<射撃ニュース7月>
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(60代男性がクマに襲われけが:岐阜)
28日、岐阜県本巣市の山中で男性がクマに襲われ頭などにけがをしました。28日午後、本巣市根尾大河原の山中で60代の男性がツキノワグマに襲われ、左腕をかまれたほか、頭にけがをしました。クマは体長180センチほどの成獣で、男性を襲った後、山へ逃げていったということです。岐阜県環境生活政策課によりますと、男性は1人で河川敷で昼食を食べていたところを襲われたということです。ツキノワグマは4月以降、県内で261件目撃されていて、人が襲われたのは、今月だけで4件目です。

(74歳男性が市道上でクマに襲われ顔に深刻なけが:秋田)
28日午後、秋田市の道路上で農業の男性(74)がクマに襲われ、顔に重傷を負いました。秋田東警察署によりますと、28日午後2時半すぎ、「叫び声が聞こえ、人がクマともみ合っている」、「クマは逃げていったが男性が血まみれで倒れている」と110番通報がありました。現場は秋田市上北手大杉沢の市道上で、クマに襲われたのは近くに住む74歳の農業の男性です。顔に深刻な傷を負っていて、市内の病院で治療を受けています。クマは体長約1メートルで、襲われた男性と道路上でもみ合っているのを見つけた人が車でクラクションを鳴らしながら近づいたところ、山の中へ走り去ったということです。200mほど離れた場所には民家もあり、警察はパトカーで付近の住民に注意を呼び掛けています。

(イノシシが出没、女性がかまれけが:香川)
29日夜、さぬき市でイノシシが出没し女性1人がかまれてけがをした他、車2台に衝突しました。その後、イノシシは捕獲され殺処分されました。29日午後6時過ぎ、さぬき市津田町の県道に面した住宅の庭で、水やりをしていた80歳の女性がイノシシに左のふくらはぎをかまれました。その約5分後、イノシシは市道を走行していた軽トラックに衝突し、さらに約10分後には国道を走行していた軽ワゴン車と衝突しました。2台の車の運転手にけがはありませんでした。警察と猟友会が事故現場でイノシシを捕獲し、その後殺処分しました。警察によりますとイノシシはオスで、体長約1メートルで体重は約25キロだということです。

(猟銃の安全管理徹底、猟友会が決議:長野)
県猟友会は28日、本年度総会を松本市で開いた。中野市の4人殺害事件で逮捕、送検された青木政憲容疑者が北信猟友会(中野市)に所属していたことを踏まえ、猟銃の適正管理徹底などを盛った決議を採択した。

(キョンの推定生息数(令和4年末)について:東京)
近年、伊豆大島において特定外来生物であるキョンが増加し、大島町の特産物であるアシタバ等を食べて被害を及ぼしているほか、絶滅危惧種のキンラン等も食べることから、生態系にも影響を与えています。都はキョン対策の一環として、キョンの実態把握を目的に、毎年、生息状況調査を実施し、生息数の推定を行ってきました。今般、令和4年末の生息数を推定しましたのでお知らせします。この結果を踏まえて、都は引き続き対策の強化に取り組んでいきます。森林域における組織的な銃器捕獲及び市街地エリアでのわな捕獲等を着実に実施した。その結果、令和4年度は過去最高となる5,370頭(令和3年度比119頭増)を捕獲した。これは年間の自然増加数以上を捕獲していると考えられ、推定生息数は令和元年末をピークに減少傾向へ転換した。

(人が住む里地でイノシシ目撃増加、耕作放棄地が増えて生息地が拡大か:長野)
長野市で本年度、6、7月を中心に里地でのイノシシの目撃が目立っている。6月には篠ノ井東福寺の篠ノ井東小学校付近で目撃された他、川中島町御厨では近くの男性(78)が体長1メートルほどのイノシシに襲われて軽傷を負う被害も出た。専門家は、耕作放棄地の増加による生息域の拡大と、近年の個体数の増加が原因―と指摘している。市森林いのしか対策課に寄せられたイノシシの目撃情報を基に、里地(市街地と田畑周辺)での目撃を集計すると、本年度は7月15日時点で既に15件。8件だった2022年度より大幅に増えた。近年は市内各所で出没が極端に多く110件の目撃があった18年度を除くと、19~21年度は山間地での目撃が主だった。今年6月26日朝、川中島町御厨の讃楽(さんらく)寺で男性がイノシシに襲われて軽傷を負った。近くに住む70代男性は、キツネやタヌキは見かけるが「イノシシはほとんど見たことがない」。60代の女性は「今もイノシシに対する恐怖感がある。夜は徒歩で出歩かないようにしている」と言う。県環境保全研究所の研究員、黒江美紗子さん(43)によると、イノシシは栄養価が高い生ごみや未収穫の農作物などを求めて、里地のヨシの伸びた耕作放棄地などをねぐらや出産の場としている個体がいる。近年は中山間地に近い地域で人口が減って耕作放棄地が増え、生息地が拡大しているという。県内では19年以降、豚熱(CSF)に感染したイノシシが見つかっている。豚熱によって一時的に個体数が減ったとみられるが、黒江さんは「残った個体に餌が十分行き渡ることで子どもを産むメスの栄養状態が改善し、個体数の増加につながったと考えることもできる」と指摘する。県内では他にも、里地での目撃が増えているとする地域がある。上田市森林整備課によると、本年度のイノシシの目撃件数は6件(7月19日時点)で、前年度よりも人目につく場所での目撃が多いという。松本市森林環境課の担当者も、市内の中山間地の中でも人が多く住むエリアで目撃が増えている印象があるという。本年度は例年と比べて春先の目撃が多く、目撃情報が早くから寄せられている。県鳥獣対策室は、人的な被害防止のための資料を公開している。担当者は「イノシシに出合っても刺激せず、近づかないようにしてほしい。集落内で餌を食べさせないことも大切だ」としている。

(警察や猟友会などが連携確認、クマによる被害防止:福井)
クマによる被害を防ぐため、警察と自治体、猟友会は26日、坂井市内で共同で訓練を行い、それぞれの役割や連携を確認した。訓練は前日の夕方に集落で目撃されたクマの親子が、翌朝になって近くの河川敷で発見されたという想定で行われ、警察と猟友会で結成された4つの班が川の右岸と左岸に配置され、クマを発見してから発砲するまでの流れと連携を確認した。福井県猟友会の濱中康夫副会長は「警察は今回初めて(訓練に)入ったので、非常にいい訓練になった」と話した。県内では今年度、クマの目撃や痕跡など166件の出没情報があり、県は今後、他の地域でも同じような訓練を重ね、住民の安全確保に努める考え。

(クマよけの鈴、効果大:北海道)
伊達市大滝徳舜瞥学校(羽根秀哉校長、19人)は27日、夏休みを前に、クマの出没に備える対策講座を開き、児童、生徒らが生態や身を守る術など、正しい知識を学んだ。大滝区在住で大滝猟友会の橋本誉広さんを講師に招いた。橋本さんはイラストなどを交えたスライドを使い生態を紹介。「大きさは1・5~2メートルぐらい。体重は最大で500キロを超える」「好物はミズバショウやフキなどの植物と、シカも食べる」などと説明し、過去に橋本さんが駆除したクマ2頭の毛皮も用意した。大滝区周辺には、およそ20頭が生息していると推測されており、橋本さんは「いつどこで遭うか不思議ではない。クマは大きな声や音、においにも敏感です」と身に着けて鳴らす、クマよけ用の鈴の効果を強調した。フンや爪痕などの特徴も分かりやすく解説し「もし見つけた時は110番か、保護者や役場の人に連絡してください」と呼びかけた。万が一、遭遇してしまった場合は「絶対に驚かせてはいけない。目が合っても、そらさず後ずさりする」と正しい行動を伝え、児童、生徒らは真剣な表情で聞き入っていた。クマを見かけたことがあるという、8年生の奈良青衣さん(13)は「遭遇したらクマを驚かせないよう、落ち着いて行動して大人に伝えたい」と話した。

(国内外の狩猟を紹介:大阪)
棒や弓矢、銃など、さまざまな道具を使った国内外の狩猟の形態を紹介するコレクション展「ハンターの見た地球」が国立民族学博物館(大阪府吹田市)で開かれている。資料40点と写真60枚、映像14点を通じ、「人間とは何か」という人類学や民族学の問いに答えるための手がかりを提示している。

(広がる鳥獣被害、地域で3対策の徹底を)
鹿やイノシシなど野生鳥獣による農作物の被害額が155億円(2021年度)に上り、農山村に深刻な影響を与えている。東北各県では熊の出没警報や注意報が出ており、耕作放棄などで里山が荒廃すれば都市にも影響は及ぶ。鳥獣害は国民全体の問題と考え、危機感を共有したい。農水省によると、鳥獣による農作物被害額は、10年度の239億円をピークに減っている。21年度はイノシシの捕獲が進んだことや豚熱対策もあり、前年度と比べて6億円減った。鳥獣別の被害額は鹿が最多の61億円で、次いでイノシシ39億円、カラスなどの鳥類21億円と続く。捕獲頭数を見ると、鹿は同5万頭増の72万頭。集中捕獲キャンペーンなどを展開して捕獲数は増えたが、生息域が広がり減少ペースは鈍い。引き続き捕獲の強化が必要だ。イノシシは15万頭減って53万頭となった。数字の上では被害が減っているが、現場の受け止めは深刻だ。例えばイノシシは北へ生息域が広がり、東北地域で最多の被害となっている。背景にあるのが過疎・高齢化による荒廃農地の増加で、野生鳥獣の生息域が拡大していることだ。鳥獣被害は離農の動機にもなり、被害を防ぐ対策を継続的に進めることが集落の維持につながる。被害防止には、個々の取り組みに頼るだけでは限界があり、地域を挙げた一体的な取り組みが欠かせない。農水省などが掲げる鳥獣害対策の3本柱を徹底しよう。一つは「捕獲による個体数の管理」、二つ目は「柵の設置などの侵入防止対策」、三つ目が「やぶの刈り払いなどによる生息環境管理」。ただ、これらの対策を実践するにも、マンパワーが必要となる。期待したいのが、さまざまな防止策を実施する「鳥獣被害対策実施隊(実施隊)」の活躍だ。21年に施行した改正鳥獣被害防止特措法に基づき、全国の市町村の約9割に上る1513市町村(22年4月時点)が被害防止計画を策定、うち1234市町村が鳥獣捕獲や柵の設置などを行う実施隊を結成している。隊員数は前年比657人増の4万2000人超。同省は銃刀法技能講習の一部を免除し、狩猟免許の取得にかかる税を免除するなどして、実施隊の活動を支援している。こうした国を挙げた人材育成の支援を進めてほしい。同省は、自治体の情報通信技術(ICT)導入を支援し、対策を後押しする。センサーカメラで生息域や種類を把握し、効果的にわなを設置して捕獲する仕組みで、各県で取り組みが始まっている。多様な人材と先端技術の導入で、野生鳥獣と人間が共生できる里山を取り戻そう。

(海外研究「ヒグマ被害は年々増加傾向にある」)
クマによる農作物被害は年間5億にも上るというが、はたして人とクマは共生できるのか。作家の小倉健一氏が解説するーー。クマが人間を襲い殺すというような忌まわしい事件が度々起きて、注意喚起がなされたあとでも、クマが人間を襲う事件が後を絶たない。クマの立場にすれば、人間の身勝手な開発によって、生活圏が近くなってきてしまったためだろう。先日(7月18日)も、新潟県湯沢町三国で70代男性が散歩中にクマに左腕を引っかかれ、けがをした。クマは一緒に散歩していたもう1人の男性が大声を出したところ逃げていったという。その事件を報じたメディアの一つである産経新聞(7月18日)によれば「県内では昨年6月、胎内市内で50代男性が登山中にクマに襲われ、左ほほなどに重傷を負った。県内でのクマによる人身被害はそれ以来となる」としている。自戒の念を込めていうが、やはりメディアを通してクマによる襲撃事件をセンセーショナルに報じると、クマとの遭遇を避ける方法や遭遇した場合の正しい行動様式を伝えきれていないケースも多いようだ。クマの残虐な事件を報道することで、クマ被害が減るものだと確信するので、私はこうした報道にもやはり意味があると思っているが、もう少し客観的な指標、数字、データを踏まえていったほうがよいようにも感じている。クマは、悪魔でも鬼でもなく、大型の肉食動物であるのだ。「SCIENTIFIC REPORTS」で公開された「ヒグマによる人間への行動」(G.Bombieriら「Brown bear attacks on humans: a worldwide perspective」2018年10月31日)には、クマとの付き合い方を考えさせられる興味深い研究結果が掲載されている。詳しくは、英語の元論文を読んでほしいところだが、簡単に紹介していこう。同論文は、2000年から2015年の間にヒグマが人間を襲った664件の事件を調査している。その内訳は、北米が183件、ヨーロッパが291件、ロシア、イラン、トルコなどが190件だった。人への襲撃が発生したとき、半数の人々がレジャーで遊びに来ていたときのものだった。主なシナリオは子連れのメスとの遭遇であった。襲撃は時間の経過とともに著しく増加しており、クマの生息密度が高く、人間の生息密度が低いほど頻度が高い。大陸間や狩猟習慣の異なる国間で、襲撃の回数に有意な差は見られなかった。クマによる襲撃の世界的なパターンを理解することは、危険な遭遇を減らすのに役立ち、その結果、クマ襲撃事件を減らすための適切な対策について、読者へ知らせる上で極めて重要であろう。襲われた人はほぼ(99%)成人であった。このことは、クマが弱い人間を(食べる目的で)襲うということではなく、クマや子グマが身の危険を感じたり、縄張りに入ってこられたという認識を持っていることが推測できる。男性は全体の88%で、63%のケースで一人で行動しているときだった。襲われていたときにしていたことで最も多かったのがレジャーで50%、その内訳は、「ハイキング」、ついで、「ベリー摘み、キノコ摘み」「キャンプ」「釣り」「ジョギング」だった。さらに農作業などで野外で働いていた人が28%、狩猟をしていた人が22%となっていた。ヒグマに襲われたシナリオとして最も多かったのが、子連れのメスグマとの遭遇で47%、突然の遭遇が20%、犬の存在が17%、撃たれたり罠にかかったりした後に襲われたのが10%で、捕食目的(人間を食べることが目的)の攻撃は5%だった。さきほどクマのほとんどが成人を襲うことを念頭に、ヒグマはめったに人間の肉を食べないとされるが、襲われる20回に1回が捕食目的であることを考えると、これを「めったに」とか「レアケース」として捉えていいのかは微妙なところであろう。自分が「食べ物」として狙われているかもしれないという警戒を怠らないほうがよいということだ。同論文は、以下のような重大な警鐘を鳴らす。1、クマと人間の生息数が世界的に増加し、生息地の重複が増加していることが原因となって、過去数十年間における襲撃件数が世界的に増加していること。2、クマが生息する地域でレクリエーション活動を行う人が増えていることも、遭遇の確率を高めている。3、子連れのメスとの遭遇というシナリオが最も多かったという事実は、より小規模な先行研究と一致しており、この種のクマは人間との遭遇に対して攻撃的に反応する可能性が高く、そのため、さらなる注意と広報キャンペーンが必要であることを示唆。子グマを連れたメスは、オスのクマや捕食動物を避けたり、人為的な餌を探したりするために、人間の活動に近い場所を利用する可能性が高い。子連れのメスがよく出没する場所への一般人の立ち入りを時間的に制限することは、ヒグマのメスに対する人間の妨害や、その結果生じる危険な遭遇を避けるために極めて重要かもしれない。4、その他の頻発するシナリオ(突然の遭遇、犬の存在、負傷したクマ)は、主に人間の不適切でリスクを高める行動(クマの生息地で単独で移動し沈黙する、放し飼いの犬を散歩させる、狩猟中に負傷したクマを追いかけるなど)の結果であり、この問題に対する一般市民の教育と認識を向上させることで減らすことができる。客観性の高い論文から導き出された警鐘を胸に刻んで、これからのレジャーシーズンを過ごすのが良いということだろう。私が、この論文で意外に感じたのは、10%の人が「クマが撃たれたり罠にかかったりした後に襲われた」点であった。考えてみれば、クマの身体は頑丈にできていて、ちょっとやそっとのことでは死なず、反撃能力を保持している。頭に散弾銃を食らった後でも襲いかかってきた事件を思い出した。さらに調べてみると、以下のような事件も起きている。インタファクス通信やDAILYSTARなどで報じられたニュースをもとに、補筆し、全貌を描いてみようと思う。2022年のシベリアでのできごとである。猟師としての一生を森で過ごしてきた62歳の男が、自分が狩る側から狩られる側に「転落」したのだった。その日、男は木の上に設置された狩猟台から、ヒグマを狙った。ライフルの音が鳴り響き、ヒグマは負傷した。ヒグマが死んだと思い込んだ男は、木から降りた。しかし、ヒグマは死んでおらず、復讐すべく、最後の力を振り絞ると、突然、男に襲いかかった。「彼が降りてきたところで、瀕死の重傷を負ったヒグマが襲い掛かった」ロシアのインタファクス通信はそう報じている。男の遺体はヒグマの死骸から50メートルも離れた場所で発見された。その頭蓋骨は、ヒグマの爪と牙によって「粉砕」されていた。「瀕死の重傷を負った肉食獣は、ハンターが死亡するほどの傷を負わせることに成功した」と、ロシア内務省地方局はそう述べている。猟師の行方不明が発覚した後、この恐ろしい現場はシベリア地方での捜索隊によって発見された。ヒグマは本当に恐ろしい動物であると同時に、100%ではないにしろ、避けられるテクニックは存在する。自然とともに生きる知恵を持とう。

(元NHK自然番組ディレクター「僕が猟師になったワケ」)
NHKの自然番組を制作していたディレクターの一人が今夏、北海道へと移住した。前年まで札幌に赴任していた彼は、50歳を迎えたのを機にNHKを辞めて「猟師」になる道を選んだという。7年前、札幌に転勤になってから、初めて狩猟免許を取ったという元ディレクターは、どんなふうに銃猟にのめり込んでいったのか――。元ディレクターの黒田未来雄氏がその経緯を明かすシリーズの第2回。新刊『獲る 食べる 生きる 狩猟と先住民から学ぶ“いのち”の巡り』より抜粋・再構成。北海道への転勤を機に、僕は狩猟を始めることにした。一口に狩猟と言っても、道具は鉄砲だけとは限らない。大きく分けて、銃と罠と網に分かれる。三つの猟法について、それぞれ個別の免許が必要だ。インターネットで調べたり、銃砲店に足を運んだりしてリサーチした結果、僕は銃と罠の免許を取得し、まずは銃で狩猟を始めることにした。ところが、狩猟免許を取得しただけで銃猟が始められるわけではない。銃の所持自体に、警察が発行する別の許可を申請しなくてはならないのだ。危険性の高い道具であるため法規制は厳しい。講習会と筆記試験、実弾を撃つ射撃教習をクリアした後には、家族や友人、更には職場から周辺住民に至るまで、警察による入念な身辺調査が行われる。精神障害に関する医師の診断書も求められる。銃の購入について最も悩ましかったのが、どんな銃を選ぶかだった。種類が多く、獲物や用途によって構造も違えば使う弾も違う。カモなどの飛んでいる鳥を撃つには、たくさんの小さな粒が飛び出す散弾銃。僕の憧れだったエゾシカなどの大型獣を獲るなら、大きくて重い1発の弾頭を撃ち出すライフルが最適だ。しかし、ここに一つ落とし穴がある。様々な銃の中でも、ライフルに限っては、最初に銃の所持許可が下りて10年が経過しないと持てないのだ。だからと言って初心者が鹿を撃てないわけではなく、ハーフライフルなる銃が存在する。機能的にはライフルに近いが、法律上は散弾銃に分類される。1丁の銃で銃身だけを取り替えて、散弾とハーフライフル用の弾を両方撃てるものもある。とにかくややこしく、素人にはよく分からない。それぞれの銃の使い勝手が全くイメージできない上に、輪をかけて不自由なことがある。検討中の銃を、実際に撃ってみることができないのだ。簡単に人間を殺傷できる銃にはレンタルやお試しは実質的に存在せず、自分が所持した後でしか発砲は許されない。これには本当に参った。結局僕は、カモ用の散弾銃と鹿用のハーフライフルの2丁を、中古で買うことに決めた。狩猟が許される場所や期間は、都道府県や自治体により細かく定められている。北海道でエゾシカを撃っていいのは、殆どの地域で10月1日から3月31日までの半年間だ。色々な手続きや審査を全てクリアし、僕は待ちに待った初めての猟期、2017年10月を迎えた。ところが、銃と狩猟免許を手に入れたからといって、すぐに鹿が獲れるわけではない。まず途方に暮れるのが、広大な山林のどこに行けばいいのか、皆目見当がつかないということだ。狩猟が許可されている区域については、資料を見れば分かる。しかし鹿がいるスポットが載っているわけではない。そうした時には先輩のハンターが頼みの綱だ。僕はたまたま、師匠と呼ぶことができる熟練のハンター、F氏に出会い、手ほどきを受けることができた。これまで培ってきたノウハウを惜しげもなく後進に伝える。都合が合えば助手席に僕を乗せて猟場を巡り、たまに車を降りては何キロも一緒に山を歩いてくれる。そのたびにF氏は、鹿がよく出る場所や、彼らの習性を細かく教えてくれた。足跡一つから、どうやったらそこまで深く行動が読めるんだ、と舌を巻くことも多かった。素人考えで繰り出す質問を馬鹿にせず、誠実に答える。F氏自身も正解に迷う場合は、豊富な経験から似たような事例を拾い出し、当時のことを具体的に説明してくれる。まさに、手取り足取りだ。恥ずかしながら、僕が生まれて初めて自分で獲った鹿は、F氏が見つけ「あそこからこうやって狙いな」と教えてもらいながら撃ったものだ。それでもその喜びは大きく、肉の味は格別だった。F氏は自分で仕留めるよりよっぽど嬉しいと、一緒になって喜んでくれた。そんなF氏が、いつも繰り返す言葉があった。「獲れた鹿と、獲った鹿は別物」──。闇雲に車で林道を走っても、鹿に出会えないわけではない。銃を持って何度も山に行きさえすれば、運だけで鹿を撃てることもあるだろう。F氏の言うところの「獲れた鹿」だ。それに対し、できる限り鹿の行動を読み、力を尽くした上で仕留めたものが「獲った鹿」。一頭の鹿を獲ったという事実は同じであっても、自分にとっての重みは全く違う。F氏は、結果よりも過程を重視せよ、と言っているのだ。「大切なのは、どう獲ったかだけで、何頭獲ったかは重要ではない」とも諭された。確かに、競うものではないと分かっていても、他の人が何頭獲ったかは意外と気になる。同時期に狩猟を始めたといった理由で、自分が勝手にライバル視しているハンターの実績などは特にそうだ。そんな僕の虚栄心を、F氏はやんわりと諫めてくれた。その教えは、今も僕を支えてくれている。

