<射撃ニュース9月>
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(清掃センターに複数の銃弾痕、散弾銃発砲した男を書類送検:大分)
ことし3月、大分県豊後大野市の清掃センターで玄関のガラス面などに銃弾痕が複数確認された事件で警察は14日、狩猟法違反などの疑いで大分市の男性を書類送検しました。この事件はことし3月、豊後大野市三重町にある市の清掃センターで玄関のガラス面などに複数の銃弾痕が見つかったものです。警察は14日、大分市に住む自営業の72歳の男性を狩猟法違反と銃刀法違反、さらに火薬類取締法違反の疑いで書類送検しました。この男性は県公安委員会から許可を受けて散弾銃を所持していましたが、狩猟ができる区域ではない清掃センター付近の道路で近くにいた鹿などに向けて発砲したということです。その時の流れ弾がセンターの一部を破損させたと見られています。男性は容疑を認めているということです。

(農作業中の90代男性がクマに襲われる:福島)
13日午後2時半過ぎ、福島県金山町西谷で農作業をしていた90代の男性がクマに襲われた。消防によると、男性は額や側頭部をひっかかれ会津若松市内の病院に運ばれた。会話は可能で命に別状はないということだ。男性はクマに襲われた後、自力で自宅に戻り妻が消防に通報した。福島県内では、今年に入ってからクマによる人的被害が今回で10件発生していて、前年の同じ時期より3件増加している。

(クマに襲われナタで反撃:福島)
福島県檜枝岐村で、キノコ採りをしていた60代の男性がクマに襲われ、けがをしました。警察によりますと、14日午前7時すぎ、檜枝岐村帝釈山の山林で、キノコ採りをしていた茨城県大子町の60代男性が、クマ1頭に襲われました。クマは体長1.4メートルほどで、男性は右腕をかまれるなどして軽傷を負ったということです。男性は14日午前6時半すぎに1人で山に入り、30分ほどキノコを採っていたところ、突然クマが襲ってきたということです。倒れた男性に、クマは覆いかぶさってかんだり引っかいたりしましたが、男性が持っていたナタをクマの首にあてたところ、クマは山の奥へ逃げていったということです。男性は自力で下山し、自分で病院に行きました。

(クマに襲われ83歳女性けが:秋田)
北秋田市で14日夕方、83歳の女性が自宅の車庫の中にいたクマに襲われけがをしました。警察によりますと14日午後6時前、北秋田市消防・阿仁分署に83歳の女性が「クマに襲われた」と助けを求めてきたということです。女性は手や尻をひっかかれていて病院に搬送されました。女性が自宅の車庫の片付けに行ったところ中にクマがいて外に逃げましたが、追いかけてきて襲われたということです。県内で今年発生したクマによる人身被害はこれで21件目です。

(クマ人身被害過去最多の20件に、81歳男性けが:秋田)
13日午後4時5分ごろ、大仙市太田町永代字上ノ台の山林で、山菜採り中の同市太田町の男性(81)がクマに襲われ、けがを負った。県内でのクマによる人身被害は、これで本年度20件となり、県に記録が残る1979年度以降で最多となった。

(野生イノシシ4頭が豚熱感染:三重)
三重県は13日、南伊勢町、松阪市、玉城町の山林で今月上旬に捕獲した野生イノシシ計4頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは820頭となった。

(野生のイノシシから豚熱“陽性”を確認:富山)
富山県は13日、野生のイノシシ1頭から豚熱の感染が確認されたと13日発表しました。富山県によりますと、捕獲されたイノシシ73頭を東部家畜保健衛生所で検査したところ、このうち、今月4日に氷見市内で捕獲されたオスの成獣1頭から豚熱の陽性が確認されたということです。今年4月以降、県内で豚熱の感染が確認されたのは、これで5頭となります。豚熱は、豚やイノシシの病気で、ヒトに感染することはありません。また、感染した肉が市場に流通することはなく、万が一食べたとしても健康に影響はありません。

(異常事態「私たちの隣にはクマがいる」:秋田)
秋田県内でクマによる人身被害が後を絶たない。11日で7日連続の発生となり、本年度に入って19件目。異常事態を受け県は同日、緊急の対策会議を開き、県民への注意喚起や自衛の対策を促すことを改めて確認した。警戒感が強まる中、研究者らは個体数がかなり増えたのが出没多発の要因とみて、捕獲強化が急務だと指摘する。

(クマ「大量出没の恐れ」ドングリ不作で集落に:福井)
ツキノワグマが冬眠前に餌を求めて出没しやすくなる季節を迎える中で、人身被害を防ぐために、県や市町、県猟友会、県警の担当者による連絡会が11日、県庁であった。今年はクマの主要な餌となるブナとミズナラの着果が不良であるとして、県は「奥山に生息する個体が、餌を求めて集落に大量に出没する恐れがある」と警戒を呼びかけた。県自然保護センターの担当者は、8月に調査したドングリ類の豊凶状況について「ブナが凶作、ミズナラが不作」と報告した。ブナ、ミズナラの着果が不良だった年には、クマが大量出没する傾向があり「県内の調査地点間でのばらつきも小さく、県全域でクマの大量出没が発生する可能性が高い」と指摘した。

(マングース駆除もう一息:沖縄)
高級ホテルを誘致する国のモデル事業の対象に選ばれたやんばる国立公園(沖縄本島北部)一帯で、外来種であるマングースの完全駆除へ足踏みが続いている。世界遺産の森に住むヤンバルクイナなどの天敵だけに環境省と沖縄県が捕獲を進めてきたが、ここ数年はイノシシにわなが壊されるケースが増加。同省などは地元企業と連携して探索犬や人工知能(AI)を活用、2026年度中の完全駆除を目指す。

(「ニホンジカ狩猟奨励事業」の実施について:滋賀)
滋賀県ではニホンジカの捕獲について、市町を実施主体とする許可捕獲(有害捕獲)への補助制度や一部の市町で実施する狩猟奨励制度を創設し、捕獲を推進してきました。現在ニホンジカの急激な増加を抑えられているものの、引き続き捕獲を推進する必要があります。これまで市町や地域協議会が実施主体であった狩猟奨励制度を拡充し、「ニホンジカ特別対策事業【狩猟捕獲】(ニホンジカ狩猟奨励事業)」として、法人格を有する狩猟者団体(県内に本店や主たる事務所を有する団体のほか、従たる事務所や営業所等を県内に置く団体に限る)を、平成29年度より対象に加え実施しています。つきましては、ニホンジカの狩猟捕獲を推進するため、当事業を活用する狩猟者団体を下記のとおり募集します。

(エゾシカ対策会議:北海道)
苫小牧市は12日の定例市議会の一般質問で、エゾシカの農業被害や交通事故に関し、関係機関による市エゾシカ対策円卓会議を10月11日に初めて開くことを明らかにした。石黒幸人環境衛生部長は「被害や対策の現状、困りごとや課題の共有を図りたい」と述べた。

(住宅街で目撃が相次ぐ“シカ”や“イノシシ”なぜ増えているのか?:鳥取)
近年、道路や住宅街で目撃が相次ぐシカやイノシシ。捕獲の現場と増加の理由を取材した。近年、目撃が相次いでいるシカやイノシシ。鳥取市内の住宅街では大きな角の生えた鹿が目撃され、ある日の夜10時ごろには、鳥取砂丘近くの道路を横断しようとしている鹿も目撃されている。また、シカが車と衝突した事故も発生している。さらに、島根県松江市の中心市街地にある中華料理店では1頭のイノシシが店の入り口を突き破り、1階の厨房に侵入したこともあった。鳥取県に生息するイノシシと二ホンジカの推定個体数について、2013年ごろからイノシシの数はほとんど横ばいだが、ニホンジカの数は右肩上がりで増加している。推定個体数の増加に伴って、農作物や林業被害も確認される中、対策として猟友会のメンバーが罠を仕掛けるなどし、シカやイノシシの捕獲を行っている。鳥取県猟友会 北浦寿広さん「鹿多いですね。イノシシも鹿もおりますけど」。取材班が猟友会の活動に同行させてもらうと、実際に仕掛けた罠のオリににかかったイノシシが、オリに突進を繰り返し、外へ出ようと必死に抵抗していた。鳥取市内の住宅の裏山に仕掛けられたオリにかかっていたのは、体長約1m20cm、体重60キロのオスのイノシシ。近隣には住宅街があり、近くの家ではこのイノシシによって庭が荒らされる被害にあったという。取材をした住宅では、庭の花壇や柵が壊れた状態になっていたという。以前には同じ場所に仕掛けたオリに鹿がかかったことも―。鳥取県鳥獣対策センター 西信介副所長「(鳥取県は)鹿の生息域が少なくてほとんどいなかったです。ここらへんですと兵庫県に鹿は多く生息していました。それが増えてきて、鳥取県に入ってきてだんだん県の東部から西部に侵入している状況です」。生息数の増加で動物の行動範囲も広がり、里山から市街地にまで現れるようになったと考えられるが、ほかにも要因があるという―。鳥取県鳥獣対策センター 西信介副所長「一部都市部では、餌付けされる方もおられるんですね。そういうのはやめていただきたいなということ、農山村でもやっぱり山に農作物を廃棄したりっていうことをしてしまうと、動物が味を覚えちゃうんです」。私たちができることは、家の周りに動物のエサになる食べ物やごみを放置したり、餌付けをしたりしないことだという。住宅街や生活道路など身近な場所でも目撃情報が相次ぐ、シカやイノシシ。里山からおびき寄せないようにすることが大切だ。

(ドングリ類の豊凶調査結果とツキノワグマ出没注意喚起:兵庫)
森林動物研究センターが兵庫県下のドングリ類(堅果類)の豊凶調査を実施したところ、今秋のドングリ類の実りは、全体としては「凶」であることが判明しました。今のところ、人里への出没や目撃情報は例年並みの状況ですが、ドングリ類の実りには地域・樹種差があり、今後冬眠前のクマが餌を求めて人里へ出没する可能性が平年より高くなることが予想されます。特に県北西部地域においては、調査した3種類のドングリ類すべての実りが悪い状況です。また、近年では、恒常的な出没や分布域も拡大傾向にあることから、播磨地域や丹波地域などこれまで出没の少なかった地域においても、ハイキングや登山、キノコ採集などに出かける際はもちろん、集落やその周辺においても、クマの被害に遭わないように、十分な注意をお願いします。

(伊吹山斜面、復旧へ会合:滋賀)
今夏の大雨で土砂が流出した伊吹山の南側斜面を復旧するため県と米原市は13日、初の対策合同プロジェクトチーム会議を開いた。土砂流出防止の土のう設置試験を実施することなどが報告された。伊吹山の南側斜面は従来、草原だったが約10年前から姿を見せるようになったニホンジカの食害によって裸地化が進み、2019年ごろから降雨の影響で登山道周辺の土砂流出が進行。今年7月の大雨で登山道の一部が崩落するなど大規模な被害が発生した。

(熊の食害「今年は異常」:長野)
埴科郡坂城町坂城のブドウ畑で10日、1頭の熊が高級ブドウ「ナガノパープル」をブドウ棚からもぎ取って食べる様子が撮影された。畑を管理している北村智香さんが、熊が立ち上がりブドウを食べる様子をスマートフォンで動画に収めた。北村さんの畑では今年、熊によるとみられるブドウの被害額が数百万円に上ると見込まれ、人が襲われる懸念もあるため町や県が警戒に当たっている。北村さんが畑で熊を見つけたのは10日午後0時20分ごろ。高さ1メートル80センチほどあるブドウ棚を見上げた後、後ろ脚で立ち上がりブドウをもいで食べていた。10分ほどで立ち去ったという。約15アールの畑は役場から2キロほどの山間部にある。主にナガノパープルを栽培しており、8月末に被害が出始めた。シャインマスカットなどを育てる別の畑でも被害が出ており、収穫を見込んでいた計5千~6千房のうちこれまでに3~4割が熊の被害に遭っているという。これまでも熊が出ることはあったが「今年は異常。こんなにしつこくやられることはなかった」と北村さん。柵を補修した数時間後に別の場所から侵入されたこともあったといい、日中に活動していることがうかがえる。「本当に怖いし、困った」と話す。町によると、熊による農業被害報告は7月に1件、8月に4件、9月に2件。県や地元猟友会とおりの設置や花火による追い払いに取り組んでおり、10、11日も県クマ対策員の後藤光章さん(49)=長野市=や地元猟友会員が北村さんの畑を訪れて警戒した。後藤さんは「昔は山に人の手が入っていたが、山からやぶを伝って下りて来られるようになっている」として電気柵などの必要性を強調。今回現れたのはツキノワグマの雄の成獣とみられ、「体が大きくなった雄はエネルギーが必要な一方、体力は落ちてくる。畑やごみ、家畜の餌など簡単に食べ物が手に入る所に出てくることはある」と言う。坂城高校近くの北沢貴徳さん(41)=坂城=の桃畑でも6月中旬ごろから熊によるとみられる被害が続く。「50本くらいの木でまともに収穫できたのは2本だけ。農業を始めて11年。こんなに困ったことはない」と話す。高級ブドウの産地、中野市でも毎年のように熊の被害が出ている。中野市農協園芸課によると特に山際のブドウ畑で目立ち、「甘い果物の匂いに引かれて糖分補給に来ているのではないか」とする。県農業技術課によると、本年度の熊によるとみられる農業被害額は集計中。熊は一度食べて味を覚えると再び出没する恐れがあるとして農業者が不意に遭遇することがないよう注意を呼びかけている。ツキノワグマの生態に詳しいNPO法人「ピッキオ」(北佐久郡軽井沢町)の田中純平さん(49)は、ブドウに誘引された熊がさらに人里に近づく恐れもあるとして「空き家に放置されている柿の木や熊が潜むやぶを伐採する必要がある」と指摘している。

(キョン捕獲見学企画:千葉)
県はイノシシやキョンなど農作物を荒らす有害鳥獣対策として、狩猟免許を所持していながら実践経験の少ない「ペーパーハンター」向けの見学ツアーや捕獲現場への同行などの事業を11月から実施する。初の試みで、キョンの捕獲現場などに案内し、知識や技術を磨いてもらう。既に参加隊員の募集が定員に達する人気ぶりで、県は担い手確保につなげたい考えだ。

(音・超音波・光でシカ撃退:北海道)
野生動物による農業被害を防ごうと、三菱電機北海道支社(札幌)が音と超音波、光を合わせて、シカを追い払う装置の開発に乗り出した。野生鳥獣の追い払い装置は、動物が慣れると効かなくなることが長年の課題。「慣れ」をなくすため、音の出方が特殊なスピーカーを使い、9月からは豊平区の北海道農業研究センター(北農研)の圃(ほ)場近くで動作を確認している。来年度から実証実験に取り組む予定だ。

(エゾシカとの衝突防げ!減速運転実施へ:北海道)
JR北海道は2023年10月1日(日)から2024年2月29日(木)まで、花咲線・釧網線の一部列車で野生動物との衝突事故防止を目的とした減速運転を実施します。花咲線・釧網線では例年秋以降に、エゾシカなどの野生動物との衝突事故が多発。釧路支社管内では2022年度10月の衝突件数が2021年度の約1.5倍、2019年度の2.5倍と増加傾向です。両路線で使用するキハ54形では、鹿との衝突を避けるため急ブレーキをかける事象が増え、使用不能になる車両もあるとのこと。また、修繕に時間がかかるため、車両運用にも影響し、一部列車に運休が発生しました。これを踏まえ、同社は昨年12月から一部列車で減速運転を実施したところ衝突件数が減少したため、今年度は減速する列車本数・実施期間を増やすことを決定しました。早朝・夜間帯の花崎線 釧路~根室間で9本、釧網線 釧路~川湯温泉間で7本の計16本で減速運転を行います。減速運転に伴い、1~7分程度の時刻変更が発生します。

(エゾシカ食害対策にGPS:北海道)
空知総合振興局は、ラムサール条約登録湿地の雨竜沼湿原で、エゾシカに衛星利用測位システム(GPS)を付けた首輪を初めて装着し、行動範囲の記録を始めた。エゾカンゾウなどへの食害を防ぐため、駆除につなげる狙いだ。

(クマが釣り客襲撃の朱鞠内湖で4か月ぶりに営業再開:北海道)
上川の幌加内町にある朱鞠内湖で釣り客がクマに襲われ死亡した事故を受けて自粛が続いていた釣り客を対象とした営業が、13日、およそ4か月ぶりに再開されました。ことし5月幌加内町にある朱鞠内湖の湖畔で釣りに訪れた男性がクマに襲われて死亡し、近くでクマ1頭が駆除されました。この事故を受けて朱鞠内湖で釣り事業やキャンプ場を運営するNPO法人などは釣り客を対象とした遊漁券の販売などを自粛していましたが、安全確保のための対策が終わったことなどから、13日、およそ4か月ぶりに営業を再開しました。NPO法人や幌加内町などは今回の事故を受けて▼キャンプ場の周囲1キロにわたりクマの侵入を防ぐための電気柵を設置したほか、▼湖周辺にクマの出没を確認するための赤外線カメラを設置しました。また、▼電気柵が設置されているキャンプ場周辺以外での釣り客の単独行動を原則禁止し、▼クマよけのスプレーや鈴、発煙筒などの所持を義務づける独自のルールも新たに設けました。NPO法人の担当者は「釣り客の意見やクマの出没状況などを確認しながら、今後もより効果のある対策を考えていくので安全に釣りを楽しんで欲しい」と話していました。

(熊が“異常出没”で食害深刻、背景に「新世代クマ」の増加か)
数百万円の被害を受けた農家も出るなど熊による“食害”が深刻な問題になっています。なぜ今、熊が“異常出没”しているのか。専門家は人を恐れない「新世代クマ」の増加が、ひとつの要因だと指摘します。一体、何が起きているのか。解説します。「ナガノパープル」を栽培しているぶどう畑に熊が出没しました。住宅街の中にあるぶどう畑で、少し熊も慣れた手つきといいますか、品定めをしながら、その場でぶどうを食べていきます。1メートル80センチほどの高さのところにブドウがなってますので、そこに簡単に届くという形です。8月末から被害が発覚し、収穫見込み約6000房のうち3割から4割が食い荒らされていて、被害額は数百万円とみられるようです。続いては、9月8日の午前7時半前、北海道・福島町の水産加工会社に熊がやってきて、その場にある大量のスルメイカを食べました。警察が車のクラクションなどを鳴らしても慣れている様子で、全くそこから立ち去る素振りはなかったということで、人にも慣れているということです。この後、スルメイカは残ったそうですが、もちろん売りには出せないということで、全て廃棄・処分。そして、消毒をしたということです。今後の対策は箱にワナを仕掛けるなどしかないということを担当者は話しています。9月5日、新潟県がこんな調査結果を発表しています。熊の餌となるブナの実が豊作であった翌年は熊の出没が増加する傾向にあるというデータです。2019年、ブナの実が豊作でしたが、その翌年の2020年度は、死者1人、人身被害21人ということで、熊による被害が大きくなりました。2022年はブナの実が豊作でした。ですので、2023年はこの2020年度と同じような被害が出る可能性が高いということで、新潟県は警戒をしています。そこにダブルパンチなのが猛暑の影響です。そもそもブナの実自体が猛暑の影響で大凶作という予測が出ています。これは全国的に同じようなことが言えるということ。新潟県では既に熊による人身被害が発生しています。3年ぶりとなる「熊出没警戒警報」を発表しているというのが新潟の現状です。絶滅していたと言われる地域でも熊が発見されるようになりました。それが静岡県南伊豆町です。伊豆半島では、生息していた熊は絶滅したと言われていたんですが、2021年、100年ぶりに確認されました。専門家である日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長にお話を伺うと、「伊豆半島は自然状態が良く、熊の生息数が増えているのでは」と話していました。ですので、人里に下りてくる熊が増えていることに加えて、熊の頭数自体が増えているのではないかという見解です。「全国的に熊の個体数が急増。中でも“新世代クマ”が増加している」というふうにも話しています。そこで着目されているのが「新世代クマ」です。これは、山奥に生息する“強い熊”から逃れ、人里近くに生息し、人を恐れない、人に慣れてしまった若い熊。今秋は山がエサ不足ですので、山にいた“強い熊”も山にいてもエサがないのでどんどん人里に全体的に近づいてきている。“新世代クマ”が街中に出没するようになったということがあるそうです。

(クマ被害相次ぐ、「誘引物の管理徹底を」:北海道)
ヒグマに生ごみなどを狙われる被害が今月、町内で相次いでいる。知床半島でクマの夏の餌となるカラフトマスなどが不足し、餌を探して市街地に接近していることが要因と考えられる。町は「少なくとも5頭は人家周辺への出没を繰り返している」と指摘し、生ごみなどクマを引き寄せる物の管理徹底と、出没情報の提供を町民に呼びかけている。

(駅前にカラスの群れ:新潟)
JR長岡駅近くにカラスの群れが集まり、大量のフンや鳴き声で住民を悩ませています。カラスを追い払おうとする市の職員とイタチごっことなっていて、市はこのほど新たな装置を導入しました。人とカラスの攻防を追いかけました。JR長岡駅周辺をねぐらとするカラスの大群。20年以上前から軒下や電線、樹木などに住み着いています。日中は遠くのえさ場などに移動するため姿を消しますが、夕方になると一斉に戻ってきて、多い日には約1万羽いるとも言われています。付近で店を構える人たちは長年、その被害に悩まされています。このカラスたちはなぜ長岡駅周辺に住み着くようになったのでしょうか。■長岡市環境政策課 里村誠課長 「天敵がいないということ。それと屋根があって雨露をしのげるということ。あと近くに商店街があって割と暖かいので夜ゆっくり過ごせるといいたところから増えたのでは」。実は周辺の鳥の問題は今に始まったことではありません。こちらは2000年の様子。当時は大量のムクドリが住み着き、同様の被害で市民を悩ませていました。その後カラスも。そこで対策に乗り出した長岡市。かつてとった作戦はカラスの模型やカラスの悲鳴を使って追いはらうというもの。一定の効果があり、一時はカラスの姿はなくなりました。しかし学習能力が高いのがカラスの特徴。その後少しずつ戻り、いたちごっこ始まりました。そこで長岡市は今年度、1100万円の予算を計上。6月から地元企業の協力のもと新たな対策を始めました。鮮やかな光を放つこの装置でカラスを追い払う作戦です。光がカラスの視覚を狂わせる効果があるのだといいます。午後7時過ぎ。ねぐらに戻ったカラスにレーザーをむけるとカラスは羽の音を響かせて闇の中に退散しました。この日回った場所でほとんどのカラスが逃げていきました。また、長岡市とJRはカラスが警戒する際に発する鳴き声を流す装置も導入。その場所が危険であると認識させることで近寄らないようにするねらいです。この2つの新たな対策でカラスは姿を消したと思われましたが・・・■長岡市環境政策課 里村誠課長 「最初は10割逃げたがこの2か月で慣れたカラスが1割弱逃げない状況になった」。再びいたちごっこに。8月下旬から対策を強化し夜だけだった光の照射を朝まで1時間おきの実施に変更しました。ここまで一定の効果はあるといいますが、一方でやはり学習されてしまう懸念があります。カラスの被害を少なくするために市民にもできることがあるといいます。■長岡市環境政策課 里村誠課長 「食べたものが捨ててあるとか、それを狙ってカラスがやってくる可能性はあるのでポイ捨てをさせない、しないこと。それで街もきれいになるし一石二鳥」。そして正念場はこれからのシーズンです。■長岡市環境政策課 里村誠課長 「この9月から繁殖が終わって子育てが終わって一段落したカラスが市内各地や周辺地域から集まってくる。それを少しでもねぐらにさせないように追い払いを続けていきたい」。長岡市とカラスの攻防。終わりは来るのでしょうか。

(レコード店→獣害対策の専門家:兵庫)
兵庫県丹波篠山市森づくり課職員の京極暁さん(47)が、農林水産省の「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」に登録された。獣害現場の第一線で、住民の相談を受けながら共生も見据えつつ被害対策を講じるエキスパートだが、もとはレコード店の店員やウェブデザイナーという異色の経歴の持ち主。「獣害に遭われた方々は、悲しかったり、怒ったり、怖かったりとマイナスからのスタート。獣害を解決し、それをプラスやゼロに持っていき、喜んでもらえたときはとてもやりがいがある」とほほ笑む。被害の現場を見に行き、足跡などでどの動物かを判断。動物がやって来た方向を見定め、たどっていくと獣害柵に穴がある。柵を補修すると被害がぴたりとやむ。「獣害の基本は相手を知ること。正しく相手を見極めることさえできれば対策はできる」。アドバイザーの目が光る。同県宝塚市出身の京極さん。10年前に母の実家で、祖母が暮らす丹波篠山に移住。きっかけの一つは自宅が半壊した阪神淡路大震災で、「何かあったときのちゃんとした対応力を身に付けたかった。そのとき、自然豊かな丹波篠山で生活することも良いかな、と。もともとアウトドア派で、自然も好きだったので、『おばあちゃん家に行くか』というくらいの気持ちだった」。畑を開墾したり、山の木を切ったりして過ごす中、「そろそろ働かないと」と思ったときに見つけたのが、市の道路パトロール員の募集。面接の際に畑を耕していることや自身も獣害で被害に遭ったことを何げなく話すと、紹介されたのが現在の部署だった。被害に遭った人の気持ちは分かるものの、対策の知識はゼロ。ただ、職場で隣の席になったのが、元県森林動物研究センター職員で、現在はNPO法人・里地里山問題研究所の代表理事を務める獣害の専門家、鈴木克哉さんだった。鈴木さんらと共に現場に出向いているうちに経験が深まった。気が付けば獣害対策に身を投じて早9年。現場で人々と対面するからこそ分かったことがある。 「獣害は、作物を育てた人の心にも被害がある。そんなとき、『自分は医者だ』という観点で見る。病の原因を究明し、きちんと処置をすれば心も治る。そう思う」ロックからメタル、果ては民族音楽と、とにかく音楽好きで、20歳代半ばには大手レコード店の店員になった。横行していた万引き犯を次々と〝検挙〟するなど実績を上げ、若くして店長補佐に就く。「万引きを捕まえるこつは、行動をよく観察すること。獣害対策にもつながっているかも」と苦笑する。やりがいのある仕事だったが、良いと思うアーティストよりもアイドルの楽曲がランキングの半分以上を占める状況になり、業界に危機感を抱き退職。店のマネジメントをしていた実績を買われてウェブ会社に就職したが、管理だけではなく、自身もパソコンができないといけないと感じてゼロから知識と技術を習得し、ホームページなどを制作するウェブデザイナーとして仕事の幅を広げた。その後は技術を生かして友人らの立ち上げたアパレル会社も支えた。アドバイザー登録には、「今後もより知識を深めて精進し、良い事例を全国に発信していきたい」と意気込んでいる。現在、困っていることは、仕事中に音楽を聞けないこと。バイクも趣味で、地域の人から譲り受けたホンダの小型バイク「モンキー」を修理中。農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 獣害防止に関して、専門的な知識と経験を持ち、適切な助言などを行うことができる人材。被害防止体制の整備や防護柵の整備、被害防止のための捕獲、獣害防止の担い手の育成などを助言する、地域の獣害対策の専門家。同市職員の登録は初めて。今年6月末時点で、全国の法人や大学、地方公共団体、企業などで265人が登録されており、県内の自治体の登録者は3人。

