<射撃ニュース5月>
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(マダニが媒介、SFTSで90代女性が死亡:長崎)
長崎市の90代の女性がマダニが媒介する感染症「SFTS」に感染し、死亡していたことがわかりました。長崎市によりますと、市内の90代の女性は5月2日から発熱や意識障害などの症状があり入院していましたが、8日に亡くなったということです。血液検査を行ったところ、マダニが媒介する「SFTS」ウイルスに感染していたことがわかりました。県内では今年に入り4例目の感染で、届出時点で死亡が確認されたのは初めてです。長崎市は、マダニが多く生息する草むらや、やぶの中に入る際は肌の露出を少なくするなどの対策を行うよう呼びかけています。

(シカ関連事故が6年連続で増加:北海道)
北海道恵庭市の支笏湖に近い国道で5月12日夜、車2台が衝突しました。1台がシカを避けようとして事故が起きました。5月12日午後9時すぎ、恵庭市盤尻の国道453号線で、支笏湖方向に走っていた乗用車が道路にいたシカを避けようとしてガードレールに衝突。後ろを走っていた乗用車がこの車に追突しました。ケガをした人はいませんでした。北海道でシカが関係する事故は、6年連続で増加しています。2022年に確認された4480件の約半数が夜の事故で、警察が注意を呼びかけています。

(農作物被害4000万円超:福島)
福島県内では5月、会津若松市と須賀川市で、クマに人が襲われる被害が相次ぎ、合わせて3人がけがをしました。県内では、例年6月から7月にかけてクマの目撃件数が増えるということで、まさにこれからが最も注意が必要な時期になります。県では7月末まで特別注意報を出して、注意を呼びかけています。野生動物による、農作物への被害も深刻です。福島市ではおととし、農作物の被害がおよそ4100万円に上りました。なかでも大きな被害をもたらしているのが、イノシシです。市によりますと、イノシシの被害は秋ごろに増え始め、最も多いのはコメが食い荒らされる被害だということです。そして、夏に入ると増えるのが、サルやツキノワグマによる被害です。どちらも野菜や果物が被害にあうそうですが、特にサルは水分を得るためにモモやキュウリなどが狙われるケースが多いということです。市では、クマやイノシシなどを目撃した場合は、すぐに警察などに通報するよう呼びかけています。

(イノシシ生息2倍超488頭:栃木)
渡良瀬遊水地内の2022年度のイノシシ生息数が488頭に上り、2019年度の前回調査(205頭)に比べ約2・4倍に増えたことが、10日までの渡良瀬遊水地連携捕獲協議会の調査で分かった。強い繁殖力を理由に定着が進んだとみられ、特に谷中湖北東部に位置する思川左岸や第2調整池南側に多く生息していることも明らかになった。

(ラグビー場、イノシシに掘り返されても再生へ:宮城)
宮城県の蔵王山麓(さんろく)の森の中。イノシシが掘り返し、芝がはがれ、存続が危ぶまれた「伝説」のラグビー場がある。かつて大学生たちが力を合わせてつくったこの場所を、なんとかよみがえらせようと駆け回る人たちがいる。話は半世紀以上も前にさかのぼる。同県蔵王町にグラウンドが完成したのは、1971年のことだ。作ったのは東京都内のラグビーチーム「くるみクラブ」。中央大学講師だった桑原寛樹さんの体育授業でラグビーを経験した学生らが、65年に結成したチームだ。上意下達を排し、自由と自治を重んじる桑原さんの型破りな指導の下、他大学も含む多くの若者が集い、強豪に育った。自前のクラブハウスとグラウンドを持ちたいと選んだのが、蔵王の地。森林組合から土地を借り、合宿所建設などは学生が担い、資金はアルバイトや寄付でまかなった。最盛期は200人ほどが所属。春夏と蔵王合宿を重ね、夜はキャンプファイアを囲み、地元との交流も生まれた。

(絶滅の危機から悩みの種に:兵庫)
2月、兵庫県南西部を流れる揖保川。枝葉を落とした河岸の木々が、白く染まっていた。冬の色彩の乏しさに、妙に際立つ。美しいと言い切れないのがもどかしい。枝に止まる無数の黒い影はカワウ。木を白くしているのはふん。ここをねぐらにする約500羽が、夜明けとともに流域へ飛び立つ。アユの遡上(そじょう)を迎える春、揖保川漁協(宍粟市)の理事森岡克己さん(67)は頭を抱える。内水面漁業関係者にとって、カワウは「害鳥」。あつれきは20年以上続く。「せきにたまってしまうアユをめがけてカワウの群れが来て、一気に食べられてしまう」。カワウは1970年代、絶滅の危機にさらされた。環境汚染のため、コロニー(集団営巣地)は全国でわずか5カ所にまで減少。個体数は3千羽を下った。ただ、80年代に回復基調に入ると、生息域の拡大は早かった。要因は水質の改善だけではないという。NPO法人「バードリサーチ」(東京)でカワウを研究する高木憲太郎さん(45)が解説する。「護岸が整備され、木で覆われた川面や水中の草木が喪失して、魚は身を隠せなくなった。結果的に、カワウにとって魅力的な餌場が増えてしまったわけです」。高木さんは、現在の全国の個体数を「10万羽以上」とみる。70年代より前の数は分かっていないが、「今より多かったと考えられる」。対策を進める関西広域連合による2022年の調査では、兵庫県内の個体数は約5千羽。「川の豊かさが衰えていることを考慮すると、今は少し多い状況」と高木さん。「被害を防ぐことが大事。アユの放流の仕方を工夫したり、採食場所での見回りを増やしたりすることが、カワウの個体数を人にとってちょうどいい数字に収束させていく。その努力を続けるしかない」。

(シカ食害で山菜が壊滅状態:京都)
京都・丹後の春の味覚であるワラビやフキといった山菜が、ニホンジカの食害によって深刻な被害を受けている。今冬は降雪量が少なく、雪が溶けるのが早かったため、シカに見つかりやすくなっていたことが原因とみられる。これまでシカに食べられることが少なかった植物も被害を受けており、地元住民は「いつも食べている山菜が手に入らないのは寂しい」と頭を抱える。「まるで草刈り機をかけたみたい」。4月中旬の宮津市上世屋。集落を流れる世屋川の沢沿いを歩きながら、宮津世屋エコツーリズムガイドの安田潤さん(74)がつぶやく。自生しているフキやワサビの多くは地上3センチほどの高さで食べられており、株や根が成長していないものが目立つ。「毎年この時季を楽しみにしている人も多いが、今年は壊滅状態だ」と残念がる。京丹後市の野間地区でも大きな被害が出ている。副区長の岡本毅さん(75)は「ウドやワラビは根こそぎやられた。今までは無事だったタケノコも、今年はシカに食べられている」と語る。岡本さんは今冬の降雪量が少なかったことが一因というが、「そもそもシカを見る頻度が昔とは比べものにならないくらい増えている」と指摘。近年は料理に重宝する春の新芽を知人にお裾分けすることもなくなってきたという。隣の兵庫県では、県森林動物研究センター(丹波市)が2006年から、低層の植物に対するシカの食害を調査している。主任研究員の藤木大介さんは「シカによる山野の被害は近畿が最も深刻。県北部ではここ10年が顕著で、土壌の浸食や、下草をすみかにしている生き物の減少といった生態系への影響が出ている」と危機感を募らせる。さらに、好きな植物を食べ尽くしてしまうと、今まで苦手と思われていたものも食べてしまうシカの生態に触れ、「ワラビやコゴミといった、シカが好まない植物まで食べられているなら、その地域の植生が大きな被害を受けている証拠」と指摘する。

(ミズバショウに獣害多発:岐阜)
飛騨市などは十一日、同市宮川町の池ケ原湿原で、獣害を防ぐための機器を新たに設置した。被害が広がる同湿原では、同市が昨年から岐阜大などと連携して湿原の生態を調査。本年度はその結果を踏まえた取り組みを進める。同湿原は標高九六〇~九八〇メートルに広がり、ミズバショウの群生地などとして知られ、県の「岐阜の宝もの」にも認定されている。ただ、近年はイノシシにミズバショウが掘り起こされる被害が多発。これを受け、昨年五月から監視カメラを設置して湿原の生態を調べたところ、イノシシのほかにニホンシカも生息していることが判明した。

(住宅街の厄介者タイワンリス:神奈川)
特定外来生物に指定されている台湾原産の「タイワンリス」が、神奈川県で大繁殖!庭に植えた果物の食害や、大きな鳴き声に住民が悩まされていました。

(「イノシシ罠」定期巡回のドローン空路を設置:佐賀)
上空シェアリングサービスを手掛ける株式会社トルビズオン(本社:福岡市中央区、代表取締役:増本 衛)は、佐賀県猟友会多久支部 (支部長:野田勝人、顧問:毛貫茂)とともに、ドローンを活用したイノシシ被害対策を実施するための「空の道」を敷設し、イノシシ罠の見回りのドローン定期巡回を目的とした実証実験を2023年5月から実施してまいります。ドローンを活用し、イノシシ罠の見回り作業の効率化を図り、持続可能な鳥獣被害対策モデルを構築します。自動飛行によるドローンによるイノシシ罠の見回りを実施します。山全体の3Dデータを事前に取得、飛行空域のリスクアセスメントを実施し、最適なドローン空路データを設定します。次に、罠の地点の緯度経度情報をドローンに登録し、動画・サーモカメラによる自動撮影を実施。これにより、険しい山奥に点在する多数の罠(イノシシが罠にかかっているかどうか)を効率的に確認します。見回り作業の効率化により、猟友会メンバーの負担を軽減し、イノシシ捕獲のタイミングを最適化します。これにより、農作物被害の抑制と農家の経済的負担の軽減が期待できます。

(シカよけ電気柵:長野)
県や市町、地権者などでつくる霧ケ峰自然環境保全協議会は11日、ニホンジカによる花芽の食害や植生地の踏み荒らし被害を防ごうと、ニッコウキスゲの群生地でもある霧ケ峰・車山肩(諏訪市)に電気柵を取り付けた。県や諏訪市、霧ケ峯湖東牧野農協などから33人が参加し、西側の群生地を囲むように総延長2キロの柵を張り巡らせた。2班に分かれて作業し、高さ1.5メートルの支柱に通電線を張り、群生地をぐるりと囲い込んだ。一部区域は花の写真を撮りやすくするため、高さを抑え、奥行きでシカの侵入を防ぐ二重柵にした。13日には霧ケ峰高原牧野農協などが車山肩の東側に総延長0.5キロの電気柵を張る予定だ。約180ヘクタール(暫定値)を焼いた4日の林野火災で、車山肩は延焼を免れた。霧ケ峯湖東牧野の加賀見文彦組合長=茅野市=は「群生地も建物も無事で良かった。だが、新芽を狙ってシカの出没が増える恐れがある。ニッコウキスゲを保護するために、しっかり作業したい」と話した。協議会事務局の県諏訪地域振興局環境課によると、霧ケ峰に今年度設置するシカ柵の総延長は、八島ケ原湿原(下諏訪町、諏訪市)の外周にある常設の鋼鉄柵を含めて13.9キロ。柵で囲った場所は花芽が守られている。火災で群生地の4分の3ほどが焼け焦げた富士見台(諏訪市)は10日に設置を済ませている。

(多発するシカと列車の衝突事故、「シカ隠しシート」開発:北海道)
オオワシなどの希少な大型猛禽類を列車衝突事故から守るため、JR北海道と環境省などが「シカを隠すためのシート」を共同開発しました。12日、環境省が発表したのは「エゾシカ覆隠シート」です。JR北海道によりますと、道内でのエゾシカの爆発的な増加に伴い、列車とシカの衝突が絶えず、2021年度には1年間で実に2632件の事故が起きています。シカとの衝突事故が起きると、運転手は列車を止めて車両の安全確認を行い、死骸がある場合は列車の運行に支障のない場所まで移動させてから、運転を再開します。環境省によりますと、線路脇によけられた死骸を保線の担当者が回収するまでの間に、オオワシやオジロワシなどの大型猛禽類が死骸を食べるために集まり、列車と衝突する事故が近年多発していました。環境省が昨年度確認した事故はオジロワシが13羽で、2000年度に統計を取り始めて以来過去最多でした。種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されているオオワシ、オジロワシの衝突事故を防ぐため、釧路自然環境事務所と釧路市の猛禽類医学研究所、JR北海道釧路支社などが対策を協議し、今回の「エゾシカ覆隠シート」の開発に至りました。線路脇のシカの死骸を幅1.5m余りのシートで覆い、オオワシなどに見つからないよう隠します。色は猛禽類が警戒する蛍光オレンジで、軽量ながら強度のある素材を使いました。環境省では、今年度に試作版を複数製作して実証試験を進め、さらに改良を加えて実用化を図っていくとしています。

(初心者ハンターと農家をマッチング:神奈川)
東京都と神奈川県で鉄道を運営する小田急電鉄は、狩猟に興味を持つ人や初心者と、獣害に悩む農林業者をつなぐ事業「ハンターバンク」を立ち上げた。2022年11月から本格展開し、既に20頭以上のイノシシを捕獲した。まず神奈川県小田原市で始めており、今後拡大も検討する。同社にとっては沿線の価値向上や動物との接触事故の防止が狙い。登録した会員が地元の狩猟者や農家の協力を得て、狩猟スキルを学ぶ。狩猟免許を取得したが経験の浅い人も対象とする。同社社員で統括リーダーを務める有田一貴さん(31)が19年ごろから事業化を進めてきた。事業には3種類のコースがある。3カ月の入門プランは5人でチームを組み、わなの設置や見回り、止め刺しや解体をベテラン狩猟者の指導の下で体験する。狩猟に必要な道具は同社が貸し出し、わなには動体検知カメラを取り付けて捕獲をサポートする。費用は1人月額1万円。4期開催し、首都圏を中心に約100人が参加した。さらに狩猟を学びたい人向けのコースも用意する。事業には小田原市やJAかながわ西湘が協力する。3者で説明会を開き、わな設置や見回りを引き受ける農家を募った。7戸の農家で事業を始め、候補先の農家も約30戸ある。事業に協力する同市の鈴木農人さん(50)は、2基の箱わなを設置。1・2ヘクタールでシキミやサカキを育てるが、6、7年前から石垣や畑を荒らされる被害に悩まされてきた。今年は既に10頭以上のイノシシを捕獲し、「被害軽減だけでなく、若いハンターとの交流も楽しみ」と話す。市は捕獲した動物の解体場所を提供する。市環境政策課は「参加者から移住の相談もあった。被害減少に加え、交流人口の増加に期待したい」とする。有田リーダーは「参加を機に狩猟免許を取得した人もいて、裾野が広がってきた」と手応えを口にする。

(狩猟免許交付、道内で増加:北海道)
道内で狩猟免許を取る人が増えている。直近3年間平均は約1万1900件と過去最少の2006年度の1・4倍。農林業被害対策の強化や狩りブームなどを背景に、比較的始めやすいわな猟を選ぶ若い層が多い。ただ、人里への出没で必要性が高まっているヒグマ駆除の担い手確保にはつながっておらず、専門家は行政主導でハンター育成に力を入れるよう訴える。

(ハンターになりませんか?「新人養成講座」の参加者募集:宮城)
イノシシやニホンジカなどの有害鳥獣による農作物被害を防ぐため、宮城県と県猟友会は捕獲の担い手を確保する「新人ハンター養成講座」を開講する。31日まで参加者を募集している。6月中旬から11月上旬まで、県クレー射撃場(村田町)などで計6回の講座を予定している。猟銃やわなの技術を身に付け、野生動物の生態、ハンターとしての心得などを学ぶ。9月には石巻市の牡鹿半島でニホンジカを駆除する現場を見学し、解体実習もする。7月12日か8月20日にある試験で第1種銃猟免許を取得し、受講後に猟友会への入会を考える20~60歳の県民が対象。定員は20人で受講料は2000円。県は農作物被害の拡大とハンターの高齢化を背景に、2013年度から講座を開いている。これまで計193人が受講し、うち50人が猟友会に入会した。県自然保護課の担当者は「講座ではハンターに必要な知識や経験を得られる。地域に貢献する意欲がある人に受講してほしい」と呼びかけている。

(古来の狩猟儀礼守った猟師の尾前善則さん死去:宮崎)
宮崎県北部の山村・椎葉村で古来の儀礼にのっとりイノシシを仕留めてきた猟師の尾前善則(おまえ・よしのり)さんが4月17日、老衰のため死去した。93歳。葬儀は家族で営んだ。喪主は妻マルエさん。猟犬でイノシシやシカを追い詰め、猟銃で仕留めると、成仏を祈って山の神への言葉を唱えるしきたりを継承。20世紀初めに民俗学者の柳田国男が椎葉村の伝承をまとめた日本民俗学の古典「後狩詞記(のちのかりことばのき)」に記された九州山間部の狩猟文化を現代に伝える、数少ない猟師と言われた。

(クマ出没、けが人なし:宮城)
13日夕方、県内でクマの目撃が相次いでいて警察が注意を呼び掛けています。13日午後4時50分頃、仙台市青葉区茂庭の山林にクマ1頭がいるのを近くの沢で水遊びをしていた児童2人が見つけ、警察に通報しました。警察によりますとクマの体長はおよそ1メートルで、通報を受け警察が駆け付けた際にはクマはいなくなっていたということです。また、登米市中田町では13日午後6時半頃、水田で「クマ2頭が木を引っ掻いていた」と近くを通りかかった人から警察に通報がありました。警察によりますとクマは体長1メートルほどの親グマと体長50センチほどの子グマと見られるということです。いずれもけがをした人はいませんでした。警察で注意を呼びかけています。

(野犬、冬期も目撃相次ぐ:北海道)
昨年夏に野犬の出没が多発した釧路市と釧路町で、冬から春先にかけても野犬に襲われた可能性のあるシカの死骸が相次いで確認されている。釧路市と釧路町では昨年11月~今年4月にかけて、臀部(でんぶ)をかじられるなどしたシカの死骸が計8頭確認されたほか、野犬の目撃も7件あった。外を出歩く機会が多くなる季節を迎え、市は「出没が多い地域での単独行動を避けて」と注意を呼びかけている。野犬の目撃が多いのは、釧路湿原に近い釧路大規模運動公園(市広里)や新釧路川沿い周辺。湿原に接する釧路町の岩保木水門周辺では1月中旬、野犬を見たというハンターの通報を受け、両市町の職員が現場に急行。野犬5頭が同水門近くの草むらを走り回っているのを確認したが、市の担当者は「現場に近づけず捕獲は難しかった」と話す。市によると、近年釧路市の市街地で増えているシカが、野犬を誘引している可能性もあるという。市は昨年9月から12月中旬まで同公園に大型の箱わな2基を設置したが、捕獲には至らなかった。住民からの通報や監視カメラの画像で確認された野犬は、体長1・5メートルほど。出没範囲は主に釧路湿原を中心に半径約5キロで、「湿原をすみかに広範囲に移動している」(町担当者)とみられている。

