<射撃ニュース8月>
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(「クジャクを駆除するため」クロスボウ無許可所持疑い:沖縄)
ボーガンとも呼ばれるクロスボウ(洋弓銃)を無許可で所持したとして、沖縄県警宮古島署は28日、宮古島市内に住む会社員の30代男性を銃刀法違反の疑いで那覇地検平良支部に書類送検した。2022年に施行された改正銃刀法で、クロスボウの所持は原則禁止・許可制となった。県内では改正後初の摘発。

(連続牛襲撃、鹿急増背景か:北海道)
北海道東部で2019年以降、放牧中のウシを連続して襲撃したヒグマ「OSO(オソ)18」が駆除された。警戒心の強さから捕獲は難航し、付いた異名は「忍者」。関係者は胸をなで下ろすが、出現の背景にはエゾシカの増加があるとみられ、専門家は「根本的な対策をしなければ同様の被害が再発する恐れがある」と警鐘を鳴らす。被害が相次いだのは標茶町と厚岸町。拡大阻止のため、初めて確認された標茶町下オソツベツと約18センチの足跡からコードネームを付け、両町などが捕獲作戦に乗り出した。獲物を襲った現場に戻るヒグマの習性を利用し、ハンターが待ち構えたり、わなをしかけたり――。だが人間のにおいに敏感で、闇夜に紛れて移動するため目撃情報も少なく、成果を上げることはできなかった。今年6月までに計66頭が襲われたとみられ、うち32頭が死んだ。しかし事態は急転する。被害が出ていた地域から10キロ以上南の釧路町で7月30日早朝、ハンターが1頭の痩せたクマを射殺。死骸は食肉加工され、東京都内のジビエ料理店などに出荷された。釧路町の担当者は8月に入り、これがオソではないかと思い至った。道への検体提供で残っていた体毛をDNA型鑑定すると"お尋ね者"と特定された。「あっさり駆除されてしまった」。4年にわたりオソを追い続けた標茶町の職員は驚きを隠せなかった。捕獲作戦に関わったNPO法人「南知床・ヒグマ情報センター」の藤本靖さん(61)は、オソ誕生の背景には近年問題化しているエゾシカの急増があるとみる。シカがヒグマの主食である木の実などを食べ尽くしてしまい、オソはシカの死骸に手を付けた。さらに、動きがより緩慢で捕まえやすい飼育中のウシに狙いを変えたのではないか、との推測だ。道などによると、被害が出た牧草地の周辺では飼料用のデントコーンが栽培されているところもあり、ヒグマが寄りつきやすい環境でもあった。当面の危機は去ったが、藤本さんは「より大きいヒグマも周辺には生息していて、第2、第3のオソが現れる恐れがある」と強調。「シカの個体数調整など先を見据えた対策が必要だ」と話す。

(ハンターの減少深刻化:北海道)
道内でヒグマの市街地侵入や人身事故が増える中、駆除の担い手不足が大きな課題になっている。道内の大半の地域では、自治体が猟友会などのハンターに駆除や巡回を要請しているが、ハンターの数は減り、高齢化が顕著で、若手の育成も進んでいない。従来の駆除の態勢が限界を迎えつつあるのは誰の目にも明らかだ。行政が駆除に当たる専門職員を配置し、官民で協力して駆除に当たる態勢を整えるべき時期を迎えている。

(人里に下りるヒグマが増加中:北海道)
北海道東部で暴威を振るい、地元住民と酪農家を恐怖に陥れたヒグマ「OSO18」がついに駆除された。足かけ4年に及んだハンターと「黒いモンスター」の長き戦いは終焉を迎えたが、近年、道内ではエサを求め人里に現われるヒグマが増加。人への危害が懸念されている。7月30日午前5時。朝靄に包まれた釧路町の放牧地に、3発の銃声が響き渡った。ハンターが仕留めたのは体長2m10cm、体重330kgの雄のヒグマ。後のDNA鑑定で判明したその正体は、2019年から今年にかけ道東で66頭の放牧牛を襲い32頭を惨殺、最初の事件現場となった標茶町オソツベツの地名と、残された足跡の幅から「OSO18」と呼ばれ恐れられたヒグマだった。北海道猟友会標茶支部長の後藤勲氏が語る。「OSO18は普通のクマと違って牛を襲ってもほとんど食べず、まるで遊び半分で殺しているように見えました。極めて警戒心が強く人の動きも熟知しているようで、目撃情報もほとんどなかった。車が通る道でもドライバーの目が届かない場所を選んで歩くような賢さがあり、ハンターにとっては厄介かつ不気味な存在でしたね」。OSO18の行動範囲は広く、東京23区の約1.6倍の面積がある標茶町のほか、隣接する厚岸町でも牛を襲い続けた。事態を重く見た道は対策班を結成。町役場やハンターとともに捕獲を試みたが、OSO18は人間をあざ笑うかのように神出鬼没を繰り返した。だが、傍若無人に暴れ回ってきたOSO18にも、ついに年貢の納め時がやってきた。「7月28日に釧路町でヒグマの目撃情報があり役場が警戒に当たっていたところ、30日に再び現われた。ハンターを見ても逃げようとしなかったため、危険と判断し駆除を決断したそうです。クマは他の個体と戦ったのか、顔に大きな傷を負い衰弱していたという。その弱々しい姿から、ハンターは駆除したクマがOSO18だと気付かなかったといいます」(後藤氏)。OSO18は駆除後に解体、冷凍保存された。肉の一部は道内のジビエ業者の手にわたり、その後、都内の飲食店で熊肉として提供されたという。8月に行なわれたDNA鑑定でその正体が判明したわけだが、4年にわたり地元住民を恐怖に陥れたモンスターの最期は、あまりにあっけないものだった。かつて道内のヒグマは減少を続け、1990年には5200頭を数えるほどだった。だが、同年に冬眠中や冬眠明けのクマを狙った「春グマ駆除」が廃止されると個体数は増加の一途をたどり、2020年度は1万1700頭に倍増した。近年はエサを求め人里に下りてくるケースが急増。市街地を徘徊し人を襲う事例も発生している。ハンターの高齢化が進み、動物愛護の観点から駆除に厳しい目が向けられる時代、前出の後藤氏は警鐘を鳴らす。「ひとまず決着がつき安堵しましたが、この地域にはヤツより凶暴で大きな若いクマや、DNAを受け継いだ子供がいるかもしれない。4~5年前に人を襲ったクマも未だ捕獲されておらず、油断はできません。OSO18騒動は、クマが人里に近づいていることを再認識するきっかけになったはずです」。野生動物との「距離感」を見誤ってはいけない。

(イノシシの農産物被害、捕獲件数とも高い水準で推移:新潟)
イノシシなどの有害鳥獣による農作物への被害が続く中、新潟県柏崎市は被害防止対策に知恵を絞っている。猟友会員や市職員で構成する捕獲、パトロールなどに特化した「市鳥獣被害対策実施隊」を2022年に設けた。情報通信技術(ICT)を活用するなどして効率化も図る。対策を進める現場を訪ねた。「このわなにかかったのは、今年に入ってもう5頭目くらい。また増えてきたな」。7月末、柏崎市街地から車で10分ほどの鯨波地区の山あいに設置された箱わなの前で、実施隊の竹内新次さん(74)はつぶやいた。わなの中にいたのは、体長1メートル40センチ余り、重さが推定100キロの雄のイノシシだった。人を見て興奮しているのか、わなの柵に体をぶつけ、威嚇を続けていた。竹内さんらは、電気ショックの流れる棒で弱らせようとするが、うまくいかない。同じく実施隊の宮川弘さん(85)が猟銃を放つと、次第に動かなくなっていった。

(シカやイノシシの農業被害は過去2番目:岩手)
県内ではシカやイノシシによる農業被害が深刻です。昨年度の被害額はそれぞれ過去2番目に高くなり、県は今年度の捕獲頭数の目標を増やすなどして駆除を強化する方針です。岩手県によりますと、昨年度の農業被害額は、いずれも速報値でシカによるものが2億7385万9000円、イノシシによるものが4184万8000円で、それぞれ過去2番目に高くなりました。被害が確認された自治体はシカが30市町村、イノシシが24の市町村でした。シカとイノシシによる農業被害を作物別で見ると「水稲」があわせておよそ1億1800万円次いで「飼料作物」があわせておよそ9100万円となっています。昨年度、県内で駆除された数は、シカが2万6554頭で、過去2番目に多くなり、またイノシシは979頭で過去最も多くなりました。こうした中、県は今年度、シカの捕獲頭数の目標を昨年度から2000頭多い2万7000頭に設定して駆除を強化するほか、イノシシについては捕獲したあとにGPSをつけて、生息域や行動特性を調べたデータをハンターなどと共有し、駆除の効率化を目指すことにしています。

(人を恐れない「新世代熊」、市街地も平然と)
野生の熊が人間の生活圏に相次いで出没し、農作業中の人身被害も後を絶たない中、人間の生活音などに慣れた「新世代熊」への懸念が高まっている。従来の熊よりも行動範囲が広がっている上、追い払い対策の効果も薄い。専門家は、屋外での作業が多い農家は特に注意が必要で、熊を近づけないための対策の徹底を促す。爆竹を鳴らした場所に再び現れる。山からは遠い市街地を平然と歩き回る――。岩手県の盛岡猟友会の事務局長、稲葉順一さん(66)は盛岡市の非常勤職員として、わなによる熊捕獲や人里に現れた熊の追い払いに携わる中、そうした熊を何度も見るようになった。「人に慣れた熊が増えてきた。以前はそんな熊は見かけなかった」今後は熊が好むデントコーンやリンゴが収穫期を迎える。稲葉さんは「農作業中、熊もこちらに気付かず突然に近距離で出合うと、襲われてしまう」と指摘。農家は作物の被害だけでなく「身の安全を守ることにも最大限警戒してほしい」と訴える。岩手県では4月から8月7日までに、15件16人の人身被害が発生。6月には、二戸市で農作業中の高齢女性が熊1頭に顔を引っかかれて負傷した。人身被害が例年に比べ多かったことを受け、同県は今年5月、2016年以来、2回目の「ツキノワグマの出没に関する警報」を発表。ホームページ(HP)や交流サイト(SNS)などを通じ県民に広報している。宮城県は、住宅街などで熊の目撃や通報が相次いでいることを踏まえ、熊に対する注意を促す「クマ出没シーズン予報」の発表を今年から始めた。今年は「平年より出没が多い」と見込み、HPなどで発信している。同県内では住宅街での出没も確認されており、6月以降、熊による人身被害が2件発生している。熊が食べるドングリなどの堅果類が昨年、「並作」で推移。県は「山に餌が豊富にあり、雌熊の出産が盛んだったことから今春の出没数の増加につながった」(自然保護課)とみる。今年の熊による人身被害は既に全国で39人、10道県で確認されている。被害状況を取りまとめている環境省は今後、秋にかけて熊が餌を探し回るシーズンに入り、人身被害が増える恐れもあるとして、農作業を含め屋外での作業に警戒を促す。同省の6月末時点の調査によると、被害人数の最多は岩手県の13人。秋田県の5人、北海道の3人など東北以北での被害が多かった。その他、長野県で4人、島根で1人と本州各地で確認されている。北海道では1人が死亡した。同省は「冬眠前の秋にかけて熊の行動が活発化する。人身被害が増える可能性もあり、これから一層、警戒が必要な時期に入る」(鳥獣保護管理室)と指摘する。

(こまちがクマと衝突、未明まで混乱「みんなぐったり」:秋田)
第95回全国花火競技大会「大曲の花火」が大仙市で開かれた26日夜、秋田新幹線こまちがクマと衝突するなどしてダイヤが乱れた影響で、花火見物客で混み合うJR大曲駅は敷地外にまで行列ができ、27日未明まで混乱した。

(乗用車とクマ衝突:秋田)
26日午後10時ごろ、秋田県上小阿仁村仏社字杉ノ下の村道で、同村の30代男性が運転する乗用車が体長約40センチのクマと衝突した。男性にけがはなかった。

(養蜂箱の蜂蜜減る、クマか:秋田)
27日午前5時半ごろ、秋田県大館市花岡町字土目内の民家の車庫兼物置にあった養蜂箱2個が壊され、中の蜂蜜が減っているのを所有者の70代男性が見つけた。大館署はクマによる食害とみている。

(クマ被害、農業ハウス破損:福島)
27日午前5時40分ごろ、会津若松市北会津町宮袋の田畑にあるビニールハウスで「住民のハウスが荒らされているようだ」と地元の行政区長から会津若松署に通報があった。同署はクマによる被害とみて現場周辺を警戒している。同署やハウスの所有者によると、ハウスにはクマの爪痕のような傷があり、中の苗木などが倒されていたという。近くの田んぼや畑にはクマの足跡があった。被害に遭ったのは26日午後6時~27日午前5時ごろの間とみられる。散歩中の住民が、ハウスが破られているのに気付いた。ハウス内ではキュウリを育てており、所有者の男性は「約1カ月の間に、3回ほどクマの足跡が発見された。どうやって被害を防げばいいのか」と話した。

(熊の被害続く:長野)
伊那市横山の農業、中村新一さん(82)の畑でトウモロコシが熊に食い荒らされる被害が続いている。今月中旬以降、5回ほど侵入した形跡があり、出荷を控えた食べごろのトウモロコシばかりを狙って毎回100本ほどが被害を受けているという。畑の周囲には電気柵を2重に張り巡らせるなどの対策を講じてきたが目立った効果はなく、日に日に拡大する食害に頭を悩ませている。現場は鳩吹公園の北側にあるトウモロコシ畑約10アール。中村さんの畑では15年ほど前からクマの食害が確認されるようになったという。付近の山裾にはシカ用の柵が設置され、山側からの侵入を防いでいるが、周囲の畑に残る足跡から柵を大きく迂回して侵入していると考えられる。「いろいろやったがいたちごっこ」。専門家の意見も聞き、畑の周囲には熊の鼻に接触する低い位置に2重の電気柵を設置しているが「簡単に突き破ってくる」といい、侵入された箇所はひと畝が数メートルにわたって無残に食い荒らされている。「出荷前の一番いいところでやられるのは切ない」と肩を落とす中村さん。電気柵の数をさらに増やす対策も検討中という。被害は夜から朝方にかけて発生しており、「早朝には熊と出くわす可能性もあるので付近を通る際は注意してほしい」と呼び掛けている。

(養殖魚を襲う「クマ」がカメラに:山梨)
山梨県・南部町の養魚場にクマが現れ、その姿がカメラに収められていました。カメラに興味を持ったのでしょうか? 目を光らせながらカメラの方に近づいてくると、画面に顔を寄せていました。22日、クマが撮影されたのは、山梨県・南部町の川魚・ヤマメを養殖する施設です。13日にも、クマは姿を現すと、そのまま、いけすに侵入。うろうろと水の中を歩き回っていました。また、20日には、池の仕切りを器用に渡り、鳥を襲う様子もとらえられていました。クマは、1か月間で3回、同じ養魚場に現れたのです。この養魚場によると、撮影されたクマは数頭いるとみられ、体長は大きいもので推定1.2メートルほどあるといいます。これまでに、200匹ほどの養魚場の魚が食べられたということです。山梨県ではクマの目撃情報が相次いでいて、4月からすでに100件にのぼり、去年の同じ時期を10件上回っています。

(市街地でツキノワグマの目撃相次ぐ:岩手)
25日朝、岩手県花巻市の市街地でクマの目撃が相次ぎ、市は警察や猟友会などとパトロールを行って人身被害の防止を図っています。クマが現れたのはいずれも川のそばで、25日午前5時15分ごろには花巻市里川口町の北上川にかかる朝日橋付近で、午前7時5分ごろには花巻市不動の豊沢川にかかる不動大橋付近で目撃されました。目撃を受け市は警察、消防、猟友会などと連携し、人身被害の防ぐためパトロールを広い範囲で行っています。近隣の小中学校への情報提供や広報車での広報活動も行っています。クマに出会ってしまった場合は騒いでクマを刺激せず、また急に立ち上がったりものを投げたり、背中を見せて走って逃げたりしないでください。逃げると本能的に追いかけてくるため、クマの動きを見ながらゆっくり後退することが重要とされています。

(牧場で「足幅が約15センチ」ヒグマの足跡みつかる:北海道)
8月29日、北海道江別市の牧場で足の幅が約15センチメートルあるヒグマの足跡が発見され、警察が注意を呼びかけています。クマの足跡が見つかったのは江別市西野幌の牧場です。警察によりますと29日午前6時半ごろ、畑作業をしようとしていた男性がクマの足跡を発見、市役所に通報しました。クマの足跡の幅は約15センチメートルでした。牧場の近くにはデントコーンなどの畑もあるということですが、周囲への被害は確認されていません。足跡が発見された現場は野幌森林公園のすぐ近くで、先週から付近ではクマの目撃が相次いでいることから、警察は同一個体の可能性も含めて、注意を呼びかけるとともに詳しく調べています。

(イノシシを食肉として処理加工する施設完成:宮城)
農作物への被害を及ぼすイノシシを食肉として処理し加工する施設が、宮城県大崎市で廃校となった校舎に完成し、29日、地元住民に公開されました。イノシシの処理施設は、東北で初めてです。大崎市岩出山に完成したのは、「ジビエ食肉処理加工施設」です。廃校となった旧真山小学校の校舎を一部改修し、大崎市が総事業費およそ2億2000万円をかけて整備しました。29日は、地元の住民らおよそ70人が、市内で捕獲したイノシシを食肉として処理し加工する施設を見学しました。イノシシによる農作物の被害は全国的に増えています。大崎市で昨年度捕獲されたイノシシは373頭で、被害金額はおよそ400万円にのぼります。伊藤康志大崎市長:「これまでの頭の痛い鳥獣被害から、地域資源として有効活用していく。これを食文化として育てていくことが地域を元気にし、これからの地域のあり方の方向性を出してくれると期待している」。大崎市では、この施設で処理したイノシシの食肉を今年10月からジビエ料理を提供する鳴子温泉の旅館や市内の飲食店などに販売を開始し、5年後には年間500頭以上の処理加工を目標にしています。宮城県内で捕獲されたイノシシは、福島第一原発の事故以降、出荷が制限されています。このため、この施設では全頭検査をして放射性物質が基準値を下回った食肉を出荷します。

(令和5年度全国ジビエフェア参加店舗募集:)
農林水産省では、ジビエ(野生鳥獣肉)等の全国的な認知向上、普及、需要拡大に向けた取組を行っています。その一環として、ジビエ等への関心を高め、飲食店等でのジビエ等の利用を促進するとともに、ジビエメニューを提供する飲食店やジビエ等商品を販売する店舗等の情報を取りまとめてPRし、消費を促進する「全国ジビエフェア」を11月より開催することとし、本日より参加店舗の募集を開始します。