(1年間磨いた「わなの仕掛けスキル」で鳥獣対策の“担い手不足”解消へ:新潟)
地方での人口減少を背景に2009年に作られた制度「地域おこし協力隊」について考えます。任期がおおむね1年以上、3年未満となっている地域おこし協力隊員は自治体からの募集に応えて移住し、地域課題の解決に向けて活動します。新潟県内では30市町村中、27の市町村が導入し213人が活動していますが、新潟県としても昨年度、協力隊員を初めて採用しました。9月1日現在、6人が活動しています。県が導入したメリットは、活動エリアが県内全域ととにかく広いことです。今回は赴任して1年となった埼玉県出身の男性隊員に密着しました。任務の鳥獣対策スキルを身に付ける中で、「県版ならではの苦労」も感じながら、職業としてのPRの意欲も芽生えたようです。新潟県新発田市。農道沿いの田んぼに設置されているのは、イノシシ対策の電気柵です。「向こうの山になっている森の部分から、イノシシが下りてくるのを警戒しているのかな…イノシシに入られたことがあるとか。理由があって電気柵を張ってるのかなって思いました」。こう話すのは“新潟県版地域おこし協力隊員”で、長岡市に住む鈴木暁慈朗(すずき・あきじろう)さん(23)。鈴木さんは去年8月、新潟県に採用され埼玉県から移住しました。任務は、農作物を食い荒らす野生のイノシシなどの対策です。“新潟県版地域おこし協力隊”は去年採用が始まり、現在は合計6人の隊員が「錦鯉の販路拡大」や「アウトドアによる誘客」、「サイクルツーリズム」などの分野で活動しています。特徴は、活動エリアが新潟県内全域であること。鈴木さんはこの1年、長岡市を拠点に県内全域を訪れましたが、広い新潟県はまだまだ知らないことばかりです。【鈴木暁慈朗さん】「市町村いろんな地域で田んぼの広さも違いますし、水の流れ方とか山の大きさも違うので、山に入ってみたり、田んぼの状況を見たりしないと、イノシシの動きを知れないのかなと」。「自分の目で現状を見たい」と各地に積極的に出向き、自分の足で見てまわる鈴木さん。この1年で最も多くの汗を流したのは、鳥獣対策の一歩目となる『捕獲スキルの習得』です。【鈴木暁慈朗さん】「ドキドキしますね。動物がちゃんとかかってくれればいいし、かかるようなわなの設置を心がけています」。8月下旬、鈴木さん自身初めて1人でイノシシ捕獲用のわなを森に設置しました。赴任してまもない去年は、先輩に教えてもらいながら、わな設置の講習を受けていました。その後、野生鳥獣を捕獲するわなの免許などを去年11月に取得。数えて100回、わなを設置する練習を自主的に重ねたといいます。作業はおよそ40分、わなの完成です。Q自分のどんな成長を感じますか?「イノシシが、本当に(わなが)自然なようにつくればそこを歩くわけだから、かかれば本当に100点のわなの設置が出来たことになる。イノシシが最後に(評価を)決めてくれると思います」。自信にあふれる表情、任期最初の1年は鳥獣対策の基礎固めがしっかりできたようです。さいたま市出身の鈴木さんは元々は警察官志望で、人や農作物に被害を及ぼす野生鳥獣への対策は「自分に合っている」と感じています。さて、野生鳥獣のイノシシは、ここ20年ほどで新潟県の上越・中越を中心に県内全域に生息域を広げています。県内での農業被害額は2020年度に初めて1億円を超えるなど増加傾向です。一方で、新潟県内でわなの設置など狩猟の免許を持つおよそ4900人を年代別で見ると、60歳以上が半分以上を占め、鈴木さんと同じ30歳未満は235人と全体のわずか4%です。被害増加や高齢化に伴う「担い手不足」が大きな課題となる中、去年、鳥獣被害対策を普及できる人材を育成しようと、新潟県が地域おこし協力隊員として採用したのが、鈴木さんでした。鈴木さんがきっかけとなり、新潟県内だけでなく県外からも担い手を獲得し、担い手不足を解消する狙いがあります。その結果、過ごしやすい地域を作り人口減少の歯止めにもつながります。【鈴木暁慈朗さん】「担い手が不足している部分に関しては、まだまだ私や市町村の行政も力を入れて担い手を増やしていくという努力をしなければいけないかなと思っています。 PR活動だとかイベントが、ゆくゆくはできればなと思っています」。「認知度不足」も課題と話す鈴木さん。鳥獣対策の業界に興味を持ってもらおうと捕獲体験会などを考えていますが、まだまだイメージの段階。自身の知識不足を解消するため、新潟県内の他の隊員との交流も大切にしています。この日、会いに行ったのは、新発田市の地域おこし協力隊で有機農業や鳥獣害対策にあたるシバタコタローさん(60)。研修会で知り合いになり、親睦を深める同業の間柄です。この日の話のテーマは、日常の話に始まり、いかに移住者を増やすかにも及びました。【鈴木暁慈朗さん】「今後PR活動をやっていく上で、手順というか、わからない、知らない」。【シバタコタローさん】「ざっくばらんに、話せるような地元の長みたいな人がいると一番いいよね。長岡の地元でも、いっぱい話を教えてくれる人もたくさんいると思うから、そういう人に聞けば十分いろんな方向でPRの方法は探っていけると思う。とにかく楽しめってことかな、エンジョイですね」。収穫はあったようです。【鈴木暁慈朗さん】「新潟のこういったところが楽しかったんだよと、あらためて違う人々に楽しさを共有してもらえると、移住の促進とか、新潟県に遊びに来てくれる人が増えるのかなと思いました」。新潟に赴任し、技術取得に邁進したこの1年。そして感じた、鳥獣対策という仕事のPRの必要性。任期は残り1年半ですが、新潟県外からも仲間となる担い手を呼び込めるか、今後の活動にも期待です。【鈴木暁慈朗さん】「私たちのような若い世代というのも有害(鳥獣)捕獲の重要さというところを周知することによって、まずはどういったものなのかなと知ってもらうこと。そして興味がある人には狩猟免許の取り方や、有害捕獲への携わり方というのを教えていく必要があるのかなと思っています」。鈴木さん、地元の友達からは今の方が輝いていると言われるそうですが、本人は「きっと意欲的になれているからだろう」と話していました。鈴木さんのような輝く人材が増えてくれば、担い手不足の解消に繋がるのかもしれませんし、より新潟が元気になっていくはずです。

(小学生がキジの放鳥を体験:熊本)
自然や動物への親しみを持ってもらおうと、阿蘇市の小学生がキジの放鳥を体験しました。この取り組みは阿蘇小学校の1年生の校外学習として毎年行われていて、自然や動物への親しみを持ってもらうとともに、国鳥であるキジの増殖を目的としています。参加した40人あまりの児童たちはまず、猟友会のメンバーや先生からキジの持ち方や放し方の説明を受けました。そのあと2人1組になって、怖がったりはしゃいだりしながらキジを抱えました。そして合図とともに山に向かってキジを放つと、キジは勢いよく飛んで行き、子どもたちは手を振って見送っていました。13日は県内の業者が卵から半年ほど育てたキジあわせて28羽が放たれました。子どもたちは「生まれて初めてキジを触りました。暖かかったです」とか、「もらった羽を家で顕微鏡で見てみたいです」などと感想を発表していました。こうした取り組みは、10月ごろまで県内の6つの小学校や幼稚園でも行われ、あわせて200羽ほどのキジが放鳥される予定だということです。

(列車がイノシシと衝突:長野)
JR大糸線で、12日夜、列車がイノシシと衝突し、白馬駅と南小谷駅の間で3本が区間運休しました。この影響で、大糸線は13日も始発から午前11時ごろまで、白馬駅と南小谷駅の間の上下線で運転を見合わせます。12日午後8時47分ごろ、大糸線の白馬大池駅と信濃森上駅の間を走っていた2両編成の普通列車がイノシシと衝突し停車しました。乗客にけがはありませんでした。

(住宅のすぐ近くにクマ、通報はすでに去年の倍以上:北海道)
北海道松前町豊岡で13日午前、住宅から5~6メートル離れた草むらにクマ1頭がいるのを住民が見つけ、松前警察署に通報しました。住民にけがはありませんでした。松前町では今月に入ってから市街地でクマの目撃が相次いでいます。警察によりますと、複数のクマが出没しているとみられ、クマの糞が見つかったり、クルミをかじっている音を聞いたりしたという通報も寄せられているということです。クマの目撃は深夜や早朝が多く、学校の周辺でも目撃されていることから、警察では役場と連携し、登下校の時間などにパトロールを強化したほか、各家庭に注意喚起のチラシを配布するなど、警戒を強めています。松前警察署には去年1年間でクマの目撃情報が26件寄せられていましたが、ことしは9月7日午前までに去年の倍以上54件の目撃情報が寄せられています。

(市街地でサルの目撃情報:福岡)
福岡南署は13日、福岡市南区柏原4丁目付近で同日正午ごろ、サルの目撃情報があったとして、防犯メールで注意喚起した。

(池の近くで1mほどのイノシシがウロウロ:新潟)
新潟市秋葉区にある県立植物園で、イノシシ1頭が目撃されました。実はこのイノシシは13日夕方から園内に居座っていて、14日昼過ぎ、警察や区役所の職員によって山へ追い払われました。付近では連日、住宅の庭や畑などでイノシシが目撃されていて、警察や区役所が注意を呼び掛けています。イノシシが目撃されたのは、新潟市秋葉区蒲ケ沢にある新潟県立植物園です。県立植物園の職員によりますと、きのう13日の午後3時頃、園内に体長1mほどのイノシシ1頭がいるのを目撃したということです。その後、きょう午前9時頃、あらためて確認したところ、イノシシがまだいたことから警察に通報しました。イノシシがいた場所は池があり、その周りを散策できるような遊歩道が整備されています。散歩をする人もいることから、県立植物園では一時立ち入りを制限しました。その後、午後0時半頃、警察や秋葉区役所の職員が山に追い払ったということです。訪れた人や職員、建物などに被害はありませんでした。県立植物園によりますと、敷地内でイノシシが確認されたのは今年初めてだということで「1mちょっとという感じだが、意外と大きいなと。向かってきたら怖いなと感じた」などと話しています。

(暗闇に現れるイノシシやクマ、カメラが捉えた“鳥獣被害”の実態:新潟)
新潟県内では鳥獣による農作物被害が相次いでいます。その実態を農家の設置したカメラが捉えました。イノシシにクマ、そしてキツネまで…今後の対策に必要なこととは?鼻で土を掘りながら暗闇に現れる動物。すると、もう1匹も後ろからついてきます。9月9日未明、新潟市秋葉区の畑に現れたのは“イノシシ”です。14日、イノシシの出た現場へ行ってみると、畑の近くは荒らされ、地中がむき出しの状態となっていました。イノシシを撮影したのは、畑を管理する農家の山崎久雄さんです。県内では例年、野生鳥獣による農作物の被害が多く発生していて、昨年度の被害額は約2億4000万円に上っています。山崎さんも畑が動物に荒らされたことから3年前にカメラを設置。映像から動物の行動などを確認し、対策をしてきましたが、被害は深刻化していると話します。山崎さんの知人の田んぼでは稲が踏み倒される被害が発生。設置したカメラにはイノシシが何度も現れる様子が映っていて、9月9日に稲刈りをしましたが、ほとんど収穫できませんでした。一方、田んぼに現れるのはイノシシだけではありません。暗闇に映っていたのは、大きなクマ。さらに別の日には複数のアライグマにキツネの親子まで…。かわいらしくも見えますが、その数が増えれば被害につながりかねず、山崎さんは行政とも連携した対応が必要だと話します。県の誇る農産物をどのように守るのか…官民一体となった対策が求められています。

(駆除イノシシ減容化、処理機械導入へ:宮城)
栗原市は12日、駆除したイノシシを微生物で分解処理する有害鳥獣減容化処理機械を同市鶯沢の旧鶯沢浄化センターに設置する方針を明らかにした。佐藤智市長が同日開会の市議会9月定例会本会議で説明した。市やJAなどで組織する市鳥獣被害対策協議会が事業主体。

(シカ肉の安定供給を、新工場建設へ:北海道)
道東で捕獲されたエゾシカの肉を首都圏などのレストランに安定的に供給するため、東京の食肉会社が釧路市に新しい工場を建設することになり、13日、予定地で地鎮祭が営まれました。釧路市に新工場を建設するのは、東京に本社を置く食肉会社です。13日は建設予定地の釧路市益浦で会社の関係者と釧路市の蝦名大也市長らが参列して、地鎮祭が営まれ、参列者が神前でくわ入れをした後、玉串を捧げて工事の安全を祈願しました。この会社では、20年以上にわたって道東で捕獲されたエゾシカ肉を首都圏などのレストランに供給してきましたが、衛生管理を強化して、肉を安定的に供給するため、釧路市に新工場を建設することにしたものです。計画によりますと、新工場は、提携する地元のハンターから仕入れたエゾシカ肉を最大で1日50頭、処理する能力を持ち、精肉のほか、エゾシカ肉を使ったハムやソーセージなども生産するということです。新工場は来月に着工され、来年10月の完成、11月の稼働開始を目指します。食肉会社の川島政則社長は「エゾシカ肉などジビエの需要は通年を通して高まっていて供給量が足りなかった。安心・安全な施設を作って、エゾシカ肉を安定供給したい」と話していました。

(熊肉を食べる前に絶対に知っておくべき寄生虫のリスク)
66頭の乳牛を襲ったヒグマ「OSO18」がついに駆除された。ネット上ではその肉が食用に販売されているが、食べても大丈夫なのだろうか。ノンフィクション作家の中山茂大さんは「熊の肉にはトリヒナという寄生虫が存在し、感染すると死に至るケースもある。熊肉の調理には注意が必要だ」という――。「忍者ヒグマ」ともいわれた「OSO18」がついに駆除された。2019年より、北海道の標茶(しべちゃ)、厚岸(あっけし)両町において、実に66頭ものウシがこのヒグマに襲われ、そのうち32頭が犠牲になったという。66頭ものウシを襲いながら、人間に目撃されたのはたった1度だけ。写真など画像に収められたのも、夜間に自動撮影された3回と、昼間に1回のみという神出鬼没ぶりで、まさに忍者のように用心深い熊だった。OSO18と命名された理由は、被害が多発した「標茶町下オソツベツ」の地名と、足跡の幅が18センチもあったことによる。ちなみに、「OSO」とはスペイン語で熊の意味であるが、これは偶然の一致である。推定年齢は10歳以上、体長2.1メートル、捕獲時の体重は330キロだったという。熊は越冬のため、夏から秋にかけて貪欲にエサを喰らい、太る。OSO18が駆除されたのは7月末。その時点で330キロもあったとなると、冬眠前の12月ごろには500キロ近くに達していた可能性がある。それほど巨大なオスのヒグマだった。OSO18は7月30日に釧路町役場の職員によって駆除され、加工会社に持ち込まれた。OSO18の死体は解体され、肉は業者によって販売された。インターネット通販ではたちまち売り切れ、一部は都内のジビエ料理店などで炭火焼きにして提供されたという。このように、OSO18の肉の大半は、すでにジビエ愛好家の胃袋に消えてしまっていると思われる。熊の肉はどんな味がするのだろうか。犬飼哲夫・門崎允昭による『ヒグマ(新版)』(北海道新聞社刊)には、「ヒグマのように個体によって肉の味が違う動物は珍しい。(中略)肉の味はヒグマが食べた食物によってひどく変わることを知った」という記述がある。OSO18は66頭ものウシを襲っている。散々牛肉を喰らったOSO18だが、その肉は、一体どんな味がしただろうか。ただ、実際に食べた人以外にはもはや知るすべもない。だが、本当にOSO18の肉を食べてしまって問題はなかったのだろうか。そもそも研究用にサンプルを残しておくべきだった、という意見もあるだろう。OSO18を駆除したハンターは、駆除したヒグマが世間を騒がせている「忍者ヒグマ」の「OSO18」とは知らなかったという。そのため、サンプルを確保するという考えには至らず、加工業者に持ち込んでしまった模様だ。貴重なサンプルが失われたことは残念ではあるが、事情が事情だけに、これ以上の対応は難しかっただろう。それ以外にも、OSO18の肉を食べる上で気を付けたい点が寄生虫の問題だ。ヒグマの肉には「トリヒナ(別名、旋毛虫)」という危険な寄生虫が巣くっている。「トリヒナは身体が糸状の線虫で、これにかかると、ときに死に至ることもある。感染は筋肉に寄生している幼虫、これを筋肉トリヒナというが、これを食べることによって生ずる」(犬飼哲夫・門崎允昭著『ヒグマ(新版)』北海道新聞社刊)。札幌市のHPでは、「旋毛虫の幼虫が寄生した肉を、生、乾燥、不完全加熱の状態で喫食した場合に感染します」と注意喚起している。また、日本国内でこれまでに発生した、冷凍された熊肉を刺身で喫食、あるいはローストした熊肉の加熱が甘かった、といった原因による食中毒についても警告している。トリヒナの予防方法としては、「熊の肉を生で食べないこと、十分に加熱すること」が鉄則だ。小樽市は、「中心部の温度が摂氏75度で1分間以上又はこれと同等以上の効力を有する方法により、十分加熱して喫食すること」としている。さらに、「まな板、包丁等使用する器具を使い分けること。また、処理終了ごとに洗浄、消毒し、衛生的に保管すること」も注意している。トリヒナに感染するとどうなるのか。まず、下痢、腹痛、発熱などの症状が段階的に現れたのち、脳炎、髄膜炎などに重篤化、最終的には全身浮腫、肺炎、心不全などによって死亡する場合もある。筋肉痛や眼窩の腫れなど、一般的な食中毒にはない症状が特徴だという(札幌市HPより)。トリヒナによる食中毒はかなり頻繁に発生している。昭和46年には、青森県で15名もの感染者が発生。昭和54年には札幌市で12名、昭和56年には三重県で172名もの大量感染が発生している。近年では、令和元年に札幌市で、「羆(ひぐま)のいろいろな部位の盛り合せ(推定)」を喫食した9名がトリヒナに感染している。このように、報告されているトリヒナ被害の多くが、ヒグマあるいはツキノワグマの肉の刺身を喫食したことが原因だという。昭和56年の末から翌年の正月にかけて、三重県で発生した熊肉の集団食中毒は、172名がトリヒナに感染するという重大事件となった。昭和56年12月12日、三重県四日市市の旅館で、提供されたツキノワグマの冷凍肉を、利用客5名が生食した。そのうち4名が痒み、発疹、顔面浮腫、筋肉痛、倦怠(けんたい)感等のトリヒナ症の症状を訴えた。保健所が調査したところ、この旅館では同年12月から翌年1月にかけて熊肉を提供していた。喫食したのは最初に被害を届け出た5名を含め、計413名にも及んだ。このうち172名に同様のトリヒナ症の症状が認められたという。しかも、同旅館に残っていたツキノワグマの肉から、トリヒナ線虫が検出されたという。提供されたツキノワグマは、昭和56年秋ごろに京都府と兵庫県の山中で捕獲された計8頭の肉だった。同旅館はこのうちの約20キロほどの肉を刺身で提供したという。昭和56年の事件では幸い軽症者のみで済んだが、戦前にはトリヒナ感染で死者が出た事例も記録されている。冬が近い時期でもあり、おそらく相当な量の肉がとれたのだろうが、そのせいで5人もの犠牲者が出てしまったのは皮肉だ。ジビエブームといわれて久しいが、ほとんどの愛好家は生食の危険性を知っているだろう。しかし本人に自覚があっても、加熱が甘かったり、調理具の消毒の不備などで感染することはある。実際、本稿で紹介した集団食中毒事件の多くは、そうした処理に精通したプロが起こしている。今回ネット通販でOSO18の肉を買い、自宅で調理する人たちは、少なくともトリヒナという寄生虫の存在と、最悪の場合は死に至ること、そして予防方法について十分理解した上で食してもらいたい。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後3時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場大滝にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後3時40分ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、13日、色麻町四竃谷地付近にクマが出没しました。

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(7日連続で人がクマに襲われる:秋田)
秋田県八峰町で農作業をしていた82歳の男性が、クマに顔を引っかかれてケガをしました。秋田県内では7日連続で人がクマに襲われています。警察と消防によりますと、11日午後2時ごろ、八峰町峰浜の住宅敷地内にある畑で農作業をしていた82歳の男性がクマに襲われました。男性は引っかかれて顔などにケガをして、ドクターヘリで病院に搬送されました。意識はあるということです。隣の家の住人「まさか、こういう民家まで来ると思わなかったよ」秋田県内で人がクマに襲われるのは7日連続です。被害にあった地域は、それぞれ離れていますが、人の生活圏で襲われるケースが相次いでいます。

(男性がクマに襲われけが、人身被害が6日連続:秋田)
10日午後、仙北市で50代の男性が突然、クマに襲われ、顔や腕にけがをしました。県内ではクマによる人身被害が6日連続で起きていて、警察などが注意を呼びかけています。10日午後1時すぎ、仙北市西木町で50代の男性が草刈りを始めようとしたところ、突然、木の陰から飛び出してきた体長1メートルほどのクマに襲われました。男性の命に別状はありませんが、顔をひっかかれたり、左腕をかまれたりしてけがをしたということです。警察によりますと、県内ではクマによる人身被害が10日までに6日連続で発生しているということで、警察はパトカーで周辺を警戒するとともに改めて注意を呼びかけています。また、県も県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出していて、山林に入る際はクマと出会わないよう鈴やラジオなどで音を出し、人の存在をアピールすることや集落にクマを寄せつけないよう屋外に生ゴミを捨てたり放置したりしないよう呼びかけています。

(農作業から帰宅途中の68歳男性、クマに襲われケガ:秋田)
9日夕方、秋田県潟上市で68歳の男性が農作業から帰る途中、クマに襲われ、ケガをしました。秋田県ではクマによる人への被害が5日連続で発生しています。現場は潟上市の山林の間を通る市道上です。警察の調べによりますと、9日午後6時ごろ、近くに住む68歳の男性が畑での農作業を終え、歩いて自宅に向かっていたところ、突然クマに襲われました。男性はクマに右手を引っかかれ、自力で帰宅した後、病院で治療を受けました。ケガの程度は軽いということです。現場となった市道は、この地域の人たちが、よく散歩で利用しているということです。秋田県では今年、17人がクマに襲われ、ケガをしています。

(63歳男性がクマに襲われ軽いケガ、県内では4日連続:秋田)
秋田県仙北市で8日、63歳の男性がクマに襲われて軽いケガをしました。秋田県内では4日連続で人がクマに襲われていて、今年に入ってから16人がケガをしています。警察の調べによりますと、8日午前6時40分ごろ、仙北市角館町の田んぼのあぜ道で、近くに住む63歳の男性がクマに襲われました。男性は田んぼの草刈りをしようと、あぜ道に車を止めて降りた際、後ろから来た体長およそ70センチのクマ1頭に襲われたもので、左足を引っかかれて軽いケガをしました。7日は秋田市下北手の住宅敷地内にある畑で作業をしていた80歳の男性がクマに襲われました。男性は顔にケガをしましたが、命に別条はないということです。秋田県内では5日に鹿角市で散歩中の男性が、6日は大館市で住宅敷地内にいた男性がクマに襲われてケガをしました。4日連続で被害が出ていて、今年、秋田県内でクマに襲われてケガをした人は16人に上っています。

(自宅の敷地内にクマ、80代女性が襲われケガ:岩手)
11日朝、八幡平市で80代の女性が自宅の敷地内に入り込んできたクマに襲われて顔や胸にケガをして病院に搬送されました。警察は、地元の猟友会などとともに周辺のパトロールをすることにしています。11日午前6時過ぎ、八幡平市松尾寄木に住む86歳の女性から「クマに襲われてケガをした」と警察に通報がありました。警察と消防が駆けつけると、女性は頭に2か所、胸に1か所のあわせて3か所に引っかかれたような傷があり頭からは血を流していました。女性は意識はあって会話はできる状態で、その後、病院に搬送されました。現場は、山あいに住宅が点在する地域で、女性は朝、自宅前の掃除のため家から出たところ、敷地内にいたクマに襲われたということです。警察は、女性から話を聞いて詳しい状況を調べるとともに、市役所や地元の猟友会に連絡して周辺をパトロールすることにしています。県内では、9日も二戸市と滝沢市であわせて2人がクマに襲われたとみられるけがをして病院に運ばれています。県によりますと、ことし4月1日から先月19日までに19人がクマに襲われけがをする被害が発生していて、うち1人は死亡、9人が重傷となっています。県は、▽山に入る際はクマの出没情報を事前に収集したり、複数人で行動したりすること、また、▽人里周辺での出没についてはクマのエサになる生ゴミの管理を適切に行ったり、やぶの刈り払いをして見通しをよくしたりするなどして被害を未然に防ぐよう呼びかけています。

(クマによるけが人相次ぐ:岩手)
9月9日、岩手県二戸市と滝沢市で人がクマに襲われる事案が相次ぎ、83歳の女性と35歳の男性がけがをしました。9日午前8時15分ごろ、二戸市白鳥の路上で、近所に住む83歳の無職・高塚イセさんがクマに襲われ負傷していると、近くの住人から警察に通報がありました。消防によりますと、高塚さんは近くの県道に向かう途中、クマと遭遇し、頭部と顔面、さらに右肩と右の臀部をクマに襲われ負傷しました。高塚さんは顔をかじられ出血もありましたが、病院に運ばれる際、会話は可能で命に別条はないということです。また、滝沢市柳沢では、9日午後2時40分頃、渓流釣りをしていた滝沢市大森平の自衛官・角掛春樹さん(35)が成獣と認められるクマ1頭に襲われました。角掛さんは左顔面を引っかかれたほか、左腕をかまれ、付近の人に助けを求め消防に通報しました。角掛さんは病院に運ばれる際、会話はできる状態で、命に別条はないということです。警察は近所の住民に注意するよう呼びかけています。

(畑で農作業中の高齢女性が二ホンカモシカに襲われケガ:福島)
警察によると、9月10日午前5時30分ごろ、福島県柳津町で畑で農作業をしていた80代女性が体長約1.5メートルのニホンカモシカに襲われた。女性は足を角で突かれて軽いケガをした。現場近くではニホンカモシカの目撃情報が相次いでいて、80代女性は7月にも同じような被害にあっていた。警察は目撃しても近づかないよう注意を呼びかけている。

(クマが人を襲う被害、過去最多に)
ことし4月から7月までにクマが人を襲う被害が全国で50件以上発生し、過去最多となっていることから環境省は警戒を呼びかけています。環境省によりますと、ことし5月に北海道幌加内町の湖畔でクマに襲われて男性が死亡したほか、ことし4月から7月までに、岩手県で15件、秋田県で9件、福島県で7件など、けがをしたケースは全国で53件にのぼり、記録が残る平成19年度以降で過去最多となっています。環境省によりますと、被害の半数以上を東北地方が占めていますが、ことしの秋は、クマの餌となるドングリなどが東北地方で不作になると予測され、餌を求めてクマが人里に出没して被害がさらに増える可能性が高いということです。環境省は今後、クマが出没した際に警察や猟友会などが緊急時にどのように連携態勢を構築しているのかといった取り組み事例を共有するということで、自治体の対策にいかしてほしいとしています。そして、万が一、クマに遭遇した場合、距離があったら落ち着いて静かにその場を立ち去ること、また、近くにクマがいることに気付いた場合は、クマを見ながらゆっくり後退して間隔を広げ、慌てて走って逃げないことなどを呼びかけています。

(豚熱まん延収まらず、国内再発生から5年が経過)
豚熱の国内再発生から9日で5年を迎える。まん延源となる豚熱に感染した野生イノシシは広がり、農場での発生も依然、収まらない。8月には飼養頭数の3割を占める九州でも発生し、飼養豚へのワクチン接種に向けた準備が進む。新型コロナウイルス禍からの経済再開で人や物の行き来が活発化する中、農場での防疫対策の徹底が改めて求められる。豚熱は2018年9月に岐阜県の農場で再発して以降、20都県で89件発生。殺処分された頭数は36万8000頭で、国内の飼養頭数(23年2月時点で895万6000頭)の4%に当たる。未発生だった九州でも、8月末に佐賀県内の2農場で相次いで確認され、農水省は九州7県をワクチン接種の対象に追加した。これで、北海道を除く全都府県が接種対象となった。一方、ワクチン接種済み農場でも29件で豚熱が発生。接種で免疫が獲得できる豚は8割とされており、同省は「ワクチンだけに頼ることなく、飼養衛生管理を徹底してもらうことが重要」(野村哲郎農相)と訴える。同省の調査では、飼養衛生管理基準として定める、畜舎ごとに衣服や靴を分けるなど7項目の順守率は上昇しているものの、依然、100%に達していない。豚熱に加え、同省が有効なワクチンはないとするアフリカ豚熱もアジア各国で発生が続く。訪日外国人の増加などで、農場への侵入リスクの高まりも懸念される。農水省の食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会の委員長を務める津田知幸氏に、今後求められる対応を聞いた。農場内へのウイルス侵入を防ぐ対策の強化が不可欠だ。感染予防のため飼養豚へのワクチン接種がされているが、100%免疫を獲得できるわけではない。ワクチンは補助的な対策と捉えるべきだ。農場の中で最も注意してほしいのが、子豚群がいる分娩(ぶんべん)舎や離乳豚舎。子豚は、母豚由来の免疫が残っているとワクチンの免疫が獲得できない。母豚由来の免疫が消えてからワクチンを打つまでの、免疫がない期間が生まれるためだ。防疫のために整えたハードをしっかり生かすことが欠かせない。ワクチンを接種したにもかかわらず発生した農場では、例えば、防疫の作業マニュアルを作っていても、従業員への教育が不十分で、守られていないことがあった。履き替え用の長靴を泥だらけで保管している、防護柵を設置したが草刈りをしないためイノシシが近づきやすくなっている、という農場もあった。まん延源となる豚熱に感染した野生イノシシをゼロにし、飼養豚へのワクチン接種から脱却して清浄国を目指すのか、それとも、感染イノシシはいる前提でワクチンを接種し続けるのか──など、国としての目標が明確ではないのが現状だ。具体的な目標を設け、達成に向けた戦略を考え、実行していく必要がある。