(今シーズン初、クマの食害:山形)
山形県酒田市で11日朝、メロン畑に設置されていた養蜂箱がクマにより壊されているのが見つかった。県内でクマによる食害が確認されたのは、ことしに入ってから初めて。午前8時45分ごろ、酒田市浜中の70代の男性が所有する畑で、メロンの授粉用に設置していた養蜂箱1箱が、壊されているのが見つかった。養蜂箱の中のハチミツが食い荒らされ、付近にはクマの足跡が見つかっていることから、クマによる食害とみられている。けが人はいなかった。現場は庄内空港ターミナルビルから、北東におよそ700メートルの畑で、警察は付近をパトロールして、住民に注意を呼びかけている。県内でクマの食害が確認されたのは、ことし初めてだ。

(市街地にシカの成獣:長野)
佐久市の市街地で成獣のシカ1頭が目撃され警察が注意を呼びかけています。車で移動中のSBCの取材班がシカの姿を撮影しました。11日午後3時ごろ、佐久市岩村田(いわむらだ)にシカがいると警察に通報がありました。目撃されたのは商業施設や学校などがある市街地でいまのところ被害の情報はないということです。シカはオスの成獣1頭で角があり警察は見つけても近寄らないよう呼びかけています。

(スーパーマーケット近くにクマ出没:長野)
県内でクマの目撃、被害が相次いでいます。東御市の住宅地近くで11日、クマの目撃情報がありました。畑では足跡も見つかり、警察と市は警戒を呼びかけています。爪の跡も確認できます。クマが目撃されたのは東御市のツルヤかのう店から北側に100mほど離れたところ。すぐ近くには住宅地があります。11日午後9時半ごろ「クマ1頭がスーパーの裏で住宅地から離れるように走っていった」と通行人から110番通報がありました。警察によると目撃されたのは1頭で、成獣とみられます。他の場所での目撃情報は無く、被害は確認されていません。足跡はけさ、東御市の職員と猟友会が周辺を調査したところ、見つかりました。長さは10センチ余りだということです。先週、松川村と軽井沢町で山菜採りをしていた男性がクマに襲われ、大けがをしていて、警察などがメールの配信やパトロールで警戒を呼びかけています。

(イノシシやシカ利用法を視察:島根)
ポーランド・クロトシン市の代表団が12、13の両日、イノシシなどの獣害対策や資源の活用を視察する目的で、島根県美郷町を訪れた。同市のイノシシやシカ肉の生産者や農業機械などを扱う企業の経営者、フランチシェク・マルシャウェク市長たち10人。友好都市提携を結んでいる同県隠岐の島町が仲介した。

(鹿の解体やジビエの商品開発に携わる:長野)
下伊那郡泰阜村の自営業、井野春香さん(34)は村ジビエ(野生鳥獣肉)加工施設「もみじや」で鹿の解体や商品開発、販売をしている。捕獲されてもジビエなどとして活用されずに廃棄されてしまう鹿が多い現状を変えたいと、地域の猟師との関係づくりに力を入れる。ジビエの販路は拡大しており、もみじやでは商品が不足することもある。加工施設に持ち込めば猟師の収入は増え、施設は商品の充実につながる。鹿の捕獲数が増え、鳥獣被害が減り、捨てられる鹿も減るという好循環につなげるのが目標だ。もみじやは泰阜村が2017年に設置し、井野さんは村から業務委託を受けている。現在は年間150~180頭の鹿を受け入れて解体。肉は食肉用とペットの餌用に分別し、生肉やミンチ、ジャーキーなどとして販売する。井野さんは熊本県出身で、大学で鹿の生態を研究、2010年に泰阜村で山村留学を受け入れるNPO法人に就職した。狩猟免許も取得し、鹿を子どもたちの前で解体したこともある。狩猟に関わる中で、捕獲された鹿の多くが活用されずに捨てられていると知った。学生時代に知り合った猟師は捕獲した鹿の肉は分け合って食べていたといい、「捕るだけで捨ててしまうのは申し訳ない。命を頂いているので、できるだけ活用したい」と話す。2013年に村の地域おこし協力隊員となり、鹿の皮から小物などを作って販売するプロジェクトを始めた。協力隊の任期終了後も個人事業として続けており、現在はジビエの商品開発に専念。皮は飯田市内の専門の業者に渡している。長野県鳥獣対策室によると、2020年度に県内で捕獲された鹿のうち、食肉として利用されたのは21.5%。井野さんは加工施設に持ち込まれる頭数が増えれば利用量も増えると考えている。鹿が捕れたら連絡してもらえるよう、地元の猟友会を通じてチラシを配ったり、知り合いの猟師を通じてほかの猟師に伝えてもらったりしている。山間部では山中から加工施設まで鹿を運ぶのが負担になることから、依頼があれば車で回収に行く。もみじやでは持ち込まれた鹿を大きさや使えた部位の量によって査定し、猟師に支払う。1頭当たり平均3千円で、捕獲に対して自治体から得られる報奨金と合わせれば収入増になる。新型コロナウイルスの感染拡大以降は猟友会の会合に参加して直接話すことができず、連絡はなかなか増えなかった。今年は感染状況が落ち着いた際に会合に顔を出せるようになり、連絡をしてくれる猟師が増えたという。「顔の見える関係を築き、鹿がどう活用されるか知ることで、『協力しよう』と思ってもらえる」と井野さん。近年はジビエを扱う飲食店が増え、鹿肉は低カロリーかつ高タンパクでペット用としても注目が高まる。もみじやでは商品の注文があっても入荷待ちにせざるを得ないことがしばしばある。「販路はあるのに、売れる肉がない状態。ジビエに対する関心が高まっていることを知ってもらい、猟師と消費者をつなぐことが自分の役割」と意気込む。井野さん自身もジビエへの関心を高めようと、高校や大学からの依頼はできる限り引き受ける。今年6月には阿南高校(下伊那郡阿南町)の3年生が皮の加工を体験する授業で講師を務めた。地元のバス運行会社と協力し、わな猟や解体を体験できるツアーも実施した。「鹿を巡る現状を知り、興味を持つきっかけにしてもらいたい。関心が高まり、消費が増えることで命が無駄にならない循環が生まれる」と話している。県鳥獣対策室によると、鹿による県内の農林業被害額は2007年度の約7億1200万円をピークに、20年度は約2億1800万円に減少している。しかし、サルやイノシシなど他の野生鳥獣と比べると突出して多い。八ケ岳や南アルプスでは高山植物が食害で失われるなど、自然環境にも影響が出ている。県の計画では、将来的な個体数増加を抑えるため、鹿の目標捕獲数を年間4万頭と定めている。だが、2019年は2万6827頭、2020年度は3万434頭と目標には達していない。県は捕獲数増加のためにジビエの普及と消費拡大に力を入れるのと同時に、捕獲した鹿の回収、加工の体制づくりも進めている。捕獲技術や捕獲されてから加工施設に持ち込まれるまでの時間によって肉質に影響が出るため、搬入されたとしても廃棄されてしまうこともある。森林組合や猟友会、加工施設と協力して安定的に鹿肉を供給し、持続的な消費拡大につなげたいとしている。

(ジビエのカレー、市長提案で開発:長野)
長野市の飯綱高原にある複合施設「森の駅 Daizahoushi(ダイザホウシ)」で、荻原健司市長が開発に関わったスープカレー「信州森のスープカレー」が販売されている。具材には地元産の野菜やジビエを使い、長野市の食の魅力を詰め込んだ。有名テーマパークでメニュー開発の経験がある山近泰照シェフ(42)が監修。スキー選手時代に、遠征先の北海道で名物のスープカレーを食べる機会が多かったという荻原市長の提案で開発に着手したもので、地元野菜を引き立たせる味わいを目指した。スープは、鶏のだし汁や、昆布茶を使用したオリジナルスパイスに、トマトのうまみを加えた和風仕立て。具材には、同施設のマルシェでも販売されている地場の野菜やキノコを盛り込んだ。また、ジビエ肉には、市ジビエ加工センターで処理、加工された長野市産のニホンジカを使用。ニンニク、ショウガ、しょうゆなどで煮込み、軟らかくしっとりとした食感になった。2月に開かれた試食会で、荻原市長は「ボリューム満点。ジビエも臭みがなくて食べやすい。K点越えたね」と笑顔を見せた。山近シェフも「飯綱の野菜は肉厚で色もよく、甘みが強い。ジビエもしっかり処理されていて臭みがなく、おいしく食べてもらえる」と太鼓判を押した。

(“エゾシカ革”のレザーポーチ&ネックレス:北海道)
ニードルズ(NEEDLES)は、北海道・札幌を拠点とするレザークラフト・アマリージョ(AMARILLO)とコラボレーション。直営店限定レザーグッズを発売。エゾシカ革を使ったレザープロダクトを製作するアマリージョと、ニードルズによる別注アイテムが登場。柔らかな手触りとタフさ、表情豊かな風合いを兼ね備えたエゾシカ革の特性を生かし、1点ずつハンドメイドで作られたレザーポーチやネックレスが登場する。

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(80歳の男性がクマに襲われ頭などにけが:秋田)
11日早朝秋田県大仙市の山で80歳の男性がクマに襲われ頭などにけがをしました。警察によりますと、11日午前6時ごろ植樹のため大仙市長野の山に入っていた80歳の男性がクマに襲われたと家族を通じて通報がありました。男性は頭や顔にけがをして病院で手当てを受けています。詳しいけがの程度はわかっていませんが、搬送されたときは会話ができる状態だったということです。9日には秋田市で山菜採りをしていた76歳の男性がクマに襲われ大けがをしました。クマの目撃が2022年の同じ時期よりも大幅に増えていて、秋田県が注意報を出しています。

(山間地で駆除した鳥獣、ドローンで運搬:静岡)
静岡県は2023年度、山間地で駆除した鳥獣をドローン(小型無人機)や無人ヘリコプターで運搬する実証実験に乗り出す。埋設処分の負担軽減を図る狙いで、地形や構造物を立体的に把握できる3次元点群データを使って飛行ルートの計画を立てる。将来的にはドローン宅配などへの応用も視野に入れる。山間地ではニホンジカやイノシシによる農作物への被害が深刻化している。県によると被害額は年間2億~3億円に達し、収益低下や営農意欲の減退にもつながることから捕獲をはじめとする鳥獣害対策が欠かせない。一方で高齢化に伴う狩猟者の減少や駆除した後の処理が課題になっている。ドローンや無人ヘリは山間地で駆除した鳥獣をふもとまで運搬するために活用する。県自然保護課によると、地中に埋めて処分する手間がなくなるほか、食肉加工施設などに運んでジビエとして有効利用できる利点がある。実証実験はまず、3次元点群データで山間地の形状や電線の有無などを確認し、最適な飛行ルートを決める。カメラや衛星利用測位システム(GPS)でドローンやヘリの位置を確認し、解体した鳥獣を空輸する。操縦者が機体を目視せずに自律飛行させることも検討する。山間地で効率的に物資を輸送する技術を確立できれば、ドローン宅配の実用化にも寄与するとみている。県建設政策課未来まちづくり室の増田慎一郎室長は「地域の困り事を解決するための手段になれば」と期待する。ドローンを活用した鳥獣害対策では、地上の画像データを収集して生態を調べたり、田畑に侵入した動物を追い払ったりする取り組みも進む。3次元点群データ 小型航空機などから地表面にレーザーを照射し、地形や構造物を立体的に取得したデータ。膨大な点の集まりを3次元で表現する。各点には座標情報があり、対象物の正確な形状や位置、高さなどを把握できる。県は一部の山間地を除く県内ほぼ全域のデータを取得済みで、誰でも使えるオープンデータとしてインターネット上で公開している。防災や観光、自動運転など幅広い分野で活用が広がっている。

(天然記念物オオワシの相次ぐ列車事故のワケ、鍵握るのはエゾシカ:北海道)
国の天然記念物に指定されているオオワシなどのワシ類が列車事故に遭うケースが、北海道内で相次いでいる。研究者が調査をしたところ、エゾシカの存在が事故の引き金になっている実態が浮き彫りになった。環境省北海道地方環境事務所によると、北海道内で列車事故でワシ類が死傷して収容された事例は、2021年度だけでオオワシが12件、オジロワシが11件にのぼる。オオワシ、オジロワシともに、車による交通事故などを上回り、列車事故が収容原因のトップだった。両種はともに「絶滅の危険が増大している種」として、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。根室市歴史と自然の資料館の外山雅大・学芸員(45)は、現状を把握して対策につなげようと2019年から実態調査を始めた。北海道東部を走るJR花咲線を対象に、実際に事故が起きた地点を地図上にプロットして分析した。その結果、エゾシカの分布域の季節ごとの変化と、ワシの列車事故の発生地点との間に関係性があることが分かった。

(「ニッコウキスゲ」シカから守る電気柵設置:長野)
今月上旬に山火事が発生した諏訪市の霧ヶ峰高原で、「ニッコウキスゲ」をシカの食害などから守るための電気柵を設置する作業が行われました。県によりますとこれまでのところ山火事による大きな影響は確認されていないことから、例年に近い開花が見込めるということです。諏訪市の霧ヶ峰高原では、夏場に花を咲かせる「ニッコウキスゲ」の芽がニホンジカに食べられるなどの被害が相次いでいるため、毎年この時期、群生地の周辺に電気柵を設置しています。11日の作業には、県の職員や地元の関係者など30人あまりが参加し、高さ1.5メートルほどのくいを、およそ5メートル間隔で立てたあと、電気の流れるワイヤーを取り付けていました。電気柵は、あわせておよそ10キロにわたって設けられる予定です。県によりますと、今月上旬に発生した山火事の影響については、今後、調査を進めるということですが、「ニッコウキスゲ」の芽吹きはこれまでに1割程度、確認されていて、例年に近い開花が見込めるということです。県諏訪地域振興局環境課の田邊皇子課長は、「電気柵を設置することでシカに踏み荒らされたり、芽を食べられたりする被害から守れるので、花が少しずつ増えてほしい」と話していました。

(クマなど出没情報マップ:福島)
福島市は、クマやサルなどの過去の出没情報を地図上で見ることができる「鳥獣害対策マップ( 獣じゅう マップ)」の公開を始めた。市が集めた情報をインターネット上で見られるようにし、市民の遭遇防止や農作物被害の対策に役立ててもらう。市内では昨年8月、クマが住宅の庭などに出没し、けが人が出る事案が3件あった。今年4月末から公開を始めた獣マップには、2017年4月以降のクマの目撃情報や、23年4月以降のニホンザルやイノシシの目撃情報などが登録されている。順次、最新の情報などを追加していく。マップは市の有害鳥獣被害対策協議会アドバイザーを務める福島大の望月翔太准教授が監修し、ICTシステムの設計などを行う「エフコム」(郡山市)が開発した。

(クマ目撃情報308件、過去最多だった去年同期上回る:北海道)
ことしに入って5月9日までに道警に寄せられたクマの目撃情報の件数は300件余りで、1年間の件数が過去最多だった去年と同じペースになっています。道警によりますと、ことしのクマの目撃件数は▼1月から3月までに66件、▼4月に172件、そして▼今月は9日までに70件で、合わせて308件に上っています。これは、1年間の目撃件数が2240件と、統計を取り始めてから最も多くなった去年の同じ時期と比べて18件多いということです。一方、ことしに入ってクマに襲われてけがをしたのは2人で、▼2月には函館市の山林でせんてい作業をしていた60代の男性が手や足にけがをし、▼先月には道東の厚岸町で犬の散歩をしていた30代の女性が頭や太ももをかまれる大けがをしました。4月から6月にかけては、山菜採りなどで山を訪れクマと遭遇するケースが多いということで、道警は▼複数人で音を鳴らしながら行動し、▼目撃しても絶対に近づかず警察に通報するよう呼びかけています。札幌市内でクマの目撃情報が相次ぐ中、市は今年度初めてとなるヒグマ対策委員会を開き、市街地への侵入を防ぐための対策などを盛り込んだ新たな基本計画にもとづいて被害の防止にあたる方針を確認しました。10日、札幌市で開かれたヒグマ対策委員会には、市や警察の担当者のほか、猟友会の関係者や専門家らおよそ30人が出席しました。会議では、先月、南区白川でクマ1頭が出没し駆除されるなど目撃情報が相次ぐ中、市が新たに策定した対策の基本計画にもとづいて被害の防止にあたる方針を確認しました。計画では、人とヒグマの住み分けを進めるため、▼「市街地」と、▼農地や小規模集落を指す「市街地周辺」、▼人が出入りする自然歩道など市街地に接する「都市近郊林」、それに▼「森林」の4つのゾーンに市内を区分けします。そのうえで、それぞれのゾーンに応じて、▼クマを寄せつけないためのごみの管理や▼草刈り、▼電気柵の設置や▼放置された果樹の伐採など、対策を講じます。さらに、西区の三角山や中央区・南区の藻岩山とその周辺の山を含む地域を「ヒグマ対策重点エリア」と定め、クマの定着を抑え込むための対策を講じ、登山者などへの普及啓発を強化します。委員会のメンバーでヒグマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は「生活圏の安心と安全を守るため、市民にはクマが冬眠から覚めてくるこの季節は対策を意識してほしい」と話しています。

(市街地のエゾシカ目撃、最多89件:北海道)
釧路市街地での2022年度のエゾシカ目撃件数が89件に上り、記録を取り始めた14年度以降最多となった。市は「人口減で空き家や空き地が増えてシカが市街地に侵入しやすくなっている」と推測しており、出没多発地域での車の運転に注意を呼びかけている。市街地のエゾシカの目撃件数は14年度は18件だったが、20年度には70件台に急増。釧路湿原から新釧路川の堤防を伝って侵入できる釧路公立大周辺と、山間部が近く緑地の多い春採湖周辺での出没が多発している。出没が多いのは、木々の新芽が出る4~5月ごろと交尾期の9月ごろ。時間帯は午前4~6時と夕方の午後6時ごろの目撃が多い。市内では民家の庭にシカが入り込み、庭木や花の食害が相次いでいる。美原5丁目町内会相談役の土屋喬敬さん(77)は「2、3年前からシカが住宅街に入り込むようになり、3月には自宅の庭の花の芽が全て食べられてしまった」と話す。幹線道路を横断するシカの目撃も多く、昨年度は車との接触事故が2件確認された。シカの出没増の背景には、人口減のほかシカの捕獲事業が行われている釧路湿原や山間部から、市街地にシカが逃げ込んでいるとの見方もある。道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の長(おさ)雄一道東地区野生生物室長は「釧路の市街地は自然豊かで、銃で撃たれる心配もない。シカにとって居心地が良く、居着いてしまっているのでは」と推測する。春採湖周辺では生まれたばかりの子ジカも確認され、市街地で繁殖している可能性が高いという。