(国産ジビエの魅力を伝え、ジビエを提供する飲食店や事業者を紹介)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、農林水産省「令和5年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」について3年連続で事業実施主体となり、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)について、飲食店や小売店等での利用拡大を促進し、消費者にジビエの魅力を伝え、ジビエをもっと知って・食べてもらうことを目的とした取り組みを実施します。それに伴い、11月より開催する「全国ジビエフェア」の参加店の募集を8月28日(月)より開始します。野生鳥獣による令和3年度の農作物被害額は155億円となっており、背景として野生鳥獣の生息分布域の拡大や農山漁村における過疎化、高齢化の進展による耕作放棄地の増加などの影響が挙げられます。こうした野生鳥獣による農作物被害は農林漁業者の経営意欲を低下させ、耕作放棄地の増加などの問題をもたらし、更なる被害を招く悪循環を生じさせると考えられます。令和3年度のジビエ利用量(自家消費を除く)は2,127トンと前年度に比べ17.5%増加したものの、国の掲げる令和7年度までのジビエ利用目標量の約4,000トンを大きく下回っています。そこで11月から開催する本年の「全国ジビエフェア」では、より多くの方に「ジビエを食べる機会」を提供することや「ジビエを購入する機会」につながる情報発信を強化して参ります。また、各地で行われている「ジビエ関連イベント」とも連携し、全国で「ジビエを食べること」を盛り上げていきます。

(イノシシ肉×ハーブで食べやすく:石川)
白山市女原の観光施設ハーブの里響きの森ミントレイノ内にあるレストランで、白山麓でとれたイノシシ肉やハーブを使ったフランス料理テリーヌを販売している。地元食材をふんだんに使っており、子どもからお年寄りまで楽しめる一品に仕上がっている。同市東二口の白山ふもと会のイノシシ肉をベーコンで包んだ「いのしし肉のテリーヌ」(税込み八百円)で、ミントレイノ近くで育てたハーブ「オレガノ」や「タイム」などをブレンド。ジビエ独特の臭みがなく、清涼感ある香りが特徴。パンとミントレイノの近くで採取したフキで作ったペースト状の調味料チャツネとともに味わう。今後、冷凍したテリーヌをミントレイノや市内の道の駅などで販売も予定している。シェフの乙川朋加さん(35)は「イノシシ肉に抵抗のある人でも食べやすいように仕上げた。ぜひ一度食べてみてほしい」と話している。

(エゾシカレザーショップ:北海道)
北海道札幌市所在の株式会社オワゾブルー(代表取締役:山内 明光)は、2023年2月にエゾシカ6次産業化の推進策として、廃棄されるエゾシカ皮の利活用に、エゾシカレザーに拘ったブランド「AKAN LEATHER」を立ち上げ、この度国内実店舗第1号店が、北海道阿寒湖温泉街に2023年9月9日(土)、オープンいたします。また、このオープンに合わせ、新たにAINU OUTDOOR「SUNKU」(スンク)の商品開発も行ってきており、第1号店舗ではこの2つのブランド商品が展開されます。なお、この第1号店の開業に際しては、商圏人口を考慮して札幌市での出店も考えられましたが、雄大な阿寒の自然(森林)がエゾシカによる大きな森林被害を受けている実態と、エゾシカ6次産業化を考えてもらうこと、さらに新型コロナウイルス感染症のため観光産業に大きな打撃を受けた阿寒湖温泉街の観光復興に微力ながら貢献することを目的に、採算性よりブランドのフラグシップ店舗としての役割を担い当地での開店を決断しました。

(シカの角でキーホルダー、親子連れら手作り挑戦:奈良)
宇陀市榛原高井の「たかぎふるさと館」で22日、市内で捕獲されたシカの角や革ひもを使ってキーホルダーを手作りする講習会があり、親子連れら約20人が工作を楽しんだ。

(七つの音で鳥撃退、整体師が装置開発:宮城)
イノシシを音で近寄らせない装置を販売している宮城県蔵王町宮の整体師武田順一さん(60)がカラスなどの鳥を音で遠ざける装置を作った。モニターテストの効果を検証し、10月から本格販売する。音で守るから「音守(おともる)」と名付けたイノシシ用に続く第2弾で、日中活動する鳥が相手なので「昼守(ひるもる)」と命名した。大きさは高さ30センチと持ち運びしやすく、ワシの声や花火など七つの音をランダムに流す「音のバリアー」で鳥の被害を防ぐ。今月17日は3週間前にテストを依頼した県内のゴルフ場を武田さんが訪ね、感想を聞く機会があった。5番ホールで、客がカートを離れたすきを狙ってカラスが荷物にいたずらする被害が出ていた。ゴルフ場はカート停車場所に昼守を設置し、カラスが仲間に危険を知らせる鳴き声やワシの声など四つの音を流した。コース管理担当者(67)は「効果は出ている。木に巣箱をかけて設置するのもいいかもしれない」と評価した。音はインターネットのフリー素材を使い、ユーザーごとに変更できる。花火の音は効果抜群だが、このゴルフ場ではプレーの邪魔になるとの理由で外した。支配人(59)は武田さんと改良点を話し合い、「テスト用の1台を買い取り、プラスでもう1台の購入を検討したい」と伝えた。武田さんが重視する「音のバリアー」は、近づいた鳥獣を単純に追い払うのではなく、広範囲に広がる音を使って農作物などが見つかる前に遠ざけさせる点がポイント。昨年発売の音守は、九州から生息北限の秋田県まで800台超を出荷するヒット商品になった。昼守のバッテリーは1週間程度もち、交換のタイミングで設置場所を変更すると効果の継続が見込めるという。カラス以外にもハトを対象にモニターテストを実施予定で、今後は養魚場を狙うカワウ対策にも利用を広げたい考えだ。武田さんは月産30台を目標に本格販売の準備を進める。「生き物相手は化かし合い。昼守というハードはできたが、ソフトの音はその場の環境で変わる。ユーザーの声を聞きながら改良していく」と話す。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前10時50分ごろ、仙台市泉区根白石下河原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、28日、色麻町高城八幡付近でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

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(ヒグマ「OSO18」の駆除、浮かぶ疑問点:北海道)
ついに、あのヒグマが駆除された。北海道東部で牛を襲い続けた「OSO(オソ)18」。地元関係者らは安堵(あんど)の表情を浮かべるとともに、「第2のオソ」が現れないことを祈った。「気が楽になった」。オソ駆除の一報を知ってそう話したのは、標茶町で酪農を営む佐藤守さん(64)だ。これまで、自身が飼育する牛5頭がオソの被害にあったため、ラジオを流し、夜間に点灯するライトの取り付けをする対策をしてきた。「ラジオが消えていないか。ライトがついているか」。それでも、不安は尽きなかった。今年も6月に近くの牧場で被害が確認された。昨年までは最初の被害が確認されると立て続けに牛が襲われたが、今年は1カ月以上も音沙汰がなかった。「不気味だった」と振り返る。

(カモvs農家の20年以上続く戦い:新潟)
新潟県長岡市の特産『大口(おおくち)れんこん』は、しゃきしゃきとした歯ごたえと甘味が特長のブランド野菜です。しかし農家は、収穫前の“美味しい”れんこんばかりを狙って食べるカモに、20年以上もの期間、頭を悩ませてきました。なんとかしようと、大学や行政とタッグを組んで打ち出した対策の効果とは?新潟県長岡市中之島地域の特産「大口れんこん」を長年育てている高橋秀信さん。相次ぐ「れんこんの被害」に頭を悩ませていました。本来なら先っぽに付いているはずの“やわらかい部分”が何者かによってかじられ、黒く変色してしまっているのです。その正体を調べてみると…見つけたのは、“れんこんの田んぼ”の中で連れ添って泳ぐ2羽の鳥。さらに別の場所でも群れになった鳥が、田んぼから一斉に飛び立っていきました。真夜中に大口れんこんを食べる“犯人”。それは「カモ」でした。どうしてカモは“れんこんの田んぼ”を狙うのでしょうか?カモは渡り鳥として冬に日本に飛来し植物性のものを好んで食べますが、雪の多い新潟県長岡市では冬の間、餌を食べる水場が雪で覆われ、ほとんど見えなくなります。しかし、れんこんだけは別!収穫作業をする際に地下水を使って雪を融かすため、れんこんの田んぼは『湖』のようにぽっかりと浮かび上がり、カモにとってありがたい、唯一の餌場になってしまうのです。このカモの食害に、新潟県長岡市の農家は20~30年前から悩まされているそうです。打開策がなかなか見つからない中、カモによる被害を何とか食い止めようと、農家が協力を仰いだのが長岡技術科学大学です。カモの嫌がる強い光を出すレーザーを置いて実験を行いました。夕方から翌朝まで、緑の光が不規則な動きで田んぼを照らす対策です。果たして、その効果は?レーザーの光が近寄ってくると…驚いたのか、カモが田んぼから勢いよく飛び立っていく様子がカメラに映っていました。実験を終え、レーザーを取り外した田んぼと比較してみると…違いは明らかで、カメラには、我が物顔でくつろぐカモの大群が写っていました。それから1年後、前年度より期間を伸ばしてレーザーの実証実験を行ったということで、その結果を聞いてみることに!【大口れんこん生産組合 高橋秀信組合長】「今年は(雪が)降るときは集中的に降ったんですけど、それから気温が高くて早く雪が消えました。なので『エサ場がいっぱいある』ということで、去年から見ればカモの被害は少ない気がしますね」。れんこん農家の高橋さんは2022年度はカモの被害が少なかったと話しますが、これは『雪消えが早かったことが原因ではないか』とみています。次に、レーザーの効果はあったのでしょうか?長岡技術科学大学と一緒に実験を行った新潟県と長岡市の担当課は、引き続き検証は必要だとした上で「被害抑止に一定の効果はあったのではないか」とみているとのこと。一方で、“専門家”長岡技術科学大学の山本麻希准教授は、田んぼごとでカモの数にばらつきが見られるため、レーザーの効果が確実にあったかどうかは「統計的には言えない」としました。また、新潟の厳しい気候でレーザー装置の故障が相次いだこともあり、正確なデータの分析には、さらなる検証が必要になるそうです。その美味しさから、人間のみならずカモまでも虜にしてしまう大口れんこん。農家が手塩にかけたブランド野菜が私たちの食卓に届くまで…一進一退のカモとの攻防は、もう少しの間、続きそうです。

(多発する「クマはぎ」、分収造林の収益見通せず:岐阜)
岐阜県飛騨市神岡町の住民でつくる「緑を育てる会」が、国との契約で分収造林地として高山市上宝町蔵柱の明ケ谷国有林に設けた「ふるさとふれあいの森林」での「クマはぎ」の多発は、国民参加の森づくりの難しさを示している。国有林の分収造林は造林者が契約により国有林に木を植えて育て、木を販売した収益を造林者と国で分け合う制度だが、木に傷がつくことにより木材の価値が下がって販売益の確保が見通せなくなる恐れがある。同会は1984年に70年契約で約1・1ヘクタールの国有林を借り受け、スギとヒノキの計約3500本を植え、間伐や下刈りなどをしてきた。契約期限の2054年までに木を売り、同会の収益分を地元の教育機関に寄付することにしている。しかし、10年ほど前からクマはぎが発生。クマはぎは、クマが樹皮をはいで木を歯や爪で傷つける行動で、樹皮の内側の木を食べるためなど理由は諸説ある。発生が、根元に近くて最も取れる材積が見込まれる元玉と呼ばれる部分に多いことから、林業経営に大きな問題をもたらす。同国有林を管理する飛騨森林管理署は同会と協議の上、7月上旬に分収造林地の全ての立ち木を対象にクマはぎの調査を実施。胸高直径が10センチ以上の植栽したスギとヒノキは計1173本があり、このうちの約54%の634本でクマはぎが見られたという。広葉樹での発生は見られなかった。幹にテープを巻くクマはぎ対策も施されているが、今春あたりにクマはぎに遭った立ち木や全周にわたって皮がはがされたことで立ち枯れした樹木もあった。分収造林の契約では、同会が本年度に間伐を行うことになっている。契約から40年目となり、伐採した木材を搬出して利用する収入間伐という施業ができる。ところがスギとヒノキの半分ほどはクマはぎに遭い、元玉に傷のある木も多い。同会は「収入間伐での入札が不調ということも考えられ、クマはぎの発生も予測がつかない」とし、「分収造林の前提が危ういと思われ、会の活動の見直しも含めて考えたい」とする。森林教室を開いて子どもたちとともに自然への関心を高めてきた同会。困難に直面し、改めて森づくりについて考えを巡らせている。

(カラスの天下が終わる、都心制圧を目指す大型猛禽類:東京)
東京都心の空の勢力図に異変が......。これまでヒエラルキーのトップであったカラスが猛禽類による下剋上にあっている。いったいそこではどんなドラマが繰り広げられているのか。前編記事『東京上空の勢力図に異変…オオタカが明治神宮で、ハヤブサが六本木ヒルズで繁殖…カラスが東京から消える「ヤバすぎる未来」』より続く。東京都心を俯瞰すると、2つの環境が混在していることが分かる。一つは皇居、明治神宮、自然教育園(港区)などの「都市緑地」。そして、もう一つは東京駅や新宿駅周辺などにある「超高層ビル群」だ。前者に定着したのが、オオタカである。具体的な個体数は判明していないが、確実にカラスの勢力に拮抗し始めているという。山間部や郊外では家畜を守るため、音や光を使って追い払われることもあったが、都内でそんなことは起こらない。しかも、エサとなる肉質の良い小鳥がいくらでもいる。さらに、一度巣を作った後に木が伐採されて住処を追われることもない。明治神宮のご神木が伐採されることなどあり得ないし、自然教育園にいたっては研究のために巣を保護までしてくれるからだ。勘違いされがちだが、人間によって山野の自然が破壊され、住処を追われてやむなく都会にやってきたのではない。むしろ、鳥にとっては都会の方が住みやすいから、積極的に進出してきているのである。「ハヤブサは都会の高層ビルや鉄塔、鉄骨の橋などで繁殖するようになりました。彼らは元々、海岸の岩壁などで繁殖していました。東京周辺では、江ノ島や房総半島の崖などで繁殖しています。高度差のある崖にとまり、眼下を飛ぶ野鳥を急襲して捕食します。都会のビル群は、ハヤブサにとっては故郷の岸壁に非常に似ており、ビルの屋上から急降下してハトなどを捕えています。新宿の高層ビル群や六本木ヒルズなどでもハヤブサが観察されています」(前出・唐沢氏)ハヤブサなどの侵略によってカラスの生存圏は確実に狭まっている。カラスにとってさらに厄介なのがフクロウ。そのフクロウも豊島岡墓地(文京区)などを中心に繁殖を始めている。カラスは巣で羽を休める夜に寝込みを襲われるようにもなった。つまり、日中はオオタカ、ハヤブサと戦い、夜もフクロウを相手に身を守らなければならなくなったのだ。カラスは猛禽類が近づいてくると、20~30羽の集団でやかましく鳴き立てて、体をぶつけるように飛び回って追い払う。これはモビングと呼ばれる攻撃手段だ。猛禽類は風切り羽が1本でも折れると、上手く飛べなくなるため、勝てる勝負でもケガを恐れて、退散していた。モビングが猛禽類に対する数少ない対抗策だったが、個体数が減ったことにより、カラスが単独で行動する時間が増えた。オオタカは待ち伏せして背後から襲い、ハヤブサは予想だにしない角度やタイミングで急降下してくる。カラスはなす術もなく、捕らえられてしまう。「猛禽類の攻勢により東京の空からカラスが排除される未来は大いにあり得る」と話すのは国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長の五箇公一氏だ。「都会のカラスは本能的に猛禽類を嫌っています。鷹匠によるタカを使ったカラスを追い払う取り組みだってあるくらいですからね。定着した猛禽類を嫌って、都心から郊外へと逃げ出すことは十分に考えられると思います」。そんなカラスと猛禽類の戦いの裏では、スズメなどの身近な小鳥がしたたかに生きている。たとえば、スズメはツバメの巣を横取りしたり、エサの取り合いをしたりなど、普段は対立関係にあるが、共通の天敵であるカラスが現れたときは、手を組んでモビングをし、追い払おうとする。そこに、近年都内で個体数を増やしつつあるムクドリやハクセキレイが加勢することもある。そんな小鳥とカラスの関係も猛禽類の出現によって変わりつつあるという。小鳥にとってカラスは今、天敵であると同時に、良き隣人にもなったからだ。「カラスは猛禽類を見つけると、群がって取り囲み、『カア、カア』とけたたましく鳴いて追い払おうとします。その声に気付いた小鳥や水鳥はいち早く天敵の襲来を察知し、逃げられます。また、カラスが猛禽類をモビングすると、小鳥たちもカラスと一緒になって猛禽類を追い払おうとしている様子も確認しています」(前出・唐沢氏)。最近、地面でチュンチュンと鳴きながら、跳ねるスズメを見かけなくなったという人もいるだろう。実はこれも生存戦略の一つなのだ。「スズメなどの小鳥は電柱にいることが多いのですが、これはオオタカやハヤブサなど街中で狩りをする猛禽類にとってはとても厄介なのです。電線は木の枝のようにしならず、かすっただけでも一発で骨折して飛べなくなってしまうからです。小鳥たちもまた都市環境を上手く利用し、天敵から逃れて暮らしているのです」(『電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる? 』などの著書がある北海道教育大学教育学部教授の三上修氏)。とはいえ、都市進出した猛禽類の勢いは凄まじい。繁殖により世代交代を繰り返していけば、より都市環境に適応した個体も増えていく可能性がある。猛禽類が都市生態系の頂点に立てば、思わぬ所で都市環境に影響が出るという。「カラスが姿を消せば、動物の死骸が街に溢れます。カラスは死骸や糞などを食べて分解する自然の掃除屋(スカベンジャー)だからです。また、猛禽類が住み着くと、その周辺に生息する小鳥類や水鳥が激減してしまいます」(前出・唐沢氏)。ただ、カラスもこのままやられっぱなしというわけでもないようだ。「都会に生きるカラスは猛禽類という天敵のいない環境で世代交代を繰り返してきました。今はただ、見慣れていないから怖がっているだけという可能性も否定できない。実際、北海道の根室半島で、たった数羽のカラスがオジロワシに喧嘩をしかけて追い払う場面に何度も出会います。都会のカラスは、いったんは退いても猛禽類を見慣れてくれば、グループで猛禽類に反撃するようになり、現在の劣勢を跳ね返してしまうかもしれません」(前出・五箇氏)。猛禽類は人間に興味を寄せず、危害を加えることもない。地上にいる我々はこの「頂上決戦」の行方をただ黙って見守るしかないのだ。

