<射撃ニュース11月>
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(猟友会がヒグマ駆除拒否を検討:北海道)
ヒグマの駆除について、北海道猟友会(本部・札幌市)が自治体の要請に原則応じない方向で検討していると、地元紙の北海道新聞が報じ、波紋が広がっている。建物に当たる危険性があったとして、猟銃所持の許可を取り消され、控訴審で敗訴したことがきっかけだという。最近は、人的被害が度々報じられているが、今後は一体誰がハンターを担うのだろうか。報道によると、砂川市内の猟友会会員は2018年、市の要請を受けて、警察と出動し、ヒグマ1頭に発砲して駆除した。その後、道公安委員会から鳥獣保護管理法違反などで許可を取り消されて猟銃を取り上げられ、会員は、処分の取り消しを求めて札幌地裁に提訴し、1審は勝訴した。しかし、公安委が札幌高裁に控訴し、2審では、24年10月18日の判決で敗訴してしまった。道新の11月14日付ウェブ版記事によると、この判決を受けて、猟友会では、自治体からのヒグマの駆除要請に原則応じないよう、全71支部に通知する方向で最終調整し、年内にも決めるという。「民間任せの駆除のあり方に一石を投じる狙い」もあるとされた。地元のメディアも、一部の支部を除いて、要請を拒否することを検討しているなどと次々に報じた。猟友会が駆除しないこともあるという衝撃的な内容だけに、ネット上では、様々な意見が出て論議になっている。「ルールに違反しても目をつぶれ、というのはよろしくない」と判決に理解を示す声もあったが、猟友会に同情的な声の方が圧倒的に多い。「後出しジャンケンで許可取り消しって...」「裁判官が現実を見れていないんだろな」「警察や行政がヒグマの駆除に責任を持つべきだ」といった意見が書き込まれている。裁判で猟友会会員の代理人を務めた中村憲昭弁護士は14日、道新の報道を受けて、「北海道猟友会は、会長自ら現地を確認し、地裁判決と高裁判決の両方を読んでいる。そのうえで組織として駆除拒否を決断したわけで、高裁判決がいかにハンターにとっては非常識な判断だったかがよくわかる」と指摘した。ヒグマ駆除を巡っては、24年5月に、北海道猟友会砂川支部の奈井江部会が奈井江町の報酬が安すぎるとして、その要請を拒否したケースがあった。その後について、町の産業観光課は11月14日、J-CASTニュースの取材に対し、奈井江部会の会員5人からは協力してもらえない状況だと答えた。報酬の不満のほかに、高齢化して人数が少ないことも伝えられたという。ただ、猟友会以外で協力してもらえるハンターが道内で27人おり、このうち有害鳥獣駆除実施隊の12人を中心にやりくりしていると明かした。もっとも、27人も高齢者が多いといい、猟友会会員のように、ヒグマ駆除で猟銃を取り上げられるなどのリスクも考えると、必ずしも見通しがいいとは言えないようだ。北海道猟友会が駆除要請に原則応じない方向と報じられたことについて、道のヒグマ対策室は14日、「記事で初めて知って、何が正しいのか、情報収集をしているところです。お伝えできることは、何もありません」と戸惑いがちに取材に答えた。「もし猟友会が駆除しないとなると、それは困ります。代わりのハンターについては、話せる状況ではありません。警察や自衛隊、自治体職員には、狩猟免許を持っている方もおられますが、業務で取っているわけではないです。警察官だからといって、業務に携わることはありません」。ヒグマを駆除できるハンターについては、道のヒグマ管理計画の中で、その体制を現在検討中だと説明した。「警察など特定の団体で駆除するわけではありません。猟友会と協力しながら、捕獲従事者の育成・確保をする案を検討しています」。その素案を見ると、狩猟免許の取得に向けた出前教室を開催すること、市町村による経費補助を促進することなどが盛り込まれていた。
(80代女性がクマに襲われ救急搬送:新潟)
13日、十日町市で80代の女性がクマに襲われ、病院に救急搬送されました。搬送当時、会話はできる状態だったということです。警察によりますと、13日午後5時ごろ十日町市千溝で通行人が、顔面から出血し畑で倒れている高齢女性を発見し、119番通報しました。襲われたのは、近くに住む80代の女性で、左側の頭部に20cmほどの傷があり魚沼市内の病院に救急搬送されました。搬送時、意識はあり、会話もできる状態だったということです。通行人に対し、女性は「クマに引っかかれた」と話したということです。近くには住宅が建ち並んでいて、市はクマを見かけたら背中をみせず少しずつ後退して距離をとるよう呼びかけています。
(また野鳥の死骸、鳥インフルエンザ疑い:滋賀)
滋賀県は12日、草津市内で高病原性鳥インフルエンザの疑いがある野鳥の死骸が見つかったと発表した。これまでに養鶏場などから異常の報告はないが、県は家禽(かきん)の飼育農場に消毒の徹底などを改めて求めた。県によると、5日に通行人がヒドリガモの死骸を見つけ、県職員が回収した。簡易検査では鳥インフルエンザ陰性だったが、国立環境研究所による遺伝子検査で陽性と判明した。今後、同研究所で高病原性かどうかを確認する。県内では今年10月に長浜市内で見つかったハヤブサの死骸から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。
(野生イノシシが豚熱:岡山)
岡山県は12日、総社市内で捕獲された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は27例目。県によると3日に地元猟友会が捕獲し、県の検査で11日に陽性が確定した。捕獲地点から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者が捕獲したイノシシの流通自粛を求めた。
(エゾシカ事故17%増:北海道)
北海道警察釧路方面本部が、エゾシカが絡む交通事故へ注意を促している。釧本管内(釧路、根室、十勝管内)で認知した今年の事故件数(人身と物損)は10月末までに1184件と、前年同期比17%増となった。例年10~12月に事故が多発する傾向にあり、釧本交通課はスピードダウンや前方注視の徹底を呼び掛ける。
(昨年122人→今年26人、クマの人身被害東北各地で減る)
東北各地で昨年相次いだツキノワグマによる人身被害が減っている。4~10月の東北森林管理局管内(福島を除く東北5県)の発生は25件26人で、110件122人だった昨年から激減。冬眠前の餌とされるブナの結実状況の改善が、要因の一つとみられる。ただ、昨年、全国最多の70人が襲われた秋田県の担当課は「異常事態の年とは安易に比較できない」と強調し、油断せず被害防止策を取るよう促す。秋田県では横手市で農作業中の80代男性が襲われた8月13日を最後に人身被害が起きていない。4月以降の発生は9件10人。11月中旬時点で61件69人だった前年から大幅に減った。10月までの目撃情報も997件と昨年(3000件)の3分の1にとどまり、県は今月、県全域への出没警報を注意報に切り替えた。県自然保護課によると、出没ペースは春先に比べて落ち着きつつあるが、目撃件数は例年以上だという。担当者は「まだ人里で遭遇する恐れがある。冬眠期まではクマを近づけないための対策を呼びかける」と気を引き締める。4~10月の岩手県の人身被害は9件9人で、過去最悪を更新した昨年同期(39件42人)の4分の1ほど。県の呼びかけも、これまでは注意報にとどまっている。青森県は10件11人から4件4人に、山形県も5件5人が3件3人にそれぞれ減少。2件2人だった宮城県は本年度の被害は確認されておらず、目撃も704件と前年より200件ほど少ない。東北森林管理局が公表する福島以外の東北5県のブナの結実状況は昨年度、全県が「大凶作」だった。本年度は、青森、宮城が「豊作」、岩手、秋田、山形が「並作」。5県ともに「並作」以上となるのは11年ぶりだ。毎年秋田県内を調査しているNPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦代表は、「山が豊作のためクマの移動が少ないのだろう。人里に出た若い個体が昨年、大量に駆除された影響も大きい」と説明する。一方、昨年は出産数が特に多かったとして、東北で山の餌が凶作に転じるとみられる来年は2歳になるクマの出没増加を危惧する。米田さんは「静かな今のうちに、雑木の刈り払いや収穫しない柿の木の伐採といった備えをしておくことが大切だ」と訴える。
(クマ被害防止へあの手この手)
クマに襲われる被害が昨年全国で多発したことを受け、自治体で目撃情報の集約や、人工知能(AI)を活用した市街地への侵入防止の取り組みが進んでいる。今秋のクマの目撃数は昨年よりも少ないが、担当者は「増えた場合でも被害を防止できるよう取り組みたい」と話す。2023年度の人身被害が70人と、全国で最も多かった秋田県。県は7月から、出没や被害があった場所をオンライン上の地図に一元的に表示する新システム「クマダス」の運用を始めた。市町村が入力し、イノシシやシカに関する情報も提供する。目撃者が直接投稿することも可能で、信ぴょう性を職員がチェックして反映する。閲覧件数は10月末時点で約29万8000件、出没情報をメールで通知する機能を利用する人も約2900人に上った。県自然保護課の担当者は「場所や期間を指定して情報を見ることができるのが特長。閲覧数が多いのは昨年の被害の大きさから、クマへの関心が高まっていることが背景にあるのではないか」と話す。県は今後、過去のデータも順次反映させ、出没傾向の分析に役立てる考えだ。昨年度の被害者数が49人と秋田に次いで多かった岩手県。市街地でのツキノワグマ出没が問題となっている花巻市は、移動経路となる川沿いなどにAIを活用したカメラの設置を進めている。カメラの近くを通った動物の熱に反応して自動撮影し、AIが「クマ」と判別すると担当職員のメールに画像が送られる。画像を基に市職員や地元猟友会の会員が現場に行き、爆竹による追い払いや捕獲を実施している。10月末までに、市内19カ所計34台のカメラを設置した。市農村林務課の佐藤要課長補佐は「市街地から離れた場所でのクマ出没も確認できるようになった。早期に追い払うことで市街地への侵入を防げている」と一定の効果が出ていると話す。昨年に比べ今年のクマの出没数は少ないが、「今後カメラから得た情報を分析し、出没が多くなった時により効果が出せるようにしたい。人身被害を防止していきたい」と意気込んだ。
(ドローン×AIでクマ被害を防ぐ!:秋田)
県内では去年、クマによる被害が相次ぎ、様々な対策が求められています。そんな中、ドローンと、AI・人工知能を組み合わせて、クマの居場所を特定することを目指すシステムの実証実験が、五城目町で行われました。実証実験は、ドローンの操縦方法を学ぶ施設を全国に展開する企業が行いました。クマがいる可能性がある山林などを上空から撮影し、その中に動物が映り込んだ場合、AI・人工知能の技術で、クマかどうかを正確に判別するシステムの実現を目指しています。昨シーズン、被害が相次いだことや、AIが学習するためには本物のクマが欠かせないため、クマを飼育する施設に協力を得られる可能性もあることから、県内で実証実験が行われることになりました。実験を行う企業は、今後1年程度かけて、クマかどうかを正確に判別する技術を高め、再来年の春には実用化したい考えです。
(愛子さまが「鴨場接待」デビューへ)
天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは今月19日、外国の大使などを招いた「鴨場接待」に初めて参加されることになりました。宮内庁によりますと、愛子さまは19日、埼玉県にある宮内庁の鴨場で秋篠宮家の次女・佳子さまと共に、イギリスやブラジルなど、32カ国の駐日大使を招いた鴨場接待に初めて参加されるということです。「鴨場接待」は、駐日大使らを招き、日本伝統のカモ猟を体験しながら親交を深めるこの時期恒例の行事です。コロナ禍などの影響で、鴨場接待が行われるのは5年ぶりで、両陛下も皇太子ご夫妻時代にはお二人で鴨場接待に参加されています。愛子さまは豊かな自然の中で国際親善の役割を果たされます。
(クマの主食 "ドングリ"が大豊作 :北海道)
冬眠前のこの時期、活動が活発になるクマ。しかし今年は少し様子が違うようです。山で起きている「ある異変」をしらべてきました。11月9日に岩見沢市内で捕獲された冬眠前のクマ。体長はおよそ1.5メートル。撮影者が付近を歩くたびにクマは敏感に反応し、警戒している様子をみせていました。8月、道東の標茶町で撮影された映像です。歩道を歩く男性を追い掛けようとするクマの姿をカメラが捉えました。男性を追い掛けようとしたクマは車に気を取られたのか、道路わきに姿を消しました。男性はこの車に乗せてもらい難を逃れました。こちらは夜の住宅街を歩くクマです。7月、道北の枝幸町で体長2メートルのクマが現れました。このクマは付近の水産加工場のごみを荒らしたとみられています。出没は札幌市西区山の手の住宅街でも。防犯カメラには玄関のすぐ近くを3頭が歩く様子が捉えられていました。2024年も道内で相次いだクマの目撃。一方、ここ数年でなかった「ある異変」が起きています。無数に落ちているのは「ドングリ」です。実は2023年、ヒグマの主食になるドングリの実りが回復傾向にありました。道の調査によりますと、不作や凶作が続いていたドングリの実りは2024年、10年ぶりに"並作"となったのです。ドングリが不作だった2023年は、クマの目撃も4055件と過去最多になりましたが2024年は2023年に比べて激減しています。「10何年間歩いていてこんなにドングリやクルミの実もなったことない。今年は異常にある」。クマにとって秋は冬眠前に栄養を蓄えるための準備期間。2023年は山にエサが少なく、行動範囲が人里まで広がる傾向もありましたが、2024年は山に比較的エサがあるため、目撃件数が減っている可能性があるといいます。「5月~7月はいつも通り出没していたが、秋になるとピタッと出没が止まった。エサが豊富で広い範囲で、エサ探しに動き回る必要がなかったんだと思う」(道ヒグマ対策室 武田忠義 主幹)。ただ、油断は禁物です。秋は例年、クマによる人身被害が相次いでいます。北海道南部の福島町の大千軒岳では2023年、消防隊員3人と男子大学生が襲われ、うち大学生1人が死亡しました。ハンターが持っているのは模型の猟銃です。札幌の市街地などに体長約1.5メートルのクマが出没したという想定で11月11日、訓練が行われました。訓練は1週間にわたりクマが市街地などに出没を繰り返しているという想定です。札幌市が危険と判断しハンターが駆除しました。2024年は2023年に比べて目撃件数は少ないですが、いつどこで姿を現すのかわからなくなっているのが"現代のクマ"でもあります。どのように注意すれば良いのでしょうか。「つい数日前、雪が降ったが、クマはエサがある限りなるべく食べようと頑張る。クマによっては1月でも動いているクマもいる。寒くなったからといって安心しない。ハイキングとかで山に入るときはまだまだクマが活動しているので、音を鳴らして存在を知らせる。万一、出会ったとき用のクマスプレーを用意する。そのような対応をしてほしい」(道ヒグマ対策室 武田忠義 主幹)。冬眠前のクマはまだ活発に動いています。山に入るときは音を出して存在を知らせるなど安全対策の徹底が求められます。
(「クマ対策」、放置された柿の実を収穫:秋田)
クマが餌となる柿の実を求めて人里に出没するのを防ぐため、収穫されないまま放置されている柿の実を収穫する作業が三種町で行われました。柿の実の収穫作業を行ったのは、能代市に住む柿木崇誌さん(37)です。11日は、三種町の92歳の男性から自宅にある柿の収穫を依頼され、およそ7メートルの高さの柿の木から高枝切りばさみなどを使って、ひとつひとつ収穫していきました。柿木さんは、おととしから、高齢などの理由で、柿を収穫できなくなった人などからの依頼を受けて、作業を行っているということですが、最近は、クマによる被害を心配する人からの相談が増えているということです。作業は、爆竹を鳴らすなど、クマへの備えを徹底して行われていました。秋田県によりますと、秋以降は、クマの目撃情報が減っているものの、去年秋に、人里で柿などの味を覚えたクマが再び集落に出没するおそれもあるとして、県は、実を取り除くなど対策を続けるよう呼びかけています。柿木さんは、収穫した柿をドライフルーツなどに加工する作業も行っていて、「クマを心配して、依頼は、かなり増えています。柿を有効に活用できて、うれしいという声も寄せられています」と話していました。
(里山の保全へ、住民らが学生らと対策に乗り出す:千葉)
館山市笠名地区で地域の豊かな里山の環境を保全しようと、地域住民らが対策に乗り出した。今年8月に都内の専門学生らが行った集落周辺の環境調査の報告を受けて実施するもので、6日には学生、地域住民らが共同で、イノシシが掘り返した道の補修や側溝の泥さらいなどを行った。自然環境の調査や保全などについて学ぶ専門学校「東京環境工科専門学校」(東京・墨田区)の学生5人が、8月下旬に同地区で野生動物の生息環境を調べ、集落周辺の防御対策を考える「集落診断」を実施した。調査の結果、同地区の山間部では耕作放棄地が増加しており、それに伴ってイノシシ被害が増加。住宅地へのイノシシの侵入は確認されなかったが、市街地を流れる蟹田川沿いは雑草が多く茂り、見通しが悪いことから山間部にある農地を入り口にイノシシの移動経路になることなどを指摘している。そこで同地区では、学生らのアドバイスを参考にして、里山周辺の対策を講じることにした。地域住民の他に、集落診断に当たった学生5人も作業に参加し、生い茂った草木の刈り払いや、イノシシによって被害を受けた道路の補修、側溝の泥さらい、防護柵の修繕などを行った。笠名区農家組合の渡辺薫組合長(73)は「作業を手伝ってくれた学生らには感謝。笠名の豊かな里山を守っていけるようにしていきたい」と話していた。
(公開シンポジウム「増大する野生動物と人間の軋轢:これからの鳥獣管理と人間社会を考える」:東京)
生物多様性は様々な形で我々人間に恵みを与えてくれますが、近年、自然と人間の関係のバランスが崩れつつあります。その顕著な例がクマ、イノシシ、シカなどの野生動物の出没の増加による被害の増大です。人口減少社会において人間の活動域が縮小する中で、生物多様性との関わり方や生態系管理の空間デザインも再編を余儀なくされています。本シンポジウムでは、増大する野生動物と人間の軋轢に関して、獣害や人獣共通感染症に関する国内・国内の事例を紹介し、背景にある人間社会の変動を考察し、これからの鳥獣管理や土地利用のあり方を考えます。
(クマは「相手を窒息死させるため」に顔面を攻撃し、鼻に噛みついてくる)
今年5月、秋田県鹿角市(かづのし)の山中で痛ましい事故が起きた。タケノコを採るために山林に入った60代男性が行方不明になり、4日後に遺体で発見されたが、現場から搬送する際、警官2名がクマに襲われ重傷を負ってしまったのだ。亡くなった60代男性の友人であり、凄惨な現場の目撃者となった男性は、取材に対してこう証言した。「血まみれの警官は、右の耳のあたりから顎までざっくりとクマの爪で割かれ、大きな傷口がありました。クマの初手は左手が多いのです。ですから、顔の右側をまともに爪でやられたのでしょう。目玉は飛び出してはいませんでしたが、鼻の半分は取れて位置が変わって捲れ上がってしまっていました」。この男性は、山菜やタケノコ、薬草の原材料などの採取を職業にしており、自然と向き合ってきた。男性にとってクマは身近な存在であり、これまで3度クマに襲われた経験を持つが、「クマは顔面を狙って攻撃してくるが、初手は左が多い」という。言われてみると、これまで取材をした被害者を見る限り、主に顔面の右側を負傷しているケースが多かった。岩手でクマに襲われて重傷を負った80代男性もその一人だ。「畑で作業をしていたところ、クマの姿が目に入りました。『どうするのかな』と思いましたが、クマは自分がいる方とは逆に2、3歩進みました。ところが、突如Uターンして襲いかかってきたのです。『こんちくしょう』という思いでカマを構えましたが、即座に払われてしまい、それこそ一瞬で倒されてしまいました。それから数秒の記憶はありません。気づくと、目はかすんでいて、顔に手をやると血がベッタリ。その時点で自分の顔がどうなっているかわかりませんでしたが、タオルをあてたとき、顔がべコッとへっこんでいるのがわかりました。顔の右側に爪による傷が残っているのでおそらくひっかかれたんだと思います。顔の一部を失ったという感覚はありました。細かく言うと、鼻が右半分なくなっていました。失ったのは鼻の一部だけではありませんでした。左耳の上半分も失っていました。おそらくクマに噛まれたんだと思います。クマは(左)手を出すと同時に、噛んできたのではないか」(被害に遭った80代男性)。人間と対峙した際、クマは意図的に顔面を狙い、左手で攻撃するのか。3000頭以上のクマに遭遇し、9回襲われた経験があるNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏に聞くと、こう話した。「こっちは逃げるので必死であり、(初手が)右か左かどうかは覚えていません」米田氏によれば、「大学病院に搬送された重症者の外傷を調べた研究結果がある」という。秋田大学医学部付属病院の高度救命救急センターが発表した「クマによる外傷患者の後ろ向き疫学研究」がそれだ。昨年度、クマによる人身被害が最も多かったのが秋田県だ。死者こそ出なかったものの70人が負傷し、そのうち重傷者20名が三次救急医療施設である秋田大学医学部付属病院高度救命救急センターに搬送された。同センターでクマ外傷の治療にあたる土田英臣医師が説明する。「クマに関連した外傷は日本では重大な関心事です。そこで、2023年に高度救命救急センターに搬送された、クマによる外傷患者20名の外傷パターンや治療結果などを調査研究しました。患者さんの平均年齢は74.5歳であり、男女比では65%が男性でした。負傷は5月から11月にかけて発生しており、屋外で農作業をしているときに襲われたケースのほか、散歩中や新聞配達、ゴルフ場で仕事中に襲われたというケースもありました。体の部位別でみると、最も多いのが顔面であり、全体の90%を占めていました。具体的には鼻や目です。次いで、上半身の腕や肩などの上肢が70%、さらに頭部が60%、下半身のひざやももなどの下肢が40%でした」。20名のうち3名の患者が眼球破裂を負い、9名の患者が顔面骨折と診断された。クマはなぜ顔を狙うのか。前出の米田一彦氏は言う。「クマが顔を攻撃するのは事実。クマは相手と争うとき、相手を抱き込み、鼻にかみついて窒息死させようとするのが基本です。これは相手が人間であろうと、同じクマであろうと同じです。クマに限らず、ライオンをはじめ肉食獣は相手の鼻を狙ってかむのが基本形なんです」。
(クマは右手でハチミツをなめ、左手で敵と戦う)
