に上る。河原ではなく川の中を歩き、道路を横切らずに橋の下を移動するなどOSO18は痕跡を残さない。音響装置に臆することもなく、わなには見向きもせず横を素通りする。元来夜行性ではあり、猟友会が銃を使用できない夜間に「犯行」に及ぶ。自分の領域を他のクマにアピールするヒグマの習性を無視するかのように襲った獲物を放置して現場を去る。「有効なはずの手立ても全く効かない。見えないクマは撃てないよ」。北海道猟友会標茶支部の後藤勲支部長(79)は唇をかむ。一方で、町には「クマを殺すな」と動物愛護団体から抗議の電話が相次ぐ。後藤さんは「ここに住んでから言ってくれ。今後どんな被害が出るか分かったもんじゃない。命がかかった問題なんだ」と憤りを隠さない。念頭に置くのは大正4年12月、苫前町(とままえちょう)で妊婦や子供を含む開拓民7人が襲われ死亡した三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件だ。OSO18は三毛別事件のヒグマと同サイズの約300キロとされる。標茶町では被害を避けようと夜間は自宅付近の牛舎に収容する酪農家もいるが、そこまでOSO18が来た形跡も既に確認されている。「牛舎で乳牛の悲鳴が聞こえたら、ヤツがいるかもしれないと思え」。後藤さんは人間を襲う危険性を指摘している。人間の出方を見越したかのように動くクマは本州でも増えている。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長(74)は「わなを張っても背伸びして餌だけ取る。道路を渡るそぶりを見せて車を止め、悠々渡るクマもいるし、トラックが走る脇で遊ぶ姿も珍しくない」と話す。米田さんによると、従来山にいたツキノワグマは過疎化に伴い、強いオスに押し出される形で弱いメスや若いオスが住宅地と山の中間に当たる里山に進出した。人間の出すゴミもエサにし、狩猟者の減少もあって増殖を続ける。環境省の集計では令和4年4~7月の出没件数は6127件。秋田、福島両県で2人が襲われて死亡するなど、人身被害は40件発生している。大阪府内でも4年に入ってから6件の出没情報があり、中には茨木市の新名神高速道路出口付近で目撃されたケースもあった。「クマは元来臆病だが、ツキノワグマの中には人に抱きつく個体も報告されている」と米田さん。最もクマと遭遇する事案が多い10月を前に「クマが人間になれて恐怖心を抱かなくなっている。都市の中心部以外ではどこで遭遇するかも分からない。身を守る術を頭に入れておいてほしい」と呼びかける。

(キノコ採りシーズン、冬眠前のクマと遭遇も:山形)
キノコ採りなどで山に入る人が増える時期となり、県は、冬眠を前に活発に動き回るクマと遭遇してけがをする被害が出るおそれがあるとして注意を呼びかけています。県内では、キノコ採りや渓流釣りなどをしている時に、クマと遭遇してけがをする被害が去年までの10年間で24件起きていて、このうち、クマが冬眠を前に餌を求めて活発に動き回る9月から11月にかけての被害がおよそ7割を占めています。県によりますと、ことしは、クマの目撃情報が特に多くなっていて、山林に近づく時は、ラジオやクマよけの鈴など音の出るもので人の存在をクマに知らせる、子グマや子連れのクマに近づかない、万一、クマに遭遇した場合、落ち着いてゆっくりとその場から離れるといった自分の身を守る行動をとるよう呼びかけています。また、クマを人里に近づけないために、餌となる取り残した果物やハチの巣、放置された生ゴミを撤去することや、クマが身を隠すことができる河川敷などの草刈りといった対策も効果的だとしています。県ではホームページに、クマの目撃情報を地図上に示した「クマ目撃マップ」を掲載していて、その周辺に近づかないよう注意を呼びかけています。

(イノシシが出没した際の対応について学ぶ研修会:香川)
県内ではこのところ、市街地にイノシシが出没するケースが目立っています。こうした状況を受けて、市街地にイノシシが出没した際の対応について学ぶ研修会が、綾川町で開かれました。研修会には、イノシシが出没した際に対応に当たる自治体の職員や警察官など、およそ30人が参加しました。はじめに県の担当者が、令和元年の275件をピークに、このところ年間200件を超えるイノシシの出没が確認されていて特に10月と11月に急増する傾向にあり、市街地での出没も目立っているといった状況を説明しました。また、鳥獣被害への対策に詳しい専門家が、市街地に出没した際には人への被害を防ぐためにも、無理に捕獲を試みず、山に帰すことを優先する必要があると指摘しました。このあと、イノシシを捕獲する場合の手順を学ぶ実習も行われ、参加者たちは網と板を使ってイノシシを追い込み、捕獲する方法を教わっていました。講師を務めた「野生鳥獣対策連携センター」の阿部豪さんは「人にけがをさせないことや、被害を拡大させないことがいちばん大事なので、イノシシが出没した際には捕獲を優先するのではなく人を出歩かせないこと、刺激しないということを心がけて対応にあたってほしい」と話していました。

(「わな猟」免許登録者2.6倍1386人に、手軽さが後押し:栃木)
イノシシなどによる農作物被害が深刻化する中、県内の「わな猟」の狩猟免許登録者は2021年度、1386人となり、現在の免許区分となった07年度の約2・6倍に増加したことが25日までに、県のまとめで分かった。3年連続で最多を更新した。厳格な審査や管理が求められる「銃猟」に比べ手軽に始めやすいことが免許取得を後押ししている。有効なイノシシ対策の一つでもあり農作物被害の軽減が期待されている。イノシシやシカなどを捕獲するためのわな猟には「箱わな」や「くくりわな」といった種類がある。年によって増減はあるものの、07年以降は年に100~300人程度が免許を取得。これに伴い、実際に猟をする際に必要となる県への登録も伸びている。

(県内でわな猟登録者増:栃木)
わなを仕掛けてイノシシやシカを捕獲する「わな猟」。農作物被害の自衛策などとして免許を取得する人が増え、駆除の担い手の確保にもなると注目されている。免許の取得後、さらに「銃猟」の免許に挑戦する人もいる。両方の免許を持てば捕獲から殺処分までを一貫して担うことができ、効率的だ。栃木県も取得促進に取り組んでいる。模擬銃を構え、装填や射撃姿勢を確認する受講者たち。「弾が入っていないか、確認を忘れると減点になる」。ベテラン狩猟者の助言に、真剣な表情で聞き入った。県猟友会が7月中旬、大田原市の県那須庁舎で開いた狩猟免許受験者向け講習会。受講者の那珂川町大内、イノシシ肉加工施設勤務の吉村康弘(よしむらやすひろ)さん(35)は、わな猟の免許取得後、銃猟の免許取得を目指した一人だ。仕事柄、鳥獣被害を受ける農家の声を聞くことが多く、「もっと地域の人たちを助けたい」という思いからだった。わな猟の免許のみでは、イノシシなど大型動物がわなにかかったと連絡を受けても、銃で止め刺し(殺処分)することができない。銃猟免許を持つ地元猟師は高齢化で人数が減っており、すぐに対応できないことも少なくなかった。過去には自分で仕留めようとして、けがをした農家もいた。吉村さんは「銃猟の免許を取って、地域で連携して農作物被害を減らしたい」と話す。空いた時間に筆記対策も行い、7月末の免許試験に合格。銃の所持許可を得るため、今月21日に県公安委員会の講習を受けた。狩猟試験では、町内の30代2人も新たにわな猟の免許を取得している。県は初心者向けの技術講習を行い、取得後のサポートにも力を入れている。農作物被害が後を絶たず、狩猟の担い手確保が課題となる中、県自然環境課は「わな猟を入り口に、銃猟に挑戦する人も増やしていきたい」としている。

(東出昌大、“ひとり身生活”は山小屋)
「山での暮らしを始めて、かれこれ半年ですね」と、発売中の『週刊文春CINEMA!』で現在の生活を語った東出昌大。彼が住むといわれている山小屋へ実際に行ってみると「臆測で書かれたくない」と本人が取材に対応してくれた。清らかな水が流れる関東近郊の山あい。9月下旬、斜面に立つ山小屋から1人の男性が現れた。ラフなファッションながら、8頭身のスタイルでスターのオーラが漏れ出ている。「今年の春頃から東出昌大さんをよく見かけるようになりましたね。もともと狩猟をするためにこのあたりにはよく来ていたそうですが、本格的に狩猟をしようと引っ越してきたみたいです。こちらにいるときは、山小屋のオーナーの男性と一緒に活動されていることが多いですよ」(町の住民)発売中の『週刊文春CINEMA!』では、山での生活についてインタビューに答えている東出。《狩猟と出会ったのは、千松信也さんの『ぼくは猟師になった』という本を読んだのがきっかけです》と、狩猟に興味を持ったきっかけを明かしていた。週刊女性記者が訪れる数日前まで、彼は新作映画の撮影を行っていたようで、「ドキュメンタリー作家の森達也氏が初めて手がける劇映画『福田村事件(仮)』に出演するため、1か月近く関西方面で撮影を行っていました。また、年末から来年にかけて主演映画2作品の公開も決まっています」(スポーツ紙記者)。この日は中古の乗用車に乗って1人で現れた東出。しばらくすると、長靴に履き替えて畑のほうへ。どうやら夕食の食材を選んでいるようだ。山菜を収穫し終えると、すぐさま斧を持って庭に移動。慣れた手つきで薪割りを行うと、山小屋に戻っていった。「東出さんが住んでいる小屋にはお風呂がないようで、小屋にいるときは毎日のように近くの温泉に来ています。いろいろな作業をされているようで、いつも手は真っ黒ですね。常連は高齢の方が多いので、俳優の東出さんだと気づいている方は少ないと思います。芸能人とは思えないほど気さくで、すっかりこの町に溶け込んでいますよ」(温泉施設の常連客)。夜になると荷物を持った東出が小屋から出てきた。車を走らせて到着したのは、やはり近所の温泉施設。現在の生活について話を聞くため、車から出てきたところを直撃すると─。「臆測で事実と違うことを書かれるのはイヤなので、きちんと自分からお話ししたい」と翌日、週刊女性記者を改めて山小屋に招いてくれた。─ここで生活しようと思った理由は?「去年、狩猟の下見でこのあたりに来たときに車がパンクしてしまって。そのときにたまたま通りかかって助けてくれた方に事情を話したところ、空いていたこの場所を貸していただけることになったんです。ありがたいことにタダで貸してもらっています」。─かなり古い小屋のように見えますが、住みにくい部分も多いのでは? 「ここは携帯電話の電波もつながりません。トイレも汲み取り式ですし、電気は通っていますが、ガスと水道も通っていませんからね。布団もないので寝るときは寝袋を使うなど、確かに不便な部分もあります。ただ、役者でいるときは常に緊張の連続なので、ロケ弁も味がしないくらい追い込まれている状態のことも多い。でもここに来ると、食べ物もひとつひとつ美味しさを感じながら食べることができるので、僕にとってはここでの生活のほうが居心地がいいんです」。─主に狩猟で生活されているんですよね?「僕がやっているのは“単独忍び”という1人で狩りをするスタイル。仕留めた獣は自らさばき、余った部分は食肉加工工場へ持っていって、ソーセージにしています。あとは近くで採れた山菜や、近所の方にいただいた野菜などを食べて生活しているので、食費も0円に近いですね」。現在住む山小屋の隣に目を向けると、建設中と思われる小屋が。「将来的にはそっちの小屋に住もうと思って、1人で作っているところなんです」と、笑顔で答えてくれた。地域の猟友会メンバーや近隣住民からは“でっくん”と呼ばれているそうで、地元の人たちにも好意的に迎えられているようだ。山小屋でのインタビューが終わると、近所を案内したいと、記者を自身の車に乗せてくれた。車内は獣の血のようなものや泥などが飛び散っており、すっかり“山男”になっていた。「狩猟できる期間は毎年10月15日から翌年4月15日までと決まっているのですが、東出さんは有害鳥獣駆除の免許を持っているため、1年中狩りをすることが可能です。狩猟はチームを組んでやるパターンもありますが、東出さんのように単独忍びをしている人も多いですね。1人でやる場合は、狩猟の経験値よりもその山をどれだけ知っているかが大事です。効率の悪い単独での狩猟で生活できているというのは、かなり腕がいい証拠だと思います」(狩猟免許を持つ男性)。東出が所属する猟友会メンバーの1人も、彼の腕前を絶賛する。「本来なら現地に住所がないと猟友会には加入できないんだけど、彼の腕のよさを買った支部長の推薦で、特別に加入できたと聞いていますよ」。狩りの姿を追ったドキュメンタリー番組も音楽専門チャンネル『スペースシャワーTV』で放送が決定するなど、新たな仕事も決まりつつある東出。不倫報道や離婚、事務所解雇などを経て、文字どおり1人になった彼がたどり着いた“0円生活”。この山小屋から復活の狼煙が上がることを期待したい。

(シカを運びイノシシをさばく警備会社:千葉)
ヘルシーで栄養豊富な食材として近年注目を集めるジビエ(野生鳥獣肉)事業に、警備保障会社大手「ALSOK」グループが参入している。オフィスや住宅の防犯対策を専門とする企業が、農山村で捕獲されたシカやイノシシを食用に加工し、販売しているという。畑違いとも思えるビジネスを手掛ける理由は何なのか。9月6日午前7時過ぎ、千葉県茂原市の食肉加工場「ジビエ工房茂原」の電話が鳴った。「イノシシがわなにかかった」。社員2人が保冷トラックに乗り込み、片道約1時間半かけて同県富津市の山中へ。餌につられて箱形のわなに閉じ込められたイノシシを、持参したおりに手際よく移し替えた。この日移送したのはイノシシ7頭。工房へ戻ると、食用に適していると判断した4頭から枝肉計約20キロを切り取った。冷凍庫で保管し、飲食店などの注文に応じて発送するという。工房はALSOKの100%子会社「ALSOK千葉」が運営。富津市のほかに茂原市や千葉市など県内4市3町で狩猟免許を持つ捕獲従事者約400人と契約を結んでいる。毎日のように各地を訪れて獲物を譲り受け、食肉加工し、飲食店や食肉卸へ販売する。2021年度の処理数はイノシシとシカを合わせて996頭。22年度は前年度を1・5倍ほど上回るペースだ。

(魅力発見!えひめ狩猟フェスティバル2022:愛媛)
近年の野生鳥獣問題は深刻化しており、生態系や農林水産業、市街地への出没など多岐にわたります。しかし、その問題解決に重要な捕獲の担い手(狩猟者)は、高齢者が約65%を占めており、将来的に狩猟者が減少してしまうことが予見されています。そこで、愛媛県では今年度新たに、狩猟の魅力を発信することによる新規狩猟免許取得者の確保と野生鳥獣問題の普及啓発を目的にイベントを開催します。狩猟や野生鳥獣問題について知りたい方、狩猟免許を取るか悩んでいる方はぜひお越しください。入場無料です。

(行方不明者捜索で連携協定:岡山)
山間部に詳しい猟友会メンバーの知識や技術を行方不明者の捜索などに活用してもらおうと、岡山西署は21日、管内にある県猟友会岡山地区の2分会(岡山西、岡山北)と連携協定を結んだ。県警によると、同種の協定締結は県内で初めて。協定では主な活動として、2分会のメンバー(計約160人)が行方不明になった子どもや高齢者らを山中などで発見した場合、警察や保護者に通報・連絡することを明記。さらに、事故や災害の発生を覚知した際も協力するとした。この日、同署で協定の締結式があり、荻野英俊署長、西分会長の近藤義彦さん(69)、北分会長代理の栗原真一さん(71)がそれぞれ協定書に署名。近藤さん、栗原さんは「メンバーは山林の地形や道を熟知しており、人が迷い込みやすいポイントもよく分かっている。培った能力を地域のために生かしたい」と話した。県警によると、1~8月に県内で行方不明の届け出があったのは912人(前年同期比58人増)。中には、山間部で不明となった人もいるという。

(「ツキノワグマ」出没への対応訓練:新潟)
9月~11月にかけて、特に注意が必要となるクマの出没。2022年のブナの実などの豊凶状況について、新潟県は県内全域で「並作」と発表しているが、地域によってばらつきがあることや、冬眠前にクマが人里に出没する可能性はある。そこで9月7日、長岡市でクマが出没した際の対応を確認する訓練が行われた。長岡市栃尾地区で行われた訓練には、市の職員や地元の猟友会など11人が参加した。9月に入り、特に注意が必要となるツキノワグマによる被害。関川村では2020年10月、ツキノワグマに襲われた70代女性が死亡したほか、2019年10月には魚沼市の住宅街にクマが出没し、4人が襲われた。新潟県 鳥獣被害対策支援センター 葉葺久尚 副所長:最近のクマの出没状況を見ると、市街地での目撃情報もある。いつ市街地での被害が起きてもおかしくない状況。そこで、この日の訓練では…職員は車を停めてバリケードを作ったり、盾を持ち、警戒しながら扉を閉めたりするなど、関係機関が協力してクマを閉じ込める。そして、麻酔を投与し、クマを動かなくさせるまでの手順を確認した。新潟県 鳥獣被害対策支援センター 葉葺久尚 副所長:常日頃から連絡を密にして、何かあったらみんな一緒になって住民の命・安全を守ってほしい。新潟県は、入山時には鈴など音の鳴るものを携行し、複数人で行動することや、クマの活動が活発な早朝や夕方の入山は避けることなど、注意を呼びかけている。

(“ハンター御用達”鉄砲師が語る、ヒグマの頭を絶対に狙ってはいけない理由:伊藤 秀倫)
北海道のある町に知る人ぞ知る「看板のない鉄砲師」がいる。私は羆(ヒグマ)とハンターの攻防をテーマに取材していながら、「銃」や「射撃」については門外漢だ。だが「銃」のことを知らなければ、勝負の機微に触れることはできない――そんなことを考えていたときに、ひょんなことから羆ハンター御用達の鉄砲職人である山崎和仁(仮名)の存在を知った。山崎の店は“一見さんお断り”で、顧客は腕利きのハンターばかり。既製品の銃は扱わず、顧客のニーズを完璧に満たすオンリーワンな銃をオーダーメイドで製作しているという。何となく無口な職人のような人をイメージしていたが、実際に会った山崎は70歳とは思えないほど若々しく、その明晰な語り口が印象的だ。本業は別にあり、鉄砲製作は「あくまで趣味です」と笑うが、北海道公安委員会が指定する射撃指導員の資格を持つ射撃のスペシャリストでもある。もともとメカ好きだった山崎が銃の世界にのめりこんだのは、会社員としてアメリカに駐在していたときに、射撃場で本物の銃に触れたのがきっかけだった。「銃というのは、自動銃の場合、弾を込めて発射するまで8工程あります。つまり(1)装填(2)引き金を引く(3)逆弧が外れる(4)撃針が前進する(5)雷管が作動する(6)火炎が薬室に至り、火薬の燃焼が起こる(7)その反動または燃焼ガスの圧力を利用して、閉鎖装置を解放する(8)ボルトあるいは遊底が後退し排莢をする――それをわずか1000分の1秒の間にやってしまう。しかもバッテリーもモーターも使わない。そのシンプルさが面白いな、と感じました」。NYに転勤後、通うようになったサフォークの射撃場では、こんな出会いがあった。「その射撃場で会ったリタイアしたおじいさんがね、こんなにちっちゃい自作らしい弾薬で撃っているんですけど、それがめちゃくちゃ当たるのね。100mの距離で5発撃って、それが全部的の真ん中に命中するんです。それを見てスゲエなあ、と。そこから弾薬にも興味が出てきて自分なりに研究するようになったんです」退職して日本に帰国した後も研究を続ける中で、米国駐在時代の業務で武器類を扱っていたノウハウを活かして、銃の輸入を手掛けるようになる。「日本でライフル協会に入ってみると、みんなずいぶん高い鉄砲を買わされているな、と(笑)。『それ、アメリカで買ったらその3分の1の値段だぞ』と言ったら、『じゃあ、取り寄せてくれよ』というところから始まって、そのうちに部品を輸入して、自分で旋盤回して銃を作るようになりました」。いつしかその評判を聞きつけたハンターからオーダーメイドの銃製作を依頼されるようになり、今では年間10挺ほどを手掛けている。その山崎は、銃について意外なことを言った。「これは誤解している人も多いのですが、ハンターが使う銃の性能というのは、銃本体で決まるわけじゃない。使う弾薬、より正確にいうと薬莢のデザインで決まるんです」。「銃弾」は、大まかにいって2つのパーツから成る。実際に目標物に向かって飛んでいく「弾頭(弾丸)」部分と、その弾丸を打ち出すための火薬や着火用の雷管などを詰めた容器、すなわち「薬莢」部分だ。この薬莢の形状や大きさが重要だ、というわけだ。「例えば、同じ車でもステーションワゴンとピックアップトラップでは、エンジンのデザインが違う。それは“用途”が違うからですよね。前者が主にヒトを運ぶとしたら、後者は主にモノを運ぶのに適したエンジンにデザインされている。銃についても同じです。用途によって薬莢のデザインが変わる」銃も車も密閉された容器の中で燃料を燃焼させ、その熱エネルギーを運動エネルギーに変換するというメカニズムは同じだ。「銃において、車のエンジンつまり『燃焼室』に当たるのが、薬莢なんです。薬莢の形状や容積、さらに燃やす火薬の性質によって銃の性能は変わる。どういう薬莢を選ぶかは用途、つまりどんな獲物を狙うかによるわけです」。例えば狙う獲物がシカであれば軽い弾を高速で飛ばしてより早く獲物に到達させた方がいい。だがヒグマを狙うのであれば、殺傷力の高い重たい弾をじっくり時間をかけて飛ばした方がいい。狙う獲物が決まれば、弾薬も自ずと決まってくるのである。ところが多くのハンターは、そういう風には弾薬を選んでいないという。「今の日本の銃刀法制度では、散弾銃を10年保有して初めて、ライフルを持つ資格を得られることになっています。だからハンターは10年経ったら勇んでライフルを買いにいくわけですが、どこでどんな獲物を狙うのかまではイメージできていない。だから弾薬に関しても、恐らく売り手に薦められるままに『308(ウィンチェスター)』を選ぶケースが多い。売り手も買い手も獲物に関しては漠然としかイメージできないまま、商品の特性というよりはブランドの銘柄で売ったり、買ったりしているわけです。僕なんかは無駄な買い物をさせたくないので、獲物のイメージが固まっていない相手に銃を売るのは躊躇しますがね……。で、308がどういう薬莢かというと、いわば“NATO弾の亜種”で大量に生産されていて、ソコソコ当たる。だから500メートルぐらいまでの距離でシカとかを狙う分にはいいけど、相手がヒグマならどうか。僕に言わせれば、『そりゃ撃たない方がいいよ』というのが結論です」。ではヒグマを撃つには、どのような薬莢を使うべきなのか。「単純に比較しているわけではありませんが……」と断りながら、山崎が挙げたのは308と同じ30口径用のライフル弾として1906年にアメリカ陸軍が開発した「30-06(スプリングフィールド)」だ。この二つは単純なエネルギー量などの数値や性能はほぼ同等だが、薬莢の容積は30-06の方がやや大きい。「30-06は命中精度もあまりよくなく、そのまま使う分には面白くも何ともない弾ですが、潜在的には308より高い性能を出せる余白がある。つまり、容積が大きい分、火薬を多く詰められるわけです。ちょっとした改造で性能がアップし、まるで別物になるところが面白い。とはいえヒグマならこの薬莢、と言っているわけではなく、ヒグマを撃つためには、どうすればいいかを考えたときに、こういう方法も選択肢としてありうる、と」。ヒグマが相手の場合、1発目で致命傷を与えられるか否かがハンターの命運を分ける。例えば昨年11月、夕張市で猟に出かけたハンターの遺体が発見されたが、遺体にはクマによるものと見られるひっかき傷や咬傷があり、近くには猟銃とともにクマの血痕があった。このハンターはヒグマに発砲し傷を負わせたものの、仕留めるには至らず、逆に反撃を受けた可能性が高い。オスの成獣であれば体重200キロ以上、ときに400キロに達することもある巨大な体躯でありながら、ヒグマの急所はピンポイントだ。「撃つのであれば、前脚の付け根、つまり心臓か、ネック(首)ですね。頭は絶対に撃ってはいけません。見たらわかりますが、クマの頭部の骨って犬の頭と同じくらいしかなくて、正面から見える部分は、ほとんどが毛と肉だけ。形状も正面から見ると幅も狭く一番幅のあるところは眼孔部分です。鼻先から頭頂に向かって傾斜が少なく被弾しにくい。頭を撃つとすれば、側面、特に耳の後ろ以外にはない。だからそれ以外の場所は、30口径の弾で頭を狙っても、まず入っていかない。固い頭骨にはじかれるか、外側の肉を削ぐだけで致命傷にはならず、下手に撃った人は確実に殺されてしまうと思います」。私は元国鉄の運転士だった芦別のハンター、岡田崇祚に聞いたこんな話を思い出した。「オレの後輩が運転していた汽車がヒグマを轢いたことがあるんだ。死体を取り除いて再び発車したところ、ブレーキからギィーギィー異音がする。再び止めて調べてみると、ブレーキの鉄と鉄の部品の間に血まみれのクマのアバラ骨が挟まってた。それぐらいヒグマの骨っていうのは固いものなんだ」。山崎自身は過去に4回、ヒグマと遭遇したという。「ほとんど20、30mの距離でしたが、クマを狙ってたんじゃなくて、偶発的に出くわしたケースばかりです。でも撃ったことなくて、いつも“にらめっこ”ですね。丸腰だったり、クマをやるために十分な威力の銃じゃなかったりと理由はいろいろありますが、何といっても中途半端に撃つのはリスクが大きすぎるから。クマの方も出会い頭ですから、できれば避けたい。お互いに引くチャンスを探っているようなところがありました」。4回の遭遇の中で最も危険を感じたのは、6年前の11月、美唄岳の麓での出来事だ。薄暗い林の中を1人で歩いていた山崎は、そこだけ切り通しになっている場所に出た。ふと見ると幅15m、深さ10mぐらいの川の向うに大きなエゾジカのオスがいる。すかさずこれを撃つと、シカはコテっとひっくり返った。「ただ間もなく日没というタイミングで、かなり大きな個体だったこともあり、その日は解体せずそのまま帰ったんです」。