(「オソ18」駆除、ヒグマ管理体制強化を:北海道)
釧路管内標茶、厚岸両町で相次いで牛を襲った雄のヒグマ「オソ18」が駆除された。牛の被害は66頭に上っていた。酪農関係者はひとまず安堵(あんど)しただろう。ヒグマは雑食だ。環境に応じて食性が変わる。主食としてきた草木や木の実は、エゾシカに食われ減っている。増えたエゾシカを捕食して肉食化し、その中から牛を襲う個体が現れたと言われる。道内のヒグマはここ30年間で倍増し、生息数は1万頭程度と推定される。第2、第3のオソが出現しないとも限らない。ヒグマの適切な保護管理政策の下で、人の安全・安心を図らねばならない。道をはじめ関係機関は体制を強化する必要がある。人とヒグマの共存には、人の生活圏とクマの生息域を明確に分ける「ゾーニング(区域分け)」が重要となる。奥山のクマは保護し、生息環境を保全する一方、市街地に出没すれば追い払ったり、駆除したりする区域に応じた対応が肝要だ。市街地へ侵入させないため、通り道となる川沿いの草を刈るほか、電気柵を設置したり、家庭菜園の作物やごみを適切に管理したりする必要がある。問題なのは、人とクマの緩衝地帯となっている山林や、農地での出没が目立つことだ。酪農地帯では夏場、栄養価が高いデントコーンを食べる姿が常態化している。ハンターの減少もあり、人を恐れない個体も多い。農業被害は農家個人の損害ではなく、地域全体のリスクだと捉えて、対策を進める必要があろう。市街地に現れると、多くの自治体が地元猟友会に駆除を依頼するが、担い手不足は深刻だ。道のヒグマ管理計画は、3~5程度の市町村が地域対策協議会をつくり、猟友会などと現場業務にあたる「専門対策員」と、高度な捕獲技術と経験を持つ「補助対策員」を置くことを目指す。道内の研究者らでつくる「ヒグマの会」は、これら実働組織の事務局となる各振興局に野生動物管理の専門教育を受けた「鳥獣専門官」の設置を提言する。モデルは野生動物管理の先進県と言われる兵庫、島根だ。両県では現場に即応できる専門職員が地域密着の活動をしているという。道も前向きに検討すべきだろう。体制強化に向け、市町村は予算面も限界があり道が前面に立つ必要がある。カギとなるハンター育成についても、大学や猟友会などと連携し一層力を入れるべきだ。

(「市街地クマ」即応隊できた:山形)
県内で相次ぐ市街地でのクマ出没を受け、山形市は猟銃による駆除などに即応する「アーバンベア等対応チーム」を結成した。最初の活動として26日、クマに用いるスラッグ弾を撃つ訓練を南陽市の赤湯クレー射撃場で行い、特性を確かめた。今後、市街地出没があれば速やかに対応する。市街地へのクマ出没は6月に酒田市と鶴岡市、7月に米沢市で発生した。対応チームは山形市内での発生に備えて、同市が山形猟友会(青山克己会長)の協力を得て結成。メンバーは同猟友会員らで構成する山形市鳥獣被害対策実施隊から選抜された25人。散弾に比べ威力が強く反動も大きいスラッグ弾の射撃に習熟したメンバーで、60~70代を中心に30代の若手もいる。「アーバンベア」(都市型クマ)の呼び方は、研究者らが近年、街中に出る個体の呼称として使っている。研修会には対応チームのメンバーと市職員ら計約30人が参加。射撃訓練は25メートル先の的を狙い、1人計10発を撃ち、熟練者らしく的の中心付近に弾を集めた。銃の扱いで約35年の経験がある仁藤良衛さん(70)=山形市上東山=は「市街地で銃を使うのは大きな緊張感が伴う。いざという場面で正確に撃てるよう技術を磨きたい」と語った。クマが住宅地に居座り、花火などでの追い払いなどが難しく人的被害が懸念される場合に、警察官職務執行法に基づく現場の警察官の命令を受け、ハンターが猟銃で駆除できる。射撃訓練前には、山形警察署生活安全課の担当者が命令の流れや県内の事例を紹介し、「銃による対応は最終手段だが警察としても皆さんの存在は心強い」と話した。対応チームは、11月17日にはクマの市街地出没を想定した市の実地訓練に参加する。

(エゾシカ出没増加、シカ肉の有効活用も:北海道)
釧路市では市街地に出没するエゾシカが増えており、市は車との接触事故などへの注意を呼びかけています。釧路市によりますと、令和4年度、市街地でのエゾシカ出没の通報件数は92件と、令和元年度の32件と比べて3倍近く増えています。また、令和5年度も8月7日の時点で、40件と、令和4年度と同じペースで増えています。エゾシカの出没は市内の愛国地区と文苑地区、さらに春採湖周辺で多発していて、早朝と夕方を中心に、群れで道路を横断することが確認されています。市によりますと、車とエゾシカが接触する事故も増えていて、市は車を運転する際はシカの飛び出しに注意し、車間距離をとるとともに、スピードを落とすよう呼びかけています。一方、釧路市の小学校では、食肉としてのエゾシカの有効活用などについて学ぶ出前授業が行われました。釧路市の湖畔小学校で8月22日に行われたこの授業は、市や地元企業などでつくる「地産地消くしろネットワーク」が企画し、6年生の児童53人が参加しました。子どもたちはまず、市の職員からエゾシカによる食害や交通事故について説明を受けました。そして駆除したシカを有効に活用する方法を学ぶため、地元の阿寒地区で捕獲されたエゾシカの肉を使ったザンギ作りに取りかかりました。子どもたちは、まず、モモとスネの肉を一口大に切り、調味料と混ぜてもみ込みました。そのあと、かたくり粉で衣をつけ、中まで火が通るように気をつけながら揚げていました。完成したザンギを食べた児童は「カリカリ感があって、シカは想像よりうまかったです」とか「少しかたいですが、肉汁が出てとてもおいしいです。100点満点です」と話していました。釧路市産業推進室の吉田侑太郎さんは「シカがただ害になるのではなく、食材にもなると知ってもらうとともに、子どもたちに今後も釧路の食材を食べてもらえたらうれしい」と話していました。

(海を渡るイノシシ、深刻な被害に悩む離島:広島)
空き家が増えた瀬戸内海の離島でイノシシによる被害があとを絶ちません。解決策が見いだせないまま苦悩が続く島の現実をツイセキしました。島の中の集落を、白昼堂々横切るイノシシ。金属製の固い門扉を力づくで突き破って、空き家の玄関どころか台所の中にまで入り込んでいました。フェリーで10分ほどの場所に385人が暮らす尾道市の離島・百島。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ、キャンプやマリンスポーツも楽しめる風光明媚な島ですが、3年ほど前からイノシシの被害が深刻化していると言います。専門業者がやってきて再び入り込むことがないよう、イノシシを刺激する「電気柵」が取り付けられていました。撮影されたのは海面から顔をのぞかせ、島へ進むイノシシの姿。橋が架かっていない百島はこうして泳いで上陸した個体が島の中で繁殖を繰り返し、数を増やしたとみられています。本土側から百島の最短の直線距離は500メートルほど。イノシシは歩くような感覚で簡単にたどり着いてしまうと言います。【広島市安佐動物公園 獣医師・野田亜矢子さん】「イノシシからしても当然、認識ができる訳ですよあ、あそこまで泳いだらあそこに島があるな。そのまま陸上を歩いているように歩くというか水の中をかいたら、犬かきと同じで泳げてしまいますので普通に行けると思います。体力のある生き物ですから」。TSSが各自治体に問い合わせたところ、県内に15ある、本土と橋でつながっていないすべての有人の島でイノシシの生息と農作物の被害が確認されていました。この流れを食い止めようと、百島ではわなを設置し猟友会も捕獲を試みていますが、1度に最大10頭ほどの子供を生む繁殖力に駆除のペースが追い付いていないのが実情です。島のあらゆるところに侵入を防ぐための柵が張り巡らされ、人間のほうが閉じ込められているかのような錯覚に陥ります。【百島町内会長・林信樹さん】「(多い人は対策費が)100万円くらいかかるかもしれない。ある程度草刈りをしながら動物が人間社会に入れないようにしないとだんだん人口が減ってきているんで山と一体化するようなことになってきている」。島の高齢化率は68.1%。空き家と耕作放棄地が増え、人里と森の境界線があいまいになったこともイノシシの活動範囲を広げることに拍車をかけています。まだ人的被害こそ出ていませんが、生活の不安を解消させる有効な一手は打てていません。イノシシは一度味を占めると学習し、何度も同じ場所にエサを求めやってくる習性があります。離島を含め、県内のほぼすべての地域に生息するとみられるイノシシ。近年、市街地でも出没が相次いでいて生息数をどう減らすか具体的な対策が求められています。【広島市安佐動物公園獣医師・野田亜矢子さん】「自然の摂理でどうにかなります、という状況ではすでにない、バランスが崩れている状態なので頑張ってこちらが人間の側で駆除していくことを考えないとバランスの取れた形にはもう戻らないだろうなという状況まで来ているんだと思う」。

(専門学校の学生3人がドローン活用の獣害対策学ぶ:千葉)
環境調査や環境保全の方法などを学ぶ「東京環境工科専門学校」(東京都墨田区)の学生らによる、ドローンを活用した野生動物被害防除手法の実習が21~25日の日程で、館山市内の里山を舞台に繰り広げられている。山間集落でドローンを飛ばし、イノシシの生息域を調査し、地域における獣害対策に役立ててもらおうという。鳥獣被害対策の担い手の減少や高齢化が進む中、野生動物による農作物への被害を効率的に防止するため、生息域の調査、捕獲支援など獣害対策におけるさまざまな場面で、近年ドローンが活用され始めている。そこで同校では、市内の里山をフィールドにドローンを飛ばし、イノシシの巣や獣道を上空から調査。調査地域の獣害対策について考え、管理につなげていくことが狙い。実習には同校高度自然環境管理学科の3、4年生3人が参加。同校卒業生で館山ジビエセンターの沖浩志さんが講師となり展開されている。22日は、同市神余の加藤集落で現地実習。学生らは、地元農家からの被害状況などをもとに、周辺の谷や耕作放棄地にドローンを飛行させ、上空からイノシシの巣などを探った。学生らは「ドローンを活用し上空から野生動物の被害状況を確認するのは効率的。現地での実習はなかなかない機会。今回の経験をしっかり、今後に生かしていきたい」と話していた。同様の実習は同市大神宮でも行われ、今後撮影したデータを解析して、鳥獣被害対策を効果的に行うための基礎資料をつくる予定となっている。

(ハンターデビュー講座受講者を募集します:長野)
県では狩猟者の育成や地域への定着を図るため、狩猟経験の少ないペーパーハンター等の実践的な知識・技術の習得を目的とした「ハンターデビュー講座」の受講者を募集します。

(日光の温泉宿にクマ侵入:栃木)
栃木県日光市の温泉宿のフロントに設置された防犯カメラが、とんでもない映像を捉えていました。時刻は8月20日午後9時15分頃のこと。宿のフロントに突然現れたのは…。なんと「クマ」です。お腹をすかせているのか、鼻息荒く…何かをくわえる姿が。さらに、別のカメラには…ソファに座り、和むような様子も捉えられていました。栃木県日光市、中禅寺湖のほとりにある温泉宿です。竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:20日の夜9時過ぎですね。網戸にしている所から突き破って入ってきまして。玄関を徘徊して動いていたので。クマは玄関脇にある窓を突き破り温泉宿に侵入。ロビー周辺を徘徊し始めたといいます。クマは、体長およそ1メートル。竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:まずは、黒い物体がいるってなって、見慣れないものがいてびっくりしたっていうのが本音で、よく見たら黒いクマだった。竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:あそこの木の所の真ん中のところががっつりとやられてましたね。扉を開けようとしたのか、倉庫の扉の一部が破壊されていました。さらに、驚きだけではすまされないヒヤリとする場面もありました。防犯カメラが捉えたのは、廊下のソファーに座り、くつろぐようなクマの姿。その時でした!奥から宿泊客が出てきたのです。クマはその場を離れ、事なきを得ましたが…、まさに、クマと宿泊客“ニアミス”。――危機一髪でしたね?竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:本当にそうですね。――客室からお客さんが出て来た?出てきて、多分扉を開けた音で、(クマが)びっくりして入ってきた場所から、逃げたっていう形だと思うんです。確かにソファにいたクマは、何かの音に反応し、逃げ出したように見えます。結局、入ってきた窓から外へ逃げたということです。温泉宿は、クマが再び侵入しないように、窓に柵を設置するということです。当時、温泉宿には宿泊客や従業員ら、およそ10人がいましたが、襲われた人はいませんでした。この温泉宿がある、日光市の周辺では、今年の春先から、クマによる被害が相次いでいるといいます。竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:ここの冷蔵庫なんですけど、開けられて…、冷凍のフルーツとかを持っていかれた。――そんな器用なんですねこっちも器用さにビックリしてます。周辺では、注意喚起する看板が建てられたり、チラシなどが配布されたりしています。クマが侵入した温泉宿は、市に被害を報告。市は、「食べ物の臭いを遮断する対策」をするようお願いしているといいます。竜頭の滝リバーサイド渓 支配人:これから秋になって紅葉シーズンで、人も増えてくるので、何か起きてからだと、ここだけの問題ではなくなってしまうので、何かしらの対策を取っていただきたいなと切に思っているので、今、市役所にかけあっている状態ですね。

(高校牛舎にクマ足跡、餌食べられた跡も:福島)
24日午前7時10分ごろ、福島県会津美里町鶴野辺字長尾道上乙、会津農林高新鶴農場第2牛舎で、男性職員がクマの足跡を見つけ、会津若松署会津美里分庁舎に通報した。人や家畜への被害はなかった。分庁舎や職員によると、1週間ほど前から牛舎内にある餌の入ったバケツが倒され、数日前にはバケツの餌が食べられた形跡があった。職員が23日夕、牛舎の周りに消石灰をまき、24日朝に確認すると、出入り口付近にクマの足跡が見つかったという。足跡は近くの山に向かって残っていた。農場には牛8頭と鶏約700羽が飼われており、職員は「最初はカラスやイノシシの仕業だと思った。牛舎にクマが寄ってきたことはなかったので驚いた」と話した。

(クマが飛び出し軽トラと衝突:山口)
25日午後3時40分ごろ、山口市阿東徳佐下の国道315号で、阿武町の30代男性の軽トラックと体長約1メートルのクマがぶつかった。山口署はパトロールを強化し、注意を呼び掛けている。同署の調べでは、現場はJR徳佐駅から北西約4キロの山あい。男性が萩市須佐方向から山口市内に南進中、クマが東側の川沿いから飛び出し、車にぶつかった。男性にけがはなかった。クマはそのまま国道を横断し、山に入っていったという。

(クマ目撃3件目:北海道)
道は24日、北広島市西の里872付近の道立野幌森林公園内の林でヒグマ1頭が目撃されたと発表した。市によると、同日午前5時40分ごろ、車を運転中の人が目撃した。市が周辺を調査したところ、現場で約15センチの足跡を確認した。

(ビート畑でクマ食害:北海道)
22日午前6時30分ごろ、帯広市広野町東1線付近で、クマ2頭が畑にいるのを車で通りかかった畑を所有する農家が見つけ、地元猟友会を通じて市に通報した。市と猟友会が現地調査を行い、ビート畑5平方メートルを踏まれ、そのうち1平方メートルで食害が確認された。付近の防風林と道路の間ののり面には、爪で土をひっかきながら歩いたと思われるクマの足跡も確認された。

(多摩川沿いに“シカ”目撃:東京)
芝生の上をさっそうと駆け抜ける1頭のシカ。後ろに見えるのは、橋。シカが目撃された場所は、東京・府中市の多摩川沿いにある野球用のグラウンドだった。シカが目撃されたグラウンドの周辺には、住宅地が広がっている。なぜ、野生のシカが多摩川沿いのグラウンドに?府中市の多摩川沿いにある野球のグラウンド周辺で、シカの目撃が相次いでいる。25日朝は、多摩川の水を飲む様子がカメラに収められた。男性は警察に連絡したということだが、シカはその場から姿を消した。シカは捕獲されておらず、府中市役所は、河川敷を利用する人に注意を呼びかけている。

(倉庫でクマ目撃、地区内で同様の食害相次ぐ:秋田)
25日午後11時20分ごろ、秋田県大館市十二所字水上の倉庫に体長約1メートルのクマがいるのを、近所の男性が気付き大館署に届け出た。また、26日午後8時55分ごろには、同所字十二所町の民家敷地内にいる体長約1メートルのクマを住民の男性が目撃した。いずれも、玄米などがクマに食い荒らされたとみられる状態で見つかったばかりの場所。十二所地区では同様の被害が相次いでおり、署が注意を呼びかけている。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後1時10分ごろ、富谷市明石下寺前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、26日午前11時30分ごろ、富谷市富谷原前北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午後6時50分ごろ、富谷市富谷原前北にクマが出没しました

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午前9時25分ごろ、富谷市富谷坂松田にクマが出没しました。

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8/25
(手製の銃?で生活保護継続求める:京都)
手製の銃のようなものを職員に見せて生活保護の継続を求めたとして、京都府警木津署は23日、威力業務妨害の疑いで、京都府木津川市加茂町の男(74)を逮捕した。逮捕容疑は21日午後4時15分ごろ、自宅に訪れた同市地域包括支援センターの女性職員に手製の銃のようなものを見せ、「生活保護を止めたらすぐ行く」となどと警告し、市役所に対応策を協議させて業務を妨害した疑い。「業務を妨害したつもりはない」と容疑を否認しているという。木津署によると、銃のようなものは全長約20センチで、ステンレス製のパイプ4本が束ねられ、引き金や持ち手はなかった。男の自宅から火薬や大量のねじを押収したという。

(近年は1億円規模、農作物被害が深刻:埼玉)
埼玉県ブランド「彩玉」をはじめとした梨が収穫期を迎え、県が生産量全国トップを誇る里芋や特産品のサツマイモなどの“秋の味覚”が収穫を控える中、台風や降ひょうと並んで農作物に深刻な被害を与えているのが、アライグマやイノシシなどの野生鳥獣だ。生息域の広域化に伴って被害範囲が拡大し、県における近年の被害金額は1億円規模で推移する。営農意欲の減退、耕作放棄地増加の原因にもなり、被害額以上の影響を及ぼすことから、県では、市町村・JAとの連携や農業従事者に対する電気柵などの設置補助を通して、対策強化を図っている。

