<射撃ニュース1月>
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(コハクチョウ、銃で撃たれる:滋賀)
滋賀県湖北地方の冬を代表する渡り鳥のコハクチョウ1羽が、滋賀県長浜市湖北町で散弾銃で撃たれたことが27日、関係者らの取材で分かった。関係者らによると、24日夕方、同市湖北町延勝寺の特別養護老人ホーム「湖北朝日の里」の坪庭にいる体長約140センチのコハクチョウ1羽を職員が見つけた。25日になってもその場にいて飛びたつことができなかったため、近くの湖北野鳥センターに連絡してコハクチョウを保護。野鳥センター職員が高島市内の動物病院に持ち込んだ。動物病院によると、胸部に撃たれた散弾(5ミリ)2発が体内にあるものの、快方に向かっているという。滋賀県自然環境保全課によると、コハクチョウは県のレッドデータブックで希少種に分類されている。県内は猟期に当たるが、コハクチョウはそもそも狩猟対象ではないという。県は、何者かが撃ったとすれば鳥獣保護管理法に抵触するとして詳しい情報を集めている。

(イノシシなど害獣捕獲に自衛隊活用案:千葉)
野生鳥獣による農作物の被害が後を絶たない千葉県で、自衛隊を活用する案が浮上している。高齢化などで鳥獣捕獲の担い手が減少の一途をたどる中で、「従来の手法にとらわれない取り組み」が必要だとして、野外活動に長じた組織力に望みを託す。千葉県議会の自民や公明、立憲、共産など超党派の36人でつくる「有害鳥獣対策推進議員連盟」が今月18日、防衛省に浜田靖一防衛相を訪ね、打開策を求めて陳情書を手渡した。陳情書では、自衛隊の退職者について「社会貢献への意識が高く、野外活動経験が豊富で、高度な技術を持つ」として、鳥獣被害防止活動への参加を促す広報活動の充実を求めた。また、現役隊員による鳥獣対策への「組織的な支援」も検討するよう求めている。議連の幹事長を務める木下敬二県議(自民)によると、支援を想定しているのは、山野での行動に慣れ、鍛錬を重ねた陸上自衛隊員らだ。議連会長の川名寛章県議(自民)は「気候変動の影響もあってか、山でエサが得られず、里に下りてくるイノシシやサルが増えた。駆除の担い手として自衛隊に期待したい」と話す。

(猟師が嘆く弾薬の高騰「手持ちはぎりぎり」:京都)
狩猟に使う弾薬の高騰と品薄が、日本国内で長期化している。新型コロナウイルスの影響による供給網の混乱に加え、米国の政情不安、ロシアによるウクライナ侵攻に円安も重なり、輸入が滞っているためだ。ピークは脱したというが、丹波地域など、京都の猟師たちは「手持ちの弾数はぎりぎりで、金銭的な負担も増した。獣害対策に影響が出かねない」と懸念している。

(ヒグマ捕獲、昨年度初の1000頭超え:北海道)
昨年度、農作物に被害を与えたり市街地に出没したりして捕獲されたヒグマは道内で合わせて1011頭と、統計が残る昭和37年度以降、初めて1000頭を超えました。道は生息数の増加などで人里に現れるクマが増えたことが背景にあるとみています。道のまとめによりますと、昨年度、農作物に被害を与えたり市街地に出没したりして狩猟以外で捕獲されたヒグマは合わせて1011頭に上りました。これは、これまでで最も多かった前の年度に比べて120頭多く、統計が残る昭和37年度以降、初めて1000頭を超えました。これについて道は、生息数の増加やクマが食べる家畜飼料用のトウモロコシ「デントコーン」の栽培が広がったことで人里に現れるクマが増えたことが背景にあるとみています。人里へのクマの出没を抑え込むため、道は、冬眠中や親子連れのクマの捕獲について、ハンターなどの人材育成を目的とした場合は認めていませんでしたが、来月からは人里周辺に限って解禁するなど対策を強化する方針です。

(クマ猟守り、山と生きる:岩手)
岩手県宮古市を中心に岩手県沿岸部で冬ごもりのクマを追う猟師グループが、本格的な猟期を迎えている。広大な北上高地を里山から深山まで猟犬と共に丹念に歩く。クマが冬眠しそうな岩穴や大木にできた樹洞を一つ一つ確認するのが、このグループのやり方だ。クマ猟の伝統を守りながら、恵みをもたらす山と共生する。

(地図でサル出没情報共有:長野)
上伊那鳥獣被害対策協議会などは二十七日、昨年九月に有害鳥獣捕獲サポート隊が発足した辰野町川島区で、農作物や里山のマツタケを食い荒らすサルの被害対策研修会を開いた。

(アーバンベアへの対応訓練、マニュアル策定へ:岩手)
2022年に相次いで市街地に出没したクマへの対応訓練です。岩手県や警察・猟友会など関係機関が参加して地図を使っての模擬訓練が1月25日に岩手県盛岡市で行われ、連携を確認しました。この訓練は市街地に出没したクマへの迅速で適切な対応ができるよう、県が2022年度から始めたもので、市町村と警察、猟友会の担当者が参加しました。市街地のクマの出没は全国的に増えていて、県内でも2022年、盛岡市の中心部などでクマの目撃が相次ぎました。また県内の人への被害は2022年11月までに24人と、全国の中で最も多くなっています。訓練は盛岡市上太田の市立高校近くにツキノワグマが出没した想定で行われました。参加者は専門家のアドバイスのもと、住民の安全確保や猟銃の使用、役割分担など対応を話し合いました。盛岡市動物公園 辻本恒徳園長「クマが危険だから鉄砲で打てばいいとよく言われるが、鉄砲も危険。そこの両方の安全を担保するためにも、関係者で話し合いをして事前に準備をしておくことは大切」。県では訓練で出た意見などを参考にし、市街地に出没した際のクマの対応マニュアルを2022年度中に策定したいとしています。

(「令和4年度鳥獣対策優良活動表彰」受賞者を決定)
農林水産省は、毎年、鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しています。今般、令和4年度の受賞者を決定しましたのでお知らせします。農林水産省は、野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況の中で、各地域における鳥獣対策を推進しています。こうした中で、鳥獣被害防止の取組については平成21年度から、捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用の取組については平成28年度から、地域への貢献が顕著であると認められる個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施し、優良事例を広く紹介することにより、効果的な鳥獣対策の推進を図っています。この度、令和4年度における農林水産大臣賞と農村振興局長賞の受賞者を決定しました。また、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、農林水産大臣賞受賞者からの取組事例の報告の他、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッション等に加え、資機材展示を行います。

(ヒグマカメラ~となりのヒグマを知る~:北海道)
200万都市札幌で、毎年のようにヒグマが市街地付近に現れています。そうしたヒグマたちは本来、どんな環境に暮らしているのでしょうか。 森に自動カメラをとりつけ、定点で記録しました。どんなヒグマがどこに暮らしているのか知ることこそが、ヒグマ対策にとって大事な一歩になっています。ヒグマ観察用のカメラを設置したのは、札幌市の市街地を取り囲むようにある森の一角です。車で行けるところまで行って、そこから歩いておよそ30分。森の中に、けもの道が交差する地点を見つけました。カメラには動物の動きに反応するセンサーが取り付けられていて、カメラの前を動物が通りすぎると、シャッターが切れる仕組みです。どんな動物たちがここで暮らしているのか、6月15日から本格的な撮影を始めました。はじめに姿を現した野生動物はエゾタヌキでした。設置したその日の夕方。カメラを設置している時には、まったく動物の気配はなかったのですが、近くに潜んでいたのでしょうか。タヌキたちが連日のように現れていた7月1日、最初のヒグマをとらえました。その次にヒグマがカメラの前を通過したのは、それから一月後の8月2日。最初のヒグマとは体格の異なるメスのヒグマが写っていました。それから11月28日にカメラを停止させるまでに、レンズの前をどんな動物が通り過ぎて行ったのか、まとめてみると・・・。連日、カメラにシャッターを切らせたのは、エゾタヌキとエゾリス。特にタヌキは、冬が近づくにつれて、毛並みが変化していくのがはっきりわかりました。エゾリスは何かを地面に隠しているようでしたが、何度現地にいっても何を隠しているのかは見つけられず・・・。ついでエゾシカ、ヒグマ。ヒグマたちの体の模様や、顔や体の形を見ていくと、繰り返し観察できたのは子供を3頭つれた母グマだけでした。8月半ばから、10月初めまでに、2週間に一回のペースでこのケモノ道を利用していました。このほかにも、クマゲラ、コウモリ、テン、ノネズミ、シギが姿を見せ、200万人が暮らす大都市の近郊の森は、多様な動物たちが利用していました。札幌市は学術機関と共同でヒグマの生態調査を継続して行なっています。2022年は近郊の森の中、15箇所に調査地点を設けて、自動カメラとあわせて、ヒグマの体毛を集めるための杭を設置しました。ヒグマが木の幹に背中を擦り付ける習性を利用した「ヘアトラップ」です。体毛からはDNA情報を集めることができます。その場所に、どのヒグマがいたのか、個体を識別するのに使うためです。札幌市では2003年から139個体を識別してきました。札幌市環境共生課 大堀武蔵さん「市街地の周辺にヒグマが出てきた時に、たまたまやってきたクマなのか、それともずっと居ついているクマなのか、目撃情報だけではわからないので、こういう 生息状況を調査することで点と点が線になります」。DNA情報で個体を識別することで、どうヒグマ対策につながるのでしょうか。2019年に札幌市南区の藤野地区・簾舞地区で出没を繰り返し、捕獲されたヒグマの例を見てみます。このヒグマが最初に「識別」されたのは、2011年でした。奥山での調査で採取された体毛でDNA情報が確認されました。次に存在が確認されたのは2014年、市街地に隣接した場所に現れていました。よく、2015年には果樹の被害を起こしていました。さらに2018年になって、再び市街地の近くで存在が確認され、この頃には、身を隠すような場所がないところでも行動していました。DNA情報で個体を識別して、そのころどんな行動をしていたのかを突き合わせることで、「履歴」を探ることができます。札幌市環境共生担当課長 濱田敏裕さん「過去に札幌市内に出没したヒグマが、どういった行動をしているのかといったデータも蓄積することができるので、あらためて出没した際に過去の履歴と比較することでどういった対処をするべきか判断材料になります」。さらに札幌市に寄せられたヒグマ情報を、このヒグマが出没を繰り返した2019年にと、翌年の2020年を比べると、その数が激減していることがわかります。これは、多くの目撃情報は、「問題グマ」が各地に現れていたから、と考えられます。すべてのヒグマが人間と軋轢を起こすのではなく、特定のヒグマが「問題」になっているとも言えます。2022年8月、藤野地区を流れる野々沢川に草刈りのボランティアたちが集まってきました。野々沢川の沢沿いはイタドリが茂って見通しが悪く、ヒグマにとっては格好の通り道になりかねません。集まったのは4つの団体と町内会のメンバー。あわせて50人が一斉にヤブを刈り払いました。この草刈りをめぐる実験が、同じ8月に、豊平川の河川敷で行われました。実験を行ったのは、酪農学園大学の学生たち。ヒグマの実物大パネルを3枚、ヤブの端から5m、10m、15mの位置において、はじから草を刈ります。草を刈る前、教えてもらえれば一番近いパネルがかろうじて見つかるくらい、あとの2枚はまったく見えませんでした。草を刈るのはヒグマ対策を体験しにきた高校の先生たち。刈り進んでいくと、まずは1枚目の「ヒグマ」があらわれ、さらに6分後に2枚目。3枚目があらわになったのはその7分後でした。学生たちとともに、この日の草刈りに参加していたヒグマの研究者は―酪農学園大学 佐藤喜和さん(環境共生学類教授)「草をかると、やっぱりよく見えるようになりますよね。クマ的には嫌だと思います」。

(イノシシ撃退“いのドン”がさらにパワーアップ:岡山)
シカやイノシシといった「野生動物による農作物の被害」は、岡山・香川でも後を絶ちません。こうした中、岡山理科大学などが「音で動物を威嚇する装置」を開発したことは以前番組でお伝えしました。その名は「くまドン」「いのドン」「鹿ソニック」。。。これらの装置は全国各地に設置され、獣害に効果が出ていますが、ある課題がありました。その課題を「AI=人工知能」で解決しようと装置の改良が進められています。農作物を食い荒らすイノシシ。人里近くでも、我が物顔で振舞います。しかし、この場所では...。威嚇音に驚き逃げていきました。「獣害対策の救世主になれば」と、岡山理科大学が山梨県の企業と2019年に共同開発した「いのドン」です。さらに同じ原理を使った「くまドン」。さらにはシカ専用の「鹿ソニック」まであります。3つの装置は全国各地に合わせて約600台がすでに設置されていますが、「ある課題があった」と、開発した辻教授は言います。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「草の揺らぎでも、雨でもすべてセンサーが反応して音が鳴ってしまっていた」。センサーが動くもの全てに反応、威嚇音が頻繁に鳴るため、民家の近くには設置しにくかったといいます。そこで…(佐藤大祐記者 リポート)「装置の中に、このほど新たに完成したこちらの機械を組み込むことで、パワーアップしたといいます」。民家の近くでも使えるようにするために、「改良された点」とは?(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「この周りの枠がありますね。これがAIが『イノシシだ』という風に認識をしているんです」。イノシシやシカだけに反応する「AI=人工知能」を装置に組み込んだのです。これにより、不要な威嚇音が激減するといいます。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「バッテリーの消費も、近所の方々の迷惑も少なくなると」。装置の改善に貢献したのは、工学部の4年生・中村佳生さんです。卒業研究で取り組みました。(岡山理科大学 工学部4年 中村佳生さん)「最初の方は、頭にだけ反応したり、しっぽにだけ反応したりとか、全然結果が出なかったので、この方向で合っているのかは不安でした」。中村さんが取り組んだのは、イノシシとシカの写真を「AIに学習させる」作業です。4万枚を覚えさせ、識別機能を持ったAIを作り上げたのです。完成までには1年を要しました。(岡山理科大学 工学部4年 中村佳生さん)「自分が作ったものが実際に使われて、やってきたことが実になったんだなというのがすごく感じて、うれしいです」。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「こんな優秀な学生がいるんだなっていうのは、本当に心から喜んで驚いております。もっと装置が広まっていって、農家さんの役に立つだろうと期待しています」。AIによる識別機能を搭載した装置は、今年秋ごろの実用化を目指し、準備が進められています。人間と動物の双方が住みやすい環境になれば…そんな目標の実現に向け、また一歩踏み出した獣害対策装置です。(スタジオ)辻教授によりますと、他にも養殖のりを食べる鳥を追い払う「鳥ソニック」という装置もあるそうで、将来的には、すべての装置に識別機能を付けたいということでした。

(年間600頭を仕留める罠師に密着:三重)
三重県の山奥に、手作りの罠を使って動物を仕留める「罠師(わなし)」がいます。広大な自然の中で動物の動きを読み、年間600頭の獲物を生け捕りにする罠師の男性。捕獲した獲物の肉は、熟練の技術により最高の食材へと変わりました。猟師の中でも「罠師」と呼ばれる仕事を取材しました。三重県津市。山に囲まれた美杉町に暮らす罠師・古田洋隆さん(67歳)。狩猟だけで生計を立てる専業猟師です。この日は、獲物を仕留める準備。獲物となる動物の多くは、シカです。(罠師・古田洋隆さん)「人間の数よりもシカの数の方が圧倒的に多い」。害獣に指定されているシカ。エサを求めて人里まで降りてくるため、全国で車との事故が後を絶ちません。大きなシカだと体重は130キロになり、ぶつかれば車は大破します。農作物への被害も深刻です。三重県伊賀市では田畑を食い荒らし、和歌山県では住宅の畑に現れ、我が物顔で家庭菜園を食い荒らす姿もみられます。農作物の被害額は年間60億9700万円(令和3年度・農林水産省調べ)に上ります。そんなシカを自治体から許可を得て、年間約600頭を仕留めている古田さん。20キロを超える道具を担ぎ、山の奥へ向かいました。(罠師・古田洋隆さん)「足跡、これシカです。2日前ですね。(Q何日前に歩いたかも分かる?)分かります。土の色つや乾き具合、大きさは足跡で分かる」。一瞥するだけで、シカの行動が手に取るように分かると言います。(罠師・古田洋隆さん)「遠くの山を見ただけで、獣道がカーナビみたいに分かります」。昨晩シカが歩いた痕跡を見つけ、手作りの「くくり罠」を取り出して罠を仕掛けました。(罠師・古田洋隆さん)「バネが中に入っていて、獣が踏んだら上がって足を縛る」。獲物を捕らえるまでにかかる時間は、わずか0.2秒。肉の鮮度を保つため、銃や檻には頼らず、罠で獲ることにこだわっています。しかし、罠の中央を踏まなければ獲物を捕らえることができないため、動物との知恵比べだと言います。(罠師・古田洋隆さん)「ここにワイヤーが見えている(罠)。これだけで(シカが)警戒して遠いところから分かります」。古田さんは、土や小石、木の枝などを使って罠を隠します。この日は周囲の山々に合計4か所の罠を設置しました。そして一週間後、罠を仕掛けた時にはなかった足跡があり、鳴き声も聞こえました。古田さんがナイフを持ち近づくと、罠には1歳のメスジカが。(罠師・古田洋隆さん)「心臓の左心室の血管2本だけを切り取った」。肉の質を決定づける血抜き。古田さんは、急所への一刺しで獲物が必要以上に苦しまないようにしています。(罠師・古田洋隆さん)「人はものの命を頂いて、自分の命を繋いでいるわけですから、命を頂く代わりに最高の食材に変えたい」。仕留めた獲物は、すぐに自宅に持ち帰り捌きます。(罠師・古田洋隆さん)「マッサージして(血を)抜き取ります。獣臭さが取れます」。体に残った血も丁寧に抜き取ることで、臭みのない肉に仕上がると言います。(罠師・古田洋隆さん)「目を瞑っても切れます。何千頭何万頭といままで解体してきた」。もともと洋服の販売をしていた古田さん。営業先でシカによる獣害を目の当たりにし、35歳のころに罠師になりました。(罠師・古田洋隆さん)「一挙に、ここ20年ぐらいで急激に増えた。だんだん獣害がひどくなってきてこれではダメだなと」。その後、豚や牛の解体施設で捌き方も学び、獲物を仕留めるだけでなく、解体するまでを 全て1人で行うようになりました。(罠師・古田洋隆さん)「プロとして命を頂くわけですから。この肉に命を吹き込んで、余すことなく使ってくれる料理人にバトンタッチしています」。古田さんなりの、命との向き合い方です。料理人も、古田さんのジビエ食材を絶賛します。(ミュゼ ボンヴィヴァン・出口直希代表)「処理が悪い血の回ったシカ肉はこれぐらいの距離で臭い。吉田さんのシカ肉はまったく…(臭くない)」。銃や檻を使った猟とは違い、肉がほとんど傷つかず、鮮度も段違いに良いのがその理由。(ミュゼ ボンヴィヴァン・出口直希代表)「ぼくたち料理人が、どれだけ頑張っても食材が良くなければ(最高の料理には)到達できない。他に代えようがない食材」。自身が仕留めた肉を、夫婦で楽しむことが一番の喜びだという古田さん。(罠師・古田洋隆さん)「素晴らしい感動する。こういう料理に仕立ててもらえるということは素晴らしい」。(妻・賢子さん)「ピュアなんですよね。透明で、彼の獲ってくるシカ肉は」。獲物を仕留め続けて、30年以上。次の目標は、自分の技術を伝えることだといいます。(罠師・古田洋隆さん)「自分に肩を並べる人、自分を超える人を作るのが、これからの使命だと考えています。やっぱりオンリーワンではダメだと思っています。その方たちが一人前になって獣害で困っている地域で生計を立てて頂くことが使命」。

