<射撃ニュース10月>
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(クマに襲われ猟友会の男性が3発発砲:栃木)
栃木県日光市の山林で猟友会の65歳の男性がクマに襲われました。男性は猟銃を合わせて3発、発砲し、クマがひるんだすきに逃げましたが、手首や足をかまれるなどのけがをしました。警察によりますと、29日午前7時半ごろ、日光市五十里の山林で猟友会の65歳の男性がシカの罠を確認していたところ、クマに遭遇しました。男性は猟銃を1発、発砲しましたが、クマが向かってきて頭や肩を爪で引っかかれ、手首や足をかまれました。男性はさらに2発、発砲し、クマがひるんだ隙に逃げて119番通報しました。男性の命に別状はないということです。警察は近隣施設にクマに警戒するように注意を呼び掛けています。

(「箱ワナを確認しに行ったまま帰ってこない」捜索隊が70代男性の遺体を山林で発見:北海道)
北海道南部の厚沢部町城丘の山林で、箱ワナを見に行った70代の男性が行方不明になり、警察などが10月30日朝から捜索していましたが、捜索中のハンターが死亡している男性を発見しました。29日午後9時40分ごろ「父親が箱ワナを確認しに行ったまま帰ってこない」と家族から警察に通報がありました。警察によりますと、通報前に家族が山林周辺を捜したところ、父親が運転していた車が無人の状態で発見されたということです。現場の山林はクマやシカがよく出没する場所で、クマに襲われた可能性もあることから、警察、消防、役場職員に加え、ハンターも同行し、30日朝から捜索を進めていましたが、現場付近で男性を発見、死亡が確認されました。警察は男性が死亡した状況を調べています。

(塩水でメスジカを引き寄せる、メスの集中捕獲を目指して:国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
ニホンジカのメスは出産・授乳の時期である春から初夏にかけて食塩水をよく飲むことがわかりました。食塩水でメスジカを誘き寄せることで、メスジカを選択的に捕獲できる可能性があります。メスを選択的に捕獲することにより、ニホンジカの増加率を低下させ、個体数を着実に減らすことができます。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所は、ニホンジカのメスは4月上旬から7月中旬頃に食塩水を頻繁に飲むことを明らかにしました。一方で、オスはいずれの時期もあまり飲まなかったことから、食塩水は春から初夏にメスを選択的に誘引すると言うことができます。この時期に食塩水を用いることで、メスを誘引捕獲できる可能性があります。メスの捕獲はニホンジカの増加率を下げることに繋がるため、増えすぎたニホンジカを効率的に減らすことに役立ちます。本研究はニホンジカの個体数管理のための非常に重要な知見となります。

(野生のイノシシ感染:佐賀)
佐賀県は28日、唐津市肥前町入野で、野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は27例目。場所は経口ワクチンの散布エリア内。県生産者支援課によると、23日に道路脇の斜面で死んでいるのを住民が発見し、唐津市に通報した。25日の検査で感染が分かった。

(県内17市町村でワクチンを散布:群馬)
家畜伝染病の豚熱(CSF)の群馬県内養豚場での発生を防ぐため、県は28日から、ウイルスを媒介する野生イノシシ向けの経口ワクチン計2万2400個を17市町村で散布する。2回に分けて実施し、11月末に終える予定。散布するのは前橋、高崎、桐生、渋川、藤岡、富岡、安中、みどり、榛東、吉岡、上野、神流、下仁田、南牧、甘楽、長野原、東吾妻。各市町村と連携し、計560カ所で地中10センチにワクチンを埋設する。県によると、散布は2019年10月に始め、20年以降は春と秋の年2回実施している。CSFはこれまでに県内養豚場で9例発生し、計4万3166頭が殺処分されている。

(捕獲から活用まで課題や情報共有:鳥取)
野生鳥獣の捕獲から活用まで総合的な視点で検討する、第1回鳥取県鳥獣被害防止総合対策協議会が28日、県庁で開かれた。県や各市町村、関係団体などが現状の課題を把握、報告し、今後の対策の方向性などを確認した。

(シカよけ柵更新、高さ2メートルのネットフェンスに:北海道)
高山植物が激減しているアポイ岳(810メートル)で、5合目にある再生実験地のシカよけの柵を更新する作業が始まった。現在の木製の柵に代えて高さ2メートルほどのネットフェンスを新設して、シカの食害から高山植物を守る計画だ。

(全国調査で里山の身近な鳥や蝶が急速に減少、「生物多様性、50年で73%低下」とWWFが危機感)
生物多様性が危機にあることを示す国内、国際2つの報告書が10月に入り相次いで発表された。環境省と日本自然保護協会は、里山や里地に生息する鳥や蝶(チョウ)など身近な生物の個体数が急速に減少していることを示す報告書を1日に発表した。長期間にわたる大規模全国調査の一環の結果で、鳥類ではスズメやオナガなどの種が、また蝶類では国蝶のオオムラサキといった以前はなじみ深かった種が、絶滅危惧種認定基準以上の減少率であることが明らかになった。また、世界自然保護基金(WWF)は生物多様性の豊かさを示す指数が、自然環境の損失や気候変動により過去50年で73%低下したとする報告書を10日に発表。生態系は回復不可能な状況に近づいているなどと強い危機感を示した。気候変動や森林破壊・環境汚染といった人為的要因によって絶滅の危機に瀕している生物は増え続けている。国連・生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)が21日、11月1日までの日程でコロンビアのカリで始まった。2つの報告書はCOP16に向けて生物多様性の危機を具体的なデータで示した形だ。10月1日に発表された「モニタリングサイト1000里地調査」は、環境省が実施主体、日本自然保護協会が事務局となって2005~22年度の長期間にわたり、北海道から沖縄県までの全国325カ所を調査地とした。手間がかかる実際の調査は約5700人の市民調査員が中心になって行い、確認、記録された生物種は計4382種に上った。同省自然環境局生物多様性センターが調査で得たデータを解析した結果を報告書にまとめた。

(狩猟免許、県内で若者の保有増:徳島)
県内で狩猟免許を保有する若者が増えている。30歳未満の保有者は2009年度に19人だったが、22年度は180人に増えた。免許を交付する県は「若手狩猟者の確保や育成の取り組みが成果を挙げた」とする。一方で60歳以上が60%以上を占める状況は変わっておらず、農産物の鳥獣被害が相次ぐ中で狩猟技術の継承が依然課題となっている。県によると、22年度の狩猟免許保有者は3025人で、09年度の2667人から358人増加。30歳未満の割合は0・7%から6・0%に大きく上がった。県はかねて若手狩猟者を確保する対策に取り組んできた。平日に行われていた狩猟免許試験を10年度から日曜日に変更。18年度には狩猟者の育成を目的とした「とくしまハンティングスクール」を開講し、これまでに67人が受講した。免許取得から5年未満の人を対象に技術を伝授するコースを設け、県猟友会青年部の会員がわなの設置や猟犬を使った狩りの方法を山中で指導するなどしている。昨年度にスクールを受講した井原卯(う)捺(なつ)さん(25)=北島町鯛浜、会社員=は、猟師の仕事に興味を持ったのがきっかけで第1種銃猟免許を取得した。「早速猟に出てシカ2頭を仕留めることができ、命のありがたみを感謝しながら味わった。野生鳥獣の被害に悩んでいる人もいるため、一人前のハンターになれるよう腕を磨きたい」と話す。県はこのほか県農業大学校(石井町)の学生や林業アカデミーの研修生を対象に、免許取得に向けた出前講座も実施している。一方、狩猟免許保有者に占める60歳以上の割合は22年度、64・8%(1961人)あり、09年度の66・4%(1772人)からあまり変わっていない。野生鳥獣による農産物被害は22年度も8659万円(被害面積32・2ヘクタール)に上り、イノシシ、シカ、サルによる被害が全体の9割を占めている。狩猟者の担い手確保は急務だ。県鳥獣対策・里山振興課の土井伸一郎副課長は「市街地に野生動物が出没するなど、県民生活に影響が出ることも考えられる。ベテランハンターの技術を継承してもらえるよう、狩猟免許の交付者を増やしたい」と話した。

(熊は高さ2mのトタンを巻いた木には登れない?:長野)
長野県飯山市と県北信地域振興局(中野市)は25日、柿の木に熊が登れないよう幹にトタンを巻く作業を市内で行った。柿の実は熊を人里に呼び寄せる一因となっており、人身被害を防ぐ狙い。現場にカメラを設置して熊よけの効果を検証し、この対策を地域に普及させるかを検討する。県が北信地域などに「ツキノワグマ出没警報」を出したことを受けて実施を決めた。同市の顔戸(ごうど)区では、爪痕が残っているため熊が毎年登っていると分かる山際の柿の木を選定。市や県の職員ら5人が、高さ2メートル10センチのトタン板を重ねて太い針金で縛り、幹に巻き付けた。針金は縛る方向を工夫し、熊の爪がひっかかりにくいようにした。市農林課によると、今年4~9月に市に寄せられた熊の目撃や足跡などの情報は120件超。熊を寄せ付けないためには柿の木を伐採する他、実を放置せず収穫することも有効だが、所有者らの負担が大きい。トタン板を巻くのは比較的取り組みやすく、効果が確認できれば、地域への周知に力を入れたい考えだ。顔戸区では今夏、集落内のスイカ畑が夜間に熊の被害にあったという。作業に参加した区長の栗岩明浩さん(68)は「木にトタンを巻くことで、熊が人里に寄ってくる理由がなくなればいい」と期待していた。

(イノシシやシカが引き起こす災害とは!ため池決壊と住宅浸水の二重リスク:栗栖成之)
イノシシやシカなどの野生動物によって、収穫前の野菜や果物を食い荒らす被害は深刻です。農林水産省によると令和4年度の被害は、イノシシ36億円、シカ65億円と、合わせて100億円にも達しています。一方で、シカやイノシシは災害を引き起こす動物でもあるのです。今回は、筆者が前職でハザードマップを作成する際の体験談から、シカやイノシシが住民への驚異となる現実をお伝えしましょう。イノシシは日本民族にとって古くからの付き合いがあり、1万数千年前から既に狩猟が行われていたとされています。現在もボタン鍋などイノシシを好んで食べる食文化がありますが、昔は現代よりも貴重な食資源であり青森県内の縄文時代の遺跡からは、イノシシ形の土偶が多数出土するほど身近な存在です。一方で、イノシシは農作物へ被害をもたらす害獣であり、江戸時代にはイノシシの食害による飢饉の発生が記録されています。シカは4つの胃を持つ動物で、採食して飲み込んだ植物を口に吐き戻してそしゃくし飲み込む「反芻(はんすう)」を繰返します。簡単にいうと、シカの第一胃内には微生物が生息していて、食べたものに応じて変化するため何でも食べられる動物です。そのため、数多くが生息すればその場所は確実に裸地化してしまいます。イノシシやシカは草や根を好んで食べるため、ため池の堤に生えている草を食べ、根を狙って掘り返しが行われます。多くの掘り返しが起きると堤の強度が弱まり、漏水が発生するだけでなく大雨によって堤に水圧がかかると、堤が決壊し下流域にある住宅が災害に見舞われます。ハザードマップ作成時の現地調査で、住民の方が連れて行ってくれたのが正にため池の堤を補修している現場でした。自治体からの補助金が出ないため、住民自身が土を運んで堤を修繕していたのです。イノシシやシカは草だけでなく、昆虫や地面の中にいるミミズも好んで食べています。林道や農道など普段あまり人が通らない、道路の法面に生息するミミズを、掘り起こして食べるのです。この現場も確認しましたが、広範囲にわたって側溝が土砂で埋まっていました。そのため、大雨が降ると上流から側溝を流れてきた雨水が溢れて、すぐ近くの民家へ流れだしてしまうのです。相当量の雨が降ると雨水だけでなく土砂が流れ込み、住宅が一瞬のうちに床下、最悪のケースでは床上浸水するのだとか。そのため、台風前や大雨が予想された際には近隣住民が集まり、埋まった土砂を取り除く作業を行っているそうです。農林水産省が公開している「イノシシ・シカ侵入防止対策の手引き」にも、ため池の堤や側溝付近の法面の掘り返し被害が記載されています。これらは、国や県が把握していない「地元住民しか知り得ない危険個所」を調査するために、住民ヒアリングを実施した結果で得た知識です。地域や状況によって特殊な事情で災害につながるケースがあるため、ハザードマップに記載し注意喚起する目的で行いました。この調査に同行するまでは、イノシシやシカが法面や堤を掘り返し、災害につながる被害を起こすことなど全く知りませんでした。恐らく全国にはイノシシやシカだけでなく、ヌートリアやアライグマなどによる災害につながる被害もあるでしょう。絶滅させないことと、被害を防ぐことの正反対の対策は、自治体や住民にとって難しい問題のようです。

(イノシシ、クマ…鳥獣対策最前線!:島根)
山陰各地で広がるイノシシやクマなどの鳥獣による農作物への被害。島根県では、2015年から鳥獣専門職員を採用し、その対策に乗り出しています。最前線で活躍する鳥獣専門職員が担う役目とは?畑にやってきたイノシシの映像。電気柵に触れ、驚いて逃げていく様子が映されています。一方、こちらのイノシシは、電気柵には触れず、そのまま後ずさりして、逃げていきます。「柵の内側で、とても美味しい思いをしていると『またきょうなら大丈夫かもしれない』と何度もやって来るが、いったん(柵に)触れた後は、柵にあまり近づきたくないっていう」。そう説明してくれたのは、島根県東部農林水産振興センターの鳥獣専門調査・指導員、杉原瑞菜さんです。全国的に鳥獣被害が相次ぐ中、島根県では、野生動物の生態などの専門的知識を持つ鳥獣専門職員を採用。現在16人を県内各地に配置し、対策に取り組んでいます。島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん「誰に相談すればいいのかっていうのが分からないよりは、身近に聞ける人がいるとか、何かあっても一緒にやってくれる人がいるのは、地域の方にも心強い面があるのではないかと思う」。島根県の有害鳥獣被害は1998年には、2億7600万円にのぼりましたが、その後、鳥獣専門職員の採用など様々な対策を取り、現在は、7000万円程度となっています。しかし、減少傾向にはありません。中でも、もっとも被害が大きいのはイノシシで、全体の80%。その被害の大半は水稲で、踏み入った田んぼの稲は倒され、穂も食べれてなくなってしまいます。鳥獣専門職員の杉原さんは、島根県に採用される前は、電気柵に関わる仕事に携わっていました。電気柵設置のポイントを聞くと。島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん「イノシシの場合だと、地面から20センチと20センチの2段張り。よくあるのが、『低いからもうちょっと高くないと』と言われて、1段目の高さを30センチ間隔にされる方もいるが、そうすると、イノシシの目線よりも高くなってしまうので、線に触れずにそのまま、畑の中に入っていってしまう」。一方で、イノシシは、傾斜に蹄をかけ、登る能力もあるとのこと。島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん「圃場があれば、ちゃんと、全て囲っていただきたい。一辺でも隙間があると、それをたどって入っていったりというのがあるので、コの字ではなく、いつもロの字になるようにと言っている」。次に、クマの対策現場を見せてもらいました。カキの木の下から2メートルほどトタンが巻いてあります。「朝とかに、枝が折れてたりとか、木に爪痕があったということで、『この木にもクマが来てる』ということで」。写真には、カキの木につけられたクマの爪痕。するどい爪痕が残っています。 そこにトタンを巻くと仮にクマが来たとしても、爪が立たず登れなくなります。その他、実を木に残さず収穫する、必要なくなった木は、切り倒してしまうことも対策のひとつということです。こうしたひとつひとつの小さな対策を地域と行政が連携して進めることが、被害防止には必要となります。島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん「どこでも、みんなが同じようにきちんと柵を張れたり、対策が出来ていれば、その集落ではあまり、動物が美味しい思いができないので、近づきにくくなる。あとは、やっただけで終わりじゃなくて、『この対策はどうだったか』というのを振り返ることで、さらにみんなで共通の意識を持っていく」。島根県の鳥獣専門職員は、被害削減に向け、大きな役割を担っています。

(目指せジビエ料理コンテスト「ナンバー1」:熊本)
八代市の八代工高機械科3年生が、シカ肉を使ったホットサンドとブリトーを考案した。ホットサンドは日本ジビエ振興協会主催の第9回ジビエ料理コンテストにレシピを応募する。同高ハンター班の生徒が、八代地域の鳥獣対策の一環として企画した。八代地域の森林はシカによる食害が深刻化。シカ専用の箱わなも作って、昨年度は市に寄贈した。生徒たちは25日、同校で料理を試作。同市の食肉加工業「カネムマンソーセージ」の村上慎一代表(47)の指導で、甘辛く炒めたシカ肉のミンチとレタス、トマトをパンで挟んで焼いたり、トルティーヤで包んだりした。ハンター班の生徒は、「見た目は改善が必要だが、味はシカ肉の臭みもなくておいしかった。コンテストで1番を目指したい」と意気込む。村上さんは「生徒が試食して感じたことを生かして改良すれば、さらに良い料理に仕上がるはずだ」と期待した。

(高校生がジビエコロッケパン:埼玉)
埼玉県皆野町の県立皆野高校商業科の生徒が、秩父地域の企業と連携し、シカの肉を使った「ジビエコロッケパン」を開発した。11月2日の文化祭に数量限定で販売する。マーケティングの授業で生徒9人が意見を出し合い、鳥獣被害に悩む地域に貢献できるものを考案。東日本大震災やコロナ禍の影響で提供が途絶えていた「ジビエバーガー」に続く商品として開発した。1個800円(税込み)で、ソースのレシピは秩父名物の「みそポテト」をイメージ。3年生の作田渚さん(17)は「甘じょっぱくて癖になる味」だと語った。販売も授業の一環で、生徒自身が行う。売り上げの一部は、地域の鳥獣被害の防止に役立てることを検討している。文化祭以外での販売計画は今のところないが、浅見和義校長(64)は「ジビエバーガーのようにイベントなどでの引き合いがあれば提供したい」と話した。

(鹿肉の"焼きすき"を提供開始:和歌山)
株式会社日本ユニスト(大阪市西区、代表取締役・今村亙忠)は、世界遺産・熊野古道の1棟貸し宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」と、コンテナホテル「SEN.RETREAT CHIKATSUYU」(いずれも和歌山県田辺市)で、地元で捕獲された鹿のジビエを使用した"焼きすき"を、11月6日より提供開始します。焼きすきプランの予約受付は、11月1日からとなります。

(廃棄素材のエアバッグ生地と鹿革から生まれた「エシカルな巾着」:愛知)
自動車部品メーカーの豊田合成は10月29日、鹿革を活用するハンドメイドブランド「kagaribi」とコラボレーションし、エシカルな巾着を開発した、と発表した。この商品は、豊田合成のエシカルブランド「Re-S(リーズ)」から発売される。この製品は、エアバッグ製造過程で発生する廃棄予定の生地と、害獣駆除で得られる鹿革を組み合わせて作られている。通常は捨てられてしまう素材に新たな価値を見出し、廃棄物削減と地域課題解決を目指す取り組みだ。エアバッグ生地は、乗員の命を守るための高度な技術が詰まった強靭な素材である。一方、鹿革には伝統的な藍染めが施されている。これらの異なる特性を持つ素材を組み合わせることで、唯一無二のアイテムが誕生した。

(鹿肉の"焼きすき"を提供開始:和歌山)
株式会社日本ユニスト(大阪市西区、代表取締役・今村亙忠)は、世界遺産・熊野古道の1棟貸し宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」と、コンテナホテル「SEN.RETREAT CHIKATSUYU」(いずれも和歌山県田辺市)で、地元で捕獲された鹿のジビエを使用した"焼きすき"を、11月6日より提供開始します。

(シカ肉のドッグフード、道の新製品デザイン賞:北海道)
登別産エゾシカ肉を活用したドッグフード「エゾリッチ」を開発したマーケティング・プロモーション会社「グラッド」(札幌)が、北海道の本年度「新技術・新製品開発賞」のデザイン部門で奨励賞に選ばれた。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日未明、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

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(散弾銃の誤射か、家のドアや壁に約60か所のへこみ:北海道)
北海道南部の厚沢部町で、住宅の玄関などに、散弾銃で撃たれた様なへこみが、およそ60箇所見つかり、警察は建造物損壊事件として捜査を進めています。被害があったのは、厚沢部町城丘の平屋建ての一軒家です。10月27日午前10時ころ、この家に住む女性(56)が「壁などに何かで撃たれた様な跡がある」などと交番に相談しました。警察が調べたところ、この家の玄関ドアや外壁に、深さ5ミリほどのへこみが約60か所つけられる被害がありました。住人の女性は、10月25日午後4時ごろから26日の正午ごろまで不在にしていて、その間に被害があったものとみられています。警察によりますと、へこみは散弾銃の弾があたったようにみられるということで、現在、現場にあった弾を詳しく調べています。女性は、数年前から住宅近くの池でカモ猟が行われていて、住宅に一番近い池はおよそ20メートルしか離れていないと話しているということです。警察はカモ猟で撃った散弾銃の銃弾が当たった可能性も視野に調べています。

(犬の散歩中にクマに引っ掻かれる:島根)
25日夜、島根県浜田市で、犬の散歩をしていた男性がクマに引っ掻かれ軽傷を負いました。浜田市と島根県が注意を呼び掛けています。市や県によりますと25日午後9時45分ごろ、浜田市三隅町の市道で犬の散歩をしていた50代の男性が、飛び出てきたツキノワグマに左太ももを引っ掻かれたということです。本人からの通報を受け市と県が調査を行ったところ、現場そばの民家の木に柿の実がなっていて、その木からクマの爪痕などが見つかりました。庭先で柿の実を食べていたクマに、連れていた犬が近づいたことで、突然飛び出して男性を襲ったと見られています。山林に入るときは2人以上で行動することや、早朝や夕暮れには鈴や笛を身に着けるなど、市と県が注意を呼び掛けています。

(クマに襲われ女性が軽いけが:福島)
26日夜、福島市で道路を歩いていた女性が、クマに襲われ軽いけがをしました。警察によりますと、26日午後9時半ごろ、福島市飯坂町で県道を歩いていた50代の女性会社員が、体長80cmほどのクマ3頭を目撃しました。このうちの1頭に突然襲われた女性は、腹などを引っかかれて、軽いけがをしたということです。警察は、クマが目撃された場所周辺のパトロールを強化するとともに、近くの住民らに注意を呼び掛けています。

(県内野生イノシシにおける豚熱の確認:宮城)
豚熱ウイルスの侵入を監視するため、野生イノシシの豚熱検査を行っておりますが、24日、県内で新たに1頭の陽性が確認されましたのでお知らせします。

(豚熱のウイルス、特定のハエが媒介か:栃木)
養豚業に大きな被害をもたらすブタの感染症CSF、豚熱について栃木県の研究グループが、特定のハエの仲間がウイルスを運んでいる可能性を明らかにしました。研究者は「これまでの車両の消毒や野生動物の侵入防止といった対策に加え、ハエ対策にも目を向けていく必要がある」としています。豚熱は「豚熱ウイルス」によるブタの感染症で、ウイルスを持つ野生のイノシシから養豚場のブタに感染していると考えられています。ワクチンの接種のほか野生動物が入り込まないよう養豚場に網や柵を設置するといった対策が行われていますが、感染経路の特定は困難で、ことしも4か所で発生が報告されあわせておよそ3万5000頭のブタが処分されています。栃木県県央家畜保健衛生所の小笠原悠主任らの研究チームは死んだブタの近くで見つかることのあるクロバエ類という大型のハエが豚熱ウイルスを運ぶ可能性に着目し、感染したイノシシが見つかった場所でクロバエ類を捕獲して、ウイルスを持っているか調べました。その結果、捕獲されたクロバエ類のおよそ30%からウイルスが見つかり、遺伝子を解析した結果、感染したイノシシから検出されたウイルスと同じ株だったことがわかりました。また実験ではハエの体内で感染力のあるウイルスが24時間以上保持されることもわかり、研究チームは、野生のイノシシからウイルスを取り込んだハエが養豚場内に入って感染を広げる可能性があると指摘しています。小笠原主任は「車両の消毒や野生動物の侵入防止といった従来の対策を徹底した上で、これまで目を向けられてこなかったハエ対策にも目を向けていく必要があるのではないか。ハエが集まらないように死んだブタをすぐに豚舎の外に出すなど、新たな対策を考えたい」と話しています。農林水産省によりますと、ハエが感染力のあるウイルスを持っていても人が豚熱に感染することはないとしています。

