<射撃ニュース9月>
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(クリ拾いをしていた80代の男性がクマに襲われけが:秋田)
27日秋田県北秋田市で82歳の男性がクマに襲われました。命に別状はないということです。警察などによりますと、27日午後1時半すぎ北秋田市本城で自宅近くの山林でクリを拾っていた82歳の男性がクマに襲われました。男性は近所の人に助けを求めたということです。男性はクマに襲われた際に頭や顔にけがをし病院に搬送されましたが命に別状はありません。今シーズンクマによる人身被害はこれで27人目となり過去最多を連日更新しています。県では山に入る際は大きな音を出したりクマスプレーを身に着けたりしてクマへの対策をしっかり行うよう注意を呼びかけています。

(キノコ採りの女性がクマに襲われけが:岩手)
27日朝岩手県岩泉町の山林でキノコ採りの女性がクマに襲われ頭や腕にけがをしました。女性は意識があり命に別状はないということです。27日午前6時20分ごろ、岩泉町安家の山林でキノコ採りをしていた70歳の女性が「クマに襲われた」と一緒に山に入っていた夫から消防に通報がありました。警察によりますと、女性は頭や左腕にけがをしていて久慈市内の病院に搬送されました。意識はあり、命に別状はないということです。警察と消防によりますと、クマは大人のクマで女性は襲われたあと近くにいた夫と合流し助けを求めたということです。岩手県内ではことし、クマに襲われてけがをする人が相次ぎ県は5月に2016年度以来となる「ツキノワグマの出没に関する警報」を出してクマの被害に警戒するよう呼びかけています。岩手県自然保護課によりますと、ことし4月から27日までにクマに人が襲われる被害はすでに去年の23件を上回る26件発生し、1人が死亡、26人がケガをしたということです。県は山に入るときは複数人で行動すること。鈴やラジオなど音の出るものを持って行く。県ホームページに掲載しているツキノワグマ人的被害状況マップを確認するなど対策をして万が一クマに遭遇し攻撃してきた場合両腕で顔や頭をカバーし、体を丸くして地面に伏せて防御するよう、呼びかけています。岩泉町安家の山林でクマに襲われけがをした女性と一緒にキノコ採りをしていた夫によりますと2人は午前5時ごろにマツタケをとるために山に入ったということです。夫は「妻は木を倒して栗を食べていたクマに襲われたようです。妻は頭から血を流し、腕はクマに噛まれたようでした。その後、救急車を呼んで搬送してもらいました」と話していました。また「妻はクマよけの鈴をつけていたけれど、クマは逃げなかったようだ。この時期は気をつけなければならない」と話していました。

(クマに襲われ、頭と右手を切る重傷:長野)
松本市の上高地で27日午後、韓国籍の男性がクマに襲われけがをしました。松本警察署によりますと、27日午後0時半過ぎ、松本市安曇の上高地で、韓国籍の男性 ナル・ヤンさん39歳がクマ1頭に襲われました。消防と警察によりますと、ヤンさんは頭と右手を切る大けがをして病院に搬送されましたが、意識はあり 歩ける状態だっということです。現場は、河童橋から北におよそ200メートルの遊歩道付近で、警察によりますと、ヤンさんは1人で観光していたところ、クマに襲われたとみられています。クマの行方はわかっていません。熊は体長70センチほどの成獣とみられ、警察が看板などで注意を呼びかけています。

(不審者が買いに来たらどう対応?『銃砲店』で対応訓練:石川)
テロなどの重大事件を未然に防ごうと金沢市内の銃砲店で初めて不審者が火薬や銃などを購入しようとした際に備える訓練が行われました。この訓練は、金沢東警察署が初めて実施しました。27日の訓練では、猟銃などを所持する際に必要な許可証を持たない不審者が、来店したという想定で行われました。参加した店員は不審者に対して販売を拒否し、警察に速やかに通報するなど万が一に備えて手順を確認していました金沢東署の寄谷敏(よりたにさとし)警備課長:「不審者が来店した際にことさらに不審者を刺激することなく冷静に対応して頂きまして不審者に確保するために必要な事項をしっかり把握していただいて110番通報にのせていただいたと思います」。警察は今後も危険物を取りあつかう店舗で同様の訓練を予定しています。

(ヒグマは30年で倍増、押し込まれる人間との境界線:北海道)
ヒグマが人里との距離を縮め、生活やなりわいへの脅威となっている背景には、個体数の増加がある。北海道内の推定生息数(2020年)は1万1700頭と、30年前の5200頭から倍増した。増加の要因とされるのが、1989年度に実行に移された「春グマ駆除」の禁止だ。北海道では80年代まで、ヒグマによる人的被害や農業被害を防ごうと、追跡しやすい3~5月の残雪期の積極的な駆除を進めてきた。だが、個体数の減少に危機感を強めた道が方針を転換。環境保護や生物多様性の重要性も問われるようになり、道は90年以降、春グマ駆除を禁じた。それから30年余り。ヒグマの駆除には批判もあるが、人を恐れなくなったヒグマが相次いで市街地に出没して市民生活を脅かす事態に、道は従来のヒグマ政策の見直しに踏み切ろうとしている。

(ヒグマに押し込まれる境界線「死者出ていないのは、不幸中の幸い」:北海道)
北海道で人里への出没が相次いでいるヒグマ。共存に向けて、ヒグマと人間のすみ分けが現実的な課題との声が上がっている。学者や農家らが参加するヒグマの会は7月、鈴木直道知事にヒグマと人間双方の暮らしを守る「ゾーニング」管理の強化による共存策を求めた。ヒグマが暮らす奥山を保全しつつ、人間が暮らす市街地との間にある森林を緩衝地帯と位置付ける。緩衝地帯での駆除を認めることでヒグマの生息数を抑える。さらに、人間の生活圏にヒグマを侵入させない誘因物対策や侵入時の駆除の徹底など求めた。だが、こうした対策も専門職員の不足といった課題が立ちはだかる。知床半島でヒグマ対策に長年携わった獣医師の石名坂豪さんはいま、ヒグマと人間との関係性は大きな転換点にあるとの認識を示し、対策の総動員を求める。「ヒグマに人間との境界線を押し込まれているのが現状だ。今のところ、札幌の市街地で死亡者が出ていないのは不幸中の幸い。ヒグマとの境界線をめぐり、対策を徹底しなければ手遅れになりかねない」。

(見直し迫られるヒグマ対策:北海道)
ヒグマが人里との距離を縮め、生活やなりわいへの脅威となっている背景には、個体数の増加がある。北海道内の推定生息数(2020年)は1万1700頭と、30年前の5200頭から倍増した。増加の要因とされるのが、1989年度に実行に移された「春グマ駆除」の禁止だ。北海道では80年代まで、ヒグマによる人的被害や農業被害を防ごうと、追跡しやすい3~5月の残雪期の積極的な駆除を進めてきた。だが、個体数の減少に危機感を強めた道が方針を転換。環境保護や生物多様性の重要性も問われるようになり、道は90年以降、春グマ駆除を禁じた。それから30年余り。ヒグマの駆除には批判もあるが、人を恐れなくなったヒグマが相次いで市街地に出没して市民生活を脅かす事態に、道は従来のヒグマ政策の見直しに踏み切ろうとしている。今年から、人里に隣接する地域での残雪期の駆除を認め、人への警戒心をヒグマに持たせることで出没の抑制を狙う。禁止してきた冬眠中の個体を捕殺する「穴狩り」も、こうした地域に限って認めた。だが、関係者からは「それだけでは不十分」との声が上がる。知床半島でヒグマ対策に長年携わった獣医師の石名坂豪さんは「より運用しやすい形で、春先から積極的に捕殺すべきではないか」と訴える。ヤブが育って視界を遮る夏前の捕殺は危険が伴う。春グマ駆除ならハンターの安全確保にもつながるという。だが、駆除をめぐるルール変更にも限界がある。銃でクマを捕殺する道内の狩猟免許所持者数はピーク時の78年に2万人を超えたが、今では約3分の1にまで減少し、高齢化も進む。道によると、ロシアによるウクライナ侵攻や銅の高騰で、ハンターが使う銃弾が不足している現状もある。

(ヒグマの春期管理、報酬の少なさも影響か:北海道)
道が今年開始したヒグマの春期管理捕獲(2~5月)に関する北海道新聞のアンケート結果からは、市街地周辺に出没する問題個体の駆除を進めたい道側の狙いが、参加者に十分伝わっていない実態が浮かんだ。参加市町村・団体の8割が市街地周辺への出動を見送ったと回答した。人里近くに生息するクマに警戒心を抱かせ、人とのあつれきを減らすという本来の目的はかすんでおり、道は春期管理捕獲のあり方について再考を迫られつつある。4月下旬、三笠市の住宅街から1キロほど離れた山中。春期管理捕獲に参加していた若手ハンターが、ビニール袋に入った弁当をあさる推定3~4歳の若グマ2頭を発見した。「手負いのまま逃せば、市街地で人を襲う恐れもあったので緊張した」。60メートルの距離から2頭を仕留めた若手はそう振り返った。三笠市は2~5月の春期管理捕獲の期間中、山中で3頭、市街地周辺で1頭を駆除した。若手に同行した熟練ハンターの松田敏昭さん(71)は「市街地周辺で捕獲でき、クマ撃ちの技術や経験も新人に伝えられる良い機会になった」と手応えを語った。道内で今年1~8月に道警に通報があったヒグマの目撃件数は2381件と、2019年以降の過去5年間で最多だった。人とクマのあつれきが増す中、道は春期管理捕獲で市街地周辺の親子グマの捕獲や穴狩りを解禁し、各地で人里に近づく問題個体の駆除を進める狙いだった。しかし参加した22市町村・団体のうち、三笠のように市街地周辺で捕獲を試みたのは5市町村のみ。アンケートでは春期管理捕獲への参加理由(複数回答)について、全ての参加市町村・団体が「ハンター育成」と回答したのに対し、「市街地出没が相次いでいるため」は8市町村にとどまった。道と参加者の認識の違いは明白だった。後志管内倶知安町の担当者は「クマの狩猟経験がない若手が増え、市街地周辺に出る個体数を減らすより、山の地形を覚えるなど技術を磨くことを重視した」と説明。オホーツク管内滝上町や根室管内標津町の担当者も同様に若手育成を重視し、ヒグマとの遭遇確率が高い山中での活動を優先したと話した。

(ヒグマ駆除に寄せられるクレーム:北海道)
日本では北海道にのみ生息する、野生動物のヒグマ。豊かな自然を代表する存在でもありますが、近年は市街地でヒグマの出没が相次いでおり、農作物や家畜、人に被害を与える事故も発生しています。北海道庁では、ヒグマによる事故を未然に防ぐため、さまざまな対策を講じており、狩猟免許を取得し訓練を経たハンターによる捕獲や駆除活動もその1つです。2023年9月26日、北海道庁がSNSやウェブサイト上で呈したある苦言に、ネット上で反響が寄せられました。同庁は、人や農業などの被害防止のため、やむを得ずヒグマを捕獲する場合があり、捕獲行為は地域の安全に欠かせないものだと主張。また、捕獲への非難は、その担い手であるハンターの人員確保の支障となりかねないと危惧しており、北海道の住民とそのほかの地域に住む人々に活動への理解を求めました。【ヒグマの有害捕獲へのご理解について ヒグマの捕獲に従事される方々は、地域の安全・安心を守る上で、欠くことのできない存在です。人身事故や農業被害の防止のため、鳥獣保護管理法に基づく許可を受け、適正に行われた捕獲に関して、捕獲に従事された方(ハンター)が非難を受けることは、地域のヒグマ対策の根幹を担う捕獲の担い手確保に重大な支障を及ぼしかねません。皆様には、捕獲に携わる方々が、道民の生活を守るために、安心して捕獲に取り組んでいただけるよう、法に基づく捕獲の制度や捕獲授業者の方々の社会的な重要性をご理解いただきますようお願いいたします】。ヒグマの駆除がニュースになるたびに、「クマがかわいそう」などといったクレームが多く寄せられています。しかし誹謗中傷に萎縮し、捕獲の担い手となるハンターが少なくなってしまったら、人命の危機につながる恐れもあるでしょう。ネット上では、同庁の呼びかけに対し多数のコメントが寄せられていました。北海道のほとんどの地域がヒグマの生息地です。ヒグマと人間が共生していくためには、隣り合わせになっている、互いの生活圏を荒らさないよう気を付けなければなりません。ゴミや食べ物を放置しない、1人で山に入らない、出没情報を確認するなど、一人ひとりができる対策を徹底することが大切です。そして、いざという時に命をかけて住民の安全を守る、担い手の重要性をしっかりと認識しておく必要があるでしょう。

(道庁が声明「捕獲は地域の安全に欠かせないもの」:北海道)
北海道庁のX(旧Twitter)公式アカウントは9月26日、「ヒグマ有害捕獲へのご理解のお願い」というメッセージを掲載しました。やむを得ずヒグマの捕獲することは「地域の安全に欠かせないもの」とした上で、「捕獲への非難は、その担い手確保の支障となりかねません」などと呼びかけています。北海道新聞によると、標茶・厚岸両町で60頭以上の牛を襲った雄のヒグマ「OSO18」を7月30日、ハンターの男性が駆除しました。しかし、男性の勤務先である釧路町役場に「なぜ殺した」「クマがかわいそう」といった抗議が相次いだほか、自宅や実家にも一方的に非難する電話がかかっていたそうです。北海道庁の声明は、こうした事態を受けたものとみられます。この投稿でリンクが張られた北海道庁の公式サイトでは、今回の件について「道民の皆様、道外の皆様へのお願い」としてさらに詳細な案内を掲載しています。「ヒグマの捕獲に従事される方々は、地域の安全・安心な暮らしを守る上で欠くことのできない存在です」として、「法に基づく捕獲の制度や捕獲従事者の方々の社会的な重要性をご理解いただきますようお願いいたします」と締めくくっています。また、投稿には2010年に北海道斜里町の市街地に現れた親子のヒグマの写真が添付されているのですが、当時斜里町で実際に住んでいた人からは、「この子達、息子が通う幼稚園の裏庭も通過していて血の気が引きました。無事を確認するまで生きた心地しなかったです」といったコメントも寄せられ、道民にとってはヒグマの危険性が隣り合わせであるということを実感させるものとなっていました。

(ブナの結実は「大凶作」予測:山形)
クマの活動が活発化するシーズンを迎えています。目撃件数は今月24日現在、去年と同じ時期に比べ、およそ1・4倍に増えていることが県のまとめで分かりました。県内ではきのう、鶴岡市や小国町、戸沢村でクマの目撃情報が相次ぎました。県によりますとクマの目撃件数は今月24日現在、505件に上っていて、去年の同じ時期に比べておよそ1・4倍に増えています。また、先月末現在、統計を取り始めた2003年以降で、過去2番目に多くなっています。ことし7月に発表された東北森林管理局の予測によりますとクマのえさとなるブナの実の結実が少なく、県内は「大凶作」と見込まれています。県は山に入る際には音の鳴るものを携帯し、複数人で行動するなど被害防止を呼びかけています。

(県内クマ出没、すでに480件:青森)
青森県内で今年、クマの被害や目撃が相次いでいる。県がまとめた25日現在のクマ出没件数は480件(足跡の目撃や食害など含む、暫定値)で、うち人身被害は6件7人に及ぶ。いずれも既に2019~22年の年間件数・人数を超え、過去5年で最多に。秋のキノコ採りやレジャーシーズンを迎える中、クマが冬眠に備え餌を求めて活動する時期と重なることから、県は引き続き注意を呼びかけている。23年の人身被害6件(前年1件)のうち3件は今月17日以降に発生。25日は黒石市のリンゴ畑で、農作業の休憩中だった女性2人が襲われた。クマによる食害は108件で、前年同期の17件(年間総数同じ)を大きく上回る。現時点で被害面積や被害金額はまとまっていないが、弘前市嶽(だけ)地区のブランドトウモロコシ「嶽きみ」畑などで被害が確認されている。県は4月、県内全域にクマ出没注意報を出した。餌となるブナの実が昨秋「並作」だったことから、前年より出産が増えてクマが行動範囲を広げる可能性があるためで、11月末まで継続中だ。その一方、東北森林管理局が7月に発表した今秋のブナの結実予測は「大凶作」。「ブナの実が少ないと見込まれ、クマが人里に近い場所へ出没することが考えられる」と分析し、警鐘を鳴らしている。県自然保護課の辻健一郎総括主幹は「まずクマと出合わないよう注意してほしい。鈴やラジオなど音を出しながら複数人で行動して」と話す。このほか▽入山前に出没情報を確認▽クマが活発になる早朝、夕方を避ける▽生ごみを放置しない-などの対策が必要。県はホームページで対応マニュアルを公開している。県内では21年10月、平川市碇ケ関地区で散歩中の男性がクマに襲われ、死亡する人身被害が発生した。

(山でブナやクリが「凶作」、「アーバンベア」出没に注意:新潟)
県はクマのエサとなるブナなどの木の実が、この秋は県内全域で「凶作」との調査結果を公表しました。今シーズンはすでに市街地へのクマの出没が多発していて対策が必要です。今月16日、関川村の住宅にクマが侵入しました。近年、人里に出没するクマ「アーバンベア」が増えていて、山でのエサ不足も原因となっていることから県は2013年から木の実の実り具合を調査しています。■鳥獣被害対策センター 渡部浩所長「この秋のブナの実は全県で凶作です。その他の堅果類・木の実についても不作か並作の範囲。このことからこの秋はエサ不足が予測される」。ブナの実が豊作だった2018年や去年と比べ、凶作だった2019年と2020年は、極端にクマの出没・目撃件数が増えています。今年は2019年や2020年並みの凶作で、冬眠前の今は特に警戒が必要です。専門家はクマのエサとなるものを取り除くことが対策につながると呼びかけます。■新潟大学農学部 箕口秀夫教授「カキやクリなどを早めに収穫する。収穫しなかった農作物を畑に放置せず処分する。生ごみ、ペットフードなどは臭いが出ないようにきちんと保管する」。県は1日から「クマ出没警戒注意報」を出して、注意を呼び掛けています。

(イノシシに占拠された島:広島)
「このままでは島が乗っ取られてしまう…」。大崎上島町の離島では島民よりもイノシシの数が増え、まるで占拠されたような状態になっています。瀬戸内に広がる異変をツイセキしました。橋でつながっていない有人の離島、大崎上島町の生野島。20年ほど前まで、島にイノシシは1頭もいませんでした。【兵庫県立大学・栗山武夫 准教授】「瀬戸内海は割と島と島の距離が近いものですから、本州か四国から入ったイノシシがそこで増えて(よりよい環境を求めて)近い隣の島に次々と移ってくると。(県内の離島)ほぼ全域に渡ってイノシシが住んでしまっているというのが現状になります」。先週、兵庫県立大学の研究グループが調査のため島に入りました。瀬戸内で起きている「異変」を聞きつけ、今年6月からセンサーカメラを取り付け、生息数の把握に乗り出しました。少し立ち止まり、カメラを警戒するイノシシの姿。その後ろには、なんとおよそ10頭のウリ坊が連なっていました。島に上陸した個体はこうして繁殖を繰り返し、昼夜関係なく、あたかも自分たちが島の主かのように動き回っています。【兵庫県立大学・栗山武夫 准教授】「普通は森林だけなんですけど、森林の外にもかなり範囲を広げてしまっているので、もう人が暮らすところはすごく限られてしまっているような状況」。【島民は】「島民住んでいるの何人だと思っているの?8人しかおらんのやで。そりゃ、イノシシは何十匹もおるわな100頭ときかんとちゃう?」。島で暮らす8人のうち最年少は58歳の西野道春さん。ほぼ毎日、野生のイノシシと遭遇しています。【生野島 島民・西野道春さん】「あれもそうよね折られている」。【兵庫県立大学・栗山武夫 准教授】「あれ、そうなんだ」。【生野島 島民・西野道春さん】「あの辺が全部入って・・・去年まではそんなことなかったけど、今年くらいから入ってレモン・・・これなんかも多分実があったはずだからね」。畑に張り巡らされたフェンスを乗り越え農作物を荒らしたり、道端の石垣を崩したりと、やりたい放題のイノシシに高齢化が進む島は数と力で圧倒されています。【生野島 島民・西野道春さん】「抜本的な解決はもうないし、これが10年続くと、みんな90近くになったら一緒に出て(対策を)やりましょうというのも難しくなる」。TSSの調べでは橋でつながっていない有人の離島が県内には15あり、そのすべてにイノシシが生息し、農作物など何かしらの被害をもたらしていました。研究グループでは、まだ報告が上がっていない無人島にもカメラを設置し海を渡るイノシシの実態を解明したいと考えています。【兵庫県立大学・栗山武夫 准教授】「将来の日本の縮図が今、生野島ですでに起きていて、他の島でも次々と起こるんじゃないかと危惧はしています」。人口減少が進み耕作放棄地が拡大したことで、イノシシが人里に入り込む可能性は離島に限った話ではなくなりました。【兵庫県立大学・栗山武夫 准教授】「すべての島でもう1回イノシシがいないような状況にするというのはかなり難しい現状があるので、いかにして低密度にして被害を抑えつつ共存の道を探っていくのかも1つの手かなと思う」。

(早池峰山植生、シカ食害深刻:岩手)
県立博物館(盛岡市)で開催中のテーマ展「早池峰山の花と森」で、増加するニホンジカによる食害の深刻化が報告されている。同山麓でシカの群れが通年で暮らし始めた2010年頃から、植生が急速に衰退している様子を写真と解説文で紹介し、「来場する皆さんの身近な環境でも、同様の変化が表れていることを知ってほしい」と呼びかけている。シカに植物を食べられた早池峰山の写真を示す鈴木さん(26日、盛岡市の県立博物館で)23日から始まった同展では、早池峰山のなりたちや生息する動植物、保全活動などの紹介と合わせ、「生態系の危機」のコーナーでシカの食害を報告。ふもとから中腹辺りまで林床の低木や草が食べ尽くされた箇所が出てきたり、高山帯で斜面がむき出しとなったりした結果、川への土砂流入や他の動物に影響が出ている現況を伝えている。同博物館は15年から、登山道近辺の5か所を毎年同じ時期に撮影し、植生の変化を調査している。その結果、山麓では葉っぱを繰り返し食べられることで植物が小さくなったり、種類が減ったりしているほか、尾根沿いの高山帯でも年々植生が薄くなり、地面が目立つようになっていることが確認された。同館学芸第2課の鈴木まほろ課長補佐によると、山頂付近に設置したセンサーカメラには21年頃からシカが撮影され始め、カモシカやウサギの頭数を上回るようになったといい、「シカとほぼ同じものを食べるカモシカやウサギが追いやられ、シカが入らない場所に集中したのかもしれない」と、間接的にも食害を拡大させた可能性を指摘する。国や県は12年頃からシカ捕獲に力を入れ、県内での捕獲数は近年2万頭を超えた一方、県の試算によると、個体数を減らすには年間3万頭の捕獲が必要とされ、分布域も年々広がっている。鈴木さんは「こうした山の生態系の危機は、早池峰に限らず北上山地全体で既に起き始めている。県全体のシカ対策をより推進することが必要」と訴えている。

(悲劇繰り返したくない高校生ら呼びかけ「ハイビームを」:埼玉)
秋の全国交通安全運動期間(21~30日)に合わせ、埼玉県皆野町下田野の秩父やまなみ街道(国道140号皆野寄居有料道路)料金所付近で、県立皆野高校の生徒たちが手作りのお守り計200個を配布し、ドライバーに交通ルールの順守と動物の飛び出し注意を呼びかけた。秩父地域では鹿などの野生動物と衝突する交通事故が年間60件以上発生。今年6月には皆野町の国道140号で、バイクの男性=当時(18)=が鹿とぶつかって転倒、対向車にはねられて死亡した。秩父署は通報の徹底や夜間時のハイビーム活用などをドライバーに訴え、交通事故防止を図っている。秩父署と小鹿野署によると、昨年の対動物による交通事故件数は、秩父署管内(吉田地域を除く秩父市、横瀬、皆野、長瀞町)が計48件、小鹿野署管内(秩父市吉田地域と小鹿野町)が計16件。年間の発生件数はここ数年で大きな変動はなく、毎年、夜間の山間地で鹿が絡んだ事故が多発している。県道路公社によると、皆野高生らがキャンペーンを行った、皆野寄居バイパス―皆野秩父バイパス(計14.8キロ)間の動物死骸処理件数はここ5年間で計18件。衝突後、そのまま走り去るドライバーもいて、道路パトロールの際に死骸を発見するケースも多い。今年6~7月、皆野秩父バイパス間で鹿の飛び出し事故が立て続けに3件発生したことから、「鹿飛び出し注意」の立て看板2基を秩父小柱インターチェンジ(IC)付近に新たに設置した。皆野町の30代男性は5年前に車で町内の県道を走行中、飛び出してきた鹿と正面衝突した。車はフロントやサイドミラーが大破し、修理代が約50万円かかった。「道路に散らばった車の部品などは片付けたが、対処法が分からず、警察などには通報しなかった」と男性は打ち明ける。秩父署の山戸正則交通課長によると、動物は「物」扱いになるため、野生動物と衝突した場合は、道路交通法で交通事故(物損事故)に該当する。物にぶつかり、そのまま逃走してしまうと事故不申告(当て逃げ)に問われる可能性がある。今年1~8月末の同署管内の対動物による交通事故件数は計30件(前年同期1件増)。鹿は群れで動く特性があり、立て続けに事故が発生するケースが多い。山戸交通課長は「次の事故を誘発させないためにも、通報を徹底してほしい」と強調。動物との衝突を防ぐため、山道ではスピードを落として夜間はハイビームを有効活用し、もし衝突してしまった際は動物には近づかずに道路上の危険防止の措置を取り、警察官に事故の状況を報告するよう呼びかけている。

