<射撃ニュース12月>
12/20
(クレー射撃協会役員を告発、火薬類取締法違反の疑いで:神奈川)
日本クレー射撃協会の強化担当役員が銃弾を不適切に取り扱ったとして、火薬類取締法違反の疑いで神奈川県警に刑事告発されたことが19日、複数の関係者への取材で分かった。県警は告発状を受理した。告発したのは、複数の日本協会関係者。告発状によると、当該役員は神奈川県内のナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点での合宿で、規定の数量を超える散弾銃実包を火薬庫でなく、宿泊先の駐車場で自家用車に保管していたとしている。この件を含め、組織運営を問題視する匿名の文書が4月に日本オリンピック委員会(JOC)に届き、日本協会はJOCからの要請を受けて第三者の弁護士による調査を行ったが、一部理事が無効を訴えるなど混乱している。銃弾は当該役員が、自ら経営する鉄砲店で販売。弁護士の調査では、一定の店舗外で運搬して販売したとみられる行為が法律で禁じる「行商」にあたる可能性が「否定できない」と指摘したほか、利益相反取引として「理事会の承認を得るべきだった」としている。

(クマ被害多発、国が捕獲を支援する「指定管理」検討)
伊藤信太郎環境相は19日の閣議後記者会見で、過去最多の人身被害が出ているクマに関し、捕獲が国の支援対象となる「指定管理鳥獣」に指定するかどうかを検討するため、26日に専門家会合を開くと明らかにした。2024年2月をめどに意見を取りまとめ、3月までには環境省としての方針を決める予定。委員は酪農学園大(北海道江別市)の佐藤喜和教授ら。伊藤氏は「科学的知見に基づいて人身被害防止に向けた対策を取りまとめるのが目的だ。速やかに実行に移し、国民の安全安心につなげたい」と述べた。

(全国のクマ被害抑え込みへ 環境省、専門家による検討会を開催へ)
全国でクマの出没と被害が相次ぐなか、捕獲や管理の在り方について、環境省は26日から専門家による検討会を始めると発表しました。26日に初めて開かれる専門家による検討会は、2024年以降のクマの被害を抑え込むことを目的にしています。2023年の人への被害は、4月~11月までで全国で212人にのぼっていて、このうち死者は6人で過去最悪の状況です。被害が相次ぐ北日本の知事らは、クマの捕獲に関して都道府県が金銭的に支援を受けられるよう「指定管理鳥獣」に指定することを求めていました。検討会は3回開かれ、指定に関する議論も進められる見通しです。伊藤環境大臣は「対策を来年2月末までにとりまとめてもらい、『冬眠明け』くらいまでに決定したい」と述べました。

(琵琶湖で水鳥が大量死:滋賀)
大津市浜大津5丁目の大津港周辺で、オオバンなどの水鳥が少なくとも40~50羽死んでいるのを18日までに滋賀県が確認した。14、16日に住民の情報提供があり、県職員が現地を確認した。現在のところ原因は判明しておらず、野鳥などが大量死した場合に行う鳥インフルエンザの検査についても、死骸が水没したり損壊したりしており、検査可能な検体が見つかっていない状況という。現在は同市などを担当する県西部・南部森林整備事務所が周辺の監視を強化しており、同港周辺を訪れる人に対しては、死骸を見つけても触らないことに加え、感染症を広げる野鳥への餌付けを自粛するよう求めている。毎日、湖岸を散歩しているという男性(83)は「6日ほど前から藻に絡まっている水鳥の死骸が目についたが、だんだん数が増えている。これほど大量死しているのを見るのは初めてだ」と話していた。

(射撃場で汚染された土の撤去、住民に工事を公開:佐賀)
鉛の弾による土壌汚染が問題となっている伊万里市の射撃場で、汚染された土の撤去が始まり、地元住民などに工事が公開されました。1984年に建設された伊万里市大川内町の散弾銃射撃場は、かつてクレー射撃の競技などに使用されていましたが、鉛の弾が放置されていたことにより射撃場の外で環境基準値を超える鉛が検出され2011年に閉鎖しました。おととしから射撃場の鉛弾の回収作業が行われていた一方、汚染された土が残っていることが問題となっていました。伊万里市は今年9月から汚染された土を撤去する準備を始め、12月に入りバキュームで土を吸い込み撤去する作業を行っています。18日は市の担当者が地元住民などに現場を公開し、作業の内容を説明していました。運び出された土は伊万里港から最終処分場である秋田県まで船で輸送し鉛を処理して、来年の3月中に作業が完了する見込みだということです。【散弾銃射撃場環境対策協議会 江口久宣会長】「(撤去工事で)完全に解決するわけではありませんんので、今後も水質検査ですね、これまでやってきたことを毎年続けてやっていただきたい」。市は引き続き射撃場周辺の水質検査などを毎年行い経過を観察するということです。

(鳥獣被害7億円、エゾシカ被害増える:北海道)
道がまとめた2022年度の野生鳥獣による農林水産業の被害状況によると、十勝管内の被害額は前年度比7100万円増の6億9200万円だった。

(“眠らないクマ”に警戒続く:石川)
石川・白山市で16日、クマに襲われ3人がケガをした。クマは猟友会によって駆除されたが、市内では別の小さなクマの目撃情報があり、不安が続いている。クマは12月半ばでも、冬眠していなかった。クマが道路を横切ったその先には、人の姿があった。急接近するクマを見て、慌てて逃げていた。周辺では16日、男女3人がクマに襲われケガをした。1人は、顔や腕に重傷を負った。その後、猟友会が大人のクマ1頭を駆除。しかし、別の小さなクマの目撃情報があり、住民の不安が募る中、厳戒態勢が続いていた。17日には車庫の中にクマが潜んでいるという情報があり、市の職員が突入したが、クマは発見されなかった。18日朝、子どもたちが登校する際も警戒は続いていた。クマが現れた場所の近くにある小学校の校長は「終業式も今週22日にある。その時にも気をつけるよう伝えていきたい」と話した。クマの捜索は打ち切られたが、市や警察によるパトロールが続いている。

(害獣「キョン」が千葉県で7万頭超え、「実際はもっと多い」:千葉)
特定外来生物のキョンが大量繁殖している。シカに似たそのかわいらしい見た目とは裏腹に、我が国では「根絶しなければならない種」とされているのだが、その数は減るどころか、千葉県だけで年間数千頭のペースで増加の一途を辿っているのだ。千葉県自然保護課の話。「県内の推定生息数は、2013年度時点で既に3万1800、それが2022年度には7万1500にまで増えてしまいました。数が増えるにつれて街中に現れる機会も増え、田畑や家庭菜園が荒らされてしまったり、時には自動車と衝突事故を起こしたり。何より、悲鳴のような独特の鳴き方がうるさく、県民の皆様の生活に大きな影響を及ぼしてしまっているのが現状です」。もとをたどれば、中国や台湾が原産の動物で、県内の動物園から脱走したのがことの始まりだと言われる。「分布の拡大や、生息数の増加が止まらないため、県では『キョン防除実施計画』を立て、長年にわたって対策に当たっているところです。その甲斐あってか、捕獲数は年間で9000頭近くまで伸びてはいるものの、なにせ増加の勢いの方が激しく、結果的に年間数千頭のペースで増えてしまっています」。9000頭を捕獲してもなお追いつかないとは……。その苦労が窺える。「とにかく繁殖力が強いのが原因です。キョンは生まれてから半年ほどで生殖能力を得てしまうんです。こんなペースで次々に生まれていくから、捕ってもキリがない状態。国にも体制強化を求めながら、各市町村には補助金なども出しているのですが、正直、抜本的な解決策は持ち合わせておりません」。実は、一向にキョンが減少に向かわないのは、こんな背景も指摘されている。狩猟体験ツアーを行う合同会社Hunt+の代表で、自身もキョンの捕獲にあたっているという石川雄揮氏に話を聞くと、「草食動物によく見られるように、キョンは警戒心が強いので、他の動物よりも罠にかかりにくいところがあります。しかも、ニホンジカなどとは違って群れで行動しないので、一度に複数頭を捕獲することもできません。そして何より、あの叫ぶような鳴き声ですよ。イノシシなどとは違う弱い動物が、まるで命乞いをするかのような悲鳴をあげてくるので、捕獲するには心情的になかなかしんどいところがあります。うちのツアーの参加者には、その様子がかわいそうに見えて泣き出してしまう人もいますし、また『気が進まない』というハンターもいるくらいです」。そしてこう付け加える。「ツアーや狩猟に出て、キョンに出くわさないことはないほど、本当にたくさんいます。実際の農作物などの被害は公表されているより多いのではないかと思います」。本当なら目を覆いたくなるような事態であるが、年間で200頭以上、多いときは300頭近くも捕獲しているというさる“キョン捕り名人”からは、こんな話も。「正直、キョンを捕ること自体は難しいことではない。的確な場所に罠さえ張れれば、一日に何頭も捕獲できます。だから、集中的にたくさん捕っていると、その場所でのキョンの数は減った感覚があるのですが、やはり全体の数からいうと焼け石に水で、実際は7万頭以上いるのではないかと感じます」。いくら捕ってもキリがないというわけか。「自分よりもっと多く捕っている人もいます。だけど、ハンターの皆が皆、たくさん捕れるわけでもないし、それぞれ仕事や生活もありますから、猟にかけられる時間が限られている人もいる。そんな中で、全体の捕獲数を上げるのは、現状ではなかなか難しいなと感じます」(同)。“キョンvs千葉県”の厳しい実態――。そんな激戦の裏では、キョンの肉を食べて消費しようという動きもある。千葉県いすみ市で、ジビエの加工施設「ちばジビエの森」を営む永島理氏によると、「キョンの肉は、悪い意味でのクセはなく、肉質も柔らかいのでおいしいですよ。台湾では高級食材として扱われているくらいです。脂身が少ない赤身肉なので、筋トレをしている人にはぴったりではないでしょうか。バーベキューで、骨が付いたまま豪快に焼いて食べるのがオススメです」。ジビエに抵抗のある方に向けては、「ジビエに臭みがあるというのは、もう昔の話です。きちんと処理さえされていれば、おいしく食べられる時代です」(同)。とはいえ、特定外来生物であるがゆえに、キョンの肉に価値を与えるわけにもいかない事情もあるといわれるが、「やはり、生き物の命を奪う以上、それを食すというのは最低限の行いであるように思います。それもまた人間側の勝手な考え方なのかもしれませんが、いくら撲滅対象であっても、キョンの命もかけがえのないことに変わりはありません。駆除して捨てればいいという話でもないのではないでしょうか」(先述の石川氏)。いつかは根絶されうる“害獣の味”。通販やふるさと納税の返礼品としても手に入るというから、興味のある方は、いまのうちに試してみてはどうだろうか。

(「今年ほどクマ被害が多い年は無い…」専門家警鐘の“異常出没”)
「クマの研究をして50年以上になりますが、23年ほどクマの出没が多く人的被害が多かった年は、過去にはありませんでした」。73年から秋田県庁で鳥獣保護行政を担当し、現在もツキノワグマの生態を調査して続けている「日本ツキノワグマ研究所」の米田一彦所長(74)がそう語る。環境省によると、11月末時点の速報値で、クマに襲われた被害人数は19道府県の212人。死者は6人を数えた。これまで最多だった20年度の158人を大きく上回っている。日本は、北海道にヒグマ、本州以南にはツキノワグマの2種類が生息。成獣になるとヒグマは2メートル、ツキノワグマは1メートルを超える。いずれのクマも冬眠するため、通常であれば寒くなればクマの被害もおさまるはずだが、今年はいまだにクマ被害が後を絶たない。12月17日には、石川県白山市の市街地で、クマが男女3人を相次いで襲い、重軽傷を追わせた事件が。また、クマの出没は地方だけではない。東京都八王子市や町田市、奥多摩町でも12月に入ってからから目撃情報が寄せられているという。暦の上で冬になってもクマによる被害はおさまっていないのだ。なぜ、冬になっても被害が後を絶たないのだろう。ツキノワグマに出会うこと3000回以上にのぼる米田さんがこう解説した。「クマは、秋に栄養をたくさんとって、皮下脂肪を蓄えたうえで、早くて11月頃には土の穴や木のうろなどに潜って翌春まで過ごします。ところが、今年は夏から秋にかけての酷暑と小雨が影響し、クマが食べる木の実などが凶作になり、十分に食べられていないクマがエサを求めていまだに動いている可能性があります」。さらに、暖冬の影響もあるという。「クマは、一面が雪に覆われるような積雪があるとスイッチが入ったように冬眠に入ります。雪が降り積もると、エサをとることができないため、ムダなエネルギー消費をしないように“冬眠スイッチ”が入るのです。実際に23年に被害が多かった北海道や北東北では、積雪とともにクマの被害はなくなっています。しかし、北陸、関東、東北でも太平洋側では、暖冬の影響で雪が降り積もることはありません。そのため“冬眠スイッチ”が入っていないのです」。米田さんによると、暖冬の影響で、1月まではクマの出没や人的被害は起こる可能性が高いという。「暖冬で雪が降らない地域では、冬でもサルナシなどの木の実を探して山里を歩いたり、上流から流れ来たクルミやクリ、ドングリをたどってきて市街地の川沿いでの出没も増えるでしょう。また眠れないクマが登山道やスキー場に現れることも。過去70年の被害情報を調べてみても、雪山の登山中に遭遇したり、スキーをしているときにクマと襲われたケースが2例あります。今年は十分注意が必要です」。気になるのは「穴持たず」と呼ばれる、冬眠しないクマの存在だ。マタギの世界では、肉食化して冬眠せずにさまようクマを「穴持たず」と呼ぶという。これらのクマは空腹のため気が立っており、人を襲うと伝えられているが……。「私の調査では、一冬を通して一度も冬眠しないクマは北海道、本州ともに非常に稀です。しかし、冬眠中のクマがずっと外に出ないという訳ではありません。雪にクマの足跡が残っていることは当たり前のようにあります。とくに冬眠中でも雄グマや出産していない雌グマは要注意。林業関係者が真冬にクマに襲われたケースは少なくありません」。それでは、クマに出遭った場合はどんな注意が必要なのだろうか?「クマの加害原因を調べてみると、A食害(人を食べる目的) B排除(人を排除しようとして襲う) C戯れ、苛立ち があげられます。このなかで、Aは、空腹や動物性たんぱく質の不足から襲いますが、初夏の繁殖期が多い。秋から冬にかけて出会うクマで、人を食べようとして襲ってくるクマはいません。多くはBが原因です。クマと食べ物や子グマの間に人が入ったり、自分の通り道に人がいたりするときに事故が起こるのです。一般の人は、クマの目撃情報がある地域には立ち入らないよう注意しましょう」。まだまだ続くクマ被害だが、最後に米田さんはこう語る。「人の生活圏にクマが頻繁に出没するようになったのは『里山の奥山化』が背景にあります。管理の手が入らなくなって里山が奥山化したことで、コナラやクリが豊富でクマも生息しやすい環境に。どうしても人の生活圏まで近づいてくるのです。とはいえ、クマの駆除に偏っても、保護に偏ってもダメだと思います。地方でクマが駆除されたとなると都会の人が『かわいそうだ』と地方の自治体に電話をかけることがありますが、これは避けなければいけません。また、クマの人的被害が出ると、自治体が付近のクマを根こそぎ駆除するケースもありますが、あきらかにやり過ぎだと思いますね。札幌、仙台、広島という人口100万人の都市の街にクマが現れるのは、(中国・北京市の山間部にはクマが出没するが)世界的にも日本だけ。もっと知恵をしぼって人とクマが共存するための対策をとることが大事だと考えています」。冬になっても、また市街地でも出没する今年のクマ。ケガをしないよう、要注意だ。

(野生動物による農作物被害、最新技術活用した対策進む:岡山)
イノシシやシカ・カラスなどの野生動物による農作物の被害額は、令和4年、県内では2億6300万円余りで、前の年より増えました。一方猟師の登録者数は、高齢化や人口減少で年々減っています。こうした中、ドローンや高周波の音を出す機器など、最新の技術を活用したあの手この手の対策が進んでいます。

(クマに襲われ、右目を失明:島根)
2023年はクマによる人的被害の報道や、北海道で牛を次々と襲っていた最凶ヒグマ「OSO18」の駆除などクマ被害のニュースが日本全国で相次いだ。今年6月にも島根県で78歳男性がツキノワグマに襲われ、右目を損傷し摘出するという重傷を負っていた…集英社オンラインでは被害者の男性の壮絶なクマ話をお届けする。2023年6月16日午前5時30分ごろ、島根県・邑智郡邑南町宇都井(おおちぐんおおなんちょううづい)での出来事。被害を受けた高橋さん(仮名・78歳)は、つい昨日起きた出来事かのような口ぶりでそう語り始めた。高橋さんの住む邑南町宇都井は、自然豊かな山々に囲まれた農村地域。田んぼを囲うように民家が建ち並んでおり、牧歌的な雰囲気が漂う。そんなのどかな場所で凄惨な事件は起きた。朝5時台はまだ薄暗く、周囲の様子が克明にはわからなかったそうだが、玄関を出てキュウリを獲ろうと畑に向かった高橋さんは、異変に気付く。「畑のそばにある山の藪でね、コツン、コツンいう音がしたんよ。何の音かな、鳥でもいるんかなと思って藪の前まで行きよったんですが、そしたら急にクマが飛びかかってきよって……。暗かったからかもしれんけど、藪の中から殺気はなかったし、クマがいるんかなんてわからんかった。1メートルぐらいあったかなあ。小柄だったけど、ものすごい力で抱きついてきて、頭に噛みつこうとしてきた」。クマが立ち上がると、ひるんでいた高橋さんとほぼ同じ目線の高さになったという。そして、鋭い爪が伸びた両手で高橋さんの両腕をホールドし、頭に噛みつこうと牙をちらつかせたそうだ。一方の高橋さんは、畑を見るだけの用事で外に出たため手ぶらで、クマを相手にするにはあまりにも心許ない状態だった。しかし、不思議とクマから攻撃性は感じなかったという。「喰ってやるという感じはなくて、威嚇している雰囲気もなく、ただ抱き寄せて噛もうとするだけ。傍から見ていれば、じゃれているように見えたかもしれん。けど力は強かったから、このままではやられるとは思ったね」。高橋さんはクマの手を払うべく、必死に腕の力を振り絞り、拘束から逃れようと試みた。だが奮闘むなしく、クマはなかなか離れず、抵抗する反動で身体にはクマの爪によるひっかき傷が付いていく……。「抵抗するうちに動きも激しくなってきて、ガーッとクマの左手が自分の右目にきて。もう目がエグれてしまって、一気に視界がぼやけたんよ。あたふたしとるうちに、気が付いたらクマはいなくなっとったわ」。その後、すぐに病院へと向かった高橋さん。10日間入院し、右目の摘出手術を受け、片目の視力を失ってしまったという。なお事故後、自宅付近で2つの罠を設置したが、いずれも成果は出ず、クマの行方は現在もわかっていない。現在の高橋さんは体調は回復し、歩行もできるようになったが、右目を失ったことで日常生活に支障をきたすようになってしまった。「距離感覚が掴めなくて、歯ブラシに歯磨き粉を付けるのにも苦労しています。上からチューブを押し出しても、歯ブラシの横にスーッと落ちちゃう。あと自動車のドアのガラスを横目で確認することもできないので運転も厳しい」。高橋さんの口調は明るくフランクだったが、それでも従来できていたことが急にできなくなる事実は、なかなか受け入れがたいに違いない。高橋さんは生まれてから78年、ずっとこの地に住み続けている。30年以上猟師としても活動しており、イノシシなどの害獣を狩猟していたが、これを機に銃砲所持許可証を返納することにしたという。しかし、今回のように自宅付近でのクマの目撃はおろか、猟師をしているときもクマを見かけることは非常に稀だったんだとか。「子どものころは、クマが人里に出没したなんて話は聞いたこともなかった。猟師をしているときに山で数える程度だけど、見かけたことがあったぐらい。それが変わり始めたのは15年くらい前から。クマは柿が大好物だからね、柿の木に爪跡が残っていると『今年も出てきたな』とわかるんですよ。それでも3~4年に1回とかそんなペースで、頻繁に出るワケじゃないです。時期も夏から秋にかけての時期が一番多かったんで、今回みたいに6月はちょっと早い気もする。早めに冬眠から覚めて、餌を求めて歩いているのかもしれんな」。今年に入って日本のあちこちでクマが大量に出没したのには、山の中にある餌の減少が理由として考察されているが、自然豊かな宇都井の土地ではそういったことは考えにくいという。「山の中に柿はいっぱい実っているけど、取り尽くされている様子はないから、食べ物に困っているということはなさそう。それよりも純粋にクマの数が増えすぎているだけだろうな。今は猟師の数もめっきり減っていて、増え続けるクマに対処しきれない。すでに人間の手には負えなくなっている」。数が増えた結果、生息域を伸ばしたクマたちは、はるばる人里に下ってきたということなのだろうか。高橋さんは「人間のほうが押し込まれている」と現状を嘆く。「8月には歩いているときに道の真ん中に小さいクマが現れました。本当に小さくて、こちらを見るなりすぐに踵を返したけど、こうやって1年で2度も間近でクマを見るなんて経験はなかった。つくづく昔とは状況がまったく違っているんだと気付かされます」。クマ被害者のなかにはクマへの恐怖心を抱えたまま過ごす人も少なくない。けれど、高橋さんの態度はいたって気丈であった。「クマは怖いけど、自分の身は自分で守らなくちゃいけない。これからは不用意に藪や茂みに入らない、夜は外出を控える、出歩くときは数人で、っていうことを覚えておかないと危険な目に遭う。クマは50メートルぐらい離れていようが平気で走ってくるんで、簡単に命を取られると知りました。身の安全を守るためにも、不用心は避けるべき」。これまで身近な存在ではなかったクマの危険にさらされ、自分や家族の身を案じる必要がある地域は着実に増えている。実際にクマの被害を受けるとはどういうことなのか、被害に遭わないためにはどうすべきか。全国各地の山間で暮らす人々や登山やキャンプを趣味とする人たちのクマへの悲鳴が止まなかった2023年。誰しもが年の瀬に今一度考えてみる必要があるはずだ。

(クマに襲われた男性が当時語る:宮城)
全国で相次いだクマの被害。宮城県内でもけが人が出るなど、野生のクマはより身近な脅威となっています。被害を防ぐために必要なこととは?八木山動物公園のツキノワグマ「アオバ」です。胸には白い月の輪の模様がくっきり!人懐っこい性格の「アオバ」は動物園の人気者です。その一方…野生のクマによる被害は今年も発生しました。11月17日、宮城県色麻町で70代の男性が車庫の中にいた体長1メートルのクマに襲われ大けがをするなど、人への被害は3件確認されています。宮城県大崎市古川に住む諏訪部椋大さん(26)は6月、加美町でクマに襲われました。クマに襲われた 諏訪部椋大さん「あまり分からないと思うんですけど、ここら辺に跡があって…右斜め上からこういうふうに引っかかれて、この鼻の下の部分と下の唇部分を引き裂かれたという感じ」。こちらはけがをした直後の写真。顔を10針縫ったといいます。諏訪部さんがクマに襲われた場所を案内してくれました。7年間続けている趣味の野鳥観察のため、歩いていたという諏訪部さん。クマを見たのはその日が初めてでした。クマに襲われた 諏訪部椋大さん「この辺りになります。歩いていたらこちら側の茂みからガサっという音がした」。当時は草が生い茂り、クマとはすぐ分からなかったといいます。クマに襲われた 諏訪部椋大さん「攻撃される直前に、これクマだなというのが認識できて、攻撃された後に、次どうしたらいいんだろうというのは考えたんですけど…」。幸いにも引っかかれたのは1度だけ。クマはすぐに立ち去りました。クマに襲われた 諏訪部椋大さん「その後にまた攻撃がくれば、今以上に大変なことになっていたと思うので、こういうところにはうかつには来られないなと思いますね」。こちらは、宮城県内の過去10年間のクマの目撃情報です。今年度は12月11日の時点で1247件と平年と比較して多くなっています。県によりますと、11月の目撃情報は324件。過去5年間の平均の5倍以上にのぼりました。クマのえさとなるのが、山林にあるブナの実です。東北森林管理局の調査では今年は「大凶作」となり、えさを求めて人里に近づくクマが増えたことが目撃が増えた原因とみられています。県や市町村は、柿の木などがクマを呼び寄せているとして収穫を急ぐことや対策を求めました。宮城県加美町に住む檜野春喜さん(64)です。10月下旬、家の柿の木にクマが連日現れました。対応を迫られて考えたのは…。記者リポート「クマが実際に登っていたという柿の木ですが、現在はトタンが巻かれています。爪が引っかからないようになるため木に登れなくなるということです」。檜野春喜さん「これ自分でやったんですけど、すぐ近くの商店に行ってトタンを買ってきて、10分くらいで、すぐ巻けるので」。簡単な対策でしたが、クマが近寄ることはなくなったといいます。クマの生態に詳しい宇野壮春さんは、クマにとって人里は魅力的なえさの資源地で、適切な管理が重要だとしています。東北野生動物保護管理センター 宇野壮春 代表「集落の中で使っていない木を伐採したりしていくことは大切な作業だと思いますね。もうひとつは生ごみ関係ですかね」。また、山に入る際には…。東北野生動物保護管理センター 宇野壮春 代表「山の中を登山みたいに歩くのであれば、やはりクマ鈴とかを携行すること。クマスプレーを持っていくのが有効的だと思いますね」。被害を防ぐために最も大切なのはクマを近づかせないこと。次に、遭遇したときの備えをすることだといいます。野生のクマはすでに冬眠の時期に入っていますが、目撃件数の多さなどから、県は年末まで「クマ出没警報」を出し続ける方針です。クマの怖さを身近に感じた今年。人と動物の関係を考えさせる一年となりました。

(山口東京理科大に全国でも珍しい狩猟部:山口)
山口東京理科大では全国でもユニークな狩猟部が活動している。イノシシやシカを狙ってわなを仕掛けたり、狩猟期以外にはイベントでジビエ(野生鳥獣の食肉)料理を振る舞うなど、命をいただく大切さを学生目線でPRしている。2021年6月に結成されたジビエ研究サークルが前身。狩猟に興味があった田村新之介さん(電気工学科4年)が「個人で趣味を深めるにはハードルが高いが、仲間とならいろいろチャレンジできそう」と3人で同好会を立ち上げた。田村さんは、その年の夏にライフル銃や散弾銃を扱うことができる第1種銃猟免許、銃砲所持許可を取得。地元の山陽地区猟友会と行動を共にし、狩猟の意義を教わり、スキルアップに励んだ。さまざまな活動が大学にも認知され、22年9月にはサークルから狩猟部に昇格した。部員11人でスタートし、今春は新入生の勧誘にも力を入れた。「模擬銃を持ってキャンパスを闊歩(かっぽ)する人たちに面白そうだと思った」と入部者が相次ぎ、部員は20人に拡大。女子部員も4人が在籍し、中川心(まなか)さん(薬学部1年)は「下関出身で狩猟をする人が身近にいた。珍しさもあり入部したが、ジビエ料理に興味がある」と入部動機を語った。今では部員12人がくくりわな、箱わなを扱えるわな猟の免許を取得。11月15日~翌年2月15日の狩猟期(イノシシとニホンジカは11月1日~3月31日)には、市内や宇部市万倉の山間部にわなを仕掛けて定期的に巡回。田村さんは猟友会メンバーと山野井の山林などで集団で巻き狩りを行っている。イベントにも参加して狩猟の魅力を伝える。3月の本山フェスティバルでは子ども向けに射的ゲームコーナーを開設。11月に開かれた市農林水産まつりでは理科大ぼたん鍋を振る舞い、味わい深いイノシシ肉とこくのあるスープが来場者をうならせた。田村さんの後を受けて部長を務める義岡士門さん(応用化学科2年)は「宮崎県出身で地元でおいしいジビエに出合ったのが入部のきっかけ。時間を有効に使い、学生時代に好きなことにチャレンジしたい」と目を輝かせる。同部顧問の大嶋伸明電気工学科講師は「狩猟部の活動を通して自分たちで地域に積極的に関わったり、有害鳥獣対策という社会問題に真剣に取り組んだりしているのには感心する」と学生たちの行動力をたたえている。

(カモ食害、養殖ノリに打撃:熊本)
ノリ養殖が盛んな有明海で近年、漁業者がカモによるノリ食害に悩まされている。大型の鳥をかたどったたこをノリ網に設置するなどして対処してきたが、効果は限定的。熊本市と宇土市の9漁協は2021年度から連携し、船上から猟銃を使って食害を減らす試みを続ける。県外では共存を前提に対策を講じる地域もある。「バーン!」。1日午前9時過ぎ、熊本市南区の緑川河口から約5キロの沖合に広がるノリ養殖場。猟師2人が船上からカモ目がけて発砲し、約1時間半で4羽を捕獲した。同行した地元の川口漁協(南区)の職員は「きょうは少ない方で、多い日は20羽捕れる」。熊本博物館(熊本市)の清水稔学芸員(53)によると、有明海にはマガモやヒドリガモなど数種類がロシアなどの大陸から越冬するために、毎年10~3月に飛来している。川口漁協によると、カモによる食害が目立ち始めたのは10年ほど前から。カモは雑食性で、ノリの新芽を好んで食べるという。熊本市の21年度の調査では、捕獲したカモの胃からノリとみられる藻類を確認。川口漁協が22年12月に上空を撮影すると、カモが網に生えたノリをついばむ様子が映っていた。新芽が根こそぎなくなる網もあった。漁協関係者は「柔らかくておいしいことを知っとる」と口をそろえる。清水学芸員は「有明海にいるカモのほとんどがノリを食べているといっていいだろう」とみる。宇土市の住吉漁協には、一部の漁業者から「カモがノリを食べていて困っている。早く駆除してほしい」との声が上がっているという。熊本県や熊本市も被害を把握しているが、魚による食害もあり、全容を把握できていない。事態を打開するために、熊本市と宇土市の漁協はカモ対策で連携。熊本市には駆除や追い払いを要請し、委託を受けた猟友会が21年度は658羽、22年度は644羽を駆除。出航時には両市の漁協が船を出す。猟銃でカモを追い払っても、時間がたつと元の場所に戻ったり、別の場所に移ったりする。漁業者はノリ養殖場にカモが寄り付かないよう船で巡回している。川口漁協の藤森隆美組合長(73)は「巡回を続ければ船の音だけで逃げるようになり、被害も減っていく」と一定の効果を口にする。一方、有明海に飛来するカモは数万羽とされ、対策は限定的になりがち。猟師の高齢化といった課題もある。同様にカモ被害が出ている有明海沿岸の佐賀県鹿島市では、国際的に重要な湿地の保全を目指すラムサール条約に登録された干潟があることを踏まえて、共存を前提にした対策に力を入れている。16年から猟銃を使って追い払ってきたが、20年に点滅して強い光を放つ実験をスタート。カモが逃げるのを確認した。本年度は、上空に飛ばしたドローンからカモにLEDライトを当てる予定だ。鹿島市の担当者は「カモを傷つけず、少ない労力で対策できるようになれば」と期待する。漁協関係者は、カモを追い払っても、農地に移り農作物に被害を出さないか懸念する。川口漁協の藤森組合長は「国と県は対策に力を入れてほしい。現場だけでは限界がある」と訴える。

(「高齢化するハンター…」時には命がけのボランティアに:長野)
クマの出没が目立った今年も、11月から狩猟期に入りましたが、長野市ではシカやイノシシなどの有害鳥獣の捕獲が行われています。県内では7億円以上の農林業被害がある一方でハンターの数は減少しています。捕獲の現場を取材しました。朝6時半、長野市の猟友会若穂支部の竹内年二三(たけうちとしふみ)さんと越前屋圭司(えちぜんやけいじ)さんのくくりわな猟に同行しました。山に仕掛けたわなは25か所。毎朝、10キロのコースを見回ります。すると、早速…。イノシシが2日前に畑を掘り返したとみられる跡が、いたるところにありました。やぶにはイノシシが通り抜けた跡も見られました。さらに見回りを続けると…。イノシシがわなにかかっていました。野生鳥獣による県内の2022年度の農林業被害額は、7億3800万円あまり。捕獲は農作物被害を防ぐ目的があるため、シカやイノシシを捕獲や駆除をした場合は、自治体から1頭ごとに捕獲の補助金や報奨金が支給されます。一方で、今年、目撃情報が相次いだクマは多くの自治体で対象外。現状では積極的な駆除の対象ではないため、報奨金などの支払いがないケースも多いといいます。それはときに命がけのボランティアになりかねません。シカによる農林業被害は、2億4,500万円あまりで、2022年度全体の3分の1。植林後の苗木や新芽が食べられるなど、南信州、佐久、諏訪地域での被害が大きく、全体の6割以上にのぼります。さらに近年は、被害が北信へ広がるなど、シカの生息域は全国的に北上しています。県では、柵を設置する、エサになるものを放置しないといった防除や生態環境の対策、そして、捕獲など総合的に取り組んでいます。特にシカの捕獲には県も重きを置いています。持続可能なハンターの確保へ。その一助になる取り組みとして若穂地区には、食肉加工の処理施設があり、ジビエ用に解体からパック詰めまでを行っていますまた若穂地区の飲食店でもジビエ料理を提供しているほか、温泉施設に併設した「さとやま食堂」などで肉の販売もしていて、地域振興につなげています。

(猟は「公平な戦い」、年間100頭撃つ腕利き猟師の命との向き合い方:福岡)
「木の枝を踏み折る音でも警戒しよる」。つま先から地面を踏み、木々が生い茂る自然林を慎重に歩く。11月下旬の午前8時半。気温は6度。吐く息は白い。人けのない山で突然、犬の激しい鳴き声が響いた。鳴き声の方へ急ぐ。福岡県福智町の猟師平野八十八さん(77)は肩から斜めに掛けていた猟銃をおろし、人さし指を引き金にかける。坂を下り、鳴き声のもとに近づくと、平野さんの猟犬2頭が尻尾を振ってほえながら、茂みに近づいたり離れたりしていた。あの中に、イノシシがいる。銃を構える。茂みから、目で追えないほどの速さでイノシシが草むらから飛び出し、猟犬に襲いかかった。冷静に、引き金を引く。その瞬間、爆竹がはじけたような、乾いた銃声が鳴り響いた。スラッグ弾を撃たれて弱ったイノシシに、猟犬が一斉にかみつく。平野さんは落ち着いた足取りで近づき、イノシシの首をめがけてナイフを突き刺した。「ギィ、ギィ」とイノシシが断末魔をあげる。平野さんはイノシシを専門に40年以上、猟を続けてきた。散弾銃とナイフを持ち、猟犬を連れて1人で山に入る。猟が解禁される11月から翌年3月のあいだに、100頭以上のイノシシを4年連続で仕留めた。午前7時に起き、天気予報を見て登る山を決める。平野さんが住む福智町の近くには200~900メートルの山がいくつもあるが、それぞれの山のどこに坂ややぶがあるか、細かな地形を隅々まで把握しているという。

(シカの食害問題や駆除後の活用学ぶ:愛知)
豊橋市の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は17日、園内を巡ってシカの食害や、駆除したシカの活用を学ぶガイドツアーを初めて開いた。市内外の約40人が参加した。一行はまずニホンジカ舎へ。動物研究員の伴和幸さん(36)が「舎内に草が生えていない。シカが草も木の葉も食べて、全国で木が枯れて問題になっている」と説明。「各地で駆除が進められているが、繁殖力が高く、生息域を広げている」と指摘した。

(元羊飼いが描く“熊文学”:北海道)
直木賞候補作に選ばれた『ともぐい』。北海道を舞台に、人とクマの戦いを描いたこの作品。著者は、元羊飼いという異色の経歴を持つ河崎秋子さん(44)(正式には崎は「たつさき」)。クマによる被害が全国で相次ぐなか、人とクマとの共生についてじっくり伺いました。熊の息遣いが聞こえるこの作品を書いたのが、羊に囲まれる作家・河崎秋子さんです。北海道別海町の酪農家出身。4年前まで羊飼いと作家の二刀流で作品を生み出してきました。

(クマ撃退スプレー、新聞記者が体験:静岡)
全国でクマの目撃や被害が相次ぎ、撃退用スプレーなど対策グッズの需要が高まっている。浜松市では今月2日、JR浜松駅に停車中の新幹線内でスプレーが誤噴射されて乗客5人が目や喉に痛みを訴える騒ぎがあり、グッズの危険性も印象づけた。安全な使い方や保管方法は―。本社記者が市職員同行のもと、同市天竜区の山中でクマ撃退スプレーの噴射を体験した。一見、小さな消火器のように見える赤色のスプレー缶。大きさは約20センチ。ずっしりとした重さで表記の310グラム以上に重く感じた。説明書には、現地到着前に発射レバーを固定するプラスチック製のテープを切り取ることを推奨していた。手では難しく、はさみを使って外した。誤噴射を防ぐため、使用の直前に別の安全装置(セイフティクリップ)を外す必要もあるが、成人男性でもある程度の力を擁した。右手でグリップ部分を握り、左手を添えて発射態勢を整えた。発射レバーを右手親指で軽く押すと、中身が白いガス状となって勢いよく飛び出した。噴射が終わるまでは10秒ほど。前方が一時、見えなくなるほど強力だった。無風の屋内で噴射した場合、距離は最大約10メートルまで及ぶ。新幹線のような狭い屋内では、数秒の噴射で充満してしまうことも容易に想像がついた。中身は、辛みや刺激をもたらす成分「カプサイシン(CA)」が含まれている。クマの興奮を静め、攻撃能力を奪う効果がある。ガス状のCAが皮膚に付着すると鼻や口、喉、肺の粘膜が焼けるように痛むが、この日は向かい風がなく、目や喉などの痛みやにおいも感じることはなかった。予想外だったのは噴射と同時に、赤い液体がこぼれ出したことだ。香辛料が入ったソースのような独特なにおいを感じた。液体が手に付着し、しばらくして皮膚を刺すような痛みが襲った。その後は日焼けした後の肌のように、ヒリヒリする感覚が夜まで続いた。十分な効果を発揮するには、クマをガスの射程まで引きつけなくてはならない。対面した際の恐怖や焦りを考慮すれば、安全装置を外すといった一連の手順を確実に行うことも容易ではない。事前に噴射の手順を確認し、しっかりとイメージしておくことが大切だと実感した。クマの生態に詳しい専門家は撃退スプレーについて「攻撃態勢に入ったクマを撃退する唯一の方法といえる」と有効性を指摘する。一方で、「成分は強烈。最終手段と心得てもらいたい」とも呼びかける。自然環境や野生動物の保護を推進する知床財団(北海道斜里町)では、ヒグマの出没が多い地域に向かう登山者らにスプレーを貸し出している。その際、契約書作成や危険性の解説、ダミーのスプレー缶を使った練習など入念な事前説明を徹底しているという。貸出業務を担当する片山綾さん(42)は「体の大きいクマに効くということは当然、人体にも大きな影響を与える可能性があると伝えておく必要がある」と強調する。JR浜松駅に停車中の新幹線内で発生した騒ぎは、登山帰りの乗客がリュックサック外側のサイドポケットにスプレーを収納していたところ、荷物を置く際に誤噴射が生じたとみられる。近くにいた乗客5人が軽傷を負ったほか、その後の新幹線に遅れが出て約3万9000人に影響した。片山さんは「できる限り現地調達を図り、公共交通機関など多くの人がいる場所での持ち歩きは控えて」と訴える。スプレーの多くは1万円を超えるなど高額な商品が多い上、使用期限もある。片山さんは、都市部在住で時々登山をする人などにとっては「移動中の誤噴射のリスクも踏まえると、運用の難しさは拭えない。鈴やホイッスルなどクマと遭遇しないための工夫と併せて対策してほしい」と話す。

(山中で狩猟に連れてきた犬が、イノシシ追いかけたまま行方不明に:熊本)
熊本県警山都署は19日、山都町菅の山中で17日正午ごろ、狩猟に連れてきていた中型犬(プロットハウンド)がイノシシを追いかけたままいなくなったとして、防犯メールで注意喚起した。犬は体重22㌔くらいで毛色は茶色に黒色の縦縞模様。オレンジの蛍光色の首輪付きだったという。犬を見かけた際には、安易に近づかず、警察に通報するなどの対応を呼びかけている。

(出没のクマ、別の1頭は見つからず:石川)
16日にクマに襲われて3人がけがをした白山市の住宅地で、市は、駆除された1頭とは別のクマの捕獲作業にあたりましたが、入り込んだとみられていた車庫にはおらず、見つかりませんでした。白山市安養寺町と鶴来桑島町では、16日、60代と70代のあわせて3人がクマに襲われてけがをし、1頭が猟友会に駆除されました。市や猟友会は、目撃情報から、住宅の車庫に別の1頭が入り込んだとみて捕獲作業にあたりましたが、ここにはおらず、見つかりませんでした。市は、目撃した人の話から、別の1頭は子グマではないかとしていて、引き続き住民に警戒を呼びかけています。

(アライグマ「干し柿」狙うも食べ残し:岐阜)
岐阜県の住宅敷地内にアライグマが現れ、干し柿が食べられる被害があった。前日は種まで食べられていたが、今回は一口だけ。2、3日前に干したばかりで渋い味のため、食べなかったのではないかという。9日午後10時過ぎ、岐阜県の住宅の敷地内で撮影された映像。台に上ろうとしている生き物は、アライグマだ。アライグマは2本足で立ち、何かをじっと見つめている。目線の先にあるのは、干し柿だった。アライグマは近くにあった台によじ登ると、立ち上がって前足を伸ばし、干し柿をつかんだ。ひもから引きちぎり、ムシャムシャと食べ始めるアライグマ。すると、まだ食べ終えていないのに、別の干し柿を取ろうと立ち上がる。しかし、うまくつかめず、そのまま立ち去っていった。この家に住む男性によると、前の日にも干し柿が食べられる被害を受けていた。その時は種までペロリだったが、今回は一口だけで食べ残していったという。男性は、その理由について「2、3日前に干したばっかり。渋い味なので、人間でもなかなか食べられない」と話している。前の日に食べたのは、長い間干して甘くなっていた柿。今回はまだ渋かったため、一口しか食べなかったのではないかという。

(ジビエ料理提供の飲食店スタンプラリーで消費拡大めざす:岡山)
県内で捕獲されたシカやイノシシの食肉=ジビエの消費を拡大しようと、県はジビエ料理を提供する飲食店などを対象にしたスタンプラリーを行っています。県によりますと、県内で令和3年度に捕獲されたシカとイノシシはあわせて4万1073頭で、このうち食用の「ジビエ」として利用されたのは、全体の7.9%の3235頭にとどまっています。このため県は、ジビエの消費を拡大しようと、ジビエ料理を提供する飲食店などを対象にしたスタンプラリーを行っています。実施期間は1月31日までで、対象となる36店舗に設置してある専用のQRコードをスマートフォンで読み取って、デジタルスタンプを集めます。スタンプの数に応じて、シカ肉の詰め合わせやシカの革で作られた巾着などが抽せんであたります。県の鳥獣害対策室は「ジビエを県民にとってより身近な存在していくため、利活用率を上げていきたい」と話しています。

(特産レンコンの敵「マガモ」を新たな冬の味覚に:茨城)
茨城県特産のレンコン畑を荒らす害鳥「マガモ」の肉を高級食材として売り出そうと、県は新たに「常陸国天然まがも」と名付けてPRを始めた。猟友会に協力を仰いで今年度は1000羽の捕獲を目指し、県内の飲食店で提供してもらう。茨城の新たな冬の味覚として売り出していくとともに、農作物被害の減少にもつなげたい考えだ。「うまい!」。11月30日、県庁でロースト肉を試食した大井川知事が、思わずうなり声を上げた。「かめばかむほど肉のうま味が出てくる」。知事はその後、猟師やシェフ、食肉加工業者らとの面会で、マガモによる食害や肉質の特徴などを聞き取り、「自信を持ってプロモーションできる」と太鼓判を押した。マガモは霞ヶ浦周辺で、銃ではなく網で捕獲したものだけを使用する。休耕田などに水を張り、レンコンなどの餌をまいて約1週間かけてマガモを定着させた上で、1辺が10~20メートルの網をかぶせて一網打尽にする。捕獲したマガモは食肉業者が処理。今回のマガモをさばいている「K&K」(日立市)によると、1羽丸々で約4000円、部位ごとだと例えば胸肉は1キロあたり約6000円など、養殖のカモ肉より3割ほど高い値段で飲食店に卸される。天然のマガモは新潟県産が有名だが、土浦市で日本料理店「よし町」を営む木村英明さんによると、「新潟産より脂が少なく、肉の香りがよく出ている」という。一方、カモ類によるレンコンへの被害も深刻だ。県によると、県内に飛来するマガモの数は年間約4万~6万羽ほどで推移し、ここ数年は全国最多。カモ類による農作物への被害は全鳥獣害の中で突出し、2022年度は被害総額3億5800万円のうち、約46%の1億6500万円を占めた。このほぼ全てがレンコンの被害だ。レンコンは一部をかじられただけで周囲から変色して出荷が難しくなり、長年の悩みのタネとなっていた。マガモは11月15日からの3か月が猟期だが、茨城産のマガモはほぼ市場に出回らず、これまでは自分たちで食べたり知人に配ったりして消費していたという。県猟友会会長の村上典男県議も「レンコンの被害も減らせ、捕ったマガモを利活用できれば我々も大きな励みになる」と語る。県によると、県内でのカモ猟の記録は奈良時代の地誌「常陸国風土記」にも登場する。県の担当者は「茨城の新たな冬の味覚として売り出したい。ぜひ茨城に来て味わってほしい」と話している。来年2月15日まで、常陸国天然まがもの肉を使った料理を提供する「茨城県産天然マガモフェア」が開かれ、「よし町」など県内七つの飲食店で味わえる。

(農業高校生が鹿肉と廃棄予定野菜を使ったドッグフードの開発:兵庫)
この夏、兵庫県の農業高校生が行ったクラウドファンディングのプロジェクトが話題になりました。内容は、<鹿肉と廃棄予定食材を使った無添加のドッグフード作りに青春をかけて挑む!>というもの。学生たちのオリジナルドッグフード開発プロジェクトは見事目標金額を達成し、2023年の夏に商品化されました。今回はこの鹿肉ドッグフードについて、開発の背景や商品に込めた想いをご紹介します。鹿肉ドッグフードの開発に挑んだのは、兵庫県立農業高等学校、通称「県農(けんのう)」の生徒たち。動物科学科の社会動物研究会に所属する2年生2名と3年生5名でドッグフード開発プロジェクトを発足・進行しました。そもそもの開発のきっかけは、校内で飼育されているボーダーコリーの「レオ」が皮膚病を患ったことでした。かかりつけの動物病院でレオを診てもらった際、先生から犬も人間と同じように毎日の食事が健康に大きく関わっていることを聞かされたのだとか。犬の健康にとってフード選びの重要さを知った県農の生徒たちは、自分たちの手で犬の健康を第一に考えたドッグフードを作ることを決めました。そして、獣医師の先生のご紹介で鹿肉ペットフードの製造販売を行う「しそうの森の贈物グリーンキーパー」さんと出会い、協力を得て、理想の鹿肉ドッグフード作りがスタートしたのです。原材料と栄養バランスにこだわり、試作を積み重ねたドッグフードの開発には、約1年半かかりました。こうして開発されたドッグフードは『県農 Only One Dogfood』と名付けられ、栄養価が高く、ワンちゃんたちの食いつきも良かったといいます。クラウドファンディングで多くの支援者を得た『県農 Only One Dogfood』は、イベントや学園祭などを通じて日本中のワンちゃんの元へ届けられるようになりました。後編では『県農 Only One Dogfood』が注目される3つの理由や兵庫県立農業高校動物科学科の開発担当者へのインタビューを紹介していきます。

(イノシシすね肉で、独自ジビエカレー:富山)
氷見高校農業科学科の3年生が「イノシシのすね肉ジビエカレー」のレシピを完成させ、同校で報告会があった。生徒19人が参加し、レシピ作成グループの4人が肉の軟化方法などを発表した。同科は2015年からイノシシ肉の加工品開発に取り組み、市と連携協定を結ぶ名城大(名古屋市)から肉の軟化方法などを学んできた。今年も農学部の林利哉教授の指導を受け、硬いすね肉を2段階加熱で軟らかくした。5種のスパイスを使い、うまみを引き出すため昆布を使うなどしてレシピを作った。発表した石田勇輝さん(18)は「すね肉を塩こうじと酒でもみ込み、圧力鍋で軟らかくできた。すね肉は脂が少なくうまみが足りなかったので、後輩に引き継ぎたい」と話した。

(冬季恒例「しし鍋列車」が出発進行:岐阜)
第3セクターの樽見鉄道(本巣市)が、冬季恒例の「しし鍋列車」を運行している。車窓の景色と合わせて、イノシシの肉と野菜たっぷりの鍋が楽しめる。14日は26人が乗車。熱々の鍋のほか、ドジョウや栗、柿など季節の味覚を詰め込んだ弁当に舌鼓を打った。京都府長岡京市から一家4人で訪れた会社員長野剛さん(55)は「地域の名産がたくさんでボリュームもあり、景色もよかった」と顔をほころばせた。列車は毎週木曜日を基本に2月末まで運行し、一部の日程は既に満席となっている。

(鳥獣被害対策グッズ店がジビエ活用:宮崎)
ジビエ料理専門店「INOHOI MEAT STUDIO(イノホイミートスタジオ)」(宮崎市和知川原2、TEL 050-8880-2330)がオープンして、12月20日で1カ月がたつ。わなや防獣用品などの鳥獣被害対策グッズを販売するイノホイ(大橋)の新プロジェクトで、「現在捨てられることの多いジビエ肉を有効活用したい」とオープン。スタッフの福士憲吾さんは「狩猟やわなの免許を持つ人たちは高齢化している。若い人たちにジビエを食べて興味を持ってもらいたい」と話す。店内ではイノシシのバラ肉を使う「猪肉のバインミー」のセット(1,480円)を提供。ミネストローネなどのスープまたはポテト、ドリンク(コーヒー・コーラ・オレンジジュース・ジンジャーエール・ウーロン茶から1種類)が付く。1月には新メニューとして、イノシシ肉と鹿肉の合いびき肉を使うハンバーガーの提供も予定。ジビエを使った犬用おやつ「ひなた日和」(木城町)の「ジャーキー」「ふりかけ」(以上540円)、イノホイミートスタジオのキャラクターのグッズなども販売する。営業時間は8時~14時。肉の供給量がまだ安定していないため、確保できた日のみ営業する。

(イノシシの肉を活用:島根)
松江市で、農作物に被害をもたらすイノシシの肉を活用したユニークなケーキが開発され、市の関係者にお披露目されました。これは、害獣として処分されることが多いイノシシの肉を有効活用し、地域の魅力を発信しようと、松江市の菓子製造会社などが開発したものです。ケーキのスポンジにイノシシ肉を混ぜ込んで焼き上げ塩で味付けしたもので、試食した松江市の山根幸二副市長は、「臭みがなくて、イノシシ肉という感じがせずおいしい」などと話していました。食材のイノシシ肉は地元の生産組合から提供を受けていて、ことし8月からはオンライン販売を始めているということです。開発した菓子製造会社の松浦孝則業務課長は、「今後も地元食材を使ったケーキを販売し、山陰の魅力を全国に発信していきたい」と話していました。

(根室産シカ肉でカレー:北海道)
札幌のホテル「イビススタイルズ札幌」(札幌市中央区南8西3)が、根室産のエゾシカ肉を使ったカレーを朝食で提供している。「食べ応えがあっておいしい。シカ肉が好きになった」などと訪日客らに好評という。宿泊客の6割を占めるという外国人に道産食材の味を知ってもらい、消費拡大につなげることが狙いだ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大竹原にクマが出没しました。

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(手入れ中のライフル銃暴発で70代男性けが:北海道)
13日、道東の鶴居村で、シカなどの猟を終えた70代の男性のライフル銃が暴発し、男性は左手にけがをしました。警察は、銃刀法違反の疑いもあるとみて詳しく調べています。13日午後6時ごろ、鶴居村の民宿で、「友人の銃が暴発した」と民宿を営む70代の男性から警察や消防に通報がありました。警察によりますと、帯広市の安藤則明さん(74)が所有するライフル銃が暴発し、左手にけがをして釧路市内の病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。警察の調べに対し、安藤さんは、「村の狩猟場でシカなどの狩りをしたあと、民宿で銃の先端の装置を取り外そうとして、誤って引き金を引いたところ弾が入っていて暴発した」と話しているということです。決められた場所以外で猟銃に弾をつめたままにすることは法律で禁止されていて、警察は銃刀法違反の疑いもあるとみて当時の状況を詳しく調べています。

(70代の男性ら2人がイノシシに噛まれる:千葉)
千葉県館山市で、70代の男性ら2人がイノシシに噛まれ、1人が背中や太ももを30針縫う怪我をしました。12日午前8時前、館山市見物で「イノシシに襲われた」と119番通報がありました。館山市によりますと、住宅の敷地内でイノシシが罠にかかり、74歳の猟師の男性ら2人が駆けつけました。2人がイノシシに近づいたところ、罠のワイヤーが切れ、暴れたイノシシに噛まれたということです。1人は背中や太ももを噛まれ、30針を縫う怪我をしました。イノシシは体長が約120~130cm、80kgほどの大きさで、その後、銛で突かれて駆除されました。

(佐世保市の銃乱射事件から16年:長崎)
佐世保市のスポーツクラブで起きた銃乱射事件から12月14日で16年です。スポーツクラブでは朝礼で黙とうし、犠牲者を悼みました。事件現場となった佐世保市内のスポーツクラブでは14日午前の朝礼でスタッフが犠牲となった2人に黙とうを捧げ、花を手向けたということです。事件は、2007年12月14日、スポーツクラブの施設内で男が散弾銃を乱射し、水泳インストラクターの女性と男の友人の男性が死亡したほか6人がケガをし 男はその後、自殺しました。このスポーツクラブでは、事件が起きた12月14日を「安全の日」と定め、全国の店舗で防犯カメラや非常ボタンの位置や動作の確認、避難通路などの点検を行っているということです。スポーツクラブは「事件で亡くなられた2人に哀悼の意を表します」とコメントしています。

(散弾銃で訪問診療の医師殺害、68歳被告に無期懲役判決:埼玉)
埼玉県ふじみ野市の住宅で2022年1月、訪問診療の医師らを散弾銃で殺傷したなどとして、殺人罪などに問われた無職渡辺宏被告(68)の裁判員裁判で、さいたま地裁(小池健治裁判長)は12日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。起訴状などによると、渡辺被告は22年1月27日午後9時頃、前日に92歳で病死した母親の訪問診療を担当していた医師の鈴木純一さん(当時44歳)ら医療関係者7人を自宅に呼び出し、散弾銃で鈴木さんの胸を撃って殺害したほか、別の男性2人にも発砲して殺害しようとしたなどとしている。渡辺被告は鈴木さんを人質にして自宅に立てこもり、約11時間後の翌28日午前8時頃、突入した捜査員に緊急逮捕された。検察側は、母親の死亡確認後に渡辺被告が依頼した蘇生措置を鈴木さんが断ったことなどで恨みを募らせ、強い殺意をもって計画的に犯行に及んだと指摘。一方、弁護側は、鈴木さんに対する発砲は「大けがをさせようと右膝の付近を狙ったが、予想外の所に当たった」とし、傷害致死罪などで懲役15年が妥当と主張していた。

(アオサギ捕獲し「食べた」、ベトナム人実習生2人を逮捕:埼玉)
埼玉県三郷市の河川敷でパチンコを使ってアオサギ1羽を捕獲したとして、県警吉川署は12日までに、鳥獣保護法違反(無許可捕獲)の疑いで、三郷市彦成、ドー・バン・フーン容疑者(25)らベトナム人技能実習生の男2人を逮捕した。署によると、2人は「鳥を撃つのが楽しかった」と供述、捕獲した鳥はさばいて食べたと説明している。8月にも「パチンコを使用して野鳥を捕獲している人がいる」との通報が近隣住民からあったといい、関連を調べる。逮捕容疑は12月3日午前8時半ごろ、アオサギ1羽を捕獲したとしている。