(最凶ヒグマ「OSO18」が絶命した“最期の瞬間”と、駆逐したハンターの「意外な正体」:北海道)
北海道の標茶町、厚岸町で牛66頭を襲ってきた最凶ヒグマ「OSO18」が、ついに駆除されたことがわかった。OSO18が捕獲されたのは、7月30日午前5時ごろ。場所は釧路町仙鳳趾村オタクパウシの牧草地だ。現地では、2日前の7月28日からヒグマ一頭が頻繁に出没。人を見ても逃げないことから釧路町は「有害性あり」と判断し、釧路町のハンターがヒグマを捕獲した。釧路町では捕獲した当初、OSO18とは考えていなかった。しかし後日、OSO18の可能性があると思い至り、DNA鑑定実施の経験がある標茶町を通じて、札幌市の道立総合研究機構に体毛のDNA鑑定を依頼。同機構の分析の結果、このヒグマの体毛が、OSO18のDNAと一致した。OSO18は標茶町などで2019年から牛66頭を次々と襲い、その肉を食うなどしてきたが、釧路町では被害どころか目撃情報もなかった。釧路町役場の関係者が説明する。「捕獲現場の近くには民家もあり、危険が及ぶ前に駆除を決めました。ただし、駆除したらOSO18だった、というのが実状です。釧路町にOSO18がいるなんて、まさか想像していませんでした。釧路町の酪農家は3軒だけですからね。駆除現場にいたハンターは一人です。彼もまた、駆除したヒグマがOSO18だという認識はありませんでした。OSO18は警戒心が強いと評判で、『忍者グマ』という異名もありました。ところが、現場にいたヒグマは人を見ても逃げませんでした。これまで伝えられてきた特徴とは異なるため、OSO18だと思わなかったようです。ただ、捕獲したヒグマが大きかったため『もしかしたら』と思ってDNA検査に出したところ、OSO18だと確認されたのです」。OSO18捕獲の報を受け、標茶町などの酪農家は安堵している。「標茶町は酪農の街です。我々農家にとって電気柵などOSO18対策に関する費用は大きな負担になっていました。また安心して牛を放牧することもできませんでした。しかし、心配の種がなくなったことで経費的にも気持ち的にも楽になりました」。気になるのは最凶ヒグマを捕獲したハンターの素性だ。北海道庁から「OSO18特別対策班」に任命されたNPO南知床ヒグマ情報センターのハンターらは調査を重ね、地元のベテランハンターも懸命に捜索を続けてきた。しかし、OSO18を仕留めたのは意外な人物だった。「釧路町役場の40代の男性職員で、ヒグマを含む有害鳥獣駆除対応を担当する部署に所属しています。役場に勤務する一方、鉄砲撃ちとしての顔も持っています。役人ハンターは珍しいと思います」(猟友会関係者)。このハンターは、たった一人で酪農家を苦しめてきたOSO18を仕留めた。その実力とはどれほどなのか。「まだ鉄砲を持つようになって4~5年ですが、『腕がいい若手ハンター』と評判です。狩猟免許を取得した初めての年、彼は80頭以上のシカを駆除しました。これは新人としては異例の数字です」(前出・猟友会関係者)。もっともヒグマを捕獲したのは初めてという。猟友会関係者は続ける。「頭部への3発目でようやく息が切れたとのことで、“最期の瞬間”はさすがに恐怖で震えたそうです。大仕事をやってのけた一方で、クマ撃ちの経験不足もみせています。大物を捕獲した場合、記念に剥製にすることがよくあります。これだけ世間を騒がせたOSO18となれば大々的に剥製にされて展示されてもおかしくない。しかし、彼はあまりの大きさにどうしていいかわからず、その日のうちに業者に持ち込んで解体し、一部を残して処分してしまった。残念ながらいまは牙くらいしか残っていないそうです」。一方で、OSO18を追ってきた標茶町のハンターの一人は、「複雑な思い」をこう吐露する。「『OSO18が現れた』という連絡はいつ来るかわからないので、ふだんはずっと携帯電話が手放せませんでした。その意味では一安心しています。ただ、自分が捕獲したかったという思いがあるのもたしかです。標茶町と厚岸町のハンターは長年OSO18を追いかけてきました。それだけに『まさか釧路町にいたとは』と混乱しています…」。歴史に残る大仕事を成し遂げた格好だが、本人は自慢することもなく、「まさかこんなことになるとは」と困惑しているという。今後起こりうる“最悪の事態”とは? 関連記事『最強ヒグマ「OSO18」が大繁殖の「さらなる恐怖」』では、人々を待ち受ける“まさかの危機”について解説します。

(「OSO18」、ジビエ店で「炭火焼」になっていた!:東京)
北海道を震撼させた〝忍者グマ〟が東京で人間に食べられていた――。2019年からの4年間で牛66頭を襲ったヒグマ「OSO(オソ)18」が、先月30日に釧路町でハンターにより駆除されていたことがDNA鑑定により判明。さらに驚くことに、その後一部はジビエ肉として流通し、すでに食通たちの胃袋に消えていたことが分かった。北海道釧路総合振興局は22日、釧路町で駆除されたクマが検体の体毛のDNA鑑定により「OSO18」と断定されたと発表した。ただ駆除後のクマは、すでに地元のジビエ業者によって解体され、全国各地の飲食店などに発送されていた。「まさか目の前の肉があの〝OSO18〟だったとは…」。東京・人形町のジビエ料理専門店「あまからくまから」の店主・林育夫さん(58)が興奮気味に振り返る。林さんによると、店が営業中だった21日夜、取引先の北海道・白糠町のジビエ業者から「林さん! この前送ったクマ肉だけど、あれ〝OSO18〟だったことが分かったんだ」と連絡を受けたという。ちょうど来店した客に名物の「ひぐま肉炭火焼」を提供したばかりのタイミングだったといい、林さんが「いま召し上がっていただいているその肉、実は〝OSO〟でした」と恐る恐る打ち明けると、客は驚きつつも「うまい!」と喜んで舌鼓を打ったそうだ。ちなみに駆除されたクマは体長2メートル10センチ、前足の幅が20センチ、推定体重は330キロだった。駆除直後に「でかいクマが捕れたよ」と業者から連絡を受けた林さんは、いつも通り「炭火焼用」と「オハウ(鍋)用」の部位を発注。「ヒグマは脂身のある〝ロース〟が一番うまいんですが、300キロを超えるような大きな個体だと、ロースはスジが入って固くなりやすい。〝OSO〟だとは知りませんでしたが『でかいクマだ』ということだったので、今回は巨体でも柔らかい〝内モモ〟を一頭分と〝肩ロース〟合わせて7キロほど仕入れました」。気になるのは牛ばかりを襲い続けた凶暴クマだけに、木の実など草食中心のクマとは肉質や味に違いがあるのかだが…。「例えば、サケばかり食べるクマは魚っぽい味やにおいがします。OSOは脂身が少ない印象は受けましたが、味の違いはそこまでないかな」(林さん)とのことだ。ただ、残る〝OSO肉〟についてはいったん提供を止めるつもりという。「OSOは有名だけど、最初に思ったのは『人を襲ったクマじゃなくて良かった』ということでした。北海道のアイヌのしきたりでは、人を襲ったクマは〝ウェンカムイ〟と言われ、食べてはいけないので。とはいえ、人騒がせなクマでしたから、分かってしまった以上は〝相応の儀式〟をしてもらおうかと考えています」(林さん)。親交あるアイヌ関係者が近く北海道から上京するため、アイヌ式で肉を〝お祓い〟をしてもらう予定でいる。4年にわたり人間たちを震え上がらせてきた凶暴グマ〝OSO18〟。最後は大都会の真ん中で「炭火焼」に姿を変え、おいしく提供されていた。

(防衛産業強化の盲点、「弾火薬産業」の現状:佐々木れな)
仮に対中有事となった場合、陸上自衛隊が必要な弾薬は現在の20倍以上とも見積もられる。弾火薬の補給が継戦能力を左右するのは確実だが、一方でそのメーカーは、取得・調達分野に関心が偏りがちな日本の防衛産業強化において見過ごされがちな存在でもある。撤退や倒産が相次いでいる弾火薬産業の現状と採るべき施策を考察する。対中有事として沖縄の離島などへの侵攻を想定した場合、陸上自衛隊は迫撃砲やロケット弾などの弾薬が現在の20倍以上必要と試算していることが明らかになった。一方で、日本の弾火薬メーカーは利益率の低さや後継者不在による倒産や撤退が相次いでいる。日本は島国であり、有事の際の補給が著しく困難になる可能性が高く、弾薬の輸入への依存度が高いことは、日本の戦争継続能力に直接影響する。岸田文雄政権は新たな国家防衛戦略及び防衛力整備計画を発表し、防衛産業の強化を宣言した。政府は防衛力の抜本的強化に危機感を募らせるものの、防衛産業はこうした変化に追いついていない。

(猛威振るう食害に立ち上がった、老舗和菓子店らの取り組み:京都)
生麩の生地であんを包み、香りに富んだクマザサでくるんだ和菓子「麩まんじゅう」。麩の専門店で、創業200年の歴史を持つ麩嘉が起源だとされ、それゆえ麩嘉饅頭(ふうかまんじゅう)と呼ばれることもある。つるんとした口当たりのお麩は、暑い日本の夏にひと時の清涼感を与えてくれる。創業以来、こだわって使っているという京都市花脊別所産のクマザサの清涼な香りも相まって、手土産などでも人気の一品だ。「花脊別所産のクマザサは、香り高く葉も大きい特徴があります。通常のクマザサと比べて、葉の表面に産毛が生えていないため、食品を包むのにももってこい。全国各地のクマザサの産地へ足を運んだこともありましたが、はやり花脊別所産のクマザサは特別だと思います」。こう解説してくれたのは、麩嘉の7代目である小堀周一郎(こぼり・しゅいちろう)さんだ。麩まんじゅう以外にも、「熊笹もち」や「ちまき」などの京菓子や京料理にも伝統的に使われ続けてきた花脊別所産のクマザサ。京都の三大祭の一つである祇園(ぎおん)祭で厄よけ粽に利用されるなど、その需要は京都市内だけで年間約1000万枚にものぼるという。クマザサは、京都の食や伝統の屋台骨を支えてきた、重要なピースというわけだ。そんなクマザサが2000年代以降、危機的状況に陥っていたと、小堀さんは言葉を続ける。「今からおよそ15年前、山間部に群生していたササが一斉に枯れてしまったんです。もともとクマザサは60~70年周期で一斉に開花し、同じく一斉に枯死(こし)する生態を持っており、通常は枯れた後に1年ほどで再び咲き始めます。そのため、この時は使えるクマザサが育つまで待っていたのですが、3年以上たっても、いっこうに芽が出てきませんでした」。原因を探るため、山の環境保全に詳しい京都大学大学院の貫名諒(ぬきな・りょう)助教に意見を仰いだ小堀さん。同大学生のレポートなどを総合すると、山に生息するニホンジカがクマザサの新芽を食べつくしていたことが判明したという。以前から同地域ではシカの生息が確認されてきたというが、食害が顕在化し始めた2000年代中頃から、その個体数は目に見えて増えていたと、小堀さんは振り返る。ニホンジカは生息エリアにエサとなる食べ物がなくなると、木の皮やクマザサを食べる習性がある。仮に栽培エリア周辺に生息するニホンジカを一掃できたとしても、別のエリアから移動してきた群れが住み着く可能性もあったため、現環境下ではクマザサの再生は望めない状況となっていた。そこで、貫名助教を中心に、麩嘉をはじめとした和菓子店や料理店などが連携。クマザサの再生を期すべく、地域を上げてのシカの対策が始まった。まずは、クマザサが植生するエリアにシカの侵入を防ぐ防鹿柵(ぼうろくさく)を設けた。これにより、シカの侵入はなくなり、柵で囲まれたクマザサは、近年ようやく人の胸の高さほどまで育ち、見事に再生を遂げた。食害以降、供給が途絶えていた花脊別所産のクマザサは今年ようやく出荷され、産地復活ののろしを上げた。また、地域内ではシカの捕獲・駆除にも当たっており、捕獲頭数は年間50~70頭ほどに上る。捕獲した個体は解体小屋などで可食部を枝肉にし、猟友会や地域の人たちに分けていたというが、やはり地域でさばける量には限界があったほか、食べられない個体の埋設処理や内臓や骨などの残渣(ざんさ)物を廃棄処分するにも労力がかかっていた。そこで、鳥獣被害対策を手掛ける株式会社DMM Agri Innovation(アグリイノベーション)に依頼し、シカの食肉処理や残渣(ざんさ)物の焼却までを一貫して行う施設をこのほど完成させた。今秋から本格的に稼働を開始する予定だという。「通常であれば、こうした施設を建てるためにかかってくるお金は、1億円はくだらないところですが、今回DMMさんに相談したところ、必要な機能のみ実装したことで、初期投資を半額ほどに抑えることができました」(小堀さん)。施設は今年11月に本格稼働する見込み。地域の猟友会らと連携して、シカの駆除・捕獲に当たる方針だ。地域一体となった取り組みの末、クマザサの再生はもとより、食害に苦しめられてきたニホンジカを地域資源として活用する道筋が出来上がった。小堀さんに、これからの展望を伺った。「京都にはたくさんのお店やレストランがありますが、鹿肉などを扱うジビエのお店はあまりない。京都の山々で育った動物を、京都の人々が口にすることは、ごく自然なことだと思うんです。ゆくゆくは、京都市内のいろんなお店で、シカなどのジビエを多くの方々に楽しんでもらえる形を作りたい。そうすることで、京の食文化やその歴史に対する興味関心や食への意識が醸成されるのではと考えています」。施設で加工した鹿肉は今後、お麩を卸している取引先などへ営業していく予定。先人たちによって紡がれてきた食の歴史に、新たなページが加わる日は近い。

(森林のヒグマのリスクを減らせ!:北海道)
近年、町に出没するヒグマや農作物を食い荒らすヒグマが増えていて、ニュースで取りあげられることが多くなっています。一方で、ヒグマが暮らす森林が仕事場という人もいます。林業に従事する人たちです。そこで今回はもともとヒグマが利用してきた場所、苫小牧市郊外の民有林で取材を始めました。そこでは林業従事者がヒグマと遭遇するリスクを減らそうと帯広畜産大学が研究を行っています。帯広畜産大学の研究が行われているのは地元の民間会社が所有する900haほどの林です。ここは樽前山や風不死岳の裾野で、カラマツの植林地やミズナラなどの落葉広葉樹の2次林が広がっています。所有する会社では、北海道の森林の原風景ともいえる落葉広葉樹を大切にしながら、さまざまな動植物を育むこの林の生物多様性に配慮しつつ、人が安全に林業の仕事ができることを目指しています。民有林の森林経営を委託されている大手林業会社の渡辺晋二さん「森林所有者と繰り返し議論を重ねながら5年後、10年後、50年後、100年後の林の姿を模索しています。ヒグマの利用を疎外せず、林業の障害にもならないようにするのが重要な目標のひとつです」。林業の現場で働く林業従事者がヒグマと共存できるのか?今回調査を依頼されたのが、帯広畜産大学の柳川久教授の研究グループです。大学生と東京の大手林業会社、札幌の環境コンサルタント会社とともに調査を続けて今年で3年目になります。野生動物と人との軋轢や保全管理を研究している柳川久教授は、野生動物がなぜその場所にいて何をしているのかを知ることが大切だといいます。そこは移動のための経路なのか?そこで餌をとっているのか?そこに住んでいるのか?動物たちの「移・食・住」を知ることで人間側の対策を考えることができると指摘します。柳川久教授が調査を行う上で念頭にあったのがこの地域のヒグマを詳しく調査した記録の存在でした。北海道大学苫小牧研究林に在籍していた青井俊樹さん(岩手大学名誉教授)の調査チームが1996年、捕獲したオスのヒグマに電波発信機をつけて3年近く、その行動を追跡しました。その結果、そのオスはむかわ町から白老町にいたる東西75kmの山林や湿地帯を利用していることが分かり、オスのヒグマの行動範囲が広いという定説と一致しました。そのヒグマは秋にドングリを食べるためにむかわ町の山林に行き、冬になると苫小牧市北部の民有林内を通過して支笏湖に近い白老台地の林で冬眠していたのです。この調査で、勇払原野を東西に通る野生動物の通り道「コリドー」が残っていることが確認されました。この地域は道央自動車道や道内有数の交通量がある国道36号線、JR千歳線が南北に走る人口が多い地域ですが、ヒグマをはじめとする野生動物の通り道がかろうじて残っていると考えられます。青井俊樹さん(岩手大学名誉教授)「大きなヒグマが人知れず人目にふれることなく長い距離を移動していたことにとても驚きました」。ヒグマの調査はヒグマを実際に捕獲して発信器をつけて放ち、衛星や通信回線を使って位置を特定して記録する方法が最近の主流ですが、ヒグマを捕獲しなければならないため難易度が高い調査です。そこでおととし始まった帯広畜産大学の調査では複数のカメラを設置してデータを集める方法を取りました。調査は1年ごとに結果を見つつ、3年かけて進められました。1年目の調査は、以前北海道大学の調査で見つかったオスのヒグマの東西の通り道が現在でも存在するかを確認することから始まりました。林内13ヶ所に定点カメラを設置したところ大きなオスや親子などが撮影され、ヒグマたちが現在でも東西の移動ルートを利用しているのではないかと考えられました。4月26日のカメラ設置から11月30日の撤収までに98の撮影データが得られました。データから夏の繁殖期には昼間でもクマが活発に行動することが分かりました。2年目の調査ではカメラの台数を増やし、ヒグマが林内のどのあたりを利用するかに着目して調査を行いました。調査地ではヒグマが頻繁に利用する通り道が2本見つかりました。3年目のことしは前年カメラに映るクマが多かったルートのカメラを増やし、個体識別をして移動経路を詳しく追跡ができないか調査が続けられています。撮影データでは大きなオスが日中でも活発に動き回り、時々カメラに映っていました。大きなオスは繁殖期の6月から8月にかけて広い範囲を、メスを求めて歩き回っていると考えられます。子どもを連れたメスもまれに映りました。食べ物を探すなど目的があって移動していると考えられます。親離れした若い2頭連れのクマは調査地周辺に1ヶ月ほどいました。自分たちの新しい生活場所を探している途中のようです。調査をした民有林には林道が張り巡らされていますが、その中にクマたちのメインストリートあることが見えてきました。調査から分かったのはクマが昼間カメラに全くと言っていいほど映らない時期と昼間でも夜でも映る時期があることでした。この林では5月までと10月以降は、クマは主に夜間に移動し、繁殖期の6月から8月には昼夜を問わず移動していることが分かりました。柳川久教授はクマが活動する空間と時間を把握して、林業現場の作業を調整する方法を提案しています。クマの生活範囲や移動経路を把握したうえで、クマが動く時間を計算して伐採や植林などのスケジュールを立てていくのです。林業の作業時間は概ね午前9時~午後5時ですが、ヒグマの行動時間に合わせて人がそのスケジュールを調整してクマと会う確率を下げるという、これまでにない斬新な発想です。帯広畜産大学 柳川久教授「クマは6月から8月は昼間でも動いているというのが分かりました。その中でも朝と夕方に動く確率が高いので夕方の活動時間を1時間早く切り上げるだけで20数%遭遇率を下げられるということが分かりました。人がスケジュールを調整してクマに会う確率が下がるというのであれば歓迎されるのではないかなと考えています」。「ここはクマの生活圏と人間の生活圏が共通なのでそれをトラブルなしに、両方とうまく共生させていくというつもりで研究に臨んでいます。たぶんここ(調査した林)に定着してずうっとここを使っているという個体はいないのではないかと思っています。ここは移動のために使う場所なので、クマが安全に人と接触することなく動くように保ってやれば良いと思っています。そういう面で農耕地とか市街地に出てくるクマとは別のケースとして取り組めるのではという風に考えています。クマの自由度を保証しながら人間の活動ができる場所だと思うので、うまく共生することができると思っています」。今回調査に同行させていただいた私は自分の定点カメラをクマのメインルートに6月下旬から1ヶ月間設置してみました。大きなオスのヒグマが写りましたが、その数は3回だけでした。たった3回と拍子抜けしてしまいました。林に入るとクマが周囲のあちこちに居るように思ってしまいますが、クマが居着かず移動のために利用している場所では人がクマに会うことはまれなことなのだと思いました。これまで取材でたびたびクマを探し撮影してきた私にとって無人の定点カメラで得られる画像や動画は驚きの連続でした。安心して撮影ができることも新鮮な体験でした。今後の環境取材に欠かせないツールになったと思いました。