(公園にイノシシ、行楽客らに注意喚起:広島)
年間約78万人が訪れる広島県尾道市を代表する観光スポット、千光寺公園に野生のイノシシが出没し、市は注意を呼びかけている。園内にある市立美術館の職員、高橋恵子さん(56)は出勤中の今月5日朝、園北側の芝生広場で階段を下りてくる体長50~60センチのイノシシと遭遇した。背後には3頭おり、親子とみられる。高橋さんは静かに後ずさりしてその場を離れたといい、「怖かった」と振り返る。同日、同僚が近くの旧サル山で6頭を目撃しており、同じグループの可能性がある。美術館西側の芝生広場にも掘り返した跡があり、イノシシはかなり広範囲に移動しているとみられる。通報を受け市は現地確認のうえ、園内5カ所にイノシシの出没を知らせる注意喚起の張り紙を掲示した。間もなく春の観光シーズンを迎え、行楽客にもしものことがあってはならないため、市は周辺の森の中などにイノシシを捕獲する檻(おり)わなを設置する方向で地元猟友会と協議している。山本淳観光課長は「遅くとも花見シーズンまでには設置したい」と話す。園内で20年以上にわたって土産物店を営む岡本一平さん(62)は2022年11月ごろからイノシシの群れを見かけるようになった。5、6頭のうち親とみられる1頭は体長1メートルを超えるといい、「夜桜の見物客が襲われるようなことがあっては大変だ。早くいなくなってほしい」と話している。

(ジビエ活用の低迷、食肉資源として着目を)
食料危機に備え昆虫食の研究なども進む中、可能性を秘めているのがジビエ(野生鳥獣の肉)だ。農産物を食い荒らす鹿やイノシシの捕獲は各地で進むが、食材としての活用は1割にとどまる。ジビエは貴重なタンパク源。命を無駄にせず「国産ジビエ」の活用を進めよう。農作物に被害をもたらす“厄介もの”として、駆除の対象である鹿やイノシシなどの野生鳥獣。この命を無駄にすることなくジビエとして活用しようと、これまで国や自治体、民間団体などが連携し、食肉処理施設の整備や衛生管理ガイドラインの設置、認証制度の確立など幅広く取り組んできた。農水省の調査によると、2021年度のジビエの利用量は2127トンと、コロナ禍の前年に比べ18%増え、過去最高となった。利用量は調査を始めた16年度から伸び続けているものの、20年度はコロナ禍に伴って外食需要が低迷し前年度割れとなった。21年度は鹿肉が前年度比28%増と全体を押し上げた。一方で、21年度に捕獲された鹿とイノシシ125万頭のうち、自家消費を除いてジビエとして食肉利用・流通したものは1割にとどまる。残りは需要がなく、廃棄処分になったという。食肉利用されない野生の獣肉を有効活用しようと、動物園のライオンなどの肉食動物に屠体(とたい)給餌したり、くず肉をペットフードに利用したりしているが、食料として無駄なく利用することが、将来的に起こり得る食料危機への備えになるだろう。気候変動や戦争、燃料や肥飼料の高騰などで世界の食料生産は不安定要素が多い。食料安全保障などをテーマにしたNHKの特集番組でフランスの経済学者、ジャック・アタリ氏は、農家戸数が減り続ける日本の食料生産にも警鐘を鳴らし、「昆虫や雑草を食べるようにすれば生き残れるだろう」と指摘した。こうした事態となる前に、まずは日本の農業を守る必要がある。食料を海外に依存しながら大量に廃棄し続ける食の在り方を見直すべきだ。野生鳥獣がなぜ人が住む所に出没し、農産物を食い荒らすようになったのか。森林の管理が行き届かず中山間地域の農業が衰退し、緩衝帯の役割を果たしてきた里山の維持が難しくなってきたことが一因している。鳥獣の命をいただくことで食や農業、環境問題を考えるきっかけとしたい。鹿肉は、脂肪が少なく高タンパクで鉄分が多く含まれヘルシーなのが特徴だ。イノシシも豚熱の影響で利用ができない地域もあるが、味は豚肉に近く食べやすい。いずれも日本人が昔から食べ慣れている食材だ。食料危機に備え、ジビエの消費を促進しよう。

(「ジビエであったか鍋特集」コンテンツを紹介)
全国約1,797の全国のジビエメニューを提供する飲食店、ホテルや、ジビエ等を販売する小売店、ECサイトが参加し国産ジビエの魅力を発信する「全国ジビエフェア」。千葉県、 岐阜県(一部首都圏対象)、鳥取県、徳島県、高知県、熊本県、神奈川県伊勢原市、福井県嶺南地域、宮崎県西米良村など各地のジビエイベント開催!株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎以下、ぐるなび)は、農林水産省「令和4年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)等の消費拡大のため「全国ジビエフェア」を2022年11月1日から2023年2月28日まで開催しています。全国のジビエメニューを提供する飲食店やホテル、ジビエやジビエを使用したペットフードや皮革製品を販売する小売店やECサイトを特設サイトで紹介し、国産ジビエの魅力を知ってもらい、消費者の「ジビエを食べよう、ジビエを買おう」を推進します。特設サイト内では、寒い季節におすすめのジビエを使った定番鍋や工夫を凝らした鍋を紹介する「ジビエであったか鍋特集」を公開しています。日本では昔から、猪肉を使った「ぼたん鍋」など、鍋でジビエを味わう文化がありました。鍋特集では、それぞれの飲食店ごとにこだわりの詰まった定番鍋からしゃぶしゃぶや洋風鍋などの新しさを感じさせるジビエ鍋まで様々な鍋を紹介しています。お取り寄せ可能な商品も紹介していますので、飲食店でも、ご自宅でもお楽しみ頂ける「ジビエ鍋」で滋味あふれる美味しさを楽しんではいかがでしょうか。

(社員食堂でジビエ料理:長野)
農作物に被害を与える野生動物の肉を食材にしたジビエ料理に親しんでもらおうと、茅野市にある銀行の支店の社員食堂に鹿の肉を使った料理が登場しました。社員食堂にジビエ料理が登場したのは八十二銀行茅野支店です。昼食に鹿のひき肉を使ったカレーが提供され、行員たちはそれぞれ盛り付けを行うと、さっそく味わっていました。20代の女性行員は「ジビエは初めてだったので、においが気になるのかなと思いましたが、おいしかったです」と話していました。この銀行の茅野市と富士見町にある3つの支店では、行員たちが合同のセミナーなど通して、鹿などの野生動物による農作物の被害といった地域の課題や捕獲した野生動物の肉をジビエとして利用する方法などについて学んでいます。こうした取り組みの一環として、27日、茅野支店など2つの支店の社員食堂でジビエ料理が提供されたということです。行員の感想を踏まえ、今後、社員食堂のメニューにジビエ料理を取り入れるかどうか検討していくということです。

(学校給食に地元産のイノシシ肉カレー登場:愛媛)
有機農産物の使用率を高めるとともに地産地消を推進しようと、愛媛県今治市・大三島の3小中学校と今治北高校大三島分校で27日、地元食材を使った学校給食が登場した。計約300食が振る舞われ、子どもたちは地元で加工・生産されたイノシシ肉や野菜などの食材を味わった。全国学校給食週間(24~30日)に合わせ、市が「大三島育ちの有機給食の日」と題し2021年度から実施。有機農業に取り組む「大三島自然農法グループあしたも」と、地元農家と猟友会有志でつくる「しまなみイノシシ活用隊」の島内2団体が食材提供などで協力した。献立にはイノシシ肉のカレーと、大三島産の白菜と大根、レモンを使ったサラダなどが並んだ。大三島小学校(同市大三島町宮浦)では、児童が生産者へのインタビュー動画を見ながら、カレーなどを口いっぱいに頬張り島の恵みを完食していた。

(生徒がジビエ料理に挑戦:大分)
日田市日ノ出町の昭和学園高で20日、ジビエ(獣肉)を使った料理教室があった。調理を学ぶ生徒にジビエのおいしさを伝え、料理人となった将来、多くの人に広めてもらうのが目的。生徒たちは素材の特徴を学んだり、手作りした料理を味わったりして理解を深めた。県西部振興局や地元自治体、林業団体などでつくる県西部流域林業活性化センターが主催。調理科の3年生16人が参加した。同市上津江町川原にある獣肉処理施設「日田ジビエ工房」の林大愛樹(だいき)店長(32)がジビエについて説明。「有害鳥獣であるイノシシやシカの肉を料理に使えば農林業の被害が減り、駆除する猟師の収入面の支えにもなる」と意義を教えた。料理は、料理講師の原田京子さん(61)=市内大鶴町=が指導した。生徒たちは素材の味や特徴を知るため、塩こしょうだけの味付けで焼いた肉を食べ、「イノシシ肉は脂が乗って軟らかい。豚肉みたい」「シカ肉は筋肉を感じる」などと感想。それを踏まえてイノシシ肉のハンバーガー、シカ肉のポトフなど4品を作った。試食した石倉大我さん(18)は「ジビエは硬くないし、臭いも気にならない。いつも使っている食材と変わらず料理できて、おいしかった」と話した。県によると、2021年度の県内での有害鳥獣による農林被害額は1億6200万円。捕獲数はイノシシが2万5471頭、シカは4万2514頭。合計の捕獲数は北海道に次ぐ全国2位だが、ジビエ利用は全体の4%(全国平均10%)と低い。食材利用の促進が課題となっている。

(「西米良ジビエ」味わって:宮崎)
西米良村の野趣に富んだおいしいイノシシ、シカのジビエ肉で同村と宮崎市の飲食店、観光施設が多様な料理を提供する「にしめらジビエフェア2023」が3月31日まで、各店で開催されている。九州初、県内唯一の国制度に基づく「国産ジビエ認証施設」である村ジビエ処理加工施設で処理され、高く評価されている西米良産のシカ、イノシシ肉をアピールしようと毎年実施。村内外9店舗が昔ながらの郷土料理や創作料理、コースなどさまざまなメニューをフェア限定で用意したり、割引価格で提供したりして好評を得ている。猪汁定食などを出している「おがわ作小屋村」の上米良省吾事務局長(36)は「西米良ジビエは臭みがなく初めてでも食べやすい。山で元気に育ったジビエを食べて元気になってほしい」と話している。

(現役地元猟師と行く雪山での忍び猟体験など:京都)
楽天グループ株式会社(以下「楽天」)が運営する旅行体験予約サービス「楽天トラベル観光体験」と、京都府宮津市にある上世屋集落で高品質なジビエを生産する上世屋獣肉店運営推進協議会は、環境省が行う「国立・国定公園での利用拠点を活用した自然体験プログラム推進事業」の一環として、現役地元猟師と行く雪山での忍び猟体験、現役地元猟師と行く上世屋集落のくくり罠猟体験、棚田の村である上世屋集落での暮らし体験の3種類の体験プログラムを造成し、2023年1月30日(月)に販売を開始いたします。

(シカとイノシシ丸焼き、ジビエのうまみ味わう:兵庫)
ジビエ(野生鳥獣肉)を堪能するイベント「シカ&イノシシ 1頭まるっとぐるぐる焼き」が28日、兵庫県宍粟市山崎町土万の「土万ふれあいの館」であった。同市で捕れたシカと、イノシシの子「うり坊」の丸焼きが無料で振る舞われ、来場者は自然の恵みに感謝しながら肉を味わった。

(農作物荒らすアライグマの毛で筆作り:和歌山)
農作物を荒らすとして捕獲されたアライグマの毛を使って橋本市の小学生が筆づくりに挑戦しました。和歌山県はイノシシやシカ、それにアライグマなど農作物を荒らすとして捕獲された動物を、ジビエ料理の食材や革製品の材料などに活用する取り組みを進めています。30日はこうした取り組みを知ってもらおうと、アライグマの毛を使った筆づくりの出前授業が橋本市の「あやの台小学校」で開かれ、5年生54人が参加しました。この中で県猟友会の溝部名緒子さんから、県内では2億円を超える農作物が被害を受けていることや、捕獲したイノシシなどをジビエとして活用しているとの説明を受けました。このあと、金具に束ねられたアライグマの毛を木製の軸に接着させる筆づくりに挑戦していました。筆が完成すると子どもたちは「命」という字を書いたり、植物などの絵を描いたりして出来栄えを確かめていました。県によりますと、令和3年度にアライグマによるとみられる農作物への被害は2500万円近くにのぼっているということです。参加した小学生は「動物の毛で筆をつくることはそんなにないので楽しかった」と話していました。出前授業を開いた県畜産課の南安寿香 主事は「ジビエは食べるだけではなくて、ほかの有効な方法も知ってもらうよい機会になりました」と話していました。

(道の駅で「クマ汁」イベント:京都)
ジビエ(野生鳥獣肉)の中でも希少なクマ肉を使った「クマ汁」が食べられるイベントが、京都府京丹波町坂原の道の駅「和」で開かれた。

("レザー スクラップ キモノ"が公開:埼玉)
篠原ともえがデザインを手がけ、埼玉・草加の職人たちの手でつくられたエゾシカ革の着物"レザー スクラップ キモノ"(THE LEATHER SCRAP KIMONO)が草加市文化会館内の伝統産業展示室にて一般公開されている。一般社団法人 日本タンナーズ協会の「革きゅん」プロジェクトの一環として企画された"レザー スクラップ キモノ"は、篠原が「動物たちの命からいただく貴重な皮を、余すところなく使い切る」という視点で取り組んだデザインをもとに、草加の職人たちが完成させた作品。エゾシカの原皮が、草加を拠点とする日東皮革に送られるところから、革の加工はスタート。わずかに残る肉と脂肪を除去したあと塩蔵され、同じ市内の河合産業で脱毛と皮内部の脱脂を行う。そして伊藤産業でなめして染色加工まで行い、レファンズが革の着物に仕立て上げた。第101回ニューヨークADC賞で2部門の受賞し、東京ADC賞も獲得したこの"レザー スクラップ キモノ"が、草加に"里帰り"を果たし、草加市文化会館内にて展示中だ。これに合わせて、草加という街や職人たちの手仕事を紹介するとともに、篠原による設営の様子をおさめた動画「HOMECOMMING to Soka city」も公開された。篠原は、「草加レザーの豊かな伝統と高い技術、そして、美しい天然皮革の魅力を、この作品を通してみなさまにご堪能いただけましたら幸いです」とコメント。"レザー スクラップ キモノ"に秘められたストーリーをぜひ動画でチェックして。

(エゾシカ皮、かばんや帽子に:北海道)
七飯町東大沼の毛皮製造「若松毛皮」が、有害駆除で捕獲されたエゾシカの皮を引き取り、なめして、かばんなどの材料にする「シカ革」に加工している。シカ肉の活用は全道的に進むが、シカの皮はなめし加工の技術を持つ職人が少なく、多くが廃棄されている。同社は「駆除されたエゾシカの命に敬意を払い、貴重な資源として多くの人に使ってもらいたい」と話す。

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(銃製造法や強盗勧誘も対象に、ネット事業者への削除要請)
インターネット上で犯罪を誘発する恐れのある有害情報への対策を強化するため、警察庁は26日、民間委託で情報収集やネット事業者への削除要請をしている対象に、3月から銃の製造方法や殺人の依頼、強盗の勧誘などに関する情報も追加することを決めた。

(新たに7頭の感染を確認:三重)
三重県は25日、鳥羽市、伊賀市、名張市、紀北町、度会町で今月上旬から中旬にかけて捕獲された野生イノシシ計7頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱の感染が判明した野生イノシシは762頭となった。

(サルの被害相次ぐ、専門業者に捕獲を依頼へ:山口)
岩国市玖珂町で、住民がサルに襲われる被害が相次いでいることを受けて、市は、専門の業者に捕獲を依頼することを決め、今後、具体的な捕獲方法などについて調整を進めることにしています。岩国市玖珂町の阿山北地区では、去年末ごろからサルが住宅地に出没して、住民を威嚇したりかみついたりするといった被害が発生し、市によりますと、今月(1月)19日から22日にかけての4日間で、住民3人がサルに襲われ軽いけがをしました。サルの目撃情報が増えてから、市は、パトロールを行うとともに2か所にわなを設置しましたが、捕獲にはいたらず、専門の業者に捕獲を依頼することを決めました。今後、業者と具体的な捕獲方法や、スケジュールを調整するということです。市は、サルが発情期を迎え、凶暴化している可能性があるとして、引き続き、戸締まりを徹底することや、なるべく外出を避けること、それに、サルを見かけても目を合わせないよう注意を呼びかけています。