(シカを襲うクマ続出!“肉食化”で冬眠に影響も?)
12月12日は、暦の上で「冬眠のためにクマが穴にこもる日」とされていますが、今年は12月に入ってもクマの出没が相次いでいます。専門家は、「クマが肉を食べることを覚えたことが関係している」と、警鐘を鳴らしています。熱心に草を頬張るクマ。10日、北海道・知床半島に現れました。大声で追い払おうとしても…気にする様子はありません。12月12日は、暦では「熊蟄穴(くまあなにちっす・くまあなにこもる)」などと言われています。クマが厳しい冬を乗り越えるために穴にこもる頃、という意味を持つ日です。そんな「冬眠の師走」ですが、各地でクマの活動がやむ気配はありません。兵庫県の山間いの町、丹波市(たんばし)。住民は、緊迫した日々を送っています。地元猟師「(シカは)ここ(のワナ)に巻き付いて動けなくなって、クマにやられた」。シカを捕まえるための、くくり罠。町では罠にかかったシカが、クマに襲われる事態が相次いでいるのです。シカ用のワナにかかり、必死に出ようとするクマ…足を器用に使う姿は、まるで人間のようです。撮影されたのは、兵庫県丹波市(たんばし)にある住宅の真裏でした。豊かな緑に囲まれた丹波(たんば)では、今年、クマの目撃情報が相次ぎました。7月に撮影されたのは、シカ用のワナを破るクマ…。写真を撮影した 大西伸弘さん「うちの裏に竹やぶがあって、(シカやイノシシに)タケノコをよく食べられていたので、そこに(ワナを)設置していたらクマがかかった。おりの天井を破って出てきた」。さらに、11月には住宅の裏を、のそのそ歩いていくクマがカメラに映っていました。山を下り、集落に近づく丹波(たんば)のクマ。今回は「特別な対策」が必要になる事態に…。地元の元猟師・足立善徳さん(83)「シカの脚をつっている」。人身被害などの危険性があり、必要と認められた場合のみ設置される、クマ用のワナ。止めなければならないのは、二度にわたり集落に現れた“肉食クマ”です。最初に異変が起きたのは、11月19日。駆除のために仕掛けられたくくり罠にシカがかかったところを、クマが襲ったのです。地元猟師「(シカは)ワナにかかって逃げようとするが、竹に巻き付いたり、そっちのほうにもかかったりして、動けない状態で、クマが見つけて食べたんじゃないかと」。これだけでは終わりませんでした。地元猟師「次が24日に(シカの)脚だけで何も姿かたちがなかった」「ここにワナを仕掛けて、この竹に巻き付いて動けなくなって、このあたりに(シカの)脚だけあった」。同じ場所でワナにかかったシカを、再び襲ったのです。さらに、市によるとその5日後、現場近くを再び訪れるクマが、カメラに映っていたそうです。現地で研究を行う専門家は、危機感を示します。兵庫県森林動物研究センター・横山真弓 研究部長「特定の個体が、こういった行動をするようになったのでは、集落環境にとても近いところで捕まったシカがとられてしまった。それが繰り返されているので覚えてしまった」「人がワナをかけて捕まった動物を(クマが)利用できると学習をしてしまうと、非常に危険」。さらに、この状況が続けば、冬眠しなくなる可能性もあるというのです。専門家は、こう警戒を強めます。酪農学園大学・佐藤喜和教授「クマの冬眠は、エサ不足に対する適応ですから、これから冬になっても、いつでもエサがある状況であれば、クマは冬眠しなくてもいいと学習して、エサを獲得できれば冬眠しない個体も出てくると思う」。本来、クマは、山に木の実などのエサがなくなる冬場の空腹を凌ぐために冬眠します。ところが、罠にかかったシカの肉が簡単に食べられることを学習すると、このまま冬眠しない恐れがあるというのです。地元猟師「 ここに(ワナを)かけるのをやめた方がいいということで撤退した」。ただ、兵庫県ではシカなどが増えすぎて、年間に4万頭を捕獲しなければならない事情も抱えています。いつまでも捕獲をやめるわけにもいきません。酪農学園大学・佐藤喜和教授中にはエサが仕込まれていて、クマが入ると扉が閉まる仕組みです。ただ、設置から12日が経ちますが捕まっておらず、警戒が続いています。「シカの数を減らすことは重要な目標だが、それによってクマが誘因されてしまって、結果的に、捕獲従事者や住民が事故の危険にあう」。住民に被害が及ばないよう、市は新たなクマ対策も行っています。中にはエサが仕込まれていて、クマが入ると扉が閉まる仕組みです。ただ、設置から12日が経ちますが捕まっておらず、警戒が続いています。

(市役所近くで目撃されたクマらしき動物、実はイノシシだったかも:東京)
2023年12月7日には八王子市役所の近くの清川河川敷広場に「クマらしき動物」が出没したと、八王子市及び警視庁が注意を呼びかけていました。しかしながら、前日の6日のほぼ同一時間に他の方が撮影した「大きく黒い野生動物」の顔がイノシシだったことなどもあり、7日に撮影された映像を再確認したところクマではない可能性が高いと判断したようです。

(クマ128頭駆除、過去10年間で最多:秋田)
秋田県湯沢市議会は13日、一般質問で市当局は本年度のクマの有害駆除数が11月末時点で128頭と、記録の残る過去10年間で最多となっていることを報告した。同5年間の平均は30・2頭だった。市によると、通常のクマの有害駆除期間は4~10月だが、市街地を含む目撃が多発したことを受け11月まで延長した。月別の駆除頭数は10月の54頭が最多。9月37頭、11月18頭、8月11頭、7月8頭だった。

(増えている鉄道の獣害、JRが市の鳥獣対策員から対策学ぶ:京都)
京都府福知山市農林業振興課の鳥獣対策員、望月優さん(31)が8日、駅前町のJR西日本福知山管理部に招かれ、福知山保線区の社員ら約25人に獣害対策の出前講座をした。線路上に出没するシカ対策の先行事例などを伝えた。福知山保線区ではシカやイノシシ、ツキノワグマの線路への侵入、電車と接触などが年間で900件を超えて発生しており、さらに対策を進めようと望月さんを招いた。望月さんは「事故などの被害のほとんどを占めるシカは、体内に鉄分が豊富で、鉄分を求めており、鉄でできたレールをなめたり、電車が通った後の鉄粉を摂取したりするために線路上にやってきます。また、通り道として活用している例もあります」と話した。防除には、「物理的に侵入を防ぐ柵、電気刺激を伴う電線が有効で、光や臭い、超音波などの獣除けは、動物の警戒心が薄れると1カ月ほどで効果が無くなります」と教えた。先行事例としては、シカの通り道になっている場所だけ、柵を開けておき、超音波を発して電車が通ることを知らせる“シカ踏切”を紹介。「学習能力を利用し、電車が通過する前に、シカに線路から出て行ってもらうという方法で成果を上げている鉄道会社もあります」と伝えた。このあと、ツキノワグマの危険性や身を守る方法なども教え、社員からの質問に答えた。

(クマに睨まれ猟師も退散:静岡)
静岡県内でもクマの目撃が各地で相次いでいる。狩猟をおこなう猟師たちもクマと出くわすことが増えたと言い、富士宮市では小学校の近くで目撃されるなど、クマは着実に迫ってきている。生活圏に近づいてくるクマにどう対処したら良いのだろうか。「猟銃、実包、火薬類の適正な管理」銃を使った狩猟の安全6原則を口にする富士宮市の猟友会のメンバーたちだ。2023年11月に入りイノシシとニホンジカの狩猟が解禁され、この日は 猟犬で獲物を追い出し、銃で撃つ「巻き狩り」を行っていた。狩猟をおこなう中で注意しているのが、全国で出没が相次ぐクマだ。富士宮猟友会の渡邊勝正さんは有害駆除のワナに掛かったクマを見つけた時の様子を「木は全部ガリガリにかんでしまっていて、そばに寄れない。ワナにかかっていると本当に恐怖を感じて、麻酔を打つ前はそばに寄れない」と振り返った。2023年は山に仕掛けたシカやイノシシのワナにクマがかかることが多く、猟師たちもクマが近くに来ていることを実感している。猟をしていてクマと鉢合わせするケースも増えているそうだ。西富士山麓猟友会の櫻井司さんは、ワナにかかったシカがクマに食べられた直後にその場所を訪れたそうだ。猟友会の櫻井さんは、その時の様子を「登り口にワナをしかけてシカを獲ったが、クマに食われてしまった。食べられて湯気が立っている状態だった」と写真を見せてくれた。その時、そばにクマがいた。車を入口に停めてあるため、ワナを外してシカを引きずって戻ろうとした時にクマがいることに気が付いたそうだ。西富士山麓猟友会・櫻井司さん:自分が食べているエサを持って行ってしまうという感覚で見ていたと思う。逃げもせず、動きもせず、ずっと見ていたので、やばいなと思ってシカを置いて車に戻って1回その場を離れた。櫻井さんは「クマが頻繁に出すぎている、下に下がってきている。今年は暑かったから、エサがないんですね、ドングリがないのかなと思う」と話してくれた。その場所は田貫湖に通じる遊歩道が近くにある山林で、ハイキングを楽しむ人もいる。県内では2023年はクマによるケガ人は出ていないものの、山の中での行動はクマと遭遇する危険と隣り合わせであることを忘れてはいけない。こうした異変は山の中だけではない。富士宮市の小学校の近くでもクマの目撃情報が寄せられた。11月20日、内房小学校の向いにある山林で親子3頭のクマが目撃された。目撃したのは、この学校に通う子供たちだ。富士宮市環境部 花と緑と水の課・阿部修平 主事:子供たちが外で遊んでいたところ、果実がなっている木の近くでクマ3頭、親クマが1頭と子クマが2頭いたという。これだけ近くて、目撃したのが小学生ということで非常に危険な状況。富士宮市は2023年に入り28件のクマの目撃情報があり、小学校も警戒を強めている。内房小学校の望月泰司 校長は「子供たちが安全、安心に過ごせるような学校を作るためにいろいろ考えて行動したい。保護者に車の送迎の際に(子供に)クマ鈴の着用も勧めた」と言う。そのため子供たちの多くがランドセルに鈴をつけて登下校している。クマ鈴をつけた子供たちに聞くと「クマの対策になるので安心感はある」「できるだけ集団で帰るように、1人で帰らないようにしている」「音が少しでも鳴っていれば寄ってこないと聞いたので安心」と答えたが、クマ鈴と集団登下校だけで十分なのだろうか。富士宮市環境部 花と緑と水の課・阿部修平主事は「クマは雑食ということもあり、家の裏などに生ごみを放置しないことや、育てなくなった果実を切ってもらうのが一番の対策だと思う」と言う。私たちの生活圏に出没し始めたクマ。静岡県によると県内は暖かく、12月はまだクマは冬眠しておらず、活動している恐れがある。クマの姿が見えなくても身近にいると考え、鈴をつけるなどの対策が必要であり、できるだけクマが生活圏に近づいて来ないように、餌となりそうなものを放置しないことを心掛けたい。

(クマ“冬眠時期”も目撃多発、イノシシらと「餌の争奪戦」実態は)
冬眠時期も目撃多発。クマを巡る環境のバランスが崩れています。今月3日、兵庫県内の映像です。一見、分かりませんが、実は柿の木にツキノワグマがのぼっています。前足で枝を折って柿の実をかじっています。冬眠の時期に入っても、人の生活圏に出没するクマが各地で相次いでいます。この柿の木があるのは、兵庫県北部、香美町にある牛舎の目の前―牛舎からクマを目撃した田中一馬さんです。田中畜産 田中一馬さん「(Q.柿の木は後ろに映っている?)左手にあるこの木が柿の木。ここから、すぐ近くにクマがいるのが目の前で見えた」。田中畜産 田中一馬さん「夢中で食べている。人に気付いていない。牛舎に入る時にシャッターをガラガラと開けるが、その音にも反応しなかった。12月に入ってからのクマの出没は、ここ20年くらい記憶にない。クマが届くところには柿は一つも残っていない」。200個ほどあった柿の実は、その日のうちにクマに食い尽くされたといいます。この前にも、同一個体とみられるクマが度々出没していました。敷地内の茂みから…突然、姿を表します。田中畜産 田中一馬さん「今まで山の中を歩いていて、クマと出会った時には、クマが認識してくれれば去っていくことが多かった。今回の場合は毎日、朝昼晩、関係なく来ていた。すごく怖い。最後は威嚇してきた。木の上から。ウォーと叫びながら爪を上から下におろす感じで、本当の威嚇だった」。11日、番組の取材班が向かったのは岩手県。今年、クマの出没が相次ぎ、目撃情報は10月までで、すでに過去最多の5158件にも及んでいます。クマによる被害は過去最多の49人です。12月に入ってからの被害は、2015年以来、実に8年ぶりです。岩手県は先月27日、クマの緊急対策会議を開きました。参加した専門家は警鐘を鳴らしています。岩手大学 農学部 山内貴義 准教授「人身被害の数が秋田、岩手で非常に多くなっている。異常な状態」。岩手大学のツキノワグマ研究会は、クマの調査のため、盛岡市内の人里から近いエリアに自動カメラを8台設置しています。岩手大学 ツキノワグマ研究会・山口祥太会長「夏から秋にかけてよく映っていた」。リンゴ畑の周辺で度々クマが出没。ツキノワグマが後ろ足で立って食べているのは、収穫前のリンゴです。研究会の学生たちは、10日、クマが生息する山で、今年最後の調査を行いました。岩手大学 ツキノワグマ研究会・山口祥太会長「電気柵が山沿いに張ってある。どこから侵入してくるのか。自治会長と相談して、場合によっては電気柵を移動してもらうなど対策を」。今年は岩手県など東北5県で、クマが好んで食べるブナの実が大凶作に。少ないエサを求めて、野生動物による“エサの争奪戦”が起きている可能性があると専門家は指摘しています。岩手大学 農学部 山内貴義 准教授「ドングリはイノシシも大好き。クマとイノシシが競合。今までクマが独占していたエサがシカ、イノシシと競合することで、一時的にエサ不足になっている可能性」。「クマ」と「イノシシ」による“エサの争奪戦”―住宅近くの同じ場所で、柿の実を奪い合う姿をカメラがとらえていました。岩手県で野生のクマなどを自主研究している女性。自宅近くの敷地に、自動カメラを10台設置しています。先月、ツキノワグマが枝にのぼり、柿の実をむさぼる様子が鮮明に映っていました。クマを自主研究 岩手在住 あきさん「こんな細い枝だが上手に登って、上手に柿を食べている」。細い枝の上に柿を実を置いて前足ではさみながら、少しずつかじっているのが分かります。クマを自主研究 岩手在住 あきさん「ほぼ毎日のように映る時もあった」。れぞれ時期は違いますが、クマが現れた柿の木にイノシシの親子も出没。地面に落ちた柿の実を食べる様子が映っています。他にも、野生動物が続々と―こちらは、キツネ。こちらは、タヌキです。クマを自主研究 岩手在住 あきさん「同じ時間ではなく、クマがいなくなったらイノシシが来たり、イノシシやクマがいない時はタヌキが来たり」。専門家は、クマの冬眠の時期が遅れることを危惧しています。岩手大学農学部 山内貴義 准教授「だらだらエサを食べ続けられる状況だと冬眠が遅くなる。 今、一番危惧していることは、里に完全に行動圏がシフトしている個体がいて、もしかしたら、いつまでもうろうろしている可能性がある」。クマの生態を調査する女性は、行動を観察することで今後の対策に役立てていきたいとしています。

(クマ被害最悪、どうして?)
「異常事態だ」。クマによる人身被害が過去最悪となった今年の状況を専門家はこう話す。木の実の不作などが要因として指摘されるが、こうした年はこれまでにもしばしばあった。クマがすんでいた環境で何が起こっているのか。「20年ほど前はなかなか会えない存在だったが、もはや珍しい動物ではない。とはいえ、今年は市街地での被害や出没が多発している。異様だ」秋田県でツキノワグマ対策に関わる県立大の星崎和彦教授(森林生態学)は、県内で多発したクマ被害に驚きを隠さない。

(2023年度のイノシシ目撃113頭に急増:青森)
八戸市議会は12日、一般質問を行った。市内で相次ぐ野生鳥獣の目撃頭数について市側は、2019年度までは報告がなかったイノシシが22年度は16頭、23年度は11月末時点で113頭に急増していると明らかにした。

(クマ捕獲最多42頭、箱わな追加へ:青森)
青森県鯵ケ沢町は12日、本年度の町内のクマ捕獲頭数(狩猟によらない許可捕獲数)が42頭に上り、記録が残る2014年度以降で最多と明らかにした。町内では、クマによるスイカや水稲、リンゴの農作物被害が57万円余り発生。出没数が多く、箱わなが不足する事態が生じたことから、24年度は箱わなを追加購入して対応を強化する方針。本年度のクマ目撃件数は61件と例年になく多く、約半数が住宅地やその周辺への出没という。町議会一般質問で千島裕治農林水産課長が齋藤孝夫、菊谷忠光両議員(ともに近衛会)の質問に答えた。県によると、今年の県内のクマの許可捕獲数は10月末時点で555頭と過去最多となっている。

(「人間がクマのすみかを奪っている」は間違い、専門家が語る本当の理由)
市街地へのクマの出没が相次ぎ、人的被害も過去最多に上った今年。12月7日には東京・八王子市の市役所近くで目撃され、住民を震撼させた。人の生活圏に来るクマが増えている理由について、「山にエサがない」「すみかを人間に奪われている」などと言われているが、むしろクマにとって「住みやすい環境」が増えていると、森林の専門家は指摘する。そしてクマはさらに街に近づき、やがて緑の多い大都市圏にも出没するようになると予測する。環境省の統計によると、1980年代のクマによる人的被害は多い年でも20人前後だった。しかし、2000年代に入ると被害は急増し、少ない年で50人前後、多い年は150人前後になっている。「90年代までは、クマも含めた野生動物を山中で見ることはほとんどありませんでした。動物たちの足跡を見つけるだけで感動するほどでした」。3年前に『獣害列島』(イースト・プレス)を出版した、森林ジャーナリストの田中淳夫さんは、こう証言する。59年生まれの田中さんは大学時代、ツキノワグマの冬眠穴を調査した経験がある。当時、クマは「幻の存在」だった。ところが、90年代に入ると、林業関係者から「クマが増えている」という話を聞くようになった。「最初は半信半疑でした。クマが増える要素なんて、ないと思っていましたから」。クマは、その体を維持するために大量のエサを必要とする。国内の山林は戦後、スギやヒノキを盛んに植えた結果、クマのエサとなるドングリが実る広葉樹が減ることになった。仮に産まれる子どもの数が増えたとしてもエサが不足するため、生き残れる個体数は自然と「抑制」されるはずだ。「森を人工林ばかりにしたら、クマのエサがなくなってしまう、人間がクマのすみかを奪っていると思い込んでいました」。ところが、林業関係の仕事で全国の人工林を歩くようになると、その考えが間違いであることに気づいた。「人工林というと、林床が薄暗くて草も生えない『森林砂漠』のようなイメージを持つかもしれませんが、実際にはスギやヒノキだけの人工林は全体の2~3割しかありません」。植林が盛んに行われたのは昭和30~40年代。森林の成長に応じて、樹木の一部は伐採される。これを「間伐」という。間伐が行われると日光が地表に届くようになり、幹や根が太く成長する。さらに下草が生い茂り、土砂の流出を防ぐ。「全く間伐が行われなかった森の中は『真っ暗』という感じになりますが、よく目にするのは植林して10~20年くらい間伐を行った後、放置された人工林。そこにはスギやヒノキ以外の木がいっぱい生えている」。林野庁によると、高度経済成長期の1960年に1万2000円だったヒノキ中丸太は80年に約8万円、1万1300円だったスギ中丸太は約4万円に上昇した。しかし、最近はピーク時の3分の1から4分の1程度の価格で低迷。苦労して木を育てても割に合わないために間伐をやめてしまい、人工林の多くが放置されることになったという。間伐された人工林には、ヤマブドウやノイチゴなどの植物が生い茂る。さらにその状態が放置されると、針葉樹と広葉樹がまざった林へと変わっていく。そんな林が、クマにとってはが絶好のすみかになった。さらに中山間地では、林業の衰退とともに高齢化、過疎化が進んだ。人里近い森林は、かつては建築材や燃料にするため、明治以降は西洋式の植林や戦争のために頻繁に伐採されていたため、野生動物にとって住みよい環境ではなかった。それが現在は耕作放棄地となり、やぶになり、森林になっていった。「収穫されずにほったらかしにされたカキやクリがクマを誘因すると言われますが、竹やぶになった耕作放棄地も多い。クマはタケノコを好んで食べます。動物目線で農山村を歩くと、エサが十分にあることを感じます」。クマにとって豊かな森が増え、その結果としてクマが増え、獣害も増えてきていると田中さんは推測している。一方、クマの被害が増えている理由の一つによく挙げられるのが、狩猟者の高齢化と減少だ。しかし、狩猟者数のピークは1970年代の約50万人で、50年代は約10万人。現在の約20万人よりも少なかったこともあり、田中さんの見方は懐疑的だ。人口が密集している市街地に出没する「アーバンベア」も問題になっているが、いずれは大都会にもクマが現れると、田中さんは警告する。「すでに札幌や秋田、盛岡、仙台などの市街地にクマが出てきている。そのうち東京23区内に現れても不思議ではありません。足立区ではシカやイノシシが目撃されました。順番からいえば、次はクマだな、と思うんです」。都市部に自然公園が整備され、川べりの堤防に木が植えられると、野生動物はそれに沿いながら移動し、都市に入ってくるようになる。「人と野生動物の共存を目指す『緑の回廊』という言葉はきれいですけれど、あれはまさにクマの通り道でもあるわけです」。自然への愛着と敬意を持つ森林ジャーナリストとして田中さんは、野生動物とどう向き合うべきか、真剣に考えるときが来ていると訴える。「都市の住民がクマを単に『かわいらしい動物』ととらえて、のほほんととしていると、そのうちガツンと痛い目に合うような気がします」。

(クマの攻撃を防ぐには:岐阜)
工事の受発注業者が労働災害を防ぐために意見交換する「越美山系砂防事務所安全協議会」が13日、揖斐川町三輪の揖斐建設会館で開かれ、参加者70人がクマが出没した時の対応を学んだ。同事務所管内の揖斐川町や本巣市でクマが出没し、同市根尾大井では間伐作業で入山した男性がクマに襲われたのを受けて先月末に市内で緊急の対応訓練を実施。より多くの事業者に知ってもらおうと、協議会に組み込んだ。

(クマ出没地142カ所点検:長野)
県は、10~11月に実施した県内の里地にあるクマ出没地点142カ所の緊急点検結果をまとめた。多くの地点でクマが狙う恐れのある柿や栗などの誘引物や、身を潜められるやぶが確認され、地域住民らに指導や助言を行った。13日の県議会農政林務委員会で報告された。飯山市で10月、男性がわなにかかったクマに襲われて死亡したとみられる事故が起きたことを受け、緊急点検を実施。狩猟期間直前の11月14日までに、県職員らが直近でクマの目撃があった地点を確認した。

(イノシシ捕獲の体制を県南、県西に拡大:茨城)
イノシシの出没が相次ぎ、分布が拡大していることから茨城県は、仕掛けたワナに対する補助金を県南地区や県西地区でも交付し、範囲を拡大することになりました。人や農作物に甚大な被害を及ぼすイノシシ。ここ5年、茨城県内のイノシシの捕獲数は4割減っている一方、昨年度は、常総市や牛久市でもイノシシの姿が確認されていました。県は、県北地区だけでなく、県南地区・県西地区に分布が拡大しつつあると判断し、今シーズン、 狩猟が解禁された先月中旬から、捕獲を強化する範囲を拡大しました。イノシシの駆除の多くは、国の政策のもと、狩猟の愛好者たちが行っていますが、県南地区や県西地区には、駆除が活発でない自治体もあり、県は、仕掛けたワナへの補助金の交付を調整し、食品残渣の除去や下草の刈り取りなどノウハウなども提供します。今シーズン、イノシシの被害は11月30日笠間市で発生し、2人にケガをさせ逃げています。

(クマ出没でキャンプ場閉鎖、推定損失500万円:北海道)
南富良野定例町議会は13日開会し、6氏が一般質問した。高橋秀樹町長は、クマの出没で8月中旬にキャンプ場2カ所(東鹿越)が一時閉鎖されたことによる利用料などの経済損失が推定500万円に上ったと明らかにした。

(シカを解体する作家・河崎秋子さん:北海道)
作家の河崎秋子さん(44)が明治期の北海道東部を舞台に、人里から離れた山中で暮らす男とクマの戦いを描いた『ともぐい』(新潮社)を刊行。2024年1月に決まる第70回直木賞の候補作にも選ばれた。「『人が生きるためには生きものの命を食べなければいけない』という、ともすれば忘れてしまいそうになる大事なことを話の主軸にしたかった」と語る通り、自然の中で生きるために狩りをする男の人生を追った力作だ。物語は、冬山で主人公の熊爪(くまづめ)が鹿狩りをする場面から始まる。仕留めた獲物をその場で解体した熊爪は、湯気の立ち上る内臓を口に放り込む。飛び散る血の鮮やかさ、担ぎ上げたシカの体の重さ。狩猟の現場が臨場感を伴って描かれる。河崎さんは道東端の酪農家に生まれ、自身も十数年間、羊飼いとして生活しながら小説を執筆してきた。「兄が害獣駆除の免許を持っており、仕留めたシカの解体は私の担当だった。そうした経験の中から抜き出した部分もある」という。縄張りに迷い込んだ手負いのクマを追ううち、クマ同士の争いに巻き込まれて重傷を負った熊爪。里の人間からは山を下りるよう諭されるが、自身の生きる意味を追い求め、決死の覚悟でクマとの決闘に向かう。これまでの作品に続き、本作でも過酷な環境で生きる人間の姿が描かれる。「人間は極限まで追い込まれた時に本性や底力が出る。ふだん知覚している以上の人間性を暴いて突きつけ、どう思うかと読者に問うてみたい気持ちがある」と、その意図を明かす。折しも今年は全国でクマの被害が相次ぎ、駆除した自治体に「殺すな」と抗議の電話が殺到するなど、議論が巻き起こっている。河崎さんは「自然は恐ろしいもの、人の命を奪うものだということを忘れてはいけない」と強調する一方で「クマは決して怪物ではなく、命を大事にしてほしいという視点も無視できない」と指摘。「難しい問題」とした上で「その難しさをかき集め、小説にして突き詰めるのがわれわれ作家の仕事」とも語った。

(東出昌大が猟銃を持ち山へ向かう)
2024年2月16日に公開される東出昌大の狩猟ドキュメンタリー映画『WILL』の予告編とメインビジュアルが公開された。本作は、狩猟する東出を追いかけ、1年間の記録を収めたドキュメンタリー。映像作家・エリザベス宮地が監督を務め、MOROHAが音楽を担当している。俳優・東出昌大は猟銃を持ち、山へ向かった。電気も水道もない状態での暮らし。狩猟で獲た鹿やイノシシを食べ、地元の人々と触れ合う日々は、彼に何をもたらしたのか、なぜ俳優である東出昌大が狩猟をしているのか。彼が狩猟をして生命を頂き、生きながらえる生命とは何なのか――。公開された予告編は、宮地監督が編集し、混沌、矛盾、葛藤を抱えた“東出昌大”を映し出したもの。映像では、MOROHAの音楽と共に、山の中で狩猟する東出の姿が捉えられ、サバイバル登山家・服部文祥や、写真家・石川竜一ら山と生命と向き合う男たちの言葉が紡がれている。メインビジュアルでは、雪山の中、狩猟で獲た鹿の死体を前に佇む東出の姿が切り取られている。

(豊猟願い、駆け上がる神馬:埼玉)
埼玉県小鹿野町飯田の八幡神社で10日、秩父地方の1年間の祭りを締めくくる「鉄砲まつり」(県指定無形民俗文化財)があった。空砲の中を馬が駆ける「お立ち神事」が4年ぶりに実施され、大勢の地元住民らでにぎわった。まつりは八幡神社の例大祭で、町などによると、江戸時代に五穀豊穣(ほうじょう)や豊猟を願って地元の農民や猟師が始めたという。「お立ち神事」では、参道の両側から34丁の火縄銃の空砲が上空に撃たれる中、御幣を付けた御神馬2頭が進み、お社につながる石段を駆け上がった。神社の氏子総代、新井安行さん(73)によると、前回まで猟銃も用いていたが、空砲が製造中止になるなどの理由で使用できず。寄居町内の団体の協力を得て、火縄銃のみでの実施となった。新井さんは「伝統を絶やさないためにも、柔軟に対応していきたい」と話した。

(音でクマ追い払う「くまドン」開発:北海道)
獣害対策装置を製造販売するティ・エム・ワークス(山梨県)と同社製品の販売代理店「マツクラ」(札幌市)などが、音を使ってクマを追い払う装置「くまドン」を開発した。十勝管内中札内村などが協力した実証試験では、音に反応したクマが逃げる様子を確認。検証を続け、9月にも発売する計画だ。くまドンは動物が10~15メートルの範囲に近づくと、センサーが動きを感知し、高さ約1・7メートルの支柱に取り付けたスピーカーから、95~105ヘルツの低い周波数の音を流す。クマ同士が威嚇し合う際に発するうなり声に近い周波数という。両社が岡山理科大の研究チームと2020年から開発を進め、今年からは帯広畜産大も協力している。中札内村は昨年3月、ティ・エム・ワークスなどと村内で行う実証試験に関する協定を締結。昨年5月から約半年間、クマの出没頻度が高い村内の公園に2台を設置したところ、年間約10件あったクマの目撃情報が昨年はゼロになった。このほか富良野市内のメロン農家の敷地や、上川管内剣淵町の農道でも実証試験を行い、いずれも音に驚いて逃げるクマの姿がカメラに写っていた。さまざまな音や周波数を試した上でクマが嫌がる音を選んだが、なぜその音を嫌がるのかは不明という。今年も昨年と同じ場所に機器を設置して、クマが音に慣れて効果が落ちないかを検証している。今後はクマだけを感知するセンサーの開発も進める。

(クマ、サルなど特定の害獣を高精度で検出するAI・通報システム:福井)
株式会社ほくつう 福井支社、北陸電力株式会社 イノベーション推進本部 新価値創造研究所、ガルム株式会社で開発し、全国展開中の『Bアラート(クマ、サルなど特定の害獣を高精度で検出するAI・通報システム)』が、「Digi田(デジでん)甲子園2023」の予選(有識者による選考)を通過し、本選の国民インターネット投票に出場することが決定しました。株式会社ほくつう 福井支社、北陸電力株式会社 イノベーション推進本部 新価値創造研究所、ガルム株式会社では、AIなどのデジタル技術を活用することで、地域課題解決の一助を目指した活動を推進しています。この取り組みの一環として、クマやサルなど特定の害獣が写っている画像だけを検出するAIを開発し、富山県や福井県などでの実証実験を経て、害獣の自動検出AI・通報システム『Bアラート』を全国へ展開しております。「Digi田(デジでん)甲子園2023」を通じ、 『Bアラート』を、獣害にお困りの地域の皆さまへ幅広くご紹介することで、効果的な獣害対策検討時の選択肢の一つに加えていただければと思い応募したところ、この度、内閣官房さまより、有識者による選考を経て、予選通過との結果を頂戴しましたので、ご報告いたします。2024(令和6)年1月中旬から2月中旬に実施予定の国民インターネット投票(本選)におきまして、皆さまからの心温まるご支援を賜れましたら、この上ない喜びです。

(シカ肉とイノシシ肉を無許可販売、ベトナム国籍の男女2人に略式命令:大分)
SNSを通じてイノシシ肉とシカ肉合わせて27キロを無許可で販売したベトナム人の男女2人が12日、罰金40万円の略式命令を受けました。食品衛生法違反の罪で略式命令を受けたのはベトナム国籍で住所、職業不詳の男女2人(30代)です。2人は今年10月、県知事の食肉販売業許可を受けずに大分市内の男性に宅配便を使ってイノシシ肉とシカ肉合計27キロ分を販売した疑いで逮捕されていました。2人は販売にあたり、SNSに食肉の画像を掲載して客を募集していました。大分区検察庁は食品衛生法違反の罪で2人を略式起訴し、大分簡易裁判所が2人にそれぞれ罰金40万円の略式命令を出しました。

(クマ対策、企業が一役:富山)
クマによる人身被害が相次いだ富山県で、地元企業が対策に一役買っている。北陸電力は人工知能(AI)を使う検知システムを県内6自治体に納入、若鶴酒造(富山県砺波市)は柿を使ったリキュールを発売し、クマが人里に寄りつく要因となる未収穫の柿の用途を広げた。各社が持つノウハウを生かし、地域課題の解決に貢献する。10月31日、富山市で開かれた北陸電力の2023年4~9月期の決算記者会見。中期経営計画について問われた松田光司社長が、新たな価値創造の例として挙げたのが、クマをAIで検知するサービスだ。22年度に自治体への提供を開始し、北陸3県で既に12自治体に納入した。導入を検討したり、試用したりしている自治体も8つある。樹木などに取り付けたカメラが撮った画像をクラウド上のAIが識別し、クマと判断すれば、自治体の担当者などに知らせる。送電インフラの保守担当者をクマ被害から守るために開発したところ、自治体から引き合いがあり、外販するようになった。大手電力会社のトップがあえて記者会見で言及するほど、23年はクマ被害が切迫した問題になった。富山県内での目撃と痕跡確認を合わせた件数は1~11月で618件と、04年の調査開始以来4番目に多い。人身被害も死者1人を含む9人と4番目だ。山から下りてきたクマが河岸段丘などを通り、市街地近くに現れるケースもある。対策として、クマのエサになりそうな果実を早めに収穫する動きも広がった。その一つである柿が生かせる商品を開発したのが若鶴酒造だ。柿をウイスキーに漬け込んだリキュール「KAKISKY(カキスキー)」(300ミリリットル、1045円)を商品化した。使用した柿は富山県南砺市で栽培された干し柿用の品種「三社柿」。干し柿として加工できる数量が決まっており、柿の一部は未収穫のまま木に残る。その柿で造ったのがカキスキーだ。初回製造した3000本の原材料は23年に収穫した柿ではないが、今後も「クマ被害の軽減が期待できる」(同社)と生産の継続を検討する。鋳物の一大産地、富山県高岡市の代表的な企業である能作では、ネットで販売する「ユニバーサルベル」(3960円)の販売個数が23年の現時点で前年比4割増の45個となった。ベルは介護の呼び出し用に加え、護身にも使えるとうたっており、クマよけのべルとして身につける人がいるとみられる。クマの出没が増えた10~11月の販売が前年比3倍以上となった。隣の石川県では14年に金沢市の兼六園に隣接する金沢城公園、20年に加賀市の加賀温泉駅前にある平和堂系の商業施設にクマが出没した。もはやどこにいても安心とはいえない。24年以降も対策を緩めることはできず、企業の技術や知見も必要になりそうだ。

(クマ狙う柿の収穫を代行、引きこもり支援のNPO:新潟)
人里にクマが相次いで出没したこの秋、庭先で実をつけたままの柿の収穫を代行し、干し柿をつくる取り組みが動き出した。手がけるのは、引きこもり支援の活動をするNPO法人。取り組みを通じて新たな居場所を提供する狙いがある。かつての特産品種を使った街おこしの構想も温めている。NPO法人「ミンナのチカラ」(新潟県胎内市)は、市内に100人ほどいるとみられる引きこもりの人やその家族の支援活動をしている。空き家を改装した活動拠点「ミンナのCasa(カーサ)」を第1、3、5日曜日の午後2~4時に開放して自由に過ごしてもらったり、マコモタケやソバなどの農作物の栽培を通じて当事者と交流したりしている。12月上旬、カーサを訪ねると、玄関先に干し柿が並べてつるしてあった。代表理事の速水隆(りゅう)さん(44)は仕上がり具合を確かめると、「カーサに来てくれた人たちのお茶請けに出したり、近所にお裾分けしたりしている」と話した。きっかけは、全国各地でクマの出没が相次いだことだった。県内でも12日までに1376件の目撃情報が寄せられ、10人が襲われて負傷した。県は9月1日、3年ぶり2度目の「警戒警報」を発令。10月26日に最高レベルの「特別警報」に引き上げ、11月末には来年1月末までの延長を決めた。山中でブナの実がとれず、えさを探して人里まで下りてくるのだという。高齢化で手入れする人がいなくなり、放置された畑の果樹も一因に指摘された。それなら、と速水さんは、柿の収穫を代わりに請け負い、不要な分は譲り受けて干し柿づくりに使うことを思いついた。当事者の人たちと一緒に作業すれば、居場所づくりや社会復帰への足がかりになるとも考えた。9月中旬に市の広報誌で収穫代行の希望者を募ると、高齢者ら8世帯から申し込みがあった。中には数百個もの実がなっているところもあったという。今回、作業に参加した当事者はいなかった。来年以降は、収穫を代行する対象地域を周辺の自治体に広げることも視野に入れながら、引き続き参加を呼びかけていくという。その先も見据えている。目を付けたのが新潟原産の「伝内(でんない)柿」だ。昭和初期に市内や周辺で栽培されたが、渋みが残りやすいため、今ではあまり目にしなくなった。地場の柿から柿酢をつくることで、地域の盛り上げに一役買うことを目指している。速水さんは「クマ対策の取り組みが引きこもりの人たちの交流の場づくりにつながれば、意義のあることだと思う」と話す。

(「鳥獣被害」の調査など行う企業がドローンの操縦技術競う:宮城)
ドローンを使って鳥獣被害の調査などを行う企業などが集まり、操縦技術を競う大会が、仙台市で開催される。こちらは、夜間に畑の中に侵入したイノシシを、ドローンに搭載した赤外線カメラで撮影した動画だ。黒いイノシシが、動き回っているのが分かる。13日 仙台市太白区の体育館には、こうした鳥獣被害や動植物の生態系の調査を行う4つの企業が集まり、14日からの競技会に向けて練習を行った。ドローン競技大会の主催団体・佐竹一秀さん「赤外線カメラを積んで、大型哺乳類や中型哺乳類を夜間に上空から(撮影する)」。ドローンでイノシシやクマなどの行動範囲を把握することは、効果的なわなの設置にもつながるという。参加者は、互いに操縦技術を高め合っていた。

(ドローン使いクマ出没時の対応確認する訓練:北海道)
市街地でクマの目撃情報が相次いだ室蘭市で、ドローンを使ってクマが出没した際の対応を確認する訓練が行われました。この訓練は、ことし、室蘭市内の住宅地近くでクマの目撃情報が相次いだことを受けて、市が13日、初めて実施したもので、道や警察の担当者のほか地元のハンターなどが参加しました。訓練では、牧草地に現れたクマが山の中に逃げ込んだという想定で、ドローンを使った捜索が行われました。ドローンには赤外線カメラが搭載されていて、地上からおよそ70メートルの高さで設定されたルートを飛行しながら市職員がふんしたクマの姿を探しました。映像を分析した結果、クマがまだ牧草地の近くに潜んでいることがわかり、参加者は、再び姿を見せたクマを捕獲するまでの手順も確認していました。室蘭市地域生活課の山崎美妃主幹は、「ドローンがあれば人間が目視できないところも確認できるので、役に立つと感じた。実際にクマが出没した際には道や警察とも情報を共有し最善の対策をとりたい」と話していました。

(ヒグマ対策、課題を意見交換:北海道)
道内各地でヒグマ対策の市民活動に取り組む人たちが情報交換をする「小グマフォーラム」が、札幌市南区の石山ひろばで開かれ、活動を続ける上での課題や将来像などについて意見を交わし合った。

(「1日2度も…」木の上で立ち上がり柿食べるクマ:宮城)
12月も半ばとなりました。例年であれば冬眠に入る時期で目撃情報も少なくなってくるクマですが、12日、宮城県栗原市の住宅でクマ1頭の姿が目撃されました。柿の木を揺らしながら枝の上で立ち上がるクマ。この映像はきょう午後、栗原市築館にある住宅の敷地内で撮影されたものです。12日午後2時50分ごろ、クマが木に登って柿を食べていると住民が警察に通報。この民家ではけさもこの柿の木に登るクマの姿が目撃されていて、1日に2度同じクマがこの民家にエサを求めてやって来たと見られています。動画を撮影した男性はクマを見かけたこと自体が初めてだと驚きを口にします。動画を撮影した住人「一度そこにエサがあるって思うとまた来るかもしれませんと、猟友会の方からは言われていたんですが、まさか本当に1日に2回も来るとは思わなかった。びっくりした。目も合ったりしたんですけど、全く逃げる様子もなく、人間に慣れているのか子グマだから警戒心がなかったのか、どちらなのかという感じ」。男性によりますとクマは爆竹を何度も鳴らしたところようやく木から降りて、山の方へ帰っていったということです。県は11月末まで出していた「クマ出没警報」を年末まで延長し、ひきつづき警戒を呼びかけています。

(イヌ小屋を物色する黒い影:北海道)
親をなくした子グマとみられています。北海道・むかわ町でイヌ小屋を物色するクマが目撃されその様子をカメラがとらえていました。建物と建物の間にあるイヌ小屋…。そこを覗き込む黒い影。よくみるとクマです。これは視聴者から寄せられた映像。14日午後0時半ごろ北海道・むかわ町の穂別地区で仕事を終えて帰宅した投稿者の男性がイヌのような生き物がいるのを見つけました。ただよくみるとイヌではなくクマだということに気づき、カメラを回しました。投稿者の男性によりますとクマの大きさは1mもなく子グマではないかということです。男性は大きな声を出すなどしましたがクマは逃げることなく15分ほど周囲を物色した後、山の方に去ったということです。男性は「最近親クマが駆除されていて、その子ではないかと近所で噂になっていた」と話していて、役場にも通報しています。なお、現在イヌは飼われておらず「イヌ小屋」としては使われていません。むかわ町役場によりますと穂別地区では10日にクマ1頭を駆除しています。駆除したクマの情報はまだ役場に上がってきておらず詳細はわかっていません。むかわ町に寄せられたことし11月12月のクマの目撃情報は例年になく多く、町はクマの出没情報をまとめた地図、「ひぐまっぷ」を活用するなどして注意してほしいとしています。

(猪(イノシシ)肉七変化、猪(ちょ)っとお味見:富山)
遊休地の活用に取り組む氷見市のNPO法人氷見なごみの会は、同市窪の飲食店でイノシシ肉の実食会を開いた。今年7月に同市余川でジビエ販売「氷見狩猟屋」がオープンしたのを機に、同会が、中山間地の農作物農業振興につながるイノシシ肉の消費拡大に貢献できないかと企画した。同市は、イノシシの農作物被害が大きく、捕獲数は今年4~10月で1056頭と県内の約3割を占める。一方で大部分が廃棄される肉の活用が課題になっている。メンバー11人が参加し、狩猟屋の村井悟史代表理事や県職員からイノシシ捕獲と肉処理の現状を聞いた。実食会では氷見市で捕獲したイノシシ肉を気温1~2度で3週間熟成させて使用。氷見カレー学会会長でもある金谷和義さんが、ステーキやハンバーグ、ぼたん鍋など七つのメニューを調理した。同会の橋本正義理事長は「ちゃんと処理されているので臭くない。味が濃くてうまい」と太鼓判を押した。金谷さんは、この日提供した「氷見カレー焼きうどん」で、ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に出場する構想を披露した。

(ジビエ料理専門店がオープン、有害鳥獣を有効活用:宮崎)
有害鳥獣として捕獲されたシカやイノシシの肉を有効活用しようと、宮崎市にジビエ料理専門店がオープンした。手軽に楽しめるジビエ料理を通してオーナーは、「ジビエのおいしさを知ってもらいたい」と話す。宮崎市和知川原にオープンしたのは、イノシシのキャラクターが目印のジビエ専門店「INOHOI MEAT STUDIO」だ。イノシシやシカなどを捕まえるわななどを販売する宮崎市の会社「refactory」が経営している。refactory代表の守屋将邦さんは、「廃棄されるお肉をできるだけ利活用する場所がほしい」という思いからこのジビエ専門店をオープンしたという。

(地元の「推し食材」詰め込んだ「地域おこし弁当」6種類:長野)
下伊那農業高校(飯田市)アグリサービス科生産流通コースの3年生20人が、飯田市内の飲食店6店と協力して「地域おこし弁当」を考案し、来年1月の販売に向けて準備を進めている。地元食材を使い、和食やイタリアンなど協力店の特色も生かした6種類の弁当を提供する予定だ。飲食店と協力した弁当作りは、昨年に続き2回目。地域の資源活用や課題解決について考えようと、伝統野菜やジビエといった飯田下伊那地域の食材を「推し食材」として使うことを条件とした。生徒たちは9月以降、協力店ごと6班に分かれ、シェフらと話し合いながらメニューを検討。食材生産者とやりとりし、弁当を紹介するチラシ作成にも取り組んできた。8日には同校で、生徒とシェフらが弁当を試作した。イタリア料理店と協力した班は、泰阜村の加工施設から仕入れた鹿肉を中心にメニューを考案。鹿肉を巻いたガレットロールやラザニア、天龍村特産の野菜「ていざなす」を挟んだフォカッチャサンドなどを盛り込んだ。班長の原大祐さん(18)=高森町=は「害獣として駆除されるシカの命を無駄にしたくない。地域の人にぜひ食べてほしい」と話している。弁当は来年1月20、21日の午前10時から、飯田市のイオン飯田アップルロード店で販売する予定。

(「ジビエフェスタ」県庁食堂でも:和歌山)
ジビエ料理を提供する「わかやまジビエフェスタ」が12月1日から、県内90の飲食店や宿泊施設で行われている。主催は和歌山県。同フェスタは、捕獲したイノシシやシカを地域の食資源として活用し、地域振興につなげる「わかやまジビエ需要拡大事業」の一環。2011(平成23)年に始まり、今年で13回目。参加店は、県内で捕獲したイノシシやシカの肉を県内の食肉営業許可を受けた施設で加工した「わかやまジビエ」を使う。県の発表によると、2022年度の野生鳥獣による農作物被害額は2億6,100万円。2015(平成27)年度の3億4,300万円をピークに減少傾向にある。県内のジビエ肉解体処理施設は、2022年から4施設増え24施設。参加店は飲食店のほか、ホテル・民宿、温浴施設など。各店がカレーや鍋料理、ハンバーガー、パスタ、丼物、ランチメニューやコース料理の一品としてジビエ料理を提供する。県は現在、参加店やメニュー情報を掲載した冊子を県内で無料配布している。そのほか、期間中に各参加店に設置するPOPの2次元バーコードからアンケートに回答した人に、抽選で「わかやまジビエお食事セット」を進呈する。県畜産課の南安寿香さんは「アンケート結果によればジビエを楽しむ人は年々増加している。この機会に食べて、たくさんの感想を寄せてほしい」と呼びかける。

(高校生がシカを解体して加工:長野)
猟師が仕留めたニホンジカを高校生が、自分たちの手で学校に運び、自分たちの手で解体してくんせいに加工する。そんな活動に使うジビエ用の解体処理施設を高校に生徒たちが造った。この取り組みには、貴重な命を最後まで大切にする心を養い、獣害を防ぐ狩猟の後継者が育って欲しいとの先生たちの思いが込められている。解体処理施設は、長野県南箕輪村の県立上伊那農業高校内にある鉄筋コンクリート造りの実習棟の一角を改修して造った。延べ床面積は約40平方メートルだ。生命探求科動物コースの生徒たちと、家畜の飼育などに取り組む部活動「畜産班」の部員たちが、内装から器具の溶接、仕切りに使うベニヤ板の壁作りなどを全て担い、2021年3月からおよそ1年かけて完成させた。

(ジビエ体験の参加者募集:栃木)
栃木県立日光自然博物館は、来年1月7日に日光市中宮祠の赤沼車庫で開く「狩猟&ジビエ体験」の参加者20人を募集している(先着順)。シカの解体やジビエ体験を通じて環境保全への理解を深めるイベント。午前は奥日光のシカの食害などの現状をはじめ、環境保護や駆除対策、日光地域の狩猟などのレクチャーで、午後はベテランハンターに学び有害駆除個体を使ったニホンジカ解体を体験する。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、14日午前7時55分ごろ、栗原市築館木戸にクマが出没しました。

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12/13
(業務外の鳥獣捕獲で猟銃使う、職員が法令違反:新潟)
新潟県三条地域振興局健康福祉環境部は12月7日、所属する会計年度任用職員が業務外である鳥獣捕獲をし、許可を受けていない場所で猟銃を発砲する法令違反があったと発表した。県警が把握しているとして刑事告発などはせず、処分を検討するとしている。健康福祉環境部によると、職員は鳥獣保護管理員として勤務。三条振興局管内で3月、有害鳥獣に当たる鳥類を捕獲しようと発砲した。鳥獣保護管理法、銃刀法違反の疑いがあるという。健康福祉環境部は、個人が特定されるとして職員の年代や性別を公表していない。「関係する職員の法令遵守を徹底する」としている。鳥獣保護管理員は県内に約80人おり、鳥獣保護区の管理や狩猟の取り締まり、傷ついた鳥獣の保護などを行う。有害鳥獣の捕獲は業務外となっている。

(イノシシ捕獲の補助金未交付:岡山)
玉野市がイノシシを捕獲した地元猟友会に対する補助金の一部を交付できなかった問題で、市は当時の担当職員らを懲戒処分しました。来月1日付で減給10分の1、3カ月の処分を受けたのは当時、農林水産課でこの補助金を担当していた課長補佐級の男性職員(57)です。また、当時の上司2人を10分の1、1カ月の減給、3人を戒告処分にしました。この問題は、2017年度から2020年度にかけていずれも1月から3月に地元猟友会が捕獲したイノシシに対する国と県の補助金について市の職員が猟友会との協議や説明が不十分だった上、申請手続きを怠ったため約380万円が交付されなかったものです。2023年5月に猟友会が玉野市に対して未交付分を支払うよう玉野簡易裁判所に調停を申し立て、市は、12月7日、約380万円の解決金を支払いました。市の聞き取りに対し男性職員は「猟友会と協議の上で申請しない方向になったと認識していた」と話しているということです。玉野市ではこのほかにも介護保険料の徴収ミスなど不適切な事務処理が相次いでいることから改めて奉仕者としての自覚を持つよう職員に通知を出したということです。

(クマ、いまだ冬眠せず活発に活動:秋田)
7日午前5時半頃、秋田県由利本荘市西目町に設置されたクマ監視カメラに、成獣とみられる1頭の歩く様子が捉えられた。同市は先月中旬から、NTT東日本秋田支店の協力で、自動撮影カメラによるクマ出没・捕獲監視の実証実験を行っている。これまでに、カモシカ、ハクビシンなどが映っていたが、クマは初めて。クマは画面左手の草地と林の間を往復していた。人工知能(AI)がクマと判別し、自動メールで担当課や猟友会員に送ってきた。同市農山漁村振興課は「今月に入ってクマの目撃はないが、カメラを通し今も冬眠せず活発に活動しているのが確認された」と話していた。

(クマの農作物被害1億3000万円に、過去最多の4倍以上:秋田)
秋田県は7日、クマによる県内農作物被害額が今年、約1億3千万円に上っていると明らかにした。過去10年間で最多だった2017年の3200万円の4倍以上。佐竹敬久知事は同日の県議会本会議で、対策強化に向け、クマを山奥へ追いやる効果的な方法を検討しているとした。

(農作物鳥獣被害58.8億円、エゾシカが8割以上:北海道)
道内で農作物が野生鳥獣に食べられる農林水産業への被害が2022年度に58億8700万円に上ったことが道のまとめで明らかとなった。前年度比8%増の4億3700万円増で、増加は3年連続。11年に過去最高の72億2200万円を記録した被害額は、その後は50億円程度で推移していたが、再び上昇の傾向がみられている。22年度の内訳は、エゾシカによる被害が48億4600万円。被害全体の8割以上を占め、前年度比で3億6600万円増だった。作物別でみると、牧草18億800万円▽デントコーン6億900万円▽ビート4億7700万円▽水稲4億7000万円――などとなっている。

(クマ目撃11月に前年10倍で過去最多:群馬)
ことし県内各地で相次ぐクマの目撃情報について、例年であれば多くが冬眠に入る先月も去年のおよそ10倍の95件に上り、過去最多となったことがわかりました。山本知事は今後、詳細なデータの収集を行い、対策を打ち出す考えを明らかにしました。これは、山本知事が8日の記者会見で明らかにしました。それによりますと、クマの目撃情報は県内で先月、95件と、去年の9件の10倍あまりとなり、統計を取り始めた2011年度以降で最も多くなりました。県によりますと、クマの目撃情報は例年、冬眠に入る10月から大きく減少するということですが、ことしは10月も去年の10倍あまりの128件に上っていて、異例の事態が続いています。要因について県は、ことし、クマのエサとなるブナの実が大凶作となったことなどから、エサを求めてクマが、人里まで下りてきているためだと分析しています。記者会見で山本知事は、クマが目撃されるおそれがある所では鈴やラジオを持ち歩くこと、早朝や夕方の外出は特に注意すること、そして、クマに遭遇した場合は慌てず、ゆっくりと後退して逃げることなどを呼びかけていました。そして「クマは今後も出没する可能性があり、県民への被害を危惧している。今後は、地域別の目撃数や他県の事例などを踏まえて、データに基づいた対策をしていきたい」と述べました。山本知事は、8日の記者会見で、プラスチックごみの削減に向けて取り組む事業所の登録を進める、県の新たな制度の開始から3か月間で登録が1件だけだったことについて、8日までに登録が68件に増えたことを明らかにしました。県の担当者がスーパーを中心に個別の働きかけを強めたところ先月下旬から登録数が急増したということで、山本知事は「うまくいかないこともあるが、問題点があればしっかりと認めて見直していくという姿勢が重要だと思う。今後も登録数の増加に向けて周知を進めていきたい」と述べました。

(農林業の鳥獣被害は3.9億円:鹿児島)
鹿児島県は2022年度に県内で発生した農林業の鳥獣被害が3億9677万円だったと6日、明らかにした。前年度から約100万円減った。農業分野は3億3041万円(前年度比1%減)で、イノシシ被害が5割弱を占めた。県農村振興課によると、イノシシは1億6160万円(5%減)。

(ヌートリア捕獲マニュアル作成へ:山口)
特定外来生物ヌートリアよる被害の増加をうけ県はマニュアルをつくり捕獲数を増やす考えです。県によりますと、ヌートリアは南米原産の大型のネズミで食害や田畑に穴をつくり畦を壊すなどの被害がでています。県内への農林業への被害は2016年度に約20万円、2021年度には約710万円と30倍以上になっています。県議会では県に対策についての質問があがりました。藤田昭弘環境生活部長「より効率的な捕獲方法等に関するに防除マニュアルを今年度中に作成し、その普及を図ることとしています」マニュアルにはワナの仕掛け方や柵の設置方法などを記載するということです。県は講習会を開いて捕獲に携わる人を増やし、近年は年1000頭ほどを捕まえてきましたが、今後さらに増やしていく方針です。