(「人為的に持ち込まれた可能性が高い…」、シカ1頭が沖縄の国頭村で目撃相次ぐ:沖縄)
沖縄県国頭村内で、生息していないはずの雄のシカ1頭の目撃情報が相次いでいる。21~23日の間に、同村謝敷の県道2号や奥与那林道で目撃されている。環境省は「10~11月はシカの繁殖期で雄は気性が荒くなる。危険なので見つけても絶対に近づかないで」と呼びかけている。23日には、県、村、環境省、林野庁、名護署が会議を開き、国道の電光掲示板=写真=やホームページで注意喚起を始めた。県内では慶良間諸島にケラマジカが生息するが、本島北部地域には生息していない。ただ、村内で動物園の開業を目指す団体が、約8年前からニホンジカ5頭を飼育していたという。代表の男性は「昨年までに老衰や病気で5頭とも死んでしまった。おりの中で育てており、逃がしたことはない」と話す。 現時点で雌の目撃情報はないが、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長は、繁殖した場合の影響を重大視する。植物が食い荒らされ、希少生物の生息地が壊れる可能性があるという。人への感染症のリスクもあるとし「人為的に持ち込まれた可能性が高い。世界自然遺産の森を壊すきっかけになりかねない」と危惧した。

(eスポーツ団体の加盟を承認、日本ライフル射撃協会)
日本ライフル射撃協会は15日、東京都内で総会と臨時理事会を開き、コンピューターゲームなどの腕を競う「eスポーツ」参入を推進する「日本eshooting協会」を加盟団体として承認した。正式に傘下に入り、eスポーツを通じた普及を加速させる。日本eshooting協会は既に活動を始めている。国際大会が開催された場合は、日本ライフル射撃協会が日本代表を派遣する方針。

(「ハンタースクール」開校:福島)
県は26日、福島市で狩猟の基礎から実践的な技術を学ぶ「ハンタースクール」を開校した。狩猟者の高齢化で鳥獣対策の担い手不足が深刻化する中、人材育成とネットワークづくりを目的に本年度新設した。1期生約40人が熟練の狩猟者を目指して学びを深める。狩猟免許取得後3年以内の初心者が銃猟とわな猟の2コースに分かれ、来年2月ごろまで狩猟の基礎や捕獲した鳥獣の解体技術を学ぶ。開校式では県の担当者が県内で有害鳥獣の生息範囲が拡大し、人的被害や毎年1億円超の農作物被害が出ている現状を説明。会津若松市鳥獣被害対策専門員の宮川和大さんが体験談を交え、狩猟時の注意点や鳥獣の利活用方法を紹介した。県によると、狩猟免許の受験者数は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生した2011年度に急減した。20年度に700人弱まで伸びたが、昨年度は300人を下回り、減少傾向が続く。現在の鳥獣対策は猟友会や趣味で狩猟をしている人を中心に進められており、担い手の確保が喫緊の課題となっている。

(野生動物の交通事故、現状と注意点紹介:北海道)
おびひろ動物園で27日、野生動物が交通事故に遭う「ロードキル」について考える講演会(同動物園主催)が開かれ、25人が参加した。

(県内17市町村でワクチンを散布:群馬)
家畜伝染病の豚熱(CSF)の群馬県内養豚場での発生を防ぐため、県は28日から、ウイルスを媒介する野生イノシシ向けの経口ワクチン計2万2400個を17市町村で散布する。2回に分けて実施し、11月末に終える予定。散布するのは前橋、高崎、桐生、渋川、藤岡、富岡、安中、みどり、榛東、吉岡、上野、神流、下仁田、南牧、甘楽、長野原、東吾妻。各市町村と連携し、計560カ所で地中10センチにワクチンを埋設する。県によると、散布は2019年10月に始め、20年以降は春と秋の年2回実施している。CSFはこれまでに県内養豚場で9例発生し、計4万3166頭が殺処分されている。

(「日本紅斑熱」確認、マダニで命の危険も:徳島)
野外活動の機会が増える行楽シーズンを迎えたが、野山ではマダニに注意する必要がある。マダニは日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を媒介し、全国で感染例が報告されている。徳島県内でも8月に日本紅斑熱の感染が確認された。重症化すると入院治療が必要で、特にSFTSは死に至る場合もあり、専門家が注意を促している。マダニが媒介する感染症の中でも、SFTSは致死率が約27%と高い。国立感染症研究所によると、今年は西日本を中心に約90人が感染している。県内では今年に入ってからの感染は確認されていないものの、県感染症対策課によると、これまでに40~80代の42人が感染し、9人が死亡した。日本紅斑熱は今年、県内では男性1人の感染が報告されている。男性は牟岐町に住む70代で、8月10日ごろ、狩猟で山へ入った。わなを仕掛けるために山中で40分ほど腰を下ろし、作業後に帰宅。すぐに入浴し、マダニが付着していないか全身を触って確認したという。ところが数日後に39度の高熱を出し、ひざの裏が痛むようになった。全身に赤い発疹も出現したため病院を受診し、日本紅斑熱と診断された。左ひざの裏にはマダニの刺し口も見つかった。男性は2週間程度入院し、投薬治療を受けて回復した。「これまでも刺されたことがあり、症状を知っていたのですぐに原因が分かった。マダニによる感染症で亡くなった人も知っており、細心の注意を払っていたのに」と振り返る。マダニの感染症に詳しい馬原医院(阿南市)の馬原文彦院長によると、日本紅斑熱は2~10日の潜伏期を経て高熱や発疹が出る。1日のうちに熱が下がったり上がったりするのが特徴。SFTSの潜伏期は6日~2週間で、発熱のほか嘔吐(おうと)や腹痛、下痢、下血などの消化器症状がある。マダニは「口器(こうき)」と呼ばれる口の先端部分を皮膚に刺し、吸血する。その間に無理やり引っ張ると口器の一部が皮膚内に残ってしまうため、刺している部分にワセリンを塗って30分程度放置し、マダニを窒息させる。除去後1~2週間は発熱などに注意し、症状が出れば医療機関を受診する。その際、ダニに刺されたことを伝えると、スムーズな治療につながるという。馬原医師は「処置の知識も大事だが、何よりも刺されないことが大切」と話す。野山に行く時は長袖長ズボンを着用し、首にはタオルを巻くなどして肌の露出を少なくする。防虫スプレーは2時間程度に1回、塗布し直すと効果的。帰宅後は脱いだ衣服を払い、刺されていないか全身をチェックすることも大切だ。馬原院長は「皮膚を刺した状態のマダニが取れなかったり、発熱などの症状が出たりした場合はすぐに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けている。

(クマと共に生きるには、啓発と対策)
クマによる被害を減らすために何をすべきか、模索が続いています。国内外から寄せられたアンケート回答から、クマに接する機会が多い人に経験や思いを聞きました。各地で行われている様々な試みを紹介し、専門家の見解も交えて、これからについて考えます。東北地方の40代女性は、年間100日以上、山に入ってクマを観察する。10年ほど前に始めてライフワークとなったが、何年か経つと罪悪感を抱くようになった。「クマによる被害を見聞きし、純粋に楽しいと思えなくなって……」クマよけの電気柵の設置を手伝ったり、クマの管理に関する県の会議を傍聴したりした。「クマを深く知るには避けられない」と狩猟免許をとって猟友会にも入った。「ハンターの大半は狩猟を楽しみたいだけなのに、なぜ野生動物の『有害捕獲』を任せるのか」と現状に疑問を持ち始めた。クマが木の上で実を食べた痕跡である「クマ棚」やふんなどを手がかりに、年間50~70頭を観察する。だが、山で観察中に威嚇を受けたことは一度もない。「山では人間側の対応次第で、事故を未然に防げると思う。でも、市街地に出たクマは駆除せざるをえない場合もある」と考える。女性は森林パトロール員にもなり、登山客や山菜採りの人たちにクマへの注意喚起をしている。「クマがいる風景、クマを育める森を大事にしていきたい」近畿地方の自治体職員の男性は、獣害対策の職員の募集に応じて、2015年に移住した。だが、嘱託職員という立場で、「子供が生まれたばかりで生活は苦しかった」と振り返る。任期終了後、その自治体の正規職員として採用されたが、獣害対策とは関係のない部署に配置された。職務とは別に自治体の「有害鳥獣捕獲班員」になり、休みの日にボランティアで獣害対策にあたっていた。1年前、獣害対策にあたる部署に異動した。そこでかつての自分と同じ、非正規雇用の専門職員が奮闘する姿を目の当たりにした。「今はその人のおかげで何とか対応できているが、持続可能な状況ではない」。職員として自治体の厳しい内情も分かる。「でも獣害対策はこれからずっと続ける必要がある。その最前線である市町村に、専門性のある職員は必要不可欠だ」。クマとのあつれきを減らすには、啓発教育が不可欠だ。各地で専門家や研究者が地道に取り組んでいる。NGO「日本クマネットワーク(JBN)」は、クマの研究者を中心に、自然保護活動家や行政関係者、学生など様々な立場の400人以上が参加する。クマの保護や被害防止などに関する問題提起や情報共有、地域の活動支援などをしている。海外の対策を紹介する動きもある。「ベア・スマート・ジャパン」は、「できるだけクマを殺さずに人の生活を守る」という理念に基づいたプロジェクトだ。カナダで提唱されており、捕殺に頼らない管理方法などを日本語に翻訳している。代表の浪花彰彦さんは「猟銃に頼らない対策について、クマ対策を担う方々に知識や技術を提示したい」と語る。クマの毛皮や骨を教材として生かし、野生動物との共存について教える取り組みも行われている。北海道の知床財団では2007年から、ヒグマの頭骨、毛皮、発信器付きの首輪などを入れたトランクキットを教育団体に無償で貸し出している。指導者向けの手引書も入れており、各地でひっぱりだこだ。それにならい、札幌市近郊の自然史系博物館が連携する「CISEネットワーク」も、トランクキットを作った。主に同市内の学校での啓発教育に役立てている。担当者で北海道大学総合博物館の資料部研究員の菊田融さんは「ヒグマは人間を積極的に襲って食べる動物で怖い印象を持っている人が多い」と言う。だが、ヒグマの頭骨の奥歯にある臼歯にふれてもらうと、人間同様に上部がとがっていないことが分かる。ヒグマの主食は草や木の実だからだ。「ヒグマのことを正しく恐れてほしい。山に入った場合は食べ物やジュースの空き缶などを必ず持ち帰り、人間の食べ物に興味を持たせないように、と伝えたい」と菊田さんは話す。アンケートでは、クマの出没や被害増加の背景に「太陽光発電(メガソーラー)の開発による自然破壊」があるとする回答が自由記述で相次いだ。実際の影響について、太陽光発電やクマの生態に詳しい専門家に見解を聞いた。太陽光発電は、2011年の東京電力福島第一原発事故で期待が一気に高まった。再生可能エネルギー特別措置法が同年8月に成立し、電力会社が再生エネルギーで発電した電気を買い取る制度ができて急速に数を増やした。環境エネルギー政策研究所の山下紀明・主任研究員は「少なくともこの10年ほどで、日本でクマと太陽光発電に関連性があるとする論文は見つけられず、科学的な根拠は乏しいだろう」と話す。太陽光発電の設置を巡っては、景観の悪化や土砂崩れの恐れ、生態系への影響などを理由に、各地で地域住民や学会などから反対の声があがる。それでも「実際にクマを理由にしたトラブルは思い当たらない」という。林野庁によると、太陽光発電のために伐採された森林面積は約2万1600ヘクタール(12~20年度)で、昨年からは土砂流出の発生可能性が高いとして開発許可の申請基準が1ヘクタールから0.5ヘクタールに厳格化された。日本の森林面積は国土面積の3分の2の約2500万ヘクタールで、1966年から横ばいが続く。クマの生態に詳しい東京農工大学院の小池伸介教授(生態学)も「奥山に設置されたメガソーラーを見たことがない」と疑問を呈する。「クマの出没する耕作放棄地に設置されると出没箇所が一致するように見えるが、因果関係はないと思う」と話す。その上で、「長期的にクマの分布範囲が広がり、数も増えて、分布域と人の生活圏が隣りあっている状況が被害増加のベースにある」と説明する。環境省の調査によると、03年度と比べて18年度時点では、クマの目撃や捕獲情報が寄せられた地点が全国で1.38倍になった。小池教授は生息域の拡大について「高齢化や過疎化による中山間地での人の活動の低下が招いている。日本社会が変化し、人間の動きに動物が反応している」と語る。では、クマと共に生きるにはどうすれば良いのか。小池教授は「クマは人間と空間、時間を分けなければ共存できない動物」と強調し、すみ分けとなるゾーニング管理の実現を訴える。専門的な人材の育成など課題は山積みだが、森林整備などの公共事業として国や自治体が主導して対策に乗り出すべきだと指摘する。「昨年の秋田県の出没状況は、これから日本各地で起きることを教えてくれた。この流れを逃したら、また大きな災害が起きないと動かなくなってしまう」。昨年、北海道に異動した。住むのは初めてで、ヒグマの生態や人身被害など、何も知らなかった。取材では、家の庭にクマが連日現れたという男性が「どうしようもない」と不安な顔を見せた。牛が襲われた農家も「これでは放牧できない」と困り切っていた。私の自宅付近でも出没したと知り、夜道は細心の注意を払っている。駆除に対して、「可哀想だ」という批判の声が役所に届く。アンケートでも捕殺に反対する声が多かった。その気持ちは理解できるが、日常生活で身の危険にさらされ、追い詰められている人たちのことを考えると、「クマが可哀想」だけでは済まないと感じる。研究者や行政職員、地域住民の様々な取り組みが各地で続いている。ある研究者にアンケート結果を伝えると、「意外にも被害増加の背景への理解は進んでいる。次は何をするか、語り続けなければ」と意気込んだ。「可哀想」で終わらないためにも、現場で何が起きているか、取材し、伝え続けたい。

(カワウ数千羽がやって来る、テープを張って早めの対策:広島)
冬の宮島に大群で押し寄せ、原生林を枯らしてしまう”カワウ″。黒いギャングとも呼ばれる厄介な鳥から島を守るための対策を「ツイセキ」します。世界遺産の島・宮島の周辺を飛ぶ黒い鳥の正体…”カワウ″です。23日、島の北東部には市と県の職員の姿がー。陸と空から風になびく「テープ」を木々に張り巡らせ、視覚と聴覚で島にカワウを近づかせない作戦です。昨シーズンはカワウの数が増えてから対策をとりましたが、今シーズンは未然に被害を防ぐことが狙いです。カワウにとって冬場もエサの魚が豊富な瀬戸内海は、「越冬」に適した場所。そのため、関西方面などからも多くやってきて、県内最大の寝床と化す宮島はここ数年、12月以降をピークに数千羽が押し寄せるようになりました。白いフンには酸性の物質が含まれるため、冬場だけとはいえ、数千羽のカワウが居座ると原生林は枯れてしまいます。それだけでなく海の魚も食べつくすことから”黒いギャング″とも呼ばれているカワウ。自然豊かで木々が生い茂る宮島は、風の影響を受けにくく羽を休めやすい環境がそろっているといいます。少しでもカワウに気づいてもらえるよう海側の2か所、あわせて500メートルに「テープ」を張りめぐらせました。宮島は島全体が特別史跡などに指定されているため、許可なく、樹木を切ったり捕獲したりすることができません。法的な縛りがある中で継続的な対策が求められます。

(クマ出没ことしはどうなる?有効な対策とは?:北海道)
昨年度、各地で相次いだクマの人里への出没。全国で被害にあった人は過去最悪の219人にのぼりました。今年度は8月末までに、昨年度を上回るペースでクマの出没が確認されています。例年、クマによる被害が増える秋を迎え、いま山の中で何が起きているのか、そして有効な対策はあるのか、取材しました。そもそも、ふだん山の中で暮らしているクマが、なぜ人里に出没するのでしょうか。ツキノワグマの生態に詳しい東京農工大学の小池伸介教授によると、ブナやコナラなど、秋のどんぐりの実り具合が影響していると言います。クマは冬眠前に、山のどんぐりを食べて栄養を蓄えます。しかし、どんぐりが不作だと、エサを求めて移動し、民家の周辺にある柿や栗などに引き寄せられて人里に現れるのです。昨年度の東北を中心としたクマの大量出没の背景には、このどんぐりの不作があったと言われています。10月中旬、小池教授とともに群馬県の山中に入ってみると、クマがどんぐりを食べた痕跡があちこちで見つかりました。クマが食べたとみられるどんぐりの殻です。殻を割って中の実だけを食べることが多いと言います。さらに、どんぐりを食べたあとのクマのふんも見つかりました。粘土質になるのが特徴だと言います。東京農工大学 小池伸介教授「山のどんぐりの実りがよければクマはもともと住んでいる森の中で過ごしますが、どんぐりがないと遠くまで食べ物を探しに行きます。クマは本来、非常に警戒心が強く、大きなメリットがなければ森から出ることはありません。しかし、エサを探して集落の近くまで行ったときに、収穫されずに残っている柿や栗があると、それに誘われて出てきてしまうのです」。では、ことし山の中のどんぐりの状況はどうなっているのでしょうか?NHKでは今回、各都道府県に取材し、3種類のどんぐりの実り具合を独自にまとめました。はじめに「ブナ」のどんぐりの状況です。去年被害が相次いだ東北地方にはブナが多く生えています。東北地方では、去年は赤色の「凶作」でしたが、ことしは黄色の「例年並み」や水色の「豊作」となっています。次に「ミズナラ」です。関東地方や中部地方に多く生えています。ミズナラは、ことしは主に中部や西日本の一部で「凶作」の地域があることがわかります。そして西日本に多く生えている「コナラ」です。ことしは「凶作」の地域も目立ちます。特に、兵庫や京都ではブナとミズナラ、そしてコナラの3つともが「凶作」になっています。このため自治体ではクマの大量出没の可能性があるとして注意をよびかけています。東京農工大学 小池伸介教授「近畿から西の地域のクマはコナラに依存していますが、『凶作』の地域も多くなっています。そうした地域では、クマが冬眠する前の11月中くらいまでは出没が多くなる可能性があり、注意が必要だと思います。また、同じ県内でも地域によって状況は異なるので、『豊作』や『並作』だからといって安心せず、柿や栗は早めに収穫し、生ごみを外に放置しないなど、クマを寄せ付けないための対策をとってほしい」。では、クマに遭遇し、被害に遭うリスクを少しでも減らすためにはどうすればいいのでしょうか。最近のある研究で、有効な対策が見えてきました。信州大学の瀧井暁子助教は、10年以上前から、人里近くで捕獲されたクマにGPSの発信器を取り付けて行動を分析しています。こちらはクマの位置情報を示した地図です。長野県の山あいの集落で、複数のクマが日中に数時間もの間とどまっている場所があることが分かりました。なぜ、これほど民家のすぐ近くにクマが長時間滞在していたのか。そこにあったのは「やぶ」でした。この周辺の「やぶ」の一部はもともとは民家の裏手の畑だった場所でした。しかし手入れをする人がいなくなり、草や木が生い茂っていました。クマにとって、このような見通しの悪い「やぶ」の中は、身を隠しやすい場所になっていたのです。信州大学 瀧井暁子助教「民家のすぐ近くのこういうところにクマが長時間いると、たまたま人が来てしまったときに出会い頭に遭遇し、人身被害のリスクが高くなってしまうんです」。そこで瀧井助教たちは、こうした「やぶ」を数十メートル四方にわたって刈り取りました。すると…。刈り取った後は、クマが長時間滞在していたことを示す点がなくなっていました。見通しをよくすることで、クマが身を隠せる場所がなくなり、民家の近くに長時間滞在しなくなったのです。こうした人が手入れをしなくなった「やぶ」は各地にあり、大がかりに刈り取るには費用もかかります。ただ、瀧井助教は、自宅の周辺や通学路など、「ここだけは」という場所のやぶをピンポイントで刈り取るだけで、十分効果があると指摘します。信州大学 瀧井暁子助教「人手や予算が限られるなかでも小規模な刈り払いならば行いやすいと思いますし、クマの行動を変える効果もあるので、取り入れてほしいです。子どもなどの安全を守り、人身被害を防ぐため、クマに近づいてほしくないところは、小規模でもいいのでやぶをきれいにするというのが、地道ではありますが重要な取り組みだと思います」。そしてもうひとつ、去年から始まった新しい取り組みがあります。クマの管理などを行う自治体の対応力の底上げをはかる取り組みです。今回、どんぐりの実のなり具合を分析してもらった小池教授などが講師役となって、野生動物の管理を担当する自治体の職員を対象にした実習が行われました。この日、全国から集まった10人の職員は、小池教授ら専門家と山に入り、クマの生態や痕跡の特徴などを学びました。小池教授「これは、クマが切り株を崩して中のアリなどを食べた跡です。ここまで削れる動物はクマしかいません」。小池教授「“クマはぎ”と呼ばれる、クマが樹皮を剥いだ跡です。シカは樹皮を食べるので樹皮が残りませんが、クマは幹をかじるので、剥いだあとの樹皮と歯形が残るのが特徴です」。樹皮を剥がされることで木が腐り、木材としての価値がなくなってしまうため、林業を営む人たちにとって、この「クマはぎ」の被害は非常に深刻だと言います。小池教授は、木にネットを巻くことで被害を防ぐことができると説明しました。小池教授「クマのこうした痕跡を記録していくことで、都市の周辺でどの辺りまでクマが来ているかというのを確認する指標にもなります」。さらに、参加者たちはクマが出没したときの対応も学びました。小池教授は、人里に出没する前に、まずその周辺で出没することが多いと説明。いつもと違う場所での目撃や痕跡の情報が寄せられたときは、出没に備えるきっかけにしてほしいと話しました。また、出没の情報を時系列で記録しておくと、クマが市街地や住宅地に入った経路や、何がクマを引き寄せる原因になったのかが分かり、次に出没させないための対策にも役立つと説明しました。根室市からの参加者「地元でもクマの出没が増え、住民に精神的な負担がかかっています。実習や講座で専門的に学べる機会はなかなかないので、得られた知識を対策にいかしたい」。東京農工大学 小池伸介教授「クマの出没にはそれなりの原因があるわけで、クマがどんな動物なのかを知ることで、正しい対策をとることができます。行政職員の知識や体験をアップすることによって正しい対策を迅速にとることができ、クマによる被害を防ぐことにつなげられます」。クマが他の野生動物と違うのは、ひとたび人里に出没すれば人命が危険にさらされるということです。クマが頻繁に町に現れるような事態になれば、住民の精神的な負担も計り知れません。どんぐりは数年に1度のサイクルで凶作になる性質があるため、どの地域でも出没のリスクが高まる年はやってきます。だからこそ、昨年度のような「大量出没」や人身被害を起こさないために、クマを人里に寄せ付けない平時からの備えが何よりも大切だと感じました。

(鳥獣被害、過去最少の3億3937万円:広島)
広島県内の鳥獣による農作物の2023年度の被害総額は前年度比16%減の3億3937万円となり、現行の調査方法になった07年度以降で最少だったことが県のまとめで分かった。県は伝染病の豚熱(CSF)の感染拡大などで、県内に生息するイノシシが減った影響があるとみている。鳥獣別の被害額はイノシシが2億200万円で全体の6割を占めた。次いでシカ5500万円、カラス5200万円だった。イノシシ被害は21%減。県は豚熱の感染と捕獲数の増加による個体数減少が要因とみている。一方、シカとカラスの被害はともに6%増だった。防護柵などの対策が遅れている地域で被害が多かった。市町別では庄原市が5千万円で最も多く、広島市4790万円▽大崎上島町3450万円▽東広島市3370万円▽世羅町3020万円―と続いた。庄原市はカラスによるリンゴへの被害が目立つ。広島市は安佐北区や安芸区でシカの被害が増えたという。県は本年度から鳥獣被害対応の専門事業者の協力を受け、広域で対策に取り組む専門組織「tegos(テゴス)」を発足。参画する庄原市や北広島町など5市町に専門職員を配置し、被害現場での対応や農家への指導を委託している。県は25年度までに被害総額を3億5千万円以下とすることを目標に掲げてきた。県農業技術課は「前倒して目標を達成できたが、成果を維持しなければならない。テゴスに参加する市町を増やし、被害額をさらに抑えたい」としている。