(駆除したイノシシの処理施設整備:宮城)
宮城県七ケ宿町は、駆除したイノシシなどを分解する減容化処理施設を同町萩崎に整備した。地元猟友会の負担を軽減し、有害鳥獣の被害抑制を推進する。長さ7・2メートル、幅1・2メートル、高さ1・5メートルの装置1基を使い、おがくずと一緒に50~60度の温度を保ちながらスクリューでかき混ぜて、常在菌の力で肉と皮を分解する。体重55キロの個体であれば6日間で処理が可能。おがくずは最終的に仙南クリーンセンター(宮城県角田市)で焼却する。整備費は約7600万円で、国の補助金を充てた。猟友会の施設利用時には町職員が立ち会う。県内では大崎、村田、丸森の3市町も同じ設備を導入している。

(シカ駆除ハンターに新顔:北海道)
新十津川町内の鳥獣対策を担うハンターに「新顔」が続々と加わっている。シカ対策を行う初の町地域おこし協力隊員として今月、東京出身の長谷川誠一さん(54)が着任。町内の会社員宮崎路華(るか)さん(51)は、8月から道猟友会滝川支部新十津川部会に初の女性メンバーとして加入した。先輩ハンターからの期待が高まっている。

(シカの角製の釣り針で縄文時代の釣り体験:岩手)
縄文時代と同じ鹿の角で作った針を使っての釣りの体験会が23日、岩手県宮古市で開かれました。釣り体験会には、市内に住む親子二組が参加しました。説明をしたのは釣りの専門家…ではなく、市の教育委員会の学芸員。はるか昔の縄文人と同じ鹿の角で作った針を使っての釣り体験です。菊地駿貴学芸員「これが今回使うタックルです。釣り竿はありません。リールは手巻きで行います。糸は縄文時代はカラムシという植物を使っていますが、今回は簡易的にナイロンのものを使っています。おもりは石の方を使っています。釣り針はこちらですね。鹿の角を削って作った釣り針になっています。これが縄文時代の遺跡から見つかっていまして、それを復元したものがこちらになります」。この日は午前7時すぎに出港。天候にも恵まれ、絶好の「縄文釣り」日和です。船を走らせること40分。釣りのポイントに到着しました。使うのはもちろん、あの「釣り針」です。手作りの針は現代のものより太く、エサを付けるのも一苦労。子どもたちは大人に手伝ってもらいながらエサを付けて海に投げ入れました。あとは魚が食いつくのをひたすら待つだけです。糸を操って誘いをかけますが、なかなか当たりが。これがもし縄文時代だったら、この日の食事は「抜き」になるかもしれません。参加者は、いにしえの世界に思いを馳せながら、秋晴れのもと、のんびりと釣りを楽しんでいました。今回の「縄文釣り体験」は、かつてこの地域にも住んでいた縄文人を身近に感じてもらおうと、宮古市の「崎山貝塚縄文の森ミュージアム」が企画しました。宮古市崎山貝塚縄文の森ミュージアム菊地駿貴学芸員「こういう風な釣りの体験であったり、いろんな体験を通して、子どもたちが楽しんでもらうことにによって、少しでも縄文時代のことが記憶に残るようにだったりとか、歴史文化に興味ををもってもらうきっかけになればいいなと思ってこのような体験型のイベントを実施しています」。「縄文釣り」体験はその後も苦戦。場所を変えるなどして、およそ4時間。ここでタイムアップ。残念ながら魚を釣ることは出来ませんでした。「崎山貝塚縄文の森ミュージアム」は、今後も縄文時代の暮らしを体験する様々なイベントを通して、多くの人が歴史に興味を持つきっかけを作っていきたいと話しています。

(住宅街に“サギ”集団:埼玉)
埼玉・久喜市にある閑静な住宅街に、“サギ”の集団がいると聞き、現地に訪れた「めざまし8」の取材班の目に飛び込んできたのは、真っ白な「サギ」の群れ。すらっとした首と、美しい白い羽からは想像もできないような大きな声で「ギャーギャー」と鳴いています。騒音計で測ってみると、「74.9dB」。これは、掃除機を使うときの音を上回るレベルの数値です。住民たちを困らせているのは、鳴き声による騒音だけではありません。草木にはサギによるものでしょうか、白いふんが一面についています。地面の方にもたくさん落ちています。草木や遊歩道には、大量の白い“ふん”らしきものが散乱。サギたちが居座っている場所は、住宅街にある沼井公園。正午過ぎに取材スタッフが見えている数を数えてみると、その数、約40羽。さらに午後5時を過ぎると、その数は5倍以上の200羽を超えました。よく見ると白いサギだけではなく、種類の違うサギの姿も…。鳥類の生態に詳しい・樋口広芳 東京大学名誉教授:チュウサギという中くらいの大きさのサギが多いようです。それからゴイサギという灰色のサギがいるんですけど、さらにアオサギという灰色の大きめのサギもいますね。夕方この場所に集まってきて夜寝る場所、ねぐらに使っているんだと思います。ネコとかイヌとか、イタチなどの捕食者が来られない場所に集まって寝る。近隣住民によると、今まではここまで大量のサギは生息していなかったといいますが、なぜ、突然公園に居座るようになってしまったのでしょうか?久喜市に話を聞いてみると。久喜市役所 公園緑地課:サギの大量発生を認知したのは、今年の4月です。6月から7月にかけては約60件。騒音やふん害の連絡をいただいています。約2km離れたところにサギの巣があったとみられ、そこから移動してきた可能性があります。別の場所から移動してきたというサギたち。元々サギの巣があった雑木林の管理者は。サギが移動する前の土地の管理者:サギがすみかにしていた7本の木は、腐っていて倒木の危険があったので、伐採せざるを得ませんでした。すみかにしていた木が伐採された結果、約2km離れた沼井公園を新たな住処にした可能性があるというのです。住民たちの不安を解消するため、久喜市は、来年度以降もサギが増えないように、公園の木の伐採を進めるということです。

(猫の脚に食い込んだワナ、荒川河川敷で相次ぎ見つかる:東京)
東京都足立区の荒川河川敷で、イノシシやシカの脚を挟んで捕獲する狩猟用ワナが二つ見つかりました。ワナの一つに猫がかかり、脚に食い込んでいたといいます。ワナは河川敷へ降りる階段のそばに設置され、人や犬がかかる恐れもあります。河川敷で猫を保護する活動をする人たちは「動物虐待は絶対に許せない。人間の子どもが踏んでも大けがをする可能性もある」と怒りの声を上げています。都内で地域猫の保護活動に取り組む高沢守さんによると、狩猟用ワナが荒川河川敷で見つかったのは9月26日夕方。地域猫を世話するボランティア2人が発見し、猫がワナにかかっていることに気づきました。高沢さんは「ワナが脚に食い込み、倒れて鳴いていたそうです。毛がはがれ、血が出ていました」。大人2人がかりでも脚を挟み込んだワナは容易に外すことができず、やっとのことでワナを外すと、猫はいずこかへ立ち去りました。二つのワナは土手から河川敷へ降りる階段左右の草地に置かれていました。いずれも地域猫が集まる場所の近くで、警察に通報した高沢さんは「猫を狙った可能性があるが、散歩中の犬や、草地に入った人間がかかることも十分に考えられる」と怒りをにじませます。翌27日に第一発見者のボランティアが西新井警察署にワナを提出し、警察署員や足立区役所職員が現場周辺の状況を確認しました。この河川敷では地域猫が最近相次いで2匹行方不明になっており、高沢さんは「早く犯人を捕まえてほしい。他にもワナが置いてあるかもしれないので、草地などに入る時は十分気を付けてほしい」と呼びかけています。

(捕獲わな、シカ食害対策強化へ:滋賀)
ニホンジカによる食害が深刻化している伊吹山(1、377メートル)で、米原市は今月、5合目と山頂に、シカを捕獲するための本格的なわなを初めて設置した。標高が高いエリアは捕獲が難しかったが、植物がなくなり山肌があらわになる裸地化を食い止める一手にしようと試みる。新たに設置したのは、いずれも入り口を閉める囲いわな、箱わなを山頂に1基ずつ、網のわなを5合目に1基。網のわなは18メートル四方、高さ3メートルで、囲いわななどに比べて間口が広く、シカの警戒心が薄れて効果が見込めるため市は初めて導入した。いずれもカメラで監視し、シカが入ってくれば遠隔で操作して捕獲する。

(レーザー光は牧場の味方、天敵カラス退治:島根)
牧場の乳牛がカラスに襲われる被害を防ごうと、レーザーを使った撃退法が島根県内の牧場で効果を上げている。山陰パナソニック(島根県出雲市)などが開発した製品で、カラスが嫌がる緑色の光を牛舎内に照射しカラスを追い払う仕組み。この防鳥レーザーを導入する動きは県外にも広がっている。島根県西部の山あい、浜田市三隅町にある浜田メイプル牧場。牛舎の柱に設置された機械から発せられる緑色のレーザーが、縦横などの線で天井や牛の体を照らす。牛舎内にカラスの姿は見当たらなかった。同牧場の小松原育三場長は「カラスが少なくなっているのは間違いない。牛の安全は確保されつつある」と満足げだった。このレーザー装置は山陰パナソニックとイベントなどでレーザーを扱う東京の企業が共同開発した。一見、防犯カメラのような見た目だが、首を振りながら丸や四角、リボンなど約10種類の形のレーザーを放射する。半径約30~35メートルまで届き、牛舎内をまんべんなく照らせるように30メートル間隔で設置されている。5分間隔で照射され、視界に緑の光が入ることを嫌ってカラスが逃げていく仕組みという。同牧場の牛舎には計15台が導入されている。年間約1万トンの牛乳を出荷している同牧場。牛舎内に飛来したカラスが食後に寝ている牛の乳房や首を突き、ストレスで乳が出にくくなったり、大量出血する深刻なけがをしたりと被害に頭を悩ませていた。これまでもロケット花火などの「音」でカラスを撃退する対策を取っていた。しかし、小松原場長は「一瞬は逃げても(音を)聞き慣れてすぐに戻ってくる。何かしないといけないから効果がなくてもやっていた」といい、学習能力の高いカラスの存在は牧場にとってまさに天敵だった。そんな中、山陰パナソニックのソリューション営業グループの農業担当、渡部昭彦主任は各地の牧場がカラス被害に苦労していることを耳にしていた。渡部主任は「緑色のレーザーの光によってカラスは自分が攻撃されているような意識に変わる」という情報をインターネットなどで集めた。「単純なレーザーではなく、カラスが慣れないように形を変えたりタイミングを変えたりできるものが作れないだろうか」と東京の企業に話を持ちかけた。試作品が完成し22年5月から3カ月間、同牧場の牛舎でレーザー2台を使った実証実験を始めた。カメラ映像でレーザーの設置前と比較すると、カラスの数は大幅に減っていることが確認でき、同牧場にレーザーを本格導入することが決まった。小松原場長は「牛が傷つけられ乳量が落ちるのは、物価高騰で飼料も上がる中での経営に追い打ちをかける。1頭でも2頭でも助けてやりたい」と力を込める。レーザー装置は1台約20万円。レーザーによる効果が証明されたことで、現在は6道県の10牧場にまで機器の導入が広がっている。山陰パナソニックにとって鳥獣害対策は今回が初の試みだったが、手応えは十分だった。渡部主任は「(レーザーは)果樹園などの明るいところでは効果が薄いので、屋外でも効果があるのも考えてみたい」と農家の悩み解決に向けて意気込んでいる。

(市街地にイノシシ出没増、自治体職員らが対応技術学ぶ:愛媛)
イノシシが市街地に出没する事例が近年増えていることを受け、適切な対応を学ぶ講習会が27日、愛媛県松山市内であった。県や15市町の職員と県猟友会メンバー計32人が専門家の助言やシミュレーション訓練を通し、緊急時の在り方を考えた。野生動物保護管理事務所関西支社(神戸市)の岸本真弓シニアマネージャー(61)が講演。人身事故の防止を最優先に掲げ、住民の安全を確保▽イノシシの状況を把握▽空き地などに追い込んで捕獲-の各作業を分担して、安全で確実に実行してほしいとした。イノシシはおびえると人に向かってくる性質があり、鋭い牙による死亡事例もあるため「必ずチームで対応し、盾や防具を装着すべきだ」と強調した。

(“イノシシ”に遭遇したらどうすればいい?:愛媛)
実りの秋を迎えるこれからの時期、例年県内で増加傾向なのが、イノシシによる被害です。もし、イノシシに遭遇したらどう対応すればいいのか?①大きく手を振る②スマホのライトを向ける③背中を見せず、後ずさり。この中に正解があります。どれでしょうか?(講習)「イノシシに襲われたらイノシシに勝てる訳がありません。大ケガをする確率が非常に高い」。きょう、県水産会館でイノシシへの対応講習を受けたのは、県や市町の職員およそ30人です。市街地などにイノシシが出没した場合に、自治体職員として安全で的確に対応ができるよう、イノシシの生態や捕獲に必要な装備などを学びました。野生動物保護管理事務所 岸本真弓さん:「子育てが終わってきて、オスの個体が親から離れて行動するような時期に入っていくと思います」。昨年度、県内の野生鳥獣による農作物の被害額はおよそ3億6800万円。このうち、57%がイノシシによる被害で、作物別では柑橘やぶどうなど果物が75%を占め、最も高くなっています。県によると、ここ数年の被害額は高止まりの状態で、昨年度は県内で6人がイノシシによってケガをしました。岸本さん:「体の大きさよりも牙が凶器になりますので、オスの方が大きな牙でナイフに使えるくらい鋭いので当たっただけですごく切れちゃいます」。もし、イノシシに遭遇したらどんな行動をとるべきなのでしょう?(岸本さん実演)「こういう風に下がって、さようなら」。背中を見せないように、静かに、後退り。ゆっくりとその場を離れて下さい。とにかくイノシシを興奮させないことが重要で、追いかけたり、背中を見せて慌てて逃げたりするのは禁物です。また、イノシシを寄せ付けないために、野菜くずや残飯などの生ごみを屋外に放置しないことも重要です。岸本さん:「例えば松山市内のような街中に出てきてしまったら、帰る道が分からないのでひたすらパニックになって走り回って、人がいたらぶつかってケガさせてということになりますので、そういうところに出さないことが大事。川なんかで見た時に上流側から下流側に向かって人が騒ぐと下流に行ってしまう、下流すなわち人がたくさん住んでいるところなので、そういうことはやめてほしい」。県は、イノシシを目撃した場合は、各市町の担当課に、身の危険を感じ緊急を要する場合は警察に連絡してほしいとしています。

(「ドローン」を活用した生態分析で「イノシシ」の被害を防ぐ:韓国)
韓国環境部(省)所属の国立生物資源館は26日「先端無人機(ドローン)により、韓国の山地に適した ”イノシシ探知標準化技法”を開発し、ライダー(LiDAR)センサーを活用した3次元の生息空間を構築した」と明らかにした。「ライダー」とは、パルスレーザーを発射してその光が対象物体に反射し戻ってくる時間により物体との距離を測定し、物体の形状を立体的にイメージ化する技術のことをいう。国立生物資源館は、今回のドローンを活用した生態分析により、イノシシの正確な位置情報を確保し、これを基にイノシシの移動や摂食活動・休息地など、生息の特性を正確に把握することができるようになった。また国立生物資源館は、先端センサーを搭載したドローンによるイノシシ探知標準化技法を開発することで、イノシシの分布測定(モニタリング)および生息地分析研究に拍車をかけ、野生のイノシシの被害を先制的に減らす方法を見出す計画である。国立生物資源館のソ・ミンファン館長は「ドローンを活用して、急傾斜地のような接近の危険または不可能な地域におけるイノシシの生息密度を把握し、現場調査に基づいた生息密度の結果を補完することができるだろう」と語った。

(会社敷地内でクマ目撃、従業員帰宅できず:北海道)
27日午後8時50分ごろ、美唄市光珠内町南の製造業「北海道日油」の敷地内で、従業員がクマ1頭を目撃し、美唄署に通報した。同署によると、敷地内にいた従業員6人は事務所に避難した。6人は同署員が敷地内の安全を確認するまで帰宅を見合わせており、28日朝まで事務所で過ごすことになった。

(クマが家庭菜園のトマト食い荒らしたか:北海道)
27日朝、北海道浦河町の住宅で畑が荒らされる被害が見つかりました。近くにクマの足跡もあり、警察などはクマによるものとみて警戒しています。午前6時ごろ、浦河町荻伏町(おぎふしちょう)の住宅の畑で栽培していたトマトなどが食い荒らされた痕と、近くにおよそ16センチのクマの足跡があるのを住人が見つけました。被害があった畑は小学校から100メートルほどの場所で、27日午後には見守り下校も行われました。付近では今月14日にもクマの目撃が相次いでいて、町は畑を荒らしたクマと同じ個体とみています。警察や道は、現場の畑にカメラを取りつけるなど警戒にあたっています。

(住宅街で新聞配達員がクマ3頭を目撃:北海道)
26日にクマが目撃された札幌・西区の住宅街では27日の朝も3頭のクマが目撃されていて、付近の小学校では見守り登校が行われました。27日午前4時頃、札幌市西区山の手7条8丁目の住宅街で新聞配達をしていた人が「クマ3頭を目撃した」と警察に通報しました。1m60cmくらいのクマ1頭と70から80cmくらいの子グマ2頭だったということです。周辺では26日午後7時すぎにもクマ3頭が目撃されていました。付近の小学校では27日朝、見守り登校が行われました。警察は通学時間帯の警戒を強化して対応にあたっています。

(「畑でクマ4頭」住民が目撃:宮城)
27日朝、宮城県村田町の畑でクマ4頭が目撃され、警察が注意を呼びかけていますクマが目撃されたのは、村田町小泉の畑です。警察によりますと、27日午前8時半ごろ、体長1.5メートルほどのクマ1頭と、いずれも体長1メートルほどのクマ3頭の、あわせてクマ4頭が畑にいるのを近くに住む人が目撃しました。その後、クマは山林に入っていったということです。人的被害や周辺の作物が荒らされるなどの被害は確認されていません。警察によりますと、4頭のクマが一度に目撃されるのは、宮城県内では珍しいケースだということです。クマが目撃されたのは、山や田畑に囲まれた住宅が点在する地域で、警察は付近の住民に注意を呼びかけています。

(小学校の敷地でクマのフン、集団登下校など警戒態勢:福井)
26日、勝山市の小学校の敷地内でクマのフンが見つかり、27日朝、子どもたちの集団登校に保護者が付き添ったり警察がパトロールしたりして、クマへの警戒態勢がとられています。勝山市の中心部にある成器西小学校では、26日午後、敷地内でクマのフンが確認されました。これを受けて、小学校周辺では、クマへの警戒が強化され、27日朝、警察官が登校時間にあわせて学校のまわりをパトロールしました。また、通学路では地域の見守り隊の人たちが警戒にあたる中、子どもたちの集団登校には保護者が付き添う姿がみられました。集団登校に付き添った保護者の1人は「学校からのメールでクマのことを知りました。ことしはクマがたくさん出ると聞いているので気をつけたいと思います」と話していました。クマに警戒するため、この小学校では、下校時は当面、教職員が付き添って学年ごとに集団下校することにしています。県によりますと県内ではことし4月以降、26日までにクマが目撃されたり、足跡やフンなどの痕跡が確認されたりした出没件数は、281件と去年の同じ時期と比べて100件以上増えています。また、9月の出没件数は49件と、25件だった去年9月の2倍近くに増えています。このうち、勝山市のクマの出没件数は30件と、去年の3倍にのぼっているということです。ことしはクマのえさとなる木の実が例年以上の不作となっているということで、県は、冬眠前のクマがえさを求めて人里に現れるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

(ジビエ、じわり復調)
「ジビエ」と呼ばれる野生鳥獣の肉を食用に活用する動きが再び広がりをみせてきた。農林水産省がまとめた最新の資料によると、2021年度の利用量は前年度比18%増の2127トンと2年ぶりに前の年度を上回り、5年前の16年度より7割多い水準に達した。シカを中心に捕獲頭数が増え続けたほか、新型コロナウイルス禍による外食需要の回復が背景だ。

(道東シカ肉安定供給へ:北海道)
来年11月、釧路市益浦に道内最大級のエゾシカの加工工場を新設する食肉製造販売の川島食品(東京)。

(ジビエメニューが「ベックスコーヒーショップ」で期間限定販売中)
JR東日本クロスステーション フーズカンパニーが運営するエキナカカフェ「ベックスコーヒーショップ」が、14年連続でジビエメニュー体験ができる期間限定メニューとして、スパイシーな「国産ジビエ 鹿肉カレー」をライスメニュー取り扱い55店舗で2023年9月26日(火)から販売します。なくなり次第終了です。「国産ジビエ 鹿肉カレー」は、農林水産省が2018年に制定した「国産ジビエ認証」を取得した安全・安心な「鹿肉」をミンチしてからソテー。ヘルシーな食材である鹿肉は、牛肉と比べると、脂質は6分の1と低い一方高たんぱくでエネルギーが半分。鉄分は2倍です。スパイシー感のあるキーマカレーをイメージし、キャラウェイシードやクミンシードの食感が楽しめます。赤ワインとチャツネで甘味を表現し、鹿肉の旨味とマッチした深みのある味わいです。「おいしいジビエを日本の食文化として普及させ、地域に貢献する」を理念に、各地でジビエ料理講習会や美味しいジビエのための解体講習会を実施している一般社団法人日本ジビエ振興協会の代表理事で、長野県茅野市の「オーベルジュ・エスポワール」オーナーシェフでもある藤木徳彦氏が監修しています。JR東日本クロスステーション フーズカンパニーでは、2010年からジビエメニューの開発販売を行っており、今年で14年目です。野生鳥獣による農作物被害額は2021年度に155億円にも達して依然として多く、昨年に続く「国産ジビエ 鹿肉カレー」の販売を通じ、食資源としてのジビエの利活用拡大に協力するとしています。販売目標数は約15,000食です。

(野生シカ肉、食用へ一歩:群馬)
東京電力福島第1原発事故を受けた野生シカ肉の出荷制限が一部解除になり、15日から食用としての出荷が再開された。23日に群馬県みどり市のイベントで来場者に振る舞われ、県産ジビエを使った取り組みが動き出した。振る舞われたのは、65度の低温で2時間かけて仕上げたシカ肉のローストなど。呼び込みの声に来場者が列を作った。家族4人で訪れた栃木県足利市小俣の大須賀香さん(37)は「味にクセもなく、おいしかった。煮込み系なら子どもも喜びそう」となかなかの評価だ。県産シカ肉の出荷制限は2012年11月、原子力災害対策特別措置法に基づき始まった。今年8月18日から県が定めた方針に基づき管理される場合は出荷可能となり、高崎市の箕輪(きりん)フーズを対象施設として制限が一部解除された。取り扱い個体を全頭管理し、基準値(1キログラム当たり100ベクレル以下)を下回ることが条件となる。イベントで提供された肉は、9月12日に捕獲された2頭分で、15日に出荷された。ジビエは食を通じた地域振興のほかに、捕獲を通じて農林業への被害を軽減することへの効果も期待される。県がまとめた22年度の野生鳥獣による農林被害額(速報値)は、4億9995万円。このうちシカによる被害は44%を占め、獣種別で最も多くなっている。捕獲数は震災以降1万3488頭に上るが、被害は依然として多く、引き続き捕獲強化が必要という。みどり市農林課の赤石光史課長は「これまで焼却するしかなかったシカ肉が、一部とはいえ食用に役立てられる。捕獲への意欲が高まり、被害の軽減につながれば」と期待する。箕輪フーズを通じた出荷には、みどり市と高崎市が参加し、年内は100頭、来年以降は年300頭の出荷が見込まれている。イベントで料理を提供した居酒屋呑々(みどり市)の須永祐司代表(39)は「飲食店側も仲間を増やして協力していきたい」と話していた。

