<射撃ニュース2月>
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(銃声聞こえ、自宅の窓に穴:栃木)
11日午前10時半ごろ、栃木県小山市上泉の契約社員の男性(63)から、銃声のような音が聞こえて自宅の窓ガラスが破損していると通報があった。小山署が調べたところ、住宅1階の窓ガラスに数カ所穴が開いていて、屋内や庭で散弾銃の弾が見つかった。けが人はなかった。住宅近くはカモ猟が行われている区域で、男性は銃声のような音を3回聞き、屋根にパラパラと何かが当たる音もしたという。署は狩猟中に誤って散弾銃が住宅に撃ち込まれた可能性があるとみて調べている。

(害獣駆除の報奨金着服で懲戒免職:徳島)
徳島県勝浦町は、有害鳥獣駆除の報奨金、約1557万円を着服していたとして、農業振興課に勤務する40代の男性主事を7日付で懲戒免職処分にしました。懲戒免職となったのは徳島県勝浦町農業振興課に勤務する40代の男性主事です。町によりますと、この男性主事はシカやイノシシなど有害鳥獣駆除の報奨金を一部負担する、町の有害鳥獣対策協議会と猟友会、双方の事務を担当。2018年度から今年度までに猟友会の会員に支払う報奨金、約1557万円を着服したということです。去年12月、猟友会から「不明な点がある」と連絡があり、着服が発覚しました。男性主事は着服を認めていて「金は生活費や仮想通貨の運用にあてた」と話しているということです。男性主事は着服した金を町に全額弁済しています。町は「刑事告訴はしない」とした上で「二度と不正を起こさないための仕組み作りに取り組む」としています。

(帰還困難区域のイノシシ減少、捕獲効果に豚熱?:福島)
帰還困難区域で捕獲されるイノシシの数が急減している。今年度の捕獲数は1月末現在で149頭と、前年同期比の約1割に。昨年12月は2013年度の捕獲事業開始以降、初めて「月間ゼロ」を記録した。事業を担う環境省は「(豚やイノシシに感染する)豚熱の影響と、これまでの捕獲の効果だ」と説明している。東京電力福島第一原発事故後、県内では野生のイノシシが増え続けた。県によると、震災前は約2万頭だった推定生息数は、18年度には5万4千~6万2千頭と約3倍になった。避難で人が少なくなった地域に生息圏を広げたことも一因とみられる。特に住民が避難を続ける帰還困難区域では、空き家に侵入されたり、田畑が荒らされたりするケースが目立つように。このため帰還の準備や地域の再建に大きな支障が出るとして、環境省が対策を進めている。環境省によると、帰還困難区域で捕獲事業を行っている5町村(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村)での捕獲数は、20年度の2252頭をピークに21年度から減少に転じ、今年度は激減している。担当者は「(浜通り地方で)昨年4、5月に豚熱の陽性が確認された後、減った。ここ数年の捕獲効果もあった」と話す。県自然保護課によると、豚熱は21年度に会津や中通り地方で確認され、今年度に入って浜通り地方にも広がった。担当者は「豚熱は毒性が強くないので数年経てばまた増える。油断せずに捕獲できる力を蓄えておくことが必要だ」と話す。

(ヒグマ駆除へ射撃技術の試験導入:北海道)
ヒグマの市街地への出没が相次ぎ、被害が懸念されるなか、札幌市の猟友会はヒグマの駆除に求められる射撃の技術などを審査する試験を新たに導入するなど若手ハンターの育成を強化しています。道猟友会札幌支部はヒグマの市街地への出没に備え、札幌市からの委託を受けて、射撃の高い技術を持ったハンターからなる「防除隊」を設け、駆除にあたっています。「防除隊」のメンバーは駆除に有効な口径の大きな銃を街なかで扱う高度な技術が求められるため、これまでは猟友会の部会長が推薦した60代以上のベテランばかりで、担い手の確保が課題となってきました。このため、猟友会は、口径の大きな銃による射撃の精度や、銃を扱う上でのコンプライアンスなどを実技や面接で審査する試験を新たに導入するなど若手ハンターの育成を強化しています。道猟友会札幌支部の奥田邦博支部長は「試験の導入で、防除隊のクオリティーを下げることなく、安全を担保しながら若手を教育していきたい」と話しています。

(東北で野生イノシシ急増:青森)
東北地方で近年、野生のイノシシが増えている。農作物を荒らす被害に加え、豚熱を媒介する恐れもある厄介者だ。各県が対応に追われる中、青森県はドローン(無人航空機)を活用した捕獲の実証実験に乗り出した。対策の現場をのぞいた。1月28日早朝、青森県十和田市西大沼平の雪原に、県や市の担当者、地元猟友会メンバーら約15人が集まった。午前8時前、前日にイノシシの足跡が確認された場所の近くから1機のドローンが飛び立った。このドローンには、カメラと熱を感知する赤外線センサーが搭載されている。上空からカメラで新たな足跡を捜すとともに、センサーでイノシシ自体も見つけ出し、最後は猟友会メンバーが仕留める算段だ。スピーカーも付いており、リアルな犬の鳴き声を出せる。これで猟犬の役割を果たせるかどうかも検証するという。これまで岩手県や山形県、福島県では、獣道になりそうなやぶなどを刈り払う際、位置を把握するためドローンが用いられた例はある。一方、捕獲そのものを目的に導入する例は珍しく、成果が注目されている。ドローンを操縦するのは猟友会メンバーで「ドローン検定協会公認指導員」の資格も持つ関川明さん(65)。十和田市で発生した山火事でドローンを使い消火活動に協力したこともあるベテランだ。この日も「なんとか見つけて次につなげたい」と意気込んでいた。ところが、寒さで電池の持ちが悪いこともあり捜索は約2時間が限界。周辺ではこれまで、県が設置した自動撮影カメラの前をイノシシが通り過ぎる様子が何度も確認されていたが、この日、姿を確認できたのはシカだけ。イノシシは足跡も見つけられず、空振りに終わった。県は今後も実証を重ね、3月に市町村向けの報告会を開く予定だ。県自然保護課によると、県内では明治期に野生イノシシを食用としていた記録があるが、その後の生息は確認されていなかったという。しかし近年、県内で野生イノシシの目撃が急増。2019年度は10頭だったのが、21年度は115頭に達し、22年度も2月3日時点で74頭を数える。捕獲数も増えてはいるが、繁殖のペースに追いついていないのが実情といい、担当者は「温暖化で雪が減り、イノシシが住みやすい環境が増えているのでは」と分析する。野生イノシシによる農作物の被害は18年度まで県内で確認されていなかったが、19年度は35万円、20年度は34万円、21年度は138万円に上った。稲が被害を受けることが多く、イノシシが体についた寄生虫を払おうと田んぼの中でのたうち回るのが原因とみられる。県食の安全・安心推進課によると、主力農産物のナガイモやニンジン、葉タバコにも被害が出ているという。青森県以外でも、捕獲頭数や農業被害額は総じて増加傾向にある。山形県と宮城県は20年度から21年度にかけて減少しているが、両県の担当者は「はっきりとした原因はわからないが、生息数が減っているわけではないだろう。豚熱に感染して死んだイノシシが多かったのでは」は口をそろえる。同じく21年に激減した福島県も、豚熱の影響や年3万頭を超える捕獲の成果だとしたうえで「再び増加に転じる可能性もある」(担当者)と警戒を緩めていない。野生イノシシが豚熱を媒介して養豚場の豚に感染すれば、すべて殺処分となって畜産業にも大打撃が及ぶ。青森県内では今のところ野生イノシシ、豚のいずれも感染事例はないものの、豚熱の発生地域は年々北上している。そのため県は危機感を強めており、対策として22年度から猟期を延ばすなどしてきた。今回のドローンを用いた実証実験で有用な成果が得られれば、猟師たちの捕獲効率アップにもつながることが期待される。同課の担当者は「県内の被害額は右肩上がり。既に被害が拡大した他地域からは『イノシシは気づくと増えていて手が付けられなくなる』と聞く。豚熱の予防も含めて今後も対策を練っていきたい」と気を引き締めた。

(23年度もクマ出没期は入山禁止:秋田)
秋田森林管理署と仙北市は、クマの出没期に合わせて2018年度から行ってきた同市田沢湖玉川の国有林の入山禁止措置を23年度も継続する。雪解け後の5月上旬から、国道341号沿いの林道などを封鎖し、雪が降る11月中旬まで続ける予定。

(アライグマ捕獲研修会:北海道)
年々空知管内で捕獲頭数が増えている特定外来生物アライグマの捕獲技術などを共有する研修会が8日、町ファミリースポーツセンターで開かれ、管内13市町の担当者や農協関係者など44人が参加した。

(アライグマ食害深刻:北海道)
道内で特定外来生物アライグマの食害が深刻化する中、日高管内でも捕獲数が増加傾向にあり、農業被害額も高止まりしている。日高振興局によると、2021年度の捕獲数は3158匹で、過去最多だった前年度(3182匹)に次ぐ過去2番目の多さとなり、10年度の約5倍増だった。管内各町は住民に箱わなを貸し出す対策も行うが、繁殖力の高いアライグマは増え続けているとされ、手を焼いている。

(シカの事故560件、10年前の3倍:北海道)
苫小牧署管内(東胆振1市4町)で2022年に起きたエゾシカが原因の交通事故は560件で、全道66カ所の警察署別で3年続けて最多だった。事故件数は10年前と比べ約3倍増えており、市街地に降りてきたシカが道路に飛び出す頻度が増えているためとみられる。日高管内でも同様の事故が増加傾向で、道警は「運転中にシカを見つけたら徐行または停止を」と呼びかけている。道警によると、同署管内で22年に起きたシカが原因となる交通事故の市町別件数は、苫小牧市が366件、白老町62件、むかわ町50件、厚真町42件、安平町40件。苫小牧市が3分の2を占め、国道36号や支笏湖へ続く国道276号など広域で発生している。苫小牧市内のシカによる事故は10年間で約3・6倍増となった。苫小牧署によると、20年に道央自動車道の苫小牧中央インターチェンジ(IC)が開通し、シカが多い林地を通るIC周辺の道路の交通量が増えたのも一因とみられる。また、同署管内の過去10年間のシカによる事故計3177件のうち人身事故は4件だった。同署は「状況次第で重大な事故につながる。油断せず、シカが道路を向いていたら一時停止を」と助言。徐行する場合も「1頭見えたら、後ろに数頭いる可能性を考慮し、安全運転に努めて」と話す。

(半月に2度も鹿と衝突:長野)
半月に2度も…。長野県上田市真田町長の農業男性(75)は3日夕、軽乗用車で帰宅中、走行中の県道に飛び出した鹿と衝突した。男性にけがはなかったが、車体フロント部分が大破。男性は2週間ほど前にも同じ場所で同じ時間帯に鹿と衝突し、車を修理し終えたばかり。ドライブレコーダーの衝突前後の映像を元に、男性が当時の状況を振り返った。事故は3日午後6時すぎ、山あいの県道を走行中に起きた。ドライブレコーダーの映像では、集落のある左側の斜面から駆け上がってきた鹿が、横断する形で道路に飛び出し、車の正面と衝突している。鹿の姿が見えてから衝突までおよそ1秒間。男性は「そんなにスピードを出してもいなかったが、突然飛び出してきて避けようがなかった」と振り返る。鹿は激しい衝突音とともにはね飛ばされたが、すぐに起き上がり、山側へぴょんと逃げていった。映像には「あー、またやられた」と嘆く男性の声も。男性は2週間ほど前にも、同じ時間帯に同じ場所で鹿と衝突したという。今回と同じく進行方向の左側から飛び出してきたが、反射的に対向車線側にハンドルを切った。完全には避けきれず鹿とぶつかったものの、左側のフロントライトを破損しただけで済んだという。1回目の事故は、修理費2万5千円でライトを直した。2回目は、車が戻ってきた2日後に起きた。修理費は50万円ほどになる見込みで、「修理するか、買い直すか悩み中」という。ただ、「これでもまだ不幸中の幸い」と男性。2度とも周囲に車や人はおらず、巻き込み事故やけが人は出なかった。「大事故につながってもおかしくなかった」と振り返る。長野県鳥獣対策室のまとめによると、県内の鹿の生息分布は2019年度までの15年ほどで倍増。鹿が人の生活圏に近づく場合、人目が少ない夜間が多いという。2回目の事故の翌4日、男性が壊れて落ちた車の部品を片付けるためほうきを持って現場に戻ると、周辺に鹿の足跡がたくさん残っていたという。鹿が飛び出してきたのはガードレールが途切れている場所で、「獣道になっているのではないか」とみる。近所にはイノシシと車がぶつかった人もいるといい、「うまく動物とすみ分けられるような対策があればいいんだが…」と話していた。

(山林でクマ、今年初の目撃情報発表:秋田)
11日午前11時ごろ、秋田県大館市長走の山林にクマがいるのを青森市の10代男性が目撃した。人的、物的被害はない。大館署によると、クマは体長約1メートルで、目撃場所から民家まで約400メートル。署がクマの目撃情報を発表するのは今年初めて。

(有害鳥獣対策や農地維持:佐賀)
佐賀県がJAや市町などと進める「それぞれの中山間チャレンジプロジェクト」の成果報告会が9日、佐賀市のザ・ゼニスで開かれた。有害鳥獣対策や農地維持などの中山間地域が抱える課題を解決しようと、2018年度から取り組んで成果を上げた6事例が報告された。三養基郡みやき町農林課主幹の西牟田和成さん(42)は、同町高柳集落の取り組みを紹介。田畑の作物を食い荒らすイノシシ被害や耕作放棄地の増加などに対応するため、若手農業者が中心になって集落全体で協議を重ねてきたことを振り返った。集落点検を実施して問題点を把握し、監視カメラを置いてイノシシの侵入場所を特定した上で、音や光で威嚇するオオカミ型ロボットを設置した。若手を中心に狩猟免許も取得する予定という。リモコン草刈り機械の導入に加え、高価な農機は集落で共同利用する協議も始めており、西牟田さんは「個人ではなく地域の問題と捉え、農業生産活動を継続するための結束が強くなった」と、取り組みが集落に変化をもたらした点を強調した。報告会には、関連する団体の代表ら約100人が参加した。