(鳥インフル、哺乳類も感染:北海道)
北海道大学の研究グループは、2022年に国内のキツネなどで高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたことから、今後、野生動物の感染にも警戒が必要とする研究結果をまとめた。世界的流行で野鳥の感染が増え、死骸を哺乳類などが食べてウイルスの宿主になる懸念がある。家禽(かきん)農場に野生動物の侵入を防ぐことに加え、ペットの犬なども野鳥の死骸に接近しないよう注意が必要とした。札幌市で22年4月、高病原性鳥インフルエンザで死亡したキタキツネや衰弱したタヌキが見つかり、国内初の哺乳類感染例となった。研究グループは、両個体のウイルスを調査。その結果、ウイルスは近くで見つかった感染カラスのウイルスと近縁で、肉を食べたり触れたりするなどの接触で感染したと推測した。体内を詳しく調べると、両個体とも気道でウイルス感染を確認。さらにキタキツネではウイルスによる脳炎、タヌキではウイルスによる結膜炎の疑いも見つかった。高病原性鳥インフルエンザは近年、世界的に流行し、感染した渡り鳥が多く国内に飛来している。従来は感染例が少ない、猛禽類や哺乳動物などが死んだ感染鳥を食べ、感染するリスクが高まっている。今回の研究で、家禽農場で野生動物の侵入防止に努める重要性が改めて浮き彫りになった。一方で同大は、一般人が飼育するペットの感染についても警戒を強める。同大の日尾野隆大講師は「人間が野外で死んだ野鳥の肉を食べることはないのでリスクは考えられないが、ペットの犬などの散歩の際、死んだ野鳥に近づけるのは避けてほしい」としている。

(イノシシなどの「害獣駆除」に報償金、受け取ったお金は課税対象になる?)
日本各地でイノシシやシカなどが、農作物を食い荒らしたりする被害が目立つようになりました。そうした事態に対応して、市町村などの自治体が害獣駆除に対する報償金制度を設けるケースが増えています。国も2012年度から同様の制度を始めており、中にはトータルで1,000万円以上の年収を得る人もいるそうです。ところで、「獣害」を防ぐのが目的のこの報償金は、所得税の課税対象になるのでしょうか? 害獣駆除の報償金について解説します。「害獣駆除」とは、具体的には農作物などに被害を与える有害な鳥獣を銃などで殺処分することを指します。「獣を銃で撃つ」というと狩猟が思い浮かぶのですが、害獣駆除はどう違うのでしょうか?大まかにいうと、狩猟にはレジャーやジビエ料理の食材とするなどの目的があるのに対し、害獣駆除は自治体の要請を受けて害獣の個体数を減らすために行うもの、ということができるでしょう。ですから、後者には報償金が出ることがあるわけです。ただ、現実的には両者に明確な線引きは存在しません。「害獣駆除は狩猟の一部」と考えることもできます。ですから、害獣駆除を行うためにも「狩猟免許」が必要になります。狩猟免許は、「鳥獣保護管理法」に基づき、住所地の都道府県知事が発行するもので、取得すれば全国一円で有効です。狩猟免許を取得するためには、狩猟について必要な適性、技能及び知識に関して住所地の都道府県知事が行う「狩猟免許試験」に合格しなくてはなりません。試験に合格すると、「狩猟免状」が交付されます。なお、「網猟」と「わな猟」に関しては、狩猟免許の取得のみでOKですが、「銃猟」を行う場合は、都道府県公安委員会から、「銃刀法」に基づく猟銃の「銃砲所持許可」(猟銃1本ごと)の取得も必要です。ちなみに、免許を取らずに鳥獣を捕獲・殺傷すると、鳥獣保護法違反で1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されることになります。「有害鳥獣」に明確な定義はありませんが、一般には人、家屋、農作物、家畜、水産物などに被害を与える次のような野生の(野生化した)獣や鳥類を指します。そもそも害獣駆除に対する報償金制度があるか、またどんな鳥獣が対象になるのかは、自治体によって違いがあります。報償金がもらえる場合、その金額はいくらくらいになるのでしょうか? ここでは、栃木県鹿沼市の例を挙げます。まず、国は鳥獣被害防止総合対策交付金として、1頭(1羽)当たり、イノシシ、二ホンジカ、ニホンザルなどの成獣8,000円/幼獣1,000円、ハクビシン1,000円、鳥類200円などを支給します。これに、県(捕獲強化奨励事業)と市(破格促進事業)それぞれの報償金をプラスします。イノシシ:成獣1万6,000円/幼獣9,000円二ホンジカ:成獣1万5,000円/幼獣8,000円。ニホンザル:成獣1万8,000円/幼獣1万1,000円。ハクビシン:1,000円(県、市の報償金はなし)。鳥類:200円(同)。繰り返しになりますが、金額などはその自治体にどのような有害鳥獣が出没し、それぞれがどの程度被害を与えているのかによって上下します。報償金を得たいと考える場合には、各自治体のホームページなどで確認するようにしてください。報償金を受け取るための手続きも、自治体によって異なります。では、この報償金は課税対象になるのでしょうか?結論は、「なる」です。害獣駆除の報償金については、事業所得ないし雑所得として課税対象になることに注意が必要です。よく問題になるのが、このような収入に課税される場合、「事業所得なのか雑所得なのか?」ということです。雑所得には、特別控除などが使える青色申告を行うことができない、事業所得で可能な損益通算(赤字を他の所得と相殺すること)が認められない、などのデメリットがあります。鳥獣を捕獲して販売する狩猟を本業とする人が受け取った報償金は、その本業に付随して得た収入ですから、問題なく事業所得になるでしょう。個人事業主で本業が狩猟とは関係ない場合や、サラリーマンが副業として報償金を得た場合などは、雑所得となる可能性が高いと思われます。所得税が課税される「所得」とは、収入(この場合は報償金)から、必要経費(それを得るために必要な出費)などを差し引いた金額をいいます。経費を確実に計上することで、納税額を抑えることが可能です。害獣駆除(狩猟業)特有の経費としては、例えば次のようなものが考えられるでしょう。狩猟用品(ベスト、作業着、長靴、手袋、わななど)の購入費。備品工具(ナイフ、ロープ、スコップなど)の購入費。銃(銃本体、弾丸、火薬、雷管など)の購入費。射撃のトレーニング費用。なお、10万円以上の機材(銃など)は、減価償却資産となり、購入費用を使用可能期間(例えば銃の耐用年数は10年)にわたり、分割して費用計上します。さきほどの滋賀県の事例では、申告漏れを指摘された多くの人が「報償金が課税対象とは知らなかった」という反応を示したそうです。害獣駆除は、免許を持つ猟友会のメンバーなどが、ボランティアに近い形で行ってきた歴史があります。被害の拡大に伴い、近年になって報償金制度が導入された経緯もあって、課税に対する意識が希薄だったという側面は、否めないようです。ただ、報償金関連の国の支出が増えていることもあり、国税当局はさらに厳格な姿勢で調査を進める可能性があります。申告漏れが見つかれば、たとえ悪意はなかったとしても、「加算税」や「延滞税」などのペナルティが課せられることになりますから、注意が必要です。全国的にイノシシなどによる獣害が広がっていることを背景に、自治体で害獣駆除に対する報償金を設けるケースが増えています。ただし、対象となる鳥獣の種類や報償金の金額は、自治体ごとに違いがあります。また、もらったお金は所得税の課税対象になりますから、注意してください。

(身近な分野から県予算を紹介:千葉)
生産力の向上や省力化を図るため、ICTなどスマート技術の活用を進める。国内外で需要が急拡大し、供給不足が問題化しているサツマイモの生産・流通態勢を強化する目的から、貯蔵庫など施設の整備を補助する。廃プラスチックの排出量削減などをめざし、土壌の微生物によって分解される生分解性資材の導入を支援する。イノシシなど野生鳥獣による被害を防ぐため、捕獲事業や防護柵の設置に助成。担い手の確保につなげるため、捕獲を体験したり、ふるさと納税を通じて参加したりする「(仮称)県有害鳥獣捕獲協力隊」も結成する。

(シカと接触、山陽線に遅れ:岡山)
JR西日本によると23日午後7時50分ごろ、山陽線の和気駅―熊山駅間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。このため、同線の一部列車に約15分~30分の遅れが出ている。

(紅一点「共猟会」初参加:岐阜)
郡上市白鳥町の水野マリさん(55)が、市猟友会白鳥支部の「共猟会」に初めて参加した。多治見市出身の水野さんは2年前、狩猟が盛んな郡上に移住し、主に単独猟を手がけている。新たな仲間を得た女性猟師は「郡上には猟銃を持つ人たちの確かなコミュニティーがある。ここまでやってこられたのは、私を温かく迎えてくれた皆さんのおかげ」と語る。十五日朝、白鳥町の山林であった共猟会は会員二十人が参加した。紅一点の水野さんはオレンジ色のベストと帽子を着け、足元は地下足袋といういでたち。射撃時の反動が小さい二〇番口径の自動式散弾銃を手に、いてつく雪山で獲物を待った。一度待ち場に入れば、どんなに寒くても動くことは許されない。近くにいた会員がシカ一頭を捕獲するまで、二時間近くも息を殺し続けた。

(住宅団地に群れなすサル:広島)
広島県廿日市市の住宅団地でサルの出没が急増している。群れで行動しているケースが多く、市に寄せられた2022年度の目撃情報は今月23日までに177件で、既に21年度の63件の3倍近くに上って過去最多となっている。子どもが追いかけられるなどの事例が出ており、市は捕獲の準備を進めている。同市宮園の住宅団地に住む男性(66)は19日午後4時半ごろ、散歩中にサルの群れと出くわし、スマートフォンで動画を撮った。1頭が住宅の庭を掘り、その後群れの仲間と合流。道路を走って逃げた。数えると少なくとも7頭。「昼間の団地にあれほどの群れが出るなんて」と驚いていた。市によると、22年夏以降は10件前後だった同11、12月を除き毎月30件前後の目撃情報が寄せられている。市は同10月に生態調査を開始。市有地に設置したカメラの映像や市民への聞き取りなどから、団地に出没しているサルの群れは少なくとも二つあるとみている。いずれも10頭前後で、一つは主に陽光台、上平良地域で活動し、もう一つは宮園、宮内、四季が丘に多く出ているという。市内でサルに直接襲われてけがしたケースはないが、22年には子どもや高齢者が追いかけられて転ぶ事例があった。市は「直接襲われる被害が出るのも時間の問題だ」として群れごと捕獲する準備を進めている。市内では1970年代以降、大規模な団地が次々と造成、分譲された。サルの目撃が多い宮園、四季が丘は80年代、陽光台は90年代に造成された。サルの生態に詳しい広島市安佐動物公園(安佐北区)の畑瀬淳さん(58)は「サルは基本的に若い男性を恐れる。団地には家庭菜園などで餌があり、住民の高齢化で敵が少ないと考えている可能性が高い」と指摘。安全確保のためサルに遭遇した際には目を合わせずその場を立ち去り、子どもは1人で遊ばせないよう注意を呼びかけている。

(薬きょうキーホルダー人気:島根)
鳥獣を捕獲する散弾銃の撃ち終わった薬きょうを再利用した、カラフルなキーホルダーが、珍しさとしゃれたデザインで人気を集めている。着物のリメーク雑貨などを販売する「和工房ちどり」(松江市北堀町)店主の佐藤紀子さん(47)が「捨てるのはもったいない」と手がけた。空の薬きょうはプラスチック製で、長さは約7センチ。色や側面のロゴなどはメーカーによってさまざまで、好みに合わせて選ぶ楽しさがある。汚れを拭き取り、キーホルダー用の金具と本体をイノシシ革で結んで作る。1本千円。狩猟免許を取った夫が初めて撃った際の薬きょうを「記念として身につけられるものを作ってあげよう」とキーホルダーにして渡したところ、普段使いのかばんにも似合うと喜ばれたことがきっかけになり、2021年秋に販売を始めた。通常、空になった薬きょうは廃棄されるが、夫の猟仲間に譲ってもらっている。傷や端にほつれがあるイノシシ革も「もったいない」という思いからアクセサリーに加工する。佐藤さんは「薬きょうに触れることはめったになく、傷のある革はイノシシが生きた証し。手に取ってもらえるとうれしい」と話している。

(ジビエ料理味わって:福岡)
イノシシやシカの肉などを使ったジビエ料理の特別メニューが楽しめる「ふくおかジビエフェア」(福岡県主催)が県内の飲食店で開かれている。2月28日まで。フェアは2014年にスタート。20年からはジビエ料理を常設メニューとして提供する飲食店を「ふくおかジビエの店」に認定する取り組みを始め、現在51店舗が登録されている。

(ジビエをフランス料理で美味しく:京都)
ホテルオークラ京都(本社:京都市中京区 ㈱京都ホテル、代表取締役社長 福永法弘、東証スタンダード市場)は、「第7回 ジビエ料理コンテスト」(一般社団法人日本ジビエ振興協会主催)のプロ部門において、当社レストラン調理課ピトレスク所属の木村夕星が「農林水産省農村振興局長賞」を受賞したメニューを、2023年2月3日(金)~2月26日(日)の期間限定でフランス料理レストラン「スカイレストラン ピトレスク」にて提供いたします。

(鹿の生え変わりで落ちた角を利用した「火ばさみ」と「ファイアスターター」:東京)
株式会社スマイル(本社:東京都江東区、代表取締役社長:大野 敦)は、当社が運営するアウトドアECショップ「Propworks Outdoor」の新商品として、北海道産の天然鹿の角を利用した「火ばさみ」と「ファイアスターター」を2023年1月26日(木)から4月24日(月)までMakuake(マクアケ)にて先行販売いたします。使うほどに味が出る、一生使えるオールハンドメイドの製品です。

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(「仲間を誤って猟銃で撃った」東京の男性を病院搬送:沖縄)
20日正午ごろ、沖縄県石垣市北部で鳥猟をしていた男女4人グループの1人から、仲間の男性を誤って猟銃で撃ったと110番通報があった。八重山署によると撃たれたのは50代の会社員男性=東京都。市内の病院に搬送され、全身を負傷しているが命に別条はない。八重山署は当時の状況を詳しく調べているが、故意に発射した可能性は低いとみている。八重山署によると、4人は県外の猟友会員とみられる。

(住宅街の車庫で「ライフル」の実弾を誤射:北海道)
20日夜、北海道の胆振地方の住宅の車庫内で、50代の男性が持っていた猟銃から実弾が発射され、近くの家の壁などを貫通しました。けが人はいません。20日午後8時ごろ、胆振地方の住宅の人の家族が「窓が割れて、壁に穴があいている」と警察に通報しました。警察によりますと、近くの住宅の車庫内で、50代の男性が持っていた猟銃から実弾が発射されました。弾は、隣りの家の車庫、さらに、その隣の家の窓ガラスを貫通し、室内の壁に当たりました。けが人はいません。猟銃は「ハーフライフル」と呼ばれるもので、男性は、構えてはおらず、持っていただけで、引き金が引かれてしまったなどの趣旨の話をしているということです。警察は、実砲装填違反の疑いで、在宅のまま調べをすすめ、容疑が固まり次第、男性を書類送検する方針です。

(イノシシ捕獲作業中、75歳の男性が車にはねられる:静岡)
23日午前、静岡県沼津市でイノシシの捕獲作業中に75歳の男性が軽四貨物自動車にはねられ、死亡しました。23日午前10時ごろ、沼津市大平の市道で「トラックが事故を起こした」と通行人から消防に通報がありました。消防などによりますと、当時、現場では、市の委託でイノシシの捕獲作業が行われていて、60代の男性が軽四貨物を運転していたところ、一緒に作業をしていた75歳の男性に衝突しました。男性は、水がない深さおよそ3メートルの水路に転落し、心肺停止の状態でドクターヘリで病院に搬送されましたが、死亡しました。軽四貨物を運転していた男性は、「作業中に何かを踏んだため、前進したら急発進して男性をはねてしまった」などと話し、警察は、詳しい事故の原因を調べています。

(カラス対策で放鳥のタカ、犬襲い飼い主けが:愛知)
名古屋市の名古屋臨海高速鉄道によると、23日午後3時35分ごろ、同市中川区で、同社の委託業者が線路の置き石をするカラスを追い払うため飛ばしていたタカが散歩中の犬を襲い、飼い主の女性が手に軽傷を負った。

(サル出没、けが人も:山口)
岩国市の住宅地で19日と21日、高齢の女性2人が相次いでサルにかみつかれて軽いけがをしました。市は、サルが凶暴化している可能性があるとして注意を呼びかけています。岩国市によりますと、玖珂町阿山北地区周辺の住宅地で19日と21日、いずれも自宅の庭で洗濯物を干していた高齢の女性2人が背後からサルにおそわれて右足をかまれ、軽いけがをしたということです。市が調べたところ、大人2匹と子ども1匹のあわせて3匹のサルが確認され、住民の目撃情報などからこのうち体の最も大きなサルがかみついた可能性が高いということです。この地区はもともと山が近く、住宅地でのサルの出没は珍しくないということですが、昨年末ごろから威嚇やかみつきの頻度が多くなっていたということです。市はこれ以上サルの被害が出ないように周辺の学校などに文書で注意喚起を行い、地元の猟友会に依頼してサル用のわなを2か所設置するなどの対策をとっていて、被害が続くようであれば、専門業者に捕獲を依頼することも検討しています。市はサルが発情期を迎えていることから凶暴化している可能性があるとして、なるべく外に出ないことやサルを見かけても目を合わせないよう呼びかけています。

(禁止捕獲網、カワセミ絡まり死ぬ:茨城)
茨城県鳥獣保護区の北浦北部の湖畔で昨年12月、鳥獣保護法で使用が禁じられている鳥類捕獲用の「かすみ網」とみられる猟具が設置されているのが見つかった。網にはカワセミの死骸がかかっていた。鉾田市の環境保護団体が関係機関に通報し、撤去した。団体は「網が張られていた場所は野鳥の採餌場。目的は分からないが、悪質な行為」と憤っている。網は昨年12月11日、同市安塚の市環境学習施設「エコ・ハウス」から南東500メートル付近の北浦湖畔で、野鳥観察をしていた市民団体が見つけた。同所は水産資源の保護などを目的にヨシが植栽され、木造の消波堤で囲われている一帯。消波堤の内側に幅約25メートル、高さ約2.5メートルの網が張られていた。発見者から相談を受けた市民団体「北浦周辺の自然再生を進める会」の川又利彦会長は翌12日、県鹿行県民センターに通報した。かすみ網は、小型の野鳥を捕獲する張り網の一種。かつては山での猟に使われていた。見えにくい細い糸で編まれ、鳥の羽や足が絡まりやすくなるよう、たるみがあるのが特徴。野鳥の乱獲につながるとして、学術研究目的などの場合を除き、使用や所持、販売が同法で禁じられている。猟具の設置には、県の許可や所有者名の記載が必要となる。見つかった網は、いずれも確認できなかった。同センター環境・保安課は「かすみ網の特徴に当てはまる」と判断し、所有者に撤去を求める警告文を掲示する準備を進めていたという。ところが、警告文の掲示前に、鳥が網にかかっていた。同月23日、同課職員や鉾田警察署員の立ち会いの下、川又会長らが網を取り外した。網には鮮やかな青い羽が特徴のカワセミ1羽が絡まり、息絶えていた。川又会長は「明らかに違法な場合は、緊急避難的な措置としてすぐに行政で撤去してほしかった」と残念そうに語る。県によると、最近5年間に県内でかすみ網の違法使用は確認されていない。同課は「網には所有権があるため、撤去するにも所有者に確認を取るなど手順を踏まないといけない」と説明し、「今後も事例ごとに適切に判断していく」としている。

