<射撃ニュース6月>
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(牧場のきゅう舎外壁に“ライフル弾”とみられる銃弾:北海道)
12日、北海道日高地方の浦河町にある牧場の外壁に、ライフル弾と思われる銃弾が刺さっているのが見つかりました。ハンターが撃った流れ弾が壁に当たったと見られています。銃弾が見つかったのは、浦河町西幌別の馬の繁殖を行う牧場です。12日午前9時半ごろ、牧場の男性従業員から「きゅう舎の壁にライフル弾が着弾しているのを発見したので、警察官に見てほしい」と警察に通報がありました。警察によりますと、ライフル弾と見られる銃弾は、12日午前9時15分ごろに発見されました。銃弾は、きゅう舎の外壁にある鉄製の扉部分(厚さ1ミリほど)で見つかり、地面から60~70センチの高さに刺さっていました。駆けつけた警察官が回収し、現在、鑑定しているということです。銃弾が発見された時点で、きゅう舎内に馬がいたかどうかは明らかになっていませんが、人や動物への被害はありません。この牧場の周辺は、シカがよく出没するエリアで、禁猟区域でもないことから、警察はハンターが3~4キロほど離れた場所から撃った“流れ弾”とみて、事件性も含めて捜査しています。

(畑でクマ襲われ80代女性が顔などに大けが:岐阜)
11日夜、下呂市で畑で作業をしていた80代の女性がクマに襲われ、顔などに大けがをしました。女性を襲ったクマは見つかっておらず、下呂市は引き続き住民などに注意を呼びかけています下呂市によりますと、11日午後7時半ごろ、下呂市小坂町の畑で作業をしていた80代の女性がクマに襲われました。女性は近くの旅館の関係者で顔や頭、首を爪でひっかかれる大けがをしましたが、命に別状はないということです。女性は「突然、背後から子グマに襲われた」と話しているということですが、クマの大きさなどはわかっていません。下呂市は地元の警察とともに12日朝5時半から現場付近をパトロールしましたが女性を襲ったクマは見つからず、捕獲用のおりを設置するとともに引き続き住民などに注意を呼びかけています。下呂市によりますと、市内のクマの目撃情報は、ことしは今回で10件目で、農務課の栃井隆志主任主査は「クマの目撃や遭遇が増える時期になってきました。山や畑で作業するときは音の出るものを携帯するなど対策を心がけてほしい」と話していました。現場は、JR高山本線の飛騨小坂駅から南東に6キロあまり離れた、山あいの旅館や住宅がある地域です。《県が「クマ出没注意情報」注意呼びかけ》下呂市で女性がクマに襲われたのを受け、県は12日、「クマ出没注意情報」を出して注意を呼びかけています。県内ではことし4月から12日までに90件のクマの目撃情報が確認されているということで、県はえさとなる果実や生ゴミを放置しない、山に入る場合はラジオや鈴などで音を出しながら複数で行動する、そしてクマの活動が盛んになる早朝や夕方は特に注意するよう呼びかけています。また、クマと遭遇した場合は決して大声を出さずゆっくりと後退し、特に子グマを見つけた場合は近くに親グマがいるため、速やかに避難するよう呼びかけています。

(クマに襲われ70代男性けが:山形)
11日午後1時40分ごろ、山形県西川町志津の山中で男性がクマに襲われたと通行人から110番があった。県警や地元消防によると、被害者は同県川西町の70代男性で腕や下腹部を負傷したが、意識はあり、命に別条はない。県警によると、男性は1人でタケノコ採りをしていたとみられ、クマ1頭に襲われた後、約500メートル先の駐車場まで逃げて通行人に助けを求めたという。

(登山客男性がクマに襲われる:新潟)
警察によりますと、12日午前8時半すぎ、新発田市の岳岡山で登山をしていた60代の男性が、体長約70cmのクマに襲われました。男性は、顔や頭、腕などを引っかかれケガをして自ら119番通報し、救急搬送されました。命に別状はありません。

(イノシシと接触か、自転車の高校生が転倒しけが:栃木)
10日夜、足利市と佐野市の境付近の道路で自転車で走っていた高校生の男子生徒が転倒して軽いけがをしました。警察はイノシシなどの動物とぶつかったとみて詳しい状況を調べるとともに注意を呼びかけています。10日午後9時ごろ、足利市と佐野市の境付近の道路で自転車に乗って帰宅途中だった高校生の男子生徒が転倒し、はずみで頭を打つ軽いけがをしました。警察によりますと男子生徒は「転んだ後近くにはイノシシのような動物がいたので、ぶつかったようだ」と話しているということです。自転車には何かとぶつかったような跡が付いているということで、警察はイノシシなどの動物と自転車が衝突したとみて当時の詳しい状況を調べるとともに、周辺の住民に注意を呼びかけています。

(市街地で男性がカラスに襲われ頭にけが:青森)
青森県十和田市で11日、ウォーキング中の男性が街中どこにでもいる鳥に襲われ頭にけがをしました。男性がカラスに襲われたのは、十和田市の中心部官庁街通り。多くの人が行き交う場所です。十和田市に住む坂本雅利さんは、11日午前10時半ごろ、週に一度のウォーキングをしていました。坂本さんは、頭にたんこぶができるけがをしましたが、近くにあった農協に駆け込み、事なきを得ました。11日はカラスが大きな声で鳴いていて「いま思えば威嚇だったのではないか」と坂本さんは話します。十和田市によりますと、カラスによる人への被害は、ここ数年聞いたことがないということです。市はゴミ捨て場などに置くカラス除けのグッズも貸し出していて、利用を呼び掛けています。

(クマによる人身被害:新潟)
新潟県新発田市によると、6月12日7時40分頃、市内荒川地内の荒川神社分社近くの山中でクマ1頭による人身被害が発生した。クマの体長や移動方向は現状不明。市では、クマがまだ周囲に潜んでいる可能性があるとして注意を呼びかけている。

(空き家から回転式拳銃と実弾8発か:鳥取)
鳥取県警浜村署は10日、鳥取市の空き家から回転式拳銃のようなものが見つかったと発表した。数年前に所有者が死亡した空き家で荷物を整理していた孫の50歳代男性が同日、1階和室にあった木箱の中から見つけ、同署に届け出た。長さ約18センチで全体的にさびており、そばには実弾とみられる8発もあった。

(ワクチン入りのエサを13日から野外散布へ:佐賀)
唐津市で、野生のイノシシから豚熱の感染が確認されたことを受け、県は6月13日と14日にイノシシ向けにワクチン入りのえさを撒くと発表しました。県内ではこれまでに、唐津市東山などで4頭から豚熱の感染が確認されています。ワクチン入りのえさは、イノシシの確認場所から半径10キロ圏内の唐津市、玄海町、伊万里市の山林を中心に、合わせて1600個を散布する予定だということです。

(ライフル射撃場、停電で使えない状態が続く:秋田)
由利本荘市にある県立総合射撃場で落雷が原因とみられる停電が発生し、ライフル射撃の施設が使えない状態が続いています。今後、様々なスポーツ大会が予定されていますが、復旧のめどは立っていません。県などによりますと、今月2日の午後2時すぎ、由利本荘市岩城にある県立総合射撃場で停電が発生。敷地にあるライフル射撃場と狩猟技術訓練施設の設備が使えなくなりました。落雷が原因とみられていて、狩猟技術訓練施設はその日のうちに主な設備が復旧しましたが、ライフル射撃場は発生から10日以上が過ぎたいまも電気が通らず、施設を使えない状態が続いています。復旧のめどは立っていません。関係者によりますと、故障した電源設備の資材調達には数か月かかる見通しです。ライフル射撃場では今月末、国民スポーツ大会に出場する選手の選考会を兼ねた大会が予定されています。県は大会の延期を含め、対応を検討しているということです。県内ではここでしか練習ができない種目もあるため、やむを得ず、週末に青森や宮城の射撃場まで出かける選手もいるということです。秋田県ライフル射撃協会では、発電機を使ってでも大会を予定通り開催するよう県に要望しています。

(キジ狩り中に散弾銃で仲間撃つ、50代男性を書類送検:福島)
今年2月、福島県須賀川市でキジ狩りの最中に、散弾銃で仲間を誤って撃った男性が、書類送検されました。業務上過失傷害の疑いで書類送検されたのは、須賀川市の50代の男性です。男性は今年2月、須賀川市吉美根でキジ狩りをしていた際、一緒に狩りをしていた40代の男性を、散弾銃で誤って撃った疑いが持たれています。撃たれた男性は、全身に散弾10数発を浴びて、重傷を負いました。警察の調べに対し、50代の男性は、「動物だと思ったが人がいた。気が付かなかった」と話しているということです。

(猟友会クマ駆除辞退問題、クマ対策にハンタードローン活用の自治体も:北海道)
空知の奈井江町で猟友会が報酬が低いことなどを理由にクマの駆除を辞退している問題で、町が猟友会への依頼を断念したことがわかりました。奈井江町三本英司町長)「電話でお話をしている中で、結果としてじゃあ断念せざるを得ませんねということでお伝えしました」。北海道猟友会砂川支部奈井江部会山岸辰人部会長)「物別れで終わりましたって話で、振り出しもくそもない」。両者の溝は埋まりませんでした。去年クマの目撃が相次いだ奈井江町。町は今年4月、猟友会にクマ出没時の対応を担う「鳥獣被害対策実施隊」への参加を呼びかけました。町から提示された日当は最大で1万300円でした。北海道猟友会砂川支部奈井江部会山岸辰人部会長(先月)「高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンター馬鹿にしてないって話ですよ」。参加辞退の紙猟友会の奈井江部会は報酬の低さや業務内容などを理由に参加辞退を申し出ました。これを受け、奈井江町は報酬を増額する方針を示していましたが交渉は決裂したということです。北海道猟友会砂川支部奈井江部会山岸辰人部会長)「実施隊の要項に問題があるってことも把握してない、だから、問題はありありなんだからと。人手も足りないし。町長はあくまでも実施隊を稼働させることにこだわるから、それは話の筋が違う。私とあなたと論点が違いますと」。分かり合うことはなかった両者。もし今、クマが出没したら町はどうするのでしょうか。奈井江町三本英司町長)「今までも猟友会だけではなくて地域の狩猟免許を持っている方がいろいろな形で協力していただいています。そういう人たちの力を借りながらやっていきたいし、そういう中でできるだけ早くきちっとした形を作っていきたい」。ハンターの報酬や待遇などが問題となる中、名寄市では新たなクマ対策が導入されています。「ワンワン」。犬の鳴き声などでクマを追い払う「ハンタードローン」です。そば農家水間健詞さん)「遠隔操作で追い払えるからクマに接近しなくていい」。こちらのそば農家では毎年の様にクマなどによる農業被害が出ていてドローンの導入を決めたそうです。そば農家水間健詞さん)「全面踏まれてまったく収穫できないのがここ10年くらい続いていて、1年間の苦労が無駄になってしまうので、そういうことがないようにしたい」。ハンタードローンの活用を進めているのはドローンスクールも運営する地元の自動車学校です。名寄自動車学園和田敏明社長)「クマがまず人の声、犬の声、これには非常に反応する」。花火を取り付けて音を鳴らすこともできるハンタードローン。先週、名寄市と警察、自動車学校が協定を結び、市街地にクマが出没した際ドローンが必要だと判断されると市が自動車学校に出動を要請することになりました。名寄自動車学園和田敏明社長)「試行錯誤しながら対応をこれから考えていかなければいけないと思っています」。

(ハンターに求められる「SWAT並みのスキル」とは)
今年も全国各地でクマの出没が相次いでいる。環境省は、市街地でも猟銃を使ったクマの駆除を「警察官の指示なしで可能」とする鳥獣保護管理法改正の方針案を取りまとめた。だが、住宅密集地域での安全確保や発砲の判断、事故が起きた際の責任の所在など、課題は山積している。5月29日昼前、JR米沢駅(山形県)の西600メートルほどのところにクマが出没した。現場に近い小中学校はただちに下校の措置をとった。クマを目撃した観光客は悲鳴を上げた。クマは市内を流れる最上川の河川敷を移動し、姿を消した。クマが街なかに現れたら、どうすればいいのか。「街なかを徘徊するクマへの対処は容易ではありません。法律が改められたとしても、実際に市街地で猟銃を発砲することは限りなく難しい」。札幌市の環境共生担当課・熊対策調整担当の白水彩課長はこう漏らす。昨年度、札幌市のクマの出没件数は過去最多の227件だった。市街地での出没も増加している。衝撃的だったのは、2021年6月18日朝、体長約160センチ、体重約160キロのクマが市の中心部に現れた事件だ。通勤途中の男性ら4人を次々に襲い、重軽傷を負わせた。住宅や学校、ショッピングセンターの合間をぬって移動を続けるクマ。市民がクマに襲われる恐れがあった一方、街なかでハンターが発砲すれば、事故の危険もあった。結局、同日昼前、住民の安全確保が比較的容易な緑地に移動したクマに対し、警察官の指示でハンターが発砲し、駆除した。クマの出没が多い札幌市では、20年以上前から市と警察、猟友会が協力してクマ対策に取り組む体制をつくり上げてきた。警察は積極的に猟友会と訓練を重ねてきた。それでも現場で発砲を判断し、実施するのは「非常に難しい」という。現在、鳥獣保護管理法は第38条で住宅集合地域等での銃猟の使用を禁じている。ただし、警察官が人命にかかわる差し迫った状況と判断して命令を出した場合に限り、ハンターは警察官職務執行法(警職法)に基づいて発砲できる。つまり、市中にクマが出現した緊急事態でも、警察官が命令を出し、ハンターが撃つ、というプロセスが必要だったのだ。しかも、警察官の命令は「緊急避難」を前提としているため、「クマを目の前にしたハンターが襲われるか襲われないかの状況にならないと下りない。その間、ハンターは命の危険にさらされ続ける」と、秋田県猟友会の佐藤寿男会長は訴える。警察官が躊躇して、警職法が発令されなかったり、発令まで時間がかかったりする場合が少なくない。クマがいる以上、その間も人が襲われるリスクがある。そのため、鳥獣保護管理法の改正に向けた動きが急ピッチで進んでいる。今年2月8日、環境省の専門家検討会は、捕獲や調査に国の交付金が出る「指定管理鳥獣」にクマを追加する答申を出した。さらに禁止されている市街地での猟銃使用について、鳥獣保護管理法の改正も含めて検討することを国に求めた。伊藤信太郎環境相は3月6日の参院予算委員会で同法の改正について検討する方針を明らかにした。これらを受け、環境省は専門家や警察庁などによる「鳥獣保護管理法第38条に関する検討会」を設置。5月23日に法改正の方針案をまとめ、7月には最終答申がなされる見込みだ。検討会で、警察庁保安課の渡辺和巳理事官は「ハンターの判断で発射できる範囲を拡大する必要があると考えており、現場の警察からもそう聞いている」と発言した。警察官が警職法の発令をためらう理由について、狩猟管理学が専門で、検討会の座長を務める酪農学園大学の伊吾田宏正准教授は、こう説明する。「現場の警察官も幹部も、野生動物や猟銃に対する専門的な知識がないなかで、警職法で対処してきた。そのため、野生動物対策の基本法である鳥獣保護管理法を改正して対応してほしい、という姿勢です」。過去には自治体の要請でハンターがクマを撃ったにもかかわらず、公安委員会から「銃弾の到達する位置に建物があった」として、銃所持許可を取り消された例もある。「クマを駆除したハンターが法律違反に問われる。そんな健全ではない状況があったわけです」(伊吾田准教授)。猟友会の佐藤会長も「ボランティアでクマの駆除に協力しているのに、事故を起こした場合はハンターが責任を問われる。発砲の指示を出す立場の人が責任を負うべきだと思います」と、不満を口にする。検討会では大きな異論は出ず、法改正を目指す見通しとなった。しかし、法が改正されたとしても、すぐに問題が解消されるわけではないという。「例えば、札幌市はクマの出没が多いだけに対応に慣れていて、猟友会もしっかりしている。警察との連携もよく取れています。しかし、そうではない自治体がほとんどです」(以下、同)。そもそも、狩猟のなかでもクマの捕獲は非常に難しいうえ、危険がともなう。さらに市街地で猟銃を使用しての駆除となると、「次元が違うくらい困難」だという。普段の狩猟を行う山中とは違い、市街地は不特定多数の人がいる。移動するクマや銃弾が届く範囲から避難できる人は限られている。そのうえ、弾が跳ね返りやすい建物や道路など、人工物だらけだ。誤射の危険性が高いだけでなく、撃った弾がコンクリートやアスファルトに当たればどこに跳ね返るかわからない。予測できない危険は他にも多く潜むという。「クマや人の動きなどが流動的で、刻一刻と変わる。不確実な要素が多いなかでの発砲はリスクが極めて高い。わかりやすく言えば、米国警察の特殊部隊『SWAT』のようなスキルが求められる。ところが、実際のハンターの腕にはバラつきが大きいのです」。ハンターのレベルアップを図るには訓練が重要になる。これまでクマの駆除は猟友会に依存してきたが、それを見直す必要性も出てくるかもしれない。現場責任者も必要だ。役割分担と指揮系統、さらには捕獲にともなう事故が起きた場合の責任の所在を明確にした体制整備が求められる。「事故があった場合、少なくともハンターが全責任を負う、という体制にすべきではないと思います」。では、そんな体制づくりを都道府県や市町村が遂行できるかというと、野生動物管理の予算や人材が限られている現状では、「いきなりは難しい」と、伊吾田准教授は言う。「体制整備については、国の支援が必要になるでしょう」。鳥獣保護管理法の改正後は、国が地域の事情に即したガイドラインをつくり、それを自治体に示さなければならない流れだ。「ガイドラインは難しいですが、絶対に必要です。その際、出没現場で交通規制などを担う警察との連携も重要です」。自治体で野生動物管理の専門職員を育成し、配置していくべきだと伊吾田准教授は言う。そうした取り組みは秋田県や兵庫県、島根県で行われている。今後、自治体が連携して広域で専門職員を配置することも考えられる。「全国的にクマによる被害が拡大していますが、その管理は場当たり的に行われてきました。大きな視点で抜本的な対策をしていくべきときにきています」。

