<射撃ニュース5月>
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(山林で不明の女性死亡、近くにクマの足跡:北海道)
北海道函館市大船町の山林で29日正午頃、26日に山に入り行方が分からなくなっていた同市富岡町、無職佐藤英子さん(75)が倒れているのを、捜索していたハンターが発見した。佐藤さんは搬送先の病院で死亡が確認された。道警函館中央署によると、目立った外傷はなかったが、上着が脱がされた状態で、近くにクマの足跡があった。同署は佐藤さんが死亡した経緯との関連を調べている。発表によると、佐藤さんは26日午前9時半頃から、同市の万畳敷高原で夫や知人とともにタケノコ採りを始め、同日正午の待ち合わせ時間になっても戻ってこなかったことから道警などが捜索を続けていた。

(クマ?にかまれ男性けが:青森)
深浦消防署によると、29日午前10時41分、青森県深浦町上長慶平に山菜取りに入った女性から「夫がクマにかまれた」と通報があった。女性の夫(86)が顔面に傷を負い、五所川原市内の病院に救急搬送された。搬送時、意識はあり会話可能だったという。県自然保護課によると、クマによる人身被害であれば今年初めて。

(クマ1頭が住宅に侵入、住人の夫婦が大けが:群馬)
31日未明、群馬県安中市でクマ1頭が住宅に入り込み、この家に住む70代の夫婦が襲われて大けがをしました。クマはその後、住宅から外に逃げだし、警察は付近の住宅に警戒を呼びかけています。31日午前0時半前、群馬県安中市松井田町の住宅で、この家の74歳の男性が外の物音に気づいて、建物1階の裏手にある寝室近くの窓を開けたところ、クマ1頭が住宅に入り込んできました。クマは体長が1メートルほどあり、男性と、助けに入った72歳の妻の2人が相次いで襲われ、頭や手などをひっかかれて大けがをして病院で手当てを受けています。その後クマは住宅から外に逃げ出し、警察は付近の住宅に不要不急の外出を控え、家の戸締まりをしっかりするよう呼びかけています。現場はゴルフ場や公園などがある山あいの地域で、警察によりますと、過去にもクマを目撃したという情報が寄せられたこともあるということです。

(クマ駆除でライフル発砲、注意義務怠り仲間にケガさせた58歳男性を書類送検:山形)
小国町で去年4月、クマを駆除するためライフル銃を発射し、同行していた男性の足に弾を当て大ケガをさせたとして、小国町の58歳の男性が業務上過失傷害の疑いで書類送検された。書類送検されたのは、小国町の58歳の男性会社員。警察によると、去年4月、男性はツキノワグマを駆除するため小国町黒沢の山林に入った。その際、周囲の安全を十分に確認したうえで発射すべき注意義務を怠り漫然とライフル銃を発射し、同行していた小国町の男性の右太ももに弾を当て大ケガをさせた疑いが持たれている。撃たれた男性はケガをしたほか、右ひざの関節が動かしにくくなるなど後遺症があるという。銃を撃った男性は罪を認めていて、警察は5月24日付けで山形地検米沢支部に書類送検した。

(鳥獣の「スマート捕獲」、農林水産省が来年度にも事業費補助へ)
農林水産省は、シカやイノシシなどの鳥獣被害対策にデジタル技術を活用する「スマート捕獲」の推進に乗り出す。2025年度にもモデル地区を選定し、事業費を補助する方針だ。狩猟の担い手不足は深刻化しており、効率的な捕獲方法を普及させ、農作物被害の減少を目指す。スマート捕獲は、ICT(情報通信技術)や人工知能(AI)を使い、農作物に被害を与える鳥獣を捕獲する取り組みだ。動物が近づくと作動するセンサーカメラで生息する地域を調査して効果的な場所にわなを設置したり、動物がわなにかかると、自動でおりの入り口を閉じ、狩猟者や自治体職員のスマートフォンなどに通知を送ったりできる。導入すれば、わなに動物がかかっているかどうかを見回る狩猟者の負担を軽減するほか、報告書類を提出する手間も省ける。長野県小諸市では、ICTを活用した捕獲を進め、農作物の被害額が大幅に減少した。政府は、こうした取り組みを広げるため、スマート捕獲を導入する自治体に対して、センサーカメラやAIを搭載したわなの設置費などを補助する方向で、関連経費を25年度予算の概算要求に盛り込むことを検討している。実際に鳥獣を捕獲した位置情報などのデータを収集して地図に落とし込み、鳥獣が出没しやすい地域を特定できる仕組みを整備することも想定している。農水省によると、野生鳥獣による全国の農作物被害額は、10年度の239億円をピークに減少傾向にあったが、近年は150億~160億円台で下げ止まっている。狩猟者の高齢化が進み、担い手の減少に歯止めがかからない状況に加え、東北や北陸などでシカの生息域が拡大した影響とみられ、対策が急務となっている。

(クマ、イノシシ捕獲謝礼大幅上げ:山形)
村山市は29日、地元猟友会の負担軽減を目的にクマ、イノシシを捕獲した場合に猟友会に支給する謝礼を大幅上げる方針。

(サルが人襲う被害相次ぎ、警察・猟友会などと緊急会合:福岡)
福岡市の住宅街などでサルが子どもや女性を襲う被害が相次いでいることを受けて、福岡県は29日、警察や猟友会などと緊急の会合を開き、対策を話し合いました。警察によりますと、福岡市では28日、西区の小学校の近くで女性がサルに髪の毛を引っ張られたほか、5月26日には早良区の住宅街で小学生の男子児童がサルに頭をひっかかれて軽いけがをするなど、サルが子どもや女性を襲う被害が相次いでいます。これを受けて県は29日、警察や猟友会など県内の関係団体を集めて緊急の協議会を開きました。冒頭で生嶋副知事は「特に子どもをサルから守り、危害を加えさせないために緊急に何ができるか、即、できるものを考えないといけない」と述べました。このあと協議会は非公開で行われ、県によりますと、サルの出没地域では子どもの登下校の時間帯を中心にパトロールや見守りを強化し、県の広報車を活用して注意を呼びかけることが確認されたということです。また、協議会では、サルなどの野生鳥獣が出没した際に各関係団体が連携して迅速に対応するため、協議会としてのマニュアルを新たに作ることを決めました。福岡県生活安全課の竹下暁課長は「サルを見かけたら目を合わせず大声を出さない。サルを刺激しないよう、とにかく近づかないということをお願いしたい」と呼びかけていました。

(クマ出没警報、6月末まで1カ月延長:秋田)
秋田県は29日、クマによる人身被害が相次いでいることを受け、発令中の「ツキノワグマ出没警報」の期間を6月末まで1カ月延長すると発表した。警報は4月18日、5月末までを期間として発令していた。本年度の県内で発生した人身被害は4件5人で、いずれも5月に発生。このほか、鹿角市十和田大湯の山林で遺体で見つかった男性についても、クマに襲われた可能性があるとして調べている。

(上高地でニホンジカの試験捕獲:長野)
中部山岳国立公園におけるシカの侵入対策の一環として、上高地で試験的な捕獲が実施されています。豊かな自然環境や生物多様性の維持を目指す取り組みです。■環境省信越自然環境事務所・栗木隼大さん「あ、ありました、ここです」「この周りにエサを置いて食べに来たものがここを踏んじゃうという」。上高地の焼岳登山道入り口付近に設置された「足くくりわな」です。全部で14個仕掛けられています。長野や岐阜など4県にまたがる中部山岳国立公園では近年、ニホンジカが増加していて、上高地でも2014年以降、毎年生息が確認されています。■環境省信越自然環境事務所・栗木隼大さん「シカの侵入がどんどん進んでいって、こういうふうに緑が今たくさんある状態ですが、こういうのがなくなってしまったら上高地の魅力としてすごく大きなダメージになってしまいますので、そういったことを防ぎたい」。こちらは環境省が上高地に設置したカメラの映像です。3頭のシカがわなの中に仕掛けられた餌を食べているのが確認できます。環境省は、シカの侵入による生態系への被害を防ぐため、上高地をモデル地域として2022年から試験的な捕獲を開始しました。試験捕獲を始めてからこれまでに4頭が捕獲され、中部山岳国立公園の他のエリアでも上高地での成果を反映したい考えです。今回の試験捕獲は来月7日までの予定で、9月から10月にかけても実施される計画です。

(クマ目撃、前年度の4倍:青森)
青森県が今月「ツキノワグマ出没注意報」を発令するなど、県内でクマの目撃情報が増えているが、黒石市では2023年度1年間で前年度の約4倍にも上る41件の目撃や痕跡などの情報があったことが、市鳥獣被害対策協議会のまとめで分かった。同協議会は本年度、箱わなの数をこれまでの10台の倍の20台に増設する厳戒態勢を取っており、住民にも注意を呼びかけている。

(クマ被害で異常事態、産直や加工所に深刻な影響が:秋田)
鹿角市十和田大湯の山林が、警察官がクマに襲われ入山禁止となってから10日。地元の産業にも影響が出ています。この時期一番人気の山菜、タケノコが採れなくなり、小坂町の産地直売所などでは影響も出ています。小坂町の通称「樹海ライン」沿いにある道の駅「こさか七滝」の産地直売所です。町内で収穫されたブドウを使ったジュースや、新鮮な山菜などを扱っていて、この時期は、小坂産のタケノコが特に人気だといいます。しかし。特にタケノコが採れるとされる樹海ライン沿いの山への立ち入りが広く禁止されたため、タケノコの入荷が極端に減ったといいます。例年は1日に40キロほど持ち込まれることもあるといいますが、入荷したのは町の外で採れた、約5キロ。タケノコだけで、年間の売り上げの4分の1ほどを占めているといい、影響は甚大です。タケノコ採りの人も、買い物客も、少なくなってしまいました。入山禁止の影響は別の場所でも。小坂町の中心部で、妻とともに採れたてのタケノコを缶詰に加工している長井幸二さんです。例年、タケノコの旬の時期は半月余りの間に1万個ほどの缶詰を作っていて、本来は、まさに最盛期のはずでした。ところが今年は、入山禁止の影響を受けて、加工の依頼が激減。これまでに作ったのは1600個ほどにとどまります。倉庫には、今シーズンにむけて用意した約6300個の缶詰が使われないまま残されていました。クマが人を襲うという異常事態に旬の味覚 タケノコが大きな影響を受けています。

(「すぐやる班」始動2カ月、狩猟免許所有者も配置へ:福岡)
福岡県太宰府市が市民の要望に迅速に応える「すぐやる班」を4月に新設してから間もなく2カ月が過ぎる。台風の影響で倒木などの被害が出ないように市役所近くの桜並木を点検したり、市道上の曲がったカーブミラーの修繕をしたりしている。市は2024年度予算に1250万円を計上し、市長直轄の職員3人でスタートした。課を横断する専任職員を置くことで担当を明確にし、迅速に対応する狙いがある。市によると、近年は市民から「イノシシが住宅地でゴミをあさっている」などの通報が増えたが職員は他の業務との兼ね合いや人手不足で対応が遅れていたことが「すぐやる班」新設の背景にあるという。太宰府市では以前から地元猟友会と協力して箱ワナの設置や巡回パトロールなどをしてきたが、22年に捕獲された有害鳥獣はイノシシ427頭、シカ34頭、アライグマ30頭と合計数が491頭と過去最多になった。近年は特にシカが急増し、森の木の皮をはぐなどの被害が増えているという。「すぐやる班」には6月から狩猟免許のある専門職員2人が加わる予定だ。楠田大蔵市長は「これまで要望が多くてなかなかさばけていなかった課題も、市長直轄で優先順位を付けてスピード感を持って取り組みたい」と話した。同様の部署は1969年、千葉県松戸市が「すぐやる課」を設置して以降、自治体が市民の声にすばやく対応する取り組みが注目され、全国に広がった。

(イノシシ対策でワーキンググループ新設:栃木)
栃木市や小山、野木など6市町や民間団体で構成する渡良瀬遊水地保全・利活用協議会(会長・大川秀子(おおかわひでこ)栃木市長)の定例会議が27日、市藤岡遊水池会館で開かれ、遊水地内や周辺で急増するイノシシ対策に取り組むワーキンググループ(WG)新設を決めた。WGは6市町の獣害担当部署職員らで構成。オブザーバーとして県や環境省、国土交通省職員らが参加する。イノシシ生息の現状や課題を共有・連携して数を減らし、被害防止・軽減を図るのが狙い。7月にも課題共有などを始める考え。遊水地内でのイノシシ対策を巡り同協議会は先月、本県や群馬など4県で構成する「渡良瀬遊水地連携捕獲協議会」に対策強化を要望した。ただ、捕獲協議会の昨年度調査で834頭を確認するなど増加に歯止めがかからない状況にあり、この日の会議でも対策を求める声が相次いだ。大川市長は「大変深刻な問題なので、国や県とも連携して早急に取り組みたい。捕獲もこれまでと違った方法を考えなければならないと思う」と述べた。会議ではこのほか、来年夏をめどに遊水地の環境学習ガイドブックや将来ビジョン基本方針を策定するスケジュールを確認した。

(「モンスターウルフ」町工場から全国へ:北海道)
クマやシカなど野生動物による被害が問題となっている中、北海道内の町工場で生まれたある装置に全国から注目が集まっています。毎年相次いでいる野生動物によるトラブル。道内では農業被害が年間50億円以上に上るなど、深刻な問題となっています。こうした被害を防ぐため、いま全国各地で活躍しているのが…。恐ろしいオオカミの姿をしたロボット、その名も「モンスターウルフ」。動物が近づくと…。センサーが感知して、まるで生きているかのように首をふり激しい音と光で動物を追い払います。その実力は?イノシシに…シカ。さらにツキノワグマまで…。モンスターウルフに驚き、逃げ去っていきました。音の種類はなんと50種類以上。オオカミの遠吠えや銃声人の声など動物が嫌がる音が周囲1キロに渡って響き渡るのです。北海道標茶町では牛を襲うヒグマ「OSO18」対策に導入したところ、その周りでは被害が出なかったといいます。以前、デントコーン畑でモンスターウルフの実証実験を行ったクマの生態に詳しい専門家は。酪農学園大学佐藤喜和教授:「モンスターウルフを設置していなかった年と比べると、設置した年の方が被害の量としては減少する。特にデントコーンのような実がついて被害を受ける期間が非常に短い作物ですよね。そういうタイプの作物に対しては一定程度の効果はあると思いますね」。モンスターウルフを開発・製造しているのは、奈井江町で部品加工を行う町工場「太田精器」です。太田精器太田裕治社長(65):「手作りでやっています。ハロウィンなどで使われているマスクを探し当ててより怖いものを。目はLEDを入れてということで特殊なものとして作りました」。太田社長がウルフ開発に乗り出したキッカケは2008年。環境をテーマにした洞爺湖サミットが開かれ、LED照明に出会ったことでした。太田社長:「LEDの強い光で動物を追い払えないかということを発想して。地域や農家の方が困っているということをよく聞いておりましたので、ものづくりで何か役に立ちたいなという考えがありましたので」。しかし太田精器の本業は金属を研磨し機械部品の加工を行うこと。元警察官で親の跡を継いだ2代目社長の思い付きに当初は社内から疑問の声もあがったそうです。太田裕治社長(65):「何を考えているの?社長はおかしくなったの?社長の道楽で何をやっているんだという声がいっぱい出まして」。それでも試行錯誤を繰り返しながら開発を続けること7年。多くの野生動物の天敵はオオカミだという大学教授からのアドバイスをヒントに、2016年「モンスターウルフ」が誕生しました。太田社長:「3年間ぐらい各地に設置させてください、試させてくださいということである程度回って効果を検証していただきました。所詮オオカミのかかしでしょとか言われたんですが思いのほか効果があるということで約250台ぐらい全国で使われるようになりました。毎日農家さんが毛づくろいして「今日も頼むなと言ってやっている人がいるという話を聞いたら、ちょっとうるっときましたね」。これまで「全く効果がない」といったクレームは1件も入っていないということです。今年2月には林野庁もモンスターウルフを導入。鹿児島県内の国有林で、植えたばかりのスギやヒノキがシカなどに食べられる被害を防ぐため設置されました。林野庁北薩森林管理署藤川晃久さん:「2か所で実証をしているんですが、1つの方は全然食べられていないです。もう1か所の方は何本か食べられているんですけど、先端部がちょこっとなんですよ。Q効果は感じていますか?めっちゃ感じています」。ただ一方で、その場から動けないモンスターウルフには弱点も…。酪農学園大学佐藤喜和教授:「モンスターウルフを設置した周辺に関しては結構被害が防げているけれども、(広い農場で)遠くなればなるほど被害は多くなるということもわかった。侵入した時には必ず接近してきて、光と音で威嚇されるというようなことが実現するのであれば、それはやはり慣れにくいですし、効果も大きいような気はします」。さらなるパワーアップ目指し現在商品化を進めているのが…。自動車メーカーなどと共に開発したその名も「ウルフムーバー」。カメラやGPSが搭載され、遠隔で操作することができます。将来的には完全な自動走行を目指しているそうです。太田社長:「どんなところでも荒れた道でも動けるようになっています。(野生動物が)逃げるまでどんどん追いかけていく。究極の撃退装置になるのかなと思います」。すでに商品化に向け、去年から実証実験も始まりました。太田社長:「今年道内で実験をする予定であります。2~3年後には商品化に進めるかなと思っています」。奈井江町の町工場が生んだ「モンスターウルフ」。今後も進化が止まりません。モンスターウルフは設置費用も含めて1台60万5000円~。レンタルだと月2万3100円から借りることができます。

(撃退スプレー36本寄贈:秋田)
秋田県鹿角市でクマによる人身被害が相次いだことを受け、全国森林レクリエーション協会(東京都、三浦雄一郎会長)が、市にクマ撃退スプレー36本(約40万円相当)を寄贈した。猟友会員に配られる予定。協会は森林でのレクリエーションの推進や普及啓発に取り組んでいる。協会の会員である市が、人身事故の発生を受けて協会に支援を要請。

(ヒメギフチョウ緊急保護策実施、シカの食害影響でエサが減少:群馬)
関東では群馬県渋川市の赤城山のみに生息する県天然記念物のヒメギフチョウについて、同市などが緊急保護策を実施している。例年1500個前後の産卵数が昨年、93個にまで激減。今年は初の人工交配に取り組み249個となったが、危機的状況が続いている。ヒメギフチョウは北海道や東北、長野県にも生息するアゲハチョウの仲間。成虫は年に一度、4月中旬ごろに交配、産卵する。県内では1960年代半ば以降に一時確認例がなくなったが、80年代に再確認され、86年に県天然記念物に指定された。県レッドデータブックで、近い将来野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IB類」に分類されている。激減の原因は、産卵場所や幼虫のえさとなる多年草ウスバサイシンの減少とされる。シカの食害の影響が大きく、頭数の増加でこれまで食べていなかったウスバサイシンも被害に遭うようになった。自然環境で卵から成虫になるのは数%ほど。保護策は2007年から産卵数が千個前後になった年に行っていたが、激減を受けて対策の強化を迫られた。93個の卵はすべて採取し、市と県立ぐんま昆虫の森(桐生市)で分散飼育。今年春にオス20匹、メス21匹の計41匹が成虫に育った。今年も採取した卵は2カ所で飼育している。個体数の回復のため、少なくとも5年間は緊急対策が必要という。市文化財保護課は「ヒメギフチョウは地域の宝。県内で絶やすことのないようにできる限りのことをしたい」とする。シカの進入を防ぐ柵を昨年度は3カ所、本年度は5カ所設置し、ウスバサイシンの保全にも取り組む。地元で保護活動を行う団体のメンバーで、日本チョウ類保全協会の松村行栄(たかよし)代表理事(藤岡市)は「野外の自然状態で安定的な個体数の維持が難しくなっている。施設などでの累代飼育が必要な状況だ」と指摘。その上で「チョウの減少は自然環境を見る指標で、山の植生が大きく変化していることを伝えている」と警鐘を鳴らしている。ぐんま昆虫の森でふ化した幼虫を特別展示中。さなぎになれば展示終了で、5月中は見学可能な見込み。

(住民一体で有害鳥獣対策へ:大分)
杵築市山香町山浦地区で、住民が一体となって有害鳥獣対策に力を入れ始めた。地域の若手に狩猟免許の取得を促し、ベテランハンターがわなの仕掛け方を指導して効果的な駆除を実践する。捕獲後は地区内の加工所で食肉処理する仕組みを構築する。

(クマの好物クリやカキ、民家の庭の伐採依頼相次ぐ:秋田)
県内でクマによる人への被害や目撃が相次ぐ中、鹿角市では、民家の庭に植えられたクマの餌となるクリやカキの伐採が進められています。今年度スタートした伐採に対する補助金の効果もあり、鹿角市では今年、すでに去年1年間の4倍余りの依頼が寄せられています。鹿角市尾去沢、軽井沢地区の住宅街です。民家の敷地に植えられている、高さ約20メートルのクリの木。この周辺では去年、クマの出没が確認されました。このクリの木の近くには、小学校の集団登校の集合場所がありましたが、クマの出没を受けて、去年、別の場所に変更されました。所有者の兎澤忠夫さんは、クマの餌になるクリを伐採することを決め、業者に依頼しました。条件によって価格は変わりますが、民家の敷地での伐採は、概ね1本10万円以上かかります。一人暮らしのお年寄りなど、費用が壁になって伐採に踏み切れないという人も多いそうです。それでも、去年、クマの出没が相次いだことを受けて、依頼が急増しました。ランバージャック 小田島隆臣 社長「去年の10倍以上はあると思います。切りに行った現場で熊棚(クマが木の上に居座ったあと)がある木とかは結構見ています。あと爪の痕とか」。クマを人里に寄せ付けないため、鹿角市は今年度、民家のクリやカキなどの伐採に1本5万円を上限として補助金を出しています。去年1年間で20件だった伐採の依頼が、今年はすでに90件、400本近くに上っているそうです。鹿角市は、伐採する場合は秋に実ができる前に進めて欲しいと呼びかけています。今年も住宅地でのクマの目撃が各地で相次ぐ中、放置された状態のクリやカキの木の管理も重要性が増しています。にかほ市、横手市も伐採に対する助成を行っているほか、クマが身を隠す藪の刈り払いも各地で進められています。

(求む!ハンターの後継者:大分)
これから狩猟を始めたい――。そんな人たちを対象にした「スタートアップセミナー」が今月中旬、大分県杵築市や大分市で行われた。背景にあるのが狩猟免許を持つハンターの高齢化だ。60代以上が7割を超える中、新たなハンター育成が求められている。19日に県庁などで開かれたセミナーでは、自然環境研究センター(東京)の湯瀬智世・主任研究員(32)が、「狩猟の話と銃猟を始めたきっかけ」と題し、自らの経験を踏まえて講演。参加者らはゲーム機のようなシミュレーターで銃猟を模擬体験し、金属のワイヤでシカやイノシシの脚を絡めて捕らえる「くくりわな」の仕掛け方も学んだ。18日にも杵築市の大分農業文化公園「るるパーク」で同様のセミナーが開催され、2日間で約50人が参加した。大分市から参加した公務員、日隈雄基さん(24)は「鳥獣被害について学んでいて狩猟やジビエに興味を持った。いつか狩猟免許を取りたい」。大分市の会社員、久保真美さん(46)は「動物を仕留めて食べることへの(心情的)ハードルは高いが、ジビエにも興味があったので参加した。分からないことは猟友会に尋ねるなど実践的な知識を深めることができた」と話した。セミナーは2017年から毎年、県が開いている。新規ハンターの掘り起こしが狙いで、過去3年で103人が受講し、33人が新たに狩猟免許を取得した。こうした取り組みの背景には、県の特有の事情がある。県内の森林面積は約45万1千ヘクタールで、総土地面積の71%を占める。県によると、19年度のイノシシとシカを合わせた捕獲頭数は7万4224頭で、都道府県別では北海道に続いて全国で2番目に多い。22年度には県内のイノシシの捕獲頭数は過去最多の4万2052頭に上った。鳥獣による農林業などへの被害額は1996年度の5億9千万円をピークに減少してきた。2022年度は約1億5千万円で過去最少だった。捕獲頭数の多さに加え、触ると感電する電気柵などが普及し、鳥獣対策を助言するアドバイザーの育成など、国や県の対策事業も一定の効果を生んでいる。22年度に設置された電気柵やネット柵などは約778キロの距離に相当するという。一方で、わなや銃猟の狩猟免許所持者数は近年横ばい状態だが、この33年で1千人近く減少。年代的には60代以上のハンターが7割を超え、高齢化も目立っている。セミナーを開いた「県森との共生推進室」の山田昭彦主幹は「被害軽減のためには電気柵設置などの予防策に加え、新たな狩猟者の確保や、ジビエの利活用推進なども必要だ。今後もこうした対策に取り組みたい」と話した。

(クマ対策強化で範囲を拡大して生息調査へ:群馬)
クマによる被害が全国で相次ぐ中、県は、クマが先月から「指定管理鳥獣」に追加されたことなどを受けて、今年度、範囲を拡大して生息調査を行い、対策を強化していくことになりました。クマによる人や農作物などへの被害が全国で相次ぐ中、環境省は先月、省令を改正し、計画的に捕獲して頭数を管理する「指定管理鳥獣」にツキノワグマとヒグマを追加しました。こうしたことなどを受けて、県は今年度、範囲を拡大してクマの生息調査を行うことを決めました。具体的には、赤外線カメラを昨年度までの人の生活エリアに近いおよそ30か所に加え、今年度は山奥にも20か所ほど設置し、正確な個体数を把握するということです。その上で、人の生活エリアとのすみ分けによって被害を防止する「ゾーニング」やクマの適切な管理計画の作成などといった対策を強化していくということです。今回の調査範囲の拡大にかかる費用などを含んだ補正予算案は、現在開かれている定例県議会に提出されていて、今後、審議されることになっています。県鳥獣被害対策支援センターの長澤忠昭さんは「この調査はあらゆる対策の基礎データになる。人身被害や農業被害を減らすために関係部署と連携しながら引き続き対策を行っていきたい」と話しています。相次ぐ被害を受け、「指定管理鳥獣」となったクマ。県内ではツキノワグマが生息し、その数は2020年度の時点でおよそ2000頭と推定されています。県によりますと、昨年度は、県内での出没数が715件にのぼり、前の年度より240件あまり増えています。また、人身被害も4件発生し、このうち、去年5月には片品村で、6月には川場村で、それぞれ1人がクマに襲われてケガをしていて、ことしも活動が活発化するこれからの時期は特に注意が必要です。こうした中、県は被害を防ぐため、今月からインターネット上でクマに遭遇した際の対処法を解説した動画の掲載を始め、7月からは目撃情報をリアルタイムで伝える「出没状況マップ」も公開することにしています。山本知事は先週の会見で「夏ごろまではクマと遭遇しやすい。山に行く際にはクマよけの鈴やラジオ、撃退スプレーなどを持ち歩いてほしい」と注意を呼びかけています。

(クマ被害はなぜ発生するのか、その原因と対策を3段階で解説:渡辺好明)
北海道・奈井江町では低い報酬額を理由に、猟友会がクマの駆除要請を受けないと表明した。クマの目撃や被害は北海道だけでなく、秋田や神奈川など全国に及んでいる。クマによる人身被害が増えている一方で、最近では駆除に対しても賛否両論の意見が巻き起こっている。クマによる被害を出さないために、短期的あるいは長期的にはどのような対策があるのだろうか。そもそも、熊だけが悪者なのだろうか。2023年12月15日に掲載した『相次ぐクマ被害に今からできること』を再掲する。2023年は、クマによる人身被害が4~11月の合計で200件超と、例年の2倍以上になっていた。また、12月に入って、本来は冬眠に入るはずのクマが依然として出没し、目撃のみにとどまらず被害も続いている。上旬には、相模原市の樹林に設置したシカ、イノシシ用のワナにクマが掛かり、暴れたため結局「殺処分した」と報じられている。地球温暖化でクマがそのまま越冬できるようになり、今後は(冬眠しない)「穴持たずクマ」も出るだろうとの観測も流れている。このところのクマ被害発生の背景、原因、そして、短期、中期、長期の対策を探ってみよう。秋田県のケースでは、捕獲したクマについて「県の管理計画」に基づき駆除したところ、役場などに1500を超えるメールや電話が殺到した。「逃がしてほしい」「子グマの駆除はかわいそう」「なぜ殺した」などの抗議が多数だったらしい。《生かして山に戻すべきだった》というのだろうが、賢明な判断か。著名な登山家に言わせると、「クマが人里に現れて農地や家庭の食物をあさり、ときに人畜を襲う。これに味をしめたクマは、捕獲して山に戻しても必ず再び里に現れる」そうだ。人里の経験のないクマには、「里や人間は怖いもので近づいてはいけない」と知らしめ、ひとたび捕獲したクマは、殺処分して肉、毛皮、漢方薬原料に有効利用するのが正しい方向だ。感情論では問題は解決しない。生態系への影響など、かえって《より悪い状態をもたらす》ことにもなる。また、「森のドングリが不作だからクマが人里に現れて食料を探す。それでは、ドングリを集めてクマの住む森に運んで、人里には現れないようにする」という運動があったと聞くが、これはとんでもない生態系破壊の「逆行」である。森に住むクマは、かつては天敵であるニホンオオカミの存在、そして、今ではドングリなど木の実の豊作・不作で生息数がコントロールされてきた。この秩序を人為的に操作してしまえば、森林、野生生物、人間などの食物連鎖・生態系を乱すことになってしまう。本来、生物は、環境とかかわりを持ちながら一定の生態系のバランスの下にすみ分けている。それは、肉食獣、草食動物、雑食動物、森林の植物など全体バランスに関わるものである。環境団体も、いまでは「ドングリ運び」活動をしていないと伝えられるし、環境省も勧めていないと聞く。自然環境によって規定されている生態系を崩すとどういうことになるのか。人類学者の今西錦司は、ほかの大陸と切り離されている豪州の有袋動物(カンガルーなど)を例にとり、「他の大陸からのより進んだ哺乳類が侵入すれば、滅亡するだろう」と述べている。エサとなる動植物の環境も同じである。私たちがすぐにでもやらなければならない対策はまず、ほかの野生動物も含めて給餌をしないことである。クマの嗅覚は数キロメートル先の匂いをかぎ分ける。クマが生息する森林のハイキングコースなどで他の野生動物に給餌することも、クマに里の味を覚えさせることにもつながる危険な行為である。米国の国立公園では、レンジャーが徹底して給餌を取り締まる。ここは人間の責任にかかる分野なので、場合によっては罰則付きの厳しい規制も必要になるだろう。食べ物を捨てても、野外に保管もしてはいけない。かつての登山仲間から聞いた話だが、北アルプスのキャンプサイトで、ある大学のパーティーが野営した。睡眠用テントと食料用テントを分けて一夜を過ごしたところ、翌朝、食料用テントだけがすっかりクマに荒らされていたというのだ。食料を持ち込まなかった人間のテントにはまったく被害はなく、胸をなでおろしたそうである。繰り返しになるが、人や家畜、里の食物の味を覚えたクマは、山に戻しても、必ず再び里に来るのである。決して味を覚えさせてはならない。また、基本的には、クマのテリトリーに入ってはいけない。避けられない場合で山中に入るときは、ラジオ、鐘・鈴など大音声を出すもの、クマよけスプレー、煙火などを必ず携帯する。ちなみに、筆者の自宅がある長野県の安曇野地域では、秋になると、ホームセンターに、これらのグッズが販売される。穂高山中にあるホテル(穂高ビューホテル)では、「山道を散策する場合に備えて鈴のついた杖」を貸し出す。そして、最も大事なことは、かわいいからといって、子グマには近寄らない。必ず母グマが近くにいる。子グマは、おとなしくない、かわいくない。「森のクマさん」は忘れ、「子グマと温泉混浴」も止めて、野生動物と距離を置く。急がれるのは緩衝帯の整備(ゾーニング)である。手入れされていない里山林、耕作放棄された農地がクマの隠れた行動を助長する。これは、見通しをよくし、クマからも、人間からも姿が見えるようにすれば、警戒心の強いクマは、里に近づかない。また、場合によっては、大家畜である肉牛の放牧も効果があるだろうし、雑草除去の点からはヤギの活用もよいと思うがどうか。賢いクマは、雑草木に紛れて行動する。長野県松本市に近い高瀬川では、北アルプス山中のクマが高瀬川の河川敷を下ってきたケースもある。人と里の怖さをクマに覚えさせるには防護柵(二重電気柵)も必要だろう。クマは、群れではなく家族単位で行動する(リーダーがいない)。犬の吠える大声は有効ではないか。サル害対策として、長野県の大町地域では、「モンキードッグ」の取り組みがある。里に近づいてくると犬の群れが吠えて山に追い返すのだが、このような手法は取れないか。猟犬ではなくて、ごく普通の犬を訓練で教育できると聞いている。そして、まずなによりも、森林の環境、動物の生息・行動状況を把握していなければ、対策の打ちようがない。クマは北海道にヒグマが1万頭、九州を除く本州、四国に4万頭超(世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン))といった程度ではなく、もっと詳細な情報が欲しい。クマは立木などに体をこすりつける習慣を利用して遺伝子を採取したり、GPSを使ったりできないか。そのようにして把握した情報で「鳥獣保護管理法」の管理鳥獣に指定し、計画の策定、費用の助成、ハンター育成などを進めるのだ。この冬のうちに、環境省において、管理鳥獣への指定(計画と捕獲・と殺への費用助成など)が検討されることになった。ハンターの育成にも助成が必要だし、若者層の参加も望ましい。スギ、ヒノキなどの針葉樹単相の育林が進み実のなる広葉樹林づくり(針葉樹との混こう林化)が忘れられた。おそらく相当長期にわたるだろうが、将来を見据えて森の形を徐々に変え、動物と人間が共生できる地域社会、豊かで優しい循環型・持続型の生態系に戻さなければならないと考える。これには時間がかかるが、やりがいのある事業だ。日本初の林学博士・本多静六が計画した「神宮の森づくり」は、100年後を想定して始まり、見事に実現された。いまからでも決して遅くはない。