(鳥獣魂供養の碑慰霊祭で鎮魂を祈願:沖縄)
今季の狩猟期間の終了となる2月15日を目前に、2月12日午後3時から底原ダム北側の鳥獣慰霊塔で沖縄県猟友会石垣地区による恒例の鳥獣魂供養の碑慰霊祭がおこなわれた。この日の午前には共猟も実施され、約40人の参加者で3頭のイノシシを伊原間地区で仕留めた一行は、午後から鳥獣魂供養の碑慰霊祭に臨んだ。キジとイノシシの頭と供物などを魂供養の碑に奉納して、祈願文を捧げたあと、参加者は一人一人、線香をあげて手を合わせ、今季狩猟により、人へ肉を提供してくれた鳥獣へ感謝の祈りを捧げていた。この日の3頭は、60キロと40キロと30キロで、農家からの駆除の要請もある狩猟で、趣味を兼ねた地域貢献にもなっている狩猟。イノシシの農業被害が後を絶たない現状は、今も変わらないのが実情。この日、祈願を終えた後、石垣克治地区長が挨拶で、農家へは、イノシシの密度の軽減のためになるよう取り組んでいるが、農作物への被害が起こらない工夫もお願いしているとし、また罠の会員には、人が通る可能性を忘れずに、人が見て罠とわかる表示に務めてほしいと、述べていた。異常気象などで、山の様子にも変化が見える昨今、年によって少なくなるドングリなどの山の幸減少の影響で、イノシシが山から下りることから、田畑で農作物の味を覚えるきっかけとなっている模様。島全体の山の自然状況への眼差しも、必要なところがあるはずで、天然記念物の存在や、生物多様性の維持を図るうえで、また乱開発への監視もほしい自然環境保全の配慮。イノシシは牙を見れば年齢がわかるとされ、イノシシが若くして異様に太っているのは、農作物を食べて太るケースで、獲れたイノシシの様子でも被害の状況が示されているとも。

(山の恵みをいただく、猟師の思いに触れる:ながの)
長野県の平均標高は全国1位の1132メートル。山々に囲まれた県内は、自然の恵みの宝庫だ。近年は狩猟で獲れた「ジビエ料理」があちらこちらで見られる。可能性を感じた狩猟の世界を見てみたい-と、狩猟期間(11月15日~2月15日)に合わせ、狩猟グループに記者が同行。狩猟者の思いや担い手育成の現状、捕獲された肉の行方の視点から、狩猟の課題と可能性に迫った。同行させてもらったのは、岡谷市を拠点とするグループ。2月4日午前8時30分、入山前の作戦会議が始まった。この日は13人が集まり、下諏訪町の三峰山の裾野に入った。それぞれ持ち場に向かい、その後は無線機を使って連携を取る。狩猟歴50年以上でグループの「親方」と呼ばれる塚原忠芳さん(76)=同市湊=とともに山に入った。事前に「山の中では真剣だから話していられないよ」と言われていたので、邪魔にならないよう意識しながら静かに背中を追った。この日、山中は雪に覆われていた。塚原さんは3.7キロという銃を背負い、大型の猟犬の手綱をしっかりと持って右へ左へと向きを変えながら上っていった。獲物までの道案内は鼻が利く猟犬の役目だ。「ここ通っている。少し遅れたな」と悔し顔で無線機に発した。歩みを進めると約200メートル先に別の猟師と仕留めたニホンジカが横たわっていた。ニホンジカはすぐに解体する。肉が臭くなるためだ。その様子を狩猟歴17年の宮下猛さん(56)=同市銀座=に見せてもらった。足の付け根、背骨へと刃を入れる。部位ごとに切り分けるが、皮や骨はそのままにする。肉を担いで下山する際、荷物になるためだ。「解体は自分の中で特に大事にしているところでね。できる限り無駄にしないよう、最大限いただけるようにと思ってる」と話した。肉を傷つけないよう部位と部位の間の膜を丁寧に切り進めていく。上空にはトンビが集まってきた。「あの鳥たちは、後で食べにくるよ」と教えてくれた。「人間が肉を取った後は、他の動物たちが寄ってきて跡形もなく食べる。そうやって生き物って循環しているんだろうね」と語った。辺りを見て回っていた塚原さんが銃を構えた。「パパーン」。狙いを定めた3頭中1頭に命中し、2頭は逃げていった。「そう簡単じゃない。鹿も生きるのに必死なんだから」と話した。午後3時に終了。捕獲したニホンジカは全部で9頭。拠点とする小屋でヒレカツにして味わった。狩猟を始めた理由を「本能」と話す宮下さんは「生きることは何かの命をいただくこと。狩猟は危険と隣り合わせ。猟の後にみんなで同じ釜の飯を食うなど仲間との絆も深まる」と話した。

(カモ献上復活、3年ぶり通常開催:石川)
「竹割り祭り」とも呼ばれる石川県無形民俗文化財「御願(ごんがん)神事」は10日、加賀市大聖寺敷地の菅生石部(すごういそべ)神社で営まれた。県有形民俗文化財の伝統猟法「坂網猟(さかあみりょう)」で捕獲したカモが十数年ぶりに神前に献上され、1300年以上続く神事が本来の姿を取り戻した。冷たい雨が降る中、境内ではさらし姿の若衆16人が青竹約150本を地面にたたきつけて割り、無病息災と五穀豊穣(ごごくほうじょう)を願った。カモの献上は地元猟師の減少や高齢化で途絶えていたが、氏子総代で坂網猟師の山下範雄さん(73)が8日夕に同市の片野鴨池で捕獲したカモを提供し、伝統行事が復活した。拝殿にはカモや米、酒、野菜、魚が順に供えられ、野根茂治宮司(57)が祝詞を奏上した。祭典に続き、合図の盤(はん)木(ぎ)が打ち鳴らされると、長さ約2メートルの青竹を抱えた若衆が「わっしょい、わっしょい」の掛け声とともに境内になだれ込んだ。若衆は石畳や拝殿に竹を「バシーン、バシーン」と豪快に打ち付け、割れた竹の破片が周囲に飛び散った。竹を割り尽くした若衆は、田畑を荒らす大蛇に見立てた長さ約18メートルの大縄を引きずり回し、神社近くの敷地天神橋から大聖寺川に投げ入れて「退治」した。割った竹は厄よけや健康に御利益があるとされ、見物客が持ち帰った。御願神事は677年に天武天皇の勅願で国家安寧(あんねい)を祈願したのが起源とされる。ここ2年はコロナの影響で、入場制限や神事の短縮を行っていたが、今年は3年ぶりに通常開催となった。青竹は大聖寺岡町の住民が切り出し、大縄は大聖寺敷地の住民が編み上げた。

(「狩猟体験モニターツアー」の実施について:徳島)
徳島県では、令和5年2月11日(土)から13日(月)に、「とくしま農林漁家民宿で泊まる狩猟体験モニターツアー」を実施しますので、取材を希望される場合は、担当まで御連絡ください。この度、徳島県は,農山漁村地域の豊かな自然と、農林水産業やそこに根ざした生活など、地域資源を活かした体験・滞在型観光の拠点となる「とくしま農林漁家民宿」の振興と、狩猟に関心を持つ若い世代の方を対象に狩猟者の育成につながる取組の一環として、「とくしま農林漁家民宿」に滞在し、特色ある体験プログラムとして本格的な「狩猟体験」を行う、「とくしま農林漁家民宿で泊まる狩猟体験モニターツアー」を次のとおり実施します。今回のモニターツアーは、徳島県猟友会青年部及び山城地区猟友会に御協力いただき、初めて実施いたします。

(ジビエの処理施設開設へ:長野)
伊那市高遠町出身の藤川将吾さん(44)が社長を務め、配食サービスなどを手がける医療給食(名古屋市)が今夏、野生鳥獣肉(ジビエ)の解体処理施設を高遠町東高遠に開設する。弟で高遠町猟友会に入っている生産事業部部長の昌樹さん(41)を中心に構想。市内で捕獲されたニホンジカなどを食肉やペットフードに活用する計画で、「ジビエで地域を盛り上げたい」と意気込んでいる。「信州高遠ジビエ加工センター」と命名。国道152号沿いの民有地を取得し、2月下旬に木造平屋約220平方メートルの建物に着工、8月に完成させる予定だ。持ち込んだ鹿の洗浄室や皮を剥ぐ部屋、内臓処理室などを分けて設け、衛生管理を徹底する。

(大量廃棄の野生鳥獣をおいしい料理に:福井)
近年よく耳にするようになった、シカやイノシシの肉を使ったジビエ、嶺北地域のシカの捕獲数の推移をみると、狩猟期間に趣味の範囲で狩りをする「狩猟」と、農業被害などを減らすため駆除を目的とした狩猟を「有害」としてカウントしていますが、2013年度までは捕獲数も少なく「狩猟」が”「有害」を上回っていました。しかし、2014年度に逆転し、ぐんぐん捕獲数も増えています。しかもこの「有害」扱いのシカは焼却や埋設処分されているのが現状です。相当な数のシカが廃棄されています。この現状を知った県内の飲食店経営者が、同じ飲食業界の仲間たちに、この有害獣を使ったジビエを一緒に広め、県のブランドにしようと試食会を開きました。ジビエにどんな可能性があるのか?現状と可能性を追いました。ジビエとは、シカやイノシシなど、狩猟で得た野生動物の食肉を意味する言葉で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきました。7日、福井市のグランピング施設「ルポの森」で開かれたジビエ料理の試食会。県の内外からホテルや飲食店の料理人など40人ほどが集まりました。会を開いた、ルポの森の大岡亮平代表、自身も料理人である大岡さんは、ある話を聞き、ジビエの世界に飛び込みました。試食会では、甘酸っぱいベリーソースがおしゃれに包み込む柔らかいステーキや、ポン酢ジュレが爽やかに香る和風テイストの冷しゃぶなど6種類の多彩なシカ肉料理が振舞われました。現在日本では、シカやイノシシなどの野生動物が増えすぎて、農林業や自然環境にとって大きな問題になっています。県内の野生動物による農作物の被害状況です。様々な対策の効果で年々減ってはいるものの、2022年で被害の総面積は102ha、被害総額は6500万円に上ります。これらの被害を防ぐため、県の調べでは、2021年度でイノシシ約2000頭、シカ約1万頭が有害獣として捕獲されていて、このうち約95%が廃棄され、埋設、焼却処分されているのが現状です。大岡さんはこの現状を知り、去年春から、ルポの森がある福井市美山地区の猟師に、有害獣として駆除し、廃棄されるシカの肉を、食肉として加工してもらい、「福井美山ジビエ」として一緒に販売する活動を始めました。ルポの森でジビエ肉を販売したり、ソーセージに加工して道の駅で販売したりしています。一緒に活動している猟師歴60年の廣瀬洋一さんは、「今までは全部山で穴を掘って埋設していた。あちこち欲しいお客さんには肉を提供しているが、そんなもんでは捌ける件数は決まっている。ルポの森は施設もあって、ここで食べたり販売したり色んな方法があるので本当に助かっている」と話します。試食会の参加者は、「美味しかった。こんなに柔らかいものなのかと思った」、「栄養価とか、ヘルシーとか、値段とかを知って、一回使ってみたいなと思った。日本食でも十分使えると思う」、「黙って出されたら市販の牛肉と変わらないくらい美味しく食べられたので、小さな子供から(幅広い年代で)食べられるのでは。前向きに活用していきたい」などと話していました。大岡さんは、「福井のブランドとして、福井の美山で捕れたイノシシやシカが美味しくて全国的に有名になると一番いいなと思うが、レストランとか居酒屋とかでメニューとして取り上げてもらうことによって、シカやイノシシも食べやすい、手頃に取り扱うことができるということをまず知ってもらうことが大事」と話しています。大岡さんは、今後、捕獲情報を公式LINE「&nature(アンドネイチャー)」で配信し、欲しい部位や量の注文を直接受け付ける形で、福井美山ジビエを広めていく予定です。

(ジビエの出前授業:和歌山)
和歌山県内で捕獲されるイノシシやシカの肉「わかやまジビエ」について学ぶ県の出前授業が8日、和歌山市秋月の市立宮小学校で行われ、1~6年の特別支援学級の児童ら約35人がシカやイノシシの革を使い、オリジナルキーホルダー作りを楽しんだ。県では2017年度から、地産地消の取り組みの一環として、県内の小中学校などの給食食材にジビエを提供している。本年度の出前授業は県内12の小中学校(10カ所)で実施されており、わかやまジビエの話の他、「調理実習」「クラフト」「獣毛筆作り」のいずれかの体験教室を開催。より身近にわかやまジビエを感じてもらえる機会へとつなげている。この日、体育館に集まった児童らを前に、県畜産課主事の南安寿香さんは「県内のシカやイノシシなどによる農作物の被害金額は、毎年2億円ほどにまで上る」と説明。実際にシカなどの捕獲に使われているわなを用意し、シカに扮(ふん)した職員がわなにかかる様子を児童らに見せ、「お肉はもちろん、1頭につき1枚しか取れない革もそう。一頭一頭の頂いた命を大切にしてください」と伝えた。クラフト教室では、県内で捕獲されたシカやイノシシの革を活用して財布やキーケースなどの革製品に加工する事業を行う、有田川町のLettMelodia(レタメロディア)の代表、中井謙次朗さん(36)が講師を務めた。中井さんが「和歌山のシカとイノシシの革を使って、思い出に残るものを作ろう」と呼び掛けると、児童らは革に金具を付けたり、ハンコでデザインを施したりしながらオリジナルキーホルダーを完成させた。5年の田畑啓人(ひろと)さん(11)は「かっこいいのができた」とにっこり。柔らかいシカの革に触れながら、「命やからリュックサックに付けて大事にしたい」と話した。どの動物の革かを当てる「革クイズ」では、児童らがシカやイノシシの他、豚や合成皮革などを含めたさまざまな種類の革に触れたり、においをかいだりしながら、大きさや毛穴、傷など、それぞれの特徴を学んだ。中井さんは昨年、パリで開かれた世界の革を集めた展覧会に参加。わかやまジビエの革が海外の人から高く評価されたといい、「ごみになっているものが、PRの仕方や使い方によっては世界に羽ばたくものになる可能性があることを知ってもらい、みんなにも和歌山のいいものを見つけていってほしい」と期待を込めた。

(ジビエの試食会:神奈川)
藤沢駅前の起業家交流スペース「イノベーションスナックみらぼ」(藤沢市鵠沼石上1、TEL 0466-21-9263)で2月16日、狩猟で捕獲した野生鳥獣である「ジビエ」の試食会が開催される。同施設は市内で不動産企画・建築・販売を手がける「セット」が運営するスナック業態の創業支援施設。2階・3階に全11室のレンタルオフィスを備える3階建てビルの1階にある。イベントは、ジビエを扱う鎌倉の飲食店「肉とワインみなもと」を運営するジャパンエナジーフード社長の相澤和宏さんが、ジビエの魅力を伝えたいとセットのインキュベーション事業部部長、鈴木良隆さんに話を持ちかけ実現にこぎ着けた。相澤さんは「鎌倉駅前の飲食店を事業譲渡されてからジビエの魅力発信を続けている。日本の山には多くの野生鳥獣がおり、駆除されても流通に乗らず未利用のまま廃棄されることもある」と課題を話す。「『みなもと』ではワインとジビエを気軽に食べられる店としてランチから提供を行なっているが、藤沢駅前の『みらぼ』で多くのアイデアのある人にジビエを食べてもらい、おいしさを知るとともにジビエを使ったビジネスアイデアを募りたい」と思いを込める。