(イノシシ肉のピザやシカの角の小物作り:新潟)
近年、里山に多く出没するようになった野生動物について楽しく学ぶ「ケモノまつり」が、新潟県柏崎市の柏崎・夢の森公園で開かれた。多くの家族連れらが訪れ、イノシシの肉を使ったピザ作りや、鹿角を使ったアクセサリー作りなどを通して、けものについて理解を深めた。田畑などに深刻な被害をもたらしている獣害について関心を持ってもらおうと、夢の森公園が9月16~18日の3日間に開いた。

(駆除した命、有効活用を:北海道)
道内のエゾシカの推定生息数は約70万頭とされ、山間部だけでなく、市街地にまで姿をみせるようになった。50年以上、エゾシカなどの野生生物の狩猟を続け、その肉を使ったジビエ料理の商品化にも取り組む、北海道猟友会室蘭支部の猟師伊奈信也さん(77)に人間と野生生物との共存や駆除した動物の活用方法を聞いた。

(熊の目撃情報:宮城)
28日午前11時頃、登米市東和町錦織字馬口窪地内(錦織5区行政区)にて、熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、28日午後0時10分ごろ、栗原市栗駒沼倉城内にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、28日午前6時40分ごろ、色麻町王城寺八原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、27日午後5時ごろ、栗原市築館萩沢佐内屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日、仙台市青葉区向田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、27日午前8時30分ごろ、村田町小泉荒芳賀の畑にクマが出没しました。

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(3頭に襲われ2人重軽傷、県内でクマ出没急増:青森)
青森・黒石市で25日、女性2人がリンゴ畑でクマに襲われ、重軽傷を負った。25日午後4時半ごろ、黒石市南中野のリンゴ畑で農作業をしていた68歳と69歳の女性2人が休憩していたところ、道路の反対側にクマ3頭が現れ、突然、道を横断して襲いかかってきたという。68歳の女性が頭や耳などをひっかかれたほか、右の人さし指をかまれて骨折し、全治3カ月の重傷を負った。69歳の女性は、頭や左耳をひっかかれ擦り傷を負い、全治2週間の軽傷。2023年、青森県内ではクマの出没件数が9月21日時点で475件にのぼり、2022年の同じ時期に比べ、200件増えている。警察や市役所は住民に注意喚起を行っている。

(クマに襲われ、見回り中の猟友会男性けが:秋田)
26日未明から早朝までの間、秋田県大館市比内町の味噌内から独狐にかけての林道で、山林を見回り中の同市比内町の農業男性(82)がクマに襲われて顔や手脚を負傷し、市内の病院に搬送された。命に別条はない。大館署によると、男性は1人で車を運転し、山林を見回る仲間との集合場所に向かう途中だった。何らかの理由で車から降り、クマに襲われたとみられる。左右の膝や左足首、右手の甲などにかまれた傷があるほか、頭部左側に裂傷を負った。男性は車で自宅に戻り、家族が午前5時20分ごろに119番した。

(軽トラの陰からクマ、70代男性が足を引っかかれる:福島)
24日午後9時10分頃、福島県会津美里町で、70歳代男性が自宅敷地内でクマ(体長約1メートル)に右脚を引っかかれ、軽傷を負った。会津若松署の発表によると、男性が母屋から出て敷地内の小屋に向かおうとしたところ、止めていた軽トラックの陰からクマが飛び出してきたという。男性が抵抗するとクマは逃げたといい、同署が現場付近でパトロールを行って注意を呼びかけている。

(ツキノワグマ出没警報、来月末まで延長:秋田)
県内では、クマに襲われてけがをした人が今月も相次ぎ、過去最多を更新していることから、県は今月末までとしていた「ツキノワグマ出没警報」を来月末まで1か月間延長し、引き続き、警戒を呼びかけることにしています。県のまとめによりますと、県内でことし、クマに襲われてけがをした人は24日までに25人にのぼり、去年1年間の4倍あまりで、記録が残る昭和54年度以降で最も多くなっています。県は5月、県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出し今月末までを期限に警戒を呼びかけてきましたが、今月だけでも1か月としてはこれまでで最も多い13人がけがをしていることから、来月末まで1か月間、警報を延長することを決めました。県は、クマのエサとなるブナの実がことしは「大凶作」で、冬眠を前に食べ物を求めてクマの行動範囲が広がることで今後も人身被害の発生が続くおそれがあるとしています。県は、「ことしは特に、『いつでも・どこでも・誰でも』クマに遭遇するリスクがある」として、山林に入る際はクマと出会わないよう鈴やラジオなどで音を出し、人の存在をアピールすることや集落にクマを寄せつけないよう屋外に生ゴミを捨てたり放置したりしないよう呼びかけています。

(ハンターが出動し猟銃3発発射、ヒグマ1頭を「駆除」:北海道)
9月24日から25日にかけクマの出没が相次いでいた札幌市南区で25日午後、クマ1頭が駆除されました。札幌市南区で25日午後1時50分ごろ、出動したハンターがクマ1頭を駆除しました。札幌市によりますと、駆除されたのはメスの個体で、年齢2~3歳、体長は1.3メートルほどでした。駆除された現場は、東海大学札幌キャンパスの敷地内でした。東海大学付属札幌高校では25日、生徒の安全を考え臨時休校の措置をとるなど影響が出ていました。

(現れたヒグマ集団、専門家「クマが人の社会に適応してきた」:北海道)
札幌市民や国内外の観光客に人気の藻岩山(531メートル)。その山頂付近で、周辺に「親子のヒグマが4~5頭いた」との通報があったのは6月20日だった。翌日、付近を訪れると「市民スキー場入り口付近でヒグマの目撃情報があります」と注意を呼びかける看板が立っていた。札幌市の会社員男性(59)は「最近、人里近くでのクマの目撃情報が本当に多い。怖い」と語った。197万人が暮らす札幌市では、近郊で育った「アーバン・ベア」が恒常的に市街地に現れる脅威が年々高まっている。2021年には、藻岩山がある南区とは対角に位置し、山林には接していない東区の住宅地にヒグマが出没し、4人が負傷した。22年3月には札幌駅から西へ6キロほどの三角山で、冬眠穴を調査していた男性2人が襲われた。23年の出没数は7月末時点で133件に上り、過去10年で最多のペースだ。アーバン・ベアに関する著書がある酪農学園大学の佐藤喜和教授によると、札幌市では、2000年代からヒグマが市街地に出没し始めた。10年代になると恒常化し、市街地内部への侵入も目立つようになった。こうした事態は今年さらに深刻化したという。特徴として、同じ個体が繰り返し出没するだけではなく、複数のグループが市内各地で同時に出没する。都市近郊で生まれ育つことで、人を見ても逃げない個体が育っている傾向があるという。人口減少と高齢化が加速する道内では、農業や狩猟人口も減少。市街地周辺の農地で活動する人が減り、人を恐れなくなったヒグマが住宅地付近に生息地を広げている。人口減少局面に入った札幌市も例外ではなく、佐藤教授は「ヒグマが人の社会に適応してきている」と警鐘を鳴らす。

(クマ食害、出没警報延長:秋田)
県内で25日、クマによるとみられる食害が相次いだ。県警によると、昨年同期と比べ、4倍以上の件数の食害が確認されている。井川町井内の農作業小屋で午前5時40分頃、収穫したばかりのあきたこまち新米の袋3袋が食い荒らされているのを、持ち主の40歳代男性が発見した。五城目署によると、無施錠の勝手口が開けられ、袋に爪痕が残っていたという。秋田市河辺北野田高屋の住宅では午前6時頃、敷地にある栗の枝が折られ、実が食い荒らされているのを住人の80歳代男性が発見した。秋田東署によると、近くの住宅では24日にもクマによるとみられる栗を食い荒らした跡があった。県警地域課によると、24日時点の食害は70件で、昨年同期の15件を大幅に上回っている。県は25日、ツキノワグマ出没警報を10月31日まで延長すると発表した。

(ピザを食べるヒグマ、民家の庭に出没:北海道)
ユーチューブで流れたのは、札幌市南区の森林でピザを食べるヒグマの姿だった。その直前、イスに座る男性2人の前のテーブルにはピザ2枚とポテトなどが並んでいた。茂みからヒグマが現れると2人は車内に避難し、その後の様子を撮影しながら見守った。周囲の臭いを嗅ぎながら近づくヒグマの後方には3頭の子グマがいた。母親と見られるヒグマは前脚でテーブルを押し倒すと、地面に落ちたピザを食べ、その場から走り去った。テーブル近くではピザとポテトの空き箱が残っていた。札幌市がこの動画を把握したのは5月11日。撮影者側に確認すると、6日前に撮られたものだった。ヒグマと人との距離を縮めるきっかけを作ったとして、撮影者には批判が殺到した。ピザを食べた母グマとその子グマだと、札幌市が見た目や痕跡などから確認した個体はその前後から、市街地での目撃情報が多く寄せられるようになった。札幌市中心部の大通公園からわずか数キロの藻岩山近くにも現れ、7月中旬までに計18回の出没が確認された。

(わなにかかっていた推定1歳のメスクマ、わんぱーくこうちに仲間入り:高知)
高知市のわんぱーくこうちアニマルランドに子どものツキノワグマが仲間入りし、元気な姿を見せています。名前はこれから一般投票で決まります。真っ黒で毛がふわふわとした子どものツキノワグマ。わんぱーくこうちアニマルランドに仲間入りし、26日から一般公開が始まりました。このツキノワグマは山口県でイノシシのわなにかかっていたといい、今年7月、わんぱーくこうちにやってきました。メスで、年齢は推定1歳。体重はおよそ20キロとまだ大型犬ほどの大きさです。一般公開に向け少しずつ慣らしてきたという子どものツキノワグマ。訪れた大勢の来園者の前で、はじめは緊張した様子を見せていましたが、しばらくすると元気に動き回る姿が見られました。(わんぱーくこうちアニマルランド 伊藤秀都さん)「食いしん坊なところもあり、おもちゃの木をすぐに破壊してしまうやんちゃな部分もあります。縦横無尽にどこでも動き回るのでそういったところを見てもらえたら」。ツキノワグマの名前は「マツリ」「チャチャ」「キノ」の3つの中から10月20日まで募集する一般投票で決まります。今後はおじいちゃんのツキノワグマ「ワカ」と交互に展示されるということです。

(実習農場のイノシシ被害防げ:岡山)
井原市と笠岡市にある高校の生徒たちが協力して、高校の農場を野生のイノシシから守るために、箱の形をしたわなをつくり、捕獲に向けて猟友会のメンバーたちと設置しました。井原市上出部町にある井原高校の農場では、生徒たちが野菜や花を栽培していますが、周辺にイノシシが出没するため、溶接技術を持つ笠岡工業高校の力を借りることになりました。8月に完成したわなは、縦・横90センチ、奥行き1.8メートルの箱の形をしていて、中にイノシシが入ると、入り口のパネルが下りてふさがれる仕掛けです。25日、野生動物の対策に詳しい専門家と、わなを管理する猟友会のメンバーが農場を訪れ、2つの高校の生徒あわせて14人に指導しました。そして農場の裏山に移動し、イノシシが竹に体をこすりつけた跡などを探して、近くの木陰にわなを置きました。井原高校の生徒のひとりは「自分も知識を深めて害獣対策に取り組むことができたら将来に役立つと思う」と話していました。また笠岡工業高校の生徒のひとりは「同じ高校生の農場を守るために、さらに工夫をしてイノシシをより捕まえられるよう頑張りたい」と話していました。

(クレー射撃・都道府県対抗団体戦で佐賀県優勝:佐賀)
クレー射撃の都道府県対抗団体戦「クレー射撃フェスティバル」が23、24日、福岡県立総合射撃場であり、4人一組の団体戦で佐賀県(西山さやか、早木良太、池田岬、脇屋昴)が343点で、優勝を飾った。団体戦はトラップとスキートの2種目があり、スキートで脇屋(聖徳ゼロテック)が1位、池田(ひよこ薬局)が2位に入った。

(納屋に保管していた米袋が破られる:岩手)
25日午前、岩手県一関市の住宅敷地内の納屋に保管していた米袋がクマに破られる被害がありました。一関警察署によりますと25日午前8時半ごろ、一関市花泉町の住宅敷地内にある納屋で、保管していた米袋2袋が破られ、米が散乱しているのをこの家に住む80代の男性が見つけました。24日午後6時ころから25日午前8時半ごろの間に被害にあったとみられていて、米袋にはクマに爪で破られたとみられる痕跡がありました。納屋には米袋10袋が保管されていました。25日午前4時ごろ、男性が納屋の扉が開いているのを確認していました。警察が付近の住民に注意を呼びかけています。

(2日連続同じ場所にクマ出没、住宅敷地内のクリの木に計11時間居座る:秋田)
秋田県大館市では24日から25日にかけて、クリの木の近くにクマが長時間居座り続けた。猟友会などがクマを追い払ったが、警察が付近住民に警戒するよう呼び掛けている。 24日午前6時半ごろ、大館市十二所にある住宅敷地内のクリの木のそばで、この家に住む70代男性が体長約50センチのクマ1頭を見つけた。 クマは木に登ったり、クリの実を食べたりして、その場に7時間ほど居座り続けた。  住民:「クマは4本の足をダラッとさせて眠っていた、木の上で。クリを食べて、おなかいっぱいになって、お休みになって、7時間もいた。来た跡はあったけど実際に見たのは今回初めてで、こんなにも長く居るとは」 24日は警察や猟友会など約20人が駆け付け、ごう音玉と呼ばれる火薬を投げ込んでクマを追い払ったが、25日午前7時半ごろ、体長50センチくらいのクマが再び姿を現した。同一のクマとみられている。 25日は約4時間クリの木の上に居座り、猟友会などが花火を使って山へ追い払った。 大館市猟友会大館東支部・畠山功男支部長:「現場にちょうどいいクリの木がある。(また降りてくる可能性は)ある。もしかすると今晩か、あすの朝あたり。いずれ必ずここに来る」 現場は、JR花輪線大滝温泉駅から100メートルほど離れた場所で、警察が住民に警戒を呼び掛けている。

(同一個体か、クマ目撃相次ぐ:北海道)
札幌市南区で同一個体とみられるクマの目撃が相次ぎ、付近の高校は25日、臨時休校の措置をとりました。札幌市南区にある南沢トンネル付近では、24日に大学の職員がクマを目撃したほか、25日も午前7時45分ごろにクマが目撃されました。連絡を受けた札幌市によりますと、目撃されたクマは体長1メートルから1メートル50センチほどで、付近では今月21日から同一個体とみられるクマの目撃が相次いでいるということです。これを受けて近くにある東海大学付属札幌高校は、「生徒の安心安全を第一に考える」として、25日、臨時休校の措置をとりました。また、猟友会のハンターなどが出動し、周囲の捜索を行っています。警察や市は付近の道路の通行を規制するとともに、パトロールを行い住民に注意を呼びかけています。

(内房線イノシシと衝突で運転見合わせ:千葉)
富津市のJR内房線佐貫町-上総湊間で、23日午後11時35分ごろ、千葉発館山行き下り電車(8両編成)がイノシシと衝突し、運転を見合わせた。乗客にけがはなかった。JR千葉支社によると、電車は衝突後、車両点検のため速度を落として上総湊駅まで移動し、同駅と竹岡駅で車両点検を行った。点検を終え46分遅れで運転を再開した。乗客約20人に影響した。

(クマ目撃:北海道)
クマが相次いで目撃されている札幌市南区で24日もクマが目撃され、警察と札幌市は近くの住民に注意するよう呼びかけています。警察や札幌市によりますと24日午後2時半ごろ札幌市南区の南沢トンネルの付近でクマ1頭が目撃され、午後4時ごろには付近を捜索していた市の職員がクマ1頭を目撃したということです。その後、猟友会のハンターなどが周囲を捜索しましたがクマは見つからず、警察が周囲をパトロールをするなどして警戒しています。クマが目撃された場所は小中学校や高校に近く周辺では今月21日以降クマが相次いで目撃されていて、警察や札幌市は今後、クマが再び出没する可能性があるとして近くの住民に注意するよう呼びかけています。

(クマが小動物を追いかけて山の方へ:山口)
25日午後6時半ごろ、山口県下関市豊浦町宇賀でクマの目撃情報がよせられ警察などが注意を呼びかけています。小串警察署の発表によりますと下関市豊浦町宇賀で、目撃者が市道を歩いていたところクマのような動物(体長約1メートル)が小動物を追いかけて山の方に向かっていったということです。現場は、宇賀小学校の南西およそ600メートルの貯水池付近で、警察ではパトカーで警戒するなどし注意を呼びかけています。

(クマの目撃情報、車に気づくと山に逃げ去る:山口)
萩市でクマの目撃情報が寄せられ警察などが注意を呼びかけています。萩警察署の発表によりますと26日午前7時半頃、目撃者が車を運転していたところ前方に体長1メートルのクマを目撃したということです。クマは車に気づくと山に逃げ去ったということです。現場は萩市高佐下の市道毛木山後井線上で、むつみ中学校から北西に約2.6キロのところだということです。警察ではパトカーで広報するなどし注意を呼びかけています。

(学生がジビエイベント:長野)
根羽村の義務教育学校根羽学園9年生2人が、ジビエを中心に地域食材を使った料理を提供する「ジビエで村を救うレストランイベント」を、11月12日に同村の地域交流拠点「くりや」で開く企画を進めている。料理を担当するのは、レストラン「Barca.(バルカ)」(愛知県東郷町)の代表堀江政史さん(44)。生徒と専門家のタッグで根羽の魅力を村外にアピールする。25日、くりやで打ち合わせをした。同校の前田積志さん(14)と片桐悠晟さん(14)が、「村内に若い人、働いてくれる人が少なくなっている。何とかしたい」「野生鳥獣の肉が捨てられてしまうことも多い。現状を変えたい」と企画を発案。昨年度からインスタグラムで協力事業所を探したり、自分たちでジビエ料理の調理・試食をしたりしてきた。

(こころうたれる焼肉:和歌山)
山や川の恵みにあふれる古座川町。鳥獣による農作物被害に悩まされてきたが、捕獲しても地元だけでは消費し切れない。しかし「いただいた命」を無駄にはできない――。そんな思いが凝縮されたのが「古座川ジビエ山の光工房」だ。ジビエとは狩猟の対象となる野生鳥獣の肉のこと。工房は2015年に町の施設として設立され、精肉を飲食店に卸す業務からスタート。18年からは加工品を消費者にオンライン販売している。スタッフは鈴木貴裕施設長(36)ら3人だ。ここには二つの強みがある。まずは猟師との密接な関係。同町を含む近隣1市4町の猟師約100人が登録し、獲物が捕れたらすぐに連絡が来て、2時間以内に搬入する。年間約500頭を受け入れ、鹿とイノシシが7対3の割合。秋~冬の猟期には十数頭を受け入れる日もある。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、26日午前10時45分ごろ、栗原市瀬峰大鰐谷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午後10時10分ごろ、富谷市一ノ関川又山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、25日午後1時30分ごろ、栗原市金成有壁狼ノ掛にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、25日午後2時ごろ、白石市小原下荒屋敷の住宅にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後8時40分ごろ、仙台市泉区福岡平場にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、25日午前6時30分ごろ、色麻町大原地区にクマが出没しました。

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(散歩中の女性2人、クマに襲われけが:秋田)
21日朝早く、秋田県大館市と鹿角市で、それぞれ散歩中の女性がクマに襲われけがをした。いずれも意識はあり、命に別条はない。21日午前7時ごろ、大館市比内町扇田の道路上で、近くに住む80代の女性が散歩していたところ、体長1メートルのクマ1頭に襲われた。女性は頭と顔を引っかかれ、自力で近くの病院に助けを求めた。その後、市内の別の病院に搬送されたが、意識はあり会話はできている。同じ場所で、9月6日に87歳の男性がクマに襲われけがをしている。また、鹿角市十和田末広でも21日午前6時ごろ、散歩中の63歳の女性がクマに襲われ頭や腕などをけがをした。命に別条はない。現場は、旧末広小学校から南西に150メートルの市道。秋田県内で2023年、クマに襲われてけがをした人はこれで25人で、過去最多を更新した。

(クマに襲われる被害2件:岩手)
岩手県内で23日、住宅の庭や雑木林で住人がクマに襲われ、顔などをひっかかれる被害が2件あった。いずれもけがを負ったが自力で自宅に戻り、家人らが通報した。田野畑村真木沢では午後0時20分ごろ、住宅敷地内の雑木林で住人の女性(69)がクマに顔や頭などをひっかかれた。岩泉署によると、女性は意識があり会話ができる状態。遭遇したのは親子とみられるクマ2頭だったという。午後4時50分ごろには久慈市山形町の住宅の庭で作業をしていた男性(87)が襲われ、顔や胸、腕など4カ所に軽傷を負った。久慈署によると、襲ったのは体長約1メートルの成獣とみられる。

(クマ被害注意呼び掛け、最悪ペース)
クマによる人身被害が4~7月で54件に上り、データがある2007年度以降最悪のペースで進んでいる。今年は食料のドングリ不足が懸念されており、秋の行楽シーズンで山を訪れる人が増えることから、環境省は「山中ではクマよけの鈴を着けるなど安全対策を忘れないで」と呼び掛ける。人身被害はけがや死亡の件数を集計。4~7月の54件は17年度の50件を上回り、最多だった。今年度(4~7月)の出没件数は7967件と直近の5年間で2番目に多く、通報されていないものも相当あるとみられる。通常、クマの餌は虫や魚など幅広いが、冬眠に備える秋はドングリを中心に大量に食べる。同省鳥獣保護管理室の担当者は「今年は東北を中心にドングリが不作。食料が足りずに山から人里へ下りてくると、人身被害の件数が跳ね上がる可能性がある」と懸念する。山菜取りなどで山に入る際は一層注意が必要で、クマよけの鈴や話し声、蚊取り線香などで人間の存在を示すことが対策になる。「爪痕やふんがあれば引き返すことも考えてほしい」(先の担当者)。遭遇した際はクマから目を離さず、ゆっくり後退する。走ったり大声を出したりすると刺激し、突進される可能性が高まるという。一方、都市部と隣接する森で育ったクマは人を警戒しない「アーバンベア」と呼ばれ、北海道では札幌市などで出没事例が報告されている。道では、家畜の牛を多数襲い7月に駆除された大型ヒグマ「OSO(オソ)18」が酪農家らを不安に陥れたが、警戒心が強く人前に姿を見せなかった。環境省担当者は「森に潜んでいたオソ18のような個体よりもアーバンベアの方が人を襲う可能性があり、本当は怖い」と警鐘を鳴らす。同省は、都市部への出没を防ぐため▽クマが身を隠せる竹やぶなどを伐採する▽野菜を畑に放置しない―などが重要としている。

(「ツキノワグマ出没警報」:福島)
今月に入って県内でクマの目撃情報や人が襲われる被害が相次いだことから、福島県は中通りと会津に「ツキノワグマ出没警報」を出して一層の注意を呼びかけています。福島県はことし、クマのエサとなるブナの実が大凶作となる見込みで、人的被害の発生が懸念されることから、今月1日、県内全域に「ツキノワグマ出没特別注意報」を出しています。その後、クマの目撃情報が相次いだうえ、13日に金山町で、14日に檜枝岐村で、住民やキノコ採りに訪れた人が襲われる被害があわせて2件発生しました。今年度のクマによる人的被害は、記録が残っている平成10年度以降で2番目に多い11件に上っていて、県は中通りと会津を対象に11月末までの期間、「ツキノワグマ出没警報」を出して、より一層の注意を呼びかけています。県自然保護課は「秋の行楽シーズンに入り、キノコ採りや登山で山林に立ち入る機会が増えると予想されるうえ、住宅周辺でクマに襲われる事案も頻発している」としたうえで、鈴やラジオを携帯するほか、夜間や早朝には山林近くでの散歩や農作業を控えるなど、油断せずクマと出会わない行動を取るよう呼びかけています。