(“ハンター御用達”職人が最も危険を感じた瞬間:伊藤 秀倫)
北海道のある町に知る人ぞ知る「看板のない鉄砲師」がいる。私は羆(ヒグマ)とハンターの攻防をテーマに取材していながら、「銃」や「射撃」については門外漢だ。だが「銃」のことを知らなければ、勝負の機微に触れることはできない――そんなことを考えていたときに、ひょんなことから羆ハンター御用達の鉄砲職人である山崎和仁(仮名)の存在を知った。山崎の店は“一見さんお断り”で、顧客は腕利きのハンターばかり。既製品の銃は扱わず、顧客のニーズを完璧に満たすオンリーワンな銃をオーダーメイドで製作しているという。何となく無口な職人のような人をイメージしていたが、実際に会った山崎は70歳とは思えないほど若々しく、その明晰な語り口が印象的だ。本業は別にあり、鉄砲製作は「あくまで趣味です」と笑うが、北海道公安委員会が指定する射撃指導員の資格を持つ射撃のスペシャリストでもある。山崎自身が過去に4回ヒグマと遭遇したうち、最も危険を感じたのは6年前の11月、美唄岳の麓でのことだった。薄暗い林の中を1人で歩いていた山崎は、そこだけ切り通しになっている場所に出た。ふと見ると幅15m、深さ10mぐらいの川の向うに大きなエゾジカのオスがいる。すかさずこれを撃つと、シカはコテっとひっくり返った。「ただ間もなく日没というタイミングで、かなり大きな個体だったこともあり、その日は解体せずそのまま帰ったんです」。翌日、再び現場を訪れると辺りには異様な雰囲気が漂っていた。通常であれば1日経てば、シカの死骸にはカラスやキツネが群がり、あらかた食いつくされてしまっているものだが、荒らされた様子はほとんどない。見るとカラスは木の上に群がっているのだが、不思議なことに、ほとんど声も上げずに押し黙っている。「ヘンだなぁ」と思いながら車を止めてドアを開けた途端、山崎の視界の端を「何か黒いもの」が過ぎった。その正体を確認する間もなく、川の向こう側に大きなクマがダダッと駆け降りてきて、「グワァ」と一声吠えた。「それはもう凄い形相です。あんな声で威嚇されたことは後にも先にもない」。よく見ると、傍らに中型犬ぐらいの子熊がいた。最初に視界を過ぎったのは、この子熊だろう。母熊は、親子で食べるために確保したシカの死骸を山崎に獲られまいと必死になっていたのだ。「鉄砲は持ってたけど、親子熊だし、無理に撃つことないなと思って。しばらくその場を離れて戻ってきてまだ居座ってたら、撃とうかな、と時間をつぶすことにしました」。30分ほど経って、再び山崎が現場に戻ってくると、親子熊の姿は既になく、シカの死骸もカラスの群れも跡形もなく消えていた。「人目のつかないところへ母熊が担いでいったんでしょう。重量的には、オスジカの死骸は、自分(母熊)の体重とほぼ同じくらいだったはずです」。ヒグマの膂力(りょりょく)の強さを改めて思い知らされる出来事である。山崎のもとには、日本全国から腕に覚えのあるハンターが集まってくる。そこであえて訊いてみた。ヒグマを「撃てるハンター」と「撃てないハンター」では何が違うのか――。「それはもうハッキリしてます」と山崎は即答した。「山を知ってる、クマを知ってる、(山を)歩ける。この三拍子がそろってないと、いくら射撃技術が高くてもヒグマはやれない。『ヒグマを撃ったことがある』という人でも、そのほとんどは、エゾジカなんかを追っているときに、たまたま出くわして、撃ったら獲れちゃったという偶発的なケースです。そうではなく、山に残されたクマの痕跡を見て、その行動を分析・予測して、追いかけて先回りして仕留める、いわゆる『忍び猟』が出来るハンターは、日本でもそう多くはいない。私が直接知っているのは、そのうち10人ほどです」。その中でも「あいつはちょっと別格」と評するのが、標津町のハンター、赤石正男である。赤石はこれまで120頭以上のヒグマを仕留めた“現役最強”とも噂されるヒグマハンターで、私も何度か取材したことがある。そのことを知っている山崎はこう尋ねてきた。「伊藤さん、赤石に会ってどう思った?」。どこまでも淡々と――それが私の赤石に対する印象だ。例えば「これまで獲ったクマで一番手強かったのは?」という気負った質問には、「そんなのいねぇな。どれっちゅうことないんだ。いつでも獲るから」という一言で返される。呆気にとられつつも、ハッタリをかましているわけではなく、それが本心から出た言葉であることは、すぐわかった。「ハハハ、そうですか。あいつは合理主義者なんですよ」と山崎も頷く。「相手がクマだからシカだからといって、目の色を変えて撃つということがない。極めて淡々と撃つべきときに撃つ。傍から見ているとすごく簡単に獲っているように見えるんだけど、その裏には相当緻密な計算がある。それは天性のもので、僕の目から見ると、アカは生まれながらのハンターなんです。後にも先にもあんなヤツは見たことない」。あるとき、山崎は赤石と猟に出掛けた。すると、2人から30~40m離れた藪の中から、シカの鳴き声が聞こえてきた。だが山崎の目には、その姿までは確認できない。すると赤石が「ほら、そこにいる。眼見えるべや。枝の間に眼がふたつ」。山崎が苦笑する。「そんなこと言われても、『えーっ!?』だよね。オレには全然見えない。だから『アカ、見えるなら撃てよ』と言ったら、『身体がどっち向きかわからないから、動くまで待つ』と言うんだ」。じっと待つこと40分。ついにシカがしびれを切らしたように走り出した。山崎の眼には「200mぐらい先を走るシカの角の先がチラっと一瞬見えただけ」だった。だが――。「あいつは、それを撃ったんですよ。直後にザーッと重いものが草の上を滑って笹薮の中に落ちていく音がした。『どこ撃った?』って訊いたら『クビ』っていうんですよ。全力疾走しているシカですよ。『本当かよ?』とこっちはまだ半信半疑でした」。藪の中を確認すると、まさにクビを一発で射貫かれたオスのエゾジカが絶命していたのである。「僕には角の先が一瞬見えただけでしたが、赤石のイメージの中では、シカがどうやって笹薮を全力疾走で下っていくのか、その明確な映像(ストーリー)が見えているとしか思えない。実際に目には見えていなくとも、その自分のイメージの中のシカを絶妙なタイミングで撃てば、実際にシカが倒れている。こんなことできるの、他にいませんよ。なんせ冬眠しているヒグマを叩き起こして獲るヤツだからね(笑)。あいつの場合、山に残されたヒグマの足跡を見ただけで、『ああ、あのクマだな。だいたい何日後にあそこ通るな』ってわかる。一見ボーッとしているように見えますが、そのノウハウたるや凄まじいものがあります」。銃と射撃のスペシャリストだからこそわかる、稀代のハンターの真骨頂といえるだろう。「最近じゃ、ヒグマの生態もだいぶかわってきました」。地元猟友会に所属し、近隣にヒグマの目撃情報があると出動して対応する立場にある山崎は、近年のヒグマについて「ある変化」を指摘する。「最近はね、子熊を3頭連れた母熊がやけに多いんですよ。昔はこんなにいなかった」。ヒグマはおおむね6、7月ごろに交尾するが、すぐに妊娠するわけではない。受精卵はすぐに子宮に着床せず、卵管内にしばらくとどまり、秋の栄養状態がよければ着床し妊娠するが、栄養状態が悪ければ流産する。「着床遅延」と言われる繁殖法である。「母熊が産む頭数も栄養状態と関係していると思われます。現に、5年ほど前にドングリが空前の大豊作だった翌年は、みんな3頭連れの母熊ばかりでした。それが最近じゃ、毎年のように3頭連れを見かけるようになった。それだけ栄養状態がいいわけです」。なぜか。恐らくヒグマの生息域が人間の生活圏と接近し、農作物や牧草、あるいは家畜用のデントコーンなど、人間が作る栄養価の高いものを日常的に口にするようになった影響ではないか、という。「多頭出産してもその後の栄養状態が悪ければ、子熊の数は減ってしまうのですが、栄養状態がよければ全頭生き残る可能性が高くなる。また、親離れの仕方も変わってきて、これまではオスは産まれた場所から離れるのが普通でしたが、最近は、母熊の近くから離れない。しかもその生息域は人間の生活域のすぐ近くです。子熊は母熊からいろんなことを教わるわけですが、その中に『人間は怖いもの』という教えは含まれていないのではないか。むしろ『人間の近くで暮らしていれば何かと便利だ。人間は怖くない』と教えている世代だと思う。だからものすごく警戒心が薄い。本当にその辺の藪の中に入っただけで、ヒグマの痕跡だらけですから。そんなことを知らない人たちが山菜採りに、その藪の中に平気で入っていく。事故が起こらないほうが不思議な状況なんです。にもかかわらず行政の方は銃をめぐる規制を強める方向にあり、ハンターの人材不足は深刻そのものです」。全国のハンターが一目おく「北の鉄砲師」が放つ言葉は重く響く。では、こうした状況を前に「羆撃ち」たちは何を思い、どう対抗しようとしているのか。私は山崎の紹介で、ある「羆撃ち」の門を叩いた。

(咲き誇るヒガンバナ、発端はイノシシ対策:広島)
広島県三次市中心部の河川敷や同市吉舎町の群生地でヒガンバナが見頃を迎え、写真愛好家や家族連れを楽しませている。地元住民がこまめに管理やもてなしの工夫を重ね、秋の名所となっている。

(絶滅危機のイヌワシ守れ、浅間山で復活プロジェクト:長野)
絶滅危惧種のニホンイヌワシが近年、全国的に一層存亡の危機に直面している。1970年代に2つがいいた国指定「浅間鳥獣保護区」(長野・群馬県)周辺でも、2020年には雄1羽のみに減少。最大の要因と考えられる餌不足の解消のため、環境省は今年8月、「浅間山イヌワシ復活プロジェクト」を発表。林野庁の協力を得て、上空から獲物を狙いやすいよう森林を伐採するなど、採餌環境改善などに取り組む。イヌワシはつがいでなわばりを持ち、「日本イヌワシ研究会」によると、1981~2015年に全国で341つがいを確認した。雌雄どちらかが死ぬと、なわばりの外から来た個体とつがいが維持されるが、同じ期間中に3割の107つがいが消えた。現在はさらに減っていると考えられる。同保護区も含む「上信越山地」(長野・新潟・群馬県)では、1985年ごろに9つがいが確認されたが、現在は2つがいと単独の雄2羽だけだ。イヌワシはノウサギなどの小動物を上空から見定めて捕食するが、近年増えた密な人工林には獲物が寄りつきにくい。いても見えず、見えても舞い降りる空間が少ないなど、採餌環境が悪化している。餌不足は、年1回ヒナを巣立たせる繁殖に影響していると考えられる。1980年代の成功率は全国でおよそ30~50%だったが、90年代からは10~20%台に落ち、低下傾向が続く。浅間鳥獣保護区では1977~2013年に11回繁殖したが、それ以降は無い。そこでプロジェクトは、1つがいの定着と、繁殖成功率を40%以上にすることを目標に据えた。林野庁東信森林管理局(佐久市)などによると、同保護区はカラマツの人工林を主体に大半が国有林。イヌワシが狩りできる可能性がある植栽後20年未満の森林は2000年ごろは1624ヘクタールだったが、現在は9割以上減の132ヘクタールにとどまる。特に良好な採餌環境とされる10年未満の森林は、20ヘクタールのみという。採餌空間を作る伐採は、一定の幅で筋状に数列間伐する方法や、一定面積の皆伐が考えられる。プロジェクトに協力する「長野イヌワシ研究会」事務局長の水上(みずかみ)貴博さん(47)は「ノウサギのような重い獲物をヒナに運びやすくするため、巣より標高が高く、しかも近い所が効果的だ」と指摘する。筋状に切るなら斜面に対して縦に空間を作るより、横に作ることを提案する。イヌワシは山の等高線に沿うように水平に飛ぶことが多いので、獲物を見つけやすいからだ。既存の林道の両脇の木を少し切るだけでも、採餌空間が広がるという。東信管理署の東川俊彦・森林技術指導官によると、伐採箇所や伐採量は、樹齢や成長具合を優先して決め、イヌワシにも好都合になるよう、できることがあれば配慮するという。環境省信越自然環境事務所(長野市)の有山義昭・野生生物企画官は「将来は民有林にも対策を広げたい」と話す。一方、保護策は林業や砂防工事などと両立を巡ってあつれきを生みやすい。有山企画官は「行政として、保護と経済活動などとの調整が肝心だ。公共事業では既に、繁殖期を外して工事するよう要請しているケースもある」と話す。イヌワシの保護に向けては、各地で取り組みが進められている。飼育下での繁殖環境を整備しようと、長野県須坂市の市動物園はふるさと納税を利用した「クラウドファンディング(CF)」に挑んでいる。市動物園では2014年に秋田市大森山動物園から雄の風輝を、16年に多摩動物公園(東京)から雌の小楢を迎え入れ、繁殖に取り組んでいる。ふ化には至っていないものの19年から連続で卵が産まれ、ひな誕生の期待が高まる。現在は50平方メートルの獣舎をほかの鳥と3分割して飼育しているが、次世代が誕生すれば手狭になる。飼育員らが手作りのふれあいイベントやSNSで動物の魅力を伝えるなど工夫してきたが、「健康で快適に暮らせる環境整備は手作りでは限度がある」としてCFを始めた。3000万円を目標とし、23年度中に新たな獣舎の完成を目指す。寄付はふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」内の専用ページから。期間は11月30日まで。野生の先行事例では、1つがいが生息する群馬県みなかみ町北部を中心とした国有林で、地元協議会と関東森林管理局、日本自然保護協会が「赤谷(あかや)プロジェクト」を進めている。採餌場所を作るため15年にスギの人工林2ヘクタールを皆伐し、18~20年にも計2・6ヘクタールを皆伐すると、16年に7年ぶりに1羽、17年と20年にも1羽ずつ巣立った。だが、森林経営の都合で最近2年は伐採地が増えていない。日本自然保護協会の出島誠一・生物多様性保全部長(47)は「浅間もそうだが、イヌワシの生息地のほぼ全てが国有林なので、林野庁の積極的な取り組みが必要」と話す。ただ、イヌワシのためだけに伐採を求めても実現は容易でなく、「社会全体で国産木材の需要を高めることも大切。それがイヌワシ保全につながる」と指摘する。

(女性ハンターが講習会:大分)
狩猟免許を持つ県内の女性ハンターでつくる「大分レディースハンタークラブ」によるジビエ(野生鳥獣の肉)料理の講習会が別府大(別府市北石垣)で開かれ、会員と学生が交流した。参加した学生らは料理だけではなく、狩猟の意義や魅力も教わっていた。クラブは2016年に発足し、36人の会員がいる。狩猟技術や皮なめし、解体などの講習会、ジビエ料理教室などを開いている。一方、別府大では19年に「ジビエ料理研究会・狩猟サークル」が発足し、これまでに学生約70人が狩猟免許を取得してジビエの活用方法を探っている。

(ヤギが救世主?放牧したらサル被害ゼロに:長野)
意外な鳥獣対策が有効だと、話題になっている。長野県の集落でヤギの放し飼いを始めたところ、サルによる農業被害がなくなったというのだ。住民にはそれ以外にも「効果」があるようで、集落ぐるみでヤギをかわいがっている。長野県の山あいの小さな集落・小谷村伊折。春から秋にかけて、集落の斜面などである動物が放し飼いにされている。斜面を下りてきたのはヤギ。住民でつくる「伊折農業生産組合」が5年前から飼っているという。その目的は…伊折農業生産組合・青木剛司 副組合長:小谷の中でサルが増え始めて「畑の野菜が全滅した」とか被害を聞くようになって、対策をということで入れたのがヤギ。2016年に長野市で撮影された映像を見せてもらうと、そこには収穫前のリンゴをもぎとるサルが映っている。山間部では野菜を荒らされたり果樹を食べられたりと、サルによる農業被害が後を絶たない。その被害金額は県内で毎年1億円前後に上り、農家を悩ませている。伊折集落でも、10年ほど前からサルの群れが現れるようになり、3段の電気柵を設置するなどの対策をしてきた。しかし…伊折農業生産組合・青木剛司 副組合長:(電気柵を)7段張らないとサルは防げないと…。3段の電気柵では効果が無く、費用をかけずにサル被害を防ぐ方法を探していたところ、ヤギを飼うと寄り付かなくなると聞き、5年前に飼い始めた。サル対策と言えば…「犬猿の仲」を生かし、「モンキードッグ」による追い払いが大町や飯田で行われている。しかし伊折集落で導入されたのは、一見おとなしいヤギ。サルを追い払うことができるのだろうか?伊折農業生産組合・青木剛司 副組合長:人懐っこい好奇心旺盛な性格で、何か寄ってくると見つめてにらんだりする。その辺が野生動物にとっては嫌な存在なのかなと。ヤギによるサル被害対策に取り組む滋賀県農業技術振興センターによると、ヤギは好奇心が強く興味を持ったものを見つめ、さらに近寄る習性があり、これがサルの追い払いに有効だという。青木さんは、2021年10月、実際にその場面を目撃したという。伊折農業生産組合・青木剛司 副組合長:サルが木に登っていたりして、ヤギは草食うのをやめてサルの方をハッと見るような。サルは見られると嫌なのか、ワーワー騒いでどこかへ行っちゃいました。予想以上に効果がありまして、ヤギを放牧している間は、獣は下りてこない。ヤギを飼う場所も重要だ。野生動物が集落のそばまでやってくるのは、耕作放棄地などが増え、身を隠せる茂みがあるからと言われている。そこでヤギを山林と畑の間の斜面や耕作放棄地で放し飼いにしたところ、ヤギが雑草を食べ、山林と畑の間に見通しの良い「緩衝帯」ができた。これでサルが近寄りにくくなり、集落ではサルによる被害はなくなり、イノシシやクマの被害も減っているということだ。さらにほかにも、うれしい効果があったという。ヤギを見に、近くの園児たちが集落に寄るようになったと、目を細める坂井さん。ヤギは住民たちの心を和ませる存在にもなっている。ヤギの導入を最初に唱えた青木さん。伊折での「成功」は、住民が組合員となって農業をしたり、都会の人を招く交流拠点をつくったりと、以前から集落のまとまりがよく、新たな挑戦にも理解があったからだと話す。伊折農業生産組合・青木剛司 副組合長:周りの人の理解があってやっとここまで来られた。集落で飼っているヤギですけど、みんなで対策していく。これからはそういう体制が必要。のんびり草をはむヤギたち。山あいの集落のいわば「救世主」となっている。