(全国からの視察訪問が絶えない町「島根県美郷町」の再生物語)
「その手の怪我どうしたんですか?」「昨日、サルが出ましてね。自転車で追いかけていたら転倒したんですよ。ほら、膝も擦りむいているでしょ」。小誌記者の質問に満面の笑みを浮かべながらズボンの裾をたくし上げ、名誉の負傷と言わんばかりに話してくれたのは、島根県美郷町美郷バレー課長の安田亮さん。記者が安田さんのもとを訪問するのはこれで3度目だ。しかし、今が最も充実しているように見える。単なる鳥獣害対策の町ではなく、それを起点とした「地域づくり」が本格化しているからだ。美郷町は「おおち山くじら」の名前で、イノシシによる獣害対策の成功モデルとして全国から視察の訪問が絶えない町として知られている。その仕掛け人が安田さんなのだ。 「私は大学で野生生物のことを学んだことはありません。ただ、鳥獣害対策と聞くと、『野生動物をどうするか?』と考えがちになりますが、それは間違いです。私たち『住民がどうするか?』を考えなければならないのです」。安田さんがイノシシ対策に向き合ったのは25年前にさかのぼる。それまで地域企画課で「地域づくり」を担当してきたが、補助金頼みで政策を打ち出しても持続性がないことをまざまざと実感させられていた。産業振興課に異動となり、鳥獣害、林業の担当になった。今度は、補助金に頼らない取り組みを考えた。「全国に共通する鳥獣害対策のノウハウを蓄積することができれば、観光資源のない美郷町にも多くの人が訪れてくれるはずと思いました」。まず取り組んだのが、農家自身が対策を行う「主体者」となることだ。当時は、猟友会にお願いしてイノシシを駆除してもらうことが一般的だった。ただ、農作物被害の多い夏場は、狩猟者にとってメリットが少ない。イノシシの肉は脂の乗った冬場のものでなければ商品価値が低いからだ。そのため、農家にとって必要な夏場のイノシシ駆除はなかなか進まなかった。そこで農家が狩猟免許を取得し、箱罠でイノシシを捕獲できるようにした。まさに逆転の発想である。そして、イノシシ肉の処理施設まで「生体搬送」して処理するなどして「夏場のイノシシ肉は美味しくない」という風評を覆すことに成功した。安田さんは言う。「『地域づくりの診断書』として、僕がよく使う数式があります。それは、『地域づくり』―『補助金事業』=『何が残っているか?』というものです。この引き算で何も残っていないのであれば、それは単に補助金事業を消化した、つまり、行政にやらされているだけです。『残っているもの』こそが、自分たちの発想であり、その町の地域づくりの『個性』『強み』になるのです」。安田さんにとって、鳥獣害対策は、「持続的な地域づくり」をするための手段なのだ。だからこそ、地域住民を巻き込む範囲を拡大させていった。まずは、学校給食でイノシシ肉を使い、食育を行った。子どもが関心を持てば大人の関心も高まるというわけだ。続いて、「おおち山くじら生産組合」を結成した。ここでも補助金頼みではなく、組合員として一人1万円を出してもらう形にした。自腹を切ることが、「自分事化」への第一歩であるとともに、この取り組みに本気で参加する人をふるいにかけることもできるからだ。「3年後には、皆さんに1万円を返金できるようにする」という公約も実現した。婦人会も巻き込んだ。全国からの視察が増える中で、その様子を婦人会のメンバーにも見学してもらい、案内役を担ってもらうようにした。そこから、情報交換の場として「青空サロン市場」が生まれた。毎週水曜日の朝7時、県道沿いに、住民が自ら建てた木造建屋におにぎり、おはぎ、ピザ、お好み焼きなどを作って集い、コミュニケーションをとる。各人が育てた野菜や果物を販売できるようにもした。今年で15年続く「たまり場」となっている。さらに、イノシシ肉を加工して、地域の飲食店など向けにメニュー開発を行う「おおち山くじらクラブ」、皮革をペンケースや名刺入れなどに加工する「青空クラフトグループ」も生まれた。「行政からの補助金頼みではなく、住民活動、つまり『仕組み』にしてしまうことで持続性を実現することができるのです」(安田さん)。2月14日水曜日の早朝、小誌取材班は「青空サロン市場」を訪ね、朝食をいただいた。ふるまって下さった女性は「ここに来ると皆さんの顔が見えますから。いつも参加する人が来ていないと『どうしたのかな?』という安否確認にもなります」と教えてくれた。さらには「お土産にどうぞ」と、八朔とブンタンまでいただいた。「甘くて美味しいのに一つ10円」と聞くと、こんなにも豊かな暮らしがあるのかと驚かされた。女性陣の中に青年の姿があった。大阪府吹田市に本社を置く、鳥獣害対策用各種器具の製造販売や総合的な対策を行っているタイガー社の社員、川島駿介さんだ。「皆さんとのコミュニケーションをとるために毎週参加させて頂いています。朝ごはんをご馳走になるのもありがたいですね。美郷町の特徴は住民一人ひとりの自主性が強いところだと思います」タイガー社は、2021年4月に美郷バレー協定企業として町内に営業所を開設した。中国地方の事業拠点にすると同時に、駐在する社員は地域づくりにも参画している。足元ではシカの獣害対策にも乗り出しており、皮つきシカ肉を隣県の広島市動物公園の餌として使用したり、「猪鹿鳥」と銘打った定食に使用するお肉を提供したりしている。取材後、美郷町役場から程近く、「猪鹿鳥」定食を提供する飲食店「またたび」を訪問した。シカ肉の竜田揚げ、しぐれ煮、そしてイノシシ肉の麻婆豆腐など、どれも絶品だった。イノシシ肉は、豚肉よりも味に深みがあった。シメは豚骨ならぬ、イノシシ骨の「山くじらラーメン」をいただいた。これも初めての味で、クセもなく、イノシシとは思えないほど美味だった。店主の山本真さんはこう話す。「ラーメンは作ったことがなく、試行錯誤の末に今の形になりました。最近は、きちんと処理されたイノシシ肉のほうが、畜舎で育てられた牛肉や豚肉よりもにおいもなく、扱いやすいと感じています」。山本さん夫妻も隣町からの移住組だ。鳥獣害対策を起点として、新しい仲間も加わりつつある。最後に安田さんはこう力説してくれた。「『高齢化』『人が少ない』は言い訳です。高齢者も頑張るんです。住んでいるわれわれが『こんな町に住みたくない』と思ったら誰も来てくれませんよね。ここで暮らしてよかったと思えることが、持続的な地域づくりになるのだと思います」。

(「八丈島のキョン」伝説を追う!:東京)
千葉県で大量に繁殖した特定外来生物「キョン」が茨城県でも確認され、農作物被害などの対策として、県が目撃情報の提供者に報奨金を出す制度の新設を決めた。今月23日には東京・江東区でシカのような動物の目撃情報があり、SNSでは「キョンではないか?」という投稿もみられた。キョンとは中国などに生息するシカ科の小動物。その名が日本で広がったきっかけは、1970年代に大ヒットした漫画「がきデカ」(山上たつひこ)だ。同作の主人公・こまわり君が放つ一発ギャグ「八丈島のきょん」は流行語となった。「八丈島の固有種?」という誤解も生んだが、事実は異なる。当時のブームを振り返りながら、昨今の報道で改めて注目されたキョンにゆかりの八丈島の〝伝説〟を追った。「がきデカ」は週刊少年チャンピオン(秋田書店)で1974年から80年まで連載。社会現象になった「死刑!!」から、「あふりか象が好きっ!!」を経て登場した第3弾ギャグが「八丈島のきょんっ!!」(原作表記)だった。「ざっぱーん」という擬音と共に溶岩の海岸に打ち付ける波と断崖など、(基本的に)八丈島を象徴する風景をバックに、キョンに化身した「こまわり君」が右前足と左後ろ足を掲げながら「八丈島のきょんっ!!」と叫ぶ。意味などない。唐突にぶち込まれ、それまでのストーリーを破壊して異空間に突き落とす力があった、連載誌面でのキョンの登場期について、手元にある「がきデカ」の単行本を確認すると、13巻(初版発行78年3月)から19巻(同79年9月)にかけて頻出。単行本収録までのタイムラグを考慮しても、ほぼその時期となる。リアルタイム世代の小中高生は現在50~60代。当時を知る八丈島の地元民は、どのようにこのブームを受け止めたのだろうか。八丈島で生まれ育った上ノ山正夫さん(61)は「『がきデカ』はうちらの間でも人気でした、『死刑のポーズ』とかもよくやりましたよ。今の時代では考えられなかったかもですが(笑)。キョンがネタになったことに関してマイナス意見は聞いた事がありませんでした。やはり、八丈島が有名になった意味合いの方が断然強かったと思います。実際には分かりませんが、『がきデカ』で有名になった八丈島に観光客が増えたのかな…とは、漠然にですが感じました」と証言した。その上ノ山さんは5月18日に八丈島で凱旋ライブを行った歌手・畑中葉子の地元スタッフとして奔走。日頃は、道路の舗装、住宅回りにある木の伐採などに従事する〝何でも屋さん〟として、地元では「まさおちゃん」の愛称で親しまれている横浜銀蠅ファンだ。同氏にリクエストし、ライブ取材ツアーで当初は予定のなかった「八丈植物公園」まで車で同行していただいた。島内に野生のキョンはいないが、同園で飼育されているのだ。「キョン舎」には5頭いた。体長70センチ前後と小柄で、走ると速い。地元の人に連れられた犬がキョンに向かって激しく吠え続けていたが、全く動じることなく、黙々と草を食べている。おとなしくてマイペース。飼育されている限りは愛玩動物だ。それが野生化すると、生きていくために農作物を食べ、死活問題となる人にとって〝害獣〟となる。八丈島の場合、現在の千葉や茨城におけるキョン的な存在は「野ヤギ」だった。正確に言うと、八丈島ではなく、6-7キロ離れた八丈小島でのこと。「八丈小島の野ヤギ」が「八丈島のキョン」と混同されたという説もあるが、両者は全くの別物だ。八丈町の山下奉也町長はよろず~ニュースの取材に対し、「キョンではなく、野ヤギで苦労したんです。八丈小島から住民が(本島に)引き揚げる時に、飼っていたヤギを置いていった。それが野生化して繁殖した」と説明。時期について、同町の山越整副町長は「昭和44-45(1969-70)年です。全員離島の50周年(式典)も数年前に行われました」と補足した。山下町長は「小島から最短で6キロくらいですが、ヤギが泳いで八丈島に来ることはなかった。(流れの速い黒潮などで)泳いで渡った人はほとんどいないですし、ヤギもそう。それで(無人島になった)八丈小島の中で増えたんです」と説明。生態系への被害対策として、2008年度に「八丈町ノヤギ対策協議会」が設置され、捕獲を進めた結果、「目撃情報や生息の痕跡が確認されなくなった」として、20年3月に「ノヤギ終息宣言」が出された。上ノ山さんらと共に、島内の高台に登って八丈小島を眺めた。姿を消した野ヤギの幻影が、植物公園の温和なキョンではなく、荒ぶる「がきデカ」のキョンと重なった。

(「プロミスト・ランド」、マタギの神事を行う新写真)
杉田雷麟と寛一郎が主演を務める「プロミスト・ランド」の新場面写真が解禁。あわせてマンガ「クマ撃ちの女」作者の安島薮太による描き下ろしイラストや、本作を鑑賞した“狩猟と冒険の達人たち”からの感想コメントが到着した。さまざまな“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝えるプロジェクト「YOIHI PROJECT」の劇場公開作第2弾として製作された本作の舞台は、マタギの伝統を受け継ぐ山間の町。同地で消えつつある伝統文化を継承していく2人の若者が映し出される。高校を出て親の仕事を手伝う20歳の信行を杉田、信行の兄貴分である礼二郎を寛一郎が演じ、三浦誠己、占部房子、渋川清彦、小林薫がキャストに名を連ねた。場面写真にはマタギの神事である「ケボカイの儀式」を行う信行と礼二郎の姿が切り取られている。2人は獲った熊を雪の上に横たえ、クロモジの枝で尾のほうからなで上げたあと、深々と一礼。そして熊の肉をさばき、その魂を山の神のもとへ返すという儀式を遂行していく。原作者の飯嶋和一は「熊の霊が天にのぼり、再び獲物となって現われるのを山の神々に祈念する儀礼である」と述べている。安島は熊を探してひたすら雪山を歩く2人の表情をイラストで表現しており、「ある瞬間獲物が目前に現れる。今までの退屈が嘘のように興奮が体にみなぎり始める。この感じ…『この映画は現実だ!』そう思いました。生々しいにも程がある」とコメント。「ともぐい」で直木三十五賞を受賞した作家の河崎秋子は「雪山を歩む足音や勢子としての咆哮、そして無音の眼差しによってこそ雄弁に語る姿に圧倒された。彼らが得たものは人間の秤では量ることができず、きっと熊の血の色をしている」とつづった。写真家の石川直樹、ジャーナリストの丸山ゴンザレス、猟師・作家の千松信也、絵画作家・永沢碧衣のコメントも以下に掲載している。飯島将史が脚本・監督を担当した「プロミスト・ランド」は6月29日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。

(クマが8時間籠城の末、駆除される:富山)
富山県砺波市の住宅の敷地にクマが入り込み、木に登ったりするなど8時間の籠城(ろうじょう)の末、27日夕方に駆除されました。午前5時ごろ、砺波市狐島で「田んぼの中で黒い動物が動いている」と、近所の住民から警察に通報がありました。警察、市、猟友会が探していたところ、午前8時35分に近くの寺で目撃があり、その後、屋敷林のある住宅の敷地に逃げ込んだことが確認されました。クマは、葉が生い茂った高い木に登っていて、8時間ほどたった午後4時半ごろ、猟友会が威嚇の銃でクマを木からおろし、その後、駆除しました。クマは体長110センチ50キロの、推定3歳から4歳の雄でした。現場は屋敷林のある住宅が点在する田園地帯で、住民らはクマを警戒するような場所ではないと驚いています。けがをした人はいませんでした。

(住宅街に逃げ込んだクマを“駆除”:富山)
27日朝、富山県砺波市でクマとみられる動物の目撃情報があり、逃げ込んだ住宅の屋敷林周辺を警察や猟友会のメンバーなどが取り囲んでいましたが、その後、クマは駆除されたもようです。27日午前5時ごろ、砺波市狐島で住民が「黒いものを見かけた」と市役所に連絡し、市職員や警察、猟友会のメンバーがパトロールにあたりました。

(中心部にカモシカ、イノシシ目撃も:青森)
青森県十和田市の住宅街や中心部の官庁街通り付近などで27日、カモシカやイノシシの目撃が相次ぎ、市が注意を呼びかけている。

(小学校の約200メートル北側でクマ目撃:宮城)
26日深夜、宮城県角田市の市道でクマ1頭が目撃されました。警察が注意を呼びかけています。26日午後11時頃、角田市横倉にある市営金谷住宅の北側の市道で、クマを目撃したと付近の住民から警察に通報がありました。警察によりますと、クマは体長1.5メートルほどで、警察官が駆けつけた時には、クマの姿は見られなかったということです。付近には住宅が点在しており、現場から南におよそ200メートル進むと、小学校があります。警察が、付近をパトロールして注意を呼びかけています。また27日の朝には、小学生の登校時間に合わせて、付近のパトロールを行うということです。

(クマの目撃情報が相次ぐ:広島)
28日朝、廿日市市の住宅街で、クマの目撃情報が相次いで寄せられ、警察と市の職員が警戒にあたっています。28日午前5時半ごろ、廿日市市桜尾で新聞の配達員から「クマが塀を乗り越えて県立廿日市高校の敷地内に入ったようだ」とクマの目撃情報が警察に寄せられました。その後、午前7時ごろから廿日市市の住宅街の天神や城内などからあわせて7件の目撃情報が寄せられたということです。目撃情報によりますとクマの体長はおよそ1メートルとみられ、警察でパトカー5台ほどを出動させ引き続き通報があった地域周辺の警戒にあたっています。警察によりますと目撃情報があった県立廿日市高校では敷地内にクマの足跡など侵入した痕跡は確認されなかったということです。また、現在のところ、けが人などの情報は入ってきていないということです。そして、廿日市市でも職員を目撃情報があった地域に派遣して警戒にあたっていてあすの朝も実施する予定だということです。県立廿日市高校は、28日は臨時休校となりました。

(住宅街、小学生が公園でクマ2頭を目撃:山口)
27日の夕方、山口県周南市の住宅街にある公園で遊んでいた小学生が、クマ2頭を目撃したと警察に通報がありました。警察によりますと、クマが目撃されたのは、周南市清光台町の清光台街区公園です。27日午後3時半頃公園で遊んでいた小学生5人が「2頭のクマを見た」と近所の住民に話し、その住民から通報がありました。クマは山に逃げて行ったということで、警察は付近の警戒を強めるとともに、住民に注意を呼び掛けています。

(路上にクマ、住民を見て山林に引き返す:栃木)
27日午後4時50分ごろ、那須塩原市関谷の路上で、近隣住民がクマ1頭を目撃した。那須塩原署によると、クマは体長約60センチ。道路脇の山林から姿を現し、住民を見て山林に引き返したという。

(サクランボ食い荒らすクマを撮影:山形)
南陽市宮内にあるサクランボ畑を所有する50代男性が、サクランボを食い荒らすクマの様子を撮影した。この畑では先週末からクマによる食害が相次ぎ、確認されている被害は計約30キロ。男性は「収穫直前の実もやられた。大変ショックだ」と話している。

(散歩中に道路を横断するクマ目撃:北海道)
北海道上砂川町でクマの目撃情報が相次いでいて、警察が警戒を強めています。クマが目撃されたのは、上砂川町鶉5条2丁目付近の十字路交差点です。5月27日午前11時ごろ、散歩していた女性が、道路を南から北に横断するクマ1頭を目撃しました。警察によりますと、クマは体長約70センチメートルで、付近では13日からクマとみられる動物の目撃が相次いでいます。付近には小中学校があり、警察は登下校の時間帯にパトロールを強化するなど、警戒を強めています。

(写真家が水田のあぜ道を歩くクマを撮影:秋田)
秋田市新屋から雄物川沿いにおよそ5キロ上流にある秋田市豊岩地区で、今月25日、クマの生態に詳しい写真家が水田のあぜ道を歩くクマを撮影しました。今月25日、県内でおよそ30年間、野生のクマの撮影を続けている加藤明見さんは、秋田市豊岩地区の水田で、体長およそ1メートルのクマがあぜ道をゆっくりと歩く様子を撮影しました。150メートルほど離れた水田では田植えをする人がいたということでしたが、クマはときどき辺りをうかがいながらも、慌てるようなそぶりもなく歩いていたということです。加藤さんは、安全を確保しながらカメラで撮影を続けたということで、しばらくするとクマは茂みの中へ入っていき、姿を消しました。加藤さんは「森から森へ移動するための近道として、田んぼを横断したように見えた。見通しのよい場所なのでクマは本来、嫌がる環境だと思うが、それほど警戒していなかった。人慣れが進んでしまっている可能性がある」と話していました。

(クマが2頭いる可能性も、目撃情報が相次ぐ:北海道)
北海道上砂川町でクマの目撃情報が相次いでいます。クマが目撃されたのは上砂川町鶉4条3丁目付近の十字路交差点です。5月28日午後1時半ごろ、上砂川町のクマ担当職員がパトロール中に体長約2メートルのクマ1頭を目撃しました。警察によりますと、クマは道路を南から北に横断し、小学校や中学校がある住宅地方向に移動したということです。また、約200メートル東の交差点でも、27日午前11時ごろに体長約70センチメートルのクマ1頭が目撃されています。目撃情報からクマが2頭いる可能性もあるとみて、警察は小中学校の登下校の時間帯にパトロールを強化するなど、警戒を強めています。

(各地でクマの目撃情報相次ぐ:岩手)
県内では27日から28日にかけても各地でクマの目撃情報などが相次ぎました。大槌町によりますと、27日午後5時頃、吉里吉里地区の吉里吉里保育園近くでクマ2頭が目撃されました。警察によりますと、27日午後6時前、東北本線の花巻駅と花巻空港駅の間で下り列車とクマが衝突。クマはそこから走り去ったということです。また、28日午前7時半ごろには金ケ崎町の町立第一小学校付近で、午前9時前には奥州市水沢佐倉河で、それぞれクマ1頭が目撃されました。県内ではほかにもクマの目撃が相次いでいて、岩手県は、山菜採りや農作業などでクマと遭遇し被害にあう危険性が高くなるとして、複数人で行動し鈴などの音のでるものを持って行くことやクマの行動が活発になる明け方や夕方は山に入ることを避けるよう呼びかけています。

(クマの目撃相次ぐ:秋田)
今月に入ってクマの目撃が相次いでいる秋田市新屋では、学校に通う子どもを保護者が車で送迎するなど、クマ出没への警戒が続いています。雄物川の河口に近い秋田市新屋の勝平地区では、去年10月、男女4人が相次いでクマに襲われ、けがをしました。この地区では今月に入っても、14日、20日、23日とあわせて3回、クマが目撃されていて、いずれも人身被害はないものの、近くに住宅街や小中学校もあることから県や警察が警戒を呼びかけています。また、勝平地区に1校ずつある小学校と中学校では保護者にメールでクマの目撃情報を共有しているほか、登下校時はできるだけ保護者などに付き添ってもらうよう呼びかけています。28日も勝平小学校では、登校時間の午前7時半ごろから、クマよけの鈴をつけた子どもたちが保護者と一緒に徒歩や車で登校する姿が見られました。小学1年生の子どもと登校した40代の母親は「4月に入学してから毎朝、付き添って登校しています。クマの出没が落ち着かなければ1人で登校させるのは不安です」と話していました。勝平小学校の木川博之校長は「去年は勝平地区でもクマによる人身被害が発生していて、ことしも非常に危惧している。今後も地域や保護者と連携しながら対策を続けたい」と話していました。

(シカ3頭目撃:栃木)
鹿沼市で28日、シカが目撃されました。28日午前11時ごろ、鹿沼市上殿町の田んぼ近くで、シカ3頭がいるのが目撃されました。鹿沼警察署によりますと、シカはそれぞれ1・7メートルぐらいの大きさで、黒川の方へ移動するのを通り掛かった人が見たということです。

(公園にイノシシのような生き物が現れる:宮崎)
県高校総体の会場にもなっている宮崎市の県総合運動公園のクロスカントリーコースに体長が1メートルを超えるイノシシのような生き物が現れ、県が注意を呼びかけています。猟友会によりますと耳の大きさなどからイノシシとブタが交雑したイノブタの可能性もあるということです。イノシシのような生き物が現れたのは海沿いの松林の中を走るクロスカントリーコースです。29日午前5時半ごろNHKの取材クルーがコース脇にとめた車の中で待機していると、3メートルほど離れたやぶの中からのっそりと姿を現しました。体長が1メートル以上あり、正面を向いた時に下あごから伸びる2本の牙も確認できました。鼻で地面のにおいをかいだり、こちらを警戒するような仕草を見せたりしていましたが、1分ほどで再びやぶの中に姿を消しました。NHKに情報を寄せてくれたのはコースのそばにある木崎浜で朝にサーフィンをしている宮崎市の後田剛史郎さんです。先月下旬から目撃されるようになったということで、後田さんは「サーフィンの前にランニングをすることもありましたが、今は怖いのでやめています」と話していました。イノシシの生態に詳しい綾町の猟友会に映像を確認してもらったところ、耳が通常のイノシシよりも大きいことや茶色い体の色、それに尻尾の形などから野生のイノシシとブタが交雑したイノブタの可能性があるということです。県総合運動公園では現在、県高校総体が行われていて、県や宮崎市は看板を設置して注意を呼びかけるとともに捕獲のためのわなをしかけることにしています。

(住宅地に“3頭のクマ”出没:岩手)
岩手・花巻市の住宅地にクマが現れました。猟友会の男性が山に帰るように大きな声を出しても、なかなか動こうとしなかったクマ。子どもとみられるクマ2頭を連れていたようです。

(イノシシ1頭の目撃情報:新潟)
新潟県西蒲署の発表では、29日午後3時ごろ新潟市西蒲区役所から西蒲区間瀬地内の民家前の道路上で体長約1メートルのイノシシ1頭の目撃情報があったたと通報を受けた。

(各地でクマ目撃相次ぐ:新潟)
連日各地でクマの出没・目撃が続いています。警察によりますと、29日朝7時頃、魚沼市松川の県道70号で、車を運転していた人が道路を横切る体長1mほどのクマを目撃しました。最寄りの住宅まで約100mのところだったということです。29日午後6時半すぎには、妙高市堀之内の国道292号で同じく体長1mほどのクマ1頭が目撃されています。また、30日朝7時前には五泉市菅出の建設会社の作業場の敷地内に体長1mほどのクマ1頭が現れ、走り去ったということです。また、29日午後3時過ぎには、新潟市西蒲区間瀬の住宅前で体長1mほどのイノシシが目撃されました。それぞれ警察と行政が連携し、注意を呼び掛けています。

(工場の倉庫内でクマ目撃:長野)
29日朝早く、千曲市にある工場の倉庫内にクマ1頭がいるのを出勤してきた従業員が見つけました。従業員にけがはありませんでしたが、クマの捕獲には至っておらず、警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。29日午前5時ごろ、千曲市森の家畜の飼料などをつくる工場の倉庫内に体長1メートルほどのクマ1頭がいるのを、出勤してきた従業員が見つけました。従業員はすぐにその場を離れ、報告を受けた上司がおよそ40分後に倉庫に行ったところ、すでにクマはいなくなっていたということです。従業員にけがはありませんでした。工場によりますと、倉庫には家畜の飼料の原料となる廃棄されたパンやクッキーなどを保管しているということです。この工場では、今月はじめにもクマに倉庫が荒らされ、3日には防犯カメラにクマの姿が映っていたということです。また、今月24日には工場近くの杉林でクマ1頭が捕獲されていました。工場の管理者の西村利夫さんは「創業から26年になりますが、工場内にまでクマが現れたのはことしが初めてです」と話していました。千曲市の担当者や猟友会の担当者らが逃げたクマを捜索しましたが発見や捕獲には至っておらず、警察は周辺の住民に注意を呼びかけています。長野県によりますと、先月、県内で報告されたクマの目撃件数は20件に上っています。

(クマ目撃、近くの小学校は臨時休校:広島)
広島県廿日市市下平良の国道2号西広島バイパス側道で29日夕、「路上にクマがいた」との通報が市に寄せられた。市や廿日市署は、28日に市内で目撃情報が相次いだクマが山際にとどまっている可能性があるとみて30日も警戒を続け、近くの佐方小は臨時休校となった。

(住宅街を流れる川付近に体長2mのクマか:北海道)
28日夜、札幌市手稲区でクマのような動物の目撃情報が警察に寄せられ、近くに中学校があることから警戒が続いています。28日午後8時20分ごろ、札幌市手稲区富丘5条4丁目付近で通行人の男性から「黒い大きい何かを見た」と110番通報がありました。警察によりますと男性が目撃したのは体長2mほどの黒い個体で住宅街を流れる川の付近を歩いていたということです。警察官がすぐに付近を捜索しましたがクマや足跡なども見つからなかったということです。目撃現場近くには札幌市立手稲中学校があり、学校では見守り登校を行うほか、警察がパトカーで注意を呼びかけています。

(児童館近くでクマ目撃:群馬)
29日午後、富岡市の山間部にある児童館の近くでクマ1頭が目撃され、警察が地域の住民に注意を呼びかけています。29日午後3時すぎ、富岡市妙義町の妙義児童館のそばを走る道路で、クマ1頭が歩いているのを車のドライバーが見つけ、警察に通報しました。市によりますと、クマは大きさから子グマとみられ、その後、近くを流れる川を渡って山林に向かい、姿が見えなくなったということです。当時、児童館には小学生と保護者、それに職員の合わせて10人がいて、児童館では、クマの目撃情報を受け、子どもらを施設内で待機させた上で、保護者に迎えに来てもらうなどの対応を取ったということです。現場は、上信越自動車道の松井田妙義インターチェンジから南におよそ3キロ離れた山間部で、児童館のほか、小学校や住宅地などがあります。警察や市は、周辺をパトロールするとともに、地域の住民に注意するよう呼びかけています。

(クマ目撃:栃木)
29日午前10時10分ごろ、那須塩原市百村の木の俣園地で、近隣住民がクマ1頭を目撃した。

(東山温泉でクマ1頭目撃:福島)
29日午後6時半ごろ、会津若松市東山町石山字院内の県道で、通行人が道路を横切るクマ1頭を目撃し、温泉宿泊施設の従業員を通じて会津若松署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートルで、南側にある湯川の方向へ逃げたという。現場は宿泊施設が並ぶ東山温泉の一角。同署はパトカーで注意を呼びかけた。

(イノシシやキョンなどの皮を「ジビエレザー」として活かす:千葉)
動物たちが野生に生きた証が味わい深い、世界に一つだけの革製品をお届けします!Growth支援事業を展開する株式会社オニオン新聞社(代表取締役社長:山本寛、以下「オニオン新聞社」)では、株式会社千葉ステーションビル(本社:千葉県千葉市中央区/代表取締役社長:弭間 俊則) とのライセンス契約により運営する、ペリエ公式オンラインストア「PERIE Online powered by Onion」にて2024年5月27日(月)より「伝右衛門製作所」が新規出店、商品の販売を開始します。伝右衛門製作所は、イノシシやキョンなど自然の中で生きてきた動物たちのキズが革に現れる味わい深さが楽しめる「ジビエレザー」を制作しています。ジビエレザーは、野生の動物がたくましく生きた傷をも生かして革製品を仕上げているので、どのように野生を生きてきたかを感じられる良さが魅力。イノシシ革は丈夫で水や傷に強く、キョン革は千葉県のみ使用が許可されており「革のシルク」と呼ばれるほど柔らかく手触りの良さが圧倒的。これらの特徴により、動物が野生を生き抜いた証が刻まれた、世界に一つだけのジビエレザーを生み出しています。

(野生シカをペットフードに:京都)
野生のシカの肉をペット用に加工した「ジビエペットフード」の生産が京都府内で広がっている。高タンパクで低脂質なため健康志向の愛犬家から人気。

(有害鳥獣をペットフードに、年内販売へ:愛媛)
愛媛県鬼北町が、駆除した有害鳥獣を活用しようと、イノシシや鹿を解体、加工してペットフードを作る施設を建設した。捕獲者が後始末する手間を省き、負担を減らす狙いもある。2023年10月から稼働している。

(こだわりの8品披露、エゾシカの消費拡大へ:北海道)
登別温泉街や白老町虎杖浜の宿泊施設に勤務する調理師で構成する「登別温泉調理師登庖会」(渡辺晃紀会長)の料理研究勉強会が、登別市登別温泉町のホテルゆもと登別で開かれた。7人の調理師が、各自考案した登別エゾシカの創作料理を披露した。同会は若手会員の増加を図ることを目的に、他の宿泊施設や料理店を視察する「料理交流勉強会」と、テーマを決めて各自考案した料理を持ち寄る「料理研究勉強会」を実施している。22回目の料理研究勉強会では、伊奈不動産エゾシカ活用事業部(札内町)が販売している登別エゾシカがテーマ。エゾシカの消費拡大につながるよう、質が高く肉本来のうま味を感じさせる料理を考案した。勉強会は、仕事が一段落した午後9時半から行われ、登庖会のメンバーと小笠原春一市長、伊奈不動産の伊奈信也取締役、室蘭市の北斗文化学園インターナショナル調理技術専門学校の学生ら約20人が参加した。会場には登別エゾシカの「ジンギスパン」「朴葉味噌焼き」「ジビエ餃子」「香草焼き」「自家製サルシッチャ」「治部煮蕗飯巻き」「柚香サラダ仕立て」「登別温泉鹿ふぇす2024森の恵みの前菜」の8品が並んだ。味はもちろん、見た目の細部までこだわった料理の数々に、早速写真に収めたり、試食をしたりと研究に励んだ。伊奈取締役は「臭みや固すぎるところはなく、薄めの味付けでシカ本来の風味がしっかり出ている。上手に良いところを引き出してくれた」と絶賛していた。北斗文化学園の源野あかりさん(専攻科プロフェッショナルコース2年)は「いろんな調理法を学ぶことができて貴重な体験だった。今まで食べたことがない食材の組み合わせもあった」と感想を述べた。ホテルゆもと登別料理長の渡辺会長は「エゾシカは日本料理には使わないが、いろんな種類が出てきて狙い通りの成果を得られた。せっかく市内に処理場があるので、勉強会をきっかけにPRすることができれば」と抱負を語った。

(「山の恵み」に原発事故の出荷制限続く:群馬)
2011年の東京電力福島第1原発事故の影響により、群馬県を含む東日本で一部の食品に対し、出荷制限が出されてから13年が経過した。県内ではこの間、多くの食品の安全性が確認され、制限は縮小傾向にある。ただ、原木シイタケやジビエ(野生鳥獣肉)など「山の恵み」の一部は、いまだに出荷できない状況が続く。廃業や事業転換を迫られた生産者は少なくないが、活用に向けた動きも一部で始まっている。原発事故後、国は食品中の放射性物質に関する暫定基準値を設定。基準値を下回った食品は順次、出荷制限が解除されているが、厚生労働省などによると、3月時点で地域ごとに野生キノコやタケノコ、イノシシやシカの肉など20品目以上が出荷制限中だ。

(ジビエ加工施設を開業:岩手)
ニホンジカによる農業被害が深刻な岩手県遠野市で今月、ジビエ(野生鳥獣)加工・販売施設「遠野ジビエの里」が開業した。運営法人代表の及川知也さん(42)は捕獲後に9割が廃棄されるシカを有効活用し、ジンギスカンに続く遠野名物にしたい考えだ。

(捨てられるシカ革、犬用ガムに変身:長野)
皮革製造・加工業「メルセン」(飯田市松川町)は、捕獲、駆除されたシカの革を使い、小型犬用にかむ力を鍛えるためのガムを開発した。同社の中川武人代表(70)は「動物が命の代わりにのこしてくれたもの。粗末にせず最後まで使いたい」と革製品以外の活用も模索している。

(里山の資源を生かして暮らしてきた、地域の未来を見据える移住者の思いとは:香川)
林業や農業など里山の資源を生かして暮らしを続けてきた東かがわ市の五名地区。8年前に移住してきた男性は山での仕事を引き継ぎつつ、発展させようと試みています。地域の未来を見据える男性の思いとは。香川県東かがわ市に住む飯村大吾さん、33歳。作るのは、この地域で捕れたシカやイノシシの肉を使ったハンバーグです。オムライスのケチャップライスにもシカやイノシシの肉が使われています。北海道出身の飯村さんは、林業の研修生として2016年に東かがわ市に移住してきました。その3年後には産直カフェ「五名ふるさとの家」の店長を任されました。この施設は東かがわ市が、地域のにぎわいの拠点として小学校の跡地に整備しました。香川県と徳島県の県境にあり、人口約280人の東かがわ市・五名地区。林業や農業が盛んでしたが、その一方で、農作物を荒らすイノシシの被害に悩まされていました。20年ほど前には、駆除したイノシシの肉を活用しようと四国で初めての解体所が造られました。飯村さんも林業の研修を受けながら、狩猟や解体を習ったそうです。シカは木の皮や新芽を食べたり、農作物を荒らしたりするため、有害鳥獣に指定されています。飯村さんは山に入り仕掛けた罠を見て回っています。香川県によりますと、東かがわ市で捕獲されたシカは2013年度まではゼロでしたが、その後、右肩上がりに増え、2022年度は303頭が捕獲されました。増えるシカの肉だけではなく皮の活用も試みています。今取り組んでいるのは、シカの革を使った手袋です。手袋は、東かがわ市が日本一のシェアを誇る特産品。デザイナーや地元の縫製会社に協力してもらい、形にすることができました。この冬からの受注生産を目指しているそうです。また、イノシシの油を使った革製品用のワックスをふるさとの家で手作りし、2023年12月から販売しています。飯村さんは、シカやイノシシの肉について自分で調理するだけではなく、販路を広げてきました。今では、高松市を中心に飲食店10店舗ほどに肉を提供しています。この日は、飯村さんがお世話になっている地元の人たちに、シカ肉を食べてもらおうと食事に招きました。飯村さんは、里山での仕事を引き継ぎ、発展させて、若い世代の移住を呼び込むことで、五名の未来へバトンをつなぎます。飯村さんは2025年、五名に宿をオープンする予定で準備を進めているということです。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、30日午前11時40分ごろ、富谷市富谷奈良木沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、30日午前5時30分ごろ、登米市登米町寺池道場にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午前9時15分ごろ、栗原市築館築館新八ツ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後7時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元青木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後7時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元青木にクマが出没しました。

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(イノシシ運搬中に斜面から転落、66歳男性死亡:福島)
26日午前11時20分ごろ、郡山市熱海町高玉の林道で、同市熱海町高玉字地福、無職の男性(66)が斜面から転落し、死亡した。郡山署によると、男性は有害鳥獣駆除のため、わなにかかったイノシシを知人男性と運んでいたところ、斜面から約2メートル下の林道に落ちたという。同署が死亡労災事故とみて詳しい原因などを調べている。