(猟師に転身の元メーカー営業マン:兵庫)
劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、兵庫県豊岡市で天然シカの捕獲・解体・販売を行う高田尚希さんが出演。移住の経緯や移住を検討する人へのアドバイスを語った。高田さんは兵庫県宝塚市出身。緑化製品を扱うメーカーで営業職として東京や大阪を拠点に仕事に邁進していたが、「東京を緑化するのもいいが、緑があふれている場所に身を置きたい」と思い立ち、35歳のときに移住を決断。2015(平成27)年に朝来市の地域おこし協力隊(2期生)に採用され、山村での生活をスタートした。「生産者」になりたいという思いは漠然とあったが、“つて”はない。そんなときに声をかけてくれたのが地元の猟師らだった。聞けば、獣害駆除を兼ねて行っている猟(りょう)も高齢化が進み、60~70代が中心になっているという。興味を持った高田さんは手伝いからはじめ、気がつけば狩猟・解体はもちろん、地域おこし協力隊卒業後には民家をリノベーションした食肉処理施設を立ち上げ、豊岡で知り合った妻とともにECショップ『但馬のジビエ ココ鹿』を運営するまでになった。狩猟のみならず、サイトを運営するまでに至った心境について、高田さんはこのように語った。「獣害駆除で獲った鹿の9割は廃棄になってしまうんです。猟師と消費者の架け橋になりたかった」(高田さん)。普段、なじみがない人も多い鹿肉だが、近年はヘルシー食材としても注目されている。オススメの食べ方は「もも肉のカツ」。鹿肉は脂分が少ないため、いくらでも食べられるのだとか。お好みのハーブとともにオーブンで低温調理するローストは、冷めてもおいしい。移住を検討している人へのアドバイスとして「行きたいところにまずは飛んでみる」ことを挙げた高田さん。「地方に行くと、50~60歳でも若手です(笑)。来てみないとわからないご縁がいきなり広がります。そこから『できること』『できないこと』を振り分けていくと、自分ができそうなことが見えてくる。八方美人もいいんです。誰にお世話になるかわからないし、あいさつひとつで関係も変わってきます」(高田さん)。高田さんの言葉を受け、平田さんも「但馬は人も優しく、適度な距離感も保ってくれるのでいいですよね」と自身の移住体験をふまえて大きくうなずいた。

(3日連続で目撃のサル、市と猟友会が捕獲へ:宮城)
11日、宮城県石巻市の中心部で、サル一頭が目撃されました。付近では9日から3日連続でサルが目撃されていて、市は猟友会と連携して11日にも捕獲のためのわなを仕掛けるということです。警察によりますと、11日午前6時50分ごろ、石巻市山下町1丁目の禅昌寺の辺りで、サル1頭がお墓に供えられた花をあさったりしているのを、寺の関係者などが目撃しました。人的被害や、物が壊されたりする被害は確認されていないということです。付近では、9日と10日にも体長およそ50センチメートルのサルが目撃されていて、警察は同じ個体の可能性があるとしています。石巻市では、11日午前、猟友会と連携して捕獲のためのわな1基を付近に設置するということです。現場はJR石巻駅から西に500メートルほどの場所で、警察や石巻市は「サル」を見つけても近づいたり、刺激したりせず、警察などに通報してほしいとしています。

(高校の敷地内でクマ1頭目撃:秋田)
10日午前、秋田市にある秋田高校の敷地内でクマ1頭が目撃され、警察が周辺の住民などに注意を呼びかけています。警察によりますと、10日午前9時すぎ、秋田市手形にある秋田高校で、校舎の中にいた60代の教職員が敷地内の北側にある弓道場のそばにクマ1頭がいるのを目撃しました。クマは体長50センチほどで、校舎の東側にある林の方に歩いていったということです。クマが目撃されたとき、外に生徒はおらず、秋田高校では通常どおり授業を行ったということです。警察はパトカーで現場付近を警戒するとともに、周辺の住民に注意を呼びかけています。県警察本部によりますと、ことしに入ってから9日までに、県内でクマを目撃したという通報は55件寄せられ、去年の同じ時期より23件増えています。また、9日は秋田市太平山谷の山の中で山菜採りをしていた76歳の男性がクマに顔をひっかかれてけがをしています。秋田県は、県内全域に「ツキノワグマ出没に関する注意報」を出しクマの被害に注意するよう呼びかけています。

(街中心部の河川敷で体長1mのクマ?:北海道)
11日朝、旭川市の中心部にほど近い河川敷でクマを目撃したという通報があり、一時、警察が警戒を呼び掛けました。撮影された動画には川岸の林の中で黒っぽい動物のようなものが動く姿が…。午前6時ごろ、旭川市金星町1丁目の石狩川の河川敷で、散歩などで近くを通りがかった複数の人から「クマを目撃した」と警察に通報がありました。警察によりますと体長1メートルほどで、その後、河川敷を北東の方角へ去っていったということです。猟友会などが付近を調べましたが、クマのふんなどの痕跡は見つかりませんでした。

(ヒグマに食事奪われる、「ダメだ」恐怖の一部始終:北海道)
森の中で、食事をする男性たち。すると、1人が何かに気づいた。あわてて、その場から立ち去る2人。車へ避難し、そこから見えたのは、親子とみられるヒグマ。映像では、3頭確認できる。5日、北海道・札幌市で、男性2人が動画を撮影していたところ、クマが出現。近くには住宅もある場所だった。つい先ほどまで2人がいた場所に近づく、大人のクマ。前脚を使ってテーブルを揺らし、地面に落ちたピザを食べ始めた。最後は、除菌シートをくわえながら走り去った。テーブルは壊され、ピザとポテトが残っていた箱は空っぽに。クマと遭遇した葉田ルコさんは、当時の状況について、「30メートルくらいのところで気づいた。徐々にヒグマの方から近づいてきた。これだけ大きな声で撮影してたら、来ない可能性が高いと思っていたが、来たのでびっくりした」と話した。クマは全部で4頭いて、15分ほど、あたりをうろついていたという。

(日本初!ジビエ処理研修施設「日本ジビエアカデミー」:大分)
ジビエ処理加工を行う有限会社サンセイ(所在地:大分県宇佐市、社長:山末 成司)は、ジビエ処理研修に特化した「日本ジビエアカデミー」を2023年5月16日(火)にオープンいたします。近年の日本は人口の減少が加速し、里山では住まなくなった民家に草が生え木が生えて成長し、やがて森になっています。そこにテリトリーが広がった鹿や猪が増加していて農林業の被害が甚大です。山々の麓にはフェンスが張り巡らされ、もはや人間は檻の中で農業をすることを強いられています。最近は人が襲われる被害も毎年ニュースになり、何とかしなければと代表の山末 成司社長は宇佐ジビエファクトリーを設立し、どうしたら牛、豚、鶏肉のように第4の肉として認知してもらえるのか考察すると、やはり提供する側に問題があると確信しました。問題はジビエの特性や捌き方、品質管理等教えてくれるところが無く苦労していることを知りました。ジビエの特性を気にせずに販売すると、不味いジビエになり不評を買います。このままお客様からジビエが不味い・不衛生と思われる前に、誰かが研修施設を開設しなければならないと意気に感じて、日本初となるジビエ処理研修に特化したアカデミーを新設することとなりました。本施設は搬入から衛生面の問題で剥皮室、内臓摘出室、熟成室、解体室、加工室等、(全て冷蔵室)へは入室することなく各部屋へは回廊式で見学できるように新設しました。2Fでは座学が出来るように教室もあります。夏場に猟に行くと汗だくになるため、シャワー室も完備した施設になります。実技は基本的にOJT研修です。状態の判別方法から個体に合わせた刃の入れ方、毛の処理や汚染物逆流防止結索等を行います。座学ではジビエの基礎知識、衛生面、栄養面、美味しいジビエの作り方まで研修いたします。要望により狩猟から、食肉加工、ジビエ料理、販路開拓、開業支援までいたします。ジビエが丸ごと学べるアカデミーです。狩猟から解体、加工、販売まで学べます。ジビエに興味がある方や処理業を創業したい方、既存の処理施設で悩みのある方、ジビエ取扱を考えている企業、SDGs・サステナブル事業部、食肉卸業や肉屋さん飲食店さん、お気軽にお問い合わせください。ジビエは皆様から食べて頂ける事で里山を守る取組になり、命を無駄にしないサステナブルな活動になりますので、是非美味しいジビエを食卓のスタンダードに!

(里山の資源、未来につなぐ:石川)
石川県白山市の山間部で、若者らが「里山総合会社」と名付けた企業を立ち上げ、ジビエ(野生鳥獣肉)の販売や耕作放棄地を活用した羊の飼育などに取り組んでいる。過疎化による里山の荒廃が各地で問題になる中、代表の有本勲さん(39)は「里山の資源を丸ごと事業にし、地域を活性化させたい」と奮闘している。東京農工大でクマの生態調査に取り組んだ有本さんは2011年に石川県へ移住。研究で身につけた動物の解体スキルを生かし、地元企業でイノシシやクマの食肉処理に携わった。事業の幅を広げようと17年に起業した。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午後7時ごろ、仙台市青葉区赤坂2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日昼、仙台市青葉区荒巻仁田谷地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午後0時30分ごろ、仙台市太白区秋保町境野羽山にクマが出没しました。

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(クマ撃ちで入山の男性死亡、滑落か:秋田)
秋田県警仙北署などによると、6日、仙北市田沢湖玉川の宝仙湖付近で、クマ撃ちのために入山した同市の男性が死亡しているのを、捜索していた署員や消防隊員が見つけた。滑落が原因とみられる。

(クマに襲われる、山菜採り中の男性(68)大けが:長野)
長野県松川村では山菜取りをしていた男性がクマに襲われました。山林を警戒する猟友会。人を襲ったクマを捜しています。午前10時半ころ、松川村の馬羅尾高原で山菜取りをしていた松本市の68歳の男性が1頭のクマと遭遇。男性は顔や腕をかまれたり、引っかかれたりしたということです。自ら消防に通報し、その後、ドクターヘリで松本市内の病院に搬送されました。重傷とみられています。クマは体長130センチほどの成獣とみられ、警察や猟友会が付近を捜しましたが見つかっていません。今はクマが冬眠から目覚め活発に動いているとみられ、警察が注意を呼び掛けています。

(81歳男性がクマに襲われ重傷か:長野)
警察によりますと、6日午前7時半ころ、長野県軽井沢町長倉の山林で山菜採りをしていた自営業の男性(81)がクマに襲われました。男性は携帯で家族に連絡して家族が警察に通報し、ドクターヘリで佐久市内の病院に運ばれました。顔を引っかかれるなどして重傷と見られています。駆け付けた警察官が周辺を探しましたがクマは見つからず近くの住民に注意を呼びかけています。今の時期は冬眠を終えたクマが活発に活動していて、長野県内でもケガをさせられるケースが出ています。

(ワラビを採りに山へ、70代の男性がクマに襲われ大けが:秋田)
9日秋田市で山菜を採りに山へ入った76歳の男性がクマに顔を引っかかれ大けがをしました。2023年に入り秋田県内でクマによる人身事故が起きたのは初めてです。警察と消防によりますと、秋田市太平山谷の76歳の男性は9日午前6時半ごろワラビを採りに近くの山へ自転車で向かいました。そして、午前11時半ごろに男性から妻に内容が聞き取れない電話があり心配した妻が車で迎えに行ったところ、顔から血を流し自転車を押している男性を見つけ通報しました。男性は市内の病院に搬送され顔に大けがをしましたが、命に別状はなくクマに引っかかれたと話しているということです。警察はパトロールを強化し周辺の住民に注意を呼びかけています。

(国道でクマと乗用車が衝突“クマが死ぬ”:宮城)
5日未明、宮城県大崎市の国道4号線で乗用車とクマが衝突する事故がありました。この事故でけがをした人はいませんでしたがクマが死にました。5日午前1時半頃、大崎市三本木坂本の国道4号上り線で、仙台方向に走っていた乗用車がクマと衝突しました。警察によりますと、乗用車を運転していた人から「クマと衝突した」と110番通報があり、警察が駆けつけたところクマはすでに死んでいたということです。乗用車に乗っていた人にけがはありませんでした。警察によりますと、この地域では春先からクマの目撃情報が増えてきていて住民に注意を呼びかけています。

(海に落ちた目が不自由な老いたクマ、吹き矢で眠らされ捕獲:岩手)
岩手県大槌町赤浜で海に落ちた後、岸壁をよじ登ったツキノワグマが3日深夜、捕獲された。老いたクマで衰弱していたが、その後、山に戻された。クマは2日、海に落ちた後、岸壁をよじ上って造船所の床下に逃げ込んだ。3日朝に床下から出て周囲をさまよった末、今度は用水路に落ちて、地下水路に逃げ込んだ。同日深夜、猟友会員らが入り口におびきだし、盛岡市動物園の獣医師が吹き矢で麻酔薬を打って眠らせ、捕獲した。衰弱していたためビタミン剤を注射、4日早朝に山に放ち、去っていくのを確認した。現場で捕獲作業をした動物園の辻本恒徳園長(62)らによると、クマは体長1・1メートル、体重50~60キロのメス。歯のすり減り具合などから20歳を超す高齢で、目が不自由で住宅街に迷い出て戻れなくなったらしい。岩手県自然保護課の菊地賢主任主査(48)は「被害件数は最近変わっていないが、こうした目立つ出没が増えている印象。クマを見たら刺激せず屋内に避難し、すぐ警察などに通報してほしい」と話している。

(わなにツキノワグマ、殺処分:神奈川)
神奈川県は8日、ツキノワグマ1頭が相模原市緑区名倉の畑に設置されたわなに掛かり、殺処分したと発表した。県によると、殺処分となったのは体長91センチ、体重約16キロの雄。6日午後5時ごろ、シカやイノシシを捕獲するためのわなに掛かっているのを住民が発見した。人を恐れるように学習させた上で山に放つことを検討したが、放獣場所が確保できず、7日午前に殺処分した。県立生命の星・地球博物館(小田原市)で学術研究に役立てる。

(走行中よけきれず"ヒグマ"と接触:北海道)
北海道の北西部、増毛町の山中の道道94号で、乗用車がヒグマと接触しました。クマはその場を立ち去り、女性にケガはありませんでした。警察によりますと、5月7日午後8時過ぎ、滝川市に住む女性が増毛町から隣町の北竜町方面へ向かい、ひとりで車を走らせていたところ、クマが道路を横断してきました。女性は減速しましたが、間に合わず接触しました。女性にケガはなく、助手席側の泥よけがへこみましたが、クマの血の跡は付いていません。クマは1頭で大きさは1.5メートルほど。接触後、道路脇の藪に姿を消しました。現場は街灯がなく、携帯電話もつながらない場所でした。女性は事故後、約1時間車を走らせ、隣町の北竜町の駐在所に駆け込み、駐在員に対し「クマを見てクマとぶつかってしまった」と慌てた様子で報告したということです。現場は民家から約12キロメートル。警察はパトカーで夜間、警戒するとともに、増毛町と連絡を取り対策を協議するとしています。

(クマが小屋の屋根から侵入し烏骨鶏を襲ったか:岩手)
5月6日、岩手県一関市にある住宅の敷地内で飼育されていた烏骨鶏が食べられる被害がありました。警察はクマが襲ったものとみています。5月6日の午前8時ごろ、一関市大東町摺沢の無職・佐藤勝信さんが、自宅の敷地内のニワトリ小屋で飼育していた烏骨鶏3羽が食べられていることに気づき、9日に市役所を通して警察に通報しました。警察によりますと、6日の未明に飼い犬が騒いでいたため不審に思った佐藤さんが、朝にニワトリ小屋の様子を見に行ったことで被害が発覚したということです。当時、小屋の屋根は破られた状態で、中にいた別の3羽のニワトリは無事だったということです。4月30日には、小屋に侵入しニワトリを襲うクマを佐藤さんが目撃していたことから、警察はクマが小屋の屋根から侵入し烏骨鶏を襲ったものとみています。現場は住宅が点在する山間の地域で、警察が周辺のパトロールを強化して警戒を強めています。

(雪解け早くクマ出没、目撃や被害が前年の5倍:岩手)
クマ出没注意―。岩手県内でツキノワグマに人が襲われたり物が壊されたりする被害が相次いでいる。6日は大船渡市で網戸が破られた。県警のまとめでは、1~4月に寄せられた目撃情報や確認した被害は計15件と前年同期の5倍に上る。今春は雪解けが一気に進み、例年よりも早く行動が活発化。山菜採り中の遭遇や街中に姿を現すケースも増えており、県などが警戒と対策を呼びかけている。6日午前7時20分ごろ、大船渡市立根町川原の水野哲也さん(80)方の網戸が破れていると知人が市に通報した。クマによる被害とみられる。現場は立根小にほど近く、大船渡署や市が注意を促した。人的被害は4月27日に八幡平市野駄、翌28日に岩泉町小本で発生し、計3人が顔などにけがをした。いずれも山菜採り中か、その前後に襲われた。大槌町赤浜では今月2、3の両日、住宅地近くで体長1メートル超のクマ1頭が出没した。

(クマやサル、イノシシの目撃情報をHPで確認:福島)
福島市は4月27日から、獣害対策として、クマやニホンザル、イノシシの目撃情報などを地図上で確認できる「獣(じゅう)マップ」の公開を市のホームページで始めた。市の有害鳥獣被害対策協議会アドバイザーを務める福島大食農学類の望月翔太准教授が監修し、情報サービス業のエフコム(郡山市)がシステムを開発した。クマの目撃情報は2017年4月以降の486件を既に登録した。ニホンザルやイノシシを含め、今後も目撃情報を順次追加する。