(「豚熱」処分地からブタの血液か、県が液体流出防止措置:佐賀)
ブタの伝染病「豚熱」が確認された唐津市の養豚場の近くの土壌で、処分されたブタの血液とみられる液体がしみだしているのが分かり、佐賀県では周辺への流出を防ぐ措置を取っています。県内で2例目となる豚熱が確認された唐津市の養豚場では飼育されていた1万頭すべてのブタの処分が終わりましたが、ブタを埋めた近くの土壌では赤い液体がしみ出しているのが8日午後確認され、佐賀県は処分したブタの血液の可能性があるとしています。一部は周辺の川に流れたのが確認され、県は隣接する玄海町と唐津市に対し下流の農業用水を使わないよう連絡したほか、タオルなどで液体を拭き取る対応を取りました。9日朝の時点でさらなる流出は確認されず、また、液体が流れた川の5地点で行った遺伝子検査でいずれも豚熱のウィルスは検出されなかったということです。豚熱は人に感染するおそれはありませんが、感染しているブタの血液を野生のイノシシなどが摂取した場合、豚熱に感染するおそれがあるということです。豚熱のウイルスは、埋められたときに生じる熱で死滅する可能性が高いということですが、県では、周辺にイノシシの侵入を防ぐ柵を設けるなどして監視を続けることにしています。

(「養豚王国」九州、豚熱に危機感:宮崎)
佐賀県で8月末に発生した家畜伝染病「豚熱(ぶたねつ、CSF)」。飼養頭数が約280万頭で国内全体の3割を占める一大養豚地帯の九州各県で感染拡大への危機感が高まっている。その特徴とは。有効な対策はあるのか。ウイルス感染症学が専門の宮崎大産業動物防疫リサーチセンター(宮崎市)の岡林環樹(たまき)教授(51)に聞いた。そもそも豚熱とはどんな病気なのか。岡林教授は「豚熱ウイルスの感染による豚とイノシシの病気で、伝染力が強い。ただ、人に感染することはなく、仮に感染した豚の肉などを食べても人体に影響はない」と話す。農林水産省によると、日本では2018年9月に26年ぶりに発生し、8月末時点で20都県で89件が確認され、これまでに約36・8万頭が殺処分された。佐賀県での発生を受け、農水省は九州全域をワクチン接種推奨地域に追加した。ワクチンの打ち手確保が急務とされ、飼養頭数約82万頭で鹿児島県(115万頭)に次ぐ全国2位の宮崎県は、農場関係者が接種できるよう研修会を10月末までに40回開き、獣医師70人を含め約470人の打ち手を確保して11月上旬の接種開始を目指している。

(警察と猟友会、クマ警戒へ連携確認:秋田)
北秋田署は10日、秋田県北秋田市綴子地区でクマの目撃と食害が相次いでいることを受け、緊急の対策会議を開いた。署や市、県、綴子地区の猟友会員計12人が出席し、目撃情報を共有し、警戒活動で連携することなどを確認した。綴子地区では8月31日からクマの目撃や食害が14件発生。今月5日には綴子児童館近くでクマがクルミの木に登っているのが目撃されたほか、9日には民家のニワトリ小屋で、朝と夕の2回にわたってニワトリが食い荒らされた。対策会議では署の担当者が、県内でクマによる人身被害が続発していることや、管内でのクマの出没状況などを説明した。市農林課の職員は綴子児童館近くに捕獲用のおりを設置し、10日に1頭を捕獲したと報告。わなを設置してもすぐに入るわけではないとして、増設を検討しているとした。県自然保護課の職員は「児童館の近くにはクルミの実がたくさんなっていて、なくならない限り出没は続くだろう。住宅地も近いので慎重な対応が必要だ」と指摘。市猟友会綴子支部は「クマは食べ物に執着するのでニワトリを襲ったクマはまた出てくるだろう」と警戒を呼びかけた。加賀屋真署長は「人的被害を阻止するため、連絡態勢を密にして対応していきたい」と話した。

(住宅地でクマが出たらどうする?訓練で対応を確認:宮城)
住宅地の近くでもクマが目撃されている仙台市で、住宅地にクマが出没した際の対応を確認する訓練が行われました。仙台市青葉区高野原で行われた訓練には、警察官と仙台市の職員あわせて40人ほどが参加し、住宅の敷地内にクマが侵入したという想定で、集会所を住宅に見立てて行われました。帰宅した住民役の参加者がクマにふんした警察官を発見して警察に通報すると、警察官や市の職員が現場に駆けつけ、周辺の住民に対して建物の中に避難するよう呼びかけて市が任命している猟友会のメンバーたちに出動を要請しました。このあと、周りが住宅地のため追い払う場所がないことから猟友会のメンバーが警察の命令に従ってクマに猟銃を向けて構えるなど駆除する手順を確認しました。仙台市環境共生課の金久保美喜課長は「クマによる被害を未然に防ぐためには、警察など関係機関との連携が不可欠で、きょうの訓練を今後に役立てていきたい」と話していました。県内では今年度、今月11日までにクマに襲われて2人がけがをするなど、東北を中心に全国でクマが人を襲う被害が相次いでいて、今後もえさの不作でクマが人里に出没し、被害が増える可能性があることから国や県などが警戒を呼びかけています。県内では今年度、今月11日までにクマが人を襲う被害が2件あり、6月10日に大崎市の山林で畑作業中の60代の男性がクマに引っかかれてけがをしたほか、6月18日には加美町の山林で野鳥の観察をしていた20代の男性がクマに出くわして唇や左腕をひっかかれてけがをしました。また、県内でクマが目撃されたのは、今年度に入ってから先月28日までに486件で、去年の同じ時期と比べて20%ほど多くなっています。環境省によりますと、ことし4月から7月までにクマが人を襲う被害は東北を中心に全国で50件以上発生し、過去最多となっていて、ことしの秋は、クマのえさとなるドングリなどが東北地方で不作になると予測されることから、えさを求めてクマが人里に出没して被害がさらに増える可能性が高いということです。県もドングリの去年の実り具合などをもとに、ことし11月まではクマが平年より多く出没すると予測し、注意を呼びかけています。クマに遭遇しないための対策や遭遇した場合の対応について仙台市に聞きました。クマなどの鳥獣対策を担当する仙台市環境共生課によりますとこれからの時期のクマは冬眠に向けて山の中でブナやミズナラなどのドングリを食べるようになりますが、県内ではことしの秋、ブナの実りが不作になると予測されていて、エサを求めたクマが人里に出没する可能性が高くなるといいます。クマを寄せ付けないためには住宅の近くに生ゴミを放置しないことや、野菜や果物などを早めに収穫すること、それにクマが潜むことができるやぶを刈り払うことなどが有効だといいます。また、秋の行楽シーズンを迎える中、山に入る際はクマに遭遇しないようラジオや鈴などでこちらの存在を知らせることやクマの行動が活発になる朝や夕方を避けることも有効で、もし、遭遇した場合は慌てて逃げたりせず、静かに後退してその場を離れ、万が一、襲われても「死んだふりをするのではなく、うつぶせになって頭を守ってほしい」と呼びかけています。一方、宮城県では昨年度、クマが人を襲う被害が過去10年で最多となったことなどから、今年度から1か月の出没件数が一定の基準を超えた場合や実際に被害が出た場合などに「出没注意報」や「出没警報」を発表し、ホームページなどで注意を呼びかけています。

(実証実験、アプリでエゾシカ駆除要請:北海道)
エゾシカによる食害が増えている札幌・南区で、スマートフォンのアプリを使い、農家がハンターに駆除を求める実証実験が行われています。実証実験は十勝の上士幌のスタートアップ企業Fant(ファント)と札幌市が、今月1カ月間行います。これまで食害を受けた農家は、電話などでJAや行政に相談し、その後ハンターに駆除の要請が届いていました。今回の取り組みでは、農家が駆除してほしい場所をアプリ上の地図に登録し、それを見たハンターが駆けつけて駆除する仕組みです。駆除のニーズを“見える化”することで省力化や、より確実な駆除が期待されています。また、実証実験では、これまで食用に流通することが少なかった駆除後のエゾシカをジビエとして料理店に卸します。Fantの高野代表「場所が具体的に分かりやすくなるのがメリットだと考えている。農家が駆除してほしいと思っているが、実際には駆除されていない場所が可視化されれば、今後の駆除活動の参考になるのでは」。

(九州のニホンジカ、3分類の遺伝系統:福島)
福島大共生システム理工学類の兼子伸吾准教授(45)らの共同研究チームは8日、九州本島と大隅諸島(馬毛島、種子島、屋久島、口永良部島)に生息するニホンジカの遺伝子を調べた結果、三つの遺伝的なグループに区別できるとの研究内容を発表した。判断が難しいニホンジカの亜種の分類につながる成果としている。発表によると、三つのグループは〈1〉馬毛島と種子島に生息するマゲシカ〈2〉屋久島と口永良部島に生息するヤクシカ〈3〉そのほかの九州地方に生息するキュウシュウジカ。このうち亜種マゲシカは、分布域や系統的な独自性といった亜種としての実像がはっきりしていなかったが、亜種ヤクシカと共通の祖先を持ち、ヤクシカと同等の進化的時間をかけて成立した独自の系統だと分かった。研究チームは福島大や森林総合研究所(茨城県つくば市)などで構成。先行研究で報告されているミトコンドリアDNAのデータを再解析した。兼子氏は「ニホンジカのような身近な動物でも、分かっていないことがたくさんあることを示す好例」としている。

(“ミズナラの実”不作などでクマの出没増える可能性も:山形)
クマの出没が増える時期を前に8日、富山市で対策会議が開かれ、県の担当者がミズナラが富山県内全域で不作になるなど例年に比べてクマの出没が増える可能性があるとして出席者に住民への注意喚起などに取り組むよう呼びかけました。富山市で開かれた対策会議には、県や市町村、それに猟友会の担当者など約50人が集まりました。会議ではまず、県の担当者がクマのエサとなるブナ、ミズナラ、コナラの実の生育具合について8月行った調査結果を報告しました。それによりますとミズナラはことしは富山県内全域で不作でブナは県東部を中心に凶作となっています。また、富山県のまとめによりますと県内のクマの出没数はことし1月から8月末までに152件で、去年の同じ時期に比べて少ないものの、木の実のなり具合が悪いためクマの出没が今後増える可能性があるということです。このため県の担当者は住民への注意喚起やクマの情報提供などに協力して取り組むよう出席者に呼びかけました。富山県内では8月、北アルプスの薬師岳の登山口で男性がクマに襲われて軽いけがをするなどしていて、県自然保護課の中島剛副主幹は「登山などの際はリュックから食べ物の匂いが漏れないようにしたり、熊鈴やクマ撃退用のスプレーを携帯するなどして警戒してほしい。また庭にある柿の木の伐採をするなどクマをおびき寄せるものを置かないでください」と話していました。

(今秋は木の実が不作、冬眠前のクマの出没に注意:福井)
この秋、県内ではツキノワグマのえさとなる木の実が例年以上に不作となっていることが県の調査で分かりました。県は、冬眠前のクマがえさを求めて人里に現れる可能性が高まっているとして、注意を呼びかけています。県は、ツキノワグマが人里に出やすくなる冬眠前の時期に入ることから、自治体や猟友会、警察の担当者などを集めた対策会議を開きました。この中で、県自然保護センターの担当者は、8月中旬から下旬にかけて県内40余りの地点で、クマのえさとなる木の実のなり具合を調査し、例年以上に不作だったことを報告しました。特に、栄養価の高いブナの実は、県内全域で実のなりが極めて悪い「凶作」で、比較的、標高が高い場所にあるミズナラも実のなりが良くない「不作」だったということです。県によりますと、ことしの実のなり具合は年間の出没件数が900件を超えた2019年度と似た状況で、ブナとミズナラの実がいずれも不作となった年は、クマがえさを求めて人里に現れることが多いとして、事前の準備や住民への周知を呼びかけました。県自然環境課の西垣正男参事は「ドングリが不作の年は、里山の柿や栗の木にクマがいる場合もあり、十分に注意してほしい。市や町とも出没の情報を共有し、人に被害が出ないように対策を進めたい」と話していました。

(クマの餌、今年は「不作」:富山)
県は8日、野生動物被害防止対策会議を富山市内で開き、ツキノワグマの餌となるドングリが今年は不作との調査結果を発表した。冬眠に入る前のクマが食料を求めて行動範囲を広げ、標高の低い場所にも出没する恐れがあるとして、クマをおびき寄せる柿の実などは早めに摘み取るよう促した。今年の県内のドングリ3種類(ブナ、ミズナラ、コナラ)の作柄はいずれも、豊・並・不・凶の4段階で2番目に悪い不作。神通川で東部と西部に分けると、東部はブナが凶作、コナラが並で、ミズナラと西部の3種類は不作となった。ドングリの作柄とクマの出没には相関関係があり、過去20年をさかのぼると凶作の2006年、10年、19年は大量に出没。06年は10月に入善町で男性がクマに襲われ死亡、10年は1387件の出没があり、19年は20人の人身被害が起きた。県内の自治体関係者らを集めた会議で、県森林研究所の中島春樹副主幹研究員は今年の作柄は16年と同じパターンだと指摘。同年は10、11月に平野部で人身被害が3件起きたため、「今年の秋はブナが凶作の県東部を中心に低標高域で活動するクマが増えると予想され、平野部への出没も懸念される」と注意喚起した。出没や人身被害の約6割は9~11月に集中する。人身被害を減らすには、人とクマとの偶発的な遭遇を減らすこと、そのためにはクマを誘引する庭の柿の実を早めに取り除くことが必要になる。県自然保護課の上田英久課長は「果樹の除去経費には補助金を出すので積極的に活用してほしい」と述べた。クマの隠れがとなる人家周辺のやぶの刈り取りや、外出時のヘルメット着用、クマよけスプレーの携行なども求めた。

(クマ出没に警戒、今年はニホンザルの農業被害も増える:富山)
富山県は、今年秋のクマの出没について、エサが不足している県東部を中心に平野部での出没も懸念されていて、十分な警戒が必要との予測を示しました。一方、県内では例年以上に、ある動物たちによる農業被害に注意が必要なようです。8日開かれた野生動物の被害防止対策会議。秋は冬眠を目前にしたクマが食べ物を求めて1年の中で最も活発に行動し、平野部にも出没する危険があるとして、クマの出没予測が報告されました。県森林研究所が今年のドングリの作柄を調べたところ、ブナやミズナラ、コナラがいずれも県全体で不作でした。これは人身被害が20件起きた2019年など大量出没した年に比べ、作柄は良いものの秋はエサとなるブナが県東部で凶作の予想で、標高の低い場所で活動するクマが増え、平野部への出没も懸念されています。県内では今年度8月末時点で、「ニホンザル」による農業被害額がおよそ133万円。これは去年の同じ時期に比べ、およそ1.6倍です。富山市細入地区では今年特にニホンザルの被害が増えいて、農家も電気柵を設置するなど警戒を強めています。今年6月、収穫間近だったネギがサルに食い荒らされ1本も収穫できませんでした。細入地区では15年ほど前からサルによる被害が出始め、年々深刻になっています。対策をしても完全に防ぎきれない状況で、畑をあきらめる人も多いと細入自治会の江尻裕亮会長も頭を悩ませています。ニホンザルのほかにも県内ではシカの被害も増えていて、捕獲頭数は去年403頭、7年前の8倍になっています。農家にとって死活問題、地域一体となった対策が急務です。

(クマ目撃、年度途中で過去最多63件:北海道)
根室市で今年度の市内のヒグマ目撃情報が11日、過去最多を2件更新する63件となった。ヒグマが冬眠に向け餌の捕食を活発化させるこの時期は、人身被害が増える秋のキノコ採りシーズンとも重なることから、改めて「ヒグマに遭わないように」と注意を呼び掛けている。市によると、10日から11日にかけて2件の情報が寄せられ、今年度の目撃情報が63件となった。年度途中ながら、統計開始以来過去最多だった昨年度の61件を上回った。市農林課によると、統計を開始した2009年度以降、市内の目撃情報は3~28件の間で増減を繰り返しながら推移。17年度までの9年間は年平均19・5件だったが、18年度から40件台に急増。21年度までの4年間の平均は46・25件となり、昨年度は過去最多の61件を数えた。道猟友会根室支部は対策会議の中で「ふんや足跡などを目にする機会が増えており、明らかに個体数は増えている」と述べていた。市教委の外山雅大学芸員は、札幌市内に出没したヒグマが大きなニュースとなった影響から、「個体数の増加に加え、市民のヒグマへの関心も高まっているため」と目撃情報の増加を分析する。幸い市内では大きな被害は確認されていないものの、道や市は「ヒグマに遭わないため」として①1人で野山に入らない②音を出しながら歩く③ヒグマの出没情報を確認する④ふんや足跡を見たら引き返す⑤食べ物やごみは持ち帰る―などを訴えている。道は秋のヒグマ注意特別期間(9月2日~10月31日)を設け、注意喚起している。ヒグマによる人身事故は4~6月、9~10月に多く発生しており、半数以上が山菜・キノコ採りの最中との統計が出ている。

(三陸鉄道のアイデア勝ち、「シカ被害」を観光資源に大転換:岩手)
近年、シカが増えている。農林業への被害だけでなく、列車との衝突事故も増えており、JR身延線(富士~甲府間)では2022年度に列車とシカの衝突事故が300件に達し、過去15年間で最多となった。また、JR東日本盛岡支社管内では、列車と衝突した動物の8割以上をシカが占めている。シカが線路に侵入する原因は定かではないが、鉄分を補給するためにレールをなめに来るという説もある。鉄道各社は、侵入防止ネットの設置に加え、犬などの鳴き声を発する装置を列車に取り付けたり、シカの天敵であるライオンのふんから抽出した成分を線路に散布したりして、シカを線路に近づけないようにしてきた。そんななか、一転してシカ被害を観光資源に変えた鉄道会社がある。三陸鉄道(岩手県宮古市)は、線路脇に現れるシカを車内から観察するアイデア企画を思いついた。その名も「ナイトジャングルトレイン」だ。岩手県の三陸海岸を走る三陸鉄道。夜桜を楽しめる「夜桜列車」や、車内でこたつに座れる「こたつ列車」など、さまざまな取り組みで県内外から愛されてきた。ナイトジャングルトレインは2022年からで、2023年も7~8月に計4回開催された。シカが出やすい夕方から夜にかけての時間帯を狙って、日没直前に釜石駅を出発し、大槌(おおつち)駅まで約20分かけて移動する。車内では弁当が振る舞われ、三陸鉄道のスタッフが野生動物が列車運行に与える影響について説明したり、同社と提携している盛岡市動物公園ZOOMOの園長がパネルやビデオレターでシカの生態を解説したりしている。ナイトジャングルトレインには筆者も乗車したのだが、列車が大槌駅に到着する頃には、あたりは真っ暗。ここからは消灯となり、列車は釜石駅方面へと折り返す。シカが最も多く見られる「シカポイント」に着くと、列車はいったん停車。窓を開け、懐中電灯で外を照らすと、たちまち線路脇にシカの姿が現れ、車内は歓声に包まれた。列車は速度を落とし始め、数分おきにシカが列車の周囲に現れた。乗客は大人も子どももシカの観察に夢中になり、歓声を上げていた。数年前、筆者(もりあやこ、調査測量系ライター)も野生動物調査の一環で山間部のシカを観察したことがある。谷反対側の山の斜面が伐採されて草原になっており、数十頭のシカが「ウジャウジャ」ともいえる群れでのんびりと草を食(は)んでいた。2021年度末の本州以南のシカの個体数は約222万頭と推定されている。環境省は2013年、農林業に大きな被害をもたらすイノシシとシカの個体数を10年間で半減させる目標を掲げた。イノシシは着実に減少しているが、シカは依然として個体数が多く、狩猟が強化されることになる。こうしたシカの増加を背景に、前述のように鉄道各社はシカ対策を迫られてきた。三陸鉄道も例外ではなく、2021年度のシカとの衝突事故は162件で、これは2日に1件に相当する。対策としてネットやロープが張られているが、それを飛び越えるシカもいて対策は難航している。この「厄介者」を観光資源に変えることに成功したナイトジャングルトレインのアイデアは、他社から三陸鉄道に転職してきた若手社員の発案だった。2023年も三陸鉄道の公式フェイスブックで告知したところ、鉄道ファンから「行きたい」という声が上がり、最終回は満席となった。三陸鉄道はかつて東日本大震災で地震と津波の被害を受けた。しかし、震災の5日後には「地域のために」と、被害の少なかった区間で無料運転を開始。2014年には全線で運転を再開したが、2019年の台風19号で再び被害を受け、7割が不通となった。しかし、わずか5か月で復旧し、2021年には東京オリンピックの聖火を宮古から釜石まで運ぶ「聖火ランナー」としても活躍した。何度も経営危機に陥った三陸鉄道だが、その裏には常にさまざまな工夫があった。震災時には、被災したレールを加工して販売したり、男性鉄道員のキャラクター化プロジェクトを立ち上げたりするなど、復興に向けて尽力した。前述したように、以前からイベント列車の企画も多数あり、ネスレ日本や京都の叡山電鉄など、他社とコラボした三陸鉄道の支援プロジェクトもある。ナイトジャングルトレインが直接、シカとの接触事故件数の減少につながるわけではない。しかし、観光客にもシカにも優しい取り組みの好例である。今後もシカ対策は続くだろうが、三陸鉄道にはユニークで斬新な取り組みで、新しい世界を見せてほしいものだ。

(鳥獣による農林業被害、2年ぶりに減少:岡山)
美作県民局は、シカやイノシシなどの鳥獣による2022年の農林業被害額をまとめた。管内10市町村の被害総額は1億855万円で2年ぶりに減少(前年比3.4%減)した。内訳ではイノシシの被害が減った一方、シカによる食害が増え、津山地域ではより顕著だった。管内被害の種別では、イノシシが前年比9.1%減の3797万円、シカが同7.0%増の3427万円、サルは同27.5%減の475万円。地域別では、津山地域(津山市、鏡野、美咲、久米南町)は前年比6.0%減の4900万円で、うちイノシシが同18.3%減の1918万円、シカが同40.4%増の1284万円。勝英地域(美作市、勝央、奈義町、西粟倉村)は前年比11.5%減の3734万円で、うちイノシシが同16.8%減の1258万円、シカ同9.4%減の1872万円。一方、真庭地域(真庭市、新庄村)は同22.4%増の2220万円で、うちイノシシ同75.3%増の620万円。「総体的にイノシシの被害が減少したのは捕獲と防護柵の設置が進んだのが一因。シカは多く生息している勝英地域から西へと行動範囲を広げている」と同局森林企画課。獣の生息域に重なる中山間地が大半の管内被害額は、県内の被害総額(2億6306万円、前年比1.8%増)の41.3%に上る。管内10市町村では現在、猟友会員ら計1102人を非常勤職員の「鳥獣被害対策実施隊」に任命し、捕獲を推進。初心者には専門業者による実践的な、わな猟の現地講習を実施している。同局では各種補助制度により捕獲や集落ぐるみでの防護柵設置を奨励。同局農畜産物生産課では「今後も防護柵の設置範囲を広げる一方で個体数を減らす取り組みも継続し、粘り強く被害抑制につなげていく」としている。

(アライグマの被害深刻、文化財の柱にも「爪痕」:茨城)
茨城県内で特定外来生物のアライグマによる被害が目立っている。近年は農作物の被害が深刻化しており、7月には旧水戸藩校「弘道館」(水戸市)敷地内の国指定重要文化財「正庁」の柱に爪痕のような傷が見つかる事態も起きた。茨城県はアライグマに特化した住民向けの農作物被害防止マニュアルを作成するなど、対策を進めている。弘道館でアライグマの出没が確認されたのは7月4日。事務所が設置した暗視カメラに、正庁の支柱を駆けおりる様子が映っていた。柱上部には、ひっかき傷やえぐられたような跡があった。傷は幸い自然に黒ずんで目立たなくなる程度だった。今年3月頃に天井から落ちたとみられるほこりが発見され、6月には職員が天井裏で動物の足音を聞いた。水戸市が7月6日に箱わなを設置し、同15日に成獣とみられる1匹を捕獲した。わなの設置は今月5日まで続けたが、他に異常はなかった。今回の被害の背景には、茨城県内で近年、アライグマが急増していることがある。茨城県環境政策課によると、2022年度は3418匹が捕獲され、10年前の約40倍に急増した。かつては利根川や霞ヶ浦に近い県西・県南地域を中心に生息していたが、現在は水戸市を含む茨城県内全域で確認されている。「天敵がおらず繁殖力も高い。推定個体数も把握できず、駆除が追いつかない」と担当者は頭を抱える。茨城県は対策として、捕獲用の箱わなを市町村に貸し出しているが、捕獲は住民からの情報提供頼みだ。「見た目がかわいいので、害獣だと認識してもらえない」(同課)という特有の悩みもあるという。茨城県農村計画課によると、アライグマによる農作物の被害は21年度に13市町村で確認され、4年前より約6倍増の1060万円に上った。スイカやブドウ、トウモロコシなど、甘みがあり、栄養価の高い野菜や果物が狙われるという。同課では今年3月、アライグマから農作物を守るため、住民向けの被害防止マニュアルを作成し、県のホームページで公表した。マニュアルでは、甘みのある作物や身を隠す茂みなどを好むと紹介し、「収穫しない果樹などはとる」「農地周辺のやぶは刈り払う」などと注意喚起。「ハウスへの侵入を防ぐため電気柵で囲う」など、侵入防止の方法などをイラスト付きで紹介している。アライグマの生態に詳しい農研機構の中村大輔主任研究員は「空き家にすみ着くケースも多く、自治体が積極的にわなを設置できない場合もある。海外ではアライグマ由来の感染症も広がっており、捕獲スピードを速める必要がある」と警鐘を鳴らしている。

(伊豆半島では絶滅したはずのクマ、100年ぶりの確認から2年:静岡)
9月8日午後、静岡県南伊豆町でクマの目撃情報がありました。伊豆半島では絶滅したといわれているクマがなぜ、目撃されたのでしょうか。クマの目撃現場を案内してくれたのは、静岡県南伊豆町の西子浦区長の肥田久幸さんです。9月8日午後2時半頃、神奈川県の女性がクマを目撃したと、宿泊先の職員を通じて肥田さんに連絡がありました。クマが目撃された現場は南伊豆町の子浦日和山遊歩道の途中で、妻良漁港から遊歩道に入って徒歩3分ほどのところです。女性によると、歩道から海側に少し下ったところにいたクマは、女性に気づくとすぐに海側に向かって消えていったということです。伊豆半島では、クマは生息していないとされてきましたが、2021年7月、西伊豆町の山中でツキノワグマが100年ぶりに確認されました。南伊豆町は「野生生物頻出のため通行注意」というメッセージを歩道入り口に掲げ、注意を呼び掛けています。<南伊豆町商工観光課 平山稜さん>「役場でも事実確認を進めまして、今後の対策を講じていきますので、皆様もこちらの遊歩道を使う際には十分気を付けてご利用ください」。一方で、専門家は伊豆半島に生息するクマの数が増えているのではと推測します。<日本ツキノワグマ研究所 米田一彦所長>「9月10月はエサの問題で、どんぐりが凶作だと良く動く。ただ、伊豆半島全体では、自然状態も良いし、生息もしやすいということで、どんぐりの凶作ではなく、生息数が増えているのでないかと思う」。