(「ハーフライフル銃」規制強化、猟友会「忘れることはない」:長野)
今回の事件で使用された「ハーフライフル銃」の規制強化を盛り込んだ銃刀法の改正案が今年3月に閣議決定されました。事件が社会に与えた影響について取材しました。長野県警 鈴木達也本部長「改めまして亡くなられました4名の方に哀悼の意を表するとともにご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げたいと思います」。去年5月25日、中野市江部で住民や警察官あわせて4人が殺害された事件。青木政憲被告が犯行に使用したのが猟銃の「ハーフライフル銃」でした。この事件をきっかけに今、「ハーフライフル銃」の規制強化にむけて国が動いています。ここは長野市広瀬にある「長野射撃場」。この日、木島平猟友会と山ノ内町猟友会が講習を兼ねた練習会を開いていました。青木被告は数年前、この射撃場で開かれたクレー射撃の大会に参加していたといいます。猟銃を所持するためには「3年ごと」の更新が必要で、更新のためには「講習会」と射撃場で行われる「技能講習」を受けなければなりません。青木被告の地元、中野市の射撃場は4年ほど前、経営者が亡くなったことに伴い閉業。そのため、青木被告は長野市や上田市の射撃場に足を運んでいました。長野射撃場 管理者池田慎一郎さん「本当にえらいことやってもらってね。皆さん銃の管理なんかちゃんとやってるんですけどね」。木島平猟友会三井 徹さん「(1年経っても)まだ職場とかでも(事件の)話とか、地元でもやっぱり出ますし。やっぱりなくならないですよね。忘れることはないと思います」。政府は今年3月、中野市の事件でハーフライフル銃が使われたことなどを受けて、銃の規制強化を盛り込んだ「銃刀法の改正案」を閣議決定しました。現在、ハーフライフル銃の所持は散弾銃と同じく“猟銃の所持歴”を問わないため狩猟免許を取得した後、すぐに所持することができます。今回の「改正案」ではハーフライフル銃の許可の基準についてライフル銃と同じく『猟銃を10年以上継続して所持している人』などに限定するとしています。つまり、可決・成立した後は狩猟免許の取得後、すぐにハーフライフル銃を所持することはできなくなります。長野射撃場 管理者池田慎一郎さん「まだ改正がはっきり決まったわけじゃないですけど、ハーフライフルを持っている方っていうのは、そのまま持っていられるんでしょうけど。これから(ハーフライフルを) 持つっていう方はちょっと厳しいんじゃないかと思いますけども」。猟銃は大きく分けて3種類で射程の長い順に「ライフル銃」、「ハーフライフル銃」、「散弾銃」があります。散弾銃の射程が50メートルほどに対して、ライフル銃とハーフライフル銃は150メートル以上先の獲物を仕留めることができます。仮に散弾銃でクマに立ち向かうとすると、50メートルの距離まで近づく必要があります。クマはおよそ時速40キロで走ることができると言われていて、4秒から5秒程度で反撃されるおそれが。そのため、大型の動物を狙う新人のハンターたちはハーフライフル銃を使う必要があるのです。ハンター歴50年になる安曇野市猟友会の藤原英夫会長は今回の規制について疑問を投げかけます。安曇野市猟友会 藤原英夫会長「なんで規制するのって思っちゃう。個人的には。まじめにやってる人にとってはいい迷惑ということになっちゃう。何かあるごとに規制がかかるからね。もちろん銃が悪いわけじゃない」。クマやイノシシなどによる農作物の被害を減らすために必要な害獣駆除。政府はこうした猟友会などからの声を受けて、「ハーフライフル銃」が必要と認められた地域に限定して、都道府県を通じて申請を行えば特例でハーフライフル銃を扱える措置を検討しています。長野県林務部 鳥獣対策担当塚平健司課長「害を及ぼす獣をしっかり捕獲していかなければいけない。そのためにはハーフライフル銃で捕獲できる手段というものを狩猟者の方に持っていただくということは必要なのかなと思っています」。銃刀法の改正案について、政府は今の通常国会での成立を目指していますが、猟銃のあり方がいま問われています。いま県内で銃の所持はどのくらい?猟銃所持の申請件数はおととし=635件事件のあった去年=561件と減っているが、例年「600件」前後で推移しています。国がハーフライフルについて制度変更を進めているが?銃を持てるまでの流れは変わらず。何段階ものチェックを通る必要が。書類の提出義務があるが、【医師の診断書】が必要。指定医や専門医でなくても、歯科医を除き内科でも外科でも診断書を出せる規定に。診断は何回?1回です。1回きりの診察で、その人に心の問題がないかどうか判断するのは難しいのでは?・今回の改正は銃の種類だけに焦点が当てられているが、「人を見極める部分」が見直されていないのが課題では。

(銃許可の周辺調査、近く強化へ)
所持していたハーフライフル銃などで4人を殺害したとして起訴された青木政憲被告(32)は、近隣住民ら地域との関係が希薄だったとされる。孤立した銃所持者の「兆候」をいかに察知するか。警察庁は事件を受けて、銃所持の許可を出す際などに近隣住民や友人らへ聞き取りを行う周辺調査を強化する方針について、近く全国の都道府県警へ示す。銃刀法はアルコールなどの依存症患者のほか、ストーカー行為やDV(家庭内暴力)をして命令を受けた人など、他人に危害を加えたり自殺したりする恐れがある人は猟銃などを持てないと定めている。警察はこれを見極めるため、所持許可の新規申請時や、3年に1度の更新時に周辺調査を実施。申請者が指定した3~4人に話を聞き、精神的に不安定でないかや暴力トラブルがないかなどを確認する。警察官が必要と判断すれば、人数を増やすこともある。事件後に見直しを進めている調査の実施要領では、申請者に社会的な接点が少ないケースなどについて、判断に必要な情報を集めるまで対象者を増やすなど調査を徹底するよう明記。一方、鳥獣駆除の実績が明らかな場合などは効率的に行うなどして、必要な調査に人手を割けるようにする。ただ、許可・更新時には問題のなかった銃所持者が、短期間で精神を病むなどして悪用する可能性はあり、「事件を予知して完全に防ぐのは難しい」(警察庁幹部)。別のある幹部は、長期間使用していない銃の管理を厳格化するなど「あらゆる対策を組み合わせて、悪用の恐れがある銃を1本でも減らす」と強調した。

(市街地でクマ狩猟可能、法改正へ方針提示)
昨年度過去最多の人的被害が出たクマ対策に関し、環境省の専門家検討会は23日、一定の条件下で市街地での銃猟が可能となるよう鳥獣保護管理法の改正を柱とする対応方針案について議論した。大きな異論は出ず、法改正を目指す見通しとなった。検討会は夏ごろに方針として正式に取りまとめる予定。近年、市街地へのクマの出没が相次ぎ、人的被害が増えているにもかかわらず、現行法は住宅が密集する地域や、公共施設周辺などでの銃猟を原則として禁じている。環境省によると、クマが市街地に現れた場合、ハンターらが銃猟できるのは、警察官が警察官職務執行法に基づき命じた場合などに限られており、警察官が現場にいないときなどには銃猟できないことが懸念されている。こうした事情を踏まえ、方針案では鳥獣保護管理法を改正し、クマによる人的被害の恐れが生じている場合、市街地での銃猟を特例的に行えるようにするべきだとした。環境省によると、2023年度のクマの人的被害は、把握できる06年度以降で最多の198件、219人だった。岩手県の達増拓也知事らから、市街地での銃猟に関し規制緩和を求める声が上がっていた。

(ハンター報酬問題、知事が国に人員や財源確保要望へ:北海道)
北海道奈井江町で、報酬が低いことなどを理由に猟友会がクマの駆除に参加しないとしている問題で、鈴木知事は国に財政支援を要望する考えを示しました。北海道猟友会砂川支部の奈井江部会は、ハンターの不足や報酬が不十分などとして、クマの駆除や見回りなどに参加しないことを奈井江町に伝えています。報酬額は市町村と猟友会が個別に協議して決めていて、市町村によって「報酬の格差」が生じています。鈴木直道知事:「出動にあたっての適正な単価の設定などについて、地域の実情についてもお伝えをしながら、市町村とも連携をしながら国に要望していきたい」。鈴木知事は24日の定例記者会見で、クマの駆除に向けた人員や財源の確保に対する支援を国に要望する考えを示しています。

(老舗銃器レミントン、チェコ企業による買収に批判:アメリカ)
米国政府がチェコ企業による銃器・弾薬ブランド「レミントン」の買収案を審査している。チェコ企業は中国とロシアに近いと批判されており、バイデン政権は安全保障への影響などを調べる。買収案に反対する共和党議員らは米国資本の銃器・弾薬メーカーを守る必要があると主張している。日本製鉄によるUSスチール買収案も「安全保障」を理由に当局の審査が続いている。米国では外国企業による老舗企業の買収を疑問視する風潮が一部で強まっている。レミントンは19世紀初めに源流を持つ米国最古の民間銃器メーカーで、18年に経営破綻した。その後「レミントン」のブランドは米ビスタ・アウトドアのもとで存続していた。ビスタは2023年10月、約19億ドル(当時約2900億円)で「レミントン」ブランドを含む銃器・弾薬部門をチェコの軍用品メーカー「チェコスロバク・グループ(CSG)」に売却すると発表した。CSGはウクライナに弾薬を供給していることでも知られる。トランプ前大統領に近い共和党議員らがこの買収案に反対を表明した。CSGが中国とロシアに近いと主張し、財務省に阻止するよう要請した。同省率いる対米外国投資委員会(CFIUS)が審査している。これとは別に米南部テキサス州を拠点とする投資会社もレミントンなどの買収案を提案し、CSGに対抗している。

(アライグマに襲われる、男性けが:三重)
桑名市播磨の市道で23日、野生のアライグマが歩いていた50代ぐらいの男性に襲いかかり、左脚をかんでけがを負わせた。市獣害対策室が捕獲に乗り出したが、24日夕方時点で確保できていない。同室は「アライグマを見かけても近づいたり、触ったりしないで」と呼びかける。同室や播磨東自治会長の丹羽善春さん(64)によると、かまれた男性は23日午後5時ごろ、犬の散歩で住宅地を歩いていた際、突然現れたアライグマに左脚の太ももをかまれた。二つの歯の跡が残り、出血したとの話もある。男性は自分で医療機関で治療を受けたという。連れていた犬もアライグマともみ合いになり、犬は4カ所をかまれた。

(自力で病院へ、クマに襲われた男性:石川)
24日午前、金沢市の山間部で男性がクマに襲われ、顔や足にけがをしました。現場は、金沢市湯谷原町にある医王山寺の参道です。市や警察によりますと、24日午前10時半頃、犬の散歩をしていた52歳の男性がクマ1頭に襲われました。男性は顔や足をひっかかれるなどしましたが、自力で病院を受診し、命に別条はないということです。クマは体長1メートル程で成獣とみられています。現場では警察や猟友会などが付近を捜索しましたがクマの発見には至りませんでした。市では、24日関係者による会議を開き情報を共有するなど関係部局との連携を確認しました。森林再生課・中西 賢治 課長:「今年はクマのエサになるブナが凶作だということは報道等なされておりまして、市民の皆さまにも注意を払っていただければと思っております。」県内では、4月にも白山市内の登山道で女性がクマに襲われけがをしていて、県は24日、新たに「ツキノワグマ出没注意情報」を出しました。クマの活動が活発になる早朝や夕方、夜間には山林近くでの散歩やジョギングを控えることやクマが人里に接近しないようエサとなるものを放置しないことなど注意を呼びかけています。

(70代女性がイノシシと接触し足に軽傷:富山)
24日朝、射水市で自宅の草を刈っていた70代の女性がイノシシと接触しケガをしました。イノシシが現れたのは射水市串田の住宅の敷地で、24日朝、70代の女性が敷地内で草を刈っていたところ、イノシシが現れて女性の足に接触し、そのまま走り去ったということです。女性は左足のすねの付近に擦り傷を負い、病院で手当てを受けて軽傷だということです。富山県内での、今年度のイノシシによる人身被害はこれが初めてです。射水市は付近のパトロールを行い、市のホームページやLINEなどで注意を呼びかけています。また、イノシシに遭遇した場合は、刺激を与えず安全な場所へ避難して市町村や警察に知らせるよう呼びかけています。

(クマに襲われ男性けが:石川)
24日午前10時半ごろ、金沢市湯谷原町の山あいで、犬の散歩をしていた市内の男性(52)が体長1メートルほどの成獣のクマ1頭に襲われ、右頬や右足のすねを引っかかれるけがをした。金沢中署や猟友会が周辺をパトロールしたが、クマは見つからなかった。市などによると、現場は市営医王山スキー場の向かいにある医王山寺本堂から北西に約100メートル離れた参道中腹。男性は1人で散歩中にクマに遭遇し、自力で身を守った。クマは山中に逃げ、男性の妻が市に通報した。男性は市内の病院で治療を受けた。けがをした男性と話したという同寺の井上恵照住職(56)は「男性の頬から血が流れていたので、転んだのかなと思ったら『クマです』と聞いて驚いた。最近、この付近で誰かが襲われたという話は聞いたことがない。週末は登山客も来るので、注意喚起の看板を立てないと」と話した。市は同日、市役所で情報共有のための会議を開催。終了後、市森林再生課の中西賢治課長は取材に「冬眠から目覚める今の時期、空腹のクマはエサを求めて活発に活動する。遭遇する可能性が高まっているので、市民一人一人が注意してほしい」と呼びかけた。このほか、市内では23日午後5時半ごろに太陽が丘でうろついている1頭が目撃され、24日午前5時半ごろには月浦町で足跡が見つかっている。

(男子小学生がサルに頭をひっかかれ軽傷:福岡)
26日午後、福岡市早良区の住宅街で、男子小学生がサルに頭をひっかかれ軽傷を負いました。26日午後0時半ごろ、福岡市早良区梅林の住宅街で「サルが1匹子供がひっかかれた」と父親から通報がありました。警察によりますと、車で自宅に戻ってきた母親が運転席のドアを開けたところサルが車内に侵入し、後部座席に座っていた小学4年生の男の子の頭をひっかいたということです。男の子は頭に軽いけがをしました。現場は福岡市地下鉄七隈線の梅林駅か約550メートル離れた住宅街で、警察が注意を呼びかけています。

(「米軍の特殊部隊相手のよう」クマ駆除めぐり溝も:北海道)
北海道猟友会砂川支部 奈井江部会 山岸辰人部会長「クマやるってことはデルタフォース(米軍の特殊部隊)相手にしてるようなもんだよ。こっちはただのハンターだ」。これが日当でいうと8500円くらい?「高校生のコンビニのバイトだってもっともらってるだろ。それでヒグマに立ち向かっていくんですかって話、誰が行くんですか」。北海道奈井江町では地元猟友会がクマ駆除への参加を辞退する方針を表明しました。猟友会の山岸氏は辞退した理由について、手当を加えても最大10300円という報酬の低さと、事前に相談もなく、条件を提示してきた行政の対応への不信感にあったと話します。奈井江町周辺の他の自治体の報酬を調べたところ、日当の他、駆除に関わる報酬が加算されるなど自治体によって対応はまちまち。札幌市の場合は、ハンターの保険などの費用として猟友会にまとまった金額が支払われるほか、丸一日出動の場合は個人の報酬は5万円以上になります。人口195万人の札幌市に対し、5000人未満の奈井江町とでは財源にも差があります。物価高の中、ガソリン代などの経費もかかります。奈井江町は、「猟友会と改めて話したい」としています。実は猟友会と自治体の同様の事態はかつて別の町でも起きていました。北海道猟友会寿都支部 島牧分会 花田雄二さん「その金額では全くできないので、私たちは出ることができませんっていうのが2年ぐらい続いたんです」。そもそも猟友会というのは行政の組織ではありません。今、クマ駆除の在り方を根本から見直すべきではという議論も進んでいます。三笠市 鳥獣部門 高崎梨徒さん(24)「ちょうどよく、これ分かります。クマの、ここ、手の底で指があってっていう感じで」。高崎梨徒さんは、現在24歳の若手ハンターです。地元猟友会に所属もしつつ、北海道三笠市の職員としてヒグマの駆除に携わっています。三笠市 鳥獣部門 高崎梨徒さん(24)「そこのやぶからガサガサガサって、 もう本当に熊降りてきて、もう僕の目の前3メーターぐらいまで来たんですよね。ここ道路上ですし、後ろにいる警察の方が撃ってくださいって言ってもらえれば、その、撃つことはできるかもしれないですけど、もう本当に目の前までクマ出てきているんで、みんな声すら出ないんですよね。もちろん引き金を引くのはハンターなので、命がけっていうのは間違いないですけど、こうやって道路を封鎖するために臨場してくれている警察の方であったり、その問題を解決するために集まった人たちも命がけで作業にあたってくださっているので」。もともと動物好きだった高崎さん。大学で獣害研究を通じ、駆除活動の大切さに気付き猟友会に教えを請い、ハンターの道へ。ヒグマ駆除の傍ら、普段は市役所の業務をこなす毎日…。行政に所属するハンターで「ガバメントハンター」と呼ばれています。三笠市 鳥獣部門 高崎梨徒さん(24)「市内で大体3つのエリアに熊の出没が集中していますよっていう、こういう資料を作ったりしています。市役所の行政サイドの職員としては異動があるので、全く熊の知識のない方が担当になることもあることもあるので、こうやって地図で視覚的に示すと 対策が打てるようになるじゃないですか。これ、ヒグマの下あごの第4全臼歯っていう歯なんですけど、捕獲した個体から歯なり肝臓など、大腿骨っていう太ももの骨なりを採取して研究機関に送るっていうことも仕事としてやっています。この下顎第四全臼歯からは正確な年齢がわかるので。やっぱり猟友会に所属している方も決して暇ではないですし、それぞれ仕事を持ったりもしているので、こういう専門職についているから、こういうことに集中できている」。もともと名古屋の都会育ち。銃に触れたこともない状態で、2年前、猟友会に飛び込み、技術を習得しました。三笠市の上司は…。三笠市 農林課長 豊口哲也さん「猟友会との中でも、いわゆる熟練者というか、経験、先輩たちとその若手というところでいい潤滑になって、この2年間活動をいただいてきているなという風に感じています。先輩たちからも高崎に任せたいというな、言葉も、猟友会の幹部の方と話す中ではそういう声も聞かれますので、これまでの本人の努力っていうものと」。北海道猟友会によると、ハンターの数は、ピーク時の4分の1に激減。若手の育成は急務です。しかし高崎さんは「地域おこし協力隊」制度を利用し、三笠市に雇用されているため、任期はあと1年しかありません。三笠市 鳥獣部門 高崎梨徒さん(24)「外から来た人間ですけど、僕に猟を教えてくれた師匠をはじめ猟友会の方にも本当にお世話になりましたし、この町の方にもとても良くしてもらっているので、どこかその野生動物管理、野生動物対策っていう分野で市の人たちに恩返しといいますか、 貢献していけたらなと思っています」。去年、専門家などでつくる「ヒグマの会」は、今後ヒグマとどう向き合っていくべきかの提言書を北海道知事に提出。行政として、捕獲の経験と高い技術を持つ地元猟友会と併せ、ヒグマの知識をもった「専門対策員」を地域ごとに設置することを提案しました。「ヒグマの会」事務局長 酪農学園大学 佐藤喜和教授「捕獲を担うその担い手を行政が直接雇用するというのはまだなかなかハードルが高いかなと思うんですけれども、高崎さんの例もそうですけれどもやがてですね、正式な雇用になるに従ってですね、地域の捕獲の担い手のリーダーシップを取れるような存在になって、 ヒグマの管理に必要な対策ですとか新しい知識を持ってですね、より良い管理に向けて進んでいくような、専門対策員というのもあると思います今回あったような金銭的な問題が発生しないように、事前に十分な対話をしながら調整をしていくとか、できるようになっていくだろうと思います」。

(ハンター報酬増額を検討へ:北海道)
北海道奈井江町の猟友会が、人員不足や報酬額の低さなどを理由にクマ出没時の対応を辞退したことを受け、町長は27日朝に取材に応じ、報酬額について再検討すると答えました。(三本英司町長)「協議してそれにふさわしい値段というか料金、それを決めていきたい」。奈井江町の三本英司町長は27日朝に取材に応じ、クマの駆除で出動した場合の報酬について、増額を見据えて猟友会砂川支部の奈井江部会と協議する考えを示しました。

(ヒグマ駆除出動「辞退」表明の猟友会が考える「命をかける値段」:北海道)
2019年から4年間にわたり、北海道東部で66頭もの乳牛を襲撃し、酪農家たちを恐怖に陥らせた巨大ヒグマ「OSO18」。2023年8月に駆除されるまで、人前に決して姿を現さず、痕跡を残さない用心深さから「忍者グマ」の異名をとった。「忍者なんてもんじゃない! クマという獣をたとえるなら、米軍の特殊部隊員、それも、牙と爪を持った“ランボー”を相手にするようなもんなんだよ」。そう熱っぽく語るのは、北海道猟友会・砂川支部奈井江部会の山岸辰人部会長(72)だ。5月21日、北海道北部の奈井江町に対し、地元の猟友会は、クマが出没した際のハンター出動を辞退する方針を表明。害獣駆除のあり方に、大きな一石を投じることとなった。とくに注目を浴びたのが、出動時に町から支払われる報酬だ。奈井江町が提示した額は、基本的な日当が4800円、出没地周辺の見回りなどヒグマ対策が3700円、発砲した場合は1800円が加給されるというもの。報酬は近隣自治体によってまちまちではあるが、たとえば札幌市の場合、巡回だけで2万5300円、浦臼町は出動で1万5000円が支払われる。単純に比較しただけでも、奈井江町の提示額がかなり低い金額であることがわかる。《相手はヒグマだもんな。時給換算でコンビニのアルバイト程度では、命がけの仕事に見合った報酬とは言いがたい》《自治体も予算が厳しい実情があるのだと思うが、こんなやり取りをしている間にも家畜も人命も危険にさらされ続けるし、ヒグマも増殖してしまう》《マタギなど生業としてる人とは違い、請われて出ていくんだからそれなりの報酬はあげるべきでしょう》。このことを報じたYahoo!ニュースのコメント欄は、猟友会の決断に理解を示す声がほとんどを占めた。一般には理解されていると言いがたいのが、野生のクマと対峙することの恐ろしさだ。前出の山岸部会長が語る。「俺が猟に出るときはいつも単独だけど、いままで4回ほどクマに出くわして、やられると覚悟したこともある。彼らのフィールドのなかで戦うわけだよ。彼らは音もなく近づき、どこから来るかわからない。たとえば、胸元程度まで成長したトウモロコシ畑で、腕3本分向こうの距離を、250kgあるクマが俺の横を匍匐前進して通りすぎても、察知できない。俺たちハンターが風上にいたら、100%、やられるからね。5km先のトウモロコシの花が、開いた匂いも嗅ぎわけるのがクマなんだ。みなさんは駆除と簡単に言うけど、どれくらい危険をともなうのか、理解できるかっていう話でもある」。では、自らの命を危険にさらし、獰猛なクマの駆除を引き受ける“対価”は、いくらぐらいが妥当なのだろうか。「我々が案として要求したいのは、クマの駆除のための緊急出動が、ひとりあたり4万5000円。これは、国や北海道、JR北海道がこれくらい出しているという話で。見回りも5分や10分で終わる話じゃないし、だったら巡回なども、1名につき最低1万5000円。それが高いか安いかだよ。たとえば、北海道電力が送電線のパトロールをやる際、護衛の依頼がある。北海道電力の場合、1日、3万5000円出るわけ。だから、駆除云々でいえば、そのあたりが標準になるのかなという思いはある。我々にできることは、引き金をひくことだけなんだ。“金の亡者”といった批判もあるかもしれないけど、国民のみなさんに、もっと考えてほしい。全国のハンターの代弁のつもりです」(山岸氏)。人間とクマの暮らす境界が曖昧になりつつある昨今。金銭面で揉めている間に、被害が拡大することはあってはならない。

(「肉の味覚えた」原因は駆除したシカの放置か:北海道)
北海道や東北で人がクマに襲われる件数が増えています。人を食べ物と認識するクマもいて、原因は人によるシカの放置ではないかという指摘があります。全国で相次ぐ、クマ被害。秋田ではクマに襲われた可能性がある男性の遺体を山中から運ぼうとした警察官2人が襲われ、大けがをしました。本来、クマは草食に近い雑食ですが、北海道では姿をめったに見せず、“忍者クマ”と呼ばれた「OSO18」が66頭もの牛を襲いました。北海道のほぼ真ん中・上川郡では今月19日、大きなクマの足跡が発見されました。先週、別海町では子牛4頭が襲われ、死んでいます。環境省によると、昨年度のクマによる全国の人身被害は統計を開始した2006年以降最多で、200人を超えています。ツキノワグマ被害緊急対策会議「人が持っている食べ物を奪うとか、人を食べ物と認識して攻撃する個体もまれにいる」。“食べ物”として人を襲うクマ。ハンターはそのきっかけとして、意外な動物の名前を口にしました。北海道猟友会 標茶支部後藤勲支部長(80)「まずはシカなの。食べているうちに、肉の味を覚えたのではないか」。エゾシカの生息数は、年々増加しています。駆除した死骸をそのままにしてしまうことや、弾が当たっても倒れなかったシカが別の場所で死ぬことがあり、その肉をクマが食べるというのです。後藤支部長「シカは、たくさん北海道にいるので。(クマは)そのついでにウシを襲ったりする。肉食(のクマ)が多くなるのではないか」。目撃情報は、東京でも…。今月17日には、青梅市からメールでクマへの注意喚起が行われました。この2週間ほど前には、目撃された場所から300メートル離れた公園で、クマの足跡のようなものが発見されていました。青梅市周辺で撮影された映像です。クマを駆除するハンターも高齢化が進み、年々減っているといいます。後藤支部長「ハンターも少なくなっているし、北海道では年間1000頭も(クマが)捕られているのは、ほとんどの人が知らない。鉄砲撃ちがいるから、これで収まっている」。それに加え、自治体によってハンターへのクマ駆除の報酬がバラバラなことも問題になっています。札幌市では1回の出動で2万5300円を支給されているのに対し、北海道奈井江町で提示された日当は8500円。報酬が少なすぎると、ハンターから反発が起きていました。北海道猟友会 砂川支部 奈井江部会山岸辰人部会長「クマやるってことは、デルタフォース(米軍の特殊部隊)を相手にしているようなもんだよ」。命がけの仕事に見合う金額とはいえず、猟友会は参加を辞退することにしました。このままだとクマを捕るハンターは少なくなってしまうと心配しています。後藤支部長「人間がおりに入って歩かないといけない時代になるだろうと思う」。

(ツキノワグマ対策に全力、メールで情報提供:岩手)
花巻市有害鳥獣被害防止対策協議会(会長・上田東一市長)は24日、2024年度総会を開き、今年度活動計画などを決めた。ツキノワグマの目撃・被害対策として新たにいわてモバイルメールを活用した情報提供、AI(人工知能)カメラを活用した早期発見と追い払い、放任果樹伐採の推進などに取り組むことを盛り込んだ。同市野田の花巻地域農業管理センターで開かれた総会には14人が出席。上田市長はあいさつで、昨年度相次いだツキノワグマの目撃情報や人身被害を踏まえ、「市民の安全を守るためにできる対策をすべてやる」と述べた。活動計画などによると、ハクビシンやイノシシなどによる農畜産物の被害を防ぐため3戸以上の団体による農地への電気柵の設置をさらに推進。放任果樹がイノシシやツキノワグマなどを誘因する一因になっていることから、伐採を進める補助事業を新たに導入する。有害鳥獣の捕獲に関しては、ニホンジカによる農林業被害地域が拡大していることから、1880頭を捕獲目標頭数に設定、情報通信技術(ICT)を活用したくくりわなを追加配備し捕獲の効率化に取り組む。市西部を中心に発生していたイノシシ被害は東側にも拡大していることから、囲いわな2基を増設するなどして捕獲頭数の増加に努める。ツキノワグマ対策については市ホームページ、いわてモバイルメールを活用した情報提供の実施、市内小中学生に対するクマ鈴の配布や出没時の公用車等を活用した登下校の送迎対応、AIカメラを活用した早期発見・追い払いや侵入経路の特定などに取り組む。新規狩猟者を確保するため、今年度から狩猟者が銃保管に必須のガンロッカーと装弾ロッカーの購入費用に対する補助を行う。

(クマ探知!AIカメラ通報:石川)
小松市軽海町の中海中学校付近でクマを監視する人工知能(AI)カメラが23日、約1メートルの成獣1頭が歩く様子を捉えた。動きを探知したAIカメラの撮影動画から静止画が切り出され、瞬時に解析。自動通報を受けた市職員らが対応に当たった。中海地区体育館近くに設置されたAIカメラに同日午前4時20分ごろ、クマが町道をうろうろしながら手前に歩いてくる様子が映っていた。AIカメラがクマと判別し、「bear99%」と画面に表示、市の担当者に自動通報した。市や消防、地元猟友会が午前7時からパトロールに当たった。中海中では、体育の授業を校庭から体育館に切り替えたり、部活動を中止したりし、生徒たちはまとまって下校した。けが人はいなかった。同市では、クマの出没が2020年度に過去最多の226件を記録し、翌年度から県内の自治体で初めてAIカメラを導入した。センサーで動きを感知し、クマ識別率が80%を超えると、市農林水産課の鳥獣担当者にアラーム付きの自動通報が行く仕組みだ。赤外線カメラの機能があり、夜間も監視できる。市内の山林など17カ所に設置されている。市農林水産課は、1班3人の計5班が原則日替わりでクマ出没の対応に当たっている。この日の班長だった宮西洋司主幹は「これだけはっきりとクマが撮れるのは珍しい」としつつ、「目撃情報だけでは追い切れないクマの動向も確認できる。人身事故を少しでも減らしていきたい」と話していた。市内での目撃件数は23日時点で5件で例年並み。

(クマ被害防げ、追い払いのための煙火取り扱い研修:秋田)
秋田県で人が襲われてけが人が出るなど全国でツキノワグマによる被害が頻発しています。鳥取県鳥取市ではツキノワグマを、大きな音が出る花火で追い払う研修会が開かれました。ツキノワグマを追い払う花火、正式には「動物駆逐用煙火」と言います。県林業試験場で開かれた研修会には、県や市町村でツキノワグマの対応を担当する職員ら30人が参加しました。大きな音がする追い払い花火ですが、使用方法を守れば火災の心配などはないということで、年1回この保安講習を受け手帳を持っている人にだけ販売されます。参加者は実際の発射も体験し、連発式はホルダーをなるべく体から離し上向きに持つこと、手投げ式は点火後すぐに投げることなどを確認していました。クマの追い払いには防護装備をした上で目安50メートルの距離を取り花火を使うこと、複数の花火を同時に使わないことなど、安全のための注意点もあります。4月以降の鳥取県内のクマの出没事例は11件、出没した場合に迅速に対応できるよう県や各市町村が備えることになります。

(ヒグマから家畜を守る、の牧場の新たな対策:北海道)
今週、道東の別海町の牧場で8頭の子牛がヒグマに襲われたとみられる被害が出ていますが、道内の牧場では、家畜をヒグマからどう守るかが、大きな課題となっています。こうした中、十勝の足寄町の牧場では先月、新たな対策に打って出ました。足寄町の畜産農家、兼古照夫さんです。去年秋、1頭の子牛が牧場から突然姿を消しました。行方不明はこれで3頭目。すべて生後2か月程度のメスの子牛です。兼古さんは、ヒグマのしわざとみています。牧場では、子牛の行方不明に加えてこんなものも。牧草ロールに付いた傷。ヒグマがよじ登った際に付いた爪痕とみられています。そこで先月、ある対策を取り始めました。「ガシャン、ガシャン」。それは柵で囲われた放牧地の中に、さらに柵を設置することでした。二重に柵を設けることで人目に付きやすいエリアに子牛をとどめ、ヒグマの被害を防ごうと考えたのです。子牛1頭が被害に遭えば損失は30万円にのぼります。兼古さんは、経営に直結する問題だと考えています。「農家もそんなに楽観的にはやれる状況ではないので、本当にちょっと間違えばもう続けられなくなるような厳しい情勢なので、少しでも被害を減らせるように考えないといけないなと」。

(警察官がヒグマと遭遇時の対応を学ぶセミナー:北海道)
道内でヒグマの目撃や人への被害が相次ぐ中、現場で対応にあたる警察官が専門家からヒグマに遭遇したときの対応などを学ぶセミナーが北見市で開かれました。セミナーには、道警北見方面本部や北見警察署の警察官、およそ40人のほか、オホーツク地方の7つの警察署の警察官もオンラインで参加しました。講師は道立総合研究機構の間野勉専門研究員が務め、足跡で指が5本残る大型の野生動物は北海道ではヒグマしかいないことなどを、スライドを使いながら説明しました。そして万が一、ヒグマに遭ってしまった場合は落ち着いてゆっくり距離をとるほか、至近距離で遭遇した場合に備えて、撃退するためのスプレーを携行するよう呼びかけていました。道警によりますと、道内でのクマに関する通報はことしに入って今月20日までに400件寄せられていて、日高の浦河町では山菜採りをしていた男性が襲われてケガをする被害も出ています。セミナーのあと、間野専門研究員は、「市街地にクマが出没した際に一番重要なのは、人が近づかないように規制することで、警察にしかできないことだ」と警察に求められる役割について話していました。北見方面本部地域課の黒丸達生次席は「ヒグマ関連の業務は警察の責任が重くなるので、準備や職員への教育をしっかり行っていきたい」と話していました。

(ツキノワグマ対処法学ぶ:鳥取)
クマが行動範囲を広げる初夏を前に鳥取県は24日、ツキノワグマの対処法を学ぶ研修会を鳥取市河原町稲常の県林業試験場で開いた。県や市町村担当者ら約30人が参加し、効果的な追い払い方法などを学んだ。

(クマに出会ったら…逃げ方の解説動画公開:群馬)
群馬県はクマが多く出没する地域で警戒を高めてもらうため、7月から県ホームページ上で「クマ出没マップ」の掲載を開始すると発表した。市町村職員にアクセス権を付与。住民から情報提供を受けた市町村職員が、即座に出没した日時や場所を書き込む。出没の多い地域を住民や来訪者に知ってもらうほか、行政が出没場所の変化や傾向を把握するのにも用いる。公式ユーチューブで、クマから身を守るための動画「ある日、森の中じゃないのに、クマと出会ったら…」の公開も開始した。大声を出してクマを興奮させず、障害物の後ろに静かに後ずさるようアドバイス。至近距離で接触が避けられないなら、首の後ろを両手で覆い、柔らかい顔と腹部をうつぶせで守る防御姿勢が有効で、クマは1回襲うと逃げることも多いという。

(エゾシカの食害を防げ、「駆除隊」に密着:北海道)
夜が明けたばかりの札幌市南区の果樹園で、ライフル銃を手に見回りをする人たちがいる。道内で増えているエゾシカの食害を減らすためのハンターたちだ。複数のメンバーがライフルとわなによる駆除や追い払いをほぼ毎日、行っている。道によると、2022年度の野生鳥獣による道内の農業被害額は約58億円。うちシカは8割の約48億円を占める。札幌市内では果樹被害が多い。農家の切実な訴えを受け、JAさっぽろが主体となり10年ほど前に有害鳥獣の駆除隊が誕生した。実際の見回りは、依頼を受けた道猟友会札幌支部のハンターらが、ボランティアで担っている。メンバーは20歳代~70歳代の約60人。シカを追って山中に入り、ヒグマと遭遇することもあるなど活動は危険を伴う重労働だ。銃を扱うため慎重さやチームワークも求められる。「農家からの感謝の言葉が何よりの報酬」と語るメンバーたち。被害が減らせるよう、地道な見回りが続く。