(狩猟未経験対象にスタートアップセミナー:大分)
県は27、28の両日に、狩猟未経験者を対象にしたスタートアップセミナーを開く。

(ニホンジカの食害、山菜が深刻な被害:京都)
京都・丹後の春の味覚であるワラビやフキといった山菜が、ニホンジカの食害によって深刻な被害を受けている。

(父の遺志継ぎ、獣害から守る:三重)
三重県松阪市の「市の花」で、飯高町波瀬地区に自生するヤマユリ「波瀬ユリ」を守り増やそうと、多気郡明和町や松阪市などの有志が3日、鹿による獣害に遭わないように、自生するユリの株を柵で囲った保護園内に移植する作業を行った。波瀬ユリは1945(昭和20)年ごろまで波瀬地区の至る所に咲いていたが、杉の植林や獣害、乱獲によって減少。83(同58)年に地区の有志が保存会を結成し、旧飯高町時代には飯高林業センター向かいの群生地を町有化し、網で囲った保護園を整備した。しかし保存会も過疎高齢化で活動は休止状態に。その後は地元の山本収さんが自宅の庭の約3㌃の斜面で200株以上を育て、多くの人の目を楽しませていたが、2004(平成16)年に86歳で亡くなった。その思いを引き継ぎ、19(令和元)年から長女・敦子さん(60)=明和町佐田=が、友人の明和町大淀の下井清史町議(55)らとともに、毎年5月の大型連休にボランティアを募って、許可を得て波瀬ユリの移植保存に取り組んでいる。保護園(面積約150平方メートル)にはこれまでの3年間で、約300株を移植した。4年目となる今年は、松阪市、明和町、津市から11人が参加した。道の駅「波瀬駅」向かいの市有地一帯に自生する波瀬ユリを掘り起こし、鉄柵で囲った保護園に移し替えた。10センチほど穴を掘って丁寧に植え付け、埋め戻した後、支柱を立てて目印にした。毎回参加しているという明和町山大淀の木本公大さん(53)は、手慣れた様子で作業にいそしんだ。山本さんによると、風に飛ばされたユリの種が着地した地点で自然生えし、その若芽を鹿の食害に遭わないうちに探し当て保護園に移植している。7月下旬になれば、保護園の中で鮮やかな花を咲かせるという。山本さんは、今後追加して植える余裕は少なく、まちの活性化と潤いのためにも一帯の管理を行っている市に花の保護を求めつつ、「鉄柵の修理や草刈りなど、ボランティアさんには本当に感謝している。私たちが今やっていることが7年先に実を結ぶ。しっかりやらないと」と話した。

(熊に遭遇のリスク、山菜採り中は通常より高く:長野)
北佐久郡軽井沢町の森林で6日、山菜採りの男性が熊に襲われました。5日にも北安曇郡松川村で山菜採りをしていた男性が襲われ、県内での発生は2日連続です。熊の生態に詳しい同町のNPO法人「ピッキオ」の田中純平さん(49)に、熊に遭遇しないための対策や遭遇した場合の対処方法などを聞きました。熊に遭遇しやすい場所は。時季によって少し異なります。春になると、人が採ろうとする山菜などを熊も餌として食べようとします。山菜採りをしている最中は遭遇するリスクが通常より高くなります。熊に遭遇しないためにどうすればいいですか。鈴やラジオなどを携行して自分の存在を知らせることが大切。熊が身を隠すことができるやぶなどに入らないようにすることも重要です。遭遇してしまったら。ゆっくりと後ずさりして距離を取ってください。大声を出したり、走って逃げたりすると本能的に襲ってくる恐れがあります。他に注意すべき点はありますか。熊は5月の大型連休後から親子で動き出します。子熊の近くには母熊がいる可能性が高いので、子熊がいたら速やかに離れましょう。

(クマ出没マップ、駐在所が作成:静岡)
近年、浜松市天竜区の山里でクマの目撃情報が相次いだことから、天竜署山香駐在所(同区佐久間町大井)の粟田剛さん(56)が、出没地点をまとめた地図を作成した。国道沿いでも目撃されており「屋外作業のときはもちろん、ドライブの休憩中にも気を付けて」と呼びかけている。地図では佐久間町の山香、城西地区を中心に、二〇一五年以降の目撃地点十九カ所を示す。署や市に報告された情報を基に、粟田さんが聞き取り調査をしてまとめた。署ホームページで公開しているほか、近隣住民に配布して周知する。目撃が集中しているのが、竜頭山の平和登山口付近や、明光寺峠周辺。二一年十一月には、多くのドライバーが休憩に使う国道152号沿いの公衆トイレ近くでも目撃された。弁当を広げている人まで百メートルほどの距離にクマが迫り、粟田さんがパトカーで道をふさいで接近を阻むなど、緊迫した状況だったという。天竜区内ではおおむね竜頭山より北の山地にツキノワグマが生息しているとされるが、近年は人里での目撃が増えている。「柿の木に登って実を食べていた」「ミツバチの巣箱を壊された」など、鉢合わせしかねない事例もあった。

(“鼻つまみ者”ハクビシン出没:岡山)
イタチの仲間のテンが水面をジャンプして渡る瞬間を狙って、岡山市北区御津地区の谷川に自動撮影カメラを設置したところ、約2カ月待った間にカメラが捉えていたのは、思いもよらぬハクビシン(白鼻芯)だった。ハクビシンは夜行性で、自然な姿を撮影できるチャンスは少ない。私自身、同じ害獣のイノシシやシカを撮ったことはあるが、長いカメラマン生活の中で初めてだった。しかし、農家にとっては写ってほしくない小動物だろう。木登りが得意で、狭い隙間も難なく通り抜けてしまう。雑食性で果物が大好物というから、迷惑この上ない。桃のシーズンを控えて夜な夜な出没する“鼻つまみ者”に農家の悩みは深い。

(県の防除実施計画案、特定外来生物アライグマ:新潟)
県はこのほど環境審議会自然環境部会を開き、生態系や農作物などに被害をもたらしている特定外来生物のアライグマの防除実施計画策定の中で上越地域を「重点防除地域」に指定するなど、県内全域で5年かけて防除を行う予定。

(クマの目撃相次ぎ立ち入り禁止の公園、規制解除:岩手)
クマが目撃されたため、立ち入り制限が続いていた岩手県紫波町の城山(しろやま)公園について町は9日、クマが捕獲され目撃の回数が減ったことから制限を解除しました。紫波町の城山公園は先月11日、付近でクマが目撃されたことにより公園への立ち入りが全面的に禁止されました。町は公園の敷地内と外に罠を設置。先月25日に体長およそ1メートル20センチのクマ1頭が捕獲されたことから公園への立ち入りが一部解除されました。しかし、その後もクマが目撃されたため再び全面的に立ち入りが制限されていました。町によりますと、今月3日と6日に相次いでクマが捕獲され、その後は目撃情報がなかったことから、9日午後4時前に、公園への立ち入り制限を解除したということです。

(冬眠でなぜ血栓できない?クマの血液分析で原因物質発見)
冬眠中のクマは半年前後、穴にこもっているのに、「エコノミークラス症候群」にならないのはなぜか。ドイツ・ミュンヘン大などの国際研究チームは、冬眠中のクマと夏に野外で活動しているクマから血液を採取して分析し、血栓をできやすくするたんぱく質を発見した。冬眠中のクマではこのたんぱく質「HSP47」が大幅に減少していた。HSP47の働きを妨げる物質を見つければ、新たな予防・治療薬の開発につながる可能性があるという。論文は25日までに米科学誌サイエンスに掲載された。同症候群は飛行機旅行や災害時の車中泊などで長時間体を動かさず、血液の流れが悪くなると起きる。脚の太い静脈でできた血栓が、心臓を経由して肺の動脈に移動して詰まると、呼吸困難や心肺停止に至る場合がある。血栓は、本来は血管が損傷した際に傷口をふさぐ血小板のほか、白血球の一種の好中球やHSP47などによって形成される。研究チームは、慢性期の脊髄損傷患者では、ほぼ寝たきりの状態で血栓があまりできないことにも注目。健康な人にベッドで横になり続けてもらう実験を行ったところ、27日後にはHSP47が大幅減少していた。冬眠に入ったクマと同様の現象とみられ、減る仕組みの解明が期待される。 

(クラブから銃?ゴルフの元賞金女王・古閑美保が意外な転身)
女子ゴルフの賞金女王からクレー射撃の女王へ-。11年シーズン限りでツアーから撤退した古閑美保(40)が、オリンピック正式種目のクレー射撃選手転身で、飛躍を期して奮闘中だ。5月6日、競技の普及活動などに携わる日本クレー射撃協会の「アスリート委員会・副委員長」として福岡県総合射撃場を訪れ、24年パリオリンピック(五輪)出場枠獲得大会への派遣選手選考会を視察。宙に放たれる陶器製(クレー)の標的を撃つ散弾銃の大きな音が響く中、参加選手の動作に熱視線を注いだ。競技者としては「かっこいいと思ったから、取ると決めた」といい、21年東京五輪をきっかけに、同年、散弾銃を使用するための免許を取得した。現在は「撃つ衝撃と、火薬の匂いをかぐとやめられない。ゾクゾクする」と魅せられ、「競技に出たいので、一生懸命練習しています」。週1回、栃木県の射撃場で鍛錬している。目標は「まずは国体を目指す。3年後の出場はあるかもしれない」と話し、本気で出身地・熊本県のクレー射撃代表入りを目指している。ゴルフで活躍する前から「祖父が狩猟をやっていて、鉄砲を持って行くのが、かっこいいと思った。持って帰ったシカの刺し身とか食べていましたね」と話し、幼い頃から興味はあった。元々祖父譲り“ショット”のDNAを受け継いでいたようだ。普及活動にも一役買う。クレー射撃は、日本協会登録の競技人口は男女約2000人で、女子は約60人のマイナー競技。そこで、広める一環として、昨年10月他業種のトップアスリートの知恵を借りる「アスリート委員会」が発足した。そして、趣味からクレー射撃を始めていた知名度抜群の古閑に白羽の矢が立てられた。古閑は「モチベーションが上がる」とし、参加選手に賞金が出るスポンサー付きの大会などを模索中だ。競技年齢は20~70代までと幅広く、人生100歳時代の選択肢の1つにもなり得る。現在40歳の初心者ながら、練習の指導者から「根性がある。連続で撃ち続けてもめげない」と評されているという古閑。将来の五輪代表も夢ではなく、元賞金女王の新たなチャレンジが注目される。

(リアルな狩猟描写が話題の漫画「クマ撃ちの女」)
31歳の独身、女猟師が北海道を舞台にエゾヒグマを追う狩猟漫画『クマ撃ちの女』が人気だ。リアルな狩猟の描写が話題となっている同作品。実際の狩猟現場に同行するなど綿密な取材を得意とする作者の安島薮太(あじま・やぶた)さんに作品への思いを聞いた。さらに、近年、北海道を震撼させている怪物ヒグマ「OSO18(おそじゅうはち)」について、どう見ているのか。主人公のチアキと姉は、狩猟の帰りに「片耳のヒグマ」に襲われる。そのヒグマに姉が車から引きずり降ろされるのを、当時大学生だったチアキは後部座席で呆然と見つめた。ヒグマは姉の左足に食いつき、離さない。恐怖と痛みのなかで叫び声をあげる姉を目の前に、チアキは意識あるままに柔らかい内臓から食われる恐怖を想像する。姉の次に食べられるのは、自分だ……。幸いにも猟師の車が通りかかりヒグマは逃げた。グチャグチャにされた姉の足は義足になったが、命は助かった。“襲撃”のあと大学を卒業したチアキは北海道を離れて就職するも、その後、北海道に戻り、女猟師となった。姉の足を奪った「片耳のヒグマ」への敵討ちに執念を燃やす――。そうしたヒグマと人間の生々しい対峙場面が随所に描かれているのが、漫画『クマ撃ちの女』。作者の安島さんは、大阪芸術大学を卒業後、映像制作の仕事を経て漫画家になった。緻密な描写と綿密な取材に基づいた作品は、北海道の自然に生きるヒグマの強さと恐ろしさを伝えている。冒頭のように、登場人物がヒグマに襲われるシーンは何度か出てくる。チアキに猟を指導する猟師も、彼女の目の前で襲われる。ヒグマの大きな爪が猟師の顔を覆いかぶさるシーンは、思わず目をそむけたくなる。「クマは愛らしいというイメージを持つ人も少なくありません。それを壊そうと思った。ヒグマという最強動物の獰猛さと恐ろしさを伝えるために、あえて生々しく描いているんです」。安島さんは、ヒグマやクマの恐ろしさを知らない観光客が野生のクマへのエサやりをしたり、安易に近づいて写真を撮ったりするような行動がなくならないことに、危機感を持っている。確かに日本でも、ヒグマやクマへエサやり体験ができる牧場や施設がある。飼育員によるエサやりが公開される施設では、お辞儀をしてエサをもらったり愛らしい仕草をしたりするクマがテレビ番組などで取り上げられ、その動画はネット上にも残る。22年4月改正の自然公園法では、国立公園や国定公園でクマなど野生動物へのエサやりや接近行為をやめない人に30万円以下の罰金が科されることになった。「北海道の知床国立公園では、観光客がクマを近くで撮影したいがためにエサでおびき寄せる行為が長い間、問題になっていました。エサを与えられ人間を恐れなくなったクマは市街地に出没する危険性もあり深刻な問題です」。安島さんは漫画を描くために北海道での狩猟に同行し、ヒグマに襲われた猟師から体験談も聞いている。ヒグマが走る速さは時速50キロ以上といわれる。1秒に約14メートル、4秒もあれば55メートル強の距離を移動できてしまうことになる。「恐ろしいのは、ヒグマの圧倒的な筋力と鋭い爪です。話を聞いた猟師によると、倒木のかげに隠れていたヒグマと出合いがしらに遭遇した際、彼は反射的に銃を撃ちました。が、顔面を骨ごと爪でやられ、あごが皮一枚でぶらんとぶら下がっている状態だったそうです。お会いしたときはお元気で、すでに顔もきれいに治っていましたが、ゾッとする話です」。クマとの遭遇は、山に限らない。今年は例年より雪解けが早い。冬眠明けのクマの活動が活発になっているせいか、4月に入り北海道ではクマの目撃報告が増えている。市街地である札幌市内にも出没している。そして、北海道で注目されているのは、怪物ヒグマ「OSO18」の存在だ。最初に出没が確認されたのは2019年の夏、北海道川上郡標茶町(しべちゃちょう)で牛が襲われた。これまでに牛60頭以上を襲撃しているといわれるが、警戒心が強くカメラにとらえられたのもわずか数回。北海道庁は、最初の被害現場である標茶町オソツベツと幅18センチの大型の足跡から、「OSO18」と名付けた。安島さんが描く『クマ撃ちの女』の連載が始まったのは、2019年1月。「OSO18」の出没と同じ年だ。安島さんの連載のほうが数カ月早く、「片耳のヒグマ」のモデルではないという。それでも、怪物を思わせる不気味さなど重なる部分がある。安島さんは、OSO18はどのようなヒグマだと推測するのか。「OSO18については、被害が牛にとどまっているのが救いです。僕の漫画よりインパクトのあるヒグマは登場しないで欲しいですね……。ただ、OSO18は『頭がいい』、神出鬼没な『忍者グマ』など伝説化されていますが、僕の知り合いの猟師たちは、ごく普通の臆病なクマではないのかと見ていますね。カメラで姿を捉えられないのも、カメラを避けているというより、臆病で人間に近づかないから結果として姿が捉えられてないだけ。猟師から見れば、ごく普通のヒグマではないか、とのことです」。安島さんも同意見だという。広大な自然と野生の動物を相手にする猟師は、分析を一つ誤れば死に至る可能性もある。うわさやイメージに惑わされず、ヒグマが木に残した爪痕やフン、足跡など、現実にあるものを冷静に分析して判断する。「ただ、不思議なのは、60頭を超える牛を襲っているのにほとんど食べてないところですよね。クマって肉食のイメージが強いと思いますが、実は、全体の7割は植物性の食べ物を口にしています。出産や冬眠明けの春は、フキやセリ科の草本類、去年に落ちたドングリなどを食べます。そのため山菜採りに来た人と遭遇する事故が起こるんです」初夏には、植物や果物を摂取しつつもアリやザリガニ、セミの幼虫、スズメバチなど動物質のものも食べる。山に食料となる動植物がなく家畜を襲って食べるクマの話はよく聞く話だが、OSO18は襲った牛をほとんど食べず放置している。何を目的に襲うのかかがわからない。そこは「ミステリアスだ」と安島さんは首をひねる。ただ、ヒグマだけが恐ろしいクマではない、と警鐘を鳴らす。「本州や四国に生息するツキノワグマも、とても恐ろしいです。体が小さい分、立木や倒木のかげに隠れやすい。ヒグマは200メートル先に人間を見つけたら逃げるほど、基本的には臆病だといわれますが、ツキノワグマは逆に人に寄ってくる、好戦的だといわれています。クマが怖いのは、表情が読めない動物という点です。目の上に筋肉がないから無表情。怒っている、興奮している、怯えているといった様子がわからないから怖いんです。クマは人慣れした牧場や動物園のクマが当たり前なのではなく、本来、恐ろしいものだということを、漫画を通じて読者に知ってもらいたい」。新潮社のウェブ媒体「くらげバンチ」で連載を続ける『クマ撃ちの女』は、紙と電子コミックで現在10巻まで発売されている。合わせて約40万部。30代の男性がメイン読者だという。ただしサイン会を開けば、女性読者の姿も目につく。何より、動物園や牧場、猟師や銃砲店などへの緻密な取材を下地にした作品には、関係者のファンも多い。ベテラン猟師からは「よく描けている」、若手ハンターからは「バイブルにしています」とエールをもらうこともある。ウェブ連載だけに、読者の反応もダイレクトだ。「狂暴に描くなんてクマがかわいそう」。ウェブには、そんなコメントが書かれることもある。しかし、安島さんは、こうきっぱりと話す。「クマも人間も自然の一部です。けた外れの筋肉と爪と牙を持つ最強動物のヒグマを相手にするのです。猟銃が当たらず車がなければ、シカや他の動物以上に人間はもろいのは当たり前です。この漫画を読んでくれた人が、カメラで撮影したいがために接近したりエサをあげたりしようと思わないくらい、迫力のある漫画を描きたい。そして狩猟の世界のいいところも悪いところも、清濁併せ呑んだクマ撃ちの世界を描いてゆきたいですね」。