(野生動物との適切な距離は?「人慣れ」を防ぐ人間側のマナー:北海道)
北海道のほぼ中心、大雪山国立公園。1年のほとんどが雪に覆われている山に、短い夏が訪れていた。上川町の層雲峡から黒岳を越え、見渡す限りの稜線と、雪渓に囲まれた登山道を進むと突如現れるのが、黒岳石室。ここも多くの登山者で賑わっている。登山道と共に整備されてから、2023年で100年を迎える黒岳石室は、夏の間管理人が常駐する、大雪山では珍しい避難小屋だ。管理人の一人、細田直之さんは、17年間、石室を管理しながら大雪山を訪れる登山者を見守ってきた。水道はなく、電気も太陽光のバッテリーのみ。最低限の設備だが、登山者を守る重要な拠点だ。「大雪山国立公園の中に避難小屋がいくつもあるが、ほとんど無人。管理人がいるというだけで安心感は登山者に生まれる」(黒岳石室管理人・細田直之さん)。雄大な大自然が人々を魅了するが、この大自然は、危険と背中合わせ。それを忘れている人が増えている。2023年、登山者とヒグマの接近が問題に。7月8日、白雲岳避難小屋のテント場で、人を恐れないクマの親子が撮影された。クマは登山者のすぐそばを平然と歩いているが、登山者も撮影を続けている。さらには子グマがビニールで遊ぶ姿も撮影されている。白雲岳避難小屋を管理する団体の代表・岡崎哲三さんは、この状況に危機感を訴える。「これを続けるとヒグマも人慣れをしてしまってさらに人に接近する。人は怖くないんだ。人間とクマの距離が30mを切っていると聞いた。30mはクマが本気を出したら一瞬で迫ってくる距離。子グマがいる中で、こちらのことをちゃんと認識していて、子グマはしっかりこちらを見ながらいるという状態。本来はちょっとありえない状況」(北海道山岳整備・岡﨑哲三さん)。白雲岳避難小屋は現在もクマが居座っていて、テント場の閉鎖が続いている。一方、大雪高原温泉は特にヒグマが多く生息するエリアで、人とクマの距離を保つため、日々、巡視員が登山者へのレクチャーやクマの行動を観察している。北海道山岳整備・岡崎哲三さんは、前日とみられる「食痕」を指して語る。「クマは歯が全部とがっているので、スパッとかみ切ることが出来ない。シカだとちょん切ったようになっているが、繊維が残ったり噛み跡がばらばらの時は、クマの場合が多い」。大雪高原温泉では、日々巡視員がクマの痕跡や行動を観察し、コースの規制などで、登山者との接近を防いでいる。前日のものとみられるフンを示して、岡崎さんは「クマの場合は食べたものがほとんどそのまま出てくるので、何を食べたかよくわかる」と語る。巡視中にも遠くの斜面にヒグマの姿があった。ここでも2023年、ヒグマと人の距離を壊しかねない事態が起きていた。「ここにおにぎりが置いてあったんだと思う。ここに米粒がまだ残っているが、ここら辺に1個あって、そのあたりに欠片が散らばっていたという感じだ」(北海道山岳整備・岡崎哲三さん)。クマが人間の食べ物の味を覚えてしまうと、人に付きまとってしまう危険な状況になっていた可能性がある。大雪山で人とクマが共存するためには、一定の規制が必要だと岡崎さんは感じている。「人間がある程度いるとわかっても、餌を食べられる距離は100~200m以上という距離だと思う。その距離さえ守っていればクマも気にせずにいてくれるかなと。ただ、クマが本気を出したら、来る。100mあっても、時速60kmぐらい出せるので十数秒で来る。まずは人に近づいてくるクマがいないと言うのを巡視員が判断して、通っても大丈夫かなという判断と、人に近づくクマが多い時に遠くに見えていたら、クマの生活を邪魔しないようちらっと見て帰ろうというスタイル。ヒグマがいる生態系というのはものすごく素晴らしく、価値ある場所だと思う」(岡崎哲三さん)。野生動物と人間、双方にとって大切なのが「適切な距離」だ。「山に餌がなくなって下に降りてきた時に、道路の脇とか民家に行くようなクマになってしまったら撃ち殺されてしまう。クマにとっても人間に慣れることは本当に良くない」(岡﨑哲三さん)。北海道の山は動物たちの生活圏。人間側のマナーが問われている。

(メスの野生ツキノワグマの「生活史パラメータ」の定量調査を実施:東京)
東京農工大学(農工大)と東京農業大学(東農大)の両者は8月22日、日本の本州中部に生息するツキノワグマ(以下「クマ」)個体群の繁殖と死亡に関する情報のうち、初めて5つの情報(初育児成功年齢、育児成功間隔、自然死亡率、人為死亡率、0歳の子の死亡率)を定量的に明らかにしたことを発表した。同成果は、農工大大学院 連合農学研究科の栃木香帆子大学院生、農工大大学院 グローバルイノベーション研究院の小池伸介教授(農工大 農学部付属野生動物管理教育センター兼任)、ノルウェー・ノード大学のSam Steyaert准教授(農工大大学院 グローバルイノベーション研究院 特任准教授兼任)、国立環境研究所の深澤圭太主任研究員、長野県 環境保全研究所の黒江美紗子研究員、群馬県立自然史博物館の姉崎智子主幹(学芸員)、東農大 地域環境科学部森林総合科学科の山﨑晃司教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、日本哺乳類学会が刊行する哺乳類に関する全般を扱う欧文学術誌「Mammal Study」に掲載された。

(深刻サル被害、敷地内にも出没・危機感募る:山形)
戸沢村で急増しているサルの被害について、角川地区では、サルが家の敷地内にも入り始め、住民は危機感を募らせている。22日、緊急に開かれた住民座談会。サルは山間部だけでなく、住宅の屋根や敷地内にも入り始めていることが報告された。8月20日、庭先のブドウが食い荒らされた。サルは数百頭に上り、10年ほど前からいくつかの群れに分かれて出没を繰り返している。ジャガイモやカボチャなどの野菜のほか、ここ数年は、稲穂の被害も確認されている。電気柵や花火による「追い払い」も一時しのぎで、住民からは「駆除」に本腰を入れるべきとの意見が多く出始めている。(住民)「個体数を減らすしかない。どこかにえさ場を作って集団を呼び寄せて一気に駆除して個体を減らす」。ただ、この“強行策”にも課題がつきまとう。(住民)「猟友会に頼むにも1頭当たり5000円の報酬をもらうのに、この暑さの中、埋設の穴掘りは熱射病になる。そういうこともしっかり考えて対策しないと」。一方で、こんな指摘も。(住民)「何月何日何時、どこに何頭出て、どんな行動をとったのか。正確な情報を得ないと対策は打てないのでは」。座談会では場当たり的ではなく、確実に効果が上がる対策を考え取り組んでいくことを確認した。(戸沢村・加藤文明村長)「情報が不足している。生態調査も含めてデジタル・AIを活用した対策に取り組みたい」。村は今後、ドローンや定点カメラなども駆使して、群れの位置や行動パターンを詳細に把握し、有効な対策を取りまとめる方針。

(またクマの食害、ニンジン3千本:北海道)
函館市鶴野町のニンジン畑で23日、クマの足跡と、ニンジン約3千本を食い散らかした跡が見つかった。鶴野町の別の畑では16日にもニンジン約2千本の食害が確認されており、函館中央署などが警戒を強めている。...

(家業生かし獣害対策を:兵庫)
兵庫県丹波市のプラスチック部品製造業「土田化学」の土田翔大さん(28)が、同県が今年度から始めた若手後継者らを対象にした新規事業開発支援プログラム「ひょうごベンチャー型事業承継プログラム『HOJO』」に採択された。5年後、10年後を見据え、自社の経営資源を生かして新規事業を立ち上げたり、本業を変革させる挑戦を支援したりするもので、農薬メーカーに勤務経験がある土田さんは、家業を生かして獣害被害を軽減する製品の開発に臨む。土田さんは「新規、既存事業の両輪が回ってこそ、次につながる。丹波市の農家の役に立ち、会社にとってもプラスになれるようにしたい」と話している。現社長の光一さんの長男で、2021年にUターンして家業に携わっている。同プログラムは、これまでのやり方が通用しない時代に、会社の強みを見極め、新たな市場に打って出る39歳以下の若手後継者らを支援するもの。事業開発から事業化までをサポートしたり、事業化に伴う経費を上限150万円で補助したりする。土田さんを含め、県内の10人が採択を受けた。食に関心があった土田さんは大学卒業後、鳥取県の農薬メーカーに4年間勤務。光一さんと連絡を取り合う中で、家業の成長に力を注ぎたい思いと、恩返しをしたい気持ちが強まり、帰郷した。前職で得た経験やコネクション、地元の農家を悩ませる獣害被害の解決に家業を生かせないかと考え、同プログラムに応募。プレゼンを経て採択された。

(ジビエの処理学べる施設:大分)
イノシシやシカなどジビエの処理方法を学べる研修施設「日本ジビエアカデミー」が宇佐市院内町香下に開業した。「安全でおいしい」と発信し、消費拡大を目指すのが狙いで、解体処理や狩猟の方法を体験できる。運営するサンセイ(宇佐市、山末成司社長)によると、ジビエの処理を学べる施設は全国でも珍しいという。サンセイは飲食店経営のほか、2018年からはジビエの処理施設「宇佐ジビエファクトリー」の運営などを手がけている。研修施設は、この処理施設の敷地内に建てられ、5月から研修を受け付けている。研修では、実際の解体処理を体験しながら習得するほか、ジビエの基礎知識や衛生、栄養などを学ぶことができる。わなを使ってシカやイノシシなどを捕らえる狩猟や、調理の実習も行う。また、ジビエ処理業開業に向けたアドバイスも受けることもできる。研修の施設は鉄骨造の2階建てで308平方メートル。処理を行う各部屋は冷蔵室で、ガラス窓が付いているため、入室せずに見学ができる。ほかにも、調理を学ぶキッチンや教室、狩猟後に汗を流せるシャワー室なども備える。これまでに県内外の5人が受講しており、「深く学べ、技術が高まる」といった感想が上がっているという。山末社長は「このアカデミーで学ぶことで知識と技術が身につく。安心安全で栄養たっぷりのおいしいジビエの作り方を全国に広めたい」と述べた。

(エゾシカの角×ドライフラワー:北海道)
釧路市のドライフラワー専門店「いざよいと花」(愛国東4)が、エゾシカの角とドライフラワーを組み合わせたインテリア商品「花鹿(ロク)」を制作した。多くが廃棄処分されるエゾシカの角を有効活用しようと1月に販売を始め、道内外の飲食店などから注文が相次いでいる。同店は「食害など負の印象があるエゾシカを、格好良いイメージに変えたい」と話す。

(噂の食肉料理人集団:北海道)
“新たな食肉文化を創造する開拓者”。かつては不毛の地であった十勝平野の発展を夢見て、多くの開拓者が入植した豊頃(とよころ)町・大津地区。ここに拠点を置く「ELEZO社」を率いる佐々木章太さんの人物像を語るにおいて、これほどしっくりくる言葉は他にないだろう。帯広で飲食店を営む家に生まれ育ち、調理師専門学校を卒業後は道外のリゾートホテルや東京のフランス料理店で働いた。家業を継ぐために北海道へ戻り、自分の料理を模索する日々。そのなかで、あるハンターが店に持ちこんだエゾ鹿が、佐々木さんの運命を大きく動かした。「命から食べ物に変わるプロセスを体験したことがないだろう」。フランス料理のシェフとして、ジビエを扱う機会は多くあったが、その鹿肉を食べた瞬間の衝撃は今でも鮮明に覚えていると佐々木さんは言う。以来、持ち前の探究心と行動力のすべてをジビエに注ぎ、2005年には狩猟から加工、販売まですべて自社で一貫して行う「ELEZO社」を立ち上げた。北の大地で飛躍する“食肉料理人集団”の存在は、瞬く間に料理業界に広まり「ELEZOの食肉を扱いたい」と、オファーが殺到。現在、取引をする飲食店は全国300軒以上にもなるが、心の底から信頼関係を築くために、日頃から細やかなやりとりを繰り返し、佐々木さん自身も、北海道の食肉文化を活性させる試みを続けている。2022年、会社設立時からビジョンとして掲げていたオーベルジュもオープン。東京ドーム2個分の敷地には、宿泊棟とレストランのほか、オフィスにラボラトリー、豚や食鳥を育てるファームも。レストランではゲストのために佐々木さんが腕を振るい、自然と、命と真っ向から向き合ってきた“開拓者”の情熱を6~7皿のコースで伝える。美食の旅、というには軽すぎるかもしれない。だが、命をいただくというありふれた日常を超越する体験は、忘れられない記憶として心に残るはずだ。

(サル出没:宮城)
宮城県警によると、24日午前6時ごろ、石巻市山下町2丁目にサルが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後1時ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

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8/23
(牛襲ったヒグマ「OSO18」、人を見ても逃げずライフル3発で駆除:北海道)
北海道標茶(しべちゃ)町と厚岸(あっけし)町で放牧中の牛を相次いで襲ったヒグマ「OSO(オソ)18」について、道は22日、両町に隣接する釧路町で7月に駆除されていたと発表した。性別は雄で、体長2・1メートル、体重330キロだった。以前より痩せた状態という。道釧路総合振興局の発表によると、エゾシカの捕獲にあたっていた釧路町職員のハンターが7月30日午前5時頃、同町仙鳳趾村(せんぽうしむら)オタクパウシの放牧地でヒグマを発見。2日前から出没情報があり、人を見ても逃げなかったことから有害個体と判断し、ライフルを3発発射して駆除した。ハンターはOSO18とは思わなかったというが、仲間がその可能性を指摘。体毛を道立総合研究機構(札幌市)が分析したところ、過去の襲撃現場付近などに残されたOSO18の体毛とDNA型が一致した。OSO18に牛が襲われる被害は2019年7月、標茶町オソツベツ地区で始まり、21年7月には厚岸町でも確認された。両町で計66頭が被害に遭い、うち32頭が死んだ。OSO18の名は、最初の被害が確認された地名と足跡の幅が約18センチだったことにちなむ。捕獲後に測ると前足の幅は約20センチだった。警戒心が強く、地元のハンターらによる捕獲作戦は難航。今年6月25日に標茶町で初めて鮮明なカラー画像が撮影された後、足取りは途絶えていた。

(事務所から火縄銃4丁なくなる:長野)
21日、長野県松本市の事務所に保管されていた火縄銃4丁がなくなっていることがわかり、警察は盗まれたとみて捜査しています。21日午前7時前、松本市に住む74歳の自営業の男性から、「事務所の中が荒らされている」と警察に通報がありました。警察が調べたところ、事務所内の棚にあった火縄銃のうち4丁や現金などがなくなっていました。警察によりますと、なくなった火縄銃は長さ30センチ余りのものからおよそ1メートルのものまであり、男性は主に観賞用に所持していたということです。火薬などがあれば弾を撃てる可能性があるということですが、男性は弾を持っておらず事務所内にあった火薬も盗まれていませんでした。男性は火縄銃の所持に必要な県教育委員会への登録をしたうえで事務所に保管していたということです。警察は現場の状況などから火縄銃などは盗まれたとみて捜査しています。

(イノシシ豚熱昨年度上回る:島根)
豚、イノシシに強い伝染力を持ち、致死率が高い豚熱(CSF)の野生イノシシへの感染が、鳥取県内で昨年度を上回るペースで見つかっている。人への感染や健康被害はないが、豚の飼養施設で発生すると大きな被害となることから、関係機関は拡大の抑え込みに懸命だ。

(エゾシカ生息数、南部微増:北海道)
道は、道内での2022年度エゾシカ推定生息数をまとめた。南部(後志、渡島、桧山管内)は3万~18万頭と推定、前年度(3万~15万頭)に比べ微増した。シカの捕獲数が足りていないことが要因とみられる。南部を除く全道の推定生息数は、前年度より3万頭多い72万頭としている。道は、道内を東部(オホーツク、十勝、釧路、根室)、北部(空知、上川、留萌、宗谷)、中部(石狩、胆振、日高)、南部(後志、渡島、桧山)の3区分に分け、調査で得たデータを基に生息数を算出している。道が定めた5年間(22~26年度)のエゾシカ管理計画で区分を見直し、21年度から西部を北部と中部に細分化した。南部は、捕獲数が少ないため数値に幅を持たせている。3万~18万頭で、前年度3万~15万頭より微増した。東部は前年度より1万頭多い32万頭、北部は同1万頭増の19万頭、中部は同1万頭増の21万頭とした。合計72万頭で、基準年とする11年の77万頭より5万頭減少した。一方、22年度の全道の捕獲数(速報値)は前年度比2000頭減の14万1000頭(うち雌は7万7000頭)となり、雌の捕獲数は前年と同じだった。内訳は狩猟が3万2000頭、許可捕獲が10万9000頭。全道での捕獲目標数(23年度)は18万5000頭(うち雌10万6000頭)で、4万4000頭の開きがある。24年度は雌捕獲割合について、23年度の57%から60%へ高める目標を掲げている。全道の農林業被害額(21年度)は44億8000万円で、前年度(40億6800万円)より増加。内訳は農業44億4100万円、林業4000万円。道野生動物対策課は「南部は石狩や胆振寄りの後志での増加が目立つ。桧山はそれほど増えていないが、渡島は恵山(函館市)や福島、森、七飯など局地的に増え、増え方にばらつきがある」としている。

(狩猟免許なくても協力可能、担い手不足解消へ:千葉)
市原市は、農地へのイノシシ被害が深刻な里山地域の獣害対策を支える協力者を募ろうと、初の「里山獣害対策体験会」を同市の西国吉自治会館と周辺農地で開いた。地元の西国吉地区と市内他地域の住民20人が参加。獣害対策技術の研修を手がける合同会社AMACの担当者らのアドバイスを受け、被害の実情や、狩猟免許がなくても担える役割に触れた。

