<射撃ニュース11月>
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(イノシシが園児ら次々と襲う:兵庫)
26日午後、兵庫県姫路市の住宅街にイノシシが出没し、保育園児ら6人を次々に襲い3歳の男の子が腕の骨を折る重傷です。警察によりますと26日午後5時40分ごろ、姫路市西今宿で、5歳と3歳の園児が母親と一緒に保育園の門を出た際、体長約1メートル20センチのイノシシが襲いかかってきました。イノシシは、3歳の男の子に体当たりしかみついた後、5歳の男の子にもかみつき、さらに助けようとした保育士の女性2人と、男の子のいとこの女の子(9)も襲いました。3歳の男の子は左腕の骨を折るなど重傷で、ほかの4人は軽傷です。その約10分前にも、700メートルほど離れた場所で、男性(67)が襲われ軽傷を負っています。イノシシは直後に足にけがをして倒れているところを警察に捕獲されました。
(上半期のクマ出没数、全国で過去最多更新)
2024年度上半期(4~9月)の全国のクマ出没情報件数が1万5741件(前年同期比2350件増)に上り、現行の調査となった16年以降で過去最多だったことが環境省のまとめで明らかになった。冬眠前の今の時期はクマがエサを求めて人里へ下りてきやすいため、同省などは引き続き注意を呼びかけている。出没情報件数には、非公表の北海道は含まない。九州・沖縄はクマが生息していないため調査対象外。環境省鳥獣保護管理室によると、昨年度はクマのエサとなるドングリを実らせるブナ科堅果類が東北地方で大凶作となり、10~11月に出没数が激増。その結果、年間の出没情報(2万4345件)と人身被害(219人)は、ともに過去最多を記録した。今年度は目撃情報が増えた一方、人身被害は上半期で67人にとどまる。同省は昨年度に出没が相次いだことを踏まえ、「警戒意識の高まりから、今年度上半期は通報が増えたのではないか」とみている。ヒグマの生息地である北海道でも、目撃件数が増加している地域がある。北海道警などによると、今年の道内のクマに関する通報件数は2556件(21日現在)。4055件に達した前年を下回る見込みだが、根室市では過去最多だった昨年度の100件を上回る119件(同)の情報が寄せられている。同市の担当者は「個体数が増え、山中でエサの獲得競争に負けたクマが市街地に下りてきているのでは」と推考。一方で、今年4月、市内の林道で軽トラックがクマに襲われる動画がSNSなどで拡散し、住民らが敏感になっていることも通報増につながったとみている。道によると、統計の残る1962年以降のクマによる人身事故件数は計158件(同)で、死者59人、けが人121人。近年では23年10月、福島町で登山中の2組がクマに遭い、男子大学生が亡くなった。クマが冬眠する12~3月は例年、被害が比較的少なくなる。ただ、1915年12月には7人がクマに殺害され、獣害史上最大の惨劇とされる「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」が北海道で起きた。秋に十分食べることができず、冬ごもりの機を逸したクマは「穴持たず」と呼ばれ、空腹の焦りといら立ちから冬季に人間を襲うなど凶暴性を発揮しやすくなるため、注意が必要だ。
(住宅地のクマ駆除しやすく、猟銃要件緩和へ法改正)
政府は全国で相次ぐクマ被害を防ぐため住宅地での猟銃使用を条件つきで緩和する。人に被害が生じている恐れがある場合などは警察官の命令がなくても発砲を可能にする。安全確保など警察との連携に関するガイドラインをつくり、ハンターらが協力しやすい環境を整える。2025年の通常国会に鳥獣保護管理法の改正案を提出する。早ければ25年中に施行する。現行法は人に危険が及ぶ恐れがあるとして住宅地での猟銃による駆除を原則禁止している。警察官職務執行法に基づき警察官が命じた場合に使用を限っている。山をおりて住宅地で餌を探す「アーバンベア」の出没が相次ぎ、要件緩和を求める声が出ていた。法改正により①人への被害の恐れが現に生じている②建物に立てこもっている③箱わなを使って捕獲した――場合に猟銃を使えるようにする。住宅地では撃った弾が人に当たったり、建物を壊したりする恐れがある。法改正後にまとめるガイドラインは警察や行政とのより緊密な連携へ具体策を詰める。クマの駆除をめぐってはハンターの確保や育成も課題となる。狩猟免許の保有者数は20年で22万人ほどで、40年で半減した。ハンターと警察、自治体との連携のあり方も課題だ。北海道猟友会の男性が18年、自治体の依頼でヒグマを駆除した際、建物に向けて発砲したとして猟銃の所持許可を取り消される事案があった。札幌高裁が10月、取り消し処分を適法とする判決を出し、ハンター側に不安が広がった。北海道と道猟友会は18日、安全、円滑に駆除できるよう政府に対策を要請した。クマによる人身被害は増加している。環境省によると23年度に報告された人身被害は219人で、把握できる06年度以降で過去最多となった。アーバンベアが多数出現しているのが一因とされる。
(市街地での銃猟緩和「早期に」:秋田)
クマによる人身被害を巡り、浅尾慶一郎環境相は27日、市街地での銃猟が可能となる要件を条件付きで緩和する鳥獣保護管理法改正案について「できるだけ早く提出したい。臨時国会でなければ来年ということになっている」と秋田県鹿角市で記者団に述べた。同市では、以前クマが出没した際に発砲、駆除した状況などを猟友会や市職員から聞き取った。視察したのは、2019年11月、クマが現れて猟友会メンバーがけがをした市街地。住宅が多く発砲できなかったが、クマが川に逃げ込んだため、警察官の許可を得て発砲した経緯がある。浅尾氏は「一番大事なのは人への被害が出ないこと。しっかり対応したい」と強調した。
(クマ駆除、自治体と連携進む支部も:北海道)
地元警察や市町村の支援体制が整わない支部は、ヒグマの駆除要請に応じなくても構わない――。25日に北海道猟友会が開いた三役会で、今後の方針が固まった。道内の猟友会は71支部。それぞれの判断を尊重するという。駆除のあり方については、市から要請を受けて駆除した男性の銃の所持許可が取り消されるなど猟友会から不満の声が挙がっていた。支部によっては、日頃から関係機関と訓練を積み、いざ出動する時の流れを事前に確認している。11日にあった訓練は、札幌市と北広島市の境界付近の市街地周辺にクマが出没したと想定。猟友会と、道や市、警察署の関係者ら約50人が参加した。クマ駆除の要請は自治体ごとに猟友会に頼むため、市町村の境界をまたいで出没するクマへの対応は混乱することも多いという。訓練では、ヒグマの出没を覚知した後、情報共有や周辺住民の安全確保の順番を確認。鳥獣保護管理法などの法律とすりあわせて、現場での発砲に問題がないかを整理した。猟友会のハンターが山林に入る。基本、自治体の担当者は安全な場所で、ハンターとはトランシーバーなどでやりとりする。射撃態勢を双方で確認し、発砲した。道猟友会札幌支部の玉木康雄・ヒグマ防除隊隊長は「トリガーを引くのは一瞬だが、そこに至るには安全確保などたくさんの方々のお膳立てがあって現場に向かえる。きちんとした意思疎通と信頼関係の構築が必須だ」と話す。道の担当者は「市町村の境界で行動するクマを念頭に、訓練や協議を普段からして、必要があれば自治体をまたぐ駆除隊の結成など工夫をしてほしい」と話した。
(自治体や警察と連携取れなければ出動拒否も:北海道)
北海道猟友会が自治体からのヒグマ出動駆除要請への対応方針を決めました。先月、砂川のハンターが猟銃所持許可取り消しの処分撤回を求めた裁判の控訴審判決で訴えが退けられ、猟友会は「ヒグマ駆除でハンターばかりが責任を負うことにつながる」として、出動要請への対応を検討していました。猟友会は、きのう、札幌市内で開いた幹部会議で自治体や警察との連携が十分でない場合は出動を拒否するよう、全ての支部に通知することを決めました。出動の判断はそれぞれの支部に委ね、出動する場合の条件として、「事前の協議で発砲の基準を明確にすること」などを周知します。今週中に通知する方針ですが、十勝の広尾支部など一部の支部ですでに出動を拒否する動きも出ているということです。
(シカに襲われて死亡、書類送検の地方公務員を不起訴:島根)
去年10月、飯南町にある県の研究センターで、職員が飼育用のおりの中でシカに襲われて死亡した事故で、業務上過失致死の疑いで書類送検されていた地方公務員について、松江地方検察庁は、不起訴にしました。地方公務員の57歳の男性は、去年10月、飯南町にある県の研究センターで職員が飼育用のおりの中でシカに襲われて死亡した事故で、現場を監督し、危険を未然に防ぐ措置を怠っていたとして業務上過失致死の疑いで書類送検されました。この男性について、松江地方検察庁は26日付けで不起訴にしました。検察は不起訴にした理由を明らかにしていません。
(相次ぐ野生鳥獣の被害、3市町村が知事に対策を要望:福岡)
福岡県朝倉市と筑前町、東峰村のトップが福岡県に対し、農林業に被害をもたらしているイノシシやシカなどへの対策を求めました。朝倉市の林裕二市長ら3人は27日、福岡県庁を訪れ、服部知事に提言書を提出しました。提言書では、イノシシやシカなどによる農林業への被害を減らすため、ハンターの育成や捕獲活動などへの支援を求めています。また、厳しい経営状況が続く第3セクター方式の甘木鉄道についても、財政支援の拡充を要望しました。
(ヒグマ識別へドローン撮影:北海道)
北海道猟友会南宗谷支部の高橋洋孝支部長(59)=浜頓別町=がドローンを活用したヒグマの個体識別調査に取り組んでいる。高性能カメラを搭載したドローンで上空からヒグマを撮影し、毛の色や模様などから個体を特定。少人数で広いエリアを調べられる有効な手段として手応えをつかんでおり、今後手法を各地に広めていきたい考えだ。
(クマの目撃情報10月105件、去年より大幅減も引き続き注意:岩手)
県内で先月目撃されたクマの情報は105件で過去最多となった去年に比べて大きく減っています。しかし、この時期クマは冬眠を前に活動が活発になる傾向があるため県は引き続き注意を呼びかけています。県内では今年度に入ってこれまでに9人がクマに襲われてけがをし、このうち1人が亡くなっています。クマの目撃情報も相次いでいて県のまとめによりますと、先月1か月間ではあわせて105件で、去年10月と比べると15分の1以下に減り、おととしと比べておよそ2倍となっています。去年はクマのエサとなる木の実が少なくなり目撃件数は過去最多となりました。ことしは去年に比べて目撃件数は少ないもののクマは例年この時期、冬眠を前に活動が活発になることや、昨年度は11月以降もクマに襲われてけがをする人が相次いだため県は引き続き山に入る際は鈴などの音が出るものを携帯することや、複数人で行動すること、家の外には餌になるようなものを置かないことなどを呼びかけています。
(農業被害でアライグマ捕獲増加)
特定外来生物アライグマによる農作物被害が全国的に急増し、対策として捕獲が進められている。福岡県内でも捕獲数が年々増加しているが、注意も必要だ。国の統計によると、アライグマが果物や野菜をかじるなどした農作物被害は2022年度、全国で約5億円。県によると、県内の被害は23年度に約2559万円で、5年前より約900万円増加した。一方、県内の捕獲数は23年度に3259頭で、5年前の約3倍。県は今年3月、「箱わな」を使って捕獲を進める「防除実施計画」を策定し、29年3月までに捕獲体制の確立と生息数低下を目指す。捕獲は誰でも自由にできるわけではない。鳥獣保護法に基づく狩猟免許を持つ人と、県や市町村の防除講習会を受講した人に限られる。県内で免許を持つ人の数は23年度で1800人。県の講習会は今年1~2月に初めて実施され、計8回で397人が受講したという。わなにアライグマ以外の動物がかかった場合は注意が必要だ。今年9月には、箱わなにかかった猫6匹を川に沈めて殺したり、アライグマの死骸を川に捨てたなどとして、行橋市の60代農業男性が動物愛護法違反などの罪に問われ、福岡地裁行橋支部で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けた。男性は「アライグマを狙っても、どうしても猫もかかってしまった」と話した。過去の捕獲数から、県はアライグマの生息密度が高いと考えられる28市町村を「重点対策地域」に指定。男性が住む行橋市もその一つだ。同市の担当者は「農作物被害に困っても、自分の判断でわなを仕掛けずに、まず行政に連絡してほしい」。わなにかかった猫を処分してほしいとの依頼もあるが、逃がすように指導しているという。
(シカ対策、金属製柵の設置を実演:広島)
林野庁と広島県は27日、県内で生息数が急増するシカ対策として金属製の柵の設置を進める広島市安佐北区大林町の国有林の一角で、実演会を開いた。林業分野で防護用の金網を張るのは県内では初の試み。森林組合や自治体担当者約60人が参加した。
(防鹿柵の設置はブナの成長低下と土壌微生物の多様性低下を防ぐ:九州大学)
強度なシカの採食から森の地表部にある植生(下層植生)を保全するため、各地で防鹿柵の設置が進められています。しかし、柵の設置が下層植生以外の生物群集の保全にも役立つかは知見が限られています。熊本県の白髪岳において、防鹿柵の内外でブナの成長量と土壌微生物群集の多様性を比較しました。その結果、柵外では下層植生の消失と続く土壌侵食によってブナの成長や土壌真菌群集の多様性が低下しているのに対し、柵内ではそのような低下はみられませんでした。本研究成果は、防鹿柵による下層植生の保全が、その他の生物群集の保全にも有効なことを実証し、今後のシカ採食への対策を考える上で役立つことが期待されます。
(シカ捕獲後の負担軽減、一時保管施設完成:鳥取)
岩美町は狩猟者らが捕獲したシカを一時保管する、鳥獣一時冷凍保管施設を整備した。関係者らによる開所式が26日、新設された同町浦富の町ストックヤードであった。
(温暖化で予測困難なブナ豊凶、アーバンベアの増加:岩手)
岩手県内では2024年、クマの出没件数が10月までで2600件余りと2023年の同じ時期から半減しています。なぜ減少したのかや今後の注意点について専門家に聞きました。岩手県内で2023年に出没が相次いだクマ。県によりますと県内の2023年度の出没件数は、前の年度の2倍を超える5877件に上り過去最多でした。一方、2024年度はというと出没件数は10月までで2678件と、2023年度の同じ時期から半分ほどに減っています。森林総合研究所 東北支所 大西尚樹さん「今年が少ないというか、普通だと思う。とにかく去年が多かった」。野生動物の生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんは「今年度の出没が特別に少なかったわけではない」としながらも、2023年度から半減した理由についてブナの実などクマの餌が関連していると語ります。森林総合研究所 東北支所 大西尚樹さん「山の中のブナやドングリがそこそこなっていたことで、山の中で冬眠に向けた餌が賄えたということだと思う」。東北森林管理局がブナの実のなり具合を年度別に数値化してまとめたものを見ると、過去最多の出没件数となった2023年度の県内の豊凶指数は0で「大凶作」。一方で2024年度は「並作」を示す2.7で過去6年間でみると2022年と並んで最も高くなりました。クマの出没に関わるブナの実について、大西さんは近年の温暖化の影響もあり、実のなり具合のサイクルは予測しづらくなっていると話します。森林総合研究所 東北支所 大西尚樹さん「豊作・凶作の間隔が、昔は豊作・凶作から5~6年経って豊作・凶作という感じだったのが、最近は2~3年単位になってきてしまっている。来年はまた凶作がくるのかはまだわからない。2025年の春にならないとわからない」。また、近年目撃が増えているのが市街地に出没するクマ、いわゆる「アーバンベア」。冬眠に入り始めるこの時期でも出没しないとは言い切れないため、冬ならではの注意が必要と大西さんは話します。森林総合研究所 東北支所 大西尚樹さん「これからの時期は灯油缶。揮発性のあるものの臭いがすると引き寄せられて来る。灯油缶を外に置くことは基本的にないようにして密封して屋内に置くようにしてほしい」。以前に比べて生活圏が人里に近くなっているクマ。出没件数の増減に関わらず警戒を続けることが大切です。
(クマの移動ルートを歩きながら住民と共有:山形)
山形県内のクマの目撃件数は統計開始以来、増加傾向で近年は住宅地近くにクマが出没するケースが目立ちます。クマはなぜ人里に近づくのか。米沢市で住民向けの勉強会が開かれました。ことし5月、米沢市の市街地近くの河川敷に出没したクマの映像です。そして、こちらも5月、南陽市のサクランボ園地にクマが現れました。県内のクマの目撃件数は統計の始まった2003年以降、増加傾向にあり、去年の目撃件数は765件と過去2番目の多さとなっています。そして近年、特に警戒が必要とされるのが、「アーバンベア」と呼ばれる人里近くに出没するクマの存在です。米沢市南部の万世地区で11月23日、クマの移動ルートや対策などを学ぶ住民向けの勉強会が開かれました。東北野生動物保護管理センター今野文治さん「おそらくここがクマの侵入ルート。あのアンダーパスを抜けて入ってくるかな」。クマが市街地近くに出没していることを受け、県はことし、米沢市と鶴岡市を対象にクマの移動ルートなどの調査を実施しました。勉強会で調査結果を住民と共有することで、地区内のクマ対策に活用してもらうのが狙いです。東北野生動物保護管理センター今野文治さん「クマは森を目指す。ここまで出てきて戻るか市街地方向に先を目指すか自分で決める。クマの目線は人より低い。ちょっとしたやぶや森林があるとそこを目指す」。山と人里の境界近く、市街地へと続く川沿いなどを見て回ります。東北野生動物保護管理センター今野文治さん「ここを見るとしっかりとけもの道がある。 基本的には母グマからエサ場所を教えられる。なのでエサ場は母から子に引き継がれる」。住宅近くの林の中で、クマたちが好む、”あるもの”が見つかりました。東北野生動物保護管理センター今野文治さん「ここの問題はゴミ」住民「え!?」。見つかったのは不法投棄されたカップ麺です。東北野生動物保護管理センター今野文治さん「塩気があるものって自然界にないのでクマはミネラルである塩分が欲しい。カップ麺に汁が残っていたりすると非常にクマが誘引されて食べ物として執着しやすい。人的被害を防ぐためにはこうしたゴミを一切捨てない環境づくりが重要」参加した住民「特にポイ捨てされたゴミ。それを求めてクマがやってくるとなれば地区として環境整備に取り組みたいと思った」。放置されたゴミのほか、収穫されずに残ったカキなどの果樹も確認されました。いずれもクマの食料となる恐れがあります。県は、今回の勉強会で出された意見を参考に、やぶを刈り取るなどの対策をとる方針です。県みどり自然課佐藤実課長補佐「クマによる生活被害や農業被害が頻繁に起きていて日常化しているといってもいい状況。クマにとって居心地の悪い環境エサのない環境など地域全体でクマが寄ってこない環境づくりを目指してほしい」。被害を防ぐために、クマを人里から遠ざける地域一体となった取り組みがいま、求められています。
(「道南ハンターズフェスティバル2024」:北海道)
プロハンターが集結し、サバイバルゲーム用の銃を使った射撃体験や、撃てなくした実銃や狩猟装備の展示、ヒグマはく製展示など、狩猟に関する体験や展示を行うイベント。鹿ケバブや鹿串、鹿ジンギスカン、鹿バーガーなどジビエ料理や、鹿肉を使ったペット用おやつの販売も行う。
(ニホンジカの効率的な捕獲法を学ぶ講習会:長野)
野生のニホンジカによる森林や農作物への被害が問題となるなか、「くくりわな」を使って効率的にシカを捕獲する方法を学ぶ講習会が佐久市で開かれました。講習会は、ニホンジカによる食害などを減らそうと林野庁の東信森林管理署が佐久市内の国有林で開いたもので、自治体の職員や猟友会のメンバーなど40人余りが参加しました。この中では、林野庁の職員がえさでシカをおびき寄せて「くくりわな」で捕獲する方法を実演し、わなを土で隠すことや前脚を捉えるためにえさと石をわなの周りにドーナツ状に置くことなどを紹介しました。この方法は、シカの行動を予測して獣道にわなを仕掛ける猟とは異なり、えさでおびき寄せるため効率的に捕獲できるということで、参加者たちも実際にわなを仕掛けながら体験していました。県によりますと、県内で野生動物による農林業の被害は令和4年度に7億3800万円余りに上っていて、このうちニホンジカによる被害が最も多く、2億4500万円余りを占めるということです。参加した猟友会の男性は「きょう学んだ方法は、山の中に入らなくても捕獲できるし、わなの設置も簡単なのでこれから取り入れたいです」と話していました。林野庁 東信森林管理署の加藤孝さんは「佐久地域もニホンジカの大きな被害が出ています。きょう紹介した方法を活用してもらい、被害を削減してほしいです」と話していました。
(野生鳥獣による農林業被害額、2年連続で減少:兵庫)
兵庫県内の2023年度の野生鳥獣による農林業被害額は、前年度比11%減の4億1480万円(速報値)となり、2年連続で減少したことが県のまとめで分かった。防護柵の設置や捕獲強化といった対策により、ピークだった10年度の約9億7400万円からは半減した。ただ、被害に遭った農家にとっては営農意欲の減退や耕作放棄などの要因になっており、引き続き深刻な状況にある。鳥獣別でみると、獣類では、シカの1億6700万円(前年度比6・2%増)、イノシシの1億120万円(35%減)と、上位2種で65%を占めた。アライグマが5710万円(9・1%増)で続いた。県自然鳥獣共生課は、シカによる被害の増加の中身について、造林地でのスギやヒノキの苗木への食害を挙げた。併せて近年は、降雪量の減少によって生息範囲が拡大し、但馬北西部などで生息数や被害が増加している。但馬、西播磨、淡路島の一部地域ではシカが木の皮や下草を食べ荒らすため、立木が枯れたり、下層植生が消失したりして、土壌の流出や虫の減少につながるなど生態系への被害も発生している。一方、イノシシは、捕獲強化によって生息数自体が減少した。豚熱(CSF)感染により個体数が減った可能性も指摘している。被害額の割合は大きくはないが、クマやサルは集落に出没して人身被害をもたらしているほか、遭遇する恐怖などから精神的被害も出ているという。県は市町と協力して集落周辺で柿などの食料の除去や、有害捕獲の許可を受けて駆除する取り組みなどを強化している。一方、鳥類の被害は13・2%減の6880万円。最多のカラスが5280万円(14・8%減)だった。ヒヨドリは830万円で12・3%増加した。県自然鳥獣共生課は「被害防止への取り組みをしっかり実施していく。獣害に強い集落をつくることで動物との共生を目指していきたい」としている。
(ツキノワグマのフンを探して丹波の山をめぐる:兵庫)
兵庫県立大学自然・環境科学研究所の博士課程に在籍する三國和輝さん(27歳)は、ツキノワグマの生態について研究している。将来的には野生動物管理の研究に発展させるつもりだという。野生動物の生態学を研究する大学は全国にあるが、「野生動物管理」を研究する場所は限られる。そこで、兵庫県立大学の森林動物学研究室の門を叩いた。三國さんは山口県出身で、愛知県の名城大学農学部卒業後、同大学院で修士号を取得した。学部生時代はツキノワグマ研究会に所属するなど、クマ研究に情熱を注いできた青年である。「私の研究テーマは、『クマと人間にとってどのような生息地が理想的か』です。クマが出没しない生息地こそがクマにとっても、人間にとっても理想的であると考えています。この状態を作り出すには、何が必要かを探る第一歩としてクマの食物を調べています。まずはクマが何を食べているか知るためにも、年間で100個程度、クマのフンを集めています。時間がかかる研究なので一生のテーマになるかもしれません」研究室では、錯誤捕獲したクマなどにGPS付きの首輪を装着し、その行動範囲を観察している。具体的にどこにクマが生息しているのかは一般には非公開である。自分の家の近くにクマが出ていることが分かれば、必要以上に不安を煽ることになるからだ。もし、農作物などに被害が出れば、必要に応じて対象のクマを捕獲して駆除する。クマは1日で10キロ・メートルも移動することがあるほど〝健脚〟。「クマはシカやイノシシと比べてはるかに行動圏が広い」と三國さんは言う。追いかけるのも簡単ではない。また、人里に近づくクマもいれば、山の中だけで暮らすクマもいる。小誌取材班は10月17日、GPSの情報を頼りに、クマの痕跡を追って、三國さんのフィールドワークに密着した。まず、目についたのは、田んぼや畑にしっかりとした柵が設けられていることだ。「夜になれば、柵には電流が流れるようになっています。兵庫県は、鳥獣害対策の先進県です。研究室がある丹波市の兵庫県森林動物研究センターは、2007年に設立して以来、鳥獣害対策について専門的に学ぶ行政職員を受け入れています」。県を挙げて取り組むことで、地域の鳥獣害対策の意識も高まりつつある。だが、いま日本中どの地域も直面しているのが人口減少であり、それによって、空き家が増え、管理する人もいなくなっている。三國さんが最初に連れていってくれたのは、そんな空き家の横に立っている栗の木だ。木の下には、栗が取られたイガがたくさん転がっていて、枝の一部が折れていた。てっぺん付近には何やら葉っぱの塊ができていた。「あれは、『クマだな』と呼ばれるものです。クマが栗などの木の実を食べるために枝葉を折ると、それをお尻の下に敷き詰めていくのです。今年は、栗が豊作ですが、この栗がなくなった後はどうなるのか心配です」。空き家の目の前は県道、背後は山、周囲にはいくつもの人家があった。まさに人の居住域にクマが出没していることを実感することができた。次に訪れた場所も人里である。耕作放棄地の外れに、やはり栗の木が立っていた。ここでもクマが来た痕跡をGPSが捉えていた。「ここに出たクマは先ほど案内した場所に出た個体と同じで、何度も出ています。彼らは道を覚えているのでしょう。おそらくあの山を越えてきているのだと思います」。三國さんが指差す方向を見て、取材班は驚いた。急峻な山々であるからだ。しかも、先ほどの場所からここまで、峠を越えるなどして車で30分以上もかかっている。クマの移動能力は我々の想像をはるかに超えるものだった。後日、三國さんがデータを見たところ、今回追いかけたクマは1日最大5キロ・メートルで、2週間かけて20キロ・メートルを移動していたという。また別のポイントへ向かうと、人家の前に小さなフンがぽろぽろと落ちていた。三國さんが念のため確認していると「それは何のフンですか」と住民の女性が尋ねてきた。「イタチかテンだと思います」と三國さんが話すと、女性はこう言った。「シカもイノシシもいて、もうこの辺りは動物園みたいです。かれこれ60年近くここに住んでいますが、クマは一度も見たことがありません。でも、最近は夜になると家のすぐ裏から、『バキバキバキ』と木の枝が折れる音が聞こえて怖いんです。だから8時くらいになったら、外には出ないようにしています」。庭へ入らせてもらうと、柿の木があった。三國さんが木の幹を確認すると、そこにはクマの爪痕があった。「クマが出てますね。気をつけてください」と話すと、女性は「あぁ」と深く頷き、「主人にも伝えておきます。ありがとうございます」と感謝の念を伝えていた。この日、三國さんの探している場所にフンは落ちていなかった。それにしても、道中には枯れ葉に落ち葉、茶色のものがたくさん落ちていて、ここからフンを見つけ出すのは、簡単ではない。「でも、慣れてくると、『あっ、ここだ』と分かるようになるんです」。三國さんはこうしたフィールドワークを週に3回ほど、1日がかりで行っている。移動に伴うガソリン代も自己負担で、森林動物研究センターでのアルバイトや、時には親の援助でやりくりしているという。それでも、三國さんから悲壮感はまったく感じられない。「クマの行動は毎年違うので、いつも新しい発見を与えてくれます。山からクマを出てこなくするために今後、日本の山をどうしていくべきかを考えていきたいですね」。三國さんは山を歩いている際、クマに遭遇したこともある。「目が合ってしばらくこう着状態になりましたが、クマの方が逃げました。獣臭と言いますが、クマからはちょっと甘い香りがします」。だから、クマよけスプレーは必須アイテムとなる。この日も三國さんの腰には、赤色のスプレー缶が装着されていた。「これが結構高価で、1本1万円前後します。でも、効果は抜群で、ちょっと皮膚に当たったりするだけでも激しい痛みに襲われます」。クマが食べる野草を何気なく口にしたこともある。「クマが食べられるものは自分でも食べてみなければと思ったのですが、口に入れた瞬間、『しまった』と。毒でしばらく口の中が腫れたままで大変な思いをしたこともあります」と笑う。まさに、我々一般人が想像する研究者のイメージ通り、クマに〝一途な青年〟であった。
(クマよけに「ハニカム構造」:富山)
富山県高岡市駅南のながひさ歯科クリニック院長で、ケイ・クリスタル研究所代表の長久巧一さん(77)らは、蜂の巣のように図形を隙間なく並べる「ハニカム構造」を活用したクマの撃退グッズの開発に取り組んでいる。試作品は格子状の木枠で、地面に置いて使う。クマが木枠を嫌って人里に降りてこなくなる効果を狙っており、実用化に向けて南砺市で実証実験を行っている。長久さんのほか、南砺市土生(福光)の波多巌木工所の丸山清司社長(44)、波多雅一代表取締役(59)、県新世紀産業機構の溝口正人さんが開発に携わる。長久さんは約30年前から雪について研究し、ハニカム構造を活用した人工ゲレンデの開設に力を注いだ。その中で、犬がハニカム構造のくぼみの上を歩くのを嫌がることを知り、害獣対策にも生かせると考えた。波多巌木工所では昨年、敷地内にクマが出没。資材置き場などに監視カメラを設置したところ、クルミを食べる様子が映っており、対策が急務となっていた。長久さんは今年6月、親交のあった溝口さんから同社を紹介してもらい、撃退グッズの開発に着手。同社が間伐材の県産スギで木枠を試作し、8月から敷地内に仕掛けている。クマの冬眠期は撤去する。長久さんは傾斜のある山間地でも仕掛けやすいことなど利点を挙げ「林業などで頑張る人の助けになりたい」と語る。丸山さんは「クマによる人身被害防止に貢献できればいい」と話した。
(地域主導でカキの木伐採:富山)
富山市熊野地区の住民らが25日、地元の民家でクマの餌となるカキの木を伐採した。昨年、同地区でクマによる人身被害で2人が死傷したことを受け、対策に乗り出した。
(「クマは“獲る”のではなく“授かる”もの」:秋田)
今年もクマに翻弄された日本列島。ひとたび出会えば大怪我や死につながることもある動物だが、秋田県の阿仁(あに)エリアにはクマを「授かり物」と考えて尊ぶ狩猟集団がいる。広島から移住した益田光さん(30歳)は、シカリと呼ばれる頭領のもとで修行に励む「阿仁マタギ」だ。人気漫画『ゴールデンカムイ』にも登場し話題を集めたが、令和のマタギの暮らしとは一体どんなものなのか。「お約束の時間を変更できませんか?」──取材前夜、益田さんから連絡が入った。ツキノワグマの足跡が見つかり、急きょ早朝から探しに出ることになったという。クマの発見には至らなかったが、午後になって益田さんが現場を案内してくれた。「ようやく雪が積もってクマの足跡がわかるようになりました。ベテランマタギたちも『早く山さ行こ』と満面の笑みです」(益田さん、以下同)。マタギの猟には集団で行う「巻き狩り」と、単独ないしは数名で行う「忍び」がある。巻き狩りでは勢子(せこ)が声を出しながらクマを追い立て、山の上で待ち構えているマツバが銃を撃つ。移住からほどなく、益田さんにもクマを仕留める機会が訪れた。「僕はもっぱら勢子なんですが、この日はマツバをやってみろと、一番いい位置につけてもらったんです。そうしたらクジラみたいに大きなクマが飛び出してきて…!でもそれは逃してしまい、2頭目に出てきたのを授かりました。もう夢中でしたよ。失敗したら全員の1日を棒に振ってしまうわけですから。役目を果たせたという安堵感が強かったです」。クマを獲ることを、マタギは「授かる」と言う。足跡などの痕跡を探して尾根や谷底、ときには沢の中を進む。「一度、沢沿いの斜面を40mも滑落したことがあります。途中でつかまって奇跡的に無傷だったんですが、もう少し落ちていたら岩場だった。近年は阿仁マタギの事故はありませんが、昔はクマに顔を叩かれたりしたこともあったそうです。僕は山が怖くないと思ったことは一度もありません。今日だって心臓バックバクでしたよ。足跡が新しくなるにつれて、緊張感、恐怖、高揚感、期待…いろいろな感情がせめぎ合います。獲ったクマはケボカイという儀式で魂を山に返してから解体します。初めての解体は、どうすれば上手くできるか、という気持ちだけでした。命をいただく現場に初めて触れて狩猟に興味をもったという話もよく聞きますが、僕は『別に肉が欲しければスーパーで買えばいいじゃん』と思っている方ですから(笑)」。そう話す益田さんには、マタギを特別に神聖視するような気負いはなく、若い世代らしい合理的な考え方が伝わってくる。シカリのもと、戒律を守って集団で猟をするのもマタギの特徴だ。「たとえば山で女性の話をしてはいけません。アクセサリーの着用や鼻唄もだめです。昔はもっと厳しくて、猟の前には酒を絶つとか、女性と寝てはいけないというのもあったそうです。阿仁マタギは山の神を信仰していて、それが嫉妬深い女性だからだと伝わっています。でも僕が思うに『山に入ったらそれくらい集中しなきゃいけない』という意味だと。他にも、昔は『マタギ言葉』があって、里の言葉とは明確に区別したそうです。今は標準語ですが、クマのいるエリアに近づいたらむやみに口をきかないというのは守られています。秋田犬のイメージがありますが、クマ猟に連れて行く人は誰もいませんよ。クマのほうが逃げてしまいますから」。マタギ修行には決まったカリキュラムがあるわけではない。狩猟免許をとって地域に住み、仲間として猟をやるなら誰でもマタギだとシカリは言う。「地域のつながりはとても強いです。猟には普段の人間関係がそのまま出ます。たとえば巻き狩りでは一応無線機は持つんですが、両隣の尾根を歩いている勢子の姿は見えないことがほとんどです。あの人のペースはこれくらい、こういうクセがある、ということを理解して、阿吽の呼吸ができていくんですね」。取材の最中も次々と顔見知りに出会う。山深い地域ゆえに、自然と助け合いの精神が発達したのだろうと益田さんは想像する。「獲物を平等に分ける『マタギ勘定』の文化は、今でもかなり厳密に残っています。赤身が多いとか脂身が多いとかの不平等を避けるため、肉はブロック状に細かくカットします。秤に載せて、100gでも違えば調整します。この場では上下関係はありません。クマという貴重な資源をみんなで授かったという考え方です」。高齢化率日本一の秋田県、子ども世代はマタギを継がずに市街地に住む。現在活動するマタギの3分の1ほどを占めるのが、益田さんのような移住者だ。「継承にはあと7年がリミットと思っています。今のシカリが77歳、7年後といったら84歳です。『ゴールデンカムイ』の元マタギのキャラクターが狩りの際に携行していた非常食の「カネ餅」、あれはギリギリでした。名前は知っていましたが、製法までわかる人が誰もいなかった。たまたま地元のお母さんが知っていて作ってくれたんです。その後まもなくお母さんは亡くなってしまって。今まさに消えてしまう文化だったんですよ」。秋田県といえば近年、クマ駆除への批判が全国から集まったことも記憶に新しい。「クマの生息域には偏りがあるのに、全国を同列に語ることに無理があると思っています。動物園でしか見たことのない、お話の中の生き物としてクマが議論されるのは少し怖いですね。昔は熊の胆など高値で取引される部位もあって、不正を防ぐために民家や神社の前など人が集まるところで解体していたそうです。地域の子どもたちも自然にクマの生態を知るわけです。でも今は、阿仁でも人前では解体しません。猟などの写真撮影にも慎重派が多いです」。記録を残すことの大切さの一方で、見ず知らずの人から意見が殺到するネット社会の危うさにもさらされている。「矛盾に聞こえると思いますが、マタギは少しクマの姿を見ないと『あいつら元気にしてるかな』ととても気にかけるんですよ。大事にしながら、殺して食べる。言葉にするのが難しいのですが、それがクマとともに生きるということなんだと思います」。独自の精神文化に共感して集まった新世代のマタギは全員兼業だ。益田さんはマタギの活動を少しでも収益化しようと、個人事業「もりごもり」でクロモジ茶を販売する。存続が危ぶまれるマタギ文化の中で、益田さんたち移住者の試行錯誤が続く。