「クマは顔面を狙って攻撃してくるが、初手は左が多い」。クマによる人身被害を取材中、3度クマに襲われた経験を持つ男性から気になる証言を得た。昨年度、クマによる人身被害が最も多かった秋田県。重傷者を受け入れる三次救急医療施設である秋田大学医学部付属病院高度救命救急センターは、2023年に搬送された外傷患者について調査した。同センターでクマ外傷の治療にあたる土田英臣医師が説明する。「クマによる外傷患者20名のうち、90%の方が顔面を負傷していましたが、明らかな左右差は認められませんでした。つまり、クマは左手も右手も使って攻撃したとみられます。クマには利き手があるのか。動物学者の先生に確認しましたが、利き手はないとのことでした。どうやら中国の言い伝えからそうした話が出たようです」。中国の宮廷料理ではクマの手を使ったメニューが最高級とされてきた。「クマは右手でハチミツをなめる。甘みが染みついた右手のほうが、価値が高い」という説の一方、「クマは主に左手で敵と戦う。筋肉の引き締まった左手こそ最高級品だ」との説もある。これが「クマは左利き」説につながったという。「動物学者の先生によれば、顔を狙っているかどうかは定かではありませんが、立居で攻撃するとき、ちょうどいい位置にあるのが顔だということです。まず爪で顔を攻撃し、そして噛みつく。このパターンが多いとのことでした」。「クマは左手で攻撃する」という説について明確な根拠は得られなかったが、クマが顔面を攻撃してくるのは間違いないようだ。土田医師はクマの攻撃力についてこう説明する。「20名のうち9名の患者が顔面骨折を負っていました。クマの爪でひっかかれた衝撃の大きさは、時速60キロメートル程度の車に衝突された交通事故、あるいは3メートルの高さからの転落事故に匹敵すると考えられます」。では、万が一、すさまじい破壊力を持つクマに遭遇してしまったとき、どう自分を守るべきか。3000頭以上のクマに遭遇し、9回襲われた経験があるNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏は、こうアドバイスする。「クマは相手と争うとき、相手を抱き込み、鼻にかみついて窒息死させようとするのが基本形です。これは相手が人間であろうと、同じクマであろうと同じです。クマが相手を窒息させようと抱きつく、あるいは頭をつかむ際、爪が首に入り、頸動脈をやられてしまう可能性があります。顔面や頸部の負傷は出血がひどく、致命傷になりかねません。もし運悪くクマに襲われてしまった場合、立った状態で攻撃を受けるのが最も危険です。ただちにうつぶせになり、頭を地面につけ、首の後ろで手を組んで首と顔を守ることが重要です。こうして防御姿勢を取ってもクマはお尻などに攻撃してくるかもしれませんが、この状況においては無傷で済むのは不可能です。命を守ることが大前提であり、致命傷を負わないことを優先すべきです」。土田医師も「うつぶせになって顔や頭を守る。これが妥当だと思います」と同じ意見だ。「クマによる被害が報じられる際、『命に別条はない』と伝えられることもありますが、顔の外傷の場合、形成外科や整形外科で皮膚移植など再度美容的な手術をするケースもあり、美容的な観点で、その後の生活に影響を及ぼすことも多い。様々な後遺症もあります。約16%の患者に失明などの重大な後遺症が残りました。この他、ものがうまく食べることができない、涙が止まらない、顔がうまく動かない、といった後遺症もみられました。感染症の問題もあります。クマの爪は鋭く、深いところまでえぐられてしまうことが多い。そのため傷口に細菌が残り、約20%の患者が創感染症になっていました。抗菌薬で治療しますが、長期の入院になるケースも多く、完治するまでに2ヵ月近く入院した方もいました。もちろん遭遇しないようにすることが一番ですが、もしクマと出会ってしまったら必ず顔と頭を守ってください」。ここ数年、北海道や東北ではクマによる被害が相次いでいるが、都市部でもクマの脅威は着実に迫っている。都環境局のまとめによると、都内における今年度のクマ関連の情報は11月11日時点で計271件。今年だけで16頭が捕獲されている(11月11日時点)。市街地への出没も相次ぎ、八王子市では昨年12月、市役所近くでもクマらしき動物が目撃され、八王子市と隣接する町田市でも昨年10月、青少年施設の敷地内でクマ1頭が目撃された。土田医師はこう訴える。「クマによる外傷は山の中で起きるものだと考えておりましたが、データを見る限り、被害の75%が人間の生息地で発生していました。普通に民家があり、人が散歩しているような、人間の生活圏で発生していたのです。クマの生息地が拡大していると指摘されていますが、それを実感しました。クマとの遭遇を警戒するのは難しいですが、クマが出るかもしれないという認識を持つことは大切です。また仮に襲われてしまったら、どんなに小さい傷でもすぐに病院で治療を受けてください」。一般的にクマは11月下旬から12月上旬に冬眠に入るとされているが、冬眠しないクマの存在も指摘されている。クマからの正しい防御手段を知ることは重要だ。
(奈良のシカ、秋は角に刺されるけが急増:奈良)
奈良公園(奈良市)で観光客が雄ジカの角に刺され、けがをする事故が急増している。9月の被害者数は35人で、5人だった昨年に比べ7倍になった。雄は発情期の秋に特に攻撃的になることが多く、10月には京都府で死亡事故も発生したことから、県などは警戒と啓発を強化している。県によると、けがの多くは鹿せんべいを与えた際にシカに触ることで起きており、9月には10人が病院に搬送された。うち1人は太ももを数センチ刺され出血する大けがをした。また、京都府福知山市の田んぼでは10月上旬、農作業中の男性(68)が胸から血を流して死亡しているのが発見された。府警は野生の雄ジカの角に刺されたとみている。公園内でのけがについて、県の担当者は「今年の多さは異例。雄ジカが例年より100頭ほど多いことが影響している」と話す。県などは安全のため、8月下旬から1日10~15頭のペースで角を切っているが、「追い付かず、結果的にけが人の増加につながった可能性がある」と指摘する。けが頻発を受け、シカの保護活動を行う「奈良の鹿愛護会」から協力を依頼された県と奈良市は、駅の電子看板やSNSで、シカにむやみに触らないことや、雄ジカに注意することを呼び掛けている。愛護会の山崎伸幸事務局長は「シカはペットではなく野生動物。適度な距離感を持って触れ合ってほしい」と訴える。シカの生態に詳しい北海道大学の立澤史郎特任助教(保全生態学)は「9~11月はシカの発情期で雄の攻撃性が強まる」と指摘。「奈良公園には繁殖のために周辺地域から雌を求めて雄が流入している可能性がある」との見方を示した。
(エゾシカ猟はいかが?ハンター誘致の体験ツアー:北海道)
北海道が、趣味などでエゾシカの狩猟を行う道外在住者の呼び込みに力を入れている。10月には猟を体験できるモニターツアーを初めて実施し、7月には東京で狩猟をPRするイベントも開催。猟銃の使用制限などで道外在住の狩猟登録者が減少傾向にある中、趣味で狩猟を行う人を呼び込み、捕獲の担い手の裾野を広げる狙いだ。
(「銃所持更新経費補助金」:島根)
島根県津和野町では所持許可更新における許可証交付に必要な経費に対し、助成します。上限金額・助成額4万円。補助率1/2。
(イノシシ被害、農家困惑:沖縄)
イノシシからの農業被害を受ける農家から悲鳴の声が上がっている。財務省は費用対効果を理由に農水省の「鳥獣被害防止総合対策交付金」の見直しを検討。自治体へは、交付金採択の締め付けとも受け取れる通達がなされている。石垣市の担当者は「事業の年度の途中で採択の条件を変えるといったことはイレギュラー。これまで経験したことがない」と困惑する。サトウキビを栽培する農家の男性は「これでは農家に農業をやるなと言っているのと変わらない」と国の対応に憤りをあらわにした。財務省は6月、予算執行調査の結果を公表。この中で創設から10年以上経過している侵入防止柵の整備などについて「多数の市町村において不適切な侵入防止柵の設置・維持管理により、十分な効果が発揮されていない」と指摘。実地調査では、獣類による侵入の形跡があるとしている。市では今年度、農家から60件近い申請を受け付け。申請順で13件分の採択を目指していたが、国が効果的な施設整備の条件として近隣の3農家が合わせて申請する「3戸要件」の原則を持ち出して来たことから、新たな事務処理や調査に時間を要している。例年であれば年内には交付が決定していたが、今年度分はいまだ見通しが立たない状態となっている。関係者からは「費用対効果のことばかりで農家のことは考えないのか」といった指摘も上がっている。島内でサトウキビやパインアップル、カボチャなどを生産する農家からは「柵を乗り越えるサルやシカが生息しない沖縄も本土と同じ条件を一律で当てはめるのはおかしい」、「イノシシの被害対策には確実に効果が出ている。山に近いほ場に柵を設置すれば、後背地の農家の被害も防ぐことができる」、「害獣被害があっては農業を続ける意欲がなくなる」などこれまで通りの採択を望む声が上がっている。
(ドローンでクマ捜索:北海道)
静内署と新冠町、北海道猟友会日高中部支部新冠分会が連携した初のクマ対処訓練が、町西泊津の住宅地周辺で行われた。昨年、クマの目撃が多発したことから実施し、最新のドローンを活用して上空からクマの行方を追う試みも行った。
(狩猟のこつ学ぶ講習会:広島)
狩猟の魅力体験講習会が30日と12月7日の午前10時~午後0時半、広島県三次市内の2会場である。猟の担い手づくりを目指す市有害鳥獣駆除対策協議会の主催。2回とも参加できる人を募っている。
(AIを利用した音声分析技術でシカの行動実態に迫る)
京都先端科学大学 工学部 沖 一雄 教授(兼:東京大学 生産技術研究所 特任教授)と、京都先端科学大学 工学部のサレム イブラヒム サレム 講師らによる研究グループは、シカの鳴き声を録音したデータに音響異常検出技術を導入し、機械学習させることで、高精度にシカの行動を観測する手法を開発しました。環境計測において、音響記録は時空間モニタリングにかかせない方法ですが、ホワイトノイズや無関係な音が含まれている膨大な録音データから、シカの鳴き声のような特定の音だけを抽出する実用的な方法はありませんでした。本研究は、シカの鳴き声が含まれる長時間の録音データから異常を検出し、細分化する技術を導入し、特定の音響データのみを抽出・分析する新しい手法を確立することで、従来の手法に比べて機械学習効率の大幅な向上を実現しました。この新しい手法は、生態学的研究における高度な機械学習技術の方法論とその応用の両方において大きく貢献しています。本研究の特徴は、シカの鳴き声の分析においてResNet50、MobileNetV2、EfficientNet-B2の3つの深層学習モデルを使用していることです。各モデルには、さまざまなハイパーパラメーター設定にわたって厳密なテストを実施していますが、本研究ではさらに、シカの鳴き声を判定するために、これらモデルを単独で使用せず、3つのモデルのうち少なくとも2つがシカが鳴いたと判断した時、音声クリップをシカの鳴き声として特定するという方法(コンセンサスベースのアンサンブルスコアリングシステム )をとることで、結果の信頼性と精度を高めています。また、この手法は、自然環境への人為的かく乱を最小限に抑えることにも重点を置いています。モニタリングエリアでは、広範囲の音響記録を長時間、人が頻繁に立ち入ることなく行うことができ、また、それによって得られた膨大な録音データに本研究で開発した機械学習モデルを適用することにより、自然環境への影響を最低限に保ちつつ、多様な生息地からのシカの鳴き声の分類と解釈を、効率的に実施することに成功しました。今回の研究では、尾瀬国立公園と三重県多気郡多気町にて、この手法を展開し、自然環境と都市環境でシカの鳴き方に顕著な違いがある事が明らかになりました。シカは、薄暗い時間帯に活動する生物ですが、頻繁に鳴く時間帯だけでなく、警戒や求愛のような異なる種類の鳴き声の持続時間と頻度も変化する事が分かりました。これは、シカが環境に適応したコミュニケーションをとるという複雑さを示しています。この生態学的情報は、さまざまな環境におけるシカの行動パターンを理解するために不可欠であり、保護管理と共生の取り組みに役立ちます。これらの発見は、野生動物管理と都市計画に直接応用することができ、シカと人間の共生、保護管理のための戦略を組み立てる枠組みとなります。さらには、生態学的研究において先進技術を使用する先例となり、生物多様性への理解と保全のための新たな道を切り拓くことが期待されます。
(クマ出没件数予測、例年の最大2.7倍に:島根)
12月までの3か月間の島根県内でのクマの出没件数について、県中山間地域研究センターが予測したところ、エサの凶作などのため最大で例年のおよそ2.7倍と見込まれることが分かりました。クマは冬眠の前に食欲が増しますが、ことしはエサのブナやミズナラなどが凶作で、これからの時期にクマがエサを求めて人里に出没するおそれが高まるとみられています。県中山間地域研究センターが12月までの3か月間の、島根県内でのクマの出没件数を予測したところ、例年のおよそ1.5倍から最大で2.7倍と見込まれることが分かりました。今年度、県内でのクマの目撃件数は10月末までに1348件で、統計を取り始めて以降過去最多だった2020年度の1362件に迫っています。浜田市三隅町岡見では10月、犬を散歩させていた52歳の男性がクマに襲われてけがをしています。県はクマを寄せつけないようにするため、柿などの果物を早く収穫するほか、生ごみのようににおいがするものは野外に放置せず、ごみは収集の直前に出すよう呼びかけています。またクマが活発に行動する日の出と日没の前後の薄暗い時間帯には、特に注意するよう呼びかけています。
(「目の前にシカが立っていた」衝突、自走不能に:北海道)
北海道新ひだか町で軽ワゴン車とシカが衝突する事故がありました。きょう(2024年11月12日)午前0時10分ごろ、50代の男性が、新ひだか町静内農屋の町道を軽ワゴン車で走行中、道路上にいたシカ1頭と衝突しました。男性は鼻の骨を折るけがをして病院に搬送されましたが、命に別状はありません。軽ワゴン車はフロントガラスにひびが入り、自走できない状態です。警察によりますと、シカは衝突したあと現場を立ち去ったということです。男性は警察に「目の前にシカが立っていた」と話していて、シカにはツノがなかったということです。警察が当時の状況を詳しく調べています。
(マガンの飛来がピーク:宮城)
宮城県登米市と栗原市にまたがる伊豆沼でマガンの飛来がピークを迎えている。日の出前後には餌を求めて次々と飛び立つ。例年約10万羽のガン類が飛来し、2月上旬には北へ向けて飛び立つという。
(住宅街にイノシシ出没、警察や猟友会など約20人が駆け付け捕獲:大分)
大分県大分市の住宅街で13日、イノシシが出没しました。捕獲後に殺処分され、今回はけが人はいませんでしたが、市内では10月にもイノシシが出没し、当時は2人がけがをしました。逃げ回るイノシシ。こちらの映像は13日午後2時前に大分市古国府で視聴者が撮影したものです。警察などによりますと、13日午前11時40分ごろに住民から通報があり、現場には警察官のほか猟友会や市の職員あわせておよそ20人が駆け付けました。そして、午後2時ごろに捕獲。イノシシは殺処分されました。体長およそ1メートル、体重は50キロから60キロほどだったということです。今回イノシシが出没した現場は豊府小学校から1キロほど離れた住宅街でしたが、けが人はいませんでした。大分市では10月にも田中町と田尻にイノシシが出没し、この時は2人が襲われてけがをしました。
(列車がシカと衝突:宮崎)
JR九州によると、12日午前6時6分ごろ、日豊線田野~青井岳で下り普通列車(宮崎午前5時34分発西都城行き)がシカと衝突した。この影響で同8時半現在、同線や日南線で遅れが出ている。同9時10分現在、通常ダイヤに復旧している。
(芸備線が運転を一時見合わせ、シカと接触:広島)
11日午後8時10分ごろ、広島県三次市十日市町のJR芸備線西三次―志和地間で、広島発三次行きの上り列車がシカと接触した。JR西日本中国統括本部によると、三次―志和地間の上下線で午後9時半まで運転を見合わせた。
(高齢化する猟友会が”新たなわな”を開発:鹿児島)
10月、鹿児島市で高齢女性がイノシシに襲われてけがをするなど、今、全国で人間の生活圏でのイノシシ被害や目撃情報が相次いでいます。この事態を専門家はどう見ているのか?そして鹿屋市では、“高齢化”に直面する猟友会がイノシシの学習能力を利用した、新たな“わな”を開発しました。イノシシをめぐる県内の状況を取材しました。10月14日、鹿児島市で散歩中の高齢女性がイノシシに襲われ、けがをしました。また福岡県の中学校では…何と校内にイノシシが侵入。今、全国的にイノシシの目撃情報や被害が相次いでいます。そもそも県内ではどれほどのイノシシが生息しているのか?県によると近年、イノシシの推定個体数は減少傾向にあるものの、農作物への被害は深刻です。野生の鳥獣による農作物の被害額を見てみると、イノシシが最も多く、全体の6割を占め、被害額は1億7000万円以上。国は、イノシシによる農業被害額の半減を目指しています。なぜ人とイノシシの“距離”が縮まってしまったのか?動物行動学が専門の鹿児島大学の高山耕二准教授です。鹿児島大学・高山耕二准教授「決して山にエサがないというわけではなく、少しずつ農業を営む方が減っている中、農地が荒れてしまったりすることで、徐々に彼ら(イノシシ)が人里に下りてきている。エサを探してみると、おいしいものが見つかって、一度味を覚えてしまったことで、繰り返し出てくるようになってきている」。高山准教授「イノシシが人を積極的に襲うことはないと考えたらいい。彼らも怖い。大きな声を出したり、スマホで写真を撮るなど、逆に刺激しないように、むしろ静かにゆっくり後ずさりするような感じで、近くに電柱があればその裏に隠れる、ちょっと高いところがあればそこに登る」。それでは、イノシシを捕獲する現場は今どうなっているのか、鹿屋市を訪れました。大隅地方では、県内でも特に多くのイノシシが生息しています。鹿屋市を中心にイノシシ駆除を行っている鹿屋南部猟友会会長の岩松和近さん(72)、会員の宮地克郎さん(81)、会員の岩松文男さん(76)です。メンバー約30人の平均年齢は65歳以上で「高齢化」が進み、猟をする際の負担が大きくなってきています。そこで鹿屋南部猟友会はこの夏、イノシシの学習能力を利用した新たな“わな”を完成させました。周りには、土を掘った跡やイノシシの通り道が至る所にありました。もともと耕作放棄地だった場所で、2024年4月から整備を始め、7月に「囲いわな」を完成させました。10頭以上のイノシシが映っています。2025年4月からの本格稼働を前に、この場所に「美味しいもの」があることをイノシシに学習させるため、入り口に大量のサツマイモを設置。それを夢中で食べていました。県内でピーク時に17000人以上いた狩猟をする人が、高齢化や猟銃所持規制の厳格化に伴い、今では5分の1ほどになっています。鹿児島の今後の対策の見通しを高山准教授はこう話します。高山准教授「電気柵、金網柵、ネット柵など、いろいろ資材は販売されています。それだけだと不十分なところがあるので捕獲。荒れた農地を出来るだけ減らしていく。3つの取り組みがうまくリンク、つながる形で対処していく必要がある」。
(準空気銃やクロスボウなど無許可所持で男(66)を書類送検:兵庫)
「威力が強いのが好き」という動機で、人にけがをさせる威力のある準空気銃などを違法に所持した疑いで66歳の男が書類送検されました。書類送検された兵庫・赤穂市に住む無職の66歳の男は、許可なく、人にけがをさせる威力のある準空気銃7丁や模造拳銃3丁、クロスボウ2本を自宅で所持していた疑いが持たれています。警視庁によりますと、男がインターネットオークションで準空気銃を落札したのをサイバーパトロール中の警察官が発見し、公安委員会に確認したところ、男は無許可で所持していたことが判明したということです。男の自宅からは、エアガンやモデルガンなど70丁余りが見つかっていて、調べに対し、「20年前から収集するようになった。威力が強いのが好きで試し打ちをしていた」などと供述し、容疑を認めているということです。
(自宅で拳銃・火薬所持疑いで逮捕の自営業者、不起訴:福島)
自宅で拳銃1丁と火薬を所持していたとして逮捕された福岡市の自営業者について、検察は、不起訴としました。福岡市の自営業の46歳の男性は、ことし7月、自宅のマンションの部屋で拳銃1丁と発射に使われる火薬およそ4グラムを所持していたとして、銃刀法違反などの疑いで10月逮捕されました。この男性について、福岡地方検察庁は11月8日付けで不起訴としました。理由について、検察は「諸般の事情を総合的に考慮した」としています。
(「エゾシカ活用を」研修会で理解深める:北海道)
2024年度伊達市議会議員研修会が8日、市役所であった。頭数が増加し、食害や交通事故が問題化するエゾシカを活用したまちおこしの成功例などに、議員が理解を深めた。講師はエゾシカ協会(札幌市)副会長で土木や石材、鹿肉事業を手がける北泉開発(釧路市)代表取締役の曽我部元親氏。「やっかいものを地域資源へ」と題し講演した。曽我部氏は「エゾシカバーガー」考案など、活動を展開したことでも知られる。講演では2004年に地域ぐるみで「阿寒エゾシカ研究会」を立ち上げ、翌05年には日本初の一時養鹿(ようろく)場を造り迅速な解体処理、安定した肉質の供給体制を整えた経緯を紹介した。曽我部氏は原料調達、処理加工、販売促進といった課題を一つ一つ時間をかけ解決。シカ肉が普及できた理由に「地域課題であったため、地域が一体となった取り組みができた。産学官連携がうまく機能した。時代の変化(価値観の変化)に適応した」と述べた。事業計画(販売戦略)の時間軸を長く持っていたことも理由に挙げた。
(ふるさと納税の新たな返礼品として地域産ジビエ肉:徳島)
徳島市のふるさと納税では、新たな返礼品として徳島県独自のジビエブランド「阿波地美栄」の認証を受けた高品質な鹿肉製品【AWA WILD MEAT】の提供を開始しました。【AWA WILD MEAT】は、食肉処理の厳格な衛生基準をクリアし、経験豊富な料理長目線で丁寧に仕上げられたプレミアムなジビエです。ノヴィルフロンティア株式会社が提供する【AWA WILD MEAT】の食肉は、契約猟師が自然豊かな環境で捕獲した鹿を、衛生管理の徹底された施設で処理し、食卓に安全かつ美味しく届けられます。食肉処理工程は、日本の和食文化に根付いた「活締め」の技術を用い、止め刺しや血抜き、熟成といった細かな作業が一貫して行われています。こうした職人技と繊細な技術が、ジビエならではの旨味を最大限に引き出しています。特に鹿ロースは1頭からわずか1kg程度しか取れない希少な部位で、繊細な味わいと柔らかい肉質が特徴です。また、料理しやすいようスジ取りが丁寧に施されているため、ステーキや焼肉など、家庭でも気軽にジビエ料理を楽しむことができます。
(ジビエを特産化したい、クラウドファンディング:福井)
福井県大野市で飲食店を営む田嶋大樹さんが、大野産ジビエを地域の特産品にする事業に乗り出した。農作物に被害をもたらし「害獣」とされるシカやイノシシを有効活用し、付加価値のあるジビエ商品を展開したい考え。田嶋さんは11月20日まで、福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で事業費120万円の寄付を募集している。
(“愛媛のジビエ肉のおいしさ知って”都内で試食イベント:愛媛)