(電気柵、効果的な張り方は?:秋田)
農作物の収穫期を前にクマやシカ、イノシシ、ハクビシン、サルなどによる獣害が懸念されるとして、秋田県内の一部の自治体が農家に電気柵の設置を呼びかけている。高齢化や若者の流出で集落の人口が減ったことで野生動物の行動範囲が年々拡大しており、県は「被害の多い西日本などでは既に電気柵の設置が一般的になってきているが、秋田も長期的に見ればそうなる可能性が高い」と予測する。「ワイヤは地面からの距離を一定にしてください。農作物のおいしい味を覚えたクマは執念深く、地面を掘ってでも中に入ろうとします。ポールは4メートル間隔で。だいたい6歩の歩幅です」9日、秋田県横手市の県果樹試験場で開かれた研修会で、電気柵を扱う「ファームエイジ」(北海道当別町)の東展生マネジャーが実演しながら張り方を説明した。集まった地元農家ら約20人はその様子を注意深く観察。県職員も交えて「乾燥ヒトデやオオカミの尿などは効果があるのか」「おそらくずっとは効かないのでは」などと真剣に意見を交わしていた。電気柵は田んぼや畑の周囲を囲うように設置する。電圧3000ボルト以上の電流をごく短い間隔でワイヤに流し、触れた動物に電流で痛みを与えて退散させる効果が期待される。退ける動物の特徴によって、ワイヤを張る高さや位置を変化させる仕組みだ。東さんによると、西日本を中心に特にイノシシやサル、シカによる食害が深刻で、農業県の千葉県などでも被害が増えている。電気柵を一部の農家が設置すると、動物は柵のない別の畑に向かうため、周囲の農家も設置せざるを得なくなっているのが実情だという。秋田県や青森県ではイノシシや鹿の生息が周辺県ほどは多くない。そのため電気柵の普及はまだ初期だが、今後各地で設置が広がる可能性が高いという。研修会を主催したJA秋田ふるさと(横手市)によると、果物の生産が盛んな横手市の増田地区では今季、既にクマ6頭を捕獲したという。担当者は「この時期に6頭は初めて。秋には果樹を狙うクマがもっと出てくる可能性がある」と警戒を強める。クマは一般的にトウモロコシやスイカ、メロン、イチゴ、リンゴ、ナシ、蜂蜜、シャインマスカットなどを好み、一度味を覚えると「どんな手段を取ってでも『また食べたい』と強く思うようになってしまう」という。果実にとどまらず、枝まで折られることがあり、被害が数年に及ぶ恐れもある。横手市などは電気柵の設置を検討する農家への補助制度を創設し、活用を呼びかけている。県自然保護課の近藤麻実主任は「捕獲以外の方法で農作物を守るには音や光の装置だけでは継続性に限界があり、電気柵の設置がより現実的。クマが味を覚えて頻繁に来るようになってしまうと農家にとっては経済的、精神的に大きな負担になる」と対策を促している。

(豚熱ワクチン30日から散布へ:岐阜)
岐阜県は21日、豚熱(ぶたねつ)(CSF)対策として、野生イノシシに対する経口ワクチンの本年度後期散布を30日から始めると発表した。野生イノシシが生息しているとされる県内34市町村の計1904カ所に散布する。全国的に豚熱の感染が広がる中、昨年よりも1割程度多くなった。県家畜防疫対策課によると、東北や四国で感染が増えているほか、県内でも今年に入って少しずつ感染が見られている。ワクチンは各カ所20個ずつ土に埋める方法で散布する。

(ムクドリのねぐらの木を剪定、果たしてその効果は?長野)
JR長野駅前のムクドリの大群についてです。長野市は、対策として、ねぐらとなっている街路樹のせん定を行いました。果たして、その効果は?長野市街地の上空に現れた、大量のムクドリ。その数は数百から1000羽ほど。天敵から身を守るため群れとなり、6月下旬からはJR長野駅東口にある街路樹が「ねぐら」となっていました。この場所は2021年から通路に落とされた大量のフンや、夜中まで響き渡る鳴き声に関して市に相談が寄せられていました。ムクドリが現れてからおよそ2か月。対策として、市は19日に街路樹のせん定に乗り出しました。ねぐらとなっていた道路の中央と歩道の木、合わせて6本がせん定され、枝葉はほとんどなくなりました。果たして、効果はあるのか!?夕方、いつものように駅前に集まってきたムクドリたち。しかし・・・近くの電線やほかの街路樹に止まるものの、落ち着かない様子です。カラスのねぐらに迷い込んでしまったのか、追いやられるように飛び立つと、また、さまよいます。結局、多くのムクドリが選んだのはいつもの街路樹。葉が落とされ、天敵から隠れる場所はありませんが、それでも木を覆いつくすほどの数が集まってきてしまいました。ムクドリが駅前から離れる日は来るのでしょうか。

(カラスのアルビノが相次いで確認される謎:新潟)
新潟県内で捕獲された、メラニン色素が作れず色が白い「アルビノ」と呼ばれる状態のカラス2羽の遺伝子解析から、変異の特徴一致が確認された。京都大学の古賀章彦名誉教授(進化遺伝学)は「変異遺伝子が潜む黒いカラスの群れが新潟周辺で形成され、高頻度で白い個体が生まれるのでは」と推察する。体が白い動物は、天敵に見つかって捕食されやすいとされる中、新潟県では1980年代以降、白いカラスが相次いで確認されているという。

(住宅近くにクマ出没、猟友会が捕獲:山梨)
山梨県富士河口湖町でクマが出没しました。クマは地元の猟友会によって捕獲され、山に返されています。捕獲されたクマは体長125センチ、体重およそ50キロの5歳ぐらいのメスで、きのう、付近の住民が自宅から目撃していました。通報を受けた警察が地元の猟友会と付近を警戒していたところ、午前8時50分に目撃場所の近くでクマを発見し、捕獲したということです。富士河口湖町ではほかにもクマの目撃情報が複数寄せられていて、警察は「クマを見かけた場合は、大声を出したり、走って逃げたりせず、静かに距離を取ることが重要」と、近隣の住民に注意を呼び掛けています。

(乗用車とクマが衝突、クマはその後死ぬ:山形)
山形県舟形町の国道13号で20日夜、道路に飛び出してきたクマと乗用車が衝突した。クマはその後死に、乗用車を運転していた男性にけがはなかった。20日午後7時半ごろ、舟形町舟形の国道13号で、南に向かって走っていた乗用車が進行方向右側から飛び出してきたクマ1頭と衝突した。クマは体長が1メートルほどでその後、路上で死んだという。乗用車を運転していた60代の男性にけがはなかったが車体右側の前方部分が破損した。事故の後、現場の処理をしていた警察官が東側の薮で体長50センチほどの子グマが2頭がいるのを目撃していて警察は周辺の住民に対し警戒を呼びかけている。

(田んぼから飛び出したクマと軽トラが衝突:秋田)
21日午後10時10分ごろ、秋田県仙北市角館町白岩天神堂の市道「みずほの里ロード」で、同市の40代男性の軽トラックがクマと衝突した。男性にけがはなかった。仙北署によると、美郷町方向から田沢湖方向に走行中、左側の田んぼから飛び出してきた体長約1メートルのクマとぶつかった。クマは東の林に去った。現場は白岩小学校の北東約1・1キロ。民家まで約270メートル。

(クマ目撃件数36件、注意呼びかけ:埼玉)
埼玉県秩父市ではクマの目撃件数が21日までに36件とすでに昨年度の件数を上回っていて、市が注意を呼びかけています。秩父市ではことし4月から今月21日まで市内でクマが目撃された件数が36件で、昨年度1年間の31件をすでに上回っています。市によりますと、人的被害はないということですが、市街地に近い公園などでも目撃が相次いでいて、市では目撃現場に注意を呼びかける看板を設置したりパトロールを強化して警戒を強めています。このうち、ことし6月に目撃情報があった観光名所の1つ、羊山公園では園内の樹木に「熊出没注意」と書かれた看板が設置されていました。公園をジョギングしていた近くに住む男性は「目撃数が増えてきているので気を付けながら走っています」と話していました。秩父市生活衛生課の岩城哲也主査は「山の高い位置に食料が無く、クマの行動範囲が低地に降りてきているのではないかと思います。市民や観光客の皆さんが安全に過ごせるよう注意喚起を続けていきたい」と話していました。

(野生動物から畑を守るよ、3年間のトレーニングを積んだ保護犬が里守り犬として活躍:広島)
かつて、管理が行き届いていた農業地域では、野生のイノシシやサルは人里に近寄らないことが多く、田畑を荒らされることは少なかったと言われています。しかし、今日ではこういった野生動物が人里に降りてきて田畑を荒らすことが多くなり、農業被害に悩まされる農家が増えています。農家を対象にしたある調査では、荒らす野生動物の筆頭がイノシシ、次いでサルだといいます。もちろん農家も指をくわえて被害を見ているわけではなく、野生動物除けの対策として、電気柵やネットが張り巡らすこともあります。しかし、それだけでは効果に限界があるともされ、様々な対策が議論されるようにもなりました。そんな中で注目されることになったのが「里守り犬(さともりいぬ)」という存在です。「里守り犬」とは名前の通り、「里を守るためのワンコ」で、里におりてきてしまった野生動物を追い返すもの。広島県の神石高原町は2017年、全国に先駆けて、「里守り犬」の育成に乗り出しました。育成にかける予算は初年度の1年間で420万円。育成に際しては、地元を拠点とする動物愛護団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)に委託しました。ピースワンコが保護したワンコの中から「里守り犬」に相応しいワンコにトレーニングを行うことに加え、後の飼い主となる農家にも勉強会などに参加してもたい、ワンコを適切に扱うための知識や技能を身につけてもらうというもの。これらを段階的に行い、3年ほどの時間をかけて、「里守り犬」となったワンコと飼い主の自立を目指します。この取り組みに参加することになった保護犬がソバちゃんというワンコ。ピースワンコが以前動物愛護センターから引き出した、なんの訓練もバックボーンも持たないワンコです。大きなかわいい耳が特徴で、一見では「野生動物を追い払う」ような威厳を感じることができません。しかし、複数回の訓練を経たソバちゃんは次第に、「里守り犬」としての自覚を持ち始め、表情も変わっていきました。トレーニングの際のクマの毛皮に対しても、ワンワンワンと力強く威嚇し、追い返す動作を取るようになりました。後にソバちゃんを受け入れることになった農家の赤木さんは、訓練段階でこのソバちゃんと行動を共にしました。聞けば、やはり野生の猿による農業被害に悩まされていたようでこんな風に語ってくれました。「うちの地域では猿が畑に来て悪さをする。柴犬を飼ってはいるが、追い払ってくれるわけではないので、『里守り犬』の育成と譲渡をピースワンコにお願いすることにしました」こういった農家の期待を受け、訓練を重ねた後、見事「里守り犬」として赤木さんに迎え入れられることになったソバちゃん。今日も野生動物から畑を守り、そして元気に暮らしていると言います。かつては殺処分目前だった保護犬でも、このように立派な社会貢献ができる好例の一つになりました。ピースワンコでは、ワンコ1頭ごとに与えられた命を全うできるようサポートとケアをし続けることと合わせて、さらに飛躍させた社会貢献できるワンコの育成も行っています。こういった活動から保護犬のあり方を広く知ってもらい、最終的には「ワンコの殺処分ゼロ」を目指すべく活動を続けています。

(「第7回森の京都ジビエフェア」参加店舗の募集:京都)
森の京都の魅力ある食材の一つであるジビエについては、各地域の特徴を活かした消費拡大を推進しているところです。その一環として、飲食店等がオリジナルのジビエ料理等を提供することにより、ジビエ料理のメニューや精肉販売の定着を図るとともに、ジビエに携わる関係者(食肉処理業者、飲食店、行政等)の連携を強化し、地域振興に繋げることを目的にジビエフェア(以下、「本フェア」という。)を開催するため参加店を募集します。

(貧血に悩む女性、イノシシ肉を食べてみませんか:島根)
貧血に悩む女性にイノシシ肉を届けたい―。管理栄養士で狩猟免許を持つ島根県松江市の森脇香奈江さん(42)が、地元産のイノシシ肉を定期販売する事業の準備を進めている。貧血だった自身が食べて改善した経験を踏まえ、必要とする人に肉が流通する仕組み作りを目指す。森脇さんの原点は「イノシシファースト」。厄介者として駆除されるイノシシが埋められて処分されるのをもったいないと思い、解体方法を習い、フランクフルトにするなど商品開発をしてきた。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後6時40分ごろ、仙台市泉区館4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、21日午後1時30分ごろ、富谷市明石下向田にクマが出没しました。

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8/21
(散歩中のお年寄り2人相次いでクマに襲われけが:岩手)
19日朝、岩手県雫石町で散歩中のお年寄りがクマに襲われ、2人がけがをしました。19日午前5時すぎ、岩手県雫石町御明神南野で、近くに住む原瑞保さん78歳があぜ道を散歩していたところ、田んぼから出てきた体長およそ1メートルの成獣のクマに襲われ、頭や顔をひっかかれました。およそ10分後には、450メートルほど北東で、散歩中の林尻弘子さん85歳がビニールハウスの間から出てきたクマに顔や両肩をひっかかれました。2人とも命に別条はありません。警察は、同じクマによる被害とみて警戒を強めています。

(シカ被害対策協定:熊本)
シカによる農林被害防止につなげようと、熊本県の水俣市と芦北、津奈木の両町と県、林野庁は連携して対策に取り組む協定書を締結した。見落とされがちだった市や町の境界部分へのわなの設置などきめ細かい対策を図るのが狙い。複数の自治体や県がともに協定を結ぶのは九州で初めて。

(餌「ブナの実」凶作、クマが今秋は頻繁に人里へ出没恐れ:新潟)
新潟県鳥獣被害対策支援センターは8日、今秋はツキノワグマの餌となるブナの実の凶作が予測されると発表した。冬眠前のクマが餌を求めて頻繁に人里に出没するおそれがあるとして、注意するよう呼びかけている。同センターが県内158地点の奥山に分布するブナを目視で調べた結果(速報値)、中越、魚沼、上越は結実が見られない「凶作」、下越はわずかに結実がある「不作」で、全域では凶作に該当する見通しとなった。詳しい原因はわかっていないが、ブナは数年周期で豊凶を繰り返す特性がある。凶作だった2020年度にはクマの目撃が県内で1957件、人身被害が17件21人に上って過去最多を更新し、死者も1人出た。これに対し、豊作に迫る「並作」だった22年度の人身被害は1件1人にとどまっている。

(クマ目撃、過去10年で最多:長野)
長野県内の里地でのツキノワグマの目撃件数が急増し、6月が例年の2倍以上だったことが県のまとめで分かった。今月1日には上田市で山に近い墓地で草取りをしていた高齢女性が右腕や額を引っかかれる被害も起きた。例年8~10月は1年間で最も目撃情報が増えることから、県は注意を呼びかけている。本年度は4~5月に例年より10件程度多かったが、6月に入り急増し、過去10年で最も多い288件に上った。人身被害も今月2日までの約4カ月で前年度1年間の半分を超える5件発生し、6人が負傷した。目撃情報は例年、山のエサが少なくなり、農作物の収穫期と重なる8月にピークを迎える。

(公園と周辺に「ヒグマ注意報」:北海道)
北海道北広島市で今月クマの目撃があわせて4件と相次いだことを受け、北海道は目撃のあった野幌森林公園及び周辺にヒグマ注意報を出しました。道が注意報を出したのは札幌市、江別市、北広島市の野幌森林公園の区域およびその周辺です。期間は来月17日までの1ヵ月間を想定しています。野幌森林公園を管理する北海道博物館では、公園利用者に立ち入りを自粛するよう呼び掛けています。野幌森林公園周辺は学校や住宅街が隣接しています。

(怪物ヒグマ「OSO18」に“異変”が:北海道)
夏の旅行先として人気の北海道だが、懸念されるのは相次ぐヒグマの被害だ。中でも気になるのは、最凶ヒグマとして知られる「OSO18」の動向。今回その鮮明な姿が初めて捉えられたと聞いて現地へ向かうと、ある異変が……。今年5月までのクマ目撃報告は、道内で700件超と過去最多ペースで増加している。それだけヒトとの遭遇が頻繁なら被害も深刻で、道北の幌加内町では死亡事故が発生。道内の主要産業である農業や畜産への影響も甚大である。特に世界遺産の釧路湿原を抱える道東の標茶(しべちゃ)町や、カキの産地として名高い厚岸(あっけし)町は、乳牛ばかりを襲う特異なヒグマ「OSO18」、通称「オソ」の被害に悩まされ続けている。独特な名前は、最初に乳牛を襲ったのが目撃された場所である標茶町のオソツベツという地名と、足跡の幅が18センチだったことに由来する。被害が確認された2019年以降、この地域では66頭の乳牛が襲われたが、その姿をハッキリ見た者はいない。いや、正確にはそれらしき姿を目撃した酪農家が一人いて、赤外線カメラによるモノクロ画像が数枚あるのみだったが、今年6月25日、初めて鮮明なカラー映像で捉えられ、その後「オソ」と断定されたのだ。「最終的には、過去の被害現場と今回の撮影現場に残された体毛のDNAが一致したので、オソだと断定することができました」とは、標茶町農林課の担当職員だ。

(シカ増え食害深刻、高山に生息域拡大:新潟)
3000メートル級の山々が連なる北アルプスを中心とする中部山岳国立公園(新潟、富山、長野、岐阜)の高山帯でニホンジカの目撃例が増えている。大量の草を食べるシカに荒らされると植生回復は難しく、高山植物を餌とするライチョウへの影響も懸念される。深刻な食害が出た山もあり、環境省は自治体と、わなによる捕獲などに乗り出す。ニホンジカの生息域は本来、低い山。1頭で年間1トン程度の草を食べるとみられ、北ア周辺の標高の低い地域では食害が確認されている。

(AIでクマ判別:福井)
有害獣対策の一環で坂井市は九月から、獣種の判別が可能な人工知能(AI)システムを導入する方針を固めた。赤外線カメラと連携させてデータを随時チェックし、クマに限り通知が届く。出没情報の確認時間が大幅に短縮し、迅速な初動対応につながる。市によると、県内での導入は初めて。システムは、北陸電力新価値創造研究所(富山市)と情報通信会社「ほくつう」(金沢市)が開発した。坂井市は現在、通信機能付きの赤外線カメラを活用。有害獣だけでなく、人や風に揺れる植物も撮影するため、そのたびに市職員が目視で確認している。市は九月、クマ出没情報が多い丸岡町下久米田の山際二~三カ所にカメラを設置し、AIシステムと連動させる予定。AIはクマのみ判別し、市に画像とともにメールで通知する。市職員は住民からの通報を受け、現地確認に出向く手間が省ける。既に導入している富山県での試算によると、情報確定に要する時間は十分ほどで、十~百三十分の短縮効果があった。AIは夜間など人の目で見つけにくい有害獣を検出できる上、疲れを知らない。検出精度も高く、エラー率はわずか0・1%にとどまるという。市農業振興課の担当者は「集落への侵入経路が分かれば、わなの仕掛け場所も決められる」と話す。システム導入費は年間十万円ほどの見通し。イノシシへの適用も検討する。市によると、二〇二二年度に市内で確認されたクマの出没は十七件(前年度比十件増)。近年の有害鳥獣被害は面積が二~三ヘクタール、金額が三百五十万~一千万円となっている。