(独自アンケートでわかった自治体の本音「国や道として一定の報酬の基準を」)
クマ対策のハンター不足を解消できるのか?二刀流の「ガバメントハンター」に注目です。北海道根室市では、軽トラックにクマが突進。空知地方の雨竜町では、道職員がクマに襲われけがをする被害も…。北海道内のクマの個体数は、32年間で2.3倍に増えたと推定されています。クマの駆除には、ハンターが欠かせませんが、ハンター側が自治体への協力を断るケースも出てきました。各市町村へのアンケートから見えてきたクマ対策の現状をもうひとホリします。4月、空知地方の奈井江町が、地元の猟友会にクマの駆除などへの協力を要請をしましたが、猟友会側は人員不足や報酬の額を理由に要請を断りました。奈井江町の報酬額の案は、出動手当が1日8500円。猟銃の発砲で1800円加算というものです。北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長「(報酬は)高校生のコンビニのバイト以下。命がけの仕事もこんな“びた銭”でやれと言うのという話」。町は報酬の増額を検討していますが、猟友会側との協議は進んでいません。HBCでは、クマ対策の現状について、北海道内の市町村にアンケートを行い、115の市町村から回答が寄せられました。ハンターへの報酬については…。アンケートへの回答「出動したら時給1500円」「緊急時は1日8時間で4万円、クマを捕獲したら1頭につき10万円」。報酬の基準も、時給や日給で計算する、活動内容によって金額を変えるなどさまざまで、報酬の仕組みは自治体ごとにすべて違う内容でした。北海道猟友会は、「各地とも自治体とハンターが話し合って決まっているので、違いがあるのはやむをえない」としています。アンケートでは自治体からこんな本音も…。アンケートへの回答「国や道として、一定程度の報酬の基準を設けてほしい」。道のヒグマ保護管理検討会の座長を務める酪農学園大学の佐藤教授は…。酪農学園大学 佐藤喜和教授「地域によってクマの生息密度が違う。クマの出没するパターンも違えば原因も違う。従事する人の数や出没回数、市町村の財政状況などが絡んでいるので、なかなか単純に一律にすればいい、解決するという問題でもないと思います」。アンケートでは駆除に関する今後の課題も聞きました。多くの市町村があげたのは…アンケートへの回答「ヒグマを駆除できるハンターが高齢化している」「若手ハンターの確保、育成が急務」。先週、道の検討会では、クマの増加を抑えるため、年間の捕獲目標を「メスグマ520頭」とすることが提案されましたが、この目標も、ハンターの確保なしには達成できません。こうした中、三笠市では「ガバメントハンター」に着目しました。三笠市農林課 豊口哲也課長「(ハンターの)担い手を確保するところが喫緊の課題だったので募集した」。三笠市の農林係に勤務している髙崎梨徒(りと)さんは、おととし、鳥獣対策を担う地域おこし協力隊員として採用されました。公務員と同時にハンターも務める「ガバメントハンター」です。三笠市農林係(ガバメントハンター) 髙崎梨徒さん「クマの通報が入ったら席を立って地名だけ聞いて車で出発するという感じが多い」。市民に危険が差し迫る場合には、猟友会と協力し、猟銃やわなでクマを駆除しています。この日は、今年クマの目撃があった場所のパトロールへ。猟銃を背に現場に向かい、クマの監視のために取り付けておいたセンサーカメラをチェックします。三笠市農林係(ガバメントハンター) 髙崎梨徒さん「こういうことを毎日続ける、車で見回るだけでも労力かかるのに、そういうことを猟友会にお願いするとなると皆さん仕事を持たれているし、専門職(の市職員)じゃないとやりづらいところはあると思います」。佐藤教授は、クマに対しては自然災害と同じように備えるべきだとして、ガバメントハンターの普及に期待しています。酪農学園大学 佐藤喜和教授「(クマに)日頃から備えて危険箇所を明らかにして、そこへの対策を打っていく。緊急時の対応ももちろんですし、平時から出没を防ぐ、出没しにくい地域づくりをするとか、そういうリーダーの役割をできるような人を(行政が)雇用していくというのが、今後大事になっていく」。公務員でありながらハンターでもある、というこのガバメントハンターは、三笠市ではおととし始めた取り組みで、道内でもあまり例がありません。市町村アンケートの中では、ガバメントハンターとは異なる形でクマ対策の体制をとるマチもありました。千歳市のクマ防除隊は、地元猟友会が選抜したハンター13人を市の非常勤特別職員として委嘱しています。普段は別の仕事をしていますが、クマ出没の際は、市の職員の立場で出動します。傷害保険なども市が負担します。こうした形で連携を強めているということです。各地で出没するクマについて、「知ることで防げる被害」があります。

(マガモ網猟、担い手増へ:茨城)
茨城県の霞ケ浦周辺に飛来したマガモを伝統的な猟法で捕獲した「常陸国(ひたちのくに)天然まがも」の供給量拡大に向け、県は本年度、傷を付けずにマガモを捕獲する「網猟」を行う猟師の育成に力を入れる。高級食材のカモ肉は希少性が高く、流通させるには傷みのないきれいな状態で捕獲する必要がある。専門の網猟師を増やして一定数を確保し、飲食店などで提供。茨城の冬の味覚として誘客につなげたい考えだ。茨城県は全国トップのマガモの飛来地で、越冬のため霞ケ浦周辺に渡ってくるマガモは5万羽を超える。狩猟期間は11月15日から翌年の2月15日に限られ、捕獲数が少なく流通はごく一部に限られていた。マガモをつかまえる網猟は、銃を使わずに餌で誘い、地面や水面に飛来した際に伏せておいた網を鳥にかぶせる猟法。傷がなく、きれいな状態を保つことで調理につなげる。期間中の捕獲上限数は1人200羽。1羽1500円前後が猟師の利益となる。網猟師となるには鳥獣保護や管理、判別方法、猟具の取り扱いなど、都道府県の試験に合格して免許を取らなければならない。県によると、県内で網猟師に登録するのは39人(2023年度)。同様に飛来数が多いとされる新潟県に比べ、半数以下にとどまる。飛来シーズンに向け、県は網猟師を増やすため、免許試験を昨年度の2回から、本年度は7、9、12月の計3回に増やし、猟師向けの技術講習会を実施。品質の統一や、ブランド力の強化に取り組んできた。昨年度の狩猟期間の捕獲目標1000羽に対し、捕獲できたのは約半数の534羽。県猟友会の南部支部では昨シーズン、同県小美玉市内の水田で60羽を捕獲した。メンバーの70代男性は「暖冬の影響か、この冬は少なかった」と振り返った。マガモの飛来で、霞ケ浦周辺は収穫前のレンコンの食害に悩まされてきた。茨城県のカモ類による農作物被害は年間約1億6000万円(22年)に上る。同県かすみがうら市佐賀地区でレンコンを栽培する水郷つくば霞ケ浦蓮根部会の中原弘部会長(57)は「マガモにつつかれ、傷ができたら出荷できなくなる」と警戒を続けてきた。県は昨シーズン、網猟で捕ったマガモを「常陸国天然まがも」とブランド化。「茨城の名物に」と猟友会や食肉施設、飲食店と連携し、流通を後押ししてきた。初開催した「常陸国天然まがもフェア」に参加したル・ポワロン(同県水戸市)オーナーシェフの野沢昌史さん(47)は「繊細な味。地産地消で価値がある」と評価し、「レンコン被害を減らすためにも今季もメニューに加えたい」と意気込む。県農村計画課は、網猟で捕獲した希少なマガモを活用し、「常陸国天然まがもをお目当てに茨城県を訪れる人を増やしたい」としている。

(イノシシ捕獲頭数が大幅減、豚熱の影響か:広島)
広島県世羅町で2023年度に捕獲されたイノシシが540頭と、前年度(944頭)から4割余り減少した。町内の山中では昨秋から外傷のない死骸が見つかっており、町は豚熱(CSF)の影響で生息数が減った可能性が高いとみる。備後地方は県内でも養豚場が多いエリアで、畜産業者などは警戒感を強めている。

(豚熱警戒へ緊急会議:宮崎)
佐賀県唐津市で九州初となる野生イノシシの豚熱感染が確認されたことを受け、本県は7日、県庁で緊急防疫会議を開いた。県や市町村、畜産関係団体、県猟友会などから、リモートも含めて約120人が出席。本県での今後の対応などについて情報を共有し、警戒を強めた。

(緊急防疫対策会議、養豚場の消毒や侵入防止の徹底呼びかけ:鹿児島)
九州で初めて佐賀県唐津市の野生イノシシから豚熱(CSF)陽性が確認されたことを受け、鹿児島県は7日、畜産関係者を集めた緊急防疫対策会議を県庁で開いた。

(鳥獣被害、過去最少の1億4千万円に:大分)
動物による農業などへの被害軽減に取り組む大分県鳥獣被害対策本部会議が6日、大分市内で開かれた。2023年度の県内の被害総額は、統計を取り始めた1983年度以来最も少ない約1億4千万円に縮小したことが報告された。県の関係部局のほか県猟友会や農業、林業団体などの約50人が参加した。会合で公表された鳥獣被害額は前年度比で約900万円の減。このうち農業被害が約80%を占め、林業が約15%、その他が5%だった。動物別にみると、イノシシによる被害が約8200万円で半分以上を占め、シカは約3800万円だった。地域的にみると、県中部と南部で被害額が増えた。中部ではシカによるヒノキの皮はぎ、南部ではイノシシによる水稲の食害などが被害額を押し上げたとみられる。県内では狩猟免許の所持者のうち60代以上が7割を超え、高齢化が目立っている。このため免許所持者を増やすとともに、特に若い人に狩猟に関心を持ってもらうことが課題だ。今後の対策については、以前から実施されている防護柵の設置拡大と機能強化に引き続き取り組み、ジビエ普及のために新商品開発の研修会を開くことなどが事務局から報告された。また、県猟友会の長井健三会長は「有害鳥獣の駆除に取り組むハンターが事故に巻き込まれた際などに、(立場を守るための)配慮ができないか」と要望した。

(獣類による林業被害、27%増の2億3000万円:栃木)
栃木県環境森林部は、2023年度の野生鳥獣の捕獲や農林業被害の状況をまとめた。獣類による林業被害は面積が延べ65ヘクタールでほぼ変わらなかったものの、被害額は27%増の2億3000万円に上り、3年連続で増加した。シカやクマによって壮齢木の皮がはがされたり、植栽地で幼齢木がシカに食べられたりする被害が主な要因という。獣類の捕獲状況では、シカが1万2624頭で前年度に比べて4%減少。一方、イノシシは6330頭で前年度より9%、アライグマは516頭で23%、クマは52頭で33%、それぞれ増えた。鳥獣による農作物の被害額は、前年度比10%減の1億8000万円。このうちイノシシなど獣類による被害額が1億4100万円(同3%減)を占めた。獣種別ではイノシシが65%を占め、シカ、ハクビシン、サルの順で続いた。作物別の被害額ではイネが1億700万円で最多。野菜が2300万円、果樹が1400万円だった。

(クマ樹皮剥がし被害拡大:山形)
クマの目撃情報が相次ぐ中、クマが木の樹皮を剥がして樹液をなめる「クマハギ」被害が県内の山林で拡大している。建築資材用の木は被害に遭うと枯死して売り物にならなくなるため、県は森林管理者らに対策を呼びかけている。クマは、前脚や口を使ってスギやヒノキなどの樹皮を根元から剥がし、幹の甘い樹液をなめることがある。これを「クマハギ」といい、5~8月に多く確認される。県森林研究研修センターによると、被害に遭った木は雑菌が入って枯死してしまう。県内でスギは建築資材用に人工的に植えられていることが多いが、枯死すると商品にできなくなる。2023年度に県内の民有林で確認された被害は計1956本だった。これは遠くから目視で確認した本数のため、実際に調べるとその5~10倍の被害があるという。推定被害面積は約54ヘクタールに上る。林野庁によると、22年度の被害面積は約57ヘクタールで、都道府県別では静岡約126ヘクタール、栃木約67ヘクタール、長野約60ヘクタールに次ぎ全国で4番目に大きかった。県内のクマハギ被害は30年ほど前から置賜地域を中心に確認されていたが、5年ほど前から被害地が県内各地に点在するようになった。同センターが県内全域で調査記録を取り始めた19年度からは、毎年1200本以上の被害が確認され、増加傾向にある。被害を防ぐには、間伐などの手入れをした上で、幹の下部にフィルムテープや荒縄を巻き付けたり、間伐材の幹などを根元付近に積み上げたりして、クマが樹皮を剥がさないようにする必要がある。県は今年2月、「クマハギ被害防除マニュアル」を作成し、関係者に配布した。ただ、急斜面に立ち並ぶ木に対策を施すのは相当な時間がかかる。対策の効果が、費用に見合わない場合もある。場所ごとに伐採し商品化するまでの年数などを考慮し、どのように対策するかを検討しなくてはならない。5月29日、寒河江市の同センターでマニュアルに基づく研修会が初めて行われ、県内の林業普及指導員や市町村の林業担当者ら15人が参加した。参加者は管轄の森林組合や林業者らに、それぞれの森林に合った防除方法を伝えるという。同センターの菅井泰之主幹は「大切に育てた木が商品化できなくなることは避けなくてはならない。費用対効果の見込める適切な方法を提案していきたい」と話した。