(奈良公園のシカ、いつ、どこから来た?)
たくさんのシカがいることで有名な、奈良市の奈良公園。シカはとても人に慣れていて、鹿せんべいを持った人のところへ怖がらず寄ってくる。観光用に飼われているのかと思いきや、実はみな野生のシカだという。いつ、どこからやってきたのだろう? 小中学生向けニュース誌「ジュニアエラ」6月号(朝日新聞出版)から紹介する。大仏で有名な奈良市には、奈良公園という広い公園がある。そこには人に慣れたシカがたくさんいて、観光客が売店で買った鹿せんべいを差し出すと寄ってきてうれしそうに食べる。このシカと予備知識なしに接した人は、観光のためにシカを放し飼いにしていると思うだろう。でも、それは正しくない。奈良公園のシカは、野生のニホンジカだ。奈良市の周辺は古代、開けたところで、約1300年前には平城京と呼ばれる都が置かれていた。現在も市の周囲には住宅地や農地が広がり、野生のシカが生息していそうな深い森はない。では、奈良公園のシカはどこからやってきたのだろう?シカは、古くから狩りの対象として人に利用されてきた。肉は食料に、角は漢方薬や工芸品に、革は武具などに利用された。また、シカは信仰の対象でもあった。奈良公園に隣接する春日大社は、奈良時代の768年に建てられ、祭っている武甕槌命が白鹿に乗ってきたとされることから、シカを神の使いとしている。奈良教育大学、福島大学、山形大学からなる共同研究チームは、奈良公園のシカはこうした人間活動によって大きな集団から切り離されてやってきたと考えた。では、もとの集団はどこにいて、いつごろ切り離されたのか。奈良公園を含む紀伊半島全域の30地点から294頭のシカの筋肉や血液を採取し、DNA(※)を取り出して解析したところ、奈良公園のシカは、紀伊半島のシカと共通点が多く、ほかの地域から連れられてきたのではなく、もともと紀伊半島にすむシカであるとわかった。では、紀伊半島のなかで、奈良公園のシカにはどんな特徴があるのか。さらに詳しい解析を進めた結果、紀伊半島のシカの遺伝子の特徴は大きく三つあり、これを仮に赤、青、緑としたとき、西部には緑、東部には青の要素をもつ個体が多く、中央部では緑と青の要素が混ざり合っていた(グラフ参照)。ところが、奈良公園のシカはほぼ赤一色で、ほかのグループと混ざっていない。これは、奈良公園のシカがかなり前から緑や青のグループと切り離され、独自のグループとして、その中でだけ子どもを産み育ててきたことを示している。共同研究チームはさらに、三つのグループがいつごろ形成されたのかをシミュレーション(コンピューター上で実験すること)してみた。その結果をまとめたのが、「紀伊半島のニホンジカの歴史」の図だ。図を見ると、人間の歴史とシカの歴史が関連していることが浮かび上がる。現在の奈良公園付近のシカが紀伊半島全域のシカと分断されたのはおよそ1400年前の古墳時代~奈良時代。農業が発達し、奈良に平城京ができるなどした時代で、こうした活動によりシカのすみかである森林が減り、分断につながったと考えられる。紀伊半島全体でシカのグループがさらに分かれたのはおよそ500年前。戦国時代の激しい戦乱が、シカの分断に影響したと考えられる。今回の研究について、福島大学准教授の兼子伸吾さんはこう感想を述べる。「陸続きの紀伊半島で、シカの集団がこれほど遺伝的に違っているのは意外な結果です。そこに人間が関わっていることのもつ意味は大きいと思います」。中心になって研究を進めた福島大学特任助教の高木俊人さんは、奈良公園のシカには大きな特徴があると指摘する。「シカは移動距離が長く、繁殖期には100キロメートルも移動するといわれています。なのに、奈良公園という狭いエリアで集団の独自性が守られているのは、ほかにはない珍しい事例といえます」。シカは近年、全国各地で急速に増え続け、農作物を食べるなどの被害も報告されている。今後、人間は野生動物とどう関わるべきなのか。奈良公園のシカの研究は、そのためのヒントも与えてくれそうだ。

(クマが物置小屋の土壁を破壊:岩手)
27日未明、岩手県盛岡市の住宅で敷地内にある物置小屋の壁がクマによって壊されました。警察が周辺の住民に注意を呼びかけています。被害があったのは盛岡市大ケ生の住宅です。警察によりますと、27日午前1時30分ごろ自宅敷地内にある物置小屋の脇にいるクマ1頭を住宅に住む85歳の女性が目撃しました。朝になって物置小屋の土壁の一部が引っかかれ壊され、小屋の中が外から見える状態になっているのが見つかり、女性は警察に通報しました。地元の猟友会が近くにわなを設置し捕獲を試みる予定です。

(クマがモモ食い荒らす:岩手)
7月27日、岩手県一関市で住宅の敷地内で育てられていたモモ約100個がクマに食い荒らされる被害がありました。警察などが付近を警戒しています。かじられた跡が残るモモや地面に散らばる食べかす。これはクマによる被害とみられています。7月27日午前1時半ごろ、一関市萩荘の農業・船山冨士男さん(75)が自宅の敷地内で桃の木を物色しているクマ1頭を目撃しました。船山さんによりますと、クマは体長1メートル20センチぐらいの成獣とみられ、自宅の裏山へ姿を消したということです。周囲が明るくなった27日午前5時半ごろ、船山さんが被害を確認したところ、自分で食べるために栽培していたモモが食い荒らされているのが見つかりました。食べかすなどから被害は約100個ということです。現場は住宅が点在する山あいで、警察と猟友会が付近を警戒しています。

(JR山陰本線、クマ接触で運転見合わせ:島根)
JR山陰本線は浜田市内で特急列車がクマに接触したため、午後6時45分から浜田駅と益田駅の間の上下線で運転を見合わせています。

(ジビエ、ペットにも:岩手)
大槌町安渡でジビエ事業に取り組む食肉加工業MOMIJI(兼沢幸男代表取締役)は、地元産鹿肉100%で無添加無着色のペットフードを開発した。人が食べる品質と同じ肉を、味つけせずにそのまま商品化。高タンパク質・低糖質が売りで、飼い主の中で関心が高まっている「食の安心」のニーズに応える。開発したのはももやあばらを12時間乾燥させた「大槌鹿のごちそうジャーキー」(70グラム、税別1190~1380円)と、水煮した「鹿肉ドッグフード缶詰」(80グラム、同660円)。ジャーキーは骨付きから粉末まで4種類あり、犬種や年齢、体調などに合わせて選べる。ペットフードのブランドを「OISHIKUTE(オイシクテ)」と命名。新規事業開発などを手がけるYOBOSHI(東京)と共同開発した。ECサイトで販売する他、MOMIJIの店頭でも購入できる。

(ジビエを食べて世界自然遺産の森を守る:北海道)
食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地が展開する「らでぃっしゅぼーや」は7月24日、世界自然遺産"知床"の森林保全に繋がる鹿肉の加工食品「知床の森を守るエゾ鹿シリーズ」を発売。知床半島で捕獲されたエゾ鹿が、公的認証機関「北海道HACCP」の衛生基準を満たした工場による精肉加工によって、全国規模の宅配サービスで流通するのは初めての取り組みとなる。2006年に世界自然遺産に登録された「知床」で、かつては乱獲により絶滅の危機に瀕したエゾ鹿だが、1890年に全面禁猟措置となって以降、個体数の調整が難しく増えすぎたことによる獣害が問題となっている。北海道では専門家を中心とした知床世界自然遺産地域科学委員会が「個体数管理」の目標を定めて取り組んでいるが、コロナ禍でのジビエ流通量の減少などから出荷数は低迷。目標とする個体数までの到達は難しい状況になっている。鹿肉は、牛肉や豚肉と比べて、高たんぱく質(22.6g/100g)で低カロリー(126kcal/100g)で、栄養成分として鉄分が豊富(3.4mg/100g)に含まれるヘルシーな食材といえる。「知床の森を守るエゾ鹿シリーズ」は、知床半島で殖えすぎたエゾ鹿を、山の恵みとしておいしくいただくいただくために、食べやすく加工した。今回精肉を手掛ける知床エゾシカファームでは、公的認証機関「北海道HACCP」を取得し、衛生管理を徹底した加工場で、短時間のうちに素早く的確に精肉処理することで、安全でくさみのない赤身の旨みを感じられる肉を実現した。ジビエ料理を食べたことがない人や、調理に自信がない人にも、ジビエをもっと身近なものとして楽しめるよう、レトルトタイプのキーマカレーと、好みの野菜と一緒に炒めるだけの味付け調理済みの鹿肉ジンギスカンを開発。また、キャンプやピクニックなど、アウトドアシーンでも楽しんでいただける「山ごはんセット」も販売する。いずれも赤身肉の旨みがしっかり感じられ、キーマカレーはトマトやスパイスと、ジンギスカンはタレとの相性の良さで、食べやすい味わいに仕上げた。

(召しませ、能登ジビエカレー:石川)
穴水町内浦の食肉処理業・ジビエ(野生鳥獣肉)食材販売「里山食品」は、地物イノシシ肉を使ったレトルトカレー「香旨ジビエいのししカレー」の販売を始めた。五種類の中華スパイスを隠し味に、クセが少なくうま味が強い天然ジビエを味わえる本格カレーに仕上がった。里山商品は三月、同町根木の根木ポケットパークに、ジビエ肉や農産物などを販売する直営店「サングリエ」を開業。能登産のイノシシ肉やシカ肉を使ったカレーを提供し、店の看板の一つになっている。レトルトカレーは、サングリエ店主の河島りかさん(50)が「誰でも気軽にジビエを楽しんでもらいたい」との思いから企画。能登各地のご当地カレーを手がける株式会社「奥能登元気プロジェクト」(輪島市里町)に製造を委託し、中国出身の河島さんのアイデアで五香粉(スターアニス、クローブ、花椒、シナモン、クミン)を隠し味とした。角切りのイノシシ肉はごろっと存在感があり、レトルトながらジビエの魅力を十分楽しめる一品。五香粉は強すぎずほのかに香り、「カレーのコクを深くしてくれる」(河島さん)という。商品パッケージにも五香粉のイラストを載せ、中華風のデザインがカレーのイメージを引き立てる。河島さんは「ジビエを知ってもらうきっかけになれば」と期待を込める。中辛と辛口の二種類で、いずれも一箱百八十グラム入り八百六十円(税込み)。サングリエで取り扱っているほか、県内外の商業施設やネットでも販売する予定。

(女性猟師がジビエ肉以外を活用し新商品作り:鳥取)
農作物に被害を与えるイノシシやシカなどの野生動物を処分するのではなく、捕獲したうえでジビエ肉として活用する取り組みが全国で広がっています。一方で肉の部分以外はあまり活用されず、廃棄されることが多いのが課題だとされています。こうしたなか食べられない部位を有効に使おうと、大山町の女性の猟師はこれまで捨てられていたイノシシの骨を使った、新たな商品作りに取り組んでいます。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、28日午前7時30分ごろ、色麻町高根にクマが出没しました。

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(クマに襲われ男性けが、散歩中に遭遇し頭や胸を負傷:秋田)
26日午後9時20分ごろ、秋田県仙北市角館町山谷川崎の農道で、近くに住む大工黒沢武夫さん(67)がクマに襲われ出血している、と家族から119番があった。頭や胸にけがをしたが、命に別条はない。仙北署によると、黒沢さんは散歩中に襲われ、家まで自力で戻ったという。

(豚熱に感染の野生イノシシ確認:新潟)
新潟県は7月25日、新潟県加茂市で豚熱に感染した野生イノシシが見つかったと発表した。加茂市での感染確認は初めて。県内では2020年4月に妙高市で初確認されて以降、14市町で計56頭となった。県内の養豚場で、豚熱による異常は報告されていない。県畜産課によると、加茂市で7月10日にイノシシが捕獲され、県の検査機関が調べたところ、25日に陽性が判明した。県は25日、県内の養豚場に衛生管理の徹底を指導した。豚熱は人に感染しない。

(クマによる物的被害相次ぐ:岩手)
岩手県盛岡市と一関市でクマによる物的被害が相次ぎました。午前1時半ごろ、盛岡市大ケ生の無職一盃森ヒロ子さん(85)が物音に気付き外を見たところ、敷地内の物置小屋脇にいるクマ1頭を目撃。午前7時ごろ、物置小屋を確認したところ、土壁の一部が破壊されているのを発見したということです。一方、午前1時半ごろ、一関市萩荘の農業船山冨士男さん(75)が敷地内の桃の木を物色しているクマ1頭を目撃。午前5時半ごろ、桃の木6本から数十個の桃が被害に遭っているのを確認したということです。

(エゾシカ駆除エリアを拡大:北海道)
エゾシカによる農作物の被害を防ごうと、道は札幌市内で猟銃を使って駆除することができるエリアを農業地域なども含む市の北東部に拡大することになりました。野生動物に農作物を食べられるなどの被害は、道内では去年3月までの1年間で54億円あまりにのぼっていて、このうちエゾシカによる被害がおよそ45億円と全体の8割以上を占めていることから、農業関係者を中心に対策の強化を求める声が上がっています。これを受けて、道の石狩振興局はエゾシカの数を適正に保つ必要があるとして、札幌市内で猟銃やわなを使って駆除を行うことができるエリアを拡大する決定をしたことがわかりました。具体的には、これまでエゾシカの駆除は、中央区と南区、西区など5つの区の山間部を中心とした地域に限られていましたが、新たに市の北東部で、農業地域なども広がる▼北区と、▼東区、それに▼白石区の3つの区の全域が追加されることになりました。石狩振興局によりますと追加された3つの区では、来年3月までに260頭の駆除を目指すということで、猟友会は食害の被害や目撃情報をもとにエゾシカの駆除を実施することにしています。

(農作物のイノシシ被害額3.9倍:青森)
青森県は25日、2022年度の野生鳥獣による県内農作物被害まとめ(速報値)を発表した。県南地方を中心にイノシシによる被害が拡大し、ナガイモや稲などの被害総額は538万円で、前年の3.9倍に増加した。全体の被害額は4720万円(前年度比4%増)で、現在の調査方式となった07年度以降、21年度に次いで2番目に低かった。

(特定外来生物アライグマの捕獲数が8000頭を超え過去最多:兵庫)
アライグマによる農作物への被害対策として、兵庫県内で2021年度に捕獲されたアライグマは初めて8000頭を超え、過去最多となったことが県のまとめでわかりました。県はアライグマの生息範囲が拡大しているとともに、わなを仕掛けるなどの対策が進んだことなどが増加の背景にあると分析しています。北アメリカが原産のアライグマは、1970年代に放送されたアニメの人気などを受けて、ペットとして飼われるようになりましたが、その後、各地で野生化が進み、現在は生態系に影響を及ぼすおそれがある「特定外来生物」に指定されています。県内でも、捕獲数の増加傾向が続いていて、2021年度は前の年度より700頭ほど多い8385頭で、これまでで最も多くなりました。これは、15年前の捕獲数のおよそ4倍に上り、過去最多を更新するのは2年連続です。県はアライグマの生息範囲が拡大しているとともに、各地でわなを仕掛けるなどの対策が進んだことなどが増加の背景にあると分析しています。一方、2021年度のアライグマによる農作物への被害額は前の年度より500万円あまり多い4875万円で、ブドウやトウモロコシなどでの被害が目立っているということです。県は、市や町を通じてわなを貸し出したり、捕獲するアライグマ1頭につき7000円の交付金を支給したりして対策を進めています。捕獲や駆除は自治体の許可が必要なため、県は、見つけた場合は市や町に通報するよう呼びかけています。県によりますと、アライグマによる農作物への食害による被害額はこの5年間では5000万円前後で推移していて深刻な状況が続いています。このうち、丹波篠山市では昨年度、野菜や果物など、あわせておよそ1.9トン、77万円の被害が確認されました。市の北西部の山間地域にある小坂地区で農業を営む68歳の男性は去年、畑で栽培していたキュウリのほとんどが食い荒らされる被害に遭ったということです。現場の状況などからアライグマによる被害とみられるということです。このため、アライグマの侵入を防ごうと畑の周囲に高さ60センチほどの滑りやすいトタンを設置し対策を取りました。男性は「去年は“食べられ放題”の状況だったが、対策を取って以降は被害は出ておらず、このまま深刻な被害が出ないことを期待したい」と話していました。一方、アライグマを捕獲するためのわなを設置して対策に取り組む人もいます。同じ小坂地区に住む別の72歳の男性は、畑で栽培しているトマトにネットを張って対策を取っていましたが、ネットを破られて食い荒らされる被害もあったということです。このため、必要な講習を受けた上で、アライグマを捕獲するためのわなをことし5月に設置し、1か月ほどで3頭のアライグマを捕獲したということです。丹波篠山市森づくり課の安井直哉係長は「市内でのアライグマによる農業被害は年々増えている印象で、最近は民家の天井に侵入して、そこで繁殖する被害も相次いでいる。今後も地域ぐるみで対策を進め被害を減らしていきたい」と話していました。アライグマの生態に詳しい兵庫県立大学自然・環境科学研究所の栗山武夫准教授は「アライグマは1頭のメスから、毎年4頭ほどの子どもが産まれる繁殖のスピードが速い動物で、現状では、繁殖数に比べて捕獲が進んでいないため、生息範囲も拡大している。捕獲をさらに進めていかなけければ農作物への被害が進み、生態系にも影響が出るなどより深刻な状況になる」と指摘しています。その上で、「森林地帯だけでなく、市街地や農村地域など人間が暮らす環境にも生息範囲は広がっていて、民家の屋根裏などを住みかにする懸念も高まっている。被害を食い止めるため、自治体は目撃情報や捕獲状況などを踏まえて効率的な対策を打ち出していく必要がある」と話しています。またアライグマは狂犬病などの感染症を媒介する危険性があるものの、捕獲には自治体の許可が必要だということで、「アライグマを発見したら、自分で捕まえようとはせず、まずは自治体に情報を提供してほしい」と呼びかけています。

(電気柵の設置方法を指導する人材育成で研修会:岩手)
イノシシなどの農作物への被害が増えている中、野田村で、電気柵の設置方法などを農家に指導する人材を育成するための研修会が開かれました。久慈地域ではイノシシやニホンジカなどの生息域の拡大に伴い農作物の被害が増えていて、被害額は5年前に比べ8倍になるなど深刻な問題となっています。このため岩手県の県北広域振興局は、電気柵が必要な農家に設置方法を指導する人材を育成しようとこの研修会を開きました。県や市などで主に農業を担当している職員、12人が受講し、電気柵の設置を行っている会社の担当者から電気柵の仕組みや効果的な設置方法などの説明を受けました。また、実際に電気柵を設置し、効果的に電気を流すためにワイヤーをしっかり張ることや動物が電線を飛び越えたり下をくぐり抜けたりできないよう高さや間隔を調整することなど注意点を学びました。研修を受けた久慈市農政課の職員、久慈洪介さんは「電気柵自体、初めて扱う物だったが、どういう物かがわかり良かったと思います」と話していました。県北広域振興局農業推進課の濱戸もえぎ課長は「設置の時に相談があればうかがいますし、地域の皆さんで勉強したいときには研修会などを開くので積極的に声をかけてほしい」と話していました。

(シカ、小学生より多い!?:広島)
宮島(広島県廿日市市)や奈良公園(奈良市)の光景ではない。政令市・広島市の安佐北区で野生のニホンジカの増加が深刻化している。市街地や民家周辺に頻繁に出没し、住民は農作物や花木の食害に頭を抱えている。広島県の調査に基づく推計では区内に生息するのは約7千頭。区内の市立小に通う児童数(約6400人)を上回っている。広島県の調査では県内に生息するニホンジカは約5万頭で、20年前の約5倍に増えた。広島市安佐北区ではもともとの生息地だった白木山系から可部地区などに拡大し、推計で7千頭前後がいるとみられる。水稲や野菜、果樹が食い荒らされ、広島市では安佐北区を中心に年約1600万円の農作物被害が生じている。

(使われなくなった田畑で“えごま”栽培:兵庫)
新温泉町で、地域で栽培する「えごま」に興味を持ってもらおうと、葉を収穫して食べる体験会が開かれましした。この体験会は、人口減少などで使われなくなった田畑で、えごまの栽培に取り組む新温泉町の団体が地域の人たちに興味を持ってもらおうと、ことし初めて開いたもので、夏休み中の親子連れなどおよそ10人が参加しました。参加者は、畑で担当者から、えごまの実から作る油や葉っぱは健康によいと、近年注目されていることやシカやイノシシに食べられることが少なく、栽培しやすいことなど、説明を聞きました。続いて、大人の背丈ほどのえごまの茎から10センチほどの葉を丁寧にちぎって、収穫しました。このあと、参加者たちは、道の駅に移動し、えごまの葉とソーセージを春巻きの皮に一緒に包んで焼き、味わっていました。参加した男子児童は「収穫は楽しかったです。葉はおいしいので、何枚でも食べられます」と話していました。団体では、米作りには向かない狭い田んぼや使われなくなった畑1.5ヘクタールで、えごまを栽培していて、生産面積を増やし、新たな特産にすることを目指しているということです。新温泉町えごま研究会の谷口正友会長は「えごまは、農地を守り、食べたら元気になる作物です。新温泉町でえごまを栽培していることを多くの人に知ってほしい」と話していました。