(ふるさと納税で、エゾシカ革の靴:北海道)
エゾシカ革でつくった靴が、ふるさと納税の返礼品として注目を集めている。用意したのは、北海道十勝地方にある池田町。ワインで有名な町だが、エゾシカ革の靴に目をつけたのは、ある狙いがあった。エゾシカの革でつくった靴は、2017年から昨年末までに計124足の注文があったという。町の返礼品で人気があるのは、牧場の生ソフトクリームやローストビーフ、骨付きハム、ワインなど。どれも十勝平野が誇る名産品だ。だが、飲食品はほかの自治体との競争が激しい。町の担当者は「エゾシカ革の靴は履き心地の良さがうり。靴を扱っている自治体はあまりないので貴重な返礼品」と言う。では、靴は誰が出品しているのだろうか。町内のハンター、長谷耕平さん(37)だ。東京都内で育った長谷さんは7年前、地域おこし協力隊員として池田町に移住した。町が新設するエゾシカ等解体加工施設の職員募集を見つけ、「寒冷地で狩猟生活がしたい」と思い立ったという。靴をつくるきっかけとなったのは、「絶った命に再び命を宿したい」と考えたからだ。17年に「エゾレザーワークス」を設立。自ら獲(と)った野生獣の皮から財布やポーチ、靴といった革製品をつくり販売している。そんな長谷さんの思いを表すように、靴にはある説明が添えられている。「使われている革が初めから革としてあったのではなく、たどっていけば自然の恩恵があり、命の尊さがあるという当たり前のことを、少しでも身近に感じていただければ」。

(小田原で「第1回ジビエサミット」:神奈川)
増加するシカやイノシシ被害の減少に向けた活動を展開するジャパン・マルチハンターズ(小田原市)は、2月12日に小田原市いこいの森・キツツキホールで「第1回小田原ジビエサミット」を開催する。令和4年度観光庁補助事業「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」に選択され、開催する「小田原ジビエサミット」。ジビエを小田原の新たな観光資源として位置づけ、体験コンテンツの造成に取り組みながらジビエを活用した観光資源の推進を図る。当日は、第1部パネルディスカッションに、守谷輝彦小田原市長、NPO法人おだわらイノシカネット穂田芳雄理事長、千葉県猟師工房原田祐介代表、ジャパン・マルチハンターズ笹本博幸代表が登壇。進行をNPO法人アシガラパートナーズ三好琢理事長が担当する。第2部では、ジビエ体験プログラムとして解体ショーとバーベキュー試食会も行う。推進するジャパン・マルチハンターズの宮本亮さんは「神奈川県西部地域の野生鳥獣による農作物被害は大変深刻。このままでは森が育たなくなり自然の持つバランスが大きく崩れていく。各地でシカやイノシシの捕獲活動と併せて、これらの肉を商業ラインに乗せる仕組み作りや施設の安定的な運営が大切になる。『小田原ジビエサミット』はその第一歩」と力を込める。小田原市では2019(令和元)年から、提案型共同事業として「小田原くくり罠(わな)塾」を開講し、シカ対策として「くくり罠」の設置を推奨。くくり罠の実習、捕獲に役立つ知識、箱根地域のシカ対策見学会、地域ぐるみのシカ・イノシシ対策と県内各地の事例などを学ぶ機会を提供してきた。今回の「小田原ジビエサミット」を推進するジャパン・マルチハンターズの笹本博幸代表はその第1期生、宮本亮さんは3期生で、シカ・イノシシ対策の中心的な役割を担っている。「小田原くくり罠塾」に運営面で参画した「小田原山盛の会」の川島範子副理事長は「塾生が活動を担っている姿は、とても頼もしい。神奈川県西部地域の自然を守るためにも力を合わせていきたい」と二人の姿に目を細める。

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(ゲレンデに現れたイノシシ、リフト待ちの列に突進し走り去る:新潟)
妙高市のスキー場にイノシシが出没し、リフト待ちの列に突進し走り去りました。警察によりますと、7日午前10時前、妙高市関川の「池の平温泉アルペンブリックスキー場」でイノシシが現れたとスキー場スタッフから110番通報がありました。イノシシは体長1mほどで、リフトに並んでいたスノーボーダーの男性2人のボードや足元付近にぶつかり走り去りました。男性らにけがはありません。警察と猟友会が付近をパトロールしていたところ、スキー場から離れたゴルフ場付近の道路でも午前11時半ごろにイノシシの目撃情報がありましたが、その後、発見に至っていません。警察は、下校時間に合わせて付近のパトロールを強化。また、ペンションや別荘などがある地域のため、住民に注意を呼び掛けています。

(豚熱とアフリカ豚熱、感染対策方針を確認:岐阜)
岐阜県は6日、ブタの伝染病への対策を話し合う会議を開いて、国内で感染が確認されているCSF=豚熱だけではなく、国内にウイルスが持ち込まれるおそれがあるASF=アフリカ豚熱に対しても備えを進める方針を確認しました。6日、岐阜県庁で県内の生産者や猟友会の代表、それに専門家などが参加して会議が開かれました。この中で、豚熱への対策としてことし4月から新たに農場の飼養衛生管理者がブタへのワクチン接種ができるようになることを踏まえ、2月下旬から研修会を開くほか、ワクチンの管理体制の確認をすすめることを説明しました。一方、これまで国内での感染は確認されていないものの、韓国などで感染が確認されているアフリカ豚熱について、出席者から新型コロナウイルスの水際対策が緩和される中、国内に持ち込まれるおそれがあるとの懸念が示されました。このため岐阜県は、今後、農場でアフリカ豚熱の感染が確認された場合を想定した机上演習を実施するほか、猟友会と連携して野生イノシシへの感染が確認された場合の対策を検討する方針を示しました。岐阜県家畜防疫対策課の高井尚治課長は「豚熱については、ワクチンの打ち手が増えるものの、経験のない方も接種することから、十分に研修を行って効果的に進めていたきい。アフリカ豚熱については、国に水際対策を万全にしてもらうとともに県でも備えを進めたい」と話していました。

(真冬になぜ…男性2人がクマに襲われる:北海道)
「冬眠しているから大丈夫」そんな油断は禁物です。函館市の山林でおととい、男性2人がクマに襲われ、1人がけがをしました。いったいなぜ、雪が降り積もるこの時期にクマに遭遇してしまったのでしょうか。これは去年12月、札幌市内の監視カメラがとらえた映像です。雪道を歩く3頭のクマー2頭は体が小さく親子とみられます。「雪が積もる前にクマは冬眠する」というイメージがありますが、週末、それを揺るがす出来事が起きました。(東海林記者)「男性はこの先の山林で木を切る作業をしていたところ、突然クマに襲われたということです」。函館市大船町の山林でおととい午前、男性2人がクマに襲われました。うち前田政春さん69歳が全身をかまれ手足などにけがをしましたが、命に別条はないということです。現場は国道からほど近い函館市内の山林。600メートルほど離れた場所にはホテルもあります。ここで前田さんらは4人で木の剪定作業をしていましたが、うち40代の男性1人が突然クマに襲われ、その拍子に斜面を滑り落ちました。斜面の下にいた前田さんが男性を助けようと、枝を切るハサミをでクマを追い払うと、クマは前田さんにかみついたということです。その後クマはさらに斜面を転げ落ち、いなくなりました。なぜ冬にクマと遭遇したのでしょうかー。専門家は、振動や音によってクマが冬眠から目覚めた可能性も考えられると指摘します。(北海道立総合研究機構 釣賀一二三研究主幹)「近くに冬眠穴がもしあるとすれば、冬眠穴の中にいるクマを刺激してしまった可能性もある。自分に対して脅威になるものがきたということで、防御的に襲ってくることはある」。冬のクマの目撃は住宅街でもー去年12月には、札幌市中央区円山西町でクマの目撃情報が相次ぎ、足跡も見つかりました。また、名寄市でも同じころ、高速道路のインターチェンジや中学校の周辺などでクマの目撃が相次ぎました。(北海道立総合研究機構 釣賀一二三研究主幹)「(冬でも)一定の注意をすべきだし、普段入っていない場所に入るときは心構え・準備をしておいたほうがいい」。ウインタースポーツを楽しもうと観光客も数多く訪れるいまの時期。冬でもクマに遭遇する可能性があるということを心得ておく必要があります。

(カモの大群飛来で麦の被害深刻「ここ10年で最悪」)
この冬、佐賀・有田町や伊万里市、長崎・諫早市や長与町などの九州各地に、鳥の大群が押し寄せている。鳥が集まって空を移動する様子を撮影した人も、思わず「なんかすごい、やばい。幕があるみたい。気持ち悪い」とつぶやくほどだ。鳥の正体は、渡り鳥のトモエガモと見られている。そしてこのカモが地上に降りることで、農家が困っている。取材班が佐賀・江北町を訪れると、カモが一斉に何かを食べている。畑の麦だ。カモによる被害は、ここ10年ほどで最悪だという。元々カモは、有明海のノリを食べてしまうことが問題になっていた。しかし2023年は、ノリが不作。そのため、麦が狙われているのではないかと推測されている。農家の対抗策は、大きな音が出る花火。「パーン!」と大きな音が鳴ると、一斉にカモが飛び立ち、追い払う作戦は成功したかのように見えたが…、しかし、すぐに戻ってくるもいる。戦いは、渡り鳥のカモたちが北へと飛び立つ、春先まで続きそうだ。

(「鳥獣被害防止オンラインセミナー」の開催:兵庫)
鳥獣被害の防止には集落ぐるみでの対策が重要になりますが、対策へ参加される個々の方々の知識向上に向け、兵庫県森林動物研究センター、丹波篠山市の協力を得て、オンラインによる「鳥獣被害防止オンラインセミナー」を開催します。

(シカ誘引試験、牛ふん効果確認されず:青森)
ニホンジカが世界自然遺産白神山地の植生に影響を与える可能性が懸念されていることを受け、効果的な捕獲に向け東北森林管理局津軽白神生態系保全センター(鯵ケ沢町)は昨年3月から12月上旬まで、白神山地周辺にある深浦町内山林で牛ふんを使ったニホンジカの誘引試験を実施した。その結果、ふんの設置箇所周辺にシカの姿は確認されず、同センターは考えられる原因に(1)シカの分布密度が低い(2)シカが警戒した-などを挙げた。高木善隆所長は「やり方は間違っていないと思う」とし、試験を継続する考えを示した。

(住宅地でサル被害増加、GPSで行動範囲を把握:広島)
シカやイノシシ、サルなどが、農作物を荒らしたり、人に危害を及ぼす害獣被害は地域によっては深刻な問題。広島県廿日市市では捕獲したサルにGPSを装着、行動範囲を把握して対策を講じる試みが行われている。既に市内中心部では、2022年度に比べ3倍の目撃情報が寄せられている。住民が爆竹で追い払っても、繰り返し群れで姿を現すようになった。急激に増えた理由は分かっていない。人を恐れないサル。廿日市市は初めての調査にGPS=位置情報を使うことにした。2日、市の委託業者が麻酔薬で眠ったサルに位置情報を発信する首輪を装着。再び自然に返し、発信機で2時間ごとに現在地の緯度と経度を記録する。自治会連合会・鶴谷裕一会長:行動範囲が分かれば、このルートは積極的に気を付けるとか、子どもたちの登校ルートを変更するなど、安全なルートを選ぶことができ、対策になるのではと思う。サルは2日午後、近くの山に放たれ、廿日市市は行動範囲の把握に努めていくことにしている。

(シカやクマなど野生動物の毛皮や角に触れる:山梨)
シカやクマなど山梨県内に生息する野生動物を題材に、自然や命の大切さを学ぶ学習会が山梨県市川三郷町の中学校で開かれました。シカやクマなど山梨県内に生息する野生動物を題材に、自然や命の大切さを学ぶ学習会が山梨県市川三郷町の中学校で開かれました。三珠中学校で行われた鳥獣学習会は、ふるさとの自然について地域と連携して学ぼうと市川三郷町が開きました。県の鳥獣被害対策専門員の有泉大さんが講師を務め、生徒たちはシカやクマ、タヌキなど県内生息する野生の動物の毛皮や角に触れました。そして、有泉さんが野生動物に遭遇した時の対処法から気候変動や人の営みが動物に及ぼす影響などを解説しました。有泉さんは自然の恵みに感謝し、野生動物と共存することが大切と話していました。

(狩猟者減で担い手育成:千葉)
イノシシや鹿などの有害鳥獣を捕獲するハンター(狩猟者)を育成しようと、千葉県は3月に「新人ハンター入門セミナー」を開催する。狩猟免許の取得者数はピーク時から大幅に減少している一方、野生動物による農作物被害は深刻な状況が続いている。県は「狩猟に興味はあるが、始め方が分からない人に猟を始めるきっかけを提供したい」と参加者を募集している。県自然保護課によると、県内の狩猟免許取得者数は、1978年度の延べ2万653人をピークに減少している。

(かんじき履き、狩猟の場を体感:石川)
県の狩猟フィールド体験会が五日、宝達志水町であり、金沢、能美市の二十~四十代の男女六人がハンターの案内でイノシシやカモがいる同町吉野屋のため池周辺を散策した。案内役は県猟友会羽咋支部の山本尚(ひさし)さん(68)ら三人。参加者は冬山の狩猟で用いるかんじきを履いて雪上を歩いてみた。イノシシやシカ用のわなを見学した。山本さんは「イノシシは土の中にあるタケノコを掘って食べてしまう」と説明、「イノシシが掘り起こした跡」とデコボコした土を示した。池のカモ類の狩猟に関し「釣り人を傷つけてはいけない。狩猟には責任が伴う」と強調した。金沢市富樫、大学生石田岳(たかし)さん(24)は「昼食にジビエ料理が食べられるので参加したが、狩猟は面白そう。かんじきだと沈みにくい」、同市直江北、会社員小竹原茂人さん(30)は「狩猟のできる場所が決まっていると分かった」と話した。ハンターが高齢化する中、有害鳥獣捕獲の要員確保のため狩猟免許の取得促進を図るのが目的。山本さんは「支部員は六十代が中心。体験会を通じ後継者ができれば」と期待した。

(二ホンカモシカの目撃増える:熊本)
県レッドリストで、ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されている国特別天然記念物のニホンカモシカが、高森町高森の民家の近くで相次ぎ目撃されている。

(鹿肉のわらじカツが豪快にのったジビエカレー:徳島)
徳島県民の多くが訪れたことがあるであろう徳島県庁。その11階にある職員食堂は、県庁職員だけでなく一般客も利用できるのはご存じだろうか? 60種類以上ものメニューにはカレー(410円)やカツカレー(510円)などカレーメニューもそろう。中でも注目したいのがジビエ(野生鳥獣肉)を使ったメニューだ。毎年、猟期を迎えて狩猟が盛んになる冬に期間限定でお目見えする。今年は「鹿肉わらじカツカレーセット(ミニサラダ付き)」(650円)。1月26日から3月9日までの毎週木曜に1日30食限定で販売する。

(高校生がSDGsの取り組み:熊本)
「食」をテーマに高校生たちがSDGsに取り組みました。肉まんに…コロッケ、そしてカレー。高校生考案のシカ肉料理を販売する「ジビエ甲子園」が開かれました。年々深刻化する鳥獣被害対策の一環として八代農業高校泉分校と芦北高校の生徒がシカの捕獲や商品開発に取り組んでいて訪れた人にジビエ料理の魅力を発信しました。荒尾市の有明高校では生徒が開発した「梨ジェラート」をお披露目。フードロス削減を目的に市場に出せない規格外のナシを使ったナシの食感が残る紅茶風味のジェラートです。地元農家らと一緒に新たな特産品として打ち出していきたいとしています。