(狩猟免許取得をめざす若者が増加:北海道)
2023年、北海道ではクマの目撃や捕獲件数が過去最多となっています。人身事故は8件、あわせて10人が死傷しています。またシカによる農作物の被害額も深刻で、約48億円(2022年度)にのぼっています。一方で獣害駆除にあたるハンターは、どんどん高齢化が進み、緊急時の出動にも支障が出る事態となっています。北海道猟友会によりますと、道内のハンター登録者数は年々減り続けていて、ピーク時の1978年に比べると、2023年は約4分の1にまで減少しました。ハンターの半数が60歳以上と、高齢化も深刻な問題となっています。しばらく、なり手不足が続いていたハンターでしたが、実は北海道の狩猟免許試験の受験者数が3年ほど前から増加傾向に転じています。2019年は800人ほどだった受験者が、2023年は1276人に増えました。過去5年で最も多い人数となりました。なぜ今、ハンターを目指す人が増えているのでしょうか。受験会場をのぞいてみると、以前は多かった高齢者にかわり、今は20~40代の若い世代も目立っています。受験者にハンターを目指す理由を聞いてみました。普段はIT会社に勤務しているという男性(26)。もともと釣りやキャンプなどアウトドアが趣味でしたが、大阪から札幌に転勤したことがきっかけで、北海道の獣害事情を知ったといいます。過度に増えすぎた動物を間引きすることで、生態系を維持したいと語ります。札幌市在住の女性(35)は、狩猟免許を持つ父親(65)と一緒に猟をしたいと語ります。測量や地質調査に従事する男性(59)は、仕事で山に入る際、護衛を頼むハンターが見つからず、自分で身を守るため狩猟免許の取得を目指したということです。大学に通う女性(21)は知り合いの農家が自ら狩猟免許をとり獣害対策にあたっているのを見て、狩猟に興味を持ったということです。ハンター歴5年の道上綾子さん(33)は、農業被害の対策として発足した「ボランティア駆除隊」に所属しています。普段はテレビカメラマンの仕事をこなしながら、早朝から「駆除隊」の活動にも参加。足跡の見分け方や、わなを仕掛けるポイントなどについて、経験豊富な先輩ハンターからひとつひとつ地道に学んでいきます。いずれは「札幌市ヒグマ防除隊」に入りたいという道上さん。自らシカ猟を経験したことで、命の大切さに気づき、いかに食べ物を無駄にしないかを日々考えるようになったといいます。北海道猟友会札幌支部の奥田邦博支部長は、ハンター志望者の増加を歓迎しつつも、実際にクマやシカを駆除するためには、かなりの"経験"が必要だと強調します。奥田支部長によると、ヒグマの場合、3発銃弾を撃ちこまれてもハンターに向かってくることもあるとのこと。5年、10年の経験を積んで十分にスキルアップしないと命の危険があると警告します。またエゾシカも、オスの場合はツノで向かってくることもあり、刺されると大けがをする恐れがあるとのこと。試験を受けてすぐハンターになれるというわけではなく、一人前の狩猟者になるには、長い時間と経験が必要なのです。そんななか、釧路市でハンターの活動を後押しする新たな動きがありました。東京の食肉会社が北海道最大級となるシカ肉工場を建設。2024年12月に稼働予定で、年間5000頭を加工し販売する予定です。2022年のエゾシカによる被害総額は、約48億4600万円。エゾシカの推定生息数は約72万頭で、そのうち約14万頭を捕獲しています。道としては生息数を半分の35万頭まで減らすことを目標に、今後捕獲数を増やす方針ですが、捕獲後のシカ肉処理が大きな課題となっていました。新たに衛生管理を強化した大きな工場が完成することで、首都圏などに高品質なジビエ肉が供給できることになり、シカ猟を後押しすることにもつながりそうです。

(実は完全に寝てない?冬眠クマの驚きの生態)
まもなく冬眠の時期を迎えるクマ。実は、冬眠といっても、ずっと寝ているというわけではないそうです。「だらだら寝ている」とでも言うのでしょうか。一見、寝ているように見えて、すぐに動き出すというケースもあって注意が必要です。12月に入り、冬眠の時期を迎えているクマ。ただ、冬眠したからといって安心はできません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠中であっても、例えば外で物音がしたりすれば、(気づいて)起き上がって、すぐに動くようなことができる」。これは、北秋田市の動物園で、クマが冬眠している様子を撮影した映像。まったく動きませんが、意識がないわけではありません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「完全に意識を失うことなく、人間でいうところのダラダラ寝ているという感覚」。実際、冬眠の最中にも、寝床の藁を整えたり、噛んでいる様子がー一方、自然界のクマは、いつどのように冬眠するのでしょうか?長野県・軽井沢町でツキノワグマの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ。およそ20年にわたり冬眠調査を続け、100カ所以上の冬眠穴を調べてきました。地面にポッカリと空いた穴。これは、ツキノワグマの冬眠用の巣穴です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「(ツキノワグマは)自分で穴を掘って冬眠したのは見たことがない。(自然に)元々ある穴で寝る」。例えば、これらは木の根元にある、冬眠用の巣穴です。一方、木そのものを巣にする場合も。木の幹に空いた穴。中を覗いてみると空洞があり、入ることができます。こうした冬眠穴で撮影された連続写真です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「冬の間に穴の外の落ち葉をかき込む」。冬眠中ですが、穴から顔をのぞかせ、落ち葉を集めている様子が写っていました。私たちの想像とは異なる、クマの冬眠。その体の仕組みは驚くべきものでした。クマは、心拍数や呼吸数を下げることで、エネルギー消費を25%程度に抑え、冬眠状態に入ります。ただ、体温については、他の冬眠する動物とは異なると言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「他の小型の冬眠動物は、体温が外気温近くまで低下するのが一般的。クマの場合は体温が下がっても、32~33℃までしか低下しない」。そのため、完全な睡眠状態ではなく、突然、起きだして動くこともあるというのです。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠期間中でも雪山に入る場合は、クマへ警戒を続ける必要がある」。さらに、近年、注意しなければいけないのは、アーバンベアの冬眠についてです。こちらは、アメリカで撮影されたクマの映像です。地面の藁をかき集め、おしりから入っていく先は、建物の床下です。実はこのクマ、空き家の下を、冬眠用の穴にしているのです。さらに、別の場所でも…床下をのぞくと、クマがいます。撮影した人によると、アメリカのいくつかの地域では、こうした空き家などの床下を、冬眠用の巣穴にするクマが多くいるそうです。これはアメリカの映像ですが、日本でも注意が必要だと言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「最近では、人を極端に避ける行動を示さないようなクマもいるので、居住地からちょっと入った山の中で冬眠していることも十分に考えられる」。

(白神山地世界遺産登録から30年、シカ急増:青森)
世界自然遺産の登録から11日で30年となる白神山地で、ニホンジカが近年急増し、食害により森林生態系に影響を及ぼす恐れが出てきた。白神山地の周辺では2022年度、前年度の3倍以上のニホンジカが確認され、専門家らは危機感を強めている。東北地方環境事務所のまとめによると、22年度に白神山地と周辺地域で確認されたニホンジカは過去最多の229頭に上る。これまで最多だった21年度の70頭を大きく上回った。環境省や林野庁、青森県が設置した計101台のカメラで撮影された姿などを元に頭数を算出。同じ個体が複数回写っていても、それぞれ1頭と数えた。229頭のうち1頭は、秋田県側の世界遺産「核心地域」で確認された。繁殖期などに鳴き声を録音する咆哮(ほうこう)調査では、白神周辺の17地点のうち、12地点で108回の咆哮が記録された。4地点で47回だった21年度に比べ、大幅に増えている。環境省西目屋自然保護官事務所の斎藤純一統括自然保護官は「頭数が増えたのは、カメラの設置場所を工夫し、調査精度が上がったこともあるが、ニホンジカの頭数そのものが増加傾向にある」と話す。ニホンジカは青森県では明治時代、駆除によりいったん絶滅。白神周辺では10年ごろから目撃されるようになった。林床のブナの芽生えなど多くの植物を食い尽くすため、森の保水力の低下や生態系への影響が懸念される。白神では現在、目立った被害はないが、東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センター(青森県鰺ケ沢町)の高木善隆所長は危機感をにじませて言う。「捕獲について、具体的に対応を考えなくてはならない」だが、捕獲の対策は一筋縄ではいかない。センターでは昨年、さまざまな餌をわなに仕掛け、ニホンジカをおびき出す実験をしたが、人間を警戒するためか寄りつかなかったという。猟銃を用いた駆除についてもハンターの人手不足や高齢化の問題が横たわる。高木所長は「国や県などが連携し、どのような手続きを踏み、どんな方法で駆除するか検討の必要がある。対策は待ったなしだ」と強調する。青森、秋田両県にまたがる白神山地が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に国内で初めて登録されてから、11日で30年となる。ブナ原生林が残る白神の森を次世代にどうつなげるのか。自然環境の保全と観光資源としての活用の両立が、課題として浮上している。白神山地は、東アジアで最大級の原生的なブナ林と多様な動植物の生態系が高く評価され、1993年に屋久島とともに世界自然遺産に登録された。約13万ヘクタールの広大な山岳地帯のうち、登録対象地域は約1万7000ヘクタール。保全のために歩道などを整備しない「核心地域」と、周囲の「緩衝地域」で構成する。80年代初期、青森県西目屋村と秋田県八峰町を結ぶ「青秋林道」建設の反対運動をきっかけに、白神山地保護の機運が高まり、世界遺産登録につながった。注目を集めた一方、入山者数は伸び悩んできた。核心地域は、青森県側では事前届け出をすれば指定ルートで入山できるのに対し、秋田県側は原則禁止。白神山地は「入れない山」とのイメージがつきまとう。2004年に約8万1000人いた入山者は、集計を取る観測地点が2カ所増えたにもかかわらず、22年は約1万6000人に減少。地域ではインバウンド(訪日客)を含む観光客の誘致策が模索されている。青森県は来年1月20日、弘前市の弘前文化センターで、登録30周年を記念したシンポジウムを開く。白神山地について学ぶ地元小学生による創作劇や、現役のマタギや宮下宗一郎知事らによるパネル討論がある。

(ヒグマ捕獲最多182頭、個体数調整求める声:北海道)
知床半島に位置する根室管内羅臼、標津、オホーツク管内斜里の3町で本年度、有害駆除や狩猟によるヒグマの捕獲頭数が、昨年より137頭多い182頭(11月末時点)に上り、記録が残る1975年度以降で最多となったことが分かった。ミズナラやサケ類など餌不足の深刻化で人里への出没が多発しており、民家や水産加工場での被害も相次いでいる。専門家からは個体数調整の再検討を求める声も出ている。釧路市内で8日開かれた知床世界自然遺産地域科学委員会ヒグマワーキンググループの会合で報告された。内訳は斜里町で95頭、羅臼町で72頭、標津町で15頭。これまでの最多は2012年度の71頭だった。今年は羅臼町で、水産加工場の生ごみをヒグマがあさったり、民家の窓ガラスが割られるなどの被害が相次ぎ、道が9月15日に発令したヒグマ注意報は、今月14日まで再延長された。斜里町でも8月下旬以降、同町ウトロ市街地で出没が相次いだ。3町の市街地で人が襲われる事故は起きていないが、ヒグマが日常的に人家に近づいている深刻な状況が続いている。

(来年度のクマ対策予算を拡充へ:富山)
今年度、クマによる被害が相次いでいることを受け、富山県は来年度、カキの木の除去など対策予算を拡充する方向で調整しています。県は今年度、当初予算に600万円を計上し市町村のクマ対策にかかる費用の半分を補助していますが、人身被害が相次いでいることを受け、特例的に30万円の補助の上限を撤廃し、パトロールなどの強化を支援しています。県によりますとこの補助制度に対し、これまでに9つの市と町から合わせておよそ434万円の申請があり、既に昨年度の交付実績の2倍にのぼっています。8日の県議会予算特別委員会で廣島生活環境文化部長は、「今後の出没の未然防止に向けて果樹の除去などの環境整備を中心に、補助制度の見直しを検討したい」と述べ、来年度、クマを引き寄せる要因とされているカキの木の除去などへの支援を拡充する考えを示しました。また、県内の狩猟免許の保持者は昨年度時点で1420人で、うち半数が60代以上であることから、今後40歳未満を対象にした狩猟体験ツアーを実施するなど、若者の担い手確保に繋げるということです。

(ハンター「初心者」を支援:神奈川)
小田急電鉄が狩猟初心者にわなの仕掛け方や捕獲後の処理を支援するサブスクリプション(定額利用)サービス「ハンターバンク」が話題だ。狩猟免許を取得していなくても利用でき、狩猟者の裾野を広げることで獣害に悩む地域の課題解決を目指している。神奈川県内では絶滅の恐れがあるクマが他の動物用のわなにかかり、殺処分せざるを得ない事例が相次いでおり、正しい知識を身につけたハンターが増えることは野生動物を守ることにもつながる。ハンターバンクは、令和4年6月から開始。シカやイノシシの食害で農作物の被害が深刻になっており、小田急は野生動物が列車に衝突するなど、獣害と無縁ではなかったことから、事業をスタートさせた。小田原市の山林管理者と連携し、獲物をおりに誘いこんで捕まえる箱わなを使った狩猟をする。免許を所持した事務局スタッフがわなを仕掛けるため、利用者は免許がなくても狩猟に参加できる。解体用のナイフなど必要な道具を借りることができ、解体施設も利用できる。最初の3カ月は指導料も含み、月額1万5千円。わなの勉強会や解体体験などで正しい知識を身につけられる。4カ月目以降は月額8千円で、ほかの利用者と数人でチームを組んで狩猟を続ける仕組みとなる。獲物がかかるとスマートフォンに通知が届いたり、画像でわなの様子を確認できたり、遠隔地からでも猟に参加できる。現地の事務局に依頼して、休日に合わせてわなを作動させることもできる。小田急によると、これまで利用した人は270人に上り、東京や群馬、静岡から訪れた人もいた。8割が免許を持っていないという。事業を発案した小田急の有田一貴さんは「狩猟するには地域とのコネクションが必要になる。免許があるからといって簡単にはできない狩猟のハードルを下げたい」と話す。利用者の1人、二宮町の鹿島吉右衛さん(71)は「山が好きで、退職を機に狩猟免許を取った。でも、そこからどうやって狩猟をすればいいか分からなかった」といい、ハンターバンクの利用を決めた。狩猟に関する漫画やアニメが人気になったこともあり、平成27年ごろ、県内の狩猟免許の所持者が急増。近年も微増傾向が続いている。一方、実際に狩猟を行うと県に申請する狩猟者登録は、ここ数年は1900人前後で伸び悩んでいる。捕獲の担い手が少ないことが、野生動物が人里に現れる事態につながっている。全国的にクマの出没が多発した今年、県内でも4月から11月25日までで8頭がイノシシやシカ用のわなに誤ってかかったとみられる。うち6頭がやむを得ず殺処分された。神奈川県内のクマの生息数は推計40頭で県は絶滅の恐れから、銃による狩猟も自粛要請している。1頭でも殺処分となれば生態系に影響を与えかねず、県内のハンターは、誤ってクマを捕獲しないように専門的な知識を身につける必要がある。クマがわなにかからないようにするためには、クマ用の脱出口を設けるなどの工夫が必要だ。有田さんは「狩猟免許を取るために法律の勉強をするが、技術を学ばないといけない」と実践で役立つ知識の重要性を強調している。イノシシやシカを捕獲するわなに誤ってかかる「錯誤捕獲」で殺処分されるクマを減らそうと、神奈川県は来年度から、クマがかかりにくく改良されたわなの実証を行う。効果が確認できれば、県や市町村が行う有害鳥獣の捕獲で活用する。県によると、実証で使うわなは、野生動物が踏むとばねの力でワイヤが足を縛る「くくりわな」を改良したもの。わなを作動させる踏板の上に、イノシシやシカの細い足しか通らない内ふたをし、足の太いクマが踏んでもわなが作動しないように工夫したものなどを検討しているという。県はクマの冬眠が終わる来春ごろから実証を開始する。

(アーバンベアとの共存は可能か)
2023年後半、連日のようにクマによる人的被害が報じられた。餌となるドングリの凶作が主な原因だが、人の生活圏への侵入の背景には、地域の高齢化・過疎化など、さまざまな要因が絡み合っている。駆除には抗議の声も上がるが、「隣の野生」との共存は可能なのか。30年以上ヒグマの研究に携わり、NGO「日本クマネットワーク」代表を務める佐藤喜和氏に聞いた。世界には8種類のクマが存在し、日本では、北海道にヒグマ、本州と四国にはツキノワグマが生息する。ヒグマは雄の体長が約2メートルの大型、ツキノワグマは体長約1.2メートルで比較的小型だ。ツキノワグマは九州では絶滅、四国では絶滅寸前だが、全国的なクマの生息数は明らかに増加しているという。「長期的に、野生のクマはじわじわと人の生活圏に接近してきました」と佐藤氏は言う。「2000年以降は、市街地への出没が繰り返し起きています。ドングリなど秋の木の実は豊凶のサイクルがあり、数年に一度、一斉に凶作になることがあります。その際、代替の餌を求めて、クマは生活圏に侵入します。その数が、今年はかつてないほど多かった」。環境省によると、2023年4月から11月末時点の速報値で全国のクマによる人的被害は212人、うち死者が6人。06年に記録を取り始めて以来、過去最悪となった。「これまで、北海道と本州では、クマの大量出没のタイミングがずれていたのに、今年は重なったことも異例です。いずれにせよ、抜本的な対策を講じなければ、数年後にまた、同様の広範なクマ被害が繰り返されます」。都市に隣接する森林で暮らし、一時的に人の生活圏に入り込む「アーバンベア」は、日本に限ったことではない。「例えば、北米の場合、ツキノワグマに近い小型のアメリカクロクマが、街中でごみを食べたり、民家のプールで泳いだりするケースが発生しています。ただ、ヒグマの仲間のグリズリーは、かつて駆除されて数がかなり減り、カナダ以南の生息地はイエローストーン国立公園などの保護区が中心で、都市周辺にはいません。ヨーロッパではもっと減少しています。札幌市のように、人口200万の都市周辺にヒグマがいる国は日本だけでしょう」。北海道では、明治に始まる開拓期以降、人とヒグマの闘いの歴史があった。1915年12月北海道北部で起きた「三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件」では、3日の間にヒグマが農家2軒に侵入、妊婦や子どもを含む10人の死傷者を出して、大きな衝撃を与えた。吉村昭の『羆嵐』をはじめ、小説やドラマの題材にもなっている。ヒグマは恐怖の対象であり、駆除すべき敵だった。戦後の人口増加や木材需要の高まりから開発、森林伐採が進み、1966年には、冬眠から目覚めたヒグマをわなや銃で駆除する「春グマ駆除制度」が始まった。1970~80年代には、ヒグマをはじめ、多くの野生動物が生息数を減らしていた。90年代前後から、世界で自然環境との共存を目指す動きが広がり、日本も生物多様性に関する条約を批准し、野生動物を保護する方針に転換する。「ヒグマは害獣として無制限に駆除されて数を減らし、分布も縮小していましたが、1990年、春グマ駆除制度を廃止、根絶から保護へ政策転換しました。その成果として、数がじわじわと増えていき、90年代後半以降、農地への出没と作物への食害が増加しました」。エゾシカの増加も、ヒグマに大きな影響を与えている。「ヒグマは川で捕ったサケを食べるというイメージがありますが、こうした暮らしをするクマは、知床半島など、ごく一部にしかいません。遡上(そじょう)するサケマス類自体が減っています。代わりに、多くのクマがエゾシカを食べるようになりました」。シカはヒグマの好物でもある草本類を食べ尽くす。一方、クマは農地周辺で駆除されたシカの死体や生まれたばかりの子ジカを食べるようになったのだ。「ツキノワグマもシカは食べていると思います。凶作のときに、今まで以上にイノシシがドングリを先に食べてしまっている可能性もあるでしょう」。2000年代以降の市街地周辺への出没は、国の生物多様性戦略も影響している。都市の主要道路や河川沿いに緑地帯を整備し、森と市街地がつながる緑のネットワーク化が進み、野生動物が街に出没するようになった。札幌市では、2010年代に、住宅街内部までヒグマが侵入した事例が発生した。「山奥のクマは人を見ると逃げますが、人里の近くに生まれ育ったクマは、生まれたときから車の音を聞き、人の気配に慣れています。ハンターに追われた経験もないので、人を恐れないのです」。「北海道では、農村地域の人口減少や高齢化により、この半世紀で農家数は6分の1になりました。全体の耕地面積はほぼ変わらないので、農家一戸あたりの耕地面積が6倍になっています。その結果、農業の大規模機械化が進みました」(佐藤氏)無人化が進み、クマにとって作物にアクセスしやすい状況だ。酪農地帯では飼料の自給率を高めるために、国が補助金を出し、牧草地に飼料用デントコーンの作付面積が急増している。畑作地帯にあるビートやスイートコーンとともに、ヒグマにとって「このうえないごちそう」になっている。「冬眠を控えた8月下旬から冬眠に入る12月までの間は、クマが最も食欲旺盛な時期です。春から主食としてきた草本類が、秋の主食となるドングリなどの果実類に代わる前の端境期(8~9月)には、山でクマが食べられる餌が減ります。一方で、この時期に旬を迎えるトウモロコシが増えているわけです」。「クマ問題は、少子高齢化問題と密接に結び付いている」と佐藤氏は指摘する。「農山村の人が減り、野生動物と人との境界の最前線で、人の影響力は弱まっています」。「人間の勢いが強く、野生動物を打ち負かした時代の国の仕組みが変わっていない。『スマートシティ』『コンパクトシティ』『スマート農業』など、人口減でも今の豊かさを維持するための仕組みは考えても、力を取り戻した野生動物には目を向けず、対応が後手に回ったのです」。今、佐藤氏が一番懸念していることは何か。「クマとの共存ができないという声が大きくなり、行き当たりばったりのかじ取りがされることです」。「10年ほど前から分布も広がってきたので、このまま個体数が増え続ける状況を放置していいのか、という議論はありました。研究者たちは、クマ、シカ、イノシシなど野生動物を管理する専門人材を地方の現場に配置するべきだと主張してきましたが、ほぼ実現していません」。佐藤氏によれば、鳥獣害に強い地域づくりを進めている先駆的な自治体もある。例えば、島根県では、被害対策と保護管理に関わる鳥獣行政を一体化して林業部門が担い、関連機関がモニタリングなど調査研究も行う。市町でも鳥獣専門指導員の配置が進み、地域住民と行政、市町と県の間をつなぐ役割を果たしている。「しかし、多くの場合、県は市町村任せ、市町村は猟友会任せです。猟友会はもともと趣味で狩猟をする人たちの団体で、保護管理に関する教育、経験があるわけではありません。地域に対する責任感で、体を張ってクマ問題に対処していますが、高齢化も進み、なり手不足も生じています」。「行政がハンターを育成・雇用する仕組みも必要です。広範なクマ被害は、今後も必ず起きる。専門家人材の育成・配置を織り込んだ対策を予算にしっかり組み込んでいかなければ、同じことを繰り返すだけです」。北海道東部の標茶(しべちゃ)町や厚岸(あっけし)町などで、2019年からの4年間、66頭の家畜の牛を襲ったヒグマは「OSO(オソ)18」というコードネームで呼ばれ、恐れられた。しかし、今年7月末にハンターが駆除したクマが「OSO18」と判明すると、なぜ殺したのかと批判も相次いだという。秋田県などでも、クマの駆除に保護派からの批判が寄せられていると報じられた。「クマ対策用電気柵を設置し、ごみの管理をきちんとしたうえで、それでも人の生活圏に出没するクマはやむを得ず駆除したと、どんな立場の人でも理解できるような危機管理システムが望ましい」と佐藤氏は言う。「地域に配置された専門家が、日常的にモニタリングをして、データを取る。そして、具体的な対策については、直接被害を受ける人、受けない人を含めて地域の人たちの意見調整ができれば理想です。悪いことをするクマは、特定の個体に限られることが多い。どのクマがどんな “悪さ”をして駆除され、その結果、問題はどのように解決したのかを可視化していく必要があります」。先住民族のアイヌは、ヒグマを単なる敵でも獲物でもない、相反する2つの「神」の姿で捉えていた。肉や毛皮をもたらしてくれるヒグマを「キムンカムイ(山の神)」として、狩猟の際には感謝の儀式でその魂を神の国に送り、再来を願った。だが、人や家畜に危害を与えるヒグマは「ウエンカムイ(悪い神)」として、毅然として立ち向かい、確実に仕留め、その肉は決して口にしなかった。「『アーバンベア』問題は、このウエンカムイを駆除することで、離れた場所でもその後の出没が収まることがよくあります。増えすぎた個体数を無作為に減らすのではなく、特定のウエンカムイを速やかに駆除することで、地域の安全が守られ、クマの保全にもつながる。そのことを忘れるべきではありません」。佐藤氏が初めて野生のヒグマを見たのは、1991年、まだ目撃情報が少なかった頃、北海道大学のヒグマ研究グループの一員として観察調査に参加した時だった。川沿いの草原で草を食む親子のヒグマ。夕日を浴び、金色に輝く背中の毛が風になびく姿が美しかった。その時の感動をまだ覚えている。「私たちの子ども、孫の世代まで、森の中でクマが元気に暮らしているという状況を維持したい。地域個体群を守ることが大事です。これだけの数の野生のクマが生息している先進国は、日本だけです。豊かな自然環境を享受しながら、みんながもっとクマのことを知り、野生との新しい付き合い方を身に付けてほしいと願っています」。

(クマの出没増で注目度急上昇!国内でも数少ない猟銃メーカー「ミロク」)
2023年はクマの出没情報が例年にないペースで増加しています。環境省によると、2023年の秋田県のクマの出没情報は10月までで3,000件。昨年は通年で730件でした。岩手県も今年は5,158件で、倍増しています。東京都では、奥多摩町だけでなく八王子市や町田市でも目撃情報が出ています。2023年10月まで(暫定値)のクマの駆除(捕殺)件数は6,287。昨年は3,755でした。クマは多くの場合、罠か猟銃で駆除します。日本で猟銃を製造販売している数少ないメーカーがミロク。その収益構造と猟銃の売れ行きについて解説します。ミロクの歴史は古く、創始者・弥勒蔵次氏が猟銃の生産を開始したのは1893年でした。終戦直後は日本での銃器製造が禁じられていたため、クジラを捕獲するための捕鯨砲の製造で会社を存続させていました。1951年に銃器の製造が解禁され、猟銃の生産を再開します。1980年に狩猟者として登録していた日本人は43万2,000人。現在は13万人ほどしかいません。かつての日本では、狩猟がメジャーとはいかなくとも、比較的広く行われていた文化・スポーツでした。しかし、猟銃を使った事件が重なるにつれて規制を強化したため、所持者が減少。需要が失われます。ミロクは1977年に山本鉄砲製作所を買収するなど、銃業界の再編が進みました。同じころ、拳銃ニューナンブM60で有名な新中央工業は、ベアリングのミネベアミツミに吸収合併されています。ミロクがユニークなのは、アメリカの銃器メーカーとして有名なブローニング・アームズ向けのOEM製造を行っていること。1966年から散弾銃を供給しています。2013年にオバマ元大統領が、射撃を楽しんでいる自身の写真を公開しました。このとき使われていた競技用の上下二連銃がブローニングのシトリというモデルであり、ミロクが製造したものです。ミロクの猟銃は本場アメリカでも支持される技術力の高いものです。2009年に国内の競合会社だった新SKB工業が業務を停止。現在、国内で猟銃を製造する会社はミロクの他、自衛隊に自動小銃を提供している豊和工業が狩猟用のライフル銃のみを製造するなど、ほとんど残っていません。ミロクは国内の猟銃メーカーとしてはトップ企業です。ミロクは2023年10月期の売上高を前期比5.0%増の120億4,000万円、営業利益を同19.7%増の7億9,000万円と予想しています。ミロクは猟銃製造で磨いた技術力をもとにした、ガンドリルマシンなどの工作機械事業や、ステアリングハンドルといった自動車関連事業も展開しています。ただし、売上高の8割は猟銃が占めており、ミロクの主力事業になっています。猟銃事業の売上推移は好調そのもの。2022年11月-2023年7月の売上高は前年同期間比8.6%増の72億3,500万円でした。2021年11月-2022年7月は売上高が11.4%伸びていました。今期は更に1割近く上乗せしていることになります。ミロクで特に好調なのが、OEMであるブローニングへの供給。上のグラフを見ると、赤で塗られている上下二連銃の比率が高く、伸びしろもあることがわかります。上下二連銃とは、主にクレー射撃で用いられる銃。テレビでタレントのヒロミさんがクレー射撃を行うシーンが放送されることがありますが、そのときに使われるものが上下二連銃です。グラフ青色のボルトアクションとは、狩猟ではクマやイノシシ、シカなどを撃つライフル銃を指します。日本においては、原則として上下二連銃などの散弾銃を10年以上所持しなければ、ライフル銃の所有は認められていません。ミロクのボルトアクションの売上は大きく変化していません。日本ではクマを駆除する狩猟者の数が少ないと言われていますが、大物猟に用いられるライフル銃は一定の需要しかなく、世界的にも流通量は限られているものと予想できます。実は、日本の狩猟者免許試験合格者数そのものは増加しています。1万人を下回る年が長く続いていましたが、2010年に1万を突破。その数は1万7,000程度まで拡大しました。狩猟に関連する情報にアクセスしやすくなり、取得するハードルが下がったことが背景にあるのでしょう。ただし、実際に狩猟を行っている人の数はほとんど変化していません。下のグラフは狩猟者登録者数の推移です。長い間、登録者数は13万人後半で横ばいが続いているのがわかります。狩猟は狩猟免許を取得した後、各都道府県に狩猟者登録を行い、決められた方法とエリアで行わなければなりません。つまり、狩猟者登録をしている人の数が、実際に狩猟を行っていることを表しています。興味本位で狩猟免許を取ったとしても、継続的に狩猟を行う人は少ないのです。狩猟者の中でも、大物猟を行う人の数は更に絞り込まれます。ましてやクマ撃ちに必要な技術と経験を備え、火力のあるライフル銃を扱えるハンターは多くありません。もし、クマの被害が中長期的に深刻なものとなり、駆除する人の数が足らないのであれば、免許を取得する人の数を増やすだけでなく、狩猟を継続できる環境づくりが欠かせません。そのために国内トップの猟銃メーカーであるミロクは、銃の普及に向けた取り組みをしても決しておかしくはありません。しかし、銃への規制や拒否反応が強い日本では、やはり現実的ではないでしょう。アーバンベアの急増で注目される国内猟銃メーカーは今後も技術力を磨き、アメリカ市場でシェアの拡大を目指すことでしょう。

(「ハンターになりたい!」若手の受験希望者が意外にも増加中:北海道)
北海道内ではシカやクマなど野生動物の被害が増加する中、ハンターを目指す人が増えている。なぜ免許をとりたいのか、受験者に聞いてみた。12月3日、札幌市中央区で行われた狩猟免許試験。男性34人、女性11人の計45人が試験に臨んだ。ハンターを目指す理由を受験者に聞いた。「山の中に入って作業するときに、ハンターにお願いしてもなかなか地方だといないという非常に辛い現状があり(自分で)護衛ができるように今回挑戦した」(受験者)。2023年の狩猟免許試験には、定員を超える1276人の申し込みがあり、2022年より300人近く増加。過去5年で最多となっている。コロナ対策として3年前から試験会場ごとに定員を設定したところ、予想を上回る応募がある状態が続いているという。「(石狩振興局では)半数の人が受験すらできない状況になった。2024年3月に追加で試験をすると北海道が発表した」(北海道猟友会札幌支部 奥田邦博 支部長)。以前は高齢者が中心だった受験者の年代も、20代から40代の若者が増えてきたと言う。試験に先立ち、井戸さんは11月26日に札幌市中央区で開かれた狩猟免許の講習会にも参加していた。北海道猟友会札幌支部の講習会には男女計46人が参加。銃の扱い方や法律の知識などを、先輩ハンターがレクチャーした。社会に貢献したいという若者が増えることに猟友会は。「社会のために頑張りたいと入ってこられる方は大歓迎。クマの対策事業をやりたいんだと思われて入ってきても5年、10年はできる訳がない。ただ、そこに至るまで、僕たちは教えていくし、アピールしてもらえれば、育成の枠にどんどん入れて勉強する機会も作る」(北海道猟友会札幌支部 奥田邦博 支部長)。

(クマ・イノシシの目撃情報を共有、若者開発のアプリ:長野)
小学生から20代までの若者が開発したアプリのコンテストが長野市であり、「地域を元気にする」力作が披露されました。信州からDX人材を育てようと、県が主催するコンテスト。9回目の今年は「地域を元気にするアプリ」をテーマに、県内外から89組が応募し、書類審査を通過した18組が発表しました。「獣所」はクマやイノシシなどの目撃情報を共有し、地図上に反映するアプリで、長野市の専門学校生が制作しました。「獣所」を開発した・太田秀弥さん「スマホアプリ自体作るのが初めてだったので全部が大変だったんですけど、自分の今の技術力だったり周りがどういったものを作っているとか刺激にもなるので、いいイベントだと思う」。選挙ポスターを撮影すると簡単な選挙公約が表示されるアプリなどもあり、地域の課題解決に向けた斬新なアイデアが披露されました。

(屋内の空気銃射撃場が完成:石川)
屋内の空気銃射撃場が金沢市内に完成し10日お披露目されました。金沢市の医王山スポーツセンターでお披露目されたのは、屋内でエアライフルなど空気銃の練習ができる10メートルの射撃場です。この射撃場はオリンピックなどで使用される電子標的が導入され、大会に近い環境で練習することができます。10日は能美市出身で東京オリンピックに出場した女子ライフルの平田しおり選手も駆けつけ完成を祝いました。平田しおり選手:「県内の競技力向上にもつながると思う。地元に帰ってきたときにはここで練習しているので、その期間を大事にできる」。さっそく選手たちは新しくなった射撃場で交流会を行い、感触を確かめていました。この射撃場は来年4月から本格的に使用され、現在、屋外に設置されている50メートルの射撃場も来年度から改修工事がスタートします。

(イノシシ生息域拡大、住民交えた講座開催:茨城)
沿岸部のイメージが強い茨城県鹿嶋市でも、農作物に被害をもたらすイノシシの生息域が広がっている。10月末までで69頭を捕獲し、既に年間捕獲頭数を更新した。市はこれまでに電気柵設置の補助などを行ってきたが、さらなる対策が必要として、農家以外の地域住民を交えた被害対策講座を初めて開くなど、被害防止に懸命だ。同市では、2017年ごろからイノシシによるコメやサツマイモなどの被害が出始め、19年には被害額が225万1千円に上った。市は20年に市鳥獣被害防止対策協議会を設置し対策を強化。猟友会の協力を受け捕獲頭数を増やしてきた。しかし、被害の報告は収まらず、発見地域は拡大している。そこで市は、行政や農家がそれぞれ単独で対策を講じるのではなく、地域全体で実行していく必要があると判断し、生態などについて学ぶ講座(県主催)を1日に開催し、約30人が参加した。参加者はまず行動範囲がおおむね1キロ四方で、デンプン質が高いものを好む食性であり、繁殖能力が高いことなどを学んだ。その後、被害が出ている山之上地区の田畑に出向き現地調査。地図を広げ、作付地と不作地を色で塗り分け、隠れ場所になりそうな位置を確認した。さらに足跡や鼻で土を掘り起こした跡などを見つけ、電気柵を設置している田を見学して、鼻が触れやすい柵線を張る高さを確かめた。現地調査後は、会議室で集落地図を基にワークショップを開き、課題と対策について話し合った。同地区で水田を所有する原弘さん(66)は「地域住民全体で対策を講じないと解決しないことだと実感した。このままではイノシシがさら増え、農作物被害には収まらず、人的被害も出てしまうのではないか」と危機感を口にした。市は今後、隠れ場となってしまう雑草が生い茂る場所を整備するなどして、被害拡大を食い止めたい考えだ。

("ヒグマハンター"「命のやり取りを緊迫現場」密着撮:北海道)
「山の送電線の点検をする北海道電力の作業員や、鳥獣の生態を調べる研究者をヒグマから守るのが俺の仕事さ」。北海道帯広市在住の野々村信行さん(72)は、狩猟歴46年というベテランハンターだ。担当エリアは十勝地方。山で作業をする人が安全に作業できるよう、ライフルを手にクライアントの護衛をするいわば「用心棒」の役割を企業に頼まれ、ここ10年ほど従事している。ヒグマを仕留めることより、クライアントの命を守るのが最優先のため、ヒグマと遭遇したらまずは大声を出し、それでも近づいてくれば威嚇射撃をして追い払う。ヒグマとの戦闘は最終手段。それほどリスクを伴うというのだ。「近づかれてしまったら、負けなんだよ」。つい最近も、護衛をつけずに伐採した樹木を木材にする造材作業をしていた作業員がヒグマに襲われて大ケガをしている。野々村さんは今年に入って既に5~6頭のヒグマに遭遇しているという。夏季は山での作業が増えるため、野々村さんには月の半分ほど護衛の依頼が入るという。護衛をするにあたり心がけていることは何か。「まずは、熊の習性を理解すること。熊を撃って『倒した』と思っても、安易に近くに行くと急に襲いかかってくることがある。『弾が命中したから大丈夫』と油断して襲われるハンターが多い。倒れていても必ずもう1発撃たないといけないんだ。山の地形を熟知することも大事だね。足腰も強くないとダメだ」。野々村さんは72歳とは思えない体力で傾斜のキツい山を、周囲を警戒しながら軽々と登っていく。不運にも護衛なしで熊に遭遇した場合、どうすればいいのだろうか?「後ろを向いて逃げたら襲われる。武器になるようなものが無ければ、熊から目を逸らさずに後ずさりするしかないね」。今年は人間だけでなく、家畜もヒグマに襲われる被害が相次いでいる。「今年、3頭の子牛がヒグマにやられました。こんなのは初めてです」。足寄町(あしょろちょう)で3代にわたって黒毛和牛の繁殖を行っている兼古照夫さん(45)によれば、子牛の1頭は内臓を食べられた状態で見つかり、2頭は行方不明。母牛の体にはヒグマの爪による傷跡があったという。「牛は警戒心が強いため、これまで熊に襲われることは滅多になかった」と兼古さんはうつむいた。円安、ウクライナ戦争の影響などによる飼料の値段の高騰で廃業する畜産業者が多いなか、手塩に掛けて育てた牛を失うことは大きな痛手だ。陸別町で酪農を営む大沼勤さん(52)が所有する飼料用の広大なトウモロコシ畑も、ヒグマによる被害を受けた。ヒグマは畑を囲う鉄柵を乗り越えて畑に侵入。柵はヒグマの重みでグニャリと曲がっており、畑には食い荒らされたトウモロコシの残骸が散乱していた。4mの高さまで成長するトウモロコシ畑にヒグマが身を隠していることがあり、収穫作業は命懸けだという。「熊を殺すのはかわいそうという意見も理解できるけど、ここで生活する者にとっては死活問題だから……」(大沼さん)。野々村さんと別れた後、私はベテランハンターの黒川光雄さん(68)の運転する車に乗り、鹿追町(しかおいちょう)の山中でのヒグマ猟に同行させてもらった。十勝地方でもとくに熊の多い鹿追町だが、狩猟歴40年の黒川さんも今年のヒグマ出没の多さには驚いているという。「今まで、車で林道を移動していて熊に出会うことなど滅多になかった。一日で熊に2回遭遇して2頭撃つなんてありえなかったよ」。熊が増えている理由の一つに、ハンターの高齢化が挙げられる。黒川さんの所属する猟友会も、会員数がかつての3分の1ほどに減ってしまった。ウクライナ戦争による弾薬の供給不足や円安などによる弾薬の値上がり、山に入る際に使う車のガソリンの価格高騰もハンター不足に拍車をかけている。そんな状況下で、黒川さんは若いハンターたちの育成も行っている。黒川さんのチームは車を使わず、徒歩で山に入ってエゾシカなどの獲物を獲る″忍び猟″を行う。忍び猟だとヒグマに遭遇する危険が高まるため、熊の恐ろしさを説き、猟銃の撃ち方や山の歩き方など猟の基本を指導しているという。「道東の白糠町(しらぬかちょう)で、ハンターが手負いの熊に逆襲されて一人は亡くなり、もう一人は顔を抉(えぐ)られて重傷を負ったという話を聞いた。我々の仲間には、もし熊を撃ったら1時間ほど時間をおいてから近づくか、熊笹などが生い茂る藪に逃げたら深追いせずに仲間に連絡をするように伝えている」。取材中、「初めて熊を撃った」という若手ハンターから連絡が入った。弾は命中したが姿を見失ってしまい、どう対処すればいいかわからないという。「撃たれているなら近くに倒れていると思うから、時間をおいて血痕や足跡をたどって探してみろ。倒れていても襲ってくるかもしれないから、いつでも撃てるように銃を腰だめ(腰に銃をぶら下げ、いつでも構えられる状態)にして、気をつけて探せよ」そうアドバイスした黒川さんは、若手ハンターが熊を撃った現場へと車を飛ばした。上足寄の林道の入り口で電話してきた二人組の若手ハンターに合流し、5分ほど一緒に歩いて現場に到着した。林道を横切った親子のヒグマを見つけた二人は、山の斜面を駆け上(のぼ)るヒグマ親子を追いかけて発砲したという。子熊はその場で倒れ、親熊は腹を撃ち抜かれながらも山を駆け上がっていった。「まず山の頂上に登って、そこから降りながら熊を探せよ。熊より自分が下になったら絶対にダメだ」。黒川さんの指示で、銃を腰だめにした若手ハンターが山の斜面を登る。黒川さんも別の方向から山を登っていった。手負いとはいえ、どこかにヒグマが潜んでいると思うと、恐怖で震える――。「見つけた!」という声が聞こえ、声の方に向かって走って行くと、山の中腹に大きな黒いヒグマが横たわっていた。警戒しながら近づくとまだ息があり、手足を激しく動かしている。人間が近づいてくる気配を感じるとさらに手足をバタつかせ、最後の抵抗を見せた。「止め刺し」として急所の頭に弾を撃ち込んでもまだ手足は動き、生命力の強さを感じた。体長は約1m50㎝で体重は130㎏ほどの若い雌熊にナイフを入れた。体は分厚い脂肪に包まれている。腹を裂いて内臓を取り出すと、スイカほどのサイズの胃袋が出てきた。胃の中には食べたばかりの山葡萄がギュウギュウに詰まっていた。鋭利な牙と前足の巨大な爪に襲われていたらと思うと、思わず戦慄する。ヒグマを仕留めた2日後、ハンター仲間が集まって、熊を料理して食べることになった。50㎝ほどの背ロースをタイム、ローズマリー、ニンニクで漬け込む。岩塩と黒胡椒だけのシンプルな味付けでフライパンにのせ、表面をバターでソテー。その後は薪ストーブの中で時間をかけてローストする。寄生虫がいるので、芯までしっかりと熱を通す必要がある。20分ほどしてストーブから肉を取り出し、少し休ませれば完成だ。熊肉は生臭いイメージがあるが、仕留めた後に血抜きなど適切に処理すれば臭みは全くなく、まるでイベリコ豚のようで美味だった。取材で目の当たりにしたのは、人間とヒグマの凄絶な「命のやり取り」だった。山の主との均衡を保つため、ハンターの担う役割は重みを増し続けている。

(ヤギでイノシシ撃退!?:兵庫)
農地を荒らすイノシシにはヤギが効く!?獣害対策にヤギを用いる検証実験が兵庫県加東市で行われている。農地周辺で飼って体臭を染みつかせ、獣よけとしての効果を確かめる。同時に雑草を食べさせて隠れる場所をなくし、草刈りの手間も減らす-という寸法だ。まだ実効性は判然としないが、ユニークな手法に一定の効果を感じる地元農家も。同市は実験結果の分析を進めつつ、2024年度の取り組み継続を視野に入れる。イノシシは本来は臆病な性格で嗅覚に優れるが、慣れると大胆に山を出て人里に現れる。同市農地整備課によると、市内では主に8、9月など稲の収穫期前に田んぼや農道に入って荒らし、稲穂や畑の作物を食べることがある。市内の農業被害額は20年度が約542万円、21年度は約736万円。豚熱(CSF)の影響で個体数が減ったとみられる22年度でも約306万円だった。実験は今年7月下旬~11月上旬に、同市秋津の西戸地区と、同市森地区でそれぞれ2カ月ほど実施。ヤギは専門業者から同市がレンタルし、飼育は柵で囲う方法や、くいを打ってワイヤとリードでつなぐ方法などを試した。同市によると、ヤギは1日当たり約6平方メートルの草を食べるといい、飼育範囲をあらかた除草できたら隣へ移動することを繰り返した。人間の草刈りに比べればおおざっぱだが、周囲の見通しは良くなったという。栄養補給の岩塩を用意し、飲み水の交換や日々の状況確認は、各地区の住民らが担った。森地区では、イノシシの出没の通り道とみられていた、ため池の堤防や斜面で飼育。区長の田尻孝普さん(63)によると、飼育中、イノシシは池周辺には現れなかった一方で、少し離れた場所に出没した。「ヤギはおとなしく、体感としては効果を感じられた。飼育場所を固定せず散歩して体臭を広げる方法もあるかも」と前向きに受け止めた。山から少し離れた草地で飼った西戸地区では、今年はイノシシの出没自体が少なく効果測定が難しかったという。ヤギの世話を主に担った区長の石田浩之さん(66)は「飼育を続ける大変さは課題だが、被害対策の効果があるなら地域にとって意味は大きい」と望みを託す。同市は防護用の金網を張り巡らせる補助事業などを柱に展開しつつ、試験的な有害鳥獣対策として、ヒトデの粉末を用いた忌避剤などさまざまな手法を検証している。ヤギの活用もその一環だ。ヤギのレンタル費や資材費など、23年度の事業費は計約70万円。飼育終了後もセンサー付きカメラを設置してイノシシの出没状況を観察し、ヤギの体臭による効果が続くかどうかを調べる。年度内にいったん分析結果をまとめ、より効果的な飼育場所を探るなど、24年度の実験継続を見据える。同市農地整備課は「被害が出ている以上、少しでも減らすために打てる対策を探りたい。とりあえずやってみて、効果が出れば補助事業化も考えたい」と話す。イノシシなどによる農林業被害は、農家が営農意欲を奪われるなど影響が大きい。兵庫県などによると、公的機関がヤギで獣害対策を行う事例は把握されておらず、各自治体や生産者が独自に試行錯誤しているのが実情のようだ。一方で、専門家は「まずは防護柵や狩猟による捕獲など、基本的な技術を普及させるのが第一」と強調する。県自然鳥獣共生課によると、県内の2022年度の野生鳥獣による農林業被害額は4億6850万円に上る。特にイノシシやシカは広範囲で被害が出ている。県森林動物研究センター(丹波市)でイノシシ担当の森林動物専門員、大田康之さんは基本的な対策として、防護柵の設置▽適切な捕獲▽隠れ場所となる草を刈るなどの環境整備▽餌となるごみや果樹を処理する-などを挙げる。ヤギの活用について尋ねると、「放牧のウシがイノシシ防除に役立ったという話は聞いたことがある」と大田さん。「ただし、新しい手法はイノシシ側が慣れてしまえば効果が一時的に終わる恐れもある」と指摘し、「収穫直前に農作物を守る目的で導入してみる手段はあるかもしれないが、前提として効果が確立された防護柵などを進めてほしい」と呼びかける。

(“野生動物がどうして農作物を荒らすのか”考える授業:和歌山)
農作物に被害を及ぼす、野生のイノシシやシカなどの問題を子どもたちにも考えてもらおうという授業が、和歌山市の小学校で開かれました。野生のイノシシやシカなどによる農業への被害の額は、県内で年3億円近くに及んでいて県は、捕獲した動物を食肉に活用するなどの取り組みを進めています。8日は、こうした取り組みを子どもたちにも知ってもらおうと、県が和歌山市の加太小学校で出前授業を行いました。猟友会の人を講師に招き、参加した3年生と4年生、あわせて20人の児童は、野生動物がどうして農作物を荒らすのかを考えました。こどもたちは「おいしそうだったから」とか「食べるものがなかったから」などと、動物のかぶり物をして意見を発表したあと、動物も生きるために食べる必要があることを学びました。このあと、子どもたちは、わなで捕獲したアライグマの毛で筆づくりに挑みました。金具で束ねた毛を木製の軸に接着して筆ができ上がると、さっそくでき栄えを確かめました。参加した児童は「野生の動物も一生懸命生きていることがわかった」と話していました。県畜産課の橋本典和さんは「命をむだにせず、別の形で生かすことを学んでほしい」と話していました。

(カラスの大群、市街地に4000羽超:岐阜)
秋から冬にかけて岐阜市中心部に飛来するカラスの大群。空を黒く染め、ふん害などの被害をもたらす厄介な存在は市街地だけで4千羽超が確認されている。個体数減に向け、市も対策を打っているが抜本的な解決にはつながっていない。11月中旬、午後5時すぎのJR岐阜駅前。日が暮れ始めたころ、北の空から黒い影が次々とやってきた。けたたましい鳴き声を響かせながら上空を旋回するカラスの群れだ。市によると、カラスは例年10月から2月にかけて、餌を求めて市街地へと集まる。岐阜駅への飛来が目立ち始めたのは昨年からだという。昨年11月の調査では金公園(金町)周辺で2800羽、JR岐阜駅周辺では1500羽が生息していることが分かった。

(震災払い下げ品リユース:岩手)
やけに工事をしている家が多いな。岩手県陸前高田市の山間部を今年4月にランニングしていると、オレンジ色の工事用フェンスで厳重に囲まれた住宅が点在していることに気づいた。フェンスは上部が網目状になっている。それにしても、家の周囲にある家庭菜園には新鮮そうな野菜が育ち、駐車場には軽トラがとまっていて、生活感がある。生け垣や塀の代わりに使っているのだとしたら、見栄えが……。同県一関市から巨大なループ橋を走り過ぎ、国道343号を進んだ途中にあった。陸前高田市中心部まで約15キロの地点で、ちょうど下り坂が連続し、夢中で走っていると通り過ぎるような場所。車に乗っていたら、見落としそうだ。記者(53)は普段、盛岡総局に所属し、取材活動をしている。日頃、レースに出場したり、街なかをランニングしたりしている。その中で見つけた、不思議な光景。気になって、再び訪ねてみた。「シカ、シカ、シカ。野菜も何も、ぜーんぶ、食われちゃうから」。住民はこう説明してくれた。

(フレップと一緒にシカの生態学ぶ:北海道)
プロ野球北海道日本ハムファイターズと道は8日、エゾシカの頭数増加による被害や対策を学ぶ出前授業を恵明中で開いた。特別支援学級の10人が、球団マスコット「フレップ」と一緒にエゾシカへの理解を深めた。

(「ベアドッグ」を未来へ繋げたい!:長野)
この度は、特定非営利活動法人ピッキオが挑戦するプロジェクトをご覧いただきありがとうございます。私たちはこれまで長野県軽井沢町にて、同町からの委託を受けて、野生のクマの保護管理や地元住民をはじめとした皆様に向けた環境教育をおこなってきました。クマ類は繁殖能力が低く、世界に現存する3属8種のクマのうち、すでにヒグマとアメリカクロクマの2種を除いた6種において絶滅が懸念されています。しかしながら、クマ類は生息地の消失が進む一方で、人身事故や農林業被害など、人に対して大きな負の影響を与えるため、駆除や乱獲も進みがちであるのが実態です。そのため、今後は非致死的な手段も含めた総合的な施策、及びそれを実行する体制の構築が喫緊の課題となっています。私たちはこのような背景を受け止め、ずっと「人とクマが共存できる社会」の実現を目指して活動してきました。その中で尽力してきた取り組みの一つが「ベアドッグ」活動です。ベアドッグとは、 クマの匂いを察知する特別な訓練を受けた犬で、大きな声で吠え立てることで人里近くにいるクマを森の奥に追い払います。クマは学習能力が高いため、これをハンドラー(飼育兼指導手)と繰り返すうちに「人は怖い存在だ、ここはいてはいけない場所だ」と理解するようになるので、クマを捕殺することなく被害を防ぐことができるのです。もちろん、ベアドッグさえいればクマの出没がおさまるということはありません。ですが、ベアドッグたちの活躍は、「捕殺」という選択肢以外にも人身事故等の被害を未然に防ぐための手立てがあるということを示してくれると信じています。だからこそ、もっと多くの方にこの「ベアドッグ」という存在を知っていただき、この活動を未来に繋げていくことで「人とクマとが共存できる社会」の実現をご賛同いただける皆様と目指していきたい。そう思い、この度クラウドファンディングに挑戦し、次世代ベアドッグの繁殖・育成、及びハンドラーの育成をはじめとした活動資金の一部を募らせていただくことを決意しました。将来的には、他の地域にもベアドッグたちが活躍できるように、活動を展開させていきたいと考えています。どうか皆様からの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。

(レーザー光線でカラス排除:北海道)
レーザー光線を照射して、牛舎内のカラスを追い払う装置が注目を集めている。山陰パナソニック(島根県)などが開発し、同県の牧場ではすでに100台以上設置。道内の販売は日東電気工業(帯広)が担い、すでに置いている鹿追町内の牧場などでも効果が出ている。道の調査によると、2021年度の野生鳥獣による道内農林水産業の被害額は54億5000万円。鳥獣別ではエゾシカが44億8000万円、次いでカラス類が2億7000万円に上る。畜産分野ではカラスが牛をつつくなどの被害があり、目や乳房を傷つける場合も。牛のけがや乳量の減少、販売価格の低下につながるため、各農家は防鳥ネットなどで対策を講じているが、利口なカラスの対応に頭を悩ませているケースが多い。同装置は、カラスが嫌がる緑色の光を5分間のオン、オフを繰り返しながら照らす。光の形は四角やリボンなど10パターンあり、装置が首を振る範囲は0~355度で調整可能。タイマー設定もでき、氷点下10度までの環境で使用できる。山陰パナソニックとつながりがあった日東電気工業が道内の取り扱いを請け負い、今年5月から浦幌町内の牧場に試験的に5台設置。9月から道内販売を本格的に開始し、鹿追の2牧場が計5台導入している。同社によると、各牧場からは「カラスが近寄らなくなった」「すぐ逃げていく」など効果を喜ぶ声が聞かれるという。価格は約20万円で工事費は別。同社の森脇博志社長は「実証実験ではレーザーによる牛への影響は出ていない。カラスが来ないことでストレスが減り、乳量などは良くなるようだ」とし、「十勝の酪農家の悩み解決に少しでも役立てば」と話している。