(シカの効率的な捕獲方法を学ぶ研修会:長野)
シカによる農作物への被害が増える中、地元の自治体や猟友会などが効率的なシカの捕獲方法を学ぶ研修会が下諏訪町で開かれました。この研修会は26日、下諏訪町の山林で行われ、地元の自治体や猟友会の会員など60人ほどが集まりました。研修会では、まず、シカの捕獲方法を考案した林野庁の小林正典さんがシカは、エサを食べる際、前足をエサの近くに置いたり、大きな石などを避けて歩いたりする習性があると説明しました。そのうえで、シカの足をワイヤーで捕まえる「くくりわな」と呼ばれるわなの周りにえさや石を置くことで、シカをおびき寄せ効率よく捕獲できると紹介していました。参加した猟友会の男性は「わなの周りに石を置く方法は理にかなっていると思う。この捕獲方法であれば効率的にシカを捕獲できそうだ」と話していました。中部森林管理局の井口真輝森林整備部長は「この捕獲方法を身につけてもらうとともに普及にも努めてほしい」と話していました。

(クマやイノシシの生息域をドローンで調査:山形)
クマやイノシシから農作物を守るための実証事業が26日、山形県寒河江市で行われ、ドローンを活用し、生息域の状況などを調査した。このドローンを使った実証事業は県内で急増するクマやイノシシによる農作物被害を減らそうと県が始めた取り組みで、おととしから実施されている。鳥獣被害を防ぐためには、動物の実態調査や生息環境の点検が有効だが、農家が高齢化する中、取り組みを省力化することが必要となっている。こうした中、県の担当者や寒河江市幸生地区の住民らおよそ10人が、ドローンを使ってクマが出没した地域を中心に撮影した。取り組みを実施した幸生地区は、市内でもクマやイノシシなどの目撃や被害が多く、住民たちは最新技術を使った手法に期待を寄せていた。渡辺利光さん(80)「ドローンの映像はいままで見たことなかった。この技術を活かして獣の被害をなくしていければ」県みどり自然課高谷圭一朗主事「ここにクマやイノシシが生息しているのか、ここから集落に入り込んでいるじゃないかということを共有して、集落に入ってこないための対策を地域の皆さんと考えていきたい」県は今年度、山形市と遊佐町でも同様の調査を行う予定で、今後はドローンで撮影したデータを解析し、各地区の住民と対策を検討する予定だ。

(夏休み迎えるのを前に学校でクマ対処法講座:北海道)
夏休みを迎える子どもたちにクマと出会ったときの対処法を知ってもらおうと、伊達市の小中一貫校で地元のハンターによる講座が開かれました。この講座は、伊達市の山あいにある小中一貫校、大滝徳舜瞥学校で、28日から夏休みが始まるのを前に行われ、児童ら17人が参加しました。講師は地元のハンターの男性が務め、▼学校の周辺の山林にはおよそ30頭のクマが生息していると推定されていることや、▼沢や日陰のある場所で活動していることなど、クマの生態について紹介しました。また、クマに遭遇した場合には、▼大きな声を出して驚かせてはいけないことや、▼クマの様子を確認しながら、ゆっくりと後ずさりして距離を確保し、木や建物に隠れることなど対処法を説明しました。講座のあと、生徒会長の奈良青衣さんは「夏休みが始まって外出することが多くなるので、きょう聞いたことを生かして対策できたらと思います」と話していました。また、羽根秀哉校長は「クマへの知識を広めていって、子どもたちや地域の皆さんが安全安心で楽しい夏休みを過ごしてほしいです」と話していました。

(「大型哺乳類研究者の死因ナンバーワンは…」)
25年間にわたってクマの糞を拾い続け、ツキノワグマの謎に包まれた生態を明らかにしてきたクマ博士である小池伸介氏。同氏が数奇な研究人生の中で、体験した出来事を紹介した『 ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら 』(辰巳出版)が話題を呼んでいる。ここでは、小池氏が実際に体験したツキノワグマの捕獲に関するエピソードを同書より抜粋して紹介する。海外のクマ調査の話をする前に、世界にはどんなクマがいて、どんな分布をしているのかを説明しようと思う。まず、世界には現在8種類のクマがいる。最も寒い場所に住んでいるのが、ご存じ真っ白なホッキョクグマである。このクマは「シロクマ」とも呼ばれているが、正式な名前は「ホッキョクグマ」だ。ちなみに、ホッキョクグマの毛は白色ではなく透明で、地肌は黒い。光の乱反射で真っ白に見えるのだ。ホッキョクグマは、クマの中では最も体が大きく、体長は成熟したオスで2.5m(鼻先から尾までの長さ)、体重800kgにもなる。生息地は北極海を中心とした地域で、1年の大半を海に浮かんだ氷の上で過ごし、主な食べ物はアザラシである。近年では地球温暖化などによる氷の減少で、十分にエサを取れずに数を減らしていることが問題となっている。日本では北海道だけに生息しているのがヒグマだ。世界で最も広く分布しているクマで、生息できる環境も日本のような森のほか、アラスカや北極圏近くのツンドラ地帯と呼ばれるあまり植物が生えていない場所、ヒマラヤのような高山や砂漠など、さまざまな環境に適応している。北アメリカに生息するヒグマの一部はハイイログマやグリズリーとも呼ばれている。体長はオス2m、メス1.5m、2本の足で立ち上がれば巨人のように大きく、体重もオスが150~400kg、メスは100~200kgとけた違いに大きい。古くは7名が犠牲になった三毛別羆事件、最近では多くの乳牛を襲って酪農家に損害を与えたOSO18のせいで、人や家畜を襲う猛獣のイメージが広く定着している。そのためヒグマを肉食だと思っている人も多いだろう。しかし、実はツキノワグマと同じ雑食性で日本のヒグマは木の実や草を主に食べる。私は北海道の知床でヒグマを見たことがあるが、やはりツキノワグマはヒグマと比べて少しおとなしいんだなと実感した。また、ロシアではヒグマとツキノワグマが同じ森の中で暮らしているが、そこではツキノワグマはヒグマに対して少し身構えているというか、こっそり生きているような印象があった。しかし、より森が似合うのはツキノワグマである。爪がヒグマほど湾曲していなくて体重も軽いので、木に登るのはずっと上手だ。ヒグマは高山や砂漠、ツンドラ地帯など、さまざまな場所でも生きていけるが、ツキノワグマは森でしか生きていけない。標高が高すぎず、平地にすぎず起伏に富んだ、ちょうど日本の本州のような中程度の標高で深い森に適応しているのがツキノワグマなのである。なお、私たちがツキノワグマと呼んでいるクマは海外ではアジアクロクマと呼ばれている。生息域は、西はイランから東は日本、北はロシアで南はマレー半島である。生息域は広いが、数はどんどん減っていて、韓国では絶滅状態になっており、遺伝的にはほとんど同じとされているロシアや北朝鮮のクマを再導入して、現在では南部の智異山を中心に約50頭前後が生息している。韓国でのツキノワグマは、まるで日本のトキのような存在といえるだろう。北米大陸にはアラスカからメキシコにいたるまでアメリカクロクマが生息しており、こちらは世界でヒグマに次いで数が多い。姿はツキノワグマとよく似ている。体はアメリカクロクマのほうがひと回り大きいが、性格はツキノワグマよりおとなしい。クマの中で最も人気があるのがジャイアントパンダだろう。ジャイアントパンダは中国語では「大熊猫」と書かれるし、あの独特の脱力感のある姿のせいで、「クマなの? ネコなの?」といわれるが、クマ科である(ちなみに「熊猫」と中国語で呼ばれるレッサーパンダはレッサーパンダ科でクマとは違う。レッサーパンダが熊と猫に似ているから熊猫と呼ばれるようになり、それの大きいバージョンということでジャイアントパンダが「大熊猫」と呼ばれるようになったらしい)。ジャイアントパンダは中国の四川省のごく一部に生息しており、野生の生息数は2千頭ほどである。いくつかの地域に分かれて生息しているため、個体同士の交流が難しく、野生環境での生息はかなり厳しい状況にある。南米大陸のアンデス山脈の高地に発達する、雲霧林と呼ばれる湿度の高い森にはメガネグマがいる。こちらはめがねをかけたような顔の模様からその名前がついた。ただし、個体によって顔の模様には違いがあり、顔の半分にしか模様がなかったり、そもそも顔に模様がなかったりする個体もいる。そしてアジアにはマレーグマとナマケグマがいる。マレーグマは東南アジアの熱帯雨林に住んでいて、クマの中では最も小さく、果実や昆虫を食べて暮らしている。ナマケグマはインドやスリランカに生息している。主食はシロアリで、アリ塚を壊して舌を使いながらアリを吸い込む。どちらのクマも密猟などで数を減らしている。2011年、私はアメリカクロクマの調査を行うため、アメリカに3ヶ月留学することにした。なぜアメリカなのか。それは、同じ個体をずっと追跡する確実な方法が知りたいという必要に迫られての思いからだった。足尾の調査で見てきたように、当時の私はクマのGPS首輪を効率よく回収できないことが悩みだった。どうやれば同じ個体を長く確実に追跡できるのか。そう考えていたときに、「アメリカではアメリカクロクマが冬眠している穴に入り、冬眠中のクマを捕まえて首輪を付け替えている」という話を小耳にはさんだのである。冬眠の穴に入るなんて正気の沙汰とは思えない。そんなことをしたら返り討ちに遭って命の保証すらないではないか。山梨の冬眠穴で目の前に現れた、あのメスの黒い鼻の孔がどうしても脳裏に浮かんでしまい、思わず身震いしてしまう。しかし、アメリカのミネソタ州ではかなりの数を成功させているというのだ。当時、州の森林研究所に勤めていた研究者のデイヴ・ガーシェリスさんはいった。「30年間やってきて、穴の中で怪我をした人は1人しかいないね」。逆に考えるんだ。ツキノワグマにこのノウハウを応用できたら首輪の回収率だけでなく、いろいろな研究が飛躍的に進歩するぞ。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ではないけれど、「熊穴に入らずんば首輪を得ず」なのかもしれない! これは何としても現地に飛び、実際に捕獲を体験して技術を学ばなければ。そんな思いを募らせていたところ、留学のチャンスが巡ってきたというわけだ。しかし、調査を行うにあたってひとつ大きな問題があった。アメリカでは、クマを探すためにセスナに乗らなければいけないということだ。何度でも言う。私は高所恐怖症であり、小型飛行機は大の苦手だ。ただでさえ嫌でたまらないのに、デイヴさんはこんなことをいってくる。「大型哺乳類研究者の死因ナンバーワンは、小型機の事故なんだぜ!」。なんてこった……。クマよりも飛行機に殺される確率のほうが高いとは。しかしここでひるんでは、はるばるアメリカにまで来た意味がない。怖くて身震いは止まらないが、腹を括るしかない。ということで、私は4人乗りの小さな飛行機に乗り込んだ。調査で行ったアメリカのミネソタ州では、凍った湿原の中に、アメリカクロクマがポツーンと1頭で眠っているのが観察できる。なぜだか穴に入らずに寝ている奴もいる。それで、上空から黒いポツっとした点を発見したら、急降下してものすごい低空飛行をし、黒い点がクマかどうかを確認する。そして、「ああ、いたね~。よかったよかった」。と、また急上昇するのだ。アメリカ人のおおらかさの裏返しだろうか、それともパイロットが映画『トップガン』のトム・クルーズみたいな海軍の戦闘機乗りだったのだろうか。とにかく操縦が荒っぽいのだ。日本と違って山が少なく広大な平原だからこんな飛行ができるのだろう。しかし、この急降下と急上昇のときの胃のあたりがフワッとするあの感覚たるや。繰り返されると、オエップと吐き気がこみ上げてくる。これを毎日、1日6時間繰り返す。高所恐怖症なのに、小型機で起きている時間の1/3を過ごさなければいけないだなんて、苦行でしかない。では、肝心のクマ捕獲はどうだったのか。山がちな日本と違って八木アンテナを振っても電波がよく拾える。移動も一面の雪だが雪上車が使えるのであまり苦労しない。最初のころは、冬眠穴を見つけて捕獲作業が始まってもデイヴさんがやっている様子をただ見学しているだけだった。そしてあるとき、「お前もやってみろ」と麻酔銃を渡された。おそるおそる冬眠穴に入ってみて、アメリカクロクマの姿を確認する。すると、2つの目が闇の中でキュピーンと黒光りしているではないか。安眠を妨害されたのだから、当然クマはカンカンである。目線を外さずにじっとこちらを睨んでいるところを見ると、「やんのかゴラァ!」とでもいいたげである。漫画ならば頭からシューシューと湯気が立ち上らせて怒っているところだろう。しかし気のせいか、おびえているようにも見えた。おそるおそるだが捕獲には成功した。結局アメリカ滞在の3ヶ月の間にかれこれ30頭ほど捕獲できたのである。ときには麻酔銃ではなく、棒の先にくくり付けた注射器を直接ブスッと刺して麻酔したこともあった。メスの巣穴の中には子グマがいることもあった。あのコロコロした姿を見るたび、子グマと触れ合った秋田のクマ牧場での記憶と胸の高鳴りがよみがえってきた。子グマはかわいい。ツキノワグマだろうとアメリカクロクマだろうとめちゃくちゃかわいい。緊張感たっぷりの捕獲現場も一気に和む。「日本でもこんなふうに野生の子グマと触れ合いたい!」と思った。

(元NHK自然番組ディレクターが明かす「なぜ僕は会社をやめて『猟師』になる道を選んだのか」)
数多くのテレビコンテンツの中でも、自然や野生動物に焦点をあてたNHKのドキュメンタリー番組は、そのクオリティの高さに定評がある。長期間にわたりテレビカメラを回し続けて「決定的瞬間」を撮影し、知られざる大自然の真の姿を明らかにしたり、それらの映像を活用した教養番組が生まれたりすることもある。そうした自然番組を制作していたディレクターの一人が今夏退社し、北海道で「猟師」として生きる道を選んだという。いったい何が彼を突き動かしたのか──。足元に横たわる巨大な黒い塊を前に、呆然と立ち尽くす。これは本当に、僕が獲ったものなんだろうか──。現実感はない。喜びも湧いてこない。それでも、ついさっき、大声で吼えながら斜面を駆け降りていったヒグマはピクリとも動かない。息も完全に止まっている。間違いない。仕留めたんだ。そう思った瞬間、極度の緊張から解放され、思わずその場にへたり込んだ。切ない。涙が溢れそうになる。まずい。これはやってはならないことだ。心の中に蘇る、遠い日の記憶。低い声が言う。「泣くな。獲ったからには、それはもはや、皆に喜びをもたらすもの。行きすぎた悲しみは、自分の身を捧げてくれた獲物に対し、失礼だ」。その通り。僕は、ヒグマを獲りたくて獲ったんだ。しかも、生まれて初めて。泣くな。喜べ──。これが、僕が生まれて初めて、ヒグマを仕留めた時の思い出だ。公共放送のテレビ局で、自然番組のディレクターをしていた僕は、徐々に狩猟にのめり込み、職を辞して猟師になることにした。ここに、その顛末を記すことにしたい。異常発生したバッタの大群のような人混み。押しつぶされそうになりながら満員電車に体をこじ入れ、渋谷のオフィスに通う日々が続く。地下鉄がカーブを曲がる時の、金切り声に似た軋みが脳を絞り上げる。思わず耳を塞ぎたくなるが、身動きは一切できない。窓の外に見えるのは、数十センチ先を猛然と流れてゆく暗いトンネルの壁だけ。むせ返るような人熱に、額がじっとりと汗ばむ。僕のカバンの角が当たっているのか、密着している隣の乗客が不愉快そうに肩を揺すり、ギロリと一瞥をくれる。申し訳ない気持ちになりながらも、内心では、僕だけの落ち度ではないのにと思う。彼ら自身もこの状況を作り上げている一因子であるはずだ。同様に僕も、足を思い切り踏まれた日には、同じ目付きで他の乗客を睨みつけてしまっている。身も心も雁字搦めになっている自分の姿から目を逸らす。抗うのではなく、慣れなくてはいけないのだと、自らを諫める。ようやく駅に着いて地上に出ると、目の前には乱立したビルが徒党を組むように立ちはだかる。壁面には、尋常ではない数の巨大デジタルサイネージが寄生し、目に痛い光と僕には不要な情報のシャワーを浴びせてくる。背後の駅は続々と人間を吐き出す。その波に飲まれた僕は、息をつく暇もなくスクランブル交差点に放り出され、センター街に飲み込まれてゆく。カラスがつついたポリ袋から溢れた生ゴミに、羽目を外し過ぎた誰かの嘔吐物。全てを見なかったことにして、刺激臭が鼻をつく路地を足早に通り抜ける。職員証をタイムレコーダーにかざして出勤時間を打刻する頃には、既に気息奄々となっている──。僕は自然番組のディレクターとしてテレビ局で働いていた。入局から何年もかけて、遂に配属された憧れの部署。日常生活にストレスと違和感を抱えながらも、仕事へのやりがいが僕の心を支えていた。視聴者に見てほしいと思う生きものがいて、一筋縄ではいかないものの、企画さえ通せれば世界中どこにだって行けた。とは言え、野生生物の生態を撮影するのは本当に大変だった。行動が殆ど読めない上に、撮りたい瞬間にカメラが回っている必要がある。人間相手のインタビューならば、「すみません、もう一回説明してもらえませんか」などとお願いできるが、ライオンに「もう一度シマウマを襲ってください」と頼むことは不可能だ。更に、現地に行ってみたら、そもそも撮影対象の生きものが全く見当たらない、といった事態もザラだ。企画書通りに物事が進んだためしなど、一度たりともない。それでもディレクターには、視聴者にとって面白く、十分観るに値する番組を作る責務がある。成果のないままに一日が終わり、肩を落として宿に帰る。壁にかけたカレンダーの日付をバツ印で消し、少なくなる一方のロケの残り日数を数える。撮影期間が終わった後のスケジュールは、編集、ナレーション録り、テロップ入れ、オンエアと、既に細かく固められている。そして、放送に穴を開けることは許されない。自然番組のディレクターという職業については、羨ましがられることも多い。確かに、行きたい場所に行き、会いたい動物に会い、給料を貰ってはいる。傍から見ると、いかにも恵まれた仕事だろう。でも実際は、多大なプレッシャーと胃痛に悩まされ、このまま消えてしまいたいと思い悩む日々の連続だ。そうした中、たまにではあるものの、決定的なシーンが撮影できることもある。艱難辛苦を乗り越え、努力が実を結んだ瞬間。全ての苦労が報われ、喜びが爆発する。毎回、取り上げた生きものに入れ込み、愛着のある番組が完成する。しかし、放送が終わればそこで区切りが付く。そして、また一から新しいテーマを探し、企画を練る。僕は、自分の知識と経験を広く浅く、言わば水平に拡張させていった。刺激的ではあるものの、違和感を覚えることもあった。もっと何か、一つの物事を追求し、究めてゆくような人生を送りたい、と考えてしまうのだ。ある日、そんな僕に転機が訪れた。会社の上司から、北海道での勤務を打診されたのだ。元々、定期的に地方転勤がある職場で、かねがね北海道で働いてみたいとは思っていた。そして、北海道でなら、ずっとやってみたかった狩猟ができるかもしれない。僕は二つ返事でその申し出に飛びついたのだった。

(クマが“牛の餌”を横取りか:岩手)
警察によりますと、7月26日午前8時ごろ、岩手県葛巻町江刈の空き地でフィルムで巻かれてまとめられた牛の餌となるトウモロコシを動物がかんだような痕が見つかりました。持ち主からの通報で警察が調べたところ、近くにはクマの足跡のようなものがあり、25日午後10時ごろから26日朝にかけてクマがトウモロコシを食べようとしたとみられています。現場は近くに住宅が点在する山あいの空き地で、警察は付近に注意を呼び掛けています。

(クマ脱走、金属わなを破壊:兵庫)
26日午前5時半ごろ、兵庫県丹波市青垣町の民家裏手に仕掛けたシカ、イノシシ捕獲用の檻「箱わな」にかかったツキノワグマが、わなを破壊し逃げようとする現場を、家人の男性(65)が撮影した。台所から見える場所に仕掛けたわなでガチャガチャ物音がするのに気付き、近づくと、黒々としたクマ。写真を撮ろうと、スマートフォンを取りに自宅に戻り、わなまで10メートルほどの位置から撮影しようとしたその時、クマが立ち上がって暴れ、おりの天井部を破り、檻をよじ登り、逃げ出した。クマは男性に向かわず、山へ逃げ、男性は無事だった。「わなの中に居たので、大丈夫だろうと近づいた」男性は、半そで短パン姿。「わなを壊すとは夢にも思わなかった。怖さで足が動かず、写真も1枚しか撮れなかった」と、恐怖を語った。男性によると、クマは体長1メートルほどあり、成獣と見られる。箱わなには、イノシシ、シカを誘引するため、米ぬかを入れていた。直径4ミリの鉄の棒で格子状に溶接されている天井部を、頭が通る広さまで折り曲げ、逃げた。市は、近隣に防災行政無線でクマ出没を知らせ、警戒を呼び掛けている。同市でシカ、イノシシのわなにクマが誤ってかかるのは稀。

(墓荒らすイノシシ…夏の餌不足でミミズ探した?:岐阜)
岐阜県美濃市の墓地で今月、墓の土が掘り起こされ荒らされる被害があった。足跡などから、犯人はイノシシと判明。地元の猟友会が近くにおりを仕掛け、親2頭、子ども6頭の計8頭を一度に捕獲した。市や猟友会によると、イノシシが墓を荒らす被害は市内で初めて。ただ、掘り起こされたのは1区画のみで、関係者は「なぜこの場所だけ狙われたのか」と首をかしげている。被害にあったのは、同市乙女坂の市の火葬場に近い墓地の1区画。墓の所有者に代わって手入れする男性(78)によると、今月上旬に墓地を訪れた男性の親族から「(男性が手入れする)墓がひどいことになっている」と連絡があった。墓は墓石3体がなぎ倒され、土も至る所で深く掘り起こされていた。