(「幻の動物」が市街地に)
かつて「幻の動物」と言われ、国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカが近年、市街地に姿を現すようになった。だが、生息数が右肩上がりというわけではなく、絶滅が危惧される地域もあるのだという。彼らの生息地でいったい何が起きているのか。静岡市駿河区内の住宅に囲まれた地区で5月中旬、寺の境内に体長1・2メートルほどのヤギに似た動物が現れた。ニホンカモシカの成獣だ。別天然記念物とはいえ、住民に被害を及ぼす可能性があるため放っておくこともできない。寺の関係者から連絡を受けた市職員や警察官ら約10人が駆けつけた。麻酔銃で眠らせ山に移動させる計画だったが、カモシカはしばらくして高さ1メートルほどの柵を跳び越え寺の外に飛び出した。その後県道を横切り、民家の脇をすり抜けて奥の小さな山へ姿を消した。

(山で出合ったカモシカとシカ、攻撃をしかけるのはどっち?:東京)
一方は相手を気にし過ぎて警戒を強めるが、もう一方は気にせず我が道を行く――。山でカモシカとシカが出合ったとき、どのような行動を取るのかを東京農工大の高田隼人特任准教授(行動生態学)らの研究チームが約8年に及ぶ観察で調べると、通説に反する両者の関係が見えてきた。ニホンカモシカはウシ科の動物で、国の特別天然記念物に指定されている。体重は40キロ前後。山地に生息し、基本的に縄張りを持って単独行動をする。ニホンジカはシカ科に分類され、体重は60~100キロほど。10頭以上の群れで生活する。近年国内各地で生息数が増加。それまでほとんどすんでいなかった山地などに侵入し、体がより小さいカモシカを攻撃して排除しているのではないかという通説があった。研究チームは、長野県・浅間山の標高1900~2404メートルに広がる草原(60ヘクタール)で2015年4月~22年12月の計337日間、望遠鏡を使ってカモシカとシカを観察。両種が50メートル以内に近づいたときを「出合った」とみなし、確認できた計64回の出合いについて双方の行動を観察した。その結果、追走や鳴き声による威嚇、足の踏み鳴らしなど、カモシカからシカに対する「攻撃」は10回(15・6%)あったがシカからカモシカへの攻撃は一度もなかった。立ち止まって相手を注視する「警戒行動」にも違いがあった。カモシカでこの行動を確認したのは44回(68・8%)、1回当たり平均45・5秒だった。シカは21回(32・8%)とカモシカの半分以下、継続時間も平均9・2秒と5分の1以下だった。また、カモシカはシカと出合うと、頭を振ったり体や顔を岩や木にこすりつけたりといった「興奮行動」も示した。高田さんは「カモシカは縄張りに入ってきた競合種を気にするが、シカは移動性なので他の種が近くにいてもお構いなしなのだろう。通説に反して攻撃するのはカモシカの方で、少ない頻度だがシカを追いやる場面もあった」と話す。ただし、シカから攻撃は受けないものの、シカと遭遇したカモシカが過剰に反応することで、餌を食べる効率が低下したりストレスが増えたりして、生存や繁殖に負の影響を及ぼしかねないという。高田さんは「シカの増加が著しく、カモシカは厳しい生存競争を強いられて浅間山で生息数が減っている。他の国内の山地を含め、シカの侵入でどんな影響が出ているのかを調べ、保全策を考えるきっかけにしてほしい」と話す。

(アライグマの捕獲急増、過去最多の1655匹:群馬)
アライグマの捕獲頭数が急増し、農家や自治体関係者を悩ませている。群馬県内では2021年度、統計開始以来最多の1655匹が捕獲された。雑食性のアライグマはさまざまな農作物を食害するほか、繁殖能力が高く空き家などに住み着き市街地でも数を増やしている。22年度に過去最多の126匹が捕獲された太田市では、市が捕獲器を無料で貸し出して駆除を続けているが、個体数の抑制にはつながっていない。太田市細谷町でイチゴを生産する金谷嘉郎さん(58)は、3年ほど前からアライグマによる農業被害に悩まされている。「力が強く頭もいい。対策のしようがない」。被害が集中するのは出荷が最盛期を迎える4~5月。ビニールハウスを破って侵入し、大切に育ててきたイチゴを食い荒らす。わなを使って捕獲を試みているが学習能力が高く、捕まえるのは容易ではない。アライグマは北米原産で、1970年代にペットとしての輸入が始まった。アニメなどで人気となった愛らしい姿とは裏腹に気性が荒く、人間にも有害なアライグマ回虫をはじめ、さまざまな病原体を媒介する。現在は環境省の特定外来生物に指定され、飼育や移動が禁じられている。同市農業政策課によると、市内では2022年度までの6年間で捕獲頭数が3.5倍に増えた。百頭を上回るのは4年連続。同課は希望者に対し、金属製のわなを無料で貸し出して駆除に努めているが、個体数の抑制にはつながっていない。群馬大大学院理工学府の奥浩之准教授は、同市北部の八王子丘陵で野生動物の食性を調査している。アライグマについて「山や集落を問わず、どこでも暮らすことができる」と指摘する。民家や工場などに住み着いて繁殖することができ、市街地を含む市内全域で捕獲が確認されている。家屋に居着く習性があるアライグマの増加は、市内で1万4千戸超存在する空き家の増加と関連するとの指摘もあり、奥准教授も「否定できない」としている。殺処分後の命の有効活用も進んでいない。感染症のリスクなどに加え、食肉加工に関する法令も壁となり、毛皮や肉の利用は難しいのが現状だ。現在市は、捕獲した個体をコンテナに閉じ込めて二酸化炭素で窒息死させ、殺処分後の死骸は清掃施設で焼却するなどしている。殺処分を担う同課有害鳥獣対策係の職員は「かわいそうだが、誰かがやらなければならない仕事」と言葉を絞り出す。野生化したアライグマの多くは、捨てられたり逃げ出したりしたペットの子孫とされる。職員は「彼らもまた被害者。動物を飼うのなら、最後まで面倒を見てほしい」と願っている。

(イノシシ対策、地域が協力:熊本)
熊本市北区と中央区にまたがる立田山で相次いでいるイノシシの被害を防ぐため、山の北側にある清水校区第6町内自治会が、町内の放置竹林を整備している。好物のタケノコを管理し、やぶを取り払ってすみかを減らす目的。

(独自の「クマ出没注意報」:新潟)
8日朝早く南魚沼市の民家の近くでクマが目撃されました。3日に夫婦2人が襲われた同じ地区です。市は独自の「クマ出没注意報」を発令し注意を呼びかけています。警察によりますと8日午前5時すぎ、南魚沼市長崎で田んぼを歩き林に入ったクマを住民が目撃し通報がありました。体長は約1mだったということです。現場は民家からわずか50m程のところでした。3日には同じ長崎地内で夫婦2人が襲われケガをしていて、南魚沼市は4日から独自の「クマ出没注意報」を発令し注意を呼びかけています。夫婦が襲われた現場付近では児童の安全のため通学バスを11月いっぱいまでの予定で運行しています。

(農作物被害防ぐ「サル・柿合戦」で高校生が柿収穫:長野)
富士見町の富士見高校2年生78人が7日、町内で収穫される見込みのない柿の収穫作業を行った。「サル・柿合戦」と銘打ち、柿を餌にするサルが集落に来るのを防ぐ試みで昨年に続き2回目。熟す前の青柿を取り、染料などに使う柿渋作りを始めた。生徒たちは同町落合の上蔦木(かみつたき)地区の約10軒を訪問。長さ3メートル以上の手作りの竹ばさみなどで実を取った。柿渋にするため砕いて水に漬けた。

(ヤギはどこへ?クマによる被害か:岩手)
9日朝、岩手県久慈市の牛舎の建物の外で飼育していたヤギ1頭がいなくなっているのが見つかりました。近くの山の方へヤギを引きずったと見られる跡が残っていて、クマによる被害と見られています。警察によりますと9日午前7時ごろ、市内の70代の男性が、久慈市山根町に所有する牛舎を訪れたところ、ヤギの飼育用に牛舎の外に設置していた柵が倒れ、ヤギ4頭のうち1頭がいなくなっているのを見つけました。付近にはヤギを引きずったと見られる跡が南の山の方へ向かって続いていて、クマのものと見られる足跡も残されていました。男性が8日正午ごろに牛舎を訪れた際は、ヤギは4頭ともいたということで、8日正午から9日午前7時までの間に被害にあったと見られます。牛舎内で飼育されていた牛15頭に被害はありませんでした。警察が付近のパトロールを実施するともに、猟友会が付近にワナを設置する予定です。現場は、久慈市の中心部から15キロほど離れた山間部です。

(同じニワトリ小屋で2度被害、クマに10羽食い荒らされる:秋田)
9日午前6時35分ごろ、秋田県北秋田市綴子の民家のニワトリ小屋で、クマがニワトリ4羽を食い荒らしているのを所有者の70代男性が見つけた。午後6時半ごろにも同じ小屋でニワトリ6羽が被害に遭っているのが見つかった。 署などによると、男性が同日朝、餌を与えるため小屋を訪れたところ、体長約60センチのクマがニワトリを食い荒らしているのを見つけ、署に通報した。

(シカを食べているクマを住民が目撃:栃木)
11日午前6時35分ごろ、塩谷町船生の用水堀で近くの住民が、シカを食べているクマ1頭を目撃し、警察に通報しました。その後、クマの姿は見えなくなり人への被害はなかったということです。矢板警察署では、役場や猟友会と連携しながら警戒活動を行っています。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
道南の松前町で9日夜から10日朝にかけてクマの目撃が相次いでいて、警察はパトロールを強化し付近の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、9日午後10時ごろ松前町福山で住民から「クマがクルミをかじっている音がする」と通報がありました。現場は住宅から30メートルほど離れたクルミの木などが生い茂っている場所で、連絡を受けて駆けつけた町役場の職員がバリバリと何かを食べる音を聞いたということです。また10日午前4時ごろには松前町白神で、住民から「自宅の敷地にクマがいる」と通報がありました。クマは体長1メートルほどの子グマとみられ、警察が現場に到着する前に山のほうへ逃げていったということです。警察は町役場とも情報共有を行い、猟友会への出動も要請したということです。松前町内ではこの1週間にクマの目撃が相次いでいて、警察はパトロールを強化して住民に十分注意するよう呼びかけています。

(小学校の敷地でクマの目撃情報:北海道)
7日夜、日本海側の苫前町でクマが目撃され、NHKに寄せられた映像には小学校の敷地に入っていくクマの姿が捉えられていました。町は8日、小学校と近くの中学校を臨時休校としたほか、警察とともに付近をパトロールして警戒にあたっています。警察によりますと、7日午後9時ごろ、苫前町の苫前小学校の前の道路を車で通りかかった人から「クマを目撃した」と通報がありました。通報した人は車内からクマを撮影していて、NHKに提供された映像にはクマが小学校の校門から敷地へと入っていく姿が捉えられていました。映像を撮影した苫前商業高校の校長を務める佐藤恵一さんは「クマが車のほうに近づいてきたので驚きました。被害に遭わないように気をつけなければならないと改めて思いました」と話していました。8日朝になって地元の猟友会のハンターなどが小学校の校舎内を捜索したところ、▼窓ガラスにクマのものと思われる手の跡が残っていたほか、▼長さ14センチほどの足跡が確認されました。猟友会によりますと、クマは3歳半から4歳半のオスの個体と見られ、体重は150キロから200キロと推定されるということです。これを受けて、町は8日、苫前小学校と近くの苫前中学校を臨時休校としたほか、警察とともに付近をパトロールして警戒にあたっています。苫前町猟友会の林豊行会長は「今回のようにクマが人里に近づいてくる事例は最近なかったので、しばらくはやぶに近づかないなど注意してほしいです」と話していました。

(高級ブドウをもぎ取るクマ:長野)
収穫目前の被害でした。こちらは坂城町で撮影された映像です。クマが畑で高級ブドウをあさっています。被害を防ぐにはどうすれば良いのか、専門家に聞きました。それは、白昼堂々の〝犯行〟でした。10日正午すぎ、坂城町のブドウ畑で撮影された映像です。〝黒い塊〟の正体はクマ…見上げている様は、まるで〝品定め〟。おもむろに立ち上がったかと思えば…無数のブドウを物色…。そして…!袋ごと、1房口でもぎ取りました。畑の所有者によりますと、被害に遭ったのは収穫目前のナガノパープル。この畑では連日、クマの食害が相次ぎ、およそ3割が被害に遭ったといいます。他の畑ではシャインマスカットも食べられたそうです。畑の周囲に金網を4重に張り巡らせても止まらぬ食害…県鳥獣対策室によりますと、県内のクマの目撃件数は今年、去年の同じ時期に比べ2倍近くに上っています。クマの生態を研究する県環境保全研究所によりますと、本来、クマは糖分を吸収しにくい体質なので、ブドウはエネルギー源に向かないそうです。研究員は「空腹を満たすために食べている可能性」を指摘していました。では、クマによる農業被害をどう防げば良いのか。まずは、「匂いを出さない」こと。摘果するなどした農作物を畑に放置しないことが重要だと言います。そして、最も有効なのが「電気柵を設置する」こと。市町村や農協などの補助金を活用出来るそうです。

(ヒグマがスルメイカをムシャムシャ食べる:北海道)
北海道南部の福島町で、スルメイカを食い荒らすヒグマの姿が撮影されました。撮影されたは9月8日午前7時30分ごろ。従業員の男性が目撃しました。クマは水産加工場の作業場に侵入し、30分ほどの間、テーブルの上にある冷凍もののスルメイカをムシャムシャ食べ続けていたということです。従業員にケガはありませんでした。加工場ではスルメイカを廃棄処分したほか、施設の消毒などに追われ、被害は20万円近くに上るということです。

(小学校の敷地に入るクマ:北海道)
北海道苫前町の小学校敷地内で、きのうクマの目撃がありました。目撃者が撮影した動画には、校舎の中に走っていくクマの姿がとらえられていました。きのう午後9時ごろ、苫前町で撮影された映像です。道路の真ん中を歩く1頭のクマ。突然走り出したクマが向かった先は小学校です。教室の明かりに向かって迷いなく進みます。車で通りがかった男性が、小学校の駐車場に入っていく体長1.5メートルのクマ1頭を目撃し、警察に通報しました。けさ、苫前小学校では様々なクマの痕跡が確認できました。校舎の窓やアスファルトにはくっきりとクマの足跡が残っていて、小学校の駐車場には複数のクマのフンがー敷地内にある畑の草花も踏み倒されていたということです。町の教育委員会はきょう、苫前小学校と付近の苫前中学校を臨時休校とするなど警戒を続けています。

(熊カレーに鹿カレー?:秋田)
「秋田県大仙市ってどんな街?」。もし県外のひとにそう聞かれたら、大仙市民の100人中102人が「花火で有名な街」と答えるだろう。なんせ『大曲の花火』の来場者数は、例年約70万人と言われている。やはり大仙市といえば花火だ。むしろ花火しかない。花火におんぶに抱っこだ。……って、勢い余って地元を華麗にディスってしまったが、そんな大仙市の北部で産声をあげたニューカルチャーが今話題を集めている。クマくんやシカさんのお肉。広大な自然界からの贈り物・協和ジビエだ。超絶広い駐車場と、鮮やかに揺れる新名物の幟。今回私が訪れたのは、国道46号線沿いにある『道の駅協和 四季の森』である。そう、今日はこの地で噂の熊カレーと対峙する魂胆だ。熊、鹿、熊。道の駅の売店を覗いてみると、さっそく噂のジビエコーナーが登場。想像していた倍の勢いで、新たなご当地カレーが猛プッシュされていた。ちなみに熊カレーの熊肉は、大仙市協和エリアで捕れたものだけを使うという徹底ぶり。そんなガチンコレトルト熊カレーの価格は1,100円、鹿カレーは700円だ。私が訪れた際はソールドアウトしていたが、本来は熊肉や鹿肉の缶詰もラインナップに加わっている。道の駅が総力を挙げて巻き起こすニューウェーブ。そいつを肌で体感するため、私は道の駅内のレストランへと向かった。お土産にレトルトカレーも悪くないけど、レストランではその場で魅惑の熊カレーを味わうことができるのだ。注目の熊カレーがフレッシュなサラダを引き連れて登場だ。ジビエカレーといえばクセが強いイメージだが、そのルックスに熊のような猛々しさはない。ジャガイモの隣にゴロリとした熊肉が見えるが、どこか懐かしさ漂うカレーライスという雰囲気だ。さっそく噂のカレーを実食といこう。カレーはスパイスが効いているが、食べやすいように辛さは調節されている。注目はそこに鎮座する熊さんのお肉だが、こいつがガチで柔らかい。丁寧に下処理して、じっくりと煮込まれているのだろう。クセがまるで無く、牛肉と言われたら勘違いしてしまいそうだ。逆に猛々しい野獣の味を求めているハードパンチャーにはやや物足りないかもしれないが、子供や高齢の方も食べられるようにと工夫が感じられる。幅広い世代に「地元の味」を楽しんでほしい。そんな想いがビンビンと伝わってくる。ちなみにこちらの熊カレーの価格は1,250円。これは吉野家のスパイシーカレーおよそ3杯分の価格……って、なんかスイマセン。だけど地元の狩猟会が捕獲したガチンコ熊肉と考えれば、決して高すぎる価格では無いように思う。散歩がてら道の駅を訪れて、普段はなかなか出会えないジビエカレーを体験。そんな休日もアリだろう。大仙市の北部にある街から、新名物を発信。今はまだそれほど認知度が高くない協和ジビエだが、いつかお隣の「横手やきそば」のように全国区のB級グルメになる日が来る。……かもしれない。

(九州ジビエフェスト AUTUMN2023:福岡)
JR博多シティは9月28日~10月1日の期間、JR博多駅前広場にて、九州のジビエ料理とお酒が楽しめる秋の祭典「九州ジビエフェスト AUTUMN2023」を初開催する。ジビエとは、フランス語で野生動物の肉のこと。ヨーロッパでは秋の伝統料理として楽しまれ、哺乳類(猪・鹿・兎)や鳥類(鴨・鳩)など、さまざまな野生動物を狩猟する。野生の動物が自然の食物を食べて育ったため、ジビエはヘルシーで栄養価が高く、環境にもいい食材だ。会場には、ジビエ料理に合わせて選んだ、九州が誇る銘酒の数々も出店。絶品ジビエ料理と銘酒をともに楽しんではいかがだろうか。

(”ジビエ”を使った料理フェス始まる:長崎)
地元食材のおいしさを伝えるグルメフェスが諫早市で11日から始まりました。参加店舗それぞれが「ジビエ」を使ったアイデアメニューを提供しています。諫早市中心部のアーケードにほど近い場所にある「BASE cafe」が提供するのは、イノシシ肉を使ったキーマカレーです。代表の陣野 真理さん。諫早市で獲れる食材の美味しさを知ってもらおうと2020年から毎年、「頂フェス」と題したイベントを企画してきました。市内の飲食店10店舗がテーマに合わせた料理を提供します。今回のテーマは「ジビエ」です。(ISAHAYA頂プロジェクト 陣野 真理代表)「いろんな農家がジビエの被害を受けている話を聞いてこれを利活用できると農家の助けにもなるし町の新しい魅力にもなるかなと今回ジビエを使うことになった」。諫早市では2022年度、鳥獣による農作物への被害が約3400万円に上り、このうちイノシシによる被害は、2番目に多い900万円ほどだったということです。ジビエの有効活用につなげようと作られたキーマカレーのお味は。頂フェスは、10月末までです。

(ジビエ料理味わい、活用探る:熊本)
農作物の被害対策として注目される野生鳥獣肉(ジビエ)の利用を広めようと、イノシシやシカ肉の料理を味わう「ライブキッチン」が7日、小国町のカフェTOMOS[トモス]であった。

(柿の種メーカーがドッグフード:新潟)
柿の種はじめ業務用米菓を製造する阿部幸製菓は15日、新潟県産米と国産鹿肉を使ったドッグフード「柿の種屋さんのわんちゃんのおやつ」(70g税込み1430円)=写真=を発売する。国産シカ肉を使ったドッグフードを製造販売するファミッジと共同開発したもので、「お米と鹿肉のジビエスナック」と銘打ち、愛犬のために、より安全で高品質なドッグフードを求める客層に訴求していく。

(国産ジビエ認証取得:北海道)
美唄市内のエゾシカ肉加工会社「Mt.(エムティー)」が、適切な衛生管理や流通規格に従って野生鳥獣肉(ジビエ)を扱う施設に与えられる農林水産省の「国産ジビエ認証」を取得した。全国34カ所目で、道内では浦臼町の施設に続き2カ所目。道による同様の認証も取得しており、「安心安全でおいしいシカ肉を消費者に届けたい」とする。

(シカ革でアパレルショップ:北海道)
廃棄されるエゾシカの皮を使ったエゾシカレザーショップ「AKANLEATHER」が9日、北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4にオープンした。運営するのは音楽イベントや地方創生事業などに取り組む「オワゾブルー」(札幌市、山内明光社長)で、商品の提供などを通じ、同温泉街の観光振興を目指す。エゾシカによる森林被害、交通事故など多くの課題がある中、頭数制限のため狩猟されるエゾシカの皮の多くは産業廃棄物として廃棄されている。同社は狩猟後の有効活用として今年2月、エゾシカ6次産業化の推進策として、エゾシカを使った化粧品や革製品などを開発、販売する「YUKFACTORY」(ユク・ファクトリー、札幌、同社長)と共同でアパレルブランド「AKANLEATHER(阿寒レザー)」を立ち上げた。 山内社長(60)は、夜の体験型アトラクション「カムイルミナ」のプロモーション製作でNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構と関わり、同温泉街のホテルへ運営スタッフを派遣するなどの経緯があり、同ブランドの実店舗1号店は同温泉街と決めた。同温泉街に住宅付き店舗を新築し、1階の店舗面積は約88平方㍍。2階は従業員の住宅で約112平方㍍。エゾシカ革を使った商品はライダースジャケットを中心に3点。レザーバッグや小物、アクセサリーも販売。主力商品のALKレザージャケットは阿寒地区のエゾシカ革を使用し、山本寛斎事務所(東京)がデザイン、プロデュースしている。エゾシカ革は油分が豊富なため柔らかくしっとりしているが、引っ張ると強度もあるのが特長という。また、飲食ブースも併設しており、昼はランチ、夜はバーとして営業している。山口社長は「今後は地元のアイヌ作家とも商品を考えたい」とし、「アパレルを通し阿寒湖温泉地区の魅力を発信していきたい」と話している。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、12日午前11時50分ごろ、色麻町高城付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午後2時10分ごろ、仙台市青葉区上愛子神明にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、10日午前11時30分ごろ、丸森町大畑にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、11日午前8時50分ごろ、栗原市築館築館新八ツ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後9時40分ごろ、仙台市泉区寺岡3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、8日午後1時37分ごろ、松島町桜渡戸蒲ケ沢にクマが出没しました。

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(倉庫から猟銃のようなものを盗んだ疑い:福岡)
福岡市の住宅の解体工事現場で、敷地にある倉庫に侵入し猟銃のようなものを盗んだとして、この現場で働いていた男が7日、逮捕されました。建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕されたのは、福岡市城南区の会社員、田辺一也容疑者(58)です。警察によりますと、田辺容疑者は9月4日午前7時50分ごろ、福岡市早良区の解体工事中の家の敷地内にある倉庫に侵入し、猟銃のようなもの1点を盗んだ疑いです。田辺容疑者はこの解体工事現場の作業員でした。猟銃のようなものを車に積んだのを工事関係者が目撃し、声をかけたところ、車を置いて逃走したということです。通報を受けて警察が車を調べたところ、猟銃のようなものが見つかり、7日、逮捕したものです。警察の調べに対し「お金に換えようと思いました」と話し、容疑を認めているということです。倉庫に鍵はかかっておらず、田辺容疑者は当日は現場で勤務中だったということです。倉庫の持ち主からは話を聞けていないということで、警察は盗まれたのは猟銃とみて鑑定を進めています。

(80代男性がクマに襲われけが:秋田)
7日も秋田県内でクマによる人身被害がありました。警察や消防によりますと、7日午後4時半ごろ秋田市下北手梨平で80代の男性が自宅の敷地内でクマに襲われました。顔からの出血が大量だったということですが、意識はあり秋田市内の病院で手当てを受けています。

(砂川・猟銃許可取り消し訴訟、発砲現場で「検証」:北海道)
ヒグマ駆除の際、適切に発砲したのに道公安委員会から違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(74)=砂川市=が道を相手取り、処分の取り消しを求めた行政訴訟の控訴審で、札幌高裁(佐久間健吉裁判長)は7日、同市の山林で発砲現場を確認する「検証」を行った。

(南方系マダニ、東北の離島に:山形)
山形大農学部の小峰浩隆助教(33)=生態学=らの研究グループは東北地方の離島で、致死率の高い新興感染症を媒介する複数の南方系マダニ類を見つけた。従来知られていた地域より北方だった種もおり、地球温暖化などを背景に東北に進出しつつある状況を確認。この離島にはマダニの主な宿主とされる大型哺乳類はほとんどおらず、鳥類を介して分布が拡大している可能性も示唆された。南方系のマダニ類はもともと東南アジアや南アジアにおり、近年は西日本でも見つかっている。日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった新興感染症を媒介するとして拡大が懸念されているものの、その拡大状況やメカニズムの実態は不明な点が多い。国立感染症研究所によると、SFTSの報告数は近年、全国で増加傾向にあり、今年は8月27日までに108人となり、昨年の同時期を上回っている。県によると、本県の場合、1999年の調査開始以降、SFTSの感染例は確認されていない。今回、南方系マダニが見つかった離島は風評被害の懸念から公表していない。2021年6~8月に草むらなどから9種類145匹を捕まえ、南方系は5種類を発見した。このうちヤマアラシチマダニとツノチマダニは新潟県、タカサゴチマダニは静岡県、カクマダニ属の種(和名未確定)は埼玉県が北限だった。離島内にはマダニの重要な宿主とされるシカやイノシシはおらず、陸上からの移入も考えにくい。畜産による人為的な動物の移動もないため、300種類超の渡り鳥が立ち寄った際に持ち込んだとみられる。ただ、マダニの幼虫はほとんど見つかっておらず、離島内で繁殖している可能性は低いという。小峰助教は「西日本に比べて南方系マダニ類の個体数は少なく、感染症のリスクは高くないと思われる」と説明。「今後はどの鳥がどこからマダニを持ち込んだかなど基礎情報を集め、将来的には感染症のリスク低減に役立てたい」と話した。森林総合研究所(茨城県つくば市)との共同研究で、成果はダニに関する国際学術誌の7月27日付に掲載された。

(クマの人身被害、最悪ペース)
クマによる人身被害が今年度、過去最多ペースで推移している。環境省によると、7月末時点で全国で54件に上り、同時期としては現在の形で集計を取り始めた2007年度以降で最も多い。今秋は東北地方でブナの実が大凶作と予測され、エサを求めて人里での出没が増えることが懸念される。