(リトル・ハンターズ・マーケットが開催されます:三重)
椿大神社から車で3分のキャンプ場やブルーベリーガーデンを併設する『猿田彦BASE』にて、初開催の「リトル・ハンターズ・マーケット」はキャンプと命の大切さを学ぶ狩猟を体験できるイベント!小学4年生~中学生が対象で、食育とジビネスの勉強を同時に体験できます。 2泊3日でじっくりと捕獲から商品加工まで。狩猟免許を保有している経験を積んだスタッフがレクチャー。

(世界遺産「熊野古道」ガイドなどに研修会:三重)
各地でクマの出没や被害が出ている中、三重県尾鷲市ではクマの被害に遭わないための研修会が行われました。秋の行楽シーズンを迎える中クマの出没が多い尾鷲市で25日、県内で初めて森林関係者や熊野古道のガイドなどを対象に研修会が行われました。現在この地域には「クマアラート注意報」が発表されていて、世界遺産登録20周年を迎える熊野古道には多くの人が訪れることが予想されています。研修会はクマの生態や遭遇したときの対応をテーマに行われ、参加者からは具体的にとるべき行動など質問が出ていました。

(“総延長100キロ”ヒグマ侵入を防ぐ「電気柵の長城」構想:北海道)
2021年6月、体長1.6メートルのヒグマが札幌市東区の住宅街で次々と人を襲い、4人が負傷する出来事があった。かつて人食いグマの被害があった地域だが、それは140年以上の前のこと。今では空港が整備されて、東区の人口は約25万人で東京の渋谷区に匹敵する。「まさかそんなところにクマが出るなんて」。行政も住民も事態を想定していなかった。ヒグマは10キロ以上離れた北の山から川伝いに市街地へ入ってきたとみられる。侵入を防ぐことは難しいと思われる中、壮大なプランが浮上する。「総延長100キロの電気柵で防ごう」。有志が動き出した。ことしのヒグマの目撃件数はすでに2400件を超えた。人里に姿を現すヒグマは絶えず、駆除も続く。“電気柵の長城”ですみ分けは可能なのか。実現性を探った。3年前の2021年6月18日午前5時40分すぎ。私は地元テレビ局の報道記者として、ヒグマが目撃された東区北18条東17丁目の現場にいた。第1報は午前3時。通報はすでに30件に達し、午前6時ごろには人的被害の情報も届いていた。「ショッピングモールと小学校の草むらにクマは潜んでいるとみられます」人が襲われる危険な状況に、「車内から出るな」と本社から命令が下る。ヒグマが潜んでいる草むらに車内からカメラに向け、リポートを収録した。私が、ヒグマの姿を確認したのは、直線距離で約4キロ移動した午前8時29分ごろだ。「ヒグマがいます。こちらを見ています、警察の車が取り囲んでいます」。車の中にいたとはいえ、背筋が凍る。体長1.6メートル、体重160キロのオス。想像以上に大きく見えた。ヒグマは警察やハンターに追い込まれ、空港から700メートル離れた茂みに身を隠した。膠着(こうちゃく)状態が続く中、午前9時50分からは緊急特番がスタート。わたしはひたすら中継でしゃべり続けた。そして午前11時16分。追走劇が幕を閉じる。私の約20メートル先に、再びヒグマが現れた。乾いた銃声が5回響き渡り、ヒグマは駆除された。誰にとっても想定外だった。突如後ろから襲われてケガをした安藤伸一郎さん(46)もそのひとり。通勤のため、自宅から地下鉄の駅に向かって歩道を歩いているところだった。ヒグマは後ろから体当たり。覆いかぶさり、何度もかんだ。「突然で襲われた瞬間はワケがわかりませんでした。時間的には30秒、体感的には1分ぐらいやられていた。何回も噛まれているので、実際死んじゃうのかなって思いました」(安藤さん)あばら骨が6本折れて肺気胸になった。噛み傷と切り傷で100針以上縫った。被害から3年がたった今も痛みに悩まされ、今年夏、電気を流し、痛みを緩和する手術をひざと脇腹に施した。今回より前に東区でヒグマ被害があったのは、1878年(明治11年)のこと。冬眠から目を覚ましたヒグマが猟師や開拓民を襲い、死者4人を出したと言われている。当時はまだ原始の森があたりに広がっていた。空港が整備され、人が住むようになったこの地に、なぜ100年以上経って再びヒグマが出没したのだろうか。行政機関や研究者らは痕跡を徹底調査。ふんや足跡、目撃情報から、ひとつの結論に至った。「オスがメスを求めて南下した結果、住宅地にたどりついてしまった。札幌の北、10キロ以上離れた増毛山地から、当別町を通って、石狩川を渡り、伏籠(ふしこ)川や水路を通って札幌市東区の住宅街に到達した。草が茂って身を隠しやすかったと考えている」(札幌市の担当者)。調査結果を受け、通過点とされた当別町で動き出した人がいる。野生動物用のわなや電気柵の製造・販売会社「ファームエイジ」を営む小谷栄二さん(65)。石狩平野と北側の山地の境に総延長100キロの電気柵を敷設する計画を唱えた。まるで“万里の長城”だ。「当別町から新十津川までの直線で50キロ、総延長100キロ電気柵を使って緩衝帯を作れば、北海道の北側のクマとすみ分けができます。電気柵で人の生活圏に入って来られないようにし、乳牛や肉牛を放牧し経済活動も可能にします」(小谷さん)。小谷さんは、25年前から過疎化で荒廃した地区への移住を全国から促し、今では約50世帯が暮らす。人が住むことで、東区のヒグマが通ったような、身を隠しながら移動できる草地が整備される。ヒグマが増えたから減らすのではなく、近づかなくすることが共生には必要だと小谷さんは考えている。「里山が荒廃しているのは北海道だけではない。一日も早く実用化し、全国にも発信したい」。小谷さんは熱っぽく語る。100キロを敷設するとなると、総額は10億円に膨らむ。しかし、電気柵の敷設により、高騰する輸入飼料に頼らず放牧で育てることができたため、3~5割のコストカットに成功した実績もある。2021年、小谷さんは野生動物と経済活動の関係を模索したい北海道大学農学部とともに共同プロジェクトを始動させた。ヒグマが頻繁に出没する知床半島の斜里町では、2006年にクマ対策でウトロ地区を取り囲むように4キロの電気柵を導入、2007年に稼働した。49件だったクマ目撃数は、稼働後1年で5件に激減した。「ヒグマが出没すると電話を受けて出動するが、その回数もだいぶ減った。シカやヒグマの侵入は確実に抑えられている」(知床財団担当者)。その後、2キロ延伸したが、課題も浮き彫りになっている。費用の3000万円は町が負担。一部を北海道が補助した。草がワイヤーに触れると、漏電し効果がない。小まめな草刈りが必要で、電気代を含めて年間170万円の維持費がかかっている。課題を解決するため、小谷さんは北海道大学農学部との共同研究をすすめ、環境省の研究事業としての認可を目指す。10月18日、事業計画を提出した。「国への申請には5年くらいかかる。まずは当別町で町有林の活用も含め、10~20キロの緩衝帯の整備。うまくいったら5倍10倍くらいの距離に伸ばしたい」(小谷さん)。単なる防壁ではなく、経済力を持った緩衝帯を創造する。実用化は25年先の2050年。ヒグマとの共生の道に一歩踏み出すべく、息の長い活動は始まったばかりだ。

(奈良公園で鹿の角が刺さりけが、7倍に急増:奈良)
奈良公園で角鹿(雄鹿)による被害が増えている。鹿に近寄る観光客らに角が刺さるけがが多く、9月の被害人数は35人。5人だった前年の7倍に急増した事態を重くみた県や奈良市が連携し、啓発活動を強めている。「角鹿厳重注意!発情した雄鹿は攻撃性が高く、角によるけがが増加中」。奈良の鹿愛護会からの協力依頼を受け、市は主要な市内の鉄道12駅のデジタルサイネージ(電子看板)で画像を放映。県も奈良交通のバス車内モニターで同様の告知を行っている。いずれも初めての試みだ。9~10月は雄鹿の発情期で攻撃性が強くなり、毎年数人程度がけがをするが、県奈良公園室は「今年の数の多さは異例。雄鹿の数が例年より多い」という。奈良公園の鹿は8月下旬から1日10~15頭のペースで角を切られるが「角切りが追い付いていない」と推測する。また、奈良市を訪れるインバウンド(訪日外国人客)が急増し、鹿せんべいを手に公園を歩く人が増えていることも遠因とみられる。けがは、太ももなどの数センチの刺し傷が多く、9月は10人が病院にも搬送されている。そのため、ホームページや広報誌などの例年の広報活動に加え、電子看板の利用などで発信力を高めている。

(臆病なシカ、発情期の秋はオスの「角攻撃」に注意を)
雄のみ1年ごとに生え変わり、力の象徴や縁起物としてあがめられてきたニホンジカの角。発情期の秋には、雌を巡って雄同士が角を突き合わせて戦うことでも知られる。そんなシカに角で突かれたとみられる男性の死亡事故が今月、京都府内で起きた。シカは本来臆病な性格で「不幸な条件が重なったのでは」と専門家。ただ全国的に野生のシカは増加傾向にあり、注意が必要だ。「近所の人が農作業から帰ってこない」。9日夜、京都府福知山市の住民から110番があった。京都府警福知山署によると、同市下天津の男性(68)はこの日、昼過ぎに1人で草刈りに向かったという。所有する田んぼの周辺では男性の車も確認された。警察や消防が捜索を開始。午後8時10分ごろ、田んぼの中で上半身から血を流して倒れている男性が見つかった。すでに死亡しており、棒状のもので刺された胸の傷は心臓付近まで達していた。翌10日夕、男性の死は衝撃的なニュースとなって報じられた。福知山署によると、「シカ犯行説」の根拠となったのは消防署員の目撃情報だ。田んぼでは発見当時、角の生えたシカ1頭が現場から逃げたという。襲撃の瞬間を見た人はいなかったが、衣服には動物の毛が付着。周辺にシカのものとみられる足跡も見つかった。田んぼはシカよけのフェンスで囲まれているが、2カ所ある出入り口から侵入したとみられる。「珍しいことだが、この時期ならあり得る」。動物の生態に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授はこう語る。山本氏によると、シカは9月下旬~11月ごろが発情期。硬化した角先を木にこすりつけてとがらせ、最も攻撃的になる。過去の同種事故も発情期に起きている。島根県飯南町で昨年10月、飼育施設で倒れている男性が見つかり、搬送先の病院で死亡した。飼育していた雄ジカの角に血が付着しており、襲われた可能性がある。宮城県牡鹿町(現石巻市)では平成14年10月、シカよけネットに引っかかった雄ジカを逃そうと近づいた男性が角で足を突かれ、出血多量で死亡した。「シカは普段、どちらかというと臆病な性格。襲ってくるような動物ではない」(山本氏)。ただ、シカなどの野生動物は朝夕が最も活動的で、音が鳴るものなどを携帯せず農地に行くと遭遇するケースが珍しくない。仮に角の生えた攻撃的な雄ジカと遭遇した場合、物陰に隠れたり、寝そべったりし、角に突かれにくい姿勢を取ることが重要だという。シカは全国的に増え、農作物の食害もあって社会問題化している。環境省によると、昭和53年度~平成30年度の40年間でシカの分布域は約2・7倍に拡大。強い繁殖力や餌を選ばないことのほか、狩猟者の減少などが原因とみられる。今回のように農地でシカなどの野生動物にどう備えればいいのか。山本氏は「動物は学習能力が高い。地形や気候、その地域で出没する動物などに合わせた柵を設置することが大切だ」と話している。

(クマの出没予測を発表:滋賀)
滋賀県は、ことしのクマの出没予測を発表し、餌となる木の実が去年よりも増えていた湖北地域では標高の低い場所にクマが出没する可能性があるとしています。また、餌が全体的に少なかった湖西地域では、集落近くへの出没が懸念されるとして注意を呼びかけています。滋賀県ではクマの出没を予測するため、毎年8月から9月ごろにかけて、高島市と長浜市の山林で、餌となる木の実の量を調べています。ことしの調査の結果、湖北地域では比較的、標高の低い場所にあるコナラの実が「豊作」のため、ふもとに近い場所でもクマが出没する可能性があるとしています。一方、湖西地域では、木の実が全体的に少なかったため、クマが餌を求めて集落近くに出没することが多くなる懸念があるとしています。県によりますと、県内のクマの今年度の目撃件数は23日までで140件で、すでに昨年度1年間の件数の1.5倍になっています。なかにはクマに倉庫の中に入られ米ぬかを食べられたという情報も寄せられているということです。県は、秋は冬眠前のクマが餌を求めて行動範囲が広くなるため警戒が必要だとしていて、クマを引き寄せないよう▼餌となる生ゴミなどを野外に放置しないことや▼収穫の予定のない柿や栗の実は撤去することなどの対策を呼びかけています。

(”ヒグマ対策重点エリア”をハンター7人が巡視:北海道)
ヒグマの出没が相次いでいる札幌市西区の三角山で10月24日、ハンターが巡視を行いました。巡視は24日午後1時から猟銃を携帯したハンター7人が三角山の自然歩道を中心に行いました。この自然歩道では2024年4月以降、3頭の親子グマの出没が相次ぎ、札幌市は9月、母グマとみられる個体を駆除しました。しかしその後も子グマとみられる2頭が目撃され、市は10月1日まで自然歩道を閉鎖していました。巡視は2024年6月に市が策定したヒグマ対策重点エリアの実施プランに基づくもので、三角山は重点エリアの一つです。ハンターが歩いて回ることでクマに人の存在を知らせ、クマと人との「すみ分け」を進めます。「(クマが)どこを移動して、どこに潜む可能性があるのか、今のうちに痕跡などを調査しながら証拠を集めて、次につなげたい」(猟友会のハンター)。24日の巡視ではその後もクマが出没していないか、痕跡も調べましたが、足跡やフンなどは見つかっていません。

(クマ対策の最前線、自然保護担う若者を養成)
9月下旬、北海道・知床。道端のあちこちでカメラを手にした観光客が、川を凝視していた。ヒグマが出てこないか、待ち構えているのだ。その脇を全国から集まった高校生や大学生を乗せたバスが通り過ぎていく。若者たちは、知床自然大学院大学設立財団の実習「知床ネイチャーキャンパス」の参加者。

(カワウ駆除でアユ守る:神奈川)
相模川のアユを捕食するカワウの被害を食い止めようと、神奈川県猟友会(安藤忠幸会長)の厚木支部が散弾銃による駆除を行っている。カワウの食害はアユ漁の収穫減など深刻な影響を与えており、同会では11月26日(火)まで、東名高速道路の高架下などで週2回、早朝に活動を予定している。「パン、パン」――10月18日の朝6時、支部会員が散弾銃を発砲すると、100羽近いカワウが群れをなして飛び立っていく。この日は5人の会員が集まり、トランシーバーで連絡を取り合いながら、それぞれの持ち場で駆除の活動を行った。相模川流域のアユを守るため、20年ほど前から続けられているカワウの駆除。厚木支部では、県内水面漁業振興会の依頼で毎年春と秋に実施している。カワウは体長約80cmの水鳥で、川や海に潜って魚を捕食する。アユの遡上に合わせて10月になると川辺に集まり、翌年の4月ごろまでアユを主食にする。1羽あたり1日約10尾の魚を食べるという。相模川漁業協同組合連合会(木藤照雄代表理事会長/愛川町半原)によると、今年4月から7月にかけて相模川水域全体に11トンのアユを放流し、天然遡上アユは約880万尾が確認されたという。一時期は千羽近いカワウが生息していたこともあったが、安藤会長は「最近は飛んでくる数が減ってきた」という。しかし生息場所は広範囲にわたることから、実態把握は難しく、関係者は食害に頭を悩ませている。安藤会長は「アユを守るためにも、安全を第一にしながら使命感を持って活動していきたい」と話していた。

(「シカ飛び出し注意」道警が啓発:北海道)
札幌市内でもシカと車が衝突する事故が増えるなか、紅葉シーズンを迎える札幌市の豊平峡ダムで道警による啓発活動が行われました。午前10時すぎ、札幌市の豊平峡ダムでは警察官が「シカ飛び出し注意」と書かれた木製のキーホルダーやチラシを配って紅葉狩りに訪れた観光客に注意を呼びかけました。札幌方面南警察署 斉藤勝 交通官)「事故防止のポイントはシカの行動を予測することと、何よりもスピードダウンだと思いますので、安全運転の徹底をお願いしたいと思います」。道警によりますと全道的にシカによる交通事故は年々増加傾向にあり、去年は5287件と7年連続で最多記録を更新しています。特に紅葉シーズンと重なる9月から12月にかけてはシカの交尾期にあたることから活動が活発になっています。

(世界遺産・白神山地にも迫るシカの食害)
今世紀以降、野生動物の生息域拡大や過度の個体数増加による環境被害の懸念が各地で深刻化している。中でもニホンジカ(シカ)は、背の低い植物などを食いつくすことで、農林業や自然生態系への影響が拡大している。生息域は北上していると考えられ、世界遺産・白神山地(青森、秋田両県)の周辺でも近年、確認される個体数が増加。従来はシカがいないとされていた青森県に拠点を置く弘前大の研究者に、今後の懸念や生態系を守る上での考え方などを聞いた。

(共存の道、市民の力も必要)
クマが市街地に出没する問題は、実は日本だけではない。米国でも同様だ。米国にはアメリカクロクマ、ハイイログマ、ホッキョクグマの3種が生息している。なかでも近年、都市部で問題になっているのが、クロクマだ。クマによるあつれきを減らし、共存の道を探るため、市民団体が日本より幅広く活動している。

(県猟友会が狩猟射撃の全国大会で個人と団体で1位、知事に喜び報告:長野)
安全に狩猟を行う技術を競いました。9月行われた狩猟射撃の全国大会で、県猟友会が個人と団体で1位になり、24日、阿部知事に喜びを報告しました。県庁に阿部知事を訪ねたのは安全狩猟射撃全国大会に出場した県猟友会の3人です。9月、福岡県で開かれたこの大会は、安全に狩猟を行う技術を競うことを目的に「クレー」と呼ばれる直径15センチの円盤を散弾銃で撃ち、得点を競います。出場した米山美希さんは80点満点中75点の高得点でレディース個人で1位となり、2大会連続の優勝です。米山美希さん「点数だけを競うというよりも安全に(猟銃を)日々扱っているかとかマナーとか狩猟を安全に行うという前提の大会だったので、長野県がきちんと取り組んでいるということにつながるといいなと思っていたので、安堵な気持ちでいっぱいです」。また、廉澤元一さんと米山彰彦さんもそれぞれ男性個人の部で入賞。個人の合計得点で順位付けされる団体部門で県猟友会は出場47団体の頂点に立ちました。現在、県猟友会の会員は4092人で減少傾向にあります。阿部知事「狩猟とかやってみたいと思う人は潜在的にはいると思うので、そういう人が元気になって積極的に活動していただけるような機会が大事だと思う」。米山さん「長野県での狩猟文化を裾野を広げるような何かお役に立てればいいなと思う」。県猟友会は今後も安全に狩猟に取り組めるよう、講習会を続けながら仲間を増やしていきたいとしています。

(伊豆沼で越冬のマガンの群れ:宮城)
渡り鳥の越冬地として知られる県北部の伊豆沼では、飛来したマガンの群れが日の出とともにえさを求めて一斉に飛び立つ姿が見られました。栗原市と登米市にまたがる伊豆沼はマガンやハクチョウなどが極東ロシアから飛来する国内有数の渡り鳥の越冬地として知られています。ことしは9月20日にマガンが初飛来し、現在およそ6万羽が羽を休めています。マガンは夜は外敵から身を守るため沼で休み、朝日が昇ると近くの田畑にえさを求めて一斉に飛び立ちます。よく晴れた24日朝は、朝日に照らされるマガンの大群を写真に収めようと多くの野鳥の愛好家たちがカメラを向けていました。千葉県から訪れた男性は「黒い帯のようになった群れが一斉に飛び立つ様子はまるで地面が浮き上がっていくようです。それが全部頭の上を飛んでいくのは、とても迫力を感じます」と話していました。伊豆沼で越冬するマガンの数は12月にピークを迎え、来年2月ごろにふるさとの極東ロシアに帰るということです。

(「列車にイノシシが衝突」JR東北本線が一時運転見合わせ:宮城)
JR東日本によりますと、28日午後4時40分頃、東北本線の品井沼駅と愛宕駅の間で、上り列車がイノシシと衝突しました。この影響で、東北本線はこの区間の上下で運転を見合わせていましたが、午後5時22分から運転を再開しています。乗客や乗務員にけがはありませんでした。

(河川敷でクマ4頭目撃:宮城)
24日昼前、宮城県川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園でクマが目撃され、一部のエリアを臨時閉園としました。午前中には川崎町の河川敷でもクマ4頭が目撃されていて、宮城県は冬眠を前に行動が活発化する恐れがあるとして注意を呼び掛けています。警察によりますと目撃されたクマは1頭が成獣、3頭が幼獣で親子とみられています。けが人や農作物への被害はありませんでした。目撃された現場近くの学校では、一部の児童が一斉下校を行ったり保護者が迎えに来たりする対応が取られました。昼前には、川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園でもクマ1頭が目撃されました。トレッキングなど散策を行う里山エリアで目撃されたことから、エリアにいた来場者1人を避難させた後に臨時閉園としました。25日以降も安全が確認されるまで閉園を継続します。遊具などがあるメイン会場の南エリアとキャンプ場やパークゴルフ場などがある北エリアは、巡回を強化したりクマよけの爆竹を使ったりしながら25日以降も営業を続けるということです。みちのく公園管理センター企画運営課和光拓係長「スタッフも含めクマと出会わないように注意していきたいですし、来園者の方には絶対に安全に利用していただきたいと思っていますので、今後も注視していきたいと思ってます」宮城県によりますと、クマは冬眠を前に餌を探し求める時期で、行動が活発化する恐れがあるということです。クマの餌になる柿などの果樹を放置しないなど、人里に引き寄せない対策を呼び掛けています。

(JR両毛線が一時運転見合わせ:群馬)
24日午後11時15分ごろ、群馬県桐生市境野町のJR両毛線小俣―桐生駅間で、上り普通電車がシカとぶつかった。両毛線は小山―桐生駅間の上り線で約35分間運転を見合わせた。JR東日本高崎支社によると、上り1本が遅れ、乗客約10人に影響した。

(シカと衝突、普通2本運休:北海道)
23日午前7時5分ごろ、JR千歳線沼ノ端―植苗駅間で、苫小牧発小樽行き普通列車(6両編成)がシカと衝突した。乗客乗員にけがはなかった。  JR北海道によると、社員が線路上のシカを除去し、運転を再開したが、約15分の遅れが出た。

(JR日豊線で列車がイノシシと衝突:福岡)
JR九州によると、25日午後9時23分ごろ、日豊線西屋敷~立石で上り普通列車(大分午後8時20分発小倉行き)がイノシシと衝突した。同10時現在、同線上り線小倉~宇佐で遅れが出ている。

(本場のシカ料理、東京などからモニターツアー:北海道)
釧路で本場のエゾシカ料理を味わうとともに、シカによる被害や利活用について学んでもらおうと、ANAあきんど釧路支店(釧路市北大通11、雨宮裕幸支店長)は15~17日にかけて、初のモニターツアーを行った。

(100%国産ジビエ原料「ハンタージビエ・ワンモ」:埼玉)
化粧品、食品、フィットネスで美容と健康をサポートするインタナショナルゼネラルフーズ株式会社(所在地:埼玉県飯能市、代表取締役:楠田 保則)は、害獣問題を解決し、持続可能な未来を築くジビエペットフード「ハンタージビエ・ワンモ」の販売を、クラウドファンディングサイトCAMPFIREで開始しました。本プロジェクトは、2024年12月18日まで実施いたします。