(知床の国道で遭遇したヒグマ:細川治子)
この夏、生まれて初めて野生のクマに出合った。北海道の世界自然遺産・知床をドライブした時のことだ。国道で車が次々と止まっていた。人々の視線の先には、ヒグマの親子3匹がいた。森から出てきて道端の草をはんだり、道を悠然と横断したりする姿を少し離れた車内からカメラに収めた。「あえるなんてラッキー」と喜んだものの、相手は野生動物だ。山の中でなく、観光客が行き交う路上で遭遇するのはどうなんだろう、と疑問もわいた。地元で環境保全活動をする知床財団がヒグマの目撃情報を集めていると知って、状況を報告しに行った。「車を止めて写真を撮ったのはまずかったですか?」と職員に聞くと、「離れていたら大丈夫です」と答え、接近禁止を呼びかけるシールをくれた。財団に寄せられた目撃情報は今年だけで1200件を超える。中には、ヒグマが車のボンネットに上がろうとしたり、人につきまとったりして危険なケースもあった。ヒグマをここまで人になれさせた責任は、人間にある。以前は、撮影のために近づき、餌を与えたりするアマチュアカメラマンや観光客の姿が見られたという。人なれしたヒグマはやがて、えさを求めて人を襲う「問題グマ」となる。このような事態を防ぐため、自然公園法が改正され、今年4月から国立公園や国定公園の特別地域でのヒグマなど野生動物への接近や餌やりが違法になった。知床半島は、世界有数のヒグマの高密度生息地域で、400~500頭ほどが暮らす。海と陸の豊かな恵みがもたらす多様な生態系の頂点に君臨する。先住民族のアイヌはヒグマをキムンカムイ(山の神)とあがめ、猟をして肉と毛皮をいただきながら、神の国に霊を送る儀式をおこなった。一方、凶暴化して人を襲ったら悪い神とみなし、その肉は口にしなかったという。今もクマと人間の共存に向けた試みは続く。捕殺の対象となる問題グマを増やさないように、互いに距離をとり、すみ分けるのが基本だ。5月10日から7月末までのヒグマ活動期には、知床五湖の一部エリアは登録ガイドが同行しなければ散策できない。今年4月、痛ましい沈没事故が起きてしまったが、海からヒグマを観察できるよう、観光船も多数運航されている。このように世界自然遺産を守りながら観光に生かす施策は、ガイドとして学ぶところが多かった。ところで、四国にもクマはいる。ヒグマに比べると小型のツキノワグマだ。今、四国での生息数は20頭前後とされ、絶滅の危機に瀕(ひん)している。少なすぎて、我々が出合うことはまずない。四国のツキノワグマについては、改めてリポートしたい。

(どうすればイノシシを社会の役に立てられるか:沖縄)
琉球補聴器(那覇市)の創業者で相談役の森山勝也さん=東村=が17日、沖縄市胡屋の沖縄こどもの国に、琉球列島に生息する固有亜種のリュウキュウイノシシ1頭を贈呈した。東村ではイノシシなどによる農作物の食害が発生している。森山さんは「どうすればイノシシを社会の役に立てられるか」と日頃から考えていた。現在、沖縄こどもの国にリュウキュウイノシシは雌の1頭しかいないことを聞き、自ら捕獲した生後5カ月ほどの雄のウリボウを寄贈した。「子どもたちにリュウキュウイノシシがどんな姿か、見て感じてもらいたい」と話した。

(愛犬が守る丹波栗:京都)
日本の栗のルーツとされ、全国的に人気が高い秋の味覚「丹波くり」の収穫が、京都府福知山市内などで始まっている。三和町辻の細見昌一さん(71)が管理する栗園では、甲斐犬の福寿号が日夜パトロール。食べごろを狙うサルなどを追い払い、獣害に気をもむことなく、安心して収穫作業に汗を流している。細見さんは、福知山地方丹波くり振興会の副会長で、JA京都にのくに三和町くり部会の部会長も務める。辻にある栗園(36アール)で、銀寄や晩赤、筑波など7品種を生産。丹波くりで地域活性化を-と、後継者の育成にも熱心に取り組んでいる。25年ほど前から生産を始めたが、当初はイノシシとシカによる獣害に悩まされる日々が続いた。網で栗園を囲ったり、電気柵を導入したりして、これらの獣害は防げるようになったものの、5年前からはサルがやってくるようになった。電気柵も飛び越えて侵入し、実を食べるだけでなく、枝も折ってしまうため、細見さんは頭を抱えていたという。そんなある日、インターネットで対策を調べていたところ、犬が有効と分かった。それから息子の尚平さん(38)の知り合いに頼み、生後3カ月の雌の甲斐犬を4年前に譲り受けることができ、福寿号と名付けた。自宅の軒先に小屋を建て、すぐそばの栗園に自由に行き来できるようにしたところ、すぐに効果が表れた。獣が栗園に近づくと、寝ていても気配と臭いで察知して、ほえながら威嚇し、その姿にサルたちはそそくさと退散。福寿号を飼い始めてから、獣害はピタリと無くなったという。細見さんは「枝を折られると、3年はその枝に実がならなくなるので、サルによる被害には本当に頭にくる。福寿号が来てくれてから、そんなストレスも無くなり、とても頼りにしています。もちろん家族の一員で、大切な存在ですね」と体をなで、子どものように可愛がっている。

(クマ剥ぎスギ、薪に再生:石川)
クマが樹皮を剥ぎ取る「クマ剥ぎ」の被害に遭い、建築用としては使えなくなったスギの木を薪に加工して販売する取り組みが、石川県・白山麓で始まった。地元の林業「桑木」(白山市桑島)が商品化し、今月から自社のサイトで取り扱う。売上金の一部は里山整備に充て、持続可能な森林経営につなげる。商品名は「くまはぎの薪」。一箱(約三キロ)三千円で、長さ四十センチほどにそろえた薪を詰める。紙のパンフレットの代わりに、箱の内側に商品の説明とイラストを印刷。ごみを出さないよう工夫した。クマの歯や爪で傷つけられたスギは市場価値が下がり、枯死する例も目立つ。桑木の杉田雅英会長(64)の所有林でも約半分に被害が及び「近年、特にひどくなった印象。樹齢数十年の木が駄目になってしまうので悩んでいた」と明かす。薪の商品化を提案したのは、東京都内で古紙リサイクル会社を営み、昨年五月に桑木の事業を承継した森田臣社長(40)。杉田会長から話を聞き「もったいない。どうせ捨ててしまうなら」と、新型コロナウイルス禍で人気の「ソロキャンプ」での利用も見込んだ。五月にインターネットで資金を募るクラウドファンディングで先行販売したところ、八十四人が賛同。約二カ月間で目標額の四倍以上となる四十七万九千五百円が集まった。「初めて見るすごくいいアイデア」「需要期の秋冬に、たくさん売れるよう応援します」とのメッセージも届いた。年間千箱の売り上げを目指している。「くまはぎの薪を使うことが環境保全に貢献すると知ってもらい、買った人の行動が少しでも変われば」と森田社長。担い手不足や高齢化で放置林は増えており「里山を整備して人間とクマが生活圏を分けられるような環境をつくりたい」と思い描く。今後はアロマオイルや紙の原料としての活用法も考えている。桑木は二〇〇一年に協同組合から林業部門が独立し設立された。後継者がおらず、国の相談窓口「事業承継・引継ぎ支援センター」に登録後、二一年五月に「森田紙業」(東京都)の子会社となった。従業員は八人。

(キジ両足骨折、完治させて放鳥:福岡)
けがをして遠賀町で保護された雌のキジが26日、直方市の福智山麓(さんろく)の「紅葉の森」に放たれた。キジは8月25日、八幡西区の男性が、遠賀町の勤務先の敷地でうずくまっているところを保護。同市の福岡野生動物保護センター(アミノ動物病院内)に持ち込んだ。キジは両足の4カ所を骨折しており、同センター長の獣医師、網野泰蔵さん(79)が治療した。

(小学校でキジの放鳥:鹿児島)
27日、出水市の小学校でキジの放鳥が行われた。全校生徒10人、出水市立上場小学校の子供たちの目の前に現れたのは、産まれて4か月の14羽のキジのひな鳥。この取り組みはキジの保護繁殖の目的と、子供達に生態系について知ってもらおうと行われた。児童が放鳥すると、キジは羽を大きく広げ、元気よく羽ばたいていた。

(ハトのふん害、近隣困った:宮城)
「近所でハトに餌をあげる人がいて困っている」。仙台市若林区の住民から「読者とともに 特別報道室」に情報が届いた。現場の住宅地に足を運ぶと、数羽のハトが民家の屋根で羽を休めていた。近隣の住民はハトのふん害に悩まされているという。野生のハトへの餌やりによるご近所問題を探った。現地を訪ねたのは9月上旬の午前6時。家主の男性が午前8時ごろ、玄関を開けて餌を入れたちりとりを軒下に置いた。すると、約20羽のハトがばたばたと羽音を立てて一斉に集まった。5分ほどかけて餌を食べ、ハトたちは玄関先から飛んでいった。住民によると、ふん害や散乱した羽毛の被害などは2016年前後に始まったという。餌やりが1日2~3回あり、そのたびに20羽前後のハトがやってくる。近隣では、2階や屋根にネットを張ったり反射材をぶら下げたり対策をしているが、効果はほとんどない。屋根やベランダの手すりなどがふんで汚れ、その度に水をまいて掃除している。中には屋根が傷み、塗装を塗り替えた家もあったというが、「近所付き合いがあるので注意できない」(住民)と嘆く。市街地で見かけるハトの多くは野生の「ドバト」で、鳥獣保護管理法で捕獲が禁止されている。餌をまいてドバトを自宅敷地に呼び込む行為は「捕獲に当たらず規制は難しい」(宮城県仙台地方振興事務所)という。若林区役所では16年、住民からの相談を受け、仙台南署などと鳥獣保護管理法に基づき餌やりをする家を訪問。その時は、家主への指導のみで終わった。しかし、すぐに餌やりが再開されたという。男性宅を訪ね、話を聞いた。「家で飼っているハトの餌が余ったのであげている。(近所に)迷惑をかけているとは思う」とふん害を認めたが、「今後もハトが来たら餌をあげると思う」と意に介さない様子だった。東京都世田谷区は18年4月、餌やりトラブルを受け、区内全ての場所でハトやカラスなど野鳥への餌やりを禁止する条例を施行した。同区環境保全課の担当者は「条例に基づいた根拠のある説明ができるので、相手が納得して餌やりをやめてくれるようになった」と効果を語る。野生鳥獣の保護を管轄する仙台市環境共生課によると、市で条例制定の予定はないという。担当者は「現在、仙台市で大きな問題にはなっていない。条例がなくても、相談があれば個別対応で対処できる」と話した。

(シカとぶつかり一時運転見合わせ:群馬)
26日午後11時15分ごろ、群馬県桐生市境野町のJR両毛線小俣ー桐生間で、小山発桐生行き上り普通電車(4両編成)が走行中にシカとぶつかった。乗客乗員にけがはなかった。JR東日本高崎支社によると、この影響で両毛線は小山ー桐生間の上下線で一時運転を見合わせた。車両点検と安全確認を行い、約30分後に運転を再開。上下2本が最大約30分遅れ、約30人に影響が出た。

(通行止め解除、シカが立ち入る:岐阜)
東海環状自動車道 内回り 土岐南多治見IC~可児御嵩ICは、シカが道路に立ち入ったため、午後0時過ぎから通行止めとなっていましたが、午後3時に解除されました。

(クマが襲いかかってきた!停車した車に突進:北海道)
北海道知床の知床峠で、路上に表れたヒグマが車に突進し、車内を覗き込む様子が撮影された。知床財団では遭遇しても慌てず、クマが車から離れたら、すぐに移動するよう、呼びかけています。10数mほど離れた路上で、車の様子をうかがっていたヒグマ。次の瞬間、突然、車に向かって突進。さらにボンネットに手をかけて車内の様子をうかがっているよう。この映像が撮影されたのは、北海道東部の斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上付近にある知床峠。撮影した男性によりますと、2022年9月26日午前10時過ぎ、知床峠で遠くにクマが見えたので停車したところ、急に車に向かってきたということです。映像では目の前に迫るクマの恐怖で、車内に緊迫した空気が流れます。撮影者は慌てて撮影を止めて、その場を離れて、無事でした。クマはこのあと、ゆっくりと山の方に戻っていったということです。撮影者はこのあと、クマが道路に出没したことを地元の人に伝え、通報してもらったということです。現場は知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠で、近くには展望台もある場所でドライブコースとしても人気です。知床財団では、クマが近付いてきても慌てて行動せず、クマが離れたらすぐに移動するよう呼びかけています。また、クマは車を見て、餌をもらえると思った可能性もあり、決してクマにエサを与えないよう、改めて呼びかけています。

(住宅街に『サルの大群』縦横無尽に駆け回る:三重)
三重県桑名市の住宅街で先週、「サルの大群」が移動するのが目撃されました。どうしてこれほどまでのサルの大群が現れたのでしょうか。住宅街に現れた1匹のサル。周りを見ると、夥しい数のサルの大群が…。屋根の上を自由に行き来し、マンションの排水管を伝って2階へ。中には子ザルを背負った親ザルも。そして駐車場を一斉に駆け抜けていきます。車の上もお構いなしで、住宅街を大移動していました。これは先週、三重県桑名市の住宅街で撮影された映像の様子。確認できるだけでも20匹以上いました。どうしてこれほどまでのサルの大群が現れたのでしょうか。サルが移動した場所に停めてあった車をよく見ると、手のような跡が残されていました。桑名市の市街地では過去にも何度かサルが目撃され、住民がけがをしたり、取材班が追いかけられたりしたこともありました。以前は群れからはぐれたサルが単独で現れることが多くありましたが、最近は今回のように、群れで住宅街に現れることが増えたといいます。桑名市獣害対策室の担当者:「住宅街のそばに栗とか柿の果樹が生えていますので、サルがそれを狙ってやってくるんですけども」。桑名市内では3つのサルの群れが確認されていて、今回は市街地近くに生息する40匹ほどの群れとみられています。桑名市獣害対策室の担当者:「サルの群れは、立場が上のサルからエサを食べていくんですけど、当然若いサルや小さいサルはなかなか食べられないと思うので、群れを維持するためにどんどん移動していってると思います」。サルが現れた際の対策を、市の担当者に聞きました。桑名市獣害対策室の担当者:「サルに向かって何かしらの嫌がらせ、追い払い行動をして下さい。どこのご家庭にもフライパンとお玉はあると思いますので、叩くだけでも十分音による威嚇はできます。庭先のホースで水をかけるのも手段の一つではあります」。ただし、子供の場合は襲われる恐れがあるので、目を合わせたり騒いだりしないよう、注意が必要とのことです。

(中央分離帯に“イノシシ”が挟まっている:山形)
道路を一直線に走るのは・・・2頭のイノシシ。これは午前5時40分ごろ、山形県酒田市緑町で撮影された防犯カメラの映像です。∪ターンして戻ってきたイノシシは中央分離帯に激しくぶつかり、走り去って行きました。突然の出来事にトラックも思わずブレーキ。その5分後、警察にこんな通報が寄せられました。「中央分離帯のフェンスにイノシシが挟まっている」。通報を受けた警察官が駆けつけたところ、体長60センチほどのイノシシがフェンスの間に挟まり暴れていたということです。その後、イノシシは自力で逃げ出し行方をくらませました。また、午前9時半ごろには、この現場から1.5キロほど離れた酒田市役所付近の道路でもイノシシの目撃情報が警察に寄せられました。警察では、2つの場所で目撃されたイノシシは同じグループである可能性が高いと見ています。人への被害は確認されていないということですが、警察ではパトカーを出すなどして注意を呼びかけています。

(野生のシカが街なかを爆走する姿をカメラが捉えた:熊本)
熊本県人吉市の市街地に野生のシカが現れ、カメラがその姿をとらえました。車がノロノロ運転・・避けようとしたのは立派なツノを生やしたシカです。ここは人吉城址のすぐ近く、街の中心部です。車道を縦横無尽に走り回るシカにバスも危うくぶつかりそう。そしてシカは、橋の欄干を超えると球磨川へダイブしました!この映像をシカの生態に詳しい専門家にみてもらうと…森林総合研究所 森林動物研究グループ 鈴木 圭さん「ツノが大きいので大人のオスジカですね。ちょっと怖がって、最初、車に驚いていたのと街中なので見慣れないものがあったかもしれないですね」。鈴木さんによりますと、3歳を超えるオスのシカのようです。なぜ、人が多い街中までやってきたのでしょうか?先週の台風で山が荒れているのかと思いきや…。鈴木さん「台風の影響でエサがないとかそういったことが起こっているとは思えないので」「食べ物を探して迷ったというよりはなんかウロウロしていたと思う」。専門家は、川沿いの緑地などを伝って街中に入ってきたとみています。鈴木さん「繁殖期になると割とアクティブになるのでウロウロし始めるかもしれない。その可能性はあるかもしれませんが確実にそれかどうかはわからない」。器用に泳いで、川を渡った鹿は山の中に姿を消しました。もし街中でシカを見つけた場合、ツノなどでケガをすることもあるので役場などに連絡をして欲しいと鈴木さんは話しています。

(スキー場に2mのクマ:北海道)
26日朝早く、北海道・札幌市のスキー場で、体長2メートルほどのクマが目撃された。26日午前5時過ぎ、札幌市南区の藻岩山スキー場で、散歩中の男性から「前方250メートル先でクマが歩いていた」と、通報があった。警察によると、男性は、体長2メートルほどのクマがゲレンデを歩き、山の中へ入っていったと話している。現場は、クマの生息域のため、市の痕跡調査の予定はないが、警察は、付近をパトロールするなど警戒を強めている。

(イノシシの目撃相次ぐ:山形)
26日午前5時45分ごろ、酒田市緑町の主要地方道酒田松山線で、中央分離帯の柵にイノシシが挟まっていると酒田署に通報があった。付近の防犯カメラには同時間帯に2頭が道路を走る姿も捉えられていた。署員が駆け付けたところ、イノシシは自力で逃げ出していたが、その後も市中心部で目撃情報が相次いだ。防犯カメラの動画には同5時40分ごろ、道路を横切り近くの店舗前を行き来する体長60センチほどの2頭が記録されていた。店舗から直線で約1.5キロ離れた市役所そばの喫茶店では、ドアに激突した痕跡を確認。国道7号付近の日の出町1、2丁目、山居町1丁目の山居倉庫付近での目撃情報も市などに寄せられた。喫茶店の女性は「午前10時前にドンと音がし、ガラス越しに茶色い動物が見えた」と話した。被害は確認されていないが同署や市は注意を呼びかけている。

(海岸沿いの“のと里山海道”で「シカ」横断:石川)
石川県羽咋市の千里浜海岸近くののと里山海道で23日、シカが道路を横断しているのが目撃され、市が注意を呼びかけています。23日午前8時40分ごろ、羽咋市千里浜町ののと里山海道で、シカが道路を横断しているのを車で通りかかった人が目撃し、警察に通報しました。市によりますと、シカは日本海から市街地の方へ向かって道路を渡り、近くにある千里浜なぎさドライビングスクールの方向へ消えていったということです。事故やけが人が出るなどの被害はありませんでした。市は、シカを目撃したらすみやかに遠ざかり、刺激しないように静かに立ち去るよう呼びかけています。シカが目撃されたのは海岸からおよそ50メートルの場所で、市の担当者は、近くでシカが目撃されるのは珍しいと話しています。