愛媛県産のジビエ肉のおいしさを広くPRしようと、県ゆかりの著名人などを招いた試食イベントが9日、都内で行われました。肩肉のパテを盛ったカナッペに、もも肉の自家製ハム。全て愛媛県で捕獲されたイノシシとシカ、ジビエ肉を使った料理です。東京・丸の内で行われた「えひめのジビエ賞味会」には、フリーアナウンサーや料理人など愛媛にゆかりのある約50人が参加しました。農作物などの被害を防ぐため愛媛県内で駆除される野生動物のうちジビエ肉として活用されるのはわずか5%のみ。首都圏などでそのおいしさを広め、消費拡大を目指そうと県が初めて企画しました。今治市大三島の『しまなみイノシシ活用隊』などが手がけるジビエ肉を低温調理したり、カレー味に煮込んだりした料理などが振舞われ、参加者は普段食べる機会の少ないイノシシやシカの肉を堪能していました。参加者は「ジビエは何度も食べたことがありますが、こんなに上品な味なのは初めて食べます」とし、「ぜひまた食べて、愛媛を応援したいです」と話していました。県は「今回提供したように肉の下処理がきちんとしていれば本当においしいので、地域の資源として出口戦略を進めていきたい」と話しています。
(駆除された鹿肉、おいしいカレーに:長野)
大町市美麻総合福祉センターで13日、有害鳥獣対策で駆除された鹿の肉を使った料理教室が開かれた。大北地区猟友会美麻支部の会員らでつくる「美麻ジビエ振興会」が、ジビエ(野生鳥獣肉)を家庭に普及させ、地産地消を進めようと、県の元気づくり支援金を活用して開催。住民15人が参加し、キーマカレーを作って試食した。
(高校生徒が「ジビエ食堂」:静岡)
下田高校生活科学部の生徒たちが11月4日、「ジビエ食堂」を風まち下田(下田市武ガ浜)で開き、多くの来場者が地元産のイノシシやシカを使った料理を楽しんだ。この取り組みは、静岡県内の中高生が地域の社会問題を解決しながら魅力を探るプログラム「アオハルし放題」(静岡銀行主催)の一環として行われたもので、9日に静岡市内で行われた公開コンテストで最優秀賞を受賞した。きっかけは、高校近くの下大沢地区で害獣が増え、特に夜間に通学する定時制の生徒たちが危険にさらされていたことにある。同校の生活科学部は、この問題を地域特有の課題として解決しようと立ち上がり、最終的にはビジネスコンテスト出展を目指した。「獣は山へ人は里へ」をコンセプトに掲げ、獣と人との共存を目指すとともに、耕作放棄地の管理など人間側の対策を探った。さらに、罠にかかった獣を食材として活用して個体数を減らそうと、イノシシ肉のライスバーガーセットとシカ肉のシチューを考案。ライスバーガーには同校南伊豆分校で栽培した野菜を使い、シチューには河津町特産のバラジャムを添えた。売り上げの一部は獣害対策費として積み立てる。ジビエ料理は農林水産省の「鳥獣被害防止総合対策交付金」事業の一環で開かれるジビエ料理コンテストにも出展予定。同部顧問の高橋朋子教諭は春から生徒たちを支え、イベント当日も共に調理を担当した。「1年生が課題探求を、2年生がジビエ料理を担当する。捕獲した命に感謝していただき、獣害問題を広く伝えられたら」と話す。会場の風まち下田ではデジタルノマド招致イベントも同時開催しており、ジビエ料理を求めて訪れた市民やノマドたちの交流の場にもなった。普段から狩猟に携わる地元の猟師も来場し、高校生のジビエ料理を味わった。飲食業と猟師を兼業する大村賢一郎さんは「ジビエは特別感や高級感があるが、もっと身近に感じてほしい。海と同じくらい里山の資源も大切。イノシシ肉は豚肉に劣らないおいしさ」と訴えた。イベントの後半では高校生がプレゼンテーションを行った。大村さんと、共に狩猟に取り組む志田昇さんが「捕獲や解体に興味はあるか」と質問すると、生徒たちは「興味がある。引き続き総合的に取り組みたい」と答えた。大村さんは「狩猟免許や加工場の許可取得は大変。協力したい」と声をかけた。下田市産業振興課の獣害対策担当・鈴木琢磨さんもプレゼンを見守り、「耕作放棄地が害獣のすみかにならないよう対策が必要だと感じた」と述べた。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午前4時30分ごろ、仙台市青葉区青葉山にクマが出没しました。
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(高校生の乗る自転車にイノシシが衝突:福岡)
8日午後、福岡県糸島市にイノシシが出没しました。イノシシは自転車に乗っていた男子高校生と衝突し、男子高校生は左肘に軽傷を負いました。8日午後7時前、福岡県糸島市志摩師吉で近くに住む女性から「中学生くらいの男にイノシシがぶつかった。出血があるようだ」などと警察に通報がありました。警察によりますと、イノシシと衝突したのは男子高校生で、自転車に乗っていたところ、前輪にイノシシがぶつかってきたということです。男子高校生は転倒し左肘に軽傷を負っています。県内では、先月31日には久留米市で、今月1日と3日には福岡市東区でイノシシが出没していて、警察はイノシシが現れても近づかないよう注意を呼びかけています。
(道路脇から突然イノシシ、高齢女性がぶつかり骨折:大分)
大分県警杵築日出署は10日、日出町内の幼稚園付近で同日午前7時5分ごろ、高齢女性が散歩中、道路脇から出てきたイノシシがぶつかり、骨折するけがをしたとして、防犯メールで警戒を呼びかけた。同署は「イノシシは刺激をするととても危険な動物。発見時は絶対に近づいたりせず、避難するとともに、すぐに警察に連絡して。小さいお子さんの屋外での一人遊びは避けましょう」と注意喚起している。
(男性警察官を銃刀法違反の疑いで書類送検:広島)
違法な銃を複数所持していたとして、広島県警は8日、所属する男性警察官を銃刀法違反の疑いで書類送検しました。銃刀法違反の疑いで書類送検されたのは、県内の警察署に所属する男性の巡査部長(46)です。広島県警によりますと巡査部長はことし3月、福山市内の自宅でモデルガンなどを改造した改造拳銃6丁や模造拳銃1丁を所持した疑いが持たれています。所持していた改造銃の中には、モデルガンなどをネットオークションで購入し、自ら改造したものもあったということです。押収した銃から、発射痕は確認されておらず、巡査部長は調べに「鑑賞やカスタムが趣味だった」などと話しているということです。巡査部長は、8日付けで停職6か月の懲戒処分を受け、同日、依願退職しています。県警の植義則首席監察官は「警察官としてあるまじき行為であり、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。より一層、職員に対する職務倫理教養を徹底し、信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。
(回収のハヤブサ、鳥インフル陽性:福井)
福井県は10日、福井市内で回収した野生のハヤブサ1羽について、鳥インフルエンザの簡易検査で陽性が確認されたと発表した。国立環境研究所(茨城県つくば市)で遺伝子検査による病原性の確認を行うとしており、結果は12~13日に判明する見込み。陽性が確定すれば、福井県内での野鳥の感染確認は2022年10月以来2例目となる。県自然環境課によると、10日午後5時現在で県内でほかの野鳥や、27戸の養鶏農家では感染が疑われる事例は確認されていない。9日に福井市内の路上で、衰弱したハヤブサを市民が発見。県自然保護センターが回収したが、間もなく死亡した。高病原性鳥インフルエンザを巡っては滋賀県長浜市で疑い事例が発生したことを受け、福井県が10月29日から▽日野川中流域▽北潟湖と大堤▽日向湖を除く三方五湖―の県内3カ所で監視パトロールを実施。養鶏農家には消毒用の消石灰を配布し、対策を呼びかけてきた。今回の疑い事例発生を受け、ハヤブサが見つかった地点から半径10キロ圏内で渡り鳥が集まる▽九頭竜川中流域(日野川合流地点~福井大橋)▽足羽川(大瀬橋~天神橋)▽浅水川―の福井市内3地点を10日から追加した。計6カ所のパトロールを12月7日まで行う。高病原性鳥インフルエンザは野鳥観察など通常の接し方では人に感染することはほぼないとされており、同課は冷静な行動を求めている。死亡した野鳥を見つけた場合は素手で触らず、県自然環境課=電話0776(20)0306、県自然保護センター=電話0779(67)1655=への連絡を呼びかけている。
(クマのえさとなるブナの実、は2年ぶりに「並作」:秋田)
クマのえさとなるブナの実のこの秋の実り具合は、国の調査で2年ぶりに「並作」となりました。ブナが「大凶作」となった去年と比べ、県内では秋以降のクマの目撃件数が減っていて、県は、4月から出していた「ツキノワグマ出没警報」を今月から注意報に切り替えています。東北森林管理局が毎年この時期に行っているブナの実の調査は、県内では49か所で行われました。それによりますと、ブナの実が木全体にたくさんついていたのが16か所、木の上の部分に多くついていたのが9か所、ごくわずかについていたのが19か所、全くついていなかったのが5か所でした。この結果、ブナの実の実り具合は、4段階の中で2番目に良い「並作」となりました。去年は4段階で最悪の「大凶作」で、クマによる人身被害は過去最多の70人にのぼりましたが、ことしは秋以降に目撃件数が減っていて、県は、4月から発表していた「ツキノワグマ出没警報」を今月から注意報に切り替えています。一方、県は、去年秋に人里で柿などの味を覚えたクマが再び集落周辺に出没するおそれもあるとして、実を取り除くなど対策を続けるよう呼びかけています。
(「まるでサファリパーク」シカ急増、交通事故5000件超:北海道)
北海道でエゾシカが急増し、住宅内などに群れで現れて問題になっています。エゾシカが車や列車と衝突するという事故も相次いでいて、事故件数が過去最多となっています。北海道、夜の自動車学校での一コマ。奥にいるのはシカの群れ。職員が近づくと次々とポールを弾き飛ばしていきます。この映像が撮影されたのは、北海道室蘭市にある自動車学校です。その目的は、教習所内に生えている草。ほぼ毎日のように現れ、教習中にも侵入。場内のど真ん中にシカが我が物顔で居座ります。なかには角にネットが絡まってしまっているものも…。室蘭でシカが現れるのは、自動車学校だけではありません。早朝、住宅街の道路を堂々と歩く大きなオスジカ。真っ昼間から敷地に入っていく群れもいました。スタッフが取材している時にも、住宅街に2メートルほどの大きなシカがアパートの敷地に入って草を食べていました。他の室蘭市の住宅街で撮影された映像には、15頭ものシカがアパートの敷地で草を食べている姿が映っていました。住宅街に相次いで出没するシカの群れ。こちらの住宅ではシカ対策にネットを張っていましたが…。ネットなどシカ対策にかかった費用は、およそ10万円だといいます。シカが増えているのは室蘭だけではありません。北海道全域で増え続けるシカは昨年度だけで1万頭増加し、およそ73万頭に。さらに10月~11月は繁殖期にあたり、オスジカの気が荒くなるため攻撃的でとても危険になります。特に深刻なのが、車との衝突事故。こちらの車は衝突でフロントが大破し、修理不能に。北海道ではこうしたシカによる交通事故が年々増加。去年は過去最多の5000件以上に。こうしたなか、厚岸町では珍しい光景が見られました。2頭のシカが横断歩道を行儀よく渡っていきます。さらに右側からもう1頭。右奥の車が止まっているのをしっかりと確認してから、横断歩道を渡ります。こんな“真面目なシカ”もいる一方で、列車との衝突件数も過去最多の3000件以上に上っています。シカによる被害は事故だけではありません。牧場の柵を軽々と飛び越えていくシカたち。牧場内を駆け回る野生のシカの大群です。南富良野町の公共串内牧場では、牛の牧草がシカに食べられる「食害」が問題になっています。シカの大群は牧場のいたる所に見られます。この牧場では1500頭の牛を育てていて、1日でおよそ25トンもの牧草が必要ですが、およそ3000頭もの野生のシカが牛の餌(えさ)となる牧草を食い荒らしているのです。ほとんどの牧草がシカに食べられ、牧草で満杯になるはずだった保存場所は半分がスカスカの状態になりました。シカによる被害を防ぐため牧場内では去年から駆除を開始。しかし、地元のハンターは「抜本的な解決にはならない」といいます。
(シカに苗木食べられる被害防止へ、対策方法学ぶ講演会:岡山)
樹木を伐採した跡地に再び植えた苗木がシカに食べられる被害を防ぐため、対策方法を学ぶ講演会が新見市で開かれました。近畿中国森林管理局などが開いた講演会には、中国地方を中心に全国の林業関係者およそ130人が参加しました。林業の現場では、伐採後の山に植えた苗木などを野生のシカが食べて枯れる被害が相次いでいて、森づくりの大きな障害になっている一方、その被害を防ぐためにはコストがかかることが課題となっています。講演では、林野庁の担当者が、シカの生息数の増加にシカの捕獲数が追いついていないことや、自治体や猟友会と連携した地域ぐるみの捕獲体制の整備、それにIT技術を活用した全国各地の取り組みを紹介しました。また近畿中国森林管理局の担当者は、シカの侵入を防ぐために設置する「防護柵」を、安いコストで設置する方法を説明し、参加者は熱心にメモを取りながら聞いていました。広島県の森林組合の男性は「シカの被害が甚大化して対処しきれないので対策を学ぼうと参加した。山の所有者に負担がかからない仕組みづくりに苦慮している」と話していました。近畿中国森林管理局の石上公彦森林整備部長は「木の伐採から造林までの収支がプラスになるよう、国有林で行っている方法を参考にして、シカへの対策を進めてほしい」と話していました。
(ヒグマの会がフォーラム、ゾーニング管理の実現に向け議論:北海道)
研究者らで作るヒグマの会は9日、「ヒグマフォーラムinおこっぺ2024」を興部町で開催する。人とクマのすみ分けを目指すゾーニング管理の具体案を議論する。興部町は、クマの市街地への出没が深刻化している。フォーラムには道や町、地元猟友会の担当者が登壇。西オホーツクの生息状況や興部町の現状を共有した上で、町を四つの地域(排除地域、防除地域、緩衝地帯、コア生息地)に分類したゾーニング案を提案し、実現可能性や課題を探る。会長の坪田敏男・北海道大学教授は「共存を図るために適切な保護管理施策の推進が今こそ必要。地域の人と共に考えたい」とコメントした。
(第4回狩猟フェスタを開催:高知)
今、老若男女問わず、狩猟やジビエが熱い注目を集めています。森林がシカに荒らされている。丹精込めた農作物が獣に食べられ困っている。レジャースポーツとしてやってみたい。でも免許が必要らしいし、やり方もよく分からないし、危なそう・・・。ジビエ料理って、最近よく聞くけど本当に美味しいの?そんな、気にはなっているものの、いろんな理由で一歩が踏み出せないあなた!是非、狩猟フェスタにお越しください!狩猟の魅力や社会的役割、安全な狩猟方法、そもそも狩猟免許を取るにはどうすれば? ジビエ料理を一度味わってみたい!そんな疑問に応える、小さなお子様から大人までみんなが楽しめるフェスタとなっています。さあ、あなたもハンターに! ジビエ料理を堪能しよう!
(クマ撃退スプレー使い方学ぶ講習会:長野)
県内でクマに襲われてケガをする人が相次ぐ中、飯山市では、8日被害を防ごうとクマを撃退するスプレーの使い方を学ぶ講習会が開かれました。講習会は、冬眠を前にしたクマが、食べ物を求めて人の生活エリアに出没する機会が増える時期となったことから開催され、クマの目撃情報を受けて初期対応にあたることが多い公園の管理者や学校関係者などおよそ15人が参加しました。参加した人たちは、撃退スプレーを使うときはクマから5メートルほどの距離をとり、目と鼻をめがけて噴射するなど、効果的な使い方を確認していました。今年度、飯山市でのクマの出没情報は先月末までに154件に上り、去年の同じ時期よりも25件増えているほか、県内各地でクマに襲われてケガをする人が相次いでいます。飯山市では、市の施設にクマ撃退スプレーを配備して、被害防止のために活用するよう呼びかけているということです。参加した中学校の教頭は、「数メートル先に大きなクマが来るのは相当な状況だと思うが、うまく対処したい」と話していました。飯山市農林課の藤井浩之主査は、「撃退スプレーは最終手段なのでまずは遭遇しないようにすることが大切だが、講習会でクマへの警戒心を高めてほしい」と話していました。
(2024年度狩猟登録は3111人、2年ぶり減:群馬)
本年度の狩猟が15日に解禁されるのを前に、群馬県は8日、群馬の10月末現在の狩猟者登録が前年同期比30人減の3111人で2年ぶりに減少したと発表した。解禁後に登録する人もいるが、年度末の確定集計が過去最少だった2022年度の3245人を下回る可能性がある。県内ではシカやクマによる農林業被害が増えており、県は引き続き狩猟の担い手確保に努める。
(クマと共存、模索続く:長野)
「いましたね」。樹木につけられたワイヤを、クマが必死に引っ張っている。長野県東御市で、イノシシやシカなどをとるための「くくりわな」に誤ってかかっていたのは、体長1メートルあまり、体重29キロのメスのツキノワグマだ。市内ではシカとイノシシによる農作物の被害が相次ぎ、昨年度はそれぞれ約200頭、約60頭が捕獲された。 一方、誤ってクマがかかってしまうこともある。本来対象としない動物が捕獲されることを「錯誤捕獲」といい、長野県は原則放獣することにしている。市からの連絡を受け車で駆けつけたのは、同県軽井沢町を中心に活動するNPO法人「ピッキオ」のスタッフで県クマ対策員の井村潤太さん(29)。麻酔銃で狙いを定めた。銃から放たれた「投薬器」は肩に命中。約10分後、クマが眠ったところで井村さんが盾を手に近づいた。いびきをかくクマを数人で運び、車の後部のおりに寝かせた。その後、市職員立ち会いのもと、市街地から離れた山奥に放した。ピッキオは県東部の自治体からの委託を受け、こうした放獣を昨年度だけでも96回実施した。人に害を与えていない個体が無用に傷ついてしまう恐れもあり、ベテランスタッフの田中純平さん(50)は「クマにかかりづらいわなもある。狩猟者に使ってもらうよう、行政側がより取り組むことが求められている」と話す。「ワオン! ワオン!」。夜も明けきらない早朝、軽井沢町の人里近い山林に勇ましい鳴き声が響く。井村さんは訓練を受けた6歳のベアドッグ「エルフ」とともに、クマを山奥へと押し戻す「けん制」を行った。軽井沢町からの委託で町内で捕獲されたクマに発信器を装着し、位置を把握。人間とのすみ分けをするため、人里に近づいた場合にだけけん制や追い払いをしている。昨年は計265回実施した。田中さんは北海道でクマ対策に従事した経験もある。「(軽井沢は)森の中に人が住んでいて、ゴミステーションがあり、不特定多数のクマが出ていた。(人との距離が近く)危険だった」。銃を使った威嚇も難しく、米国の機関の協力を得て2004年からベアドッグを導入した。現在では4頭が活躍している。クマに開けられないゴミ箱の開発・普及にも取り組み、人里での人身事故を防いできた。「クマは(フンを通して)種子を分散し、森をつくっている。私たちはその中で生かされている。被害を防ぎながらうまく一緒に暮らしていける地域、社会をつくっていきたい」。
(令和6年度狩猟の魅力体験講習会:広島)
野生鳥獣の専門家や女性ハンターから、狩猟の魅力や技術を学んでもらい、狩猟への意欲向上を図るための講習会を開催します。狩猟免許を取ろうと思っている人や狩猟免許を取得して間もない人の参加をお待ちしています。
(減るハンター増える役割:島根)
猟銃でイノシシなどを撃つ「ハンター」が減っている。環境省のまとめによると、島根県内で、火薬で弾を発射する装薬銃、ガスなどで弾を発射する空気銃の両方を使える第1種免許保持者数は1980年度の3899人から2018年度は999人と25・6%になった。地域のなりわいや趣味として根付いてきたハンターが、田畑を荒らすイノシシの駆除や市街地に出没するツキノワグマの警戒などの対応に追われているという。現状を探った。
(猟銃初心者研修、初の実施:島根)
「構えるときは顔をまっすぐ。左肘が銃の真下に来るようにしてください」10月27日、浜田市内であった猟銃の初心者研修。受講者4人に講師を務める野生鳥獣対策連携センター(兵庫県丹波市)の上田剛平取締役が助言した。研修は島根県が2024年度、初めて実施。おおむね5年以内に免許を取得した初心者らを対象に実施した。
(「狩猟の担い手確保を」わな猟の講習に27人:群馬)
鳥獣害被害対策として、狩猟の担い手確保につなげようと、群馬県は9日、渋川市の県立森林公園憩の森などでわな猟初心者講習会を開いた。わな猟経験の浅い人や免許取得に興味のある27人が参加。関連法令や野生動物の特性を学び、イノシシやシカを捕まえるくくりわなを設置する実習も行った。
(南アルプスで「ニホンジカ」による食害が深刻化、“自然保護官”が奮闘)
ここは標高3000mの山々が連なる南アルプス国立公園。険しい斜面で作業しているのは、環境省の職員です。藤田和也さん:ここは、ニホンジカから高山植物が食べられないように設置している場所になります。(雪が積もる)冬を前に、(つぶれないよう)ネットを外してという作業になります。こう話すのは、自然保護のスペシャリスト藤田和也さんです。南アルプスでは今、ニホンジカによる食害が深刻化しています。高山植物が食べられることで山が崩れ、生態系の崩壊につながってしまうため、藤田さんたちは日々山に登り、野生動物の監視や植物の保護などを行っています。藤田和也さん:あれがセンサーカメラになりますね。シカの生息域をチェックするセンサーカメラの映像を見ると、ニホンジカの姿がしっかり捉えられていました。藤田和也さん:雪解けがだんだん早くなってくると、鹿が映るタイミングも早くなってくる。そういうデータを見ながら、柵を立てるタイミングをもっと早めないといけない。藤田さんは大学卒業後、働いていた山小屋で自然の美しさに魅了され、“日本の自然を守る仕事がしたい”と環境省に入省し、自然保護官として18年間、日本各地の国立公園を守ってきました。この仕事を通して、藤田さんの目指していきたいこととは...藤田和也さん:日本は自然に恵まれている国なので、これから生まれてくる人たちのためにも、この自然を残していきたいなと思います。次世代に、恵まれた自然を残すべく、保護に奮闘する藤田さんの活動はあすも続きます。
(クマ、シカ、カモシカは茨城県にいるの?:茨城)
茨城県は全国的にも珍しいクマやシカ、カモシカはいない県と考えられてきました。しかし、徐々に目撃が増えてきたり、200年以上前には分布していた記録があったりと、野生動物の分布は人との関わり合いのなかで常に変化しています。本イベントでは三浦慎悟先生をお招きして、長期的な視点での日本人と大型哺乳類との関係の歴史について紹介頂きます。また、近年の状況としてDNA解析を用いたニホンジカの侵入状況分析や、アライグマなどの身近なほ乳類、近年、茨城県に侵入した特定外来生物のキョンなどについて、県内の研究機関に在籍する3名による最新の話題提供を行います。野生動物について、より深く知りたい方、身近な哺乳類に興味のある方、この機会にぜひご参加ください。
(獣害対策、アプリで効率的に:三重)
伊勢市は市内の電子機器メーカー「アイエスイー」と連携し、情報技術(IT)を活用した獣害対策に取り組んでいる。実証実験として今春、同社が開発したアプリ「けものおと」を導入。住民たちに動物の目撃情報や足跡などの手掛かりをアプリで共有してもらうことで、効率的な駆除や注意喚起につなげる。アプリはスマートフォンなどから利用でき、既に全国約50の自治体が導入している。
(戦前の北海道で繰り広げられた人間と巨熊の死闘を伝える伝説の名著『羆吼ゆる山』)