(「タイワンリス」急増:神奈川)
見た目はかわいらしいリスですが…鎌倉市では住民の被害が急増し、異常な捕獲数である事が分かりました。なぜ今年、“迷惑リス”が増えているのでしょうか?尻尾まで含めた全長で約40センチ。日本原産の「ニホンリス」と比べると、一回り以上大きいということになるでしょうか。特定外来生物に指定されています。耳の形とか、結構違いますよね。タイワンリスは丸っこいんですけれども、ニホンリスはピッとしています。増えている数の推移をみていきましょう。鎌倉市だけで捕獲された数は、最もこれまで多かったのが2018年の1571匹。少し減った年もあったんですけれども、今年2023年は、ここまでで1553匹。年度で数えているので、最高を超えることはほぼ確実となっています。一体、なぜこんなに増えてしまったのか?増えた背景には、タイワンリスの特徴がありました。まずは、どんな被害が報告されているかです。▼タイワンリスは雑食なんですけれども、どちらかというと植物性のものが好きということで、大根などの作物を食い荒らすことがあります。また、▼住宅への侵入。かじって穴を空けて、巣にして繁殖してしまったことがあるそうです。外来種のタイワンリスが、なぜそもそも日本にやってきたのでしょうか?1930年代に、主にペットとして輸入されました。飼育されていたものが捨てられたり、閉園した動物園などから逃げ出したりすることによって繁殖、定着してしまったということです。では、なぜ鎌倉で2023年に限って多くなっているのか?これはクマのニュースでも同じなのですが、鎌倉市環境保全課の担当者によると、猛暑で山の中のエサが減ってしまったそうで、市街地にも現れるようになりました。クマのニュースのときに、どんぐりが不作で街のほうに来てしまうというのがありましたが、タイワンリスも、猛暑で山のエサが少ないので市街地に来てしまっているというのが現状だそうです。また、その“驚くべき適応力”も増えてしまう要因です。まず、▼環境に適応します。▼食べ物は、何でも食べてみて適応します。▼行動力は大変あり、運動神経もいいです。さらには、▼人間を怖がらない。▼天敵が少ない。▼繁殖力が強い。このような点があって増えてしまっています。森林総合研究所の田村さんによると、現在は横浜の市街地など、鎌倉を超えて生息エリアを拡大しているそうです。では現状、鎌倉市はどのような対策を取っているのでしょうか?外来生物に指定されているので、駆除することができます。リスの通り道に「箱罠」というワナを仕掛け、捕らえて駆除しているということです。鎌倉市では、ワナ200台を市民に無料で貸し出ししています。例年よりも被害が大きく、対策費は通年の700万円プラスでかかり、これから予算が通るということです。私たちに一体、どんなことができるのか?鎌倉市からは、こんなお願いがありました。「年末年始など観光で鎌倉を訪れた際は、タイワンリスを見つけて可愛いと思っても、絶対にエサはあげないでください」ということです。また、その“驚くべき適応力”も増えてしまう要因です。まず、▼環境に適応します。▼食べ物は、何でも食べてみて適応します。▼行動力は大変あり、運動神経もいいです。さらには、▼人間を怖がらない。▼天敵が少ない。▼繁殖力が強い。このような点があって増えてしまっています。森林総合研究所の田村さんによると、現在は横浜の市街地など、鎌倉を超えて生息エリアを拡大しているそうです。では現状、鎌倉市はどのような対策を取っているのでしょうか?外来生物に指定されているので、駆除することができます。リスの通り道に「箱罠」というワナを仕掛け、捕らえて駆除しているということです。鎌倉市では、ワナ200台を市民に無料で貸し出ししています。例年よりも被害が大きく、対策費は通年の700万円プラスでかかり、これから予算が通るということです。私たちに一体、どんなことができるのか?鎌倉市からは、こんなお願いがありました。「年末年始など観光で鎌倉を訪れた際は、タイワンリスを見つけて可愛いと思っても、絶対にエサはあげないでください」ということです。イギリスのガーディアン紙によりますと、年間の被害額は約67億円(3700万ポンド)。▼電気配線の絶縁体を剥がしてしまったり、▼断熱材を引き裂いてしまったり、あとタイワンリスもそうなのですが、▼耳に障るようなキャーキャーという鳴き声を出します。このような騒音による睡眠障害なども問題になっています。トウブハイイロリスは、世界の侵略的外来種ワースト100の中にも入ってしまっています。もともと動物自体には問題はないんですけれども、その増え方、生息地域によっては、人間と一緒に暮らしていくのがなかなか難しいという現状です。

(クマ監視カメラ、姿捉える:秋田)
7日午前5時半頃、由利本荘市西目町に設置されたクマ監視カメラに、成獣とみられる1頭の歩く様子が捉えられた。同市は先月中旬から、NTT東日本秋田支店の協力で、自動撮影カメラによるクマ出没・捕獲監視の実証実験を行っている。これまでに、カモシカ、ハクビシンなどが映っていたが、クマは初めて。クマは画面左手の草地と林の間を往復していた。人工知能(AI)がクマと判別し、自動メールで担当課や猟友会員に送ってきた。同市農山漁村振興課は「今月に入ってクマの目撃はないが、カメラを通し今も冬眠せず活発に活動しているのが確認された」と話していた。

(イノシシが小学校の校庭に侵入:埼玉)
7日夕方、埼玉県所沢市の小学校の校庭にイノシシ1頭が侵入したあと外に逃げ、警察や消防などが対応にあたっています。けが人はいないということです。7日午後4時半ごろ、所沢市小手指南にある椿峰小学校の校庭に、イノシシ1頭が侵入したと、学校などから警察に通報がありました。現場は西武池袋線の小手指駅から南西に2キロほどの住宅が建ち並ぶ地域で、警察や市によりますと、イノシシは、体長1メートルから2メートルほどで、当時、学校にいた児童や教職員はいずれも建物の中に避難しけがをした人はいないということです。イノシシは30分ほどたった午後5時ごろ、姿が見えなくなり、警察などが確認したところ、敷地内のプールのフェンスが破れていて、学校の外に逃げたということです。警察や消防が対応にあたるとともに周辺の住民に注意するよう呼びかけています。この小学校の周辺では3日前にもイノシシの目撃情報が寄せられていたほか、7日も午後4時以降に目撃情報が相次いで寄せられ、市が防災行政無線やSNSで注意を呼びかけていました。所沢市では7日午後4時15分ごろに現場の小学校周辺の地域でイノシシが目撃されたという情報が相次いで寄せられ、市が防災行政無線やSNSで外出時の注意を呼びかけていました。所沢市内では4日にもこの近くの小手指町や北中などでイノシシの目撃情報が寄せられ、市が注意を呼びかけていました。

(市役所近くにクマ出没か:東京)
7日夕、東京都八王子市役所から北西約500メートルのグラウンドで市民がクマを発見した。警視庁八王子署員が現場に駆けつけたところ、クマはいなかったが、市民がスマートフォンで撮影した動画にクマが映っているのを確認した。同署によると、クマは1頭で体長などは不明。現場は浅川沿いにあるグラウンドで、市が住民や学校に注意を呼びかけている。

(住宅でクマを目撃:栃木)
11日朝、那須塩原市で住宅の中で熊が目撃されました。那須塩原市などでは住宅がある地域での熊の目撃が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと、11日午前5時ごろ那須塩原市塩原の住宅で、60代の女性が物音に気付き2階の台所を確認したところ、熊1頭がごみ袋をあさっていたということです。熊は、すぐに逃げて姿が見えなくなったということで、けがをした人はいませんでした。那須塩原市では今月、アパートの玄関扉がクマに壊される被害が出ています。また、隣の那須町では先月、散歩中の女性がクマに襲われ軽いけがをしました。警察は、今回、目撃があった周辺でのパトロールを強化し注意を呼びかけるとともに、地元の猟友会の協力を得て捕獲用の「わな」をしかけるなど対策にあたっているということです。

(クマだと思ったら「シカ」の見間違え?:北海道)
12月8日、札幌市西区の宮丘公園でクマの目撃情報がありましたが、市の調査でシカの足跡やフンが見つかり、「クマの可能性は低い」ということが明らかになりました。8日午前11時ごろ公園の近くを散歩していた男性から「クマ1頭を目撃した」という内容の通報が警察にありました。 市の職員が付近を調査したところクマの姿や足跡などは見つからず、調査の結果、付近にシカの足跡やフンが見つかり、市は「クマの可能性は低い」と判断しました。

(ジビエ料理が増加で「鹿肉」が売れている!「闇ルートで売買されている肉も」)
フレンチ料理店などのメニューで見るようになった「今日のおすすめは鹿」。鹿やいのししなどのジビエ料理が近年、増えている。なぜ人気があるのか、野生の動物の肉は本当に安全なのか。気になるアレコレを専門家に聞いた。熊やいのししなど、野生動物の被害や目撃情報が全国で相次いでいる。今年は特に、熊が人を襲う被害が多いが、近年、国が力を入れているのが、鹿による森林被害への対策だ。鹿は繁殖力が高く、捕獲しないと1年で約20%増え、4~5年で倍増するといわれている。個体数が増えることで生息分布も広がり、この35年間で2.5倍に拡大。以前は生息を確認できていなかった秋田県や茨城県などでも確認されていて、樹木の皮をはいだり食害によって土地が裸になって土壌が流出するなどの森林被害が深刻だという。そこで国は狩猟やわなによる捕獲を認めていて、地域差もあるが1頭あたり7千円から9千円ほどの報酬を支払い、頭数削減を促進している。そういった背景もあり、処理施設で解体された鹿を含めた野生鳥獣の数は右肩上がり。去年は15万8千頭近くにのぼった。飲食店や自家消費などでの鹿肉やいのしし肉といったジビエの利用量も2022年は2千トンを上回り、国が調査を始めた2016年と比べると1.6倍に。近年、ジビエ料理を出すフレンチやイタリアンの店が増えたと感じている人もいるだろう。「捕獲数が増えたこともジビエ料理が広まった理由のひとつですが、地方創生という点もあります。野生動物の被害に遭っているのは地方が多いですが、その肉を上手に利用して地域を活性化させようという動きもあるのです」と言うのは、日本ジビエ振興協会代表理事の藤木徳彦さんだ。2014年に国が野生鳥獣の肉の取り扱い方をガイドラインにまとめ、それにのっとった方法で処理する食肉処理施設が全国におよそ800か所もできている。「徐々にですが、鹿やいのししなどの肉を見て『なにこれ』と驚く人が少なくなってきましたね。ロッテリアさんなど、大手企業がメニュー開発してくれたことも身近に感じてもらうきっかけになったと思います」(藤木さん、以下同)。西日本の一部のスーパーマーケットでは、豚肉や鶏肉などと並んで鹿肉やいのしし肉が並んでいるという。さらに、楽天市場などネットのショッピングモールでも「鹿肉」と検索すると、たくさんの商品が出てくる。しかも、中には100グラム100円台の商品も。鹿は有害鳥獣だから安いのだろうか。「いえ、そういうわけではないんです。“正規ルート”の鹿肉は、一般的な豚肉や鶏肉よりむしろ高いことのほうが多いです」鹿はたしかに有害鳥獣だが、だからといって安いわけではない。鹿肉などは、豚肉や鶏肉のように大量生産、大量流通できないので、どうしても高コストになってしまうのだ。たしかにスーパーや道の駅では100グラム500~700円ほどで販売されているものが多い。なぜインターネットでは安く売られているのか。「ネット上で売られているものの中には国が定めたガイドラインを守って解体している処理施設が出荷したものではない肉が、少なからずあると思います。それらはいわば、闇ルートの肉といえます」。正規の食肉処理施設の肉とそうでない肉で一番違うのは安全性だ。「野生動物を肉にするためには皮をはいで内臓を出し、食肉用に切り分けるといった作業が必要になります。正規の食肉処理施設では、ガイドラインにのっとり、安全性を重視した方法で解体されます。一方、例えば昔ながらの猟師さんですと、鉄砲で仕留めた場でお腹を切り、内臓を取り出すこともあります。その際、万一、肛門から排泄物が出て肉に付着すると多少洗ったくらいでは大腸菌は取りきれません。正規の処理施設ではそういうことが起きないよう、十分に配慮して解体しています」。猟師の中には国がガイドラインを定めたことを知らないために、以前から行っている方法で処理して、地域の料理店やネットのショッピングモールに出している人もいるという。「ガイドラインをもっと普及させる必要があるでしょう。たしかにその場で解体したほうが新鮮かもしれませんが、『新鮮だから安全』というわけではありません。安全に食べてもらうためにも、ぜひ正規ルートの肉を食べていただきたいと思っています」。正規ルートと闇ルート、どうやって見分ければいいのか。国は2018年に「国産ジビエ認証」という制度をスタート。正規ルートの中でも特に安全性が認められた商品には「国産ジビエ認証」というマークがつくようになったため、ネットやスーパーなどで購入する場合は、そのマークがついている商品がおすすめだ。ジビエ肉の一番の魅力はなんだろうか。「ずばり、おいしさです。一般的な牛や豚、鶏はすべて家畜です。もちろん、家畜の肉にも安定して供給できるなど、いいところはたくさんありますが、天然の肉には家畜の肉にはないおいしさがあります。天然の野生動物は野山を走り回っているため筋肉質。鹿肉などの赤身肉は肉本来の味を楽しめ、いのししなどの脂身はさっぱりしていて、もたれません。ていねいに処理された肉には臭みは一切ないので、ご安心ください」。栄養面でも、例えば鹿肉は高タンパクで低カロリー、鉄分やビタミン類も多く含んでいる。どんな食べ方がおすすめか、鹿やいのししの肉をスーパーや道の駅に卸している広島市の業者に聞いた。「しゃぶしゃぶが一番ですね。脂のとろけるようなうまみが口いっぱいに広がります。あとは、唐揚げやカツなど、揚げ物にしてもおいしく食べられます。生食や表面だけを炙る“たたき”は食中毒のリスクがあるのでNG。しっかり中心部まで火を通して食べるようにしてください」(株式会社フレッズ東京営業所所長の曽田敏幸さん)。ひき肉ならハンバーグやミートボールにすると赤身のうまみが感じられておいしいと、長年、ジビエ料理を作っているシェフでもある藤木さんが教えてくれた。東日本ではまだほとんどスーパーに並んでいないジビエ。レストランやビストロのメニューにあったら、注文してみてはどうだろう。流通の問題がクリアになれば、牛肉、豚肉、鶏肉に続く“第4の肉”になる日も、そう遠くないかもしれない。

(猪肉キーマカレー開発:神奈川)
鶴巻温泉駅前でジビエ肉の卸売を行う川上商会(秦野市鶴巻南1の1の5)がレトルト食品「丹沢ジビエ・イノシシ肉のキーマカレー(赤ワイン風味)」を開発。11月29日から販売している。地元商店らが推進する「猪鹿鳥グルメ ジビエの街鶴巻温泉」の取り組みを加速させるため、不動産業を営む川上拓郎社長が資格を取り立ち上げた同社。「丹沢ジビエ」の名称でブランディングし飲食店へ卸している。この中で川上社長は、「鶴巻のジビエの知名度向上にシンボリックな商品が欲しい」と新商品開発に着手。丹沢ジビエの取り組みで出会ったレトルトパックなどを製造する大手企業「東洋製罐」の食品・開発支援サービス「Future Foods Labo.-ふふら-」を活用した。開発で苦労したのは、レトルトパックでかける高圧・高温で飛んでしまうカレーの風味の安定と、食感を損なわないためのミンチ肉や野菜の大きさ調整。老舗ホテル勤務経験とフランス料理の知識を持つ川上社長が味見を繰り返し、本格フレンチ仕立てのレトルトカレーのレシピを作った。価格は税込1200円。市内在住のコーディネーターも協力し、土産などにも使えるよう高級感あるパッケージに仕上げた。「量産が難しく、いかにジビエ肉を安定して確保するかは一つの課題。合わせて、新しい販路の開拓も模索していく」と川上社長は話す。

(獣害軽減、ジビエの事業化:和歌山)
全国各地でニュースが相次ぐ野生動物による獣害。特にイノシシなどによる農業被害は深刻で、生産者への打撃や対策のための負担増は計り知れない。和歌山県田辺市の中山間地の農家らが結成した株式会社「日向(ひなた)屋」はジビエ(野生鳥獣肉)の処理施設を誘致し、飲食店などと連携もして農業被害の軽減とジビエの地域資源化に成功している。耕作放棄地の再生にも尽力している同社の岡本和宜(かずのり)代表取締役(44)に、取り組みの経緯や活動について聞いた。

(ジビエ、背景知って食べて:島根)
「野菜とジビエ、たまにお蕎麦(そば)。」。松江市の中心部から南へ約15キロ。古くから信仰を集める熊野大社の参道脇に飲食店「安分亭」がある。主に金~日曜日の昼に開店し、参拝客に季節の野菜とイノシシ肉を使ったメニューなどを提供する。運営する合同会社弐百円の代表社員が森脇香奈江(42)だ。

(シカ革加工体験:北海道)
シカ革の加工体験を通じてエゾシカの有効活用について考えてもらう出前講座が道東の別海町の高校で行われました。別海高校で6日、行われた講座には2年生と3年生の合わせて11人が参加しました。はじめに根室振興局の職員が道内では昨年度、エゾシカによる農林業被害が48億円にのぼり、適正な生息数にするためにもエゾシカを資源ととらえて有効活用することが大切だと説明しました。続いて生徒たちはシカ革の加工体験として斜めがけできる小型のバッグ「サコッシュ」作りに挑戦し、革をテープで仮止めしたあと専用の道具で針を通す穴をあけて縫い合わせ、およそ1時間かけて完成させていました。参加した2年の男子生徒は「針を通すのが大変だったが、途中からコツをつかめたので楽しかった」と話していました。根室振興局保健環境部の河崎淳係長は「肉をはじめ、革などのエゾシカ製品をもっと身近に感じてもらえるようになれば」と話していました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、13日午後2時45分ごろ、栗原市築館木戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前6時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋水上南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、12日午前7時50分ごろ、栗原市築館木戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、11日午後3時40分ごろ、栗原市築館木戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、10日午後4時20分ごろ、栗原市志波姫堀口御駒堂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、8日午後2時30分ごろ、栗原市築館左足西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、8日午後1時30分ごろ、栗原市金成小迫中崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、8日午前8時15分ごろ、栗原市築館上宮野白坂にクマが出没しました。

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12/8
(鳥獣保護管理員が許可を受けていない場所で猟銃を発砲:新潟)
ことし3月、鳥獣保護管理員としての勤務時間中に、業務外である有害鳥獣捕獲のため、鳥獣保護管理法に基づく鳥獣の捕獲等の許可を受けていない場所で猟銃を発砲し、鳥獣保護管理法、銃砲刀剣類所持等取締法違反の疑いがある。ことし10月に県主務課(環境対策課)へ入った情報提供を受けて事実関係を確認してきた。鳥獣保護管理員は、鳥獣保護区等の管理、狩猟取締の実施、傷病鳥獣の保護収容等を職務とし、原則として4月~9月は月1日、10月~3月は月2回勤務し、全県で約80人を配置している。

(また子供がサルに襲われる:福岡)
7日午前8時前、福岡県那珂川市の路上で、男児1人が徘徊していたサルに襲われ軽傷を負いました。この地域では、9月以降、幼い子どもを中心にサルに襲われる被害が相次いでいます。警察によりますと、7日午前8時前、小学校の教諭から、「午前7時40分頃、小学3年生の男子児童がサルにかまれた。同級生と通学中、サルと対面した。サルが飛びかかってきて左腰と右膝、左臀部をかまれた。サルは南西方向に逃げていった」と消防に通報がありました。男児は、病院で手当を受けているということです。サルは、男児がかまれた約10分後にも、現場から約100はなれた場所で目撃されています。那珂川市や隣接する福岡市南区では、今年9月以降、あわせて14人がサルに襲われけがをしています。そのうち10人が子供で警察などが注意を呼びかけています。

(クマ出没情報、メールで配信へ:秋田)
秋田県は6日、クマの出没情報に特化した新たなシステムを開発し、出没情報を登録者にメール配信する方針を明らかにした。クマ被害防止に役立ててもらう考え。2024年度からの運用開始を目指す。県によると、新たなシステムは、県警や市町村、県民から提供された情報をインターネット上の地図にすぐ反映させ、誰でも閲覧できるようにする。メールは登録制とし、選択した地域の出没情報を受信できる仕組みを想定している。

(実は難しいジビエの地域資源化:和歌山)
全国各地でニュースが相次ぐ野生動物による獣害。特にイノシシなどによる農業被害は深刻で、生産者への打撃や対策のための負担増は計り知れない。和歌山県田辺市の中山間地の農家らが結成した株式会社「日向(ひなた)屋」はジビエ(野生鳥獣肉)の処理施設を誘致し、飲食店などと連携もして農業被害の軽減とジビエの地域資源化に成功している。耕作放棄地の再生にも尽力している同社の岡本和宜(かずのり)代表取締役(44)に、取り組みの経緯や活動について聞いた。――2016年に地域の農家だけで獣害対策チームを作ったのが始まりと聞きました。◆私は上芳養(かみはや)の日向地区で、ミカンと梅を生産する農家です。年々、イノシシやシカなどの野生動物による被害が深刻になり、畑に出ればミカンの皮が散乱しているような状態でした。地域で鳥獣害対策に取り組んでいたのは60代の2人だけでしたが、対応ができなくなっていました。このままでは立ちゆかなくなると考え、地域の若手5人で狩猟免許を取得して「チームひなた」を結成したのが始まりです。当時は自宅の裏でもわなでイノシシが捕れるような状況で、年間約130頭を捕獲できました。――その後に獣肉をジビエとして処理するための施設を誘致したんですね。◆最初こそ釣りと同様の感覚でしたが、殺さなければならないことが精神的な負担になっていきました。肉を活用するにもジビエに精通しておらず、処理や流通の知識もありません。自分たちだけでは無理だと考えていた時に、知り合いから田辺市出身で狩猟と解体処理に高い技術を持つ湯川俊之さん(45)を紹介していただけました。湯川さんが将来は施設を構えたいという思いを持っていたので、地域の理解を得て、処理施設「ひなたの杜」を誘致しました。その際にチームひなたも株式会社化して「日向屋」となりました。湯川さんは処理施設の責任者を務めています。――ジビエの事業化は容易ではないと聞きます。◆誘致の際に、県の担当者からは「全国に500以上あるジビエ関連施設のほとんどは赤字だ」と言われました。黒字の事業とするには高い品質と安定供給が必要なためです。その目安が年間約600頭と分かったので、県内JAの支所で説明会を開き、わなで捕獲した後のイノシシやシカの処理を請け負うことを呼びかけました。現在は50~60人の狩猟免許を持つ農家に協力していただき、北は海南市から南は上富田町までの広い地域を担当することで、年間600頭をクリアできるようになりました。捕獲した段階で食肉になるかどうかの目利きと血抜き、解体処理を湯川さんが担当することで、臭みを抑えたおいしい肉を安定供給することができ、次第にリピーターも増えました。地区内のフランス料理店やネット販売だけでなく、営業で販路を広げて県内の飲食店やホテルでも使用していただいています。――22年度にはこの取り組みが評価され、「鳥獣対策優良活動表彰」で農林水産大臣賞(捕獲鳥獣利活用部門)などを受賞しました。◆日本一になってこの賞を取りに行きたいと思っていたので、ジビエ以外も含めてやってきたことが評価されたのはうれしいです。――その取り組みの一つが、放置すれば獣害拡大にもつながる耕作放棄地の再生ですね。◆私たちは新規就農希望者の受け入れもしています。急傾斜地ではない畑も空き始めているので、地元出身者以外でもここで農業をやりたい人を受け入れ、日向屋が地域と希望者をつなぐ中継地になればと考えています。また、眺望のいい耕作放棄地をキャンプ場として活用するといった観光事業も進めたいですね。さまざまな仕事を組み合わせてコンテンツを作り、人を呼び込んで次の仕事につなげていけるのが私の考える農業の魅力です。――他の地域でも日向屋の取り組みを参考にできるのでしょうか。◆多くの自治体から視察にも来ていただいていますが、ジビエの事業化は分業が必要なため猟師だけでは困難です。販売や流通を自治体が責任を持って継続できないのであればやめるべきだとも伝えています。行政は無理に処理施設やジビエの商品化にこだわらず、まずは狩猟ができる人の育成・雇用の支援や処分場などの整備をするだけでもいいのではないでしょうか。

(クマの捕獲頭数、上限超える820頭と過去最多に:岩手)
県内でクマによる人身被害が、ことし過去最多となるなか、今年度捕獲された頭数が先月下旬時点で、捕獲上限を上回る820頭とこれまでで最も多くなったことが県のまとめでわかりました。岩手県は、クマの生息数を適正な状態とするため、毎年、ツキノワグマの捕獲数の上限を設定していて今年度は686頭となっています。しかし、県内ではクマに襲われケガや死亡する人が今月6日時点で49人と、過去最多となっていて、猟友会などによる捕獲が増えています。県によりますと、ことし10月中旬時点ですでに2020年度の555頭を上回り、過去最多となっていましたが、その後もクマが捕獲されるケースが相次ぎ、先月20日時点の速報値で、上限を大幅に上回る820頭にのぼっているということです。県のツキノワグマ管理検討委員会は、ことし8月に来年度の捕獲数の上限を過去最多の796頭に引き上げていますが、その頭数も上回っています。県自然保護課は「人への被害が増え続ける中で捕獲数の増加はやむをえないが、今後も専門家の意見を聞きながら複数年単位で適切な頭数管理を行っていきたい」としています。県内では今月に入っても人がクマに襲われていて冬眠の時期を前に活動が活発化しているとみられ、県などは引き続きクマに警戒するよう呼びかけています。

(野生動物の被害2年連続減少:福島)
イノシシやカラスなどの野生動物による県内の農作物の被害額は、昨年度、1億1000万円余りとなり、2年連続で減少しました。ただし、イノシシなどの被害が減少したものの、ニホンザルやカラスの被害は増加しました。県によりますと、昨年度の野生動物による県内の農作物の被害額は1億1885万円で、前の年度より2099万円、率にして15%少なくなり、2年連続で減少しました。動物の種類別にみますと、最も多いイノシシが全体の37%を占める4400万円余りとなっていますが、浜通り、中通り、会津ともに前の年度と比べて減少しました。電気柵による防除対策の効果のほか、ブタの伝染病、CSF=豚熱の影響で、個体数が減った可能性があるとみられています。イノシシについで多かった被害は、ニホンザルが全体の21%、カラスが16%を占めていて、いずれも前の年度の1.3倍以上に増えています。これについて県は、ニホンザルの生息域が浜通りにまで拡大しているほか、中通りでカラスやムクドリが果物を食べる被害があり、被害額が近年、高止まりしていると分析しています。県環境保全農業課は「これまでの対策が一定の効果を生んでいると思うので、被害を防ぐ方法を自治体の担当者や地域住民に引き続き周知したい」としています。

(クマの捕獲へ県が計画見直し検討:福井)
クマの出没が相次ぐ中、県は人に危害を及ぼす可能性がない個体でも捕獲できるよう、野生動物の保護や管理に関する計画の見直しを検討しています。12月県議会の一般質問で6日、県が説明したもので、現在の計画では、ツキノワグマは人に危害を加えたり、その可能性がない限りは捕獲することができないとされていますが、近年は数が増え、生息範囲が広がっているとして、人的被害の可能性がなくても捕獲できるよう「保護」から「管理」に移行することを検討しているということです。県内では今年度、11月末までに合計701頭のクマの出没が確認されていて、前年度1年間に確認された数の2倍以上に上っています。県は専門家の意見も仰ぎながら、計画の見直しを行う考えです。

(クマ捕獲わなを設置:兵庫)
丹波市内で、くくりわなにかかり動けなくなったシカがツキノワグマに2頭食べられた事案(下部に関連記事)を受け、人身被害を防ぐため、同市は1日、事案が起こった現場に有害捕獲用わなを仕掛けた。シカの脚、ハチミツ、柿を餌に使い、わなかにかけようとしているが、5日午前時点で捕獲に至っていない。設置期間は2週間。一般的な箱わななどに使われる線材の檻より強度が強い「ドラム缶わな」を設置した。ツキノワグマのわな猟は禁じられているが、精神被害や人身被害、農林業被害の防止に必要と認めたときに、県丹波農林振興事務所が市の申請に基づき許可する。わなにかかった場合は、許可を得た猟師が銃で仕留める。2件目の事案発生が11月24日。地元自治会長は同26日、丹波新聞社からの照会で事案を知り、市に有害駆除を要請した。12月3日には県、市の指導で、自治会役員が現場近くになっている不要柿をもいで回った。担当猟師は「わなを仕掛けるタイミングが少し遅かった。間を置かずにやった方が良かった」と捕獲は困難とみている。専門家は特定の個体の仕業とみており、シカ肉に執着するこの個体が、他の場所で同様の事案を生じかねず、わなで捕る猟師に危険が及びかねないと、警鐘を鳴らしている。

(シカ侵入と温暖化が脅威、森林生態学者に聞く白神山地の課題)
白神山地に広がる美しいブナ林を後世に引き継ぐためには、どうすればよいのか。遺産地域の保全管理について助言する有識者会議で委員長を務める中静透森林研究・整備機構理事長に、現状や課題を聞いた。――世界遺産登録から30年が経ちますが、ブナ林に変化はみられますか。当時と比べて、大きな変化は起こっていません。ただ、心配なことが二つあります。一番大きいのは、ニホンジカが入り始めたこと。青森、秋田両県では、明治以前に一時は絶滅しましたが、近年分布が再拡大し、2015年には遺産地域内で初めて確認されました。岩手県から入って来ているとみられます。まだ、遺産地域での影響はほとんどないですが、今後の食害が心配です。林床のササやブナの芽生えなど、シカはほとんどの植物を食べてしまう。かつても白神山地にはシカがいたので、いまぐらいの数でとどまれば、そんなに問題はありません。しかし、目撃頭数は毎年増加しており、さらにシカが増えれば、森の生態系が崩れてしまいます。――有効な対策はあるでしょうか。シカは増え始めると、あっという間に増えます。駆除が一番効果的ですが、まだ数が少なく、ハンターがシカに出合うこと自体がほとんどありません。打つ手は限られ、わなを仕掛けることぐらい。シカは積雪に弱いので、比較的雪の少ない場所で越冬していると考えられ、越冬地を突き止めることも有効です。――もう一つの大きな心配とは。地球温暖化です。1980年ごろから比べると、日本の平均気温は0・5度上がりました。2100年までに、もしかしたら3度ぐらい上がるかもしれません。樹木は、気温や降水量により、生育に適した地域(適域)があります。温度が上がれば、分布適域も標高の高いところへ移動せざるをえません。そうなると、ブナの分布に適した場所が限られ、低い山だとブナが追い出されてしまう可能性もあります。白神山地の標高は、高いところでも約1200メートル。いまは遺産地域のほとんどが適域ですが、温暖化が進めば、上の方にしかブナが残らないことも考えられます。いまより温度が4度上がると、遺産地域の大部分がブナの分布に適した場所ではなくなるとの研究もあります。温暖化が原因かは分かりませんが、兆候ともとれる事例もあります。20年ほど前から標高の低いブナ林の種子が少ない。林の中の芽生えも少ない。でも、標高600~700メートルでは種子もあるし、芽生えもあります。単に場所の特性の可能性もあるので、温暖化が理由だとは断言できませんが、心配しています。――地球温暖化は全世界で取り組む課題。地域だけで対処するのは困難です。一般的な対策として、ブナの植林などが考えられます。しかし、自然のままで生態系が健全に保たれていることが、世界遺産の大事な条件になっています。世界遺産のブナの原生林に人の手を加えていいのかは、相当議論が必要でしょう。――核心地域への入山については、青森側が届け出制、秋田側は原則禁止と対応が分かれています。生態系的には、青森側は入っても良くて秋田側はだめ、という理由はありません。同じブナ林です。仮に、秋田側の核心地域にも青森側と同じぐらい人が入っても、帰化植物の侵入など青森側でこの30年間に起こった程度の変化で済むのであれば、大きな影響はありません。入山を禁止することで、困ることもあります。人が入らないので、森の中の状態が分からず、変化に気付けない。どれくらい人を入れるかの問題はあります。個人的には、ルールを決めて条件付きで入れる方が、むしろ中のことが分かってよいと思います。

(クマが出没したら、役場職員・警察官・猟友会が対応を学ぶ:静岡)
ツキノワグマの目撃情報が相次ぐ中、クマが出没した場合の対応について学ぶ研修会が静岡県函南町で開かれました。この研修会は函南町が環境省の補助を受けて初めて開き、役場の職員や警察官それに猟友会のメンバーなどが参加しました。函南町では2023年に目撃情報はありませんが、誤ってワナにかかっていた場合や山の近くでの注意点など専門家から説明を受けていきました。鳥獣保護管理捕獲コーディネーター・奥村忠誠さん:クマにとっては山と畑の境はないので、放棄果樹や畑が山際にあるような時はしっかり対策をしないとクマを誘引していることになってきます。函南町は研修会をもとに関係機関と協議しながら対応マニュアル作りを進めるということです。

(獣害対策でゆず収穫:東京)
上恩方町にある恩方中学校(植田恭正校長)の生徒らが11月17日、猿などによる獣害対策のため近隣農園で出荷予定のないゆずを収穫した。収獲した約120キログラムのゆずは、市内全公立小中学校で12月22日の冬至前後に給食として提供される予定だ。エサを求め山からおりて来た猿やイノシシにより、農作物や人間の生活に被害を及ぼす獣害。市内でも被害は出ており、野菜や果樹などを収穫せずに放置することが野生動物がやってくる一つの要因と考えられている。今回、上恩方町の一角にあるゆず園で収穫作業を行ったのは、恩方中学校の2年生約85人。実を傷つけないハサミの切り方などのレクチャーを受け、30分ほど作業に当たった。男子生徒は「枝ごと切って手元に寄せてからもう一度切ると見た目がきれい」。女子生徒は「全部獲ってしまえば猿の被害も減るのかも」と作業に精を出した。この取り組みは今回が初実施。宮ノ下町会(馬場俊男会長)や力石町会(中村光夫会長)で農作物への獣害被害があることや、恩方中の敷地内に猿が出没することなどを受け、町会、学校、市獣害対策課などがタッグを組んだ。上恩方町で個人の事情により出荷予定のないゆずの木約40本に対し、学校側は獣害対策や地域理解、地域貢献の一環として収穫作業に参加。収獲したゆずは市が買い取り、学校給食課が冬至の日に合わせたゆずメニューを市内の全公立小中学校に振る舞う予定。馬場会長(宮ノ下町会)は「たくさんの人手により、無駄になる果樹が減った」と生徒たちの活躍を称えた。一方の植田恩方中校長は「一回で被害がなくなるわけではないが、地元への貢献として参加させていただいた」と話した。ゆずは冷凍し、魚介類の「柚子みそ焼き」やタレにゆずを使用した「幽庵焼き」などで提供される。獣害対策課の担当者は「三方よしの取り組みなので、他の果樹や町会でも水平展開していけたら」と展望を話す。

(カメラ設置「多様な動物いること知って」:北海道)
滝川高の長沢秀治教諭(56)が、市江部乙町の林道などに自動撮影のカメラを設置し野生動物を記録している。これまでにエゾシカやアライグマ、キタキツネなど約10種の姿を捉えた。長沢さんは「江部乙に多様な動物がいることを知ってほしい」と話す一方、林道を歩くヒグマも撮影されていることから「山に入る際はヒグマ対策を」と呼び掛けている。

(マダニに噛まれて感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に注意)
クマやシカ、さらにキョンなどに寄生したマダニが人の生活圏内に侵入することによって、マダニが媒介する感染症の脅威が懸念されているという。そのなかでも致死率は最大で30パーセントと言われ、現時点で特効薬もないというのが「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」だ。国立環境研究所室長の五箇公一氏はマダニについて「血を吸うダニで本来は野山に住んでおり、クマやシカ、イノシシの血を吸っている」と解説。しかし最近ではシカやイノシシによってダニが下界まで降りてきて、そのダニを外来のアライグマが町の中まで運んできてしまうというのだ。その結果、町の身近な公園でもマダニが出てくるケースが増えており、知らないうちに噛まれてしまいマダニが媒介する病気を発症してしまう。そのなかで特に問題になっているのが新興感染症のSFTSだという。発熱、嘔吐、下痢といった症状が現れ、致死率は最大30パーセント。現段階では特効薬となるワクチンも存在しない病気だ。五箇氏はSFTSについて「2009年に中国で初めて発生した病気で、日本も2012年から西日本を中心に発症が始まり、侵入源としては大陸から入ってきている可能性が高いとされる」と説明。「そういったウイルスがじわじわと東日本にもせまってきていて、ここ関東でもこういった病気が広がり始めている」と注意を促した。

(“弾丸発射能力あり”大量の改造マシンガンなどを密売か:埼玉)
海外のマシンガンや小銃などの軍用銃を許可を受けずに営利目的で譲渡した疑いで、会社役員の男(33)が7日、逮捕された。輸入業者を通じてモデルガンとして購入した機関銃を、弾丸が発射できるよう改造していたとみられている。警察は、男の自宅から押収された大量の銃を公開した。会社役員・吉田奈巨(だいち)容疑者(33)=埼玉県川越市は2020年2月から去年10月にかけて、広島県や兵庫県に住む医師の男ら2人に機関銃2丁と小銃9丁を計442万円あまりで売り渡した疑いが持たれている。許可を受けないまま自宅に小銃3丁を隠し持っていたとして、先月16日に逮捕されていた。警察は、吉田容疑者が、1人には広島県内の郵便局で6回にわたって、もう1人には兵庫県の店舗で5回にわたりそれぞれ機関銃や小銃を譲ったとみている。警察によると、今年4月、オークションサイトに小銃の部品が出品されていると情報が寄せられたのが捜査のきっかけ。いきさつを捜査する過程で、吉田容疑者が軍用銃を所持・販売している疑いが浮上したという。警察は、吉田容疑者の自宅のほか、譲り受けた医師の男ら2人の関係先も家宅捜索。機関銃と小銃の計37丁を押収し、公開した。吉田容疑者は、これらの軍用銃を弾丸を発射できないモデルガンとして加工販売する国内の輸入業者を通じて入手。その後、発射できるように改造して譲り渡したとみられている。警察は、捜査に支障を来すとして、吉田容疑者が軍用銃を密売した容疑を認めているかどうか明かしていない。自宅に隠し持っていたとされる銃については「発射機能があったことは理解できました。所持していたことは仕方ありません」と供述しているという。譲り受けた2人は先月17日に銃刀法違反の疑いで書類送検されている。

(ツキノワグマ捕殺、わなから逃れようと暴れ:神奈川)
神奈川県は6日、相模原市緑区小渕の樹林に設置されたわなにツキノワグマ1頭がかかり、殺処分したと発表した。県によると、クマは体長約1・5メートル、体重78キロの雄。同日午前にシカやイノシシを捕獲するためのわなにかかっているのを発見された。近くには住宅があり、クマがわなから逃れようとして暴れたため、人身被害の危険があったことから、やむなく殺処分した。クマがシカやイノシシ用のわなにかかる「錯誤捕獲」は本年度9件目。うち7件で殺処分となった。

(クマを河川敷で目撃:長野)
長野県松本市安曇で体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。クマが目撃されたのは松本市安曇の梓川河川敷内です。12月6日午後4時すぎ、目撃した通行人から市へ連絡があり、警察に通報しました。市の職員が現場にかけつけたところ、しばらくクマは河川敷内にいましたが、その場を立ち去ったということです。クマの体長は約1メートルだということです。これまでに人的・物的被害は確認されていないということです。警察と市は外出を控えるよう付近の住民に呼びかけています。

(壊されたアパートドアの穴の向こうにクマの鼻:栃木)
4日午前2時頃、栃木県那須塩原市塩原のアパート2階で住人の70歳代の女性が、物音で目覚めたところ、クマ1頭が玄関を壊そうとしているのを見つけた。女性が室内からホイッスルを吹くとクマは逃げ去った。女性にけがはなかった。那須塩原署によると、ドアは木製で、女性は壊された穴からクマの鼻が見えたと話しているという。同署は地元猟友会と協力し、周辺の警戒に当たっている。

(痩せたクマが市街地に出没:北海道)
雪の中を走り回るクマ。12月4日、北海道芦別市の市街地に現れたものです。体長1.2mほど、体重約70kgと痩せたメスのクマで2~3歳とみられています。襲いかかってくるそぶりを見せたため、危険と判断。事前の許可を得ていたため、駆除されました。この映像を見た専門家は。「この時期は冬眠直前なので、本来であれば体脂肪をつけて太っていないとまずいが、そうは感じなかった。たくさん食べないといけないが、十分にできていない。そのため人里に出てきてしまった可能性が高い」(北海道大学大学院 獣医学研究科 坪田 敏男 教授)。例年だと11月下旬には冬眠に入ると言われているクマですが、2023年は異変が相次いでいます。木にクマが背中をこすりつけています。自分の臭いをつける「背こすり」という行為です。12月1日、北海道知床の羅臼町で撮影された映像です。林の中を悠々と歩きまわるクマの映像も。12月3日に、やはり羅臼町で撮影されました。猟友会の桜井憲二さんによると、羅臼町内に設置した自動撮影カメラには異なる3頭のクマが映っていたといいます。この時期にクマが出没する背景は。「冬眠に入るタイミングが遅れていると思う。2023年は極端に餌が足りていないので、このままでは冬眠に入ると命の危険がある。ぎりぎりまで餌を探しているパターンが考えられる」(北海道大学大学院 坪田 教授)。2023年9月には、同じ羅臼町でガリガリに痩せこけたクマが撮影されています。クマの餌となるドングリの不作や、サケ・マスの遡上が少なかったため、餌を十分に食べることができなかったとみられています。「夏から秋にかけてクマの餌が不足していたのは間違いない。極端に食べられなくて体脂肪を蓄えられなかったクマは、冬眠中に死んでしまう可能性も」(北海道大学大学院 坪田 教授)。2023年はクマの冬眠に大きな異変が起きているようです。

(クマ多数出没:神奈川)
全国でクマの出没情報が頻発する中、区内でも11月に3頭のクマがイノシシ用のわなに掛かった。目撃情報はそれ以上にあり、現場で対応する県猟友会津久井支部の小坂義和支部長は「クマがイノシシの領域にまで来ている。十分に気を付けてほしい」と注意を促す。クマは、11月7日寸沢嵐、11日千木良、25日澤井で見つかった。どれもシカやイノシシを捕獲するためのわなにツキノワグマが掛かっていた。現場で対応した同支部の小坂支部長は「イノシシの領域にクマが出没しているということは、人家からとても近い距離で出ているということ」と危機感を口にする。区政策課鳥獣対策班に寄せられた今年度のクマの通報件数は44件で前年度は32件だった。実際はイノシシの痕跡だったものなどを含むが、すでに昨年1年の件数を上回っている。幸いにも今のところ大きな人的被害はない。今年の夏は、全国で猛暑日が過去最多を更新するなど、暑さで作物が育たないなどの影響が出た。「山の中も実ができず食べるものがない。さらにナラ枯れによりドングリができない。山の餌がなくてクマが出てきているのでは」と分析する。実際にわなに掛かったクマを見た小坂支部長は「痩せ細っていて、本来の体重の半分ほどになっていた」と話す。なお、シカやイノシシの捕獲については「例年同様」という。11日の千木良での捕獲後、同会では緊急でクマがわなに掛かった際のマニュアルを作り、会員に周知した。小坂支部長は、「クマは足跡が付きにくく、わなに掛からなければここまで来ているのが分からなかったと思う。人家のすぐそばにも出てきている状況で、『まさか』というところに出ている。こんなに近くで出ることはこれまでに無かった」と驚きを隠せない。クマ対策として、小坂支部長は音の出るものを身に着けてほしいと強調する。「これから初詣や初日の出などで山に入る人もいると思う。近くの山でも鈴やラジオを持って行くなど、音の出るものを持って対応してほしい。音がすればクマは逃げる傾向にある」と大前提として遭遇しないような準備が必要と言う。しかし、もし遭遇した場合は「走って逃げてはいけない。動物の習性でこちらが逃げると動物は追いかけてくることが多い。視線を逸らさずに後ずさりして対応を」と話す。

(産官学連携開発ジビエバーガーの販売開始:長野)
長野県長野市若里に本社を構えるAKEBONO株式会社(代表取締役:井上 格 長野県長野市)では「人と地域に優しい」を会社理念に、2019年から耕作放棄地対策とエネルギー化が期待される穀物、信州産ソルガムの普及促進に取り組んできました。食品利用としてのポテンシャルも高い事から、公立大学法人長野県立大学(長野県長野市)と食品利用における共同研究の取り組みを行ってまいりました。この度、AKEBONO株式会社では長野市農林部森林いのしか対策課、長野県立大学との産官学共同で開発したジビエバーガーの開発を行いました。開発したジビエバーガーはAKEBONO株式会社の運営する「グルテンフリー専門店 縁-enishi-sorghum&glutenfree」での販売を予定しています。

(イタリアンの名手が住宅街にワンオペレストランを開業するまで:東京)
2023年9月にオープンした『ジビヱ 岸井家』。ハンターでもある岸井悠士シェフが自ら仕留めたジビエを提供するワンオペレストランだ。お店が位置するのは東北沢駅から数分の住宅街。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、7日午後7時55分ごろ、富谷市三ノ関三枚橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後7時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋水上北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前11時30分ごろ、栗原市一迫北沢寺沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前8時10分ごろ、栗原市一迫嶋躰竹の内にクマが出没しました。

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(クマの「管理鳥獣」指定へ検討会)
伊藤信太郎環境相は5日の衆院環境委員会で、相次ぐクマ被害を踏まえて鳥獣保護法に基づく「指定管理鳥獣」への追加を議論するため、専門家による検討会の設置を表明した。現在はイノシシとニホンジカを指定している。農産物や生態系、生活環境に被害を与えるとして、捕獲を促して生息の数や範囲を抑えるかどうかを検討する。伊藤氏は年度内に方向性を示すよう指示したことを明らかにし「人身被害対策を最優先しつつ、科学的に検証する」と述べた。過去には過度な捕獲などによってクマが絶滅したり、絶滅の危機に陥ったりした地域もあるとして「こうしたことを繰り返さないようにする」と強調した。

(40代男性がクマに襲われけが:岩手)
12月に入ってもクマによる人への被害が相次いでいます。5日朝も大船渡市で40代の男性がクマに襲われ、けがをしました。5日朝、大船渡市立根町の市営住宅の駐車場で40代の男性がクマに襲われ、頭や顔にけがをしました。男性は会話ができ、命に別条はないということです。県内では、今月2日にも北上市で64歳の男性がクマに襲われていて、これで12月に入ってから2件目の被害となります。岩手県によりますと、12月に人がクマに襲われて被害を受けたのは2015年以来です。クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所の大西尚樹チーム長は、「クマは例年だと冬眠に入っているが、ことしは12月に入っても出没している。エサを求めて山から下りてくるので庭先のカキなどを摘み取るか、処分するかしてクマを引き付けない対策を取ってほしい」と話しています。

(熊やイノシシに襲われてけがしたら、保険で補償されるの?:長野)
今秋、全国各地で人の生活圏での熊の目撃や被害が相次いでいますが、熊による被害に遭った場合、保険で補償されるのでしょうか―。長野市の60代男性から本紙「声のチカラ(コエチカ)」取材班にこんな疑問が寄せられた。熊を含めた野生鳥獣全般に対象を広げ、保険の専門家などに取材してみた。「保険会社や契約内容にもよりますが、野生鳥獣による人的、物損被害は生命保険や損害保険で補償の対象になるケースが多いです」。県内約200の損害保険代理店が加盟する県損害保険代理業協会の会長福嶋利行さん(59)=松本市=はこう説明する。

(ハト1羽ひき殺して逮捕:東京)
東京都新宿区の路上でハト1羽をひき殺したとして、鳥獣保護法違反の疑いで、タクシー運転手の男が逮捕された。警視庁新宿署は「徐行したりクラクションを鳴らしたりせず、スピードを出してハトをひいた。プロの運転手で、模範になる運転をすべきだった」と説明する。同署では、立件するためにひき殺されたハトの解剖も行ったという。日本の法制度は、動物虐待に厳しい態度で臨む。6月には、名古屋市の男が狩猟可能区域外である市内の寺の境内や駐車場で、「朝、カラスの鳴き声がうるさかったから」と許可なく農薬入りのエサをまき、カラス13羽を死なせたとして、同法違反の疑いで逮捕された。令和3年3月には、徳島県佐那河内村役場に勤務する男が、同法などで捕獲が禁止されている野鳥4羽を剥製にして自宅で保管していたとして、略式起訴された。男は狩猟免許を持ち、村の業務の一環でカラス駆除を担当。カラスとともにわなに入ったタカ、フクロウなど野鳥計4羽を一緒に殺処分していたという。動物虐待を規制する法律としては、一般に動物愛護法が知られる。同法は保護対象を牛、馬、ブタ、めん羊、ヤギ、犬、猫、イエウサギ、ニワトリ、イエバト、アヒルとし、これらは野生でも飼っていても規制が適用される。このほかの哺乳類や鳥類、爬虫類は、人が飼育している場合に保護対象となる。11月28日には、病気の犬3匹に適切な治療をしなかったなどとして、名古屋市のペットショップ運営会社の男が、同法違反の疑いで逮捕された。動物愛護法の対象外となりがちな野生動物に、さらに保護の網をかけるのが鳥獣保護法だ。野生の鳥類や哺乳類を原則保護対象とし、むやみに捕獲したり、殺すことが禁じられている。

(クマ捕獲にネット技術使った監視システム導入:山形)
全国各地でクマの目撃情報などが相次ぐ中、酒田市は安全対策につなげようとクマを捕獲するわなをインターネットにつなげる技術を使って監視するシステムを導入しました。酒田市の今年度のクマの目撃情報は、先月27日時点で、201件と初めて200件を超えて、記録が残る平成18年度以降で最も多くなっています。こうした中、市は、今年度からクマを捕獲するわなを、インターネットとつなげる「IoT」の技術を使って監視するシステムを導入しました。このシステムは、クマがわなにかかるとセンサーが作動し、自動で画像が撮影される仕組みになっています。画像は、市の担当者などにメールで送信されるため、24時間監視しながら、リアルタイムで捕獲されたかどうか確認することができます。市によりますと、全国ではわなの見回りに行った人が襲われるケースもあるということで、システムの導入によって、見回りの回数を減らして安全対策につなげたいということです。市は今年度はこのシステムを2台導入し、これまでに5回の捕獲を確認できていて、今後、台数を増やすことも検討しているということです。酒田市環境衛生課の佐藤創環境保全係長は「クマの生息域に接していない市街地近郊などでも目撃情報がある。クマに十分気をつけるとともに目撃したら連絡してほしい」と話していました。

(シカやイノシシ「わな」改良:長野)
クマによる人的被害が相次ぐ中、別の動物用わなで誤って捕らえたクマが暴れてけがをする事故を防ぐわなの導入を、長野県が自治体や地元猟友会に促している。駆除したいイノシシやシカは捕獲しやすい一方、目的外のクマはかかりにくい構造で、安全性が高い。県が推すのは、板を踏むとばねでつながったワイヤが締まり動物を拘束する「くくりわな」を改良したもの。県などによると、クマがくくりわなに捕まった場合、強度不足で壊れ、襲われるリスクがある。かかったのが子グマだとしても、付近に親グマが潜んでいる恐れがある。クマ向けには、ドラム缶で作ったおりのわなを使うことが多いという。実際、長野県飯山市の山林では10月、イノシシ用のくくりわなを確認しに行った男性(80)が死亡する事故が発生。わなにかかったクマに気付かず近づき、襲われたとみられる。

(リス駆除の予算過去最高に:神奈川)
神奈川県鎌倉市内で今年度、特定外来生物「タイワンリス」の捕獲数が、11月末時点で年間捕獲数が過去最多だった5年前に迫る勢いとなっている。あまりの多さに、市は駆除のための関連補正予算案を急きょ提案する。餌を与えると個体がさらに増える可能性があり、市は観光客らに注意を呼び掛けている。タイワンリスは台湾などに生息している。ペットとして輸入された後、野生化し県内では多くが三浦半島に生息。体長は30~50センチで背中は黒と黄土色が混ざり、腹部は灰褐色や赤褐色。愛くるしい姿を見せるが、生態系の破壊や農作物への被害が指摘され、外来生物法で輸入、飼育、譲渡などが禁止され駆除対象になっている。鎌倉市では、捕獲がスタートした2000年度に69匹だったが、徐々に増加して18年度は1571匹と過去最多に。その後は年間1000匹前後で推移していたが、今年度は11月末時点で1553匹(速報値)となった。三浦半島の近隣自治体では大きな変化が見られない一方、鎌倉市では担当者が「異常」と言うほどのハイペース。市は被害の発生事例を記したポスターを各地の掲示板に張り出している。捕獲数が増えた理由について、市環境保全課の担当者は「今夏の猛暑によりリスの餌となる山の実が採れなくなって鎌倉の市街地に現れるようになったのかもしれない。ただ近隣自治体では、鎌倉のような状況になっていないので何とも言えない」と困惑気味に話す。市内では市民の庭の果実が食い荒らされたり、戸袋や電線がかじられたりする被害が出ており、市は約200台の檻(おり)を市民に無料で貸し出してリスを捕獲。これを委託業者が1匹当たり6270円で殺処分している。捕獲数の急激な増加によって委託料が不足する恐れが出ているため、市は6日開会の市議会定例会に700万円を増額する関連補正予算案を提案する。可決されれば過去最高の1860万円となる。

(シカの追い込みにドローン活用:岡山)
岡山県は農作物被害の原因となっているシカの狩猟を効率的に進めるため、追い込み役の猟師と猟犬の代わりに小型無人機ドローンを活用する新たな事業に乗り出す。高齢化を背景に年々減少する猟師の負担軽減を図る。

(クマと列車接触、過去5年で最多:岩手)
岩手県内のクマと列車の接触件数は既に2022年度の2倍を超え、過去5年で最多となっていることが分かりました。JR東日本盛岡支社によりますと、2023年度県内で発生したクマと列車の接触は11月20日現在で51件と、2022年度の19件を大幅に上回っています。目撃件数とともに過去5年で最多で、例年以上に列車の運行に影響が出ているということです。接触と目撃を合わせた件数は花輪線が最も多い86件で次いで釜石線44件、山田線38件などととなっています。花輪線ではクマの撤去が必要となり運転を見合わせたケースが3件発生していて、対策のため一部区間で試験的に警笛を鳴らして威嚇する取り組みを始めているということです。

(獣害増加で注目されるハンターのイノシシ狩りに密着:福岡)
冬が近づくにつれて増える農作物への「獣害」。特にイノシシは「アーバンイノシシ」などと呼ばれ、福岡県内でも市街地に現れることが増えている。市街地への出没を未然に防ぐ猟師。果たしてイノシシを捕ることはできたのか。2023年11月10日、北九州市門司区。取材班を出迎えてくれたのは、イノシシ猟師歴4年の石田篤頼さん(49)。アウトドア好きが興じた結果、石田さんは12年働いた会社を辞め、猟に専念することを決断。イノシシを駆除する毎日を過ごしている。猟師・石田篤頼さん:猟で生計立てるのは、厳しいですよ。でもやっぱり「イノシシを捕りたい」「捕獲したい」「地域に貢献したい」というのはあるので…。身長180cmを超える、いかつめな風貌の石田さん。ブルーライトカットの眼鏡を手に取るとパソコンに向かい、始めたのは動画の編集。石田さんは、猟の様子をカメラで撮影して配信する、いわゆる“狩猟系”YouTuberなのだ。現在、4万人以上の登録者数を抱えていて、広告収入とイノシシ駆除の報奨金で生計を立てている。密着取材初日。石田さんの一日は猟犬の世話から始まる。今回の猟のパートナーに選ばれたのは「アスカ」。猟師・石田篤頼さん:このアスカは「ワンワンワン」って吠えてイノシシを止める。そのときに僕たちが撃つ、この猟芸が素晴らしくいいですね。この日の猟は、イノシシが寝床として好むシダが生い茂る場所に猟犬を放ち、イノシシを起こし撃ち取るというもの。石田さんとアスカの信頼関係が試される。この日は、ほかに2人の猟師、さらにアスカを含む3頭の猟犬でイノシシを狩るという大所帯だった。午前8時前、いざ出陣。向かったのは自宅から車で15分ほどの山中。石田さんは猟銃と頭部にユーチューブ配信用のカメラ、アスカは防刃ベストを着け山へと入って行った。石田さん、アスカのリードを外し、GPSで行方を追う。猟師・石田篤頼さん:シダとか生えてるでしょ。ああいうのがイノシシの「寝屋(ねや)」。イノシシがよく寝ているところなんですよ。イノシシの寝床、通称「寝屋」にアスカを向かわせ、反応がなければ笛で呼び戻す。猟師・石田篤頼さん:(GPSを見て)あ、出ないですね。じゃあ、ちょっと戻りましょうか。高低差の激しい山の斜面を駆け回りながら、体力消耗の激しい上り下りを繰り返す。「はぁー、はぁー、1回(カメラ)切っていい?」と、疲労がピークに達したカメラマンがカメラを置く。すると突然、シダの茂みの中からアスカたちの吠える声が響いた。石田さんは早速、銃弾を込めて茂みの中へ。イノシシはどこか?その瞬間、カメラマンと石田さんの間を茶色い塊が通り過ぎた。猟師・石田篤頼さん:向こうで吠えてたから、こう構えたら、後ろを通ったでしょ。あんなの初めてですよ。猟師とカメラマンの間という、まさに「死角」を利用して逃げた大きなイノシシ。しかしこの日は、その後4つの山を回るも収穫なしのまま、辺りは暗くなってしまった。午後6時、失意の中帰宅した一行。この日はイノシシは捕れなかったが、仲間が以前捕獲したイノシシ料理を食べて翌日の猟に備える。脂がジューシーで歯応えがあり、豚よりも濃厚な味が特徴のイノシシ肉。イノシシの背骨から出汁をとったスパイスカレーが、冷え切った身体を芯から温める。猟師・石田篤頼さん:きょうはイノシシに対するアプローチがちょっと雑だったんですよね。もっと慎重に行くべきだったと思う。明日は、そこを改善していきたいと思いますね。密着取材2日目、午前7時。この日は石田さんとアスカ、1人と1匹の単独狩猟となったが、実は石田さんはこれまで、アスカとの単独狩猟で成功したことがないという。「本当に頼むよ!」。アスカに声をかけ、2日目の猟へと出発する。この日、向かった山は、イノシシによる獣害が数多く報告される山。麓の畑にはイノシシよけのバリケードが設置されている。「絶対捕獲」を心に決め、山に入った石田さん。山の静けさの中で、アスカの鈴の音だけが響き渡る。その鈴の音が激しく鳴った。と、同時にアスカが吠える。弾を込める石田さん。鳴き声は、傾斜50度はあろうかという斜面の先だ。寝屋を目掛けて一直線で向かう。しかし、捕り逃してしまった。その後もアスカと共に、シダの茂みの寝屋を往復する石田さん。イノシシの気配に気づいては弾の装填を繰り返す。連日の猟でアスカにも疲れが見え始めている。突然、「きゃーん!」とアスカの悲鳴が響き、石田さんが銃を構えた。しばらくの間のあと、銃口が火を噴いた。猟師・石田篤頼さん:捕りました。よーし、アスカえらい!頑張った!改めて猟犬の大切さ、偉大さがわかりましたね。仕留めたイノシシは体長40cm余り。アスカとコンビを組み、単独狩猟で初めて捕った獲物だった。石田さんはこの日、山に入って初めての笑顔を見せた。その時、石田さんが何かに気づき、茂みに目をやり再び銃を手に取った。その視線の先には、仕留めたイノシシの親とみられる、かなりの大きさの個体がいた。こちらに突進してきたが、寸でのところで引き金を引くことはできなかった。猟師・石田篤頼さん:結局、子どもをやられたから、仕返しに来たんですよ。子を守ろうとする親の気持ちをひしひしと感じたという石田さん。いただいた命に対する感謝と仕留めきれなかった悔しさを背負いながら、山を降りた。猟師・石田篤頼さん:遠くに山が見えるじゃないですか、あの山の中で僕たちのような猟師が活動していると、そういうのをYouTubeを通して知っていただきたい。イノシシの解体は猟仲間に任せて、僕は僕なりのYouTube編集もありますので、こちらをしっかりやっていきたいと思っています。狩猟の魅力を、YouTubeを通して世界中に伝える石田篤頼さん。「獣害を少しでも防ぐため」、山での命をかけた戦いは、きょうも続けられている。