(深刻化する「鳥獣被害」を美味しく減らす「農水省の思惑」)
先日、「新宿駅にタヌキ」といったニュースが話題になりましたが、農作物が食い荒らされたり、人に危害があったりと、野生鳥獣による被害が深刻化しています。それに対して、農水省が年間160億円かけている“おいしい対策”があるとか。みていきましょう。プロ野球やコンサートが行われることでお馴染みのドームで、クマ、しかも北海道ですから、ヒグマがいたというニュースに驚いた人も多かったのではないでしょうか。札幌に土地勘のある人であれば、「結構市街地のほうまで来ちゃったなあ」と思う程度で「ない話ではない」といったところでしょうか。そんな道民でも、昨年、同市東区の住宅街にヒグマが出たときは、さすがに驚いたとか。クマについていえば、2022年度、本州、特に東北でツキノワグマが人を襲う事件が相次ぎ、8月までに人身被害は40件で過去10年で最多記録だとか。そんな状況に、2016年5月~6月にかけて、タケノコや山菜採りで入山した4人が死亡、4人が重軽傷を負った「十和利山熊襲撃事件」のほか、1970年に北海道・日高山脈で3人の大学生が犠牲となった「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」、さらには史上最悪の獣害とされている「三毛別羆事件」まで、関連ニュースとして何度も語られることから、「おちおちピクニックや登山なんてしていられない」という声も。なぜこれほどまでに獣害が増えているのか、人が野生動物の生育域を侵しているとか、過疎化によって耕作放棄地が増え、そこにクマが移動してきて人と遭遇しやすくなったなど、さまざまな理由がいわれていますが、狩猟者も減少し駆除が追いついていないという課題も挙げられています。林野庁・環境庁・環境省『狩猟関係統計』によると、狩猟免許発行数は2017年20万9,550件。ピークだった1970年の53万2,265件から半減以上しています。獣害はクマのような人への危害だけでなく、イノシシやシカなどによる農作物への被害も増加しています。その要因もクマと同様。自然破壊や過疎化、狩猟者の減少など、いくつもの要因が重なり、問題は深刻化しているのです。農林水産業『農作物被害状況』によると、2020年度、野生鳥獣による農作物被害額は全国で161億0,908万円。都道府県別にみると、最も大きかったのは、「北海道」で48億1,819万円。続く「福岡県」は6億0,813万円。「熊本県」「広島県」「長野県」と続きます。また農業生産額に占める被害額が多いのは「山口県」で生産額589億円に対し被害額は3.4億円。「大阪府」「広島県」「京都府」「北海道」と続きます。野生鳥獣による農作物の被害額は減少傾向にありましたが、ここ数年は160億円前後で推移。高止まりしている状況です。その解決策のひとつとして注目を集めているのがジビエ。これまで廃棄していた捕獲鳥獣を食肉として活用しようといった取組みです。2014年に「今年のひと皿」に選ばれるなどして、以前より市民権を得たジビエ料理ですが、積極的な捕獲の推進で農作物被害の低減が期待されるほか、農泊・観光や外食・小売など、農山村地域の所得向上も期待できるとされています。農林水産省の資料によると、食肉処理施設が2021年度に処理した 野生鳥獣のジビエ利用量は 2,127トンで、 前年度比17.5%増加。このうち食肉販売されたのは1,324トンで、前年比11.7%増加となりました。農水省では鳥獣の捕獲等の強化やジビエフル活用への取組みを支援する交付金などにより、2025年までに利用量4,000トンまで拡大させる計画です。2021年、ジビエ利用量がトップだったのはシカによる被害が深刻な「北海道」で785トン。続く「兵庫」は215トン。「長野県」164トン、「鳥取」89トン、「三重」80トンと続きます。ただ野生鳥獣による農作物の被害は全国的な問題にもかかわらず、ジビエフル活用の取組みには地域差があります。ジビエ肉で農作物被害を減らし、地域振興も……バラ色の未来を描き、2022年度、農林水産省は160億円ほど予算を費やしています。しかし、ジビエ肉は処理が難しかったり、肝心の飲食店需要がコロナ禍で低迷していたりと課題は山積み。そもそもジビエ肉利用量が増加したからといって、鳥獣被害防止にはならないという専門家も。どちらにせよ、何もかもが値上げとされているなか、少しでも安く、そして美味しいお肉が手に入れば、消費者としてはうれしいかぎりです。

(北海道の21年度ジビエ利用量27%増:北海道)
農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査によると、北海道の食肉処理施設でシカなどの野生鳥獣の肉を「ジビエ」として利用した2021年度の数量は785トンで、20年度比で26.6%増えた。全国のジビエ利用量は17.5%多い2127トン。北海道がうち36.9%を占め、都道府県別で1位だった。北海道の食肉向け販売量は538トンで、20年度比で27.8%上昇した。ペットフード向けは224トンと25.8%上回る。食肉向けのうち99.8%(537トン)はシカだった。北海道の販売量は全国の56.7%を占める。

(ジビエ料理のお味は?:福井)
狩猟によって捕獲した野生のシカやイノシシの肉「ジビエ」をテーマにした特別授業が22日、若狭町の梅の里小学校であり、児童たちは山の恵みを味わいながら、生態系や里山を守る大切さを学んだ。5年生と6年生の合わせて25人が参加し、野生のシカが農作物や山林を荒らし、嶺南地方では年間に5000頭以上が捕獲されていることや、町内の施設で有効活用に向けて、その肉を食用に加工していることを教わった。ソーセージや焼き肉などのジビエ料理を試食した児童たちは「やわらかくておいしい」とか「別に肉の臭みもない」と話すとともに、命の恵みに感謝していた。

(ジビエからペットフード製造:長野)
松本市中央1の飲食店経営・酒楽は、ペットフードの製造販売事業を立ち上げた。同市横田4に新設中の食品加工工場を近く稼働させ、製造を本格化させる。馬刺しやジビエ料理の提供に伴い生じる端材を有効活用する。同社は馬肉や鹿、イノシシ、熊の肉を使った郷土料理を強みに松本市と長野市で7店舗を展開する。一頭買いする馬肉については、3割ほどが食用に向かず廃棄となるなど「メニュー提供できる部分は限られる」という。客足が低迷する新型コロナウイルス禍に食品ロスの事業課題に着目。ペット関連市場が伸びる中、回復が見通せない飲食店売り上げを補う採算性を見越し、国の事業再構築補助金を活用、新規参入した。自社のセントラルキッチン(中央1)を試作場に、飼い犬向け商品の開発に昨夏着手。ISOP(イソップ)をブランド名にジャーキーや水煮など順次販売を始めている。量産化には、加工処理施設・長野市ジビエ加工センターなど既存仕入れ先からも端材の供給を受ける。骨の粉砕機も導入し、カルシウム補給を狙ったおやつなど商品を充実させ、年3000~4000万円の売り上げを見込む。磯尾広志社長(52)は「害獣問題も絡むジビエ。社会ニーズに応える事業を軌道に乗せたい」と話す。

(駅に地域発信の拠点、ジビエや地酒販売:神奈川)
小田急電鉄は22日、小田急線秦野駅(神奈川県秦野市)の改札前に、アンテナショップ兼カフェ「丹沢日和」を期間限定で開業した。地域の有志団体と連携し、同市の特産品を販売するほか、近隣の丹沢山などに登る人が利用できるようカフェやバル(酒場)としても営業する。駅を活用し地域の活性化につなげたい考えだ。秦野駅の改札前にあったパン販売店「HOKUO」の跡地に、80平方メートルの広さでオープン。同駅の駅員らが企画し、フリーペーパーの発行など同市の地域振興を目指す有志団体「ココハダLAB(ラボ)」が運営する。営業は2023年3月末までの予定だ。店舗では、地元産の小麦や野菜を使ったパンや漬物などの商品をそろえた。丹沢大山地区でとれたシカのジビエなども販売する。カフェでは、地元産の茶葉を使ったタピオカミルクティーやジビエバーガーも用意した。夕方からはクラフトビールや金井酒造店(同市)の日本酒も提供する。今後、同店を拠点に駅員によるトレッキングツアーの開催も検討する。小田急はコロナ後の駅の活用について、駅員らを交えた若手社員を中心に21年度から検討を進めてきた。今後、同様の取り組みを沿線の別の駅でも展開する。

("ジビエ"で町の活性化を:新潟)
40年間で人口は半減し、高齢化率は去年、初めて50%を超えた阿賀町。高齢化や人口減少が急速に進む町を盛り上げようと、23日、阿賀町大ピンチフェスが始まりました。阿賀町のジビエや日本酒を無料で提供するこのイベントはSNSで告知されると予約が殺到!あが町おこし実行委員会 深見 啓輔 さん】「消滅しちゃうぞっていうキーワードもやりすぎかなって思ったけど、そのくらい危機感を持って、それを心配してきてもらう。それに興味を持つ人の次なるアクションを期待してる」。【あが町おこし実行委員会 深見 啓輔 さん】「中には人間の生活を脅かしてしまう動物もいて、駆除してしまうのであれば、せっかくの命なので、おいしく楽しくいただいて、供養したいという気持ちがある」。豊かな自然のもと、野生動物との共生も目指す阿賀町。今後、ジビエを生かした町おこしにも期待です。

(自ら捕らえて調理「シカカレー」提供:徳島)
西日本第2の高峰、剣山(標高1955メートル)がそびえる徳島県那賀町で、山の木々がシカの食害によって枯れてしまう被害が広がっている。剣山で宿泊休憩施設「ファガスの森高城」を営むNPO法人理事長、平井滋さん(73)は、増えすぎたシカを捕獲してジビエ料理に生かす活動に地道に取り組んでいる。――シカの食害に気づいたきっかけは何でしたか?20代の頃から林業で山仕事をしていた関係で、よく山に登っていました。20年ほど前から、剣山系で見られる針葉樹のシコクシラベなどの樹皮がシカに食べ尽くされている光景を目にするようになりました。樹皮がはがされた木々は枯れ、被害は深刻でした。2005年に徳島県職員と本格的に食害調査をしました。大木の根元を覆う草木や木々の新芽が食べ尽くされて、被害の大きさに驚かされました。――ジビエを始めた理由は?増えすぎたシカを捕獲しなければ、山の荒廃がさらに進んでしまう。だけど、シカたちの命をいただく以上、山の恵みとして大切にしなければいけない。07年から那賀町の宿泊施設の支配人をしていたので、捕獲したシカを当時注目されるようになったジビエ料理にして、お客さんにおいしく食べてもらおうと考えたのです。

(山くじらフォーラム2022:島根)
美郷町の強み“山くじら”の強力な猪ノベーションを柱に美郷町をフィールドに産官学民が自発的に集まり、刺激し合って新しいものを生み出していく共創環境を“美郷バレー”と呼びます。これまで美郷町と協定した大学・研究機関・企業・NPO法人など産官学民の連携や多彩な人材・ノウハウの集積、様々な分野横断を通じて、獣害問題をはじめとした社会課題の解決と持続可能な明るい未来社会を切り開くための共創、地方と都市のお互いの地域課題解決に向けた共創に挑戦しています。山くじらフォーラムの開催を通じて、全国の地域おこしに携わる人々の交流のネットワークの構築による美郷バレーのさらなる輪の広がりと元気とやる気の動機づけの喚起による持続可能な地域おこしの創造に寄与する研修会として開催します。

(ジビエと地酒、クセなくおいしい:愛知)
豊田市内で捕獲された野生のシカやイノシシの肉を使った料理と地酒を味わうイベントが二十三日、豊田市四郷町の浦野酒造であった。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後6時20分ごろ、富谷市富谷熊谷下付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、26日午前11時40分ごろ、登米市登米町寺池辺室山にクマが出没しました。

(クマ出没の痕跡:宮城)
大崎市によると、21日、大崎市松山千石上野行政区でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後9時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢中原にクマが出没しました。

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9/22
(豚熱確認、野生のイノシシ感染:高知)
高知県は16日、同県香美市で6日にわなにかかった野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県によると、県内でイノシシの豚熱感染が確認されるのは初めて。県の検査で陽性となり、16日に国の遺伝子解析結果を踏まえ豚熱と判定した。県内で飼育されているブタやイノシシはワクチン接種済みのため、殺処分や搬出制限などはしない。養豚場のブタに異常があるとの報告はないという。県は養豚場に野生動物の侵入防止対策などの徹底を求め、感染確認された半径10キロ圏内で捕獲を強化する。

(イノシシにかまれ男性ケガ:福岡)
福岡県筑紫野市原田で16日午後4時まえ、「イノシシが車に衝突した後、走り去っていった」と、目撃した女性から警察に通報がありました。警察によりますと、近くで24歳の男性が足をかまれ、軽傷です。現場付近では、イノシシの目撃情報が相次いでいて、子どものイノシシ4頭を含む5頭が確認されています。警察は、パトカーで付近を巡回しながら、不要不急の外出を控えるよう、住民らに呼びかけています。

(会社員ですが「イノシシ」を捕獲して報酬をもらいました。確定申告は必要でしょうか?)
会社勤めで確定申告の必要がなかった人たちの中にも、副業で収入を得ているという人が増えてきました。思いがけない臨時収入が転がり込んでくるということもあるでしょう。そのようなときに悩ましいのが「確定申告をするのかどうか」ではないでしょうか。そこで、タイトルのように「イノシシの捕獲」で報酬を得たときを例に、確定申告が必要になる場合を考えてみましょう。多くの場合、勤め先の会社で税金を天引きしてくれるため、会社員は確定申告をする必要がありません。しかし、勤め先から支払われる給与以外に収入を得たときに、その収入を確定申告する必要があるのかどうかを悩む人は多いでしょう。結論からいうと、「勤め先から支払われる給与以外の所得が年間20万円を超える」のなら確定申告しなければなりません。「所得」とは、収入から必要経費を差し引いて残った金額のことです。では、タイトルのようにイノシシを捕獲して報酬を得たという場合は、どんな所得として申告することになるのでしょう。タイトルのようにイノシシを捕獲して報酬を得た場合は、「雑所得」として計算されるのが一般的です。報酬目的でやっている場合はそれなりに経費をかけているはずですので、その分を報酬から差し引くことが可能です。仮に、イノシシを捕獲して得た報酬の年間総額が「20万円」、経費が「5万円」だとすると、「20万円-5万円」=「15万円」が雑所得です。もし給与所得以外の年間所得が、イノシシ捕獲から得た「15万円」だけなら確定申告をする必要ないということになります。イノシシ捕獲の報酬だけでなく、ほかにも所得がある場合、それらをすべて計算しなくてはなりません。会社員の間で一般に行われている「副業」の収入の多くは「雑所得」として計算されます。雑所得には「金地金」や「暗号資産(仮想通貨)」の売買益や、「外貨預金」で発生した「為替差益」なども含まれます。また、個人でウェブサイトを運営している人が、サイト上に載せた広告から得る収入も雑所得です。一方、ギャンブルでもうけたお金や懸賞で当たった賞金などは「一時所得」、不動産の家賃収入がある場合は「不動産所得」になります。所得の計算では、収入から差し引ける経費を見逃さずに計算しましょう。所得の種類によっては、一時所得のように特別控除があるものもありますので、収入がどの所得なのかを正確に判断することも大切です。それでも給与所得以外の所得の合計が年間20万円を超えてしまったときは、確定申告をしなければなりません。確定申告をすることで、副業をしていることが会社に知られてしまう可能性がありますので、副業を禁止されている人は注意が必要です。イノシシの捕獲を例に、確定申告が必要な場合について解説しました。副業している人は、給与以外に20万円以上稼ぐと確定申告が必要になると考えておきましょう。ちなみに、害獣駆除の報奨金は都道府県によって異なりますが、イノシシの場合は1匹当たり6000円~1万5000円です。仮に1匹1万円とすると、年間20匹の捕獲で確定申告が必要となります。稼いでいるのに確定申告を忘れると、脱税と判断される可能性があります。あとから通知がきて慌てることがないように、日頃から収入の管理をしておきましょう。

(冬の渡り鳥マガンが伊豆沼に:宮城)
宮城県北部の伊豆沼に冬の渡り鳥、マガンが飛来しました。これから徐々に数が増え、来年2月ごろまで冬を越す見通しです。冬の渡り鳥のマガンは、栗原市と登米市にまたがる伊豆沼に飛来しています。今月17日には「宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団」の職員が6羽のマガンを確認していて、財団によりますと、今シーズン県内で羽を休めているマガンが確認されたのはこれが初めてだということです。6羽は、伊豆沼で夏を過ごしたと思われる別の2羽とともに、あわせて8羽で別の場所に移動するため飛び立っていきました。宮城県は全国で最も多くマガンが飛来するとされていて、これから日にちを増すごとに数が増えてゆき、来年2月ごろまで、伊豆沼周辺で冬を越すということです。宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究室長は、「今シーズンが順調であれば、ピークとなる来年1月にはおよそ20万羽のマガンで賑わうと思います」と話していました。

(カワウの食害深刻「稚鮎すぐに食べられる」:岐阜)
鮎の友釣りはそろそろ終盤。落ち鮎シーズンを迎えている。鮎の天敵といえばカワウ。長良川や揖斐川流域の各漁業協同組合では、鮎の捕食に頭を悩ませている。そこで、手に握るのは竿(さお)ではなく銃。岐阜県内漁協有志が漁師ならぬ猟師となって、有害鳥獣駆除を担う取り組みを始めている。「シュッ」。静かなエアライフルの発砲音とともに目の前でカワウが1羽撃ち落とされた。狙いを定める太田浩一さん(29)は、今年猟師デビューした郡上漁協の組合員だ。「被害を受けるのは漁業関係者。自分たちの川は自分たちで守っていかなければ」と昨年、狩猟免許を取得。今春から県内で広域的な駆除に当たっている。活動を主導する白滝治郎さん(64)=郡上漁協組合長=にとって太田さんは2人目の“弟子”。狙い方などを現場で丁寧に教える。自身を含めて有志が3人となり、組織的な活動になってきた。川の番人を自認する白滝さんは「カワウゼロではなく食害ゼロを目指す活動だ」と強調する。カワウは1960年代以降、環境汚染などにより全国で3千羽以下に激減したが、河川水質が改善した90年代ごろから餌となる魚が増え、生息数が飛躍的に増加している。行動範囲は半径約15~25キロで、成鳥は1日当たり約500グラム分の魚を食べるという。県カワウ被害対策指針(2016年策定)によると、鮎の漁獲量は1992年をピークに、14年には4分の1程度にまで減少。カワウの食害もその一因とされ、被害額は年間約1900万~8200万円と試算されている。県内の生息数は推計約2千羽。どこの漁協にとっても、ダメージが大きいのは稚鮎の食害。揖斐川中部漁協の安藤宗一組合長(74)は頭を抱える。シーズン前の放流では「2時間もしないうちにカワウ200~300羽が飛来して群がる。漁獲量が減って収入も減る中、少ない予算でやりくりして購入した稚鮎が、目の前であっという間に食べられてしまう」。ロケット花火で追い払ったり、地元の猟友会に頼んで散弾銃で威嚇してもらったりするが「イタチごっこ」だという。効果的な対策は、営巣地での個体数調整。白滝さんは「巣ごとつぶしてしまうと他の地域に分散してしまうので、巣を維持しつつ鮎に被害のない程度に数を管理していく。趣味の狩猟ではなく、あくまで食害を減らすことが目的」と意義を語る。だからこそ「川や魚が好きで漁に従事する者が集ってやっていかなければ」と、担い手育成に注力する。ただ、狩猟免許や銃砲所持許可を得る苦労、高額な銃の購入費など、ハードルは低くなく、担い手になるための支援体制も急務だ。白滝さんは「カワウは揖斐川、長良川、そして近隣県へと渡る。各河川で多面的に活動できるよう、まずは人材の育成が目標」と、広域的で持続可能な枠組みづくりを模索している。

(市街地にクマ出没想定、自治体や警察などが実践的訓練:福井)
市街地にクマが出没したという想定で、クマにふんした人を自治体や警察などの担当者が捜索する、実践的な訓練が勝山市で行われました。訓練は、勝山市の中心部にある公園で行われ、勝山市や大野市など5つの市や町と県や警察、猟友会のメンバー30人あまりが参加しました。人里周辺での出没が多くなる秋を前に、クマにふんした人が公園に潜み、参加者が周辺を捜索して捕獲するという、本番さながらの訓練が行われました。参加者たちは無線機で連絡を取りながら、目撃情報が入った公園の出入り口や茂みの中などを捜索しました。やがて、公園の隣にある墓地の茂みに潜んでいるのが見つかると、住宅地に逃げ込むのを防ぐため茂みを取り囲むように人を配置しました。そして茂みから倉庫に逃げ込むと、檻を入り口に設置し、捕獲しました。県によりますと、ことしの出没件数は多くありませんが、最近は生息範囲が広がっているため注意が必要だということです。福井県自然環境課の桝厚生課長は「ことしも危険な集落内での出没事例の報告も入っているので、果樹を伐採するなどクマを集落に引き寄せないための対策をして被害を防いでほしい」と話していました。

(シカの一斉捕獲、九州5県合同で:熊本)
農作物や立木の食害被害を減らすため、九州森林管理局と九州5県の自治体が、25日にシカの一斉捕獲に取り組む。猟友会の会員らが猟銃を使うため、県境付近の山に立ち入らないように注意を呼び掛けている。宮崎県によると、九州山地は野生のシカが多く、県内では2021年度に2万9604頭を捕獲。

(ドングリ類の豊凶調査結果とツキノワグマ出没注意喚起について:兵庫)
森林動物研究センターが兵庫県下のドングリ類(堅果類)の豊凶調査を実施したところ、今秋のドングリ類の実りは、全体としては「並上」であることが判明しました。今のところ、例年に比べ人里への出没や目撃情報は少ない状況ですが、ツキノワグマ生息域でのドングリ類の実りには地域・品種差があり、今後冬眠前のクマが餌を求めて人里へ出没する可能性が高い地域があると思われます。また、近年では、恒常的に出没が増加しており、分布域も拡大傾向にあることから、ハイキングや登山、キノコ採集などに出かける際はもちろん、集落やその周辺においても、クマの被害に遭わないように、十分な注意をお願いします。

(キツネ出没し農作物被害:新潟)
新潟県三条市の栄地区でキツネが7月から出没し、トウモロコシなどの農作物が食べられる被害が出ている。「サルやイノシシは出たことはあったがキツネは初めて」と住民は戸惑う。キツネの隠れ場所をなくすため、自治会は除草など敷地の管理を徹底するよう住民に呼びかけている。栄地区では7月、畑の作物が食べ荒らされる被害が多発した。

