<射撃ニュース10月>
10/31
(屋外のトイレに向かう途中にクマに襲われ89歳の女性けが:岩手)
29日午後6時ごろ岩手県雫石町南畑の住宅の敷地で、89歳の女性が屋外にあるトイレに向かう途中クマに襲われけがをしました。警察によりますと、女性は顔面から出血しているものの意識はあるということです。

(高齢女性がクマに襲われけが:岩手)
釜石市甲子町で27日午後、自宅の近くを歩いていた女性がクマに襲われました。警察によりますと、けがの程度は詳しく分かっていませんが、命に別状はないということです。27日午後3時前に、釜石市甲子町で女性がクマに襲われたと消防に通報がありました。警察によりますと、自宅近くの歩道を歩いていた84歳の女性がクマに襲われたあと、近くの住宅に駆け込んで通報を依頼したということです。女性は顔にけがをしていて病院に搬送されたということで、けがの詳しい程度はわかっていませんが、意識はあり、命に別状はないということです。クマは、その後、山に逃げたということで、釜石市は付近の住民に注意を呼びかけるとともに、猟友会と協力し、女性が襲われた場所の近くにワナをしかけるということです。

(クマに襲われの80歳男性けが:秋田)
28日午前9時45分ごろ、秋田県大館市櫃崎の農道上で、犬の散歩をしていた近くに住む無職の男性(80)がクマ1頭に襲われ、右そけい部をかまれてけがをした。命に別条はない。大館署によるとクマは体長約1・2メートル。男性を襲った後、山林方向に逃げた。同日午前6時ごろには、岩手県八幡平市松尾寄木の養鶏場で飼育していた鶏63羽が死んでいるのが見つかった。クマに襲われたとみられる。県警岩手署によると鶏舎の金網4カ所が破られていた。鶏舎では約3500羽を飼育していた。

(自宅敷地内などでクマに襲われ2人けが:秋田)
30日、秋田県鹿角市と北秋田市で、70代の男性2人がそれぞれクマに襲われてけがをしました。ことしクマに襲われるなどしてけがをした人はこれで61人となり、過去最多だった平成29年の3倍以上にのぼっています。警察によりますと、30日夕方、鹿角市八幡平で70代の男性が自宅の敷地内でクマに襲われ、頭や腹にけがをしました。男性はみずから消防に通報し、市内の病院に搬送されたということですが、警察によりますと男性は会話はできる状態で、命に別状はないということです。また、北秋田市阿仁銀山でも30日午後、70代の男性がクマに襲われ、顔にけがをしました。命に別状はないということです。警察によりますと、秋田県内でことしクマに襲われるなどしてけがをした人はこれで61人となり、過去最多だった平成29年の20人の3倍以上にのぼっています。県と警察は「ことしは特に『いつでも・どこでも・誰でも』クマに遭遇するリスクがある」として、やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。30日昼前、大仙市大曲住吉町で、この近くで働いている男性が体長50センチほどのクマが住宅の敷地に入り込んだのを目撃し、その姿を撮影しました。撮影された映像ではクマが住宅の軒下に逃げ込んだあと、迫ってくる姿が確認できます。そして、クマは男性の横を走り去り、再び住宅街へ逃げていきました。その後、駆けつけた警察や市の職員によって捕獲されたということです。撮影した男性は「クマが迫ってきたときは、とても怖かったです。この辺りは住宅地で、クマが出たことはなかったのでびっくりしました」と話していました。

(農道を散歩中にイノシシに襲われ80代男性が顔や足にケガ:宮城)
29日午前、宮城県大和町で農道を散歩していた80代の男性が、イノシシに襲われ顔にケガをした。警察によると、29日午前9時20分頃、大和町吉田の農道で近くに住む80代の男性が夫婦で散歩をしていたところ、山から下りてきたイノシシに襲われた。イノシシは男性に覆いかぶさり、男性は顔と左足に軽いケガをした。イノシシは体長1メートルほどで、山に逃げたという。周辺では、イノシシの目撃情報が相次いでいて、警察が注意を呼びかけている。

(登山道でクマに襲われ男性けが:岐阜)
岐阜県高山市で、登山中の40代の男性がクマに左手を噛まれ、軽いけがをしました。高山市と警察によりますと、きょう午後1時ごろ、高山市の奥飛騨温泉郷の焼岳で、岐阜県内在住の40代男性が登山中にクマに左手を噛まれ、軽いけがをしました。男性は病院に救急搬送されましたが、命に別状はないということです。男性が襲われたのは、登山口から2キロほど登ったところです。その後、警察が付近をパトロールしましたが、ほかに登山客はいなかったということです。岐阜県内で人がクマに襲われけがをした事案は今年5件目です。

(クマに70代と30代の女性2人が襲われる:富山)
31日午前、富山市でクマによる人身被害が発生しました。女性2人が襲われ、けが人が出ているということです。大沢野消防署によりますと、31日午前11時ごろ、富山市加納で2人がクマに襲われ、ケガ人が出ているということです。襲われたのは、70代と30代の女性で、頭と手にけがをしているとみられます。クマの行方はわからず、警察と消防が対応しています。

(「見つけたらすぐに撃つ、徹底を」:秋田)
秋田県全域でクマが人を襲う被害が相次いでいることを受け、佐竹敬久知事は狩猟者がクマの駆除に使う弾丸の購入費用を県が補助する考えを示した。クマ1頭につき5千円程度の「慰労金」も支給する方針だ。猟友会員らに積極的な駆除を促す狙いがある。「バンバンやれとまでは言えないが、見つけたらすぐに撃つ、これを徹底してほしい」知事は23日の記者会見でこう強調した。市街地での人身被害が急増していることについては、「警察や消防、猟友会などと連携を密にしているが、出没が多い早朝や夕暮れ時には安全に発砲できない。市街地でこれ以上の対応は難しい」と述べた。

(過去最悪「熊被害」の県に抗議が殺到:秋田)
秋田県内を車で走っていると、至るところで「熊出没注意」の看板が目に付く。秋田県ではもともと熊が多く見られるが、今年は既に人身被害の件数が58人(10月25日現在)に達し、過去最多を更新し続けている。若者から高齢者まで、県民が熊に襲撃される事件が後を絶たず、地元紙の「秋田魁新報」では連日のように熊のニュースを報じている。熊といえば、山間部に出没する動物というイメージだろう。ところが、今年は熊が市街地や住宅街、さらには病院にまで出没しているのだ。こうした事態を重く見た自治体から依頼を受け、猟友会のハンターによって駆除が行われている。しかし、一部の動物愛護団体からは「熊を殺すな」という批判が寄せられ、自治体の関係者は困惑しているという。そんな中、Xで熊に関する情報を発信しているのが、秋田県議会議員・宇佐見康人氏である。宇佐見氏は県民の命を守る観点から、熊の駆除に理解を求める。しかし、同氏のXには感情的なポストが多数寄せられている状態にある。なぜ、こうした抗議が寄せられるのか。そして、熊と人間はどのように向き合うべきなのか。秋田県の現状、そして抗議をする人・団体の実態に触れながら、今後の熊対策を考える機会としたい。――私は秋田県出身ですが、連日のように全国ニュースで秋田の熊の問題が報じられ、驚いています。なぜ、今年は熊がこんなに多く出没しているのでしょうか。宇佐見:今年は異常事態ですね。私は秋田市在住で、今までも山間部や郊外には熊をたまに見ることがありましたが、今年は将軍野や新屋などの住宅街でも目撃情報があります。私も秋田市に39年間暮らしていますが、初めての出来事です。私の選挙区の学校でも、「熊に注意してください!」というチラシが生徒に配布されました。どうやって熊が山から離れた住宅街までやってくるのか。川を下ってきたのか。それとも、夜中に移動しているのか。実態ははっきりわかっていません。――県民にとって熊はどのような存在なのでしょうか。宇佐見:秋田市は秋田県の県庁所在地で都市部にあたりますが、小さい頃から近所の人に、山菜採りに行くときにはラジオや鈴を持っていくようにと言われました。秋田県民は山に熊がいて、遭遇するリスクがある危機意識を共有していると思います。熊がいるところに、私たちが住まわせてもらっているという感覚に近いのではないでしょうか。――おっしゃる通りだと思いますし、私も秋田県で生活していた時は、そのような思いで過ごしていました。宇佐見:熊に極端な嫌悪感をもっているとか、熊を全頭駆除しなければいけないなどと考えている県民はいないと思います。もちろん、行政でもそんなことをしようとは考えていません。ただ、里に出てきてしまった熊は、本当に申し訳ないけれど、住民を守る観点から駆除しなければいけないという考えがあります。――宇佐見さんは熊に遭遇したことはありますか。宇佐見:山で遭遇したことはありませんが、高校生の頃、友達のおじいちゃんが猟友会に入っていたので、仕留めた熊を解体する場面を見せてもらったことがあります。おじいちゃんは「命をつなぐためにも、つま先から頭の先まで無駄にしてはいけないんだよ」と言っていました。冬の間、狩猟で生活する人にとって、熊は命そのものなのです。つまり、熊を食べること自体が、熊によって生かされているという考えなんですよ。だから、猟友会のハンターも、熊に対して嫌悪感や憎しみなどの感覚は持っていません。――先ほど、宇佐見さんは今年の熊の出没件数の多さは異常事態だとおっしゃっていました。熊の餌が減少した、もしくは近年秋田県で問題になっているナラ枯れ、環境、気候の変化などは生態に影響しているのでしょうか。宇佐見:県ではまだ詳しい見解は出せていないと思います。実際にいろいろな専門家から話を聞くと、個体数が増加していると考える人もいれば、餌不足を指摘する人も、山に生息域が少なくなって里に下りてきたとする見解の人もいます。これらの複合的な要因もあるのかもしれません。――原因を一つに絞るのは難しいわけですね。宇佐見:県内にツキノワグマの生態を研究している方がいますが、その方も複合的な要因を指摘しています。個人的には、熊が人里付近の森で生まれ育ち、人間に警戒心が少なくなったのではないかとも思います。そして、人間の生活圏の方が餌があると学習してしまったのではないかと。また、山間部周辺の人口が減少し、耕作放棄地が増えて熊が人里に来やすくなった影響もあるかもしれません。ちなみに、秋田県ではイノシシを見ることはほとんどなかったのですが、近年はイノシシやシカの個体数も増えています。――熊の個体数の調整はどのように行っているのでしょうか。宇佐見:秋田県では、熊の捕獲目標数が毎年1000頭と定められているのですが、ここ数年の捕獲数は500~600頭に留まっています。猟友会のハンターのなり手がいないため、個体数の調整が難しくなってきています。そのためか、熊が縄張り争いを避け、山から人里に流れている可能性もありますね。昨今、全国から熊の殺処分にクレームが寄せられ、ハンターが委縮している影響もあると思います。――美郷町で小屋に立て籠もっていた熊を駆除したところ、一部の動物愛護団体や個人から抗議が寄せられているとうかがっています。宇佐見:メールや電話は、町や県に毎日のように来ているようですね。特に、立て籠もっていた親子熊を駆除したころから、クレームが目に見えて増えた。そもそも、県内の自治体では、熊という種や生態系全体の保護は今までもやってきたし、駆除も行ってきたのです。それなのになぜ、今回に限ってこれほどの抗議が寄せられるのか。首をかしげています。クレームを寄せる人たちは、特定の熊を保護したかったのか、それとも熊全体を保護したいのか、明確に示してくれません。――おっしゃる通り、秋田県ではこれまでも熊が出没するたびにニュースになっていますし、駆除も行われていますよね。以前もクレームはあったのでしょうか。宇佐見:いえ。少しはあったのかもしれませんが、今年に限って非常に多いですね。駆除を行った美郷町役場だけでなく、秋田県庁に対してもクレームが多い印象です。それでも、美郷町や秋田県に抗議するならまだ理解はできますが、近隣の仙北市とか、横手市とか、湯沢市といった、まったく関係のない市町村にまでクレームを入れる人がいるのはいかがなものでしょうか。あろうことか、行政と関係のない、地域のコミュニティーセンターにまで電話をする人がいると聞いています。そして、最近では駆除した人を特定しようとする人たちが増えていて、猟友会も困り果てているようです。――猟友会のハンターの個人情報まで特定しようというのは、いくらなんでもやりすぎな気がします。こうした抗議をしてくる人たちの傾向、雰囲気などはありますか。宇佐見:直接お会いしたことはないので断定はできないのですが、Xでやり取りをしていると、そもそも議論ができない人が多いと感じます。一部の発言を切り取って曲解し、自分の解釈を織り交ぜて、拡散するのです。あとは、客観的事実と自分の感情を同列に語る傾向もあるし、とにかく攻撃的ですね。熊の保護から自然環境保護の話になるなどの論理の飛躍や、最近ではヴィーガンの人まで絡んでくるようになりました。男女比は、顔が見えないのでわかりません。あと、私のX上での言葉遣いがなっていないとか、県庁や議会宛てにもクレームがくるみたいです。いったい何がしたいのか、私にはわかりません。――抗議をする人たちは、熊をどのような動物だと思っているのでしょうね。宇佐見:もしかすると、プーさんやリラックマのようなイメージで考えているのでしょうかね。ある動物愛護団体の方がインタビューに答えていましたが、どんぐりを与えていれば熊が山から下りてこないというコメントを見て、何を考えているんだろうと思いました。そんなことをしたら山の生態系が壊れますし、秋田県に仮に熊が4000頭いたとすると、縄張りが被らないよう注意を払い、どんぐりを撒く作業にどれだけの労力がかかると思っているのでしょうか。また、どんぐりを他の動物が食べ個体数を増やし、県内の動物の収容力の限界を超えてしまったらどうするのでしょう。熊以外の生態系や地域の実情に対する配慮が皆無で、いったい何を目的に活動しているのか、理解できません。――自治体ではクレームの電話に職員が応対しなければならず、業務に支障が出ていると報じられていました。宇佐見:実際、業務は妨害され、職員は疲弊していますね。あと、猟友会の方と話をしたとき、そういうクレームがうちにくるんじゃないかという不安が頭をよぎると言われました。そして、駆除の依頼を受けて山に入った時も、そういう不安に襲われると言っていました。我々のような議員であれば、抗議や意見を受け止めるのも仕事です。しかしながら、猟友会、県庁、市町村の職員は違う立場でしょう。こうしたクレームが続くと、行政や猟友会の判断を迷わせてしまい、秋田県がこれまで熊と共存に向けて取り組んできた施策の方向性がぶれてしまいかねません。――そして、猟友会のハンターのなり手不足も、以前から秋田県で問題視されてきました。宇佐見:そもそも、狩猟免許を取得する若い人が減っている中、今回のような不当なクレームが来るようになってしまったら、とてもじゃないですがハンターになろうなんて思わないですよ。熊の駆除をする人が、どんどん減ってしまう可能性もあります。熊を駆除しても儲かるわけではありません。出動要請が来たら、ほとんどのハンターは一種の使命感で山に入っているような状態です。こうした勇敢なハンターに大多数の県民は感謝しています。――抗議をしてくる人に、これだけはわかってほしいなどの思いはありますか。宇佐見:感情的なクレームは、できればやめていただきたいと思います。我々は人命が第一で、そのうえで熊という種を保護していき、生態系全体のバランスも考え、個体数を適正に保つにはどうすればいいのかと考えている。この観点は理解していただきたいのです。そして、攻撃的な電話も多いようですが、意見を伝える際にはどうか冷静な対応をお願いしたい。電話だと職員の時間を拘束しますから、主張を伝えたいならメールでも可能です。繰り返すようですが、我々も熊を駆除したくてしているわけではありません。人里に現れた熊は、人命を守るためにやむを得ず駆除しているのです。動物を守りたいという思いを抱くのも結構ですが、できれば地域の実情を理解したうえで、提案や活動をしていただきたいと思っています。

(クマに襲われ重傷の被害者大幅に増加、生活に支障も:秋田)
クマによる人への被害が過去最も多くなっている秋田県では、クマに襲われて骨折や失明など手術が必要な重傷の被害者も大幅に増えています。治療後も、日常の生活に戻ることが難しい人も多く、治療に当たっている秋田市の医師は被害にあわないよう細心の注意を払ってほしいと呼びかけています。秋田県内ではことし、クマに襲われるなどしてけがをした人が30日までに61人と、これまでで最も多かった20人の3倍以上となっています。クマに襲われ重傷を負った人たちの治療にあたる秋田市の秋田大学医学部附属病院では、ドクターヘリなどで搬送される患者が30日までに18人となっていて、手術が必要な人は10人と去年から大幅に増えています。このうち、顔や頭を大けがした人はおよそ9割を占め、皮膚の広い範囲が裂けたり、骨折したりする被害が確認されています。また、手術後も傷口に細菌が残って感染症に苦しむケースもあり、完治するまでに1か月以上かかる人も少なくないということです。また、失明した人が4人いるほか、PTSD=心的外傷後ストレス障害による心のケアが必要な人もいて、治療が終わった後、生活に支障をきたしている人もいるということです。治療にあたる土田英臣医師は「クマによる被害は全身にわたるため、複数の診療科にまたがって連携しながら治療にあたっている。クマに襲われたあと、元の生活に戻るのが難しい人も多くいて、被害にあわないように細心の注意を払ってほしい」と話しています。

(クマ被害39人、半数以上が人の生活圏で襲われる:岩手)
岩手県によりますと、ことしクマの被害にあった人は26日までに39人で、このうち半数以上の20人が人の生活圏で襲われています。専門家は「ここ数年、クマの生息域が人の生活圏に近づいているとみられ、山に入る人以外もクマに遭遇したときの対応を改めて確認してほしい」と呼びかけています。岩手県のまとめによりますと、ことし4月以降、県内で26日までにクマの被害にあった人は39人にのぼり、記録が残る1995年度以降、最悪となっていて、このうち2人が死亡、19人が重傷を負いました。発生場所をみると、「山」で襲われた人が19人、49パーセントだったのに対し、人の生活圏である「里」で襲われた人は20人、51パーセントと半数以上にのぼりました。県に記録が残っている1993年度から2020年度までのおよそ30年の被害の発生場所を分析したところ、「山」が67パーセント、「里」が32パーセント、「不明」が1パーセントとなっていて、これまでの傾向よりもことしは「里」で襲われるケースが多くなっています。クマの生態に詳しい岩手大学の山内貴義准教授は「かつての被害は山がほとんどだったが、ここ数年、里が多い傾向にあり、クマの生息域そのものが里に近づいているとみられる」としたうえで、「山に入る際には鈴やクマよけのスプレーを持つなど対策を徹底するとともに、山に入らない人もクマに遭遇したら大声を出したり背中を向けて走ったりせず、落ち着いて距離を取るなど対応を改めて確認してほしい」と呼びかけています。また、来年以降も人の生活圏でのクマの出没が増える可能性があるとして、「電気柵を設けたり、草刈りをして山と里の境界線をはっきりさせたりするなど、今のうちから行政と住民が一体となって長期的な環境整備を進めていく必要がある」と話しています。

(ヒグマ大量出没、ハンター出ずっぱり:北海道)
道内各地の市街地や農地で今秋、ヒグマが異例の頻度で出没し、自治体の要請で駆除や巡回に当たるハンターの負担が限界に達しつつある。自営業や会社勤めの傍らで捕獲に携わっているハンターは相次ぐ出動で本業に支障が生じ、高齢の狩猟者からは過労や身体の不調を訴える声も漏れる。道は積雪期を迎える12月下旬まで出没への警戒が必要とみており、ハンター不足に直面する地域は綱渡りの対応を迫られている。

(狂暴化するクマに襲われる被害者は統計史上最悪ペース)
「クマはいきなり現れ、最初に奥さんが、次に彼女を助けようとした旦那さんが襲われました。旦那さんは周囲に助けを求めてドクターヘリで搬送され、一命をとりとめましたが、頭から尋常じゃない量の血を流していたといいます。しかし、奥さんは……。死亡者が出てしまったのは、’20年以来のことです」(八幡平(はちまんたい)市林業係の職員)。岩手県八幡平市で10月19日、キノコ採り中の夫婦がツキノワグマに襲われ、妻が命を落とすという悲劇が起きた。東北を中心に、クマが人間を襲う事件が相次いでいる。環境省の報告によると、今年4~9月に109人の被害が報告されており、これは統計を取り始めた’06年以降最悪の数字となっている。岩手県と隣り合う秋田県でも、死亡者こそ出ていないものの10月19日時点で、全国で最多となる52人がクマに襲われている。特筆すべきは、山中ではなく、北秋田市鷹巣周辺の市街地で、5人が相次いで襲われた点だ。鷹巣の住民が語る。「襲われた5人のうち、80代の女性が腕と腰の骨を折る大ケガを負いました。命に別状はないとのことでしたが、顔を引っかかれて大量に出血していたと聞いています。市の防災放送で『不要不急の外出は控えてください』とアナウンスされており、どうしても出かけなければならない場合は徒歩を避け、車で移動するようにしています。クマによる被害で外出制限が勧告されるのは、前代未聞のことです……」。本誌は、岩手県と秋田県で今年4月以降にクマによる人的被害があった地点を地図で示した。秋田県の次に被害者が多い岩手県では36人が襲われている。自治体別の被害者でみると、秋田県北秋田市が11人と最多。これは北秋田市の南東に森吉山という標高1400m級の山が位置することが要因と考えられる。ほかにも両県では、奥羽山脈や太平山地、北上高地といった深い森と接する地点で特に被害が多くなっている。なぜ、クマはこうも堂々と人を襲い始めたのか。40年にわたりツキノワグマの研究を続けるNPO法人日本ツキノワグマ研究所の米田(まいた)一彦理事長が解説する。「エサとなるドングリ類の不作が最大の要因でしょう。奥山のブナ、ミズナラが不作になると、そこを占拠している大グマが里に押し出て、若いクマたちは人里にさらに押し出されることになる」。2年前のクマの大繁殖の影響も大きい。当時生まれた子グマは親グマがエサを求めて人里に下りる姿を見て学習してしまった。よって恐怖心が薄くなっていることも指摘されているのだ。気がかりなのは、今まで目撃例がほとんどなかった地域にまでクマが進出していることだ。静岡県の伊豆半島では、ツキノワグマは絶滅したと思われていたが、3年前から再び目撃情報が報告され、今年には罠にかかったツキノワグマが捕獲されている。東京都でも、町田市の境川沿いのハイキングコース付近でツキノワグマの目撃情報が寄せられているのだ。例年であれば、クマによる被害は冬眠に入る11月上旬でおさまるケースが多い。しかし、暖冬が予想される今年は、まったく気が抜けないという。「暖冬となった’07年2月には、冬眠しなかったクマが東北の山奥を走りまわっていました。クマが冬眠せず、活動を続ける恐れもあります」(前出・米田氏)。狂暴化するクマによる被害は、最悪を更新してもなおとどまることを知らない。

(市街地で人襲う「都市型クマ」急増、人身被害過去最多に)
全国各地でクマによる人身被害が深刻な状況だ。市街地に出没する「アーバン・ベア(都市型のクマ)」も増え、秋田県では過去最多の人的被害が確認されている。地元で長年狩猟に携わる「マタギ」も「これほど人里に出てきた事例はない」と話す。「クマと対等な勝負」を続けてきた心境を明かした。環境省が発表した4~9月の速報値では15道府県で計109人に上り、過去最多のペースになっている。秋田県内の今年のクマによる人身被害は、25日時点で50件で、被害は58人。これまでで最多だった2017年度の20人を大きく上回っている。県は狩猟者に1頭あたり5000円の慰労金を支払う方針だが「クマが多いとマンパワー不足」(県担当者)という。同県北秋田市では19日、市役所にほど近い、住宅や商店街が立ち並ぶ中心市街地で高校生ら5人が襲われた。「60年以上猟をしているが、ここまでクマが里に出てくるのは初めてだと仲間と話している」と話すのは地元のマタギの男性だ。「人助けのため」として、いまも毎日見回りや駆除を行っているという男性は、「今年は天候の影響で木の実が極端に不足し、クマは餌を求めているのでかわいそうだ。やむをえず銃で捕獲することもあるが、民家の庭先で撃つことはできない。本当に厳しい中で頑張っている」という。複雑な心境もある。「かつてはクマの皮や胆のうは高価で、クマによって助けられた地域でもある。猟は『山の神の授かりもの』『クマとの対等な勝負』という感覚だったが、わなで動けないクマを仕留めるのはまったく違う。過去に親子のクマを銃で殺したことに批判もあったと聞くが、わなにかかったクマは凶暴で、気が立っている中で山に戻すのは本当に怖い」環境省の資料によると、住宅地と市街地、農地でのクマによる被害の発生件数は、16年度は計21件だったが、20年度には53件と急増、山林での49件を上回った。東京都内でもクマが目撃されている。クマの生態に詳しい東京農業大学の山崎晃司教授は「分布域が人の生活空間に近接、重複することで人慣れしている。最初は怖いと思っても『何も起こらない』と学習すれば、人を見ても逃げず、車が走っていても頓着しなくなる。過疎化や高齢化の影響で、集落の犬が追い払ったり、銃で追われたりするなどクマに積極的プレッシャーを加える要因が少なくなっている」と解説する。被害を小さくするには、ゾーニングが必要だという。「絶対に入れないラインを決め、入ったクマは徹底的に捕獲するか、山に逃げさせるほどの怖さを教える必要がある。電気柵で通路を遮断する方法もある」と山崎氏。クマに遭遇した際の対策として「山中でも鈴は推奨され、街中でも携行しておくに越したことはない。クマ撃退スプレーも有効だが、ある程度距離がある場合は、クマを見ながら距離を置き、攻撃の姿勢をとらないことも重要だ。高齢者や幼児、女性は地面に伏せて体を丸め、顔面や首筋を守る必要もある」と助言した。

(「クマ出没警報」発令:山口)
周南市の山あいの地域でクマの目撃情報が相次いで寄せられていることを受けて、県や市の担当者が現地で緊急対策会議を開き、引き続き住民への注意喚起に取り組むことを確認しました。周南市の山あいにある鹿野地区では、今月(10月)17日から25日までにクマの目撃情報が4件寄せられ、人身被害のおそれがあるとして、山口県は、25日、鹿野地区に「クマ出没警報」を発令しました。これを受けて、26日、現地で緊急対策会議が開かれ、県や市、それに地元の猟友会など20人が出席しました。はじめに、県の担当者が、毎年10月は、クマが冬眠前に餌を求めて人里に現れるため目撃情報が増えるとしたうえで、クマが好む果物を早く収穫し、必要が無ければ木を伐採することも有効だと説明しました。このあと、出席者たちは、今後の安全対策について、警報の発令を知らせるチラシの配布や、子どもの登下校にあわせたパトロールの継続などを確認しました。山口県によりますと、県内でツキノワグマの目撃や捕獲などの件数は、今年度は、24日までに289件で、すでに昨年度1年間の件数を35件上回っているということです。県周南農林水産事務所の角田正明森林部長は、「クマが人里に出るときは夜明け前や夕暮れ時が多いので、外出の際は鈴を身につけて、音に敏感なクマによる被害を防いでほしい」と呼びかけています。

(クマ報道が過熱、地元猟友会がマスコミに「取材NG」を突きつけた理由:秋田)
「不謹慎かもしれませんが、アレはヘタなタレントよりも視聴率を持っていますよ。ジャニーズ騒動や猿之助の裁判などもありましたが、思ったより数字は伸びない。上からはとにかく映像がほしいと言われています」ワイドショーのスタッフが明かすのは令和のクマ騒動。10月中旬以降、秋田県、富山県で人がクマに襲われ、東京都でも多くの目撃情報が寄せられている。これを受けて、ワイドショーではこぞってクマ被害を特集。なかでも、23日時点で46件53人にのぼる人身被害が報告されている秋田県には、マスコミ各社のクマ担当班が大挙して押し寄せているという。今回の過熱報道について、地元猟友会関係者は困惑気味に話す。「秋田県内には複数の猟友会が存在しますが、マスコミ対応ができるのはひと握り。とある猟友会は『せっかく東京から来たんだから』と厚意で取材に協力していたのですが、『映像をくれ』の一点張りで、どこから名簿を仕入れたのか、猟友会メンバーに直接電話をかけるマスコミも…。『もう取材には応じない』と憤慨する会員もいます」地元猟友会がマスコミに「NG」を突きつけた理由について、前出の関係者はこう語る。「クマを駆除するのはやむにやまれぬ事情があるからです。しかし、ワイドショーでは面白おかしくクマ被害を取り上げるだけで、本質には触れてくれない。先日、どこかの社が、クマの親子の映像を流したことで、保護団体が『クマを守れ』と猛反発。苦情の電話は役所だけでなく、猟友会にもかかってきますよ」秋田県の佐竹敬久知事は、秋田県庁などにクマの駆除に対する抗議電話が殺到していると明かし、「仕事ができません。これ業務妨害です」と述べたうえで、乱暴な抗議には「ガチャンですよ」と電話を切るポーズを見せた。「もっとも恐れているのは報道陣の無警戒ぶり。クマが目撃された場所をまわっているにもかかわらず、これといったクマ対策はしていない様子。あるクルーに話を聞いたら、クマよけのスプレーや刺股も用意していないとか。襲われたのは大半が高齢者とはいえ、時速50キロもの猛スピードで突進されたら、若い人でも対処できませんよ」(前出・猟友会関係者)ミイラ取りがミイラにならなければいいのだが…。いずれにしても冬眠のシーズンに入り、クマ被害が落ち着くことを祈るしかない。

(クマ有害駆除、11月からの狩猟期間内も継続:秋田)
秋田県鹿角市でクマによる農作業中の人身被害が相次いで発生したことを受け、市や地元猟友会、鹿角署などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会が26日、市役所で開かれた。今後も人里近くでクマの出没が見込まれることから、11月1日から始まる狩猟期間内も有害駆除を続けることを申し合わせた。同市では24日午前10時45分ごろ、十和田大湯字上野のリンゴ畑で収穫作業中の70代男性がクマに襲われ、右耳や右肘などにけがを負った。約5分後には200メートルほど北側の十和田山根字土手ノ上のニンニク畑で作業中の70代男性が襲われ頭部を負傷したほか、右手を骨折した。

(クマに襲われ6針縫った男性が語る、福井で初の人身被害:福井)
全国でクマが大量出没する中、福井では2023年初めての人身被害が発生した。農作業中の70代男性が頭を引っかかれ、けがを負った。男性は「最初は大きな犬かと思った。身構えたが、ほんの数秒で襲われた」と対応の難しさを語った。被害が発生したのは、福井・勝山市村岡町浄土寺の畑内。国道に面する地域で、周囲には複数の住宅がある。勝山市によると、10月18日午前7時20分ごろ、72歳の男性が農作業をしていたところ、突如背後からクマに襲われた。男性は頭を引っかかれ、6針縫うけがを負った。命に別条はなかったが、全治2週間のけがを負った。襲ってきたのは成獣1頭とみられ、山の方に逃げていったという。クマに襲われた男性は「もう一瞬ですわ。鼻息が荒く、わたしは最初、犬かと思った。今までクマを見たことがない。クマと分かって身構えたけど、ほんの数秒だった」と当時の状況を語った。現場付近には小学校の通学路があり、男性が襲われた10分ほど後に児童たちが集団登校をしていた。この小学校では、一部の地域の集団下校を取りやめた。村岡小学校・有島直孝校長:山側の4地区に対しては、保護者にお迎えをお願いしている。市街地の子供は先生がついて、集団下校する。校外学習やマラソン大会を控えていて、外を見守る教員を増やして活動していきたいと考えている福井県内でクマによる人身被害が発生したことを受け、県は緊急の対策会議を開いた。クマのエサとなるドングリが不作で9月以降、冬眠を控えたクマがエサを求めて集落などに出没するケースが相次いでいることが報告された。福井のこれまでのクマの出没件数は134件で、2022年の2.1倍になっている。福井県はクマと遭遇しないための対策として、エサとなる柿の実などを早めに収穫すること、クマが動き出す早朝や夕方は、屋外での活動を控えるよう呼び掛けている。

(「振り返ったらクマがいた!」70代男性が決死の取っ組み合い:山梨)
山梨県・大月市で10月25日午前9時半ごろ、70代の男性が農作業中にクマに襲われた。「最初、イノシシかと思った。イノシシと同じくらいの大きさ。かまれたんだか、ひっかれたんだか。自分で(家まで)来て手を洗ったが、血が止まらなかった。(医者からは)全治3週間と言われた」。クマは体長1mほどで、取っ組み合いの後、男性がサル除けの花火で脅すと逃げていった。クマはまだつかまっておらず、警察などが付近を捜索している。

(クマ対策、柿の木の伐採などの費用:富山)
県は「ツキノワグマ出没警報」を出して、柿の実は早めに取り除いたり木を伐採したりするよう呼びかけています。市町村によっては、柿の木の伐採などの費用を補助する制度を設けています。このうち黒部市、富山市、高岡市、砺波市、南砺市では、柿の木を伐採した自治会に費用の一部を補助するほか、氷見市では30万円を上限に自治会の費用を全額補助しています。また立山町と上市町では、70歳以上の高齢世帯を対象に、地域おこし協力隊や町の職員が、無償で木の伐採をする取り組みを行っています。このほか滑川市では、障害者就労継続支援事業所と連携して、柿の実が放置された木が多い地域で、柿の実を収穫してドライフルーツに加工し、販売する活動を行っています。

(出没件数すでに昨年度2倍以上、クマ対策会議:岐阜)
岐阜県内でクマの出没や人身被害が相次いでいる。出没件数はすでに昨年度全体の2倍以上にのぼっている。県は27日、県ツキノワグマ被害対策会議を開催。県域の約7割でクマの生息が確認されていることから、岐阜大の浅野玄准教授は「山里を含めて、岐阜にはどの山にもクマがいるという認識が必要だ」とし、クマに遭わないための予防や遭遇時の対応を学ぶよう呼びかけた。県によると、今年度のクマの出没は25日時点で524件で、すでに昨年度の250件の2倍以上となっている。人身被害は6件が確認されている。県は25日に「クマ出没警戒情報」を発令。7月に出した注意情報を引き上げた。浅野准教授の説明によると、耕作放棄地の増加や狩猟者の減少などで人の生活圏にクマが近寄りやすい状況となっていることに加えて、ブナやミズナラなどクマの餌となる堅果類の凶作が重なったことが、出没が増えた原因という。県は山里の被害防止策として、クマを引き寄せる果物や生ゴミを山中に廃棄しないことや、林道沿いや耕作地周辺の見通しを良くし、クマ生息域との緩衝地帯を設けることなどを挙げた。市街地でも山際に防護柵を設置するなどの遭遇防止策を紹介した。県は人身被害の防止のため、今月下旬から来月上旬にかけて、直近にクマの出没情報があった場所の周辺で被害防止策がとられているかどうかの緊急点検を実施する。クマを引き寄せる果樹やゴミがないかどうかや緩衝地帯が整備されているかどうかを確認する。

(ヒグマ出没時の対応確認:北海道)
環境省と北海道、札幌市は27日、同市南区のスポーツ交流施設で、ヒグマ出没を想定した対応訓練を実施した。関係機関で連携して情報を共有し、ハンターらが山に入り、クマ役の担当者を捜索、捕獲するまでの流れを確認した。訓練は、ハンターや北海道警の警察官など約20人が参加。施設の駐車場で利用者が体長約1.5メートルのクマを目撃したとの設定で、情報共有の手順や、周囲の交通規制など必要な対応を整理した。山中での捕獲訓練では、ハンター4人が銃の模型を持って二手に分かれ、無線で連絡を取り合いながらクマ役を捜索。発見後は、銃口が市街地に向かないかどうかを確かめるなどした。

(北東北地方でクマ大量出没のナゼ)
いったい何が原因なのか。北東北地方を中心に相次ぐクマ被害。秋田県北秋田市では16歳の女子高生を含む5人がクマに襲われ、岩手県八幡平市ではキノコ採りの女性が遺体で見つかっている。マタギの里として名高い秋田県では「ツキノワグマ出没警報」を発令して最大限の警戒を呼びかけているところだ。今月初旬、秋田県美郷町が町中に侵入したクマを駆除したところ、全国から美郷町役場に「かわいそう」と抗議が殺到する事態に陥った。一方、これがニュースで伝えられると、SNSには「かわいそうと言っている人に具体的な対策を聞きたい」「批判するならおまえが現地でクマを監視してみろ」といった反論コメントが多く飛び出している。美郷町役場には最盛期に1週間で約700件の抗議が来たが、これは普段の総務課が対応する電話件数の約8割を占めるほど。担当者によると、「取り付く島もないような感情的な意見も多かった」という。そんな電話も一時は収まってきていたが、別の自治体でクマを駆除したというニュースが流れると、なぜかまた美郷町に抗議が来るという理不尽なことが繰り返されている。「苦渋の決断でクマを駆除していることをご理解いただければ……。貴重な野生動物であるツキノワグマの個体数が増えていること自体は大変喜ばしいことなのです。ただ、今年はあまりに里に下りてくるクマの数が多すぎます」(美郷町担当者)。生息環境の変化からツキノワグマは、環境省のレッドリスト(2020年)で、西日本の4地域個体群と下北半島地域個体群で「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている(九州は絶滅)。ただ、秋田県では個体数が増える傾向にあり、1989年から2020年の32年間で267件279人の人身被害(うち死者11人)を出している。今年は特に人身被害が多く、5月9日を皮切りに10月19日までに44件52人が被害に遭った。農作業や散歩中が多いのが特徴だ。そこで同県では「野生動物情報マップ」をパソコンやスマートフォンで見られるようにしていて、実際に見てみると、ほぼ漏れなく里山や人里にクマが出没しているのがわかる。駆除されるクマが「かわいそう」と思う人の中には、「麻酔銃などで眠らせて山に戻せばいいのでは?」と考える人もいるだろう。確かにSDGsの目標にも「海や陸の豊かさを守ろう」という項目が入っているし、美郷町の担当者が言うように野生動物が増えること自体は本来、喜ばしい。もっとも、現在、秋田県では鳥獣管理計画で「放獣」をルールとして禁止している。その理由として「奥山に放獣しても元の捕獲場所(人の生活圏付近)へ回帰してしまう例が報告されている」こと、また「放獣先の地権者の理解を得ることが社会的に困難」であることがあるという。ではなぜツキノワグマは増えているのか? 本来、ツキノワグマはブナ・ナラなどの落葉広葉樹に代表される冷温帯(ブナ帯)から中間温帯の森林を主な生息域とする。そのブナが今年は“大凶作”なのだ。「青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県の145カ所の調査地点に実際に職員が足を運び、ブナの開花と種子の豊凶状況を調査しています。1未満を“大凶作”としていますが、今年は全県において開花・結実ともに1を切っている状況です」(東北森林管理局)。地球の温暖化で徐々にエサが減少していることは事実。結実が「1」でごくわずかな種子がつくだけなのに、今年の岩手や宮城はまったく種子がならない「0」だ。森林総合研究所東北支所の大西尚樹・動物生態遺伝担当チーム長がこう説明する。「ツキノワグマは冬眠に入る前の8月から11月にかけ大量にエサを食べますが、今年はブナの実の不作で食べるものが少ないのです」。クマはエサがなければ子を産まなくなるのだが、一方でミズナラ(どんぐり)は中長期的に個体数が増えており、これがクマの個体数の増加と関係がある可能性がある。どんぐりをたくさん食べて子グマを産むのだが、今度はブナの実が少ない。そこでエサを求めて人里に侵入してくるということらしい。さらに大西氏は「里山の放棄」も一因にあるという見方をしている。里山とは、童話でおじいさんが「山にしば刈り」に行っていたような場所だ。「人と野生動物のすむ境であった里山の放棄と耕作放棄地の増加で、かつては里山で止まっていたクマが人里まで下りてきてしまっています。ヤブ化した里山は、クマが身を隠すのに都合がよく、生息環境へと変化しました。そのほか、ハンターの減少も背景にあると考えられます」(大西氏)。もちろん、クマが好き好んで人里まで来ているわけではない。となれば、人間側も知恵を絞ってクマを生活圏に寄せ付けない対策をすることが重要だ。まず、クマが来たくなるような誘因物となる廃棄作物や家畜飼料、家庭ゴミなどの管理から。長野県軽井沢町などではクマが開けられないゴミ収集箱を設置している。また、ヤブの刈り取りや栗やクルミといったクマを誘因する樹木の伐採に補助金を出す自治体も出ている。さらにクマが出没しやすい果樹園などへは電気柵などの設置を急ぎたいところだ。クマを駆除することに感情的に「かわいそう」と抗議したり、反対に「そういう人が監視しろ」と両極端な意見を言うだけではこの問題は解決しない。究極的には温暖化の防止に行きつくのだが……。

(クマ、被害人数過去最悪)
クマに襲われてけがをするなど被害にあった人の数をNHKがまとめたところ、今年度はこれまでに18の道府県で少なくとも172人に上っています。国が統計を取り始めて以降、過去最悪の被害となっていて国や自治体などが対策の徹底を呼びかけています。環境省によりますと、ことし4月から9月までにクマによる被害にあった人の数はあわせて109人に上っています。その後、10月に入ってからの被害についてNHKが各地域局の取材をもとに集計したところ、被害にあった人は少なくとも63人で、環境省の9月までの集計とあわせると18の道府県で172人に上っています。これは、環境省が統計を取り始めて以降、最も多い158人の被害が出た3年前・2020年度の1年間をすでに大きく上回り、過去最悪の被害となっています。また、10月に入ってからの被害の63人は、1か月の被害としてこれまでで最も多かった49人をすでに大きく上回っています。(※これまでの最多は2006年10月の49人)。道府県別では▽秋田が最も多い59人で全体の3分の1以上を占めているほか、▽岩手が40人、▽福島が13人、▽青森で11人と東北地方で被害が多くなっています。このほか▽長野で10人▽新潟で7人▽岐阜で6人▽山形で5人▽富山で5人▽北海道で4人▽群馬で3人▽宮城で2人▽石川で2人▽山梨で1人▽福井で1人▽三重で1人▽京都で1人▽島根で1人と、各地で被害が広がっています。例年、クマが冬眠に入る12月ごろにかけて各地で被害が相次いでいることから国や自治体、専門家が被害を防ぐ対策の徹底を呼びかけています。

(鳥獣保護区6カ所の指定解除へ、イノシシ・ニホンジカ限定で狩猟可能に:広島)
広島県は11月1日、野生動物保護のため全ての狩猟を禁止している県内の鳥獣保護区97カ所のうち6カ所の指定を解除し、イノシシとニホンジカに限って狩猟できる区域に変更する。野生鳥獣による農作物への被害が相次ぐ中、狩猟者の活動エリアを広げることで被害軽減を図る。県によると、同様の区域設定は中国地方5県で初めて。

(野生のシカによる農業被害増加、対策呼びかけ:福島)
会津地方を中心に野生のシカによる農業被害が増加していることを受けて、県は、農地への侵入を防ぐための柵の設置などの対策を呼びかけています。日本に生息する野生のシカ「ニホンジカ」は、全国各地で生息数が著しく増加していて、農業への被害が深刻化しています。県によりますと、県内のシカによる農作物への被害額は令和3年度で1051万円と、前の年度の1.47倍に増え、このうち99%は会津地方で確認されているということです。県は、被害を防ぐためには、シカの捕獲や農地への侵入防止、環境の管理などに取り組む必要があるとして、農地の周りにシカの侵入を防ぐための柵を設けることや、果実を収穫せずに放置されている果樹を伐採するなどの対策を呼びかけています。県会津農林事務所は「ニホンジカによる被害があれば、市町村や県に情報を提供してほしい。地域全体で対策に取り組む必要があるので注意喚起を行っていきたい」としています。

(近づく「アーバンベア」の足音)
クマの足音は近年、人が暮らす領域に確実に、静かに近づいている。19日朝、女子高生ら男女5人がクマに相次いで襲われたのは、秋田県北秋田市の住宅街。同日夕には市内の別の場所で帰宅中の女子中学生1人も襲われ、頭などにけがを負った。1日で計6人のクマ被害は県内で今年初めて。男女5人が被害に遭った近くの小学校は19日、臨時休校となり、70代の女性は「近くにクマが出たのは初めて。怖い」と漏らす。負傷者はいなかったものの、同日夜には同県由利本荘市の病院の建物にクマ1頭が侵入し、捕獲に追われた。県自然保護課の担当者は「今年はクマが市街地周辺に出没するケースが多い。行動範囲が広がっている」と指摘する。環境省によると、北海道や東北地方を中心に今年のクマによる人身被害数(4~9月)は全国で計109人と急増。今月19日現在では秋田県52人、岩手県38人とさらに増え、両県とも最多を更新している。最近、市街地や農地での被害事例=グラフ参照=も増える傾向だ。秋田県では被害者52人のうち8割超が市街地周辺を含む人里での散歩や農作業のほか、通学途中に襲われている。クマの出没が市街地周辺に広がる背景には、市街地近くの森林で育った「アーバンベア」と呼ばれる、いわば都市型のクマが増えている事情があるという。クマは本来、警戒心の強い性格だが、「人の近くで生活するアーバンベアは人を恐れなくなっている」。こう分析する酪農学園大(北海道江別市)の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は、秋田県北秋田市の住宅街で19日朝に男女5人を襲ったクマも「付近の森林から河川沿いなどに迷い込んだ事例」と解説し、アーバンベアによる人身被害との認識を示す。佐藤教授はアーバンベアが増えている理由について「生息数の増加や生息分布拡大の影響が大きい」と話す。ブナの実などの餌不足で山奥に生息するクマが冬眠前、集落の果物などを求めて出没するケースが一般的だ。だが、近年の集落部では人口減少や高齢化の加速で耕作放棄地が増え、クマと人の生活圏が近接し、遭遇リスクが高まっている。宅地開発が進む市街地では、その周辺の森林にクマが〝定住〟しているようなケースも。ヒグマ被害が続発する札幌市環境共生担当課の職員は「今年は親子グマの目撃情報が多く、住宅街に近い場所で繁殖している可能性がある」と、アーバンベアの出没に警戒する。「いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇するリスクがある」。クマ出没警報発令中の秋田県が注意を喚起するように東北地方などではアーバンベアの出没を含めて「異次元の警戒態勢」で対応する。ツキノワグマ出没特別注意報を発令中の福島県も市街地でクマの目撃情報が相次ぎ、今夏、福島市などで住民説明会を初めて開いた。出没時間帯や好む食べ物などクマの「生活習慣」を知ってもらうことで、被害防止につなげる狙いだ。キノコ採りや登山で山林に入る機会が増えるため、11月末までクマ被害防止キャンペーンを展開している岩手県。被害に遭わないための心得をまとめた名刺サイズのカード配布に加え、岩手大学の「ツキノワグマ研究会」と合同で初の注意喚起イベントを開催し、被害防止に力を入れる。岩手県ではクマをともえ投げで撃退したり、鉈で応戦したりした武勇伝が語り継がれている。ただ、至近距離で発砲し駆除成功と思った瞬間、クマが突然、むっくりと起き上がる事例もあり、油断は禁物だ。岩手大ツキノワグマ研究会のメンバーは「クマは顔を狙ってくる傾向があり、地面に伏せて頭を腕でガードしてほしい。とにかく遭遇しないことが最善だ」と指摘するが、突然、クマに襲われると、気は動転し、足もすくむ。退避行動を冷静に実践できるかは普段の心構えが求められている。

(水鳥・カワウの食害どう防ぐ:岡山)
食卓に登場する機会もめっきり減ったのではないか。アユの漁獲量が激減している。岡山県内では2021年わずか13トン。500トンを超えていた1980年代の約40分の1にまで落ち込んでいる。

(クマの捕獲数、590頭超で過去最多に:岩手)
クマの被害が相次ぐ中、今年度、県内で捕獲されたクマが590頭を超え、これまでで最も多くなりました。ことしは山でクマのエサとなるドングリが凶作で、人里に降りてくるクマが増えていて、県は冬眠前にかけて引き続き、警戒を呼びかけています。県によりますと今年度、県内で捕獲されたツキノワグマは、今月13日の時点で591頭となりました。これは統計をとり始めた1978年度以降、これまで最も多かった2020年度の555頭を上回り、過去最多を更新しました。クマは捕獲できる頭数が毎年、決められていて、県は今年度、捕獲できる上限をこれまでで最も多い686頭としています。来年度はさらに796頭に引き上げることを決めていて、こうした取り組みで県内に生息するクマを2026年度までに現在のおよそ3700頭から3400頭に減らす計画です。一方、今年度の県内でのクマの被害は▽襲われた人が30日の時点で過去最悪の42人に上り、このうち2人が亡くなっています。▽また目撃件数も先月末時点で3368件と、これまでで最も多かった2020年度の3316件をすでに上回っています。ことしは山でクマのエサとなるドングリが凶作で、人里に降りてくるクマが増えています。県はクマを寄せつけないため、生ごみなどを屋外に放置しないこと、また、庭などになっている果物は早めに収獲したり、刈り取ったりするなど引き続き、対策や警戒を呼びかけています。

(急増するクマ、”駆除”以外の対策はあるのか?:北海道)
北海道でクマの出没が急増する中、4年間、66頭もの牛を襲い続けたOSO18が2023年7月に駆除された。しかし…「なぜ殺したのか」「クマがかわいそう」「他に方法があったのではないか」。駆除したハンターや自治体には数十件の苦情が殺到。クマを駆除するたびに相次ぐ批判。そして保護を求める声も…「命を落さないように捕獲して自然に戻してあげることができれば一番いい」。しかし、簡単には保護できない理由がありました。これは9月26日、北海道がX(ツイッター)に投稿したヒグマ有害捕獲への理解とお願いです。表示回数は2000万回を超えて大きな反響。その背景にあったのは、捕獲に対する批判です。2023年7月に札幌市南区で母グマを駆除した事例では、札幌市に約650件の意見が寄せられました。その中には「悪いことをしていないのになぜ殺すのか」「子グマを殺すな」「子グマを保護してほしい」という意見がありました。"相次ぐ批判"に北海道民は…実際に道民はどう考えているのでしょうか。マチで聞いてみると…「一時的に命を落とさないように捕獲して、自然に戻してあげることができれば1番いいと思うが、なかなか難しい」「人を襲うのはわれわれにとっては怖いところ。駆除に対しての助力はある程度必要」「人間の方が大事。命が。駆除しないと大変だと思う。これからどんどん被害者が続出する」。捕獲や駆除に対してはほぼ好意的。ある程度仕方がないという理解示す意見が多く聞かれました。駆除に批判的な意見の多くは道外から寄せられたものとみられています。そうした意見や批判の中には「駆除ではなく保護するべき」という声もありました。動物園で"保護"している例も。実はクマを保護している例もあります。その一例が旭川の旭山動物園です。北海道砂川市の公園で見つかった子グマ。母グマとはぐれ衰弱していました。2023年6月、北海道旭川市の旭山動物園がこの子グマを保護しました。保護に踏み切った理由を担当者に聞きました。「2022年、旭山動物園でヒグマ館が新しくできた。ヒグマを収容するスペースにも当時余裕がありましたので」(旭山動物園ヒグマ館 大内章広さん)。子グマは職員が話し合って「すなすけ」と名づけられ順調に成長しています。一方で札幌市で7月、子グマ3頭を残して母グマを駆除。旭山動物園の担当者に残された子グマを保護できるか聞きました。「そもそもその親子グマ自体が人間の生活圏にすごく近づいていた。母グマの行動を見て人の近くに行くことが何とも思わないクマに成長してしまう恐れ」(大内さん)クマを保護するかどうかはそのクマと人との関わりを見極める必要があるといいます。その上で札幌市の子グマについては…。「その母グマを駆除するって決めたんであれば、その子グマも駆除する対象に入るべきものだったのかなと思う」(大内さん)。旭山動物園によると、子グマの「すなすけ」の保護の決め手は2点ありました。■収容スペースに余裕がった■人に危害を加える恐れのある問題個体ではなかった札幌の市街地にクマ4頭が出没し問題個体とされ、2023年7月に母グマ1頭が駆除されたケースでも、残りの子グマの保護を求める声が寄せられた。旭山動物園のヒグマ館の担当者によりますと、「母グマが問題個体の場合、子グマも問題個体となるために駆除の対象にするべき」と保護の対処にならないといいます。のぼりべつクマ牧場でも保護されたクマを受け入れていました。クマを集団で飼育している北海道登別市の「のぼりべつクマ牧場」では、現在70頭いるうち、8頭が保護されたクマです。クマ牧場では北海道からの依頼を受け、1歳未満の子グマだけを保護しています。ただ保護の現状は、3年から4年に一頭のペースで、年間で2頭の受入れが限界だということです。保護した子グマは、牧場内の別の子グマと一緒に育てることで集団性活に慣れやすい一方、成長したクマは馴染むのが難しく他のクマから攻撃の対象になりやすく、環境によるストレスで衰弱死してしまうこともあるといいます。保護以外に、駆除されるクマを減らす対策も行われています。9月25日を皮切りに親子のクマ3頭が連日のように目撃された札幌市西区の住宅街。山にはこの親子が歩く「獣道」がありました。市は住民の要請を受け周辺の草刈りなどを実施。特に今回効果的だったのが「電気柵」の設置です。市によりますと電気柵の効果で親子グマが活動する場所が西に移動。10月5日の目撃を最後に周辺では姿を見せなくなりました。近くに住むこの男性は万が一に備え今回、クマよけスプレーやライトを購入。町内会も新たに電灯を設置するなど対策をとりました。住民の不安な日が続くなかなぜクマはこの場所にこだわったのでしょうか。クマが頻繁に現れたこの森。親子グマはクルミを目当てに現れていました。このクマの行動に付近に長く住む人は変化を感じていました。人が住む住宅街とクマの住む森。専門家は長い時間の経過と共に人とクマの距離が近づいているといいます。「人とクマの関係というのは、時代によって変化していきますし、時間が経てば、森林も成長しますから。人慣れして周りに出ないような個体は捕獲を含めた対応が必要。さらにもう一歩進めるのであれば人の安全が守りやすいような環境に整えていくということが必要」(酪農学園大学 佐藤喜和教授)。駆除に頼らない人とクマのすみわけを目指す環境づくりも効果的な取り組みの一つです。クマの目撃件数が増えている原因としていみられているのが、クマと人との境界が交わりつつあるということ。クマと人が住むエリアの境界に、緩衝エリアを設け、草刈りや緑地の管理、電気柵の設置をすることで、すみわけを目指す対策をしています。札幌市西区山の手にクマが出没したケースでは、住民の要請で市が草刈りや電気柵の設置で、人との境界からいかに話して問題個体とならないようにするか行っていました。また、札幌市南区では市民と協力して市やNPOが、クマが出没した地点の草刈りをすることで、出没件数が減っています。人が住む住宅街とクマの住む森。すみわけをするための対策が重要です。

(クマ出没を想定した訓練:北海道)
北海道でクマの目撃件数が過去最多となる中、札幌市で初めて道などの関係機関が集まり市街地にクマが出没したという想定で訓練が行われました。ハンターが取り出したのは模型の猟銃。これから、山に入りクマを追跡します。クマの出没が相次ぐ道内。道警によりますと、2023年の目撃件数は10月15日現在で3400件あまりで、過去最多だった2022年を大幅に上回っています。2023年は猛暑で山ではクマのエサとなるドングリや山ブドウ、コクワなどが不作となっているとみられ、市街地への出没が懸念されています。27日の訓練は、南区簾舞や藤野の住宅街で体長1.5メートルほどのクマが1週間にわたり出没を繰り返したことを想定。国と道、札幌市が主催し札幌市ヒグマ防除隊とよばれる市から委託されたベテランハンターら35人が参加しました。訓練ではクマが住宅街に繰り返し出没したため、危険と判断し駆除を決定。クマを見つけたハンターが狙いを定めます。担当者がクマの衣装を着て行った実践的な訓練。「市街地周辺だと銃を使う条件が限られたり安全を確保する必要がある。今回のような訓練でいざという時に備える体制作りをしたい」(道の担当者)。道などは同様の訓練を道内各地で行いたいとしています。

(猟銃の扱い方再確認:静岡)
富士宮市は26日、猟銃使用安全講習会を初めて実施した。市内2猟友会の会員40人が11月1日からの猟期を前に、猟銃の安全な取り扱い方を再確認した。富士宮、西富士宮山麓の両猟友会の会員は同市猪之頭の西富士ライフル射撃場に集まり、指導員の講習を受けた。引き金の近くに指をかけて操作しない、弾を装填(そうてん)したまま銃から手を離さないなどの基本を細かく確認した。射撃練習では打ち終わってブースを離れようとした参加者に対し、装填した弾が残っていないか確認を徹底するよう求める場面もあった。2022年には富士市でサルの捕獲準備中に麻酔銃の銃口が人に向いたまま作業して誤射した事故が起きている。富士宮猟友会の風岡正則会長は「(銃の扱いに)慣れているベテランほど事故の危険が高い。細かく指導を受けられ、気を引き締められた」と話した。講習会は危険な銃を取り扱う心構えを再認識する狙いで開いた。今後も猟期の前に実施する方針。

(地域ぐるみで鳥獣対策考える:愛知)
地域ぐるみで鳥獣対策を考えるフォーラムが28日、新城市平井のJA愛知東本店で開かれ、70人ほどが参加した。主催は、狩猟と害獣駆除に関する啓発活動を進めるNPO法人愛猟(豊田市)。東海日日新聞社など後援。

(ハンターのなり手求む!「狩猟フェスタ」:高知)
狩猟に興味を持ってもらおうと高知市でイベントが開かれました。狩猟フェスタは高齢化に伴い、減少傾向にある狩猟の担い手を確保するため県が開催しました。イノシシやタヌキの皮を使った加工品や「わな」が販売されたほか狩猟免許の相談ブースが設けられました。シカ肉やイノシシ肉を使ったジビエ料理も販売され行列ができていました。11月・12月にはわな猟の体験ツアーが開催されます。

(クマ被害を激減“特殊訓練”受けた「ベアドッグ」:長野)
29日も岩手で女性が襲われるなど過去最悪のペースで被害が増えています。この週末、対策を強化する自治体が相次ぐ中、クマを傷つけずに山へと追い返す活動が成果をあげています。全国でクマによる人への被害が増える中、週末を迎え、各地でクマへの対策が行われていました。(新潟県猟友会村上支部 菅原修副支部長)「きょうは3カ所(罠を)仕掛けているんですけど、その見回りをします」。新潟県関川村。紅葉の名所で知られるこの地域でもクマの捕獲件数が去年に比べ10倍近い数に増加。先月は住宅にクマが侵入。駆け付けた猟師がけがを負う被害も出ています。見回りの結果、3つの罠にクマはかかっていませんでした。しかし、設置したセンサーカメラを確認すると…檻の入口に現れた動物。その正体はタヌキでした。クマへの恐怖で住民の生活にも変化が起きていました。環境省によると、クマの被害に遭った人の数は、今年4月から9月末までに109人と過去最悪のペースとなっています。被害者の数は今月に入り、東北地方を中心にさらに増えている状況です。一方、クマと共存するための取り組みで効果をあげている自治体もあります。「ワン!!ワン!!!」。木の上にクマを追い立て、果敢に吠えたてる1匹の犬。クマ対策のために特殊な訓練を受けた『ベアドッグ』と呼ばれる犬です。このベアドッグと共に、およそ20年、軽井沢町のクマ対策に取り組んできたのが、田中純平さんです。(クマの保護管理を行うNPO法人ピッキオ 田中純平さん)「トレーニングを積んで、クマを探し出したりとかパトロール業務を主に軽井沢でやっています」。日本を代表する高原リゾート、軽井沢。山あいに別荘や宿泊施設が立ち並び、クマにより、多くの被害を受けてきました。しかし、2011年以降、人間の主な生活エリアで、クマによる人身事故は起きていません。その背景にあるのが、徹底的なクマの保護管理です。まず、事前調査のためクマを捕獲。血液検査やタグをつけるなど、各個体の識別データを収集します。さらに、位置情報を得るため発信機を装着。その上で、町内をクマがいるべき“森林エリア”、森林と別荘地が交差する“別荘地エリア”、人間が多く住む“市街地エリア”に分けます。その境界線に近づいたクマを威嚇し、学習させ、森林エリアに誘導するのが、ベアドッグの役割です。5年前、厳しいテストを潜り抜け、次世代ベアドッグとして選ばれたメスの「レラ」と共にパトロール開始です。クマがいるのでしょうか?安全のため、取材スタッフは待機。田中さんはレラと共に森の中へ向かいます。28日、境界線付近で確認されたクマは5頭。4時間ほどかけ、全てのクマを山奥に返すことが出来ました。

(各地でキジ放鳥:三重)
菰野町猟友会は23日、同町潤田の三滝川河川敷の広場でキジ20羽を放した。放鳥したのは雄雌各10羽で、岐阜県の養殖業者から仕入れた生後8カ月~1年の若鳥。勢いよく飛び立ち、棚瀬賢一郎会長(58)は「数が増えて元気に育ってくれれば」と願った。

(教授と学生計4人が狩猟免許取得:京都)
「都会でできないことだから絶対楽しいよね」。教授の誘いに3人のゼミ生が応えて、ある免許を取得した。自身も免許を取った教授が「たどりつきたい」というのは、ぼたん鍋。4人が取得したのは、そう狩猟免許!福知山公立大情報学部の山本吉伸教授(56)と、4年生の新木大地さん(22)、3年生の加藤彩花さん(21)と大見彩名さん(20)が免許を取った。狩猟免許は4種類(第1種銃猟、第2種銃猟、わな猟、網猟)あるが、山本教授は第1種銃猟とわな猟、新木さんはわな猟、加藤さんと大見さんは第1種銃猟の免許を取った。取得の目的は猟というより、研究に生かすため。研究室では田畑の獣害を減らすために情報通信技術を用いた支援技術を築く「デジタルかかしプロジェクト」を進めている。農家や地域が何に、どのように困り、どうすれば被害を防げるのか。山本教授は、おり一つとっても、猟師と農家では考え方が違うと指摘する。「猟師はいっぱい捕まえたい。農家は農作物に被害が出なければ、動物は逃げてもいい」おりに動物が入ると、画像がパソコンやスマホに送信されるものもある。狙った動物ならば遠隔操作で出口を閉めるが、夜行性の動物の場合は就寝中に送信があるし、操作が遅れて逃げられてしまうこともある。「相当な負担になっている」と山本教授は言う。そういった点をICTを使い、解決していくのがゼミの目的だ。「技術は実学。役に立たないと。役に立って初めて世のためとなる」が信条。「本物にならないと本物のニーズが分からない」と免許を取得した。加藤さんも「鳥獣の捕り方が分からない人に獣害対策はできないのでは。困っていることが分かれば、対策も分かる」と話している。福知山市は市内3地区を獣害対策モデル地区に指定して、山本教授らとICTを活用した対策を実施している。来年度もICT機器を活用した対策を進めることにしている。対策は、個体を確実に捕まえる「捕獲」、田畑を侵入防止柵で囲う「防除」、耕作放棄地の雑草を刈って鳥獣をひそませないなどの「生息環境管理」が三本柱。ただ地区によってどこに重点を置くかは違い、地域のニーズに合わせてICT機器を導入していく。しかし、導入といっても簡単ではない。使い慣れないICT機器に抵抗がある高齢者もおり、最初は使用していても、じきに使わなくなる場合もある。市の担当者によると、市販のICT機器の中には通信費が割高になっているものがあるという。月額1万円近くかかる場合もあるといい、ほかのランニングコストと合わせて高齢者が多い地域では負担が重い。市は狩猟期間以外に有害鳥獣駆除隊員が駆除した有害鳥獣に捕獲報償金を出している。例えば、シカの成獣で1万6900円、イノシシ成獣で1万2100円だが、ランニングコストがまかなえるほど捕獲できるかは難しい。こうしたことから、市は使用する側の負担感が少ない機器の開発を大学側に期待している。

(狩猟専門誌『狩猟生活』初のオンライントークイベント)
インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:二宮宏文)は、11月9日(木)に、狩猟専門誌『狩猟生活』のオンライントークイベント「狩猟とジビエ」を、You Tubeで生配信いたします。『狩猟生活』は「知恵と体力を総動員して獲物を狩り、解体して、おいしくいただく」をテーマにしたハンターのための実用ムック。猟のノウハウや獲物の利活用法、草木や農作物の食害と人身被害などの社会問題について取り上げています。本誌は、2019年9月から山と溪谷社で刊行を開始し、2023年9月11日発売号で15冊目(山と溪谷社では11冊目)を迎えました。さらに、2022年11月からはより幅広い層に狩猟の文化や魅力、自然環境問題の実際などを発信していくために、Twitter(現X)、noteの公式アカウントの運用も開始しました。今回はその取り組みのひとつとして、全国で猟が解禁される直前の11月9日に、初のオンライントークイベントを開催いたします。イベントでは、本誌編集長・鈴木幸成をはじめ、誌面で活躍する著者である小堀ダイスケさん、北尾トロさん、豊和精機製作所・佐藤一博さんによる「ジビエ」をテーマにしたトークセッション、ジビエ料理のリアル試食会を実施。現役ハンターや本誌愛読者をはじめ、ジビエなどの食文化に興味がある人、山野の環境破壊や食害の問題に関心がある人などに楽しんでいただける構成になっています。イベントの内容はnote、X(旧Twitter)の狩猟生活公式アカウントでも発信していきます。