(「鹿肉」を調理し味わい「いのちをいただく大切さ」を親子で学ぶ食育イベント:広島)
鹿肉ブランド「Premium DEER 安芸高田鹿」を手がける株式会社 iD(本社:東京都渋谷区、代表取締役:金沢 大基、以下「iD」)は、2022年度に引き続き、2023年度も小学生向けの食育イベント「こどもの森のレストラン」を、「Premium DEER 安芸高田鹿」のコミュニケーション拠点「DEER LABO 安芸高田」にて開催いたします。今年度の開催日は8月5日(土)、9月30日(土)、10月21日(土)を予定しています。 市域の約8割を森林が占め、多彩な動植物が生育する広島県安芸高田市は、鹿の狩猟が盛んなエリアです。「DEER LABO 安芸高田」は、安芸高田鹿を中心とする地域産品の魅力をシェフと発掘・発信する施設で、シェフズテーブルやウィークエンドカフェで安芸高田鹿を味わっていただく活動「Forest To Table」を行っています。「こどもの森のレストラン」は、「Forest To Table」の一環として、安芸高田鹿について学び、特別メニューを味わう食育イベントで、当日はこどもたちが調理と装飾を担当。レストランの運営スタッフとして食の現場を体験します。近年、鹿をはじめとした鳥獣被害が深刻化する中で、捕獲した野生動物を食肉にする取り組みも進んでいます。熟練のハンターのもと、加工と保存のプロセスにこだわった安芸高田の鹿肉は、安芸高田市に存在する豊かな食材の一つです。その魅力をこどもたちにも知ってもらいたいという思いから、本イベントを企画しました。安芸高田市に多数生息する鹿について深く知り、調理して食べる経験を通じ、「いのちをいただく大切さ」を親子で学べる食育の場にしたいと考えています。

(高校生考案のジビエ料理が市役所で提供中:高知)
高知市役所の中にあるレストラン「せんだんの木」の厨房で調理をするのは、高知商業高校の「ジビエ部」のメンバーです。2018年に発足した「ジビエ商品開発・販売促進部」通称「ジビエ部」。森林の保護活動を支援するため、シカやイノシシの肉を利用した商品開発などを行い、高知県の内外のイベントなどで販売しています。「せんだんの木」では2021年の夏から年に2回、ジビエ部とコラボしたフェアを開催していて今回で5回目。初日のきょう26日は午前8時半からレストランのスタッフと仕込み作業です。“花の高校生”たち、さぞ賑やかに準備…と、思いきや。レストランでは普段からジビエ部が考案したカレーやから揚げなど3種類のメニューを提供していますが、今回のフェア期間中2つのメニューが加わります。鹿肉が入ったオムライスのランチに、チーズがトッピングされた鹿肉のハンバーグランチ。それぞれ猪肉のコンソメスープがセットになっています。新メニューのチーズONハンバーグのお味は…。訪れたお客さんは思い思いにジビエ料理を楽しんでいました。高知商業高校ジビエ部 佐々木翼顧問「高知県の野生鳥獣被害をこのような形で社会に還元していく、循環型のサイクルも(生徒たちに)学んで欲しいし、お客さんからいただいた意見も参考に次の商品開発・地域活動の原動力にしてもらえたら」。ジビエ部による料理の提供は期間限定で、8月3日までの間の7日間です。1食につき100円が森林の保護活動団体に寄付されます。

(おいしい鹿肉料理を下諏訪の名物に:長野)
下諏訪町内で捕獲されたニホンジカの肉を町の名産にしようと、下諏訪商工会議所は26日に開いた鹿肉料理勉強会で、鹿肉料理の認定店制度を設ける方針を示した。地元飲食店が評価し合い、おいしい鹿肉料理を提供する認定店を決めるなどの素案を提示。

(エゾ鹿の「ジビエ料理」をクラシックコンテンポラリーなホテルで味わうランチ)
株式会社グローバルエージェンツ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山崎剛)は、全国に6ブランド11棟1,200室のブティックホテル、ライフスタイルホテルを展開するLIVELY HOTELSを運営しています。このたび、「UNWIND HOTEL&BAR 小樽(アンワインドホテルアンドバー小樽)」は、余市産のエゾ鹿を気軽に味わえる「ジビエランチ」の提供を開始いたしました。ホテルのテラスで楽しめる「ジビエバーガー」と、ホテルのレストランで楽しめる「ジビエランチコース」の2種類からお選びいただけます。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後4時50分ごろ、富谷市富谷坂松田付近にクマが出没しました。


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(クマに襲われ80代男性けが、「クマ出没注意情報」発令中:岐阜)
「クマ出没注意情報」が出される中、また、襲われました。消防などによりますと、25日午前9時半すぎ、岐阜県高山市朝日町西洞の山中で「父がクマにひっかかれた」などと119番通報がありました。地元の猟友会に所属する80代の男性が害獣駆除のワナを確認していたところ、クマに右腕をかまれるなどして、病院に搬送されましたが軽傷だということです。クマはその場から逃げました。今年度、岐阜県内では、今月3日、高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根地内で、今月9日、中津川市加子母中桑原地内で、いずれも70代の男性がツキノワグマに襲われ軽傷を負っていて、今回の被害が3件目となります。山に入るときは鈴やラジオを利用して自分の存在を示し、複数人での行動を心がけるなど注意が必要です。

(ヒグマ駆除、民間ハンターの負担深刻:北海道)
道内でヒグマの出没や人的被害が相次ぐ中、民間ハンターの負担が増加の一途をたどっている。連日のように地域の巡回やヒグマ駆除に駆り出されながら、自治体から支払われる手当が少額なため、出動に使う車の燃料代や銃弾代を自費でまかなうハンターも少なくない。出動回数の増加に伴い、ハンターがクマに襲われるリスクは高まっており、行政による民間頼みの駆除には限界ものぞく。...

(クマ捕獲経験乏しく、後志猟友会5支部アンケート:北海道)
北海道新聞社が北海道猟友会(札幌)の道内各支部を対象に行ったヒグマ捕獲に関するアンケートで、回答した後志管内の5支部のうち3支部で、猟銃によるクマ捕獲経験がある会員の割合が20%を下回った。会員全員が70代という支部もあり、5支部全てが「人材の育成が急務」と回答。担い手不足や経験の継承などの課題が浮かび上がった。...

(牛を次々と襲う怪物ヒグマ「OSO18」が捕まらない:北海道)
北海道東部で4年前から家畜の牛を次々に襲うヒグマがいる。「OSO(オソ)18」だ。山の餌が少ない夏に出没し、なかなか捕まらないことから「怪物」「忍者」の異名で呼ばれることも。捕獲が難航する一因には、猟師が高齢化して減っている事情もある。研究者からは、対策を担う新たな組織が必要との声も上がる。「何とか昨年のうちに捕獲してケリを付けたかったが、また被害が出てしまった…」。北海道標茶町農林課の二ツ森拓海主事は、悔しさをにじませる。町によると、6月24日朝、放牧中の乳牛1頭が牧草地のそばで死んでいるのを発見。近くにあった体毛のDNA型鑑定の結果、OSO18と特定された。翌25日には南に10キロ離れた町有林で、体毛を採取するトラップを仕掛けた木に背中をこすり付ける、OSO18の姿を自動撮影カメラが捉えた。鮮明なカラー画像の撮影成功は初めて。二ツ森さんは「今年こそ捕獲したい」と意気込む。酪農業に携わる50代男性は「ここ10年ほど、OSO18に限らずヒグマの目撃情報が増えた。最近は赤字経営の酪農家も少なくないなか、OSO18に牛を殺されるのは余計な被害で、つらい。一刻も早く捕獲してほしい」と願う。このヒグマは2019年7月から、放牧中の乳牛や肉牛を次々に襲ってきた。1件目が標茶町下オソツベツで確認され、足跡の幅が約18センチだったためOSO18と呼ばれる。同町と、隣の厚岸町で被害は計66頭に上るとされる。両町などはこれまで、出没しそうな場所に動物の動きを感知して音や光を出す装置を設けたり、牧場を電気柵で囲ったりしてきた。一方、捕獲のために設置した「箱わな」にはかからなかったため、より目立たない「くくりわな」を昨年から増やした。こうした対策を続けるのは、楽ではない。北海道釧路総合振興局環境生活課の笹山学課長は「電気柵は周りの草が伸びると漏電し、効果は薄れる。定期的な草刈りが必要で、メンテナンスの負担はある」と話す。OSO18は1日に10キロほど移動することもあり、出没しそうな地域全てで対策を取るのも難しい。家畜を襲う特徴は珍しいとされるものの、そもそもクマが自らすすんで人前に出ることは、ほとんどない。ただ、調査で分かってきたこともある。画像で推測される体長は、四つんばいで115センチ前後、立ち上がれば2メートルを超す。実際の足幅は16~17センチほどとみられ、「一般的なヒグマと比べて特別大きいわけではない」(笹山さん)。捕獲の期待が高まる一方で、携わる猟師は減っている。道猟友会によると、22年度の会員数は5361人で、ピークだった1978年度(1万9699人)の4分の1近くまで減少した。抜本的な対策が求められるなか、野生動物の研究者らでつくる「ヒグマの会」は今月13日、提言書を鈴木直道知事に出した。提言の柱は、道と市町村が連携して新たな実働組織を設置することだ。専門知識のある対策員と、捕獲の技術を持つ補助対策員を雇うことも求めている。同会理事で知床財団特別研究員の山中正実さんは「猟友会のハンターは趣味で活動する人で構成され、高齢化が進むなどして急減している。野生動物の問題解決を猟友会にお願いする時代は終わりつつある。新たな実働組織が求められる。複数の市町村が連携して資金を出し合い、第三セクターのような組織を設けるのも一案だ」と述べ、こう続ける。「クマに限らずシカ、イノシシ、サルなど野生動物の問題は全国で深刻化している。総合的に対応する態勢を、各地で再構築する必要がある」。

(イノシシなど被害3億円超:愛媛)
昨年度、愛媛県内で確認されたイノシシなどによる農作物の被害額は3億6000万円あまりと前の年度とほぼ横ばいでした。愛媛県によりますと、昨年度、県内で確認されたイノシシや猿、鳥などによる農作物の被害額は3億6791万円で、前の年度と比べて1248万円、率にしておよそ3%減少しました。中でも、イノシシによる被害が最も多く、2億824万円で、前年度より1278万円減りました。次いで、ヒヨドリによる被害が3967万円で前年度より76万円増えました。被害額を作物別で見ますとかんきつなど「果樹」が全体の75%を占め、次いで「稲・麦」が12%、「野菜」が6%などとなっています。このほか、植林した木の皮をニホンジカが角で剥ぐなどした昨年度の森林の被害額は9605万円でした。これは、世界的な木材価格の高騰を反映して前の年度より54%増え、過去最高になるということです。愛媛県は「今後も猟友会などと連携してイノシシが畑に入らないための対策や捕獲する人材の育成を支援したい」としています。

(「女性ハンター」増加:岡山)
狩猟をする女性が岡山県内で増えている。県内の狩猟者の大半が加入する県猟友会で女性会員は118人(2022年度末現在)。18年度の1・6倍になっている。

(イノシシ対策・緩衝地帯整備に補助金を交付します:広島)
野生のイノシシは非常に警戒心が強く,人間から自分の姿が見えてしまうことを嫌います。イノシシのひそみ場となっているような森林を整備し,緩衝地帯とすることでイノシシが地域へ侵入することを防ぎます。下記のとおり,緩衝地帯の整備にあたり,補助金申請を受け付けていますので,まずはご相談ください。

(教員がクマ撃退スプレー訓練:北海道)
ヒグマまで5メートル。「今だ! 撃退スプレーを噴射しろ」ヒグマが市街地に近づく北海道内では、そんな訓練が行われている。もちろん、スプレーを噴射するのは本物のヒグマではなく、ヒグマの写真が貼られた板だ。6月21日にヒグマ撃退スプレーの使い方を学ぶ訓練が行われたのは、網走市郊外にある白鳥台小。ヒグマの高密度生息地域で知られる知床半島から50キロほど離れた網走市でも出没が相次ぐ。訓練は、地元の道警網走署が企画した。講師は、知床で野生生物の保護・管理活動や環境教育などを行っている知床財団の職員2人が務めた。小学校から東へ約400メートルにラムサール条約登録湿地の濤沸(とうふつ)湖があり、周辺ではヒグマの目撃情報が多く寄せられる。

(ピザ与えたせいでクマが駆除?森の中で動画撮影の人気YouTuberに批判続出:北海道)
7月8日、北海道札幌市南区北ノ沢地区で5月上旬から出没していたとみられる4頭のクマのうち1頭が駆除された。「北海道ニュースUHB」によれば同日午前、箱わなに捕獲されたクマを市職員が確認し、その後クマは駆除されたという。駆除されたクマは母グマの可能性が高いとされており、残りの子グマ3頭の行方はわかっていないと報じられた。そんななか、北海道を拠点とするYouTuber・葉田ルコが5月上旬に投稿したYouTube動画が“危険行為”だとして物議を醸している。問題視されているのは、5月6日に投稿された「【絶体絶命】森の中でウーバー食べてたらまさかの緊急事態発生…」と題する動画と、翌7日に投稿された「【衝撃映像】撮影中にヒグマの親子が乱入し暴れていった一部始終をお見せします」と題する動画だ。「森の中でピザやポテトを食べている動画の撮影中に、親子と見られるヒグマが出没したのです。大人のクマが前足を使ってテーブルを揺らし、落ちたピザを食べる様子が収められていました。葉田ルコさんともう1人の男性は車の中に逃げたので、怪我などはなく無事だったようです。撮影場所はヒグマの出没が相次いでいた札幌市南区中ノ沢地区の山中で、近くには住宅もある場所でした」(全国紙記者)動画の内容から8日に駆除されたクマと、葉田ルコが遭遇したクマの出没場所が同じだったため、ネット上で注目を集める事態に。「同一の個体ではないか」「YouTuberのせいで駆除された」といった声が相次いでいるのだ。そこで本誌は24日、札幌市環境局に駆除されたクマとYouTuberが遭遇した関連性について担当者に話を聞いた(以下、カッコ内は担当者)。――7月8日に駆除したクマは、YouTuberの動画でピザを食べていたクマと同一の個体ですか?「確実に同一だと言い切ることはできませんが、5月上旬からその地区で目撃されていたのがその親子だったので、同じ個体だと考えるのが一般的だと考えます」――山の中でピザを食す行為はルール、マナーとして適切だと考えますか? YouTuberの行為について、ご見解を教えてください。「本人たちからはクマに餌付けをしようと思って動画撮影をしたわけではないと聞いております。最近は1人キャンプなどが流行っていることもあるので、YouTuberの行為を咎めるつもりはありません。ただ、もし、その場所にクマが出没していることを知った上で、その場所を狙って動画撮影したというのであれば、許されるべき行為ではないでしょう」――駆除されたクマが箱わなにかかったことと、YouTuberの行為との関連性についてどうのように考えていますか?「そもそもYouTuberがピザを食べたという理由だけで、クマを駆除したわけではありません。このクマは市街地に出てきていたクマなんですね。札幌市では『さっぽろヒグマ基本計画』に基づいて、クマは山の中で暮らし、人間とすみ分けをしていくという考えです。そのため、なるべくクマが市街地に出てこないような『ゾーニング』という方策を取っています。ですが、どうしても市街地に出てきて市民に危険が及ぶような場合は、捕獲を基本とした対応を取る状況になっています。今回の場合は、住宅の庭に出没し、人間と目があっても逃げていかなかったり、果樹などの農作物に被害を及ぼしたり、小学校の真横に出没したりといったことを繰り返していたのです。市としても草刈りなどでクマが出没しづらい状況を作ったり、離農された果樹園の木を土地の所有者の許可を得て伐採したり、様々な対策を講じてきました。このクマは人間側に寄ってくるような問題行動を起こしていたので、箱わなを仕掛けて捕獲した次第です」――YouTuberにはどのように指導しましたか?「クマが出るような場所での動画撮影の行為は危険だ、というお話をさせていただきました。YouTuberの方も今回の行為は反省されていました。また、北海道では条例で餌付け行為を禁止していますが、札幌市にはそういった条例はありません。北海道の条例に当てはまるようであれば何らかの処分は考えられますが、おそらく注意程度にとどまり、罰金を払うといったことはないかと思われます」。ネット上では「YouTuberが餌付けした」「YouTuberのせいでクマが駆除された」といった非難の声が上がっているが、それは違っていたようだ。札幌市の担当者によれば、「ネット上ではもう1つ誤解がある」という。母グマが駆除されたことで、“残された子グマが可哀想”という意見に対するものだ。「ネット上では、『この春に初めて穴から出てきた子グマが、お母さんを殺されて路頭に迷っている』と思われている方が多数いらっしゃるようです。しかし、子供のクマたちは生まれて一冬は経っているので、かなり大きなしっかりとした若グマなんです。映像で見ると母グマより小さく見えますが、近くで見るとツキノワグマより大きくて怖いと思います。決して小さな可愛らしい子グマではなく、一般的にはこの秋には親別れしてもおかしくありません。私たちとしましても、この3頭が人間の住む場所に出てこないで暮らしていってくれるのであれば、それでいいと考えています。山にまで追いかけていって駆除しようということは考えておりません」。YouTuberの行為は反省すべきだが、誤った情報を鵜呑みにしないように心がけよう。

(害獣から農作物を救う『空飛ぶ猟犬』、花火も装備:京都)
イノシシやシカなどの「害獣被害」に悩む京都府福知山市。無残に食い荒らされたスイカや稲を見て農家は憤りを隠せません。そんな中で空から畑や田んぼを守る救世主が現れました。その驚きの実力とは?今回の舞台は兵庫県との県境にある京都府福知山市。市内の8割ほどが森林というこの街で、長年農家を悩ませる問題があります。拝野正美さん(83)も今年7月に被害に遭ったひとりです。手塩にかけて育てたにもかかわらず皮の一部だけが無残に残されたスイカ。ビニールハウスの裏に回ると犯人の痕跡がありました。ビニールハウスに大きな穴が開いています。イノシシによる大きな穴は別の場所にも。近くにはイノシシの足跡や地面を掘ったと思われる痕跡が残されていました。ビニールハウスの周りは鉄製の柵で囲み、イノシシが入れないよう対策はしていたのですが、柵はぐにゃりと曲げられています。鉄製の柵がどれほど頑丈かというと…。驚異のパワーを持つイノシシ。農家の思いを踏みにじる不届き者は他にもいます。約1000平米の水田に植えられた稲。そのほとんどが柵を乗り越えてきたであろうシカの餌食になりました。もし稲が全滅した場合、被害額は20万円近くに上るといいます。農家が諦めてしまうほど長年悩まされ続けているイノシシやシカなどの害獣による被害。2022年度、福知山市内での農作物の被害額は1600万円にも上りました。市は害獣の侵入を防止する柵の整備に年間600万円を予算計上。ほかにも、大きな害獣を効率よく捕獲するためセンサーが付いた檻を試験導入したり、地元猟友会に依頼して猟犬を使って人里からの追い払いや駆除を行ったりしてきました。しかし、うまくいかないことも多く…。(福知山猟友会 下元照男会長)「(猟犬が)子どもやおばあちゃんをかんだり、飼っている猫をかんだり、というのは結構聞きますね。特に夏場というのは負担がかかって、猟犬が熱中症で死んだというのを何回も聞きますしね」。また、訓練した猟犬でも線路や高速道路に迷い込み事故に遭ってしまうこともありました。こうした状況に一石を投じようと、今回地元の猟友会が導入したマル秘アイテムがあります。それが猟に特化したその名も『ハンティングドローン』!値段は約165万円です。秘策ということですが一体どんなものなのか?早速飛ばしてもらうと、飛ぶ姿は一見普通のドローンと変わらないようですが…次の瞬間!(ドローン)「ワンワンワン!ワンワンワン!」犬の鳴き声が!リモコンの「犬」のボタンを押すとスピーカーから猟犬の鳴き声が流れるという仕組みで、これで害獣を人里から追いやろうというのです。(福知山猟友会 下元照男会長)「ドローンは電池さえ交換すればいくらでも飛べますし、非常に効率的に害獣駆除や狩猟ができるということですね」。地元のドローンメーカーとタッグを組み、3年かけて完成したというハンティングドローン。肝となる鳴き声には相当なこだわりも。(アエロジャパン 志村伊織社長)「実際に山に入って優秀な猟犬の鳴き声を録音してベストな猟犬の鳴き声を出しています」。地域で優秀とされる猟犬がワンワンと吠える音を高性能のマイクを使って収録しました。しかも鳴き声は猟犬だけではありません。(福知山猟友会 下元照男会長)「シカの警戒音ですね。人が近寄るとシカは警戒して鳴くので、そういったものも効果があります」。さらにこんな機能も。大きな音を出す花火を搭載することができ、それを飛行中に遠隔で着火させることもできるのです。(アエロジャパン 志村伊織社長)「絶対に結果を出せると思いますので、すごく期待しています」。地元の猟友会が大金をつぎ込んだハンティングドローン、果たして効果はどれほどあるのでしょうか。そして7月16日、いよいよハンティングドローンの実力が試される時がきました。現場には噂を聞きつけた淡路島や島根県の猟友会も視察に訪れる注目ぶり。(京都府猟友会 西村義一会長)「ドローンの場合は止まらずに一方通行で全部行きます。だから害獣との勝負はものすごく早いです。よろしく頼みます」。今回の実験では、ドローン3機で害獣を人里から追い払い、猟友会メンバーらが山の中に入り、本当に害獣が反応するのか、その動きを確認します。いよいよ、ハンティングドローンがテイクオフ!(ドローン)「ワンワンワン!」。草木が生い茂る山の上空からは動物の姿こそ見えませんが、猟犬の鳴き声を響かせながら周囲を回っていきます。さらに、これでもかと花火を発射!あたりに大きな音が響きます。山の中にいても…。開始から1時間、残念ながらカメラに動物の姿を収めることはできませんでした。ただ、地元猟友会の下元会長は逃げるシカを目撃していました。(福知山猟友会 下元照男会長)「一番高いところのほうを逃げました。上を通ったということは、さらに上の尾根のほうを抜けたと考えられます」。しかし別の日にははっきりと効果がありました。見事ハンティングドローンの音声で山からシカの群れが逃げる様子が捉えられていました。(福知山猟友会 下元照男会長)「全国的にも非常に猟師の高齢化が進んでいますので、効率的な駆除をしないといけませんので、ハンティングドローンの活用は期待できますね」。新たな対策として登場したハンティングドローン。これが害獣被害に悩む農家の救世主となっていくのでしょうか。

(シカ猟見学、恵みと問題考える:北海道)
NPO法人西興部村猟区管理協会主催の体験型食育講座「エゾシカエコツアー」が21~23日、村内で4年ぶりに開かれた。参加者は狩猟や解体の見学、料理の試食などを通じ、西興部の恵みを堪能しつつ、個体数の増加や食害などエゾシカが関わる問題について考えた。