("におい”で撃退、イノシシ被害の新対策:千葉)
畑の農作物を荒らすなど、各地でイノシシによる深刻な農業被害が出ています。こうした中、においでイノシシが近づくことを防ごうとする取り組みが始まっています。千葉県館山市の民家のそばで去年11月に撮影されたのは、道路脇にいる4頭のイノシシです。撮影者によりますと、落ち葉をあさり、虫やドングリを食べていたといいます。2020年10月には、畑に現れたイノシシも撮影されていました。クラクションを鳴らすと、ものすごいスピードで山に戻っていきました。16日にその周辺のレモン畑を訪れると、あちこちに土が掘り返されたあとがありました。イノシシに荒らされたといいます。ペットボトルに入った液体がありました。嗅いでみると…液体を開発したOffice try 敦賀智行代表「(木を)燃やす、いぶすっていう感じでできたような液体なんですね。(動物に)捕食されないために、これでガードする」。害獣を防ぐためのものです。千葉県は長年、イノシシによる被害に悩まされ続けています。県内の農作物の被害額は、サルやシカと比べ、イノシシが圧倒的な高さで、例年、1億円を超える被害が続いているのです。そこで考えられたのが、においで撃退するという新たな対策です。8月から3か月間、千葉県内で実証実験を行っています。そのにおい対策を設置したミカン畑では、すぐに効果が表れ、苗木が掘り返されなくなったといいます。動物の嗅覚を利用した新たな対策。くさいにおいで被害の悩みを吹き飛ばせるのか、期待されます。

(野生鳥獣による農林業被害、3年連続増加:群馬)
昨年度の野生鳥獣による群馬県内の農林業被害額はおよそ5億7300万円で、3年連続で増加したことが県のまとめで分かりました。昨年度の野生鳥獣による県内の農林業被害額は、前年度と比べ2.1%増えておよそ5億7300万円でした。内訳は、農業が5.3%増えておよそ3億4500万円、林業は2.4%減っておよそ2億2700万円でした。県によりますと、農業被害について、シカとクマの生息域が拡大しキャベツなどの高原野菜への食害が特に深刻だということです。また、捕獲鳥獣5種の捕獲総数は、1万8058頭で、前年度と比べ13.4%減少しました。内訳は、シカが9.4%増えて1万3977頭と統計開始以来最多となった一方で、イノシシは3290頭、サルは467頭、クマは324頭で、いずれも減少しました。シカは、市町村が有害捕獲を強化したことなどから捕獲数が増加し、イノシシは、豚熱・CSFの感染や捕獲強化のため個体数が減少したことが捕獲数の半減につながったということです。

(エゾシカを襲った野犬と断定できず、迷い犬として保護:北海道)
釧路市内の公園では先月、野犬3頭がエゾシカを襲うなど目撃情報が相次いでいましたが、きのう、私有地に設置された箱わなに犬1頭が捕獲されているのが見つかりました。エゾシカを襲った野犬かどうかは断定できず、市は迷い犬として保護しています。釧路市によりますと、きのう午前、私有地に設置された箱わなに犬イヌ1頭がかかっていたと市内の男性から連絡がありました。犬は茶色で体長1メートルから1.2メートルほどでした。釧路市では先月、3頭の野犬がシカを襲うなど目撃情報が相次いだほか、エゾシカの死がいも発見され、市は現場付近に箱わなを設置し警戒していました。釧路市では「似ている所もあるがシカを襲った野犬かどうかは断定できない」として、迷い犬として保健所に引き渡し、保護しているということです。

(ジビエ振興、地域で活用の道探ろう)
イノシシや鹿など野生鳥獣による農作物の被害額が、2020年度は全国で161億円に上った。21年度の捕獲数はイノシシが53万頭、鹿は72万頭で鹿は過去最高だった。豚熱に感染しても陰性を確認後、ジビエ(野生鳥獣の肉)として利用できる。一層の有効活用を進めよう。環境、農水の両省は20年度から、鳥獣被害防止に向けた「集中捕獲キャンペーン」を展開する。捕獲数は高水準で推移しており、地域住民が草の根でイノシシ捕獲に乗り出している地域もある。松山市の離島、睦月島では農家が中心になってイノシシを捕獲している。同島は面積3・82平方キロメートル。もともとかんきつ栽培が盛んな瀬戸内の島だったが、人口の減少で園地の荒廃が進んでいる。耕作放棄地は、イノシシの絶好のすみかとなる。島では生息数が増え、行動範囲は広がっている。そのため住民有志で「イノシシ対策協議会」を立ち上げ、メンバーで狩猟免許を取得。島外からも応援を求め、捕獲を始めたところ、これまで100頭以上の駆除につながった。しかし島には肉の加工施設はなく、捕獲したイノシシは、ほとんど処分される。ジビエとして流通するには処理施設へ運搬後、捕殺して放血し、洗浄・剥皮、内臓摘出、解体、精肉・包装といった一連の作業が必要になる。農水省の調査では、20年度に野生鳥獣の食肉処理を行った処理加工施設は全国で691。地域によってばらつきはあるが、16年度(563施設)から年々増えている。これらの施設で20年度に処理されたジビエは1810トン。16年度に比べて1・4倍と増加している。一方、18年には野生イノシシの豚熱感染を受け、農水省は陽性と確認された地点から、半径10キロメートル圏内で捕獲した野生イノシシの肉は、市場流通や他人への譲渡をしないよう各府県に要請した。ただ豚熱が発生した県からは、陰性個体のジビエ利用を求める声が高まり、同省は20年度、「豚熱感染確認区域におけるジビエ利用の手引き」を策定。21年4月からは豚熱感染確認区域で捕獲された野生イノシシでも、陰性が確認されればジビエとして利用できるようになった。鳥獣害が多発する中山間地域では過疎化が進み、閉塞感が漂いがちだ。そうした中、ジビエを生かした商品を開発し流通させれば、村おこしにつながり、農家所得の向上にも結び付く。加工品の他、外食チェーンでの販売拡大や学校給食への展開、家庭で調理できる商品の普及など活用の道は幅広い。関係機関が一体となって処理施設の整備を進め、野生鳥獣の命を無駄にしない方法を探ろう。

(カメラ監視通用せず、次の一手は赤外線カメラ:兵庫)
1000万ドルの夜景とも称される神戸の夜景を見下ろす六甲山南側の山腹に、最新鋭の赤外線カメラ50台が張り巡らされた。木の樹皮を食べるニホンジカを監視するためだ。神戸市街地での出没が初めて確認され、久元喜造市長は「防衛ラインが突破されたかもしれない」と危機感をあらわにする。ここまで警戒するのは、シカの動向が市民150万人の命にも影響するからだ。最高峰931メートルの六甲山。大阪湾岸の高層ビルが濃霧でかすんで見える登山道から崖下に下りると、ササが生い茂る地面に向けて小型カメラが設置されている。ノウサギやイノシシのけもの道で、野生動物調査会社の担当者は「シカの痕跡はありませんが、付近にはリョウブなどの好物の木がたくさん生えています」と説明する。市は2017年から、メスの定着が確認されていた北区の道場、藍那地区からの侵入を防ぐため山北側で約30キロにわたってカメラ109台で監視していた。9月、新たに1台7万円のカメラ50台を南側約10キロに設置した。温度を感知するセンサーで動くものを捉えて撮影。5分後に画像が調査会社に送信され、シカと判別されれば、市が駆除を検討する。これまでデータ解析は2カ月おきにしていたが、今回はリアルタイムでシカの動きを把握する狙いで、22年度の補正予算で1500万円を投じた。新カメラ導入のきっかけは1頭のオスジカ(体長130センチ)が与えた衝撃だった。5月12日午前7時ごろ、神戸市東灘区の住宅地に出没して街中を疾走。市は約2キロ離れた灘区の公園で捕獲し、殺処分した。兵庫県内で生息するシカは約16万頭(20年度)で県の北部や西部が中心とされていた。ただ、21年秋には六甲山上の観光牧場付近で1頭が撮影され、南下の兆しを見せていた。久元市長は、住宅地での出没確認後の定例記者会見で「ついに来るべきものが来た。防衛ラインが突破されたかもしれない」と話した。従来のカメラは録画後に回収してデータを確認しており、「前近代的な手法で人間の対応がシカに負けている」と語気を強めた。なぜシカをそこまで警戒するのか。久元市長が強調するのは森林被害だ。国の推計ではニホンジカは19年度に189万頭で30年前の約7倍となった。北海道のエゾシカとあわせ20年度は4185ヘクタール(阪神甲子園球場1100個分)の木の苗や樹皮、野草が食べられた。福井県の調査では食害で山の地面がむき出しになり、豪雨による土砂流出の被害もでている。六甲山は花こう岩が風化してもろくなった「マサ土」で覆われており、江戸期には燃料用に伐採されてはげ山になった。1902年から13年間で334万本が植樹されたが、38年の阪神大水害では695人の死者・行方不明者を出した。現在は砂防ダムなどが約1000カ所に設置され、95年の阪神大震災後は緩んだ地盤を抑えるため多様な樹種を植え続けている。六甲山でのシカの確認は春先と秋の繁殖期に行動範囲を広げるオスだけだ。だが、県森林動物研究センターの横山真弓研究部長は「メスは毎年1頭産むので、定着すると指数関数的に繁殖する。シカの侵入は検知しにくく、定着後の対策は非常に難しくなる」と指摘する。六甲山で1970年代からイノシシが増えたため、市は2002年、全国で初めて餌付けを禁止する条例を制定。それでも14年度に人身被害が45人となり、対策に追われた。市自然環境課は「登山客への危険性も考えると、繁殖してから猟銃やワナで駆除するのは困難だ。監視を強化して水際でシカを食い止めたい」と話す。

(「要注意」ヒグマ、知床に7頭生存:北海道)
北海道の知床半島で昨年、飼い犬を襲ったり、市街地に複数侵入したり、農作物や水産加工物などを荒らしたりする「要注意問題個体」のヒグマは37頭いて、そのうち30頭が駆除され、7頭が生存していることが、知床財団と北海道大の調査で明らかになった。知床半島には400~500頭のヒグマが生息しているとの推定値を公表。その中で、市街地にしばしば出没したり、農作物や水産加工物を食べたりする要注意問題個体は、2021年に収集したフンなどのDNA遺伝子分析に基づいて37頭と特定した。そのうち28頭はDNAから母親も特定され、母親の行動圏から推定出生地も国立公園区域外が20頭、区域内が8頭と判明した。これらのヒグマは農作物を食べたり、水産加工場に侵入したり、ごみをあさったりして人と接触する危険度が高い。7月には羅臼町で、18年から民家の飼い犬を襲い続けたとみられる雄グマが捕獲されている。報告を聞いた専門家からは「知床半島全体で対策をとっていく必要性がある」などの意見が出ている。知床財団、北大の調査の継続は未定だが、道自然環境課は「予算確保に努力したい」との考えを示した。

(ムクドリを追っ払え、タカがだめなら特殊音波だ:三重)
三重県四日市市は、近鉄四日市駅前を東西に走るメインストリート「中央通り」を再編し、にぎわいや憩い空間を創出しようと計画中だ。一方で、緑地帯のクスノキ並木に群がるムクドリ対策という課題も抱えている。樹上からフンが落下する環境は、市民が集う場所にそぐわないからだ。これまでムクドリの天敵、タカを使って追い出す作戦を展開してきたが、効果は限定的だった。今秋は新たに特殊な音波で追っ払う対策に乗り出すが、さてムクドリの反応は。市市街地整備課によると、近鉄四日市駅東側からJR四日市駅までの中央通りには、クスノキ約90本が立ち並ぶ。初夏から秋にかけ、夕方になると多数のムクドリが舞い降りる。うるさい鳴き声に加え、通行人にフンを落とすため、以前から苦情も出ていた。このため、5年前から鷹匠(たかじょう)の手を借り、タカを一定期間放して追い払う方法を続けてきた。同課の担当者は「タカを飛ばしたエリアはムクドリが分散し、騒音やフン害を抑制する効果は一定程度出ているが、依然として飛来し続けている」と話す。そんな中、近鉄四日市駅東口に近い中央通りに、新たなバスターミナルが整備されるのを機に、通り全体を再編し、にぎわい空間などを生み出す計画が浮上している。その際、バスターミナル付近を除き、クスノキ並木は原則、保全する方針のため、いかに実効性のあるムクドリ対策を進められるかがポイントとなる。市は9月22日から25日間、中央通りの一部区間(国道1号~三滝通り)でにぎわい空間を創り出すための社会実験に取り組むのに合わせ、ムクドリ対策の新たな手法を試す。滋賀県の精密機器メーカー「エイカー」が製作した装置を使用。鳥が嫌う不規則な周波数の音波を流してムクドリを驚かせる作戦だ。実験前の4日間は、職員がハンディータイプの装置を持ち、移動しながら音を発生させて追い払う。期間中は木に装置を固定させて防除する。他市でこの装置を導入し、寄りつかなくなった事例もあるという。市の担当者は「対策の一つとして採用し、効果を検証したい。成果が出ることを期待している」と話した。

(“ムクドリの大群”魔法の拍子木で追い払う:愛媛)
テレビ愛媛が取材した松山市の住宅街で問題になっているムクドリの大群。あの大群が突然、姿を消した。どこに行ったのか…。ムクドリを追い払ったのはある“道具”だった。松山市天山の大型商業施設の近くにある交差点。毎日夕方になると電線をびっしり埋め尽くすほどムクドリの大群が押し寄せ、住民はフンや羽根、そして甲高い鳴き声に悩まされている。ムクドリの襲来はここ3年ほど毎年春から年末にかけて続いている。近くでから揚げ店を営む日野忠司さん:私たちみんな“魔法の拍子木”と呼んでるんやけど、これを叩くことによって、今まで2・3年悩んできたんが何だったんだっていうくらいに、びっくりするくらいいなくなって、今ゼロです。専門家によると、ムクドリは拍子木の高い音が嫌いだということで、地元の住民ら10人ほどが松山市などから借りた拍子木を叩いて音を鳴らした。すると、鳴らし始めて3日で大群は全くやって来なくなったという。住民たちにようやく安心して眠れる夜が訪れた。でも、あのムクドリたちはどこに行ったのだろうか。国道33号線を南に走ってみると...。先ほどの天山の交差点から1kmほど南、道路沿いにある街路樹にムクドリの大群が。こちらの群れは数カ月前からいるということで、天山からいなくなった群れとは違うようだが、松山市によると、市内では他にも複数の場所でムクドリの大群が確認されているという。天山のムクドリも、また別の場所に移動して新たな被害が出ているかもしれない。日本野鳥の会愛媛・山本貴仁さん:その場所からはいなくなったとしても、街の中の同じような環境の所にまた集まってしまうということを繰り返す例がほとんどだと思います。終わらない人間とムクドリのいたちごっこ、根本的な解決策はないのだろうか。

(ジビエ連携フォーラムの設立について)
農林水産省は、このたび、ジビエ利活用の取組を更に発展・充実させることを目的に、捕獲する側・利活用する側双方の「出会いの場」としてジビエ連携フォーラムを設立します。併せて、本日から本フォーラムの趣旨に賛同する会員の募集を行います。捕獲した鳥獣のジビエとしての利用が、自然の恩恵の上に成り立ち、従来廃棄されていたものを持続的に消費していく流れを作るものであり、経済的価値だけでなく、農作物被害等の軽減、自然環境の保全、地域社会の維持等の効果を生み出す社会的意義のある取組であることに鑑み、ジビエの利活用に関する様々な事業者がこうした意義を共有し、情報発信し、さらに、相互に連携を図ることでジビエ利活用の取組を発展・充実させることを目的とします。

(クマが市街地に出没したら…警察・自治体・猟友会が対応確認:秋田)
クマが市街地に出没した際の対応を確認する訓練が21日、秋田県五城目町で行われた。2019年11月に秋田県鹿角市で発生した事故では、クマが市街地に出没した際、猟友会や警察官3人が現場でバラバラに行動したため、クマに襲われ重軽傷を負った。この教訓を生かそうと、警察や猟友会などが、クマが市街地に出没した際の対応方法を確認した。平日の午前5時過ぎに「クマ1頭が道路を横断した」との通報があった想定で、どの機関がどこに連絡するかや、どう連携してクマを探すかなど、地図を使いながら現場での対応を話し合った。猟友会:「クマをどこまで監視するかだよな。ただ、危険性がある範囲でやめておくのか。深追いが一番危ないことなんだよな」。警察官:「けがしたり、クマにかみつかれたりしたら、どうしようもない」。クマが市街地に出没した際は、徒歩ではなく車に乗ってクマを探すほか、緊急時に警察官による命令で銃を発砲できるよう、猟友会は警察官と一緒に行動することが重要。五城目町職員:「連絡や連携を取る上では、警察・自治体・猟友会それぞれが同じ車に乗って対応した方がいいことを学んだ」。2021年の1年間に秋田県内で発生したクマによる人身被害は12件。9月から10月にかけて特に多くなっていることから、各地で万一の際に対応できる体制を整えることが必要だ。

(ビーム射撃は老若男女が競える「共生スポーツ」)
的を狙う、的に物を当てるー。それらの行為は、人間に備わった本能だといわれる。「あなたの挑戦したいスポーツは?」というアンケートで、必ず上位に来るのが射撃競技だ。いま、火薬や実弾を使わずに、安全に手軽に楽しめる「ビーム射撃」が注目を集めている。障害の有無や老若男女を問わず、同じ土俵で競い合える「共生スポーツ」として、幅広い層への普及が期待される。ゲームやeスポーツとの親和性も高い「ビーム射撃」の魅力と可能性について、日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎会長に語ってもらった。

(農作物荒らすサルに対処、駆逐用花火講習:三重)
三重県亀山市内の本町と北東の2地区まちづくり協議会は18日、同市本町一丁目の市立亀山東小学校体育館で「サルの獣害対策安全講習会」を開き、地区住民ら約60人が参加した。数年前から、両地区の住宅地に約50匹が群れをなして出没するサルにより、農作物やサクランボ、ビワやクリなどの果物を食い荒らす被害が続出していることから、サルを追い払う、五連発の「動物用駆逐用花火」(T―3)の講習会を初めて開いた。講習会は、同市亀田町の伊藤煙火工業の伊藤照雄社長(71)が講師を務め、「市が提供する花火の使用は、講習会を受講した人しか扱うことはできない」とし、「使用前には、周囲の安全を確認して、決して人に向けて発射しないこと」と促した。また、県NPO法人「サルどこネット」の会員で、亀山サルの会の明石武美代表(74)は「サルと遭遇したら、騒がない、目を合わせない、近寄らないこと」と述べ、「多人数で大声を出して追い払い、人は怖いと認識させること」と話した。両地区では今後、サルの位置や被害状況などの情報を共有する「サル対策緊急連絡網」を立ち上げる予定という。市農林振興課職員によると、昨年度は市民らに約3千本の駆逐用花火を無償提供したという。

(街なかでクマ出没相次ぐ:北海道)
道内では街なかでもヒグマの出没が相次いでいて、15日、札幌ドームの敷地内でクマが出没しました。そして16日は十勝の大樹町で高校のすぐそばでクマの目撃情報が寄せられました。警察によりますと、16日午前7時前、大樹町高校通の歴舟川の川岸で、近くを通りかかった人からクマを目撃したという通報が寄せられました。クマは体長1メートル50センチほどで、すぐそばにある大樹高校と川の間の林の中に入っていったということです。警察が周辺を捜索しましたが、今のところクマの痕跡は見つかっておらず、高校の敷地内にクマが侵入したような形跡もなかったということです。現場は役場や小中学校なども近い町の中心部で、警察はパトロールを強化するなど警戒を続けていて、「クマを見つけたら近づいたりせずにすぐに通報してほしい」と呼びかけています。一方、札幌市豊平区にある札幌ドームの敷地内では、15日、クマ1頭が目撃されたほか、近くの斜面で痕跡も見つかり、警察などが警戒を呼びかけています。16日朝、札幌ドームからおよそ700メートルの所にある福住小学校では、安全確保のため、子どもたちが保護者に付き添われながら登校する姿が見られました。また、教員や地域のボランティアが通学路に立って登校する子どもたちを見守っていました。2年生の娘に付き添った父親は「豊平区内でクマが出没したことに驚きました。子どもが公園などに外出するときも心配なので付き添うようにします」と話していました。札幌ドームの敷地内でクマの痕跡が見つかったことについて、北海道大学大学院獣医学研究院の坪田敏男教授は、「南側にある森の方から茂みなどを伝って札幌ドームまで迷い込んできたと考えられる。目撃されたクマの体長が1.5メートルであれば、若い個体だと考えられ、母グマから離れて歩き回っている間にたどり着いてしまったのではないか」と分析しています。その上で周辺の住民などに対しては、▼迷い込んだクマは暗闇に紛れて移動するため夜間の外出をできるだけ控えるほか、▼クマが潜んでいるかもしれない茂みや建物の陰には日中でも近寄らないよう注意を呼びかけています。

(防鹿柵の設置ボランティア募集:高知)
「三嶺の森をまもるみんなの会」などは、10月8日に香美市物部町の三嶺山系「みやびの丘」でシカ食害から植物を守るための防鹿柵や土砂流出防止マットを設置するボランティアを募集している。定員60人。香美、高知、南国、香南の各市から無料送迎バスを運行する。昼食や軍手、登山用の靴は各自持参。雨天時は15日に延期する。

(JR富士川駅周辺で目撃されていたサルか、1匹捕獲:静岡)
静岡県富士市のJR富士川駅周辺の住宅街などで今年7月から度々目撃されていたとみられるサルが、14日捕獲されていたことが分かりました。富士市のJR富士川駅周辺では、ニホンザル2匹が頻繁に目撃されていて、8月29日捕獲の際、誤って麻酔銃の矢が市民に刺さる事故が起きていました。事故後、富士市は麻酔銃による捕獲は中止したものの、ワナを使って捕獲作業を進めていて、14日夕方、畑に設置したワナにオス1匹がかかっていたということです。富士市は、捕獲されたサルは目撃されたサル2匹のうちの1匹とみていて、すでに処分しています。市は今後も、もう1匹の捕獲作業とパトロールを続けていくということです。