(熊と人間の共生のあり方とは?)
全国で相次いでいる、熊による被害。人里に熊が下りてきて住民を脅かしており、連日ニュースでも取り上げられている。では、歴史上において人と獣はどのような関係にあったのか。そのカギを握るのが、「マタギ」と呼ばれた人々である。マタギ犬と共に独自の生命観によって獣と向き合い続けた先人の姿を知り、今改めて動物と我々人間の共生について考えてみたい。熊による被害が拡大している。北秋田が集中的に狙われているが、ついに首都圏にも現れた。熊をはじめとする野生生物の脅威におびえつつも、里山をはさんで棲み分けてきた日本人の生活が、新たな局面を迎えている。かつて日本には、「マタギ」と呼ばれる熊撃ちがいた。北海道や東北を中心にした東日本で、独特の伝統的な猟法で獣を獲っていた猟師である。熊の他に猪(いのしし)やカモシカを獲ることもあった。狐狩りのような、欧米式のハンティングとは違う。また、今でもいる趣味のハンターとも違う。独自の生命観に立ち、自然と共存する哲学と文化を持つ猟師だった。マタギはふだんから山に住み、主に農作業ができない冬に猟をしていた。害獣の駆除と食糧の確保という二面性を持つマタギ猟をつなぐのは、その独自の生命観だった。撃った熊はあえて食べる。自然からの恵みとして命をいただくのである。マタギの源流は諸説あるが、有力なのは縄文時代の狩猟採集文化に由来するというものだ。弥生文化が入ってきて農耕が主流になる中でも、山に住み続け、猟を続けた人々ではないかというのである。農耕は自然を切り拓き、開墾して行う。人間が生きていくためには仕方ないことだが、農業こそ環境破壊の始まりだという説もあるぐらいだ。民俗学者の宮本常一は、マタギを「山の民」だとしている。農耕以前の、あるがままの自然の中で生きていた日本人の末裔だという解釈だ。彼らはもともと狩猟専業者で、当然ながら日本の犬を連れていた。日本の犬は縄文時代から人間と暮らし、猟の友をしていたと考えられる。その中でも小型のものは主に兎や鳥などを獲り、日本犬保存活動を経て今の柴犬となった。マタギ犬はもう少し大きい、今でいう北海道犬ぐらいの大きさだったと思われる。北海道犬はもともとアイヌ犬で、生粋のマタギ犬である。そして東北の犬もマタギ犬だった。しかし今、東北の犬というと秋田犬しか残っていない。秋田犬も昔は今ほど大きくなく、北海道犬ぐらいの大きさだった。両者には血の交流もある。地理的に近いこともあって、北海道と東北には古くから、経済的にも文化的にも交流があった。昭和初期、絶滅を防ぐために日本犬保存活動が始まった頃、東北では闘犬が盛んだった秋田以外の犬はすでに絶滅に向かっていた。それでも青森や岩手には、いい犬が少し残っていたのである。しかし保存することはできず、それらの血は秋田犬に流れ込んだ。そして敗戦後、秋田犬を欲しがったアメリカ軍兵士の好みに応じて大型化した。マタギは日本犬と共に、人間と熊との間に立って融和を図っていた。そんなマタギも、近代化する日本の中で次第に居場所をなくしていく。すでに昭和の初期、マタギも日本犬も山奥に追いやられ、人目につかない存在になっていた。山梨日日新聞が昭和52年の元旦から連載した『甲斐犬物語』に、少年時代を山梨県南巨摩郡で過ごしたという男性の、こういう回想が掲載されている。「山から出てくる人々は、大衆雑誌の主人公のような古武士の風格によく似た犬ばかり連れてくるものだと、子ども心に強く感じた」。マタギは「山から出てくる人々」で、日本犬は「古武士の風格によく似た犬」とされている。その辺にはいない、見慣れない犬になっていたのである。1980年代以降、環境保護や自然との共生が課題になって、消えゆくマタギを惜しんで何冊も本が出た。『完本 マタギ 矛盾なき労働と食文化』(ヤマケイ文庫)、『マタギ 消えゆく山人の記録』(慶友社)、『奥会津最後のマタギ 自然との共生を目指す山の番人』(小学館)など、探せばたくさんある。熊が町まで下りてきて人間と遭遇するようになり、日本は今、従来の動物愛護論や共生論だけでは難しい段階に来ている。開発で数が減り、以後は保護という形で共生してきた熊を、再び駆除しなければならなくなった。我々はこの課題とどう折り合いをつけ、対処していったらいいのか。こういう時だからこそ、熊と共生しつつ単なる駆除とは違う形で向き合っていた、日本独特の「マタギ哲学」が見直されているのだろう。そんな折も折、4年近くにわたって乳牛を襲い続けてきた熊、OSO18が7月30日に駆除された。人前に姿を見せずに罠をかいくぐり、ハンターを翻弄してきた熊は最後、病んで痩せて横たわり、自治体職員の手によってあっけなく駆除されたのである。驚いたのは、そのあとすぐに解体場に移されて流通し、ジビエ店で調理されていたことだ。OSO18の肉だとわかると予約が殺到したという。熊肉食は自然に感謝しつつ命をいただくのではなく、野趣を楽しむ趣味嗜好に変貌しつつあるのではなかろうか。10月15日に放映されたNHKスペシャル『OSO18 怪物ヒグマ最期の謎』によると、恐れられていたOSO18は実は弱い個体で、仲間によって餌場から追いやられ、主食である木の実を食べることができなかったらしい。そして、人間が駆除して放置していた蝦夷鹿(えぞじか)を食べて、肉食になったと推測されるという。その結果、偏食によって体調を壊し、動けなくなっていたのではないかということだった。こうして見ると、その過程に人間の関与もあったかもしれない。その熊対策として今、追い払い犬(ベアドッグ)が注目されている。軽井沢では以前から、熊が別荘地に出没し被害を受けていた。そこで、犬による追い払いを試みてきて、成果を上げてきている。筆者の知り合いが北秋田に住んでいて、熊が時々姿を見せるのだという。恐ろしい話だが、その度に飼っている柴犬が吠えて追い払うそうだ。もちろん、犬にも個体差があるから、全ての犬がクマを撃退できるわけではない。しかし、日本犬の中には、間違いなくマタギ犬の血が流れている。日本犬は本来、可愛がるだけの存在ではない。熊対策の一環として、個体を選んで訓練してみるというのもまた、考え得る手段の一つなのかもしれない。

(クマによるけが人多発、県が被害対策会議:岐阜)
クマによるけが人が多発し県独自の「クマ出没警戒情報」を出している岐阜県が「ツキノワグマ被害対策会議」を開きました。対策会議には、県、市町村、岐阜大学、県猟友会の関係者が出席しました。被害状況やクマによる被害が発生した際の連絡体制の確認などを行いました。今後は、クマの出没情報があった周辺の地域でわなの設置状況の点検やクマのえさになりそうなゴミの撤去などを県が市町村・猟友会などと協力し来週から11月上旬まで行うということです。岐阜県では、今年ツキノワグマに襲われけがをする被害が5件発生していて、独自の制度「クマ出没警戒情報」をおととい初めて出し警戒が続いています。

(クマ目撃情報18件、で緊急対策会議:山口)
山口県周南市鹿野地区に県のクマ出没警報(11月7日まで)が発令されたことを受け、県周南農林水産事務所は26日、関係機関の担当者を集めた緊急対策会議を地区内の交流施設で開いた。チラシの配布やパトロールなどで人的被害防止に努めることを申し合わせた。県によると、地区での目撃情報は昨年度3件だけだったが、今年度は25日までに18件が寄せられ、9月中旬には1頭が捕獲された。会議には市や周南署、猟友会から計20人が出席。同事務所の担当者は冬眠を前に餌を求めて人里に出てきているとし、近づかせないよう好物の柿の実や潜みやすい茂みの除去を所有者に呼びかけるよう求めた。また、遭遇時の注意事項を記載したチラシの配布や登下校時のパトロール、わなでの捕獲を行うことも確認した。同事務所の角田正明・森林部長は「外出時はクマよけの鈴を携帯するといった安全策を心がけてほしい」と話した。

(クマ対策で住民が柿や栗の木を伐採:富山)
クマによる人への被害が相次ぐなか、富山県南砺市では地区の住民たちがクマの餌となる柿や栗の木の伐採作業を行いました。南砺市の山本地区では27日、木の管理が難しくなった高齢者から依頼を受けて、自治会の役員や地元の大工など5人が柿や栗の木合わせて19本の伐採作業に当たりました。ブナなどが不作となり、クマが餌となる柿の実などを求めて人里に下りてくるケースが増えていることから、こうした木を伐採して被害を防ぐことがねらいです。住民たちは田んぼ近くの土手にある木をチェーンソーなどで根元から切り倒したあと、運びやすいように幹や枝を細かく切っていました。南砺市はクマ被害防止のため果樹などの伐採をする自治会に対して、費用の一部を補助する事業を行っています。富山県内では、今月26日までにクマの出没情報が211件寄せられ、去年10月、1か月間の10倍近くに増えているほか、ことしはこれまでに5人が襲われ、女性1人が死亡しました。伐採を依頼した森田睦子さん(76)は「高齢になり自分で木を切るのが難しいのでお願いした。最近もクマが近くを歩いていたと聞いたので怖い」と話していました。南砺市山本自治会の森田喜邦会長は「住民の高齢化で管理が難しい木が増えている。クマの被害対策を進め、地域の人の安心につながってほしい」と話していました。

(庭にクマ「柿を食べていた」:広島)
25日午後9時すぎ、安佐南区の住民が自宅の庭で目撃したのはカキを食べるクマの姿。通報を受けた警察が駆けつけた時にはすでに立ち去っていました。去年まで一度も見たことがなかった「庭のクマ」住民は今年すでに4回も目撃しているということです。また今年およそ30件の目撃情報が寄せられている三次市では午前10時15分ごろ、イノシシ用のわなにかかったメスのクマが見つかっています。

(各地でクマの食害相次ぐ:秋田)
秋田県内で26日、クマによる食害が相次いだ。午前5時ごろ、秋田市上新城五十丁字大平の民家敷地で、クマが養蜂箱を壊して中の蜂蜜を食べているのを、住人の50代男性が見つけ、秋田臨港署に届け出た。午前6時半ごろには、由利本荘市西目町沼田字沼田の農事組合法人敷地内で、米ぬかが入った袋10個が破かれているのを、法人役員の40代男性が発見した。

(クマ出没をAIカメラで検知しスマホへ通知:石川)
人工知能(AI)を使った防犯カメラの販売などのセキュリティー事業を手掛けるダイワ通信(金沢市)は2023年10月27日、AIカメラでクマを検知しリアルタイムで出没情報を通知するシステム「Face Bear(フェイスベアー)」のレンタル提供を開始すると発表した。人間がクマと不意に遭遇し襲われるリスクを減らすほか、農作物への被害を軽減したり、クマの捕獲・殺処分により生態系が崩れることを防いだりする狙いだ。クマの画像や動きの特徴が分かるデータを約5万枚以上AIに学習させ、クマの識別を可能にした。カメラでクマを検知すると同時に、Face Bearのモバイルアプリを通じて地域の自治体や住民に出没位置情報と検知画像をリアルタイムで通知する。クマを巡っては昨今、山間部だけでなく市街地でも目撃情報や被害が増えている。同社はこれを踏まえ、自治体などが短期間に対策を講じられるようにAIクマ検知システムをレンタル提供することを決めた。価格はカメラ1台につき月2万4800円(税別)。

(野生のクマ、好きな“ニオイ”徹底検証!)
嗅覚が犬並みに鋭いといわれるクマ。いまだその生態は謎が多いなか、クマ対策のヒントとなる貴重な映像を入手しました。ツキノワグマの嗅覚を調べた実験動画。粉末のワサビやリンゴの汁、唐辛子が入った丸太にクマがどのような反応をするのか調べたものです。好むものに対してはかじるなどの行動を取りますが、反応が違ったのが、丸太の中から出てくる赤い粉末、唐辛子です。においをかぐと、くしゃみをするような様子。手に付いた唐辛子を舐めると、激しく頭を左右に揺らします。秋田県立大学 野田龍准教授:「頭を振って離れていくような行動が、嫌がる様子かなと」。クマが嫌がるにおい、開発も進んでいます。唐辛子成分の栓が入った木製杭です。一方、野生のクマで行われた実験。木の杭に近付くと突然、体をスリスリ。一心不乱に抱きつきます。抱きつき終えたかと思いきや、今度は背中をスリスリ。これほどクマが反応するにおいとは何なのでしょうか。動画を撮影した野田准教授は…。秋田県立大学 野田龍准教授:「木材の表面にペンキを塗ったもの」。クマはペンキなどの油性の塗料や灯油などのにおいが大好きだといいます。秋田県立大学 野田龍准教授:「クマは興味が旺盛な動物。まずにおいをかいで、どういうものかを確認している。興味があるもの、好むものに対して体をこすりつける行動をよく行う。さらに好むもの、興味があるものはかじるという行動を取る」。こうした習性から被害はこんなところにも。石川県小松市の山中にある看板。上の部分を見ると、削り取られた跡が。よく見ると、クマの毛のようなものも。油性の塗料に引き寄せられたのでしょうか。クマによる被害とみられています。秋田県立大学 野田龍准教授:「山の方に行くと木製の構造物、ベンチや標識がある。クマによって引っかかれたり、かじるという被害が出ている」。

(日本列島クマだらけ!)
日本全国でクマによる被害が激増している。北海道はヒグマ、本州以南はツキノワグマによる被害だが、市街地や住宅地でも連日のように人的被害が発生するなど、状況は過去最悪の様相を呈している。そんな中、これまで「ツキノワグマは棲息していない」とされてきた伊豆半島で10月20日、オスの個体がワナにかかっているのが発見され、地元で衝撃が走っている。場所は河津町にある二本杉峠付近。同町の森林業関係者は、次のように不安を口にする。「伊豆半島では2021年に西伊豆町の山中で約100年ぶりにツキノワグマがワナにかかっているのが発見されましたが、この時は単体の迷いグマがたまたまワナにかかったのだろう、ということで落着しました。ところが今年に入って、中央部の伊豆市や南端の南伊豆町でもクマの目撃情報が相次いだことから、地元では『富士山麓に棲息しているクマが箱根を越えて、伊豆半島に流入しているのではないか』と心配していました。そして、今回の河津町での騒動です。今後、人里での人的被害が出なければいいのですが…」。同様の懸念は、これまで「棲息空白域」とされてきた房総半島や紀伊半島、四国や九州にも広がりつつある。ツキノワグマの消長に詳しい動物生態学者が指摘する。「絶滅危惧種と言われてきたツキノワグマの個体数は近年、本州以南のあらゆる地域で激増の一途を辿っています。北海道のヒグマも含め、日本全国でクマ被害が相次いでいる最大の理由も、ここにあります。この点は、ツキノワグマが絶滅したとされてきた房総半島や紀伊半島、四国や九州も例外ではありません。これらの地域でツキノワグマによる人的被害が発生するのも、時間の問題と言っていいでしょう」。まさに日本列島クマだらけ。安全な場所はどこにもないということだ。

(我が家の隣に野生生物!あなたはどうする?)
小さなお悩みから地域コミュニティが直面する様々な課題までNHKの全国ネットワークをいかして解決を目指す番組。今回はみなさんの生活を脅かす獣害の解決を目指します!野生生物が町に侵入することで問題となるのが「獣害」です。農作物派の甚大な被害、家屋に与えるダメージや騒音などが問題となっているほか、生態系への影響も指摘されています。千葉県で増え続けるシカの仲間「キョン」の駆除が進まない背景や、全国各地で増え続けるアライグマ対策の最前線など、暮らしを侵食し始めている生き物たちとの向き合い方の解決法を、当事者・専門家・環境系ユーチューバーが力を合わせて考えます!

(クマ「ものすごい速さと力」:島根)
全国的に人がクマに襲われる被害が相次ぐ中、今年6月にツキノワグマに引っかかれて右目を失明した島根県邑南町宇都井の70代男性が、山陰中央新報社の取材に応じ「ものすごい速さと力だった。かまれないよう必死だった」と恐怖の瞬間を振り返った。男性は6月16日午前5時に自宅裏の畑で野菜を収穫していた。宇都井地区は山あいに民家が立ち並ぶ地域で、畑の先にやぶが生い茂る山がある。コツンコツン-。何かをたたくような小さな音がした。「鳥だろうか」。耳を澄まし音の出どころを探ると、やぶの中からだった。やぶまで2~3メートルの距離に近づき、音の原因を確かめようとすると突如、大きさ1メートルほどの黒い物体が飛び出し覆いかぶさってきた。目の前に牙が生えた大きな口を広げていた。「クマだ」。自分の頭が強い力で引き寄せられた。「かまれたらおしまいだ」と必死で押し返した。頭部や腕、脇腹をひっかかれながらも、クマが離れた隙に自宅に逃げ込んだ。右目に大けがを負っていた。男性は10日間入院し右目の摘出手術を受けた。地元の猟友会会員でもあるが、利き目を失ったために猟銃は使えず、銃砲所持許可証を返納した。日常生活でも距離感や段差が分かりにくく支障を来している。「まさかクマだとは思わなかった。今でも畑仕事が怖い時がある」と脳裏に焼き付いた恐怖を語る。「クマを駆除するな」という意見もあるが、男性は襲われて失明。県外では命を落とした人もいる。「被害がある地域の実情を知ってほしい」と訴えた。

(増える獣害、狩猟体験通して新規育成:和歌山)
鳥獣被害が広がる中、和歌山県は12、1月に令和5年度狩猟体験研修を開く。イノシシやシカ、キジ、カモなどの狩猟に同行して鳥獣の解体の見学・体験を通して、新規銃猟者の育成を図る。同県内では平成27年度にイノシシ、シカ、アライグマ、サルなどによる農作物被害が3億4300万円に達しており、令和4年度は平成10年度以降で2番目に低い水準となったが、約2億6099万円に上っている。一方、全国的に人的被害も発生しているクマについては、県内では絶滅危惧Ⅱ類として保護されているという。県は平成28年度から、鳥獣被害に対応できる狩猟免許取得者育成を目的に狩猟体験研修を開催。県内では令和3年度までに4312人が狩猟免許を取得しているという。参加資格は県内に在住する狩猟免許取得予定者、狩猟経験が少ない、または経験がない銃猟免許所持者、狩猟に興味がある人。参加無料(交通費、昼食費、保険料は参加者負担)。

(40年間育てた柿の木を伐採、そのワケは:富山)
北アルプス・立山連峰のふもとにある、富山県立山町の水田に囲まれたのどかな住宅地。そこに長く住む男性は、自宅横の柿を見上げていました。40年前に自宅を新築した際に植えた柿の木。実が熟すと赤みが濃くなり近所の人に配ると「おいしい」と評判だったといいます。しかし、その木の伐採を決めました。「家族のようなものだった」と語る男性、苦渋の決断の背景には、クマの異常出没がありました。富山県立山町に住む柳原秀雄さん、83歳。柳原さんを悩ませているのが、自宅のそばに植えられた「柿の木」です。富山県ではドングリが不作で、山にいるはずのクマがこの柿の実を求めて、人里に下りてきているのです。81歳の妻と2人暮らしの柳原さん。自宅にチェーンソーなどあるはずもなく、高齢の体では何もできずにいました。そうしたなか、立山町役場では今月から伐採作業を代行する支援事業を始めました。支援の対象は、町内に住む満70歳以上のみの世帯で、伐採作業を住民に代わって無料で行います。立山町役場農村環境係・大﨑喜孝係長:「柿の木は折れやすくて、登って落ちたら、けがをしてしまうこともあるので、ベテランの方がいないと、なかなか(伐採)できないという声もある」富山県内ではほかにも、伐採をする自治会に対して、費用の一部を補助している自治体もありますが、伐採作業自体を代わりに行うのは珍しいといいます。10月27日までに15件の申し込みがあり、クマが冬眠に入る12月ごろまで支援を続けるとしています。40年間、毎年欠かさず手入れを続けてきた柿の木。しかし、命には代えられないという思いから、苦渋の決断でした。作業すること1時間半…。家の屋根ほどの高さがあった柿の木2本がきれいに切り落とされました。伐採された木は柳原さんが処分しなければいけませんが、燃えるゴミに出せる小さなサイズにまで整えてもらうことができます。富山県では10月に入って、27日まででクマの出没情報が217件。前年同期比の10倍となっています。行楽地での出没も増えていることから、週末など外出を楽しむ方は十分、警戒してください。

(クマの目撃増加「原因と対策は」:栃木)
日本の各地で相次いで報告されているクマによる被害。栃木県のまとめでは、今年(2023年)4月から9月末までの県内のクマの目撃件数が、過去5年の同時期と比べ最多となっていて、山林近くの住民や観光客などに注意を呼びかけています。クマが人里に下りてくる理由やクマの対策について、県の担当課を取材しました。県環境森林部自然環境課・野生鳥獣対策班の監物伸隆班長は「どんぐりの実とか餌がないような場合とかは、餌を求めて下りてくるというようなところもあるので、生ごみとか収穫されていない果実とかそういったものを餌として、特に冬眠前に求めて下りてくるというようなところがあるかと思います」と話します。県のまとめでは、今年4月から9月までのクマの目撃件数は114件で、過去5年の同じ時期と比べ最多となっています。市町別で見ると日光市が79件と全体の約7割です。観光客でにぎわう日光市湯元でも27日7時20分頃、湯ノ湖西側の山林を観光客が散策していたところ、体長1mのクマ1頭が北に向かって歩いているのを目撃しました。けがをした人はいないということです。このほか今年8月には、龍頭ノ滝の近くの宿泊施設にクマが侵入するなど、人里にクマが下りてくるケースが目立ちます。湯ノ湖近くのビジターセンターには、夜から朝にかけて出歩かないよう呼びかけるポスターが貼られています。県としてもクマが人里に下りてこないよう「食べ物のにおいがするゴミの処理を適切に行う」など対策を講じてほしいと地域の住民や観光客に注意を呼びかけています。

(“放置された柿”を有効活用、楽しみながら収穫体験!:秋田)
里山だけでなく、市街地でもクマに襲われてけがをする被害が出ている秋田県。生活圏でクマによる被害が相次ぐ背景の一つには、クマの餌となる果樹の放置がある。そんな現状をなんとかしたいと、放置された柿の木の有効活用に情熱を注ぐ秋田・能代市の男性が、柿の収穫を体験してもらうイベントを開いた。柿の形をした帽子と、柿の色のつなぎがトレードマークの柿木崇誌さん。放置されている柿の木に関心を持ち、代行して収穫と管理にあたっている。収穫した柿は加工・販売している。「次なる挑戦をする」と聞きつけ、柿木さんの元を訪れると、大館市の住宅街に何やら幻想的な空間が現れた。柿木さんに「これは何か」と尋ねると、「柿狩りハロウィンナイトです」という答えが返ってきた。日頃から手掛ける柿の収穫を「イベント」にしたようだ。柿木崇誌さん:柿が放置されてクマやサルが来て獣害になっているので、どうにかして収穫したいところだった。平日の日中だと収穫する人が集まらないので、夜の仕事終わりに集まって、かつハロウィンの時期なのでハロウィンナイトにしようと。初めての開催となった10月23日は、大館市や鹿角市から7人が参加。柿木さんの指導を受けながら作業を進めた。人生初の柿狩りに挑戦した参加者は、柿木さんに勧められるままに収穫した柿にかぶりついたが、その渋さに顔をゆがめていた。収穫した柿は、地元の福祉施設などに皮むきを依頼し、その後、柿木さんがドライフルーツに加工。10月29日に開業するJR大館駅の新しい駅舎で、土産物として販売される。柿木崇誌さん:エリアは関係なく、県全体の課題としてみんなで解決して、地域の垣根を越えられたらと思っている。イベントの参加には費用が必要だが、自分で採った柿や加工品を持ち帰ることができる。今後の開催予定は、柿木さんのSNSで発信される。

(クマの生態変化にも注意、人を恐れぬ『新世代ベア』:富山)
クマによる人身被害が発生し、目撃・こん跡情報が相次ぐ中、被害防止のための取り組みが進んでいます。27日立山町の住宅では、クマのエサとなり引き寄せてしまう恐れのあるカキの木の伐採が行われました。立山町蔵本新に住む柳原さん。住宅の庭先には、40年前に植えた3本のカキの木があります。毎年の収穫を楽しみにしていましたが、周囲でも目撃情報が相次いでいることから、地区住民の不安も考慮し伐採することを決めました。83歳になる柳原さんにとって、高さおよそ5メートルのカキの木の伐採は重労働です。立山町では、70歳以上の世帯に対しカキの実の除去や伐採を支援していて、27日までに16件の依頼が寄せられています。27日は、立山町で林業を営む地域おこし協力隊と職員が協力してカキの木を伐採していました。立山町ではクマを引き寄せないためにも地域での取り組みが必要として、空き家での伐採作業も積極的に呼びかけています。*立山町農林課農村環境係 大崎喜孝係長「自分で切られない、カキの木がいっぱいあると聞いている。(クマは)河川を下って来ている常願寺川が近くにある。いつ食べ物を求めてくるか分からないので警戒している(一日も)早くまわれるように、動きたい」。クマにとって平野部への進出は大きなリスクとなりますが、今年なぜ、人里への出没が相次いでいるのでしょうか。富山国際大学のある富山市東黒牧。クマの生態に詳しい専門家の指導の下、山に入ってみると…。*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明主任学芸員「(ドングリ)あまり見当たらない。豊作のときは、立っている状態で地面見るとドングリが落ちているのがわかる。木の上にも実は見えない。下にも落ちていない」。県森林研究所がまとめたクマのエサとなるドングリの生り具合を示す調査では、全ての種類で不作との結果が出ています。平野部との境界となるはずの標高の低い山には、ほとんどドングリを見つけることが出来ませんでした。*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明主任学芸員「丘陵が終わって、平地が始まる場所。エサををあてにしていたクマが里地に出てしまう可能性はある」。山を降りると目の前には熊野川。下流には今月、人身被害のあった富山市江本地区があります。*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明主任学芸員「放置されているカキの木が多い。収穫されないで残っているものも多い。(クマの)潜む場所を減らす意味でやぶを除去している」。県は、先月中旬からクマの平野部への出没を防ごうと、熊野川の上流8キロの範囲で河川敷の藪を重機で踏みつぶす作業を進めています。一方、白石さんは、クマのある生態の変化に警鐘を鳴らしています。*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明主任学芸員「人を恐れないクマを“新世代ベア”。市街地や住宅街に入ってしまうクマを“アーバンベア”と言っている。人や建物を見慣れて育ったクマにとっては自然の木と、農耕地にあるカキを区別せずに食べている」。エサの不足により平野部へと行動域を広げざるを得なくなったクマ。そして人への警戒心が薄れている新世代ベアの存在。カキの木の伐採や、やぶの除去など寄せ付けない環境づくりが急務となっています。平野部にもクマがいるものとして、意識を変えて生活する必要があります。

(「“クマは臆病な動物”というのは間違いない」)
川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を捉えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学の農学研究を紹介します。10月10日(火)と10月17日(火)の放送では、森林資源保全学分野 森林生態学研究室の山崎晃司(やまざき・こうじ)教授に、「クマ出没増加の意外な背景」「クマの生態」について伺いました。近年クマが増えている理由の1つとして、山崎教授は森林の使い方が昔と比べて大きく変化したことを挙げます。例えば、1940~50年代ぐらいまでは、焼き畑、萱場、製鉄業などの産業の燃料木として多くの木を伐り、炭や薪にしていたこともあって「クマをはじめ、シカやイノシシなどの森林性の動物にとって住めるような環境は、数百年の単位でなかった」と言います。しかし現在は木の使用が減ったことに加え、海外から木材が安く輸入されるなどの時代の変化もあり「森が人間によって使われなくなったので、もともと“はげ山”“荒れた山”だったのが元の森林に戻ってきた。そうすると、森林性の動物にとってはうれしい事態。しかも、(昔に比べて)人口の一極集中が起こっていますので、山に行くと人が住んでいない。つまり今は、数百年来に訪れた“黄金時代”。減る理由がない」と説明します。そんななか、クマに関する管理の仕方は「飛躍的に改良されてきています」と山崎教授。しかし、その努力を上回る勢いでクマが増えており「行政は目先のクマを捕獲するだけで精一杯の状況が続いている」と明かします。山崎教授によると、現在一番簡単な方法は罠を仕掛けての捕殺。そのほか、麻酔薬を用いて安楽死させる方法があるものの、麻酔薬や麻酔を投薬する道具などのコストが高く、基本的には自治体の負担ということもあり「裕福な自治体じゃないとできない」と指摘。ちなみに現在、北海道庁の推定で北海道に約1万頭のヒグマ、山崎教授の感触では本州に6~7万頭のツキノワグマが生息していそうとのことです。続けて、山崎教授は「一般論として、クマは臆病な動物というのは間違いない」と明言。クマが人を襲ったニュースを見聞きすることが度々あるため、どう猛なイメージを抱きがちですが「クマは積極的に人を襲うわけではない」と言います。「我々は“防御的攻撃”と呼んでいて、例えば、近い距離で人とバッタリ会ってしまったときだったり、(人間が育てた)農作物を食べていたりとか、何か後ろめたいことをしているときに、驚かされたら“ビクッ”としますよね(その拍子で襲ってしまう)。特に子どもを連れているメスグマは人に対する許容度が下がってしまうので、自分や子どもの活路を見出すために襲うこともあります」と解説します。この話に川瀬が「クマのなかにも、農作物を食べることが“悪い”という認識があるのですか?」と質問すると、山崎教授はクマの心理状態について言及します。「“悪い”という認識はないと思いますが、普段から生活しているすみかではない畑や人里などは、(クマにとっては)アウェーですよね。例えば、子どもの頃に自分の遊び場から遠く離れた場所で遊んでいると、夕暮れになるに連れて不安になりますよね。つまりクマも(アウェーな)場所では、そういう心理状態で行動しているんだと思います。ですから、人里に出てきているときと山にいるときのクマの行動は違うと思います」と話します。また、出産に関する生態についても。山崎教授いわく、クマは隔年ペースで1回に1~2頭を出産するそうで、「メスが子どもを産んで1年半ぐらい世話をするので(出産は)最短で2年周期ぐらい」と解説します。そして、もう1つ注目すべきは“着床遅延”という特有のメカニズムです。通常の動物は、受精したらすぐ子宮に着床して、胚の発達が始まりますが、「クマの場合、初夏に交尾をして受精卵ができた後も、(精子が)子宮内をずっと泳いで、着床せずに遅延するんです。その後、おそらく12月ぐらいに初めて子宮に着床、1月下旬には出産しますので妊娠期間は1ヵ月半ぐらい。ですので、子どもは握りこぶしぐらいの大きさの未熟児で産まれます。小さく産んで大きく育てるのがクマのやり方」と山崎教授。さらに、クマは冬眠をするため「(メスグマは)秋にどれぐらい食べられたかによって(子宮内をずっと泳いでいる)受精卵を着床させるか、あるいは流してしまうかを決められるんです。妊娠は母体に負担がかかりますので、もし秋に食べられなかったときは、子どもより自分が次の年も生きていることが大事なので、そちら(流すこと)を選ぶと考えられています」と語ると、川瀬は「不思議が一杯……すごいメカニズムですね!」と驚きの声を上げていました。

(クマによる人的被害増加の中、狩猟体験会開催:茨城)
クマによる人的被害が過去最悪のペースで増える中、29日、茨城県城里町で狩猟体験会が開かれました。29日、茨城県の城里町総合野外活動センターで茨城県内に住む人を対象とした狩猟体験会が開催されました。この体験会は茨城県が主催していて、5回目となる今年は20代から50代の男女37人が参加しました。参加者は猟銃の扱い方や、鳥獣を捕らえる際に使用する罠の仕掛け方などを学んだほか、イノシシの解体も見学しました。県の環境政策課は「狩猟者の中で高齢化が進んでいるので、若い方に狩猟免許を取得していただきたい。この事業がそのきっかけとなれば」としています。

(駆除反対の声に「被害がある地域の実情を知って」:島根)
全国的に人がクマに襲われる被害が相次ぐ中、今年6月にツキノワグマに引っかかれて右目を失明した島根県邑南町宇都井の70代男性が、山陰中央新報社の取材に応じ「ものすごい速さと力だった。かまれないよう必死だった」と恐怖の瞬間を振り返った。男性は6月16日午前5時に自宅裏の畑で野菜を収穫していた。宇都井地区は山あいに民家が立ち並ぶ地域で、畑の先にやぶが生い茂る山がある。コツンコツン-。何かをたたくような小さな音がした。「鳥だろうか」。耳を澄まし音の出どころを探ると、やぶの中からだった。やぶまで2~3メートルの距離に近づき、音の原因を確かめようとすると突如、大きさ1メートルほどの黒い物体が飛び出し覆いかぶさってきた。目の前に牙が生えた大きな口を広げていた。「クマだ」。自分の頭が強い力で引き寄せられた。「かまれたらおしまいだ」と必死で押し返した。頭部や腕、脇腹をひっかかれながらも、クマが離れた隙に自宅に逃げ込んだ。右目に大けがを負っていた。男性は10日間入院し右目の摘出手術を受けた。地元の猟友会会員でもあるが、利き目を失ったために猟銃は使えず、銃砲所持許可証を返納した。日常生活でも距離感や段差が分かりにくく支障を来している。「まさかクマだとは思わなかった。今でも畑仕事が怖い時がある」と脳裏に焼き付いた恐怖を語る。「クマを駆除するな」という意見もあるが、男性は襲われて失明。県外では命を落とした人もいる。「被害がある地域の実情を知ってほしい」と訴えた。

(クマは一撃で致命傷を与えようと“顔から上”を狙ってくる)
岩手県内では2023年度、クマによる人的被害が全国で2番目の多さとなっている。2023年はブナの実が大凶作となっている中、専門家は「山へ入る際はヘルメットを着用してほしい」と強く呼びかけている。人が山に入った時に起こる事故は増えている。野生動物の生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんによると、特に「キノコ採り」での事故が多いという。キノコ採りで人とクマが遭遇する理由について、大西さんはこのように説明する。森林総合研究所 東北支所・大西尚樹さん:クマ鈴を付けていたとしても、しゃがんでいると鈴が鳴らないので、クマに自分の存在を知ってもらおうという基本的な対策ができない。一方で、クマは冬眠に向けて食いだめの時期で、餌を探すことに集中している。注意力が散漫になっているところで、出合い頭の事故が起きてしまう。2023年、岩手県内でクマに襲われ死亡した人は、10月19日で2人になった。年間でクマによる死者が複数人となったのは、県内では記録が残る1979年度以降初めてだ。襲われた際に致命傷を避けるため、大西さんは“ヘルメットの着用”を強く勧めている。クマは一撃で致命傷を与えようと、顔から上を狙ってくるケースが半分以上。その時にヘルメットがあるとないとでは、致命傷になるかどうかが大きく変わるという。特に、2023年のようにクマが多い年は徹底してほしいと呼びかける。19日の夕方、盛岡市簗川で視聴者が撮影した映像には、道路沿いの歩道を焦る様子もなくゆっくりと歩くクマのカメラが捉えられていた。山の中の餌が少なく、2023年はこのように人里に出没するクマも相次いでいる。東北森林管理局は20日、クマの主食のひとつ「ブナの実」が、2023年は福島県を除く東北5県で「大凶作」だったと発表した。県内24カ所で行った調査では、1カ所が「ごくわずか」、残りの23カ所は「全くない」という結果だった。人里でのクマの出没を左右するブナの実の2024年の状況ついて、大西さんは「豊作にはならないが、多少回復する。今年ほどのクマの出没にはならないと思う」と予測する。一方で、山で起こり得る人的被害については、山の中でクマが増えている状況は変わらないため、「山に人が入って発生する事故件数は、今年と変わりがないと思う。来年も油断できない」と分析している。

(クマは海を渡るのか、「九州上陸」の恐れに迫る)
全国各地で相次ぐクマの出没。「九州では絶滅した」とされているが、福岡の隣県・山口でも多くの目撃情報が寄せられている。九州に残るクマの記録や、山口のクマが関門海峡を泳いで渡る可能性を専門家に聞いた。思わず慌てるクマとの遭遇。秋に入り、これまでにない頻度で東北地方を中心に各地で出没している。環境省によると2023年4月から9月までにクマによる被害に遭った人は全国15の道府県で109人と、国の統計開始以来過去最悪のペースとなっている。万が一、クマに遭遇した時は、ゆっくりと後ろに逃げるなどとにかく刺激を与えないことがポイントだという。福岡の隣県、山口でもクマの出没が相次いでいる。2023年4月からの目撃情報は300件近くにのぼっていて、10月21日には岩国市の国道で走行中の60代男性の車がクマと衝突する事故も発生した。食欲旺盛で活発に動くクマの出没が、なぜ各地で相次いでいるのか。「福岡市動物園」安河内清文・動物相談員:狩猟の対象とせずに「保護してきた」という歴史があって、それにより、いままで少なかったところにはクマが増えている現状がある。森林面積が増えずにクマだけが増えると、どうしても密度が上がって…。エサの少ない場所に押しやられるということで、そういった個体が里山に出てくる。――九州に野生のクマは?「福岡市動物園」安河内清文・動物相談員:九州では絶滅したといわれています。2012年、環境省は九州のツキノワグマの絶滅宣言を出している。九州でクマが絶滅した理由を専門家に聞いた。宮崎大学 動物生態学・岩本俊孝名誉教授:はっきりとした絶滅理由は不明です。多分、継続的な森林改変、伐採や狩猟のためだと思われます。九州のクマで記録に残っているのは1941年が最後といわれている。しかし1987年には、大分・豊後大野市で1頭のクマが発見され、猟師が銃で射止めている。記者リポート(1987年):イノシシ猟に出た猟師が、クマを射止めました。九州では野生のクマは絶滅したといわれているだけに、このクマの捕獲は関係者に大きな反響を呼んでいます。このほかにも九州では、クマの目撃情報がある。宮崎県と大分県の県境にまたがる祖母・傾山系で目撃した、あるいは痕跡を見つけた…など、いくつか情報はあるが、写真や物的証拠がないため検証は難しいのだ。本当に九州で野生のクマは絶滅したのか。絶滅論争では「どこで生まれたのか」が重要で、猟師が射止めたこの個体は九州生まれの可能性もあるとされていたが、DNA解析によって2010年「本州から持ち込まれた」と結論付けられた。そして2年後の2012年、環境省が「九州では絶滅した」と宣言したのだ。山口・下関市にも出没しているクマ。海を渡る可能性はあるのか。隣接する北九州市も警戒感を隠せない。北九州市・武内和久市長:しっかり歯止めをかける、どういう対策を取れるのか、あるいは現状どうなのか、しっかり目を凝らして対策を検討していきたいなと思っています。山口のクマが関門海峡を泳いで渡る「九州上陸」はあり得るのか。宮崎大学の岩本俊孝名誉教授に聞いたところ「クマは長距離を泳げない。もし1頭がたまたま泳いで海を渡ってもオスとメスが揃わないと繁殖はできない」ということで現実的には考えにくいようだ。

(クマが人間の生活圏に異常出没:広島)
今年、全国各地でクマの出没が相次いでいますが、広島県内も例外ではありません。山で起こる異変を「ツイセキ」しました。静まり返った夜の山の中で餌を探し回る1頭のクマ。広島県内で、今年に入ってクマによる人身被害は報告されていませんが、広島市内の住宅の庭に入り込むなど住民たちを不安に陥れています。先週、クマがあらわれた現場の近くに専門家が調査に入りました。山林を分け入っていくのはクマの生態に詳しい広島修道大学の奥田圭准教授。住宅の目と鼻の先にクマが日常的に使っているとみられる獣道が複数、確認できました。さらに…【広島修道大学人間環境学部・奥田圭准教授】「シカの樹皮はぎです。樹皮をはいで食べちゃうという」。山で起きている異変はクマだけではありません。至るところにあったのはシカの痕跡です。【広島修道大学人間環境学部・奥田圭准教授】「シカの数がかなり多くなっているなという印象は受けます。こういった残っている植物『マンリョウ』と言うんですがこういうのはシカが食べない植物なんですね。見てみるとシカが食べない植物だけが残っているという状況になってしまっています」。周辺には、ほとんど草が残っていませんでした。クマが食べるエサまでシカが食べ尽くしてしまったことが人里に下りてくる一因になったと指摘します。シカの生息範囲も例年とは異なりました。広島市内の可部地区では今年、住宅街の家庭菜園で今までなかったというシカによる食害も発生していました。県内のニホンジカの数はおよそ5万頭と推計されていて20年前と比べるとその数は4倍以上に膨れ上がっています。【広島修道大学人間環境学部・奥田圭准教授】「生物間相互作用と言って野生動物たちは互いに関係を持ち合いながら共存をしているので。おそらく山の中でシカがたくさん増えていて山のエサがどんどん消費されていく。クマが山の中で食べるものがなくなって人間が住んでいるエリアに降りて来てしまうことも合わせて起きている可能性があります」。人里にクマが姿を現すようになっても劇的に状況を改善できない理由があります。猟友会のメンバーも危機感を持っています。【安芸高田猟友会豊平支部・栗末茂雄さん】「彼らの陣地の中にわれらがいるのか、我々の陣地に彼らが入ってきているのかというのがどっちがどっちかという問題でもあるわけなんですが」。ツキノワグマは環境省から絶滅の恐れのある動物に指定されているため、県が「危険な個体」として許可を出さない限り捕獲をすることができません。【安芸高田猟友会豊平支部・栗末茂雄さん】「保護の対象にしているという形で看過できない状態になれば。駆除と言いますかそろそろ考える時期に入っているんじゃないかなと」。一方で、出没数が例年と比べ収まっている自治体も。北広島町に隣接する安芸高田市はクマの餌となる放置状態のカキの木と栗の木を伐採した住民に補助金を出しています。昨年度、合わせて150本が伐採されました。【安芸高田市地域営農課・稲田圭介課長】「一時に比べては数的には少ないかなと思います。クマにとって魅力のない地域を作ることによってクマの出没を抑制できればと思っています」。人里へと生息範囲を広げようとするクマ。冬眠前の12月ごろまで活発に動きまわります。広島修道大学の奥田准教授は中山間地域の過疎化が進むと今後さらに人里との境界線が曖昧になっていくと警鐘を鳴らします。【広島修道大学人間環境学部・奥田圭准教授】「広島の場合は市内であっても山に囲まれているような状況ですので将来的には必ずイノシシも鹿もクマも市内のほうまで出てくることが今の状態が続けば確実に起きてくると思います。これから先、都市部にいろいろな野生動物が出てこないようにするために今からしっかりとどういう街づくり地域づくりをしていけばよいか考えておく必要性があると思います」。カキの木と栗の木の伐採に補助金を出す事業は今お伝えした安芸高田市以外にも、今年度から安芸太田町でも始まりました。支援する県によると、今後、庄原市と北広島町でも今年中に導入される予定です。そのほかの自治体は未定です。

(クマ出没地を緊急点検:岐阜)
岐阜県内でツキノワグマの人身被害が多発していることを受け、県は27日「県ツキノワグマ被害対策会議」を開いた。県猟友会、37市町村の担当者ら計73人が、被害防止の方法を確認した。県は出没地域を緊急点検し、わなの設置場所の見直しなどを進めていく。会議では、野生動物の保護管理に詳しい岐阜大応用生物科学部の浅野玄(まこと)准教授が、クマは学習能力が高く、親子連れは攻撃的になると指摘。「遭遇を避けることが最も効果的。岐阜ではどの山にもクマがいる認識が必要」と語った。

(クマの死亡事故受け、出没エリアを緊急点検:長野)
先月、飯山市で男性がクマに襲われて死亡した事故を受けて県はクマの出没地の緊急点検を始めました。現場にはクマが現れるだけの理由がありました。■県クマ対策員・後藤光章さん「クマの爪痕あるじゃないですか、こういう新しいところ。新しいクマの爪痕ね、こうやってひっかけて、登って行った跡と」。柿の木にはクマの爪痕。■県クマ対策員・後藤光章さん「肉球ですね、肉球。これが(クマの)手のひらの肉球ですよね。指の肉球ですよね」。この足跡はけさのものとみられます。この地区では今月2度、クマの出没情報が寄せられました。集落もすぐ近くです。今年度は県内で人がクマに襲われる事故が9件発生。目撃情報もここ数年では多く推移しています。飯山市では14日、ワナにかかったクマに襲われたとみられる男性が死亡する事故も。この事故を受けて、県が出没地での緊急点検を始めました。■県クマ対策員・後藤光章さん「このへんが新しくついた爪痕ですね。このへんとか以前から何年も前でしょうね、これも。だいぶたっているのわかりますよね。こういう木だけでもピックアップして1年に1本でも2本でも減らすことが地域にとって大事だと思います」。この木から少し山を登ったところに足跡が。このクマは体長1メートル以上、けさ通ったと推測されます。その先には…薮が生い茂っていました。■県クマ対策員・後藤光章さん「こういうふうに、やぶが残っていると、やぶをつたっていけば夜中行けばね、やぶ伝いにそのまま柿の木までアクセスできてしまうという状況ですよね」。理想はこうしたやぶはすべて刈り取ることです。ただ現実的には難しく、やはり放置された柿の木を伐採することが必要だといいます。県の緊急点検は今月に出没情報があった県内およそ50カ所で来月14日まで実施。総合的な対策を検討します。

(エゾシカが市中心部で急増:北海道)
札幌の都心部にエゾシカが出没している。24日には札幌駅から約1キロに位置する北海道大学植物園にシカが侵入したことで、同園が休園する事態となった。道内ではシカに絡んだ交通事故や農林業被害は増加。背景には個体数の増加傾向が考えられるが、問題解決は一筋縄ではいかなそうだ。JR札幌駅から南西約1キロにある植物園は、多くの市民や観光客が集う観光名所で知られる。市によると、オスジカ1頭が園に現れたのは24日午前10時ごろ。入園者の安全確保のため、園は休園を決めた。翌日、シカの姿が見当たらなかったため、植物園は通常通り開園。同じ個体の可能性があるシカは東方向に逃げたことも確認された。市周辺では10月中旬以降、シカの出没が増えている。道警によると、10月16~25日正午に寄せられたシカに関する110番通報は150件。このうち札幌市中心部の出没情報は19件あった。

(イノシシなどの食害対策、捕獲だけじゃない:大分)
イノシシなど野生動物による農作物の食害対策として、捕獲一辺倒でなく、荒れた農地を地域で共同管理することでイノシシを近づけさせない手法が広がっている。大分県ではおよそ15年間で被害が半減したという。イノシシは九州で31年ぶりに発生した家畜伝染病「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」を媒介するため、感染対策にもつながるとして注目されている。「その茂みはイノシシが隠れるのに最適」「人が食べない栗の木は切った方がいい」。大分県由布市 挟間はさま 町の山あいにある集落でこの夏、麻布大(相模原市)の江口祐輔教授(54)(動物行動学)が、集まった農家に呼びかけた。地域を代表して対策にあたる人材を育てるために県が開いた実地研修会で、参加者は講師役の江口教授とともに、野生動物の侵入を防ぐ柵の設置状況などを点検して回った。地元で稲作を営む男性(75)は「手間暇かけて育てた稲がイノシシにやられると意欲がそがれる」と話し、「周りの環境を整え、近寄らせないことが大事だとわかった」と納得した様子だった。イノシシ研究の第一人者として知られる江口教授は現在、同大と連携協定を結ぶ島根県美郷町に常駐し、野生動物の行動理論を調べている。江口教授は〈1〉人里に来たことがない大部分の「無実」の個体を捕獲しても効果が薄い〈2〉一日の大半をえさ探しに費やし、農作物の残りかすも貴重な食料になる――などと指摘。「イノシシが山奥から下りてくる原因を取り除くことが先決」とし、柵の隙間や草むらをなくすとともに、放置された農地や果樹園の手入れを行うよう提唱する。コメやカボス、サツマイモなどの生産が盛んな大分県の農業生産額は年間約1200億円。一方、2008年の食害被害は2億1200万円に上る。研修会を通じ、地域の農家たちに助言してもらう「アドバイザー」となったのは1600人を超え、22年の被害額は1億1400万円まで減った。大分は県民の3人に1人が65歳以上の高齢者が占める。県森との共生推進室は「食害を放置すれば、年配者を中心に離農者が増える一因にもなりかねない」とし、「被害がほぼなくなった集落も多く、効果は確かだ」と胸を張る。8月には佐賀県の養豚場で豚熱の感染が相次いだ。豚熱は野生のイノシシも感染を広げ、農林水産省によると、本州と四国の34都府県では野生イノシシの陽性例が確認されている。江口教授は「農地から遠ざけること自体が感染対策につながる」と強調する。「捕獲に頼らない対策」を導入する自治体は増えている。岡山県瀬戸内市は、江口教授らの助言を受けて防護柵設置の手順を伝える動画を公開している。被害は激減し、担当者は「集落内で助け合いの精神も生まれた」と手応えを語る。宮崎県木城町では専門家を非常勤職員として採用し、草刈りや放置された果樹の撤去などに力を入れてきた。江口教授は「捕獲に頼る自治体が多い中で、着実に被害を減らした大分県の取り組みを広めたい」と話す。農林水産、環境両省によると、全国のイノシシとシカの捕獲数は2022年度、59万頭、72万頭(速報値)に上り、08年度の31万頭、25万頭から増えている。ただ、農作物の被害額全体は44億円減の155億円、量は3万トン減の46万トンで、捕獲数の増加と比べて被害は目立って減っていない。政府はイノシシとシカの生息数を28年度中に11年度比で半分となる215万頭まで減らす目標を掲げるが、農水省は「繁殖に捕獲が追いついていない」と明かす。動物が出入りできる耕作放棄地が増えたことも一因で15年には42万ヘクタールと1990年から倍増している。同省は〈1〉捕獲〈2〉柵の設置〈3〉餌場や隠れ場の管理――を対策の柱と位置づけ、「大分県の取り組みも参考に、地域が一丸となって対策を進められるよう支援したい」としている。

(倉庫に居座っていたクマ、29時間ぶりに捕獲:岩手)
29日から奥州市の民家の敷地内にある倉庫に居座っていたクマです。クマは30日午後、吹き矢による麻酔かけられ捕獲されました。クマが居座っていたのは、奥州市衣川の民家の敷地内にある倉庫で、29日午前9時ごろ、「倉庫にクマが入っていくのを見た」と民家の住人から市に通報がありました。29日は市や猟友会が爆竹などを使い追い払おうとしましたが、出てこなかったため倉庫のシャッターを閉めてクマを閉じ込めました。30日は、午前9時半ごろから捕獲に向けた作業が進められ、午後2時過ぎ、獣医師がクマに吹き矢で麻酔を打ち捕獲しました。クマが居座った倉庫の中はスプレー缶などが散乱していました。このほか、県内では29日、雫石町に住む80代の女性が自宅から敷地内にあるトイレに向かおうと外にでたところ、クマに顔や頭をひっかかれるなどしてけがをしました。県は、クマを寄せ付けないために、簡単に侵入できる小屋や屋外に生ごみや食べ物を置かないよう注意を呼びかけています。

(民家のクリの木にクマ、猟友会員らが捕獲:秋田)
28日午前9時45分ごろ、秋田県横手市平鹿町醍醐字宮東の民家敷地で、クリの木の上に体長約50センチのクマがいるのを住人の40代女性が見つけ、横手署に通報した。クマは4時間ほどとどまった後、市職員や地元の猟友会員らに捕獲された。

(住宅敷地の倉庫にクマが侵入:岩手)
岩手県奥州市の住宅の敷地内にある倉庫に、29日午前からクマが入り込んだまま出てこず、市や警察などが注意を呼びかけています。29日午前10時ごろ、奥州市衣川衣原で「クマが住宅の敷地内にある倉庫に入り込んだまま出てこない」という内容の通報が奥州市役所から警察にありました。警察によりますと、クマは体長1メートル50センチほどで、警察が現場に駆けつけてからも倉庫に入ったまま出てこないため、警察や奥州市、それに地元の猟友会などが注意を呼びかけていました。周辺でけがをした人などはいないということです。倉庫の中にクマの食料となるようなものは入っていないということですが、クマもその後も出てこず、日が暮れたため、現場では警察が警戒を続けるということです。市や警察などは対応を協議していて、30日になってからは麻酔銃の使用なども検討しているということです。現場はJR東北本線の陸中折居駅から西におよそ14キロ離れた住宅が点在する地域です。

(倉庫にクマ、興奮して麻酔銃使えず:岩手)
29日、岩手県奥州市で住宅の敷地内にある倉庫に入り込んだクマは興奮して麻酔銃が使用できず、丸1日たった今も倉庫に閉じ込めた状態で、警察や市が現場で対応を協議しています。29日午前10時ごろ、岩手県奥州市衣川衣原で「クマが住宅の敷地内にある倉庫に入り込んだまま出てこない」という内容の通報が奥州市にありました。警察によりますと、クマは体長が1メートル50センチほどで警察などが29日夕方、倉庫のシャッターを閉めてクマを閉じ込めた状態で、これまでに住民にけがなどはありません。

(民家倉庫に入り込んだクマ、獣医師が吹き矢で麻酔かけ捕獲:岩手)
29日午前9時頃、岩手県奥州市衣川地区の民家の倉庫にクマが入り込んだと住民から市に通報があった。市職員や地元猟友会が爆竹などで追い払おうとしたが動かなかったため、同日夕にシャッターを閉めて倉庫を封鎖。通報から約30時間たった30日午後2時20分頃、麻酔を使って捕獲した。けが人はいなかった。市や県警奥州署によると、捕獲されたクマは体長約1・5メートルのメスの成獣。猟友会などは30日も午前9時半頃から捕獲を試みたが、興奮したクマが倉庫内で暴れたため、作業は難航。盛岡市動物公園の獣医師が吹き矢で麻酔をかけて捕獲した。現場は民家が点在する地域。住宅に住む会社員男性(37)は「クマはよく出るが、入り込んだのは初めて。時々、暴れているような大きい音がして怖かった」と振り返った。

(住宅防犯カメラにクマ2頭:宮城)
宮城県内で28日クマの目撃が相次ぎました。富谷市では、住宅の敷地内を歩くクマ2頭が防犯カメラに映っているのが確認されました。エサを探すかのようにゆっくりと歩くクマ。防犯カメラの映像には、真夜中の住宅の敷地内を歩く2頭のクマの姿を確認することができます。クマが出没したのは、富谷市杜乃橋の住宅街です。この家の80代の男性によりますと、28日午前0時過ぎ、体長およそ80センチメートルのクマ2頭が住宅の敷地内を歩す様子が防犯カメラに映っていることに男性が気づき、警察に通報しました。この周辺では他に目撃はなくけが人などもありませんでした。28日はこのほか、登米市や大崎市、利府町など県内各地でクマの目撃が相次ぎました。県は例年よりも目撃が増えているとして23日にクマ出没警報を出し、警戒を呼び掛けています。

(親子グマ3頭が木工所のカメラにくっきり:富山)
富山県南砺市の木工所に設置されたカメラが、クルミを食べる3頭のクマの親子の姿をとらえました。クマの異常出没が続くなか、近くにはクマとみられる爪跡も残されていて、社員らは厳戒態勢で仕事をしています。クルミを吐き出す大きなクマ。こちらは、10月14日の午後4時40分ごろ、監視カメラがとらえた映像です。親子とみられる3頭のクマがエサを求めるように歩き回る様子が映っています。この日は午前8時50分ごろにも親子とみられるクマがカメラに近寄り、走り去っていく様子も映っていました。さらに、10月22日の夜にも…2頭のクマが夢中でクルミを食べている様子が映っていました。クマが続けて3度も撮影されたのは、南砺市土生で学校用の跳び箱や遊具など木工用品を製造する波多巌木工所です。波多社長に、クマが撮影された場所に案内してもらいました。現場近くで作業する波多社長や社員は、おもちゃの火薬銃を持って警戒しながら近づくことにしています。クマが出たのは、木工所の隅にある資材置き場です。動くものに反応して作動する「監視カメラ」がその姿を捉えました。カメラのすぐ上には、クマが食べていたクルミの木が。社長の波多さんは2年前、落ちたクルミがなくなっていくのを不審に思い、木の下にカメラを設置。するとカメラには、タヌキやキツネ、アナグマなど様々な動物の姿が映っていたのです。クマも2年前の2021年10月、一度だけ映っていたといいますが、2022年は全く映っていませんでした。クマが撮影された資材置き場の近くには、小矢部川が流れています。周囲はやぶに覆われ、柿の木にはクマとみられる爪痕や柿の実を食べた痕跡も残っていました。波多さんは、カメラにクマが映っていた朝と夕方の時間帯は、仕事でも徒歩で出歩かないよう、社員に警戒を求めています。南砺市は、波多さんから動画の提供を受け、ホームページ上で公開していて、クマの目撃や痕跡を見つけたら必ず市か警察まで通報するよう呼びかけています。

(イノシシ目撃相次ぐ:栃木)
28日から29日夜にかけて、宇都宮市の中心部でイノシシを目撃したという情報が3件、相次いで寄せられ、市は、地元の猟友会と連携してパトロールを行うと共に、見かけた場合は絶対に近づかないよう注意を呼びかけています。宇都宮市によりますと、▽29日午後8時半ごろ、宇都宮市材木町の路上で体長80センチ程のイノシシ1頭が西に向かうのを目撃したとする通報が、通りがかりの人からありました。宇都宮市内では、▽28日の未明「宇都宮共和大学」西側の大通り1丁目の路上で、▽29日午後8時ごろには「宇都宮中央警察署」南側の戸祭元町の路上でもイノシシ1頭が目撃されています。いずれの現場にも市の職員や警察官が駆けつけましたが、イノシシの発見には至らず、同じイノシシかどうかは分かっていません。イノシシは、エサを求めて市の中心部に出てきたとみられていますが、今のところ人的被害や物的被害は確認されていません。イノシシの目撃情報が相次いだことを受け宇都宮市は、それぞれの現場近くにある小中学校などに情報提供を行った他、地元の猟友会とともに登下校の時間帯にパトロールを実施しています。市は、イノシシを見かけた場合は、絶対に近づかずに静かに、その場から離れ、建物や車に避難したうえで、市か警察に通報するよう注意を呼びかけています。

(民家倉庫に入り込んだクマ、獣医師が吹き矢で麻酔かけ捕獲:岩手)
29日午前9時頃、岩手県奥州市衣川地区の民家の倉庫にクマが入り込んだと住民から市に通報があった。市職員や地元猟友会が爆竹などで追い払おうとしたが動かなかったため、同日夕にシャッターを閉めて倉庫を封鎖。通報から約30時間たった30日午後2時20分頃、麻酔を使って捕獲した。けが人はいなかった。市や県警奥州署によると、捕獲されたクマは体長約1・5メートルのメスの成獣。猟友会などは30日も午前9時半頃から捕獲を試みたが、興奮したクマが倉庫内で暴れたため、作業は難航。盛岡市動物公園の獣医師が吹き矢で麻酔をかけて捕獲した。現場は民家が点在する地域。住宅に住む会社員男性(37)は「クマはよく出るが、入り込んだのは初めて。時々、暴れているような大きい音がして怖かった」と振り返った。

(神社の敷地内にクマが居座る、猟友会が駆除:岩手)
27日朝、岩手県奥州市の神社の敷地内にある林の中にクマ1頭がとどまっているのが見つかりました。近くには小学校や住宅があり、市や警察などが対応を検討した結果、クマは地元の猟友会によって駆除されました。27日午前7時ごろ、奥州市胆沢若柳にある神社の敷地内の林の中でクマ1頭が見つかり、座っていたり何かを食べたりするような様子が確認されました。神社からおよそ500メートルの所には奥州市立若柳小学校があり、住宅も点在していて、警察や市の担当者は警戒にあたるとともにパトロールを行って注意を呼びかけました。奥州市によりますと神社の近くでは26日夕方にもクマが目撃され、木に登って下りてこなかったため爆竹を使って追い払おうとしましたが、効果がなかったということです。近くの小学校では27日朝、保護者が車で児童を登校させるなどの影響もあったということで、市や警察は地元の猟友会などと対応を協議し、午前11時すぎにクマは猟友会によって駆除されました。近くに住む人は「本物のクマを見たことはなかったので驚いた。外で作業をする人は不安だったと思うし私もこわくてけさは散歩ができなかった」と話していました。

(住宅にクマが“4度”も侵入:広島)
草木の隙間で動く黒い物体。現れたのは...クマ。10月4日、広島市の住宅の庭で撮影された映像。クマの体長は、およそ1メートル。写真には、家のすぐ近くまでクマが接近し、くつろいでいるような様子も捉えられていた。この家でクマが姿を見せたのは、この日だけではなかった。住人「今月初めに3日ぐらい続けて出て、きのうの夜で4回目」家の住民によると、庭にクマが出没したのは10月に入って、なんと4回目。そして、25日の夜も被害に遭ったという。クマは、柿の木の上で柿を食べていたということで、木をよく見ると、大きく荒々しい爪痕が。クマの体長は、およそ2メートルだったという。住人「爪がすごいので、引っかかれると怖い。亡くなっている人もいるので」全国各地でクマの出没が増加。さらに被害者の数も、過去最悪のペースになっている。各自治体で対策が進められる中、新潟県では2023年4月から、クマの目撃情報などが900件を超えている。そして26日、クマ出没特別警報が発令され、「人命に危険が迫る状況になった」と注意喚起をしている。クマの出没は、初雪が降るころまで続く見通しで、引き続き十分な警戒が必要。

(イノシシ出没、人的被害なし:静岡)
26日午前5時45分ごろ、静岡市駿河区の用宗海岸の通行人から「海岸にイノシシがいる」と110番があった。静岡南署員や市職員、市猟友会長田南支部員らが現場に駆けつけ、体長約1・3メートル、体重約70キロのイノシシ1頭を発見した。波打ち際で座り込んでいたイノシシは、関係者が駆除方法を検討中、突然陸地に向かい走り始めた。その後、東へ西へと進路を変えながらJR用宗駅方面へ北上し、線路を越えて山に帰ったとみられる。市中山間地振興課によると、現在までに人的被害は確認されていない。同課の浅原雄鳥獣対策係長は「見かけたら速やかに110番してほしい」と注意を呼びかける。散歩中にイノシシを目撃した同区石部の無職女性(74)は「毎日海岸を歩いているが、初めて見た。最初は黒い物体がうずくまっていて何かと思った。山中で畑を荒らしていることは知っているが、ここまで来るなんて」と驚いた。

(小学校のグラウンドにイノシシ出没:山形)
27日午後、山形県南陽市の小学校のグラウンドにイノシシが出没しました。児童などへの被害はありませんでした。イノシシが出没したのは南陽市の中川小学校のグラウンドです。南陽市や学校によりますと午後3時頃、グラウンドにイノシシ1頭がいるのを校舎の中にいた複数の児童や教員が目撃しました。イノシシは体長およそ80センチほどで、まもなく東の方向に走り去ったということです。発見されたのは5時間目終了から6時間目開始までの休み時間で、当時グラウンドにはだれもはおらず、けが人はいませんでした。また、建物の被害などもありませんでした。中川小では10月に入り、敷地内で足跡や草が掘り返された跡が相次いで見つかっていて、イノシシの出没を警戒していたということです。イノシシの出没を受けて、学校では全校児童26人をスクールバスで帰宅させたほか、今後の対応としてイノシシ除けのネットの設置やアラームの常設を検討しています。また、南陽市はメールを配信し、周辺の住民に対し警戒を呼びかけています。

(クマ目撃相次ぐ、初見地域も:静岡)
静岡県東部でクマの目撃情報が相次いでいる。27日までに新たに沼津市と富士宮市、西伊豆町で情報が寄せられた。過去に目撃されたことのない地域もあり、各市町はパトロールや住民への注意喚起に乗り出すなど警戒を強めている。沼津市によると、市南部の内浦三津地区で26日夜に3件の目撃情報があった。猟友会員が現地を確認したが痕跡は確認できなかった。狩猟歴50年以上という駿東猟友会沼津支部の佐藤辰夫支部長(71)によると、富士山に近い愛鷹山周辺での目撃談は過去にあったが、同地区では初めて聞くという。富士山麓の富士宮市粟倉と、西伊豆町一色の林道でも目撃された。富士市では25日に続いて27日にも情報が入った。クマと断定できないケースも含め、10月に入ってからの目撃情報は11件に上る。人的被害は確認されていない。佐藤支部長は山中で餌となる木の実が少なく、人里に下りてきている可能性があるとみる。関係機関は対応に追われている。富士市は25日にパトロールを始めた。27日からは車両を増やし、週末も継続する。さらに同報無線やメールサービスで市民に注意を呼びかける。県内は11月から狩猟期間。駿東猟友会沼津支部は遠方から訪れる人に情報を周知し、ラジオや鈴の携帯を勧めるとしている。一方、思い違いの事例も。伊豆の国市では「クマが柿を食べている」との連絡を受けて専門家が足跡やひっかき傷を調べた結果、クマではないと判明したという。静岡市は27日、清水区の薩土垂峠でクマの目撃情報があったと発表した。被害は確認されていない。市は28日にも現場周辺に注意喚起の看板を設置する。市によると、25日から26日にかけて、薩タ峠ハイキングコースの迂回(うかい)路などで登山者3組がそれぞれクマを目撃した。体長1メートル程度のツキノワグマとみられる。目撃された場所から最寄りの民家までは約500メートル。市の担当者は、クマは早朝と夕方に活発になるとして近隣住民や登山者に注意を呼びかけている。

(イノシシが住宅地に出没:山梨)
27日午後、山梨県甲斐市の住宅地でイノシシが目撃され、警察が住民に注意を呼び掛けています。警察によりますと27日午後3時25分ごろ、甲斐市島上条の市道を歩いていた住民がイノシシを目撃しました。イノシシは体長1mほどで、東から西へ道路を「上町交差点」方向に走り去ったということです。通報を受けた警察はパトカーで付近を警戒すると共に、住民に注意を呼びかけました。イノシシが目撃された現場周辺には保育園や学校があり、警察によりますとイノシシの目撃情報はこれまでなかったということです。警察はイノシシを見かけた場合は、大声を出さずに静かにその場を離れるよう呼び掛けています。