(「犬捨て山」の「ヤバすぎる実態」:愛媛)
「人生の相棒」ペットを飼う家庭が増加するなかで、動物愛護の観点からペットショップの是非を巡る議論が加速している。最近では、劣悪な環境で強引な繁殖を続けさせていたペットショップのケースも話題になった。そのような中で、目を覆いたくなるような残酷な事態が、愛媛県のある山中で起こっていた。『週刊現代』記者が現場を訪れると、巨大化したペット市場と人間のエゴが詰まったような闇が広がっていたーー。「愛媛県に相次いで犬が捨てられていく―通称『犬捨て山』がある」。四国地方にある動物愛護団体運営者から、そんな情報が『週刊現代』記者に寄せられたのは、10月下旬のことだった。彼の話によれば、ペット業者が、生まれつき背骨が曲がっていたり、脚の一部が欠損していたりして、売り物にならない犬をまとめて遺棄しているという―。いまや街を歩けば日夜問わず、リードに繋がれた小綺麗な犬とすれ違う。ふんわりとトリミングされたトイ・プードル、歩き疲れてベビーカーに乗せられたパグ、尻尾を振って優雅に歩くゴールデン・レトリーバーなど、街には多種多様な犬種がいる。ペットは家族の一員となった。飼い主はまるで我が子のようにペットに無償の愛を注ぎ、同時に自らの心を癒やす―そんな「ペット溺愛社会」が到来している。ペットフード協会の調査('22年)によれば、犬の推計飼育頭数は全国で約705万頭。新規飼育頭数は約43万頭と過去10年間で最高を記録した。月ごとの平均飼育費用も上昇し続けている。いっぽうで、巨大化したペット市場の歪みが少しずつ目に見えて現れるようになった。ペットの虐待や遺棄は後を絶たない。なかでも、大手ペットショップ「Coo&RIKU」が劣悪な環境で犬猫の繁殖を行っていたことが内部告発によって明らかになったのは記憶に新しい。話を「犬捨て山」に戻そう。犬捨て山の実態を探るべく現地の愛媛県東温市に本誌記者が向かったのは、冷たい山おろしが吹く11月上旬のことだった。県の中央部を流れる一級河川、重信川上流域の山に野犬が多数生息しているという情報を受け、市街地から曲がりくねった細い道を車でのぼっていった。上流域に近づくにしたがって、民家はまばらになり、薮が増えてくる。しばらく山を登ると、寂しい雰囲気を漂わせるキャンプ場が見えてきた。そのすぐそばにある河原には、2頭の大型犬をリードから解き放って遊ばせている初老の男性がいた。彼は犬のストレス解消のため、月に2回ほどこの場所を訪れているのだという。「詳しい場所は知らないけど、ここらへん一帯は以前から動物を捨てる人が多いんですよ。オフシーズンの時期を選べば誰も通らないですし、捨てやすいからです。実際、私も背骨の曲がったビーグルや毛がボロボロで痩せこけた柴犬、汚れたポメラニアンやシーズーなどの小型犬をときどき見かけます。取り締まる人もいないので止めようがありません」さらに上流を目指していくと、木製のベンチがぽつんと置かれた広場がある。そこには、3つの看板が立てられていた。〈ゴミをすてないで〉〈無責任に餌を与えないで〉〈動物の遺棄・虐待は犯罪です〉。やはり、この周辺で動物の遺棄が確認されているのだ。初日は犬の姿を確認できなかった。市街地に戻る道すがら、河川敷の遊歩道を散歩する40代ほどの上品な女性がいた。彼女に野良犬について話を聞くと、まとう雰囲気とは裏腹に「ときどき見ますね……。アレらは所詮、畜生やから突然噛んでくるし、ゴミも漁る。可哀想やけど殺したほうがいい」とにべもなかった。取材2日目も犬の姿を追って、ひたすらに山道を走った。しかし、なかなか見つからない。夕方、半ば諦めかけて市街地に戻り、ショッピングモール「クールス・モール」に車を停めた時のことだった。駐車場の外れの暗がりにいくつもの目が光っていることに気がついた。車を降り、物音を立てないよう現場に近づく。そこはショッピングモールの入り口付近の草むらだった。さらに近づいてみると、2頭の白色の犬が逃げていった。目を凝らすと、ほかに黒色の犬、斑犬、少し毛の長い褐色の犬もいる。さらに目を転じると、茶色のブチ犬と黒っぽい毛色の犬が佇んでいる。どの犬も首輪をつけていない。人間には馴れているのだろうが、ショッピングモールの駐車場を10匹ほどの野良犬が走り回っている光景は異様だ。犬の姿を目で追っていると、記者のすぐそばを重そうなビニール袋を持った初老の小柄な女性が歩いていった。こちらに気がつくと背を向けて逃げるようにスタスタと去っていく。声をかけるも無視されたので、仕方なく追うのをやめて、その場から犬たちの逃げた方向へ向かうことにした。その先には、いまはもう使われていない牛舎があった。すると突然、暗闇に一つの人影が浮かび上がった。おそるおそる近づくと、先ほどの女性だった。彼女の足元にはこんもりと盛り上がった残飯が置かれている。

(ムクドリ撃退なるか、高周波音の効果やいかに:兵庫)
夕方にムクドリが集まることで騒音や「ふん害」に悩むJR加古川駅南のベルデモール商店街で、岡山理科大(岡山市)の辻維周教授(68)による実証実験が始まった。鳥が嫌がる高周波音を発生させることでムクドリが集まらないようにし、通行人や店主らの悩みを解消しようという取り組み。効果や、いかに-。商店街入り口のケヤキにムクドリが集まるのは、例年9月半ばから11月半ば。通行人や店主らは鳴き声による騒音のほか散らばった羽根やふん、そのにおいに頭を抱える。加古川市はケヤキの剪定を検討したが木の生育を損なう可能性があり、商店街は「ほかの対策を」と求めていた。辻教授は、野生動物が車と衝突して死ぬ「ロードキル」を防ぐ研究に取り組む。2019年以降、山梨県の自動車用品メーカー「T.M.WORKS」と連携し、高周波音を出す装置「鹿ソニック」を使って各地で実験を行う。今年3月からは萩・石見空港(島根県)でバードストライクが起きないよう、鳥向けに調整した「バードソニック」を設置する。「お力になれるかもしれません」。本紙の報道で事態を知った辻教授は10月下旬、市に連絡を入れた。野生動物と人間の距離を保つことを目標とする辻教授に、市と商店街は賛同し、研究フィールドを1年間提供することにした。例年ではムクドリを見なくなるはずの今月2日の午後5時前。JR加古川駅南の空に黒い大群がやってきて、葉が減ったケヤキに止まった。「これはひどい。100羽以上いますね」と辻教授。ケヤキの北側にあるクスノキにも止まろうとしたのを見逃さず「ケヤキとクスノキ、両方に(高周波が)届くようにした方がいいですね」と話した。翌3日午前、市職員と「バードソニック」を設置した辻教授は別の現場に向かった。その夕方、いつものようにムクドリが現れ、ケヤキに止まった。だめなのか-。市土木総務課の橘利彦課長(59)は「逃げるかなと思ったけれど」と苦笑い。「ただ普段と動きが違うようにもみえた。(辻教授も)いっぺんには進まないと話していた。今日が第一歩」と前を見据える。今後も辻教授と周波数やスピーカーの向きを調整しながら様子を見ていくという。

(クマ対策、ふるさと納税で:富山)
富山県立山町は5日、クマの出没が町内で相次いだのを受けて、パトロールや捕獲活動、柿の伐採支援事業などに充てる寄付金の募集をふるさと納税制度で始めた。100万円を目標に、「ふるさとチョイス」のサイトで来年3月3日まで寄付を募る(返礼無し)。県内では今年、例年の6倍を超えるクマの目撃情報があり、富山市で女性1人が亡くなるなど7件の人身被害が起きている。立山町でも4~11月の目撃件数は78件で、昨年の21件の4倍近くに上っている。人身被害は出ていない。寄付金は、目撃情報が出るたびに出動が求められる鳥獣被害対策実施隊の活動費や、クマを誘引する柿の木の伐採支援事業に優先的に充てる。ただ、こうした対症療法だけでなく、クマが人里に下りてこないようにする恒久的な取り組みが不可欠のため、町内の山間部から帯状に広がる放置林の再整備にも寄付金を活用する。企画政策課の担当者は「放置林を伐採して見通しを良くすれば、クマが山間部から林を伝って人里に下りてくるのをある程度防げるのではないか」と話す。舟橋貴之町長は「今迫っている危機への対処と、豊かに培われた里山の文化・景観を守っていく意義を発信し、中山間地域の活性化を進めていきたい」と話している。

(住宅地のクマ捕獲で連携、被害防止へ円滑化:富山)
富山市議会は5日、本会議を再開し、横野昭、松井邦人、織田伸一、金谷幸則(富山自民)、久保大憲、金岡貴裕(自民)、柏佳枝(公明)の7氏が一般質問した。金山靖農林水産部長は、クマによる人身被害が相次いでいることを受け、住宅地での捕獲を円滑にできるよう、県や警察、捕獲隊と連携し、シミュレーションを重ねる考えを示した。織田氏への答弁。住宅地で銃を使って野生動物を捕獲するのは鳥獣保護管理法で禁止されているが、危険が差し迫っている場合、現場の警察官の指示で捕獲することができる。ことしは10月23日に同市安養寺で1件あった。捕獲には最低10人ほど必要とされ、役割分担や立ち位置など綿密な準備が求められる。ただ、市や県の職員、警察官、市内の鳥獣被害対策実施隊員が現場で初めて顔を合わせるケースもあり、意思疎通が円滑にいかず捕獲に支障が出る恐れもあった。今後、住宅地でクマの単独出没や親子での出没のほか、倉庫や納屋に入り込むなど、さまざまなケースを想定して関係者で捕獲手順をチェックし、現場で迅速に対応できるようにする。また、クマが河岸段丘をたどって平野部に来る傾向があるため、人工知能(AI)を活用したクマ検知のカメラシステム配置を検討する。県の管理計画で狩猟期間は11月15日~翌年2月15日となっており、人身被害防止のため2週間前倒しして解禁するよう県に要望する考えも示した。

(クマ狩猟期間の延長、県に要望へ:富山)
クマの出没や人身被害が相次いでいる富山市は5日、現状3か月間となっているツキノワグマの狩猟期間の延長を県に要望する方針を示しました。県は鳥獣保護管理法に基づいて狩猟者に対し、11月15日からの3か月間、ツキノワグマを含む鳥獣46種類の狩猟を許可しています。このうちイノシシとニホンジカについては、農作物への被害を防止するため狩猟期間を5か月間に拡大しています。5日の富山市議会一般質問で市の担当者は、クマの狩猟期間の延長は人身被害防止の観点からも有効として、県に延長を要望する考えを明らかにしました。どれだけの期間、延長するかについては今後、検討するとしています。一方、クマの出没に応じて出動する猟友会については、自営業などで本業の制約を受けない一部の隊員ばかりが出動しているため、市は今後、会社勤めの隊員などもクマ対策に携わりやすくなるような仕組みを検討したいとしています。

(AIでクマ被害防止、草刈りロボットがクマの出没を検知:新潟)
庭先の雑草を誰でも簡単に刈れるようにと長岡市に住む男性が自動草刈りロボットの開発を進めています。しかし、このロボット、草を刈るだけでなく、ことし全国的に問題となっているクマ被害の課題解決もしようというのです。長岡市の山あい・栃尾地域。プログラミングの仕事をしている水藤裕太さん(35)。ここで雑草を自動で刈るロボットを開発しています。〈水藤裕太さん〉「これがロボットになるんですけど、下に刃が2個ついていて、クルクル反対側に回って草を刈る内容になっています」。草刈りロボット「Roktrack」は、人工知能AIが搭載され、三角コーンを認識しながら指定された範囲の草を刈っていきます。安全確保のためカメラに人が映るとAIが検知。自動停止する仕組みになっています。〈水藤裕太さん〉「ここに引っ越してきて、とにかく草が大変ですぐ伸びてくるし、刈っても刈っても伸びますし、もっと簡単に高齢者とかでも使えるように新しいシステムが出来ないかなと思って作り始めた」。4年前までは東京の大手通信会社でITのシステム開発の管理業務をしていた愛知県出身の水藤さん。見附市出身の妻が里帰り出産したのを機におととし新潟へ移住。そこで庭先の草刈りの苦労を知り開発を始めました。しかし、このロボット、ただ草を刈るだけではありません。AIを使ってクマの出没を知らせてくれるというのです。〈水藤裕太さん〉「ここの地域の人が困っているサルとかクマとかを検知するための監視カメラとして使えたら便利かなと思って作り始めました。カメラで撮った写真をAIで解析する技術を使っているのでパイロン(三角コーン)とか人以外にも学習させればなんでも検知できる」。AIにクマの画像を学習させ少しずつ検知できるようになったといいます。クマを検知すると写真と合わせて連絡が。その画面には”BEAR”。クマが近くにいることを知らせてくれます。クマの目撃情報が多い栃尾地域。11月3日には畑で作業をしていた60代の女性がクマに左腕や頭などをひっかかれケガをしました。水藤さんはこのロボットでクマ被害を防ぎたいといいます。さらに現在は犬や猫など11種類の動物が検知できるといいますが精度はまだ5割ほど。研究を重ね実用化を目指します。〈水藤裕太さん〉「(地域の人は)最近はクマが怖いと、ごみ捨てに行くときとかに遭遇したらどうしようみたいなのがあるので怖いと、よりクマの脅威が自分事としてとらえてもらえるんじゃないかなと、地域の人の安全に寄与するんじゃないかなと思っています」。草刈りからクマの検知までできるこのロボット。山あいの地域特有の課題に今後、役立てられるかもしれません。

(生息のクマは約40頭、「錯誤捕獲」減へ:神奈川)
神奈川県は農作物被害を防ぐ目的でシカやイノシシなどを捕獲するわなに誤ってツキノワグマがかかる「錯誤捕獲」を減らすため、クマがかかりにくいとされる特殊なわなを県内で試行的に設置し、効果検証に乗り出す。クマの人身被害が全国的に問題になる一方、県内に生息するクマは約40頭で、県レッドデータ生物報告書で絶滅危惧種に分類されている。5日の県議会本会議で尾﨏美貴江環境農政局長は「住民の安全確保を最優先に、可能な限り保護に努める観点で対応する」と述べた。県によると、クマの本年度の錯誤捕獲は11月27日時点で8件。ここ5年ですでに最多となっている。うち6件で放獣場所を確保できなかったり、暴れたりして捕殺となった。

(シカ捕獲目標1.4倍に、生息数半減は5年先送り:栃木)
栃木県は5日までに、県ニホンジカ管理計画(7期計画、2024~29年度)の素案をまとめた。シカの生息数が高水準で推移しているため、年間捕獲目標を現計画の8千頭から1・4倍の1万1500頭に引き上げるとした。本年度末までに生息数を13年度末比で半減するとしていた目標も、5年後の2028年度末まで先送りする。計画は野生動物による農林業被害の軽減や、生物多様性の保全を図ることを目的に策定している。県の調査によると、22年度末のシカの生息数は2万8700頭で、19年度末のピーク時(3万6千頭)からは年々減少している。4年連続で捕獲数が1万頭を超えたことが要因とみている。

(クマ遭遇に備えて従業員が研修:岩手)
全国的にクマの出没や人がクマに襲われる被害が相次ぐ中、岩手県雫石町にある時計の製造工場で、クマと遭遇した場合に備えるための研修会が開かれました。研修会が開かれたのは、雫石町にある「盛岡セイコー工業」の工場で、6日は社員12人が参加しました。講師を務めたのは、農水省の農産物野生鳥獣被害対策アドバイザーも務める雫石町職員の谷崎修さんです。クマの生態や被害の現状を座学で学んだ後は、クマと遭遇してしまった場合に使う「クマスプレー」や、クマをはじめとした野生鳥獣による被害を防ぐため大きな音で追い払う「花火」を使用することで、実際にクマ対策を体験しました。盛岡セイコー工業の工場は、およそ10万平方メートルの敷地の3割ほどが林となっていて、敷地内ではこれまでも度々クマが目撃されています。研修会を企画した盛岡セイコー工業の村里法志さんは、社員をクマ被害から守ることは企業の責任と考えています。(盛岡セイコー工業 SDGs推進部 村里法志さん)「我々は森に近い、自然に近い場所に立地している。今のところ被害はないが、被害を予防することが重要だと思い企画した。(クマの生態を)理解して、いろいろな活動をすることが大事だと思う」。(講師を務めた雫石町 谷崎修さん)。「社員の方々が非常に熱心に聞いていて良かった。クマに先に人間の存在を知らせることが大事。クマスプレー、花火を鳴らしてから(山=クマの住処に)入ることが有効」。広い森林面積を誇る県内では、工場や作業場の立地がクマの生息圏と近い企業も多く、クマによる人身被害が増えている今、企業による対策の広がりが期待されます。

(駆除のクマ1頭につき8000円の報奨金支給へ:岩手)
ツキノワグマによる人身被害が過去最多の49人(5日現在)に達している岩手県は駆除したクマ1頭につき8千円の報奨金を猟友会に支給することになった。県がクマの捕獲で報奨金を支給するのは初めて。冬眠からクマが起き出す3月から5月までの期間限定。この時期はマタギ文化の保存を目的にしたクマの捕獲とクマが人里に下りてこないよう山へ追い上げをする時期に当たる。クマによる人身被害の予防に先手を打とうというわけだ。県は6日、報奨金分の100万円、電気柵や通信機能付きセンサーカメラの市町村貸与に471万9000円を盛り込んだツキノワグマ被害防止対策事業費を令和5年度一般会計補正予算案に計上、開会中の県議会に追加提案した。12月に入っても県内ではクマによる人身被害が相次いでおり、クマの捕獲数は上限の686頭を上回る820頭(11月20日現在)に達している。一方、クマの捕獲数が2178頭(11月末現在)にも達する秋田県も報奨金の支給について検討している。

(エゾシカ衝突急増:北海道)
根室管内でエゾシカと車の衝突事故が今年、過去最悪ペースで増えている。管内の事故件数は10月末時点で184件で、統計が残る2017年以降、年別で最多だった21年の同時期を30件上回った。特に10月に入って52件発生しており、同じペースで推移すれば21年の219件を上回る可能性も出てきた。積雪前は、エゾシカが越冬に向けて移動を活発化させる時期で、根室、中標津両署がドライバーに注意を呼びかけている。

(冬眠するクマいるか、山林でドローン使い調査:北海道)
カメラを搭載したドローンを使って、市街地周辺の山林にこれから冬眠するクマがいるかどうかを確認する調査が、札幌市で行われました。この調査は、市街地周辺のクマの生息状況を確認して、クマによる被害を防ぐ対策に役立てようと、札幌市が初めて行いました。6日は、札幌市南区中ノ沢の山林で、作業員がサーモグラフィーカメラなどを搭載したドローンを上空およそ120メートルの高さまで飛ばし、映像に映る動物の影を拡大するなどしてクマかどうか調べました。調査が行われた中ノ沢周辺は、ことし6月下旬には3頭のクマの目撃されるなど、出没が相次いでいて、札幌市は、対策の強化が必要な「ヒグマ対策重点エリア」に指定しています。6日の調査でクマは確認されませんでしたが、映像には複数のシカが映っていたということで、札幌市は、シカがいるエリアにはクマが生息する可能性もあるとして、今後も監視を続けることにしています。札幌市環境共生担当課の清尾崇係長は、「人がいる市街地近くで冬眠するヒグマを確認することで、来年以降の調査や捕獲の対策に活用できる。今後も新しい技術を積極的に取り入れ対策を続けたい」としています。

(住宅地をうろつき人を襲うサル、えさも居場所も生態系の強者に奪われ:福岡)
福岡市やその隣接地域でこの秋、サルが住宅地に入ったり、民家の庭先に現れたりして人を襲う被害が相次いだ。サルたちが長く暮らしてきた九州の山地に変化が起こり、里にも影響が及んでいるかたちだ。専門家はさらに、里でサルが人を怖がらずに動き回りやすくなったのにも理由があると指摘する。福岡市では南西部でサル被害が急増。9月28日に南区柏原で50代の女性や女児がサルに足をかまれたほか、10月26日にも区内で登校中の男児が襲われ足にけがをした。隣の那珂川市でも10月16日に小学校で女児と教諭がかみつかれたほか、11月10日、男児らが頭や背中にけがをし、24日にも80代の女性が、庭の木に登っていたサルにとびかかられて軽いけがをした。市は「9月以降のけが人は10人を超す」という。近所の住民によると、サルが山を下りることはしばしばあり、何年も前から住宅地に姿を見せていたという。

(人・獣共存へののろし:北海道)
熊の出没や人身被害が相次ぎ、動物を追い払う花火の出荷が増えている。「動物駆逐用煙火」を製造する北海道北広島市のヤマニ小原煙火では、出荷量と問い合わせ数が例年と比べ倍増している。同社が製造する手投げ式の煙火は、爆音と火薬の臭いで、動物に人間の存在を知らせて追い払う。玉の直径は約4センチ。玉の中に米のもみ殻を入れ、火薬を固定している。点火から約10秒後に爆発。熊や鹿、海中のイルカやアザラシまで幅広く使える。今年は4月から10月までに、例年よりも4000個多い、約1万個を出荷した。工場長の越前大介さん(48)は、「製造が追い付かず、受注生産状態。問い合わせも例年の2倍で、全国からきている」と話す。動物駆逐用煙火は、講習を受けて、日本煙火協会が発行する「煙火消費保安手帳」を取得した人だけ購入、取り扱いができる。1個390円(税別)。

(クマ、年末年始注意を:広島)
人里に現れたクマによる人的被害が全国的に問題となる中、県内でも今季、住宅地や動物園の敷地内での目撃が相次いでいる。餌となるドングリの凶作で、山から下りたクマが人里で餌を探しているとみられる。専門家は十分な脂肪を蓄えられずにクマの冬眠が遅くなる可能性を指摘。「年末や1月になっても、クマが山に近い人里に出現し、帰省客らと危険な鉢合わせが生じる恐れもある」と注意を呼び掛けている。県内では今年度、10月末までに499件(前年同期394件)の目撃が報告されている。中国山地に抱かれる安芸太田町や三次市、庄原市のほか、広島市内にも出没している。広島市安佐北区の安佐動物公園では10月末、ツキノワグマの親子が歩いている姿が敷地内に設置したカメラで撮影され、安全のため一部のエリアを閉鎖する措置を取った。同市安佐南区八木の住宅地では、今年度に4回も目撃された場所もある。本来山の中にすむクマが人里に姿を現しているのはなぜか。広島修道大の奥田圭准教授(野生動物管理学)によると、クマの食料となるドングリには、豊作と凶作を繰り返す性質があり、今季は凶作に当たることが背景にあるという。中山間地域では過疎化が進み、集落内の柿の木に実がなっても、放置されたままとなるケースが増えている。奥田准教授は「食べ物を求めて山から下りてきたクマが、人里近くで放置された柿を食べて定着している」と分析。収穫しない果樹は伐採し、収穫するものは電気柵などで防除対策を行うのが効果的だと指摘する。自治体も対策に乗り出している。安芸高田市では昨年度から県の補助金を使い、クマの餌となる果樹の柿や栗を伐採する場合、1本あたり最大で2万円を助成する制度を導入した。今年度は50本分を想定して予算を組んだが夏頃までに終了。ただ伐採が進んだ効果か、住宅地の近くに姿を見せるクマの数は、昨年度より減っているという。奥田准教授によると、今季、人里で目撃されたクマには、栄養状態の良い個体もいたという。クマは例年12月頃に冬眠するため、目撃件数が急激に減少する。だが今季は、人里に下りずに山に残ったクマなどが必要な脂肪を蓄えられず、冬眠に入るのが遅れる可能性があるといい、「12月以降も活動する個体もいるかもしれない」と指摘する。帰省などで中山間地を訪れる人が増える年末年始、不意の遭遇を避ける心がけが必要になりそうだ。

(クマが出現、アパート破壊:栃木)
4日未明、アパートにクマが現れて玄関ドアを破壊。部屋にいた女性は「笛」で撃退に成功しました。クマが音で逃げる実験映像にはある特徴が映っていました。クマに破壊されたアパートの木製の引き戸。近くには爪で剥がされたとみられる木片が散乱。引き戸の一部は突き破られていました。中には70代の女性がいました。クマが姿を見せたのは未明。栃木県那須塩原市の生活道路から山側に入ったアパートの2階でした。当時の様子を聞いた地元猟友会は…。地元猟友会:「夜中2時ごろ、物音がするので奥さんが気が付いて笛を吹いたんだってね。そうしたらクマが立ち去った」。実際に吹いた笛、ホイッスルです。クマは70代の女性が吹いたホイッスル音を聞いて逃げていったということで、女性にけがはありませんでした。足跡から判断すると、少なくとも体重が60キロ以上ある成獣。警察ではツキノワグマとみています。なぜ、クマはアパートの2階まで上がってきてドアを壊そうとしたのでしょうか…。地元猟友会:「今回で2回目なんですよ、ここに来てるのは。中にある猫の餌(えさ)のにおいを嗅いで来たみたい。今回もそのパターンじゃないかなと」。音やにおいに敏感だというクマ。AI(人工知能)カメラがクマを検知すると音と光で追い払うシステムを開発した会津大学の齋藤寛教授にクマが嫌がる音について聞くと…。会津大学 齋藤寛教授:「嫌いな音を断言するのは厳しいなというのが正直なところです。ただ、分かっていることがあるのは、急に大きな音が出てきたことで驚いて逃げていくケースが結構あるなと」。齋藤教授が開発したシステムでは爆竹の音や爆発音など全部で14種類の音があり、今後、効果的に追い払える音の分析を進めたいとしています。今回はホイッスルの音で逃げたクマですが、猟友会には午後にもクマの目撃情報が入りました。地元猟友会:「多分アーバンベア(都市型クマ)タイプだろうから人間の行動とか把握していると思うし、多分、今晩も出てくると思う」。

(クマの目撃相次ぐ、痕跡なく:福島)
福島県いわき市内で、クマの目撃情報が相次いでいる。市の担当課に入っただけで11月に10件余り。市の担当者が猟友会員や専門家らと目撃現場を調べているが、足跡が小動物のものだったり、爪痕はアライグマだったりと、今のところ明確にクマがいた痕跡は見つかっていない。市は、こうした調査結果の一覧を市ホームページに掲載した。1日、前日にクマの目撃情報があった同市洋向台3丁目の現場を担当者が調べていると、市民からすぐ近くで撮影したという「クマの足跡」の写真を提供された。だが、担当者が撮影場所を特定、確認して県に調査を求めると、イタチやアナグマなど小動物の足跡だったと分かった。その目撃情報は30日夕方、車で通りかかった男性が、「クマ1頭がいた」と110番したもの。注意情報を流したいわき東署は、「クマと断定したわけではないが、万一のことを考え、市民に注意を呼びかけた」と警察の立場を説明する。市環境企画課には11月に入り、クマ関連の電話が連日十数本入り、業務に支障がでるほどという。目撃情報、樹木の爪痕やふんの発見情報のほか、「なぜ早く駆除しないのか」「自宅周辺は大丈夫か」といった内容も。「四倉地区にヒグマが出ている」「(JR常磐線の)泉駅前にツキノワグマがいた」などの情報も広まっているらしく、問い合わせも何本かあるという。市では目撃情報のうち、多くで現場へ調査に行っている。ふんや足跡、縄張りを示すため樹木へつけるとされる爪痕の有無などから、クマかどうか総合的に判断するという。ただ、これまでのところ目撃現場周辺にそうした痕跡は見当たらず、発見の通報があったふんはタヌキやハクビシンのものと推定され、ゴム製のごみだったという例も。爪痕の犯人はアライグマと推定された。山間部ではイノシシ用のわなが多く仕掛けられているシーズンだが、クマがかかった情報もないという。市は「だからといって、クマはいないとも限らない」として、引き続き、「山に入る際は複数人数で行動する」「クマに出会ったら、走って逃げず、後ずさりしながら離れる」などと注意を呼びかけている。ホームページに掲載した調査結果は10月23日~11月末の9件。担当者は「油断せず注意はしてほしい。ただ、ヒグマは北海道にしかいないはず。冷静に構えていただきたい」と話す。福島県は、11月末までを期限としていた会津地域の「ツキノワグマ出没警報」と、中通り、浜通り両地域の「特別注意報」を12月末まで延長すると決めた。ツキノワグマは例年、12月中旬には冬眠するが、11月に入っても目撃情報が相次いだためという。県によると、今年度の目撃は662件(11月30日時点)。うち11月は87件。昨年は8件で、急増した。今年は主なエサとなるドングリが3年ぶりの凶作。担当者は「人里に出てエサを探している可能性がある」という。空腹で気性が荒くなる個体もいるため、夜間や早朝などクマが行動する時間帯の散歩や農作業を控えるなど、注意するよう呼びかけている。内堀雅雄知事は4日の記者会見で、今シーズンの人身被害が過去最多になったことに触れ、「(クマの出没は)ある程度限定されたエリアというのが県民の皆さんの感覚としてあったが、これまでの常識を変えていかなければいけない。県内のどこでも、都市部でも(出没の)可能性がある」との危機感を示した。

(JR仙山線がクマと衝突:宮城)
4日午後6時ごろ、仙台市青葉区のJR仙山線熊ケ根―作並間で、山形発仙台行きの上り普通列車(4両)がクマと衝突した。JR東日本東北本部によると午後6時半ごろ運転を再開したが、影響で上下線2本が運休し、上下線2本が最大35分遅れた。

(観光地にイノシシ現れる:福岡)
5日夕方、北九州市の観光地、門司港レトロ地区にイノシシが現れました。けが人はいないということです。警察によりますと、5日午後5時前、「大型のイノシシ1頭が徘徊している」と通報がありました。イノシシが現れたのは北九州市門司区の門司港レトロ地区の一角で、飲食店や土産物店などが集まっています。遭遇した人が撮影した映像では体長が1メートルほどの黒いイノシシが港にある店舗の前を歩いています。イノシシに気づいた人が驚いた様子で振り返っていました。イノシシを目撃した男性は「海を泳いでいたイノシシが陸に上がってきて私たちの方に走ってきたので、建物の中に避難しました。この辺りでは見ることがないので驚きました」と話していました。門司港レトロ地区の雑貨店に勤務している女性は「のしのしと歩いていて、ドアを開けっぱなしだったので店に入ってこないか怖かったです。近くにいた観光客には店の中に避難してもらいました。この場所では1度も見たことがありません」と話していました。警察によりますと、けが人はいないということです。門司区役所はイノシシの駆除を委託している会社に依頼して警察とともに対応にあたりましたが、このイノシシは北の方へ移動し、その後、姿が見えなくなったということです。門司区は市内でもイノシシの目撃情報が多い地域で、門司区役所は「イノシシを見かけたら静かに後ずさりして逃げてください」と注意を呼びかけています。

(小学校でサル目撃:静岡)
6日朝、静岡市中心部の小学校でサルが目撃されました。近くでは5日昼過ぎから同じサルとみられる4件の目撃情報が寄せられ市が注意を呼びかけています。6日午前8時すぎ、静岡市葵区の市立安西小学校の駐車場でサル1匹を目撃したと市に届け出がありました。市によりますとサルは、駐車場から校舎の屋上に登って外へ逃げたと見られ、当時、児童が登校中でしたが、けがをした人はいないということです。静岡市は職員を派遣して小学校付近を探しましたが、サルは見つかっていないということです。安西小学校の榊原道伸教頭は「発見した職員によると、サルは登校時間中に3階建ての校舎の屋上まで登って見えなくなった。子どもたちには見かけても刺激しないように伝えている。びっくりしているが、子どもがけがをしないかが心配だ」と話していました。市によりますと、周辺の市街地では5日昼過ぎから半径1キロの範囲内で同じサルとみられる計4件の目撃情報が寄せられているということです。サルは、いずれも1匹で行動し、成獣とみられるということです。静岡市中心部の市街地でサルが出没するのは珍しいということです。静岡市はサルを見かけた場合、刺激したりエサを与えたりせず、静かにその場から離れてほしいと注意を呼びかけています。

(イノシシが公園付近に3頭出没:山梨)
5日夜、山梨市の公園の駐車場付近に体長1mのイノシシ3頭が現れ、警察が注意を呼び掛けています。5日午後6時25分ごろ、山梨市江曽原の笛吹川フルーツ公園で利用者が第2駐車場付近でイノシシ3頭を目撃し、警察に通報しました。警察官が駆け付けると体長1mのイノシシ3頭がいたことから、公園の利用者に近づかないよう注意を呼びかけました。イノシシは警察官が警戒してから20~30分後に駐車場から東の谷の方へ立ち去りました。けが人はいませんでした。山梨市内では11月27日にイノシシが山梨小学校の校庭にも現れるなど出没が相次いでいます。

(小学校のグラウンドでクマ目撃、その後ハンターによって駆除:北海道)
またクマの出没です。6日午前、岩見沢市の小学校のグラウンドでクマが目撃され、その後ハンターによって駆除されました。午前9時45分ごろ、岩見沢市東町2条7丁目で、「岩見沢東小学校のグラウンドにクマ1頭がいる」と、向かいにある特別支援学校の教師から警察に通報がありました。目撃現場は、JR岩見沢駅から北東に3.5kmほどの場所にある小学校のグラウンド。近くには特別支援学校や住宅、国道もあります。岩見沢市によるとクマは小学校のグラウンドを出たあと住宅街の近くを通り用水路に入ったとみられ、正午前に用水路のそばでハンターに駆除されました。市によりますと、駆除されたのは体長80cmほど、1歳から2歳のオスのクマだということです。けが人はいませんでした。駆除されたものの、グラウンドにクマが出没した岩見沢東小学校では保護者が付き添って児童を下校させる対応がとられました。クマの目撃は今年の、ここ5年で最多となっています。冬眠の時期を迎えていますが引き続き警戒が必要です。

(小学校でジビエ給食スタート:山梨)
山梨県富士河口湖町の町立西浜小学校で11月30日、獣害対策などとして捕獲された地元のシカ肉を使ったジビエ給食が登場した。人気献立であるカレーの具に使われ、児童や教職員らにふるまわれた。ジビエとは狩猟した野生動物の食肉のこと。同校で給食にジビエ料理を出すのは初めて。硬くて独特の臭みがあるシカ肉。初めて食べる児童のことを考え、ひき肉を使ったキーマカレーとして出すことにした。肉は赤ワインに漬け込んだり、セロリと一緒に煮込んだりして臭みを消した。同町では駆除頭数の年間目標があり、今回のシカ肉は富士山のふもとの青木ケ原樹海や本栖湖周辺でとれたもの。町内の施設で処理し、モモ肉を1人35グラム分ふるまった。カレーが大好きという3年生の古谷愛彩(まあや)さん(9)は、豚肉を用いることが多い普段の給食のカレーとの違いを実感していた。「歯ごたえがあっておいしかった。また給食で食べたい」。

(食べてみたら鹿肉ソーセージは旨い!)
クマ、シカ、イノシシ……。最近ではキョンも加わって、連日SNS上で記事が乱立する獣害問題。人と鳥獣との住み分けという古来からの生活慣習が、今ほどクローズアップされた時代はないでしょう。どうしても避けられない駆除問題ですが、先だって開催された「キャンプ&グランピングEXPO」では日本ジビエ振興協会をはじめ、ジビエ関連数団体が出展していました。ジビエ料理への取り組みは2024年以後、注目の話題になるかもしれません。日本ジビエ振興協会によると全国で26の自治体が参加会員に名を連ねています。そのなかで鳥取県からは2自治体が参加していますが、昨年度の鳥取県内でのクマ、シカ、イノシシによる農産物被害は6000万円に届かんという規模になったそうです。農家にとっては死活問題です。また鳥取県ではジビエ料理にも積極的で、駆除した鳥獣の有効活用を県として後押ししています。「キャンプ&グランピングEXPO」に鳥取県とほうきのジビエ推進協議会が鳥取ジビエとして共同出展。展示ブースには鳥取県さん新米紹介の他にリアルなイノシシの頭骨が展示され、駆除したシカ脚の燻製やイノシシの焼肉の実演が行われ、焼きたてのソーセージも振舞われていました。最近ではメディアにも取り上げられることが増え、ジビエはヘルシーで栄養価の高い食材という認識が高まりつつあります。代表的なシカ肉は牛肉に比べて高タンパクで、カロリーは1/2、鉄分は2倍だそうです。またイノシシ肉は豚肉に比べてビタミンB12で3倍、鉄分は4倍とも。ジビエの効能の高さに注目するアスリートも増えています。鳥取ジビエブースでは現役猟師の山本暁子さんがスタッフとして調理実演と説明を担当していました。山本さんは「狩猟入門」という本を上梓され自身の鳥獣との関わりを取り上げるだけでなく、獣害の現場や鳥取県のハンター育成に携わり、さらには子供世代への食育にも注力するなど活躍は多岐にわたっています。TVメディアでは東北地方での熊情報が多々ピックアップされていますが、鳥取県でも実際に里に降りてくるようになったそうで、山本さんもイベント開催の数日前に熊駆除に出動されたそうです。もはや全国レベルです。みなさんの居住自治体も明日には、という切迫感を感じますね。展示していたシカ脚の燻製は実際に鳥取県内で販売されているもので、燻製職人の手による本格燻製です。解体は県認定のHACCP適合施設で農水省が定める国産ジビエ認証取得事業所の「わかさ29工房」によるもの。同社は鳥取県のジビエ事業のリーダー役も務めています。山本さんオリジナルの新商品となる鹿肉のウインナーは、塩とハーブで味付けしクセも少なく、無添加のチップ燻製を天然の腸詰めにしたもので、子どもでも食べやすいのではないでしょうか。燻製ならではのオトナの味わいで、参加者のなかからは「ビールが欲しいね」という声が上がったほど。確かに酒のつまみにも最適かと感じます。ジビエは田畑の農作物被害の増加を抑える基盤に貢献もすれば、衛生的な解体処理施設の認定認証などで安全な美味しさも提供してくれます。また、学校給食・家庭料理・加工食品としての活用など野生動物の生命をさまざまに役立たせています。ジビエ料理を通じて野生動物たちとの関わり方を意識してみるのもひとつの方法かもしれません。

(高校生が鹿肉と廃棄予定野菜を使ったドッグフードの開発に挑んだ理由:兵庫)
この夏、兵庫県の農業高校生が行ったクラウドファンディングのプロジェクトが話題になりました。内容は、<鹿肉と廃棄予定食材を使った無添加のドッグフード作りに青春をかけて挑む!>というもの。学生たちのオリジナルドッグフード開発プロジェクトは見事目標金額を達成し、2023年の夏に商品化されました。今回はこの鹿肉ドッグフードについて、開発の背景や商品に込めた想いをご紹介します。鹿肉ドッグフードの開発に挑んだのは、兵庫県立農業高等学校、通称「県農(けんのう)」の生徒たち。動物科学科の社会動物研究会に所属する2年生2名と3年生5名でドッグフード開発プロジェクトを発足・進行しました。そもそもの開発のきっかけは、校内で飼育されているボーダーコリーの「レオ」が皮膚病を患ったことでした。かかりつけの動物病院でレオを診てもらった際、先生から犬も人間と同じように毎日の食事が健康に大きく関わっていることを聞かされたのだとか。犬の健康にとってフード選びの重要さを知った県農の生徒たちは、自分たちの手で犬の健康を第一に考えたドッグフードを作ることを決めました。そして、獣医師の先生のご紹介で鹿肉ペットフードの製造販売を行う「しそうの森の贈物グリーンキーパー」さんと出会い、協力を得て、理想の鹿肉ドッグフード作りがスタートしたのです。原材料と栄養バランスにこだわり、試作を積み重ねたドッグフードの開発には、約1年半かかりました。こうして開発されたドッグフードは『県農 Only One Dogfood』と名付けられ、栄養価が高く、ワンちゃんたちの食いつきも良かったといいます。クラウドファンディングで多くの支援者を得た『県農 Only One Dogfood』は、イベントや学園祭などを通じて日本中のワンちゃんの元へ届けられるようになりました。『県農 Only One Dogfood』が注目を集める理由は、現役農高生が主体となって開発したというだけではありません。『県農 Only One Dogfood』には、愛犬と自然環境にとって3つの大きなメリットがあります。『県農 Only One Dogfood』の原材料である鹿肉は、害獣として駆除された鹿を利活用したものです。都心で暮らしていると「鹿は害獣」ということを知らない人も多いですが、ニホンジカは全国各地で害獣として駆除対象になっており、兵庫県内でも年間約49,000頭(2021年度)が狩猟・捕獲されています。そのうちジビエ肉などに加工・利用されているのは約13,000頭程度で、残る36,000頭近くは産業廃棄物として処理されているという現状があります。農作物や自然環境の保護のためとはいえ、人の手で奪われた命がそのまま廃棄されているというのは疑問が残る行為。そんな現状を学んだ県農社会動物研究会の生徒たちは、「この命を無駄にしたくない」という想いから、鹿肉の利活用に踏み切りました。『県農 Only One Dogfood』には、鹿肉の他にも「もったいない」を活かした原材料が使われています。それは、廃棄される予定だった野菜や鶏卵、玄米など。というのも、動物科学科以外に農業科や園芸科などの学科を構える兵庫県立農業高等学校では、普段から農産物の生産や酒米の研究が盛んに行われています。しかし、生産工程の中で大きくなりすぎてしまった農産物やちょっとした傷がついた農産物は “規格外” となり、売ることも使われることもなく廃棄処分されてしまっていたそう。そこで学生たちは、校内から出ている廃棄予定食材をドッグフード開発に取り入れて、育った作物を無駄にしない仕組み作りを考えました。『県農 Only One Dogfood』を作るうえで、何より大切にしているのは、それを食べる犬の健康です。高たんぱく・低脂質・豊富な鉄分を叶えたのは、栄養価の高い鹿肉ならでは。防腐剤や保存料は一切使用せず、「原材料の生産地がわかる無添加の鹿肉ドッグフード」を実現しました。『県農 Only One Dogfood』の高い栄養価については、外部機関で成分分析をした結果、太鼓判が押されています。さらに、市販のフードが苦手なワンちゃんのために、食欲をそそるような嗜好性にもこだわったそう。結果、学校で飼われているワンちゃんたちをはじめ、同級生の愛犬たちにも評判の良いドッグフードが生まれたのです。さてここからは、そんな『県農 Only One Dogfood』について、兵庫県立農業高校動物科学科の開発担当者の方にお答えいただいたインタビューをご紹介します。レオくんの病気に関して、例えば皮膚の健康に配慮された市販品のフードを与える選択もあったかと思います。自分たちで独自のフードを開発するという挑戦には、どのような想いがあったのでしょうか?レオの皮膚病をきっかけに獣医さんから紹介していただいた、宍粟市で鹿肉を使用したドッグフードを製造されているグリーンキーパーさんと出会い、兵庫県では多くの鹿が狩猟されそのまま廃棄されているという現状を知りました。また、勉強していく中で、私たちの学校でも多くの規格外の農産物が商品にならないという理由で廃棄されていることも知りました。高たんぱく質で低脂質の鹿肉を活用することができればワンちゃんにとっても環境にとっても貢献できるのではないか、また環境問題に対しても貢献するきっかけを起こせるのではないかと思い、私たちで鹿肉ドッグフードを開発することを決めました。レオだけでなく、困りごとを抱えた他の犬たちにも安全なフードを届けたいという気持ちも強かったです。(兵庫県立農業高等学校 動物科学科 ドッグフード開発ご担当者様)。クラウドファンディングご支援者の方々からのご反響や、ドッグフェスなどで出会ったご購入者からのご反響があれば教えてください。シニア犬で固いものが食べられなかったところ、『県農 Only One Dogfood』はほぐれやすいので食べることができ、催促するほどの食いつきだったというお声をいただきました。また、愛犬に与えるととても喜んだので、再度購入しに来たとイベントに足を運んでくださる方もいらっしゃいました。(兵庫県立農業高等学校 動物科学科 ドッグフード開発ご担当者様)。今後の出店のご予定や、新たに挑戦したい取り組みなどはありますか?イベントや校内行事での販売を行う予定です。また、より多くのワンちゃんにフードを届けるために店舗での販売も行っていきたいと考えています。さらに、これまでは不透明な点も多く、利用してこなかった鹿肉の内臓の成分分析を行い、ワンちゃんにとってより良いドッグフードを開発していきたいと考えています。(兵庫県立農業高等学校 動物科学科 ドッグフード開発ご担当者様)。現役農高生たちが開発した、犬の健康とフードロスに配慮したドッグフード『県農 Only One Dogfood』をご紹介しました。もともとは学校で飼っているワンちゃんのため、身近な廃棄予定食材や地域の困りごとをベースにドッグフード開発を行った生徒さんたち。「犬の健康長寿は家族みんなの幸せ」というポリシーのもと、安全に美味しく食べられて健康の手助けをしてくれるドッグフードへの取り組みは今後も続いていきます。

(くらしの中から考えるジビエ)
「ジビエ」を知っていますか。シカやイノシシなどの野生動物の肉のことで、食材としての活用が広まっています。背景には、山にいるはずの動物が街に現れて田畑を荒らしたり、人を襲ったりする被害(獣害)の増加があります。ジビエを通じて、身近に生きる野生動物のことを考えてみませんか。赤身が軟らかいシカ肉のステーキ、脂のうま味を感じるイノシシ肉のテリーヌ…。11月に東京都内であった日本ジビエ振興協会のセミナーでは、さまざまなジビエ料理が披露された。「ジビエの魅力をもっと知ってほしい」。協会代表理事で、フランス料理店オーナーシェフの藤木徳彦さん(52)は呼びかける。藤木さんによると、シカは赤身、イノシシはとろける脂が特徴。タンパク質が多いなど栄養価も高い。「育った地域やオス、メスによっても味が違う。食べる楽しさがある」と話す。ジビエとして活用される野生動物の数は、年々増えている。昨年度は約15万8千頭だった。国も、捕獲や解体の仕方を決めたガイドラインを作ったり、処理施設を建てるために補助金を出したりして力を入れる。背景には、獣害が広がっていることがある。2022年度に野生動物の被害を受けた農作物の金額は156億円に上る。被害を防ぐため、全国各地で野生動物の捕獲が進められている。愛知県豊田市では、農業が盛んな山あいの地域で、イノシシが畑を掘り起こしたり、シカが田んぼで収穫前の若い稲を食べてしまったりする被害が相次いでいる。市農業振興課の藤川加奈子さんは「金属製の網や柵で囲っても、動物はくぐったり、突き破ったりしてしまうので大変」と話す。そもそも山にいるはずの動物が、なぜ人里に来てしまうのか。麻布大生命・環境科学部の江口祐輔教授(54)は「人間が知らず知らずに残したえさに引き寄せられている」と話す。例えば、放置されたカキの木や、農家が畑に捨てた野菜の残りくずなどだ。さらに、山の近くに住んだり、仕事をしたりする人が減り、動物は人里に簡単に来るようになった。江口教授は「獣害が増えたのは、人間がつくった環境が原因」と指摘する。捕獲される動物は増えたが、このうち、ジビエとして活用されるのは1割ほど。多くが捨てられているのが現状だ。江口教授は「動物を無駄に殺さないためにも、畑に生ごみを残さない、放置された果物の木を切るなど、人里に近づけない対策が大事」と話す。日本ジビエ振興協会の藤木さんも「命を無駄にしないという意味でも、ジビエの活用を広めていきたい」と力を込める。飲食店だけでなく、学校給食や社員食堂でジビエを提供する動きも広がっている。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、6日、柴田町入間田大畑でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、6日午後2時ごろ、南三陸町歌津払川にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午前6時30分ごろ、仙台市泉区西田中萩坂前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日未明、仙台市青葉区上愛子折葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、6日早朝、富谷市富谷新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、6日午前11時45分ごろ、登米市津山町柳津平形にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、6日午前7時30分ごろ、富谷市富谷熊谷下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、5日、色麻町小栗山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、5日午後6時15分ごろ、利府町菅谷台1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、5日午後5時50分ごろ、色麻町王城寺渡戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午後、仙台市泉区住吉台東3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、5日午後4時30分ごろ、角田市小田赤生付近にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、5日未明、富谷市富谷新田にクマが出没しました。

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(60代男性が小屋でクマにかまれ軽いけが:岩手)
2日午後、岩手県北上市で60代の男性が自宅近くの小屋でクマに襲われ、腕に軽いけがをしました。警察によりますと、2日午後3時半ごろ、北上市和賀町で64歳の男性が除雪用のスコップを取りに自宅近くの小屋に入ったところ、小屋の中にいたクマに襲われ左腕をかまれました。男性は自宅でみずから手当てをしたあと消防に通報して市内の医療機関に搬送され、左腕に軽いけがをしているということです。男性を襲ったクマは体長が1メートル30センチほどで、男性を襲ったあと小屋から外へ逃げたということで、警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。

(工場にイノシシ侵入、従業員2人が襲われてけが:茨城)
30日午前、茨城県笠間市の工場にイノシシが侵入し、従業員2人が襲われてけがをしました。イノシシは走り去り、警察などは見つけても近づかないよう注意を呼びかけています。30日午前11時すぎ、笠間市稲田の住宅資材メーカーの工場から「男性従業員2人がイノシシにかまれた」と消防に通報がありました。警察や会社によりますと、工場の敷地に侵入したのは体長1メートルほどのイノシシで、襲われた2人のうち1人は左肩を骨折しましたが2人とも命に別状はないということです。イノシシは、工場にゆっくり入ってきて、追い払おうとした従業員の左のふくらはぎをかんだあと、外に走って逃げたもう1人の従業員を追いかけ、転んだ男性を3度ほど突いて走り去ったということです。目撃した別の従業員は「ニュースなどでは手を出さないようにと聞いているが、もし向かってきていたら自分も追い払おうとしてケガをしていたかもしれない。きょうのイノシシは大きくて怖くて、手出しできないと感じた。信じられないほど速いスピードだった」と話していました。現場の工場は田んぼに囲まれた場所にあり、警察や地元の猟友会はイノシシの行方を捜すとともに、見つけても近づかないよう注意を呼びかけています。

(東海道新幹線で5人体調不良、登山客がクマ用スプレー誤噴射か:静岡)
2日午後7時15分ごろ、JR浜松駅に停車していた岡山発東京行き東海道新幹線「ひかり518号」の車内で、乗客5人が目や喉の痛みを訴えた。静岡県警によると「スプレーがまかれた」との110番があり、20代と30代の女性が救急搬送された。全員症状は軽い。県警はクマ撃退用スプレーが誤って噴射されたとみている。県警によると、浜松駅で登山帰りとみられる乗客が乗車。この乗客が持っていたスプレーに何らかの衝撃が加わり、噴射された可能性があり、県警が詳しい状況を調べている。消防によると、5人は全員女性で、7歳の子どもも含まれるという。JR東海によると、車内の非常ブザーと駅の非常ボタンが押された。ひかり518号は浜松―東京間で区間運休。乗客は全員浜松駅で下車した。浜松駅前は駆け付けた消防隊員らが慌ただしく出入りし、黄色い規制線が張られるなど、騒然とした雰囲気だった。出張を終え、東京に帰るため浜松駅にいた男性(51)は「ニュースを見て、これから乗るのが少し怖くなった」と不安な表情で話した。

(絶滅危惧種・クマタカから鳥インフルエンザの陽性反応:北海道)
絶滅危惧種に指定されている「クマタカ」の死骸からA型鳥インフルエンザの陽性反応が確認されました。高病原性かどうか詳しい検査が行われます。26日北海道のオホーツク海側にある斜里町で、回収されたクマタカ1羽の死骸を環境省が簡易検査したところA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認されました。クマタカは環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている野鳥です。今後、環境省が国立環境研究所に依頼して致死率の高い高病原性鳥インフルエンザかどうか詳しい検査が行われます。

(鷹狩りのタカが鳥インフルエンザに:岐阜)
岐阜県海津市で鷹狩りに使っていたタカ1羽から、鳥インフルエンザが検出されました。岐阜県によりますと、鳥インフルエンザが検出されたのは、海津市の施設で飼われているタカ一羽です。このタカは、11月15日から18日にかけて岐阜市や岐阜県大垣市で行った鷹狩で野生のカルガモを捕食。11月23日に体調を崩したため検体を採取したところ、30日に鳥インフルエンザが検出されました。このタカは25日に死んだということです。高病原性かどうかは確認中で、来週結論が出る見通しです。岐阜県によりますと、この施設ではタカやニワトリなどあわせて150羽ほどの鳥が飼育されていますが、鳥インフルエンザが検出された鳥は他におらず、県内全ての養鶏場などでも、今のところ異常は確認されていないということです。