(市街地にクマ、目撃場所にカメラ設置し検証:北海道)
冬眠明けのクマによる被害が相次いでいます。サタデーステーションは、ヒグマの出没エリアが市街地にまで及んでいる北海道根室市に向かいました。根室市街地から近い観光スポットでもある明治公園では『クマ出没注意』の看板が急遽設置されていました。公園に隣接する場所でもヒグマの足跡が発見され、市や警察が警戒を呼び掛けているのです。“凶暴なヒグマ”が相次いで目撃されている根室市。クマの目撃数は去年の“3倍以上”にのぼっています。今月12日には、こちらを向いて“仁王立ち”するクマ。15日には、学校からおよそ400mの場所でも親子とみられる2頭のクマが出没。私たちが新たに入手したのは、その翌日の映像。線路沿いをクマ2頭がゆっくり歩いていきます。先月からの目撃情報を整理するとある傾向が見えてきます。これまで出没していたのは山あいのエリアでしたが、ここ数日、市街地で相次いで目撃されていることです。根室市街地にあるコンビニ前の道路沿いをクマが走っていく姿も目撃されています。私たちが話を聞いたのは、そのとき写真を撮影した男性。街中でクマが出たのは“初めて”だと話します。男性が市街地で目撃したクマは1頭で、大きさから大人のクマではないかといいます。一方、山あいのエリアで撮影された2つの動画に映るクマについては、同じ個体で“子連れの母グマ”だとみられています。出没しているクマに“共通点”はあるのか。すべて同じ個体なのか。映像から検証すべく、私たちは、土地の所有者などの協力のもと、センサーカメラを3か所に設置し、翌朝に回収することにしました。このエリアは市の職員も警戒を強化しています。目撃情報がある場所を順番に車でまわり、それぞれのポイントで爆竹やホイッスルを鳴らして人間の存在を知らせます。2時間ほど見回りに同行しましたがクマには遭遇せず。そして一夜明け、設置したカメラを確認してみましたが、映っていたのはシカのみ。どのカメラにもクマは現れませんでしたが、カメラを設置した場所の数百メートル先では、25日もクマの目撃が報告されています。根室市は、山あいで出没しているクマと、市街地で出没しているクマは“別の個体”とみています。いずれにせよ、専門家が指摘するのは「繁殖期特有の危険性」です。酪農学園大学 佐藤喜和教授 「この季節はクマにとっては繁殖期。オスの成獣はメスを探して広い範囲を動き回るような時期。一方子供を連れたメスにとっては子グマを守るために接近してくるものに対し非常に攻撃的に威嚇をする」。4月以降、クマに襲われてけがをした人は全国で少なくとも11人にのぼっています。(25日時点)繁殖期が危険というのには、クマの“習性”が関わっているといいます。繁殖期のオスグマに取り付けた目線カメラの映像をみてみると、前を走るメスをオスが追いかけていることがわかります。その後、映っていたのはオスがメスの子どもを食べる様子。繁殖期のオスグマには“子殺し”の習性があるのです。酪農学園大学 佐藤喜和教授 「クマは基本的に一夫多妻か乱婚制。一頭でも多くのメスと交尾するのがオスの大事な目的。自分と交尾しないメスが子供を連れている場合は自分の子供ではありませんので、その子供を襲って殺してしまう。母グマにとっては大きな損失ですので攻撃的に威嚇をするのです」この時期のクマについて、猟友会のハンターは…北海道猟友会厚岸支部 根布谷昌男さん 「子供を持っているヒグマってのは怖いよね。母性本能が強いからそういう時は確実に襲ってくるよね。体中毛を逆立てて吠えたりするもんだからすごい大きく感じるんですよ。ただ今まで何十頭かクマ獲ったんですけども、50~60キロ超えたクマだと人間は絶対勝てないからね。怖いよ、やっぱり」。

(イノシシ食害増加、接近注意:沖縄)
県営農支援課によると、県内で有害鳥獣による農作物被害額は2022年度で4753万8千円。そのうちイノシシによる被害が最も多い2300万2千円で全体の約5割を占める。過去5年で、農作物被害額は減少傾向だが、22年のイノシシ被害は最高額だった。鳥獣被害の農作物別では、パイナップルが最も多い36・7%だった。次にサトウキビの27・8%だった。カラスや別の鳥獣による被害も含まれるが、パイナップルやサトウキビは、イノシシも好んで食べているという。県の担当者は「果物だけでなく、何でも食べると聞いている」と話す。22年度の地域別のイノシシによる被害額では竹富町が最も大きい662万円で、石垣市の537万7千円、名護市が315万8千円と続く。市町村協議会などが主体となり、生息状況の調査や侵入防止柵の整備などをしている。県内ではリュウキュウイノシシが分布する。本州のイノシシよりも体は小さいが、沖縄こどもの国によると60キログラムの重さも余裕で持ち上げられるほどの力があるとされる。県は不用意に近づかないよう呼び掛けている。県内ではそのほか、イノシシに続いてハシブトガラスによる被害が21・2%、キジが8・2%だった。

(相次ぐ“クマ被害”生活に影響も:秋田)
秋田県鹿角市で警察官2人などを襲ったクマ。「人間を“食べ物”と認識して攻撃する個体」とみられる危険なそのクマは、いったいどこにいるのか? 被害が相次いでいるワケは? バンキシャ!は、特殊なドローンや赤外線カメラなどを使ってその行方を追いました。秋田県鹿角市。5月18日、この山で、タケノコ採りの男性が遺体で見つかった。その後、遺体を運ぼうとした警察官2人が、クマに襲われ大けがをした。クマは人を食べ物と認識していたとみられ、今も見つかっていない。郵便物を取りに行く時も、油断できないという。人の暮らしを脅かすクマはどこにいるのか。25日、バンキシャ!は、赤外線カメラを搭載したドローンを用意。現場から約2km離れた規制線の外で、クマ撃退スプレーを準備し、取材を始めた。20℃以上の熱を感知すると赤く表示するよう赤外線カメラを設定。赤い部分が動けばクマなどの生き物の可能性がある。現場に向かい、カメラを切り替えながら慎重にドローンを進める。すると、何かを見つけた。見つけたのは、市が設置した捕獲用の檻。ハチミツなどが入っているが、中にクマの姿はない。赤外線カメラに切り替え、檻の周りを探す。3日間取材したが、クマの姿をとらえることはできなかった。この現場から約10km離れた場所でも過去にクマの被害が。2016年には4人が亡くなっている。車から降りずに警戒していると、突然。「なんか黒いのいるよ。黒いの。うわクマだ! クマいた! 小熊かな、ツキノワグマが今走っていますね。走ってる走ってる。今ツキノワグマが、ちょうど今、急に出てきた。いま笹のところから急に出てきましたね。走っている、あ、立った!」。「1頭ですね。今のところ。草むらの中に入っていく。入っていったな」。その後、姿を消した。バンキシャ!はすぐに鹿角市へ通報。鹿角市は、住民にメールで通知。バンキシャ!はその場を後にした。撮影したクマと、相次いで人を襲ったクマ、関連はあるのだろうか。クマの生態に詳しい石川県立大学・大井 徹 特任教授「車で30分程度でしたら平均的な行動圏の範囲に入りますので、その加害現場にいたクマがこの撮影現場に移動してきても不思議ではありません」。しかし、今回撮影したクマは…クマの生態に詳しい石川県立大学・大井 徹 特任教授「体もさほど大きくない。体重にして40kg~50kgの間くらい。そういった大きさのクマが、人間を死に至らせるくらいの傷を与えることはできない。(加害現場のクマとは)違うと思います」。クマの出没は市街地でも。秋田市はクマの目撃情報が、5月だけで30件以上にのぼっている。秋田駅からおよそ8km離れた住宅街では、この2週間で3回、クマが目撃されている(14日、20日、22日)。相次ぐクマの出没で中止になったというのが、来月予定されていた祭りだ。市街地に出没するのはどんなクマなのか。目撃された2頭は親子とみられている。クマの目撃情報が今月だけで30件以上にのぼる秋田市。バンキシャ!は、クマが目撃されたエリアの4か所で撮影した。25m以内でものが動くと録画されるカメラ。確認すると…映っていたのは、キジのようだ。クマの姿を捉えることはできなかった。秋田県によると4月、目撃されたクマは2023年に比べて、約2.5倍に増えたという(2024年4月…70件、2023年4月…27件)。いったい、ナゼなのか。専門家は気候が影響していると話す。クマの生態に詳しい石川県立大学・大井 徹 特任教授「暖冬ということが影響したのではないかと考えられます。冬の最低気温が1℃上がると、冬眠期間が6日短くなる」。これは、クマの冬眠期間である11月から5月の秋田の平年の最低気温。2024年を見てみると特に今年1月と2月は約2℃高く、暖冬だった。こうしたことから、クマが1週間から2週間早く目覚め、動き出したとみている。

(若いクマが動き回る時期、鈴や笛などで対策を:岩手)
クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授は「去年、多くのクマが人里に出没して社会問題となり、駆除が進められた結果、これまでのところ、比較的、人的被害は少なくなっているのではないか。一方で、去年の状況を受けて、クマへの関心が高まり、目撃件数が増えている可能性がある」と指摘しています。そのうえで、「この時期は親グマから離れた若いクマが生息場所を探して動き回ることがあり、人と鉢合わせになるおそれがある」として、山菜採りなどのために山に入るときのほか、人の生活エリアでもクマがいそうな茂みなどに近づくときには鈴や笛など音が鳴るものを身につけるなど対策をとるよう呼びかけています。

(クマに遭遇しないためのクマ避けアプリ)
クマによる被害が増えている。頭数が増加し生息域が人里近くまで広がっているためだ。農作物を荒らされたり、人が襲われたりと、山村地域では大いに頭を悩ませている。クマ被害に遭わないためには、クマを寄せ付けないことがいちばんだ。ソフトウェア開発および商品企画販売企業ウィズムは、猟犬や銃声の音を鳴らしてクマを遠ざけるアプリ「BowBear」を公開した。全国のクマの出没エリアを全国マップで確認できる。また自分で登録してクマの写真や位置情報を共有することもできる。もし出没エリアから200メートル以内に足を踏み入れたときは警報が出るので、犬の声をスピーカーで流しながら速やかに立ち去るというものだ。あくまでクマを寄せ付けないためのもので、遭遇したクマを撃退するものではない。開発者の祖父は、北海道で数十年間にわたりヒグマや鹿から地域の暮らしを守る猟師をしていたが、人が住む地域をパトロールするときは、スピーカーで猟師がクマを狩っているときの音声(銃声と犬が吠える声)を流していた。おかげで、畑が荒らされる被害も減り、効果が実証されていたという。祖父は、これを製品化して世の中のクマ被害を少しでも減らしたいと言い続けていた。その願いを聞いて、開発者はスマホアプリの開発に取りかかったのだが、残念ながらリリース前に祖父は亡くなってしまった。そんな元猟師の熱い思いが込められたアプリだ。ダウンロードは無料。現在はiOS版のみの提供となり、Android版は準備中。

(年間3000頭を駆除するシカ猟師の思い「命を循環させる」:宮城)
宮城県石巻市のシカ猟師、小野寺望さん。シカを駆除するだけでなく、食材として蘇らせ命を循環させることを信念としています。彼が実際にシカ猟を行う様子を間近で撮影しました。

(農家の苦労や収穫の難しさ、シカ被害から学ぶ:広島)
「シカ被害に遭い、取材依頼もできませんでした…」。広島文教大(広島市安佐北区可部東)講師の藤岡華代さん(41)から悲痛なメールが記者に届いた。管理栄養士を志す学生と、畝作りから手がけたサツマイモ畑が昨年2度、荒らされたという。

(「狂犬病」予防接種率が低迷)
人が発症すると、ほぼ100%死亡する狂犬病を巡り、犬の飼い主に年1回義務づけられている予防接種率が低迷している。2022年度は 蔓延まんえん を招く「危険水域」に迫る約71%に落ち込み、中でも沖縄、福岡両県がワースト1、2位だ。国内では近年、感染例は確認されていないが、アジアでは今も年間3万人以上が死亡しており、接種率向上を目指す国は実態調査に乗り出す。福岡県大野城市の集団接種会場に4月中旬、愛犬を連れた飼い主が次々に訪れた。獣医師がわずか数秒で手際よく打ち、チワワを抱えた近くの主婦(51)は「警戒心が強くて外へ出るのもおびえるけれど、義務なので必ず来ている」と話す。国は予防注射の時期を4~6月と定め、市町村は公民館などで集団接種を行う。接種には3000円ほどが必要で、動物病院でも受けられる。同市を受け持つ筑紫臨床獣医師会の平野博義会長は「(集団接種では)以前は1日200頭に打っていたが、150頭ほどに減った」とし、「『病気じゃないし、毎年打たなくても』と思う人もいるかもしれない」と懸念する。未接種には罰則もあり、飼い犬が起こす傷害事件を機に発覚する事例は多い。群馬県では2月、予防注射を受けていない四国犬が7人をかんで負傷させた。狂犬病の検査は陰性だったものの、飼い主だった男性が狂犬病予防法違反容疑などで書類送検された。かつてはほぼ100%だった接種率は1990年代後半以降、ペットブームに加えて飼育を認めるマンションの増加などに伴って低下した。特に低いのが、沖縄県(52・4%)と福岡県(60・8%)だ。福岡県は2000年代から全国平均を10ポイントほど下回る状況が続いており、県内の頭数の4割を占める福岡市の担当者は「マンションなどで飼う場合、外出させないので打つ必要がないと考える人が多いのでは」と推測する。狂犬病を研究する大分大の西園晃教授(ウイルス学)は「犬の間で蔓延を防ぐには、最低でも7割の接種率が必要」と指摘する。飼い犬の登録自体をしていないケースも多数あるとみられ、西園教授は「実際の接種率はさらに低いだろう」と危機感を強める。インドネシアのバリ島では08年に発生が確認され、今では島内のほぼ全域に広がっているという。西園教授は「ウイルスが日本の国内に入り込み、野生動物が発症すれば撲滅は難しい」とし、「『忘れられた感染症』とも言われるが、接種率を上げることは極めて重要だ」と警鐘を鳴らす。自治体も対策に力を入れる。福岡市は飼い主に督促のはがきを送り、秋にも集団接種の場を設けている。沖縄県も市町村ごとの接種率をホームページで公表。犬が死んだことを届け出ない事例も多いとみて、登録状況の把握を市町村に促す。接種の「通年化」を求める自治体や飼い主も多い。狂犬病予防法は制定から半世紀以上がたっており、厚生労働省は今年度、全国の市町村を対象に実態調査を行い、通年接種などの導入に向けた検討を進めていく。

(マダニ媒介感染症、SFTS治療薬に「アビガン」正式承認の見通し)
マダニにかまれることでおきる感染症SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」の治療薬として、厚生労働省の専門家部会は、抗インフルエンザ薬「アビガン」の適応を広げて使用を認めることを24日、了承しました。今後、厚生労働省が正式に承認する見通しで、承認されれば、SFTSへの世界で初めての治療薬となります。使用が了承されたのは、抗インフルエンザ薬として開発された富士フイルム富山化学の「アビガン」で、適応を広げてSFTS=「重症熱性血小板減少症候群」の治療薬として了承されました。SFTSは、主にウイルスを持つマダニにかまれることでおきる感染症で、発熱や下痢などを引き起こしますが、これまでは有効な治療薬がなく、厚生労働省によりますと、国内では致死率が10%から30%にのぼるとされています。「アビガン」は、10年前に抗インフルエンザ薬として承認され、政府が備蓄している薬です。動物実験で胎児に奇形が出るおそれがあることが判明したため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使えません。薬を開発した富士フイルム富山化学は、SFTSにも効果があるというデータが確認されたとして、去年8月に、厚生労働省に対し、承認申請を行っていました。24日、開かれた厚生労働省の専門家部会は、有効性が確認でき、安全性にも重大な懸念はないとして、使用を了承したということです。今後、厚生労働省が正式に承認する見通しで、承認されれば、SFTSへの世界で初めての治療薬となります。国立感染症研究所によりますと、SFTSは、国内では2023年1年間の速報値で133人の感染が報告され、これまでで最も多かったということです。また、2013年3月以降では、2024年4月までに963人の感染が報告され、このうち106人が死亡しているということです。マダニの活動が活発になる春から秋にかけて患者が多く報告されますが、国立感染症研究所によりますと、マダニ以外でも感染したイヌやネコから飼い主や獣医師が感染したケースが複数報告されています。さらに去年には国内で初めてとなるヒトからヒトへの感染も起きています。このケースでは、SFTSに感染した患者の治療にあたった医師が、最初の接触から11日後に発熱し、SFTSと診断されましたが、医師は診断前の診察のとき手袋をしておらず、患者が死亡したあとの処置ではゴーグルをつけていなかったということで、患者の血液や目の粘膜を介して感染した可能性が指摘されています。国の研究班が作成したSFTSの治療の手引きや国立感染症研究所によりますと、これまで有効性が確立している抗ウイルス薬やワクチンはなく、治療法は対症療法しかないとされています。新たに治療薬が承認される見込みとなったことについて、手引きの作成に携わった国際医療福祉大学成田病院の加藤康幸教授は「いままで治療薬が全くなかった致死率の高い病気に治療薬が登場することに意義はあるが、重症になりやすい70歳以上の人などではこの薬を使えば必ず助けられるというわけではなく、引き続き全身状態の管理が治療の中心になるだろう」と話しました。その上で「SFTSに感染したイヌやネコから感染することもあるので、ペットの体調が悪ければ獣医師の診察を受けて、感染対策をとってほしい」と話しています。

(希少植物をシカから守る ネット柵を設置:兵庫)
兵庫県養父市の氷ノ山では、野生のシカから希少な植物を守るため、ネット柵が設置されました。兵庫県の最高峰、氷ノ山の山頂付近にある湿原「古生沼」一帯には、希少植物が多く、一般の立ち入りを禁止し保護しています。近年、シカによる食害が深刻化し、約20年前から地元住民たちが中心となり、保護柵を設置してきました。しかし、住民たちの団体が人数の減少で解散したため、今年は養父市の職員ら15人が約300メートルにわたって柵にネットを取り付けました。【南但馬の自然を考える会 西垣志郎元会長】「環境が失われてしまう可能性が大変高いですので、それを守るため行政として取り組んでいただきたい」。ネットは秋ごろまで設置されるということです。

(イノシシ猛威、駆除に本腰:兵庫)
加古川市北部の山裾に広がる志方町西牧地区で、農作物を食い荒らしたり、ため池の土手を掘り返したりするイノシシと住民との攻防が続いている。約10年前から被害が頻発するようになり、県や市の支援を得て防護柵を張り巡らせるなどしてきたが、集落への出没は止まらない。道路に飛び出して車と衝突する事例も起きており、住民らは今春、囲いわなによる捕獲に乗り出した。

(シカが食い荒らす伊吹山「条件が重なってしまった」:岐阜)
全国各地でシカによる食害が深刻化している。岐阜、滋賀両県にまたがり花の名山として知られる伊吹山(1377メートル)でも、年々植物が食い荒らされ山肌があらわに。植生を再生しようと官民学連携で対策を進めている。2023年7月12日、伊吹山の登山道が大雨による土砂崩れで閉ざされた。原因はシカが草地を食い荒らし、山の保水力がなくなったためとみられる。年間約5万人が登山道を使って麓から登山していた伊吹山だが、現在も伊吹山ドライブウェイ以外からの入山は禁止となっている。

(ワナにハマった記者日記:群馬)
特別にワイルドではなく、誰かをわなにはめるのが好きなわけでもない中年記者が、一念発起してわな猟の免許を取得。ハンターとなって身近な鳥獣害の問題について考えていきます。2024年1月、以前から足を運ぼうとしていたフェスの日が近づいてきたことを、実はおっくうに感じていた。当時の仕事は激務とされる社会面デスクで、休日はなるべく体を休めて家族と過ごしたかったからだ。しかし、「足を運べば腹が決まるはずだ」とも思っていた。そのイベントの名は「狩猟フェス」。私が暮らす群馬県伊勢崎市内の大型ショッピングモールを会場に、県民に狩猟の魅力や役割を発信することを狙った県主催のイベントだ。「ぐんま狩猟フェスティバル」が初めて開かれたのは19年。私は群馬県政担当の記者で、鳥獣害と関連する環境森林部や農政部を担当していた。県が初めて狩猟フェスを開くことやその狙い、県内の鳥獣害の実態などは取材して記事にしたが、フェスに実際に足を向けることはなかった。5年がたち、デスクとして新聞の社会面を作りながら、県内の鳥獣害が里山と呼ばれる中山間地に限った話ではなく、平野部でも切実になっていることを実感していた。実際に自宅周辺でも、アライグマやハクビシンと思われる中型鳥獣の被害が生じ始めていた。これまでぼんやりと狩猟への興味があったこともあって、「次の狩猟フェスには行ってみよう」と考えていたのだ。「やってみよう」と「めんどくせーな」のはざまでもんもんとしながらも、フェス当日に自分も休みを取れたこと、大型ショッピングモールでの開催だったので家族も買い物のついでに同行できたことが決め手となり、ついに重い腰を上げた。家族全員で訪れた会場では、かつて鳥獣害の取材をしていた頃にお世話になった県自然環境課の課長に再会した。子どもは会場に並ぶキツネやハクビシンのはく製と記念撮影し、私は県職員から免許取得までの流れや今後のスケジュールについて話を聞いた。「狩猟免許を取る」。最初からそのつもりではあったが、狩猟フェスに足を運んだことで、いよいよ腹をくくろうと考えた。目指すのは23年度最後の狩猟試験の日、3月3日と決めた。

(大学に「狩猟部」!?全国的にも珍しい部活動にかける青春:山口)
山口県山陽小野田市の山口東京理科大学に、県内では唯一、全国的にも珍しい部活動があります。狩猟部です。イノシシやシカなど野生動物による農産物への被害が増えるとともにジビエへの注目度も高まっています。そうした中、活動する大学「狩猟部」に密着しました。「そこに入れたら…そうそう、あんまりかけちゃいけないわけね、かけすぎると反応が悪くなる…」。山口県宇部市の山間部。イノシシ用の箱わなを設置しているのは、山陽小野田市にある山口東京理科大学・狩猟部のメンバーです。狩猟部は2021年にサークルとして誕生し、1年後に正式に部となりました。部員は女性5人を含む24人。部長の義岡士門さんを中心に活動をしています。狩猟やジビエへの理解を深めてもらおうと、イベントなどに積極的に参加してきました。部員7人は、くくりわなや箱わななどの免許を取得し、実際に狩猟にも取り組んできました。狩猟部を創部した田村新之助元部長「狩猟って大人の人が多いイメージですよね。高齢者の方とか…若い世代がなかなかなじみのない世界なので、せっかく自分が興味をもって狩猟やるんだったら周りも引き込んで一緒にやりたいなと思って狩猟部を作りました」。野生動物による被害は深刻です。山口県内では2022年度、イノシシが1万9400頭、シカが9757頭捕獲されました。鳥獣被害はおよそ3億7400万円にのぼります。被害額は2010年度のおよそ8億100万円以降減少傾向ですが、被害は農業従事者の生産意欲の低下や耕作放棄にもつながります。3月、イノシシやシカなどで栗林が被害を受けているという宇部市内の農家から依頼を受けて、わなを設置しました。狩猟部を指導するのは、山陽小野田市でジビエの販売を手がける猟師の仲村真哉さん。仕掛けるのはくくりわなと箱わなです。狩猟部を指導する西日本ジビエファーム猟師 仲村真哉さん「見たらわかるけど、山をこちらからこの位置で下りてきて、ここを通って川の中を渡って…」。くくりわなを仕掛ける場所は、シカやイノシシが通る「けものみち」。動物の足跡、掘り返しの跡、立木へのこすり跡などの「フィールドサイン」を見つけて判断します。獲物が足でわなを踏み抜くとワイヤーが獣の足をくくって捕獲する仕組みです。箱わなは狩猟部の手作りです。獲物が入り、トリガーに触れると入口が閉じ、閉じ込められる仕組みです。山口東京理科大学 薬学部2年狩猟部 中川心さん「元々、地元が田舎の方で狩猟というのが身近な存在だったので、興味深くて入りました。罠を仕掛けたりするのがあって普段は経験できないようなこと、たくさんできるんで楽しいです」。捕まえた動物の処理方法も学びます。仲村さんから無駄を出さない、丁寧な処理の仕方を教わります。仲村さん「理科大生の狩猟部のみんなは新しいこと、例えば皮をなめしてみるのでも違うなめし方を試してみようとか、チャレンジ精神が豊富で、見てて面白いですね。やっぱり今、新しく猟を始める方でも年配の方ってすごい増えていて若い力っていうのはどうしても減りがちになってきているんで若い人たちが狩猟の世界にどんどん入ってくるきっかけ、ひとつの契機になればいいなと思ってます」。狩猟部の部室に面白いものを見つけました。アライグマやカルガモ、ホシハジロの剥製です。作っているのは副部長の河合拓海さん。この日はシカの剥製を作る作業をしていました。山口東京理科大学 工学部3年狩猟部副部長 河合拓海さん「今はこの元々耳に入っていた軟骨を取った状態なんで軟骨に変わる芯を入れて形を作っている感じで…」もともと大の動物好きだったという河合さん。それが高じて剥製づくりを学ぶまでになりました。毛皮の材料として輸入されて野生化したヌートリアの毛皮や皮製品も作っています。河合さん「自分としては動物が好きなのでその動物たちを形に残せるものを作れるというのがいいところだなと思ってます。せっかくもらった命なのでいろんな活用法があって、その中のひとつとして剥製があることを伝えていければいいなと思っています」。山口東京理科大学にある狩猟部ならではの活動も展開しようとしています。工学・薬学の知識を生かした研究や商品開発です。山口東京理科大学 工学部2年狩猟部部長 義岡士門さん「わなの巡回が大変で毎日、車で回ったりとか原付で回ったりとか…せっかくだからカメラとかセンサーとかそういうのを作って、巡回しなくても携帯ですぐにチェックできるみたいなそういうのを作れたら一番いいなと思ってますね」。4月、14人の新入部員が入りました。被害を減らすための活動はさらに広がりそうです。

(クマ撃退スプレー貸します:北海道)
大雪山系の豊かな自然と十勝に魅せられた東京都の会社員白岩慎隆(のりたか)さん(51)が、登山者向けにクマ撃退スプレーのレンタル事業を始める。

(キャンプ場でクマに襲われた女性が告白)
各地でクマの被害が絶えない。人間を食料のひとつと認識する例も報告されている。キャンプや山菜取りの季節だが、山に入る人は一層の注意が必要だ。(この記事は2022年5月4日に配信された記事の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。ゴールデンウィークに登山やハイキングなどで自然を楽しむ人も多いだろう。一方で課題となるのが、人間と自然の関係。野生動物も生息するような環境下で人間の活動はどのようにあるべきなのか。2年近く前、長く山に慣れ親しんできた女性がキャンプ場で、クマに襲われる経験をした。自然と付き合う上で参考になればと思い、今回、貴重な経験について女性に寄稿してもらった。大学山岳部で一通りの登山訓練を受けた私だが、まさか上高地のテント場で死の恐怖を味わうとは思ってもみなかった。2020年8月7日深夜、上高地・小梨平キャンプ場に張った一人用テントで熟睡していたところ、大きな揺れを感じて目が覚めた。一瞬、地震かと思ったが、何かが違う。状況はつかめないが、何者かが足元側のテント下端をつかみ、強い力でどこかへ動かそうとしているのを感じた。人間だったらもっと高い位置を持つだろう。引っ張られる感触から、「それ」は低い位置に力点のあるもののようだった。やがて引っ張られる方向が定まり、ドーム状のテントに落ちる影が、足元から頭上へサーっと流れていった。目の錯覚でトンネルの中を通り抜けているように思った。このとき一度だけ「助けてください」と絞り出すように声を上げた。その後、何が起きたかは、あいまいな記憶と後から知った物的証拠をつなぎあわせて、語るしかない。黒く大きな影が足元側のテントの布に立ち上がるのが見えたような……バサッバサッと暴力的な音がしたような……何かが私のズボンの下端を片方ずつくわえて引きずり下ろした。これは、はっきり覚えている。さらにそれは覆いかぶさるように腕を振り回していたような……。動きとパワーを通して、これはクマだと思った。死を覚悟した。気がつくと真横に笹薮が見えた。上を見るとテントの支柱越しに夜空が見えた。あたりはとても静か。気を失っていたようだ。近くにクマがいるかもしれないと思い、刺激しないようにしばらく動かずにいたが、朝までずっとこのままの状態でいるのも堪え難い。現場はトイレの建物から数メートルしか離れておらず、十数メートル走れば、トイレの入り口にたどりつける。上体を起こしてそろりと立ち上がり、思い切り走った。走り始めたとき一度転んだ。下半身は下着しか身につけていない。まるでコントだ。とにかく必死で走り、トイレへ逃げ込んだ。立ち上がるとき、一瞬、ぬいぐるみのようにおすわりをしたクマの姿を見たような気がした。大きな耳が印象的でかわいらしかった。トイレで下半身を点検すると、右膝の外側に5センチほど丸くえぐれた傷があった。赤いが血は流れていない。傷をティッシュで押さえつつトイレの引き戸を開けて外をうかがうと、クマはいなかった。幸い血管は切れておらず、数針縫う「軽傷」ですんだが、医師に「血管が切れていたら、死んでもおかしくなかった」と言われた。翌朝まで断続的に体がブルブルと震えた。傷の痛みは全く感じなかった。非常時の体は、震えることも、痛みを感じることも後回しにしてしまうようだ。クマの目的は私が持っていた食料だった。翌朝、現場に残されたテントやザック、寝袋などを集めてくれた同行者によると、クマはレトルトカレーやパックごはん、行動食など3日分の食料を一つ残らず、なめるように食べ尽くしていたという。包装紙などのゴミはテントの下にまとめて置いてあったそうで、ある意味、マナーがいい。ペットボトルのスクリューキャップも開けていた。器用で賢い。あとでわかったことだが、私が襲われる前の晩も家族3人がいるテントがクマに襲われ、食料を奪われていた。この家族は逃げて無事だったそうだ。これを知ったとき、怒りがこみ上げた。受付では「クマが出るから気をつけて」としか伝えられていなかった。この件を知っていたら、少なくともテントサイトの角地にテントを張ることはなかった。本来、その翌日からキャンプ場を閉鎖すべきだったのではないか。さらに私が襲われた晩も、その前後に同じクマが有人テントを襲っていたそうだ。キャンプ場の管理者は、この非常時にも警告を発することはなかった。起こるべくして起きた事故。これで死んだら、死んでも死に切れないと思った。人間の食料や残飯を食べたことのあるクマは、その味を覚えて人を襲うようになってしまうと聞く。このクマも例外ではないだろう。当時、Twitterの投稿に、山の経験の浅い人が食料管理を怠ったために被害にあったという憶測が飛び交い、不本意に思っていた。ヒグマのいる北海道は別として、日本では、登山者は食料をテント内で保管するのが主流だ。原因は直近の食料管理の問題ではなく、それ以前に作られていたはずだ。上高地は登山者だけでなく、日帰りの観光客も多く訪れる場所。身近な公園と同じ感覚で、残飯の入った弁当ガラをゴミ箱に捨てる人はめずらしくないだろう。そうしたゴミをクマが食べていた可能性は高い。夜、キャンプ場のゴミ箱をクマが漁っている様子もキャンプ場のビデオカメラに収められている。私を襲ったクマは、後日、麻酔銃を受け、遺体で発見された。このクマも被害者だ。人間の一人として申し訳なく思う。アメリカ在住で、大陸分水嶺の山々を縦走したことのある知人によると、縦走時には、筒状の食料保管コンテナを担ぎ上げ、テントと十分距離を置いた場所に置いて食料を保管するのが常識だそうだ。日本の常識とは異なるが、野生動物の尊厳を保つためにはそこまでの覚悟が必要なのかもしれない。小梨平キャンプ場では、私の事故後、食料保管庫が新設され、テント宿泊者の食料を一括管理するようになったと聞く。また公式サイトでは現在「クマが出没し、食糧ゴミあさりがあった場合はキャンプ場を閉鎖する」と明記している。教訓が生かされてよかったが、同じことをより環境が厳しい場所に立つ山小屋に求めるのは難しいように思う。とりあえず近場のハイキングに行くために、クマ撃退スプレーを購入した。本番で冷静沈着に使えるか自信はない。近いうちに上高地を訪れて、クマが発見された場所で手を合わせたい。

(住宅街に逃げ込んだクマを“駆除”:富山)
27日朝、富山県砺波市でクマとみられる動物の目撃情報があり、逃げ込んだ住宅の屋敷林周辺を警察や猟友会のメンバーなどが取り囲んでいましたが、その後、クマは駆除されたもようです。

(犬と散歩中の男性がクマとみられる動物と遭遇:広島)
26日、広島県福山市の北部で散歩中の男性がクマとみられる動物と遭遇し、連れていたイヌが襲われました。26日午後6時ごろ福山市山野町でイヌを連れて散歩中だった男性(77)が、近くの山から降りてきたクマとみられる動物と遭遇しました。男性によりますと、自宅近くの広場で休憩中、近くの山から聞こえた物音に反応し、音のする方を見ると、体長およそ1㍍のクマとみられる大型動物が突進してきました。クマとみられる動物は、吠えていた飼い犬に体当たりした後、別の山へと逃げていったということです。男性にけがはありませんでしたが、イヌは足を負傷しました。現場には、クマのものとみられる30㌢ほどの足跡が残っていました。27日午前、福山市の職員が現地でクマが木をひっかいた爪痕やフンなどがないか確認作業に当たりました。福山市では、2021年度に山野町でクマの目撃情報が1件寄せられましたが、痕跡を確認したことは過去にないということです。

(クマの目撃相次ぐ、4月27件で過去最多:福井)
県内でクマの目撃が相次いでいます。県がまとめた今年度のクマの出没件数は、4月には27件でしたが、5月は23日までに57件と倍増しています。5月は例年並みということですが、4月の出没件数は、20年前に調査を始めて以来最多となっています。早朝や夕方、福井市、あわら市、大野市の道路や田んぼでも目撃されています。そんな中、21日の日中、福井市と鯖江市にまたがり多くの登山客でにぎわう文殊山でクマが目撃されました。目撃された場所や登山客を取材しました。福井市と鯖江市の間にそびえる「文殊山」、標高365mで6つの登山コースがあります。そのうち、北陸新幹線の高架付近にある「二上コース」は、福井市街地に近いこともあり人気のコースです。クマが目撃されたのはこのコースで、23日も朝から多くの登山客が訪れました。登っていた登山客は、「怖い部分はあるが、これだけ人がいれば大丈夫かな。昔友人が朝早くに見たことがあると…、昼間はないですね」「新幹線ができてトンネルがあるので騒音がひどいと思うが、でも出てくる。やっぱり恐ろしい。若くないから逃げられない」などと話します。登山道の入り口には、クマの目撃情報が掲示され、登山客に注意を促していました。目撃されたのは21日の午後1時45分ごろで、登山口から10分ほど登ったあたりです。ここまで登ってきた登山客に聞くと、「毎日登る」「(クマは)一回見た。こっち向いて上がってこなかった。向こうへ上がった行ったからなんとも思わなかった」「(クマがこの辺で目撃されたことは)聞きました。その日朝登っていた。たまにそこで見る。前見たときは小さな子熊だった。ここで何度がみている。クマの方が知らんぷりしている。そのまま行ってしまう」と意外に平気な様子で話します。クマの出没傾向について、県自然環境課の担当者は、春から夏にかけての出没は増加傾向が続いている。原因としては、中山間地の人口減少の影響で、人が山を利用しなくなったり耕作放棄地が増えたりしたことで、クマの生息域が人里に広がっていることが考えられる。狩猟者が減っていることで、クマが人を怖がらなくなったことで人の目につくようになったのではないかとしています。クマから身を守る対策をまとめました。▼クマ鈴、ラジオを持参して人間の存在を知らせる▼出会ってしまったら騒がず、走らず後退する。攻撃が避けられないときは地面にふせ、両手で首の後ろをガードして頭と首を守る。▼人里にクマを居つかせない。山際の耕作放棄地を管理しクマが隠れる場所をなくす。▼エサになるもの、生ごみやハチの巣、オイルなどを家の近くに放置しない。特にこの時期はクマの子育てシーズン、子グマの近くには親グマがいて、子供を守ろうと狂暴化したいへん危険だといいます。県内のクマの出没情報は「福井県クマ情報」というHPで確認できます。

(“シカ”とみられる動物の目撃相次ぐ:東京)
いま、都内で“シカ”の目撃が相次いでいます。今月21日には府中市で、23日には江東区でも“シカ”とみられる動物の目撃情報がありました。東京23区の1つ、江東区。都会のこの場所に…シカとみられる動物が“出没”。目撃情報があったのは、江東区にある下水処理施設で、23日のことです。700メートルほど離れた場所には駅があり、住宅街が広がっています。その後、新たな目撃情報は出ていません。今月21日に、同じく都内の府中市で目撃されているシカ。なぜ都内に姿を見せたのか、考えられる説を専門家に聞きました。森林総合研究所・野生動物研究領域 永田純子 領域長「上流の、ニホンジカが生息している地域がソースかと」。もしシカだった場合ですが、考えられるのは「山から川下り説」。森林総合研究所・野生動物研究領域 永田純子 領域長「2020年に、記憶にある方もいるかもしれないですが、足立区の荒川河川敷で、オスジカが捕獲されたことがあって」。2020年には、足立区にも出没したシカ。この時のシカについては──森林総合研究所・野生動物研究領域 永田純子 領域長「遺伝学的な調査をしたところ、関東山地のシカの集団と遺伝的に近いということが分かったんですね。今回の件も、今のところ、目撃地点が荒川の周辺だということで、関東山地エリアから来ているんじゃないかと想像できます」。他にも──ネットでもウワサされている、そもそもシカではなく「キョン東京進出説」も…。千葉県中南部に定着している、シカの仲間「キョン」。近年、北上を続けていて、2022年には県境を越え、茨城県でも確認されています。東京にも、同じようにやってきたのでしょうか?シカとみられる動物は、いまもどこかに潜んでいるのか。ケガ人や被害は、いまのところ確認されていませんが、江東区は住民に注意を呼びかけています。