(アライグマ、「凶暴...」広がる生息域:東京)
まだ暗い、午前4時ごろの東京・港区。JR浜松町駅のそばにある神社から、物音が。カメラで撮影しながら近づくと、そこにいたのは、ごみ箱をあさる茶色い動物。さらに近づくと、こちらをチラリ。しましまの尻尾、アライグマだ。少しこちらを気にしつつ、両手を使い、何かを頬張っていた。撮影した人「かわいくて、触ってみようかなぐらい。調べたらアライグマは結構凶暴と...」アライグマは、生態系を乱す特定外来生物。このところ、東京都内における目撃が相次いでいる。しかし、今回はあることが珍しいという。東京都が出した、アライグマの捕獲分布の変化。11年前と3年前を比べると、都心に生息域を広げていることがわかる。今回見られたのは、海からわずか500メートルの場所。分布をよく見ると、捕獲数はゼロ。どんどん生息域を拡大するアライグマ。次は、あなたの街に現れるかもしれない。

(またイノシシ目撃:栃木)
29日午後8時半ごろ、宇都宮市材木町の路上で、通行人の男性がイノシシ1頭を目撃した。宇都宮市中心部では28日未明にも、イノシシの目撃情報が相次いでいた。宇都宮中央署によると、イノシシの体長は約80センチ。路上を歩いて西の方向へ移動する様子が目撃されたという。けが人や物的被害は出ていない。署は前日に発見されたイノシシと同一の可能性もあるとみて、関係機関と連携し警戒活動を展開している。28日にイノシシが目撃された宇都宮市大通り1丁目と、今回の現場となった同市材木町は、直線距離で1キロ前後。

(けがしたクマが10時間以上居座る:岩手)
10月29日、岩手県奥州市で住宅のそばの倉庫にけがをしたクマが10時間以上居座わっていて、警察などが警戒しています(29日午後5時時点)。29日午前7時ごろ、奥州市衣川衣原の葛西フジ子さんが自宅の外に出たところクマを目撃しました。葛西さんは家の中に避難した後、倉庫にクマが居座ったため市などに通報をしました。市の職員や警察が駆け付けたところ、体長150センチほどのクマが倉庫の中に、午後5時時点で居座っているということです。市は爆竹などを鳴らして外へ逃がす対応をしていますが、クマは後ろ足をけがしていると見られ、10時間以上その場を動かないということです。市によりますと、29日はクマを倉庫に閉じ込めたままにして警察などが警戒をし、30日に麻酔の吹き矢を使用して外に出すとしています。

(養鶏場のニワトリ63羽が死ぬ、クマによる食害か:岩手)
28日午前、岩手県八幡平市の養鶏場で、飼育されていたニワトリ63羽が死んでいるのが見つかりました。クマによる被害とみられています。警察によりますと28日午前6時ごろ八幡平市松尾寄木の養鶏場で、従業員が敷地内の鶏舎で飼っていたニワトリ約3500羽のうち、63羽が死んでいるのを見つけました。鶏舎の金網が破られていて、27日の午後3時半から発見した時間までの間にクマが侵入したものとみられています。警察が付近をパトロールするなどして警戒しています。

(出没のイノシシ、5時間半後に捕獲:福岡)
30日午後、福岡市博多区などの住宅や会社が建ち並ぶ地域にイノシシ1頭が出没し、発見からおよそ5時間半後に警察によって捕獲されました。30日午後4時ごろ、福岡市博多区井相田で通行人から「イノシシ1頭が道路を歩いている」と警察に通報がありました。警察が捜索を行ったところ、近くにある深さ4メートルほどの水路に落ちているイノシシを発見しました。

(イノシシ目撃情報:新潟)
10月29日午後11時ごろ、新潟市西蒲区巻甲地内で「今、道路にイノシシ(体長約1メートル)がいて北方向に逃げて行った」と110番通報がありました。警察によりますと目撃されたのは体長約1メートルのイノシシで、けがをした人はおらず、建物への被害などもなかったということです。イノシシが目撃された場所が住宅街であることから警察と新潟市西蒲区は、付近の住民に注意を呼びかけるとともにパトロールにあたっています。

(江戸川にイノシシ出没:東京)
埼玉県春日部市を流れる江戸川近くで、イノシシの目撃情報が寄せられており、市はイノシシを見かけても刺激しないよう注意を呼びかけている。けが人や農作物などの被害は報告されていないという。市リサイクル衛生課によると、23日、市東部の小平地区、根用水路付近でイノシシの足跡と思われる目撃情報が寄せられた。市内では4月末以降、江戸川周辺でイノシシやその足跡とされる目撃情報が7件寄せられている。イノシシが全国的に増え、生息する範囲が拡大。同市と隣接する千葉県では以前からイノシシの目撃情報が相次ぎ、自治体や警察が警戒している。県生態系保護協会の三好あき子春日部支部長は千葉県側からイノシシが泳いできたか、橋を渡ってきた可能性に触れ「春ごろから江戸川河川敷で目撃情報があった。(人家に近い)里で見つかったということで警戒が必要」と話す。同課は「イノシシを見かけても近づかない、エサをやらない、スマホで撮影するなど刺激しないようにしてほしい」と呼びかけている。

(クマが砂浜疾走も、後を絶たないクマ出没:青森)
海沿いの砂浜を走るクマ。今月26日に深浦町で撮影されました。青森県内ではことしクマの出没件数が800件近くにのぼっています。人的被害は11人と2003年以降最多になるなどあとを絶たないクマによる被害。襲われた夫婦がその恐怖について語ってくれました。

(中心部にシカ現れる、けが人なし:滋賀)
今月(10月)28日、大津市中心部にシカが現れました。シカは渋滞中の道路を走り抜けるなどしましたが、警察によりますと、けが人はいませんでした。警察によりますと、28日正午すぎから30分ほどの間に、大津市浜大津やJR膳所駅周辺などの、中心部で「シカが道路を歩いている」などの通報があわせて5件寄せられました。また、午後5時半前には、大津市におの浜の通称、湖岸道路にシカが現れ、渋滞のため停車していた車のドライブレコーダーには、車の合間を縫うように走り去っていくシカの姿が記録されていました。このあと、シカは、大津中央郵便局や、ボートレース場の周辺などでも相次いで目撃されましたが、けがをした人はいなかったということです。警察によりますと、目撃されたシカは同じオスとみられ、体の高さはおよそ1.5メートルほどだということです。警察は、シカを見つけても近づかないことや、見かけた場合は警察に連絡するよう呼びかけています。

(クマが農業施設荒らす:北海道)
北海道八雲町の施設にクマが侵入し、冷蔵庫が荒らされる被害がありました。道内ではヒグマの目撃が相次いでいて、警戒が続いています。八雲町にある園芸センターで撮影された写真です。壁側に設置されていた冷蔵庫が、離れた場所になぎ倒されています。今月28日午前7時ごろ、出勤してきた営農団体の女性職員がヒグマが侵入した跡を見つけたということです。周辺にヒグマの姿はありませんでした。八雲町によりますと、室内の畳の上には12センチから13センチのヒグマの足跡が残されていました。八雲町によりますと、翌日29日このクマは箱わな駆除されたということです。道警によりますと、道内では今月20日までにヒグマを目撃したという通報は3509件と過去5年間で最多となっていて、警戒が続いています。

(「シカ」出現、とSNSで話題:北海道)
近ごろ「クマ被害」のニュースが世間を騒がしていますね。山中だけでなく、市街地でも目撃や遭遇など、深刻なトラブルに発展するケースも起こっています。また野生鳥獣による被害は遭遇以外にも、農作物の被害から森林被害も問題となっているのです。林野庁による報告では、「令和3年度における、シカやクマ等の野生鳥獣による森林被害面積は全国で約5千ヘクタールとなっています」と説明され、特にシカは全体の7割を占めるそうです。※主要な野生鳥獣による森林被害面積(令和3年度)よりそんなシカが北海道の札幌市の「まさに中心部」に出現。投稿したのは、札幌のさまざまな情報を発信する、しょーこ@札幌クリップさんです。北海道の鹿は「エゾジカ」で、日本の本州に生息するホンシュウジカの約1.5倍の大きさのようで、札幌市の公式サイトでは以下のようにエゾジカのサイズを説明しています。大きな個体になると、人や乗用車と大きさが変わらないのです。そんな存在が突如都心部に現れたら……。この投稿には、「家のすぐ近くでも鹿普通に道路横断してきたから流石にやばい」「クマだのシカだの、、、今年多すぎませんか?!?!」「真駒内公園もエゾシカ親子普通にいましたしね、、」など危ぶむ声が寄せられていました。大通公園といえば観光客で賑わう中心部です。ここにシカが出現したのですから、かなりの大騒ぎでは? しょーこさんに市民の様子を聞いてみました。――シカが与える生活への影響はどのようなものがありますか。しょーこさん:線路上にシカが出てJRが止まると、飛行機に間に合わなかったり、帰宅できなかったりします。これは札幌市民だけでなく、観光客にも影響しますよね。しょーこさん:線路上にシカが出てJRが止まると、飛行機に間に合わなかったり、帰宅できなかったりします。これは札幌市民だけでなく、観光客にも影響しますよね。「共存できるようになっていくといいのですが、なかなか難しいですね」と言うしょーこさんの感想が、北海道で生活する皆さんの意見なのかもしれません。ちなみに大通公園のシカはその後、近くの北大植物園に侵入したようです。早く解決してほしいですね。

(新しい印伝のかたち:山梨)
しっとりとした鹿革に敷き詰められた漆 の紋様。 山梨を代表する工芸品として全国の百貨店でも多く取り扱われている「 甲州印伝 」の特徴は、約200年にわたって受け継がれるその技術にある。近年斬新な試みで注目を集めているのが「印傳の山本」の3代目を務める山本裕輔(やまもとゆうすけ)さん。彼が体現する “新しい印伝のかたち”とは。「甲州印伝」とは、加工した鹿革に漆で文様がつけられる山梨県の伝統工芸品。「印伝」の語源は、1600年代に外国から幕府へ献上された印度(インド)装飾革を模倣して作られた「いんであ革」に由来するといわれている。歴史を遡ると、日本で鹿革の加工が始まったと言われているのは西暦400年代。古くから日本の山林では鹿が多く生息しており、牛や馬に比べて加工がしやすかったのが所以と言われている。鹿革は手に馴染む柔軟性に加え、軽さと高い強度を備えていることから、応仁の乱(1467~1477)以降、武士たちの甲冑などへ用いられるように。後に甲斐国守護大名となる武田信玄公もこれを好んだといわれ、甲冑や「信玄袋」と呼ばれる鹿革の甲冑袋を愛用するようになった。これが甲州印伝の基盤となったと伝えられている。1700年頃の江戸時代になると、甲州の革職人が現在に伝わる漆付けの技術を発明したのをきっかけに、山梨県内において品質の良い革製品が作られるようになっていった。以降、明治になると信玄袋や巾着袋等が「内国勧業博覧会」において褒章を受け、一躍その名が全国に知れ渡り、大正、昭和と甲州印伝は山梨の工芸品として確固たる地位を築いていくことになる。これまで国内に漆を使った革製品の産地はいくつかあったものの、現在まで製法が現存するのは、この甲州印伝のみとなっている。昭和後期、山梨県内には複数の甲州印伝事業者がいたが、現在はわずか2社。そのひとつが甲府市中心部からほど近い朝気町に工房を構える「有限会社 印傳の山本」だ。3代目としてその技術を継承しているのは、甲州印伝 伝統工芸士(総合部門)の山本裕輔さん。ワークショップや講演に加え、ゲーム会社やアニメ、漫画、大手ブランドとのコラボレーションを手がけるなど、斬新な活動で注目を浴びている。「印傳の山本」の歴史は第2次世界大戦終戦後、焼け野原となった甲府の町から始まったと裕輔さんは語る。創業者は、裕輔さんの祖父である山本金之助さん。持ち前の手先の器用さを生かして上原商店(現:印傳屋上原勇七)の技術者として貢献するも、第2次世界大戦時下の物資不足による鹿革規制で、甲州印伝は停滞。ついには当人も戦地へ赴くことになる。帰還した彼が目にしたのは焦土と変わり果てた甲府の町だった。「焼け野原となった甲府の地を見て、全てがゼロからのスタートになると考えたのでしょう。『再び甲州印伝の火を取り戻す』祖父はそう決意したといいます。都内鞄製作企業の下請け会社山本商店を設立し、ランドセルを作って資金を貯めながら、再び甲州印伝を製作し始めました」海外で目の当たりにした豊かな色彩を製品に落とし込み、従来の印伝にない色で染められた商品を作り始める金之助さん。戦後の1952年以降は鹿革規制も解除され、次第に商品需要とともに印伝事業者たちも増加。1975年頃には甲府印傳商工業協同組合が立ち上がり、1987年、晴れて甲州印伝は日本の伝統的工芸品に認定された。山本商店では、金之助さんの長男・誠さんが事業を引き継ぎ、現在の「有限会社 印傳の山本」に社名を変更。1996年には甲州印伝の伝統工芸士の認定試験合格を果たし、県内で唯一、加工から装飾までを一手に引き受ける総合部門の伝統工芸士として、多様な商品製作に乗り出していく。誠さんは従来の問屋経由による卸販売に代わり、顧客の声を直に聞き商品開発する、製造直売へと舵を切った。これによって新たなニーズを拡大し、先代から受け継いだ技術と豊富な色彩を掛け合わせながら、常識にとらわれない新たな製品を次々と生み出していった。「お客様の声をかたちにするスタイルは、“印傳の山本ならではの強み”として今も大切に受け継いでいる」と、色とりどりの鹿革が積まれた棚を眺める裕輔さん。現在も顧客の要望に応えながら、オーダーメイドによる多様なカラーバリエーションの商品を展開している。裕輔さんが甲州印伝の世界に飛び込もうと考えたのは、中学卒業のタイミング。父である誠さんが伝統的工芸品産業振興協会から「伝統工芸士」に認定されたことがきっかけだった。「それまで興味がなかったが、甲州印伝の可能性に強い好奇心を抱くようになった」と、卒業したら父の元で働くことを考えるも、周囲から説得され地元の高校へ進学。高校生活を終える頃には、いずれは家業を継ぐことを見据え、県外の大学で商業を学ぶことを選んだ。大学卒業後、家業に入り、本格的に職人の道を歩み始めた。鹿革の表面を漆のノリが良くなるよう、吟面を加工し色付けをしていく染色。作る製品に適したサイズに大まかなトリミングをする裁断。甲州印伝の真髄とも言える柄付け。革を本裁断し、製品の形にしていく縫製。裕輔さんはこれら4つの工程を全てひとりで行っている。漆付けは時間にしてわずか5、6秒の作業だが、この数秒に最も神経を注ぐのだという。「力加減によって全く仕上がりも変わってしまう。ここで全てが決まってしまうといっても過言ではない」と、作業台に向かい深く息をつく。切り子のように手彫りされた型紙を鹿革の上に重ね、木べらで漆を刷り込んでいく「漆付け技法」が施される。鹿革、型紙、漆などといった材料の多くは、一般消費者ではなく職人への卸し販売に依存している場合が多い。「甲州印伝の生産・消費を維持できなければ、これらに関わる人たちの産業が立ち行かなくなってしまう」と裕輔さんは懸念する。まさに原材料の生産者と職人は持ちつ持たれつの関係。細密に手彫りされた型紙を手に、担い手としての責任感を表情に滲ませる。かつて山梨県には多く群生していた漆の木も、需要や生活様式の変化などで、その数はきわめて少なくなっているそう。「柄付けに使う漆は中国からの輸入に頼っているが、ゆくゆくは日本のものだけの製品も作りたい」と、有志とともに、北杜市で漆の植樹を試みている。また鹿革は外国からの仕入れが近年難しくなっている一方、山梨県における野生のシカは増加傾向。約7万頭のニホンジカが生息するといわれており、近年耕作地では獣害が深刻な問題になっている。そこで2014年には、山梨県の獣害対策プロジェクトと競合した「URUSHINASHIKA(ウルシナシカ)」をスタートさせ、害獣として捕獲されたニホンジカを甲州印伝に有効活用する活動にも取り組んでいる。「山梨県産の鹿革で印伝が作れるようになれば、より県の伝統工芸品として厚みも増す」と、材料確保の突破口としても期待を寄せている。担い手として、伝え手として、甲州印伝の存続と普及に力を注ぐ裕輔さんの想いは、波紋のように広がりを見せている。現在、印傳の山本では、主に百貨店での販売がメインだった父・誠さんの方針をブラッシュアップし、強みである工房での直接受注・販売や、企業コラボ商品開発、インターネット上での販路拡大に力を入れている。一品からでも依頼できるオーダーメイドから、大手コーヒーチェーン店とコラボしたカップスリーブ開発、店舗の壁面パネル、行政職員向けのカードホルダー製作など、その商品需要は多岐に及ぶ。「山梨といえば甲州印伝、といった認知はかなり定着してきている実感はありますね。最近では国内はもちろん、海外にもその魅力を知ってもらえるよう新たな商品開発にも取り組んでいます」「海外では倫理観や製造工程における環境汚染の観点から、鹿革などの動物素材を好まない人も多い」と裕輔さん。そこで2023年初旬には鹿革でなく植物性の素材で作られる革「ウルトラスエード」を使用した新ブランド「obudo(オブド)」をリリース。アニマルフリーかつ、これまでの甲州印伝にない洗練されたデザインの製品を次々と発表している。「幅広い層に甲州印伝の魅力を知ってもらうきっかけとなれば」と、伝統を守りつつ、時代のニーズに合わせた自由で新しい印伝のかたちを提示している。同社が見据えるさらなるステップ、それは未来へ向けた技術の継承。甲州印伝の需要は増えている一方、産地としてのパワー不足は否めない。「技術をつかむには地道な努力が必要だが、印伝は型紙と鹿革があれば誰でもチャレンジできる工芸品」と捉える同社では、作業の電子マニュアル化や型紙のデジタルデータ化を推し進め、多くの人が携われるような基盤作りにも力を注いでいる。「あくまでも本質は技術。もっと自由な発想で印伝の間口を広げ、お客様や時代に求められる商品を作っていきたい」と、語気に力を込める裕輔さん。バックボーンやアイデンティティを伝える強い信念。型や固定概念に縛られない軽やかな姿勢。手に取る人の要望やライフスタイルに寄り添い馴染む、柔らかな発想力。“新しい印伝のかたち”を体現し続ける裕輔さんの作品と技術が、伝統工芸の未来を塗りかえていくのかもしれない。

(普段の食事+ジビエ=「満足 まぁね~)
全国1000店以上の飲食店や小売店などが参加し、国産ジビエ(野生鳥獣の肉)の魅力をアピールする「全国ジビエフェア」が11月から始まるのに合わせて東京都内で26日、記者発表会が開かれ、お笑いトリオ「ぼる塾」がジビエ消費拡大を訴えた。フェアは、ぐるなびが実施主体。普段の食事にジビエを取り入れる「プラスジビエ」をコンセプトに今年で6年目を迎える。グルメリポーターとしても活躍する「ぼる塾」の3人は、鹿やイノシシの肉を使ったタコスなどを試食。メンバーの田辺智加さんは「どの料理も野菜との相性が良く、若い人でも食べやすくなっている。食べながらおなかが鳴るぐらい、おいしかった」と会場を湧かせた。発表会では、今年のいち推しジビエ料理として、片手で手軽に食べられる「ワンハンドジビエ」などを紹介。おにぎりやケバブ、ハンバーガーにジビエを取り入れ、観光中の食べ歩き、アウトドアなど幅広い場面での消費を提案する。

(国産ジビエの魅力を紹介「全国ジビエフェア2023」11月1日から開催)
農林水産省は11月1日、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及、需要拡大に向け、「全国ジビエフェア2023」を開始。2024年2月29日までの期間中、ジビエメニューを提供する全国の飲食店やご当地フェア等の情報を特設サイトで紹介する。農作物の鳥獣被害防止対策等のための鳥獣捕獲が増加する中、捕獲した野生鳥獣を地域資源ととらえ、ジビエとして有効活用する取組が全国で拡がる中、農水省は国産ジビエの認知向上、普及、需要拡大に取り組んでいる。「全国ジビエフェア2023」は特設サイトで、フェア期間中にジビエメニューを提供する飲食店や、ジビエ等商品(ペットフード、皮革製品等を含む)を販売する小売店、ECサイト等の情報をまとめて紹介。どこに行けばどんなジビエが食べられるのか、どこで買えるのかなどの情報を提供し、"ジビエを食べてみたい!買いたい!"という機運を盛り上げる。

(ジビエの季節到来!:東京)
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!2023年9月、東北沢駅より徒歩1分ほどの場所に、非日常の肉を扱うジビエ料理専門店「ジビヱ 岸井家」がオープンしました。提供するのは、鹿や真鴨、猪に熊、カラスなど。多くの人が食べ慣れている鶏や豚、牛などとは趣の違う個性的な味わいを楽しめます。取り扱う動物は約15種類。シェフ自身も狩猟を行い、捕らえた食材がメニューに上ることもあります。ジビエは季節や時期によってさまざまな食材があり、その一期一会も楽しみの一つです。「ジビエは硬い・臭い」というのは昔の話。同店では品質にこだわり、しっかりと丁寧に処理されたものを使用しています。シェフの岸井悠士氏は、西麻布「キャンティ」で修業を積み、六本木のジビエ・イタリアン「ラカッチャ」でシェフを務めていた経歴を持つ、フランス料理とイタリア料理歴合わせて26年のベテランです。自身も狩猟の免許を持つハンターでもある岸井氏が、イタリアンやフレンチの技法で仕上げる一皿は美しく、豪快さと繊細さを併せ持つ唯一無二のおいしさです。岸井氏は、ジビエの良さを広く知ってもらいたいと、開業。ワンオペでジビエ料理ができそうだと思い、この場所を選んだそうです。店内はシンプルながら、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、ライブ感のあるカウンターに、客席は8席です。シェフとの距離感も心地よいアットホームな空間なので、リラックスして食事を楽しめます。同店のスペシャリテは、猪の希少なフィレをセージと生ハムで包み、熊・猪・鹿を煮込んだソースでいただく「猪と生ハム」3,200円。言わば猪のサルティンボッカで、低温でじっくりと火入れした猪は、モチモチとした弾力がありながらも歯切れが良く、しっとりとジューシーなうまみに驚かされます。細かく柔らかなフィレの赤身の独特で濃厚なおいしさを堪能できます。同じくスペシャリテとして双璧をなすのが、岸井氏が自ら獲った鮮度の良い青首鴨を部位ごとに違う調理法で仕上げた「青首鴨の一皿」4,800円。青首鴨の魅力を存分に味わえる逸品で、飼育鴨より赤みが強く、独特な風味を持つため、ジビエの醍醐味を楽しめます。部位ごとに丁寧に仕込みや調理法を変え、それぞれのおいしさを引き出した希少な真鴨をワンプレートで堪能できます。一般的な合鴨とは一味違う、溢れ出る濃厚なうまみと香りがたまりません。他にも、「蝦夷鹿とフォンドジビエ」3,600円や「穴熊の煮込み」3,000円、「月の輪熊とフォンドジビエ」5,800円など、他店ではあまりお目にかかれない魅力的なメニューが豊富です。イタリアンの経験が長い岸井氏による「本日のパスタ」1,800円~も、見逃せません。メニュー選びに迷ったら「岸井家のコース」10,000円がおすすめ。季節や仕入れによって内容が変わるおまかせコースで、7品ほどで構成され、同店の魅力が詰まっています。ジビエ料理に合うワインも、ジビエの本場であるフランス産のワインを中心に、赤・白・泡を豊富に取り揃えています。シーズンごとにワインリストが大きく変わるので、旬の食材やお料理に合わせたワインを、是非一緒に楽しんでください。秋冬にかけ、益々ジビエがおいしくなっていく季節。心身ともに満たされる栄養価にも優れているジビエ料理を味わいに足を運んでみてはいかがでしょう。『相変わらず下処理バッチリで嫌なくさみが全くないジビエを堪能できました。何を食べてもおいしい。Paul Dangin & Fils Cuvee Jean Baptiste Champagne。グラスで飲めるシャンパーニュはジビエに合わせても負けないしっかりした味わいのブランドノワール。オープン日だからワインをプロデュースされた方もいらしていていろんな話を聞けたり、最近の事情も聞けたりしておもしろかった。猪タンはものすごく柔らかく煮込まれていて美味。月の輪熊は野生味は感じるけど、くさみないおいしいお肉。蝦夷鹿はサクッと噛み切りやすい良いお肉。猪のサルティンボッカは生ハムの塩味でうま!』

(シカ肉のソーセージとジャーキー商品化:北海道)
足寄町内でエゾシカなどの狩猟や解体を手掛ける野生肉専門店「やせいのおにくや」(旭町4、儀間雅真代表)は、シカ肉を使ったソーセージとジャーキーを商品化した。ジビエ人気が高まる中、高たんぱく低カロリー商品として、観光土産需要やアウトドア向けを開拓する。(若原奈緒通信員)商品名は「VENISON(鹿肉)」シリーズのソーセージと、ルイベ風ソフトジャーキー(いずれも790円)。7、8の両日に町内の道の駅で開かれた「足寄まるごと市」でお目見えし、通常より100円安い特別価格で提供。来場者からも好評だった。加工は日高管内浦河町の手作りソーセージ店「マイクソーセージ」がOEM(相手先ブランドによる生産)で製造。ソーセージは甘い味付けにピリッと辛みが残るスパイシー味のチョリソーで、アクセントにクルミを入れた。ルイベ風ソフトジャーキーはシカ肉のうま味が凝縮され、冷凍ならシャリっとした食感も楽しめる。儀間代表は、陸別町の浜田旅館と協力し、シカ肉たっぷりのグリーンカレーの缶詰を開発するなど、6次化農業に力を注いでいる。当面は、野生肉専門店やゲストハウス「ぎまんち」で販売するが、道の駅や町外にも取扱店を増やしたい考え。儀間代表は「シカ肉の魅力を、加工品を通して広く知ってもらいたい」と話している。

(「鹿肉メンチカツバーガー」発売:静岡)
伊豆今井浜東急ホテル(静岡県賀茂郡河津町 総支配人:矢田部泰)は、レストラン「Melesea」とティーラウンジ「フローラ」にて、伊豆産鹿肉を100%使用した「伊豆産ジビエ 鹿肉メンチカツバーガー、わさびマヨネーズソース」を2023年11月6日(月)より販売いたします。メンチカツに使用するのは伊豆産鹿肉100%です。鹿肉は新鮮な状態のまま低温貯蔵庫で数日の熟成期間を設けているものを使用します。余分な水分を抜き、旨味成分が肉へと染み込んだことで、ジビエ特有の臭みをほとんど感じることがありません。この鹿肉をメンチカツにすることで柔らかく、肉本来の味を閉じ込めました。生姜醤油ベースの甘辛タレにくぐらせたメンチカツは、ピリッとわさびがきいたマヨネーズソースとの相性も抜群。ジビエが苦手な方にも美味しく召し上がっていただけるバーガーです。鹿肉は牛肉と比べると高たんぱく質・低脂質で、エネルギーが半分以下。鉄分を多く含み、牛肉の2倍です。肉でありながら、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれているのも特徴です。鹿肉は体に優しく、お子様から大人まで健康にうれしい栄養価のある赤身のお肉です。雄大な天城連峰を中心とする伊豆半島には、鹿や猪などの野生動物が多く生息しています。それ故に、野生動物による樹木の剥離被害、希少な植物や地表を覆う草花の食べ尽くし、土壌流出、過疎高齢化が進む農村地域の農作物被害、クルマとの衝突など深刻な影響を及ぼしています。伊豆今井浜東急ホテルでは、増えすぎた野生動物を食材として利用することで、伊豆の農林業や農村を守ることにも繋がり、SDGsの実現に貢献できると考え、「伊豆産ジビエ」を積極的に取り入れてまいります。

(本当においしいジビエを存分に楽しみたい!:山梨)
ジビエの品質管理に力を入れ、「やまなしジビエ」を掲げる山梨県にはジビエを存分に楽しめるスポットがたくさんあります。ジビエがおいしいシーズンだといわれる秋の山梨県に、すご腕スナイパーや絶品ジビエを堪能できる隠れ宿、ビール醸造所のユニークなジビエ中華を訪ねてみました。秋といえばおいしいものが盛りだくさん。秋刀魚、松茸、栗など、旬の味覚を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。秋は森の中の餌が豊富になり、動物たちは冬に向けて栄養を蓄えるため、ジビエが最もおいしいシーズンだといわれます。「やまなしジビエ」を掲げる山梨県は、ジビエの品質管理に力を入れ、ジビエを存分に楽しめるスポットがたくさん。獲物を一発で仕留めるすご腕スナイパーの営む店や、絶品ジビエを堪能できる秘境の隠れ宿、ビールも造るユニークなジビエ中華などなど。おいしいジビエを楽しみに、いざ山梨県へ!ジビエとはフランス語で、狩猟によって食用のために得た野生の鳥獣のこと。日本では、シカ、クマ、イノシシ、キジなどが昔から鍋などの料理に使われていました。近年では、畑を荒らす害獣駆除として捕獲されたシカやイノシシなどを、ジビエ料理として楽しむことで無駄なく利用しよう、という考えが一般に広まっています。山梨県では「やまなしジビエ」という独自の認証制度を作り、より衛生的で安全・安心なジビエの提供に務めています。ジビエにはさまざまな野生動物がいますが、山梨県が認定しているのは、野生のニホンジカ。近年では生息数が増大し、県内の農作物や林業に対する被害が深刻さを増しています。また捕獲されたシカは尊い命ある天然資源でもあり、それなら県の特産品や町おこしとして有効活用できないか、とのことで2017年より認証制度が実施されました。認証制度では、山梨県内で適切な衛生管理・処理を行っているシカ食肉処理加工施設を「やまなしジビエ認定施設」として指定しています。また、仕留めてからおおむね2時間以内に処理施設に搬入するなど、高品質なシカ肉を提供するための処理方法や作業工程の基準が定められています。このような基準を満たしたシカ肉を提供する飲食店は、「やまなしジビエ認証マーク」を掲げています。山梨県でジビエ料理を食べるときは、ぜひこのマークをチェックしてみてください。今回ご紹介する場所は全て「やまなしジビエ」の認証を得たシカ肉を料理に使用しています。最初にご紹介するのは、日本一人口が少ない町といわれる早川町の風光明媚(めいび)な山の中にある〈早川ジビエYAMATO〉。ジビエの処理加工施設とジビエ販売、そしてバーベキュー設備を備えたミニレストランです。代表の望月秀樹さんは、物心ついた時には狩りに出ていたという、曽祖父の代から続く生粋の猟師。1人で山の中に入り、獲物は首か頭のみを銃一発で仕留めるという、高い技術を持ったすご腕スナイパー!食べることが大好きで、お客さまにはできるだけおいしいものを提供したいと考えている望月さん。「例えばわな猟の場合は動物が暴れることも多いので、通常より体温が3度くらい上がる。そうすると肉質にも大きく影響が出てしまう」とのこと。動物たちがリラックスして水を飲んだり、休んだりしているときを狙い、気付かぬうちに撃ち、極力ストレスを与えないようにしています。無事仕留めた獲物は素早く運んで解体し、およそ1時間以内に真空パックにしてマイナス40℃で冷凍。いつどこで、何時何分、どのような状態で獲れたか、写真で細かく記録し、情報を残しています。品質管理のために徹底的に検査を行い、大学や国の機関と一緒に、衛生に関するさまざまな調査を行っているそうです。店で販売するものは、全て自分で仕留めて加工したものだけというこだわりっぷり。加工処理施設のため、解体だけを頼まれることもあるそうですが、自分で狩っていないものは、なんと望月さんが飼う犬たちの餌になってしまうんだそう。オープンエアのテラス席があるミニレストランでは、鹿ロースト丼や鹿肉カレー、鹿ほうとうなどが食べられますが、おすすめは自分で調理するジビエバーベキュー(要予約)!シカのカタ、モモ ロース、スペアリブなどが野菜とセットになっており、さまざまな部位を楽しめます。パッケージになっているので、そのままキャンプに持っていくことも可能。味付けはシンプルに塩とこしょうだけ。ジビエは臭みが気になるという人もいるかもしれませんが、適切に処理されたジビエには嫌な臭いはなく、スパイスなどで隠す必要もありません。むしろクリアで肉本来の自然なうま味が感じられます。ベースは赤身肉で、脂身もすっきりした味わい。高タンパク低カロリーです。「俺は食べ応えのあるカタ肉が大好きなんだけど、ジビエを食べ慣れていない人は、柔らかい食感のロースが食べやすいかもしれない。どの部位もそれぞれの良さがあるので、ぜひ食べ比べてみて」と望月さん。最近はペット用ジビエも人気だそうで、〈早川ジビエYAMATO〉でも販売しています。ペット用といっても、実は人間が食べても大丈夫なほど上質な肉を加工しているそう。グルメなワンちゃんネコちゃんのために、わざわざ遠くから買いに来る飼い主さんも多いそうです。ペットと一緒にキャンプやピクニックがてら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。早川町からさらに南、静岡県との県境に位置する南部町にひっそりと静かにただずむ温泉旅館〈船山温泉〉。周りは川と森に囲まれ、深い山奥にポツンと一軒。わずか10室のみの小さな旅館です。静かな湯宿をコンセプトに、7人以上のグループや小学生以下の子どもは受け付けていないため、カップルや気のおけない友人同士、または誰にも邪魔されたくないひとり旅で、のんびりゆっくり自分の時間を過ごすのにぴったりの隠れ宿です。明治25年の創業、元々は湯治場だったという古い歴史があり、現在は5代目の武井稔さんが館主として、宿を盛り立てています。宿のクオリティを上げるために、日本各地のさまざまな旅館を500泊以上巡って研究し、無駄な部分は切り捨て、いいなと思うところはできるだけ取り入れるよう改善したそう。そのせいかメリハリの効いたサービスで、長い時間を気兼ねなく心地よく過ごすための細やかな配慮が行きわたっています。日頃忙しく過ごしている人やお疲れ気味の人には、のびのびと体を伸ばし、頭を空っぽにして、心身共にリフレッシュできそうです。船山温泉のこだわりの1つは料理です。山と川の幸を生かし、この地域と深い関わりのある食材を中心にしたオリジナル料理。食材や料理の一つ一つにストーリーがあり、この土地らしさを感じさせます。料理は季節によって変わり、いくつかのプランが選べますが、今回は「やまなしジビエ」がテーマなので、「熊肉とジビエのシャルキュトリーを愉しむプラン」をチョイス。ジビエは前述の〈早川ジビエYAMATO〉または、丹波山村にある〈タバジビエ〉から仕入れているそうです。「この地域は昔からイノシシ鍋など野生の獣を食べる文化がありました。うちの先代も先々代も猟師をやっていましたし、自分もよく山に一緒について行っていました。野生の獣が身近にあった文化的背景から、ジビエ料理を提供するのは自然な流れです」と武井さん。どのジビエ料理もうま味が豊かで、香りよく、素材の風味を生かした自然な味わいです。ジビエ好きにはたまらないおいしさですが、ジビエ初心者にもジビエとはあまり意識せず、とにかくとびきりおいしい肉として食べ進めることができます。ヘルシーな赤身肉なので、胃に重くなく、さっぱりと食べられる印象でした。おいしいもの好きの武井さんはワインにも造詣が深く、山梨県産のワインはもちろん、上質なラインナップを多く取りそろえており、ワインセラーをのぞくとその豊富なセレクトに驚きます。ジビエに合うワインもおすすめを選んでくれるので、ワイン好きはぜひ相談してみて下さい。〈船山温泉〉は名前の通り、温泉も大きな目玉です。男女入れ替え制の大浴場と露天風呂が計4つ、さらに空いていれば誰でも使える貸切風呂が2つあります。泉質は単純硫黄冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)。元湯治場だったこともあり、さまざまな効能があります(詳細は船山温泉の公式Webサイト参照)。夜はほのかにライトアップした神秘的な森の様子や星空を、朝は爽やかな自然の風景を眺めながら、湯船の中でゆったりくつろいで過ごせます。山梨県はワインだけでなく、ビール醸造も盛んで多種多様。北杜市にはいくつかクラフトビールのブルワリーがありますが、2022年11月にオープンした新たなスポット〈MANGOSTEEN HOKUTO(マンゴスチン ホクト)〉は、ブルワリーである〈万珍醸造〉の他、ビールやワイン、メスカルなどを扱う酒屋とタップルーム〈万珍酒店〉、中華料理が食べられるビール食堂〈万珍包〉などが入ったユニークな複合施設です。コンセプトは「万(よろず)、珍(めずらしい)」。店内に一歩足を踏み入れると、ここがどこだか分からなくなるような八百万で不思議な雰囲気が漂っています。ダンス会場のような巨大な空間はアートギャラリー風の空気感があり、酒屋としてさまざまなお酒が愉快に並んでいるのはもちろん、天井にはミラーボールがぶら下がり、脇からライオンのオブジェがひょっこり顔を出し、タップルームの横にはDJブースもあります。急な階段を上がった、まるで舞台のようなスペースの奥がビールの醸造所になっています。「北杜市には祖母の別荘があったので、昔から家族でよくこの辺りへ遊びに来ていて、親しみのある地域でした。いつか北杜で何かやりたいと思っていたら、たまたまここが空いていることを知って。以前はカメラの三脚を作る工場だったんです」と話すのは、代表の齋藤大典さん。広大なスペースは、トラックが荷物を降ろすターミナルだったとのこと。全て自分たちのDIYで半年程かけて改装したそうで、手作りの抜け感あるゆるーい雰囲気が、おしゃれでありながら気取らない居心地良さを感じさせます。ビール醸造所の奥には秘密の扉(?)があり、中は食堂〈万珍包〉になっています。台湾や中国をメインにした料理は、地元食材を多く使い、シカ肉はすぐ近所にある〈明野ジビエ肉処理加工施設〉から仕入れているそうです。「うちは元々ケータリング事業を長くやっていたので、ジビエは昔から使っていた食材で馴染みがありました」と齋藤さん。ジビエ中華のメニューも豊富で、麻婆豆腐や腸詰はややスパイスを効かせたピリ辛でエキゾティックな味わい。餃子はビールを造ったときにできる麦芽かすを皮に混ぜこんでいるそう。どの料理も間違いなくビールに合うに決まっています。ジビエ中華のおすすめペアリングは、万珍醸造の定番ビール「NEW COLONY」。苦味控えめのフルーティーな風味の中にほんのりクローブのようなスパイス感があり、ゴクゴク飲めて食欲を増してくれるようなビールです。「このビールはベルギーで昔から造られていたセゾンビールで、農家が暇な農閑期にその土地の野生酵母で造っていたのが始まり。その素朴で田舎っぽい感じがここの雰囲気に合い、ジビエにもピッタリだと思います」タップルームでは常時10種類ほどのビールが楽しめ、季節によって変わる新しい味に出会えます。赤しそやローズマリーなどのハーブ、桃やプラムなどの果物など、地元でとれるさまざまな食材を使ってビールを仕込んでいます。自分が飽きないように、楽しいことを仕事にしていきたいという齋藤さん。〈MANGOSTEEN〉は東京世田谷にも拠点があり、ケータリングや音楽イベントオーガナイズ、旅行会社など、さまざまな事業を多彩に展開する面白い会社。近年はコロナ禍であまり活動ができなかったそうですが、これからはさまざまな新しい試みを計画中。今後の動きが楽しみな、ワクワクするスペースです。建物の隣には〈GASBON METABOLISM〉という巨大なギャラリーもあるので、興味がある人はこちらもぜひお立ち寄りを。今回ご紹介した店の他にも、「やまなしジビエ」は山梨県内のさまざまな飲食店で楽しむことができます。2023年11月1日(水)~2024年2月29日(木)の期間は「やまなしジビエフェア」を開催! ジビエが1番おいしい季節は、行楽にもベストシーズン。紅葉に温泉に山登りに、ぜひ山梨県へ行ってみてください。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、31日午前7時ごろ、丸森町耕野福田の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午後4時ごろ、仙台市青葉区落合2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後3時ごろ、仙台市青葉区大倉上原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根関二番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前0時45分ごろ、仙台市青葉区愛子中央3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後10時20分ごろ、仙台市青葉区愛子中央3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、30日午後2時ごろ、丸森町耕野福田の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、30日午前9時ごろ、登米市東和町米谷越路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、29日午後1時20分ごろ、登米市迫町新田塒場にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、29日午前9時ごろ、色麻町高城舘付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、28日午後3時20分ごろ、登米市中田町浅水長谷山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、28日、色麻町高城上ノ原付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、27日午後5時40分ごろ、栗原市築館照越長根にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、28日午前0時ごろ、富谷市富谷熊谷下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前8時30分ごろ、仙台市泉区西田中大堤にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前6時ごろ、仙台市青葉区芋沢蒲沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、28日午前9時20分ごろ、利府町森郷内ノ目南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前5時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢松葉沢上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後10時50分ごろ、仙台市青葉区芋沢大竹にクマが出没しました。

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10/27
(相次ぐクマ被害受け、捕獲費用補助など緊急支援へ)
東北地方を中心にクマによる被害が相次いでいることを受け、環境省は自治体がクマの捕獲などにかかる費用を補助する緊急支援を実施する方針を示しました。クマによる被害の報告が東北地方を中心に相次いでいることを受け、伊藤環境大臣は24日の閣議後の会見で、自治体がクマの捕獲や調査を実施する際にかかる費用を補助するなどの緊急支援を実施する方針を示しました。環境省のまとめによりますと、先月、クマの被害にあった人は全国で38人で、9月の被害人数としては過去最悪となりました。環境省はクマが冬眠する12月まで被害が続くおそれがあるとして、農林水産省や警察庁など関係する省庁による緊急の連絡会議も近く開催し、クマ被害への対策を強化することにしています。伊藤大臣は「市街地でのクマの出没が多くなっている。森林などクマの生息地域の対応とは異なるため、効果的な対策を行っていきたい」と話しています。

(クマ対策で弾丸購入費など支援へ、抗議電話に佐竹知事「業務妨害だ」:秋田)
佐竹敬久秋田県知事は23日の定例記者会見で、県内で相次ぐツキノワグマの出没や人身被害を受け、駆除を担う猟友会員らの弾丸の購入費用などを県が負担する考えを明らかにした。駆除への慰労金と合わせた関連費用約1500万円を本年度予算に計上する方針。本年度の人身被害は同日時点で46件53人に上り、過去最悪を更新している。捕獲頭数は1030頭(9日時点)となり、県計画が定める本年度の捕獲上限1582頭に近づいている。佐竹知事は捕獲の在り方について、人命優先だとして「緊急避難的には撃てる状況なら撃つのが一番で、捕獲頭数は後の問題。猟友会が駆除できる状況をつくっていく」と強調。11月~来年2月の狩猟期間を見据え、弾丸などの経費を負担し駆除を後方支援する。来年以降、IT関連の誘致企業にデータ分析を依頼し、クマの生息域や出没傾向に関する実態調査を進める考えも明らかにした。駆除に抗議する電話が県庁に届いていることについては「参考になるメールなどは若干考慮するが電話は一番乱暴」と持論を展開。氏名を名乗らない一方的な通話が大半だとして「付き合うと仕事ができない。業務妨害だ」と述べ、応対は不必要との認識を示した。

(シカの飼育施設で男性職員が死亡、柵の中でシカに襲われた可能性:島根)
島根県の野生動物放飼場で、職員が倒れているのが発見され、死亡が確認されました。全身に複数の傷があり、警察がシカに襲われた可能性もあるとみて経緯や死因などについて調べています。死亡が確認されたのは島根県中山間地域研究センターの男性職員(64)です。島根県警雲南警察署によりますと、25日午後0時15分頃、島根県飯南町の島根県中山間地域研究センター野生動物放飼場で、飼育作業に従事していた男性職員が倒れているのを同僚職員が発見しました。男性の服は複数箇所破れていて、全身には複数の傷があり大量に出血していたといいます。男性は、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。警察によりますと、男性は中山間地域研究センターでニホンジカやアライグマ、ノネズミなどの飼育業務を担当。発見された当時は、オスのニホンジカ1頭がいる柵の中で、仰向けの状態で倒れていたということです。警察は、男性がシカに襲われた可能性もあるとみて、死因などについて調べています。

(男性がクマに襲われる、猟友会が射殺:富山)
23日午後2時50分ごろ、富山市安養寺の住民から「住宅の納屋の中で男性がクマに襲われた」と富山県警富山南署に110番があった。同署などによると、男性は70代で、顔や左足などを負傷し、病院に搬送された。搬送時は意識があり、会話もできる状態だったという。午後4時半ごろ、付近を捜索中の猟友会メンバーが成獣とみられるクマ1頭を発見し、射殺した。現場は、同市を流れる熊野川右岸の水田に囲まれた地域。17日には、約3キロ東の同市江本の住宅敷地内で、クマに襲われたとみられる70代女性の死亡が確認された。このクマと男性を襲ったクマが同一個体かは不明という。

(80代男性がクマに襲われ大けが:岐阜)
岐阜県飛騨市で80代の男性がクマに襲われ大けがをしたのを受け、地元では、わなを設置するなど警戒を強めています。飛騨市神岡町船津では22日、80代の男性がクマに噛まれて手や足を骨折する大けがをしました。これを受け地元猟友会は現場付近にわなを設置しました。一方、警察は周辺をパトロールするとともに保護者や教師と一緒に登下校の児童の見守りを始めました。学校はクマの出没に対ししばらくの間、警戒態勢を続ける方針です。

(クマ被害が続発、一日で4人襲われる:秋田)
秋田県内で24日、クマ被害が相次ぎ、3市町で計4人がけがを負った。県警などによると、羽後町のゴルフ練習場で午前7時頃、ボールの回収作業をしていた女性(75)が体長約1メートルのクマに頭や顔をひっかかれて重傷。仙北市の住宅敷地では午前7時20分頃、男性(75)が頭をひっかかれるなどした。鹿角市では午前10時45分頃、リンゴを収穫していた男性(73)が被害に遭い、右耳や右肘にけが。約5分後にも近くの畑で作業中の男性(73)が襲われ、右手の骨を折るなどした。秋田県内では今年度のクマ捕獲数が9日時点で1030頭と、すでに昨年度(442頭)の2倍以上に上っている。駆除したクマの運搬など、猟友会会員らの費用負担が増しているといい、県は猟友会会員らに1頭あたり5000円程度の慰労金を支給する方針だ。猟銃の弾の費用補助も検討している。

(農作業中の70代男性がクマに襲われけが:山梨)
25日午前、山梨県大月市で農作業をしていた70代の男性がクマに襲われ顔や手足をかまれたりひっかかれたりして軽いけがをしました。警察や大月市は周辺の住民に注意を呼びかけています。警察や消防によりますと25日午前9時すぎ、大月市賑岡町奥山の畑で農作業をしていた近くに住む72歳の男性がクマに襲われました。男性は顔や右腕と左手、それに左の太ももをかまれたり、ひっかかれたりして軽いけがをしました。男性は自力で自宅に戻って消防に通報し、駆けつけた救急隊員に対し「気がつくと背後に1メートルほどのクマがいた」と話したということです。現場はJR大月駅から北におよそ3キロ離れた山あいの地域でおよそ700メートルの距離には市立七保小学校があります。クマによる被害が出たことを受けて警察や猟友会がパトロールを行っているほか、大月市は市内全域に防災無線でクマに警戒するよう注意を呼びかけました。山梨県によりますと、今年度、県内でクマが目撃された件数は、今月21日までに122件で、去年の同じ時期に比べて20件増えていて、クマに襲われるなどしてけがをした人は、今回の男性が初めてだということです。【襲われた男性は】クマに襲われた男性が取材に応じ、「白菜についた虫をとっていたら、畑を囲っていた柵を乗り越えてクマが来ました。大きい声を出して追い払おうとしましたが、いきなり襲われて取っ組み合いになりました」と当時の状況を説明しました。男性はクマに左手をかみつかれ、右手を引っかかれたほか、左足にもけがをしましたが、その後、自力で自宅に戻り、動物よけの花火を使って近くに残っていたクマを追い払ったということです。男性は「ことしは近くでクマが出たという話を聞かなかったのでびっくりした。とにかく必死でした」と話していました。【近所の女性は】現場のすぐ近くに住む81歳の女性は「自宅の窓から外を見ていたら大きな声が聞こえたので、男性が動物のようなものと争っているのが見えた。一瞬で真っ黒なものが走って逃げたように見えたが、はっきりとクマとはわからなかった」と話していました。その上で、「シカやサルはよく出ますが、10年以上クマは出ていなかったのでけがもされたと聞いて本当にびっくりしました」と話していました。【警戒にあたる猟友会は】地元の猟友会は警察から連絡を受けて現場近くのパトロールを行いました。ただ、現場周辺は住宅が近くにあって猟銃を発砲することができないため、動物を追い払うための花火を使って対応することしかできないということです。山梨県東部猟友会の小林勲副会長は「人に危害を加えたクマはまた襲ってくる危険があるので駆除する必要がある。いまは市から駆除の許可を待っている状況だ」と話していました。その上で、「この地域で農家の人がけがをしたというのは初めてでとても残念だ。山のエサが不足しているのが原因だと思うので、一刻も早い対策が必要だ」と訴えていました。【専門家は】クマの生態に詳しいNPO法人「山梨ツキノワグマレスキュー」の杉山慎二副代表理事は、全国的にクマの目撃が増えていることについて、「ブナの実などが去年、豊作だったので、クマの数が増えましたが、ことしは不作でエサ不足です。しかもクマに比べて圧倒的に数が多いシカが、野草などを食べてしまうため、ずっとおなかをすかせ、人を恐れる余裕もなく空腹で人里に出てきているクマが多くなっている可能性があります」と指摘します。杉山さんは、クマに遭遇する危険を減らすため「山に近い場所に行くときには、車のクラクションを鳴らしたり爆竹で大きな音を出すことが有効で、念のためクマよけのスプレーも備えておくべきだ」としたうえで、仮にクマに遭遇した場合の対処については、「顔と頭が狙われやすいので、地面にうつ伏せになって後頭部を両手で覆うのがよいと思います。いざというときにすぐやるのは難しいので、前もって練習しておくことが大切です」と話していました。

(駅周辺にイノシシ出現、警察官ら3人けが:千葉)
25日午前0時10分ごろから午前5時15分ごろ、千葉市中央区の京成千葉中央駅付近とJR千葉駅西口でイノシシ1頭の目撃情報が十数件相次いだ。市内を移動したイノシシは午前9時ごろ、千葉港で確保された。千葉中央署によると、体長は約1・5メートルの成獣とみられ、成人男性1人と、確保にあたった男性警察官2人が足を負傷したほか、タクシーとの接触事故が1件発生したという。千葉港の埠頭(ふとう)付近で自ら海に入り、泳いでいるのを発見され、陸に上がったところを署員と地元の猟友会に確保された。イノシシの目撃情報を受け、周辺の小学校などで午前8時ごろ、署員が子どもたちの登校を見守った。

(原付きバイクで走行中の女性、クマと衝突:山梨)
21日午前0時10分頃、山梨県南アルプス市和泉の住宅街近くの路上で、同市のアルバイト女性(20歳代)が原付きバイクで走行中にクマと衝突した。女性にけがはなかった。南アルプス署の発表によると、クマの体長は約1メートル。女性はバイクを置いて現場から徒歩で離れ、家族と一緒に現場に戻ったところ、クマの姿はなく、アメなどを入れた手提げ袋が荒らされていた。同署は付近を警戒するとともに、「クマを見かけたら大声を出さず、静かに距離をとってほしい」と呼びかけている。

(「ドドドーンと…」イノシシが窓を割って住宅に侵入:山形)
山形市では21日、住宅にイノシシが侵入し、部屋の中を荒らされる被害がありました。木の板で補強された窓、部屋の中にはあらゆる物が散らばり、ふすまには破られた跡もあります。住人「ドドドーンという地震が来て家が揺れるような感じだった」。こちらの住人の男性が異変を感じたのは、21日の午後10時過ぎでした。音がしたという台所の戸を開けると・・・。住人「なんだと思ってここを開けたらもうここに、でっかいイノシシが」。イノシシの体長は1メートルを超えていたと言います。住人「襲われたらまずいなと、恐怖しかなかった。家族は不安で怖くて、(イノシシが)いなくなってからも恐怖で寝れなくなっていた」。現場は山形市大森の住宅街で、幸い、4人の家族にけがはありませんでしたが、あわやの事態でした。

(クマに襲われケガ「顔をあげたらクマがいた」:山形)
10月22日、山形県大石田町の林の中で、80代男性がクマに襲われ、鼻の骨を折るなどの けがをしました。男性は「顔をあげたらクマがいた」とその当時の状況を家族に話しています。警察によりますと、クマに襲われたのは、大石田町鷹巣の80代男性で、22日午後2時すぎ、大石田町鷹巣の林で山菜を採っていたところ、体長約1mのクマに頭や顔などをひっかかれ、鼻を骨折するなどの けがをしました。クマに襲われたあと、男性は妻に連絡をして車で迎えに来てもらい、自宅に戻り家族が警察と消防に通報しました。消防によりますと、男性は「キノコ採りをしていて、突然クマが目の前に現れて、ひっかかれたので距離を置いたが、再度襲われた」と話しているということです。男性は病院に搬送され、現在入院中だということです。現場の近くに住む人からは不安の声も。県によりますと、10月15日現在、目撃されたクマの件数は585件で、去年の同じ時期より218件多くなっています。また 21日までに発生したクマによる人的被害は5件と、去年の1年間の被害件数より、3件多いということです。

(ゴルフ練習場で70代女性が後ろからクマに襲われる:秋田)
秋田県ではクマによるけが人が相次いでいます。警察によりますと、きょう午前7時ごろ、秋田県羽後町の五輪坂ゴルフ練習場で、ゴルフボールを回収していた70代の女性が後ろからクマに襲われました。女性は右ほほや右目のあたりを引っかかれ、病院に運ばれましたが、意識はあり、命に別状はありません。女性はほかの3人と作業中で、そのうち男性1人が声をあげながらゴルフカートを突進させ、クマを追い払いました。また、午前8時すぎには、仙北市の住宅の敷地内で70代の男性がクマに襲われ、けがをしました。男性は顔から出血していますが、意識があるということです。

(クマに襲われ軽傷、登山中の40代男性:岐阜)
25日午後0時45分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾の山中で、県内の40代男性が遭遇したクマに引っかかれ、左手首から出血するなどの軽傷を負った。市によると、現場は焼岳に向かう登山道で、入り口から2キロほどの地点。男性は単独登山をしていて、自力で119番した。本年度のクマによる人身被害は県内6件目で、同市では3件目。県は25日、これまで発令されていた「クマ出没注意情報」を「クマ出没警戒情報」に引き上げた。市は登山道の入り口に今回の被害を知らせるとともに、音の鳴る物を携行するよう注意喚起する看板を設置する。

(栗拾いをしていた女性がクマに襲われけが:秋田)
25日午後、秋田県大仙市の住宅の裏手にある林で、栗拾いをしていた60代の女性がクマに襲われ、顔にけがをしました。秋田県内ではクマに襲われるなどしてけがをした人は58人と過去最多を更新しています。25日午後3時前、秋田県大仙市強首の住宅の裏手にある林で、栗拾いをしていた60代の女性がクマに襲われ、顔にけがをしました。女性は、秋田市内の病院に搬送されましたが、意識はあり、会話はできるということです。現場は、JR奥羽本線の峰吉川駅から南西に4キロほどの住宅や畑が点在する地域です。秋田県警察本部によりますと、秋田県内でことしクマに襲われるなどしてけがをした人はこれで58人になり、過去最多を更新しています。県と警察は、「ことしは特に、『いつでも・どこでも・誰でも』クマに遭遇するリスクがある」として、やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。

(住宅街でサルに襲われる、 登校中の小学生2人けが:福岡)
福岡市の住宅街で、登校していた小学生の男の子2人がサルにかまれたり引っかかれたりしてけがをしました。サルはその場から逃げていて、警察が注意を呼びかけています。26日午前7時すぎ、福岡市南区柏原の住宅街で、近くの小学校に登校中だった小学3年生と2年生の男の子がサルに襲われました。警察によりますと、3年生は左手首をかまれ、2年生は右足の太ももを引っかかれたということです。けがの程度は軽いということです。付近ではこのところサルの目撃情報が相次いでいて、先月28日には、同じ住宅街で、小学生の女の子と50代の女性がサルに足をかまれてけがをしました。26日出没したサルはその場から逃げていて、警察はパトロールして注意を呼びかけています。

(相次ぐクマ被害に知事も記者会見で呼びかけ:秋田)
相次ぐクマ被害を受け佐竹知事は改めて県民に注意を呼び掛けました。来月から狩猟期間に入ることを踏まえ、佐竹知事は猟友会が使用する弾丸の費用も県が補助する考えを示しました。佐竹知事は市街地でもクマの被害が出ていることから「市街地周辺でクマを目撃した場合、注意喚起につなげるためすぐ通報してほしい」と呼び掛けました。来月1日からは3か月半のクマの狩猟期間に入ります。今年捕獲されたクマは今月9日までに去年の2倍以上の1030頭に上っています。佐竹知事は猟友会に対し「狩猟期間中もなるべく山に入ってほしい」として駆除したクマの運搬費用のほか、猟に使う弾丸の費用も補助する考えを示しました。また誘致企業に認定したIT企業にデータ分析を依頼していて、クマがどういう場所にどういう状況で出没するのかなど最新の技術を使って解析し、今後の対応につなげていきたい考えです。

(クマ有害駆除期間、2カ月延長を決定:秋田)
秋田県大館市はクマによる人身被害や市街地での目撃が多発していることを受け、10月末までのクマの有害駆除期間を2カ月延長することを決めた。市議会12月定例会に関連予算案を提出する予定。駆除は市鳥獣被害防止計画に基づいて実施する。人身被害の恐れがある場合の駆除は市長に許可権限があり、市は駆除を担う猟友会と期間延長に向けて協議を重ねていた。24日に正式決定した。

(改造された空気銃などを所持、会社員ら7人を書類送検:三重)
金属丸を発射できるように改造された空気銃などを隠し持っていたとして、三重県の会社員ら7人が銃刀法違反の疑いで警視庁に書類送検されました。いずれもオークションサイトを通じて購入していたということで、警察は、インターネット上で改造銃の売買や製造方法に関する書き込みがないか、サイバーパトロールで幅広くチェックするなど取締りを強化しています。書類送検されたのは、三重県に住む60歳の会社員ら20代から60代の合わせて7人です。警視庁によりますとことし3月から4月の間に、金属の弾丸を発射できるように改造された空気銃などを自宅などに隠し持っていたとして銃刀法違反の疑いが持たれています。安倍元総理大臣が銃撃され死亡した事件で手製の銃が使われたことから警視庁が警戒していたところ、オークションサイトで改造されたエアガンのようなものが出品されているのを見つけました。警視庁がサイトの購入履歴にあった7人の自宅などを調べたところ、改造銃とみられるものなどが見つかり、鑑定の結果、これらの一部は殺傷能力があることが確認されたということです。7人はいずれも、手製の銃を密造したなどとして起訴された北海道の元会社員から購入していたということです。7人はいずれも容疑を認めているということです。警察は、インターネット上で改造銃の売買や製造方法に関する書き込みがないかサイバーパトロールで幅広くチェックするなど取締りを強化しています。書類送検された7人は、北海道の元会社員、諏訪博宣被告から改造銃などを購入していたということです。被告は爆発物を所持したり、手製の銃を密造したりしたなどとして起訴されています。爆発物は海外のテロで使われたものと同じ種類だったということです。被告はことし2月と4月、NHKの記者の接見に応じ「最初は興味本位で改造銃を作るようになり、何度も試行錯誤を重ねて高い性能の銃を作るようになった」と話しました。その後、作った銃をインターネットのオークションサイトに出品するようになったといい、「銃が売れると自分の技術が認められたようでうれしかった。ネットで銃を買う人はマニアだけだと思っていたので人殺しの道具に悪用される可能性は考えなかった」などと話しました。そのうえで「人を殺したいという思いはなく、子どものころから憧れのあった武器を作りたいという思いからやってしまった。私の行動のせいで合法的に趣味で改造銃を楽しんでいる人や仕事で火薬を使う人などに迷惑をかけて申し訳ないと思っている」と話していました。銃器評論家の津田哲也さんは「インターネットを通じて銃や爆発物に関する専門知識やノウハウの入手が容易になっている。材料や工作器具も安価で手に入り、高度なものでなければ一般の人であっても殺傷力のある銃が作れてしまう現実がある」と指摘しています。そして「銃が好きな『ガンマニア』と呼ばれる愛好家の中には、自分の技術を誇るために趣味として自作する人もいる。こうした実際には使うつもりのない技術が、犯罪を考えている人間との間に接点が生まれてしまうと、悲惨な事件が起きる可能性がある」と述べました。そのうえで「ガンマニアの間では、インターネット上のコミュニティがあり、銃の製造などに関してノウハウなどの情報交換をしているケースがある。危険なやり取りがないか、捜査機関もチェックする必要がある」と指摘しています。安倍元総理大臣の銃撃事件など手製の銃や爆発物を使った事件を受けて、警察当局は取締りに向けた対策を強化しています。対策の一つがサイバーパトロールです。警察庁は、爆発物の製造方法や銃の譲渡に関する書き込みなどネット上の有害情報をチェックし、サイトの管理者に削除を要請するなどの対策を強化しています。先月から民間の事業者に委託しているサイバーパトロールに「AI」=人工知能を導入し、危険性が高いものを自動的に抽出する取り組みも始めています。また、爆発物の原料となりうる化学物質を取り扱う事業者への注意喚起にも力を入れています。これらの化学物質はホームセンターや薬局などでも販売されていることから、警視庁などは事業者に対し、客が購入する際に使用目的の確認の徹底を呼びかけているほか、不審者を想定した合同訓練も行っています。さらに、銃や爆発物の製造の兆候を早期に把握する取り組みも始めています。不動産業者に対して、管理する集合住宅の部屋などから▽火薬の臭いや金属加工の音がしたり、▽大量の薬品のビンがゴミに出されていたりした場合には、警察に通報するよう呼びかけるなど、民間事業者との連携や警戒を強化しています。

(クマ被害相次ぐ、市議会が市長に緊急要望書提出:富山)
富山市内でクマによる人身被害が相次ぐ中、同市議会は24日、被害防止を求める緊急要望書を藤井裕久市長に提出した。同市では、今月17日に市南部の江本地区でクマに襲われたとみられる79歳女性が死亡し、23日には現場から約3キロ離れた安養寺地区で73歳男性が自宅の敷地内でクマに襲われ負傷している。クマの目撃情報も相次ぎ、市民の間で不安が広がっている。緊急要望書では、市民への注意喚起▽パトロール強化▽地域自治会との情報共有▽果樹の摘み取りや伐採強化▽捕獲おりの設置増強――を求めている。

(『腕や耳が血だらけに』クマ出没増:京都)
全国で『都市型クマ』の出没が増えていて、関西でも被害が相次いでいます。今年8月、京都市左京区の比叡山の登山道で50代の女性がツキノワグマに襲われ、腕や顔などを大けがしました。比叡山の山麓に住む鎌田東二さん(72)。登山中だった鎌田さんはクマに襲われた女性を救助しました。当時の状況は壮絶だったと話します。こうした事態を受けて京都府や市は登山道などに注意を促す看板を設置しました。10月24日、登山客に話を聞くと、多くの登山客は鈴などを付けて対策をしていました。京都府によりますと、府内の人的被害は今年度まで4年連続で発生していて、毎年1000件ほど出没情報が寄せられています。(京都府農村振興課 藤井伊参事)「ひとつはクマの生息数が増えてきているのかなと。エサを求めて新しいエサ場を探して移動している。その中で人里にも出てきていると考えています。京都府もかつては相当少ないというので絶滅危惧種にして保護していた」。京都府ではクマが増加傾向にあったことなどから、2021年度からこれまで禁止していた狩猟を解禁しました。しかし解禁して以降、14頭しか捕獲していません。京都府猟友会によりますと、経験のある猟師がいないことや高齢化が原因だということです。(京都府農村振興課 藤井伊参事)「基本的には、まずは遭遇しないということが一番大事。鈴をつけるとか、そもそもクマがいそうなところには近づかない」。

(クマに襲われた男性、「頭蓋骨見える」深手や無数のひっかき傷:秋田)
「頭をかじられても、何もできなかった」。秋田県北秋田市鷹巣の市街地で19日に出没したクマによって大けがを負い、現在も入院中の菓子店主の男性(66)が24日、読売新聞の電話取材に応じ、「本当にもう死ぬかもしれないと思った」と恐怖の瞬間を振り返った。県内では24日も計4人がクマに襲われてけがをしており、県警などが警戒を呼びかけている。男性がクマと遭遇したのは19日午前11時過ぎのこと。自宅裏庭にある車庫のシャッターを開けると、中にクマがいた。約2メートルの至近距離で「正面を向いていて目が合った。体長1メートル以上と大きく、これは無理だととっさに走って逃げたが、約10メートル先で倒された」。右半身を上にして倒れたところを、クマは覆いかぶさってきた。「『ガウガウ』とすごい声がして牙で頭をかじられた。何もできなかった」。襲われたのは、わずか1分ぐらいの間だった。クマのすきを見て工房に逃れ、タオルで止血しながら110番した。鏡を見ると「右側の頭皮が10センチ四方くらいめくれ、頭蓋骨が見えていた」という。ドクターヘリで秋田市内の病院に搬送され、現在治療を受けているが、背中や右腕、右わき腹に無数のひっかき傷を負い、顔にも深い傷が残った。北秋田市の市街地では19日、男性が襲われる前の午前6時40分頃、鷹巣小学校周辺で散歩をしていた80歳代の女性2人がクマに襲われた。午前7時頃には、そこから約800メートル北のバス停で女子高校生が襲われている。このクマが車庫にいたとみられるという。男性は渓流釣りで山奥に入ることがあり、クマへの警戒は怠っていなかったという。しかし、今回は「家にある狩猟用ナイフやクマよけスプレーを取り出す暇もなかった」と振り返る。「まさか自宅裏庭でクマに襲われるなんて。この秋は異常だ」と話した。一方、24日も県内でクマによる人身被害が相次いだ。羽後町足田のゴルフ練習場で午前7時頃、ボールの回収作業をしていた湯沢市の女性(75)がクマ(体長約1メートル)に背後から襲われ、頭や顔から出血するなどの重傷を負った。一緒に回収作業をしていた男性(66)は「夢中で手近にあったカートを押してクマを追い払ったが、女性は血まみれだった」と話した。ゴルフ練習場は町の施設で、町は「安全確保が難しい」とし、予定を早め、今年度の営業を終了した。午前7時20分頃には、仙北市田沢湖田沢の住宅敷地内で、ネギを干していた大仙市の男性(75)がクマ(体長約1メートル)と鉢合わせて襲われた。男性は頭や顔面をひっかかれるなどのけがを負った。地元猟友会は同日、現場の裏庭に金属製の箱わなを設置。猟友会員の男性(64)は「近くに栗の木があるので、それを目当てに現れたのでは」と話した。鹿角市十和田大湯と十和田山根でも午前10時45~50分頃、リンゴ畑とニンニク畑で農作業をしていた、市内に住む73歳の2人の男性が相次いで襲われ、右耳や頭などにけがを負った。県警地域課によると、クマの人身被害は計57人。一方、秋田市の市街地にもクマは出没した。秋田東署によると、午前7時10分頃、同市広面の市道で親子とみられるクマ3頭(1頭が体長約1メートル、2頭は約50センチ)が目撃された。現場は秋田大の東側約500メートル。