(電車とシカ衝突:奈良)
18日午後4時48分ごろ、奈良市法蓮町のJR関西線一条踏切付近で、京都発奈良行きの快速電車が線路内にいたシカと衝突した。同電車に約25分遅れが出た。また事故により同踏切の遮断機が降りたままとなり、踏切を先頭に一時、県道の渋滞が発生した。

(収穫間近のブドウを食い荒らすクマ:山形)
木に手をかけ、次々とブドウを食べているのは、クマ。8月23日の深夜、南陽市で収穫間近のブドウを食べる姿をカメラが捉えた。ここは南陽市松沢の「安達農園」。山の斜面にある園地では、8月10日ごろからデラウエアの収穫を始めたが、園地には、食い荒らされた形跡が。安達農園安達芳紀代表「房がかなり食べられていて、軸だけが残っている状態。枝折れがかなり多かったので、カモシカやサルとは違うなと」。代表の安達芳紀さんは、園地に赤外線カメラを設置したところ、この日は、午前3時すぎと午後11時半すぎの2回、クマがブドウを食い荒らしている姿が映されていた。安達農園安達芳紀代表「今回クマだったので、かなり量が多かったのと実際にクマが食べているのを見て、体とちょっとでも触った跡があったり、クマが手で触ったり、くわえたりした商品を、お客様に提供するわけにはいかないので、かなり廃棄せざるを得なかった」。リポート「クマによる食害があった南陽市の園地。園内ではいたるところでクマによって折られた枝や、つたの跡が残されている」。安達さんによると、12アールのこの園地では、4分の1ほどで被害が確認されていて、付近の園地でも被害があったという。シャインマスカットなど大粒のブドウの収穫が本格化するこれからの時期、南陽市は園地周辺の草を刈り払い、クマが隠れる場所をなくすなどの対策を呼び掛けている。

(住宅街で目撃情報相次いだサル、ようやく捕獲:新潟)
新潟西署は16日、新潟市西区真砂の住宅街で、体長約80センチの雄ザルを捕獲したと発表した。サルはニホンザルとみられ、今月8日から同区で目撃情報が相次いでいた。サルによるけが人は確認されていない。首輪をしていたことから同署は飼育されていた可能性があるとみている。同署や区職員は目撃情報を受け、周辺をパトロールしたほか、箱わなを設置していた。区職員が15日午前、サルがわなにかかっているのを見つけた。同署がサルを保護している。8日に自宅近くで座っているサルを見つけ、区に連絡した男性(71)は、「サルの動きは鈍く、痩せていた。小学校が近く、子どもたちがけがをしないか心配だった」と捕獲に胸をなで下ろしていた。

(市街地でクマ目撃、学校で対応に追われる:北海道)
大樹町市街地で16日早朝にクマが目撃されたことを受け、町内の小中高校は一斉下校の措置を取るなど対応に追われた。保護者の間には「もともとクマの出没は多い地域だが、街中は珍しい」と、不安の声が漏れた。同日午前6時50分ごろ、大樹橋(国道236号)上流側の歴舟川河川敷を散歩していた町民が、大樹高校や住宅がある対岸の林にクマ1頭がいるのを目撃した。

(“クマ”と“切り株”見間違え…:北海道)
20日、札幌ドーム近くでクマの目撃情報がありましたが、木の切り株と見間違えたことが分かりました。午後2時30分ごろ札幌市豊平区の札幌ドーム近くで、通行人の男性から「クマのようなものを見た」などと警察に通報がありました。警察と札幌市の職員が現場に駆けつけ男性から話を聞き確認したところ、男性がクマだと思ったものは木の切り株だったことが分かりました。市と警察は、再び見間違えないように切り株にブルーシートをかけるなどの対応を土地の管理者に依頼しているということです。ドーム周辺では9月に入り、同様の目撃情報が相次いでいて、ドームの敷地内の草地にはクマが滑り落ちたような跡も見つかっています。19日午後3時ごろにも、付近を通りかかった女性から「体長1メートル位のクマを見た」と警察に通報があり、クマのような動物は札幌ドームに近い羊ケ丘通り沿いのフェンス内から約20メートル先の沢を歩いていたということです。

(ファイターズ試合開催中の札幌ドーム付近でまた"目撃情報":北海道)
目撃が相次いでいる北海道札幌市豊平区の、札幌ドームまた目撃情報があり警察や市が警戒に当たるとともに、注意を呼び掛けています。クマのような動物の目撃情報があったのは、札幌ドームに近い札幌市豊平区の羊ケ丘通り付近です。9月19日午後3時ごろ、付近を通りかかった女性から「体長1メートル位のクマを見た」と警察に通報がありました。目撃者によりますと、クマのような動物は羊ケ丘通り沿いのフェンス内から、約20メートル先の沢を歩いていたということです。札幌ドームでは19日、プロ野球の試合が行われ大勢の観客が訪れていて、警察や市が周囲を警戒するとともに確認を急いでいます。ドーム周辺では9月に入り、同様の目撃情報が相次いでいて、ドームの敷地内の草地にはクマが滑り落ちたような跡も見つかっています。

(札幌ドームでクマの痕跡見つかる:北海道)
連休前の札幌の市街地にクマが現れました。川のほとりには、爪で引っかいたような跡が残っています。現場は、札幌市豊平区の札幌ドームの敷地内を流れる川で、札幌市は、クマがずり落ちた痕跡と見ています。一夜明け、札幌ドーム近くの小学校では、子どもたちが保護者や教職員に付き添われながら登校しました。札幌市豊平区羊ヶ丘の周辺では、今週に入ってからクマの目撃が相次いでいます。13日の夜には、ドームから南西におよそ3キロ離れた羊ヶ丘展望台近くで目撃されました。そして、15日朝、札幌ドームの北ゲート近くでも「寝ているクマ」が目撃されました。札幌市と警察は16日も、クマが歩いていたとみられる札幌ドームの敷地内を捜索しました。センサーカメラを設置してクマへの警戒を強めています。

(住宅街にイノシシ親子出没:福岡)
福岡県筑紫野市の住宅街に16日午後、計5頭のイノシシが出没した。成獣1頭と幼獣4頭とみられる。車や人に衝突するなどし、1人が軽いけがを負った。筑紫野署によると、最初に目撃されたのは同日午後3時50分ごろ。同市原田5丁目で、「イノシシが車に衝突して走り去った」と通行人から110番通報があった。約1時間後には、近くの病院から出てきた男性(24)にイノシシが正面から突っ込んだ。男性は足を2カ所かまれ、軽いけがをした。

(民家から約20メートルほどの空き地にクマ:新潟)
阿賀町久島で午前11時半前、付近の住民がクマ1頭を目撃し、警察に通報しました。体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されたのは民家から約20メートル離れた空き地の草むらで、警察などが現場に駆け付けた際に姿はなかったということです。警察などが付近の住民に注意を呼びかけています。

(住宅地でクマ目撃:北海道)
17日午後4時ごろ、町大川の町道にクマ1頭がいるのを近くに住む女性が目撃し、110番した。函館中央署によると、クマは体長約2メートル。女性は子供と町道を歩いていたところ、約100メートル先にクマを目撃。クマは走り去り、2人は自宅に逃げたという。

(クマの足跡確認:広島)
広島県東広島市は20日、豊栄町安宿の安宿地域センター近くの山中で、クマの足跡が見つかったと発表した。市農林水産課によると、同日午前8時ごろ、猟友会の男性が田んぼ沿いの山中でイノシシ用のわなを仕掛ける場所を探していたところ、足跡を発見。市豊栄支所に連絡した。支所職員たちが現地を調べ、長さ約15センチの足跡を確認。豊栄小中や賀茂北高に注意を呼びかけた。

(県道でクマ1頭を目撃:新潟)
20日午前7時半ごろ、妙高市関山の県道でクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。目撃された場所はゴルフ場や別荘があり、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(住宅地に招かれザル客:青森)
8月下旬以降、住宅地を中心に、青森県野辺地町内でサルの目撃情報が6件続いているとして、同町は防災無線やホームページで住民に注意を呼びかけている。

(「山の恵み」イノシシで豊かになるコミュニティ:須田泰成(すだ・やすなり))
中国山地の山あいにある島根県美郷町は、ドラマチックなほどに「ピンチをチャンスに変えた」自治体である。全国の中山間地域同様、少子高齢化に悩む同町は長年、主要産業の農業が深刻な鳥獣被害にさらされてきた。しかし23年前、役場職員と住人がタッグを組み、イノシシを害獣ではなく、町に豊かさをもたらす「貴重な資源」の「山くじら」と捉え直して活動を開始した。補助金に頼らず地道に続けた結果、肉や皮を原料とする持続可能なビジネスモデルと雇用を創造。その流れのなかで、若い移住者や企業、大学などの研究機関が集まるようになり、全国でも珍しい、産官学のネットワークを有する経済文化圏を創造するに至った。2022年の春には、イノシシ肉の加工場に勤める移住者のカップルに赤ちゃんも誕生。山奥に希望を生んでいる最先端事例を取材した。中国山地に囲まれた島根県美郷町は、日本のどこにでもあるような過疎のまちだ。人口4,355人、地域の高齢化率47.9%、人口減少率11.1%。JRの在来線は4年前に廃線となり、最寄りの出雲空港からは車で約2時間かかる。しかし、そんな状態にもかかわらず、まちには希望があふれている。役場職員と住人による補助金に頼らない20年以上の地道な取り組みが実を結び、近年、全国が注目する成功例となっているのだ。その中心になるのは、田んぼや畑を荒らす害獣イノシシを「山くじら」と名付け、町を豊かにする「貴重な資源」として有効活用するビジネスとコミュニティの形成だ。「山くじらビジネス」を支えるのは、地元のベンチャーである「株式会社おおち山くじら」。現在、常勤スタッフは4人。他にも地元からパート従業員を5人雇用している。代表取締役を勤める福岡県出身の森田朱音(もりた・あかね)さんを含め、5人が県外出身者。なかには、町が主催した婚活パーティーで隣町の女性と出会い結婚し、今年の春に第一子が誕生した社員もいる。設立2017年の同社には、前身の組織がある。2004年に設立された「おおち山くじら生産者組合」だ。住民有志が資金を持ち寄り、廃業したフランス鴨の処理施設を利用して予算をかけずに立ち上げた。活動開始から10年を超えた頃、組合員の高齢化が課題となり、地域おこし協力隊員として組合の仕事に取り組んでいた若い移住者の森田さんたちが起業して、事業を継承した。町内には現在、約400ヵ所の農地に「ハコ罠(わな)」が設置され、畑を守りながらイノシシを生け捕りにする仕組みができている。農家は設置した罠にイノシシがかかると会社に電話する。間もなく担当者が軽トラックで駆けつけ、イノシシを回収。町から捕獲者には一頭あたり6,000円が支払われる。衛生管理された社内の処理施設で、スピーディーに適切な放血を行ったのちに解体する。早い段階で適切な放血と内臓の除去が行われるので、臭みがない上質な肉となる。鮮度の良いまま冷凍または冷蔵保存され、主に首都圏のホテルやレストランに出荷される。ジビエを好むグルメ志向の強い比較的裕福な層とつながるビジネスモデルである。また、夏場で脂の少ないイノシシのスジ肉やバラ肉などは、高タンパク低カロリーのヘルシー食材として、常温保存が可能な缶詰にも利用される。2015年の発売から7年間売れ続ける3種類の缶詰は、「ポトフ」(税込み837円)「黒ビール煮込み」(税込み1,156円)「スパイス煮込み」(税込み994円)の3種類(価格は取材時2022年8月時点)。いずれも高級缶に類するグルメな消費者に向けた商品群だ。代官山にあるフレンチレストランのシェフが監修しており、年間約1万缶が製造・出荷されている。2022年夏にはレトルト商品もスタートした。8月には「イノシシ肉のスパイスカレー」「イノシシ肉のすき焼き風」を販売開始。続いて9月には「イノシシ肉の麻辣火鍋」「イノシシ肉の魯肉飯」が発売された。産地のメリットを最大限に活用した、上々のビジネスを展開していると言える。ちなみに缶詰とレトルトいずれも、イノシシ肉と合わせて使用する野菜は、可能な限り美郷町産のものを採用。地元農業にもお金を回す枠組みだ。同社で処理するイノシシの捕獲数は、年間約500頭。ただ、このまちに設置されたハコ罠は、山に生息するイノシシの撲滅が目的ではない。イノシシが出てくると困る場所に設置して捕獲することで、人とイノシシそれぞれのテリトリーの境界線をつくることを目的としている。同じ地域に生きる人間とイノシシの共生もテーマの一つなのだ。獣害に悩む自治体は珍しくない。頭を抱えるほどのピンチをチャンスに変え、ビジネスを創出した美郷町はまさに好事例。筆者はこの目で確かめたくなり、中国山地の山奥に向かった。出雲空港からレンタカーで約2時間、いくつもの長いトンネルを抜けると、美郷町に着く。町の中心には、中国地方最大の河川・江の川(ごうのかわ)が流れ、周囲を取り囲む山々の緑が濃く深い。隣接する大田市には世界遺産・石見銀山の遺構がある。美郷町内にはかつて銀を運ぶ街道があり、河川交通も盛んだったというから、歴史のあるエリアなのだ。午後1時、おおち山くじらの森田朱音さんと待ち合わせたのは、町役場からほど近いコンビニの前。そこからすぐの、今年2022年4月にオープンした「和洋猪食処またたび」で、ランチがてら話を聞いた。我々が食べたのは、おおち山くじらが提供するイノシシの肉を使った「山くじらラーメン」だ。元々は、昨年解散した町の第三セクターの日本料理店で提供されていた名物ラーメンだった。そこの料理長だった山本真(やまもと・しん)さんが独立開業した新店で、復活させたものだという。「地元の人に長く愛されたラーメンなので、この味がまた食べられるようになって喜んでいる人がたくさんいます」と、森田さん。イノシシ骨のスープは、クリーミーでコクがあるが、さっぱりしていて、胃にも優しい。中細の中華麺との絡み具合もいい。ピーマンなど地元産の野菜もシャキシャキとうまい。なんと言ってもすごいのが、イノシシのチャーシューだ。脂身に潜む甘み、赤身に凝縮された旨味。噛むほどにジビエの口福が広がっていく。高齢者も含むお客さんたちの多くが、このラーメンを普通に食べているのを見ると、美郷町の人々の暮らしとイノシシの身近さを強く感じた。他に、旅館や農家民泊などでもイノシシ料理が提供されているという。ちなみに美郷町では、2005年から学校給食にイノシシ肉が取り入れられている。子どもたちが地元の山の恵みを味わうという「食育」に力を入れている格好だ。「私は、2014年に美郷町に移住してきました。最初は地域おこし協力隊の一員として給料をもらいながら、当時は住民有志による組織だったおおち山くじら生産者組合の事業に関わるようになりました。3年たって、地域おこし協力隊の任期が切れたタイミングで、高齢化による先行き不安があった生産者組合から事業譲渡を受けるかたちで株式会社のおおち山くじらが2017年に発足しました。そちらの代表として、経営を行うようになったんです」。移住者が、地域で持続可能なビジネスを起業した理想型と言える。森田さんは福岡県出身。大学卒業後、東京の地域活性事業を行うマーケティング会社に勤務したが、「補助金を得てプロジェクトを立ち上げるが、補助金が切れるとプロジェクトは終わる。そういう持続可能でないビジネスにやりがいを感じることができず、自分の居場所を探していた」という。「美郷町で暮らして8年になりますが、よそからきた人間ということで嫌な思いをしたことが一度もないんです。私の想像ですが、石見銀山で採れた銀を運ぶ街道があったり、江の川の河川交通があったりと、昔から外の人間を受け入れてきた歴史があるからだと思います。特に中高年の女性たちのグループがおおらかで楽しくて、いつも助けられています。最近、もうここに家を買っちゃおうかなと思う時があります」。森田さんの笑顔から、居場所とライフワークに出会った幸せが感じられた。「美郷町は、女性たちが生き生きしていて、高齢者が輝くまちなんです」。美郷町の住みやすさについて語る森田さんに、面白い場所に連れていってもらった。それは「青空サロン市場」という催しである。乙原という地区で毎週水曜日の早朝に開催されており、地元の4つの集落のお母さんたちが2004年から持ち回りで運営している“手弁当”の催しだという。山あいの道路脇の空き地に、祭りの縁日のように人が集まっていた。数十人はいるだろうか。中高年の女性たちの元気な声、笑い声が飛び交う。「コーヒー飲む? おにぎりも煮物もあるよ!」「この漬物は自信作!」「ピーマン! ナス! トマト! どれも一袋100円!」「おにいさん、県外から? へぇー東京!」。「あかねちゃん! 旦那さん、どう? 元気!?」と、野菜を売る農家の女性が森田さんに声をかける。森田さん自身も美郷町で出会いがあり、昨年、結婚したという経緯がある。初対面の筆者にも陽気な言葉が次々と投げかけられる。おにぎりと煮物をいただいたが、どれも絶品、しかも驚くほどの安価。他にも手づくりのパンやケーキ、和菓子などもある。興味深かったのは、売ったり、買ったりのコミュニケーション以外に、あちこちで地域内の情報交換や交流が生まれていることだった。県外の自治体の見学者も複数いて、あちこちで名刺交換や紹介が行われていた。一人暮らしの移住者も、ここに来れば、人と人との触れ合いがある。ここは文字通り、青空の下の「サロン」市場なのだった。次に連れていってもらったのは、車で5分ほど、おおち山くじらの本社と食肉加工場の目の前にある「青空サロン畑」だった。「ここはモデル農園で、高齢になっても獣害対策と農業を両立できる知恵と工夫が詰まっています。イノシシやサルに荒らされず、みんながこの町で100歳まで農作業ができることをめざしています」。見ると、柑橘の木がどれも低い。せいぜい伸びても150cmくらいまでの品種に限っている。それは高齢になって高いところに手が届きにくくなっても、電動車椅子に乗りながら作業ができるようにと計算されたもの。また、どんな作物も畑を取り囲む防護柵から2mほど離して植えられている。猿が柵の隙間から手を伸ばしたり、鹿やイノシシが口を差し入れたりしても、作物に届かない距離である。こうすることで、そこが「エサ場」ではないと諦めさせる効果があるという。この「青空サロン畑」にも、先ほどの「青空サロン市場」を視察していた一団がいた。県内の自治体と企業関係者のグループだという。彼らに獣害対策の話をしているのが、元農研機構近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム長である井上雅央(いのうえ・まさてる)さん。鳥獣害のエキスパートとして、全国の中山間地域を指導に飛び回っている。井上さんと美郷町とは、1999年から獣害対策の研究と実施を指導する長い付き合い。現在はこの乙原地区に移住し、美郷町を拠点としている。井上さんの活動は、今年6月にNHKスペシャル『獣害を転じて福となす~雅(まさ)ねえと中国山地の物語~』で放送されるなど、全国的な知名度がある。害獣イノシシを「山くじら」と呼び、「貴重な資源」として活用する美郷町は、獣害対策の第一人者が暮らす町でもあるのだ。「青空サロン畑」を後にして近くの公民館を訪れると、2006年に始まった婦人会のチーム「青空クラフト」によるレザークラフトの製造が行われていた。公民館の一室がクラフト製品を作る工房になっており、ここでイノシシの革を材料に作業を進めているのだ。なお、イノシシの革はここで獲れたものを東京のなめし専門業者が加工しているという。実は、美郷町は1960年代から70年代にかけては縫製産業が盛んな土地だった。地域の女性の多くが縫製業に従事した歴史がある。安定して確保できるようになったイノシシの革と、町の女性たちの「昔とった杵柄(きねづか)」の縫製技術がつながったことで生まれたビジネスである。世間話をして笑いながら生き生きと手先を動かす婦人会の皆さんの様子を見ていると、先ほどの「青空サロン畑」同様、ここは多様な立場の人が輝く町だと実感したのだった。こうして見てみると、移住者が定住して運営するおおち山くじらを取り巻く環境は、とても優れたコミュニティだと感じた。オープンな雰囲気の「青空サロン市場」は、移住者が町の人たちと仲良くなる空間であり、「青空クラフト」や「青空サロン畑」のように高齢者が生き生きと働く姿は、若い世代の移住者に「ここに住み続けたい」という思いを抱かせる。鳥獣害対策の専門家である井上雅央さんの存在も大きい。ここでコミュニティが成立し維持できているのは、鳥獣害に悩む地域の課題を解決に向かわせる知見があったからだ。森田さんは次のように語る。「山くじらビジネスは、町をあげての総力戦です。実は、グランドデザインを書いた『信念の人』が町役場にいるんです」。森田さんに教えられた「信念の人」に会いに行った。その信念の人とは、1999年から美郷町役場で産業振興を担当する安田亮(やすだ・りょう)さんである。安田さんは、先祖代々この地に暮らす地元の住人。名古屋の大学を卒業後、1991年に美郷町に戻り、信用金庫勤務を経て町役場に就職した。バブル崩壊の時期に当たるその頃は、全国の中山間地で獣害が深刻になった時期であり、また少子高齢化の影響も懸念されるようになった。安田さんも地元の将来に不安を抱え、「なんとかしなければ」と思い続けていたという。安田さんの名刺には「山くじらは縁結び」という言葉があった。「山くじらの活動は1999年に始まって、今年で23年目になります。田んぼや畑を荒らす害獣だったイノシシを貴重な資源である山くじらと捉え直すことで、本当にたくさんの素晴らしいご縁がつながって、どんどん広がっています」この23年間の成果は、すべて安田さんの緻密な状況分析に基づく地道な活動の積み重ねがベースにある。つまり、おおち山くじらブランドは、いきなり生まれたのではない。スタートの年である1999年、まず初めに安田さんが行ったのは、当時は農林水産省中国農業試験場の研究員だった江口祐輔(えぐち・ゆうすけ)さん(現在は麻布大学教授)や、前述の井上雅央さんをはじめとした専門家の協力を得て、住人が主体的に野生鳥獣から農作物を守るノウハウを学ぶ機会づくりだった。当時、まだ全国レベルでは猟友会に依存した害獣捕獲体制が一般的だったが、農家や住民が自らの土地を守る駆除班組織にシフト。それは「補助金」「猟友会」「行政」といった言葉に象徴される、外部への依存体質から地域が脱却することにもつながった。今でこそ補助金に頼らない地域づくりが叫ばれているが、それを23年前から行っていたというのだから、安田さんらの取り組みは先駆的と言える。専門知識を商品開発に適用したことも功を奏した。現在は缶詰などに利用され、売り上げに貢献している夏場のイノシシ肉だが、従来の食品市場では「赤身で脂がない」という認識が強く、商品価値が訴求できなかった。しかし、安田さんは2001年から、独立行政法人農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター(現在の国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構西日本農業研究センター)と共同で調査を進め、「夏イノシシの肉質が、高タンパク・低脂肪でヘルシーな肉である」ことをデータで示すことに成功した。このデータを生かした商品企画を進めるのと同時に、捕獲現場から食肉処理施設までイノシシを生かしたまま搬送する技術を開発。それが2004年、おおち山くじらの前身であるおおち山くじら生産者組合の設立につながった。「ビジネスを考える時には、同時に福祉が大切になります。お金を稼ぐことに並行して、コミュニティを強くする福祉をケアして、二本柱にする。そうすると、相互作用が生まれてうまくいく」。前述の「青空サロン市場」「青空サロン畑」「青空クラフト」など、農村に暮らす女性が輝き、高齢者が活躍できる地域を実現するための仕組みづくりが始まったのは、2006年。これら福祉の視点に基づく仕組みを用意した結果、森田さんたち移住者が集まった格好だ。移住者たちが地元コミュニティになじみやすく、「ずっとここに住みたい」と思うようになっているのは特筆すべきことだ。2017年におおち山くじらが会社として設立されたのは既に述べた通り。これによって、ローカルビジネスという地域活性化の柱が生まれた。森田さんのように、地域おこし協力隊員としてこの土地にやってきた人が定住してくれるのは、こうした柱があるからだ。地域おこし協力隊員は総務省の予算で展開するため、3年の任期を終えた後も引き続き定住したいのであれば、何か魅力的な仕事を確保しておく必要がある。しかし、それは簡単なことではなく、任期後に定住するケースは少ないとも言われている。地域に経済的に独立した会社組織が存在しており、そこで地域の経済を回す一端を担えるというのは、志のある若手には魅力的に映るはずだ。一連の活動は現在、新しいダイナミックなフェーズに入っているという。それは美郷町が中心となる「鳥獣害版シリコンバレー構想」だ。「米国のカリフォルニア州にあるシリコンバレーは、そこに行くとIT分野の新しい技術や情報、人脈が手に入る、世界経済をリードする中心地ですよね。私たちは美郷町に、日本をリードする『鳥獣害対策版シリコンバレー』すなわち『美郷バレー』をつくりたいんです。『鳥獣害対策と住民の取り組みに関しては、島根県美郷町に行けば新しい技術や情報が入り、人脈も広がる』という場所にしていきたい」。安田さんの言葉は、既に現実のものとなってきている。「山くじら」をツールとした長年の取り組みに共感した外部の企業や大学、自治体が集まり始めているのだ。その代表例が、獣害対策用の素材メーカーであるテザック(大阪市)や、電気柵など獣害対策機器メーカーであるタイガー(大阪府吹田市)だ。美郷町は、両社と商品開発など幅広い分野での協力体制にあり、タイガーは2021年4月に中国営業所を町内に開設している。また、大手の古河電工とは2020年に協定を結んでおり、野生動物および自然災害による被害防止に関する包括的連携を進めている。教育研究機関との協力関係も密だ。例えば、獣医を育成する専門教育機関である麻布大学(本部の所在地は神奈川県)だ。同大学は美郷町に教育研究施設の「麻布大学フィールドワークセンター」を設置済み。人と動物と環境との共生をテーマに教育・研究に取り組む施設と位置づけ、美郷町全体を大学教育・学生の研究および教育のフィールドとして活用している。この施設を通じて、美郷町には若い学生が学びに訪れ、地域の住民と交流する格好になっている。他にも兵庫県丹波篠山市、神奈川県大磯町など自治体との連携も進めており、全国各地からの視察や交流のリクエストも増え続けている。「企業や大学、自治体などいろいろなつながりが生まれていますが、税金を投入して誘致したことは一度もないんです。すべて、獣害対策や食肉利用、山くじらへの興味がきっかけで知り合った人との関係が、長い時間をかけて発展して、一緒に何かやりましょうとなるケースばかり。それが一番強いんです」。「山くじらは縁結び」をリアルに感じる“美郷バレー構想”の話を聞くうちに、筆者の感覚にも変化があった。役場を取り囲む山々が、まさに宝の山に思えてきたのだ。お話を聞き終わって、移住者の森田さんが今や“故郷”を感じるという場所を教えてもらった。江の川沿いの緑の道、桜の並木があり、春になると、満開の花びらが舞い散り、とても素敵なのだという。安田さんと森田さんが、川を眺めながら言葉を交わす。「(安田)亮さんたちが作ってきた仕組みに、私が、なぜかはまったんですよね」と、森田さん。「役場の中でも、7年前くらいまでは、私は『変わりもん』という浮いた感じがありましたが、最近は、(森田)あかねちゃんのビジネスがうまくいってるのを知って、共感してくれる人が増えてきまして、イノシシさんとか呼ばれたりするんですよ(笑)」(安田さん)。二人の笑い声が、川沿いの心地よい風に乗って、山くじらが暮らす山あいに広がった。