(落ちている米をたどると裏山で発見:岩手)
20日早朝、岩手県一関市で倉庫にクマが侵入し、米袋が引き裂かれる被害が発生しました。一関警察署によりますと20日午前4時ごろ、一関市厳美町に住む無職の女性(82)が農作業に行くため自宅敷地内の倉庫に向かったところ、シャッターが開けられているのを見つけました。女性が倉庫の中を確認したところ、保管していた米袋と米ぬかが入った袋それぞれ1つがなくなっていたということです。周辺に落ちている米をたどっていったところ、自宅の裏山に引き裂かれた袋があり、中身が散乱していました。現場の状況から警察はクマによるものと断定し、周辺地域に注意を呼びかけました。

(クマ食害か、モモ40個トウモロコシ40本:秋田)
秋田県鹿角市花輪で17日、クマによるとみられる食害が相次いだ。鹿角署によると、午前6時ごろ、同市花輪字下頭無の果樹園で、モモ約40個が食い荒らされているのを所有者の60代女性が見つけた。園内にはクマのものとみられるふんがあった。近くの民家まで約50メートル。

(クマの目撃相次ぐ:栃木)
栃木県内では18日、クマの目撃情報が相次いで寄せられている。日光市内では午後8時15分までに、計4頭が目撃された。いずれも午前5時20分ごろ、宝殿、安川町の路上でそれぞれ1頭ずつが目撃された。午後0時50分ごろには、中宮祠の国道で1頭が目撃されている。さらに午後8時15分ごろには、日光市湯元の路上でも近隣住民から1頭の目撃情報が寄せられた。また、正午ごろ、鹿沼市草久の県道付近でもクマ1頭が目撃された。目撃されたクマ5頭の体長は、いずれも約1メートル。管内の日光署と鹿沼署は警戒活動を実施している。

(小学校のそばでクマ目撃:岩手)
18日午後2時ごろ、岩手県八幡平市西根寺田の寺田小学校の東側路上でクマ1頭が目撃されました。警察によりますとクマは道路を横断し、西側へ移動したということです。被害の情報はありません。小学校によりますと18日は2学期の2日目で、学校に残っていた3年生以上の児童は職員が付き添って集団下校をしたということです。警察や市が周辺の住民に注意を呼びかけています。

(仙台市中心部でカモシカ目撃相次ぐ:宮城)
仙台市中心部でカモシカの目撃が相次いでいます。専門家は二ホンジカが増えたことでカモシカの餌が減り、生息地を失っている可能性を指摘しています。8月5日午前5時半ごろに仙台駅東口で撮影された1枚の写真。ビルの脇に写っているのは1頭のカモシカです。警察官が駆け付けたところ逃げていったと言います。この日カモシカは別の場所でも目撃されました。この日目撃されたのは合わせて3カ所で、いずれも仙台駅から近い中心部です。体長は1メートルほどで、いずれも同一の個体とみられています。7月4日には、若林区石名坂で車道にはみ出して走るカモシカの様子をドライブレコーダーが捉えていました。また5月には宮城野区高砂のマンションの駐輪場にカモシカが逃げ込み、その後市の職員に捕獲されています。相次ぐ中心部でのカモシカの目撃。野生動物の生態に詳しい専門家は、二ホンジカが増えたことでカモシカの餌が減り、生息地が奪われた可能性を指摘します。森林総合研究所東北支所高橋裕史さん「シカは植物であればかなり幅広く食べることができるので環境を改変してしまう。そのためカモシカの生息地としては適さなくなって(市街地に)カモシカが押し出されてくるという状況が西日本では報告があります」。高橋さんによると、カモシカの餌がニホンジカによって食べられる現象は宮城県内でも確認されているということです。森林総合研究所東北支所高橋裕史さん「牡鹿半島でも林の草がなくなっているため、(東北でも)そういった状況が生じているのではないか」。カモシカは基本的に人に危害を加えることはありません。仙台市では、見かけても近づいたり驚かしたりはせず静かに立ち去ってほしいと話しています。

(シカ肉出荷制限一部解除:群馬)
国は18日、東京電力福島第一原発事故の後に出荷制限が続いているシカ肉のうち、食肉加工会社「箕輪きりんフーズ」(高崎市箕郷町)で処理された肉の出荷制限を解除した。野生鳥獣の肉の出荷制限解除は県内では初めて。同社では放射性物質の全頭検査を行い、放射性セシウムが基準値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)以下のものが出荷される。同社によると、スライス肉やひき肉に加工して販売する予定だという。原発事故の後、県内ではニホンジカから国の基準値を超える放射性セシウムが検出され、2012年11月から原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限が続いていた。ただ、基準値を超える個体は減少傾向にあり、昨年度は検査された21頭のうち1頭のみだった。同社は今年度、高崎、みどり両市で有害捕獲されたニホンジカ100頭を受け入れ、25年度までに年間300頭に拡大する方針。

(国産ジビエ認証施設の第34号認証:北海道)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第34号)として、株式会社Mt.が運営する食肉処理施設「株式会社Mt.(北海道美唄市)」が認証されました。

(シカ・イノシシ肉が国体おもてなしにピッタリなワケ:鹿児島)
10月に開かれるかごしま国体まで、あす18日で50日となりました。国体は競技はもちろん、地域の魅力を生かした「おもてなし」も楽しみの一つです。例えば、前回の栃木国体では、特産の野菜・みぶなを使ったドーナツや会場で点てたお茶などが振る舞われていました。かごしま国体には、選手や関係者など全国からのべ3万人以上が訪れる見込みで、鹿児島の食をPRする絶好の機会です。「食」でおもてなししようと取り組む人たちがいます。薩摩川内市の飲食店で開かれた試食会。県内を訪れる国体選手や関係者らを「鹿児島の食」でもてなそうと企画され、県の担当者や関係者らが参加しました。用意したのは、定番のバーベキューソースや、みそとマスタードを混ぜた珍しい和風ソースを使った4種類のハンバーガー。メインのお肉は薩摩川内市や日置市などで捕獲された「イノシシ」です。臭みや硬さを感じる人もいるため、香味野菜と一緒にじっくり火を通して細かくほぐし、冷めても柔らかく、小ぶりで食べやすいジビエバーガーを目指しました。企画したのは峯夕子さんです。日置市の企業「鹿児島ジビエ研究所レイビッグジャパン」の社長で、狩猟免許も持っています。シカやイノシシは農作物に被害を及ぼすとして、埋められて廃棄されるものが多いのが課題です。人間の都合で駆除されるなら、せめて食材として活用したいと、肉の加工・販売を行っています。ジビエ肉は、珍しいだけでなく、国体のおもてなしにぴったりな特徴もあると言います。シカ肉は、牛肉と比べると脂質は6分の1、鉄分は2倍。イノシシ肉の鉄分は豚肉の4倍以上含まれるなど、高タンパク・低カロリーで栄養価も高いジビエは、アスリート向けの食材としても注目されています。ジビエを手軽に楽しんでほしい―。峯さんとフレンチのシェフ、ハンバーガー店が協力し、半年かけて試作を重ねてきたジビエバーガー。試食会での反応に手ごたえを感じています。試食会から10日後、国体100日前の記念イベントが開かれました。子どもたちによるダンスの披露、ラグビーやウエイトリフティングなどの体験が行われました。会場の飲食店エリアには、峯さんの姿も。試食会でも好評だった和風味のジビエバーガーなどを、2個セット・1000円で販売しました。工夫を凝らしたおいしいおもてなしで、国体を盛り上げます。10月の国体では、日置市や薩摩川内市の会場で販売できるよう進めていくということです。

(夢の骨付き肉ガブリ:愛媛)
漫画に出てくるような巨大な肉にかぶりつきたい―。そんな夢をかなえるユニークな商品「猪の骨付き肉ボアソルト」を、愛媛県伊方町地域おこし協力隊の伊勢典昭さん(36)が代表を務める合同会社「旅するジビエちゃん」が発売した。廃棄される県内産イノシシ肉を活用しており「多くの人にジビエ(野生鳥獣肉)に興味を持ってほしい」と話している。伊勢さんは北海道函館市出身で2021年に協力隊として伊方町に移住した。有害鳥獣によるかんきつの被害を知り「農家の負担軽減のためにもジビエを活用した産業を興したい」と、今年4月に合同会社を設立。ジビエ加工品の製造販売に取り組んでいる。

(鹿肉祭り、4年ぶり開催:北海道)
地元でとれたエゾシカ肉の料理を味わう催しが19日オホーツク海側の西興部村で4年ぶりに開かれました。この「鹿肉祭り」は地元でとれたエゾシカ肉のおいしさや栄養価を多くの人に知ってもらおうと、NPO法人が6年前から開いてきましたが、新型コロナの感染拡大で去年までは中止となっていました。4年ぶりの開催となったことしは、西興部村の屋内多目的運動場に地元でとれたエゾシカ肉の赤ワイン煮込みやももの肉の丸焼きなど6種類の料理が準備され、観光客や地元の人たちが炭火の煙が漂う会場でおいしそうにほおばっていました。愛知県から訪れた40代の女性は、「鹿肉はクセが強いイメージでしたが、ぜんぜん臭みも無くすごくおいしいです」と話していました。主催したNPO法人の伊吾田順平さんは、「とにかく鹿肉はおいしいです。低カロリーで鉄分が豊富なので、多くの人に食べてもらいたい」と話していました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、20日午後6時40分ごろ、富谷市石積松貝付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午前10時55分ごろ、栗原市栗駒鳥沢十二神にクマが出没しました。

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8/18
(「全身かまれ出血した」高齢女性が動物に襲われる:兵庫)
8月15日午後、兵庫県香美町で、高齢女性が動物に襲われ、軽いけがをしました。 警察は、クマかイノシシに襲われたとみて、付近を警戒しています。8月15日午後5時ごろ、香美町香住区森の住宅前で女性が「クマ1頭に襲われた」「全身をかまれ出血した」と、近くに住む男性が消防に通報しました。 消防から通報を受けた警察によりますと、襲われた女性は70代で、動物1頭に両脚の太もも2カ所と左手首の合わせて3カ所をかまれ出血し、病院で治療を受けましたが、軽傷だということです。 香美町には台風7号が近付いていましたが、当時、雨風は激しくなかったということで、女性は玄関先で花の手入れをしていました。 すると、目の前に動物が現れたということです。 女性は、「クマに襲われた」と話していますが、住宅の2階にいた女性の家族は、逃げていった動物は「体長が1メートルぐらいで、黒色、牙が見えた」と話しているということで、警察は、動物がクマもしくはイノシシとみて、付近を警戒しています。 香美町では6月30日にもクマの目撃情報が寄せられていました。

(マダニに足をかまれた女性が死亡:福岡)
福岡県うきは市に住む80代の女性がマダニにかまれ、その後、感染症のため亡くなっていたことが分かりました。久留米市保健所によりますと、8月1日、うきは市に住む80代の女性が、農作業中、マダニに足をかまれ、病院で受診しました。女性は発熱と下痢の症状が続き、その後、悪化。久留米市内の病院に転院し検査を受けましたが、8月13日に亡くなりました。検査の結果は女性の死亡後に出て、マダニにかまれたことによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染していたことが分かったということです。県内でのマダニによるSFTS感染は今年2例目で、保健所は、草むらへ入る際に肌の露出を控えるなど、感染を防ぐための対策を呼びかけています。

(朱鞠内湖でクマに襲われ釣り客死亡、道が事故の調査結果公表:北海道)
上川の幌加内町にある朱鞠内湖で釣り客の男性がクマに襲われて死亡した事故について、道は15日、調査結果を公表しました。調査結果では男性を襲ったクマは3歳のオスで男性のショルダーバッグに保管されていた食料には荒らされた形跡はなかったとしています。ことし5月、幌加内町にある朱鞠内湖の湖畔で釣りに訪れた男性がクマに襲われて死亡し、近くでクマ1頭が駆除されました。この事故を受け、道から依頼を受けた道総研=道立総合研究機構は事故の発生状況や襲ったクマの特徴などを調査し、15日、結果を公表しました。それによりますと、男性を襲ったクマは3歳のオスで、男性のショルダーバッグに保管されていた食料には荒らされた形跡はなかったということです。また、男性は爆竹を所持していたものの使用した形跡はなく、クマよけのスプレーは所持していたかどうか不明だということです。調査結果では男性が死亡しており事故の発生原因を詳しく特定することは難しいとしていますが、道の担当者は男性の所持品の状況などから「クマに襲われたときに十分な防御態勢を取れなかった可能性が高い」としています。

(北アルプス高山帯でシカ目撃増、食害を懸念:長野)
3千メートル級の山々が連なる北アルプスを中心とする中部山岳国立公園の高山帯でニホンジカの目撃例が増えている。大量の草を食べるシカに荒らされると植生回復は難しく、高山植物を餌とするライチョウへの影響も懸念される。深刻な食害が出た山もあり、環境省は自治体と、わなによる捕獲などに乗り出す。ニホンジカの生息域は本来、低い山。1頭で年間1トン程度の草を食べるとみられ、北ア周辺の標高の低い地域では食害が確認されている。しかし7月に開かれた環境省有識者検討会で、高山でのシカ目撃例増加が報告された。専門家は「個体が増えて生息域を広げ、入り込んできたのではないか」と推測。温暖化で雪が減り、移動が容易になった可能性なども指摘した。南アルプス国立公園では1990年代後半、シカの影響が報告されるようになって10年余りで被害が深刻化。短期間で高山植物の群落が食べ尽くされ、シカに踏みつけられて土壌が露出した。ミズバショウやニッコウキスゲの高層湿原で知られる尾瀬国立公園でも2000年代に被害が拡大し、植生の保護柵設置などに取り組んでいる。

(道南でヒグマの農作物食害相次ぐ:北海道)
道南でヒグマによる農作物の食害が相次いでいる。夏場は山の中の餌となる木の実などが少なく、畑や家庭菜園で栽培する作物を狙って人里に近づくクマが増えるためで、専門家は電気柵の設置など対策を講じることを求めている。

(クマの目撃情報が90件超、去年上回るペースで推移:山梨)
今年度、県内におけるクマの目撃情報が90件を超え、去年を上回るペースで推移している。県によると、今年度目撃されたツキノワグマは93頭で、去年同時期の件数を4件上回っている。市町村別で目撃情報が最も多いのは富士河口湖町の17件で、国道137号沿いでの目撃例が多い。専門家は、新型コロナウイルス5類移行の影響で去年に比べ、人とクマが遭遇しやすい状況になっているという。NPO山梨ツキノワグマレスキュー 杉山慎二副代表理事「全国的にクマに遭遇したり、襲われるケースが増えている。県内でもふんや食べ跡が今までよりも見られるように感じる」。杉山さんによると、今年の秋はクマの餌となるドングリなどの堅果類の実が不作になる見込みで、さらに人里への出没が増えると予想されるという。NPO山梨ツキノワグマレスキュー 杉山慎二副代表理事「秋の行楽シーズンはクマに遭遇することを覚悟して山に入らないといけない」。杉山さんは、山に入る際はクマよけの鈴の音や蚊取り線香の匂いで人の存在をクマに知らせたり、餌場となる沢には近づかないよう呼びかけている。

(民家倉庫に「クマ」、コメを狙ったか:福島)
15日午前1時40分ごろ、磐梯町大谷字坂下の70代男性から、自宅敷地内の倉庫にクマがいると猪苗代署に通報があった。クマはガラス戸を壊して倉庫に入ったとみられ、その後、逃げていった。猪苗代署によると、クマは体長約1メートル。人的被害はなかった。男性によると、倉庫内にはコメが入った木箱があり、木箱には引っかき傷があった。数日前には、クマの姿は確認されていないが、コメが食い荒らされた形跡があったといい、クマが再びコメを狙って倉庫に入った可能性がある。数日前の被害を受け、男性は倉庫内に物を散乱させ、何かが侵入したら音が鳴るようにしていた。夜中に音がしたため、自宅2階からライトを照らして確認すると、倉庫内にクマがいたという。男性は「クマは目が黄色く光り不気味だった。また入ってこないように戸に板を張って対策したい」と話した。

(ジビエ利用、拡大急ぐ)
政府は、シカやイノシシによる農作物の被害対策の一環として野生鳥獣肉(ジビエ)の利用拡大を急いでいる。山の斜面が急で捕獲後の搬出が難しい地域もあり、農林水産省が掲げる利用量の目標には遠い状態なため、取り組みを強化している。ジビエの利用は外食などで増えてきており、普及が進めば農作物の被害を減らすだけでなく、地域の所得向上につながるとの期待がある。農水省は2025年度までに利用量を19年度に比べ約2倍となる4千トンとする目標を掲げている。ただ、21年度は2127トンで、目標とは大きな開きがある。ジビエ利用は、捕獲数全体の1割程度にとどまっていることが課題だ。利用が進まない理由として、地域によっては地形の条件により搬出が困難なことに加え、加工施設が小規模で解体数が限られることや、食文化が浸透していないことなどが挙げられる。農水省は、移動して車内で加工できるように小型化した「ジビエカー」や、保冷機能などを取り付けた改造軽トラックによる実証を行い、ジビエの普及を促す取り組みを進めている。

(内陸線でマタギの湯へ:秋田)
県北秋田市の宿泊施設「打当温泉マタギの湯」の特別室に泊まる高級志向のプランが発売された。1泊2日で大人2人分の価格は15万円(税込み)となる。内陸線は、1日目に貸し切り車両を利用できる。阿仁マタギ駅までの乗車で、角館駅発と鷹巣駅発のいずれかを選べる。マタギの古民家をイメージした観光列車「秋田マタギ号」などの車内で地酒の「利き酒セット」を楽しめるという。マタギの湯と共同でプランを企画、販売する秋田内陸縦貫鉄道の吉田裕幸社長は、9日の説明会で「マタギをテーマに、鉄道と温泉の魅力を掛け合わせて上質な旅を発信する」と語った。マタギの湯では、高級感漂うマタギの隠れ家風の特別室(約30畳)に宿泊する。夕食はクマ肉やシカ肉などのジビエ料理が提供され、どぶろくや地酒セットもつく。現役のマタギが語り部をして地域を紹介する時間も設ける。運営会社の仲沢弘昭社長は「森吉山の自然の中でゆっくりくつろげるのが自慢の宿」とPRした。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後0時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢川坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、17日午前10時55分ごろ、丸森町筆甫東山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前7時30分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