(地域課題解決型の犬用ペットフードにドライタイプが新登場:愛媛)
鬼北町ジビエペットフード加工処理施設(愛媛県北宇和郡鬼北町大字延川1164番地)が製造している、有害鳥獣として捕獲された鹿を活用した犬用の商品「鹿肉60%ドライフード」が完成。2024年11月1日(金、犬の日)よりオンライン販売を開始します。価格は、100gが550円、1kg(500gを2袋)が4,510円(すべて税込)。「鹿肉60%ドライフード」は岡山理科大学獣医学部、今治明徳短期大学、愛媛県産業技術研究所、鬼北町などが参画するジビエペットフードプロジェクトにおいて開発された商品です。鹿肉の特長である低カロリー・高たんぱくの成分はそのままに、愛媛県産の野菜や鯛の身を加え、毎日に必要な栄養素をバランスよく摂取できるよう工夫しました。与えやすい小粒サイズに加工していますので胃腸にもやさしく、普段使いのフードと置き換えてご利用いただけます。ジビエを加工したペットフードは栄養価が非常に高く、アレルギーリスクの低い自然食材を活用しているので、安心して愛犬に与えられる商品です。今後も、鬼北町や町内猟友会と連携しながら、さまざまな商品を展開します。地域の問題を持続的に解決するべく誕生した循環型の取り組みに、ご協力ください。

(ジビエフェア、特産品めざして:神奈川)
「大山猪鹿(ジビエ)フェア」が10月23日にスタート。来年3月31日(月)まで大山の宿坊や飲食店など15店舗で開催される。主催は大山ジビエフェア実行委員会(瀧本麗子委員長/大山先導師会旅館組合・女将の会・大山飲食店物産組合)。大山で古くから食されてきたジビエ料理を、新たな特産品として多くの人に知ってもらおうと2022年から始まった同フェア。17日にはオープニングセレモニーが古宮旅館で開催され、実行委員のほか、市内子易の食肉処理施設「阿夫利山荘」の磯崎敬三代表が出席した。3回目の今回は、参加店舗を宿泊者向けのディナー(要予約)と予約不応のランチに分類し、新たな取組としてスタンプラリーを実施。スタンプを集めると、先着100人にスマホペンスタンドやペーパークラフトなどのセットがもらえる。瀧本委員長は「期間中はインバウンドも含め、年々お客様が増えている。市内の皆さんにもぜひ大山に足を運んでもらい、ジビエ料理を味わってもらえれば」と呼びかける。フェアで提供されるジビエ料理は、大山で捕獲され、阿夫利山荘で加工された肉が使われる。メニューも、しし鍋やジビエバーガー、パスタとさまざまなメニューが揃う。磯崎代表は「イノシシは11月から脂が乗り美味しくなる。コラーゲンもたっぷりなのでぜひ食べて欲しい」と話す。

(利用増へ販路拡大が課題、搬入頭数は目標の4割:神奈川)
昨年10月から本格稼働する「あしがらジビエ工房」(松田町松田庶子)。稼働から約1年、利用は増えてきているが多くの課題ものぞく。ニホンジカやイノシシなどの農業被害が増加する足柄上地域。中でもシカの被害は大きく2022年度は約158万円の被害がでている。あしがらジビエ工房は、被害対策と捕獲したシカなどをジビエとして有効活用するため、足柄上郡5町(中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)とJAかながわ西湘が約4千万円をかけて県内で初めて建設した。運営は5町でつくる足柄上地区ジビエ処理加工施設運営協議会が実施。猟友会など捕獲者自身が搬入、解体、販売を手掛ける特殊な方式を採用する。施設の利用料金は1頭3千円からになっている。同工房で処理される大半はシカ。23年10月から24年9月までの約1年間で66頭が処理された。シカの猟期は11月から2月だが、地元猟友会は駆除を目的としているため、通年でシカを捕獲している。同協議会によると年間の目標搬入頭数は170頭。「11月から猟期の捕獲が期待できるので、今冬は利用が増えるのでは」と期待する。搬入頭数を地域別でみると、松田町が30頭、山北町が24頭、大井町が12頭。23年度のシカの捕獲数は山北町が689頭。松田町が89頭、大井町が57頭と続く。捕獲数に対し山北町の利用が少ないが、山北町の担当者は「野生動物は衛生面など安全性が重要です。捕獲場所から松田町にある工房までの距離的な問題が一因」と分析する。利用促進に向け「工房利用者に対し、山北町内でのジビエ販売に補助金を出す試みを行っています」と同町は話す。施設には光熱費、内臓や骨、皮などの「残滓」の処理費など100万から200万円の施設維持費がかかり、利用の促進と販路の拡大が必要となる。同協議会では「国産ジビエ認証」の取得を目指す。認証されると飲食店や大手スーパーなどと取引しやすくなるメリットがある。同協議会は「全国でジビエ処理施設は600程度あるが、認証を受けているのは約40施設。クリアしなければならない条件はあるが、販路拡大に向け取得を目指したい」と話した。

(ジビエを楽しむ料理教室を開いています:大阪)
西田辺駅から徒歩6分ほどの場所にある山肉デリ。鹿肉・猪肉など野生動物専門の肉屋です。扱うお肉は特別な技術がなくてもおいしく調理できるとのことです。そんな山肉デリが、「家ジビエ」のための料理教室をはじめられました。毎月1回程度、定員3名での開催です。

(絶品ジビエ料理に松岡修造が「これはおいしいです!」:神奈川)
松岡修造さんが、小田原でおいしいジビエに出会いました。城下町や宿場町として栄え、今も観光地として人気の神奈川県小田原市にある「小田原ジビエ 龍」を訪れた松岡さんは、大好評だというジビエ料理をいただくことに。「猟する料理人」こと、増田龍次さんから「僕が獲ってきた鹿」と紹介された一皿は、味噌の風味がほんのり広がる「鹿ハツのヨーグルト西京味噌焼き」。その見た目に「一瞬、タンに見えた」と驚く松岡さんに、「鹿のハツです」と返す増田さん。新鮮な鹿ハツをヨーグルトと西京味噌に漬け込むことで、やわらかくジューシーに仕上がると教えてくれました。早速、ひと口いただいた松岡さんは、「やわらかさもそうですけど、パサつく感覚が全然ない。ジューシーなんです」と驚きます。「臭い・パサパサ・硬い」というジビエ肉の悪いイメージを「全部取り払ってやろうと思った」と増田さんが語ると、味わう松岡さんも「これはおいしいです!」と目を見開きます。もともとはイタリアンやフレンチのシェフでしたが、小田原に移住してから猟師になったという増田さん。猟で駆除した鹿やイノシシを料理で提供したいという思いから店を開いたとのこと。続いて提供されたのは、濃厚な鹿レバーとチーズが絶妙な組み合わせの「鹿レバーとゴルゴンゾーラのクリームパスタ」。濃厚な味に松岡さんは「濃いです!これおいしいです!」と大喜び。「鹿のレバーってこんなにまろやかなんですか!?」と松岡さんが驚いたおいしさの秘密は、牛乳とブランデーに漬け込んで臭みを抜くことでレバー本来の旨みを引き出しているから。「これは鹿(料理)を好きになるきっかけになりますね」と目を輝かせる松岡さんに、増田さんも「小田原の人全員に、小田原の鹿を食べてもらいたい」と熱く答えます。松岡さんは「これ、びっくりするぐらいおいしいですよ」と、真っすぐに増田さんを見つめて締めくくりました。

(「ケモノまつり」、共存法考える:新潟)
イノシシやクマなどによる獣害問題について楽しく考える「ケモノまつり」が、新潟県柏崎市軽井川の柏崎・夢の森公園で開かれた。家族連れらがイノシシ肉を使ったピザ作りに挑戦したり、クマの生態を紹介する展示を見たりして、野生動物と共存する方法を考えた。ケモノまつりは、田畑に深刻な被害をもたらしている野生動物について知り、獣害を自分ごととして考えてもらおうと、夢の森公園が2022年から行い、3回目。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、28日午後4時40分ごろ、松島町松島犬田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後1時10分ごろ、仙台市青葉区八幡7丁目にクマが出没しました。

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(ヒグマ駆除、猟銃許可取り消し巡る訴訟で男性側上告:北海道)
北海道砂川市の要請でヒグマを駆除した際の発砲が「住宅に弾丸が届く恐れがあった」と判断され、道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消された道猟友会砂川支部長の男性が処分の取り消しを求めた訴訟で、男性側が24日、許可取り消しを妥当とした札幌高裁判決を不服として上告した。代理人弁護士は「この判決のままでは有害駆除の現場に悪影響を与える」と話した。18日の高裁判決は、処分を違法とした札幌地裁判決を取り消した。現場の地形などから「跳弾が建物に到達する危険があった」と指摘し、処分は裁量権の逸脱・乱用に当たらないと判断。現場の警察官はヒグマの位置を認識しておらず、発砲を容認していなかったとした。

(シカによる森林被害緊急対策事業(シカ被害対策普及加速事業):林野庁)
近年、シカ生息数の増加や生息域の拡大により、全国的にシカによる森林被害が大きな問題となっている。今後、主伐・再造林の増加が見込まれる中、植栽木がシカの食害を受けて伐採後の更新が困難な森林が発生し、資源の循環利用や林業の成長産業化の実現に支障をきたすおそれがあることから、森林地域におけるシカ捕獲に積極的に取り組んでいく必要がある。このため、平成28年度より「シカによる森林被害緊急対策事業」の実施地域(以下、「事業実施地域」という。)において、林業関係者が主体となったシカの広域かつ計画的な捕獲等をモデル的に実施したところである。当該事業では、これらの事業実施地域を対象に、地域毎の様々な条件に応じた効果的な捕獲手法に関する情報を整理し、シカ捕獲手法の効果的な普及に向けたマニュアルを作成する。

(野生イノシシの豚熱感染を確認、県内26例目:佐賀)
佐賀県は23日、唐津市神田で、野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は26例目。場所は経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、住宅地近くのやぶで死んでいるのを住民が発見した。22日の検査で感染が分かった。

(9月のクマの目撃、去年の4分の1以下:岩手)
県内では先月クマの目撃情報が142件あり、1人がクマに襲われけがをしました。件数は過去最多となった去年に比べて大きく減っているものの、県は秋はきのこ採りなどで山に入る人が多くなるため、引き続き注意を呼びかけています。県のまとめによりますと、先月1か月の間に県内でクマが目撃された情報はあわせて142件で、去年9月に比べると4分の1以下に減り、おととしと比べて7件多くなっています。去年はクマのエサとなる木の実が少なくなり目撃件数は過去最多となりました。先月、クマに襲われけがをした人は1人で野田村玉川地内の山中で先月27日、渓流釣りに向かう途中の70代の男性がクマ1頭に頬をひっかかれ、軽傷を負いました。県内ではことしに入ってこれまでに9人がクマに襲われてけがをし、このうち1人が亡くなっています。去年より目撃件数は少ないものの秋はきのこ採りや登山などで山に入る人が多くなることから、県は山に入る際は鈴などの音が出るものを携帯することや複数人で行動すること、また、家の外には餌になるようなものを置かないことなどを呼びかけています。

(県内クマの目撃情報約1.3倍、クマの出没対応訓練:群馬)
県内でクマの目撃情報が増える中、川場村では、人里にクマが出没したという想定で、警察や村などが連携して対応にあたる訓練が行われました。この訓練は、県が、相次ぐクマの出没に対して関係機関の連携を強化しようと、はじめて行ったもので、23日は、川場村で、警察や村、それに地元の猟友会などから、あわせておよそ20人が参加しました。訓練は、住民が山あいにある運動公園でクマを目撃したという想定で行われ、連絡を受けた村の担当者が現場に駆けつけ、発見した人からクマの状況を聞き取りました。そして、警察や村の担当者などが2つの班に分かれて、車に乗ってクマの捜索をおこないました。このあと、運動公園のグラウンドにクマに扮した関係者が姿を現すと、猟友会のメンバーが花火を使って威嚇し、みんなで大声を出して、クマを林の中まで追い込んでいました。県によりますと、今年度、県内では4人がクマに襲われてけがをしたほか、クマの目撃情報は、先月までに624件と、昨年度の同じ時期と比べておよそ1.3倍に上っています。県自然環境課の臼田栄慈課長は「一人ひとり手探りの中での訓練でしたが、今回の訓練の反省を実際に生かして、もしクマが出てきてもしっかり対応できるようにさらに準備をしていきたい」と話していました。

(増えるクマ出没、目撃すでに最多500件超:山口)
山口県内でツキノワグマが人里に頻繁に出没し、被害が相次いでいる。今年度の目撃件数はすでに500件を超え、過去最多を記録。2年ぶりに人が襲われる事案も起き、子どもの登下校など日常生活に影響が出ているほか、栗など農作物の食害も確認されている。専門家は、同県では11月末までクマの活動が活発だと指摘し、注意を呼びかけている。「飛びかかってきたと思ったら、一瞬で自分の体が血や傷だらけになった」。山口県周南市 夜市やじ の会社員(43)は、今月4日にツキノワグマに襲われた体験を険しい表情で振り返った。市中心部から北西約10キロにある会社員宅は里山に囲まれ、周辺には田畑が広がる。クマに襲われたのは、日課のジョギング中だった。午後10時頃、自宅前の一本道を走り始め、折り返して家まで600メートルほどの地点まで戻った時のことだ。「ウー」。低いうなり声が背後から3度聞こえ、草木が揺れるのに気づいて振り向いた瞬間、体長約1メートルのクマに頭を引っかかれた。「ガリッ」という音がした途端に顔は血だらけに。クマは両前脚で会社員の左太ももをつかみ、かみついた。うずくまって「うわー」と叫ぶと、クマはその場を去った。会社員は頭を43針縫う大けがを負った。被害の報告を受け、地元の市立夜市小では児童が18日まで教職員に付き添われて集団で下校。全員がクマよけの「熊鈴」をランドセルに付け、県警周南署員もパトカーで巡回した。井川真奈美校長は「とにかくみんなの安全が第一」と顔をこわばらせた。人的被害はほかにも発生している。9月に同県岩国市で70歳代男性がクマに襲われ、左手首を骨折するなど全治3か月の重傷。また、けが人はなかったものの、同月下旬には同県下関市でクマが空き家の壁をたたき壊す様子を、市が設置したカメラが捉えた。県内でクマに人が襲われたのは、2022年に岩国市の70歳代男性が散歩中にクマと遭遇し、首などに2~3週間のけがを負って以来となる。農作物の食害も深刻だ。今月12日、岩国市の山林でクマから特産の「 岸根栗がんねぐり 」の樹木約30本のうち10本以上の枝を折られる被害が発生した。実を食べる際に折った枝で「腰掛け」を作ったとみられ、山林を所有する農家の70歳代男性は「枝が折れてしまった木は4、5年は実らない」とため息をついた。ツキノワグマは本州と四国の一部に生息し、山口県内では山口、島根、広島の3県にまたがる西中国山地を中心に分布。九州では絶滅したとみられる。生息地では近年、人の生活圏での目撃や被害が増加しており、山口県での今年度の目撃件数は今月15日時点で522件で、過去最多となった昨年度の444件を大きく上回っている。県内でクマの目撃数や被害が増えている原因について、山口大の細井栄嗣准教授(野生動物学)は「人の怖さを知らずに育ち、人里に行くことを恐れないクマが増えたのではないか。山奥に行かなくても、人里で餌を確保できると学習したことも要因になっているかもしれない」と推測する。こうした状況を受け、県警は昨年10月から、通報があったクマの目撃場所などを記した地図を県のホームページに掲載している。県警地域企画課の担当者は「目撃情報を知ることで心構えができるはず。山に近づく時に役立ててほしい」と語る。クマの活動は冬眠まで続く。生態に詳しいNPO法人・日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田一彦理事長(76)は「暖かい山口県では、11月末までクマの食欲が旺盛。人がいる場所でも餌を求めて歩き回り、身を守るために攻撃的になる」と説明。「クマは10メートルの距離をたった1秒で詰められるほど素早い。近づこうとしてきたら、背中を向けずに叫ぶなどすることが大切」と強調する。県自然保護課の担当者は「県内のあらゆる地域が危険だというわけではない」とした上で、「山口に来て山に近づく際は、熊鈴やラジオのスイッチを入れて持ち歩くといった対策を知っておいてほしい」と話している。

(クマに出会ってしまった…環境省が教える『NG行動』とは?)
昨今、増えているクマによる人的被害。これまで「クマはまず出ないだろう」と思われていた市街地でも目撃情報が多発するなど、生息地域が変わっており、思ってもみない場所で遭遇する可能性があります。では、もしクマに出会ってしまったらどうすればいいのでしょうか。環境省協力のもと、『クマに出会った時の対処法やNGな行動』を紹介します。【クマが近くにいるのに気付いた時】・落ち着いてゆっくりとその場から離れる。・離れる際は背を向けない。・ゆっくりと落ち着いて後退する。【クマを遠くに見つけた時】・落ち着いてその場から離れる。・クマを驚かせないよう、大声を出したり、走って逃げたりしない。・カメラのフラッシュを浴びせるようなことをしない。【クマと目の前で相対してしまった時】・急な動きをすると反応して襲ってくるので、クマが立ち去るのを待ってからその場を離れる。・もし襲われたら両腕や顔で頭を守る。万が一クマに遭遇した場合は、上記のように驚いて急に逃げたり、騒いだりすると逆効果。いきなりクマが現れるとパニックになるかもしれませんが、落ち着いて対処することが大切です。クマの被害を防ぐには、そもそもクマに遭遇しないようにすることが重要です。環境省によると、以下の点に注意すべきだといいます。・クマの出没情報に気を付ける。・クマに自分の存在を知らせる。・クマが出没しそうな場所に近付かない。クマの出没情報が発表された場合、出没地点の近くに行かないようにしましょう。特に、早朝・夜間は出会う可能性が高くなるため、注意が必要です。また、山とつながっている林や川沿いはクマが出やすい場所。見通しの悪い場所や沢にも気を付けないといけません。もし山に入る際は、クマ鈴など音の出るもので、クマに自分の存在を知らせることも避けるために大切なポイント。また、秋は冬眠前にエネルギーをたくわえるため、クマが食べ物を求めて人里に下りてくる可能性が高まります。どんな生き物なのか、どんな生態なのかなど、クマについて知ることも遭遇を避けるために重要です。クマに遭遇しないよう、また万が一遭遇した際は被害に遭わないよう、環境省のアドバイスを覚えておきましょう。

(手加減なしのリアルな訓練に密着、地域ぐるみのクマ対策:北海道)
もし自分のマチにクマが現れたら…日頃からみんなで対策を話し合う、ある村の取り組みです。北海道上川地方の占冠村。道の駅のすぐ裏手に、もしクマが現れたら…手加減なしの、リアルな訓練です。指揮を執るのは、占冠村の職員です。ここにクマ対策のヒントがあります。全国的な課題となった、クマとの距離。現在の鳥獣保護管理法では、夜間や住宅地での発砲が禁じられています。そのため、クマが連日現れても発砲できず、2か月も被害が長期化したケースもありました。7月、環境省の専門家検討会は、人身被害のおそれがあるときなどに一定の条件のもと、住宅地でも銃を使えるよう緩和する方針をまとめました。法律が変わったとしても、求められるのは現場の判断です。酪農学園大学 環境共生学類 佐藤喜和教授「地域住民の安全を確保して、事故のない捕獲ができなくてはいけない。判断を誰がするのかなど、まだ課題は多い。事前の協議をしたほうが、クマが出没したとき、スムーズな協議と判断ができるのでは」。占冠村は、役場の職員として、「野生鳥獣専門員」を設けています。日頃から地域のクマの調査・分析を重ね、住民と情報を共有することを大切にしてきました。占冠村 野生鳥獣専門員 浦田剛さん「クマへの対応は、捕獲だけではない。日ごろからの被害防止のための活動でなどに、みんなで取り組む必要がある」。6月に行ったクマ対応訓練には、役場職員や警察、振興局、近隣市町村、消防やハンターなど50人ほどが集まりました。浦田さんは、ひとりひとりの紹介から始めました。富良野警察署 地域課 長崎俊之課長「顔が見える関係を作って、個々の連携に生かしたい」。意気込みを話すことで、それぞれが参加する意味を自然と自覚していきます。占冠村 野生鳥獣専門員 浦田剛さん「せっかくその場にいる人たちが、いることに重みがつく扱いをしなくてはいけない」。全員が責任感を持って臨む訓練は、緊張感が高まります。住民も、見つめます。ハンターでもある浦田さんが、人や車の配置を指示。協力して、クマが住宅地に近づかないよう、少しずつ追いやっていきます。生い茂る草に、身を隠すクマ。川を越え、山に向かったようです。ときにはハンターに突然迫るなど、リアルな動きを見せたクマ役は専門家が務めていました。酪農学園大学 環境共生学類 伊藤哲治講師「野生鳥獣専門員がいるので、連携やふだんのコミュニケーションがとれている。クマから見ても分かるくらい」。専門員を置き、クマ対策の先頭に立つ役場。役場任せにせず、課題に向き合おうとする関係者や、住民たち。ハンター 有光良次さん「あの場所なら撃っていいというのが、具体的に警察もいる場所で理解できた。地形、民家の位置関係、法令を理解している。野生鳥獣専門員が指揮をとってくれることが重要」。酪農学園大学 環境共生学類 伊藤哲治講師「一般の住民も、ここはやぶがあって訓練でクマがすごく隠れていたから、もう刈り払おうなどクマがいづらい隠れにくい環境を作るのも一つそれぞれができる対策になる」。住宅地や農地など、人の暮らしのすぐ近くで起きている、クマとの課題。国が動き始めた今も、浦田さんは、「当事者は地域の住民だ」と話します。占冠村 野生鳥獣専門員 浦田剛さん「住民の願いをかなえるために、住民の協力を集約する先として役場があり、担当者がいる。対策した結果として、どんな暮らしを私たちは望んでいくのか。当事者である地域住民と語らって決めていきたい」。酪農学園大学の佐藤喜和教授は野生鳥獣専門員を設けるメリットを2つあげています。1つ目は「ハンターが減少した今、安定して雇用されること」、そして2つ目が「日頃から地域のクマについて調査・分析し、捕獲以外の対策もできる人がいること」となっています。この2つの側面を、1人で担っても、複数人で分担してもよく、地域ごとに合う形が求められると話していました。国が法律の改正にむけて、具体的に動きだしていますので、自分の住むマチのクマの状況や自治体の対策について、興味関心を高めていただければと思います。