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊した。「赤毛」「銀毛」と呼ばれ恐れられた巨熊、熊撃ち名人と刺し違えて命を奪った手負い熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊など、戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションである。本作を「ヒグマの息づかいが聞こえる」と推薦するのが、猟師を題材にした小説『ともぐい』で直木賞を受賞した河崎秋子氏だ。北海道在住でヒグマとの距離感を知る河崎さんが語った本作の魅力とは?今では身近になった航空写真のアプリなどで北海道を見ると、市街地、耕作地、山林とそれぞれの境界がはっきりと分かる。山林の箇所は濃い緑で覆われ、「ああ、原生林がそのまま残っているのだな」と思ってしまうが、場所によってはかつて木が伐採された場所であったりする。私事だが、子どもの頃、牛の放牧地の周りに広がる森林をよく探索していた。そこを流れる小川に手を浸していた時、川底に小さな陶片を見つけたことがある。ごく小さな、幼児の親指ほどのそれは、白地に青い染付がされた、ごく普通の割れた陶器のかけらだった。幼かった私は、人が住んでいる気配などない林の中でそんなものを見つけたことにとても興奮し、まるで人類の大発見をしたような気持ちで母に報告した。「ああ、それはたぶん、昔このへんに住んでた炭焼きの人が使ってたものだよ」。知られざる大発見などではなく、真相はあっけないものだった。私は母の言葉に少しがっかりし、大事に持っていた陶片を家の周りの砂利に置いたことを覚えている。炭焼き。地元の歴史を辿れる程度に大人になってから理解できたことだが、私の地元のみならず、明治期以降から戦後にかけて、多くの人が北海道各地の山林に分け入り、個人で、あるいは会社組織として木を切り倒して製炭業をしていた。当然、めぼしい木がなくなれば次に育つまで待ってなどいられないから、居を移してまた木炭作りに精を出す。私が拾った陶片は、そうしてかつて一時的に住んでいた炭焼きの人が使っていた食器の一部だったのだろう。両親をはじめ、地元の高齢者の話によると、やはり私が陶片を見つけた場所を含め、地域の山林のほとんどは一度は炭焼きによってほぼなくなったのだそうだ。木の種類など分からない子どもにすれば鬱蒼とした深い森に見えていたものだが、実際にはその周辺一帯は伐採されてから計画的な植林もされずに再び木が茂った二次林だった。そう知ってから森林の状態を観察すると、下草としてササ類が密集し、間伐などによって木の密度を調整された様子はない。伐採後、いっせいに新たな木が栄養を奪い合ったため、細めのナラの木ばかりがひしめきあい、なかなか太い状態まで育たない様相で、まさに分かりやすい二次林であった。本書『羆吼ゆる山』の著者、今野保氏は、まさにその製炭業全盛期を生きた人物だ。父親が苫小牧の製炭業者に管理者として能力を買われた関係で、中湧別、足寄、日高と一家で居を変えながら大木生い茂る北海道の山地で青少年期を過ごした。まさに場所を変えて時代の動きを見据え続けた人物である。木炭に適した木が生えるような場所は、そのぶん野生動物との距離も近い。というより、野生の領域に人間が踏み込む状態である。今野氏の父親は猟銃を所持し、ヤマドリなどを撃って肉を得るのみならず、人里に姿を見せる熊を警戒しなければ仕事と生活は成り立たない。そんな暮らし方のなか、保少年も当然銃を手に取ることを考え、父親の猟銃をこっそり持ちだして鳥を撃ち始めたとのことだ。それが父親に露呈した時、銃弾の選択を一瞬咎められはしたものの、次はこうするようにと弾の使い分けの指導をされたくだりに、当時の雰囲気と寛容さが感じられる。(現在の法律ではもちろん許されないエピソードだが、おそらく息子がいつのまにか猟銃を使いこなしていたことに父親は誇らしい思いを抱いていたのではないか、ともとれて微笑ましくさえある)。そうして猟銃の扱いに習熟していく保少年が、山林で熊や他の獲物を追い、地域の住民たちと過ごす日々が、本書では驚異的な記憶力をもとに詳細に綴られている。ことに特筆すべきは、獲物を求めて山中に入った際、生えている木に対する観察眼が鋭いことだ。木の種類は勿論のこと、生育状況、弱ってはいないか、他の蔓性植物が絡んでいるか、など、木の描写にかなりの紙幅が割かれている。おそらくは製炭業で身につけた樹種に対する知識と、炭に向く状態を瞬時に見分ける観察眼が、山に分け入る際の情報を豊かにしているのであろう。また、獲物を発見した際の位置関係や地形、そして支流含めた渓流の場所までをも冒頭の地図に詳細に残せていることは、さすが山を知り尽くした業種ゆえの記憶力に拠るものと思われる。人間の注意力というものは、あらかじめ受け皿を広げておかねば対象を認識することさえ敵わないことがある。極端な例としては、文明から遠ざかった密林で生活していた民族が、『飛行機』という存在を知らなかった故に、近隣に飛行機が堕ちても気づくことがなかった事例があるという。そこまではいかずとも、知識が狭く思い込みが強い人間が豊かな山に踏み入ったとしても、その豊かさや、時には危険すら知覚できずに過ごすことになる。本書は今野氏がかつての記憶を掘り起こしながら綴った手記がもとになっているというが、その記録の鮮やかさに、いかに青少年期に周囲への関心と観察を怠らなかったかということが伺える。当時ならではの状況として、宵の闇に紛れて息を潜め、それこそ物音ひとつ立てずにヒグマが姿を見せるのを待つ描写は緊張感に溢れる。現在では発砲が許可されるのは太陽が出ている間、つまり日の出から日没までと厳しく定められている。しかも所持に関する規制も厳しいため、ヒグマが出たからと身内や親戚に気軽に銃を貸し出すということもできようはずがない。その意味においても、当時のヒグマとの距離、付き合い方を存分に感じさせられる、貴重な記録ともいえる。さて、保少年が経験した狩猟についてのみならず、本書第三章では彼と親交のあったアイヌの猟師たちの経験談が綴られている。アイヌの人々はもともと鉄砲ではなく毒矢で狩猟をしていたことが詳しく説明され、彼らが時代の流れで鉄砲を手にし、手段は変わっても変わらぬ観察眼と注意深さ、そして山への敬意をもってヒグマを仕留める様子が活写されている。なかでも、村田銃を手にひとり山に入る桐本仙造と金毛と呼ばれるヒグマの話が印象的だ。人と獣という間柄でありながらつかず離れず、まさに距離をおいた隣人という関係を築いていた一人と一頭の物語は、その結末も含めて切ない印象が残るエピソードだ。不思議なのは、桐本氏がこの話を当時十六歳の保少年に初対面で語ったことだ。昼飯を共にしながら、彼にとっては後悔さえ残る経験を山の中で偶然出会った少年猟師へと語る。ともすれば猟歴や成果について自慢話が多くなりがちな猟師という立場で、まるで懺悔のように口にされた昔語り。桐本氏の複雑な心のありようと、それを受け止めた保少年の間に、猟師同士でしか通じえないものがあったのだろう。ヒトとヒグマ、ヒトと野生、そしてヒトとヒト。いっけん濃い緑一色に見える北海道の山林の中には、生き物の複雑なモザイクが息づいている。ところで、冒頭で綴った、私が陶片を拾った二次林は、実は国有林なのだそうだ。数年前、行政によって再び伐採され、計画的植林がなされて帰省するたびに幼木が立派に育っていっている。本書のあとがきで今野氏は移り変わってしまった自然の姿とかつての生活を留めおくために筆を執った旨を記していた。変わってしまったものは簡単に元には戻らない。しかし雄弁なる筆致で残されたかつての風景に、今の読者も、そして未来この本を手にとる人も、静かに心打たれ、製炭に関わった人達の熱気を知り、ヒグマの息づかいを聞くだろう。北海道の歴史において、苔むしてもなお厳然と立ち続ける道路元標のような一冊である。
(県内クマ目撃件数増加、冬眠前は行動活発化:山梨)
今年度、県内でクマが目撃された件数は260件を超え、これまでの年間の最多件数をすでに大きく上回っています。クマが冬眠する12月ごろまでは出没が増えるおそれがあり、県などは警戒を呼びかけています。県によりますと、今年度の県内でのクマの目撃件数は先月下旬までで266件でした。これまで年間の目撃件数が最も多かった2019年度の210件をすでに50件以上上回っています。7月には身延町の登山道で30代の男性が襲われ、全治1週間のけがを負う被害も出ました。先月目撃された25件を自治体ごとにみると、身延町で6件、上野原市で5件、富士河口湖町で4件などとなっています。県は、ことし9月から旧ツイッターのXでクマの目撃情報の配信を行っていて、出没場所がわかる地図も今月中に県のホームページで公開することにしています。また、これから12月ごろにかけては、冬眠前に餌を求めてクマの行動が活発になり、出没が増える傾向があるとして、県や警察は特に警戒を呼びかけています。
(深夜にオスの鹿が『飛び出し』、ブレーキ間に合わず吹っ飛ぶ:北海道)
道路脇から突如として飛び出してきた大型のエゾシカ。避けきれずに衝突する瞬間をとらえた緊迫のドライブレコーダー映像が、SNSで大きな反響を呼んでいます。映像は10月12日未明、北海道江別市内の道路で撮影されたものです。夜間の街灯に照らされた道路を走行中の乗用車に、路肩から突如としてエゾシカが飛び出してきました。ブレーキを踏む間もなく、車両とシカが衝突する瞬間が克明に記録されています。幸いにも事故による人的被害はありませんでしたが、車両の前部は大きく破損したということです。北海道の調査によると、道内のエゾシカの推定生息数は年々増加傾向にあり、2023年度は過去10年で最多となる73万頭に達しています。これに伴い、シカが関係する交通事故も2023年には過去最多の5,287件を記録。深刻な社会問題となっています。札幌市環境局は「特に11月は繁殖期にあたり、オスジカがメスを探して行動が活発化する時期です」と注意を呼びかけています。夜間の運転の際は、突然の飛び出しに備え、速度を控えめにすることが推奨されています。
(住宅街にクマ出没、約3時間とどまり駆除:石川)
10日、石川県小松市の住宅街にクマが出没し、住宅の敷地内におよそ3時間とどまりました。その後、クマは駆除され、けが人はいませんでした。10日午前9時半ごろ、小松駅からおよそ2キロ離れた小松市白江町の住宅街で「住宅の敷地内にクマがいる」と警察に通報が相次ぎました。警察や市の職員が駆けつけたところ、ツキノワグマ1頭が住宅の敷地内に横たわっているのが確認されたということです。クマは住宅の敷地内におよそ3時間とどまっていましたが、午後になって猟友会によって駆除されたということです。けが人はいませんでした。市によりますと、クマは体長およそ1メートル、体重40キロほどのメスの成獣とみられます。石川県によりますと、県内のクマの目撃情報はことしに入って今月6日までに421件寄せられていて、このうち、小松市は87件と加賀市に次いで多くなっています。県は、「出没警戒情報」を出し柿や栗を早めに摘み取るなどの対策を呼びかけています。クマを目撃した83歳の女性は「庭の木を切っていた時にクマと目が合い、すぐに家の中に逃げました。動物園以外でクマを見たことはなくとても怖かったです」と話していました。
(9保育園で地元産のシカ肉提供:岐阜)
関市の九つの公立保育園で8日、地元産のニホンジカの肉を使った給食が提供され、園児らがひき肉を使ったメキシコ料理「ジビエのチリコンカン」を味わった。同市の公立保育園の給食でジビエ料理が提供されるのは初めて。
(けもジョブ(2024冬)を開催します)
年、野生動物管理や鳥獣被害対策への社会的需要が高まりを見せていますが、現時点では「獣害」に関する市場が未発達で担い手の雇用も安定していない状態です。また、求人情報は分散しているため、野生動物に関わる仕事に就きたい人が、企業や自治体の存在を知ることが難しいのがこの業界の現状です。そこで、ふるけもでは “けもの”に関わる仕事の「人が欲しい団体」と「仕事が欲しい人」のマッチングを行うイベントを開催します。「けもジョブ」は毎回100名を超える参加者が集う※、野生動物業界内で稀有な求人&仕事紹介イベントです。
(「やまなしジビエフェア2024」:山梨)
山梨県(知事:長崎幸太郎)は、山梨の魅力ある食材の一つである「やまなしジビエ」の魅力を県内外の多くの皆様に知っていただくため、「やまなしジビエフェア2024」を開催します。フェア期間中、県内の飲食店等15店舗にて、「やまなしジビエ」を使った料理を提供します。是非、この機会に山梨の自然が育んだ上質な恵み、「やまなしジビエ」をご堪能ください。さらに、今年は「やまなしジビエフォトコンテスト」を初開催します。やまなしジビエを使った料理の写真を撮影し、ハッシュタグ「#やまなしジビエフォトコンテスト」をつけてインスタグラムに投稿してください。やまなしジビエフェア2024の飲食店の料理のほか、ご自身で調理した料理の写真もお待ちしています。
(シカ肉を使ったジビエ料理の特別授業:岩手)
盛岡市の調理師専門学校で7日、大槌町産のシカ肉を使ったジビエ料理の特別授業が行われました。講師を務めたのは、ジビエ料理の第一人者のシェフです。ジビエ料理の特別授業が行われたのは、盛岡市の北日本ハイテクニカルクッキングカレッジです。調理師や料理人を目指す84人が参加した授業では、ジビエ料理の第一人者で、長野県のレストランでオーナーシェフを務める藤木徳彦さんが講師を務めました。用意されたのは、大槌町のジビエ加工会社MOMIJIが11月1日に捕獲したシカの枝肉です。授業で藤木さんは部位の特徴や解体法を伝えながらロースやモモ肉などを切り出していきます。そして実際に店のコース料理で提供しているステーキやミートソースを作ると参加者たちが試食しました。(オーベルジュ・エスポワール オーナーシェフ 藤木徳彦さん)「みなさん一生懸命聞いていたのでジビエに興味があると感じました。東北特に岩手のジビエ 個体も大きいし、(MOMIJIは)国の認証を取っている施設なのでかなり衛生的な処理をしているので肉質は(全国)トップレベルで良いです」。ジビエの魅力と一流シェフの技に触れた参加者たちは、この経験を将来の仕事に生かしたいと意気込んでいました。
(駆除野生獣、迅速解体でジビエに:静岡)
富士宮市大鹿窪のクラフトビール醸造所「フジヤマハンターズビール」は、ジビエ(野生鳥獣肉)の解体処理施設を敷地内に開設した。
(第8回森の京都ジビエフェア:京都)
「森の京都」の魅力ある食材の一つであるジビエについては、各地域の特徴を活かした消費拡大を推進しているところです。その一環として、飲食店等がオリジナルのジビエ料理等を提供することにより、ジビエ料理のメニューや精肉販売の定着を図るとともに、ジビエに携わる関係者(食肉処理業者、飲食店、行政等)の連携を強化し、地域振興に繋げることを目的に「第8回森の京都ジビエフェア」を開催します。高タンパク質で鉄分やビタミンも多く含まれるジビエの魅力を楽しんでいただける機会です。ぜひお越しください!
(愛媛のジビエを楽しんで!:東京)
愛媛県産ジビエの消費拡大を目指して、9日、東京都内でジビエ料理の試食会「えひめのジビエ賞味会」が開かれました。都内の飲食店で開かれたイベントには、愛媛にゆかりのある人らが招かれ、愛媛でとれたイノシシやシカの肉を使ったタタキやスパイスカレーなど、このイベントにあわせて作られたオリジナル料理がふるまわれました。県では、鳥獣被害対策の一環として、ジビエの利活用を進めていて、これまでも、こうした試食会を開いていましたが、県外での開催は初めてだということです。県は「ジビエの消費拡大のため今後もPRを続けていきたい」としています。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区西花苑1丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、10日午後1時ごろ、富谷市杜乃橋1丁目にクマが出没しました。
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(アフリカ豚熱、国際会議から各国の防疫対策:茨城)
致死率が高く有効な対策が未確立の豚の病気・アフリカ豚熱(ASF)は、アジア各国で広がるなどで、日本への侵入阻止が課題となっている。こうした中、同病の防疫対策を議論する国際シンポジウムが開かれた。犬を活用して効率的に野生イノシシ対策を進めている事例の報告があった他、未だ“決定打”となる製品は出ていない予防ワクチンの議論も注目を集めた。シンポジウムは農研機構が、茨城県つくば市で10月中旬に開いた。これまでに47件が発生し、17万頭の豚を殺処分した韓国は、野生イノシシ対策を報告。2022年からは死んだイノシシを探すように訓練した犬を導入し、23年は延べ420頭を投入し70の死骸を発見した。韓国の国立野生動物疾病管理院の担当者は「人よりも早く効率的に見つけることができ、人件費削減につながる」と話した。インドネシアは19年の初発生以降、複数の島にまたがる38州のうち30州に拡大した。防疫対策が全くない軒先での放し飼いも多く、野生イノシシがいない地域にも人や豚の移動(出荷)に伴い感染が広がった。年末年始に豚肉需要が高まるため、この時期にASFの発生が多い傾向があるという。世界中で試験研究が進む予防ワクチンについての議論もあった。韓国の研究担当者は、遺伝的に弱毒化させたウイルスを利用する「生ワクチン」の実用化を目指していると紹介。接種試験の結果などを示し「安全性が高く、抑制効果も高い」と話した。ベトナムは23年に世界に先駆けてワクチンを実用化したと発表しているが、会議では同国内でのその普及具合や効果には言及しなかった。パネルディスカッションでは特に、生ワクチンの安全性・有効性を議論した。「豚熱(CSF)では生ワクチンによる対策がうまく機能している」「ワクチンはASFをコントロールできるわけではない。農場の防疫レベルを高めることの方が重要ではないか」などの意見が出た。シンポジウムではタイ、ベトナムも報告。ベトナムの担当者は感染を抑え切れていない現状を話し「農家、地域、国家の各レベルで防疫対策を講じる必要がある」とした。
(猟友会長、砂川市内の発砲現場を初確認:北海道)
北海道公安委員会から違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、処分の取り消しを求めている北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)=砂川市=が10月の札幌高裁判決で逆転敗訴したことを受け、道猟友会の堀江篤会長(77)が6日、同会の今後の方針を決めるため、砂川市内の発砲現場を初めて確認した。
(「調査用センサーカメラ」盗まれる:北海道)
札幌市は1日、札幌市中央区伏見3丁目の「伏見都市環境林」で、クマ生息調査用のセンサーカメラ1台が盗まれたと発表しました。市によりますと10月28日、都市環境林内に設置された無人センサーカメラ1台(3万4000円相当)が盗まれているのを、メンテナンスに訪れた職員が見つけたということです。センサーカメラは、盗難防止用のセキュリティボックスやワイヤー錠ごとなくなっていて、人為的に持ち去られた可能性が高いということです。事件が発生した都市環境林は、複数頭のメスのクマが定着し、人とクマのあつれきが深刻化している「重点対策エリア」で、センサーカメラによるクマの行動監視が日夜続けられています。札幌市は「センサーカメラの窃盗はもちろんのこと、故意に触る、位置を動かすなどの行為は、市民生活の安全確保に多大な影響を及ぼす結果になりかねない」として、同様のセンサーカメラを見つけた場合も、決して触れないよう呼びかけています。
(市長会、国に要望“クマ被害の対策予算の十分確保を”:山口)
クマによる被害が相次ぐ中、県内13の市の市長でつくる市長会は、クマ被害の対策予算の十分な確保などを国に要望することを決めました。クマ被害対策への要望は、11月1日、山口市で開かれた市長会の会議の議案の1つとして岩国市の福田市長から提案されました。県内での今年度のクマの目撃件数は、10月29日時点で657件と過去最多となっていて、岩国市と周南市ではクマに襲われてあわせて2人、けが人も出ています。会議で福田市長は、具体的な国への要望として、▽電気柵の設置などの負担が増しているため、自治体に交付する十分な予算を確保することや、▽クマを捕獲することへの過度な批判が寄せられ、担い手確保に影響が出るおそれがあるとして、場合によって捕獲の必要があることの情報発信などを行うよう求めました。国に対してクマ被害対策への支援を要望する議案は、県に対して車やバイクでの暴走行為への対策などを求めるほかの議案とともに、全会一致で可決されました。
(クマ遭遇、走って逃げない:滋賀)
冬眠前のツキノワグマが餌を求めて行動範囲が広くなる秋を迎え、クマとの遭遇に注意が必要となっている。今年度は餌となるミズナラ、ブナの実が県内の山中で不作や凶作で、目撃件数も158件(10月末現在)と昨年同期72件の2倍以上となり、県は「過去10年で最も多いペース。クマを近寄らせない環境づくりを」と呼びかけている。県によると、県内のツキノワグマの推定個体数は、湖北(長浜、米原両市)で約160頭、湖西(高島、大津両市と長浜市の一部)で約150頭。県では希少種の位置づけとなっており、人の命や財産に危害を加える可能性がある場合以外は、殺処分を行わないことになっている。今年度の県調査では、生息地である湖北、湖西を含む県内全域でブナの実が凶作だったほか、ミズナラの実は不作。コナラの実は湖北で豊作、湖西で不作だった。湖北は低い標高の地域でコナラの実なりが良く、クマが出没する可能性があり、湖西は全体的に餌となる資源量が少ないため、集落近くに現れることが懸念される。4~10月のクマの目撃件数は高島市で84件で最も多く、うち、誤ってイノシシなどのワナにかかったケースが7件、殺処分は2件あった。次いで大津市43件(ワナ16件、殺処分1件)。長浜市は22件(ワナ2件)、米原市2件(同1件)、甲賀市3件、栗東市4件となっている。県は、里山や町中にクマを呼び寄せないために、餌となる生ごみや収穫した農作物、カキ、クリなどの果実を野外に放置しないほか、ハイキングやキャンプで出たごみは持ち帰ることなどを挙げている。また、クマは夜間から早朝にかけて行動することが多いため、山林など出没しそうな場所はその時間帯に出歩くことを避けるほか、クマは臆病な性格なので、ラジオや笛、鈴などで音を出すことも有効な対策としている。万が一、クマと遭遇した場合には▽走って逃げず、背中を見せない▽大声を出したり、ものを投げたりせず、クマが逃げられる機会を作る▽子グマに出会った場合は親グマが近くにいる可能性があるため、近寄らず、追い払ったりしない――よう呼びかけている。また、人家近くで目撃した際は、目撃場所や時間、大きさ、移動した方向などの情報を近くの自治体に通報するか、110番するよう求めている。
(今季の醸造断念、シカ食害で収量減:広島)
2014年の広島土砂災害で被災した広島市安佐北区大林町の棚田の米を使った日本酒「大林千年」を商品化している一般社団法人ふるさと楽舎(同区)が、今季の酒造りを断念した。シカの食害に遭い、米が十分に取れなかったため。日本酒に代わり洋菓子や地ビールの原料として、米の活用の幅を広げる。
(駆除シカ肉、ライオン用に:千葉)