(人間と野生動物のトラブル解消担うハンター、苦悩する"現場"実態を知って欲しい:北海道)
人間と野生動物のトラブル解消を担っているハンターが今、いわれのない批判にさらされています。住人の為にやっているのになぜ批判を受けるのか。苦悩する現場を取材しました。「デントコーンを今クマが漁っているのではないか。デントコーン刈りしている最中にクマ飛び出してくる」。北海道東部の厚岸町のハンター・根布谷昌男さんです。普段は農作物に被害を及ぼすシカを捕獲していますが、人に危害を加える恐れのあるクマが出没した場合には自治体から特別に許可を受け、捕獲します。この日は、息子と捕獲に出ている途中、牧草地でシカを発見しました。約300メートル先のシカを1発で仕留めました。捕獲数を管理するため、シカの写真を撮影し、役場に提出します。「大体300m以内なら外すことはない。いま(酪農家は)飼料づくりをしているから、そういう意味では、いっぱいとってあげたいんだけど、大変だよね。クマも入ってくるだろうし」(北海道猟友会 厚岸支部 根布谷 昌男さん)。厚岸町では、クマやシカによる被害が深刻です。酪農地帯が広がる内陸部では、牧草地にシカが入り込み、牧草や牧草ロールを食べ、年間の被害額は1億5千万円にのぼります。「おそらくここでクマが寝ていたんだと思う。クマもここで2回みてるんだよね。しょっちゅうここに来るんだけどなかなか姿を見せてくれないんだよね」(根布谷さん)。中でもクマの被害は深刻です。農業被害はもちろん、厚岸町では過去5年間で、人がクマに襲われる事故が3件発生し、1人が死亡しました。こうした人や家畜を襲う問題個体の捕獲もハンターが担っていますが、そのハンターが批判にさらされています。標茶町や厚岸町の牧場で66頭の牛を襲い、2023年7月に駆除された「OSO18」。駆除をめぐり、ハンターや自治体に「なぜ殺したのか」、「かわいそう」など苦情の電話が数十件ありました。報告を受けた猟友会標茶支部の後藤勲支部長は、批判に対し、クマとの共生の難しさを訴えます。「標茶でこれだけ牛の被害があるようなところに来て、生活して、実態を見てくれと言いたいです。我々もおもしろ半分にクマを撃っているわけではないから」(北海道猟友会標茶支部 後藤 勲 支部長)。後藤支部長はこうした状況がハンターの萎縮やなり手不足につながると懸念し、道の会議で抗議や誹謗中傷への対策を求めました。道の担当者は「ハンターを守る体制を検討したい」としました。「クマをとって、批判されるのであれば(ハンターを)辞めると。当然そうなるわけですよ、鉄砲持たなくなるわけよ。そしたらこれからの将来どうなるのかと」。そのほかにもハンターを悩ませる問題があります。「これがいま使われている主流の3種類、この弾が倍くらいになっている。1個の弾で千円くらい。昔は600円。」(根布谷さん)。銃弾の価格高騰です。アメリカやヨーロッパからの輸入に依存している銃弾は、コロナ禍で供給網が混乱したうえ、ウクライナ情勢や円安も重なり価格が跳ね上がりました。影響が長期化するとクマやシカの捕獲にも支障が出かねず、なり手不足にも拍車がかかるのではと懸念しています。「どうしようもない。ただお金がかかるばかりであって。シカばかりではなくてクマによって牛襲われたり、人が襲われたりすることがあるので、ハンターの力を借りないとどうしようもない部分がある」(根布谷さん)。地域の住人、そして道民のために働くハンター。正しい理解とハンターを守る対策が求められます。

(シカ捕獲過去最多の昨年並み:気仙沼)
気仙沼市と市鳥獣被害対策実施隊が本年度、有害鳥獣としてわなで捕獲したニホンジカが、8月末現在で545頭と過去最多だった前年度同期とほぼ横ばいとなった。これからが繁殖期で活動が活発になるため、一層の捕獲に努めることにしている。イノシシは同数の22頭だが、全域で目撃例があることから生息域が着実に拡大しているとみられる。市農林課によると、捕獲は5月にスタート。シカとイノシシ合わせて5月に129頭、6月に208頭、7月に149頭で前年度を上回るペースだった。8月は81頭にとどまり、「暑さで動物の動きが鈍ったのでは」(農林課)という。地区別では、シカは新月の189頭が最多。鹿折も169頭で100頭を超えた。本吉の112頭だった。本年度から担当地区にかかわらず手薄な地区に携わるようになり、大島では前年度同期の4頭から21頭に増加した。イノシシは、本吉が全体の8割を占める18頭に上り、新月で3頭、唐桑でも1頭を捕獲した。同課は「イノシシは岩手県境から広がってきている。目立った被害はあまりないが、目撃は増えており警戒が必要。シカはこれからが繁殖期なので、捕獲で一層の被害防止を図りたい」と話している。

(クマ捕獲数伸びず、マンパワー不足:秋田)
秋田県は21日の県議会福祉環境委員会で、2023年度に捕獲したツキノワグマが18日時点で579頭に上ったと明らかにした。ただ、捕獲枠上限の36・6%にとどまり、出没多発を食い止める状況にはなっていない。県はマンパワー不足が原因と説明した。クマの大量出没を踏まえ、県は22年度、国の指針に基づき推定生息数の12%としてきた捕獲枠上限を23%へ引き上げた。20年4月時点の推定生息数(4400頭)を基に、上限を年間1012頭と定めた。

(クマの大量出没、今秋は“可能性低い”予測:石川)
石川県は、ことし秋のクマの大量出没の可能性は低いと予測する一方で、冬眠前で活動が活発になることから対策を徹底するよう呼びかけています。石川県は21日、自治体や猟友会などとツキノワグマに関する連絡会議を開きました。このなかで県の担当者はクマのエサとなる木の実について、ブナ、ミズナラ、コナラのなり具合はいずれも「並作」だと説明しました。このため、ことし秋にクマが大量出没する可能性は低いと予測しています。一方で、冬眠前のクマはエサを求めて活動が活発になることから、注意が必要だとしています。具体的な対策としては、人里近くでの目撃が増えていることを踏まえ、生ごみやペットフードといったクマを引き寄せるものを屋外に放置しないことなどを改めて呼びかけています。また、これから行楽シーズンとなることから、紅葉狩りや山菜採りなどで山に入る場合は十分に注意するよう呼びかけています。石川県自然環境課の野上達也課長補佐は「山に入る時は複数人で、かつラジオや鈴など音の出るものを持つなど対策をとってほしい」と話していました。

(イノシシ出没時、捕獲方法を伝授:香川)
イノシシが市街地に出没しやすい秋を迎え、県は20日、現場で対応する市町職員や警察官、実際に捕獲に当たる市町鳥獣被害対策実施隊の隊員らを対象にした研修会を開催した。

(タイワンリスの被害増:神奈川)
寺院や公園、緑地など市内各地で生息が確認されているタイワンリス(日本名・クリハラリス)。かわいらしい見た目と、餌を両手に持って食べる様子から、観光客が写真に収める姿も見られる。一方で、果実を食べたり、電線をかじったりする被害が後を絶たず、国の特定外来生物に指定されている。増加するタイワンリスの被害とその対策について、鎌倉の現状を追った。タイワンリスによる主な被害は、みかんや柚子などの果実への食害や、樹皮剥ぎ、電線をかじるなど。国によると、タイワンリスは1930年以降にペットや動物園などで飼育されていた個体が、逃げ出したり放たれたりしたことにより野生化。全国各地に生息地を広げ、現在は神奈川のほかに静岡県や岐阜県、大阪府、長崎県などで点在している。繁殖力が高く、個体数が増加したことで生活環境への被害に留まらず、生態系への深刻な影響が懸念される。国はタイワンリスを外来生物法による特定外来生物に指定。鎌倉市でも、2009年度にタイワンリス防除実施計画を策定し、市民らへ捕獲器の貸し出しを実施。捕獲後の個体は市が回収し、処分している。

(「カワウ」退治の対策あれこれ:宮崎)
宮崎県内で漁が盛んなアユの、捕食被害についてです。五ヶ瀬川漁協でのアユの漁獲量の推移です。およそ20年前、2002年には9トンを超えていた時期もありましたが、それ以降、減少傾向で、去年は2トンとなっています。アユの漁獲量が減っている原因のひとつで、今、関係者を悩ませているのが、「カワウ」という野鳥による捕食被害です。全国で対策に苦慮する中、県内で、新たな取り組みも始まっています。アユ漁の名所となっている県内。近年、ある生物が漁業関係者の頭を悩ませている。それがアユを捕食する野鳥、カワウだ。体長が80センチほどあり潜水が得意なカワウは全国に分布していて、1日あたり500グラムの魚を捕食するといわれている。19日、宮崎市で開かれた講演会。テーマは、「宮崎県で今やるべきアユ資源管理とカワウ対策」だ。おととしは、全国で93億円に上ったと推定されているカワウによる被害。対策の1つが駆除で、県内水面漁連によると、県内の河川での駆除数は2016年から2019年にかけて300羽から400羽だったが、2020年には723羽まで増加。昨年度は819羽と過去最多になった。こうした中、五ヶ瀬川漁協で去年から始めたのが・・・。こちらでは、去年、10体ほどのかかしを河原に設置した。五ヶ瀬川漁協では、2002年におよそ9.3トンあったアユの漁獲量が、去年は2トンにまで減少。今年もカワウが増える今月下旬からかかしを設置することにしていて、途中、入れ替えも行う予定だ。難しいカワウ対策。先進的な取り組みも始まっている。延岡市の祝子川漁協の江上敬司郎組合長の案内で向かったのは五ヶ瀬川河口。ここで、今年5月、ある対策が行われた。(祝子川漁協 江上敬司郎組合長)「こっからドローンでドライアイスを(巣)に落として、(卵)を凍らせてカワウ退治をした」。これは、県から委託を受けた県内水面振興センターがおととしから実施しているもので、ドローンを使ってカワウの巣にドライアイスを投入。卵を凍らせてふ化させないようにし、宮崎で生まれるカワウをなるべく増やさないようにしている。カワウ対策の第一人者で、19日、漁業関係者を前に講演した水産技術研究所の坪井潤一主任研究員は、まず、県内のカワウ被害の現状をつかんだ上で、県全体で取り組むことが重要だと話す。(水産技術研究所 坪井潤一主任研究員)「足並みをそろえる上でも『みんなで頑張っていこう』みたいな雰囲気がないと、やっぱり対策をしてないところにだけカワウが行ってしまうふうになると、それはそれで問題なので、『一斉追い払い』というのがどうかなと思って提案させていただきました。来年にでも始めていただければなと思って期待しているところです」。あの手この手のカワウ対策。しばらく試行錯誤が続きそうだ。

(琵琶湖保全再生推進協議会幹事会、カワウ被害やエリ漁視察:滋賀)
琵琶湖の環境保全について国や県、近隣府県が協議する第7回琵琶湖保全再生推進協議会幹事会がこのほど、長浜市内で開かれた。参加者は会議前、湖上から竹生島のカワウ被害の実態や伝統的なエリ漁などを視察した。農林水産、国土交通、環境など各省と、滋賀、京都、大阪、兵庫各府県などの担当職員ら67人が参加した。

(胃の中の40%は人肉、形の残った耳も!:秋田)
「50年以上、クマを観察していますが、今年のこれまでのクマの出没件数は異常。これからクマの活動がさかんになりますが、史上最高レベルで警戒する必要があります」。そう語るのは、NPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦さん(74)。秋田大学卒業後、秋田県庁に就職。生活環境部自然保護課でツキノワグマによる被害対策に携わって以来、半世紀以上にわたってクマ研究を続けてきた。秋になり、全国的にクマ出没のニュースが急増している。秋田県では、ツキノワグマが人里に出没する人身被害が相次いで発生。2023年度に被害にあった人は9月11日時点で19人。この7年間ではもっとも多い。福島県でも、9月に入り、クマによる人身被害が立て続けに発生。全県に発令していた「ツキノワグマ出没特別注意報」を中通りと会津地域を対象に「ツキノワグマ出没警報」に引き上げた。また埼玉県秩父市内でもクマの目撃情報があり、市内の全小中学生に鈴と笛を配布している──。ツキノワグマによる重大事故といえば、4人が死亡、4人が重軽傷を負った「十和利山クマ襲撃事件」が思い起こされる。わずか7年前、2016年5月下旬から6月にかけて秋田県の十和利山で発生した、本州史上最悪、日本史上でも3番目の獣害事件だ。米田さんは事件直後、独自に調査するため十和利山に入ったという。「2016年5月21日、竹藪でタケノコを採りに行っていた男性(79)の遺体を発見。第1犠牲者となった遺体は食害されていました。5月22日、第1犠牲者の遺体発見現場から500mほど離れた場所で夫婦がクマに襲われ、夫(78)はかみ傷で激しく損傷した遺体となって発見され、第2の犠牲者に。第3犠牲者は5月30日に遺体で発見された65歳の男性。複数のクマに食害されていました。第4の被害者は6月7日から行方不明になっていた女性(74)。彼女の遺体にも広範囲にわたってクマに食べられた痕があったのです」(米田さん、以下同)。「現場近くで射殺された雌グマの胃の内容物は40%が人肉で、形が残った耳も見つかったと言います。しかし、このクマだけでなく、4人を殺害した主犯は「スーパーK」という現場付近で目撃された雄グマだと確信し、追い続けました。「スーパーK」は事件から2カ月後に捕獲・駆除されましたが、人の味を知ったクマはほかに3頭生き残っている可能性が高いと考えています。これまで最初からクマが人を食べる目的で襲ったのは1988年に山形県戸沢村で起きた3人殺害事件だけ。近年は、秋田県以外にも、人食いグマが出現する危険性が高まっていると考えています」。クマに出くわしたら、どう対処すればいいのだろうか?「北海道に生息するヒグマは平原を好みますが、深い森林で生きているツキノワグマは、人里、つまり自分の体がさらされる平坦な場所が嫌い。興奮状態になり、近くの森に逃げ込むために走っていきます。そこで人が立っていると、ガツンと襲われるのです。まずは、農耕地や平野では、とにかくクマに見つからないことが大事」。過去に8回も襲われ、クマとの遭遇は数知れない米田さんによると、クマの視力はそれほど良くはないが、左右の動きには敏感。その一方、前後の動きは反応が鈍いという。「手を動かしたり、急に横に移動したりするとクマも見つけやすい。山であれば木の陰、人里なら電柱の影。木や電柱と一体化することです。もし電柱がなければ、自分が柱になったつもりで真っ直ぐに立って、クマに人と思わせないことです」。「昔は、クマは奥山で暮らしていましたが、ここ20年ほどで人里近くの里山の荒廃化が進み、木々が育って奥山のようになってしまいました。そこは大きな雄クマを恐れる若い雄クマや雌グマの格好の生息地。そもそも人と身近なところで暮らすようになっているのです」。その兆候は、2年前からあったという。「今年出没しているクマは、体長1メートルほどの2歳ほどの若いクマ。わたしは毎年、秋田県でクマの出産数を調査していますが、2021年春に多くのクマの出産を確認しています。これは、2020年にクヌギ、ミズ、コナラ、栗などのクマが好むドングリ類が豊作だったことが深く関係しています。2021年に大量に産まれたクマが今年になって、盛んに活動しているのです」。さらに全国各地で記録的猛暑となったことも影響しているようだ。「今夏の異常な暑さにより、クマの餌であるドングリなどの木の実が、例年よりも早く成熟して、落ちてしまっています。本来秋に食べるドングリがなくなってしまい、餌をもとめて人里にまで出没するように。冬眠する11月末ぐらいまでは栄養を摂るため、多くの食料が必要としています。普通は山の奥深くにいる大きな雄グマも、餌不足に耐えかねて下りてくることも。大きなクマが出てくれば、人を殺害したり、一度に複数人を襲うような重大事故が起きる可能性があります」。まさに異常事態と言える今秋のクマ出没。きのこ狩りや紅葉狩りの際は、くれぐれも注意して!

(効果的なヒグマ防除技術、プロに学ぶ:北海道)
オホーツク管内の自治体や農協の職員がヒグマの防除技術を学ぶ研修会が、オホーツク総合振興局で行われた。今年の管内のヒグマ出没目撃件数(道警北見方面本部まとめ)は8月末現在、259件で、前年同期比103件増と急増しており、農業被害や人身事故の発生を食い止めようと、ヒグマの生態や電気柵の効果的な使用方法について理解を深めた。

(“ヒグマ捕殺ストップ”訴える日本ヴィーガン協会のクラファンが波紋:北海道)
北海道でたびたび目撃情報が飛び出すヒグマ。そのヒグマを巡る“ある活動”が波紋を呼んでいる。きっかけは、一般社団法人「日本ヴィーガン協会」がヒグマ保護のために立ち上げた「クマたちから学ぶ日本再生プロジェクト!」と題したクラウドファンディング。クラウドファンディングのサイトに掲載されている紹介ページには、内容についてこう説明がされている。《2023年夏!ついに私たちは北海道のヒグマ補殺ストップ活動スタート!これもクラウドファンディングでご支援あり、活動が注目され、北海道からご協力の声を頂いたからです!ヒグマと暮らした経験豊富なアドバイザーとともに北海道へ!貴重なヒグマの生態や調査報告書を、環境省や関係自治体、ご支援者の方に送ります!》。今回クラウドファンディングを行った経緯については、同団体が過去に行った本州に生息するツキノワグマの生態調査より、クマが住む森林の環境が悪化していることと、クマが必要以上に殺されていることを知ったことがきっかけだという。同様に北海道のヒグマも保護するために、クマたちの実態調査・獣害駆除のない自然農法の推進・捕殺しない仕組み作り・クマの保護の4つのプロジェクトを行う予定。また、支援者へのリターンとしては、調査や学習した内容をまとめた報告書を兼ねる季刊誌の送付などが予定されている。しかし、ヒグマが生息する現地での調査を予定していることが9月上旬にSNS上で拡散されると、たちまち反発の声が。北海道では、ヒグマによる人身事故を防止するために“ヒグマに遭わないこと”と注意喚起されていることもあって、こんな声が。《調査? 自己責任でやればよろしい。 ゴミは持ち帰れよ ハンター同行は趣旨に反するぞ 何があっても公的機関に救助は求めないでくれ ヒグマの生態を学んでから出直せ 以上道民の独り言でした》《日本ヴィーガン協会???  あんたらヒグマの餌かい? やめてくれ、人間の味を憶えたヒグマがどうなるか知ってますか。 過去、開拓時代から北海道でヒグマと開拓者達がどう関わってきたか。ヒグマをただのドでかい野生の熊と思っていたら大間違いですから》。しかし、クラウドファンディングのサイト内には「北海道から協力のお申し出があり」という文言が。果たして、北海道の行政から「日本ヴィーガン協会」に依頼があったのだろうか。そこで、本誌は北海道庁ヒグマ対策室の担当者に話を聞いた(以下、カッコ内は担当者)。――今回、道庁のからそのような依頼を協会にしたのでしょうか。「サイト中の『北海道』がどのような主体を指すものか分かりませんが、当職では関与していません」。――調査のためにヒグマが生息する森に入ることを、道庁として認めていますでしょうか。「それぞれの土地管理者の判断になります」。――独自でこのような調査をすることに対しての見解をお聞かせください。「日本ヴィーガン協会が独自の考えで調査を行うものと考えます。道庁としてコメントする立場にありません」。直近も道内で牛66頭を襲った凶暴なOSO18などが話題になるなど、注目を集めているクマ被害。道庁の担当者に、ヒグマとの“正しい付き合い方”についても話を聞いた。日本ヴィーガン協会のクラウドファンディングのページには「みんなで一緒に私たちの日本の山を豊かなクマの住める状態に再生する方法を考えて進めていかなくてはなりません」という記載が。だが、森林破壊がクマ被害増加の直接的な原因ではないという。「森に餌がなくて野生動物が里に降りてくるとよく言われますが、例えばどんぐりが大凶作の年とかは一時的な現象としてはそれもあるでしょうけど、長期的に見ると、野生動物が増えて生息数が増えているから、人里に出てくる数が多くなったと見るべきです。それよりも市街地に出てくることに関しては、人間側の付き合い方に問題があります。ヒグマが出てくる可能性のあるところで、わざわざヒグマのごちそうになるようなものを栽培して全く防除策をとっていなかったり、生ゴミの処理が適切でなかったり。それで人間の側がクマを引き寄せてしまうという問題の方が大きいかと思います」。――過去に日本ヴィーガン協会は、ツキノワグマの保全活動の一環として森にドングリを撒く活動も行っていたというが。「それもとんでもないことですね。そういうことをやってる団体は他にもありますけれど、一時的にそれでクマがお腹を満たしたとしても、本来の自然の環境収容力以上にクマが増えてしまうことになりますよね」。すると必然的に人里に降りてくる個体が増え、捕殺される頭数も増えてしまう。協会側は「奥山の荒廃で出てくるクマを、生息数が想定以上に多かったと、各都道府県は捕殺可能数をただ増やします」と主張しているが、このことの真偽についても尋ねてみた。「農地に降りてきてもうそこの作物の味を覚えてしまって、追い払っても逃げなくなったり、それから最近増えてるんですけど、市街地に侵入してきて全く人を恐れることがないとか、そういうクマですと共存することがもう無理という判断で、捕殺することが多くなってますね」。さらに担当者は、クマを取り巻く生態の変化についてこう続けた。「全国各地でそうなんですけれど、シカやクマなどはむしろ今増えすぎてるんですよね。シカ・イノシシの生息数を半分にしなければ共存が難しいということで、環境省主導で政策を進めていますし、クマも北海道の調査などで30年前に比べて2倍に増えてるというような推定結果が出てます。だからむしろ、これから共存のためには積極的な捕殺も必要になってくるかもしれません」。――しかし、協会側の将来的な目標として、野生のヒグマを保護し、育てて森に返すということも書かれているが。「そんなことは不可能ですよね。どこの森にも所有者がいますから、受け入れてくれないと思います。しかもどこの森にもすでにクマがいますから、育てて放してもクマの側としても受け入れてもらえないでしょうね」。たしかにサイトに記載されているように“クマたちはただ一生懸命生き、何も悪くない”が、共存するために人間がすべきことは、すぐに行動を起こすよりも長期的な視野で考えることかもしれない。

(ディレクターから猟師になった男とヒグマの“一騎打ち”)
今年8月、24年間勤めたNHKを「一身上の都合により」早期退職した。北海道に移住し、猟師として生きていくため――。そんな異色の経歴を持つハンター黒田未来雄さんが、このたび初の著書『獲る 食べる 生きる』を上梓した。本書には、黒田さんが狩猟に寄せる思い、狩猟に魅せられていった経緯、そして実際に狩猟に出掛け、獲物をしとめた時の様子などが、静かに、熱を帯びた筆致で綴られている。「最初から狩猟に興味があったわけではないんです。もともと、大自然の中に身を置いたり、野生動物を見たりするのが好きで、星野道夫さんの著作も愛読していました。その影響から、ネイティブアメリカンの思想や文化にも関心を持つように。それが狩猟へと移っていったのは、2006年、ある人物との出会いがきっかけでした」。黒田さんの良き友であり良き師でもあるその人、北米先住民族のキースは、神話の語り部にして、優秀なハンターだった。彼に導かれて何度もカナダを訪れるうち、黒田さんは、少しずつ狩猟の世界に足を踏み入れていく。特に心惹かれたのは先住民たちの、いのちとの向き合い方だという。「撃たれて絶命していく獲物の姿があまりにかわいそうで泣きそうになっていたら、キースに『泣くな。それは獲物に対して失礼だ』と叱られたんです。その言葉にハッとしました。つまり、人間は人間として生まれてきた以上、ほかの生きもののいのちを奪い、それを食べて生きていくしかない。だから目の前の死を安易に悲しがるべきではないし、目を逸らしてもいけない。とてもまっとうな感覚。スーパーで売られている肉を食べているだけでは決して得られない体験を、僕はその時に得たんです」。17年、北海道への転勤を機に、黒田さんは自身もハンターとして狩猟を始める。選んだのは、「単独忍び猟」。一人だけで山に入り、自分の足で歩きながら獲物を追う狩猟方法だ。そうして、これまで70頭以上のエゾシカを撃ち、解体し、そして食べてきた。「しかも、どんなふうに躍動し、どう死んでいった鹿の肉なのか、知った上で食べることが重要です。それほど素晴らしい生きもののいのちをいただいたのだから、そのぶん力を漲らせ、しっかり生きていかなくちゃいけない。それが本来、人間のあるべき姿なのではないでしょうか」。やがて黒田さんは、念願だったヒグマとも一騎打ちを果たす。その様子を記した「ヒグマ猟記」の章は、本書の読みどころの一つだ。〈斜面に生い茂る、深緑のシダの中。不意に、真っ黒なものが蠢(うごめ)いているのに気付いた。(中略)一瞬でそれと分かった。こんなにも、黒いのか――〉。長年、『ダーウィンが来た!』などの自然番組の制作に携わってきた黒田さん。臨場感たっぷりの描写はさすがで、スリリングな展開に胸が躍る。が、このヒグマは母熊で、子熊を2頭連れていた。その結末は。「……残酷だと言う方もいると思います。実際、本書には、テレビでは表現できないところまで、一歩踏み込んだ内容が書いてあります。もちろん、あえて書きました。僕は元ディレクターとして、より多くの人に抵抗なく受け入れてもらえる表現の“作法”も、それなりに心得てはいます。でも、今の僕は取材者ではなく狩猟の実践者なので。当事者である僕にしか見えていないもの、語れないものがある。それをそのまま薄めずに表現し、伝えることを、これからはやっていきたいと思っています」。くろだみきお/1972年、東京都生まれ。94年、三菱商事に入社。99年、NHKに転職し、ディレクターとして主に自然番組を制作。2023年に早期退職し、猟師となる。現在は狩猟体験や講演などを通じて狩猟採集生活の魅力を発信している。

(クマが民家へ、大暴れ後捕獲:新潟)
関川村下関の民家にクマが侵入し、捕獲されたことが21日、分かった。住民にけがはなく、捕獲に携わった地元猟友会の男性が腕に擦り傷を負った。クマは洗面台の鏡を壊すなど約1時間半にわたって“籠城”した後、捕獲されて山の奥に戻された。クマは体長約0・95メートルで推定1歳半のメス。