(種の運び屋ハクビシン、自然界では森林の守り役?)
鼻に白い模様があるからハクビシン(白鼻芯)。害獣として耳にしたことがある人も多いはず。台湾などからやってきた外来種で、果実が大好物です。日本では江戸時代に持ち込まれた記録があり、戦時中には毛皮用に輸入されたことがわかっています。最近は都市部まで生息範囲を広げています。家屋にすみ着いてフン害を引き起こし、人間たちを憤慨させる困り者。そんなハクビシンですが、自然の中では役に立つ面もあるのだそう。山形大の最新の研究によると、ハクビシンが食べた果実の種がフンを通じてまかれていました。手入れ不足や伐採で元気をなくした森林で、新たな樹木が育つことに貢献しているようなのです。日本の在来種のコガネムシとコラボしていることもわかりました。コガネムシはハクビシンのフンを土に埋めてそこに産卵し、幼虫はフンを食べて育ちます。その結果、種がネズミに食べられずにすみ、芽も出やすくなります。日本の森林では「種の運び屋」の役割をサルやクマ、イタチの仲間などが担ってきました。しかし昔の乱獲や森林伐採などで数が減少しています。山形大研究チームの江成広斗教授は「ハクビシンが山形名産のサクランボなどの害獣であることは変わりません。ただ、在来種が減った森林で、外来種が『種の運び屋』の代役を務めるケースとして注目されます」と話します。ハクビシンと似た面があるのは、アライグマです。アニメで人気に火がつき、ペットとして輸入された個体が捨てられたり、逃げたりして野生化したものです。東京農工大の小池伸介教授らは、アライグマも「種の運び屋」であることを突き止めました。体の表面にチヂミザサなど植物の種をくっつけて、あちこちに運んでいたのです。季節によっては、タヌキなど在来種よりも多くの種をまいている可能性があるそうです。ただ、アライグマは雑食性で、希少な小動物や野鳥の卵、ヒナを襲うなどの問題も引き起こします。「外来種も時に良い面があるように見えることがあります。しかしそれは森林が元気をなくし、在来種が減ってしまったため、外来種に活躍の場を与えているにすぎません」と小池教授。外来種も悪さをするのが目的ではなく、異国で生きるのに必死なのでしょう。彼らが引き起こす問題は、元をたどれば人に責任があることを忘れずにいたいです。

(「クレー射撃」国際大会の選考会:福岡)
空中に飛び出した的を打ち、得点を競うクレー射撃。国際大会へ向けた選考会が福岡で開催されました。パリオリンピックに出場するには国際大会での上位入賞が必要なクレー射撃。海外への派遣資格をかけた国内選考会には全国各地からトップ選手男女25人が参加しました。クレー射撃とは時速80キロで飛ぶ直径11センチの的を約20メートル離れた場所から散弾銃で撃ち抜く競技です。種目は2つに分かれていて、どこに飛ぶか分からない、的を2発以内に打ち抜く「トラップ」と飛ぶ方向が決まっている的を1発で打ち抜く「スキート」があります。選考会には、柔道の金メダリスト・谷本歩実さんとプロゴルファーの古閑美保さんの姿もありました。クレー射撃の普及活動などに携わる「アスリート委員」を務めています。プロゴルファー・古閑さん「私は趣味で始めたんですよ。格好いいなとおもって携われたらいいなと思ってやるようになりました」。古閑美保さんものめり込んでいるというクレー射撃。男子では、佐賀県を拠点に活動し、去年、スキート部門で日本一に輝いた脇屋昴選手が出場。7日は悪天候で、思うような射撃にはなりませんでしたが、前回の大会で選考基準を満たしており、パリに向けて調整が続きます。脇屋選手「パリ五輪に向けて2回目の国際大会選考会の挑戦なので、出場できるように頑張りたいです」。一方、女子では折原梨花選手が男女通じて唯一基準を超える得点をマークし、パリオリンピック代表へ前進しました。折原選手「パリは今から始まった感じで、ワールドカップやパリに出場して女子初のメダルを獲られればと思います」。選考会は残り2回あり、今月20~21日に岡山、今月27~28日に長野で開催されます。

(“狩猟”から食と命の尊さを学ぶ:山梨)
生きることは、食べること。食べることは、生きること。現代社会において、「命の尊さ」を学ぶ機会はなかなか少なく、普段何気なく口にしている肉や魚に命があることを日常的に考えている人は、果たしてどれくらいいるのだろうか。「スーパーで売られている切り身がそのまま川を泳いでいる」と思っている子どもさえ、いるらしい。狼信仰が古くから根づく奥秩父山塊。その中心にある関東で最も人口が少ない村、丹波山村(たばやまむら)では、今でも狩猟が盛んに行われている。雲取山・飛龍山・大菩薩嶺など2000mを超える山々に囲まれた深い森と、多摩川源流の清らかな水が流れ、そこで生息する鹿や猪、熊などを捕獲する。そして、美味しく食べるために解体し調理。獲った獲物に敬意を払い、余すことなくいただく。また、狩猟の村・丹波山村の猟師は、動植物が絶えないよう、常に森の環境を整え人が豊かに暮らせるよう日々行動しているという。そんな丹波山村にある「狩猟学校」では、この「獲る、食べる、作る(創る)、育てる」という丹波山村猟師の日常を学び、体験できる。カットされた肉や魚が、もともと生きた動物であったという「命の尊さ」を感じ、食と命の結びつきを、野生鳥獣の食肉加工処理を通して知ってもらいたいと開設された。狩猟学校を運営する株式会社アットホームサポーターズは、害獣である鹿の利活用を進めており、屠畜処理とは違い、捕獲、解体、精肉、販売までの工程を自社内で全て行っている。そのため、「食」と「命」の結びつきを感じやすい環境にある。狩猟学校ではこの春、企業や団体向けに狩猟で獲た動物が肉となる工程を知り、その肉を美味しく食べることで、食と命の尊さを学ぶ、狩猟食育講座「HUNT EAT」を開催する。HUNT EATでは、丹波山村の大自然の中に生まれた文化、そして山間地域における自然環境とその問題を知り、その自然の中で育った野生鳥獣を実際に解体し、それを食す工程をしることで「食」と「命」の結びつきを体感できるプログラムだ。自然が取り巻く環境を知り、森林環境の現状を知り、実際に獲物を捕獲しいただく。命は尊いものであり、敬意を払い食すことで、自分たちは生かされている。「狩猟学校」では、小中学生に対しての食育の講座、企業におけるSDGs研修プログラム、過疎地における地方創生活動事例の紹介など、様々なニーズに応じたプログラムを実施することができる。ぜひ、食べることの意味や、命の尊さを学ぶ機会をつくってみてはいかがだろう。

(女性猟師、射撃場通いが趣味?:愛知)
愛知県北西部に位置する豊田市の山間エリア。秋には美しい紅葉が広がる香嵐渓をはじめとして観光スポットも多い場所にもかかわらず、ドッカンドッカンと爆音が鳴り響いています。地元民も驚く爆音の正体。実は「愛知県総合射撃場」から響くクレー射撃やライフル銃の音なんだとか。天候や風向きによって、山の中から聞こえてくると地元民もウワサしていたそうです。そんな射撃場が気になった取材スタッフは、特別に施設内を見学させてもらうことに!国体やオリンピック競技なども行われるという愛知県総合射撃場。日本でもトップクラスの大きさを誇ります。施設内では屈強な男性たちが銃を抱えて歩いていました。なかなか日本では見られない光景です。そんな愛知県総合射撃場でひときわ目立っていたのが、ピンク色のウェアを身にまとった清水潤子さんです。射撃歴は7年という清水さん。クレー射撃の選手かと思いきや趣味でこの射撃場を訪れているそうです。清水さんの本業は銃や罠を使って鹿などの野生生物を仕留める本物の猟師です。この日使っていた銃も猟で使用するものだとか。清水さんの自宅を訪問すると、大きなイノシシの剥製などおよそ一般家庭にはないものがたくさん目に飛び込んできました!7年前に狩猟免許を取得し、6年前から豊田市足助地区に移住してきたという清水さん。実は以前に末期がんを患い、一時は余命3か月といわれていたそうです。仕事も辞めてがん治療に専念することを決意した清水さんが、夫のすすめで参加したのが農業体験でした。そこで知ったのがイノシシによって荒らされた田畑の現状です。イノシシを「捕ってくれ」と頼まれたことをきっかけに、猟師の道へ進み始めました。清水さんが今一番力を入れているのが「山里カフェ Mui」。イノシシや鹿肉などのジビエ料理をおいしく食べられるジビエカフェです。飼っている猟犬とともに、毎朝すべての罠を見回ることが日課という清水さん。有害鳥獣駆除を行うことを使命に邁進した結果、いつしか余命宣告をされなくなったそう!この日のメニューは「ジビエプレート」。鹿肉のイタリアンソテーのほか、ハクビシンやヌートリア、アライグマのお肉を使ったジビエからあげが盛り合わせになっています。臭みもなく柔らかなジビエ料理が満載となったボリューム満点のプレートランチを、お客さんもペロリと召し上がっていました。田畑を荒らす有害鳥獣として駆除した小動物も巧みに料理に生かすのが清水さんのポリシー。奪った命はせめておいしくいただくという清水さんの思いとともに、今日も豊田の山奥から「ドーン」と射撃音が鳴り響いています。※なお、罠を仕掛けられるのは狩猟免許所持者に限られています。くれぐれもご注意ください。

(“人を追いかけるクマの姿”が映像に:岩手)
5月3日は岩手県奥州市の国道でもクマが出没しました。視聴者が捉えた映像には、逃げる人を追いかけるような姿も映っています。これは3日午後5時ごろ奥州市水沢の国道397号線、新小八木橋付近を走る車から捉えられた映像です。道路を横切った人を追いかけるようにクマが道路を渡る姿が映っています。警察によりますと、この付近ではこの1時間ほど後にもクマの目撃情報が寄せられていますが、けが人などの情報はないということです。撮影した人の家族は「この道路近くには学校もあるので通行する方はぜひ注意してほしい」と話しています。

(クマ目撃相次ぐ、けが人なし:福島)
福島県内では4日、福島、須賀川両市でクマの目撃が相次いだ。県警などが周辺をパトロールし、住民らに注意を促した。福島市では午後0時50分ごろ、松川町浅川字木戸前の市道でクマ1頭を目撃したと、近くの畑で農作業をしていた男性が110番通報した。けが人はいなかった。福島署によると、クマの体長は約1メートル。クマは北側の裏山に立ち去ったという。また須賀川市では午前1時ごろ、牛袋町の路上でクマ1頭を目撃したと、通行中の男性が119番通報した。けが人はいなかった。須賀川署や須賀川地方消防本部によると、男性は釈迦堂川付近でクマを目撃したという。駆け付けた消防職員らが付近を捜索したが、クマはいなかった。

(病院の敷地内でクマ目撃:秋田)
8日午後、横手市の市立大森病院の敷地内でクマ1頭が目撃され、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと、8日午後1時前、横手市大森町の市立大森病院で、「人間ドック・健診センター」の建物の中にいた職員が、敷地内の南西にある職員用の駐車場にクマ1頭がいるのを目撃しました。クマは体長80センチほどで、病院の北西にある山の中に歩いていったということです。警察が付近の警戒にあたりましたが、その後、クマは目撃されていないということです。警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。

(2週間前と同じ場所にまたイノシシ出没:山口)
山口県下関市ではイノシシにかまれる被害が立て続けに発生しています。4月、市内のコンビニエンスストアで男性店員がイノシシにかまれけがをしましたが、5月8日には同じ店に再びイノシシが現れました。8日に下関市のコンビニエンスストアの駐車場で撮影されたイノシシです。この店では先月26日に、男性店員がイノシシに噛まれてけがをしました。同じイノシシかどうかはわかりませんが、駐車場をうろうろしていたそうです。コンビエンスストアで店員が噛まれた4日前には、近くのグラウンドで野球をしていた男子中学生も噛まれています。下関市には、この周辺でイノシシの目撃情報が33件寄せられています。市では地元猟友会と協力して箱わなを2カ所設置していますが、まだ捕獲には至っていません。この周辺は住宅街で、通学路にもなっていて、市では引き続き関係機関と連携をとりながら警戒していきたいとしています。

(早朝の住宅地「公園付近に大型のイノシシ」と110番:鹿児島)
10日午前6時50分ごろ、鹿児島市武岡1丁目の武岡南公園付近に「大型のイノシシがいる」と、近隣住民から110番があった。イノシシは公園などを徘徊(はいかい)していたが、猟友会の協力を得て捕獲、駆除された。鹿児島西署によると、人的被害は確認されていない。

(カメラがとらえた「駅の近くを走るクマ」:秋田)
秋田県内では各地でクマの目撃が相次いでいて注意が必要です。美郷町では駅や住宅のすぐそばに出没しその姿をカメラが捉えました。6日美郷町で撮影された映像にはクマが線路わきを勢いよく走りぬけていく様子が収められていました。近くを通りかかった人が車の中から撮影しました。通学時間帯には高校生などの利用も多い場所です。人の生活に近い場所で目撃された体長1メートルほどのクマ。クマの姿を見ていた住民は驚きを隠せません。地図で見てみるとクマが走りぬけていった方角には複数の住宅があります。警察によりますと、このクマは移動を続けどのようなルートをたどったかはわかっていませんが、川や田んぼを移動して午後1時半ごろには飯詰駅から約2キロの大仙市藤木で同じクマが目撃されました。このクマによる人や建物への被害は確認されていませんが、警察は付近での警戒を強め住民に注意を呼び掛けています。

(市街地でもクマ目撃:北海道)
士別署管内では3月からクマの目撃情報が相次ぎ、山沿い以外に、士別市内の市街地や公園の近くにも拡大している。現場近くでは清掃活動が中止となるなど、市民生活にも影響が出ており、市は警戒看板を新たに設置するなど対応に追われている。

(普及するジビエ、安全確保は?)
シカやイノシシなど野生鳥獣の肉、ジビエが手軽に食べられるようになりました。ネット通販・楽天市場で「ジビエ」と検索すると、1万件以上の商品が出てきます。シカ肉の焼き肉セット、ステーキ用エゾシカ肉、ボタン鍋セットといった精肉のほか、ソーセージやハムなどの加工品も。

(ジビエグルメでSDGsに触れる:鳥取)
ジビエグルメを楽しみ5感でSDGsに触れるイベント「獣(いのしし)を食らう会」が4日、鳥取市晩稲のイオンモール鳥取北の平面駐車場で始まった。午後4時まで。ジビエ料理やスイーツ、レザーグッズなどを販売するキッチンカーやテントが並び、買い物客でにぎわっている。5日まで。

(エゾシカ肉の品質管理:北海道)
環境保護や野生鳥獣による農作物被害削減の観点から、ジビエへの関心が高まっている。ものづくり支援部の水谷香子研究主査は2020年から、エゾシカ肉のブランド化に貢献するため、品質管理につながる研究をしている。

(GWジビエはいかが:鳥取)
シカやイノシシなど野生鳥獣の肉・ジビエの料理を楽しむイベント「 獣いのしし を食らう会」が4日、鳥取市晩稲のイオンモール鳥取北の駐車場で開かれた。シカやイノシシなどは農作物に被害を与えるため、駆除されている一方で、おいしく食べられることも知ってもらおうと、イノシシの卸売りなどを行う「日本 猪いのしし 牧場」(倉吉市)の従業員らでつくる実行委が主催した。会場では、飲食店やキッチンカーなど9店が、イノシシ肉の鉄板焼きやシカ肉のローストなどの料理を販売。県猟友会の射的コーナーやイノシシの 剥製はくせい が見られるブースも設けられた。「鹿焼肉丼」を食べた岡山県津山市の会社員男性(38)は「ジビエは硬いイメージがあったが、とても軟らかくておいしかった」と話していた。イベントは5日も開催。実行委は「食べたらジビエに対する見方も変わると思う」と来場を呼びかけている。

(ジビエで3600万円、山あいの町は「宝の山」:広島)
広島県神石高原町小畠にあるジビエ(野生鳥獣肉)の処理兼加工場。4月下旬、食肉加工会社BINGO(同町)の前田諭志社長(41)が町内で駆除されたイノシシの赤身肉を手際よく包丁でより分けていた。「今日のまかないはイノシシカレーかな」。処理兼加工場は平屋約330平方メートルで、2月に完成した。食肉用とペットフード用の施設があり、イノシシの解体や肉をソーセージに加工する機器などが並ぶ。処理した肉は自身が大阪で経営するレストランのほか、東京や名古屋、北海道など全国の飲食店に卸し、加工品はネット販売も予定する。中国山地の山あいの町はイノシシなどの獣害被害に見舞われてきた。農作物の被害額は水稲を中心に年数百万円。人口減少や農家の担い手不足を背景に耕作放棄地が増え、山里への出没が後を絶たない。 捕獲頭数は増え、2022年度は1628頭と、12年度(546頭)の約3倍に上った。これまで町には害獣処理施設がなかったため、穴を掘って埋めるか、車で約1時間の福山市の処理施設に持ち込むしかなく、高齢者も多い捕獲隊の負担が増していた。

(ペットフードにシカ肉活用:北海道)
全道的に生息数が増加傾向で農作物に被害を与えるエゾシカの食肉加工を手がける。主力商品はシカのもも肉や心臓、レバーなどを乾燥させたペットフード。昨年12月、大阪に工場を新設した。糠谷雄次社長(55)は「安心安全なシカ肉を使った商品を全国に届けたい」と販路拡大を目指す。