(狩猟者ら育成講座:宮崎)
狩猟者や第1次産業従事者の育成・確保を目的とした延岡市主催の研修会「のべおか里山塾」が今月から同市内で始まった。山間地を中心に問題となる農作物の鳥獣被害を解決するための対策を学びながら、延岡の自然の豊かさも体感できる総合的なプログラム。本年度中に4度開講し、市は「持続可能な里山づくりにつなげたい」としている

(キジ20羽放す:三重)
国鳥の日本キジの繁殖を助けようと、三重県猟友会松阪支部(丸尾章郎支部長、約110人)は23日午前、松阪市山室町の山林など3カ所に雄雌20羽を放した。キジの放鳥は、県が三重県猟友会に委託して毎年実施。同会は県内各支部に希望を募る形で鳥獣保護区で行っており、松阪支部では2020(令和2)年11月以来になる。この日は午前10時半に山室町の山室町公民館に丸尾支部長(74)=田村町、山川誠副支部長(71)=上川町、会員の丸尾有紀さん(48)、脇田和憲県鳥獣保護管理員(66)=横地町=と、市担当者らが集まった。キジは同11時ごろ、岐阜県山県市の養殖場からトラックで届けられた。ふ化して140日ほどたっていて体長30センチ前後で、既に自分で飛べる。山室町では6羽を放鳥。丸尾支部長らが段ボールから1羽ずつ足をつかんで外へ出し、少し羽ばたかせた後、手を離すと、キジはものすごい勢いで山の方に向かって飛び立っていった。その後、山下町の市総合運動公園の南側で雌雄8羽を、櫛田川周辺で6羽を放った。メンバーによると3年前の放鳥の際はキジが、長時間の移動で疲れてしまったのか、箱を開けても、手で取り出してもほとんどが飛ぼうとしなかった。これを踏まえ山川さんは「今年はとても元気で良かった」と語った。

(絶滅したはずの伊豆半島にクマ、2年前にも捕獲:静岡)
鋭い爪をこちらに向け、口を大きく開けて威嚇する、ツキノワグマ。このクマは20日、静岡県河津町の国有林に仕掛けられた罠にかかっているのを、パトロールをしていた環境省の職員らによって発見されました。現場に駆け付けたという河津町の体感型動物園イズーの職員は…。体感型動物園iZoo 飼育員 渡部那智さん:「クマが何かに引っかかって山の中にいるという情報を聞いて、iZooの職員と学校の職員やジビエ処理施設の職員が向かった。実際に行ってみると、シカを捕獲するためのくくり罠に間違って捕獲された状態でした」。イズーの職員によると、クマはオスのツキノワグマで、体長はおよそ120センチ。捕獲された時、大きなけがはなかったといいます。麻酔で眠らされたあと、罠から外され、山に戻されたということです。体感型動物園iZoo 飼育員 渡部那智さん:「野生動物は基本的に人が怖いので、人からすぐに離れようとした形で、今回に限ってのことなので、最終的にはクマが里に下りてきて悪さをすることもないと思うので、人にも動物にもいい結果になったと思う」。捕獲された場所は人里離れた山林ということですが、観光への影響を心配する声も…。今回発見されたクマによる人的被害は今のところありませんが、全国ではクマによる被害が相次いでいます。19日、秋田県北秋田市では、クマに襲われ男女5人がけがをしました。また、岐阜県飛騨市では22日、80代の男性がクマに襲われてけがをするなどしています。環境省によると、今年4月から9月までに、全国でクマに襲われるなどの被害にあった人は、昨年度の75人をすでに上回る109人に上っているということです。一方、伊豆半島には、これまでクマは生息していないとされていました。しかし、おととし7月には同じ伊豆半島の西伊豆町で体長135センチ、体重43キロのオスのツキノワグマが捕獲されています。さらに、9月8日には南伊豆町でクマと見られる動物の目撃情報もありました。今回、河津町で見つかったクマはどこから来たのか、分かっていませんが、今後、県内でも注意が必要になってきそうです。

(クマ目撃114件、過去5年で最多:栃木)
栃木県内でクマの目撃が増えている。県自然環境課が4~9月に把握したクマの目撃情報は前年同期比32件増の114件で、過去5年で最多だったことが23日までに、同課のまとめで分かった。市町別では日光市が20件増の79件で件数を押し上げ、奥日光での目撃が目立った。奥日光はミズナラが凶作だった。温泉街でごみをあさった形跡も見られ、同市は宿泊施設や観光客らに適切なごみの処理を呼びかけた。専門家はクマが冬眠に入る「11月ごろまで警戒が必要」としている。同課によると、過去5年間の県内の目撃件数(4~9月)は、今年の114件に次いで19年の96件が多い。20年は68件、21年は44件と減少し、22年は82件に増えた。今年の市町別では日光市が圧倒的に多く、那須塩原市15件、那須町6件、佐野5件、栃木3件など、計9市町に及ぶ。けが人は出ていない。クマの餌となるミズナラやコナラ、クリなどを含め、県全体のドングリの結実は、おおむね良好という。同課の担当者は「ドングリの生育はそこまで悪くない」と話す。一方、目撃が多い奥日光は、ミズナラの結実が凶作だった。日光では特に湯元や中宮祠で目撃が多い。山道や山林で見かける一方、8月~10月頭まで湯元の温泉街で複数の目撃があり、8月下旬には中宮祠の宿泊施設に侵入したケースもあった。同市日光行政センターによると、温泉街にごみをあさりに来るクマもいた。担当者は「今年は観光客が増え、ごみの処理が追いつかないほど。ポイ捨てをしないよう、観光客にも呼びかけている」。環境省と県、同市は9月、湯元の旅館などに出向き、適切なごみの処理方法を指導した。クマの生態を研究している東京農業大地域環境科学部森林総合科学科の山崎晃司(やまざきこうじ)教授(62)は、全国的な傾向として「市街地付近まで森が回復しその中で頭数が増え、分布が広がっているのではないか」と推測。奥日光でミズナラが凶作だった中、クマが餌を求めて移動せずに止まっている可能性も指摘した。「(冬眠を始める)11月ごろまで警戒が必要」と注意を促した。

(顔と頭に大ケガ負った被害者語る襲撃の瞬間:秋田)
19日、秋田県北秋田市で住民を次々と襲ったクマ。現場付近で取材に答えていた菓子店店主の男性は、その約1時間後、自身もクマに襲われる被害にあった。頭や顔などに大ケガを負いながらも九死に一生を得た男性が、その恐怖の一部始終を語った。「もう何回も見るし。もうだいぶ(民家に)近づいてますよ。去年まではなかったです。今年特別です」と語るのは10月にクマの姿を撮影した人。秋に入り、これまでにない頻度でクマの出没が東北地方を中心に各地で確認されている。20日には、秋田県内で猟友会に同行取材していたフジテレビのカメラも、親子クマとみられる3頭が道路の真ん中で栗を食べている姿を捉えた。環境省によると、2023年4月から9月までにクマによる被害にあった人は、全国15の道府県で109人と、国の統計開始以来過去最悪のペースとなっている。19日、秋田県北部・北秋田市の市街地では、半径約400メートルの中で男女5人が次々とクマに襲われた。最初の被害は、午前6時40分頃。83歳と81歳の女性2人がクマに襲われ、このうち1人は、右肩を骨折。頭や右目のあたりを引っかかれ重傷を負った。その直後の午前7時頃、今度はバス停で、82歳の女性が頭や背中などを引っかかれた他、16歳の女子高校生が左腕を噛まれるなど、被害が相次いだ。バス停近くにある菓子店の店主・湊屋啓二さん(66):若い女性がすごい「ぎゃー!」っていう声を出しながら走って行ったんですよ。そう取材に答えてくれた湊屋さんは、その約1時間後、店舗兼自宅の敷地内で、クマに襲われ5人目の被害者となってしまった。インタビュー取材を受けてから約1時間後の午前11時20分ごろ。湊屋さんは外出しようとガレージのシャッターを開けると、そこにはクマがいた。「目の前にでかいクマがいて、距離感としては多分2mくらい」。「一瞬パッっと俺と目が合って、その瞬間もう、こっちに向かってきましたんで、これやられるなと…」。とっさに逃げようとした湊屋さんだが、クマのスピードには太刀打ちできず、すぐに追いつかれてしまったという。「後ろから倒されて、そのまま横になりながら、(攻撃を)手で防いでいたんですけど、もう顔と頭に執着するんですね、クマが」。「すごい勢いでコォーって、すごい声出してかじってる。死ぬかもしれないなと…」。「ところが一瞬、攻撃がちょっと緩んだんですよ」。隙を見て再び逃げると…追ってくるクマ。なんとか振り切り…約40メートル離れた建物の中へと逃げ込み、間一髪助かったという。「もう1回追いつかれていたら多分、命は危なかったんじゃないかなと思いますね。走ったらいけないって言うんだけど、至近距離でバッタリ会ったら、逃げるしかない本能的に」。頭や顔に大ケガをした湊屋さんは、その後ドクターヘリで秋田市内の病院に搬送され、治療を受けた。市街地にクマが現れ、人間を次々に襲うという異常事態。クマの生態に詳しい秋田県立大学・生物資源科学部の星崎和彦教授も、「ここまで熊がたくさん出没するっていうのは想定外。かなり異様な状態」と話す。その理由については、「(木の実が)大凶作でクマとしては餌がなくて困っている」と指摘する。2023年は、クマのエサとなるどんぐりなど、木の実がほとんど実らず、クマにとって深刻な食糧不足となっている可能性があるという。秋田県内で撮影された柿の木に登るクマの姿を見た星崎教授は、「クマは今まであんまり秋田では柿の実を食べてなかったんです。秋田の柿はほとんど渋柿なので」と話す。本来は食べないはずの渋柿を食べるほど、山にエサがないということなのだろうか。星崎教授は、「餌がないっていう状況で人里近いところを通らなきゃいけない。クマにとって、それはフラストレーションになるだろうなっていう風に思います。気性が荒いタイプのクマがいらいらしている時に出くわすと、かなり危険にはなります」と警鐘を鳴らす。危険を伴うクマの出没は、いつまで続くのか?星崎教授は、「今年の場合は餌不足なので、十分な栄養を摂れるまでは冬眠に入らない。年末ぐらいまでクマ出没のニュースが出るのかなという心配をしています」と予測している。

(オソ18は全国へ、ヒグマ肉の流通ルートに迫る:北海道)
北海道の東部、釧路管内標茶町と厚岸町で60頭以上の牛を襲った雄のヒグマ「オソ18」。7月に駆除された後、オソと判明するまでの約3週間で、その肉は東京の料理店など全国各地に流通していました。北海道内で駆除や狩猟によるヒグマの捕殺数は年々増えていますが、あくまで野生動物で保護対象です。ヒグマの肉は日常的に食肉店などで買えるわけではありません。どんなルートで流通し、ハンターや料理人以外の人は買えるのか。オソの肉が全国に出回っていく過程をたどりながら、ヒグマ肉の食肉流通の実態に迫りました。釧路市街地から車で約30分、最初に訪ねたのは、オソを解体した釧路管内白糠町の食肉処理場「馬木葉(まきば)」です。10月中旬、施設内には捕殺されたエゾシカが次々と運ばれ、社員が手際よくさばいていました。馬木葉の松野穣(みのる)社長(59)は「エゾシカは年間4千頭ほど、ヒグマは年間6頭くらい処理している」。以前に400キロ以上あるヒグマを解体したこともあり、7月にオソとは分からずに運び込まれた時には「やせていて、それほど大きなヒグマとは思わなかった」と話します。松野社長がオソを駆除したハンターと知り合いだったため、オソは捕殺後、すぐに馬木葉へ運ばれてきました。解体後の肉はどこへ行ったのでしょうか。松野社長はヒグマが運ばれてきた際、知り合いに声をかけるといいます。今回は東京のジビエ料理店の店長と釧路市内のインターネット通販会社の社長でした。加えて、松野社長はオソの肉を知り合いの釧路市内の料理店へ持ち込みました。つまり、オソの肉は馬木葉から3カ所に流れたわけです。

(近づく「アーバンベア」の足音)
クマの足音は近年、人が暮らす領域に確実に、静かに近づいている。19日朝、女子高生ら男女5人がクマに相次いで襲われたのは、秋田県北秋田市の住宅街。同日夕には市内の別の場所で帰宅中の女子中学生1人も襲われ、頭などにけがを負った。1日で計6人のクマ被害は県内で今年初めて。男女5人が被害に遭った近くの小学校は19日、臨時休校となり、70代の女性は「近くにクマが出たのは初めて。怖い」と漏らす。負傷者はいなかったものの、同日夜には同県由利本荘市の病院の建物にクマ1頭が侵入し、捕獲に追われた。県自然保護課の担当者は「今年はクマが市街地周辺に出没するケースが多い。行動範囲が広がっている」と指摘する。環境省によると、北海道や東北地方を中心に今年のクマによる人身被害数(4~9月)は全国で計109人と急増。今月19日現在では秋田県52人、岩手県38人とさらに増え、両県とも最多を更新している。最近、市街地や農地での被害事例=グラフ参照=も増える傾向だ。秋田県では被害者52人のうち8割超が市街地周辺を含む人里での散歩や農作業のほか、通学途中に襲われている。クマの出没が市街地周辺に広がる背景には、市街地近くの森林で育った「アーバンベア」と呼ばれる、いわば都市型のクマが増えている事情があるという。クマは本来、警戒心の強い性格だが、「人の近くで生活するアーバンベアは人を恐れなくなっている」。こう分析する酪農学園大(北海道江別市)の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は、秋田県北秋田市の住宅街で19日朝に男女5人を襲ったクマも「付近の森林から河川沿いなどに迷い込んだ事例」と解説し、アーバンベアによる人身被害との認識を示す。佐藤教授はアーバンベアが増えている理由について「生息数の増加や生息分布拡大の影響が大きい」と話す。ブナの実などの餌不足で山奥に生息するクマが冬眠前、集落の果物などを求めて出没するケースが一般的だ。だが、近年の集落部では人口減少や高齢化の加速で耕作放棄地が増え、クマと人の生活圏が近接し、遭遇リスクが高まっている。宅地開発が進む市街地では、その周辺の森林にクマが〝定住〟しているようなケースも。ヒグマ被害が続発する札幌市環境共生担当課の職員は「今年は親子グマの目撃情報が多く、住宅街に近い場所で繁殖している可能性がある」と、アーバンベアの出没に警戒する。「いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇するリスクがある」。クマ出没警報発令中の秋田県が注意を喚起するように東北地方などではアーバンベアの出没を含めて「異次元の警戒態勢」で対応する。ツキノワグマ出没特別注意報を発令中の福島県も市街地でクマの目撃情報が相次ぎ、今夏、福島市などで住民説明会を初めて開いた。出没時間帯や好む食べ物などクマの「生活習慣」を知ってもらうことで、被害防止につなげる狙いだ。キノコ採りや登山で山林に入る機会が増えるため、11月末までクマ被害防止キャンペーンを展開している岩手県。被害に遭わないための心得をまとめた名刺サイズのカード配布に加え、岩手大学の「ツキノワグマ研究会」と合同で初の注意喚起イベントを開催し、被害防止に力を入れる。岩手県ではクマをともえ投げで撃退したり、鉈で応戦したりした武勇伝が語り継がれている。ただ、至近距離で発砲し駆除成功と思った瞬間、クマが突然、むっくりと起き上がる事例もあり、油断は禁物だ。岩手大ツキノワグマ研究会のメンバーは「クマは顔を狙ってくる傾向があり、地面に伏せて頭を腕でガードしてほしい。とにかく遭遇しないことが最善だ」と指摘するが、突然、クマに襲われると、気は動転し、足もすくむ。退避行動を冷静に実践できるかは普段の心構えが求められている。

(サルの農作物被害額、23年の県内1・5倍:富山)
ニホンザルによる農作物被害などを防ごうと、県は24日、対策を考える研修会を富山市楡原(細入)の細入公民館で開いた。県によると、今年8月までのサルによる農作物の被害額は133万円で、昨年同時期の85万円の約1・5倍に上る。この日は関係者約50人がサルを効果的に追い払う方法などに理解を深めた。研修会は今年から県が始め、今回は2回目。県内で群れが確認された9市町の職員や捕獲従事者、楡原中の生徒が、群れのサルに発信機を付けて行動範囲を予測する方法などを学んだ。県自然博物園ねいの里野生鳥獣共生管理員の赤座久明さんが講師を務め、近年はこれまで出没が見られなかった八尾地域の一部にも群れの行動エリアが拡大していると指摘。「受信機でサルの行動を把握し、モデルガンやロケット花火などを使って徹底して追い払うことが効果的だ」とした。参加者は神通碧小学校の児童らが協力して作ったサルよけのネット型電気柵や、サル対策で竹林を伐採した現場を視察した。

(クマ被害で注意喚起、「重要なのは距離確保」)
クマによる人身被害の件数が過去最多ペースになっていることを受け、伊藤信太郎環境相は24日の閣議後記者会見で「重要なのは人とクマの距離を確保すること」などと注意喚起した。人身被害の防止に向けて談話を発表し、生息域にむやみに入らないことや、クマを誘い込んでしまう柿などの果実や農作物の適切な管理を呼びかけた。2023年度のクマによる人身被害は9月末時点で全国計105件と、統計を取り始めた06年度以降で最も多い。伊藤氏は「10月に入ってからも各地で被害が相次いでいる」と話し、市街地での出没も多くなっているとして効果的な対策が必要との意向を示した。

(市町の鳥獣被害対策、専門組織が代行:広島)
イノシシやシカなど鳥獣による農作物の被害を減らすため、広島県は2024年度、各市町が担ってきた被害現場での対応を専門組織に代行させる仕組みを導入する。市町の負担を軽くし、効果的な対策の立案などを促す狙い。都道府県では初の試みという。

(シカ農業被害額5000万円:北海道)
檜山振興局は、2022年度のエゾシカによる農業被害状況などをまとめた。エゾシカが生息しない奥尻町を除く農業被害額は前年度比6%増の5千万円と、3年連続で前年度を上回った。また、エゾシカに関連する交通事故発生件数は前年の2倍に急増。振興局はエゾシカ生息数の増加に歯止めがかかっていないとして、メスの捕獲を積極的に行うよう、関係者に要請している。

(「怪物」はなぜ誕生したか、ヒグマの最期から見えた人と自然の関係:北海道)
8月、北海道東部で牛を襲い続けたヒグマ「O(オ)SO(ソ)18」が駆除されたというニュースが流れた。OSO18とは認識されず、ハンターにあっけなく射殺されていた。10月15日に放送されたNHKスペシャル「OSO18“怪物ヒグマ”最期の謎」は、粘り強い取材でその正体に迫り、人間と自然との関わりに対する重い考察を示すものだった。昨年11月26日に放送されたNHKスペシャルでもOSO18を追う人々に密着していた。ヒグマはもともと草食傾向が強く、牛を次々と襲うのは異例だという。酪農家の被害は甚大で「超巨大で猟奇的な怪物」と恐れられたが、実態は謎が多かった。今回、射殺されたOSO18を解体した業者を訪ねると、死体は食肉に加工され、残っていないという。そこでディレクターが、業者が骨や内臓、牛のふんを捨てている堆肥(たいひ)場からOSO18の骨を探し出したのには執念を感じた。研究者に骨の分析を依頼したところ、OSO18が牛を襲い始めた少し前から、常に肉を食べていたことが判明した。

(クマ被害の深刻化、「アーバンベア」が増えた)
秋の訪れとともに各地でクマの出現が続き、負傷者増に加え、命を奪われる犠牲者も出ている。今年のクマによる事故は目立って多い。環境省によると4~9月のクマによる人身被害は15道府県で109人に上る。かつてないペースである。クマは冬眠前の11月末まで活発に動くので生息していない九州や、絶滅に近い四国を除く大部分の都道府県では、十分な注意が必要だ。彼らを人間の生活圏に近づけないこと、不意の出合いが多い朝夕の散歩を控えることなどを心がけたい。秋のクマの出没予測は、春頃から山中のブナやミズナラなどドングリをつける樹木の開花状況を基に行われる。ドングリが不作だと人里の柿や栗などを求めて、山奥から多くの個体が下りてくる。冬眠に必要な栄養をとるための行動だ。今年もドングリの不作年だ。しかし、今年を含め近年見られる規模の大量出没が繰り返されるようになった理由は別にある。農山村の衰退だ。働き手の都市への流出で人口は激減した。農地や林地は放置され、クマの暮らす奧山と人里の間にあった緩衝ゾーンが、奧山の領域に化した。クマは茂る草むらや間伐されずに密生する樹木に身を隠して集落に接近できるようになったのだ。サルやイノシシやシカも増えて限界集落に向けての圧力を増している。しかし、駆除に当たる地元のハンターの側は減少と高齢化が進む。クマの出現増加の背景には、こうしたもろもろの変化が作用していることを見過ごしてはならない。それにしても今年をはじめ、近年のクマによる人身被害の多さは深刻だ。令和元(2019)年度と翌2年度には、続けて150人を上回った。今年度はさらに多い負傷者数となることが危惧される状況だ。昭和55(1980)年度から3年間は毎年10人以下だった。急増傾向に転じたのは平成11(1999)年度からだ。その後は1年ないし3年置きに負傷者数100人以上の年が繰り返されている。少ない年度でも50人を下らない。その一方で捕殺(ほさつ)(わなで捕獲した個体の殺処分)されているツキノワグマもおびただしい数に上る。令和元年度には約5300頭、同2年度には約6100頭という数字である(北海道のヒグマの捕殺は760頭と860頭)。今年度は8月末で約2600頭になっている。この局面での問題は、政府によるツキノワグマの総生息数の把握が遅れていることだ。環境省の約10年前の調査では1万5千頭前後と推定されているが、実態との乖離(かいり)はないのか。正確な再調査を急がなければ過剰捕殺に陥り、地域個体群の崩壊を招きかねない。クマは日本の森林生態系の最上位に位置する雑食の大型獣だ。行動範囲が広く食べた植物の種子を播(ま)いて歩くなど、さまざまな役割を果たしている。日本の国土面積の7割は森林だ。クマの絶滅を招くと二酸化炭素の吸収源であり、水源でもある森林の多様な機能への負の影響を免れないだろう。クマと人間の共存を目指す研究者や鳥獣行政担当者の頭を悩ます問題がある。都市域に侵入する「アーバンベア」の増加傾向だ。山村の過疎化で人間に追われた経験のないまま成長したクマたちが市街地に迷い込む。異なる環境に興奮したクマが出合った人にけがをさせる。今月19日に秋田県北秋田市の市街地のバス停で高校生ら男女5人を襲ったのもアーバンベアだ。クマとしての常識を欠いているという意味で「新世代グマ」とも呼ばれる。近年の大量捕殺で相対的に食べものが増えたことによる団塊世代の若グマの可能性もあるだろう。暑さが長引くとクマの冬眠開始も遅れる。クマが出没している地域での朝夕の散歩には注意が必要だ。事故は薄明薄暮時に多い。河川敷のほとりや藪(やぶ)の脇の道は避けたい。令和元年度から農地、住宅地、市街地での人身被害が増加して2年度には従来最多だった山林での発生を上回った。多くの人にとって疎遠な問題だったクマとの遭遇が、今や身近なリスクになりつつある。東京都にさえツキノワグマは出ている。クマの行動圏と人間の生活圏は接近中だ。その現実を忘れてはならない。

(クマが水槽壊し川魚を100匹~200匹も、でも“駆除できない”理由:石川)
全国でクマによる被害が相次ぐ中、石川県でも「ツキノワグマ出没警戒情報」が発表されています。金沢市では22日、魚の無人販売所で水槽が壊される被害が発生。近くを通りかかった男性が捉えた映像には、3頭のクマが映っていました。22日午後4時ごろ、金沢市の男性が撮影したのは、水槽に手を入れ、何かを取ろうとするクマ。よく見ると、水の中には魚が泳いでいます。壊されたのは金沢市湯谷原町の県道沿いに設置されていた川魚の無人販売所の水槽。金沢市によりますと、水槽近くで目撃されたクマは3頭で、このうち1頭が大人、2頭が子どもとみられています。無人販売所を設置していた「山の岩魚やさん」の黒田一磨呂さんは、利用客から電話があり被害を知りました。「『クマが来て水槽を割って行った』と。そのあと警察から電話がかかってきて『来てください』と。人通りはあるし、まさかとは思っていたが、いつかは(クマが)来るかもとは思っていた」(黒田さん)。連絡を受け黒田さんが販売所に到着した時には、魚が道路に散らばっていたといいます。「クマにやられたときはニジマスが15~20匹くらいいた。日が暮れるのが早い。5時過ぎたら真っ暗になるので、クマは4時くらいに来るのかな。来る時間はある程度決まっていて、朝早くか夕方、日が暮れる前後」(黒田さん)。黒田さんは販売所の近くでイワナやヤマメなども育てていて、養魚場でもクマの被害が絶えないと話します。「イワナとヤマメとニジマスを飼っていて、味を占めたみたいで、もう100匹~200匹は食べられている」。「客の安全も考えないといけないから。電気柵を張って、その中で何か販売するようなことを考えている」。黒田さんによりますと、養魚場に現れるクマはいつも3頭で、大声を出したり、爆竹を鳴らしたりなど対策をしているものの、なかなか逃げないということです。金沢市の担当者は「おりを設置して子グマが入った場合、親グマが凶暴化してしまう」として、親子で発見されたケースではおりを設置できないとしています。また近くに住宅もあることから、銃が使用できず、駆除できないのが現状です。クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授によりますと、本州に生息するツキノワグマも魚を餌として食べることが分かっていて、長野県でも今年、イワナが食べられた報告があるということです。大井特任教授は「そこに餌があるということを学ぶと何度も来る。もはや水槽は、お皿にごちそうを乗せて置いているようなもの」と述べました。そのうえで、何度も姿を見せるうちに、人間や車を警戒しない、慣れた個体も出てくるとし「餌を取り除き、やぶを刈り払うか、電気柵で近づかないようにする」など、対策が必要だとしています。一方、石川県加賀市でも23日午後4時ごろ、幹線道路の国道8号と、JR加賀温泉駅の間に位置する加賀市吸坂町の「硲伊之助(はざま・いのすけ)美術館」で、敷地内の駐車場をクマ1頭が横切るのを観光客の女性が目撃しました。クマは体長およそ1メートルの大人の個体とみられ、24日朝は市の職員が現場付近をパトロールしましたが、痕跡は見つからなかったということです。館長の硲紘一さんは「最近クマの話が出ているから、来るかもしれないという気持ちはあったけど、まさかですけど、怖いですね」と話していました。現場からおよそ200メートル離れた場所には南郷小学校があり、24日は警戒のため児童を車で送り届ける保護者の姿がみられました。今後1週間ほど集団で登下校する対応を取るということです。23日午後6時ごろには、美術館からおよそ2キロ離れた加賀市大聖寺敷地でもクマ1頭が目撃されていて、市が周辺の住民らに注意を呼びかけています。

(クマ出没、2022年比8倍以上:富山)
県内では25日もクマの出没が相次いでいて、10月に入ってからの目撃・痕跡の件数は、2022年10月の1か月間と比べて8倍以上となっています。市街地での出没情報が増えていて、学校などでは警戒が続いています。24日午後、富山駅からおよそ6キロメートル南東に位置する富山市の住宅地でクマの目撃情報があったことから、近くの堀川南小学校は、保護者に対しメールで25日の登下校について、児童を車で送り迎えするよう求めました。富山南警察署は24日に目撃された動物は「イヌの可能性もある」としていますが、保護者らは不安を訴えました。県自然保護課によりますと、10月に入り24日までに、県内で報告があったクマの目撃・痕跡の件数は188件にのぼり、2022年の10月1か月間の8倍以上となっています。県は、クマを引き寄せるカキやクリの実は早めに収穫すること、収穫しない場合は木を伐採することなど、対策を進めるよう呼びかけています。

(「クマ出没特別警報」、特別予算で対策へ:新潟)
連日のクマ被害を受け、新潟県が「クマ出没特別警報」を発令しました。新潟県 笠鳥公一副知事:「県内では今後、クマの出没がさらに多くなって人身被害の深刻化が懸念されますことから、県民の命を守るため本日、最も警戒レベルの高い『クマ出没特別警報』を発表させていただきたいと思います」。これまでに7人の人身被害が確認されている新潟県。3段階ある警戒レベルのうち最も高い「クマ出没特別警報」を発令。市町村に対し、クマ対策の追加支援を実施する方針です。県の担当者:「市街地に近いところまでクマが下りてきてた。後は、そこをつなぐヤブのようなクマの隠れ家となるような通路、草むらですね。そういったものがつながっていると、より人が住んでいるところに近付いてくるということになるので、そこへの対策。これまでもやっているが、予算を特別に措置するなかで市町村を中心に動いていただこうということで今回、特別にまた支援策をお示ししたい」。新潟県では、目撃や痕跡情報などが900件以上に上っています。秋田県大館市では26日、クマの目撃情報が4件ありました。大館市が今年度のクマの目撃情報や食害、事故などを地図にまとめたものです。これまでに全部で440件。すでに過去最多を更新しています。農家も被害に遭っています。2週間ほど前、クマが出没して栗が食い荒らされたといいます。地面に散乱した無数の栗の皮。被害を受け、独自の対策を行っています。20年ほど前から改良を重ねた鳥獣害用の忌避剤です。唐辛子などを混ぜたもので、栗の木の周辺にまいたところ、クマの被害はなくなったということです。

(市町村で差のある駆除報酬、「割に合わない」と狩り控えも:北海道)
エゾシカを駆除するとハンターに支払われる報酬は市町村ごとに異なり、十勝管内では1頭につき最高1万円、最低3000円と、7000円もの差があることが、十勝毎日新聞の調べで分かった。有害駆除では国から交付される7000円(埋葬処分の場合)の鳥獣被害防止総合対策交付金と、自治体が独自に支払う報奨金がある。このうち自治体独自の報奨金には、支払い規定や金額の取り決めがなく、役場担当者や振興局でさえ、他の自治体がいくら支払っているか把握できていない。農業被害防止のためにJAが報奨金を上乗せしている自治体もあり、合わせると音更町、士幌町、池田町が最高額の1万円を支払っている。平均額は6496円。清水町は最も安い3000円だが、22年度の捕獲数は659頭で、捕獲数の少ない鹿追、芽室、中札内、更別、本別よりも町の負担額は大きい。JAが報奨金を負担する自治体は管内のおよそ半数で、JA負担のない町の猟友会関係者からは、「農業のためにやっているのに、差があるのはなぜだ」と不満の声も漏れる。こうした不満の背景には、弾薬などの値上がりがある。狩猟用ライフルのマグナム弾は、新型コロナによる物流停滞やロシアのウクライナ侵攻による弾薬需要で価格が2倍に跳ね上がり、今では1発1000円ほどだ。確実に命中する保証もない。ハンターの多くは、畑周辺や山林で低速で車を走らせシカを探すため、燃料費高騰による負担も重なった。年間200頭ほどを駆除する管内のハンターは、「ボランティアだと思っても割に合わない。このままでは続けられなくなる」と漏らした。国の交付金は、かつては一律8000円だったが、鳥獣被害防止特措法(2007年)により食肉利用なら9000円など規定が変わった。しかし、ほとんどの町に処理施設はなく、実質7000円へ減額された。また、市町村の計画上限数を超えると、自治体の報奨金のみとなるため、計画数に近づいた際にハンターへ知らせ、駆除を控えているケースもある。計画した捕獲数を超えた際は国に追加申請できるが、「当初予算は申請の8割ほど交付され、追加分を合わせて当初の申請額に落ち着いている」と話す役場職員もいる。計画の見直しも可能だが、国は自治体から申し出があった場合に都度対応している。十勝総合振興局は「捕獲許可数の拡大は、鳥獣被害と野生動物保護の両観点から判断している」とするが、明確な規定はない。有害駆除の捕獲数は近年増え続けているが、猟期(冬季)に愛好家らが実施する狩猟は伸び悩む。猟友会帯広支部の沖慶一郎相談役によると、「シカは2、3月に出産期を迎えるため、冬季に駆除した方が頭数抑制につながる」が、19年を境に有害駆除(夏期)だけが増加し、狩猟数は伸び悩んでいる。狩猟数が減った背景に、国有林での狩猟に関する規制強化がある。18年に恵庭市内の国有林でハンターが誤射し、道森林管理局の男性職員が死亡した事件以降、平日の狩猟を規制するなどの措置が取られた。翌20年に緩和されたが、国有林を管理する北海道森林管理局によると、「以降は可猟区域と禁止区域を明確化し、それまで土日祝に限り認めていた禁止区域での狩猟も取りやめた」という。冬季の狩猟は一般に駆除と分けられ、報酬は出ないが、いくつかの自治体では冬季にも報酬を支払い、被害低減に努めている。こうした対応が自治体ごとに異なる理由を、「3年周期の役場人事により、詳しくなった頃には担当者が変わってしまうため」と指摘する猟友会関係者もいる。エゾシカが急増し、個体数の削減が必要とされている今、基準の統一化など仕組み作りが必要だ。

(クマに襲われた被害男性に聞いた、“生き残れた方法”とクマのその後:岩手)
近年、山中だけでなく、市街地でも増加しつつある熊被害。地球温暖化などの影響で、餌が減少したことが原因と考えられており、農業被害や死傷事故といった深刻なトラブルでたびたびニュースに取り上げられている。環境省によると、2023年4~9月の熊による被害人数は109人、件数は105件に上り、記録が残る平成19年度以降で最多を更新したという。特に岩手県では、例年一二を争う熊被害数を記録している。場所は山菜狩りやハイキング、散歩などケースはさまざまだ。そんな岩手県で9月29日に起こった“ある事件”がネットをざわつかせた。なんと、熊に襲われている一部始終を捉えた衝撃的な動画がX(旧Twitter)とYouTubeにアップされたのだ。被害に遭ったのは『原生林の熊』さん。普段は、地域おこし協力隊として活動しながらペット用品の販売をしており、YouTubeでは生配信をしながら視聴者とのやりとりを楽しみながら山菜やキノコ狩りの様子を配信している。今回、『週刊女性PRIME』は本人に直接話を聞くことができた。終始笑顔で取材に応じてくれた『原生林の熊』さんは熊が大好きな50代男性。9月29日、いつものようにYouTube用の動画を撮るため、帽子にカメラをつけながら舞茸などのキノコを採っていた直後の出来事だったという。「朝9時過ぎ頃、なにか動く音がしたのではじめは一緒に連れて来た犬かと思ったんです。すると、犬ではなく親子熊がほんの8m先にいました。子熊が木に登ったため、母親が臨戦態勢に入ったと確信。すぐ『おいこら!』と声を出して威嚇しましたが、母熊が突進してきました」。親子熊と人間の距離が15~20メートル程度になると、母熊のスイッチが入るそうだ。「3歳くらいのメスで大きさは体長1m未満、50~60キロ程度と小さめのツキノワグマ。大切なわが子を守ろうという強い母性愛を感じる必死の攻撃でした。私を襲った母グマはしつこかったものの、ちょっと噛みついてすぐに去っていきました」。まさしく“命懸け”のキノコ狩り。動画を見ると、わずか20~30秒の短い間だが、始終攻撃をかわしながらも自身も攻撃を続けている。生きた心地がしなかったことだろう。攻防の末、母熊は去っていったものの、噛まれて大怪我をしてしまった『原生林の熊』さん。傷は深かったものの、治療もあってか数日で仕事に復帰できたそう。「無我夢中だったので噛まれた瞬間は痛みを感じませんでした。破傷風になるといけないので、病院に行き治療。骨は無傷でしたが、太ももと腕を負傷しました(牙痕3・爪痕1・擦り傷3)。牙は斜めに2~3センチほど、深く入っていましたね。2日ほど患部洗浄・化膿止め・破傷風予防・点滴の処置をしてもらい、3日目には仕事に戻り山に入っていました。出血も3~4日は包帯に滲むほど出ていましたが、一週間もたったころにはすっかり血も止まっていましたよ」。しかし突然熊が突進してきても、普通の人間なら腰が引けて最善の方法を冷静に判断できないかもしれない。勝因は何だったのか?「私は山での仕事が長いので、クマに襲撃されそうになったら絶対“先制攻撃”をすると決めて、いつクマに出会ってもいいように常にシミュレーションしていました。周りにも『お前はいつかクマに襲われる』なんて言われてましたしね。だから、クマがいると気づいた瞬間、すぐに対応できたんだと思います。クマに背中を向けなかったこと、倒れなかったこと、諦めなかったこと、気迫だけは負けないという強い気持ちがあったから大事には至らなかったのかも」。また、性格が比較的穏やかな熊だったことで、少し噛みつかれただけで済んだことも幸いしたと分析しているようだ。「クマは非常に頭がいい生き物。個体ごとに性格も異なり、なかには噛みついたまま頭を振ったり、覆い被さって目を狙ったりするクマもいるんですよ。実際に被害にあって大怪我をしたという話は聞いたことがあります」。襲ってきた熊のその後について聞くと、「捕まえられてないですよ。頭がいいので、そう簡単には捕まらないし追跡自体がむずかしい。連続で人が襲われた場合は非常に危険なので、罠(ドラム缶や鉄わな)を仕掛けたりして猟友会が仕留めることはあります」。実は『原生林の熊』さんは25年ほど山で活動をしているにもかかわらず、熊とのニアミスは今回含めてわずか3回。長年山の仕事に携わる人間ならではの“熊よけ対策”もあるという。「大きな音が良いと言われていますが、50メートル先まで遠くまで響くような強力な音を発するものでないとあまり意味ないんですよね。だから私は、むしろクマの気配を聞き逃さないように、ラジオなどは使わないようにしています。あとは、急に後ろから突撃をやられないように吠える犬を連れて歩くことは大事です」。今回の経験を教訓に、対策グッズをいくつか購入したという。「今回はたまたま木の棒があって助かったので、攻撃用に『どっとこ』(とびぐちの巨大版、160センチくらいのもの)も購入しました。あとはサイレンと、風向きによっては意味ないけどスプレーですね」。ほかにも昨今の熊事情や岩手県の現状についても聞いてみた。『原生林の熊』さんによると、熊の遭遇パターン・対策は主に3つあるという。「まずクマが単体だった場合。一つ目は我々人間が山の中に入り遭遇するパターンです。この場合は、大抵クマの方が逃げることが多いです。二つ目はクマが餌を求めて民家の近くに来たパターン。食い気が勝っていて、普通の精神状態じゃないので、絶対に近づいてはダメです。あとは、人や作物を守るために本来放牧で使われる『電気牧柵』をクマ対策に使う家も増えてきました。最後は場所問わず子連れのクマの場合。これが1番危険で、私の場合このパターンでした。母熊のスイッチが入る距離に入る前に距離を取るのがベストで、犬がいれば、犬がクマに吠えて対峙している間に人間は逃げるのも有効です。このとき、クマとの距離を取りながら吠えるタイプの犬が最適。あと犬に首輪をつけているとクマの爪が引っかかって犬がけがをしてしまうので、はじめから首輪は取っておくといいです」。また、最近の熊被害の原因について尋ねると、シカやイノシシの数が増えたことも関係しているかもしれないという。「どんぐりが不作というのが民家のほうに下りてくる原因だと考えられますが、クマの冬眠中にどんぐりなどの木の実を最近増えているイノシシやシカが食べて、クマが食べる分が少なくなってしまうのかも。それで餌を求めて山から下りてくるパターンがあるのかなと思っています」。さらに、昨今熊の駆除に対して「かわいそう」という声が寄せられているが、生活環境が違うのでイメージできないのも無理はないと話す『原生林の熊』さん。「都会の方に住んでいる方々はイメージしにくいかもしれないのですが、私の住む地域は土地の8割ほどが森林や山のため、人間とクマの生息域が分けられないのです。全部がクマの生息エリアと言っても過言ではありません。よく『クマを殺さないで』『クマとの共生を』だったり、動画でも『攻撃されたクマが可哀想』と言われますが、人に育てられ懐いたクマでさえ、いつ豹変して人を攻撃するか分かりません。私自身もクマが好きですが、同じ生活区域で生きている以上、まずは自分たちの命が第一です」。今回の衝撃動画により、幸いにもチャンネル登録者が一気に数千人増えたという『原生林の熊』さん(10月21日現在1万人超え)。今月18日には、《熊と揉めた現場、あの後2回目で巨大舞茸に出会えました!一緒に現場検証もしてみました》と襲われた現場で元気に仕事をこなした様子も配信している。今年もこれから紅葉がきれいに見える季節が訪れるが、熊被害が激増しているので十分気をつけて過ごしてほしい。

(クマに遭遇した時の対応は:東京)
東京都内でも多摩地域でクマとみられる動物の目撃情報が相次いでいます。奥多摩町にあるダムの管理事務所では、複数の職員などが実際にクマを目撃し、クマの映像や写真も撮影されました。その映像や現地での対策のほか、クマに遭遇した時の対処方法について専門家に聞きました。紅葉狩りや登山で秋に訪れる人が増える東京都・奥多摩町の小河内ダムでは、9月28日に登山者が休憩などで利用する敷地内の登山道入口の広場で目撃情報が寄せられたほか、ことし7月にはダムを管理する事務所の複数の職員などが実際にクマを目撃し、クマの映像や写真も撮影されました。映像では親子とみられるクマが2頭、歩く様子が確認できます。クマが出没したのは一般の利用者は立ち入りができない場所でしたが、時間は夜間や早朝のほか、午後3時ごろの日中の時間帯もあったということです。都内でも多摩地域でクマとみられる動物の目撃やふんの発見といった情報が相次いで寄せられ、東京都によりますと、ことしに入ってから10月20日までに合わせて111件に上っています。管理事務所では、敷地内を警備員が巡回するときは腰に鈴をつけるほか、ことし7月からは運動会などで使われるスターターのピストルも鳴らしてクマが近づかないよう、対策を進めています。また、クマの目撃情報があった際にはそのつど、注意を呼びかける紙を周辺に掲示して、利用客に知らせるようにしています。東京都水道局 小河内貯水池管理事務所 中村哲生所長「音を鳴らすようになってから、目撃情報は減ったように思います。職員や施設を訪れる人の安全管理のためにも、今後も対策を続けていきたい」。環境省のまとめによりますと、9月にクマの被害にあった人は全国で38人で、9月の被害人数としては過去最悪となりました。環境省はクマが冬眠する12月まで被害が続くおそれがあるとして、農林水産省や警察庁など関係する省庁による緊急の連絡会議も近く開催し、クマ被害への対策を強化することにしています。クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授に、クマの出没が相次いでいる傾向や、クマに遭遇した場合の対応などについて聞きました。クマの数がじわじわと増えていくなかで、少しずつ、人が暮らしている場所に近い森にまで、クマが定着して暮らすようになってきたことが原因の1つではないか。また、クマは冬眠前に餌を充分に食べる必要があるが、ことしは特に森の中で木の実の不作傾向が強い地域が多いので、餌を求めて広い範囲を動き回るなかで人の目に付くような場所に出てきてしまうことが増えていると思う。冬眠に入る11月末ぐらいまではこうした傾向は続くとみられる。クマは瞬間的には時速50キロほどのかなりのスピードで走ると言われていて、少なくとも人間が走って逃げきれるような速さではないので走って逃げようと思うのはやめたほうがいい。静かに様子を見ながら距離をとることが鉄則で、『走らない』、『騒がない』ことが大切です。攻撃されたとしても、首の後ろやお腹などの急所を守るような姿勢で、じっとしているほうが、生存率が高いとされている。事前にホームページなどでクマの出没情報をチェックするのが大事で、最近、頻繁に出没しているような所には行かないことが一番いいと思いますし、出没する可能性があることは情報として持っておくべきだ。クマは基本的には人間が来たと思えば、身を隠したり逃げたりするので、手をたたいたり、鈴やラジオを鳴らしたりして人がいる気配をクマに伝え、遭わないにようにしてほしいし、万一、遭遇した時も冷静な行動を心けてほしい。

(“捕獲したクマ”のウンコに混じる鳥のくちばし?:小池伸介)
若くしてツキノワグマの生態を解き明かす新発見を重ね、今や日本を代表するクマ研究者となった東京農工大教授・小池伸介氏。その原点は山梨県の山岳地帯で道なき道をさまよい歩いたクマのウンコ拾いの日々だった。卒論のためにクマのウンコを夏の間ずっと捜し続け、やっと発見した9月。クマのウンコの回収、保管、運搬、そして分析のディティールがつまびらかに。未知の世界に体当たりで挑んだ一人の学生のフン闘記である。9月になって、ようやく拾えたというのは、季節的な側面も大きかった。よくよく考えれば、夏は気温が高いためウンコの分解が早かったのだ。また、9月になるとクマは冬眠に向けてカロリーの高いドングリを食べ始める。ドングリのウンコは粘土のようにどっしりしているため、分解されにくい。同じ年の夏からは、クマに発信機を付ける調査も始めており、クマの行動範囲もようやく正確にわかり始めていた。何度も山に入ったことで獣道の存在が頭に入るようになってきたことも大きい。山に入るたびに詳しいメモを残すようにしたこともウンコ発見に役立った。古林先生からは「何でもメモをしろ」とアドバイスされていたので、自分の歩いたところは全部地図に記録した。当時はGPSがなかったため、山に入りながら周囲の状況をメモしたのだ。例えばここに獣道があったとか、この道の右手には濃い藪があったとか、ここにクマ棚があったとか、こんな木が生えていてこの木にはこんな爪痕が残っていたとか、どこでウンコを拾えたかなどである。クマに関係なく、探検部の沢登りをしていたときの経験から、ここに〇mの滝があったとか、ここでこんな虫を見つけたとか、とにかく何でもかんでもメモしていた。そうやってメモすることで、見えてきたことがあった。クマのウンコは、快適なところで見つかるのである。例えば木の下の少し平らなところ、見晴らしの良いところなどだ。クマは木の上で、枝をざっくりと編んでベッドを作ることもある。そんな場所の下でもたびたびウンコが見つかった。よく考えたら、自分自身が山の中で用を足すときも、斜面の急なところでは踏ん張れないし、藪があると落ち着かない。しっかり食べて、ちょっとリラックスすると便意をもよおし、見通しの良い平らなところで踏ん張る。「自分だったらどこでしたいだろう?」と考えることで、クマの気持ちも想像できるようになった。徐々に養ってきたクマのウンコポイントを見る目が開いたとき、森の見方が変わった。最初の1個に出会ってからというもの、私は面白いほどウンコが拾えるようになっていったのである。今でも木を見ると、まずは幹に注目して爪痕がないかを確認する。次に地面に落ちたものを見る。大きな枝が落ちていたら、ウンコセンサーが反応する。こんなものが下に落ちているのは明らかに不自然だからだ。穴を掘った跡も、どんな動物が掘ったかが気になってしまう。ウンコ欲しさにクマの気持ちになりきると、山を歩くときに注目するポイントが変わるのだ。その反面、クマがいるはずのない東京と埼玉の都県境の狭山丘陵ですら同じポイントに注目してしまう。もはや深刻な職業病といっていい。ところで、クマのウンコは、どうやって回収するのか。まず、拾った場所の記録である。出どころ不詳の胡散臭いブツは論文の資料にならない。ちゃんと地図やGPSなどで場所を確認してメモして、由緒正しいウンコであることを証明しなければならない。次に周辺の植生をメモし、あとで分析の手がかりにすべく、色や形や大きさがわかるよう写真を撮るといいだろう。記録が済んだらいよいよ回収も本番である。ジッパーが付いた厚手のビニール袋を裏返して手にはめ、袋越しにウンコをつかんで袋を元に戻す。このとき、邪魔者を取り除くことを忘れてはいけない。まず、ウンコにくっついている落ち葉などは取り除く。でないと、あとで分析を行ったときに、それはウンコの中に含まれていたものかそうでないのかがわからなくなってしまうからだ。そしてもうひとつ重要なのが、糞虫を取り除くということだ。糞虫というのは、フンコロガシなどに代表される、動物のウンコをエサにする虫の総称である。こいつが実に厄介で、あごの力が強いため、混ざっているとウンコを包むビニール袋をいつの間にか食い破って動き回るので、リュックはウンコまみれになってしまう。ウンコ色に染まったリュックの中を覗いたときの絶望感といったらない。私は探検部で沢登りをしていた経験があったため、持ち物はすべてビニール袋に入れて濡れないように詰める習慣があり、最悪の事態は逃れたのだが、もしそうでなければ、目も当てられないことになっただろう。それでも、クマのウンコはほとんど無臭なのでまだ洗えば済むのだが、これがほかの野生動物の場合はなかなかニオイが取れない。例えばサルのウンコでやられた人を知っているが、ニオイが染みつき悲惨なことになっていた。リュックはもちろん、ウンコに触れたものも全部処分するしかない。具体的にあのニオイを表現するのは難しいが、動物園のきついニオイを想像してもらえればいいだろうか。深刻な金銭的ダメージを受けるだけでなく、心にも深い傷を負うことになるだろう。だから糞虫は丹念に取り除いておかなければいけないのだ。まあ私は昆虫好きなので糞虫は瓶の中によけて、持って帰ったのだが。糞虫だけでなく、クマがクルミを食べた場合も、硬い殻の破片がビニール袋に穴を空けてしまうので、袋を二重にして持ち帰る必要がある。こうして入念に事故の原因を取り除いてウンコを運ぶのだが、なんせ直径が約10cmで重さは500gほどもあるため、ひとつひとつがずっしりと重い。10個も拾えば、リュックがパンパンになって非常に重くなる。そのリュックを背負って山を歩くのは結構な苦行である。まったく拾えないのは辛いが、ホイホイ拾えてしまうのもそれはそれでしんどい。しかし、見つけるとつい嬉しくなってしまう。「これを全部拾ったら大変なんだよな......」とか思いながら結局全部拾って持ち帰ってしまうのであった。そうこうして集めたウンコは、研究室の冷凍庫に入れて分析まで保存しておく。研究室の冷凍庫に空きがない場合は、山梨の会社が持っていた現地ステーション(調査拠点)の冷凍庫にも入れさせてもらった。山梨のステーションには高速バスで通っていたため、ウンコを研究室に持ち帰るときには、高速バスの荷物置き場に入れて運んだ。紙袋に入れて直接手で抱えて乗ったこともある。富士急ハイランド帰りの若者がキャッキャしながら乗り込んでいた。まさにその隣の席で、若い男がクマのウンコを抱えているなど、想像すらしなかったに違いない。こうして集まったウンコの分析は、日程を決めて行う。前日にはあらかじめ冷凍庫からウンコを20個ほど出してトレイに置く。それを床に並べて解凍する。ただし、熱で中身が変質するから電子レンジやガスを使うなどは厳禁だ。ドライヤーを当てるのもダメ。ウンコは自然解凍でなければいけない。そして、手袋をはめてウンコをふるいの上に置き、水でドロドロした部分を洗い流す。すると、植物のタネや虫の脚など、消化しきれなかった硬いものが出てくる。それを見て、クマは何をどれくらい食べたのかを特定していくのだ。ところが私にはふるいの上に残った残骸が何なのか見当もつかなかった。当時、同じ研究室にクマをやっている人がいなかったので、先輩に聞くこともできない。仕方ないのでウンコを持って東京大学の博士課程でクマを専攻している人を訪ね、ドロドロを洗い流すところから見てもらって分析を進めた。植物のタネは、最初はどれが何のタネなのかがまったくわからなかったが、タネの図鑑を見ながら種類を同定していった。しかしそれでも自分の同定には自信が持てなかったため、4年生になってからは山にある果実を取ってきては自分で食べ、タネもくらべてみるということをした。野生のクマが食べるものはほとんど全部私も試食したと思う。また、ウンコの中のタネをウンコを冷凍する前に何粒かとっておき、プランターなどに植えて発芽させ、本当にその植物なのかどうかも確かめてみた。こうして、どれが何のタネなのかを少しずつ覚えていったのだ。クマの食べる果実や植物を自分で食べてみて思ったのは、クマはなかなかグルメだということだ。ただ、マムシグサだけはシュウ酸の刺激が強く、びりびりとした。それでもまずいものといったらそれくらいで、毒のある食べ物を食べずに済んだのは幸運だったのかもしれない。それで、肝心の糞分析の作業はというと、とにかく退屈だった。ひたすら水を流してドロドロの部分を流していくだけだからだ。このドロドロのせいで配管がしょっちゅう詰まるので、トイレのガポガポ(正式にはラバーカップとか通水カップという)でつまりを取らなければいけない。だから、非常に時間がかかる。しかも、そのころ私が所属していた研究室には実験室がなかったので、糞分析はほかの研究室の実験室を借りてやらせてもらっていた。しょっちゅう配管を詰まらせるものだから、その研究室からはいつも嫌な顔をされた。糞分析をするのは肩身が狭くて憂鬱だった。ときには、罠にかかって捕獲されたクマのウンコを分析することもあった。罠の中にあるウンコには鳥のクチバシのようなものが混ざることが多く、「トラップにかかったクマって鳥を食べるんだなあ」と思っていたのだった。ある日、同じ研究室の友達にそのクチバシを見せると、こんな指摘をしてくれた。「それって爪じゃない? ネコの爪も研ぐと古いのが落ちるよね。クマも同じなんじゃないかな」彼はネコと暮らしていたからすぐにピンと来たのだろう。私は飼ったことがないから全然わからなかったが、ネコの爪もクマと同じ鈎爪で、たくさんの層が重なっており、研ぐと古いものがキャップのようにぽろっと落ちて新しいものが押し出される。その鳥のクチバシのようなものも、同じなのではないかというのである。果たしてそれはクマの爪だった。罠にかかったクマの中には、自分のウンコにまみれながら暴れ、ガリガリと罠の内部をひっかく個体がいる。そのときにはがれた爪がウンコに混じったのだろう。研究室の仲間の指摘がなければ間違った分析結果を示しかねなかった。思い込みは危ないし、第三者の知見というのは貴重なものだと痛感したものだ。

(熊がかかりにくい特殊わな来春導入へ:熊本)
飯山市の山林で男性がくくりわなにかかった熊に襲われて死亡した事故を受け、市は23日、熊がかかりにくい特殊なくくりわなを来春から試験導入すると明らかにした。市は設置に関する安全講習会も行う。今回の事故は、男性がイノシシを捕獲しようとして設置したわなに熊がかかった「錯誤捕獲」が原因の一つとみられている。市はこの日、同市役所で開いた記者会見で特殊なわなの導入を明らかにし、実物を示した。通常のくくりわなは、踏み板を踏んだ動物の脚にワイヤなどの輪が巻き付き、脚が抜けなくなる仕組み。

(アユをカワウから守る!テグスを使った対策:鳥取)
アユを狙うカワウの被害を防ぐ対策が鳥取市を流れる千代川で行われた。千代川では、産卵時期の親アユが大型の水鳥・カワウに食べられる被害が続いていたため、5年前から産卵場所の周辺にテグスを張る対策をとっている。今年も千代川漁協の職員と、鳥取環境大学の学生らが川岸の約500メートルに渡ってテグスを張った。こうした産卵場所の保護や親アユの放流により、千代川を遡上したアユは去年にくらべ大幅に増加したという。千代川漁業協同組合 寺崎健一組合長「また、たくさんの稚魚が育って遡上してきてくれればと」。ふ化したアユは川を下り、海で成長して、来年の春には千代川を遡上する。

(変貌したクマ、人を恐れず日中でも市街地で行動)
全国の市街地でクマの被害が相次ぐ異例の事態になっていますが、一体なぜなのでしょうか。専門家は「今、人間とクマの立場が逆転している」と指摘しています。クマの生態を研究している、兵庫県立大学の横山真弓教授に話を聞きました。横山教授によりますと、従来の「ツキノワグマ」は警戒心が強く臆病な性格だそうです。そもそもは、昼間に行動するクマですが、人間が怖いので基本的には人里に降りてくるのは夜だったそうです。しかし今、市街地で人を襲っているクマの中には、変貌を遂げた個体がいる。そういったクマは人を恐れないため、日中でも市街地で行動するようになっているそうです。では、なぜ変貌した個体、いわゆる“都市型クマ(アーバンベア)”へと変わっていったのでしょうか。横山教授いわく、昔は山の周りを人間が切り開いて農業を営んでいたため、常に人間の気配がありました。また、クマは貴重なタンパク源や毛皮としての需要もあり、山に入ってのクマの狩猟が日常的に行われていました。なので、クマにとって人間は「遭遇したら襲われる怖い存在」という認識で、生息域は山の奥に追いやられていたということです。ところが1960年代以降は工業化が進み、山の周りから人間がいなくなりました。そして、生活をするために人間が山に入って狩猟する必要もなくなりました。すると、人間という天敵がいなくなり生息数も増えていき、山の麓など人里近いところにまでクマの生息域が広がっていったということです。そして現代にかけて、人里にはおいしい柿や栗などがあることを知ったクマが、どんどん市街地にも下りてくるようになりました。そうすると、人間と遭遇する機会も増えますが、遭遇したときに昔と違って人は攻撃してくるのではなく、驚いて逃げることがほとんどです。クマが何度もこうした経験をし、時間をかけて「人間は怖くない存在だ」と学習していったというわけです。そうしたことで現代と昔で人とクマの立場が逆転しているということです。こうしたクマの変化が土台にあるなか、今年は山の中での餌(えさ)が大凶作ということで、今年は市街地での人的被害が頻発していると横山教授は分析しています。横山教授は「対策をとらないと来年もまた同じ事態に陥る」と指摘します。対策としては、「人の生活圏近くに生息するクマを捕獲し、数を減らす」「出没した地域では、クマが近づく要因となる餌場(柿や栗の木など)の除去」が大切だそうです。こうした対策を両輪で進め、人の生活とクマの環境の境界を整えていくことが求められているということです。

(過去最悪ペースで人を襲うクマ、「2010年問題」追う専門家に聞く)
クマに傷つけられる。その数は今年4~9月、全国で109人。過去最多だった2020年同期の86人を超え、過去最悪のペースだ。クマの世界で何が起きているのか。日本の野生動物の生態研究の第一人者、大井徹・石川県立大特任教授に聞いた。――富山市で17日、自宅敷地でクマに襲われたとみられる79歳女性が亡くなった残念な事故です。付近では親子で徘徊(はいかい)するクマもいたようですね。子グマを連れた母グマは過敏に反応します。私も遭遇した経験があります。森林総合研究所にいたころ、調査のため岩手県の山道を車で走っていると、曲がり道の先に母子3頭が急に現れました。子グマが後ろの木の上に登るやいなや、母グマがダァーッと突進してきて、右前足でボンネットをバンッとひっぱたいてきた。乗っていたのは、ランクルのような大きな公用車ですよ? 爪痕が車体に残っていました。母グマはそのまま斜面を上がったので、窓を開けて写真を撮ろうとしたら、また走って来てにらみつけられたんです。大井さんは森林総合研究所(茨城県つくば市)で野生動物研究領域長を務めるなど、ニホンザルやクマの生態を研究してきた。――冬眠を控えた今のクマの日常は?えさを探して活発に歩き回っています。主な食べ物はブナ、ミズナラ、コナラのドングリ類。「hyperphagia(貪食)」という食欲亢進(こうしん)期です。普段なら十分に食べると満腹中枢が働いて食欲を抑えますが、今は食べても食べてもおなかが減った状態。90キロぐらいのクマなら1日で8千キロカロリーほどを食べるという報告もあります。12月には始まる冬眠中は飲まず食わずで、秋にため込んだ脂肪を消費しながら来春まで生き延びます。被害が急増している地域はドングリ類が不作で、富山県も同様です。不作の年には、強いクマがえさを独占します。弱いクマは強いクマに捕食されてしまうこともあります。山にえさがないからクマは人里に下ります。多くの栄養が必要な親子グマも人里に出てきます。子どもが捕食される可能性があるので、人里に逃げているのではという説もあります。柿、栗の実はドングリより粒が大きく、ごちそうです。クマからすると人里は「天国のような場所」と言えます。長年クマの生態を見てきた大井さんが、注目している動きがある。それは、2010年代から起こったクマの生活圏の変化だ。

(目撃"766件"クマ出没警報:宮城)
宮城県内ではクマの出没が大幅に増えていて県は全域にクマ出没警報を出し警戒を呼びかけています。専門家はクマの数の増加とエサ不足が背景にあると指摘しています。色麻町内の畑に残されたクマの足跡。畑の所有者が10日ほど前に見つけました。クマの足跡をたどると、その先にあるのは柿の木です。枝にはクマの爪痕も。24日午前0時20分頃、同じ木に登って柿の実を食べているクマを通りかかった人が目撃しました。県によりますと、県内での今年度のクマの目撃情報は10月20日時点で766件。また、10月は、20日までで147件と過去5年の同じ時期の平均の1.5倍を超えています。このため県は全域にクマ出没警報を出しました。期間は11月6日までです。専門家は今年はクマのエサとなるブナの実が東北で大凶作のためエサを求め行動範囲を広げていると指摘します。森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:「例えば栗や柿、農作物などクマにとってエサになるものが住宅地にあったらそれを食べ来てしまう。エサを求めて歩いているので人里近くに出てきてしまう」。また、この20年でクマの数が増えたことも目撃件数増加の要因だと分析します。森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:「クマの数が増えるのに伴って分布域も広がる住宅地とクマの分布域が接してしまっている」。県内では、今年6月、2人がクマに襲われけがをしたほか秋田や岩手などでもクマに襲われる被害が相次いでいます。森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:「恐いと思ってるんですね、クマのほうも。クマ鈴を鳴らして、身体につけておいて歩いているうちに勝手に鈴が鳴るのでクマが気付いてくれる」。県は・鈴やラジオで音を出す・朝夕の行動を避けるなどの対策をとるよう呼びかけています。大西さんは、「クマに存在を気づいてもらうことが重要だと」と指摘していて、万が一遭遇した場合は背を向けず走って逃げたりはしないでほしいと話していました。また、ヘルメットを装着することが命守る行動につながるとも話していました。

(クマを観光客が目撃:石川)
23日午後、石川県加賀市の美術館で駐車場を横切るクマが目撃されました。現場は石川県加賀市吸坂町の硲伊之助美術館で、23日午後4時ごろ、美術館の駐車場をクマ1頭が横切るのを観光客の女性が目撃しました。クマの体長はおよそ1メートルで成獣とみられ、加賀市の職員が付近にクマの痕跡がないか調べています。また、目撃された現場からおよそ200メートル離れた場所には南郷小学校があり、学校によりますと当時、児童はすでに下校していたということです。南郷小学校では保護者に対し24日の登下校は車で送迎するよう呼びかけました。

(多摩地域で“クマ”目撃情報相次ぐ:東京)
各地でクマによる被害が相次ぐ中、東京都では、多摩地域で目撃情報が相次いでおり、都は注意を呼びかけています。環境省によりますと、クマによる被害に遭った人は、ことし4月から先月までに全国で109人と過去最悪のペースで発生しています。東京都によりますと、都内では今年度、これまでに被害の報告はありませんが、多摩地域で、クマとみられる動物の目撃やふんの発見のほか、捕獲されたといった情報が相次いで寄せられており、今月20日までに合わせて111件にのぼっています。住宅地での目撃はなく多くが登山道や林道で、今月18日に町田市では、山の中にあるハイキングコース近くの沢でクマの出没が目撃されたということです。都内では去年、奥多摩町の山中で、猟友会の男性がクマに襲われてけがをするなどしており、都の担当者は「目撃などの件数は昨年度の同じ時期より減っているが、情報があった場所に行く際は、鈴を付けて鳴らすなど、被害に遭わないための対策をとってほしい」と注意を呼びかけています。

(イノシシ10頭が次々と国道を横断:青森)
走行する車の前をゆっくりと横断する小さな黒い影。正体はイノシシです。しかも一頭だけではなく、その数なんと10頭。一見かわいらしい映像ですが事故につながりかねないと撮影した人も運転には注意が必要と話しています。21日、青森県八戸市南郷から市街地に向けて国道340号を走行する車に搭載されたドライブレコーダーの映像です。緩い左カーブを曲がった先で黒い影がゆっくりと道路を横断します。「イノシシ」です。運転手が接触の危険を感じてスピードを緩めると次の瞬間、道路脇の林から子どもと見られるイノシシが次々と姿をあらわします。その数なんと「10頭」!同じ八戸市では10月に入ってイノシシ2頭が走行中の車に接触する事故も起きています。青森県内では動物が関係する事故が発生していて2023年8月から10月18日までの発生件数は高速道路を含めて少なくとも74件確認されています。動物との接触事故は車の破損だけでなく回避するために急ハンドルや急ブレーキなどによる事故にもつながりかねません。どんな場所で遭遇するかわからないことを意識しての運転が必要です。