富津市内で駆除された野生のシカ肉を回収し、富士サファリパーク(静岡県裾野市)にライオンの餌用に納品している。捕獲した動物を皮や骨付きのまま肉食動物に与える「屠体給餌(とたいきゅうじ)」として、有害鳥獣の命を利活用する取り組みだ。7年前に飼育を始めた狼(おおかみ)犬の餌のためにシカの生肉が必要になり、地元の猟師に肉を分けてもらったのがきっかけだった。有害鳥獣は、猟友会などが捕獲すると穴を掘って埋めて廃棄処分されるが、高齢化で負担を抱える猟師たちから「もらってくれ」と回収量は増えていった。当時、物流会社で重機オペレーターをしていた小幡秀夫さんは(52)は脱サラを決意し、猟師からシカ肉を引き取るほか、わな猟免許を取得して自ら有害鳥獣駆除を行った。
(石鎚山系シカ被害シンポジウム:高知)
石鎚山系のシカによる植生被害や対策を考えるシンポジウムが9日、高知市丸ノ内1丁目の四国森林管理局で開かれる。県緑の環境会議の主催で無料。県立牧野植物園の藤井聖子さんが「激減した東赤石山周辺の希少植物たち」、西条自然学校理事長の山本貴仁さんが「石鎚山系の森林の歴史とシカの現状」、高知大学准教授の比嘉基紀さんが「石鎚山系におけるシカの被害と今後の課題」と題し、報告する。
(マガン飛来ピーク:宮城)
宮城県北部の登米市と栗原市にまたがるラムサール条約登録湿地「伊豆沼・内沼」で、渡り鳥マガンの飛来がピークを迎えている。
(今シーズン初の渡り鳥生息調査:宮城)
マガンや白鳥など県内に飛来する冬の渡り鳥の数を調べる生息調査が各地の沼や河川などで始まりました。冬の渡り鳥の調査は、鳥の生息数を調べて食物連鎖から環境の変化を確認するために毎シーズン11月と1月、それに3月の3回行われています。1回目となる7日は、県内の沼や川、湿地などおよそ500か所で実施され、県の職員や自然保護員など100人あまりが調査にあたりました。このうち、栗原市と登米市をまたぐ伊豆沼には、エサを求めてやってきた多くのマガンや白鳥などが羽を休めていて、担当者が望遠鏡を使って数を調べていました。去年の同じ時期の調査では、ガン類が19万1千羽あまり、カモ類は4万5千羽あまり、ハクチョウは7千羽あまりで合わせておよそ24万3千羽で、エサが豊富にあることなどから昭和47年度からの調査以来、過去4番目に多い数でした。宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究室長は、「今シーズンも順調に飛来していてマガンの数は、ほぼピークに近く白鳥やカモ類についてはこれから寒さが増すにつれて増えて来ると思います」と話していました。
(特急がシカと衝突:北海道)
5日午後4時40分ごろ、JR石勝線占冠駅-新夕張駅間で、釧路発札幌行きの特急おおぞら8号がシカと衝突した。約20分後に運転を再開した。
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(旅館で猟銃暴発、弾が向かいの部屋の宿泊客の上を通過し壁に:北海道)
十勝の広尾町の旅館で10月、宿泊していたハンターの男性が部屋で猟銃を暴発させ、弾が就寝中の客がいる隣の部屋の壁に着弾していたことがわかりました。10月28日、広尾町にある旅館。宿泊していたハンターの男性の部屋で猟銃が暴発しました。旅館によりますと午前5時ごろ、ハンターの男性がシカ撃ちのため部屋を出発しようとした際、誤って手が引き金に触れ猟銃を暴発させたということです。弾は壁を貫通し、廊下を挟んだ向かいの部屋の壁も貫通。向かいの部屋には就寝中の宿泊客の男性がいましたが弾は男性の上を通過して壁に着弾したということです。けが人はいなかったものの、大惨事になる可能性もあった猟銃の暴発。札幌で銃砲店を経営し猟銃の講習会で講師を務める佐々木さんは、狩猟を行う場所以外で猟銃に弾を込めているのは違法だと指摘します。猟銃等講習会佐々木一哉講師:「通常は起こりえないです。やはりそこにはおごりとかがあったのではないかと。」「獲物がいてから安全な場所で弾を装填する。発射する機会が遠のいたら実包(弾)を取り出すそれに尽きると思います」。「今回の場合だと、猟場において獲物がいなくなった時に脱砲(弾を取り出す)をするのを失念していたのではないかと思います」。警察は銃刀法違反の可能性もあるとみて当時の状況を詳しく調べています。
(イノシシ猟中の猟友会の男性がクマに襲われけが:山口)
3日午後、岩国市の山中でイノシシ狩りをしていた猟友会員の男性がクマに襲われけがをしました。警察や岩国市によりますと、けがをしたのは岩国猟友会に所属する50代の男性です。男性は他の会員2人とイノシシの狩猟のため岩国市寺山の山中に入ったところ、午後3時10分ごろ体長1.3mほどのクマ1頭と遭遇し鼻付近をひっかかれました。男性は出血し病院に搬送されましたが、意識はあり命に別状はないということです。クマは他の猟友会員が猟銃で射殺しています。県や岩国市は4日に緊急対策会議を開き今後の対応を検討するほか、警察は登山客や猟友会員など山に入る人への注意の呼びかけを強める方針です。
(早朝のランニング中に親子のクマ2頭と遭遇、1頭に襲われ男性がけが:長野)
長野県野沢温泉村の上ノ平高原で、ランニングをしていた63歳の男性がクマに襲われけがをしました。男性は6日午前6時半ごろ、上ノ平高原スタカ湖キャンプ場付近でランニングをしていた際に2頭のクマと遭遇しました。男性を襲ったのは子グマを連れた親グマと見られ、男性は頭や左肩にけがをしているということです。親グマは体長1メートルほどだということです。
(野生イノシシ2頭の豚熱感染を確認:佐賀)
佐賀県は5日、唐津市で野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は29、30例目。いずれも経口ワクチンの散布エリアだった。県生産者支援課によると、29例目は10月29日に唐津市浦の道路で車にはねられ死んでいた。30例目は10月28日に猟友会員が捕獲した。2頭は今月1日の検査で感染が確定した。
(山で男性死亡、斜面滑落で銃が暴発し頭に銃弾か:北海道)
先月、道南の厚沢部町でクマを捕獲するための箱わなを確認するため山に入り、死亡しているのが見つかった男性について、警察が調べた結果、死因はライフル銃の弾が頭にあたったことによるものと分かりました。警察は男性が斜面で滑落した際に銃が暴発したとみて調べています。先月29日の夜、厚沢部町に住む70代の男性の家族から「父親が箱わなを確認しに行ったまま帰ってこない」などと警察に通報があり、30日あさに男性が山の斜面で死亡しているのが見つかりました。警察が調べた結果、死因はライフル銃の弾が頭にあたったことによる脳挫傷だったと分かりました。警察によりますと男性が倒れていた斜面にはおよそ3メートルにわたって滑落した跡があり、すぐそばには男性のものとみられるライフル銃が落ちていたということです。警察は現場の状況などから、男性が斜面で滑落した際にライフル銃が誤って暴発したとみて調べています。
(クマの衝突事故が41件→3件に激減:秋田)
クマと列車の衝突事故が激減している。JR東日本秋田支社によると、9、10両月に管内で起きた事故は計3件にとどまり、前年同期比で9割減った。支社によると、動物の衝突や目撃による遅延などの輸送障害は昨年度に計123件発生。このうち、クマによる輸送障害は過去最多の62件と全体の半数を超えた。クマの衝突は9月15件、10月26件と秋季の2カ月間に計41件と集中した。これに対し、今年度のクマによる輸送障害は計10件で、衝突事故は9月に奥羽線で2件、10月に田沢湖線で1件と激減している。支社は「ことしは、クマの餌となるブナの実が去年の大凶作から並作になったことが影響しているのでは」とみている。
(「クマ狩猟」解禁、捕獲頭数の上限設けず:秋田)
クマの狩猟が11月1日に解禁された。期間は2025年2月15日までで、秋田県は2023年に引き続き、捕獲頭数に上限を設けないという。クマの狩猟は、11月1日から2025年2月15日までと定められた。秋田県内のクマの生息頭数は4400頭と推定されていて、2023年は有害駆除で2153頭、猟で150頭が捕獲された。これを合わせると推定生息頭数の半分以上に上るが、県は2024年も前年と同様に猟による捕獲頭数に上限を設けないという。また、県は4月に発令した「ツキノワグマ出没警報」を、1日に「注意報」に切り替えた。
(「ヒグマ駆除に悪影響」、猟銃訴訟・二審で逆転敗訴:北海道)
自治体の要請でヒグマを駆除したにもかかわらず、不当に猟銃所持許可を取り消されたとして、北海道のハンターが地元公安委員会を訴えていた裁判の控訴審で、札幌高等裁判所(小河原寧裁判長)は10月18日、一審でほぼ全面的に認められていたハンター側の主張を退ける逆転判決を言い渡した。現在も猟友会支部長としてヒグマ目撃現場に臨場している原告のハンターは「こんな判決を確定させたら有害鳥獣の駆除現場に悪い影響を与えることになる」として、10月24日付で上告の手続きをした。6年前の駆除行為に端を発する問題は、猟友会関係者の多くが「他人事とは思えない」と争いの行方を注視している。弁護士ドットコムニュース既報の通り、長く続く裁判の引き金となる出来事が起きたのは、2018年8月だ。北海道・砂川市の郊外にヒグマが出没し、市の要請でこれを駆除したハンターが、2カ月後に突然、鳥獣保護法違反などの疑いで警察の調べを受けることになったのだ。事件は結果的に不起訴処分となったが、当事者からライフルなどの猟銃4丁を押収した警察はこれらの返還を拒み、銃所持許可の所管庁・北海道公安委員会が許可を取り消してしまう。銃の持ち主であるハンターは、この処分を不服として行政不服審査を申し立てるが、一方当事者の道公安委により請求は却下。これを受けてハンターが改めて処分撤回を求める提訴に踏み切ったのは、2020年5月のことだった。訴えを起こしたのは、北海道猟友会砂川支部で支部長をつとめる池上治男さん(75歳)。狩猟歴30年超のベテランで、地元の砂川市では長く鳥獣被害対策実施隊員をつとめている。問題の駆除があった日、市の求めで現場に赴いた池上さんは、目撃されたヒグマが体長80センチほどの子グマだったため、発砲不要と判断した。だが、市はあくまで銃による駆除を要請し、周辺住民も今後の不安をうったえたため、ライフルでの駆除を引き受けることになったという。臨場していた警察官も方針に異を唱えず、発砲を前提として人払いにあたった。現場には高さ約8メートルの土手があり、これがバックストップ(弾止め)になりえたため、池上さんはクマが土手を背に立ち上がった瞬間に発砲、1発で致命傷を与えた。その後、別の場所に待機していた「供猟者」の男性が至近距離から「止め刺し」を撃ち込み、駆除は無事に完了。立ち会った市職員や警察官が一連の発砲行為を問題とすることもなく、地域のヒグマ騒ぎは解決したはずだった。2カ月後にこれが突如として事件捜査の対象となった経緯は、先述の記事などで報告した通り。地元の砂川警察署(のち滝川署に統合)は、現場でバックストップの役割を果たした土手の存在を無視し、8メートルの高低差を欠いた平面図を根拠に「建物に向かって撃った」という容疑を持ち出したのだ。結果的に不起訴となり、猟銃免許を所管する北海道・振興局は池上さんの免許を取り消さず、また砂川市も鳥獣対策隊員の委嘱の継続を決めた。しかし、警察だけがその後も抵抗を続けて、銃の返還に応じず、その警察の上申によって公安委が所持許可を取り消すに至ったわけだ。一審の口頭弁論が始まった当初から、池上さんは裁判所に「現場を見てほしい」とうったえ続けていた。審理にあたった札幌地方裁判所(廣瀬孝裁判長=当時)はこれを受けて、異例の「検証」に踏み切ることに。2020年10月におこなわれた現場検証では、裁判長自らビデオカメラを手に土手などを歩き、現地の地形や駆除当日の発砲状況などを確認した。さらに1年を経た2021年10月には、駆除に立ち会った砂川市職員や警察官らの尋問があり、発砲が適切におこなわれたことを裏づける証言が残された。池上さんに鳥獣法違反などの疑いをかけた旧・砂川署がこの市職員や警察官らの調書を作成していない事実も明らかになった。2021年12月の一審判決で、札幌地裁は公安委の猟銃所持許可取り消し処分を「著しく妥当性を欠き違法」「裁量権を逸脱・濫用した」と断じ、池上さんの訴えを全面的に認めて処分の撤回を命じた。「警察の胸三寸で容疑者にされるなら誰も撃てない」。銃によるヒグマ駆除に慎重になっていた地元ハンターらは一審判決を歓迎し、原告の池上さんも改めて自治体や警察と猟友会との協力体制の強化をうったえた。だが、敗訴した北海道公安委がほぼ間を置かずに控訴したことで判決確定は先送りとなり、争いは高裁に持ち込まれた。二審を指揮した札幌高裁(佐久間健吉裁判長=当時)が地裁同様「検証」を実施したのは2023年9月のこと。裁判官らは改めて現地の高低差を確認し、発砲場所やヒグマの位置を特定する作業にあたった。立ち会った池上さんは「これで射線がより明確になったのでは」と一審判決の維持に期待を寄せたが、そこから1年を経て伝えられた結論はおよそ想定外の決定となる。今年10月18日午後、前裁判長・佐久間健吉判事から審理を引き継いだ高裁の小河原寧裁判長が判決言い渡しの口を開いた直後、各地から足を運んだハンターたちが並ぶ傍聴席を重苦しい空気が覆った。「主文1、原判決を取り消す。2、被控訴人の請求を棄却する」。公安委の不当な処分を厳しく断罪した地裁判決とは百八十度異なる、池上さん全面敗訴の逆転判決。呆気にとられる傍聴人たちの耳に、信じ難い事実認定が飛び込んできた。(※ 伏字は筆者による。以下同)。「被控訴人が本件発射行為により発射した弾丸は、本件ヒグマを貫通し、■■が所持していた猟銃の銃床に当たって貫通した」。池上さんの撃った弾丸がクマに致命傷を与えた後で跳弾し、同じ現場にいた「共猟者」の銃に命中したというのだ。当事者にとって、文字通り唖然とせざるを得ない事実認定だった。本サイトの過去記事などでも何度か報告しているように、この跳弾説は当初から共猟者の男性が主張している逸話で、この男性の言い分に耳を傾けたという人物によるブログなどでも発信されている。池上さんの弾が命中したことで共猟者氏の銃の銃床が破損し、この被害を知った旧砂川署が池上さんに法令違反の疑いをかけたという説だ。被害が事実なら、それこそ当事者の銃が取り上げられてもおかしくない事態。ところが、クマを貫通した弾が当たったという銃床からクマの体液やDNAなどがみつかったという報告はなく、そもそも警察は破損した銃床を証拠として保管せずにあっさり持ち主へ返している。それどころか、筆者が2020年の時点で共猟者本人に確認したところ、共猟者氏は警察から「あなたの件ではやらない(跳弾の件は捜査しない)」と言われたというのだ。あわせて、破損した銃床を決して報道機関などの第三者に見せないよう指示されたとも。警察の真意は不明だが、はっきりしているのは、跳弾説が事件になっていないという事実。先に述べた通り、池上さんが銃を取り上げられた理由は「建物に向かって撃った」なる行為による。実際、池上さんの訴訟代理人をつとめる中村憲昭弁護士は処分庁の公安委から「共猟者の主張と所持許可取り消し処分とは無関係」との証言を得ている。さらに一審・札幌地裁の判決では、次のような指摘がされていた。「そもそも本件処分の理由は『弾丸の到達するおそれのある建物に向かって』銃猟をしたとするものであって、■■の所持していた猟銃の銃床を破損させたとか、■■に向かって銃猟をしたなどということは、処分の理由としては一切挙げられていない」。くだんの共猟者男性は一審の弁論で被告側証人として出廷し、尋問に応じている。そこで語られた証言を裁判所が評価して曰く、「その証言内容には、疑問を差し挟むべき不自然な点が多々みられるものと言わざるを得ない」。札幌高裁は今回、地裁判決で一蹴され、被告の公安委や警察も立証を放棄していた説をまったく唐突に蘇らせ、それを根拠に判断をひっくり返してしまった。それだけではない。高裁は執拗に跳弾という現象へのこだわりを見せ、次のようにも断じているのだ。「本件発射行為による弾丸が、本件ヒグマに命中したとしても、その後弾道が変化するなどして、本件周辺建物5軒、特に本件一般住宅に到達するおそれがあったものと認めるのが相当である」「本件斜面及び本件市道上には■■、■■警察官及び■■職員がおり、弾丸の跳飛の一般的様相は極めて複雑で、跳弾は飛んでいく方向が分からず複数回起こり得ること等にかんがみると、本件発射行為は同人らの生命・身体も危険にさらしたというべきである」。池上さんが撃った1発の弾丸は、クマに当たったあとで複数回跳弾し、5軒の建物と3人の人物に当たる可能性があった、なぜなら弾丸は跳弾するもので、どこへ飛んでいくかわからないとされているから――。米国のケネディ大統領暗殺事件で引き合いに出された「魔法の弾丸」を彷彿とさせる説。判決言い渡し後に記者会見を開いた池上さんは、ほとんど頭を抱えたような面持ちで「考えられない」「わけがわからない」と繰り返し、「理解を超越した話だ」とうったえた。同席した中村弁護士も「銃自体の危険性と特定の発砲行為の危険性とを混同している」と高裁の事実認定を強く批判した。「跳弾するかもしれないというなら、バックストップに向かって撃ってよいとも言えなくなる。ハンターは誰も発砲できなくなってしまいます」。判決後に取材に応じた北海道猟友会の堀江篤会長(76歳)は、高裁判断を伝え聞いて「なんだそれ、と思った」と明かす。「跳弾説には驚きました。周りでは『もう発砲できないよね』という話になってます。われわれは、弾を遮る樹木の多い森林でも充分に配慮して猟をやっていますよ。それが、あとになって『木や草に跳弾する可能性があった』と言われて銃を取り上げられるなら、何もできません。高裁は池上さん敗訴ありきで進めていたんじゃないかと思ってしまいます」。銃猟資格者の有害鳥獣駆除は、あくまでボランティア。北海道では今年に入ってから、自治体ごとに格差がある駆除報酬をめぐって猟友会支部が駆除への協力を「辞退」する出来事が起きている。担い手である会員の減少にも歯止めがかからない中、道内のヒグマ捕獲数は昨年度で前年比の約2倍、過去最多の1422頭に上った。これに加えて「撃てば処罰される」ということになれば、ハンターと警察などとの協力体制の維持が難しくなる。とはいえ「駆除を辞退することは辛い」と猟友会の堀江会長は悩む。「撃てないということは、クマが出て困っている地域の人たちを前に見て見ぬふりをしなくてはならないということ。人間として非常に辛いことです」。北海道猟友会では11月にも緊急三役会を招集し、今後の対応を協議する考えだ。逆転敗訴を喫した池上さんは10月24日、「高裁判決を確定させると有害駆除の現場に悪い影響を与える」と上告に踏み切った(上告提起および上告受理申し立て)。砂川市は本年度も池上さんへの鳥獣対策隊員の委嘱を継続、北海道振興局も狩猟免許の更新を決めた。銃を持たないハンターは、今も猟友会支部長としてヒグマなどの目撃現場に駈けつけ、プロファイリングを兼ねて丸腰でクマの追い払いや周辺への注意喚起にあたっている。高裁で逆転勝訴した道公安委は判決後の取材に次のように回答した。「個別の事例について取材対応及びコメントは致しかねます」。結びに蛇足を1つ。控訴審判決を1カ月後に控えた9月20日早朝、池上さんの代理人である中村憲昭弁護士の自宅の庭(札幌市中央区)でヒグマの足跡のようなものがみつかった報告を受けて現場を調査した札幌市の担当者は「シカの可能性が高い」と結論づけたが、現場の写真を確認した池上さんら猟友会関係者は「クマの足跡に間違いない」と話しており、周辺では不意の"お礼参り"が話題となった。
(クマ問題「猟友会一任は限界」、専門家はドローン活用を提言「プロフェッショナルの人材育成が不可欠」)
全国各地でクマによる被害が相次いでいる。環境省によると、昨年度全国でクマによる人身被害に遭った人は219人(うち死亡は6人)で、統計のある2006年度以降では過去最悪だった20年度の158人を上回り最多を更新した。先月30日には北海道厚沢部町の山林で70代のハンターの男性が遺体で発見されるなど、今年もクマのものと思われる被害の報告が寄せられている。地方では住民の高齢化や過疎化によるクマの生息域拡大が懸念されているが、国や自治体、住民はどのような対策を講じていくべきなのか。日本におけるクマ研究の第一人者で、政府の専門家検討会で座長を務めた東京農業大学の山崎晃司教授に、クマ問題の最前線を聞いた。過去最悪となった昨年のクマ被害を受け、山崎教授ら専門家検討会は今年2月、クマを「指定管理鳥獣」とする対策方針を環境大臣に提言。4月に鳥獣保護管理法が改正され、絶滅の恐れのある四国の個体群を除き、クマ類(ヒグマ及びツキノワグマ)が指定管理鳥獣に追加された。指定管理鳥獣とは、集中的かつ広域的に管理を図る必要があるとして、国や都道府県による事業の対象となる動物のことで、調査や捕獲などに国から交付金が支給される。今回追加されたクマ類の他には、ニホンジカとイノシシが指定されている。「指定管理鳥獣を巡っては捕獲や駆除による個体数管理ばかりが注目されがちですが、それは対症療法に過ぎません。クマの生息域と人間の生活圏、その間の緩衝地帯という区分を設けるゾーニング(区分け)や、出没した際の対応マニュアルの作成、専門人材の育成など、多方面からアプローチしていく必要があります」。近年、なぜクマによる被害が増加しているのか。「背景としては、全国的に過疎や高齢化が進み、クマの生息域が拡大して個体数が増加したことが考えられます。通常、クマは冬眠が明けた春先から徐々に体重が落ちていき、飢餓のピークが来る8月に最も被害が多く、どんぐりが実り始める9月以降は出没が減っていく傾向にあります。ところが昨年は北東北で軒並みどんぐりが凶作で、秋以降に一気に被害が増えた。いつ人里に出てきてもおかしくないという状況の中、そうしたちょっとのきっかけで大量出没が起こり得る状況にあるということです。昨年は北東北3県の被害が全国の半数以上を占めましたが、その他の地域でも2000年代以降、高止まりの傾向が続いています」。山崎教授によると、今秋の状況は昨年と比較すると落ち着いているものの、条件がそろえば今後も大量出没が予想されるという。有害駆除を担う猟友会の人手不足や高齢化、市街地で警察から発砲許可が下りないといった問題も取りざたされているが、国や自治体はどのようなクマ対策を講じていくべきなのか。「高齢化している今の猟友会にクマ問題を一任するのは限界があります。北海道の奈井江町で報酬面で折り合いがつかず、『森の中で米軍の特殊部隊を相手にするようなもの』という発言がありましたが、あながち間違いとは言えません。市街地での発砲は法律を改正して認めるほかありませんが、そうなると当然求められる射撃の精度や条件は厳しくなる。今後はサーマルカメラやAIを搭載したドローンでクマを捕捉して追い払うなどの施策も必要になってきますが、考えの固い猟友会が適応するには難しい。自衛隊や警察官も対動物用の訓練は受けていませんし、何より銃の種類から違う。対人用の小銃や拳銃では至近距離でもなければクマは倒せません。より専門的なプロフェッショナル集団の人材育成が不可欠です」。国では必要な技能や知識を有する事業者に捕獲を認め、有害駆除などの業務委託を行う「認定鳥獣捕獲等事業者制度」を設けているが、クマ類を対象とした装薬銃(火薬を使用した銃)による猟法を認められた事業者は本州でわずか6社、北海道で2社のみ。その中でも岩手や栃木などでは、地元猟友会がそのまま事業者認定を受けており、担い手の受け皿がないのが現状だ。「政治的な利権も絡んでいます。クマの捕獲は年間で数百万円ほどの収入になる場合もあり、猟友会にもうまみがあるので、認定事業者制度ができる際には反対意見も多かった。現在、事業者が新規参入するには、猟銃免許、狩猟免許、狩猟者登録などの一般的な資格を有し、3年以内に捕獲を適切に実施した実績を持つ狩猟者を10人以上集めないと登録ができない制度になっています。もちろん、銃を使用する以上ある程度の資格や登録は必須ですが、地元猟友会が幅を利かせていて、新規事業者がおうかがいを立てないと活動ができないというところも多いです」。ネット上では、一部で「クマのすみかを奪っているのは人間」「クマの出るようなところには住むな」という声もある。出没地域の住民はどのような行動を心掛けるべきなのか。「クマがいつ出てもおかしくないという前提で、柿の木や家庭菜園などは取り残しがないようにする、外飼いの犬の餌を出しっぱなしにしないなど、誘因をしない努力は必要。地方行政にはクマ対策まで回せる予算は多くはありませんが、国からの補助金や森林環境税などを原資に、下草の伐採や電気柵の設置などで、クマの分布の前線を押し戻していくしかありません。去年のような市街地にも出る状況で、そんなところに住むなというのは無理な話。一方で限界集落や山の中の一軒家など、行政がどこまで対策を行うかは一概には言えません。また、登山や山菜取りなどでクマの生息地に入る場合は、ある程度は襲われても自己責任。クマ鈴やクマ除けスプレーの携行など、会わないような努力や対処法は考えておくべきです」。クマの駆除を巡っては、一部の環境保護団体や動物愛護団体からの抗議が殺到することも問題化している。研究者の中には、クマを殺処分することに葛藤はないのだろうか。「全国に200万頭以上いるシカや推定90万頭ほどとされるイノシシと違い、ツキノワグマは本州でおおよそ数万から10万頭程度、北海道のヒグマは最低1万2000頭ほどしかいないと推定されています。四国など絶滅が危惧されている地域もあり、地域や個体群ごとに対策を練る必要があります。今回、指定管理鳥獣となったことで、捕獲や駆除以外にもゾーニングやモニタリング調査など、交付金でやれることはたくさんあるというのは申し上げた通り。個体数調整だけが一人歩きしないような施策や、苦痛を与えない駆除の仕方についてはもっと議論されていくべきです」。クマと人、お互いの生活圏を守っていくため、適切なすみ分けが求められている。