(クマは〝自然そのもの〟:長野)
軽井沢町のクマ対策を先導してきたプロ集団、NPO法人ピッキオに勤める田中純平さん。この国と自然にかける思いを我々に語ってくれた__。全国でクマの出没が相次ぎ、メディアの報道を見るたびに私は違和感を覚えます。クマは〝自然そのもの〟であるというのに、クマ=害獣、クマ=悪の観点からしか報じられず、「なぜこうしたことが起こっているのか」を深く解説している報道がほとんど見られないからです。しかも、「害」獣と決めているのは人間です。本来、人間もクマも自然とともに生きてきた仲間であるはずです。それなのに、人間の価値観だけで安易に「害」獣と決めつけ、クマをはじめとする動物だけにツケを負わせています。そもそもクマは植物の種子を森に広く散布する生きものです。食べた植物はクマの体を通って排泄され、新しい場所に種として運ばれる。その意味で、クマは「森をつくってくれている存在」だと言えます。人間は森なしに生きていくことはできません。森がなければ、水も空気も安定供給されません。地震や台風などの災害を見れば明らかですが、自然にはリスクがつきものです。リスクをゼロにすることはできません。同様に、クマが増えすぎたらどこかで事故が起きる可能性は避けられません。だからといって何も備えないままでいいというわけではなく、私たちはリスクを最小限にしていく努力をし続ける必要があります。時にはどうしても捕殺せざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、クマの生息密度が高くなり、ただひたすら駆除するだけでは、害獣としてのイメージしか残りません。「行政や猟友会に任せておけば良い」「市街地を壁で囲ってクマが入ってこられないようにすれば良い」というだけの話でもありません。私たち人間の問題でもあるわけです。こうしたことを考えると、現在、全国で相次ぐクマの出没は、「人間がクマとどう向き合うか」だけでなく、「人間が自然とどう向き合い、生きていくのか」を考え直す時期が来ているということを、クマたちが身をもって教えてくれていると捉えるべきではないでしょうか。誤解のないように申し上げておきたいのですが、私はなにも「全てのクマを守れ」と言っているわけではありません。私がピッキオに就職した2001年当時、私有地の周りのごみや食べ物を食い荒らすクマが複数頭いました。多いときには年間240件を超える被害が出たこともあり、住宅街や別荘地に、クマが入り乱れていました。昨年度はまさに、それと似たような状況が全国各地で見られるようになったと言えます。「そんなクマは全て駆除してしまえ」。ただ、この点は何度でも強調したいのですが、駆除するだけでは何も変わりません。一時的に被害が減ったとしても、「なぜクマが市街地に出ざるを得ないのか」という根本原因が解決していないからです。そこで、まず私たちが取り組んだことはクマの個体を管理することでした。一頭ずつ識別していくと、同じようなエリアにいてもごみなどを漁るクマと全く漁らないクマ、昼間でも堂々と動くクマと夜間だけ動くクマなど、人と同じようにそれぞれに「個性」があって、違いもあることが分かりました。無作為に捕殺することは有効な手段ではないのです。もちろん、調査だけを進めていても意味がありません。ごみや果樹などの誘引物を除去することも、有効な対策の一つですし、住民に対する普及・啓発も欠かせません。そうした地道かつ愚直な取り組みを続けることで、ある程度その地域のクマの生態が把握でき、クマを引き寄せる原因も取り払うことができます。その上で、私たちの相棒である「ベアドッグ」でクマにプレッシャーをかけていくのです。こうした順序でなければ、軽井沢の安全を確保するのは困難でした。「ベアドッグを導入すればクマは来ないようになりますか」。視察に来る自治体関係者の方々はよくこんなことを質問されます。しかし、単にベアドッグを導入しても効果は限定的です。クマが出没してくる理由を分析して、いかに対策を施すか、その〝順序〟が極めて重要なのです。ただ、どこまで人間とクマの両方を守るのかというバランスは、軽井沢町と農業がさかんな地域とでは当然異なりますし、対策の優先順位も変わります。農地ではまずは誘引物管理から始めるべきでしょう。こうしたことを浸透させるには、教育がカギを握ります。私たちは「人間もクマも両方教育する」をモットーとしてきましたが、他の地域ではリソースの都合上、人への教育だけに限られるかもしれません。軽井沢町では、公立・私立の全ての小学校で、「野生動物とどう暮らしていけばよいのか」を、学年ごとに違う内容で年に1回ずつ授業を組み、6年間学び続けます。彼らが小学校を卒業する頃には、愛護でもなく、駆除でもない、自然の中でクマとどう暮らしていく必要があるか、ということを自分の頭で考えられるようなプログラムを作成しています。人間は自然を壊すこともできれば、守ることもできます。欧州などでは完全に森を切り開いてしまって、クマが絶滅した国もあります。だからこそ、そうした国から学生たちがここにやって来るのです。「どうすれば野生動物と上手に向き合えるのかを知りたい」と。たとえ私たちと同じことが他の地域でできないとしても、「やればできる」ということを、胸を張って示していきたいです。この町が歩んできた歴史に、そのヒントが必ずあるはずですから。
(7人が殺された“悲劇の地”の今:北海道)
約110年前、北海道の農村で、国内獣害史上最悪と呼ばれる惨劇が起きた。7人がヒグマに殺害された「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」だ。事件後、地元ではある親子がクマ撃ちの名手となり、駆除を続けた。親子が愛用した猟用刀は、2人が亡くなった今も地元に残っているという。誰が受け継いだのか――。観光名所になっている現地を訪ねた。9月初旬。苫前村(現苫前町)には黄金色の田園風景が広がっていた。札幌市から車で約3時間、通称「ベアーロード」(道道1049号)を進むと、「跡地はあと約10キロ」という看板が見えてくる。ただ、そこにはおどろおどろしいクマのイラストが添えられ、のどかな風景には似つかわしくない。7人の慰霊碑が建てられた三渓神社を横目にさらに車を走らせる。事件を起こしたクマが近くで撃たれたことから「射止(うちどめ)橋」と名付けられた橋を通過し、うっそうとした森の中へ。薄暗い砂利道を約200メートル進むと、実際の現場近くで被害家屋とクマの模型が展示されている「三毛別羆事件復元地」に到着した。町によると、復元地は、悲話を通して不屈の開拓精神と先人の偉業を伝えるために1990年に整備された。だが、全国から年間5000人以上が訪れる現在は「今にもヒグマが出現しそうなスリルを感じる、隠れた人気観光スポット」になっているという。記帳ノートには「バイクで来ましたが、怖くてヘルメットを外せませんでした」「クマ、デカ!!などと思い思いの感想が書き残されていた。
(住宅地近く、クマ駆除:富山)
クマの目撃情報が14日以降、相次いでいた朝日町横尾の住宅地に近いやぶで、25日午前11時ごろ、成獣1頭を町鳥獣被害対策実施隊が猟銃で駆除した。警察官職務執行法に基づき、入善署が発砲を命じた。住民の安全を確保するため、署はやぶ沿いの道路約800メートル間を封鎖。規制線内の住民3人が宮本町会館に一時避難した。けが人はいなかった。入善署によると、25日午前8時ごろ、署員がドローンで、カキの木が生えているやぶの中にいるクマを確認した。やぶを取り囲んで規制線を張り、近隣住民に屋外へ出ないよう呼び掛けた。やぶに隣接する空き家2階から町鳥獣被害対策実施隊員が地面に向かって発砲した。クマは体長約70センチ、体重25キロだった。住宅地近くでの発砲に対し、入善署は「周囲の安全を確保した上で適正に対処した」としている。富山県猟友会の河島節郎副会長は「山間地であれば追い払う対処もできるが、今回は難しかった。猟銃を水平に発射せず、住民の安全に最大限に配慮した適切な対応だったと思う」と述べた。現場はあいの風とやま鉄道踏切近くの住宅と空き家に挟まれたやぶ。約550メートル西にさみさと小がある。現場のやぶに隣接する住宅に住む会社員男性(50)は「こんな近くに潜んでいたなんて、ぞっとする」と話した。山あいに近く、サルやニホンジカも出没するといい、「荒れ放題のやぶをどう管理していくか、地域で考えなければならない」と話した。さみさと小に長男が通う会社員女性(40)は「クマがいつ出てくるかと思い、ほとんど外に出られなかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。クマの生態に詳しい富山県自然博物園ねいの里(富山市)の野生鳥獣共生管理員の赤座久明さんは、猟銃による駆除について「クマはかなり深いやぶで見つかっており、四方八方に逃げられる状況だった。確実に仕留めるためには猟銃以外に選択肢はなかったのでないか」と話した。クマが駆除されたやぶにはカキの木があったことから、「クマはカキの実に強く執着していたとみられる。今年は、ブナやミズナラが山にたくさんあるので異常行動といえる」と説明した。赤座さんは、山あいの集落ではクマの出没リスクは常にあると強調し、カキの木の伐採、やぶの整備を励行した上で、冬眠前にはギンナンをよく食べる習性があるとして、警戒を呼び掛けた。
(列車がハトと衝突:鹿児島)
JR九州によると、25日午前10時37分ごろ、鹿児島線博多~竹下間で下り普通列車がハトと衝突した。確認を行った影響で同10時56分現在、同線に遅れが出ている。
(クマ1頭が倉庫に居座る、福祉施設の出口にわな設置:秋田)
27日午前8時40分頃、秋田県横手市雄物川町造山(つくりやま)の福祉施設「ほのぼのデイサービスセンター」敷地内の倉庫に、体長約1メートルのクマ1頭が入るのを同市職員が目撃した。クマは倉庫に居座っており、一つだけある出入り口に箱わなを設置した。午後3時現在、捕獲されていない。現場は住宅が立ち並ぶ一角で、約30メートル東には県立雄物川高校がある。県警は付近の通行を規制するなどして警戒を呼びかけている。
(商店街でイノシシが軽自動車と衝突:新潟)
新潟県三条市の市街地でイノシシの目撃情報が相次いでいます。25日には三条市内でイノシシ4頭の目撃情報もあり、警察では付近の住民に注意を呼びかけています。25日の夕方に付近の住民が撮影した写真には、車道に横たわる野生動物が写っています。車と衝突したイノシシです。場所は、JR東三条駅に近い、三条市一ノ門の交差点付近。
(倉庫に入り込んだクマを捕獲:秋田)
27日、横手市の倉庫に入り込んでいたクマは27日夜、倉庫前に設置した箱のわなに入っているのが確認され、丸1日たった28日朝、市などが倉庫から運び出しました。27日午前8時半すぎ、横手市雄物川町でクマ1頭が介護施設の倉庫に入っていくのが目撃されました。これを受けて、警察などはシャッターを閉めたうえで、倉庫の勝手口のドアの前に捕獲用の箱のわなを設置し、監視を続けていました。横手市によりますと、27日夜、クマが箱のわなに入っているのを猟友会などと確認したということで、28日午前9時ごろに軽トラックにクマや箱のわなを乗せて外へと運び出していきました。捕獲されたクマは体長が1メートル30センチ、体重が82キロのメスのクマだったということです。横手市農林整備課の菅原淳課長代理は「住宅街や高校の近くだったが、人身被害がなかったことはほっとしている。冬眠までまだ時間があるので、いつでもどこでも誰でもクマに遭う可能性があることを意識して、外での活動には注意していただきたい」と話していました。また、クマが入り込んだ倉庫の近くにある県立雄物川高校では、生徒の登校時の安全確保のため、28日は臨時休校にしたということですクマが入り込んだ秋田県横手市の倉庫の責任者が、クマから従業員を避難させた当時の緊迫した状況を語りました。クマは27日午前8時半すぎ、倉庫の出入り口のドアから建物に入り込み、中の備品を荒らしたほか、壁をよじ登って窓に爪痕を残したということです。当時、倉庫では戸を1枚隔てた隣の部屋で従業員1人が作業をしていて、大きな物音を聞いて戸をわずかに開けたところ、クマを見つけ、気づかれないよう戸をゆっくりと閉じ、窓から外へ避難したということです。クマが捕獲されたあと、倉庫では従業員たちがクマに荒らされた場所の片付けや掃除に追われていました。倉庫を管理する責任者の男性は「隣の部屋にいた従業員から『助けて』と電話があって、窓から外に避難させた。このような事態になるとは思わなかったが、けが人もなく捕獲されてよかった」と話していました。
(ジビエ販売額、7年で1.8倍に)
野生鳥獣の食肉、ジビエの販売金額が増えている。農林水産省の統計によると、販売金額は右肩上がりで2023年度には54億円に達した。ジビエは低脂質・高たんぱくが特徴で、例えばイノシシのロースは1キロあたり平均5000円弱で販売されている。野生のシカやイノシシによる農作物への被害が深刻化するなか、捕獲した野生動物をジビエで有効活用しようとする取り組みが広がりつつある。
(『第4回狩猟フェスタ』開催!:高知)
ジビエ料理や加工品の販売などを通じて狩猟の魅力を広く知ってもらおうと、11月24日に高知市でイベントが開かれました。24日に高知市の高知ぢばさんセンターで開かれた「第4回狩猟フェスタ」は、シカやイノシシなどによる農林水産被害が深刻化する中で狩猟の社会的役割や魅力を若い世代にも知ってもらいたいと高知県が企画したものです。会場にはシカやイノシシを捕獲する罠や銃が展示されたほか、イノシシの牙を使ったアクセサリーや皮を使った財布などの加工品が並びました。またイノシシの肉を使ったコロッケやフランクフルトなど、ジビエ料理を販売するブースも並び会場は家族連れなど多くの人で賑わいました。
(ご飯が進む味、シカ唐揚げ丼:愛知)
新城有教館高校の生徒たちがニホンジカの肉を活用した丼料理「本気美味(どうま)い鹿唐揚げ YKK Bowl」を考案した。12月中旬から道の駅もっくる新城(新城市八束穂)のフードコートで販売する予定。同校食農サイエンス系列で畜産を専攻する3年生9人が7月から取り組んできた自信作は、脂肪燃焼効果や抗疲労作用がある酵素を多く含む内もも肉を使用。肉を軟らかくするためアルコール分を飛ばした白ワインに漬けてあり、ご飯が進むよう、しょうゆとおろしニンニク、おろしショウガで濃いめに味付けた。肉は平たく切ってサクサク感を出した。
(ドッグフードでも進む「ジビエ」の活用:神奈川)
犬の健康のために、餌に気を使う飼い主は多いのではないでしょうか。犬と人間が共に暮らし始めたのは1万年以上前ととても長い歴史を持つ一方、ドッグフードの歴史は浅く、わずか160年ほどです。多くのドッグフードは主原料として肉類を配合しています。鶏肉や豚肉など家畜の肉が用いられるのが一般的ですが、最近では人の食品でも「ジビエ」と呼ばれ人気が高まっている野生のシカやイノシシなど野生鳥獣肉を原料としたドッグフードも販売されています。
(エゾシカ肉の普及活動に取り組む高橋未佳さんに「社会ボランティア賞・クラブ賞」を贈呈:北海道)
女性の奉仕団体「国際ソロプチミスト釧路アミティ」(福田史世会長)は26日、エゾシカの肉や皮の普及活動に取り組む釧路短大生活科学科専任講師の高橋未佳さん(51)にソロプチミスト日本財団の「社会ボランティア賞・クラブ賞」を贈った。
(ジビエカフェを開業:北海道)
旭川市東鷹栖1の4で22日、シカ肉ステーキなどを提供するカフェ「ジビエ工業」を開業したハンター。地元の旭川で約20年、接客や肉加工に携わった経験を踏まえ、「人生の集大成にしたい」と意気込む。
(ジビエ「命と向き合う授業」、高校生が調理実習:富山)
県内で捕獲される野生イノシシの食肉利用がわずか2割にとどまっていることからジビエ料理の需要拡大を図ろうと富山市の雄峰高校で調理実習が開かれました。これは、野生動物などの地域資源の有効活用のため県が開いたもので「命と向き合う授業」には調理師養成課程の2年生、19人が参加しました。実習の講師となった電気ビルレストランの堂田貴史シェフはジビエ料理のコツについて「野生動物の肉の持つ食感を残すようにしてください」と話しイノシシ肉を使ったハンバーグづくりが始まりました。使われた肉は県内で捕獲された2キロのイノシシ肉で生徒たちはあまりこね過ぎないように注意しながらハンバーグの形をつくりおいしそうに焼き上げていました。ジビエ料理が普及すれば野生動物の食肉利用が進み農作物の被害軽減につながるので、良い循環が生み出されると良いですね。
(19歳猟師の伊豆大島キョン専門ジビエ屋開業プロジェクト:東京)
特定外来生物キョンの利活用を行う伊豆大島ジビエ(所在地:東京都大島町、代表:河原 晴馬)は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて事業の開業費用を募るプロジェクト『日本初のキョン専門ジビエ屋を開き、美味しいキョン料理を振る舞いたい!』を公開し、公開24時間で目標金額50万円を達成しました。さらに、開始3日で100万円(200%)の支援を達成し、11月26日現在、134万円(268%)の支援を集めています。本プロジェクトはネクストゴール第一弾を150万円として設定し、2025年1月15日まで継続して実施します。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、26日午後4時30分ごろ、富谷市富谷唐竹沢にクマが出没しました。
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(わなにかかったシカに角で胸刺されたか、男性死亡:北海道)
23日正午ごろ、北海道ニセコ町桂台で近くに住む農業、佐々木和美さん(76)が胸から血を流して倒れているのを妻が見つけ、119番した。胸に刺されたような傷があり、搬送先の病院で死亡が確認された。付近に「くくりわな」に足を捕らえられた角のある雄のシカがおり、道警倶知安署はシカに襲われた可能性も視野に状況を調べている。署によると、佐々木さんは午前10時ごろ、自宅近くに仕掛けたシカ用のわなを見に行こうと外出。長時間戻らないことを不審に思った妻が様子を見に行き、倒れているのを発見したという。付近にいた雄のシカはわなにかかっていたものの、動き回っていたという。
(イノシシに襲われ男性重傷:群馬)
25日午前8時50分ごろ、群馬県富岡市上黒岩のもみじ平総合公園で、作業中の団体職員の男性(69)が襲ってきたイノシシに体をかまれ、あばら骨も折る重傷を負った。富岡署と同市によると、イノシシは体長約1・4メートルの成獣とみられ、公園の敷地のすぐ外にある雑木林のわなにかかっていたが、わなから逃げて男性に突進した。わなにはひづめ部分が残っており、同署によると自ら足先をちぎった可能性がある。男性は同僚2人と公園の剪定(せんてい)作業をしていたが、通行人から「イノシシがわなにかかっている」と伝えられ、確認に行った。ワイヤでイノシシなどの足をくくって捕獲するくくりわな付近にイノシシがいたが、3人を見ると男性に突進してきたという。男性は市内の病院に搬送され、命に別条はないという。富岡市は現場付近を立ち入り禁止にして利用者に注意を呼びかけている。同署は「わなにかかった動物には近寄らないで」と呼びかけている。
(道がヒグマ管理見直し、ハンターや自治体の連携強化方針明記へ:北海道)
ヒグマの駆除についてハンターや自治体などの連携が課題となる中、道は管理計画を見直し、積極的に駆除を進めるエリアを設定するときは市町村を通じて決めるなど連携の強化に向けた方針を明記することになりました。道はヒグマ管理計画を見直し、来年以降の10年間で1万3290頭を駆除するとしていて、市街地や農地では積極的に駆除を進めるほか、クマが生息する森林との間に緩衝地帯を設けてエリアごとに対策を講じる考えです。一方、道猟友会は自治体の求めで出動したハンターが猟銃所持の許可を取り消されたことなどを受けて、市町村の出動要請には応じないことも含めて検討するなど、駆除を進めるにあたってはハンターや警察、それに自治体などの連携が課題となっています。こうした中、道は管理計画の最終案をまとめ、連携の強化に向けて積極的に駆除を行うエリアや緩衝地帯を設定するときは、市町村を通じて決める方針を明記し、地域の実情に応じて具体的な対策を進めるとしています。またヒグマが出没したときの支援策として市町村の要請に応じて専門家や事業者を現場に派遣することを新たに盛り込んだほか、出没分布や生息実態の調査結果などを市町村や警察と共有することなども明記されました。管理計画は来週、道議会に報告され、来年から実施される見通しです。
(ヒグマ駆除の拒否、猟友会が支部の判断「尊重」で調整:北海道)
市町村からヒグマの駆除要請があった際の対応を検討していた北海道猟友会は、地元警察や市町村などによる支援体制が整わない支部については、要請を拒否しても「尊重」する方向で調整に入った。複数の猟友会関係者への取材で分かった。近く開催する幹部による会議で正式に決める。ヒグマの駆除を巡っては、2018年に砂川市の要請を受け、民家近くで駆除した男性ハンターが、道公安委員会に「危険な発砲があった」として、猟銃所持許可を取り消された。男性は処分は不当として提訴。札幌地裁は男性の訴えを認めたが、札幌高裁は10月、取り消しは妥当とする判決を出した。男性は上告したが、一部の支部からハンターのみが重い責任を負わされることに不安の声が上がり、道猟友会が対応を検討していた。関係者らによると、道猟友会は、人里近くで猟銃を使って駆除する場合、道警や市町村など関係機関と十分な事前協議ができる環境にない支部では、砂川市と同様の事態が起きかねないと判断している。道猟友会幹部は「駆除を続けさせるのであれば、市町村や道警からの十分な協力が必要だ」と話した。
(クマ駆除「要請応じない」支部判断も容認:北海道)
北海道猟友会は25日、札幌市内で三役会を開き、ヒグマの駆除要請に対して、「要請に応じない選択肢も含めて、各支部で市町村や警察と協議を進める」との通知を出す方針を固めた。今月中にも71支部に通知する。きっかけとなったのは、今年10月に出た札幌高裁判決だった。2018年8月、道猟友会砂川支部長の男性が市から依頼され、ヒグマを駆除した。この際、男性が建物に向けて発砲したとの理由で、銃の所持許可を取り消された。取り消しは違法と訴えた裁判で、一審判決は、建物に弾丸が当たる具体的な危険性を認めなかったが、高裁では判断が一転した。「弾丸がヒグマに命中したとしても、その後弾道が変化するなどして、建物に届く恐れがあった」として、訴えを退けた。原告側は10月24日に上告した。道猟友会の堀江篤会長は「ボランティア同然で駆除に出たのに、銃の所持許可を取り消されたら、(出動自体を)慎重にならざるを得ない」と話す。判決後、駆除の現場に出ることへの不安も各地からあがっているという。そんな状況から、道猟友会は出動態勢を検討してきた。今後、各支部に要請を受けた際の責任の所在を明確にするべく、市町村や警察と協議を進めるよう通知する。不安が残る場合は駆除の要請に応じなくても構わない。堀江会長は「いままで以上に関係機関と協議を重ねて、出る、出ないを判断して欲しい」と話す。道庁によると、ほとんどの市町村が猟友会にヒグマの駆除を依頼している。猟友会が要請に応じなければ、自治体は駆除体制を再構築しなければならない。クマをだれが駆除するのか。
(ヒグマ駆除、旭川支部は駆除要請応じる方針:北海道)
自治体からの求めに応じて出動したにもかかわらず、危険な発砲をしたとして道猟友会の砂川支部長の男性が猟銃所持の許可を取り消されたことなどを受けて、北海道猟友会は市町村の出動要請には応じないことも含めて検討を進めています。今後の駆除体制に不安を抱く地域もある中、旭川市では、猟友会と市、警察の協力関係が築かれているとして、猟友会支部は今後もこれまで通り自治体の駆除要請に応じるとしています。なぜ、三者の協力関係が築けているのか。現場を取材しました。
(ヒグマ駆除の猟友会依存が限界、期待の「職員ハンター」には課題も:北海道)
北海道の中央にある占冠村。村には、雲海で有名なリゾートホテルもあり、近年は観光客も多く訪れる。同村の野生鳥獣専門員、浦田剛さん(47)は、ヒグマ駆除も行う職員で全国でも珍しい存在だ。7月下旬、ライフル銃やクマスプレーを携え、車に乗り込んだ。人口約1400人の村は、94%が森林地帯。人とヒグマの生息地は決して遠くはない。車の中から、道路脇に注意を払う。踏み荒らされた植物はないか。不自然に崩れた縁石はないか。「前にパトロールした時と異なる痕跡があればクマかもと疑います」。浦田さんが、鳥獣対策専門員になったのは2017年。地域おこし協力隊員として移住し、その後、村がエゾシカの駆除を強化することになり、職員に採用された。
(当事者ハンターが明かす「警察に訴えた人物」の存在:北海道)
「これは冤罪だ!一日も早く不当な処分を取り消してもらいたい!」。そう怒りを露にするのは、北海道猟友会砂川支部支部長の池上治男氏(75歳)だ。同氏は'18年8月のヒグマ駆除の際、発砲した弾が建物に当たる恐れがあったとされ、北海道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消された。これに対し、池上氏は撤回を求めて提訴。1審ではその主張が全面的に認められるも、10月18日の札幌高裁でまさかの逆転判決が下された。「判決に対する不信感を募らせた北海道猟友会は、自治体からのヒグマ駆除要請に原則応じない方針を検討しています」(猟友会関係者)。地域住民を守る駆除行為が「事件」として扱われることになったのはなぜなのか。裏には、ある人物の「告発」が関係していると池上氏は話す。「駆除の現場には私の他にもう一人、ヒグマにとどめを刺したハンターのA氏がいました。そのA氏が駆除の数時間後、私の撃った弾が跳弾となって自分の銃床に当たったと言い出し、『カネを出さなければ警察に行くぞ』と迫ってきた。相手にしないでいると、A氏は本当に警察に訴えたのです」。当初、A氏の主張は証拠不十分とみなされた。すると、砂川署は唐突に「建物に当たる恐れがあった」として池上氏を書類送検。検察は不起訴処分としたが、同氏は猟銃を奪われることになる。前出の猟友会関係者はこれに疑問を呈する。「A氏の不可解な告発の裏には池上さんに対するわだかまりがあったようです。警察は別の容疑を持ち出して強引に事件化する必要があったのか。正当な駆除をして処罰されるのでは、今後駆除要請に応じるのが難しくなるでしょう」。ハンター同士のいざこざに端を発した騒動が北海道全土を巻き込む事態へと発展したわけだ。池上氏は上告した。最高裁の判断によって道民の安全が左右されそうだ。
(県猟友会支部の資金横領、40歳女に懲役1年2月求刑:神奈川)
神奈川県猟友会支部の運営資金を横領したとして、業務上横領の罪に問われた静岡県沼津市、会社員の女の被告(40)の初公判が22日、横浜地裁小田原支部(木山暢郎裁判官)であった。
(野生イノシシが豚熱感染、県内での確認28例目:岡山)
岡山県は22日、吉備中央町内で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内では28例目の感染確認で、同町では初めて。県によると、18日に路上で死んでいた個体が見つかり、県の検査で21日に陽性が確定した。県は発見地点から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者が捕獲したイノシシの流通自粛を求めた。
(野生イノシシにおける豚熱の確認について、県内254例目:宮城)
豚熱ウイルスの侵入を監視するため、野生イノシシの豚熱検査を行っておりますが、県内で新たに1頭の陽性が確認されましたのでお知らせします。
(クマを自動的に検知、AI活用カメラの設置進める:新潟)
クマによる人への被害が相次ぐなか、県はいち早くクマを発見し、人が遭遇する前に注意を呼びかけようと、クマを自動的に検知できるAIを活用したカメラの設置を進めています。県が新たなクマ対策として設置を進めているのは「クマ検知AIセンサー」という装置で、新発田市と南魚沼市のクマが目撃されたことがある場所などに合わせて8台設置しました。赤外線センサーが動いている物を検知するとカメラが自動的に画像を撮影し、AIが画像を分析して形状などからクマと判断すると市の担当者にメールで通知が届く仕組みです。このうち、新発田市では学校や公園近くの河川敷などに6台が設置されていて、クマが検知された場合は「新発田あんしんメール」で市民に注意を呼びかけることになっています。新発田市ではことし9月下旬に設置されてからまだ検知されていないということですが、県内ではことし4月以降、クマによる人への被害が7件起き、今月も十日町市と津南町で被害が出ています。県内は来月にかけて平年より気温が高くなると予想され、クマの冬眠が例年より遅れる可能性があることから、県は「クマ出没警戒警報」を来年1月末まで継続することにしています。新発田市農林水産課の下村拓実さんは「カメラはまだ誤作動も多く、発展途上だと感じますが、うまく検知できれば誰かがクマに遭遇する前に対策できるようになるので、迅速な注意喚起につなげていきたい」と話していました。
(市議3人が"ハンター"に:栃木)
日光市内でクマの目撃情報などが相次ぎ、狩猟免許保持者の高齢化や、なり手不足が指摘される中、瀬高哲雄(せたかてつお)(43)=七里、川島憲朗(かわしまのりあき)(56)=安川町、山越享太郎(やまこしきょうたろう)(33)=森友=の市議3人がこのほど、本年度の狩猟免許試験にそろって合格した。それぞれ「わな」と散弾銃などを扱える「第一種銃」の2種類の免状を取得。若い世代の関心が高まってくれることを願うとともに「地域のために頑張っていきたい」(瀬高さん)と意気込んでいる。市内では中宮祠の竜頭の滝周辺で目撃情報が相次ぐなど、クマに関する相談が増えているという。猟とは無縁の3人だったが、瀬高さんらが9月定例市議会で市のクマ対応について質問した後に、免許取得の話が出たという。3人は県猟友会が同月末に開いた事前講習会を経て、10月18日の試験に挑戦。山越さんは試験前日までの県外視察に「テキスト持参で参加した」というほどのあわただしさだったが、見事試験をクリアした。県県西環境森林事務所によると、市内の狩猟免許ごとの保持者数は、わな222人、網3人、第一種銃223人、第二種銃が1人。狩猟者登録数は、過去5年間は横ばいで推移しているという。山越さんは「もっと知識を付けないと」と精進を誓い、川島さんは「将来的にジビエなどで活用できる仕組みがあってもいいのでは」と思いを巡らせていた。
(野生鳥獣の被害2.5億円:和歌山)
イノシシやシカなど野生鳥獣による県内の農作物の被害額が2023年度、過去10年で最も少ない約2億4900万円だったことが県のまとめでわかった。減少傾向にはあるものの、被害額が大きいイノシシやシカではほぼ横ばいで、県は対策を進める。県鳥獣害対策課によると、農地への防護柵の設置や、野生鳥獣の捕獲などが進み、被害額が過去最大だった1998年(約5億円)に比べると半分程度になったが、依然として高い水準だ。内訳はイノシシの被害額は全体の37・5%を占め、9328万円。シカが5348万円と続いた。サルは前年度より450万円少ない3736万円、アライグマは前年度比522万円減の2359万円だった。イノシシは、家畜伝染病「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」の流行で個体数が減り、被害も減ってきていたが、流行が収束したという。個体数が増えているとみられ、再び、被害の増加が懸念される。作物別では、果樹が76%を占めた。野菜が12%、水稲が6%だった。被害を抑えるためには、狩猟者による捕獲が重要だが、2023年度の登録者数は前年度より79人少ない2974人だった。同課は「免許取得の支援や研修を行い、新たな狩猟者を育てたい」としている。狩猟登録者は全体としては減っているが、女性は増えている。県猟友会女性部が2018年に全国に先駆けて発足した影響が大きいという。女性部が、免許を取った人の狩猟活動をサポートする講習会を開いたり、SNSで情報発信したりしている。当初64人だった会員が96人に増えた。捕獲しても食べられない野生鳥獣をオリジナルの商品にする取り組みも実践。アライグマの毛を使った絵筆を作った。溝部名緒子部長は「狩猟を広く知ってもらい、『自分もできる』と興味を持ってほしい」と話す。
(知られざる狩人(ハンター)の世界、「ふくしま狩猟ワールド」:福島)
「狩猟のことをもっと知りたい」「狩猟に興味はあるけどなかなか一歩が踏み出せない」「狩猟免許ってどうやって取るの?」。そんな狩猟に関心のある皆さんに是非参加していただきたいイベントです!経験豊富な狩猟のプロ達が、講演会やトークショーを通して、狩猟の魅力や楽しみ方、奥深さをご紹介。射撃シュミレーションやジビエの試食などが気軽に楽しめる各種ブースもご用意します!