(カラス死骸、鳥インフルエンザ陽性反応:群馬)
群馬県は20日、玉村町で19日に回収された野生のハシブトガラス1羽の死骸から、県林業試験場の簡易検査でA型鳥インフルエンザの陽性反応が確認されたと発表した。県内で野鳥から確認されたのは昨年12月31日の館林市のオオハクチョウに続いて2例目。国立環境研究所に遺伝子検査を依頼し、高病原性かどうかを調べている。県によると、19日午前、一般の人から「カラスが死んでいる」などと藤岡森林事務所に通報があった。同町を管轄する渋川森林事務所の職員が現場で8羽の死骸を確認し、検査で1羽が陽性、7羽が陰性だった。環境省は同日夕、回収地点から半径10キロを野鳥の監視重点区域に指定した。前橋、高崎、伊勢崎、藤岡、玉村の5市町が含まれる。県は区域内の渡り鳥の飛来地で野鳥の死骸の有無などを調査する。同区域の解除は2月下旬の見込み。

(今季6例目の鳥インフルエンザ発生:広島)
20日、広島県世羅町の養鶏場で死んだニワトリなどのPCR検査から、高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われることが21日、確認されました。広島県内で今シーズン6例目の発生となります。広島県によりますと、きのう20日、広島県世羅町の養鶏場から、飼育しているニワトリが多く死んでいると連絡がありました。死んだニワトリなど11羽に鳥インフルエンザの簡易検査をしたところ10羽が陽性となり、その後のPCR検査で農林水産省が、高病原性鳥インフルエンザと疑われる「H5亜型」と確認しました。この養鶏場では12万8000羽が飼育されており、すべて殺処分されます。広島県内での今シーズンの殺処分数は、今回発生した6例目をあわせて県内で飼育されているニワトリの17%にあたる、過去最多の168万羽に上る見込みです。

(犬が車内で「誤射」、同乗者死亡:アメリカ)
米中部カンザス州で21日、ピックアップトラックの後部座席に乗っていた犬がライフルを踏んで暴発し、助手席の男性(30)が弾を背中に受けて死亡した。警察が発表した。カンザス州サムナー(Sumner)郡の保安官事務所によると、男性は犬と猟をしていた。依然捜査中だが、現時点では「狩猟関連の事故」とみられるという。人間より銃の数が多い米国では、誤射が後を絶たない。米疾病対策センター(CDC)によれば、2021年の銃による事故の死者は500人以上に上っている。

(人里から消えるニホンノウサギ)
令和5年の干支である「ウサギ」。『古事記』に神話「因幡の白兎」があるほか、「飛躍」や「子孫繁栄」の象徴とされ、日本人になじみ深い動物だ。誰しも動物園などで一度は愛でたことがあろうウサギだが、日本の固有種で、かつては里山の生き物の代表格だった野生のニホンノウサギが、いま人里から姿を消そうとしている。草木に溶け込む茶褐色の毛に、天敵を察知するピンと立った耳と俊敏に走るための筋肉質な後ろ脚-。「この10年で見かける回数は確実に減った。近いようで遠い存在になってしまった」。そう話すのは、八王子市内に東京ドーム約4個分の面積がある長池公園を管理するNPO法人「フュージョン長池」の小林健人さん(35)。都内では、八王子市や町田市など4市にまたがる多摩ニュータウンが、実はニホンノウサギが人間と共生する数少ない生息地となっている。大規模宅地や農地が点在する広大な多摩丘陵の雑木林や草原にひっそり生息しているのだ。ニホンノウサギは、一般に飼育されるアナウサギとは別種のノウサギに分類される。アナウサギが地面に穴を掘って身を隠すのに対し、ノウサギは低い草木が茂る藪(やぶ)を隠れ家とする。天敵であるタカの仲間などの猛禽(もうきん)類らに狙われやすい日中を避け、夜間にエサとなる下草が豊富な草地や林に姿を見せる。体長50センチほどの小ぶりな体ながら、時速80キロもの速さで疾走する個体もいるという。長池公園で昨年、園内に設置したセンサーカメラが捉えたニホンノウサギは1羽のみで「この地区ではあと数年でいなくなる可能性もある」と小林さんは危惧する。昭和30~50年代ごろにかけて、木材供給のための森林伐採が行われた結果、草地が創出され一時的に増殖したことがあった。ただ、平成10年代には林業の衰退や耕作放棄地の増加で、ニホンノウサギにとって好条件な草原や藪が消え、個体数は減少に向かった。都心に近い地域では宅地造成で緑地面積が縮小。自然の野山も、手入れの行き届いていない針葉樹が生い茂る「暗い」人工林に変容していった。いずれも落葉樹林や若齢樹からなる林が減ったことで、エサとなる草や低木がなくなっていった。ニホンノウサギは、北海道や沖縄県などを除き、現在も日本列島のほぼ全域に分布するが、全国的に減少傾向にある。都が公表する絶滅のおそれのある野生生物をまとめたレッドリスト(令和2年版)では、北多摩地域(立川市や武蔵村山市など)において、すでに絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。いまやほとんど目にすることがないニホンノウサギだが、人間と共生してきた歴史は長い。旺盛な繁殖力から、日本では古くから「子孫繁栄」や「安産」の象徴とされ信仰の対象でもあった。十五夜の月とウサギを歌った童謡「うさぎ」や、「兎追いしかの山」の歌詞から始まる唱歌「ふるさと」に見られるように、牧歌的な日本の原風景を連想させる生き物でもあった。小林さんはいう。「ニホンノウサギは里山のシンボリックな生き物だ。生活に身近な場所にいることに価値がある。人間と生き物が共生することを考えるきっかけになる存在が、ニホンノウサギだと思う」。

(シカが関係する交通事故、去年4475件で過去最多に:北海道)
去年、道内で起きた野生のシカが関係する交通事故はそれまでで最も多かった前の年を上回り、過去最多となりました。警察のまとめによりますと、道内では去年1年間に車がシカと衝突したり、シカを避けようとしてガードレールにぶつかったりした交通事故が4475件に上りました。これはそれまでで最も多かった令和3年の4009件を上回り、過去最多を更新しました。去年はほとんどが物損事故でしたが人身事故になったケースもあり、3人が死亡、4人がけがをしたということです。また、事故の発生場所で比較すると、全体の4割が交通量の多い札幌方面で起きていて、次いで釧路方面が3割近くを占めているということです。シカの生態に詳しい酪農学園大学の伊吾田宏正准教授は「近年、シカの個体数が増え、冬は積雪が増えると標高の低い市街地周辺にも出没するおそれがある。シカは群れで行動するので、1頭見かけたら複数頭いると考えて車のスピードを落とすようにしてほしい」と話しています。

(シカ狩りにドローン活用する実験:北海道)
農作物に被害を与えるエゾシカの狩猟で、ドローンを使ってどの程度、効率的に狩りが出来るか確かめる実験が22日、札幌市内の山林で行われました。この取り組みは猟友会や札幌市が行ったもので、ハンターなどおよそ80人が集まりました。実験では、温度を感知する赤外線カメラを搭載したドローンを半径1キロほどの範囲で飛行させ、上空からシカの居場所をさぐって山中で待機するハンターに情報を伝えることで効率的な狩りにつなげます。ドローンからの情報はモニターに映し出され、参加したハンターたちはこの情報も活用しながらシカを追い込んでいました。道内では近年、エゾシカの増加に伴い農作物への被害も増えていて、昨年度は14万頭余りが駆除されたということです。北海道猟友会札幌支部の玉木康雄理事は「札幌市南区には果樹園や農地があり、計画的にシカを駆除する必要がある。ドローンをどのように活用できるのか考えていきたい」と話していました。

(ドローンとAIで「害獣駆除DX」めざす:千葉)
空飛ぶクルマや物流ドローンを開発する株式会社SkyDriveは、ドローンやAIなどの先端技術を活用した害獣駆除の実証実験をおこないました。同実証実験は、千葉県の「先進的デジタル技術活用実証プロジェクト」の一貫。株式会社ダイヤサービス、株式会社ロックガレッジ、合同会社房総山業、木更津猟友会らと共同で実施されました。プロジェクトを通じてSkyDriveらがめざすのは、「害獣DX千葉モデル」の確立です。2022年度は、赤外線カメラ搭載ドローンの自律飛行やAIによるイノシシの自動検知、大型ドローンによる「くくり罠」「遠隔通報機」の搬送、設置場所のシステムへのマッピングを個別で検証。その集大成として同年12月27日、害獣の検知から、くくり罠などの運搬・設置・監視までの一連の流れを検証すべく、実証実験を実施しました。くくり罠と遠隔通報装置の運搬には、SkyDriveの物流ドローン「SkyLift」を活用し、合計10キロ、直線距離263メートル(徒歩約25分)を自律飛行で搬送、着陸させずに荷下ろししました。なお、飛行範囲内にイノシシ・シカが現れなかったため、赤外線カメラによる害獣の検知は叶わなかったとのことです。千葉県では、高齢化による狩猟者の減少が進むなか、害獣の捕獲頭数は増加傾向にあるといいます。また、イノシシが県内を北上し、人口の多い地域にも出没していることから、農作物被害に加えて人に危害が及ぶ可能性が高くなり、狩猟者の負担が増しているとのこと。このような課題を受けて、ドローン運航会社のダイヤサービス、AIを活用したドローンを開発するロックガレッジ、有害鳥獣の捕獲、防護方法のコンサルティング、資器材の開発を行う房総山業、狩猟に関する教育・訓練を行う木更津猟友会と、物流ドローンを開発するSkyDriveが、「先進的デジタル技術活用実証プロジェクト」を推進する運びとなりました。2023年度は、仕留めたイノシシの大型ドローンによる麓への搬送、AIシステムと大型ドローンの連携による自動飛行の実現、そして最終的には「害獣DX千葉モデル」の確立をめざします。

(狩猟フィールド体験の開催:石川)
現役ハンターと冬山の中で狩猟の魅力を体験する、狩猟フィールド体験を次のとおり開催いたします。狩猟に興味のある方をはじめ、多くの方のご参加をお待ちしております。ぜひ、ご参加ください。

(大型獣(イノシシ・ニホンジカ)巻狩り猟実践研修会:新潟)
県内においては、これまでほとんど生息が見られなかったイノシシ及びニホンジカ等の大型獣の生息数及び生息域拡大に伴い、農林業被害及び人身被害が深刻な状況にある中で、狩猟者は高齢化により減少傾向にあり、新たな捕獲の担い手の確保・育成が課題となっています。このため、県では、県内にお住まいの第一種銃猟免許取得後の経験の浅い狩猟者を対象に、技能向上を目的とした実践型の研修会を開催します。この機会に大型獣の捕獲に興味や意欲のある方の参加をお願いします。

(有害獣(イノシシ、シカ、サルなど)への被害対策に関する講演会:千葉)
イノシシ、シカ、ニホンザル、アライグマ、ハクビシンなどの野生動物による農作物の被害や市街地出没などが富津市内においても深刻な問題となっています。被害対策のために生態を理解し、地域ぐるみで被害対策を進める必要があります。各地にてテーマ別のお話を予定しています。ニホンザルについては群れ管理の手法、イノシシについては、住宅地出没対策にも触れる予定です。日頃の問題意識や課題に広くお答えする質疑応答の時間も設けます。お気軽にご参加ください。

(狩猟の魅力や情報を発信:群馬)
狩猟の魅力や情報を発信するイベント「ぐんま狩猟フェスティバル2023」が21日、群馬県伊勢崎市のスマーク伊勢崎で開かれた。免許取得の相談や模擬銃で狩猟体験ができるブースのほか、ステージでは猟師による講演会とパネルディスカッションが行われ、大勢の来場者の関心を集めていた。講演会に登壇した狩猟系ユーチューバーのサイトウさん(茨城県)は、祖父母から受け継いだ畑で野生動物による農業被害の実態を知り、猟師になったという。狩猟方法や活動にかかる費用なども紹介し、「命のありがたみや、農村地帯の現状に触れることができる」とやりがいを語った。イベントは、高齢化などで野生鳥獣捕獲の担い手が減少する中、狩猟を始めるきっかけを提供しようと県が主催した。

(ニホンザルの生息調査、農業被害が深刻:福島)
ニホンザルによる農業被害が深刻化している福島市で24日、福島大学の専門家らがサルの生息範囲などを把握するための調査を行いました。調査は、福島市で特産のモモなどの農業被害を起こしている野生のニホンザルの生息状況を明らかにし、被害の低減につなげようと、福島大学の望月翔太准教授が市の依頼を受けておととしから行っています。24日は望月准教授と学生3人が、果物の生産が盛んな市内の山際の地区に集まり、過去に発信器つきの首輪を取り付けたサルの居場所をアンテナで探りました。電波が届く2キロ圏内でどのあたりにどの程度の規模の群れがいるかが分かり、望月准教授らはリンゴの食害が報告されている大笹生地区など3か所を巡って確認していました。福島市によりますと、去年3月の時点で市内には1000頭以上が生息しているとみられ、昨年度の農業被害はモモやリンゴなどの果樹を中心に644万円余りに上り、前の年より200万円以上増えました。望月准教授は「地味だが捕獲などの対策を考える基本的なデータになるので、地道に調査を続けたい」と話していました。

(野生鳥獣被害3414万円、19年度以降緩やかに増加:秋田)
秋田県がまとめた野生鳥獣による農作物被害状況によると、2021年度の県内農家の被害額は前年度比14%(408万円)増の3414万円だった。ニホンザル、イノシシの被害額が前年度比で5~6割増しとなった。全体の被害額は19年度以降、緩やかに右肩上がりの状況が続いている。ニホンザルの被害額は前年度比61%増の460万円、イノシシは51%増の410万円だった。県水田総合利用課によると、ニホンザルは藤里町や八峰町など県北での出没が増えている。群れで畑や田んぼに現れ、トウモロコシなどの作物や水稲を食べる被害が確認された。

(クマ見たらゆっくり下がって:北海道)
ヒグマによる人身被害を防ごうと、市は23、24の両日、ヒグマ遭遇時の対処法などを学ぶ講座を厚床小中学校と落石小、落石中でそれぞれ開いた。子どもたちを対象にした講座開催は初めてで、専門家が「クマを見たら走って逃げるのではなくゆっくりと下がって」と注意を呼びかけた。

(拳銃構えた警察官に威嚇され逃げたイノシシ:愛知)
2022年11月下旬、名古屋市守山区などで野生のイノシシ2頭が出没し、その後も名古屋市周辺で目撃情報が相次いだ。イノシシの生態について専門家に話を伺った。2022年11月20日、名古屋市守山区の矢田川河川敷を走る2頭のイノシシ。駆け付けた警察官が拳銃を構えて「撃つぞ!」と大声で威嚇したところ、イノシシは逃げていった。発砲はせずケガ人もいなかった。逃げたイノシシは体長1メートルほどで、その後も名古屋市周辺で相次いで目撃された。イノシシの生態について、野生動物の研究をしている長岡技術科学大学の山本准教授に伺った。イノシシは時速40キロくらいで走り、大人のオスには牙が生えるため、全速力で襲われて牙が刺さると、大ケガや死に至ることもある。頭が良く、おいしい食べ物があることを知っているので、里山近くに生息している。その他にも意外な習性があるという。山本麻希准教授:基本的には臆病な生き物だといわれています。本来は昼行性といって、昼間も行動する動物です。イノシシは夜行性と思っている人が多いかもしれないが、本来は昼に行動する動物だ。ただ臆病なため、人目を避けられる夜にも動くことがあるという。また、今回は矢田川沿いで多く目撃されたが、これには理由がある。山本麻希准教授:イノシシは泳ぐのがすごく得意ですので、全然川も泳ぎますし、海も何キロも泳ぐ力を持っています。イノシシは泳ぐことが得意で、器用に顔を出し、犬かきのように泳ぐ。エサを求めて海を渡り、離島にまでたどり着くイノシシもいるという。そして市街地に出てくる時は、山から川の流れに乗って下流にやってくることが多いことから、矢田川で多く目撃された可能性があるという。もしイノシシに遭遇してしまった時は、どうすればよいか。山本麻希准教授:イノシシというのは臆病なので、自分に逃げる余裕があれば逃げてくれると思うんですけど、自分がもう逃げられない・危ないって思うと、最後は人間に突進してきます。電柱や木に隠れたり体を丸めるなど、刺激しないことで攻撃される可能性は低くなるそうだ。イノシシによる農作物の被害もでている。被害額は愛知県で年間約1億円、全国で約47億円もある。また、イノシシの「穴を掘る」という習性によって、金額以上の被害もでている。山本麻希准教授:イノシシってすごく掘るのが得意な動物なんですね。鼻を使ってにおいを嗅ぎながら、バフバフって土を掘ります。掘ることによって、例えば農地の法面が掘られてしまったり、道路の斜面、そういう所がバカバカってイノシシに掘られて穴が開いたり農作地やゴルフ場の芝が荒らされたり、斜面が削られて土砂災害の危険性が増すという。山本准教授によると、農村では過疎や高齢化により耕作放棄地が増え、イノシシが里山に下りてきやすくなっていて、「農村を守るための対策」を考えなければいけないと話している。

(県庁に野生のタヌキ2匹が現る:新潟)
19日午後、新潟県庁の敷地内に野生のタヌキ2匹が目撃されました。目撃した新潟県観光協会の人によると、「敷地内で2匹を確認、ペアのように見えた」ということです。県庁がある新潟市内は朝から晴れ間が広がっていて、タヌキが現れた時間帯も晴れていました。タヌキを見たという別の県職員の話では「暖かくなると、たまに現れ、特にお昼によく現れ、職員は、癒されてるのでは」と話していました。