(クマ被害防止、1か月間集中点検実施へ:長野)
「ツキノワグマ出没注意報」を県内全域に出している長野県は11日、対策本部会議を開き、実際にクマが目撃された人里の周辺を中心にやぶを刈り払うほか、エサとなる実をつける木の伐採を行うなど、集中点検を行うことを決めました。県内では今月8日に高山村で女性がクマに襲われて全治1か月の重傷を負うなど、今月に入って4人がクマの被害にあっていて、県は県内全域に「ツキノワグマ出没注意報」を出して注意を呼びかけています。県は11日、県庁で対策本部会議を開き、はじめにクマの生態に詳しい県環境保全研究所の黒江美紗子研究員が「親離れをしたばかりで警戒心の薄い若い個体が被害を及ぼしている可能性があり、人里に出てこないよう環境を整備することが有効だ」と指摘しました。こうした意見を踏まえて、県は、来月12日までのおよそ1か月間、クマが目撃された人里の周辺を中心に、市町村などと連携して集中点検を行うことを決めました。集中点検では、クマの隠れ場所となるやぶを刈り払うほか、エサとなる実をつける木を伐採することにしています。また、鹿やイノシシ用のわなにクマが誤ってかかり近づいた人が被害を受けるケースがあるため、クマがかかりにくいワナに変えていくということです。県森林づくり推進課の塚平賢治鳥獣対策担当課長は「県民1人1人に注意してもらうとともに、集中点検を通じて人身被害を防いでいきたい」と話していました。

(クマ対策費用など補正予算案提出:秋田)
秋田県の6月議会が12日開会し、佐竹知事は被害が相次ぐクマへの対策費用などを盛り込んだ補正予算案を提出しました。秋田県の6月議会は12日開会し、佐竹知事は一般会計の総額で34億円余りとなる補正予算案を提出しました。補正予算案にはクマ被害の対策として、人の生活圏に放置された果樹を伐採する費用やクマを捕獲するために使う散弾銃やライフル銃などを購入する費用、それに新聞やテレビなどで被害を防ぐための注意喚起を行う費用などとして合わせて5900万円余りが盛り込まれています。このほか医療のデジタル化に向け電子処方箋の導入を助成するための費用や、洋上風力発電やスマート農業など県が力を入れて取り組む産業のPR動画の制作費なども盛り込まれています。佐竹知事は被害が相次ぐクマへの対策について「市町村などと十分に連携しながら適正頭数の管理をはじめとする被害防止対策の充実、強化をはかっていく」と述べました。6月議会は来月5日まで開かれる予定です。

(シカと車衝突15%増:北海道)
弟子屈署管内の過去3カ年でのシカと車との衝突事故が一貫して増加傾向にあることが、同署の調べでわかった。2023年は計226件で、前年比15.9%増加している。発生時間帯は午後6時から8時にかけてが多く、同署は「スピードを十分落として不意のシカの飛び出しに警戒を怠らないようにしてほしい」と呼び掛けている。

(イノシシなど鳥獣害、昨年度の農作物3億4000万円:愛媛)
イノシシなど農作物を荒らす野生動物による被害を防ぐため、愛媛県の職員やJAの関係者らが集まった対策会議が11日に開かれました。被害はピーク時よりは減ったものの、依然として高い水準です。県庁で開かれたのは「鳥獣害防止対策推進会議」。まずイノシシやサルなどの野生動物による昨年度の農作物の被害は、3億4000万円あまりだったことが報告されました。この被害額は、捕獲が進んだことや侵入の防止対策などでピーク時の2016年度の約4億3000万円より減ったものの、依然高い水準で推移しているとしています。県は今年度、新たに若い農家に対してワナの設置や捕獲などの研修を行うなど、被害防止に向けた取り組みを進めることにしています。

(エゾシカ対策の有識者会議:北海道)
道内でエゾシカによる農業被害や交通事故が増えていることを踏まえ、専門家が対策を話し合いました。道内のエゾシカの推定生息数は、2011年度の77万頭をピークに減少傾向にありましたが、ハンターが減ったことなどから5年前に再び増加に転じ、22年度は72万頭となっています。被害も拡大していて、2022年度の農作物などの被害額は、全道で48億円余りに上っています。また、去年発生したエゾシカが関係する交通事故はおよそ5300件と、過去最多となりました。このため道は、ことしから再来年までを「緊急対策期間」に設定して、メスのシカの捕獲などを強化する方針です。道が主催したきょうの対策会議では、有識者が今後のエゾシカの管理のあり方について意見を交わしました。道環境生活部の高杉聖エゾシカ担当課長「対策強化によりできるだけ早く被害増加を食い止め、減少に転じることができるようにしたい」。道はきょうの議論を踏まえ、来月22日の会議で今年度の捕獲目標数などを決める方針です。

(ツキノワグマ出没、パトロール強化へ:三重)
三重県内でも今年4月以降、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいることを受け、県は7日に対策連携会議を開き、パトロールの強化を行うことなどを確認しました。三重県や県警本部の幹部らを集めた会議では、ツキノワグマの出没について、過去最多だった昨年度のペースを上回る19件の目撃情報が今年4月から相次いでいることが報告されました。ツキノワグマが確認されているのは、いなべ市や鈴鹿市など8つの市町で、会議では新たな対策を行うことが確認されました。対策には鳥獣保護管理員によるパトロール強化や、県内すべての市町を対象にした関係機関との訓練、また目撃情報の傾向を把握するため、林業や狩猟に携わる人たちへのアンケート調査などが盛り込まれました。注意喚起のため、県のホームページでは7日からツキノワグマの出没情報の提供が始まりました。三重県の清水英彦危機管理統括監は「山に入る際はクマ鈴を身に着けたりラジオを携行するなど注意して行動を」と呼びかけていました。

(希少種ケナガネズミ、タンカン果実に食害:鹿児島)
国指定天然記念物のケナガネズミが、奄美の特産果樹・タンカンに食害を与えていることが分かった。大和村福元地区にある果樹園で撮影されたもので、完熟状態の果実の皮をかじっている様子が記録されている。生産者代表は「農家サイドから見れば作物被害の原因となる『害獣』だが、希少種であり冷静な対応が必要。実態を共有していくことが大事」と受け止めている。環境省奄美野生生物保護センターによると、ケナガネズミによるタンカン食害は、昨年度の収穫期(今年2月)に福元地区のほか、奄美市名瀬の知名瀬地区から問い合わせや報告があり、現地を確認したという。アマミノクロウサギによるタンカンの樹皮被害が表面化した福元地区は果樹園の周辺に巣穴があるなど森林内だが、被害が確認された知名瀬地区の果樹園も森林が広がる金作原に近い場所だった。食害について同センターは「タンカンの樹皮をはぐクマネズミに対し、樹上性のケナガネズミは果実の皮をかじっている。タンカンは換金作物、しかも収穫前の果実の食害であり、生産者のみなさんにとっては深刻な問題」と振り返る。クマネズミやドブネズミなどの防除には殺鼠剤(さっそざい)が使われているが、ケナガネズミは法令で保護された希少種で使用できない。生け捕りにして確認するしかなく、効果的な忌避剤(きひざい)も現在のところ不明。また個体群の変動も考えられ、ここ1~2年のようなケナガネズミの数が多い状態が今後も続くか見通せないという。全体的な被害実態も明らかになっていない。JAあまみ大島事業本部果樹部会長で福元地区に果樹園を所有する大海昌平さん(67)は「ケナガネズミの場合、クロウサギのようにフェンスを張り巡らして侵入を防ぐこともできない。収穫前の果実被害は痛手だが、カラスやヒヨドリ、イノシシに比べると一つの果樹園内での食害量は少ない」と指摘。こうした状況から「世界自然遺産に登録された島であり、産業とこうした希少種が共存できないか。食害情報が一方的に発信されるのではなく、生産者や環境省を含めた関係行政機関、JAで共有し、実態を把握した上でどのような対策を進めるか協議していくことが重要ではないか」と語った。

(「狩猟の心理的ハードル下げる」猟友会の体験講座が人気:長野)
飯伊連合猟友会(事務局・飯田市)が狩猟免許取得を目指す人の開拓を目的に開いている体験講座が人気を集めている。飯田市大瀬木の飯田国際射撃場で9日に開いた本年度の講座には、募集定員(30人)を大きく上回る約50人が参加。

(イノシシ5500匹は前年の倍:千葉)
有害鳥獣による農作物被害に苦しむ千葉県南房総市で、2023年度は過去2番目に多い6795匹の有害獣が捕獲された。サル、シカ、アライグマ、キョンはいずれも過去最多だった。市有害鳥獣対策協議会の年度総会が5月31日に市役所で開かれ、事務局の市農林水産課職員が報告した。最も多いのはイノシシで、前年度の2倍以上となる5504匹。過去2番目に多かった。サルは60匹(前年度58匹)、シカ213匹(同142匹)、アライグマ226匹(同167匹)、キョン188匹(同175匹)。このほか、ハクビシンは131匹(同156匹)、タヌキ472匹(同391匹)だった。同課によると、イノシシと全体数の過去最多はいずれも2020年度で、順に6196匹、7150匹だった。23年度に再び増加した理由について担当者は「ドングリなどの餌が山で不足したことが背景にあるとみられる」と話している。

(シカ食害で絶滅恐れ、希少植物を「域外保全」:京都)
京都府南丹市美山町の京都大芦生研究林で、シカの食害を受けて絶滅が危ぶまれる希少植物を、麓や京都市内に搬出して育てる「域外保全」が進んでいる。わずかに残る最奥部で集めた種から苗が育ち、美しい花を咲かせるものがある一方、既に激減し、種の確保すら難しい植物もある。対策強化が急がれる中、同研究林は地域や企業と連携した保全の仕組みづくりを模索する。2000年ごろからシカの食害が深刻化した同研究林。

(鉄道18カ所の「鹿ソニック」点検:岡山)
高周波音を発射してシカなどを遠ざける獣害対策装置「鹿ソニック」を沿線18カ所に設置している鳥取県の若桜(わかさ)鉄道(郡家-若桜、19.2㌔)で、6月7日深夜から8日未明にかけて、装置の点検作業が行われました。装置開発に協力している岡山理科大学の辻維周(まさちか)特担教授が1カ所ずつチェックして補修。作業にはレールキルを研究している日本大学理工学部交通システム工学科の伊東英幸教授らも同行し、現地調査を行いました。この装置は山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」の製品で、辻特担教授が開発に協力しています。若桜鉄道は第3セクター「若桜鉄道株式会社」が運行。山あいを走行する個所が多く、同鉄道によれば、列車とシカの事故(レールキル)が多発。このため、2021年度から順次、鹿ソニックを設置して現在18カ所。1カ所につき2個セットされたスピーカーから発射される高周波音の到達範囲は上下左右100度、距離は80~150㍍です。装置の設置後は、音に対する反応が鈍い子ジカか、装置の死角から飛び込むケースなどで事故が発生することはありますが、年間10件程度にまで減少したと言います。中にはシカの農業被害がなくなった地域もあるそうです。点検は3月の昼間目視点検に続いて、今年2回目。今回はソーラーパネルで蓄電するバッテリーの劣化やタイマーの不具合、固定具の緩みなどのチェックが主な目的。最終列車が運行した後、保守作業用のモーターカーに乗り込んで全機を一斉に点検しながら、バッテリー交換、タイマー修正などを行いました。約2時間で作業を終えた辻特担教授は「地味な作業だが、定期的なメンテナンスは欠かせない。装置は地域にとって、かなり役に立っているようなので非常にやりがいがある」と話しています。また、同行して現地調査した日大の伊東教授は、もともと辻特担教授とロードキル・レールキルの研究仲間。「軌道わきにフェンスを設ける方法もあるが、それでは動物たちの通り道がなくなる。鹿ソニックがあれば人と動物が共生できる」と話します。この日は伊東研究室の末次優花助手と、同学科4年松井康輔さんも参加。松井さんは卒業研究で、レールキルによる社会的損失を分析し、鹿ソニックによる便益を明らかにするそうで、「シカの通り道を観察して装置を設置し、夜中に地道なメンテナンス作業を続ける。レールキルを防ぐにはそうした積み重ねが必要なのだと強く感じた」と話していました。

(北九十九島のシカ食害が深刻:長崎)
自然保護活動などに取り組む「ふるさと自然の会」は、2023年度に実施した長崎県北地域でのニホンジカ分布の調査結果を発表。川内野善治会長は「特に北九十九島の被害が進行していた。手遅れになる前に対策をとる必要がある」と警鐘を鳴らす。シカは佐世保市鹿町町から市内各地に分布を拡大していったとされる。同会は対策の資料にするため19年7月から調査を始めた。調査対象地域は同市を中心とした北松佐々町と平戸市。九十九島は食痕などで生息を確認し、本土は食痕確認に加え地域を一定の広さで区切り3カ月間カメラで撮影。シカが映る頻度が低い場合はカメラを移動させ分布の限界点や各場所の食害状況などを調べている。23年度はより詳細な分布を確認するため例年より地域を狭く区切り18台のカメラを設置した。調査の結果、分布の最北端は平戸市田平町下寺免、最南端は佐世保市俵ケ浦町と変わりはなかったが、最東端は同市吉井町立石から同市江迎町田ノ元に、最西端は九十九島の下島から黒島に広がっていると判明。同市鹿町町以外では、同市小佐々町平原での出没頻度が高く繁殖地になっている可能性が高いことなどもわかった。食害が深刻だったのは北九十九島。無人島は上陸する人がほとんどおらず、シカにとって安全なため、泳いで渡っている。食害で低木が枯れ、斜面がむき出しになる範囲が拡大、被害に遭っている場所も増加していた。下島は低木が食い荒らされスカスカの状態に。県天然記念物「ハカマカズラ」も食害でまばらになった。被害の状況について川内野会長は「国立公園としての景観悪化はもちろん生態系も崩れてしまう。人里での食害もひどくなれば人的被害も起こりうる」と声を強める。捕獲による個体数抑制しか対策の術はなく「個体数の多い地域での捕獲強化で分布拡大を抑制するなど、行政は調査結果を活用して手遅れになる前に対策を講じてほしい」と訴えた。