(クマに喰われる危険を顧みず、山菜を採りに行く人たちの”知られざる正体”)
今年に入り、過去に例を見ないペースでクマによる人的被害が続いている。秋田だけではなく、日本各地で事態が平静を取り戻す前に次の事件が発生しているのだ。一度でも人間を襲ったクマは「人間=エサ」と認識する。そのような学習をしたクマが駆除されていない中で、自らの意志で山に入り、キノコなどの山菜やタケノコを採る人々がいる。前回までの記事『「遺体はすでに硬直し、足は曲がったままで…」秋田でクマに襲われ死亡した男性の「第一発見者」が明かす「恐怖の現場」』で報じた、今年5月に佐藤宏さんがクマに襲われた発荷峠(秋田県)から熊取平(秋田県)、迷ヶ平(青森県)、四角岳(岩手県)、十和田奥入瀬(青森県)の周辺では、至るところに「熊出没注意」や「入山禁止」などと記載された看板が立てられている。それでも山に入る人はいるのだ。彼らはどうして危険を冒して山に入るのか。旬のものを食べたい気持ちは理解するが、クマと遭遇した際に起こりうることなどをどのように考えているのか。クネクネと曲がり続ける県境の細道に車を走らせる。秋田県から青森県に抜ける視界の開けた道を過ぎると、鬱蒼とした森林地帯に入る。道路脇の暗がりに隠れるように1台の地元ナンバーの車が停まっていた。声掛けをしても反応はなし。しばらく耳を澄ませていると、腰の高さほどの藪の奥からは微かに歌謡曲が聞こえてくる。棒を持ち「こんにちは~」と声を上げながら、薮を掻き分け山の中へと進む。舗装道路からすぐ先は人間の気配のない暗い山中だ。登山道のような整備された道はなく、真っ直ぐには進めない。自分の位置や進んでいる方向などすぐに分からなくなる。ヘンゼルとグレーテルの童話ではないが、立木に目印をつけながら踏み跡を辿る。周囲では鳥や虫が鳴き、風の影響か上方でしなる木々が擦れる音など賑やかである。呼びかける声が草木に吸い込まれ、自分の足音が妙に大きく響いた。この森では自分が部外者であることを強く認識する。ここではクマが絶対的な強者である。武器のない生身の人間など捕食対象なのだということが身に染みる。取材者がクマに襲われるなど冗談にもならない。目印を決め、どこまで行って引き返すか思案しながら移動していると、頭にタオルを巻き、棒を持ち、大きなカゴを背負った男性が突然藪から現れた。男性は明らかにこちらを歓迎していない不審な表情でこちらを見つめる。そして必要以上に大きな声で「なに?」「誰?」と続けて叫んだ。事情を話し、持参した缶コーヒーを渡す。以下は山で「採り屋」あるいは「採り子」(山菜などを採って生活をしている人)と呼ばれる知られざる山人の話である。「オレは子どもの頃から親父に連れられて山に入ってる。雪解けの頃の山菜からタケノコ、キノコなど。真冬を除いて、年中山にいる。クマの怖さは知っている。親父から教えられたのは、クマは臆病だから大きな音を出しておけば大丈夫だというものだった。なので、カセットデッキを持ってきて好きな演歌を大きな音で流して『人間がここにいる』ということを、知らせるようにしている。山ではハチやヘビ、猪も怖いが、最大の敵はクマだ。クマを寄せるから、食い物は山に絶対に持っていかない。以前は、クマが嫌いな木酢液を自分でつくり、さらに唐辛子を入れて煮込んだ液を周囲に撒いたりもした。おまじないのようなものかもしれない。仲間の中には自分の小便を集めておいて、それを撒く者もいるな。クマについては個人的に勉強をしている。昔のクマと今のクマは性質が違ってきている。人間を恐れないクマが増えてきたと思う。あるクマは、俺が大声出しながら近づくと、ダァッと走って逃げていたと思えば、いつの間にか近くの木陰からジッとこちらを見ていたりすることもあった。そういうクマがいたかと思うと、オレの姿を無視したまま背中を向けて餌を食べ続けているクマもいる。それでも人間に向かっていきなり襲いかかるようなクマは、ほとんどいなかった。変わってきたのは、ここ10年くらいだ。ハイブリッド(ヒグマとツキノワグマの交雑種)がいると噂が広まったのも、その頃からだった。それまで知っていたクマの性質とは違う、大型のクマが増えてきたことが原因だと思う」。「仲間の中では、それまでいなかった大型のクマの話は常識のようなものだ。それが八幡平にあったクマ牧場から逃げてきたクマであるのか、奥山の方で餌が少なくなって下りてきたクマであるのか、わからない。だけれど、凶暴なクマが増えてきたのは本当の話だよ。5年前には秋田県側の山でクマにやられたことがある。ナラの木に生えるキノコを採っていた最中に、木の上から目の前に落ちてきた。まさかいるとは思わなかった。小柄なクマだったが、唸りながら下半身にむしゃぶりついてきて、そのまま倒されてしまった。たまたま厚着をしていたのが幸いした。顔を守りながら何度もクマを蹴ると、ようやく諦めて逃げていった。膝の辺りを噛まれ、爪でもやられてひどく出血した。傷口からバイ菌が入って、2ヵ月近くは膿が出続けた。もう歩けなくなると思ったよ。“毒”が頭に回ると口がきけなくなったり、歩けなくなったりするなど、普通の生活を送れなくなる。結局、その冬は一度も山に入らずに家でじっとしていた。今年の春先も、ウドを採りに山に入ったら、隣の山からクマの吠え声が聞こえたんだ。離れているので『大丈夫だな』と思っていたら、山を越えて俺から200メートルくらいの距離まできて、今度は威嚇の唸り声が聞こえました。そろそろ離れようかと思った矢先、すぐそばの藪からクマが立ち上がって顔を出した。俺は慌てて動かずにしばらくジッとしていたら、興味失って逃げていったので大丈夫だった。隣の山から俺を追いかけてくるなんて、経験したことはなかったよ。何にでも興味のある若いクマだった。今年のクマは違うな。「変な年」「嫌な年」だなと思ったんだ。山の変化が激しいのが原因だ。倒れるはずのない木が倒れ、増水で地形が変わる。クマの通る道も変化している。奥山にクマの餌のブナの実が十分にない年がある。一応周期があるようだけれど、ここのところの気候変動で山の中の様子も違っているんだな」。「ナラの木を倒す“ナラ喰い虫”という害虫がいる。ここらでは元々少なかったが、温暖化の影響なのか、南から北上してきて倒れるナラの木が増えてきている。ナラに比べると倒れにくいブナの木もよく倒れているな。つまりクマの餌になる木が弱ってきているのではねえかと考えている。今年は梅雨時期もズレていた。梅雨になれば気温が下がる。もし、それが続くとどうなる?低温と日照時間が不足することで、里では苗の生育も悪くなる。山の中もそうだ。クマの餌が足りなくなるんだ。逆に空梅雨でも雨不足になるし、そんな年には急な豪雨などが増えて、山に大きな影響がある。地球温暖化ということで天候が不安定だろう。人が立ち入らないような奥山も荒れているんだ。山だけでなくクマの様子がいつもと違っている。用心のためにクマ鈴をつけている登山者がいるな。あんなもの、“人間の味”を覚えたクマには、逆効果だと思うよ」。「クマは我々人間よりも耳も鼻も鋭いんだ。俺がクマに気がつくずっと前に、ヤツらが先にこちらに気がついてる。それでも昔の臆病なクマなら唸ったりするだけで、近づいてはこなかった。でも今のクマ、特にここらのクマは違うよ。熊取平や四角岳、発荷峠など、何の兆しもなくこちらに突っ込んでくるヤツがいる。これまでクマが少なかった八甲田にも、人を襲うクマがいる。それも大きなクマが増えてきたと思う。遊び半分でも殺されてしまうよ。あんなのに出会った日には、命がいくらあっても足らないな。このままだと山に入る人などいなくなってしまうんでねえか」。男性はひとしきり話すと、なぜか突然、興味を失ったように黙ってしまった。しかし、山で採れる山菜について聞いてみると、ふたたび饒舌に語り出した――。つづく記事『「熊出没注意」看板を無視して「山に入る」人たちの“強烈すぎる本音”…「みんな旬の天然もの好きだろ」』では、“山人たちの言い分”にさらに迫ります。

(獣害防止用ネット張りとドングリの森づくり:兵庫)
"豊かな里山づくり"を目指しているイベント「里山林をつくろう」。11月はシカの食害対策のため、獣害防止用ネット張りを行い、ドングリをポットに植えて植樹の準備をします。ご興味ある方はご参加ください。豊かな里山は、人が定期的に間伐などの手入れをすることが大事です。このイベントでは、ヒノキなどの人工林を伐採し道を通し、里山林をつくっています。11月は、鹿対策用の柵設置とクヌギのドングリをポットに植え付けします。里山で汗を流してリフレッシュしたいという人も、ガッツリ自伐型林業を学びたいという人も、ご興味あればお気軽にご参加ください。毎回10代~60代までどの年代も参加されています。連続講座ですが、単発参加もできます♪

(ニホンザルの農作物被害、自治体職員が対策学ぶセミナー:徳島)
農家を悩ましているニホンザルによる農作物被害をどう防ぐか、自治体の職員が対策を学ぶセミナーが徳島市で開かれました。徳島県が21日開いたセミナーには県内の自治体の職員や猟友会の会員など30人が参加しました。最初にサル被害の対策に詳しい兵庫県立大学自然・環境科学研究所の山端直人教授が講演を行い、地域ぐるみでサルを追い払うためには頭数を把握したうえで、捕獲によって群れの数や規模をコントロールしていくことが必要だと説明しました。続いて、県内の3つの市と町で具体的に行われている対策が紹介され、このうち大型の檻で捕獲に取り組む三好市の担当者は、捕獲には大量の餌が必要で、提供してくれる農家との関係づくりが大事だなどと話していました。県によりますと、県内のニホンザルの個体数はおよそ5500頭から6800頭で、群れの数は160ほどとみられ、2023年度の県内の農作物被害額はスダチやユズ、ナスやトマトなどおよそ1400万円にのぼると言うことです。参加した牟岐町の職員は「いまのサルは警戒心が強くてなかなか捕獲ができず悩んでいた。個体数の管理など、詳細な手順を踏んでいく道筋が見えたので地域住民と話し合って対策につなげたい」と話していました。

(クマ対策強化で研修会:山口)
山口県内でもクマの目撃情報や人身被害が相次いでいることを受け、県はクマの管理対策強化を目的とした研修会を開きました。研修会に参加したのは各自治体の担当者や警察、クマレンジャー隊員などおよそ80人です。研究会では県内のクマ出没状況が説明された他、箱わなを使ったクマの捕獲方法や追い払い方法を訓練しました。飛ばしているのはロケット花火、クマはロケット花火などの大きな音を聞くとその場所には近寄ってきにくくなるそうです。参加者は、ロケット花火を狙った場所に打つことができる発射機の作り方や、爆竹の効果的な使い方などを学んでいました。県内では9月に岩国市本郷町で70代の男性が、今月は周南市夜市地区で40代の男性がクマに襲われ重傷を負いました。クマによる人身被害が1年間で2件起こったのは初めてで、今年度、今月21日までに報告されたクマの目撃情報は571件と過去最高であった昨年度の444件をすでに大きく上回っています。(宇部市の猟友会)「クマに出会ったときの対処方法や追い払う方法を具体的に教えてもらえたので良かった。学んだことや理解したことをみんなで共有して今後のクマ対策に役立てたい」。県はクマを人の生活圏に寄せ付けないようにエサとなる柿やクリなどを早めに収穫することや、特に早朝や夜に1人で出歩くときは鈴やラジオなど音がなるものを携帯するように呼びかけています。

(狩猟の基本技術学ぶ、ハンタースクール開校:鳥取)
有害鳥獣の捕獲など即戦力となる若手猟師(ハンター)育成を目的に、鳥取県は本年度のハンター養成スクールを開校し、中部総合事務所(倉吉市)で開校式が開かれた。

(ヒトデでイノシシ対策:香川)
高松市庵治町を訪れる人らを快く迎えようと地区内で花壇の整備を進めている地域住民が、花壇をイノシシの被害から守るため、ヒトデを忌避剤として花壇にまく取り組みを行った。

(マダニ媒介の感染症に感染、男性死亡:兵庫)
県西部に住む80代の男性がマダニが媒介するウイルスに感染して22日に死亡したことがわかり、兵庫県は草むらなどでマダニにかまれないよう注意を呼びかけています。県によりますと、今月17日、龍野健康福祉事務所管内に住む80代の男性が発熱などの症状を訴えて医療機関で診察を受け、その後入院していましたが、22日、死亡しました。検査の結果、男性は、マダニが媒介するウイルスによるSFTS=重症熱性血小板減少症候群に感染していたことがわかったということです。男性にマダニにかまれた痕はなく直接の死因がこの感染症だったかどうかは調査中だということですが、潜伏期間は6日から2週間だということで、県は、かまれた痕が治ったあとに症状が出た可能性もあるとみています。SFTSは、マダニが媒介し発熱や頭痛、下痢などの症状を起こす感染症で、致死率は10%から30%で、夏から秋にかけて発生数が増加するということです。県疾病対策課は草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入るときには、長袖、長ズボンを着用し、足を完全に覆う靴をはいて肌の露出を少なくするなどの対策をとるよう呼びかけています。

(クマによる人身被害を防げ!県が対応訓練:群馬)
クマによる人身被害を防ごうと、群馬県は23日、同県川場村内でツキノワグマの出没対応訓練を行った。村職員や地元の猟友会、県警沼田署の署員ら約25人が参加し、クマが出没した際の連絡体制や現場での対応を確認した。訓練に先立ち、自然環境研究センター(東京都)の職員が村役場でクマへの基本的な対処法を解説した。県が9月に作成した対応マニュアルを基に、連絡体制や各機関の役割分担を共有した。その後、川場村中野の「てんぐ山運動公園」に移動し、園内でクマが目撃された設定で訓練した。村職員を中心に2班に分かれ、無線で連携を取りながら捜索。グラウンドで発見したクマ役を花火で威嚇し、声を上げて山林へ追い立てた。群馬県自然環境課によると、クマの出没対応訓練は県内初。9月のクマの目撃・出没件数は51件で、春先と比べると落ち着いているが、冬眠前の時季は活動が活発になるため、人身事故の可能性が高くなるという。同課の臼田栄慈課長は「訓練の反省を生かして出没に対応できるよう準備を整えたい。必要ならばマニュアルの改訂も検討する」と話した。

(柿やドングリ不作、冬眠までクマに注意を:京都)
冬眠を前に、クマがえさを求めて人里へ出没する時期になった。今夏の少雨で、えさとなる柿やドングリが山に少なく、例年以上に人家の近くへ出てくる恐れもある。17日には「ツキノワグマ被害防止啓発パトロール」が京都府福知山市の石場公民館であり、住民らに注意が促された。啓発パトロールでは自治会長の石坪盛さん(67)らが現状を報告。今夏の少雨で柿の実が不作だ。そのうえ、実が青いうちからクマが食べてしまい、ほとんど残っていない。地区では8月17日に柿を食べるクマを住民が目撃した。石坪秀雄さん(66)は自宅のとなりの畑の栗や柿が被害を受けた。栗の枝が折られ、回復が見込めない。「こんなことは初めて」と話す。本田泉さん(69)は、木になった栗のほとんどを食べられた。高さ約3メートルの木には、クマが枝を折ってできた「クマの栗棚」が3カ所あった。府中丹広域振興局の職員は「問題はこれから。クマがどのような行動をとるか予測がつかない」と話す。生ゴミや落ち葉から堆肥(たいひ)を作る容器のコンポストはしっかりとふたを閉め、収穫できなかった野菜などを畑に野積みにしないことが大切という。「集落全体でクマの食べるものを減らし、クマにとって魅力のない集落にしてほしい」と呼びかけた。

(猟友会による「キジ」の放鳥:長野)
赤い顔に立派な羽。長野県坂城町で猟友会による「キジ」の放鳥が行われました。保護や食物連鎖の維持を目的に、毎年、県内4つのブロックごとに放しています。坂城町の村上保育園の60人も参加し、キジとの触れ合いを楽しみました。坂城町では約20年ぶりに20羽を放ちました。千曲坂城猟友会・西隆男 会長:「いいね、羽を拾って喜ぶ(園児たちの)表情は最高。みんなで楽しみながら放していく」。

(児童たちが植えた苗がイノシシに、猟友会が対策:長野)
土の中から出てきた大きなサツマイモ。長野県伊那市の西春近北小学校の畑で、1、2年生と、近くの保育園の園児が「芋ほり」をしました。2024年6月に児童たちが苗を植えましたが、7月にイノシシが畑に入り、苗の半分ほどを掘り返されてしまいました。被害を聞いた地元の猟友会が畑に鳥獣被害対策のセンサーなどを設置。対策のおかげもあり、その後は被害はありませんでした。感謝の気持ちを込めて収穫したサツマイモは約20キロ。天候にも恵まれ、大きく育ちました。収穫したサツマイモは、小学校と保育園で分けて後日、焼き芋などにして食べるということです。

(列車がシカと衝突、ダイヤに乱れ:鹿児島)
JR九州によると、22日午後1時50分現在、肥薩線吉松~栗野で列車がシカと衝突し、同線のダイヤが乱れている。

(飛び出してきたシカと車が激突し吹き飛ぶも逃げ去る:三重)
山あいの道路を走行中に撮影されたのは、突然、道路に飛び出してきたシカと衝突する瞬間。映像が撮影されたのは10月8日午前6時頃。三重県内の山道をドライバーが走っていると、緩やかな右カーブを曲がり切った直後、左から右へと道路を横切る黒い影。よく見ると、シカが1頭、2頭と道路を横切っていたのです。すると、2頭目のシカが道路を通り過ぎたその時でした、急に飛び出してきたため、ドライバーはよけることができずに、そのままシカと衝突。シカはぶつかった衝撃で、回転しながら道路端まで飛ばされてしまいました。しかし、シカはすぐに立ち上がり、森の中へ走り去っていきました。この事故で、ドライバーが11年間乗り続けてきたという愛車は、ヘッドライトが割れ、フロント部分は傷だらけに。シカと衝突したドライバー:シカには悪いことしたけど、あれが正解やったんかなと思う。ショックですね。ブレーキ踏んでも絶対止まれない距離だったんで…。変にハンドル切るとこっちが大ごとになってる可能性がある。

(クマ捕獲、民家近くに出没:広島)
広島県東広島市は20日に、市内の民家の近くに設置された「有害鳥獣捕獲用の罠」に誤ってかかったクマを捕獲したと発表しました。クマがかかった罠が設置されていたのは、東広島市志和町志和東です。市によりますと、20日午前7時ごろ、地域住民から「クマが誤って有害鳥獣捕獲用の罠にかかった」と志和駐在所に通報がありました。通報を受け、東広島市の職員、広島県の職員、警察官、猟友会が現場へ向かったということです。その後、県と警察が協議した結果、「罠を逸脱し、人家等へ向かう恐れがあった」として、同日午前11時半、危険防止のためやむを得ず現場でクマを駆除しました。駆除したクマは体長126cmの個体で、この個体による周辺住民への被害はありませんでした。市によりますと、今年度に入ってから寄せられたクマの目撃情報のうち、足跡などの痕跡を市が直接確認したものは8件あるということです。また、今年度に入って市がクマを捕獲したのは、今回が初めてです。市は、もしクマに遭遇した場合は▽クマがこちらに気付いている場合は、ゆっくり後ずさりして逃げる▽背中を向けて走ると、本能的に追いかけてくる場合があると注意を呼びかけています。

(獣害シカ対策で「せんじ肉」:島根)
生息域が広がり農作物への被害が深刻な獣害、シカ対策として島根県美郷町で、シカの肉を加工した商品が完成し販売が始まりました。「ピンチをチャンスに」と、美郷町が産官学民で取り組んでいるシカ問題。今回は、シカ肉を使った「せんじ肉」が完成しました。この「せんじ肉」はシカのバラ肉や心臓などの部位を使い、塩胡椒で味付けしたものを油で揚げて調理しているということです。ブタの内蔵などを使った「せんじ肉」は広島県では郷土料理として広く知られ、酒のつまみなどとしてよく食べられているとのことで、嘉戸隆町長など関係者が試食して、その出来栄えを確かめました。美郷町 嘉戸隆 町長「味おいしいですね。さっぱりと。酒飲みだけかと思いましたが、お子さんでも十分噛み切れますし味も美味しいですし、鹿は鉄分が多く含まれていますので、高齢者向けの対策とか適してるんじゃないかなと」。美郷町では、獣害対策として、これまでにも町内の飲食店や学校給食などでシカ肉を利用しています。この「美郷もみじ せんじ肉」はおもに広島の飲食店などでの需要を見込んでいて、町などとこの商品を企画したタイガー美郷バレー中国営業所などででも販売されます。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、24日午後2時10分ごろ、富谷市富谷湯船沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後4時30分ごろ、仙台市泉区上谷刈川原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後4時15分ごろ、仙台市太白区秋保町境野中原にクマが出没しました。

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10/23
(砂川市の要請を受けて駆除した男性ハンター逆転敗訴:北海道)
2018年、北海道砂川市の要請でヒグマを駆除したハンターが、猟銃所持の許可を取り消され、その処分に対する取り消しを求めた裁判の控訴審で、札幌高裁は一審判決を取り消し、原告の訴えを退ける判決を下しました。北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん75歳は、2018年8月、砂川市の要請を受けてヒグマを駆除しましたが、住宅に銃弾が届くおそれがあったとして、北海道公安委員会に猟銃所持の許可を取り消されました。池上さんはヒグマの背後には斜面があり、銃弾が住民にあたる可能性はなかったとして、この処分の取り消しを求め提訴。2021年に札幌地裁は、北海道公安委員会の処分は違法だとして、この処分を取り消す判決を出しました。ところが、2024年10月18日の控訴審判決で、札幌高裁は「クマを貫通した銃弾が跳ね返り建物などに到達するおそれがあった」と指摘。池上さんの発砲は違法で、猟銃所持の許可を取り消した北海道公安委員会の判断は、「裁量権の乱用とは言えない」として、一審判決を取り消し、池上さんの訴えを退けました。原告の池上治男さん(75)「今回(控訴審判決)については、理解を超越している」。原告の池上さんは最高裁に上告する方針です。

(野生イノシシが豚熱感染、県内25例目:佐賀)
佐賀県は21日、唐津市枝去木で、野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は25例目。場所は経口ワクチンの散布エリア内。県生産者支援課によると、15日に猟友会員が捕獲し、18日の検査で感染が分かった。

(シカ増加抑制へ雌の捕獲を、対策連絡協議会:北海道)
10月から狩猟期間に入り、釧路総合振興局は、釧路市内で、エゾシカ・ヒグマ対策連絡協議会を開いた。同振興局保健環境部の冨樫崇くらし・子育て担当部長は「個体の増加抑制につながる雌のエゾシカの捕獲を」と呼びかけた。

(「人よりクマが大事なのか」不信募らせた地元:岩手)
7月中旬、盛岡市郊外の猪去(いさり)地区で、約50人が草刈りに汗を流していた。山裾に広がり、リンゴ栽培が盛んな同地区では年3回、集落周辺に設置した電気柵付近の草刈りが行われる。集まるのは、地元住民だけではない。岩手大学の教員やサークル「ツキノワグマ研究会」(以下クマ研)の学生、市職員、地区外の有志と多様だ。地元の人が電動の草刈り機を操る近くで、クマ研のメンバーの滝川あかりさん(22)は、電気柵のまわりに生えた雑草を鎌で刈った。「参加当初は鎌を使う際に、力まず手前にひくコツをつかむのが大変だった」と汗をぬぐった。朝から2時間ほど作業をした後、参加者たちは猪去振興センターに集まった。クマ研では猪去にセンサーカメラ8台を設置し、野生動物の調査をしている。年に2度、その結果を地域の人たちに発表しているのだ。過去のクマの侵入ルートの調査結果をうけて、住民によって水路に電気すだれが設置された経緯が、発表された。参加者は熱心に聴き入り、「対策にはどんなグッズがいいのか」などと活発に質問が出た。調査発表の後は、昼食を食べながら交流会だ。「さっき山でとってきたブルーベリーだよ」「卒業後はどうするんだ?」。作業の苦労をねぎらいながら、わきあいあいの会話が続く。1年生の時から参加する滝川さんは「昨年は猪去の運動会に参加した。猪去の方々はいつも優しく声をかけてくれる」と語る。こうした猪去地区の取り組みは、いまでは「地域ぐるみでのクマ対策の成功例」として、たびたびメディアなどで紹介されている。「だが、始めた当時は様々な問題があった」と、長年関わる岩手大農学部の山本信次教授(56)は振り返る。

(ドングリ不作の上川留萌地方はクマ出没に十分注意を:北海道)
冬眠に備えるクマが活発になるのを前にエサとなっている3つの木の実の生育状況を道が調べたところ、上川、留萌地方はいずれも「不作」だったことがわかりました。道は山に入るときは、エサを求めるクマの出没に十分注意するよう呼びかけています。道は冬眠に備えるクマが活発になるのを前に主なエサとなっているドングリとヤマブドウ、コクワの3つの木の実の生育状況を北海道森林管理局などと道内の各地方で調査しています。その結果、ドングリとヤマブドウは▼上川、留萌、宗谷地方でいずれも「不作」、▼コクワも上川、留萌地方で「不作」だったということです。道によりますとクマのエサとなっている3つの木の実がいずれも「不作」だったのは上川、留萌地方のみでした。調査を行った道ヒグマ対策室は「クマが主食としているドングリは去年と比べると、実のつき方はよかったが上川、留萌、宗谷地方はここ数年と同様、『不作』であることは変わらない。引き続き野山に入る際はエサを求めるクマの活動に十分注意してほしい」と呼びかけています。