(頭数抑制へ、製品化まで一貫:北海道)
エゾシカ由来の化粧品や革製品を開発・販売するYUK FACTORY(ユク・ファクトリー、本社・札幌)が、道内でシカ牧場の開設を構想している。繁殖や調達から製品化までできる拠点をつくることで、大きな問題となっている野生のシカの頭数抑制にも役立つという。山内明光社長(60)に構想の詳細を聞いた。―会社設立は1年前だが、どのようにシカ製品の事業を始めたのか。発端は2019年にさかのぼる。経営しているイベント会社で、オートバイの催しを阿寒でやらせてもらったとき、エゾシカ革のライダースジャケット制作に関わったのがきっかけだった。エゾシカは肉がジビエ料理に使われるのは有名だが、調べると化粧品原料としても評価が高い。知り合った加工業者がシカの油を大量に持っていたことから、イベント会社の新規事業で化粧品販売を始めた。曲折を経て、シカの生産・加工・販売を総合的に展開しようと昨年4月にYUK FACTORYを設立した。―本道では野生のエゾシカが増え、農業被害や交通への影響が問題視されているが。牧場をつくる大きな目的の一つがまさにその対策だ。行政の推計でも道内に約65万頭のシカがいて、実際はその3倍ともいわれる。姿がかわいらしいためか多くの人は害獣と見なさないが、被害は年々深刻になっている。一方でハンターは減り、駆除が追いつかない。―ハンターはどうして増えないのか。高齢化に加えて、収入の問題が大きい。1体撃って行政の報奨金を受け取り、加工業者に持ち込んでも収入は合計2万円に満たない。そして最近は物価高騰で銃弾1発が約2000円かかり、仕事として成立しない。さらに言えば仕留めて30分以内の血抜き、2時間以内の持ち込みといった厳しいルールがあり、駆除後の個体は9割以上放置されるのが実情だ。―牧場は対策としてどう機能するのか。われわれの計画では、山林を柵で囲んでシカを放牧し、解体・加工施設を併設して製品化、販売まで一貫して手掛ける。ここを拠点にシカを6次産業化して、個体の持ち込みがあれば従来より高く買い取る。職業ハンターが増える状況をつくりたい。―なぜ高く買えるのか。これまで低額だったのは、活用先がジビエなどに限られていたからだ。われわれは化粧品、衣類にも使い、今後は北海道科学大との連携でサプリメント、ペットフードなどでも製品化を計画している。今の一般的な買い取り相場は1体5000円程度だが、個体から生まれる付加価値を最大にできれば3万円まで引き上げられる試算だ。牧場はエゾシカのブランド化にも役立つ。餌、血抜き、加工方法などがしっかり管理された製品を安定供給できる。道産ブランドとして世界に発信できれば、例えばシカ肉がイスラム教徒にも食べてもらえる点を考えても、市場は非常に大きくなる。―社会起業的なビジネスですぐに利益を出すのは難しい。事業資金の基盤はあるのか。道路土木資材商社、日成産業の浪岡明彦オーナーからの理解・支援を受け、同社を中心とする明成香(あせか)グループの一社として設立した。今は道内で牧場3カ所を開くことを目標に、構想に賛同してくれる複数の自治体・企業と協議を続けている。順調なケースばかりではないが、年内には胆振か日高管内で、1号施設の決定を発表できそうだ。

(ジビエを特産品に、ヴィトンとグッチで山に入ってダメ出しされた女性経営者の挑戦:鹿児島)
こちらのおいしそうなラーメン。実はイノシシのスープやチャーシューで作られています。農作物を荒らすとして駆除されるイノシシやシカなどの肉を、食材として有効活用しようと奮闘する女性に密着しました。鹿児島市の人気ラーメン店にはすでに30人ほどの行列が…。お目当ては、この日の限定の「ジビエラーメン」。県内で捕獲されたイノシシを使ったラーメンです。イノシシの骨から作ったスープ、イノシシのチャーシューは、さまざまな部位を楽しんでもらおうとバラ、ロース、モモ肉を使った3種類です。ラーメンを食べる客の様子を気にする女性。峯夕子さん、46歳。今回の限定ラーメンの仕掛け人のひとりです。ジビエとは、イノシシやシカなど野生動物の肉を意味するフランス語です。農作物に害を及ぼすとして駆除の対象になっている動物たちの肉は、ジビエ食材として注目されています。県内の野生鳥獣による農作物の被害額は2021年度はおよそ3億3000万円。その65%はイノシシとシカによる被害です。イノシシとシカは県全体でおよそ5万3000頭が捕獲されましたが、食用に加工されたのはシカが7.4%、イノシシが1.7%とごくわずかで、ほとんどが山に埋められて処理されています。人の都合で命を奪うなら、捨てずに活かせないか。日置市の猟友会の友人から現状を聞いた峯さんは、去年6月「鹿児島ジビエ研究所レイビッグジャパン」を立ち上げました。国の補助金などを活用し、日置市日吉町の旧扇尾小学校の給食室をおよそ5300万円かけて改装し、ジビエの解体・加工・販売を手がけています。この日、地元の猟師から「罠にシカがかかった」との連絡を受け、日置市伊集院町の山へ向かいました。到着すると苦しまないよう、手早く処理をします。鮮度を保つため氷を入れて冷やし、冷凍車で加工場に運びます。この1年で狩猟免許も取得し、慣れた様子で作業を進める峯さんですが、初めて山に入ったときは周りを驚かせたと言います。実は薩摩川内市で飲食店を26年経営してきた峯さん。経営手腕をジビエの展開に生かしています。(鹿児島ジビエ研究所レイビッグジャパン 川邊廣隆事業部長)「ジビエ肉はメジャーな肉ではないので、そう簡単にはいかないだろうと思ったけど、(峯さんは)若いころから自分で経営しているので、うまくちょっとずつだが進んでいっていると思う」日置市の加工場では従業員3人、アルバイト7人を雇用。ミシュランを獲得している東京のレストランとも取引し、県内外の飲食店やネット販売などで販路を拡大。シカやイノシシのジャーキーなどペットフードも開発し、販売しています。ジビエの可能性を信じて――。新たな形と工夫の積み重ねで、新たな名物になるか注目です。

(有害鳥獣対策員、100%外さない技術:兵庫)
実は、生き物を殺すのはすごい苦手なんですよ。初めて撃った動物はイノシシでした。一撃で仕留められずに苦しませてしまった。あれは忘れられませんね。今でも悲鳴が耳に残っています。だから今もずっと鉄砲の練習をしていて、射撃の技術は自信があります。狙ったところに100%当てる技術。動物が走っている時とか、何があっても外さない技術ですね。僕は長距離で撃つんですが、撃つ時は頭ではなく、心臓を狙います。確実に当たるように。最長で720メートル先のイノシシを撃ったことがあります。720メートル離れていると、弾が到達するまでに1・04秒かかる。その間に動物の体が動く可能性もあるので、なるべく400メートル以上の距離は撃たないようにしているんですが、どうしても仕方がない場合は撃ちます。720メートルっていうと、神戸の元町から三宮に立てた郵便はがきを撃ち抜くくらいのイメージです。国内には300メートルまでしか射撃場がないんですが、僕の場合はスキー場やゴルフ場で捕獲距離を段々延ばして、そこまで撃てるようになりました。風が読めないといけなくて、風速や風向き、地球の自転速度もスマホのアプリに打ち込んで、狙うポイントを計算します。でもアプリに日本語版がないので、日本では需要がないんでしょうね。シカとの交通事故は、シカが道路に飛び出してくるポイントがあるので、その見分け方さえ分かっていれば、避けられます。山が接近してくるところです。山が段々道路側に寄ってきて、「ここが限界やな」っていうところ。山と山が接近する場所や、山が接近する川沿いは動物の通り道になっているので、出ると思ってください。シカって1日3回、大体8時間ごとのローテーションで動くんですが、ご飯を食べて、反すうするために水を飲まんといかんのですね。反すう動物は微生物をおなかの中で飼っていて、それには十分な量の水が要る。だから水場の近くはシカが通ると考えた方がいい。あとは発情期に気をつけてください。大体9~11月です。雌を囲い込んだ雄は、縄張りを見張ろうとして、できるだけ見通しがよいところに出てくる。だから発情期には、血走った目をした雄が道路の真ん中にいるんです。

(エゾシカ革の別注レザーアクセサリー:北海道)
エゾシカ革を使ったレザープロダクトを製作するアマリージョと、ニードルズによる別注アイテムが登場。柔らかな手触りとタフさ、表情豊かな風合いを兼ね備えたエゾシカ革の特性を生かし、1点ずつハンドメイドで作られたレザーポーチやネックレスが登場する。フリンジを配したネックポーチや、フロントにボタンを配した編み込みのネックポーチは、コンパクトなサイズ感ながら存在感のあるデザインが魅力。アクセサリー感覚でコーディネートにプラスして楽しめる。ディアスキンを編み込んで作ったネックレスは、手編みの質感とアンティーク調のビーズが相性抜群のレザーアクセサリー。ブラックのレザーにグリーンのビーズを合わせたデザインや、パープルのレザーにターコイズブルーのビーズを組み合わせたデザインなど、全6色で展開される。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、9日午後1時30分ごろ、石巻市山下町1丁目にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、9日午前10時10分ごろ、栗原市一迫柳目中の向にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、9日午前7時ごろ、栗原市鶯沢北郷早坂にクマが出没しました。

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(山菜採りの女性がクマに襲われ軽傷:福島)
3日午前8時20分頃、福島県会津若松市一箕町松長の山林で、1人で山菜採りをしていた近くの70歳代女性が、体長約1メートルのクマ1頭に顔を引っかかれて軽傷を負った。約30分後、駆けつけた救助隊員の30歳代男性が、同じくらいの大きさのクマ1頭に左足首をかまれて軽傷を負った。会津若松署は、現場付近の住民に注意を呼びかけている。

(山菜採りの70代男性、熊に襲われ顔など負傷:福島)
2日午前7時30分ごろ、福島県須賀川市勢至堂の笠松ダム東側の山林で、山菜採りをしていた須賀川市の70代男性が熊に襲われ、顔などにけがをした。県によると、熊による人的被害は今年に入って県内で初めて。須賀川地方広域消防本部によると、男性は顔と頭、腕をひっかかれるなどして入院が必要な状態という。須賀川署によると、熊は体長1メートル程度とみられる。男性は「気づいた時には、すぐそばに熊がいて、ひっかかれた」などと当時の状況を説明しているという。男性は自力で山林を降り、市内の医療機関を受診した。受診先の看護師が119番通報し、男性は郡山市の病院に搬送された。須賀川署はパトカーで付近を巡回し、警戒を強めた。須賀川市は入山者に注意を呼びかける立て看板を現場付近に設置した。福島県は人的被害の発生を受けて2日、ツキノワグマ出没特別注意報を県内全域に発令した。期間は7月末まで。山に入る際は複数人で行動し、熊鈴やラジオを持ち歩くよう呼びかけている。熊に遭遇したら目を離さず、できるだけゆっくりと後ずさりし、離れるよう訴えている。

(造船所に入り込んだクマ、麻酔使用し捕獲:岩手)
岩手県大槌町で2日午前に造船所の作業場に入り込んでいたクマ1頭は、約1日半後の3日午後11時頃、麻酔を使って捕獲された。クマは2日午前、大槌町赤浜の住宅地近くに現れた後、海を泳いだ後にはい上がり、午前11時頃には造船所の作業場に逃げ込んだ。町などが同日夕に作業場付近にわなを設置したが、捕獲できていなかった。3日午前になって、クマは作業場周辺の空き地に姿を見せ、近くの側溝に潜んだため、周辺で町や県の職員、猟友会員が監視。同日夜、獣医師が麻酔を使用し、眠ったところをロープで縛ってドラム缶に入れ、クレーンでつり上げて捕獲した。クマは4日朝に山中へ放される予定だ。町や県警釜石署などによると、クマは体長1~1・5メートルほどの成獣。クマによるけが人は確認されていない。

(市民ハンター導入拡大、アライグマ捕獲10倍に)
狩猟免許がなくても特定外来生物のアライグマを捕獲できる“市民ハンター”制度を導入した自治体が33都道府県に広がっている。農業被害や生態系への影響が深刻化する中、環境省が2005年に創設した外来生物法に基づく特例措置で、自治体などによる講習会参加が条件となる。制度導入初期と比べ、市民ハンターによる捕獲数は10倍に増えた。アライグマは、キョン、ヌートリアなど外来生物155種とともに特定外来生物に指定。同省は「国土からの完全排除」を目指し、特例措置を設けた。市民ハンターが捕獲できる特定外来生物は自治体によって異なる。特定外来生物の中でもアライグマによる農業被害額が02年度に最大となり、より多くの人が捕獲できる制度を求める声が上がった。特例措置は、都道府県や市町村が特定外来生物の「防除実施計画」を立案し、箱わなの取り扱いや捕獲後の処分方法などについて市民対象の講習会を開催。講習会参加者は防除対象動物を指定地域に限り捕獲に携われる。措置導入後の06年度はアライグマの全国捕獲数1万頭のうち特例による捕獲が3899頭だったが、19年度には6万6000頭のうち3万8000頭と10倍に増え、捕獲総数の過半数を占めた。千葉県は08年度に導入し、これまでに主に市町村職員を対象に講習会を開催。19年度には都道府県で最多の6270頭を捕まえた。捕獲数2位の北海道では各市町村が市民向けに講習会を開催。茨城県は県民対象の講習会を開き、受講者は県内全域で捕獲できる。農作物被害はスイカ、トウモロコシ、ブルーベリーなど多岐にわたる。捕獲数が増える一方、被害も増え続け、21年度は4億1400万円で過去最多タイ。市街地の空き家や屋根裏にすみ着き、ふん尿による生活被害も起きている。

(野生のシカの生息エリアが拡大:茨城)
10年ほど前まで、野生のシカは絶滅したと考えられていた茨城県で、近年、シカが目撃される回数が増えているといいます。林業や農作物などに被害が出ていて、地元では対策に乗り出しています。先月30日に東京・青梅市で撮影されたのは、民家の庭に突如現れたニホンジカとみられる動物です。このシカがいま、生息エリアを急速に拡大させているのです。近年、シカが目撃されるようになったという茨城県北部の大子町を訪れました。険しい道を走り、林業を営む男性に案内されたのはヒノキ林です。シカがヒノキの皮を食べたとみられる跡がありました。周囲を見回ると、同じように皮が食べられたヒノキを次々と発見することができました。ここ数年、茨城県内ではシカの目撃が増え、林業や農作物などに被害が出ているといいます。そもそも茨城県では、シカは明治・大正時代に“絶滅”したと考えられていて、47都道府県で唯一、生息していないとされた場所でした。森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん「茨城県が本当に最後の砦。最後の“シカなし県”だったんですけど」。しかし、10年ほど前、大子町の山あいでシカが確認されました。森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん「2013年から2014年頃、茨城県の北の方で目撃の記録が報告され始めた」。その後、「つくば市」でも捕獲されたため、専門家を驚かせていたのです。森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん「まさに寝耳に水という感じ」。大子町で捉えられたシカの写真には、角があるものや、そうでないものが写っていました。基本は1頭ですが、時には2頭で現れることもあります。目撃される回数も、年々、増加傾向にあるといいます。実際、環境省が調査したシカの生息エリアをみてみると、2014年度以前は、“シカなし県”だった茨城ですが、2020年度の調査では北部と南西部で生息が確認されています。シカが住むエリアが拡大していると考えられています。大子町に現れるシカは、隣接する栃木県や福島県からやってきたとみられています。一方で、南西部で見つかったシカは、栃木県の日光エリアから鬼怒川沿いを移動し茨城県へ入ったとみられています。シカの出現で困惑する地元の住民。そこで立ち上がったのは猟友会です。大子町鳥獣被害対策実施隊 鈴木紳太郎さん「シカがどんどん入ってきているので、これ(林業)で 生活している人が生活できなくなってしまう」。町からの依頼を受け、駆除に乗り出しているといいますが…。大子町鳥獣被害対策実施隊 鈴木紳太郎さん「(駆除は)なかなか難しいですね。通りにワナを仕掛けて捕るしかないのかなと…」。木々が生い茂り見通しが悪いうえ、会員の高齢化も相まって、駆除は困難だといいます。生息エリアを拡大させているシカですが、専門家は、自治体が連携してシカの保護や管理をしていくことが重要だと話しています。

(「ツキノワグマ出没に関する注意報」を発表:秋田)
秋田県は、ツキノワグマの目撃件数が例年より多いことから、県内全域に「ツキノワグマ出没に関する注意報」を出し、クマの被害に注意するよう呼びかけています。県によりますと、先月、県内でのクマの目撃件数は27件に上りました。これは、過去5年間の4月の平均目撃件数の1.27倍にあたり、県の基準を超えたことから県は、2日、県内全域に、ことし初となる「ツキノワグマ出没に関する注意報」を出しました。注意報の期間は今月末までですが、今後の状況しだいでは期間の延長や警報への切り替えを検討するとしています。県は、山に入る際は1人で行動せず、ラジオなどを携帯して周囲に音を出すとともに、住宅地や農地では周囲のやぶを刈り払って見通しをよくするとともに、生ゴミや家畜のエサなどを屋外に放置しないよう呼びかけています。

(身近になったジビエ、食品衛生の対策は)
シカやイノシシなど野生鳥獣の肉、ジビエが手軽に食べられるようになりました。ネット通販・楽天市場で「ジビエ」と検索すると、1万件以上の商品が出てきます。シカ肉の焼き肉セット、ステーキ用エゾシカ肉、ボタン鍋セットといった精肉のほか、ソーセージやハムなどの加工品も。農作物被害防止で捕獲された野生鳥獣のうちジビエとして利用された量は、2021年度で2127トン。16年度の1・7倍です。普及に伴い、食品衛生上の安全性を確保する仕組みも整ってきました。ジビエというとハンター直送、という印象があるかもしれませんが、飲食店や販売店が狩猟者から直接仕入れることはできません。

(「ハンター体験会」開催:兵庫)
あいな里山公園(神戸市北区)と須磨綜合射撃場(神戸市西区)で、5月20日、狩猟に関心のある人を対象とした「ハンター体験会」が行われます。5月8日から5月16日まで参加者を募集し、定員になり次第受け付け終了。当日は、13時に神戸市役所1号館前(神戸市中央区)に集合し、貸し切りバスで「あいな里山公園」へ移動。そこで、模擬銃、捕獲わなの紹介、狩猟制度の説明があります。そのあと、ふたたびバスで「須磨綜合射撃場」に向かい、実際に射撃を体感できます。終了時間は17時30分頃を予定し、解散場所は集合と同じく神戸市役所1号館前となります。参加対象者は、狩猟に関心のある満18歳以上の人で、狩猟免許の有無は問いません。参加費無料。先着順で、定員40名に達した場合、受け付け終了となります。

(「鴨場」見学会の参加者募集:埼玉千葉)
宮内庁は、埼玉県と千葉県にある「鴨場」で6月と9月に開く見学会の参加者を募集している。参加費は無料で、ホームページで詳細を公表している。締め切りは5月19日。鴨場は皇族が外交団を招いて日本伝統のカモ猟を披露する接待場所。参加者はカモ猟に関するビデオを見た後、場内を歩いて回る。埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」は6月28日と9月22日、千葉県市川市の「新浜鴨場」は6月22日と9月29日に実施する。いずれも午前と午後の1日2回開催する。各回定員30人で、小学生以下は保護者らの同伴が必要となる。申し込みは、郵便はがきかメールで、希望する鴨場や日時、氏名や連絡先などを記載する。

(『知床でクマ活シャチ活』ツアー:北海道)
海から川、森から空、そしてまた海へ。国境を超えた自然の恩恵を受けて豊かな生態系が広がる、世界自然遺産・知床。知床の豊かな自然の象徴でもある「ヒグマ」は、自然の恵みをもたらし、観光資源としても重要な役割を果たす一方、知床に暮らす人々の生活を脅かす存在でもあります。意図せず市街地に迷い込んだヒグマは、殺処分されることもありますが、望まれる現実ではありません。ヒトとヒグマの適切な”距離”について考えることは、知床の暮らしの中心にあり、地域で長らく議論が続けられてきました。知床に暮らす人々が考える「ヒグマとの距離感」について、旅行者が共有し、地域と一緒に、知床の未来について考える『知床でクマ活シャチ活』ツアーを今年も開催します。

(けもジョブ2023(春)を開催します)
近年、野生動物管理や鳥獣被害対策への社会的需要が高まりを見せていますが、現時点では「獣害」に関する市場が未発達で担い手の雇用も安定していない状態です。また、求人情報は分散しているため、野生動物に関わる仕事に就きたい人が、企業や自治体の存在を知ることが難しいのがこの業界の現状です。つきましては、”けもの”に関わる仕事の「人が欲しい団体」と「仕事が欲しい人」のマッチングを行うイベントを開催します!