(クマ目撃相次ぐ米沢、県が支障木を伐採へ:山形)
米沢市でクマの目撃が相次いでいることを受け、県は11日、県議会運営委員会で県が管理する最上川のうち、市街地の河川敷や河川の支障木伐採を検討すると明らかにした。米沢市とも連携し、専門家の助言も踏まえ、伐採箇所を選定する。米沢市では先月29日朝、最上川の松川河川敷にクマ1頭が現れ、同一個体とみられるクマが目撃されるなど、クマの市街地への出没が続いている。県河川課によると、本年度、県は流下能力向上のため最上川の市街地約2キロ区間の一部で伐採を予定しており、小林寛県土整備部長は「専門家の意見を聞きながら、河川管理の範囲内で、人が通る道など効果的な伐採を検討する」と説明した。

(イノシシ目撃4倍:千葉)
茨城県取手市でイノシシの目撃情報が増加している。2023年度に市に寄せられた目撃情報は前年度比4倍超の82件。身を隠すやぶなどが多い利根川河川敷沿いに生息しているとみられており、専門家は「見かけたら刺激せず、高い場所へ避難を」と呼びかけている。取手市によると、市内でのイノシシの目撃情報は22年度に19件だったが、23年度に急増。本年度も21件(5日現在)が寄せられており、目撃場所の多くは利根川の河川敷やその周辺だった。河川敷から約1キロ離れた江戸川学園取手中(同市西1丁目)敷地内では5月1日朝、成獣2頭が目撃された。いずれも頭を地面に下げ、食べ物を探していたとみられるが、程なくして茂みに姿を消した。発見した教員は「登校時間帯だったので生徒に危害を加えないか恐ろしかった」と振り返り、生徒にはイノシシを目撃しても刺激しないよう呼びかけたという。イノシシは近年、県南地域などに生息域が拡大。同市に隣接する同県守谷市でも利根川や鬼怒川沿いなどで目撃情報が寄せられており、市は21年度、「鳥獣被害対策実施隊」を結成。22年度に115頭、23年度は125頭を捕獲した。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、同県つくば市)によると、イノシシの体高は60センチ前後で雄の体重は60~100キロ。普段は人から隠れ、やぶの中で生活している。昼行性だが、人を警戒して夜に活動することもあるという。イノシシの行動に詳しい堂山宗一郎主任研究員(40)は「イノシシは臆病。(自ら)人を襲おうとすることはほぼない」とした上で、人に衝突してくる時は「何らかのパニック状態にある」と指摘する。尻尾が上がり、毛が逆立っていれば興奮しているサインで、中でも歯をカチカチと鳴らしている時は要注意。「軽トラックの荷台やフェンスにしがみつくなど高い場所に避難してほしい」と話した。取手市は、夜間や早朝の通行時に鈴やラジオを携帯し、人の存在を音で知らせるよう注意喚起。イノシシの出現や生息域拡大を防ぐため、残飯やペットの餌を屋外に放置しないよう呼びかけ、庭木や樹木、やぶの適正管理を推奨する。

(タイワンリス対策、鳴き声検知し生息把握:大分)
樹木やケーブルをかじって被害を与え、生態系への影響も懸念される特定外来生物のタイワンリス(別名クリハラリス)。近年増殖が懸念される神奈川県で、NTT東日本神奈川事業部は鳴き声を人工知能(AI)で識別し、生息範囲を把握する取り組みに乗り出した。尾まで含めた体長が約40センチのタイワンリスは、脱走したペットなどが野生化し繁殖。農林業への被害や在来のリスと餌や巣の場所の取り合いになることが問題視されている。

(シカの目撃急増、専門家は早期の対策訴え:群馬)
群馬県太田市内でニホンジカの目撃が増えている。農業被害や捕獲頭数は限定的だが、5月22日以降、市に寄せられた目撃情報は14件と急増。過去には群れで農地を荒らす様子も確認されており、専門家は早期の対策を訴える。市や地元農協は今後の状況次第で、必要な措置を講じる考えだ。市農業政策課によると、2023年度までの5年間、市に報告されたニホンジカによる農作物被害の総額は5000円と少なく、捕獲頭数も年間0~2頭で推移してきた。しかし、23年ごろから徐々に目撃情報が増加し、シカが絡んだ交通事故も発生。最近は同市新田地区での出没が多いという。

(また“イノシシ”による被害:青森)
青森県の県南地方で、イノシシによるとみられる被害が相次いでいます。田子町で12日に、ナガイモ畑が荒らされているのが見つかり、生産者が町や県に支援を求めています。被害にあったのは、田子町田子干草場の澤頭 勉さんが管理する10アールのナガイモ畑です。澤頭さんによりますと、6月3日に植え付けたナガイモの種イモが、12日朝に掘り返されているのが見つかりました。畑では、支柱に張られたネットが破られていたほか、掘った穴の跡や足跡が広がっているのが確認され、関係者はイノシシが畑を荒らしたとみています。2024年に入って、県南地方ではイノシシの目撃や被害が相次いでいて、6月2日には南部町の果樹園でイノシシの群れが肥料の米ぬかを食い荒らす様子が撮影されていました。イノシシの目撃が周辺で相次いでいることを受け、澤頭さんの園地でも電気柵の設置を検討していた矢先の被害となり、被害額は約20万円にのぼるということです。町では電気柵の購入を補助したり、町民の狩猟免許取得を支援したりして、被害を防ぐ取り組みを進めています。

(専門家「大声や複数での行動が遭遇リスク下げる」:岐阜)
岐阜県下呂市で6月11日夜、畑にいた80代の女性がクマに襲われ、重傷を負いました。クマによる被害は全国で相次いでいますが、出合わないためのポイントなどについて専門家に聞きました。岐阜県下呂市小坂町で11日午後7時半ごろ、畑にいた80代の女性がクマに襲われました。女性は顔などをひっかかれて重傷ですが、命に別条はないということです。女性が襲われたのは、湯屋温泉の旅館の裏にある畑です。消防によりますと、襲ったのは子グマとみられています。下呂市は12日午前、地元の猟友会とともに、被害があった畑の周辺に捕獲用の檻を設置しました。下呂市猟友会小坂支部の奥村憲二さん:「あそこに見える屋根の右側の手前になります。子グマが襲ってくるとは思えないです。子グマがいて、親が襲うということはあるかもしれませんけども」。下呂市では、2024年に入り10件のクマの目撃情報が寄せられています。三重県尾鷲市でも11日午前、子グマのような動物を見かけたと通報があり、市の職員がパトロールを続けています。クマの目撃情報が相次いでいる理由について、専門家は「エサが増えて活動が活発になる季節」と指摘します。岐阜大学の浅野玄准教授:「4月ぐらいに冬眠から明けて、エサを求めて活動を開始します。この時季は山菜ですとか山の実りも春から夏にかけてよくなっていきますので、クマがエサのある所に行動を広げていく」。身を守るために気を付けるポイントについては、「時間帯に気をつけること」だといいます。浅野玄准教授:「早朝と夕方や日没後、クマの行動と人間の行動がバッティングする時間で危険性が高いので、この時間帯は危険だという認識をもっていただくということ」。今回の被害を受け、近くの小学校では、多くの児童が利用しているスクールバスでの通学をやめて、当面の間、学校から自宅まで教師や保護者が付き添う対応をとることにしています。浅野玄准教授:「一番有効な方法は、これまで通りクマに出合わないようにするということが最善の方法です。その方法としては鈴だとか、もしなければ大声で、あるいは複数で行動する。そういったことがクマと遭遇するリスクを下げることに有効であることは変わらないと思います」。

(専門家が「後ずさり」より推奨する「アーバンベア」からの防衛術)
クマによる人身被害は、昨年度、過去最多の219人になった。今年度も全国各地で被害が相次いでいる。国や自治体がもっと適切に、クマに遭遇したらとるべき行動をマニュアル化していたら、「被害を軽減できた」と専門家は訴える。懸念するのは、攻撃的な「アーバンベア」の増加だ。昨年度、全国で最もクマによる人身被害が多かったのは、秋田県だ。死者こそ出なかったものの、70人が負傷した。クマに襲われると、首から上を損傷することが非常に多い。「命に別条はない」と報道されても、顔貌が大きく変わるほどに重大なけがであることが少なくない。昨年、クマに襲われて秋田大学医学部付属病院に搬送された重傷者20人中18人が顔を負傷していた。このうち失明は3人、顔面骨折は9人。秋田赤十字病院に2009年から昨年10月までに搬送されて入院したケースでは、31人のうち29人が頭や首を負傷していた。NPO日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長は、クマの生息する府県で発生した事故を明治中期の1897年から2016年まで調査した(狩猟中の事故などを除く)。全1993件、2255人の被害者の損傷部位の割合は、頭部44%、手腕部25%、足部12%。昨年度に限っても、頭部44%、手腕部34%、足部7%と、過去の傾向と大きな違いはなく、クマは「主に人の頭を攻撃するとみてよい」という。米田さんは10年ほど前から、こう訴え続けてきた。「クマに遭遇した場合、立った状態で攻撃を受けるのが最も危険です。ただちにうつぶせになり、両腕で頭部を覆ってください。致命的なダメージを防ぐことが重要なのです」この体勢は、いわゆる「死んだふり」とほぼ同じで、クマに襲われた際の最後の防御手段として、古くから山間部の住民が行ってきたものだという。3年前に改訂された環境省の「クマ類の出没対応マニュアル」にも、うつぶせになって頭部を守れ、と記述されるようになった。だが、このマニュアルには「まだ改善の余地がある」と、米田さんは指摘する。特に問題視するのは、最近増加する人里での人身被害に対応できていないことだ。30年ほど前から中山間地の人口減少と高齢化が進み、耕作放棄地が増えた。それをすみかとするクマと住民との距離が近くなった。作物などを求め人里を訪れるクマはかつては「集落依存型のクマ」と呼ばれたが、近年増加している市街地に出没するクマは「アーバンベア」と呼ばれる。環境省によると、昨年9~12月に全国で人身被害が発生した場所は、約3~6割が人家の周辺だった。特に秋田県では人の生活圏での人身被害が多かった。米田さんは、自然の山の中に生息するクマと、市街地に現れたクマは「まったく別モノ」だと言う。そのため、遭遇した際の対応も異なる。「本来、クマは森林の動物ですから、森の中にいるときは実に穏やかな顔をしているんですよ」と言い、目を細めた。見せてくれた写真には、夏の小川のせせらぎのなかで仰向けになり、気持ちよさそうに昼寝をするクマの姿や、森の中に座ってのんびりと毛づくろいする様子が写っており、確かになんともほほえましい。クマは本来、臆病な動物で、人間の存在を察知すると、そっと逃げていくという。これまで米田さんは、そんなクマに数千回も出合ってきた。多くの場合は無視されるが、約2割のクマは「こちらに気がつかないで近寄ってきた」。そんなときは、「ほいっ」と、短く声をかけて気づかせると、反転して逃げたという。現行の環境省の対応マニュアルには、「クマと遭遇した際、背中を見せて逃げると襲われるので、ゆっくりと後ずさりして距離をとること」という内容がある。そして、それは基本的に正しいと米田さんは言う。「走って逃げるのが一番ダメです。けれども、山の中で後ずさりすると、たいてい足をとられて転倒し、襲われてしまう。動かずに、静かに立ち尽くすほうがいい」(米田さん)通常、人と出合ったクマが強く反応するのは、母子クマや採食中、繁殖期、至近距離で突発的に遭遇してしまったときなどだ。米田さんは、殺人的な攻撃を受けたことも9回ある。「捕獲の際、麻酔で失敗したとか、越冬穴に入ったら襲ってきたとか」。襲われた場合は、催涙スプレーの一種「クマ撃退スプレー」を使ってきた。「これまで何回もクマスプレーに助けられました。メーカーによると、北米での使用例では98%の撃退実績があるそうです」(以下、同)。スプレーがなければ、うつぶせになり、「死んだふり」で防御姿勢をとり、最悪の事態を避けるべきだという。「昭和時代は、ナタなどを使ってクマと戦う人が少なくありませんでした。でも、最近は山に入ってクマに遭遇する人の多くは高齢者ですから、戦うのは現実的ではありません」山菜やきのこ採りで入山する場合は2人以上で行動し、襲われた際はスマホで救助を求めることが重要だという。「高速通信、高速搬送、高度医療の『3高』に頼れば、命が助かる可能性が高まります」。ただし、この方法が有用なのは山中のクマに限った話だ。昨今増えている「アーバンベア」の場合、行動パターンが全く異なる。アーバンベアは、隠れる場所を探しながら速足で移動し、公園や神社仏閣、屋敷森、河川敷など、木々のあるところを目指す。移動中に人と遭遇すると、排除しようと攻撃する。山中のクマとは違い、アーバンベアは出合った人を襲う可能性が高い。そのため、複数の被害が出ることが珍しくない。ところが、環境省のマニュアルには、アーバンベアへの対処方法が書かれていない。「瞬時に車内や建物内に逃げ込めるのならいいですが、そうでない場合に後ずさりして逃げようとすると、クマに発見される可能性が高い。なので身近な物陰に隠れることです」。電信柱や木立のような、全身は隠れないものでも効果があるという。「クマは実は目が悪い。頭と胴、手足があること、つまり五体あることで、相手が人間だと認識します。じっとしていることが肝要で、手足をばたつかせては意味がありません」。襲ってきたら、地面に伏せ、頭を両手で守ることは、山中でクマに遭遇した場合と同じだ。対策を優先順位をつけて説明すると、街中で速足で移動するクマを見つけたら、(1)屋内に逃げ込む(2)物陰に隠れる(3)何も遮蔽物がなければ地面にうつぶせになって身を守る、となる。市街地にクマが現れた場合、米田さんは人身被害を地図上で時系列に追っていく。すると、侵入経路や、向かっている場所の予測がつき、被害の発生を食い止めることにつながるという。足跡の追跡は、数時間単位のときがあれば、数日単位の場合もある。2023年10月17日午前10時ごろ、秋田県大館市できのこ採りをしていた80歳の女性がクマに襲われ、頭と腕にけがをした。午後4時には2キロほど離れた会社の敷地内を歩いていた40代の男性従業員が、クマに襲われて背中を引っかかれた。「このときは、クマの移動速度と方向から市街地のクリ林を目指して移動していると判断し、同日夕方、関係者に注意をうながしました」。近年、これまでは目撃例がなかった場所にもクマが出没するようになり、クマに慣れない自治体を慌てさせている。対応が後手にまわれば、人身被害が拡大する恐れがある。「なぜ昨年度はクマによる人身被害がこれほど多かったのか。単に『クマの出没が増えたから』で終わらせるのではなく、検証が必要です」。