(県内のツキノワグマ、5年で1.6倍:栃木)
本県に生息するツキノワグマの推定数(中央値)は2024年度961頭に上ることが23日までに、県環境森林部の調査で分かった。19年度の前回調査時の1・6倍に増えた。県は「全国と同様の傾向」とみる。近年、全国ではクマによる人身被害が相次いでいる。被害の未然防止などを図るため、県は現在策定中の次期ツキノワグマ管理計画で、年度ごとの捕獲上限数を従来の90頭から145頭に引き上げる方針だ。
(人口600人の島で捕獲されるイノシシは毎年200頭:福岡)
福岡県で農作物の被害額が大きい野生動物をご存知でしょうか。3位はシカでおよそ6700万円。2位はカラスでおよそ9300万円。そして1位はイノシシで被害額は2億8100万円となっています。イノシシによる農業被害に悩まされている地域を取材しました。ネットの中を激しく走り回るのは、わなにかかったイノシシです。こちらには、撮影者の様子をじっとうかがうイノシシが映っています。これらの映像が撮影されたのは、福岡市西区の能古島(のこのしま)です。人口600人余りのこの島では、毎年200頭ほどのイノシシが捕獲されています。被害農業被害も相次いでいます。能古島の特産品である甘夏。イノシシによって木が倒されたり土を掘り返されたりする被害が繰り返されていて農家は頭を抱えています。イノシシによる被害は年間で1トンにものぼるといいます。地元の猟師もイノシシの出没に危機感を募らせています。島内ではこれまで人的被害は出ていませんが、住宅地の近くでもイノシシが出ることから箱わなを仕掛けるなどの対策を取っています。西福岡猟友会 多々羅誠会長「学校周辺から住宅地に近いとこを僕はメインでわなをかけて。最近、家庭のごみをあさったっていうのがパラパラ出てきた、ということで住宅地に頻繁に出てきようっていうのがあるから。住民の被害がないように駆除をしようというのが目的」。地元の公民館では、イノシシが目撃された場所に印をつけた「イノシシマップ」を作成して、島民に注意を呼びかけています。能古公民館 田中郁子館長「11月は多いのでそれこそ気をつけておかなければいかない、夜とかはあまり遅くは出ないようにするとか、皆さん気をつけていると思います」。名産の柿が収穫期を迎えている福岡県朝倉市でも、ここ数年で増えた野生のイノシシやシカに農家は頭を抱えています。朝倉市の山間部で柿を栽培している仲山一郎さんです。収穫時期を迎え今週、柿山に入ると、枝が10本以上も折れていたといいます。被害を聞いてこの日、地元の猟師が柿山を見に来ました。猟師「体をこすってからまたがってきよる。あそこも来よるもん」。木の根元や葉に付いた泥などからイノシシの通り道を見定めます。この日、3つのわなを仕掛けましたが、仲山さんの柿山ではこれまでわなを設置することはなかったといいます。猟師「水害が終わってからよ。水害が去って2年ぐらい経ってからやね。水害で山に人が行かんけん、それで増えて繁殖して。今まで柿も栗も人間がとりよったけど、誰もとらんけん、餌は豊富にあるし繁殖はボンボンするしそれで増えたんですね」。2017年7月の「九州北部豪雨」では、朝倉市の広い範囲で土砂崩れが発生。山間部の道路は寸断され、立ち入ることのできない場所が今も残っています。朝倉市によりますと、2017年度には約700頭だったイノシシの駆除数が、2022年度には1000頭を超えていて農作物の被害額も増加傾向となっています。平均で一度に4頭から5頭の子供を産む繁殖力旺盛なイノシシ。野生鳥獣の生態に詳しい和田三生さんは「きちんと対策を取らなければ問題は解決しない」と話します。農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー(株式会社三生代表取締役) 和田三生さん「数日前も僕は朝倉に行って浮羽の方から朝倉・杷木を見ますと結構崩れた跡があります。あれだけ崩れますとエサ場も限られますし生息も限られますから、当然人里に下りてくるわけですね」「イノシシは5月6月には出産しますよという、これをずっとやるわけですから、とらなければ増えるのは当然のこと、だから増える以上に捕獲する、その技術がない限りは解決しませんね」。過疎化や農家の高齢化で耕作放棄地が増える中、拡大しているイノシシの被害。人間と野生動物が、どう共存していくのか模索が続いています。
(クマの目撃、増加傾向:神奈川)
山北町、松田町などでツキノワグマの目撃情報が例年を上回るペースで増加している。足柄上地域では、観光シーズンを迎え、自治体の担当者は住民や観光客に注意を呼び掛けている。足柄上地域(南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)で4月1日から11月19日までに寄せられたクマの目撃・痕跡情報は23件(23年度17件)。神奈川県全体でも103件(同80件)と7カ月間余りで、足柄上地域・県のいずれも昨年度を超えている。足柄上郡猟友会の中野博会長は「熊の出没はドングリなどエサの状況が影響します。今年はここ数年で、一番の不作といわれているので、19年度以来高い水準に増える可能性もあります」と注意を呼び掛ける。足柄上地域を市町別でみると、4月から11月19日現在で、山北町が11件(23年度11件)、松田町が10件(同5件)、南足柄市が2件(同1件)。中井町、大井町、開成町では目撃情報は寄せられていない。山北町の丹沢の山々と寄地区で目撃されたものがほとんどだ。昨年から目撃が倍増する松田町の担当者によると「寄地区だけでなく松田山や松田庶子など比較的、民家に近いところで発見されています」と今年の傾向を話す。現状を踏まえ、南足柄市、松田町、山北町では、ホームページなどでクマに会わないようにする対策や、万が一遭遇した時の対策などを掲載している。
(事故など相次ぐエゾシカの活用テーマに出前授業:北海道)
エゾシカによる農業被害や交通事故が相次ぐなか、室蘭市の高校でエゾシカの捕獲や活用をテーマに出前授業が行われました。これは胆振総合振興局が開いたもので、21日は大谷室蘭高校の1年生およそ30人が参加しました。講師を務めた胆振総合振興局の職員は、道内でエゾシカの生息数が増加し農業や林業への被害のほか、列車や車と衝突する事故が問題となっていることなどを説明しました。そして、捕獲したエゾシカを活用するため低カロリーで鉄分が豊富な食肉として加工したり、皮や角で革製品やアクセサリーを作ったりしていることを紹介しました。続いて、エゾシカ肉を使ったしゃぶしゃぶの試食が行われ、生徒たちは味を確かめていました。参加した女子生徒は「すごく食べやすくておいしかった。近くのお店でも売っていると聞いたのでまた食べたい」と話していました。胆振総合振興局環境生活課の高橋正樹係長は「学校では学ぶことが少ないエゾシカのことを知ってもらえた。ただ捕獲するだけではなく、いろいろな形で限りある命を有効活用していければと思う」と話していました。
(恐るべきヒグマの生態、狩猟同行取材では緊迫の瞬間も)
全国各地でクマによる被害が相次いでいる。環境省によると、昨年度全国でクマによる人身被害に遭った人は219人(うち死亡は6人)で、統計のある2006年度以降では過去最悪だった20年度の158人を上回り最多を更新した。一度事故が起こった際、死者が出るなど重大な結果を招きやすいのが、ツキノワグマよりも体の大きい北海道のヒグマ被害だ。今回、長年知床でヒグマの捕獲を行っていたハンターで獣医師の石名坂豪さんに、狩猟の同行取材を依頼。フィールドで垣間見えた「クマよりも恐ろしい」という被害の実態とは。幼い頃から野生動物に興味を持ち、大学では獣医学を専攻。卒業研究のために訪れた知床で、地元ハンターとの交流を機に狩猟に興味を持ち、自ら学術捕獲を実施することを目標に狩猟免許を取得した。その後、公益財団法人「知床財団」の職員として、道内でも特にヒグマ被害の多い斜里町や羅臼町で捕殺を含む総合的なヒグマ対策に従事。ハンター歴は26年、ヒグマの捕獲実績は30頭を超えるというベテランだ。獣医師の資格も持ち、昨年、知床財団を離れて「野生動物被害対策クリニック北海道」を設立。現在は鳥獣対策のコンサルタントとして、クマスプレーの使用法講習やヒグマの市街地出没時対策などの研修講師を行う傍ら、北海道庁のヒグマ専門人材バンク登録者やNPO法人「エンヴィジョン環境保全事務所」の臨時スタッフの立場から、道内各地のヒグマやエゾシカの問題に関わっている。狩猟に同行したのは、猟期が解禁となった10月下旬。早朝に札幌市内で待ち合わせ、猟場のある空知管内へ向かう。現地で長靴や上下のレインウェアに着替え、「大日本猟友会」の刺しゅうが入ったオレンジの狩猟ベストと帽子を身につけると、とある林道から山の中へ。発情期を迎えたオスのエゾシカの鳴き声が響く中、猟を開始した。最初に万が一の際の備えとして、クマスプレーの使用法をレクチャーされる。スプレーは米国製の輸入物。円安の影響もあり、現在は1本あたり1万6000円ほどもするというが、銃を持たない一般人がクマに対抗できるほぼ唯一の手段になるという。「説明書にはいろいろと書いてますが、実質的な有効射程は5メートル以下。クマを発見したらまずホルスターから抜き、距離が近い場合はいつでも噴射できるようストッパー(安全クリップ)も外してください。ただし、引き金を引いて噴射するのは本当に最後の手段。クマはブラフチャージ(威嚇突進)といって、人間に向かって突進してきても直前で止まり、いったん引き返すような動作をする習性があるので、遠くで止まって後ろを向いたときに噴射しても効果はありません。基本的にはクマから目を離さず、スプレーを構えながらゆっくりと後ずさるようにしてください」。引き金を引くのは、約5メートルの位置まで引きつけてから。説明を受け、実際の場面を想像すると、いかに冷静な対応が難しいかが実感できる。石名坂さんが監修しているクマスプレーの使用法講習会でも、最初から適切な対応ができる人は多くないという。続いて猟銃を見せてもらう。銃身が鈍く光り、見るからにずっしりとした重みを感じさせる。猟銃には火薬を使う散弾銃とライフル銃、圧縮した空気で弾を飛ばす鳥猟用のエアライフルなどがあるが、この日持ってきてもらったのは、通常は散弾銃所持後10年以上がたたなければ警察から所持許可が下りないというライフル銃だ。「価格は本体がおおよそ30万円ほど。スコープはピンキリで、いいものはそれだけで20万円以上します。弾も円安やウクライナの戦争などによる品薄の影響でどんどん値上がりしていて、口径によって、あるいは完成品(市販実包)を買うか自分で弾頭や火薬を手詰めするかにもよりますが、今は一発840円とかです。今日はヒグマ用の弾を15発持ってきています。散弾銃とライフル銃の一番の違いは射程と精度。スラッグ弾という散らない弾を使ったときの散弾銃の有効射程は50メートルほどですが、ライフルは腕がよければ300メートル先まで狙えます。さらに、一番遠くまで弾が飛ぶ角度だと最大飛距離は数キロにもなる。事故を防ぐためにも、極力水平より上方を撃たない、獲物の後方にバックストップ(安土。銃弾が止まる障害物、主に土の斜面などのこと)があるかを確認することが肝心です」。実際にクマを撃つ際には、どんなことに意識しているのだろうか。「クマは頭骨が非常に丈夫なので、遠くから頭部を撃っても弾が脳まで到達しないことがあります。首の頸椎を破壊すれば脳を破壊したときと同様に神経伝達ができずその場で倒れるので、私の場合はなるべく首を狙い、仮に弾が真下や斜め下に少しそれても胸腔(肺や心臓などの臓器が収められた場所)に当たるような瞬間を撃つようにしています。ちなみに腹部に当ててしまうと何時間も死なず、一度手負いとなったクマをうかつに深追いするのは非常に危険。また、心臓を撃ち抜いてもすぐには倒れず、時には30~40メートル走ってから倒れることもある。その状態で茂みに入られると、ちゃんと仕留められただろうか、もし生きていたら逆襲されるかもしれないという恐怖と闘いながら、ヤブに入って死亡確認をする羽目になります」。銃の仕組みやクマの生態についての説明を受けながら、狩猟者以外の立ち入り自粛を要請する看板と施錠されたゲートで封鎖された林道を中心に歩みを進める。時折オスジカの鳴き声が遠くから聞こえるものの、ヒグマの気配は薄いという。「あそこにコクワ(サルナシ)の実がなっていますね。クマの好物ですが、あれだけ低い位置に残っているということは、今年はやはりドングリが豊作なんでしょう。クマは雑食と言われますが、解体してみると消化器系は肉食動物としての傾向が色濃く残っています。炭水化物や脂質の豊富なドングリやハイマツの実は例外ですが、それ以外の大半の植物では効率よくエネルギーを摂取することができない。手に入るなら、肉や魚に対してものすごく執着する性質を持っています」。ふいに石名坂氏が足を止める。「あ、あれはクマですね」。指さす方を見ると、トドマツの大木にギザギザとした跡が残っている。ヒグマの爪痕だという。「大半の針葉樹はクマにとって餌のなる木ではないのですが、ヤマブドウやコクワの蔓が巻き付いている木には、このような爪痕が残っていることが時々あります。また『背こすり木』といって、エゾマツやトドマツの樹液の匂いに興奮作用があるのか、爪でひっかいたり背中をこすって、マーキングしたり仲間同士でのコミュニケーションをとったりしているようです。ちなみに、これはだいぶ古い爪痕ですね。少なくとも今年つけられたものではなさそうです」。人に対する警戒心が薄いヒグマの個体は日中に活動することが多いというが、シカの場合は早朝と日没直後に活動のピークがあるという。日中の猟となったこの日はシカとの遭遇機会にもあまり恵まれず、帰京の飛行機の時間も迫りそろそろ撤収というタイミング。突然近くの茂みから物音がし、にわかに緊張が走る。「……シカですね。4~5頭いる。せっかくの機会なので後を追ってみましょう。事前に合図をしてから撃つようにしますが、かなり銃声が大きく、至近距離で聞くと難聴になってしまうこともあるので、両手で耳を覆うように。この先は絶対に私の前には出ないでください」。ささやぶの中に足を踏み入れ、足を取られながら必死に銃を背負った後ろ姿についていく。見通しのよいところで前方の石名坂さんが足を止める。「ダメですね。そんなに遠くまで逃げて行った感じはしなかったんですが」。局往復10キロ、約4時間の山歩きで発砲まで至ることはなかった。同行取材としては空振りという結果に終わり、残念な反面、ヒグマと遭遇したときのことを考えるとホッとした部分もあった。撤収時にしきりに注意を促されたのが、皮膚や衣服についたマダニの目視確認の重要性だ。西日本ではSFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱、北海道ではライム病やダニ媒介脳炎のウイルスなどを運ぶマダニは、クマ以上に身近なリスクの1つ。成ダニは2~3ミリ、幼ダニは1ミリ程度だが、注意深く探せば肉眼でも見つけることができる。屋外活動後の入浴時には、マダニがついていないかを確認し、もし皮膚に食いついているダニを見つけたり、野外に出た数日後に発熱した場合は、すぐに医療機関を受診することが肝心だという。「もし自分でマダニを取ってしまった場合には、食いついたダニがどの病原体を持っていたのかを調べてもらうため、ジップロックなどに入れて冷凍し、医療機関受診時に持参することを勧めます。人身被害が分かりやすいのでクマばかりが話題になりますが、実はクマよりも恐ろしいのがシカによるマダニの増加。市街地周辺を歩き回るシカの耳にマダニがびっしりとついているのを、何度も見たことがあります。シカやイノシシは全国各地で増え続けていて、それによってマダニが媒介する感染症のリスクが高いエリアも拡大してきている。静岡でもSFTSの患者が複数出ていますし、千葉でも患者発生の報告がある。神奈川や東京だってもう危ない。マダニや感染症対策の観点からも、クマに限らず、野生動物全般の市街地侵入対策を講じていく必要があると感じています」。野生動物による人の生活圏への侵攻は、目に見えにくい形でも広がっている。
(気軽に〝ビームライフル〟:新潟)
2009年の新潟国体での会場となった『新潟県立胎内ライフル射撃場』。新潟県内唯一の“一般利用”可能な競技用ライフル射撃の専用施設です。ライフル射撃の競技では射的距離は50mですが…一般の方には、無課金おじさんで話題となった10m先の的に対して、光を照射する〝ビームピストル〟が体験できます。的のセンサーに当たると、モニターに表示されます。なかなか当たらない・・・そんな方には、難易度を下げた〝ビームライフル〟もあります。5kgの重量があるビームライフルを、初心者は安定させるために補助器具に載せて体験します。10m先の小さな的に当たると、どこに当たったかが表示されます。補助器具があることで、的を狙いやすく当たる楽しさを経験できますよ。銃口が1mm動くと10m先の的が2cmずれるという繊細な競技です。友達と対決するのも楽しいので、是非行ってみてください。
(道警の全分庁舎で猟銃申請可能に:北海道)
北海道警察は25日、空知、後志、渡島、オホーツク、十勝管内の小規模警察署7署の統合・再編計画について、統合される分庁舎で猟銃の所持などに関する申請窓口を設置すると明らかにした。2026年4月以降の統合に合わせ、全ての分庁舎に窓口を設ける。
(清川村鳥獣保護協会の会長を務める、長澤徳勝さん:神奈川)
清川村で野生鳥獣の狩猟が11月15日に解禁となった。村の猟区を管理する清川村鳥獣保護協会の会長を務める。会長に就任する際に「遊猟者を増やすこと」を目標に掲げた。「今年は神奈川県猟友会が開く新人ハンター講習会が5月から12月まで4回、清川村猟区で開かれる。この機会に、清川村の魅力も伝われば」。1993年に狩猟免許を取得。営んでいた4WD車専門店の常連客に誘われたのがきっかけだった。「クレー射撃から始めて、お客さんが狩猟もやっていた人だったので、いつの間にか狩猟がメインになったと思う」と話す。「趣味で始めた猟だけど、今では日々やることが沢山あって仕事のようになってきた」と、差し出したスマホのカレンダーは予定がぎっしり。生まれも育ちも厚木市。16歳でバイクに魅せられ、高校卒業後は自動車メーカーにメカニックとして就職。しかし「本当は自分でバイク屋がやりたかった」と23歳で独立し、28歳からは4WD車専門店を座間市や厚木市金田で営み58歳で店じまいした。「57歳で働くのを辞めようって決めていたからね。1年延びちゃったけど」。今もバイク4台、4WD車を含め車5台を所有し、「バイクと車好きは変わらない」と笑う。2000年に清川村に移住し、妻と猟犬4頭と暮らす。1頭は高齢のため猟を引退。残り3頭は母娘の屋久島犬で、娘犬2匹はまだ2歳で可愛い盛り。スマホに映し出された愛くるしい姿を見せながら、娘自慢が止まらない。「狩猟は楽しむという目的だけではなく、人間と野生動物とのバランスが取れた関係性を保つためには欠かせない。農作物の被害は清川でも深刻な問題」と話した。
(狩猟解禁、2025年2月末まで:神奈川)
清川村では11月15日、ニホンジカやイノシシなどの狩猟が解禁された。シーズンの開幕に合わせ、当日は猟区でハンターの案内人を務める清川村鳥獣保護協会(長澤徳勝会長)の会員や村役場の職員、厚木警察署の署員ら8人が集まった。役場職員は「本日より猟が解禁となりました。鉄砲自体が大変、危険なものなので細心の注意を払って管理をしてください。また猟区は人の土地であることを十分理解した行動をしていただけたら」と注意を呼び掛けた。清川村の狩猟期間は毎年11月15日から翌年2月末日まで。ハンターは鳥獣保護協会会員が同行し、案内下で猟を行う。2023年は263人のハンターが訪れ、シカ38匹とイノシシ1匹が捕獲された。長澤会長は「今年はイノシシの目撃も多いので、もう少し数が取れると思う」と話した。
(イノシシやシカ駆除「体力の限り」:神奈川)
年齢にとらわれずに生き生きと生活を送っている高齢者に内閣府が贈る「エイジレス章」に、小田原市内などで増え過ぎたイノシシやシカの駆除に取り組む穂田芳雄さん(80)=同市荻窪=が選ばれた。19日に市役所で開かれた書状や記念品の伝達式で穂田さんは「農作物の食害対策だけではなく、森の生態系を守るためにも活動を続けていきたい」と語った。
(クマと共生する知床半島:北海道)
照井さんが過ごすウトロの市街地は、全長約5キロメートルにわたってフェンスと電気柵で囲われている。しかし、海や河川、国道や急斜面地には物理的に柵が設置できないため、ヒグマの侵入を完全に防ぐことはできない。「人間が通れるということは、クマたちにも当然、通れるということです。こうして電気柵を設置していても、その先にクマの目的物があれば、この柵を越えてくるか、穴を掘って下からくぐり抜けてきます」。学生たちに現場の厳しさを説く松林良太さん(49歳)は、知床財団の一員だ。異常事態の連続だった昨年は、小学校のすぐ裏でもクマが現れたという。「9~11月頃にかけて、保護者の方はほぼ毎日、子どもの送迎のために車を出していました」(同)。説明を受けたその場所にもクマが出没したという。川沿いとはいえ、そこは市街地の中心部である。今、この瞬間にも、ヒグマが出てくるのではないか─。こんな緊張感は、現地を歩かなければ味わうことはできなかった。住民としての日常生活が脅かされれば、クマとの「共生」という言葉も空虚に聞こえるだろう。地域として正しい知識と危機感を持ち、ごみや放棄果樹を町からなくす取り組みなど、クマが「来ないよう」努めることは必須である。それと同時に、「来たらどうするか」ということにも備えなければならない。知床財団は昨年、2カ月もの間、24時間体制で町の安全を守り続け、必要な時には駆除の現場にも臨んだ。人間として「押し返す力」を有しておく必要もある。さらに、そもそもクマが「森から出なくて済む」ように、自然にもアプローチをかけていく。「森の生きものたちの環境を整備・復元していくことで、クマとの軋轢も減らすことができます」同財団の中西将尚さん(49歳)が分かりやすく解説してくれた。「例えば、サクラマスというサケの仲間は、どの魚よりも森の一番奥深くまで泳ぐ力を持っています。海の栄養を森へ運んでくれる大切な生きものです」。そんな魚たちが通るための「魚道」を整えること、その魚の餌となる虫を集めるために水辺の林(河畔林)を丁寧に育てること。一見クマ対策とは程遠いように感じるかもしれないが、森づくりと川づくりは表裏一体の関係である。自然は全てつながっているのだ。同時に、クマが出る前に人間側にできることはまだある。私たちはそのことに気付けていないだけなのかもしれないとも感じた。世界遺産である知床のような対策を全国一律で行うのは難しいかもしれない。それでも、人間とクマが共存する環境をつくり出そうとするその地道な努力から、学べることはあるはずだ。
(クマ対策として“ごみ拾い”:北海道)
札幌市南区ではクマが市街地に近づかないための取り組みとしてごみ拾いが行われました。( NPO法人TSUNAGU中島明子さん)「(クマの)エサになるごみなので、嫌なごみですね」。このごみ拾いは人とヒグマの共存を目指すNPO法人が主催していて、人の捨てたごみをクマが食べるなどクマに食べ物の味を学習させないために行っています。きょうは20人以上が参加し、札幌市南区の十五島公園などでごみを拾いました。( NPO法人TSUNAGU中島明子さん)「飲み終わった缶などはクマにとってはエサになってしまうので」「ポイ捨てはしないようにお願いします」。主催者は「今後も定期的に活動をしていきたい」としています。
(ゴミのポイ捨ては要注意、クマの市街地出没防ぐ対策を住民らが学ぶ:山形)
近年多発しているクマの市街地出没への対策などに理解を深める勉強会が23日、山形県米沢市で開かれ、住民たちがクマが出没しやすい箇所のポイントなどを学びました。米沢市ではことし5月、市街地近くの河川敷に連日、クマが出没しました。県が開いた勉強会には、米沢市の万世地区の住民が参加。専門家とともにクマの通り道と考えられる山の近くのアンダーパスやクマを呼び寄せるゴミのポイ捨てがあった場所などを見学しました。東北野生動物保護管理センター・今野文治さん「ここの問題はゴミ。あそこのカップラーメン。塩気があるものは自然界に少ない。ああいったものに汁が残っていたりすると非常にクマは誘引されやすく食べ物として執着しやすい。 人的被害を防ぐにはゴミを一切捨てない環境を作ることが重要」。県は今後、クマの出没対策として地区の藪の刈り取りを実施する予定です。
(本島に生息しないはずが、シカまた目撃:沖縄)
沖縄本島に生息しないはずの雄のシカ1頭が22日早朝、国頭村楚洲区と奥区で目撃された。野生生物が事故に遭う「ロードキル」について調査していた琉球大学大学院生の丸田裕介さん(23)が遭遇した。10月下旬に同村謝敷の県道2号などで目撃されたシカと同じ個体の可能性がある。22日午前4時45分ごろ、丸田さんが楚洲区の県道70号を車で北上していると、シカが道路脇の鉄柵を乗り越えて道に飛び出してきたという。発見場所から約2・8キロ先の奥小学校前の畑近くまで移動し、姿を消した。丸田さんは警察に通報。奥区は同日、住民に対しシカを発見しても近づかないよう放送で注意喚起した。動物行動学や生態学を研究している丸田さんは、シカの様子について「車をあまり警戒していなかった」と人間慣れしている可能性を指摘。11月は繁殖期のため雄は攻撃的になるとし「今回いたのは森林内ではなく、宅地や農地など人の生活圏内。人的被害が起きないか」と心配した。シカの目撃を巡っては、識者から繁殖による世界自然遺産の森の生態系への影響を懸念する声が上がっている。
(目撃相次いでいたオスのイノシシ捕獲:沖縄)
沖縄県うるま市の田場や具志川でイノシシが相次いで目撃されていた件で、具志川ビーチ近くで18日午後5時過ぎ、地域の猟友会が設置したわなに入っているのが見つかった。うるま署によると、体長約70センチ、体高約50センチの雄で、体重は40キロほどだった。けが人は確認されていない。地域住民らと自主的にパトロールしていた玉城政哉市議によると、住民から最初の目撃情報が寄せられたのは今月2日。その後、何度か見つかるも捕獲には至っていなかった。18日夕におりの中で見つかった時には激しく暴れ「おりの柵を壊す勢いだった」という。玉城市議は「地域でイノシシの目撃情報はこれまでなかった。近隣には小学校もある。無事に見つかって良かった」と胸をなで下ろした。イノシシは猟友会に引き取られた。
(特急にちりんがシカと衝突:宮崎)
JR九州によると、21日午後7時47分ごろ、日豊線南日向~美々津間で特急にちりん13号(大分午後5時6分発宮崎空港行き)が走行中にシカと衝突した。この影響で同8時15分ごろ、同線や宮崎空港線で遅れが出ている。
(イノシシ衝突事故で運休や遅れ:長崎)
24日午前6時過ぎ、JR長崎本線の大草~本川内間で、長崎発佐世保行きの普通列車がイノシシと衝突する事故がありました。列車にはおよそ20人が乗っていましたが、事故によるけが人は出ていません。イノシシの撤去作業のため、列車が長与駅に引き返したり、午前8時17分まで運行が見合わされたりして、普通列車13本(上り7本、下り6本)が運休しました。現在、運転は再開していますが、この事故で普通列車12本(上り4本、下り8本)に20分から最大でおよそ2時間の遅れが出て、およそ1000人に影響が出ました。
(道路脇から出てきたクマが走行中の車に衝突する事故:新潟)
25日朝早く、津南町の国道で、草むらから出てきたクマと走行中の普通乗用車が衝突する事故がありました。運転手にケガはありませんでした。事故があったのは津南町芦ヶ崎の国道117号です。警察によりますと25日午前5時前、道路を横断してきた成獣とみられるクマと走行中の普通乗用車が衝突しました。クマは走行中の車の前方右側から道路に出てきたということです。クマは車の右前方部に衝突しましたが、そのままその場から立ち去ったということです。運転手にケガはありません。現場から400m先には住宅街があることから、警察は付近の住民に注意を呼び掛けるなどクマへの警戒を強めています。
(クマが乗用車と衝突、そのまま走り去る:新潟)
25日午前5時前、津南町芦ヶ崎の国道117号線で、普通乗用車とクマが衝突しました。この事故によるけが人はありませんでした日町署によりますと、事故当時は日の出前で暗く、乗用車が走行中に道路を横断してきたクマと衝突したということです。衝突したクマはそのまま走り去りました。現場は民家までおよそ400メートルの地点で警察は地域住民に注意を呼びかけています。
(漁港に居座る迷惑“クマ”、やっと動くも海に飛び込み姿消す:北海道)