(豊和工業、銃生産を増強:愛知)
工作機械や小銃などの製造を手がける豊和工業(本社清須市)は、銃の生産を増強する。総額約30億円を投じて自動化・省人化も進める。自衛隊向けの小銃と、海外市場の民間向けで猟に用いられるスポーツライフルを合わせた生産量を2025年3月期までに現状比2割引き上げる見通しだ。

(旭川の女性ハンターがヒグマ猟に挑む「クマ撃ちの女」作者・安島薮太さん:北海道)
あじま・やぶた 愛知県出身、東京都在住。大阪芸大映像学科を卒業後、映像制作会社を経て、24歳で漫画家を志す。単発の作品を経て19年から初の連載作品として「クマ撃ちの女」を新潮社の漫画サイト「くらげバンチ」で連載中。クマ撃ちの女 旭川市を舞台に、ヒグマを狙う31歳の若手女性ハンター・チアキの成長を描く。チアキは姉と2人で狩猟に出かけた際、山中でヒグマと遭遇し、間近で姉が襲われて大けがを負う。この事故をきっかけにヒグマを狙うようになる。ヒグマに親子が襲われた死亡事故や、人の生活圏とクマの生息域が近年、近接していることなどが取り上げられている。2019年から連載が始まり、コミックスは11巻まで発売されている。漫画「クマ撃ちの女」(新潮社の漫画サイトで連載中)は、ヒグマを狙う若い女性ハンターを描いた作品だ。道内のハンターや銃砲店に取材を重ねて描かれており、「狩猟の描写がリアル」などと話題を呼び、ハンターにもファンがいる。ヒグマの市街地への出没が相次ぎ、人とのあつれきが高まっている。クマとの向き合い方のヒントは―。作者の安島薮太さん(39)に聞いた。――「クマ撃ちの女」で、ヒグマを狙う女性ハンターをテーマにしたきっかけは。「担当編集者から『ハンターを題材にしてはどうか』と勧められたことがきっかけです。根室管内標津町のハンター久保俊治さんを追ったドキュメンタリー番組を見たことがあったのを思い出し、久保さんの著書『羆(クマ)撃ち』(小学館文庫)を読みました。ものすごい緊張感の中でヒグマと向かい合っていることが伝わってきました。時に命懸けです。女性ハンターの企画を出版社に提案したところ採用され、2019年から連載が始まりました。道内などで取材を重ね、話を描き進めています」。

(クマがスイカ持ち去ったか:山形)
24日午前、山形県尾花沢市でスイカがなくなる被害がありました。現場の状況などから、クマが持ち去ったとみられています。警察によりますと、午前8時半ごろ、尾花沢市名木沢のスイカ畑で、スイカがなくなっていることに所有者の男性が気付き、警察に通報しました。警察が猟友会と現場を調べたところ、畑のスイカのツルが踏み分けられていて、それが林の中までつながっていたということです。現場に食べ残しなどはないため、クマはツルを引きちぎり、それを引きずりながらスイカを持ち去ったとみられています。持ち去られたのはスイカ7個か8個、重さ7キロほどだということです。警察では現場にパトカーを出すなど、住民に注意を呼び掛けています。

(鹿肉本格提供へ、商議所プロジェクト:長野)
有害鳥獣捕獲したニホンジカの肉を活用したまちおこしに取り組む長野県下諏訪商工会議所は、下諏訪町内の飲食店や旅館での鹿肉料理の本格的な提供に向けて準備を進めている。今年2月から飲食業関係者を対象とした鹿肉料理勉強会を毎月開き、調理方法やメニューを共有した。今後、町内共通の認証制度をつくり、各店舗で鹿肉料理を味わえる環境を整え、地域ブランド化を目指す考えだ。町内で捕獲されたニホンジカの多くが埋設されている現状を知った同商議所が、「中期商工業振興ビジョン」の地域資源商品開発プロジェクトの一環として、昨年から鹿肉の活用を模索。その後、下諏訪猟友会のメンバーがジビエの加工・販売の資格を取り販売所を設立したことを受け、町内での流通にめどが立ったことから、次は鹿肉を取り扱う店舗を増やそうと勉強会(全6回)を企画した。勉強会では調理実習を行い、前半は既に鹿肉料理を提供する店主らが、「焼く」「揚げる」「煮る」の調理法ごとポイントを伝授。後半は各店が考案した「鹿肉ソーセージ」「鹿スパイスカレー」「鹿団子のつけそば」「鹿肉ラーメン」「鹿丼」などのメニューを紹介。鹿肉らしい風味を残しつつ余分な臭みを消す工夫など、調理時の注意点も共有した。同商議所では、町内共通の認証制度を設けて各店舗で鹿肉料理を味わえるようにするとともに、各種キャンペーンやイベントの実施、まち歩きの促進などを展開し、町全体を巻き込んでブランド化を進めていく方針。26日の最終回では、参加者が鹿肉の普及や認証制度の仕組みなどついて話し合う予定だ。小林秀年会頭は「下諏訪でこれから伸び代がある分野は『食』だと思う」とし、「ぜひ若い人の力を借りながら事業を成功させ、ジビエを下諏訪の売りにしていきたい」としている。

(「秋の狩猟肉ペアリングディナー」販売:山梨)
星のや富士は開業当初から、「狩猟肉ディナー」や「狩猟肉すき焼き」といった狩猟肉の楽しみ方を提案し続けてきました。この秋、星のや富士が提案するのは、狩猟肉と山梨ワインのペアリングです。山梨県は日本のワイン生産発祥の地であり、その歴史は長く明治初期頃から始まります。当時はフランスやイタリアのぶどう品種が多く栽培されていましたが、次第に山梨の気候や風土に合った日本固有品種の甲州やマスカットベーリーAを使用したワインが多くつくられるようになりました。本ディナーでは、勝沼醸造のヴィンテージ違いのワインを楽しみ、山梨ワインの奥深さに思いを馳せ、旨味がのった秋の狩猟肉とともに味わいます。そして、クラウドテラスの特別席から黄葉の景色を眺めながら、星のや富士だから楽しむことができる個性豊かなワインの味わいを楽しむ狩猟肉料理を提案します。

(シカ肉をソウルフードに:北海道)
野外でエゾシカの焼き肉を楽しむイベント「かみすながわ 鹿肉マルシェ」が29日、旧上砂川駅舎前の広場で初めて開かれる。上砂川町地域おこし協力隊員の勝長拓也さん(30)が、町内で頻繁に目撃されるシカに着目して発案。「町のソウルフードにしたい」と張り切っている。...

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、25日午後4時20分ごろ、栗原市築館太田新中太田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、24日午後8時ごろ、富谷市今泉後沢付近にクマが出没しました。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、24日午前8時20分ごろ、石巻市小船越山畑にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、24日午前6時30分ごろ、丸森町大内空久保上の国道にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、23日午後4時ごろ、栗原市瀬峰清水沢にクマが出没しました。

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(無許可狩猟疑いで男書類送検:千葉)
千葉県市原市で2月に狩猟が許されていない場所で猟銃を撃ち野鳥を捕獲したとして、千葉県警市原署は20日、鳥獣保護法違反(無許可捕獲)などの疑いで、佐倉市の男性会社員(52)を書類送検した。弾は高校生ら25人が乗るスクールバスにも当たったが、意図したものではなかったと判断した。書類送検容疑は2月4日午前7時45分ごろ、県が定める狩猟可能区域から外れた市原市荻作の田畑で、県公安委員会の許可を得て所有していた空気銃を使い、キジを撃った疑い。署によると、東海大市原望洋高の1、2年生24人と男性運転手が乗った走行中のスクールバスにも弾が当たり、乗降口ドアのガラスを貫通したとみられる1発が車内で見つかった。けが人はいなかった。署は任意聴取の結果などから、男性が狩猟可能区域に入っていると勘違いしてキジを狙い、流れ弾がバスに当たったと結論付けた。

(タワマン一室に男女遺体、猟銃自殺か:東京)
21日午前10時10分ごろ、東京都中央区湊の36階建てタワーマンションで、「別居している夫から自殺をほのめかすメッセージが来た」と110番があった。警視庁築地署員が駆け付けたところ、19階の一室で、男性(50)と女性(44)がそれぞれ胸から血を流し、寝室の布団の上で倒れており、その場で死亡が確認された。近くには猟銃が1丁置かれており、2人のうちのどちらかが発砲後、自殺を図った可能性があるとみられるという。 男性は栃木県公安委員会から猟銃所持の許可を受けていた。同署は2人の関係などを詳しく調べている。

(鳥獣捕獲増へ、会津若松市に射撃場:福島)
福島県会津若松市河東町の会津総合射撃場は19日、会津地方初となるライフル、スラッグ弾が使用できる射撃場として供用を開始した。狩猟免許所有者の技術向上や後継者育成の拠点となり、野生鳥獣の捕獲数の増加や被害軽減につなげる。イノシシやツキノワグマなどによる農作物や人的被害の拡大を受け、会津地方の17市町村でつくる会津地域鳥獣被害防止広域対策推進協議会が2020(令和2)年8月から整備を進めてきた。施設は今年3月に完成。会津若松市が管理・運営する。供用開始式典を現地で行った。県猟友会若松支部の会員が射撃のデモンストレーションを披露した。射撃場は磐梯国際クレー射撃場の南側に併設。敷地面積は約7千平方メートルで、100メートルの射座1座と100メートルと50メートル兼用の射座2座を備える。入場料70円。使用料は個人1射座1時間で千円、団体向けの貸し切り使用は3射座4時間1万2千円。会津地域17市町村に居住する個人、団体は使用料が半額になる。開場は4月1日から11月14日までの水、土、日曜で、時間は午前9時から午後5時まで。

(ランニング中にクマに襲われる:山形)
21日午前6時半ごろ、山形県小国町でランニング中の男性がクマに襲われました。男性はその場から逃げましたが、複数回腕をかまれているということです。警察によりますと、21日午前6時半ころ、山形県小国町小国小坂町の林道で、近くに住む30代の男性がランニングをしていたところ、突然、クマが林道右側から現れ襲われたということです。男性はクマに倒され、左腕を何度もかまれたということです。クマの口が腕から離れたタイミングで、男性はその場を逃げ出し、119番通報しました。クマはその場を立ち去ったとみられています。男性は骨折などはしていませんが、左腕の上腕から前腕まで広い範囲をかまれていたということです。男性がクマに襲われたのは小国町役場から北西におよそ1キロメートルの朴ノ木峠に抜ける林道で、当時男性はクマ鈴などは持っていなかったということです。県内でクマによる人的被害は今シーズン2件目です。町と警察で近隣住民などに注意を呼びかけています。

(東北6県すべてで注意報・警報)
東北各地でツキノワグマによる人身被害が急増している。市街地への出没も相次ぎ、4月7日に注意報を出した青森を皮切りに、東北6県全てでクマに関する注意報や警報が発令される事態になった。被害を防ぐために何ができるか。模索が続いている。5月下旬、岩手県北上市の和賀西小学校で、岩手大農学部の山内貴義准教授によるクマ対策講座が開かれた。「ツキノワグマは何を食べているでしょう? ①魚、②植物、③虫、④肉」山内さんが約30人の児童にクイズ形式で問いかけると、子どもたちは思い思いに考えを口にした。山内さんは「ツキノワグマの食べ物はほとんどが植物。だから人間と競って山菜を採る」と明かした。体育館には、クマの毛皮や爪などの標本が並べられた。山内さんに促されて、子どもたちは毛皮の上に寝転がったり、爪や手を触ったり。「毛が太くて硬い」などと歓声が沸いた。クマは耳と鼻がよく、賢く、足が速くて木登りが上手とも山内さんは説明。「本来とても臆病。人を襲うのは、急に人を見て驚いたり、子グマを守るためだったり。では、被害をどう防ぐか」と続けた。山に入るときは、鈴などで音を出し人間の存在を知らせ、クマが活動する早朝や夕方を避ける。ゴミや農作物を屋外に放置しない――。子どもたちは真剣に聞いていた。同市では5月、小学校付近にクマが出没して騒ぎになった。山内さんは「児童がクマの生態や被害を防ぐ方法を学び、それを家族に伝えることも授業の狙いだ」と話した。ボードゲームで楽しみながら学び、被害を未然に防ごうとする取り組みも。盛岡市動物公園は、クマと人との共生を目指すボードゲームを制作している。クマの生態や、森林と人間の暮らしの双方を豊かにする方法を学べるゲーム。ネット上で制作資金を募ったところ、全国から反響があり、目標額を超える約300万円が集まった。同園は「ゲームが活用され、生物多様性の保全や野生動物と人とのより良い関係に向けた教育や行動変容につながるよう引き続き取り組みたい」とコメントする。長年にわたる地道な対策で、クマによる被害を激減させた地域もある。盛岡市の郊外、山沿いにリンゴ園が広がる猪去地区。6月、岩手大ツキノワグマ研究会のメンバーや住民、市職員ら約70人が集まった。鎌を手にした学生たちと住民らは、集落沿いに設置された電気柵の周辺に茂る雑草を刈り取っていった。柵に草が触れて電圧が落ち、効果が薄れるのを防ぐためだ。地区では2006年、クマが多数出没。市全体で捕獲したクマ26頭のうち半数が猪去地区での捕獲だった。翌年から共同で対策を進めている。2時間ほどで、リンゴ園だけでなく、集落周辺にも生い茂っていた草がきれいに刈り取られた。見通しを良くし、身を隠せる場所が減れば、クマは寄りつかなくなる。学生たちにとっては研究の一環でもある。山林にセンサーカメラを取り付け、いつどこに出没したのかを調査し、情報を住民と共有している。猪去地区の出没件数は取り組み開始後から激減し、捕獲がゼロの年もある。自治会長の山口弘さんは「思わぬ場所から里に入ってくるクマをセンサーカメラで見つけて対策を練るなど、学生たちの活動に助けられている」と話す。ツキノワグマは、イランなど西アジアから、日本や韓国などの東アジアにかけて生息する。岩手県内の生息数は推定3700頭。東北地方の多くの地域では安定した生息数だが、各国では森林の減少など生息数が激減する。国際自然保護連合のレッドリストで、絶滅の危険が増大する種に指定されている。環境省鳥獣保護管理室の担当者は「クマが暮らせる森は、豊かな森である証しである。人とクマのすみ分けには、地道に対策を続けていくことが重要」と話す。

(イノシシによる農産物被害額、昨年度は3.4倍に急増:青森)
県内では一度は絶滅したとされるイノシシが数年前から増加していて、昨年度のイノシシによる農産物の被害額が前の年度より3.4倍に急増したことがわかりました。青森県ではイノシシは100年以上前に絶滅したとされていましたが、近年、目撃される数が増えていて岩手県や秋田県から北上しているとみられています。県が昨年度のイノシシによる農作物の被害を取りまとめたところ、速報値で、面積にして1.6ヘクタール、金額にして538万円となっていて、前年度と比べてそれぞれ3.6倍3.4倍と急増したことがわかりました。地域別では、新郷村や階上町、五戸町などの三八地域がほとんどを占めています。作物別ではナガイモなどの野菜が481万円と全体のおよそ9割を占めていて次いでコメが28万円、トウモロコシなどの飼料作物が16万円分被害にあっています。また、県によりますと、今年度も五戸町でツクネイモが掘り起こされ、食べられてしまう被害が確認されているということです。県の担当者は「県内でもイノシシが急速に増え農作物の被害はもとより豚の伝染病の豚熱の感染リスクも高まる。県としては市町村と連携しICT技術を活用するなどして被害を軽減したい」と話しています。

(ブナ、3年ぶりに最悪の「大凶作」見込み:山形)
東北森林管理局は、クマの食料となるブナの今年度の開花状況と結実予測について、山形県は2020年度以来、3年ぶりに「大凶作」になる見込みだと発表した。餌を探すクマの出没が人里で増える恐れがあり、注意が必要だとしている。5日付の発表によると、県内の国有林など21か所を調査したところ、15か所はブナの花がまったくついていない「非開花」で、予測の豊凶指数は0.7となった。指数が1を下回ると、4段階で最悪の「大凶作」の予想になる。山形県のほか、青森、岩手、宮城、秋田の各県でも大凶作となる見通し。同局技術普及課は「クマが人里近くで引き続き出没することが考えられる。警戒を怠らないことが重要」と呼びかけている。県は、市街地でのクマの目撃が多数に上っているとして、8月末まで「クマ出没警報」を発令している。

(ヒグマの出没や痕跡通報、道南で倍増:北海道)
道南でヒグマやヒグマのものとみられるふんや足跡などの目撃が相次いでいる。道警函館方面本部(函本)によると、今年に入って管内(渡島、檜山管内と後志管内の一部)の警察署に寄せられた通報件数は18日現在で261件と前年同期比2倍。5月以降は、民家付近の畑や住宅地に隣接した茂みなど人里近くでの出没も目立ち、人と遭遇する危険が高まっている。親離れしたばかりの若い雄が新たな生息域を探すために行動範囲を広げているとみられ、警察や自治体は警戒を強めている。

(迷惑動物「ヌートリア」生息域拡大中)
大型のネズミの仲間「ヌートリア」。戦時中、軍服用の毛皮を採取するため日本に持ち込まれ、養殖されてきましたが、その後野生化し、いまや農作物を食い荒らす迷惑動物に。かつては主に西日本で目撃されてきましたが、その生息エリアは東に広がり、近年は静岡県にまで拡大。春は出産の時期のため集団で農作物を荒らす被害が多発しています。

(推定10万匹!厄介者タイワンリス捕獲作戦)
神奈川県では、1950年代に鎌倉市で初めて野生化したタイワンリスが目撃されて以降、徐々に生息域を拡大。現在は静岡、岐阜、大阪など13都府県17カ所で確認されています。各自治体では住民に捕獲用の罠を貸し出し、駆除を行っていますが、追いついていないのが現状です。今後、タイワンリスが相模川を越え、広大な緑地に住みつくと、爆発的に増加し、そこから関東全域へ広がるおそれがあるといいます。

(ドローンが「防鳥テグス張り」に活躍)
日本の農業従事者は年々減少しており、しかも平均年齢が高齢化している。農林水産省の直近のデータで平均年齢は68歳を超えてきており、後継者がなかなか見つからないことが背景にある。サラリーマンなら、とっくに引退している年代が、農業では主力の戦力となる。そんな人手不足の深刻な農業現場に、作業省力化の救世主として期待されている新兵器がドローンだ。ドローンはすでに物資の運搬などで活躍しているが、農業現場でも種まきや農薬・肥料の散布などに使われ始めているという。さらに今回実証実験が行われたのが、田んぼでカラスなどの鳥害を防ぐ効果があるとされているテグス張り。釣り糸として使われるナイロンなど合成繊維のテグスを田んぼに低く等間隔で張り巡らせる作業での成果が確認された。このドローンを開発しているのがシーアイロボティクス(大分市)だ。シーアイロボティクスは今年6月に大分県臼杵(うすき)市の田んぼで、ドローンによる防鳥テグス張りの実証実験を実施した。田んぼの両端に高さ1メートル超の支柱を2メートル間隔で立て、そこにテグスを張る。同社担当者は「これまで人が田んぼに入ってテグスを張っていた」と話す。実証実験は20アール(2000平方メートル/テニスコート8面分)の田んぼで実施。ドローン操縦者のほか、田んぼの両端の支柱が立つところに、それぞれ人を配置し、計3人で総延長800メートルのテグスを6分間で張り終えた。支柱のところにいる人が、ドローンが運んできたテグスをキャッチして支柱に設置していく。「人力だけなら、人がテグスを持って田んぼに入り、30~40分くらいかかる」(同社担当者 以下同)。このドローンによるテグス張りでは、テグスがドローンのプロペラに巻き込まれないように、まずドローンからチェーンを吊り下げ、そのチェーンの下にテグスを取り付ける仕組みになっている。同社担当者は「いまは検証用のもので、商品用に精査していき、早ければ来年くらいにできれば」と話し、需要調査も進めて’24年の販売を目指しているという。この実証実験に使ったドローンは1機で250万円くらいになるという。田んぼに種を直播する水稲直播栽培では、出芽や苗立ち期にカラスやハト、スズメなどの鳥害があるとされる。鳥は飛び立つときに羽をテグスで傷めるのを嫌がるようだ。テグスを張ることで、防鳥の効果が期待されている。シーアイロボティクスは水稲用に、種の直播、殺虫・殺菌剤、肥料を散布するドローンを開発しており、一部で使用され始めているという。「理想はすべてドローンでできるようにすることですが、まだオール・イン・ワンではできていません」。たとえば、種の直播は、人であれば一列にまけるが、ドローンでまくと、まばらで、むらが起こり、均一に種をまけないという。ドローンが田んぼで、種まきから農薬や肥料の散布、テグス張りまで助けてくれると、人手不足の農業現場は大いに助かる。防鳥のテグス張りは、田んぼだけでなく、果樹園などにも展開できると、シーアイロボティクスでは期待している。同社はドローンの本体だけでなく、テグス張りなどの装置も自社で開発している。「装置をしっかりと開発できる業者は限られている」と同社担当者は話す。シーアイロボティクスはドローンを農業分野だけでなく、林業分野にも展開していきたいという。農業と同じように人手不足が深刻な林業現場では、樹木の種類や生育具合などを把握する山林調査が欠かせない。これまでは人が山の中に分け入り、主に目視で調査、確認してきた。一部では航空機からの空撮の写真も山林調査に活用されてきた。今後はドローンを使った空撮などが進めば、人が分け入るのが難しかった山でも山林調査が手軽にできるようになり、飛躍的に進展する可能性がある。人手不足の分野で、ドローンの活躍が救世主になるのか、期待は高まる。