(ノスリ、鳥インフルエンザ感染確認:東京)
東京・千代田区で死んでいるのが見つかった野鳥の「ノスリ」1羽が鳥インフルエンザウイルスに感染していることが確認され、都はほかに感染している野鳥がいないか調査しています。都によりますと先月28日、東京・千代田区でノスリの死骸が見つかり、鳥インフルエンザに感染していないか調べたところ都の簡易検査では陰性でしたが、国立環境研究所の遺伝子検査で「A型」の陽性反応が出たということです。国立環境研究所は、このノスリについて別の遺伝子検査をさらに行い感染力が強い高病原性のウイルスかどうか特定するということです。都内で野鳥の鳥インフルエンザの感染が確認されたのはことし初めてです。都はノスリの死骸が見つかった場所の半径10キロを監視重点区域として、鳥インフルエンザに感染した野鳥がいないか調べるとともに、同じ場所でたくさんの野鳥などが死んでいた場合は、都や近くの区市町村に連絡するように呼びかけています。

(安中総合射撃場のライフル施設が来春ようやく開業へ:群馬)
安全対策の不備により銃刀法の基準を満たせず開業が3年以上遅れている群馬県安中総合射撃場(安中市)を巡り、県は4日、狩猟者の育成拠点となるライフル射撃施設を来春にも開業できる見通しであることを示した。射撃位置の修正に伴う改修工事を実施し、安全を確保した。併設するクレー射撃施設については、基準を満たす方法を模索している段階で、開業まで数年かかる見込み。野生鳥獣捕獲のニーズが高まる一方、担い手確保が課題となっており、狩猟関係者からライフル施設の早期開業を求める声が上がっていた。

(1400万円集めて未払い発覚、“雲隠れ”狩猟チーム女性代表はどこに:神奈川)
猟銃を撃った女性――。女性だけの狩猟チーム「ジャパンハンターガールズ」の代表で、国の交付金や寄付などで集めた約1400万円の一部を持ったまま、雲隠れしている疑惑が持たれている。そして、その雲隠れは今、市や地元を巻き込んだ騒動に発展していた。発端となったのは、神奈川県南足柄市の森林公園内にあるジビエ処理加工施設。南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:イノシシやシカの搬入場所になっていまして、ここで皮を剥いたりするような場所になっています。2023年6月にオープンしたばかりだが、10月23日から休業している。というのも…。南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:(代表の女性と)全く電話とかメールとか、自宅に行っても(連絡が)取れない。役所としては市の施設になってますので、国の補助金も入って整備した場所ですから、非常に困っております。施設の開発・運営を担当してきた女性だけの狩猟チーム「ジャパンハンターガールズ」の代表と、連絡が取れなくなっているという。女性代表:(農林水産省公式YouTubeより)(駆除すると)お肉だけじゃないんですよね。出る部分って骨もそうですし、皮もそうなんですけど、なんとか活用できる方法はないかと聞きまして、ちょうど私たちも食肉処理場がないと利活用に関してできないよねっていう中で、なんとか造ってみようかって。2022年12月に農水省が公開した映像では、駆除した動物の活用のため、処理加工施設を造る決意をしたと語っている女性代表。施設の開発費用として、国の交付金約620万円のほか、クラウドファンディングでも約250万円を募るなど、合わせて約1400万円を集めていた。しかし…。南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:(工事費用を)払ってるのかなっていう認識はありました。ただ8月ですかね、施工業者の方から(改修費用の一部未払いの)相談があったのは事実。施工業者への未払いが発覚。では、集めた多額の金はどこに行ったのか。30万円を寄付した地元の猟友会からは、こんな声も…。猟友会 南足柄支部・桐生賢五支部長:顔は広いし頑張り屋さんで、私も期待もしていたし信頼もした。去年の7月ごろ車買ったり、あんなのよく買えるなって。その当時結局はお金を使い過ぎたのか、その辺からじゃないのかな、おかしくなったのは。実は女性代表、施設の開設をめぐってこんな発言も――。女性代表:(農林水産省公式YouTubeより)南足柄市の市議会議員さんが協力してくださって話をすすめている。取材によると、未払いが発生した施工業者と女性代表の打ち合わせには、ある市議が立ち会っていて、この市議がいたことで女性代表が信頼を得た可能性も指摘されている。なぜ市議は立ち会っていたのか、「イット!」が直撃した。ジビエ施設に協力した市議:ちょっと私もケアが甘かったかなと思いますよ。呼ばれたからといってね、そういう所に行ったのが良かったのかどうか分かりませんけども…。女性代表とは、地元の有力者を通じて知り合ったという市議。施工業者との打ち合わせの場に出向いたことは「甘かった」としている。ジビエ施設に協力した市議:有害鳥獣を減らすことは(施設開設の)一番の目的ですから、なんとか運営していっていただける方がいればね。市は今後、女性代表側と権利関係を整理し、施設の再開をしたいという。

(クマ襲撃の被害、9割が顔にケガ)
ツキノワグマに襲われ、救命救急センターで治療を受けた人のおよそ9割が顔面にケガを負っていることが、朝日新聞の集計でわかった。眼球摘出に至るケースもあり、命が助かっても顔に傷や後遺症が残るリスクがあるという。

(新語・流行語大賞発表 「OSO18」がトップ10入り)
ことしの「新語・流行語大賞」が1日発表され、トップテンに相次ぐクマの被害に関連した「OSO18/アーバンベア」が選ばれました。「新語・流行語」大賞は、1年の間で話題になった出来事や発言、流行の中から世相を表現したことばを選ぶ賞で1日東京都内で、ノミネートされた30のことばからことしのトップテンが発表されました。年間大賞には、▼ことしプロ野球で38年ぶり、2度目の日本一に輝いた阪神の岡田監督が、リーグ優勝を表現したことで話題となった「アレ」が選ばれました。また、トップテンには、相次ぐクマの被害に関連した「OSO18/アーバンベア」が入りました。「OSO18」は、2019年以降、道東の標茶町と厚岸町で、放牧中の牛あわせて66頭を襲い、ことし7月に駆除されたヒグマで、「アーバンベア」は、市街地に出没する都市型クマを表しています。ヒグマの生態に詳しく、日本クマネットワークの代表も務める酪農学園大学の佐藤喜和教授は、「これらのことばは決して望ましいものではなく、少しでもこうしたことばが流行しないよう、できる限りのことをしていきたい。一方で、現代ではクマの数が増え、人口が減少している。国や地方自治体は、単なる『クマ問題』とせずに、適切な予算措置や、専門的な人材の配置、人材の育成を進めてほしい」と話していました。このほか、選考委員特別賞には旭川市出身のお笑い芸人、「とにかく明るい安村」さんがイギリスのオーディション番組で披露して話題となったフレーズ、「I’mwearingpants!」が選ばれました。

(クマ被害が過去最多を更新)
環境省はクマに襲われるなどの被害に遭った人が全国で212人に上り、過去最多を更新したと発表しました。環境省は今年4月から11月末までにクマに襲われるなど、被害に遭った人が全国で212人に上ったと発表しました。10月に続き、統計を始めた2006年以来、過去最多を更新しました。被害に遭った人のうち、6人が死亡しています。都道府県別で被害人数が最も多かったのは、▽秋田県で70人。続いて▽岩手県で47人、▽福島県で14人となっています。環境省によりますと、クマは例年11月後半から12月にかけて冬眠に入るとされ、今年の11月は前の月に比べて被害件数や人数が減少しているものの、過去2番目の多さとなりました。環境省は引き続き注意をするよう求めています。

(クマの駆除推進で道が支援策、ハンターの現状と課題は:北海道)
全国で相次ぐクマの被害。今月、道南の大千軒岳では、登山中だった22歳の男子大学生が遺体で見つかり、その後の調査でクマに襲われたことがわかりました。こうした中、28日開会した定例の道議会で道は、一般会計の総額で107億円あまりの補正予算案を提出しました。この中には、被害が相次いでいるクマの駆除を推進しようと道として初めて、ハンターへの支援策を盛り込みました。具体的には、来年2月以降、冬眠中のクマなどを駆除する「春期管理捕獲」を進めるため、▼ハンターの出動経費や報奨金のほか、▼弾薬などの必要な資材、それに▼ハンターを育成するための研修など市町村が行う支援策を補助する費用に1500万円を計上しています。道がハンターの支援にかじを切った背景には、クマによる被害が過去最悪のペースで増え続けるていることがあります。昨年度、ヒグマによる道内の農作物などへの被害額は、2億7100万円と前の年より900万円増加。人が襲われる被害や目撃情報も相次いでいます。27日、札幌市の定山渓では、山林の測量作業を行う作業員がクマに襲われないよう、銃をもったハンターが同行しました。自治体などは、山の中で実施する業務のほか、クマの駆除を行うときなどに、ハンターに出動を要請します。札幌市でクマの駆除を行う「防除隊」の隊長を務める玉木康雄さんは、クマの被害や目撃情報の増加にあわせて、出動要請も年々増えていると話します。「山間部の護衛の仕事ももちろんですが、緊急捕獲案件が非常に多い。札幌の市街地、クマがいて困るエリアに多数の出没件数があり、出動は過去に例を見ないくらいです」ことし4月から今月までに、札幌市で活動する防除隊に寄せられた出動件数は、175件。最も多い月では38回で、1日に1回以上、出動する頻度です。ときに人の命を奪うこともあるクマへの対処は、ハンターにとって負担が大きく、高度な技量と経験が求められるため実技試験などを通過する必要があります。札幌市の猟友会では、所属する600人のうち、クマを駆除できるハンターは30人ほど。出動できる人数には限りがあり、高齢化も進む中で、若手の育成が課題になっています。さらに、別の課題も抱えています。それが金銭面の負担で、ハンターの出動には、銃や弾薬、プロテクターや通信機材のほか、山への移動に伴うガソリン代などが必要となります。出動経費や成功報酬を支給している市町村は一部にとどまっていて、ことしの春に行われた冬眠中のクマなどを捕獲する「春期管理捕獲」で、こうした経費を支援したのは、道内の179市町村のうち、わずか7市町村です。多くの場合、社会に貢献したいというハンターの気持ちに頼っているのが実情です。玉木さんは、今回の道の補助をきっかけに支援策が広がることを期待しています。「クマと実際に山の中で遭遇して、捕獲するという経験を積むにもハンターになってから、10年、20年と山の中に入って、何回できるかというレベルです。地域の若手のハンターを育ててくれることまで考えると報奨金というのは、北海道全域にまんべんなくいきわたることを願っています」。道総研の釣賀一二三・自然環境部長は今回の道の補正予算案は、市町村がすでに行っている支援策の補助にとどまっていて、効果は限定的だと指摘しています。「昔はヒグマの毛皮などを販売すれば、それなりのお金になったが、そういったことも最近では無くなってきている。どの地域でも、ハンターが地域の抱えている問題をなんとかしようと、ボランティア的に活動しているのが実態だ。予算が付くことで、ハンターの数が増えるわけでもないし、状況に大きな変化が出るものではない」。釣賀部長は現状のハンターの人数で増加するクマに対応するには限界があり、育成は待ったなしの課題だとした上で、複数の市町村で支援策の財政負担や人材育成を進める「エリア戦略」が欠かせないとしています。「市町村の中にはハンターがいない地域も出始めている。地域で恒常的に獣害対策に携わる人材や体制を構築するためには、複数の市町村がまとまって1つの共有のポリシーを持つことが必要だ。例えば、その束ね役として、道に14ある振興局単位で人材を育成していく必要がある」。ほとんどのハンターが本業の仕事を抱える中で、急な出動要請に応じることは難しく、専門家からは今後は道や市町村の職員の中からハンターを育成する必要があるという声もあがっています。クマの被害が相次ぐ中、単なる金銭的な支援だけにとどまらず、ハンターのなり手をどのように確保するのか具体的な対策が求められています。

(クマ1頭狩猟で7千円の慰労金:秋田)
クマによる人身被害や農作物被害への対応に苦慮する秋田県は、28日開会の12月県議会に、狩猟者の支援を主眼とするツキノワグマ被害防止対策費約2470万円を盛り込んだ補正予算案を提案した。被害が急増する中、狩猟者にとって、捕獲後の運搬や解体、猟銃に使う弾丸の購入などにかかる費用が重くのしかかる。負担を軽減するため、有害駆除を担う県猟友会に対し、約1500人の全会員に2千円ずつ支給する慰労金375万円を補助する。狩猟者個人には、1頭につき7千円の慰労金を支給する。また、人里での出没を抑制し地域の安全を確保するため、約195万円で麻酔銃を新たに2丁購入。北秋田と仙北の両地域振興局に配備する。佐竹敬久知事はこの日の県議会本会議で「県民の生命・財産を守ることを最優先に、被害防止対策を強化していきたい」と述べた。

(クマ出没増、人身被害も:岩手)
釜石・大槌地区ツキノワグマ管理協議会は21日、釜石市新町の釜石地区合同庁舎で本年度2回目の会合を開いた。例年は1度の開催だが、今年は人身被害が相次いでいることから、関係者間の情報共有を図ろうと回数を増やした。岩手県や釜石市、大槌町の鳥獣被害対策担当者、猟友会、農業や林業関係者など約20人が出席。広範で効率的な情報収集により市街地に出没した時に迅速に対応すべく知恵を絞った。県沿岸広域振興局環境衛生課の担当者が県内の出没状況を説明。今年はブナなどのドングリが大凶作のため、目撃や痕跡で確認されたクマの出没数は9月末時点で3368件と、前年同期の2049件に比べて急増している。人身被害は11月8日時点で死亡2人を含む43件46人(前年同期21件22人)。例年、出没のピークは8月で、9月には減少傾向となるが、今年は6月(873件)をピークに減ってはいるが、数字的には高い水準で推移している。釜石市でも県と同様に出没数が急増。今年、これまでに確認されたのは284件で、昨年1年間(143件)の約2倍となっている。6月の65件をピークに1桁となる月もあったが、10、11月は50件前後と増加。それに伴い、人身被害も発生している。「2件になってしまった」。市水産農林課の宮本祥子さん(林業振興係長)が市内に残るクマの痕跡を示しながら人身被害の状況を話した。10月と11月に1件ずつ発生し、場所はともに甲子地区内。このうち、散歩中の80代女性がクマに襲われ負傷した10月のケースは、市がクマの出没を把握していない場所で起こった。事後に住民らに聞き取りをすると、「近くに柿の木があって以前からクマがうろついていた」というが、市には連絡していなかった。「行政だけでは情報を得られない。広く共有するには住民の協力が必要。報告が重要になる」と、苦い事例にやるせなさをにじませた。11月に発生したのは、以前から出没を確認していた柿畑。少し前に1頭を捕獲し、市では「被害はおさまる」と考えていた。だが、結果的に別の個体が害をもたらし、畑の様子を見に来た70代女性がけがを負った。2件とも柿の木が誘因物の一つと考えられ、宮本さんはクマのものとみられる爪痕がある幹、折られた枝、周辺に残されたふんの写真を表示しながら、「クマの出没を知らない状況を極力なくしたい。小さな変化でも気になることがあれば連絡してほしい」と求めた。出席者から、6月に出没が増えた要因や次年度の予測について質問が上がった。沿岸振興局の担当者は「急増の要因は把握できていないが、全県的に生息頭数が増えていると推測される」と回答。本年度の捕獲上限は686頭としているが、10月13日時点で捕獲数は591頭に上り、過去最多を更新。人身被害や市街地への出没が多発しており、「来年度は上限を110頭増やし、796頭とすることが決まっている」とした。大槌町でも2件の人身被害が発生しており、町の担当者は「この時期になっても、まだ出没を前提にした対応をしなければならない。誘因物の除去も大事だが、一つ除いても次のリスクにつながるのではと感じる。いたちごっこのよう。どういうゴールを目指すのか、分からない」と困惑。釜石地方森林組合の関係者らはドングリが実る広葉樹を針葉樹林に増やす混交林に触れ、「植樹は時間がかかるが、検討していく必要があるのでは」と考えを伝えた。沿岸振興局保健福祉環境部の田村良彦部長は「普段から連携をとっているが、さらに強化したい。痕跡を早期に発見、共有して住民に還元し、人身被害の防止につなげていく」と強調した。

(全国のクマの被害件数は2022年の2倍以上、県の目撃情報も昨年より増加:愛知)
2023年相次いで起きているクマによる被害。10月までに全国で2022年の2倍以上となる180人が被害に遭っていて、死者も5人に上っています。福井県越前市では女性が散歩中に襲われ顔にけが。富山県富山市では男性2人が住宅の庭で襲われ左足や顔などにけがをしました。また、岐阜県本巣市では間伐作業中の男性が襲われ左腕などにけがをしました。これらは一部で、ほかにも人的被害は出ています。愛知県はまだ人的被害は出ていませんが、クマの確認情報が11月28日時点で18件。この確認情報というのは、住民などから目撃情報が寄せられたあと、自治体などが現場で確認。クマの痕跡などが確認できた情報となります。2022年11月末時点では確認情報は10件でした。2022年の同時期を比較すると、かなり増えています。

(「クマ出没特別警報」来年1月末まで延長:新潟)
各地でクマの出没が相次ぐ中、県内ではこうした状況が来月以降も続く懸念があるとして、県は、発表している「クマ出没特別警報」を来年1月いっぱいまで延長することを決めました。これは29日に開かれた県の鳥獣被害対策緊急本部会議で決まりました。会議では、今年度の県内のクマによる人身被害が29日までに9件10人にのぼり、このうち5件は民家の敷地内で発生していることが報告されました。また、猛暑となった平成22年度は、12月以降も30件以上のクマの出没が確認されたことや20人以上が被害を受けた令和元年度と2年度には12月以降も人身被害が発生したことなどが説明されました。さらに専門家からは暖冬が予想されるため、積雪がもともと少ない人里や市街地でクマがえさを取りやすい状況が継続し、1月にも市街地での出没や人身被害のおそれがあるとの指摘がありました。こうした状況を受け、県は29日、今月末までとしている「クマ出没特別警報」を来年1月いっぱいまで延長することを決め、命を守る行動を引き続き取るよう呼びかけています。県鳥獣被害対策支援センターの渡部浩所長は、「朝、出会い頭に襲われてしまうということが特別警報発表以降も起きています。出没が確認されている地域のかたには自宅から出るときは十分注意していただくなど県民の皆さんには身を守る行動をお願いしたい」と話していました。

(有害鳥獣対策、デジタル技術の活用探れ)
先週末、オフィスや飲食店が並ぶ岡山市中心部にイノシシが出没した。警察官が出動し、体長約80センチの1匹を捕まえようとしたが逃げられた。きのう夕方までに、けが人の報告はないものの、イノシシを捕獲できていない。福山市では今月上旬、住宅街と工場にイノシシが現れた。それぞれ男性がかまれ、けがを負って病院に搬送された。見つけても安易に近づかないように注意したい。イノシシはシカと並び、農産物などに被害をもたらす有害鳥獣である。岡山県では2022年度にイノシシ3万2255匹、シカ1万3681匹が捕獲された。県によると、記録が残る1985年度以降でイノシシは最多、シカは5番目の多さだった。共におおむね増加傾向を示している。捕獲数の多さは深刻な被害の裏返しである。イノシシとシカを合わせた農林被害は毎年1億円を超えている。狩猟期間以外も捕まえられる「許可捕獲」がイノシシ、シカとも8割余りを占める。自衛策として「わな猟」の免許を取得する農家が近年増えているという。防護柵の設置などの対策を急ぎたい。イノシシやシカが人間の生活空間に姿を現すようになった原因として、耕作放棄地の増加や山林の荒廃が指摘される。手入れが行き届かず草が生い茂って隠れ場所になるなど、人間の生活圏に近づきやすい環境が生まれている。草刈りの徹底など、出没しにくい環境づくりが求められる。県によると、イノシシ、シカとも生息域を広げている。イノシシは海を泳いで移動し島や沿岸部での目撃例が増えている。シカは県北で東部だけでなく、西部でも多く見られるようになったという。笠岡市の真鍋島では、県内企業などがデジタル技術を活用したイノシシ対策の実証試験を今秋始めた。島内の山林に遠隔監視カメラを設置。映像を基にイノシシの行動パターンを人工知能(AI)で解析し、猟犬の鳴き声を発するドローン(無人機)で、猟友会員が待ち構えるエリアに追い込んでいく。岡山県鏡野町でも県が本年度、ドローンを使ってシカの行動を把握し、追い込んで猟をする事業を計画している。デジタル技術活用は鳥獣害対策の選択肢の一つだろう。効果的な対策が確立され、人口減少や高齢化に悩む地域に普及することを期待したい。

(地方議員の獣害対策議員連盟発足:東京)
東京都有害鳥獣対策議員連盟が11月25日、結成された。地方議員で組織する獣害対策議員連盟は全国初。会長は発起人の天野正昭あきる野市議が務める。東京西部の山間地ではイノシシやシカ、猿の目撃、農地を荒らすなどの被害は日常化している。クマの目撃情報も頻発しており、都のまとめによると今年4月以降の目撃情報は11月20日現在で149件。10月、11月は連日のように報告されており、あきる野市戸倉では玄関先に居た例もある。議員連盟に参加したのは、あきる野市、青梅市、日の出町、奥多摩町、檜原村などの市町村議20人。3年前に所有の農地にシカが現れ、その後、野菜を食い荒らされるなどの被害を受けた天野会長らが1年間準備を整え立ち上げた。当日は会則案や行動計画などを検討。山に住む動物が生活地域に現れ、農業被害から生活被害を起こしていることから防護策を講じていくことなどが話し合われた。天野会長は「クマ問題が世間に注目されているから連盟を組織したわけではなく、地域の問題としてかねてから考えてきた。自治体の境を超えて問題解決を図る必要がある。動物には行政境がないから」と意気込みを見せる。

(クマと列車の接触が2023年67件、前年比3倍以上:岩手)
2023年、全国で出没件数が大幅に増えているクマが列車の運行にも影響を与えています。北東北3県のJR東日本盛岡支社管内では2023年、クマと列車の接触が67件あり、2022年の3倍以上に増えたと発表しました。JR東日本盛岡支社によりますと、11月20日現在で北東北3県の管内では列車とクマの接触が67件(前年比+48件)、目撃は173件(前年比+82件)となりました。県別では列車とクマの接触は岩手県が51件(前年比+32件)、秋田県が15件(前年比+15件)、青森県が1件(前年比+1件)となっています。このうち、青森県内では11月3日午後5時半過ぎ、大湊線の有畑ー近川駅間で下り線の列車がクマと接触して、車両の一部の部品が変形し運転見合わせとなることが1件発生しています。列車の乗客と運転手にけがはありませんでした。JR東日本盛岡支社は対策として、クマの接触や目撃件数が多い花輪線の一部区間で警笛を鳴らして音で威嚇する取り組みを試験的に実施しているということです。

(「銃より、わなが安全」急増するイノシシ・ニホンジカの捕獲講習会:青森)
近年、急増しているイノシシや二ホンジカによる農作物被害を防ごうと、青森県南部町で研修会が開かれました。研修会は、イノシシの群れが確認された「ほ場」で開かれ、市町村の担当者など約30人が参加しました。研修では野生動物の調査などをしている研究員がイノシシと二ホンジカの生態を説明したあと、わなの設置の手順とその効果を確認しました。南部町 猟友会事務局「銃を使ったものより、わなの方が安全だと思いますので。私たちの技術向上につながればいいなと」。2022年度、イノシシと二ホンジカによる農作物の被害額は合わせて886万円と前の年度から急増していて、県は研修会を通じて被害防止を図る方針です。

(高校でエゾシカについて学ぶ特別授業:北海道)
エゾシカの増加で農林業被害が急増する中、上ノ国町の高校で被害の実態などを考えてもらおうという特別授業が行われました。この授業は檜山振興局が上ノ国高校で開いたもので、1年生と2年生の生徒およそ30人が出席しました。この中で、講師を務めた檜山振興局の職員はエゾシカの生息数が年々増加していて、道南でもジャガイモやビートなど農作物への被害が深刻になっている現状を説明しました。そして、捕獲したエゾシカの肉や皮を使った革製品を作るなど有効に活用されていることも伝えました。また、エゾシカ肉を使ったしゃぶしゃぶの試食も行われ、生徒たちは興味深そうに味わっていました。2年生の男子生徒は「対策もしていかなければならないですが、ジビエを食べる時も自然を大事にしていきたいと思いました」と話しました。また、2年生の女子生徒は「臭みもなくおいしかったです。ハンバーグにしてもおいしいと思います」と話していました。

(ヒグマ対策に1500万円計上:北海道)
道議会の第4回定例会が28日開会し、総額107億9千万円の一般会計補正予算案などが提案された。会期は12月14日まで。一般質問は同月1日と4、5日に予定されている。災害復旧事業費等に10億7千万円、道南いさりび鉄道経営安定化事業費補助金に9700万円、ヒグマ対策推進費に1500万円などが計上された。このうちヒグマ対策推進費は、人の生活圏での目撃情報が相次ぎ、人的被害も出ていることを受け、対策を強化するため、市町村が実施する春期管理捕獲の費用を、上限なく、かかった費用の半額以内で補助する。狩猟にあたる人への報償経費や事前研修、派遣にかかる費用、資材購入費などが対象となる。今のところ40程度の自治体への補助を想定しているという。また、次世代半導体製造会社「ラピダス」に苫小牧地区から工業用水を供給するため、年度をまたいで予定される施設整備事業を約束する債務負担行為の限度額として192億円余を設定することも提案された。期間は2027年度まで。費用は全額ラピダス社が負担するという。

(クマvsスズメバチ:富山)
食べ物に対する執着が非常に強い野生のクマ。人への被害が相次いでいる富山県では、遊歩道などで地面が掘り起こされるケースが続出。クロスズメバチの一種がクマに食べられたとみられます。立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員:「石を動かしてクロスズメバチ類の巣を採食した形跡があった。恐らく巣の中にいる幼虫・サナギを食べたと思われる」。獲物を見つけた時の強い執着を物語る映像を番組では新たに入手しました。木の根本を掘り続けるツキノワグマ。黒い体には無数の白い点が。よく見ると、ハチです。寒冷地に生息する「キオビクロスズメバチ」は小型のスズメバチで、土の中や木の隙間に巣を作ります。スズメバチに刺されながらも巣の中の幼虫を捕食することをやめません。一度、その場から立ち去りますが、すぐに戻ってきて獲物を逃がすまいと驚異的な執着を見せます。立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員:「食べることのプロフェッショナルなので、餌(えさ)を探すこと・食べるための執着心は人間の想像を超えるかもしれない」。強い執着を持って人の生活圏に進入してくるアーバン・ベアには特に警戒が必要だと警鐘を鳴らします。立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員:「どういったところに食べ物があるかはきちんと学ぶ学習能力を備えている。侮ることなく警戒をしてほしい。今年、被害が出ていない地域においても対岸の火事と考えるのではなく、自分たちにも起こり得ることと考えて来年の秋までにどんどん対策を進めてほしい」。

(ふん害で嫌われ、環境汚染で過去に絶滅危機も)
カワウは、カツオドリ目ウ科で、全身が黒い大型の水鳥。県下では河川流域から沿岸部まで広く見られる留鳥。集団で行動するのが特徴で、採食、休息、睡眠そして繁殖も群れでおこなう。魚食性で、かなり大きな魚もかまずに丸のみする。その様子から、物事の意味をよく理解せず受け入れることを「鵜呑(うの)みにする」という。内水面漁業においては水産有用魚であるアユなどを食べる害鳥として嫌われ、またすみかや繁殖場所などでは大量のふんによる悪臭、樹木の枯死、景観の悪化などの被害が報告されている。2021年に紀の川に架かる六十谷(むそた)水道管の崩落による大規模断水は記憶に新しいが、カワウのふん害による鋼材の腐食も原因のひとつにあるという。どこに行っても嫌われ追い払われるカワウであるが、かつて高度成長期には環境汚染などにより個体数が減少し、絶滅の危機に瀕(ひん)していたという過去がある。その後、コロニーの保護などをおこない急速に個体数が増加して現在に至るが、人に翻弄(ほんろう)され生きている鳥なのだと改めて思うのである。

(クマ、関門海峡を泳いで渡る能力も:山口)
山口県内でクマの目撃・痕跡情報は28日時点で397件と過去2番目に多くなっています。現状と対策を取材しました。美祢市美東町の赤郷地区の山林。山を登っていくと。猟友会所属の男性「この木ね、これを倒してるんよね。それでこの木、これも倒してるんよ」。今年4月中旬、この地区の猟友会の男性がイノシシやシカを捕獲するために仕掛けたわなに体長1メートル35センチ、およそ90キロ、オスのツキノワグマがかかりました。猟友会所属の男性「こういう木の下に隠れとって僕がぽっと行って、ぽっと立たれたら、ちょっとやられているかも。けがしていたかも」。クマはスギの木にしかけたわなにかかり、逃げようと抵抗して木が2本倒されました。爪痕も残っています。猟友会所属の男性「見た瞬間クマと思わなかった。びっくりした。2、300メートル先に家がみなある。午前11時ごろに歩きよるのは、考えられんよね」。捕獲されたのは国道からおよそ20メートル登った場所。このクマは駆除されたということです。男性によると、赤郷地区では去年10月にも子グマが捕獲されたそうです。県内では、今年度、クマの痕跡発見や目撃情報が相次いでいます。学校のグラウンドに足跡。柿の木を折られ実が食べられているのが発見されることもありました。同じ赤郷地区で30年以上林業に携わっている苗木の生産者、堀田勝利さんは森林の現状にその一因があると考えています。堀田勝利さん「本来獣が住むような奥深い所にそういうどんぐり類とか雑木があったり山の尾根がそうであったりするのが適正なんですけれども、今スギ、ヒノキが結構ふもとから上の方までずっとスギとかですね、樹種の選択が適正じゃない所が多いです」。戦後、日本は経済活動を優先し建築用のスギやヒノキを植えていきました。そのため、クマのすみかになる森林は増えた一方でどんぐりなどのえさ場が減ってきていると言います。「森林作りを見直す時がきている」と感じています。堀田さん「山を見直す、山のようは適正な場所に適正な樹種を植える。しかも近年は放置林が増えていて。獣にとっても人間にとってもあんまり意味をなさない山というか山林が増えているんですよね。そこをちゃんと手入れをしてやって、植えてやってっていうことをすることが一番近道なんじゃないですかね」。新型コロナの影響で森林の管理が行き届いていなかったことも原因のひとつではないかと考えています。堀田さん「コロナ禍で結構林業、山の中を切ったり、植え替えたりっていうのがしばらくちょっとストップしていたんですよね。特に山深い国有林なんかは、それも一つあると思います。人間が近づかないのでクマも自分たちの範囲がよく分からないっていうのもあると思います」。30年以上クマの研究をする東京農業大学の山崎晃司教授です。東京農業大学・森林総合科学科 山崎晃司教授「クマの分布域が広がっているということと、それからクマの個体数自体も分布域の拡大に伴って、増えているということが一番大きな背景ですね」。山崎教授によると、本州にクマは少なくとも5万頭以上はいると推定されています。山崎教授「これまでクマがいなかった所にもクマが見られるようになっていますので、本州全体の傾向として、森がある所にはもうほぼクマがいる状態になりつつあるということです」。人口減少や高齢化の加速で、クマが活動しやすい状況は今後も改善されないと指摘します。クマ自体が、すみかである山と人里との境界が分からなくなって人里に出てくる。クマの住むゾーンと人が住むゾーンを区別する「ゾーニング」が重要と話します。山崎教授「ここから先はクマに来て欲しくないって場所はあると思いますのでその境界をまずはっきり決めるということ。ある場所ではクマをゼロにする、ある場所ではクマの数を抑制する、でも本当の奥の山ではクマをきちんと保護するっていうそういう何段階かに分けたゾーンの中でクマの管理っていうのを今後しっかりしていくっていうことが大事だと思います」。山崎教授に素朴な疑問を聞いてみました。クマは12月末までに冬眠すると言われるが今年は暖冬。冬眠はするの?冬眠の時期はずれるの?山崎教授「気温の高い、低いがクマの冬眠には関係ない。食べる物があるかないかが冬眠の時期を左右する。食べる物がなければ、動くとカロリーを消費するため早く冬眠に入る」。九州では1940年代に野生のクマは絶滅したとされ、その後確認されていません。関門海峡を渡り山口県から九州に渡る可能性はあるのでしょうか。山崎教授「クマは海峡を泳いで渡る能力はある。ただ両端は市街地で山が連続していないので強行突破する可能性は低い」。

(クマがわなにかかったシカ襲う:兵庫)
全国的にクマの出没が話題になる中、兵庫県丹波市内の竹やぶで22―24日、くくりわなにかかったシカが野生動物に襲われる事案が2件続いた。1頭は内臓を食い破られており、もう1頭はワイヤーに脚1本を残し、姿がなくなっていた。脚を回収した市は、ふんの状況からツキノワグマの仕業と判断。味を覚えたクマが、シカ肉に執着する事態を招きかねないと、猟師に周辺のくくりわなを引き上げさせた。野生動物を研究する県森林動物研究センター(同市青垣町)は、わなでシカ猟をする猟師が危険にさらされかねないと、有害駆除も視野に適切な対応が必要と事態を注視している。2件とも同じ場所で、人が住む民家まで50メートルほどの山際の竹やぶ。わなを掛けていた猟師によると、22日朝の巡回時に、内臓を激しく食い破られたシカが仰向けに倒れて死んでいた。損傷したシカの死体は、捕獲報奨金の対象にならないため、埋葬した。シカが倒れていた現場には胃の内容物やふんが残っていた。同じ場所にわなを仕掛け直し、24日朝に見に行くと、ワイヤーが竹に巻き付いていた。シカの姿はなく、手繰ったワイヤーの先に太ももの付け根から引きちぎったような左前脚が現れた。腸の一部も落ちていた。クマの仕業を疑い、市に通報。担当者が現地を確認し、脚を回収した。2頭目が襲われた場所で、クマの新しいふんと時間が経過したふんが見つかった。餌を隠す習性があり、脚以外の部分はクマがどこかに持ち去ったと見ている。猟師は「まさかクマがシカを食べるとは思わず、1頭目は埋めてしまった。思い返すと、小動物にかじられた程度の損傷はでなく、あばら骨が見えるぐらいひどくえぐられていた」と言う。市の担当者によると、自然死したシカの肉が何かに食い荒らされることは過去にあったが、クマと判断がつく形で目にするのは、今回が初めてという。クマは本来、肉食獣。わざわざ狩りをしてまで食べない「機会的捕食者」と言われてきた。2件とも、動けなくなったシカを容易に食べられる機会だったとみられる。クマの生態に詳しい同センターの横山真弓研究部長(兵庫県立大教授)によると、過去に但馬地域で類似事案があったという。わなで駆除、捕獲される年間数千頭のシカのうち、襲われるのは非常にまれということから「特定の個体の仕業」と考えており、「むやみに怖がる必要はないが、2件続くのは嫌なパターン。有害駆除など対応をしっかりする必要がある」と指摘する。駆除可否は、市の要請に基づき、県丹波農林振興事務所が判断する。

(情報通信技術を活用してシカを効率的に捕獲へ:福井)
県内でクマの出没が相次ぐ中、野生のシカによる農作物の被害も増えていて、猟友会のメンバーら9人が専門家から情報通信技術を活用した効率的なシカの捕獲法を学びました。研修会では、センサーで反応するカメラと、シカのみが好む特殊なエサを活用した捕まえ方を学びました。このうちセンサーで作動するカメラは、シカを感知すると映像がスマートフォンに届く仕組みで、シカがどんな行動を取っているかが分かるほか、現場に行かなくてもわなにかかったかどうかがわかり、負担の軽減につながります。またシカをおびき寄せる特殊なエサは、クマやイノシシなどが誤ってわなにかかることを防ぎ、安全で効率的な捕獲につながるということです。参加者は「現場に行かなくてよいなら、時間的にロスが少なくなっていい」と話していました。県によりますと、去年のシカによる農作物の被害面積は56ヘクタールと、5年前に比べて5倍以上に増えていて、県では最新技術を活用して農作物の被害軽減につなげたいとしています。

(監視カメラ設置、おりの捕獲動物確認安全に:富山)
富山県砺波市栴檀山(せんだんやま)自治振興会と富山大学は今月、栴檀山地区に設置するイノシシの捕獲用おりのそばに、IoT(モノのインターネット)の監視カメラを設置した。センサーが熱を感知すると撮影し、画像がスマートフォンに転送される仕組み。捕獲確認が安全に効率的にできる上に、今年はおりに子グマがかかっていたことから、住民への注意喚起につながると期待している。設置に携わった富山大都市デザイン学部の安江健一准教授(49)は、授業の一環で地域課題の解決やまちづくりに取り組む。2020年から中山間地にある栴檀山地区と連携し、高齢者の避難経路の見直しなどをしてきた。おりはイノシシによる農作物被害を防ぐために猟友会が設置した。今年は地区の五谷集落で、子グマ2頭がおりに捕獲されているのが見つかった。近くに親グマがいる恐れもあることから、富山大に相談しておりの様子を遠隔で把握できる仕組みを整えることにした。カメラはおりのそばの木に取り付け、地区の計10カ所に設けた。撮影画像はカラーで、登録したスマートフォンなどに転送される。今月20日に1カ所に試験導入したところ、翌日夕にクマがおりに出入りする様子を捉えた。29日は、栴檀山自治振興会長の前田幸雄さん(64)と安江准教授が、地区内の9カ所に設置した。撮影画像は前田さんが受信後、自治会運営をサポートするアプリ「結ネット」を通じて住民に送る。前田さんは「おりを直接確認する手間が省け、住民の安心につながる」と期待する。災害時にタブレット端末を活用した安否確認をサポートする安江准教授は「身近なIT技術に興味を持ってもらいたい」と話した。

(市街地に出没するクマの生息状況の調査検討へ:富山)
新田知事は県内でクマの出没が急増し人的被害が相次いでいることから今後、市街地に出没するクマの生息状況の調査を新たに検討する考えを示しました。これは30日に開かれた県議会の代表質問で新田知事が明らかにしました。県内では10月以降のクマの出没情報の件数が去年の同じ時期の約15倍にのぼっているほかことしに入って9人がクマに襲われこのうち1人が死亡するなど人的被害も相次いでいます。新田知事は、これまで人とクマなど野生生物がすみ分けをするため、里山や山林で下草などを刈り払って見通しをよくする整備を3960ヘクタールで実施したと述べました。また昨年度からは、クマの通り道になっている河岸段丘などで森林の整備にも取り組んでいるということで、今後3年間でさらに868ヘクタールで整備を進める計画だとしています。そのうえで新田知事は、国の緊急事業の活用も視野に県として市街地に出没するクマを対象に生息状況の調査の実施を新たに検討する考えを明らかにしました。新田知事は「人的被害の防止を最優先に、パトロールの強化や捕獲など短期的な対策とともに、環境整備や生息調査など中長期的な対策にも取り組んでいきたい」と述べました。

(ニホンジカの集団狩猟始まる:宮城)
気仙沼市鳥獣被害対策実施隊(菅野克由隊長)によるニホンジカを対象とした集団狩猟「巻き狩り」が、今月から始まった。今年は10月末で隊としてのわな捕獲は終了したため、頭数上積みも図っている。隊員は普段、地面に設置する「くくりわな」を使ったわな猟でシカを捕獲。巻き狩りは、複数人で山に入り、シカを待ち伏せたり追い立てたりして銃で仕留めるもので、若手への知識・技術継承も兼ねて実施している。このほど行われた初日の巻き狩りには19人が参加。集合場所で菅野隊長から安全管理や捕獲方針などの説明を受けた後、上八瀬地区の岩手県境に近い山中で狩猟を行い、1頭を駆除した。わな猟が落ち着き、落ち葉が終わってからが本番になる。菅野隊長は「近年はクマによる人身被害が目立ち、今年は特に多い。巻き狩りをすることで、万が一に対応するための銃の扱い、狩猟の技能・知識継承に努めたい。一方、火薬などの費用が年々高騰して負担が大きくなっているので、継続のためにも何らかの補助が受けられないか模索したい」と話した。実施隊は、有害鳥獣のニホンジカとイノシシを対象にしているわな捕獲を本年度は10月末までで終了。今月からは県猟友会気仙沼支部として、県による頭数管理事業に切り替えて捕獲を行っている。来年度も同じ形での捕獲を検討している。市農林課によると、10月末までの捕獲頭数はシカが776頭(昨年同期比98頭減)、イノシシが35頭(6頭増)。シカは過去最多だった昨年より少ないものの、今月から始まった巻き狩り、県事業の頭数と合わせれば目標の千頭に近い数になる見込みだという。

(クマによる人身被害増加の背景にシカ・イノシシの急増が?:岩手)
岩手県では11月1日にニホンジカとイノシシの狩猟が解禁されました。このシカやイノシシが、今年過去最多の人身被害が生じているツキノワグマの行動に影響をもたらしていると、ハンターや専門家は言います。猟期も始まった。これから有害駆除を行います」。11月19日、花巻市大迫町の山林に、市の委託を受けた花巻市猟友会のメンバーおよそ40人が集まりました。(花巻市猟友会 藤沼弘文 会長)「イノシシとシカの駆除、適正な保護、頭数制限をやろうと来ています」。猟は獲物を追う「勢子(せこ)」と猟銃で撃つ「立ち」に分かれて行われます。2時間ほどで1頭のシカを捕獲しました。猟友会の藤沼会長は、「近年、山に異変が起きている」と感じています。(藤沼会長)「シカは異常に増えている。今から20~30年前は三陸の方に行ってなんとか1頭から2頭という状況だった」。岩手県内では2012年以降、シカやイノシシの急増による農作物の被害が深刻化しています。県内のシカによる農業被害額は、2011年度はおよそ1億5700万円でしたが2012年度におよそ2億8300万円に増えました。2022年度はおよそ2億7400万円と2011年度の1.75倍です。またイノシシによる農業被害額は、2011年度、107万円ほどでしたが、2012年度におよそ213万円になるとその後も増加し2022年度はおよそ4180万円と、2011年度の40倍に跳ね上がりました。花巻市猟友会の藤沼会長は、イノシシの急激な増加がクマに大きな影響を与えていると考えています。(藤沼会長)「イノシシは1頭で(1回の出産で多いと)10頭くらい子ども産む。それに(ブナの実などの)餌が凶作で無いからクマはどんどん下に降りてくる」。餌をシカやイノシシに奪われ、クマが人里に現れているというのです「クマはこの間も出たけど、本当にやせてしまってかわいそうなくらい」。岩手県内の今年度のクマによる人身被害は11月19日時点で44件47人と過去最多です。シカやイノシシとクマの関係について、大型野生哺乳類の専門家である岩手大学農学部の山内貴義准教授に聞きました。(岩手大学農学部 山内貴義 准教授)「春先であれば、芽吹いた草とかはクマが独占的に食べていたところにシカとイノシシという競合相手が入って来て、相手は数が多いということで餌が無くなっている」。岩手県内の2022年度のシカの個体数はおよそ10万2000頭と推測されていて、これは国が発表した2012年度の4万頭の2.5倍にあたります。イノシシに関しては実数が把握できていません。(山内准教授)「80年代からの技術的な蓄積もあって、シカの動態は把握できるが、イノシシはこの10年で急に増え、調査も万全にできていない。被害もちゃんと調べ切れていない」。環境省がイノシシの分布を発表していますが、2011年度以降に発見された地域もあります。イノシシの急増の原因について環境省は、福島第一原発の事故で避難地域の空き家の周辺などに住みついたことや、ハンターの減少を挙げています。岩手県内のイノシシの捕獲数は2011年は0頭でしたが、2022年は979頭でした。(山内准教授)「(イノシシが)数年で岩手県中に広がるのは避けられない。(そうなるとクマがさらに人里に)出てくる可能性がある。“山の実”次第だけど。イノシシ、シカも同じだが繁殖率が非常に高いので、とにかく数を減らすところに注力しないといけない」。クマによる被害の拡大を防ぐには、イノシシやシカの対策にも目を向ける必要があります。

(AIでクマを検知、アプリやメールを通じて通知:秋田)
秋田県内でクマの被害が相次ぐなか、由利本荘市では、AI=人工知能を使って対応を強化しようと、わなにクマが近づくと検知できるカメラを設置する実証実験が始まりました。この実証実験は、由利本荘市が今月16日から始めていて、市内8か所にカメラが設置されました。いずれもクマを捕獲するためのわなの近くに設けられ、動物の動きや熱をきっかけに撮影を始めるということで、AIがクマだと検知すると、専用のアプリやメールを通じて通知する仕組みです。また、カメラを使ってわなの見回りをしなくてもスマートフォンなどから周囲の状況を確認できるということです。このカメラを導入してから、これまでにカモシカやタヌキとみられる動物を撮影した一方で、まだクマは検知していないということです。秋田県内ではことし、クマに襲われるなどして過去最多の70人がけがをしていて、有害鳥獣の駆除としても過去最多となる2000頭以上を捕獲しています。由利本荘市の宮古隆秀DX推進監は「市内でクマの人身被害は出ていないが、今年は予断を許さない状況だ。クマの捕獲は兼業で行う人が多いので、カメラを活用して少しでも負担の軽減につなげたい」と話していました。この実証実験は来月下旬まで行われたあと、来年度の導入を目指して課題などを検証するということです。

(クマの“学習能力”を映像から分析してみた)
クマの頭の中、知能について見ていきます。イノシシのわなに掛かったクマは慣れた様子で柵に足を掛けていきます。人間さながらの姿に、専門家は「3歳から4歳の子どもと同じくらいの知能を持っている」と言います。イノシシを捕獲するためのわな。そこにやってきたのはツキノワグマです。今、イノシシのわなにクマが掛かるケースが相次いでいます。体長が1メートルを超える大きなツキノワグマ。すると、目を疑う光景が…。檻(おり)から顔を出しています。後ろ足を檻に掛けると大きな体を持ち上げ、抜け出そうとしています。映像はここで途切れますが、クマは何事もなかったかのように森へ帰っていきました。このツキノワグマの脱出劇をひも解くことで、驚異の身体能力とその学習能力が明らかになりました。同じタイプのわなを見てみると、餌(えさ)を取ろうとしてワイヤに足などを引っ掛けると扉が閉まる仕掛けです。わなの上部には穴がぽっかり開いていました。このわなはイノシシの捕獲のために許可を取って設置しているため、クマを捕獲してはいけません。あえて脱出用の穴が設けられていました。しかし、その穴を逆手に取ったのか、慣れた様子で餌だけ食べて出ていくクマが目立つといいます。実は翌日も再び同じ場所にクマが現れていました。「このわなは危険なものではない」と学習している可能性があるといいます。映像を撮影したのは福島市で野生生物による農業被害軽減に取り組む丹野さん。他の映像を見せてもらうと…。子グマが穴を通ってわなの外へ。さらに親グマも逃げ出します。さらに、わなを作動すらさせない学習能力に長けたクマの存在も…。立山町 農林課 大崎喜孝係長:「何年も檻に出入りしているようなクマだと、奥の方を食べたらシャッターが閉まるというのを覚えてくるんじゃないかという気はする。クマの足跡があってもシャッターが下りていないこともある」。仙台市で撮影されたクマも檻の仕組みを理解し、扉が閉じるスイッチであるワイヤの場所を把握している可能性があるといいます。扉は開いたまま、クマは悠々と森に戻りました。その知能について、普段クマと対峙(たいじ)している猟友会の会員に聞いてみると…。宮城県 猟友会会員:「(クマは)知能的に(人間の)3歳、4歳くらいと言うが、生きることに対してはすごく頭がいい。例えば自分のすみか(巣)に寝ようと思うと、真っ直ぐ歩いていって巣を通り越して必ず戻る、足跡の通りに。(そして)2から3メートル横に飛ぶ。そうすると追い掛けていた人は分からなくなる」。クマは巣穴を探られないように来た道の足跡を踏んでカモフラージュしているといいます。さらに冬眠期間中は、こんな場所に注意が必要です。クマが眠りに就く場所、そこには共通点がありました。北海道知床半島。餌取りの場面でもクマの高い学習能力が発揮されている可能性があります。水辺を移動する親子のヒグマ。他のヒグマもうろつくなか、餌を探しています。すると水の中へ。やっとのことで魚を仕留めました。今年はサケやマスが減少傾向。横取りされることを学習しているのでしょうか。魚をどこかに持ち去っていきました。毎年、知床を訪れる撮影者は普段、魚が多い時はその場で食べ、すぐに次の獲物を狙うと話します。激しい餌取り合戦が一段落し、クマが冬眠に就くのはいつなのでしょうか。専門家は…。北海道野生動物研究所 門崎允昭所長:「(冬眠は)早くて11月20日ごろから、遅くても12月30日には入る」。一体どんな場所で眠りに就くのでしょうか。北海道野生動物研究所 門崎允昭所長:「必ず斜面に横穴を掘る。平坦(へいたん)地には絶対作らない。木が生えているような場所。木が生えていると根が張っているので安定する。穴の天井が落ちない」。木の根っこの下は安全と学習。さらに…。北海道野生動物研究所 門崎允昭所長:「大抵、クマは穴を2カ所以上、知っている。不本意に使っていた穴を出たりすると、別の穴に行って掘って入っていく」。

(鳥獣捕獲中の事故防止へ「くくりわな」のつけ方や「クマ撃退スプレー」講習会:長野)
クマなどの有害鳥獣の出没が2023年は相次いでいますが、こうした中、駆除をするハンターの事故を防ごうと講習会が開かれました。長野県飯山市で開かれた講習会には、飯山市の猟友会の会員およそ40人が参加しました。市内では11月21日の時点で、里でのクマの目撃が156件にのぼっていて、すでに2022年度1年間の78件の2倍となっています。2023年10月には、民家にも近い山林で、猟友会の男性がくくり罠にかかったクマに襲われ、死亡しました。1日は、捕獲する時の事故を防ぐための講習が行われ、クマが襲ってきた時に撃退用のスプレーをどう使えばいいのか、実際に使いながら学びました。スプレーはクマの攻撃から身を守るために使いますが、それ以上に、遭遇しないための対策が大切だといいます。飯山市猟友会・小林勝(こばやしまさる)会長:「異常にクマが多く出没しております。ラジオや鈴をつけるとか、自分の位置をクマに知らせる」。講習会ではこのほか、クマ以外の鳥獣を捕獲するためのくくり罠の設置方法など、事故を防ぐためのポイントを確認しました。

(イノシシ捕獲、今年は大幅増:千葉)
千葉県館山市は30日、農作物を荒らす有害獣・イノシシの出没が予想を上回るペースで増えており、捕獲の委託料や補助金など新たに1千万円を盛り込んだ補正予算を市議会定例会に提案した。市によると、イノシシ捕獲頭数は2021年度が1233頭、22年度が1138頭だった。本年度は11月24日現在で、それらを大幅に超える1421頭となっている。本年度当初予算では1400頭と見積もり、捕獲の委託料や補助金に約3千万円を組んでいた。しかし、ここ1、2年のおおむね倍に当たる2300頭になるとみて対応する。市の担当者は「昨年にドングリが豊作で繁殖が進み、今年は餌を求めて里に下りてきている状況」と話している。

(白神山地、22年度のニホンジカ目撃3倍に:青森)
世界自然遺産・白神山地の生態系に影響を及ぼす可能性が懸念されているニホンジカについて、環境省東北地方環境事務所は30日、白神山地の核心地域と周辺地域で2022年度に過去最多の計229頭が目撃されたと明らかにした。これまで最多だった21年度の70頭の3倍超。繁殖期の咆哮(ほうこう)も12地点で108回確認され、21年度(4地点で47回)を大きく上回った。

(ヒグマ版ハザードマップ実証へ:北海道)
ヒグマによる人身事故や農業被害が相次ぐ北海道で、出没するリスクを場所ごとに示した「ハザードマップ」の作成が進んでいる。クマが現れる危険が高い地域を把握するのは熟練のハンター頼りだったが、その人数は年々減少。クマが人里に近づく中、より科学的根拠に基づいたマップが必要だと判断した。道は、昨年度から3年間の実証実験を実施。実験で得られた手法やノウハウを共有することで、市町村に自主的な作成を促し、電気柵の設置や草刈りといった対策につなげたい考えだ。道がつくるマップは、地理情報システム(GIS)を用いる。生息地や移動可能な森林を割り出し、生息域からの距離をもとに、市街地などを100メートル四方に分けて5段階でリスクを提示。この地図に、森林や河川の形状を踏まえて出没経路を予測したものを重ね合わせる。

(クマ被害の女性「鈴もスプレーも役に立たなかった」:群馬)
群馬県内の目撃件数は例年は9月頃から減少するが、今年は8月が69件、9月が70件、10月が128件と増加している。県は、12月もクマの出没に注意してほしいと呼びかけている。「あれだけ対策をしたのに」。東吾妻町の女性(83)が、10月にクマに遭遇して大けがを負った時の様子を語った。女性は毎朝、交通量の少ない川沿いの道を1人で30分ほど散歩していた。10月18日の午前7時半頃、自宅近くの町道を上っている時、突然、右斜め前から黒い巨体が覆いかぶさり、顔をひっかかれた。眼鏡は吹き飛び、顔の右半分の皮がはがれ落ちて出血した。クマはそれ以上攻撃せずに逃げ去ったが、女性は約3週間の入院を強いられた。退院後も顔の右半分は感覚がなく、まだ右目は開かない。襲われた恐怖から散歩ができなくなり、わずかな物音にも「クマだ!」と敏感に反応してしまう。女性は1年前の散歩中に道路を横切るクマを見かけ、散歩の際はクマよけの鈴とスプレーを持ち歩いていた。この日もスプレーの安全クリップを外し、いつでも噴射できる状態にしていたが、「何も役に立たなかった」という。女性は「個人の対策では限界があると痛感した」と声を震わせた。現在懸念されるのが、「冬眠をしないクマ」の出現だ。県自然環境課によると、今年は暖冬となる見込みで、餌のドングリも不作。耕作放棄地も増え、人の生活地域での目撃例が相次いでいる。同課の担当者は「今年は予測が難しく、ひとまず12月中はクマの出没に注意してほしい」と話す。県内では今年、クマによる人身被害が、この女性を含めて28日までに4件発生し、捕獲頭数の上限撤廃を求める声も出始めた。8日に登山中の男性が襲われて軽傷を負った安中市は、捕獲上限頭数の撤廃などを求める要望書を10日付で県に提出した。市農林課は「市街地への出没も増え、次の被害者が出るのではないかという危機感がある」と説明した。県の「ツキノワグマ適正管理計画」(2022~27年度)によると、現在の捕獲上限頭数は年242頭で、推定生息個体数の12%にあたる。県自然環境課は「捕獲上限はもっと分析する必要があると認識している」とする一方、「クマは保護の対象でもあり、慎重に考えたい」としている。

(昨年はクマのベビーラッシュだったのでは:秋田)
人里でのクマの出没や人身被害が相次ぐ中、「秋田県野生鳥獣保護管理対策検討委員会」の会長を務め、自らもクマの生息調査を行う秋田県立大の星崎和彦教授(森林生態学)に、秋田県内の生息数の実態や今年出没が増えた理由について見方を聞いた。――生息数調査の重要性は。「仮に1万頭いるなら2000頭捕ってもいいが、4000頭しかいないなら2000頭捕るのはまずい、というのは直感的に思うだろう。生息数が分からないと、何頭捕っていいか決められないということだ」――山林に自動撮影カメラを設置する「カメラトラップ」の調査を2019年度まで行い、秋田県内のクマ生息数を4400頭と推定した。「生息数の幅は2800~6000頭で、中間値が4400頭だった。ただ、実際にはもっといるだろう。カメラトラップを始めた当初はクマを引き寄せる誘引剤をもぎとられるなどし、計算に使う生データがうまくとれなかった」――実際には何頭いると考えるか。「4400頭とした当時の推定方法には、まだまだ改善点がたくさんあった。少なくとも5000頭はいると、私はにらんでいる。2800~6000頭という推計幅も、もう少し狭められると思っている」――今年度は過去最多の2138頭(23日時点)を捕獲している。異常出没の理由は。「私は食料不足に理由を求めたい。さらに昨年はエサの条件が良く、ベビーラッシュだったと考えられる。今春は雪解けが記録的に早くて暖かかったため、子グマの死亡率が下がったのではないか。クマの個体数は、毎年1・23倍に増えるポテンシャル(可能性)を持っている。それに近い状況か、もしくはそれ以上の増加率だった可能性もある」――秋田の出没数が全国で突出している理由は。「理由はおそらく三つある。マタギの文化があるように元々クマがたくさんいたことが一つ目。二つ目は、人口減少が著しい秋田の集落、社会が変わっていったこと。三つ目が地形だ。秋田は都市部でも、クマが身を隠したり、移動したりできる木立が多い。豊かな自然状態の指標だと思うが、今の時代においてはクマの出没リスクを高める地形要因とも言える。元々『人獣接近状態』だったのだろう」――来年もクマは多く出るか。「希望的観測だが、落ち着くと思っている人は多い。ただ、このまま里で冬眠してしまうと里で目覚めることになる。春先は出没する可能性が十分ある」――どう対応すべきだと考えるか。「人とクマとの境界を取り戻す必要がある。どうして昔はエサの多い里山にクマがおりてこなかったかというと、山の際で林業、畑作が行われ、人が通学していたからだ。その境界が里の方に移動してしまった。昔のような里の暮らしを擬似的にでも行い、クマに(人里を)『与(くみ)しやすい世界ではない』と思わせなければいけない」