(マングース5年捕獲ゼロ:鹿児島)
環境省は6日までに、鹿児島県奄美大島で進めている特定外来生物マングースの防除事業の2022年度実績をまとめた。わなや探索犬によるマングースの捕獲はなく、捕獲ゼロの状態が約5年にわたって続いている。同省は「生息は極めて少ない状態か根絶できている状態」とみており、早ければ23年度中の「根絶宣言」に向けて作業を進めている。奄美大島のマングースは、1979(昭和54)年にハブやネズミの駆除を目的に奄美市名瀬で約30匹が放され急速に分布域を拡大。推定生息数はピーク時に1万匹まで増え、アマミノクロウサギなど希少な在来生物を捕食して生態系に深刻な影響を及ぼした。各市町村が有害鳥獣として1993(平成5)年に捕獲をスタートし、環境省は2000(平成12)年に駆除を本格化。05(平成17)年に外来生物法に基づく防除事業を開始し、捕獲を担うマングースバスターズを配置して駆除を進めた。捕獲総数は約3万2千匹。防除が進んで捕獲数は次第に減少し、18(平成30)年4月に1匹が捕獲されて以降、捕獲ゼロの状態が続いている。22年実績報告によると、島内に設置した捕獲用のわなは約968基を撤去して2万1633基。わなや探索犬による捕獲はなく、548地点の自動撮影カメラでもマングースは撮影されなかった。住民から7件の目撃情報が寄せられ、調査を行ったが、生息は確認されなかった。23年度もわなや探索犬、自動撮影カメラによるモニタリング調査を継続する。今後は研究者らがこれまでの情報を基に算出した根絶確率を評価し、判断する。併せて、環境省は住民からのマングースの目撃情報収集を続ける。同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「万が一ということもあるのでぜひ情報を寄せてほしい。監視の目を光らせ、マングースの根絶を住民みんなで見届けよう」と呼び掛けている。

(クマ襲撃死亡事故受け、自治体担当者が対策を互いに紹介:北海道)
ことし5月、幌加内町で釣り客の男性がクマに襲われて死亡した事故を受け、上川地方の自治体の担当者が一堂に会して、それぞれの地域のクマ対策などを紹介しあいました。この会合は、上川総合振興局が企画したもので、管内の自治体の担当者がクマをめぐる取り組みなどを紹介しあうことで、より効果的な対策につなげようと、5日、開きました。このうち、ことし5月に釣り客の男性がクマに襲われて死亡した事故が起きた幌加内町の担当者は、事故後、新たに導入した取り組みを紹介しました。そのひとつが、目撃者から情報を聞き取るためのシートで、▼クマの様子や▼人への反応など10以上の項目にわたって相手にたずねることで、クマの行動を細かく記録できるということです。また、クマの目撃情報を町独自でネットやSNSで発信する「アニマルアラート」という仕組みを導入したことなども紹介していました。このほか、参加者からはクマ出没への備えを進める一方で、人里に近づけないように▼収穫した農作物を放置しないことや、▼電気柵の設置などの対策も重要だという意見が出されました。上川総合振興局の嶋本祐幸くらし・子育て担当部長は「それぞれの独自の対策がほかの自治体にとって重要なヒントになる。今後も連携を深めて、人畜の被害が出ないように備えを万全にしたい」と話していました。

(県内最年少でエア射撃資格:宮城)
石巻市立渡波中学校2年の佐藤美優さんが、エアライフル(空気銃)の練習や大会参加に必要な資格「年少射撃資格者」を県内の中学生として初めて取得した。現在は資格を必要としないビームライフルをメインに個人で大会に出場し、腕を磨いているが「いずれエアの大会にも出て、成績を残したい」と先を見据える。祖父が猟友会所属のハンターだったという佐藤さんは、仙台育英学園秀光中の部活動見学でライフル射撃に出会ったことを契機に中学生になってからビームを始めた。練習場は石巻市沢田にある県ライフル射撃場。指定管理者の県ライフル射撃協会会員らの指導を受け、練習に励んでいる。エアもビームも競技ルールに大きな違いはなく、10㍍先の標的を狙って40発、または60発撃って合計点で競う。実弾を用いるエアに対して、ビームはその名の通り光線を発射するという部分で違いがあり、公安の所持資格なども必要としない。「最高得点の的の大きさは直径1㍉。集中力が必要だが、続けて打ち抜けた時の爽快感は格別」と佐藤さん。ライフルの魅力に取りつかれ、「新しい世界に挑んでみたい」と今年5月、エアの資格を取得した。沢田の射撃場はエアもビームも練習できる設備が整う県内有数の好環境。佐藤さんは基本的にここで練習しているが、週末は秀光中の射撃部メンバーも頻繁に足を運び、ともに切磋琢磨している。秀光中射撃部で貞山小出身の大橋もも音さん(2年)は「佐藤さんと一緒に練習できるのはいい刺激になるし、何より楽しい」と笑顔。佐藤さんも「皆が来てくれるのはうれしいし、一層練習に身が入る」と目を細めた。ライフル射撃場がある石巻だが、圏域の競技人口は数えるほど。佐藤さんは「ライフルに興味を持つ人が地域でも増えてくれればうれしい。まずは大会で好成績を残せるよう練習に励みたい」と照準を合わせた。今後は、JOCジュニアオリンピックカップや全日本小中学生ライフル射撃選手権大会など最高峰の大会に挑む。

(クマを目撃した高齢男性、木に登って避難も転落し腕と胸を打つ:岩手)
7日午後、岩手県紫波町でクマを目撃した高齢の男性が木に登ったところ、誤って転落しました。命に別状はありません。クマが現れたのは紫波町松本の住宅の敷地内です。紫波警察署によりますと7日午後6時ごろ、この家に住む高齢の男性がクマを目撃し、驚いてクリの木に登ったところ、誤って転落したということです。男性は腕と胸を打っていて、痛みを訴えましたが命に別状はありません。男性は自ら車を運転して病院へ向かったということです。目撃されたクマは1頭で、成獣とみられています。行方は分かっていません。警察が付近をパトロールして警戒を呼びかけています。

(新幹線がクマと衝突:秋田)
JR東日本によりますと秋田新幹線は7日、秋田県内で列車がクマと衝突した影響で、秋田駅と大曲駅の間で運転を見合わせています。運転再開は午後6時ごろの予定です。

(シカジャンプなぜ秋に?走行中突然目の前に:北海道)
日暮れの山道を走る車。前のバイクがカーブを曲がった次の瞬間、突然、ガードレールを飛び越えてきたシカ。バイクの前を走り抜け、転倒。すぐに起き上がると、走り去っていった。前を走っていたバイクの運転手は「体感では、2メートルくらい跳ね上がって、わたしのバイクの上をポーンと跳んでいった。危なかった。ブレーキで(車体が)ふらついていたんで...」場所は北海道・釧路市にある峠。北海道では、シカに関係する事故は、6年連続で増加。それも秋にかけて多くなる。その理由は、繁殖シーズンだから。動きが活発になるという。1日の活動のピークの時間帯は、あたりがまだ暗い日の出と、今回映像が撮影された日没。これからの季節、暗い山道の走行には十分注意する必要がある。

(エゾシカ食肉加工場を新設:北海道)
食肉製造販売の川島食品(東京)は、釧路市益浦にエゾシカの食肉加工処理工場を新設する。地元のハンターなどから年間約5千頭を受け入れる計画で、道によると道内のエゾシカ処理施設では最大規模。衛生管理を徹底した自社工場で解体から加工までを一貫して行うことで、飲食店から引き合いの強い高品質のエゾシカ肉を首都圏を中心に供給する。

(シカ1500頭で食肉200キロ:兵庫)
兵庫県丹波市にある県立丹波の森公苑で、「シカ問題を『食べる』から考える」若者向け講座(兵庫丹波の森協会主催)があった。市内で昨年度の猟期(11―3月)に捕獲され、シカの有効活用処理施設「丹波姫もみじ」(同市氷上町)に搬入された約1500頭のシカのうち、食肉にできたのはわずか200キロ強と、捕獲は進むものの狩猟期に搬入が集中し、設備と人手が足りず、食肉生産ができない課題がある中、座学と実食で、捕獲したシカを食べることの意味を、頭と舌で確認した。県森林動物研究センターの横山真弓さんは、県は2010年度から対策を強化し、以前の2倍の年間4万頭のシカ捕獲を続けていることで、農業被害額は減っていると報告。一方、低カロリーで低脂肪、高たんぱくで鉄分豊富と、資源的価値が高いにもかかわらず、4万頭捕獲しても食肉としてほぼ活用されていない現状を憂い、「里山で生み出される命を奪っておいて、食べない動物はいない」と提起した。シカ肉活用を啓発するNPO法人・里山グリーンネットワークの藤本裕昭さん(同市山南町)によると、シカ1頭当たり平均重量30キロのうち、精肉歩留まりが3割とし、内臓や骨を除き、1頭当たり10キロの肉が取れると説明。丹波姫もみじに昨年度の狩猟期に推計45トン搬入されたシカのうち、食肉にできたのは224キロで、実態は肉のほとんどがドッグフードになっているとし、「一日に丁寧に解体できる以上の数が、猟期にどっと持ち込まれる。搬入された日に全て解体している。一度にたくさん持ち込まれても犬の餌にしかならない」と、問題点を指摘した。実食で、丹波市出身のフレンチシェフ、山本明弦さん(東京都)がテリーヌ、ナムル、コンソメなど11品のシカ料理を提供。家庭で作れるようにと、フライパンでシカもも肉のロースト調理を実演した。フライパンにたっぷり油を入れて熱し、塩こしょうをしたもも肉の塊を入れて表面を焼いた後、フライパンから取り出し、アルミホイルで包んでじっくり休ませた。「焼き過ぎないのがこつ」と山本さん。柏原高校調理部の生徒が分厚く切り分けた。山本さんは「丹波のシカはおいしい。都内だったらソースと付け合わせを添え、ロースト肉2切れを9000円で提供する。地元の皆さんは気づいていないが、シカ肉にはそれだけの価値がある」と言い、「昔から山の人は、シカ、イノシシなどのたんぱく質、脂質、『自然の命』に助けられてきた。生を受け継いでこられたことへの感謝もなしに害獣とくくるのは悲しいこと。少しでも知って、ありがたく食べて、命を頂く」と、捕ったシカ肉を食べることの意味を考えるよう促した。

(栄養満点のシカ肉そぼろ丼好評:鳥取)
若桜町浅井の若桜学園の9年生3人と同町内の飲食店「ふる~る」(鈴木正明代表)がタッグを組んで、シカ肉を使った「そぼろ丼」を共同開発した。8月末から同店で新メニューとして販売しており、生徒らは「栄養価が高くておいしく、食べやすい」と自信を見せる。数人の班ごとに取り組む9年生の総合授業「若桜まちおこしプロジェクト」の一環で、ジビエ活用に取り組む青木一馬さん(15)と平家伸悟さん(15)、谷口真和さん(14)が構想を練ってきた。シカ肉独特の香りが苦手な人でも食べられるように、学校やそれぞれの自宅でシカ肉のおにぎりやミートボールなどの調理に挑戦し、細かく刻んだり、下味を付けたりと工夫を重ねてきた。中でも比較的、香りの少なかったそぼろ丼に着目し、町内でジビエ料理を提供している同店に新メニューとして提案した。平家さんは「肉だからガッツリ系と思いきや、臭みもなくサラサラとかき込んでしまうほど食べやすい。ご飯と混ぜて食べるとよりおいしい」とPRする。同店では、800円(みそ汁付き)で提供しており、好評を博している。鈴木代表は「自分たちの力で形にしたものを提案してくれたのがすごい。この開発を機に生徒たちに自信をつけてもらいたい」と中学生らとのタッグを喜んだ。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前9時20分ごろ、栗原市金成有壁狼ノ掛にクマが出没しました。

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(ヒグマのオソ駆除「かわいそう」抗議相次ぐ、ハンター萎縮の懸念広がる:北海道)
釧路管内標茶、厚岸両町で60頭以上の牛を襲った雄のヒグマ「オソ18」を駆除したハンターへの抗議が相次いでいる。ハンターが勤務する同管内釧路町には二十数件の電話やメールがあり、大半は「クマがかわいそう」といった道外からの批判だ。ハンター本人にも同様の電話が相次ぎ、批判を恐れて取材に応じることもできない状態という。猟友会関係者は「ハンターが萎縮し、駆除の担い手がいなくなってしまう」と危惧する。「大きな被害を出したオソを仕留めたのに、誹謗(ひぼう)中傷に近い抗議が続いている」。道猟友会標茶支部の後藤勲支部長(79)は表情を曇らせる。オソは7月30日、釧路町職員でハンターの40代男性が駆除した。ハンターの男性から当時の状況について報告を受けた後藤支部長によると、男性は同日朝、町内の牧草地で、地面に伏せたクマ1頭を発見。車で約80メートルの距離まで近づいても立ち去らないため、人を恐れない「問題個体」と判断し、運転席から撃った後、約20メートルの距離まで近づき、さらに2発続けて撃った。頬にはほかのクマに爪で引っかかれたような4本の傷があり、片耳はちぎれていた。男性は前日にこの牧草地で、親子のクマを目撃しており、後藤支部長は「付近で親子クマと出くわして傷を負い、衰弱していたのではないか」とみる。男性はオソと気付かずに駆除したが、DNA型がオソと一致したと発表された8月22日以降、釧路町役場に「なぜ殺した」「クマがかわいそう」といった抗議が相次いだ。大半は道外からで、男性の自宅や実家にも一方的に非難する電話がかかっており「メディアに出ることで、さらなる批判を浴びることを本人は恐れている」(後藤支部長)という。道内では、問題個体とされたヒグマを駆除した自治体やハンターが批判にさらされる例が続く。7月には札幌市南区の住宅街で出没を繰り返したクマを市が駆除した際も、500件以上の抗議が寄せられた。

(感染は人間から鹿へ、そして鹿から人間へ:アメリカ)
新型コロナウイルス感染の拡大が、人間と動物の間で起きていた事実がオハイオ州で行われた研究によって明らかになった。医師たちが人間に新たなコロナウイルスの変異株を追跡している最中に発見に至ったよう。『Nature Communications』誌に掲載された論文によると、2021年11月から22年3月までの期間、オハイオ州88の郡のうち83ヵ所で野生のシカの鼻から1522個の検体を採取。テストの結果、約10%以上がコロナウイルスに感染していることが判明した。さらに、ウイルスの遺伝物質を分析した結果から、少なくとも30症例は人間からシカに感染した事実も。これだけではない。以前ウイルスに感染した経験があることを示す抗体を検出した結果、オハイオ州に生息するシカのおよそ23.5%が一度は感染していたことも明らかに。「おそらく感染はどちらか一方からのものではありません。シカから人間へ感染する可能性を示す証拠も増えてきています」と、オハイオ州立大学獣医予防医学のAndrew Bowman准教授のコメントを『Forbes』は伝えている。なお、今研究によるとシカから人間へと感染した場合にも、既存のワクチンが重症化予防への手立てとなることも示唆されている。

(パイン畑で散弾銃発射か、株におびただしい穴:沖縄)
平得大俣にある畑で栽培中のパイナップルに大量の散弾銃が撃ち込まれているのが見つかった。被害は数十㍍の範囲に及び、多いところでは1株に30個以上の穴が開いていた。農家の男性は「大切に育てているのにショックだ。守るはずの農作物に散弾銃を浴びせるとは」と憤りをあらわにした。散弾銃には、鉛の弾が使われていることから果実に入れば中毒の原因にもなりかねず「健康被害が出たら大変なイメージダウンになる」と危惧する。4日、八重山署へ通報があり、現在、捜査中となっている。同署によると鳥獣保護法や火薬取締法、銃刀法などに抵触する可能性がある。同畑でパインを栽培する30代の男性は、台風6号が通過した8月5日に空の薬きょうと銃弾を発見した。当初、パインの葉についた傷は目立たなかったが、時間が経過するにつれて傷の周辺が茶色く枯れはじめ、途中から折れる葉も発生している。市内では、有害鳥獣駆除のため狩猟期間以外でも猟銃などを使った捕獲の許可を出すことがあるが、市農政経済課によると今回、発砲が行われたほ場はエリア外だった。見つかった空の薬きょうには「RXP T―H 32―71/2」などと記されており、レミントン社の鳥撃ち用のものと見られる。おととしも同じほ場で同様の被害があったが、その時は薬きょうや弾丸が見つからず、男性は「その時はベテラン農家に聞いても害虫の被害なのか、病気なのか分からずじまいだったが散弾銃で撃たれた可能性がある」と話した。石垣市内ではイノシシやカラス、クジャク、キジなどによる農作物への被害が増加傾向にある。このうちインドクジャクは観光施設で観賞用に飼育されていたものが逃げ出し、石垣島をはじめ、小浜島や黒島などで定着している。コウライキジは狩猟目的で放されたものが増えたとみられている。両種とも生態系への影響が大きいことから県の「重点対策種」として防除が行われている。

(イノシシ死骸から豚熱:鳥取)
鳥取県は5日、鳥取市内で死骸で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病・豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内養豚場全18カ所で異常は確認されていない。

(「豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」会合開く)
農林水産省は9月5日、佐賀県唐津市の養豚場で国内88例目となる豚熱の患畜が確認され、九州では初となる事態を重く見て「豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」会合を開いた。省内で行われた会合は冒頭のみ公開され、大臣からのメッセージが発信された。その中で、九州は国内約3分の1の生産を占める養豚の主要産地であり、さらなる蔓延防止に取り組むことを表明した。具体的な対策にワクチンの接種を挙げ、九州全域を「ワクチン接種推奨地域」とするとし、「ワクチン接種推奨地域が九州全域に拡大しても十分な量のワクチンの用意がある」と、ワクチンの製造体制は整備されていることに触れ、合わせてワクチン接種を行う「打ち手」の確保も進める方針を示した。今後、感染防止はワクチンのみに頼ることなく、関係者の飼養衛生管理の徹底と、早期発見による対応で蔓延を抑止していく必要があることを述べた。最後に、佐賀県での豚熱の発生原因は突き止めれらていないものの、野生イノシシに豚熱が感染した場合、農場への侵入リスクが高くなることが考えられるため、九州各県での野生イノシシを対象にした感染状況の検査強化を促した。

(体長1メートルのクマが80代男性に覆いかぶさる:秋田)
6日午後3時45分ごろ、秋田県大館市の市営住宅の敷地内で、この家に住む80代の男性が体長およそ1メートルのクマに襲われけがをしました。男性が市営住宅の敷地内で休憩していたところ、突然クマが現れ男性に覆いかぶさりました。男性はその際に顔面と顎にけがをし、病院に運ばれましたが命に別状はないということです。秋田県内でクマによる人身被害が発生するのは2日連続です。警察が付近の住民に注意を呼びかけています。

(畑にクマ、70代夫婦2人が襲われけが:新潟)
9月3日午前5時半前、新潟県南魚沼市長崎の畑で、70代夫婦がクマに襲われた。南魚沼署によると、2人は顔や腕を負傷して病院に搬送されたが、命に別条はない。クマによる人的被害は県内で2023年2件目。明るくなってから住宅のそばで人が襲われたことに、住民は驚いている。南魚沼署によると、夫が自宅の隣の畑に水をまいていたところ、体長約1メートルのクマが現れてもみ合いになり、顔や両腕をひっかかれたり、かまれたりした。夫の叫び声を聞いて駆けつけた妻も、右腕などをひっかかれてけがを負った。近隣住民が119番通報した。クマはその場からいなくなった。新潟県は9月1日、2020年以来となるクマ出没警戒警報を発令し、注意を呼びかけていた。2人が襲われた畑近くの路上には、クマの足跡が点々と残っていた。地元猟友会のメンバーも出動して現場を確認し、付近の山中2カ所にわなを仕掛けた。現場の南魚沼市長崎は集落の背後に山が広がる。住民は「山の方でクマが出ることはよくあるが、人が襲われたのは初めて」と声をそろえる。近くの住民(67)は、家族が悲鳴を聞いて駆けつけた。襲われた男性がうずくまっていたが、意識はあったという。周囲には男性の眼鏡、入れ歯、バンドの切れた腕時計が落ちていたという。住民は「日が昇らないうちならまだしも、明るくなってから里に出てくるなんて。しかも、家のすぐ隣で襲われるなんて考えられない」と話した。

(クマに襲われ71歳男性けが:秋田)
5日午前5時20分ごろ、秋田県鹿角市花輪字上花輪の市道で、散歩中の近所の男性(71)がクマに襲われ、左太ももにけがをした。打撲などで軽傷。鹿角署などによると、男性は1人で散歩中、約5メートル先の歩道上に体長約1メートルのクマが現れ、後ずさりした際に転倒した。クマは男性に向かって走り、左太ももを踏みつけて東側のやぶに立ち去った。

(クマの人身被害、4~7月最多)
クマの出没が多発していることを受け、環境省は5日、関係省庁との連絡会議を開き、今年4~7月の人身被害件数が54件に上り、同期間の記録が確認できる2007年以降最多だったと明らかにした。出没件数も多かった19、20年と同水準で、例年被害が増える秋に向け、環境省は近く都道府県に警戒や対策を呼びかける通知を発出する。環境省によると、人身被害54件のうち、都道府県別では岩手県が15件、秋田県が9件、福島県が7件の順。北海道は3件で1人が死亡した。4~7月の出没件数は7967件だった。環境省は、東北地方などで餌のドングリが凶作となる予測があり、さらに出没が増える恐れがあるとしている。

(シカ急増、20年で5倍:福岡)
温暖化や耕作放棄地の広がりにより、全国的にシカが増え、被害が深刻化している。福岡県内では約20年間で推定生息数が5倍近くとなり、分布域は福岡都市圏にも広がる。餌を求めて人里に現れるケースも増えている半面、住宅地周辺では銃を使った捕獲は困難。有効な手だてがなく、関係者は頭を抱えている。

(地域と一緒に鳥獣害対策フォーラム:愛知)
地域ぐるみで鳥獣害を考えるフォーラムが新城市平井のJA愛知東本店で10月28日に開かれる。三河地区山間部で啓発活動を続けるNPO法人「愛猟」(豊田市)の主催、東愛知新聞社など後援。鳥獣害対策は山間部を中心に地域課題となっている。初の企画で、農家、有識者、行政職員、専門家を迎えて事例を紹介する。午後1時開会。作手地区在住の農家杉浦徹さんがハクビシンやアライグマによる農業被害対策を、人間環境大学環境科学部講師の江口則和さんが走行中の車と野生動物が衝突する事故「ロードキル」問題を、県農業総合試験場の林高弘さんが県内の鳥獣害対策を、千葉県佐倉市の合同会社「AMAC」代表の浅田正彦さんが人材育成を紹介する。同4時からは江口さん、林さん、浅田さんと、狩猟免許を持つ下江洋行市長が加わってパネルディスカッションする。NPOの鈴木康弘理事長は「捕獲だけに頼らなず、環境整備や進入防止を地域ぐるみで取り組むよう考える場にしたい」と参加を呼び掛けている。

(イノシシ集中捕獲:鹿児島)
イノシシの目撃情報が急増している志布志市で2日、わななどで集中的に捕獲する取り組みが始まった。秋の収穫期を迎える農作物の被害や、生活環境の悪化を防ぐのが目的で、1か月間で150頭の捕獲を目指しているという。志布志市によると、昨年度は5件だった住宅街での目撃情報は今年度に入って22件に急増している。4~7月の有害鳥獣としての捕獲数も例年を上回っており、集中捕獲を決めたという。捕獲した際に支給される報奨金は1頭あたり5000円から7000円に増やす。同市有明町の市有明家畜指導センターで出発式があり、地元猟友会のメンバー14人や関係者らが出席。捕獲で主に使われる「くくりわな」や箱わなのほか、捕獲できたことを知らせる発信器などの説明があり、メンバーらが聞き入っていた。下平晴行市長は「安心して生活し、農業に取り組めるようにしてほしい」と激励。松山町猟友会の長利守会長(75)は「人と野生動物のバランスを取る絶好の機会。捕獲することで共生できる環境を作りたい」と語った。

(クマ増加、出没の範囲広がる:京都)
8月11日に比叡山の山中(京都市左京区修学院)でトレイルランナーの女性がツキノワグマに襲われ、顔や腕などを負傷する事故が発生した。府内では近年、クマの生息数が増えており、出没範囲も広がっている。府は2021年にクマの狩猟を19年ぶりに解禁したが、捕獲頭数は伸びていないのが現状だ。なぜなのか。

(農作物被害、アライグマ3年連続最多:埼玉)
埼玉県内の農作物に被害をもたらした鳥獣のうち、2022年度の被害額が最も多かったのはアライグマで、3年連続となったことがわかった。県が7月に速報値を公表した。県がまとめた速報値によると、22年度の被害金額は全体で7891万円だった。鳥獣別でみるとアライグマ(1917万円)が最も多く、シカ(1731万円)、サル(1174万円)、イノシシ(1089万円)、ハクビシン(953万円)と続いた。アライグマは前年度から18%(430万円)減ったが3年連続トップだった。県によると、アライグマによる被害は野菜と果樹が中心で、県内の西側から東の方に被害が広がる傾向が続いている。農家や市町村が捕獲などに取り組んでいるが、被害の拡大に追いついていないとみている。上位5位のうち、被害額が大きく減ったのはイノシシ。21年度は2位(1562万円)だったが、30%(473万円)減り、今回は4位だった。一方、2位のシカは21%(309万円)、3位のサルは5%(65万円)、5位のハクビシンは41%(280万円)それぞれ増えた。特に、ハクビシンは被害額の増え方が著しかった。20、21年度は500万~600万円台だったが、1千万円超だった18、19年度の水準に近づきつつあり、県は警戒を呼びかけている。

(急増するクマによる食害、リンゴの木に有刺鉄線も:青森)
3日、青森県大鰐町のリンゴ園に設置されたわなにかかったクマ。なぜリンゴ園にわなが設置されているのか、大鰐町では、今年クマによるリンゴの食害が急増しているためです。さらに枝が折られているため、この先、数年にわたって収穫への影響も心配されています。大鰐町島田でリンゴを栽培している下山雅弘さん。その園地では収穫を控え、枝には実がついている時期ですが…。8月、園地を訪れたところ複数の木で枝が折れ実がなくなっていました。傷あとなどからクマによる被害と見られています。下山さんの園地では早生つがるを中心に全体の3割、量にすると約1トンのリンゴが被害に遭っています。できる限りの対応はとっているものの、影響はこの先にも及んでしまうと下山さんは話します。大鰐町では今年、こうしたクマによる被害が急増、2022年4月から12月までは4件でしたが、ことしは4日までに22件に上っています。町では猟友会と協力してわなを20か所以上設置。少なくとも10頭ほど捕獲していますが被害は収まっていません。行政としても、いま以上の対応を取ることが難しい中、下山さんはこの先、主力品種のふじも被害にあうのではと不安を感じています。対策を講じなければ、クマがいまの状況に慣れてしまうという可能性もあるため、町ではパトロールをさらに強化するなどして、被害を抑えたいとしています。

(ヌートリア駆除に自治体が本腰:愛知)
海外から持ち込まれ、生態系に悪影響を及ぼす「特定外来生物」。その対応に悩まされてきた自治体が、自ら駆除に乗り出しました。その背景とは?海外から持ち込まれ、生態系などに悪影響を及ぼす「特定外来生物」のヌートリア。南米原産の大型のネズミで、第二次世界大戦中、主に毛皮用に持ち込まれ、その後、野生化しました。穴を掘るための鋭い爪、後ろ足には水かきもあり水辺に生息するのが特徴です。一見、かわいらしい見た目ですが、イネなどの農作物を食い荒らすうえ、繁殖力も強い「厄介者」です。愛知県豊橋市によりますと、市では昨年度、ヌートリアによる作物の被害がおよそ120万円に上ります。また他にも、恐るべき繁殖力で増え続けるアルゼンチンアリなど「特定外来生物」に悩まされている現状があるのですが、これらを駆除するにはある問題が立ちはだかります。(豊橋市環境保全課 村田理行課長)「特定外来生物の目撃情報が多くて、どうにかしたいと思っていたが、限られた予算ではなかなか防除が進まなかった」。これまで、「特定外来生物」の駆除は、生態系維持のため国が主体でしたが、ことし4月の法改正で市町村も駆除が“努力義務”になりました。これを受け、国は交付金を増やして、自治体の駆除活動を後押しすることになりました。(豊橋市環境保全課 山崎健さん)「法律が改正されたので(駆除を)事業としてやっていく」。自らヌートリアの駆除に乗り出した豊橋市。おびき寄せるためのワナにも試行錯誤を重ね、設置からおよそ1週間後にヌートリアの捕獲に成功しました。(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)「(ヌートリアは)家族単位でいるので、1匹捕れたということは、あと2、3匹は続けて捕れる」。(環境保全課 山崎健さん)「きのうもヌートリアの目撃情報があって、市内全域で分布していると感じている。今後も駆除していく必要がある」。あまりの多さに国だけでは対応が追いつかない「特定外来生物」。「今そこにある危機」に、自治体自らの取り組みが急務となっています。