(通報が面倒?北部でクマの目撃情報激減:京都)
「クマを見かけたら必ず電話を」。京都府北部でクマの出没が相次ぐ中、府中丹広域振興局は慣れてしまった住民が行政に通報しないケースが起きているとみて、呼びかけを強めている。クマ対策には出没地点などの情報が必要なためだが、毎回電話するのは手間がかかるとして、住民は手軽に報告できる仕組みを求めている。舞鶴市高野地区で6日、同振興局が市や舞鶴署と合同でクマの被害を防ぐための講習会を開いた。日中には過去に出没した地点や柿の木にトタンを巻く対策をしている場所を巡り、夜には城南会館(同市女布)で被害状況の解説や意見交換を行った。振興局の担当者はクマが近寄らないような対策に集落全体で取り組むことが重要と指摘した上で「対策のためにもクマを見つけたら市に通報してほしい」と強調した。振興局が改めて通報の重要性を訴える背景には、管内(福知山、舞鶴、綾部の3市)での出没(目撃)件数の減少がある。2019年度は698件だったが、20年度以降は減少が続き22年度には354件になった。捕獲数など他の指標からクマの生息数が減っているわけではないとみられ、振興局はクマが頻繁に出る地域で住民が行政機関へ通報を控えるようになったことが原因の一つとみる。通報の電話をすると、目撃した時刻や場所、クマの頭数や大きさのほか、どんな行動をしていたかなど多岐にわたる聞き取りがある。また、すぐに何か対策がされるわけではなく、高野区長会の岩見昌則会長(67)も「あまりにもよく見るので市に報告していないこともある」と率直に話す。6日の講習会でも参加者から「気軽に報告できるシステムを作ってほしい」などの声が上がっていた。同振興局農商工連携・推進課は通報方法について、質問項目が多いため、メールなどでは難しいとの立場だ。林泰弘課長は「面倒かもしれないが、目撃情報は捕獲などの判断の重要な材料となる。3分程度で終わるので住民の皆さんには報告をお願いしたい」と話している。

(「エサください」野生のシカ100頭が現る!:愛知)
「毎日シカの大群がやってくる」との視聴者からの情報をたよりにやってきたのは、愛知県北東部に位置する豊根村。村の9割が森林に覆われており、人口わずか980人という愛知最小の村です。自然豊かな豊根村では、茶臼山高原が見せる四季折々の美しい姿が見どころ。中でも5~6月に見られる美しい芝桜や6~7月に見られるホタル、さらに星がまたたく美しい夜空を楽しみ、多くの観光客が訪れています。そんな豊根村にある「休暇村茶臼山高原」に現れるのが、野生のシカの大群。支配人である岸田雅彦さんによると、1000人にも満たない小さな豊根村にもかかわらず、多いときには100頭以上も野生のシカが現れるんだそうです。シカの大群が現れるのは、休暇村の宿泊施設のすぐ裏にある丘や広大な牧場。エサとなる牧草を求め、夜になると周辺の山々からたくさんのシカがやってきます。シカの大群を観光資源にしようと、岸田さんが企画したのが「ナイトサファリ」。休暇村周辺にやってくるシカを観察する会を毎日開催しています。無料で参加できることもあり、夏休みの時期には子どもたちを中心に、大勢が参加する人気のイベントになっています。相手は野生のシカのため必ず見られるとは限らないものの、多いときには100頭以上ものシカが現れることもあるという休暇村茶臼山高原。今回は特別の許可を得て機材を設置して、車内から観察してみることに。日没を過ぎた頃、周辺の山から続々とシカが登場! その後も夜通し観察を続けると、実際に100頭以上ものシカが牧場に姿を現しました。群れで道路を横断し、山と牧場を行き来するシカたち。こうしたシカの群れによる農作物への被害を伝えるのも「ナイトサファリ」の活動の一環となっています。自然豊かな山間の村には、誇張なしに100頭以上ものシカが悠々と闊歩する姿を見ることができました。

(クマ対策で草刈り:北海道)
札幌市内でクマの目撃が相次いでいることから、南区真駒内では高校生がクマの通り道となる河川敷の草刈りを実施しました。札幌市南区真駒内地区の河川敷で草刈りをしたのは地元の高校生です。クマは草むらなどで身を隠しながら移動する習性があるため、草刈りをして見通しをよくすることでクマを寄せ付けない効果があるといいます。(企画した卒業生)「さっきはこんな草が伸びていたので見通しがよくなってよかったです」。草刈りは近くの札幌藻岩高校の卒業生が企画したもので、参加者は楽しみながらクマ対策に取り組んでいました。

(特急列車、クマと衝突し緊急停止:北海道)
JR北海道によりますと7月23日午前、札幌発釧路行きの特急おおぞら3号がトマムと新得の間でクマと衝突し緊急停止しました。新得駅で点検した結果、車両に特に異常はなかったということで「おおぞら3号」は20分ほどの遅れで運行しているということです。また、その後の列車に影響はなく、遅れなども出ていないということです。

(養鶏場の金網が破られ卵被害:秋田)
21日、秋田市の養鶏場の敷地で、10個ほどの卵の殻が落ちているのが見つかり、警察はクマによる被害とみて注意を呼びかけています。警察によりますと、21日午後5時半ごろ、秋田市河辺大張野の養鶏場の従業員から「鶏舎の中にクマがいた」と警察に通報がありました。警察や地元猟友会のメンバーが現場に駆けつけて確認したところ、クマの姿はありませんでしたが、養鶏場の外に卵の殻が10個ほど落ちていたということです。また、鶏への被害はなかったということです。これまでの調べによりますと養鶏場の金網は破られていて、現場の状況などから警察はクマによる被害とみて、周辺の住民に注意を呼びかけました。現場は奥羽本線の大張野駅から北西におよそ1キロ離れた地域で、近くには畑が広がっているということです。

(クマ侵入、窓から逃走?:石川)
十九日午前八時半ごろ、石川県加賀市永井町の観光施設「月うさぎの里」に成獣とみられるクマ一頭が侵入したと、従業員から県警大聖寺署に通報があった。開店前で客はおらず、従業員は避難して、けが人はいなかった。署や猟友会などがクマを捜索したが、発見できず、約九時間後の同日午後五時四十五分に捜索を終了した。施設は二階建てで、一階にレストランや厨房(ちゅうぼう)、売店があり、二階にもレストランの客席がある。市によると、ドローンを使うなどして建物内外を捜索したが、見つからなかった。階段踊り場の窓が開いており、屋外へ逃げたとみている。市は防災無線などで付近住民に注意を呼びかけた。二十日以降は朝夕にパトロールし、施設周辺に捕獲おりを設置する。市内では今年四月から計三十七件のクマの目撃情報があり、例年より二十件程度多い。施設は北陸道加賀インターチェンジの西一・一キロ。捜索活動の影響で、国道305号の一部区間が約八時間半にわたって通行止めとなった。同市では二〇二〇年十月にもJR加賀温泉駅前の商業施設にクマが侵入し、十三時間後に駆除された。「キャー、クマ!」。月うさぎの里の宮谷正志社長(54)によると、女性従業員が厨房(ちゅうぼう)裏口付近で黒い影を目撃。宮谷社長も成獣のクマが店内にいるのを確認し、十四人の従業員全員を事務所に避難させた。鍋の火を消しに厨房に一人で戻ると、階段の踊り場で壁を爪でガリガリと削るクマの姿が。体長は自身と同じ一六〇~一七〇センチ。「じかに見ると、本当に怖かった」。そっと事務所に戻り、警察に通報した。クマの捜索は九時間近くにわたった。屋内の安全が確認された後に戻ると、テーブルが倒れ、いすには引っかき傷があった。踊り場のロールカーテンは引きずり降ろされ、ふんが散らばっていた。窓が五十センチほど開いており、約一メートル離れた一階屋上に飛び移って逃げたと判断された。この日のキャンセルは二百人に上ったが「とにかくけが人がいなくてよかった」。二十日から通常通り営業を再開するとし「お客さまと従業員の安全を第一にしっかりと態勢を整えたい」と話した。

(ナシ畑にイノシシ、周辺では1か月以上にわたり目撃情報:新潟)
新潟市秋葉区で20日、信濃川沿いの河川敷でイノシシ1頭が目撃されました。このエリアでは6月上旬からイノシシの目撃情報が相次いでいて、警察や秋葉区役所が注意を呼び掛けています。イノシシが目撃されたのは新潟市秋葉区覚路津で、住民から「20日午後3時頃、ナシ畑でイノシシ1頭を目撃した」と警察に通報がありました。警察によりますとイノシシは体長1mほどで、住民がナシ畑に作業に訪れたところ、イノシシがいたということで「イノシシがいて作業ができない」などと話していたということです。新潟市秋葉区では信濃川の河川敷を中心に6月上旬からイノシシの目撃情報が相次いでいて、北は新潟市江南区に近いエリアから、南は小須戸地域の河川敷まで、広範囲にわたります。警察と秋葉区役所によりますと、被害の情報は入っていないということですが、パトロールするなどして注意を呼び掛けています。

(クマの足跡や体毛、農機具保管用の小屋の窓ガラス割られる被害:岩手)
20日朝早く、岩手県大槌町の住宅の敷地内の小屋の窓ガラスが割られているのが見つかりました。クマによる被害と見られていて、警察と市が周辺の住民に注意を呼び掛けています。被害があったのは、岩手県大槌町赤浜町の50代の男性会社員の住宅敷地内にある農機具保管用の小屋です。警察によりますと、20日午前5時ごろ、小屋の窓ガラス1枚が割られているのを男性の母親が見つけて警察に通報しました。小屋の付近ではクマの足跡や糞、体毛が見つかっています。また、この小屋では数日前から保管していた米糠が食い荒らされる被害も出ていました。警察と市はクマによる被害とみて周囲の住民に注意を呼び掛けています。また、地元の猟友会が捕獲用の罠を設置することにしています。

(公園に野生のエゾシカ出没:北海道)
7月20日朝、札幌市中央区中島公園にシカが現れ、札幌市や警察が見守りを続けています。20日午前6時15分ごろ、札幌市中央区の中島公園にシカ1頭がいるのを近くの住民が見つけ、警察に通報しました。シカはメスで、体長は1.5メートルほど。公園内の茂みにしばらくとどまっていましたが、その後西へ移動し、警察や札幌市の担当者が追跡し、見守りを続けています。これまでにケガ人や事故の報告はないということです。札幌市は、シカを見つけ次第、麻酔銃などで捕獲することも検討しています。

(団地近くの山林にクマ:岩手)
20日午後5時すぎ、岩手県釜石市甲子町の大畑団地南側の山林でクマ1頭が目撃されました。市が防災無線を使って、付近の住民に注意を呼びかけています。

(宿泊施設から約10メートルの場所でクマを目撃:新潟)
23日午前7時30分ごろ、湯沢町三俣の地域住民から「体長約1メートルのクマ1頭がいるのを目撃した。クマは北西方向に立ち去った」と警察に通報がありました。現場は民家や宿泊施設などの多い地域で、クマが目撃されたのは宿泊施設から10メートルほどしか離れていない場所でした。警察は湯沢町と連携し、注意・警戒を呼びかけています。

(広がる「ジビエ」の世界)
「ジビエ」と呼ばれる野生のシカやイノシシなどの肉を食べたことはありますか? そのような肉は、スーパーや精肉店では扱われていないこともあり、未知の食べ物でしたが、今ではネット通販で手軽に手に入り、家庭でも気軽に食べられるようになりました。このような「ジビエ」の普及に伴い、食品衛生上の安全確保のための仕組みも整備されてきています。

(高知商業ジビエ部、レストラン開店へ練習:高知)
高知商業高校ジビエ部が手掛けるジビエ料理が7月26日から高知市のレストランに登場する。生徒たちが今、準備にいそしんでいる。21日、高知市役所にあるレストラン「せんだんの木」を訪れたのは、高知商業高校ジビエ部のメンバー5人だ。高知商業高校ジビエ部は、シカやイノシシの肉を利用した商品の開発や販売を行い、森林の保護活動を支援するなど食育の活動を行っていて、その取り組みの一つが「せんだんの木」で行うジビエレストランだ。21日は、ジビエレストラン未経験の1年生3人とサポートで2年生2人が訪れ、提供するオムライスやハンバーグの下準備を行った。普段あまり料理をしないという1年生たち。苦労しながらも2年生やシェフの力を借り着々と準備を進めていた。ジビエレストランは7月26日から7日間、高知市役所2階のレストラン「せんだんの木」で行われ、1食につき100円が森林の保護活動団体に寄付される。

(無になって害獣をハント:広島)
古門正文(ふるもん・まさふみ)さん。猟師と食肉加工場の製造管理者、二つの顔を持つ。安芸高田市に生息するニホンジカの活用策などに奔走する。農業公社に勤務していた30代のころ、周囲に勧められ「趣味半分で始めた」というが、猟師歴約40年の大ベテラン。地元の害獣駆除班の班長として長年率い、仲間と共に後進も育成する。ニホンジカを仕留める好機である早朝と夕方、猟銃を車に積み、獲物がわなにかかっていないか確認に向かうのが日々の習慣だ。日本三景・宮島(廿日市市)では「島の顔」として愛されるシカも、場所が違えば農地を荒らす厄介者へと変わる。安芸高田では朝夕の寒暖差をいかし、おいしい米ができるが、田植え前の稲の苗場や田植え直後のまだ柔らかい稲の芽をシカが食べてしまう。県のまとめでは、2020年度のシカによる県内の農業被害額は約5000万円。ここ数年、県内で捕獲されたシカの約3割が安芸高田で捕獲されている。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、21日午後3時40分ごろ、登米市迫町新田日向にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後6時45分ごろ、仙台市泉区明通2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前9時30分ごろ、仙台市青葉区作並小坂東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後6時45分ごろ、仙台市青葉区芋沢川坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午後1時20分ごろ、栗原市金成津久毛平形烏子沢にクマが出没しました。

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(クマに襲われた男性がケガ:新潟)
17日朝、湯沢町のスキー場近くで散歩をしていた70代の男性がクマに襲われ腕に軽いケガをしました。クマによるケガ人が出たのは県内ではことし初めてです。警察によりますと、17日午前7時15分ごろ、湯沢町三国のスキー場のゲレンデ近くで70代の男性がヤブの中から飛び出してきたクマに襲われました。男性は左腕をひっかかれましたが軽傷とみられ命に別条はありません。クマは体長1メートルほど、男性は近くの施設に宿泊していて知人と2人で散歩中でした。知人が大声を出したところ、クマは山方向へ逃げて行ったということです。クマによるケガ人が出たのは県内ではことし初めてです。県が「クマ出没警戒注意報」を発表し、注意を呼び掛けています。

(これがヒグマ「オソ18」だ、カラー写真公開:北海道)
釧路管内標茶、厚岸町で放牧中の牛を次々と襲っているヒグマ・通称「オソ18」について、標茶町は18日、町内の町有林で撮影したカラー写真を公開した。同町が林内にカメラを取り付け、体毛を採取するヘアトラップを近くに設置し、体毛のDNA型がオソのものと一致した。昨年7月にもオソとみられるクマは白黒写真で撮影されていたが、DNA型鑑定で確認できたのは今回が初めて。

(長野立てこもり事件の余波、猟銃所有に必要な精神状態の診断拒否の医師も:北海道)
長野で起きた、4人が死亡した立てこもり事件はまだ記憶に新しいところですが、凶器として使われたのが猟銃でした。そもそも猟銃は、私たちの身近でどんな使われ方をしているのか、現場を取材しました。先週、札幌市南区の山の入り口。オレンジ色のベストを着た男性と作業着姿の男性が、準備に追われています。これから、地質調査に向かうといいます。ベストを着た2人は、北海道猟友会札幌支部のハンター。なぜ、同行するのでしょうか。建設コンサルタント会社「私が下を調査しに行っているときに、斜面の上から降りてきたんですよね。クマさん。私もびっくりして、あ、クマだって」。今年、札幌市では、住宅街近くでも、目撃が相次ぐクマ。まして、山の中となると、危険度が高まるため、ハンターの護衛が必要なのです。北海道猟友会札幌支部のハンター「安全にお仕事をして、安全に帰ってくることが、うちらの仕事だと思っていますね」「それだけ危ない業務だというのは心得ていますので、それを踏まえて(依頼を)受けていますので、そこはもう、覚悟はできています」。高速道路、送電線、携帯電話の基地局など、山の中には、私たちの生活に欠かせないインフラが数多くあり、建設やメンテナンスには、ハンターの護衛が欠かせません。今年5月、長野県中野市で、4人が殺害された「立てこもり事件」です。うち2人は、警察官。通報で駆け付けた直後、猟銃で撃たれたのです。谷公一国家公安委員長「現時点では、銃の所持許可の手続きに問題があったとの報告は受けていない」。逮捕された無職の男は、県の公安委員会の許可を受けて、猟銃など4丁を所持。犯行は、このうちの1丁、つまり合法的に許可された銃が使われました。そして、この事件が、道内のハンターの活動にも影響を与えていました。北海道猟友会札幌支部のハンターら、15人が集まりました。見学者と一緒に、有害鳥獣の駆除に向かいます。こちらのサクランボ農家は、カラスの食害に悩まされていました。サクランボ農家「ハンターさんが来たら嫌がる人もいるっていうけど、私はすごく助かってます。上手なもんですもんね。カラスを撃たせたら。うちは助かっている」。散弾銃で、果樹園の上空に飛んでくるカラスを追い払います。猟友会ハンター「飛んできた、飛んできた。お、来たな」(散弾銃を撃つ)。農業被害を防ぐためには、こうした人たちの力が欠かせません。その一方で、銃を使った事件が繰り返されている現実もあります。2007年、長崎県佐世保市のスポーツクラブで、2人が死亡する銃乱射事件が発生。再発防止策として銃刀法が改正され、所持の許可の申請や更新の際、医師による診断書の添付が義務付けられました。しかし、去年1月、埼玉県ふじみ野市で、医師が散弾銃で殺害された事件では、被告の男の診断書は歯止めにならず、再発防止策が必ずしも功を奏しているとはいえませんでした。猟友会札幌支部の奥田邦博支部長は、そんな中で起きた長野の事件の影響を心配します。北海道猟友会札幌支部 奥田邦博支部長「ハンターを目指す子が出てきたときに、これから技能教習(射撃試験)だねといったときに、警察はその人の精神状態が正常か否かを医師の診断書で判断して、その段階で(精神科に)行ったら断られたんですけど、という問い合わせを僕が受けた。新規は受け付けていません、と断られたそうです」。事件後、札幌市で、新たに銃を所持しようとする人が、医師に診断を断られる例があったというのです。奥田支部長は、万一の場合、医師が責任が取れないと考えたためではないかと話します。北海道猟友会札幌支部 奥田邦博支部長「農家さんであったり、仲間であったり、密にコミュニケーションをとっていれば、長野(の事件)みたいなことは起きないはず、猟友会を鉄砲を持って危ない集団とみている人も、そういう活動を見てもらって、弾入れなければ危なくないので、みんなちゃんとルールを守って社会貢献をして、困っている農家さんに寄り添ってやっているのをわかってもらいたい」。猟銃の規制と活用のバランスをどう取るか。今回の事件で、重い課題が浮き彫りになっています。警察庁などによりますと、2021年現在、全国で猟銃や空気銃を持つ人は、およそ8万8千人。一方、猟銃の数は、およそ15万4千丁にのぼります。最近は、ジビエ料理ブームや狩猟をテーマにした人気漫画の影響もあって、趣味で狩猟をする若者が増えているといいます。今後は、許可された銃でも犯罪に使われるおそれがあることを前提に、猟銃の保管場所や人の横のつながりを深めるなど、犯罪をゼロに近づけていく努力が必要です。

(テーマパークにクマ侵入:石川)
19日午前8時35分頃、石川県加賀市永井町のテーマパーク「月うさぎの里」から「施設の建物にクマが侵入した」と県警大聖寺署に通報があった。同署によると、従業員は全員避難し、けが人はいなかった。署員や猟友会のメンバーらが捜索したが、クマは見つからなかった。屋外に逃げたとみられるという。月うさぎの里は、ウサギと触れ合うことができる観光施設。この影響で、近くを走る国道305号が一時、通行止めになった。

(水路にはまった“ウリ坊”手を出せないはずの野生動物を行政が「助ける」判断:福岡)
福岡市西区の登山道にある深さ3メートルの水路に18日、7匹のイノシシの赤ちゃん“ウリ坊”が転落して出られなくなった。この場所は2022年にも8匹のウリ坊がはまった場所だ。野生動物は鳥獣保護管理法によって自治体であっても簡単に手出しができない存在。また、害獣でもあるイノシシを助けるべきか、そのままにすべきか。福岡市は水路を管轄する福岡県と「協議」。苦渋の救出劇が展開された。コンクリートの水路を行ったり来たりする“ウリ坊”たち。兄弟だろうか、7匹がそろって行動し右往左往している。力を振り絞って斜面を駆け上がろうとするものの、水路の壁は3メートルほどある。とても自力では出られない。そう、ウリ坊たちは不幸にも水路にはまって、閉じ込められてしまったのだ。エサもなく、ここにいては命の危機に瀕してしまう。とはいえ、鳥獣保護管理法によって、野生動物は自治体であっても簡単に手を触れてはならない存在だ。登山道のある福岡市にとってもまさに「どうすることもできない」状況だった。同じ水路では2022年にも“ウリ坊”が転落。この時は8匹が落ちたものの、数日の内にいなくなった。見かねた市民が助け出したとみられている。相次ぐ「転落」。今年はその日のうちに事態が大きく動いた。午後2時に福岡市の職員が現地につき、ウリ坊は午後6時すぎに“救出”され、山に放たれた。市職員が猟友会とともに水路に入り、ウリ坊を捕獲。かごに入れて運び、山の中へ離したのだ。この間“4時間”。福岡市は水路を管轄する福岡県と協議を進行。助けるか放置するか、ウリ坊の命は協議に委ねられた。両者はまず、先出の「鳥獣保護管理法」との兼ね合いを検討した。野生動物は保護したり、許可なく捕獲や狩猟したりしてはならないことになっている。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が待っている。その上で、転落した水路は「人工物」であることや、去年8匹が落ちた際に市民から「助けて欲しい」という複数の意見が寄せられたことを判断の基盤にした。しかし、愛くるしいウリ坊とはいえ、イノシシは農作物を荒らし、市街地に迷い込めば人を襲うこともある害獣だ。行政は、水路から救出しようがしまいが市民から賛否の声が上がることを踏まえた上で、ギリギリの判断を迫られた。そして導かれた結論は「助ける」ことだった。手を出せないはずの野生動物を助け出すことに問題はなかったのだろうか。弁護士の徳原聖雨氏は次のように話す。弁護士法人・響 徳原聖雨弁護士「落ちた場所が自然の公園の中ではなく人工物だということがポイント。人工物になると行政としては管理する責任が問われる。例えばウリ坊がそこにいることによって何か支障が生じる、安全管理の責任が問われかねないので、行政としてはできることをやった。鳥獣保護管理法の規定からすると、やっとのことで自治体として苦渋の策として助けることができたという判断だと思います」。転落したウリ坊は、行政が安全管理の面から助け出したものの、もし自分が同じような境遇の野生動物を見かけたらどうすればいいのだろうか。徳原弁護士によると、野生動物を手に持つと鳥獣保護管理法が禁止する「捕獲」にあたるおそれがある。徳原弁護士は「自分で何かしようとしない、菌やウイルスを持っている可能性もあるので行政に連絡することが最善策」と指摘する。怪我をした動物はやや事情が異なる。治療して野生に帰すことを前提に動物園や動物病院が保護してくれることもある。福岡市動植物園によると、保護できるのは人や人工物が関係するビルにぶつかった鳥や草刈り機で傷つけたタヌキなどが対象だ。巣から落ちたひな鳥などは保護できないことになっている。福岡県はけがをしている野生動物を見つけたら、ケガや衰弱の具合をみてむやみに手を触れずそっとしておくように案内している。その上で、治療した方が良いと感じたら、保健福祉環境事務所に連絡するのが最善策のようだ。福岡県は、今後イノシシが水路に落ちない柵を設置することなどを検討し始めた。2024年はウリ坊が“はまらない”水路に生まれ変わっているかもしれない。