(「クマに注意」の看板「よく見たら本人の直筆サイン入り」:岩手)
「よく見たら、本人の直筆サイン入りだった」というつぶやきと共に、yoshi(@fieldnote0014)さんがTwitterに投稿した写真に大きな注目が集まりました。5万8千以上のいいねがついたその写真に写っていたのは、「クマに注意」と書かれたイラスト入りの警告看板にくっきりと刻まれた、無数の深い「爪痕」。果たして、この「爪痕」の正体とは!? 凄まじい力の持ち主による直筆「爪痕」入り警告看板を撮影した、投稿者のyoshiさんにお話を聞きました。こんなリプライが殺到した「直筆サイン(爪痕)入り」の看板を撮影したのは、野生動物や自然の姿を写真や映像で記録しているyoshiさん。岩手県に移住したのを機に、「ツキノワグマ」の生態に魅了されたというyoshiさんによると、看板のキズはすべて「ツキノワグマ」の爪痕なのだそうです。「血まみれの『イノシシ注意』って看板の近くに血まみれのご本人がいたことあるんですけど。クマはやべぇっす」というリプライも寄せられた、説得力あり過ぎる警告看板について、yoshiさんに詳しくお話を伺いました。ーー看板はどこに設置されていたものなのですか?「山の入口に設置されていました。岩手県内各地には、この手の看板が数多く設置されています」。ーー看板のキズがまさか「ツキノワグマ」の爪痕だとは思いませんでした……。「看板の向かって左側、クマの絵の肩付近に4本ほどの線が並んで入っているのにお気づきでしょうか? これはツキノワグマの爪痕の特徴です。それ以外の無数に付いたキズもクマがこすった際に付いたものです。クマは生息域にある人工物に関心を示し、かじる、引っ掻く、体を擦り付けるなど行動をしますので、その際にキズが付きます」。ーーヒグマとツキノワグマでは、爪痕の特徴は違いますか?「ヒグマはツキノワグマより大きな体格で手も大きく、爪痕の線の間隔が広くなります。なお、ヒグマは日本では北海道のみに生息しています。本州、四国にはツキノワグマが生息しています。九州にもツキノワグマが生息していましたが絶滅したと考えられています」。ーーyoshiさんは野生動物の中でもとくにツキノワグマの写真を数多く撮影されていますが、クマの危険を避けるコツはありますか?「まずは、近距離で出会うような状態を極力避けることが大切です。クマの生息地ではできるだけ見通しの良い場所で行動するようにして、声を出したり手を叩くなど、音を出して人の接近を知らせるとよいでしょう。時々、耳を澄まして周りの気配に気を配る余裕も持ちたいものです。万一のために『ベアスプレー』(※熊撃退成分を配合した熊避けスプレー)を携帯することも有効な手段です」。ーーもしもクマと遭遇してしまった時は?「クマを見た時は動きを止め、落ち着いてクマの様子を見てください。驚いてドキドキしているのはクマも同じです。ほとんどの場合、やがてクマの方から離れていきます。近くで急に出会ってしまった場合、こちらが慌てて走り出したり大声で叫んだりすると、クマを興奮させてしまいます。極力落ち着き、ゆっくりとクマから離れるようにしてください。30年余りツキノワグマの生態を見続け、わかってきたことは、クマは臆病で警戒心が強く、人間を恐れているということです。また、クマだけでなく、野生動物は人をよく見ているということにも気付きました。クマは危険で恐ろしい動物というイメージが出来上がっていますが、実際は人を見ただけで襲いかかってくることはほぼありません」。ーーyoshiさんが考える「ツキノワグマ」の魅力とは?「猟師の武勇伝や事故の報道などから、当初はとても恐ろしい危険な動物だと思い込んでいました。まだわからないことも多いですが、長年に渡り観察を続けてきた中で、本来は臆病で人を避けながらおとなしく生活している動物であり、人間をよく見ていることもわかってきました。特に母グマは子グマをとても大切にしており、食べ物や危険な相手(オスのクマや人間)や危ない場所などを、生まれてから2歳までの間にしっかりと教えています。一般的には子連れのクマは危険だと言われていますが、母グマにこちらを危険ではないと認識してもらい、何日にも渡って近くで観察したことが何度もあります。人間が対応を間違うことさえしなければ、クマはこちらの存在を受け入れてくれます。もちろん、このことに気づくまで長い時間がかかりました。クマの性格や生態を多くの人に正しく理解してもらえるようになれば、人とクマとの関係性も変わってくるのではないかと思います」。警告看板という人工物に興味を持ち、深い爪痕を残していたように、クマは我々が思う以上に人間に関心を持ち、観察しているのだそうです。登山やハイキングの機会が増えるこの時期、甚大なトラブルを避けるためにも、クマの性質や生態を理解し、彼らのテリトリーを侵害しないことが大切です。

(イノシシ侵入を防ぐ「新・防護柵」発明:鹿児島)
頭を悩ますのはそっちの番だ-。イノシシ被害を受けてきた鹿児島県長島町のバレイショ生産者が、侵入防止効果を高めた新たな防護柵を考案した。一般的な電気式や壁状の柵と違い、可動式にして破壊されるのを防ぎ、戦意をそぐ。鹿児島県のトライアル発注製品に採択され、一定の効果が実証された。製品は大戸宏章さん(49)が考案した「イノシシガード」。イノシシの鼻先や足が入るマス目状の金属網2枚を、L字状に組み合わせた立体構造。支柱と合わせ、横から見ると数字の4のように設置して畑を囲む。侵入しようとするイノシシは斜めになった柵に頭を突っ込む形になる。柵は支柱を軸に上下するようになっていて、鼻先で持ち上げても、離すとすぐに落ちて元に戻る。足元の金属網も同時に持ち上がって足に引っかかるので前に進みづらい。人の出入り口用に取り外しが容易なタイプも考案。こちらも可動式で、三角柱状に組み合わせた金属網を横倒しにした構造。イノシシが鼻で持ち上げても回転して侵入を防ぐ。2016年に初めて被害に遭ったのが開発のきっかけ。「手塩にかけた作物がやられて気力を失った。何とか被害を減らしたくて」。試行錯誤して現在の形となり、所有するバレイショ畑で3年間実験して効果を確かめた。両タイプとも21年に特許を取得し、県発明くふう展でも入賞した。22年度の県のトライアル発注製品に採択され、昨年11月から4カ月ほど県農業開発総合センター(南さつま市)の果樹園25アールに設置。設置区画ではイノシシの侵入形跡はみられなかった。今後、量産化も視野に入れている。大戸さんは「設置や撤去が楽で手入れもしやすい。獣害に悩む中山間地域の農家を助け、耕作放棄地を減らしたい」と力を込めた。

(連日クマの目撃、わなにかからず:岩手)
2日にクマが目撃された岩手・大槌町で、またクマが目撃された。3日午前9時ごろ、大槌町で「クマが歩いている」と、近くの住民から警察に通報があった。この付近では2日、成獣とみられるクマ1頭が造船所に居座り、町がわなを仕掛けて捕獲を試みていたが、町によると、3日午前5時半ごろ、わなにかかっていないことを確認したという。クマは2日と同一の個体とみられ、道路を横断したり茂みに入ったりと、3日午前11時半現在も、付近を徘徊(はいかい)している。付近には住宅もあり、クマは捕獲後、猟友会などによって殺処分されるという。

(クマ目撃相次ぐ、先月から急増!注意・警戒を!:山形)
3日午前10時頃、高畠町竹森地内で体長約1メートルのクマが目撃されました。地区の山越公民館から西に約50メートルの場所で、近くに住む女性が見つけ通報しました。

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(山菜採りでクマに襲われけが、80歳の男性:岩手)
4月28日、岩手県岩泉町で山菜採りをしていた80歳の男性がクマに襲われ、顔にけがをしました。人への被害は2023年になって2件目です。28日午前5時半ごろ、岩泉町小本の熊の鼻展望台の駐車場近くで、1人で山菜取りをしていた宮古市近内の大工・佐々木芳勝さん(80)がクマに襲われました。警察によりますと佐々木さんは顔にけがをしましたが、自分で車を運転し、市内の病院に向かいました。その後、ドクターヘリで岩手医科大学附属病院に搬送されましたが、意識はあったということです。クマは子連れとみられています。岩泉町は「1人で入山しないこと」や「ラジオを携帯すること」などクマに警戒するよう呼びかけています。クマによる人への被害は2023年になって、これで2件目です。

(ビニールハウス破られる、周辺にクマの足跡:秋田)
30日午前8時40分ごろ、秋田市雄和神ケ村字大柳の農業用ビニールハウスが破られているのを所有する60代男性が見つけ、秋田東署に届け出た。署はクマによる被害とみて注意を呼びかけている。

(逃げた2頭の猟犬のうち1頭保護:熊本)
八代市で逃げた2頭の猟犬のうち1頭が、すでに保護されていたことがわかりました。警察によりますと、4月18日午前11時ごろ、八代市日奈久浜町にある商業施設の駐車場で、軽トラックの荷台におりに入った状態で乗せられていた中型の猟犬2頭が逃げ出したということです。八代市によりますと、2頭のうち1頭は4月21日に八代市坂本町で保健所の職員が保護し27日飼い主が保健所を訪れ逃げていた犬だと確認したということです。しかしもう1頭は見つかっておらず、引き続き注意を呼びかけています。

(農家が自分で獣害対策をするには?)
狩猟の経験がない農業従事者が自分自身で捕獲をしなければならない場合、どんな方法が一番適切なのでしょうか?結論から言うと、「農家は箱わなで捕獲!」。私はいろんな農家の人たちと一緒に獣害対策をしてきましたが、これが最も安全で、比較的農作業に負担なく行える捕獲方法だと考えています。読んで字のごとく、箱型のわなが箱わな。写真のように金属製の丈夫なメッシュでできたものが一般的に普及しています。「檻(おり)にエサを置いて動物をおびき寄せ、中に入ったら扉をガシャーンと閉めて閉じ込めてしまえ!」というのがコンセプトのシンプルなわなです。片手で持ち運びができる小型のものもあれば、容易には運搬できない大型のものもあります。また、形や構造もさまざまで、中にはカラスの群れの捕獲用に設計された大型の箱わななどもあります。捕獲したい鳥獣の種類や、設置する条件に合わせて、対応する大きさや構造を選びましょう。私が箱わなを農家さんにお勧めする理由は4つあります。・農家さんでも空いた時間で手軽にできる・ある程度自分の予定に合わせて捕獲ができる・比較的安全に捕獲ができる・錯誤捕獲(※1)にも対応しやすい例えば、箱わなでイノシシを捕獲したい場合。1日に1回程度、通りがかった時などに米ぬかなどのエサをまくだけでOKです。捕獲の際は、丈夫な捕獲檻の中に閉じ込めるので、イノシシが逃亡したり、人を襲ったりする心配もありません。ですから、「今日は午前中は散布があるから、午後からにするか」といった具合に、余裕を持ってイノシシの処理が行えます。また、小~中型動物の場合は箱わなに動物を入れたまま持ち運びができます。どうしても自分で処理ができない場合は、そのまま猟師さんや指定機関に持ち込み、処理をしてもらうことも可能です。わなには狙っていない動物がかかってしまうこともよくあります。特に熊のような自分では対応しきれない大型獣だった場合は大変です。くくりわな(後述)のような耐久性が低いわなだと、傷を負った害獣がわなから抜け出すなどの危険な事態を招く恐れがあります。この場合も箱わななら余裕を持って自治体や専門家に相談・対処してもらえます。

(ツキノワグマ大量出没の可能性は低い:石川)
ことしのツキノワグマについて石川県は、餌となるブナの実が「並作以上」と予測されていることから、現時点では、大量出没の可能性は低いとする見通しを示しました。石川県は、自治体や警察、猟友会などとつくる、ツキノワグマの連絡会議を開きました。このなかで県は、クマの餌となるブナの実についての調査結果を明らかにし、ことしは「並作以上」と予測されるとして、現時点では、クマが大量に出没する可能性は低いという見通しを示しました。一方、去年の目撃情報は、ほとんどが8月までで、人里に近い場所に定着しているクマもいると考えられることから、関係機関は、今の時期から十分に警戒していくことを確認しました。また、県民に対しても警戒を呼びかけることや、目撃情報が寄せられた場合には、すみやかに関係機関で共有することなどについても、改めて確認しました。石川県自然環境課の野上達也課長補佐は「クマが人里に来ないよう、普段から生ゴミを外に放置しないなど対策を徹底してほしい」と話していました。

(イノシシ被害対策へドローンを活用:愛媛)
DRONE PILOT AGENCY株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:上野豪)は、愛媛県今治市の令和4年度鳥獣被害防止総合対策事業を受託し、イノシシ対策にドローンを活用したイノシシの生息状況調査を行いました。狩猟罠開発・販売の株式会社アポロ販売や、地元の獣医大学と共に生息状況調査を実施。フィールド調査や地域ヒアリングに加え、ICT機器の活用とDPA側がドローンを活用することで、効果的な被害防除につなげるデータを取得できることがわかりました。ドローンには赤外線カメラが使われ、一定の生息状況を把握することができ、イノシシの侵入経路や棲家、群れや個体も推測できるデータが取れました。これにより、イノシシによる農作物への被害を減らす対策が講じられることになります。

(イノシシ被害深刻、対策のくい抜かれるいたずらも:広島)
瀬戸内海国立公園内にある後山園地(広島県福山市鞆町、沼隈町)がイノシシに荒らされている。広場が掘り返され、園地の清掃などを担うNPO法人は対応に苦慮する。今月には、イノシシ対策のくいが抜かれるいたずらも確認され、メンバーは「家族連れやツーリングのライダーたちが訪れる憩いの場。対策に理解と協力を」と訴えている。

(アユ放流、ドローンでカワウ追い払う実験:京都)
京都府福知山市の由良川で26日、由良川漁協が今年初めて稚アユの放流をした。市は放流にあわせ、流域に生息するカワウがアユを食べるのを減らそうと、ドローンを使って追い払う実験を始めた。市農林業振興課によると、養殖の稚アユは水流に慣れておらず、放流直後は岸近くに集団でとどまるため、そこをカワウやサギ類に捕食されてしまう。漁協組合員らは「放流直後からカワウが稚アユをくわえていく」と話す。市は、ドローンを製造する市内の企業「アエロジャパン」に追い払いを依頼した。同社は府猟友会と狩猟用ドローンを共同で開発、各地で使用されている。スピーカーを搭載したドローンから音を出してカワウを追い払う。放流地点と、多数のカワウがねぐらにしている由良川の明智藪上空で、5月9日も実施する。由良川漁協は5月25日までに9回、由良川とその支流で約36万匹の稚アユを放流する。追い払い実験について日和隆組合長(74)は「飼料代や電気代の高騰で稚アユの単価も高くなった。アユを食害から救う今回の実験はありがたい」と話している。市農林業振興課の担当者も「由良川で漁協組合員が捕獲したアユは、9割が天然遡上(そじょう)のものという調査結果もある。釣り人や漁協のために、少しでも(放流された稚アユの)捕食が少なくなれば」と話している。

(ドローン活用でイノシシを捕獲!?農産物被害防止へ実証実験:青森)
農産物の被害を防ぐための取り組みです。十和田市では、ドローンなどICT技術を使いイノシシを捕獲する、実証試験の結果が報告されました。2022年度の実証結果報告会には、十和田市や田子町の担当者など、リモートを含め20人ほどが参加しました。このうち、田子町と三戸町の林にセンサー付き監視カメラとわなを設置した実証試験では、イノシシの映像は撮影できたものの、捕獲には至りませんでした。また、十和田市と新郷村でのドローンを活用した実証試験では、イノシシ自体を確認することはできなかったものの、雪が積もった畑を掘り返した跡を確認できました。そのため、イノシシの居場所を絞り込むことが可能となり、猟友会により2頭を捕獲することができました。【県食の安全・安心推進課 中村義人課長】「やがてこのイノシシが、本県にたくさん生息するような時代がやって来るのではないかと懸念しています。そこに向けてしっかりと現場で対応できる、現場に普及できる技術体制を確立していきたいと考えています」。実証試験は2023年度も続けられ、年度末には報告会が開かれる予定です。

(カラスの巣の材料、木の枝・針金が停電の原因に:山形)
春になるとカラスの巣作りが盛んになる。この巣が原因となる停電も増えてくることから、東北電力は「電柱に巣を見つけた際は連絡してほしい」と呼びかけている。東北電力は27日、電柱に作られたカラスの巣を撤去する作業を公開した。作業員は高さ13.5メートルにある巣を、専用の道具を使って取り除いていった。3月から5月にかけては、カラスが盛んに巣作りをする時期で、材料の木の枝や針金製のハンガーなどが電線や電柱の設備に触れると、漏電による停電につながる。カラスの巣が原因となった停電は、県内でこの春すでに14件起きていて、26日も東根市など3つの市で発生した。東北電力では年に3000個以上巣を撤去しているが、それでも手が回りきらないという。(東北電力ネットワーク・阿部秀輝さん)「我々も日々営巣のパトロールを行っているが、カラスの営巣を電柱に見つけた際には、東北電力ネットワークのコールセンターに連絡してほしい」。連絡する際は、電柱に書いてある電柱番号を伝えると場所を特定しやすいという。

(アライグマ出没注意:新潟)
全国で個体数が急増している、特定外来生物のアライグマの生息が新潟県内でも拡大し、2020年には過去最多の10頭が捕獲されていたことが、県の調査で分かった。専門家は生態系への影響のほか、農作物や文化財への被害の恐れがあると指摘。県は生息の痕跡が多い上越地域を中心に捕獲を進める方針で、6月までに実施計画を策定する。