(田んぼや住宅地でクマ目撃相次ぐ:秋田)
24日午後2時25分ごろから約1時間半にわたり、秋田県鹿角市花輪の田んぼや住宅地など約1・5キロの範囲で体長約50センチのクマが相次いで目撃された。住民にけがはなかった。

(住宅街に突如現れたシカの集団:北海道)
住宅街に突如現れたシカの集団。珍しい光景、、、でもないようです。動画に映っているのは、カツカツと足音を立てて小走りに道路を横断するエゾシカの集団。そこに、後ろから1台の軽トラが迫ってきた。ぶつかるかと思いきや、間一髪でギリギリ渡れました。これは、北海道釧路市で18日午後7時ごろに撮影されたものです。動画を投稿した柳楽さんは、島根県から北海道に移住してきて初めてこの光景を見た時、エゾシカと人との距離が近く驚いたと話しています。しかし、周辺の地域ではほぼ毎日見られるので今となっては見慣れてしまったそうです。北海道エゾシカ倶楽部によりますと、エゾシカは群れで行動する習性があり餌を求めて歩き回って住宅街に来たのではないかということです。

(高速インターチェンジにクマ出没:栃木)
またクマの目撃情報です。24日未明、栃木県矢板市にある高速道路の出入り口にツキノワグマとみられるクマが出没し、市が注意を呼びかけています。これは、24日午前4時半ごろに栃木県矢板市で撮影された映像。高速道路の料金所に現れたのはクマです。クマは「停止」と書かれた料金所の前を横切り、道路の脇を歩いています。そして、車道を逆走する形で歩いて行き、姿を消しました。矢板市によりますと、24日現れたクマは体長1メートルほどの「ツキノワグマ」とみられていて、その後、目撃情報は入っていないということです。矢板市でクマが目撃されたのは今年になって初めてで、市の担当者は「ここ数年、この時期に人が住んでいる場所の近くにクマが出没したことはなかった」としています。

(クマ初捕獲、山中設置のわなに:岐阜)
岐阜県海津市は26日、市猟友会が同市南濃町庭田の山中に設置したくくりわなにツキノワグマが捕まったと発表した。市によると、市内でクマを捕獲したのは初めて。住民の安全確保のため、県と協議して殺処分した。捕獲されたクマは体長約140センチ、体重推定約90キロのオスの成獣。くくりわなはイノシシやシカの捕獲のため、最寄りの民家から約1.5キロ離れた、県道南濃北勢線沿いの山中に設置されたもので、同日午前10時ごろ、巡回中の猟友会員がクマが掛かっているのを発見した。

(山林で寝ているクマ1頭を目撃:栃木)
25日午前5時30分ごろ、那須塩原市中塩原の山林内でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。通行人が寝ているクマを目撃した。

(クマ目撃、2週間で3度目:秋田)
23日遅く、秋田市新屋勝平町で親子とみられるクマ2頭が目撃されました。周辺ではクマの目撃が相次いでいてこの2週間で3度目です。クマが目撃されたのは秋田市新屋勝平町の雄物川沿いにある堤防道路近くの草地です。秋田中央警察署の調べによりますと、23日午後11時10分ごろ、近くに住む男性が散歩をしていたところ、草地にいるクマ2頭を目撃しました。1頭は体長約1メートル、もう1頭は体長約70センチで親子とみられています。今回クマが目撃された場所から南西に約700メートルほどの「雄物川水辺の広場」では、14日の夜にクマが目撃されたほか、20日の夜にも秋田市新屋南浜町にある県警運転免許センター近くのアパートの駐車場でクマが目撃されています。秋田市は水辺の広場へ続く“堤防道路”の通行止めを続けています。また、捕獲用のおりを設置していますが、クマの出没が後を絶ちません。警察が引き続き警戒にあたっています。

(また“クマ出没”、今度は学校近くに:石川)
クマが今度は学校の近くに現れました。23日午前4時20分ごろ、石川県小松市の中学校の近くで、体長は1メートルほど。周辺ではクマが度々、目撃されています。市はAI(人工知能)カメラを設置し、警戒していました。

(住宅街にイノシシ出没:愛媛)
愛媛県八幡浜市の住宅街に24日朝にイノシシが出没しました。午後5時時点でケガ人などの情報は入っていません。専門家はもし遭遇した場合は近寄らず刺激しないことが大切と呼びかけています。24日午前7時15分頃に捉えられた映像に映っているのは1頭のイノシシ。たてがみを揺らしながら道路をゆっくり歩いています。音声には「やばい…やばいよね」と緊張する声も。この場所は八幡浜市保内町。イノシシが目撃されたのは住宅街。近くには小学校や幼稚園もあり、目撃した人は不安を感じていました。警察などによりますと、24日午後5時時点でイノシシによるケガ人の情報は入っていないということです。目撃されたイノシシについて専門家は…。NPO法人西条自然学校・山本貴仁理事長:「子どもではなくて大人のイノシシですね。成獣でたぶんオスですね。たてがみを立てているので興奮している状態だと思います」。愛媛県内では去年11月に松山市の住宅街にイノシシが出没。体当たりされたり噛まれたりするなどして4人がケガをしました。市街地でも目撃されるイノシシ。住宅地や農耕地でもし遭遇した場合は、近寄らず刺激しないことが重要ということです。

(クマの目撃情報:秋田)
クマ出没の情報です。県警察本部が午後4時時点でまとめた25日日中の情報です。にかほ市で3頭、仙北市で2頭、大館市と三種町で1頭ずつ、あわせて7頭のクマが目撃されています。道路上や田んぼのほか、会社や福祉施設の敷地内での目撃情報もあり、にかほ市では、体長およそ1.5メートルのクマも目撃されています。クマの目撃件数が例年にないペースで増えているとして、県はツキノワグマ出没警報を出して、被害を防ぐ対策を心がけるよう呼びかけています。具体的には、鉢合わせを避けるため、やぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し人の存在をアピールするよう呼びかけています。また、山での被害を避けるため、入山禁止の山に入らないこと、単独行動を避け、ゴミを必ず持ち帰ることを呼びかけています。

(クマが襲撃か、メロン農家でビニールハウス破られる:北海道)
富良野市で26日朝、メロン農家のビニールハウスが破られる被害があり、警察はクマがハウスを荒らした可能性があるとみて調べています。26日午前7時ごろ、富良野市南布礼別で4棟のビニールハウスが破られているのをこのメロン農家の男性が発見し、その後、警察に通報しました。駆けつけた警察官が現場を調べたところ、高さ1.5メートルから2メートルの破られたビニール部分に、5本の指と肉球がついたクマのような足跡が3つ見つかりました。足跡の直径はおよそ22センチだったということです。警察によりますと、農作物に被害はありませんでした。警察は周辺をパトカーで巡回するなど警戒を強めています。

(クマ目撃情報:福井)
5月25日午後8時30分ごろ、福井県越前町八田で、熊(成獣)1頭が目撃されました。周辺に出没するおそれがありますので十分ご注意ください。また、26日午前8時20分ごろには、福井県大野市有明町で子熊1頭の目撃情報がありました。熊を目撃した場合は、近付かず、速やかに市役所又は警察に通報してください。

(イノシシの目撃情報:埼玉)
5月25日(土曜日)午後5時10分ころ、飯能市大字永田地内で、イノシシ1頭(体長1メートル位)を目撃したとの情報が寄せられました。

(住宅でクマ目撃:栃木)
26日午後5時40分ごろ、那須塩原市板室の住宅敷地で、住民がクマ1頭を目撃した。那須塩原署によると、クマは体長約70センチ。現場の西の山林へと移動していったという。

(クマ出没情報:秋田)
クマ出没の情報です。県警察本部が午後4時時点でまとめた26日日中の情報です。大仙市四ツ屋の河川敷で、体長およそ1メートルとおよそ50センチメートルのクマ2頭が目撃されています。また、由利本荘市岩城赤平で体長およそ1メートルのクマ1頭が目撃されています。このほか、秋田市河辺戸島、大館市岩瀬でそれぞれ1頭のクマが目撃されています。県は、ツキノワグマ出没警報を出して被害を防ぐ対策を心がけるよう呼びかけています。

(クマ目撃情報:三重)
26日朝、三重県尾鷲市の三木浦地区で、クマの目撃情報があり、市が注意を呼びかけています。尾鷲市などによりますと、26日午前5時ごろ、尾鷲市の国道311号の三木浦トンネル周辺でウォーキングをしていた人から「クマを目撃した」と消防に通報がありました。市は周辺の地域に防災行政無線で、クマに注意するよう呼びかけるとともに、トンネルの出入り口に目撃情報の看板を設置しました。市の担当者は、「ウォーキングなどで出かけるときは、ベルとか音が出るものを携えて行動してほしい。クマは臆病な生きものなので見かけたときは刺激せず、ゆっくり後ずさりして離れてほしい」などと住民に注意を呼びかけています。

(クマ、宿泊施設から約80mの茂みに出没:新潟)
湯沢町の宿泊施設の近くにクマが出没しました。警察によりますと、26日午後4時半すぎ、湯沢町の宿泊施設の客が近くの茂みに体長1mほどのクマ1頭がいるのを見たと、話を聞いた施設の従業員が通報してきました。従業員が確認したところ、すでにクマの姿はなかったといいます。目撃されたのは、施設までは約80mほどの場所で、警察と町が注意を呼び掛けています。

(サクランボ畑で木に登るクマ目撃:山形)
26日午前9時25分頃、山形県南陽市宮内のサクランボ畑で、クマ1頭(体長約1メートル)がサクランボの木に登っているのを所有者の50歳代男性が見つけ、南陽署に通報した。畑では収穫前のサクランボ「紅さやか」5キロ・グラムが食い荒らされていた。同署はクマによる食害とみて調べている。けが人はなかった。現場は市立宮内小学校から北西約700メートルの、住宅が点在する山あいの地域。同署はパトカーを巡回させ、注意を呼びかけた。

(山林でクマ目撃:栃木)
27日午前5時20分ごろ、那須塩原市塩原の山林内で通行人がクマ1頭を目撃した。

(シカ3頭目撃:栃木)
28日午前10時50分ごろ、鹿沼市上殿町の水田近くで通行人がシカ3頭を目撃した。鹿沼署によると、シカは体長約1・7メートル。黒川左岸へと移動していったという。

(雑木林でイノシシ目撃:栃木)
26日午後4時15分ごろ、那須塩原市鍋掛の雑木林で、近隣住民がイノシシ1頭を目撃した。那須塩原署によると、イノシシは体長約1メートル。雑木林の中を北に移動していたという。

(イノシシの出没:群馬)
26日午後2時ころ、長野県と群馬県の県境付近の国道18号上において、成獣のイノシシ1頭の目撃情報がありました。

(シカ肉、缶詰に:北海道)
地元コンビニエンスストアのタイエー(田家徹社長)は、今月からエゾシカ肉缶詰の販売を始めた。カレーとみそ、大和煮の3種で、市内で狩猟したエゾシカの“首肉、、を使っている。

(ジビエ給食の先進地を訪ねる:大分)
刃渡り10センチのナイフを皮膚と肉の間に差し入れ、毛皮を剥ぐ。腹を縦に割き、ぬくもりが残る内臓を取り出すと、命の残照のような湯気が立ち昇った。大分県中津市耶馬渓地区にある食肉工房「ちょろく(猪鹿)」。地域の食材を使った料亭を営む大江龍馬さん(72)と、工房で働く吉森尊史さん(56)が、わなにかかった鹿を1時間半で枝肉にした。ちょろくは、学校給食用にジビエ(野生鳥獣の肉)を提供する、大江さんが建てた危害分析重要管理点(HACCP)認定施設。ここから大分はジビエ給食の国内先進地へと発展した──。深刻化する農業被害を防ぐため、野生鳥獣の捕獲も担う大江さんが市役所を訪れたのは2013年春だった。「売り先がないけん、猟師たちは殺して山に捨てる。山は汚れ、命も無駄になる。一定量の需要がある給食にジビエが出せれば」。大江さんは思いを語った。担当者や栄養教諭は驚き、判断をためらった。PTAの保護者らも「臭くないですか?」「安全は?」と不安を口にした。大江さんは言った。「ちゃんとした方法で処理すればおいしいですよ」大江さんは試食会を重ねた。猟師や食肉業者でつくる大分狩猟肉文化振興協議会も設立、普及に努めた。試食会に訪れた当時の市長(80)が「高タンパクで低カロリー。これは山の資源だ」と語り、給食に採用された。同年秋以降、市教育委員会が全小中学校でジビエ給食を始めると、鳥獣被害に悩む周辺自治体にも広がった。県は18年、ジビエ給食を推進する補助制度を新設。県内小中学校の半数にまで増えた。4月下旬、中津市の南部小学校で「ナスと鹿肉のチリビーンズ」が出た。厳しい自然の中で生きる鹿は脂肪分が少ない。栄養教諭は豚ひき肉を混ぜて食べやすくした。6年の末廣敬斗さん(11)は「家でもジビエ料理を食べたい。スーパーで鹿肉が買えればなあ」。中津は福沢諭吉の故郷。「空想はすなわち実行の原案」の精神が受け継がれ、学校給食にも生かされている。

(山の恵み、ジビエ:愛知)
外食産業での利用拡大やペットフードなど新用途の開拓で、利用が年々拡大しているジビエ(野生の鳥獣肉)。三遠南信地域(愛知県東三河、静岡県遠州、長野県南部)では豊かな山々に囲まれている恵みを生かし、狩猟から精肉処理まで、食としての提供が定着しているほか、「ソウルフード」として親しまれている地域もある。イノシシ、シカ、キジ、ウズラ…。長野県最南端の「遠山郷」(同県飯田市南信濃、上村)の精肉店「肉のスズキヤ」の店頭には、「山肉」と称される鳥獣肉が並ぶ。1957(昭和32)年の創業後、ヒツジ肉にタレをもみ込んだ「遠山ジンギス」を販売。

(シカ肉でドッグやおむすびなど3商品を開発:高知)
高知商業高校のジビエ商品開発・販売促進部がシカ肉の唐揚げを挟んだ「ジビエ☆ドッグ」など3種の新商品を開発した。駆除されたシカ肉を使い、販売益を森林保護活動に寄付する循環型の取り組み。来月1日午前8時ごろから、高知市弘化台の卸売市場で発売する。

(ごちそうごはん「島の猪 お手軽ラグーソース」:兵庫)
淡路島産ジビエ+南あわじ産玉ねぎ&ワカメという組み合わせは世界初!世界初の芳醇な味わいをお楽しみください。兵庫県南あわじ市で市内の特産品開発を実施している、合同会社ばとん(代表:小菅 こすげ)と申します。当社は2022年度から、淡路島産イノシシの「ハツ」「タン」を活用した「島の猪旨辛アヒージョ」や、南あわじ市の特産品「淡路瓦」を活用した「あわじ瓦めし」の開発ならびに販売を実施してまいりました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、23日午後7時ごろ、色麻町黒沢川端付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区霊屋下にクマが出没しました。

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(船上で12歳少年に散弾銃貸与か、61歳会社社長を逮捕:愛知)
愛知県東海市の自立支援施設「粋塾(いきじゅく)」の代表らが入所する15歳未満の少年を働かせていたとされる事件を巡り、散弾銃を少年らに持たせるなどしたとして、同県警は23日、銃刀法違反ほう助の疑いで、同県知多市の会社役員吉川修一容疑者(61)を逮捕した。銃を許可なく所持したとして、代表の妻で、吉川容疑者の娘氷室友貴容疑者(38)=名古屋市港区=も同法違反容疑で逮捕した。調べによりますと、少年は、東海市にある不登校の子どもなどを受け入れる自立支援施設に入所していて、警察が、別の容疑で自立支援施設の代表のスマートフォンを押収して解析したところ、少年らが船上で散弾銃を海に向かって発砲する様子が写っていたということです。けが人は、いなかったということで、警察が詳しいいきさつを調べています。

(住宅地に出たクマへの銃の使用を認め、法改正する方向性を了承)
住宅地にクマが出た際、銃による捕獲は警察官の指示が原則になっていますが、環境省の有識者会議はこの規制を緩和する方向性を了承しました。クマを巡っては、2024年3月までの1年間に219人がけがをしていて、人への被害は過去18年で最も多くなりました。4月にはヒグマなどが全国的に「指定管理鳥獣」に追加され、捕獲などの在り方が見直されました。現在、銃による捕獲は住宅地など人が多い所では原則として禁止されていて、緊急時には警察の指示によって銃の免許を持つ人が撃っています。こうした規制に関する環境省の有識者会議は23日、銃による捕獲について、警察官がいない場合でも「緊急的・特例的に実施可能とする」などと規制を緩和する方向性をおおむね了承しました。有識者らは銃の使用を禁じる鳥獣保護管理法の改正を求める考えです。法改正に向けては、捕獲を警察や行政機関がサポートすることや、けが人などが出た際の補償や責任の所在を考えておく必要性を指摘しました。有識者会議は正式な対応方針を7月上旬に取りまとめる予定で、その後に法改正が進められる見通しです。

(ヒグマの仕業か、牧場で子ウシ8頭襲われ4頭の死骸みつかる:北海道)
北海道別海町の牧場で5月21日午前8時ごろ、ウシの死骸があるのを牧場関係者が発見し警察に通報しました。現場にはクマの足跡が残されていて、ヒグマによる仕業の可能性があるということです。中春別農業協同組合によりますと、現場は別海町中春別の育成牧場で、生後1~2か月の子ウシ8頭が襲われ、うち4頭が死んだということです。子ウシはハッチと呼ばれる小型の牛舎で1頭ずつ飼育されていて、クマの足跡が多数残されていて、外部から侵入したとみられています。死んだ4頭のうち3頭は屋外に引きずり出されていましたが、食べられたような痕は見つかっていないということです。現場は一般住宅から100メートルほど離れた場所で、警察はパトカーで巡回するとともに、住民に注意を呼び掛けています道東では、ウシ66頭を襲い "忍者グマ" と恐れられたヒグマ「OSO18(オソジュウハチ)」が2023年7月に釧路町で駆除されていますが、新たなヒグマによるウシの被害に警戒が強まっています。

(牛襲う"忍者グマ"OSO18の恐怖再び:北海道)
北海道東部の別海町の牧場で子ウシがヒグマに襲われ死ぬ被害が出たことを受け、町などでは箱わなを設置するとともに、今後の対策を協議しています。別海町の牧場で5月21日、飼育中の子ウシ8頭が襲われ4頭が死にました。現場の状況からヒグマに襲われたとみられています。子ウシは金属製ハッチの中に入っていましたが、入口は開いた状態でした。北海道東部でウシ66頭を襲い、2023年に駆除されたOSO18の再来ともいえる状況に、町民の不安は高まっています。町では5月21日、箱わなを設置するとともに、猟友会などと今後の対策を協議しています。

(ワラビ採りの68歳女性、クマに襲われ病院に搬送:秋田)
24日午前5時5分頃、秋田県仙北市田沢湖田沢の山林で、ワラビ採りをしていた同所のパート女性(68)がクマ(体長約1メートル)に襲われ、顔と両腕をひっかかれて秋田市内の病院に搬送された。県警仙北署の発表によると、女性は夫と2人で午前5時頃に入山し、ワラビ採りをしていた。悲鳴を聞いた夫が女性の元に駆け付けて大声を上げるなどしたところ、クマは山中に逃げていったという。現場は田沢湖から北に約3キロ離れた山林。

(「シカを避けようと路外に転落した」トラックが約5m転落:北海道)
道南の長万部町の国道でトラックが路外に転落しました。道路に飛び出してきたシカを避けようとしたとみられています。23日午前8時すぎ、長万部町静狩の国道37号で函館方向に走っていたトラックが反対車線側の路外に飛び出し5メートルほど下に転落しました。トラックを運転していた50代とみられる男性が頭や胸などの痛みを訴え病院に運ばれました。意識はあるということです。警察によりますとトラックの前を走っていた車のドライバーは「道路に飛び出してきたシカを避けようとして路外に転落した」と話しているということです。現場は片側1車線の緩やかな左カーブの下り坂で警察が当時の詳しい状況を調べています。

(クマ被害、男性の遺体を収容:秋田)
秋田県鹿角市の山林で倒れていた男性の遺体を搬送しようとした警察官2人がクマに襲われた被害で、警察は22日、男性の遺体を収容しました。警察によりますと、遺体は行方が分からなくなっていた青森県の64歳の男性で、動物にかまれたような傷があったということで、警察が死因を詳しく調べることにしています。今月18日、鹿角市十和田大湯の山林で男性が遺体で見つかり、運び出そうとしていた警察官2人がクマに襲われて頭や腕などに大けがをしました。警察などは現場にクマがいるおそれがあり車で十分に近づけないことから、遺体の搬送を中断し21日から林道の道幅を広げる工事などを進めていました。そして安全に運べるルートが確保できたとして22日午後0時45分ごろ、猟友会が銃で周囲を警戒する中、現場に置かれたままとなっていた男性の遺体を収容したということです。警察によりますと、遺体は今月15日からタケノコ採りで山に入り行方不明になっていた青森県三戸町の無職佐藤宏さん(64)と確認されたということです。遺体の頭や顔にはひっかき傷が見つかったほか、体全体に動物にかまれたような傷が確認されたということです。警察は23日午前から司法解剖を行って死因を詳しく調べることにしています。

(猟友会がクマの駆除辞退、「この報酬ではやってられない」:北海道)
北海道ではクマの出没が相次いでいますが、空知の奈井江町では地元の猟友会が町から要請を受けてもクマの駆除に参加しない方針を明らかにしました。報酬などで折り合いがつかなかったということです。北海道猟友会砂川支部奈井江部会・山岸辰人部会長:「やっぱりヒグマは相手が違う。鉄砲持っているからって、米軍の特殊部隊相手にするようなもんだよ。この条件ではちょっとやってられない」。怒りをあらわにするのは、猟友会の奈井江部会のトップ山岸辰人さん。去年、奈井江町ではクマが20件目撃されていて、ゴルフ場に出没した際には町から要請を受けて猟友会の山岸さんらが出動したといいます。山岸辰人部会長:「100%ボランティア無償で」。環境省によりますと、道内のクマの捕獲数は2014年度は555頭だったのが昨年度は1422頭に。ここ10年で3倍近くに増えています。奈井江町は、去年市街地にクマが出たことを受け、先月、猟友会に出没時の初動対応を担う「鳥獣被害対策実施隊」への参加を呼びかけました。問題の一つとなったのは、出動した際の報酬です。山岸辰人部会長:「例えば、駆除要請があったら出動して、彼らの指示に従ってわなをかけるなり捕殺するなりをして、その処分をして下さいと。日当はこれだけですよ」。提示された日当は8500円。発砲した場合は1800円が加算されて、最大で1万300円です。山岸辰人部会長:「みんな、それぞれ仕事をしているわけですよ。緊急で呼び出しであれば、その中から時間を割いて出られるものが出ていく。高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンター馬鹿にしてない?って話ですよ」。クマの駆除にあたるハンターの他の自治体の報酬を見てみると、上川の幌加内町は1日1万5000円。去年、朱鞠内湖で釣り人が襲われたことを契機に、増額となりました。また、札幌市ではクマ出没を受けた出動で1回2万5300円、捕獲・運搬した場合は3万6300円が支払われます。山岸さんは、奈井江町に対し日当を増やすよう求めましたが…。山岸辰人部会長:「こちらの要求で叶えられそうなものはないと。予算がありませんと」。交渉はまとまらず、山岸さんら猟友会は「鳥獣被害対策実施隊」への参加を辞退することに決めました。これについて奈井江町民は。奈井江町民:「やっぱり大変だから、手当するのが当たり前だと思う」「役場としても予算があるからね。お互いの話し合いだと思うけどね」。奈井江町は、HTBの取材に対し「猟友会と改めて話し合いをしたい」とコメントしています。

(野生イノシシ4頭が豚熱に感染:三重)
三重県は22日、南伊勢町、伊勢市、御浜町で今月中旬に捕獲した野生イノシシ計4頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは896頭となった。

(市住宅街で「発砲音」、逮捕された男を送検:熊本)
熊本市のアパートで「発砲音がした」などの通報を受け、住人の男が公務執行妨害で現行犯逮捕された事件の続報です。逮捕された男の身柄が22日、熊本地検に送られました。これまでに男の自宅から拳銃は見つかっておらず、男は、「イライラして音だけが出る「火薬銃」を外に向けて撃った」と供述しています。送検されたのは、熊本市中央区出水に住む無職、石 雷容疑者(51)です。20日午後1時ごろ、熊本市中央区出水4丁目のアパートで「拳銃のような発砲音がした」「窓から拳銃のようなものを出しているのを見た」と通報を受け、警察が出動。3階の部屋に住む石 容疑者に呼びかけを続けていたところ、石 容疑者がドアを開け、警察官にハサミを突き付けたため、公務執行妨害の現行犯で逮捕されました。調べに対し、石 容疑者は「公務執行妨害とは思っていない」と容疑を一部否認しています。また、警察によりますと、通報があった「発砲音」については「「火薬銃」に弾を入れる作業がうまくいかずにイライラして音だけが出る「火薬銃」を外に向けて撃った。誰かや何かを撃ったわけではない」と供述しているということです。石容疑者の部屋ではこの「火薬銃」を含むモデルガンが十数丁が確認されていますが、拳銃は見つかっておらず、モデルガンの収集が趣味とみられています。事件当日は早朝から酒を飲んでいたとみられていて、警察は、詳しい状況を調べています。

(模造拳銃など15丁を自宅で不法所持:青森)
模造拳銃などを不法に所持したとして、警視庁石神井署は、銃刀法違反(所持)の疑いで、青森市柳川の無職、町島雅彦容疑者(65)を逮捕した。町島容疑者は容疑を一部否認している。逮捕容疑は令和5年7月から11月、模造拳銃11丁と回転弾倉式拳銃3丁、準空気銃1丁の計15丁を不法に所持していたとしている。同署によると、町島容疑者は銃の購入や改造を趣味とするガンマニアだったとみられる。オークションサイトで売るなどしていたとしている。5年7月、銃の購入者から「違法な銃かもしれない」との通報があり、同署が11月、容疑者宅を捜索したところ、違法な銃が15丁見つかったという。実弾は見つかっていない。

(ハンター育成へわな猟も練習できる全国初の射撃場完成:兵庫)
兵庫県は6月1日、狩猟者の育成を目指す「県立総合射撃場」を三木市吉川町に開設する。県内では狩猟者不足が続き、シカやイノシシなどによる農作物の被害は2022年に約4億7000万円に上るなど深刻化している。射撃練習場だけでなく、わなを使った猟の練習場も備えた全国初の施設で、県は「技術の向上にもつなげ、狩猟者不足を解消したい」としている。県によると、22年度の県内の狩猟者登録数は8088人で、ほぼ半数が60歳以上と高齢化が進む。銃の猟免許所持者も2842人で、約40年前から7割も減少した。県内では狩猟者が減ったことでイノシシやシカの生息数が増え、人が襲われてけがをしたり、農作物が食べられたりする被害が多発。近年の農作物被害は年5億円前後で高止まりしており、半数以上はシカとイノシシによる被害となっている。このため、県は19年、狩猟者を育成する拠点として、新施設の整備を決めた。新施設は80ヘクタールの敷地に、射撃施設(12ヘクタール)と「わな猟」を学べる森「わなフィールド」(68ヘクタール)を整備した。射撃施設は、屋内に、標的射撃を練習する「ライフル射撃場」や「空気銃射撃場」、子どもを含めた初心者が光線銃で疑似体験できる「ビームライフル場」などを開設。屋外には、鳥撃ちを想定した「クレー射撃場」も用意した。また、わなフィールドでは、シカやイノシシの通り道にワイヤロープなどを仕掛け、生け捕りにする「くくりわな」などの使い方を学ぶ研修を実施する予定だ。新施設の開設に、県猟友会からは歓迎の声が上がる。県内には他にも民間の射撃場があるものの、いずれも小規模で、技術向上のために県外の施設へ通う狩猟者が多かったという。県猟友会の橋本景毅会長は「交通アクセスもよく、地元に施設ができるのは大きな一歩だ。若い世代を中心に会員数の増加につなげられたらうれしい」と期待を寄せている。

(クマ被害、県や市町村担当者が緊急対策会議開く:秋田)
今月18日、秋田県鹿角市の山林で警察官2人がクマに襲われ、大けがを負う被害が起きたことを受けて、県や市町村の担当者などを交えた緊急対策会議が開かれました。このなかで、県の担当者は警察官を襲ったクマは「積極的に攻撃した」と考えられ連続して襲う可能性が高いとして次の被害が起きないよう入山禁止のエリアに人を立ち入らせないなど対策の徹底を呼びかけました。オンラインで開かれた会議には県のほか、国や市町村、警察などが参加し、今月18日に警察官2人がクマに襲われた鹿角市の担当者も会議に臨みました。会議のなかで、県の担当者はクマによる人身被害の発生パターンとして、防衛目的の攻撃、偶発的な衝突、積極的な攻撃の3つを挙げ、このうち大部分を占める「防衛目的の攻撃」は鈴などで音を出すことで被害を防ぐことができると説明しました。その上で、鹿角市で警察官を襲ったクマは現場の状況などから「積極的な攻撃」によるものと考えられ、音を鳴らすなど一般的な対策では被害を十分に防ぐことができないと説明しました。そして、県の担当者は、「積極的な攻撃」をしてくるクマは連続して襲ってくる可能性が高いため、「そのようなクマがいる場所は非常に危険で、絶対に人が入らないよう、速やかに入山禁止にすることが重要」と強調していました。会議に参加した鹿角市農地林務課の小舘源太さんは「関係機関と迅速に連絡を取り合うことで、次の被害を防いでいきたい」と話していました。

(積極攻撃のクマに注意を、隣県にも注意要請:秋田)
ツキノワグマによる人身被害が増えていることを受け、秋田県は21日、緊急対策会議を開いた。鳥獣管理の専門職員は、鹿角市で警察官2人が襲われた人身事故を「積極的攻撃」パターンに分類。一般的な対策では事故を避けられないとして、入山禁止エリアには絶対に立ち入らないよう改めて注意を促した。タケノコなどの山菜採りシーズンの5月はクマとの遭遇事故も多く、今年はすでに3件4人がけがをしている。県自然保護課の近藤麻実主査は「事故の性質を見極め、しっかり区別することが大事」とし、人身事故の発生パターンを「防衛目的の攻撃」「偶発的な衝突」「積極的な攻撃」に分類した。鹿角市のような「積極攻撃」型のクマは、人と食べ物を結びつける特殊な学習をした個体という。近藤主査は「積極的に人に接近する非常に危険なクマなので一帯を入山禁止にしている。こちらでいくら気をつけても防げない。絶対立ち入らないで」と呼びかけた。ただ、大半の事故の要因は「バッタリ遭遇」。人の存在をアピールする音出しが、鉢合わせを避けるために有効だ。鹿角市の事例などから、「クマ鈴は効果がない」「音を出すとむしろクマが寄ってくる」といった誤った認識が拡散しかねないといい、近藤主査は「ほとんどのクマは人の気配を感じると逃げる。鈴やラジオなどの音出しや複数人での行動は有効な事故防止策」と強調した。また、県は21日、佐竹敬久知事名で、青森、岩手、宮城、山形の隣接4県の知事に入山禁止措置の周知を要請した。

(人やウシが襲われる、各地でクマ被害相次ぐ)
人やウシがクマに襲われる被害が相次いでいて、各地で警戒が強まっています。専門家は、クマは執着性が強いため、「行動がエスカレートする可能性がある」と指摘しています。北海道の牧場でウシ8頭が襲われてから一夜。急きょ、クマ捕獲のワナを設置。66頭のウシを襲ったヒグマ、「OSO18」の駆除から約1年。この牧場に現れたのは「第2のOSO」となってしまうのか、警戒感が強まっています。北海道別海町の牧場で21日、クマに襲われたとみられる子ウシ4頭が死んだ状態で見つかりました。近くには住宅もあり、人が管理する牛舎で発生した被害。さらに4頭も胸や尻をかまれ、回復の見込みがないことから安楽死処分となっています。私たちが向かったのは関東にある動物園です。北海道に生息するヒグマを展示しています。東武動物公園動物園事業部 山田篤課長「活動的に繁殖行動に移るため行動範囲が広がる時期です。人間と接触する機会も範囲が広がる分、増えてくる」。冬眠が終わり、各地に出没しているヒグマ。繁殖期を迎えた今、行動範囲を広げています。クマの生態に詳しい専門家は、今後クマの行動がエスカレートする可能性を指摘します。酪農学園大学 佐藤喜和教授「一度覚えた味に対して執着性が強いことで知られています。簡単に襲って食べることができると学習すれば、それが次の被害につながる可能性もあるかもしれません」。状況によっては、人が被害にあうこともあるといいます。酪農学園大学 佐藤喜和教授「徐々に行動がエスカレートする可能性もあって、昼間に活動することもなくはない。そういった場所にばったり人が近づくと、防衛的に人を襲うことも考えられる」。秋田県では、クマが人を襲う被害も起きています。22日、鹿角市の山林には、野生動物のものとみられる傷がついた男性が倒れていた場所へと向かう警察や猟友会などの姿がありました。搬送にあたった警察官2人はクマに襲われています。遺体発見から5日目。まだ近くにクマがいるおそれがあったため、22日、ようやく遺体が運び出されました。専門家は、こうした人を襲うクマについても、行動をエスカレートさせる可能性があるといいます。酪農学園大学 佐藤喜和教授「全てのクマがそうだというわけではないけど、一部、人をエサとして認識してしまうクマがいることは確か。人を食べ物と認識してしまうと、繰り返し襲うような行動に出ることも」。そもそも、クマがいるような場所に立ち入らないこと。そして、遭遇した場合は落ち着いて距離を取ることが大切です。

(この時期のカラスに注意!ひなを守るため人を襲うことも:福岡)
5月に入り、福岡県大野城市で自転車に乗った男性が突然、カラスに襲われました。いまはカラスの子育て時期で、ひなを守るために神経質になっているとして、各自治体は注意を呼びかけています。20日午前8時ごろ、通勤・通学で多くの人が行き交うJR大野城駅の駐輪場やバス停が並ぶ西口のロータリー近くの鉄塔には、カラスが2羽いました。鉄塔の上から見下ろす2羽のカラスの上、鉄塔の骨組みの上にはカラスの巣がありました。鉄塔の目の前の道路では、5月13日午前8時ごろ、自転車に乗っていた20代の男性が突然背後からカラスに襲われ、頭をつつかれました。幸い、男性にケガはありませんでした。いまの時期、カラスが人を襲うことがあります。子育てシーズンに入り、ひなを守るため神経質になっているためだといいます。大野城市によりますと、去年のカラスによる被害・相談は25件で、5月から6月に集中しているということです。カラスの被害が頻発し、大野城市は対策に乗り出しています。カラスの繁殖期が終わる7月頃までは注意が必要です。この時期のカラスから身を守る方法です。まずはカラスや巣の近くを通らないこと。近くを通る必要がある場合は、次のような対策をとってください。両手をまっすぐ上げ、そのまま歩いて通り過ぎる。カラスは羽が引っかかる場所を避けるため、両手を上げる対策が有効だということです。また、帽子や傘で頭を守ることも大切です。カラスが自分に向かって鳴いているときは威嚇されている合図です。その場から離れましょう。石を投げたり大声を出したりすると、カラスをさらに刺激することになるので、絶対にしないでください。また、カラスが迷惑だからといって、県などの許可を得ずに駆除・捕獲すると、鳥獣保護管理法違反になるおそれがあります。ご注意ください。