(クマにとって”人”は「侵入者」で「えさ」なのか:山形)
全国的に頻発するクマの出没や目撃。秋田では山に入った男性1人がクマに襲われ、死亡するという事案も発生し、大きな衝撃を受けた人もいるのではないでしょうか。1度人を襲ったクマは人をまた襲う、人喰い熊だ、という報道もされています。私たちはどうクマと向き合っていくべきなのでしょうか。県の鳥獣担当者に直球の質問をしてみました。Qこの状況をどうにかするべく、行政に具体的な動きはありますか?「具体的な動きはまだありません」。国は今年4月にクマを指定管理鳥獣に追加しました。適切な個体数まで減らすのが狙いで、各県は国の交付金を使い対策を取ることが可能になりました。しかし、今はまだ具体的な動きがないのです。こうした中、山形県でも人的被害が出てしまいました。11日、山形県西川町で、73歳の男性がクマに襲われ、腕や下腹部を噛まれました。命に別状はありませんでしたが、近くでの住民からは不安の声もきかれました。警察などによりますと11日午後、西川町志津で、1人でタケノコを採りに来ていた山形県川西町の73歳の男性がクマに襲われ、右腕や下腹部をかまれるケガをしました。男性は命に別状はないということですが、付近で宿泊施設を営む人からは不安の声がきかれました。スキー客などが宿泊する施設を長年営む 遠藤和男さん「クマが登山者を襲ったということは今までなかったのよ。時たま、クマを見てきたというお客さんはいる。この頃、秋田のように頻繁に人間が襲われるということは、ちょっと考えもんだな」。今シーズン初のクマによる人への被害の発生に、県でも警戒を強めています。去年、山形県で捕獲されたクマの数は762頭。過去2番目の多さでした。県は、そのほとんどを捕殺せざるをえなかったとしています。去年は目撃件数も765件と急増。おととしは約300頭だった捕獲数が、去年は大幅に増えていることをみても、やはり頭数は増えていると言えそうです。このように目撃件数が増えている中で、人的被害が出てしまったのです。県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「非常に人身被害というのは、痛ましい事故」。県でクマなどへの対策を検討する部署の担当者はクマにとってこの時期は、非常に重要なタイミングであるといいます。県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「これから夏に向けて、繁殖期ということになる。オスグマから子グマを守る行動に出るんです」。繁殖期を迎えたオスグマはメスグマを見つけると、連れている子グマを襲う習性があります。子グマを殺されたメスグマは発情するということで、オスグマは自分の交尾のために、他のオスの子である子グマを殺すのだそうです。このためメスグマは、子グマを守るために行動範囲を広げていて、さらに神経質になっているといいます。クマの繁殖期は春から夏にかけて続くとされていて、去年は人的被害5件のうち4件が5月から8月に起きていました。繁殖期で気が立っている状況である上に、クマにとって森や山は自分の場所、という意識があり、そこにも注意が必要です。県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「森・山は(クマにとって)自分の領分。逆に人は侵入者でるということが言える」。人は、クマにとって”侵入者”なのです。では、人は「えさ」だと認識されるのでしょうか。県の鳥獣担当者は「人をえさだと考えて、狙って襲うことは考えづらい」としています。秋田県で男性が襲われ死亡した件については、人食いグマなどの報道がされていますが・・・それについては。「クマ(ツキノワグマ)は基本的に人に近づきません。出会ったときの対応が大切だと思います」「クマは背中を向けて逃げる、大声を出すなどのことをすると襲ってくる習性があります。食べるというより、逃げる相手に思わず襲い掛かった結果ではないかと思います」。気が立っている時期や子グマを連れているなどの場合は危険が増すものの、基本的には向こうが逃げていくと考えられているとのことです。近年耳にするようになったアーバンベアという言葉。街中にクマが出た場合は、人的被害につながるリスクも高いことから、対応はどうあるべきかも注目されています。去年11月、山形市で、全国的に多発する住宅地付近でのクマの出没に備えた対応訓練が行われました。※去年11月取材。山形市環境課・豊後真課長「いつ人的被害が発生するかわからないという危機感を抱いている」。山形市は、2020年に住宅地にクマが出没した際の対応マニュアルを策定していています。この日は、全国的なクマの出没増加を受けて、山形市滑川の住宅地のそばにクマが出没しケガ人が出たとの想定で、マニュアルに沿った対応訓練が行われました。クマの目撃情報が寄せられると警察などが現場に向かい花火などで追い払います。実は、クマへの対応は、この「追い払い」が前提なのです。クマは鳥獣保護法で保護されているため、すぐには手が出せないと現場の担当者は口にしました。どんなに人的被害の危険があったとしても、まずは追い払うことしかできません。クマが立ち去らず、猟友会に依頼して対応しなければならない場合には、ここから複雑な手続きが必要になります。ここから、手続きの一部始終を見てみましょう。まず、関係者が招集されます。山形市役所に集まったのは県、市、警察、消防の関係者。クマの扱いには関係機関の同意が必要なのです。市の担当者「速やかに危険の除去を行うには銃器による捕獲を行うべきと考える」。しかし、ツキノワグマの捕獲の権限を持っているのは県。市が捕獲するには市への権限の移譲が必要です。県の担当者「捕獲許可権限が山形市に移譲されることに異存はない」。市の担当者「自治体による銃器でのツキノワグマ一頭の捕獲許可をこの場で口頭で申請する」。この会議の結果を現場に連絡です。市の担当者「対策会議で銃器による捕獲が発出された」。住宅地での発砲ということで、警察が周囲の安全を確認し、猟友会がようやく発砲。クマを仕留めることができます。マニュアルに沿った訓練で、かつスムーズに進行しましたが、発砲まで2時間半以上がかかりました。こうした手続きについて、市は。山形市環境課・豊後真課長「複雑なところはあるが、法なりで定められたものなので、手続きに従って対応していきたい」。この日の訓練では改善点も見つかりました。山形市環境課・豊後真課長「(現場などと)電話でやりとりしているが、今は様々な情報機器があるので、リアルタイムでわかるような仕組みがないかと感じた」。同意をとるにしても、何らかの方法を模索する必要はありそうです。この日のニュース放送時、TUYアナウンサーのスタジオでのやり取り。やはり手続きの在り方と、時間について触れました。結城晃一郎アナウンサー「対策会議の現場にいましたが、正直に申し上げて、時間がかかるなという印象でした」「しかし今の仕組み上は、きょうは発砲まで2時間半以上時間かかりましたが、その時間が長いかというと適正です」「しっかりと手続きを踏んでいる。住宅街で銃を使う以上は安全第一なのは仕方がないことですが、本番はクマは待ってくれない。もっと時間を短縮する柔軟な仕組みがあってもいいのではないかと感じました」。県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「近年、里山の手入れがされていなくなっている。以前ですと、クマと人間との住みわけがきちんとなされていた。それが手入れが行き届かなくなって境界があいまいになってきている」。県では、人とクマとの境界を区別するために、人が出した生ごみや、木に実った果樹を放置しないこと、山に入る際は音の出るものを身に着けて、人間の存在を知らせるといった基本的な対策を呼び掛けています。県は今後について、クマが指定管理鳥獣に追加されたことを踏まえ、不要果樹の伐採や、やぶの狩り払いなどにかかる費用を、交付金を財源に補助するなどの計画を立てているとしていますが、中身が決まるのはまだ先になりそうです。クマと人とのすみ分けがはっきりするのが1番だとは思いますが、クマが増えて人的被害も出ている状況である以上、多角的に対策を立て、スピード感を持って対応することが行政に求められています。

(クマに襲われた男性の遺体発見者が明かす:秋田)
秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山中で、一人の男性が亡くなった。佐藤宏さん(64歳)。5月15日、この時期に旬を迎える根曲り竹を採りに、妻と親族女性とともに現地へ向かったあと、一人で山に入ったのちに行方がわからなくなった。通報を受けた地元の警察と消防は3日間捜索を続けたが、佐藤さんの姿を発見することができなかった。これまでの報道では、行方不明後4日目の5月18日に佐藤さんを発見、現場から搬送する際に警官2名がクマに襲われ重傷を負ったと伝えられている。佐藤さんの遺体はその場に放置せざるを得ず、数日かけて重機を使い林道を広げ、猟友会など多くの人員を配置してようやく運び出すことになった。その遺体は損傷が激しく、妻も見ることができなかったという。発情期を迎えるこの時期のクマ関連のニュース報道は大きく取り上げられる傾向にあるが、警察官2名の重傷被害を受けたこのケースは、単なる行方不明事案から大きく展開し、多数の報道機関を集める結果となった。しかし実は、これまでの報道で触れられていない事実がある。亡くなった佐藤さんと長年交流を続けていた「仲間」Aさんの存在だ。Aさんの独自行動が、行方不明になっていた佐藤さんを山中から見つけ出し、遺体を連れ戻すきっかけになったのだが、重傷者を出したことを重く受け止め、これまで世間に事実を公表することはなかった。Aさんが語る。「佐藤さんの身体はすでに硬直をしていて、左右の腕を身体の前に差し出された格好でした。足もまっすぐではなく、膝が曲がったままでした」。Aさんはこれまで15年ほど、佐藤さんと山中で行動をともにしてきた。春先の各種山菜からタケノコ、キノコ類、そして薬草の原材料採取など、レジャーではなく職業として、自然と向き合っている。そこは、登山愛好家が決して知ることのない奥深い山。登山道もなく、人の気配も絶たれた世界。そこで食物連鎖の頂点に立つのは、ヒトではなくクマになる。以下、佐藤さんの第一発見者・Aさんの独白をお読みいただきたい。子どもの頃から父親に山の歩き方、山菜の見つけ方などを教わっていました。山に入るのは私にとって日常のことでしたし、クマが間近にいることも怖いとは思わなかった。こちらが彼らのテリトリーに入っていることを考えて、礼儀というのかな、これ以上は採ってはいけない、無遠慮に近付いて怖がらせてはいけないという、自然に自分の中ででき上がったルールのようなものはありました。山菜や漢方薬の原材料を採取するため、私は青森と秋田県の県境を中心に、山に入る生活を長年続けています。熊取平や四角岳がタケノコの時期の定番でした。スーパーK(2016年に4人の男女を襲って喰ったクマ)の騒動があって、それらの山が入山禁止となってしまい、それ以降は発荷峠が中心になっています。今回、佐藤さんが殺されたところです。スーパーKが縄張りにしていた熊取平とその周辺は、文字通りクマにとっては天国のような場所です。それは、地質と地形、そして日当たりの関係で、長期間山菜やタケノコなどが取れるからです。あたりを縄張りとするクマにとっては、それほど移動しなくても身近に餌がある好条件の整った場所になります。ですから、結果として強い個体の縄張りになるわけです。入山禁止になってからは、人が入れませんからクマがタケノコや山菜を独占しているでしょう。次々と子グマが生まれて頭数が増え、生育範囲を広げているのです。もともとこのあたりのクマは、人の姿を見るとすぐに逃げるような臆病な個体が多かったのです。クマの縄張りに入っても、繁殖期の子連れの母グマ以外、危険を感じたことはありません。いまエラそうに言いましたが、これまで3度ほどクマに襲われたことはあります。足を噛まれたり、組みつかれて腕もやられたり…目の下を引っ掻かれたこともありました。それでも山に入ることを諦めたことはありません。クマにやられたこと…それは私の失態だからです。彼らがサインを発しているのを無視して、「もっと採りたい」という自分の欲が、自ら設定したルールを破ったということなのですね。テレビのニュースなどでも報道されていますが、想像以上に山の中は変化しています。タケノコの生える場所も時期も変化していますし、明らかにクマの頭数が増えて危険度が増しています。本来、クマは人間が縄張りに入ってきた際に、うなり声を出したり、木をバンバンと叩いたりするなどして、侵入してきた人間を威嚇してくるものです。それがここ3年ほど、そのようなサインもなく、つまり威嚇行動なしに突然人間に向かってくる個体が増えてきたように感じています。県内でもクマの出没する場所、目撃された場所が、看板などで張り出されるようになりましたが、報告された件数はごくわずかです。日常的に山に入る我々は日々遭遇しますので、報告などしません。私らが入る山は、一般の人の入る山とは違います。道などありませんし、登山客などもいません。野生動物のテリトリーに入るという経験は、普通に生きていれば決してないのだと思います。人の手が入った山林は、日差しも入り明るく、見晴らしもいいです。しかし、人の入らない山は全くの別物です。道がないということもありますが、人を寄せ付けないというか、人間を拒むような感覚があるのです。本来、我々が居住する場所ではないというか、あまり長く居座ったら祟りでもあるかのような感覚でしょうか。そういう山に入るのですから、山への礼儀というものは人それぞれ心得て然るべきです。それを無視すると、手痛いしっぺ返しが来るというわけです。私の知り合いの中にも「追いかけられた」「指を食いちぎられた」「荷物を投げてクマがそちらに行っている間に逃げた」などといった話は、よく聞きます。猪やカモシカなどの被害もありますが、いちばん恐ろしいのはやはりクマです。この時期に旬を迎えるタケノコは、笹薮の根元にあります。生い茂った笹薮はクマの姿を完全に隠してしまいます。この時期の腹を空かせたクマにとって、タケノコは主な食い物ですし、笹薮がやつらの生活圏なのです。タケノコを採るということは、やつらの棲家に無断で入り、やつらの餌を勝手に採るようなものなのです。腰を屈めてタケノコを採っていると周囲の視界を遮られ、自分がどこにいるのかわからなくなります。夢中で採っているものだから、獣臭に気がつくのが遅れたり、指先にまだ新しい糞が触れることもあります。新しい糞があるということは、間違いなく「自分の近くにいる」ということです。危険度は大いに増します。彼らの縄張りを侵したということになるのです。すぐに退避すべきですし、笹薮が不自然に圧迫されていたり、近くの木の枝が折れていたりするなどサインを見逃さないことが彼らを刺激せずに長く続けるコツなのです。佐藤さんと私はここ14~15年ほど、ともに山に入ることが多かったです。山には人が食べることのできる山菜やキノコ類、薬の原料となる樹木などがあり、それらを採取するために、ふだんから山に入る生活を続けていました。今回、佐藤さんが殺された現場には、タケノコの成長を確認するため、5月11日にも二人で入っています。いつ、どこに何が生えているのかなど、よく知っていた場所でもありました。(遺体の「第一発見者」は“最期の声”を聞いていた!:秋田)