(クマが住宅の窓ガラス割り逃げる:福島)
22日未明、本宮市の住宅でクマが窓ガラスを割り、50代の男性がガラスの破片を踏んで軽いけがをしました。県内では今月に入ってクマに襲われる被害が相次いでいることから、県が「ツキノワグマ出没警報」を出して警戒を呼びかけています。22日午前3時すぎ、本宮市高木の住宅で、50代の男性が1階の部屋のカーテンを開けたところ、窓の外に体長およそ1メートルのクマがいるのを見つけました。警察によりますと、男性が驚いて大きな声を上げたところ、クマは窓ガラスを割って近くの山林に向かって逃げていったいうことです。男性はガラスの破片を踏んで、足の裏を切る軽いけがをしたということです。当時、2階にいた男性の母親は「ガチャーンという音を聞いて下りてきたら、息子がクマだと言って何事かと驚きました。20数年住んでいますが、こんなことは初めてです」と話していました。現場はJR本宮駅から東に2キロほど離れた住宅地で、近くには県立本宮高校や消防署があり、警察は市と連携して付近のパトロールや防災無線での広報を強化しています。県内では今月に入ってからクマの目撃情報が相次ぎ、人が襲われる被害も2件発生していて、県が中通りと会津を対象に「ツキノワグマ出没警報」を出して、警戒を呼びかけています。

(走りながら"脱糞"するもスピードは全く衰えず:北海道)
9月19日午後5時ごろ、北海道北部の中川町の道道で、クマが目撃されました。撮影された映像には、巨体を揺らしながらも、車の前をかなりのスピードで走るクマの姿が捉えられています。クマは途中、フンをもらしながらも、そのスピードはまったく衰えることはありませんでした。

(民家敷地にヒグマ?小屋の扉破り漬物食べられる:北海道)
23日午前8時ごろ、斜里町ウトロ香川の住宅敷地内で、小屋の木製扉が破られ、中に置いてあった漬物などが食べられているのを住人の男性が発見した。敷地内にはヒグマのフンが落ちており、知床財団などはクマが侵入した可能性が高いとみて調べている。斜里署によると、男性は22日午後9時ごろ、小屋から物音がするのを聞いたという。同財団はクマが再び小屋に近づくおそれがあるとして、周囲に電気柵を設置した。

(県産シカ肉を出荷、制限一部解除後初めて:群馬)
8月に出荷制限が一部解除された県産シカ肉について、群馬県は20日、対象施設である高崎市の食肉加工業者「箕輪(きりん)フーズ」から、今月15日に解除後初めて、みどり市内の飲食店に出荷されたと発表した。同市は23日に市内で開かれる笠懸まつりで今回出荷されたシカ肉を使った料理を振る舞い、ジビエに対する理解促進を図る。県などによると、12日にみどり市が委託する有害鳥獣捕獲隊が市内でシカ2頭を捕獲。同社に搬入して放射性物質検査を行った結果、いずれも国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル以下)を下回っていることが確認されたため、15日に1頭を出荷した。残り1頭は血抜き不足で出荷できなかった。県産シカ肉を巡っては、福島第1原発事故の影響で2012年11月から出荷が制限され、流通販売ができなかった。出荷に向けて県は高崎市、みどり市、同社と協議を重ね、同社における全頭検査などの体制が整ったことから、8月18日に出荷制限が一部解除された。みどり市は23日に同市笠懸町阿左美のボートレース桐生で開かれる笠懸まつりでジビエフェアを開き、シカ肉のローストとシチューをそれぞれ300食提供する予定。同市農林課は「制限解除により、シカを市の資源として利活用できることを周知したい」とした。

(九州ジビエフェスト:福岡)
「九州ジビエフェストAUTUMN2023」が9月28日~10月1日、JR博多駅前広場で開催される。主催はJR博多シティ。農業被害の課題解決を目指し、ジビエをもっと身近に感じてもらい、「食への向き合い方など、食育にも繋がる意義のあるイベントにしていきたい」と初開催する同イベント。会場では、九州のジビエ料理店13店に加え、ジビエ料理に合わせて選んだ九州の13の酒蔵が出店する。同イベント担当の上杉大輔さんは「JR博多シティ初のジビエイベント。こだわりのジビエ料理とともに九州の銘酒も楽しんでもらえれば」と来場を呼びかける。

(シカ肉使いタイ料理学ぶ:北海道)
別海高で、エゾシカ肉を使ったタイ料理教室が開かれた。東京のシェフを講師に招き、地域の野生動物の生態をテーマにした放課後学習を受講している同校生8人らが、シカ肉と香り豊かなタイ料理との組み合わせを楽しんだ。

(パワフルママが作る淡路島の新名物“ジビエ餃子”:兵庫)
今ではよく見かけるようになった、餃子の無人販売所ですが、淡路島の小さな港町にある無人販売所で売られている餃子は、普通の餃子とはちょっと違います。なんと、ジビエ肉を使った餃子なのです。作っているのは、大阪から家族で淡路島に移住した森田悠香(ハルカ)さん。農家の害獣被害を減らすため、そしてその美味しさを発見してもらうために奮闘するパワフルママです。淡路市郡家。豊かな自然に囲まれた古民家が、ハルカさんの自宅です。海の近くでゲストハウスがしたいというご主人の夢があって、1年半前に大阪から移住しました。3人のお子さんを育てるハルカさんは、餃子店の店主であり、宿の女将さんであり、猟師でもあるのです。害獣に悩む農家さんのために駆除するだけでなく、餃子にして販売するのです。試行錯誤して作った、ニラやニンニクを使わないジビエ餃子には、淡路島産の玉ねぎやキャベツをたっぷりと混ぜており、臭みがなくて深い味わいと評判です。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、22日午後4時50分ごろ、栗原市一迫真坂吉渕下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、22日午前11時30分ごろ、富谷市三ノ関太子堂下にクマが出没しました。

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(散歩中にクマに襲われ2人けが、今年は過去最多25人に:秋田)
21日、秋田県で人がクマに襲われる被害が相次ぎ、2人がけがをしました。いずれも散歩中にクマと遭遇しました。警察と消防によりますと、午前6時ごろ、鹿角市十和田末広の市道で犬と散歩をしていた63歳の女性がクマに襲われました。女性は頭と腕をひっかかれ、搬送先の病院で手当てを受けていますが意識はあり、会話も出来るということです。また大館市比内町扇田では午前6時半すぎ、市道を散歩をしていた88歳の女性がクマに襲われました。女性は頭と顔をひっかかれて近くのクリニックに助けを求めました。この現場近くでは今月6日にも家の軒先にいた87歳の男性が襲われています。秋田県内で今年クマに襲われてけがをした人は過去最多の25人にのぼっています。

(クマ人身被害、対策強化へ:秋田)
9月秋田県議会は20日、本会議を開き、高橋豪(自民)、武内伸文(自民)、高橋健(自民)の3氏が一般質問した。佐竹敬久知事は、県内で続いているクマによる人身被害について「クマの分布拡大と人慣れしたクマが生活圏に定着しているため」とし、対策を強化する方針を示した。高橋豪氏への答弁。本年度のクマによる人身被害は18日現在、23件発生し、記録が残る1979年度以降で最多。5~11日には7日連続で被害が発生する異常事態となっている。

(熊が活発化する秋、被害防止の対策徹底を)
今年4~7月の熊の人身被害件数は54件に上り、同期間の記録が確認できる2007年以降最多だったことが環境省のまとめで分かった。農作業中の被害も相次ぐ。出没件数も人身被害が多発した19、20年と同水準で推移。多くの農作物が収穫期を迎え、熊の行動が活発化する秋は、被害が増える恐れがあるとして、同省と農水省は被害防止の対策徹底を促す。都道府県別で人身被害件数が最多だったのは岩手の15件。次に秋田9件、福島7件と東北で目立つ。北海道は3件で1人が死亡した。一方、中部以西でも岐阜で4件、三重、島根で1件ずつ発生している。4~7月の出没件数は7967件。19年の8231件、20年の7945件と同水準で推移。両年の人身被害件数は19年が140件、20年が143件で、過去10年の1、2位の多さだった。環境省は今秋、東北などで熊の餌となるドングリが凶作になると見込む。「餌を探す熊の行動範囲が広がる恐れがあり19、20年のように人身被害が増える可能性もある」(鳥獣保護管理室)と指摘。都道府県に、地域住民への注意喚起や被害情報の提供などを促す通知を発出した。農水省も各農政局や北海道庁に、農業現場での人身被害や農作物被害の防止に向け、指導の徹底を依頼する事務連絡を発出。4月にも同様の発出をしているが「秋に備えて、改めて現場へ注意喚起する」(鳥獣対策室)のが目的。収穫物の残さ処理徹底などを促す。農作業中に熊と遭遇し、けがを負うケースは少なくない。新潟県南魚沼市では9月上旬、70代夫婦が自宅横の畑で体長1メートルの熊にかまれるなどして負傷する事故が発生。命に別状はなかった。山間部のリスクも高い。林野庁東北森林管理局によると、岩手県久慈市で6月下旬、60代同庁職員が林道パトロールの合間に草地で休憩していた際に襲われ、頬にけがを負った。親1頭、子2頭と遭遇。襲ってきたのは親熊とみられる。同僚が大きな声を出すと、熊は立ち去ったという。西日本でも被害が出ている。島根県邑南町では6月中旬、70代男性が熊に襲われた。町によると自宅周辺で襲われ、頭部や右目付近を負傷するも命に別状はなかった。出没範囲は市街地にも広がる。岩手県釜石市によると5月下旬、市役所前で熊1頭を発見。山への追い払いは難しいとして、わなで捕獲した。けが人は出なかった。対応した市林業振興係は「こんな街中に出るなんて今までなかった。原因も分からない」と話す。

(野生動物による農作物被害5800万円余:鳥取)
イノシシやシカなど野生動物による県内の農作物の被害額は、昨年度5800万円あまりと、農作物を守る柵の設置といった対策が進んでいることなどを背景に、平成以降で2番目に少なくなりました。県によりますと、昨年度イノシシやシカなど野生動物による県内の農作物の被害額は5850万円と、前の年度より860万円あまり減少し、平成以降では2番目に少なくなりました。動物別にみると、最も多かったのはイノシシで3700万円と、前の年度より1140万円少なくなりました。これは農作物を守る柵の設置や、農地の周辺で捕獲が進んでいることに加え、山にあるドングリや植物などのえさが豊作だったためとみられるということです。次いで多かったシカによる被害額は908万円と、前の年度より170万円以上増えました。これは前の年度・令和3年度の年末年始に大雪が降ったため、シカが山から田畑に近いところまで移動し、県東部や中部で単価の高い梨が被害にあうケースが多かったためとみられるということです。県鳥獣対策センターは「被害総額は少なくなっているが油断できる状況ではなく、今後も適切な予防対策を取ることが必要だ」と話しています。

(農作物鳥獣害2億6100万円、イノシシ関連10年で半減:和歌山)
県農業環境・鳥獣害対策室は2022年度の野生鳥獣による農作物被害額が約2億6100万円に上ったと発表した。前年度から約60万円減り、1998年度以降2番目に低い水準となった。獣種ごとでは、イノシシが35・7%(約9300万円)で最も多く、シカ20・7%(約5400万円)、サル16・0%(約4200万円)。

(ヒグマ対策専門職員、振興局に配置検討:北海道)
鈴木直道知事は19日の道議会代表質問で、道内各地で出没が多発するヒグマ対策として「専門的知識を有する職員の配置も含めて振興局の体制を検討する」と述べ、市町村などと連携して現場対応に当たる人員を増強する考えを表明した。人とヒグマのあつれきが高まっていることを踏まえ「危機感をもって抜本的なヒグマ対策の強化に取り組む」と強調した。振興局への専門職員配置は、道内の研究者らでつくる「ヒグマの会」が7月に発表した提言書に盛り込んでいた。道によると、配属先の振興局や時期、人数は未定。ヒグマ対策の専従とするか他の業務との兼務とするかを含め、今後検討する。

(冬の渡り鳥「マガン」、去年より4日遅く平年より1日遅い初飛来:宮城)
国内有数の渡り鳥の飛来地「伊豆沼」周辺では、冬の渡り鳥「マガン」の初飛来が、21日確認された。マガンが飛来したのは、伊豆沼の南側に位置する登米市迫町の田んぼだ。21日午前9時40分頃、鳥類の専門家が羽を休めエサをついばむ50羽のマガンの群れを確認した。初飛来は、去年より4日遅く平年より1日遅いという。宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 嶋田哲郎研究室長「今年は猛暑だったので、地球的に暑かったとあって、少し遅れたのかもしれません」。マガンの飛来は11月にピークを迎え、10万羽を超えるマガンが伊豆沼周辺で冬を過ごすという。

(捕食するカワウからアユを守る:宮崎)
近年、温暖化の影響で全国でアユを捕食する鳥・カワウが増加する中、アユを保護していこうと、宮崎市で専門家による講演会が開かれました。この講演会は、宮崎県内水面漁業協同組合連合会が開いたもので、内水面漁協や市町村の関係者などおよそ110人が参加しました。講演会では、アユ研究の第一人者である水産研究・教育機構の坪井潤一氏が講師を務め、ドローンを利用したカワウの撃退方法や、カワウの巣を管理して繁殖を抑制する方法などを説明しました。(水産研究・教育機構坪井潤一氏)「(宮崎県は)まだ、全域どこにカワウが何羽いるかというところまでは把握できていない状況。現状をつかんで地図化して水産関係の方と話をするところからスタートするべき」。県内水面漁業協同組合連合会は、今後、県と連携してカワウの生息状況の調査などを行うことにしています。

(離島に「いのドン」など試験設置・稼働スタート:岡山)
低周波音を発してイノシシを撃退する装置「いのドン」などが9月19日、岡山県笠岡市の真鍋島に試験設置され、稼働を開始しました。ICT(情報通信技術)などを活用し離島が抱える問題を解決する国のスマートアイランド事業の一環。来年3月まで運用して効果を検証、その結果を受けて本格運用される予定です。真鍋島には約100世帯が居住。地元関係者によればイノシシが200頭以上生息し、農地など人の生活圏で土地を荒らす深刻な被害が続出しています。この被害を何とか食い止めようと、今年度、全国8地域で選定されたスマートアイランド事業の一つに真鍋島が採択されました。事業主体は岡山市の総合建設コンサルタント会社「エイト日本技術開発」、笠岡市、地元のイノシシ駆除グループなどで、岡山理科大学などが協力しています。撃退作戦は、①島内12カ所に設置するカメラとAI画像解析システムを活用した鳥獣生息状況調査②「いのドン」などを使った日常的な鳥獣害対策強化③ドローンで上空から犬の鳴き声などを流してイノシシをワナに追い込む――という3つの柱で構成。「いのドン」は、理大教育推進機構の辻維周(まさちか)教授が自動車部品メーカーと開発。この日、辻教授は地元住民の協力を得て、島中央部の尾根の獣道に設置。その近くに高周波音でシカなどを撃退する「ハイパー鹿ソニック」を据えました。ハイパー鹿ソニックは従来の「鹿ソニック」の周波数帯を広げ、到達範囲・放射角を拡張したもので、イノシシへの効果も検証するために設置しました。いのドンは、イノシシが活動する夕方から早朝まで稼働し、センサーがイノシシなどを感知すると「ボー」という低周波音を発射。ハイパー鹿ソニックは秋の虫の小さな鳴き声のような高周波音を24時間出し続けます。それぞれ音波の発射パターンは50種類あり、“慣れ”に対応しています。設置作業を手伝った地元の人たちからは「これでイノシシの活動範囲を狭めて、ワナで捕獲できれば」と期待する声が聞かれました。

(光でカラス追い払い:富山)
夜間に懐中電灯などの光を照らしてカラスを追い払う「カラス被害減滅作戦 高岡の陣(夏)」が、高岡市の高岡駅周辺で行われた。同駅周辺の桜馬場中通り自治会では今年5月から定期的にカラスに光を当てる活動に取り組んでおり、市の取り組みと合わせてカラスを減少させたい考えだ。市では、ふん害などの被害を減らそうと、2021年から音声機器で録音したカラスの鳴き声を流して追い払うなどの対策を講じているが、十分な効果は得られなかった。昨年に高岡駅周辺の自治会と光による追い払いを試したところ、一定の効果が見られたため、桜馬場中通り自治会は班長らが懐中電灯やレーザーポインターを当てる活動を継続している。14日夜、市職員と桜馬場中通り自治会の宇波真一郎会長(71)ら4人が町内を巡りながら、木の上や電柱などねぐらとなりやすい場所に光を当て、カラスを追い払った。昨年巡回した時よりもふんが少なくなっていることも確認した。市では10月以降に「高岡の陣(秋)」として、えさになりそうな農作物や果実を処分するよう市民に呼び掛け、来年1~3月は「高岡の陣(冬)」として、果実の摘果や不要な農作物を土に埋める「兵糧攻め」を実施する。宇波会長は「市と協力しながら個体数を減らす取り組みを続けたい」と話した。

(増加するシカ被害、ボランティアハンターに駆除任せるも処理施設は不足:北海道)
道内ではシカによる農業や林業などへの被害が増加傾向にあります。100年以上続く札幌市南区の果樹園では存続をかけた苦難の日々が続いています。「ライトアップして。1、2、3、4、…十数匹いる。赤ちゃんもいる。赤ちゃんもいっぱいいるわ」。車のライトを照らされ逃げまどうシカの群れ。これは札幌市南区の果樹園で撮影された映像です。近年、道内ではシカの被害が相次ぎ、その総額は年間で約45億円にものぼります。「ここに大きな木があったが幹がぐるっとかなり食べられて、木も育たなくなってきたので2、3週間前に処分した」(砥山ふれあい果樹園 瀬戸 修一 さん)。創業から100年以上の歴史を誇る「砥山ふれあい果樹園」の4代目・瀬戸修一さん。瀬戸さんの果樹園にも10年ほど前からシカが現れ始め、収穫量が3割から4割減少したといいます。「木を毎年5本10本と処分しては苗木を植えるが、苗木もパリパリパリ折られて一向に成長しない」(瀬戸 修一 さん)。札幌市によりますと近年、シカの被害が急増。2022年度の農業被害は2021年の3倍に当たる約5200万円にのぼりました。その理由は…「南区の果樹園でシカの被害が甚大だった。大雪で山にエサがなくなって豊平川沿いに下りてきたシカが、豊平川に沿った果樹園の被害が特にひどかった」(札幌市 農業支援センター 高栗 仁子 所長)。エサが無くなる冬、生き延びるために、シカは木の皮などを食べます。木の皮の内側には、養分などが通る管があり木の皮が無くなると栄養が遮断され、木は枯れてしまうといいます。「100本くらい木を切り倒した農家も近隣でいる。ぼろぼろになってリンゴをあきらめるという農家もいる」(瀬戸 修一 さん)。被害が集中する冬、電気柵では防ぎきれないといいます。「雪で線が引っ張られて隙間ができる。そこからシカが入ってくる。雪が深くなると電気柵の力も弱くなって構わず入ってくる。娘が果樹園を継いでやろうと頑張ろうとしているが、きちんと対策を立てないと若い人は続ける環境にはならない」(瀬戸 修一 さん)。5代目のエミーレさんも果樹園の存続に向け決断を迫られています。「このまま10年20年後ひどくなるなら、リンゴをやめてほかの果樹を植えるかしなきゃいけない。30年40年育てたのが1シーズンでやられてまた育てるのに何十年もかかるので、どれだけ大変か知ってほしい」(砥山ふれあい果樹園 瀬戸 エミーレ さん)。札幌市は、シカの捕獲から処分までボランティアのハンターに任せています。しかし、ハンターが頭を悩ませるのは、実は捕獲した後の処分についてです。土地に埋めるなど、処分の最後まで、ハンターが責任をもたなければなりません。「去年、おととし、今まで以上に100匹を超える捕獲をお願いしたが、ある程度ボランティアだと限界がある。きちんと処分できるルートを作りたいと思っている」(札幌市農業支援センター 高栗 仁子 所長)札幌市は新たな試みとして、東区の民間廃棄物処理施設で1日2匹程度の受け入れを9月から始めました。しかし、ハンターはもっと増やしてほしいと話します。「もし捕獲頭数を行政が求めるのであれば受け入れ先の多様化、時間ですね。365日24時間受け入れる場所が市内に4か所あれば、今の3倍5倍の捕獲数は心置きなくできると思う」(北海道猟友会札幌支部 奥田 邦博 支部長)。こちらは札幌市北区の畑に設置された防犯カメラの映像です。札幌市では南区だけではなく、北区や東区でもシカによる農業被害が増加しています。「シカに端を食べられると切り口からかびてくる。牛のエサにするとこの菌を牛が食べ病気になる」(酪農家の男性)。「北区・東区は酪農地帯、牧草やデントコーンがあるのでそこにシカが付くと、年中エサがある。そこで、世代交代していく、繁殖を繰り返す。手が付けられない数になってからでは遅い」(北海道猟友会札幌支部 奥田 邦博 支部長)。現在道内で生息するシカは約72万匹。北海道は、2032年度までに35万匹にしたいとしています。シカの生息域が広がりつつある札幌。被害を食い止めるための試行錯誤が続きます。

(野生の「シカ」が減らない、生息域拡大か)
今月11日、東京・府中市で、河川敷を猛スピードで走る「シカ」が撮影されるなど、都内でも野生のシカの目撃が相次いでいます。かわいくも、かっこよくも見える「シカ」ですが、農業への被害は深刻です。シカやイノシシなどによる農作物への被害額は、2011年度には約226億円にものぼりました。国は、「シカ」の数を半減させることを目標に取り組みを進めていますが、思うように減っていないといいます。なぜなのでしょうか?

(野生動物対策技術研究会(第13回)を開催:栃木)
野生動物対策技術研究会は、野生動物による被害軽減を図るため、野生動物対策に関わる情報交換情報提供、研究会やセミナーの開催、専門技術者の育成、現地指導及び専門家の派遣など、野生動物対策に資することを目的として、平成22年に設立しました。現地で鳥獣対策を担う実務者、研究者、行政担当者、メーカーの方などありとあらゆる多様な立場の方が参集し、野生動物対策に関する情報共有や問題を議論する場として開催しております。対面で研究会を開催することで、業界の関係者のつながりを醸成するご活用いただく場としてもご活用いただきたいと思っております。今年度は、鳥獣管理技術協会、宇都宮大学様と共催とさせていただき、本年度は、「地域活性化の取り組みと鳥獣被害対策」をテーマに開催します。鳥獣管理士のOB・OGの皆様の情報交換の場としても是非ご活用いただければと思っております。皆様のご参加を心よりお待ちしております!