11月23日午前8時40分ごろ、北海道北部の枝幸町問牧の漁港に体長約1.5メートルのクマ1頭が出没し、約3時間居座ったため警察と猟友会が対応に追われました。警察によりますと、クマを目撃した地元の漁師から連絡を受けた猟友会が枝幸町に報告。23日午前9時20分ごろ町が警察に通報しました。クマは漁港の「船揚げ場」をうろつき、立ったり座ったりを繰り返して居座りました。現場から約100メートルのところに住宅があることから、警察などが爆竹を鳴らして追い払おうとしましたが、クマは動じませんでした。クマは最初の目撃から約3時間後の午前11時40分ごろ、突然、海に飛び込み、姿が分からなくなりました。20分たってもクマが浮かんでこなかったため、船で漁港内を探しましたが、見つかりませんでした。警察は「泳いで漁港を離れたとは思えない。そのまま沈んでしまったのではないか」としていますが、周辺に注意を呼び掛けています。現場のすぐ近くには川があり、川沿いを歩いてきたクマがよく出没する地域でした。
(シカ肉食べ命を考える:北海道)
エゾシカをテーマにした親子向けの学習会が23日、苫小牧市植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターで開かれた。参加者は本物の角や毛皮を触ったり、エゾシカ肉を食べたりして命の大切さを学んだ。
(駆除のエゾシカ、料理や革製品に:北海道)
農作物被害を防ぐため駆除されるエゾシカの活用を考える「中標津えぞ鹿フェスティバル」が23、24の両日、町総合文化会館で開かれる。肉や革を使った多様な製品が会場に並ぶ。
(町整備の工場で駆除した鹿肉有効活用:愛媛)
愛媛県鬼北町が昨年に整備した鬼北町ジビエペットフード加工処理施設で製造された犬用のペットフードが注目を集めている。農作物などに被害をもたらす害獣として、町内で駆除されたシカの肉を有効活用した。オンライン販売をしている。「ジューシージャーキー」と「ミンチ生肉」(いずれもシカの肉、無添加)は7月中旬から、「鹿肉60%ドライフード」は11月から販売された。鹿肉60%ドライフードは鬼北町や岡山理科大学獣医学部、今治明徳短期大学、愛媛県産業技術研究所などが参画するプロジェクトで開発され、シカの肉と野菜に愛媛県特産のマダイの身も加えてある。値段は税込みでジューシージャーキー75グラム入りで1100円、ミンチ生肉300グラム入りで990円、鹿肉60%ドライフード1キロ入りで4510円など。加工処理施設の指定管理者「ありがとうサービス」(本社・愛媛県今治市)が駆除された害獣の受け入れ、加工品の製造販売を行い、オンラインショップ「えひめ鬼北やさしいジビエ」で販売している。鬼北町農林課によると、イノシシの肉でも商品化を目指している。2025年度は町内だけでなく、愛媛県宇和島市などで駆除されたシカやイノシシも受け入れ、計約2200頭をペットフードに加工することを計画している。
(「海のまち音楽祭」、ジビエ料理販売も:高知)
音楽で街を盛り上げようという「海のまち音楽祭」が23日、高知県須崎市の市民文化会館で開かれた。保育園児から大人までの約10組が出演し、吹奏楽のアンサンブルや独奏、独唱などの温かな音色が会場を包んだ。部員6人の須崎総合高校吹奏楽部は、先生や市職員に加わってもらい、12人でポピュラー音楽を中心に演奏。中村心香(このか)部長(3年)は「引退直前に思い出に残る演奏ができた。いろんな人と関われてよかった」と振り返った。音楽祭は昨年に続き、2回目。中心になって準備した須崎総合高校吹奏楽部顧問の小野口保光教諭(53)は「来年はコンテスト形式にして、もっと盛り上げたい」と話した。音楽と食をセットで楽しんでもらおうと、文化会館の別室では、須崎総合高校の生徒たちが地元の事業者と一緒に開発した商品を販売。地元産のイノシシ肉を使ったホットドッグやチャーハン、「ジビンバ丼」などは、あっという間に売り切れた。
(解体場を持っているからこそ提供できる絶品ジビエ料理に舌鼓:東京)
ジビエを中心とした、質の高い料理が評判で「食べログ フレンチ TOKYO 百名店」にも選出され続けていた「レストラン マノワ」。広尾で12年間愛されてきましたが、コロナの影響も重なり昨年11月に惜しまれつつ閉店しました。2024年10月、広尾駅から徒歩8分ほどの以前と同じ場所でリニューアルオープンし、ジビエ好きのグルマンから喜びの声が聞かれています。店名の「マノワ」は、フランス語で「田舎の館」「昔ながらの古い小さい城」という意味。肩肘張らず自分の家のようにくつろげるレストランを目指されているようです。オーナーソムリエ中村 豪志氏はソムリエでありハンター。現在は南アルプス市となっている山梨県芦安村で生まれ、自然豊かな環境で育ちました。辻調理師専門学校フランス校卒業後、代官山「ラブレー」や西麻布「ル・ブルギニオン」、銀座「クラブニュクス」、代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」、広尾「ア・ニュ」など人気店で経験を積んできました。2011年に「レストラン マノワ」を開業し、充実したジビエ料理と中村氏の提案するワインが評判となり人気店になりました。中村氏は自らフランス・ブルゴーニュ、シャンパーニュの生産者と交流を重ね、自社で直輸入しており「最高のフランスワインをご家庭でもゆっくり味わっていただきたい」というコンセプトのもと、一般販売も行っています。
(駆除のエゾシカ、捨てる皮を革製品に:北海道)
食害や交通事故が問題化するエゾシカは、年間に十数万頭が駆除される。「命を取る以上は余さず活用する責任がある」。北海道北見市のエゾシカ肉専門店「ポロワッカ」代表の林徹さん(49)は、食肉加工後に通常は捨ててしまう皮を使い、鹿革ブランド「レザレクション」を展開する。妻の実家がある北見市に移住したのは2012年。周囲に狩猟をする人が多く、自身も免許を取得し猟をするようになった。当時、エゾシカの推定生息数は77万頭(2011年度)とピークを迎え、駆除が本格化していたものの、ほとんどは肉すら利用されず処分されていた。「せめておいしく食べなくては」と考えた林さんは勤務先をやめ、2015年にポロワッカを始めた。熟練ハンターが仕留めたエゾシカを仕入れ、素早く解体。うまみを増やすために温度や湿度を厳格に管理した部屋で1~3カ月熟成させる。インターネット販売だけでなく、東京都内のレストランなどに営業も行った。「当時は今ほどジビエが一般的ではなく、大変だった」と振り返る。鹿肉店が安定してくると、捨てていた皮の活用を考えるようになった。協力を求めたのは、皮革の産地として知られる埼玉県草加市の業者。革の加工から製品製造までを手がけてもらい、2018年にレザレクションを立ち上げた。柔らかいのに耐久性に優れているという鹿革。バッグや財布だけでなく、風呂敷やマフラーもあり、林さんは「この個体の皮はどんな製品に適しているかなど、解体所が展開するブランドだからこそ、こだわれる部分がある」と語る。北海道によると、エゾシカの推定生息数は一時60万頭台に減ったものの、2023年度は73万頭とピークに迫り、農林業の被害額も約48億円に上った。「活用先が増えないと駆除も進まない」と林さん。次は骨の利用も模索している。
(ぼたん鍋の冬が来た:兵庫)
イノシシ猟が解禁され、冬の味覚「ぼたん鍋」シーズンが始まった。ぼたん鍋発祥の地とされる丹波篠山市では、市内約40軒の料理店や旅館が独自のだしやみそにこだわった鍋を用意している。ぼたん鍋は、だしに白菜、ゴボウなどの冬野菜とイノシシ肉を入れて煮込む鍋料理。市内の料理旅館がボタンの花のように肉を盛り、「ぼたん鍋」という名前が全国に広まったという。
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(シカ罠にかかっていたツキノワグマに男性襲われる:兵庫)
兵庫県新温泉町で、87歳の男性がクマに襲われて、けがをして救急搬送されています。兵庫県によりますと、11月21日午前6時半ごろ、新温泉町で87歳の男性が、シカ用のワナを見廻りに行ったところ、そのワナにかかっていたツキノワグマに襲われたということです。男性は頭部から顔にかけて負傷し、救急搬送されたということです。頭部の裂傷のほか、顔を骨折しているということです。クマは体長1mくらいで体重100kgほど、大人のメスで、殺処分されました。今回のワナは、休耕田に杭を打って、直径50センチほどの丸太で固定していましたが、根付が外れていて、クマはワナを引きずった状態で男性を襲ったとみられます。県と新温泉町などは、ワイヤー固定などワナ設置の基本を周知徹底するとともに、ワナを見まわる際にクマが捕獲されている可能性もふまえて、不用意に近づかないなど、細心の注意を払って対応するよう、注意喚起するということです。
(ヒグマ駆除、上川管内の猟友会4支部は協力方針:北海道)
北海道猟友会(札幌)が自治体からのヒグマの駆除要請に原則応じないよう全71支部へ通知することを検討している問題で、道猟友会の上川管内の4支部は、おおむね地元自治体などとの協力・連携関係を保ちながら、今後も駆除のため出動する方針を示している。北海道新聞の取材に対し現時点で「応じない」とした支部はなく、旭川市で20日開かれた会合では関係機関が連携を確認した。旭川市や北海道警察旭川方面本部、上川総合振興局、専門家らが参加する「旭川市ヒグマ対策協議会」。20日の本年度2回目会議で、道猟友会旭川支部の高梨秀二支部長は「今までの(市や警察との)協力体制は全く変わらない」と強調した。
(施行前でも「コイルガン所持」で逮捕?改正銃刀法を整理する)
電磁石の磁力を使って弾丸を発射する「コイルガン」(電磁石銃)を所持したとして、栃木県の29歳男性が逮捕されたとNHKや時事通信などが報じている。しかし、コイルガンの所持を違法とする改正銃刀法は2024年6月に公布されたものの施行前で、効力はまだない。にもかかわらず逮捕とはどういうことだろうか。改正された銃刀法(正式名称は銃砲刀剣類所持等取締法)は、自作拳銃で安倍晋三元総理を銃撃した事件や、長野県で起きたハーフライフル銃による殺人事件を受け、銃の悪用防止策を強化したもの。中でも今回の事件に関わる部分では、従来「装薬銃砲」(火薬式の銃や砲)と「空気銃」(エアガン)を合わせて「銃砲」と定義していたところに、新たにコイルガンが追加された。つまり、今まではコイルガンは規制対象ではなかった。改正法のもう一つの大きなトピックは「あおり・唆し(そそのかし)罪」の新設だ。これはざっくり言えば「拳銃などの不法所持を公然とあおったり唆したりする行為」を罰するもので、警察庁は例として「インターネット上で、拳銃の自作方法を解説した動画を投稿し、不法所持を呼びかける」「不特定または多数の人が見ることのできるSNSで、「拳銃を販売します」などと言い、価格・売主の連絡先を投稿する」などの行為が犯罪に問われる可能性がある、としている。また、改正銃刀法の中であおり・唆し罪のみ7月に施行済みとなっている。「コイルガン所持の疑いで逮捕」との報道もあるが、コイルガン所持を違法とする改正銃刀法は未施行であり、容疑者が逮捕された11月18日時点で違法ではない。ITmedia NEWSがこの事件の担当である警視庁に問い合わせたところ、容疑は「10月5日、被疑者方において回転弾倉式拳銃1丁を所持したもの」という。少なくとも法的観点では「コイルガン所持」が逮捕容疑ではなさそうだが、コイルガンが回転弾倉式拳銃の機能も持っていたのかは明らかでない。報道写真で出ているコイルガンのような構造の銃と、容疑にある「回転弾倉式拳銃」が同一のものかどうかは「確認と回答に時間がかかる」(警視庁)として直ちに答えは得られなかった。いままでコイルガンの所持や発射は合法かつ、一般的な電子工作用のパーツから製作可能だったこともあり、ニコニコ動画などに製作方法や発射時の様子が上がっていた(今もある)。合法である(かつ人を傷つけたりしない)限りは問題はなく、こうした「ちょっと危ない」ジャンルは一部の若年層の知的好奇心を刺激する。筆者が取材してきた中でも、現在はモノづくりで活躍している人で「コイルガンから電子工作を始めた」という人もいる。このような背景からコイルガンはネット上で一定の知名度を得ていた。NHKも「容疑者は製造する様子を写した動画を動画配信サイトで公開していた」と報じており、容疑者はネット上で活動していた人のようだ。施行前にあえてコイルガンの情報を出したのは見せしめではないか、という意見もネット上では散見される。警察庁をはじめとする全国の都道府県警察は現在、コイルガン所持違法化の施行に向け、コイルガンの回収も行っている。施行日から6カ月以内は移行期間として、措置を行えば所持し続けられるとしているが、措置がない場合は不法所持となる。この周知のためだったのでは、という見方もある。容疑の対象となる銃の詳細や報道発表の目的について、警視庁から回答があり次第追記する。コイルガンとともに、電力で弾丸を発射する機構として知られるのが「レールガン」だ。最近も、防衛装備庁が巨大なレールガンの開発を続けているとして話題になっている。レールガンとコイルガンはともに電気を使って弾丸を発射するが、推力の得方が異なる。コイルガンは、コイルに電流を流して電磁石とすることで、鉄など磁性体の金属弾丸を引き付け、その勢いで発射するものだ。一方のレールガンは、磁力ではなくローレンツ力を使う。「フレミングの左手の法則」といえば思い出す人も多いと思うが、「電流が流れている導体に磁場をかけると、電流と磁場の直角方向に対して力が発生する」というものだ。改正銃刀法では電磁石銃の定義を「電磁石の磁力により金属性弾丸を発射する機能を有する銃のうち……」としているため、レールガンは改正銃刀法上の「電磁石銃」には当たらないとみられる。
(猟銃訴訟判決文、道内支部などへ郵送:北海道)
北海道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消され、処分取り消しを求めている北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)=砂川市=が10月の札幌高裁判決で逆転敗訴したことを受け、同支部は一審札幌地裁と二審札幌高裁の判決文を、道猟友会や他の70支部などに20日に郵送することを決めた。「判決内容を理解するのに役立ててもらいたい」としている。
(致死率ほぼ100%、ブタやイノシシが感染『アフリカ豚熱』対策等を確認する防疫演習:愛知)
愛知県豊川市で11月19日、海外で感染が拡大している「アフリカ豚熱」の防疫演習が行われました。「アフリカ豚熱」はブタやイノシシに感染する伝染病で、現状国内では確認されていませんが、有効な治療法がなく、海外から持ち込まれた場合の影響が懸念されています。豊川市で19日、対策などを確認する防疫演習が行われ、愛知県と三重県の職員など30人ほどが参加しました。感染が疑われるイノシシの死骸が見つかったことを想定し、防護服を着た職員が、感染の有無を調べる検体として耳を採取する方法などを、1つ1つ確認していました。アフリカ豚熱は人には感染しませんが、感染したブタやイノシシの致死率はほぼ100%といわれています。
(豚の伝染病「アフリカ豚熱」の対策は:宮崎)
世界各国で発生が確認されているアフリカ豚熱の対策について、国際シンポジウムが宮崎大学で開かれました。アフリカ豚熱は豚やイノシシが感染する致死率の高い伝染病で、有効なワクチンはありません。2023年に韓国の釜山で発生が確認されたことから、日本への侵入が懸念されています。ウイルスの寿命は乾燥肉類では2年から3年、冷凍では半永久的とされていて、専門家は肉製品を国内に持ち込まないことなど防疫の重要性を訴えました。宮崎大学では、対策についての協議を重ね、畜産業を守ることにつなげていきたいとしています。
(クマ出没激増で「緊急事態」、昨年の12倍:京都)
京都府南丹市でクマの出没がさらに増え、通学路にも現れるなど、学校にも影響が及んでいる。殿田中学校(日吉町)は生徒の自転車通学をバスに切り替えた。警戒のため鳴らせるように、市内全校に爆竹を配備する対策も始めた。南丹市教育委員会は「出合ってしまえば対応策は限られる。遭遇しないための工夫を進める」とする。市内では本年度の出没が10月29日までに203件で、前年同期の12倍に。美山、日吉町を中心に集落内でも頻繁に確認されている。10月16日朝、同町殿田で通学路を歩いていた殿田小学校児童がクマを目撃。21日夕には同小敷地内の給食調理場近くでも1頭が確認された。南丹市農山村振興課によると、クマが現れるのは、冬眠前に餌を求める10月下旬~11月がピーク。今年は山のドングリが不作で、人里に下りてくることが常態化している。当面は「クマが近くにいるものと考えて警戒する必要がある」とする。そこで殿田中学校は10月中旬、志和賀や五ケ荘から自転車で通う生徒13人について、例年11月~翌年3月に限るバス通学を前倒しして始めた。学区全域で出没が止まらない中、安全確保を図る。南丹市教委は市内全校にクマ対策の強化を促し、爆竹を配布。出没状況に応じて教師が近隣を見回る際に鳴らせば、聞こえる範囲に万一クマがいた場合、遠ざける効果に期待する。東北地方の学校では使用例があるという。山歩きの校外学習を見直す学校もある。家庭には外遊びの注意を呼びかけるなど、リスクを減らそうとしている。國府常芳教育長は「緊急事態。被害が出てからでは遅く、危機意識を高めたい」と述べた。
(「クマ出没警戒警報」1月末まで継続:新潟)
県内では今月もクマによる人身被害が出ている上、来月までの気温も平年より高くなると予想され、クマの冬眠が例年より遅れる可能性があることから、県は「クマ出没警戒警報」を来年1月末まで継続することになりました。県によりますと、ことし4月から17日までの間にクマの目撃や痕跡が見つかった件数はあわせて843件となっているほか、クマによる人身被害も7件発生しています。このうち2件は今月、十日町市と津南町で起き、冬を前にしてもクマによる人身被害が出ている上、来月までの気温も平年より高くなると予想され、クマの冬眠が例年より遅れる可能性があるということです。さらに年末年始に県内を訪れる人も増えることから県はクマから命を守る行動をとるよう呼びかける「クマ出没警戒強化期間」を来年1月末まで延長しました。あわせて現在発表している3段階あるクマへの警戒レベルのうち2番目にあたる「クマ出没警戒警報」も、来年1月末まで継続するとしています。県は、クマの目撃情報がある場所に近づかず、山に入る場合は、複数人で行動し、ラジオや鈴、撃退スプレーなどを携帯し、クマの動きが活発な早朝や夕方は避けるよう呼びかけています。また、クマが人里に近づかないようにクマのエサとなる生ゴミや不要となった果物は適切に処分するよう呼びかけています。
(イノシシ被害防止、対策学ぶ講座開講:茨城)
野生鳥獣による農作物の被害対策に役立ててもらおうと、茨城県は12月19日、同県行方市山田の北浦公民館で、「鳥獣被害対策講座(イノシシによる被害対策編)」を開く。参加無料。講座は、農業者や市町村職員などが対象。
(クマ出没注意!空からドローンで警告:京都)
京都府福知山市では、住宅の近くにクマが現れた事を知らせるためにドローンの活用が始まりました。福知山市の住宅近くにある栗の木に残された傷。これはツキノワグマの爪痕です。市や警察などは、「ドローン」を活用してクマが出たことを上空から伝える取り組みを始め、20日、地元の住民と避難訓練を行いました。ドローンにはスピーカーが取り付けられ、大きな音を出して住民に注意喚起ができるほか、クマを集落から遠ざける効果が期待できるということです。京都府内では山間部だけではなく市街地の近くでもクマの目撃情報が相次いでいて、府などが注意を呼びかけています。
(クマに襲われた男性のその後を取材:秋田)
今年、県内でクマに襲われけがをした人は9人で、過去最多となった去年の70人を大幅に下回っています。県内では、去年の被害と大量出没を受けて、各地で対策が進められてきました。県警察本部は、今年度、クマから身を守るため、新たな装備品を導入。鹿角市は、クマを集落に引き寄せてしまうクリやカキなどの伐採に補助金を出し、これまでに約700本が切り倒されました。去年のクマの大量出没から何を学び、次へどう備えていくべきなのか。去年、自宅の敷地でクマに襲われた北秋田市の男性のその後を取材しました。湊屋啓二さん「まだね、やっぱり痛いんですよ。特に最近、頬の傷とか頭がビリビリ痛いというのは、全然変わらなくって。それから、目も目玉はやられていないんですけども、こう爪が入って、左目が涙目になっちゃって、しょっちゅう涙出るようになっていますね」。北秋田市で菓子店を営む、湊屋啓二さん。去年10月、クマに襲われ、顔や頭を中心に30針以上を縫う大けがをしました。当日、早朝から北秋田市の市街地に現れたクマは、立て続けに4人を襲い、けがをさせたあと、姿が見えなくなっていました。昼前に湊屋さんは外出しようと自宅の敷地にある車庫兼倉庫のシャッターを開けたところ、中に入り込んでいたクマとバッタリ遭遇、背後から押し倒されたといいます。それから1年。傷自体は目立たたなくなったものの、いまだに頭や顔に痛みを感じることがあるといいます。湊屋さん「(どこかで)区切りというよりも、多分死ぬまで痛いんだろうなと思いますし、ビリビリこうね、痛い感じが残るし、傷深いところは相変わらず痛いですし、恐らくクマに襲われて顔とか頭をやられている方は同じような感じじゃないかと思うんですよ」。クマに襲われた影響は、仕事にも及んでいます。被害の直後、救急車を呼ぶなどの対応にあたった湊屋さんの妻は、またいつ市街地に現れるとも分からないクマの存在を恐れ、その後、一度も店を開けることができずにいます。湊屋さん「女房が店番をしていますので、女房が店を開けたくないってそういう話になっていて」「開けられない状態なんですよね」。今年はクマの目撃の数は少なかったものの、5月には自宅の近くで再びクマが目撃されています。記者「(救急車が来るまで奥さんと)窓越しで会話していたんですよね」。湊屋さん「頭皮がこれだけ開いて、流血、血だらけになっているのを見ていますから、最初はそういうのが相当影響してトラウマになった影響でね」「いまになってもまだ『開けてくれ』と何回かお願いしたんですけど『開けられない』ということなんで」。現在は近くの道の駅に名物のバター餅を納品するなどしてしのいでいる湊屋さん。店舗での営業再開は未定だということです。担当:川口大介記者:被害に遭った直後から実名で実態を訴えている湊屋さんのもとには、クマに襲われ、けがをした同じ境遇の人が訪れたり、電話をかけてきたりすることがあるそうです。「痛みが治まらない」といった相談や「行政の見舞金はあるのか」といった問い合わせも寄せられたということです。去年の被害を踏まえて、今年度、北秋田市が、県内で真っ先に、その後、県も見舞金の支給を制度化しましたが、湊屋さんは「被害者同士が悩みや境遇を相談し合える被害者の会のような団体も必要ではないか」と述べています。また、去年は2000頭を超えるクマが駆除されたことへのクレームも問題となりました。県への情報公開請求で明らかになった、クレームの内容をまとめました。「平気でクマを殺す秋田県」「自然保護課は名ばかり動物虐待課」、さらに「お前たちは最低の仕事をした」といった職員をなじる内容も見受けられます。去年の出来事を教訓にして、県は、電話の会話音声を自動で録音するシステムを試験的に導入するなどして対策を進めています。今年は山の中のエサが豊富だったことなどから、クマの目撃も、人が襲われる被害も減りましたが、エサ不足になれば確実にクマはまた人里に出没します。「今年はクマが少なかったから良かったね」ではなく、去年の出来事を『教訓』としていまのうちにできることから対策に取り組む姿勢が求められます。
(大量のムクドリ、クレーンを“宿り木”にズラリ並ぶ:神奈川)
神奈川県の藤沢駅前では、10年前から大量のムクドリが飛来し、周辺住民らを困らせている。市はムクドリ対策として駅前のケヤキを伐採するなどした。しかし現在、2028年3月末まで続く予定の再開発工事で使用中のクレーンを“宿り木”として集まっている様子も見られ、市は18日、クレーンに鳥が嫌がる超音波装置を新たに設置した。19日午後4時20分過ぎの藤沢駅前。夕暮れの空に黒っぽい影が群れを成して飛び回り、次第に数を増していく。駅前再開発工事のクレーンに群がっていたのは、おびただしい数のムクドリ。駅の利用者からは「すごい形になっている」「なんか気持ち悪い」「いっぱいいると怖い。鳴き声がすごい」といった声が聞かれた。JRや小田急電鉄、さらに江ノ電が乗り入れる藤沢駅は、多くの人が乗り降りするターミナル駅だ。駅の利用者は「怖い。『ふんしないでよ』とか思ってて。常に帽子をかぶっていないとと思う」などと警戒する。周辺住民を悩ませているのは、ムクドリの鳴き声による騒音と、ふん尿被害。群れを成すムクドリの“止まり木”となっているのが、藤沢駅南口の再整備事業のために設置された工事用のクレーンで、ワイヤーにもびっしりとムクドリが止まっている。藤沢市によると、藤沢駅前では少なくとも10年前からムクドリ被害が続いていて、市民から多くの苦情が寄せられてきたという。藤沢市役所 道路維持課・青柳栄喜主幹:大きなケヤキの木が駅前にありまして、ムクドリが多く止まるということで(2023年)10月に駅のロータリーの強剪定(せんてい)をしました。そこで2023年10月、市はムクドリの寝床となっていたバスターミナルのケヤキを短く切り落とすなどの“ムクドリ対策”に乗り出した。さらに、木の幹に唐辛子成分を含んだ忌避剤を塗るなどの対策も講じたものの、ムクドリは工事のクレーンや周辺の木に居場所を移しただけという状態だという。藤沢市役所 道路維持課・青柳主幹:やはり他の大きな木のところに移ったような状況になってしまった。もう(頭を)抱えています。いたちごっこの部分がある。2028年3月末まで続く予定の再開発工事。その現場では18日、工事用のクレーンに鳥が嫌がる超音波装置が新たに設置された。現状ではムクドリが群がることによる工事への影響は出ていないというが、今後、追加のムクドリ対策が必要か検討していくという。ムクドリと藤沢市の間での長年にわたる戦いについて、日本有害鳥獣駆除・防除管理協会の依田信一郎代表は、「鳥獣保護法で守られているので、駆除は基本的にダメ。音を出すとか、嫌がる臭いの物を置くであったりとか、根気強く対策を続けていくことが非常に重要になってくる」という見方を示す。
(クマの目撃情報が京都で去年の2倍)
大きな爪と牙を持ち、時には人を襲うこともあるクマ。京都では目撃情報が去年の約2倍に増加しています。住宅地付近での目撃も多く、より一層の注意が必要です。つぶらな瞳をした、かわいらしいクマのほのかちゃん。京都市動物園の人気者で、攻撃的な性格ではなく、とても食いしん坊です。大好物はどんぐり。こちらでは、どんぐりポストを設置し…、園内などで拾ったどんぐりを回収できるようになっています。しかし、今年、このどんぐりの凶作が原因で野生のクマが街に下りてきている可能性が高いというのです。今年9月、兵庫県・養父市で撮影されたこちらの映像。撮影者に気づいた次の瞬間、”仁王立ち”に。民家をうろついていたところを新聞配達員が撮影しました。今年も相次いでいるクマの目撃情報。人通りの多い住宅街にも…。目撃された場所にはポスターが掲示され、注意を呼びかける回覧板も回されていました。さらには人的被害も発生しています。今年9月、京都府南丹市の住宅でも体長約2メートルほどの大きなクマが現れ、男性が顔をひっかかれるなどのけがをしました。京都府には、これまで1760件ほどの情報が寄せられていて、去年と比べると約2倍の数になっています、京都市でも去年より増えています。今年は猛暑が続いたこともあり、クマの食べ物も減少。エサを探しに人がいるエリアに入ってきているクマが増えているといいます。もしクマと遭遇した際、どのような対策をとればいいのでしょうか?京都市動物園の和田晴太郎園長「若干離れたところで出会った場合は、クマから目をそらさずに背を向けずに静かに後ろに下がりながら距離を取る」。近い距離で遭遇した場合は、うつ伏せにしゃがんで首を守り、じっと耐えることが効果的だということです。和田園長「今はクマの出没情報とか各自治体出されていますので、 出没したエリアはできるだけ避ける。入った時に、クマが居た痕跡、爪の跡が木に残されているようなエリアがあれば、早々とそこから離れるという形を取られるのがいいと思います」。そして、京都ではなく兵庫の情報なんですけれども、21日午前6時半ごろ、兵庫県新温泉町で、87歳の男性がツキノワグマに顔を引っかかれ、怪我をしました。男性が鹿やイノシシ用の罠の見回りに行ったところ、その罠にかかっていたツキノワグマに襲われたということです。本当にいろんなところでこのクマの目撃情報というものが相次いでいるんですけれども、改めて京都の情報も見ていきたいと思います。京都のクマの目撃情報、去年は868件だったんですが、4月から11月21日まで、約半年の間で、すでに1768件、確認されています。京都市内も去年は55件だったんですが、今年は4月から78件もすでに目撃されているということです。京都では、このクマの餌になるどんぐりの定点観測を行っており、その観測によると、12年ぶりの大凶作ということで、例年より市街地に出没する可能性が高いということです。クマと遭遇した場合ですけれども、クマから目をそらさず、背を向けずに後ずさり、物陰などに隠れてください。近い距離で遭遇してしまった場合は、うつ伏せになり、また手で首を守るなどなさってください。そして、決して近づかずに、すぐに最寄りの役所や警察にも相談するようになさってください。