(ジビエの加工場を新設へ、鹿肉出荷4倍に:岩手)
県内唯一の鹿肉加工場を稼働する大槌町のMOMIJI(兼沢幸男代表取締役)は、事業拡大に向け工場新設に乗り出す。開業から2年余、高品質なジビエの引き合いが県内外で高まる一方、現工場は手狭で需要に追いつかない状況が続いていた。現在の4倍近い年間千頭の出荷を目指す。シカによる農作物被害は深刻で、畑を荒らす厄介者を地域の資源に変える取り組みを軌道に乗せる。現工場がある同町安渡(あんど)の町有地に、木造平屋で床面積169平方メートルの工場兼事務所を新設する。工場部分は現在の約8倍のスペースを確保し、処理頭数は1日当たり平均1頭から同3、4頭になる見込み。10月中旬に着工し、来年4月の稼働を目指す。総事業費は約9千万円で、国や町の補助金を活用する。

(ジビエ料理で町おこしの会社に建物寄贈:岩手)
大槌町でジビエ料理などで町おこしに取り組んでいる会社に、町内の建物がイベントスペースとして寄贈され、21日、お披露目されました。寄贈されたのは大槌町大槌にある一戸建ての建物で、建物を所有する都内の女性から大槌町で野生のシカなどのジビエ料理の普及を通して町おこしをしている会社に贈られました。21日は建物をイベントスペースとして活用するにあたって関係者にお披露目され、会社の兼澤幸男代表取締役が「地域資源を活用する事業を行う中で地域の人々とさらに関われるようなイベントを行っていきたい」と抱負を語りました。このあと会場では町内の湧き水を使って仕込んだ日本酒を地元の特産品にしようという取り組みが紹介されました。大槌町の湧き水はミネラルのバランスが酒造りに適していて、完成した酒はフルーティな香りと口当たりの良さが特徴だということです。21日は酒とシカのもも肉を使ったジビエ料理がふるまわれ、集まった人たちがさっそく相性を確かめていました。会場を訪れた大槌町の平野公三町長は「地域の人々の思いを受け、地元の特産品を今後さまざまな形で広めていきたい」と話していました。

(ジビエメニュー販売13年目となる今年はスパイシーなカレー:東京)
株式会社JR東日本クロスステーション フーズカンパニー(所在地:東京都台東区 /カンパニー長:日野 正夫)は、JR東日本グループが取り組む「地域再発見プロジェクト」の一環として、2022年9月26日(月)から「ベックスコーヒーショップ」ライスメニュー取り扱い店(57店舗)で、約15,000食限定で、「国産ジビエ 鹿肉カレー」を販売します。鹿肉を粗く挽きソテーして使用。鹿肉の歯ごたえと旨味が感じられるスパイシーなカレーに仕立てました。野菜の甘みだけでなく、ポートワインとチャツネの甘味も加わり、鹿肉の旨味とマッチした深みのある味わいになっています。

(ジビエ味わって:高知)
須崎市など中山間地域の特産加工品を広めようと、県などは17日、高知市北御座の「とさのさと」で販売会を開いた。イノシシ肉のメンチカツや 鯛たい めしなどが並び、多くの買い物客でにぎわった。ジビエの加工や弁当販売に取り組む集落活動センター「うらのうち」(須崎市浦ノ内東分)が参加し、イノシシ肉を使ったメンチカツやソーセージ、鯛めしと鯛のフレークを販売した。メンチカツを購入した高知市小津町、主婦の 矢間やざま さきさん(56)は「以前イノシシ肉とシカ肉を食べておいしかったので訪れた。自分で調理するのは難しいのでうれしい」と話した。

(鹿肉とみそが絶妙の「鹿肉味噌」:京都)
「寒山拾得」の鹿肉味噌は野趣あふれる鹿肉に、みそのコクがいいあんばいで箸が止まらなくなる一品だ。京都府舞鶴市西方寺でジビエ(野生鳥獣肉)の加工・販売と農家民宿を営む「寒山拾得」と、宮津市世屋地区で昔ながらのみそを製造する「世屋蔵」が力を合わせて開発した。保冷室で2週間寝かせ、うま味を増したシカ肉をミンチにしてみそを混ぜ合わせた。添加物は不使用。開発した寒山拾得の清水祐輔さん(36)は「冷ややっこやキュウリと合わせてもいい」と勧める。

(エゾシカのみそラーメン:岩手)
宮古市茂市の湯ったり館(山口公正代表取締役)は10月末まで、北海道産エゾシカを使った「ジビエみそラーメン」を土日祝日限定で提供している。野趣あふれる味わいに仕上げた自信作だ。香ばしく焼いたエゾシカの骨からだしを取った。八丁みそが決め手の濃厚なスープにカボチャ粉末を練り込んだ特製麺がよく絡む。圧力鍋で軟らかく煮たエゾシカのチャーシューがのり、1杯990円。土日祝日に1日限定10食。提供日の食堂営業は午前11時~午後8時。

(エゾシカ肉で新和食3品:北海道)
十勝町村会は、エゾシカ肉をメインの食材に使った新しい和食料理の試食会を10月4日、池田町のワイン城で開く。東京都の台東、墨田両区と連携し十勝の農産物と江戸の食文化を融合させる取り組みで、料理は台東区の日本料理店「中坂下 ちそう」のオーナー大里利光さんが3品を開発。大里さんが自ら腕を振るい、十勝管内18町村の首長らが試食する。エゾシカ肉の新しい料理3品は「鹿肉の草なべ 柚子胡椒(ゆずこしょう)・大根おろし」「鹿前足の黒酢ソース 彩り野菜」「鹿肉の割粉揚げ 蒸しキャベツのマッシュポテト和(あ)え 牛蒡(ごぼう)のホイロ 香草割ソース」。当日は大里さんがワイン城の調理場スタッフらの手を借りて3品を約20人分作り、各メニューについて紹介する。

(ジビエレザーがクラウドファンディングで先行販売開始:大阪)
アウトドアブランドの「LOGOS」を中心に展開する株式会社ロゴスコーポレーション(本社:大阪市住之江区、代表取締役社長:柴田茂樹)は、廃棄されゆくニホンジカ革を有効活用した、シンプルかつ実用性に優れてマルチに活躍する小物入れ「鹿革クラフトコインパース・カードケース」を、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」にて、2022年9月22日(木)から11月11日(金)の期間、数量限定で先行販売いたします。本アイテムは、有害鳥獣として駆除されたニホンジカの革を使用したアイテムです。人と自然をつなぐ第一ブランドを目指すLOGOSから、通常であれば廃棄される害獣革をジビエ革として有効活用した”自然の恵み”アイテムが登場しました。レザーのカシミヤとも呼ばれる鹿革は、しっとりとやわらかい触り心地が特徴であり、通気性、吸湿性にも優れます。さらに、型崩れしにくく長期間使えるほか、環境にも配慮した「ノンクロムなめし」により、使うほどに色の深みが増すので、革本来のエイジングを楽しむことができます。また、仕上げの作業は製品が届いてから行う仕様になっており、簡単に組立てられるので、ご家族で一緒にクラフト体験を楽しめます。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前6時ごろ、仙台市太白区秋保町湯元薬師にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、21日午前8時ごろ、登米市東和町米川北上沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午前8時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋泉口にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日夜、仙台市青葉区芋沢松葉沢上にクマが出没しました。

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(私有地の箱わなに首輪ない犬、シカを襲う群れの野犬か:北海道)
シカを襲う野犬の群れが問題になっている北海道釧路市で、市内の男性が私有地に設置した箱わなに、野犬とみられる1匹が入っていたことがわかりました。釧路市によりますと、15日午前10時ごろ、市内に住む男性から「私有地に設置した箱わなに犬が入った」と連絡がありました。男性は、菜園などがある私有地に、8月ごろから野犬が出入りし、飼い犬の餌を荒らされるなどの被害があったため、箱わなを設置していたということです。箱わなに入った犬は茶色で、体長1~1.2メートルほど、首輪をしていませんでした。釧路市環境保全課は「目撃されている野犬に特徴は似ているが、断定できない」とし、迷い犬として保健所に引き渡しました。このあと、市役所の掲示板に犬の情報を載せるなどし、飼い主がいないか調べることにしています。釧路市と、隣接する釧路町では、8月以降、野犬の群れに襲われたとみられるシカの死がいが6頭見つかっています。釧路市は対策として、大規模運動公園などに箱わなを設置していますが、野犬を見ても近づいたりせず、すぐに連絡するよう呼びかけています。また、わなを設置して動物を捕獲するには、許可が必要なので、野犬などの被害のある人は、事前に相談してくださいと話しています。

(ヒグマと列車の衝突が過去最多、「熊キャッチャー」を開発:北海道)
2021年度に列車がヒグマと衝突したり、衝突回避のため徐行したりした回数が過去最多の68件に上っていたことがJR北海道のまとめでわかった。今年度も36件(11日現在)の事例があり、秋以降は出没が増える時期のため、さらに衝突が増える恐れがある。8月28日午後8時20分頃、宗谷線智恵文―日進(いずれも名寄市)で、札幌行きの特急「宗谷」がヒグマに衝突。死体の除去などのために最大3時間20分の遅れが生じた。31日夜にも、同線でヒグマがはねられ、除去のため最大3時間10分遅れた。JR北によると、ヒグマと衝突もしくは、衝突の可能性が生じた件数は、16年年度21件だったが、17年度39件、18年度32件、19年度23件、20年度56件と増加傾向にある。列車との衝突が増えた理由について、ヒグマの生態に詳しい北海道立総合研究機構の釣賀一二三研究主幹は「個体数の増加が背景にある可能性がある」とみる。道のまとめでは、ヒグマの個体数は近年増加しており、1990年度は約5200頭だったが、14年度は約1万500頭、20年度は約1万1700頭と推定される。エゾシカとの衝突も16年度の1777件から昨年度は2632件で過去最多となっており、釣賀研究主幹は「列車にはねられ、 瀕死ひんし でその場を離れたエゾシカを食べ、その味を覚えたヒグマが線路に近づいてくる場合もある」と指摘する。ヒグマとの衝突後に死体を素早く除去しなければ、列車の停止や遅延は長引く。ただ、JR北によると、死体を回収しようにも、子グマをひいた場合は、周囲に親グマがいる可能性が高く、攻撃されることもあるという。このため、JR北はハンターの手配ができない場合などに、保線車両内から外部に出ずにヒグマをつり上げられる装置「熊キャッチャー」を開発し、活用している。油圧式のアームでヒグマの体を挟んでつり上げる仕組みで、幌延や美深などに計4台配備している。しかし、今後も列車との衝突は減りそうにない。道ヒグマ対策室によると、個体数の増加の背景には、90年度に「春グマ駆除制度」が廃止され、以降、積極的な捕獲が行われなくなったことに加え、ハンターの高齢化による減少があるという。同対策室の担当者は「状況が変わらなければ、今後もヒグマの生息数は増えていくだろう」と話している。

(ブドウのクマ食害相次ぎ、注意呼びかけ:山形)
南陽市松沢のブドウ直売所「安達農園」の安達芳紀代表(43)が園地内で、クマが収穫前のデラウェアを次々と食べる映像を撮影した。ブドウの産地の同市と隣接する高畠町でも同様の被害が相次いでおり、高級ブドウ「シャインマスカット」の収穫が本格化するのを前に、行政が注意を呼びかけている。安達代表によると、直売所近くの山の斜面の園地に異変を感じたのは8月10日ごろ。ブドウが食べられた痕跡を確認した。枝が折れているなど、例年のカモシカやサルなどの被害状況と異なることから赤外線カメラを購入し、同22日夕方に園地に設置。カメラには23日午前3時10分過ぎと同午後11時半ごろ、園地内でブドウを物色したり、次々と食べたりする姿が映っていた。クマの体長は150~160センチとみられる。「近隣の被害は聞いていたが、うちにもとうとう来たなと思った。早朝の作業が多いため、恐怖心も増幅した」と安達代表。23日に市役所に通報したところ、今月上旬、成獣1頭を捕獲したとの連絡が来た。安達代表の園地では、12アールのうち約4分の1が被害に遭ったが、全ての果実を収穫したため、被害はなくなった。ただ、近くの園地では収穫前のシャインマスカットやピオーネといった大粒ブドウの被害が続いているという。2020年10月には高畠町竹森で、シャインマスカットが3日間にわたって食い荒らされる食害が発生している。シャインマスカットは、収穫本格化が間近。南陽市農林課は「園地周辺の草刈りでクマの隠れる場所をなくすなどの対応が必要。猟友会と協力しながら追い払いも必要に応じて行う」、高畠町農林振興課は「電気柵購入補助などで食害防止を進める」などとしている。

(イノシシ捕獲数が5~8割の減、豚熱影響か:山口)
山口県東部の岩国、周南、光、下松市で4月以降、野生イノシシの捕獲数が昨年の同じ時期と比べ5~8割減っている。ここ数年との比較でも大きく減少している。4市とも3月以降、致死率が高い豚熱(CSF)に野生イノシシが感染した例が確認されており、影響が広がっているとみられる。

(ニホンジカ、食害懸念:青森)
ニホンジカは14日午前11時ごろ八戸市是川の広域農道沿いの水田に現れました。体長は1メートル以上、オスと見られ、車のクラクションの音に驚いて10分ほどで林の中に姿を消しました。ニホンジカは年々生息域を広げていて農業被害などが懸念されています。県によりますと昨年度、県内では過去最も多い334件の目撃情報が寄せられ、市町村別では八戸市が126件で最も多くなっています。県や八戸市はシカを見つけても不用意に近づかないこと、驚かせないことと、そして情報提供をするよう呼びかけています。

(農作物への被害額が最も大きい野生の生き物は?)
SDGs(持続可能な開発目標)は2030年までの国際目標です。産業界では業種を問わず、その達成に向けた取り組みが求められています。この記事では、SDGs関連で知っておきたい言葉や押さえておきたいポイントをクイズ形式でご紹介します。実務の遂行やビジネス雑談、就活での知識整理にお役立てください。国内の野生鳥獣による農作物への被害状況で、被害額(20年度)が最も大きかった生き物は?[正解]シカ。野生鳥獣による農産物などへの被害が各地で問題になっています。農林水産省が都道府県の報告を取りまとめた「全国の野生鳥獣による農作物被害状況」をみると、20年度の被害金額は161億円に上ります。このうち、56億円をシカによる被害が占めてワーストとなっています。次いで大きいのはイノシシの46億円。この2つで野生鳥獣による被害金額の6割強を占めます。ちなみに3位はカラスで14億円で、獣類に限れば3位はサル(9億円)となります。各地で被害が起きている原因は、1つではありません。耕作放棄地が増えて、鳥獣類の餌場になったり隠れやすくなったりしたことやハンターの高齢化・減少で捕獲数が減ったことなども原因です。それらに加えて、影響をもたらしているのが地球の温暖化です。シカの場合、積雪が減ったことや暖冬化で生息できる範囲が広がり、冬を乗り越えやすくなりました。長期間かけて育てた農作物などが被害を受けることは、営農意欲の減退にもつながりかねず、農林水産省は「数字に現れる以上に深刻な影響」を及ぼしていると警告しています。SDGsでは目標の13番目に「気候変動に具体的な対策を」が掲げられています。シカによる被害は、この目標と関係するだけでなく、目標の15番目「陸の豊かさも守ろう」とも関係しています。シカは口の届く高さの草木を食べつくしてしまいます。このため、「ディアライン(ディアは英語でシカの意味)」と呼ばれる植生上の線をもたらすなど、森林にも深刻な影響を及ぼしているからです。各地で農作物の被害が多発するなか、シカとイノシシについては13年に「生息頭数の10年後までの半減を目指す」こととした「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」が環境省と農水省で策定されました。被害対策としては、ICT(情報通信技術)を使った捕獲情報の共有や狩猟人材の育成、ジビエ(野生鳥獣の食肉)利用拡大など様々な取り組みが進められています。