(クマの出没多め、鳥取県が注意呼びかけ:鳥取)
ツキノワグマの出没が鳥取県内で増えている。今年度は今月15日時点で149件と、昨年度まで5年間の10月末時点の平均出没件数(135件)を既に上回っている。県によると、今年度の出没件数は、4月が昨年度並みだったが、5~9月は昨年度を上回り、6月以降は毎月20件以上あった。10月は15日時点で25件と、昨年10月の1カ月分(28件)に迫る件数だった。年度全体でも149件と昨年度の164件に近づいている。クマは山中で餌とするブナの実やドングリが少ないと人里に下りることが多いとされる。県によると、ブナが大凶作だった2019年度が260件、ブナ、コナラ、クリが凶作だった20年度が234件と出没が多かった。ブナが豊作の21年度が156件、22年度は104件と減少したが、昨年度は増加に転じた。今年度(速報値)はコナラが大凶作、クリが凶作のため、出没件数の増加が見込まれていた。21年度以降、県内でクマとの人身事故は起きていないが、13日に八頭町、15日に鳥取市国府町で柿を食べたクマの目撃情報と痕跡があった。県は17日、クマによる被害を防ぐための連絡会議を開き、住民への注意喚起を市町村に依頼することなどを申し合わせた。県民に対して、早めに果実を収穫することと、生ゴミや廃棄野菜を屋外に放置しないよう呼びかけている。

(狩猟体験会:和歌山)
県猟友会女性部主催の狩猟体験会が11月23日、有田川町の金屋・清水エリアの猟場で開かれる。イノシシやシカなど野生動物を猟銃で狩る猟友会会員は、高齢化などで全国的に減少傾向にあるが、女性の会員は人気の狩猟漫画やジビエブームで増加傾向。和歌山県には全国的にもまだ珍しい猟友会女性部があり、体験会は昨年に引き続き、男女、経験を問わず、18歳以上で狩猟に興味のある人なら誰でも参加できる。当日は午前8時から午後6時まで、山で銃猟者に同行するなどしてグループ猟の楽しみ方などを体験できる。また、イノシシやシカを捕獲できた場合は解体の見学もできる。申し込みは11月5日までに、ファクスかメールで。参加費は無料。定員は15人。応募多数の場合は抽選(狩猟未経験者、初心者優先)。雨の場合は延期。事務局は「少しでも興味のある方に狩猟の楽しさを体験いただくため、この企画を立ち上げました。狩猟登録済みの猟銃所持初心者やわなの狩猟登録のみの人、未経験者も大歓迎です」と話している。

(死んだふりは NG!!クマに遭遇しても生き延びる本当の方法)
「クマに遭遇したら死んだふり」というアドバイスをどこかで聞いたことがある人は多いと思いますが、果たして本当にその対応は正しいのでしょうか? クマ研究者の小池伸介先生にクマに遭遇したときの正しい行動を聞きました。すべて押さえたらクマに遭遇しても生き延びる確率が上がります!クマ被害のニュースが相次いで報道された昨年に続き、今年も全国各地でクマの目撃情報が多数報告され、被害も続出しています。長引くクマ被害を受けていくつかの自治体が出没警報を延長するなど、クマへの警戒はしばらく怠れそうにありません。では、実際にクマに遭遇してしまったとき、どうすれば助かることができるのでしょうか? 東京農工大学教授で、多くのツキノワグマ関連本を執筆されている小池伸介先生に話を聞きました!小池先生、ズバリ、クマに遭遇したときはどうすれば助かりますか?「これを言うのは少しずるいのですが、そもそもクマには遭遇しないようにすることが一番です。なぜなら、クマに対してはこれをすれば絶対に助かるということが難しいからです。クマにも人間のように個性があって、おとなしい個体もいれば気性が荒い個体もいて、ひとくくりにして対策をすることはできません。なので、山に入る前に遭遇しないよう十分気をつけることが重要です。例えばクマ鈴を着けてクマに対して『人間がいるぞ』と知らせて、クマに距離を取らせると効果的な対策になります。クマは人間よりはるかに耳がいいので、鈴で音を鳴らしていると簡単にこちらの存在に気づいてくれます。ただ、山に入るとどうしてもクマに遭遇してしまうことはありますし、最近は住宅地に出没する例もあります。そんなときに取れる行動にはいろいろありますが、最も重要なのは自分がパニックにならない、そしてクマをパニックにさせないことです。クマと遭遇したときにまず判断しなければならないのは、『クマはこちらの存在に気づいているのか?』『クマとの距離はどの程度あるか?』などです。パニックになってしまうとそのような状況分析ができず、大きな声で叫ぶなどの不適切な行動をしてしまい、クマを興奮させる可能性があります。そのため非常に難しいことですが、まずは冷静になって状況分析をすることが求められます。また、クマをパニックにさせないのが大事というのは、そもそもクマは人間を食べよう、積極的に襲おうとして攻撃してくるわけではないということです。クマが人間を攻撃するときは人間が不用心に近づいてクマを怖がらせてしまったときや、子グマを守る母グマを刺激してしまったときで、すべて防御本能からくる行動なんです。なので、クマをパニックにさせなければそもそも人間を攻撃してこないので、刺激しないことが対策になります」。パニックにならない・させない原則を守った後は、遭遇したクマからどのように逃げたらいいですか?「逃げる際に一番してはいけないのは、クマに背中を向けて走って逃げることです。背中を見せると遭遇したクマの状況がわからなくなりますし、クマは動くものに反応する性質があるので走るのも悪手です。逃げる際には、後ろに気をつけつつクマを視界に入れながらゆっくり後退することが推奨されています。その際、クマと自分の間に障害物を置くように逃げるとなお良しですね」パニックになったら走って逃げてしまいそうなので、とにかく冷静になりましょう!「クマに遭遇したら死んだふり」というのをよく聞くのですが、死んだふりは本当に有効ですか?「私もなぜそんなことが言われているかわからないですが、死んだふりは正しい対策とはいえないです。死んだふりをして助かった人もいるのかもしれませんが、残念ながら助からなかった人もいると思います。もし至近距離でクマに遭遇してしまって本当にどうしようもないときは、うつ伏せになって両手で首を守るのが一番効果的です。もちろん、この姿勢でも叩かれたり、かじられたりするかもしれませんが、出血量を抑えることができるので生還できる可能性が高くなります。クマ被害の死因の1位は失血死なので、クマにひっくり返されてあおむけにされたりしても再びうつ伏せの姿勢になって失血を防ぐと効果的です」。「死んだふり」をすると本当に死んでしまう可能性があるんですね......。クマ対策として山に持って行くといいアイテムはありますか?「クマ撃退スプレーを持って行くことを推奨します。ネットでクマ撃退スプレーに効果がなかったという人がいますが、ほとんどの場合は使い方が間違っているだけだと思います。スプレーの有効射程範囲は狭いので、クマの接近を十分に待ってから鼻先に噴射する必要がありますが、多くの人が誤って遠くから噴射してしまっているのでしょう。ただ、野生のクマに対してぶっつけ本番で正しくスプレーを使える人は少ないと思うので、一度脳内でシミュレーションすることを勧めます。『日本クマネットワーク』が出しているYouTubeの動画がスプレーの正しい使い方として参考になるので、ぜひ動画を見て確かめてみてください。スプレーはネットでも購入でき、値段もピンキリですが、ある程度高いものを選んだほうが安心して使えます。私が推奨するのは、有限会社アウトバックが販売している『カウンターアソールト』です。スプレーのほかには、ヘルメットも装備したほうがいいです。出血量が多くなりやすい頭部からの失血を防ぐことが対策になります。ほかにも、クマ鈴を山に入るときに持っていると安心です」。そもそも、ここ数年でなぜこんなにもクマ被害のニュースが増えているのでしょうか? 人が森林伐採をしすぎて山にエサがなくなったことなどが関係していますか?「エサ不足は確かに大きな理由です。ただ、人のせいでエサが少なくなったというより、自然のサイクルの一環でエサが少ない年があることのほうがエサ不足には影響しています。クマ被害が過去最大だった昨年度は偶然、何種ものエサが数年に1度の凶作の年で、クマが食べるものが極端に少なかったんです。また、森林伐採に関していうと、人が森林を伐採して動物の居場所を奪ったという一般的な理解に反して、実は今の日本では森林がどんどん拡張して動物の生息域が広がっているんです。今、日本の木は頑張って切っても高値で売れないので、林業は昔と比べて衰退しています。また、森林の近くにある集落は住民が高齢化した影響でどんどん少なくなって、人は森の近くから撤退しているといえます。そのため昔は集落があって人が住んでいた場所も草木が刈られないまま森の一部となってしまい、動物たちの居場所になっています。そしてここで問題となるのが、人が森林から立ちのいていることで、『バッファゾーン』(緩衝地帯)がなくなっていることです。『バッファゾーン』とはクマやイノシシがすむ森と、人が住む住宅地に挟まれた場所で、人間によって草木が刈られて手入れされているけれども完全に住宅地ではない、いわば中間地帯のような場所です。これがないと人が住宅地を出て森に入るとすぐにクマなどの野生動物の生息地に入ってしまうことになり、遭遇のリスクが格段に上がってしまいます。このようなリスクを減らすため、『バッファゾーン』を設けて人間と動物のすみかをしっかり分けて両者を『ゾーニング』(すみ分け)していくことが根本的なクマ被害の対策につながります。ただ、この『バッファゾーン』をつくるのはすでに高齢化が進んでいる集落の人たちには難しいので、行政が積極的に関わって支援する必要があります。クマの研究者としては被害が拡大するたびにクマを駆除する対症療法より、『バッファゾーン』を設けてそもそも人間とクマが遭遇するリスクを減らす原因療法のほうが有意義だと考えています」クマからしても、猟銃を持ったハンターから生き延びるのは至難の業。両者がすみ分けできる環境をつくることで、お互いにウィンウィンな関係を築くことができそうです。

(ムクドリの大群騒音にふん害、しかし「カメムシ食べる」役割も:滋賀)
今、滋賀県・草津市の市街地にムクドリの大群が住みつき、騒音で近隣住民を悩ませている。実は、同様の現象が全国各地で起きている。対策を続けても、なかなか解決しないという「ムクドリ問題」。その背景を調べると、思わぬ事実が浮かび上がってきた。滋賀県草津市、南草津駅の西側。スポーツクラブなどが並ぶエリアで、日が暮れる頃に異変が…。黒い塊となって飛び回るのは「ムクドリ」。 このエリアをねぐらにしているのか、次々と木にとまると、けたたましい音で鳴く。アプリで音の大きさを調べてみると、ゲームセンターの店内と同レベルの“80デシベル”という結果に。さらに木の下には、ふんの跡もある。今、このような状況になっている場所が、全国各地にある。 SNS上に投稿された、ムクドリの集団をとらえた映像。共通するのは、駅の付近や、商業施設が立ち並ぶ市街地であることだ。一体なぜなのか?専門家は、かつて駅周辺で行われた開発が影響しているのでは、と指摘する。都市鳥研究会 越川重治副代表:(かつては)ケヤキの防風林がたくさんあって、そういうところに集まっていた。ムクドリってケヤキが非常に好きなんですよね。駅前にケヤキをたくさん植えたので、それが戦後、だんだんと大きくなって、それで来たんじゃないかといわれている。「newsランナー」では、草津市に住む岩城さんのお宅を取材した。家があるのは、ムクドリがねぐらにした街路樹の目と鼻の先だ。岩城良夫さん:そこで寝てるんで、ムクドリが早朝に飛び立つときに、ものすごく騒音したり、車の上にふんが落ちたりね。(状況は)悪くなってると感じますね。増えていますね。外で食事をするのが好きな岩城さん。庭にテラスを作っているそうだが…。岩城良夫さん:会話が聞こえないぐらいの音(鳴き声)の時もありますね。-Q.かつてのテラスはもっと優雅にご飯を食べられる場所だった?岩城良夫さん:そうです!ここで一日、本を読んだりね、それが大好きで。それが最近、あまりにもストレスが溜まるような場所になってしまって、残念やなと思ってます。そんなムクドリと悪戦苦闘を続けているのが、草津市の職員だ。まず、ムクドリが住みつく木を剪定したが…。滋賀県草津市 道路課 寺田新一さん:切っていない木に移るということがあるので…解決にはいたらず。かといって、せっかく整えた街路樹を、全て切るわけにもいかない。そこで、ムクドリが嫌がる音を出し、追い払う作戦を実施。街路樹の前を端から端まで歩き、ムクドリの一掃を狙う。しかし、作戦もむなしく、150メートルほど歩いてみると…。滋賀県草津市 道路課 寺田新一さん:(鳴き声が聞こえる方を指さし)あそこですね。-Q.まだムクドリが鳴いていますね?滋賀県草津市 道路課 寺田新一さん:音が鳴る方向とは逆方向に逃げてきたという形になってます。おそらく一時しのぎかなと。結局、ムクドリは少し移動しただけ。時間がたつと、同じ場所に戻ってきてしまうのだという。実は、鳥獣保護法により、ムクドリは許可なく駆除することが禁じられている。そのため、現実的な選択肢は「追い払うこと」のみ。 草津市では、辛抱強く取り組んできたということだが、根本的な解決はまだ見えない。滋賀県草津市 道路課 寺田新一さん:追い払っても時間がたつと帰ってくる、いたちごっこのような感じになっているので、市としても、大変苦慮してるところではありますね。一方、新たな技術でムクドリに立ち向かう自治体もある。阪南市 河川農水課 八木望主事:特にひどかった場所がこちらの十字路。露骨に分かるくらいふんが落ちてましたね。-Q.今はないですね。阪南市 河川農水課 八木望主事:そう、今はないんですよ。大阪・阪南市では、10年ほど前から、電線にムクドリが群がり、鳴き声やふんの被害に悩まされてきた。-Q.ムクドリがたくさんいた?住民:いました!“鳥の映画”みたいに。これまで電線に「針」を取り付けたり、ムクドリが怖がる「ミミズク」の像を設置したり、あらゆる対策をしたが効果はなく、3年前ついに新たな技術に出会った。阪南市 河川農水課 八木望主事:こちらのライトを使って対策をさせてもらっています。鳥獣対策用のLEDライト、「ホロライト・チェッカーズ」。鳥が嫌がる刺激的な光を出すというもので、これをムクドリに当てると…群れが一斉に逃げていく。阪南市でも取り入れた結果、2023年からはムクドリの姿をほぼ見なくなったということだ。しかし、まだまだ油断はできない。阪南市 河川農水課 八木望主事:戻ってくる可能性はあるので、これで終わりではなく、継続的にやっていく必要はある。ムクドリを何とか追い出そうと、対応に追われる自治体。 一方で、専門家に聞いてみると、まさかの事実が。都市鳥研究会 越川重治副代表:実はこれ、解決策にはなっていなくて、隣の自治体に移動してしまうんですよね。大群で市街地にやってきて、騒音被害などが問題となっているムクドリ。その解決策について専門家に聞くと、思わぬ答えが返ってきた。都市鳥研究会 越川重治副代表:追い出して、それがうまくいったと言っているんですけれども、実はこれ解決策にはなっていなくて。(追い出されたムクドリは)郊外には行かないんです。追跡して検証すると、隣の駅だとか、あるいは隣の自治体に移動してしまうんです。人間が何もしなければ、大きなねぐらが数カ所(しかない)という感じだった。対策をすると、また別の場所に移っていくという。なんと、人間がムクドリを追い払うことで新たなねぐらができて、むしろ市街地に住みつく数が増えてしまったというのだ。また、嫌われてばかりのムクドリだが、これからの季節に気になる、「あの虫」対策に一役買っているそうだ。都市鳥研究会 越川重治副代表:カメムシも食べています。ムクドリを全部退治してしまうと、おそらく農業だとか、街路樹にもかなり大きな影響が出るんじゃないかと思いますね。生態系には必要、でも近くにいたら困るムクドリ。その対策は、困難を究めています。「ムクドリ」の大群による騒音やふん害に住民が困っているケースが、全国で多発しているようだ。 自治体の職員が苦労してムクドリを追い払っているが、ある場所から追い払っても、別の近くの街に移動してしまい、根本的解決には至らないということだ。根本的解決、つまり駆除や捕獲することは、法律上難しくなっている。菊地幸夫弁護士:鳥獣保護法という法律がありまして、野生の動物や鳥を勝手に捕獲したり、殺したりすることは禁じられています。許可があればできるんですけど、簡単にその許可は出ません。(騒音やふん害で駆除することは)難しいと思います。ムクドリが増えている一方、身近な鳥であった「スズメ」が絶滅してしまうかもしれないという気になる話がある。環境省の調査で「絶滅危惧種」の基準に相当するペースで急速に減少しているということだ。原因について、都市鳥研究会の越川副代表によると、「繁殖場所」「エサ(農作物・昆虫)」の減少も考えられるということだ。関西テレビ 神崎博報道デスク:スズメの繁殖場所や好む場所として、例えば一軒家の瓦屋根の隙間であったり、軒先といった所があります。最近ですと瓦屋根が減っています。あとそもそも一軒家が減って、集合住宅やマンションとなり、スズメの好む場所が街中からどんどん減っていることがポイントかなと思います。スズメが減ることは生態系にも影響が出ることになる。都市で生活している人は困ることもあるかもしれないが、地域あるいは国、さらに地球全体で生態系の保護を考える必要もありそうだ。

(「わなをしかけても知恵がついている」相次ぐイノシシ被害に警戒強める住民:鹿児島)
鹿児島市郊外の住宅地で、イノシシ目撃情報や被害が続いている。警察や地元住民がパトロールにあたり、保護者付き添いで登校する小学生もいた。地元の猟友会がわなを仕掛けても効果がなく、住民の警戒が続いている。警察などによると2024年10月14日の朝8時ごろ、鹿児島市原良7丁目で、1人で散歩していた70代女性が1頭のイノシシに襲われた。女性は太もものあたりを複数回かまれたが命に別条はなかった。現場に居合わせた男性は「イノシシが女性に覆いかぶさっていた。怖かったですよ。家の目の前の竹やぶに巣が2つ3つあるようだ」と話す。現場はJR鹿児島中央駅から約2kmと、市の中心部に比較的近いものの、山と住宅に挟まれていて、周辺ではイノシシの目撃情報が相次いでいる。2023年11月に男子小学生が、2024年2月には20代男性がイノシシに襲われけがをした。鹿児島市から要請を受けた地元の猟友会は、イノシシを捕獲するためのわなを設置している。しかし、猟友会の野口和哉さんは「山が大きいからその中に生息してイノシシの数が増えている。一生懸命捕獲しているが、学習しているせいか、わなに入らない。知恵比べです」と苦労を語る。女性が襲われてから3日後の朝。鹿児島テレビの取材班は、女性がイノシシに襲われた現場の茂みに、前日まではなかったイノシシが掘ったとみられる跡を発見した。地元の猟友会が仕掛けた箱わなには特段の変化はなかった一方、わなの近くにはイノシシがミミズなどを食べるため地面を掘った痕跡があったのだ。それもかなり新しいものとみられる。今回の事態を受け周辺では、警察のパトロールが続いている。朝は保護者と一緒に登校する小学生の姿も。登校に付き添った保護者は「子どもが安全に登校できないので、何とか不安なく登校できるように変わればいいと思う」と不安を口にした。近くの原良小学校では、イノシシよけに有効とされる鈴を持ち歩くよう指導しているほか、下校時もできるだけ複数の児童でまとまって帰宅するよう呼びかけている。

(観光地でクマ目撃、紅葉シーズンの対策は?:長野)
長野県長野市の戸隠では、この季節、木々が赤や黄色に色づき始めています。ただこうした豊かな自然と切っても切り離せないのが、野生動物による被害です。特に今年は長野県内で初めてツキノワグマ出没警報が発表される事態となりました。これから紅葉シーズンを迎える観光地では、対策が進められていました。現地で森圭介キャスターが取材しました。厳かな雰囲気に包まれた長野市の「戸隠神社」。パワースポットとしても知られ、多くの人が参拝に訪れます。クマへの警戒を呼びかける看板が、あちらこちらに。長野県では今年4月以降、クマが目撃された回数は、去年より200件ほど上回っていて、ヒトが襲われるケースも相次いでいます。今年8月、カメラが捉えたのは、川を渡ろうとする1頭のクマ。水をものともせず、歩いていきます。そのすぐ近くには多くの人が。撮影された場所は、長野県有数の観光地、松本市の上高地。観光客への被害はありませんでしたが、クマとヒトが“急接近”しています。そこで先月。県内で初となる「ツキノワグマ出没警報」が発出されました(長野県内5つの地域・来月14日まで延長)。長野市の戸隠でも、キャンプ場スタッフが対策を行っています。──こちらのキャンプ場でのクマ対策は?戸隠キャンプ場・営業副支配人 武井智史さん「においが出るものとか、ゴミをしっかり密閉して管理する対策を重点的にしている。あとは爆竹を夕方に鳴らして…」。決まって夕方に使うのが、爆竹です。こうすることでクマとヒトが暮らすエリアに境界線をつくれるといいます。戸隠キャンプ場・営業副支配人 武井智史さん「(動物に)悪影響を与えないように、なるべく寄り添いながら運営したい」。野生動物との共存が重要だということです。ただ、県内ではシカやイノシシなどの野生動物が農作物を荒らす被害もあとを絶たず、昨年度、その被害額は農林業合わせて約7億9100万円。やむを得ず捕獲した動物を、観光資源にしていこうという動きが出ています。その1つが「ジビエ料理」です。フレンチのシェフが腕をふるう、県内でとれたシカ肉を使ったロースト。ディナーコースのメーンディッシュです。ジビエ料理を提供しているのは、「戸隠神社中社」近くにある宿泊施設を備えたレストラン。使われていなかった公民館をリノベーションし、去年4月にオープンしました。ジビエ料理は広がりをみせていて、長野市内の小中学校で提供されているのはジビエを使った給食です。さらに冬のシーズン、スキーを楽しんだあとは、“ゲレンデメシ”としてシカ肉のバーガーも登場。ソバと並ぶ名物となる日も、そう遠くないかもしれません。

(農家ハンターが対策伝授、鳥獣被害防止へ高校生対象:熊本)
農作物への鳥獣被害防止に向けて、高校生を対象にした研修会が熊本県芦北町の県立芦北高であった。山村地域の現状や課題を知ってもらおうと地元の林業研究グループと学校が主催。農業科と林業科の2年生計約40人が参加した。