(登校児童クマ目撃:石川)
25日午前7時20分ごろ、小松市林町の市道で、登校中の矢田野小5年生男子が道路を横切るクマの幼獣1頭を見つけ、同校が小松署に通報した。けが人はいなかった。同市内では11日、今回の目撃現場から北東に約3キロの木場潟公園東園地で男性がクマに襲われて重傷を負っており、相次ぐ出没に市や住民は警戒を強めている。小松市によると、クマは体長1メートル以下で、下粟津町方面に逃げたとみられる。午前中、市職員と小松署員、地元猟友会員が周辺を捜索したが、クマや痕跡は見つからなかった。市は防災行政無線で林町と下粟津町の住民に警戒を呼び掛けた。11日、木場潟公園東園地で男性を襲ったクマは体長1・5メートルの成獣とみられており、25日のクマとは大きさが異なることから、市は別の個体とみている。児童が通う矢田野小は緊急の会議を開き、同日午後1時から、教職員付き添いで集団下校を行うことを決めた。児童に対しては休み時間や帰宅後に屋外で遊ばないよう指導した。クマが目撃されたのは、こまつドーム周辺で、付近には住宅も多い。現場近くにある五十嵐接骨院の五十嵐久智院長(58)は「大人でも恐怖を感じるので、児童はよっぽどだろう。山と住宅地の境目が曖昧になっており、できる対策はしていきたい」と話した。市は11日の人身被害を受け、市内のパトロールを続けている。14日以降は朝夕2時間ずつ、警備会社に委託するなどして木場潟やこまつドームの周辺を中心に巡回しており、今月末まで継続する。

(ムクドリ『大量襲来』、全国被害『鷹匠』『悲鳴を録音再生』も効果薄く:兵庫)
兵庫県加古川市のJR加古川駅前に『ムクドリ』が大量襲来しています。これまでも全国各地で“ムクドリと人間の戦い”が繰り広げられてきましたが対策は難しいようです。10月24日に取材すると、兵庫県加古川市で空を黒く埋め尽くすムクドリの大群。 (商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「あれまだ第1波だと思います。第2波第3波とやってきますから。400~500匹はいると思いますよ、最終的にここに集まるのは」。第1波が飛んできてから10分後。最大の波がきました。商店街にある木にはびっしりとムクドリが止まり、けたたましい鳴き声が響き渡ります。こうした騒音だけではなく…。地面にはムクドリのフンがびっしりと落ちています。取材班のカメラにも5分ほどでフンがべっとり。商店街を通る人は木から離れて歩き、別の男性は一度自転車から降りたものの、ムクドリに気付き自転車を別の場所に止めました。地元住民らによりますと、ムクドリは数年前からこの場所に現れるようになったそうですが、今年は特に数が多いといいます。これまでも全国各地で繰り広げられてきたムクドリと人間との戦い。奈良市では過去に対策として天敵である『ハヤブサ』の模型を設置しましたがあまり効果がありませんでした。模型がダメならと、大阪府堺市では2013年、天敵のタカを投入して徹底抗戦。驚いたムクドリは一気に舞い上がるなどしましたが効果は一時的でした。高知市ではムクドリの悲鳴を録音して流しましたが改善には至らず。さらに去年、奈良市では拍子木を鳴らして追い払おうとしましたが…。音に慣れてきたのかすぐに戻ってくるなど、人間とムクドリのにらみ合いが続いています。加古川市でも、数年前から様々な場所でムクドリの群れが確認されていますが、今年は駅前にいつもより多くのムクドリが飛んできています。その理由について市は、去年伐採や剪定をした街路樹がたまたま商店街の近くに多く、それが理由で商店街にこれまでにない数が集まった可能性もあると話しています。市は対策のために木を切ることを商店街に提案したということですが、商店街側はこう話します。(商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「昔は木も何もない商店街だったんですけど、木をいっぱい植えて緑あふれる加古川の街にしようっていうのがコンセプトになっていますので、緑を大事にしたいと思っております。木を切らずになんとかできないかというのを検討中です」。

(クマ出没、農園でりんご食い荒らされる被害:群馬)
県内でクマの出没が相次ぐ中、中之条町の農園で先週、収穫を控えたりんごがクマに食い荒らされる被害がありました。この農園で、クマによるりんごの被害が出るのはおよそ20年ぶりだということで、農家では、収穫作業中に遭遇しないように畑でラジオを流すなど対策を強化しています。今月19日、中之条町の農家、福田秀樹さんの農園で、福田さんがりんごの手入れなどをしようと園内に入った際、木の幹にひっかかれたような傷があるのを見つけました。地元の猟友会のメンバーと詳しく調べたところ、木の周辺にクマのフンがあり、りんごを食べた跡が残っていたということです。この農園では、夏場に近くの畑で栽培している桃をクマに食い荒らされる被害はありましたが、この時期のりんごに被害が出るのはおよそ20年ぶりだということです。県内の山では、ことしは冬眠前のクマが食べるドングリが不作で、クマが餌を求めて出没するおそれが高まっていて、今月18日には東吾妻町で散歩中の女性が出没した1頭に襲われてけがをしています。福田さんは、収穫作業中にクマに遭遇しないように、畑でラジオを流してクマに人の気配を感じさせ、近づかせないようにするなど対策を強化しているということです。福田さんは「育ててきた果物に被害に出て、非常に残念です。クマと日中に遭遇することはめったにないと思うが、怖いです」と話していました。クマによる農作物の被害は、群馬特産のキャベツでも。嬬恋村で去年8月に撮影された映像です。辺りを見回した後、キャベツ畑に顔を突っ込むクマ。好物のキャベツの葉を次々と食い荒らしていきます。嬬恋村では、農家に対して、電気柵を設置するなどの対策を呼びかけていますが、畑の範囲が広いことなどから、毎年、キャベツの収穫期を迎える夏から秋になると、クマによる被害が出ているということです。

(シカ目撃、中心部で続く:北海道)
札幌市中心部で25日、前日に続いてシカの目撃が相次いだ。16日以降、複数の個体が中心部に迷い込んだとみられ、シカの目撃による110番は、札幌市内の9警察署管内で16~25日に計150件に上った。シカの生息数が道内全体で増える中、札幌市近郊でも増加傾向が続いていることが背景にある。シカは10~11月に繁殖期を迎えて活動が活発化することから、専門家は「市中心部で今後も出没する可能性が高い」と警戒を呼び掛けている。

(「全国ジビエフェア2023」開催)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、農林水産省「令和5年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)等の消費拡大のため「全国ジビエフェア2023」を2023年11月1日(水)から2024年2月29日(木)まで開催します。全国のジビエメニューを提供する飲食店・ホテルや、ジビエの加工品、ペットフード、皮革製品等を販売する小売店、ECサイトを特設サイトで紹介し、国産ジビエの魅力を知ってもらい、消費者の「ジビエを食べよう!ジビエを買おう!」を推進します。また、広く周知されつつあるジビエの魅力をさらに深掘りし、「新しいジビエの食べ方」を提案することを目的に、ぐるなびのビッグデータや会員へのアンケート調査をもとに予測・選定した、今後流行しそうなジビエ料理=トレンドジビエとして「温活ジビエ」、「韓流ジビエ」、「ワンハンドジビエ」を発表しました。この新しい取り組みを通し、食のトレンドに適合したジビエの価値を創出することで、ブームではなく文化として未来の食生活にジビエがプラスされることを目指しています。農作物への鳥獣被害対策等のため鳥獣捕獲が増加する中、捕獲鳥獣を地域資源として利用し「マイナス」の存在から「プラス」の存在に変える取り組みが推進されています。「全国ジビエフェア」では、ジビエを生活の中にちょっと「プラス」することで、自分のため、他の誰かのため、社会のためにちょっと「プラス」になることなど、「プラスジビエ」をメインのコンセプトとして設定し、国産のジビエの魅力を伝え、ジビエをもっと知って・食べてもらうことを目的としています。全国約1,054店の飲食店や小売店等が参加し、より幅広くジビエを楽しむことができます。参加店舗は、2024年2月末まで募集しています。特設サイトでは、「おそとでジビ活」としてジビエメニューを提供する飲食店等を掲載したり、「おうちでジビ活」としてジビエ等を販売するECサイト等を紹介しており、全国各地のジビエが食べられる・買えるお店を検索できるようになっています。また、複数の特集テーマを設け、テーマに沿った様々なジビエの楽しみ方を提案していきます。さらに、各都道府県等で行われるジビエ関連イベント等、ジビエに関する情報も、幅広く紹介していきます。また、ジビエに関する情報発信や全国ジビエフェアを知ってもらうため、インスタグラムアカウント「全国ジビエフェア(@gibier_fair)」にて、ジビエ料理の魅力を発信しています。2023年11月~2024年2月にわたり、各月ごとに投稿テーマを設定し全国ジビエフェアに参加している飲食店情報を中心に紹介します。

(イノシシ肉使ったピザが最優秀賞:千葉)
千葉県内で捕獲・処理・加工されたイノシシなど野生鳥獣の肉を使い、料理の味や見た目を競う「房総ジビエコンテスト」が23日、千葉市緑区で行われ、イノシシの肉を使ったピザとカレーパンがそれぞれ最優秀賞と優秀賞を受賞した。この大会は、房総ジビエの知名度向上や需要拡大を目的に平成30年に始まり、今回のテーマは「加工食品」。全26の応募作品の中から書類審査で選ばれた5作品が最終選考の実食審査に臨んだ。最優秀賞には、成田市のイタリア料理店「ピッツェリア ポジターノ」の佐久間啓さんによる「房総食彩Pizza~ragu di cinghiale~」(イノシシの煮込みという意味)が選ばれた。よく煮込んだ県産のイノシシと彩り豊かな県産野菜を、もちもちの生地の上にあしらった。佐久間さんは「大変うれしい。すべて県産の食材で料理を作れないかと考えた」と喜びを語った。優秀賞には、市原市の養老渓谷にあるカフェ「サトモノ屋」の掘エミイさんによる「渓谷ジビエのキーマカレーパン」が選ばれた。イノシシの臭みをスパイスと赤ワインでうま味とコクに変え、ルーをサクサクの生地で包んだ。掘さんは「頑張ってきたかいがあった。協力してくれたお年寄りに報告して喜んでもらえるとうれしい」と話した。23日の最終選考には受賞したこれら2作品のほか、「いのししみそキューブ(コーヒー風味)」と「鹿モモ肉リエット」、「小野川カレー」が挑戦した。

(「房総ジビエフェア2024」の参加店舗を募集:千葉)
県では、房総ジビエのおいしさを多くの皆様に味わっていただき、更なる房総ジビエの消費拡大を図るため、「房総ジビエフェア2024」を開催します。このフェアに参加していただける飲食店や小売店を、10月24日(火曜日)から募集(※注2)いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

(エゾシカ角食品の原料製造へ:北海道)
台湾の製薬会社「順天堂」など3社でつくる合弁会社「Kanoco(カノコ)」(上川管内当麻町)は23日、同町内で順天堂が計画していたエゾシカの角を使った機能性食品の原料製造を、この合弁会社が来年10月にも始めると発表した。原料は順天堂で利用するほか、2025年1月から外部への販売も予定している。

(シカ料理楽しんで、消費拡大へ11月フェア:北海道)
空知総合振興局などは11月1日から23日まで、空知管内各地の飲食店で多様なエゾシカ料理を楽しめる「そらちエゾシカフェア2023」を開催する。岩見沢や滝川、深川など管内11市町の計24店舗が、浦臼町内の施設で処理加工したエゾシカ肉を使った料理を提供し、エゾシカ料理の消費拡大を目指す。

(「今後もジビエを食べたい」と約90%の参加者が回答:山梨)
山梨県は、山梨の魅力ある食材の一つである「やまなしジビエ」について、品質の高さを認識していただくため飲食店等でジビエを使ったオリジナルメニューを提供する「やまなしジビエフェア2023」を開催します。 昨年度開催した「やまなしジビエフェア2022」では、イベント参加後にアンケートにお答えいただいた方のうち約90%の参加者から「今後もジビエを食べたい」と高評価をいただきました※。 今年は県内の飲食店等17店舗にて、「やまなしジビエ」を使った料理を提供します。是非、この機会に山梨の自然が育んだ、「やまなしジビエ」をご堪能ください。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後4時45分ごろ、仙台市青葉区みやぎ台1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後4時ごろ、仙台市青葉区芋沢高野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、26日午後1時30分ごろ、栗原市栗駒松倉寺下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、26日午前10時30分ごろ、栗原市栗駒沼倉耕英南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区みやぎ台2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後4時40分ごろ、仙台市泉区福岡森下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前10時30分ごろ、仙台市青葉区郷六葛岡にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、24日午後4時20分ごろ、栗原市鶯沢南郷砂押にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、24日午後3時50分ごろ、栗原市築館下宮野川南にクマが出没しました。

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10/25
(70代女性「日本紅斑熱」で死亡、マダニにかまれたか:静岡)
静岡県は10月20日、熱海保健所管内に暮らす70代の女性がマダニが媒介する日本紅斑熱に感染し、死亡したと発表しました。静岡県内で、日本紅斑熱が原因で死亡したのは、2023年では初めてとなります。県によりますと、70代女性は10月12日、発熱や体が動かなくなるような症状があり、熱海保健所管内の医療機関に入院しましたが、容体が急変し、翌日、亡くなりました。症状からダニが媒介する感染症の疑いがあったことから、静岡県環境衛生科学研究所で血液検査を行ったところ、日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出され、18日に日本紅斑熱であることが確認されたということです。亡くなった女性は、「自宅の庭で作業中に虫に刺された」と話していたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニにかまれたことにより、感染したと推定されるとのことです。2023年、静岡県内での日本紅斑熱による死者は初めて、感染者は7人目となります。日本紅斑熱は、病原体をもつマダニにかまれることで感染し、高熱や発疹の症状が出て、重症化した場合は死に至ることもあります。県内では2018年以降、今回を含めて41例が確認され、そのうち、3人が亡くなっています。マダニの活動は、秋まで盛んといわれていて、県は、野山や草むら、畑などに入る場合は、長袖や長ズボン、足を完全に覆う靴を着用するなど、肌の露出を少なくしてほしいと注意を呼び掛けています。

(80代男性がクマに襲われけが:岐阜)
22日午前、岐阜県飛騨市で、80代の男性がクマに襲われ、頭や足にけがをしました。男性は、病院への搬送時、意識があったということです。22日正午前、岐阜県飛騨市神岡町船津で、80代の男性がクマに襲われてけがをしたと近所の人から消防に通報がありました。飛騨市によりますと、男性は、頭や足にけがをしていて、ドクターヘリで富山県内の病院に搬送されたということです。搬送時は、意識があったということです。警察や消防が駆けつけたところ、すでにクマの姿はなかったということで、警察などが当時の状況を調べています。飛騨市によりますと、市内ではクマの目撃が相次いでいて、ことし4月から22日までの目撃件数は92件と、すでに昨年度1年間の3倍近くにのぼっているということです。また、男性が襲われた場所の近くには小学校があるため、市では、23日からこの小学校の通学路を、現場をう回するよう一部変更するほか、鈴などの鳴り物を持たせるよう保護者に呼びかけるということです。男性がクマに襲われた現場近くにある飛騨市立神岡小学校の北平明美教頭は「あすはたくさんの児童が現場を通るので、保護者には、可能な限り送っていただくとか、別の道にう回して登校するようにと連絡しています。今後も様子をみていきたい」と話していました。警察や市は、周辺をパトロールするとともに、無線などで住民に注意を呼びかけています。

(キノコ採り中に突然クマが、80代男性が鼻骨折:山形)
山形県大石田町の林で22日、キノコ採りをしていた80代の男性がクマに襲われ、鼻の骨を折る大けがをしました。22日午後3時ごろ、大石田町鷹巣の林で近くに住む80代の男性がクマに襲われたと男性の家族が警察に通報しました。警察や消防によりますと男性は病院に搬送されましたが、鼻の骨を折る大けがをしました。男性は午後2時ごろから1人でキノコ採りをしていたところ突然クマが現れて襲われたということです。クマは体長1メートルほどで、男性が抵抗すると逃げていったということです。男性はその後、妻に電話でクマに襲われたことを伝え、自力で林から自宅近くの農道まで歩いて避難したということです。現場はJR北大石田駅から西におよそ1.3キロの林で、近所の人によりますと現場周辺では、頻繁にクマが目撃されていたということです。警察は現場周辺をパトカーで巡回するなどして警戒を呼びかけています。

(80mがけ下に車転落も、シカ猟70代の男性2人意識あり:北海道)
22日午後1時半ごろ、北海道南富良野町金山の未舗装の山道で、「クルマで山を登っていたが崖から落ちた」と消防に通報がありました。警察や消防によりますと、70代の男性2人が乗る車ががけ下に約80メートル地点まで転落しました。この事故で2人は病院に搬送されましたが、いずれも意識はあるということです。通報者は車を運転していた男性で、車がぬかるみにはまりそのままがけ下に転落したといい、男性は自力で車から脱出し、電波の届くところまで移動し自ら携帯電話で通報したということです。通報を受けて警察や消防が現場に駆け付け、転落した車の助手席にいた70代の男性も救助しました。助け出された2人は病院に搬送されましたが、いずれも意識はあるということです。2人はシカ猟のために山に入っていたと話しているといい、警察は事故の原因などを調べています。

(住民がクマに襲われ搬送:富山)
富山市で住民がクマに襲われ救急搬送されました。23日午後2時49分、富山市の安養寺で住民がクマに襲われたと家族から110番通報がありました。襲われた住民は救急搬送されましたが、今のところ意識はあり、命に別状はないということです。クマがまだ近くに潜んでいる可能性があるため、猟友会が猟銃を携帯して見回っているほか、警察が付近の住民に対し家の2階に避難するよう要請しています。現場は住宅地で、2kmほど離れた場所では先週、女性が庭でクマに襲われ死亡しています。

(住宅で女性が動物に襲われ手足にけが、クマか:栃木)
22日夕方、栃木県足利市で80代の女性が動物に腕やひざをかまれてけがをしました。警察は、クマやイノシシの可能性があるとみて注意を呼びかけています。22日午後5時ごろ、栃木県足利市名草下町にある住宅の庭で、この家に住む81歳の女性が手を洗っていたところ、突然動物に襲われて手足をかみつかれました。左腕と左ひざにけがをしましたが意識はあり、命に別状はないということです。警察によりますと、急に襲われたため、女性ははっきりと動物を見ておらず、体長は60センチから70センチほどで黒かったということです。動物はその場から逃げ、警察は、クマやイノシシの可能性があるとみて、付近をパトロールするなど注意を呼びかけています。現場は、足利市役所から北東に5キロほどの山あいで、田畑の中に住宅が点在する地域です。

(柿の木に「クマ対策」のセンサーライトを設置中「クマ」に襲われる:岩手)
22日夕方、岩手県花巻市の住宅の敷地内で80代の男性がクマに襲われ頭にけがをしました。警察によりますと22日午後5時半ごろ、花巻市石鳥谷町大瀬川の無職・畠山松五郎さん(88)が、自宅敷地内の柿の木に1人でクマよけのためのセンサーライトを設置しようとしていたところ、クマに襲われました。畠山さんは頭や顔を引っかかれ、矢巾町の岩手医大・県高度救命救急センターに運ばれました。鉾バレる際に意識はあり、命に別状はないということです。クマの行方は分かっていません。周辺は田畑が広がり、住宅が点在しています。また花巻市高松では23日午前6時ごろ、作業小屋の木製の扉が壊され、米袋1枚が破られる被害が見つかりました。扉の近くに足跡があり、クマによる被害とみられています。

(クマ駆除、1頭あたり5000円慰労金:秋田)
秋田県内でクマによる被害が相次いでいることを受けて、佐竹知事は狩猟を担う人たちが多くのクマを駆除できるように、1頭あたり5000円の慰労金などを支給する最大1500万円の関連費用を盛り込んだ補正予算案を12月の定例議会に提案する方針を示しました。こうした支援は秋田県では初めてのことです。県内でことし、クマに襲われるなどしてけがをした人は23日正午までに53人で、これまでに最も多かった年の3倍近くに上っています。これについて佐竹知事は23日の記者会見で「例年よりも遅い時期までクマが出没する危険性があり、注意が必要で、特に市街地中心部でクマを目撃した場合、迅速な注意喚起につなげるためすぐに情報を寄せてほしい」と呼びかけました。そのうえで「来月から狩猟期間に入り、狩猟を担う人たちが多くのクマを駆除できるように県として財政的な支援をしていく」と述べました。具体的には、駆除したクマ1頭あたり5000円を慰労金として支給して運搬にかかる費用などに充ててもらうほか、狩猟で用いる銃弾の費用を補助するということです。こうした支援は秋田県では初めてのことで、佐竹知事は最大1500万円の関連費用を盛り込んだ補正予算案を12月の定例議会に提案する方針を示しました。また、佐竹知事はクマが出没した時期や状況などのデータを対策に活用するため、今後、外部のIT企業に分析を委託する考えを示しました。

(ブナの実、大凶作:岩手)
東北森林管理局(秋田市)は20日、今秋の岩手県でブナの実がほとんどならない「大凶作」と発表した。豊凶指数は7年ぶりにゼロとなり、餌を求めるクマが人里に出没しやすい環境となっている。人的被害が多発し、県などが最大限の警戒を促している。調査は9、10月に県内24カ所の国有林で実施した。全く実がついていない「非結実」が23地点、ごくわずかについている「一部」が1地点だった。結実状況は調査を点数化し、上から「豊作」「並作」「凶作」「大凶作」の4区分がある。大凶作は豊凶指数1・0未満が目安となり、ゼロとなるのは2016年以来。福島県を除く同管理局管内の東北5県は全て大凶作となった。

(80代男性がクマ被害の飛騨市、現場近い小学校で児童守る対応:岐阜)
22日、岐阜県飛騨市で、80代の男性がクマに襲われ、頭や足にけがをしました。襲われた場所の近くの小学校では23日、保護者の送迎や集団登下校への教諭の付き添いなどの児童を守る対応を取りました。22日正午前、岐阜県飛騨市神岡町船津で、80代の男性がクマに襲われました。警察によりますと、男性には意識があり、頭や足にけがをしてドクターヘリで富山県内の病院に搬送されました。警察や消防が駆けつけたところ、すでにクマの姿はなかったということで、警察などが当時の状況を調べています。男性が襲われた場所の近くの小学校では23日、現場をう回する通学路の変更に加えて、保護者が児童を送迎したり、集団での登下校に教諭が付き添ったりするなど対応をとりました。保護者は「まさか自分の子どもの学校の近くで被害があると思っていなかったので心配です」などと話していました。飛騨市立神岡小学校の北平明美教頭は「見守りやお迎えのおかげで、安心して登校できたことにまずほっとしました。でもまだ気が抜けないので当面、対応を続けていきます」と話していました。飛騨市によりますと、市内ではクマの目撃が相次いでいて、ことし4月から22日までの目撃件数は92件と、すでに昨年度1年間の3倍近くにのぼっているということです。小学校では、児童を守る対応を当面、取り続けることにしています。

(クマも都市型?人的被害深刻)
全国でクマによる人身被害が相次いでいる。環境省が発表した4~9月の速報値では15道府県で計109人に上り、過去最多のペースだ。住宅街や農地といった生活圏で鉢合わせになる例も多く、専門家は市街地近くの森林などで育ち街中に出没する「アーバン・ベア(都市型のクマ)」の存在を指摘。木の実の不作も影響し、人を怖がらないクマが餌を求めて動いている恐れがある。

(「修理費は50~60万円」クマと車が衝突した男性が証言:青森)
青森県内では2023年にクマの出没が過去最多となっているほか、シカなどの野生動物の出没が相次いでいます。こうしたなか多く発生しているのが動物が関係する事故です。事故が起きた時にどう対処すればいいのでしょうか。道路脇から突然現れる動物。「危ない!」と思った時には事故は避けられない状態になっています。10月15日には青森県八戸市大久保地区でも発生していました。車と衝突したのはイノシシ2頭でした。こうした動物が関係する事故は県内でも多く発生しています。2023年8月から10月19日までの発生件数は高速道路警察隊の28件が最も多く、次いで八戸署の8件、このあと、むつ署と五戸署の5件などとなっていて県全体では74件に上ります。万が一、動物との衝突事故があった場合どうすればよいのでしょうか。青森県警察本部交通企画課 田中光男次長「車の走行に起因しているのであれば交通事故と認定されます。110番もしくは最寄りの警察署に通報してください(通報しない場合)対応によってですけれども、当て逃げ等で処罰されるおそれがります」。また、動物が死んでしまったとき、道路に放置したまま去ることは危険だといいます。青森県警察本部交通企画課 田中光男次長「あとから来る車が動物にぶつかったり、避けようとしてあやまって路外の障害物にぶつかったり、そういう危険性があります。車が高速で運転すればするほど、危険性は大きくなる」。警察のほかに対応が必要となるのは保険会社への連絡です。2023年5月に北海道紋別市でクマと車が衝突した男性が証言をしてくれました。車は運転席側の車体が大きくへこんでしまっています。クマが関係する事故があった北海道紋別市の男性「(保険会社から)修理費は50~60万円といわれました。うわーですね。警察にすぐに届出を出したので事故処理してもらえたので保険がききました。担当された方もシカはよく聞きますけれどクマは初めてですと言われました」。動物と衝突した時、警察に事故として届け出をしていなければ、原則、保険の対象となりません。また、そもそも車両保険でもすべての事故を対象にしている「オールリスクタイプ」であれば動物が関係していても保険金がおりますが、対象となる事故を限定した「エコノミータイプ」だった場合、支払われないことが多くあります。日本損害保険協会東北支部 生駒新一事務局長「車両保険という種類の自動車保険に入っていればカバーはできる。エゾジカとの衝突における車両保険の保険金支払額の調査をしていまして参考にお伝えしておくと平均で56万円の保険金の支払いをしている」。さらに、事故が起きた時には動物が関係しているからこそ気を配らなければいけない点があると北海道紋別市の男性は警察官から教えられたといいます。クマが関係する事故があった北海道紋別市の男性「(警察官に)『クマとかをはねたときは、車から出ないでください』と言われました。『けがをしてクマも興奮しているから、外にいたら襲われる可能性があります』」。青森県内でも2023年は過去に例のないペースでクマが姿を現しています。万が一の事態を想定して対応を確認してみることが大切になりそうです。

(ヒトとクマとの“境界”があいまいに:新潟)
全国ではクマによる人的被害が過去最多のペースで発生していて、今年度は新潟県内でも6人がけがをしています。被害が増えている背景には餌不足に加え『アーバンベア』というクマの存在がありました。新潟県南魚沼市長崎に住む阿部正明さん(70歳)は、9月3日の早朝に自宅の脇で庭木に水やりをしていたところ、体長1mほどのクマに襲われ、顔や手をかまれました。更にクマは、助けようとした妻にも襲い掛かりました。阿部さんの自宅があるのは山から100mほどの距離ですが周囲には民家が集まっていて、これまで集落にクマが出たことはほとんどなく、人を襲った例は聞いたことがなかったと阿部さんは話します。8月には、見附市の県道を走っていた車からクマが目撃されています。民家から30mほどの場所で、クマは道路を横切っていました。さらに、関川村ではクマが網戸を突き破って民家に侵入。猟友会の男性が腕をひっかかれ、けがをしました。県内では今年度、クマの目撃や痕跡の発見が781件あり、6人がけがをしていますが、すでに昨年度の数字を上回っています。なぜクマは人里に降りているのでしょうか?その答えの一つが“山”にありました。野生生物などを研究している新潟大学農学部の箕口秀夫教授に同行しました。阿賀町の山中で、クマの生態を観察するため山中に仕掛たカメラのメンテナンスに向かっています。その途中、枝が枯れたクルミの木を見つけました。「これがクマ棚と言われているもので、クマがクルミの木を持って周りの枝を手繰り寄せた時に折れてしまったものが枯れてぶら下がっているものです」「今年はオニグルミ以外に餌が限られているので、多くのクルミの木に、このようにたくさんのクマ棚が作られています」。『餌不足』から、クマ棚が多くみられているそうです。新潟県の調査によりますと、今秋はクマの餌となるブナの実が県内全域で『凶作』となっています。実際に山の中を歩いてみても…【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「この林でも並作であれば、もう今の時季にどんぐりが落ちているんだけれども、こうやって見渡してみても、なかなかドングリが見つからない…」。餌の不足でクマの行動圏も変わっているそうです。大きなクルミの木がある場所に設置された定点カメラの映像を見てみると…【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「決まって毎年この場所を使うクマも映っているんですけれども、今年はそれ以外に“初めまして”のクマが何頭も映っている」。クマが例年以上に広範囲で移動していることが分かると言います。【新潟県鳥獣害対策支援センター 渡部浩所長】「クマの出没警戒警報を県として発表させていただきます」。お腹を空かせたクマが「餌を求めて街中に降りてくる危険性が増している」として、新潟県は今年9月に、3年ぶりの『クマ出没警戒警報』を発表しています。これから冬前にかけて「より危険度が増す」と、新潟大学農学部の箕口教授も指摘します。【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「冬眠までにはまだ2か月以上あると考えると、その間クマは餌がない状況の中で餌を求めなければいけないということで、人里や市街地といった所に気をつけなければいけない」。クマの人里での出没が増えている理由は餌不足“以外”にもありました。【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「アーバンベアと言われているのは、私達の生活の場所に出てくるクマ。人里に降りるクマが今、どんどんどんどん増えているという状況です」。2015年に撮影された阿賀町の人里近くに現れたクマの様子を見ても、威嚇の爆発音にも動じず、車が通り過ぎる音でやっと反応していました。警戒心が強いとされるクマが、人間に慣れている様子がうかがえます。【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「餌を探して食べ物を探してヒョイっと出てくると、もう人里になってしまう…。それは新潟県だけではなくて多くの中山間地で起こっているし、もっと人口の多い都市などにも、同じような場所ができあがっている」。こうした“アーバンベア”が増えている理由について箕口教授は、農村地域の高齢化や過疎化によって耕作放棄地が増えたり狩猟者が減り、クマと人との距離が近くなったことなどがあると考えています。野生動物の住みかと人間の居住地との境界があやふやになっているのです。箕口教授は、クマを人里に招かないために、餌となる果実を放置しないことや生ごみを適切に処理するといった対策に加え、長期的な取り組みも必要になると指摘しています。【新潟大学農学部 箕口秀夫教授】「私達が暮らしている場所と動物たちが暮らす場所との間にわざと、動物たちが行動しづらいような環境を作り出してあげること。時間がかかるかもしれませんけれども、これを計画的に進めていく必要がある」。人間とクマは今後どのように共存していくのか…。模索が続きます。

(ヒグマ駆除650件の抗議、新人ハンターの思い:北海道)
「なぜクマを殺したのか」。北海道で60頭以上の牛を襲った「OSO18」を駆除した釧路町のハンターに抗議が相次ぎ、住宅地付近に出没していた母グマを駆除した札幌市には約650件の批判が寄せられた。今月5日にツキノワグマを駆除した秋田県美郷町にも抗議が殺到しているという。道庁の算定によるヒグマの推定生息数は’90年度には5200頭だったが、’20年度は1万1700頭に。30年間でほぼ倍増している。今年度は全国のクマによる人身被害も過去最悪のペースだという。当然、クマの駆除に関するニュースは増え、報道のたびに全国で反対の声が上がる。そうした批判や抗議は北海道三笠市の若きハンター、高崎梨徒さん(24)の耳にも届いている。「クマが出没すれば対処します。それが僕の役目ですから。冬眠前の食いだめの時期に入り、ここ2、3週間、クマの動きが活発になってきています。今もし通報があれば、僕は出動しなくてはなりません」。クマ駆除に反対の声が上がろうと、若きハンターは揺るがない。名古屋市生まれ。北海道の酪農学園大学を卒業後の昨年4月、鳥獣対策専門員として三笠市の地域おこし協力隊に採用された。現在、市の農林課に勤務し、北海道猟友会三笠支部にも所属している。「クマ出没の通報が入ると、僕は役所の専門員として出動します。身軽に動ける立場なので、いち早く現場に駆けつけることができるんです」。鳥獣対策専門員になるまで猟銃に触れたことはない。散弾銃を持ち始めたのは昨年の10月からだという。「農林課に許可をもらい、冬の間、山を知るために毎日のように山中を歩きました。猟友会の熟練ハンターさんに師事して、同行させてもらったり。冬の山でクマ撃ちについていろいろ教わりました」。北海道は、残雪期の捕獲を奨励する「春グマ駆除」を’90年に廃止したが、人里への出没を抑えるために今年から「春期管理捕獲」を許可した。高崎さんもこの春、師匠と共に捕獲に臨んだ。「僕が初めてクマを駆除したのは4月の22日です。鉄砲を持ってちょうど半年経った頃でした。春期管理捕獲の期間中、三笠市は4頭のクマを駆除していますが、そのうちの3頭は僕が撃ちました」。箱罠にかかったクマの捕殺には、昨年の夏に立ち会っている。「檻に入ったクマを銃で止め刺しするのを初めて見て以来、何度もフラッシュバックに苦しみました。吠える声とか檻を揺らす音は、今も鮮明に思い出せます。1年前まで僕は、罠は悪だと考えていたんです」。子どもの頃から動物が好きで、動物園によく通った。ペットの勉強がしたくて、動物の飼育方法などを学べる愛知県内の高校に進学した。「もともと動物愛護派で、高校のときに愛玩動物飼養管理士の資格を取りました。その頃から、動物の殺処分には強い抵抗感があったんです」。そんな「名古屋のシティボーイ」は、酪農学園大学に在学中、無知な自分を自覚することになる。「3年になって生物多様性保全の研究室に所属したんですが、自分が何もわかっていなかったことを痛感させられました。『山に餌がないからクマや鹿が街に出てくる』『人は動物との共生を目指すべきだ』と考えていた僕に、先生は『山に入ってみろ。食べ物は十分ある。共生じゃなくて共存だ。意味を理解して使っているのか』と。頭でっかちのシティボーイにガツンと言ってくれたんです。 僕は高校生のときに犬や猫をはじめ、野生動物から外来種まで含めて、人間の都合で生き物を殺すことを批判していました。なぜ駆除が必要なのか、まったく考えもせずに。研究室に入って道内各地のフィールドを見て回って、そこで働く人に話を聞かせてもらい、価値観が変わりました。現場をちゃんと知りたいと強く思うようになったんです」。そして卒業後の進路に選んだのが、三笠市の鳥獣対策を担う地域おこし協力隊だった。「実は、三笠市が求めているのがクマ撃ちの担い手だということを、協力隊員になってから認識したんですよ。もうやるしかないという感じだったので、農林課の職員さんや先輩ハンターさんにアドバイスをもらって。けっこう努力したなと自分でも思います」。これまで6頭のクマを猟銃駆除した。銃を背負い始めて1年、心情の変化に驚いているという。「罠での捕殺には今も、抵抗がまったくないわけじゃありません。ても、1年前の気持ちとはちょっと違います。 捕殺に立ち会い始めた頃は、罠にかかった個体は本当に市街地に出没していたクマなのかという疑念が消えませんでした。人間社会に被害を与えるクマを、僕は確実に撃てるようになりたい。そうすれば無駄に殺されるクマが減ると考えていたんです。 でも、クマがこれだけ多いと、単純に母数を減らしていくしかない。罠での捕殺も必要なのかなと今は思っています」。猟銃でクマを撃つことに対しては、罠に比べて抵抗が少ないという。「何度も街に出没しているクマで、僕らも爆竹を使ったり車で追いかけてクラクションを鳴らしたり、できる限りのことをした上で、最終的に猟銃駆除の判断を下しています。 引き金を引くときは、やっぱり怖いです。弾を撃って外せばクマに反撃される。やるかやられるかの状況で、こちらも本気で獲りにいかなければならないので、罪悪感を覚える暇はありません。 師匠には『引き金を引けないならクマ撃ちはあきらめろ』と言われました。でも、今年の春にクマを撃つ機会が何度かあって、ちゃんと引き金を引くことができたから、適性は一応あるんじゃないかと思います。 自分の技術次第ですが、弾が命中すればクマは一瞬で死ぬので、少ない痛みで楽に逝かせてあげられます。最初はひどかったんですよ。狙ったところに当たらなくて、何発も撃ちました。それまで鹿を何頭か仕留めていて、天狗になっていたかもしれません。それが、いざクマを目の前にすると動悸はすごいし、冷静ではいられませんでした。動揺が射撃に表れて、クマに痛い思いをさせてしまった。自分はまだまだだなって、すごく悔しかったです」。北海道新聞によると、同紙特報版が公式LINEでヒグマ駆除に関するアンケートを実施したところ、89.7%が駆除に「賛成」と回答した。「以前より出没が増えて切実になった」と答えた人は85.4%。「駆除に関する批判をどう思うか」との問いには、「批判している人たちは、もし自分や家族などがヒグマに襲われたら…と考えてみてほしい」「実際に出没地域に暮らしている側としては、ヒグマの存在は命に直結する問題」といった声が寄せられた。北海道のヒグマ駆除に対する「なぜ殺した」「クマがかわいそう」などの批判や抗議の大半は、道外からのものだ。「かわいそうという感情が湧くのはわかります。名古屋のシティボーイだった頃の僕もそうでしたけど、クマが街中を歩くなんて現実味がなさすぎて、想像がつかないんだと思うんですよ。 でも現実に、ここではクマが民家のそばや小学校の裏山に出てきてゆうゆうと歩いていたり、農作物を食い荒らしたりしています。『なぜ殺すのか』と声を上げている外野の人たちは、小学生が襲われたときに責任を取れますか? 住民に危害が及ばないように、僕らは対処しないといけないんです」。学校の裏山を歩いているのは、プーさんでもなければテディベアでもないのだ。「想像力の問題という気もしますし、動物が絡むと自分を見失うのかもしれないですね。かわいそうと思うこと自体は否定しませんが、その感情を他人に強要するのはよくないと僕は思います。 役所やハンターに抗議の電話やメールが来ると、現場の動きが制限されるんですよ。役所も、駆除したことを地域に知らせると批判されるので公表しなくなります。三笠市も市民に駆除の報告をしていません。役所に抗議までする人はいないですけど、『駆除するな』『追い払えばいいじゃないか』という声は上がります。山に囲まれた三笠でさえ、クマが出没する地域とそうでない地域に大きな温度差があるんです」。9月下旬、道がヒグマ捕獲への理解を求めるメッセージを公式X(旧Twitter)に投稿した。背景には、ヒグマ駆除に従事したハンターへの相次ぐ抗議が、地域の「クマ捕獲の担い手」確保に支障を及ぼしかねないとの懸念がある。クマの生息数が増え続ける一方で、道猟友会の多くの支部は高齢化と担い手不足に直面している。三笠支部も40代以下の若手は高崎さんを含め5人で、ハンターの大半は60代以上だ。「ハンターが高齢化していて、このままでは猟友会が限界を迎えることは間違いないです。だから地域おこし協力隊の任期終了後は、若い人がハンターとして生計を立てられるように、法人をつくることができたらなと考えています。ゆくゆくは、自分が培ったクマ撃ちの技術を次の世代につなぐ仕事をしたいという希望もあります。 そのために今は自分なりにできることを精一杯やって、経験を積む時期だと思っているんです」。

(普通列車がイノシシと衝突:長崎)
JR九州によると、21日午後7時38分ごろ、長崎線肥前麓―中原間で上り普通列車(江北午後6時53分発鳥栖行き)がイノシシと衝突した。この影響で同8時10分現在、同線や鹿児島線、佐世保線でダイヤが乱れている。

(乗用車が体長約1メートルのクマ?と接触:山口)
21日午前5時半ごろ、山口県岩国市大山の国道2号で、60代の男性が運転していた乗用車が、左側のやぶの中から出てきたクマと思われる動物と接触しました。岩国署によりますと、乗用車の左側のバンパーに接触したということで、運転手が現場に戻るとすでにその動物は立ち去っていました。接触前にライトに照らされた動物は、体長およそ1メートル、黒色だったことから、イノシシではなく、クマと思われるということです。運転手にけがはなく、警察はパトカーによる警戒を行っています。

(新快速がイノシシはねたか:兵庫)
21日午後9時25分ごろ、兵庫県姫路市のJR山陽線、網干(姫路市網干区)-はりま勝原(同市勝原区)間で、播州赤穂発野洲行き新快速が、イノシシとみられる動物1頭をはね、停車した。新快速は約20分後に運転を再開し、乗客約30人にけがはなかった。線路の安全などを確認し、午後10時過ぎに全線で運転を再開したが、大阪方面の新快速が最大52分遅れるなど、計12本が遅れ、約5900人に影響した。JR西日本によると、イノシシとみられる動物は線路に入ってはねられた後、線路上に倒れたという。

(厳戒態勢もクマ見つからず:富山)
富山市では住宅の庭にクマが出没したとの通報があり、警察や猟友会がパトロールをおこない厳戒態勢をとりましたが、今のところ発見には至っていません。20日午前7時35分ごろ、富山市安養寺で「自宅の庭にクマが入ってきているのを見た」と家の人から通報がありました。通報を受け警察は周辺に規制線を張り、猟友会も猟銃を手にとって厳戒態勢をとりました。周囲は畑や茂みが多く警察と猟友会がクマの姿を慎重に確認しますが、クマの姿は見当たりませんでした。現場は国道41号の交差点から東に250メートルほどの、田んぼのなかに住宅が点在する地区で、熊野川沿いに位置しています。17日夜にクマに襲われたとみられる女性が亡くなった現場からは2.5キロほどの距離です。規制線が解除されたあと、クマの目撃情報があった富山市安養寺の住宅には、猟友会が捕獲用のワナを設置していきました。富山市内ではこのほか月岡町で午前4時15分ごろ、新聞配達員が「クマに追いかられた」という通報も市に寄せられています。目撃情報があった現場周辺の小学校ではきょうも保護者が子どもの送迎をするなど警戒を強めています。

(住宅にイノシシ侵入:山形)
山形市大森の住宅に21日午後10時25分ごろ、イノシシ1頭が侵入したと、住人から110番通報があった。1階の窓ガラスを破って入り込み、台所や客間のふすまなどが壊された。住人4人が家にいたが、2階に避難し、けがなどはなかった。イノシシは入ってきた窓から、外に出て行ったという。山形署によると、イノシシの体長は1メートルほどで、成獣とみられる。同10時20分ごろ、この家に住む自営業遠藤明さん(51)が1階掃き出し窓のガラスが割れる音で侵入に気付いた。遠藤さんが確認したところ、イノシシが1階の台所から居間に向かって走っていたため、全員で2階に避難した。現場は大森公民館から南東約300メートルの住宅街。同署は周辺にパトカー5台を出動させるなどし、注意を呼びかけた。

(クマが道路に飛び出し軽乗用車にぶつかる:宮城)
事故があったのは、宮城県大崎市の県道利府松山線です。警察によりますと、10月20日午後5時50分ごろ、体長1メートルほどのクマが道路上に飛び出し、走行中の軽乗用車の左後部座席のドアにぶつかりました。車には運転手を含めて3人が乗っていましたが、けがをした人はいませんでした。運転手が危険を感じ、現場から離れたところから110番通報。警察官が現場に向かいましたが、すでにクマの姿はなく、発見には至りませんでした。事故現場の周辺は田畑や山林が広がる住宅が点在する地域です。宮城県によりますと、2023年度、寄せられたクマの目撃情報は、10月2日までで622件と、前の年の同じ時期と比べて、134件増加しているということで、県は「クマ出没注意報」を出して警戒を強めています。

(クマ被害防止にマタギの知恵:長野)
植林したスギやヒノキの表皮をツキノワグマにはぎ取られてしまう被害を防ごうと、長野県林業総合センター(塩尻市)と鹿児島市の農薬メーカー「サンケイ化学」が独自の対策を編み出した。シカやカモシカの食害対策や「マタギ」の猟に使われていた成分を活用することで、被害やコストが大幅に軽減。被害に悩む林業経営者らに注目されている。スギやヒノキの表皮のすぐ内側には、根から吸い上げた水分や葉で作った栄養分を通す「形成層」がある。同センターによると、クマはこの形成層を食べるため、木の幹の硬い表皮をはぎ取ってしまう。歯や爪を使い、わずか数秒で自分の体と同じくらいの大きさをはぎ取るという。表皮がはぎ取られると木の幹に雑菌が入って材木として使えなくなるばかりか、面積が大きいと枯れてしまうこともある。

(狩猟体験、命の現場を知るツアー:岐阜)
シカ肉の加工販売や飲食店、宿泊事業などを手がけるキサラエフアールカンパニーズ(岐阜県揖斐川町)は、アウトドアや狩猟を体験するツアー「ワイルド ハンティング ディスカバリー」の参加者を募集している。1泊2日でバーベキューやコテージでの宿泊を楽しみながら、シカの狩猟や解体の現場を見学するパッケージツアーで、担当者は「命や自然を身近に感じ、学んでもらえたら」と話す。ツアーでは、初日に谷汲地域で専門家がくくりわなを設置する様子を見ながら、わなの種類やシカの違いなどについて解説を受ける。2日目は、狩猟の現場を見た後、町内の解体処理施設で、血抜き処理や内臓の部位ごとの解体などの作業を見学する。参加者は、残酷ではありながらも生きていくために必要な場面に触れる。同社としては初めての企画で、同社ジビエ事業部の加藤成一部長は「肉というと、スーパーマーケットでトレーの状態で並んでいるイメージがある。どのような過程で食卓に届けられるのかや、命の現場を知ってもらいたい」と狙いを語る。ツアーではこのほか、石窯で焼く本格ピザの提供やシカ革の加工体験がある。バーベキューでは飛騨牛や美濃けんとん、シカ肉、アマゴ、地元の野菜が用意され、夜にはたき火を囲む時間もある。宿泊場所は、今年4月にオープンした簡易宿泊施設「a laise campすめらぎの森」(同町)で、シャワーやトイレ、ベッドなどを完備したコテージとともに、屋外にテントが備え付けられている。同社の所千加社長は「家族でアウトドアや料理を楽しみながら、環境や食材の恵みに理解を深めるきっかけになれば」と話している。

(増えすぎたクマ、ジビエとして普及へ:青森)
東北各地でツキノワグマによる食害や人的被害が相次ぐ中、世界遺産「白神山地」の麓にある青森県西目屋村は、苦境を逆手に取ったジビエ(野生鳥獣肉)の普及に取り組んでいる。おりで捕獲したクマを食肉に加工し、新たな観光資源として活用する。マタギの精神が息づく村で、人とクマの共存を模索する。

(ジビエ専門店のペットフード:広島)
イノシシやシカの肉など「ジビエ」の希少な部位を高級レストランに卸している「備後ジビエ製作所」(広島県福山市)は今年6月からペットフードブランド「gibi∞one(ジビワン)」を立ち上げ、健康志向の愛犬家から注目を集めている。現在はさらなる認知度アップのため、クラウドファンディングも開始したが、その背景には獣害問題に取り組んできた同社代表の前田諭志さんの熱い思いがあった。広島県東部の備後地域は全国的にも「ジビエ」でよく知られる。この「備後ジビエ製作所」は広島県福山市で初めての野生鳥獣の認定施設として2018年8月に開業した。処理施設とフード工場を併設しており、捕獲から加工、商品になるまでのすべての工程を一元管理。特に希少な部位は東京、大阪などの高級レストランに重宝されている。というのも、「当たり外れがある」といわれるジビエ肉において、この地域で育ったイノシシはよしにつけ悪しきにつけ、栗やタケノコ、ドングリ、ミカンなどおいしい大地の恵みをたっぷり食べて育っており「最高級猪肉」として全国でも親しまれているからだ。また、シカも害獣として捕獲されており、令和2年度にイノシシは1659頭、シカは72頭。捕獲数は年々増加傾向にあり、農作物も甚大な被害を受けていることから、その対策としてもジビエを使った犬向けのペットフードが注目されてきた。では、なぜ、犬がイノシシやシカのジビエ肉を好むのかというと、もともと祖先が肉食のオオカミだったことからで嗜好性が強いとされる。また猪肉は栄養価も高く、豚肉や牛肉と比較すると、タンパク質は多く、脂質は少ない。「ジビワンのすべての商品は脂を丁寧に取り除いたお肉を加工しているので、より高タンパクで低脂質」と代表の前田諭志さんは話す。もっとも、一方で山あいの町では多くの問題点を抱えていた。猟師や捕獲者の高齢化に伴い、マンパワーが足りない現状に加え、有害鳥獣の捕獲後に解体処理や焼却施設がないため、これまでイノシシやシカの約9割が山に埋設処理しなければならないのが現状だった。大阪で飲食店7店舗、ドッグラン施設1件を経営し「ジビエ専門の飲食店を出したい」と考えていた実業家の前田さん。そんな現状を知ると「廃棄される命を大切にしたい」という思いが強くなり、なんと、自らが広島県に赴き、2017年から広島県福山市でジビエ解体処理施設をつくり、運営に乗り出したのだ。その後は猪肉や鹿肉を飲食店に販売してきたが「もっと多くの人にジビエの存在や魅力を広めたい」という考えが強まり、それがペットフードに結びついていく。今年3月には広島県の神石高原町にペットフード向けの施設をオープンさせ、6月には新ブランド「ジビワン」を立ち上げた。「犬用に特化した栄養豊富で嗜好性の高い、新鮮でおいしいジビエを日本中のワンちゃんにお届けしたい」と熱く語る前田さん。一番は多くの人にジビエの魅力を広げ、農家の獣害被害を少しでもなくしたいという思い。それに加えて「ペットであるワンちゃんにもご馳走を食べてもらいたい」との思いから栄養豊富で嗜好性が高いジビエ肉で、こだわりぬいた美味なペットフードを次々と誕生させた。「できたてパリパリで食べられる無添加ジャーキーや使い勝手の良い猪パラパラミンチなどもそのひとつ。ごはんを食べないワンちゃんやシニア犬のためには水分と栄養が摂れるスープや、ペースト状のスティックも用意。すべては”ワンちゃんファースト”の製品になっています」実際に口コミで「夢中になって食べてくれる」「老犬の食欲が回復した」など多くの反響があるとのこと。それを受け、前田さんはより広く知ってもらおうと応援購入サービス「CAMPFIRE」を開始した。クラファンのタイトルは「高級レストランに卸すジビエ専門店のペットフード「gibi∞one(ジビワン)」でリターンにはワンちゃん用に「無添加おやつセット」など、支援者用には「ぼたん鍋セット」などを用意している。

(食や工芸品通じてジビエの魅力PR:愛知)
ジビエ(野生獣肉)の活用促進を図り、広く市民にジビエをPRするイベント「ジビエマルシェ」が22日、豊田市矢並町の鞍ケ池公園で開かれた。市と獣肉加工処理施設「山恵」の主催。シカ肉やイノシシ肉を使用したカレーやフランクフルトなどのグルメ、シカ角の工芸品を販売する店など約20店が並んだ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時30分ごろ、仙台市泉区明通2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日、仙台市泉区西田中杭城山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、24日午前7時20分ごろ、栗原市高清水上折木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、24日午前5時40分ごろ、色麻町高城上ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後2時20分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、23日午後1時45分ごろ、富谷市三ノ関狼沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後6時ごろ、仙台市青葉区芋沢宅地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後3時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢本郷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後5時20分ごろ、仙台市泉区福岡大畑前にクマが出没しました。

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(女子中学生が帰宅中に襲われたか:秋田)
秋田県内では19日、市街地でのクマの出没が相次いだ。北秋田市の中心部では通学途中の女子高校生など男女5人が相次いで襲われた。同日夕には同市で女子中学生がけがを負った。目撃情報も相次ぎ、関係者は警戒を強めている。北秋田署によると、午前6時40分頃、同市鷹巣で散歩していた女性(81)が襲われたと119番があった。救急隊が現場に到着後、近くでけがをした別の女性(83)も発見した。午前7時頃には、約800メートル北のバス停で女子高校生(16)が襲われたと119番があり、午前7時20分頃にも近くで女性(82)が被害を受けたと119番があった。約4時間後の午前11時20分頃には、近くで男性(66)がクマに襲われたと119番があった。北秋田市消防本部によると、女性(83)が左腕の骨を折る重傷を負ったほか、他の4人も頭や顔、左腕などをかまれたり、ひっかかれたりしたという。北秋田市などによると、被害発生後に市街地北側の綴子川を渡り、山に逃げるクマ1頭が職員らによって確認されている。クマが出没したのは、JR鷹ノ巣駅近くの中心商店街。女子高生が襲われた現場近くのガソリンスタンド店員(36)は「育てている山中の梨園が食い荒らされる被害で困っていたが、こんなところにもクマが出るとは」と話した。JA秋田たかのす本店では、玄関のガラス戸1枚が割られているのを出勤した職員が発見した。クマによるものとみられ、同JAの担当者は「市街地に出没して気が気でない」と表情を曇らせる。北秋田市農林課の担当者は「鷹巣の市街地でこれだけけが人が出たのは初めて。降雪期を迎えるまで、この異様な状況が続くのではないか」と警戒を強める。クマの出没を受け、現場近くの市立鷹巣小学校は休校となった。明石桂教頭は「集団登校などで安全に配慮してきたが、近くで被害が出て驚いている」と青ざめた表情で話した。このほか、午後6時45分頃、北秋田市五味堀でも「妹がクマにかまれて出血している」と119番があった。女子中学生(14)が学校からの帰宅中にクマに襲われたとみられ、病院搬送時、頭部などから出血していたが、会話はできたという。由利本荘市の中心部でもクマの目撃が相次いだ。由利本荘署などによると、午前7時半ごろ、同市石脇の民家敷地で木に登ってクリを食べるクマ2頭を住人が発見した。午後2時半頃には、同市八幡下の市道脇にクマがいるのを通行人が目撃。午後4時10分には警戒中の警察官が近くの八幡神社の杉に登るクマを発見した。県警地域課によると、クマによる人身被害は52人。出没件数は18日時点で2327件、2790頭となっている。

(絶滅寸前だったエゾシカが現在は72万頭:北海道)
13日、札幌市南区の公園で5頭のシカが目撃された。さらに、16日にも札幌市中央区の住宅地でシカが出没。絶滅寸前だったエゾシカが急増し、北海道でのシカによる被害額は、年間約45億円にも上っている。シカが地面に顔を近づけ、草を食べている。その数、5頭。13日、札幌市の公園で撮影された映像だ。手前のシカが、顔を上げてカメラの方を見るが、逃げもせず、そのまま食べ続ける。札幌市では、16日も住宅街でシカが出没した。過去には、交差点に飛び出したり、線路に群れで侵入し、列車と衝突寸前になったこともある。北海道でのシカによる被害額は、年間約45億円にも上っている。エゾシカは一時は絶滅寸前だったが、現在は72万頭が生息している。なぜ、ここまで増えたのだろうか。酪農学園大学 狩猟管理学研究室・伊吾田宏正准教授は、「シカは放っておくと毎年2割増しくらいで増える。北海道全体で十数万頭を毎年捕獲しているが、捕り足りなくて増えている」と解説する。市街地での捕獲が難しいため、今後は移動ルートを遮断するなどの対策が必要だということだ。

(東北5県でブナの実「大凶作」)
東北森林管理局は20日、クマが主な食料の一つとしているブナの結実状況が、管内の東北5県(福島を除く)すべてで最悪評価の「大凶作」だったと発表した。ブナの実が少ないことで、餌を求めてクマが人里に近い場所に出没し、人身被害の要因になっているとみて、関係機関は警戒を呼びかけている。同局は毎年秋、青森、岩手、宮城、秋田、山形の5県の計145カ所でブナの結実状況を目視で定点調査している。今回、各県で全く実をつけていない「非結実」の調査地点が大半を占めた。結果は4段階で判定され、全5県で最も悪い「大凶作」となるのは2019年度以来だった。岩手県では、23年度のクマによる人身被害が19日までに35件発生し、36人が負傷、2人が死亡した。負傷者は統計を取り始めた1993年度以来、過去最多で、1年に複数の死者が出たのも初めて。岩手県の達増拓也知事は20日の定例記者会見で「クマと遭遇したことがあるけれど大丈夫だった、という過去の例を基準に安全性を過信せず、クマへの警戒を一段高めていただかなければならない」と述べた。

(クマの農作物被害急増、昨年比13倍:青森)
クマによる農作物への食害が急増している大鰐町で、対策を協議する緊急の会議が開かれ、町の職員や猟友会などによるパトロールを行うことを新たに決めました。大鰐町では、クマによるりんごなどへの食害が急増していて、今年度は39件、被害額が181万円余りとなっています。町は19日、クマの捕獲体制など対策を話し合うための緊急の会議を開き、地元の猟友会や警察など16人が参加しました。会議では、町の職員や猟友会などによる組織を作って捕獲のためのパトロールを新たに行うことを決めました。具体的な規模や回数などは、今後、検討を進めるということです。町内では今年度、人がクマに襲われる被害は出ていませんが、会議では今後、人が襲われるケースが発生した場合に備えて、警察などへの連絡体制を確認していました。県猟友会大鰐支部の山中泰彦事務局長は「猟友会の人も足りず、箱わなもすべて設置していてできることはすべてしている状態です。クマは早朝などによく出没するので特に気をつけてほしい」と話していました。大鰐町農林課の田中利幸参事は「これからりんご主力品種『ふじ』の収穫が本格化するが、クマの活動も盛んになると思われるので、少しでも食害、人的被害を抑止できるようにしたい」と話していました。

(全国で相次ぐクマの被害、目撃件数は去年の約2倍に:岐阜)
クマによる被害が全国で相次いでいます。岐阜県恵那市でも10月16日、ガソリンスタンドで子熊が見つかりました。近くの小学校では緊張が走りました。10月16日の午前11時半ごろ。倉庫の中を動き回る1頭の子熊。壁をよじ登り、窓から逃げていきました。逃げた子グマは、その後に警察と猟友会によって捕獲。幸いけが人はいませんでした。猟友会の会長は…。(恵那市猟友会 伊藤次二会長)「(子グマは)この春に生まれたのではと思う。それに母親がついていないかと、それが心配」。このため現場近くの小学校では、下校時には児童に保護者が付き添うよう呼びかけられました。また、恵那市の多くの小学校で児童に改めてクマに注意するよう呼びかけられました。こうしたクマの出没は全国でも…。19日午前6時半ごろ、秋田県北秋田市の市街地で、80代の女性3人と10代の女子高校生、合わせて4人がクマに襲われ、けがをしました。4人はいずれも会話ができる状態で命に別状はないということです。また、午前11時過ぎには同じ北秋田市の別の場所でも60代の男性が襲われ、頭と顔にけがをしました。さらに、17日には富山市でも79歳の女性が自宅の敷地内で遺体で見つかりましたが、頭やあごにひっかかれたような傷があったほか、近くにはクマの足跡があり、警察は女性がクマに襲われたとみています。環境省によると、ことし4月から9月までにクマに襲われる被害にあった人は全国で109人。この時期としては過去最多です。ではクマに遭遇したらどうしたらいいのか、専門家は。(ぎふ哺乳動物研究会 梶浦敬一さん)「できるだけ脅かさないで、じっとする。市街地だと夜8時くらい、昼間が出ることは、よほどない。夜間の外出は控えてください。山へ入る時には笛を鳴らす、ラジオを鳴らす、話をしながら行く」。東海地方でも相次ぐ、クマの目撃情報。岐阜県では4月から9月の目撃件数は、去年の同じ時期と比べ、2倍近い436件、被害件数は4件です。県は注意を呼びかけています。

(人里にクマ接近「警戒を」出没予測が最大4倍に:兵庫)
兵庫県森林動物研究センター(丹波市)はこの秋、但馬地域北西部を中心にドングリ(堅果類)の実りが悪いことから、人里周辺でツキノワグマの出没が増える恐れがあるとして、住民に警戒を呼びかけている。同センターがまとめたドングリ類3種の豊凶調査によると、今季は標高が高い場所に生えるブナやミズナラの結実が特に悪く、平年値の3分の1未満に当たる「大凶作」と判定。コナラを含めた総合判定は3年ぶりの「凶」となった。

(クマの出没が2022年の7倍、住宅近くに足跡と爪痕も:福井)
福井でクマの出没が相次いでいる。2023年はエサとなるドングリが不作で、クマが住宅地に出没する可能性が高いとされていたが、現実のものとなった。行政は夜間は出歩かないなど、命を守る行動を呼び掛けている。この秋、山を多く抱える福井・勝山市では特にクマの出没が多い。10月13日、市職員のパトロールにカメラが密着した。訪れたのは一軒の民家。前日、畑の上に敷いたシート上にクマの足跡が発見された。山に近い住宅地で、150メートルほど離れたところには小学校がある。住民の男性によると、前日の足跡以外にクマの痕跡は何もなかったようで、訪れた市職員もほっとしている様子だった。また住民の男性は「柿の実は全然ない。昨日もクマが来たけれど、エサがないと思って帰ったのでは」と話す。2023年にクマが出たのは初めてだが、過去には何回も出ているようだ。「夜は怖いので外に出ない。山に食べ物がないから集落に出てくる、仕方ない」と男性は肩を落とした。福井県内では9月以降、クマの目撃や痕跡の確認が相次いでいる。勝山市では9月から10月12日までで、28件の出没情報があった。これは2022年同期比の7倍だ。大量出没があった2020年と比べると少ないものの、猛暑などが影響しピークがずれ込んでいる可能性がある。10月11日にクマの痕跡が確認された集落も訪問した。住宅のすぐ近くの木には大きなクマの爪痕が残っていた。市職員は「木を上って柿の実を食べた」と推定する。本来は冬眠に向けて脂肪分の高いドングリを食べるが、2023年は山にエサがないので、住宅地まで柿を食べに来ているという。市は地元の区長に依頼し、柿の木にトタンを巻くことでクマが登りにくくする対策をとった。また、カメラを設置して、クマが再び集落に下りてこないか監視を続けている。勝山市農林課・出口恭裕さん:冬眠を前に、クマは行動を活発にしていくので、雪の降る前くらいまで警戒を続ける必要がある。集落の中でエサになるもの、特に柿は早期に収穫してもらう、それが難しければ伐採も検討してほしい。クマの行動時間は夜間なので、早朝や夕方の単独行動は控えて、クマと会わない対策も必要。2023年は全国各地で人がクマに襲われる被害が相次いでいる。9月末時点で109人と、過去最悪のペースで増加。10月に入ってからは、石川や富山でもけが人が出ている。福井県は大量出没があった2019年や2020年のように、クマが市街地にも出没するようになると人的被害の危険性も高まるとして、注意を呼び掛けている。

(住人死亡受け、県がクマ緊急対策会議:富山)
富山市江本で17日、クマに襲われたとみられる70代女性が亡くなったことを受け、県は19日、関係者を集めた緊急対策会議を開いた。10月に入って出没が増えていることから、クマに出合わない、引き寄せない対策を呼びかけている。県によると、10月の出没件数は、18日現在118件で、昨年10月1カ月の22件に比べて大幅に増えている。1~10月までの合計は303件で、昨年1年間の221件を上回っている。県は、クマに出合わないために、住宅や車庫、倉庫などの戸締まりの徹底と、山里の集落では朝夕の外出や農作業を控えるよう呼びかけている。クマを引き寄せないためには、地域ぐるみで集落に隣接するやぶなどを払い、草刈りを進めるよう求めている。自宅周辺では、柿などの果樹の実や木の撤去、生ごみなどの除去をして警戒するよう求めている。随時出没情報を確認し、危険な場所には近づかず、果樹の伐採も昼に複数人でするよう呼びかけている。出席した市町村の担当者からは、県の補助金に要望が出た。県はクマへの注意喚起や捕獲に対する補助金に600万円の予算を付けているが、パトロールや啓発に使えるのは一つの自治体で上限30万円となっている。担当者からは、出没多発地域になると足りなくなるとして、これを拡充してほしいとの要望が出された。県は検討を進めると応じた。

(クマ被害受け、緊急の対策本部会議:長野)
先週、飯山市で、クマに襲われたとみられる男性が死亡したことを受けて、県は、10日、緊急の対策本部会議を開きました。県は自治体などと連携し、クマの目撃情報が寄せられた地域周辺で緊急点検を実施するほか、クマが潜むことができるやぶを見つけた場合には、刈り取りなども行うとしています。県内では、今月14日、飯山市の山林内でクマに襲われたとみられる80歳の男性が死亡しているのが見つかりました。これを踏まえ、県は、20日、緊急の対策本部会議を開き、クマの目撃情報が寄せられた地域周辺で緊急点検を実施することを決めました。その上で、クマが好む柿やくりなどが放置されている場合、廃棄するほか、クマが潜むことができるやぶがあれば、刈り取るとしています。また、シカやイノシシ用のわなにクマがかかった場合、自力でわなから逃げ出す可能性もあるため、クマが出没しやすい場所にはシカやイノシシ用のわなを設置しないよう呼びかけています。クマの生態に詳しい県環境保全研究所の黒江美紗子研究員は、「どういう場所にクマが出やすいのかや、何がエサとなるのか地域の人たちに知ってもらうことが本当に大切だ。不要な果樹は残さず、やぶは取り払うなどクマにとって魅力的ではない環境にすることが短期的にも長期的にも必要になる」と指摘しています。