(縄文とジビエ観光看板商品に:長野)
SDGs(持続可能な開発目標)の普及に取り組む一般社団法人未来投資研究所(兵庫県)が企画した茅野市の観光資源「縄文」、「ジビエ」をテーマにした旅行商品が観光庁の事業に採択され、3~5日にモニターツアーが同市などで行われた。関東、関西地方から集まった25人が縄文文化に触れ、ジビエ料理を味わった。家畜の肉と比べ、高たんぱく、低カロリーなどの特長があるジビエ(野生鳥獣肉)はスポーツをする人に効果的な食品とされている。狩猟を行っていた縄文人のイメージにも沿う。高級レストラン店で味わう特別な料理としての魅力も持ち合わせている。諏訪地方には八ケ岳山麓を中心に狩猟文化だった縄文時代の遺跡が多数あり、諏訪大社の「鹿食免」に代表されるシカ肉を食す歴史を持つ。個体数調整で捕獲したシカ肉の有効活用と視点で語られることが多い他地域との差別化ができる強みがある。モニターツアーでは尖石縄文考古館、諏訪大社、神長官守矢史料館、シカの解体処理施設などを見学し、松本大学の学生が考案、フランス料理の「オーベルジュ・エスポワール」(茅野市北山)のオーナーシェフ藤木徳彦さんが監修したジビエ料理を味わった。4日夜、同店ではディナーに先立ち藤木シェフが「国内で良質なシカ、イノシシの肉が獲れるのにその多くが廃棄、焼却されている。一方で外食産業の多くはわざわざ海外からジビエを輸入して使っている。日本のジビエを選択し、消費することはSDGsに通じる」と伝えた。

(害獣活用した皮革の扱い開始:千葉)
皮革卸の丸喜は、害獣資源を有効活用した皮革「チバレザー」の扱いを始めた。100%土に返るなめし剤で仕上げた循環型の皮革を、卸売りの販路を生かし、幅広く販売していく考えだ。チバレザーは革工房の革榮(千葉県)が生産している。害獣駆除によって廃棄される動物の皮の活用は、様々な企業や個人が行っているが、皮革卸が商業用として扱う事例はほとんどない。革製品向けに流通する皮革のように品質が安定せず、生産コストが高くついて価格が通らないことが大きな要因だ。千葉県睦沢町を拠点にする革榮は、近隣で害獣被害が問題になっているシカやイノシシを地域資源に変えようとチバレザー事業を立ち上げた。兵庫県たつの市のなめし工場に協力してもらい、大豆を原料としたなめし剤を使う新しい製革技法を採用。付加価値を持った価格で販売する循環を組み立て、地元の若い猟師の収入向上に取り組んでいる。22年1月にクラウドファンディングに挑戦、目標を達成する支援が得られた。丸喜でも害獣の皮革を扱うのは初めて。「地球環境と人間の共生を目指して取り組む事業モデル」に共感し、革榮の辻榮亮社長に直接連絡を取って、卸売りを始めることになった。23年秋冬向けから、卸売りの品目に加えた。価格はシカ革で1デシ(10×10センチ)200円から、イノシシ革で250円から。「有害物質を一切使っていないので人や動物がかんでも問題ない。ヌメ革で変色しない加工もできる」という。個体差はあるものの、製品化に支障のない品質を担保し、用途開拓に取り組む。アパレル関連ではデニム製品の革パッチに採用され、土に返る特性を生かしたペットの骨つぼ用途の依頼もある。

(ホテルにジビエ使った朝食付き宿泊プラン:福岡)
博多エクセルホテル東急(福岡市博多区中洲4)と博多東急REIホテル(博多駅前1)が現在、ジビエを使った朝食付きのプラン「『博多旧市街』に泊まって味わう宿泊プラン」を販売している。中世に国際港湾都市として栄えたという「博多旧市街」エリアに同ホテルが位置することから、博多旧市街の歴史から地域の魅力を感じてもらおうと企画した同プラン。東急ホテルズ博多セールスオフィスの高橋伸弥さんは「福岡中心部の中世遺跡からシカやイノシシの骨が出土しており、当時ジビエが食べられていたことが分かった。近年、有害捕獲されたシカやイノシシなどのジビエ活用が推進されていることもあり、この土地の歴史にひもづく食材として、新たにジビエを使った朝食をメインにした」と話す。朝食のメインは、シカやイノシシなど3種類のジビエで、ローズマリー風味の「あまおう塩」や燻製醤油(くんせいしょうゆ)など4種類の調味料を添える。汁物には「みそ煮込みジビエうどん」、「赤米とキヌアのライスサラダ添え」「ジビエの筑前煮」「ジビエの肉味噌(みそ)」、野菜のピクルス、ごはんを用意する。同ホテルは博多を見て食べて体験して学ぶ「博多旧市街まちあるきプログラム」に加入し、今回のプランは観光庁の「地域独自の観光資源を活用した地域の看板商品の創出事業」に採択されている。地域のつながりから、同プランの朝食メニュー撮影は博多のクリエーター養成スクール「デジタルハリウッドSTUDIO福岡」(下川端町)とコラボし、学生がジビエ朝食の写真撮影を担当した。高橋さんは「実際にジビエを食べてみると想像しているより食べやすく、脂のうまみが印象的だった。ジビエは聞いたことがあっても食べたことがない人に気軽に食べてほしい。博多旧市街に泊まって、ショッピングや屋台以外の博多の街の魅力を知ってもらいたい」と話す。

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(キジ猟の弾がスクールバスのガラス突き破る:千葉)
4日午前8時ごろ、千葉県市原市荻作の田畑で「狩猟をしていた流れ弾がスクールバスに当たった」と110番通報があった。スクールバスには東海大付属市原望洋高校=同市=の生徒と運転手の計25人が乗っていたが、けがはなかった。千葉県警によると、キジ猟をしていた自称会社員の男性(52)=佐倉市=が猟銃を発射したところ、1発が近くの市道を走行していた同校のスクールバスに誤って当たった。弾はバス左前方の乗降口のドアのガラスを突き破り、車内で見つかった。バスには同校の1、2年生24人が乗車し、登校途中だったという。県警では、銃刀法違反や鳥獣保護法違反などを視野に調べる。

(サル調査の大学院生が死亡:鹿児島)
鹿児島県の屋久島の海岸で5日午後1時半ごろ、サルの生態調査で滞在中だった愛知県犬山市の大学院生、田中美衣さん(25)が遺体で見つかった。前日に1人で調査に出たまま行方がわからなくなっており、警察や消防が捜索していた。屋久島署によると、田中さんは大学の研究所に所属し、屋久島の動物の生態調査をしていた。4日朝に車で調査エリアに向かったが、暗くなっても戻らないため、研究所の同僚が署に通報した。島の外周を走る林道の橋付近に田中さんの車があり、そこから西に約700メートル離れた岩場の海岸に田中さんが倒れているのを捜索隊が発見した。県警は死因や詳しい経緯を調べる。

(死んだ野生のイノシシから「豚熱」:鳥取)
八頭町で見つかった死んだ野生のイノシシ1頭が、ブタの伝染病・CSF=豚熱に感染していたことが確認されました。豚熱の感染が確認されたのは県内では初めてで、県は養豚場に対して、消毒などを徹底するよう呼びかけています。県によりますと1月27日、八頭町の水路でイノシシが死んでいると町に通報があり、県が検査したところ、豚熱に感染している疑いがあることが分かり、国の研究機関で遺伝子検査を行った結果、2月1日に豚熱への感染が確認されたということです。豚熱の感染が確認されるのは県内では初めてです。これを受けて1日の夜、県は関係部局の担当者を集めた会議を開き、養豚場に石灰などを配付して緊急消毒を行うとともに、ウイルスを運ぶ野生動物の侵入を防ぐ柵が、大雪の影響で壊れていないかを点検するよう呼びかけたことが報告されました。また県は、死んでいたり猟友会が捕獲したりしたイノシシについて検査を強化するほか、感染が確認されたイノシシが見つかった場所から半径10キロを「感染確認区域」に指定し、区域内で捕獲されたイノシシは、外に持ち出さず適切に処理するよう要請しています。県は、死んだイノシシを見つけたらすぐに市町村や県に連絡するよう呼びかけています。「豚熱」は人に感染することはなく、仮に感染したブタやイノシシの肉を食べても、人の健康に影響はありません。また今回感染したイノシシが見つかった場所から半径10キロ以内に養豚場はなく、鳥取県は、おととし3月に兵庫県で豚熱に感染した野生のイノシシが確認されたのを受けて、県内で飼育されているすべてのブタへのワクチン接種を続けていることから、飼育されているブタの移動や出荷の規制は行わないということです。国によりますと、ワクチンを接種することで80%から90%のブタが免疫を獲得することができますが、県は養豚場の関係者のほか、イノシシが生息している山あいの地域に入る機会のある人に、感染対策として、消毒の徹底などを呼びかけています。

(クマに襲われ、山林で作業の男性けが:北海道)
4日午前、北海道函館市の山林で、木の剪定(せんてい)をしていた60代の作業員の男性がクマに襲われ、腕や足などにけがをして搬送されました。警察によりますと、4日午前9時半ごろ、函館市大船町の山林で、複数人で木の剪定をしていた作業員のうち、知内町に住む69歳の会社役員の男性が突然現れたクマに襲われました。現場は斜面で、クマは男性ともみ合いになった後、転げ落ち、仲間の作業員にけがはありません。

(大型犬が逃走中、イノシシ猟の最中はぐれる:千葉)
睦沢町佐貫の「佐貫最終処分場」付近の山中で1月31日午後1時半ごろ、大型犬「イングリッシュ・ポインター」の雄の成犬1匹が逃走した。茂原署によると、同犬は体長約110センチ、体重約23キロ。首輪をしており、毛色は白黒で短毛という。同署は約10人態勢で捜索している。同犬は猟犬で、飼い主の80代男性=千葉県内居住=がイノシシ猟をしている際にはぐれた。男性は31日午後6時ごろまで捜索したが見つからず、1日午前に同署瑞沢駐在所に「猟犬1匹が行方不明」と通報した。男性は、同犬は人を襲ったり、かむなどしたことはないと説明しているという。同署は「発見時はむやみに近づかず、茂原署や110番に連絡を」と呼びかけている。

(庭で焼き芋をしていた80代がイノシシに突進され転倒:福岡)
31日午後3時10分ごろ、福岡県筑後市熊野の民家の庭で、焼き芋をしていた80代女性がイノシシに突進された。女性は逃げようとして転倒し、唇を切るけがを負った。筑後署によると、イノシシは中型犬ほどの大きさで、そのまま逃走したという。

(高速道路でイノシシに乗り上げ車が横転、約1時間通行止めに:愛媛)
1日夜、愛媛県西条市の今治小松自動車道で軽トラックがイノシシと衝突し、後続の車がイノシシに乗り上げ横転する事故がありました。事故があったのは、愛媛県西条市の今治小松自動車道の下り線で、1日午後8時ごろ、60代の男性が運転する軽トラックが高速道路上にいたイノシシと衝突しました。そのおよそ5分後に下り線を通り掛かった軽乗用車が、衝突したイノシシに乗り上げ道路の中央にあるワイヤロープの支柱を倒し横転しました。軽乗用車を運転していた50代の女性にケガはありませんでした。現場は片側1車線の道路で、この事故の影響で今治湯ノ浦ICから東予丹原ICまでの上下線がおよそ1時間にわたり通行止めとなりました。警察によりますと、去年1年間に、高速道路に侵入してきた動物との事故は61件確認されていて、その多くはイノシシやタヌキ、サル、ウサギでしたが、中には鳥もいたということです。過去に大きな事故があったり、事故が多発した場所には「動物注意」の警戒標識が設置されているということで、担当者は、高速道路を走る場合に注意して欲しいと呼び掛けています。もし動物が飛び出してきた場合には、急ハンドルは絶対に避けて、ブレーキを使った回避をするか、やむを得ない場合には、衝突して進むことで、事故を最小限に食い止めることが大切としています。

(ウクライナ侵攻影響、弾薬高騰に猟師嘆き:京都)
狩猟に使う弾薬の高騰と品薄が、日本国内で長期化している。新型コロナウイルスの影響による供給網の混乱に加え、米国の政情不安、ロシアによるウクライナ侵攻に円安も重なり、輸入が滞っているためだ。ピークは脱したというが、丹波地域など、京都の猟師たちは「手持ちの弾数はぎりぎりで、金銭的な負担も増した。獣害対策に影響が出かねない」と懸念している。猟銃や弾薬のメーカーでつくる「日本猟用資材工業会」(東京都)によると、2020年からのコロナ禍で原材料や製品の供給が世界的に滞った。米国では大統領選挙の混乱による政情不安から弾薬の需要が激増。日本は狩猟用の弾薬を米国からの輸入に依存しており、たちまち品不足に陥った。22年2月に始まったウクライナ侵攻に伴う、戦地の需要増も追い打ちをかけたとの声もある。同工業会によると品薄のピークは過ぎたが「納期が半年待ちになる製品もある」など、供給の安定にはなお時間がかかる見込みだ。さらに地域によって供給量に差があることも影を落とす。府猟友会の西村義一会長(67)=南丹市猟友会会長=によると、弾薬の供給は北海道など需要が大きい地域が優先されるといい「京都への供給は遅れている。先が見えない」と語る。市猟友会では会員約100人のうち、約40人が猟銃を使う。会員らは種類の違う弾薬を複数寄せ集めるなどして、在庫不足をしのいでいるという。ただ弾薬ごとに飛距離が異なり、使用の際には銃砲店で銃を調整してもらうことになるため、手間や費用の負担が増している。品不足に加えて昨今の円安もあり、弾薬価格も高騰している。従来は20発5千円以下だった商品が、現在は7千円近くで高止まりしたままだという。影響が長期化すると、農業に欠かせない有害鳥獣駆除に支障が出かねない。同市では、シカの生息数がピークだった約20年前には年間約1200頭を駆除。市猟友会も活動に力を入れ、近年も年700頭に上る。獣害は改善傾向にあるが「現在も被害はある。シカは繁殖力が強いので、農業のためには駆除のペースを落とせない」と強調する。ただ猟師にとって有害鳥獣駆除はもうけの出ない仕事だという。市からの報奨金はシカ1頭につき2万円、市の独自制度「市鳥獣被害対策実施隊」の報酬は出動1回で6千円。「元々、地域貢献と思わなければやっていけない」と嘆く。弾薬の供給が混乱する今、猟師たちの負担はもう一段重くなった。狩猟現場への支援を求めている。