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8/16
(町職員が屋外で作業中クマに襲われる:新潟)
14日午後、新潟県津南町の男性職員が長野県栄村で作業をしていたところ、クマに襲われ右腕を2カ所噛まれました。14日午後1時ごろ、津南町の60代の男性職員が長野県栄村の鳥甲牧場付近でジオパークトレッキングコースの整備を行っていたところ、茂みからクマが現れ、右腕を2カ所噛まれました。男性職員は魚沼基幹病院へ救急搬送され、命に別条はありません。町によりますと、男性職員が「クマに襲われた」と町役場に連絡してきたということです。新潟県は「クマ出没警戒注意報」を発表していて、7月18日から2カ月間を「クマ出没警戒強化期間」として注意を呼びかけていました。

(役場職員がクマに腕かまれけが:新潟)
14日昼すぎ、長野県の山中でトレッキングコースの整備作業をしていた津南町役場の60代の職員がクマに腕をかまれました。命に別状はないということです。津南町役場によりますと14日午後1時ごろ長野県栄村の鳥甲牧場付近で、津南町の60代の男性職員が茂みから出てきたクマに右腕を2か所かまれました。連絡を受けた津南町役場の職員が消防に通報し、その後、病院に搬送されました。けがの程度はわかっていませんが命に別状はないということです。職員は津南町と長野県栄村が共同で事業を進めている「苗場山麓ジオパーク」のトレッキングコースを整備するためけさから作業をしていたということです。津南町役場は山へ行くときには複数で行動するほか、クマよけの鈴を携帯するよう呼びかけています。

(振り向いたところ突然クマに襲われる:山形)
12日、白鷹町の72歳の男性が自宅の玄関前でクマに襲われ、頭や腕などにけがをしました。人の往来が多いお盆の時期に起きた、クマに襲われるという事態。地域住民は今後の対策に頭を抱えています。警察などによりますと、きのう午後0時半ごろ、白鷹町山口の伊藤利久さんが、自宅近くにごみを捨てて家に入ろうとしたところ、背後に動物の息づかいのような音が聞こえ振り向いたところ、突然クマに襲われたということです。伊藤さんは頭や腕などにけがをして、入院しました。この山口地区では最近クマによるものとみられるスイカや桃の食害が相次いでいたといいます。地区ではこれまでに電気柵や箱わなを仕掛け、クマが目撃されるたびに回覧板で注意を呼び掛けるなどしてきましたが、「限界」も感じているようです。今後は役場や猟友会と連携しながら、対策を考えていくということです。

(クマに襲われ70代男性けが:秋田)
14日午後5時過ぎ、秋田県鹿角市八幡平で70代の男性がクマに襲われた。男性は顔を引っかかれたが意識はあるという。警察と消防によると、14日午後5時15分ごろ、鹿角市八幡平字玉内の田んぼや住宅が点在する地域で、住民から「70代の男性がクマに襲われ顔から血を流している」と消防に通報があった。男性はクマに顔などを引っかかれ、近くの家に助けを求めた。男性は鹿角市内の病院に搬送され手当てを受けているが、意識ははっきりしていて命に別条はないという。男性は田んぼの見回りに行ったところ、田んぼ近くでクマに襲われたとみられている。2023年に秋田県内でクマに襲われてけがをした人は、これで11人となった。県内ではけが人のほか、クマの目撃情報が相次いでいて、全域に「ツキノワグマ出没警報」が発令されている。

(「シカとバイクがぶつかった」4人でツーリング中の男性、けがで搬送:北海道)
14日午後、北海道稚内市で、走行中のバイクとシカが衝突し、バイクの男性が搬送されました。14日午後3時まえ、稚内市ノシャップ付近で、後続の車を運転の人から「シカとバイクがぶつかった」と119番に通報がありました。消防によりますと、道路に飛び出したシカと走行中のバイクが衝突したとみられ、バイクの男性がけがをして、病院に搬送されました。けがの程度はわかっていませんが、命に別状はないとみられています。衝突したシカは、死にました。男性は韓国から観光の50代とみられ、レンタルバイクを利用し、4人でツーリング中だったとみられています。現場は、海岸沿いの片側1車線の直線道路ですが、ふだん、多くのシカが見られ、走行に注意が必要ということです。

(クマに襲われる被害が相次ぐ:秋田)
クマによる被害が相次いでいます。秋田県鹿角市で14日夕方、70代男性が頭などから出血するけがをしました。また、15日仙北市でも70代男性が襲われました。警察や消防によりますと、14日午後5時すぎ鹿角市八幡平玉内の田んぼ付近で近くに住む70代男性がやぶから出てきたクマに襲われました。男性は近くの住宅に助けを求め、住民が消防に通報しました。男性は顔などにけがをしましたが命に別状はないということです。また、15日午前9時半ごろ仙北市角館町西長野では70代男性がクマに襲われ、顔から出血したほか肩をけがしました。顔をひっかかかれ、肩をかまれたとみられるということです。

(全道でササが一斉開花・枯死、シカ餌不足の恐れも:北海道)
今夏、道内の広範囲でササが一斉に開花する珍しい現象が確認されている。ササは「長寿」で、数十年から百数十年に1度開花し、実を付けた後に枯れるが、そのタイミングや各地で一斉に開花した理由は分かっていない。過去には枯れたササ原が林に生まれ変わったケースがあった一方、専門家は実を食べるネズミの大発生やササの葉の減少に伴うエゾシカの餌不足など、生態系への影響を懸念している。

(クマ出没件数300件に、2022年をすでに上回る:青森)
青森県内では今年に入ってクマの出没件数が300件とすでに去年1年間を上回るペースで、県などが注意を呼びかけています。車の前を横切る体長1メートルほどのクマ。12日、大間町大間の県道で取材中の記者が撮影しました。前日にこの近くの畑でクマが目撃され、その現場に向かう途中でした。クマは電気柵で囲われた畑の柵の下の部分を掘って内側に入り込んだと見られていて、スモモなどが食い荒らされました。県内では9日の時点でクマの出没件数が300件と去年1年間の295件をすでに上回っています。県ではクマが出没した日や頭数などを記載した「クマ出没マップ」をホームページに掲載しています。出没件数300件のうち、目撃は265件、食害は32件、人的被害は弘前市とむつ市で3件など、いずれも去年1年間を上回っています。クマは山だけではなく平地でも目撃されていて、県は遭遇した場合はクマの動きに注意しながら静かにゆっくりと後退して安全な場所に移動し、自治体や警察に連絡するよう呼びかけています。

(クマの目撃情報、過去最多ペース:長野)
長野県内の山里で今年度、ツキノワグマの目撃情報が増えている。市町村から報告があった4~6月の目撃数は381件で、この期間の数値としては統計がある2006年以降で最多。人身被害も4件(5人)起きており、県は山に入る際に特に注意するように呼びかけている。県鳥獣対策室によると、月別の目撃件数は4月25件、5月68件、6月288件。6月に急増した。計381件は同時期として過去最多だった21年の304件を超えた。担当者は「原因ははっきりしない」としつつ、個体数の増加、遅霜による山のえさの減少などの可能性が考えられるという。年間で目撃件数の最多は06年度の3362件。この時は8、9月に急増した。例年、夏場は山のえさが減り、農作物が収穫を迎えるため、クマが山里に近づく機会が増える。登山やキャンプで山の中に入る人が多い時期であるため、人身被害も起きやすくなる。県鳥獣対策室は、山に入る際にはクマよけ用の鈴やラジオなど音が出る道具を持ち歩き、複数人で行動するよう呼びかけている。また、意図せぬクマの餌付けを避けるため、持ち込んだ飲食物を放置しないよう求めている。

(有峰でクマ被害多発:富山)
富山市有峰の北アルプス・薬師岳(標高2926メートル)の登山口付近でクマが連日出没している。11~13日にかけ、男性が背後から襲われてかすり傷を負ったほか、食料やリュックを奪われるなどの被害6件が発生。登山者からは「車を揺すられた」などの体験談も聞かれた。連日大勢の登山者が訪れる中、クマは餌を求めて人の集まる場所に現れているとみられ、富山県が注意を呼び掛けている。「車が突然揺れて外を見るとクマが立っていた」。14日に薬師岳から下山した公務員紀井隆志さん(45)=京都府京田辺市=は興奮した様子で振り返った。クマと遭遇したのは12日午後5時ごろ。登山口近くの駐車場に車を止めて横になって休んでいた。車が揺さぶられて目を開けると、クマが車内をのぞくように立っていた。体長は約1・2メートルほど。数秒ほど待つと子グマ2頭を連れて離れていったという。県によると、クマの被害が相次いでいるのは有料の有峰林道の途中にある折立駐車場とキャンプ場。元々クマの生息地のため目撃は珍しくないが、被害が出ることはめったになかった。12日には登山口付近で食事していた男性がクマに下半身を引っかかれ、13日には別の登山者が駐車場近くに置いたリュックをクマに持ち去られた。担当者は「人への警戒心が薄いのが危険。大けがする人が出ないか心配だ」と危機感を募らせている。管理者の北陸電力はキャンプ場を12日から閉鎖した。今夏は大勢の登山者が訪れ、約400台の駐車場は連日ほぼ満車。登山道でクマを目撃する人も多い。13日に登山口から入山した会社員佐々木吉純さん(23)=愛知県日進市=は1時間ほど歩いたところで子グマと遭遇。曲がり角を進むと約2メートルの距離にいた。刺激しないよう来た道を戻り、しばらくすると森の中に逃げていったという。「襲われなくて本当に良かった」と胸をなで下ろした。県によると、今年1~7月に県内で確認されたクマの目撃・痕跡情報は136件で、前年同期と比べて5件少なく、ほぼ例年並み。担当者は、夏は山菜や木の実が少ない時期とし「クマが餌を求めて動き回るので注意が必要だ」と強調した。クマ撃退スプレーを携帯するなど万一の事態に備える必要があるとした。

(有峰で親子グマ3頭捕獲:富山)
12日に登山客の30代男性がツキノワグマに襲われ軽傷を負った富山市有峰(大山)周辺で、14日夕から15日早朝にかけ、食料を狙ったクマが県施設の網戸などを壊して侵入するなどの被害が3件相次いだ。施設を荒らしたとされる親子グマ3頭は15日に駆除された。侵入しようとするクマを県職員たちがドア1枚越しに追い払うなど現場は緊迫し、職員は「30センチの至近距離でクマが暴れていた。本当に怖かった」と話した。県によると、14日午後4時ごろ、親グマ1頭が県森林政策課有峰庁舎の勝手口の網戸を破って侵入し、食品庫を荒らした。当時は5人の職員がおり、さらに内部に侵入されないよう複数人でドアを押さえながら大声で叫ぶと、クマは逃げた。現場にいた同課の武田弘子副主幹(50)は「命の危機を感じた。無事で良かった」と振り返る。その後、午後6時ごろまでの約2時間でクマは計3度も庁舎に接近。職員がロケット花火で威嚇するなどしたが、15日午前1時ごろ、再びクマが一度破った網戸から侵入しようとした。事前に設置したバリケードに阻まれ立ち去った。クマはその後、近くの有峰ビジターセンターに移動し、勝手口のゴミ置き場を荒らした。午前6時には、宿泊施設「有峰ハウス」で厨房(ちゅうぼう)の窓付近の壁を剥ぎ取り、侵入を試みた。中にいた職員と窓越しに目が合い、逃げ出したという。被害を受け県や警察などが緊急パトロールを実施。午後0時10分ごろ、有峰ハウス付近で親子グマ3頭を見つけて駆除した。3施設から約5キロ離れた折立登山口付近では11日から13日にかけて、登山客がかすり傷を負ったり食料を取られたりする被害が計6件起きた。県自然保護課は、駆除したクマは折立に出没したクマとは異なる可能性が高いとみており「目撃情報が続いている。注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。クマの生態に詳しい「県自然博物園ねいの里」の野生鳥獣共生管理員、赤座久明さん(70)は、有峰一帯がクマの生息域だとした上で、ゴミや残飯のにおいがクマを誘引している可能性が高いとし「人間に慣れると、行動がエスカレートしてしまう」と指摘。夏は山の果実が少なく、クマが餌を求めて広い範囲で行動するとし「クマの命を守るためにも、食べ物の管理を徹底してほしい」と求めた。

(クマ出没相次ぐ、食料やリュック奪う:富山)
12日に登山客がツキノワグマに襲われて軽傷を負った富山市有峰(大山)の現場周辺で、11日から13日にかけて、他にも登山客がクマに食料を取られるなどの被害が5件相次いだ。県が13日、明らかにした。夏はクマにとって食料が乏しいため餌を求めて広い範囲で行動するとし、登山客に注意を促している。12日の人身被害は折立登山口付近で発生。30代の男性が朝食中に背後から襲われてかすり傷を負った。県によると、11日夕、折立キャンプ場でバーベキューをしていた登山客が接近してきたクマに食料を取られた。同日夜に別の登山客が、折立駐車場で食料を入れたクーラーボックスを取られそうになり、大声を出すとクマは逃げた。12日未明、折立臨時駐車場で就寝中の登山客が外からテントを触られ、中から衝撃を加えるとクマは逃げた。同日朝には登山客が折立駐車場でリュックを奪われそうになり、13日朝、折立キャンプ場駐車場の公衆トイレ付近でリュックを持ち去られる被害もあった。被害の多発を受け、県などは12日から同キャンプ場を当面閉鎖し、警察と合同でパトロールしたり、山小屋との情報共有を強化したりしている。県自然保護課は登山客に向け「食料やごみは、窓を閉めた車内で匂いが漏れないように保管してほしい」と呼びかける。

(住宅の倉庫がクマに荒らされる:岩手)
8月14日朝早く、岩手県北上市内の住宅の敷地にある倉庫にクマ1頭が現れました。この倉庫ではシャッターが壊され、コメ袋が引き裂かれる被害がありました。14日午前4時半ごろ、北上市和賀町煤孫の無職・佐藤トキさんの自宅で、部屋の中にいた家族が敷地内にある倉庫にクマ1頭がいるのを見つけました。クマはその後、倉庫を出て林の方に走り去ったということです。家族が倉庫を確認したところ、閉じていたシャッターが下からまくったように壊されていたほか、倉庫の中にあったコメの保管庫の扉が開けられコメ袋3つがが引き裂かれていました。警察では付近の住民に注意を呼びかけています。

(ジビエ復調、21年度は2年ぶり増加)
「ジビエ」と呼ばれる野生鳥獣の肉を食用に活用する動きが再び広がりをみせてきた。農林水産省がまとめた最新の資料によると、2021年度の利用量は前年度比18%増の2127トンと2年ぶりに前年度を上回り、5年前の16年度より7割多い水準に達した。野生シカを中心に捕獲頭数が伸び続けたほか、新型コロナウイルス禍による外食需要の回復が背景だ。農水省によると21年度の野生鳥獣による農作物被害額は、前年度比6億円減の155億円だ。環境省のデータをもとにまとめたところ21年度はイノシシの捕獲頭数が53万頭と4年ぶりに減る半面、シカの捕獲頭数が72万頭と過去最大。「シカは直近3年間で他の獣種と対照的に被害額が増加している。さらなる捕獲強化に取り組まねばならない」(農水省鳥獣対策室)。一方、野生鳥獣の利活用対策も進んでいる。シカやイノシシの肉は鳥獣を精肉にするには捕獲後2時間以内に処理施設に運ぶのがよいとされ、従来は廃棄処理されるケースが大部分だった。安定した流通には乗りにくく、価格は割高になりやすい。ジビエ利用率は1割程度といわれ、普段から食べる食肉とは言えなかったのが現状だ。だが廃棄より利活用を推進する農水省の政策のもと、エゾシカのすむ北海道やイノシシのすむ兵庫県などでは、捕獲した鳥獣を枝肉、時には加工・調理までできる施設の整備が進んでいる。21年度時点で国内の処理加工施設数は734施設と5年前より30%も増えた(農水省まとめ)。北海道では中空知地区の食肉を生かすため、浦臼町が「ジビエ処理加工センター」を設置した。X線で異物を検出する装置やアルコールを使った急速凍結機に加え、残さを処理する減容化施設といった一貫体制も整備。設備稼働時の19年に253頭だった処理頭数は21年に1475頭に増えた。もっと小規模で成長している事業もある。「もともとジビエというのは捨てられていた肉を再活用すること。料理は冬というイメージだが、夏も安定して顧客に出せる店は少ないのでは」。東京・渋谷区の広尾にある「レストランマノワ」の中村豪志オーナー・ソムリエは胸を張る。夏場も北海道森町の施設で加工した食肉を「えぞ鹿のテリーヌ」などとしてほぼ毎日供給している。店では北海道産ヒグマやウサギ、九州産や和歌山産のイノシシのほか、輸入物でハトといったメニューも選べる。全国の自治体と連携し、加工品はふるさと納税の返礼品にも生かしている。地域と連携したブランド化も利活用拡大のひとつだ。静岡県伊豆市は公設公営のジビエ処理施設「イズシカ問屋」を市内に設け、研修を受けた捕獲者が地域で捕獲したシカを受け入れている。ブランド食品として市内の飲食店で販売活動を展開してきた。「我々はペットフード用にほぼ特化した施設を整えている」と長野県小諸市の産業振興部林務係の竹下毅主査。シカを施設に搬入しているのが「小諸市野生鳥獣商品化施設」だ。商品は市役所売店や動物病院に卸しているほか、ふるさと納税の返礼品として自治体に提供。16年に約280頭だった利用頭数は23年に約1400頭に増えた。人材育成や後継者確保も重要だ。鳥取県東部の若桜町で食肉の処理解体を担う施設「わかさ29(にく)工房」だ。同工房は17年、食品流通で異物混入リスクに対応できるよう食品衛生管理の基準HACCP(ハサップ)に適合した施設であることを鳥取県に認定された。同工房はジビエ捕獲技術の研修会や他施設への講師派遣をしている。ジビエ料理の試食会が23年6月、東京・永田町の自民党本部で開かれた。鳥獣食肉利活用推進議連(ジビエ議連)の石破茂会長らが出席。わかさ29工房などのシカ肉唐揚げやシューマイ、イノシシ肉のつくねを振る舞った。農水省は「国産ジビエ認証制度」で優秀な食肉加工処理施設を認証している。現在、約30施設が認証を得ている。長野県茅野市にジビエ店を構える日本ジビエ振興協会の藤木徳彦代表理事は「ジビエ普及の絶対条件は安全性。国としてやっと意思統一ができたならうれしい」と話す。一過性のブームに終わらないよう節度と良識のある成長が求められそうだ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後1時15分ごろ、仙台市泉区紫山4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後1時ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後7時ごろ、仙台市青葉区芋沢花坂下にクマが出没しました。

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