(「マタギ」の年収や仕事内容って?)
クマやシカ、イノシシなどの狩猟をするマタギという仕事を聞いたことがある方も多いでしょう。ジビエ料理の流行に伴い、テレビや新聞などのマスコミで狩猟について目にする機会も増え、狩猟は身近な存在になってきました。ここでは、狩猟を生業(なりわい)としているマタギの年収や仕事内容について解説します。マタギ(又鬼)とは、日本の東北地方などの山岳地帯で、クマやシカ、イノシシなどの野生動物を伝統的な技法で狩猟を行う人のことで、特に秋田県の阿仁マタギが有名です。マタギの仕事は、野生動物を相手にするので、自然環境への深い知識や狩猟する動物への対応力が必要です。自然の中で共存するために「山の恵みをいただく」というマタギの精神のもと、生態系を乱さないように山の環境への配慮も必要となります。森林の減少やカモシカの禁猟化という背景もあり、マタギのみで生計を立てている人は近年減少しています。また、高齢化が進むにつれて、後継者が育たなくなりマタギの文化を受け継ぐ人がいなくなってしまうという深刻な問題もあります。また、マタギの減少と相まって、近年は野生動物によって起こされる「獣害」も増加しています。イノシシやシカなどが畑の作物や樹木の樹皮、高山植物を食い荒らす「食害」、入山した人がクマに遭遇し襲われる「人身事故」のような被害も後を絶ちません。自然と共に生きるためにも、獣害を駆除する狩猟者の役割は大きいのです。マタギに限らず猟師になるためには、「狩猟免許」が必要です。狩猟免許は都道府県知事が交付するもので、罠猟(わなりょう)免許、網猟免許、第1種銃猟免許(装薬銃)、第2種銃猟免許(空気銃)の4種類があり、自分の狩猟スタイルに合わせて免許を取得します。また、猟銃を所持するためには、住所地の公安委員会(都道府県警察)に猟銃所持の許可を受ける必要があります。資格取得後は、地域の狩猟者に同行して狩猟技術を教えてもらいながら狩猟をします。地域の猟友会に所属すれば初心者でも参加しながら技術を学ぶ機会が得られるでしょう。マタギの平均年収は240万円程度といわれています。しかしマタギの収入は狩りをした野生動物を売って生計を立てているので地域差や個人差も大きいのが現実です。地域によって狩猟可能な期間が定められていて、11月中旬~翌年2月中旬までしか狩猟することはできません。そのため、狩猟期間以外は、山に詳しいという特技を生かしてガイドの仕事を請け負ったり、農・林業などをしたりしながら生計を立てることが一般的となっています。マタギを専業としていては、生活していけないのが現実なのです。近年ではジビエ料理の流行もあり、週末のみ趣味で狩猟をする人も増加しています。趣味で狩猟をする場合は、仕留めた獲物を売った金額が収入となりますが、有害鳥獣駆除をすれば報酬がもらえる制度もあります。有害鳥獣駆除とは、国や自治体からの依頼を受けて畑を荒らす野生動物を駆除することで報酬がもらえるという制度です。自治体によって報酬額は変わりますが、栃木県鹿沼市ではイノシシの駆除で1万6000円、ニホンジカ1万5000円、ニホンザル1万8000円の報酬が受け取れます。有害鳥獣駆除と狩猟では狩猟できる期間も異なります。また、国(農林水産省)は令和5年度概算要求の中で、市町村の「被害防止計画」に基づく取り組み等を総合的に支援する「鳥獣被害防止総合対策交付金」の費用として前年度比約25億円増の約125億円を計上しています。北海道を除く全国の猟期は、鳥獣保護法により原則、毎年11月15日~翌年2月15日と定められています。ただし、有害鳥獣駆除であればそれ以外の期間にも対象の鳥獣に限って狩りができます。それでも狩猟で生計を立てることは難しいですが、狩猟の技術を生かして副業として収入を得ることは十分に可能です。昔はマタギの世界は女人禁制でした。山の神様が非常に嫉妬深い女性なので、女性が山に入ると山の神様が怒るという、独特の世界観があったのです。現代でも自然を敬うマタギの精神が受け継がれるいっぽう、近年は女性や若い世代の狩猟者も増えつつあり、広く狩猟の文化を広めることが重要視されています。時代の流れとともにマタギ文化を取り巻く環境も変化しており、次の時代にどのようなマタギ文化をつないでいくかが課題ともいえます。

(タイワンリス「絶対に餌をあげないで」:神奈川)
中国南部やインドシナ半島など広く生息するタイワンリスが保土ケ谷区内でも頻繁にみられるようになってきた。頭の先から尾の付け根までの長さ20cmほどで、尾の長さも20cm前後。樹木の種子や果実、花、葉などを食べるほか、昆虫やカタツムリなどを捕食する。横浜市環境創造局動物園課によると市南部を中心に、急激に数が増え、市内全域で生息が確認されているという。日本国内では1930年以降ペットとして飼育されたものが逃げ出し、野生化していったという。50年以降県内でも姿が目撃されるようになり、2000年あたりから鎌倉市などで被害が報告されるようになった。姿こそ可愛らしいが、家の戸袋などに棲みついたり、樹木や電線をかじる、農作物への被害、生態系への影響などが危惧され、05年、必要に応じて防除ができる「特定外来生物」に指定されているという。アライグマやハクビシンによる被害ほどではないが、横浜市内でも農作物被害や電線の引き込み線をかじるなどの被害が確認されている。同課は「野生動物には絶対に餌をあげないで」と呼び掛ける。また、「被害がないようであればそのまま見守っていて大丈夫」としたうえで、民有地で被害を与えるタイワンリスについては、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可証の交付や捕獲ワナの貸し出し、捕獲されたタイワンリスの回収処分などの対応を行っているという。

(地図とコンパスで広大な山林を調査して歩く北大クマ研のヒグマ調査に同行)
ポイポーイ、ポイポーイ―。発足間もない1975年から、北大天塩研究林(宗谷管内幌延町)でヒグマの生息調査を続けてきた北大生のサークル「北大ヒグマ研究グループ(クマ研)」。クマよけのための伝統の声出しなどにより半世紀近くにわたる調査で襲われる事故はゼロ。昨年7月には駆除のあり方が生息数の上下に大きな影響を及ぼしていることを裏付ける論文を米学術誌に発表した。道内の研究者によると、これだけ長期にわたってクマの生息数を定点観測するのは世界的にみても異例で、若き研究者を育む場にもなっている。この夏、地図とコンパスを頼りに2万2千ヘクタールの広大な研究林を踏破するフィールドワークに同行し、冒険心にあふれる学生らの姿を追った。クマ研はヒグマの生態に興味を抱いた北大の大学院生と学生が70年に設立した。現在25人が所属し、天塩研究林のほか、大雪山系でクマの観察、調査を行っている。大学の非公認サークルながら、多くの卒業生が全国の研究機関や行政機関に就職し、野生動物研究や保護管理対策の現場で活躍している。天塩研究林での調査は75年に始まり、天塩川支流の問寒別(といかんべつ)川に流れ込む沢沿いを中心に設定した28のルートを歩いてヒグマの痕跡を探す。ふんや足跡、爪痕、食痕に加え、立ち木に背中をこすり付けて匂いを付ける「背こすり」の痕跡を調べることで、林内に生息するクマの数や性別、年代、餌などを分析している。今年は8月13~26日の日程で、研究林内の大学施設に寝泊まりしながら調査を行った。新型コロナウイルス対策で施設に寝泊まりする人数が制限されているため、1日の行程で参加したのは最大6人。途中で何度かメンバーを入れ替え、総勢10人が参加する調査となった。「明日の調査は3班に分かれて行います」。開始日前日の12日夜、今回の調査隊長を務める法学部2年山本大河さん(20)が本人の希望や経験、天候などを考慮しての班分けを発表した。記者が同行したのは研究林東部の冷水沢川を巡る班だ。参加したのは農学部森林科学科4年葉山翔太さん(22)と同学部畜産科学科2年大石智美さん(19)の2人。班長はクマ研が班を率いる技量があると認定した「リーダー」の資格を持つ葉山さんが務めた。13日午前4時に起床して朝食をとり、山で食べる昼食を準備する。車で林道のゲートまで向かい、午前5時半、いよいよ調査の開始だ。「ポイポーイ」「ポイポーイ」。先頭を歩く葉山さんが大声を上げると、大石さんも声を張り上げた。長年、クマ研が踏査する際、クマに自分の存在を知らせ、不意な遭遇を防ぐ伝統の声出しだ。なぜ「ポイポーイ」なのかは謎だが、ヒグマが多くすむ森の中を歩く調査を続けながら70年の創立以来一度もクマに襲われる被害は起きていない。トウガラシの辛み成分を噴射するヒグマ撃退スプレーは1人1本腰にぶら下げるが、クマよけに効果がある鈴は携帯しない。葉山さんは「鈴は絶えず音がして、周囲の物音が聞こえにくくなるから」と教えてくれた。ルート入りして間もなく、林道から冷水沢川に降り、水流の中を歩いて上流に向かう。深いところは膝まで水に漬かり、盛夏でも水は冷たく心地よい。両岸に生えたフキやササは背丈をゆうに超え、見通しがきかないため、クマが隠れているかもと思うと不安が募る。ルート上には今年5月、フキの群生地の中など5カ所に自動撮影カメラを設置してあり、今回の踏査では記録したSDカードの回収と電池の交換も任務だ。林道入り口から10分ほどで一つ目のカメラの設置場所に着いた。大石さんが手際良く、木にくくり付けたカメラを操作し、動画を確認する。「フキを食べるヒグマの映像を押さえ、茎に残った食痕をエゾシカと比較したいと考えています。まだうまく撮れていませんが」。主に画像の分析を行う大石さんが狙いを説明してくれた。フキの食痕の場合、エゾシカは食べ口がスパッと鋭利なのに対し、歯の形状の違いからクマは茎に繊維部分が残るといわれており、その証拠を映像に収めたいという。自動撮影カメラによる調査は5年前から行っており、体の特徴や毛色などから研究林で暮らすクマのうち約10頭は個体識別できるようになった。3カ所目の設置場所は前回の調査時、クマにカメラケースをたたき割られた場所だ。その時は「犯行の瞬間が映っていました」(大石さん)という。カメラはそのまま設置し直していたのだが、今回は何の映像も撮影されていなかった。前回、クマにたたかれた衝撃でカメラが故障したようだ。カメラは1台約4万円。大学の研究ではないため、購入費用はほとんどがサークルの持ち出しだ。葉山さんは「NPOなどの助成金も受けていますが、慢性的な金欠です」と苦笑する。

(人も野生動物も豊かに暮らす丹波篠山をみんなで創る!:兵庫)
全国で、シカ・イノシシ、サル等の野生動物による「獣害」が深刻な問題となっています。野生鳥獣による農作物被害金額は全国で161億円(令和2年度、農水省)。被害を効果的に防ぐ方法はありますが、農村では人口の減少、高齢化により獣害対策を行なうための意欲や労力が減退している状態です。獣害が深刻化し、人口減少・高齢化も進行していく日本の農村。今、最前線で獣害に立ち向かっている地域をみんなで支えなければ、次世代に継承したい豊かな「里のめぐみ」や自然と調和した人の暮らしが失われてしまいます。そこで兵庫県丹波篠山市では、包括的連携協定を結ぶNPO法人里地里山問題研究所(さともん)と協力して、被害を受ける高齢農家が孤立した獣害対策を行うのではなく、地域内外の交流を進め、みんなで楽しく「やりがい」や「生きがい」を向上させる、新しい「獣がい対策」に挑戦しています。また、こうした「獣がい対策」によって守られた丹波篠山自慢の美味しい農産物を届けて、みんなの食卓を豊かにする「獣がい対策応援消費」の推進にも新たに取り組んでいます。「人も野生動物も豊かに暮らせる丹波篠山の未来」を多様な人材とともに創ることで、野生動物との共生を目指す丹波篠山市。このオンラインイベントでは、丹波篠山市でのこれまでの取り組みを紹介し、今後新たに取り組んでいくプロジェクトについて説明します。

(イノシシ被害を防ぐには?高校生が地域課題の解決策を考える:香川)
高松市の通信制高校の生徒が地域の課題の解決策を考えようと、女木島でフィールドワークを行いました。女木島を訪れたのは高松市の穴吹学園高校の2年生6人です。授業の一環で訪れたもので、島のために何ができるかを考えます。「島の中ではニンニクや落花生といった作物の栽培が盛んなのですが、イノシシの被害を少しでも防ごうと、こうした柵が取り付けられています」。生徒たちは、島で暮らす人からイノシシの被害に困っていることを聞きました。島の人によると、女木島では10年ほど前からイノシシを見るようになったということです。高校生「イノシシの嫌いな臭いってあるんですか?」。棒本さん「ネギとかニンニク、スイセン。ああいう系統は嫌いなのかあまり来ないな」。高校生「わな1つあたりの価値というのは高価なもの?」。髙岸さん「4つで3万円」。生徒たちは、10月28日に解決策を島の人たちに提案する予定です。(高校生は―)「(イノシシは)電気柵ですら電線を切ってくるって聞いてイノシシの能力の高さにびっくりしました。(解決策を)考えることはできるので、それをやりたいです」

(“わな設置から一夜”クマ1頭捕獲:宮城)
9月、ニワトリがクマに襲われる被害が出ていた大和町の造園会社で、9月15日朝、クマ1頭が捕獲されました。15日朝、宮城県大和町で捕獲された1頭のクマ。大和町鶴巣山田の宮沢造園で、わなにかかりました。この造園では9月、敷地内のニワトリがクマに襲われました。その数、4回…。宮沢光夫さん「ここを広げて、ここから中に入った」。宮沢造園では、ニワトリ小屋の近くに動きに反応して光を放つ装置を設置するも思うような効果は得られず、県や町と対応を協議。そして、小屋の近くに14日、わなを設置したところ、15日朝、体長およそ1.4メートルほどのオスが、捕獲されているのが確認されました。宮沢光夫さん「毎日やられていないか見るだけで…」。Q.クマ捕獲で「(安心して)もうぐっすり」。クマはその後、殺処分されたということです。宮城県内でも相次ぐクマの目撃と被害。県によりますと、今年、クマに襲われてけがをした人は7人で、ここ10年で最も多くなっています。県は山林に近づく際はクマの活動が活発化する朝や夕方の時間帯を避け、鈴など音の出るものを身に付けるよう呼びかけています。

(JR富士川駅周辺で目撃されていたサルか、1匹捕獲:静岡)
静岡県富士市のJR富士川駅周辺の住宅街などで今年7月から度々目撃されていたとみられるサルが、14日捕獲されていたことが分かりました。富士市のJR富士川駅周辺では、ニホンザル2匹が頻繁に目撃されていて、8月29日捕獲の際、誤って麻酔銃の矢が市民に刺さる事故が起きていました。事故後、富士市は麻酔銃による捕獲は中止したものの、ワナを使って捕獲作業を進めていて、14日夕方、畑に設置したワナにオス1匹がかかっていたということです。富士市は、捕獲されたサルは目撃されたサル2匹のうちの1匹とみていて、すでに処分しています。市は今後も、もう1匹の捕獲作業とパトロールを続けていくということです。

(住宅街近くでクマの目撃:北海道)
13日夜、札幌市豊平区の住宅街の近くで、クマが目撃され、警察などが注意を呼びかけています。13日午後9時ごろ、札幌市豊平区羊ヶ丘の森林総合研究所北海道支所の敷地内で、通りかかった人が体長およそ1.2メートルのクマ1頭を目撃しました。目撃場所からおよそ1キロ離れた西岡小学校は、教職員らが児童の登校を見守りました。警察や札幌市は、14日朝から現場周辺をパトロールしていますが、これまでに足跡など、クマの痕跡は見つかっていないということです。

(札幌ドームでクマ目撃、専門家「初めてだ」:北海道)
「札幌ドーム北側の草地です。現在、猟友会や警察が草むらを調べています。痕跡を探しているのでしょうか」。草むらにはハンターの姿が。札幌市豊平区にある札幌ドームの敷地内では、けさヒグマの目撃情報があったことを受け捜索が続いていました。緑あふれる札幌ドームの周辺。茂みにヒグマが潜んでいる可能性があるため、爆竹を鳴らしながらカバーを外した猟銃をかかえての捜索…。捜索の結果、ドーム敷地内の斜面にヒグマによる踏み跡が見つかったということです。ことの発端は午前7時45分ごろ。札幌ドームの敷地内を散歩していた男性が、体長1.5メートルほどのヒグマ1頭を目撃しました。ヒグマが目撃されたのはドーム北側の国道36号に近い緑地帯。おととい夜には、3キロほど離れた羊ケ丘の森林総合研究所付近でも、ヒグマとみられる動物が目撃されています。札幌ドームでの目撃について専門家は-(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「聞いたことがない、初めてだと思う。森林総合研究所で目撃があったので、おそらくその個体が羊ケ丘通を越えて入ってしまったのだろう。すでにもういないか、静かにどこかに潜んでいるか。まだいると念頭に置いて対応しなくてはならない」。目撃情報をうけ、付近の小学校では保護者が迎えに来て下校する措置が取られるなど、市民生活にも影響が。札幌市では、ヒグマのような動物を見かけた場合、近寄らず、すぐに110番通報するよう呼びかけています。

(ロッテリア、ジビエ鹿肉バーガー)
ロッテリアで、「ジビエ鹿肉バーガー(トリュフ薫る秋きのこコンフィ)」「ダブルジビエ鹿肉バーガー(トリュフ薫る秋きのこコンフィ)」が9月29日から数量限定で販売されます(一部の店舗を除く)。ロッテリアでは、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」にも通じるジビエの普及・振興の取り組みにより、循環型経済の創出に貢献すべく、2016年4月からジビエ鹿肉を使用した「ジビエ鹿肉バーガー」を店舗・数量限定で販売し大好評。今回は、9月の29肉(ニク)の日に合わせ、農林水産省制定「国産ジビエ認証」制度(※)の基準をクリアした工場で適切に処理した鹿肉を使った「ジビエ鹿肉バーガー(トリュフ薫る秋きのこコンフィ)」を数量限定で販売します。※農林水産省が衛生的で安心安全なジビエを提供するために2018年にスタートした食肉処理施設を認証する制度。日本ジビエ振興協会は認証機関に登録されており、ロッテリアの「ジビエ鹿肉バーガー」は「国産ジビエ認証制度」の認証を受けた施設で処理された鹿肉が使用されています。「ジビエ鹿肉バーガー(トリュフ薫る秋きのこコンフィ)」は、牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーで鉄分豊富と言われている鹿肉を全体の約6割使用した鹿肉ハンバーグパティに、国産の舞茸とエリンギを低温のオリーブオイルでじっくり加熱してきのこの旨味と食感を引き出したコンフィをトッピング。細かく刻んだトリュフと白トリュフオイルをシャリピアンソースに加えた、芳醇なトリュフ薫るソースと合わされています。価格は920円(10%税込、以下同じ)。

(下諏訪の鹿肉使い料理:長野)
下諏訪町広瀬町の飲食店「本田食堂」は、16、17日の夜にJR下諏訪駅前の商店街で開催されるまち歩きイベント「ヨルクレバ」(下諏訪商工会議所主催)で、町内で捕獲した鹿を使った料理を提供する。鹿肉のローストや鹿肉のミートソースで作るパスタなどを用意。店主の本田由剛さん(42)は「おいしい食材が下諏訪にあることを知ってほしい」と話し、準備を進めている。同町で捕獲した鹿の有効活用を模索する下諏訪猟友会や地元の経営者から声を掛けられた本田さんが、「下諏訪に貢献できれば」とメニューを考案。同店では、これまでも県内産の鹿肉を使った炭火焼きやミートソース料理を提供してきたが、町内の鹿肉を使うのは初めてとなる。同猟友会が町内の山で捕獲した鹿を、茅野市の加工業者が精肉したロースとモモを使う。「鹿肉はしっかり加工処理をして正しく調理すると本当においしい」とし、「鹿肉料理のリピーターも多い」と本田さん。鹿肉のソーセージやテリーヌ、鹿肉ペーストを包んだおやきなどのメニュー作りにも取り組んでいる。当日は鹿肉以外のメニューも用意する。価格は500円(税込み)から。町内の鹿肉はまだ流通が少ないため、通常メニューとして提供できるか分からない状況だが、本田さんは「鹿肉は山の恵み。ゆくゆくは、下諏訪がおいしい鹿肉が食べられる町として知られるようになれば」と期待している。「ヨルクレバ」は両日とも午後5時~同9時に開催。同商店街にある飲食店の屋外席や町内飲食店の弁当販売ブース、キッチンカー、子ども向けの縁日などが並ぶ。

(「鹿シチュー」が美味!:京都)
京都府南丹市園部町天引に移住した女性が、シカ肉を使ったシチューを売り出し、口コミで人気を高めつつある。じっくり手間を掛けて煮込んだ味わいが好評で、女性は「天引を訪れる人を増やし、村おこしにつなげられたら」と笑顔を見せる。女性は2020年12月に京都市南区から移り住んだ奥村さつきさん(56)。調理師免許を持ち、介護施設で長く調理を担った経験を地域のために生かせないかと考えたという。「(自然豊かな)天引らしい」という理由で、シカに着目した。天引に近い兵庫県丹波篠山市の猟師が捕獲したシカの肉を使用。下ごしらえに4時間、味付けに2時間、計6時間を費やすシカ肉は、ほろりととろけるよう。何度も食べている地元の原田久さん(70)は「柔らかくておいしい。取り組みも面白い」と話す。店は、国道372号に面した天引八幡神社周辺に構える。一緒に移住したパートナーが手作りした高さ約2メートルの看板に「鹿シチュー」と大書してアピールし、道行くドライバーらが引き返して購入していくことも少なくないという。天引のコメを使ったおにぎりや、地元野菜を生かした揚げ浸しなどの総菜も扱っている。草刈りや炭焼きに汗を流し、「元からいた人みたい」といわれるほど天引になじんでいる奥村さんは「鹿シチューをきっかけに、天引の良さや見どころを知ってほしい。第2、4日曜に開く『天引むくむく市』に来る人も増やしたい」と語る。鹿シチューの販売は毎週水曜と、第1、3、5週の日曜の、いずれも午前10時30分ごろ~午後2時ごろで、売り切れ次第終了。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、15日、色麻町平沢早坂西付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前10時50分ごろ、仙台市泉区根白石年川屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前3時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草下にクマが出没しました。

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