(農家の人たち対象、鳥獣被害対策でわなの研修会:山口)
野生動物による農林作物への被害が後を絶たず、高齢化などでハンターが減っていることから、農家の人たちにも狩猟方法などを知ってもらうための野生動物を捕獲するわなの研修会が、下関市で開かれました。下関市の吉田足河内地区では、独自に鳥獣被害対策の総合計画を策定し、今年度から対策に取り組み、5日に開かれた研修会には、農業法人で働く人や自治会の関係者などおよそ20人が参加しました。はじめに、県下関農林事務所の職員が、狩猟の基礎知識を説明し、狩猟できる鳥獣はイノシシやニホンジカなど46種類で、「狩猟者登録」や「有害鳥獣捕獲許可」が必要だなどと説明しました。続いて、県農林総合技術センターの専門研究員が、鉄製で中にえさを置いて誘い込む「囲いわな」について説明し、効率よく捕獲するには、わなの周りにはエサになるものがない状態で設置することや、捕獲は猟友会任せではなく、農地は自分で守るという気構えが必要だなどと話していました。研修会に参加した農家の80代の男性は、「農家と猟友会が一緒になって、鳥獣害防止に取り組むことがとても重要だということが、いちばん勉強になりました」と話していました。

(22年度の鳥獣被害2.6億円、過去2番目の少なさ:和歌山)
2022年度の野生鳥獣による和歌山県内の農作物被害額は2億6099万円だった。前年度比99・8%で、記録が残る1998年度以降では2番目の少なさ。被害をまとめた県は、伝染病の豚熱でイノシシの生息数が減少傾向にあることが影響しているとみている。過去10年では被害総額が3億円を超える年が多かったが、2020年度に11年ぶりに下回った。以降は、イノシシによる被害減が全体を引き下げている。1998年度以降で最も少なかったのは、2001年度の2億3257万円だった。主要4動物別では、イノシシ9314万円、シカ5393万円、サル4187万円、アライグマ2882万円。イノシシは前年度比で1300万円余り増えているが、20年度までは被害総額が1億円を大幅に超えていた。市町村別の4種による被害は、田辺市2470万円、白浜町388万円、みなべ町303万円、上富田町121万円、那智勝浦町650万円など。全30市町村のうち18市町村で、イノシシによる被害が前年度比で減少している。県は「今後も農地の防護や猟友会などと連携した野生鳥獣の捕獲を徹底していきたい」と話している。県は、26年度までを期間とする管理計画で「10年後に向けて生息数の半減を目指す」としている。年間の捕獲目標数はイノシシ1万7千匹以上、シカ1万9千匹以上、サル千匹以上と掲げている。

(ドローンで畑荒らす「キョン」の位置把握、ALSOKが捕獲事業:東京)
綜合警備保障(ALSOK)は、東京・伊豆大島で、特定外来生物の「キョン」をドローンを使い捕獲する事業を始める。キョンは大きさ50~60センチ程度の小型のシカで、伊豆大島などで大量繁殖している。畑を荒らすなど農作物の被害が深刻化しているほか、道路に飛び出して自動車と交通事故を起こすこともあり、対策が課題となっている。同社は、東京都からキョンの捕獲支援事業を受注。ドローンで空撮した映像や位置情報を猟銃を持った猟師とリアルタイムで共有し、効率的な捕獲を目指す。

(シカ捕獲、メスの駆除鍵:北海道)
道東のエゾシカ生息数が増加する中、シカが関わる食害や事故も増え続けている。釧路総合振興局によると、道東の2022年度の推定生息数は前年度から1万頭増の32万頭まで増え、釧路管内の21年度の農林業被害額は道内最多の12億円超に上る。道は個体増につながるメスジカの駆除が重要だとして、衛星利用測位システム(GPS)を活用した行動分析を行うなど、効率的な駆除方法を模索している。

(ヒグマ被害を受け、幌加内町が「アニマルアラート」開設:北海道)
ヒグマによる人身事故や農業被害に対処するため、北海道上川総合振興局は5日、管内市町村の実務担当者を集めた研修会を開き、各地の事例報告や専門家が講演してヒグマ対策を共有した。事例報告では今春、朱鞠内湖にイトウ釣りにきた男性が襲われて死亡した幌加内町が、事故防止に向けた取り組みを説明した。町は8月末までに湖周辺に自動監視カメラ46台を設置し、ヒグマの個体識別や行動を調査。湖畔のキャンプ場周辺約1キロに設置した電気柵については、設置後に侵入が確認されず「効果が見られる」とした。釣り人が襲われた際、湖畔周辺での出没情報の共有や関係機関との連携などの問題点が指摘されていた。これを受け、町は7月、スマホやパソコンから直近のヒグマ情報が確認できる「幌加内版アニマルアラート」を開設した。地図上に痕跡や目撃があった場所がマークされ、それぞれについてフンの内容物や目撃時の状況、職員による現地調査を踏まえた目撃個体の危険性などがコメントされている。過去7日間、過去1年間など期間を区切って情報を見ることもでき、担当者は「速やかに情報発信することでヒグマに出合わないよう役立ててほしい」という。ただ、報告では職員は専門家ではないため、ヒグマの有害性を判断するための知識習得や、高齢化するハンターの確保・育成、鳥獣対策専門職員の配置など課題も挙げた。町民からはスマホのない人への情報発信のあり方や小学生への「ヒグマ学習」の必要性などの意見も受けているという。現在、朱鞠内湖ではキャンプ場が再開され、観光客は平年並みに戻っているという。イトウ釣りなど遊漁については関係団体がヒグマ対策の独自ルールを設け、今月13日の再開へ向けて準備を進めている。

(シカ捕獲後の受け皿不足:鳥取)
鳥取県内に生息するシカの推定個体数は県東部を中心に増え続け、過去15年で3倍以上になった。ハンターによる捕獲は年々、増えているが、一方で各地域に十分な数の処理施設がないため、捕獲後の受け皿不足が深刻化している。

(イノシシ被害にメェ助っ人?:兵庫)
イノシシによる農作物への被害を減らすため、加東市が出没地点にヤギを飼って侵入を防ぐ実験を始めた。イノシシが「ヤギの臭いを敬遠する」との説を確かめつつ、はびこる雑草を人手をかけずに取り除く〈一石二鳥〉の作戦。イノシシが嫌うというヒトデの粉末も併用し、来年2月末をめどに検証結果をまとめる。市南東部の西戸地区で7月下旬から、休耕地を幅4メートル、奥行き8メートルの簡易な柵で囲い、雨や日差しよけのテントを一角に立てて2頭のヤギを放した。身の丈ほどに伸びた一帯の雑草をヤギが食べ尽せば、柵を囲い直して移動させる。日々のヤギの様子は地元の住民が確認している。イノシシによる農作物の被害は、2021年度に市全域で735万円。豚熱の流行で生息数が減ったとみられる22年度でも305万円に上る。市農地整備課の職員が、ヤギを飼って除草に取り組んでいる淡路市の県立淡路景観園芸学校で「機械で除草した場所に比べてイノシシの侵入が減った」という話を聞き、獣害対策への応用を試すことに。「臆病で嗅覚が鋭いイノシシがヤギの臭いを避けるのでは」との仮説について、実際に飼育して検証する。農家の高齢化などで雑草が伸び放題の休耕地が増え、イノシシには絶好の隠れ場や侵入経路になっている。ヤギに食べさせることで潜む場所をなくし、里山近くへの接近を阻む狙いもある。ヤギを除草に使う取り組みは全国各地で広まっており、今回の実験用の2頭は専門業者からレンタルした。今月11日からはイノシシ被害が多い森地区の農業用ため池の周囲で2か月間飼い、センサー付きカメラなどで出没状況を調べる。柵などのレンタルを含めた費用は約70万円。一定の効果が認められれば、農家などがヤギを飼育したりレンタルしたりする費用を市が補助したり、ヤギの飼育を広めたりするなどの施策につながる可能性があるという。ヒトデに含まれる成分もイノシシが嫌うといい、市は既に商品化されているヒトデ粉末成分の忌避剤も併せて使用。袋に入れてヤギの飼育場所近くにつるしたり、まいたりして実験している。

(ムクドリ大群、嫌がる音響スピーカー導入も不発:千葉)
夕暮れ時、千葉県成田市役所周辺の上空を灰色の鳥の大群が飛び交う。ムクドリだ。市民や近くの京成成田駅の利用者らは長年、鳴き声やフンに悩まされてきた。市は追い払うため、鳥が嫌う音を出すスピーカーを導入するなどしたが、根本的な解決には至っていない。8月上旬の午後6時頃、ムクドリの大群が市役所東側の上空を旋回し始めた。「キュキュキュキュ!」。甲高い鳴き声が鳴り響く。ムクドリはその後、国道の歩道に沿ったケヤキやサクラの並木に集まってきた。歩道を歩いていた成田市の女性会社員(25)は、「異様な光景ですよね。臭いし、フンが上から落ちて来るのも怖い」と語る。頭を手で覆い、小走りで通り過ぎる人もいた。鳴き声は深夜まで、街中に響いていた。市は2010年から、ムクドリの大群を観測し始めた。夏場をピークに飛来し、市役所周辺の街路樹にねぐらを作るという。昨年には初めて、数十羽が越冬しているのを確認した。市も手をこまねいているわけではない。市内の造園業者などに委託し、枝を 剪定せんてい 。20年度からは、鳥が嫌う音を発する「BBスイーパー」と呼ばれる音響スピーカーを導入した。職員が週2、3回、街路樹で鳴らしている。ただ、市民からは毎年、「鳴き声がうるさい」「フンが臭い」といった苦情が相次いでいる。市の担当者は「追い払っても戻ってくる。その繰り返し。最適な方法は見つかっていない」と頭を抱える。「我孫子市鳥の博物館」学芸員の 小田谷おだや嘉弥よしや さん(34)は、ムクドリが市街地に集団でねぐらを作る理由について、「一般的には、タカなどの外敵から身を守るための行動」と説明する。仮に追い払うことができても、ムクドリは別の場所にねぐらを作るだけだといい、「自治体同士が連携し、広域的な対策を講じる必要があるのでは」と話している。

(シカ飛び出し注意の看板を寄付:北海道)
秋の行楽シーズンを前に、走行中の車がエゾシカと接触する事故を防ごうと、屋外広告の業界団体がシカの飛び出し注意をドライバーに呼びかける看板を作り釧路市に寄付しました。これは、釧路・根室地方の屋外広告の制作会社でつくる「東北海道屋外広告業協会」が秋の行楽シーズンを前に独自に制作したもので、一辺の長さが45センチの金属製の看板には3頭のエゾシカの絵とともに、ドライバーに注意を呼びかける「びっくりマーク」があしらわれています。道警本部によりますと、釧路・根室地方では2022年1年間でエゾシカによる事故が826件発生していて、このうち3割余りが9月から10月にかけて発生したということです。東北海道屋外広告業協会の本間明美会長は「みなさんに『何だろう』と振り返ってもらえるような釧路市独自のデザインを作りました。シカに出会うことが多いので少しでも注意喚起につながればと思います」と話していました。この看板は7日、釧路市郊外のエゾシカが多く出没する市道の街灯のポールに設置されるということです。

(Uターンした女性猟師「人と獣、共存できる社会に」:鳥取)
8月中旬、鳥取市の山あいに設置した箱わなに1頭のシカがかかった。軽トラックから道具を取り出し、手際よく胸の頸(けい)動脈部分に刃物を入れ、あっという間に鳥獣を仕留める「止め刺し」を終えた。昨年度、鳥取県内ではイノシシやシカ、クマなどによる農産物被害が約5850万円に上った。特産のナシや白ネギなど単価が高い作物の被害も多く、農家にとっては死活問題だ。シカの行き過ぎた繁殖が土砂災害につながるという指摘もある。「中山間地は人と獣がせめぎ合うラインで、生存競争の最前線でもある。防ぎきれないので捕るしかないけど、できるだけ苦しませないようにします」鳥取市出身。鳥取県立鳥取西高校を経て、大阪府立大学(現大阪公立大)の工学部へ進学。東京のIT企業などで働き、29歳のころ結婚を機にIT技術者として独立した。在宅ワークなどさまざまな働き方が広がる中、田舎への移住を思案していたところ、2018年、祖父が亡くなったのを機にUターン。空き家になっていた祖父母宅に夫婦で住み、IT関連の仕事を在宅で手がける。移住当初、集落の草刈りに参加し、終了後、みんなでイノシシ肉を焼いて食べた。味付けは塩とコショウだけ。でも肉の甘みやあっさりした脂身など豊かな味わいに驚いた。「食べたいなら自分で捕ったら」と住民から助言され、猟銃やわな猟の免許を取得した。有害鳥獣による被害も目の当たりにした。畑のカボチャなどを食い荒らされた。悔しさを感じ、「農家って大変なんだって実感した」。猟の技術や知識は猟友会などの先輩に指導を仰ぎ、SNSや本も駆使した。腕力が必要な作業を非力でもできるように工夫し、肉をさばけるよう解体所にも通いつめた。104キロのイノシシを仕留めたときには、地元の女性が握手しながら「(イノシシが)怖くて眠れなかった。ありがとう」と喜んでくれた。役割が細分化した会社勤めとは異なり、誰のために、何のために仕事をしているのかが明確に感じられた。駆除した鳥獣の有効活用のため、ジビエにも積極的だ。「ジビエ肉は育った地域や山によって味が異なる。人間の生活を豊かにしてくれる大切な資源の一つだと思う」。一方、農作物の被害は高止まりしている。背景には実がなった柿の木や商品にならない果物を放置するなど、「無意識の餌付け」があるとも感じている。ジビエを紹介するツアーや後進の育成、ライターなど多彩な活動に奔走する。「やはり共存していくのがベストで、獣が線引きできるよう人間も意識しなければいけない。暮らしのあり方をみんなで考え、見直す機会につなげたい」。

(クマ出没、小さな村がおびえた夏から5年:北海道)
「すごーい」。声を上げた子どもたちの視線の先にあるのは、大きなヒグマの頭の骨です。北海道旭川市内の小学校で、吉澤茉耶(よしざわ・まや)さん(40)は、骨を両手で持ち上げると、口をパカッと開いて見せました。鋭く突き出した2本の歯が目に入ります。でも、ほかの歯は形が違います。「ここに肉食動物みたいな歯もあるんだけど、みんなみたいに…」。平らな歯を指さすと、子どもから「似ている!」と声が上がりました。吉澤さんは「似ているよね!食べ物・草とかをすりつぶす歯もある。雑食なんだなってわかるよね」と語りかけます。1頭のクマが、彼女の生き方を変えました。5年前の夏。北海道の日本海側、後志地方の島牧村に、クマ1頭が毎晩のように現れ、住宅の庭や小屋を荒らしました。クマが箱わなにかかるまで、2か月にわたって、住民は不安な日々を過ごしました。実はここに、北海道全体に共通する課題がありました。「人の暮らし」が、クマの出没につながっていたのです。人口が減り、耕作放棄地が増えたことで、クマが生息する山と住宅の距離が近づいたこと。生ごみを処理するコンポストや、漁に使うエサなどがクマを引き寄せたこと。「人の暮らし」とクマの出没の関連性が見えたとき、「住民にできることがあるのでは」と立ち上がったのが、吉澤さんでした。奈良県出身の吉澤さんは、かつて長野県のNPOや北海道南部の江差町の研究室で、クマの対策や調査に取り組んでいました。そして10年前、島牧村でユースホステルを営む男性と結婚したのを機に、島牧村に移住。クマが毎晩出没した5年前、吉澤さんは「人の暮らし」とクマの出没について、こう話していました。「2週間くらいごはんを食べていないときに、ラーメンの屋台が目の前を通ったら『食べたい!』ってなりますよね。クマにとってそういう状態を作らないための対策が必要になってくる」。コンポストや漁に使うエサの味を覚え、何度も住宅地にやってきたクマ。クマを住宅地に引き寄せないために、できることがあるのでは…。結婚後しばらくの間、クマ対策の現場から離れていた吉澤さんですが、島牧村で起きた“クマ騒動”をきっかけに、再び「クマとの共存」に向き合うことになります。吉澤さんは、住民の有志や村の幹部職員と一緒に、クマ対策の先進地・知床を視察に訪れました。住民への情報発信や啓発活動。山と住宅地の間に張りめぐらせた電気柵。知床の羅臼町や斜里町の視察では「クマが出る前の対策」の大切さを学びました。地元に戻った吉澤さんは、すぐに住民たちと、注意点をまとめたパンフレットを作りました。完成したパンフレットは役場を通じて村内の全家庭に配り、民宿や飲食店には吉澤さんたちが手渡しながら対策を呼びかけました。さらに島牧村は、翌年から山と住宅地の間に、17キロにわたって電気柵を設置。5年前からクマ対策に関わっている、島牧村の産業振興課農林係・栗田翔さん。電気柵に機械を当てています。「電圧が低いとクマがあまり驚かなくて侵入されてしまう。侵入されると電気柵が怖くないものだという認識になってしまうので、定期的に電圧をチェックしています」。クマが木を登って越えてきた場所には、木にも電気柵をまわして、登れないように工夫。島牧村は、有効な対策を探る努力を積み重ねてきました。家庭菜園を営む住民は、こうした村の対策に効果を実感しています。「メロンとか作ってるんだけど、電気柵があるおかげでクマが入ってこないもんね」。島牧村が大切にしていることの一つに、ハンターの育成があります。銃の購入費用などの補助を継続し、村ではベテランハンターのほか、30代や40代の若いハンターも活動しています。ベテランハンターの1人は「山から下りてきたら、反省会を兼ねた飲み会があって、親睦を深めて、教え合う。そういう意味では指導はうまくいっている」と話します。また若手ハンターも「先輩たちの姿を見ているから、段取りもわかっているし、なんとかクマを捕れた」と先輩ハンターの姿に刺激を受けています。5年前の騒動を経験し、ことし8月に任期を終えた、藤澤克(ふじさわ・まさる)村長は、7月末の取材で「人間の暮らすところとクマの暮らすところを明確に分けて、人間は安全安心に暮らしていくっていうことを確保しないといけない。村がこれからも持続可能的に存続していくためには重要な課題だという思いでクマ対策をやってきた」と振り返ります。「クマが出る前の対策」と「クマが出た後の対策」。島牧村はその両輪の対策を、地道に続けてきました。村によりますと、5年前の出没件数は89件だったのに対し、去年2022年度は33件までに減少。山と住宅地の距離が近いため、電気柵より山側にいるクマが目撃されることもあるため、「出没ゼロ」にはなっていません。ただ5年前のように、住宅地に連日クマが侵入して被害を及ぼす騒動は、その後は起きていません。その一方で道内では、島牧村の騒動後も、2019年に札幌市南区簾舞・藤野地区に連日クマが現れ、住宅の庭の果物などを荒らしました。また江別市、北広島市、札幌市にまたがる野幌森林公園にも、78年ぶりにクマが出没。おととしは、札幌市東区の住宅地にクマが現れ、4人が重軽傷を負いました。「人の油断」をつくかのように、各地で相次ぐ出没や事故。自治体などは、そのたびに、ごみの管理など注意を呼びかけますが、ことしも札幌で、人が捨てた生ごみを食べるクマが目撃されました。島牧村での教訓が、生かされていないのではないか…吉澤茉耶さんは、村の外へと踏み出していました。旭川市はこの夏から、NPOにクマの調査や啓発を委託しています。島牧村の吉澤さんは、そのNPO職員になりました。クマ対策の第一歩は、「地域のクマを知ること」。そのために、吉澤さんたちが、まず設置したのは「ヘアトラップ」です。地面に打ち付けた木に、鉄線をまきつけます。木に体をこすりつける、クマの習性を利用した調査で、体毛を採取し、生息するクマのDNAを調べます。NPO法人もりねっと北海道の代表、山本牧さんは「クマは年代・性別によって行動パターンが違うので、それがわかった上で、それに合わせた対策をする」と話します。島牧村がたどりついた対策が、人口や地形など条件が違う旭川市に、そのまま当てはめられるわけではありません。吉澤さんは「それぞれの地域が持ってる環境を、クマ対策に合わせて考えるとどうなるのか。地域、地域でやっていかなきゃいけない」と強調します。どんな暮らしを望むのか。そのために、どんなクマ対策がふさわしいのか。小さな村から生まれた問いは、北海道全体に向けられています。

(クマの目撃:宮城)
3日午後5時40分頃、宮城県登米市迫町新田で「クマが道路を横切り、雑木林に入っていった」と警察に通報がありました。警察によりますと、クマは体長約1メートルで、警察官が駆け付けた際には、すでにいなくなっていたということです。けがをした人はいませんでした。現場は、山間の田んぼが点在する場所で一時、警察がパトカーを出して警戒にあたりました。

(比内地鶏のヒナ130羽、鶏舎で死ぬ:秋田)
1日午前5時頃、秋田県大館市比内町の比内地鶏の鶏舎でヒナ約130羽が死んでいるのを所有者の80歳代男性が発見した。大館署によると、被害にあったのはヒナの鶏舎2棟で、鶏舎を覆うシートが破られ、クマとみられる爪痕が残されていた。同署ではクマによる食害とみて調べている。

(ラーメン店にシカが侵入:福岡)
福岡県須恵町のラーメン店に現れたシカの映像です。福岡県では近年、シカによる農作物への被害が相次いでいますが、対策は難しいといいます。ことし5月、福岡県須恵町で撮影された映像に映ってるのは、1頭のシカです。撮影者が近づいても逃げません。撮影されたシカは、その後近くのラーメン店に侵入しました。開店準備中の店の裏口から入りこみ、食べ物を探すかのように物色しています。駆けつけた警察官が捕獲に乗り出しますが、シカは通報から約2・3時間後、死んでしまったということです。須恵町によりますと、シカは9月から春ごろまで繁殖期にあたり、シカの目撃情報は多い時で月に2回ほど寄せられるといいます。撮影されたのは、大人のニホンジカだと言います。シカは、なぜ人里に下りてきたのでしょうか。特に、9月末からは繁殖シーズンに入るため、注意が必要だといいます。福岡県内で生息しているシカの数は、年々増えています。赤の部分がより多く生息している地域ですが、犬鳴山や若杉山を中心に、今回シカが現れた須恵町や久山町、篠栗町まで広がっているのが分かります。2020年度で推定2万7400頭、20年前と比べると、4.5倍に増えているということです。農業被害も深刻で、福岡県によりますと、2021年度のシカによる農作物への被害は約8400万円にのぼっています。耕作放棄地が広がり、エサとなる背の低い木々が増えたことも一因だといいます。自治体では、シカの侵入を防ぐ電気柵の設置に補助金を出すなどしていますが、対策は難しいのが現状です。

(ヒグマ被害か、ガラス割られる:北海道)
2日午前7時半ごろ、町春日町の会社役員田中勝博さん(65)宅のガラスが割られる被害が見つかり、通報で駆けつけた中標津署員が周辺にヒグマとみられる体毛や、横幅14センチほどの足跡を発見した。同署はヒグマが割ったとみて、注意を呼びかけている。

(クマが小・中学校の敷地に出没:長野)
8日午前、長野県松本市安曇の大野川小・中学校の敷地内でクマが目撃され、警察が注意を呼び掛けています。警察や学校によりますと、午前10時半頃、屋外で写生会を行っていた中学生が「クマのおしりらしきものを見た」と職員に伝えました。通報を受けた警察が周囲を確認しましたが、クマはすでに立ち去っていたということです。ケガをした人や、物的被害はないということです。学校では、クマが目撃された辺りにラジオを置き、音をだすなどの対策をしたということです。写生会は雨が降ってきたこともあり中止しました。警察は周囲をパトロールし、住民らに注意を呼び掛けています。学校は山が近く、これまでもクマが目撃されていますが、児童・生徒はクマ除けの鈴を持って登下校するなど対策をしていて、これまでに被害はないということです。

(「弘道館」建物にアライグマが頻繁に出没:茨城)
水戸市にある水戸藩の藩校だった「弘道館」で国の重要文化財に指定されている建物にアライグマが頻繁に出没していたことがわかり、茨城県は、侵入防止対策を検討することにしています。県によりますと、水戸市にある水戸藩の藩校だった「弘道館」の国の重要文化財に指定されている「正庁」や「至善堂」で、ことし6月、天井から動物のようなものの足音がするのを職員が確認したほか、建物の外側に動物の爪痕のようなものが見つかりました。こうしたことから、「正庁」の近くにカメラを設置したところ、7月になりアライグマが建物の軒先の柱をつたって降りる様子が撮影されたということです。県は、アライグマが天井裏などに入り込んでいた可能性があると見ています。アライグマは、かむなどして人にけがをさせたり、建物に住み着いてふんなどの害を起こしたりすることもあり、県内では昨年度、3000頭余りが捕獲され、3年前の3倍に急増しています。県は、敷地内にわなを設置し、7月中旬1頭を捕獲したということですが、引き続き注意が必要だとして、建物を詳しく調べた上で、中に入り込まないようにすきまをふさぐなどの対策を検討することにしています。県偕楽園公園課は「大切な文化財を守るため、今後、具体的な方法を検討しながら適切に対応していきたい」としています。

(クマがブドウ食害:青森)
青森県むつ市川内町にあるサンマモルワイナリーのブドウ畑で、収穫前のブドウ約3千房(約360キロ)がクマに食い荒らされる被害に遭った。5日、同社が明らかにした。クマは複数いるとみられており、今月から来月にかけて収穫期を迎えることから、同社は「スタッフの安全第一で作業を進めないといけない」と警戒を強めている。食害を確認したのは8月29日。この日は社員が実際にクマにも遭遇した。このため監視カメラを1台設置した。監視カメラには3日午後7~8時ごろ、畑を囲む網のそばをクマがうろつく様子が写っていた。これまで山林に接しているブドウ畑を中心に4カ所で食害を確認した。畑には動きをセンサーで感知すると、音を発したり光が点滅したりする防犯ブザーを設置しているが、クマは上部から網を外し、網のそばのブドウを食べている。糖度が高く、香りが強い白ワイン用の品種・シュロンブルガーが被害の約9割を占めているという。同社によると、食害は2020年以来。築舘文徳農場長は「これまで1年間作業を続け、あと2週間ほどで収穫という時に残念。まだクマが確認されているので、どのような対策をすれば良いのか再検討したい」と話した。

(豚熱確認地域のジビエ利用を議論:山口)
先月末に佐賀県の養豚場で確認されおよそ1万頭のブタの処分が続くなど大きな影響を与える「豚熱」。県内では去年3月に岩国市で死んだ野生のイノシシから確認され、まん延防止のため、いまも確認された地域ではイノシシのジビエ利用への出荷は自粛されています。ジビエも有効な資源として利用再開に向けた方向性を探る検討会がきょう県庁で開かれました。検討会には、県をはじめ、感染症の研究機関や猟友会の関係者などが出席し、ジビエ利用再開に向け話し合いました。県内での、豚熱は去年3月に岩国市で確認されて以降、ことし8月末時点で85件、13の市町で確認されていて確認地点から半径10キロ圏内は豚熱ウイルスのまん延防止のため野生のイノシシを捕獲してもジビエ利用での出荷は自粛されています。検討会では養豚場や感染のない地域への感染に最も注意するとしたうえで市町単位で再開を検討すること、再開の目安として各市町で最初に豚熱が確認されてからおよそ1年半を目途とすることなどの方針案が示されました。検討会は来月も行われ再開に係る条件などを決めることになっています。なお県のイノシシの狩猟期間は11月1日からとなっています。