(クマと共に生きるには、米国では)
米国でも近年、クマの生息域が拡大し、市街地への出没が増えています。しかし、日本のように民間のハンターが駆り出されることはありません。野生動物管理の専門家が対応する態勢が整っている米国の現状を紹介し、日本のクマ保護と管理のあり方を考えます。昨年9月、米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドの園内に野生のクマが現れたニュースは、世界中を駆け巡った。複数のアトラクションが閉鎖され、州政府の専門家らが出動する大捕物になった。「ワニ、パンサー、コヨーテ……。フロリダ州は野生動物の宝庫。クロクマは現在約4千頭おり、人間とのあつれきも増えています」。フロリダ州魚類・野生生物保護委員会(FWC)で野生動物管理の責任者を務めるマイク・オーランドさん(51)はそう語る。FWCでは、本部で指揮をとるオーランドさんの下、州を七つの管理区に分けて、各区に野生動物管理の専門職員を配置している。ほかにも、出動1回につき決められた報酬を支払う契約を結んだ「クマ対応業者」が22人いる。「交通事故で死んだクマから歯や毛などの科学的なデータを取得したり、住民への安全教育を担ったり、我々の手足となって働いてくれる」オーランドさんの仕事は、クマ出没時の対応以外も、啓発教育や職員への研修など多岐にわたる。9月上旬、野生動物の密猟や違法狩猟を防ぐ「野生動物保護官」の研修に同行した。<むやみに殺さない> 同州では、住民がクマを殺した場合、「自己防衛法」に基づいて調査がおこなわれる。「FWCが現場を調査し、検察局が正当性を判断する。自己防衛法があるから住民がむやみにクマを殺せるわけではないと説明してほしい」とオーランドさんは念を押した。保護官たちは、猟銃以外の道具を使ってクマを追い払う訓練も受けた。「クマが市街地に居座った場合は、適切な距離を保ちながら人間への恐怖心を植え付けよう」とオーランドさん。弾が破裂するとインクが付着するペイントボールや、貫通しない弾を用いて衝撃を与えるビーンバッグ弾は、一目見て狩猟用の銃とは異なることがわかる。住民たちの前で「その場でクマを殺すわけではない」と示して対応することが重要だからだ。「クマはアニメなどで『ちょっと間抜けで愛すべき動物』として描かれてきた。ゆえに住民の関心も高く、管理と保護のバランスが難しいのです」。研修翌日、オーランドさんや部下のアシュレイ・ジャクソンさんは住宅街を訪れた。ジャクソンさんは、裏庭にクマが出たという女性の自宅を訪れ、「野鳥へのエサやり器など、クマを誘引するものは撤去するように」と助言した。クマを寄せつけない方法がスペイン語と英語で書かれた注意書きを各家庭のドアノブにかけ、ジャクソンさんは「地道な啓発活動が仕事の大半を占める」と笑う。その最中、「交通事故でケガをしたクマが道路脇の林の中にいる」と一報が入った。オーランドさんたちが現場に駆けつけると、先着していたクマ対応業者の女性が林の中を指さした。傷ついたクマが潜んでいるという。ジャクソンさんがクマに近づき、手慣れた様子で麻酔銃を使った。オーランドさんはクマを触り、「内臓の損傷が激しい。治療による回復は見込めない」と判断。州のガイドラインに基づき安楽死を決めた。安楽死させるのは専門職員の仕事だ。その後、科学的なデータを集めるために、クマの歯や毛を採取した。日本では、大学で野生動物管理学を学んでも、それをいかせる働き口が少ない。鳥獣対策に関心を持って行政職員になったとしても、数年ごとに異動がある場合が大半だ。そしてクマが出没した際は、民間のハンターがわずかな報酬で駆り出される。そうした日本の状況を説明すると、オーランドさんはこうアドバイスしてくれた。「我々も課題が山積みだが、日本との違いは役割分担が明確なことです。日本でも、誰が何をするのかといった役割を法や管理計画で明確に決めることが大事なのでは」。米国に15年間滞在して野生動物管理学の博士号を取得し、大学の研究機関で経験を積んだ大西勝博さん(42)はいま、民間の「野生動物保護管理事務所」で日本の大型哺乳類の獣害対策から施策立案まで携わっている。クマの保護管理をめぐる米国の現状や日本との違いについて話を聞いた。日本と米国との違いは専門家の育成や働き方です。米国には野生動物の保全や管理に関わる学位を取得できる大学が440校以上あり、修士号や博士号を取得した人材が野生動物管理の専門家として各州の政府に雇用されています。日本の公務員のように数年ごとに部署を異動することはなく、長期にわたる管理方針を決めて実施しています。仕事も獣害対策だけではなく、個体数の調査や管理計画の検証、生物多様性の保全など多岐にわたり、人気の職業です。米国でも、市街地に出没するアメリカクロクマが問題になっています。特に東海岸北部では農業被害や住宅街への出没が急増しており、日本よりはるかに少ないものの人身被害も増えています。しかし、日本のように民間のハンターが駆除に駆り出されることはありません。人間に危害を加えるような個体の捕獲は行政の役割だからです。フロリダ州などの禁止されている一部地域を除き、米国ではクマ猟が盛んで、年間約5万頭のクロクマが捕獲されています。広範囲で狩猟圧をかけている地域では市街地へのクマの出没や人身事故件数が少ない傾向にありますが、そうではない地域ではクマと人とのいたちごっこが続いています。ただ、捕獲を進めるにしても、科学的な調査に基づいた個体数の推定が不可欠です。結局のところ、クマの管理は「人間の管理」でもあります。クマの生態についての正しい知識の普及や人家にある誘引物を除去するといった啓発教育も重要です。米国の多くの地域では「どれくらいの頭数なら許容できるか」という社会の許容度も調べています。日本では、まず人身被害を減らす対策を重点的に進めつつ、科学的根拠に基づいた管理計画の作成や社会的許容度の調査、住民への啓発や教育を連携させていく必要があります。8~9月に米国東海岸の各州で、クマ対策について取材した。非正規職員や猟友会が被害対応にあたることも多い日本の現状を説明すると、とても驚かれた。米国では行政に正規雇用の専門職がいて、長期的な視点で対応していた。市民団体や女性の専門家の活躍も目覚ましい。かつて、日本の行政機関でDV被害者の支援をする婦人相談員の取材をした。多くが非正規雇用で、低い給料で「やりがい搾取」されていた。人を使い捨てするような社会は、持続可能ではない。「クマ問題は人間問題だ」と、日米の現場でよく聞いた。クマ問題の背景を考えると、日本社会の構造的な問題がみえてくる。人間の努力で改善できる点は、今すぐにでも着手すべきだ。

(医師が「ジビエの生食」を止める納得の理由)
ジビエ肉の生食はなぜ危険なのですか? 鹿肉の刺身も食べてみたいです。「ジビエ肉の生食は、実際に危険ですか? SNSなどで『鹿肉の刺身』『ジビエの生食』などの投稿を見かけたことがあり、食べられる場所があるなら行ってみたいと思っています。自然の中で元気に生きてきた生き物の肉なら、かえって健康にもよさそうな気がします。近くのレストランも秋はジビエ肉の料理を出すのですが、生食は提供していないと言われました。新鮮な生肉が食べられるお店に行けばいいのでしょうか?」。生食は危険です! ウイルス・細菌・寄生虫などの感染リスクがあります野生の鳥獣の肉を指す「ジビエ」ですが、日本では原則、毎年11月15日から2月15日まで(北海道は10月1日~1月31日)が狩猟期間として認められています。これは、まず、鳥獣保護管理法に定められた狩猟期間として、農林業作業の実施時期や山野での見通しのきく落葉の時期等から、毎年10月15日(北海道にあっては、毎年9月15日)から翌年4月15日までとされ、鳥類の繁殖や渡りの時期等を考慮し、鳥獣保護管理法施行規則により原則毎年11月15日から2月15日まで(北海道は10月1日~1月31日)となっています。これからが「鹿肉」や「猪肉」などの「ジビエシーズン」になります。鹿や猪だけでなく、山鳩や野ウサギ、キジ、カラスなどのほかの鳥獣も、ジビエ肉の一種です。いずれも脂肪が少なく、独特の肉質が特徴で、このシーズンを楽しみにしている人もいらっしゃるでしょう。一方で、人間の飼育によって管理されているわけではないため、さまざまな細菌やウイルス、寄生虫などのリスクがあります。感染症予防の点では、ジビエの調理法は十分に注意が必要なもので、生食は避けるべきです。いくつか例を挙げると、過去には、鹿肉を食べた4名がE型肝炎ウイルスによる肝炎になっています。E型肝炎は自然治癒することも多いですが、急速に肝機能が低下する「劇症肝炎」になるケースも報告されており、危険です。生食を避け、中心部まで十分に加熱すれば、予防することができます。特に妊婦では減少肝炎になりやすいと言われています。また、危険なのはウイルスだけではありません。野生の猪・鹿の糞便の調査では、食中毒を起こすサルモネラ菌やカンピロバクター、エルシニアなどの細菌、危険な「ベロ毒素」をもつ大腸菌が発見された例も報告されています。糞便の半分には、鞭虫・回虫・鉤虫などの寄生虫の卵が含まれていた、という別の調査報告もあります。食中毒を起こす寄生虫である「住肉胞子虫」(じゅうにくほうしちゅう)は、イノシシの筋肉の70.7%、鹿の筋肉の88.2%で保有が確認されたことが2017年に報告されています。摂取後数時間程度(4~8時間)で一過性の下痢、嘔吐等の食中毒症状が起こります。ウイルスだけでなく、細菌や寄生虫の感染リスクもあるのです。そして、これらを避けるためには十分な加熱が必要で、予防としてとても有効であることは言うまでもありません。しっかりと衛生的な環境で調理することはもちろん、肉の「内部温度」が75度に達する状態で1分以上、またはそれに準じた調理による殺菌消毒されていることが重要です。なお、住肉胞子虫の場合は、中心温度が-20度になる状態で48時間以上冷凍する「凍結処理」が有効です。味への好奇心もあるかと思いますが、体へのリスクを十分に考え、安全な範囲で食を楽しむのがよいのではと思います。

(スズメやホトトギス、ノウサギが減少の危機)
記事のポイント①国連生物多様性条約締約国会議(COP16)が来週21日、コロンビアで開幕する②それに先立ち、環境省やWWFは生物多様性の危機を示す報告書を相次いで発表した③環境省は、日本のチョウ類や鳥類などが急減していることを明らかにした。国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)が10月21日、コロンビアのカリで開幕する。COP16に先立ち、環境省や国際NGOのWWFなどは、生物多様性の危機を示す報告書を相次いで発表した。環境省は、日本の里地里山でチョウ類や鳥類、ホタル類などが急激に減少していることを明らかにした。環境省と日本自然保護協会は1日、日本に生息するチョウ類や鳥類、ホタル類などが減少していることを明らかにした。2005~2022年度の間、全国約325カ所の里地里山から得たデータを報告書にまとめた。103種のチョウ類を調べたところ、約3分の1にあたる34種で1年あたりの減少率が3.7~22%となり、環境省の絶滅危惧種の認定基準である減少率3.5%を上回った。オオムラサキ(‐10.4%)やイチモンジセセリ(‐6.9%)など、身近なチョウも多数含まれていた。鳥類では、106種を調査した。そのうち、約15%の16種で大きな減少が見られた。スズメは3.6%、オナガは14.1%減少していた。このほかセグロセキレイ(‐8.6%)やホトトギス(‐4.4%)など、なじみのある「普通種」が減っていた。特に農地や草原、湿地など、開けた環境に生息する種の減少が顕著だった。温暖化により生息に適した土地が少なくなったことをはじめ、人が入らなくなって里山が荒廃したり、農薬の散布が生息地を荒らしたりしている影響が大きいと指摘されている。一方で、二ホンジカの増加率は20.1%だった。狩猟者の減少やニホンオオカミの絶滅などが影響したと考えられている。ニホンジカが植物を食べつくすことでも、チョウ類や鳥類の減少につながると危惧されている。このほか、水辺に住むホタル類(‐1.5~‐5.7%)やアカガエル類(‐1.0~‐2.8%)、草原に住むノウサギ(‐4.7%)などの減少も目立った。国際NGOの世界自然保護基金(WWF)も10日、「生きている地球レポート」の2024年版を発表した。同レポートでWWFは、1970年から2020年までの50年間で、生物多様性の豊かさを表す「生きている地球指数」(LPI)が73%低下したことを明らかにした。LPIは、哺乳類や魚類、鳥類など計5,495種のうち、約3万5千の個体群を分析して算出した。生息密度や群れの規模、巣の数、個体数の変化などを観測し、「ロンドン動物学協会」(ZSL)がまとめた。1970年時点に比べ、特に河川や湖沼、湿地など淡水域での減少率が85%と顕著だった。陸域は69%、海域は56%ほど指数が低下した。地域別では、中南米・カリブ海が95%と最も多く、アフリカは76%、日本を含むアジア太平洋地域は60%の減少率だった。米イエール大学で生物多様性の変化を研究するウォルター・ジェッツ教授は、米ニューヨークタイムズの取材に対し、「特に注意が必要な個体群を特定するうえで、このデータは貴重な貢献をしている。種の個体数が憂慮すべきスピードで減少していることは間違いない」と語った。国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)が21日、コロンビアのカリで始まる。前回のCOP15では2022年12月、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、ターゲットの一つとして「30 by 30」(サーティ・バイ・サーティ)が掲げられた。「30 by 30」とは、生物多様性の保全や回復のために、2030年までに陸と海の30%以上を保全しようとする国際目標だ。今回のCOP16では、「30 by 30」など国際目標の達成に向け、各国の取り組み状況が問われることになる。COP16を来週21日に控えるなか、環境省やWWFによる最新データの公表が相次いだことで、自然保護の取り組みの遅れに警鐘を鳴らすかたちとなった。

(キジを放鳥、保護繁殖めざして:三重)
地域に生息するキジの数を増やそうと、三重県菰野町の河川敷で猟友会が18羽のキジを放ちました。国鳥=国の鳥に指定されるキジの放鳥は、保護や繁殖をめざして県内各地で行われています。18日、三重県猟友会の6人が、菰野町を流れる三滝川の河川敷の公園に岐阜県の養殖場で育てられた生後10か月ほどのキジのオスとメス合わせて18羽を運び入れました。猟友会の役員がキジを1羽ずつ手に持ち、合図に合わせて手を離すと、キジは元気に羽ばたいて飛んでいきました。この周辺は、木の実や虫など、キジの餌が豊富なことに加え、銃を使った狩猟が禁じられていることから、猟友会は来年の春の繁殖期に期待を寄せています。三重県猟友会の棚瀬賢一郎菰野支部長は「キジの状態もよく放鳥できて安心しました。これから冬毛に生え替わり、来年の春ごろにはきれいな姿で河川敷や田んぼに現れるのでぜひ見てもらいたい」と話していました。

(中国人女性が奈良でシカに襲われけが)
中国メディアの捜狐千里眼によると、奈良の公園でこのほど、シカをスマートフォンで撮影していた中国人女性が突然シカに襲われ、シカの角で太ももにけがをするということがあった。女性によると、簡単な消毒をしてくれた公園の職員から、(シカは)野生なので賠償のしようがないと告げられた。現地の病院にかかるのも面倒なので、痛みを堪えて翌日帰国し、破傷風ワクチンを打ってもらったという。女性は野生動物と安全な距離を保つよう呼び掛けた。これについて、中国のSNS上では「こんなに凶暴なの?」「ひどいけが。かなりの出血だね」「2019年に奈良でシカに太ももをかまれたことがある。青くなった」「7月に奈良で雄のシカに尻をかまれた」「シカに後ろから追いかけられたことがある。幸いにも走るのが速かったので無事だった」「奈良のシカは危険。餌をあげる時は気を付けて」「シカに会いたいなら大連の方がいいよ。奈良のシカよりおとなしくて人懐っこい」などのコメントが寄せられた。

(専門家「戦いに敗れた雄がさまよっていたのでは」:東京)
10月20日の午後5時頃、東京都八王子市の住宅街にできた人だかり。スマホが向けられた先にいたのは、大きな鹿です。この鹿がいたのは、京王堀之内駅から徒歩2分ほどの大通りに面した駐輪場。近隣住民も不安を抱く、大きな角。ただし、よく見てみると、片方の角がありません。この片方だけ角がある鹿は、5時間前にも…。鹿を目撃したのは、駐輪場から約4キロ離れた、となりの多摩市。川に沿って、八王子市の方向へ歩いて行ったといいます。体感型動物園iZoo 白輪剛史園長:(山にある)餌がこれから乏しくなっていく部分もあったり、ここから繁殖期に入るので、雄同士だとかが角を使って闘争するんですよ。そのためにおそらく、片方の角が脱落した。負けた雄がそこ(群れ)から分かれて、さまようってことはあり得る。さらに、鹿の角が片方しかないことで、危険も増すといいます。体感型動物園iZoo 白輪剛史園長:バランスが取れなくなりますよね。頭重いですから、そこを振り払って、こう角を落とすことするんですね。そういった時もやはり、近づくとね、角が刺さる恐れもあります。突然、住宅街に現れた鹿。警察官らが集まり、捕獲へ動き出します。そして…。麻酔針が打たれたのか、驚いた鹿が走り出します。その後、近くの神社に逃げ込んだ鹿は、ぐったりとした様子に。午後7時頃、鹿は無事捕獲されたということです。

(畑でシカとみられる動物の死骸の一部発見、現場の状況からヒグマに襲われた可能性も:北海道)
20日午前、北海道深川市内の畑で、シカとみられる動物の死骸の一部が見つかりました。警察は、ヒグマに襲われた可能性もあるとして、周囲の住民に注意を呼びかけています。20日午前9時ごろ、深川市音江町の畑で、シカとみられる動物の死骸の一部が見つかりました。発見したのは畑を借りているハンターの男性で、シカとみられる動物は、ヒグマに襲われたような痕跡があったということです。警察によりますと、現場には、動物の体の一部が残っていて、体長などはわからない状態でした。現場付近では、これまでヒグマの目撃情報があるものの、10月に入ってからはヒグマは目撃されておらず、今のところ、ふんなども見つかっていないということです。ただ、現場の状況などから、警察は、動物がヒグマに襲われた可能性もあるとみて、周辺のパトロールなどを行い、住民に注意を呼びかけています。

(JR八高線がイノシシと衝突、一時運転を見合わせ:埼玉)
16日午後8時5分ごろ、埼玉県ときがわ町五明のJR八高線明覚―小川町間で、高麗川発高崎行きの下り普通列車(2両編成)が走行中にイノシシと衝突し、八高線は明覚―小川町間で一時運転を見合わせた。JR東日本高崎支社によると、車両点検を行って列車は午後8時33分に運転を再開。その後、線路内にいたイノシシの撤去と安全確認を行い、午後9時58分に上下線で運転を再開した。この影響で上下4本が最大74分遅れ、約200人に影響が出たという。

(シカと衝突で4本運休:北海道)
19日午前7時45分ごろ、JR千歳線上野幌―北広島駅間で、苫小牧発手稲行き普通列車(6両編成)がシカと衝突した。乗客乗員にけがはなく、車両の安全を確保し、約25分後に運転を再開した。

(列車がシカと衝突、ダイヤが一時乱れる:大分)
JR九州によると、17日午前5時44分ごろ、福北ゆたか線筑前大分~九郎原で下り普通列車(直方午前5時10分発博多行き)がシカと衝突した。この影響で同線のダイヤが一時乱れた。

(列車がシカと衝突:大分)
JR九州によると、20日午後9時18分ごろ、久大線杉河内~北山田で列車がシカと衝突した。この影響で同10時27分現在、同線日田~豊後森で運転を見合わせている。

(野生では生息していないシカ、本島北部の道路にひょっこり出没:沖縄)
21日午後、沖縄本島にいるはずのない「シカ」が、本島北部・国頭村の路上を悠々と歩いているのが目撃されました。シカが目撃されたのは、午後0時半すぎ。やんばる国立公園の山林を走る県道2号線です。映像を撮影した男性が県道2号線の山中に入り、東海岸方面に向けて走っていたところ、道路にポツンと立つシカの姿を目撃しました。県などによりますと、沖縄では阿嘉島や慶留間島などの慶良間諸島に、国の天然記念物に指定されている「ケラマジカ」が生息していますが、本島内で野生のシカが生息しているという情報は報告されていないということです。目撃されたシカがどこから来たのか、またその種類など詳細は分かっていません。動物の生態に詳しい「NPO法人どうぶつたちの病院沖縄」の長嶺隆獣医師は、「本島内でシカが目撃されたことに非常に驚いている。沖縄本島に在来のシカはいないので、飼われていたシカが逃げた可能性が高い。しっかり調査する必要がある」と話しています。

(市街地でクマの目撃相次ぐ:福井)
勝山市の市街地で17日朝、クマの目撃情報が相次ぎ、市と警察が檻を設置するとともに、周辺をパトロールするなどして住民に注意を呼びかけています。勝山市によりますと17日午前6時ごろ、勝山市役所から西へ200メートルほど離れた本町1丁目で、成獣のクマ1頭の目撃情報がありました。その5分後には市役所をはさんで反対側の沢町2丁目で目撃され、さらに1時間後には、空き地の草むらでも目撃がありました。このため市と警察は、周辺を車でパトロールし、住民に不要不急の外出を避けるよう呼びかけました。また、近くの小学校は保護者の車で登校するよう指導しました。市では、まだ草むらにクマが潜んでいる可能性があるとして、ドローンを飛ばして上空から探しましたが、見つからなかったということです。このため捕獲用のオリを2か所に設置しました。クマの出没が増える時期で、市は外出の際は、鈴やラジオなど音の出るものを着用してほしいと呼びかけています。

(安佐動物公園にクマ、西園を全面閉鎖:広島)
広島市の安佐動物公園は園内でクマが確認されたことから、18日から西園を全面閉鎖すると発表しました。安佐動物公園によりますと、16日午後4時前、西園でカモシカの飼育作業を行っていた職員が、クマ1頭が歩いているのを見つけました。これを受けて園は来園者の安全を考えて、18日から西園を全面閉鎖すると発表しました。西園では今年8月、設置されたカメラにクマが映っていたことから全面を閉鎖し、その後、9月中旬に一部エリアで再開したものの、今月10日と11日にツキノワグマが確認されたため、閉鎖エリアを拡大していました。開園時間中にクマが確認されたのは、1971年の開園以来初めてで、園は、安全が確認されてから閉鎖を解除するとしています。

(10月はシカの交尾期、オスジカ出没相次ぐ:北海道)
札幌の市街地で出没が相次ぐオスジカ。東区では18日朝、勢いよく歩道を走り抜けるオスジカの姿が目撃されました。自転車が左側の歩道を走っていく何気ない日常の風景。18日午前8時頃、札幌市東区の創成川通りで信号待ちをする車のドライブレコーダーの映像です。そこへ突然。一頭のシカが現れ、勢いよく歩道を駆け抜けていきました。頭にはツノが生えていてオスジカであることが確認できます。警察によりますと、シカはこの5分後、700メートルほど北上した場所で目撃された後、行方が分からなくなりました。東区では16日モエレ沼公園で目撃されるなどオスジカの出没が相次いでいます。シカの生態に詳しい道総研の稲富佳洋研究主幹によりますと、10月はシカの交尾期にあたるため、オスがメスを探し回って活発に活動していると考えられるということです。

(飛び出すヒグマ、「ブレーキを踏む暇もなかった」:北海道)
突然、飛び出してきたのはクマだ。北海道砂川市で10月8日、軽乗用車が道路脇から現れたクマと衝突。その瞬間をカメラが捉えていた。日が落ちて薄暗い道路を走る車。突然道路脇から現れ衝突したのはクマだった。事故があったのは砂川市焼山の道道だ。8日午後5時30分ごろ、軽乗用車が体長1メートルほどのクマと衝突した。運転していた男性にケガはなく、クマは林へと立ち去っていった。軽乗用車は大破。周辺では動物と衝突する事故が相次いでいて、警察が注意を呼び掛けている。

(JR成田線運転再開、イノシシと衝突の影響:千葉)
JR東日本によりますと成田線は、列車がイノシシと衝突した影響で、佐倉駅と成田空港駅の間の上下線で運転を見合わせていましたが、午後10時20分ごろ、運転を再開しました。

(出没が増えるクマと人間の共生:新潟)
今年もクマの被害が後を絶たない。ツキノワグマの出没情報は4~8月で1万3千件を超え、過去最悪の被害だった前年度を上回るペースだ。どうすれば人間と共生できるのか。里山の麓を歩きながら考えた。10月中旬、新潟県胎内市を訪ねた。NPO法人「ミンナのチカラ」の代表理事、速水隆さんの案内で郊外を目指す。目的はたわわに実をつけた柿の木だ。

(ジビエ料理を新名物に:神奈川)
古くからイノシシ鍋などが振る舞われる神奈川県伊勢原市大山地区で、豆腐料理に並ぶ新たな特産品にしようと各店がアレンジしたジビエ料理を提供する「大山猪鹿(ジビエ)フェア」が23日から始まる。関係者は「ジビエ文化を市内外へ浸透させたい」と意気込んでいる。今年で3回目で同実行委員会主催。フェアには大山阿夫利神社下社近くの参集殿から麓の宿坊までの15店が参加。予約なしで食べられるランチと、宿坊や旅館の宿泊時に提供されるディナーの2種類が用意される。伝統の猪(いのしし)鍋をはじめ、鹿肉をトッピングしたカレー、竜田揚げなど、各店ごとの特徴を生かした料理が楽しめる。提供されるジビエ肉は、地元伊勢原産。猪・鹿問屋「阿夫利山荘」(磯崎敬三代表)が狩猟で捕獲した肉で、加工処理から食肉提供まで通常1週間かかるところ、最短3日間という新鮮さも特徴だ。特にイノシシ肉はこれから脂が乗ってくる時期で、脂はしつこくなく、「コラーゲンの塊」(磯崎代表)という。自然深い大山の麓である同地域は、今の時期は野生動物による食害が発生し、栽培をやめてしまった農家もいるほど鳥獣害被害は深刻だ。駆除のため毎年120頭は捕獲しているという磯崎代表はフェアについて「若い猟師に肉のさばき方、血の抜き方を教える機会が増える。それらの技術を継承する環境にもなる」と狩猟活動への意義も強調する。