(山林にアライグマ、イノシシわなに1匹:鹿児島)
鹿児島県は20日、特定外来生物アライグマ1匹が阿久根市高之口地区の山林で捕獲されたと発表した。県内の確認は9例目。県と市は捕獲場所周辺に、わなやカメラを設置し、生息状況を調べる。イノシシなどを捕獲するわなにかかっているのを16日、住民が見つけた。県自然保護課の中山直樹課長は「市と連携し周辺に別の個体がいないか状況把握と防除に努めたい」と話した。県内では2022年11月、18年10月以来となる7例目のアライグマ1匹が枕崎市で見つかった。その後、湧水町吉松地区で1匹を確認した。アライグマは雑食性で野菜や果実などを食い荒らす。

(京都御苑にシカ迷い込む:京都)
23日午前9時ごろ、京都市上京区の京都御苑内にシカ1頭が迷い込んだ。御苑の関係者らが捕獲作業にあたり、午後1時40分ごろ、皇宮警察本部京都護衛署付近で捕まえた。関係者によると、シカは体長1メートルの雄で、数時間にわたって御苑内を飛び跳ねるように走り回っていた。一時は京都御所北側の近衛邸跡庭園付近に追い込まれ、網で捕獲されそうになりながらも、網を突き破って逃走を続けていた。

(駐車場でクマ1頭を目撃:新潟)
25日午後3時前、湯沢町湯沢の駐車場でクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。クマは南方向の山へ立ち去って行きました。目撃された場所は民家や宿泊施設から約300mの地点で、警察と町役場は付近の住民に注意を呼びかけています。

(射撃用技術を搭載したイヤホンのプロジェクトが終了間近)
いまでこそ当たり前に使っているノイズキャンセリングイヤホンですが、導入当初は、騒がしい中での通話や作業を快適にする大発明のように感じたものです。それどころではないアイテムが、machi-yaでプロジェクトを展開中。“電子聴覚保護イヤホン”とも呼ばれる「Stealth28(ステルス28)」シリーズは、大きな音を減少させて耳を守ると同時に、小さな音は増幅して聞こえやすくしてくれる優れものです。この驚きの技術は、もともと狩猟ハンター向けに開発されたもの。アメリカで射撃用のイヤーマフを開発するPro Earsが長年蓄積した技術が応用されています。狩猟ではイヤーマフが必需品。大きな音から耳を保護する必要があるからです。一方で獲物の気配を察知するときにはわずかな物音も聞き逃したくないもの。こうした理由から、音の減少と増幅を同時に行うトリッキーな技術が開発されました。この技術を日常向けに横展開したのが「Stealth28」シリーズです。同シリーズのイヤホンに搭載の電子聴覚保護テクノロジーでは、85dBを超える大きな音を圧縮し、反対に小さな音に関しては最大5倍まで増幅します。こうした機能は、機械音などの騒音に悩まされている方はもちろん、聴覚に衰えを感じている方にとっても有用です。

(ジビエ人気に陰り?:北海道)
野生鳥獣の肉「ジビエ」として、コープさっぽろのルーシー店(札幌市白石区)では北海道内で捕獲、加工したエゾシカの肉を販売しています。真空パックされたブロック肉のほか、牛肉や豚肉などほかの畜産肉と同じように、パックに入った精肉も販売しています。渡部宣義店長に聞くと、販売数はそれほど多くないそうです。「消費者になじみがなく、値段が牛肉と同じくらいなので、売れるのは1日8パックほどにとどまっています。北海道のシカを北海道で消費するために、続けていることに意義があると思っています」。精肉売り場では、確かにおいしそうな牛肉と同じような価格帯でした。ジビエは人気が高まっていると最近も話題になっていた気がします。ちょっと人気が陰ってきているのでしょうか。エゾシカの捕獲数について調べてみました。エゾシカの捕獲数は2020年度、21年度と増加基調にあります。2018年11月に恵庭市の国有林でシカ猟をしていたハンターの誤射で男性が亡くなる事故が発生し、一部で銃の使用が制限されたことから一時、減少していましたが、ここ数年は再び増勢に転じています。この捕獲数を目的別の内訳で見ると、別の側面が見えてきます。狩猟が目的のエゾシカの捕獲数は減少傾向にありました。一方、農業などへの被害の防止を目的に、市町村がハンターに許可を与えて捕獲する頭数が増えていました。もっとも、駆除が主目的であっても、同じようにエゾシカを捕獲するのであれば、食肉として使える気もします。食肉としての利用量はどうなっているのでしょう。2020年度、エゾシカの捕獲頭数は増えていますが、農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査」によると、食肉としての利用量は大きく落ち込みました。21年度に回復に転じましたが、18~19年度の水準にはまだ戻っていません。食肉処理施設で解体されて、鹿肉として流通しているシカは、捕獲した頭数のうちの2割程度しかないそうです。なぜ、鹿肉の利用は進まないのでしょうか。鹿肉普及のためのハードルを聞くため、北海道内有数の規模のエゾシカ処理施設を持つオホーツク管内斜里町の知床エゾシカファームを訪ねました。

(就労継続支援B型事業所×ジビエ:愛知)
一般社団法人日本福祉協議機構(本社:愛知県名古屋市天白区井の森町)は、2023年2月1日(水)、新たな障がい者就労支援B型事業所としてジビエレストラン【zoi(ゾイ)】をOPENいたします。2023年2月1日(水) 愛知県東郷町和合にて、かねてより準備を重ねていた本格ジビエ料理レストランをオープン。自家製野菜やハーブ、山間部の珍しい山野菜や自家製無農薬米など素材にこだわった約50種のアラカルト&コースメニューで、森のごちそうをふんだんにお楽しみいただけます。ギャラリーだった古民家を改装し、自然溢れる落ち着いた店内はまるで森の中に迷い込んだ異空間のような雰囲気を演出。非日常的な空間とジビエ料理を存分にお楽しみください。

(クマ肉買える自販機:秋田)
秋田県仙北市のJR田沢湖駅前にある物産館「田沢湖市(いち)」。駐車場側出入り口(南口)にある冷凍食品を扱う自動販売機には、来館者が思わず足を止めて見入ってしまう商品がある。地元産クマ肉だ。「こんな自販機は他にないんじゃないかな。秋田の豊かな食を知ってもらえたらいいですね」。自販機を置く鶴の湯温泉の佐藤大志社長(49)は笑う。田沢湖地区では2019年に田沢湖地方猟友会の会員らでつくる「田沢湖ジビエの会」が、クマなどのジビエ(野生鳥獣肉)を食肉処理する加工施設を整備した。自販機の肉は猟友会会員が市内で捕獲したツキノワグマをこの施設で解体し、食肉加工したもの。250グラム2200円で販売している。

(房総半島で繁殖する「キョン」を駆除し有効活用、“ちば起業家大賞”に輝く:千葉)
千葉県内の起業家や、これから起業を目指す人を応援する交流イベントが1月19日、幕張メッセで開かれました。2023年で8回目となる「ちば起業家大交流会」。会場では起業に必要な資金の調達方法や営業の心得を学べるセミナーが開かれたほか、千葉県をリードする経営者たちが、これからの経営ビジョンなどを語って起業家らにエールを送りました。会場では、県内の課題解決につながるビジネスプランのプレゼンテーションも行われ、房総半島で繁殖し、農作物を食い荒らす害獣として知られる「キョン」を食肉用に加工販売している、鴨川市の「こもの工房KARIKOMI」の苅込太郎さんが、県知事賞の「ちば起業家大賞」を受賞しました。

(大山ジビエ振興会考案コロッケ:鳥取)
大山ジビエ振興会(安達忠良会長)が考案した地元産イノシシ肉使用の「大山ジビエいのししコロッケ」の商品化が固まり21日、募集していた愛称を「大山いのコロ」に決めた。大山町名和の道の駅大山恵みの里で表彰式があり、最優秀賞に選ばれた大山小4年、林原惟月(いつき)君(10)らが出席した。商品(冷凍)は22日から同道の駅で販売される。

(白老牛とシカ肉PR:北海道)
白老商業振興会(加盟36店、村上英明理事長)は、白翔中学校の3年生と協力し、町ブランド和牛「白老牛」とジビエ食材のエゾシカ肉をPRする紙製のトレーシートを完成させた。料理の下に敷くシートでA3サイズ。

(「房総ジビエフェア2023」2/28まで開催中:千葉)
千葉県の野生鳥獣被害対策で捕獲された房総ジビエ(イノシシ・シカ肉)を 使用した多彩なメニューが味わえる「房総ジビエフェア2023」を 2023年1月20日(金)~2月28日(火)まで開催します。千葉県農林水産部流通販売課(所在地:千葉市中央区市場町1-1/フェア運営事務局:株式会社オニオン新聞社、代表取締役 山本寛、所在地:千葉市中央区中央3-3-1)では、「房総ジビエ」のおいしさを多くの皆様に味わっていただき、さらなる房総ジビエの消費拡大を図るため、県内及び都内の店舗65店舗が参加し、多彩な房総ジビエ料理を提供する「房総ジビエフェア2023」を開催します。本フェアでは、1月11日(水)に開催した「第5回 房総ジビエコンテスト」受賞店や審査員のお店で房総ジビエメニューを味わうことができます。また、フェア期間中に、参加店舗で対象の房総ジビエメニューを注文し、応募された方の中から抽選で100名に「第5回 房総ジビエコンテスト」最優秀賞店で使えるお食事券1万円分や千葉県産品などが当たるプレゼントキャンペーンも実施します。

(「物に魂が宿る仕事を目指す」狩猟の哲学:北海道)
レザーのカシミヤ。それは、シカ革のことだ。肌触りの良さ、きめ細かさ、希少さから、そう評される。しかし、狩猟されたシカ皮のほとんどは廃棄される。解体の手間はもちろん、革になめすまでの過程にコストがかかるからだ。「絶った命に、再び命を宿したい」。北海道池田町のエゾシカ猟師、長谷(はせ)耕平(37)は、そうした思いから2017年に「エゾレザーワークス」を設立した。自ら獲(と)った野生獣の皮から財布やポーチ、靴といった革製品をつくり販売。池田町のふるさと納税の返礼品でも紹介している。

(シカ猟が生み出した、貴重な返礼品:北海道)
北海道池田町の猟師、長谷(はせ)耕平(37)に憧れて、後を追う若者たちがいる。頓所(とんどころ)幹成(25)は、長谷のことを「師匠だと思っている」と言う。長野県出身。学生時代に長谷の講演を聞き、生き様にひかれた。2020年に池田町地域おこし協力隊に採用され、エゾシカなど野生鳥獣の被害防止に奔走する。地元猟友会の会員でもある。エゾシカを撃つときは、首から上を狙う。内臓に弾が当たると、汚物があふれて雑菌がつき、食肉にできなくなるためだ。仕留めたエゾシカは池田町の解体加工施設へ運ぶ。地域おこし協力隊はこの春に任期が終わる。「猟の腕を上げ、エゾシカ肉の販路拡大やエゾシカ革のブランド化に努めたい」。頓所はその後も池田町に残るつもりだ。頓所や長谷らがエゾシカを運ぶ町営解体加工施設の設置に尽力したのが池田町議の三坂一茂(65)だ。

(「おいしくない」猪肉を変えたアイデア:島根)
2022年5月、松江市の山あいに、地域で獲れた猪肉をふるまう食事処がオープンしました。「安分亭」(あんぶんてい)です。猪肉を軸に地域振興に取り組む合同会社「弐百円」の代表社員、森脇香奈江さん(41歳)が、店じまいを決めた前店舗を引き継ぐ形で始めました。駆除され、ただ埋められていく夏のイノシシ。人情味と風情がありながら、幕を下ろしていく農家食堂。価値があるのに生かされぬものを「知足安分」(高望みをせずに自分の境遇に満足すること)の精神で見つめなおそうとしています。山村の趣を感じさせる木造の建物に、モノクロでポップな看板が、安分亭の目印です。松江市中心部から南へ約10キロ、旧八雲村という山々に囲まれた集落に、その食堂はあります。「野菜とジビエ、たまにお蕎麦。」という副題の通り、メイン食材は八雲の猪肉と新鮮野菜です。安分亭のインスタグラムには、そぼろご飯、グリーンカレー、麻婆茄子、ガパオライスと、和洋中を問わずアレンジされたメニューが並んでいます。伝統ある熊野大社の参道脇に位置していることから、参拝客が地域の食材を味わえるスポットにもなっています。「四六時中、猪肉と向き合っているせいか、イノシシへの愛が強くなりすぎて困ってしまいます」。表情は真剣そのもの。イノシシにのめり込むようになったのは、地域おこし協力隊としてジビエの利活用に携わり始めたことがきっかけでした。森脇さんは島根県西部に位置する浜田市の出身。広島市にある大学進学を機に島根を離れ、卒業後は管理栄養士として現地の薬局に勤めていました。夫も同じく島根出身だったことから、年々「地元で暮らしたい」という思いを強くしていた2人。そこで偶然にも、松江市が地域おこし協力隊の1期生を募集し始めたことを知り、家族4人で島根に移り住むことを決めました。協力隊期間中は、アンテナショップの立ち上げや地域産品を使った商品開発に奔走しました。地域を回る中、鳥獣被害が山間部で深刻化している現状も肌で感じていました。協力隊の任期は最長で3年間です。この間、着手した活動を退任後も継続していくため、任期最終年の2018年11月、同期とともに弐百円を起業します。「必要不可欠な存在ではなくとも、居たら意外と便利な存在かも……」。そんな思いを、架空の硬貨・弐百円玉になぞらえて名付けました。狩猟免許(猟銃・わな猟)も取得し、鳥獣被害対策事業にも関わるようになりました。食用とするイノシシの狩猟は、毎年11月中旬から翌年2月中旬までと猟期が決められています。それとは別に、農作物に被害を及ぼす有害鳥獣の駆除を目的とした捕獲があります。2019年度に松江市が作成した「鳥獣被害防止計画」(PDF方式)によると、イノシシによる農作物被害は市内全域で確認されており、毎年1千頭前後が有害鳥獣として捕獲されています。前述の事業に関わるようになってから、森脇さんは一つの疑問を抱くようになりました。猪肉の活用状況についてです。森脇さんによると、有害鳥獣として捕獲される1000頭のイノシシのうち、食肉として流通するのはわずか5%ほどにとどまるのだそうです。特に見過ごせなかったのは、夏のイノシシの取り扱いでした。「夏に獲れたイノシシは、脂が少ないからおいしくない」。地元の人たちからはそう敬遠され、食肉加工されることなく、埋められて廃棄されていたのです。「鳥獣被害対策としては、我々の任務は捕獲までで完了します。でも、目の前で埋められるイノシシを見て、自分たちの無力さを痛感しました」森脇さんは、夏の個体も含めた猪肉を積極的に販売していく方針を掲げました。地域の猪肉を解体・販売する「八雲猪肉生産組合」に加わり、自ら肉をさばくようにもなったのです。また、弐百円のオンラインショップを立ち上げ、猪ジャーキーやフランクフルト、犬用のおやつといった加工品の販売も始めました。1頭でも埋めない。そんな信念で猪肉の販売促進に尽力していた矢先、その取り組みに大きな影響を及ぼしかねない出来事が起きました。猪肉料理を出していた八雲地域の食事処「知足亭」が、閉店することになったのです。知足亭は、物件は市が所有していましたが、運営は地元農家が主体となって担ってきました。田舎の素朴な食事処といった趣で、ここで提供される猪肉カレーは看板メニューの一つでした。人情味ある年配スタッフの対応も好評でしたが、高齢化には逆らえず、2021年末で店をたたむことになりました。しかも、知足亭が位置するのは熊野大社の目の前。地元の猟師たちが、毎年猟期の前後に安全祈願祭と感謝祭を執り行っている神社です。参拝客にも、八雲の猪肉を味わってもらえる格好の場所でもあります。「由緒ある場所のお店を残したい」。知足亭の運営関係者からの打診もあり、弐百円として市の公募に手を挙げることにしました。そして知足亭の閉店後、森脇さんら弐百円が事業を承継し、新たな店舗として生まれ変わることが決まったのです。2022年5月、知足亭は、安分亭へと名前を変えてグランドオープンすることになりました。八雲の素材を生かし、地元の猪肉や野菜を使ったメニューを提供していく方針は、知足亭のころと変わりありません。知足亭の大将が厨房に立ち、そば打ちする日もあるそうです。大きく変わったのは、食堂としての機能以外の役割が備えられたことです。森脇さんは、安分亭を「弐百円の事業や理念の発信拠点」とも位置付けています。店内には、猪肉ジャーキーのほか、イノシシの皮製品や銃の薬莢で作られたキーホルダーも並んでいます。この薬莢は、先輩猟師からもらったものや自分たちが撃ったものです。「取引銀行には『弐百円は何をしている会社かよくわからん』と言われていましたが、会社の理念が伝わりやすくなりました。何より夏のイノシシを使った料理が提供でき、それが美味しいことを実証する場にもなりました」。そう笑う森脇さん。イノシシグッズを並べることは、安分亭を訪れた人たちと、猪肉を食すことの必要性や地域のあり方について語るきっかけにもなるといいます。地元・八雲へのこだわりは器にも表れています。店内で使う食器は、近くの養護学校の生徒が作りました。安分亭でともに食事をしながら知恵を出し合い、地元食材を使った料理に合うデザインを考えました。「『地元の役に立ちたい』という生徒さんたちの気持ちを汲みながら、食育やクリエイティブなことに取り組める場所になっているのがうれしいです」「猪肉には抵抗があった」とか「今までボタン鍋しか食べたことがなかった」という人々が“猪肉は美味しい”と見直す場であり、イノシシを考える場であり、地域の人たちが交わる場でもある――。そんな安分亭であることが、森脇さんにとって働く原動力になっています。「週3日営業ですが、山間部で家賃が安く、スタッフのみなさんに協力していただき、黒字営業ができています。弐百円を発信し、交流拠点とすることが、もうけを出すより大切なことだと思っています」。安分亭の運営にとどまらず、さらなる猪肉の活用に向け、森脇さんは次の展開を描き始めています。小売販売の拡大です。そもそも一般の小売店で猪肉が流通しにくいのは、野生の個体であるというのが大きな理由として挙げられます。飼育されている牛、豚、鶏に比べ、野生由来のためどうしても品質の個体差が大きくなる。供給量は不安定。その上、高価。覆しがたいそうした難点を打破する切り札として目を付けたのが、栄養価でした。農林水産省のサイト「ジビエの魅力」で公表するデータを調べてみると、牛や豚に比べて鉄分が豊富で、ビタミンB群がバランスよく含まれていることがわかりました。そうしたデータは、管理栄養士である森脇さんの目に「ポテンシャルがある」と映りました。「鉄分は貧血に、ビタミンB群は脂質や糖質の代謝促進に効果があります。女性は毎月生理があるので、貧血に悩む方は多くいます。もちろん、ダイエットにも関心が高い人が多い。そうした女性たちに向け、猪肉を提供していけるよう計画をしています」。一般の小売店で買いづらい猪肉を、女性たちにどう届けていくか。森脇さんが検討しているのが、サブスクリプションサービスです。「猪肉ビギナーにも使いやすいミンチ肉をサブスク販売するプランを考えています。ミンチ肉であれば、パスタやハンバーグといった料理に簡単に使えます。健康に関心が高い女性向けなので、管理栄養士が考案したレシピや栄養に関するお話もセットにして届ける計画です。猪肉やジビエに対するハードルが下がるのではないかと思っています」。栄養価に焦点を当てると、これまで厄介者扱いされてきた夏の猪肉のメリットが際立って見えてくるようになりました。脂がのって「うまい」とされる冬の猪肉に対し、夏場のものはより脂質が低く、カロリーを気にする人たちにとってはうれしい食材だといえます。「夏の猪肉は『八雲のイノシシ』とうたわない方がいい」。ベテラン猟師からは、そんな厳しい言葉が寄せられることもあります。自ら肉をさばく経験を重ねてきたことで、その意味を理解できるようにもなってきました。「猟師さんの意見は尊重すべきだと思っています。そのため、旬のよさがある猪肉と栄養面にフォーカスした猪肉とで分けて考えています。『1頭でも埋めない』が、私たちのポリシーであることは変わりません」。季節だけではなく、個体差も大きい野生のイノシシの利活用にはまだまだハードルも感じています。日々猪肉と向き合いながら、試行錯誤を続けています。最近では、行政からの委託を受けて、鳥獣被害対策の研修会に出向くことが増えてきました。少子化と高齢化が極端に進み、子どもが一人もいない集落を訪れることもあるそうです。「獣害対策用の防護柵さえ設置することができない」。「とにかく、イノシシを殺処分してほしい」。高齢者しかいない集落から、そう切望されることもあります。そのたびに、「1頭でも埋めない」という自らが貫く信念に沿い、できることは何だろうかと模索を続けています。「捕獲後の肉や皮の利活用のことについて、もっと知らせていきたいと思います。殺処分という方法だけでなく、猪が畑に近寄らないようにするにはどうしたらいいか。イノシシの生態を学び、啓蒙していくことも、今後は必要になってきそうです。何より大切なのは、身の回りにある資源や、我々の活動に関わってくださる地域の方々にも感謝の気持ちを忘れない、ということです」。足るを知り、自らの境遇に満足すれば、豊かな心持ちで過ごすことができる。山あいに何気なくあるものに光を当て、磨いていく森脇さんの姿勢は、そんな「知足安分」の精神を体現しているようです。