(自然保護課が語った捕獲・殺処分の「現状」)
全国各地で相次いで報告されるクマの出没。10月19日にも岩手県で70代の夫婦が襲われたと一斉に報じられ、世間を震撼させている。報道によれば、通報があったのは同日午後2時ごろ。夫婦が岩手県八幡平市の山林できのこ採りをしていたところ、先に妻(75)がクマに襲われ、助けようとした夫(79)も襲われたとのこと。夫は頭や手首などに重傷を負い、通りがかった別の男性に救助され病院に搬送。警察などの捜索で同日午後5時過ぎに、山林内から妻の遺体が発見されたという。岩手県におけるツキノワグマの人身被害は、現在までで38人と過去最多を更新している。「岩手県では’21年度の人身被害は14人、昨年度は24人と年々増えつつあります。最も出没が多いのは北上市で、今回被害のあった八幡平市と一関市がその次に多いようです。八幡平市では今年に入って、これで8件目の人身被害となります」(全国紙記者)。いっぽう隣の秋田県では、クマを駆除したことで苦情が殺到したという“二次被害”も波紋を呼んだ。「今月4日に美郷町で野生のツキノワグマ3頭が作業小屋に立てこもり、地元の猟友会によって駆除されました。このことがニュースで報じられると、秋田県庁や美郷町役場に『クマがかわいそう』『なぜ殺すんだ』とクレームの電話が殺到。職員たちの業務に支障をきたすほどだったといいます」(前出・全国紙記者)。今回クマによる人身被害が大々的に報じられた岩手県だが、捕獲や駆除の状況はどうだろうか?そこで本誌は20日、岩手県庁環境生活部の自然保護課に話を聞いた(以下、カッコ内は全て担当者)。まず担当者によれば、「基本的には県内で許可を出して、市町村の方で捕獲を実施することになります。クマは保護もしなければいけないという面もありますので、被害があった場合、その個体に対して捕獲の許可を出すという形です」とのこと。なお今年度は、8月末時点において捕獲したクマは263頭だという。その上で、「クマを保護する視点もあるため、捕獲上限数を毎年決めております。今年度は上限を686頭と決めています」と教えてくれた。いっぽう、捕獲されたクマは全ての個体が殺処分されるというわけではないようだ。「クマが危害を加えたわけではなく、ただ迷い込んできた場合などは、街中で捕獲した後に印を付けて山に放すこともあります。ですが、印を付けた個体が街中に戻ってきたならば、“戻ってくる癖がついてしまった”ということで殺処分することになります。ただ、ケースとしてはあまり多くはありません」。なお今年度に殺処分したクマは「おそらく263頭のうち250頭くらい」だといい、「捕獲した後に山に放したケースは、1%ほど」とのことだった。ではクマを駆除することに対して、苦情が寄せられることはあるだろうか?「稀にございます。街中に出没したクマが殺処分されたとニュースなどで報じられた際に、『殺す必要はなかったのではないか』というお叱りのお電話を受けることは確かにあります」。ただ件数は多くはなく、「今年で5~6件ほどだったと思います」とのこと。続けて担当者は、「秋田県が大変なようですけども、岩手県ではクマを殺処分したとニュースになったケースが今年度はあまり多くなかったので、そこまで影響が出なかったように思います」と語った。たとえ殺処分のニュースを目にしたとしても、県や自治体のやむを得ない判断だと理解すべきだろう。

(クマ警戒、見守られながらの登下校:秋田)
19日に中高生2人を含む6人がクマに襲われ負傷した秋田県北秋田市で20日、児童生徒が保護者や警察官に見守られながら登下校した。バスで最寄りの駅まで送迎する学校もあった。学校周辺で人身被害が相次ぎ、19日は休校した鷹巣小学校は、20日に授業を再開。登下校への保護者の付き添いを求め、登校時間帯には送迎の車が何台も連なった。

(狩猟の安全対策、徹底を:岐阜)
郡上市猟友会の「狩猟事故防止研修会」が20日、大和町の市大和庁舎と郡上総合射撃場で開かれた。11月15日の狩猟解禁に向け、猟銃の安全な取り扱い方法を確認するのが目的。大和庁舎に集まった参加者は、郡上署や県から事故防止の注意点はじめ、イノシシに感染が広がっている豚熱ウイルスの状況について説明を受けた。

(“住宅地にクマ出没”想定、警察と行政が初めて合同訓練:青森)
青森県内でクマによる被害や目撃情報が相次いでいることを受けて、住宅地にクマが出没したことを想定した警察や行政による初めての合同訓練が弘前市で行われました。この訓練はクマによる被害や目撃情報が県内で18日までに753件にのぼっていることを受けて、警察と弘前市が20日、初めて合同で開き、警察官や市の職員、それに猟友会のメンバーなどおよそ50人が参加しました。参加者は、はじめに警察から、クマが住宅地に出没した際にはまず山林の方へ追い払うことを優先し、次いでワナでの捕獲、そして銃を使った捕獲の順に対応を考えることや銃を使う際の注意点などの説明を受けていました。そして、地図を見ながら互いの役割を確認したあと、屋外に移動しました。屋外での訓練は、「クマが家の裏から動かず家に入れない」と通報があったという想定で始まり、警察官が現場に駆けつけてまず住民を保護しました。そして、市の職員や猟友会のメンバーと捕獲の方法などについて話し合ったあと、クマを人のいない場所に追い払ってから銃を使って捕獲する手順を確認していました。県警察本部生活保安課の中村彰宏課長は「地域住民や対応する人たちの安全を確保しながら、素早く移動するクマに対応するのは難しいと感じたが、こうした訓練を通じて各機関で連携し、人への被害を防いでいきたい」と話していました。

(“厄介者”アライグマ増加:東京)
東京・練馬区の住宅に侵入した厄介者。カメラを見る顔には、白いひげ...アライグマだった。飼い犬がウッドデッキに向かってほえていたため、隙間からスマホを入れて撮影。アライグマが侵入していることがわかった。2022年、東京・町田市の住宅街で撮影された映像で、猫がうなっていた相手も、アライグマ。カリカリという音を立て、外に置いていた猫のエサを食べていた。撮影した人「ちょこちょこ食べに来ている。猫だと(エサの)皿は動かないが、アライグマだと、手を使って皿を移動させる。そういうのは、その後もたびたびあった」かわいい姿をしているが、生態系などへの影響が懸念される特定外来生物。東京では、生息域を都心にも拡大し、捕獲数も急増中。2022年度は、1,282頭にのぼっている。

(ドングリ類「例年より不作」:鳥取)
ツキノワグマの餌となるドングリ類が今年は例年より少ない傾向にあることが、鳥取県の調査(中間報告)で分かった。冬眠前のクマが餌を求めて人里に下りてくる可能性があり、県は注意を呼びかけている。ブナ、ミズナラ、コナラ、クリの4種について県内53か所で調査。ブナは6段階で下から2番目の「凶作」、ほかの3種はいずれも下から3番目の「並作下」で、例年よりやや少なかった。ドングリ類は冬眠前に脂肪を蓄えようとするクマが好んで食べるとされ、ブナが大凶作だった2019年度には月別の出没件数が11月に最多となった。今年度のクマの出没件数(今月19日現在)は88件で例年より少なく、人身被害も確認されていない。ただ、04年度以降の人身被害12件のうち半数が10~12月に発生しており、県自然共生課は「クマが餌を求め、人里に下りてくる恐れがある。これから12月中旬までは特に注意が必要」と話す。東北を中心にクマによる被害が相次いでいることを受け、県は20日、市町村などと被害防止のための連絡会議を開いた。県東部を中心に出没が確認され、近年は生息域の拡大で中西部でも見られることなどが報告された。県は、山林近くでは夕方から早朝にかけて一人での外出を避ける▽山林近くで行動する際は鈴やラジオで音を出す▽柿やクリの収穫は早めにする▽生ごみを屋外に放置しない――などの対策を呼びかけている。県自然共生課のホームページでは、クマの出没マップを公開している。

(縮む集落、迫るクマ:新潟)
新潟県で、クマが相次いで人里に出没している。山中ではなく、自宅の近くでクマに襲われ、けがをした人もいる。過疎化の影響などにより、人とクマの生活圏が近づく中、被害を防ぐにはどうすればいいのか。クマ対策の現状や課題を探った。新潟県南魚沼市長崎の男性(70)が早朝、いつものように自宅脇の庭で水やりをしていたところ、目の前にクマが突然現れた。逃げる間もなく、男性はクマに襲われ、顔や腕に大けがを負った。男性が暮らすのは、山あいの自然豊かな集落だ。自宅の周囲には田畑や民家が並び、約100メートル先には木々が生い茂る里山が広がっている。襲われたのは9月上旬の午前5時半ごろだった。クマは背後から近づいていた。振り返った瞬間、耳や腕にかみつかれ、目の近くを引っかかれた。助けに駆けつけた妻にも襲いかかろうとした。男性は近くにあった木の棒を振り回したり、大きな声を出したりして、命からがらクマを追い払った。被害から1カ月ほどたった今も、耳や顔には痛々しい傷痕が残っている。クマの大きさは約1・3メートル。人間で言えば子どもくらいの大きさだが、深い傷痕を見れば、歯や爪がどれだけ力強いものだったかが分かる。「クマを目撃することは珍しくはない。だが、人を襲った話は聞いたことがない」。男性は信じられない様子で話す。例年、クマの目撃が増えるのは山の木の実を食べ尽くした10月以降だというが、襲われたのは9月の初めだ。自宅近くの木には今、柿の実がなっている。再び腹をすかせたクマが下りてくるかもしれないと警戒を続ける。異変はクマの体にも表れていた。男性を襲ったと思われるツキノワグマは、出没から数日後、現場周辺をうろついていたところを捕獲された。体長約1・3メートル、体重は60キロほど。この時期は通常約80~100キロだが、毛が抜け落ち、異様に細かった。猟友会塩沢分会の石坂正外分会長(74)は「50年近く猟友会で活動するが、クマが民家近くに出て、人を襲うことは普通じゃない。生態に何らかの変化が起きているのではないか」と話す。2023年は、クマの主な餌となるブナの実が新潟県内全域で「凶作」となっている。ミズナラやコナラの実も「不作」で、全国的にも同様の傾向という。環境省によると、全国の人身被害は4~9月の速報値では、15都道府県で計109人に上り、月別に統計を取り始めた2007年度以降の同時期比で最多となった。新潟県も10月16日時点で、既に5件(6人)の被害が出ている。クマの生息圏が広がり、人の生活圏と近づいたことも出没が増えている要因だ。かつては奥山に住むクマと人里との間にあった里山が緩衝地帯となり、人をクマの被害から守ってきた。国内のクマの生態について研究する日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長(75)は、新潟県は手入れされた水田が緩衝地帯となり、東北地方などと比べ、大量出没は少なかったとの見方を示す。しかし、今後について「過疎化が進み、水田の荒廃も目立つ。クマ出没はさらに増えるのではないか」とみる。新潟県によると、県内には推定約1500頭のクマが生息する。生息域は2007年度調査からの10年で、約1・5倍と拡大し、特に上・中越で顕著だ。調査手法の変更により、最近のデータはないが、環境省も「新潟県の平野部での分布拡大が顕著だ」とする。5月には新潟市南区で初めて出没が確認された。県鳥獣被害対策支援センターの渡部浩所長(57)は「山間部だけでなく、平野部の市街地でも警戒してほしい」と呼びかける。秋田県では、住宅街で複数の人がクマに襲われ、けがをするケースが出ている。クマは警戒心が強く、人を避けるが、突然遭遇すると攻撃する。山林などクマがいる地域に入る場合に音を鳴らし、人の存在を気付かせることが大事だ。ただ、「市街地に現れたクマは身を隠す場所がなく、既に興奮状態だ」と、日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長は語る。公園の林や建物など身を隠せる場所を目掛けて走り、人がいれば攻撃する。秋田市の例もそうだった。米田理事長は、万が一、遭遇した際には「電柱や木に抱きついて動かず、人と思わせないことが大事」と強調する。クマは人を抱き込み、口にかみついて窒息させようとしてくる。間近に迫られたら顔を下にして地面に横たわり、頭や首を守る。市販のクマ撃退スプレーも効果的だ。秋の初めの出没は、若いクマや親子が中心だが「10月中旬以降は体が大きい雄の成獣が奥山から出てくる。大事故につながりやすい」として一層の警戒を促す。

(熊の被害を防ぐ、すみ分ける努力を続けて:長野)
県内の里地で、熊の目撃件数が大幅に増えている。県林務部によると、今年4月~9月末で既に昨年度1年間の1・4倍となる1100件に達し、人身被害も8件生じている。今月半ばには、飯山市でくくりわなにかかった熊に襲われて、男性が亡くなった。全国では東北地方を中心に、人身被害が過去最悪のペースだ。熊は近年、初夏から出没が目立つようになっている。市街地に入り込むこともしばしばだ。「秋のどんぐりが不作で里へ―」といった従来の説明には収まりきれない。人里を行動圏に含める新世代が出てきた可能性がある。背景には、人口減少に伴う里山の荒廃がある。人の手が入らないことであいまいになった里と山の境界線を引き直し、熊を里に近づけない対策を徹底したい。繰り返し里に姿を現す熊がいるのは、「おいしいものを食べた」という“成功体験”を長期にわたり記憶しているから―。県環境保全研究所の説明だ。熊は嗅覚に優れ、においや味に執着する。一度味を覚えると、離れた場所からでも食べに来る。誘因物を除けるかが、対策の鍵を握る。熊の目線から見直したい。柿や栗は大好物だ。山と里の境には、そうした木はない方がよい。集落内や、住宅の敷地内も要注意だ。早めに実を収穫し、それが無理なら伐採も検討したい。農作物や家畜用の飼料なども、適切な管理が求められる。畑に廃棄した果実や野菜はえさになる可能性がある。同時に、熊が身を隠せる場所を減らして移動経路を断つ取り組みを進めたい。林の下草や川沿いのやぶ、耕作放棄地の刈り払いなどが有効とされる。地域で計画的に取り組む必要がある。山はそもそも熊の領域である。入山する際は、出合わないための策を万全にしたい。鈴やラジオで音を出すのはもちろん、やぶなど見通しの悪いところでは大声を出して早めに存在を知らせよう。県はきのう緊急の熊対策会議を開き、目撃情報があった周辺で緊急点検の実施などを決めた。今後、他県の先進例も収集しつつ、対策を抜本的に検討していく。情報の共有や注意喚起のあり方について、隣県との連携が求められる。県境をまたいで行き来する熊の対策には、山域全体の視野が欠かせない。山を駆け巡り森を育む熊。すみ分けて共存していくために、人の側が知恵と工夫を重ねたい。

(「絶滅したはず」の伊豆半島にツキノワグマ:静岡)
静岡県河津町の山林で、ツキノワグマがわなにかかっているのが見つかりました。県などによりますと、20日午前、河津町の国有林で環境省の職員らが二ホンジカ用のわなにツキノワグマ1頭がかかっているのを見つけました。体長およそ120センチのオスで、職員らが麻酔で眠らせ、わなを外した後、山林に戻されました。iZoo 渡辺那智さん:「麻酔が覚めると同時におりの扉を開け、山へ帰したという形。人にも動物にもいい結果になったのかなと思う」。現場は人が立ち入ることが出来ないゲートの中で、被害はないということです。

(「クマ出没警報」中部でも発令)
住宅地などに出没したクマに襲われ、人が死傷する事案が全国で相次いでいる。中部6県のクマの出没状況を本紙が各県に取材したところ、今年4月以降で計約2千件となり、昨年度1年間の約1400件を大幅に上回っていることが分かった。人的被害も計16人で前年同期より7人増えた。クマの餌となるドングリの大凶作が要因とみられ、自治体は臨時会議を開くなど対応を急ぎ、住民に注意を呼びかけている。長野県飯山市では今月14日、わなにかかったクマの近くで地元の男性(80)の遺体が見つかった。

(女性狩猟団体が活動休止、協定結ぶ市「代表者と連絡取れず」:神奈川)
神奈川県南足柄市を拠点に活動する女性狩猟団体「Japan Hunter Girls」(JHG)が今月、活動を休止すると関係者に伝えていたことが判明した。JHGは4月、クラウドファンディング(CF)や国の補助金を活用してジビエ処理加工施設を開設し、市などと協定を結んで運営していた。市によると、施設は9日を最後に運営されておらず、市の担当者は「代表者と連絡が取れず、困惑している」と説明。当面休業せざるを得ない状況だという。JHGの前身である「神奈川県県猟ガールズ」は2018年、県猟友会に所属する女性猟師が立ち上げた。20年には一般社団法人JHGとなり、複数のメンバーが活動。県の公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV」やメディアでも取り上げられ、話題となった。今年4月には、ジビエを通じて、食育などに関心を持ってもらおうと、「足柄森林公園丸太の森」内にジビエ処理加工施設「KIWOSUKU(キヲスク)」を開設し、市などと協定を結び運営していた。施設の開設にあたっては、公園内で使われていなかった市が管理する建物(約31平方メートル)を改修する費用として、21年にCFで調達した資金(目標金額250万円)や国の補助金約620万円を活用。ジビエ生産に加え、食育などの発信拠点として、イベント開催などにも力を入れるとしていた。市などによると、今月に入って、JHG側から複数の関係者に対し、活動を休止する旨のメールが送られた。理由は記されていなかったという。市産業振興課の瀬戸光浩課長は「代表者と連絡を取ったのは9月中旬が最後。電話もメールもつながらず、困っている」と話す。

(ブナの実、3年ぶり「大凶作」:山形)
東北森林管理局は20日、管内の東北5県(福島県を除く)のブナの結実状況を発表し、全県で「大凶作」となった。本県が「大凶作」となるのは2020年以来。本県のクマの目撃件数は既に過去2番目に多く、餌となるブナの実不足が一因とみられる。クマが食料を求めて行動エリアを広げる恐れがあり、県は出没警報を発令し、人的被害への警戒を強めている。同管理局によると、調査対象となる5県計135カ所のうち、本県は22カ所で結実状況を調べた。調査の結果、19カ所で全く実が付いておらず、残る3カ所はごくわずかに結実が確認できた。実が多く付いた箇所はなかった。豊凶指数は豊作(3.5以上)から大凶作(1.0未満)の4段階で、0.1だった。ブナの結実には豊凶の波があるとされ、ブナの実が不足すると、クマの出没が増える傾向にある。本県では19年、20年と2年連続で大凶作となり、20年の目撃件数は記録が残る2003年以降で最多の795件に上った。人的被害も19年が4件、20年が5件と他の年に比べ多かった。一方、結実状況が若干回復し、凶作だった21年の目撃件数は291件(人的被害0件)、並作の22年は376件(同2件)にとどまった。今年の目撃件数は10月15日現在で585件に上り、人的被害は4件となっている。県はクマの目撃場所周辺では、早朝や夜間の不要不急の外出を控えたり、ゴミを放置したりしないよう注意喚起している。県の担当者は「秋以降の目撃の多さはブナの実不足が要因ではないか」と分析し、「東北各県で人的被害が発生しており、本県も大丈夫とは言えないので注意してほしい」と訴えた。

(「人間とクマの陣取り合戦」に敗北し家に鉄格子をはめる日がくる:秋田)
2023年、秋田県でクマに襲われた人の被害は10月19日現在、45件52人で前年比約9倍。秋田魁新報社でクマ被害の記事を統括する小松嘉和社会部長は「明らかにクマが人間の生活圏に出てくるようになり、しかもこれまでは入らなかった人家など建物に侵入するようになった。その背景には駆除のマンパワー不足と人口減少などの問題がある」という――。魔物が跋扈(ばっこ)する時分と恐れられてきた「草木も眠る丑三つ時」、漆黒の闇に紛れてある生き物が民家に現れた。午前2時半すぎ、1階寝室にいた住人の女性が不気味な物音に気づき、目を覚ました。廊下を挟んで向かいにある居間からガタガタ、ゴソゴソ。フガフガと荒い鼻息も聞こえてくる。ただならぬ気配を感じ、恐る恐る忍び寄ってドアを少し開けて中をのぞき込むと、数歩先に真っ黒な塊が……。そこにいたのは泥棒ではなく、体長1メートルほどのクマだった。8月30日、秋田県潟上市で家人の就寝中にクマが家の中を物色するという侵入盗さながらの事案があった。窓を閉めきっていない場所を見つけて網戸を破って踏み入り、食べ物を探した後、再び網戸から去って行った。女性は居間のドアをそっと閉めて夫と共に2階へ避難し、おびえながらやりすごした。居間の床にはテーブルに置いてあった調味料が落ちていたという。これまでクマが建物に入り込むことはめったになかった。ところが今年は違う。枚挙にいとまがない。しかも執拗(しつよう)かつ大胆だ。秋田名物きりたんぽの本場として知られる大館市では、住宅街の小屋のシャッターがこじ開けられ、保管していた玄米が食い荒らされた。少し離れた場所にある倉庫でも、チェーンを巻いて施錠していたのに鍵が壊されて玄米やもち米が食べられた。「マタギ発祥の地」と言われる北秋田市の民家では、住人の女性が車庫に入った際にクマと鉢合わせし、手にかみつかれて尻を引っかかれた。美郷町では畳店にクマ3頭が入り込み、丸一日とどまった。ちまたではクマの話題で持ちきりだ。いまや玄関から一歩外へ出るにもクマがいないか警戒しなければならず、かつてない異常事態に直面している。佐竹敬久知事は10月16日に記者会見で「いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇するリスクがある」と警鐘を鳴らしたものの、クマに襲われて負傷する事故は後を絶たず、騒動は当分収まりそうにない。秋田県によると、県内で発生したクマによる人身被害は10月19日現在、45件52人に上り、記録の残る年度以降で最多を更新し続けている。一昨年の12件12人、昨年の6件6人と比べると、いかに急増したかが分かる。秋田県警に寄せられたクマの目撃件数は、今月15日時点で2144件となり、記録の残る2009年以降で初めて2000件を超えた。これでも一部に過ぎない。なぜなら山間部ではクマを見ない日がないほど頻繁に出没するため、多くの地域住民が見慣れてしまい、警察に通報しなくなっているからだ。秋田魁新報の社会面は連日、クマによる人身被害や食害などに関する記事や写真であふれ、多くのスペースを割かざるを得なくなっている。時には丸々1ページが埋まったり、1面トップに据えたりすることだってある。秋田県内には2020年春時点で4400頭のクマがいると推定されている。本来は山林を生息域とするため、従来はキノコ採りや山菜採りで山に入った人が襲われるケースが多かった。ところがここ数年で状況は一変した。クマの方から人間の暮らすエリアに侵入し、鉢合わせした人を襲うようになったのだ。実際、今年の人身被害の8~9割は山中ではなく人間の生活圏で起きている。中でも衝撃的だったのは、今月9日に県都の秋田市で発生した事故だ。住宅密集地にクマが現れ、立て続けに4人に飛びかかったのだ。現場は県庁からわずか3キロ。日本海と雄物川と運河に囲まれた島のような地形の中にあり、クマが入り込むには橋を渡るか、川や運河を泳いでくるしかない。地域住民の誰もが「まさかこんな場所で……」と耳を疑い、「クマが出たという情報自体、初めて聞いた」と口をそろえた。9日午前9時すぎ、自宅の庭でテレビアンテナを修繕していた男性(80)は、一息つこうと椅子に腰かけた。その瞬間、背後から足音もうなり声も発せず突進してきたクマの体当たりを受け、突き飛ばされた。左腕を打撲し、頭をひっかかれて数針縫うけがを負った。ほぼ同じ時間帯、向かいの家に回覧板を届けに行く途中の女性(78)も襲撃された。頭や腕から血を流して倒れ、救助される際、「クマ、クマ」と訴えていたという。他にも散歩中の男性2人が相次いで襲われ、一帯は騒然となった。「みちのくの小京都」として名をはせる仙北市角館町。黒塀の武家屋敷が連なり、春は桜、秋は紅葉で彩られる。2キロにわたって桜並木が続く桧木内川堤も有名だ。東北を代表するこの観光地にも今月、クマが現れた。しかも日によっては数頭が同時に。人や食料の被害だけでなく、観光までもが打撃を被る事態になってしまった。10日深夜、巡回中の警察官が武家屋敷通りを歩くクマを目撃した。翌11日午後には2頭が桧木内川を泳いで対岸に渡り、郵便局前など町中心部をうろつき回った。13日朝には診療所の敷地内で、体長50センチほどの2頭が高さ30メートル超の木に登り、何時間も上り下りを繰り返した。吹き矢や銃で麻酔を打って眠らせるにも、高い場所にいるので狙うのは困難。しかも周りには住宅やホテルがあるため追い回して捕獲することもできない。暴れず静かに山林へ逃げて行くのを祈り、ただ見守るしかなかった。町中心部は緊迫した物々しい雰囲気に包まれた。警察が何台ものパトカーで巡回し、「近くにクマがいます。建物の中に入ってください」と連呼。事情をよくのみ込めない観光客はおののくばかり。翌日、工芸品の販売イベントを予定していた団体は急遽、爆竹やホイッスル、クマ撃退スプレーなどを用意し、厳戒態勢を敷いて臨んだ。北秋田市の中心部では10月19日朝、通学のためバスを待っていた女子高生がクマにかまれるなど計5人が相次いで襲われた。登下校時の児童生徒に被害が及ぶ事態を恐れていたが、ついに現実となってしまった。クマとの遭遇は農山村エリアに限らず、市街地でも常態化しつつある。私は入社以来、大半を社会部で過ごし、長らく環境分野も担当してきたが、25年の記者生活でこれほどの異変に直面したのは初めてだ。秋田県内の山間部で生まれ育ち、山菜採りやイワナ釣りで山に分け入る中でクマを何度も見てきたが、あらかじめ蚊取り線香や鈴などでこちらの存在を知らせれば、相手が先に気づき、そっと姿を消すのが常だった。クマは本来、人間を恐れて会うのを嫌う動物なのだと思う。ところが近年はすっかり様相が変わってしまった。異常出没の背景には何があるのか。一つの要因は過疎化、すなわち人口減少ではないかと考えている。人間と野生動物は互いの生息圏を広げるべく、長らく“陣取り合戦”を繰り広げてきた。人間社会はいま、劣勢に立たされているのではないか。国内全体では明治以降、2004年まで人口増加が続き、森林開発も盛んに進められ、人間側が境界線を押し広げて優勢を保ってきた。一方、秋田県では半世紀ほど早い1956年から減少に転じ、一時持ち直しはしたものの、減少基調をたどっている。過疎化に加え、全国最速ペースで高齢化も進行。山林の手入れが滞り、耕作放棄地が至る所に点在するようになり、かつての田や畑はやぶや雑木で覆われた。クマにとっては陣地に入り込み、生息域を広げる絶好のチャンスが訪れたというわけだ。れでもこれまでは、一定数を駆除して増えすぎないよう管理してきたため深刻な事態にならずに済んだ。ところが最近は数少ないハンターが高齢となり、有害駆除に使う道具も不足しているため、捕獲が追いつかなくなっている。これが二つ目の要因だ。秋田県は捕獲数の上限を1000~1600頭ほどに設定しているが、過去5年の捕獲数は年間400~600頭台。年を追うごとにクマは増えていき、ついに人間の居住域のすぐ近くにすみ着き、繁殖までするようになった。三つ目の要因は、クマが人里で食べ物を得るたやすさを覚えてしまったことだ。空き家に行けば収穫されずに放置されたクリやカキがある。畑に行けばトウモロコシ、果樹園に行けばブドウもリンゴもモモもある。大好きな甘い食べ物にいくらでもありつけるため、学習能力の高いクマは人里通いを始めた。そこで生まれた子グマは車の音にも光にも慣れて育つため、人間の生活圏に侵入することに抵抗がなくなってしまったように見える。人間は鈴やラジオを鳴らすだけで、攻撃を仕掛けてくる恐ろしい相手でも、手ごわい敵でもない。それを知った「新世代クマ」が陣取り合戦で優位に立ち、街を闊歩(かっぽ)し始めたのではないか。クマの生態などに詳しい山岳ガイドの知人は「近い将来、家に鉄格子を取り付ける日が来るかもしれない」と話す。絵空事のように聞こえるかもしれないが、秋田県では現実味を帯びてきた。秋田県自然保護課は「例年は出没がなかった住宅地でも、今年は目撃が報告されている。クマは臆病な性格で、人間の存在に気付けば向こうから遭遇を避ける。見通しの悪いやぶの近くや河川敷を歩くときは、鈴やラジオで音を鳴らして、遭遇を未然に防いでほしい」と呼びかけている。だが、このままクマが増え続けた場合、「音を鳴らす人間に近づけば食べ物がある」と学習する可能性も想定しなくてはなるまい。鈴がクマを呼び込むような事態にならないことを願うばかりだ。今年のクマ騒動は災害級といえる。来年以降も繰り返されることだって十分に考えられる。解決策を見いだすのは容易ではないが、人間と野生動物の領域を明確に分けるため、やぶの刈り払いは地道に積み重ねなくてはならない。そして何より、人里周辺で徹底して捕獲し、個体数を管理することが不可欠だ。街に出るクマを駆除することへの批判もあるが、登下校の児童生徒が危害を加えられる事態を放置するわけにはいかない。生け捕りして山へ放ったとしても、農作物の味を覚えてしまったクマは人里へ再び現れる恐れがある。クマとの遭遇が日常化してしまった地域の実情を理解してもらいたい。クマ騒動は過疎化が著しい秋田県特有の問題に受け止められるかもしれない。確かに秋田は人口減少が最速で進み、いち早くこの問題と向き合うことになった。だが他の県も過疎化は深刻だ。早晩、同様の事態に対処せざるを得なくなるだろう。耕作放棄地が増える中、クマをはじめとする野生動物に農作物が食い荒らされ続ければ、農家の離農や日本農業の衰退に拍車がかかる。その意味で、クマを巡る問題は都会に暮らす人たちにとっても他人ごとでは済まされない。どう対処すべきか、国全体に問われている。

(ブナの実「大凶作」、クマは食べ物求め里へ:秋田)
東北森林管理局は20日、今秋の秋田県内のブナ結実状況について、2年ぶりにほとんど実らない「大凶作」と発表した。ブナはクマが好む木の実の一つで、県自然保護課は「クマがほかの食べ物を求めて里に下りてくることが予想される。すでに市街地でも出没が相次いでおり、冬まで気を抜けない状況が続く」と警戒を強めている。

(マタギ杯射撃大会:秋田)
狩猟文化の継承や技術向上を目的とした「鳥海マタギ杯オープン射撃大会」が、秋田県由利本荘市鳥海町の鳥海射撃場で開かれた。今年で10回目。県内や山形県からハンターが集まり、参加者の輪は年々広がっている。射撃の精度を競うだけでなく、異常出没するクマの対策を考える場にもなっているという。大会は2014年の国民文化祭開催を契機に始まった。鳥海射撃協会(三浦俊雄会長)が鳥海マタギの文化を伝え、狩猟者の育成につなげようと、毎年10月に実施している。

(釣り竿を鉄砲に持ち替えて:白滝治郎の流れとともに)
朝晩めっきり冷え込む季節となった。アユ竿を鉄砲に持ち替える時期の到来だ。狩猟は11月15日からの解禁だが、当コラムでも何度か紹介しているように筆者はカワウについては年間通じて有害駆除の許可を得て撃っている。主にカワウの飛来河川における有害捕獲、営巣地における個体数管理のための学術調査捕獲等けっこう忙しい。駆除で使用する銃はプレチャージ式と呼ばれる高性能空気銃で、精度が命。スコープを搭載して数十メートル、100メートル先の対象を仕留められるよう調整しているが、年に何回かは射撃場で精度を確認・調整している。銃刀法で射撃は射撃場以外では行ってはいけないと定められている。風の影響を受けない屋内での空気銃の遠距離射撃を行うためには京都の射撃場まで足を延ばすことになる。先日も釣りと狩猟、有害駆除隊員としてともに行動している本紙ライターの鮎川ナオミさんと射撃に行ってきた。ゼロインといって50メートル先の標的を狙ってスコープを調整しながら撃っていき、弾痕(だんこん=弾のあたった痕跡)がまとまるよう調整していく。そのためには銃口から発射される際の弾速(だんそく)を測定し、使用弾に適したパワー調整も行わなければならない。じっくり撃ち込んでゼロインが完了、これで自信をもってフィールドへ出ることができる。カワウの駆除についてはさまざまな意見があるが、何度か当コラムでも書いているように魚類の食害を防ぐための手段として行う駆除であり個体数管理である。シカやイノシシのそれと同じで、今やカワウも人の手によって管理しなければならない時が来ている。

(ツキノワグマ捕獲、被害は確認されず:静岡)
20日午前、河津町の山奥の国有林でツキノワグマ1頭が捕獲されました。県によりますと伊豆半島ではツキノワグマは絶滅されたとみられていたということで、捕獲は極めて珍しいとしています。県賀茂農林事務所によりますと、20日午前11時ごろ、河津町の山奥にある国有林でシカを取るわなに、クマがかかったと環境省の職員から連絡がありました。県が確認したところクマは、ツキノワグマで成獣とみられますが詳しい大きさなどはわかっていません。クマによるけが人などはいないということです。捕獲したクマは、午後4時までに山に放したということです。伊豆半島では、ツキノワグマは昭和初期まで生息が確認されていましたが、その後、絶滅したとみられていたということです。県は、伊豆半島でのクマの捕獲は極めて珍しいとしています。《捕獲されたクマ “比較的若いオス”》捕獲されたクマのわなを外したという河津町にある民間の動物園の渡部那智飼育主任は「体長が1メートル20センチの比較的若いオスでした。人にもなれてなく、山にエサも豊富なので人里に降りてくることはないと思います」と話していました。

(「自宅の庭にクマが…」警察や猟友会が警戒:富山)
先日、女性がクマに襲われ死亡した現場から2kmほど離れた現場で、20日朝、住民から「クマが潜んでいるようだ」と情報が寄せられた。警察や猟友会が出動し、警戒にあたっている。20日午前7時半過ぎ、「自宅の庭にクマが潜んでいるようだ」と、富山市・安養寺に住む人から目撃情報が寄せられた。目撃された場所は10月17日、庭先でクマに襲われた女性が亡くなった住宅から、およそ2km余り西に離れた場所。警察や市の関係者などが駆けつけ、規制線を張り警戒したが、クマを発見することはできなかった。警察や市によると、目撃されたクマは成獣1頭で、住宅敷地内に侵入したとみられる痕跡が確認されていて、引き続き付近のパトロールを続け、警戒するよう呼びかけている。

(クマ目撃情報、女性死亡現場から3キロ:富山)
自宅敷地で17日にクマに襲われたとみられる70代女性が亡くなった富山市南部では20日もクマの目撃が相次いだ。富山南署によると、同市月岡町4丁目で20日午前4時15分ごろ、新聞配達車から降りた配達員がクマに追いかけられ、警察に通報した。また、同署や市森林政策課によると、午前7時40分ごろには、同市安養寺の住民から「自宅の庭にクマがいる」と通報があった。市職員や猟友会のメンバーが周囲を調査をしたが、クマは発見されなかった。庭の柿の木にクマのものとみられる爪痕があったという。署は住宅の半径200メートルを4時間ほど交通規制した。市内では江本で17日、クマに襲われたとみられる70代女性が死亡した。この2件の目撃情報は、その現場から半径3キロ以内の地点から寄せられた。

(体長1mほどのクマの目撃情報:新潟)
21日朝、新潟県五泉市でクマ1頭の目撃情報がありました。警察によりますと、21日午前6時6分、五泉市小山田の住民から「21日午前6時5分頃、自宅の庭にクマ1頭(体長約1メートル)がいた。クマはその後、南方向に移動していった」と通報があったということです。五泉警察署と市役所は近隣住民に注意を呼び掛けるとともに、警戒活動を実施しています。

(クマが道路に飛び出し軽乗用車にぶつかる:宮城)
事故があったのは、宮城県大崎市の県道利府松山線です。警察によりますと、10月20日午後5時50分ごろ、体長1メートルほどのクマが道路上に飛び出し、走行中の軽乗用車の左後部座席のドアにぶつかりました。車には運転手を含めて3人が乗っていましたが、けがをした人はいませんでした。運転手が危険を感じ、現場から離れたところから110番通報。警察官が現場に向かいましたが、すでにクマの姿はなく、発見には至りませんでした。事故現場の周辺は田畑や山林が広がる住宅が点在する地域です。宮城県によりますと、2023年度、寄せられたクマの目撃情報は、10月2日までで622件と、前の年の同じ時期と比べて、134件増加しているということで、県は「クマ出没注意報」を出して警戒を強めています。

(病院出入り口にクマ、猟友会員が捕獲:秋田)
21日午後1時55分ごろ、秋田市飯島西袋1丁目の秋田厚生医療センターで、正面出入り口付近にクマがいるのを50代男性が見つけた。約1時間後に猟友会員が付近で捕獲した。

(『クマ』の目撃情報、中学校近くなどで5件確認:富山)
富山市の平野部で21日もクマの目撃情報などが相次ぎ、引き続きクマに警戒するよう呼びかけられています。クマが目撃されたのは富山市日俣の藤ノ木中学校の近くで、午前5時50分頃、「クマが茂みに入っていくところを目撃した」と住民から警察に通報がありました。近くの畑ではクマとみられる動物の足跡が確認されていて警察や市の職員、それに猟友会が捜索を行いましたが、クマは発見されていません。また、近隣の一本木や朝日地区でも足跡が確認されたほか八尾町や万願寺地区でクマの痕跡が確認されるなど市内で5件の情報が寄せられました。富山市は不要不急の外出を控えるなどクマの出没に警戒するよう呼びかけています。

(豚熱で制限されているイノシシのジビエ利用を再開へ:山口)
家畜伝染病「CSF(豚熱=豚コレラ)」の発生区域で制限されている野生イノシシのジビエ利用が11月以降、山口県内でも順次再開される。発生確認から1年半(550日)が経過した市町での捕獲が条件で、県は感染拡大防止と商業活用の両立を目指す。県内では昨年3月、岩国市で野生イノシシの感染を初めて確認。これまでに13市町で計87例が報告された。県は感染拡大を防ぐため、確認地点から半径10キロ圏内で捕獲されたイノシシ肉の出荷自粛を求めてきた。県や山口大、県猟友会でつくる検討会が17日にまとめた方針では、ジビエ利用を希望する事業者は県への申請が必要。国の手引きに沿って捕獲された個体へのPCR検査の実施や衛生基準を満たした施設での加工処理を求める。その上で、発生確認から1年半が経過し、流行が落ち着いた市町での捕獲も条件とした。イノシシ猟が解禁される11月1日から適用する。農林水産省によると、今年3月末現在、野生イノシシの感染が確認された34都府県のうち、15府県で国の手引きに基づきジビエが利用されている。県農林水産政策課は「養豚場へのウイルス侵入防止を前提に、資源の有効活用を進めたい」としている。

(徳島県産食材の新たな魅力を発見する食体験:東京)
都会の喧騒にそびえたつダイナミックなラグジュアリーホテル、グランド ハイアット 東京(東京都港区、総支配人: ロス クーパー)では、地方で活躍している生産者様を支援する活動の一環として、徳島県産の食材の魅力を伝える限定メニューを、2023年11月1日(水)~11月30日(木)の期間に順次ご提供。写真家・大杉 隼平氏が徳島県で撮影した写真の展示と、大杉氏とジビエ猟師・家形 智史氏によるトークセッションもお楽しみいただける特別ディナーを、11月10日(金)および11日(土)に開催いたします。

(ジビエ肉を加工し「命をいただくこと」を実感:千葉)
野生鳥獣による全国の農作物被害は約155億円(農水省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況」令和3年度)、捕獲数も大幅に増えています。一方で捕獲後に食用化されるのはわずか1割程度。キッズ食育トレーナーの黒川未紗さんは、自ら問題を実感するため、狩猟免許を取得しました。野生鳥獣による農作物の被害は、農業を続けることが困難になり廃業してしまう人も出てきているほどだそうです。被害が増えた理由はさまざまありますが、野生の動物が生息する森や林を人間が開拓・介入したことにより、動物本来の生活ができない状況になっていることも理由のひとつといわれています。農作物の被害を抑制する目的で野生動物が駆除され、捕獲数は大幅に増えている一方で、捕獲後に食肉として利用されるのはわずか1割程度。人間の都合で捕獲しているのにも関わらず、その大半がむだになっているという事実を知ったときには、とてもモヤモヤした気持ちになりました。この気持ちと向き合うために、筆者は2021年に狩猟免許を取得。そして実際にわな猟を行い、捕獲後は解体も。自分で体験して、捕獲や解体がいかに大変で、おいしくいただくためにはどれだけの繊細な作業と熱量が必要であるかということを実感したのです。同時に、目の前の命と向き合いながら、命をいただくことで私たちは生きているということを、より身近に感じることができました。筆者がキッズ食育トレーナーをしながら働く千葉県木更津市のサステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS」のシャルキュトリーでは、ジビエ肉を積極的に使用しており、常に20種類以上のハムやソーセージなどの商品を販売しています。ここで使われているイノシシやシカなどのジビエ肉は木更津市内で近隣の猟師が獲ったもので、捕獲後30分以内に止め刺し(とどめを刺す)作業をし、施設に隣接する食肉処理場に直接運び込んでいます。「ジビエは個体の個性にあわせて迅速に処理することが大事」と話すのは、シャルキュトリーで数々の商品を開発・製造している岡田修シェフ。ジビエをおいしくいただくには、捕獲から解体までの処理、血抜きなどを速やかかつ適切に行い、しっかり熟成させることが大切というのは、筆者も実感したことでした。自身も狩猟免許をもち、狩猟もこなす岡田シェフは、自ら解体作業も行います。そのため、さまざまな部位の特徴を理解して、おいしさを引き出す使い方を熟知しています。もちろん個体差に応じた処理と加工をすることもできます。正しく処理されたジビエには臭みや硬さが出にくいため、初めて食べる子どもたちも「おいしかった!」と笑顔で食べますし、過去に苦手意識があった人でもおいしさに驚いたという声をよく聞きます。捕獲動物の解体から商品へ加工していく工程を手伝うなかで、「むだをなくし、すべてを循環させていかしたい」という岡田シェフの思いと、ジビエに向き合う姿勢、職人技に、日々、感銘を受けています。人類は大昔、豚や鶏などの動物を家畜化する前までは、日常的に野生動物を狩猟して食べていました。動物の尊い生命をいただく代わりに、肉から内臓、骨、血液に至るまで、すべての部位を余すことなく料理に使い、生命に感謝の気持ちをもつということを当たり前にしてきました。現在では、食卓に運ばれる食材がどのような過程を経てきたのかを把握するのは容易ではないですが、興味をもって調べたり思いをはせたり、感謝の気持ちをもつことが、まずは大事だと思います。たくさんの人にジビエのおいしさを知ってもらいたい、もっと身近に感じていただきたい、そう強く願っています。

(ジビエ、ハンバーガーに:熊本)
多良木町槻木[つきぎ]地区でハム・ソーセージ工房を開いている地区出身の中村正廣さん(62)=人吉市=が7月から、地元産のシカ肉を使ったハンバーガーの販売を新たに始めた。

(スモーク鹿肉ジャーキー:長野)
上伊那農業高校(南箕輪村)の畜産班が開発した鹿肉加工商品。有害獣として駆除されるニホンジカを有効活用し、地域貢献につなげようと商品化した。伊那市新山地区で食肉処理した鹿を、同校の鹿肉加工処理室で洗浄、皮はぎ、解体、味付けまで一連の加工を生徒が手がける。香辛料のタマネギ、ニンニク、サンショウ、セージも生徒が栽培。「八房唐辛子」は伊那市立長谷中学校の生徒が栽培したものを使う。加熱後に包装し、1パック(40グラム)500円。新山地区の農家民宿「ふだん着」や同校畜産班が販売する。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、22日午後5時ごろ、栗原市一迫真坂若宮にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後5時50分ごろ、仙台市泉区福岡堰添にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後5時20分ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後1時30分ごろ、仙台市泉区福岡二又にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、20日午前6時10分ごろ、色麻町大手倉付近にクマが出没しました。

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(クマに襲われ男女5人けが:秋田)
19日、秋田県北秋田市の中心部で、男女合わせて5人がクマに襲われ、けがをしました。小学校からもほど近い辺りを散歩していた女性が、クマに襲われたということです。現場は、北秋田市の市役所や駅、商店などがある中心部です。警察や消防によりますと、午前6時40分ごろ、「女性がクマに襲われ、頭から血が出ている」と消防に通報がありました。襲われたのは80代の女性で、近くでは別の80代の女性も襲われました。さらにその後、800メートルほど離れた場所で、バスを待っていた女子高校生がクマに左腕をかまれ、その近くで80代の女性も引っかかれて転倒しました。また、昼前には近くにある店の60代の男性が、クマに襲われて頭と顔にけがをしました。5人とも意識があり、会話はできる状態です。北秋田市は、地区の住民に不要不急の外出は控えるよう呼びかけています。

(クマに襲われ75歳女性死亡、夫は重傷:岩手)
19日午後1時55分ごろ、岩手県八幡平市作平の山中で、クマに襲われけがをした男性に助けを求められた通行人が119番した。負傷したのは秋田県鹿角市八幡平石鳥谷の林業根本長久さん(79)で、頭をかまれるなどして重傷。一緒に襲われた妻愉子さん(75)は頭や手足を負傷し、死亡が確認された。岩手署によると、死因は外傷性ショック。2人はキノコ採りをしていた。先に愉子さんがクマに襲われ、助けようとした根本さんも襲われた。

(クマ襲撃に緊張:福井)
18日午前7時20分ごろ、勝山市村岡町浄土寺の畑で、農作業をしていた近くの男性(72)がクマに襲われた。男性は右の後頭部などを引っかかれて、6針縫う2週間のけがを負った。県内でのクマによる人身被害は今年初で、勝山市内でも3年ぶり。男性が襲われた地元の村岡小学校ではこの日、児童の下校を保護者による送迎に急きょ切り替えるなど対応。普段静かな山里は緊張に包まれた。市などによると、男性は自宅そばの畑で農作業や見回りをしていたところ、背後からクマに襲われた。クマは成獣の1頭。男性を襲った後、近くの山の方へ向かった。畑にはクリやカキの木があり、実もなっていた。現場は国道157号沿いで、勝山温泉センター水芭蕉なども付近にある。男性は自ら勝山署に通報し、市内の医療機関に救急搬送された。近くに住む女性(76)は「クマはいつ出るかわからないので、常にクマよけの鈴を持っている。家の隣の車庫に行くのも怖い」と話した。浄土寺区の髭野博区長(71)は「回覧板などでクマの危険を知らせていたが、被害が出てしまい残念。朝晩は外出を控えるよう呼びかけていく」と厳しい表情を浮かべた。地元の村岡小学校では18日、浄土寺区周辺の児童に関して、下校時に迎えに来るよう保護者に依頼。19日の登校も保護者に送ってもらう。発生現場を校区内に含める勝山中部中学校でも18日は午後4時で一斉下校とした。市では広報車を走らせて、住民らに注意を呼びかけた。勝山市内でクマによる人身被害が発生したのは2020年9、10月に3件相次いだ以来。

(60代男性がクマに襲われけが:新潟)
19日夜、新潟県阿賀町の山あいの集落で60代の男性がクマに襲われ、顔や腕にけがをしました。男性は病院への搬送時、意識があったということです。19日午後10時前、新潟県阿賀町新谷で60代の男性がクマに襲われてけがをしたと、消防に通報がありました。警察や消防が駆けつけたところすでにクマの姿はなく、男性は顔や腕にけがをしていて病院に搬送されました。男性は搬送時、意識があったということです。警察によりますと、男性が買い物から帰宅したところうなり声が聞こえ、自宅近くの柿の木に登っていたクマが男性に馬乗りになって襲ってきたということです。クマの大きさなどはわかっていません。現場は山あいに住宅が点在する集落です。阿賀町ではこのところクマの目撃が相次いでいて、警察や町役場は周辺をパトロールするとともに住民に注意を呼びかけています。

(クマ食害、リンゴ深刻:青森)
青森県内各地でツキノワグマの出没が相次ぐ中、世界遺産・白神山地の玄関口、西目屋村で、農作物への被害が過去にないペースで多発している。特に狙われているのがリンゴで、収量に深刻な影響が出そうな農家もある。わなで捕獲した数も18日時点ですでに60頭を超え、例年の年間捕獲数の倍近くに上っている。「今年は散々。この木は全て食べられました」。13日、同村の農家西川友子さん(69)が指さす高さ3メートルほどの木は、赤いリンゴが一つもなっていなかった。同じような状態の木が園内に何本もある。木の下には枝が何本も散乱していた。クマが木に登った際に折ったとみられる。畑のあちこちにはクマのふんが落ちていた。今年は夏の猛暑の影響で落果も多く、出荷数が例年より減少しそうだという。「こんなことは今までにない。クマのために作っているのではないんだけど…」と西川さんは声を落とす。「木を折られたので、来年の生産にも影響が出そう」。村によると、食害対策で設置したわなによるクマの捕獲件数は例年数件、多くて30件程度だった。クマの出没件数を左右するとされるブナの実が今年は少なく、山で食べる物が見つからないクマが里に下りているとみられる。豊作だった昨年にクマの栄養状態が良くなり、子グマがたくさん生まれて餌が足りなくなっているという見方もある。食害の報告があるたびに村は、クマを捕まえるわなを被害園地周辺に設置する。今年は村所有の14基のわなを全て設置してもさらに被害が連日のように発生し、わなが足りていない状況だという。村の鳥獣害対策巡視員を務める佐藤修治さん(68)も「狩猟に関わって40年になるが、こんなにクマが出た年はない」と驚きを隠さない。昨年から村の鳥獣害対策を担う地域おこし協力隊員の山形祐介さん(35)によると、穴を掘って畑を囲む電気柵をかいくぐったり、住家のすぐ隣の畑を襲ったりするケースが村内で出ており、「リスクを冒してでも里に食べ物を探しに来ている。対策をしていても防ぎきれていない」と話す。捕獲されたクマは食用になる。村の食肉加工施設で処理され、村特産の「クマカレー」などとして販売されている。現在、連日のクマの捕獲で保存用の冷凍庫がいっぱいになり、試験的に道の駅津軽白神で冷凍肉にして販売している。

(植林防護柵の3割が破損、シカの食害防げず)
植林した幼木をシカの食害から防ぐ防護柵について会計検査院が抽出調査したところ、3割強で柵が破損し、シカが入り込める状態になっていた。大半で自治体や森林組合による点検が適切に実施されていなかったとして、検査院は19日、林野庁に対し、適切な維持管理を検討させるよう求めた。指摘があったのは、林野庁が実施・支援する森林整備事業の一部。林業では野生鳥獣による幼木の食害が深刻化しており、7割はシカが理由とされる。林野庁は食害防止のため、都道府県を通じて市町村や森林組合に防護柵の設置費用の一部を補助している。検査院が19道県で2017~21年度に整備された、防護柵で囲まれた造林地623カ所を抽出して調査したところ、うち213カ所で柵が壊れ、シカが入り込める状態になっていた。このうち11カ所では点検自体が行われていなかった。198カ所についても地形やシカの生息密度に合わせた点検が実施されていなかったとして、「十分な維持管理をしていなかった」と認定した。山口県美祢市の事例では、防護柵の破損により、柵内に植えられたスギ2475本が食害でほぼ全滅していた。ここでは1平方キロ当たり20頭以上のシカが確認され、県の基準で生息密度が最高レベルだった。にもかかわらず、夏場の下刈りのタイミングでしか点検していなかったことで最長で8カ月間、破損が放置され、幼木が食い尽くされた可能性があるという。林野庁の担当者は「指摘を踏まえて都道府県を指導していきたい」と述べた。

(シカとの接触事故が急増:北海道)
札幌市白石区東札幌2条1丁目を走行する車のドライブレコーダーが捉えた映像です。きのう(18日)午前7時半ごろの通勤時間帯。次の瞬間!1頭のシカが突然飛び出し、前を走る車と接触してしまいました。この事故の直前には同じ個体とみられるシカが近くのマンションの敷地内にいる姿も目撃されました。ここ数日シカの目撃や事故はこれだけではありません。後志の仁木町の国道ではきのう午後5時半ごろ、救急車とオスのシカ1頭が衝突する事故が。男性1人を札幌市の病院まで搬送している途中でしたが、幸い男性の容態に変化はなかったといいます。きょうも次々とシカの目撃が。午後0時半ごろには、白石区本通15丁目付近の月寒川の河川敷の林内で、警察官がオスのシカ1頭を発見。午後1時半ごろに、同じ個体とみられるシカがJR平和駅と新さっぽろ駅の間の線路内で目撃されましたが、シカは厚別区方面に200メートル進んだあと、行方が分からなくなりました。市街地で次々目撃されるシカですが、専門家はシカの生態が関係しているといいます。(札幌市円山動物園エゾシカ担当 池田智亮さん)「エゾシカは常に餌を求めて動く動物ではあるので、この時期特有というわけではないんですが、この繁殖時期にオスは活発に色々な場所に行ったりすることはあると思います」。道警によりますと、エゾシカが関係する交通事故の23.2%が10月中に発生。中には死亡事故も起きています。(道警 交通部交通企画課 川上拓さん)「特に夕方、16時以降から夜にかけて発生が増えております。シカはいきなり道路脇から出てきます。1頭出てくればもう2頭3頭と出てきます。十分に鹿がいるかもしれないというふうに危険を予測していただいて、運転をお願いしたいと思います」。シカとの遭遇は突然にー1年で最も注意が必要な季節が、いまです。

(シカ増加に伴う土壌侵食により、ブナが衰退している:宮崎)
近年、個体数の増加したシカの採食で森林の下層植生が減少し、九州の山岳林では土壌侵食が生じています。一方、このような土壌侵食が樹木成長にどう影響するかは不明でした。山岳ブナ林が広がる九州大学宮崎演習林(椎葉村)において、土壌侵食の指標である根の露出程度とブナの成長量との関係を調べたところ、根の露出程度が大きいブナほど成長が低いことが明らかになりました。本研究成果は日本の森林で深刻化するシカの下層植生採食が樹木衰退を招く一因となることを初めて示し、今後のシカの食害対策を考えるうえで役立つことが期待されます。

(野犬の目撃1000件超:山口)
山口県周南市の大きな課題として野犬問題があります。捕獲が続けられているもののいまもなお、市内の至る所で野犬の目撃情報が相次いでいます。野犬の実態を取材しました。周南市緑地公園は市内で最も野犬の目撃情報が多い場所です。昨年度、市に寄せられた野犬の目撃情報は1000件を超えます。山口県内で昨年度捕獲された野犬1069頭のうち、およそ半分が周南市…なぜ、周南市には野犬が多いのでしょうか?(周南市の職員)「昔遺棄・飼えなくなった犬を捨てていたのではないか緑地があるところで住み着きやすいところで住み着いてしまって増えていったのでは」。さらにもう1つ、野犬が増えた要因があるといいます。それは、エサやり行為。市は10年以上前から条例によって野犬への「むやみなエサやり」を禁止しています。しかし、未だ人気が少ない時間帯にエサをやる人がいるといいます。(パトロールの人)「エサやりが来たと思って犬が飛び出してくるときがある、様子を見に来るエサをくれるかどうかまず普通の野犬と違って小さいときから餌付けされているからここは人間のエサ頼りで生きている」。その結果、この場所に居着く犬は、人目のつかない場所ではなくエサをもらえる場所の近くに巣を作りそこで子を育てると野生らしからぬ特徴があるといいます。人間を恐れない野犬。ここ数年、野犬に足をかまれる咬傷事件や野犬に追われる事案が相次いでいます。今年7月にも、新南陽で散歩中の女性が3頭の野犬に出くわし左足の膝の裏をかまれています。周南市は4年前、県や警察と連携し連絡協議会を立ち上げ、捕獲檻の設置や餌やりを注意するパトロール、巣穴の撤去など野犬を少なくする取り組みを進めてきました。また、捕獲を担当する保健所では、去年からITを活用した大型捕獲檻を導入。檻に取り付けたカメラとスマートフォンを連動させリアルタイムで中の様子を確認、遠隔で檻を操作し捕獲できるようになりました。これにより、警戒心が強く夜間に行動する成犬を効率的に捕獲することができ、捕獲後すぐに保護できることから野犬への負担も少なくなるといいます。市内での、野犬の捕獲数は2019年度、841頭をピークに。昨年度はおよそ500頭と数は徐々に減少しています。防府市の住宅から離れた所にある保護犬のシェルター「まあくんハウス」。およそ120頭の犬が保護されています。この施設の代表理事を務める岡本裕二さん(66)。「殺処分になる犬を助けたい」と4年前、周南市で捕獲された犬の引き取りを始めました。 捕獲された野犬は健康福祉センターや動物愛護センターで一時的に保護されますが、期限を過ぎても譲渡先が見つからない場合殺処分の対象に。子犬はすぐに里親が見つかるそうですが成犬は期限までに見つからない事が多いと言います。(岡本さん)「ここに居る子達をうちらが(引き取らなければ)この世にいない子達です」「周南の保健センターに収容されている姿すごく恐怖におののいている姿を見てなんとか助けないといけないという思いでしょうね殺処分させてはいけないという」。去年はおよそ100頭を受け入れその半数が新しい飼い主と出会いました。県によりますと2013年度、県全体で殺処分された野犬は1200頭。しかし、昨年度は35頭とこの10年間で大きく減少しています。「犬の命をつなぐ施設」=まあくんハウス。エサなど物資は全国から支援がありますが光熱費やスタッフの費用などは岡本さんの貯金を崩したりお金を借りたりしてまかなっています。(岡本さん)「やめるにやめられなくなった、自分ももう年ですし、若い人に後次いでほしいけどこれは誰かが続けていかないといけない仕事と思っています」「自分の老後はどうなるんだろうというよりこの子達の寝る場所の方が先になりますね」。周南市熊毛地区。岡本さんは、いま新たな保護犬のシェルターを建てる計画を進めています。周南市民に少しでも野犬の現状を知ってもらうためです。人を呼び込むイベントも計画していて年内の稼働を目指しています。建設の費用などは、クラウドファンディングで集まった資金を活用。運営費に、市のふるさと納税制度を活用できないかと考えています。いまだ市内各所で目撃される野犬。市民の安心安全を守るための捕獲。そして、犬の命をつなぐための保護。野犬をこれ以上増やさないための活動が続けられます。

(捕獲のシカ肉、ライオンの餌に:島根)
島根県美郷町と鳥獣害防止機器メーカーのタイガー(大阪府吹田市)は、同町内で捕獲されたシカの肉を、ライオンの餌として広島市安佐動物公園(安佐北区)に提供し始めた。農林業の被害を防ぐために駆除されたシカの大半は廃棄されており、有効活用する。

(クマ出没、県内急増:福井)
県内では嶺北を中心にツキノワグマの出没が相次ぎ、今年4月からの目撃や痕跡などの出没数は366件で、既に前年度の年間出没件数を上回っている。9月から今月18日までの1カ月半で134件に上り、前年度の9~10月(64件)の2倍となった。18日には県内で今年初となる人身被害も発生し、県は「大量出没の可能性が非常に高まっている」として注意を呼びかけている。県によると、今年は山のドングリが凶作のため、エサを求めるクマが集落に出没。クマの個体数自体が増えているとの情報もある。9月~10月18日の出没情報は奥越地域が60件と特に多く、県内全体の半数近くを占めている。現時点では大量出没した2019、20年度に比べると少ないが、ブナやミズナラの木の実が当時と同程度に不良であることなどから、県は今後、出没がさらに増えることを警戒している。18日には勝山市で男性が背後からクマに襲われてけがをしたほか、富山県ではクマに襲われたとみられる女性が死亡した。全国でもクマによる人身被害が相次いでいる。県は同日、県庁でクマ出没対策会議を開き、情報共有した。オンラインも含めて県庁や県内17市町の担当者ら約40人が参加し、対策状況を報告した。県猟友会の斉藤藤伸会長は「非常にクマが多く、いつ集落に下りてくるか分からない。エサがない状況の中、よほど注意喚起をしないと住民が襲われる」と指摘。獅子原朋広エネルギー環境部長は「11月にピークを迎えるので、関係者との連携を密にしたい」と協力を求めた。県はクマを引き寄せないために柿の実は早めに収穫し、収穫予定のない柿の木は伐採するよう市町を通じて県民に注意喚起。クマが隠れやすいやぶの伐採も効果的で、万が一、クマに遭遇した場合は地面に伏せて両手で頭や首などの急所を守るよう呼びかけている。

(“クマを引き寄せない”高齢者世帯の『カキの木伐採を支援』:富山)
クマを引き寄せないための取り組みとして、餌となるカキの木の伐採などが必要ですが、立山町では高齢者世帯を対象に伐採作業を手伝う支援事業が始まっています。富山市で人身被害が起きたことを受け、緊急対策として始めました。支援の対象となるのは町内に住む満70歳以上のみの世帯で、立山町役場は希望を担当の農林課農村環境係で受け付けています。立山町では、さらにクマが冬眠に入る12月ごろまで、消防隊員が毎日夕方に町内をパトロールしクマへの警戒を呼びかけます。17日、70代の女性を襲ったクマはまだ捕獲されておらず、地元猟友会はパトロールを続けていますがクマの出没エリアが広く、潜んでいる場所が分からないため、有効な手段となるワナを仕掛けられないということです。今後、出没頻度が高い場所を絞り込み駆除につなげたいとしています。

(「クマっぷ」県がホームページで公開:富山)
県は、クマが出没した場所を地図上に示した「クマっぷ」をホームページで公開し、注意を呼びかけています。こちらがその「クマっぷ」です。県によりますと、ことし県内では18日午後3時までに去年1年間の約1.4倍に上る300件あまりの出没情報が寄せられています。特に10月に入ってからは17日までに114件と、去年の10月1か月分の5倍余りに急増しています。赤いピンが、クマが出没した場所を示しています。緑色の山あいの地域だけではなく白っぽい平野部にも出没していることが分かります。ことしはクマのエサとなるブナなどが不作となっていることから、冬眠を前にクマがエサを求めて平野部に出没することが増えているとみられます。17日、女性が襲われたとみられる場所は山あいから2キロほど離れた平野部で、田んぼが広がる住宅が点在する地域です。また近くには小学校や中学校などもあります。県によりますと、ことしのクマによる人身被害は今回のケースを含めると4例目で死者が出たケースは平成18年以来になるということです。

(クマ捕獲の補助金を拡充する方針:富山)
17日、富山市の住宅の敷地内でクマに襲われたとみられる79歳の女性が死亡したことを受けて、富山県は緊急の対策会議を開き、注意喚起や捕獲の活動に対する市町村への補助金を拡充する方針を示しました。17日、富山市江本の住宅の敷地内で79歳の女性が死亡し、死因は首をひっかかれたことによる出血性ショックとみられるほか、敷地内にクマの足跡があったことから、警察はクマに襲われたとみて調べています。これを受けて県は緊急の対策会議を開き、富山市の会場には県や市町村などから約50人が参加しました。このなかで現地調査にあたった県自然博物園「ねいの里」の専門家は、現場から、近くを流れる熊野川の方向にクマが向かったとみられる足跡が見つかったと報告しました。そのうえで、クマのエサとなるブナの実などが不作であることしは、クマが柿の実を求めて河川敷や川沿いの林を通って平野部に現れる傾向が強まるとして、庭にある柿の実の除去や不要な柿の木の伐採を進めるよう呼びかけました。また市町村の担当者から、クマが出没した際の注意喚起や捕獲の活動に対する補助金を拡充してほしいと要望が出されたのに対し、県は検討を進める方針を示しました。県自然保護課の上田英久課長は「クマによる人身事故を起こさないために、補助金の拡充を検討しているので、市町村は積極的に活用してほしい」と話していました。

(デジタル技術活用しクマ出没を把握するシステム導入:新潟)
全国でクマの被害が相次ぐ中、新潟県長岡市の国営公園ではデジタル技術を活用してクマの出没を迅速に把握するシステムを導入して園内の安全対策を強化しています。長岡市にある国営越後丘陵公園では、毎年のように周辺でクマの目撃情報が寄せられています。このためクマの出没を迅速に把握し来園者の安全確保につなげようと、園では昨年度からデジタル技術を活用した監視システムを導入しています。システムは園内30か所に設置したカメラで動物を感知すると画像を撮影し、インターネット上のクラウドに転送します。画像はAIが自動で解析し、クマと判別されると職員にメールが送信されます。そして、職員がクマの出没を確認した場合には園内の一部を閉鎖するなど、必要な安全対策が速やかに行えるようになったということです。ただ、AIの解析ではほかの動物をクマと誤って判別するケースもあることから、解析の精度を上げることが課題だということです。国営越後丘陵公園の池田和也調査設計課長は「迅速な対応ができるようになり非常に有効だと感じています。今後も技術開発を進めて来園者やスタッフの安全確保に取り組んでいきたい」と話していました。

(高校生が鳥獣害対策学ぶ:愛知)
県立田口高校は19日、林業科2年生を対象に地域産業専門講座を開いた。12人が猟師から狩猟用のわなの説明を受け、捕獲した有害獣の活用法を考えた。外部講師として豊田市を拠点に活動するNPO法人「愛猟」理事長の鈴木康弘さん、名古屋市で装飾品をつくる横井弓美子さん、人間環境大学環境科学部講師の江口則和さんを迎えた。鈴木さんは、ニホンジカがツノをといだり、木の皮を食べたりして樹木に傷をつけていることから「森林被害の70%がシカによるもの。猟師が集まってNPOをつくった」と説明。森林の「くくりわな」の作動の仕方を教えた。また猟銃のモデルガンを使っての試射会も開いた。横井さんは捕獲した有害獣の利活用について講演。鹿やタヌキ、アライグマの皮を使ったマットやアクセサリーを紹介した。生徒からは「骨を砕いて肥料にする」のアイデアも出た。江口さんは森林で樹高などの測定にドローンやスマートフォンアプリが使われていることを説明した。受講した天野冬哉さんは「ドローンなどの新しい機械も林業に導入されていることがわかった」と感想を話した。