(イノシシ肉で工夫凝らした料理を:長崎)
地元産食材の生産者と飲食店をつないで新たな料理を開発し、古里諫早の魅力をオリジナル料理で発信するグルメイベント「ジビエ頂(いただき)フェス」が11日、長崎県諫早市で始まる。イノシシ肉をテーマに、市内の飲食店10店舗がアイデアを凝らした料理を提供する。10月30日まで。市まちづくりサポート事業の一環。市民有志でつくるISAHAYA頂プロジェクト実行委が2020年から「頂フェス」として毎年開いている。ジビエは初回に続き2回目。店主らは8月、同市福田町の諫早猪処理販売センターで有害鳥獣対策として狩猟されたイノシシの解体を見学。試作を重ね料理を完成させた。同市東本町の串揚げ店「香串揚げやぶから坊」は、多良見町産のミカンの搾り汁と蜂蜜に漬け込んだ後に揚げたロース肉に、甘酸っぱい自家製ミカンジャムをかけた串揚げ(350円)を提供。同市本町の居酒屋「三まいめ」は、ミンチ肉にスパイスやチーズを組み合わせた「猪(シシ)コンカンのナチョス」(880円)に仕上げた。実行委の陣野真理代表は「きちんと処理した諫早のジビエはおいしい。イメージにとらわれず食べてみてほしい。地元で消費を拡大し、魅力を発信する事で、生産者と消費者間に良い循環が生まれれば」と話した。同フェスでは食事券が当たるスタンプラリーも開催する。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、4日午後2時30分ごろ、富谷市西成田榎町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、3日午後6時30分ごろ、富谷市穀田郷ノ目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、2日夕方、柴田町入間田内ノ馬場付近でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、3日午後5時40分ごろ、登米市迫町新田下葉ノ木沢にクマが出没しました。

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9/4
(豚熱ワクチン接種、九州7県全てを推奨地域に:佐賀)
唐津市の養豚場で家畜伝染病の豚熱(CSF)の感染が確認されたことを受け、農林水産省は1日、佐賀を含む九州7県全てをワクチン接種の推奨地域として追加で指定する方針を決めた。ウイルスの感染から長期間が経過していることや、九州の養豚業の結びつきが強いことなどから感染リスクが高まっていると判断した。来週にも正式な通知を出す。専門家らでつくる牛豚等疾病小委員会を開き、対応を協議した。現在、九州と北海道を除く39都府県が豚熱のワクチン接種推奨地域となっており、九州が加わることになる。推奨地域の設定後に各県がスケジュールや対象の頭数などを定めた接種プログラムを策定、農水省の確認を経て、各知事が接種命令を出す。ワクチン代の半分を国が補助する。小委員会の会合では、現時点で感染経路が特定できていないことなどが報告された。その上で、▽抗体を持つ陽性の豚が確認され、感染から長期間が経過している▽現時点で野生のイノシシの陽性は確認されていないがウイルスが広がっている可能性は否定できない▽九州7県は飼料の流通や食肉処理場への出荷など関連性が極めて強い―などの理由から九州全域を対象とする事務局案が示された。委員からは反対意見は出ず、「継続的な接種に必要なワクチンの確保を」「野生イノシシの感染対策としてのワクチン散布も検討すべき」などの声が上がっていた。

(OSO18を射殺したハンターが語る“闘い”:北海道)
4年にわたって北の大地を脅(おびや)かしてきた「忍者熊」も、年貢の納め時である。「OSO18」の通り名で恐れられたヒグマが先頃、北海道釧路町で仕留められたのだ。これまで襲われた乳牛は66頭。凶悪かつ狡猾な難敵を討ったハンターが、複雑な胸中を初めて吐露した。道民の恐怖を駆り立ててきた最凶ヒグマは、2019年7月に目撃されて以来、もっぱら乳牛を獲物として30頭以上の命を奪ってきた。釧路湿原を擁する標茶(しべちゃ)町やカキの産地で知られる厚岸(あっけし)町など、道東地区の酪農に甚大な被害を及ぼしてきたのである。OSO18の由来は、最初に目撃された標茶町の地名「オソツベツ」と、18センチという前足の幅にちなむ。捕獲しようにも日中は姿を見せず、夜間の発砲を禁じる鳥獣保護法をあざ笑うかのように深夜の“犯行”を繰り返してきた。痕跡を残すまいと河原や道路を避け、川の中を歩くかと思えば橋の下を迂回(うかい)するなど「知性」も人間顔負け。地元のハンターたちは散々手を焼いてきたのだった。そんな怪物は、思わぬ場所に現われていた。ことは7月30日に遡る。早朝5時ごろ、標茶町から40キロほど南に位置する釧路町の放牧地で1頭のヒグマが駆除された。体長210センチ、体重は300キロ余り。これが道立総合研究機構のDNA調査により、8月18日にOSO18だと判明する。ちなみに前足の幅は20センチだったという。長く“忍者”を追い続けてきた北海道猟友会標茶支部の後藤勲・支部長(79)は、「なぜ標茶から南下したのかは分かりませんが、これで肩の荷が下りました。最期はあっけなかったですね」。そう漏らす。今回、大殊勲を立てたのは、釧路町役場農林水産課に勤務する40代の男性職員。有害鳥獣駆除の許可を受けたハンターでもあり、後藤支部長もよく知る人物だという。「実は彼は標茶町の出身で、子どもの頃から知っています。数年前に狩猟免許を取得し、主に鹿の駆除にあたっていました。熊を撃ったのは今回が初めてだったと聞いています」。が、この男性はこれまで一切の取材に応じてこなかった。というのも、「役場には『なぜ殺したんだ』といった非難めいた電話が多くあり、辛い思いをしているのです。山にいるならともかく、町へ出てきて乳牛を襲うなど、農家を苦しめる熊は駆除しなければなりません。内地の人たちが口にする“共存共栄”という綺麗事では済まされない、切実な問題です。筋違いの批判を受け、彼も堂々と『自分が撃った』とは言えずに悩んでいました」。そのさなか、「私のところに相談にやって来たので、『大きな実害をもたらした熊を駆除して中傷されるなんておかしな話。ハンターとしての立場を世にきちんと伝えるべきだ』と諭したのです。それでも彼は、しばらく考えこんでいましたね」。そうした逡巡を経て男性は、本誌(「週刊新潮」)に初めて駆除の一部始終を明かした。以下は本人の弁である。「職場では普段から『鹿が出た』という農家の通報を受けてパトロールを行っています。OSOを撃った前日の29日も『熊がいる』との連絡を受け、駆け付けると牧草畑に親子の熊がいて、すぐに逃げてしまいました。それで翌朝も一人で見回っていたら、現場に黒い物体が見えました。近寄ると1匹の熊が伏せており、私が近づいても起き上がろうとしなかったのです」。車中からの射撃は路上では禁じられているが、牧草地では法律上も問題なく、「熊の頭を撃っても弾かれることがあると聞いていたので、運転席からレミントン(ライフル)のスコープをのぞき込み、まず首に1発撃ちました。距離はおよそ80メートルでしたが、相手は逃げもせずに首を横に振っていた。そこで20メートルくらいまで近づき、頭に照準を合わせて2発目、そしてトメ(とどめ)で3発目を撃ったのです。いずれも命中し、死んだのを確かめると、頬に真新しい爪痕が4本ほどあり、片方の耳がちぎれていた。きっと前日の親子熊と出くわして、メスグマとけんかしたのだろうと思いました」。いざ仕留めたものの、300キロ超の巨体ゆえ運搬は困難を極めたという。「一人ではとても車に積めず、友人のハンターを呼んで私の軽四駆の後部に積んだものの、重みで車の前部が浮き上がってしまった。最終的にもう1人呼んで、3人がかりでトラックに積んで白糠(しらぬか)町にある知り合いの加工業者『馬木葉』まで持って行きました。友人には『もう二度とこんな大物は獲れないべ』と言われ、私も記念に牙をとっておきたかったのですが、『そんなの持って帰らないで』と家族に反対され、一頭ごと業者に渡したのです」。解体にも立ち会ったという男性は、この時点でOSOとは知る由もなく、「役場では定期的に『熊を1頭捕獲』などと報告するきまりになっていて、今回も通常業務の一環と考えていました。けれど日がたつにつれ、周囲から『もしかしたらOSOじゃないのかい』と言われ始め、剥製専門店に保管されていた頭部の毛を採取して、うちの職員と一緒に標茶町の役場まで持っていったのです。それが10日ほど後でした」。鑑定の結果、DNAはOSOと一致。18日の夕刻には男性にも一報がもたらされ、土日を挟んで22日には釧路総合振興局が会見を開き、正式発表されたのだが、ここから苦悩が始まったという。「さんざん農家を苦しめてきたOSOを仕留めてうれしい気持ちはありますが、それは表に出せませんでした。OSOが捕まったことで、私や役場にはさまざまなリアクションが届きました。普段、鹿を撃つ時にも農家から連絡を受けて現場に出向きます。ところが、そもそも釧路町のハンターの中には、私のような役場の人間が先回りするのを面白く思わない人もいるのです」。加えて今回は、前述のように愛護団体や一般市民からの抗議も相次いだという。「一番ひどかったのは道外からの電話で、こちらの話を全く聞かないでテープレコーダーのように一方的にまくし立てる。気が済んだら切って、また同じ人が掛けてくるというのが7、8回ありました。また、乳牛被害の当事者とはいえない釧路町の私が撃ったことで、ずっと追い続けていた標茶や厚岸のハンターには申し訳ないという気持ちもある。決して手放しでは喜べないのが、正直な心境です」。地域を救ったハンターをかくも苛(さいな)むとは、実にOSOは罪深い。一方、馬木葉からモモ肉を仕入れてステーキなどを提供している東京・日本橋人形町のジビエ料理店「あまからくまから」の店主いわく、「お客様には『食べやすくておいしい』と言っていただいています。OSOの肉だと分かってからの反響はすさまじく、9月の予約も埋まっている状態です」。“罪”を重ねた最凶ヒグマのせめてもの“功”というべきか。

(「クマ出没警戒警報」発表:新潟)
クマのエサとなるブナの実がことしの秋、県内全域で凶作になると予測されクマの人里への出没などが懸念されるとして、県は11月末まで「クマ出没警戒警報」を出して警戒や対策を呼びかけています。県は毎年、クマのエサとなる山奥の実の生育状況を調べていて先月発表した速報値ではことしの秋のブナの実は県内全域で凶作になると予測されています。このため冬眠を前にクマがエサを求めて人里に出没するおそれがあるほかこれから登山などで山に入る人が増える時期を迎えることから、県は、1日から11月末までの間に「クマ出没警戒警報」を出しました。県によりますと、ブナの実は数年ごとに豊作と凶作を繰り返していて、前回、凶作だった令和2年度は、人身被害の人数が過去最多となるなど、凶作の年には目撃情報や被害が増える傾向にあり、ことしもクマによる人身被害が懸念されるということです。県は、山に入る場合はクマの目撃情報がある場所に近づかないことや、複数人でラジオや鈴などを携帯すること、クマの動きが活発な早朝や夕方の入山を避けることなど、命を守る行動をとるよう呼びかけています。また、クマが人里に近づかないように生ゴミや不要となった果物を適切に処分してほしいと呼びかけています。

(小学校でクマ対策の講習会:新潟)
秋を迎え、クマの目撃や出没が増えるおそれがあることから、長岡市の小学校で、クマを近づけない対策や遭遇した場合の対応を学ぶ講習会が開かれました。市などが長岡市の下塩小学校で開いた講習会には、全校児童や保護者などあわせておよそ50人が参加しました。講師は鳥獣被害対策を専門とする会社の担当者が務め、子どもたちは、クマを近づけないために、鈴など音が出るものをつけて、自分の存在をアピールすることが効果的だと学んでいました。そして万が一、クマと遭遇した場合は、背中を向けず、ゆっくりと後ずさるようにして、それでもクマが向かってきた場合はうつ伏せになって首を守る姿勢が有効だと教わっていました。6年生の女の子は「うつ伏せになる姿勢などは知らなかったので勉強になりました。出かける時はクマを近づけないように鈴をつけたいと思います」と話していました。講師を務めた今村舟さんは、「山に入る時は鈴やスプレーを持つなど、対策を徹底してほしいです」と話していました。

(自宅近くでクマを目撃した男性が驚いて転倒しけが:岩手)
2日午前、盛岡市内でクマを目撃した60代の男性が驚いて転倒しけがをしました。警察によりますと、2日午前6時40分ごろ、盛岡市上飯岡で田んぼから道路に飛び出してきたクマを近くの自宅の外で目撃した60代の男性が驚いて転倒しけがをしました。男性は転倒後、クマに襲われかけましたが自宅の外にあった筒状のたばこの吸い殻入れを振り回してクマを追い払いました。男性は転倒時に左腕と左足に擦り傷を負いましたが、クマによる直接的な被害はありませんでした。クマは成獣で体長1メートルくらいで、東の方向に逃げてまだ発見はされていません。警察が付近をパトロールして警戒を呼び掛けています。

(乗用車2台がクマと相次いで衝突:秋田)
31日夜、大館市の国道で2台の乗用車がクマと相次いで衝突しました。この事故で乗用車の一部が壊れましたが、けが人はいませんでした。31日午後7時半すぎ、大館市白沢の国道7号線で、乗用車が体長80センチほどのクマと衝突し、別の乗用車も同じクマに衝突しました。警察によりますと、2台の乗用車の一部が壊れましたが、この事故によるけが人はいませんでした。衝突したクマは子グマとみられ、2台目の車と衝突したあと、道路に倒れ動かなくなったということです。現場は、JR奥羽本線の白沢駅から北東におよそ2キロ離れた田んぼが広がる地域です。事故が起きた現場を管轄する大館警察署の管内では、8月中旬からクマの目撃情報が毎日寄せられ、警察が注意を呼びかけていたということです。

(サル出没注意、男性ひっかかれて太ももに軽いけが:福岡)
福岡県大野城市の住宅地で、31日夕方、70代の男性が、自宅前でサルにひっかかれ軽いけがをしました。大野城市内では今月24日からサルの目撃情報が相次いでいて警察は、見つけても近寄らないようにするなど、注意を呼びかけています。警察によりますと31日午後6時半すぎ、福岡県大野城市月の浦の住宅地で70代の住民の男性が自宅から道路に出たところ突然、サルにひっかかれたということです。男性は太ももに出血がありましたが、けがの程度は軽いということです。大野城市内では今月24日からサルの目撃情報が相次いでいて男性が襲われたおよそ1時間前にも同じ地区でサルの目撃情報が寄せられていたということです。警察はサルを見つけた場合は近寄ったり、えさを与えたりせず、警察や市に連絡するよう呼びかけています。大野城市によりますと、市内の小中学校では1日から2学期が始まるということで市は登下校の時間帯などに車などによるパトロールを行うことにしています。

(住宅でもち米の食害、クマによる被害か:秋田)
1日夜、大館市で住宅の車庫で保管されていたもち米およそ15キロが食い荒らされているのが見つかりました。現場から走り去るクマが目撃されていることから警察はクマによる被害とみて付近の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと1日午後8時すぎ大館市猿間の住宅で車庫から体長1メートル以上のクマ1頭が走り去るのをこの家に住む女性が目撃しました。女性が車庫を確認したところ閉まっていたはずの入り口のシャッターが開けられて、中の冷蔵庫に保管していた袋入りのもち米およそ15キロが食い荒らされていたということです。現場は山沿いの集落で付近ではコメなどが食べられる被害が相次いでいることから、警察はクマによる被害とみて付近の住民に注意を呼びかけています。

(里山を保全し野生動物の命を守ることを目的としたクラウドファンディング:岐阜)
株式会社アイモバイル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:野口哲也、東証プライム市場)が運営するふるさと納税サイト「ふるなび」が岐阜県七宗町の、里山を保全し野生動物の命を守ることを目的としたクラウドファンディングプロジェクトへの寄附受付を開始しました。七宗町では、近年イノシシやニホンジカ、ニホンザル等の生息数の増加に伴い、農作物等の被害が深刻化し多くの動物たちが駆除・殺処分されています。農作物被害防止と野生鳥獣の個体数管理を一体とした総合的な対策を実施するとともに、里山整備や耕作放棄地の解消、野生鳥獣の生息地と農地や集落の棲み分けを図る事業を2017年度から進めています。里山の整備を行うことにより、人と野生鳥獣の共存が可能になります。人と野生鳥獣の棲み分けが目的であり、駆除等による殺処分の軽減を図ります。

(駆除される鳥獣を少しでも活用したい、ジビエアカデミー開設:大分)
おいしそうなシカ肉の赤身のステーキ。この料理の材料「ジビエ」が今回のテーマです。ジビエについて、国の食品安全委員会は、「狩猟の対象となり、食用とする野生の鳥獣、またはその肉」と定義しています。牛肉や豚肉、それに鶏肉に比べると、なかなか食卓でお目にかかれません。そんなジビエを普及させようと、ことし5月、宇佐市に加工技術などを学ぶ施設、「ジビエアカデミー」が開設されました。どんなことを学ぶのか、講習の様子に密着しました。宇佐市に開設されたジビエアカデミーです。こちらでは、ジビエを実際に加工して、おいしく処理するための技術やポイントなどを学んだり、加工する様子を見学したりすることができます。アカデミーでは、実技のほかに、ジビエの持つ栄養価なども学びます。ジビエを専門に学べる施設は、ここが全国初と言われています。アカデミーを設立した山末成司さんです。宇佐市内で食肉加工会社を営んでいます。アカデミー設立の背景には、各地で相次ぐ農作物への鳥獣被害がありました。県内でも去年、被害額が1億5000万円に上りました。対策として地元の猟友会のメンバーなどが鳥獣を駆除しますが、そのほとんどは廃棄され、ジビエとして流通するのはごくわずかです。山末さんは廃棄される鳥獣を、少しでも活用したいと考えていました。(山末成司さん)「ジビエが、殺されてただ捨てているだけの状況になっていた。それをなんとかしたいと思って、おいしいジビエを作るには、やっぱりこういう施設が必要だという思いで、立ち上げました」。アカデミーでは、駆除されたイノシシなどを引き取り、加工したり、教材として使ったりしています。アカデミーには、県内外からジビエに関心のある人が学びに訪れます。群馬県から訪れた増田充宏さんです。群馬にジビエの処理施設を開設しようと、5日間の日程でノウハウを学びに来ました。(増田充宏さん)「せっかくいただいた命。最終的には、全部処理できればいいんじゃないかと思います」。解体技術の講習です。増田さん自身も、半世紀近く牛や豚などの食肉加工に携わってきたベテランですが、これらを一から解体したことはほとんどありませんでした。初めは手際よく処理していましたが、食用に飼育された牛などと違い、ジビエは個体差が大きく、処理するのが難しいと言われています。さらに、皮をはいだり、関節を外したりするなど、普段行わない作業もやらなければなりません。(増田充宏さん)「牛も豚も飼育されているものですから、ある一定の範囲に収まっているんですね。ところが、ジビエは自然のものですから、個体差がまるっきり違います。目から鱗じゃないけど、こうやればいいのかという感じでやらせてもらいました」。イノシシなど、鳥獣の命を無駄にしないとともに、ジビエのおいしさを多くの人に知ってほしい。山末さんは、この施設から一人でも多く「ジビエの伝道師」が巣立っていくことを願っています。(山末成司さん)「牛、豚、鶏に次ぐ、第4の肉として、みなさんのご家庭の食卓に並べられるように頑張りたいと思っています」。地元の農家の方も、被害を受けるのは嫌だけど、駆除されたイノシシなどを見ると、つらい気持ちになるそうです。私もジビエが運ばれてくる様子を見た時は、何とも言えない気持ちになりました。ジビエアカデミーには、地元の高校生なども見学に訪れていました。今後、このアカデミーで学んだ人たちが各地でジビエの普及を担っていくかもしれません。

(「第6回 房総ジビエコンテスト 加工食品部門」参加者募集:千葉)
参加者募集!ちばの山野を駆け巡る天然の肉「房総ジビエ」。獣害被害を減らし、余すところなく自然の恵みを活かすサステナブルな活動として注目を集めるジビエの加工食品部門コンテストを初開催。葉県農林水産部流通販売課(所在地:千葉市中央区市場町1-1/フェア運営事務局:株式会社オニオン新聞社、代表取締役 山本寛、所在地:千葉市中央区中央3-3-1)では、野生鳥獣対策の一環として、県内で捕獲されたイノシシやシカの肉を「房総ジビエ」と銘打ち、消費拡大を図っています。この度、ジビエの夏季の需要喚起を図るとともに、房総ジビエの新たな需要創出を図るため、これまでの料理部門に加え、新たに加工食品部門を設け、房総ジビエを使った加工食品のコンテストを開催します。

(町産の野菜とジビエ肉をふんだんに使った究極のスープ:熊本)
イタリアンシェフが監修した究極のジビエ×ブラウンシチュー。「ジビエ」×「ブラウンシチュー」という絶妙な掛け算から生まれたスープです。ジビエ肉をはじめ、多くの食材を熊本県多良木町産で揃えました。原材料の中には、国内生産が約10%であり、全国の品評会で1位に該当する農林水産大臣賞を受賞した希少な原木椎茸を使用しています。このスープを通して、多良木町が好きになり関わりたいという人「たらぎラバーズ」を増やしたい!このような思いで商品化しました。

(害獣の駆除肉を“ジビエ”として楽しむ!日本の農業が抱える問題と消費者にできること)
高たんぱく低カロリーで、女性の間でも人気が高まっているジビエ。野生の鳥獣を精肉にして食べるおしゃれなグルメ……というイメージですが、なかには駆除対象の肉を使ったジビエもあることを知っていますか?現在、日本各地で自然環境や農家を守るために、イノシシやシカを狩る害獣駆除が実施されています。しかし、食べ手不足でそのまま廃棄されてしまうことも。消費者にできることは一体何なのか? 狩猟を通じてのSDGsや地域活性化、女性や若手ハンターの活躍の場を提供している「一般社団法人Japan Hunter Girls(以下、JHG)」代表の高野恵理子さんに教えていただきました。ジビエ(gibier)とはフランス語で「狩猟により手に入れた野生鳥獣の肉」の意味。最近では、フレンチやイタリアンレストランを中心に取り扱いが増え、専門店も生まれています。テレビや雑誌、SNSでもおしゃれなジビエ料理が紹介され、女性たちの関心も高まっています。何と言っても、野山を駆けまわったシカやイノシシの肉は、ヘルシーで女性にうれしい成分が豊富。シカ肉は、牛肉と比べると脂質が1/6でカロリーが半分以下。イノシシ肉は豚肉と比べると鉄分が約4倍、ビタミンB12が約3倍もあるといわれています(100gあたり)。「ジビエの一番の魅力は、お肉の味が濃くて、野生の力強さを感じられるところです。私たちが普段食べている牛や豚、鳥といった畜産食品は、品質管理が徹底されているはずなので、十分なエサを与えられています。場合によっては病気にならないようにワクチンを摂取するかもしれません。一方、野生で生きるシカやイノシシは、手厚い管理は受けられない過酷な環境で生きています。そんななかで生き延びた個体がもつ“生きる力”は強いものです。この力が、お肉の味にしっかり出ていると感じます」(一般社団法人Japan Hunter Girls 代表・高野恵理子さん、以下同)。グルメ食材としてジビエが知られていく一方で、SDGsの観点でジビエを普及させようという取り組みも行われています。「ジビエとなる肉には、大きく分けると2種類のルートがあります。一つは、最初からジビエ料理の食材として狩られるルート。もう一つは、野山に増えすぎてしまったシカやイノシシの生息頭数を管理するために狩られるルートで、いわゆる“害獣”と呼ばれる鳥獣たちを対象にした駆除肉です」。そもそも野生鳥獣が駆除されるのはなぜなのでしょうか? その背景には、自然や農業への深刻な被害があるといいます。「増えすぎたシカやイノシシによって、生態系や生物多様性の破壊が進み、農家への被害が発生しているのです。豊かな自然に恵まれた地域は、それだけ野生鳥獣も住みやすい場所です。また、農家の担い手不足、農業従事者の高齢化にともない耕作放棄地も増え、生息頭数の増加に拍車をかけているという側面もあります。そんな中で、農家の人が育てた作物を食い荒らす被害が多発。農林水産省によれば、令和3年度の野生鳥獣による全国の農作物被害は約155億円と前年度に比べると約5.9憶円減ったものの、いまだ多い状況です。なかでも、シカの被害は4.6億円分増加しています。多くのシカが樹皮をエサにすることで樹木が枯れ、さらに樹木の生育を助ける下草を食べつくすことで、山のバランスが失われている地域もあります」。地域の問題を解決するべく駆除された動物は、ジビエ肉としてどのように消費者の元へ届くのか、気になるところ。高野さんは、流通にのるまでには、さまざまな課題や手間が発生していると語ります。「私たちJHGの活動は、有害駆除や管理捕獲で得た動物の利活用を目的としています。無機質に聞こえるかもしれませんが、有害駆除で捕獲された命を山の恵みとして、流通させたいというメンバーの思いがあってこその取り組みです。捕獲後、食品の安全基準を満たしたお肉は、食肉処理場で生肉に変えてスーパーやレストランなどに卸しています。一方で、駆除の過程で鉄砲で撃たれたり猟犬に噛まれたりしているうちに、基準が満たないお肉になる場合も。そういったお肉はメンバー同士で自家消費したり、JHGのジビエイベントで試食として振る舞ったりして活用中です」。こう聞くと、上手く利活用できているように感じますが、ジビエ利活用は全体のおよそ17%程度といわれており、課題は山ほどあるのだとか。「まず、スーパーやレストランへ卸す場合。消費者へ安定的に供給するためには、同じ品質と同じ部位であることが要求されます。しかし、有害駆除はグルメ肉を調達するための狩りではないため、個体を選ぶことはできません。同じハンターが撃つとも限らないので、銃弾の当たり方もまちまちです。そんな事情を分かったうえで発注するレストランやスーパーは多くはありません。そうなると、流通ルートも限られ、結果的に消費者の元に届きにくい状況になっています。また、生肉になるまでのコストがかかりすぎて、販売価格が高額になってしまう問題もあります。捕獲した個体を肉にする過程で出た皮や骨、内蔵などの部位は、利活用しなければ産業廃棄物として費用をかけて処理しなければなりません。これでは、生肉を一生懸命売っても、売り上げがマイナスになってしまいます。肉以外の部分も余すことなく活用するのが課題です。次に、基準が満たないお肉は、食べ手不足で廃棄されてしまうことも。駆除肉の認知を高めていく必要があります。最後に、ハンターの高齢化が進んでいることも無視できません。平均年齢が60歳越えの地域も多く、有害駆除をした後の個体を運び出せずに野山に埋めざるを得ない場合もあります。JHGでは、獲った命を生かすためにも、若手ハンターの育成に力を入れています。狩猟者が増えれば、里山の保全にも繋がり、豊かな森林を未来へ残すことも可能でしょう」。ジビエには、魅力的なグルメとしての側面がある一方、駆除肉を活用することで、地域の課題を解決するコンテンツとしての役割もあることが分かりました。では、わたしたちが駆除肉の利活用に協力したいと思ったら、どのような手段があるのでしょうか?「一番簡単な方法は、駆除肉を活用したレストランに食べに行くことです。駆除肉を扱っているレストランを探し出すには、ネットの力を借りるのが有効。「駆除肉 ジビエ レストラン」などの検索ワードで調べてみてください。次に、駆除肉を使ったジビエを振る舞ってくれるイベントに参加すること。JHGでも、一般の方が参加できるジビエバーベキューなどのイベントを定期的に開催しています。最後に、駆除肉を使った加工品を購入すること。道の駅や農協で販売されていることも。私たちもシカの水煮缶を神奈川県の足柄市内の温泉施設や飲食店に卸しています。加工品なら、調理も簡単で取り入れやすいはずなのでおすすめです。駆除肉を購入して、自宅でジビエを楽しむのもいいでしょう。駆除肉はインターネットで購入が可能です。駆除肉を選んで消費するということは、命の再利用だけでなく、生物の多様性の損失を阻止しつつ、鳥獣被害から農家を守ることにも貢献します。SDGsでいうところの目標15『陸の豊かさも守ろう』に当たります」。駆除肉を手に入れられたら、自身で調理してみましょう。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、1日午後7時10分ごろ、栗原市瀬峰新田沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8月30日午前9時15分ごろ、仙台市太白区茂庭中谷地南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、1日午後2時15分ごろ、色麻町高城付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、1日午前11時40分ごろ、丸森町欠入上にクマが出没しました。