(20匹以上のサルの“大群”が民家や道路に:鹿児島)
鹿児島県姶良市で29日、20匹以上のサルの大群が目撃されました。近くの民家では農作物への被害も出てるといいます。サルが人の住む地域に出てきた理由について、専門家は「寒さ」が関係しているのではと指摘しています。29日、鹿児島県姶良市でサルの大群が目撃されました。撮影された映像では、山の斜面をぞろぞろと下りてくる様子が…。その数、確認できるだけでも10匹以上。さらに撮影を続けているとサルが次々に山から現れ…1分ほどの映像の中で、20匹以上のサルの群れが確認できました。31日、その付近に向かうと、この日も道路を占拠するようにサルの大群がいました。道路に“わが物顔”で居座ったり、毛繕いをしたり…中には郵便配達員のバイクが来ても気にする様子もなく、道路を横断する姿もみられました。さらに、サルの姿は民家や大根畑の作業畑でも見られました。そのため、すでに農作物への被害が出ているといいます。畑に埋まっている大根には、上の部分だけ食べられた跡が残されていました。畑のすぐ近くでも、別の被害があったといいます。この地域のサルの生態を調べる専門家は、サルが人の住む地域に出てきた理由について、「寒さが続き、普段、山にある食料が少なくなったことが要因として考えられる」といいます。もしサルを見かけても、目を合わさず距離をとってほしいとしています。

(シカ、捕獲しても駆除しても数減らず:京都)
京都府内でニホンジカによる農作物被害が近年、年間7千~8千万円と高止まりしている。府内では毎年2万頭以上が捕獲・駆除されているが、推定生息数には影響がみられない。

(尖閣で外来ヤギの食害深刻:沖縄)
沖縄県石垣市の中山義隆市長は31日、市が実施した尖閣諸島と周辺海域の環境調査について記者会見し、小型無人機「ドローン」で撮影した魚釣島などの映像の一部を公開した。魚釣島は外来のヤギの食害で緑の斜面がいたる所で崩落して岩肌があらわになっており、中山市長は生態系に及ぼす影響を懸念。早期に上陸調査を行うため、島を所有する国に対して上陸許可を出すよう求め、調査への参加を呼びかけた。環境調査は昨年1月に続いて2回目。今回は1月30日朝から昼にかけて、魚影や海流、水質などの海洋調査、目視や空撮による景観調査を行った。今回初めて導入したドローンは作業船から魚釣島などに向けて4回飛ばし、島の海岸線手前の上空から撮影した。会見で公開された映像には、緑の斜面が下に行くにつれて広がるように崩れ落ち、乾いた土や岩肌がむき出しになっていた。調査を受託し、同席した東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「1年でこんなにも変わってしまうのかという印象を受けた。食害で木の根や草が減り、生態系を維持できない島になり始めている」と危機感をあらわにした。中山市長は上陸調査に加え、ヤギの捕獲や駆除が必要との認識を示した。石垣市にはふるさと納税で、同諸島に関する調査や情報発信のための寄付が昨年12月末までに約2億1700万円寄せられており、中山市長は「全国からの寄付を活用し、今後も調査を実施したい。何度も重ねることで、より正確な情報が得られる」と述べた。一方、中国海警局の船が作業船の動きに合わせて領海侵入し、調査は海上保安庁の巡視船に守られながら行われた。映像には、操業中の日本漁船を追って侵入した海警船と巡視船が無線で警告し合う緊迫したやり取りも収録された。中山市長は「現状が改善されないと、漁業者も安心して漁に行けない。中国に対しては、国として 毅然きぜん と対応してほしい」と求めた。

(「狩猟者のための森林講座」を開催しました:北海道)
令和5年1月31日(火曜日)18時30分から、帯広市十勝プラザにおいて、帯広市有害鳥獣駆除説明会の場をお借りし北海道猟友会帯広支部の会員100名を対象として、「狩猟者のための森林講座」を開催しました。当日は、月安(つきやす)帯広猟友会支部長・帯広駆除会会長の挨拶の後、保全課 藤本(ふじもと)野生鳥獣管理指導官から「森林管理者からのお願い~狩猟の安全確保」についての講話を行いました。また、狩猟許可時に配布した銃猟立入禁止区域図ダウンロードの方法等について説明し銃猟事故を再度起こさないよう注意喚起をしました。十勝西部森林管理署では清水、帯広、大樹、広尾と管内全ての猟友会支部で有害鳥獣駆除を行っており安全確保に向けた各種取り組みを今後も連携しながら継続してくいこととしています。

(シカ衝突事故78件、過去2番目:北海道)
2022年に根室市内で、車とエゾシカが衝突した事故が78件に上ったことが、根室署のまとめで分かった。統計が残る過去6年間で、21年の96件に次いで2番目に多かった。標茶町ではエゾシカが絡んだとみられる死亡事故も起きており、同署は「急に飛び出すシカに対応するため、スピードダウンを心がけてほしい」と呼びかけている。

(鳥獣被害手作り地図:徳島)
徳島市立渋野小6年米田 知永ちえ さん(12)が描いた地図「渋野町鳥獣被害マップ」が、国土地理院などが主催する「全国児童生徒地図優秀作品展」で最高賞の文部科学大臣賞に選ばれた。地元で農作物への被害が発生していると聞き、現場を歩いて調査。栽培されている農作物とともに食害を引き起こすイノシシやタヌキといった鳥獣を地図に落としこみ、1か月以上かけてまとめた力作で、「現地取材の結果を見栄え良くまとめた非常に優れた作品」と評価された。渋野町は市南部に位置する山に囲まれた自然豊かな地域で、ミカンやスダチといったかんきつ類などの農業が盛ん。父がブロッコリー農家という米田さんは、自宅で両親が動物による農業被害について話し合っているのを耳にし、自身も畑で、イノシシに踏み荒らされた跡や葉がヒヨドリの群れに食べられているのを見たことを思い出した。近所の猟師からは、被害が地区内のあちこちで起こり、駆除する人手が足りないと教わった。「これは大変」。被害を少しでも減らすことができるよう、まずは被害を多くの人に知ってもらうため、実情を地図に載せることを思い立った。昨年、夏休みの自由研究の課題として鳥獣被害マップの作成に取りかかり、地区内の農家から農作物を食い荒らす動物の種類や発生場所を聞いて回った。5年時に作成した、地区内の畑や栽培されている農作物をまとめた「農業地図」を改良。地図の上に透明シートを重ね、イノシシは赤、シカは紺、ヒヨドリはピンクと鳥獣ごとに色を変えたシールを貼りつけた。出没頻度が多ければ、より大きなサイズのシールに変更するなどビジュアルにこだわり、「パッと見た目でどんな被害が起こっているのかがわかることを目指した」という。「サルにミカンを食べられる」「シカにイチゴの苗を食べられる」「イノシシにタケノコを食べられる」といった自身が見聞きした情報も記入した。加えて、猟師から聞き取ったわなを仕掛けた場所に出向き、写真を撮って添付。「20年前まで町内ではイノシシやシカの食害はあまり見られず、山奥の環境変化でエサを求めて出てきた」「狩猟免許を持つ人は町内に1人だけ。後継者の育成が必要」などと、自分の考えも記した。小中学生や高校生が思い思いのテーマで描いた手作り地図の出来栄えを競う地図優秀作品展に応募。米田さんの作品は747校の3961点から、「動物の食害だけでなく、環境変化などの大きなテーマを投げかけた」と評価され、国土交通大臣賞と並ぶ最高賞を受賞した。米田さんの作品はほかの優秀作と一緒に全国で巡回展示中。JAの関係者から「地図を見せてほしい」という声が寄せられているといい、米田さんは「透明シートを貼ってからの細かい作業が大変だったけど、みんなに褒められてうれしい。地図がみんなの役に立つといい」と話していた。

(子どもも大人も一緒に鳥獣対策を体験:宮崎)
町工場の技術と想いをECにのせて届ける「refactory」が、宮崎県国富町にて、子どもから大人まで一緒に鳥獣対策体験ができる「イノホイの森」をオープンする。「イノホイ」では過去5年間、農業被害を食い止めるための、鳥獣被害対策用の捕獲器を30,000個以上販売。しかし、購入するのは初めての狩猟・捕獲を行う人が多く、「購入したものの捕獲の仕方がわからない」「仕掛けてみたけど餌だけ取られていてなかなか罠にかかってくれない」といった声を受けるケースが増えてきた。現在、年間で150億円以上の農業被害が確認されており、さらにその課題に対して取り組む人材不足が、少子高齢化が進む地域では深刻な問題に。そこで「refactory」の地元宮崎で、地域の協力員と連携し「イノホイの森」を開設することとなった。鳥獣被害について詳しく知らない一般の人でも、鳥獣捕獲用の罠作りを行ったり、許可制で狩猟免許を持っているが捕獲する土地を持っていない人たちに開放し、技術指導などを行ったりと、鳥獣被害対策への理解や被害対策に対する人材不足問題の解決を目指す。「イノホイの森」では、不定期で、子どもたちが自然に触れることができるように「カブトムシの捕獲体験」「ミツバチの蜂蜜収穫体験」「椎茸の収穫体験」などを実施する予定だ。一方で、初めて狩猟免許を取った人や捕獲自体があまり上手くいかない人達に対して、許可制で罠の捕獲実施の場所を提供したり、捕獲自体の講座を開設するなど、狩猟技術の向上につなげる機会も作っていく。狩猟捕獲における指導には、地元宮崎の狩猟家以外にも、有害鳥獣捕のプロハンターで、300日間無下山で狩猟生活を行うなどの本格的な取り組みで全国でも認められた数少ない狩猟家集団「TSJ」にも協力を仰いで、技術向上を目指す。「イノホイの森」は、4月10日(月)に開演。開演当日は、森を探検したり、自然に触れて虫や植物などを観察したりできるほか、様々な狩猟罠の展示や、「refactory」が販売する罠などに実際に触ってみることで、鳥獣被害の捕獲や、動物の習性などを理解し、設置する実演なども行うことができる。

(獣害対策に意外な会社が参入、鉄道会社に警備会社)
耕作放棄地の増加などで、シカやイノシシなど野生動物による被害が深刻化しています。2021年度の農作物の被害額は約155億円に上っています。こうした中、“思いもよらない”会社が獣害対策に乗り出しました。神奈川県小田原市の山林での、狩猟の体験講習。講師が「箱わな」を使った野生動物の捕獲方法などを教えます。参加者は初心者からすでに狩猟免許を持った人までさまざまで、期間は3か月、費用は3万円です。参加者の1人は「これを入り口にして狩猟できたらなと考えている」と話しました。この講習を実施しているのは、大手鉄道会社の小田急電鉄です。線路に野生動物が入り込み電車の遅延などが起こることもあったため、始めました。会社では講習をきっかけに、参加者に狩猟の新たな担い手になってほしいとしています。大手鉄道会社 経営戦略部 有田一貴さん「(狩猟の)人手不足が課題になるだろうというのを先行して解決しようということ。地域の社会課題を一緒に解決していくことで、地域全体を盛り上げていきたい」。一方、千葉県茂原市にあるジビエの工房をつくったのは、大手警備会社「ALSOK千葉」です。野生動物から田畑を守る警備の仕事で捕獲もしていたことから、食肉の販売を事業として立ち上げ、工房で食用に加工しています。野生動物が捕まると、契約している猟友会の人などから連絡が入り、捕獲場所や時間を記録して工房に持ち帰ります。取材した日は、すでに捕獲してあったイノシシを加工していました。いつどこでとれたかなどの情報は、QRコードで確認できるようになっています。さらに食の安全を守るため、すべての工程を映像に記録しています。こうした仕組みは、現金輸送などで行っている情報管理のシステムが生かされています。会社では2022年度、すでに1400頭ほどを扱っているそうです。この警備会社のジビエを定期的に仕入れるレストランもあり、シカ肉のグリルが人気だといいます。レストランの店主は「相当、衛生面にはこだわっているのを肌で感じる。安全性と供給の安定の部分ですごく信頼を置いている」と話しました。大手警備会社 取締役 竹内崇さん「被害を与えるので捕獲せざるをえないが、それもちゃんと有効に使える。ジビエもきちんと事業として成り立つということをやっていきたい」。獣害対策は、捕獲する人手の不足や、捕獲してもそのあとの処理に困るといった課題がありますが、企業が新たな人材の育成に取り組み、食肉として有効活用することで捕獲量が増え、獣害が減っていく流れができることが期待されます。

(都市のタヌキ、コロナ禍で堂々と食事:東京)
都市に生息するタヌキも、人間が外にいないコロナ禍では行動が大胆になる――。東京農工大学(東京都府中市)の研究チームがそんな調査結果を公表した。コロナ禍前後の行動を把握して変化の有無を調べることで、環境に適応した動きをしていることを、明らかにできたとしている。同大大学院グローバルイノベーション研究院の小池伸介教授らの国際研究チームが、コロナ禍前の2019年秋と、その後の20年秋のタヌキとアナグマの採食行動を調べ、比較した。内容は米国の生態学誌に昨年12月25日付で掲載された。調査は同大とは別の大学構内にある、東京都三鷹市の雑木林で実施した。当時、この大学は学生らを対象に構内への立ち入りを厳しく制限しており、19年時点で行っていた調査結果と比べることで、人間の有無に伴う行動の変化が分かると考えた。

(ハクビシン、森の中では有益です:山形)
ハクビシンのふんをコガネムシが地中に隠すことで、種の発芽率が高まって森林生態系に好循環をもたらす仕組みを、山形大農学部の江成広斗教授(野生動物管理学)らが解明した。江成教授は「害獣の面が強調されるハクビシンだが、森では有益な存在。人とのすみ分けが重要だ」と指摘する。江成教授らは鶴岡市内の里山で2015年からハクビシンに発信機を付け追跡調査を実施。動物の行動と植物との関連を調べる「種子散布」に着目して研究を進めた。気仙沼市出身の大学院生小野寺壮太さん(24)らも調査に加わる。ふんを調べたところ、ブナやミズナラなど20種もの実を採食していることが判明。ハクビシンのふんがコガネムシをどれだけ集めるか実験した結果、同じ中型ほ乳類のタヌキと比べ、引き寄せる力が圧倒的に強かった。コガネムシは動物のふんを土の中に埋める習性がある。ふん中の種子が土中に埋められることでネズミの食害を防ぎ、大幅に発芽率を高めるという。江成教授は「在来種のアナグマやテン、イタチなどが減少する中、代役を果たし、種子散布を通じ生態系を補強している」と分析する。調査では、空き家に入ったまま餌を食べずに一冬過ごした個体も確認した。江成教授は「もともと熱帯にすむ外来種なのに東北の冷涼な気候に適応し、冬眠状態で冬を乗り切っていることに驚いた」と話す。ハクビシンは「重点対策外来種」として対策の必要性が高い動物に位置付けられ、東北では2000年ごろから生息域を広げている。江成教授は「繁殖原因の一つとされる空き家などを増やさないことも大事だが、完全な駆除は不可能。果樹被害などにも対応策はあり、現実的に人とのすみ分けを図っていくべきだ」と話している。ハクビシン ジャコウネコ科の哺乳類。額から鼻筋が白いことから「白鼻心」と付いた。在来種説もあったが、江戸時代に台湾から持ち込まれたことが近年分かった。小鳥やネズミを主食とするが、雑食性で果実も好む。