(8人に鳥獣被害対策実施隊の委嘱状:大分)
農作物をサルやシカなどの食害から守る津久見市鳥獣被害対策実施隊の委嘱状交付式が14日、市役所であった。

(爆竹による追い払いも検討、リンゴ畑でクマによる食害みつかる:岩手)
岩手県奥州市のリンゴ畑でリンゴがクマ食べられているのが見つかりました。被害が分かったのは奥州市前沢狐石のリンゴ畑です。市によりますと21日午前、リンゴ畑の所有者から「クマにリンゴを食べられているようだ」と相談がありました。市の担当者が確認したところ、少なくとも4本のリンゴの木が被害にあっていて、木の下にかじられたリンゴが落ちていました。畑では4日ほど前から同様の被害が確認されていて、市は周辺で爆竹を鳴らすなどの対策を検討しています。

(小学校の近くでイノシシ出没:大分)
20日午後、大分県豊後大野市の小学校近くの住宅地にイノシシが現れました。けが人はなく、発見から約2時間後に地元の猟友会がイノシシを捕獲しました。20日正午過ぎ、豊後大野市三重町の小学校近くの住宅地に現れたのは体長およそ1メートル20センチのイノシシです。通報を受けた警察や市の職員らおよそ10人が捕獲を試みました。網を使ってイノシシを広場のすみに追い込み、およそ2時間後の午後2時過ぎ、地元の猟友会の手でイノシシは捕獲されました。近くに住む男性によりますと、周辺ではおよそ1週間前からイノシシの目撃情報があり、小学校では保護者にメールで注意を呼びかけていました。これまでにイノシシによるけが人はいないということです。

(ジビエで「麻婆豆腐の素」:神奈川)
丹沢に多く生息するシカやイノシシの肉など、ジビエを活用した料理を新たな観光資源と捉える秦野商工会議所が中心となり、ジビエのレトルト商品第1号となる「秦野産鹿肉使用ジビエ麻婆(マーボー)豆腐の素」を完成させた。23、24日に神奈川県秦野市内で開催される秦野たばこ祭会場での試験配布などを経て、10月から販売する。今後はレトルト食品の種類を増やして新型コロナウイルス禍後の新たな売り上げの柱とするとともに、ジビエの消費拡大を目指す。同商議所の観光飲食部会などの取り組みで、2021年7月に解体された精肉が市内で買えるようになり、17店舗がジビエ料理の提供を始めた。家庭の食卓にもジビエを普及させたいと、市内店舗のジビエ料理のレトルト化を企画した。第1号として着手したのが、創業52年の中国料理店「北京館」(同市鈴張町、三浦義政社長)のシカ肉を使ったマーボー豆腐。さっぱりした赤身で、鉄分が多く高タンパクのシカ肉を活用したメニューだが、100度以上の加熱や加圧でレトルト加工するため、当初は店内での調理品と味が変わってしまったという。またラー油などの油分が多く、レトルトが密閉しにくくなる課題もあったが、試作を重ねてクリアし、600個の製品化にこぎ着けた。

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9/21
(60代男性が体長1.5mのクマに襲われけが:秋田)
18日早朝、秋田県鹿角市で犬の散歩をしていた66歳の男性がクマに襲われけがをしました。鹿角警察署によりますと18日午前6時ごろ、男性が自宅近くの農道で犬の散歩をしていたところ、突然現れた体長約1.5mのクマに襲われたということです。男性は首と左胸にけがをしましたが、会話ができる状態で命に別状はありません。また18日午前5時半ごろには、秋田県仙北市の住宅の敷地内にクマが現れ、小屋の中にある米が食い荒らされる被害が発生しました。

(玄関先につながれていた飼い犬がクマに襲われる:岩手)
19日夜、岩手県紫波町の住宅の敷地内にクマが現れ、屋外で飼われていた犬が襲われてけがをしました。警察によりますと、19日午後10時半ごろ、紫波町紫野の農業・田村勉さん(71)の住宅で、玄関先につながれていた飼い犬1頭がクマに襲われているのを田村さんの家族が見つけました。犬は胴体をひっかかれるけがをしました。田村さんや田村さんの家族にけがはありませんでした。クマは1頭で体長1メートルほどの成獣とみられています。逃げた方向は分かっていません。田村さんから通報を受けた警察官が付近をパトロールして注意を呼びかけています。クマが現れたのは町の中心部から東に5キロほど離れた山間部で、周囲には民家が点在しています。

(目撃場所「熊っぷ」で確認を:福島)
クマの目撃情報が相次ぐ中、福島署は管内の目撃場所をまとめた地図「Kuma―Map!(熊っぷ)」を作製した。同署のホームページで公開したり、管内の交番や駐在所に掲示したりしている。地図には今年4月から8月末までに、管内で目撃された58件の情報を掲載した。主な目撃場所は福島市土湯温泉町や松川周辺で庭坂地区や佐原地区でも情報が寄せられたという。6月には町庭坂地区の男性が自宅敷地内でクマに襲われる人的被害も発生したことから、同署は「熊っぷを参考に、被害に遭わないよう十分注意してほしい」と呼びかけている。

(野生鳥獣対策:長野)
農業が盛んな信州で重要課題の一つとなっているのが、野生鳥獣による農林業被害だ。上伊那地域の2021年度の被害額は4900万円。07年度の2億1700万円をピークに減少してきてはいるが、損失は依然大きい。中でもニホンジカによる被害が深刻で、21年度は被害額全体の35%を占めた。県は対策として年間の捕獲目標を5244頭に設定していたが、実績は4416頭だった。

(ドングリ不作、平野部でも出没の恐れ:富山)
県内ではこの秋、クマの餌となるドングリの実りが悪く、平野部での出没が懸念されています。富山市は19日、関係者を集めて対策会議を開き、柿の実を早めに取り除くことなどを確認しました。対策会議には、警察や市内の猟友会などの代表が出席しました。県内では今年、ツキノワグマの餌となるブナ、ミズナラ、コナラのドングリがいずれも実り具合を示す4段階中、2番目に悪い「不作」となっています。ドングリの実りが悪い場合、冬眠に入る前のクマが餌を求めて平野部まで行動範囲を広げる恐れがあります。会議では市が、今年の市内での目撃件数が既に去年1年間の件数と同水準であることなどを報告したうえで、クマが好む柿の実を早めに取り除くなどの対策を心がけるよう呼びかけました。これまでクマが大量に出没したのは、2006年など凶作だった年で4年前の2019年にはあわせて20人の人身被害が出ました。今年県内で起きたクマによる人身被害は、8月末時点で1件で、出席者の1人は、今年のドングリの実り具合が、大量出没ではなかったものの、人身被害が相次いだ2016年と似ていると指摘します。県自然博物園ねいの里 間宮寿賴さん「(2016年は)県東部でクマの出没が多くて、おそらく年間で3件ほど人身事故(被害)が出たのかなと思います。特に県東部で今、ブナが凶作ということも言われてますし、基本的には(柿など)誘因物の除去を今年は徹底していただく年かなと思ってます」。クマが大量出没する年は、9月以降に目撃情報や被害が急増する傾向です。県や富山市は、人とクマとの偶発的な遭遇を減らすため、クマを引き寄せる生ごみの処理を徹底するほか、山菜採りやキャンプの際にはクマよけスプレーを持っておくなど対策を呼びかけています。

(伊吹山の山頂、消えた花畑:滋賀)
滋賀、岐阜県境にある日本百名山の一つ、伊吹山(標高1377メートル)の山頂一帯に広がる国の天然記念物「伊吹山頂草原植物群落」がシカに食い荒らされ、壊滅的な被害を受けている。学術的な価値が高い花畑で、植物学者・牧野富太郎(1862~1957年)も愛したことで知られる。滋賀県米原市は今年度から4年かけてシカよけの強固な金属柵を設置し、貴重な景観の再生を図る。「以前は色とりどりの花が咲き乱れ、登山道にはみ出すほどだったが、花が見られる面積は100分の1以下に減ったのではないか」。8月、植物の保全に当たる「伊吹山もりびとの会」の西沢一弘会長(80)が山頂一帯を見回しながらため息をついた。群落は約600種類の草花が自生する花畑で、シカの食害が目立ってきたのは2010年頃。伊吹山は国内有数の豪雪地帯だが、温暖化で積雪が減り、ハンターの高齢化で捕獲頭数も減ったため、シカが山頂まで上ってくるようになった。滋賀県によると、伊吹山のある米原市など周辺地域のシカは09~15年度に倍増し、推定約1万8000頭いるという。シカが好むのは、夏の高山でピンク色の花を一面に咲かせるシモツケソウや、ユリに似た黄色い花のニッコウキスゲなど。環境省のレッドリストで絶滅危惧種のコバノミミナグサやイブキコゴメグサも狙われる。一方、シカが嫌うキク科のキオンやマルバダケブキは分布域が拡大。神戸大の末次健司教授(植物生態学)は「植生が大きく変化すると天然記念物に指定した根拠が揺るぎかねず、早急な対策が望まれる」と指摘する。危機感を募らせた県や米原市は14~16年度、山頂付近に広がる花畑の約4割を囲うように総延長約3キロ、高さ1・8メートルの化繊製ネットを設置した。だが冬には雪の重みで壊れないようネットを地表付近まで下ろすため、春先に張り直す前に侵入され、食い破られた場所もある。年約100頭ずつ進めている駆除も、効果は薄いという。食害は観光面にも影を落とす。伊吹山ドライブウェイの運営会社・日本自動車道(岐阜県)によると、9合目までの道路の利用者は10年は推定28万人いたが、花畑が荒らされた影響もあり22年には21万人に減った。米原市が雪に強い金属柵の設置に踏み切ったのは「待ったなし」の状況と判断したためだ。地元自治会が一部を金属柵で囲うと約70種の植物が再生したことも決め手となった。計画では総額約3700万円で既設のネットと交換し、26年度の完成を目指す。今年度は総延長約3キロのうち約300メートルを設置。わずかに残る貴重な植物にかごをかぶせて守る「花のゆりかご事業」にも着手した。市の担当者は「今やらないと本当に花畑が消えてしまう。何としても再生させたい」と強調する。自然環境研究センターの荒木良太・主席研究員の話「対処が遅れるほど植生の回復は困難になる。花畑の環境を守るには柵の設置とともに、毎夏同じ場所で過ごすシカの習性を利用し、柵の周辺で効果的に捕獲を進めることも大切だ」。約79万平方メートルの草原。石灰岩で覆われ、表土が薄いため樹木が育ちにくく、冬は数メートルの雪に閉ざされることから、通常なら2000メートル級の亜高山帯で見られる草花も自生する。日本海型と太平洋型の気候の境界にあり、多様な植物種が特徴。2003年には国の天然記念物に指定された。

(森の維持活用を学ぶ、若者ら鹿の処理見学:兵庫)
若者を対象に丹波の森の健全な維持や活用について理解を深めてもらう取り組み「たんばユース躍動プロジェクト 丹波の森の恵みと再生のあり方を学ぼう」が16日、鹿の食肉処理や販売などを手掛ける「丹波姫もみじ」(丹波市氷上町谷村)であった。丹波地域の他、神戸や姫路などから12~39歳の中高生や大学生、社会人の計10人が参加、狩猟で捕れた鹿が解体され肉になるまでの工程を見学した。プロジェクトは、丹波の森公苑(同市)が小学生向けに開いている縄文人体験「縄文の森塾」の実践版として企画した。県立森林動物研究センターや丹波篠山、丹波両市などの協力を得て6月にスタート。12月まで10回の講座で、森の健全な維持にとっての動物と植物の相互依存関係などについて学ぶ。

(集え!ペーパーハンター:千葉)
農作物などに被害を与える有害鳥獣の対策を強化するため、千葉県は「捕獲協力隊」の募集を始めた。狩猟免許(わな猟)を取得したが、狩猟をしていない“ペーパーハンター”が対象で、県の捕獲事業に同行して知識や技術を身に付けてもらう。ふるさと納税で同対策を支援する支援隊員も募集している。県自然保護課によると、初心者ハンターと獣害に悩む農家をマッチングする小田急電鉄の「ハンターバンク」を参考にした。県内でもイノシシや特定外来生物のキョンによる被害が深刻化しており、県は協力隊事業を創設し、捕獲の担い手を掘り起こすことにした。参加隊員は捕獲現場や解体施設を見学するツアーなどに参加した後、君津市内で来年1~2月に1~2回捕獲に同行する。今回の捕獲対象はキョンで、捕獲事業者の指導の下、実践的な技術の習得を目指す。わな猟免許未取得者を対象にした「疑似体験コース」もあり、オンラインで狩猟を疑似体験できる。いずれも10月20日までに「ちば電子申請サービス」で申し込む。県外在住の支援隊員には返礼品として捕獲したキョンの肉や革製品などを用意。返礼品は捕獲したキョンの数に応じて変化し、1万円の寄付の場合は最大で肉約200グラムとレザーコースターなどを送る。申し込みは12月31日まで。熊谷俊人知事は「キョンなどの生態系を乱す特定外来生物は根絶を目指さなければならない。本事業を契機とし、有害鳥獣の問題の解決につなげたい」と力を込めた。県内のキョンの生息数は2006年は推定約9200頭だったが、20年には5万頭超と急増している。分布も拡大傾向にあり、畑の野菜や住宅の庭の花が食い荒らされる被害が増えている。

(シカ害対策 研究フォーラム:大阪)
箕面でも増えすぎたシカによる被害が深刻になっています。農林業被害や森林生態系に及ぼす影響の他、シカは地表の植物だけでなく、冬には落葉も食べることから、地表が裸地化し、土壌の流出や保水力の低下により土砂崩れのリスクが高まるなど、私たちの生活にも影響を与える可能性があると懸念されています。「こもれびの森」の防鹿柵外では、シカによる食害で裸地化した作業道の土壌の流出が進み、土砂崩れが発生しました。箕面のシカの生息状況や個体数管理の取り組み、シカ被害から守るための市民活動の現状と課題などを報告します。増えすぎたシカから箕面の森をどう守るのか、シカから森林環境を守るために取り組んでおられる先進的な戦略と戦術などの紹介をしていただきます。シカたないでは済まされない、増えすぎたシカから箕面の森をどう守るか、何ができるのかを一緒に考えましょう!

(散歩中にクマに遭遇した男性の恐怖「もう散歩するのも嫌」:富山)
まもなくクマが人里におりてくる時期です。2023年はクマの主食となるドングリの実が不作となっていて、富山県では平野部での出没、遭遇の可能性が高くなるおそれがあります。2021年、散歩中にクマに襲われけがをした男性が「まさか舗装された道にも出ると思わなかった」と当時の恐怖を語りました。クマに襲われた男性:「クマが急に現れて、自分の方へ突進してきたものだから、これはやばいなと思って。怖かったね…」富山市に住む78歳の男性は2021年7月、散歩中にクマに襲われ、けがをしました。男性は、午前6時半すぎ、自宅から1キロほど離れた富山市須原の林道へ散歩に出かけました。草が生い茂った場所にさしかかったため、男性はまさにクマを警戒し、歩きながら大声を出したといいます。クマに襲われた男性:「人の存在をアピールした方がいいという話を聞くから、そのために声を出したら急に現れてきた」。突然、やぶの中から体長1メートルほどのクマが現れ、男性に飛びかかってきたのです。男性はとっさにクマを足で蹴って抵抗しました。男性はクマを蹴った際に前足のツメで引っかかれ、全治10日のけがをしました。クマはやぶの中へ逃げていったといいます。富山県内では2023年はクマの出没が増えるおそれがあります。県の調査で、クマの主食となるドングリの実り具合は、ブナ、ミズナラ、コナラのすべてが不作となる予想で、なかでもブナは、県東部だけでみるとさらに実のつきが悪い「凶作」予想となっています。2023年と同じ、すべて「不作」の評価だった2016年は、人身被害が3件発生したほか、目撃や痕跡情報は300件にのぼっています。クマの生態に詳しい専門家も警戒を強めています。富山県自然博物園ねいの里・間宮寿賴さん:「平常年よりも特に県東部はクマの出没に注意が必要。9月下旬から10月上旬にかけてクマの出没が一気に増えてくるとクマが平野部まで多く出ることになり得るので、そのへんのクマの情報を注視していきたいなと」。出没が増えるのは9月下旬、つまりもう増えてもおかしくない時期になっています。クマと遭遇しないためには・・・▽クマを引き寄せる「柿の実」の撤去は今すぐに行う必要があります。▽クマと遭遇しやすいのは山間部をはじめ、やぶに覆われた河川敷、河岸段丘崖の林などで、こうした場所の草を刈って、見通しをよくすることも大切です。富山県自然博物園ねいの里・間宮寿賴さん:「クマがくる理由はやっぱり周辺に柿の実があったりとか。そういう食べ物がなければ一過性で通り過ぎたりするので、長時間クマがいることはないと思う。そもそもクマと出会わないために、誘引物を除去したりヤブを刈り払って見通しのいい環境を作ることで遭遇する機会を減らす方が人身事故に結びつかない」。クマに遭遇した男性は、周囲の柿の木をすべて伐採したほか、日課だった朝の散歩でも、今は山の方へ行くことはないといいます。クマに襲われた男性:「まさかアスファルトがしてある道路に出てくると思わないものだから。山手の方はもう散歩するのは嫌になったね、怖くなってきた。やっぱり山の方を歩く時は鈴とか撃退スプレーとか持ち歩いた方がいいと思うね」。富山県自然博物園ねいの里・間宮寿賴さんに聞いた『身を守る方法』クマと遭遇しやすい場所へ行くときは…(1)クマ用の撃退スプレーがもっとも効果あり!(2)長時間作業するときは、ヘルメットをつけましょう。(3)クマ鈴やラジオ、声を出すといった「音」を出すのも効果はあるのですが…→今回取材した男性は大声を出したところ、クマと遭遇しています。「音」を出すことは、クマの性格や親子連れであるなどの状況によって、効果がない場合もあるということです。それだけで安心するのはやめましょう。万が一、クマと遭遇したら…(1)屋内・車内に入りましょう。クマから走って逃げてはいけないとも言われますが、屋内か車内に入るほうが安全なので走って逃げてもOKです。(2)逃げられない場合は、首や頭など急所を守ってその場を離れてください。

(クマによる食害相次ぐ:秋田)
秋田県内で18日から19日にかけて、クマによる食害が相次いだ。横手市前郷字西ケ坂のブドウ園で18日午後11時ごろ、所有者の家族が園内を歩くクマを目撃、シャインマスカットなどブドウ約50房が食い荒らされているのを確認し、横手署に届け出た。

(自動車3台がクマと相次ぎ衝突:秋田)
18日午後6時35分ごろ、秋田市上北手猿田字堤ノ沢の市道で、自動車3台が体長約1メートルのクマと衝突した。けが人はいなかった。秋田東署によると、大仙市の60代男性が運転するライトバンが御所野方面から仁井田方面に走行中、左側から出てきたクマとぶつかり、バンパーが破損した。

("クマ出没多発"『3日間で13件』ヒグマの仕業か:北海道)
桜の名所として知られる北海道南部の松前町では9月15日以降3日間で、クマの出没情報が13件に上っています。18日にも住宅の網戸が壊される被害も見つかり、警察は注意を呼びかけています。9月18日午前5時ごろ、松前町江良(えら)にあるブドウ畑で、クマの足跡とブドウのつるが落とされているのを畑の持ち主の80代の男性が発見しました。このブドウ畑では17日にも、クマにブドウが食べられる食害があり、警察官が現場を調べたところ、男性の住宅の網戸が切り裂かれているのが見つかりました。クマによる被害とみられています。また、同日正午ごろには約1キロ離れた町立大島小学校のグラウンドに、クマのフンがあるのを校長が発見し、近くの駐在所に届け出ました。松前町内では14日にも、住民の女性が、自宅で「ガリガリ」という音を聞き、外を見ると木の実のようなものを食べるクマを目撃しています。警察によりますと、15日夜~18日午後5時にかけ、クマの目撃や足跡などの出没情報は13件と相次いでいて、警察や町などは注意を呼びかけるととともに、警戒を高めています。

(植物園、イノシシ出没し遊歩道の一部立ち入り禁止:新潟)
先週、新潟市にある県立植物園にイノシシが3日連続で出没し、園内の遊歩道の一部が立ち入り禁止になるなど影響が出ています。今月14日の午前9時ごろ、新潟市秋葉区にある県立植物園で、イノシシ1頭がいるのを園の職員が見つけ、警察に通報しました。警察や市の職員などが現場に駆けつけたところ、体長およそ1メートルほどのイノシシが園内を歩いていて、園外に追いやる対応をしたところ、発見から4時間ほどたって山のほうへ逃げていきました。園によりますと、イノシシは翌日とその次の日も園内に出没し、草むらに隠れたり、池の中に入ったりしてしばらく過ごしたあと、山の方向に戻っていったいうことです。これまで人や植物への影響はないということですが、園は利用者の安全のため、園内の遊歩道の一部を立ち入り禁止にしています。園内では去年までイノシシの目撃情報はありませんでしたが、ことしは今月10日に初めて目撃されて以来、合わせて4回確認されたということです。県立植物園の学芸員丸山真也さんは「驚きが大きいです。植物園がある場所が自然が豊かなので、生き物が現れることはしかたがないと思いますが、1番の優先は来園者の安全だと思うので、もう現れてほしくないなというのが正直なところです」と話していました。園によりますと17日と18日はイノシシが現れなかったということで、出没しない日が続けば遊歩道の利用制限の解除を検討することにしています。県によりますと、イノシシは生息域が全国的に北上しているため、県内での生息数が増加しているということです。また、新潟市によりますと市内ではイノシシの出没が令和元年度に急激に増加し、昨年度には150件確認されていて、ことし1月には新潟市中央区で、イノシシが歩いていた女性に突進し、女性は軽いけがをしました。今年度は8月までの5か月間に95件の出没が確認されていて、去年の同じ時期と比べて46件多く、去年を上回るペースとなっています。イノシシは刺激されると興奮して襲ってくることもあるということで、県の鳥獣被害対策支援センターは、遭遇した場合は刺激せずに物陰に隠れたり高い所へのぼったりしてその場から離れること、イノシシは作物の味を覚えて再び出没することもあるので。食べ物を外に放置しないことを呼びかけています。

(「クマが川で魚を食べている」:山口)
19日午後11時10分ごろ、山口市宮島町の椹野(ふしの)川に架かる鰐石(わにいし)橋を渡っていた女性から、「川にクマがいる」と110番があった。現場はJR山口駅の南約500メートルで、付近に住宅や事業所が立ち並ぶ。山口県警山口署や市は近隣の住民に注意を呼びかけている。

(年100頭超を捕獲「スーパー猟師」:長野)
四方を山に囲まれた信州で地元のハンターらから「スーパー猟師」と呼ばれるわなを使った害獣駆除の名人がいる。農作物の獣害に悩む地元に生まれ育ち、ニホンジカやイノシシ、ツキノワグマなどを仕留め続けて50年近く。培った経験と「天性」といわれるわなのセンスで、年間の捕獲数は100頭を超える。長野県塩尻市の山口富雄さん(73)が、父の見よう見まねでウサギ用のわなを針金で作るようになったのは小学生のころ。「近所に住む知人が猟銃でウサギやキジなどを仕留めてきたのにあこがれた」という。中学卒業後、松本市内の農機具メーカーに就職してからも狩猟へのあこがれは消えず、25歳で猟銃とわなの免許を取得した。増えすぎた害獣の駆除に携わるようになったのは50歳のころ。「イノシシがジャガイモ畑を荒らしているので何とかしてほしい」と塩尻市の担当者から依頼されたのがきっかけだった。集落に現れたイノシシが暴れれば人に危害を及ぼす恐れもある。山口さんは「天性」といわれるセンスと経験に裏打ちされた技術でわなを仕掛け、次々とイノシシを捕獲していった。

(クレー射撃場を経営し買い物は常に夫婦2人)
俳優の岩城滉一(72)とタレントの結城アンナ(68)夫妻が18日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。日常生活について語った。結婚して47年になるという2人。司会の黒柳徹子が「岩城さんはクレー射撃場の経営してらっしゃるんですって」と話を振ると、岩城は「好きでなんとなく。前の方が辞められたんで、そのまま受け取って今やってます」と明かした。黒柳が「岩城さんは72歳になって、昼間は仕事以外では出かけない」と話すと、岩城は「そうですね。射撃場に行って、来られてる方と同じ趣味で話し合ったりとか、そのまま帰って来て、今2人でワンちゃん凄く可愛がってるんで。だからなんとなく家で犬をこうやって触ってますね」と穏やかに話した。黒柳が「昼間は2人で話をしたり、お買い物に行ったりなさるんですって」と紹介すると、岩城は「買い物はもう年だし、車で乗っけてって、買い物してる間は車の中でワンちゃんと待ってて、終わったら乗っけて家に帰るっていう感じですかね」、結城は「地味な生活してます」と笑ってみせた。岩城が「それで昼間は(結城が)絵を描いてるんで、僕は地下にいて、相変わらずオートバイいじったりとか」「今僕ベッドルームも地下にあるんで、車から降りたらもうそのまんま寝るっていう」と告白。結城はベッドルームを分けたのはコロナ対策だったといい「ダディを違う所に引っ越してもらって」「たまに上に来ますよ、ご飯食べにね」と話すと、岩城は「ごめんくださいって。まあ家庭内別居みたいな話ですかね」と冗談めかして語った。それでも黒柳が「アンナさんは最近になって岩城さんは最高のパートナーだなと思うようになった」と語ると、結城は「そうなんですね。最初はちょっと性格も全然違いますし。一番最初はあんまり深く考えないで一緒になったんですけれども、やっぱり一緒に生活してみると、“大丈夫かなあ”という場面がたくさんあったんですけれども。でもそうこうしてるうちに、お互いが合わせたりして、徐々にどこかマッチングしてたんですよね。50年近く一緒にいますから」と目を細めた。