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(豚熱、九州では1992年以来の感染例か:佐賀)
佐賀県唐津市の養豚場で子豚が死んでいるのが見つかり、佐賀県は家畜伝染病の豚熱(ぶたねつ)の疑いがあるとして確定検査を行っています。佐賀県豚熱対策本部によりますと、29日午前10時前、唐津市東山の養豚場で、子豚6頭が死んでいるのが見つかりました。検査の結果、33検体のうち25検体が陽性だったため、佐賀県は豚熱の疑いがあるとして30日、東京都内の研究施設で確定検査を行っています。豚熱と確認されれば、1992年に熊本県で確認されて以来です(沖縄を除く)。佐賀県は、飼育している約450頭の豚を殺処分し近隣の養豚場の豚の移動を制限するほか、車両の消毒など感染対策を実施する方針です。豚熱は人に感染することはありませんが、佐賀県はコールセンターを開設し、食の安全など県民の相談に対応するとしています。

(捕獲イノシシ、豚熱確認:広島)
広島県は30日、坂町で捕獲した野生のイノシシ1頭から豚熱(CSF)を確認したと発表した。町内での確認は初めて。県内では28例目になる。県畜産課によると、20日に捕獲されたイノシシを県が遺伝子検査し、29日に陽性を確認した。発見場所から半径10キロ以内に養豚施設が1戸あるが、陸続きでないため豚の移動制限はしない。

(ニホンジカ、4~7月は基準値超えセシウム検出されず:群馬)
県は29日、4~7月に有害駆除で捕獲されたニホンジカ19頭から、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されなかったと発表した。昨年度は1頭が基準を超えた。東京電力福島第1原発事故を受け、県産シカ肉は全県で出荷が制限されてきたが、18日から一部解除された。

(「OSO18駆除で苦情」、ハンター守る体制作り検討:北海道)
道東で放牧中の牛を次々と襲ったヒグマ「OSO18」が駆除されたあと、ハンターらに「なぜ駆除するのか」などの苦情が寄せられているとして、道は自治体などとの会議の中でハンターを守る体制作りを検討する考えを示しました。31日開かれた会議には、釧路総合振興局や釧路地方の市町村、それに狩猟関係者など、およそ50人が参加しました。会議では道の担当者がOSO18によるこれまでの被害状況や駆除されるまでの経過を説明し、参加者からは「ヒグマを駆除したあとでハンターや関係者などに苦情が寄せられている。対策を真剣に考えてほしい」と意見が寄せられていました。これに対して道の担当者は「道としても『なぜ捕獲するのか』という苦情に対し、捕獲の必要性をしっかり説明し、窓口を設けるなど捕獲者を守る体制を検討していきたい」と応じていました。また、会議では、ヒグマが人里に出没するのを防ぐとともに、ヒグマの捕獲にあたる人材を育成することを目的として2月から5月の残雪期にも駆除を認める「春期管理捕獲」の取り組みも報告されました。道は会議を踏まえて、引き続き、必要な対策を検討することにしています。

(表に出なかった理由は「多くの抗議電話」:北海道)
さる8月22日、「OSO18」の通り名で恐れられたヒグマが、前月末に北海道釧路町で仕留められていたことが明らかになった。これまで襲われた乳牛は66頭。凶悪かつ狡猾な難敵を討ったハンターが、複雑な胸中を初めて吐露した。OSO18を駆除したのは、釧路町役場農林水産課に勤務する40代の男性職員。有害鳥獣駆除の許可を受けたハンターでもあるという。大殊勲を立てたわけだが、この男性はこれまで一切の取材に応じてこなかった。その理由について、北海道猟友会標茶(しべちゃ)支部の後藤勲・支部長(79)はこう明かす。「役場には『なぜ殺したんだ』といった非難めいた電話が多くあり、辛い思いをしているのです。山にいるならともかく、町へ出てきて乳牛を襲うなど、農家を苦しめる熊は駆除しなければなりません。内地の人たちが口にする“共存共栄”という奇麗ごとでは済まされない、切実な問題です。筋違いの批判を受け、彼も堂々と『自分が撃った』とは言えずに悩んでいました」。そのさなか、男性は後藤支部長に相談。支部長は「大きな実害をもたらした熊を駆除して中傷されるなんておかしな話。ハンターとしての立場を世にきちんと伝えるべきだ」と諭したという。そうした逡巡を経て男性は、本誌「週刊新潮」に初めて駆除の一部始終を明かした。「職場では普段から『鹿が出た』という農家の通報を受けてパトロールを行っています。OSOを撃った前日の29日も『熊がいる』との連絡を受け、駆けつけると牧草畑に親子の熊がいて、すぐに逃げてしまいました。それで翌朝も一人で見回っていたら、現場に黒い物体が見えました。近寄ると1匹の熊が伏せており、私が近づいても起き上がろうとしなかったのです」。車中からの射撃は路上では禁じられているが、牧草地では法律上も問題なく、「熊の頭を撃っても弾かれることがあると聞いていたので、運転席からレミントン(ライフル)のスコープをのぞき込み、まず首に1発撃ちました。距離はおよそ80mでしたが、相手は逃げもせずに首を横に振っていた。そこで20メートルくらいまで近づき、頭に照準を合わせて2発目、そしてトメ(とどめ)で3発目を撃ったのです。いずれも命中し、死んだのを確かめると、頬に真新しい爪痕が4本ほどあり、片方の耳がちぎれていた。きっと前日の親子熊と出くわして、メスグマとけんかしたのだろうと思いました」。解体にも立ち会ったという男性は、この時点でOSOとは知る由もなく、「役場では定期的に『熊を1頭捕獲』などと報告するきまりになっていて、今回も通常業務の一環と考えていました。けれど日がたつにつれ、周囲から『もしかしたらOSOじゃないのかい』と言われ始め、剥製専門店に保管されていた頭部の毛を採取して、うちの職員と一緒に標茶町の役場まで持っていったのです。それが10日ほど後でした」。鑑定の結果、DNAはOSOと一致。18日の夕刻には男性にも一報がもたらされ、土日を挟んで22日には釧路総合振興局が会見を開き、正式発表されたのだが、ここから苦悩が始まったという。「さんざん農家を苦しめてきたOSOを仕留めてうれしい気持ちはありますが、それは表に出せませんでした。OSOが捕まったことで、私や役場にはさまざまなリアクションが届きました。普段、鹿を撃つ時にも農家から連絡を受けて現場に出向きます。ところが、そもそも釧路町のハンターの中には、私のような役場の人間が先回りするのを面白く思わない人もいるのです」。加えて今回は、前述のように愛護団体や一般市民からの抗議も相次いだという。「一番ひどかったのは道外からの電話で、こちらの話を全く聞かないでテープレコーダーのように一方的にまくし立てる。気が済んだら切って、また同じ人が掛けてくるというのが7、8回ありました。また、乳牛被害の当事者とはいえない釧路町の私が撃ったことで、ずっと追い続けていた標茶や厚岸(あっけし)のハンターには申し訳ないという気持ちもある。決して手放しでは喜べないのが、正直な心境です」。

(野生鳥獣による農林業被害額13%減:群馬)
群馬県は2022年度の野生鳥獣による農林業被害額(速報値)が4億9995万2000円と、前年度比13%減ったと発表した。減少は4年ぶり。18年度の5億2368万5000円を下回り、過去10年間では最も少ない被害額となった。キャベツなど高原野菜の栽培が盛んな吾妻地域で、シカによる食害への対策を進めたのが奏功した。被害額の内訳をみると農業は2億7790万4000円で前年度比19%減、林業は2億2204万8000円で同3%減だった。主な野生鳥獣5種類(ニホンジカ、サル、カモシカ、イノシシ、クマ)の捕獲頭数は合計1万9447頭で、前年度比8%増えた。ニホンジカは3%減の1万3488頭、イノシシは55%増の5111頭だった。

(ライトで照らしシカの数を把握:兵庫)
山間部にのどかな田園風景が広がる兵庫県市川町で、シカによる農作物への被害が後を絶たない。そうした中、同町が10年以上前から取り組んでいるのが、光を当て動物の姿や目の反射を利用して頭数を把握する「ライトセンサス」だ。シカの生息場所を特定し効率的な捕獲につなげるのが目的で、近年、徐々にその効果が出始めているという。初夏の夜、人知れず続く調査に同行した。6月上旬の午前0時ごろ、市川町役場(同町西川辺)から1台の軽ワゴン車が出発した。乗っているのは、仮眠を終えた同町地域振興課の近藤準人課長(51)ら同課の職員3人。後部座席には手持ち型のスポットライトが積み込まれた。「今日は多い気がする。奥(地区)の方から行こうか」。近藤課長は同乗する職員にそう伝えると、自らハンドルを握った。車は農道や林道を低速で進む。街灯が少なく、前方には暗闇が広がる。時折減速しながら、窓からライトで森や田畑を照らした。「あ、川のところ。3頭走った」。後部座席の職員が声を上げた。「もうすぐ車の前を横切るで」。ライトの光で照らされたシカは、じっとこちらを見つめ返してきたり、田んぼを横断して山へ逃げ込んだり。職員たちはシカの姿や目の反射を見つけては頭数を数えていった。ライトセンサスは哺乳動物の頭数や種類、生息場所などを調査する方法として、各地の森林研究所などでも用いられている。同町がライトセンサスを導入したのは2010年ごろ。県内でもシカが急激に増えた時期で、兵庫県から一度に数頭を捕獲できるわなの使用を勧められた際、効率よく仕かけられるようにと取り入れた。実施するのは月1回程度。毎回、報告シートに調査ルートや確認頭数を記録し、シカを目撃した地点を地図に落とし込む。シートには「防護柵に穴が開いていないか地元住民に点検を依頼する」「猟友会にわなをしかけてもらう」といった備考も記す。日中に改めて関係機関と現場に向かい、対処を依頼している。導入から10年以上になるが「いまだに狙われやすい場所の特徴は判然としない」(近藤課長)という。ただシカは警戒心が強く、一度安全だと分かった場所を繰り返し訪れ、道中の田畑には見向きもしない傾向があることが分かった。また近年、市川周辺で確認される頭数が増えてきたという。流域が銃猟禁止区域となっていることが影響しているとみられる。同町はライトセンサスを導入後、町内のほぼ全域の山裾に柵を張り巡らせ、狩猟を強化。10年前は一晩で300頭近くのシカを確認したが、現在は100頭前後まで減っているという。「地道な取り組みだが、着実に効果が表れている。『継続は力なり』やね」と近藤課長。だが町内では今年も農作物が全滅した畑があるといい、シカとのいたちごっこは続く。この日の調査時間はおよそ4時間。シカ102頭に加え、アライグマ1匹、キツネ2匹を確認した。近藤課長は「後継者不足で存続が厳しい時代に農業を続け、農地を守ってくれている人たちがいる。本当にありがたい。町としてできることは尽くしていきたい」と話し、大きく伸びをして帰路に就いた。

(植生復元へ連携:滋賀)
シカの食害により裸地化が進んでいる伊吹山(一、三七七メートル)の植生を復元していこうと、米原市は二十九日、電気設備機器の総合商社「滋賀特機」(大津市)と連携協定を結んだ。協定によって、獣害防護柵の設置やニホンジカの捕獲、土砂の流出防止といった取り組みに関し、情報交換や技術面での連携を進める。

(野生鳥獣による農林被害額、約4億9900万円:群馬)
昨年度の野生鳥獣による農林業被害は約4億9900万円にのぼることが群馬県のまとめで分かりました。県は29日、鳥獣被害対策本部会議を開催しました。県鳥獣被害対策本部は鳥獣被害対策を強化し農林業への被害の軽減を図ろうと津久井副知事を本部長とし農政部をはじめ健康福祉部県土整備部など部局を横断した委員で構成されていて、29日の会議には約20人が出席しました。会議ではまず、昨年度の野生鳥獣による農林業被害の速報値が報告されました。これによりますと野生鳥獣による農林業の被害額は前の年度より13%減の4億9900万円となりました。減少した要因としては嬬恋村を中心とした吾妻地域でニホンジカから高原野菜を守る対策を強化したことなどがあげられるということです。一方でニホンジカやカモシカによる苗木の食害やクマによる木の皮を剥ぐ被害は続いています。また、野生鳥獣の捕獲数はイノシシやサルの捕獲数が前年度より増えたことから全体もやや増えて1万9447頭となりました。

(鳥獣被害対策関連補助事業の活用にかかる要望調査:山形)
鶴岡市では、鳥獣被害対策に関する支援を行っておりますが、今後実施が見込まれる補助事業の要望状況を把握するため調査を実施いたします。令和6年度に補助事業の活用を検討し、鳥獣被害対策に取り組まれる計画がございましたら、調査票に必要事項を記載のうえ、期日までに、本所農山漁村振興課または各庁舎産業建設課まで提出いただきますようご案内いたします。

(駆除したヒグマ、試料の迅速提供を:北海道)
道は29日、駆除したヒグマの骨や内臓など生態分析に使う試料の迅速な提供を道内各自治体に要請する方針を固めた。釧路管内標茶、厚岸両町で相次ぎ牛を襲ったヒグマ「オソ18」の駆除後、生前の栄養状態を調べる試料が十分残されていなかったことを踏まえた対応だ。道の対策会合でも第2、第3のオソ出現を懸念する声が出ており、肉食化したクマの分布状況の把握などに役立てたい考えだ。

(アライグマ生息拡大、農作物被害2500万円超:福岡)
生息分布を急速に拡大させ、農作物への被害が急増していることを受け、福岡県が31日、初めてアライグマの防除計画の検討を始めました。福岡県庁で開かれた対策協議会には、動物の専門家や農作物被害に苦しむ自治体の関係者らが出席しました。アライグマは、生態系に悪影響を与えるおそれがあるとして「特定外来生物」に指定されています。福岡県内では2005年に朝倉市で初めて確認され、現在、県内60市町村のうち48の市町村で目撃されています。2016年には946頭の目撃でしたが、2021年には、2060頭と2倍以上に増えています。これに伴い農作物への被害も2021年度には、5年前の約3.5倍にあたる2530万円に増えていて、福岡県は優先して駆除を急ぐ必要があると判断したということです。福岡県では今後、県の講習会を受けることで一般の人にも駆除に当たってもらい、アライグマによる被害を抑えたいとしています。

(海を渡るイノシシ:広島)
穏やかな瀬戸内海に浮かぶ離島・百島で、イノシシによる被害が後を絶たない。ターゲットは増え続ける“空き家”。金属製の門扉や柵も突破するイノシシの威力に、解決策を見いだせないまま苦悩が続く島を取材した。島の中の集落を、白昼堂々横切るイノシシ。ここは385人が暮らす広島・尾道市の小さな離島、百島。本土からフェリーで10分ほどの場所にあり、キャンプやマリンスポーツも楽しめる風光明媚な島だ。しかし、2020年ごろからイノシシの被害が深刻化しているという。島外から戻った住民が、実家の変貌ぶりを見せてくれた。イノシシは金属製の硬い門扉を力ずくで突破。玄関どころか台所の中にまで入り込んでいた。専門業者が来て、イノシシが再び入り込まないようにイノシシを刺激する「電気柵」が取り付けられていた。イノシシが海を渡って離島にやって来る衝撃映像を撮影した住民がいる。美しい瀬戸内海を優雅に泳ぐイノシシ。海面から顔をのぞかせ、島へ進む様子が映されている。橋が架かっていない百島では、泳いで上陸した個体が島の中で繁殖を繰り返し、数を増やしたとみられている。本土側から百島への最短の直線距離は500メートルほど。イノシシは歩くような感覚で簡単にたどり着いてしまうという。TSSが各自治体に問い合わせたところ、広島県内に15ある、本土と橋でつながっていないすべての有人島で、イノシシの生息と農作物の被害が確認されていた。この流れを食い止めようと、百島ではわなを設置し猟友会も捕獲を試みているが、2022年度の捕獲数は25頭。一度に最大10頭ほどの子を生む繁殖力に駆除のペースが追い付いていないのが実情だ。島のあらゆるところに侵入を防ぐための柵が張り巡らされ、人間のほうが閉じ込められているかのような錯覚に陥いる。百島の島民の高齢化率は2023年6月末時点で68.1%。空き家と耕作放棄地が増え、人里と森の境界線があいまいになったこともイノシシの活動範囲を広げることに拍車をかけている。まだ人的被害こそ出ていないが、生活の不安を解消させる有効な一手は打てていない。イノシシに荒らされた空き家は、想像を絶する惨状である。許可を得て撮影させてもらった。テーブルが倒れ、イスは散乱し、あらゆる収納扉がこじ開けられている。足の踏み場もない状態だ。無秩序に、イノシシが力の限り食べ物を探しまわった跡が見られる。イノシシは一度味を占めると学習し、何度も同じ場所にエサを求めやってくる習性があるという。数が増え続け、離島を含め県内のほぼすべての地域に生息するとみられるイノシシ。広島市安佐動物公園 獣医師・野田亜矢子さん:すでに自然の摂理ではどうにもならない、バランスが崩れている状態です。人間の側で駆除していくことを考えないと、バランスの取れた形にはもう戻らないだろうと思われます。近年、広島市の市街地でも出没が相次いでいて、生息数をどう減らすか具体的な対策が求められている。

(増えるニホンジカ、農作物や花木の食害深刻:広島)
広島市安佐北区で野生のニホンジカの増加が深刻化している。市街地や民家周辺に頻繁に出没し、区内に7千頭前後がいるとの県の調査に基づいた推計もある。住民は農作物や花木の食害に頭を抱えている。

(“山に帰ることを知らないサル”増加:三重)
三重県北部・いなべ市の住宅街には、何匹ものサルの姿がありました。確認できるだけで屋根の上などに15匹ほどがいて、子ザルの姿も見えました。30年以上前から住宅街で頻繁に目撃されていて、住民にとっては「日常の景色」だといいます。しかし、サルは野菜を食べるなどして街にすみつき、住民を悩ませています。住民は爆竹やロケット花火などで追い払おうと対策をしているものの、サルたちも“学習”し、最近では人を怖がらなくなってきているといいます。いなべ市獣害対策課によると、いま、ある変化が起きているといいます。街で生まれ、街で育ち、“山に帰ることを知らないサル”が増えているというのです。

(シカ事故防止へ、今季も減速運転検討:北海道)
釧路総合振興局は31日、釧路市内でエゾシカ・ヒグマ対策連絡協議会を開き、2022年度の東部地域(釧路、根室、十勝、オホーツク)のエゾシカの推定生息数が前年度比1万頭増の32万頭に上ることを報告した。列車事故の衝突防止対策として、JR北海道は10月以降、減速運転を検討していると明らかにした。

(専門家らが提言、「棲み分け」で人との接触を減らす:北海道)
北海道内全域で増えるクマの被害。ヒグマの生態に詳しい専門家がクマ対策について、鈴木知事に提言した。暗闇を歩く4頭のクマ。カメラの方向を警戒するクマに、子グマとみられる3頭が続く。この写真は7月1日、札幌市南区北ノ沢で撮影された。母親とみられるクマは駆除されたが、撮影場所近くの市道で3頭の子グマが、ゴミを漁っているのが目撃され、札幌市が箱罠を設置するなど対策を進めている。札幌市内では2023年6月、南区の真駒内公園で複数のクマの目撃があり、一時、公園の一般開放が休止されたほか、5月には、上川地方の幌加内町朱鞠内湖で釣り客の男性がクマに襲われ、死亡した。北海道内各地で相次ぐクマの出没や目撃情報。専門家らで構成された「ヒグマの会」は、今後10年のクマ対策についての提言、「ヒグマと向き合うグランドデザイン」を鈴木知事に手渡した。北海道内のクマによる農業被害額は、春グマ駆除が廃止となった1990年以降、20年間で3倍以上となっている。クマと人間の生息域が次第に近付いてきているという。「クマが人を怖がらなくなった。社会課題の施策のひとつとして取り上げていただきたい」(ヒグマの会 山本牧 副会長)。提言のポイントは、「ゾーニング」だ。人の住む場所とクマの生息域を電気柵などで明確に区分して、双方にとって住み良い環境を確立し、人とクマの接触を極力、減らす。「かつてないほどクマとの軋轢が高まっている。連携して向き合っていきたい」(鈴木 直道 知事)。クマによる被害を最小限に抑え、これから人とクマがどう向き合っていくかを考えることが今、求められている。

(野生鳥獣「保護から管理へ」)
長年、道内でエゾシカやヒグマ管理の最前線に立ってきた東京農工大名誉教授の梶光一さん(70)=北大博士課程修了、元道総研主任研究員=が、今後の野生動物管理のあり方を示した「ワイルドライフマネジメント」(東京大学出版会)を出版した。保護対象だった野生鳥獣は、生息数が回復したことで農作物被害など人とのあつれきが増しており、今後は管理する対象として、欧米のように土地管理者の責任で捕獲すべきだと訴えている。

(狩猟業界DXで若手ハンターの課題を解決する:北海道)
野生鳥獣による被害が深刻化する中、上士幌町のスタートアップ・Fantは新たなジビエ流通スキームを構築し、若手ハンターの活躍機会の創出とジビエの利活用促進を同時に実現。鳥獣被害に強い地域づくりを目指し、今秋、札幌市との実証実験も予定している。高野社長に今後の事業構想を聞いた。近年、野生鳥獣による農林物被害が激しさを増している。農林水産省によれば、2021年度の農作物被害総額はシカが61億円に達し、イノシシ(39億円)やサル(8億円)以上に甚大だ。農業従事者の中には農業を諦めてしまうケースも多く、耕作放棄地の増加につながるなどの悪循環も生まれている。一方、高タンパクで低脂肪の野生鳥獣の肉(ジビエ)は健康食として注目を集めており、ジビエ料理を提供する飲食店が全国的に増えている。ジビエ人気は狩猟への関心も高めており、環境省の「全国における狩猟免許所持者数の推移」を見ると、ベテランの引退に伴ってハンター全体の人口が減少する中、20代から30代の若手ハンターは右肩上がりに増加している。「先のデータはあくまで狩猟免許所持者の数なので、免許を取得したものの実際には狩猟をしていない “ペーパーハンター”も多いです」と指摘するのは、自身もハンターとして活動するFant代表の高野沙月氏だ。

(体長1メートルほどのクマの目撃情報:長野)
長野市郊外の高校の近くでクマの目撃情報があり、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと31日午前5時半ごろ、長野市松代町の畑でクマ1頭の目撃情報がありました。体長は1メートルほどだということです。近くには松代高校や県の警察学校があります。警察が周辺で注意を呼びかけています。

(未明に物音、居間にクマ!?:秋田)
「寝室で横になっていたところ、物音がしたため、居間に行ったらクマがいた」。30日未明、潟上市の住宅にクマがいると警察に通報がありました。この家に住む女性は2階に避難して、けが人はいませんでした。クマが目撃されたのは、潟上市昭和豊川竜毛の2階建ての住宅です。警察によりますと、30日午前2時45分ごろ、この家に住む60代の女性が1階の寝室で横になっていたところ、居間から獣の声のような音がしたため居間に行って電気をつけると、体長1メートルほどのクマがいたということです。クマはソファーの上に四つんばいの状態でいたということで、この女性はすぐに2階に避難して警察に通報したということです。警察が駆けつけたところ、クマはいなくなっていて、けが人はいませんでした。警察によりますと、居間の網戸の一部が破られていたということで、クマはそこから出入りしたとみられるということです。警察は、この家の周辺をパトカーで警戒するとともに、住民に注意を呼びかけています。

(線路上を走るシカ、列車が一時停止:北海道)
飛び跳ねながら勢いよく走るシカ。よく見ると、シカがいるのは線路の上です。その先には客を乗せたJRの車両が!運転士がシカに気づき列車を停止させたため、シカも乗員乗客も無事でした。札幌市西区の別の公園にもシカの姿が。こちらもツノのないシカで、同一個体の可能性が高いということです。警察によりますと、きょう午前中から琴似発寒川を中心に周辺でシカの目撃情報が相次いでいて、いずれもこの個体が出没を繰り返したとみられています。その後、シカは川の茂みへ姿を消していったということです。

(ケモノまつり:新潟)
柏崎でも深刻な被害をもたらしているイノシシによる獣害。そんなケモノたちを怖いやかわいそうで終わるのでなく、実際に本物に触れたり、口にしたり、知ることで、自分事として野生動物との持続可能な未来を考えられるようになれる人を増やしていきたいという想いから、開催がスタートしたイベント。イノシシピザや本物の鹿を使ったアクセサリーづくり、ジビエ肉たき火など美味しくて楽しいイベントが盛りだくさん。

(「もったいない」から生まれた鹿肉使用の無添加ドッグフード:兵庫)
兵庫県加古川市にある兵庫県立農業高等学校動物科学科の生徒が、害獣として駆除された鹿の肉を使用したドッグフードを開発した。現在、商品化に向けた支援を呼びかけるべくクラウドファンディングにも挑戦している。プロジェクトに携わる同校3年生の村上心葉さん、連尺野莉蘭さんに話を聞いた。ドッグフードを自分たちの手で作ろうと考えたのは2年前、学校で飼育している犬が皮膚病にかかり、獣医師から日々の食事についてアドバイスされたことがきっかけだった。同時期に、兵庫県内では狩猟された鹿肉の約9割が産業廃棄物として処理されており、それらの有効活用を目的に活動する宍粟市の生産者グループ「しそうの森の贈物 グリーンキーパー」の存在を知る。村上さんは「鹿肉は低脂質・高たんぱくで鉄分も豊富と栄養価がとても高いと分かり、鹿肉を使ったドッグフードを作ろうと考えました」と話す。ドッグフードのベースとなる食材には、校内で栽培したものの規格外となり廃棄されていた野菜や鶏卵、酒米研究に使った玄米などを使用。春夏と秋冬に分けて旬の野菜も取り入れるなど工夫を凝らした。「犬の健康を第一に考えて、防腐剤や保存料を一切使用しない無添加に。また嗜好性を高めるため、風味の強い鹿肉の配合を何度も変えるなど改良を重ねました」と連尺野さん。校内で飼育している犬や、生徒が自宅で飼っている犬に試食実験を行ったところ、市販のドッグフードを好まない犬もおかわりするほど“好評”だったという。こうしてオリジナルドッグフード「県農Only One Dogfood」が完成した。今年秋の商品化を目指して挑戦中のクラウドファンディングで集まった資金は、ドッグフードの原材料費や成分分析費、製造費などに充てる予定だ。支援者へのリターンには、同校で生産している乳酸菌飲料「県農カルピー」や味噌、そして今回開発したドッグフードも用意しているという。村上さんと連尺野さんは「ドッグフードの製造を通して、鹿の命を無駄にせず、また廃棄農産物を活用するSDGsの取り組みにも貢献していきたい。私たちの大切な家族であり仲間である犬の健康を守るドッグフード作りを、ぜひ一緒に盛り上げてください」と呼びかけた。

(古民家カフェで振る舞うジビエ料理:三重)
のどかな自然に囲まれた津市美里町穴倉のジビエ料理カフェ「山乃屋」が、県内外のツーリング客らから人気を集めている。聴覚障害のある日置美咲さん(38)が、子どもの頃からの夢をかなえて4年前にオープンした。「お客さんがおいしそうに食べている姿を見るのが好き」と幸せをかみしめながら、山の幸の魅力を伝えている。鉄板で提供する厚くてジューシーなシカ肉のデミグラスハンバーグや、シカとイノシシの焼き肉が名物。他にもパスタやリゾットなど、ジビエ肉を手軽に楽しめる料理が充実する。手作りのスイーツもある。

(駆除したシカをセーム革に:北海道)
標茶町内上多和の酪農業国井友紀子さん(55)が、捕獲したエゾシカから、楽器や時計などを磨くセーム革を製作し、販売を始めた。牧草を荒らすエゾシカは厄介者として有害駆除され、多くは廃棄されているが「ただ捨てるのではなく、利用してあげたい」との思いで商品化した。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、31日午後4時ごろ、仙台市青葉区大倉斎野神にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午前11時ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

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