(“クビアカ”キーホルダー発売:福島)
福島県が、果樹に大きな被害をもたらす特定外来生物・クビアカツヤカミキリのキーホルダーを作った。素材には、同じく農業被害を及ぼすイノシシの革を有効活用した。焼き印された同害虫のイラストの“クビ”部分を購入者が赤く着色する仕様で、同害虫の特徴を覚えてもらい、早期発見・封じ込めにつなげる狙いだ。クビアカツヤカミキリは、幼虫が桃や梅、桜などの樹皮の下に潜って食害し、木が枯死することもある。2012年に国内で初めて被害が確認され、関東や関西などの14都府県に侵入が拡大。桃の収穫量が全国2位の福島県では、隣接県で侵入が確認され、農家らの危機感が高まっている。キーホルダーは県農業総合センターが企画し、伊達市農林業振興公社と製作。首に見える胸の部分は、赤いペンで塗ることができる。担当した同センターの藤田剛輝主査は「赤い“クビ”をより印象付けたかった。手遅れになる前に対処するためにも、多くの人に外観の特徴を伝えたい」と話す。裏面には同センターの電話番号を掲載し、発見時すぐに通報できるようにした。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草畑にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、21日午前10時25分ごろ、富谷市富谷高屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、20日午前8時50分ごろ、松島町幡谷後沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、18日午後4時30分ごろ、松島町根廻上山王にクマが出没しました。

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(野生イノシシが豚熱、県内での感染確認26例目:岡山)
岡山県は16日、高梁市内で捕獲された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は26例目。県によると9日に地元猟友会が捕獲し、県の検査で15日に陽性が確定した。県は捕獲地点から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者が捕獲したイノシシの流通自粛を求めた。県内の全23養豚場への注意喚起も行った。

(ノシシへの感染確認、県内24例目:佐賀)
佐賀県は16日、唐津市鎮西町加倉で、野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は24例目。発見場所は1~4例目の中心から約6・5キロで、経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、猟友会が計画検査のため捕獲し、15日の検査で分かった。

(自宅で銃を製造、26歳男に懲役3年の実刑:千葉)
殺傷能力のある銃や火薬を作ったなどとして、武器等製造法違反(無許可銃砲製造)や火薬類取締法違反の罪に問われた家電修理業の田代靖士被告(26)に、千葉地裁(松本圭史裁判長)は17日、懲役3年、手製パイプ銃1丁など没収(求刑懲役5年6月、パイプ銃など没収)の判決を言い渡した。公判で田代被告は起訴内容を認め、2022年参院選の応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件をきっかけに「銃の作り方を調べた」と述べていた。起訴状によると、昨年7~12月、国の許可を得ずに黒色火薬約320グラムやパイプ銃1丁を製造し、千葉市緑区の自宅で所持したとしている。麻薬取締法違反(所持)の罪にも問われており、昨年12月、麻薬成分を含むキノコなどを自宅で保管したとされる。

(イノシシの捕獲数1.5倍に、積極的に捕獲進める方針:福島)
昨年度、県内で捕獲されたイノシシの数は、前の年度から1.5倍ほど増えて1万4600頭余りでした。県は、ブタの伝染病の感染拡大が落ち着いたことで頭数が回復しているとみていて、自治体や猟友会と連携して捕獲を進めていく方針です。県のまとめによりますと、県内のイノシシの捕獲数は4年前はおよそ3万5700頭で、原発事故前の10倍ほどに増えました。その後、全国的に感染が広がったCSF=豚熱が県内でも拡大し、2年前には1万頭近くまで減少したものの、昨年度は前の年度から1.5倍ほど増えて1万4667頭だったということです。県は、豚熱の感染が拡大したことでウイルスへの抵抗力を持った個体が増えて、死ぬイノシシが少なくなったため、再び頭数が回復しているものとみています。県内では、毎年、農業被害も出ていることから、県は今年度、新たに策定したイノシシの管理計画でも、年間の捕獲目標を以前と同じ2万5000頭と定め、捕獲を進めていくことにしています。県自然保護課は「イノシシは爆発的に個体数が増えて農業被害がひどくなるおそれもある。各自治体や地元の猟友会と連携し、より捕獲の圧力を高めて対応していきたい」としています。

(クマ出没増、「マップ」で注意喚起:鳥取)
鳥取県は9月末時点の県内におけるクマの出没件数が123件と、4年ぶりに増加したと発表した。県は管理計画で適正に狩猟したり捕獲したりするものの、活動範囲が広がり人里への出没件数が増えたと分析する。県はホームページ上に「出没マップ」を公開するなどして注意喚起する。県はクマの好物であるブナやミズナラなど4種類の堅果類の結実状況(9月末時点)も公表した。ブナとクリが「並作下」、ミズナラとコナラが「並作上」といずれも例年並みだった。ただ隣県の兵庫県、岡山県の調査では「凶作」が多く、鳥取県も結実状況が悪化する可能性があるとする。堅果類が少なければ、クマは冬眠に入る12月中旬まで餌を求め山と人里の境界である里山に下りてくる恐れがある。鳥取県は「出没マップ」やラジオ番組で注意喚起するほか、カキなどの果樹園には電気柵の設置や早めの収穫を呼びかける。

(ドングリ3年連続不作、クマ出没の危険:群馬)
群馬県の鳥獣被害対策支援センターはクマの餌となるドングリの実り具合について調査し、3年連続の「不作」だったと発表した。県北部の山間地を中心に約2000頭が生息するとされるクマ。ドングリの不作で人里に出没する危険性は高まっており、県は職員自らがクマに扮(ふん)した動画で対処法を紹介するなど、あの手この手で注意を呼びかけている。同センターは9月上中旬にかけ、県北部の利根沼田地域の樹木約630本を目視で調査。ドングリの実り具合は「大豊作」から「無(結実がみられない)」までの7段階あり、今年は4段階目の「不作」と判定した。樹木の種類別では、ミズキが凶作、ブナ、ミズナラ、コナラ、クリは不作だった。不作の年は、クマの出没が増える。ドングリが主な餌となる9~12月のクマ目撃・出没件数は、豊作の2015年は36件だったのに対し、今年と同じく不作だった昨年は316件に上った。今年に入り、すでに被害は発生。5月には安中市の住宅にクマが侵入し、2人が重傷を負った。9月下旬にはみなかみ町で散歩中の人がひっかかれるなどして負傷が相次いだ。人身被害を防ぐため、県は動画とパンフレットを作成。クマと出くわした場合は、背中を向けずにゆっくり後ずさりし、襲われた時はクマの顔に向けて撃退スプレーを吹きかけるなどの方法を紹介している。

(クマ目撃2倍に、寄せつけない方法学ぶ講習会:京都)
クマの目撃情報が去年(令和5年)の2倍に増え、人への被害が懸念されるとして、クマを寄せつけない方法を教える講習会が福知山市で開かれました。講習会は、京都府中丹広域振興局が開いたもので、福知山市大江町小原田地区の公民館には、地元の人など10人ほどが集まりました。はじめに振興局から管内のクマの目撃情報が共有され、ことしはどんぐりの不作を背景に人里に多くおりてきているとみられ、先月(9月)末の時点で469件と、去年の同じ時期と比べて2倍余りに増えていることが紹介されました。そのうえで、クマを引き寄せる柿と栗について、▼不要であれば伐採し、▼落ちた実はまだ青くても回収すること、▼クマが木に登れないよう1メートル80センチの高さまでトタンを幹に巻くことなどの対策が紹介されました。このあと参加した人たちは、地区の柿の木に残されたクマが木登りをした際の爪痕を見学したり、木登りを防ぐため幹に巻かれたトタンを確認したりしていました。地元の60代の男性は、「柿の木のせんていや、家の周りに食べ物になるものを残さないことなど、非常に参考になりました」と話していました。中丹広域振興局農商工連携・推進課の生田淳一 課長は「目撃情報が増え、人への被害が懸念されます。クマを寄せつけない環境作りをしてほしい」と話していました。中丹広域振興局では今後、クマの目撃情報が多い地域を中心に警察などと連携をして対策を啓発するパトロールを行うことにしています。

(クマ被害防止啓発パトロールを実施:京都)
食欲の秋、クマの被害増加に警戒です。今年4月に撮影されたドライブレコーダーの映像には、画面の左から子グマらしきクマが林の中に姿を消した後、右からもう1頭のクマが現れ体当たりする様子が映っています。車は前方が大きく壊れ、フロントガラスがひび割れました。時に人間に対しても牙をむくクマ。関西各地でも“クマの被害”は相次いでいて、今年5月には兵庫県丹波市で害獣駆除の罠にかかっていたシカをクマが襲ったとみられる被害や京都府福知山市ではクマが飲食店の倉庫に居座る騒動が発生しました。(京都府中丹広域振興局・河合拓務さん)「冬眠に備えてたくさんごはんを食べていこうというシーズンになるので行動範囲が広いです」。こうした中、福知山市で16日、地元住民にクマへの警戒を呼び掛ける説明会が行われました。福知山市・舞鶴市・綾部市の3つの市では9月末時点でクマの出没情報が計469件と去年の同じ月と比べて2.2倍に増えているといいます。京都府中丹広域振興局・河合拓務さん)「木が折れているのが、『熊棚』と言いまして、木の上でクマが柿とかを食べます。特にこういうのを見たらすぐ京都府や市役所に通報ください」。冬眠前にエネルギーを蓄えるためこれから出没が増えてくるということで、府は早朝と夜間の外出を控えることや、クマが登れないように木の幹にトタンを巻くなどの対策を呼びかけています。(京都府中丹広域振興局・河合拓務さん)「まずは集落に寄せ付けないことが大事です。誘因物となるものを取り除く。トタンを巻いたり、電気柵をしたりしてクマに魅力的な集落だと思わせないことが大事かなと思っています」。

(イノシシなど捕獲する「くくりワナ」の講習会:静岡)
静岡県河津町では11月からの猟期を前に、くくりワナを使った狩猟技術の向上を目指す講習会が行われ、参加者が罠の作り方や仕掛ける場所について学びました。この講習会はワナを使った狩猟免許を取得したばかりの人やこれから取得する人を対象に毎年開かれていて、16日は伊豆半島に住む9人が参加しました。参加者はまずくくりワナの種類や作り方、仕掛ける場所について座学で学んだあと、実際に山でワナを設置する体験をしましたが、野生動物の習性を読んだうえでワナの上を歩かせる難しさを感じている様子でした。県内でニホンジカとイノシシの狩猟が認められている期間は11月1日から2025年3月15日までとなっています。

(ブナ林を守ってきたクマゲラ、本州で絶滅の恐れが高まる)
本州に生息するクマゲラは1970年以降、ブナ林保全の救世主となってきました。そのクマゲラの撮影記録が7年間途絶えています。NPO法人本州産クマゲラ研究会では、生息情報を求めています。日本で初めて本州のクマゲラの存在が公に取り上げられたのは、1934年4月14日の新聞紙上でのこと。秋田県八幡平の宮川村国有林で4月10日に捕獲されたクマゲラです。京都大学理学部に講師として籍を置いていた川口孫治郎氏が、花輪営林署の署員の援助の下で、日本最大のキツツキであるクマゲラを求めて、雪中行軍さながら腰まで雪につかりながら歩き、その鳥を撃ち落としました。当時は、津軽海峡を生物の分布の境界線とするブラキストン線が有力視され、この時のクマゲラは「北海道からの渡り鳥」として処理されました。しかし、それから41年後の1975年9月19日、秋田県自然保護課に勤務していた泉祐一氏により、秋田県森吉山で再びその存在が写真撮影という形で裏付けられました。その3年後には繁殖までも確認され、クマゲラが北海道からの渡り鳥ではない留鳥ということまで突き止められました。もちろん、撮影成功に至るには、地元からの有力な情報があったことは疑いありません。森吉山岳会会長だった庄司国千代氏は、川口氏のクマゲラ情報に興味・関心を抱き、鳥の門外漢ながらクマゲラを求めて森吉山中をさまよい、1970年に既にクマゲラの存在を確認していました。森吉山を会場に、1975年9月に第2回東北総合体育大会登山競技が開催された折、庄司氏はブナの伐根に巣くうムネアカオオアリを採餌しているクマゲラを確認して、この情報を泉氏に提供しました。このクマゲラの存在により、拡大造林の名の下に「ブナ征伐」が行われていた森吉山は、330haほどクマゲラのために保護・保全され、その後、国指定鳥獣保護区および特定動物生息地保護林として現在に至ります。クマゲラの存在は、日本全国のブナ林が伐採され続けていた1970年代以降、ブナ林伐採の歯止め役、換言するならば「ブナ林の救世主」としての東北各地のブナ林保護を推進しました。岩手県の葛根田川や生出川周辺の国有林の伐採計画の中止、山形県のスーパー林道建設計画の中止などのほか、青森―秋田間の林道建設で揺れ動いていた世界最大級のブナ林を抱える白神山地でも存分に発揮されました。森林生態系保護地域や国の自然環境保全地域の指定、日本初の世界自然遺産登録と、ブナ林の象徴種・クマゲラは、国をも動かす大活躍でした。そんな本州のクマゲラが、青森県白神山地では2008年6月、秋田県森吉山では2014年6月を最後に繁殖活動が行われていません。個体撮影記録に関しては、白神は2009年5月20日、森吉山では2017年4月30日が最後であり、目撃記録は白神の2014年10月26日が最終となって現在に至ります。私たち本州産クマゲラ研究会の調査がすべてではないと思いますが、クマゲラに特化した研究団体ですらお目にかかれない「幻の鳥」と化しています。2024年は、9月末までに森吉山で姿は確認できていませんが、新しい採餌の痕跡だけは確認することができました。数は非常に少なくても、まだ生息していることは確かです。2024年1月17日、日本自然保護協会と共に、現在、絶滅危惧Ⅱ類に指定されているクマゲラの絶滅危惧Ⅰ類への格上げや、生息調査の実施、保全計画の策定などを求める「絶滅危急種・本州産クマゲラ個体群の保全に関する要望書」を関係省庁である環境省・林野庁・文化庁あてに提出しました。北海道のクマゲラはトドマツを中心とした針葉樹のほかに広葉樹も利用する一方、本州のクマゲラは、ブナに依存して繁殖活動などを行うため、私たちは北海道のクマゲラに対して、「本州産クマゲラ」と呼んでいます。種の段階ではどちらもDryocopus martius martiusとヨーロッパに生息する個体群と同様と現段階ではみなされていますが、長い間、津軽海峡を境に遺伝子の交流がないことから、本州の個体群をその亜種とみています。

(列車がシカと衝突:大分)
JR九州によると、16日午後7時32分ごろ、久大線豊後中川~天ケ瀬で下り普通列車(日田午後7時19分発大分行き)がシカと衝突した。この影響で同8時40分現在、同線に遅れが出ている。

(監視カメラでクマ確認、臨時閉園:石川)
16日午前6時ごろ、小松市の木場潟公園東園地にクマ1頭が侵入したことが、監視カメラ映像で確認された。東園地では昨年10月に男性がクマに襲われて重傷を負い、管理する石川県が柵を二重に増やしたが、再びクマが入り込んだ。同日から臨時閉園し、今後、侵入経路などを調べる。県南加賀土木総合事務所によると、東園地では昨年10月の人身被害を受け、高さ約2メートルある既存の柵の外側に高さ約1メートルの電気柵を張り巡らせ、監視カメラ14台を増設していた。今回、クマは増設分のカメラに映っていた。クマは、国道8号近くの未利用地の森林で撮影された。監視カメラに姿が映ると、指定管理者にメールで知らせる仕組みとなっていた。東園地は夜間、閉門しており、担当者は「クマがいつ、どこから入り込んだのか分からない」と困惑した表情を浮かべた。17日も臨時閉園する。

(クマ目撃相次ぐ、名物の郷土料理「へしこ」の被害も:福井)
小浜市内で14日以降、クマの目撃が相次いでいる。14日午後8時20分ごろ、小浜市金屋の民家付近でクマの成獣1頭が目撃された。市によると、民家の屋外にあったへしこを漬けた容器が壊され、へしこが食べられていた。市、警察、猟友会は15日午後、金屋地区をパトロールしたが、同地区での目撃や捕獲はなかった。市内ではこのほかにも、14日午後6時45分ごろ、同市太興寺の住宅街で成獣1頭、15日午前0時ごろ、金屋の松永トンネル内で幼獣1頭、同日午後2時半ごろ、同市国分の東山墓地で成獣1頭、16日午前2時ごろには、同市小屋で幼獣1頭が目撃された。

(現場に新しい痕跡、警戒続く鹿児島市のイノシシ被害:鹿児島)
10月14日、鹿児島市で70代の女性が、散歩中にイノシシに襲われてけがをしました。これを受けて周辺では、警察のパトロールが続いているほか、17日朝も保護者と一緒に登校する小学生が見られました。10月14日の朝、鹿児島市原良7丁目を1人で散歩していた、近所に住む70代の女性が1頭のイノシシに襲われ、太もものあたりを複数回かまれてけがをしました。

(ジビエ肉の生食はなぜ危険なのですか?:清益功浩)
「ジビエ肉の生食は、実際に危険ですか? SNSなどで『鹿肉の刺身』『ジビエの生食』などの投稿を見かけたことがあり、食べられる場所があるなら行ってみたいと思っています。自然の中で元気に生きてきた生き物の肉なら、かえって健康にもよさそうな気がします。近くのレストランも秋はジビエ肉の料理を出すのですが、生食は提供していないと言われました。新鮮な生肉が食べられるお店に行けばいいのでしょうか?」。野生の鳥獣の肉を指す「ジビエ」ですが、日本では原則、毎年11月15日から2月15日まで(北海道は10月1日~1月31日)が狩猟期間として認められています。これは、まず、鳥獣保護管理法に定められた狩猟期間として、農林業作業の実施時期や山野での見通しのきく落葉の時期等から、毎年10月15日(北海道にあっては、毎年9月15日)から翌年4月15日までとされ、鳥類の繁殖や渡りの時期等を考慮し、鳥獣保護管理法施行規則により原則毎年11月15日から2月15日まで(北海道は10月1日~1月31日)となっています。これからが「鹿肉」や「猪肉」などの「ジビエシーズン」になります。鹿や猪だけでなく、山鳩や野ウサギ、キジ、カラスなどのほかの鳥獣も、ジビエ肉の一種です。いずれも脂肪が少なく、独特の肉質が特徴で、このシーズンを楽しみにしている人もいらっしゃるでしょう。一方で、人間の飼育によって管理されているわけではないため、さまざまな細菌やウイルス、寄生虫などのリスクがあります。感染症予防の点では、ジビエの調理法は十分に注意が必要なもので、生食は避けるべきです。いくつか例を挙げると、過去には、鹿肉を食べた4名がE型肝炎ウイルスによる肝炎になっています。E型肝炎は自然治癒することも多いですが、急速に肝機能が低下する「劇症肝炎」になるケースも報告されており、危険です。生食を避け、中心部まで十分に加熱すれば、予防することができます。特に妊婦では減少肝炎になりやすいと言われています。また、危険なのはウイルスだけではありません。野生の猪・鹿の糞便の調査では、食中毒を起こすサルモネラ菌やカンピロバクター、エルシニアなどの細菌、危険な「ベロ毒素」をもつ大腸菌が発見された例も報告されています。糞便の半分には、鞭虫・回虫・鉤虫などの寄生虫の卵が含まれていた、という別の調査報告もあります。食中毒を起こす寄生虫である「住肉胞子虫」(じゅうにくほうしちゅう)は、イノシシの筋肉の70.7%、鹿の筋肉の88.2%で保有が確認されたことが2017年に報告されています。摂取後数時間程度(4~8時間)で一過性の下痢、嘔吐等の食中毒症状が起こります。ウイルスだけでなく、細菌や寄生虫の感染リスクもあるのです。そして、これらを避けるためには十分な加熱が必要で、予防としてとても有効であることは言うまでもありません。しっかりと衛生的な環境で調理することはもちろん、肉の「内部温度」が75度に達する状態で1分以上、またはそれに準じた調理による殺菌消毒されていることが重要です。なお、住肉胞子虫の場合は、中心温度が-20度になる状態で48時間以上冷凍する「凍結処理」が有効です。味への好奇心もあるかと思いますが、体へのリスクを十分に考え、安全な範囲で食を楽しむのがよいのではと思います。

(里山の夕べにジビエ料理:京都)
里山の夕べにジビエ料理を――。こんな1日限定の屋外レストランが11月3日、京都府綾部市で開かれる。すべてに綾部の食材を使った地産地消のコース料理で、生産者らのトークもある。その名も「あやべ里山ジビエレストラン」。里山と田園に囲まれた市里山交流研修センターの芝生広場にテーブルを設け、料理を提供する。センターを運営するNPO法人「里山ねっと・あやべ」と市観光協会が企画した。食材はイノシシ、シカなどの肉に加え、ジネンジョ、万願寺とうがらし、菊芋、季節の果物など。調味料もニンニクやタマネギ、緑茶を使ったこうじや酒かすしょうゆなど綾部産の食材で仕込む徹底ぶりだ。これらを生かした料理は5~6品の予定で、イノシシの肉のステークアッシェ、シカの肉のローストなどの料理を試作しているという。料理人は、大阪府岬町で飲食店「発酵と日本酒 いちご屋」を営み、発酵料理に詳しいシェフの松本恭一さん。生産者を訪ね、食材に込めた思いも聞いたという。ジビエを提供するのは、綾部市でジビエの食肉処理施設「いのしか」を立ち上げた猟師の樋口晃司さんだ。食事の前には、樋口さんが、綾部の有害鳥獣駆除の状況やジビエがおいしくなるポイントなどを語る。綾部特産の緑茶を茶臼でひく体験もある。市観光協会の担当者は「好評なら季節ごとに開催したい」と話す。

(大学生が「ジビエフランク」開発:岐阜)
管理栄養士をめざす東海学院大学(岐阜県各務原市)の学生たちが、郡上市内で獣害対策として駆除された鹿肉を使って2種類の「ジビエフランク」を考案した。地元の食材も生かしたオリジナル商品。学生たちは「新たなご当地グルメとして売り出し、地域を盛り上げたい」と意気込む。同大学管理栄養学科は昨春から、高齢化による深刻な後継者不足に直面している、郡上市白鳥地区にある六ノ里棚田の保全活動に参加してきた。県の「若い力で元気創出ふるさと支援事業」にも採択され、学生たちは毎月のように現地を訪れ、田植えや稲刈りなどを体験。収穫した棚田米を使ったポン菓子のほか、学生が育てた規格外のニンジンを入れた甘酒をつくり、イベントなどで販売してきた。活動の中で、棚田の周辺ではシカによる農作物の被害が深刻化していることを農家から聞いた。レシピの考案は、学生たちの得意分野。「鹿を、獣害被害というマイナスからプラスの存在にしよう」と盛り上がり、地元で駆除された鹿肉を利用したジビエフランクの開発に乗り出した。協力したのは、同市八幡町の「西和良ジビエファーム」。鹿肉独特の臭みやパサパサになりがちな食感をなくすため、試行錯誤した。フランクは2種類で、つなぎには学生が提供したニンジンピューレと県内産の豚肉を使用した。一つには大葉と郡上なんばん、郡上みそを入れてコクのあるピリ辛味に仕上げた。もう一つは子どもにも食べやすくするため、カレー粉やターメリックなどの香辛料を効かせたカレー味にした。味だけでなく、栄養成分にもこだわった商品だ。標高600メートルにある棚田は昼夜の寒暖差が大きく、甘みのある米が特徴。それを最大限に生かした「六ノ里棚田米甘酒」も開発した。フランクや甘酒は、10月1日から郡上市内の道の駅で順次販売を始めている。大学が運営するキッチンカーでも提供していくという。学生たちは「食べやすい味になっていて、世代を超えて楽しんでほしい」「獣害としてのマイナスイメージを振り払い、日本全国、世界においしさを発信していきたい」と話している。

(すみだワンコインオクトーバーフェスト&すみだジビエフェスティバル:東京)
「すみだストリートジャズフェスティバル」の一環として実施される、クラフトビールとジビエ料理を楽しめるグルメイベント。東京都墨田区を含む全国各地のクラフトビールがワンコインで飲み比べできるほか、イノシシ肉やシカ肉などのジビエ料理を中心に、湘南(しょうなん)発の新感覚のフライドチキン、富士宮やきそば、ホテルシェフが作るイベント限定フードなど、バラエティ豊かな料理を味わうことができる。イベント開始時と終了直前には、盛大な乾杯コールが行われる。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、16日午後5時2分ごろ、松島町手樽左坂にクマが出没しました。

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