(ツキノワグマ目撃情報が増加、大型連休を前に注意呼びかけ:山口)
山口県内でツキノワグマの目撃情報が増えてきた。冬眠明けの今の季節は、餌を求めて行動が活発になっているという。県は大型連休を前に28日、登山や山菜採りなどで山に入る機会が増えるとして注意を呼びかけた。山口、広島、島根の3県でつくる協議会も被害の防止策をリーフレットで紹介し、警戒を強めている。

(鳥獣捕獲や追い払い、猟友会会員に委嘱状:山形)
ことし1月に住宅街に出没したイノシシによる人身事故が発生した南陽市で、鳥獣被害対策実施隊に対する委嘱状の交付式が26日、同市役所で行われた。

(全国猪猟犬訓練大会:和歌山)
イノシシ猟で使う猟犬の育成を目的とした「全国猪猟犬訓練会」が、このほど、上富田町で行われました。全国猪猟犬訓練会は、このほど、上富田町岩田の熊野山本猪犬訓練所で行われ、県内をはじめ、東北や九州などからおよそ100人、猟犬およそ60頭が参加しました。訓練会は、若い猟犬にイノシシ猟について学ばせるのを目的としていて、この日は、生後6か月から7歳までの猟犬たちが一頭ずつ、訓練場に放たれたイノシシを追いかけました。猟犬たちは、匂いを辿って後を追い、イノシシが近くにいるとわかると激しく吠えて威嚇しながら、果敢に立ち向かっていきました。訓練所を開設し、今年で20年目となる山本弘之所長は「獲物を発見したら何をすればいいのかなどを猟犬に経験させるとともに、農作物への被害を減らすことに貢献できれば」と話していました。

(エゾシカ猟の見学ツアー:北海道)
釧路管内白糠町の森を曲がりくねって走る農道で、ハンター松野穣さん(59)の車がささやぶをかき分けて進む。舗装されていない凸凹の道は、車が1台通るのがやっと。窓際に木々が迫り、坂道では車体が揺れる。

(居座った恐怖の渡り鳥:韓国)
大邱市寿城区(テグシ・スソング)の代表観光地である寿城池のトゥンジ島。面積1200平方メートルの小さな島に生えている木々が白く乾いた。青い葉はなく、枝だけが鋭く天を突き刺している。トゥンジ島の留鳥であるカワウ100匹余りの排泄物による「シラカバ現象」のためだ。カワウの排泄物には尿酸成分が多いため草木を枯らして土壌を荒廃化させる。トゥンジ島には昨年カワウを追い払うための超音波退治機まで設置された。だが効果がなかった。寿城区関係者は「超音波退治機を設置したばかりの頃は効果があったが、(カワウが)音に慣れて今は反応を示さない」と話した。カワウの個体数が急激に増えて各地方自治体は頭を痛めている。30日、環境部国立生物資源館によると、1999年269羽にすぎなかったカワウは昨年3万2196羽に120倍近く増えたことが分かった。特に江原道(カンウォンド)の場合、昨年江原研究院に研究を依頼した結果、カワウが道内9市郡の河川や湖・貯水池など42カ所に2万羽以上棲息していることが調査された。清平(チョンピョン)湖の上流を含めて洪川江(ホンチョンガン)流域には1万羽余り、春川(チュンチョン)の昭陽江(ソヤンガン)下流には2000羽余りが棲息している。カワウは自然環境に深刻な影響を及ぼしている。上古代の名所である江原道春川市東面の昭陽湖下流の場合、ヤナギ100本余りが排泄物のせいで白くなった。刺々しく痩せた枝だけが残っている状態で、事実上復元が難しい状況だ。原州市興業面(ウォンジュシ・フボンミョン)の梅芝貯水池内のカメ島もカワウの排泄物で木がすべて枯れた。ソウル漢江(ハンガン)パム島のヤナギがカワウの排泄物で覆われるのは毎年恒例の現象だ。カワウは群れをなして移動して漁民の生計も威嚇している。今年2月、全羅南道麗水(チョルラナムド・ヨス)にカワウ数千羽が降り立ち、しばらく非常事態になった。10年前の2013年に麗水のあるソイの養殖場に降り立ったカワウ1000羽余りがソイ15万匹を食べ尽くし、6億ウォンに達する被害が発生したことがあるからだ。忠清北道丹陽郡(チュンチョンブクド・タニャングン)もカワウがケツギョなど淡水魚を片っ端から食べ尽くし、内水面魚類資源が脅かされている。江原道の場合、カワウの個体数急増により内水面漁獲量がますます減少している。江原地域の内水面漁獲量は2017年933トンから2021年613トンへと大幅に減った。本来カワウは渡り鳥だった。専門家は親環境河川整備を留鳥化の主要原因として説明する。カワウの立場ではそれだけエサの狩猟がしやすくなったということだ。カワウは一日平均魚700グラム、繁殖期には1キロも食べる。国立生物資源館国家渡り鳥研究センターのチェ・ユソン氏は「河川整備で一定の水位が維持されてエサの狩猟がしやすい環境が造成された」とし「四季を通じてエサを手に入れやすくなったため留鳥化したと推定している」と話した。このように被害が続出すると江原道と忠清南道牙山市(アサンシ)、全羅北道金堤市(キムジェシ)、忠清北道丹陽郡、京畿道楊平郡(キョンギド・ヤンピョングン)などが環境部にカワウに対する苦情を出している状況だ。環境部は全国に棲息するカワウ個体数を把握している。調査結果に基づいてカワウを有害野生動物に指定する方案などが議論される見通しだ。江原道関係者は「カワウが有害野生動物と指定されてもすべて捕まえるのではなく、適正個体数を維持できる程度で捕獲が行われるようにする計画」と説明した。

(イノシシわなにクマ、捕獲し射殺:宮城)
26日午前8時ごろ、石巻市北上町十三浜立神の山中で、クマ1頭がイノシシ捕獲用の箱わなにかかっているのが見つかった。クマは射殺された。市ニホンジカ対策室によると、県猟友会河北支部の会員がクマを発見し、市に連絡。市が同支部に依頼し、午前10時半ごろに射殺した。オスのツキノワグマで、体長は約120センチだった。市は周辺を見回りし、防災無線で近隣に注意を呼びかけた。

(チューリップフェア前にシカが球根食べる:北海道)
釧路市内の公園では5月、チューリップフェアが開催されますが、野生のシカがチューリップの球根や芽を食べる被害が出ています。釧路市の鶴ケ岱公園では5月のチューリップフェアに向けて1万4000本の球根が植えられていますが、畑の周囲に張られたネットの一部が破られ、畑を荒らされる被害が出ています。視聴者から寄せられた映像ではエゾシカがネットの中に侵入し、チューリップの球根や芽を食べる様子が確認できます。撮影した人によりますとシカは6頭の群れで現れ、人が追い払うとネットに開いた穴をくぐって逃げていったということです。実行委員会によりますと、およそ600本が食べられていたということです。この公園ではシカによる被害が8年前から起きていて、実行委員会はネットを張るなど対策をとっていますが、被害は無くならず、頭を抱えています。チューリップフェア実行委員会の小林友幸委員長は「毎年食べられるので、抜本的な改善をしないかぎり繰り返し起きる。まだ残っている球根もあるので市民のみなさんにはフェアを楽しんでほしい」と話していました。チューリップフェアは5月27日から2日間開催されます。

(市中心部にシカ5頭の群れ:北海道)
27日、釧路市中心部の幣舞橋近くにあるロータリーにシカ5頭の群れが現れました。シカはロータリーの中央にある草地で草を食べたり、寝そべったりしていました。周りの車は徐行するなど気をつけながら通過していました。

(ゴルフのプレー中に前方をクマが:北海道)
27日朝、北海道小樽市のゴルフ場でプレーをしていたゴルファーの目の前にクマが出没しました。午前6時20分ごろ、小樽市星野町のゴルフ場で8番ホールから11番ホールの方向へ向かうクマを11番ホールのティーグラウンドにいた男性が目撃し警察に通報しました。クマは体長およそ1mで、目撃した男性からおよそ20mほどの距離にいたということです。クマの出没後、ゴルフ場は一旦営業を中断したもののコース内でクマがいないことを確認したことから、営業を再開しました。警察によりますとこのゴルフ場には去年も、数回、クマが出没していたということです。

(3日連続クマ目撃で警察が警戒:北海道)
28日朝、北海道芦別市の住宅地で3日連続でクマが出没しました。付近には病院やグループホームが多数あることから芦別市や警察が警戒を強めています。クマが目撃されたのは北海道芦別市旭町の高さ80mを超える観音像がある「天徳館」からおよそ300mの場所で、近隣住民が体長およそ1.5mのクマ1頭を目撃しました。クマはその後東方向にある山に向かって去っていったということです。警察によりますとこの観音像付近では3日連続でクマが目撃されていて、現場付近には病院や高齢者向けグループホームなどが多数あることから猟友会や芦別市が共同でクマの警戒に当たっているということです。

(駆除した場所にまたクマ出没:北海道)
札幌市南区白川で27日、市が設置したカメラにクマが映っているのが確認されました。この場所では先週クマ1頭が駆除されたばかりで、市は注意を呼び掛けています。クマが撮影されたのは、札幌市南区白川にある野外教育施設の付近で、27日午後8時ごろと午後11時ごろ、カメラにクマの姿が映りました。南区白川では先月からクマの目撃情報が相次ぎ、21日には今回と同じ場所で市の要請を受けたハンターがクマ1頭を駆除しました。市によりますと、カメラの映像以外に目撃情報はなく、体長や性別はわかっていないということです。市はクマを発見しても近づかないよう注意を呼びかけています。

(クマ出没相次ぐ、防犯カメラにもクマとみられる姿が:岩手)
岩手県内ではクマの出没が相次いでいます。盛岡市の国道沿いでは、子グマとみられる動物を防犯カメラがとらえました。奥州市の高校の牧草地では28日、生徒の実習中に成獣のクマ1頭が目撃されました。4月23日、盛岡市厨川の国道4号線沿いを撮影した防犯カメラの映像です。午前2時半ごろ、画面左上に小さな黒い影が。国道沿いから画面奥へ走り去っていく様子が捉えられています。子グマのようにも見えるこの影。盛岡市によりますと、走り去った方向にある農研機構東北農業研究センターでは4月11日、成獣とみられるクマ1頭が敷地内で2回目撃され、足跡も確認されています。撮影された子グマとその親が付近にいる可能性もあるとして、盛岡市は周辺の警戒にあたっています。また、28日は高校の敷地内でもクマの目撃情報が。目撃されたのは、奥州市江刺の県立岩谷堂高校の北側にある演習用の牧草地です。学校によりますと、28日午前10時頃、牧草地に隣接する田んぼで実習を行っていたところ、教員がクマ1頭を目撃しました。クマは成獣とみられ、林の中に入っていったということで、当時田んぼにいた生徒8人は実習を中止し避難しました。この場所は、一般の人が山菜採りに訪れることもあるといいます。行楽シーズンを迎え、岩手県は、ラジオなど音の出るものを身につける、クマの活動が活発になる早朝や夕方は山に入らないなど、注意を呼び掛けています。また、八幡平市松尾寄木の八幡平ハイツでも28日、午後1時半過ぎと午後3時半過ぎに成獣のクマ1頭が目撃されました。

(高校で実習中にクマ出没:岩手)
4月28日午前、岩手県奥州市の県立岩谷堂高校の敷地内でクマ1頭が目撃されました。当時、生徒が近くで農業実習をしていましたが、校舎に避難して無事でした。28日午前10時すぎ、奥州市江刺岩谷堂の県立岩谷堂高校の牧草地で、クマ1頭が歩いていると学校から警察に通報がありました。学校によりますと、当時は3年生8人が校舎に隣接する農場で土づくりを学ぶ実習をしていて、数百メートル先にいる体長約2メートルの成獣のクマを教師が目撃。クマは林に逃げていきましたが、安全のため生徒は校舎内に避難し、けが人はいないということです。これにより28日、岩谷堂高校では屋外での授業がすべて中止となりましたが、来週は通常通り授業を再開するということです。

(新鮮な鹿肉加工品を道の駅でどうぞ:長野)
長野市中条の「道の駅中条」で28日、市内で捕獲された鹿の肉のみを使用したソーセージやジャーキーなど4種類の加工食品の販売が始まる。地区内には野生鳥獣肉(ジビエ)を解体処理する加工センターがある。同道の駅で食品開発を担当する小松英樹さん(53)は「新鮮なジビエが手に入るこの地区から、長野のジビエブランドを盛り上げたい」と意気込む。捕獲した鹿は鮮度を落とさないため、2時間以内に加工センターへ運び込まれる。解体後、急速に冷凍処理。車で1分ほどの道の駅中条が受け取り、市内外の精肉店へ運ばれ、商品として加工される。値段はソーセージ120グラムが980円など。小松さんは「山々を駆け巡った信州の鹿だから、高タンパク、低脂肪で、鉄分が多い」とアピールし、「多くの人にジビエの価値を知ってほしい」と話している。

(ジビエ専用情報サイト、猟師ら開設:石川)
イノシシやシカなどの肉「ジビエ」について、全国の猟師や専門の食肉加工業者、料理人らが情報を発信できるコミュニティサイト「ONE GIBIER(ワンジビエ)」が、スタートした。サイトに登録した会員が情報を共有し、猟師らのジビエの販路拡大や、狩猟の課題解決につなげる。ジビエ関連のイベント情報も発信している。イトは、白山市木滑の里山総合会社「山立会(やまだちかい)」と知り合いの猟師らが企画し、今月十四日に開設した。ジビエの食肉加工業者があまり知られていない処理技術をPRしたり、猟師が捕まえたイノシシやシカなどの卸先を見つけるのに活用してもらう。一般の人がお気に入りのジビエレストランや料理を投稿することもできる。情報発信は、文章に写真を一枚だけ添えられる「写真投稿」と、文章とともに写真を何枚でも掲載できる「ブログ投稿」がある。両方の投稿ができる正会員の会費は月額九百八十円(税込み)。写真投稿は会員登録をしなくても閲覧できるが、ブログ投稿も見たい場合は、賛助会員としての登録が必要で、会費は月額五百八十円(同)。サイトでは、会員らの情報共有を通じて、狩猟やジビエに関する課題解決も目指す。山立会の有本勲さん(39)は「厚生労働省が定めるジビエの処理方法で、狩猟、処理をする現場とズレがある指針もある。問題意識を共有して集団で声を届けるような使い方もできるかもしれない」と話している。

(イノシシで“ジビエドッグ”、駆除された“命”無駄にしない:静岡)
山々に囲まれた静岡県藤枝市岡部町の道の駅「玉露の里」です。玉露の里で今、売り出し中なのがこちらのハンバーグドッグ。使っている食材は…藤枝市でとれたイノシシです。今回の「しずおか産」は、おいしいイノシシ肉を手軽に味わえる「藤枝ジビエドッグ」です。藤枝ジビエドッグは、玉露の里でしか食べられない商品を目指して作られました。<玉露の里 山本剛生店長>「藤枝市岡部町は昔から良質なイノシシ肉がとれることで有名。藤枝市内に住んでいる人でもイノシシが獲れると知らない人が多かった。地元の素材を知ってもらいたいという思いで販売しています」。藤枝ジビエドッグは、気軽に食べられるテイクアウト商品です。藤枝市岡部町のイノシシはうまみたっぷり。長年、県内産ジビエを扱う専門店の職人もその味に太鼓判を押します。<静岡ジビエ 尾州真味屋総本舗 間宮隆幸代表>「しっかりした味のする質のよい肉だと思います。他の土地に比べると(イノシシの)脂がない時期が短い気がします。食べているものによって肉の味は変わってくるんですけど、藤枝市は広葉樹林が多くて秋になればドングリ、シイの実がたくさん採れる。秋にたくさん食べて冬を越す。春になるとタケノコなど。年中おいしいものを食べているおかげでおいしい肉が出来上がるんだと思います」。藤枝市岡部町は、山々に囲まれながらも多くの住宅や畑があります。人間とイノシシの生活する場所が近く、農作物などへの被害が深刻なため自治体から委託された猟師が駆除しています。人間の都合で駆除されるイノシシ。その命を無駄にすることなく大切にいただくのがジビエです。<玉露の里 山本剛生店長>「これからも地元の食材(ジビエなど)を使った料理を提供していきたいので、気軽に食べていただいて、藤枝のジビエ・イノシシ肉のよさを味わっていただきたい」。

(ジビエカレーをレトルトに、県×ココイチ:三重)
県は「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)と連携し、県のブランド「みえジビエ」のシカ肉を使ったレトルト食品「みえジビエ鹿肉カレー」を共同開発した。レトルト食品の共同開発は初めてで、自宅の他、新型コロナウイルス禍で人気に火が付いたアウトドアでも楽しんでもらおうと考案。五月一日から、県内のココイチ全二十八店舗で販売する。県と壱番屋のコラボは二〇一二年に始まり、今回で九回目。これまでは店頭メニューのみだったが、前回のコラボの後にコロナが流行。外食の減少やアウトドアブームを受け、自宅や屋外でも手軽に食べられるレトルト食品に着目した。

(食を通じて鹿の現状と課題を伝える:長野)
令和3年度に軽井沢町で捕獲されたニホンジカは756頭。「大量に廃棄される鹿の命を循環させたい」と鹿肉の利活用に取り組む軽井沢鹿工房の菊地哲也さんの活動を伝えようと、4月2日に「鹿肉会席 ジビエをもっと"エシカル"に」(主催:軽井沢トラベル&コンサルティング)がくつかけステイ中軽井沢で開催された。このイベントは持続可能な地域の食文化発展をテーマとして定期開催されているシリーズ「テロワール会席」の一環で、この日は御代田町や佐久市で捕獲した鹿肉を使った会席料理が提供され、菊地さんから鹿の現状や課題が報告された。猟師歴10年の菊地さんは「近年は鹿の頭数が増え、森の奥では鹿が低木や下草を食べ尽くし、自然が破壊されている。鹿やイノシシの利活用は環境問題や持続可能な社会のあり方を考える上で重要」と説明。菊地さんによれば、近年は狩猟ブームや移住ブームの影響もあり、ゲーム感覚で捕獲を行う人が増え、中には命を軽視しているかのような動画を投稿して楽しんでいる人もいるという。「野生動物の命に真剣に向き合って欲しい」と話した。食事の前に鹿の現状や課題についてレクチャーする菊地哲也さん。長野県認定管理捕獲技術者でもある。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後2時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢下清水にクマが出没しました。

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