(広葉樹の森で進むシカの食害:滋賀)
その森は美しく、そして少し不思議な光景が広がっていた。コナラやクリなど広葉樹の里山なのに、ササや草が生えておらず、斜面を遠くまで見通せる。広大な森を丁寧に下草刈りをしたかのようだ。「シカの食害です」。案内してくれた特定NPO法人麻生里山センターの海老沢秀夫センター長(71)が話した。木の幹には表皮をシカにかじられた跡があり、地面にはふんが確認できた。ここは滋賀県高島市にある自然共生サイト「太陽生命くつきの森林(もり)」。高島市が保有する約150ヘクタールの森林「くつきの森」のうち21・1ヘクタールを、2007年から太陽生命保険(本社・東京)が借り受け、森林の保全と整備を続けている。普段の管理は同社と協定を結ぶ麻生里山センターが担っている。自然共生サイトは、陸と海のそれぞれ30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようという国際目標「30by30」の実現に向けて、民間の取り組みなどで生物多様性が保全されている区域を国が認定する制度。太陽生命くつきの森林は2023年度前期に認定を受けた。取材した4月下旬も、キビタキ、メジロ、サシバ、ヒヨドリといった多彩な野鳥が確認されていた。ただ、シカの食害が大きな課題になっている。海老沢さんとNPOのスタッフ木下彰さん(55)の案内で斜面を登っていくと、シカよけ柵に囲われて保護された一角があった。ネットの内側は地面から草木が芽を出し、低木も新緑が鮮やか。「キンラン(ラン科)も生えている」と海老沢さん。柵の外側との違いが際立っていた。

(ニホンカモシカ、目撃増える:熊本)
本来、人里離れた険しい山中に生息する国特別天然記念物のニホンカモシカの目撃情報が、山都町と高森町の町境周辺で増えている。生息環境の変化によると考えられ、誤ってイノシシ駆除用のわなにかかったり、車道脇で目撃されたりしている。個体数は極めて少なく、両町は保護の態勢づくりを進め、住民らに協力も呼びかけている。4月上旬、山都町の蘇陽地域の山林で、くくりわなにかかったカモシカが見つかった。知らせを受けた町教育委員会の職員と地元猟師の6人がかりで左後ろ脚にかかったわなを外し、山へ返した。若いメスと思われ、外傷はなかった。鳥獣保護管理法では、駆除対象外の動物がわなにかかる「錯誤捕獲」の場合、逃がすよう規定。カモシカは対象外で、行政への報告義務はない。一方、熊本県外では、わなから逃れようと暴れて傷を負ったり、衰弱死したりしたケースがある。逃がそうとした人が、けがをする事故も起きている。山都町では、10年ほど前から高森峠付近を中心に蘇陽地域での目撃情報が増加。交通量のある車道脇での目撃もあった。衝突事故の懸念もあり、町教委は昨年12月、国道265号沿いに「カモシカ注意」と記した幕を掲げ、通行車両に注意を促す。町内では別の場所でも同じ時期、わなにかかった個体が見つかった。町教委は「狩猟関係者との連携を強化し、発見後に速やかに連絡してもらう態勢づくりを進めたい」としている。高森町は4年ほど前から、町のケーブルテレビでニホンカモシカに関する情報を発信。目撃したら町教委に連絡してもらい、可能であれば写真撮影も求めている。高森峠周辺の通行者から情報を寄せてもらうため、山都町と同様の看板を掲げる準備も進めている。県文化課によると、2020~23年度の4年間に、高森町で19件、山都町で7件の目撃情報があった。2町の計26件のうち11件が高森峠周辺で、集中していることがうかがえる。11件のうち10件は23年度だった。カモシカの調査に携わる九州自然環境研究所(熊本市北区)の中園朝子所長によると、高森峠周辺のカモシカは元々、大分・宮崎県境の祖母山周辺にいたと推察される。本来、シカより標高の高い場所に生息するが、シカの増加で餌が減り、餌を求めて生息域を広げたと考えられる。縄張り内を単独行動する習性があり、集団をつくるシカが近くにいることを嫌って人里近くまで下りている可能性もあるという。中園所長は「目撃情報が増えても分散するようになっただけで、個体数は増えていないと考えられる。錯誤捕獲や事故などでさらに減る恐れもあり、多くの人が関心を持って保護する必要がある」と話している。

(北山村における鳥獣被害防止対策の取組:和歌山)
北山村は和歌山県?。約48平方kmという小さな村の面積の97%は山林で、村に隣接する町や村はすべて三重県、奈良県の市町村。和歌山県のどの市町村とも隣接しないという、日本で唯一の「飛び地」の村です。この村には、全国唯一という特産品も存在。それが、「じゃばら」という名の果実です。近年、特産品の「じゃばら」についても、鳥獣被害が増加しています。農林水産省では、野生鳥獣に対する様々な被害防止のための総合的な取組を支援しています。シカなどによる森林被害が発生している地域においては、積極的な捕獲等の実施により、森林の有する多面的機能を将来にわたって持続的に発揮させていくことが重要です。このため、和歌山森林管理署では、地元市町村、猟友会等との協定に基づく「わな」等の貸出により、森林被害対策を実施しています。令和6年3月19日、北山村村長室において和歌山森林管理署長と北山村鳥獣害防止対策協議会会長(北山村村長)双方の直筆サインによる有害鳥獣被害対策推進協定書(以下、「協定書」という。)の調印式を行いました。協定書は、和歌山県内で9例目となる取組で、当拠点では和歌山森林管理署とも連携しながら、鳥獣被害防止対策の取組を推進しており、今般、地方参事官がアドバイザーとして本調印式に立ち会いました。鳥獣被害は、営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加、さらには森林の下層植生の消失等による土壌流出など、被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼします。今後、北山村では、特産品であり、地域振興として重要な「じゃばら」の被害防止(シカによる食害)対策として森林管理署から「括りワナ」の提供を受け、有害鳥獣被害対策に取り組むこととしています。

(愛鳥週間に合わせ、ブルーベリー苗配布:茨城)
「愛鳥週間」(10~16日)にちなみ、茨城県猟友会(村上典男会長)の笠間支部など県央地区の7支部は12日、同県笠間市美原の食品スーパー「カスミフードスクエア友部店」前で、買い物客らに野鳥が好む「実のなる木」のブルーベリーの苗木700本の無償配布した。

(河川にキラキラ反射テープ:大分)
大分県日田市内を流れる川のあちこちで、テグス(釣り糸)に結びつけられた反射テープがキラキラと光っている。この4月、20年ぶりに日田支局勤務となり、最も変わった印象を持ったのが河川の風景だ。前回勤務時(2001~04年)には見かけなかったこのテープの正体は-。まず訪ねたのは、河川を管理する国土交通省の筑後川河川事務所日田出張所。テープについて尋ねると「漁協さんが張っている。そちらに聞いてください」。すぐさま日田漁協(日田市高瀬)に向かうと、入り口近くのポスターに答えはあった。「放流した稚鮎(アユ)をカワウの食害から守るためテグスを張っています」との注意書きだ。手島勝馬組合長によると、カワウの食害が深刻になってきたのは約10年前。春から秋にかけて1日に数百羽が飛来し、アユを食いあさるという。そこで、カワウが水面に近づかないよう大山川、玖珠川、花月川の要所15~20メートルごとに反射テープを取り付けるようになった。毎年、稚アユを放流する3月初旬に設置し、アユ漁解禁(5月20日)に合わせ順次撤去しているという。手島組合長によると、カワウ1羽が捕食する魚は1日に約500グラム(5、6匹分)で「多い時は500羽が一斉に来るから、たまったものじゃない」。市林業振興課有害獣対策係によると、22年の漁業被害は約500万円に上った。反射テープには一定の効果がある半面、テグスにコサギやアオサギなどが掛かり、通報を受けた漁協組合員が外しに行く煩雑さもあるという。市によると、市内にカワウの繁殖地は確認されておらず、中津市の山国川一帯や、三隈川下流の福岡県うきは市などから飛来しているとみられる。市も猟友会に駆除依頼をしているが、「広域で駆除に取り組まなければならず、なかなか難しい」と担当者。反射テープは当分なくなることはなさそうだ。アユ漁解禁を20日に控え、日田市内の河川で16日から生息状況を調査。17日までの2日間、三隈川水系の13カ所で、アユが川底の石に付いたこけを食べた形跡「食(は)み跡」を調べた。市や日田漁協などでつくる市内水面利活用推進協議会が実施。同漁協によると、アユはこけを食べるとき、下顎で削り取るように食べるため、石に残された跡の数で生息数が、跡の太さで成長具合が分かるという。同市高瀬の大宮沈橋近くの大山川では、潜水服を着た調査員約10人が川に潜って食み跡を確認。数も多く、残された跡から20センチ超に育ったアユもいるとみられるという。日田漁協の手島勝馬組合長は「河川の状況も良く、このまま災害もなく順調に育ってくれれば」と話していた。日田漁協は毎年3~4月、稚アユ約100万匹を放流。昨年は約37・5トンの漁獲があった。

(イノシシやシカの慰霊塔を調査:佐賀)
イノシシやシカの慰霊塔「猪鹿塔(ししんとう)」を調査する海老原誠治さん。人間以外の命も大切にしてきた文化に光を当てようと、九州に多くみられる鳥獣慰霊碑「猪鹿塔」を調べている。武雄市武内町真手野の山中でこのほど、文献に記録が残る市内の塔で最も古い1718年に建てられた「宇土谷猪鹿塔」を確認した。資料や近隣住民への聞き込みなどを元に碑を見つけた。猪鹿塔は武雄市内で9基が確認されており、市文化課の担当者は「久々に位置と現状が確認され、これまでなかった碑の写真が歴史資料に追加された」と意義を語る。東京都在住。佐賀大理工学部を卒業し、現在は学校給食の食器メーカーに勤める。「猪鹿塔は昔の人が食べ物を大事にしていたことを示す生きた教材。忘れられないうちに子どもたちに伝えていきたい」と話す。

(捕獲頭数に応じ市が報奨金:兵庫)
加東市は本年度、捕獲したアライグマ、ヌートリア、ハクビシンの頭数に応じて、報奨金を交付する制度を始めた。市によると、アライグマ、ヌートリアといった特定外来生物による農業被害は2021年度以降、100万円を超える状況が続いているといい、制度への参加者を募っている。

(アライグマ被害防止、ハンター養成塾:北海道)
NPO法人ファーミングサポート北海道(札幌)は26日午前10時から、アライグマハンターを養成する「北海道アライグマ塾」を、長沼町総合保健福祉センターりふれ(南町2)で初開催する。

(水源保全・クマとの共存目的に森林取得:新潟)
自然保護団体「日本熊森協会」(室谷悠子会長)は23日、新潟市内で記者会見を開き、水源の保全やクマと人の共存を目的に、新潟県阿賀町の森林996ヘクタールを国内の再生可能エネルギー(再エネ)開発業者から購入したと発表した。面積は東京ドーム約210個分に相当。室谷氏は「野生生物の生息状況を調べるとともに、自然の大切さを伝える拠点にしていきたい」としている。取得した森林は、新潟県の南東部、福島県との県境付近に位置し、ブナやミズナラなどの自然林が多いという。阿賀野川支流の常浪川の水源になっている。5月8日に売買契約を結んだが、購入費用は非公表。室谷氏によると、一帯の森林を取得することで再エネ開発などによる森林破壊を防ぎ、日常生活や経済活動に欠かせない水を生み出す水源を守ることが目的。また、外国資本による水源地の買収を防ぎ、重要な水資源の利用で海外の影響力が及ばないようにする狙いもある。近年はクマによる人身被害が増えており、森林取得はクマ対策の側面も。奥山の森林が壊され、生息域を追われたクマが里山や人里に現れるのを防ぐ。同協会は平成9年設立。本部が兵庫県西宮市にあるほか、全国に29の支部がある。会員は約2万人。

(松並木を守るためカワウ捕獲:岐阜)
岐阜県海津市にある国の史跡「千本松原」で、歴史ある松並木をカワウのふんから守るため空気銃を使いカワウを捕獲する取り組みが行われました。海津市の千本松原は、長良川と揖斐川の流れを分ける治水事業で築かれた堤防の上にあり、約1キロにわたって松並木が続いています。松は江戸時代中期に堤防を築き殉職した薩摩藩士を悼むなどの目的で植えられたとされ、千本松原は国の史跡や岐阜県の県立自然公園に指定されています。堤防を管理する国土交通省の木曽川下流河川事務所によりますと千本松原にはカワウが最大で400羽以上生息しているとされ酸性のふんが松の葉や枝に積もるほか土壌を悪化させ、松が枯れる原因のひとつになっているということです。このためカワウの捕獲を毎年、この時期に行っていて、22日は堤防上を通る県道を約4時間にわたって通行止めにしたうえで空気銃を使ってカワウを捕獲していきました。木曽川下流河川事務所の藤田純治管理課長は「カワウが松並木に巣を作ることによって松がダメージを受けています。数を減らすことで松並木を保全していきたい」と話していました。捕獲作業は5月29日と6月5日にも午前4時から8時まで行われる予定で、千本松原を通る県道が一部区間で通行止めになります。

(ヒグマハンター育成:北海道)
「そっちにいるかもしれんぞ」。後志管内島牧村の山林で5月上旬、北海道猟友会寿都支部島牧分会に所属するハンター花田雄二さん(55)が仲間に声をかけた。一度発砲したヒグマにとどめを刺すため、草木に残る血痕を追う。血痕は山を越えるように続く。ササが生い茂り、ヒグマにいつ出くわすか分からない。現場に緊張感が広がった。「山を知ること」。猟に同行すると、ハンターは口々に猟の極意を教えてくれた。残雪の足跡から体格が分かるだけでなく、その雪の締まり具合で何日前に通ったか推測できる。襲われた動物の死骸があれば、カラスの鳴き声も騒がしい。獣の臭いも気にかける。先頭を歩くハンターたちが「ほら、爪痕だ」と指さした。しかし、どこにもそれらしきものが見当たらない。十数メートル離れた幹にある跡を見つけるまでに数秒かかった。

(シカの増加は森林の炭素貯留機能を半減させた:九州大学)
近年、日本全国でシカの個体数が増加し、森林では高強度な植生採食によって下層植生(※1)の衰退、不嗜好性植物の増加、裸地化など様々な森林構造の変化が生じています。九州大学宮崎演習林(椎葉村)の山岳林において、高強度のシカ採食によって森林構造が変化した林分で炭素の蓄積量を計測したところ、シカ採食の影響を受けない林分に比べ炭素蓄積量(※2)が最大で約半減することが明らかになりました。本研究成果は日本の森林で深刻化するシカの植生採食が、森林の二酸化炭素の貯留機能を劣化させることを初めて示しました。本研究は、将来の気候変動を緩和させるためにもシカの食害対策が重要であることを示しています。森林生態系は二酸化炭素の吸収し、蓄えることで気候変動緩和に貢献することが期待されています。しかし、日本の多くの天然林では現在、個体数の増加したニホンジカの植生採食が深刻化しており、下層植生の減少や不嗜好性植物への置き換わりが生じています。また、樹木の枯死によって生じたギャップ地(※3)では稚樹の更新が阻害され、裸地化しています。しかし、これらのような森林構造の変化が森林の炭素蓄積量にどのような影響を与えるのか明らかになっていませんでした。九州大学大学院生物資源環境科学府 博士後期課程の阿部隼人氏、九州大学大学院農学研究院の片山歩美准教授、久米朋宣教授らの研究グループは、シカの植生採食が長期的に続く九州大学宮崎演習林の山岳林でフィールド調査を行い、シカによる森林構造の変化が森林の炭素蓄積量をどの程度減少させるのか計測しました。その結果、宮崎演習林の天然林を構成するブナやモミの針広混交林が、シカに不嗜好なアセビの灌木林や、ギャップ地に変化することで、生態系内に蓄えられた炭素が最大49%減少することが明らかになりました。またこの炭素蓄積量の減少は、稚樹の更新阻害によって中~大型の上層木が減少したこと、また下層植生劣化に伴い生じた土壌侵食によって林床に堆積する植物遺体や土壌有機物が流亡したことが原因であると考えられました。本研究結果は天然林の保全や生態系サービスを維持するために、シカの過剰な植生採食をコントロールする必要性を提示しています。

(クマ被害5道県10人に、ことしの出没どうなる?)
過去最悪となった去年に続き、ことしも春から被害が出ています。4月以降にクマに襲われてけがをした人は、全国5つの道県で少なくとも10人に(※本文中に地図でまとめています)。去年は“大量出没”となりましたが、ことしはどうなるのか。注意点は。専門家に聞きました。秋田県では去年、クマによる人身被害が過去最悪の70人に上っていて、ことしも5月に入ってから被害が相次いでいます。今月18日、鹿角市では、たけのこ採りで山に入っていた男性が遺体で見つかり、運び出そうとした警察官2人がクマに襲われて大けがをしています。このため仙北市と仙北警察署は、遭難の対応について「山林での地上捜索隊の動員は危険を伴うため極めて困難だ」として、今後はヘリコプターによる空からの捜索と車を使った林道からの捜索を中心とする方針を示すとともに、入山禁止の山に入らないよう強く要請する呼びかけを今月21日に行っています。また、秋田県は全域に「ツキノワグマ出没警報」を出し、クマとの鉢合わせを避けるためやぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し人の存在をアピールすることや、山では単独行動を避けゴミを必ず持ち帰ることなどを呼びかけています。クマによる被害が過去最悪となった去年に続き、ことしも春から被害が出ています。4月以降にクマに襲われてけがをした人は全国5つの道県で少なくとも10人に上っています。下の地図にまとめました。クマは例年、3月から5月くらいに冬眠から目覚めて活動を始めますが、環境省がまとめたところ、4月は▼岩手県▼石川県▼奈良県の3つの県であわせて3人がクマに襲われるなどしてけがをしたということです。また、NHKが各地域局の取材をもとに集計したところ、5月に入ってからこれまでに▼秋田県で5人、▼北海道▼岩手県でそれぞれ1人、あわせて7人がけがをしていて、4月以降の被害は全国5つの道県で合わせて10人に上っています。このほか秋田県鹿角市で山林で遺体で見つかった男性1人がクマに襲われた可能性もあるとして、警察が慎重に調べています。「人への被害」は去年は5月末までに22人に上っていたので、去年と比べると少ない水準ですが、一方でクマの「目撃」や「出没」の件数が例年より多くなっている地域もあります。秋田県では4月、寄せられたクマの目撃情報が過去5年間の4月の平均と比べて1.5倍以上になったほか、青森県でも先月、クマの出没が確認された件数が例年の2倍近くとなり、過去最多だった去年に次ぐ多さになっているということです。東北や北海道、北陸の一部では道や県が「注意報」や「警報」などを出して注意や対策を呼びかけています。クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授に聞きました。「去年、多くのクマが人里に出没して社会問題となり、駆除が進められた結果、これまでのところ比較的、人的被害は少なくなっているのではないか。一方で、去年の状況を受けてクマへの関心が高まり目撃件数が増えている可能性がある」。そのうえで、この時期のクマの生態について、「この時期は、親グマから子離れした若いクマが生息場所を探して動き回ることがあり、人と鉢合わせになるおそれがある」と指摘します。山菜採りなどのために山に入るときのほか、人の生活エリアでもクマがいそうな茂みなどに近づくときには、鈴や笛など音が鳴るものを身につけるなど対策をとるよう呼びかけています。昨年度、クマに襲われてけがをするなどの被害にあった人の数は、全国であわせて219人にのぼり、国が統計を取り始めて以降、過去最悪となりました。さらに、出没件数は、北海道や九州・沖縄をのぞいてあわせて2万4339件とこの15年間でもっとも多く、過去に例をみない“大量出没”の年となりました。今年度はどうなるのか。小池教授は次のように指摘しています。「去年のようにクマの餌となるドングリなどが不作になれば、ことしもまた人の住む地域に近い場所でクマの出没が増えると想定される。去年の秋に人里に出てきてカキやクリなどの食べ物にありついたクマはその経験を覚えている。たとえ山の中に食べ物があってもまた人里に出てくるおそれがあり、警戒が必要だ」。そのうえで、例年、クマの被害が1年間で最も多くなる秋ごろに向けて、こう呼びかけています。「クマが出た地域では何が誘因物になったのか、どんな経路をたどって人の近くまでやってきたのか去年の教訓を踏まえて対策を検証する必要がある。クマが生息する都道府県であれば、どの地域であっても去年の秋田県のような深刻な被害が出てくるおそれがあり、自分ごととして考えてもらいたい」。

(イノシシ捕獲数5倍へ:茨城)
茨城、栃木、埼玉、群馬の4県にまたがる渡良瀬遊水地でイノシシが急増し、4県で構成する渡良瀬遊水地連携捕獲協議会は4月、今年度の広域捕獲の目標頭数を現行20頭の5倍増となる100頭に引き上げることを決めた。遊水地をかかえる栃木市など4市2町による有害駆除を含め年間400頭の捕獲を見込み、急増に歯止めをかけたい考えだ。同協議会は2022年4月、遊水地でのイノシシ、ニホンジカの生息実態の把握や市町では難しい県境域の広域捕獲などを目的に4県が設立した。ドローンによる生息調査では、イノシシの確認数は19年度の205頭から3年後の22年度には488頭に倍増。さらに昨年度は834頭に増えた。年間20頭を捕獲目標に掲げ、22年度20頭、23年度は28頭と実績は残したが、旺盛な繁殖力には追いついていない状況だ。

(アフリカ豚熱への対応学ぶ研修会:佐賀)
ブタの伝染病、アフリカ豚熱の感染が韓国で拡大し、日本への侵入のリスクが高まっているとして、感染した野生のイノシシが発見された場合の対応を学ぶ研修会が武雄市で開かれました。ASF=アフリカ豚熱は人には感染しないものの、豚やイノシシが感染すると致死率はほぼ100%とされ、有効なワクチンもないため、国内で発生した場合、畜産業に大きな打撃となることが懸念されています。こうしたなか、国と佐賀県が九州では初めてとなる感染対策を学ぶ研修会を22日、武雄市で開き、九州各県の畜産関係の職員などおよそ60人が参加しました。参加者たちは防護服を身にまとって山林の中に入ると、農研機構=「農業・食品産業技術総合研究機構」の研究員が、イノシシが通過としたとみられる痕跡の探し方を説明しました。続いて、感染拡大を防ぐために、イノシシの死体を適切に埋める方法も説明し、参加者たちは、土に分解される特殊なシートに死体をくるんで、消毒した状態で埋める手順などを学んでいました。農林水産省によりますと、韓国ではアフリカ豚熱が拡大し、南部のプサンでも感染が確認されていて、日本への侵入リスクが高まっているということです。講師を務めた農研機構の平田滋樹上級研究員は「訓練も重要だが、食生活に影響する問題なので、多くの人に関心を持ってもらいたい」と話していました。

(準絶滅危惧種の“ヒメサユリ”激減で地元に動揺:新潟)
新潟県三条市では例年この時期、見頃を迎えるヒメサユリの花が激減し、地元では動揺が走っている。例年の1割ほどしか咲いないという異常事態に、5月15日に始まったヒメサユリ祭りの会期は大幅短縮となった。一体何があったのか、その理由を取材した。三条市の高城地区の里山に咲くヒメサユリの花。ヒメサユリは新潟や福島県などに自生し、毎年5月ごろピンク色の花を咲かせる植物で環境省が準絶滅危惧種に指定する稀少なものだ。5月15日に毎年恒例のヒメサユリ祭りが始まったが、観光客や地元の高校生からは「去年と比べると花が少ない」「もっといっぱい咲いていると思ったが、なくなっていたり、咲いていないものが多々あった」など花の少なさを惜しむ声が聞かれた。その理由について、越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会の熊倉芳和会長は「シカではなかろうか。例年の1割ぐらいしかない。残念だが寂しいかぎり」と話した。ヒメサユリ祭り実行委員会によると、シカなどによる食害でヒメサユリが例年の1割ほどまで激減したと見られるという。2023年の写真と比べると、確かに花が少ない印象だ。熊倉会長は5月8日に例年通りのヒメサユリのつぼみを確認したというが、「14日にまた確認に来たら、最後の群生地の花が全てなくなっていて言葉が出なかった。これは何が起きたのだと」と振り返る。シカとみられる動物は開花した花びらだけを狙い、食べたとみられる。例年なら多くの花が咲くというポイントには全く花が見られなかった。こうした被害は2024年、突如発生したということで、熊倉会長は急遽、動物が嫌がる光を放つライトを設置するなど被害の拡大防止に努めている。花が激減した影響で15日に始まった祭りは5月末までの開催予定だったが、19日で打ち切ることに。高校生は「防ぐ方法はないのか調べてみたいなと思った。ヒメサユリは綺麗で大事な花なのでなくなってほしくない」と話す。また、熊倉会長も「私たちも先輩から引き継いだもの。自然を守りながら、来客する皆さんに楽しんでもらえる形に持っていきたい」と話した。熊倉会長は食害対策として監視カメラの設置などを検討しているという。

(海獣のいる海、命と向き合う男の流儀:北海道)
北海道北部に位置する礼文島で半世紀以上、トドの命と向き合い続けてきた漁師がいる。俵静夫さん、88歳。極寒の海で1人で漁船を操り、巨大なトドを、しとめ続けてきた。米寿を迎えた漁師に、長期間にわたって密着して見えてきたのは、命と向き合う男の流儀。「トドを苦しめたくはない」と1回のトド猟で使う弾は3発までと決めている。その思いの背景にあったのは、命と向き合い続けてきた自身の生きざまだった。俵静夫さんは、礼文島より、さらに北に位置する「トド島」の出身。今では無人島だ。9人きょうだいの長男で、18歳で漁師として独立。30歳の時に、トド猟を始めたという。現在88歳でトド猟を始めてから58年。1発で的確にトドをしとめる俵さんは、今もなお、島のハンターから一目置かれている。そんな俵さんと初めて会ったのは、去年12月だった。礼文島の自宅の前で待つこと、数分。船に積もった雪を下ろす作業を終えた俵さんが帰ってきた。「寒いから家に入れ」と、ご自宅に招いてくれた。そして、コーヒーを1杯差し出して、話してくれた。「ことしでトド撃ちは引退する。88歳になったら、死ぬのを待っているようなものだ。もう限界という感じだな。人に言われる前に辞めなければいけないと感じている」。今でも、その言葉は鮮明に覚えている。そして、最後の猟を取材させて欲しいと依頼すると、快く受け入れてくれた。それから、トドの猟期や今後のスケジュールなどを打ち合わせた。その過程で、彼は、ある“覚悟”を口にした。「トドを苦しめたくはない」「俺の終わりが撮りたいんだな」。この時は、真意がわからなかったが、密着取材を通して、その“覚悟”を知ることになった。礼文島では、寒さが厳しい冬になると、体重が1トンにもなる巨大なトドが魚の群れを追いかけて数多く南下してくる。島では、ホッケやタラなどの漁が、冬に最盛期を迎えていて、トドは、漁師が仕掛けた網とともに魚を食い荒らす。このため、トドは、地元の漁師から「海のギャング」とか「害獣」と呼ばれ駆除が行われている。目的は絶滅の危険性がない範囲で漁業被害を最小化することだ。俵さんに、30歳でトドを撃ち始めた当時のことを尋ねると、こんなことを話してくれた。「昔、礼文島では、青森県から船が来ないと米も買えないような状態だった。当時は、島で鶏を飼っている人もいなければ、牛や豚もいない。食べ物、肉と言えばトドが主だった。でかいトドをとれば、肉だから喜んで食べたものだ」。俵さんは、9人きょうだいの長男。トド猟を始めたときは絶対にとらなければいけないと、懸命に、トドを追いかけて、撃っていたと振り返る。「猟に出る時は、もうなんとしても、トドをとらなきゃダメだっていう、意気込みだった。俺、長男だったから、トドをとってきたら、『兄がとってきた』、『おお、取ってきたぞ』って。そして『よかったな』って言って、みんなで、トドを切って分けて食べた。家中で、のっこり(たっぷり)食べられるぞって」。俵さんと同学年の小林初雄さん(88)も、当時はトド肉が貴重だったと話してくれた。「小さい頃から、トド肉を食べている。昔は礼文島には、肉は、ほとんどなかったから、トド肉でも食べられれば、高級品みたいな感じで、おいしいと思って食べた。俵君、またとってくれたの?いつも、すまないって言って。うれしかったな」。3月、再び礼文島を訪れた。冬は雪が降り、風を遮るものがなく、かなり厳しい環境だ。俵さんは、私たちを気遣い、波が落ち着いた日に、自身の漁船に我々を乗船させてくれた。しかし、その日の気温はマイナス8度ほど。俵さんの愛船「第二十八龍丸」は、1トンにも満たない、小型船舶だ。我々は俵さんと一緒に沖に向かった。俵さんが漁船のスピードを上げた。この日の波の高さは1メートルなかったが、船が波に当たると”ドン””ドン”と尻をうち、本当に1メートルなのかと疑うほどだった。沖に出ると、さらに風が体に食い込んでくる。体感温度も低く、寒さをこえて痛さを感じた。見えてきたのは俵さんがかつて住んでいたというトド島。今は無人島だ。エンジンを止めて見渡したが、トドが見当たらなかったためか、さらに沖に進んでいった。次に見えてきたのが、沖の岩礁地帯。島の人からは「平島」や「種島」などと呼ばれている。かつて、ここにはトドの大群が乗り上げていたということだったが、この日は、トドを見ることはできなかった。ことし3月の取材では、半世紀以上にわたって、トド猟を続けているベテラン、俵さんの漁船に2回同乗させてもらったが、俵さんが撃った弾は1発だけだった。4月、ふたたび俵さんを訪ねた。全国各地では徐々に暖かくなり、桜の開花が進んでいたが、礼文島は、まだ雪が残っていて肌寒かった。「あすは、猟に出られるぞ。朝6時半ぐらいに来てくれ」。俵さんからの連絡を受け、翌朝、我々が向かったのは岩礁地帯の「種島」。船のエンジンを止めて、トドを探す。トドは、船のエンジン音や火薬のにおいに、敏感に反応して逃げる。泳ぐトドを狙えるのは、海面から、顔を出して呼吸をする、わずか数秒だけだ。島の人たちによると、泳ぐトドを狙う「水撃ち」は、極めて卓越した技術が必要だという。一度、トドが水中に潜り、見失ってしまったかと思われたが、俵さんが、指をさした先には8頭ほどのトドの群れがいた。俵さんは、漁船のエンジンをかけて、トドを追いかけた。右手にライフルを持ち立ったまま、船を操る。そして、トドを見かけた場所に近づきエンジンを停止したがトドは見当たらない。すると、また数百メートル先にトドが顔を出した。俵さんは、エンジンをかけて追いかける。こうした追撃を30分ほど繰り広げ、エンジンを停止して待つと、近くでトドが顔を出した。俵さんが息を止めてライフルを構えた。呼吸すると銃身がぶれるからだ。しかし、引き金は、なかなか引かない。この動作を繰り返すうちに、突如「ドン」という音が海に響き渡った。「かすったか?」。トドが水中に姿を消したため、少し探したが、見つけることはできなかった。この日、撃った弾は、わずか1発だけだった。俵さんのトド猟には、流儀がある。「完全に眠るごとくしとめたいという、その気持ち一心で、銃を撃つ」。俵さんが狙うのは、トドの耳あたりにある脊髄。銃の照準が合うまでは、引き金を引かない。1日に使用する弾は3発まで。トドがいても、1発も撃たずに帰る日もあるという。「手負いのトドは作りたくない。“海のギャング”であってもね。トドが苦しんでいるのは、自分が苦しんでいるようなもの。それだけの痛みというのは人間で言えば、がんのような感じじゃないかな」。俵さんの流儀には、礼文島での過去の出来事が関係していた。礼文島では、かつてエキノコックスの感染拡大を防ぐため、キツネ、犬、猫が駆除された。俵さんも、当時は、島のハンターと駆除を行ったことがあると話してくれた。「エキノコックスが流行った時に『一般家庭の犬も殺してもらいたい』と役場から頼まれた。電柱に犬を縛って、頭を撃たないで、腹を撃ったら、犬がロープを切って逃げていった。そうしたら『犬の苦しみを見てみろ』って言われて、何をしているんだと、怒られた。だから、痛み、苦しみをわかるために、トドであっても命を奪う時は、もう眠るごとくとりたいっていう感情は、常に心の中にある」。トドは、しとめて終わりではない。4月に入り、俵がトドを駆除したという連絡が入った。港で待っているとトドを引っ張って戻ってきた。翌朝、みずから解体するという。俵さんは、ゆっくりと丁寧に、トドを切り分けていった。頭や胃袋などは研究機関に送る。生態の研究に役立ててもらうためだ。赤身と白身の肉は、島の友人に配り自身も料理に使う。俵さんは、そうやって最後まで命を大切に扱っていた。礼文島の20人ほどのトドハンターが所属する地元の猟友会の佐々木清二会長(66)に、俵さんについて聞いた。「銃で撃つから、俵さんのように、苦しめないっていうのは、みんなそうだと思う。やっぱり命って重いものだからさ。重いものだから命をとったら食べるし、命を奪うからには、それなりに思って、トドをとっている」。俵さんは一緒にトド猟に出て若い仲間たちを直接指導することはしていない。若い世代への期待は大きいが、あえて、直接口で伝えることは避けていると言う。「苦しんだトドは作らないと、自分では考えているが、若いハンターには教えてない。ハンターというのは、自分に身にしみて分からなければ。指導とかはできない」。俵さんは、密着取材の中で「去年、医師から肺がんと告知された」と私たちに明かした。ほかの漁師から、俵さんの病の話を聞いたあと、なかなか聞けずにいたが、みずから、語りはじめた。医師からは「手術させてくれ」と言われたが「手術したら仕事には戻れなくなる」と言われたという。「札幌に行って診てもらったら、やっぱり肺を取った方がいいんじゃないかというような話だった。いろんな検査をした。だけども、先生、(肺を)取ってしまって、働くことできんのかって。いや、88歳になって今は体力的なこともあるしね。それはちょっと無理かなって。休まなきゃダメなんだって。それであれば、俺切らないで礼文に帰ると」「俺の父親は83歳で死んだが、俺も88歳で、人生は、だいたい良いところまできたかなって感じはする。こういう人間だから、悔いることは、もう一切したくねえ」。俵さんの妹・港谷光子さんが、心境を語ってくれた。「手術して回復しても、今の健康までに戻せる体力はつかないらしいの。病気のこともあるから、なおさら、きょうだいみんな心配。もう決められた時間しかないから」。俵さんは、礼文島の海とともに生きて、トド撃ちを半世紀以上にわたって続けてきた。そして最後まで仕事をやり抜くため手術はしないと決めた。去年12月に初めて会った時は「今シーズンで、トドの駆除はやめる」と断言していたが、気持ちは揺れていた。「俺の限界がわからないんだよ。自分で自分がわからないのさ。やめるっていうのは、そこが難しいところなんだよ。ああ、これでやめますってはっきり言い切れない」。トドの命と向き合ってきた俵さんは、今、自身の命とも向き合っている。「このままの状態で、死は死で認めるし。病気は病気で認める。これが職場で、ずっと子どものころから、仕事が生きがいで、職場内で死ぬっていうのは本望なわけだよ。もう仕事ができなくなったら、死んでいいという感じだから。死に際っていうのは自分で、誰も自分でわかんないけど、死ぬまで、やっぱりこの島で過ごしていきたい」「島で生まれて、潮風かぶって、育った人間だから。年がいっても海のものが恋しくてどうにもならない。もう俺は死んでいく体だから海のことは考えなくてはいいんだけれども、俺はそういう訳にはできないんだ。礼文島が、この島が好きなんだ」。