(恐怖のクマ被害が日本列島で増加中に「日当8500円」に猟師たちも怒り爆発)
全国的にクマによる人的被害が近年増加している。餌が“凶作”ということもあり、人里に下りて来てしまうことが原因の一つに挙げられる。農林水産省によると、クマによる農作物の被害は年約5億円にも上る。2024年4月には「指定管理鳥獣」に追加され、国を挙げての対策も進行中だ。分岐点を迎えているクマ対策の現状と課題を、作家で元プレジデント編集長の小倉健一氏が解説する――。024年中の北海道内でのクマの目撃件数は7月16日午後4時現在、「1477件」となった。6月は1か月間で913件で令和最多となり、7月も北海道内全域で目撃が相次ぎ285件となっている、と北海道ニュースUHB(7月17日)が伝えている。また、環境省によれば、2023年度に報告されたクマによる人身被害は過去最多の219人で、死者は6人。今年度も4月から7月2日で人身被害34人、死者2人が出てしまっている。クマに襲われると、その場で殺されなくても危険な後遺症が残るようだ。日本人によって報告された『Prompt Procedures Have a Great Impact on the Consequences of Asiatic Black Bear Mauling』(2017年)という英語の医学論文にはこんなことが報告されている。同論文は<2013年5月から2015年9月まで、日本の3次医療機関である会津中央病院の救急・救 命センターにおいて後方視的研究を行った。この期間にツキノワグマによる傷害患者14例(男性12例、女性2例)に遭遇した>という。そして、下記4つの被害状況が報告されている。CASE1:5月中旬のある朝9時ごろ、77歳の女性が夫と一緒に山菜採りをしていたところ、ツキノワグマに襲われました。クマは夫には怪我を負わせずに立ち去りました。夫は彼女を車で病院に連れてきました。彼女は頭皮、顔、左耳、右太ももに裂傷を負い、右腕は変形していました。診察を行い、血液検査、生化学検査、X線検査を実施しました。X線では右手首の橈骨遠位端、尺骨茎状突起、第三中手骨の骨折が確認されました。CASE2:5月末のある日の午前7時、71歳の男性が山菜を採りに行った森林でツキノワグマに襲われました。彼は頭皮、顔、両手に裂傷を負いました。地元の消防署が救急車を呼びました。緊急医師による救急車内での診察時には、表在側頭動脈の枝からの出血により出血性ショックを起こしており、輸液蘇生と止血処置が必要でした。CASE3:8月初めのある日の午前8時ごろ、81歳の男性が作物畑に座っていたところ、ツキノワグマに襲われました。救急車が呼ばれました。彼は頭皮、頭部、両前腕に裂傷を負い、右眼球が眼窩から外れて露出していました。救急車内で輸液蘇生が開始されました。病院到着後、全身麻酔下で緊急手術が行われ、傷の一次縫合が実施されました。術後、感染症の合併症はありませんでしたが、視力が著しく低下し、まぶたが癒着していました。CASE4:8月末のある日の午後2時ごろ、64歳の男性が友人と一緒に山で山菜採りをしていたところ、ツキノワグマに襲われました。救急車が呼ばれました。彼の顔、左太もも、右上腕に裂傷があり、右鼻涙管も損傷していました。また、右上腕には裂傷に伴う剥離骨折がありました。全身麻酔下での洗浄とデブリードマン(壊死組織の除去)後に、傷の探索と修復、骨の損傷および鼻涙管の損傷の管理が行われました。彼は合併症なく16日目に退院しました。どの例も悲惨な攻撃を受けているが、ツキノワグマは通常、自己防衛のために人を襲う。この4つのケースもそうだが、クマは人間の顔面を襲うことが多い。<クマによる一般的な攻撃手段は、被害者の頭部や顔面部位を平手打ちすることであり、頭蓋骨や顔面骨の骨折、頭蓋外・頭蓋内出血、難聴、 血液の誤嚥による呼吸閉塞、顔面の深い裂傷を引き起こす>のだという。もし、こうした被害者がいたら、頭蓋骨が骨折をしていないか、よく確かめた方がいいということになる。また、クマから攻撃を受けた場合、打撃への処置だけではなく、感染にも注意した方がいいようである。<野生動物による咬傷は、傷口が様々な病原体に汚染されている可能性があるため、局所感染を引き起 こす可能性がある>と指摘されている。<クマによる傷害は通常致命傷には至りませんが、クマと人間の遭遇は遠隔地で起こることが多く、その結果、通報、救助、適切なケアにかなりの遅れが生じます。人里離れた場所で発生した場合、致死的な失血死が起こることもあるため、傷口からの止血、輸液による蘇生、気道管理など、これらの傷害の管理は早期の積極的な取り組みが命を救う可能性があるため、遭遇現場そのもので開始すべきです。救命救急センターにいる救急医が早期に適切な処置を行うことができるため、患者を救命救急センターに搬送することは非常に有益です>。兎にも角にも、クマに襲われたら一刻も早く救急車を呼べということに尽きよう。こうしたクマによる死亡者がでてくる背景には、日本の人口の高齢化と減少、特に地方でその傾向が顕著になっていることから、クマの人間の生息地域への活動が増えていることがあるようだ。襲ってくるクマを排除するには、銃を手にしたハンターの協力が欠かせない。しかし、基礎自治体は、ハンターに支払えるお金が足りないようだ。<北海道空知地方の奈井江町の猟友会がクマが出没した際の出動を辞退した問題で、町は猟友会奈井江部会への出動の依頼を断念しました。/この問題はクマが出没した際に出動したハンターに町から支払われる報酬額などを巡り、地元の猟友会が出動を辞退したものです。/ これまでに町が提示した額は日当が8500円、発砲した場合は1万300円でした。/猟友会側は危険な業務であるにもかかわらず額が低すぎるなどとして、5月18日付でハンターの出動を辞退するとの文書を三本英司奈井江町長に宛てに提出していました>。命懸けでヒグマと対峙するのに日当8500円である。同じ地域のハローワーク求人で調べても、同等の条件に当てはまるのはあまりなく、訪問介護員にも見劣りするレベルだ。アルバイト以下の報酬では、猟師が怒るのは無理はない。あまりにひどすぎる。そんな中、こんなニュースが報じられた。<環境省は市街地での猟銃使用の条件を緩和する方針を固めた。8日にある専門家の検討会で了承を得た後、次の国会で、所管する鳥獣保護管理法の改正を目指す。被害防止への期待の一方で、事故を防ぎながら確実に捕獲を進めるには高い技術が求められる><現在の鳥獣保護管理法は、38条で市街地での銃猟を禁じている。猟友会などがクマを撃つためには、立ち会った警察官から指示を受けるか、刑法の「緊急避難」にあたる、やむを得ない行為として対応するしかない。しかし、警察官が許可を出すのに時間がかかったり、発砲後に捕獲者が違法性を問われたりする事案も起きていた><環境省によると、第1種銃猟の狩猟免許を持つ人は1975年に49万人だったが、近年は9万人程度まで減り、猟友会の維持も厳しい。市街地での猟銃の扱いには、山林とは異なる特別なトレーニングが欠かせず、捕獲者への負担は大きい>。要するに、規制緩和で問題に対処しようというものだ。筆者はこの行政の態度を歓迎したい。日本の行政はお金があるうちは、補助金をばら撒くことで問題に対処しようという態度が顕著だ。しかし、そもそもの有害な垣根(規制)を取り払うことで、問題が改善されることはよくある。行政にありがちな「何かあったら不安だから規制をなくせない」ということも、お金がなく、追い詰められると規制緩和を進めるようだ。例えば、医者が不足すると報酬を上げて呼び込もうとするが、看護師により専門的な医療行為をできるようにすることでも、人手不足は緩和される。看護師が担ってきた医療行為の一部を、一般人ができるように規制緩和をしていくのだ。日本中のあらゆる業界で人手不足が生じている。冒頭の報告書でも救急車を早く呼んだ方がいいのは間違いないが、過疎地域では救急隊員の担い手も不足している。猟師に十分なお金を支払えないなら、違う誰かがその役割をしないといけない。社会全体で資格制度を緩和する方向で考えるべきだ。東京では専門家がそれぞれ揃っているかもしれないが、地方へ行けば、1人何役もこなさないと地域コミュニティは維持できないのだ。警察もいちいち出動しているほど人的資源が豊富とは言えないだろう。クマ被害を通して地域社会の在り方が問われている。
(玉野のイノシシ駆除、体制揺らぐ:岡山)
増え続ける有害鳥獣のイノシシ対策で、玉野市の駆除体制が揺れている。協力隊新設も、猟友会は業務撤退。
(撃退スプレーや花火などでクマを対処、現場で対応する警察官が学ぶ:岩手)
警察官がクマの対処法などを学ぶ研修会が岩手県滝沢市で開かれました。研修会は県警が初めて開いたもので、県内の警察署や交番などからおよそ30人が参加しました講師に招かれたのは、雫石町の職員で、農林水産省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーを務める谷崎修さんです。講義の中で谷崎さんは、クマが市街地に出没した際の警察の対応として、クマが出没した場所や大きさなどの情報を記録し、共有しておくことが大切だと強調しました。警察官は、クマが出没したという通報を受けると、現場にすぐさま駆けつけ猟友会などとともにクマの追い払いや住民の安全確保などの対応に当たります。講義の後に行われた実技の研修では、出動の際に身につけるヘルメットや盾などの装備を身に着け、クマを追い払う花火やクマ撃退スプレーの使い方を学びました。今年度県内では、クマによる人身被害が9件と、過去最多の46件となった昨年度と比べて少なくなっています。通常クマ被害は冬眠時期に向け減っていきますが、ここ数年は11月以降も被害が起きていて、注意が必要です。クマよけのスプレーは各警察署に配分されているされていて、今後各署で6日の研修内容を共有するということです。
(熟練ハンターが伝授、狩猟の技術身に着けて:千葉)
千葉県内ではイノシシやシカなど有害鳥獣による被害が深刻化しています。こうした中、有害鳥獣を駆除する人材の確保につなげようと、君津市で11月4日、狩猟免許を持つ人を対象にした見学ツアーが行われました。ツアーは県内で有害鳥獣の駆除に当たる人材を確保しようと県が主催したもので、地元の熟練ハンターを講師に迎え、県内外から約60人が参加しました。参加者はまず、山道を歩いて、講師から獣道の見分け方などを教わり、その後、イノシシやシカなどを捕獲する罠の種類や設置方法について説明を受けました。そして、実際に罠を触り、木の棒を動物の足に見立てて作動させるなどして、その強度を確かめていました。県によりますと、県内では、有害鳥獣の駆除に当たる人材が高齢化とともに年々減少していて、2023年度の有害鳥獣による農作物の被害総額は、3億3000万円に上っています。また、住宅の花壇などを荒らすキョンの被害も増えていて、その推定生息数は10年間で倍以上に増え、2023年度は8万6000頭に上ったということです。県自然保護課 磯谷明彦 副課長「狩猟免許を持っていても捕獲などの活動に取り組めていない人に体験してもらい、(県内で今後)有害鳥獣の捕獲の活動に取り組んでもらえればうれしく思う」
(クマ被害防止へ自治体情報を共有:岩手)
岩手県は31日、盛岡市内丸の県水産会館でツキノワグマ被害防止策に関する市町村連絡会議を初開催した。自治体の担当者が対策事例を紹介し、情報共有した。約60人が出席。大槌町の福島良樹・鳥獣被害対策専門員は山と人里との緩衝帯整備の取り組みを示した。県農業普及技術課の中森忠義・技術主幹兼農業革新支援担当課長が電気柵の活用について説いた。中森担当課長は「爆音機」や人形、オオカミの尿など、有効性が確立されていないにもかかわらず長年実践されている手法を挙げ「『伝説』のようなものに惑わされてはいけない。クマへの対策は電気柵以外にない」と強調した。
(鳥獣狩猟室、いざ結成:山形)
県内でクマ、イノシシなどの目撃や被害が相次ぐ中、西川町は1日、鳥獣狩猟室を設置した。20~30代の男女5人が所属。2人は以前から銃猟免許を所持し、他の3人は設置に合わせ、わな猟免許を今年取得した。高齢化が進む猟友会員の負担を軽減し、平日の日中でも迅速に対応できる態勢とする。県によると、自治体職員が狩猟免許を取得し、駆除を行う部署を設置するのは、県内では珍しい。県内で今年クマが目撃された件数は10月27日現在、318件で、人身被害は3件発生した。同町でも平年並みの目撃数で推移しているが、町内で近年特に深刻な問題となっているのがイノシシによる農作物被害だ。田畑を荒らされる事例が全域で起き、町猟友会員の出動件数は増加傾向にある。町猟友会員のうち、目撃情報を受けて現場で活動できるのは10人ほど。平日の日中であれば、仕事の都合などで5人程度に減る。そのほとんどが70歳以上で、「高齢化でベテランの会員もやめている」と同会長の悪七美男さん(76)。将来的な担い手の確保が課題となっている。鳥獣狩猟室はみどり共創課内に設置。わな猟免許取得者は捕獲に使用する箱わなの設置や見回り、餌の交換といった管理を担う。銃猟免許取得者は必要に応じて自宅保管の猟銃を取りに戻り、現場に向かう。同室長を兼ねる渡辺永悠みどり共創課長も、今回の設立に合わせてわな猟免許を取得した。「農作物被害の現場を目の当たりにしても対応できず、歯がゆい思いをしたこともあった」とし、業務に意欲を見せる。1日の辞令交付式で菅野大志町長は「危険も伴うが、町民の安全安心を守ってほしい」と期待を込めた。当面の課題について、渡辺課長は部署としての経験の少なさを指摘し、猟友会との連携が不可欠との認識を示す。悪七会長は「若手職員の協力は大歓迎。経験を積んでもらうために、動物の習性などを伝えていきたい」と話し、町は新規採用職員に対しても狩猟免許の積極的な取得を促すとしている。
(クマ出没での人身被害防げ、住民ら合同訓練:三重)
クマによる人身被害を想定した合同訓練が10月29日、南伊勢町村山のふれあいセンターなんとうであった。地区内では8月23日にツキノワグマが発見され、猟友会によって殺処分となる事態が起きたばかり。県や町、県警本部、伊勢署、県猟友会南伊勢支部、地元住民などの計約50人が参加し、再度の出没に向けた備えを確認した。県内でツキノワグマの出没が相次ぐ中、県は地域ごとに関係機関と訓練をしている。南伊勢町は8カ所目で、当初は8月29日に予定されていたが、台風10号の接近に伴う大雨の影響で延期となっていた。
(地道な活動実り根絶達成、南海文化賞のマングースバスターズ:鹿児島)
第45回南海文化賞を受賞した奄美マングースバスターズ(AMB)は、特定外来生物マングースの専従捕獲者チームとして2005年7月1日に結成。鹿児島県・奄美大島で防除事業の中心を担い、日々森に分け入ってマングースの捕獲作業に当たった。環境省は24年9月3日に島内全域での根絶を宣言。1993年の捕獲事業開始からの捕獲総数は約3万2千匹で、陸域総面積712平方キロという広い範囲で長期間定着したマングースの根絶例としては世界初という。環境省などによると、奄美大島のマングースは1979年ごろ、沖縄から持ち込まれたものが奄美市名瀬で放され定着した。沖縄ではかつてハブやネズミ類の対策のために導入された歴史があるが、奄美大島ではアマミノクロウサギやアマミヤマシギ、昆虫類やカエルなど希少な固有種を捕食しながら森林内まで生息域を拡大。ピーク時の2000年には推定約1万匹まで増えた。地元自治体による捕獲が1993年に始まり、環境庁(当時)も事業調査などを経て2000年から本格的な駆除作業を展開。05年6月施行の外来生物法でマングースが特定外来生物に指定されたことを受けAMBが発足すると、同省から防除事業を受託する一般財団法人自然環境研究センターのプロジェクト専門職員として全国各地から集った12人が雇用された。森の中に定着したマングースを捕獲するため、活動はわなを設置する道づくりから始まった。メンバーは事務所で地図を広げ、古い林道や尾根沿いに深い森の中へ。険しい地形や暑さ、ハブやハチなどの危険生物に悩まされながらも「わなルート」と呼ぶ道を切り開いた。当初、マングース用のわなは存在せず、既存のイタチわなを改良して使用。試行錯誤を繰り返してさらに改良を重ね、奄美大島の環境に対応したわなを開発した。07年には海外先進地を参考に探索犬も導入し、捕獲数が300匹を下回った11年度以降は特に探索犬の発見による捕獲が大きな効果を発揮した。捕獲作業と並行して地元の児童生徒や住民らへの教育活動にも力を入れた。結成から24年10月末までに、全国各地から延べ124人がメンバーとして活躍。現在も8人が在籍し、森の中のわなの撤去作業に従事している。また、初期メンバーの一人は相棒の探索犬と共に沖縄へ移住してやんばる(沖縄島北部)でマングース防除に取り組むなど、長年の経験と専門知識を生かした活動が広がっている。マングースの根絶宣言後も、防除事業は完了していない。今後も再侵入と別の外来種侵入への備えを進めるほか、モニタリング調査のためにこれまでバスターズが管理してきた自動撮影カメラも継続するという。山中の記録は在来種の回復状況を確認するためにも重要な資料で、関係者は保全や生態研究などへの活用を期待している。自然研究センター奄美大島事務所の松田維所長(55)は「メンバー一人一人が島の自然を元に戻そうと真剣に取り組んできた。マングースの根絶達成の要因は、とにかく人材に恵まれたということに尽きる。この先も沖縄からの再侵入などに警戒しながら迅速に対応していく」と語った。
(アライグマのわな設置、市民の手で:北海道)
アライグマによる生態系や農作物への被害を減らすため、市民の捕獲員を増やそうと、札幌市のNPO法人が9月29日、北海道長沼町で「アライグマ塾」と題する講座を開いた。定員30人は予約で満席に。家庭菜園の畑や職場にアライグマが出没するといった市民らが、捕獲法を学んだ。道によると北米原産のアライグマは1970年代後半、テレビアニメ「あらいぐまラスカル」の人気により、ペットとして日本に持ち込まれた。逃げたり、捨てられたりした個体が野生化。現在は国内全域に生息しているという。道内では79年、恵庭市内で逃亡したペット約10頭が酪農地帯に定着した。93年度に初の農業被害が報告され、22年度は約1億4400万円の被害を確認。同年度は過去最高の2万6425頭が捕獲されたという。
(臆病なシカ、発情期の秋はオスの「角攻撃」に注意を)
雄のみ1年ごとに生え変わり、力の象徴や縁起物としてあがめられてきたニホンジカの角。発情期の秋には、雌を巡って雄同士が角を突き合わせて戦うことでも知られる。そんなシカに角で突かれたとみられる男性の死亡事故が今月、京都府内で起きた。シカは本来臆病な性格で「不幸な条件が重なったのでは」と専門家。ただ全国的に野生のシカは増加傾向にあり、注意が必要だ。「近所の人が農作業から帰ってこない」。9日夜、京都府福知山市の住民から110番があった。京都府警福知山署によると、同市下天津の男性(68)はこの日、昼過ぎに1人で草刈りに向かったという。所有する田んぼの周辺では男性の車も確認された。警察や消防が捜索を開始。午後8時10分ごろ、田んぼの中で上半身から血を流して倒れている男性が見つかった。すでに死亡しており、棒状のもので刺された胸の傷は心臓付近まで達していた。翌10日夕、男性の死は衝撃的なニュースとなって報じられた。福知山署によると、「シカ犯行説」の根拠となったのは消防署員の目撃情報だ。田んぼでは発見当時、角の生えたシカ1頭が現場から逃げたという。襲撃の瞬間を見た人はいなかったが、衣服には動物の毛が付着。周辺にシカのものとみられる足跡も見つかった。田んぼはシカよけのフェンスで囲まれているが、2カ所ある出入り口から侵入したとみられる。「珍しいことだが、この時期ならあり得る」。動物の生態に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授はこう語る。山本氏によると、シカは9月下旬~11月ごろが発情期。硬化した角先を木にこすりつけてとがらせ、最も攻撃的になる。過去の同種事故も発情期に起きている。島根県飯南町で昨年10月、飼育施設で倒れている男性が見つかり、搬送先の病院で死亡した。飼育していた雄ジカの角に血が付着しており、襲われた可能性がある。宮城県牡鹿町(現石巻市)では平成14年10月、シカよけネットに引っかかった雄ジカを逃そうと近づいた男性が角で足を突かれ、出血多量で死亡した。「シカは普段、どちらかというと臆病な性格。襲ってくるような動物ではない」(山本氏)。ただ、シカなどの野生動物は朝夕が最も活動的で、音が鳴るものなどを携帯せず農地に行くと遭遇するケースが珍しくない。仮に角の生えた攻撃的な雄ジカと遭遇した場合、物陰に隠れたり、寝そべったりし、角に突かれにくい姿勢を取ることが重要だという。シカは全国的に増え、農作物の食害もあって社会問題化している。環境省によると、昭和53年度~平成30年度の40年間でシカの分布域は約2・7倍に拡大。強い繁殖力や餌を選ばないことのほか、狩猟者の減少などが原因とみられる。今回のように農地でシカなどの野生動物にどう備えればいいのか。山本氏は「動物は学習能力が高い。地形や気候、その地域で出没する動物などに合わせた柵を設置することが大切だ」と話している。
(クマなどの被害対策、住宅近くの国有林を整備:富山)