(クマに襲われ片目を失った猟師に密着 それでも共生を目指すワケ:秋田)
猟師歴50年以上の大ベテラン、原田勝男さん(84)は、24年前にヒグマに襲われ左目を失った。それでもクマとの共生を目指して活動する原田さんにABEMA的ニュースショーが密着した。このところクマの出没が相次ぐが、動物研究家のパンク町田氏は「民家近くに現れるクマは、遺伝だと言われている。クマは悪いことをしていない。ゴミあさりを覚えると習慣化するので、人間の責任でもある」と指摘する。2023年の北海道内のヒグマ通報件数は、4055件と過去最多を記録した。危険と隣り合わせになるなか、2024年4月に環境省は、計画的に捕獲して頭数を管理する「指定管理鳥獣」にクマを追加した。これにより、自治体がクマ対策を行う際に、国から一定の交付金を受けられるようになる(一部を除く)。その一方で、「クマがかわいそう」との声もあり、秋田県には苦情電話が殺到した。しかし、秋田県でクマに襲われ、失明のおそれがあった湊屋啓二氏は「亡くなる人もいる。ペット感覚で言うのはお門違い」だと批判する。北海道・奈井江町猟友会の山岸辰人部会長も、「自分たちが楽しむためにやっている。自ら進んで寿命を縮めるようなことはしたくない」と語る。そんななか、クマとの共生を目指す原田さんは、重機会社を経営するかたわら、30歳で父と兄の影響で狩猟を始めた。現在は野生動物から農作物を守る活動をしているが、「片目は全然見えない」と語る。24年前にエゾシカ狩りで山に入った際に、ヒグマに左目をえぐられたのだ。体長150センチ、体重160キロ。推定5歳のメスだった。「よくこれで助かった。本当に奇跡だ」。しかし、16時間の手術を終え、退院後の報道に驚いた。「地元のハンターが、クマを半矢に(矢が刺さった状態で放置)していた。『俺の命が大事だからやめた』と言っていたが、撃っても責任を持たないと犠牲者が出る」と語る。原田さんは「(クマが)うまいものを食いたいのはわかるが、農家はそれで生活している」と被害を嘆く。この日は、クマ駆除を目的とした箱わなを4つ仕掛けた。「今年はエサがたっぷりある。出てくるとハチミツを入れる」。2023年は、あわせて27匹のヒグマを捕獲した。しかし、わなにかかったヒグマすべてを捕獲するわけではない。「襲ってくるのは、ほんの一部。選別して人間に危害を加えないものは駆除する必要がない」とした。原田さんは、クマと人間の生活エリアに境界線を引き、すみ分けを目指す「原田式ゾーニング」を行っている。中間地点の緩衝地帯に、箱わなと微弱の電気柵を仕掛けることで、おなかをすかせたクマは箱わなに入る。万が一くぐり抜けても、電気柵で気絶し、その経験から緩衝地帯に入ることを次第に諦める。町田氏は「昔はオオカミがはぐれたコグマを食べていたが、オオカミを滅ぼした人間が代わりをやるしかない。ハンターが『給料が安い』『高齢化で動けない』となるなか、プロに給料の他にメリットがある形にするなど、埋め合わせをどうするか」と指摘する。いま原田さんには、弟子が2人いる。どちらも地元・北海道のクマ被害を知りUターンして、原田さんの生き方に感銘を受けた。菅野敦さん(36)は「わなの技術はゾーニングと相性がいい。それを広めるお手伝いができれば」、藤嶋裕介さん(28)は「片目がないと聞いたときは、マンガや小説の“伝説のハンター”みたいでかっこいいと思った」と、弟子入りの経緯を振り返る。原田さんは、自分を襲ったクマの頭蓋骨を保管して供養を続けている。「殺されかけたが、憎んだところで、どうしようもない。命を奪って、俺の方が生きている。やはり供養はしてやらなければ」と思いを語った。
(軽井沢の安全は自分たちが守る!クマ対策のプロ集団:長野)
「ガサガサ」「ゴンゴン」──。目の前にあるドラム缶型のわなの中から重たい衝撃音が響き渡る。時には「ガリガリ」と、爪でひっかく音も聞こえ、思わず鳥肌が立った。まさに今、この中に人間に飼い慣らされていない、野生のツキノワグマが入っているのだ。クマを追いかけ続けて約2カ月。本特集の取材も終盤に差し掛かった10月20日、小誌取材班は目の前で野生のクマを見る機会に恵まれた。クマはドラム缶わなの中で体をくねらせ、頻繁に向きを変える。麻酔を打つ数センチ・メートルののぞき穴の方にお尻を向かせるために、反対側の隙間から雑草を差し込んでクマの意識を引く。そして、一瞬で麻酔銃が放たれ、数分後、クマは寝息を立てて、眠り込んだのである。長野県軽井沢町。日本有数の避暑地として知られ、別荘が立ち並ぶこの町は、「森の中に人が住んでいる」と言っても過言ではなく、人間とクマが住むエリアが複雑に重なり合っている。クマの目撃情報も相次いでいるが、約14年もの間、人間の生活域でクマによる人身被害は1件も起きていない。どうして安全な状態が保たれているのか。背景の一つには、軽井沢町からの委託を受けて、ツキノワグマ保護管理事業に取り組んできたNPO法人ピッキオの存在がある。ピッキオは、人の安全を守ること、野生のツキノワグマを絶滅させないことの実現を使命として活動している。同町からの委託を受けた2000年から、試行錯誤を重ね、地道な対策、活動を通じて、地域住民の信頼を勝ち取ってきたプロフェッショナル集団である。04年にはクマを吠え立てる「ベアドッグ」をアジアで初めて米国から導入したことでも知られる。今回取材班が見たクマはシカやイノシシのくくりわなに「錯誤捕獲」された個体だった。こうした時には、麻酔薬を使用してクマを一旦眠らせ、個体識別を行ってからドラム缶わなに入れる。数時間後、クマが覚醒するタイミングを見計らい、人間の大きな声やベアドッグの吠える声、花火などを活用し、「人の気配を感じたら、急いで逃げなくてはいけない」とクマに学習させ、山の中へ放獣(学習放獣)するのである。今回は一時的にドラム缶わなにクマを移してから個体識別を行う珍しいケースだった。対応にあたったのは通称・クマチームの田中純平さん(50歳)と大嶋元さん(49歳)。この日は彼らの技術や学習放獣のやり方を実地で学ぼうと、県内市町村の職員をはじめ、フランスやオランダなど、海外から3人のインターン生も現場に駆け付けていた。時刻は9時30分過ぎ。作業はまず、麻酔薬の入った投薬器をガス圧で発射する「麻酔銃」でクマを眠らせることから始まる。麻酔薬の投与量はクマの体格や体重によって決める必要があるので、目利き力、技術力が問われる。麻酔が効いた後に正確な体重を計測し、必要に応じて追加投与することもある。また、季節によってはクマの脂肪層が厚くなるため、針の大きさを変えることもあるという。麻酔銃の準備を終え、冒頭のシーンを迎えた。田中さんはのぞき穴からライトで中を照らし、クマの背中が見えることを確認すると、素早く麻酔を打ち込んだ。その間、わずか数秒。見事、左腰付近に命中した。「体育座りで眠っていますよ」。大嶋さんにそう言われドラム缶に近づくと、「フー、フー」と、2秒おきくらいにクマの大きな寝息が聞こえてきた。いよいよドラム缶わなの施錠が解かれ、扉が開いた。クマはぐっすり眠っている。ネットにクマを滑り出させると、3人がかりでクマを持ち上げ、シートの上に移動させた。前脚・後脚をそれぞれゴムロープでくくる。麻酔が効いている間、クマは目を開けたまま寝ているため、眼球を傷つけないよう軟膏を塗り、光の刺激を与えないよう布も被せる。体長や手の大きさ、首囲などを素早く計測し、個体識別を進めていく。今回のクマは体重60キロ・グラム前後、5~6歳のやせ形で、立ち上がったら160センチ・メートル前後の大きさであることが分かった。DNAや食歴を分析するためにペンチで体毛を抜き取り、首には発信器とGPSを装着する。一本だけ抜歯も行う。最後に、採血を実施する。環境省の事業で実地訓練に来ていた方がクマの右前脚に手を押し当てて脈を探すが、数分かけてもなかなか見つけられない。田中さんが手を添えながら「この筋の間にこう走ってますね」と、コツを伝授していた。終盤、クマの耳が少し震え始めた。急に覚醒することはないそうだが、「呼吸数が変化したり、少しだけ頭を動かしたり、覚醒の予兆を察知できるようになることも重要な技術の一つです」と田中さんは話す。麻酔が効く時間は個体によっても異なるが、抜歯など、クマへの負担を考えると、1時間以内に終えることが望ましいという。時間との闘いというプレッシャーに晒されながらも、手際よく行うには、正しい知識と地道な訓練を積み重ねることが必要であることは明らかだった。10時30分過ぎ、ドラム缶わなにクマを戻し、作業は安全に終了した。取材班は前日の深夜、ピッキオの「夜間巡回」に同行した。夜10時過ぎ、緑色のレンジャーベストをまとい、キャップの上にはヘッドライトをセットした一人の男性が集合場所にやってきた。「これがクマチームの正装ですよ」。こう話し、取材班を温かく迎え入れてくれたのは関良太さん(41歳)。田中さんや大嶋さんと同じクマチームに所属する6人のうちの1人だ。関さんは元高校教諭で、アフリカのルワンダ共和国にも青年海外協力隊の一員として派遣された経験を持つ。ピッキオの仕事の魅力に惹かれ、転職を決意し、この世界に飛び込んだ。前述のとおり、ピッキオでは軽井沢町内で捕獲した全てのクマの個体識別カルテを作成・管理しているが、一部のクマには発信器やGPSを取り付け、行動監視を行っている。夜間巡回では、静まり返った別荘地付近を車でパトロールする。特にクマの活動が盛んな6~10月にかけては毎晩、必ず誰かが現地で対応しているという。「台風や大雨・暴風警報が出ない限り、基本的に毎晩実施しています」と関さんは話す。そして、人間の活動が開始する時間帯までにクマの動きや居場所を特定し、人間に危険が及ぶような場所にいれば、ベアドッグを出動させるなどして、山側にクマを戻す〝追い払い〟を行っている。夜11時、夜間巡回が始まった。パトロールする車は砂利交じりの山道をガタガタと音を立てながら進んでいく。森の中かと思っていると、突然別荘が見えてきた。「これだけ森の中に別荘があるんですから、クマにしてみたら人間との境界なんて分かりませんよね」。ピッキオでは軽井沢町の市街地と別荘地の際、別荘地と山の際にそれぞれボーダーラインを設定している。当然、市街地にはクマが入らないよう常時管理しているが、市街地の際から山の際までの地域(緩衝地)はクマの生息地から連続した森の中にあるために、時間帯で区切ることで棲み分けを図っているのだ。「ここで一旦降りますよ」。関さんが車を止めて外に出た。すると、右手で50センチ・メートルほどのアンテナを持ち、左手で受信機を操作し始めた。その直後、強風に揺れる木々と正対した関さんは、受信機から目線をそらさずに、自身の体を左右に揺らしながらアンテナを大きく振り回し始めた。「ラジオテレメトリー法」と呼ばれるもので、クマに装着した発信器から受信した電波の情報をもとにその居場所を追跡していく方法だ。具体的には左頁図の通りで、各地点で電波を受信した方位をコンパスで特定・記録し、交点を導き出す。その交点にクマがいる可能性が高いという。手元の受信機でチャンネルを切り替えながら、複数頭のクマが発信する電波を順に拾っていく関さん。タクシーのように無線を飛ばす物体がアンテナを向けた先にあると、「ザーッ」というノイズの音が跳ね返ってくる。その中に、クマたちが発する「ピッ」という信号音が紛れていないか、耳を澄ませながら体を揺らし続ける。しばらくすると、求めていた音が聞こえてきた。「『パイ』がこの方角にいます」。パイとは、捕獲された個体のニックネームだ。314番目に捕獲されたことから円周率のπ(パイ)と名付けられた。関さんはバインダーに挟んだ地図をヘッドライトで照らし、観測した方位を記録していく。この地点では10分ほどかけて、現在受信機で管理している全37頭分のクマの電波を聞き分け、うち1頭の電波を拾った。あらかじめ定めている受信ポイントは二十数カ所あり、全ての地点で同じことを繰り返す。極めて地道な作業である。別のポイントに向かっている途中、車の中に搭載していた受信機が急に大きな音を鳴らし始めた。「近くにいるようですね」。車から降りた関さんがアンテナを振る。「ピッピッ」という受信機の音がさらに大きく聞こえる。「ここから200~300メートル先くらいに『ニコパ』がいますね。258番目に捕獲されたクマです。この先には沢があるのですが、昨晩もそこで過ごしていました。ニコパも私たちの存在を敏感に察知していることでしょう。『また、来たか』とね」。現場は多少の月明かりこそあるものの、周囲は闇に包まれている。200~300メートルとはいえ、ニコパが走ってきたらどうするのか、考えただけでも恐ろしかった。「私も最初はとても怖かったですよ。でも、クマに対する理解が深まったことで、多少は恐怖が和らぎました」。取材中、関さんから人間とクマとの悲しい出来事を聞いた。「かつて『ジョイ』というクマがいました。ジョイは軽井沢町内をよく動き回るクマでしたが、昼間には目撃されず、ごみを漁ることもないクマでした。でも、正しい知識のない方が、バターを塗ったパンをジョイに与えてしまったことで、悲劇が起こりました」。餌付いたジョイは「人間に近づけば美味しいものがもらえる」と覚えてしまい、人間との接触リスクが格段に跳ね上がった。最終的に、ジョイは捕殺された。関さんは言う。「苦渋の決断でした。その方には何度も餌付けをしないようお願いしていたんですが……。なぜ未然に防げなかったのか、悔やんでも悔やみきれません。私は元教員ですが、教員をしていた時よりも、『教育が大事』だと、最近つくづく感じています。事故のない状態を維持することは本当に大変なことです。何かが起きてしまえば、一気に信頼を失いますから。年々、クマに対する目が厳しくなっている分、さらに身を引き締めてこの町を守り続けます」。教員の世界から転職して3年半。クマへの温かい眼差しを持つ関さんは、友人たちから「今、何をしているのか?」と問われたら、「目の下に〝クマ〟をつくりながらクマを追いかけているよ」と冗談を言うこともあるという。一方で、軽井沢の安全は自分たちが守っていくという、プロフェッショナルとしての確かな矜持があった。
(「駆除」だけが解決策か?私たち人間が考えるべきこと:大城慶吾)
9月23日、午後8時過ぎ。世界自然遺産・北海道の知床国立公園内。小誌取材班は「夜の動物ウォッチングツアー」に参加していた。これは、野生動物管理に関心のある学生たちを対象に、知床自然大学院大学設立財団が主催する「知床ネイチャーキャンパス」のプログラムの一つだった。道中、学生たちとフクロウの一種やキタキツネ、エゾシカなど、様々な野生動物を見ることができた。ツアーも折り返しの段階に入った。ワゴン車は暗闇の道路を低速で走行し、運転手兼ガイドの解説を聞きながら、我々は右前方に見える、美しい、大きな月を眺めていた。その時である。10メートル程度先の左側に、突如として四足歩行の〝黒い物体〟が姿を現し、悠然と道路を横断する様子が目に飛び込んできたのだ。「あ! クマだ!」第一発見者となった私は、興奮のあまり、思わずそう叫んだ。ヒグマである。しかも、正真正銘、野生のヒグマだ。ツアー開始前、「ヒグマを見ることは最近少ない」という情報を聞いていたので、まさか目の前に現れるとは思ってもみなかった。取材班は幸運にもそのヒグマをカメラに収めることができた。正確には月を撮影中、ヒグマがカメラのファインダーの中に入っていたのだ。推定だが、大きさは1メートルを優に超える。次頁には、同じ写真で明度を高くしたものを掲載しているので見比べてみてほしい。はっきりとヒグマの存在を確認できるはずだ。その後、ワゴン車は停止し、車内からペンライトを当てて行方を追ったが、ヒグマは立ち止まることなく、森の中へ消えていった──。全国でクマ(ヒグマ、ツキノワグマ)の出没が相次いでいる。環境省によると、2023年度はクマ類による人身被害の発生件数が198件に上り、219人が被害に遭い、そのうち6人が死亡している。これは、統計のある06年度以降で過去最多だ。また、昨年10月の人身被害の発生件数も過去最多となった。出没すればするほど、メディアの報道も過熱する。しかも、クマ=恐ろしい動物の観点で報道され、人間に危害を加える可能性があるとして、最終的に「駆除された」という結論で終わるニュースが多い。確かに、クマは驚くべき身体能力を持っている。「クマは、山の中を歩きながら筋トレしているようなもの」。取材したある研究者がこう表現するように、エサを求め、険しい山道を四足歩行し、長い時には1日に何十キロ・メートルも移動するほどの健脚の持ち主である。また、鋭いツメに大きな歯を持ち、時速50キロ程度で走ることもできるという。これはオリンピック金メダリストのウサイン・ボルト選手を超える速さであり、追いかけられた人間が逃げ切ることは容易ではない。しかも、クマは一度食べたものに執着し、特に人間が食べるもの、人間が作ったものの味を覚えたらしつこく求めるようになる。かつて、人間そのものが対象になったこともあった。これはヒグマの例だが、大正時代の北海道で、実際に起こった惨事をもとに描かれた吉村昭の『羆嵐』(新潮文庫)にはこう記されている。「羆は肉食獣でもある。その力はきわめて強大で、牛馬の頸骨を一撃でたたき折り内臓、骨まで食べつくす。むろん人間も、羆にとっては恰好の餌にすぎないという」もちろん、すべてのクマが人間を襲うとは限らないが、簡単に勝てる相手でないことは想像に難くない。こうした〝不安情報〟に接するばかりでは、クマは「駆除すべきもの」だと考えがちになる。ただ、先述したニュースの結論で使われる用語もそうだが、そもそも「駆除」という概念は正しいのか。それは、人間側の都合でしかないのではないか。また、「本来、山が棲み処であるはずのクマが、なぜ人間の生活圏に出没するようになっているのか」という〝根本原因〟を我々は見落としてはいないだろうか。出没する理由は様々ある。代表的なものとして、ドングリ類の大凶作などが挙げられるが、そればかりではない。人里にある放棄果樹や人間由来のごみもクマの誘引物となる。捕獲にあたるハンターの高齢化も著しく、半数以上が60代という状況も深刻だ。野生動物管理に関して、データなどをもとに科学的な知見を持つ行政職員の育成も急務である。もう一つ、大きな理由がある。「人口減少」だ。人口増加局面では、野生動物の生息域に人間の生活圏が広がっていったが、これからは逆に人間の生息域が縮小する時代に入る。それは、人間がクマをはじめとする野生動物を「押し返してきた」時代から、野生動物に「押し戻される」時代の到来を意味する。人口減少に伴い、現状では「人手不足」や「地方消滅」の危機が叫ばれているが、これからは「野生動物とどう生きていくのか」という観点も考えていかなければならない。つまり、クマだけを悪者にしても問題は解決しないのだ。我々は〝人間側の課題〟にも真摯に向き合い、自分事として対応を考える必要がある。こうした状況に対して、対策の必要性は見えているのに問題を先送りし続けるという「日本的なやり方」では、将来、人間側が大きな代償を払うことになるだろう。「令和のクマ騒動」が人間に問うているものとはいったい何か、読者の皆様と考えたい。
(野生動物に”押し戻される”人間:梶光一)
私たちが直面している野生動物と人との軋轢は、人口減少に伴う社会経済の変化、とりわけ土地利用の変化が最も大きな要因である。シカ・イノシシの増加は、耕作放棄地の出現→野生動物の生息地の創出→さらなる野生動物被害拡大→離農→耕作放棄地拡大の「正のフィードバック」による「負のスパイラル」を進行させ、食料自給率にも影響を与えるだろう。シカの増加は、林業の衰退と山岳生態系の崩壊をもたらす危険がある。さらには山間部を走る鉄道や交通事故の増加、大型獣の都市部出没問題の深刻化、野生動物の媒介による感染症などが社会問題となる。狩猟者の減少と高齢化が進み、捕獲のほとんどを担ってきたレジェンド狩猟者も高齢のため10年後には不在となろう。日本では捕獲の担い手育成の仕組みが乏しいため、猟友会頼みの社会構造もやがて限界に達する。これらの野生動物と人との軋轢を低減・解決するためには、野生動物管理システムを整備し、その担い手を育成するための制度を社会基盤として整える必要がある。環境省の調べによると、24年4月時点において、全都道府県の鳥獣行政担当職員のうち、専門的知見を有する職員は全体の5.9%(213人)に過ぎず、東京都や山口県など10都県には不在である。この状況は10年来、改善されておらず、日本の野生動物管理は専門職人材不在のまま進められている。このような背景から、日本学術会議は19年に、地域に根差した野生動物管理を推進する高度専門職人材の教育プログラムを創設し、市町村に鳥獣対策員、都道府県に野生動物管理専門員を配置することや捕獲従事者の育成を提言している。これを受け、野生動物管理のコア・カリキュラムをもとにした野生動物学教育の試みが、東京農工大学・酪農学園大学・岐阜大学との大学間連携により開始されたところであり、今後、連携大学の増加が期待されている。科学に根差した野生動物管理システム構築とその担い手育成が急務である。
(自作拳銃所持容疑で男逮捕:栃木)
自作した拳銃を所持したとして、警視庁薬物銃器対策課は19日までに、銃刀法違反(所持)容疑で、職業不詳薄井信明容疑者(29)=栃木県那須町伊王野=を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。同課などによると薄井容疑者は10年以上前、電磁力で金属弾を発射する電磁石銃(コイルガン)を自作。作り方の解説や、弾丸が段ボールやアルミ缶を貫通する様子を撮影してユーチューブに投稿しており、動画は350万回以上再生された。動画はすでに削除されている。警視庁は10月、薄井容疑者宅を捜索し、コイルガンを押収した。同庁が調べたところ、電磁力を使用しなくても実弾を発砲できることを確認。殺傷能力もあったという。逮捕容疑は同5日、自宅で回転式拳銃1丁を所持した疑い。
(野鳥愛護校に指定、小学生がキジを放鳥:大分)
中津市の小学校の児童が、野鳥愛護校に指定されたことを記念してキジの放鳥を行いました。大分県猟友会は、野鳥の保護に関心をもってもらおうと毎年、県内の小中学校から1校を野鳥愛護校に指定していて、ことしは、中津市の樋田小学校が指定されました。20日は県猟友会の長井健三会長らが小学校を訪れ、児童の代表に指定証を手渡しました。そして「野鳥だけでなく、すべての野生動物には餌をあげないでください」など、野生動物とつきあううえでの注意点を紹介しました。このあと児童たちなどは、学校から歩いて10分ほどのため池に移動し、猟友会から贈られた100羽のキジを空に放ちました。児童の多くはキジを触るのは初めてで、おそるおそるつかんでいた手を放すと、キジは勢いよく山のほうへ飛んでいきました。初めてキジに触ったという6年生の児童は「手触りがすごくよかった。鳥のことはあまり知らなかったが、とても興味が湧きました」と話していました。長井会長は「今回の指定をきっかけに、野鳥など山の生き物との共生の気持ちを学んでほしい」と話していました。
(住宅街を徘徊していたイノシシついに御用:沖縄)
今月に入ってうるま市の住宅街や畑で目撃情報が相次いでいたイノシシが18日、罠にかかっているのが見つかりました。左右に揺れるサトウキビの畑から姿を現したのは…イノシシです。人が近づいても警戒する様子はなくスタスタと歩いて行きます。うるま市では今月2日ごろから市街地でのイノシシの目撃情報が相次ぎ、田場地区の畑の近くで徘徊する様子が頻繁に確認されていたことから、地元の自治会などがパトロールをしていました。こうしたなか、具志川ビーチ近くの私有地で18日夕方、イノシシが罠にかかっている状態で見つかりました。イノシシは体長およそ70センチ、体重50キロほどで、捕獲された直後はかなり興奮した様子で檻を突き破ろうとしていたということです。うるま市田場区自治会・天願力会長「区全体でものものしい2週間ぐらいだったんですけど、地域の人たちが一生懸命確保に全力をつくしてくれたので安心しました」。その後、捕獲されたイノシシは猟友会に引き渡されました。警察は今後もイノシシが出没する可能性があるとして注意を呼びかけています。
(列車がイノシシと衝突:福岡)
JR九州によると、19日午後8時28分ごろ、福北ゆたか線天道~桂川間で列車がイノシシと衝突した。この影響で同8時44分現在、同線で遅れが発生している。
(R八高線が運転見合わせ、シカと衝突:埼玉)
JR東日本によると、19日午後8時7分現在、八高線は、高麗川―毛呂駅間でシカと衝突した影響で、北藤岡―高麗川駅間の上下線で運転を見合わせている。運転再開は午後8時20分ごろを見込んでいる。
(JR八高線で遅れ、またシカと衝突:埼玉)
JR東日本によると、20日午後8時20分現在、八高線は、越生―明覚駅間でのシカと衝突の影響で、高崎―高麗川駅間の上下線の一部列車に遅れがでている。八高線は、19日夜も、高麗川―毛呂駅間でシカと衝突し、運転見合わせと遅延が発生している。
(普通列車がシカと衝突:北海道)
19日午後5時10分ごろ、登別市のJR室蘭線富浦―幌別駅間を走行中の千歳発東室蘭行き普通列車(2両編成)がシカと衝突した。 JR北海道によると、乗客乗員にけがはなく、当該列車の運行に支障がないことを確認。
(丹波篠山のジビエ「ぼたん鍋」:兵庫)
今年も兵庫県丹波篠山市「ぼたん鍋」の季節がやってきました。新鮮な猪肉と地元の季節野菜と一緒に、味噌でとろっとろになるまで煮込んだぼたん鍋は絶品です!丹波篠山では、ぼたん鍋や猪肉を使った料理がいただけるお店がたくさんありますのでこの機会に丹波篠山の「ぼたん鍋」を味わってみてください。丹波篠山は、全国ブランドの丹波栗や黒豆、山の芋などの名産品で有名ですが、実は日本三大猪肉の名産地でもあります。その猪肉を使った郷土料理が「ぼたん鍋」。名前の由来には諸説ありますが、猪肉を牡丹の花のように盛り付けたことからその名がついたとされています。丹波篠山のお店で扱う猪肉は養殖ではなく【天然】の猪を使用していることが特徴です。丹波栗などの木の実や、丹波松茸、穀物を食べ、冬を越すために必要な分だけの脂肪をつけ,脂っこくない、さっぱりとしたお肉になります。丹波篠山の猪肉と地元の季節野菜と一緒に、味噌でとろとろに煮込んだぼたん鍋は絶品です。煮込めば煮込むほどに柔らかくなる猪肉は、あっさりなのにコクがあり、かめばかむほどその味わいを楽しめます。
(獣の皮保管冷凍庫設置、CFで:千葉)
館山市で有害獣の皮を革製品にする工房「伝右衛門製作所」を営む合同会社DIEM(本社・南房総市)は、イノシシやキョンの皮を保管するため、原皮(剥いだ状態の皮)の保管用冷凍庫などを設置する費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標は300万円で、代表の大阪谷未久さん(32)は「今後も持続的に皮を活用するために保管場所は必要不可欠」と協力を呼び掛けている。30日まで。大阪谷さんは大阪府出身で、大学時代に南房総市内で農業体験をしたことをきっかけに、都内の一般企業の勤務を経て、2021年に南房総市に移住した。館山市内のジビエ加工処理施設に勤務しながら、革職人としての腕を磨き、24年4月に自身の工房を開業。革製品を通して、獣害といった地域課題の現状を多くの人に伝えていく活動をしている。だが今年5月、それまで農家に借りていた原皮保管用の冷凍庫と加工所が、事情によって使えなくなってしまった。大阪谷さんによると、革の加工には最低30枚ほどの原皮が必要。だが、今のところ1カ月間に集まる原皮は10枚程度で、加工に必要な枚数がたまるまでは、集めた皮を冷凍して保管しておく必要があるという。そこで、かねて購入していた南房総市内の古民家を改装して、原皮保管と加工ができる作業所を新たに立ち上げることにした。今回のCFで集める資金は、皮を洗浄する作業スペースの改修と保管用の冷凍庫・冷蔵庫の設置などの費用に充てる。17日には、多くの人にジビエレザーを知ってもらおうと、館山市で開催された「北条海岸BEACHマーケット」に出店。訪れた多くの人に、地域の獣害やジビエレザーを通じて行っている取り組みなどを紹介した。同日午後6時時点で約180万円が集まっており、大阪谷さんは「たくさんの人に支えられながらではあるけど、自分ができる限り、まい進していきたい。ご支援をお願いします」と話している。
(シカ肉でキンパ、高知商ジビエ部が開発:高知)
高知商業高校ジビエ商品開発・販売促進部が、シカ肉を使った韓国風のり巻き「土佐シカキンパ」を開発した。
(ジビエの魅力発信:島根)
ジビエの魅力を発信する「松江ジビエールフェス」が23日午前10時~午後3時、松江市末次町の市役所だんだんテラスで開かれる。開催を前に関係者が市役所で上定昭仁市長にイベントの魅力などを紹介した。イベントはジビエの消費拡大のほか、鳥獣の生態や被害の現状について理解を深めてもらおうと企画し、今回で5回目。