(広尾町に意識の高い若者が集まる理由は何か:北海道)
8月10日午前7時、朝シャワーを浴びたばかりだった中村麻矢さんの携帯が鳴った。「まやちゃんかい。ヒグマが獲れたよ。解体をお願いしてもいいかなぁ」。猟師仲間からの連絡だった。「分かりました。すぐ行きます。場所はえぇっと・・・」。北海道での狩猟について知りたいという東京からのお客さんの世話もあって、大変忙しくしていた中村さんだったが、二つ返事で引き受けた。すぐにクルマを回し、手際よくヒグマの皮を剥ぐ。皮はレザーにお肉は料理に。獲れた命をできるだけムダにしたくない。解体が一通り終わるともう昼近くになっていた。9月に入ったとはいえ昼間は30度前後まで気温が上がるなかで体は汗びっしょり。朝シャワーは何のためだったんだろうと思いながら、中村さんは急いでゲストたちが待つ広尾町の菊地ファームに向かった。広尾町は北海道の十勝地方南部にあり、南には日高山脈が走り、東は太平洋に面した人口6000人強の農業や酪農、漁業、林業が主な産業の町だ。十勝を代表する都市、帯広からクルマで1時間強。路線バスだと約3時間かかる。中村麻矢さんが向かった菊地ファームは、オーナーの菊地亜希さんが広尾町の良さを情報発信している「ピロロ推進協議会(ピロロ)」の代表で、中村さんのお姉さん的存在だ。ピロロ推進協議会は、広尾町と熱中小学校が共催している地域活性化を目指す取り組み。ちなみにピロロとは、広尾町の名前の由来とも言われているアイヌ語のピロロ(陰のところ)という意味だという。 *1=熱中小学校は、廃校となった校舎などを利用して都会から講師招聘したその道のプロによる講義や交流会を通じて、大人が今一度小学生の視点で学び直し、地域活性化につなげようというプロジェクト。これまでJBpressでも何度か取り上げてきた。菊地ファームで会った中村さんに「休みの日なのに朝から大変な仕事でしたね」と言うと、中村さんは首をやや傾げて「何を聞くんだこいつは」という表情。「あぁぁ、そうだったんだ。今日は日曜日だったんですね。完全に忘れてました」。懸念が解けたのか、晴れやかな笑顔を返してきた。「1年365日、働いていますけど、そんなことどうでもいい。仕事、いや、ここで生活していることすべてが楽しいんです」と、その笑顔には書いてあった。人生が最も輝いている時期はわき目もふらずまっしぐら、忙しくて辛いなどと考えている暇もない。何かをなす人には必ず訪れる大切な時が今なのかもしれない。中村さんは広尾町に30人前後いる猟師の中で最年少、唯一の女性猟師だ。猟師になる前は、東京で「ヒトサラ」というグルメサイトの編集部で日本全国の食材や食にまつわる記事を企画・編集していた。それがきっかけで猟師という職業に興味を持ち、27歳の時狩猟免許を取得した。狩猟免許を取得した中村さんは、猟が解禁される秋から冬になるとよく北海道に遠征していた。北海道での狩猟はダイナミックだ。それに惚れ込んだ中村さんは、狩猟期以外の「有害駆除」にも参加したいと思うようになっていった。そして思い切って、広尾町への移住を決めた。中村麻矢さんの猟師としての特徴は、単に狩りをするだけでなく、獲物をさばいて精肉とし、その肉を自分なりのアイデアで美味しい料理に変えてしまうこと。また、角や皮も革製品などに加工してムダのない狩猟を心がけているという。駆除したら終わりという考え方が多いなかで、そこまで一貫して行う猟師は珍しい。そのため地元の猟師からも親しまれ頼りにされている。彼らからは「鹿女まやもん」の愛称で呼ばれている。「おいしくジビエをいただくために、どのようにさばき、料理するかを考えるのは本当に楽しいですね。猟師の一番の楽しみだと思っています」。その姿勢が謙虚でまた可愛らしく地元の猟師には映るのだろう。中村さんが都会から来た「よそ者」扱いされずに地元に溶け込んでいる大きな理由と言えそうだ。

(ジビエの魅力広めたい:長崎)
大村湾、諫早湾、橘湾と多良岳、雲仙岳といった豊かな自然に囲まれた諫早市は、おいしいジビエ(野生鳥獣肉)が育つ。公設の処理場「諫早市鳥獣処理加工販売組合」では、駆除された有害鳥獣のジビエの有効活用に取り組む。組合長の永尾洋一さん(76)に話を聞いた。私は北有馬町を開拓した農家の出身で、父が猟をして捕ったジビエを食べていた。私も成人して狩猟免許を取り、長崎市の猟友会に入った。経営する居酒屋では、捕獲したイノシシの肉を提供していた。7年前に処理場が開設され、当時、諫早猟友会の会長だった私が組合長を務めることになった。

(エゾシカを商品化:北海道)
ANAあきんど釧路支店長 土井田成広さん。航空大手、ANAホールディングス(HD)の「釧路の顔」として地域の困り事を聞いて回る。課題の解決につながる新たなビジネスを作り、地域創生を実現しようと尽力する。ANAあきんど(東京・中央)の釧路支店長として、全日本空輸(ANA)が就航する釧路空港と中標津空港を管轄する。2021年、ANAHDで事業再編があり、社名が「ANAセールス」から「ANAあきんど」へと変わった。事業内容も従来は航空券の営業や旅行商品の販売が主だったのが、地域創生ビジネスに注力する方向へかじを切り、支店の役割は変わった。「地域創生と言われても、何をすればよいのか」。まずは地元の人々から困り事を聞いて回ることにした。地域の課題として浮かんだのが、エゾシカによる獣害だった。ハンターは不足し、鹿肉を処理できる事業者も減っている。「今、手を付けなければシカだらけになってしまう」。本社とも連携し、プロジェクトチームを組成。ボロネーゼにキッシュ、マーボー豆腐……。食肉加工業者やハンターなどと連携し鹿肉の商品化を進めた。ANAのプロモーション力やブランド力を活用しながら道外に売り込んでいこうと考え、自社のふるさと納税サイトを通して提供し始めた。「どんな活動をしているのか知ってほしい」。ある獣医師とはこんな話になった。北海道釧路市を拠点に希少猛きん類の保護や研究活動をしているこの獣医師と、保全活動の最前線と現状を学べるツアー商品を企画した。入社以来、海外旅行の企画を手掛ける期間が長かった。1998年、日本代表が初出場を果たしたサッカーワールドカップフランス大会では、航空券や宿泊施設、観戦チケットをセットで提供するだけでなく、往年の名選手による講演会も組み入れたツアーを企画。「どう『ネタ』の魅力を引き出し、その本質を理解してもらえる顧客に届けるか、ということをずっと考えてきた」。それは海外旅行の企画でも、地域創生ビジネスでも変わらない。「旅行商品の企画の時は毎回内容が違う。情報収集のために誰に会いに行けばよいか。そんなことを繰り返し考えてきた」。話を聞きに行っても、はじめはいぶかしがられることも多い。ただ、熱意を持って話せば思いは伝わり、思い描いた計画を実現するためのネットワークは広がっていく。「フィールドが違うだけで(業務内容が変わっても)戸惑いはなかった」神奈川県出身で、社会人になってからもずっと東京勤務が続いた。釧路への異動が初めての転勤だ。人混みが苦手で、今は「生活がしやすい」と笑う。支店長4年目。「鹿肉のビジネスを軌道に乗せるまでは釧路で頑張りたい」と意気込む。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、20日午後6時40分ごろ、利府町神谷沢長田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午後5時40分ごろ、栗原市栗駒稲屋敷下谷地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、20日午前11時ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午前7時30分ごろ、仙台市太白区秋保町境野上戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午前8時ごろ、栗原市築館下宮野王橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、19日午後1時20分ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前8時10分ごろ、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

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(猟犬4匹にかみつかれ女性重傷、飼い主を書類送検へ:三重)
三重県度会町で猟犬が女性にかみついてけがを負わせた事件で、県警伊勢署は近く、猟犬の飼い主の男性(67)を、業務上過失傷害の疑いで書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。伊勢署によると、男性は同町火打石(ひうちいし)の山中で4月9日、有害鳥獣の駆除のために猟犬5匹を放ち、うち4匹が町道を1人で散歩中だった同町の女性(61)を襲って大けがを負わせたとされる。

(男性がクマに襲われけが:秋田)
また新たなクマの被害です。15日午後五城目町で70代の男性がクマに襲われてけがをしました。今年県内でクマに襲われた人は22人とこれまでで最も多くなっています。警察と消防によりますと15日午後4時10分ごろ五城目町富津内の山林で「クマに襲われた」と近くに住む70代男性から知人を通じて消防に通報がありました。男性は自力で自宅に戻ったあと病院に搬送されました。頭や右手首をひっかれたほか足をかまれていて、詳しいけがの程度はわかっていませんが、意識はあって会話はできるということです。男性は自宅敷地内の伐採した木を運び、車からおろす作業をいていたところ茂みから現れたクマに襲われました。

(飛び出してきたクマに70歳女性襲われる:岩手)
16日午前、岩手県岩泉町で70歳の女性がクマに襲われ、けがをしました。岩泉警察署によりますと16日午前5時55分ごろ、岩泉町上有芸の町道で散歩をしていた70歳の女性が、道路脇の空き家の敷地内にある草むらから物音がした直後に、飛び出してきたクマ1頭に襲われました。この女性は襲われた後、自力で帰宅し電話で知人に助けを求め、連絡を受けた知人が119番通報しました。女性は左膝をかまれたほか、目元付近を引っかかれるけがをし、県立宮古病院に運ばれました。搬送時、意識はあり会話も可能で命に別条はないということです。警察が周辺の警戒にあたっています。

(クマに襲われ70代女性けが:青森)
青森県鯵ケ沢町によると、17日午前9時15分ごろ、同町中村町山本の通称・大宮集落付近で、キノコ採りのため入山した近くに住む70代女性が、体長約1メートルのクマに突然襲われ頭部などを負傷した。女性はドクターヘリで青森市の県立中央病院に搬送されたが、命に別条はない。

(登下校に「クマよけ鈴」も、東北各地で警戒)
秋のキノコ採りシーズンを前に、ツキノワグマによる人身被害が山間地などで相次ぎ、東北各自治体が警戒を強めている。例年にも増して人身被害が多く、今後も増加が懸念される秋田県は「家から一歩出たらどこでも遭遇する可能性がある。例年以上に警戒を」と注意喚起している。秋田県によると、今年は事故発生のペースが例年より速く、9月10日までに少なくとも18件確認された。山菜採りや畑作業、田んぼの見回り、アユ釣り、草刈り後の休憩中など1人でいる際に遭遇し、鋭い爪で顔をひっかかれた例もある。現場は人の生活圏が大半を占め、山裾や沢沿い、やぶに沿った地域での出没が目立つ。8月の捕獲数は約250頭に達し、近年の水準(150頭前後)より大幅に増えている。こうした状況を受けて県は11日、緊急対策会議を開催。担当者は「捕獲作業に最大限取り組んでいるが、必ずしも人里に近い個体を捕獲しきれていない。果物や米ぬかといった農作物など、クマを呼び寄せるものはなるべく辺りに置かないでほしい」とし、普段から鈴やラジオ、笛などを常備し、音を鳴らしながら移動するのが望ましいとしている。「カラン、カラン」。秋田県北東部の鹿角市では、児童・生徒が「クマよけ鈴」をかばんなどにつるして通学する風景が日常化している。同市は2016年春ごろクマに襲われ4人が死亡するなど、県内でも特にクマの出没が多い地域として知られる。県は「クマが生活圏にますます近づいており、こうした取り組みは今後、別の自治体でも検討の余地があるのでは」と話す。市によると、導入のきっかけは19年9月の事故。花輪地区の中学校の敷地に近い林の中にある階段を通って通学中だった中3の男子生徒がクマに耳をかまれ、軽いけがをした。当時の報道によると、生徒は1人で階段を降りていたところ、前方に座っていたクマを発見。クマが向かってきて転んだ男子生徒に乗りかかり、かみついて立ち去ったという。これを受けて市は、低音が鳴る鈴約1950個を購入。22年度から本格的に市内計10校の小中学校の児童・生徒に配り、クマが出やすい4~12月は鈴を鳴らしながら通学するよう呼びかけた。当初は「商店街などを歩く際に恥ずかしい」との声もあったが、鈴は人の多い所などでは鳴らないようにも操作でき、次第に違和感なく地域で受け入れられるようになったという。市の担当者は「20、30年前は山奥の畑で見る程度で、普段市内で目にすることはなかった。だが最近は学校によっては7、8割の児童や生徒が『見たことがある』と答えるほど近い存在になってきている。鈴を貸与し始めてからは通学中の被害は今のところ起きておらず、一定の効果が出ているのでは」と話す。「既にクマが近すぎて、警察に通報すると事細かく状況を聴かれるのを面倒に感じる市民も少なくない。警察が発表する事例は氷山の一角だろう」。クマに詳しい市内の関係者は取材にこう語り、「鹿角のクマは山にとどまるものと、市街地に居着いて繁殖するものの二極化が進んでいる。市街地付近で行動するクマが増えると、駆除するハンターにはより高度な技術が必要となり、緊急時に備えた行政側の対応も課題になってくる」と指摘する。

(豚熱対策で養豚場周辺に緩衝帯:福岡)
佐賀県唐津市の豚熱発生を受け、福岡県は14日、ウイルスを媒介する野生イノシシの侵入を防ぐため、養豚場周辺の雑草や木を伐採してつくる緩衝帯を県内全域で段階的に整備を進めると明らかにした。同日に始まった県議会代表質問で、服部誠太郎知事が自民党県議団の大田満氏に答えた。

(知床は“ゴミ”を「カラス」ではなく「クマ」があさる?:北海道)
北海道知床半島の羅臼町で、クマが生ゴミなどをあさる被害が相次いでいて、町は注意を呼び掛けています。羅臼町によりますと、9月2日未明に住宅裏の倉庫のガラスが割られ、内部にクマのものとみられる足跡が見つかりました。その後、9~13日にかけては、ごみステーションの金網が破られたほか、ごみを入れていた冷凍庫内が荒らされたり、体長1.5メートルほどのクマが水産加工施設の中で、魚が入っている袋をあさる姿が目撃されました。羅臼町は「2023年はマスの遡上が少なくハイマツの実やドングリも不作で、クマがエサを求め人里に近づいている可能性がある」としています。町は、クマの誘わないために生ごみは屋内で保管し、ごみの回収日まで外に出さないなどの対策を徹底するよう呼びかけています。

(OSO18の最期、“忍者”はなぜ駆除された?:北海道)
全国有数の酪農地帯、北海道東部(道東)を震撼させたヒグマ「OSO18」人前に姿を現さず“忍者”とも呼ばれたOSO18が、ついにハンターによって駆除された。その最期は。そしてなぜ駆除されたのか。第2、第3のOSOを生まないためにはどうすればいいか。関係者の証言や言葉でたどる。にわかには信じがたい一報だった。8月21日午後9時前。数年間にわたってOSO18の取材を続けてきたカメラマンから一本の電話が記者に入った。あれだけ人目を避けてその姿を捉えられなかった「OSO18」だ。まさか駆除されていたとは思わなかった。ただ、1人の関係者の話だけでは、ニュースに出せない。すぐに別の関係者に取材を開始した。夜にもかかわらず、電話に出てくれた関係者に話を聞けた。「7月に釧路町で駆除されたクマの体毛のDNAがOSO18と一致した、ただ駆除の経緯などの情報が錯綜しているため最終確認をしている―」。道東だけでなく全国からも注目されたヒグマだ。関係者も慎重に確認していると感じた。こうして日付が変わった22日の未明、「OSO18が駆除されたとみられる」と報じた。「釧路町内で捕獲されたヒグマの個体について、OSO18と呼ばれるものと確認した」。8月22日午後3時。釧路総合振興局は記者会見を開いてOSO18の駆除を発表した。駆除されたのは7月30日、釧路町仙鳳趾村。被害が出ていた標茶町、厚岸町ではなく、これまでの被害地域から10kmほど南に離れた牧草地だった。この場所でOSO18とみられるヒグマが最初に目撃されたのは駆除の2日前の7月28日。目撃者の男性に話を聞くことができた。OSO18とみられるヒグマを目撃した男性「牧草地で、地面のにおいをかぎながら動いているクマを見た。僕が両手を伸ばしたよりも大きかった。毎年この地区でクマを見ない年はないが、久しぶりにでっかいと思った」。その後、この男性はOSO18を駆除することになるハンターに会った。ヒグマを見たことを伝えたところ、ハンターも「見た」と言っていたという。そして、7月30日午前5時ごろ。ハンターが現場を訪れると牧草地にヒグマがいるのを発見し、人の姿を見ても逃げるそぶりがないことから、有害性がある「問題個体」と判断。合計3発の銃弾でこのヒグマを駆除した。このハンターは当初はOSOとは思わなかったが、町役場が念のためとDNA鑑定を道立総合研究機構に依頼。OSOと町に伝わったのは8月21日だった。釧路町の町長は、OSOを駆除したハンターが役場の職員だと明かした。そしてOSOと特定されたときのハンターの様子をこう振り返った。釧路町 小松茂町長「結果としてOSO18ということがわかり、驚いていた。標茶町と厚岸町の被害が甚大で、もし今回駆除されなければ釧路町の牛も襲われかねなかった。よくぞやってくれたという思いだ」。駆除されたOSO18は体長2m10cm、体重は推定330kg、そして名前の由来ともなった前足の幅は20cmだった。手足には皮膚病を患い、顔には4か所傷があったという。釧路総合振興局の会見では「やせているように見える」と最期の姿が語られた。人目を避けるような様子から、忍者とも呼ばれたOSO18。だが、その最期のきっかけとなったのは「人から逃げなかった」ことだった。駆除されてからおよそ3週間たち正体が判明すると、釧路町には剥製にしたいという要望も複数寄せられたが、時はすでに遅かった。誰も“OSO18と知らないそのヒグマ”は、駆除された7月30日に、仕留めたハンター自身によって北海道東部の白糠町にある食肉加工会社に持ち込まれた。大きい個体だったことから、会社の人は「OSO18かもね」と冗談を飛ばしたものの、本物はもっと大きいと思っていたという。そして解体され真空パックに詰められると、食肉として出荷。東京のジビエ料理店やインターネットでジビエなどを販売する釧路市内の業者に売られていった。釧路市の業者が運営するインターネットの販売サイトでは、8月中旬から入荷した肉を販売していたが、その肉がOSO18と判明してからは一気に注文が増加。完売状態になったという。一方で、釧路町には「かわいそうだ」「どうして駆除したのか」といった苦情が20件あまり寄せられた。その多くが道外からだったという。8月末に釧路市で開かれた会議でも、ハンターを知る狩猟関係者が「本人や近しい人などに苦情が寄せられている。対策を真剣に考えてほしい」と道に要望した。これを受けた道は、ハンターを守る体制づくりを検討している。担当者は、北海道においてヒグマが人的被害や農作物への被害を及ぼしている現状や、駆除を含めた対策が共生のために必要であることを、一層工夫して、そして道外にまで発信していく必要があるだろうと語った。「OSOの駆除に苦情が寄せられている」と報道されたあと、町には激励のメールや電話も届いているという。OSO18の被害にあった酪農家からは安堵の声が聞かれた。標茶町中チャンベツ原野で酪農を営む佐藤守さん。2019年と2021年にあわせて5頭の牛が被害に遭い、うち3頭が死んだ。OSO18の被害にあった酪農家 佐藤守さん「今までヒグマに生きている牛が襲われるなんていう被害は自分の代では経験がなかったので、被害にあったときは驚いた。知人から『駆除されたようだ』と連絡があり、ほっとした。そしてなかなか捕まらないOSO18の賢さにも驚いてきた。なぜあれだけ警戒心が強いヒグマが撃たれたのか不思議だ」。警戒心が強い“忍者”と呼ばれたOSO18。そのゆえんはこれまで人間が行ってきた対策をことごとく潜り抜けてきたことにある。道はOSO18を捕獲するために「特別対策班」を結成。わなを複数の箇所に設置したが、かからず。そして度重なる追跡もかわされてきた。特別対策班のリーダーを務める藤本靖さんは、ことし6月に標茶町で被害があったあと、7月1日には現場に戻ってきたOSO18を監視カメラがとらえていたことや、足跡などから釧路町の方向へ向かう足取りを7月16日までは追跡できていたことを明かした。最後の足取りからさらに南へ向かうと、釧路町の駆除された現場にあたる。OSO18特別対策班 藤本靖さん「クマにとっては半日程度で移動できるような、いわばすぐの行動範囲内だ。特別対策班でも探索の範囲に入れていた場所なので、もともと見立てていた場所だったと考えている」。また釧路総合振興局の会見ではOSO18が「やせ細っているように見える」と言われた。体力が落ちてしまい、逃げる気力もなかったのだろうか。OSO18特別対策班 藤本靖さん「やせているなというのが第一印象だが、それで動けなかったのかどうかはわからない。ことしはほとんど牛を襲っていないこともあり、夏場のエサに非常に困窮していた可能性がある。ただ、なぜ逃げなかったのか。そこが引っかかるところだ」。もともとヒグマは木の実や山菜を主食とする。積極的に牛を襲う理由がない中でOSO18は特殊なヒグマだったといわれている。ただ第2、第3のOSOが生まれる心配はないのかと問うと、藤本さんは間髪入れずに「可能性は非常に高い」と答えた。OSO18特別対策班 藤本靖さん「非常に多くなったシカがクマの食べる木の実などを先に食べてしまう。食べるものがなくなったクマはシカの死体などに食事が変わっていって、その比率が高くなるとどうしても肉食化の傾向が強くなってしまう。そのシカの管理をしっかり今後はしていかなくてはいけないと思う」。藤本さんは、シカの管理にヒグマの頭数の把握などの対策を進めることが第2、第3のOSOを生まないために重要だと指摘した。新たなOSOを生まないために重要になるのが、駆除したヒグマの試料の確保と分析だ。今回食肉となったOSO18。釧路総合振興局によると、正体が判明したときに残されていたのは、DNA鑑定に使われた体毛と、牙のみだった。道は、ヒグマの生息実態を把握するために、捕獲した際は体の一部を試料として提供するよう以前から協力を呼びかけている。道が提供を求めるのは次の3点だ。(1)下あごの奥歯の中で1番前に生えている歯(下顎第4前臼歯)…分析することで、捕獲個体の年齢構成などが分かる。(2)太ももの骨(大腿骨)…分析することで、捕獲個体の農作物の食害経験の有無などが分かる。(3)肝臓…DNAを分析することで、捕獲個体と出没個体が照合できたり、遺伝的な多様性が分かったりする。分析から、駆除した個体がOSO18のように肉食化していたかどうかも推測できるという。ただ、これらの提供は義務ではない。ハンターがヒグマをしとめることはもちろん、さらにみずから解体して提供のための歯や骨を取り出すには、技術も手間も必要だ。ヒグマを駆除した場所も、今回のような私有地であればその場で解体するわけにはいかず、山奥でほかの人の手を借りられるとも限らない。試料提供は“ハンターの善意”で負担してもらっているのが現状だ。8月末に札幌市で開かれた、道庁と有識者の会議では、試料提供と分析の重要性が次々に指摘された。会場からは「クマは市町村のエリアを気にして出てくるわけではないので、自治体どうしで連携し情報を共有することが大切だ」という意見や、「試料を提供することの重要性を各自治体にもっと意識してもらわないといけない」という意見が上がった。これを受けて道は、各自治体に改めてヒグマ捕獲時の試料提供のお願いを文書で呼びかけた。OSO18の被害にあった標茶町の酪農家、佐藤さんはこれまで対策として夜中に大音量でラジオを流したり、「防獣ライト」と呼ばれるさまざまな色に光るライトを30個ほど設置したりしてきた。OSOが駆除されたあとも、この対策は続けるという。OSO18の被害にあった酪農家 佐藤守さん「また同じような行動を取るクマが出てきたら大変だ。このまま対策は続けたい。同じようなクマが出てこないことを願うばかりだ」。OSO18が、道東の酪農家にとってどれほどの脅威だったかということを改めて感じます。一方で北海道では、牛を襲ったこの特異な個体以外にも、ヒグマによる農作物や人身への被害が確認されるのは毎年のことです。筆者(中山)が新人記者として札幌に赴任して間もない頃には、住宅街で4人が次々とヒグマに襲われる未曾有の事態が起きました。野生動物との共生は、自然豊かな土地に暮らす者の宿命だと思います。第2,第3のOSOを生まないという視点はもちろんのこと、ヒグマを人里には近づけないための、根本的な対策が改めて問われていると感じました。ハンターの成り手不足や高齢化などの課題も抱えながら、どのように野生動物と共生の道を探っていくのか、これからも取材を続けていきます。

(鳥獣専門員、道内で配置進まず:北海道)
ヒグマなどの野生動物による農作物の食害が相次ぐ中、道内の多くの市町村が鳥獣対策の立案や被害地域への指導を担う専門員の配置を喫緊の課題に位置付けている。既に専門員を置いている兵庫、島根両県は被害の抑制で成果を上げており、道内の研究者団体も道に対して各振興局への配置を提案している。ただ道は人件費増加などの懸念から専門員の採用に慎重な姿勢を崩しておらず、実現の道筋はまだ見えない。