(狩野川がアユが大好物のカワウ『天国』に:静岡)
静岡県東部を流れる狩野川。アユ釣りで知られています。伊豆市に姿を見せた真っ黒で大きな鳥。「カワウ」です。ペリカンの仲間で、体長およそ80センチと、大型の水鳥です。そのカワウの大好物が、アユなのです。狩野川漁業協同組合 井川弘二郎組合長:「放流したアユを食べてしまうし、天然で川を上ってきたアユも食べてしまう」。1日10匹近いアユを食べるカワウは、まさに“招かれざる客”です。狩野川漁業協同組合 井川弘二郎組合長:「カワウが川に入っていると、アユも警戒心が強いので、おびえてしまって釣れない状態になってしまう。年々釣り人口も減っているので、川に釣り人がだんだん入らなくなってくると、余計にカワウの無法地帯になる。悪循環になっている」。地元の人によれば、カワウを見るようになったのは15年ほど前から。漁協の試算では、カワウによる食害の被害額は年間4500万円にのぼります(狩野川漁業協同組合の試算 昨年度)。狩野川漁業協同組合 井川弘二郎組合長:「釣り客が『狩野川は釣れないから来ないよ』という現状があるので、カワウの対策をしないと、釣り客も戻ってこない」。県によりますと、県内に生息しているカワウはおよそ1万羽。そのうち県東部には1000羽ほどがいるとみられています。カワウがアユを狙うのは伊豆市ですが、市内ではカワウの「ねぐら」や子育てをするための「コロニー」は確認されていません。一体、カワウはどこからやってきているのでしょうか。取材した場所から、直線距離でおよそ13キロ。向かったのは、狩野川の下流・函南町にある雑木林です。カメラを向けると、たくさんのカワウが。毎朝、ここから狩野川上流にあるアユの釣り場へと飛び立っているとみられています。釣りの“おとり”になるアユを販売する店では、「ロケット花火」の音で威嚇して、カワウを追い払っています。スタッフ:追い払うとカワウはその日もう来ない?飯田おとり店店主 松下充弘さん:「釣り人がいなくなると、やっぱり下りてくる。どこかで隠れているのかな。カワウが全部いなくならなくても構わない。少なくなればいい。少なくなれば違うと思う」。今後カワウを駆除することを視野に、伊豆市は県や漁協と連携し、9月からドローンを使った調査を始めています。伊豆市農林水産課 真壁翔也さん「今後カワウが好んで止まる木にビニールテープをドローンを使って巻いて、カワウがそこに止まらなくなって、定着しない効果があるそうなので、まずはその対策を進めている。伊豆市内でカワウの巣・コロニーが見つかれば、繁殖抑制のためにドライアイスをドローンから投下して、卵を繁殖できないような状態にすることも考えています」。

(ヒグマフェス2023~ヒトとヒグマが生きる道~:北海道)
ヒグマの出没や被害には、「知ることで防げる」ものがあります。暮らしを守るために、私たちひとり一人にできることとは?クイズや朗読を通して、これからの対策を前向きに考えてみましょう。

(ヌートリア捕獲ハンターに同行:静岡)
住民から不安の声がでている動物の正体は、ヌートリア。南米生まれのネズミの一種で、大きいもので70センチほどに。つぶらな瞳に、モフモフの毛並み。見た目はかわいらしくも見えますが…。草食ですが、鋭い爪と前歯を備え、凶暴な一面も。年に2~3回、1回あたり5匹ほどの子どもを生む繁殖スピードに加え、天敵がいないため、まさに“ネズミ算式”に増加。深刻なのは、農業への被害です。狙われたのは、ハスの根。年間出荷量の5分の1、およそ400本が被害を受けました。浜松市によりますと、稲やレンコン、大根が食べられるケースもあり、農業被害の件数は、年々増加傾向にあります。一番の対策は、捕獲して数を減らすこと。番組では、市の依頼を受けてヌートリアを捕獲するハンターに同行。前日仕掛けた罠の場所に向かうと…。いきなり、ヌートリアがかかっていました。さらに、別の場所でも。この日は9つの罠で3匹捕獲しましたが…。ルーツジャパン 岡本浩明代表:「目撃情報は年々増えているんですけど、それに対して捕獲が追いついていない」。去年、浜松市では、ヌートリアの目撃件数が360件、捕獲数が157匹でともに過去最高に。今年は9月までで去年を上回るペースで目撃情報が寄せられている上に、記録的な猛暑で抑えられていたヌートリアの活動が今の時期から活発になるといいます。ヌートリアを捕獲するには狩猟免許が必要。捕獲できるのは岡本さんと地元の猟友会などに限られています。担い手不足の解消へ、今年度新たに浜松市が始めたのが…。主に農家を対象に、罠を無料で貸し出し、特別に捕獲を許可する取り組みです。ハスの花が被害に遭った野島さんも、先月罠を設置し、すでに5匹捕獲しています。ヌートリアを捕獲している岡本さん。“その後”を考えた模索も始まっています。向かったのは、菊川市の飲食店。実は、食べられるヌートリア。こちらではジビエ料理の食材の一つとして、数年前からヌートリアを扱うように。それを知った岡本さん、去年から無償で提供しているそうです。出来上がった一皿は「ヌートリアのロースト」。農作物に被害を与える迷惑動物が、メーン食材に変身しました。西欧料理サヴァカ 山口祐之シェフ:「脂身も少ないですし、非常に良質なたんぱく質を持っていて非常に優良な食材だと思います」。山口シェフによれば、ヌートリアは豚肉と鶏肉の中間ぐらいの肉質なんだそう。ルーツジャパン 岡本浩明代表:「スピード感を持って捕獲することが大事。粛々と捕獲は続けていきますけど、利活用といったところも意識して続けていければと思いました」。

(野生鳥獣から「命」学ぶ:神奈川)
本町小学校3年2組が10月13日、秦野市のジビエを推進する市農業振興課(はだの都市農業支援センター)の職員を講師に招き、身近な野生鳥獣やジビエについての出前授業を受講した。授業では剥製や動画を用いた説明が行われ、楽しみながらジビエを通して動物の「命」を学ぶ機会となった。盆地で山に囲まれており、イノシシやシカなどの動物が比較的近い場所に生息している秦野市。市は鳥獣対策の一環として、里山に設置した罠にかかったシカやイノシシを食用肉として活用するため、2021年からジビエ処理加工施設と契約。「秦野産ジビエ」の名称で、ブランドの本格展開に取り組んでいる。総合学習で秦野市について調べていた本町小学校の3年2組は、街探検で耳にした情報をきっかけに秦野のジビエに着目。これまで下調べを行ってきたが、今回は特別授業として市農業振興課の職員を招き、総合の2時間分を使って体育館で授業を開催することになった。授業は、市内に生息する動物を紹介した上で、農作物への被害や市のジビエの取り組みを紹介するというもの。冒頭では剥製となっている動物をあてるクイズが行われ、児童らは剥製を見て触って、積極的にクイズに答えていた。鳥獣の作物被害についても、実際にシカなどの動物が作物を捕食している動画を用いて解説が行われた。市のジビエの取り組みについては、市内で捕えられたシカやイノシシがジビエになるまでの工程や、設置してある罠の数、狩猟について説明。児童からは「動物を食べるのはかわいそう」といった声があがる中、講師からは「毎日食べている食材にも命があります。食べ物を食べる時は、命への感謝を忘れないようにしましょう」とメッセージが送られた。授業を終え、3年2組の大沢咲(えみ)さんは「剥製の動物が全て秦野市にいると知って驚いた。総合の授業でジビエについて初めて知ったので、食べてみたくなったし、普段食べているものの命にも感謝したい」と感想を話す。担任の岡林凌太朗教諭は「今回の授業を通して、動物による作物被害なども知ってほしかった。人間と動物の関わりについて、食育の観点でも学びを深めることができたと思います」と話した。

(クマ3頭「なぜ殺した」苦情殺到も、『美味しんぼ』山岡士郎の激論が示唆に富む)
秋田県で野生のツキノワグマ3頭が駆除されたことに対して、「なぜ殺したのか」といった苦情が自治体に殺到しているという。人間が生きていく上で動物の命を奪うことの是非をどう考えたらいいのか。鳥獣保護法や動物愛護法に精通する弁護士に見解を求めたところ、「人気マンガ『美味しんぼ』の内容が示唆に富んでいる」という意外な答えが返ってきた。秋田県美郷町で野生のツキノワグマ3頭が作業小屋に立てこもり、地元の猟友会によって駆除された。作業小屋の付近には認定こども園がある。この駆除について、「なぜクマを殺したのか」という苦情の電話が県外から殺到しているという。秋田県の自然保護課にもすでに数百件、美郷町にも500件以上の電話があり、朝8時半の開庁から電話が鳴りやまない時間が続いた。「『30分くらいの長い電話は当たり前といった状況です。職員が電話対応に追われ、通常業務に支障が出ています。私たちから電話を切ることはできません』(県自然保護課の担当者)」(AERAdot、10月6日)という証言を考えると、クマの命を奪ったことについて心を痛めている人が多いということだろう。クマが生息しない東京や九州地域からの苦情が多かったようだ。動物を殺すことについては、近年、反対する運動が起きており、命を奪ってはならないという信念から動物を食べないためにベジタリアンになる人もいるようだ。こうした問題をどう捉えるべきなのか。鳥獣保護法や動物愛護法などの観点から行政規制に詳しい、城南中央法律事務所(東京都大田区)所長の野澤隆弁護士に見解を求めたところ、意外な答えが返ってきた。「人気マンガ『美味しんぼ』13巻(1988年初版)の中にある『激闘鯨合戦』の内容が非常に示唆に富んでいます」との指摘を受けたのだ。そこでまずは、この美味しんぼ13巻の内容について紹介したい。当然全てを紹介しきれるわけではないので、興味のある人はぜひコミックを読んでほしい。「鯨を食べるのは野蛮人の証拠です!!」「山岡さんっ! あなたが鯨を食べるなんて!?あなたという人間を見そこないましたよっ!」と、冒頭にこんなシーンがある、美味しんぼ13巻「激闘鯨合戦」は、主人公・山岡士郎と、山岡の友人で捕鯨に反対するジェフとの鯨食についての問答が中心になって展開されている。捕鯨に強硬に反対するジェフを料亭へと連れていき、クジラだということを伏せて鯨肉を食べさせる山岡。何の肉だか分からないまま「これは旨いっ!」と言ってしまったジェフの怒りは頂点へと達する。しかし山岡は、「牛や鶏は食べるのに、なぜ鯨はダメなのか」とジェフを問い詰める。言葉が出ないジェフに、山岡は次のようなダメ押しをする。「そうだよ、俺はとても罪深い人間だ……」「人間という人間は全て罪深い存在なんだ」「どんな生き物でも、どんなに小さな道端の雑草でも、自分が生きるためには一生懸命だ。生きたいと強く願う気持ちに、植物も動物も変わりはない。その命あるものを食べなければ、人間は1日とて生きていけない罪深い存在なんだよ。菜食主義者だって決して無罪ではない」「牛を殺してもいいが、鯨を殺してはいけないなんてことがあるもんか!両方有罪だ!」「生命ある物を殺さなければ生きていけない人間が、生まれつき背負った罪なんだよ!」「そう……人間は業というか生まれつきの罪というか、そういうものを背負ったとても悲しい生き物なんだ」。その人に黙って信条に反する物を食べさせたという山岡の行為については今も根強い批判があり、理由は定かではないが、アニメでは欠番になっていたりすることもあるなど、物議を醸す内容ではある。ただ、山岡が展開した持論だけを切り取って考えてみるとどうだろうか。筆者はこの山岡の考えにおおむね賛成できる。ましてやクマは人間や家畜に致命的な危害を加える生き物である。北海道で、牛66頭を襲ったヒグマ「OSO18」が7月に駆除されたが、こちらも駆除したハンターに抗議が殺到した。北海道が、ヒグマの捕獲に従事するハンターの役割や行動に理解を求める投稿をしたことは記憶に新しい。「クマとの接触は、人命や農作物への被害があるといい、今年は県内で過去最高のペースである590頭が駆除されているという(9月19日現在)。美郷町のクマも駆除の対象となったが『人命を守るためにご理解いただければ』(県自然保護課の担当者)」(弁護士ドットコムニュース10月5日)と、秋田県の担当者が述べている。先ほど紹介した美味しんぼの回では、米国の食文化に鯨食がないことも、米国人が鯨食に拒絶反応を示す理由の一つだと山岡は論じていた。クジラに対する米国人の反応と同じようなことが、日本国内でクマに対しても起きているということだろう。前出の野澤弁護士は以下のように解説する。「動物の法規制は、『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)』と『動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)』の法背景が異なる2本立てで成り立っています」「現在はどちらも環境省が主に所轄し、罰則も細かく規定されているのですが、前者が『狩猟』を前提とした野生動物、後者が『愛護』を前提とした愛玩動物(ペット)を主に想定しています。ざっくりとしたイメージで捉えるなら、前者が『昔からの慣習、地方』、後者が『現代的な価値観、都会』といったところです」「今回のケースで苦情を言っている人の立場から考えてみれば、『後からできた(都会の)理屈』であり、それによって『なんで地域の昔からのやり方が否定されてしまうの』といったところにねじれが生じています。地域ギャップ・年齢ギャップのいずれも大きい分野です」「現時点での一般的な落ち着きどころは、『民家が近いエリアでの殺傷能力が高いクマなどの駆除はやむを得ない』といったところであろうと思われ、2本立て規制の統合化は検討されてしかるべきです。しかし、地方行政レベル、業界団体レベルそれぞれで問題を抱えており、なかなか進みません」。「地方行政レベル」では保健所や福祉関係部局、環境関係部局などが地域ごとにバラバラに対応しているそうだ。一方、「業界団体レベル」は駆除・狩猟系の団体や動物保護系の団体、ペット業者関連の団体などが挙げられるが、動物を扱っている点では共通しているものの肌が合わないという。さらに野澤弁護士は、歴史的・地域的な側面を踏まえ、次のように語る。「日本では、魚に加えて馬などの生肉、いわゆる『刺し身』を堪能する食文化が昔からあり、まだ活発に動いている魚などを利用した『活き造り』や、カニ・エビなどの甲殻類を生きたまま熱湯に直接入れる料理方法もいまだ健在です」「一方で(食中毒の関係などもあり)生魚をほとんど食べない地域は世界的に多く、キリスト教の国を中心にレストランでの料理方法等には種々の規制があります。『イスラム教では豚食が、ヒンズー教では牛食がタブー』はよく知られた一般知識ですが、そうしたもの以外は、大半の日本人にとって『よく分からない規制』といった感覚であろうと思われます」「美味しんぼ13巻にある『他国の食文化を、自分たちの食文化と異なるからといって野蛮と決めつけるのは、それこそ野蛮な行為なんじゃないか?』との山岡士郎さんの発言は、バブル崩壊後の不景気が30年以上続き、寛大さを失いつつある現代日本で今一度見直されるべきフレーズであるといえるでしょう」。2016年の話であるが、同じく秋田県の鹿角市で、4人がツキノワグマに襲われ亡くなった事件が起きた。その付近で駆除されたクマの胃袋からは人体の一部と毛髪が見つかっている。クマは雑食だが、動物園ではリンゴやニンジンなどの野菜や果物を中心に与えられており、野生のクマでも肉はほとんど食べず、まれに死んだ鹿の肉などを食べる程度だ。しかし、一度、人間を食べて「おいしい」「人間は襲うのが楽だ」とクマが理解してしまうと、話が違ってくる。見た目のかわいらしさとはまったく違った面を私たちは理解しなくてはならない。

(オオカミが怖い欧州の政治家たち)
いまヨーロッパでオオカミを怖がっているのは誰だろう? 大半は農民だが、それ以外の人が少なくとも1人いる。ヨーロッパで最も大きな権力を持つ女性ともいえるウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長だ。彼女はオオカミの脅威について警告を発し続けている。長年にわたる保護の努力のおかげで、オオカミは復活を遂げた。ヨーロッパでのオオカミの生息数は、1992年にEUが制定した「ハビタット指令」の効果もあって、2万匹近くにまで急増している。ベルギーでは先頃、実に100年ぶりにオオカミが戻ってきた。ところが、今まで生息していなかった場所にオオカミが姿を見せ、家畜などに危害を加えるケースが増えている。これを受けて、スカンディナビアのフィンランド、スウェーデン、ノルウェーでは、一定数のオオカミを駆除する許可をハンターに与えた。フランス政府も9月下旬、オオカミを保護する規制をやや緩和する「国家オオカミ計画」を発表した。欧州委員会は9月、保守政党の支持基盤である農民や牧畜業者などの圧力を受けて、オオカミの個体数を削減する施策を開始した。「ヨーロッパのいくつかの地域にオオカミの群れが集中しており、家畜にとって、あるいは人間にとっても危険な状況だ」と、フォンデアライエンは9月上旬に語っている。「地方当局や各国政府に、必要な措置を講じるよう求めたい」。オオカミの増加に対するEUの最近の動きは、2021年10月にオオカミがヨーロッパの生物多様性の「不可欠な一部」だと宣言したときとは、大きくトーンが変わっている。フォンデアライエンはかつてドイツの国防相を務め、保守派のキリスト教民主同盟に所属する。彼女は昨年9月、ハノーファー近郊で飼っていた子馬のドリーをオオカミの襲撃で失った。このオオカミは他の動物も襲っており、駆除するよう行政命令が下った。それでも、政治家たちの怒りは収まらなかった。昨年11月、欧州議会はオオカミの保護策を弱める動議を可決。この動議は、議会内最大の保守政党グループで、フォンデアライエンも所属する欧州人民党(EPP)が主導した(拘束力はない)。もちろん、誰もがオオカミを敵視しているわけではない。ドイツの自然保護NGO「ユーロナチュール」の上級政策担当ブルーナ・カンポスは、オオカミを脅威とみるのは誤りだと言う。「ヨーロッパのオオカミは人間にとって何の脅威にもならない」と、彼女は語る。「家畜を襲うことはあるが、オオカミに襲われる危険性を減らす方法は既にいくつも知られている」。例えば防護柵の強化や、光や音でオオカミを寄せ付けないといった対策だ。しかしヨーロッパでは、農民に強い味方がいる。フォンデアライエンは9月中旬に欧州議会で行った一般教書演説でも、農業に関する「戦略的対話」の必要性を重要な柱にした。彼女は、農家が「来る日も来る日も食料を供給してくれる」ことに感謝を述べた。来年6月には欧州議会選挙が行われる。農業関係者が神経をとがらせ、保守派陣営が極右の一層の台頭を警戒するなかで、いまオオカミの問題が注目を集めている裏に政治的な計算を感じ取る人も多い。「ヨーロッパにはもっと大きな問題がある」と、ドイツ緑の党に所属する欧州議会議員ダニエル・フロイントは言う。「EPPは、極右政党などとの連携をますます強めていることから有権者の目をそらそうとしているのだろう」。オオカミの個体数を減らそうとする動きが突然活発になった背景に、フォンデアライエンの個人的な動機を感じ取る見方もある。9月のオランダ議会での討論で左派のレオニー・ベテリング議員は「自分の子馬がオオカミの犠牲になったので、復讐に走った」と、フォンデアライエンを非難した。いずれにせよ、この問題は、農家がまさに「オオカミが来た!」と叫べば、EU幹部が耳を傾けることを示している。EUを代表する農業補助金制度である共通農業政策(CAP)の総額は約3870億ユーロと、EUの総予算の3分の1を占める。EUからは600億ユーロ強の補助金が農家に交付されているが、農家は昨年の数字でEUのGDP全体の1.4%しか生産していない。スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥーンベリは、EUの農家保護に抗議を続けている。特に、ヨーロッパの農業がEUの温室効果ガス排出量の約10%を占めているにもかかわらず、50年までにヨーロッパでカーボンニュートラル(温室効果ガス排出の実質ゼロ)を達成する取り組みから除外されていることを批判している。この点を変えるため、来年には農家にもほかの産業と同様に排出量削減の責任を負わせるという動きが起きたが、それがオランダ政治に地殻変動をもたらした。3月に行われた州議会選挙で、農家を代表する農民市民運動が第1党になったのだ。この結果はヨーロッパ中に衝撃を与え、中道右派政党が握っていた地盤を危うくしている。自然森林研究所(本部ブリュッセル)のヨアヒム・メルゲイのみるところ、オオカミをめぐる議論はおなじみの「農村対都市」という対立軸に沿ったものだが、それ以上に保守派が恐れる「変化」の脅威を象徴している。オオカミに命を奪われる家畜は、落雷や病気で死ぬ数より少ないと、彼は指摘する。「ここにオオカミが『政治的』だという理由がある」と、メルゲイは言う。「農民や猟師など農村部の人々は、自らの影響力が失われていると感じている。オオカミは、そんな彼らが欲求不満をぶつける象徴的な存在になった」。

(病院出入り口の風除室にクマが居座り、確保:秋田)
秋田県由利本荘市の本荘第一病院で19日夜、正面出入り口の風除室内にクマ1頭が迷い込んだ。クマは午後9時前に県と市が捕獲した。けが人はいない。県警によると、同日午後6時半ごろ、付近でクマの目撃情報があり、警戒していた警察官が風除室内にクマがいるのを見つけた。県警は周辺を立ち入り規制してクマを風除室内に閉じ込め、県と市が捕獲した。現場は市中心部の住宅街で、JR羽後本荘駅の北西約800メートル。

(庭のクリの木にクマが2時間半近く居座る:岩手)
18日午後、岩手県花巻市で住宅の庭に植えられたクリの木に登るクマが目撃されました。映像は18日午後1時すぎ、花巻市円万寺の住宅で撮影されたものです。庭に植えられたクリの木にクマが登っています。撮影した男性によりますとクマは子グマと見られ、2時間半近く木の上にいたとのことです。警察は市や地元猟友会と対応を協議し、午後3時半ごろ猟友会のメンバーが爆竹を鳴らしてクマを追い払いました。この家に住む人は、クリの木に上るクマを見たのは初めてだと言います。警察は引き続き近くに住む人たちに注意を呼びかけています。

(「クマが川で魚を食べている」中心部で目撃情報:山口)
19日午後11時10分ごろ、山口市宮島町の椹野(ふしの)川に架かる鰐石(わにいし)橋を渡っていた女性から、「川にクマがいる」と110番があった。現場はJR山口駅の南約500メートルで、付近に住宅や事業所が立ち並ぶ。山口県警山口署や市は近隣の住民に注意を呼びかけている。

(中心部でイノシシの目撃情報相次ぐ:滋賀)
18日朝、長浜市の中心部でイノシシが相次いで目撃されました。イノシシは車と衝突したあと行方が分からなくなり、警察が警戒にあたりました。18日午前6時20分ごろ、JR長浜駅から北に1キロほど離れた祇園町で、イノシシが走っていると近くにいた人から警察に通報がありました。警察によりますと、イノシシは体長1メートルほどの成獣とみられるということです。このあとイノシシは、近くの列見町や北陸本線の線路を越えた三ツ矢元町でも目撃されたあと、長浜警察署の前の道路を東へ走っていったということです。そして、午前7時10分ごろ、北陸自動車道の長浜インターチェンジ近くにある加納町の県道で、走ってきた軽乗用車と衝突したあと、さらに北へ逃げたということです。軽乗用車を運転していた40代の女性にけがはありませんでした。イノシシは市街地を少なくとも4キロ以上横断したあと行方が分からなくなり、警察は、この日、周辺をパトロールするなど警戒を続けたということです。

(市街地近くにシカが2頭出没:静岡)
静岡市駿河区の安倍川下流の河川敷で10月18日朝、シカ2頭が出没しました。シカは川沿いに北上したとみられ、ケガ人などは確認されていません。安倍川の下流、静岡市駿河区東新田の河川敷で18日午前6時45分ごろ、シカ2頭が出没しました。2頭は親子に見え、親とみられるシカは高さ150センチほどあったということです。シカが目撃されたのはJR静岡駅から4キロほどの市街地にほど近い場所。周辺には住宅地の広がる安倍川の河川敷です。動画を撮影した壷阪さんによりますとシカは15分ほど河川敷に滞在したのち、川沿いに北上したとみられ、その後の目撃情報はありません。壷阪さんは約40年目撃現場近くに住んでいるそうですが、このあたりでシカを目撃したのは初めてと話しました。

(患者搬送中の救急車がシカと衝突しフロントガラス破損:北海道)
18日夕方、北海道仁木町の国道で、救急車が道路に飛び出してきたシカと衝突しました。この影響で、救急車は破損し、代わりの救急車が到着するまでに約40分かかりましたが、搬送していた患者の容体に問題はありません。シカと衝突したのは、仁木町大江の国道5号線です。18日午後5時半ごろ、岩内消防署の救急車が、男性患者を札幌市内の病院に搬送中、右側から飛び出してきたオスのシカと衝突しました。この事故で、救急車はフロントガラスが破損し、走行できなくなりました。代わりの救急車が手配され、到着するまでに約40分かかりましたが、その後、男性患者は無事に札幌市内の病院に運ばれました。消防によりますと、男性患者の容体に問題はないということです。 当時、救急車はサイレンを鳴らして緊急走行していました。なお、シカはその場で動かなくなったということです。

(ジビエ祭り開催:愛媛)
愛媛県松山市の城山公園で10月27日、キッチンカーによるジビエ祭りが開かれます。県によりますとジビエ祭りは、城山公園で開かれる「お堀で CAR de BAR!」のイベントの初日に開催。このイベントに出店するキッチンカーのうち10店で、愛媛産のイノシシやシカの肉を使ったカレーやギョウザ、串焼きなどのメニューが販売されるとしています。また県内の野生の動物による農作物の被害を知ってもらうパネルを展示し、ジビエの利用拡大を目指すとしています。ジビエ祭りは10月27日に午後4時から午後9時まで開かれる予定です。

(ジビエ給食で考える里山の問題:広島)
庄原市にある小学校12校、中学校6校でイノシシ肉を使ったジビエ料理が給食に採用されています。この給食をきっかけにして考えていきたい里山が抱える問題とは?庄原市にある峰田小学校では、去年から給食にイノシシ肉を使ったメニューを取り入れています。きっかけのひとつに、里山が抱える問題がありました。庄原市高野町の山間部を訪ねるとイノシシに稲を食い尽くされた現場に遭遇。去年はお米を収穫できなかったそうです。里山の問題とは、イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害。年々被害が拡大し、それに伴いイノシシの捕獲数も増加しています。そこで、2018年にオープンしたのが「庄原ジビエ工房(庄原市有害鳥獣処理施設)」。捕獲したイノシシを受け入れ、食材としても活用する食肉処理施設です。イノシシ1体1体の個体管理はもちろん、衛生管理を徹底することで、安全なジビエを提供する施設として「国産ジビエ認証」を取得しています。庄原ジビエ工房では、給食メニューの食材としてイノシシ肉を提案。2年前から学校給食に採用されました。峰田小学校の栄養教諭 藤岡美和さんは、「イノシシ肉は味がおいしい。牛肉などに比べて安価で栄養価が高く、メニューの幅も広がった」と言います。この日の給食メニューは、イノシシ肉を使ったドライカレー「猪いちばんドライカレー」でした。さらに、この日は庄原ジビエ工房のスタッフが峰田小学校の5・6年生のクラスを訪ね、特別授業を行いました。テーマは、里山が抱える問題と庄原ジビエ工房の行っているイノシシ肉の処理についてです。さらに「イノシシから農作物を守るためにどうすれば良いのか?」をグループで考えました。「畑のそばにブザーを置く。そうすることで、音に驚いて逃げていくから」「イノシシは高く飛ぶから1m以上の電気柵を置けば飛び越えないのでは」など子どもたちからは様々な案が出されました。今回、特別授業を受けイノシシ肉の給食を食べた子どもたちは、「イノシシは被害をもたらすこと、獣害と言うのは獣全てではなく人に害をもたらす動物だということが分かった」「イノシシは怖いけどおいしいものをイノシシから頂いているのでありがたい」と里山の問題やイノシシに興味が膨らんだ様子でした。余すことなく命をいただくジビエ給食をきっかけに、里山を自分たちで守り、自然の恵みを大切にする心が育まれていくのではないでしょうか。

(廃棄されるシカに新たな命:兵庫)
農林業被害を防ぐために捕獲される兵庫県内のニホンジカのほとんどが廃棄されていた約20年前、状況を変えようと立ち上がった神戸市のアパレル企業がある。革製品やジビエを質量ともに安定して供給させるべく尽力。輸送コストを抑えるなどの工夫でビジネスとして成立させ、県産シカの有効活用の輪を広げてきた。シカ革のバッグやシカ革をボタンに使用したシャツ、シカの骨灰を釉薬に用いた陶器、シカ肉の缶詰…。神戸阪急(神戸市)や阪急うめだ本店(大阪市)に入る直営店「ハイカラブルバード」には衣食住の幅広いシーンで使われる商品が並ぶ。害獣として廃棄処分されてきたシカの命を無駄にしないという考え方を、都市部のライフスタイルに沿いながら発信している。店舗を運営するアパレル企業、メリケンヘッドクォーターズ(神戸市)は、アパレルブランドを手がけるほかにも市中心部でシカ肉料理専門店やジビエ精肉店などを運営。ジビエとして販売できない肉や骨も「神戸どうぶつ王国」(同市)に提供するなど余すところのない活用を目指す。「シカを扱う商社のようなこともやっています」と同社は説明する。入舩郁也社長(55)は、平成12年の創業まではアパレル企業の企画職に従事。趣味のアウトドアを通じて交流のあった猟師らから、シカの増えすぎによる農林業被害について聞いたことが事業のきっかけだった。当時、捕獲されたシカの活用はジビエとして捕獲者が自家消費するごく一部にとどまっていた。洋服店として、捕獲後のシカの活用をできないか-。創業後、釣りにも着用できるタウンウエアを販売しながら、まずは皮に着目。18年、ジーンズのパッチやシャツのボタンにシカ革を使用した商品の発売にこぎ着けた。翌19年には運営する飲食店でジビエ料理の提供を開始するなど、食肉の活用も模索した。野生であるがゆえ、シカの皮には傷が入っていたり、散弾銃による穴が開いていたりすることもしばしば。バッグなどの革製品を満足のいく品質で作るためには、捕獲や加工に携わる人たちの協力が必要で、原料の確保などに向けて交渉を続けた。輸送コストを抑える手段として、入舩社長がトラックで県内の処理加工施設を巡回して回収する方法を考案。皮や肉の保管のため、それぞれ冷凍設備のある貯蔵施設を整備するなどした。県によると、シカによる農林業被害は、狩猟報奨金制度の創設などの捕獲強化が開始された22年度の約4億7千万円から、令和3年度に約2億円まで半減している。捕獲されたシカの利活用も進み、平成25年度にわずか2・1%だった利活用率は、令和3年度には26・5%に。県の担当者は、「ジビエの利活用を国が後押ししてきた影響は大きい」とした上で「(利活用は)商品として供給する民間の主体があってこそ成立する。捕獲する猟師のやりがいにもつながっているはずだ」と話す。県はシカの利活用率を7年度に30%、12年度には35%まで伸ばす目標を掲げている。入舩社長は、「大都市の神戸で取り組むからこそ、不特定多数に啓蒙(けいもう)する入り口になることができる」とも話す。直営店が神戸阪急に移転することになった令和3年、それまで営業していた神戸・旧居留地の店舗はジビエ専門精肉店としてオープン。ホテルや飲食店のほか、家庭料理やバーベキューなど多様なニーズに応じられるよう、幅広い部位を取りそろえ、スライスにしたモモ肉やソーセージなど面倒な下処理が不要なものも販売している。阪急百貨店の店舗を訪れる客には、商品にシカが使われていることに気づいていない人も少なくないが、それも戦略だという。入舩社長は「お金を出して購入したい、食べたいものであるかどうかは、あくまで商品力、企画力だ。ものを生み出す者として責任を持ち、フェアに選ばれる商品を作っていきたい」と語った。

(ジビエフェア、好評博し今年も:神奈川)
昨年初めて開催された「大山猪鹿(ジビエ)フェア」が今年も10月14日(土)から2024年3月31日(日)まで開催される。主催は大山ジビエフェア実行委員会(大山先導師会旅館組合・女将の会・大山飲食店物産組合)。大山で古くから食されてきたジビエ料理を多くの人に知ってもらおうと、大山の宿坊や飲食店で昨年末から今年3月末まで初開催された同フェア。今年は1店舗増え、18店舗が参加する。13日にはオープニングセレモニーが旅館かすみ荘で開催され、市内子易の食肉処理施設「阿夫利山荘」の磯崎敬三代表と覚書の締結などが行われた。武田安司実行委員長は「お客様からの評判が良かった。参加店舗からも続けたいという声が多かったので、今年は紅葉シーズンに合わせて開催できるように準備を進めてきた。バラエティに富んだメニューが揃ったので、多くの方に大山に来ていただき、高タンパク、低カロリーのジビエを楽しんでもらえれば」と呼びかける。フェアで提供されるジビエ料理は、大山で捕獲され、阿夫利山荘で加工された肉が使われる。大山でジビエは豆腐料理に並ぶ名物として宿坊などで登山客や地元住民の間で食べられてきたが、「伊勢原うまいもの創造委員会」からの提案などを受け、実行委員会を立ち上げた。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午後3時54分ごろ、栗原市花山草木沢原井田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、19日午後3時40分ごろ、松島町高城前田沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前7時ごろ、仙台市泉区根白石町頭にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日、仙台市泉区西田中杭城山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日夜、仙台市青葉区芋沢大勝草畑にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午前7時10分ごろ、栗原市築館下宮野町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、19日午前7時ごろ、色麻町大下新町北付近にクマが出没しました。

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(大型バイクがシカと衝突か:兵庫)
兵庫県豊岡市に1人でツーリングで訪れていた20代の男性が、路上で意識不明の状態で見つかり、その後死亡が確認されました。現場には大きなシカの死骸もあり、警察はバイクがシカと衝突した可能性があるとみています。警察によりますと3日午後2時47分ごろ、豊岡市内の山あいを走る県道の路上で、通行人の女性が、男性が側溝にはまっているのを発見し119番通報しました。男性は意識不明の状態で豊岡市内の病院に救急搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。亡くなったのは島根県安来市の会社員の男性(27)です。男性の近くには大型バイクが倒れていたほか、大人のシカ1頭の死骸があったということで、豊岡警察署は男性の運転するバイクとシカが衝突したとみています。現場は見通しの良い中央分離帯のない片側1車線の直線道路で、男性は安来市から1人でツーリングに訪れていたということです。

(住宅敷地で女性死亡、クマに襲われたか?:富山)
富山市江本の住宅の敷地で17日午後9時40分ごろ、70代女性が倒れているのが見つかり、富山県警富山南署員が死亡を確認した。女性はこの家の住人とみられ、顔を中心に複数の切り傷があった。付近では同日夕にクマ1頭の目撃情報があり、署はクマに襲われた可能性があるとみて司法解剖をして死因を調べる。署によると、女性の夫から17日夜、「午後6時ごろから妻が家にいない」と通報があった。署員が捜索したところ、自宅の庭で女性がうつぶせで倒れていた。市森林政策課によると、すぐそばの別の住宅でもこの日午後5時半ごろ、「クマが敷地内にいる」と通報があり、注意を呼びかけていたという。

(住宅でクマに襲われ、80代の女性けが:秋田)
15日朝、秋田県鹿角市の住宅で、80代の女性が果物の採取中にクマに襲われてけがをしました。女性は意識があり、命に別状はないということです。警察によりますと、15日午前6時ごろ、鹿角市八幡平の住宅で、この家に住む88歳の女性が、自宅敷地内で果物のポポーを採取中にクマに襲われ、左手にけがをしたほか、転倒した際に腰を痛めました。女性は市内の病院に搬送されて治療を受けていますが、意識はあり、命に別状はないということです。クマは3頭いてこのうち1頭は体長1メートル20センチほど、2頭はいずれも60センチほどで、親子と見られています。県内でことしクマに襲われてけがをした人はこれで41人となり、過去最多を更新しています。県によりますと、ことしはクマのエサとなるブナやドングリなどの木の実が県全域で不作となっているため、冬眠前のクマがエサを求めて市街地などにも出没する可能性が高くなるとみています。このため県と警察は、「ことしは特に、『いつでも・どこでも・誰でも』クマに遭遇するリスクがある」として、やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。

(クマに襲われ2人けが:秋田)
秋田県鹿角市と大館市で16日、クマによる人身被害が相次ぎ、60代の男女2人がけがをした。今年、県内で発生した人身被害の累計は39件43人となった。午前6時10分ごろ、鹿角市八幡平字下葛岡の市道で大館市の女性(66)が体長約50センチのクマに襲われ、額と顎を負傷した。意識はあり、命に別条はない。

(クマの人身被害相次ぐ:秋田)
秋田県大館市比内町で17日、クマによる人身被害が相次ぎ、80代女性と40代男性の2人がけがをした。県内で今年発生した人身被害の累計は41件45人となった。同市では2日連続。午前10時ごろ、同市比内町八木橋字八幡岱の山林で、キノコ採りをしていた同市の女性(80)がクマに襲われ、頭部を負傷した。命に別条はない。

(自宅敷地でクマ目撃した男性、逃げる際に転倒し軽傷:秋田)
18日午前7時ごろ、秋田市河辺大張野字道ノ下の民家敷地内でクリの木の見回りをしていた男性(69)が、クマ2頭と遭遇し逃げる際に転倒して両手に擦り傷を負った。県内で今年発生したクマによる人身被害の累計は42件46人。

(ヒグマに右肩かまれ振り回される:北海道)
13日午後6時ごろ、北海道釧路市阿寒町布伏内の浄水場から「人がクマに襲われてけがをしている」と119番通報があった。襲われたのは釧路市の会社員男性(52)で、釣りをした帰りにヒグマにかまれるなどして顔や右肩に重傷を負った。釧路署などによると、現場はシュンクシタカラ川の上流付近。自転車で釣り場を移動していた男性が車に戻る途中、親子とみられるクマ2匹に遭遇した。母グマに顔をひっかかれたほか、右肩をかまれて振り回され、近くの川に落とされたという。男性は自力で川からはい上がり、車を運転して浄水場に駆け込み、職員に助けを求めたとみられる。北海道は13日、ヒグマ注意報を出し、付近に注意を呼びかけている。

(クマに襲われ72歳男性けが:福井)
18日午前7時20分ごろ、福井県勝山市村岡町浄土寺の畑で、農作業をしていた男性(72)がクマに襲われた。市によると、頭に6針を縫うけがを負ったが、命に別条はない。富山市でも17日夜、クマに襲われたとみられる高齢の女性の遺体が住宅敷地内で見つかっており、富山県警が詳しい経緯を調べている。勝山市によると、男性は自宅横の畑でクマに背後から襲われ、頭をひっかかれた。成獣1頭で、北西に逃げていった。

(クマに襲われ80代女性がけが:群馬)
群馬県で83歳の女性がクマに襲われ顔にけがをしました。県は、えさを求めたクマが人里で出没する恐れが高まっているとして注意を呼びかけています。午前7時半ごろ東吾妻町厚田の路上で「母親がクマに襲われた」と男性(58)から119番通報がありました。警察によりますと、83歳の女性が一人で散歩をしていたところクマと出くわし、顔をひっかかれました。女性はドクターヘリで搬送されました。意識はあり、会話もできていたということです。女性から連絡を受けた息子が現場に駆け付けると、すでにクマは立ち去っていました。群馬県によりますと、今年度に入って県内でクマによる人的被害が出たのは3件目です。昨年度は0件でした。今年は冬眠前のクマが食べるどんぐりが不作でえさを求めて人里で出没する恐れが高まっているとして県は注意を呼びかけています。

(体長約1.3mのクマに襲われ70代女性がけが:青森)
18日、青森県鰺ヶ沢町で70代の女性が自宅近くの山で体長1.3メートルのクマに襲われました。女性は右手の甲と中指にけがをしましたが命に別状はないということです。青森県で2023年に発生したクマの人身被害は10件目で、県はツキノワグマ出没警報を発表し警戒を呼びかけています。

(クマの駆除にクレームを入れる類の「ダメな人」にならないために)
コミュニケーションのあり方が変化するなかで、社会的な規範も揺らいでいる。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。世の中には反面教師があふれています。そりゃ、誰だって至らない点はありますが、それはそれ。ニュースを見ていると「そういう人にはなりたくないな」と思わされることが、しばしばあります。最近、強くそう思わされたのは、秋田県美郷町で住宅地にある作業小屋に立てこもっていたクマ三頭を駆除したら、町役場にクレームが殺到したというニュースをみたとき。クマの駆除が行なわれたのは、発見された翌日の10月5日。その直後から苦情が殺到し、翌6日の段階で「電話で450件、メールで160件」にのぼったとか。電話に出た職員に、いきなり「人でなし!」「地獄に堕ちろ!」と罵声を浴びせたり、30分以上もネチネチと抗議し続けたり……。10日の段階でも抗議の電話が続いていて、町役場は通常の業務に支障をきたすと悲鳴を上げているようです。当たり前ですが、駆除を決めた町と県だって、クマの命を軽んじているわけではありません。東北地方の各地では、クマに襲われて死亡したり大けがをしたりという被害が毎年数多くあります。麻酔で眠らせて山に戻しても(それ自体、二次被害の可能性がある難しい行為ですが)、また里に現われる可能性が大。クマの怖さを十分に知っているからこそ、住民の命を守るためには駆除しかないと苦渋の判断をしたわけです。もし目を吊り上げてクレームを入れた人たちの家の納屋にクマが立てこもったら、「かわいそうだから駆除しないでくれ!」と言い張れるのでしょうか。山道でクマとバッタリ遭って、通りすがりのハンターが銃を向けたら、「クマを撃たないで!」と銃の前に立ちはだかるのでしょうか。いや、きっとクレームを入れる人は、クマとは無縁の人生を送っていて、これからも無縁という前提があるから、無責任な抗議ができるんでしょうけど。「クマを駆除した町にクレームを入れる」という行為には、いろんな種類の「人としてのダメ」が凝縮されています。いくつか並べてみましょう。「独りよがりで的外れな『正義』を振り回すみっともなさを自覚していない」「相手の状況に対する想像力の乏しさと視野の狭さを見事に露呈している」「匿名という安全圏から、自分よりも“弱い立場”の相手に強気に出ている」。こうした独善的で短絡的で平気で弱い者いじめができるタイプは、さまざまな場面で不愉快で迷惑な行動をとっているに違いありません。バスの中で赤ん坊が泣きだしたときに「うるさい!黙らせろ!」と叫ぶおじさんも、我が子の担任の先生に理不尽な要求を突き付けまくって休職に追い込むモンペなママも、同じダメさを持ち合わせています。こうやって何かを批判する場合、現在の日本では「いろんな考えがあると思いますが」といった前置きで予防線を張るのが“暗黙のルール”になっています。それも要は、とにかくクレームを付けたいだけの人の「こういう場合はどうなんだ」的な不毛なクレームを避けるため。そんな建前主義こそがダメなクレーマーを調子に乗らせて世の中を窮屈にしている一因でもあるので、ここではウソ臭い前置きは付けません。クマを駆除したことにクレームが殺到したという話を聞いて、「なんじゃそりゃ」「またバカが湧いてきたな」「相手させられる役所がかわいそう」と思った人は、きっと大丈夫です。ダメをダメと察知できるので、「電柱の陰から“悪者”に石をぶつける快感」の誘惑に溺れずに済むでしょう。ただ、人間は弱い生き物です。ふとした拍子に“ダメな人”の側に近づいてしまったり、悪いことが重なって気持ちが荒んでダメの落とし穴にはまる可能性がないとは言えません。そんな悲惨な状況を回避するには、ダメの国から戻って来れなくなる前に早めに手を打つことが大切。自分自身にこんな兆候が見られたら要注意です。●「家族や周囲の人とギスギスしていて、ちょっとしたことで言い合いになる」「ふと気が付くと『最近の若いモンは』『近ごろの政治家は』と呟いている」「飲食店の若い店員がモタモタしていたり敬語を間違えたりすると腹が立つ」「ネットの炎上案件を見つけると、ヤフコメの罵倒コメントを読んでしまう」「同級生の中から、自分より苦労してそうな友人は誰かと考えることがある」。5つのうち4つ以上当てはまるなら、クマを駆除した町の役場に電話して罵声を浴びせたり、あるいは救急隊員がお茶を飲んでいたと消防署にクレームの電話を入れたりする人になるまで、あと一歩です。思い切って長い休みを取るなどして、自分をいたわりましょう。「なかなかそうはいかないよ」とおっしゃるかもしれませんが、出世が遠ざかろうが上司や家族にイヤミを言われようが、ダメな人になってしまうよりはマシです。

(エゾシカ爆発的に増加、絶滅寸前から72万頭に:北海道)
地面に顔を近づけ、草を食べるシカ。その数、5頭。13日、北海道・札幌市の公園で撮影された映像。手前のシカが顔を上げてこちらを見るが、逃げもせず、そのまま食べ続ける。札幌市では、16日も住宅街でシカが出没。過去には交差点に飛び出したり、線路に群れで進入し、列車に衝突寸前になったことも。北海道でのシカによる被害額は、年間およそ45億円にものぼっている。一時は絶滅寸前だったが、現在は72万頭が生息。なぜここまで増えたのか、専門家に話を聞いた。酪農学園大学 狩猟管理学研究室・伊吾田宏正准教授「シカは放っておくと、毎年2割増しで増える。北海道全体で十数万頭を毎年捕獲しているが、捕り足りなくて増えている」。市街地での捕獲が難しいため、今後は移動ルートを遮断するなどの対策が必要だという。

(クマ人身被害、最多ペース)
クマによる人身被害が過去最悪のペースだ。環境省が11日に発表した4~9月の速報値では、東北を中心に15道府県で計109人に上り、月別統計を始めた2007年度以降の同時期比で最多となった。個体数の増加が一因とみられる。今後も冬眠の準備で活動が活発になる一方、餌となる木の実は凶作のため各自治体が注意を呼びかけている。

(クマ捕獲1頭当たり5千円程度の慰労金:秋田)
佐竹敬久知事は16日、クマの捕獲頭数に応じた慰労金を各市町村の鳥獣被害対策実施隊に支給する方針を明らかにした。クマによる人身被害や農業被害を受けた対策で、慰労金は1頭当たり5千円程度の予定。県議会自民党会派との県政協議会で説明した。12月県議会に関連予算案を提出し、年度内に支給する考えだ。 県によると、本年度に県内で捕獲したクマは9日現在1030頭で、昨年度の442頭の2倍以上に上る。地元猟友会の会員らでつくる実施隊の捕獲や駆除にかかる負担が増しているとして、活動継続を支援するため慰労金を支給することを決めた。

(増えるシカと列車の衝突、ハンター減り繁殖か)
野生動物が列車とぶつかる事故が増えている。群馬県内や埼玉県北部などを管轄するJR東日本高崎支社管内では昨年、動物が絡む事故が過去最多になった。特に目立つのがシカだ。担当者は「動物が相手とはいえ、仕方ないでは済まされない」。あの手この手で有効策を見つけ出そうとしている。赤城山のふもとの群馬県渋川市赤城町。9月10日午後7時半ごろ、上越線水上行きの下り電車が線路内にいたシカとぶつかった。JR高崎支社は安全確認のため、上下線で一時運転を見合わせた。計3本の電車に最大1時間8分の遅れが出た。上越線を含め、県内や埼玉県北部は山間部の路線が多く、動物との衝突が続く。同支社によると昨年度、動物との衝突が84件発生した。2020年度の82件を上回り、過去最多となった。路線別では、埼玉県北部と県内を結ぶ八高線が23件と最多で、上越線が22件と続いた。吾妻線や高崎線でもそれぞれ10件以上あった。衝突した動物のほとんどがシカだ。84件のうち62件と事故全体の7割以上を占めた。他にもイノシシやタヌキ、国の特別天然記念物ニホンカモシカとの衝突もあった。いずれも夕方以降、暗い時間帯になってからの衝突ばかりだという。衝突で乗客がケガをしたり、列車が壊れたりしたことはない。多くの場合、30分ほどで運転再開が可能だが、同社鉄道事業部の宮崎政孝さん(41)は「運行再開までの作業には危険が伴う」と説明する。

(ヒグマ被害増で捕獲目標を設定、春駆除も区域拡大へ:北海道)
北海道は16日、ヒグマの保護と個体数管理に関する専門家らの検討会を開いた。生息数の増加によって農作物や人への被害が深刻化しているとして、暫定的に捕獲頭数の目標値を設定することを決めた。今年解禁した春の駆除についても捕獲可能な区域を拡大する方針。道によると、捕獲目標の設定は、生息数の推定値に幅がある上、地域によって個体数が異なるなど課題が多いため、検討会で今後議論し、具体化を図る。道内では今年、ヒグマの目撃が急増し、人身事故も4件発生している。道は今年からヒグマの冬眠期と重なる2月~5月下旬、頭数や区域制限を設けた上で、子連れと冬眠中のヒグマ狩猟を許可する「春期管理捕獲」を実施。これまで20頭を捕獲するなど、対策強化に取り組んでいる。

(豚熱、人や物などの移動でウイルス持ち込まれたか:佐賀)
ことし8月、佐賀県の養豚場でブタの伝染病、CSF=豚熱が相次いで発生した問題で、農林水産省の調査チームはウイルスの遺伝子の解析などから人や物などの移動によって豚熱のウイルスが持ち込まれたと考えられるとする調査結果を公表しました。ことし8月、佐賀県唐津市の2つの養豚場で豚熱の感染が相次いで確認されたことについて、農林水産省の調査チームが感染経路などについて調査を行った結果が16日、農林水産省の専門家の会議で報告されました。それによりますと、2つの養豚場で確認された豚熱のウイルスの遺伝子は、およそ200キロ離れた山口県の野生のイノシシで見つかったウイルスに最も近く、中国地方西部に由来するウイルスが佐賀県に入ったとみられるということです。これまで九州では野生のイノシシに豚熱の感染は確認されておらず、今回の養豚場周辺のイノシシからもウイルスは見つかっていないことなどから、人や物などの移動によって持ち込まれたと考えられるとしました。ただ、詳しい感染ルートについては特定できていないとしています。また、検査の結果などから少なくとも感染が確認される1か月以上前には感染が始まっていたと推定されるとしました。このため、調査チームなどでは野生のイノシシに感染が確認されていない地域でも改めて衛生対策を徹底する必要があると提言しています。

(マダニ媒介感染症患者数、全国122人過去最多)
マダニが媒介するウイルスによって発熱や下痢などが引き起こされる感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」を発症した患者数が、全国で122人となり、統計を取り始めてから最も多くなりました。専門家は、温暖化でマダニの生息域が広がっていることによる影響を指摘しています。SFTSはマダニにかまれることで感染し、発熱や下痢などの症状を引き起こします。特効薬がないこともあり、専門家によりますと、致死率がおよそ10%に上るとされています。国立感染症研究所によりますと、ことしの患者数は今月8日の時点で全国で122人となり、統計を取り始めた2013年以降最も多かった去年の年間の患者数の118人をすでに上回りました。都道府県別では、山口県が最も多く13人、次いで宮崎県が12人、大分県が11人などと西日本が多く、神奈川県でも1人となっています。SFTSに詳しい長崎大学の安田二朗教授は「温暖化の影響で、マダニの生息域が広がっている可能性がある。これまで報告されていなかった地域でも患者が報告されるようになっている。晴れた日はマダニの動きが活発になるため、キャンプや山菜採りなどで山の中に行く際は、長袖や長ズボンを着用するなど注意してほしい」と話していました。厚生労働省は、特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけてはマダニに刺される危険性が高まるため、マダニが多く生息している草むらなどに入る際は、長袖や長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルをまくなど肌の露出を少なくするよう呼びかけています。屋外で活動したあとは入浴してマダニに刺されていないかチェックし、万が一刺された場合は、マダニを無理に引き剥がそうとせず、医療機関で除去や洗浄などの処置することが必要です。そして、数週間程度は体調の変化に注意して発熱などの症状があれば医療機関を受診してほしいとしています。専門家は、農作業や森林での作業や、キャンプや山菜採りで山の中に入る場合のほか、ペットの犬や猫から感染することもあるとして、注意が必要だとしています。

(「マダニ媒介新興感染症」世界各地で新たなウイルスが続々と発見されている)
近年、マダニが媒介する新興ウイルス感染症が話題になっています。「オズウイルス」は、2018年に愛媛県でマダニの一種タカサゴキララマダニから世界で初めて見つかりました。昨年は厚生労働省が、茨城県内において心筋炎で死亡した70代の女性について、オズウイルスによる感染症と診断されたことを発表しています。この女性は、昨年夏ごろに発熱や倦怠(けんたい)感を訴えて病院を受診後に心筋炎で亡くなられたのですが、入院時に右足の付け根にマダニがかみついていたことが確認され、検査を行ったところオズウイルスによる感染症と判明したとのことでした。オズウイルスに人が感染して発症、死亡したケースが確認されたのは初めてで、厚生労働省はウイルスの特徴や症状などについて引き続き調査や研究を行うこととしています。ちなみに疫学調査では、山口県、和歌山県、三重県、大分県、岐阜県、千葉県のイノシシ、サル、シカなどの野生動物がオズウイルスの抗体を持っていることが分かっています。つまり、この地域にはオズウイルスを持ったマダニが生息していることが推測されるのです。ほかにもマダニからはさまざまなウイルスが見つかっています。2021年には、北海道大学が発熱や筋肉痛などを主徴とする感染症の原因となる新しいウイルスを発見し、「エゾウイルス」と命名されました。エゾリスやエゾシカと同じく北海道だからエゾウイルスというわけです。エゾウイルス感染者は2014~20年の7年間で少なくとも7人が確認されており、いずれの方もマダニに刺された数日から2週間後に発熱や筋肉痛などを訴えていました。これまでのところ、エゾウイルス感染症による死者は確認されていませんが、エゾシカなど道内の野生動物がエゾウイルスの抗体を持っていることが分かっていて、ウイルスは北海道内に定着していると推察されています。近年、解析技術の進歩によって世界各地のマダニからウイルスを含む新たな微生物が次々と発見されていて、マダニの中には未発見の病原体がまだ存在しているものと考えられています。今後も新たな病原体が発見されるかもしれません。春から秋にかけてはマダニの活動が盛んになるので、草むらやヤブなどマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するものは履かないといった対策が大切です。

(釣り人クマに襲われ重傷、対策会議:北海道)
釧路市阿寒町できのう、川に釣りに来ていた男性が林道でクマに襲われてけがをした事故で、市や警察などは対応を協議し付近のパトロールを強化することにしています。クマに襲われたのは釧路市の52歳の男性です。きのう午後5時ごろ、釧路市阿寒町布伏内の林道で釣りを終えた男性が自転車で移動していたところ、親子とみられる2頭のクマに遭遇し襲われました。男性は親とみられるクマに右肩を噛まれ右まゆの下を引っかかれるなどして深い傷を負ったということです。男性は近くに止めていた車まで自力で逃げ浄水場に助けを求めました。(釧路市阿寒町行政センター 森昌弘市民課長)「すぐさまの駆除ではなくまずはこれ以上に被害が出ないように立ち入りの制限と注意喚起でまずは対応したいと思っています」市は対策会議を開きパトロールを強化することを決めました。

(アライグマの農作物被害が急増:群馬)
外来種のアライグマによる県内の農作物の被害額が、昨年度は400万円余りと、3年前の3.5倍に急増し、各自治体が対策に追われる事態となっています。北米原産のアライグマは、かつてペットとして大量に輸入されましたが、捨てられるなどして野生化し、全国各地で農作物を荒らしていることなどから、特定外来生物として駆除の対象になっています。県によりますと、県内でもアライグマに畑の野菜や果物を荒らされるケースが相次いでいて、昨年度の被害額は、410万円余りと、3年前の3.5倍に急増しています。このうち、伊勢崎市の萩原俊彦さんが家庭菜園をしている畑でも、3年ほど前から被害が出始め、おととしに赤外線カメラを設置したところ、3頭が畑の中を動き回る様子などが写っていました。その後も被害は続き、ことしは、70本のトウモロコシのうち50本がアライグマに食べられたということです。伊勢崎市では、地元の猟友会に依頼してわなの設置などを進め、今年度は上半期だけで昨年度1年間の134頭を上回る150頭を捕獲していますが、繁殖力の強さから被害が後を絶たない状況が続いています。萩原さんは「住宅街で、これほど多くのアライグマが出ることに驚いています。家族のために大切に育てたものが食べられてしまい、とても残念です」と話していました。

(クマの出没に備え、住宅のカキの木を伐採:富山)
県内では10月、クマの出没が急増しています。富山市の山あいでは、住民らが協力しクマを引き寄せるカキの木を伐採しました。住宅の庭にあるカキの木の伐採が行われたのは、富山市の細入地域・庵谷地区です。この取り組みは、クマの爪痕など痕跡がみられたことを受けて、地区に住む県自然博物園・ねいの里の赤座久明さんが提案し、自治会が4年前から行っています。伐採したカキの木は、2022年までにおよそ120本、2023年はきょうを含めて3本だということです。県自然博物園・ねいの里 赤座久明さん「身近にあるもので、自分で始末できる、もう少し小さなカキの木なり、カキの実は落とす」富山市によると14日朝早く、県立図書館近くの富山市茶屋町でクマの幼獣1頭の目撃情報がありました。痕跡は確認できなかったということです。

(ペットが捨てられ野生化、激増するアライグマ:福岡)
野生化した「特定外来生物」のアライグマが、都市近郊でも数を増やしている。ペットとして飼われた後に捨てられたものが繁殖したとみられ、捕獲数は20年前と比べて20倍超に達した。農作物だけでなく、福岡市などの市街地では家屋被害も確認されており、福岡県は駆除に本腰を入れる考えだ。「手塩にかけて育てたのに……」。福岡県朝倉市でブドウ園を営む足立裕俊さん(38)が肩を落とす。5年ほど前から、ブドウの房から実だけがちぎられる被害が目立つ。カラスなどとは明らかに違う手口で、農園で見かけたアライグマが「犯人」とみられるという。被害は毎年のように起き、今年は約1万房のうち、200~300房を食べられてしまった。足立さんは「柵の小さな隙間からも出入りするので、対策が難しい」とあきらめ顔だ。環境省などによると、2003年度に全国で捕獲されたアライグマは約3000頭だったが、19年度はおよそ22倍の約6万6000頭に上った。農作物の被害も深刻で、06年度の1億6400万円から21年度には2・5倍の4億1400万円まで増えている。福岡県内でも、16年度の700万円から21年度の2500万円へと5年で3倍以上に拡大している。さらに、近年は都市部でも被害が出ている。住宅街が広がる福岡市南区の浄福寺で昨秋、1匹のアライグマが捕まった。 檀家だんか が集う建物の屋根裏を調べると、大量のフンが見つかったという。住職の佐々木成明さん(55)は「こんな街中にアライグマがすみ着いていたとは」と驚きを隠せない様子。市によると、JR博多駅周辺の市中心部で目撃された例もあるという。水戸市では今年、旧水戸藩校「弘道館」内の国指定重要文化財「正庁」の柱にアライグマのものとみられる爪痕のような傷が見つかった。文化財への被害も懸念される事態となっている。日本では1970年代、テレビアニメ「あらいぐまラスカル」の放映を機にペットブームが到来し、北米などから大量に輸入された。環境省などによると、愛くるしい見た目に反して気性が荒いため、手に負えなくなった飼い主が捨てるなどしたことで野生化が進んだという。繁殖力の高さや、国内には天敵が少ないことも次々に数を増やしている要因となっている。国は今年4月に改正外来生物法を施行し、アライグマなどの特定外来生物の被害防止に取り組むことを都道府県の責務に位置づけた。福岡県は8月、専門家を集めた初の対策会議を開き、捕獲計画の策定作業に取りかかった。重点地域に加え、自治体ごとの役割分担などを具体化した計画を年度内に取りまとめ、新年度からの運用開始を目指す。県自然環境課は「高級果物を中心に被害が深刻化しており、対策を急ぎたい」としており、熊本県も同様の計画づくりを検討している。ただ、「根絶」は容易ではないようだ。すでに対策に取り組んでいる北海道や関東地方などでもいまだに解決には至っていない。アライグマの生態に詳しい北海道大の池田透教授(保全生態学)は「繁殖に捕獲が追いついていないのが実情だ」と指摘した上で、「やみくもに捕まえるのではなく、わなの数や場所、投じた人的資源などを記録、分析しながら、科学的な根拠に基づいた対策を息長く続ける必要がある」と話す。福岡県那珂川市では今月に入り、女子中学生や農作業中の女性がサルにかまれたり、飛びかかられたりして負傷するなどした。9月には福岡市でも子どもや女性が襲われた。市によると、サルの目撃情報は4月以降、60件を超え、昨年度1年間の26件を上回っている。熊本市中心部の熊本城内でもサルの姿が確認されている。福岡市動物園で動物相談員を務める安河内清文さん(65)は「今は繁殖期の前で、気が立っている野生動物も多い。街中で見かけても手を出さず、静かに後ずさりして離れてほしい」と呼びかけている。

(クマに「死んだふり」は本当に有効なのか?)
全国各地でクマの出没が相次ぎ、人的被害も多発している。万が一、クマに遭遇してしまったらどう対処するべきなのか。前編記事『「気づいたら顔の一部がなくなっていた」…! クマと戦って命を失いかけた男性が明かす「壮絶体験」』では予期せぬ形でクマと遭遇し、危うく命を失いかけた岩手県大槌町在住の八幡徳美さんの経験を紹介した。八幡さんの告白を続けよう。「顔にタオルを当てたとき、顔がべコッとへこんでいるのがわかりました。そのとき初めて顔をえぐられていたと気がつきました」。クマに襲われ、鼻や耳など顔の一部を失った八幡さんは右手で顔の失血を押さえ、左手でハンドルを握って、近くにある森林組合を目指した。「幸運なことに森林組合には若い衆がいて、クラクションを鳴らすと、走って駆けつけてくれました。彼は私の姿を見ても動揺することなく、タオルを持ってきてくれました。同時に、もうひとりの従業員が来て、私の名前と生年月日を確認すると、すぐに救急車を呼んでくれました。彼らの迅速な対応で今こうして生きていられるわけです。彼らには感謝しかありません」。八幡さんは釜石市内の県立病院に運ばれたが、そこでは手に負えず、盛岡医大まで搬送され、手術を受けた。「盛岡で看護師をしている孫が盛岡までの救急車に同行してくれました。わざわざ釜石まで来てくれたのです。うっすらとした記憶しかありませんが、孫が救急車でずっと手を握ってくれていた。この記憶はあります。気づいたら手術台の上でした。目の前の大きな電気で目が覚めた形です。全身手術は命に影響するということで部分麻酔でした。鼻の中を針で縫うときの尋常ではない痛さ。これをよく覚えています。手術後、先生から『目を開けられますか』、続けて『二重に見えますか』と聞かれました。ちゃんと見えましたが、自分だけではなく先生たちも安心しているように感じました。長時間の手術で、腹部の肉と骨を鼻に移植しました。あと、頭皮の一部を鼻に移植しています。傷跡は生々しいですよね。顔の右側に爪の跡が3本くらいあります。クマの襲われた影響で目と耳の調子が良くありません。年齢の問題もあるかもしれませんが、やはりショックもあったんでしょう」。八幡さんは「クマとは絶対に戦うべきではない」としみじみと振り返った。「私は小学生のときに終戦を経験。苦しい時代を生きてきたこともあり、クマになんて負けるもんかという思いがありました。だからいつでも反撃できるようにカマを常備していました。しかし、実際に遭遇してみると、野生の動物にはどうやっても勝てないということがよくわかりました。決して野生の動物には歯向かってはいけない。戦うべきではありません。運よく生き延びることができた人間としてこれを伝えたいです」。当時の取材から3年が経ったが、傷はいまでも完治していない。自宅周辺では人家にクマが侵入するなど出没が多発しており、山に近寄ることは一切なくなったという。八幡さんのようにクマに遭遇してしまったとき、どう対処すべきか。3000頭以上のクマに遭遇し、9回襲われた経験があるNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏に聞いた。米田氏によれば、「クマに遭わないようにすること」「遭遇しても慌てず動かないこと」「もし攻撃されたら首と頭を守ること」の3つが基本的なポイントという。「クマに遭遇しないことが最優先です。クマは本来、憶病で慎重な動物であり、クマの方が先に人間の存在に気づいて人間を避けてくれますが、人間の方も遭遇しないように注意し、クマに気づいてもらう努力が必要です。最も安価で効果的なクマよけの手段はホイッスルと鈴を持ち歩くことです。高額になりますが、撃退スプレーも有効な手段になります」。万が一遭遇してしまった場合、どうするべきか。クマとの距離が離れているのであれば、まずは慌てないこと。クマは本能的に逃げるものを追うので、走って逃げるのは逆に危険という。「一般的に『ゆっくりと後ずさりするのが有効』と言われていますが、平地であれば有効です。一方で、山の場合、転んで怪我をするケースが多く、そのまま襲われてしまうことも考えられます。クマは動かないものに興味を示さないため、動かないことを優先し、木の陰に隠れ、木のふりをするほうが有効です。問題は距離が近い場合です。クマが攻撃態勢にない場合、こちらから話しかけるのが有効ですが、現実には難しい。私はいつも『ほい! 』などと声をかけています。クマが攻撃態勢にある場合、まずは距離をとること。バッグやカマなどを振り回し、クマが得意な接近戦にならないようにしましょう。クマは自分より大きなクマに襲われる経験をしてきています。バッグなどを振り回し、できるだけ自分の体を大きく見せて大きなクマだと思わせると、立ち去るかもしれません。もし襲われた場合は致命傷を負わないようにすることを意識してください。クマは首と顔を狙います。ここを攻撃されると致命傷を負ってしまうので、うつぶせになり、頭を地面につけ、首の後ろで手を組んで首と顔、そしておなかを守ります。こうして防御姿勢を取ってもクマはお尻などに攻撃してくるかもしれませんが、この状況においては無傷で済むのは不可能です。であれば致命傷を負わないことを優先すべきです」。巷間よく言われる「死んだふり」は効果があるのか。「首などを守る防御態勢は死んだぶりと同じです。その意味では死んだふりを否定することはできません。専門家によって意見が分かれますが、私は効果があると考えます」。クマに9回も襲われ、そのたびに生還した稀有な経験を持つ米田氏もやはり「クマとは戦ってはいけない」と強調する。「積極的に抵抗しないことも大切です。昭和の人は負けん気が強く、またクマに慣れていることもあり、応戦してしまうケースもありますが、致命傷を負いかねません。もうひとつ訴えたいのが、即座に治療を受けることの大切さです。そのためにも連絡手段として携帯電話を必ず持ち歩きましょう」クマの出没は10月に増える傾向がある。これからますます秋の気配が深まり、山に出かけようと考えている人も多いはずだが、ぜひ参考にしてもらいたい。