(シカ肉の加工施設オープン:広島)
広島ひろしま市内しないで初はつとなるシカ肉にくの加工かこう処理しょり施設しせつ「白木しらきジビエセンター」が11月がつ15日にち、安佐あさ北区きたく白木町しらきちょうにオープンしました。ジビエとは、狩かりで捕つかまえて食用しょくようにする野生やせいの鳥とりや獣けもの、またその肉にくのことです。加工かこう処理しょり施設しせつは40平方へいほうメートルの平屋ひらやです。シカをつるす機器ききや、肉にくをさばく作業さぎょう台だい、冷蔵れいぞう庫こなどを備そなえます。地元じもとの建設けんせつ業者ぎょうしゃが運営うんえいし、月つき30頭とうの処理しょりを見込みこんでいます。イノシシも扱あつかいます。安佐あさ北区きたく内ないでは田畑たはたにシカがたびたび現あらわれ、農作物のうさくもつを荒あらす被害ひがいが問題もんだいとなっています。安佐あさ北区きたくを中心ちゅうしんに車くるまで約やく1時間じかん以内いないのエリアで捕つかまえられたシカを引ひき取とり、持もち込こみにも対応たいおうします。シカ肉にくは隣となりの販売はんばい施設しせつ「ももんしや」で11月がつ23日にちから売うり出だします。営業えいぎょうは午前ごぜん10時じ~午後ごご6時じ、水曜すいよう定休ていきゅうです。加工かこう処理しょり施設しせつを運営うんえいする中矢なかや和明かずあき社長しゃちょう(47)は「焼却しょうきゃくされる命いのちをつなぎ、ブランド肉にくとして知名ちめい度どを高たかめたい」と話はなしています。
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(散弾銃の実弾21発入るウエストポーチを盗んだか、会社員の男を逮捕:栃木)
栃木県高根沢町のコンビニエンスストアで、散弾銃の実弾21発が入ったウエストポーチを盗んだとして、会社員の男が逮捕されました。窃盗の疑いで逮捕されたのは、栃木県那須烏山市の会社員・相良憲太容疑者(38)です。警察によりますと、相良容疑者はおととい午前10時半ごろ、高根沢町宝石台のコンビニエンスストアのトイレで現金およそ7万円と散弾銃の実弾21発などが入ったウエストポーチを盗んだ疑いがもたれています。警察は、防犯カメラの映像などをもとに相良容疑者を割り出し、相良容疑者は取り調べに対し、容疑を認めているということです。散弾銃の実弾による被害などは確認されていません。
(仲間と狩猟中に滑落、74歳の男性が骨折の大けが:山梨)
17日午後、山梨県笛吹市の山中で仲間と狩猟をしていた74歳の男性が滑落し肋骨を折る大けがをしました。17日午後1時半ごろ、笛吹市御坂町上黒駒の旭山の山中で狩猟をしていた甲州市勝沼町の74歳の男性が滑落し仲間から救助を求める通報がありました。男性は午後3時ごろ県の防災ヘリで救助され甲府市内の病院に運ばれましたが肋骨を折る大けがです。男性は午前10時半ごろから仲間14人と一緒に山で狩猟をしていたということです。
(深夜の住宅地で男性がイノシシに襲われる:鹿児島)
18日午前0時20分ごろ、鹿児島市原良6丁目の市道で、50代男性がイノシシに襲われ、脇腹を打撲し両膝に擦り傷を負った。鹿児島西署によると、男性が1人で歩いていたところ、体長約1メートルのイノシシに突進され、転倒した。現場は山と民家に挟まれた市道。10月14日には同市原良7丁目の民家車庫で、70代女性がイノシシにかまれけがをした。同署は周辺の学校などに情報共有した。通学時間帯のパトロールを今後も毎日続ける予定。
(住宅にイノシシ出没、2人けが:愛媛)
松山市の住宅に16日イノシシが出没し、この家の夫婦がケガをしていたことがわかりました。イノシシはその場で駆除されています。警察や地元住民などによりますと、松山市森松町の住宅で16日午後5時半ごろ、庭で作業をしていた男性の目の前に、イノシシが現れました。イノシシは体長およそ1メートル、体重50キロほどで、物音に気付いた妻が男性を助けようとしましたが、夫婦は手を噛まれるなどしてケガをしたということです。イノシシは、地元の住民らがレンガなどを使って応戦し、駆け付けた警察官らによってその場で駆除されたということです。この日は近くの中学校でも目撃情報があり、県では「イノシシは秋から冬にかけてが発情期で攻撃的になっている」として、出会った場合「慌てて急に走り出したりせず、背中を向けないようにゆっくり後退して、静かにその場を離れてほしい」などとしています。
(ヒグマ捕獲体制の強化を、知事と猟友会が要望:北海道)
北海道の鈴木直道知事と道猟友会の堀江篤会長が18日、環境省を訪れ、小林史明環境副大臣にヒグマを安全に有害捕獲できるよう体制強化を要望した。10月の札幌高裁判決は、自治体からの要請を受けたハンターの猟銃所持許可取り消しを「妥当」と判断。堀江会長は判決を受け猟友会のメンバーから「やってられない」との声も上がっているとし、「身分保障をしてほしい」と訴えた。ヒグマの捕獲を巡っては、2018年8月、砂川市の要請を受けた猟友会ハンターが住宅近くに現れたヒグマ1頭を猟銃で駆除。その際の安全確保が問題となり、道公安委員会に猟銃の所持許可を取り消された。札幌高裁判決は、取り消しを「妥当」とした。
(ニホンジカによる農作物の食害が多発、被害額2億円超:岩手)
岩手県内でニホンジカによる農作物の食害が後を絶たない。温暖化の影響で全県に生息域が拡大し、自然淘汰(とうた)されずに越冬する個体が増えたとみられる。県は10年ほど前に保護から捕獲へかじを切ったが、2023年度の推定個体数は9万4千頭(前年度比7・6%減)に上り、2億円超で推移する被害額は、北海道に次いで全国2番目に多い。農家は電気柵や、個体を感知するセンサーを設置して「実りの秋」の自衛に懸命だ。盛岡市手代森でリンゴを育てる藤村文明さん(73)は、2ヘクタールの園地を有刺鉄線で囲んでいる。それでも、わずかな隙間を見つけて「むりむりと入ってくる」。12月には、より効果が見込まれる電気柵を山側に面する約450メートルに設置する予定だ。
(シカ食害懸念、環境省が情報交換:鳥取)
環境省中国四国地方環境事務所は18日、「大山・蒜山周辺地域の植生をニホンジカから守る広域連携情報交換会」を大山町で開いた。
(増えるシカ対策は、関連機関・団体が円卓会議:北海道)
苫小牧市は15日、エゾシカ対策円卓会議を市役所で開催し、胆振総合振興局や室蘭開発建設部、北海道猟友会苫小牧支部、苫小牧署など関係機関・団体から15人が参加した。近年のシカの増加に伴う諸問題について情報交換を行い、抜本的な対策を探った。
(ハンターの仕事に興味持って、ジビエ料理販売や射撃体験:北海道)
ジビエ料理を味わったり、射撃体験ができる「道南ハンターズフェスティバル」が12月1日、函館市日ノ浜町の道の駅「なとわ・えさん」で開かれる。狩猟講習などに取り組む「はこだて鹿△(さんかく)」(函館)が初めて企画。野生鳥獣による農業被害が増加傾向にある中、ハンターの育成が課題になっており、仕事の魅力をPRする。
(駆除シカ、巨大パイプでまとめて処理:兵庫)
農作物や山の木々を食い荒らすニホンジカの駆除を巡り、林野庁兵庫森林管理署(宍粟市)は、山中に埋めた巨大な管の中で処理する実証試験を始める。シカの捕獲は多くが山中に仕掛けたわなで行われるが、食肉としての利用は捕獲からの時間や状態などで一部に限られる。大半は駆除のたびに山中で埋めるか、焼却場で処理するかされており、まとめて処理することで、費用の圧縮、省力化を目指す。
(県がシカ対策を補正予算案に計上へ:山梨)
JR中央線でシカと電車との衝突による遅延を防ごうと、県は、沿線に生息するシカの調査や緊急捕獲などの対策を行うことにして必要な経費を12月の補正予算案に計上することを決めました。県によりますとJR中央線の普通列車について、東京駅から長野県の松本駅までの間で30分以上遅延した日数は、ことし7月17日からのおよそ1か月間に17日あるなど定時制の確保が課題となっていて、県内ではシカと列車との衝突が主な要因だと分析しています。このため県はシカとの衝突を防ぐ沿線での対策を県内で本格的に取り組むことを決めました。具体的には、定点カメラやドローンを活用してシカが線路に侵入する経路や沿線の生息状況を詳しく調べるほか、地元の猟友会と連携して2000頭以上を目標にシカを緊急で捕獲するということです。県は対策に必要な経費を12月の補正予算案に盛り込むことにしています。県としては率先して中央線の遅延対策に取り組むことで、都内での人身事故への対応などシカ以外にもある遅延理由への対策をJR東日本に促したい狙いがあります。
(クマの対策事業に約1900万円計上:三重)
三重県は18日、出没が相次ぐツキノワグマの被害防止対策にかかる費用などを盛り込んだ補正予算案を発表しました。一般会計の総額で約9億6000万円の減額となります。県内でクマの目撃情報が相次いでいることから、注意喚起のための情報発信や被害防止のためのパトロールや訓練にかかる経費など、対策事業に約1900万円が計上されました。このほか、医師の労働環境改善に向け、AIの問診システム導入や、医師業務を他職種に移管し、業務を担う人材を確保するための予算として約1億3000万円が盛り込まれました。また、木造住宅の倒壊による人的被害を未然に防止するため、耐震補強工事などを支援する費用として約2300万円が組み込まれました。補正予算案は21日に三重県議会に提出されます。
(鹿と人との関わりを考えるフィールドワーク:長野)
農家を訪ねると、野菜よりも鹿や猪の話題になる。それが昨今の実情だ。「CIMI restorant」が東京・代々木を飛び出して開催した、生産者・料理人・食べ手のパートナーシップを深めるイベント「FIELDWORK in NAGANO(フィールドワーク・イン・ナガノ)」では、鹿と人間の向き合いがテーマのひとつだった。シェフや料理家から愛される長野県佐久市の農家・長谷川純恵(すみえ)さんが罠猟の免許を取得した話や、罠シェアリングコミュニティ「罠ブラザーズ」の取り組みが示すのは、鹿がもはや地方の課題にとどまらず、都市生活者も関わっているということだ。「フィールドワーク・イン・ナガノ」は、9月20~25日、軽井沢のグロサリーストア&カフェ「Horse and the sun」を拠点に開催された。シェフの向井知さんが長野の生産者と交流を深めながら、彼らの食材を使った6皿のコースを提供。22、23日には、ジェローム・ワーグさん(「the Blind Donkey」エグゼクティブシェフ)も参加して、生産者と共にテーブルを囲み、長谷川純恵さんの畑を訪ねた。
(猟友会のハンターが明かす、「クマ被害は人災」と言えるワケ)
クマの目撃情報が各地で続出し、人的被害が次々と出た2024年は、害獣駆除を巡って猟友会と自治体との軋轢が顕在化した年でもあった。ヒグマが相次いで出没した北海道では、両者の関係が悪化したというニュースが報じられた。5月15日には秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山林で、タケノコ採りの最中に佐藤宏さん(64歳)が行方不明になり、その3日後の18日、人喰いグマに襲われた佐藤さんの遺体が見つかった。この事件では、遺体の搬送作業中に警察官2名がクマに襲われ重傷を負う惨事まで起きてしまった。前の記事『「ウチらは警察や役所の下請けじゃない!」猟友会のクマ撃ちが激怒…出動要請されても協力したくない「本当の理由」』につづき、地元猟友会の中でも数少ないベテランハンターが匿名を条件に、その腹の内を明かしてくれた。以下、彼の証言である。今年は、毎日のようにクマの目撃情報がありました。いざクマが町に出てくると、目撃をした住民から駆除をしてくれと直接連絡くることが多いです。我々としても何とか要望に応えたいとは思いますが、勝手に駆除することはできません。法律で規定されていますから、発砲許可が出るまでは身動きができないのです。役所の書類仕事は時間がかかります。許可が出た時にはすでにクマが移動してその場からいなくなっているということもよくあります。現場で一番権限を持つのは警察になります。問題だと思うのは、彼らの中で山に詳しい者もクマの習性を知っている者もほぼいないということです。駆除の現場もさまざまですが、その場所の地形や餌場であるか否か、渡りグマなのか巣持ちグマなのか、単独であるのか、子グマを連れた雌グマであるのか、目撃された時からの経過時間など、駆除するために必要な情報すら何もないことが多いのです。警察はただ「お願いします」というだけで、自分たちは後方に陣取って我々だけを先に行かすことなど、普通にあります。ここからこうして撃ちたいと伝えても、ダメだと否定されることも多いですし、何か問題があると全ては我々のせいにさせられる。そのようなことが常態化しているので、出動要請が来ても気分良く行けなくなるのです。ライフルを持てるのは10年以上の経験者ですし、そもそもクマ撃ちの経験者が少ない。一部の年寄りを除いて、みな他の仕事を持っています。要請を受けてすぐに動けるような会員は一握りです。戦力になる若い会員ほど、仕事の現場の最前線で働いているわけですから、すぐに応じることはできません。いつ来るか分からない要請に臨機応変に対応することなど、そもそもできないのです。5月の鹿角市大湯での警察官2名が負傷した事件で、私は警察官が怪我をしてから連絡が来たので現場に行きました。その時に現場に来た警察は、遺体のある場所すら把握していませんでした。広い山の中で肝心の場所が分からなければ、何もできません。撃つ気満々で行ったのですが、実際には何もできず、「危険なので下がってください」と言われ、箱罠を仕掛けただけでした。警察官はあまりに現場を知らず、その対応はチグハグすぎると思います。被害を受けた警察官は本当に気の毒でした。彼らは業務として捜索活動をしました。もし、その場所に詳しい警察官がほかにいて、現場周辺の状況を事前に把握さえしていれば、あのような怪我はしなくて済んだかもしれない。タケノコの生えている笹藪は、そのままクマの巣になります。タケノコの時期になると、同じ場所でひたすら食べ続けるのです。藪が深いとライフルを持っていても取り回しがきかない。馬鹿正直に真っ直ぐに藪漕ぎしていくのではなく、クマがいるであろう場所まで安全を確保しながら迂回して移動する必要があります。山は生きているのです。季節によって植生も変わるし、山岳地図などほとんど役に立たない。クマが倒した獲物は、それがたとえ人間であっても必ず執着する。必ず近くに身を潜めていることを前提に行動すべきなのです。安全な場所にいる上官の命令やマニュアルに従っているばかりでは、現場は危険で仕方がありません。自然相手に型通りのマニュアルなど、通用するわけがないのです。命令を受けて捜索をする警察官は、本当に大変だと思います。山に関しては全くの素人ですから、山の歩き方も分からない。二次被害を避けるためということで、危険を犯さないことには共感します。勝手に山に入ってクマにやられた者を、どうして命をかけて救助しなければならないのかという思いもあるはずです。でも、今回被害にあった警察官は、あまりに無防備でした。興奮したクマにクマスプレーなどほとんど意味をなしません。クマの習性をまるで理解していなかったことに原因があるのです。せめて、山に詳しい第一発見者を頼ってその声に耳を傾けるか、猟友会の会員を呼ぶべきでした。でも誰のことも責められない。しっかりとした対策を講じる時が来たのだということなのだと思います。大湯では昨年だけで100頭近くのクマが箱罠で捕獲されています。それでも、それ以上にクマの数は増えていると実感しています。テレビや新聞に出てくる専門家は動物の専門家であって、山の専門家ではありません。クマについても専門家としては詳しいだろうが、学者の彼らが研究室で扱う「クマ」と、我々が相手にしている山にいる生きた「クマ」とは別物だということです。現地から離れれば離れるほど、クマのことも山のことを知らない人になる。そんな人が権限を持って命令などを出すから、場違いな対応になるのです。以前から思っているのですが、警察の中に有害獣駆除の専門チームを作ればいいと考えています。わざわざ民間人である我々に依頼するために書類だ、連絡だなどとする必要がありません。東北の山は広い。だからそれぞれの警察署の中にではなく、広域をカバーできるような専従班をいくつか作ればいいのです。彼らに狩猟のことや山のこと、クマの習性などを教えるのは、それぞれの地域の猟友会が担えばいい。役割は違うけれど、富山県の山岳警備隊は立派です。年間を通じて稼働していますし、登山技術だけでなく救助技術にも長けている。レジャーで来た登山客の生命を守るために日頃の鍛錬は怠らないし、それぞれが担当する山のことは隅々まで詳しい。だから、登山客からも地域の誰からも尊敬を受けている。地域保全のため、住民の生命のために身体を張れる人材を時間はかかっても育成すべきなのだと思います。そうでないとまた同じことが起きてしまう。以前あったスーパーK騒動で最後の4人目の遺体を搬送しようとした際、人間を餌として執着していたクマが襲ってきました。運よく怪我などはしませんでしたが、今回の大湯の件と同じだったのです。その後、駆けつけた会員が現場近くをウロウロしていたクマを駆除しました。でもその1頭だけで良かったのか。人間の肉の味を覚えたクマは他にもいたのではないでしょうか。そう考えているのは私だけではありません。場当たり的な対応しかしてこなかったから、捜索をする側にも教訓が残らずクマ対策が不完全なままなのです。クマでさえ学習するのに、なぜ人間は学ばないのか。理解できません。八幡平のクマ牧場の事件が起きた時にも呼ばれました。各地から20人近い会員が呼ばれたと思います。現場の仕切りをしていた警察の担当者は、どこからどうやってクマが何頭逃げたのかなど伝えることができず、事前に必要な情報が何もない状況でした。「(猟友会では手が負えないから)自衛隊にお願いしてください」と伝えて、何度も断ったのです。でも、いくら断っても、警察は引き下がらなかった。我々はヒグマを撃った経験がありません。そもそも体格が倍ほども違う。使う銃弾の種類も違います。気性も違えば装備も足りない。肝心の逃げたヒグマの頭数も、どこに逃げたのかも分からない状態でした。敷地に入る時には、警察も消防も向かいの通りに陣取っているだけで、決して近づきませんでした。仕方なくバックホー(重機)を持ってきてもらい、それに乗って捜索をしました。はたして我々の装備でヒグマを駆除できるのか誰にも分かりませんでした。リーダー役の方からは必ず頭を狙えという指示を受けました。そこでクマを撃った話はあまりしたくありません。いい思い出ではないからです。6頭を駆除し終わって、逃げたクマがいないか、敷地周辺に足跡がないか、時間をかけて捜索しました。後に警察署長からは感謝の言葉とタオルをもらって終わりました。それで終わりです。決してクマが悪いわけではない。あれは完全に人災でした。では、どうすれば人災を防ぐことはできるのか。つづく記事『「自治体は出動要請するだけ」「責任はすべて猟友会」…ベテランのクマ撃ちが訴える、市民の生命を守らない国と警察の罪深さ』では、自治体と猟友会の軋轢を解決するための具体的な方法をさらに探ります。
(「マダニに咬まれてうつる脳炎」致死率20%超も〝ニッチ〟な感染症のワクチン)
発症した場合の致死率が高いものの、日本では症例数が少ない「ダニ媒介性脳炎ウイルス」の感染症。そのワクチンが国内でも開発され、今年から販売されています。“ニッチ”なワクチンをなぜ開発したのか、採算は取れるのか、製造・販売元のファイザー社に話を聞きました。野外活動をする際に、注意が必要なマダニ。さまざまな病気を媒介し、咬まれると感染するおそれがありますが、中でも症状が重いものの一つが「ダニ媒介性脳炎ウイルス」の感染症です。7月に患者の発生を公表した函館市や国立感染症研究所などによると、日本では1993年に初めて北海道でダニ媒介脳炎の患者が発生。2024年7月までに道南から道北にかけて7例(うち報告時点の死亡例2例)の患者が報告されています。ダニ媒介脳炎ウイルスに感染した場合、70~98%は無症状です。ただし、国内に分布する「極東亜型」のウイルスでは、発症した場合の致死率は20%以上で、生残者の30~40%に脳や神経への後遺症がみられる、非常に重い病気です。極東亜型の潜伏期間は7~14日。潜伏期後に頭痛・発熱・吐き気・嘔吐がみられ、最終的に精神錯乱や昏睡、けいれん、まひなどの脳炎症状が出現することもあります。厚生労働省は、ダニ媒介性脳炎の予防のために、草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、「長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないこと」など、マダニに咬まれない予防措置を講じることを推奨。「リスク地域での居住や渡航、ダニの活動が活発な時期の野外活動など、個々の感染リスクに応じてダニ媒介脳炎ワクチンの接種を検討する」として、ワクチンを紹介しています。このように、発症することは稀でも、発症すると非常に重い病気である、ダニ媒介性脳炎。そのウイルスに対するワクチンが開発され、今年3月に国内でも承認、9月から発売され、医療現場で使用されるようになりました。しかし、せっかく開発しても、使用する機会が少なければ、製薬企業側で採算が取れず、結果的に安定した供給ができなくなり、患者が困ることも考えられます。なぜ開発に至ったのか、製造・販売元のファイザー社を取材しました。ファイザー社の担当者は、「全世界で毎年およそ1~1.5万人のダニ媒介性脳炎患者が報告されています」「ダニ媒介性脳炎を診断するための検査の実施状況は国や地域により異なっており、患者数が過小評価されている可能性があります」と指摘します。現在、製造・販売する成人と小児のダニ媒介性脳炎の発症を予防するワクチン「タイコバック」(一般名:組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチン)は、「1970年代から欧州を中心に広く使用されていたもの」といいます。オーストリアでは、ダニ媒介性脳炎ワクチンの集団予防接種が1981年から開始されており、「1979年に677例だったダニ媒介性脳炎症例数が、2022年には179例に減少したことが報告されています」とワクチンについて説明します。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高いと評価され、2019年9月19日に厚労省から開発要請を受けたそうです。この要請を受けて、実施された臨床試験の結果などに基づき、今年からワクチンが国内でも販売されている、ということでした。日本での症例は少なく、接種数としては多くを見込めないのでは、とも思われる、このワクチン。臨床試験などを実施した費用なども含め、採算は取れるのでしょうか。担当者は「弊社では製品毎の開発費用や採算性などの個別情報は開示していません」とした上で、「ウイルスが国内に広く分布している可能性が示唆されている」ことから、ワクチンの必要性を説明します。「これまでダニ媒介性脳炎の日本での報告は北海道のみですが、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の病気を発症し、その原因が明らかになっていなかった患者さんの血液や髄液を調査した報告では、東京都、岡山県、大分県で過去の感染歴を示唆するウイルスの抗体の陽性事例が確認されています」とします。「栃木県、島根県、長崎県等においてもウイルス抗体を保有する動物が確認されています。そのため、今後北海道以外でもダニ媒介性脳炎を発症する事例が報告される可能性も否定できません」。こうした状況を前提に、同社はワクチンの接種対象者を、より多く見込んでいます。「特に、林業・農業・狩猟等で山野に入る可能性のある職業に従事している方や、キャンプや山菜採りなどで山野に入る方が、マダニに咬まれてダニ媒介性脳炎ウイルスに感染する可能性があります」と指摘します。また、英国、ノルウェー、フランス、ドイツ、ロシアを含むヨーロッパ、東アジアでも毎年1~1.5万件の発生が報告されており、「そのような地域に仕事などで渡航される方も感染の可能性があります」といいます。一部の医療機関で接種可能で、成人の場合は1回0.5mlを合計3回、筋肉内に注射。2回目接種は1回目接種の1~3カ月後、3回目接種は2回目接種の5~12カ月後に実施します。自由診療になるので接種費用は医療機関側が設定しますが、1回あたり概ね1万5000円前後のところが多いようです。ワクチンには有効期限もありますが、「本ワクチンの接種を希望される方のニーズにお応えできるよう、弊社は他の医薬品と同様に、需要と供給を日々把握し、ワクチンの安定供給に努めたいと考えています」ということでした。このように、ある意味“ニッチ”なダニ媒介性脳炎ワクチン。製薬企業として、特定の感染症へのワクチンを「作る・作らない」はどう判断しているのでしょうか。担当者は「直接のきっかけは、弊社が厚労省から開発要請を受けたこと」とした上で、「ダニ媒介性脳炎は感染後に重篤な転帰をたどる可能性のある病気ですが、有効な治療法がないため、弊社は本剤による予防が重要な役割を担うと考えています」と回答。「ダニ媒介性脳炎の実態は十分に把握されていません。ダニ媒介性脳炎への感染で苦しむ方をひとりでも少なくできるよう、弊社は本剤の開発に取り組み、製造・販売をしています」。ニッチな病気でもワクチンが安定供給されるよう、「安定供給、医療従事者への適正使用情報の提供、啓発に取り組み、継続して予防医療の推進に努めてまいります」と話しました。
(クマの対策事業に約1900万円計上:三重)
三重県は18日、出没が相次ぐツキノワグマの被害防止対策にかかる費用などを盛り込んだ補正予算案を発表しました。一般会計の総額で約9億6000万円の減額となります。県内でクマの目撃情報が相次いでいることから、注意喚起のための情報発信や被害防止のためのパトロールや訓練にかかる経費など、対策事業に約1900万円が計上されました。
(普通列車が鳥と衝突:鹿児島)
JR九州によると、18日午前5時21分ごろ、鹿児島線千鳥~古賀間で下り普通列車(福間午前5時16分発鳥栖行き)が走行中に異常な音を感知した。鳥と衝突して確認を行った影響で同7時10分現在、同線に遅れが出ている。同8時半現在、通常ダイヤに復旧している。
(ペットのおやつも地産地消)
中国地方のペット関連事業者が、地元産の海産物やジビエ、野菜を使った犬、猫向けのおやつを販売している。地産地消の商品は、安心安全なペットフードを求める飼い主に好評だ。ペットに対する健康意識の高まりも追い風になっている。調査会社によると、市場は3年間で4割拡大している。
(ジビエメンチが好評:長崎)
わが子に「いってらっしゃい」「お帰りなさい」と声かけできる環境を求め波佐見に移住。和食店に勤めた経験と、パン好きの妻のアイデアを生かし、テイクアウトのサンドイッチ店を7月にオープンしました。地元のイノシシ肉を使い、地元のみそで味を調えたジビエメンチカツ(480円、1パック2個入り)は臭みがないと好評。「メンチカツだけでも食べたい」との声を受けて、月に2日「お惣菜(そうざい)の日」と題して単体販売もしています。厚焼きたまごサンド(320円、同)、おやつの揚げパン(100円、1個)もよくでます。ふらっと立ち寄っていただける店が目標。町内外のイベントにも出かけ、ジビエメンチも届けたいですね。
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(狩猟中の猟銃暴発、49歳男性が右手親指にけが:長野)
南相木村の山中で猟銃が暴発する事故があり、49歳の男性がけがをしました。警察によりますと、午前10時半ごろ南相木村の山中で49歳の男性が1人で狩猟中に猟銃が暴発し、右手の親指にけがをしました。男性は、自宅に戻って消防に通報し、佐久市内の病院に搬送されましたが、命に別状はありません。警察は当時の状況や暴発した原因を調べています。
(コンビニに散弾銃の実弾を置き忘れた:栃木)
16日昼すぎ、栃木県高根沢町のコンビニエンスストアに「散弾銃の実弾を置き忘れた」と近くに狩猟に訪れていた男性から警察に連絡がありました。これまでのところ散弾銃の実弾21発が見つかっておらず、警察が男性が立ち寄った場所などを捜しています。16日午後0時40分ごろ、高根沢町のコンビニに「散弾銃の実弾を入れたウエストポーチを置き忘れ、なくなった」と狩猟に訪れていた30代の男性から警察に連絡がありました。警察によりますと、男性はかもの狩猟のため近くの河川敷を訪れていて、なくなったウエストポーチには散弾銃の実弾21発が入っていたということです。「午前10時すぎに置き忘れた」と説明していて店の防犯カメラを確認するなどしたものの、これまでのところ見つかっていません。警察は男性が狩猟をしていた河川敷やその後に立ち寄った場所などを引き続き捜すことにしています。
(60代男性がクマに襲われ顔などにケガ:新潟)