(“眠らぬクマ”専門家が警鐘「12月も警戒継続を」:富山)
30日で11月も終わりですが、県内では、このところもクマの出没が相次いでいます。従来、12月はクマが冬眠に入る時期と言われてきましたが、専門家は、今年は出没が続くおそれがあると警鐘を鳴らしています。今週月曜日。富山市八尾町の八尾小学校そばでは、街角にある精米所にクマが侵入したとみられる跡が見つかりました。ここ2か月のクマの出没は県内であわせて432件。去年の同じ時期と比べておよそ15倍に達しています。11月に入っても収まることはなく、16日には富山市で男性2人が住宅の庭でクマに襲われて大けがをしました。出没が長引くのに伴い、クマ対策も各地で続いています。立山町では、高齢者の世帯を対象に職員や地域おこし協力隊が無償でカキの木を伐採しています。隊員の緒方さんは去年も参加していましたが、今年は伐採の依頼が増え、最近になっても続いていると言います。今回伐採を頼んだ70代の女性は、夫が今年春に亡くなってからカキの木の管理が出来なくなったといいます。クマの生態に詳しい専門家は、今年は12月にも出没が相次いだ2019年と共通点があると指摘します。県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「あの時のクマは12月でも25件の出没が記録されてるんですね。普通の年はせいぜい4件とか5件ですから。今年も暖冬傾向になるだろうと言われてますよね。2019年というのは2月(2020年)の上旬まで地上に積雪がなかったくらいの暖冬だったようです」。2019年は、今年と同じくクマの餌になるドングリの実りが悪い年でした。さらに12月の平均気温が平年より2度ほど高い「暖冬」でした。赤座さんは、こうした条件が重なると、クマは冬になっても食べるものがあり、餌が探しやすい人里に出没が続くと考えています。赤座さん「(寒い冬の)餌不足を耐えしのぐためのクマの適応的な行動が「冬眠」っていう行動ですから。(暖冬だと)食べるものがあるから遅くまで起きて体にエネルギーを蓄積しようとするわけじゃないですか」。赤座さんは、渋柿についても、放置すると熟して甘くなるため、忘れずに収穫や木の伐採をするよう呼びかけています。また、気を付けなければならないのはカキだけではありません。今週、富山市八尾町で精米所に侵入したクマは、そこに残されていた米ぬかを食べたとみられます。米ぬかは冬眠前のクマにとって絶好の餌となり、肥料として畑にまく際にも注意が必要だといいます。赤座さん「ばさっと米ぬかをまいて、そのまま放置するっていうのは、危険です。クマを誘い出すことになります。丁寧に地面の中にすき込んで土と一体化させたほうが安全だと思いますね」。赤座さんは、12月いっぱいはクマが出没する可能性が高いとして、クマを引き寄せない対策の継続を呼びかけています。赤座さん「暖冬っていう条件、それからブナ・ミズナラが不作だったという条件、両方とも共通している状況ですからね。12月一杯はこれまで通りの注意をしていったほうがいいんじゃないかなと思いますね」。カキの木の伐採は、立山町以外にも補助を行っている自治体があります。12月もクマを人里に引き寄せない対策を続けてください。

(シカの生態学ぶ:宮崎)
シカの生態を、見て・触って・学ぶことができるシカの企画展が宮崎県えびの市のえびの高原で開かれています。「シカ展」は、えびの高原のシカについて知ってもらおうと、えびのエコミュージアムセンターが初めて開いたものです。標高約1200メートルのえびの高原周辺には、野生の二ホンジカが天敵がいない環境でのびのびと暮らしています。シカ展では、シカの生態や人間社会との関わりをパネルで紹介。狩猟者の減少や温暖化などの影響でシカの数が増えていることや、人間が餌付けすることによってシカの住む場所が変わり、植生に悪影響が出ることなどが解説されています。また二ホンジカの骨やエゾジカの毛皮なども展示されていて、夏と冬の毛の固さの違いを触って比べることができます。(えびのエコミュージアムセンター 須田淳さん)「単純に可愛いとか格好いいだけではなくて、自然界でどんな役割があるかやこれからの課題などを感じ取って学んでいただき、これからも霧島山を楽しんでいただけたらと思います」。「シカ展」は入場無料で、えびのエコミュージアムセンターで来年2月18日まで開かれています。

(7万頭大繁殖の害獣キョン、専門家が「殲滅は無理だと思う」:千葉)
特定外来生物に指定される「キョン」が千葉県で大繁殖していると、複数社が報じている。県は2021年に策定した「第2次千葉県キョン防除実施計画」のもと、完全駆除を目指している。しかし、狩猟やジビエに関するビジネスに携わり、ジビエ肉や加工品を販売する「猟師工房ドライブイン」(千葉県君津市)を運営する原田祐介さんは、2023年11月30日にJ-CASTニュースの取材に対し、キョンの完全駆除は難しいと話した。キョンは小型のシカの仲間であり、日本では施設から脱走した個体が野生化しているため、現在、千葉県と伊豆大島にしか生息していない。千葉県によると、県内で21年は推計5万9500頭だったものが、現在は7万1500頭に増えているという。原田さんは5年ほど前からキョンの二次利用(ジビエ化)に取り組み、「猟師工房ドライブイン」でもキョン肉を販売している。「キョンの殲滅が終わったら、私たちの取り組みも一切終わるという考え方です。でも、それまでの間は、いただいた命とちゃんと向き合って、二次利用することによって供養してこうというスタンスでいます」と思いを明かしたが、一方で「殲滅は無理だと思います」とも話す。その理由として、原田さんは農業被害や林業被害を減らすために、増えすぎた害獣を駆除すると支払われる捕獲報奨金が、イノシシやシカに比べキョンは少ないことを挙げた。「みんな狙うのはイノシシやシカです。キョンは、たまたまついでに獲れちゃったという流れで捕獲されます。イノシシやシカと同等になれば一生懸命捕まえる人も現れると思いますが、今のままのシステムだとキョンを専門に狙う人はそういないでしょう」。そのため、道具も広まっていないという。「小型なので、イノシシやシカを専門に獲る罠だと獲りづらいです。でも、意外にイノシシなどほど賢くない生き物なので、簡単に獲れます。私の会社では、キョンが獲れる罠を開発しています。地雷のように地面に埋めて、(キョンが)それを踏むと足をワイヤーでくくるような罠です。道具とやり方がもう少し広くいろんな方に知れ渡れば、捕獲率は上がってくると思います」。県自然保護課も、捕獲の担い手確保と捕獲方法の確立が課題だと話す。12月1日、同課担当者がJ-CASTニュースの取材に応じ、大繁殖の状況を説明した。「県と市町村で連携して捕獲に努めていて、捕獲数は年々増えてきていますが、繁殖力が強いので、なかなか追いつかず増えてきてしまっている状況です」。課題については次のように話した。「キョンに限らない話ではありますが、捕獲の担い手の確保には力を入れなくてはいけないと思っております。また現在、キョンが千葉県と伊豆大島にしかいない中で、有効な捕獲方法があまり確立されていませんので、その辺を研究して市町村と共有していかなくてはいけないと思っています」。現在、キョンは狩猟が認められた「狩猟鳥獣」として認定されていない。「第2次千葉県キョン防除実施計画」によると、外来生物法に基づく「従事者証」を発行された人がキョンを捕獲できる。前出の原田さんは、現在は趣味で狩猟をしている人たちはキョンを捕獲できないが、認定されることで狩猟対象としてキョンの生息数を増やしてしまう人が現れる可能性もあり、狩猟鳥獣には「するべきではないと思う」という。「ブラックバスという魚は、もともとは芦ノ湖にしかいなかったのですが、とても強い引きが楽しめるので、各地にばらまかれました。キョンもそうなる可能性は十分にあります。キョン肉が美味しいなどと噂が流れると、地域に放すような不届き者が現れるはずです」。一方で、県は狩猟鳥獣として認めることを検討するよう国にお願いしているという。「狩猟期間は11月から数か月間だけと限られているので、狩猟鳥獣化すれば問題が解決するかどうかは分からないですが、(キョンの駆除に)組織的に取り組むためには、ある程度、やってくれる人を確保していかなくてはと思っています。担い手を多様化することで捕獲数が増えるかも知れないということで、国の方にはあくまで可能性の一端として、検討をお願いしています」(前出・県自然保護課)。狩猟鳥獣化することにより養殖する人などが現れてしまう懸念については把握しているといい、「(キョンの)根絶を目標に取り組んでいますので、産業として定着してしまわないよう、啓発は常に行うようにしています」とした。

(狩猟者の確保、補助者制度で若者育成図れ:福島)
有害鳥獣の捕獲、適正な個体管理のため、狩猟の担い手の世代交代を進めることが急務だ。イノシシやニホンジカなど有害鳥獣の捕獲や駆除に携わる人材の減少が進んでいる。県によると、銃やわななどの狩猟免許を持つ県内の登録狩猟者数は昨年度で4223人で、2万人近くいた1980年度から約8割減少している。一方、有害鳥獣の県内での生息範囲は広がっており、農作物などへの被害が後を絶たない。車や鉄道などとイノシシ、シカの事故も各地で発生している。現在、狩猟免許所持者の約7割が60代以上で、高齢化が担い手減少の背景にある。本県の場合、東京電力福島第1原発事故以降、野生鳥獣の摂取制限や出荷制限が全域や一部で続き、捕らえても食用とならないことから、狩猟意欲が低下している影響も大きい。イノシシ、シカともに繁殖力が高く、捕獲や駆除活動が滞れば個体数の急増につながりかねない。険しい山道を歩き続ける活動は、体力的な負担も大きい。生息数を適正な水準で維持していく上で、県や市町村は、若者などに重点を置いた狩猟の担い手確保に取り組む必要がある。有害鳥獣の捕獲には原則、狩猟免許が必要だが、県は本年度、免許なしでも携われる「狩猟補助者」の育成を進めている。補助者は技術や安全面の講習を受講し、要件を満たせば免許所持者の補助として、わなの設置や見回り、捕獲された動物の埋設などの作業を行うことができる。補助者として狩猟技術やノウハウを学ぶことで、狩猟免許の取得に意欲を持つ人もいるだろう。県によると、県内で補助者が活動している地域や団体はない。しかし九州地方の一部自治体では、猟友会などと連携して免許所持者と補助者による「捕獲隊」を設置し、捕獲数の拡大、狩猟免許の新規取得者の増加に成果を上げている。県はこうした先進事例を県内の自治体、鳥獣害の被害が深刻な地域の住民に周知し、補助者制度の活用を促してほしい。捕獲や防護柵の設置などの鳥獣害対策は、団体や地域単位で取り組むことが欠かせない。市町村は狩猟免許の取得経費や研修会への参加費、銃やわなの購入費などの補助を積極的に行い、各地域の活動を支えることが求められる。狩猟は有害鳥獣による農作物への被害と同時に、貴重な植物や樹木などの食害を防ぎ、環境を保全する役割も担う。狩猟そのものの意義について若年層に伝える取り組みも大切だ。

(ハンター確保へ、狩猟免許試験の拡大検討:北海道)
道が、2024年度の狩猟免許試験の受験機会を拡大する方向で検討していることが分かった。市街地に出没するヒグマなどの野生動物が増える一方で、ハンターは減少しており、受験機会を確保し、免許取得者を増やす狙いがある。

(エゾシカ捕獲上積みへ:北海道)
鈴木直道知事は1日の道議会一般質問で、エゾシカの生息数増加に伴い農林業被害が増加していることを受け、来年1月から捕獲に重点的に取り組む「緊急対策期間」を設ける方針を明らかにした。

(「クマの冬眠が遅れて、まだまだ遭遇する可能性も…」:長野)
「1256」。これは、今年度10月末までに長野県内の人里で目撃されたクマの数で、2022年度のおよそ1.7倍に増えています。例年だとそろそろ冬眠に入る時期ですが、今年は暖冬の影響もあり、そうもいかないようです。対策や注意点を取材しました。県クマ対策員 後藤光章(ごとう・みつあき)さん:「これ、間違いなくクマの足跡です。わりと大きい個体ですね」「局所的なところで目撃例とか増えている状況かと思います」。県クマ対策員の後藤光章さん。今年は特に飯山市など県北部で人里に出没するクマが多いと話します。飯山市内では10月、80歳の男性がイノシシのわなにかかったクマに襲われ死亡しました。県クマ対策員 後藤光章さん:「ドングリの木が少ないか、ドングリの木も実りが少なかったということを示していると思います。それによってクマは食べ物が足りなくて出てきている状況だと思います」「もともとここは柿の木とかがたくさんあって、やぶとかも多いので、クマが柿の木をあてにして出てきやすい場所」。10月21日、飯山市内の畑で撮影された映像には、大きなクマがカメラに顔を近づけて来る様子が映っていました。飯山市内の11月のクマの出没は23件で、2022年のおよそ11倍に上ります。今年度の県全体のクマの目撃情報は、10月までに1256件と、過去2年間と比べると増加の傾向が顕著に表れています。また、人身被害も11月26日までに10件、11人とすでに前の年度を上回りました。これらを受けて県は、専門家などによる緊急の対策を行っています。専門家会議での参加者の発言:「誘引物の除去とか、藪の刈払いをやっていくのが一番効果的な方法ということで、捕獲以外の対策をしていくのが非常に大事」。一方、暖冬の影響でこれからもクマの出没が続く恐れもあります。県クマ対策員 後藤光章さん:「雪の量とか雪の積もり方が関係してくる可能性があります」。後藤さんや、信州ツキノワグマ研究会によりますと、クマは例年12月中旬ごろから冬眠を始めますが、雪が積もらず、食べ物が得られる状態が続くと冬眠が遅くなる可能性があるというのです。県クマ対策員 後藤光章さん:「クマが安定して冬眠に入れるような状況にいつなるかというところが関係していると思います」。今後も注意が必要なクマ。万が一、遭遇してしまったときの対応を聞きました。まず、遠くでクマを目撃した場合は。NPO法人ピッキオ 大嶋元(おおしま・げん)さん:「万が一10メートル先にクマがいた場合ですね。その際にはゆっくりと引き下がることが重要です」「背中を向けることによって、クマは興奮して追いかけてくる習性がありますので」。このとき、大声を出すとクマがパニック状態になるので静かに後ずさりします。さらに、至近距離で遭遇してしまった場合は・・・NPO法人ピッキオ 大嶋元さん:「クマが襲って来ようとした際に急所を守るようにしましょう」「このように地面に倒れて横になっておなかを防いで首の後ろをしっかりとおさえます」「このような形でクマが逃げていくのをじっと待ちます」。また、ホームセンターなどで売っているクマスプレーを持っていれば顔にめがけて使うことも効果的です。大嶋さんは、これらは遭遇してしまったときの一時的な対応であり、遭遇しない準備が最も重要だと話します。NPO法人ピッキオ 大嶋元さん:「ツキノワグマというのはそもそもとても臆病な動物なんですね」「鈴を携帯したりとかラジオを鳴らしたり、こちらの存在をクマに教えてあげるのが重要だと思います」。

(ネットで提案されているクマ対策は有効か、専門家に聞いてみた:富山)
県内でツキノワグマによる人身事故が相次ぐ中、ネット上では、クマを人里へ近づけないため、様々な方策が提案されている。多くは現実的ではないとされるが、その理由を県自然博物園ねいの里の赤座久明・野生鳥獣共生管理員に尋ねた。これまでクマは凶作の年に餓死していました。クマは冬に穴ぐらで子を産むのですが、十分な栄養が取れていないと産みません。このような自然の摂理の中で、クマの個体数は調整されてきたのです。人間が不用意にエサを与えると、凶作でもクマは餓死せず、子を産み続けます。そうして個体数が増えると、山でエサが足りなくなり、結局、人里に下りてくることになるのです。それに、ドングリを食べるのはクマだけではありません。山ではイノシシやシカもおなかをすかせています。クマのためにドングリをまくことで、畑を荒らす動物を増やすことにもつながります。子グマなら一発当たれば眠ってくれますが、成獣はそうはいきません。麻酔は効き目が表れるまで数十分かかります。興奮して暴れて、被害が拡大する可能性もあります。しかも確実に撃つには、クマに10~15メートルまで近づかないといけません。 檻おり の中ならまだしも、外では逆に人間がやられる危険性があります。麻酔銃は麻薬を使うので、撃つためには特別な資格が必要です。私も麻酔銃を撃てますが、学術調査目的で許可を得ているからです。一般の猟師が猟銃を使うのは、許可を得るのが難しいからです。今の柿は人が開発した栽培植物です。自然に山に生えていることはありません。あの甘さはサルやハクビシンも大好きです。おいしい柿の味を覚えてしまった動物は「もっと食べたい」と思い、人里へますます下りてきます。学習放獣で、クマは人間に警戒心を持つかもしれませんが、捕獲された場所に忌避感を持つかどうかは微妙です。人間が思っているほど、簡単に効果が出るかはわからないのです。クマは一定の地域にすむ習性があります。捕獲地点から20キロ以上離れた場所で放獣すると戻って来づらくなり、米国など森林が広大な国では有効な手法です。でも、国土の狭い日本では例えば、富山から遠くに放しても、岐阜に出没するかもしれません。それに放たれた先が別のクマの縄張りだと、争いに敗れて再び人里に姿を見せることも考えられます。クマの大量出没で、猟友会の負担も増えている。富山市森林政策課によると、旧富山市内でクマ出没の通報があった場合、市猟友会で選ばれた50~80歳代の緊急捕獲隊員12人が出動する。隊員は人身被害のおそれがある際にクマを撃つ許可を県から受けている。10、11月の出動は76件で、1日に4回も現場に向かったことがあった。市猟友会の杉本忠夫会長(76)は「今までにない多さ。市民の警戒が強まり、タヌキなどクマ以外の動物の痕跡でも通報されていることも原因だ」と話す。緊急出動には1回3000円の報酬があるが、対応は数時間かかる。杉本会長は「なんとしても駆けつける。だが、ガソリンや道具代も考えればボランティアに近い」という。同課の杉林広和副主幹も「隊員には仕事を持つ人が多い。高齢化も進み、担い手の育成が急務だ」と頭を悩ませている。県自然保護課によると、今年のクマの捕獲頭数は118頭(11月末段階)で、2021年(51頭)、22年(63頭)を大幅に上回っている。

(「脱走から22年」千葉県内だけで7万頭超が野生化!:千葉)
千葉県南部を中心に、シカ科の哺乳類「キョン」が大繁殖している――。環境省が定める日本固有の生態系を損ねたり、農作物に被害を与えるとされる特定外来生物に指定されているキョン。本来中国南東部や台湾に生息する草食獣だが、現在、千葉の南部で大増殖しているのだ。成獣は体高約50センチ、体重は13キロほどで、ニホンジカ(成獣の体高70~130センチ、体重約30~130キロ)と比べるとかなり小さい。千葉県の南部で増えているキョンは、2001年に閉園した勝浦市のテーマパーク『行川アイランド』から逃げ出したものが野生化したものだとみられている。「県の推計によると、06年度には約9200頭だったところ、09年度に1万4900頭、19年度には約4万4000頭と10年で3倍に増加。繁殖力が強く生後半年程度で妊娠し、1頭のメスが1頭の子を産みます。県によれば、同一個体による出産を最大で年に1回と想定した場合、年増加率は36%と推定。22年度は7万頭を超えていることが報じられています」(夕刊紙記者)。キョンの増殖を問題視する県では、生息数の低減化を図ることを当面の目標に、09年3月から21年3月まで「第1次防除実施計画」を実行した。しかし04年度にキョンが確認されたのは5市町だったが、20年度には17市町まで拡大。捕獲数も00年度の28頭から19年度には5008頭と激増している。分布の拡大に歯止めがかかっていない状況に、県も21年度からはあらためて5か年にわたる「第2次防除実施計画」を策定している。市原市中部から一宮町にかけて「分布拡大防止ライン」を設定するとともに年間8500匹以上の駆除を目安に掲げ、野生化したキョンを完全排除することが最終目標だ。「もともとキョンは森の周辺で、木の葉やドングリなどを食べて生活しています。しかし、近年では住宅のある地域にも出没。農作物の被害報告も増加傾向で、野菜類や名産品であるイチゴのような果物、稲などを食い荒らしているようです」(前同)。「分布拡大防止ライン」である一宮町に近接する千葉県茂原市に本社を置きアライグマやトコジラミの害虫駆除業を行なっている総和ホールディングスの早川佳宏代表に、「キョンが生活空間にいる」という日常の実態を聞いた。「キョンは、もはやそこら中にいますよ。昔はいなかったけど、脱走したのを放置しちゃっったから、繁殖に繁殖を重ねて……。以前、シロアリの駆除を一軒家で行なっていたら、その家の庭にキョンがいました。キョンを見かけるのは、それぐらい珍しくないということですね。今や道路や山道を車で走っていたら出るわ出るわといった状態で、うっかり轢きそうになるほどです。ぶつかったら車も被害に遭いますし、運転も注意しなくちゃいけない。家屋に入り込むことはそんなにないけど、雑食性で、農作物はもちろん、花壇の花でもなんでも食い荒らすから始末が悪い。また、住民を悩ませているのはその鳴き声。”ギャーッ”って大きな声で鳴くんです」(前同)。電気柵などの対策を農家から相談されることもあるという早川氏。「キョンの駆除は基本的に猟友会中心なので、自分たちが直接処分するということはない」と言いながらも、懸念事項を口にする。「熊を殺すなという声が世間を賑わせましたが、キョンも同様にそうした“殺すな”という声があると聞きます。可愛いと思って人間が触れば、ダニなんかがうつる可能性も十分にあります。見つけても絶対に触らないことです」(同)すでに千葉県北部の柏市でも目撃されているキョン。ジワジワとその生息地域を県内で拡大しているが、近寄らないことが肝要だ。

(「人を食った熊は絶対殺さんといかん」クマを知り尽くしたマタギの経験談にゾッ!)
11月2日、北海道福島町で男子大学生の遺体が発見された。激しく損傷した遺体の数十メートル先で、ヒグマの死骸が発見された。このヒグマの胃からは、亡くなった大学生の遺体の一部が見つかった。このヒグマは10月31日にも男性消防士3名を襲っていたという。ヒグマ、ツキノワグマを問わず、熊は一度「エサ」と認識した獲物に異常なほど執着する習性を持つ。そんな「熊」の恐ろしさについて、多くの熊が生息する長野県で暮らす、でんぎょ~@長野(@ndengyo)さんがX(旧Twitter)に投稿したポストが大きな話題になった。「昔、本職の猟師さんに聞いたことあるが、人を食った熊は絶対殺さんといかんらしい。人は『毛がない&柔らかい』ので味を覚えたら間違いなく次から人を狙うようになるそうだ」(でんぎょ~@長野さん)。自身の祖父が北信州に山を保有していたことから、幼い頃からよく山に連れて行ってもらっていたという、投稿者のでんぎょ~@長野さん。今回のポストは、祖父が参加した地元主催の『クマの勉強会』に同行した際、熊の生態を熟知した猟師の方から聞いた話なのだと言う。「自分が小学生くらいの頃、うちの祖父のように、山を保有していたり、山で仕事をしている方を集めて、『クマの勉強会』が度々開催されていたのを覚えてます。今回ポストしたのは、その勉強会に招かれた東北の本職のマタギの方から聞いた話です。信州では今も山で仕事をしていたり、山を保有してる方がそれなりにいらっしゃるので、今でも地域で自主的に熊害に対する勉強会などをやってると思います」(でんぎょ~@長野さん)。でんぎょ~@長野さんのポストに対し、寄せられた多くのコメントの中には、国内最多の死者数を出した「三毛別羆事件」や「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」など、執拗に人間(獲物)を襲い続けた凄惨なクマ事件を思い浮かべたという声も見受けられた。「ハムが歩いてるようなもんだな」「しかも動きが鈍くて大した反撃も来ない生き物ですからね」「漫画『ゴールデンカムイ』でアシリパさんも言ってた」「味を覚えたらどんぐりなんて食べないでしょう」「三毛別羆事件も人間の味を覚えた羆(ヒグマ)が次々と襲った…と猟師さんがおっしゃってた」「熊は賢い上に学習する。『人を狩る対象』と学習したら獲物にされる。駆除止むなし」。でんぎょう~@長野さんの暮らす長野県は、全国でクマの捕獲数が6番目に多く、県のホームページにも「クマ被害」を防ぐためのさまざまな情報が掲載されている。長野県に生息するツキノワグマはヒグマに比べて身体は小さいが、想像を絶するほど食欲が旺盛で力が強く、柵や鉄筋も無意味なほどの驚くべき身体能力を持つという。「自分自身は直接熊と相対した経験はまだないですが、遠目で見かけたことは数回あります。長野県ではそういう経験をしている方がそれなりに多いのではと思います。熊の人的被害については、それはもう、いろんなところで対策がされている通りだと思いますし、『ばったり出くわさない』ことがいちばんの対策だと思います」(でんぎょ~@長野さん)。長野県は、人間の怖さなどを覚えさせてから山へ返す「学習放獣」の数が全国1位だという。だが熊はその習性上、畑や人家を「エサ場」と認識してしまえば、何度でも同じ場所に出没する。そして一度でも「人間」を襲った熊は、人間を弱い獲物と認識し、何度でも人を襲う。さらに「人間」を食ったことがある熊にとっては、爪や牙を持たない非力な「人」は襲いやすく、毛がなく皮膚が薄くて柔らかい「絶好の獲物」となる。『ばったり出くわさない』を心がけていても、今年は至るところで畑や市街地にまで出没する個体が異常なほど多く、統計開始以降最多の人的被害を更新し続けている。さらに今年は暖冬のため、「冬眠」をせずにエサを探し続ける「穴持たず」と呼ばれる危険な個体が多く出現する可能性も懸念されている。「人里に来た熊を殺すなと、抗議の電話かけてる場合じゃないのがこれでわかりましたね」というコメントも寄せられていた。「熊」対策に関しては、長年「熊」と対峙してきた猟師や地元民、地域の事情や状況を熟知した各地域の自治体の方針に従うのが賢明だ。

(ヒグマOSO18を「怪物」に変えたのはエゾシカ?:北海道)
北海道で放牧中の牛を次々と襲い、世間を震撼(しんかん)させたヒグマ「OSO(オソ)18」。OSOが肉食化した原因の一つに、シカの死骸を食べて肉の味を覚えたのではないかとの指摘がある。北海道では近年、エゾシカの増加と死骸の放置が問題となっている。OSOは駆除されたが、シカの対策が進まなければ、第2、第3のOSOが現れる可能性も否定できない。OSOが2019年以降に襲い、負傷させたり殺したりした牛は60頭以上に上る。ヒグマは本来、木の実などを主食とし、動物を襲って肉を食べるケースはそれほど多くないとされるが、OSOは肉を主食にしていたとみられている。酪農家に大きな被害をもたらすヒグマを駆除しようと手だれのハンターたちが躍起になったが、人前になかなか姿を現さず被害を出し続け、「モンスター」「忍者」などと呼ばれた。しかし、今年7月に釧路町内でOSOと気づかれずにあっけなく射殺された。最後は人の姿を認めても逃げなかったという。3週間後にDNA鑑定でOSOだと特定されたが、既に解体されクマ肉として流通していた。OSOのような肉食の個体は特殊だと考えられているが、個体特有の問題ではなく環境が生み出した可能性があるとの指摘がある。北海道がOSOの捕獲を依頼した特別対策班の藤本靖氏が話す。「ハンターが撃ったシカが山中でかなり放置されている。クマは腐った肉でも食べる。山をクマのレストランにしているようなものだ。OSOのような危険な個体が増える可能性はある」。多くのシカの死骸が放置されており、その肉を食べたヒグマがその後、肉食化するかもしれないというのだ。OSOの被害があった厚岸町ではこんなこともあった。昨年5月、国有林内で100頭分を超すほどのシカの骨や皮が見つかった。何者かが不法投棄したとみられている。町の担当者は年に何度かシカの死骸を回収することがあるといい、「ハンターには適切に処理するよう呼びかけている。ただ、猟期に捕って放置されても抑止する方法はない。どうやって周知するのかは課題」と話す。撃った野生動物を放置することは基本的に禁じられている。シカの死骸は「残滓(ざんし)」と呼ばれ一般廃棄物扱いとなり、撃ったハンターが自分で処理しなくてはならない。山中に投棄すれば不法投棄となる。北海道もヒグマを誘引する原因になるとして、撃ったシカの死骸を回収するよう呼びかけている。ただ、担当者は「猟なのでどこで捕れるのかは分からない。回収するのが難しい場所もある」と徹底が難しい実情を明かす。酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)も懸念を示す。「ヒグマがシカの死骸を食べることに慣れれば、探すようになるだろう。そもそも生きているシカを襲う個体もいなくはない。OSOのような個体が頻繁に出てくることはないだろうが、シカの残滓が増えれば、肉食化する個体が出てくる可能性もゼロではない」。シカの死骸の放置が問題となるのは、その前提としてそもそも数自体が増えていることがある。北海道によると、昨年度の道内の推定生息数は72万頭で、前年度から3万頭増えた。2014~21年度は60万頭台で推移していたが、増加傾向にある。理由として、エサ場となる農地の開発が進んだこと、温暖化で積雪が減って生息地が拡大したことなどが挙げられる。先の佐藤氏は「1990年代に入って、爆発的に増えた。減らすには捕獲するしかない。捕獲圧を高めようとしているが、十分に捕りきれていない」と話す。確かに、道が掲げる捕獲目標数には18年度以降、届いていない。捕獲圧を高められない理由の一つにハンターの減少がある。北海道で鉄砲による猟ができる免許を持っている人は減少傾向にある。90年代は9000人以上いたが、21年度には約6600人まで減った。高度な技量を持つハンターは高齢化しているとの指摘もある。狩猟が進まず、死骸が放置されるのは、シカを食材として消費するのが難しいこともある。エゾシカの成獣はおおむね100~120キロ程度。1頭から取れる肉は40キロ前後だとされる。牛や豚、鶏と比べて歩留まりが少なく、処理方法も一定の技術が要る。加工できる業者が多くなく、独自にルートを持っていないと簡単には持ち込めない。結果的に肉の単価が高くなるため、一般に流通するのは難しい。ジビエとして珍重されても、家庭で消費されるにはハードルが高い。道の担当者は「市場の拡大に取り組んではいるが、消費が活発にならなければ、牛や豚のように流通するのは難しい。捕獲熱がそれほど盛り上がらない遠因でもある」と話す。シカによる被害は北海道にとどまらない。本州でも農林業への被害は小さくなく、車や列車との衝突事故が起き、市民生活に影響が及ぶ。専門家は捕獲態勢強化の必要性を訴える。岐阜大野生動物管理学研究センターの鈴木正嗣教授は「今の捕獲態勢では被害拡大の勢いを止められない」と強調する。環境省と農林水産省は13年、10年間でシカの生息頭数を半減させる目標を掲げたが、今秋に公表した資料では「半減目標達成は難しい状況」と後退。捕獲率が変わらなければ、目標達成は31年度になると見込む。鈴木氏は「レジャー目的の一般狩猟者や団体に依存している構図が問題だ」と指摘する。「個体数を減らすには、むやみな猟ではなく、シカの警戒心をあおらないことも必要。生態や習性を理解し、確実に仕留めるプロや専門事業者を養成しなければならない。その必要性が社会にまだ浸透していない」。環境省は15年、シカを含む野生動物によるさまざまな被害を軽減するため、専門技術を持った団体を「認定鳥獣捕獲等事業者」に認定する制度を設置。10月末時点で全国の164事業者が登録されている。しかし、鈴木氏は「狩猟免許の取得者がいれば、講習を数時間受けただけで認定される。国が狩猟者の数を保ちたいためだが、これでは技量の向上につながらない」と効果を疑問視する。現状打破のため、鈴木氏は狩猟免許制度の改善と分業化を提言する。「例えば、自分の田畑を守る権限を与える免許、わなにかかった獲物のとどめ刺しだけを認める免許など、種類を細分化すれば、取得のハードルが下がり被害対策にも役立つ。一方で、高度な専門性を持ち、個体数減を担保できる事業者への免許があってもいいのではないか」。住民が山に入って狩猟や採集を行い、樹木を管理する。獣を里に近づけない代わりに乱獲もしない。そうした自然と人のバランスが崩れた一因には、過疎化や高齢化もある。長年の政策の失敗なのに、いつまで民間やボランティア頼み? 国が前面に立って人員をつぎ込むべきでは。

(イノシシ被害増加、件数倍増:沖縄)
石垣市内でイノシシなどの有害鳥獣による農作物被害の区域が拡大している。市に寄せられる被害件数は2019年度の70件から22年に149件と倍増。紅イモ農家によると、県営バンナ公園南側の石垣浄水場近辺で、野生イノシシに芋畑を荒らされる被害が発生。「この1、2年で今までなかった場所で起きている」と話している。紅イモの三大害獣はイノシシ、キジ、ネズミとされている。このうち、イノシシに芋畑を掘り返される被害が後を絶たない。被害拡大の要因について農家の間では生息頭数の増加、開発に伴う生息地を奪われたイノシシの移動など、さまざまな臆測が流れている。バンナ岳東側の麓でイモを栽培している富永政斉さん(47)は「ことし春からイノシシが畑に出てきている」と話す。6月に苗を植えた芋畑の周囲は侵入防止ネットを張っているが、畑内に入ったイノシシに掘り返されて無残な姿に。「1㌧は収穫する予定だったが、この状況だと100㌔も採れるかどうか」と声を落とし、「あと2年ほどでイノシシは市街地にも出没するのでは」と心配した。県道211号新川白保線(リースン道路)沿いでイモやサトウキビを栽培している40代男性は「ことしからイノシシが出るようになった。夜中、8頭の群れが畑を荒らしていた」と困惑する。開南地区のパイン畑では苗の芯がイノシシに食べられるケースも。同地区は陸上自衛隊石垣駐屯地と目と鼻の先にある。パイン農家の30代男性は「自衛隊駐屯地の工事が始まったあたりから開南で被害が出るようになった。工事で餌場や棲む場所を奪われたイノシシが、駐屯地の外側に活動範囲を広げているのかもしれない」と推測した。アクセス道路(県道石垣空港線)の工事が進む「牧中」でも、イノシシによる農作物被害の報告が挙がっている。農家や猟友会関係者からは「イノシシの数が増えていろんな場所に出ている」「ことしは干ばつで山に水がなく、畑や人里に下りているのかもしれない」などの声があるが、いずれも因果関係は不明。市農政経済課の担当者も直接的な原因については「特定できない」としている。同課への有害鳥獣の被害報告は9月末時点で71件(被害額356万円)。同課は被害報告を受けた後、駆除実施者に駆除を依頼している。自己防衛のため、畑の周囲に設置するワイヤメッシュの導入も進めている。

(市街地で過ごすカラスのふん対策、地味な「じわじわ作戦」:熊本)
ミヤマガラスの群れが今年の冬も熊本市にやって来た。市街地で夜を過ごしふんを落とすため、市は過去4年にわたって対策に取り組んできた。1日夜から始めた追い払いは、その集大成ながら、意外と地味な作戦だった。ミヤマガラスは10月下旬以降、中国大陸から飛来し越冬する。ふん害が発生したのは2018年、市の中心市街地と田崎市場(西区)の北側だった。市は翌年に佐賀大学の協力で調査に乗り出し、20年から追い払うための実験を始めた。最大の対策は、カラスが警戒するときに発する鳴き声を人工的に流すこと。だが、音を大きくしても、連続して流しても驚くのは最初だけ。すぐに効果が無くなった。LEDライトで驚かす方法は1年やっただけでやめた。これも、すぐに慣れたためだ。その間、カラスは増え続けた。ピーク時の飛来数は20年3千羽→21年9千羽→22年1万2千羽。今年は11月中旬時点で9千羽で、さらに増えそうだ。

(農作物を荒らすシカやイノシシ…安全に獣害を減らすには:三重)
4月に三重県度会町で有害鳥獣の駆除で放たれた猟犬が通行中の女性をかみ、けがを負わせてから半年が過ぎた。ニホンジカやイノシシなどに作物を荒らされる被害が多発する中、安全に獣害を防ぐには課題が山積している。現場の山あいから5キロほど離れた同町上久具。田んぼを囲うように設置された柵は、所々が獣に柵を破られ、トタン板で覆われている。周りには足跡などの痕跡も見える。

(10月のクマ目撃156件で22年の3倍:長野)
11月末時点の、長野県内でのクマによる人への被害や目撃情報の件数がまとまり、今年は秋になってもクマの出没が多めとなっていることが分かりました。県内で今年度、クマの被害にあった人の数は、11月末の時点で11件・12人となっていて、このうち飯山市の男性1人が死亡しています。また、里での出没情報は、最新の10月末までの速報値であわせて1,256件あり、過去5年間の平均の994件と比べるとやや多くなっています。一方、10月の目撃は156件あり、2022年の50件の3倍、2021年の83件の2倍と多くなっています。捕獲件数は10月末時点で354頭で、この内、捕殺したのは296頭、山に放すなどしたのが58頭となっています。

(農作物、鳥獣被害1.1億円:福島)
福島県内で野生鳥獣による昨年度の農作物被害額は1億1885万円(前年度比2099万円減)と過去10年間で最少となった。一方、浜通りで前年度は5万円程度だったニホンザルによる被害額は224万円と40倍以上に膨らんだ。県は、東京電力福島第1原発事故による避難地域を中心にしたサルの生息域の拡大が要因とみている。種別ではイノシシの4404万円が全体の約4割を占めて最多。全県のサルの被害額は2463万円で、イノシシに次いで多い。国の調査などでは、原発事故の避難地域でサルの生息域が平野部に広がっていることが確認された。住民の避難に伴い、サルの群れの進出を抑えていた人的な圧力が弱まったことが影響しているとみられる。サルやカラスの被害が前年度を上回った一方、イノシシやハクビシンの被害は下回った。イノシシの減少は全国的な傾向で、県は豚熱(CSF)の影響と、柵の整備など被害を防ぐ対策の効果が相まって減少しているとみている。被害額はイノシシ、サルに次いでカラス1946万円、ハクビシン840万円、ニホンジカ813万円、ツキノワグマ373万円と続いた。被害額全体の減少は2年連続で、都道府県別では多い方から数えて32番目(前年度は29番目)だった。地方別では中通り8161万円、会津2858万円、浜通り866万円。県によると、中通り、浜通りではおおむね前年度並み、会津は前年度より減少した。

(クマの目撃情報が相次ぎ、知事「これまでの常識変えて」:福島)
浜通りを含む県内各地でツキノワグマの目撃情報が相次いでいることについて、内堀知事は4日の会見で、「これまでの常識を変えていかなければならない」などと警戒感を示しました。県は今月末まで、県内各地にクマの「出没警報」と「出没特別注意報」を出して注意を呼びかけています。福島県によりますと、県内のツキノワグマの目撃情報は、ことし4月から先月末までで663件と、昨年度の同じ時期と比べて1.7倍ほどに増え、クマによる人身被害は14件と、統計を取り始めた平成10年度以降で最も多くなっています。また相馬市や双葉町、いわき市など、これまでクマがいないとされてきた浜通りでも目撃情報が相次いでいます。このため、県は今月末まで、会津にはクマの「出没警報」を、中通りと浜通りには「出没特別注意報」を出して、より一層の注意を呼びかけています。4日の記者会見で、内堀知事は「これまでの常識を変えていかなければならない。県内のどこでも遭遇の可能性がある」と述べ、強い警戒感を示したうえで、「12月となって本来はクマが冬眠する時期だが、依然として目撃情報も多く、クマ鈴を身につけることや、クマのエサになるものを屋外に放置しないなど最大限の注意をしてほしい」と呼びかけました。

(クマとの住み分け、対応必至:北海道)
旭川市立大で3日、野生動物との共存について考える市民向け生涯学習講座が開かれた。ヒグマと人との関わりに焦点を当て、旭川市旭山動物園の坂東元園長らが講演し、それぞれの生活領域を尊重した住み分けの必要性を指摘した。

(人里に出没するクマの、本当の謎)
クマによる人的被害が増えている。北海道や東北、北陸に目立つが西日本にもあり、今年4月から11月末までに212人に達している。過去最多を記録し続けている。それも山の中だけではなく、人里の田畑や人家周辺、さらに都市部までクマの出没が相次いでいるのだ。出没理由には、餌となるブナなどの実が東北で大凶作であることや、奥山と人里のバッファーゾーンとなっていた里山が過疎によって荒廃していることなどが指摘される。そして人慣れした“アーバン・ベア”も登場してきた実態を、専門家は指摘している。いずれももっともな理由なのだが、一つ解せない点がある。それはクマの生息数に関して誰もはっきりとしたことを言わないことだ。もしクマの数が横ばいないし減少傾向にあったのなら、駆除すれば生息数はより減ることになる。だから「あまり駆除するとクマが絶滅してしまう」という声が出る。そして「かわいそうだから殺すな」「山に餌を運んで置けばいいのでは」とか「森を荒らした人間が悪い」という思いが出てくる。そのためクマが駆除されると、当該地に大量の批判メールや電話が寄せられる。私は、クマに限らず野生動物の生息数に関する情報が曖昧な点について、以前から気になっていた。保護か駆除かを考える際のもっとも基本的な情報が明確でないのだ。それではクマの出没を防ぐ対策を練るのも難しいではないか。そもそも野生動物の生息数は、どのように数えているのだろうか。実は、これが難しい。全生息個体を目視で数えるのは通常無理だから、間接的に推定するしかない。とくにクマのように広範囲を移動する動物は調査しづらい。以前は駆除数から割り出していた。クマがたくさん人の目に触れ駆除されるのは、たくさん生息しているはずとする。しかし、これでは駆除すればするほど、生息数は増えてしまう。そこで定めた区画を縦横に歩いて、クマの痕跡(足跡や糞、クマハギなど樹木の傷)を見つけては数え、そこから全体を推測するという区画法がよく使われてきた。ただ最近は、調査方法が変わってきた。ヘア・トラップ法(餌の周辺に鉄条網のような毛をひっかける罠を仕掛け、採取した体毛からDNAを抽出して個体識別を行う方法)や、カメラ・トラップ法(赤外線センサー付きのカメラを仕掛けて動く物体を自動撮影し、個体識別することで生息数を割り出す方法)が採用されるようになった。こうした方法は、24時間人の気配なしに測定でき、調査者が調査地に足を運ぶ頻度も少なくできる。個体識別するから誤差も減る。まだ全国を網羅するような調査は行われていないが、各地で行われた結果を積み上げると、推定数は大きく変わった。たとえば岩手県が遠野市で行ったツキノワグマ調査は、2000年代に区画法からヘア・トラップ法に調査方法を変更している。すると従来の推定数の約2倍の個体が識別されたという。さらに罠にかからなかった個体もいることを考えると、ざっと4倍ぐらいになるのではないかとされた。秋田県では、推定生息数を長く1000頭前後としてきた。2016年で1015頭である。ところが2020年の推定は、急に4400頭と増やしている。その理由は明確に示されていないが、推定方法が変わったことも関係しているのだろう。環境省はツキノワグマを2010年で3565頭から9万5112頭、ヒグマは北海道庁の調査によるもので2020年に6600頭~1万9300頭という数値を出している。非常に幅があることからも推定するのは難しいことが読み取れる。ただ1990年代の推定値は、ツキノワグマが5000~6000頭、ヒグマが2000頭前後だった。生息数が格段に増えたことは間違いないだろう。改めてクマの推定生息数と駆除数の推移を見ると、従来と実情に合わなくないのは間違いない。とくに秋田県では、駆除と狩猟の合計捕獲数が23年の11月時点ですでに1800頭に達する勢いだ。それでも出没は収まらない。生息数を20年に4400頭としたものの、もっと多いと考えた方が辻氏妻が合うかもしれない。ツキノワグマは、性成熟するまで3~4年かかり、一度の妊娠で1~2頭を出産する。ヒグマの出産は4歳以降とされ、1~3頭だ。そうした条件からは、クマの生息数がいきなり増加するようには思えない。また九州では絶滅し、四国でも20頭前後しか生息せず絶滅の危機にあると見込まれている。それなのに、なぜ本州、北海道では増えたのだろうか。単に調査方法が変わっただけでは説明できない。クマの生息数の変動に関しては、その解明に取り組んでいる研究者もいるが、結論は出ていないようだ。ただ私は、重要なのは餌の多寡だと思っている。生息数が増えれば餌も多く必要となる。仮にクマの出産数が以前より高まったとか、死亡要因が減って長生きするようになったとしても、餌が足りなければ全個体は生存できないはずだ。つまり生息数の増加の背景には、餌が豊富になったと考えるのが自然である。クマは雑食性と言われるが、基本的に草食で木や草の実を好む。しかし同時に昆虫も食べるし、魚も獲れば動物も襲う。北海道で家畜のウシを次々と襲って世間を震撼させたヒグマの「OSO18」のように肉食に特化したケースも知られる。私は、1980年以降、日本の山の植生が変わったことが餌を増やしたと睨んでいる。一般に思われている以上に、日本の自然ははるかに豊かになってきた。長く各地の山々を歩いているが、どんどん木が茂り、森は深くなっていると感じるのだ。よくスギやヒノキの人工林には餌がないと言われるが、実際に人工林内を歩くと、意外なほど広葉樹や草が生えている。スギだけしかないスギ林はむしろ少なくて、針広混交林化していたり、スギの木の下に低木の広葉樹が繁ったりするところが増えた。里山の草原や疎林、そして田畑だったところにも木々が生えて密林化が進んでいる。それは、農林業の不振で人の手入れが行われなくなったことや、温暖化が進んで植物の生長もよくなったことも影響しているのだろう。その結果、単に動物に餌を提供するだけでなく、見通しが悪くなって隠れ場所になるなど、人里への侵入を試みる野生動物には都合がよい。また中山間地域で進む過疎化は、別の意味でもクマの餌を増やしている。集落内に植えられたカキの木やクリの木、そしてミカンやユズなど柑橘類も実が放置されて鈴なりのままに残された現場をよく見かけるようになった。さらに畑にも収穫されず放置された野菜類を目にする。一方でシカやイノシシも駆除されているが、両者合わせると100万頭をはるかに超える(2020年で約120万頭)。ところが仕留めた個体のうちジビエなどに使われるのは1割程度だ。大半は山に埋められる。ところが、それを掘り起こして食べるクマも多いのだ。こうして肉食の味を覚えたクマも増えているのではないか。餌が豊富なら、それで栄養を付けて出産数も増えるだろう。子グマも成長しやすいし、冬眠明けに生き延びる確率が高まるかもしれない。そうした複合的な要因で生息数を伸ばしているように想像する。若いクマは、新たなテリトリーを求めて移動する。とくに今年のように山の木の実が凶作だと、いっそう餌を求めて遊動域を広げる。人の居住空間に侵入しやすくなるだろう。狙われるのは、農山村だけではない。今後は都市に侵入してくるクマが多く出ることも想定すべきだ。すでに北海道なら札幌のような大都市、東北・北陸地方でも県庁所在地など数十万の人口を抱える都市にも出没するようになった。いわゆるアーバン・ベアだ。都市への侵入は意外と簡単だという。公園などの緑地帯や河川などを伝わると、見つからずに移動できるからだ。クマの駆除に対して批判する声も絶えないが、その電話やメール主のほとんどが都市住人のようである。だが、今後は彼らの身の回りにもクマが姿を見せる可能性はある。それでは、どうすればよいのか。人里に出てきた個体は駆除せざるを得ないが、人間側も、山岳地帯に入る際はクマを近づけない予防と防護が必要だと認識すべきだろう。クマも太古の昔から日本の森に暮らしてきた生き物だ。お互いが棲み分けるためには、難しくても真剣な舵取りを取っていくしかない。

(イノシシ・ニホンジカ対策、捕獲注意点学ぶ:北海道)
農作物被害が増えているイノシシとニホンジカの捕獲や防除を学ぶ研修会が南部町で開かれました。県が開いた研修会には鳥獣被害の対策を担う県内猟友会の会員など30人が出席しました。被害対策の専門家はイノシシを捕獲する箱わなの設置方法を説明し仕掛けに土や落ち葉などを底に敷きカモフラージュしたりエサに米ぬかを使うことなどを助言しました。またくくりわななども示し具体的な注意点などの質問に応じていました。★東北野生動物保護管理センター 瀬戸秀穂 研究員「ことしになってからセンサーカメラの映像からしてもイノシシの頭数も頻度も去年と比べるとすごく多くなりましたし 確実に増えているんだな肌感覚で感じているところではあります」。★県 食の安全・安心推進課 成田 悟 課長代理「猟友会の方と市町村と力を合わせて 被害を少なくしていければと思っています」。イノシシは俊敏で身体能力が高く最近は大型の個体が多い傾向ということで県は捕獲と防除で被害防止をめざします。

(クマ出没対応で県が出没した際の対応の手順確認する初の訓練:石川)
全国でクマによる人的被害が過去最悪となり、県内でも警戒情報が出されるなか、県はクマが市街地に出没した際の対応の手順を確認する訓練を、来年2月から3月にかけて行うことになりました。県内でもクマの出没が相次ぎ、10月には、金沢市で80代の男性が、小松市では60代の男性が、それぞれクマに襲われてけがをし、県は出没警戒情報を出しました。今後は、クマが冬眠する時期に入りますが、県は、クマが再び活発化するのを前に、市や町、警察、それに猟友会と連携して、初めての訓練を行うことになりました。訓練は、来年2月から3月にかけて加賀地方と能登地方、それに金沢市で1か所ずつ行い、各担当者がクマの発見から捕獲・駆除と、住民に避難を呼びかける手順などを確認することにしています。また、最近の出没傾向や、周辺の環境を詳しく分析して「出没マップ」を作成し、県民への注意喚起や対策の強化に役立てるとしています。県は、こうした対応を行うため、緊急対策費として500万円を12月補正予算案に盛り込みました。県は、「人的被害が相次いでいる深刻な現状を踏まえ、訓練で現場の対応力を強化し、被害防止につなげたい」としています。

(埼玉立てこもり、検察側が無期懲役を求刑:埼玉)
埼玉県ふじみ野市で去年1月、散弾銃を持って自宅に立てこもり、男性医師を撃って殺害した罪などに問われている男の裁判で、検察側は無期懲役を求刑しました。渡邊宏被告(68)は去年1月、前日に病死した母への弔問として自宅に呼び出した医師の鈴木純一さん(44)を散弾銃で撃って殺害した罪などに問われています。渡邊被告はその後、約11時間にわたって自宅に立てこもりました。今月28日の裁判で検察側は「至近距離で殺傷能力の高いスラッグ弾を発射し、強い殺意がある。母の死亡に対して鈴木さんらに一方的な不満を募らせた自己中心的な犯行」などと指摘し、無期懲役を求刑しました。一方、弁護側は「大けがをさせようと鈴木さんのひざを狙った」などと殺意を否定し、懲役15年が相当と主張しました。

(「銃より、わなが安全」:青森)
近年、急増しているイノシシや二ホンジカによる農作物被害を防ごうと、青森県南部町で研修会が開かれました。研修会は、イノシシの群れが確認された「ほ場」で開かれ、市町村の担当者など約30人が参加しました。研修では野生動物の調査などをしている研究員がイノシシと二ホンジカの生態を説明したあと、わなの設置の手順とその効果を確認しました。南部町 猟友会事務局「銃を使ったものより、わなの方が安全だと思いますので。私たちの技術向上につながればいいなと」。2022年度、イノシシと二ホンジカによる農作物の被害額は合わせて886

(サルの目撃件数増加、撃退方法や捕まえ方を学ぶ研修会:佐賀)
サルの市街地での目撃件数が増えていることを受けて、人身被害を防止しようと、サルを追い払う方法や捕まえ方を学ぶ研修会が小城市で開かれました。この研修会は、県がことしから開いているもので、29日は県内の自治体の職員や猟友会の会員などおよそ90人が参加しました。この中で講師を務めた農林水産省の鳥獣被害対策アドバイザーの清野紘典さんがサルを撃退するにはロケット花火が有効だとして、花火がサルに向かって飛ぶよう塩化ビニルのパイプで作った発射台を使って、10発ほど打ち込むと確実に撃退できることを紹介しました。また、わなで捕まえる方法については、新鮮なミカンやサツマイモがあわせて10キロは必要だとした上で、「サルがわなの中でえさを食べることが普通だと思うくらい、わなに慣れさせることが重要」と解説していました。県によりますと、県内の市街地でサルが目撃された件数は今年度は28日時点で101件で、4年前の46件と比べて2倍以上に増えており、人身被害が起きるリスクが高まっているということです。県生産者支援課の末次博之課長は「サルに対応するための知識や技術を身につけ、迅速な対応につなげたい。今後も市や町と連携しながら対応のガイドラインの作成や研修会を開いていく」と話していました。

(国内に数人の「師範」の段位も、77歳クレー射撃のレジェンド:岩手)
特集は、散弾銃で的を撃ちぬくクレー射撃で、日本で数人ほどしかいない「師範」の段位を取得した岩手県花巻市の77歳の男性です。現役のハンターでもあります。藤沼弘文(ひろふみ)さん。77歳。有害鳥獣の駆除、自然環境の保護にあたる花巻市猟友会の会長です。実は、スポーツ選手としてのこんな一面も。そう、射撃競技の現役選手。藤沼さんが取り組んでいるのはクレー射撃。直径11cmの「クレー」と呼ばれる的を散弾銃で撃ちぬき、そのポイント数で競い合います。今年の10月に開かれた「北海道・東北マスター・ビギナーズ」大会では、見事、準優勝を果たしました。藤沼さん「クレー射撃っていうのは自分自身なんですよ。自分がしっかりしないと当たらないんですよ。人のせいじゃないのね。しっかり自分を持った人が強いですよ」。藤沼さんが出場したのは、1つの的に1発しか打つことのできないスキート部門。銃を構えない状態からスタートし、自分のコールと共に出てきた的を撃ち抜きます。一瞬の判断が勝敗を分けるため、高い動体視力と強いメンタルが求められます。藤沼さん「嘘が効かない。だから本当に真剣勝負で対峙しないとなかなか当たらない」。実は藤沼さん。おととし、現在、日本のクレー競技界で数人ほどしかいない師範の段位を取得しました。競技の現状について聞いてみると・・・。藤沼さん「日本のオリンピック選手っていうのは、かなりうまいんだけど世界には太刀打ちできない。これはなぜかというと銃に慣れ親しむ状況がないから。やはり、テーマは若手育成なんですよ」「スポーツとして、競技として、もっともっと底上げしたいし、鉄砲の怖さとか、危険度だとか、本当に人間対人間の人間性。これを銃を持ったら学んでほしいと思っていました」。自らがクレー射撃競技と狩猟を通じて知った銃の奥深さ。藤沼さんは、それぞれを学べる教室を立ち上げました。毎年11月には、60歳以上の選手が出場するグランドマスター大会が開催されています。藤沼さんは過去に7位という成績を収め、今年は更なる上位進出を目指していましたが、棄権せざるを得ませんでした。その理由を聞いてみると・・・。藤沼さん「今年は出る予定だったんですけど、クマの被害がすごい出てきてね、とてもじゃないけど毎日毎日で。また来年は(状況)が変わるでしょうから、できる時まではやりたいなと思っていました」。ハンターとしても生涯現役。クレー射撃で日本が世界の頂点に立つその日を夢見て 、藤沼さんは歩み続けます。