(「スーパーK」は駆除、人襲う凶暴クマほかにも)
北海道で撮影されたクマの映像。4頭のヒグマが次々と車道を横切っていきます。専門家は「繁殖期に入ったクマが町に出てきている」と指摘しています。ドライブレコーダーが捉えたのは車道を横切るヒグマです。その数、4頭。親子とみられます。北海道北部の枝幸町。林から突然、先頭の1頭が飛び出し、2頭目、3頭目と続き、最後の4頭目は前を走るクマよりも体が大きいように見えます。専門家は…。酪農学園大学 佐藤喜和教授「最初の3頭が子で、一番最後が親かなと。3頭の子グマを連れている三つ子である可能性」。3頭の子グマと母グマとみられる親子が車道を走って横切った訳は…。酪農学園大学 佐藤喜和教授「何かに追われていたのかもしれない。その時に車が来ていることに気付き、慌てて走って渡ったか。今、クマの社会では繁殖期なので子グマを連れた母グマは雄を避けるような行動をしている。近い距離で遭遇してしまうと子グマを守るため、積極的に防衛行動を取ることがあるので注意」。21日、青森県むつ市では小学校にツキノワグマが侵入しました。体長1メートルほどのクマが学校の裏側に回り、グラウンドへ。フェンスを乗り越えて去っていったといいます。秋田県鹿角市では、警察官2人がクマに襲われる被害が出ています。15日にタケノコ採りで山に入った64歳の男性が3日後の18日、山の中で倒れているのが見つかりました。男性はすでに死亡していて、警察官2人が運び出そうとしていたところクマに襲われ、顔や腕などに大けがをしました。今回、山で見つかった男性がクマに襲われたのかは分かっていません。地元の住民は8年前に起きたクマによる凄惨な事故を思い出すといいます。年前の2016年、鹿角市ではタケノコ採りや山菜採りで山に入った男女合わせて4人の遺体が見つかり、いずれもクマに襲われたとみられています。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長「未曽有の事件ということで、『スーパーK』と名付けた。人間を襲って食べるという事故だった」。当時、現地調査をした日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は、4人目の被害者が出た現場近くで大型の雄グマを目撃。被害を出した“主犯”と推測し、「スーパーK」と名付け、行方を追っていました。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長「『K』というのは秋田県鹿角市(Kazuno)という意味。4人がクマに殺され、食害を受ける本州では最大の事故だった」。今回、警察官を襲ったクマとスーパーKとの関連は…。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長「駆除されたのを確認しつつ来た」。米田理事長によりますと、スーパーKはすでに駆除されたといいます。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長「ただ、残存しているのかという話になると赤ん坊が合計5頭いた。それが成長して成獣になっているかもしれない。成長して(当時を)思い出すこともあるだろうし」。鹿角市で今月18日に男性が見つかった場所は道路状況が悪く、やぶになっていて見通しも悪いため、21日朝から重機を使って道路を広げる工事が進められています。

(目撃件数はまた最悪ペース、冬眠中の1~3月にも60件:秋田)
クマによる昨年度の人身被害が全国最悪だった秋田県で、本年度も同じペースで目撃が相次ぎ被害も増えている。18日には鹿角市の山林で警察と消防が身元不明の遺体を見つけた直後、警察官2人がクマに襲われてけがをした。県警は、遺体もクマに襲われた可能性があるとみている。県によると、4月から5月19日までの目撃件数は138件で、昨年4~5月の169件に迫る勢いだ。一般的には冬眠中の1~3月には昨年の3件を大きく上回る60件が目撃されていることから、人里に近い場所にすみ着いた個体が多い懸念があるという。県警が警察官の襲われた現場で19日に実施したヘリコプターによる調査では、損傷した遺体を確認した。山林ではタケノコ採りをしていた男性が15日から行方不明になっている。クマに遭遇する危険があるため、遺体運搬のめどは立っていないという。

(「首、顔、頭など急所をリュックサックで防ぐ 頭からかぶる」:北海道)
6月から7月にかけては毎年、クマの目撃情報が増える時期です。私たちはどう気をつけたらいいのでしょうか。専門家に聞きました。4月、北海道根室市の林道を走る軽トラックのドライブレコーダーの映像。子グマとみられる1頭のクマが林の中に姿を消すと反対側から、もう1頭のクマが現れ…車に体当たり。車を急発進させますが、クマが追いかけてきます。このクマは、ツキノワグマではなくヒグマでしたが、専門家によるとこの時期は子グマを連れた親グマが「防御行動」をとることも多いといいます。軽トラは、前方が大きく壊れフロントガラスもひび割れていました。山が多い岐阜県では昨年度、1年間で655件のクマの目撃情報があり、特に餌を求めて行動範囲を広げる6月と7月は例年、目撃情報が増える傾向があります。「クマに遭遇しないために、また遭遇したらどうすればいいのか。クマの生態に詳しい岐阜大学の応用生物科学部 淺野玄准教授に伺います。まず「ツキノワグマ」とは、どんなクマなんでしょうか?」。(岐阜大学 応用生物科学部 淺野玄准教授)「ツキノワグマは、本州と四国に生息していて、体長が80から120センチぐらいで、体重は100キロ前後になるような個体もいます」。「東海地方では岐阜県での目撃情報はよくあるんですが、愛知県・三重県ではどの辺りに生息してるんでしょうか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「愛知県だと三河の山間部など、三重県だと中部から南部の山間部などが生息地になっています」。「そうなんですね。クマにとってこの時期というのは、どんな季節なんでしょうか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「ちょうど3月から4月に冬眠から目覚めてきて、実はクマは冬眠中はえさを一切食べないので、冬眠明けだとお腹が空いている状態なんですね。春先になると木の枝や山菜などを食べるようになるので、行動がどんどん広がっている時期にあたります」。「人と出会う時間帯というのはあるんですか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「クマの行動と人の行動が重なる時間がどうしても被害が多い時間帯になっていて、大体午前7時前後の朝方と夕方の午後5時前後、この時間帯がちょうどクマの活動と人の活動が重なって、人への被害や目撃情報が増えます」。「この先6月7月が更に目撃情報が増えるということなんですが、季節の移り変わりで目撃情報というのは変わってきますか?」。(岐阜大学淺野准教授)「一番ピークになる6、7月からだんだん夏にかけて減っていって、また秋頃になると、人が山に入ることも増えるので、目撃や被害というのも増えます」。「北海道の根室市で4月、ヒグマが軽トラックに激突してきて、ワイパーが壊れ、さらにはフロントガラスにもひびが入るということがありました。子連れのヒグマだったという情報なんですが、子どもを連れたクマというのは注意が必要なんでしょうか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「子グマのそばには母親がいます。母親は子グマを守るために人や車など近づいてくるものに対して、攻撃を仕掛けてくることが多いので、子グマを見かけたらお母さんがそばにいて、一番危険な状態だというふうに認識されるといいと思います」。「子グマを見つけると必ずその近くには母親がいるという認識、これが大事なんですね。クマと出会わないようにするためには、どうすればいいんでしょうか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「クマは人に対して、非常に警戒心を持っていることが多いので、クマに人の存在を知らせるということが大事になります。具体的には鈴や笛、ラジオなど大きな音で人の存在を知らせることで、それを聞いたクマが『人が近づいてきた。この場から去ろう』と、去ってくれることが多いはずです」。「ラジオや人の声など、聞こえるようなものを出し続けることが大事なんですね」。(岐阜大学 淺野准教授)「そうですね、聴覚やにおいで周囲の状況を把握する動物なので、音が非常に有効になります」。「とはいえ、これからの季節、人が山に入るということも多くなります。出会ってしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?」。(岐阜大学 淺野准教授)「ある程度距離がある状況で出会った場合には、クマを刺激しないようにクマの方を見ながら、ゆっくりとその場から立ち去ることで、被害を防ぐことができる場合が多いです。万が一、不幸にもクマがもう襲ってくる、攻撃を仕掛けてくるという場合に我々ができることは、できるだけけがの程度を小さくするということが大事になります。首、顔、頭など急所になるところをリュックサックで防いだり頭からかぶったりして、急所を避けることが大事かなと思います」。「これからの季節、クマと人が出会ってしまう危険性もあります。音を発するものを身に着けて山に入るなど、きっちりとした対策をお願いしたいと思います」。

(広葉樹の森で進むシカの食害:滋賀)
その森は美しく、そして少し不思議な光景が広がっていた。コナラやクリなど広葉樹の里山なのに、ササや草が生えておらず、斜面を遠くまで見通せる。広大な森を丁寧に下草刈りをしたかのようだ。「シカの食害です」。案内してくれた特定NPO法人麻生里山センターの海老沢秀夫センター長(71)が話した。木の幹には表皮をシカにかじられた跡があり、地面にはふんが確認できた。ここは滋賀県高島市にある自然共生サイト「太陽生命くつきの森林(もり)」。高島市が保有する約150ヘクタールの森林「くつきの森」のうち21・1ヘクタールを、2007年から太陽生命保険(本社・東京)が借り受け、森林の保全と整備を続けている。普段の管理は同社と協定を結ぶ麻生里山センターが担っている。自然共生サイトは、陸と海のそれぞれ30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようという国際目標「30by30」の実現に向けて、民間の取り組みなどで生物多様性が保全されている区域を国が認定する制度。太陽生命くつきの森林は2023年度前期に認定を受けた。取材した4月下旬も、キビタキ、メジロ、サシバ、ヒヨドリといった多彩な野鳥が確認されていた。ただ、シカの食害が大きな課題になっている。海老沢さんとNPOのスタッフ木下彰さん(55)の案内で斜面を登っていくと、シカよけ柵に囲われて保護された一角があった。ネットの内側は地面から草木が芽を出し、低木も新緑が鮮やか。「キンラン(ラン科)も生えている」と海老沢さん。柵の外側との違いが際立っていた。

(民家敷地にクマ、近くにはシカ死骸:栃木)
22日午前7時10分ごろ、栃木県那須塩原市塩原の民家で、庭にクマ1頭が入ってきたのを住人男性(70)が目撃し、その後110番した。那須塩原署によるとクマは体長1メートル程度で、付近には襲われたとみられるシカ1頭の死骸があった。けが人や物を壊される被害はなかった。現場は足湯施設「湯っ歩の里」から南に約350メートルで、周辺には山林が広がる。男性によると、男性の妻(67)が庭で草刈りをしていたところ、裏手の山林付近からシカの鳴き声が聞こえ、向かうとシカを襲うクマを発見。男性が110番した。男性は「クマがシカを襲っているのを初めて見た。人を襲わないか心配だ」と不安を口にした。同市は猟友会と協力して付近にわなを設置するなど対応を進めている。

(イノシシ、住宅地で目撃相次ぐ:沖縄)
沖縄県名護市呉我区や親川区で1カ月ほど前からリュウキュウイノシシとみられる動物の目撃が相次いでいる。区内での目撃例は極めて少なく「ここ40年で初めてだ」と驚く区民もいる。21日現在、両区に人的、物的被害の情報は寄せられていないが、区では見かけた際に近づいたり刺激したりしないよう子どもたちに呼びかけるなど注意を促している。目撃されているイノシシは体長50~60センチほど。全体的に毛が少なく皮膚が見えている部分もあるといい、目撃されているイノシシは身体的特徴からいずれも同一個体とみられる。

(畑荒らしていたイノシシ「ゴン四郎」捕獲:沖縄)
国頭村宜名真で4月30日、農家の崎濱秀雄さん(84)が所有するミカン畑を荒らしていたリュウキュウイノシシ、通称「ゴン四郎」が捕獲された。同日、同村有害鳥獣駆除実施隊が畑付近に設置した箱わなにかかっており、その場で駆除された。実施隊に同行した崎濱さんは、捕獲されたイノシシを見るや「これは『ゴン四郎』だね」と一言。畑を荒らすイノシシに名前を付けて把握しており、ゴン四郎が4頭目という。実施隊によると、捕獲したのは雄のイノシシで体長約60センチ、体高約40センチ。2~3歳の子どもとみられる。

(猪苗代でクマ捕獲:福島)
19日午前10時5分ごろ、猪苗代町堅田字入江村前の国道49号で、車で走行中の男性が道路西側の林にいるクマ1頭を目撃し、110番通報した。クマはその後、同町千代田の住宅街に移動。猪苗代署員や同町鳥獣被害対策実施隊などが駆け付け、同日午後0時40分ごろ、近くの田んぼで捕獲した。けが人はいなかった。同署によると、クマは体長約1メートル。同署員らは林を出て同国道を横断中のクマを見つけて追跡を始めた。クマは同国道から約1キロ北の住宅街に移動し、民家の小屋に入り込んだ。小屋から出てくるのを待ち、田んぼのぬかるみで動きが鈍くなったところを同実施隊が銃を使って捕獲した。現場は磐越道猪苗代磐梯高原インターチェンジ北側の住宅街。小屋では窓ガラス1枚が割られる被害があった。捕獲後に被害に気付いたという小屋所有者の男性(78)は「この辺りでクマが出るのは珍しいから驚いた。近所には子どもたちも住んでいるので心配したが、捕獲されて安心した」と話した。

(すすきので一時約100戸停電、電柱からカラスの巣見つかる:北海道)
5月20日夜札幌市中央区のすすきので一時およそ100戸が停電しました。現場の電柱からカラスの巣が見つかっており、ほくでんネットワークが停電との関連を調べています。20日午後10時半ごろ札幌市中央区南7条西4丁目と5丁目で一時、最大およそ100戸が停電しました。現場は飲食店や雑居ビルなどが並ぶ「すすきの地区」の繁華街で、何度か停電と復旧を繰り返したあと10分ほどで復旧しました。ほくでんネットワークによりますと、付近の設備を点検したところ南7条西4丁目にある電柱でカラスの巣が見つかり、巣を撤去すると復旧したということです。ほくでんネットワークは、カラスの巣が停電の原因となった可能性があるとみて関連を詳しく調べています。

(列車とクマ衝突:岩手)
23日午前、岩手県の東北本線で列車とクマが衝突し一時運転を見合わせました。JR東日本によりますと乗客などにけがはありませんでした。JR東日本によりますと23日午前10時前、東北本線の上り列車が岩手県北上市の北上駅と金ケ崎町の六原駅の間でクマと衝突しました。乗客などにけがをした人はいないということです。JRによりますと、この事故で東北本線は北上駅と一ノ関駅の間の上り線でおよそ50分にわたって運転を見合わせ、一部の列車に区間運休や遅れが発生し、およそ140人に影響が出たということです。北上市では、先週から今週にかけてクマの目撃情報が相次いでいて市などが注意を呼びかけています。

(公園の近くで「クマのような動物を目撃した」:岩手)
盛岡市の高松公園の近くで21日夜遅く、「クマのような動物が走り去るのが目撃した」という通報があり、警察がパトロールをしましたが見つからず、けが人などはいないということです。盛岡市高松1丁目の住宅街で21日午後11時ごろ「クマのような動物が走り去るのを見た」と住民から警察に通報がありました。警察によりますと、クマとみられる動物は体長1メートルほどで、盛岡市の高松公園近くにある盛岡市立図書館の東側の路上から南にある国道4号線の方向に走り去ったということで、けがをした人などはいないということです。通報があった後に警察はパトカーで周辺をパトロールしましたが、クマとみられる動物は見つからず、その後、目撃情報も寄せられていないということです。現場は盛岡市の高松の池などがある高松公園に近い住宅街で、近くには保育園や小学校もあります。県内ではことし、各地でクマの目撃が相次いでいて県が注意を呼びかけています。

(クマのような動物の目撃情報:北海道)
22日朝、北広島市内でクマのような動物の目撃情報があり、近くの小学校では見守り登校が行われるなど警戒が続いています。22日午前4時半ごろ、北広島市大曲柏葉1丁目で散歩中の男性から「クマのような動物を見た。イヌやネコよりも大きかった。」と警察に通報がありました。警察によりますと男性は150メートルほど離れた場所から歩道上にいた動物を目撃したということです。現場は住宅街にも近く付近の小学校では保護者が児童を車で送ったり、教職員が通学路に立つなどの見守り登校が行われました。また、北広島市の職員らが目撃現場周辺を調査しましたが足跡などクマの痕跡は見つかっていないということです。

(住宅街で野生のシカ出没か:熊本)
熊本県警は22日、熊本市東区桜木の住宅街で同日午前8時半ごろ、野生のシカが目撃されたとして、防犯メールで注意喚起した。シカを目撃した場合は「不用意に近づかない。食べ物を見せたり与えたりしない。大声を上げたり、物を投げたりしない」ようにして市役所や警察に通報するよう呼びかけている。

(鹿の目撃情報相次ぐ、区が注意を呼びかけ:東京)
東京都江東区で23日午前、鹿の目撃情報が相次いだ。警視庁や同区などが確認を進めている。警視庁によると、23日午前4時40分ごろ、江東区新砂3丁目の「都立東部療育センター前交差点で体長1メートル前後の鹿を見た」と男性から110番通報があった。男性は午前3時ごろに目撃し、他にも周囲に目撃した人が複数おり、110番通報したという。午前10時40分ごろには、近くの東京都下水道局の「砂町水再生センター」の敷地でも鹿の目撃情報が寄せられた。区は「安心安全メール」を出して注意を呼びかけている。けが人はおらず、鹿は同日正午時点で見つかっていない。江東区は東京23区で東部に位置する。現場は地下鉄東西線南砂町駅から南東に約700メートルの広場などが集まる一角。

(クマと車が衝突、環境省は捕獲の規制を緩和へ:宮城)
宮城県七ヶ宿町で4日、道路脇から飛び出してきたクマと車が衝突しました。宮城県でもクマの目撃が相次いでいますが、環境省の有識者会議は住宅地での銃を使ったクマの捕獲について規制を緩和する方向性を了承しました。4日、七ヶ宿町の国道113号で道路脇から突然クマが飛び出して来ました。車に衝突して衝撃で破片が飛び散りました。クマは無事だったのか、その後森の中へと姿を消しました。車に乗っていた男性「突然のことだったので最初何かなっていう感じで。当たる瞬間にクマだって思った瞬間にもうぶつかっちゃったんで。エンジン周りがやられていると思うので、エンジンの積み下ろしともなると相当な額になるのではないか」宮城県によりますと、2024年度はクマの目撃情報が36件寄せられています。全国的にもクマによる被害が深刻化していて、環境省の有識者会議は23日、住宅地での銃を使ったクマの捕獲について規制を緩和する方向性を了承しました。住宅地にクマが出た場合、銃による捕獲は警察官の指示が原則になっていますが警察官がいない場合でも緊急的・特例的に実施可能とする考えです。有識者会議は、正式な対応方針を7月上旬に取りまとめる予定です。

(クマ出没、住宅まで50m・170m:新潟)
23日も各地でクマが目撃されました。警察によりますと、23日午後1時過ぎ、三条市長野の国道259号で体長1mほどの1頭を目撃したと、通りかかった人から通報がありました。最寄りの住宅まで50mほどの場所でした。また、新発田市赤谷では、住宅まで170mほどの道路わきで体長60cmほどの1頭が目撃されています。警察と市が住民に注意を呼び掛けています。

(クマ目撃:栃木)
23日午前5時ごろ、日光市足尾町砂畑で、東方へ移動するクマ1頭が目撃された。日光署によると、クマは体長約1メートル。

(シカ目撃:栃木)
22日午前6時40分ごろ、栃木市平柳町1丁目の田んぼで通行人が雌シカ1頭を目撃した。栃木署によると、シカは体長約150センチ。新栃木駅方向へ立ち去ったという。

(小学校敷地でクマ1頭目撃:青森)
青森県内に「ツキノワグマ出没注意報」が出ているなか、21日朝、むつ市の小学校の敷地でクマ1頭が目撃され、警察が警戒を強めています。クマが目撃されたのはむつ市大畑町の正津川小学校です。学校によりますと、21日午前8時すぎ近くに住む人から「学校の玄関付近にクマがいる」という情報が電話で寄せられました。このため職員が付近を見回っていたところ、校舎の裏を歩いている子グマとみられるクマ1頭を目撃したということです。クマは、体育館の裏からグラウンドに出たあとフェンスを飛び越えて敷地の外に逃げていったということです。当時、全校児童8人はすでに登校していて校舎の中にいたため、クマを目撃した子どもはいないということです。まだクマが近くにいる可能性があるため通学路では警察官が警戒にあたっているほか、21日学校では、下校時に保護者に迎えに来てもらう対応をとりました。児童の安全確保のため22日も登下校の際は、保護者に送り迎えをしてもらうということです。青森県には、現在「ツキノワグマ出没注意報」が出ていて、県がクマへの注意を呼びかけています。正津川小学校の皆川洋介教頭は、「子どもたちが登校中や外にいるときにクマがでていたら大変な状況になっていたと思う。安全対策をしっかりしなければ」と話していました。

(中心部に再びクマ、昨秋の連続被害現場近く:秋田)
21日午後2時10分ごろ、秋田県北秋田市元町の鷹巣陸橋付近で、体長約50センチのクマ1頭が目撃された。現場は昨年10月に3人が相次いでクマに襲われて負傷した交差点の近くで、住宅や商店が立ち並ぶ市街地。パトカーや消防車両がスピーカーで住民に注意を呼びかけた。

(貨物列車がイノシシと衝突:栃木)
JR東日本福島支店によると、21日午後6時25分ごろ、東北本線白坂-豊原駅間で上り貨物列車がイノシシと衝突し、現場に停車した。豊原駅で車両の点検を行い、午後7時28分に運転を再開した。けが人はいなかった。この影響で、東北本線新白河-黒磯駅間の上り1本が一時運転を見合わせた。1時間遅れ、約60人に影響した。

(イノシシ目撃:新潟)
5月21日午後5時ごろ、新潟県柏崎市西山町石地の住宅街付近で、体長約50センチのイノシシが目撃された。民家直近。

(クマ・イノシシ、出没相次ぎ警察・行政注意呼びかけ:新潟)
クマとイノシシが各地で出没し、警察と行政が注意を呼び掛けています。警察によりますと、クマは21日朝7時前に阿賀町赤岩で体長60cmほどの1頭、胎内市で午後6時ごろ道路わきに座っていたという体長80cmほどの1頭を通りかかった人らが目撃しました。また、柏崎市西山町石地では午後5時ごろ、海の方向から集落の方向に走ってきた体長50cmほどのイノシシ1頭が目撃されました。いずれも住宅付近で警察と行政が連携して住民らに注意を呼び掛けています。

(クマ目撃情報「登山道にクマ、大人で1頭」:兵庫)
神戸市でクマ目撃情報がありました。六甲山系の登山道です。5月20日午後2時すぎ、神戸市北区で女性から、「登山道にクマがいる。大人のクマ1頭」などと110番通報がありました。警察によりますと、クマの目撃情報があったのは、兵庫県神戸市北区山田町下谷上中一里山、有馬街道に近い六甲山系の登山道だということです。警察はメールで注意喚起するとともに、周辺を巡回するパトカーが、音声でも注意を呼び掛けています。

(クマの目撃情報:岩手)
県内ではクマの目撃情報が相次いでいます。20日も北上市や一関市などでクマが目撃されたという情報が入っています。北上市では、20日午前7時半ごろに和賀町横川目でクマ1頭が目撃されました。またこの場所から南東に10キロほど離れた北上市上鬼柳でも、午前9時半ごろにクマ1頭が目撃されたということです。そして先週からクマの目撃が相次いでいる一関市では、午前10時45分ごろに東山町でクマが目撃されたということです。岩手県はこの時期は山菜採りやレジャーで山に入る機会が多くなり、予期せずクマと遭遇し被害にあう危険性が高くなるとして、▽複数人で行動し鈴などの音のでるものを持って行くことや、▽明け方や夕方は山に入ることを避けるよう呼びかけています。

(ジビエ推進協議会、先行MOMIJIはシステム提供:岩手)
岩手県で野生のシカを捕獲して消費者に肉を提供するジビエへの取り組みが広がっている。食肉加工・販売のスタートアップ、MOMIJI(大槌町)など民間が集まり、「いわてジビエ推進協議会」を設立した。同社の品質・在庫管理システムを協議会の会員各社に提供する。さらにこのほど参入した毘沙門商会(遠野市)の立ち上げを支援している。

(農家に感謝され、購入者も喜ぶジビエに挑む35歳:大分)
農地を荒らすイノシシやシカを生け捕りにして食肉処理し、ジビエの魅力を世の中に届けている人がいる。大分県日田市大山町の諌山亮輔さん(35)。狩猟から解体まで動画投稿サイトのユーチューブを参考に独学。さらに販売まで基本的に1人でこなすスタイルで3年目に入った。「農家に感謝され、購入者にもおいしいと喜んでもらえる。大変だが、やりがいがある」。近い将来には従業員1人を雇用して事業拡大を目指す。生まれも育ちも大山町。実家で農業に従事する両親から「畑がイノシシに荒らされるようになった」と聞かされたのが、この仕事に挑むきっかけとなった。「着物のクリーニング」の開業を目指し京都で修行していた20代後半のころだ。30歳で実家に戻り、実家を拠点に着物クリーニングを開始。一方で両親の畑を守りたいと、わなによる狩猟免許も取得した。「初めて獲物がかかった時のことはよく覚えている。体重50キロほどのイノシシ。暴れて私の方に向かってこようとするので恐怖でした」。わなを町内のあちこちに仕掛けて、最初の1年間でイノシシとシカを合わせて約百頭を捕獲した。当初、獲物は一部を自家用の食肉にしたり、友人にお裾分けしたりしていたが大半は廃棄せざるを得なかった。「捨てるのはもったいない」。そこで実家近くの農業用倉庫を自身が中心となって改装し、食肉解体施設兼直売所「天領じびえ」を2022年1月に完成させた。費用はクラウドファンディングで集めるなどした。精肉販売は同年4月にスタート。心がけるのは品質の高さ。わなにかかった獲物はその場で殺処分せず、生きたまま車で解体施設まで運ぶ。鮮度が落ちないようにと、殺処分から食肉処理までの時間を最短にするためだ。部位ごとに異なる味わいを楽しんでもらえるよう、焼き肉用や鍋用にとえり分ける作業もしっかりやる。体重50キロのイノシシの皮をはぐのに1時間。解体してブロック肉にするまで2時間半。「集中するのですごく疲れます」。地元や福岡市などでの各種イベントに出店し、肉を焼いて販売することもある。「ジビエはなじみがまだあまりなくPRも兼ねている。シカ串1本300円なら買ってくれ、おいしさを感じてもらえますから」。23年、ジビエ事業は着物クリーニングと同程度の稼ぎになった。「この2事業が家族4人(本人と妻、子2人)の生計を賄う軸です」と話す。県西部保健所によると日田市でイノシシ、シカを食肉処理し、販売するのは諌山さんを含めて3業者のみという。

(「イズシカ問屋」受け入れ1万頭突破:静岡)
伊豆市の市食肉加工センター「イズシカ問屋」へのシカの搬入が1万頭を突破した。市はこのほど、1万頭目を持ち込み、搬入数1位の870頭を記録した梶友幸さん(77)ら上位狩猟者5人に感謝状を贈った。5人は市有害鳥獣捕獲隊に所属するベテランハンター。市役所で開かれた贈呈式で、梶さんは「昔よりシカの警戒心が強くなり、捕獲が難しくなっている」と話した。菊地豊市長は「これからも安全に、けがのないよう引き続き協力してほしい」と呼びかけた。イズシカ問屋は2011年開設。市内で捕獲したシカとイノシシを受け入れて食肉に加工し、市内外の精肉店に卸している。年間取扱数はシカ約800頭とイノシシ約100頭。20年には、地域活性化や所得向上に取り組む優良事例として農水省の「ディスカバー農山漁村の宝」に選定された。

(店主自ら狩猟!ジビエ料理の人気店:東京)
2024年4月、明治神宮前駅から徒歩3分ほどの場所に誕生したランドマーク「ハラカド」のフードコートエリアに、「食べログ カレー TOKYO 百名店」に選出されている喜多見の人気店「ビートイート」(現在改修中)の姉妹店「ビート イート ハラカド店」がオープンしました。2015年に開店した「ビートイート」は、店主・竹林 久仁子氏が自ら狩猟し、解体した鹿や猪を使ったカレーやジビエ料理が評判で、手間暇かけた滋味深いジビエの味わいを楽しみに、遠方から訪れるゲストも多くいます。

(学校給食にイノシシ肉を:鳥取)
大山ジビエ振興会(安達忠良会長)は大山町内の学校給食に使用してもらおうと、町教育委員会にイノシシのミンチ肉100キロを寄贈した。町内の小中学校7校と保育園4園でドライカレーなどで提供される。同会は町内の猟友会有志が立ち上げ、獣肉解体処理施設「大山ジビエ工房」(同町羽田井)での駆除したイノシシの解体や加工販売を通してジビエ振興と鳥獣被害防止に取り組んでいる。2年前から給食用にイノシシ肉を寄贈している。町役場本庁舎で7日に寄贈式があり、鷲見寛幸教育長に目録を手渡した安達会長は「私たちのジビエ肉はふるさと納税でも全国上位の実績があり、自信を持って提供している。小さい頃から食べてジビエのおいしさを分かってもらえれば」と話した。鷲見教育長は「子どもたちが野生動物との共存を理解する機会にもなる。命をいただくことをきちんと知ってもらいたい」と述べた。

(エゾシカ肉もっとおいしく:北海道)
道内の料理人や食品関係者、研究者でつくる「北海道食文化研究会」は21日、エゾシカ肉の有効活用がテーマのセミナーを札幌市内で開いた。北大の研究者や道立総合研究機構の担当者、料理研究家らが講演。約100人が参加し、エゾシカ肉の消費拡大策などを考えた。

(高校生たちが野生動物の革を使ったベストを考案:高知)
高知県の高校生たちが農作物に被害を与える鹿やイノシシの革を有効活用しようと、キャンプ用のベストを考案し、クラウドファンディングを通じてこのほど販売を始めました。キャンプ用のベストを考案したのは、高知県の大方高校と高知商業高校、それに山田高校の生徒たちです。昨年度、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで必要な資金を集めようと計画しましたが、期間中に目標の金額には届かず、商品化に至りませんでした。このため、今回は、「購入型」と呼ばれるクラウドファンディングを活用して再度、企画に挑んでいます。「購入型」は、支援してもらった見返りに、プロジェクトで開発した商品やサービスなどを提供するものです。できあがったキャンプベストは、県内のジーンズ工場などと協力して作り、ポケットや取り外しができる大型のカバーに鹿の皮を使っています。大方高校3年生の関口希麟さんは「協力してもらった地元の方々のおかげでやっと商品化できました。地域に貢献したいという思いで頑張っています」と話していました。このベストは、今月末まで購入でき、販売で得られた利益は県内で活動する環境保護団体に寄付するということです。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前7時15分ごろ、仙台市青葉区上愛子大道にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、23日午後2時40分ごろ、松島町石田沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、23日午前7時30分ごろ、松島町高城明神二付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後8時40分ごろ、仙台市青葉区八幡7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後8時ごろ、仙台市青葉区上愛子折葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前8時20分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元青木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、21日午後2時50分ごろ、色麻町高根新山付近にクマが出没しました。

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5/22
(クマに襲われ警官2人負傷、山林で遺体発見直後:秋田)
18日午後1時ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯で捜索活動をしていた鹿角署員2人がクマに襲われた。男性巡査部長(25)が顔や肩を、男性巡査長(45)が両腕や胸を負傷したが、命に別条はない。県警や消防によると、山林ではタケノコ採りをしていた青森県三戸町の60代男性が15日から行方不明になっており、署員らは山林で身元不明の遺体を発見した直後に襲われた。18日午前に山の管理人から「山林で倒れている男性がいる」と通報があり、警察と消防が現場に向かった。山林の斜面で、外傷のある男性を発見し、救急隊が死亡確認。運び出そうとすると、クマに襲われたため中断し、下山した。猟友会は同行しておらず、クマはその場からいなくなった。遺体の身元確認もできていない。タケノコ採りに訪れていた秋田県能代市の60代女性も18日朝から行方不明になっている。県は18日夜、緊急対策会議を開催。鹿角市は現場の山林を入山禁止にした。19日は県警などがヘリコプターやドローンで上空から女性の捜索を行う。また、秋田県三種町森岳の田んぼ付近で18日夕、60代男性がクマに足をかまれけがをした。

(死亡した男性の搬送、19日も再開できず20日以降に:秋田)
秋田県鹿角市の山林で男性が死亡しているのが見つかったものの、警察官2人がクマに襲われたことを受けて中断していた搬送作業は、19日も再開できず、20日以降、行われることになりました。一方、この山林で行方がわからなくなっていた女性は19日朝、警察に保護されました。鹿角市十和田大湯の山林で18日、男性が倒れているのが見つかり、遺体を搬送する作業をしていた警察官2人がクマに襲われ、頭や腕などに大けがをしました。一夜明けた19日は、午前に警察のヘリコプターが上空から現場の状況を確認し、作業の再開に向けて午後2時前に警察と猟友会あわせて16人が車で現場に向かいました。しかし、車では現場へ十分に近づけず、安全の確保が難しいことから作業の再開は見送られ、警察と消防、猟友会、それに市は20日、改めて対応を協議することにしました。クマによる被害を受けて市や警察は一般の人が立ち入らないよう現場付近の道路を通行止めにするとともに、近くに住む人に警戒を呼びかけています。一方、18日、同じ山林に山菜採りに入ったまま行方がわからなくなっていた60代の女性は、19日朝7時半ごろ、自力で歩いてきたところを警察に保護されました。女性は「沢に落ちてしまった」と話し、手首や腰などに痛みを訴えて病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。

(那覇空港で陸自幹部、荷物内に小銃の空包か:沖縄)
那覇空港の保安検査場で18日、陸上自衛隊那覇駐屯地の第15旅団に所属する男性幹部自衛官が、小銃の空包とみられる物1発を手荷物に所持していたことが関係者への取材で分かった。自衛官は身柄を拘束されておらず、豊見城署や陸自の警務隊が自衛官に経緯を聴取するなどして調べを進めている。関係者によると、自衛官は訓練参加のために県外に移動するところだった。自衛官が所持していた空包とみられる物には火薬が入っていたとみられる。関係機関が連携し、空包とみられる物を鑑定し、特定を進める方針。那覇空港の保安検査場では先月にも拳銃の実弾を所持していたとして米空軍兵が銃刀法違反容疑で逮捕されている。

(公務執行妨害容疑で逮捕の51歳、部屋にモデルガン数丁:熊本)
20日午後0時55分ごろ、熊本市中央区出水4のアパートで「拳銃の発砲音のような音がした」と110番があった。警察官が駆け付けると、住人の男性がドアを開けてハサミを突き付けてきたといい、男性を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。男性の部屋からはハンドガン型やライフル型などのモデルガンが数丁見つかったほか、運動会などで使われるスターターピストルのような音が出るタイプもあった。このピストルの火薬とみられるものが使われた形跡も見つかり、熊本県警は発砲音との関連を調べる。逮捕されたのは、中国籍で無職の男性(51)。調べに「ハサミを突き付けたのは間違いないが、公務執行妨害とは思っていない」と容疑を一部否認しているという。県警によると、室内には男性の他に人はいなかった。男性からは酒の臭いがしたという。現場は市中心部から南東に約3キロの住宅街で、付近には小中学校や幼稚園、県立湧心館高校などがある。

(パイプ銃を製造・所持26歳男を起訴:)
千葉地検は17日、無許可でパイプ銃を作ったなどとして、武器等製造法違反(無許可製造)と銃刀法違反(所持)の罪で千葉市緑区の家電修理業、田代靖士容疑者(26)=麻薬取締法違反罪で起訴=を起訴した。起訴状などによると、昨年8~9月ごろ、自宅で鉄製のパイプ銃1丁を製造し、同12月15日に所持したとされる。被告は県警に逮捕された際、「日本の政治を含め世の中に失望していた。日本の未来を良くするという正義のために、こんな国にした者らを攻撃することを想像していた。その行動力を持つ通過儀礼として、パイプ銃を作って持っていた」と供述していた。

(市街地での銃器使用「必要な場合認められるべき」:岩手)
市街地へのクマの出没が相次ぐ岩手県の達増拓也知事は、17日の定例会見で、「安全を確保した上で、銃を使うことが必要な場合は使うことが認められるべきと考えている」として、鳥獣保護法が原則禁止している市街地での銃器使用について、国に弾力運用を求める考えを示した。岩手県では、令和5年度のクマによる人身被害が死亡2人を含む46件49人と過去最悪を記録。同じくクマによる人身被害が都道府県で最も多い62件70人となった秋田県の佐竹敬久知事が13日の定例会見で、市街地での猟銃使用を国に求めた発言を受けた記者の質問に答えた。達増知事は会見で「市街地での銃器の弾力的な使用については去年、北海道・東北知事会でクマ対策を政府要望したときも盛り込んでいたこと」とした上で、岩手からも国に働きかけたい」と述べた。環境省は令和5年度の全国のクマによる人身被害が過去最悪の198件219人に達し、市街地近くに定住する「アーバンベア」の出没が相次ぐなか、専門家による市街地での銃器の使用の在り方について検討を始めている。