(遺体の「第一発見者」は“最期の声”を聞いていた!:秋田)
しかし実は、これまでの報道で触れられていない事実がある。亡くなった佐藤さんと長年交流を続けていた「仲間」Aさんの存在だ。5月15日、私は午前6時過ぎには発荷峠に到着し、一人で現場に入りました。ウド採りが主な目的でしたが、タケノコの成長を確認することも目的の一つでした。すでに別の男性が一人山に入っており、その後、佐藤さんが襲われた場所でタケノコ採りをしていました。佐藤さんがそのことを知っていたのかどうかわかりませんが、その男性の行動はクマの神経を刺激していたことになります。佐藤さんの奥さんから聞きましたが、佐藤さんは奥さんと親族女性との3人で8時半頃に現場へ来て、そのまま一人で山に入ったようです。私が、ウドを採りながら一通り場所の確認をして車まで戻る際、午前9時ごろには佐藤さんがいつも使っているリュックを見つけました。赤い縁取りのある緑色のリュックは、タケノコがちょうど30キロ入る大きさです。リュックの脇には、拡声器が置かれてありました。佐藤さんが、本当ならもっと小さいものを買うつもりが店舗にはなかったため、仕方なく購入した物です。拡声器はボタンを押すと電子音が出ます。クマに人間が来たことを知らせると同時に自分の荷物の場所を確認するためでもあるのです。その時にも電子音は流れていました。佐藤さんのリュックを見つけて「あっ、来ているんだな」と思い、私は「おーい」と、急斜面の笹薮に向けて声をかけました。すると、藪に覆われていますので佐藤さんの姿は見えませんが、「おーい、いま行くスケー」と返事がありました。そして、そのすぐ後のことです。「あちゃ~」という大きな声がしました。それはのんびりとした声で、きっとタケノコが成長しすぎてしまい、採る時期が遅かったのだという意味だと私は受け取りました。佐藤さんはいつでも陽気な人で、山の中で木の枝にぶつかっても「なんだこのやろ」と大声を上げるような人でした。ですから「あちゃ~」という声も、そのように私は受け止めたのです。その直前、佐藤さんのいるあたりの笹薮が風もないのにササーと、動いたのを目視しました。私の立っていた位置からは15メートルほどしか離れていませんでした。その時には、それが佐藤さんかと思っていたのです。今から振り返ると、あれはクマだったのかもしれません。「あちゃ~」という声…それが佐藤さんの声を聞いた最後でした。今でも耳に残っています。その時にも佐藤さんのいた場所の近くでは、別の女性二人組がタケノコを採っていました。その後、佐藤さんには声をかけましたが、待っていてもこないので、その後一人でウドを採りはじめました。10時半ごろに佐藤さんのクルマが止めてある場所で奥さんと会いました。佐藤さんの帰りを待っている様子で、「叫んで呼んでくれないかな」と頼まれました。近くまでクルマで行こうとしましたが、別のクルマが停車しており、通行できなくなってました。奥さんにそのことを告げてから挨拶をして、私はその場から立ち去りました。この時は、まさか佐藤さんがクマにやられていたとは少しも思いませんでした。奥さんはその後、佐藤さんのリュックのあった場所まで歩いて行って、「おーい」と声をかけたものの反応はなく、佐藤さんは戻ってこなかったということでした。翌日16日の午前9時過ぎ、もう一度同じ場所に行きました。前日、佐藤さんが行方不明になったことはまだ知りませんでした。タケノコ狙いで山に入ろうとしたのです。すると、現地で会った山の管理者が、「佐藤さんが昨日から出てこない」と言いました。そこで初めて佐藤さんが帰ってこなかったことを知ったのです。警察や消防隊員らが集まって捜索をするとかで、その日はタケノコを諦め、その場所にずっといました。佐藤さんの安否が心配でならなかったからです。午前10時頃には、捜索本部が立ち上がっていました。まだクマが原因だともわからない状況です。現場にはタケノコ目的の人がまだ入っていました。警察と消防は合計で20名くらい。それぞれ装備を固めていました。半数くらいが捜索をし、残りの半数が待機して各所への連絡などをしていました。交互に捜索をするのです。上空ではヘリコプターで佐藤さんを探すということでした。薮の生い茂る中、上空からの目視だけでは捜索など、到底できないと思いましたが、警察官は自信を持っていました。私は佐藤さんの友人だということ、昨日のリュックサックの位置やルートなどを捜索隊に教えようとしましたが、「いいです。襲われる可能性もありますし、我々が探します」と、警察官は相手にしてはくれませんでした。結局その日は捜索終了まで、佐藤さんを見つけることができませんでした。捜索隊の中には、待機中にタケノコを採って袋に入れている者もいました。ヒマだったのか何なのかわかりませんが、あまり真剣に捜索しているようには見受けられませんでした。佐藤さんを探すのではなく、なんとタケノコを探していたのです。私は警察官から止められていますので、山には入れません。ただ、ジッと我慢して待機していました。その日の夕方、午後3時まで捜索隊はあたりを探したようですが、佐藤さんを見つけることはできませんでした。警察官は佐藤さんの奥さんに対し、「次の日は雨なので捜索できない場合もあります。どうしますか?」と、捜索を続けるかどうか考えてくださいと言いました。そしてその後、事態はまさかの展開を迎える。捜索の最中にクマが出没し警官二人に対して襲いかかってきたのだ――。

(クマに襲われ死亡した男性の「壮絶すぎる捜索現場」:秋田)
佐藤さんが行方不明になってから3日目の5月17日、私は午前7時頃には現場に行きました。家でじっとしていても仕方がない。佐藤さんは長年の山仲間ですから、心配で仕方がなかったのです。とにかく、72時間が命が保てるギリギリとのことですから、気が気ではありません。その日は雨風が強く、捜索隊はクルマの中で朝から午後2時ごろまで何もせず、ジッとしていました。クルマの中で待機しているだけでした。それでは捜索にはなりません。その後、1時間ほど捜索していましたが、10人ほどの捜索員が帰ってきた彼らの姿を見たら、泥などもついておらずキレイなままでした。薮には入らず、道路を往復していたのだと思います。人の命がかかっているのに、服の汚れや天候を気にして山に入らないなんて、本気では探していないのだと思いました。危険だと思われる場所にはいかないということなのでしょう。猟友会の参加はその日もありませんでした。捜索費用は1日で3万円だそうです。行方不明になってから3日目ですし、寒く、72時間過ぎていたので、4日目の捜索は打ち切りにすることを奥さんが捜索隊に伝えました。翌18日、私は午前7時半ごろから仲間を呼んで、二人で佐藤さんを探しました。一緒に行った仲間も、佐藤さんの知り合いです。警察と消防の捜索活動がなくなりましたので、自由に山に入ることができました。現場にはすでにタケノコ採りの人が入っていました。その人は近くの藪を指さして、こう言ったのです。「犬かな?ウーウーって声がする」。私は間違いなくクマだと思いました。まだ居座っていたのです。佐藤さんのリュックの置いてあった場所の少し手前から、急斜面を上がりました。仲間と二人で左右を目視しながらゆっくり登りました。あらかじめ目星をつけていたルートです。薮には踏み跡もなく、捜索隊は入っていませんでした。斜面の上に少しだけ平らになった場所までたどり着いた時、白い長靴が見えたのです。もう少し近づくと、空色のヤッケが見えました。明るい空色のヤッケに白い長靴は、佐藤さんのいつもの服装でした。気持ちを落ち着かせながら、その場所に近づきました。そこに仰向けに倒れていた人は、佐藤さんで間違いありませんでした。空色のヤッケは、私が山に入る時にいつも着ているものと同じ色でした。仰向けになった佐藤さんは、顔から下半身にかけて枯葉で覆われていました。クマが後で食べるためにそうしたのだと思います。佐藤さんの身体はすでに硬直をしていて、左右の腕を身体の前に差し出された格好でした。足もまっすぐではなく、膝が曲がったままでした。そして、顔のあたりにはブンブンと蠅が集っていました。クマに喰われた跡はなかったように思います。佐藤さんの確認をしたのち、電波の通じる場所まで戻り、警察に連絡を入れてもらいました。その日は女性が行方不明だとかで、警察はそちらの方を優先するということでした。「生きている方が優先だ」と言われました。その後、警察の到着を待ってから、佐藤さんの遺体を搬送しに向かいました。女性の捜索活動をするとのことでしたから、約半数となります。担架を持った消防隊員が5~6人と警察官二人です。場所を教えるために、私が案内をしました。捜索隊は皆がクマスプレーやナイフを装備していました。佐藤さんが倒れていた場所に向かいながら、捜索隊の一人がナイフを取り出して「クマが来たらこれでシュッとやればいいんだ」と軽い感じで口にしました。警察官は私に対し、「危険なので我々の後ろからついて来てください」と言いましたが、彼らもどこに行けばいいのかわからず、何度も私に場所の確認をしました。笹を刈りながら急斜面を登る途中、まだ新しいクマの糞を見つけました。獣臭もしました。そして、佐藤さんの遺体のすぐ近くに、クマの寝床を見つけました。そこで私は、「すぐそばに熊がいる」と小声で伝えましたが、彼らはそのまま遺体の確認をしに行きました。これまでの経験から、寝床の近くには必ずクマがいるものです。こちらは気が付かなくてもジッとこちらの様子を窺っているものなのです。一人の年上の警官が、オレンジ色の服を着た消防隊員に「担架持ってきて」と声を出しました。もう一人の年の若い警官が佐藤さんの遺体を確認して、「外傷あり」と声を出しました。そしてカメラで写真を撮っていました。それから「サンプル採ってきます」とクマの糞を採取しようとしました。年上の警官が「危険ですので、私たちの後ろに来てください」と言いました。警官の言う後ろは、クマのいる可能性が最も高く、とてもではありませんが、行きたくありません。なので、私は少し斜面を下ったあたりで待機をしました。そして、消防の隊員が佐藤さんの遺体を担架に乗せて運ぼうとした、その時です。斜面のすぐ上、警官の背後の笹薮が濃いところからガサガサと音がしたかと思うと、一頭のクマが猛然と突っ込んできたのです。中型のツキノワグマだと思います。二人の警官がいる、すぐ背後でした。心の準備もなく声を上げる余裕もなく、誰のことも構わないままその場から逃げました。「クマだ、クマきた」。誰かが叫んだ声が耳に入りましたが、その時に誰がどのような行動をしたのかなど、正確には記憶していません。ただ逃げるのに必死でした。そこにいた人間は、誰もが我先にと散り散りバラバラに逃げたはずです。私はすぐに斜面を駆け降りて逃げました。逃げる私のすぐ後ろの藪からガサガサ音がします。てっきり私を襲うためにクマが背後まで来ているのだと思いました。足音がすぐそばまで迫ってきて、「もうダメだ」と思ったら、それは私を追い越して逃げる消防隊員でした。そのまま荒い息のまま、停めたクルマの中に入りました。二人の警官だけが来ませんでした。どちらの警官だかわかりませんが、「助けてください~」とか細い声がしました。消防隊らは「ムリ、ムリ」と口にして、誰も助けに行こうとはしませんでした。乗ってきたクルマに入りゼーゼーと息を整えていると、顔中血まみれの若い警官がふらふらと歩いてきて、乗って来たクルマに乗り、消防のクルマのすぐ横まで移動しました。警官は、クルマから降りてドアを開けてこちらまで来ると、力のない目つきのまま「助けてください」と泣きそうな声で叫びました。直後に意識を失い、目の前でバターンと倒れました。血まみれの警官は、右の耳のあたりから顎までざっくりと熊の爪で割かれ、大きな傷口がありました。熊の初手は左手が多いのです。ですから、顔の右側をまともに爪でやられたのでしょう。目玉は飛び出してはいませんでしたが、鼻の半分は取れて位置が変わって捲れ上がってしまっていました。年上の警官は戻ってきませんでした。てっきり殺されたかと思っていましたが、10分と少ししてから、年上の警官が体を引き摺るようにして歩いて来ました。そして、泣きそうな声でこう口にしました。「腕が上がりません」「力が入りません」。神経までやられていたのだと思います。装備していたナイフや鉄砲を使うヒマもなかったのです。彼らは警官であっても、山にもクマにも素人同然なのだと思います。私の警告も耳にはしてくれませんでした。その後に来た救急車で二人は運ばれて行きました。若い警官は意識を失ったままで、年上の警官はぐったりしたまま搬送されていきました。その後、山にそのまま放置された佐藤さんの遺体は、どうなってしまったのか。そして今回の警察や消防による捜索が示唆する「教訓」とは――。

(クマに襲われ死亡した男性が明かしていた「恐怖」:秋田)
5月18日に発見された佐藤さんの遺体は、山にそのまま放置されました。私が確認をした際には、喰われてる様子はありませんでした。おそらくですが、その後、数日かけて重機で林道を広げ遺体を回収する5月22日までの間に、クマに喰われていたと思うのです。佐藤さんの捜索時に警察官がクマに襲われた際、カメラやリュックに入れた持ち物なども全てその場に投げて来てしまったということで、私は警察署に呼ばれて長い時間をかけて話を聞かれました。私は聞き取りをした警察官に対し、こう伝えました。「できれば私の話を聞いて欲しかった。あなたたちが大勢で何日もかけて探すことができなかった佐藤さんを、私はほんの10分足らずで探した。どうして捜索をする際に、私の話を聞いてくれなかったのか」。人が死んでから対策をしても、それでは遅いんです。そうならないために、あらかじめ対策をするべきなのです、とも言いました。今回、猟友会はあまり乗り気ではなかったようです。捜索にもついてきませんでした。佐藤さんを襲ったクマは、今もまだ駆除されていません。近くには箱わなを仕掛けたということですが、そんなものに入るようなクマは、よほどのマヌケです。餌に引き寄せられて別のクマまで呼び寄せることになってしまいます。仲間である佐藤さんの弔いのためにも一刻も早く駆除をしてほしいと思います。やはりあの山は、入山禁止にするべきだと思います。佐藤さんはやられてしまいましたが、これ以上の被害を出さないためにも、一刻も早く封鎖するべきなのです。現場周囲には、山奥から切り出した木を運ぶための林道がつくられています。林道をつけたことでやつらの縄張りが狭められ、結果として狭い地域にクマたちが密集することになりました。笹薮がやつらの住まいですから、その住まいにタケノコがあるのです。タケノコ狙いでそこに入る人間は、クマにとって「自分の餌を奪う憎っくき敵」なのですね。じつは、今回の事件のあった場所の入り口付近の道は、一昨年だと思いますが大きく崩落をしたのです。それ以降、この5月ごろまで現場に行くのは限られた人だけでした。崩落した道を避けて遠回りをするので、普通の山菜やタケノコ採りの人たちは敬遠するのですねの道は去年の秋口に修復されました。この5月のタケノコの季節になって、久しぶりに多くの人がタケノコ目的で訪れる場所になったのです。考えてもみてください。クマにとっては、ほとんど人の影のなかった自らの縄張りに、ドカドカと縄張りを荒らす輩がやってくるということなのです。やつらにとっての安全な場所が危険な場所になってしまったのです。イライラして神経質になっていても不思議ではありません。それは、佐藤さんもわかっていたはずなのですが…。佐藤さんは山菜やタケノコ採りだけでなく、山に入って薬草の原料も採ってました。山菜やタケノコはどちらかというと華です。それに比べると薬草は一段低く見られていて、地味な作業と見なされています。でも、地味であっても生活のため、現金収入になるのであればと、岩手にある会社と契約をして仕事をしていました。山の仕事は対象となる物によってさまざまですが、佐藤さんはいろいろな物事をわきまえたベテランでした。今年に入ってから、佐藤さんは「今年はタケノコやりたくない。できればフキでも採っていきたい」って言っていました。「そろそろやめたい。身体も衰えてきたし、クマも多くなってきたし、怖いな」って。フキ採りは山中だけでなく、道路沿いにも多いですから、襲われる危険性が格段に低くなる。だのに、なしてタケノコ採りに山に行ったのか。でも考えてみると、何となくわかるんですよ。蓄えもなく、高齢になって体力が落ちてきて、これから先どうやって生きていこうか考えるものです。運よく日雇いの土方にありつけても、1日で6000円くらいなものです。単価の高いタケノコなら、数時間で1万円にはなる。佐藤さんはその日の食い扶持さえあれば、すぐに家に帰って大好きな酒を一杯やりたい、そんな人なんです。今日を生きるのに精一杯だったのです。せめて私のところに寄ってくれれば一緒に山に入ったものを…悔やんでも悔やみきれません。佐藤さんのこともあるので、私も山に入ることが怖くなりました。若い頃の私は、クマの新しい糞があれば「より良いタケノコがあるから」と、さらに奥に進んでいくような、怖いもの知らずでした。でも、「そろそろ自分も潮時なのかもしれない」と思ってます。これまで危険を承知で山に入ってきましたが、やつらの縄張りの中で武器も持たずにいるわけなのです。こちらが気が付くずっと前から、彼らはジーッと観察をしているのです。命の駆け引きをしながら山仕事をすることは、もう割に合わなくなってきたのかもしれません。いつどこでクマに襲われるかわかりませんから。何かの拍子に笹が動いたり、パキンと枝の折れる音がしただけで、心底怖くなります。佐藤さんも殺されて、私もこれまで何度かクマとやり合って、でももうそんなことできる体力も気力もない。佐藤さんには、「これまでご苦労様。あとはゆっくり眠って休んでください」と伝えたいです。Aさんの独白は以上の通りだ。この5月、一人の男性が山で命を落とした。単なる遭難者ではなく、「仲間」として佐藤さんを悼む気持ちから、Aさんは本誌に話をしてくれた。心から佐藤さんの冥福を祈りたい。ここ5年ほど、秋田側の熊取平や田代平、岩手側の四角岳、青森側の迷ケ平など、三県の境界周辺では大型の個体の目撃例が増えていて、しかも、そのほとんどが赤毛だったという。いまも駆除されていない、佐藤さんと警官2名を襲ったクマは、本当にツキノワグマだったのか。