(クマ対策で県が麻酔銃2丁購入へ:秋田)
県内でことし、捕獲されたクマの数が2000頭を超えてこれまでで最も多くなっているなか、県は、麻酔銃を新たに2丁購入する方針を決め、クマの捕獲に活用することにしています。県内ではことしクマに襲われるなどしてけがをした人が過去最多となるとともに、人の生活圏に出てくるなどして捕獲されたクマの数も2000頭を上回り、これまでで最も多くなっています。県では、自然保護課に麻酔銃を1丁置いてクマが捕獲された際などに職員が持ち出して活用していますが、1丁では対応が追いつかないとして新たに2丁購入する方針を決めました。この2丁は県北地区と県南地区にそれぞれ常設するため、北秋田と仙北の地域振興局に配置するということです。県は、麻酔銃の購入費用として195万円余りを補正予算案に盛り込んでいます。県自然保護課は「クマの活動が再び活発になる春ごろまでに麻酔銃を配置して、地域振興局の職員に研修を行い、クマが捕獲されたときに迅速に対応したい」と話しています。

(シカ食害のハゲ山は放置してリニア工事だけは「環境破壊」と難癖、川勝知事の「自然保護」はメチャクチャだ:静岡)
静岡県の川勝知事は「南アルプスの自然環境保全」を理由にリニア妨害を続けている。ジャーナリストの小林一哉さんは「南アルプスは増え続けるシカによって多様な植生が現在進行形で失われている。それは放置しているのに、JRだけに文句をつけるのは道理がまるで通らない」という――。リニア中央新幹線工事が南アルプスの自然環境に与える影響について、国の有識者会議は、影響を随時見極めながら工事を進めるべきだと結論付けた。ところが静岡県の川勝平太知事は、事業者のJR東海に工事による自然環境変化を事前にすべて予測するよう求めている。南アルプスの現状を目の当たりにすれば、そんな甘いことを言えるはずもない。静岡県の環境行政トップの川勝知事は実態を何も知らずに、JR東海だけに厳しい物言いをするが、実際は、ブーメランのようにすべて自分のところに返ってくる。一体、南アルプスで何が起きているのか?南アルプスの自然環境を語る際に外せないのが、増え続ける日本固有種のニホンジカ(ホンシュウジカ)の問題である。リニア工事に伴い、環境省に絶滅危惧種などに指定されている重要植物の移植、播種(はしゅ)を実施している南アルプスの地域で、15種のうち9種で生育数が減少していることが、静岡市が11月15日に発表した2022年度調査結果で明らかになった。この重要植物の移植、播種は、JR東海が作業員宿舎建設などのリニア準備工事に伴う環境改変に伴って、2017、18年に従来とほぼ同じ生育環境をつくった上で実施している。静岡市の調査はそれらの生育状況を踏まえ、自然環境の変化を把握するために行われた。今回の調査結果から静岡市は、植物の生育数減少は天候などの自然環境の変化だけでなく、ニホンジカの食害による影響が非常に大きいと推測している。ニホンジカが南アルプスの高山植物を食べつくしてしまった状況は、環境省作成のパンフレット「シカが日本の自然を食べつくす」などで明らかになっている。またニホンジカの急増で、南アルプスのシンボルであり、国の特別天然記念物ライチョウがエサとなる植生を失い、急減したとの報告が出されている。高山植物を食べつくしたニホンジカは餌を求めて縄張りを拡大し、リニア工事の基地となる3カ所の作業員宿舎や、非常口など標高約1000メートル前後の南アルプスの森林等でも繁殖活動を行っていると専門家は見ている。南アルプスの生態系に強い懸念を示す川勝知事だが、静岡県は増え続けるニホンジカの生息数はじめ、高山植物以外のニホンジカによる食害被害の状況について全く把握できていない。川勝知事は11月9日の会見をはじめさまざまな機会で、「南アルプスの生態系を保全するのは国際的な責務である。なぜなら、ユネスコエコパークに登録されているからだ」など理念的な発言を繰り返し、JR東海に自然環境変化の事前予測を求めている。リニア工事の影響範囲だけを取っても、事前予測するためには具体的な現状がわからなければ、JR東海は手を打ちようがない。実際の南アルプスはニホンジカの食害によって、数年で大きな変化を強いられている。つまり、増え続けるニホンジカの自然環境への影響をきちんと把握できていない状況の中で、静岡県は、事業者のJR東海に生態系への影響の事前予測を押しつけている。これでは、何らの説得力もない。南アルプスの自然環境保全は、国立公園地域を管轄する環境省とともに、山小屋や登山道など国立公園地域の管理を受け持つ静岡県に責任と役割がある。川勝知事は南アルプスの現状を全く承知しないで、南アルプスの自然環境保全の責任をJR東海に押しつけ、言い掛かりをつけているに過ぎない。ここでも“裸の王様”川勝知事の無責任なデタラメだけがはっきりと見える。南アルプスは、数多くの固有種、遺伝種が見られ、植物相が多様であり、樹林帯が垂直分布し、一体性のある地域と高く評価されている。しかし、南アルプスの多様な自然環境はニホンジカの食害によって、大きく変わってしまった。環境省によると、1979年夏には見事なお花畑が広がっていたが、2005年夏には草原となってしまい、2010年夏にはとうとう草原も消え、石ころが目立つ状態となった。まさに、ニホンジカにすべて食べつくされてしまった状態であり、多様な植物相にとって、最大の危機状況にあると言える。南アルプスでは、リニア工事着工にかかわらず、生態系の深刻な被害に直面しているのだ。現在、静岡県、静岡市は高山植物が残されている地域などで、高校生ボランティアらの協力を得て、防鹿柵の設置を行っている。環境省の推計によると、ニホンジカは2019年現在、全国で約260万頭が生息し、毎年約60万頭が捕獲されている。環境省は本年度末までに約152万頭までに減らす計画を立てている。ただどんなに捕獲をしてもニホンジカが増加傾向にあるのは、反芻胃と呼ばれる4つの胃を持ち、イノシシのような単胃動物が消化できない繊維や細胞壁なども分解してしまう強い胃を持っているからだ。つまり有毒物質を含まない植物であれば、何でも食べてしまうのだ。イノシシ、サル、クマは人間と同じ単胃動物だから、消化が容易な植物や動物しか食べない。イノシシやサルは畑の作物などを荒らす害獣だが、ニホンジカは樹皮などすべての植物を食いつくす自然環境の“破壊者”である。静岡県がニホンジカ被害の対策を行っているのは、伊豆と富士山麓地域のみである。両地域には現在約7万頭が生息していると県は推計する。南アルプス地域や天竜川上流などにも数多くのニホンジカが生息するが、対応はできていない。伊豆エリアなどのニホンジカはシイタケ、ミカン、ワサビなどの農園を荒らす害獣だが、南アルプスでは高山植物を食べてしまっても県民生活への影響はないからだ。お花畑を形成する高山植物の被害はわかっても、高度の低い樹林帯などでの植物被害などは全くわからない状況である。明治期以前、ニホンオオカミが動物界の食物連鎖の頂点にいたが、人間によって絶滅させられた後、ニホンジカの天敵は人間以外いなくなった。また2006年まで続いたメスジカの禁猟政策によって、ニホンジカが急増してしまった。専門家の間では、ニホンジカの増加も自然環境の変化の一部と受け止め、何らの対応も必要ないとする考え方もある。環境省パンフレットには「シカは植物を食べる日本の在来種で、全国に分布を拡大し個体数が増加、シカが増えることは良いことと思うかもしれないが」と断り書きをした上で、「全国で生態系や農林業に及ぼす被害は深刻な状況になっている」と徹底的に駆除することの理由を説明している。つまり、「シカが増えることは良い」と思う人間もおり、生物多様性も人間の都合によってさまざま変わる。生物多様性の考え方は非常に難しい。だから静岡県は、南アルプスの重要な生態系のうちの1つであるニホンジカ保全について何らの指針も示すことができない。県生物多様性専門部会で議論してきた大井川の在来種ヤマトイワナについては、11月8日公開のプレジデントオンライン(リニア工事とは無関係なのに「絶滅寸前の川魚を守れ」と難癖…またも意味不明な主張を繰り返す川勝知事の末路)で詳細に紹介したが、絶滅危惧に追い込んだのはすべて人間の活動である。繁殖力の強いニッコウイワナを放流したのは、ヤマトイワナの減少に伴い減った釣り人を漁協が誘致するためだった。それ以前に行政による河川改修や、多数の電力ダムの建設によって、ヤマトイワナの好む自然環境はすっかり失われてしまった。だから、「ヤマトイワナを是が非でも守れ」とJR東海に迫るのは不思議な話である。農業、林業を守るためにニホンジカ駆除が正当であると考えるならば、「ヤマトイワナを守れ」は説得力に欠ける。自然環境保全を名目に、リニア計画を静岡県でストップさせたのでは、地元井川地区だけでなく、沿線住民への経済的な影響も大きい。ところが、自然環境保全でも川勝知事の反リニアはとどまることがない。リニア工事を巡る生態系への影響を議論する国の有識者会議が結論をまとめることに猛反発して、「大井川上流部の沢に生息する水生生物への影響に関する議論が不十分」とする意見書を国交省に送っている。1年以上にわたって議論してきた有識者会議は、自然環境の大幅な変化などで当初の予測と異なる状況が生じることを踏まえ、特に不確実性の高いものは工事を進めながら、随時見直す管理手法を取ることを報告書案で示している。つまり、JR東海のリニア工事着工を容認した上で、JR東海がリニア工事を行いながら、生態系への影響を評価判断して対応することを認めている。これは非常に合理的である。ところが、反リニアに徹する川勝知事は、南アルプスの自然環境保全を盾に、JR東海の工事着工を何としても阻止したいから、有識者会議の結論を認めない魂胆である。静岡県の生物多様性専門部会に議論を戻して、従来通りにJR東海に無理難題を突きつけるシナリオがはっきりと見える。はっきり言って、県生物多様性専門部会の存在意義には疑問を呈さざるを得ない。生物多様性とは、「バイオダイバーシティ」の造語である。「生物のにぎわい」といった意味であり、ヤマトイワナだけを保全してニッコウイワナ、混雑種を駆逐するという考えはない。すべて人々の生活と大きく関係する。県専門部会は増え続けるニホンジカによる植生への影響などは議論しないどころか、避けている。つまり、南アルプスの現状を理解しようとしないのだ。川勝知事の意向通りに、自然環境保全を名目にしてリニア工事着工を妨害する県生物多様性専門部会は即刻、解体すべきである。

(市街地に出没のクマ、ハンターがライフル銃3発“打ち下ろし”て駆除:北海道)
4日午前、北海道芦別市の市街地で、材木会社の敷地内に入ったクマ1頭がハンターに駆除されました。4日午前7時ごろ、芦別市上芦別町の市道で、車を運転していた人から「市道をクマが横断している」と警察に通報がありました。警察によりますと、クマ1頭が市道を南から北に横断した後、近くの材木会社「新芦別株式会社」の敷地内に入りました。雪の上に足跡、カボチャを食べた痕跡も確認された後、敷地内の小屋の中にとどまっているとみられていましたが、正午前後、小屋の近くで姿が見えたところでハンターがライフルを3発撃ち、駆除しました。当初、市街地のため、ライフル銃は使えず、警察などは、麻酔銃を検討していましたが、“打ち下ろし”なら問題ないと判断、発砲して駆除に至ったということです。現場は芦別市の中心部から2キロほどの市街地で、市によりますと、駆除されたクマは、体長1.3メートルほどのメスでした。

(車とクマ衝突:秋田)
30日午前3時15分ごろ、秋田市新屋比内町の県道65号線で、同市の50代男性が運転する乗用車が体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。秋田中央署によると、乗用車が新屋日吉町方向から新屋比内町方向へ走行中、左側から飛び出してきたクマとぶつかり、前部が破損した。クマはその場を立ち去った。近くの民家まで約10メートル。

(イノシシと快速列車衝突けが人なし:福島)
JR東日本によりますと28日午後5時50分ごろ、磐越西線・磐梯町~翁島間で上り快速列車(会津若松発~郡山行)がイノシシと衝突しました。列車には乗客と乗員約130人が乗っていましたが、けがはありませんでした。列車は安全を確認したあと約30分後に運転を再開しました。

(公園にクマ3頭、遊んでいた小学生が目撃:福島)
警察によりますと、28日午後3時40分ごろ、福島県いわき市平豊間の豊間公園で遊んでいた小学生数人が、公園内を歩くクマ3頭を目撃しました。その後、小学生から話を聞いた保護者が警察に届け出たということです。クマの体長は不明で、これまでにこのクマによる被害は確認されていません。警察は、いわき市に情報提供するとともに、パトカーによる警戒や広報活動を行っています。いわき市内では、これまでクマの生息は確認されていませんが、11月5日には遠野町深山田で「クマのふんのようなもの」が発見され、21日には田人町で目撃情報が寄せられるなど、市が注意を呼びかけていました。福島県内では以前は「阿武隈川の東側にクマはいない」と言われていましたが、近年はクマの行動範囲が広域化し、浜通りでも目撃情報が寄せられています。

(干し柿、クマ食害か:秋田)
28日午後0時10分ごろ、秋田市下北手松崎字家ノ前の民家の軒下につるされていた干し柿が複数個なくなっているのを、住人の80代女性が見つけた。秋田東署は、女性が体長約30センチのクマが軒下近くにいるのを目撃していることから、クマによる食害とみている。

(クマの足跡が見つかり「札幌芸術の森」が一時臨時閉園に:北海道)
11月28日午前7時ごろ、札幌市南区にある美術施設「札幌芸術の森」の駐車場にクマの足跡があるのを警備員が発見し、警察に通報しました。足跡は長さ22センチ、幅13センチほどで、大人のクマとみられ、駐車場から付近の川の方向に向かって続いていました。足跡が見つかったことを受けて「芸術の森」では28日に臨時閉園する措置をとりましたが、その後、クマが立ち去ったと判断し。29日から通常営業となっています。札幌市南区ではこのほか、穴の川中央緑地で15センチのクマの足跡が確認されたほか、石山の「森の幼稚園」敷地内でも大きさ不明のクマの足跡がみつかっています。警察はパトカーなどで付近を警戒するとともに注意を呼びかけています。

(レンコン食べる野鳥を特定、みえてきた効果的な対策:茨城)
正月料理に欠かせないレンコン。水辺の渡り鳥とともに、茨城県南部に広がる霞ケ浦周辺の冬の風物詩といえる。しかし、マガモなどにかじられたレンコンの被害だけでなく、それを防ぐ防鳥ネットで命を落とす鳥が多いことも問題になっている。近年は調査や研究が進み、AIを活用してそれぞれの被害を減らす試みが始まっている。9月ごろから翌年の3月ごろにかけて、全国のレンコンの約半分が茨城から出荷されるが、最近のマガモなどの食害による被害額は年間で3億円前後に及ぶ。レンコンはかじられて傷がつくと変色し、出荷できなくなる。食害を防ぐため、2002年ごろから防鳥ネットが県内でも広まった。ただ、防鳥ネットに絡まるなどして死ぬ野鳥が目立つようになり、「日本野鳥の会茨城県」が行った調査では、20年ごろまで年間約1千~2千羽が確認された。こうして、レンコンを守るか、野鳥を守るかをめぐって、論争が起こる事態に発展していた。

(小中学校付近でクマ目撃、臨時休校に:北海道)
30日午前、札幌市南区で、クマ1頭の目撃情報がありました。これを受け、現場近くの小学校と中学校が臨時休校になりました。30日午前6時ごろ、札幌市南区簾舞1条4丁目で、ランニングをしていた男性から「クマ1頭が小学校の方向へ歩いていた」と警察に通報がありました。警察によりますと、クマは体長およそ1.2メートルで、この目撃情報を受けて現場近くの簾舞小学校と簾舞中学校は、臨時休校となりました。札幌市が警察と付近をパトロールしたところ、キツネなどの足跡はありましたが、これまでのところクマの痕跡は見つかっていません。

(イノシシ1頭がブドウ畑に現れる:山梨)
30日午後、山梨県笛吹市のブドウ畑にイノシシ1頭が現れ、警察や地元の猟友会などが周囲を囲み、捕獲しました。30日午後3時40分ごろ、笛吹市春日居町鎮目のブドウ畑でイノシシ1頭が目撃され、警察に通報がありました。現場の周囲には民家もあり警察が住民に注意を呼びかけると共に、警察官10人に加え市職員や猟友会のあわせて16人が捕獲にあたりました。イノシシはブドウ畑を走り回り逃走を図ろうとしましたが、通報から約3時間後、ブドウ畑の周囲に掛けられていた農業用のネットに突っ込んだところを猟友会のメンバーが網で捕獲しました。捕獲に当たった人たちにけがはありませんでした。捕らえられたイノシシは体長がおよそ70㎝でこの後、最終的に山に放たれたということです。

(小屋に2頭の熊、人に向かってこようとするなど危険性が高かったため駆除:福島)
会津坂下町で小屋の中にいる2頭の熊が目撃され、人に向かってこようとするなど危険性が高かったことから駆除されました。11月30日正午すぎ、会津坂下町大字白狐の小屋を所有する男性から家の近くの小屋に熊がいると、会津坂下町に通報がありました。警察や地元の猟友会が現場に向かうと、体長110センチのメスと60センチオスの熊、合わせて2頭がいたということです。追い払おうと花火を打ったところ、熊が町の鳥獣被害対策実施隊に向かって来たということです。人命に危害が及ぶ危険性があったことから、2頭は午後2時前に猟銃を使って駆除されました。現場は、JR会津坂下駅の南側の民家が建ち並ぶ地域で、周辺では熊目撃情報が出ていました。

(追い詰められたイノシシがまさかの“ジャンプ”:岡山)
岡山市中心部に現れたイノシシ。四方を囲まれ追い詰められると、高さ1メートルはありそうな壁に向かってジャンプし、そのまま逃走した。その一部始終をカメラがとらえていた。11月25日、JR岡山駅からほど近い岡山市の中心部で、猟友会が何かを追い詰めていた。小屋の脇から出てきた黒い影。その正体は、全速力で走るイノシシだ。イノシシが発見されたのは、建物に囲まれた駐車場。警察官たちはずらりと並んでバリケードを作り、イノシシに逃げる隙を与えない。四方を囲まれ、もはや“袋のネズミ”になってしまったイノシシ。捕獲は時間の問題だと思われた。しかし、イノシシは高さ1mはありそうな壁に向かってジャンプ。包囲網をすり抜け、逃走したのだ。まさかの出来事に、意表を突かれた警察官や報道陣。イノシシの後を追ったが、どんどん離されてしまった。その後、目撃情報はなく、イノシシの行方は分かっていない。

(闇夜に走り回るイノシシ:山梨)
周囲に住宅が建ち並ぶ山梨県笛吹市の畑に11月30日にイノシシが現れ、警察などが捕獲しました。イノシシやクマの目撃は県内で相次いでいて警察は見かけた場合は静かに距離をとるよう呼び掛けています。勢いよく走り回るのは1頭のイノシシ。昨夜の映像です。30日午後3時40分ごろ、笛吹市春日居町鎮目のブドウ畑で体長70㎝ほどのイノシシ1頭が目撃され、警察に通報がありました。現場の畑は春日居中学校から北におよそ400mの周囲に住宅が立ち並ぶ地域でした。警察官や市の職員、猟友会などあわせて16人が捕獲にあたりました。木の棒や捕獲用の網をもって辺りを囲みますが・・・イノシシは素早く逃げ出してしまいます。その後も包囲網をかいくぐってブドウ畑を駆け回ります。そして通報からおよそ3時間後・・・。「ブキーッ!」。闇夜を引き裂くようにイノシシの叫び声が。イノシシはブドウ畑の周囲に掛けられていた農業用のネットに突っ込んだところを網で捕獲されました。けが人はおらずイノシシは最終的に山に放たれたということです。県内では学校や住宅街にイノシシの出没が相次いでいるほか、クマの目撃情報は今年度161件で、昨年度1年間をすでに44件上回っています。警察はイノシシやクマを見かけた際は近づいたり大声を出したりせず静かに距離を取るよう呼び掛けています。

(「東京クマ」山間部から圏央道に迫る!:東京)
東京でのクマの目撃情報を地図に示したものです。昨年度は奥多摩など山間部が中心でしたが、今年度は、より近い圏央道の方にまで迫ってきています。このまま都市部まで生息域が拡大する可能性はあるのでしょうか。闇夜に光る目。ツキノワグマが出没したのは東京都内の牧場です。今月8日午後8時すぎ、自動撮影カメラが2頭の姿を捉えました。鳥小屋があり、反対側のカメラのライトが光った瞬間、クマは去っていきます。クマが出没したのは東京の多摩地域西部に位置する檜原村の牧場です。クマなど獣の被害を防ぐため、鳥小屋には、ある対策が…。この牧場では、ブランド鶏の「東京うこっけい」を約100羽飼育しています。クマは度々、牧場に出没。鼻を高く上げ、においを嗅いでいるのが分かります。鳥小屋の中が気になるのか、周りを歩いていきます。すると、この後にクマが触れたのは電気柵です。牧場によりますと、クマは週1回のペースでカメラに映っていて、1年を通して度々、出没。冬場も回数は減るものの途絶えることがないといいます。1400万人が暮らす大都市・東京。東京都の担当者は警鐘を鳴らしています。東京都環境局 野生生物担当 佐藤基以課長:「東京は世界的にも珍しい、クマが生息している首都。令和2年度の調査結果ではツキノワグマ約160頭前後が生息しているという推定結果が出ている。都のホームページでは目撃情報をまとめたマップやクマに出合わないための方策を周知している」クマが生息している首都。東京のクマの目撃などは今年4月からこれまでで、149件に上っています。7月に撮影された写真のツキノワグマが居座っている場所は、奥多摩町にある貯水池の管理事務所の敷地です。ここには東京都の水道局が管理する小河内ダム、通称「奥多摩湖」が広がっています。管理事務所はクマの目撃が相次いだことを受けて今年7月、敷地内にカメラを設置。深夜、親子のクマが歩く姿が捉えられました。専門家は注意を呼び掛けています。東京農業大学 山崎晃司教授:「東京都の山間地、森がある所に入る場合には、どこにクマがいてもおかしくない。クマがいるという前提で行動することが大事」。本来、山間地に生息するツキノワグマ。ところが、今年は異変が起きています。東京都が公表しているクマの目撃マップ。去年4月からの1年間は青い地点で目撃や痕跡がありました。奥多摩湖の周辺など西側の山間地に集中しています。一方、今年4月からは赤の地点です。去年に比べ、より東側に分散しているのが分かります。八王子市などを通る高速道路「圏央道」の近くでも目撃が相次いでいます。より都市部に近い東側にクマの生息域が拡大しているのでしょうか…。東京農業大学 山崎晃司教授:「東京都のクマの数は正確には分かっていないが、恐らく増加傾向か、安定している状態。クマが分布域を生物の種として広げたい欲求があるので、空いている所にどんどん入ってくる。自然の流れのなかで東側に目撃情報が増えていると思う」。番組の取材班は今年、クマの目撃が増えている圏央道の周辺へ向かいました。八王子市ではクマの目撃などが22件です。八王子市では今月30日、クマの痕跡が…。エンドウ豆の畑にはクマとみられる足跡が…。紅葉がピークを迎え、行楽客でにぎわう高尾山ではクマへの警戒が強まっています。登山で訪れた女性はリュックにクマよけの鈴を付けています。多くの人がクマを警戒していました。

(路線バスとクマ衝突、人にけがなし:福島)
2日午後6時半ごろ、福島県会津若松市大戸町上小塩の市道で路線バスと体長1・6メートルのクマが衝突する事故があった。会津若松署によると、バスに乗客はおらず、運転手にけがはなかった。クマは死んだ。現場は芦ノ牧温泉から東に数百メートルの集落の近く。

(雪上で“背こすり”ヒグマ:北海道)
北海道の町で緊迫の度合いが高まっています。気温マイナス9℃、積もった雪の上で木に“背こすり”をするヒグマ。12月に入り、本来であれば冬眠の時期にもかかわらずクマの出没が相次いでいます。積もった雪の上に付いた大きな足跡。ヒグマが歩いた形跡です。先月27日に地元の住民が撮影しました。場所は北海道東部にある知床半島の羅臼町です。足跡をよく見ると、上側に進んでいるものと下側に進んでいるものの両方が確認できます。ヒグマの足の幅は約15センチ。雄の成獣の足跡とみられ、その大きさから体重は200キロ以上と推測されます。番組の取材班は今月1日に羅臼町へ。ヒグマの足跡を撮影したのは猟友会の部会長を務める桜井憲二さん(60)です。1日も住宅地から近い林道にヒグマの足跡が…。羅臼猟友会 桜井憲二部会長:「これ全部、行ったり来たりした跡」。人の生活圏に出没するヒグマが増えたことを受け、桜井さんは町内に複数の自動撮影カメラを設置しています。1日に映像を確認すると…。羅臼猟友会 桜井憲二部会長:「12月1日午前5時、きょう太い木に背こすりしている」。午前5時58分に気温マイナス11℃のなか、ヒグマが木に背中をこすり付けている様子が映っていました。においを付けて存在をアピールする「背こすり」という行為です。さらに…。羅臼猟友会 桜井憲二部会長:「これも12月1日午前2時、これはでかい」。午前2時24分にも雄のヒグマが出没しています。12月はヒグマが冬眠する季節。ところが…。羅臼猟友会 桜井憲二部会長:「まだ冬眠していない。きょう(12月1日)だから」。冬眠の時期を迎えているにもかかわらず、活動を続けるヒグマの姿が次々と捉えられていました。羅臼町では今年、ヒグマの目撃が540件で過去最多を記録。すでに去年の2.5倍に上っています。8月に町役場に近い通りでクマと遭遇した住民は…。クマに遭遇した住民:「4、5回は目撃している。子グマを連れている場面も見た。怖いですよ」今月1日もクマの出没情報がありました。羅臼町 産業創生課 大沼良司課長:「いち早く現地に通報を受けて行く作業を繰り返している。住民の目の前にいたり、通学路にいたり、非常に多かったので危機感を持っている」町内に仕掛けられたカメラには6月、推定300キロ級の巨大ヒグマが映っていました。映像を調べた結果、この巨大ヒグマの他にも母グマと子グマなど、町内に出没するクマは常に7頭から8頭いることが分かりました。撮影した桜井さんによりますと、今年は例年に比べて2倍の数だといいます。羅臼猟友会 桜井憲二部会長:「町内に何カ所か(カメラを)仕掛けているが、こっちでも映った、こっちでも映ったという感じで数が増えた、格段に。前は人里近くに次から次へと映ることはなかったが、クマも人と同じで慣れる、だんだんと」。ヒグマの生々しい爪痕が残っています。先月25日には気温マイナス9℃、積もった雪の上でヒグマが背こすりする姿が。ヒグマはいつ冬眠するのでしょうか。専門家は警鐘を鳴らしています。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授:「冬だからといってクマのリスクがなくなるわけではない」。長年の調査からヒグマの体形がその鍵を握ることが新たに分かってきました。ヒグマが400頭から500頭生息していると言われる知床半島でヒグマの研究を長年続けている北海道大学の下鶴准教授。ヒグマの生態を知るため、これまで糞(ふん)を2000個以上も採取。そこから分かることは…。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授:「主に春先、6月くらいから11月、冬眠前までの1年間、活動期の食べ物の変化を調査してきた」。現地調査で判明したのはヒグマが季節によって何をどのくらい食べているのか。その結果をまとめました。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授:「春先から初夏にかけての冬眠明けの時期は草やアリなど比較的、栄養価の高くないものを食べて何とか飢えをしのいでいる。一方で、8月に入ってくると少し標高の高い所に生えているハイマツという低木の松の実を食べたり、8月後半になるとマスが遡上(そじょう)したり、9月後半にはサケであったり、ドングリの実などを食べることができる。高栄養のものを一気にたくさん食べることで一気に太って冬眠に備える」。過去のヒグマの画像を比べてみると一目瞭然。左は8月末、右は10月末の同一個体です。秋の2カ月の間で体重が2倍になるケースもあるといいます。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授:「一日に換算すると1キロ以上、太っている計算」。ところが、今年は冬眠に備え蓄えるべき時期に異変が…。ヒグマの貴重な栄養源であるハイマツやドングリ類が不作。マスやサケも減少し、押しなべて餌(えさ)が不足する事態に。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授:「食べ物がないため十分に太れないクマが多く見受けられたのが今年の一つの特徴。ほとんど脂肪を蓄えていない個体も見られているので、個体がどのような冬眠をするかまだ分かっていないことも多い。まだ出没が続いている時期は冬眠の時期だからといって決して油断せずに、これまでと同じくごみの管理など、クマを寄せ付けない対策を引き続き続けることが大事」。

(大繁殖のキョンに「食べればいい」の声:千葉)
特定外来生物に指定される小型のシカの仲間である「キョン」が大繁殖しているというニュースに対し、「海外では高級食材とされており、日本でも食べればいい」という旨のX(旧ツイッター)の声が話題になっている。それに対し、「日本のキョンはまずい」と指摘する声もある。実際はどうなのか。J-CASTニュースは2023年11月30日、ジビエ料理や食材を扱う「猟師工房ドライブイン」(千葉県君津市)を運営する原田祐介さんに話を聞いた。発端となった投稿ではキョンを「食べればいい」としているが、実はすでにキョンはジビエとして扱われている。原田さんは5年ほど前からキョンの食肉化に取り組んでいるといい、「猟師工房ドライブイン」でもキョンの肉やキョン肉を使った加工食品を販売している。キョンの肉について、原田さんは上質な鹿のような味だとし、「私は10年ほどジビエのビジネスを手がけていますが、そうとう美味しいお肉です」とコメント。おすすめの食べ方を尋ねると、「失敗なく美味しくいただくには、コンフィーやアヒージョ。あとは、ローストのような調理方法は間違いないですね」と教えてくれた。現在、キョン肉は客から「大人気」だという。「今、(キョンの大繁殖が)非常に議論を呼んでいる状況で(話題になっているので)、お肉は作っても作っても、すぐに売れてしまう状況です」。しかし、キョンはもともと日本にいなかった特定外来生物であり、千葉県では2021年に策定された「第2次千葉県キョン防除実施計画」のもと、完全排除を目指し取り組んでいる。食材として一般化させることには問題もある。付加価値がついてしまうと、養殖したり地域に放したりする人が現れる懸念があるという。「キョンはもともと日本にいなかった生き物で、いてはいけない生き物です。これを全滅させないといけないというのは、県庁などと全く同じ見解です。(食材としての価値など)2次的な価値が生まれる懸念はありますが、あくまでもいただいた命なので、美味しく食べたり、皮を利用したりして、供養してあげられたらいいなという思いだけでやっています。キョンに関する我々の取り組みとしては、キョンの殲滅が終わったら、一切終わるという考え方です。でも、殲滅が終わるまでの間は、いただいた命にちゃんと向き合って供養していこうというスタンスです」。

(新型ジビエカー九州初のお披露目:鹿児島)
狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のことを「ジビエ」と言いますが、近年この「ジビエ」の需要が高まりを見せています。28日、鹿児島市ではジビエを活用するための最新設備が公開されました。鹿児島市でお披露目された、「新型ジビエカー」。2023年完成したばかりのジビエ用解体処理車です。開発に至った背景には、こんな事情が。新型ジビエカーを開発・河西大樹さん「全国の捕獲量のなかで食肉が1割、残りの9割は廃棄と非常にもったいない」。2000年度以降、国内で捕獲されたイノシシとニホンジカの頭数は増加傾向が続いていて、2022年度は130万頭以上も捕獲されているのが分かります。しかし、このうち私たち消費者に「ジビエ」として届くのはわずか。その背景のひとつには、捕獲エリアに比べて処理施設が少ないことが挙げられます。国の認証を受けているジビエ処理施設は、全国にわずか30ほど。鹿児島には出水、阿久根、屋久島の3カ所にありますが、これでも全国では最多です。そこで、処理施設が遠い場所でも、捕獲してから迅速に解体処理を行うことで、廃棄する頭数を減らそうと、ジビエカーが開発されました。新型ジビエカーを開発・河西大樹さん「イノシシやシカを専用のウインチでつり上げて、シャワーがあるので汚れた体を洗って血を抜き、心臓の動いているうちに血を抜きます」。荷台部分には解体室が設けられ、鮮度を保ったまま搬送が可能に。もちろん冷蔵室も完備されています。必要最小限の装備が詰まったこの新型ジビエカー、県外からも多くの関係者が訪れ、興味深そうに見学していました。訪れていたのは、処理施設の関係者や自治体の職員など様々な立場の人たちです。国の認証も受けているため、衛生面でも安心だということです。日本ジビエ振興協会・藤木徳彦代表理事「とれたて新鮮、しかも安全ということを普及させていくことが我々の協会活動。おいしい料理にお肉が変わっていき、いろんな料理に楽しんでもらうことは協会の使命だと思う」。協会では今後、広島や群馬などでもお披露目会を行い、新型ジビエカーのさらなる改良に繋げていきたいとしています。

(蓼科高原で味わうジビエ:長野)
アンティーク調の店内に家族連れの笑い声が響く。茅野市蓼科高原のフランス料理店「オーベルジュ・エスポワール」。鳥獣害に伴い注目を浴びるジビエ(野生鳥獣肉)料理だが、同店ではいち早く四半世紀前から提供を続ける。「国産ジビエ堪能コース」(2万1千円、消費税・サービス料別)の一品目はイノシシ肉のミンチをスライス肉で巻き、ブドウの枝に差して焼いた「猪(いのしし)のブロシェット」。アナグマの脂身がうまみを加えるパテのパイ包みや信州野菜の盛り合わせが前菜に並ぶ。鹿やイノシシなどの骨をとことん煮出したスープはゼラチンたっぷり。メインディッシュは信州産の鹿肉を使った「鹿肉のポワレ」。口の中に弾力とともに風味が広がった。オーナーシェフの藤木徳彦さん(52)は東京の高校卒業後、蓼科高原のオーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)で働いた。修行中に訪れたフランスのオーベルジュ。家族経営のにぎやかな雰囲気で地元食材の料理をしっかりと説明する様子を見て「地産地消」に感銘を受けた。1998年、蓼科で店を開いた。

(ジビエ肉使う限定油そば:東京)
早大近くの油そば専門店「麺爺(めんじい)」の早稲田店(新宿区早稲田町)と馬場下店(馬場下町)が期間限定で、ジビエを使った油そばを提供している。早大周辺に3店舗、高田馬場に別業態の「焼爺(やきじい)」を展開し、ワセメシ(早大近くの飲食店)の人気店として知られる「麺爺」。縮れた自家製麺や純正ラードを使い、黒(しょうゆ)、白(塩、以上580円~)、赤(黒ベース辛みそ)、紅(白ベース辛みそ、以上630円~)の4種類の味を用意する。「豊富な調味料で、味変を楽しんでもらえるように開発した油そば」(麺爺)という。これまでも期間限定メニューに取り組んできた「麺爺」。2018(平成30)年、2019年には、ジビエ肉を使った限定メニューを提供していた。早大の学生サークル「狩り部」の学生からの「多くの人に獣害を知ってもらいたい。捕らえて処分するだけではなく、食べることで命をいただく大切さも伝えたい」という提案がきっかけだった。「麺爺」の石田正徳さんは「コロナ禍でジビエ肉を使った限定メニューも途絶えてしまい、しばらく提供していなかった。昨今クマのニュースが増えてきこともあり、久々にジビエ肉を使ったメニューに取り組むことにした」と話す。提供するジビエ肉は、イノシシ、シカ、ヒグマ。油そばの各メニューに200円増しで、豚バラのチャーシューを4、5切れのジビエ肉に変更できる。石田さんは「以前のジビエメニューは調味料をたくさん使って、しっかりした味付けをしていた。今回は良い意味でジビエらしさを味わってもらえるように、臭みも感じられるような味付けにしている」と話す。仕入れや仕込みの状況により毎日、限定数での提供となる。現在、イノシシを提供中。今後、シカ、ヒグマの順で提供する。クマが冬眠に入り猟が終了する頃まで提供予定。石田さんは「猟師さんに加え、多くの方のご協力があって、再びジビエ肉のメニューを提供できるようになった。おいしいとか、まずいとか、人によって許容範囲は異なると思うが、ジビエを食べたことのない学生さんも多いと思う。この機会に害獣のことを知っていただくとともに、その肉も味わってもらいたい」と呼びかける。

(毎月第4火曜日は「シカ(4火)の日」:北海道)
エゾシカ肉の消費拡大を図ろうと道は、毎月第4火曜日を「シカの日」としています。この「シカの日」の28日、留萌振興局の売店でシカのもも肉を柔らかく煮込んだ特製のチャーシュー丼が販売されました。道は毎月第4火曜日を語呂合わせから「シカ(4火)の日」とし、各地でエゾシカ肉の消費拡大に向けた取り組みを行っています。留萌振興局の売店では、この「シカの日」にあわせて毎月、エゾシカ肉を使った弁当を販売していて、28日はチャーシュー丼が売り出されました。エゾシカは日本海側の苫前町でハンターが捕獲したもので、もも肉を赤ワインやニンニク、ショウガなどと一緒に丸一日かけて煮込み、柔らかなチャーシューに仕上げています。売店には30個のチャーシュー丼が用意されましたが、振興局の昼休み時間になると職員たちが次々と買い求め、30分あまりで完売しました。留萌振興局の山口知子副局長は「臭みがなく、しっかりとしたお肉の味を感じます。振興局の売店は誰でも利用できるので、地域の皆さんにも味わってほしいです」と話していました。留萌振興局環境生活課の汐崎正揮自然環境係長は「シカによる食害の問題は深刻です。もっと多くの人にシカ肉を消費してもらいたいです」と話していました。「シカの日」の特製弁当は今後も毎月第4火曜日にメニューを変えながら販売されるということです。

(高校でジビエの調理実習:福井)
野生動物による農作物への被害が後を絶たない中、捕獲したシカなどを食材として活用しようと福井市で30日、高校生がシカ肉を使ったハンバーグづくりを体験する教室が開かれました。これは、農作物を食い荒らすシカやイノシシなどの肉を「ジビエ料理」として活用する取り組みに理解を深めてもらおうと県が企画したもので、福井南高校で開かれた教室にはふだん、野生動物について学ぶ生徒11人が参加しました。はじめに、生徒たちは県内の野生動物による農作物の被害額が去年1年間で約9700万円にのぼるなど、年々被害が増えていると県の担当者から説明を受けました。このあと生徒たちは、県内で捕獲されたシカ肉を使ったハンバーグづくりに挑戦しました。30日は、シカ肉本来の風味を味わってもらうため、食材は肉とたまねぎだけで、生徒たちは包丁で細かく刻んだシカ肉とたまねぎをこねてフライパンで焼き上げると、ふだん食べているハンバーグと味に見劣りがないことを確かめていました。教室に参加した生徒は「シカはにおいがあるイメージでしたが、クセが全くなかったのでこれからも食べようと思いましたし、これからこうした肉の利活用が進んでほしいと思いました」と話していました。

(ジビエステーキ缶詰:岐阜)
岐阜市羽根町の小料理店「お遊食おせん」を営むひょうたん姉妹(同市、三宅未紗社長)は、キャンパー向けに県産シカ肉を使ったステーキの缶詰の販売をスタートした。店で人気のジビエ料理を手軽に味わってもらおうと企画。店が入るビルに加工所を設け、製造体制を整えた。商品ブランドは「ジビエ キャンプ」。第1弾のシカ肉のステーキはオイル漬けになっており、キャンプでの調理に便利。1個1500円で、店頭や自社ECサイト、ネット通販サイト「47CLUB(よんななくらぶ)」で販売する。

(エゾシカ肉カレーが訪日客に好評:北海道)
すすきの・中島公園のホテル、イビススタイルズ札幌(所在地:北海道札幌市、支配人:森田雅春)では、エゾシカ肉の消費拡大及び認知度アップのため今年10月1日から朝食ブッフェでエゾシカ肉を使用した「北海道ジビエカレー」の提供を開始したところ、訪日外国人宿泊客に好評です。エゾシカ肉のさらなる消費拡大への取組として、札幌にあるエゾシカ肉料理のお店のパンフレットの設置も開始しました。

(ジビエ料理を楽しむフェスタ:和歌山)
和歌山県内90店舗が野生のシカとイノシシの料理を提供する「わかやまジビエフェスタ」が1日から来年2月末まで開かれる。県が主催して今年で13回目。参加店舗も年々増え、定番だけでなく幅広い料理が楽しめる。参加店舗は、和歌山市から東牟婁郡までの飲食店や直売所、宿泊施設。ステーキやぼたん鍋はもちろん、イノシシ肉の担々麺やベーグルサンド、宿泊プランの一つでグランピングBBQを楽しめるなど様々だ。イノシシ肉はビタミンB6が豊富で、シカ肉は低脂質で鉄分が多い。2011年にジビエフェスタを始めた頃は参加店舗は40ほどだったが、その良さが広まって扱う店舗が徐々に増えた。和歌山県は、家畜の食肉のように脂身の多さや色などでジビエを格付けし、品質を保証する独自のジビエ肉質等級制度も整えている。県畜産課は「獣害は増えているが、捕獲しても肉の利用は一部にとどまる。フェスタで認知度を上げ、活用をもっと増やしていきたい」とする。参加店舗などの詳細は「わかやまジビエフェスタ」のウェブサイトか、道の駅やJAの直売所、各自治体の観光協会などに置いてあるPR冊子で確認できる。

(新ジビエメニュー登場:愛知)
シカのお肉を使った『黒いホットドッグ』と『ラザニアバーガー』!12月でオープンから半年となる障害者就労継続支援B型事業所【UNIBO】(運営:一般社団法人日本福祉協議機構&株式会社bringup)。その併設カフェ【UNIBO SDGs CAFE】で期間限定の新メニューを販売することをお知らせします。

(鹿肉料理や信州&伊那名物に舌鼓:長野)
伊那で飲食店などを展開する「はしばコーポレーション」が手がけている「信州伊那まち アルプス食堂」。上質な旨みを味わえる「信州アルプス牛サイコロステーキ」や福味鶏の「山賊焼き」といった信州グルメ、「おたぐり」などの伊那名物、中川村のジビエ工房から仕入れる鹿肉を使った鹿肉料理などが提供されています。約40種類の地酒やクラフトビールなどドリンクと一緒に楽しんで。

(ジビエの利活用推進:神奈川)
秦野商工会議所観光飲食部会が11月15日、中国料理北京館(三浦義政代表取締役・秦野市鈴張町)で「ジビエ料理試食会」を開催した。同会議所は、新たな特産品の開発や鳥獣被害対策などを目的に「秦野産ジビエ」の利活用の推進に取り組んでいる。当日は「鹿肉麻婆豆腐」のレトルト食品を開発した、中国料理北京館の三浦代表取締役が販売までの苦労や工程などを講演。そのほか、レトルト食品のOEM制作のポイントや鶴巻温泉活性化協議会(川上拓郎会長)のジビエに関する活動の紹介などが行われ、最後に鹿肉を用いた「麻婆豆腐」と猪肉を用いた「キーマカレー」の試食が行われた。同会議所の佐野友保会頭は「秦野を訪れる年間50万から70万人の観光客に、市内で消費してもらえる仕組みが必要。ジビエ普及はその一環。ジビエを食べる習慣が観光につながるので、秦野の観光のために頑張っていきたい」と話した。

(シカ肉缶詰キャンパーに:岐阜)
岐阜のジビエを多くの人に親しんでもらおうと、県内産のシカ肉を使ったキャンパー向け缶詰「GIBIER CAMPUS(ジビエ キャンプ) 鹿」を岐阜市でジビエ料理を扱う飲食店運営会社が開発した。他の肉も缶詰にして、シリーズ化する予定だ。ジビエ缶詰を商品化したのは、岐阜市玉宮地区で飲食店を運営する「ひょうたん姉妹」。同社は2005年に小料理店「お遊食おせん」を創業。地元食材を生かした旬の料理などを提供しており、ぼたん鍋などのジビエ料理も人気メニューとなっている。料理長を務める三宅智子さん(35)が、来店客だけでなく、もっと多くの人にジビエを食べてもらいたいと考え、コロナ禍で増えたキャンプを楽しむ人たちをターゲットにした缶詰の開発を思い立ったという。缶詰には、提携している郡上市の猟師から提供してもらったシカ肉をオリーブオイルにつけ込み、スパイスにクミンを加えた「シカ肉のオイル漬け」が入っている。常温でそのまま食べることもできるが、鉄板で焼いてステーキにしたり、ほぐしてパンに挟んで食べたりするのがおすすめという。また、肉のうまみが移ったオイルでパスタやリゾットを作ると、無駄なくおいしく食べられる。今後は、イノシシ肉やクマ肉などのシリーズ化も計画しているといい、三宅さんは「岐阜の豊かな自然で育ったジビエのすばらしさをこの缶詰に込めて伝えていきたい」と話している。1個(内容量130グラム)税込み1500円で、販売目標は年間1万個。店舗のほか、自社サイトなどで販売している。

(ジビエ販売、伸びるペット向け:長野)
鹿やイノシシなど野生鳥獣肉(ジビエ)を利用したペットフードの需要が拡大している。農林水産省の2022年度調査では、全国の食肉処理施設がペットフード向けに販売した量は664トンで、16年度比で4・4倍。県内は78トンで同20倍になり、22年度に初めて人の食肉向けの販売量を上回った。新型コロナ禍で外食需要が減った一方で、ペットフード向けは好調。

(飲食店が知っておきたいジビエ肉の仕入れ・調理の注意点)
無許可でジビエ肉を販売したとして、ベトナム国籍の2人が食品衛生法違反の疑いで逮捕された。ジビエ肉を食肉として処理・販売するには、食肉処理業・食肉販売業の許可を得なければならない。今回は、飲食店がジビエ肉を仕入れ、調理する上での注意点を紹介する。無許可でジビエ肉を販売したとして、ベトナム国籍の男女2人が10月に逮捕された。2人は、SNSで食肉の画像を掲載して販売しており、大分市内の男性に、イノシシ肉とシカ肉の合計27kgを販売したとされている。この2人はほかにもジビエ肉を500件以上発送していたと見られ、警察は余罪を捜査している。ジビエ肉を処理する場合、自家消費目的であれば解体・処理施設の営業許可は求められない。しかし市販する目的であれば、食品衛生法で定められた食肉処理業・食肉販売業の営業許可施設が必要だ。逮捕された2人は県知事の食肉販売業許可を得ずにジビエ肉を販売したとされ、食品衛生法違反の疑いが持たれている。栄養価が高く滋味深い味わいで、昨今人気が高まっているジビエ肉。一方で、野生鳥獣は寄生虫や腸管出血性大腸菌、E型肝炎ウイルスなどを持っている可能性があり、食中毒のリスクもある。そのため、一般的な加工肉以上に衛生管理には十分注意しなければならない。では、飲食店がジビエ肉を仕入れるときや、調理する際にはどのような点に注意したらいいのだろうか。まず仕入れにあたっては、食肉処理業の許可を受けた施設かどうかを確認する必要がある。猟師から直接仕入れたり、食肉処理業の許可を受けた施設以外で解体・処理されたジビエ肉を仕入れたりすることは避けなければならない。誰がいつどこで捕獲してどのように解体・処理されたのか、金属探知機で銃弾の残留がないことが確認されているか、といった情報もあわせて確認しておこう。調理時に注意したい点は、ジビエ肉専用のまな板や包丁などを使用し、調理後には必ず洗浄・消毒を行うようにすることだ。さらに、ほかの食材との交差汚染を防ぐために、別の容器に入れて10度以下での冷蔵保管が必要になる。また、ジビエ肉は必ず加熱して提供することが大切だ。前述のとおり、野生鳥獣は食中毒のリスクがあるため、生食は絶対に避けなければならない。提供する際は、肉の中心温度が75度で1分以上加熱する必要がある。75度以下で加熱する場合は、75度で1分以上加熱するのと同等になるよう、加熱時間を長くする。ただし、65度以下では死滅しないウイルスもいるため注意が必要だ。ジビエ肉は味わいや栄養価において非常に魅力のある食材だが、扱いには十分注意しなければならない。食中毒などを起こすことなくジビエ肉を安全に提供するためには、飲食店側も注意点をしっかり理解しておく必要がある。ジビエ肉を提供する際は、事前に厚生労働省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」をチェックしておこう。

(ジビエ普及、狩猟しながら農家民宿:石川)
全国でクマやイノシシ、シカなど野生鳥獣による被害が深刻化するなか、注目が集まっているのがハンター、猟師の存在だ。また、野生鳥獣の肉(ジビエ)を食材として利活用するジビエ料理にも脚光が当たっている。猟師であり、ジビエのスペシャリストでもある福岡富士子さん(53)は、まさに「時の人」と言えるかもしれない。石川県の奥能登の穴水町に住み、女性猟師の集まりである「狩女(かりじょ)の会」を主宰。ジビエのバイヤーとして、全国の食肉処理施設からジビエを仕入れ、料理店やスーパーに販売している。さらに、自治体や企業にジビエの利活用をアドバイスするほか、「ジビエふじこ」を名乗り、ジビエの魅力をSNSやユーチューブなどで発信する“ジビエの伝道師”だ。「ジビエの『臭い、固い、まずい』というイメージは誤解です。適切に処理されたジビエは柔らかくて味も濃くておいしい。さらには低カロリーで高たんぱく。もう、畜産の肉には戻れません」と熱く語る。福井市生まれ。金沢市で革細工教室やカフェを営んでいたが、転機は40歳を過ぎたころ訪れた。2012年の末に、山好きだった当時の夫と、白山のふもとへ移住した。狩猟免許を持つ夫がある日、玄関で立ち尽くしていた。そこには重さ100キロもあろうかというイノシシ。包丁でさばこうとしたが、刃が立たない。なたを持ち出し、たたくように骨と肉を断ち切った。翌日、解体した肉を調理して、食べようと合掌したとき、思った。「『いただきます』は文字どおり、命をいただくということ。無駄にはできない」。自分も14年に狩猟免許をとり、猟師になった。当時はまだ、「女性が猟師になるなんて」と言われる状況で、気軽に悩みを相談できる相手もいなかった。そんな女性猟師同士が交流できるツールを、と16年につくったのが「狩女の会」だ。イノシシ肉を使ったレトルトカレーを開発したり、新人猟師の悩み相談に乗ったり。当初は石川県内の数人だったメンバーは、いまでは全国の50人に増えた。白山のふもとでは、ジビエ料理店や解体処理施設もつくり、自分でとった獲物を加工して、付加価値を高めて販売する6次産業化を実践。県産のイノシシとシカの革でつくった製品を「isica(イシカ)」のブランドで販売するようになった。「肉も皮も捨てるところはほとんどありません」。その活動ぶりが農林水産省の目に留まり、首相官邸で開かれた会議で有識者としてジビエの利用拡大策を提言したこともある。穴水町に移住したのは18年。昔は奥能登にはいなかったイノシシが急増し、農作物被害が拡大する一方、解体処理施設もなく、駆除されたイノシシがそのまま捨てられていると聞き、自分の経験を生かしたいと考えた。革細工教室で収入を得ながら害獣駆除を続け、ジビエの普及啓発に取り組んできた。この5年で、奥能登にも食肉処理施設ができるなど、ジビエの利活用は軌道に乗ってきたが、一方で、穴水町の人口は8千人を割り込むなど過疎化が進む。町ににぎわいを取り戻し、空き家対策にもなればと今年8月、穴水駅から徒歩数分の場所にあった築50年の民家を購入。仲間の協力も得て大改装を施し、11月に農家民宿「富士SUN」を開業した。消防の許可が下りれば、昼間はレストランとしても営業する予定だ。人が減ると、手が入らなくなった山は荒れ、人間の領域と野生生物の領域の境界線が薄くなる。いま各地で起きている鳥獣被害の問題にはそんな背景があると感じる。「人も自然もバランスが大切。都会にばかり人が偏りすぎているのでないでしょうか」。森の番人として猟師をしながら、捕った命をあまさずいただく。そんな生の営みそのものに触れられる場所にしていきたいという。

(害獣の鹿革使った靴:大阪)
靴資材メーカーの新井商店(大阪)は、害獣革専門ブランド「ポルティラ」(A.I.C.、兵庫県たつの市)と協業し、サステイナブル(持続可能)な鹿革シューズを開発、卸先の拡大を目指している。創業73年目の新井商店は、従来よりも30%軽量のウレタンソール(72グラム)を使い、害獣として駆除された鹿を用いたポルティラの鹿革をアッパーにしてシューズを作った。ポルティラは、害獣として駆除され、これまで廃棄・焼却されてきた鹿皮をなめし、鹿革として生まれ変わらせている。狩猟期間が限られるため調達できる鹿革の量や質も安定しないものの、通気性や耐久性に優れメンテナンスも楽。さらに包み込むような柔らかさで足なじみとフィット感が良いのが特徴だ。色は白と黒を中心に、シンプルでベーシックなデザインのスリッポンやシューレースの短靴とハイカット、ドライビングブーツ、サンダル、サボなどを揃える。税込み2万3980~5万2800円。21年からクラウドファンディングサイトで8回販売し、ファンも増えてきた。リピーターが25%。20~40代女性の自家需要を中心に幅広い世代から人気だ。年配の人へのギフト需要も高い。今秋に東京の合同展に出展し、卸先の拡大を狙う。じっくり長く付き合える個店への卸を想定する。

(イノシシづくしのジビエ料理店:広島)
広島県福山市三吉町のテイクアウト専門店「boar cock(ボワコック)ジビ家(え)」が多彩なイノシシ料理を販売している。今夏、福山地区猟友会中央支部の三島香織店長(28)が家族とオープン。猟師の高齢化が進む中、「猟師の仕事に興味を持つきっかけにもしてほしい」と話している。同県世羅町産のイノシシ肉を使ったメンチカツやコロッケ、しょうが焼きなど7種を提供。焼きたてのパティをはさんだ「ししバーガー」、甘辛く煮込み、福山市の大衆食堂で人気だった肉料理をイメージした「関東煮風」もある。クリスマスシーズンには「ししロースト」を限定販売する。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、5日午後2時ごろ、栗原市栗駒猿飛来鳥矢ケ崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前7時ごろ、仙台市青葉区上愛子大針にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後9時15分ごろ、仙台市青葉区荒巻仁田谷地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日未明、仙台市青葉区芋沢大竹原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、4日、色麻町小栗山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、4日、色麻町四竃はぬ木町付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、2日、色麻町王城寺渡戸南付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、2日午前10時30分ごろ、栗原市栗駒沼倉馬場にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、2日午前8時ごろ、松島町松島犬田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午前6時40分ごろ、仙台市青葉区作並川崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11月30日午後11時ごろ、仙台市青葉区芋沢四反田前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11月30日午後7時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場町北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11月30日午後7時ごろ、仙台市青葉区高野原1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11月30日午後5時45分ごろ、仙台市青葉区上愛子下十三枚田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、1日、大崎市鹿島台大迫小迫地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、1日午後6時18分ごろ、富谷市富谷新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午前11時30分ごろ、栗原市栗駒片子沢峰前にクマが出没しました。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、30日午前10時ごろ、仙台市宮城野区萩野町1丁目にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後7時30分ごろ、仙台市青葉区高野原1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、30日午前9時54分ごろ、利府町菅谷台2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、30日午前8時ごろ、色麻町四竃新宿二番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、29日午後5時50分ごろ、色麻町道命地区穴堰にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、29日午前9時30分ごろ、松島町高城動伝一にクマが出没しました。

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