(住宅街で相次ぐクマ目撃情報、都市近郊で活動“アーバンベア”とは:宮城)
残暑厳しい日が続くが、もうすぐ実りの秋がやって来る。キャンプや紅葉狩り、宮城県でいえば河川敷での芋煮会といったレジャーを心待ちにしている人も多いのではないだろうか。そんな中懸念されるのが、今年相次いで目撃されている「クマ」による被害だ。専門家に話を聞くと、人への警戒心が薄い「ある」クマが増加しているという。9月某日、宮城県仙台市で、住宅地にクマが出没した際の対応訓練が行われた。この訓練は、近年、住宅街に出没するクマが増加していることを背景に、仙台市、警察、猟友会が合同で行ったもの。初の試みだ。訓練では、集会所を民家に見立てた住宅街にクマが出没したという想定で実施。クマに扮した警察官を発見するところから始まる。通報を受け警察が駆けつけ、そこに市の職員や猟友会メンバーが合流。住民の安全を考慮した捕獲方法を話し合う。猟銃を使用してクマを捕獲すること、全体の流れを確認した。宮城県によると、県内で2023年4月から8月末までに寄せられたクマの目撃情報は486件。去年の同じ時期と比べて67件も増えていて、人身被害も2件発生している。6月10日、山形県との県境にほど近い鳴子温泉の山で、農作業中の男性がクマに襲われ足にけが。そのわずか1週間後には、仙台市中心部から車で北に1時間ほどの加美町で、野鳥観察をしていた男性が顔などをひっかかれ、病院に搬送された。いずれも命に別条はなかった。なぜ、これほどまでにクマの目撃情報が増えているのか。野生動物の生態に詳しい専門家は「正確な説明は難しい」としたうえで、複数の可能性を指摘する。個体数が増えて生息地が広がっている可能性や、都市の近郊域で生い茂った草木が放置されることで、市街地との境界があいまいになっているケースが非常に多いこと。都市近郊の農地やゴミ置き場がエサ場としてクマに覚えられてしまったということも可能性として挙げられます(森林総合研究所 岡輝樹さん)。一般的に臆病だとされるクマ。人の姿を見つけるとクマの方から身を隠すのが普通だというが、最近増えている「あるクマ」はそういった行動をとらない可能性があると、岡さんは指摘する。「日頃から市街地に近いところで暮らしていて、エサを取りに動いたら街中に出てしまうクマがいる。これはいわゆる『アーバンベア』と呼ばれるクマ。都市近郊生息型と呼ばれるもので、人の気配を感じても立ち去らない可能性がある。一心不乱に食べ物を探すことになるので、すぐ近くで人を見つけた場合、自分を攻撃してくるほかの動物だと思って、クマも必死になると思います。クマは鋭い爪もあるし力も強い」(森林総合研究所 岡輝樹さん)。さらに、今年はクマの主な食料とされるブナの実について、宮城県を含む東北5県は「大凶作」とされている。東北森林管理局が4月下旬以降行った調査では、青森、岩手、宮城、秋田、山形の5県の国有林内の計139カ所でブナの花の開花状況を調べたところ、木全体に花が付いていたのは青森、秋田、山形県内の3カ所のみ。5県の103カ所はまったく咲いていなかったという。結実予測は、5県とも4段階でもっとも低い「大凶作」となった。結実が5県とも大凶作となれば、2019年以来だ。実際、岡さんのもとにも「ブナの実成りが悪い」という情報が入ってきて、「アーバンベアではない、山のクマの動きも活発になり、都市地域に出没する可能性も大いにある」と指摘する。これからの季節、冬ごもりにはいるクマは準備に必死。山から出てきたクマか、アーバンベアかは区別がつかないが、いずれにせよクマの出没は多くなる可能性がある。冬ごもりはクマに取って非常に過酷で、この間一切何も食べないし飲まない。体に蓄えた死亡だけで冬を越さなければならない。そのために、どんどんエサを食べて太る必要がある。もし出くわしてしまったら、首の後ろに手をまわして後頭部を守りながらうつぶせになるのが一番無難です(森林総合研究所 岡輝樹さん)。普段見慣れないクマを見かければ、誰しもがパニックに陥るだろう。冬眠を前にクマの行動が活発になるこれからの時期。「もしもの事態」に備え、対応を話し合ってみてはいかがだろうか。

(24歳、クマ撃ち学ぶ:北海道)
ヒグマの猟銃捕獲を担えるハンターを目指し、三笠市の地域おこし協力隊員・高崎梨徒(りと)さん(24)が技術習得に心血を注いでいる。幼い頃から動物の捕殺に強い抵抗感を抱いていたが、大学での獣害研究を通じ「誰かが駆除を担わなければ、人も動物も不幸になる」ことを知った。熟練ハンターが高齢化で急速に減る中、クマ撃ちの技術と知見を地域に残すため、若きハンターはヒグマの命と向き合う日々を送る。...


(野生動物を轢いてしまったときにやるべきこととは)
道路上で起こる野生動物の死亡事故、轢死(れきし)のことをロードキルという。ロードキルは近年増加傾向が見られ、NEXCOによると、高速道路でのロードキル発生件数は、2002年には約3万6000件だったのに対し、2018年には約4万7400件まで増えている。これに一般道でのロードキルを加えると、1年間で最大34万頭が犠牲になっているとのこと。もし自分が動物との衝突事故を起こしてしまった場合の対処法を伝授する。高速道路で轢いてしまった動物の約4割がタヌキで、鳥類も約3割にのぼる。ネコも被害が多い動物で、年間約29万頭のネコが路上で亡くなっているといわれている。タヌキなど野生動物は夜行性が多く、日没が早くなると動物たちの活動時間も長くなるため、秋から冬にかけての事故が増える傾向がある。これからの季節は要注意だ。それでももし自分が動物との衝突事故を起こしてしまった場合はどうすればいいのか。動物との衝突事故が起きてしまった場合は、まず安全な場所にクルマを止めて、ほかの事故と同じように警察への連絡と、道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡すること。そしてはねてしまった動物には近寄らない、触らないことが肝心。人身事故なら救護義務が生じるので、心情的にははねてしまった動物の保護処置を考えるのはよくわかる。しかし、はねられた動物に近づいた途端、急に暴れ出したり、向かってきたりすることもあり得るし、野生動物の場合は感染症などの問題もあるため、絶対に直接素手では触らないこと。さらに、はねられた動物の親や子供がそばにいることもあるため、むやみに近づくと親や子供に襲われるリスクも無視できない。したがって、動物との事故が起きてしまったら、第一に安全な場所にクルマを止めて、警察などの到着を待つこと。とくに高速道路では、極力路肩や非常駐車帯に停車させて、乗員全員が(通行車両に注意しながら)ガードレールの外など安全な場所にすみやかに避難すること。発炎筒や停止表示板で、後続車に事故車の存在を知らせることも忘れずに。余裕があればクルマの損傷具合もチェックしておこう。筆者の知人は愛媛の高速道路で100kg級のイノシシとぶつかり、クルマが全損になったことがあった。日本は国土の7割が森林で、意外に思うかもしれないが、過去40年でニホンジカの分布域は約2.7倍に拡大、イノシシの分布域は約1.9倍に拡大している。ニホンジカ40kg、クマ40~80kg、イノシシ80~190kgなど、大型動物との事故も増えているので、ラジエターやライト類が壊れたり、フロントガラスが傷ついたり、タイヤなど足まわりに異常があれば、JAFなどのロードサービスの手配も必要だ。こうしたロードキルでクルマが壊れてしまった場合、単独事故扱いになってしまうが、車両保険が使えるケースもある。警察への事故届を出した上で、とりあえず保険会社に相談してみよう。

(ヒトデ活用、害獣忌避剤:北海道)
北海道根室市内西浜町の水産加工会社「吉田水産」(吉田勲社長)は、厄介者のヒトデを原料にした害獣忌避剤を開発した。原液は臭気計測器の針を振り切り、エゾシカも飛び跳ねて逃げるほどで、その様子を収録した公開中の実証動画3本も話題を呼んでいる。エゾシカ事故に悩むJR北海道との間で試験も検討されるなど、その効果に期待が高まっている。製品名は、害獣忌避剤ヒトデ濃縮液「強臭力(きょうしゅうりき)」。開発は約5年前から、途中肥料として製品化したが、肥料の使用者から「忌避剤になるのではないか」との声が多数寄せられたこともあり「害獣忌避剤」として再開発、「強臭力」が完成した。臭いを前面に押し出したヒトデ100%の濃縮液体タイプとしては初の商品だという。ヒトデまるごとを液体化、臭いを倍増させている。原液の「臭い」は公的機関も「測定可能範囲の上限を越えるため測定不能」。20倍に希釈した液体も、人による臭気鑑定で最高ランクの「強烈な臭い」。開発者の辻宰(つかさ)課長も「鼻をやられました」というレベルで、嗅覚に優れる動物への効果は期待大だ。エゾシカ養鹿(ようろく)業者の協力を得た実験では、原液を染み込ませたスポンジを入れた普段使いの餌箱に近づいては飛び跳ね、近寄らない様子が映る。ユーチューブの「吉田水産センウロコチャンネル」で検索できる。ヒトデは体内に有害なカドミウムや鉛などを取り込むため、専門業者による有害成分分析が必要。吉田水産では、この分析もクリアした根室産天然ヒトデ100%の安全安心な製品を使用している。世に出回る粉末・固形タイプよりも希釈できる「強臭力」は、コストパフォーマンス、ランニングコスト面でも優位性があるとし、イノシシなど多くの害獣への効果を期している。同社は、小窓を開けたペットボトル(500㍉㍑)に強臭力150㍉㍑を入れてつるす方法を薦める。10㍑製品を10倍希釈した666本を、4㍍間隔で2・6㌔に設置可能。東京のアルミ加工会社と強臭力用の器具も開発中だ。

(木登り子グマにスプレー吹きかけ捕獲:岩手)
16日午前、岩手県遠野市の民家の敷地内で、木に登っているクマ1頭が目撃されました。クマはその後、警察などによって捕獲されました。遠野警察署によりますと、16日午前11時ごろ、遠野市穀町にある民家の敷地内で、木に登るクマ1頭が目撃されました。クマは体長約1メートルほどの子グマで、高さ約3メートルの木に登っていました。警察や地元の猟友会が、目撃から約30分後にクマよけスプレーを吹きかけ、木から落ちてきたところを捕獲しました。近隣の住民にけがはありませんでした。一帯は住宅街で、午前8時半ごろからクマの目撃が相次いでいました。

(コメ袋が入った金属製ボックスが破壊:岩手)
18日未明、岩手県一関市の小屋でコメ袋が入った金属製の収納ボックスが破壊されているのが見つかりました。クマによる被害とみられ警察が注意を呼びかけています。
被害が確認されたのは、一関市花泉町の農機具小屋です。一関署によりますと、17日午後6時から18日午前1時ごろにかけて、農機具小屋でコメ袋6袋が保管されていた金属製の収納ボックスが破壊され、2袋がなくなり付近にはコメが散乱していました。収納ボックスに引っかき傷や現場にクマとみられる体毛があったことから、警察はクマによる被害とみて周辺に警戒し注意を呼びかけています。

(松岡修造がハンター自慢のジビエ料理に「びっくりするぐらい柔らかい!」と感動:山梨)
9月17日放送のフジテレビ『くいしん坊!万才』では、山梨県北杜市の「八ヶ岳ジビエ」を紹介。豊かな山の幸に囲まれた山梨県北杜市の「PICA八ヶ岳明野」を訪れた松岡さんは、ご夫妻で狩りをしている五味誠さんと舞さんの“ハンター夫妻”に、ジビエ料理を紹介してもらうことに。子どもの頃から父親の狩猟に同行したことで興味を持ち、ハンターになったと語る誠さんが獲った「猪のロース」を目の前のグリルで焼いてもらいます。自然の甘みとさっぱりした脂が特徴の「猪焼肉」をいただいた松岡さんは、「んー!?これ一瞬、猪って分からないですね」と、臭みのなさに驚きます。自身もハンターの舞さんは、「主人が獲って来てくれたジビエ肉はすごく輝いていて、おいしいなって感じて」と、ハンターになったきっかけを語ってくれました。続いて、肉汁を閉じ込めた絶妙な焼き加減の「鹿ロースト」をいただいた松岡さんは、じっくり味わうと、「びっくりするぐらい柔らかいね」と目を見開きます。「しっかり焼いてても、何でこの歯ごたえと旨みと柔らかさがあるんですか?」と興味津々な松岡さんに、誠さんは「愛です」と即答。その意表をついた答えに一瞬言葉を失った松岡さんは、「急に来ると思わなかった」と戸惑いながらも、「何に対して?」と聞き返すと、「鹿に対してです」と誠さん。その“愛”について舞さんは、「主人が狩りに行く時は冷凍車で行き、数日熟成させる」と、撮った肉を最大限においしくたべるためのこだわりを補足してくれました。続いて、その“愛”の詰まった鹿肉を使った「夏野菜鹿カレー」をいただいた松岡さんは、鹿肉でだしを取って作っているという一品に、「これが鹿のだしなんですね。臭みじゃないんですよ、この香りがジビエ」と、その旨みを堪能。誠さんが、「命が無駄にならないように」と思いを語っていると、松岡さんは、「こっちから見ているとゴルゴ13のような…」と誠さんの風貌と雰囲気を評します。すると、舞さんは「よく言われます!」と爆笑。さらに松岡さんは、「背中を見せられないと思います」と、スナイパーのゴルゴ13になぞらえたコメントをして、笑いを誘っていました。

(秘境のジビエが人を呼ぶ?:徳島)
かつて平家の落人が隠れ住んだという伝説が残る徳島県西部の秘境、祖谷(いや)。日本三大暴れ川の一つ、吉野川が結晶片岩を削って作り上げた祖谷渓は、昔は人が歩いて通るのもやっとの難所だったという。中でも国の名勝にも指定されている大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)には、そのダイナミックな自然を見ようと海外からも多くの人が訪れる。そこで今人気のグルメが、ジビエだ。観光客の集まるスポットでも、ジビエバーガーやソーセージなどが販売されている。筆者もいくつか購入して、早速食べてみた。このあたりはシカがよく捕れるそう。険しい山を駆け回ったせいか、脂肪分の少ない赤身肉は程よい歯ごたえで臭みはなく、とてもおいしい。これらの加工品の原料となるジビエは、「祖谷の地美栄」という地元の鳥獣専門の食肉加工施設で処理されたもの。有害鳥獣として地元の猟師が捕獲したシカやイノシシがここに持ち込まれる。もちろん背景にあるのは、地元で問題になっている獣害だ。祖谷のある三好市では年間4000頭ほどの有害鳥獣が捕獲されている。年々増える被害に、自治体が対策に乗り出し、有害鳥獣捕獲を推奨している。一方で、その肉を地元の新たな名産としようと、食肉加工施設「祖谷の地美栄」を2014年に設立。2019年1月には農林水産省の「国産ジビエ認証」を受けた全国2番目の施設となった。ここで生産されるジビエは地元だけでなく、今では徳島県外のレストランのシェフからも注文があるという。「祖谷の地美栄」の運営責任者である高橋敬四郎(たかはし・けいしろう)さんは、妻の出身地である東祖谷に30年以上前に移住。もともとは船舶の機関士として世界中を回っていた。移住後は地元の旅館などで調理師の仕事などをしていたが、縁あってここの施設長になった。高橋さんが地元出身の人に聞いた話によると、昔はこの地域はそれほど害獣被害の多い場所ではなかったそう。当時は売られているような肉は高価だったため、地元の人にとってシカやイノシシの肉は貴重なたんぱく源だった。植林のために山奥に人が入っていってもめったに見かけず、ましてや人里に下りてくることはなく、捕獲量も多くなかった。害獣駆除が始まる少し前までは、シカのメスは捕ってはいけないという規制があったほどだ。しかし、20年ほど前から祖谷地域でも獣害がひどくなってきた。高橋さんは地元の人が困っているならと、自ら狩猟免許を取得し、猟友会に入って捕獲を始めた。昔は猟友会の会員もたくさんいたが、高橋さんが加わるころには50人ほどになっていた。しかも皆かなり高齢で、冬場に自分で捕って食べるために狩猟免許を取得した人たち。もちろんその肉を販売して現金収入にすることもなかったという。しかし県が補助金を出して有害鳥獣駆除をするようになってからは、お金になるからとどんどん捕獲が進んだ。中には年間200~300頭も捕る人もいた。捕獲数が増える中で、その肉を資源として活用しようと、設立されたのが「祖谷の地美栄」だ。施設や設備は県の予算で、運営は猟友会が母体となって設立した合同会社祖谷の地美栄が担っている。高橋さんが立ち上げに参加したのは「たまたま調理師の免許を持っていたから」だそう。だれか食肉加工の責任者が必要ということで、白羽の矢が立った。国産ジビエ認証を受けなくてもジビエの販売は可能だ。祖谷の地美栄が認証を取得したのは「自治体からのすすめがあったから」だったという。「はっきり言って、手続きは面倒だった」と高橋さんは笑いながら言う。しかし、認証取得のために国内の先進地で研修を受け、その際に学んだことが今のジビエの品質の維持に役立っているそうだ。祖谷の地美栄に持ち込まれる有害鳥獣は、猟師が捕獲した現場で止め刺し(とどめを刺すこと)と血抜きを行ったもの。この作業をスピーディーにかつ適切に行わなければならない。その後、なるべく早く施設に持ち込み解体処理を行う。ここまでのスピードでジビエの品質が決まる。しかし、捕獲されたシカやイノシシのうち、ジビエになるのは約1割。「捕獲した場所が遠すぎたり、撃った場所が悪くて食肉にできなかったり。猟師が食肉にはできないと判断したら、その場で埋める。持ち込まれても、やはり捕獲した現場での血抜きの状態が良くなくて、食肉にできない場合もある」と高橋さんは説明する。そのため祖谷の地美栄では、猟師向けにジビエにするための止め刺しの方法などの講習も行うようになった。その時に教えているのが、国産ジビエ認証の取得の際に学習したことだ。「先進地で教わったのは、なるべく肉に手を触れないようにして処理する技術。以前はたまに『肉に毛がついていた』といったクレームもあったが、今はそんなのはないね」(高橋さん)。国産ジビエ認証を受けるには、捕獲された個体がいつ搬入されたかに始まり、どのように加工され消費者に届いたかを追跡する「トレーサビリティー」の仕組みが確立されている必要がある。祖谷の地美栄ではそれをクラウドシステムで構築した。最大のメリットは、管理のしやすさだ。どこでだれがいつ捕った肉かを登録すると、台帳ができてすべての情報がシステムで一元化される。注文もWebで受けるので、客にとっても発注が楽で、発送処理も簡単。肉の真空パックに付けられたQRコードで、製品の情報が消費者にもすぐにわかるようになっている。「去年まで運営者は私1人だったが、このシステムのおかげでやっていられた」と高橋さんは言う。最初は猟友会のメンバー5人で運営していた祖谷の地美栄だったが、メンバーが高齢ということもあって抜けていき、高橋さんが1人で運営する状態が長く続いていたという。しかし昨年2022年の夏、1人の若者がメンバーに加わった。香川県観音寺市出身の松本純平(まつもと・じゅんぺい)さんだ。市街地で生まれ育ち、高校卒業後は神戸のパン屋で働いていたが、父親が高橋さんと知り合いだった縁で、ここで働くようになった。もともと狩猟に興味があったわけではないが「高校の授業でタヌキの解剖をした経験があったので、動物の食肉処理に抵抗はなかった」という。今では狩猟免許も取得し、自ら捕獲をするようにもなった。地元になじむために消防団にも入り、飲み会にも参加し、周囲の先輩たちの会話に交じる。まわりに同年代の若者はおらず、買い物をするような場所もないが、それほど問題は感じないという。「実家に車で1時間ちょっとで帰れるので」と、毎日実家から通うのは少し大変なので引っ越してきたぐらいの意識なのだろう。覚悟して移住してきたという気負いは感じられない。「ずっとここにいたいと思う」とさらりと言う松本さんの姿には、若者らしい柔軟さも感じられた。祖谷の地美栄での年間処理頭数は年々増え、売り上げも増加傾向だ。飲食店など業務用の販売が9割を占めるが、コロナ禍の間もほとんど売り上げの落ち込みは見られなかったという。今は肉が足りず、猟師に持ち込みを頼むほどだ。一方で、最近はますます獣害も増えていて、自治体を通じて猟友会への捕獲依頼も増えているという。筆者は祖谷のある三好市周辺の農家を数件取材したが、どこに行っても「獣害がひどい」という声を聞いた。「この辺ではもう住民は農業で食っていってない。今作っている野菜は自分のところで食べるもの。それもネットで囲ってないと、すぐに動物にやられてしまう。動物たちも、おいしいものの味を覚えてしまったんだろうなあ」(高橋さん)。現在、猟友会に所属する猟師のほとんどが60歳以上で、新たに入会する人も数年に1人程度だそうだ。地域全体が高齢化する中、移住してきた高橋さんと松本さんが「祖谷の地美栄」を支えている。「できればあと1人でも若い人が入ってくれたら」と高橋さんは言う。動物が施設に持ち込まれる時には何頭も重なることも多いし、施設が休みの土曜や日曜に獲物がかかることも多いからだ。「そうしたら、週休2日になって働きやすくなる」とも言う。国産ジビエ認証を取り、品質の良い肉を提供しても、人がいなければ続けられない。地域を守るためのジビエの取り組みが利益を生む仕事となれば、その地で暮らす人を呼ぶこともできるだろう。

(ジビエ加工施設を、「獣害」を「資源」に:三重)
高齢化と農作物への獣害という地域課題を抱える三重県鈴鹿市西部の小岐須町で、ブルーベリーの観光農園などを運営する「猿田彦ファーム」(伊藤嘉晃社長)は、シカなどのジビエを衛生的に解体する加工処理施設を造るため、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で、目標金額300万円の支援を募っている。期間は今月30日午後11時まで。市には保健所の食肉処理業許可を持つジビエ処理加工施設の登録はなく、完成すれば市内初となる。ジビエ処理加工施設を作り、観光農園のバーベキュー場をジビエ専門に特化することで、自然を生かした市の新たな観光資源にするとともに、地域産業としての雇用創出などを目指すという。伊藤社長(41)は「高齢化が進む中で農地が荒れ、空き家も増えている。ジビエ加工処理施設を作ることが、限界突破するための第一歩と考えている。今ある資源を有効に活用し、この場所らしい発展を目指したい」と意気込みを語る。伊藤社長は2年前、観光農園「鈴鹿ブルーベリーガーデン」を開園。しかし、園内で栽培するブルーベリーやショウガなどの農作物は多くがシカの食料となり、獣害に悩まされる日々が始まった。農業を諦めかけたとき、シカを「獣害」ではなく「資源」として捉え、活用していくことを思いついた。さらにジビエ専門のバーベキュー場を充実させることで新たな雇用にもつながると、捕獲したジビエの加工処理施設を造ることを決めた。昨年、狩猟免許を取り、県猟友会鈴鹿支部に所属。高齢化が進み、現在町内の会員は伊藤社長1人となり、市の許可を得て町内の農作物も守る。処理施設は事務所敷地内にある延べ床面積約25平方メートルの空き屋を改築し、洗浄室や処理室、加工室などを設ける。一日あたりの処理能力はシカやイノシシなど大型獣は4頭、アライグマやアナグマなど小型獣は6頭程度。狩猟期間を中心に通年稼働する計画という。加工処理された肉は自社でバーベキュー用に提供するほか、ペットフード製造業者に卸す。改築費用は約800万円。国の小規模事業者持続化補助金200万円、自己資金300万円のほか、不足分を今回の支援金で賄う計画。経営が軌道に乗れば、解体作業やパック詰め、バーベキュー場スタッフなどで新規雇用を見込む。すでに建物の解体作業などは始まっており、今後鈴鹿保健所の許可を得て、11月からの本格稼働を目指す。クラウドファンディングは、目標金額を達成した場合に支援金を受け取れるオールナッシング方式を選択しており、9月16日現在の支援総額は、目標金額の57%となる171万円。支援は1万―50万円まで11コースあり、返礼品はシカ角キーホルダーやジビエ肉優先購入権など。伊藤社長は「似たような地域は全国的にたくさんあるので、自分たちの取り組みがモデルケースの一つになれば」と話した。

(“柿の種屋さん”阿部幸製菓がドッグフード共同開発:新潟
米菓「柿の種」を製造する阿部幸製菓(新潟県小千谷市)が、ドッグフード製造販売のファミッジ(群馬)と、新潟県産米粉と鹿肉を使った犬用ジビエスナック「柿の種屋さんのわんちゃんのおやつ」を共同開発した。「ジビエ」は狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉。阿部幸製菓のペットフード製造販売は初めてで、新潟県内の高速道路サービスエリアや道の駅で販売されている。

(ジビエのおいしさに驚き、加工場オープン:長野)
伊那市高遠町に8月、野生鳥獣肉(ジビエ)の処理施設「信州高遠ジビエ加工センター」が開所した。有害鳥獣対策で捕獲されたニホンジカを解体し、食肉やペットフードに加工する。運営するのは、高齢者向けの配食事業などを手がける「医療給食」(名古屋市)。高遠町出身の藤川将吾さん(45)が社長を務める。センター長で弟の昌樹さん(42)は「ジビエが高遠の魅力の一つとして浸透し、地域が盛り上がっていけば」と意欲を見せる。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、18日午後1時30分ごろ、石巻市須江関ノ入にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、17日午前6時ごろ、色麻町四竃道命にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、16日午前7時ごろ、利府町神谷沢菅野沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、15日午後5時ごろ、栗原市花山本沢二反田にクマが出没しました。

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