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(野生イノシシが豚熱に感染:秋田)
秋田県は19日、横手市で8日に見つかった野生の雄イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内でのイノシシの感染確認は11日に続いて7例目。県によると、山に入った猟友会員が発見し、銃で仕留めた。18日に遺伝子検査で陽性と判定された。見つかった場所は、5例目のイノシシが見つかった地点とほぼ同地点。

(野鳥から鳥インフル、簡易検査で陽性:栃木)
栃木県は19日、下野市の住宅地で回収した野鳥のノスリ1羽の死骸を簡易検査した結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。国立環境研究所に遺伝子検査を依頼し、毒性の強い高病原性かどうかを調べる。結果の判明には1週間程度かかる見込み。

(エゾシカ駆除事業「要改善」:北海道)
根室市は10日夜、市の事業を市民が評価する外部評価委員会(山下大介委員長)を開いた。9人の委員が10事業について議論し、2事業を「要改善」と評価した。市が内部評価した258事業のうち、市民目線での見直しが必要と判断した10事業を対象とした。委員は2班に分かれ、各事業を「不要」「民間(民営化)」「委託」「要改善」「現行」の5段階で評価。採決の結果、「エゾシカ有害駆除事業」「図書館図書整備事業」を要改善とし、残る8事業は「現行」となった。エゾシカ駆除事業では、猟友会根室支部に駆除を委託し、猟銃免許などの取得経費を一部補助している。委員からは「予算額に対して実績が少ない」と、利用の促進を求める声が上がった。図書館図書整備事業については、委員が「インターネット上で閲覧できる蔵書検索機能を知らない人が多い」と周知を徹底するよう求めた。市の担当者は「意見は担当課に伝え、今後の施策を考える上での判断材料にする」と述べた。

(ヒグマ「OSO18」2月末捕獲再開:北海道)
厚岸、標茶両町で放牧中の牛65頭を襲ったヒグマ「OSO18」(通称オソ18)の捕獲に向け、町と釧路太田農協などは酪農家向け説明会を開いた。同農協で17日に開き約20人が参加。道や町、捕獲に協力しているNPO法人南知床・ヒグマ情報センター(標津町)の藤本靖理事長が本年度の捕獲に向けた取り組みなどを報告した。冬眠前の足跡の残る積雪期に捕獲を目指していたが、藤本理事長は「雪が降らなかったために追跡できずに昨年は終わってしまった」と述べた。その上で、冬眠明けの来月末から改めて足跡を追跡し捕獲を試みる方針を表明。オソの足跡などの特徴を説明し、情報提供を呼び掛けた。...

(去年のクマ目撃通報2240件、統計取り始めて以来最多に:北海道)
去年、道警に寄せられたクマの目撃通報の件数は2240件に上り、統計を取り始めてから最も多くなりました。道警によりますと、去年1年間に寄せられたクマの目撃通報の件数は2240件と前の年より40件余り増え、年間の件数としては統計を取り始めた平成27年以降、最多となりました。このうち札幌市内での目撃は156件にのぼり、こちらも過去最多になりました。市内では、去年10月に南区で連日のようにクマが出没し、小中学校が登校時間を遅らせたり集団下校させたりするなどの対応に追われたほか、大みそかにも中央区の円山西町で目撃通報があったばかりです。一方、全道のクマによる人身事故は前の年より8件少ない3件にとどまりました。また、クマに襲われてけがをしたのは5人で、死亡事故はありませんでした。道警は、▼この時期も冬眠しない個体に気をつけたうえで、▼山に入る際は複数人で音を鳴らしながら行動し、▼万一、目撃しても絶対に近づかず、警察に通報するよう呼びかけています。

(2022年県内のクマによる人への被害は6件で前年の半分に:秋田)
2022年秋田県内で起きたクマによる人への被害は6件で、7月以降は被害がなく被害件数は前の年の半分に減りました。秋田県と秋田県警によりますと2022年1年間に県内でクマが目撃された件数は727件で前の年より139件少なくなりました。人への被害は6件で前の年の半分でした。このうち北秋田市の田んぼで農作業中だった男性1人が死亡したほか、5人がかまれたりひっかかれたりしてけがをしました。被害があったのは5月から6月にかけてで7月以降に人への被害がなかったのは1992年以来、30年ぶりです。県自然保護課では「秋に被害がなかった要因の一つとしては去年はブナの実の生育が良かったことなどが考えられる」としています。

(麦の芽、カモが食い荒らす:佐賀)
佐賀県の有明海に近い佐賀平野で、カモが麦の芽や野菜を食べる食害が広がっている。2年前から急増しており、2021年度の被害額は19年度の2・4倍に上る。杵島郡江北町は追い払い用に農家に打ち上げ花火を配る計画だが、効果は限定的で抜本的な対策とは言い難い。関係者は対応に苦慮している。

(イノシシ目撃件数が過去最多:香川)
香川県内での今年度のイノシシの目撃件数は、先月末までで319件と、記録が残る平成24年度以降、最も多くなりました。専門家は、出没のピークが過ぎた冬でも注意するよう呼びかけています。香川県によりますと、去年4月から先月末までに寄せられたイノシシの目撃件数は319件で、昨年度の同じ時期より146件増えて、記録が残る平成24年度以降、最も多くなりました。また、イノシシによるけが人は11人で、昨年度を通して発生した2人をすでに超えています。野生鳥獣対策連携センターによりますと、一般的に、イノシシの目撃件数は、エサとなるどんぐりの成長に影響されるということで、実りが少ない年は、イノシシが人間の食べ物に依存しようとするため、出没する確率が増えるということです。センターでは、犬を連れた散歩の際などにイノシシの被害に遭いやすいとしていて、出没のピークを過ぎた冬でも、引き続き、注意するよう呼びかけています。野生鳥獣対策連携センターの阿部豪専務取締役は「イノシシは、人間との遭遇を怖がるので、人が近づいていることを事前に知らせるように、鈴やラジオの音を出しながら歩くことは、1つの解決策になる」としています。

(ツキノワグマ、人里出没件数3割減:岡山)
岡山県内でツキノワグマの人里への出没件数が約3割減っている。県は昨春以降、集落に近づいてきたクマに対し花火などでの追い払いを徹底したことが奏功しているとみている。

(ICT、イノシシ捕獲で成果:広島)
田畑を荒らすイノシシの行動を情報通信技術(ICT)でつかみ、わなで捕らえる―。広島県三次市が昨秋まで進めた3カ年の獣害対策モデル事業に市内9地区が取り組んだ。夜の出没が多いイノシシを赤外線カメラで自動撮影し、画像が携帯電話に届く仕組み。県内でも先駆的という事業は地域にどんな効果をもたらしたのだろうか。

(市街地にクマ、対処法は?:岐阜)
岐阜県と岐阜大で設置している県野生動物管理推進センターの連続講座が、岐阜市柳戸の同大で始まった。初回はツキノワグマの生態と市街地に出没した時の対応について講義があり、一般、行政関係者、学生ら約50人が知識を深めた。野生動物の出没が増えていることを受け、最新の知見を学ぶ機会として開催。同大出身で秋田県のツキノワグマ被害対策支援センター主任の近藤麻実さんが講師を務めた。近藤さんは「熊を出没させないことが大切」と話した。人を避けて行動する習性を挙げ、「鈴やラジオ、スマートフォンで音楽を流すなど、音を立てることで、人の存在に気付いてもらうことは基本中の基本」と説明。「市街地には食べ物がない、または、あるけど食べられない状況が必要」として、田畑に電気柵を設置することなどの有効性を指摘した。出没した場合は「熊は『隠れたい、逃げたい』という心境。人が近づき過ぎると、パニックになって襲ってしまう。山などに逃げられるよう退路をつくってほしい」と話した。捕獲のアドバイスも行った。第2回は2月17日、同大でニホンザルをテーマに実施する。

(カモの食害「例年の3倍増」、ロケット花火の破裂音で麦畑から追い払う:佐賀)
カモの食害から麦を守るため、江北町は農家にロケット花火を配って駆除に役立ててもらう事業を始める。六角川に近い麦畑約200ヘクタールで被害が心配されており、18日から約200戸に計5000発程度配る方針だ。使用するロケット花火は、導火線に点火すると飛んで破裂音を出すタイプで、麦畑に侵入したカモを驚かせて追い払う。町がこうした対策をとるのは初めてで、JAさが杵島支所を通じて約15万円で花火を購入した。カモは、月が出て風がない夜に餌を求め、川やため池などから飛来するという。六角川近くの計約11ヘクタールで麦を育てている町内の岸川昌弘さん(58)は「200羽近い大群が新芽の先端を食い荒らしている。麦の成長を阻害し、収穫量が落ちてしまう。最近は昼も来るようになった」と嘆く。同JAの担当者は「餌場だった有明海でノリが不作なため、こちらに移動してきたケースもあるようだ。例年の3倍ほど被害が増えている」と話す。岸川さんは16日には、一定の間隔で音が鳴る装置を地元の農家仲間と麦畑に設置し、自衛策に乗り出した。「花火とこの装置を効果的に使い、大事な新芽を守らなければ」と気を引き締めている。

(イノシシが突進、女性けが:新潟)
新潟市の市街地にイノシシが出没し、道路を歩いていた女性に突進。女性は転倒し、軽いけがをした。18日午後10時ごろ、新潟市の市道で、道路を歩いていた50代女性が、イノシシに襲われた。女性は、突進された反動で転倒し、両ひざを擦る軽いけがをした。イノシシの体長は60cmから80cmで、警察によると、現場付近では、1カ月ほど前にもイノシシの目撃情報があったという。新潟市が、防災メールなどで注意を呼びかけている。

(鹿がいる森?いない森?:埼玉)
みなさま~、本日は「埼玉県こども動物自然公園」へお越しいただき、ありがとうございます。向かって左手をご覧ください。低木が多く、草も多く生い茂っています。では、次に右手をご覧いただけますでしょうか。低い樹木が少なく、緑がまったくないですよね。なぜ、このように違うのでしょうか?埼玉県こども動物自然公園にある、シカのいる森(右)といない森(左)の比較展示。園内の谷をそのままシカの飼育スペースにし、谷の真ん中に移動防止柵を設置するというシンプルな展示ですが、「野生鳥獣による森林被害の約7割は、シカによる枝葉の食害や剥皮の被害」と言うのがよくわかる。そう、答えは鹿がいるか、いないか。左右のスペースで鹿の往来をなくしたところ、森林環境に大きな差異が生じました。それにしても、こんなに端的に違いが出るものなのですね。日本における野生鳥獣による森林被害面積は約5,700ヘクタールで、そのうち鹿による被害が約73パーセントを占めているというデータ(2020年度)もあります。写真を見るとデータが実感を持って伝わってきます。キリン研究者である 郡司芽久さんの投稿に、フォロワーたちの反応も様々でした。「緑がぜんぜんちゃう…」「丹沢はこんな感じらしい」「かなり衝撃的」「捕食する存在が無いと増える一方ですね」「鹿居たら食害で右の状態の山ばっか」「植林した幼木も食われかねんからな…」と鹿による被害を案じる声が多く寄せられる一方で、「人間がいる地球と人間がいない地球も比較展示しないとアンフェアな気がする」といった人間の行いに言及する意見も。投稿者である 郡司芽久さんにお話を伺いました。森の木々が減っていくと、森を利用する多くの動物たちの棲家がなくなってしまうだけでなく、土砂崩れが起きやすくなるなど、私たちの日常生活にも悪い影響が生じます。鹿が増えすぎても良くないですし、減りすぎてもやっぱりまた別の悪い影響が出るでしょう。「何頭くらいの鹿が生息しているのが一番良いのか? 」といったことを研究している方々がたくさんいらっしゃるので、そう遠くない未来、鹿とヒトがうまく共存できるようになることを願っています。埼玉県こども動物自然公園を訪れたことがある方から「素晴らしい展示なんだけれども、奥まったところにあるのでほとんど人が来ていない」という引用ツイートがありました。私が行った時も、園内にはたくさんの人がいましたが、このゾーンでは1組の親子とすれ違ったくらいでした。展示はもちろん、野鳥の声や木漏れ日が心地よい素敵な散策路なので、もっと多くの方に見てもらいたいなぁと私も思います。埼玉県こども動物自然公園にある、シカのいる森(右)といない森(左)の比較展示。園内の谷をそのままシカの飼育スペースにし、谷の真ん中に移動防止柵を設置するというシンプルな展示ですが、「野生鳥獣による森林被害の約7割は、シカによる枝葉の食害や剥皮の被害」と言うのがよくわかる。

(カモ類の生息環境天竜川に移動:長野)
県諏訪地域振興局は18日、諏訪湖や流入・流出河川でカモ類の生息数調査を行い、計2210羽を確認した。今季の諏訪湖は結氷しておらず、ほぼ結氷していた前年同時期に比べて429羽多かった。調査後の報告会で流出河川の天竜川を調査した県鳥獣保護管理員は、天竜川では個体数や種類が増える傾向にあるとし、生息環境が諏訪湖から天竜川に移動している可能性を指摘した。調査ではカルガモ415羽、マガモ173羽を確認。カモ類の一種で魚食性のカワアイサは前年同期比30羽増の505羽だった。カモ類以外では魚食性のカワウが昨年同期より2倍以上多い83羽。岡谷市の横河川河口の諏訪湖で越冬するコハクチョウは10羽と少なかった。天竜川ではカルガモ、カワアイサなどカモ類の鳥を289羽確認し、他にオオバンなども見られた。鳥獣保護管理員の林正敏さんは、魚食性鳥類からワカサギなどの水産資源を守るために漁業者らが実施する追い払いの影響で諏訪湖から移動しているのではないかと述べた。県鳥獣保護管理員、県や諏訪市の職員の計11人が4班になって調査した。カモ類の生息数調査は毎年6、10、1月に実施しており、1月は環境省の全国調査を兼ねている。