新潟県津南町で17日、自宅近くの林でキノコを採っていた60代男性がクマに襲われ、顔などにケガをしました。17日正午すぎ、60代男性の妻から「主人がクマに襲われて額などから出血している」と消防に通報がありました。現場は津南町上郷子種新田の林で、男性はキノコ採りをしていたところクマに襲われたということです。男性は右頬と額・手首・左ひざにえぐられたような傷を負っていて、襲われたあと歩いて自宅に戻り病院に運ばれました。命に別状はありません。襲ったクマの体長などはわかっておらず、現在も逃げています。現場は県道251号に近く、約300m離れた場所には住宅密集地もあることから、警察と津南町が周辺住民に注意を呼びかけています。
(猟友会がヒグマ駆除拒否へ、全71支部に通知検討:北海道)
北海道猟友会(札幌)が、自治体からのヒグマの駆除要請に原則応じないよう、全71支部に通知する方向で最終調整していることが13日、分かった。砂川市の要請による駆除で発砲した弾が、建物に当たる危険性があったとして、猟銃所持の許可を取り消されたハンターが処分の取り消しを求めた控訴審で、10月に敗訴したことを受けた対応で、民間任せの駆除のあり方に一石を投じる狙いもある。各支部の意見を踏まえ、年内に開く理事会で正式に決定する。
(「早急に課題など伝えたい」知事、国も巻き込み解決する方針:北海道)
クマの駆除をめぐり道の猟友会が、良好に連携がとれていない自治体からの要請には応じないことを検討している問題で鈴木知事は「国へ早急に課題などを伝えたい」との考えを示しました。北海道・鈴木知事)「地域の実情を伝えて、この現場の関係者が緊密に連携して、捕獲従事者が不安なく捕獲できる、そういう仕組みになるように要望を一緒にしていく」。クマの駆除をめぐり道の猟友会では自治体からの要請に対し、ハンターの発砲の責任を自治体や警察が負わない場合には断ることも検討しています。この問題をうけ鈴木知事はハンターが抱える課題を国に伝え、国も巻き込んで解決していく方針を示しました。早ければ来週にも猟友会と一緒に環境省を訪問する予定です。
(「バカ公安委員会」北海道猟友会がヒグマ駆除“拒否を検討”報道:北海道)
2024年にも全国で発生している熊による被害。特に、北海道ではヒグマの活動が活発で「OSO18」は2023年にハンターの手によって駆除されるまで、放牧牛を中心に60頭以上を襲い、大きな被害をもたらした。「環境省によると、北海道におけるヒグマを含むクマによる被害人数は、2023年で9名。2名が命を落としました。また。2024年は死亡者こそいないものの、すでに3名が被害に遭っています。過去には三毛別羆事件といって、村民7人が次々と被害に遭うこともありました」(社会部記者)。自動車と同じ速度で走り、強力な爪と牙、そして圧倒的な筋力で獲物をねじ伏せるーー。“素人”がヒグマに対処できる術はほとんどない。「これまで、被害を未然に防ぐために活動を担ってきたのが『猟友会』のメンバーです。猟友会とは、狩猟免許を持つ者が入会できる団体で、市町村を単位とする“支部”があり、そこに加入することで会員となります。狩猟の他に、市町村から要請された有害駆除などをおこないます。基本的には熊が住宅地の近くに出没した際や、家畜が被害にあった際は、猟友会に連絡が行き、ハンターが駆けつけて駆除をおこなう形です。ヒグマ被害の多い北海道では、北海道猟友会の会員が活動し日々の安全な暮らしを守っているというわけです」だが、11月14日、各紙はある“異変”を報じた。「なんと、北海道猟友会が今後はヒグマの駆除要請に応じない方向で検討している、と報じられたのです。一方、同団体は同日午後に一連の報道を受けてホームページに会長のコメントを掲載。『本会では、従来から行っている市町村からのヒグマの駆除要請については、誠実に対処することとしており、現時点でその方針に変わりが無いことを、報道機関に申し入れいたしました』と語っています。報道もあくまで“検討”という内容だったので、明日以降、ヒグマの駆除要請に北海道のハンターが一切応じなくなるという受け取られ方をしないよう、注意を促したのでしょう」(同前)。だが、同団体がヒグマの駆除に消極的になるのには理由がある。2018年に、駆除活動の根幹を揺るがすような事件が起きたのだ。「猟友会の男性が、砂川市の要請を受けて、ヒグマの駆除をおこないました。現場には市職員と警察官も同行。市職員の依頼を受け、ライフル銃を1発発射してヒグマに命中させました。ところが、その後砂川署(現・滝川署)は、この男性を銃刀法違反などの疑いで書類送検しました。こちらは不起訴処分となったものの、今度は北海道公安委員会が、男性が発射した場所は、銃弾が到達する可能性のある建物があったとして、銃刀法違反と認定し、銃所持の許可を取り消しました。男性は、不服だとして訴えを起こすと、一審では訴えが認められましたが、10月に北海道高等裁判所で行われた二審では、一転して退けられたのです。つまり、男性は市役所に呼ばれて駆除に駆けつけ、警察官も居合わせる中で銃を発射したのに、後から“違法だった”と注意されたのです。もちろん猟友会としては受け入れ難い判決でしょう。これ以上、理不尽に銃刀法違反に問われるハンターが出ないよう、駆除に応じないことを検討するのは当然でしょう」(社会部記者)。Xでは、公安委員会への怒りの声が並んでいる。《まあ当たり前だよな。ヒグマを駆除してくれ言われて、言われた通りにしてるだけで免許取消しとかあほらしすぎてやってられんね》《猟師のおかげで護られてるとも分からず本来北海道側が守らないといけないのに猟友会の敵になってるんだから要請蹴るのは当たり前よね》《そりゃそうなるよ、当たり前だろこれでクマ被害出たら現代の寓話みたいで笑えない》《もうバカ公安委員会自ら熊を駆除すればいいんすよ》《北海道好きとしては札幌高裁と公安委員会がポンコツすぎて足を踏み入れるのを躊躇しそう》。こうした怒りの背景には、そもそも自治体がハンターの“善意”に頼ってきたという経緯もある。「現在のヒグマ駆除は、自治体が猟友会に駆除を依頼していますが、手当があまりに少ないんです。例えば、北海道奈井江町では、2024年5月まで、基本的な日当4800円に加え、出没地周辺の見回りなどの対策は3700円でした。これではあまりに少なすぎると、猟友会が依頼を断るようになると、町は報酬をアップしました。ただ、それも巡回やわなの設置などに1時間あたり1400円を加算、クマの駆除が切迫している場合は1.5倍になり1時間あたり2100円を加算する、というものです。ちなみに、捕獲した場合は2万円です。例えば8時間稼働した場合、最大で4万1600円が支払われることになりますね。とはいえ依頼は不定期ですし、ハンターの善意に頼っているのは間違いないでしょう」(同前)。だが、ヒグマ駆除はまさに命懸けの行為だ。2024年5月、北海道猟友会・砂川支部奈井江部会の山岸辰人部会長は本誌に熱っぽくこう語っている。「クマという獣をたとえるなら、米軍の特殊部隊員、それも、牙と爪を持った “ランボー” を相手にするようなもんなんだよ。彼らは音もなく近づき、どこから来るかわからない。腕3本分向こうの距離を、250kgあるクマが俺の横を匍匐前進して通りすぎても、察知できない。俺たちハンターが風上にいたら、100%、やられるからね。みなさんは駆除と簡単に言うけど、どれくらい危険をともなうのか、理解できるかっていう話でもある」。“ランボー”と戦った結果、銃刀法違反で処罰を受けるーー。誰がヒグマから市民を守っているのか、公安委員会の考えを知りたいものだ。
(猟友会のクマ撃ちが激怒、出動要請されても協力したくない「本当の理由」)
クマの目撃情報が各地で続出し、人的被害が次々と出た2024年。5月15日には秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山林で、タケノコ採りの最中に佐藤宏さん(64歳)が行方不明になり、その3日後の18日、人喰いグマに襲われた佐藤さんの遺体が見つかった。死体検案書によると、佐藤さんの死因は失血死。頭蓋骨は損傷しており、全身に何十箇所の咬み傷があった。遺体と面会した親族もその亡骸は包帯でグルグル巻きにされており、顔も確認することができなかったという。春によくある行方不明事案であったはずの出来事は、遺体の搬送作業中に警察官2名がクマに襲われ重傷を負うことにより、大きく報道された。遺体の捜索作業に関わった地元の男性によると、警察官のうちの一人の顔中は血まみれで、右耳から顎までザックリと割れていた。さらに鼻の半分が取れ、残った部分はめくれあがっていたという。瀕死状態の警察官が「助けてください」とつぶやくや否や、意識を失って倒れてしまうほどの惨事だった。そんな悲劇が発生した今年は、害獣駆除を巡って猟友会と自治体との軋轢が顕在化した年でもあった。地元猟友会の中でも数少ないベテランのクマ撃ちが匿名を条件に、その腹の内を明かしてくれた。はたしていま、狩猟の現場ではいったい何が起きているのか。以下、彼の証言である。ヒグマが相次いで出没した北海道では、地元の自治体と猟友会との関係が悪化したというニュースがありました。猟友会の会員として言っておきたいことがあります。“自治体が出すおカネが安すぎることが問題だ”とするマスコミ報道がありましたが、現実は違うのだと強く言いたい。自治体が猟友会に提示した金額は、その業務に対して彼らが認めている価値そのものなんです。つまり、クマの駆除作業に関して、提示した額が妥当なのだという考えを彼らが持っているということなのです。立場によってさまざまな考え方があるとは思いますが、私たちの存在意義を不当に低く見積もられているのだと感じています。もっとおカネを出せばいいという問題ではないのです。そもそも生活に困っている人は、狩猟を始めません。純粋に趣味として免許を取得する人が大半なのではないでしょうか。狩猟免許の取得、更新、保険加入、さまざまな申請、定期的な射撃練習に複数の講習会など、とてもおカネのかかる趣味なのです。また、装備品についてもそうです。ライフル自体の価格も高額だし、保管するのも特別なロッカーが必要になります。ウクライナ戦争以降、火薬も雷管も価格が上がりっぱなしです。ある意味、懐に余裕のある者にしかできないのです。ですから、支払われる金額が少ないからハンターたちが駄々をこねている、という訳ではないのです。つまり、依頼をする側の意識の問題なのだと思います。あくまでも猟友会は民間人の集まりであって、警察や役所の下請けではないのです。2018年、北海道の砂川であった銃所持許可剥奪の影響が大きいのだと思います。駆除後の一連の警察対応は、全国の猟友会を敵にまわす結果になりました。彼ら警察は、我々民間人がライフルを持つことを快く思っていないし、できれば取り上げてしまいたいという考えが透けて見えた残念な出来事でした。事情を知らない人は少し考えてみてほしいのです。山の中でも市街地でも、クマを撃つのは警察でもなく自治体職員でもなく、我々猟友会の会員なのです。もそも我々は、自分たちの趣味のためにお金と時間を使って狩猟免許を取ったのです。初めから有害獣の駆除をするためではありません。しかも、猟友会の会員は民間人です。行政に雇われているわけではなく、あくまで要請に応じているだけなのです。法律の上でも曖昧なまま放置してきたツケがいま出ているのだと思います。狩猟免許を取得する目的はさまざまですが、私は山を歩いて1対1でクマと真剣勝負をしたかったから、免許を取得し更新し続けています。クマを撃つのも簡単ではありません。季節ごとに山の中は変化していきます。クマの餌場が変わって通り道も変化することもあります。台風や大雨で地形は変化します。年間を通じて猟場である山を歩いて観察をすることは必須となります。クマ撃ちをする際には、一歩歩くごとにクマの痕跡に神経を尖らせて周辺を察知します。若い頃はウサギ猟をして、実践的な山歩きと獲物の素早い動きに対応できる観察眼を訓練しました。クマを見つけたら、そのクマが移動する先を想定して、撃つ場所と方向を考えて、ライフルを構えてひたすら待つのです。狙いは心臓。スコープを覗いて引き金を絞る瞬間まで気を抜くことはできません。絶対に一発で仕留めるという強い覚悟が必要になります。緊張から引き金を絞る指先も震えます。先輩からは「(撃つ時は)心臓も止めろ」と言われました。撃った後は近づいて確実に止め打ちをします。その場合は頭を狙います。相手の命を奪う行為です。批判があることも当然ですが、そのような気構えでないと逆にこちらがやられてしまう。仕留めたクマはその場で解体をして大事に持ち帰ります。携帯した小型ナイフを使い、関節を外してリュックに入る大きさにします。内臓も肉も無駄にならないように持ち帰り食べます。緊張状態から解き放たれて仕留めたクマを仲間と食べることの楽しみは、他では得られません。そのように単独や少人数で山に入ってクマ撃ちをする会員は、ごくわずかです。現在のクマ撃ちの主流は箱罠猟になります。これはクマの通り道に餌を仕掛けてクマがかかるのを待つだけです。捕えられたクマは金属の檻の中で暴れます。撃つ側は自分の安全を担保して殺します。あまりに一方的ですから、気分的に撃ちたくはありません。猟師の数が減り、高齢化していることから免許取得を助成する自治体も増えてきました。若い人も会員にはなりますが、山に入ってクマ撃ちをする人間は数えるほどしかいません。経験が必要ですし、危険だからです。猟友会員の中には、自身が購入したライフルを磨いているだけのような人もいるのです。このままだと、山の歩き方、クマの見つけ方など、狩猟技術が途絶えてしまうと思います。それらは日本固有の文化なのだと考えていますが、はたして本当にそれでいいのでしょうか。駆除の現場でいちばん権限を持っているのは警察だが、何か問題が起きると猟友会のせいにもされることについても、このベテランのクマ撃ちは疑問を呈している。つづく記事『「警察の中に山やクマに詳しい者がいない」「後方に陣取るだけ」…猟友会のハンターが明かす、「クマ被害は人災」と言えるワケ』では、自治体と猟友会の軋轢の深層にさらに迫ります。
(適切な猟銃発砲の手順は、ハンターと警察署員・市職員が訓練:北海道)
住宅地に出没したヒグマを駆除する訓練が15日、北海道釧路市で行われ、市職員や釧路署員、北海道猟友会釧路支部のハンターらがクマに向けて猟銃を発砲するまでの手順などを確認した。鳥獣保護法は住宅地の近くでの猟銃使用を禁じているが、駆除しか手段がない場合は警察官の命令で発砲できる。同市阿寒町仁々志別ににしべつの廃校跡地で行われた訓練では、山を背にした場所にクマを追い詰め、警察官の発砲命令でハンターが模擬銃を発射。市職員は一部始終を動画で撮影し、発砲までの経緯を事後的に検証できるようにした。ヒグマの駆除を巡っては、時間が経過してから道公安委員会が「危険な発砲だった」として砂川市のハンターの猟銃所持許可を取り消し、その処分の適法性が問われた訴訟も起きている(2審・札幌高裁でハンター側が逆転敗訴、最高裁に上告中)。この日の動画撮影について、市阿寒町行政センターの佐々木和史センター長(55)は「ハンターには体を張って出動してもらっている。責任の所在を明確にして不安を払拭ふっしょくすることも行政の仕事だ」と説明。同支部徹別てしべつ部会長の渡辺政英さん(70)も「違法な発砲にならないよう明確な指示を出してもらいながら、行政にはできるだけ協力したい」と話していた。
(野生鳥獣の捕獲情報を管理「スマートHOKAKU」成果を公表:長崎)
長崎県農林部農山村対策室(現:農山村振興課)を代表機関とする研究グループは、野生鳥獣の捕獲情報を管理するアプリケーション「スマートHOKAKU」を開発。これまでに198の市町村に導入されており、捕獲情報の見える化、作業の効率化により、ジビエの消費増加にもつながることが期待される。農林水産業や食品産業における新産業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供する生研支援センターは、この研究成果を紹介している。通常、野生鳥獣の捕獲情報(写真、捕獲場所・日時・捕獲個体情報等)は、捕獲従事者が書類で市町村に提出し、市町村担当者がその情報を確認してから、集計・管理しているが、同アプリの利用により、捕獲従事者がスマートフォンに入力するだけで、リアルタイムで市町村と共有することができるようになった。入力された捕獲情報は、解体処理施設や食品事業者とも共有されるため、捕獲個体の効率的な受入や正確な在庫管理が可能になる。捕獲情報の見える化、作業の効率化により、ジビエの消費増加にもつながると期待されている。
(土に返す埋設管設置、駆除したシカ処理簡単に:岩手)
岩手南部森林管理署遠野支署、遠野市、遠野猟友会は、捕獲したシカを投入し、発酵させて土に返す有害捕獲鳥獣埋設管(大型排水管)を市内5カ所に設置した。同支署によると、岩手県内で初の試み。埋設や焼却施設への搬入を担っている捕獲従事者の負担、コストの軽減につなげる。埋設管は鉄製の円筒(直径1・5メートル、長さ3メートル)で、下部の2メートルを土に埋めた。有害獣として駆除したシカを投入後、発酵させるために「ぼかし肥料」を入れる。管の底は仕切りがなく、個体が融解すると土に染み込んでいく仕組み。上部にはふたとなる鉄板を付け、施錠してクマによる食害を防ぐ。
(「クマがかわいそう」という苦情で被害者続出)
夏休みに突入し、旅行や帰省を計画している家族は多いだろう。都会の喧騒を離れ、静かな場所で日頃の疲れを癒やそうという人もいるはずだ。しかし、水辺やキャンプなどレジャーでの事故が目立つ夏には、もう1つ注意しなければならないことがある。昨年は人身被害が過去最多だった「クマ」との遭遇だ。経済アナリストの佐藤健太氏は「クマは冬眠する11月下旬頃にかけて出没するケースが多い。エサを探し求めるクマの姿が市街地で見られていたが、それをクマは覚えている。繁殖期の夏は特に危険だ」と注意喚起する――。クマは冬眠する11月下旬頃にかけて出没するケースが多い。ただ、人身被害が過去最多だった2023年は8月から農地や住宅地などでの被害が急増したことを覚えている人は多いだろう。一部地域では小学校近くに出没するなど人間の生活圏を脅かし、昨年4~9月の出没件数は1万2699件に達し、10月末時点でクマの被害に遭った人は18道府県の180人に上った。人間を恐れず市街地に侵入する「アーバンベア」は地元住民ならずとも恐怖を与える存在だ。ツキノワグマの出没情報が多い東北では「前年に目撃情報が増加した翌年は落ち着く」といわれることもあるが、生息域を市街地周辺まで拡大したクマは人々の期待を無視するかのように出没を繰り返す。環境省によれば、今年4月と5月に自治体に寄せられたクマの出没情報は全国で3032件に上り、“過去最悪”の2023年(2567件)よりも増えている。昨年度の人身被害は219人に上り、6人が亡くなった。今年は4月~6月までに16道県の34人がクマに襲われるなどの被害に遭っている。5月に岩手県で山菜採りに向かった男性が遺体で見つかり、6月には青森県で高齢女性が死亡している。日本にはヒグマとツキノワグマの2種類が生息し、ヒグマは北海道、ツキノワグマは本州や四国に分布している。ただ、近年は生息環境としての森林の変化やエサ不足などを引き金に生息域の拡大がみられ、田畑に放棄された生ゴミや柿、栗などが誘引物となって人里に出没するケースが後を絶たない。5月には群馬県安中市の住宅にクマ1頭が侵入し、70代夫婦が襲われて大ケガをした。長野県飯田市でも7月24日に公園近くを散歩していた80代男性がクマに顔などをひっかかれ、大ケガを負っている。クマは山中にエサが少なければ少ないほど、人里に出没する可能性が高まるといわれてきた。昨年は「凶作」だ。しかし、一度でも行動範囲を広げたことがあるクマは市街地周辺でエサを探し求めた「経験則」から人を恐れなくなり、凶作に関係なく生活圏を脅かしているとの指摘がある。「毎日、最低1回はメールが届く。最近はエサを自分でまだ確保できないような体長1メートル未満の子クマがよく見られている」。昨年度の人的被害が過去最多の70人に上った秋田県は警察や市町村に寄せられたクマの目撃情報をメールで通知してきたが、7月からは出没場所や時間を地図上で示す情報マップシステム「クマダス」の運用をスタートした。北秋田市の職員は頻繁に通知されるメールで人的被害がないことを確認すると、ホッとした表情を見せる。4月からクマが「指定管理鳥獣」に追加され、自治体は対策に国からの財政支援を受けられるようになった。秋田県はこうした点をにらみながら、7月5日に猟友会や学識経験者らによる検討委員会を開き、今秋はクマの好物であるブナの実などが「並作」であるとの予想や繁殖率などをもとに、今年度のクマ捕獲数上限を約800頭とすることが決まった。県は約4400頭が生息すると推定してきたが、昨年度に捕獲したクマは約2300頭に上る。今年に入ってからの目撃情報は7月頭までに530件を超え、昨年を上回るペースだ。秋田県の男性職員は「これまで生息調査をしてきたが、実際にはそれよりもかなり多いのではないか」と話す。同県は定点カメラを設置し、ツキノワグマの胸のあたりにある月のような白い模様から個体の確認を進める。クマとのすみ分けで注目されることになったAI(人工知能)の活用にも積極的だ。AI解析サービスを展開する「ZeroToInfinity」(ZTI、東京・新宿)と「カミエンス・テクノロジー」(東京・人形町)は北秋田市と連携し、クマの行動をディープラーニング(深層学習)させて検知率を上げている。両社は群馬県嬬恋村の畑にAIセンサーを設置し、クマの接近を検知するとともに忌避効果がある光や音を発信。登録先にどのようなクマが侵入したのかリアルタイムで通知するサービスを展開した経験があり、鳥獣被害に悩まされる自治体から問い合わせが相次いでいるという。クマ対策でもデジタル化がカギを握るのだ。群馬県も今年度に生息調査を拡大し、対策強化に乗り出す。同県の生息数は約2000頭(2020年度)と推定されたが、昨年度の出没数は700件を上回る。山本一太知事は5月23日の記者会見で「クマは冬眠前後の活動が活発になるということが分かっている。山に行かれる際にはクマとの遭遇を避けるためクマ鈴、ラジオ、さらに万が一の遭遇に備え、クマ撃退スプレーの携帯をお願いします」と注意を呼びかける。昨年はクマの駆除に対し、「クマがかわいそう」「駆除する以外に方法を考えろ」といった苦情が自治体に殺到し、職員らは大量のクレームへの対応も余儀なくされた。こうした事態に「野生生物と社会」学会は昨年11月12日、緊急声明で「クマ類は人との軋轢も大きく、付き合い方を間違えれば人命を奪うこともあり、一定数の捕獲は欠かせません。クマ類との共存のためには、人の生活圏に侵入した個体や再出没が懸念される個体は捕獲すること、さらには、人の生活圏には侵入させない対策は必要不可欠です」と指摘した。さらに緊急声明では「愛護だけでは、地域社会のみならずクマ類の個体群をも守ることができません」「関係者への配慮の無い電話や執拗なクレームは、関係者の努力をくじき、かえってクマとの共存を妨げる結果を招きます」などと理解を求めている。ある秋田県の職員も「こちらでは人の生死がかかっていることは分かって欲しい」と困惑を隠さない。クマは基本的には暑さに弱いとされるが、7月に入っても人的被害や目撃情報が相次いでいる。繁殖期に市街地周辺にまで活動を活発化させ、人の存在を恐れない「アーバンベア」の勢いは衰えるどころか増しているように見える。夏前から冬眠に入る時期にかけて被害が拡大する傾向がみられる中で、国や自治体にできることは何か。まず重要と言えるのは、一人ひとりが正しい情報と対策をもとに行動することであるのは間違いない。今年度は人的被害が少しでも減少することを切に祈る。では、クマと「共存」する方法はあり得るのか。その手法の1つとされてきたのは「ゾーニング管理」だ。森林などクマの保護を優先すべき区域と、農地や住宅地周辺など人間の生活空間を守る区域に分け、その間に「ベアドッグ」と呼ばれる犬や銃器を用いた追い払いを行う緩衝地帯を設定。人とクマの適切な距離を確保し、人や農林業の被害を防ぐ手法と言える。ゾーニングで人とクマのすみ分けを目指す長野県軽井沢町では、捕獲したクマに発信器をつけて行動を調査し、電波情報をもとにベアドッグが追い払いを繰り返してきた。人間の生活空間での人身被害はなくなり、20年以上もかけた地道な活動が功を奏している形と言える。ただ、ゾーニング管理は長い時間と費用が欠かせず、出没が多い年だからといって急遽できるものではない。クマを侵入させないために柿などの誘引物を管理するにしても、伐採や刈り払い、フェンス設置などの費用をどこから賄うのかは課題と言える。野生鳥獣による農作物被害は2021年度に約155億円となっている。クマによる被害は飼料作物や果樹、野菜などが多く、これまでの対策は金網フェンスなどの侵入防止柵設置が多かった。電気柵は強い電気ショックを与えるが、ワイヤーに触れさせなければならず、適切な設置と維持管理ができなければ侵入防止効果は得られない。
(ベテランのクマ撃ちが訴える、市民の生命を守らない国と警察の罪深さ:野田洋人)