(山中に出没した「人喰いグマ」の「ヤバすぎる正体」:秋田)
秋田県鹿角市大湯の山中でこの5月、クマに襲われた警察官2名を含む計3人の男性が死傷した。そのうちの一人、命を落とした佐藤宏さん(64歳)の遺体は損傷が激しく、妻も見ることができなかったという。このクマは今に至るも駆除されていないが、年間を通じて山菜を採りに山に入るというある男性は、首を傾げながらこう語る。「ここ5年ほどだと思うのですが、秋田側の熊取平や田代平、岩手側の四角岳、青森側の迷ケ平など、三県の境界周辺で、大型の個体の目撃例が増えてきたのです。しかも、そのほとんどが赤毛の個体でした。ツキノワグマは高齢になると稀に褐色の毛色になる個体もありますが、偶然にそのような個体が増えているのか、別の理由があるのかは定かではありません。去年の秋口にも、岩魚の養殖場あたりで通常の倍ほどの大きさの個体を目撃した仲間がいました。『食糧事情が良いせいだろう』と言う人もいるのですが、先輩猟師たちの間では、大型の個体のことを隠語で『ハイブリッド』と名付けて警戒をしています。ツキノワグマとヒグマの交配だから、ハイブリッド(交雑種)ということなのです」。本来、本州にヒグマは生息していないはずである。ヒグマは北海道、ツキノワグマは本州という、厳格な棲み分けがあるものだと思っていた。はたして本当に「ハイブリッド」は本州に生息しているのか。「俺も好きで山には入るけれど、ここ数年は怖くてよく入らね。今回、人が喰われたところのクマは、他のとは違うんだよ。何年か前に何人もやられた(2016年に4人の男女を襲って喰ったクマ『スーパーK』のこと)山(熊取平)から四角岳、それから今回の発荷峠は地続きなんだ。あのあたりには沢も多くて、人を怖がらないクマが何頭もいるんだよ。熊の餌場なんだよ。特に今回の場所はいいタケノコが採れることで知られていて、それだけクマも多いということだ。タケノコは今の時期の主食だからな。実は、内々で処理されているけれど、2年前にもあそこでクマにやられた人がいる。別の場所だけど、知り合いは指先を喰われたよ。タケノコを入れたコンテナをクマと引っ張り合いした仲間もいた。そんなことがあっても、役所になんか面倒だから届けねえ。知っている人間は気味悪いから、あのあたりには入らね」。この経営者男性の話がつづく。「クマは街中にもよく出るよ。国道沿いのウチの畑にも納屋の裏にも、今の時期はよく見かける。いつでもいるんだ。だから夕方以降は、手ぶらでは行かないようにしているくらいだ。でもな、ウチのあたり(街中)に出るクマと、山奥のクマは別物だよ。あそこ(佐藤さんが被害を受けた現場一帯)は本当に危ねんだ。大きな声では言えねえけど、潰れた八幡平のクマ牧場から冬の時期、雪かきをサボって積もった雪を伝って逃げ出したヒグマがいたというのは、このあたりではよく知られた話だよ。従業員が食われてニュースにもなった(2012年)から、覚えている人は多いはずだ。でも、飼育されていたヒグマのうち、数頭は行方知れずってのはあまり知られてない話だよ。それから10年以上経っているだろ。逃げ出したヒグマが、この地域にもとからいるツキノワグマと交配して子供が増えていても不思議ではないだろう。実際、赤毛と呼ばれる大型のクマを見たという人は、何人もいるんだよ。『どう見てもツキノワグマじゃねえ』って。大きさが違うって。事情を知っている知り合いの猟友会の人間も言ってたよ」。この経営者男性はタメ息をついて、こう話す。「見晴らしのいいところならばともかく、見通しのきかない笹薮の中でライフル持っていっても意味がないって。足音立てずに近寄ってきて、いきなり襲われるから危険は犯せないって。今回、警察官が襲われた件で『山へ行く』って言ったら、母ちゃんに泣かれたって。猟師も高齢化しているし人数も足りないし、こりゃどんどんクマが増えるわな」。情報を求めてさらに聞き込みを続けると、秋田県の猟友会に所属している男性が取材に応じてくれた――。

(指摘されている「ヒグマとの交配」の可能性:秋田)
秋田県の猟友会に所属している男性がインタビューに応じてくれた。「鉄砲撃ちも高齢化してきたし、人数がどんどん減ってきてしまった。あくまでも感覚だけど明らかにクマは増えていますよ。特に『スーパーK』(2016年に4人の男女を襲って食べたクマのこと)の出た熊取平から四角岳は入山禁止が多いので、朝方など道路沿いでも毎日のようにクマを見かけます。クラクションを鳴らしても逃げもしません。この時期の熊は発情期の前なので、冬眠で減らした体重をせっせと食べて戻して体力をつけています。今の時期はタケノコ。笹薮の根元をほじくり返してムシャムシャ食べます」。猟友会の男性の解説がつづく。「クマの好物であることは間違いないのだが、穂先だけを食べる個体がいると思えば、皮を剥いて食べる個体、そのまま丸ごと食べる個体、根っこだけを食べる個体もいるんです。熊にも個性があるということです。笹薮は山の奥深くにもありますが、道路沿いや里山周辺にもあります。強い個体は山奥の良い餌場にいます。頭数が増えたから、弱い個体はどんどん追いやられてしまうのです。子連れのクマの目撃情報もありますね。子連れのクマは神経質になっているので、見つけたら近寄らないようにと言われています。それは人間に対して神経質になっているのではなく、雄グマに対して警戒しているのです。この時期の雄グマは子グマを襲って食べることが多いのです。やがて発情期を迎えますが、子グマがいると雌グマは発情しない。子グマを食われたら雌グマは発情するのです。そのために雄グマは子グマを食べてしまう。それを恐れて雌グマは雄グマのいる場所から逃げてくる。それがたまたま里山だったりすることもあるということなのです」。いくら聞いても、ツキノワグマとヒグマの交配による「ハイブリッド」(交雑種)については、どうしても口が重い。名前を伏せることを条件にようやく話してくれた。「何年も前から赤毛の大きなクマがいるということは、山仲間の話から耳にはしていました。一般的な成獣の倍ほどもある大型の個体も目撃されているのです。場所も県境を中心に散らばってます。一頭だけではないようですし、どう考えても我々が知っているツキノワグマではないのです。クマ牧場の話は聞きましたか? 経営状態が悪くなると従業員も減らし、熊の餌もろくにあげられなくなります。事件(2012年に脱走したクマが従業員2名を噛み殺した)の頃は餌を与えずにそのまま餓死させようとするなど、酷い飼い方をしていたようですが、そんな環境だから生きるために熊は必死に逃げ出したのではないでしょうか。飼育されていたのはヒグマだけでありませんが、どれだけの頭数がどのように飼育されていたのかも、そのうちの何頭が死んだのかなども報道にはなりませんし、正確に何頭が逃げたのか、あるいは逃したのかなども定かではありません。これまで見られなかった特徴のクマがいるということから考えると、逃げ出したヒグマが地域のツキノワグマと交配を続けた末に、その子孫が広範囲に散らばっていると考えるのが普通なのではないでしょうか。『ハイブリッド』と噂されているそうした個体は、ヒグマの体格と獰猛な性格を受け継いだ個体だということです」。この猟友会の男性は、最後にこう指摘した。「『スーパーK』(2016年に4人の男女を襲って食べたクマのこと)の事件のあった秋田県の熊取平や四角岳ですが、その後入山禁止になっています。人が入らない、人の目が届かないのですから、クマにとっては繁殖し放題の楽園のような場所になってしまった。そこでどんなハイブリッド個体がどれだけ生まれ育っているのかは、誰にもわかりません。正体のよくわからないクマがいても驚きませんよ。そんな個体の調査などは国もしていないと思います。本来いるはずのないヒグマとのハイブリッドが山の中をウロウロしていると考えるだけ恐ろしくなります。一刻も早く調査すべきです」。日本の国土の約7割は森林で覆われている。東西に長く、地質も地勢もさまざまで、四季があり、雨が多く、温暖な気候と相まって緑豊かな国土が維持されてきた。その昔、山は神が住む場所として信仰の対象にもなり、人の侵入を拒んだ「入らずの森」や神楽や舞など、多くの民俗芸能が各地の山中に息づいていた。山間にも多くの集落があり、林業や狩猟、ろくろを使った器や手工芸品作り、炭焼き、屋根葺きなどが産業として根付いていた。昭和の経済成長下においてそれらの産業は合理化、効率化が出来ず、地理的な僻地であることもあり成長の波には乗れなかった。やがて、山間に居住する人々の高齢化が進み、居住者は激減した。国内の山林は私有林や公有林、国有林などに区分けされている。一部開発されているエリアはあるものの、山岳地帯の大半は人の手の入らぬままの状態なのだ。クマの調査に関しても、目撃情報や痕跡情報などをただ集計して公表し、注意喚起をしているだけの自治体や、暗視カメラの設置やヘアトラップ調査など、専門家たちの尽力によって実態調査をしている地域はあるものの、推測の域を出てはいない。国内の山林でクマの頭数は増えていると言われて久しいが、その分布や頭数などの詳細ははっきりしていないというのが実情なのだ。秋田や青森、岩手など東北地方の里山や市街地には、ここ数年クマが目撃される件数が増えてきている。取材の過程においても、「今朝もウチの畑でみた」「車で走ると毎回のように見つける」といった話はよく耳にした。中には「去年、使っていない納屋に親子のクマが住んでいた」という話もあった。住民たちにとって、クマの存在は身近なものであり、自治体に報告などをしないことが多いようだ。山麓の集落においても上記のような状況であれば、多くの人の立ち入らない山間部において、人知れずハイブリッド化したクマが増殖を繰り返しているかもしれない現状は、容易に想像できる。もちろん、ハイブリッドなど、絵空事なのかもしれない。単なる大型のツキノワグマである可能性も否定できない。ただ、ハイブリッドの存在をもはや事実として受け止めている民間人が複数いるということは、肝に銘じておきたい。四方を大海に囲まれている日本だが、外来種には事欠かない。身近なところでは西洋タンポポやミドリガメ、アメリカザリガニやブラックバス、台湾サルにハクビシンなど、次々と国内で定着をしている。クマの世界でも似たようなことがないと言い切れるだろうか。携帯電話の電波の届かない3県境の山中で一人佇んでいると、小さな物音にも敏感になる。クマの取材を通じて、ここでは人は捕食される対象であるという事実が重くのしかかり、気持ちを不安にさせるのだ。それでもタケノコ採りを目的とした入山者は、危険を理解した上で今日も山に入る。単価の高いタケノコは生活費の足しとして、彼らの年間スケジュールに組み込まれているのだ。人が亡くなったばかりの山中だが、すでにタケノコ採りが出没している。初老の男性は「怖いな、でもやめらんね」と、口にした。そして、好きな演歌を大音量で流しながら藪の中に消えていった…。野生動物との共生はこれからを生きる我々にとって大きなテーマの一つとなる。他人事ではなく自分の問題として考えていきたい。

(幼稚園敷地内でクマの目撃情報:宮城)
警察によると12日午後3時45分頃、気仙沼本吉町の市立小泉幼稚園の敷地内を歩いている体長約1メートルのクマ1頭を目撃したと職員から110番通報があった。その後、クマは敷地内から出て行ったという。当時、園児は全員建物内にいてケガ人の情報は入っていない。警察が周辺をパトロールするなどして注意を呼び掛けている。

(各地でクマ出没)
新潟県新発田市で、登山中の男性がクマに襲われけがをしました。また、宮城県では幼稚園で、クマ1頭が目撃されるなど出没が相次いでいます。警察によりますと、12日午前、新発田市の岳岡山で登山をしていた60代の男性がクマに襲われました。男性は顔や腕などをひっかかれるなどしてけがをしました。男性が自ら119番通報し、救急搬送されました。自力で歩くことができて、命に別状はありません。クマの体長はおよそ70センチだったということです。一方、午後、宮城県気仙沼市にある小泉幼稚園で、クマが庭を歩いているのを職員が見つけ、警察に通報しました。クマは体長1メートルほどで、その後、敷地から出ていったということです。当時、幼稚園には職員4人と園児2人がいましたが、けがをした人はいませんでした。警察が周辺をパトロールするなどして警戒にあたっています。

(シカのわなにかかり暴れていたクマは駆除:岩手)
岩手県一関市でシカのわなにかかっているのが見つかったクマは、その後駆除されました。千厩警察署によりますと、8日午後1時40分ごろ、一関市川崎町門崎萩崎の山の入り口付近で、シカ用のわなにクマがひかかって暴れているのが見つかりました。一時、警察が付近の住民に避難を呼びかけ、市役所と猟友会が対応を協議しましたが、危険がおよぶとの判断から駆除されました。一関市によりますと、クマは体長1メートル10センチほどで、2~3歳とみられるオスだということです。

(子連れのツキノワグマ捕獲、24年度で2例目:岡山)
津山市で6月8日、子連れのツキノワグマが捕獲されました。市内では5月に続いて2024年度、2例目の捕獲となり、市が注意を呼びかけています。捕獲されたのは、体長1メートル20センチ、体重34キロのメスのツキノワグマです。市によりますと、8日午前10時過ぎ、津山市加茂町桑原の山で、イノシシやシカを捕獲するために設置したくくり、わなにかかっているのが見つかりました。小グマを連れた母グマだったということで、岡山県の管理計画に基づいて、麻酔銃で眠らせ山中に放されました。市内では5月30日にも6キロほど離れた勝北地域でツキノワグマが捕獲されていて、24年度に入っての捕獲は2例目です。市では、山林に入る際は注意するよう、防災無線などを使って呼びかけています。

(河川敷にいるクマ1頭目撃:山形)
9日午後、米沢市の中心部にある花沢大橋を通りかかった男性が河川敷にいるクマを目撃しました。9日午後1時すぎ、米沢市役所に通じる花沢大橋を渡っていた代男性が、最上川河川敷にいるクマ頭を目撃し、警察に通報しました。クマの体長は約80センチで、人や物への被害は確認されていません。現場は米沢市役所から東に約270メートルの最上川河川敷です。米沢市では9日の朝早く、この現場より上流にある米沢女子短期大学裏の最上川河川敷でもクマが目撃されています。警察が現場周辺の警戒と地域住民へ注意を呼びかけています。