(ハンター職員が対策に奔走:北海道)
およそ32万人が暮らす北海道第2の都市・旭川市。その中心部におととし(2021年)から2年連続でクマが出没しました。人的被害はなかったものの、最前線でクマの対応にあたる市職員は「人がけがをする危険性は常にあった」と振り返ります。神出鬼没のクマに振り回された反省から、ことし・2023年は“市街地にクマを寄せつけまい”と新たな対策で挑みます。去年(2022年)8月21日午前6時。旭川市中心部を流れる美瑛川の河川敷で自動カメラがクマの姿を捉えました。その3時間後、すぐ近くの市の施設の敷地内を猛スピードで走るクマが目撃されます。さらに、翌22日には、住宅街にある墓地やゴルフ場所でも目撃情報が相次ぎました。旭川市内では、おととし(2021年)夏にも、多くの人が集まるJR旭川駅や市民の憩いの場「常磐公園」の周辺でクマの目撃や痕跡の発見が相次ぎ、市や警察が対応に追われました。旭川市内でクマが出没したとき、最前線で対応にあたる旭川市環境総務課の橋口城児さんは「クマが少しずつ街に近づいてきている」と行動の変化を感じています。旭川市環境総務課 橋口城児さん「クマは基本的に人がいるところには積極的に近寄らない生き物だが、まわりを山に囲まれている旭川市は、街に複数の河川が流れ込んでいて、クマが河川敷の茂みなどを通って人の存在を感じず中心部にまで侵入してしまう」。橋口さんの指摘どおり、おととし(2021年)最初にクマのフンが見つかったのは美瑛川沿いの林でした。同じ日にはJR旭川駅に近い忠別川の河川敷にもフンが。旭川市は4日後に河川敷を封鎖しますが、その後も市内各地でクマの痕跡が見つかりました。この年の対策、橋口さんの自己採点は…。旭川市環境総務課 橋口城児さん「評価は20点くらい。対応が後手にまわってしまった。専門家によると、クマの移動距離はオスであれば1日数十キロも動く可能性がある。つまり、旭川の端から端まで移動できるということ。専門的な知見を生かすことができず、私自身も想定が甘かった」。おととし(2021年)はクマに精通している人材も不足していました。クマの痕跡を識別できる職員はハンターの資格を持つ橋口さんだけだったのです。クマ対策の定石は痕跡を見つけてその行方を追うこと。痕跡から個体の特徴を把握し、居場所を特定していくのです。橋口さんは真夏の炎天下、クマの痕跡を追い求め河川敷を歩き続けました。しかし、熱中症でダウンしてしまいました。結果、市は有効な対策をとれず、河川敷の封鎖を半年近く続けざるをえませんでした。旭川市環境総務課 橋口城児さん「『クマが市街地にいるかもしれないし、いないかもしれない』という不安な状況が長期にわたって続いた。札幌市でもクマによるけが人が出ていた時期で、旭川でも同様の事態に発展するおそれがあった」。おととし(2021年)の反省から旭川市は、去年(2022年)、クマ対策を強化しました。まず、侵入経路となった美瑛川の河川敷に電気柵を設置。そのうえで、河川敷の草を刈って、クマが身を隠せる場所をなくしました。見通しがよい場所をクマは嫌うということで、河川敷が通り道となるリスクを減らすのがねらいです。課題となっていた人材育成も進めました。「このフンはクマのものか、それともタヌキか」。「この木の傷はクマがつけたものか、あるいはシカが角を研いだ跡か」。橋口さんは若手職員2人にクマの痕跡の特徴を伝え、識別ができるようになるまで育て上げました。こうした対策が功を奏し、8月にあらわれたクマは見失わずにリアルタイムで追跡ができました。クマの行き先を想定して先回りし、市街地に侵入しないよう爆竹を鳴らしたり、市の広報車のスピーカーから音を出して巡回したりして、クマにプレッシャーをかけ続けました。旭川市環境総務課 橋口城児さん「住宅街にまで入らせないよう措置を講じることができた。前年のことも踏まえて組織としての危機感があって、全体的にかなり進化したと思う」。ことし(2023年)の橋口さんたちの目標は「クマを市街地に寄せつけない」。効果を期待しているのが「ヘア・トラップ」です。クマが興味を示すにおいをしみ込ませた「くい」を有刺鉄線で囲んだもので、体をこすりつけてきたクマの毛を採取できます。その毛からDNAを分析。一頭ごとに個体を識別して、行動エリアの特定につなげます。また、あわせて設置された自動カメラがクマを撮影。画像はすぐに職員に送られ、ただちに現場にかけつけることができます。さらに、橋口さんは人間や市街地に近づかないようクマを“教育”できないか、対策を検討しています。旭川市環境総務課 橋口城児さん「クマは学習能力が高い生き物。『人間は怖くない』、『人間はおいしいものを作ってくれる』と“学習”していることが出没の背景にあると考えられている。だからこそ、その学習能力の高さを逆手にとって、『人に近づくと痛い目を見る。これ以上先には行かないでおこう』と“学習”してもらい、人里に降りてこないようにしていきたい」。クマと遭遇したとき、冷静でいられる人はいませんが、それはクマも同様です。パニックを起こした結果、人に危害を加えるおそれがあります。突然、鉢合わせすることがないよう、橋口さんは「人間とクマが暮らす場所をすみ分けることが大切だ」と話しています。旭川市環境総務課 橋口城児さん「豊かな自然に恵まれた旭川は、すべての生き物にとって住みよい場所であってほしい。クマも人間も不幸な事故が起きないよう対策を進めていきたい」。取材で印象的だったのは、橋口さんがおととし(2021年)夏に河川敷を調査した際の話でした。バーベキューで使われたとみられる食材など、クマを呼び寄せる可能性のあるゴミが多く散乱していたということです。「両手に持ったゴミ袋が河川敷で拾ったゴミでいっぱいになった」と当時を振り返る橋口さん。変わらなければいけないのは旭川市のクマ対策だけではありません。私たち市民の意識も変わっていかなければいけないのではないでしょうか。

(愛犬と狩猟、初の頂点:茨城)
優れた猟犬を決める「全日本チャンピオン戦」(昨年12月3、4日・山梨県)で、下妻市の高橋薫さん(71)が、イングリッシュセッターの愛犬トルー・キング(オス8歳)と初の頂点に立った。富士山麓で行われたチャンピオン戦には、ブロック大会などで上位に入った3歳以上の猟犬37頭が出場。制限時間30分でコース内に潜んだキジの捜索や、飼い主の合図でキジをけしかけて飛び立たせるまでの一連の行動を競い合った。審査員がふさわしくないと判断した時は、「チャンピオンの該当なし」という年もある厳しい大会だが、高橋さんとキングの息のあった行動が評価され、4年ぶりのチャンピオン誕生となった。高橋さんが狩猟を始めたのは30歳代の頃。近所の猟師から勧められたことがきっかけだった。小さい頃から野良犬を拾って飼うなど犬が好きで、飼い主の声や笛に反応して獲物を狙う「人犬一体」の姿に魅了された。「思った通りに犬が動いて、獲物がとれた時が一番の満足感がある」と語る。週に1回、茨城や栃木県内の河川敷などで訓練を行うが、始めた当初は犬が合図に従うどころか行方知れずになってしまい、日が暮れることもしばしば。先輩猟師の訓練や大会に同行しては、技を盗んで訓練に取り入れた。モットーは「なるべく犬の自由にさせて、うまくいったら褒め抜くこと」。犬にストレスがかからないように向き合えば、犬も次第に飼い主に心を開いてくれる。その姿勢を続けると、全国大会出場など次第に成績もついてきた。キングとの出会いは約8年前。先輩猟師から子犬だった頃に譲り受けた。キングの血統は数ある大会で優勝経験を持っていた。隠れた獲物を見つけ出す感性を受け継ぎ、子犬ながら果敢に茂みに飛び込んでは獲物のかすかな匂いをかぎつけて瞬く間に探し出した。「20頭近くの犬を育ててきたが、明らかに他の犬とは違った部分はあった」と高橋さん。キングも、高橋さんの愛情に応えるかのように懐くようになった。こうして培った強固な信頼関係で勝ち取ったチャンピオンの称号。高橋さんは「犬と楽しく運動するような感覚で猟をしていただけで、結果が付いてきた」と謙虚に振り返るが、「周りから祝福されてようやく実感できるようになった」と喜びをかみしめている。昨春には、キングの子供が生まれた。スーパー・エリー2と名付けたメスは、早くもキジを2羽捕まえるなど頭角を現しているという。高橋さんは「楽しみながら訓練して、今度はエリーとチャンピオン戦に出られればうれしい」と目標を語った。

(無許可でエアガン改造し所持、男を書類送検:北海道)
北海道札幌市の自宅で黒色火薬を所持したなどとして逮捕・起訴された男を、警視庁が、無許可でエアガンを改造し改造エアガンやナイフなどを所持したとして書類送検しました。警視庁によりますと、書類送検された諏訪博宣被告は、札幌市の自宅マンションで2017年に、無許可でおもちゃのエアガンを改造して金属製の弾丸を発射できるエアガンを製造し、去年10月には改造エアガンやナイフなどを所持した疑いが持たれています。去年7月に起きた安倍元首相の銃撃事件を受け、警視庁がネット上で警戒していたところ、改造エアガンを販売しているとみられる諏訪被告を見つけ、発覚したもので、調べに対し、「子どもの頃からエアガンやナイフが好きだった」「ネットで調べてエアガンを改造した」などと容疑を認めているということです。諏訪被告は去年、自宅で黒色火薬を所持していたとして逮捕・起訴され、その後、手製の銃を製造したなどとして追送検されています。

(東京湾にトド!?羽田空港付近の波消しブロック上で発見:東京)
大阪湾のクジラの次は、東京湾でトドとみられる生物が見つかり、大きな話題となっている。17日には羽田空港の滑走路そばの波消しブロックの上で寝そべったり、はうように水辺へ近づく様子が見られた。午後には海へ飛び込み、姿を消したという情報もある。埼玉県朝霞市の男性会社員(35)は15日、ボートに乗って東京湾で釣りをしている最中に目撃。「あまり元気がなさそうな様子でしたが、2分くらい見ていたら海に入って沖の方向に泳いで行きました。泳いでる様子は元気そうに見えました」と話した。トドを飼育しているおたる水族館(北海道小樽市)で飼育部次長を務める梶征一さん(54)によると「トドは基本は群れで行動し、冬の時季は北海道付近に南下してくる」といい、1頭だけ東京湾の方へやって来ることは「あまり聞かない」という。発見された個体に関して食事ができているかを心配する声もあるが「蓄えにもよるが、トドは1、2週間は食事しなくても大丈夫なことが多い」と述べた。2014年11月には千葉県山武市の海岸で発見されたトドが水族館に保護されたケースもある。だが、梶さんは「保護は簡単ではない」という。「トドは臆病で人間が近づくとおびえて海に逃げたりしてしまう。かまれることもあり、かむ力はクマにも匹敵する」と近づくことの難しさを指摘した。大阪湾の淀川河口のクジラはSNSで「淀ちゃん」と呼ばれて注目の的になったが、13日に死んだことが確認された。東京湾に出現した“トド”の今後の動向が注目される。≪淀ちゃん海に沈める≫大阪市の淀川河口近くで死んでいるのが確認されたマッコウクジラについて、松井一郎大阪市長は17日、大阪湾の沖合に運んで沈める方針を明らかにした。破裂を防ぐためたまったガスを抜き、船で運搬。今週中に処理作業を終えたい意向。骨格標本として博物館に提供するため陸揚げする選択肢もあったが、引き取りの申し出がなかったとした上で「海に返してあげたい」と述べた。

(20年かけイノシシ1000頭捕獲:山口)
山口県田布施町下田布施の農業清神(せいじん)清さん(75)が、20年かけてイノシシ千頭を捕獲した。近所の畑が荒らされるという困り事相談をきっかけに狩猟を始め、箱わなの大きさや餌の置き方などに試行錯誤を重ねた。動物と人が共存できる里山を目指している。

(冬の新作弁当“マタギ弁当”完成:岡山)
地元の食材を使った手作り弁当でまちおこしに取り組む鏡野町のグループが、シカやイノシシの肉を使って作ったこの冬の新作弁当が完成し、18日、お披露目されました。地元の道の駅で開かれた完成発表会では、鏡野町内の飲食店や民宿などで作るグループ「鏡野やま弁友の会」が、県北で捕獲された野生のシカやイノシシの肉を使って作った3種類の弁当が紹介されました。完成したのは、シカのヒレ肉の串カツと、シカのもも肉のミートボールが入った弁当と、シカ肉と卵の2色のそぼろが玄米ごはんにかけられた弁当、それにシカ肉のハンバーグと、イノシシ肉の甘辛炒めが入った弁当で、猟師をイメージし「マタギ弁当」と名付けられています。シカの串カツ弁当を作った飲食店の丸山恵さんは「いずれもジビエの特長を生かしたおいしい弁当に仕上がっています。なかなか味わえないジビエ弁当をこの冬にぜひ食べてみてほしい」と話していました。この弁当は1月21日から2月26日まで、1個1200円で販売されます。購入するには2日前までの予約が必要で、道の駅「奥津温泉」など、鏡野町内の6か所で予約を受け付けるということです。

(熱々のクマ汁で温まって:京都)
京都府京丹波町産の食材をふんだんに使った「クマ汁」を味わえるイベントが28日、同町坂原の道の駅「和」で開かれる。地元・和知地域の若手事業者でつくるサークルによる初めての企画で、メンバーは「熱々のクマ汁で体の芯から温まって」と呼びかける。イベントサークル「SEW」は飲食業や小売業などを営む9組が昨年末に立ち上げた。「Season Event Wachi」の略で、町内外から人を呼び込んで、地域の魅力を発信しようと取り組む。クマ汁のイベントは、ジビエ(野生鳥獣肉)の中でも希少なクマ肉をより多くの人に手軽に味わってもらおうと発案。レシピは冬季に熊料理を提供している同町本庄の料理旅館「角屋」5代目の野間俊亮さん(38)が監修した。クマ汁は丹波地域で捕れたクマ肉と同町で作られた豆腐やラディッシュなどを合わせ、具だくさんであっさりとした口当たりに仕上げるという。野間さんは「仕入れ先を見つけるのが難しく、提供する店も少ないクマ肉を、和知で味わってもらいたい」と話している。クマ汁は1杯800円で100食限定。地元野菜などを販売するマルシェや、絵本の読み聞かせイベントも開かれる。

(房総ジビエコンテスト:千葉)
イノシシとシカの肉を使ったレシピで腕を競う「房総ジビエコンテスト」(千葉県主催)が、千葉市緑区で行われ、南房総市の和食店「隠れ屋敷 典膳」の山本剣さん(49)の「ジビエつくねと季節の野菜の炊き合わせ」が最高賞の県知事賞に輝いた。料理人の傍ら、農業や狩猟も行う山本さんは「ジビエを多くの方に味わってもらうきっかけになり農作物被害を減らせれば」と期待した。同コンテストは、農作物を食い荒らす野生鳥獣の肉を「房総ジビエ」と称し消費拡大を目指す取り組みの一環で、2018年度から毎年開催されている。県内では野生鳥獣による農作物被害が多発しており、21年度の被害額は約3億円。一方、捕獲しても9割近くが廃棄され有効活用されていなかった。5回目となる今年は、ジビエ料理の敷居の高さを払拭(ふっしょく)するため「販売価格を税込み1100円以下」に限定。県内外から23人の料理人がエントリーし、書類審査を通過した5人のメニューを実食して審査した。山本さんはイノシシのミンチ肉のつくねと、旬の県産野菜を煮て盛り付けた「炊き合わせ」と呼ばれる和食を調理。つくねにすることで別のジビエ肉や部位でも代替が可能となり、余すことなくジビエを食べることができるという。審査員からも「つくねがふわふわでだしと相性が良い」「継続して提供できるよう考えられている」と好評だった。今回は熊谷俊人知事も5メニューを試食。「ジビエがこんなにおしゃれでおいしい料理に変わるなんて。命を食として活用できるよう、これからも千葉のジビエを広げていきたい」と話した。2位に当たる県農林水産部長賞は、千葉市中央区の「ホテルポートプラザちば」の料理人、村上碧さん(22)の「県産野菜と猪バラ肉団子の中国風薬膳スープ」が受賞。山本さんの料理などコンテスト上位入賞作品は、20日から県内飲食店で開催される「房総ジビエフェア」で提供される。

(「阿波地美栄まつり」を開催:徳島)
徳島県内で捕獲され、衛生的に処理がなされた県産ジビエ「阿波地美栄」の消費拡大キャンペーンとして、「阿波地美栄」を使った鍋料理やカレー、ハンバーガーなど多彩なメニューが楽しめる「阿波地美栄まつり」を、令和5年1月20日(金)から令和5年3月12日(日)まで開催します。 キャンペーンには、徳島県内外の飲食店40店が参加し、そのうち3店舗以上を回ると、抽選で10名様に「阿波地美栄」や「阿波地美栄加工品」が当たります。徳島県では、野生鳥獣防止のために捕獲されたシカやイノシシを有効活用し、地域の活性化につなげることにより、「地域が美しく栄えてほしい」との想いを込めて、県内で捕獲され、ジビエ処理加工施設で衛生的に処理加工されたシカやイノシシの肉を「阿波地美栄」と名付け、普及と消費拡大に取り組んでいます。阿波地美栄のおいしさや魅力を伝え、多くの方々に広く親しんで頂くため、徳島県内外の飲食店40店舗で、阿波地美栄を使用した多彩なメニューが提供されるキャンペーン「阿波地美栄まつり」を開催します(一部期間限定・要予約店舗あり)。また、期間中に3店舗以上を回り、阿波地美栄料理を食べると、抽選で10名様に阿波地美栄のお肉や加工品が当たる「阿波地美栄スタンプラリー」も同時開催いたします。徳島の豊かな自然で育った安心・安全なジビエを、この機会に是非ご賞味ください。

(お騒がせ猪、丹沢ジビエに:神奈川)
秦野市街地に昨年出没し、2人のけが人を出すなどしてメディアを騒がせたイノシシ。この肉の一部が鶴巻温泉駅エリアの「丹沢ジビエ」に生まれ変わり、市内外に出荷されている。このイノシシは昨年11月24日、平和橋付近や桜土手古墳公園、本町中学校、イオン秦野ショッピングセンターなどで目撃され、はだの都市農業支援センター職員や警察官らに末広小で捕獲された。体重88・6kgの巨体は即日伊勢原市の阿夫利山荘に搬入され、血抜き処理などが行われた。これを購入したのが、「ジビエの食べられる街鶴巻温泉」の取り組みを行う飲食店等に、同山荘から仕入れた肉を卸している川上商会。川上拓郎社長によるとイノシシからは40kgほどの食用肉が取れ、うち半分ほどを同社が購入したという。阿夫利山荘と川上商会は兼ねてより取引きがあり、「お互いに”噂のイノシシ”を売買するつもりでいた」と川上社長。川上商会では鶴巻温泉エリアの飲食店のほか東京都目黒区や横浜市、大和市の飲食店にも販売しモモ肉の網焼きや、牡丹鍋等で提供されたという。また、個人で買いに来た人もいるそうだ。「みなさんニュースを見ていて、販売時に話題に事欠かなかった。これがきっかけで少しでも秦野のジビエが広まれば」と川上社長は話した。