クマの目撃情報が各地で続出し、人的被害が次々と出た2024年は、害獣駆除を巡って猟友会と自治体との軋轢が顕在化した年でもあった。ヒグマが相次いで出没した北海道では、両者の関係が悪化したというニュースが報じられた。5月15日には秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山林で、タケノコ採りの最中に佐藤宏さん(64歳)が行方不明になり、その3日後の18日、人喰いグマに襲われた佐藤さんの遺体が見つかった。この事件では、遺体の搬送作業中に警察官2名がクマに襲われ重傷を負う惨事まで起きてしまっている。前の記事『「警察の中に山やクマの習性に詳しい者がいない」「後方に陣取るだけ」…猟友会のハンターが明かす、「クマ被害は人災」と言えるワケ』につづき、地元猟友会の中でも数少ないベテランのクマ撃ちが匿名を条件に、その腹の内を明かしてくれた。以下、彼の証言である。クマが増える原因は、天敵がおらず、山に餌が豊富にあることです。ところが昨今の建材価格の上昇やバイオマス用のチップの需要が上がり、いたるところで大規模な伐採が進んでいます。夏の終わりから冬眠までの主な餌は、ブナの実、そしてドングリです。それらを食べてクマは効率よく脂肪をつけます。その餌になる広葉樹をどんどん切り倒してしまっているのです。山の開発は山を荒らします。切り出した材を運ぶ道をつくると、狭くなった縄張りに複数のクマが居座ることになり、より怒りやすく神経質になります。大湯の現場がまさにそうでした。秋田県は歴史的に天然杉の産地でした。それらを伐採し県産品として出荷をし続けたために、やがて天然杉はごくわずかになり、大半が杉の人工林になっています。秋田県は国内でも随一の人工林の面積を誇っているそうですが、逆を言うとクマの餌となるブナやナラなどの木々が少なくなっているのです。出荷できない広葉樹は大事にされていないのです。問題なのは、植林されたその杉林を住処にしているクマが多いということなのです。杉は冬でも落葉しません。密に植樹された杉林の地面には雪が積もらないため暖かく、クマにとっては格好の住処となっています。さらに、切り出し、運び出しをしやすいことから、集落の近くや道路沿いに杉林は広がっていることが多く、里に出てくる多くのクマは杉林を巣にしてそこから里に通ってくることになります。そこで育ったクマは決して山奥には戻りません。そこで繁殖したクマたちは餌の取りやすい里山に近い場所を中心に活動をするのです。そして山奥には少数の大型の個体が居座ることになります。夏の終わり頃からの主な餌はブナの実とドングリになります。それらが豊作であればクマは冬眠まで食べ続けます。特にブナの実は脂肪を蓄えるのに適しています。昨年は凶作でした。奥山に餌が不足しているものだから、餌を巡って弱い個体はどんどん里の方に締め出されました。そういうクマは里に出て畑の作物を狙うことになります。夏の時期ですと蕎麦とトウモロコシです。最近では米も食べるようになりました。今年も同じ蕎麦畑に10頭近くのクマが何回も集まったことがありました。来年以降もそういった光景がそこかしこで見られるはずです。今年のブナの実は昨年と比較すると豊作のようです。それならば里に出なくて良いではないかということになりますが、豊作の翌年は子グマの頭数も増加します。普通なら2頭のところ3頭の子グマを産むこともあります。まだドングリの生育状況は把握できていませんが、豊作となるとさらに頭数が増加することは間違いありません。来年の春から増えた頭数のクマが餌を求めて活発に移動するようになります。さらに子グマを狙って雄グマがあたりをうろつくことになるでしょう。来年の山菜とタケノコの時期が、今年以上に危ないということになるのです。7月に入ってタケノコの時期が過ぎると、山に入る人も減ってきます。だからその時期の被害は少ないのです。問題は秋のクマです。クマは冬眠を前に餌を求めて行動半径も広がります。また、一冬越した子グマも、体重が増えて盛んに動き回ります。釣り人や登山客、キノコ採りと場所が重なることから、出会い頭にやられることが想定されます。統計上もクマの被害が一番多いのは秋になります。頭数が増えたことにより、これまで安全だと思われていた観光地の遊歩道や湖畔の周辺、登山道までもクマが住み着くことになります。何らかの対策をしないと三県の県境などは気楽に人が訪れることができなくなるでしょう。観光地としての価値も落ちてしまうわけです。里の周辺にはクマの餌が豊富にあります。クマが好む栗の木はなぜか山奥にはありません。行政の指導で里山近くの栗の木を伐採しているようですが、そうなればさらに餌を求めて人家の周囲や畑に出てきます。行政の場当たり的な対応には辟易します。里の近くを住処にしているクマはそこで繁殖を繰り返し、食べ物を求めて里の田畑を荒らします。決して奥山には行かないのです。今後、クマの目撃件数が増えていくことは間違いありません。何もかも人間の所業なのです。クマの居所を奪って家を建てる。人間が食っていくためにクマの餌になる木を伐採して植林をする。クマ牧場もそうです。儲けを見込んでよそからヒグマを連れてきたはいいけれど、経営悪化で餌を与えられず餓死させようとしたなど、人間はどこまで冷酷なのかと思います。そういう飼い方をしているから、ツキノワグマとヒグマの交雑種(ハイブリッド熊)の話が出るのです。それだって全部人間のせいなのです。ハイブリッド熊の話を信じない人も多いようですが、痩せ細ったクマよりも客受けするのはコロコロ太った子グマです。お客を寄せるために、施設内で無理な繁殖を繰り返していたという話もあるのです。逃げ出したクマが繁殖したのではなく、施設内ですでに繁殖をしていた可能性もあるのです。周囲の山々でそれまでいなかったような大型の個体が増えてきたことを考えると、絶対にいないとは言い切れません。先達から聞かされた稀熊(マレグマ)という個体があります。大きさ、凶暴性、それまでの習性と違うことなどから、畏れをこめてそう名付けられました。そういった稀熊は今も山のどこかで生息しているのだと思います。そもそもが、クマの住処だった森を人間のエゴで開発して壊しているのが現状です。人間も生きていくためには必要なことなのかもしれないが、加減というものもある。十和田湖周辺には、自然を売り物にして高級なホテルや旅館、別荘が建っています。今年も多くの観光客が訪れていました。その周囲にはジッと人間を見ているクマがいるのです。はっきり言うと、絶対にクマの被害にあわない対策など、ないのだと思います。誰かが必ず被害に遭う。そうして初めて県や国が騒ぎ出す。しばらくすると忘れてしまって、再び被害が出る。その繰り返しなのです。政府は十和田湖周辺にホテルを誘致すると発表しました。あの周囲にはクマがどれだけいるのか分かっているのでしょうか。人気観光地でもある奥入瀬渓流の周辺には、クマの通り道がいくつもあります。カネ儲けに目が眩んでクマの被害のことを軽く考えすぎているのです。東北の山は手付かずの場所がいくらでもあります。どこに、どれだけ、どんなクマがいるのかなど、正確な個体数などは誰も分からないのです。山奥にはまだ人が出会ったことのないクマがいるのです。昭和の後半の頃、1年にクマ1頭獲れればいい方でした。猟師も多かったが、クマの数も知れていた。でもそれが今では、箱罠に蜂蜜でも仕掛ければほぼ間違いなく入る。それだけ増えているのです。やはり、国が動くべきなのです。でも何もしない。これからもクマは人里に出てきます。そんな時にまた猟友会に連絡をして出動要請をして、自分たちは後方の安全な場所に陣取って、責任は全て我々に被せてくる。繰り返しになりますが、我々は、自分たちの趣味のためにお金と時間を使って狩猟免許を取ったのです。初めから有害獣の駆除をするために取得したのではありません。しかも、猟友会の会員は民間人です。行政に雇われているわけではなく、あくまで要請に応じているだけなのです。法律の上でも曖昧なまま放置してきたツケがいま出ているのだと思います。国や警察が市民の生命を守ることが使命であるならば、駆除までの道筋を整理すべきなのです。そうでないと、繰り返されているクマ被害から何も学ばないままになってしまう。先日、猟銃所持取り消し訴訟の高裁判決を受けて北海道猟友会は、今後自治体からのクマ駆除の要請を断ることを検討していることを示しました。裁判官の方たちがどのような理解をされて結論を導いたのかは分かりませんが、時代に逆行した残念な結果でした。逆転敗訴となった結果、猟友会会員が考えることは「これでクマ駆除はもうできねぇな」の一言です。地域の安全のためにクマの駆除はしなければならないと思いますが、何か問題があるとすべてを我々のせいにされてしまうようでは、協力したくても無理です。これは北海道だけの問題ではなく、国内すべてのクマ出没エリアの問題でもあります。都会の方には分からないかもしれないが、高齢者しかいない田舎では、自分が食べるための小さな畑にクマ避けの高い柵を立てたり、夕方以降はできるだけ家から出ないように心がけているのです。それだけクマの脅威というのは身近な問題なのです。「何年かしたら人間が檻に入って生活するようになるかもしれんね」と、本気と冗談とが入り混じった会話などが、普通に交わされていますよ。今回の判決が与える影響は決して小さくはありません。すべての法律は国民の生活のためにあるはずです。我が事として考えて欲しいと思います。ベテランのクマ撃ちの証言は以上の通りである。秋田県、青森県、岩手県の県境をまたいだエリアは、まさに山塊と評すべき広大な地域である。人の目や手の届かない領域にクマをはじめ多くの野生動物が暮らしている。今年はブナの実やドングリの生育が例年よりも良いと聞く。クマたちはそれら栄養価の高い餌をせっせと食べ、脂肪を蓄え冬眠への準備をしているのだろう。人的被害が例年に比べ少ないのは関係機関の奮闘努力もあるが、山に餌が豊富にあることも理由の一つだと付け加えておきたい。餌が潤沢にある翌春には、母グマが産む子グマの頭数が増える。複数頭の子グマを連れた母グマは防衛本能により、自らの脅威となる「敵」に対して襲いかかる。それが、子グマを食い殺そうとする雄グマであっても、山菜採りの人間であっても、区別はない。また、地域全体の頭数が増えると、一部のクマは縄張りから追い出され、餌を求めて山から山へ移動する…。今後もクマによる人的被害は続くだろう。自らが自らの首を絞めることのないよう自然との関係を今一度考え直したい。
(鳥や獣などの狩猟が一斉解禁:宮城)
鳥獣類を捕獲する狩猟が15日、宮城県内一斉に解禁され、朝早くからカモなどの獲物を狙うハンターの姿が見られました。このうち大和町のため池近くでは、県の自然保護員が、訪れた猟友会のメンバーに狩猟する際、県が携帯を義務付けている狩猟者登録証の提示を求め、違反がないか確認しました。宮城県では毎年、11月15日に鳥獣保護区などを除いた場所で鳥獣類を捕獲できる狩猟が日の出とともに解禁となります。訪れたハンターたちは散弾銃を使って、ため池周辺に生息するカモなどの獲物を狙っていました。県内での狩猟期間は来年2月15日までですが、農作物への被害が深刻になっているイノシシやニホンジカについては一部の地域で来年3月31日まで延長されます。
(狩猟が県内で解禁:富山)
15日から狩猟が県内で解禁となり、日の出とともにハンターが河川敷などで獲物を狙いました。日の出の時刻、午前6時29分に合わせ、県内では狩猟が解禁されました。富山市の常願寺川の河川敷では猟銃を持ったハンターが狩猟犬と共に茂みに潜む獲物を探していました。狩猟が認められているのはキジやマガモなどの鳥類26種類と野ウサギやタヌキなど獣類20種類の合わせて46種類で、狩猟できる範囲は野山や河川敷に、限られています。狩猟期間は15日から来年2月15日までで、県は警察などと連携してパトロールを実施し、事故防止を呼びかけます。
(ドローンを活用、猟友会のメンバー高齢化:京都)
狩猟が15日から解禁となり、京都府福知山市では、猟師たちがシカやイノシシの狩りを始めました。午前10時、福知山市では、地元の猟友会に所属する4人の猟師が散弾銃を手に集まりました。福知山市では先月、シカに襲われたとみられる男性が、田んぼで胸から血を流して倒れているのが見つかり、その場で死亡しました。獣害の件数は増加傾向にある一方で、猟友会のメンバーの高齢化は進んでいて、最近は猟にドローンが活用されています。福知山猟友会 「下元照男会長「シカというとおとなしく思えるけれど、プレッシャーをかけると牙をむく個体数を減らすことが重要だと思う」。初日は捕獲がなかったということですが、猟は来年3月まで行われるということです。
(イノシシによる農作物被害1億7000万円超え:鹿児島)
鹿児島でイノシシによる人の襲撃や農作物への被害が相次ぎ、不安が高まっている。そのような中、鹿屋市の猟友会が、新たなイノシシの捕獲方法を開発し注目されている。イノシシ問題の現状と、地域社会がどのように共存を目指しているのか、その挑戦を探る。鹿児島市では、2023年11月から2024年10月にかけて、登校中の男子小学生や20代男性、そして散歩中の70代女性がイノシシに襲われる事件が立て続けに起きている。特に70代女性は太ももを複数回噛まれ重傷を負った。これらの事態を受け警察はパトロールを強化し、地域の警戒レベルを上げている。動物行動学が専門の鹿児島大学・高山耕二准教授は、イノシシが人里に降りてくるのは「決して山にエサがないからというわけではない」とした上で「少しずつ農業を営む人が減っている中、農地が荒れてしまったりすることで、徐々にイノシシが人里に下りてきている」と説明する。「エサを探してみるとおいしいものが見つかり、一度人間の食べ物の味を覚えてしまったことでイノシシが繰り返し出てくるようになる」というのだ。鹿児島県内では、イノシシによる農作物被害が深刻化している。県の統計によると、野生鳥獣による農作物被害額の約6割をイノシシが占め、その額は1億7000万円以上に上る。国はイノシシによる農業被害額の半減を目指しているが、その達成は容易ではない。鹿児島県内でも大隅地方には、特に多くのイノシシが生息しているが、鹿屋市を中心に活動する鹿屋南部猟友会(約30人)は、会員の高齢化に直面している。メンバーの平均年齢は65歳以上。81歳の宮地克郎さんが「年を取ってくると猟銃が重く感じる」と話すように、猟への負担が大きくなっているのだ。そこで彼らが開発したのが、イノシシの学習能力を逆手に取った“新たなわな”だ。わなと言っても約20メートル四方がフェンスで囲われていてかなりの大きさだ。岩松和近会長は「地上に3メートル、地下の方に1メートル埋設してある」と話す。ここはもともと耕作放棄地で、2024年4月から整備を始め、7月に「囲いわな」を完成させた。すでに、周りには、土を掘った跡やイノシシの通り道が至る所にあった。囲いの中には農協に提供してもらったイノシシの好物・サツマイモがぎっしり入っている。このサツマイモを食べさせ、イノシシを一網打尽にする作戦だ。8月に撮影された監視カメラの映像には、10頭以上のイノシシが映っていた。2025年4月の本格稼働を前に、「ここにおいしいものがある」ことを学習させるため、わなの入口に大量のサツマイモを置いた。イノシシの群れは夢中で食べていた。鉄砲を使えるのは日の出から日没までに限られる。囲いわななら24時間、間口を開けておけばイノシシが入ってくるのではないかと岩松会長は話す。3年ほど前から計画し7月にようやく完成した秘密兵器である。鹿児島県内で狩猟をする人はピーク時には1万7000人以上いたが、高齢化や猟銃所持規制の厳格化に伴い、今では5分の1ほどになっている。岩松会長は、「農業を主としている人たちは少しでも個体を減らしてほしいと(思っている)。自分の生活がかかっていますから。大変ですが、農家の気持ちになって駆除する」と“新しいわな”での捕獲に意欲を見せた。鹿児島大学・高山准教授は今後の対策について、「電気柵、金網柵、ネット柵など、いろいろ資材は販売されています。ただそれだけだと不十分なので捕獲。荒れた農地を出来るだけ減らしていく。3つの取り組みがうまくリンク、つながる形で対処していく必要がある」と提言する。一方で高山准教授は「イノシシが人を積極的に襲うことはないと考えたら良い。彼らも怖いんですね」とも話す。イノシシと遭遇して大きな声を出したり、スマホで写真を撮ったりすると逆にイノシシを刺激してしまう。むしろ「静かにゆっくりと後ずさりするような形で、近くに電柱があればその影に隠れたり、ちょっと高いところがあればそこに登ったりするのがよい」とアドバイスした。鹿児島市教育委員会もイノシシを刺激しないよう「遭遇しても目を合わせない」といった対策を市内の小中学校に通達している。地域住民の安全を守りつつ、野生動物との共存を模索する鹿児島の取り組みは、全国の同様の問題を抱える地域にとっても参考になるだろう。イノシシと人間が互いの領域を尊重しながら、いかに共存していくか。その答えを見つけるための挑戦が、今、鹿児島で始まっている。
(クマの餌、14年ぶり大凶作:兵庫)
ツキノワグマが餌とするドングリ類の実りの状況が、今秋は6段階のうち14年ぶりに最も低い「大凶作」だったことが、兵庫県森林動物研究センター(丹波市)の調査で分かった。
(クマ監視ネットワークカメラ導入へ:広島)
クマの目撃情報が相次ぐ広島県廿日市市は13日、監視強化のため、ICT(情報通信技術)を活用したネットワークカメラを設置すると発表した。出現するエリアや時間帯などのデータを集約し、今後の対策に生かしていくという。市によると、廿日市地域でのクマの目撃件数は2022年度の4件から、23年度には31件と急増した。市は職員によるパトロールに加え、今年度からセンサーカメラを設置するなどの対策を進めてきた。今年度は10月末時点で12件だが、5月には県立廿日市高校(廿日市市桜尾)周辺でクマを見たと通報があり、同校が臨時休校となった。10月にも住宅団地から通報が寄せられるなど、目撃情報が相次いでおり、市はクマの出現をすぐに把握できるようにネットワークカメラの導入を決めた。専門家の意見を聞きながら、今月中に同地域の山などに6台、設置する予定。松本太郎市長はこの日の定例記者会見で、「少しでも市民の安心につながれば」と話した。
(「ツキノワグマ」の狩猟自粛要請:岡山)
岡山県は11月15日から1カ月間、解禁されたツキノワグマの狩猟について、県内の狩猟者らに対して自粛を要請しました。生態系のバランスを保つためとしています。(岡山県 伊原木隆太知事)「ツキノワグマ猟の自粛を要請した。岡山県だけでなく兵庫県、鳥取県も同様、上限を超えた127頭捕っているのが分かった」。県によりますと、15日から1カ月間解禁するツキノワグマの猟について、11月1日に県の猟友会に文書で自粛を要請したということです。県は毎年クマの生息数に基づいて、岡山、兵庫、鳥取にまたがるエリアでの捕獲上限数を設定しています。10月中旬までで、捕獲数が上限を超えていることから、生態系のバランスを保つためとしています。一方で2024年度、県内のクマの出没件数は、11月13日時点で123件と、既に前の年度を上回っていて、クマと遭遇する危険性は高まっていることから、県は「保護の観点から狩猟の自粛を求めるが、人的被害の防止に最優先で取り組む」としています。自粛要請は、狩猟を解禁した2017年度以降、初めてです。
(間伐材の防鹿柵を設置:北海道)
知床の森の復元を目指す活動「しれとこ100平方メートル運動の森・トラスト」の森林再生専門委員会議が13日、町役場で開かれ、本年度の活動報告とともに来年度の活動計画を協議した。
(中学生がシカ食害受けたあじさい復活の取り組み:兵庫)
姫路市の中学校の生徒たちが野生のシカに食べられた町の花、あじさいを復活させようと、あじさいの苗を植え付ける作業を行いました。姫路市安富町では、かつて町の花のあじさいが数万株も咲き誇り、観光名所になっていましたが、およそ10年前から野生のシカが増えてあじさいの新芽を食べる被害が問題になっていました。このため地元の安富中学校では去年(2023年)から「あじさい復活プロジェクト」と名付けて、地域の人などと一緒にあじさいの苗を育てて植え付ける作業を始めました。先月(10月)30日には100人余りの全校生徒が参加して、まず体育館で、専門家からシカがにおいを嫌がるハーブを、あじさいと一緒に植えるなど被害を防ぐ方法を教わりました。このあと、生徒たちは学校近くにある「あじさいの里」に移動し、あわせて1000株の苗をポットに植え替えたり、地面に掘られた穴に植え付けたりしたほか、湿った場所を好むあじさいの苗の根元に、土壌が乾燥しないように稲わらを敷いていました。「あじさいの里」では例年6月ごろにあじさいの花が咲くということです。参加した3年生の生徒は「あじさいが大きく育って色とりどりの花を咲かせてほしい。大勢の観光客が来てあじさいを見てもらいたいし、私たちも卒業したあとに訪れて、花を見てみたい」と話していました。
(動物写真家の考えるクマとヒトとの距離感)
実りの秋。冬ごもりを前に、山ではクマが目撃される機会が増える。昨年度は餌となるドングリの凶作などから全国で出没が相次ぎ、9097頭(環境省調べ)ものクマ(ヒグマを含む)が捕殺された。この夏出版された動物写真家・前川貴行さんの写真絵本「ともに生きる 山のツキノワグマ」(あかね書房)は、日本の奥深い自然と生き物の暮らしを守るヒントを伝えている。被写体となったツキノワグマはつやつやした真っ黒の毛に覆われ、胸元に三日月の形をした白い斑紋を持つ。本州と四国に生息し、自然に溶け込むのがうまい。本来はひかえめな性格だが力が強く、人と出くわして事故に至る可能性もある。作品は東北の豊かな自然のなかで、クマが湖で漁をする愛くるしい姿やハンターに撃たれて運ばれる姿などを写真に収め、思いのこもった解説をつづっている。「日本は人間とクマの生活圏がとても近い国です。こんな大型種の動物が生きていける自然環境が残っていることは素晴らしいことです」。前川さんは20年ほど前からその美しさや力強さに引かれ、クマの撮影に力を注いできた。北海道に生息するヒグマと合わせたクマ類の出没情報は昨年度、全国で2万4345件(環境省調べ)と過去最多だった。エサとなるブナなどの実が凶作だったことなどから人里に出てきたと見られるが、人的被害は219人に上り、1万頭近いクマが駆除された。今年4月には鳥獣保護法にもとづき都道府県による捕獲などを国が支援する「指定管理鳥獣」に指定された。こうした状況もあり、前川さんは「『共存』の意味を客観的な視点で伝える作品にしたかった」と話す。今年度は昨年度に比べ全国的には出没頻度は低いとみられているが、地域によって状況は異なる。昨年度は被害件数が全国最多だった秋田県は、出没状況が緩やかになったことから出没に関する「警報」を11月から「注意報」に切り替えている。一方、島根県は山の実りの状況などから10~12月の出没数を「例年の147~271%」と増加を見込んでいる。前川さんの写真絵本では、人とクマなどの動物が共存するために「動物の居場所と人の暮らしとの境目」を作ることの大切さが説かれている。秋田県や島根県では、クマを人里に誘引してしまう恐れがあるので、人家の近くにあるカキやクリなどの果実を実らせたまま放置しないよう注意を呼び掛けている。
(“爆発物製造”で逮捕の男、単独による犯行か:愛知)
愛知県稲沢市で爆発物を製造したなどとして28歳の男が逮捕された事件で、男が「実験目的だった」という趣旨の供述をしているがわかりました。15日朝、送検された立松功有容疑者(28)は、おととしから今年にかけて、当時住んでいた愛知県稲沢市のアパートで、爆発物9点と、黒色火薬約3キログラムを製造したなどの疑いがもたれています。その後の捜査関係者への取材で、立松容疑者が、容疑を認めた上で、「実験目的だった」という趣旨の供述をしていることが新たにわかりました。また、「興味本位だった」「作り方はインターネットなどで学んだ」などとも話しているということで、警察は、単独による犯行とみて、動機などを調べています。今年7月、警察が別の組織的な詐欺事件に関与した疑いで、立松容疑者の自宅を家宅捜索したところ、火薬などが見つかり今回の逮捕に至ったということです。
(クマ目撃情報が激増、7カ月で139件:和歌山)
和歌山県内のツキノワグマの目撃情報が本年度、10月末までの7カ月で139件と過去10年で最多になっている。最も多かった2021年度の1・8倍ほど。県自然環境課は「例年、冬の目撃情報は少ないが、万が一に備え、山に入る時は注意してほしい」と呼びかけている。県自然環境課によると、市町村で最多は田辺市の23件。内訳は旧龍神村が15件、旧本宮町4件、旧中辺路町3件、旧大塔村1件。旧田辺市はゼロだった。田辺市に次いで多かったのは日高川町20件、新宮市と有田川町の19件。紀南ではほかに那智勝浦町7件、北山村6件、上富田町5件、古座川町2件、みなべ町1件となっている。ツキノワグマは餌を探して長距離を移動するため、同じクマが複数回目撃されている可能性があるという。上富田町などでは人里で目撃された例があり、地域住民を驚かせた。県立自然博物館の学芸員によると、温暖な紀伊半島のツキノワグマは冬眠しないといわれており、今後も出没する可能性がある。また、若い個体が多いことや、今まで目撃されていない場所に出没していることなどから、弱いクマが追いやられた可能性もあるという。学芸員は「地域にクマを呼ばないために、放棄園の果樹を伐採することやハチの巣箱ゴウラの置き場所を考えるなど、地域的に認識してほしい」と話している。
(クマの出没件数が減少、10年ぶりに山の「木の実」の生育が良好:北海道)
冬眠に備えて活動が活発になっているクマ。2024年は10年ぶりにエサとなる木の実が山で良好に育っていてクマの出没件数が減少しています。今年も出没が相次いだクマ。11月9日には岩見沢市で体長1メートル60センチのメスグマが箱わなにかかりました。いまは冬眠に備えクマの行動が活発になる時期です。ただ、今年は少し様子が違うようです。道警や道によりますと、エサとなるドングリが不作だった2023年、クマに関する通報は4055件ありました。一方、2024年は山に木の実が多いからか、2536件にとどまっています。のぼりべつクマ牧場では、こんなイベントが。11月末まで行われている「どんぐり割引」。ドングリを持ち込むと、その量に応じて入園料が割引になります。2024年は去年の2倍ドングリが集まっているそうです。根雪をメドに冬眠するというクマですが、油断は禁物です。北海道ヒグマ対策室・武田忠義主幹「個体差がありまして、場合によっては1月になってからも行動するようなクマもいますので、鈴や笛などで音を出して人間がいることをクマに知らせる、それから複数人数で行動する、万が一の時のためにクプレーを携帯する、こういうような基本的な注意を守って事故がないように行動していただきたいと思います」。
(貨物列車がシカと接触:広島)
14日午後6時40分ごろ、広島県三原市本郷町船木のJR山陽線本郷―河内間を走行中の大阪貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行き下り貨物列車がシカと接触し、緊急停車した。JR西日本中国統括本部によると、線路や車両の確認のため、上下計4本が最大約40分遅れ、約400人に影響が出た。
(八高線でイノシシと衝突、3日前にはシカと衝突:埼玉)
JR東日本高崎支社によると、14日夜、八高線で列車と衝突した動物はイノシシだった。同日、午後8時49分ごろ、八高線の小川町―明覚駅間で、列車がイノシシと衝突して停車。同9時3分ごろに運転を再開したが、藤岡―高麗川駅間の上下線の一部列車に遅れがでた。また、11日にも、八高線で動物との衝突が発生したが、衝突したのはシカ。同日午後7時21分ごろに、八高線の明覚―越生駅間でシカと衝突。同7時48分ごろに運転を再開したが、高麗川―高崎駅間の下り線の一部列車に遅れがでていた。
(列車がシカと衝突:宮崎)
JR九州によると、17日午前6時2分ごろ、日豊線青井岳~山之口間で上り普通列車(都城午前5時44分発延岡行き)がシカと衝突した。この影響で同7時20分現在、同線に遅れが出ている。同8時15分現在、通常ダイヤに復旧した。
(シカ衝突で普通列車が全区間運休:北海道)
16日午後10時ごろ、JR根室線の新得-十勝清水間で、新得発池田行きの普通列車がシカと衝突した。
(クマの餌“放置柿”を有効活用:岩手)
クマの餌となる放置された柿を有効活用しようと活動している男性が11月16日、岩手県盛岡市で干し柿作りの体験会を開きました。体験会を開いたのは、秋田県で放置されている柿を収穫し、商品化に取り組んでいる柿木崇詩さんです。柿木さんは人里にクマが現れる原因の1つである放置柿を有効活用しようと、秋田を中心に地域を活気づける活動をしています。16日は家族連れなどが参加して、奥州市で収穫された放置柿を使って干し柿作りを体験しました。参加者はピーラーを使って一つ一つ丁寧に柿の皮をむき、放置柿について理解を深めていました。柿木さんは、今回が初めてとなった岩手での活動を今後も続けていきたいと話していました。
(捕獲したシカなど「ジビエ肉」に、加工施設オープン:広島)
野生動物による農作物の被害が相次ぐなか、捕獲したシカやイノシシを解体しジビエ肉に加工する施設が広島市安佐北区にオープンしました。施設は、今シーズンの野生鳥獣の狩猟が15日に解禁されたのに合わせて、オープンしました。捕獲したシカやイノシシなどの野生動物をジビエ肉として活用しようと、地元の建設会社が整備しました。広さ40平方メートルほどの施設内には、捕獲されたシカやイノシシを解体するための作業台や、大型の冷蔵庫などが備え付けられています。処理した肉は専用の機械で薄く切るなどして、販売用に加工するということです。施設のある広島市安佐北区ではシカによる農作物被害などの相談がここ5年間、毎年250件近く寄せられているほか、県内の農作物のシカによる被害は昨年度の速報値で5500万円にのぼっています。この施設では、月に計30頭ほどのシカとイノシシを解体することを目指していて、11月23日には加工したジビエ肉を販売したり、その場で味わったりする施設も敷地内にオープンする予定だということです。施設を運営する会社の中矢和明社長は「いただいた命を粗末にせずに有効利用し、おいしくて安全な肉としてみんなに提供していきたい」と話していました。
(野生動物の皮を活用するためのプロジェクト:千葉)
千葉県で害獣として駆除された野生動物の皮を資源として活用し、獣害対策や農業の現場に還元するサーキュラーエコノミーの仕組みづくりを行う合同会社DIEM(所在地:千葉県南房総市、代表:大阪谷 未久)は、今後も安定して持続的な皮活用の活動を行うための原皮保管用冷凍庫および作業所を確保する目的で、革製品をリターンとしたクラウドファンディングを「CAMPFIRE」にて2024年10月13日(日)から11月30日(土)まで実施しています。
(市役所でジビエールフェス:島根)
ジビエ(野生鳥獣肉)の創作料理などを味わえる「松江ジビエールフェス」が23日、島根県松江市役所で開かれる。市鳥獣被害防止対策協議会の主催で、今年で5回目。ジビエの魅力を発信し、消費拡大につなげる。
(シカ肉で調理実習:北海道)
南富良野高の家庭科教諭木村美香子さん(38)は、地元猟友会に加入し、4月からシカ駆除などの活動を始めた。南富良野町にはシカ肉加工を手がける会社もあり、消費拡大に向けて「町の方々と一緒にシカ肉をPRしていきたい」と語る。
(ジビエも味わえるカフェがオープン:北海道)
2024年11月22日(金)、旭川市東鷹栖に『CAFEジビエ工業』がオープンします。石蔵をリノベーションした店内は、天井が高く開放感があり、お洒落な雰囲気。席予約も可能でカウンター、テーブル合わせ25名程度での利用も可能な他、個室も完備。ハンター歴10年のオーナーが提供する、エゾシカ肉をメインにしたジビエ料理盛り合わせプレートの他、各種肉料理、溶岩パスタなど珍しいメニューもラインナップ。ジビエ料理好きも満足できる料理が揃っています。
(「狩猟フェスタ」開催:高知)
ジビエは狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理を指す言葉です。高知県ではニュースなどでもよく聞く言葉ですが、県外の方には通じないことも間々あります。そんなジビエ、狩猟に関する魅力がわかるイベント「狩猟フェスタ」が開催されます!狩猟でハンターが使う道具の展示から、ジビエ料理のふるまいまで!様々なお楽しみがありますよ。今年2024年11月24日に高知市布師田にある高知ぢばさんセンターで行われる「狩猟フェスタ」は第4回を迎えます。女性ハンターによるトークショーを始め、ハンティング模擬体験、狩猟免許取得相談など、狩猟に関する本格的なコーナーが用意されているそう。
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