(かかし供養」、イノシシ被害から田んぼ守る:三重)
日本一美しいといわれる三重県熊野市の丸山千枚田で3日、かかし供養が行われました。おはらいをして、去年の豊作を感謝しました。丸山千枚田保存会 喜田俊生 会長:「イノシシなどの被害が少なかった。かかしの活躍は大きかった」。夏には、田んぼのオーナーたちが、新しいかかしを手作りするということです。

(普段は見られない宮内庁「埼玉鴨場」3年ぶり公開:埼玉)
埼玉県越谷市にある宮内庁の「埼玉鴨場」が3月7日、3年ぶりに県民向けに一般公開されることとなり、参加者を募集している。普段は見ることができない場内を、職員の説明を聞きながら見学できる。前回の倍率は約10倍で、今回も人気が予想される。埼玉鴨場は、11月中旬から2月中旬の鴨の狩猟期間に、伝統的な鴨狩をする場として皇室が賓客の接待などに使用している。約1万2000平方メートルの池「元溜(もとだまり)」に、毎年1万羽以上の野鴨などが越冬のために飛来するという。鴨を池からつながる狭い水路におびき寄せ、網で捕獲する。当日は映像資料を観た後、鴨の様子を確認する「大覗き」を見学できる。参加無料。午前10時と午後2時開始の2回開催で、定員は各回抽選で選ばれた15人程度。新型コロナウイルスの影響で中止していたが、定員を半減して再開する。

(古閑美保が“クレー射撃”にどハマり!?)
元賞金女王の古閑美保が自身のインスタグラムを更新し、クレー射撃に挑む姿が動画で公開されました。投稿に「小さな頃から男の子たちがバンバーンなんてやってるのをすごくかっこいいと思ってしまう女の子で」と書き出し、続けて「祖父の趣味が狩猟で、鹿やイノシシを前に手を合わせていただきます! とお命を頂戴する事に感謝していただく事を教えてくれたのが父」と明かした古閑。さらに「クレー射撃という競技がありその魅力を教えてくれたのがヒロミさんで、とうとう趣味で撃ってるんじゃなくて、いや趣味の延長なんだけれどもやっぱりうまくなりたくて…」などとつづり、射撃で東京五輪に出場した大山重隆さんとの2ショット写真をアップ。「大山重隆選手のレッスンに通う古閑」とコメントを添え、2人が散弾銃を手にカメラに向かってポーズを決める貴重な姿が披露されています。また、投稿には3本の動画がアップされ、古閑が実際に銃を撃つ姿が公開。「ドンッ!」と響きわたる銃声とともに古閑の体が衝撃で大きく揺れ、大山さんが「ナイスショット」と声をかける様子が映し出されています。この投稿には「めっちゃかっこいい!」「やってみたい!」「衝撃とかダメージとかどんな感じなんだろ」「古閑先輩カッコいいです」などの声が寄せられています。

(ホテルがカラスの撃退へ、天敵のタカを社員に迎え「入社式」:沖縄)
沖縄県石垣市のリゾートホテルでカラスが宿泊客の食事などを持ち去る被害が相次いでいることから、タカを使って追い払おうという取り組みが始まり、2日タカを社員として迎える「入社式」が行われました。沖縄県石垣市真栄里にあるリゾートホテルでは、カラスがプールサイドでくつろぐ宿泊客の食事を持ち去ったり、荷物をあさったりする被害が相次いでいるということです。ホテルはこうした状況を自然にやさしい形で打開しようと、カラスの天敵で猛きん類のタカを社員として迎え入れ、カラスを追い払ってもらおうという取り組みを始めました。2日はホテルのプールサイドに社員たちが集まって「入社式」が行われました。タカはアメリカ大陸原産の「モモアカノスリ」1羽で「藍」くんと名づけられました。式では、秋間友総支配人から料飲とレジャー部門への配属が藍くんに伝えられ、名刺が渡されました。式のあと、さっそくパトロールの様子が披露され、たか匠の資格を取ったホテル社員の男性の手から飛び立った藍くんは、客室のテラスの柵に止まったあと合図で再び戻ってきました。秋間総支配人は「お客様にカラスが迷惑をかけることのないように藍くんには見張りの役目をお願いしていく。今後はカラスの数が減っていくことを期待しています」と話していました。

(カラス対策に新兵器、音も発光もない「ひらひら金属」)
中国地方にあるメガソーラー(大規模太陽光発電所)において、これまでにないカラス対策が試みられている。いまのところ抜群の効果があるようだ。このメガソーラーは稼働してからカラスによる被害に悩まされてきた。まずフンによって太陽光パネルが汚れる。より深刻だったのはいわゆる石落としによるパネルの割れである。カラスが石をくわえて飛んできて、パネル上空から落としてカバーガラスに衝突して割れる。この被害が甚大だった。割れた太陽光パネルの交換に要する費用は損害保険で賄っているものの、この保険料自体が年々値上がりしている。これまでにもさまざまな対策を試みてきた。しかし、いずれも効果が限られていた。例えば、合成繊維の糸を束ねて設置する製品を使ってみた。光が乱反射することでカラスが怖がって嫌がる効果があるとされる。しかし、このメガソーラーに集まってくるカラスは微動だにせず効かなかった。より強い手法として、ドローン(無人小型飛行体)を使う手法を試したこともあった。ドローンにストロボ光源やスピーカーを搭載し、カラスが嫌がる光や音声を発しながら飛行する。音声では、カラスが苦しんでいる時の鳴き声や、人間が怒鳴っているような声が使われた。この時には一定の効果はあった。集まっていたカラスは飛んで逃げ出した。しかし、ドローンが近づけない電柱や木に止まったり、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の下に潜り込んだりするだけで、メガソーラー近辺から去ることはなかった。ドローンの機体に攻撃をしかけてくるカラスさえいた。これも十分な対策にはならなかった。今回の手法は、金属の薄膜を使う。クリスマスツリーの飾りやスポーツなどの応援に使われるような、細く薄い金属を束ねたものだ。これに、電圧を印加する。ガスコンロや簡易着火装置などが備えている圧電素子をつかっている。すると、カラスにとっては強い刺激が周囲に生じる。これは人間には感じ取れないもののようで、カラスには感じ取れるような強い気配や波動のようなものが発されるのではないかという。どのような現象が起きているのかは明確にはわかっていないところもある。カラスが数十羽と群れをなしてメガソーラー周辺に集まっている時に、このシステムを使う。2~3日間使っていると、その後、1~2カ月間は太陽光パネルの割れをほぼゼロに抑えることができているという。この新たな対策による実証実験は、一般社団法人・日本イノシシコンサルタント協会が実施している。同協会の一瀬泰啓代表が、中国電力グループに勤務していた時に開発した手法である。電力設備や送配電設備は、早くからイノシシやカラスによる被害に悩まされてきた分野である(同協会によるイノシシ対策の関連コラム)。一瀬代表によると、カラスは刺激に対して敏感で、加えて、俊敏に飛べるため、人などが近寄ってきても、鉄道や自動車が高速で走って近づいてくる場所でも、ギリギリまで引き付けてから飛び去って捕獲や衝突を避けることができる。こうしたカラスの特徴を逆手に取った対策となっている。人間には感じ取れないような刺激を発するため、大きな音声で脅かすような対策で問題になる人間の不快さは生じない。カラスを傷つけることもない。これまでこの手法は、送電線や樹木、漁港などにおけるカラスの群れによる被害に試され、抑制効果が確認されていた。こうした実験結果から、メガソーラーにおいても一定の効果があると考えた。一瀬代表によると、カラスに対して恒久的に効く万能な対策は存在しないのではないかという。今回の手法も変化をつけずに単純に続けているだけでは、いずれ効果が薄れると予想している。効果が薄れてきた時のために、2つ目、3つ目の新たな対策を用意して、これらを組み合わせて変化をつける準備が必要になる。また、自然環境の中に野生の鳥や動物と人間が共生していることへの配慮が重要と強調する。今回のメガソーラーであれば、石落としの被害が多くなる時期や場所で集中的に対策する。そして、被害が少ない時期であればカラスが少なからず滞在することを受け入れるといった、「これだけはやらないで欲しい」という行為や場所を明確にするような姿勢が大事という。このような考え方から、まずは年間を通じてカラスの行動を観察し、太陽光パネルの被害状況を把握した。すると、太陽光パネルが割れる被害は、時期によって状況が変わることがわかった。秋から冬にかけて被害が集中している。春から夏にかけては被害が少ない。4月ころから子育てがはじまるためではないかと推測している。春から夏の間にも、カラスが群れて行動することは見られる。9月ころから被害が急に増える。とくに冬に被害が集中する傾向があるのは、カラスが翌春の繁殖期までの間、集団でねぐらを形成する習慣と関係があると推測している。そこで、カラスがメガソーラー近隣で集団行動をはじめてから今回の対策を本格的に試みた。具体的には2022年11月から、現地での実証実験を始めた。金属の薄膜と圧電素子を組み合わせた試作機を2つ現地に持ち込んだ。送電線や樹木、アレイ付近、アレイ上など、カラスが集まっている状況に合わせて設置場所を変えながらカラスが逃げ去るかなどの効果を確かめた。回の対策は3日間ほどで集中的に実施した。カラスの集団行動が午前の10:30~11:30ころに集中していたため、この時間帯にとくに対策システムを稼働させた。その後も効果は続いて、12月も太陽光パネルが割れる被害はゼロに抑えられた。このメガソーラーの関係者によると、この案件が稼働して以降、この時期に太陽光パネルの割れがゼロという経験は初めてで、その効果に驚いているという。中でも効果が大きかったのは、メガソーラー内に侵入する直前の状況だった。カラスはいきなりメガソーラー内に侵入するのではなく、近隣の特定の電柱と電線に集まるように止まる。ここから群れになってメガソーラー内に押し寄せてくる。そこで、近隣の特定の電柱と電線に集まりつつある段階で、金属薄膜に電圧を印加することにした。すると、すぐにカラスは集団を解消するように分散して逃げ、その後もこの場所に集まることを避けているという。カラスの集団と対策システムの距離も関係ありそうだという。例えば、カラスが集まり始めた場所から35mほど離れた場所で駆動すると、飛び去って逃げる。その後、100mほど離れた場所に止まって様子をうかがっていたことも確認でき、100m以内の場所で駆動させることが重要とわかった。試作機では、圧電素子を間欠的に駆動させた。5秒~1時間間隔まで任意に設定できるようにした。雨天時や落雷の可能性が高い日は避けて実施した。

(獣害防止はジビエ普及がポイント:三重)
農作物などへの獣害が積年の課題となっている津市美杉町で、三十年以上にわたってシカなどを捕獲している古田洋隆さん(67)=同町下多気。狩猟だけで生計を立てる専業猟師で、独自のわな道具などで獲物を仕留め、熟練の解体技術で全国の有名レストランに上質のシカ肉を卸している。「食材として料理人につなぐことが必要」と指摘し、ジビエとしての活用に力を入れるべきだと提言する。

(ジビエのペットフード、将来性は?:岡山)
シカやイノシシといった野生鳥獣を地域資源として活用する方策を探る「ジビエ連携フォーラム」(中国四国農政局主催)が1日、岡山市内であり、ペットフード原料としてのジビエ(狩猟肉)の需要動向などについて参加者らで話し合われた。

(ジビエ&けもの道トレッキングツアー:千葉)
「狩られてしまった野生動物、可哀想だと思いますか」。そんな問いかけに皆さんはどう答えますか?鋸南町で活躍する現役の猟師から有害獣の被害や利活用について講義を受け、実際にけもの道を歩いて動物たちの痕跡を探す体験型学習イベント。最後は命に感謝し、美味しくジビエをいただきます。

(地元専門家が「イノシシ」の授業:茨城)
イノシシの生態について知ろうと、常陸大宮市立緒川小学校(齋藤慶一郎校長)の3年生がこのほど、イノシシの狩猟をしている市内の増山洋治さん(67)を招いて話を聞いた。地元の自然を学ぶ授業の一つとして行った。増山さんは、イノシシの狩猟をして約45年。授業では、みんなは怖がるけれど、イノシシは実は臆病な動物であること、イノシシも生きるために必死で、田畑を荒らしてしまうこと、狩猟は殺すのが目的ではなく、田畑を守るためのことで、「命をいただいている」という気持ちで行っていることなどを話した。また、友人が作ってくれたという、イノシシの上あごと下あごの標本を紹介したり、校庭に出て、犬と協力して行うイノシシの捕獲方法の実演などもした。増山さんが3年生に授業を行うのは、3年前に続いて2回目。きっかけは、校庭にイノシシが掘ったと見られる穴が空き、児童たちの間で「この穴は何だろう?」「なぜイノシシは穴を掘るの?」などと話題になったことだった。「イノシシも自然の一部。イノシシを知ることで、地元の自然を愛する気持ちにつながったらうれしい」と、増山さん。堀江遥斗君(9)は、「イノシシが臆病だとは初めて知った。これからは、家の畑の仕事のお手伝いをしたい」と話していた。

(ワイン城でシカ革の雑貨作ろう:北海道)
エゾシカの革で雑貨を作るワークショップ「レザークラフト」が11日午前10時~午後4時、ワイン城1階のショッピングフロアで開かれる。講師は池田町在住の4人。来場者はアドバイスを受けながら、約20分で仕上がる雑貨を作れる。製作費は1点につき1500~3千円。

(「駆除鹿の皮」を革製品に:長野)
大町市美麻地区の住民らでつくる一般社団法人「地域づくり美麻」が、鳥獣害対策で駆除された鹿の皮を革製品の材料に活用し、収益化する取り組みを始める。同地区では住民が鹿の駆除と食肉加工に携わっているが、皮は産業廃棄物として処分してきた。これを活用して収入を増やし、鹿の駆除に携わる人を継続的に確保できるようにする狙いだ。「革小物を作る機会はそうない」「ここはどう縫い合わせるの」。道の駅「ぽかぽかランド美麻」近くの多目的施設で1月下旬、住民ら11人が参加し、鹿革で小銭入れを手作りする講習会が開かれた。同法人は、鹿革でどんな物が作れるかを知ってもらおうと講習会を企画。講師は、県内で駆除された鹿の革で製品を作る「信州鹿革エシカルプロジェクト」に取り組む徳永直孝さん(45)らが担当した。参加者は、千曲市で革製品の製造会社を営む徳永さんが用意した鹿革を縫い、ボタンを付けて仕上げた。山あいにある美麻地区では鹿による農作物の食害が悩みだ。駆除した鹿を活用しようと、大北猟友会美麻支部を中心に2012年、美麻ジビエ(野生鳥獣肉)振興会が発足した。