(エゾシカと列車の事故20年で4倍:北海道)
列車がエゾシカをはねたり、ひいたりする事故が後を絶たない。事故件数は20年前の4倍に増えているが、エゾシカ生息数が増加する中、対応に限界があるのが実情だ。道東では急ブレーキによる車輪損傷を防ぐため、徐行運転を余儀なくされるなど、列車の運行に大きな影響を及ぼしている。除雪された線路上は、シカにとって「居心地のいい場所」になっているとの指摘もあり、有効な対策が見当たらないJR北海道や自治体は頭を悩ませている。

(会津総合射撃場の指定管理者の募集について:福島)
会津若松市では、会津総合射撃場の管理運営をより効果的かつ効率的に行うため、令和6年4月1日から指定管理者として施設の管理運営を行う法人等を募集します。

(ムクドリ飛来、追い払い対策が本格化:福島)
福島市では、毎年夏の時期に中心市街地に飛来するムクドリによる騒音やふんによる被害を抑えようと、今月から市の職員による追い払いなどの対策が本格化しています。福島市ではJR福島駅を中心に毎年6月ごろからムクドリの群れが飛来し、騒音やふんによる被害が問題となっていて、ことしも連日、大群が押し寄せています。飛来は先月中旬ごろからと、例年より2週間ほど遅いものの、徐々に数が増えているため福島市の職員らの対策が今月から本格化していて、18日は午後6時過ぎから職員6人が拍子木を打ち鳴らして驚かし、追い払うなどの対応に追われていました。職員らは飛び回るムクドリに向けて盛んに拍子木を打って、駅西口から200メートルほど離れた周囲に民家の少ない街路樹に誘導していました。飛来するムクドリは、1日1万羽を超えたこともあったとみられますが、3年前に大規模な追い払いを行ったほか、ねぐらとなる街路樹を伐採するなどしたため数が減り、現在確認されているのは5000羽ほどだということです。市では追い払いの頻度を今月から週2回ほどに増やして、9月下旬まで続ける見込みだということです。福島市環境課の二瓶芳信係長は「ムクドリも生き物で完全に追い払うことはなかなか難しい。基本は対症療法で、根本的な解決策を見つけるのは難しいが、今後も飛来の状況を見ながら適宜、対応していきたい」と話していました。

(中央アルプスのササユリ、ニホンジカ食害対策に成果:長野)
中央アルプスの経ケ岳(2296メートル)で高山植物の保護活動をしている上伊那郡南箕輪村の「経ケ岳友の会」の会員4人が18日、ニホンジカによるササユリの食害対策の成果を確認しようと山頂近くまで登った。鹿の侵入を防ぐ柵で囲ったり、忌避剤をつり下げたりした箇所では着実に成果が見られ、ピンク色の花をしっかりと咲かせていた。村内外の有志ら30人ほどでつくる同会は2021年に食害を見つけ、鹿がにおいを嫌がるヒトデを使った忌避剤を設置。今年6月に山頂の手前の10メートル四方を高さ2メートルのネットで囲った。柵の内外を見回ったところ、外側は約3割がつぼみを食べられていたが、内側は全て守られ、所々で花が開いていた。伊藤洋一副会長(70)=伊那市西箕輪=は、繁殖力旺盛なササを刈った効果でササユリが年々増えていると説明。「花が増えると、食べる鹿も増える。成果を踏まえ、しっかりとした来年の計画を立てたい」と気を引き締めた。

(子グマ3頭が路上で生ごみをあさる姿目撃、駆除されたクマの子どもか:北海道)
札幌市南区で18日、子グマ3頭が生ごみをあさっているのが目撃されました。駆除されたメスのクマが連れていた子グマとみられています。18日午前9時前、札幌市南区北ノ沢付近で通りかかった人が道路にいた子グマ3頭を目撃し、110番通報しました。警察によりますと、3頭とも体長は50センチほどで、路上に落ちていたスイカやパイナップルなどの生ごみをあさっていたということです。ごみは人が食べた後に捨てたものとみられます。子グマたちはその後、小林峠の頂上の方向へ向かっていきました。北ノ沢地区では8日にメスのクマが駆除されていて、札幌市は、3頭はこのクマが連れていた子グマとみて捕獲を検討しています。

(シカが列車に衝突:岩手)
JR東日本によりますと、山田線は岩手県宮古市の川内駅と松草駅の間で18日午前7時50分ごろ列車が鹿と衝突し、川内駅と上米内駅の間の上下線で運転を見合わせています。午前8時半現在、運転の再開の見通しはたっていないということです。

(畑でスイカの食害、クマによる被害か:山形)
17日朝、米沢市の畑でスイカおよそ20個が食べられているのが見つかり、警察はクマによる被害とみて注意を呼びかけています。警察によりますと、17日午前6時半ごろ、米沢市万世町桑山の畑で複数のスイカに食べられた跡があるのを、60代の農家の男性が畑を訪れたときに発見し、警察に通報しました。警察が調べたところ、この畑の近くにある別の2つの畑でもスイカに食べられた跡があることが分かり、合わせておよそ20個の被害が確認されました。畑には、クマのものとみられる足跡があったことなどから、警察はクマによる被害とみて近くに住んでいる人に注意を呼びかけました。現場は、東北中央自動車道の米沢八幡原インターチェンジから北東におよそ500メートルの畑が広がる場所で、近くには住宅も点在しています。

(クマ目撃相次ぐ、住民に注意呼びかけ:石川)
19日朝、加賀市でクマとみられる動物の目撃が相次ぎ、警察や猟友会が周辺を捜索するとともに、付近の住民に注意を呼びかけています。19日朝7時から8時半ごろにかけ、加賀市の森町と永井町で、クマとみられる動物の目撃が相次ぎました。警察や猟友会が周辺を捜索していますが、これまでにクマは見つかっていないということです。この影響で、国道305号線は、加賀市の三木交差点から永井町交差点の間の約2キロが、通行止めとなっています。近くにある会社の従業員は「これから出勤してくる従業員もいるので、注意するよう呼びかけました。クマが入ってこれないよう自動ドアを停止しています」と話していました。

(相次ぐイノシシ被害:鹿児島)
えさを探している様子のイノシシ、撮影された場所は、鹿児島市の吉野町なんです。住宅地の近くに現れるこのイノシシ、被害が相次いでいます。鹿児島市の県道鹿児島吉田線では、のり面から落石が発生し今年4月から交通規制が続いています。のり面の補強工事は吉野・吉田地区から市街地方向にかけてで、遅くとも今年12月上旬までには完了する見通しです。工事の原因となった落石は、イノシシがえさを求めて穴を掘ったために発生したとみられています。こちらは先月、吉野地区の住民が撮影した映像です。イノシシが周囲を警戒する様子もなくえさを探しているようです。柵を設置することで被害はなくなりましたが、吉野地区ではこうしたイノシシによる被害が相次いで確認されています。県はイノシシと遭遇した場合は、静かに離れ物を投げるなどの、興奮させる行動は控えるよう注意を呼びかけています。

(ジビエ写真投稿して、15店でフェア:鳥取)
栄養たっぷりのジビエを食べて暑い夏を乗り切ってほしいと「ほうきのジビエフェア2023」(ほうきのジビエ推進協議会主催)が、鳥取県中西部などの15の飲食店や店舗で始まっている。フェア参加店舗でジビエを食べたり、購入した肉でジビエ料理を作ったりした写真を交流サイト(SNS)に投稿するキャンペーンで、ジビエの需要や消費拡大を目指す。8月31日まで。県中西部と松江市内の9店舗では「いのししラーメン」「鹿肉のアーリオオーリオ」などを提供。中西部の6店舗では鹿肉やイノシシ肉が買える。インスタグラム、ツイッター、フェイスブックのいずれかでハッシュタグ「#ほうきのジビキャン」と「#利用した店舗名」を付けて写真を投稿すると、ジビエ料理がより楽しめるアウトドア用品などが50人に当たる。三朝町三朝のブランナールみささでは「猪(いのしし)肉ジビエやみつき味噌(みそ)炒め」(みそ汁、漬物、ご飯付き)が地元の人を中心に食べられている。秦徹好総料理長(59)は「仕上げにバターをのせ、食べやすくて癖のないジビエ。ぜひ食べてほしい」と話している。

(ジビエ業界の最前線を学ぼう!:兵庫)
株式会社一成は、農林水産省補助事業によるジビエに関するセミナーを全国5か所で開催します。いずれのセミナーも、受講料は無料です。一成の主催による開催が13年目となる今年、開催地ごとに異なるプログラムをご用意しました。野生鳥獣の適切な捕獲から利活用の手法まで、幅広い分野のフルラインナップのカリキュラムとなっております。どなたでも参加できますので、この機会に是非ご参加ください。全国において野生動物(主にイノシシ・シカ)による農林業等への被害が深刻であり、今後も被害対策としての捕獲が必要とされています。一方で捕獲後の処理については、ジビエ(食肉やペットフード)としての利用率が増加傾向にあるものの、埋設や焼却等による処理がまだまだ多い状況となっています。本セミナーでは、被害対策の一環で捕獲された野生鳥獣の利活用(食肉、ペットフード、皮革等)に関する知識、衛生的な解体処理技術、食肉ビジネスに取組む上での運営等に関する必要な考え方、捕獲から販売流通までの計画立案等に必要な知識に関する、幅広い分野のカリキュラムをご用意しています。これからジビエに関する事業を始められる方や、すでに取り組まれている方、興味関心がある方など、どなたでも参加可能ですので、この機会に是非ご参加ください。(一部、参加対象者を限定しているカリキュラムがあります)

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前10時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元木戸保にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午後0時10分ごろ、栗原市築館照越八反田にクマが出没しました。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、19日午前7時30分ごろ、石巻市三輪田尾崎前にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、18日午後1時30分ごろ、栗原市高清水影の沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後7時ごろ、仙台市青葉区芋沢横向山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後5時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢小坂南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、15日午後2時45分ごろ、丸森町薄平の山林にクマが出没しました。

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(遊歩道で男性がクマに襲われる:岩手)
7月17日午後1時前、岩手県宮古市の浄土ヶ浜にある舘ヶ崎展望台へ続く遊歩道を1人で散策していた、埼玉県さいたま市の無職・斉須豊さん(65)が成獣とみられるクマ1頭に襲われました。斉須さんは左腕と背中を引っかかれたほか、右腕をかまれるけがをして病院に運ばれましたが、命に別条はありませんでした。警察によりますと、クマは海側の山林へ逃げたということで、遊歩道は17日午後6時現在、暫定的に立ち入り禁止の措置がとられているほか、警察が見回りをして警戒を強めています。

(クマがポニーを襲ったか、内臓えぐられ首にはかまれた痕:北海道)
16日、北海道大樹町で、草地で放し飼いされていたポニーの死骸が見つかりました。警察は現場の状況から、クマに襲われたとみて、付近を警戒しています。16日午前7時ごろ、大樹町晩成の草地で、ポニー1頭が死んでいるのが見つかりました。警察によりますと、ポニーは体長およそ2メートルで、内臓がえぐられ、首にはかまれた痕があったということです。現場は地元の男性が以前、牧場として使っていた草地で、11頭のポニーを放し飼いにしていましたが、残りの10頭に被害はないということです。警察は、死骸の状況から、クマに襲われたとみて、付近の警戒を続けています。

(中学校グラウンドのイノシシの頭、実は猟友会が駆除したもの:兵庫)
神戸市灘区の中学校のグラウンドで12日に見つかったイノシシの頭部は、地元の猟友会が駆除し、地中に埋めたもので、動物が掘り起こして運んできた可能性が高いことが、兵庫県警灘署への取材でわかった。同署によると、猟友会が11日、学校近くの山でイノシシ4頭を駆除し、頭部を切断して地中に埋めたという。猟友会から説明を受けた同署が13日、埋めた場所を調べたところ、頭部が二つなくなっていた。グラウンドで見つかった頭部と地中に残っていた胴体の切断面が一致したという。学校付近の防犯カメラにも不審な人物は映っておらず、同署は動物が頭部を運んだとみている。

(「殺したのはノネコ」惨殺動画公開した24歳大学院生:広島)
ノネコだと思った-。今年3月、猫を殺したとして動物愛護法違反容疑で広島県警に逮捕された大学院生の男は、調べにこう供述した。猫を惨殺した上に解体して肉を食べる様子を動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に公開した猟奇的な動物虐待事件。男は野生化したノネコであれば「法的に許される」という趣旨の周到な言い逃れまで用意していた。無残に殺されたかわいそうな猫は駆除の対象ともなるノネコなのか、それとも愛護すべき野良猫なのか。広島県呉市の山中でくくり罠にかかった猫の頭をバールで殴って足で踏みつけ、猫の腹に容赦なく刃物を突き立てる。あろうことか残虐なシーンを別角度から捉えた映像まで用意。男は死骸をさばいて調理し自ら口にするまでの一部始終を公開していた。動画は33分37秒。男が2月11日、投稿サイトの自身のアカウントに動画を投稿すると、約1カ月で35万回以上再生された。現在は非公開となっている。この動画について警察への情報提供があり、広島県警広署は3月22日、同市の大学院生の男=逮捕当時(24)=を動物愛護法違反容疑で逮捕した。男は署の調べに「猫を殺したことは間違いない」と事実関係を認める一方、「愛護動物ではないノネコだと思った」と容疑を一部否認した。その後、広島地検は男を処分保留で釈放。現在、任意で捜査が続いている。この事件を受け埼玉県と東京都の団体が4月、男への厳罰を求めて同署に告発状を提出した。告発人の1人で一般社団法人「ねこかつ」(埼玉県)の梅田達也代表理事(50)は「動画の一部を閲覧したが、被害にあった猫が人に慣れているのは一目瞭然。犯人は法律を分かったうえで(供述は)嘘をついている。放置できない」と憤る。

(「マダニ感染症」過去最悪ペース)
感染症法で「4類」に分類され、医師に診断の報告が義務付けられるマダニ媒介感染症6種の患者数が今年、過去最悪のペースで増えていることが分かった。国立感染症研究所が都道府県の患者数を1週単位で記録する「感染症発生動向調査」を基に集計したところ、26週目に当たる7月2日時点で243人に達した。患者数増加の背景には、地球温暖化でマダニを運ぶ鹿やイノシシの分布拡大が指摘されており、野生動物が活発化するこれからの季節は一層の警戒が必要だ。集計によると、年間の患者数が最悪だった2021年26週より4人多い。感染症ごとの患者数の傾向はほぼ同じ。日本紅斑熱が144人、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)83人と双方で全体の9割を占める一方、ライム病6人、回帰熱10人となっている。都道府県別の患者数は、日本紅斑熱の最多が広島の30人で、三重17人、熊本10人、和歌山9人と続く。SFTSは山口・宮崎が各10人、長崎9人、高知・大分各7人などいずれも西日本に集中。一方、ライム病と回帰熱は北海道が最も多く、それぞれ3人、10人と全国の大半を占める。感染研が6種の記録を始めた13年以降、患者数は増加傾向にある。過去最多の21年は633人、22年617人で、10年で倍増。日本紅斑熱とSFTSの患者の増加は顕著で、患者数全体を押し上げている。ライム病と回帰熱は年間10~20人台で推移。ダニ媒介脳炎は18年以降、野兎(やと)病は15年以降、患者は確認されていない。一方、近年はマダニ媒介の新しい感染症も出現。20年に見つかった「エゾウイルス」は北海道で7人が感染し、22年は「オズウイルス」に感染した茨城の70代女性が死亡した。患者が確認されていないマダニ感染症が10種以上ある。患者数増加について、環境省鳥獣保護管理室は「マダニを運ぶ鹿やイノシシの生息域が、地球温暖化に伴う積雪の減少で広がっているためではないか」と指摘。その上で「耕作放棄地の増加で人間の生活域にも近づいている」として感染対策の徹底を求める。

(シカ逃走、植樹の桜の半数食害か:愛媛)
ニホンジカの雌20頭が鹿園から集団逃走している愛媛県松山市の鹿島公園で、地元のまちづくり団体が植樹した桜50本のうち約半数の木の幹の皮がはがされたり、枝が折られたりするなどの被害が出ていることが16日までに分かった。専門家はシカによる食害の可能性が高いと指摘している。市や関係者によると、桜は北条地域の住民らでつくる旧風早活性化協議会(現在は別組織に再編)が2018~21年度に植樹した。被害が判明したのは7月上旬。かしまーる(市北条鹿島博物展示館)前の2本は地面から数十センチの高さまで皮がはがされ、レストハウスやキャンプ場付近の木も枝が折れ、葉が食べられた形跡があった。

(クマ目撃や被害相次ぐ、出没想定し対応訓練:福島)
クマの目撃や人身被害が相次いでいることを受け、県と福島市は13日、同市のあづま総合運動公園でツキノワグマ出没対応訓練を実施した。クマが出没した際の対応や関係者の連携強化が目的で、今回は住民向けの説明会も初めて開催した。訓練は「あづま総合運動公園内で体長約1メートルのクマ1頭が目撃された」との想定で行われた。来園者から連絡を受けた公園管理者が福島署に通報し、署員がパトロールを実施。現地で対策本部を設置した。クマに扮(ふん)した関係者が公園内を歩き、木の上に逃げた状態をクマの模型で再現。爆竹で追い払おうとするもうまくいかず、獣医師が立ち会う中、市鳥獣被害対策実施隊が麻酔銃で眠らせ、捕獲した。訓練前の住民説明会には、クマの出没が多い同市荒井地区や庭坂地区などの住民ら約40人が参加。野生生物に詳しい福島大食農学類の望月翔太准教授がクマの生態や食性、被害の対策について講演した。望月准教授はクマの生態について「餌のある場所を学習する」と指摘し、果樹園や畑には四段の電気柵を設置し「不要な果樹の伐採や生ごみの管理も重要だ」と訴えた。またクマが活発に活動する朝や夕方は山に近寄らず、クマ鈴を持ち歩くことも遭遇を防ぐには有効とした。庭坂地区でプルーンを栽培する島崎邦昭さん(80)は説明会に参加し「初めて専門的な話を聞くことができた。収穫したものを放置しないなど、できる対策をしていきたい」と話した。県警や県のまとめによると今年の県内のクマの目撃件数は今月12日時点で268件と、前年同期比で45件増加している。目撃件数は2006年の統計開始後、最多だった20年と同水準で推移しているという。福島大食農学類の望月翔太准教授によると、クマの目撃が増えている要因として、21年と昨年はブナなどの餌が豊作で、小グマの出産も盛んだったと推察。一方、今年は不作になるとみられ、餌を求めて人里まで下りてくる可能性が高いという。今年は目撃に加えて人身被害も多い。今月12日時点で7件と、すでに昨年の総数と同じ件数になった。また11日に北塩原村で発生した人身被害を受け、県は県内全域を対象に今月末までとしていた「ツキノワグマ出没特別注意報」の発令期間を8月31日まで延長している。

(ツキノワグマ”大量出没の可能性は低い”が十分注意:石川)
石川県は、ツキノワグマについて、エサとなる木の実が豊作か並作と予測されていることから、この秋は大量出没の可能性は低いと予測しています。一方で、市街地周辺に住みついているクマも増えているとみられ、県は十分注意するように呼びかけています。石川県は、14日、ツキノワグマに関する連絡会議を開き、自治体の担当者や警察、それに猟友会のメンバーなどが参加しました。会議では、県の担当者がツキノワグマのエサとなる木の実のなり具合について調べた結果を示し、ミズナラは「豊作」、ブナとコナラは「並作」が見込まれると説明しました。この結果から県は、ことし秋のツキノワグマについて、大量出没の可能性は低いと予測しています。一方、県によりますと、最近では目撃情報がなかった地域で出没するようになったほか、市街地周辺の「里山」に住みついているクマも増えているとみられます。こうしたことから県は、クマを捕獲するためのおりを増やすことや、生ゴミやペットフードなどクマを引き寄せるものを屋外に放置しないことなどを呼びかけています。県自然環境課の野上達也課長補佐は「これからのお盆の時期、クマのエサになるお供え物は持ち帰るようにするなど、被害を防ぐため十分対策してほしい」と話していました。

(改造拳銃など33丁所持疑い:福岡)
摸造拳銃3丁と殺傷能力がある改造拳銃30丁を自宅で所持したとして、警視庁と福岡県警は、銃刀法違反(複数所持など)の疑いで、福岡市中央区薬院、会社員、三角信夫容疑者(55)を逮捕した。容疑を認めている。警視庁薬物銃器対策課によると、市販のモデルガンを元に改造拳銃を自作し、摸造拳銃と一緒に鑑賞用に所持したとみられる。摸造拳銃は購入したものとみており、入手経路を詳しく調べる。逮捕容疑は6月2日、自宅で改造拳銃30丁と、摸造拳銃3丁を所持したとしている。警視庁と福岡県警が自宅を家宅捜索し、銃や改造に使ったとみられるのこぎりなどの工具を見つけた。実弾は見つからなかった。