クマやサルなどの野生動物による被害を減らそうと、富山市の住宅地の近くにある国有林では、富山森林管理署の職員などが動物の隠れ場所となる茂みなどの手入れを行いました。手入れが行われたのは、田畑を風から守るため大正9年に「防風保安林」に指定された富山市にある「大沢野国有林」です。5日は、富山森林管理署の職員や県内の土木事業者など20人あまりが広さ2ヘクタールほどある国有林の一部で野生動物が身を隠す場所となる茂みをなたやチェーンソーなどを使い、伐採していました。国有林のすぐ近くには住宅地もあり、周辺では田んぼや畑でクマやサルなどの出没情報が相次いでいることから今回、富山森林管理署の呼びかけではじめて国有林の中の整備を実施したということです。林野庁富山森林管理署の小枝幸博次長は「防風保安林としての機能を残しながら周辺の住民の安全のために整備をしたい」と話していました。県によりますと、ことしに入ってから10月末までの県内のクマの出没件数は300件で、去年の同じ時期と比べて142件少なくなっていますが、県ではクマが冬眠するまでの間は警戒するよう呼びかけています。
(シカやイノシシによる農林業被害減へ協定:大分)
シカやイノシシによる農林業被害を減らすため、林野庁大分西部森林管理署、九重町、県猟友会玖珠郡支部の町内4分会が10月30日、対策協定を結んだ。
(クマ対策、徹底を確認:山口)
3日に山口県岩国市寺山地区の山中で、イノシシ猟をしていた市内の50代男性がクマに襲われて負傷した被害を受け、県は4日、岩国市役所で緊急対策会議を開いた。関係者ら約20人が被害防止の取り組みの徹底を確認。県内でクマによる人身被害の発生は本年度3例目で、危機意識を一層高めた。県によると、記録が残る1993年度以降、年間で人身被害の複数の発生は前例がない。
(県が今年度3回目の「クマ出没警報」発令:山口)
山口県岩国市の山中で3日、イノシシ猟をしていた50歳代男性が熊に襲われたことを受け、県は同日、今年度3回目となる「クマ出没警報」を発令し、4日、同市役所で緊急対策会議を開いた。県自然保護課によると、会議には市や猟友会の関係者らが出席。現場一帯の住民に対する注意喚起の方法などを協議した。県警岩国署の発表によると、男性は3日午後、体長約1・3メートルの熊に鼻付近を引っかかれるなどしてけがを負った。熊はその後、男性の仲間が猟銃で射殺した。熊の目撃件数は2022年度の254件から、23年度444件、今年度(11月1日現在)674件と急増している。
(野生イノシシ対象にワクチン空中散布:栃木)
ブタの感染病、CSF=豚熱が県内の養豚場などに広がるのを防ごうと、感染源の1つとされる野生のイノシシを対象にしたワクチンの空中散布が日光市で行われました。栃木県内の養豚場ではことし2月と5月に豚熱の感染が確認されておよそ1万7000頭のブタが処分されるなど、深刻な被害が出ました。豚熱の感染源の1つとして野生のイノシシが挙げられていることから県ではイノシシを対象に豚熱のワクチンを混ぜたエサを空中からまく感染対策を4年前から行っていて、5日は日光市の山間部で散布が行われました。ワクチンを含んだエサは人の足で立ち入るのが難しい地点を狙ってヘリコプターから散布され、5日だけで3000個近くがまかれるということです。県によりますと、ワクチンは日光市のほか、那須塩原市や那須町など県北部を中心に今月下旬までにおよそ1万6000個を空中からまく予定だということです。県畜産振興課家畜防疫班の小島浩一班長は「農場だけでなく、野生動物への対策も重要で、イノシシが活発に動くこの時期を狙って散布した。県としても継続して対応にあたりたい」と話していました。ことし5月に那須塩原市で発生した豚熱について栃木県では専門の対策チームの「豚熱対策タスクフォース」を立ち上げて原因の調査や効果的な対策を検討してきました。先月末に公表された検討結果によりますと、豚熱への感染が確認された農場の周辺では4月におよそ7キロ離れた地点で野生のイノシシの感染が確認されていたものの、農場の周囲100メートル圏内ではイノシシの痕跡は確認できなかったということです。一方でネズミなど小動物が侵入したとみられる形跡が確認されていることから、タスクフォースでは小動物を媒介し感染が発生した可能性が高いと結論づけました。また、農場では4月からブタの死亡が増加していましたが豚熱を疑わなかったため、県への通報が遅れ被害が拡大したとも分析しています。県は「通報が遅れれば、ほかの農場のブタにも感染を広げる危険性もあるので、養豚農家は意識を高めてほしい」としています。
(クマアラート」の注意報を延長:三重)
三重県では10月下旬、ツキノワグマの目撃情報が相次いで寄せられていて、県は南部の10の市町に出している、クマの出没への注意を呼びかける「クマアラート」を11月末まで延長し、引き続き注意を呼びかけています。三重県によりますと、10月22日、大紀町の山あいの林道で、31日には熊野市の熊野古道で、相次いでツキノワグマの目撃情報が寄せられました。このため、県は、伊勢地域の7市町と熊野地域の3市町に10月31日まで出していた、クマの出没への注意を呼びかける県独自の「クマアラート」を11月30日まで延長しました。県は、クマに襲われるなどしてけが人が出た場合には自治体ごとにクマアラートの「警報」を、また、県内7つの地域ごとに、1か月の出没件数が過去5年の平均の2倍を超えた場合には「注意報」をそれぞれ発表していて、10の市町には「注意報」が出されていました。三重県内では令和6年4月から10月までのクマの出没件数が136件にのぼり、昨年度1年間の40件の3倍以上となっているということで、県は山に入るときには鈴やラジオなど、音が鳴るものを携帯したり、単独での行動を避けたりするなどの対策を取るよう呼びかけています。
(狩猟解禁で一斉安全パトロール、ワナの標識の内容が間違っていたケースも:静岡)
11月に入り静岡県内でイノシシとニホンジカの狩猟が解禁され、法律に違反する狩猟や事故を防ごうと県下一斉に安全パトロールが行われました。静岡県では11月1日からイノシシとニホンジカを対象とした狩猟が解禁されました。11月15日からはマガモなどを含めて全面解禁となります。解禁に合わせて1日、静岡県内一斉の安全パトロールが実施され、伊豆の国市では県や市の担当者のほか警察官と鳥獣保護管理員などが狩猟が行われていそうな場所をパトロールしました。パトロールの結果、仕掛けられたワナの標識に記載する内容が間違っていたり、標識とワナが離れていて危険な状態だったりしたケースが見つかり、持ち主の連絡先などを確認しました。静岡県東部農林事務所 森林整備課 池田正樹さん「ルールとマナーを守って人をケガさせない自分もケガをしない安全狩猟に取り組んでいただきたいと思います」。また警察は車内に銃などを放置したり、日の出前や日没後に銃を使った猟をしないよう呼びかけています。
(シカと衝突、車は大破:北海道)
北海道江別市で乗用車とエゾシカが衝突する瞬間が、ドライブレコーダーに記録されていました。撮影した人によりますと、10月12日未明、江別市内の道路を乗用車で走行中、道路わきから突然飛びしてきたシカと衝突したということです。けが人はいませんでしたが、車は前方が大きく壊れたということです。道の調査ではシカの推定生息数は年々増加し、2023年度は過去10年で最多の73万頭となっています。シカが関係する交通事故も2023年、過去最多の5287件発生しました。
(クマの「執着」に緊張走る:神奈川)
丹沢・大山を望む神奈川県伊勢原、秦野市でクマの目撃件数が例年を上回るペースで増加している。これまで人的被害はなかったものの、地元は間もなく紅葉シーズンで多くの登山客や行楽客を迎える。関係者は「散策中に遭遇することのないように、音の出るものを持って自分の存在を知らせてほしい」と注意を呼びかけている。クマの目撃・痕跡情報について、伊勢原市では22日現在で15件が寄せられた。前年同期比で3件増だが、8月8日には大山山麓の子易地区で目撃されたクマが、住民宅で飼われていたウコッケイなどを連日襲った。強い執着を見せたことから同10日にわな設置を県に依頼。半日も経たずにおりにかかり、その日のうちに捕殺された。その5日後にも同地区で別の個体が目撃されたことから、近隣には再び緊張が走った。市農業振興課は「クマは基本的に臆病なことから、鈴やラジオなど人がいることを伝え、同行者がいる場合は会話をしながら散策を楽しんでほしい」と呼びかける。
(国道で車がクマと衝突する事故、クマ1頭が死ぬ:新潟)
十日町市で4日午前、国道を走行していた普通乗用車が道路脇から飛び出してきたクマと衝突する事故がありました。車を運転していた男性にケガはありませんでしたがこの事故でクマ1頭が死にました。事故があったのは十日町市中条己の国道252号です。警察によりますと4日午前8時前、普通乗用車が国道を走行中、道路脇から飛び出してきたクマに衝突しました。1人で車を運転していた男性は衝突後に警察へ通報、現場に駆け付けた猟友会が調べたところ横たわっていたクマが死んでいるのが確認されました。クマは体長約1.5メートルの成獣だったということです。車は前部分のバンパーが破損したということですが、運転していた男性にケガはありませんでした。現場から約200~300メートル離れたところには集落があり、十日町警察署と十日町市がパトロールや広報を行っていて、付近の住民に警戒を呼び掛けています。
(駅前のムクドリの大群に頭抱える住民たち:滋賀)
ムクドリの大群による騒音やフンの被害。滋賀県のJR南草津駅周辺では5年以上前からムクドリの大群が飛来していて、周辺住民が頭を悩ませています。これを受けて市が苦渋の決断をしました。滋賀県草津市のJR南草津駅前。2011年から新快速が止まるようになり、新しいマンションが増え、ベッドタウンとして人気を集めています。駅の西口を出てすぐそばにある街路樹が並ぶ通り、通称「けやき通り」と呼ばれ、日中はとても静かな場所です。しかし、夕暮れ時になると“ある異変”が起きます。空を覆うほどのムクドリの大群がやってきました。通りにある電線の上や、けやきの枝に群がります。そして、耳を覆いたくなるような大きな鳴き声が夜まで響き渡ります。その音の大きさを測ってみると、81デシベルでした。80デシベルは地下鉄の車内やゲームセンターの店内などと同じレベル。周辺住民らは毎日この騒音に悩まされているといいます。問題は鳴き声だけではありません。歩道が白く見えるほどの大量のフン。路面だけでなく、周囲の植え込みもフンだらけです。市民の怒りの声に対策に追われているのが草津市の担当者です。(草津市道路課 孫本翔太郎さん)「(Qすごい数ですね?)そうですね…例年に比べても今年に関してはすごく多いと思いますね」。市によりますと、ムクドリがやってくるようになったのは5年以上前で、この通りのけやきをねぐらにしています。そして、なぜか今年に入って特に多くなったといいます。そこで市がとっている対策が、「防鳥機」を使った“音による追い払い”。メガホンのような機械で、ムクドリが嫌う音などを出して追い払うといいます。音を鳴らすと、ムクドリが木から一斉に飛び立ち、去っていきました。しかし、これで一件落着…とはいきません。というのも…(草津市道路課 孫本翔太郎さん)「ここ(西口)の追い払いをした後に、次は南草津駅の東口の方に来てしまうという事態に陥りまして」。駅の西口側に居ついているムクドリ。草津市が今年の夏に追い払いを行ったところ、今度は駅の東側へと移動してしまったのです。駅の東側にある不動産会社に話を聞きました。突然、ムクドリがやってきたため、近くのマンションの入居者やテナントから対策を求める相談が相次いだといいます。そこで市は、今度は駅の東側で対策を実施。東側から追い払うことができましたが、ムクドリが向かった先は、もといた駅の西側でした。まさにいたちごっこです。終わらないムクドリ対策に頭を悩ませているのは草津市だけではありません。奈良市では20年ほど前からムクドリとの戦いを続けてきました。天敵のハヤブサの模型を木の上に設置したり、ムクドリの悲鳴を録音したテープを流したり…。やけくその「木にキック作戦」も。そして2022年には、学校から借りてきた拍子木を鳴らすという原始的な対策も展開。ただ、いずれも一時的に効果はあったものの結局、ムクドリは戻ってきてしまっていました。一筋縄ではいかないムクドリ対策。草津市は新たな対策に乗り出すことを決めました。けやき通りの象徴であるけやきの枝を落とすという苦渋の決断をしたのです。まずは一部の木について枝の剪定を行い、結果が出なければ、最悪、全ての木を伐採することも検討しているといいます。(草津市道路課 孫本翔太郎さん)「ムクドリがねぐらにしていたけやきの木を剪定して、物理的にとまれなくすることで、南草津駅周辺のムクドリの全体数を減らせるのではないかという期待を持っています。いろいろな方法を模索しながら対策していきたいと思っております」。市民たちの生活環境を守るため、草津市のムクドリとの戦いは続きます。
(ヒグマが攻撃してきた!車めがけて"体当たり":北海道)
北海道道東の標津町で、走行中の乗用車がヒグマに襲撃されました。運転手にケガはありませんでしたが、車体が大きく損傷しました。クマに襲われ、大きくへこんだ車…車体には穴もあいています。11月2日午後5時30分ごろ、標津町の道道863号で、走行中の車に向かって突然、クマが突進してきました。クマは、停車した車の運転席側に体当たりしたほか、爪で引っ掻くなどしました。男性は車を急発進させ、その場から逃れ、ケガはありませんでした。周辺では、10月下旬にもクマとの衝突事故があり、手負いとなっている可能性もあるため、標津町は5日に箱ワナを設置する予定です。
(全国ジビエフェアを開催します!)
農林水産省は、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及、需要拡大に向け、全国ジビエフェアを開催します。ジビエメニューを提供する全国の飲食店やご当地フェア等の情報を特設サイトで紹介していますので、この機会にぜひジビエを楽しんでみてください。農作物の鳥獣被害防止対策等のための鳥獣捕獲が増加する中、捕獲した野生鳥獣を地域資源ととらえ、ジビエとして有効活用する取組が全国で拡大しています。このような中、農林水産省は国産ジビエの認知向上、普及、需要拡大に取り組んでいます。「全国ジビエフェア」では、日本全国のジビエを取り扱う事業者に参加を募り、特設サイトにおいて、フェア期間中にジビエメニューを提供する飲食店、宿泊施設、ジビエ等商品(精肉、加工品、ペットフード、皮革製品等)を販売する小売店、ECサイトの情報をとりまとめ、ご紹介します。また、特設サイト内に特集ページを設け、様々なジビエの楽しみ方をご提案します。さらに、各地域のご当地ジビエフェア情報やイベント情報なども多数ご紹介し、どこに行けばどんなジビエが食べられるのか、どこで買えるのかなどの情報提供を行うことで、ジビエを食べたい!買いたい!という機運を盛り上げ、ジビエの消費拡大を図ります。(事業実施主体:株式会社ぐるなび)
(ベックスコーヒーショップ、15年目を迎えるジビエプロジェクト)
首都圏の約60店舗で、2024年9月から国産ジビエ 鹿肉カレーが期間限定で販売開始。今年は新たな店舗も加わり、ジビエの普及をさらに広げます。鳥獣被害対策として捕獲された鹿肉を使ったこのカレーは、赤ワインやスパイスの豊かな味わいが楽しめます。高たんぱく・低脂質でヘルシーな鹿肉の魅力を味わいつつ、持続可能な社会の実現に貢献するプロジェクトです。一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事兼オーベルジュ・エスポワールオーナーシェフ、藤木徳彦氏(以下、藤木氏)が監修しています。2024年9月から販売された「国産ジビエ 鹿肉カレー」には、ジビエ業界の発展に大きく貢献してきた藤木氏の尽力があります。藤木氏は1998年から「おいしいジビエを捨てずに生かしたい」という思いから、自身でジビエの活用やおいしさを伝える取り組みをはじめ、その後一般社団法人日本ジビエ振興協会を立ち上げました。藤木氏は、鹿肉の安全性を高めるため、解体から処理に至るまで徹底した衛生管理体制を構築するため、国産ジビエ認証制度の策定を国へ提案し、策定後は制度の推進に取り組んできました。その努力が実を結び、徐々に国産ジビエの認知が広がってきました。現在、全国の30箇所にある「国産ジビエ認証取得施設」で加工された鹿肉は、厳しい衛生管理のもと、品質が保証され、大手外食や、企業給食への活用が進んでいます(今回のカレーで使用する鹿肉も、認証を受けた施設で加工されたものです)。また、JR東日本クロスステーションでは、2010年から鹿肉を使ったメニュー開発を藤木氏監修のもとおこない、東京近郊のJR東日本のエキナカの自社店舗で、駅弁やハンバーガーなど様々な商品を販売し、今年で15年を迎えました。
(地元企業と連携しジビエ活用「しかコロパン」開発:埼玉)
皆野町大渕の県立皆野高校商業科の3年生9人が、有害鳥獣対策に取り組む民間企業カリラボ(横瀬町)、菓子工房橋本(秩父市)と連携し、シカ肉のコロッケをパンに挟んだ「しかコロパン」(税込み800円)を開発した。2日の同校文化祭で午前10時から、30個限定で販売する。同校は2016年度から、秩父地域の魅力をPRする商品開発を独自で取り組んでいる。同年は新井武平商店(皆野町)、肉の宝屋(小鹿野町)、菓子工房橋本協力のもと、イノシシやシカの肉を使った「激推イノシカバーガー」を、22年は亀沢屋(皆野町)と連携して菓子「なんちゃって?みそぽてサブレ」を開発、商品化させた。今回のしかコロパンは、地元猟友会などが捕獲したジビエ肉を加工・販売するカリラボが製造したシカ肉のコロッケを使用。同校卒業生でもある菓子工房橋本の橋本誠さん(61)が調理した。生徒9人は商品名の考案、レシピ開発、仕入れなどを担い、今後はさまざまな場で提供するための販路開拓を進めていく。開発に携わった同校3年作田渚さん(17)は「新井武平商店のみそを使った甘じょっぱいタレが決め手。シカ肉の臭みはなく、パンに挟んだキャベツのシャキシャキ食感も絶妙」と、完成品に満足していた。
(「ジビエ給食」初登場:愛媛)
有害鳥獣による農作物被害の軽減に役立てようと、伊方町の小中学校8校と三崎高校で10月30日、町内で捕獲されたイノシシの肉を使った「ジビエ給食」が初登場し、計約530人の子どもたちが自然の中で育まれた力強い味を楽しんだ。同町では近年、イノシシやシカ、アナグマなどによる被害が深刻化。町は地域資源として活用するため、2023年12月に学校給食センター跡(同町河内)に獣肉処理加工施設を整備した。給食はその一環で、今後も定期的に提供する予定。この日のメニューはメンチカツ。イノシシは同施設で解体後、県外でひき肉処理したものを給食として利用した。
(世界初”イノシシ革”の野球グローブお披露目:福岡)
廃棄されることが多い”イノシシの革”を使った野球のグローブが完成し、1日、福岡市でお披露目されました。手がけたのは、東福岡高校出身で、ドイツのトップリーグ「ブンデスリーガ」でプロの野球選手として活躍した片山和総(31)さんです。片山さんは、イノシシの革が軽くて強く、通気性に優れ、ざらざら感はボールの回転を止めるのに向いていると考え、約3年かけて完成させました。価格は、税込み6万6000円。一般的なオーダーでの硬式用グローブと同じくらいで、インターネットでの販売が始まっています。片山さんは、「イノシシの革の良さを知ってもらい、財布やかばんなどの製品も手掛けていきたい」と話しています。
(冬山がもたらす恵みを味わう「山麓のジビエ鍋」提供開始:山梨)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2024年12月1日から2025年2月28日まで、山梨の冬山がもたらす恵みを味わう「山麓のジビエ鍋」を提供します。山梨の風土が生み出すこだわりの水とジビエを通して、冬の恵みを堪能する1泊2日のプログラムです。日本酒づくりの見学や山梨の水から作られる出汁を味わい、冬ならではのジビエ鍋を山梨の地酒と合わせ、至福の時間を過ごします。この本プログラムを通して山梨の冬山がもたらす恵みの奥深さを知ります。
(37の飲食店で「ふくおかジビエフェア」:福岡)
「ふくおかジビエフェア2024」が現在、福岡県内の飲食店で開催されている。主催は福岡県。県内で捕獲されたイノシシやシカの肉を「ふくおかジビエ」として有効活用するため、ジビエのおいしさを伝える料理フェアを企画した。2013(平成25)年から開催し、今回で12回目。今回のテーマは「meetsジビエ~ジビエとの幸せな出合い~」。「ふくおかジビエの店」に認定された福岡市、北九州市、久留米市、飯塚市などの飲食店37店舗でジビエ料理を提供するほか、酒とのペアリング提案、ジビエを使ったオリジナルパンの開発・販売など、多方面からアプローチするという。提供メニューは「フレンチ・アラカーン」(福岡市早良区南庄4)の「ふくおかジビエのスモークグリエ オランジェウイスキーソース」(コース料理の一品として提供)、「ブラッスリー グラップ」(春日市)の「眠り〆猪バラ肉のプティ・サレとレンズ豆の煮込み」(2,900円)、「ビストロ ピック ドール」(福岡市中央区白金1)の「眠り〆猪のスネ肉のコンフィ ギャートルズ風」(アラカルト=4,000円~)、「スパニッシュ&イタリアン クラフトビールLEON(レオン)」(久留米市)の「猪バラ肉の黒ビール煮」(1,930円)など。オリジナルパンは、11月2日~4日にキャナルシティ博多で開催される「パン!パン!マルシェ」で限定販売する(販売は2日・3日のみ)。福岡県農林水産部経営技術支援課の課長技術補佐、古財晶子さんは「プロの手で適切に処理されたジビエは、安心しておいしく食べることができる地域の魅力的な資源。当フェアをきっかけに、多くの方に『ふくおかジビエ』のおいしさを体験してもらえたら」と話す。
(狩猟を疑似体験、ジビエ料理を味わう:青森)
青森県弘前市の弘前公園で開かれている弘前城菊と紅葉まつり(1~10日)で、狩猟を疑似体験し、ジビエ(野生鳥獣肉)のアップサイクルを学ぶユニークなイベントが行われている。命をいただくことを伝える食育や、鳥獣被害を知ってもらうことが目的。植物園を山や林に見立てて散策するツアーで、モデルガンで「獲物」を捕獲したり、ジビエ料理を味わったりする。まつり期間中、2~4日のみ行われ、ジビエの加工品を販売する「ジビエつがる」の盛英吾さん(40)=同市=が考案した。2日の午後の部では、参加者は猟友会ベストを着てモデルガンを手にしたハンターさながらの格好で出発。あらかじめ設置されたクマやタヌキなどの足跡を探したり、動物の生態を学んだりした。約20分間のツアー終盤にはシカの置物を「捕獲」。その後、ニホンジカのミネストローネを食べ、命をいただくことを学んだ。参加した石井博埜さん(11)=横浜市=は「動物の足跡の見分け方が分かった。銃は重かったけど楽しかった」と話した。盛さんは「『撃って食べる』ことの疑似体験を通して、命と食について考えてもらえたら」と述べた。午前10時~午後3時。参加費は1人2千円。
(ジビエ施設好発進「プラスの存在へ」:山梨)