(駆除されたシカ、革製品へ:福島)
作業机に広がる色鮮やかな鹿革。染色された鹿革はミシンや手縫いでバッグやサンダル、名刺入れに姿を変え、豪雪の南会津地方に彩りを加える。鹿革に命を吹き込むのは南会津町で工房を構える小山抄子(しょうこ)さん。「頂いた大切な命。新たな産業につなげることができれば」と思いを語った。小山さんは福岡県出身。1993年に野生動物の写真撮影のため尾瀬国立公園の尾瀬沼ビジターセンターでアルバイトを始めた。そこで出会った山小屋の人や仕事仲間の温かい人柄と尾瀬に魅了され、2006年に一度離れた尾瀬に戻り、08年には同町に移住した。ガイドや植生復元の補助をこなす日々を送る中、小山さんは尾瀬のある異変に気付いた。「(シカの)鳴き声が聞こえるまでになった」。ニッコウキスゲなどを好んで食べるシカが増え、食害を引き起こしていた。国などが10年ごろから駆除を開始したが、原発事故に伴う出荷制限の影響もあり、シカが廃棄され続ける現状に疑問を抱いた。尾瀬をはじめ同町などで年間数百頭のシカが駆除されていたという。現実を目の当たりにし、行動に移した。東京都内にある皮のなめし工場を見学した時、柔らかく滑らかな鹿革に一筋の光を見いだした。親交のある町内の猟師にシカの皮を譲ってもらい、なめしてみた。素人だった小山さんは、紹介で神奈川県にある特別支援学校の革工程の生徒とつながり、コインケースやボトルホルダーを試作することになった。小山さんは形になった鹿革製品を尾瀬の山小屋で、これまでの経験や思いを伝えながら販売。手応えを感じ、15年に「おぜしかプロジェクト」を設立、本格的な鹿革製品の企画・販売に踏み切った。現在は新商品の開発やワークショップを行い、活動の輪を広げている。4月にはジビエ料理の魅力やシカの現状を伝える「鹿フェス」を町内で初開催する予定だ。「多くの出会いに感謝。鹿革の魅力や自然、未来を考える機会を提供できれば」と意気込む。

(同級生の3人がドッグフード会社を起業:群馬)
核家族化の進行やコロナ禍を受け、「ペットは愛する家族」との考えが浸透する中、20代の中学の同級生3人が、ドッグフードを手がける会社を立ち上げた。原料は牛肉や羊肉が一般的だが、より高品質な製品を追求し、捕獲された野生の鹿肉を活用。鳥獣害対策への貢献も目指す。社長の田中翔平太(しょうへいた)さん(27)は「安心安全でおいしい食事で、犬との幸せな暮らしをサポートしたい」と話している。きっかけは、田中さんの米国留学だった。カフェでの食事や登山など、あらゆる場面で人々が犬と共に過ごす様子を目にした。犬がペットではなく、家族として受け入れられる社会を日本にもつくりたいという思いから、高崎塚沢中で同級だった金子侑樹さん(27)、井田悠太さん(27)に声をかけた。3人で2021年夏ごろから起業に向けた準備を進め、22年春に設立した会社名は「FAMIDGE(ファミッジ)」。「人と犬との架け橋に」との理念から、家族の「ファミリー」と橋の「ブリッジ」を組み合わせた。県内でシカをはじめとした野生鳥獣による食害が深刻化していることを踏まえ、原料にはニホンジカの肉を採用。「捕獲された鳥獣の再利用も不十分」との思いから、加工して付加価値を高めることを目指す。ドッグフードとして販売することで、自治体の処分への負担を減らし、鳥獣の個体数削減の一助としたい考えだ。商品化したのは、成犬用のジャーキーとチップス(いずれも1袋30グラム、990円)。イベントやインターネット、ペットサロンなどで販売している。ペットフード安全法の基準を満たしているのはもちろん、「人が食べても安全」という高い品質にこだわった。現在は今春の流通を目指し、栄養素のバランスが取れた犬用の総合栄養食品を開発中。シカに関しても肉だけでなく、皮や角を使った首輪などの加工品の商品化を進めている。3人は「人が犬に対し、家族の一員として愛情を注ぐような社会にしたい」と意気込んでいる。

(エゾシカ革の新ブランド:北海道)
エゾシカ革アルチザンデザイナー高瀬季里子の新ブランド「HADACA肌鹿」。2023年2月15日(水)~17日(金)に「第95回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2023」で初お披露目。

(若手実力派料理人による国産ジビエのメニューフェア開催)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、外食・中食産業においてジビエ(野生鳥獣肉)の活用を促進し、付加価値向上による外食・中食産業の活性化を図るため、ジビエ活用に向けた取組を実施しています。本取組では、日本最大級の若手料理人コンペティション「RED U-35」で優秀な成績をおさめた料理人などが所属するクリエイティブラボ「CLUB RED」の料理人13名が参加。“創造力・発信力のあるシェフ”と“加工処理施設”のマッチングによるジビエのブランド化とともに、外食・中食産業の活性化を目指したプログラムを実施しました。プログラムはシェフが産地を訪れ生産者と交流する「学び」、シェフと加工業者が意見交換する「発散・対話」、シェフにジビエを提供しメニュー開発に取り組んでもらう「実践」、生産者や加工業者、外食・中食に携わる飲食店、消費者に向けて情報発信する「共有」の4タームに分けて行われました。参加シェフ13名はそれぞれの飲食店でジビエメニューを提供するメニューフェアに参加。味だけではなく、ジビエを取り巻く環境やストーリーなどを伝えることでジビエの価値を見直すきっかけづくりになるよう「全国ジビエフェア」内の特設サイトでも本取組を紹介し、情報提供をおこなっています。

(高校生がシカ肉使ったカレーや肉まんを販売:熊本)
八代農業高泉分校(熊本県八代市)と芦北高(同県芦北町)の県立2校の生徒たちが、シカ肉を使った料理を販売するイベント「ジビエ甲子園」が5日、熊本市中心部で行われた。生徒たちが自ら考案した肉まんやコロッケなどを売り出し、ジビエ料理の魅力をPRした。シカやイノシシによる農林業被害対策の一環。演習林では樹木に被害が出ており、両校は被害調査やICT(情報通信技術)を活用した捕獲の研究に取り組んできた。捕まえたシカを地域資源として有効活用しようと、ジビエ料理のレシピ開発も行っている。

(ジビエたっぷり、冬版やま弁できた:岡山)
岡山県鏡野町の旬の食材で作った弁当「やま弁」シリーズの2023年冬版「マタギ」が完成した。町内など県北産のジビエ(狩猟肉)をふんだんに使ったボリュームたっぷりな3種類で、26日までの土日祝日に町内3施設で販売する。3種類のうち、そぼろ丼弁当はシカ肉のミンチにショウガの風味を付け、甘辛く炊いて玄米ご飯にのせた。町産ニンジンやゴボウ、津山産黒豆の煮物を添えている。シカ肉のハンバーグをメインにしたものは、シシ肉とゴボウの甘辛炒め、ホウレンソウのごまあえを詰めた。シカ肉を串カツとミートボールにした弁当には、ニラ入りの卵焼き、シイタケや油揚げを使った炊き込みご飯を入れている。町内の飲食、宿泊事業者でつくる「鏡野やま弁友の会」加盟の3事業者が各1種類を考案した。友の会は「雪深い山あいではジビエは一番のごちそう。この季節ならではの鏡野の味を堪能してもらいたい」としている。

(28日まで房総ジビエフェア:千葉)
県の野生鳥獣被害対策で捕獲されたイノシシやシカの肉「房総ジビエ」を使用した料理が味わえる「房総ジビエフェア」が、県内と東京都内の飲食店で開催されている。安房地域からは7店舗が参加し、多彩なメニューが提供されている。28日まで。県によると、令和3年度の野生鳥獣による県内の農作物被害額は3億円超で、うちイノシシによる被害額が41・5%。一方、県内で2万頭余りのイノシシが捕獲されているが、食肉利用率は7・3%(自家消費は除く)と、食肉用として扱われているのはごくわずかだという。適正に処理加工されたイノシシ、シカ肉を「房総ジビエ」と銘打ち、普及や消費拡大、飲食店支援につなげようと、県農林水産部流通販売課が同フェアを主催。県内と東京都内の65店舗が参加している。1月に開催された「第5回房総ジビエコンテスト」の受賞メニューも味わうことができ、最優秀賞を受賞した南房総市宮下の和食料理店「隠れ屋敷典膳」は、受賞作「ジビエつくねと季節の野菜の炊き合わせ」を提供。この他、安房地域では6店舗で、イノシシ肉を使ったソーセージやラーメン、カレーなどを味わうことができる。フェア期間中に、参加店舗で対象のメニューを注文し応募すると、抽選で100人に「典膳」で使える食事券1万円分や県産品などが当たるプレゼントキャンペーンも実施している。担当者は「ジビエというとっつきにくいイメージを覆すような、手軽でおいしいメニューを味わって、ジビエに慣れ親しんでほしい」と話している。

(クマ出没:みやぎ)
栗原市によると、2日午前8時20分ごろ、栗原市若柳武鎗生江沢にクマが出没しました。

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(散弾銃で撃たれたコハクチョウ飛び立つ:滋賀)
越冬のため多くの渡り鳥が飛来して過ごしている長浜市湖北町で、散弾銃で撃たれた跡のあるコハクチョウ一羽が見つかった。湖北野鳥センターなどに保護された後、動物病院で傷口の治療を受け、元気を取り戻した。二十九日夕、琵琶湖に群れをなす仲間たちの元に無事に帰っていった。

(豚熱発生5年、野生イノシシ続く感染:岐阜)
県内の養豚場で、国内で26年ぶりとなる家畜伝染病「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」の発生が確認されてから、今年で5年となる。県はウイルスを運ぶ野生イノシシ用のワクチン散布を進めてきたが、県内では昨年1年間で、68頭の野生イノシシの感染が確認された。自治体のデータなどから、豚熱の感染状況を探った。豚熱は2018年、岐阜市の養豚場で、国内で26年ぶりに発生が確認され、以降、全国34都府県に感染が広がっている。豚やイノシシが感染し、強い感染力と高い致死率が特徴。人には感染しない。県や家畜保健衛生所はこれまで、全国に先駆けて養豚へのワクチン接種や、野生イノシシ用の経口ワクチンの散布、野生イノシシをジビエに利用する際の解体処理のマニュアル作成などを進めてきた。養豚の感染は落ち着いている一方、野生イノシシの感染は依然として続いているのが現状だ。そのため地元関係者からは「感染したイノシシは県境を越えてきている。いくら県内で対策しても、効果は薄いのではないか」との不満の声も上がっていた。東海3県の市町村ごとの野生イノシシの陽性率を地図で表したものだ。陽性率は、昨年1年間で捕獲などにより検査に回された野生イノシシのうち、陽性が確認された割合を示しており、地図上の色が濃くなるほど割合が高くなっている。県内では確かに、西濃や東濃地域の県境の市町村で陽性率が高く、岐阜市の2・5%に対し、大垣市では17・9%、海津市では20%、土岐市では7・6%などとなっている。愛知県でも、岐阜県境の豊田市が7・8%と比較的高い。一方、三重県では桑名市が1・5%、いなべ市が0%と、岐阜県境の地域は低くなっている。図〈2〉は、市町村ごとに森林100ヘクタール当たりの経口ワクチン散布数をまとめた。昨年1年間の経口ワクチンの散布数を、イノシシのすみかとなる森林の面積で割った数を示しており、地図上の色が濃くなるほど、100ヘクタール当たりの散布数が多くなっている。市町村ごとのワクチン散布数と陽性率の関係はどうなっているのか。野生イノシシは1か所にとどまっているわけではないが、図〈1〉と〈2〉からは、富加町(散布数124・2個、陽性率0%)や瑞浪市(同57・3個、同2・3%)などのワクチン散布数が多い地域では、感染が確認されていないか陽性率が低い傾向にあるのに対し、養老町(同39・3個、同33・3%)や揖斐川町(同13・1個、同21・3%)などの散布数が少ない地域では、陽性率が高い傾向にあるのがわかる。そのため野生イノシシが豚熱に感染するリスクは、県によって大きく変わらず、むしろ市町村ごとに異なる可能性があることがうかがえる。岐阜県野生いのしし対策室の担当者は「県内の森林面積は広大だが、予算的に散布できるワクチン数は限られている。そのため養豚場の周りなど、優先順位をつけてワクチンを散布している」と説明する。岐阜大大学院連合獣医学研究科の浅井鉄夫教授(動物感染症制御学)は「野生イノシシの感染地域は本州から四国へと拡大しており、県内全域に行き渡らせる数量のワクチンを確保することは現実的に難しい」と指摘した上で、「ワクチンの散布数だけに注目するのではなく、野生イノシシがワクチンを摂取する割合を高めるための対策も講じていく必要がある」としている。

(奈良公園のシカに他で確認されていない独自の遺伝子型:奈良)
福島大学などの研究グループは、国の天然記念物に指定されている奈良公園に生息するシカが、周辺のシカと異なる遺伝子を持っていることが判明したと発表しました。奈良公園のシカは、“神の使い”とされ、国の天然記念物に指定されています。福島大学などの研究グループが、奈良公園と紀伊半島各地に生息するニホンジカを対象にDNAを抽出し、詳細な遺伝解析を実施したところ、奈良公園のシカからは他の地域では確認されていない独自の遺伝子型が見つかりました。この研究で、奈良公園のシカは1000年以上前から、紀伊半島に住むほかのシカの集団と交流がないことが明らかになったということです。研究グループは、紀伊半島全域で人間の狩猟や開拓により野生のシカの群れが消滅する中で、奈良公園のシカは人間の保護によって1000年以上も生き延びてきた歴史的背景が明らかになったとしています。福島大学共生システム理工学研究科・高木俊人さん「狩猟などで捕獲されて(ほかの群れが)絶滅する中で、個体が奈良公園のみで生き残ってきた。まさに生きる文化財だと言える」春日大社宮司・花山院弘匡さん「“神のシカ”として大切に大切に守られてきたシカが、科学的にも特別なシカだということがわかったということに、大変驚いています」研究グループによりますと、近年、野生のシカは、分布域が拡大し個体数も増加していて、1000年以上にわたって保たれてきたバランスが変わりつつあるということです。研究グループは、奈良公園のシカをどのように未来に残していくかを考えるきっかけにしてほしいと話しています。

(新人ハンター入門セミナー:千葉)
本セミナーは、有害鳥獣捕獲の担い手となるハンターを育成・確保するため、狩猟に興味はあるがどのように始めたら良いかわからないかたを対象に、狩猟を始めるきっかけを提供することを目的としています。皆様のご応募をお待ちしています。お申し込みは、ちば電子申請サービスからお願いします。

(「令和4年度鳥獣対策優良活動表彰式」及び「第10回全国鳥獣被害対策サミット」について観覧者を募集)
農林水産省は、全国の農村地域等において鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人及び団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰式」及び鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「第10回全国鳥獣被害対策サミット」を開催します。また、表彰式及びサミットにおける観覧者を、本日から2月8日(水曜日)まで募集します。農林水産省は、野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況の中で、地域への貢献が顕著であると認められる個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を毎年実施しています。平成21年度からは鳥獣被害防止の取組、平成28年度からは捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用の取組についても表彰し、優良事例を広く紹介することにより、効果的な鳥獣対策の推進を図っています。また、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、農林水産大臣賞受賞者からの取組事例の報告の他、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッションや鳥獣対策及び利活用(ペットフード、皮革等を含む)等に係る研究成果、技術情報、製品情報等の取組に係るポスター・資機材等の展示を行います。