(クマよけグッズ需要高まる)
15日から3連休、お出かけする人も多いと思いますが、気を付けたいのが最近あちこちで出没しているクマです。お出かけ前、今からでもできる最新のクマ対策です。全道各地で出没が相次いでいるクマ。道路や住宅街など、人里に出没するクマが増えています。北海道警察によりますと、クマに関する通報は今年すでに1500件以上と過去最多となっています。札幌市中央区の円山動物園。近くには公園や登山道もある緑豊かな人気スポットですが、至る所にクマへの注意を呼び掛ける看板が設置されています。クマには近寄らないことが一番ですが、それでも遭遇してしまったら、どう行動すればいいのでしょうか?大声を出したり、走ったり、攻撃するのは、クマを刺激するので絶対にNG。正しくは、クマから目を離さず、ゆっくり後ずさりして距離をとること。逃げ切れず襲われたときは、うつ伏せになって後頭部と首を守ります。さらに、万が一クマに遭遇した時の備え、対策グッズも今、進化していました。ジョイフルエーケー屯田店・中野拓也さん:「獣よけという森林香がありまして、においと煙がすごいというところでより人間の存在を知らせる」。札幌市北区にあるこちらのホームセンター。相次ぐクマの出没で対策グッズへの需要が高まり、去年より売り場を広げています。一見、見慣れた渦巻き型の線香。原料に唐辛子などの動物が嫌がる成分を練り込んでいて、においや煙で動物を近づけさせないアイテムです。万が一、クマに出合ってしまったとき頼りになるのが「撃退スプレー」。ジョイフルエーケー屯田店・中野拓也さん:「この時期もキャンプやレジャー、山菜採りなど、万が一何かあったときのための対処手段というところで求められるお客様が増えてきました」。定番の鈴は、音が高いものや低いものを複数持つことで、よりクマよけ効果が得られるといいます。出没が相次いでいるクマ。3連休は、しっかりと対策を取ってお出かけください。

(マダニは「飛べる」と判明、翅はなく跳べもしないのに)
誰も聞きたくないニュースだろうが、マダニは短い距離ながら重力に逆らって空中を移動できることがわかった。6月30日付けで学術誌「Current Biology」に発表された論文によると、ひそかに静電気の後押しを得て、宿主にたどり着くマダニもいるようだ。マダニはクモガタ類の寄生生物で、動物の血を吸わなければ生きていけない。「宿主を見つけることは、彼らの一生で最も重要な瞬間です」と語るのはドイツ、ベルリンにある自然史博物館の博士研究員であり、生物学者のサム・イングランド氏だ。

(なぜ最近“クマ出没”多い?生態に詳しい担当者に“正しい対処法”を聞いた)
近頃、クマが市街地に出没し住民が襲われるといったニュースが度々見られます。今回は北海道のヒグマ対策室の担当者にクマの詳しい生態や、対処法について話を聞きました。最近では各地の市街地でクマが度々目撃されるほか、住民が自宅の庭でクマに襲われるなどクマに関するニュースが相次いで報じられています。また北海道では2021年6月に市民4名がオスのヒグマに襲われ重軽傷を負う事件が発生し、1人は肋骨が6本折れるなどの重症を負ったケースも起きています。北海道ではこうした深刻なケースのほか、野生のヒグマの出没が相次いでいることから、有識者による「道ヒグマ保護管理検討会」が開かれるなど対策が講じられています。また北海道庁の環境生活部自然環境局野生動物対策課にはヒグマ対策室という部署が存在し、北海道でのヒグマの調査、出没対策を担っています。では、そもそも今年2023年はなぜクマ出没が多いのでしょうか。また、ヒグマ対策室ではどういった対策を行っているのでしょうか。ヒグマ対策室の担当者は以下のように話します。「北海道各地で人を恐れないヒグマが目撃され、ニュースになっています。これは、ヒグマの生息数が増加傾向にあり、生息域が人里周辺まで拡大していることや、狩猟者の減少で人への警戒心が薄れているなど、ヒグマの生態や行動が変化していることが原因と考えられます。人身被害の多くは偶発的な遭遇が要因で発生しているため、ヒグマについての正しい知識を身につけてもらうため、HPやSNSなど様々な機会を通じて、ヒグマの生態を理解し、被害を防ぐための適切な行動について、普及啓発に努めています」。今回はヒグマの正しい生態などに詳しいヒグマ対策室の担当者に、クマの生態やクマに遭遇した時の対処法について、話を聞きました。担当者は、「これはあくまでも北海道のヒグマの場合です。本州のツキノワグマには当てはまらない場合があるかもしれませんが、ご容赦願います」とした上で、詳しい生態について教えてくれました。「ヒグマは警戒心が強く、人を避けて暮らすことを望んでおり、基本的には人を積極的に攻撃することはまれです。もちろん野生動物なので絶対はなく、悪い条件が重なると取り返しのつかない事故も起こりえます。『正しく理解し正しく恐れ、自分の身を守る』ことが何よりも大切です。またネット上には様々な真偽不明の情報が出回っていますが、正しく知るためには、ヒグマの専門家が監修した情報を確認してください」。しっかりと専門家が監修した情報をもとに、クマの生態について理解して対処することが大事だといいます。ではクルマを運転中、もしくは歩いている時にクマに遭遇してしまった場合はどのように対処したら良いのでしょうか。まずクルマを運転中にクマに遭遇した場合の対処法について、前出の担当者は以下のように話します。「ヒグマがクルマに驚いて威嚇することがありますが、クルマの中にいる限りは安全です。冷静にその場から離れてください。クラクションでヒグマを興奮させるのは危険です。また一部で『バックで逃げてはいけない』という情報が出回っているようにも聞きますが、根拠はありません」。では歩行者が道を歩いていてクマに遭遇してしまった場合はどう対処したら良いのでしょうか。「もしヒグマに会ってしまったら目を離さず静かに距離を空けてください。通常は、ヒグマも落ち着いて距離を空けてくれるはずです。大声を上げて逃げ出すと、ヒグマを興奮させてしまいかえって危険です。登山や釣りなどでヒグマの生息地に入るときには、万が一のため、クマ撃退スプレーを携行することをお勧めします。襲われたときには非常に有効です」。このほか、クマに遭遇した際に未然に事故を防ぐために気をつけたほうが良いことについて、担当者は以下のように説明します。「ヒグマによる人身事故で一番多いのは、山菜採りの人などとの不意の遭遇に驚いたヒグマが、自分を守ろうと攻撃してくる状況です。事故を未然に防ぐために、見通しの悪い森の中では、笛を吹いたり鈴を鳴らしたり、複数人で話しをしながら歩くなどして、人の存在をクマに知らせることが大切です。子グマを見かけても絶対に近寄らないでください。母親が子どもを守ろうとして攻撃してきます。また食べ物や生ゴミは必ず持ち帰ってください。味を覚えたヒグマが人に接近し、最悪の場合食べ物を奪おうとして攻撃してくるおそれがあります。知床半島では、車道脇を平気で歩くヒグマを見かけます。こうした中には環境客から餌を与えられた経験を持ったヒグマがクルマに近寄ってくるかも知れません。警戒心の無いヒグマほど危険なので、決して車から降りてはいけません」。最近では北海道に限らず全国各地でクマ出没のニュースが相次いでおり、特にクルマを運転している際は突然クマが道路に飛び出すケースも考えられます。今回のケースはあくまで北海道のヒグマのケースでしたが、本州に住んでいてクマに遭遇した際も上記の点に注意するのが良いでしょう。

(4万人が署名した「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌを削除」を求める運動が問いかけるもの)
2023年春、広島・呉で発覚した事件が注目を集めました。「猫1匹を刃物で突き刺すなどして殺した」として呉市の大学院生の男(24)が逮捕されました。男は「猫を殺したことに間違いないが、愛護動物にあたらない野猫(ノネコ)だと思っていた」と供述。この主張はどういうものなのでしょうか。それは環境省が、鳥獣保護管理法において「ノネコ」「ノイヌ」を狩猟鳥獣として指定しているためです。環境省は、公式コメントとしてこう発表しています。「生物学的な分類ではペットとして飼われているネコ、イヌと変わりませんが、飼い主の元を離れて常時山野等にいて、専ら野生生物を捕食し生息している個体を『ノネコ』『ノイヌ』としており、飼い主の元を離れてはいても、市街地または村落を徘徊しているようないわゆる『ノラネコ』『ノライヌ』は、『ノネコ』『ノイヌ』には該当せず、鳥獣保護管理法の対象にはなりません」(環境省)。頭が混乱しそうな内容です。この回答の中に「ノネコ」なのか「ノラネコ」なのか「飼い猫」なのか、あるいは「ノイヌ」なのか「ノライヌ」なのか「飼い犬」なのかを判断する明確な基準が示されていないからです。「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除」を求める公益財団法人どうぶつ基金(以下、どうぶつ基金)によれば、環境省が明確な基準を回答できないことを解説しています。「そもそも『ノネコ』『ノイヌ』を見分けることは不可能だからです。つまり、狩猟者自身が対象の猫、犬を主観で『ノネコ』『ノイヌ』と判断すれば、悪質でひどい動物虐待・殺害事件も一転『狩猟』という名のもとに合法化されてしまうということです。環境省が『ノネコ』を狩猟鳥獣に指定していなければ、広島・呉で起きた事件のような、悪質かつ残忍な殺害事件は防げた可能性が高いと考えています」(どうぶつ基金・担当者)。こういった人間が設定した曖昧な基準を正すべく、どうぶつ基金は「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除を」と環境省に要請しています。どうぶつ基金が求める要請に賛同し、署名した人はこれまでに4万筆を超えました。「環境省が鳥獣保護管理法によって『ノネコ』を狩猟鳥獣に指定していなければ、今回の悪質かつ残忍な殺害事件は防げた可能性が高いと考えています。どうぶつ基金は、今後同様の事件が発生しないために、そして、想像を絶する恐怖と苦痛のなかで命を奪われた猫のためにも、鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣から『ノイヌ』『ノネコ』を削除することを求める署名活動を行っています」(どうぶつ基金の担当者)。動物愛護法についても聞いてみました。「私たちどうぶつ基金は『いきものが自由でしあわせ』を理念に掲げています。人と犬・猫の関係性においても、互いが自由に幸せに共生できることが理想だと考えています。日本には動物愛護法という法律があります。人として彼らと幸せに共生するためにまずやるべきことは、最低限、この法律を遵守した飼い方・接し方をすることです。不備も多く、時に『ザル法』と揶揄されることもある同法ですが、その基本原則には最も大切なことが明記されています。法律なんて……と思われるかもしれませんが、これすら守っていない動物取扱業者や飼い主がいることはまぎれもない事実です。多くの方がこの法律に目を通し、その理念や内容を理解し、まずは最低ラインを遵守すること。そのうえで、地域事情に合った共生の方法を模索していくことが大切だと考えています」(同)。前述した「ノネコ」「ノイヌ」に曖昧な基準に加え、鳥獣保護管理法・動物愛護法の双方を照らし合わせてみると、矛盾ばかりを感じますが、どうぶつ基金ではこれらを正し、団体の理念でもある「人と犬、人と猫が互いが自由に幸せに共生する」を実現していきたいと主張しています。狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除を求める活動を積極的に行なっており、さらに多くの署名を求めたい考えです。「広島・呉で起きた事件は、遠い海外の出来事ではなく、私たちの身近なところで起こった出来事です。地域の方にかわいがられていた『地域猫』が苦痛と恐怖のなかで命を奪われた一方、鳥獣保護管理法のもとで犯人は何の罪にも問われない可能性があります。2023年5月現在、署名は4万筆を超えました。おかしな論理で正当化される動物虐待・殺傷事件を防ぐためには皆さんの声が必要です」と、どうぶつ基金の担当者は署名を呼び掛けています。

(ツキノワグマを50年追い続ける写真家・米田一彦)
ツキノワグマを追って50年になる米田(まいた)一彦さんによると、クマは本来、臆病な動物で、人間の存在を察知すると、そっと逃げていくという。「クマは森林の動物ですから、森の中にいるときは非常に穏やかな顔をしているんですよ」。米田さんの作品には、夏の小川のせせらぎのなかであおむけになって気持ちよさそうに昼寝をするクマの姿や、森の中に座ってのんびりと毛づくろいする様子が写っており、なんともほほえましい。一方、狭い穴の中で迷惑そうな目でこちらを見るクマの写真もある。「これはクマが越冬している穴の中にカメラを持った腕を突っ込んで、ストロボをたいて写した写真です。カシャっと撮った瞬間、ガーッとカメラをかじられた。レンズに装着したフィルターに穴が開いた」と、淡々と語る。これまでに米田さんが出合ったクマは数えきれない。襲われることも珍しくない。「一般的な攻撃とは違う、殺人的な攻撃で襲われたのは9回。捕まえるときに麻酔で失敗したとか、越冬穴に入ったら襲ってきたとか」。いずれも重大な事故にならなかったのは、経験によってクマの動きを読めたからだという。米田さんは1948年、青森県十和田市で生まれた。秋田大学を卒業後、秋田県庁に就職し、生活環境部自然保護課に配属された。「50年前、行政も研究者も、クマのことは何も知らなかった。研究は全く揺籃(ようらん)の時期だった。クマの管理といえば駆除がほぼ100%だった。そこで不法な捕殺行為がたくさん行われていた」。米田さんの業務は農作物被害をもたらす野生動物や、希少生物の確認だった。「その際、写真を撮って確認を行うんですが、それをきっかけに、写真に凝るようになった。『アサヒカメラ』もずいぶん読みましたよ。それで、機材をたくさん買わされた。大迷惑ですよ(笑)」。昭和40~50年代はニホンカモシカによる食害が深刻だった。「それで撮影したカモシカの写真を何げなく『アサカメ』に送ったら、カラーで大きく掲載された」。米田さんはいわく、「カモシカは明るいところに出てくるから、撮影は簡単なんです」。「一方、クマの撮影は難しかった。森の中は暗いので、高感度フィルムを使ってもほとんど写らない。なので、クマがやってくる場所にロボットカメラなどを仕掛けて、ストロボをたいて撮るしかなかった」。ロボットカメラというのは、クマがカメラの前を横切ると自動的にシャッターが切れる仕組みだ。「でも、ロボットカメラは好きじゃない。できるだけ自分の手でシャッターを切りたかった」。米田さんは森の中に1畳ほどのスペースの小屋を設け、クマが訪れるのをじっと待った。「クマは来る場所は決まっています。夏は沢で草を食べているし、秋は実のなる木の上にいる。そこにカメラを仕掛けて、クマが来たら遠隔操作でシャッターを切る。昼も夜も、日曜日も。ずっと仕事の延長だった」。「動物写真家とやっていることは変わらないですね」と、筆者が言うと、「へっへっへ」とうれしそうに笑う。ちなみに、最近のクマの研究は、クマにGPSを装着して人工衛星で行動を追跡したり、体毛やふんなどから取り出した遺伝子の分析が主流になっている。それに対して、米田さんの研究は、山に分け入って、クマはどのようなところで暮らしているのか、「森を見る」と表現する。「最近の研究者はずいぶん遠くからクマを見ている感じがします。彼らが話すクマの生態は、本当のクマの生き方とは違うような気がしてね」。86年、米田さん秋田県庁を退職し、90年にフリーのクマの研究者として広島県廿日市に移住した。「環境省が『西日本のクマの実態は全然わからない。研究者が誰もいない』って、言うんですよ。それで、こっちに引っ越してきた。広島県の一番山奥です」。秋田県とは異なり、中国地方に生息するクマは「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。クマとの共存を訴える米田さんは、農作物被害を防ぐために捕獲したクマを殺さずに山奥に放つ「奥山放獣」を始める一方、これまでと同様、クマの観察や撮影を続けた。「最近はカメラがデジタルになって、感度がすごく上がったのと、さまざまな画像処理が施せるようになったので、暗くて陰影の強い森の中でもふつうに撮れるようになりました」。米田さんは7月18日から東京・新宿のニコンサロンで写真展「クマを追って50年 思い出の40コマ」を開催する。「写真作家の登竜門と言われるニコンサロンに応募して、通ったわけですから、もう写真家だよね。ははは」。展示作品の約半数は自宅のある広島県で写した写真だが、その他は比較的最近、秋田県で撮影したものである。理由を尋ねると、衝撃を受けた。「秋田の写真は16年に4人が殺された『人狩り熊』の延長で撮影しています。個体識別をする必要があるので、クマの顔写真を全部撮っています」。山菜採りに入山した4人が死亡、4人が重軽傷を負った本州最悪の獣害事件、いわゆる「十和田山熊襲撃事件」である。事件はすでに終息しているはずだが、なぜ今も当時の現場に通い、クマを撮り続けているのか。「あの事件は1頭が起こしたわけじゃないんですよ。関係したクマが6、7頭いる。それが、どう駆除され、残存しているのか、写真を撮って、識別している」。先に書いたように、クマは基本的に臆病な動物で、不意に鉢合わせしたりしなければ、まず人を襲うことはない。「ところが、クマが人を襲う重大事件はどの地域でも同じように起きているのではなくて、特定の地域で継続して起きている。そこには攻撃性の強い、凶暴な家系のクマが生息していると、研究者の間では言われています」。広島県の自宅周辺の森では5メートルくらいまでクマに近づいて顔のアップを写したりする。クマの対処法を知っているので、それほど怖くないという。一方、秋田県で写した写真の多くは大豆やソバの畑にやってきた来たクマである。「畑で撮るのが一番怖いですね。相手からこちらが必ず見えていますから。もちろん、気づかれないように『だるまさんが転んだ』方式で接近します」。クマが他の方向を見ているときに、たたっと走って、止まり、クマにレンズを向ける。「この母子グマの写真は距離10メートルくらいです。非常に緊張しました。子連れの場合はどう反応するか、わかりませんから」。襲われた場合は、催涙スプレーの一種である「クマ撃退スプレー」を使用する。「これまでに何回もクマスプレーに助けられました。メーカーによると、90%の撃退実績があるそうです。でも残り10%はそれでも襲われる」。米田さんは「クマがクマの世界で暮らしている姿をみんなに見てもらいたい」と言う一方、「場合によってはクマは害獣でもある。だから殺すことも手伝ってきた」と語る。「私はクマの被害対策をずっとやってきたわけですが、今、山村の人々の被害意識と、都市住民の愛護の意識との乖離(かいり)がひどいんですよ。クマを捕獲すると、地元の自治体に『殺すな』と電話がたくさんかかってきて、事務停滞を引き起こす。なので、都市住民にもクマの実像を伝えたい。日本の中心で写真展をやるなんて、望まなかったんだけれど、やることになっちまった、という感じです」。

(イノシシ2頭が花壇を掘り返す:新潟)
14日午後6時頃、新潟市西蒲区間瀬で住民から「イノシシ2頭を目撃した。花壇を掘り返していた」と警察に通報がありました。西蒲署の調べによりますと、イノシシ2頭はいずれも体長1メートル程だったということです。花壇には以前、住民がユリを植えていたということで、イノシシはユリ根目的で掘り返した可能性があるということです。間瀬では前日にもイノシシ3頭が目撃されていて、警察は住民に注意を呼びかけています。

(ゴルフ場でジビエ料理提供へ:長野)
有害鳥獣として捕獲された鹿の肉が、ジビエ料理として茅野市のゴルフ場で提供されることになりました。有害鳥獣対策として茅野市内7つの企業が企画した「命への感謝プロジェクト」は、捕獲された鹿の肉などの消費拡大が狙いです。鹿肉を使ったジビエ料理を、ゴルフ場のレストランで提供します。市内のゴルフ場や別荘地で鹿の出没が増え、課題になっているということです。藤木徳彦シェフ「鹿ってすごくおいしい素材なので『硬くてどうなの?牛肉、豚肉と比べてどうなの?』ではなく、『鹿(肉)って美味しいんだね』と言ってもらえるようなそういう料理になるといい」。メニューは開発中で、茅野市内5カ所のゴルフ場のレストランで今月下旬から順次提供されます。

(命と食を学ぶ狩猟体験ツアー:山梨)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2023年10月6日、11月3日、12月1日の全3回、「命と食を学ぶ狩猟体験ツアー」を今年も開催します。地元の猟師とともに富士北麓の森に入り、罠を使用した狩猟の見学・体験を通して、命をいただくことへの理解を深めます。今年は鹿革の漆付け体験も加わり、命あるものが食材や伝統工芸品となっていく過程を知ることで、自然との共生・共存について考え、持続可能な社会をつくるための学びを深められます。富士北麓では、増えすぎた鹿や猪が農林業に被害を与える「獣害」が地域の大きな課題の一つになっています。毎年、県の定めた管理計画に基づき、猟師が狩猟のために森に入り、周辺地域の環境を守ります。獲られた鹿や猪は狩猟肉として流通しますが、その割合は捕獲量の約1割に留まり、大部分がそのまま破棄されます。星のや富士では、この地域課題に向き合い、開業直後より狩猟肉を使った食事を継続して提供してきました。これらの経験や背景から、命あるものが猟師の技術により美味しい食材として昇華され、それをいただく過程を体感することで、自然との共生や命を無駄なくいただくことの大切さを考えるきっかけを提供したいと思い、当ツアーを開発しました。これまでの参加者からは、「『いただきます』という言葉の意味を改めて考えるきっかけになった」「人間が自然に生かされていると実感した」などの感想が寄せられています。

(一生物の革製品:千葉)
亡くなった人への手向けとして、生前お気に入りだった物を火葬の棺(ひつぎ)に一緒に納めることがある。この副葬品について、先日思いがけず考える機会があった。環境に配慮した製法の新しい革素材「チバレザー」について取材した時。千葉県睦沢町の革職人辻栄亮さん(44)はある日、革の財布やバッグは副葬品にできないことがあると知ったと話した。高温になると有害物質を出す恐れがある薬品のクロムが製造の過程で使われている場合があるためだ。辻栄さんの革製品を気に入って使っていた人が亡くなった際、棺には一緒に入れられなかったことがあった。「革製品は一生物と言われるが、人生の最後に持っていってもらえない」。職人として悔しい思いをした。こうした経験がきっかけで土に返せる製法にこだわり開発した「チバレザー」は、農作物被害対策として県内で捕獲されたイノシシやシカを皮まで有効に活用。命をポジティブに循環させ、持続可能な開発目標(SDGs)にも合致した製品として注目が集まる。化学薬品を使わないので、燃やしても問題がない。人生の最後に一緒に持っていけるか-。そんなことを考えながら次から革製品を選ぶのもいいと思った。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、14日午後2時45分ごろ、栗原市金成赤児原沖にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前11時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後6時ごろ、仙台市青葉区上愛子折葉にクマが出没しました。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、14日午前6時ごろ、石巻市流留にサルが出没しました。

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