富士山麓で捕獲した野生シカの解体から加工、販売を担う山梨県富士吉田市の施設「富士山ジビエセンター」がオープンした。山麓ではシカが増えすぎて、森林や農作物の食害に悩まされていることが背景にある。集客やジビエ販売ともに目標の4倍ペースと好調な滑り出しで、市は「環境保全に貢献し、野生鳥獣を負の存在からプラスに変える」と意気込む。富士山が一望できる「道の駅富士吉田」の隣にあり、黒い外壁の平屋が見えてくる。複数の家族連れがシカ肉を使ったハンバーガーを購入し、東京都内から訪れた金子祥司さん(56)と妻なおみさん(57)も「臭みがなく、肉汁のうまみが広がる」と笑顔だった。市によると、周辺ではシカが稲や野菜、樹木の新芽を食べる被害が発生し、農作物被害額に占める割合が野生鳥獣の中で最多だった。一方、捕獲する地元猟友会メンバーの高齢化が進み、人数も減少。山麓のシカは年間約500頭が捕獲されるが、加工施設がなく、穴を掘り埋めるしかなかった。市は有効活用するために施設を建設し、7月中旬にオープンさせた。施設は延べ床面積が約370平方メートル。猟師が捕獲したシカを持ち込み、施設が買い取る。解体後、うまみを閉じ込めるため数日間熟成し、部位ごとに切り分ける。観光客が手軽に食べられるようハムやソーセージなど身近な食材に加工し、施設内で商品を販売する。ジビエ加工は「嫌悪施設」のイメージを持たれ、市街地から離れた場所に設置することが多いという。市は、ジビエ文化の理解を深めてもらうため年間200万人が訪れる道の駅に隣接させた。イラスト解説を展示し、学習施設の機能を持たせた。熟練の猟師から若手への技術伝承にも取り組む。運営公社の責任者、水越欣一さん(62)は「命の大切さやジビエ文化を知ってもらう機会にしてほしい」と話した。
(シカ肉使ったジビエが人気:長野)
長野市中条の道の駅では3日、地域の魅力をPRする恒例の「信州むしくらまつり」が開かれました。会場では中条地区の名物「おぶっこ」の販売や、ピザ作りの体験などが行われ、38のブースが出店。中でも市内で獲れたシカ肉=ジビエの振舞いが人気を集めました。
(狩猟免許を持つオーナー厳選!今が旬のフレッシュジビエを食べ尽くす:東京)
飲食店の経営、企画、総合プロデュースを手がける株式会社アドリープ(本社:東京都三鷹市、代表取締役:竹松 弘光)は、精肉・飲食・通販を総合的に展開する肉のセレクトショップブランド「肉よろず(R)」の一環である、精肉店併設の肉と薪火料理のお店『かまど焼 NIKUYOROZU』にて、「ジビエづくし牡丹鍋コース」を2024年12月15日(日)まで期間限定にて提供中です。
(獣医学部が開発協力したジビエのペットフード発売:岡山)
岡山理科大学獣医学部が開発に協力し、ジビエを使ったペットフードが11月1日(金)、オンラインで発売されました。有害鳥獣として捕獲されたシカを利用した犬用のドライタイプのペットフードです。もともとは、シカやイノシシの農産物被害などに悩まされていた愛媛県鬼北町の獣害対策として浮上したアイデア。捕獲後、埋設処分していたシカなどの有効利用を、と獣医学部や今治明徳短期大学、愛媛県産業技術研究所、鬼北町などが参画して「ジビエペットフードプロジェクト」が動き出したのが2021年です。2023年10月には「鬼北町ジビエペットフード加工処理施設」が運用を開始して、本格的にペットフード作りがスタート。素材にはアレルギーリスクが低いとして、シカ肉を使用し、愛媛県産の野菜やタイの身を加え、栄養バランスを考えて製品化にこぎつけたのが、「鹿肉60%ドライフード」です。開発に携わった獣医学部獣医学科の松田彬准教授は、ペットフードの基礎知識から製造にあたっての注意点など、全体的なアドバイス業務を担当。「この計画が動き出した2021年ごろには加工施設もなく、犬が食べてくれるかどうか確認するための試作品作りも大変でした」と振り返ります。試行錯誤の末に試作品が出来上がると、早速アンケートを実施。獣医学部の教職員、学生、一般家庭で飼われている犬たちに試食させてみると、回答が届いた52匹のうち、50匹が「食べた」、中でも48匹は「完食」。さらに「普段のえさと比べて食いつきはどうか」では「とても良い」「良い」が32匹と、アンケート結果は上々で、関係者は自信を深めました。「正直言って、最初のころは本当に出来るのかな、と思っていました。それが何とか発売までこぎつけられてホッとしています」と松田准教授。「人工添加物は一切使わず、愛媛県産の素材にこだわっているのが一番のポイントです」とPRしています。
(クマ出没:宮城)
白石市によると、6日午後5時10分ごろ、白石市福岡蔵本狐峯一番にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前3時ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。
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(イノシシ暴走で20件超の通報相次ぎ4歳女児ら2人けが、猟友会などが捕獲:福岡)
31日夕方、福岡県久留米市で、4歳の女の子がイノシシに襲われ、けがをしました。市内では、イノシシの目撃情報が相次ぎましたが、その後、捕獲されたということです。久留米市消防局によりますと、31日午後5時半すぎ、久留米市東櫛原町の住宅街の道路上で「子供がイノシシに追突された」と、目撃者から119番通報がありました。警察と消防が現場に駆け付けたところ、母親と保育園から帰る途中だった4歳の女の子がすり傷を負っており、病院に搬送されましたが、命に別条はありませんでした。久留米警察署によりますと、市内では31日夕方から「イノシシと人がぶつかった」「イノシシが車とぶつかった」などの通報が20件以上相次ぎ、この女の子と50代の男性の2人が、けがをしました。このイノシシは、その後、西鉄久留米駅付近の繁華街を通過したとみられ、午後8時ごろ、女の子が負傷した現場からおよそ1キロ南の諏訪中学校の体育館内にいるところを、地元の猟友会などに発見されて捕獲されましたが、体長およそ150センチのメスだったということです。イノシシを発見した諏訪中学校の教師「体育館の脇、久留米学園と諏訪中学校の体育館の間から入って来て、そのあと壁沿いを歩いていったあとに校舎内を徘徊して、そのまま隙間が開いていた体育館の中の方に入って来ました」「自分が見つけて、窓の外からたまたま見た時に入って来たってことで、すぐに走って職員室の方に伝えて、すぐに警察の方だったり猟友会の方が来られて対応されたって形ですね」。
(住宅街にもイノシシ、1人がけが:福岡)
1日午前、福岡市東区の住宅街にイノシシが現れ、警察によりますと、男性1人がけがをして病院に運ばれました。県内では、久留米市でも31日夜住宅街にイノシシが現れて2人がけがをしていて、警察が、見かけても絶対に近づかないよう呼びかけています。警察によりますと、1日午前8時ごろ、福岡市東区原田の住宅街で「イノシシが徘徊している」という通報が相次ぎました。イノシシは体長1メートルほどで、警察によりますと付近で男性1人がけがをし、病院に運ばれたということです。その後、イノシシは住宅街を北に移動し、午前10時すぎには警察官が東区筥松付近を流れる川を泳いでいるのを確認したもののその後見失ったということで、再び住宅街に現れないか警察官およそ10人が警戒にあたっています。県内では31日夜、久留米市でも体長1メートル50センチほどのイノシシが住宅街に現れて子どもを含む2人がけがをし、警察はイノシシを見かけても絶対に近づかないよう注意を呼びかけています。
(”ヒグマの箱わな”確認し山へ入った名ハンターの猟友会会長か:北海道)
北海道南部の厚沢部町の山林で10月30日、男性の遺体が発見されました。前日の29日からヒグマの箱わなを確認しにきた70代のハンターとみられています。遺体は警察や地元の猟友会メンバーが見つけました。「父親が箱わなを確認しに行ったまま帰ってこない」と29日午後9時過ぎ、男性の家族から警察に通報があり、30日朝から捜索していました。遺体は斜面に倒れていて、頭部に大きな損傷がありました。男性は猟友会の会長でした。「(Q亡くなったのは猟友会の会長?)そうだ、そうだ。20頭も30頭も獲っている、シカを。名ハンターだ」(捜索していたハンター)。現場の周辺はヒグマがよく出没する場所ですが、遺体の周辺に痕跡はなかったということです。警察は男性の身元の確認を急ぐとともに死亡した状況を調べています。
(今年度上半期のクマ出没過去最多:福井)
年度の上半期に県内で確認されたクマの出没件数は638件で、統計を取り始めた2004年以降で、最も多かったことが、県のまとめで分かりました。県はクマが冬眠する12月ごろまでは出没が増えるおそれがあるとして、クマを引き寄せない対策をとるよう呼びかけています。県によりますと、ことし4月から9月までの今年度の上半期に、県内でクマを目撃したり、足跡やフンなどの痕跡が見つかったりした件数は638件に上りました。去年の同じ時期から倍増していて、統計を取り始めた2004年以降で、最も多くなりました。ことしは、クマが好んで食べるドングリなどの木の実が、大量に出没した年と比べて不作ではないものの、クマの生息域が人が住む地域まで広がっているおそれがあることから、冬眠する12月ごろまではクマを引き寄せない対策をとるよう呼びかけています。具体的には、柿の実を収穫したり伐採したりすることや、生ゴミは放置せずすぐに処分すること、それにクマが潜むことができるやぶは刈るよう呼びかけています。
(クマ出没、AIカメラ通報:富山)
31日午前8時ごろ、砺波市徳万の富山県砺波青少年自然の家の山林で、市が設置した「クマAIカメラ」にクマ2頭が撮影された。砺波署、市有害鳥獣捕獲隊、市が現地確認を行い、足跡を見つけたものの、個体は発見できなかった。AIカメラはクマの出没が確認された場合、市職員や自治振興会役員の携帯電話やパソコンに連絡メールが即座に入る。今回は午前8時半には準備を始め、同9時には現地確認を行った。カメラが撮影した2頭の動物が99%、98%の確率でクマと判断された。市はLINEと緊急メールで市民に情報提供した。砺波市内では中山間地で24台のクマAIカメラが設置されている。
(“沖縄本島にいないはずのシカ”徹底追跡:沖縄)
狭い県土に多様な動植物が生息する沖縄。固有種がいれば、本土にはいても沖縄本島にはいない種も。その一例が、「シカ」だ。しかし今月、沖縄本島にいるはずのないシカが、本島北部・国頭村の路上で目撃された。シカはいったいどこから来たのか。徹底追跡した。取材のきっかけは、視聴者から寄せられた映像。10月21日、「やんばる」と呼ばれる山林地域を通る県道の路上にいたのは、立派なツノを持つ雄のシカだった。そしてこのシカが目撃された2日後にも、近くの林道で2例目の目撃情報が報告された。これまで沖縄本島での生息は確認されたことがないシカ。目撃されだしたのはごく最近のことのようだ。鋭いツノを持つ雄のシカ。村や警察は、見かけても決して近づかないよう注意を呼びかけている。それにしても、いるはずのないシカはどこから来たのか。いくつかの可能性が考えられたが、これ、というものはなかった。慶良間諸島は、那覇市まで直線距離で約30キロ、国頭村までだと約100キロ離れている。誰にも目撃されずに泳いで渡りきったり、フェリーに乗ったとは考えにくいようだ。目撃者は「動物園から脱走した?」と疑っていたが、その可能性はないのか、RBCが県内の動物園に取材したところ、シカが逃げたという情報はなかった。次に、県内の動物の飼育状況を管理している「動物愛護管理センター」に問い合わせた。すると管理センターに登録されているなかに、シカが目撃された場所から数キロ離れた場所でシカを飼育しているという情報があった。シカの飼育を登録していたのは、動物園の開園を目指して準備を進めている「やんばるライオン」という施設。施設の代表が取材に応じた。動物の展示や販売をする施設は、県の動物愛護管理センターに届け出る必要がある。「やんばるライオン」が管理センターに飼育状況を届け出たのは2017年で、これまでに2頭のシカを飼育していたが、2頭はすでに死んだという。ちなみに「やんばるライオン」は当初RBCの取材に、「5頭飼育していた」と答えていたが、取材を重ねるなかで、「飼育していたのは2頭だった」と回答を修正している。やんばるライオンは「動物愛護管理センター」への定期報告で、飼っていたシカはすべて死んだとする報告を行った、としている。そこで記者は、報告書資料の確認を何度か求めたところ、「探しておく」との回答。そして最終的には、「書類を見つけられなかった」と回答があった。記者は報告を受ける側の管理センターにも問い合わせたが、「個別の事例に関する公開はできない」としていて、飼っていたシカの死亡を報告したとされる資料が本当に提出されたのかは、確認できなかった。記者は、目撃されたシカに心あたりはないか、改めて「やんばるライオン」に確認した。シカは園から逃げたものではないと、はっきり否定した。やんばるの森でシカが目撃される現状に、動物の保護活動を続けてきた獣医師の長嶺隆さんは、人への被害や、シカを媒介とする感染症などを危惧している。指摘する最大の問題は「やんばるの森全体に与える影響」だ。長嶺さんが今回の事態を危惧する背景には、県内におけるマングース導入の負の歴史がある。県内では1910年、ハブ退治を目的に、17頭のマングースが那覇市首里に放たれた。沖縄本島を北上し、ピーク時には1万頭までその数を増やしたマングースは、ヤンバルクイナをはじめ、やんばるの希少な生物に大きな被害を与えることになった。ある日突然外来種が見つかっても、原因を突き止めることができない現在の状況。飼育される動物の管理体制を根本的に見直す必要があると、長嶺さんは訴える。千葉県に、参考となる事例がある。国の特定外来生物に指定されているシカの一種、「キョン」による被害だ。もともと千葉には「キョン」は生息していなかったが、20年以上前に、ある観光施設から逃げ出したとみられるキョンが近年大量に繁殖し、2006年に約1万2000頭だったキョンは、現在8万6000頭に激増している。今回、やんばるの森で目撃されたシカは1頭だが、複数いれば、短期間に大量繁殖する可能性もある。キョンは野菜や果物を食い荒らすといった被害が深刻だが、やんばるでシカが増えれば、世界自然遺産でもある森の生態系に影響することは避けられない。いないはずの場所で、突如として目撃されたシカ。固有種の宝庫「やんばる」を抱える県であるにも関わらず、外来種リスクに対する弱さや行政の関与の限界など、多くの課題を浮き彫りにしている。
(県猟友会に女性部誕生、「狩りガール」9人が初会議:滋賀)
狩猟者でつくる滋賀県猟友会(福原守会長)に女性部が誕生し、10月28日、大津市大萱4の県林業会館の会議室で初の会議を開いた。女性猟師9人が参加。シカやサルなどによる農作物への被害や人へ危害が深刻化する中、「狩りガール」が狩猟人口の増加やジビエ料理の普及などに一役買おうという。県猟友会によると、今年3月現在で、会の会員数は約1000人で、うち女性はわな猟、銃猟の従事者を合わせて29人。男性の狩猟者が高齢化し減少傾向にある一方、女性猟師は増えているという。
(キジ17羽を放鳥:三重)
菰野町猟友会は、同町潤田の三滝川いこいの広場でキジ17羽を放した。キジは生息地の減少などで数を減らし、雌は2027年9月ごろまで捕獲が禁じられているという。個体数を増やそうと、全国の猟友会などが放鳥に取り組み、この日は県内8市町で計144羽を放した。
(シカ肉に理解深める、とかちの大収穫祭:)
十勝の食の魅力を発信する「第25回とかちの大収穫祭」(全日本司厨士協会北海道地方本部帯広支部主催)が28日、帯広市内の北海道ホテルで開かれた。来場者は豊かな食文化への理解を深め、舌鼓を打った。
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(市中心部にイノシシ出没、男女2人が軽傷:香川)
高松市中心部で30日午後、イノシシが出没した。同市によると、JR高松駅付近にいた40歳代の女性と60歳代の男性が体当たりされ、下半身を打撲するなど軽傷を負った。高松北署などによると、午後2時20分頃、同市浜ノ町の市ヨット競技場付近で通行人がイノシシを目撃。署員が捕獲しようとしたが、イノシシは逃げ、高松駅や同署の敷地内などを経て「県庁前通り」を通り、午後3時頃に栗林公園へ入った。その後、署員や猟友会のメンバーらが同公園や隣接する山中を捜索したところ、山中でワナにかかった体長約1メートルの成獣のイノシシを発見、殺処分した。市は、逃走したイノシシと同じ個体か確認しているという。
(違法に散弾銃を所持、自立支援施設「粋塾」代表に罰金刑:愛知)
違法に散弾銃を所持したとして、名古屋簡裁は銃刀法違反の罪で、愛知県東海市の自立支援施設「粋塾(いきじゅく)」代表の男性(46)に罰金30万円の略式命令を出した。23日付。男性は1月、施設に入所する少年2人や妻、義父と同県常滑市沖で小型船舶に乗った際、散弾銃1丁を所持したとして、県警が同法違反の疑いで6月に書類送検。名古屋区検が今月21日付で略式起訴した。
(有害鳥獣ハンターになりませんか?:三重)
シカやイノシシなどの獣害が広がる中、三重県猟友会紀南支部は20日、熊野市の県立熊野少年自然の家で狩猟者の育成セミナーを開いた。県内では初の試みで熊野、御浜、紀宝の3市町から約30人が参加。獣害の現状や狩猟免許の取得方法を学び、ジビエ料理を試食した。支部は近年、会員減少や高齢化が著しい。2012年には約300人いたが現在は200人程度で平均年齢は66歳。有害鳥獣の駆除が追い付かず、管内では農作物の被害や山林の荒廃が目立つ。仲森基之支部長(66)は「若手狩猟者の確保が急務。セミナーで狩猟の醍醐味(だいごみ)を味わい将来活躍してもらいたい」と狙いを話す。
(シカ・イノシシ対策で協定:大分)
野生動物による農作物への被害を減らすため、大分県九重町など3者が協定を結びました。九重町 日野康志町長「九重町管内だけでも毎年捕獲数だけでも約4000頭を超える状況。それ以上に農作物の被害が本当に大きな問題になっている」。鹿やイノシシなどによる農作物への被害が依然として多い状況にあることから、大分西部森林管理署と九重町、県猟友会の下部組織が被害対策で協定を結びました。猟友会に対して40基のくくり罠を貸し出したり、国有林などに入る際の手続きを簡素化するほか、3者の情報交換を緊密にすることで、更なる被害の拡大を防止したい考えです。2023年度、日田市・玖珠町・九重町の大分県西部では鹿やイノシシなどによる農林業の被害が3000万円あまり。捕獲数は1万1000頭あまりですが、近年、鹿の割合が増えているということです。
(ダニ媒介性脳炎に国内初の承認ワクチン)
山や森だけでなく、民家の裏山や畑、あぜ道などにも生息するマダニ。これからの季節、きのこ採りや紅葉狩りなどで出掛ける人も多いだろう。ウイルスや細菌など病原体を持つマダニにかまれると、さまざまな感染症にかかる恐れがあり、野外活動の際には対策が必要だ。そんな中、ダニ媒介性脳炎の国内初ワクチンが登場。マダニ対策として期待が掛かる。ダニ媒介性感染症の一つ「ダニ媒介性脳炎(TBE)」。欧州からアジアまで広く分布しており、TBEウイルスを持つマダニにかまれ、吸血されている間に病原体が移り、感染する。野生のネズミやシカ、イノシシ、アライグマなどをかむことが多い。マダニは体長2~3ミリと、一般的なダニと比べて大きく、長時間(10日間以上の場合もある)の吸血で大きくなると、ほくろと見間違うことも。日本でTBEウイルスは「極東亜型ウイルス」が北海道に分布しているとみられ、感染しても70~98%は症状が出ないことが一般的。一部の人に頭痛、発熱、悪心、嘔吐(おうと)などの症状が現れ、重症化すると精神錯乱、昏睡(こんすい)、けいれん、まひなどの脳炎症状にまで発展する。発症者全員が重症化するわけではないが、致死率は20%以上とされ、生存者の30~40%に後遺症が残るなど、重篤な疾患とされている。2016年に北海道で国内2例目の患者が発生し、亡くなったことから、道内では一部の医療機関で輸入ワクチンの接種が行われていた。18年発生の5例目以降は患者が出ていなかったが、24年夏、6、7例目が相次いで発生。いずれも山菜採りでマダニにかまれたようだ。これまでは道内だけで見つかっているが、本当に全国に広まっていないのか。原因不明の中枢神経系疾患の患者血液を調査した結果、東京、岡山、大分の1都2県で同ウイルスの抗体陽性者が見つかった。また、栃木、富山、島根、長崎の4県で抗体を持つ動物が確認された。新潟市民病院総合診療内科副部長の児玉文宏医師は「TBEウイルスが全国に広く分布している可能性がある」と警鐘を鳴らす。感染を防ぐには、山林などの屋外で活動する時にマダニを体に付けないよう工夫する必要がある。腕、足、首など肌の露出を少なくする。例えば、首はタオルを巻いたり、ハイネックのシャツを着用したりする。シャツの袖口は軍手や手袋の中に、裾はズボンの中に入れる。ズボンの裾も靴下をかぶせるか、長靴の中に入れる。服の色味は、明るい色を選ぶとマダニが万が一付いても確認しやすい。仕上げは防虫剤をしっかり付ける。野外から戻ったら、上着などは家の中に持ち込まないようにする。粘着テープを使って服の上からゴミを取り除くと、マダニも一緒に除去できる。できるだけ早めにシャワーを浴びて、マダニが付着していないかチェックしてほしい。もしマダニに吸血されていたら、無理に取らない方がいい。医療法人「おひげせんせいのこどもクリニック」(札幌市)米川元晴院長は「マダニの口器が皮膚の内部に残り、化膿(かのう)したり、病原体が飛散したりすることがある。皮膚科などで早めに処置を受けましょう。その後数週間程度、体調の変化に注意して、発熱などの症状が出た場合は医療機関を受診してほしい」と注意を促す。ダニ媒介性脳炎には、以前から旅行者用の不活化ワクチンがあり、渡航者外来などでは輸入して接種が行われていた。海外では1歳で1回目を接種後、定期的に追加接種する国もあるほど一般的な存在だ。今年3月、国内でもファイザー製のワクチン「タイコバック」が承認され、製造・販売されている。初回に3回接種、3年後に追加接種が推奨されている。米川院長は「不活化ワクチンは時間がたつと効果が薄まる。リスクがある人、感染リスクが高い地域に住む人や移動する人は、継続して打ってほしい」と話す。例えば林業を営む人など、職業上マダニに接する可能性が高い人は、予防の選択肢の一つになりそうだ。もしかまれて発症しても、検査、診断が難しいのもTBEの問題点だ。「発症し意識がすでに混濁していると、マダニにかまれたことがあったかどうかを聞くこともできなくなる」(児玉医師)。さらに、初期症状が特徴的とは言えず、他の疾患と区別するのが困難で、検査のタイミングを失う可能性が高いことや、病原体の診断が特定の施設でないと行えない。児玉医師は「特効薬などが無く、治療は対症療法しか手だてがない。マダニにかまれるリスクが高い人は、予防の意識を高く持ってほしい」と強調する。
(シカ肉活用学ぶ、義務教育学校で調理実習:北海道)
釧路市立阿寒湖義務教育学校でエゾシカについての出前授業が開かれ、6年生5人がエゾシカのザンギを作る調理実習を通じてシカ肉の活用法を学んだ。
(SDGsに配慮した本州鹿の手作り鹿皮ガム:東京)
会員愛犬数25万頭超のフレッシュドッグフードCoCo Gourmet(以下:ココグルメ)」を開発・販売するスタートアップ、株式会社バイオフィリア(本社:東京都新宿区、代表:岩橋洸太、以下:当社)は、大好評にお応えし、本州鹿を使ったワンちゃん用のデンタルガム「本州鹿の手づくり鹿皮ガム」を2024年10月31日(木)より定番製品として販売開始します。
(クマ出没:宮城)
丸森町によると、30日午後5時ごろ、丸森町向原にクマが出没しました。
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