(クマの人身被害「過去最悪」ペース、抗議殺到でも「駆除」しなければならない理由)
全国でクマによる人身への被害が過去最悪のペースで増えている。環境省によると、今年4月から9月末までの全国の被害人数は109人で、集計を始めた2007年以降、同期間で100人を超えたのは初めてという。特に、人里や市街地での人身被害が増えており、駆除頭数も増加傾向にある。さらに、警戒する自治体を悩ませているのが、クマを駆除したというニュースを見て、地域外から抗議が殺到することだ。しかし、出没したクマをすべて駆除しているわけでない。クマは鳥獣保護法によって保護されており、狩猟期間や駆除の要件も厳しく定められている。環境省によると、駆除されるのは一部の「問題個体」とされるクマであり、人命を守るために駆除されるという。今後、冬眠前にクマがエサを求めて人里に出没するなど、さらに被害が増える可能性があるとみて、環境省や各自治体は厳重な注意を呼びかけている。「秋田市ではクマの出没が市街地を含めた各地で相次いでおります。目撃件数は、昨年は176件でしたが、今年は2倍以上の372件、人身事故は、昨年は発生しておりませんが、今年はすでに12件発生しており異常な事態となっております」秋田市は公式ホームページの「ツキノワグマ情報」で、今年は「異常事態」であることを強く訴えている。連日のように人身被害が報告されている秋田県も例年になく警戒を強める。例年は10件にも満たない人身被害が、今年度はすでに39人となっている(10月11日現在)。一部の地区では、「人が集めた山菜を奪う」「積極的に人を襲う」危険性のあるクマが出ており、クマ鈴やラジオの携帯など従来の対策では防ぎきれないとして、入山自体を禁止としている。市街地や人里にクマが出没し、人身被害が出る背景には「クマの生息する地域が拡大していることにあります」と、環境省の鳥獣保護管理室の担当者は説明する。北海道のヒグマや本州と九州のツキノワグマの分布が拡大傾向にあり、市街地や人里まで出没するクマが増加しているという。石川県の公式ホームページでは、クマの生息域地域が広がっている理由について、次のように説明、SNSで注目を集めた。「昭和40年頃まで、クマの主な生息地は、山奥の大きな木が生い茂る深い森で、人里近くではクマに出会うことはほとんどありませんでした。この頃までは人里とクマの住む奥山の間には里山があり、里山では、人が毎日の生活や製炭、産業で使う薪をとるために頻繁に伐られ、若く細い木ばかりの林しかありませんでした。そのため里山では、小型のノウサギ、タヌキ、キツネなどが住むには適していますが、大きなクマは住めなかったのです。しかし、40年位前からガスや石油を燃料に使うようになり、里山は放置され、木々は大木となり、多くの実をつけるようになり、奥山と似た状態になってしまいました。そのため、クマは、人の入らない里山の林にも住み始め、子供を産み、育てるようになりました。人とクマを隔てる役割をしていた里山がクマの住みかになり、人とクマが隣り合わせで住むようになっています」。クマの生息地域が広がるにともなって人とあつれきを起こすクマも増え、駆除件数も例年増加傾向にある。環境省によると、2008年には全国で約1300頭だった駆除件数が、2020年には約7000頭にまで増えている。人身被害が起きないよう国や各自治体は対策に本腰を入れている。環境省や警察庁、農水省などは、クマ被害対策について関係省庁の連絡会議を定期的に開いているほか、北海道ではヒグマ被害に対応するために2022年から「ヒグマ対策室」を設置している。しかし、クマの人身被害が報道されると、自治体やクマを駆除したハンターに対して「クマを殺すな」「クマがかわいそう」といった抗議が多数寄せられる。環境省の担当者によると、駆除されるクマは、「農作物やゴミ等の味を覚え、人間活動域周辺へ出没したり、人間に対して攻撃性を持つようになった問題個体」で「人命に被害が及ぶ可能性がある場合」という。「OSO18」が駆除された際、ハンターに対する抗議が殺到した北海道では、公式ホームページで次のように呼びかけ、理解を求めている。「道民の皆様、道外の皆様へお願い(ヒグマ有害捕獲へのご理解について)ヒグマの捕獲に従事される方々は、地域の安全・安心な暮らしを守る上で、欠くことのできない存在です。人身事故や農業被害の防止のため、鳥獣保護管理法に基づく許可を受け、適正に行われた捕獲に関して、捕獲に従事された方(ハンター)が非難を受けることは、地域のヒグマ対策の根幹を担う捕獲の担い手確保に重大な支障を及ぼしかねません。皆様には、捕獲に携わる方々が、道民の生活を守るために、安心して捕獲に取り組んでいただけるよう、法に基づく捕獲の制度や捕獲従事者の方々の社会的な重要性をご理解いただきますようお願いいたします」。これからさらに被害が出る可能性もある。環境省の担当者は「クマはエサを求めて人里におりることもあります。また秋は行楽シーズンやキノコ採集などで山に出かける方も増えると思いますが、自治体が発信しているクマの出没情報をよく見て、できるだけ遭遇しないように対策してください」と話している。

(木が枯れる「クマ剥ぎ」の被害相次ぎ林業団体が対策求める:山形)
山形県置賜地方を中心に相次いでいる「クマ剥ぎ」の被害を受け、県内の林業関係団体が16日、県に対策を求める要望を行いました。ツキノワグマが樹液を求めてスギの木の樹皮を剥がす、「クマ剥ぎ」。米沢市や高畠町など置賜地方を中心に確認されていて、スギが枯れてしまう被害が発生しています。県によりますと、被害は30年ほど前から確認されていて、去年は県内16の市町村でおよそ48ヘクタール、金額にして2000万円にのぼるということです。16日、県に対策を求める要望書を提出したのは、県内3つの林業関係団体です。要望書では、「やまがた緑環境税」などを使った被害対策を支援する制度の創設や予算の確保、またICT技術を使ったモニタリング技術の研究開発などを求めています。やまがた森林と緑の推進機構・今井敏 理事長:「県内各市町村にもクマ剥ぎ対策をやっていく必要があるのだと、機運が醸成されることを大いに期待をしている」関係団体では、県のほか、各市町村にも協力を得られるよう呼びかけていくとしています。

(クマ人身被害が全国でも最悪ペース:北海道)
10月11日に環境省が発表した「クマによる人身被害件数」が話題になっている。4~9月の速報値で、28人の秋田県、27人の岩手県を中心に東北地方で多数の被害が出ており、15道府県で計109人に被害が出ている。「共同通信」が10月14日に報じたところによると、この数値は月別統計を始めた2007年度以降の同時期比で、最多だったという。「特に秋田県の28人は、過去最多だった2017年度の20人を超え、非常に多くなっております。10月4日から5日にかけて、秋田県美郷町では畳店の作業小屋に3頭のクマによる “立てこもり事件” が起きました。人身被害は出ませんでしたが、大きなニュースになりました。9日には、秋田市の住宅街で、クマによる人身被害が連続して発生し、計5人がケガを負っています」(社会部記者)。ここ数年、全国的にクマの出没が、非常に増えている。今や住宅街にクマが出没することも、珍しくなくなっている。本誌は2021年6月、札幌市東区で発生した「ヒグマ襲撃事件」の被害者で、会社員の安藤伸一郎さんを取材していた。出没したのは、体長約1.6mの雄ヒグマ。安藤さんら4人を襲って逃走し、8時間後に駆除された。「生まれも育ちも東区ですが、ここらでクマが出たなんて、それまで聞いたことがなかったです」と安藤さんが話すように、襲撃された現場も、到底、ヒグマが出没するとは思われていない住宅街だった。ヒグマは、安藤さんの背後から忍び寄っていた。「足音もなく、いきなり後ろからドンッときて倒されました。車のような硬さではなかったので、人がぶつかってきたのかと思い、文句を言おうと思ったんです。そしたら右腕を噛まれ……目が合ったときに、初めて “相手” がクマだとわかりました。その瞬間、死ぬかもしれないと感じて、ずっと『痛い』『助けてー』と、大声で叫んでいました」(安藤さん)。一部始終を近隣住民が撮影しており、SNSやテレビで安藤さんが体験した「ヒグマの恐怖」は瞬く間に伝えられた。「最初の衝撃では、もう何が起きたのかまったくわからず……。一撃で右側の肋骨が6本折れて、右肺には穴が空いて肺気胸に。背中を80針、両腕両足を60針縫いました。息苦しく骨が折れて痛いうえに、噛まれた箇所からの出血もひどかったです。いったんクマは離れたのですが、すぐに戻ってきて再び襲われました。辛うじて丸まって、頭部や内臓を防御する姿勢が取れたのはよかったです。病院の先生からは『意識がなかったら、そのまま喰われて死んでいたよ』と言われましたね」(同)。今は仕事にも復帰できるようになった安藤さんだが、膝にサポーターを着けた左脚をかばうように歩いていた。「これ(サポーター)がないと仕事ができないんです。神経が痺れている感じで……。もう治らないんじゃないかと」。と、現在も続く悲痛な心境を安藤さんは話していた。北海道で次々と畜産農家の牛を襲い、人々を震撼させた「OSO18」は駆除され、そのニュースは全国を駆けめぐった。しかし、まだクマの恐怖が収まる気配はない――。

(エゾシカ埋設場所に苦慮、個体数増で対策議論:北海道)
十勝総合振興局で「十勝地域野生鳥獣等対策連絡協議会」が開かれ、管内19市町村の職員ら40人が、個体数が増加傾向にあるエゾシカ対策の現状を話し合った。駆除後の個体の埋設場所に苦心する現場の声が報告された。

(シカ対策方針で改定案:長野)
環境省や長野、岐阜県などでつくる中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会が16日、松本市中央公民館(Mウイング)で開かれた。増加傾向にあるニホンジカの侵入に対応していくため、対策方針の改定案が示された。北アルプスを中心とした麓の自治体や識者など、オンラインと対面で約40人が参加した。環境省が進めてきた食痕調査やシカの試験捕獲、各自治体の取り組みや課題について共有。課題では対応にあたる人材や予算の確保の必要性などが挙がった。本年度から取り組む公園全域の重要植物群落の抽出に関する報告もあった。

(獣害対策担い手確保:福島)
狩猟者の高齢化などにより獣害対策の担い手不足が深刻化する中、県は来年度、地域の人材確保・育成を抜本的に強化する。地域のリーダーや狩猟補助者らの育成を新たに取り組みの柱に据え、各地の実情に応じた有効な対策に結び付ける。県が野生鳥獣保護管理検討会のイノシシ部会を福島市で開き、第4期イノシシ管理計画(2024~28年度)案に方針を盛り込んだ。県によると、本県の登録狩猟者数は22年度4223人で、1980年度から約8割減った。現状のイノシシ対策は趣味で狩猟を行う人の協力で成り立っているが、高齢化などで人手不足が大きな課題となっている。このため県は、講習を受けるなどすれば免許なしでも捕獲作業に参加できる「補助者制度」を周知し、地元農家らの協力を得て被害軽減を図る。市町村専門職員や区長らの育成も強化し、対策立案から捕獲までを地域主体で推進できる体制づくりを目指す。県は5年単位の管理計画に加え、新たに年次計画を策定する考えも示した。市町村への聞き取りを年2回以上実施し、最新の状況を施策に反映させるという。本県で豚熱の感染が確認された20年度以降、捕獲数と被害額は減少しているが、繁殖力の高さを考慮し管理体制を強化する。24年度以降の年間捕獲数は「2万5千頭以上を維持」とし、農業被害などに関する数値目標は今後詰める。現在の生息数は豚熱の影響により正確な推定が困難だとして、明示を取りやめる。計画は年度内に決定する。

(イノシシ対策で検討会、CSFの影響で生息数の推定困難:福島)
県が来年度から5年計画で取り組むイノシシ対策について、専門家などから意見を聞く検討会が16日、福島市で開かれ、強い伝染力と高い致死率が特徴のブタの伝染病、CSF=豚熱の影響で、生息数の推定が困難だとして、計画に記載しない方針を初めて示しました。16日、福島市で開かれた検討会には、県自然保護課の職員や獣害対策の専門家など11人が参加しました。この検討会では、5年に一度、イノシシ対策の計画をとりまとめていて、来年度以降の5年間の計画について議論しました。それによりますと、県内では強い伝染力と高い致死率が特徴のブタの伝染病、CSF=豚熱に感染してイノシシの個体数が減少しているとみられ、生息数を推定するのが困難だとして、計画に記載しない方針を示しました。県が計画をとりまとめるのは4度目ですが、県内のイノシシの推定生息数を記載しないのは、今回が初めてだということです。また、この計画には、イノシシによる人的被害を年間ゼロに抑えることや、農業被害額を過去最少まで抑えることなど目標が盛り込まれ、捕獲数については、これまでと同様に年間2万5000頭以上を目指すことにしています。検討会の座長を務める福島大学の望月翔太准教授は「生息数の推定が難しいため、これまでとは異なる指標で農作物への被害や人的被害の軽減に取り組む必要がある」と話していました。

(増え続けるクマ人的被害、大学生が対策啓発キャンペーン:岩手)
岩手県内の年間発生件数が過去最多を更新したツキノワグマの人的被害に歯止めをかけようと、岩手大ツキノワグマ研究会は14日、クマの生態や遭遇時の対応などを伝える啓発キャンペーンを盛岡市のイオンモール盛岡で初めて開いた。写真パネル約20点を展示し、学生が対策を解説。被害事例を基に(1)鈴やラジオで常に大きな音を出し続ける(2)人里では果樹を早く摘み取り、生ごみなど餌になる物は外に置かない(3)襲われそうになったら、治療が難しい顔を最優先で守る-などと訴え、買い物客は足を止めて聞き入った。登山が趣味という盛岡市の無職大森不二夫さん(68)は「雨で鈴の音が響きにくくなると知り、クマよけのホイッスルを買おうと思った。人とクマの生活圏は重なりつつある。しっかり対策したい」と話した。研究会の4年滝川あかりさん(21)は「クマは本来臆病で、遠ざける対策をしていれば被害の多くは防げる。知識を実践に生かしてほしい」と語った。県内のクマによる人的被害は14日現在33件(34人)。過去最多だった2020年度の27件(29人)を既に大きく上回り、県が警戒を呼びかけている。秋田県は16日、県内で相次ぐツキノワグマの目撃が本年度は9日時点で1785件に上り、昨年度(730件)の2倍超になっていると明らかにした。捕獲頭数も1030頭で600頭近く増えているほか、人的被害は16日までに計43人と過去最多を更新している。県議会の県政協議会で佐竹敬久知事が示した。県によると、近年の目撃件数は2019年度が672件、20年度931件、21年度864件。直近4年の捕獲頭数は442(22年度)~688(21年度)頭で推移している。本年度の人的被害は17年度の20人を上回り過去最多となった。佐竹知事は駆除頭数の増加で、自治体の鳥獣被害対策実施隊員の負担が増しているとして、駆除1頭につき5000円の慰労金支給を検討しているなどと説明。「捕獲しやすいよう、今後は猟友会の要望を聞きながら、できる対応をしていきたい」と述べた。

(牧場でシカ食害深刻:北海道)
富良野地方5市町村でつくる富良野広域連合が管理する南富良野町落合の串内牧場で、シカの食害が深刻だ。多い日は約800頭のシカが侵入し、放牧中の牛用の牧草を食べる。専門家は、シカが良質な餌場を求めて周辺の国有林から「越境」していると指摘。今後、牛が栄養不足になる可能性もあるが、柵の設置には10億円以上の費用が見込まれ、駆除できる数にも限界があるため問題は長期化しそうだ。

(寄生虫エキノコックスはどこから来たのか?:北海道)
北海道大学大学院獣医学研究院の野中成晃教授、中尾 亮准教授らの研究グループは北海道のエキノコックス(多包条虫、Echinococcus multilocularis)の由来を遺伝学的に検証し、北海道のエキノコックスが3,000 km以上離れたアラスカのセントローレンス島に起源をもつ可能性を示しました。エキノコックスはヒトに感染して重篤な疾患を起こす寄生虫で、現在は道内に広く分布し、深刻な健康被害をもたらしていますが、本寄生虫は海外から侵入した外来種であるとされています。20世紀初頭、毛皮目的のキツネの飼養(養狐業)が千島列島で盛んに行われており、良質なキツネや餌となるネズミの供給を目的に動物の移入が行われていました。一つの仮説として、これら人為的な宿主動物の移動に伴い、アラスカのセントローレンス島起源の寄生虫が千島列島へと移入され、さらにこの千島列島の寄生虫集団が北海道本島に侵入したと考えられてきました。しかしこの北海道本島へのエキノコックス導入に関する仮説は新聞や公的文書など歴史的記録から得られた推測に過ぎず、寄生虫の起源に関する科学的知見は得られていませんでした。本研究では、国内外のエキノコックスが持つ遺伝的情報(ミトコンドリアゲノム)を解析することで仮説と一致して北海道のエキノコックスはセントローレンス島に起源をもつ可能性を明らかにしました。さらに北海道東部には中国四川省の寄生虫と近縁な集団が存在することが分かりました。グローバル化が進む中、世界規模でペットの移動や不法な輸出入など人為的活動によるエキノコックスの流行地から非流行地への拡散が危惧されており、国内でも北海道から本州への拡散リスクが指摘されています。本研究成果は、エキノコックスの拡散における人為的影響を強く示すものであり、新たなエキノコックス症の流行拡大の監視・防止に貢献する重要な知見となります。

(車の目の前にシカが飛び出し:富山)
県内で13日、シカの目撃が相次ぎました。県はシカを見かけた際は近づかないよう呼びかけています。13日朝、砺波市秋元を走る車のドライブレコーダーの映像です。次の瞬間…シカが急に飛び出し、運転手はすかさずブレーキ。間一髪で衝突は回避しました。車を運転していた男性「雑草が生い茂ったところからパッと出てきて、びっくりしてブレーキを踏んだ。まさかシカなんて」13日はこのほか、県西部の3か所でシカが目撃されました。被害は無かったということです。生態に詳しい県自然博物園ねいの里の間宮寿賴さんによりますと「秋はシカの繁殖期で、オスがメスを求めて行動範囲を広げる傾向にある」ということです。県内のシカの個体数は近年増加しているとみられています。県は「シカを刺激をすると興奮して向かってくる場合がある」として、見かけても近づかないよう呼びかけています。

(公園に5頭のシカ現れる:北海道)
札幌市内の公園に5頭のシカが現れ、その姿が撮影されました。札幌市内で一気に5頭も出てくるのは珍しく、周辺住民もびっくりしています。シカが目撃されたのは札幌市南区の真駒内公園です。10月13日午後3時半ごろ「札幌市豊平川さけ科学館」の近くの草むらにシカの群れがいるのを、犬の散歩をしていた男性が発見しました。確認されたシカは全部で5頭で、いずれもメスとみられています。男性が近寄っても逃げず、こちらを一瞥するだけで、非常に落ち着いた様子で草を食べ続けていたということです。あまりにも平然としているシカの姿に、男性は思わず近くにいた人に「今までここにシカいましたっけ?」などと聞いてしまうほどでした。現場近くには豊平川や真駒内川があることから、シカは川を伝って市街地に入ってきた可能性があります。シカはしばらくゆったりと過ごしていましたが、その後の行方はわかっていません。警察によりますと事故などの情報は入っていないということです。

(住宅裏にクマ5頭、悠々と食事:秋田)
秋田県ではことしこれまでにクマに襲われてけがをした人は過去最多を更新しています。NHKの取材班は、秋田市内の住宅の裏の栗林で5頭のクマがクリを食べている様子など15日、一日で7頭のクマをカメラで捉えました。クマの生態に詳しい写真家は、「人がいても食べ続けるというのは今までなら考えられないことで背景には餌不足ということしの事情がある」と話しています。15日、NHK秋田放送局の取材クルーは秋田市内の住宅のすぐ裏の栗林で5頭のクマがクリを食べている様子を確認しました。安全を確保しながらカメラで撮影を続けたところ、クマは取材クルーの姿に気付きながらもクリを食べることをやめず、あたりにはクリの食べかすがあちこちに落ちていました。取材クルーは15日一日だけで秋田市内で少なくとも7頭のクマを確認しました。秋田県によりますと、ことしは県全域でクマの餌となるブナやドングリなどの木の実が不作なため、冬眠前のクマが餌を求めて市街地などにも出没する危険性が高いということです。このため、県と警察は、▽やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、▽鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。県内でおよそ30年間、野生のクマの撮影を続けている加藤明見さんは、「人の姿が見えても悠々と食べ続けるというのは今までなら考えられず、異様な光景だ。餌不足で、人がいても食べ続けざるをえないということしの事情が背景にあると思う」と話しています。

(イノシシ8頭出没、2頭が車と接触して死ぬ:青森)
クマ、シカに続いて今度はイノシシです。青森県八戸市で15日夜、8頭のイノシシが目撃され車にぶつかるなどの接触事故が起きています。相次ぐ野生動物の出没、八戸市では昨夜…。八戸市によりますと、15日午後6時過ぎに市の郊外にある町畑小学校付近で通行人が8頭のイノシシを目撃しました。またこの1時間後、1キロほど離れた国道45号では…。「イノシシがこの通りで乗用車と衝突したということです。はねられたイノシシは、回収業者によってこのあたりで回収されたということです」。市内では10月4日に中心街でニホンジカが走りまわる姿が目撃されたほか県内各地と同様にクマの出没も相次いでいます。八戸市はイノシシを含め野生動物と遭遇しても刺激せず静かにその場を立ち去るように注意を呼びかけています。

(住宅街でクマ目撃、米ぬかを食べたか:北海道)
深川市内の畑で16日午前、クマが目撃されました。現場は住宅地が近く、市は日が暮れたら外に出ないよう呼びかけています。午前11時半ごろ、深川市稲穂町1丁目の畑に現れた1頭のクマ。肥料の米ぬかを食べているとみられます。畑に残っていた足跡などからクマは体長1mから1.5mとみられ、市は赤外線カメラを設置して監視するということです。深川市農政課 西川剛史課長「今のところどこに逃げたのか追跡できていない。日が暮れたら外に出ないでいただきたい」。近くの中学校では、保護者に17日の登校時の付き添いを求めるほか、部活動も校舎内で行うなどして警戒を続けるということです。

(道路の真ん中を暴走、住宅街にシカ出没:北海道)
きょう午後、札幌市中央区宮の森の住宅街にシカが出没し、現在警察と中央区役所の職員が警戒を続けています。シカは一時、中央区の宮の森3条7丁目付近にいましたが、その後移動を続けています。こちらは視聴者の提供映像です。道路の真ん中をシカが走り抜けています。警察によりますと、きのうの夜9時すぎから周辺で目撃情報が相次いでいるということです。いまのところ、けが人などの情報は入っていないということです。

(子どものクマがガソリンスタンドに迷い込む:岐阜)
16日午前11時30分ごろ、岐阜県恵那市のガソリンスタンドに、子どものクマが迷い込みました。クマが発見されたガソリンスタンドは国道19号線沿いで、交通量も多い場所に位置していますがですが、すぐ近くには森が点在していて、そこから迷い込んだとみられています。その後、クマは近くの森に逃げ込んだところを、地元の猟友会などが捕獲し、岐阜県の取り決めに従い、殺処分したということです。クマが子どもだったことから、近くに親のクマがいる可能性があるとして恵那市は注意を呼びかけています。環境省によると、9月末時点でクマに襲われた人は、全国で109人となっており、昨年度の人数を既に超えているということです。

(入り口のガラス戸外す?風除室にクマ:秋田)
18日午前5時40分ごろ、秋田県仙北市角館町川原中道の中川コミュニティセンター(旧中川小学校)で、体長約1メートルのクマが風除室に侵入するのを近所の70代男性が目撃した。通報を受けた仙北署員が駆けつけるとクマはいなくなっており、入り口のガラス戸が外れていた。

(鳥を感知すると自動で出動して追い払い:島根)
上田市の企業が農業の課題解決に向け、ドローンを使ったあるシステムの開発に取り組んでいます。国の委託研究にも採択されている国内最先端の取り組みとは。上空を飛行するドローン。飛んでいるのは、収穫期を迎えたブドウ畑の上です。ドローンはまっすぐ飛んで来ると空中で一旦止まり、その後、まっすぐ戻っていきます。農薬を散布する様子はみられません。一体、何を目的に飛んでいるのでしょうか?ドローンの担当者に話を聞くと…マリモ電子工業 尾関竣哉(としや)さん:Qドローンを飛ばす目的は?「こちらのドローンはこのワイナリーにやってくる鳥を追い払うために飛ばしています」。上田市のマリモ電子工業では、ドローンを使って鳥を追い払うシステムの開発に向け、2021年から実験を行っています。マリモ電子工業 尾関竣哉(としや)さん:「全国的に野生の動物による農業被害は深刻な問題で、今までいろいろな追い払いの手法が開発されてきているが、なかなか決定打になるものがありません」。県によりますと2022年度の県内の野生鳥獣による農林業への被害額は、速報値でおよそ7億3,000万円。県も対策をしているものの、2022年度は増加に転じるなど、高止まりの傾向にあります。実験場所として畑を提供している上田市のシャトーメルシャン椀子(まりこ)ワイナリーでも、毎年この時期、ムクドリなどの鳥にブドウを食べられてしまう被害があるといいます。田村隆幸ワイナリー長:「悔しいことに収穫しようかなと思うと結構食べ出すんです」「病気が出るということはあんまりないですけど、量が減っちゃう問題があります」「今までやってきた(対策)はいくつかあるんですけど、なかなかいい打ち手はない状態です。あれがまさにそうです」。ワイナリーではタカの模型や鳥よけネットなどで対策してきましたが、常に設置することで鳥に慣れが生じてしまうといいます。マリモ電子工業 尾関竣哉(としや):「ずっと同じ追い払い方法をしていると鳥が慣れてしまいますので、鳥の慣れに応じて追い払い方を変えていく、人がやると大変なのでそれを全部自動化することに需要がある」。マリモ電子工業が取り組む、ドローンによる鳥の追い払い。実は人が操縦しているのではなく、すべて自動で飛行しています。マリモ電子工業 尾関竣哉(としや):「こちらのカメラで畑を撮影しまして映像を取り込んで、こちらのジェットソン(AI)でリアルタイムで画像解析によって鳥を検出します」。畑の2か所に設置されたカメラ。取材をしたこの日、鳥はいませんでしたが、鳥を感知すると…まず、カメラに搭載されたAIシステムが鳥を検出。すると、鳥が現れた情報を無線でドローン側に自動で発信します。情報を受信すると格納庫の扉が開き、ドローンが起動する仕組みです。鳥が畑にやってきた時にだけタイムリーに追い払うことができるのです。鳥が飛来し、ドローンが出動した時の映像がこちら。ドローンが近づくと・・・。木に留まっていたムクドリが一斉に逃げていきました。2021年に行った実験では、食害の軽減に一定の効果がみられたということです。高齢化や担い手不足が深刻な農業。人手不足を補い、効率性を高めようと、機械を使った「スマート農業」が注目を集めています。マリモ電子工業の取り組みは、農林水産省の関連委託研究で2022年度、全国で唯一、民間企業から選ばれました。マリモ電子工業 尾関竣哉(としや):「農業にかかる労力の削減に貢献していければ」「農業被害を軽減して経済に良い影響を与えていけるようにしたいと考えています」。会社では、2026年以降の実用化を目指し、今後、鳥が慣れないようにスピードや高さ、コースを変えるといった工夫も行い、他の野生動物にも対応していく方針です。そう遠くない将来、畑の上をドローンが飛び交う光景は、当たり前になるかもしれません。

(ジビエ鹿肉と廃棄野菜で作りました:兵庫)
県立農業高校(加古川市平岡町新在家)動物科学科の生徒たちが、害獣として捕獲された鹿の肉と廃棄野菜で作った「県農オンリーワンドッグフード」の販売を始めた。イベントでの販売を想定し、22日に加古川総合文化センターでの「総文ビッグフェスタ」で販売する。(増井哲夫)駆除した鹿の多くが廃棄されている問題を知り、2022年3月にプロジェクトをスタート。鹿肉の有効活用を目指す団体の協力を得て、同科の生徒7人が取り組み、校内で廃棄される予定だった農産物も材料に加えて作った。飼育するボーダーコリーのレオとルナや在校生の飼い犬も試食で協力した。

(シカ肉加工・販路拡大に力:静岡)
11月の狩猟解禁を控え、浜松市天竜区春野町の野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設「ジビエ工房ジミート」が販路開拓に力を注いでいる。農業に悪影響をもたらす獣害対策の一助として、シカ肉の消費拡大を目指す。高林麻里代表は「新鮮でおいしいジビエの裾野を広げ、里山保全につなげたい」と熱意を込める。9月上旬、浜北区内の猟師が仕留めたシカ2頭がジミートに運ばれてきた。機械を用いて、金属の器具に1メートルほどの胴体をつり下げる。皮と、ピンク色の肉の間に刃物を入れて丁寧に動かしていく。高林さんは「森林に食べ物が少ないからなのか、脂身が少ないな」とつぶやく。約1時間の作業を経て枝肉として冷蔵保管された。ジミートは月平均約10頭のシカを食肉処理する。捕獲から1時間以内に解体処理を始める体制を整えている。中山間地に位置する春野町はイノシシやシカが多く捕れる。高林さんは実家の事業で山林に生える竹を用いた加工品販売を手がけたり、地域食材を扱う料理店を巡ったりする中で、ジビエを地産地消する事業に可能性を感じた。新型コロナウイルス禍の飲食需要低迷などで2020年に閉鎖していたジミートの再生を思い立ち、クラウドファンディングで資金を募り、昨年再開させた。高林さんは「牛肉よりもあっさりした味や弾力ある食感」をシカ肉の長所と捉え、消費拡大に奔走する。旅館や外食向けの卸売販売と並行して6月、JAとぴあ浜松のファーマーズマーケット三方原店に出荷する形でシカ肉のモモやロース、スネ、ひき肉の小売りに乗り出した。一般消費者に認知を広げる狙いがある。今後は豚肉を食べないイスラム教徒の需要を見込み、イスラムの戒律「ハラール」の認証取得を検討するほか、ラーメン屋や社員食堂など多様な用途で提案を進めていく。高林さんがシカ肉利用に情熱を注ぐ背景には、地域の田畑や山林に及ぼす食害の深刻さがある。人口減少などで耕作放棄地や管理が行き届かない森林が増え、野生動物の生息地は人間の居住空間に拡大している。高林さんはジビエの需要拡大が森林環境保全につながるとして「シカを猟師から買い取り、適正価格で出荷する活動を通じて課題解決に貢献したい」と語る。

(鹿肉を食べる事で得られる身体に良い5つの理由と狩猟における社会的意義とは?)
今回は、鹿肉を食べる事で身体に良い理由と狩猟における社会的意義!簡単レシピを以下に紹介します。鹿肉は高品質のたんぱく質を提供し、筋肉の成長と修復に役立ちます。鹿肉は一般的に低脂肪で、コレステロールの含有量が比較的低いため、心臓の健康をサポートします。鹿肉は鉄分や亜鉛、ビタミンB群を豊富に含んでおり、健康的な体の維持に貢献します。鹿肉にはオメガ-3脂肪酸が含まれ、炎症を軽減し、脳の健康に良い影響を与えることがあります。野生の鹿は一般的に添加物やホルモンを含まないため、天然で健康的な選択肢です。食糧供給: 狩猟は食糧を供給し、地域の食品安全保障に貢献します。生態系のバランス: 狩猟は生態系のバランスを維持し、過剰な野生動物の増加を防ぎます。文化と伝統: 狩猟は多くの文化や伝統の一部であり、これらの価値観を維持します。自己管理と規制: 狩猟は法律と規制に従い、野生動物の保護を支援します。自然への尊重: 狩猟者は自然環境への尊重と保護を実践し、持続可能な方法で資源を利用します。

(大学生がジビエカレー開発:島根)
島根県立大浜田キャンパス(浜田市野原町)の学生が15日、浜田市内のインドカレー店と共同開発した浜田産ジビエカレーを1日限定で販売した。

(野生イノシシのジビエ利用再開へ:山口)
豚熱が確認された区域の野生イノシシのジビエ利用再開に向け、山口県は条件を取りまとめた方針の最終案を示しました。岩国市などでは、11月1日から再開可能となっています。検討会で示された野生イノシシのジビエ利用再開に向けた方針の最終案では、PCR検査で陰性が確認された個体を利用すること、市や町を単位として最初の発生から550日後に再開することなどの条件が盛り込まれています。案では、岩国市や周南市で11月1日から再開可能となります。豚熱に感染した野生イノシシは2022年3月、岩国市で確認されました。それ以降、県内13の市と町で確認されています。豚熱は強い伝染力と高い致死率が特徴です。そのため国は、豚熱が確認された地点から半径10キロ圏内で捕獲された野生イノシシをジビエとして利用しないよう要請しています。県農林水産政策課 藤井孝調整監「養豚場への拡散を防ぎながら、ジビエの有効活用等も進めて参りたいと思っております」。野生イノシシの狩猟が11月に解禁されることから、県は近々方針を策定し、関係機関などへ通知する予定です。

(イノシシ肉の出荷制限解除:宮城)
県は16日、東京電力福島第1原発事故に伴い、2012年6月から出荷が制限されていた大崎市のイノシシ肉について、条件付きで出荷制限が解除されたと発表した。

(ジビエ文化を観光資源に:長野)
飯田市大通の信南交通は、泰阜村で「インバウンドジビエわな猟ツアー」のモニターツアーを開いている。参加者はわな猟や鹿の解体を体験。村民と協力しながら南信州のジビエ文化を発信し、新たな観光資源に磨き上げたいとする。観光庁では「観光コンテンツ造成支援事業」として、インバウンドの地方誘客や観光消費の拡大を促すため、地域に根ざした観光資源を磨き上げる取り組みを支援している。信南交通は泰阜村のジビエツアーを同事業の1次公募に申請し、採択された。無料で参加できる日帰りのモニターツアーで、9~12月に計5回開催。各回10人限定で実施し、在日外国人や全国から応募があり、全ての回で満員となった。10月8日に第2回を開催。わな猟を見学し、男性猟師(56)がくくりわなを紹介。森に入って取り付けを実演し、「わなやワイヤーを隠して」などとコツを伝えていた。続いて村ジビエ加工施設「もみじや」で鹿の解体を体験。男性漁師や施設職員の女性猟師(35)に教わりながら、実際に皮はぎなどに挑戦した。皮と肉の間にある膜をナイフで切りながら皮をはいでいき、「スルスルとできる」などと声が上がっていた。皮はぎ後は肉を部位ごと切る作業も体験。手で骨の位置を確認しながら、集中した表情で肉にナイフを入れていた。完了後は解体した鹿肉でジビエバーベキュー。五平餅やフルーツなどの郷土料理も一緒に味わった。鹿革を使ったクラフト体験もした。東京から参加した女性は「南信州に興味があった」とし、「解体は直に目に触れる機会はなく、新鮮な気持ちになった。猟師の仕事が生き物を生かし自然の理にかなっていて、いただくありがたさを感じた」と語った。女性漁師は「自分たちで募集から全てツアーを企画するのは大変。旅行会社が地元に着目してくれ、役割分担してできたことがうれしい。猟師に興味を持ち、ジビエの活用が広がれば」と期待した。信南交通はモニターツアーを踏まえ来年以降有料化を目指す。同社観光誘客室の女性職員は「地域ではなじみのあるジビエが全国や外国の人からは新しく見える。ツアーを通して南信州のジビエ文化の魅力を知ってもらい、活性化につなげたい」と話した。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日、仙台市泉区朴沢小屋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後2時ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午前6時20分ごろ、仙台市泉区福岡二又にクマが出没しました。

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10/18
(クマに襲われ80歳男性が死亡:長野)
飯山市の山林で14日、わなにかかったクマの近くで死亡していたのは市内に住む80歳の男性と身元が確認されました。死亡したのは、飯山市静間の80歳の男性です。14日、飯山市内の山林でわなにかかったクマの近くで倒れているのが見つかり死亡が確認されました。男性の頭にはクマの爪痕があり、死因は頭部外傷でした。警察によると男性は山林にイノシシ用のわなを仕掛けていて13日、「わなを見に行く」と家族に伝えたまま戻っていませんでした。クマは体長およそ130cmの雌の成獣で、猟友会に駆除されています。

(クマに襲われ2人けが、住宅街にクマ出没:秋田)
16日午前、秋田県鹿角市と大館市で男女2人がクマに襲われた。県内でクマに襲われけがをしたのは43人となり、過去最多を更新した。秋田市では住宅の敷地にクマが出没し、猟友会とのにらみ合いが続いた。 県内では16日、クマによる被害が相次いだ。鹿角市八幡平下葛岡の住宅では午前6時過ぎ、電気メーターの検針に訪れた女性(66)が車から降りたところを体長約50センチのクマ1頭に襲われ、額と顎にけがをした。 また、大館市雪沢では午前9時半ごろ、クリ拾いをしていた60代の男性がクマに襲われ、顔と肩にけがをした。 一方、秋田市飯島では、午前8時15分の飯島中学校近くを皮切りに、警察にクマの目撃情報が相次いで寄せられた。 午前10時ごろに地区住民が車内から撮影した映像には、子グマとみられる1頭が、民家の柿の木の枝を伝って移動する姿が。 撮影した人によると、クマは体長約70センチだったという。 猟友会とみられる人が木の上にいるところを棒でつつくと逃げていった。 2023年のクマによる人身被害は39件43人に上っていて、連日過去最多を更新している。 秋田県は「クマが冬眠するまでは被害の危険性が高い」として、鈴やラジオなどで音を出しながら行動するなど対策を呼び掛けている。

(罠にかかったイノシシにかまれ男性けが:香川)
警察によりますと、12日午後6時半ごろ、高松市国分寺町福家甲の山中で、男性(70歳代)が罠にかかっているイノシシに近づいたところ、左足から臀部にかけて4カ所をかまれました。男性は1週間の入院が必要だということです。イノシシは体長約1mの成獣でした。

(クリ拾い中の80代女性、クマに襲われけが:秋田)
13日午前7時10分ごろ、秋田県北秋田市阿仁笑内の民家敷地内のクリ林でクリを拾っていた住人の女性(81)がクマに襲われ、後頭部と右肩に軽傷を負った。市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。今年の県内のクマによる人身被害は36件40人となった。

(きのこ採りの男性、クマに襲われ頭や手の骨折る大けが:青森)
12日、青森市合子沢できのこ採りをしていた70代の男性がクマに襲われ、頭や手の骨を折る大けがをしました。青森県ではことしのクマの出没件数が去年の同じ時期に比べて400件以上増えていて、警察などが注意を呼びかけています。青森市や警察によりますと、12日午後2時半ごろ、青森市合子沢の山林できのこ採りをしていた70代の男性がクマに襲われました。クマは体長1.2メートルほどの大人のクマとみられ、男性は頭や手の骨を折る大けがをしましたが、自力で自宅近くの交番までたどりつき、その後、病院に運ばれたということです。男性は「きのこを探していて顔を上げると目の前にクマがいて、直後に走り寄ってきて襲われた」と話しているということです。

(海岸に散弾銃実包、豪雨後の清掃で見つかる:福島)
台風13号に伴う記録的な豪雨被害により、市内の海岸では河口を中心に大量の流木や木くず、生活ごみが漂着し、地域住民を悩ませている。市民ボランティアなどが精力的に海岸の環境改善に汗を流す中、数百にも及ぶ単2乾電池ほどの大きさのプラスチック製品が各所に散らばっているのが見つかった。製品は狩猟やクレー射撃で生まれる廃棄物の「ワッズ」。上流から流れ着いたものとみられ、発見した市民団体「いわきフェニックス」の小山洋代表(51)によると、東日本大震災後から散見されており、「漂着し環境を汚していることを、まず認識してもらうことが大切」と呼び掛けている。発見したのは、東日本大震災後から、子どもたちのケアを軸に支援活動に取り組む市民団体「いわきフェニックス」。同団体は現在、「いわきの海をきれいにし、子どもたちに自慢できる海を残そう」と、県内外の賛同者とともに震災翌年から毎週日曜日、〝ゆるりとゴミ退治〟と題して海岸の清掃を続けている。清掃は今月8日で367回。散弾実包の一部品「ワッズ」(弾と火薬の間でクッションの役割を果たすプラスチック)は活動当初から拾われ、大雨や台風時に大量に漂着するゴミとしての認識されていたが、これまで正体については分からずじまいだった。注目するきかっけとなったのは、市内各地に大きな爪痕を残した台風13号に伴う記録的豪雨。9月17日に活動を行ったところ200個ほど見つかり、翌週は105個、1日には30個を回収した。あまりの多さに疑問を感じ調べたところ、ワッズと判明したという。市内では2020(令和2)年以降、減少傾向にあるものの、震災後、害獣駆除としてイノシシの捕獲件数が一時的に増加した。散弾銃はとどめを刺す際にしか使わないというが、神奈川県などでは狩猟区の河口に漂着して問題視されていることなどから、ワッズの漂着が増加した要因のひとつに狩猟や駆除活動を指摘する声も。ただ業界関係者などによると、弾を撃った後の薬きょうは遠くて20mほど飛ぶため、山野での狩猟で回収するのは現実的に難しい。一方、ワッズが大量に出る射撃場について、全日本指定射撃場協会では管理・回収などの徹底を会員らに啓発しており、「射撃場から外に出るのは考えにくい」とされる。小山代表は害虫駆除や狩猟、クレー射撃など趣向的な活動を否定することはもちろん、「犯人捜しをするつもりはない」ときっぱり。独自にSNS(交流サイト)などで現状を発信するとともに、仲間と協力して行政をはじめ関係各所に呼び掛けを行い、「まずは認識してもらうことが大切だ」と強調している。

(兵庫県立総合射撃場の指定管理者の公募:兵庫)
令和6年度にオープンする兵庫県立総合射撃場の管理運営を担う指定管理者の公募を開始します。県が設置する指定管理者候補者選定委員会において、書類及びヒアリングにより総合的に審査し、その審査結果を受けて選定します。ただし、指定管理者の指定は県議会の議決を経て決定されます。

(射撃、eスポーツ推進へ新団体)
日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎会長は13日、コンピューターゲームなどの腕を競う「eスポーツ」参入を推進する「日本eshooting協会」を設立したと明らかにした。9月末の理事会で加盟団体としての活動を承認。来年6月の総会の決議を受けて正式に傘下に入るという。射撃は銃に対する危険なイメージなどから競技人口の減少と高齢化が進み、厳しい状況にある。最近は五輪の出場選手枠数も削減。ゲーム業界の専門家らを理事に招いた新団体はeスポーツと親和性の高い競技特性を生かし、若者の取り込みを目指す。松丸氏は東京・日本記者クラブでの記者会見で「日本でライフル射撃が消滅するという危機感がある。若者の射撃ファミリーを増やしたい」と意気込みを語った。

(五輪の経験、継承へ大会:栃木)
2021年東京五輪のクレー射撃スキートに出場した古峯神社(草久(くさぎゅう))神職石原奈央子(いしはらなおこ)さん(48)ら3人が8日、神社近くの古峰ケ原射撃場で競技の発展を目的とした大会「THE CUP」を開いた。全国から招待した選手27人が参加、真剣勝負の合間に交流を深めた。石原さんらは「五輪の経験を若手などほかの競技者に伝えていきたい」と、クレー射撃界に貢献していく考えだ。

(クマ駆除を担う猟友会メンバーに1頭あたり5千円の補助を検討:秋田)
クマによる人身被害が相次ぐ中、秋田県の佐竹知事は16日、ツキノワグマ対策を巡り駆除を担う猟友会メンバーに1頭あたり5千円程度の慰労金の支給を検討していると明らかにしました。県議会各会派が県幹部に県政課題を問う県政協議会で16日、クマ対策が議論されました。ツキノワグマの目撃件数、捕獲頭数は去年の倍以上となっていて県議会からは対策を求める声が相次ぎました。クマの捕獲や駆除は猟友会メンバーでつくる各市町村の鳥獣被害対策実施隊が担っています。佐竹知事はこの実施隊員に1頭あたり5千円程度の慰労金を支給し解体や運搬の費用などにあててもらうことを検討していると話しました。

(「忍者ヒグマ」駆除でも終わらない北海道民の恐怖:北海道)
ヒグマ駆除を巡る騒動が拡大している。66頭の牛を襲った「忍者ヒグマOSO18」を駆除したことへの非難や抗議に対し、北海道庁が9月下旬、ホームページと公式Xに「ヒグマ有害捕獲へのご理解のお願い」という異例の呼びかけを行った。そのXの閲覧回数は2100万件、「いいね」が7万件超ついた。そんな折、10月3日に、今度は根室市内のエゾシカ養鹿場で、エゾシカがヒグマに襲われた。とどまるところを知らないヒグマ被害にどう対処していくべきなのか。北海道の実態を追う。約60年で死者58人、負傷者113人まずは北海道におけるヒグマ被害の状況を検証してみよう。道庁の資料(1962年以降のデータ)によると、人身事故は151件発生し、死者58人、負傷者113人となっている。今年度は3件発生し、5月14日には釣り人が襲われて亡くなっている。この一件は大きく報じられたのでご記憶の方も多いだろうが、改めて概要を記しておく。事故のあった場所は幌加内町朱鞠内湖ナマコ沢西岸奥部。被害にあった54歳の男性は渡し舟から現場近くで下船し、釣りを始めた。爆竹は持っていたが使用した形跡がないことから、反撃する間もなく襲われたようだ。道庁の資料にはこう記載されている。加害個体はオス、満3歳。何らかの原因により釣りをしていた被害者に近寄り、襲撃し、最終的に食害に至ったと考えられる。被害者を攻撃後、翌15日の捕獲まで事故発生現場に留まる。

(シカ対策連携へ初会合:北海道)
苫小牧市は11日、エゾシカ対策を巡る関係機関との円卓会議を立ち上げた。近年、市内でシカが原因の交通事故件数や農業被害額が高水準にあるのを受けた初めての試みで、初会合にはとまこまい広域農協や苫小牧署、胆振総合振興局、北海道猟友会の関係者ら24人が出席。市は多様な機関から意見を聞き取り、効果的な対策につなげたい考えだ。

(エゾシカ対策を関係機関が協議:北海道)
エゾシカの増加に伴い農林業被害などが急増していることを受けて、関係者が対策を話し合う会議が江差町で開かれ、将来生まれてくる子鹿を減らすためにもメスを優先して捕獲し、増加を防いでいくことなどを確認しました。16日の会議には、道の檜山振興局や北海道森林管理局、それに地元猟友会のメンバーなど20人あまり出席しました。この中で、道の担当者からはエゾシカによる農林業被害は、道南でも急増していて、2021年度には2億円あまりと、その3年前・2018年度のおよそ2倍に増えていることが報告されました。また、車と衝突するなどの事故も去年1年間に道南では155件と過去最多となったということです。こうした状況を受け、エゾシカの個体数を減らしていくことが重要であることから、将来、生まれてくる子ジカを効率よく減らすためにもメスを優先して捕獲するなど対策に取り組んでいくことを申し合わせました。檜山振興局環境生活課の今聡人課長は「エゾシカ対策が重要になっているので、積極的に周知をしていきたい」と話していました。

(第3回狩猟フェスタ開催:高知)
今、老若男女問わず、狩猟やジビエが熱い注目を集めています。森林がシカに荒らされている。丹精込めた農作物が獣に食べられ困っている。レジャースポーツとしてやってみたい。でも免許が必要らしいし、やり方もよく分からないし、危なそう・・・。ジビエ料理って、最近よく聞くけど本当に美味しいの?そんな、気にはなっているものの、いろんな理由で一歩が踏み出せないあなた! 是非、狩猟フェスタにお越しください!狩猟の魅力や社会的役割、安全な狩猟方法、そもそも狩猟免許を取るにはどうすれば? ジビエ料理を一度味わってみたい!小さなお子様から大人までみんなが楽しめるフェスタとなっています。

(河川敷で発見された凶器、卑劣すぎる正体に目を疑う:東京)
9月末、東京足立区の河川敷でトラバサミが発見された。あまりに危険すぎる代物に驚きの声が多数上がっていたが、関係各所に確認したところ、さらなる驚きの事実が明らかになったのだ…。注目を集めたのは、動物保護のボランティアを行なう高沢守さんが投稿した一連のポスト。「拡散希望」という見出しのついた投稿には「これは冷静に考えれば、人、とくに子供が罠にかかれば手足を失うかもしれない大事件です」「本日、都内足立区某所(子供も遊んでいる場所)でトラバサミにより、地域猫が怪我を負いました。数日前から2匹の地域猫も行方が分かりません」と、衝撃的な内容が綴られている。ポストに添えられた写真を見ると、草むらに設置された大きなトラバサミが確認できたのだった。ポスト本文は「とにかく絶対に許せません」と、強い怒りを滲ませた1文で締められている。あまりにショッキングな光景を捉えたポストは、投稿からわずか数日で3万件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。他のXユーザーからは「気づかず踏んだらと思うと、ゾッとする…」「子供も遊んでいる場所で、これは本当に危ない」「日本の話とは思えない…」「場所も最悪だし、そもそもトラバサミって禁止されてるのでは…」など、驚きと怒りの入り混じった声が多数寄せられていた。ポスト投稿主・高沢さんに詳しい話を聞いたところ、件の光景は9月26日、地域猫の世話をしている荒川河川敷で目撃されたものと判明。トラバサミには猫が1匹挟まっており、急いで外したものの、猫は逃げ出してしまったそうだ(現在は保護済み)。その後は近隣の警察署に通報し、現地の状況を改めて確認することに。同地ではひと月前より、急に姿を見せなくなってしまった地域猫の事例が見られており、高沢さんは件のトラバサミ、および設置者との関連性を強く感じているという。今回の取材に際し、高沢さんは「(トラバサミが見つかったのは)休日に遊びにやって来る子供や、スポーツを楽しむ人々で賑わう場所なので、事故が起こる可能性は決して低くありません」「他のエリアでは犬や猫が大怪我を負ってしまった…などの事例も存在するので、強い怒りを感じています」と、心境を語ってくれた。果たして、今回問題となった「トラバサミ」はどれほど危険な存在なのだろうか。関係各所に取材を敢行したところ、あまりに恐ろしすぎる正体が明らかになったのだ…。まずトラバサミの「使用」に関する詳細をめぐり、「環境省・鳥獣保護管理室」に話を聞いてみることに。なお厳密にいうと、今回被害を受けた地域猫は「野生動物」に該当しないため「鳥獣法管理保護法」の対象外となる。こちらの前提条件を踏まえた上で、環境省の担当者は「そもそもトラバサミは『狩猟』目的での使用は禁止されています」「『捕獲』目的であれば、条件を満たした上での使用が許可されますが…ギザギザの歯がついているものは、まず許可がおりません」とのコメントを寄せてくれた。「トラバサミ」と聞くとギザギザの形状を連想する人も少なくないと思うが、そうしたトラバサミを使用するには「どうしてもその形状でなければいけない理由」が必須となってくる。且つ、大きさが12cm未満、緩衝材とのセットでの使用、などの条件も重要なのだそう。では話題となったトラバサミは認可され、正しい手順を踏んで設置された物なのだろうか。続いて「東京都 環境局 自然環境部」に話を聞いてみると、同局からは「東京都では少なくとも直近5年間で、トラバサミの使用に関して許可を出した事例はございません。そもそも許可申請自体がありません」との回答が得られたのだった。環境省、ならびに環境局の回答を考慮すると、今回のトラバサミがいかに許しがたい存在であったか、改めて感じるというもの。では、実際に人間・動物がトラバサミにかかってしまうと、どのような被害が想定されるのだろうか。こちらの疑問を鳥獣のエキスパートらに尋ねたところ、「日本鳥獣被害対策協会」からは「想像できるのではないでしょうか」という、反応に困る回答が。「東京都猟友会」からは回答が得られず、こうした業界で「トラバサミ」の話題はタブーなのか…? という考えが頭をよぎってしまった。だが「大日本猟友会」より紹介を受け、愛知県に店舗を構える「日本唯一の捕鳥獣器具専門店」である「中京銃砲火薬店」に打診したところ、トラバサミの恐ろしさが明らかに。同店の担当者は「人間がトラバサミに挟まれた場合、手足の指は簡単に折れてしまいます。足の先が千切れてしまった鳩などを目にした人もいるかと思いますが、そうした事例はトラバサミが原因である可能性が高いです」「その名前の通り、虎をも捕まえられる非常に危険な猟具です」と具体例を挙げつつ、その威力について説明してくれたのだ。そもそも、同店では「ギザギザの歯」がついたモデルの製造・販売自体を行っておらず、トラバサミ販売の際は「緩衝材とセット」という点を徹底しているという。万が一トラバサミを発見した場合は、決して興味本位で触れたりしないよう、改めて注意を呼びかけたい。

(園児がキジの放鳥を体験:熊本)
八代市の保育園児が10日、キジの放鳥を体験しました。県猟友会では、子供たちに生き物や自然環境を大切にする気持ちを深めてもらおうと毎年、県内各地でキジの放鳥に取り組んでいます。この日は、八代市日奈久大坪町の田んぼに地元のみずほ保育園の園児たちが集まりました。園児たちは、県猟友会八代支部のメンバーが準備した28羽のキジを恐る恐る手に抱いて「おなかが温かくてかわいい」などと話し、優しく体をなでていました。そして、猟友会の合図に合わせてキジを一斉に空に放つと、飛んでいく様子を見つめながら「がんばれー」と声を上げていました。

(民家急襲、素手で格闘)
民家を襲った正体は、黒々とした「招かれざる客」だった。9月16日午後7時ごろ、新潟県関川村に住む近(こん)満寿美さん(88)宅の玄関網戸を突き破って侵入した1頭のクマ。「ドーンというすごい音とともに入ってきた」(近さん)。洗面台やブレーカーを壊すなど暴れ回り、おびえる近さんら家族5人は2階に避難した。1歳半ぐらいで体長95センチとみられるクマ。「台所で目があって悲鳴を上げた。黒々とした野生の目が恐ろしかった」。妻のヤイさん(84)はこう振り返る。地元の猟友会のメンバー、鈴木紀夫さん(55)が近さん宅に駆け付けると、クマは洗面所の天井に爪を立ててしがみついていた。鳥獣保護法の規制で日没後や住宅密集地での猟銃の使用はできない。素手で天井から引きずり下ろすしかなかった。格闘の末、午後8時45分ごろ、クマをおりに捕獲したが、鈴木さんは右腕を負傷した。この日は午後3時半ごろ、村役場や観光施設がある市街地にクマが出没し、逃げ回っていた。村、警察、消防、猟友会の総動員態勢で行方を追っていたところ、近さん宅に侵入。約5時間にわたる逃走劇だった。捕獲したクマは「初めて素手で格闘した」という鈴木さんが山奥に連れて行って放した。今年は新潟県以外でもクマの出没が東北地方を中心に多発している。環境省によると、今年のクマ出没件数(4~8月)は全国で計1万件を突破。人身被害件数(4~9月)は計105件に達し、平成20年度以降の最多を更新する勢いだ。道府県別の人身被害件数では秋田28件、岩手26件、福島13件の順で多く、東北地方が全体の75%を占める。鈴木さんは相次ぐクマ出没について「クマの餌となるブナなど木の実が一昨年、昨年と豊作だったため、子グマがたくさん生まれているとみられる。しかし、今年は一転して凶作となり、(個体数の)増えたクマが冬眠前に餌を求めて人里や市街地に多く出没する可能性がある」と警戒する。最近の相次ぐクマ出没報道に接しないようにしているのは、札幌市東区に住む会社員の安藤伸一郎さん(45)。2年前、勤務先に向かって住宅街を歩いていたところ、背後からクマに襲われ、今も傷痕の痛みと恐怖感が消えないからだ。襲ったヒグマは体長約1・6メートル、体重約160キロで4歳の雄。数日前から市内で目撃情報が相次いでいた。安藤さんは当時の状況を鮮明に記憶している。 「襲われた感触は『人か?』と思った。突然、倒されて振り返った瞬間、左腕をかまれ、激痛が走った。ヒグマの顔が真横にあり、とっさに頭を抱えるように身を守ったが、背中や両足にも大きな傷を負った」。肋骨6本が骨折し、深く食い込んだ爪で右肺に穴があいた。背中、両腕、両足に計140針を縫う大けがを負い、入院生活は半年に及んだ。退院後も重傷の右脇腹の痛み止め薬を服用している。「深呼吸した際に痛みが生じる。寝返りをすると、激痛が走って目が覚めてしまうことも」と後遺症に悩まされる毎日だ。クマ被害を境に転居し、通勤は車を使うようになったが、「日中も一人で屋外にいると『襲われるのでは…』と不安に駆られる。夜間はもう外出できなくなった」。鈴木さんの心の傷は癒えない。今年、クマによる人身被害が増えている。紅葉狩りなど秋の行楽シーズンを控え、自治体は被害拡大を警戒する。クマに遭遇しない工夫、遭遇した際はどうするのか-。被害体験を通じて「クマ対策」のヒントを探った。

(「スッキリ」終了で本腰入れた趣味を早くも挫折)
お笑いコンビ「極楽とんぼ」加藤浩次が14日深夜放送のMBSラジオ「アッパレやってまーす! 土曜日」に出演。日本テレビ系「スッキリ」終了後に本腰を入れたが、早くも〝挫折〟したものがあると打ち明けた。リスナーから「挫折したことはあるか?」という質問が寄せられ、加藤は「俺、挫折しかけてるな、射撃」とポツリ。「クレー射撃ってオリンピックの種目にもなってる。それが全然当たんなくなってんだよ今。ビックリするよ。笑っちゃうぐらい当たんなくなってるよ」と嘆いた。一時期は競技歴20年のヒロミに並ぶほどうまくなったといい「俺、オリンピックとか目指そうかな」とも考えたというが原因不明のスランプに苦戦。「もう怖いもん、射撃場行くの。射撃やってるオッサンたちに笑われてるんじゃないかって。『あいつ、全然当たってねえじゃん』みたいな。もう恥ずかしくて」と顔を覆った。相方の山本圭壱は「言ってたでしょ『スッキリ辞めたら1年間は、まじめに(射撃を)やらせてもらうわ』みたいな」と指摘したが、加藤は「そう。仕事一個もなくして、射撃だけやろうと思ってたの。でも全然ダメだよ」と意気消沈。「A.B.C.―Z」の河合郁人が楽器でもスランプを超えるとうまくなる、と進言すると、加藤は「今、ちょうど伸びるためのバネというか、クッションってことな。河合くんの言うこと信用してみよ」といったん元気になったものの「でもクスクス笑われてんだよ、後ろで。耳栓してるから聞こえないんだけど、笑ってるだろうな、と思うと…」と大いに迷いを見せていた。

(人気ゲームに実在ライフル、銃器大手の知られざる戦略:アメリカ)
経営破綻した米銃器大手レミントン・アームズは、若者に働きかけるマーケティング戦略の一環として人気ゲーム「コールオブデューティ(CoD)」に自社製ライフルを登場させる契約を交わしていた。社内文書と記録によって初めて明らかになった。  複合企業フリーダム・グループ(後にレミントン・アウトドアに社名変更)の一部門だったレミントンの文書は、2012年のサンディフック小学校銃乱射事件を巡る訴訟に関与した弁護士によって開示された。この弁護士は、犠牲になった子どもの親が提起した訴訟の一環として文書を入手していた。

(市街地にイノシシ出没:愛媛)
愛媛県今治市の中心部にイノシシが現れ、パトカーが出動するなど辺りは一時騒然となりました。石垣の上でたたずむイノシシ。イヌにほえられ驚いたのか、川に飛び込みました。14日午前6時半すぎ、今治市で「イノシシが路上を走っている」と通報がありました。イノシシは今治城など市街地を走り回り、それを追ったパトカーが商店街の中に入るなど、辺りは騒然となりました。通報から3時間後、シャッターの中に逃げ込んだところを猟友会などによって捕獲されました。けが人はいないということです。

(クマの目撃情報:三重)
15日午後、三重県尾鷲市の山沿いの地区で、クマとみられる動物を見たという通報が警察に寄せられ、市が住民に注意を呼びかけています。クマとみられる動物が目撃されたのは尾鷲市賀田町の山沿いの地区です。尾鷲市によりますと、15日午後1時半ごろ、この地区を車で通りかかった人が、大きさが1メートルくらいあるツキノワグマとみられる動物、1頭が道路を横切って川のほうに走り去ったのを見たということで、尾鷲警察署に通報がありました。尾鷲市は、警察や消防、県のほか、猟友会や森林組合などと情報を共有して、連携して対応にあたっているということで、防災行政無線で住民に注意するよう呼びかけています。尾鷲市は、16日、この地区で、小中学校の登校時間に合わせて職員がパトロールを行うということです。

(“異常事態”中心部にも:秋田)
クマの目撃が相次ぐ県内。13日、仙北市角館町の中心部では木の上に2頭のクマがいると警察に通報がありました。うち1頭は木に登ったまま居座り続け、警察や猟友会が警戒にあたりました。仙北市角館町の中心部にある医療機関の敷地内。木の上にいたのは体長50センチほどのクマです。時おり顔をのぞかせながら声をあげています。木の下では警察や地元猟友会などがクマの様子をうかがいながら警戒にあたっていました。仙北市などによりますと13日午前6時ごろ木の上に子グマとみられる2頭のクマがいると警察に通報がありました。正午すぎに1頭が木から降り、武家屋敷通りの方向へ走り去ったということです。県内有数の観光地である武家屋敷通り。走り去ったクマの行方は分かっていないことから警察が住民や観光客に警戒を呼びかけました。午前11時半ごろの大仙市協和の旧小種小学校付近でも、1頭のクマがクリの木の下にいるのを近くに住む人が撮影しました。クリを食べたり、休んだりを繰り返していたそうです。このほか、秋田商業高校の近くのゴルフ場や秋田市の寺内小学校付近など13日も多くの場所でクマが目撃されています。全県で警戒が必要な異常事態が続いています。

(全国ジビエフェアの参加店舗を募集)
農林水産省は、ジビエ(野生鳥獣肉)メニューを提供する飲食店やジビエなどの商品を提供する小売店の情報を取りまとめてPRし、消費を促進する「令和5年度全国ジビエフェア」の参加店舗の募集を始めた。農作物の鳥獣被害対策などのために捕獲した鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして有効活用する取り組みが拡大している。農水省ではジビエなどの全国的な認知向上や普及、需要拡大に向けてこのイベントを開催する。開催期間は11月1日から来年2月29日。国産のシカ・イノシシなどのジビエメニューを提供する飲食店や惣菜店、宿泊施設のほか、ジビエ商品を取り扱う小売店やEC事業者などを対象に参加を募集している。ペットフードや皮革製品なども参加対象としている。フェア終了まで随時参加を受け付ける。参加の情報は「全国ジビエフェア特設サイト」で公開される。特設サイトでは、ジビエの基本的な取り扱い方などを解説した説明会動画を公開したり、メニュー試作用のジビエサンプルを提供したりする。「これからジビエを取り扱ってみたい」と考えている飲食店の参加も呼び掛けている。

(イノシシの骨、ペット用に:岡山)
JA晴れの国岡山(岡山県倉敷市)と食肉加工の匠工房(岡山市)は駆除したイノシシの骨を乾燥させたペットフードを開発し、販売を始めた。薬品などは使わず無添加にこだわった。駆除して解体したイノシシの骨の処分負担も軽減できる。岡山県内で猟友会が捕獲して解体したイノシシの大腿骨、肋骨、肩甲骨を引き取る。

(ジビエ料理PR:神奈川)
伊勢原市大山地域に古くからあるジビエ料理をPRする「大山猪鹿(ジビエ)フェア」が14日から、開催される。宿坊や飲食店18店が参加する企画で、市商工観光課の担当者は「日本遺産・大山と料理の魅力をさらに知ってほしい」と来場を呼びかけている。実行委員会の主催で来年3月31日まで。昨年度に続き2回目。前回は好評だったが1月開催だったことから、紅葉シーズンの観光客を見据えて時期を早めた。同地域で親しまれてきた「しし鍋」や豆腐料理に加え、鹿肉のみそ漬けバーガーや鹿の竜田揚げなど、各店舗の特徴を生かしたメニューを多彩にそろえる。

(ジビエ通じ獣害学ぶ:鳥取)
ジビエ料理を楽しみながら獣害問題などを学ぶ1泊2日のツアーがあり、参加者は14日、鳥取市国府町で 罠わな 作りなどを体験した。読売新聞大阪本社が県などと結んでいる「農業・農村の振興に関するパートナーシップ協定」に基づき読売旅行が主催。ツアーでは14、15両日、狩猟歴6年の山本暁子さん(42)(鳥取市)から、罠の作り方から獣道や動物の足跡の見つけ方、獣害問題などについて学ぶ。この日は、ワイヤとバネを使ったくくり罠作りを体験。その後、獣道にある木をまたいだ先に設置するとかかりやすいとアドバイスを受け、実際に山に入り自作の罠の設置を体験した。また、前日に仕掛けた罠に雄のシカがかかっており、山本さんが駆除する様子を見学。希望者はとどめを刺す「止め刺し」も体験した。参加者の男性(35)は「この広い山の中のどこをシカが通るのか予想しながら、罠を仕掛ける場所を決めるのは楽しかった」と話していた。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日、仙台市青葉区上愛子北原道上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、17日午前5時30分ごろ、栗原市志波姫堀口宮中にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区茂庭綱木西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、16日午後4時50分ごろ、栗原市築館下宮野山畑にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、16日午前6時ごろ、栗原市栗駒松倉畑ケ田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、15日夕方、柴田町柴田町海老穴の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、15日午後0時15分ごろ、栗原市瀬峰下田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、14日午前10時30分ごろ、東松島市川下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、14日午前8時19分ごろ、栗原市瀬峰大鰐谷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後8時20分ごろ、仙台市泉区根白石町尻道下にクマが出没しました。

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