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(冬でも活動するクマ、市街地の「ゴミに関心」:北海道)
冬場を迎えても、札幌市内でクマが目撃されるケースが近年増えている。昨年末には、同市中央区の住宅街に出没した。エサとなるドングリの生育状態が昨秋良かった上、今冬は降雪が遅かったため、冬眠が遅れているとみられる。「真っ白な雪の中から急に黒い影が現れ、よく見たらクマだった」。中央区の中央児童相談所近くに住む90歳代の女性は、昨年12月31日の白昼の出来事を恐怖とともに振り返った。自宅の台所の窓から外を見ると、クマが道路を足早に横切った。「安心して外に出られない」と声を震わせた。近所の50歳代の女性は同じ日、自宅の敷地内でクマの足跡を見つけた。「子供に一人で外に出ないよう言い聞かせた。しばらくは近くにゴミを出すときでさえ、車を使った」とおびえた様子で話した。北海道警札幌西署などによると、クマの体長は約2メートルで、同日昼過ぎには、児相の周囲でクマが歩いているという通報が相次いだ。クマは、南西の山から下りてきて市街地を通り抜け、北西の山に向かったとみられる。市によると、12月から3月の冬季に市内でクマの出没が確認されたケースは、昨年度は10件、2020年度は4件、19年度は2件だった。今年度は、12月末までにすでに7件確認されているという。道警のまとめでは、19年度以降、道内の冬季の目撃情報は、毎年約40~50件あり、この冬は今月12日までに18件寄せられている。北海道猟友会の堀江篤会長は「12月に入っても比較的温暖だった地域では、出動要請の件数が増えている」と話す。クマは冬の間、体力を温存するために冬眠する。しかし、クマの生態に詳しい道立総合研究機構の間野勉・専門研究員によると、食べ物が残っている場合や、秋に十分な栄養補給ができた場合、冬でも活動を続けることがあるという。道の調査では、昨秋の石狩地方は、クマが食べるドングリが直近の数年間に比べて豊作だった。間野研究員は「食べ物が豊富にあることが、冬眠に入る時期を遅らせた理由の一つ」とみる。冬に活動するクマの特徴は、好奇心旺盛な若い個体が多く、人間が出すゴミに関心を示し、市街地に出没する恐れがある。間野研究員は「冬にクマが活動をやめると思い込むのは危険だ。各家庭が決められた場所と時間以外にゴミを出さないルールを徹底する必要がある」と呼びかけている。

(駆除シカ活用を考える催し「えぞ鹿フェスティバル」:北海道)
農作物を食い荒らしたり交通事故を起こしたりとエゾシカによる被害は後を絶ちません。シカの駆除も進んではいますが、そのほとんどは廃棄物として処分されています。そんなシカの命を「余さず活用しよう」という動きが中標津町で進んでいます。11月下旬、町内で開かれた「えぞ鹿フェスティバル」です。20あまりの個人・団体が参加しシカの魅力をPRしました。中でも人気だったのは「中標津レザー」の商品。柔らかく自然の風合いがいかせるとして東京の革製品の職人も作品を販売しました。このイベントの目的、それはシカの命を余すことなく活用しようということです。中標津町エゾシカ対策協議会会長 武田健治さん「少し前まで駆除したシカは全部、産業廃棄物ということになっていたんですよ。それは、ちょっと違うんじゃないかと。みんなで話し合って命に対して向き合っていきたいということになった」。中標津町では5月から9月までがシカの駆除期間。およそ900頭が駆除されますが、その98パーセントが有効活用されています。それは町内の2つの民間の加工施設がシカを受け入れているから。この施設では、町内で駆除されたシカの3分の2が解体されます。春から夏に駆除されたシカは脂が少なく食肉としての需要は多くありません。しかしペットフードであれば肉を活用できます。鮮度によって生肉やレトルトなどに加工していてアレルギーのあるペットにも安心して使えると評判になっています。in-u代表 菅美子さん「実際に目の前に使われないシカがいるとしたら、それはちょっと見ていられないですよね。農業被害のため、駆除はしかたない部分もあるので、そのシカたちをちゃんと使ってあげようという、本当に素直な気持ちですね」。道によりますと、中標津町のように活用率を公表している自治体は珍しく、道内の各地域におけるシカの活用率は分かっていないのが現状です。ただ、道内では毎年8万頭前後が駆除されていて、その多くは活用されていません。中標津町では、加工施設の他、ハンターや消費者なども協力しておよそ10年かけてシカを産業として成り立たせました。同じようなことをほかの町で根付かせることは簡単ではないかもしれませんが「命を余さず活用する」ことは今後、道東の地域全体で考えていくテーマではないでしょうか。

(危険な「タカサゴキララマダニ」の被害、付着したイノシシが人家付近に運ぶ:栃木)
ウイルス感染症を引き起こす恐れがある「タカサゴキララマダニ」の被害が近年、栃木県足利市などで広がっていることが、足利赤十字病院の内科非常勤医師・島田瑞穂さん(55)らの研究でわかった。自宅周辺での被害が多く、マダニが付着した野生のイノシシが、人家付近まで運んでいるとみて注意を呼びかけている。タカサゴキララマダニは成虫の体長が5~6ミリで、血を吸うと2倍ほどの大きさになるという。関東以西に生息し、幼虫、若虫、成虫とステージごとに1回ずつ吸血する。島田医師によると、県衛生研究所などが過去に行った調査で、県内にタカサゴキララマダニはほとんどいないとされていた。ただ、足利赤十字病院では、2015年に4件、16年に7件の被害が確認され、17年は22件、18年は19件、19年は21件と増加の兆しを見せていた。そこで島田医師は、県猟友会足利中央支部などの協力で、21年に1年ほどかけて調査を実施。市内で害獣駆除のため捕獲されたシカ47頭、イノシシ40頭について、付着したマダニを採取した結果、イノシシからタカサゴキララマダニが多く見つかった。同支部の阿部辰三支部長によると、渡良瀬川と里山に囲まれた足利市は、イノシシにとってすみやすい地形だという。また、21年2月に発生した大規模な山火事の影響で、「里山のイノシシがすみかを失い、街の近くにすむようになったようだ」と指摘する。17~19年の3年間で、マダニ被害で同病院を受診した72例のうち、市内で被害に遭ったのは59例。その中の40例は、山林でのアウトドアの最中ではなく、自宅周辺で遊んだり作業したりしている時に起きていた。島田医師は「庭や畑を荒らすイノシシが民家に近づいており、タカサゴキララマダニも身近にいるということ」と警鐘を鳴らす。タカサゴキララマダニに刺されても痛みやかゆみなどの症状はなく、気づかない人も多いという。ただ、中には「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス」を保有するマダニもいる。SFTSウイルスは人やネコなどに感染し、致死性が高く全国で死亡例が出ている。島田医師は、対策として「屋外での作業時は長袖長ズボンを着用し、入浴時に体を触って硬い異物が付いていないか確認を」と訴える。肌を刺したマダニを見つけても、無理にはがすと口の部分が皮膚内に残り、切開が必要になることがあるため、除去が難しい場合は病院での処置を勧めている。

(山林で巻き狩り展開、シカ捕獲:岐阜)
郡上市猟友会白鳥支部は十五日、白鳥町白鳥の山林で、シカ、イノシシの駆除と会員の交流を目的とした「共猟会」を開いた。

(獣がいフォーラム:兵庫)
獣がい」ってなに?野生動物による農作物などへの害は”獣害”と表記されることが一般的です。しかし本来、野生動物は豊かな里地里山の構成員。そして人口減少・高齢化社会の現在においては、「害」を軽減しながら地域も活性化していく新たな対策が必要です。このフォーラムでは、被害を受ける当事者だけでなく地域内外の多様な関係者が協力できる仕組みをつくり、野生動物を地域にとってプラスの存在に変えていく”獣がい”対策を考えます。

(「シシ喰い祭り」3年ぶりに五穀豊穣と無病息災を祈る:熊本)
五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」が熊本県玉名市で行われました。イノシシのはく製を前に神事が行われたのは、滑石諏訪(なめいしすわ)神社の「シシ喰い祭り」です。祀られる神が、かつて畑を荒らすイノシシを退治し、その肉を村人に分け与えたという言い伝えに由来して、毎年1月17日に行われています。祭りのメインとなるのは、その年に1人だけ選ばれる福男が神社の池に入り、御幣(ごへい)を付けた竹竿を立てるという儀式です。福男 松岡孝親さん「家内安全で健康でありますように、家族と校区の繁栄を祈っています」。3年前までは地元住民が集まってシシ肉を食べていましたが、おととし2021年から新型コロナウイルスの影響で「シシ喰い」は行われず、肉は各区の代表に手渡されました。

(クマの目撃情報:和歌山)
16日午後1時半ごろ、和歌山県田辺市城山台から上富田町に至る市道付近で、クマの目撃情報があった。市は、防災・行政メールなどで注意を呼びかけている。

(住宅地でクマを目撃か:北海道)
17日夜、十勝の足寄町の住宅地でクマと見られる動物を目撃したと通報があり、警察が付近の住民に注意を呼びかけています。午後6時45分ごろ、足寄町西町8丁目の住宅地で住民から「子どもが自宅前の空き地でクマを目撃した」と警察に通報がありました。警察が駆けつけたところ、通報のあった現場には野生動物のものとみられる足跡が残っていたということです。目撃情報では、クマと見られる動物は住宅地の中を走って逃げたということで、警察がパトカーを出して警戒にあたっていますがこれまでのところクマは確認されていません。警察はパトロールを続けるとともに、付近の住民に注意を呼びかけています。

(ジビエ、自慢の味巡って:高知)
シカやイノシシの肉を使ったオリジナル料理が味わえる「よさこいジビエフェア2023」が15日、県内の飲食店39店舗で始まった。2月28日まで。3店舗でスタンプを集めると、ジビエの加工品などが当たるラリーも実施している。県が年間1億円超に上る鳥獣による農林水産業被害を減らすため、狩猟した野生鳥獣の食肉であるジビエの消費拡大を図ろうと企画。大豊町の「永渕食堂Shanti」は、町内で捕獲されたイノシシの肉を煮込んだインドカレーがメインの「ジビエプレートランチ」(税込み1600円)を提供。シェフのビノッド・プラサード・グプタさん(46)は「13種類のスパイスと合わせ6時間かけて煮込んだ。臭みはなく、軟らかい食感が楽しめる」と胸を張る。高知市の「Bistro Chez‐Kadaux」は、赤ワインとニンニクのソースと相性ぴったりの「鹿肉のロースト」(同1800円)が自慢。オーナーの門田昇さん(57)は「ヘルシーであっさりとした味わい」と話す。

(篠原ともえがデザイン、エゾシカ革の着物展示を記念した動画:埼玉)
埼玉県草加市の地場産業「SOKA LEATHER」の革職人達が、デザイナー篠原ともえとともに制作したエゾシカ革の着物「THE LEATHER SCRAP KIMONO」の一般公開を記念した動画「HOMECOMING to Soka city」を公式サイトとYouTubeチャンネルで公開した。THE LEATHER SCRAP KIMONOは、現在、埼玉県草加市文化会館内の伝統産業展示室に展示されている。展示期間は3月31日までを予定している。

(わかやまのジビエ味わって:和歌山)
和歌山県は14日、田辺市稲成町のオークワパビリオンシティ田辺店で、県内の飲食店や宿泊施設が参加してさまざまなジビエ料理を提供する「わかやまジビエフェスタ2022―23」(2月28日まで)のPRイベントを開いた。県内では野生鳥獣による農作物の被害が深刻で、イノシシやシカの捕獲を進めている。合わせて、それらを食資源として活用しようと、食品営業許可を得た県内施設で処理、加工された野生のイノシシやシカ肉を「わかやまジビエ」として提供している。ジビエの魅力を広めようと、毎年12月から2月まで「わかやまジビエフェスタ」と題し、県内の飲食店や宿泊施設の協力を得て、ジビエ料理の提供をしている。2011年度からの取り組みで12年目。今回は93店舗が参加している。PRイベントでは、県畜産課の上田雅彦課長補佐が「農作物の鳥獣による被害は県内で年間2億~3億円あり、有害捕獲を進めている。命を奪うだけでなく、おいしく食べようと取り組んでおり、背景に農作物被害があることを知ってほしい。ジビエは味わい深い食材。通年ジビエを扱っている店もあるので、フェスタ期間以外もぜひ食べていただければ」と呼びかけた。「わかやまジビエ応援隊」によるトークショーがあり、隊長を務めるモデルの本谷紗己さんと、隊員でお笑いトリオ安田大サーカスのHIROさんが、ジビエのおいしさなどを語り、来場者にパンフレットを配布してPRした。じゃんけん大会で、わかやまジビエのプレゼントもした。わかやまジビエフェスタのホームページでは、参加飲食店やジビエメニューなどを紹介している。ぼたん鍋、ハンバーグ、パスタ、バーガー、カレー、コース料理の一品など多彩な料理がある。日高エリアで6店舗、西牟婁エリアで11店舗、東牟婁エリアで7店舗が参加している。

(ジビエビジネスに挑む若き経営者:京都)
畑を荒らす厄介者のシカやイノシシ。捕獲された後、どうなるかご存じですか?ジビエに活用されるのはおよそ1割。残りの多くは、処分されるのが現状です。「せめておいしく頂きたい」。シカの獣害対策に携わりながら、余すことなく活用しようと奮闘する25歳の若き社長を取材しました。「シカは地域の資源になっていくと思うんです」。笠井大輝さん(25)は、京都府笠置町でシカ肉の加工販売会社を経営しています。大学4年生だった4年前(2019年)、ゼミ仲間2人と共に会社を立ち上げました。シカの捕獲、加工、販売のすべてを自社で行うビジネスモデルを実現しようとしています。笠井さんは大阪府八尾市の出身。狩猟とは縁遠い生活を送っていましたが、学生時代に各地の地域課題を学ぶ中で目の当たりにした光景に衝撃を受けました。笠井大輝さん「地域住民の方に裏山へ案内してもらいました。そこには25メートルプールぐらいの大きな穴があり、捕まえられたシカとイノシシが毎日運び込まれていました。あたり一面に死がいが広がっていました。見た目もすごくショックでしたし、においも強烈でした。それが認められなかったというか、このまま放っておいてよいわけがないと感じました」。「自分たちで1からすべて勉強して、おいしく消費できる社会にしていきたい」。“裏山”での体験からわずか3か月後には狩猟や精肉技術を学びはじめ、年内に会社を設立。ビジネスの出発点である獣害対策は近年のシカの増加とともに、重要性が増しています。全国のニホンジカの数は2014年度までの25年間でおよそ10倍に。獣害被害が日本各地で深刻化し、農林水産省によりますと、2021年度の農業被害は155億円にのぼりました。このうち、もっとも多いのはシカによる被害です。農林水産省 鳥獣対策・農村環境課 藤河正英課長「貴重な植物を食べてしまったり、農作物に被害を及ぼしたり、自動車や列車に衝突したりといったさまざまな社会問題を起こすような状況下で、シカの捕獲をしなければならなくなっています」。国を挙げた対策の効果もあり、シカの捕獲頭数も増えています。しかし一方で、捕獲されたシカなどのうちジビエとして食用に活用されるのは、およそ1割にとどまります。ヨーロッパなどと違って日本はジビエになじみが薄いことに加え、野生動物の食肉加工の難しさが障壁となっているのです。笠井さんが学生時代に目にした、シカなどの死がいが広がるショッキングな光景は、こうした現実が引き起こしています。農林水産省 鳥獣対策・農村環境課 藤河正英課長「シカをしとめた後に時間をおいてしまうと、肉質が悪くなるなどして食用には適さなくなります。近くに食肉処理施設がない場合は、しとめた後に短時間で運ぶことができない個体が結構あり、例えば山奥で捕獲された個体などは利用できるにもかかわらず数多く廃棄されることは事実だと思います」。笠井さんは、いくつかの工夫と新しい発想でこうした課題を解決しようとしています。1つ目のカギは「生け捕り」です。通常、シカは捕獲した現場でとどめをさすのが一般的です。しかし、笠井さんたちは猟銃は使わず罠を使ってシカを捕獲。生きたまま加工施設まで連れていきます。現場でとどめをさす方法と比べ、知識や経験、体力が必要とされますが、しとめてから加工までの時間を最小限にできるため、臭みを抑えられ、日本の消費者にも受け入れられる品質を追求できるといいます。さらに、野生動物の課題である安定供給に向けた道も、同時に開けると笠井さんは考えています。シカを生きたまま連れ帰ることで、鮮魚の“いけす”のように、一時的に飼育しながら需要に応じて出荷できるためです。笠井大輝さん「お客さんから『本当にシカ肉とは思えないほどおいしい』とか『シカ肉の概念が変わりました』っていう感想はよく頂いてます。経営者冥利に尽きるというか、やってきてよかったなと、すごく思います」。2つめのカギは、販路の開拓です。商品の販売にあたっては、飲食店への卸売りといった従来の販路だけでなく、ネットを活用した販売にも力を入れています。これにより、家庭に直接商品を届けられるほか、これまでシカ肉を食べたことがなかった若い世代へのアプローチも可能になりました。特にコロナ禍では、飲食店の需要が低迷するなか、売り上げの8割をネット販売が占め、業績を支えました。消費者の健康志向が高まる中、高タンパク・低脂肪で知られるシカ肉は今後さらに人気となり、ビジネス拡大のポテンシャルがあると笠井さんは考えています。笠井大輝さん「代替肉や人工肉などが話題になっていますが、日本ではジビエを食べることも1つの選択肢として、かなり可能性があると日々感じています。なぜ全国で捕獲されたシカなどの9割が廃棄されてるかというと、廃棄した方が楽だしお金もかからないからであって、事業として成り立つことが示せれば、ジビエのビジネスに続く方はこれからどんどん増えてくるんじゃないかと思っています」。食肉事業が軌道に乗った今、笠井さんは新たに革製品の制作や販売に向けて挑戦しています。シカ1頭のうち食肉に加工できるのは体重のおよそ2割にとどまるため、肉以外の部分にも活路を見い出そうとしているのです。革職人から革のなめし方などを基礎から学び、今ではほぼすべての工程を自分たちで行えるということです。クッションカバーや名刺入れ、ブックカバーといった革小物を試作。きめが細かくて柔らかいシカの革の特徴に加え、鮮やかでおしゃれな色使いが印象的です。刻印にはブランド名とともに3匹のオオカミをあしらいました。かつてシカの天敵だったオオカミに代わって、これからは自分たちがシカを捕まえ活かしていく、という思いが込められています。準備が整い次第、自社サイトなどで製品の販売を本格的に始めることにしています。笠井大輝さん「2021年度に笠置町で捕獲されたシカはすべて私たちのところで処理をして流通させることができました。全国では90%捨てられてしまう動物が笠置町では100%活用されているというのは、社会的にもすごく意味のあることだと思います。こうした事例が少しずつ増え、やがては日本全国で100%活用されることを目指していきたいと思っています」。取材中、「僕たちが目指すビジネスを実現できれば、シカはもはや駆除する対象ではなく『収穫』という概念になっていくんじゃないかと思います」とまっすぐな瞳で話す笠井さんがとても印象的でした。自分たちの思いに向き合い、一歩ずつ進む笠井さん。SDGsや健康志向といった消費者の変化を追い風に「駆除」から「収穫」へと潮目を変えようとしています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後6時40分ごろ、仙台市青葉区荒巻坊主門にクマが出没しました。

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