(有害鳥獣の処理施設建設へ:北海道)
福島町は、食害などの原因となるエゾシカの捕獲数が近年増加し、駆除や解体処理にあたる人員の負担が増えていることから有害な鳥獣の処理施設を新たに建設し、来年4月の稼働を目指すことになりました。福島町によりますと、町では近年、エゾシカによる農作物への食害や踏み荒らしなどの被害が増えていて、それに伴い捕獲されたエゾシカの数が2021年度は110頭と前の年度よりおよそ36%増加しました。今後も増加が見込まれる一方で、町内には有害な鳥獣を駆除したり解体処理を行う人員が4人しかおらず、作業の負担が大きくなっているとして、町は有害な鳥獣の処理施設を新たに建設することにしました。処理施設は木造平屋の床面積およそ200平方メートル、総事業費6880万円で、4月からの新年度に工事を開始し、来年4月の稼働を目指すということです。福島町は「施設の稼働を始めたあとは近隣の松前町、知内町、それに木古内町の3つの町からの有害鳥獣も受け入れる方向で検討している」としています。

(子供から大人まで一緒に鳥獣対策体験:宮崎)
町工場の技術と想いをECにのせて届ける、株式会社refactory(以下、refactory 本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 守屋将邦)は、この度、宮崎県国富町にイノホイの森をオープンいたします。この森では鳥獣被害について詳しく知らない一般の方でも、鳥獣捕獲用の罠作りを行ったり、許可制で狩猟免許を持っているけど捕獲する土地を持っていない方に解放、技術指導などを行うことで今後の狩猟家の育成・発達に寄与できる活動を行っていきます。

(捕獲動物を家庭の食材に:神奈川)
野生鳥獣による農作物被害が後を絶たない中、捕獲した動物を「家庭の食材」として活用する試みが相模原市緑区の藤野地区で始まっている。捕獲から消費までの循環モデルを地域で構築しようと、先月にはジビエ料理の体験イベントを開催。住民らは「日々の暮らしでできることから始め、鳥獣被害対策や森林保全につなげていきたい」と語る。今月20日夕方、藤野地区の住民らでつくる無料通信アプリ「LINE」グループにメッセージが入った。≪明日さばきますので、お手伝いいただける方、よろしくお願いします≫投稿主は地元温泉旅館「陣渓園」の代表・大木康敏さん。メッセージには捕獲されたばかりのイノシシの写真が添えられていた。間もなくして数人が「行きます」と返信。翌朝、解体処理が行われ、希望者の家に食材として渡った。市によると、2021年度の鳥獣による農作物の被害は21トンで、金額は計640万円に上る。このうち最も被害が大きいのはシカ(10トン、350万円)で、イノシシ(6トン、111万円)と続く。シカやイノシシの被害は緑区に多く、藤野地区でも10年以上前から悩まされてきたという。農作物が食い荒らされることに加え、新芽や下草を食べられることによる土壌流出、その先の森林機能低下も長年の課題となっている。数年前に自治会のメンバーが猟銃免許を取得して捕獲に乗り出したが、廃棄という新たな問題が浮上した。同地区には加工処理の場所がなく、肉を流通させる仕組みもないため、捕獲しても大半を現地に埋めるしかなかったという。

(猟で狩った野生動物の獣皮を“革”へ:東京)
重厚感たっぷりの黒色と、高級感あふれる光沢がコラボした革ジャン。思わず笑みがこぼれる着心地のよう。実はこの革ジャン、一風変わった素材が使われている。素材となっているのは、廃棄されるはずだった野生のシカの皮。2022年12月に開催された革ジャンの販売会で、多くの人が珍しいシカの革ジャンに袖を通し、目を輝かせていた。このシカの皮を使った革ジャン作りの仕掛け人が、山口明宏さんだ。「駆除動物のいただいた命の皮はちゃんと最後の一枚まで大切に使い切ろうと。さらにその一歩先まで進んで、きちんとそれを消費文化に、新しい消費文化につなげていこうと」「命を無駄にしない」という信念のもと、新しい消費文化を作り出そうと奮闘する山口さんの挑戦に迫った。東京・墨田区で、創業80年以上の歴史を誇る山口産業。創業当時から生業としてきたのが、皮のなめし。なめしとは、動物の皮膚だった「皮」を、かばんなどの道具として使用できるよう生まれ変わらせる伝統技術のこと。山口産業はこれまで数多くの皮をなめしてきた。そんな老舗の3代目。山口明宏社長。近年、ある取り組みに力を入れている。「猟師さんたちが捕って、食肉加工所とかから送られてきたままのイノシシやシカの原皮になります」同業者も驚くという、野生動物の「皮」のなめしだ。「傷がないこと」が高品質の証とされ、飼育された動物の皮を使うのが一般的とされてきた皮革産業。そんななか、山口さんたちは猟で捕獲されたイノシシやシカといった野生動物の皮をなめしているのだ。そこには、山口さんたちが携わる”あるプロジェクト”の存在があった。農林水産省によると、令和3年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約155億円。年々、減少傾向にあるものの、依然として被害が多いのが現状で、政府や各自治体は、イノシシやシカの駆除を強化するなど対策に乗り出している。こうしたなか課題となっていたのが、駆除した動物の「その後」。「ジビエ料理」として人気を博すなど「肉」の利活用は進むものの、肉を剥いだ後の皮。いわゆる「獣皮」は利活用されることなく廃棄されてしまっていた。「いただいた命を無駄にせず使い切りたい」そんな声に心を動かされた山口さんは2008年、アクションを起こす。「MATAGIプロジェクト」とは、全国から送られてきた獣皮をなめし・染色まで行い、「革」として産地に還すことで、その地域の有効資源として活用してもらおうという取り組みで、複数の企業や大学などの協力もあり、徐々に連携する自治体も増えていったという。しかし、山口さんたちが担えるのは、あくまで「獣皮」を「革」に変える”素材化”まで。革を受け取ったものの、有効活用することができず、結果、プロジェクトから離脱してしまう、というケースがここ数年で増え始めたという。「なめして返しても利活用がなかなか進まない。でも使わなきゃいけないという産地とか自治体とかどんどん増えている。何とかしよう何とかしようと」。葛藤を抱えるなか、山口さんは一つの答えを導く。「MATAGIプロジェクトは、正に収益的な事業よりも有効資源化とか、産地の活性化という部分に力点を置いていたが、やはりきちんとした消費文化を作らなければいけないな、そうしないと『活用したい』という方は増えても『活用数』は増えないという現状が続いてしまうだろうと」。山口さんが考えたのが革の商品化にまでコミットすること。山口産業は産地から獣皮を提供してもらい、なめしを実施。その後、別の企業に渡った革は服として、消費者のもとへ。その利益は産地や商品を作る会社、そして山口産業へと還元され、産地からはまた新しい皮を提供してもらう。この「利益の循環」が「獣皮活用の循環」の実現につながると考えたのだ。こうした思いに賛同してくれる全国の食肉加工所や自治体、地元墨田区の町工場と協力して、2022年9月、シカ革ジャンパー作りがスタートした。しかし、飼育した豚や牛の皮と違い、野生のシカの場合、森の中の生活でついた傷や、猟によってついた傷など、様々な傷がついてしまい、クオリティに差が出来てしまうことも。山口さんたちと協力し、革の製品化を行う、牧上商会の牧上代表は難しさをこう語る。「シカの革は伸び縮みしちゃうみたいで、寸法通りに上がらない。そこらへんが難しい。いかようにもなってしまうという。そこは良いところでもあると思うのだが、なかなか目指した寸法に上がらない難しさはある」。山口さんは、そうした現実を踏まえたうえで、新しい消費文化をどう育んでいけるのかが重要だという。「シカ革ジャンパーが、きちんと日本人、そして世界の皆さんに受け入れられるような消費文化が作れれば、駆除しなければいけないという現状。それから駆除することによって生態系のバランスが保てて環境保全にも繋がるんだという持続可能な消費行動に繋がっていくのかなという風に考える」そして、迎えた販売会当日。山口さんに案内してもらいながらなめしの工程を見学する参加者たち。なかには岩手県・大槌町でハンターをしているという男性の姿も。“革マニア”だという女性は「傷がついているのも味だと思っているので、そこは気にならないので、傷があっても良いものは受け入れられます」と明かしていた。販売会を経て、無事に客の手元へシカ革ジャンパーが届くところまで辿り着いた。しかし、山口さんにとっては、長い道のりが始まったばかり。「継続することが大事だと思っているので、売れる売れないということではなくて、きちんとした消費文化を、時間をかけてでも作っていくんだという風にいま決意したところだ」。

(給食にシカ肉「おいしいね」:広島)
広島県北広島町千代田地域の4小学校の31日の給食で、町内で捕獲されたシカの肉を材料に使ったカレーが提供された。4校は2021年度から、児童に野生鳥獣肉(ジビエ)について考えるきっかけにしてもらおうと、シカやイノシシ肉を使った料理を出している。

(駆除の鹿・猪肉をペットフードに:兵庫)
兵庫県丹波篠山市今田町木津の森重希美さん(36)が、野生の鹿、猪の肉を使ったペットフードを開発し、販売している。子どもの頃から、実家の牧場に、育てられなくなった犬を捨てていく人がいたことに心を痛め、「動物の保護に関わる仕事に就きたい」との思いを抱き続けていた。売り上げの一部は市内の動物保護施設に寄付。害獣を有効活用したペットフードから、命の好循環を目指している。屋号は「ささやまジャーキー工房」。鹿、猪肉の「ジャーキー」(税込み1200円)と、普段使いのペットフードにかけて味のアクセントにできる「ドライふりかけ」(同800円)を販売している。有機栽培のニンジンとダイコンを組み合わせたふりかけもある。いずれも無添加。鹿、猪肉共に、たんぱく質や、疲労回復などの効果があるビタミンB群などの栄養分が豊富。かつ、カロリーは低く、ペットにとっては良いことづくめ。ジャーキーは、自宅のキッチンで、冷凍肉をカットした後、70度に設定したフードドライヤーの中に入れて14時間以上乾燥させることでうまみを凝縮する。ふりかけは、乾燥させた肉を手動の製粉機で粉砕する。希美さんは「人が食べられるぐらいの『ヒューマングレード』で、体を第一に考えたおやつ。少量だけど、『良いものを』という思いで、手間暇かけて手作りしている」とアピールする。北海道上川郡清水町出身。実家は牧場を営んでいる。3000頭以上の牛を飼育。人の食料として旅立つ運命の牛を見て育ち、命の大切さを肌で学んだ。時折、牧場に捨てられている犬を見るたび、「『餌のある牧場に捨てれば、何とか生きていけるだろう』という気持ちから罪悪感が薄れるのかも」と思いつつも、子どもながらに「助けてあげたい。大人なのになぜそんなことをするの」と心を痛めた。母はそんな犬を見捨てられず、小屋を建てて面倒を見ていた。静岡県内の大学を卒業後、什器レンタルなどを手掛ける東京の会社に就職。営業職として働く中、「いつか動物に関わる仕事がしたい」と思い続けていた。32歳の頃、過労で体調を崩した。そこに、コロナ禍も重なった。静かな田舎で生まれ育った希美さん。夫・拓也さん(36)の仕事がフルリモートで可能となったことも後押しし、田舎への移住を思い立った。拓也さんの出身地の兵庫県内を中心に移住先を探し、丹波篠山市と巡り合った。「空気感と、人ののんびりとした感じ。故郷に似ている、と直感」(希美さん)、2020年12月、夫婦で移住した。「手に職をつけたい」と21年4月、農村での起業を学ぶ「篠山イノベーターズスクール」に〝入学〟。動物の保護に関わる仕事を模索する中、農作物に被害をもたらすとして、鹿や猪が年間約120万頭が駆除され、9割近くが廃棄されている現状を知った。しかし、犬にとっては栄養豊富な食材。「命の大切さがくっつき」、ペットフードの開発をひらめき、昨年の冬から販売を始めた。動物保護活動に貢献したいと、売り上げの一部は、行き場を失った犬や猫を保護する施設「アニマルレフュージ関西・篠山アーク」(丹波篠山市後川下)に寄付する。希美さんは移住後、同施設でボランティアスタッフとして働き、1匹の犬を引き取った縁がある。今後、ペットフードの製造や販売を手掛ける施設の立ち上げや、高齢や、歯が少ない犬でも食べることができ、水分を多く含むウェットフードの開発をもくろむ。希美さんは「猟師さんも農家さんも、誰一人として命を無駄にしても良いとは思っていない。狩猟も命がけの仕事。一生懸命生きながら、人の都合でやむなく駆除された命を、次の命へつないでいきたい」と思いを語る。商品は「ささやまジャーキー工房」のオンラインショップから購入できる。

(日本農業賞「食の架け橋の部」特別賞:和歌山)
農業分野での先進的な取り組みを表彰する「日本農業賞」の「食の架け橋の部」の特別賞に、耕作放棄地でのレモン栽培や獣害対策としてイノシシの肉の販路拡大に取り組む田辺市の会社が選ばれました。今年で52回目となる「日本農業賞」はJA全中=全国農業協同組合中央会とNHKが主催している賞です。このなかで消費者との連携や新しい地域作りに取り組む団体に贈られる「食の架け橋の部」の特別賞に田辺市上芳養地区の若手農業者でつくる会社「日向屋」が選ばれました。この会社は、ミカンやウメの栽培とともに耕作放棄地の活用を図ろうとレモンの栽培に取り組み、果汁や皮を使った商品化を進めているほか、耕作放棄地をキャンプ場などとして活用しています。また、県内各地からわなにかかったイノシシを引き取って地元のジビエ処理施設に持ち込み、レストランなどと協力して獣害対策としてイノシシの肉の販路拡大に取り組んでいます。「日向屋」の代表の岡本和宜さんは「地域の人たちの応援もあって受賞することができとてもうれしいです。農業をやりたいとか地方に住みたいという若い人たちに新しい形の農業の魅力を伝えていきたい」と話していました。

(加藤浩次が熊肉に舌鼓:宮城)
お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次(53歳)が、1月30日に放送されたバラエティ番組「極楽とんぼの週末極楽旅」(BS日テレ)に出演。宮城県・栗原市のジビエ料理のお店で熊そばを食べ、「熊は脂がおいしいですね。甘みがすごくない?」と舌鼓を打った。狩野英孝の地元である宮城県・栗原市を、極楽とんぼ、大倉士門、狩野英孝らが訪れ、狩野の母親が勧めた「お食事 狩人」という店へ行くことに。店主自らが狩猟したジビエ料理の食べられる「お食事 狩人」は、狩野の父と店主が友人で、小さい頃から通っていたという。極楽とんぼら3人は熊そば、狩野は熊うどんを注文し、1口食べた瞬間に加藤浩次は「脂が甘いね」と感想を言う。さらに加藤は「肉いってみるわ。おいしい!熊は脂がおいしいですね。甘みがすごくない? そばもうまい。俺、好きだ」と話し、大倉士門も「噛めば噛むほど味が出てくる」と熊肉を堪能。84歳の店主が「もうすぐ店を閉める」と話すと、クレー射撃をしている加藤に「後を継いだら?」という声が上がると、加藤は「怖いよ、鹿とかならいいけど、熊はやっぱ怖い」と語った。

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