(昨年度のクマの目撃情報、過去最多:山口)
昨年度山口県内でツキノワグマが目撃されたり、足跡などが確認されたりした件数は444件と、調査を開始した平成9年度以降で最も多くなりました。山口県によりますと、昨年度1年間に県内でツキノワグマが目撃されたり、足跡やフンなどの痕跡が確認されたりした件数は444件と前の年度から190件増え、調査を開始した平成9年度以降で最も多くなりました。自治体別では岩国市が192件、周南市が74件、山口市が54件、萩市が36件、長門市が25件などとなっています。県は目撃件数が増えている要因として、ツキノワグマの生息数の増加やエサ不足から人里に下りてきたクマが増えたことなどが考えられるとしています。一方、今年度も4月の1か月間で22件の目撃情報が寄せられていて、過去最多だった昨年度を上回るペースとなっています。県はクマの目撃情報があった場所に近づかないことやクマを寄せつけないため、生ゴミなどを野外に放置しないよう注意を呼びかけています。

(キョン、筑波山でカメラに:茨城)
千葉県で大量に繁殖し、対策が課題となっている特定外来生物の「キョン」。ここ数年、茨城県内でも相次いで確認されていて、警戒が強まっています。こうしたなか茨城県は、有力な目撃情報に報奨金を出す制度を設けるなど、対策の強化に乗り出すことを決めました。2022年12月、石岡市の筑波山の山中に設置していたカメラ。そこに写っていたのは千葉県で大量に繁殖している特定外来生物の「キョン」です。地面に顔を近づけながらゆっくりと斜面を登っていく姿などが記録されていました。茨城県猟友会石岡支部 沖田知芳さん「イノシシを撮影するために設置したカメラでしたが、キョンが写っているとは。いずれは来るだろうと思っていましたが、いよいよ来たかという感じです」。シカ科のキョンは中国などが原産で、生態系などに害を及ぼすおそれがあるとして、国から特定外来生物に指定されています。千葉県では1980年代以前にあった観光施設から逃げ出したキョンが大量に繁殖したとみられ、令和4年度の推計で生息数はおよそ7万1500頭にのぼり、農作物を食い荒らす被害などが出ています。茨城県環境政策課 飯村勝輝課長補佐「農作物への被害だけでなく、キョンに寄生しているマダニやヤマビルなどで生態的な被害が起こるかもしれない。雑食のため人家に入って花壇の花を食べることもあり、夜間の鳴き声が非常にうるさいということなども聞いているため、茨城県としても非常に警戒しています」。2017年以降、茨城県内でもキョンの目撃情報が相次いでいます。県内でキョンが初めて確認されたのは2017年5月。千葉県と隣接する神栖市の常陸川大橋の上で車にひかれて死んでいるのが見つかりました。その後しばらく目撃情報はありませんでしたが、2022年12月に石岡市の筑波山の山中に設置されたカメラにキョンの姿が記録されました。さらに2023年9月には、筑西市の大谷川の堤防で住民が目撃。12月には下妻市の県道で、車にひかれて死んでいるキョンが見つかっています。茨城県によりますと、これまでに確認されたキョンはあわせて4頭で、いずれもオスだったということです。猟友会のメンバーは、千葉県でキョンによる農作物の被害が報告される中、危機感を募らせています。茨城県猟友会石岡支部 沖田知芳さん「何年かしたら千葉県のようになると感じています。捕っても千葉県ではどんどん増えているので、そうならないように願うしかないです」。茨城県は、幅広く目撃情報を集めてキョンが住み着くのを防ぐ対策にいかそうと、県内でキョンの写真や動画などを撮影し情報提供した場合には報奨金を出す制度を早ければ5月中にも始めることを決めました。これまで作成したチラシのほかに、キョンが定着した場合の影響など詳しく説明するリーフレットも新たに制作するということです。茨城県環境政策課 飯村勝輝課長補佐「有力な目撃情報に対しての報奨金制度を早急に作り、県民のみなさまに呼びかけていきたいです。県と市町村、住民、狩猟者が一体となって対策を進めていきたいです」。

(「ツツガムシ病」秋田で5年ぶり死者:秋田)
秋田県は15日、大仙保健所管内の80歳代女性がツツガムシ病で11日に死亡したと発表した。県がツツガムシ病による死者を確認したのは2019年以来、5年ぶり。県保健・疾病対策課によると、女性は3日に発熱と全身の 倦怠けんたい 感といった症状を感じ、7、9日の両日、同保健所管内の診療所を受診。検査で肝臓と腎臓に異常が見られたため、10日に同管内の病院を受診し入院したが、11日に死亡した。自宅周辺の山で山菜採りをしていた時に刺されたとみられる。ツツガムシ病は、ツツガムシに吸着されてから、5~14日ほどで発病。主な症状は高熱や発疹で、例年5~6月に患者が増えるという。県内では今年、今回の女性を含めて3人の発病が確認されている。同課は、▽野山や田畑、河川敷などでは長袖、長ズボンを着用し、素肌を出さない▽帰宅後は速やかに入浴し、念入りに体を洗い流す▽脱衣後の衣類は室内に持ち込まず、すぐに洗濯する――などの対策を呼びかけている。

(県内イノシシ出没147件、過去10年で最少:香川)
香川県内で2023年度にイノシシが市街地に出没した件数は147件で、前年度の4割にとどまり、過去10年で最少となったことが、県のまとめで分かった。

(市街地出没クマに麻酔銃:群馬)
群馬県の山本一太知事は17日、1億1900万円を増額する本年度一般会計5月補正予算案を明らかにした。県内でも出没件数が増加傾向にあるツキノワグマ対策に1400万円を計上。人身被害の防止に向けて市街地に出没したクマを麻酔銃で捕獲する費用を盛り込んだほか、生息頭数を把握するため奥山22カ所に赤外線カメラを設置する。

(市街地でクマ出没想定、対応の手順を確認する訓練:山形)
山形県酒田市で昨年度、クマの目撃件数が過去最多となったことを受け、市は、市街地でクマが出没した場合の対応の手順を確認する訓練を初めて行いました。酒田市では、昨年度、最上川河口付近の公園といった市街地にクマが出没するなど、クマの目撃件数が200件を超え記録が残る平成18年度以降で、最も多くなりました。これを受けて、市は、市街地にクマが出没した場合の対応の手順を確認する訓練を初めて行い、市の職員や警察、猟友会などおよそ20人が参加しました。この中で、クマを捕獲する際、近くに住む人たちの生活に影響が少ない最上川の河口付近に追い込むことや捕獲作業中に人が近づかないように地域への呼びかけを徹底することなどを申し合わせていました。一方、クマを追い込む際には、クマの生態に詳しい猟友会などと相談して車両の配置を決めるなど、関係機関で連携して取り組むことや国の鳥獣保護区に指定されている河口付近でクマを捕獲する場合、環境省に速やかに報告することなどを確認していました。酒田市環境衛生課の佐藤創環境保全係長は「これまでクマが出没していなかった場所でも目撃されていて、危機感を持っている。対応力を向上していきたい」と話していました。

(ツキノワグマによる人身被害防げ、対策会議:福井)
小浜市は15日、ツキノワグマ出没対策会議を市役所で開いた。市や県猟友会小浜支部、小浜署などの担当者ら20人ほどが、人身被害防止に向け、市民への広報啓発を強化することを確認した。市内では、4月から今月12日までに7件の目撃情報があり、うち2件が民家前や市街地だった。昨年度は23件の目撃情報があり、うち13件が市街地や民家付近だった。

(街のド真ん中に現れたイノシシ、滞在させない工夫と遭遇した時の対処法は:山形)
この映像は、今週月曜日の夜、山形県鶴岡市の住宅街に現れたイノシシをとらえたものです。なぜ街中に現れたのか。イノシシの生態に詳しい市の担当者に話を聞きました。こちらは、今月13日の午後9時ごろに目撃されたイノシシ。撮影者に向かってくるような素振りを見せています。撮影者は、高さ1メートルほどの植え込みに逃げてケガはありませんでした。目撃現場は鶴岡市みどり町の鶴岡市中央公民館付近。山からは遠く離れ、近くには多くの住宅が立ち並ぶところです。一体、なぜイノシシは住宅地にあらわれたのか。鳥獣対策を担当する鶴岡市の白幡さんと小野寺さんです。鶴岡市農林漁村振興課 小野寺レイナ さん「明らかに人を意識してますもんね。割と興奮しているんじゃないか。若いオス…顔がなかなか見えないが口の所が膨らんでいるのでオスの可能性がある。一頭でいるということもオスの可能性が高い」。市によると、2016年にイノシシの目撃があってからその件数は年々増加していて、食害の報告もサルに次いで2番目に多いのだそう。こちらは、食べ物を探した跡でしょうか。農業施設への被害も起きているということです。2人によりますと、この時期にイノシシが目撃されるのは珍しいとのこと。動画が撮影された現場は、ゴミが荒らされたといった様子もないことから、このイノシシは、エサを求めてではなく、はぐれたか、もしくは繁殖のため群れから出た個体と考えられるということです。鶴岡市農林漁村振興課 小野寺レイナ さん「水路の脇のちょっとした隙間を移動してきた可能性が高い。下流の方に跡があったのでそこから来たのでは」。対策としては、住宅地であってもイノシシが隠れられる場所を作らないことだとしています。鶴岡市農林漁村振興課 小野寺レイナ さん「そこに滞在させない工夫として草刈りが効果的。もともと昼行性で人にあいたくないから夜に動く。特に市街地の見慣れないところにきているので」。いつ現れるか分からないイノシシ。もし出あってしまったら、どうすればいいのでしょうか。鶴岡市農林漁村振興課 白幡赳弥 さん「大声を出したり走って逃げたりするとイノシシも興奮して寄ってくるかもしれないので、背を向けないでゆっくり後ずさりしてその場を離れることが一番基本の行動」。食料を求めて、住宅街に現れるケースもあるというイノシシ。市では住宅のまわりにエサとなるものを置かないなど、注意を呼びかけています。

(シカを襲ったクマ「肉の味を覚えた可能性がある」:兵庫)
丹波市青垣町中佐治の山中で5月上旬、箱わなにかかったシカをツキノワグマが襲ったとみられる事案が発生した。市は「肉の味を覚えた可能性がある」として14日、現場にクマを捕獲するためのわなを設置し、駆除を試みている。

(中部山岳国立公園上高地地域におけるニホンジカの試験捕獲の実施:長野)
上高地地域において、5月14日よりニホンジカの試験捕獲を開始いたしましたので、お知らせします。なお、ニホンジカの捕獲期間中である5月27日に報道関係者の方を対象として、現地において試験捕獲の概要説明等を実施いたします。近年、中部山岳国立公園においてニホンジカ(以下、「シカ」という。)の個体数の増加と生息域の拡大が確認されており、高山帯・亜高山帯においてもシカの確認情報(目撃、痕跡、鳴き声、自動撮影カメラによる撮影等)が毎年報告されています。高山帯・亜高山帯に生育する高山植物はシカによる採食圧等の環境変化に対して脆弱であることから、高山帯・亜高山帯へのシカの侵入による生態系被害の発生が懸念されています。中部山岳国立公園におけるシカ対策の一環として、令和4年度及び令和5年度に上高地地域をモデル地域として、シカの試験捕獲を開始しました。過去2年の試験捕獲で令和4年6月に2頭、令和5年10月に1頭のシカを足くくりわなにより捕獲し、シカの生息密度が低い状態においても、捕獲方法等を工夫することで、捕獲が可能であることが分かりました。令和4年度及び令和5年度に引き続き、令和6年度も試験捕獲を実施いたします。試験捕獲の結果は、今年度内に開催する「中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会」等において共有し、今後のシカ対策に活かしてまいります。

(シカに食われた?見ごろ迎えるヒメサユリが例年の1割だけ:新潟)
新潟県三条市の下田地域では、ヒメサユリに異変が起きています。15日から『越後三条・高城ヒメサユリ祭り』が始まったのですが…。登山道はヒメサユリの群生地になっていて、例年なら今頃はたくさんの花が咲いている景色が広がっているのですが、今年は1割ほどしか見られません。確かにつぼみがついていたにもかかわらず、開花し始めた12日には多くの花がなくなっていたというのです。「ここから上が花だったんですよ、開花した花。そこを食い散らかすと…。被害にあった茎を確認してもらったら、シカの可能性が大きいですねということで、これだけ準備したのに寂しい限りです」。実行委員会によりますと、これまでこういった被害はなかったということです。実行委員会では今後さらなる被害を防ぐため、音で動物を追い払う装置や夜間の侵入を防ぐためのライトなどを設置しましたが、31日だった当初の予定を切り上げ、今年の祭り期間は19日までのたった5日間にやむなく短縮することにしたということです。

(シカ食害で「伊吹そば」に危機:滋賀)
米原市の特産品「伊吹在来そば(伊吹そば)」が、伊吹山の植物と同じように野生のシカに実などを食べられる被害に見舞われている。生産者に渡す種を作る原種ほ場の電気柵を破って侵入し、畑を食い荒らす。「原種をしっかり取らないと栽培もできず、店で販売してもらうそばも作れず、地域が潤っていかない」。関係者は対策を強化している。伊吹そばは別の品種と交雑しないようにするため、市最北部の甲津原地区で、甲津原営農組合が原種を栽培している。伊吹そば生産組合がその種を買い受け、生産者に分配。伊吹山麓の地域で7団体と9個人が毎年、計約50ヘクタールほどで生産している。

(クマによる事故が多発、「音を出す・対策グッズの所持・クマの行動の確認」が大切:北海道)
北海道ではクマによる事故がこの大型連休の期間中に相次ぎました。クマから身を守るにはどうすればいいのだろうか。山岳ガイドや北海道によると、3つの対策が有効だという。・音を出す 笛やクマよけの鈴、複数人で行動し、クマにこちらの存在を知らせる。複数人が固まるのも良い。クマは臆病なので人を避ける。・クマスプレーや鉈(なた)を所持する 最悪襲われた場合には対処できる。・クマの出没情報を確認 クマが出没したと報じられた場所に近づかない。 クマが行動する朝・夕方には山に行かない。まずは出合わないことが重要。事前に情報を集めて、出没情報がある場所には行かないことが大切。音を出しながら、複数人で行動するなど、山菜採りでは注意が必要だ。

(廃校した学校使いヒグマ侵入を想定した訓練:北海道)
道内でクマの目撃が相次いでいることを受けて、釧路市では17日、廃校となった学校を使ってヒグマが侵入したことを想定した訓練が行われました。訓練は釧路市阿寒町の廃校となった学校で実施され、警察官や市の職員、それに地元の猟友会のハンターなど、およそ30人が参加しました。17日は小学校のグラウンドにヒグマが侵入したという想定で行われ、はじめに通行人役の男性がクマを発見し、警察に通報しました。駆けつけた警察官は付近の人々に大きな声で避難を呼びかけた後、クマを威嚇するため爆竹などで大きな音を鳴らしました。しかしクマは逃げずにグラウンドにとどまったため、ハンターが猟銃を使って駆除するまでの流れを確認しました。道内では今月、浦河町で山菜採りをしていた男性がクマに襲われてケガをしたほか、ことしは今月13日までに320件の目撃情報が寄せられています。釧路警察署の糸井俊博地域官は「さまざまな想定のもと事前の訓練で対応力を向上させることが必要だ。住民のみなさんがクマを目撃した際は近づいたり刺激したりしないでほしい」と話していました。

(新浜鴨場での見学会、参加者募集:千葉)
宮内庁は、市川市の新浜鴨場で6月に開く見学会の参加者を募集している。参加費は無料で、詳細はホームページで公表している。締め切りは5月21日。6月21日と27日に実施する。いずれも午前と午後の1日2回催す。鴨場は皇族が外交団を招いて日本伝統のカモ猟を披露する接待場所。参加者はカモ猟に関するビデオを見た後、場内を歩いて回る。各回定員30人で、小学生以下は保護者らの同伴が必要となる。

(88歳現役トドハンターに密着:北海道)
特集は、礼文島で行われている「トド猟」についてです。礼文島の漁師・俵静夫さんは88歳のいまも漁師をしながら、現役のトドハンターとして活動を続けています。今回、NHKは、島で最年長のトドハンター、俵さんを密着取材。その中で、見えてきたのは「命」と向き合い続けてきた漁師の「こだわり」でした。俵静夫さんや、礼文島での「トド猟」については5月24日の金曜日、午後7時30分からの「北海道道」で詳しくお伝えする予定です。ぜひ、ご覧ください。

(ヒグマ追うハンター、ササを分け入り五感を研ぐ:北海道)
「そっちにいるかもしれんぞ」。後志管内島牧村の山林で5月上旬、北海道猟友会寿都支部島牧分会に所属するハンター花田雄二さん(55)が仲間に声をかけた。一度発砲したヒグマにとどめを刺すため、草木に残る血痕を追う。血痕は山を越えるように続く。ササが生い茂り、ヒグマにいつ出くわすか分からない。現場に緊張感が広がった。「山を知ること」。猟に同行すると、ハンターは口々に猟の極意を教えてくれた。残雪の足跡から体格が分かるだけでなく、その雪の締まり具合で何日前に通ったか推測できる。襲われた動物の死骸があれば、カラスの鳴き声も騒がしい。獣の臭いも気にかける。先頭を歩くハンターたちが「ほら、爪痕だ」と指さした。しかし、どこにもそれらしきものが見当たらない。十数メートル離れた幹にある跡を見つけるまでに数秒かかった。

(「マタギ」をテーマにした作品づくりをしている絵画作家が子どもたちに特別授業:秋田)
秋田県北秋田市の義務教育学校で県内出身の絵画作家が「マタギ」をテーマにした作品づくりをしています。制作の合間に生徒たちにむけた特別授業がありました。横手市出身の永沢碧衣さんは秋田公立美術大学を卒業し、自然や命を追及して作品を作る注目の若手アーティストです。北秋田市の阿仁学園の一室を借りて阿仁のマタギなどをテーマにした立体作品を制作しています。中学1年生にあたる7年生の美術の時間には使っている画材や作品に込めた思いなどを説明しました。永沢さんは森を歩いて感じた自然や命の循環を作品に昇華していて狩猟免許も取得しています。クマと森が一体化したかのような作品には歩いた道のりやマタギの教えが記録として込められているそうです。永沢さんは来週まで学校で制作を続け作品が展示される新潟県で仕上げの作業をすることにしています。

(73歳岩城滉一、俳優業達観も副業の税高騰にぼやき)
俳優岩城滉一(73)が18日、TBS系「人生最高レストラン」(土曜午後11時)に出演。趣味の射撃に関してコメントした。MCの極楽とんぼ加藤浩次(55)が「僕も射撃をやってるんですけど、もう大先輩ですから」と話した。これまでの芸能界における射撃好きについて話し「当時は大変な方が…歴代の…萬屋(錦之介)さんだったりとか…萬屋さんが亡くなられて、僕が”会長”やって、ヒロミが副会長に」と語った。加藤が「だから岩城さんのやられている射撃場もあるのよ」と話すと、岩城は「こんな商売(俳優業)やってもあてにならないので、いつまでもこれで食っていけるとも思えないんで」。すると加藤は「(岩城の射撃場が)めっちゃキレイになったのよ。めっちゃオシャレになったのよ」とそのスゴさをアピールした。しかし岩城は「固定資産税が上がっちゃって大変」とぶっちゃけ、スタジオは爆笑。加藤が「今でもたまに撃たれてるんですよね」と質問すると、岩城は「そ、そうだね。たまに行ってますね」と答え「ボクらは基礎がないんですよ。昔の人間って…出たら、撃っちまえって、オヤジの中で育ってきてるから」と手振りを交えて話した。加藤が「クレーが出たら撃て、ってクマが出てきたらとかじゃなくて、クレーが出てきたらですよね」と補足説明した。岩城は「んでね、今なんかはすごくステキな耳栓もプロテクターもあるけど、当時は吸ったたばこをもんで、中からフィルターをかんで抜いて、こうやって耳に入れてた」と話して「内緒ばなしすると、みんなニコチン臭いのよ」と明かしていた。

(ニホンジカ?を動画撮影:青森)
青森県五所川原市市浦地区で11日、ニホンジカとみられるシカの姿が動画撮影された。撮影した南部町の大学生川村和(かの)さん(21)は、16日の東奥日報の取材に「初めて野生のシカを見たけど、こちらを警戒する様子もなく悠々としていた」と話した。

(駅前に群れで出没したエゾシカ:北海道)
北海道のJR苫小牧駅南口に16日未明、エゾシカが群れで出没した。苫小牧市周辺ではシカが多く生息しており、増加傾向にあるのが一因とみられる。有効な対策がないため、市は様子を見るとしている。目撃された群れは7頭で、体長は1~1・5メートルほど。街灯に照らされた駅前のタクシー駐車場付近で辺りをキョロキョロうかがったり、植え込みの草木を食べたりしていた。客待ちをしていたタクシー運転手の男性は「25年間乗っているけど、駅前でシカの群れを見たのは初めて」と目を丸くした。市環境生活課によると、シカの多くは雪が少ない市郊外で越冬し、この時期は餌の豊富な山林に戻る。ただ、駅の70~800メートル南にある王子製紙苫小牧工場の敷地付近は市中心部ながら緑が豊かなため、20頭近くが夏を過ごすという。市には、敷地近くの商店街などから目撃情報がたびたび寄せられる。道警の調べでは、2023年にシカが絡んだ市町村別の交通事故件数は、苫小牧市の387件がトップで、2位の釧路市(281件)を大きく引き離す。農作物が食われる被害もあり、市は22年度、わなによる捕獲を始め、23年度までに330頭近くを捕らえた。駅前を闊歩かっぽする今回の群れについて、街中で銃は使えない上、誤って人がわなにかかったり、かかったシカが暴れたりする危険があるとして、市は当面、静観の構えだ。

(クマが民家の小屋に入り込む:福島)
19日午前10時5分ごろ、福島県猪苗代町堅田の国道49号西側の林で、体長約1メートルのクマ1頭が歩いているのを、車で通った50代男性が見つけ、110番した。福島県警猪苗代署によると、クマは民家の小屋に約30分間入り込んだ後、最初の目撃現場から北東約1キロの水田で捕獲された。

(1日でクマ目撃4件相次ぐ、このうち1頭捕獲:福島)
福島県猪苗代町で19日、クマの目撃情報があわせて4件あり、このうち1頭が捕獲されました。警察と猪苗代町は引き続き注意を呼びかけています。映像は捕獲される直前のクマです。警察によりますと19日午前10時すぎ、猪苗代町堅田の国道49号近くの林で車で走っていた男性がクマ1頭を目撃しました。クマは体長が1メートルほどでその後、民家の小屋に侵入しました。そして19日午後1時前、小屋から窓ガラスを割って出てきたところを町の鳥獣被害対策実施隊が銃などを使って捕獲しました。猪苗代町では19日朝から夕方にかけて他の場所でクマの目撃情報が3件相次ぎ、警察や町は引き続き注意するよう呼びかけています。

(クマが歩道で「全力疾走」:岩手)
疾走するクマの姿が捉えられました。信号で車が止まったタイミングで走り出したのは国道を渡るクマの姿。この後、クマは全速力で歩道を駆け抜けていきます。そして、左に曲がって坂を上ります。現場は岩手県一関市。クマが向かった先にも出てきた方向にも住宅街があります。ドライブレコーダーのクマはどこに行ったのでしょうか。この翌日となる15日、近くの住宅街では成獣とみられるクマ1頭が目撃されています。周辺ではクマの目撃が相次いでいました。16日朝、猟友会と市はわなを設置したうえで、周辺の見回りを強化しています。

(国道でクマ目撃:新潟)
新潟県新発田市早道場の国道290号で午後6時ごろ、道路を西方向に移動するクマ1頭が目撃されました。通行人が目撃し、体長は約1mだったということです。直近の住宅まで350mほどの地点で、警察は付近の住民に注意を呼び掛けています。

(クマの目撃情報相次ぐ、「ツキノワグマ出没注意報」発表中:青森)
ツキノワグマ出没注意報が出ている青森県内。青森市やむつ市で新たに目撃情報が寄せられています。15日午後8時前、青森市浪岡の国道7号のリンゴ園の近くで、親子のクマ2頭が道路を横切る姿が目撃されました。付近の道路を車で走っていた男性が目撃し、警察に届け出たということです。このほか青森市内では、浪岡地区の別のリンゴ園と八甲田ロープウェー付近の道路上でも、それぞれ1頭が目撃されています。一方、むつ市金谷の国道338号の北側の歩道上でも、15日、1頭が目撃されました。県は「ツキノワグマ出没注意報」を発表し、注意を呼び掛けています。

(東山温泉でまたクマ目撃:福島)
16日午後3時25分ごろ、会津若松市東山町湯本字上湯本の温泉宿泊施設の南側の石垣上で、男性従業員がクマ1頭を目撃し、巡回中の会津若松署員に届け出た。同署によると、クマの体長は約50センチ。西側の山林に立ち去ったという。東山温泉では今月に入りクマの目撃が相次いでおり、同署は巡回を強化して注意を呼びかけている。

(クマ目撃:栃木)
16日午後9時20分ごろ、日光市大室の市道で、通行人がクマ1頭を目撃した。今市署によると、クマは体長約1.5メートル。

(イノシシ目撃情報寄せられる:新潟)
新潟市西蒲区間瀬で18日午前11時前、「畑でイノシシ1頭を目撃した」と110番通報がありました。目撃されたのは午前10時ごろで、民家からおよそ50メートル離れた畑ということです。イノシシは体長およそ1メートルで、目撃後姿を消しています。警察が区役所に相談の上、近くの住民に注意を呼び掛けています。

(クマ目撃情報:岩手)
県内では連日クマの目撃情報が相次いでいます。17日も一関市や宮古市で目撃が相次ぎました。一関市では3日前の14日からJR一ノ関駅の近くでクマの目撃が相次いでいます。SNSに投稿されたドライブレコーダーの映像では国道を横断したクマや歩道を走っていくクマがとらえられています。警察と一関市によりますと、17日は午前7時すぎに一関市真柴の一関中学校グラウンド付近の山林でクマ2頭が目撃されたほか、午前7時半ごろには一関市滝沢の国道脇で子グマとみられるクマ1頭が目撃されたということです。また、宮古市によりますと、午後2時ごろ、国道106号線の鈴久名バス停付近でクマ2頭が目撃されたということです。いずれもけがをした人などはいないということです。岩手県は、この時期は山菜採りやレジャーで山に入る機会が多くなり、予期せずクマと遭遇し被害に遭う危険性が高くなるとして山に入る際は複数人で行動し鈴などの音の出るものを持って行くことなど、注意を呼びかけています。

(住宅街近くでクマ1頭を捕獲:秋田)
14日にクマが目撃された秋田市の住宅街近くで、クマ1頭が捕獲されました。秋田市によりますと、捕獲用のおりは14日夜にクマが目撃された秋田市新屋の住宅街近くの広場と、そこから北に3キロほどのところにある林の2か所に設置されていました。17日午前8時半過ぎに、猟友会のメンバーが体長70センチほどのクマ1頭が、林に設置した捕獲用のおりに入っているのを確認したということです。秋田市は目撃されたクマと同じクマかはわからないとして、引き続き注意するよう呼びかけています。クマが目撃された現場近くの住宅街では去年10月、相次いで4人がクマに襲われ、ケガをしました。

(軽トラック襲撃“クマ”再び出現か:北海道)
軽トラックを襲った“あのヒグマ”なのでしょうか。今度は学校のすぐ近くに現れました。車からわずか20メートル先にヒグマが2頭。左が母グマ、右が子グマで、親子とみられます。北海道根室市で15日、すぐ近くにある小中一貫校の教頭が撮影しました。ヒグマが現れた場所は学校の通学路でもある幹線道路の脇で、高校生なども利用するバス停のすぐ近くです。同じ根室市で先月、軽トラックを襲った子連れの母グマ。頭から鼻にかけて白っぽく、耳は黒いのが特徴です。学校の近くに現れたヒグマも頭の部分が白っぽく、耳は黒いのが分かります。根室市は、子グマを連れている状況などからも「同一個体ではないか」とみています。母グマが軽トラックを襲う前には、子グマが林の奥に去っていく姿が映っていました。同一とみられる親子グマがなぜ学校の近くに。トラックが通り過ぎると母グマと子グマが立ち上がり、警戒しているように見えます。

(クマの目撃相次ぐ:北海道)
17日夜、札幌市中央区の山に隣接した地区でクマの目撃が相次ぎ、警察は周囲をパトロールして注意するよう呼びかけています。警察によりますと、17日午後7時すぎ、札幌市中央区宮の森でクマ1頭が道路を横断しているのを車で通りかかった人が見つけ、警察に通報しました。クマは体長およそ2メートルで、山の方に逃げていったということです。また、同じころ、南西におよそ1キロ離れた盤渓小学校の近くでも、車で通りかかった人が道路にうずくまっているクマ1頭を目撃しました。クマは体長およそ1メートルで、すぐに起き上がり山の方に逃げていったということです。警察は周囲をパトロールして注意するよう呼びかけています。

(特急あずさ、クマ2頭と衝突:山梨)
JR東日本によりますと17日午後8時20分ごろ、山梨県大月市の中央本線の下り線で特急あずさが線路内にいる動物を見つけ、ブレーキをかけましたが、衝突して止まりました。現場は初狩駅の東側2.5㎞付近で、この事故で中央本線は現場付近で上下線の運転を見合わせました。衝突したのはクマ2頭で、線路脇で動かない状態で、あずさの点検を行い、安全を確認した後、中央本線はおよそ30分後の午後8時54分に運転を再開しました。乗っていた乗客およそ600人にケガはありませんでした。この事故で上下7本の列車に最大で33分の遅れがでました。

(クマ目撃、地区内で目撃情報相次ぐ:福島)
会津若松市一箕町で17日、クマの目撃が相次いだ。午前10時20分ごろ、同町松長字南雨沼の山林で、農作業中の女性がクマ1頭を目撃し、110番通報した。また、午後8時30分ごろに同町八幡字八百山の市道で1頭、午後8時40分ごろには同町八幡字坂下の市道で2頭を目撃したと、車を運転していた同じ男性から110番通報があった。会津若松署によると、クマは体長約50~100センチ。1件目の目撃場所の付近には一箕中があることから、同署は下校時間に合わせて同校で警戒活動を実施。生徒らに注意を呼びかけた。同地区では、16日にも体長約1.5メートルのクマが目撃されていた。

(夜になってクマ目撃情報が相次ぐ:北海道)
17日夜、札幌市中央区と南区で、あわせて3件のクマの目撃が相次ぎ、警察が注意を呼びかけています。午後7時すぎ札幌市中央区宮の森の、宮の森と盤渓を結ぶ道路の盤渓峠に近い場所で、車で通りかかった人から「クマ1頭が道路を横切った」と警察に通報がありました。クマは2メートルほどの大きさで、山の中に逃げたということです。その目撃から5分後に、およそ1キロメートル離れた盤渓小学校そばの道路付近で、「目の前のT字路に子グマ1頭がうずくまっている」という目撃情報がありました。このクマは大きさがおよそ1メートルくらいだったことから、警察は近い距離で同じ時間帯ながら、別の個体と見ています。また午後7時前には南区簾舞でもクマの目撃情報があり、相次ぐクマの出没に警察は注意を呼びかけています。

(クマ、市道横断:秋田)
18日午後4時45分ごろ、秋田市御所野地蔵田3丁目の市道を体長約50センチのクマが横断してゴルフ場付近のやぶに入っていくのを、近くにいた男性が目撃した。けが人はいなかった。御所野学院中学校・高校まで約50メートルで、イオンモール秋田にも近い。秋田東署はパトカーで周辺を警戒するとともに、近隣の学校に連絡して注意を呼びかけた。

(クマが相次ぎ出没:福島)
福島県猪苗代町では、田植え中の水田や観光地付近で相次いでクマが目撃され、警戒が続いている。5月19日午前11時ごろ、猪苗代町堅田で、道路を走るクマが田んぼに逃げ込む姿がカメラにとらえられた。猪苗代町では道の駅近くの田んぼや、国の重要文化財に指定されている迎賓館などでクマが相次いで目撃され、近くの住民に避難が呼びかけられるなど、一時騒然とした。逃げ込んだクマにより、倉庫の窓ガラスが割られるなどの被害も発生し、被害にあった男性は「多分ガラス割って出ていったんじゃないかなと思う。足跡とか(クマが)上がった跡じゃないか?」「もちろんおっかない。中に仕事しているときに入ってこられたら当然怖い」と話した。警察によると、田んぼに逃げ込んだ1頭は捕獲されたが、クマは少なくとも3頭はいるとみられ、警察や町などが警戒を続けている。

(「自宅の裏にクマ」集落内で目撃情報:新潟)
新潟県長岡市で19日、クマ1頭の目撃情報がありました。警察によりますと、19日午後2時10分、長岡市本所に住む男性から「今、自宅の裏手に1メートルくらいのクマを見た」と通報がありました。クマは現場から西側の塩谷川方面へ逃げたということです。クマが目撃された場所は民家のある集落のため、警察は市役所と連携して住民に注意を呼び掛けています。

(増える鹿被害、ジビエ給食を進めよう)
全国で野生鳥獣による農業被害が相次ぐ中、ジビエ(野生鳥獣の肉)としての活用が進まない。特に鹿の被害は年々増え続けるが、ジビエになるのはわずか1割強。捕獲や食肉処理を担う人材が不足しているためで、育成と合わせ学校給食へのジビエ提供など需要開拓を急ぐべきだ。近年、イノシシや猿、鳥による農業被害は減少しているが、鹿の被害は増え続けている。鹿による農産物などの被害総額(2022年度)は、前年度と比べ4億円増の約65億円に上る。捕獲数も72万5000頭(21年度)と増加基調にあり、温暖化や人口減少で鹿の生活圏が急拡大していることがうかがえる。鹿の捕獲が進む一方、ほとんどが廃棄され、ジビエに向けられるのは全体の13%にとどまる。捕獲と活用の実態がかみ合っていない。地域に加工施設や解体技術を持つ人がいないためで、捕獲しても「廃棄物」として多くを処分せざるを得ない。動物たちの命を無駄にせず、捕獲と活用の両輪から進める必要がある。ジビエは外食や小売り、ペットフードなどさまざまな需要があり、近年では、学校給食に鹿やイノシシの肉を提供する小中学校が増えている。農水省によると、ジビエ給食を導入する小中学校は23道府県933校(22年度)と5年前と比べて2・5倍に増え、過去最多を更新した。調査では、ジビエを活用する学校の8割が西日本に集中し、地域によって偏りが生じている。西日本では野生動物との生活圏が近い中山間地が多く、被害防止に向けた捕獲・活用が進むが、東日本は東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で一部地域で出荷制限が続いたことで、ジビエが広がらない背景がある。ジビエ給食を全国的な取り組みとするために、先進地の事例やノウハウを横展開して、消費の裾野を広げよう。大分県では、176校(小中学校の46%)がジビエ給食に取り組む。県は18年、給食用にジビエを購入する際の独自の補助制度を新設した。県内でいち早くジビエ給食を始めた中津市は、鹿の捕獲から食肉加工、流通、給食調理まで地域一体で取り組む。「鹿肉カレー」など子どもが食べやすいメニュー開発も進んでいるという。県は「地域の農林水産業や鳥獣被害を考え、小さい頃から食べることで身近な食材と感じてもらいたい」(森との共生推進室)と期待する。国会で審議が進む食料・農業・農村基本法改正案でも第48条「鳥獣害の対策」を新たに設け、「捕獲した鳥獣の食品等としての利用の推進」を掲げる。政府は鳥獣害の低減とジビエの消費拡大へ取り組みを一層、加速すべきだ。

(駆除イノシシで「おかずみそ」:長崎)
長崎北高(長崎市小江原1丁目)の3年生約60人が、食品ロス削減や廃棄物活用の観点から新商品を開発した。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、20日午前6時ごろ、南三陸町戸倉沖田付近にクマが出没しました。

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