(クマ目撃相次ぐ:山形)
10日午前、米沢市でクマ1頭が目撃されました。置賜地方ではこのところクマの目撃が相次いでいて、警察などが注意を呼び掛けています。米沢市によりますと、10日午前9時30分頃、米沢市入田沢でクマ1頭が目撃されました。クマは体長1メートルほどで、八谷大橋から南に2.5キロメートルほどの道路上を横切り、林に入っていったということです。また、きのう午後2時20分ごろ、高畠町二井宿では50代の女性が自宅にいたところ、30メートルほど先の牧草地でクマ1頭を目撃ました。クマは体長およそ1メートルで、牧草地を通って東の山の方向に移動したということです。いずれも人への被害は確認されていませんが、警察などが注意を呼び掛けています。

(田んぼでクマ2頭目撃:宮城)
クマの目撃情報があったのは、名取市手倉田の田んぼ。警察によると、8日午後7時半ころ、「1メートルくらいのクマが2頭歩いているのを見た」と住人から名取市役所に連絡があった。けが人や農作物への被害は確認されていない。この付近では7日にもクマの目撃情報があり、老人ホームや学校も近いことから、警察がパトロールを行い、付近の住民に注意を呼び掛けている。

(クマの足あと発見、目撃相次ぐ:山口)
山口県内でクマの目撃などの情報が相次いでいます。午前6時15分頃、柳井市日積の市道で、道路脇の地面に長さおよそ15センチの動物の足跡が見つかりました。クマのものとみられ、5か所で歩いたような跡が見つかりました。一方、長門市俵山では県道に出てきた体長1メートルほどのクマが目撃されました。目撃したドライバーは、クマが左側から道路に出てきたあと、車に驚いたのか、引き返していったと話しているということです。いずれも付近に住宅などは少なくけがをした人もいませんでした。警察では目撃しても刺激しないようにしてほしいとしています。

(市道でクマを目撃:新潟)
10日午前、長岡市でクマが目撃され、警察が住民などに注意を呼び掛けています。警察によりますと10日午前10時半頃、長岡市の市道を車で通りかかった男性から、「路上に体長1mくらいのクマがいた。道路西側のやぶの中に逃げていった」と警察に通報がありました。クマが目撃されたのは長岡市菅畑の市道で周囲には畑や民家が点在しています。警察と市が連携して市民に注意を呼び掛けるとともに警戒活動を実施しています。

(寺の境内で体長約1メートルのクマの目撃情報:島根)
6月9日夕方、島根県浜田市の寺の境内でクマが目撃され市は注意を呼び掛けています。クマの目撃情報があったのは、島根県浜田市治和町の専稱寺(せんしょうじ)です。6月9日午後6時50分ごろ、寺の人が境内でクマと遭遇しました。寺の人によりますと、境内でクマを見たのは初めてで、体長約1メートルだったということです。浜田市内でのクマの目撃情報は、4月以降、76件となっています。浜田市では、早朝や夕暮れ時に外出する際は、ラジオや鈴などの音の出るものを身に着けるよう呼び掛けています。

(スキー場のゲレンデにクマ1頭の目撃:新潟)
新潟県湯沢町のスキー場のゲレンデで9日、クマ1頭が目撃されました。クマはその後、山の方に走り去ったということですが、警察が注意を呼び掛けています。クマが目撃されたのは湯沢町のスキー場のゲレンデです。警察によりますと、9日午前11時前ころ宿泊施設の従業員が「スキー場のゲレンデにクマ1頭がいるのを客が目撃した」と警察に通報がありました。クマはその後、山の方に走り去ったということですが、スキー場の中腹にはレジャー施設があることから警察は役場と連携して注意を呼び掛けるとともに警戒活動を実施しています。

(県内のクマ出没情報:秋田)
クマ出没の情報です。県警察本部の午後4時時点のまとめでは、9日日中、3件の目撃情報がありました。午前7時半ごろ、秋田市雄和椿川の県道上で体長およそ80センチのクマ1頭が目撃されたほか、五城目町上樋口の国道285号では体長およそ1メートルのクマ1頭が目撃されました。また、午前8時すぎには秋田市雄和平尾鳥の県道上で体長およそ1.5メートルのクマ1頭が目撃されています。クマの目撃件数が例年にないペースで増えているとして、県は、ツキノワグマ出没警報を出して被害を防ぐ対策を心がけるよう呼びかけています。具体的には、鉢合わせを避けるため、やぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し、人の存在をアピールするよう呼びかけています。去年、集落の食べ物を食べ、そのまま居ついたクマがいると考えられるとして、クマが入らないよう、車庫や物置の扉をふだんから閉めておくことや生ゴミや米ぬか、家畜の餌などを屋外に放置しないことなどを呼びかけています。また、山での被害を避けるため、入山禁止の山に入らないこと、単独行動を避け、ゴミを必ず持ち帰ることを呼びかけています。

(木に登ろうとするクマ目撃:栃木)
9日午後9時25分ごろ、佐野市閑馬町の畑で近隣住民が桑の木によじ登ろうとしているクマ1頭を目撃した。佐野署によると、クマは体長約1メートル。

(JR信越線が上下線で運転見合わせ、シカと衝突:新潟)
JR東日本によると、6月8日午後8時前、JR信越線が宮内-塚山(いずれも新潟長岡市)の上下線で運転を見合わせた。シカと衝突した影響で、8日午後8時22分ごろに運転を再開した。

(橋わたるシカを目撃:栃木)
8日午前9時ごろ、下野市上古山の新川河川敷でシカが橋をわたっているのを通行人が目撃し、警察に通報しました。下野警察署によりますと、シカは体長およそ150センチで橋をわたって新川の右岸に走っていき、河川敷を南方に立ち去ったということです。この地域は壬生町や宇都宮市とも隣接していて、警察では市役所などと連携して注意を呼び掛けています。

(普通列車がシカと衝突:福岡)
JR九州によると、9日午後8時8分ごろ、日豊線椎田―豊前松江で上り普通列車(中津駅午後7時48分発小倉行き)がシカと衝突した。この影響で同8時半現在、同線に遅れが出ている。

(ツキノワグマ捕獲、ここ2週間で3頭目:岡山)
岡山県津山市の森林課によりますと、12日午前6時半ごろ、津山市上高倉で、ツキノワグマがイノシシ・シカ用の「わな」にかかっているのを見回り中の隊員が見つけました。捕獲されたクマは体長140㎝、体重57㎏で、推定12歳のオスでした。麻酔銃で眠らせ、今後、鳥獣管理計画に基づき山に放獣することにしています。津山市では5月30日と6月8日にもツキノワグマが見つかっています。6月は繁殖期に入り、別のクマを探すなど行動が活発になることから、市は12日から防災行政無線とFM津山で注意喚起を行います。山林に入る場合は十分注意し、すずやラジオなど音が出るものを携帯して、音を立てながら行動するよう呼びかけています。

(駅から2キロでクマ目撃:山形)
16日午前、山形県米沢市で体長およそ1メートルのクマが目撃され、市や警察が注意を呼び掛けています。市によりますときょう午前8時ころ、米沢市のJR板谷駅から北におよそ2キロの栗子国際スキー場跡地の駐車場付近でクマ1頭が目撃されました。クマの大きさはわかっていませんが、今のところ人への被害は確認されていません。市では付近を通る際に注意するよう求めています。

(『クマ』の目撃情報相次ぐ:青森)
クマの目撃が相次いでいる青森県おいらせ町では、13日、町内の小中学校で保護者が子どもたちを車で送るなどの対応がとられています。おいらせ町では、12日~13日にかけてクマの目撃情報が20件以上寄せられています。町によりますと、目撃されているクマは体長1mほどで、いずれも同じ個体とみられています。町では、13日に町内8つの小中学校に対して、子どもたちを車で送り届けるよう保護者に協力を求めました。町では、クマを目撃した場合は刺激を与えず近づかないように呼びかけているほか、警察などと連携して警戒を続けています。

(目撃の「クマ」は体長約1m・体重40~50kgと推定:青森)
青森県のおいらせ町立甲洋小学校のグラウンドで12日朝、クマ1頭が目撃されました。クマは、小学校を含めてこれまでに町内5か所で目撃されていて、町はクマが地域を移動しているものと見て、警戒を強めています。おいらせ町によりますと、12日午前9時ごろ一川目地区にある甲洋小学校のグラウンドで、クマ1頭が目撃されました。クマは体長約1m、体重は40~50kgと推定されていて、クマはその後、学校の敷地から外へ出ていきけが人はいません。学校では日中に、児童を校舎の外に出さないようにしたうえで、保護者への引き渡しの対応をとりました。おいらせ町では、12日午前8時半~午後0時20分にかけて、学校を含めて5か所でクマが目撃されていて、地域を動き回っていると見られています。警察がパトロールをしていて、町は、クマを目撃した場合は刺激を与えず近づかないように呼びかけています。

(小学校でクマ目撃、付近の小中学校3校が"臨時休校"に:北海道)
北海道稚内市の小学校のグラウンドで6月11日、クマの目撃情報があり、付近の学校が臨時休校となっています。クマの目撃情報があったのは稚内市緑1丁目の稚内南小学校のグラウンドの敷地内です。警察などによりますと6月11日午前2時30分ごろ、「グラウンドにヒグマ2頭がいる」と目撃した新聞配達員から警察に通報がありました。警察などが現場に駆け付けるもクマの姿や痕跡はありませんでした。市は、付近にクマ出没の注意を呼びかける看板を設置しました。クマの目撃情報を受け、付近の稚内南小学校、稚内港小学校、稚内南中学校の3校が11日、臨時休校となっています。前日午後9時ごろにも付近でヒグマ2頭の目撃情報があり、警察が付近をパトロールするなどして警戒を続けています。

(小中学校の倉庫にクマ出没:山形)
10日夕方、山形県の小国町立叶水小中学校の倉庫の壁をよじ登ろうとしていたクマ1頭が目撃されました。人や物への被害は確認されていません。クマが目撃されたのは、小国町立叶水小中学校のグラウンド南側の倉庫です。警察の調べによりますと、10日午後6時ごろ、クマ1頭が平屋建ての倉庫のコンクリート製の壁をよじ登ろうとしているところをこの近くに住む40代の女性が車で帰宅した際に発見し、学校を通じて警察に通報しました。クマは体調が50センチくらいで、その後、行方が分からなくなりました。当時、周辺に児童や生徒はおらず、これまでに人や物の被害は確認されていません。警察ではパトカーを出動させ、現場一帯の警戒を続けています。

(公園の近くでクマ1頭目撃:青森)
10日正午ごろ、三沢市の住宅地でクマ1頭が目撃されました。市によりますとこれまでのところ人が被害にあったという情報はないということですが、市や警察が注意を呼びかけています。三沢市によりますと、10日正午ごろ、三沢市三沢にある招和台公園の近くで体長1メートルほどのクマ1頭を目撃したという情報が、車で通りかかった人から市に寄せられました。クマが目撃されたのは三沢空港に近い県道10号に面した住宅地で、近くには認定こども園や小中学校がありますが、市によりますとこれまでのところ人が被害にあったという情報は入っていないということです。また、市によりますとクマは県道10号を横切って住宅がより多く立ち並ぶ南の方に歩いていったということです。これを受けて近くの小学校では終業後、児童を迎えに来るよう保護者に要請したほか、中学校では全職員が通学路に立って生徒の下校を見守るなどの対応を取ったということです。また、警察が学校周辺のパトロールを強化するとともに市が防災行政無線で注意を呼びかけています。クマが目撃された場所の近くに住む40代の女性は「市役所から突然連絡が来て驚きました。ふだん子どもたちは歩いて下校しますが目撃場所がすぐ近くで怖いのできょうは迎えに行くことにしました」と話していました。また、別の40代の女性は「最近はいろいろなところでクマが出ていますがまさか近くに出ると思いませんでした。娘と散歩したり公園で遊んだりするので気をつけようと思います」と話していました。一方、青森市内でもクマの目撃情報が相次いでいます。青森市によりますと、10日午後1時半ごろ、青森市荒川の八甲田ロープウェー付近でクマ1頭が国道を横切る様子が目撃されたほか、9日午前7時半ごろ、青森市高田の太陽台団地の近くでクマ1頭が目撃されました。青森市によりますと、これまでのところ人が被害にあったという情報は入っていないということですが、市はチラシを配布するなどして注意を呼びかけています。

(クマの目撃相次ぐ:山梨)
杜市や富士河口湖町などでクマの目撃情報が10日までの3日間で少なくとも9件相次ぎ、自治体や警察が注意を呼びかけています。10日、クマが目撃された場所のひとつが北杜市長坂町富岡のJR日野春駅近くの遊歩道です。北杜市によりますと、10日午前7時30分ごろ、犬の散歩をしていた近くの住民がクマを目撃し警察に通報しました。クマは体長約1.5メートルで、すぐに近くの林の中に入っていったということです。けが人はいませんでした。目撃情報を受け、市は注意喚起の看板を設置したほか、防災無線で注意を呼びかけました。県内では8日から各地でクマの目撃情報が相次いでいて、8日は富士河口湖町などで4件、9日は笛吹市で1件、10日は北杜市のほかに大月市などで3件、確認されています。いずれもけが人はいませんでしたが、各自治体や警察は警戒を強め、注意を呼びかけています。

(国道で黒色のクマ目撃:栃木)
10日午後6時ごろ、那須塩原市塩原の国道400号で、通行人が道路を横切るクマ1頭を目撃した。那須塩原署によると、クマは体長約1メートルで黒色。

(クマの目撃情報相次ぐ、パトロール強化し注意呼びかけ:石川)
小松市では9日夜から10日朝にかけてクマの目撃情報が3件寄せられ、市がパトロールを強化して注意を呼びかけています。小松市によりますと、9日夜11時前に小松市矢田野町の工場付近で成獣とみられるクマ1頭が目撃されたのに続いて、10日午前0時半ごろには小松市江指町の神社の付近で、午前7時すぎには小松市中海町で目撃されました。中海町では、10日午後、近くにある中学校の下校時間に合わせて市の職員が急きょパトロールを行いました。県内ではことしに入ってから白山市と金沢市で人がクマに襲われる被害が起きていて、県は5月に「ツキノワグマ出没注意情報」を出しています。小松市ではけが人は出ていませんが、6月に入ってすでに10件の目撃情報が寄せられていて、市は学校や福祉施設の周辺でパトロールを行うなど対応を強化することにしています。小松市農林水産課の埴田大助参事は「目撃情報が増えているのはクマが新たな居場所を求めてさまよい、それが町に向いている結果だと考えられる。やぶの近くなどに行くときは鈴などを持つことや、1人で行かないこと、生ゴミを外に放置しないことを徹底してほしい」と話していました。

(あじさい坂にイノシシ出没:栃木)
栃木市の太平山中腹にある「あじさい坂」付近で、今月4日頃から日中、連日のようにイノシシが出没している。14日から「太平山とちぎあじさいまつり」が始まるため、市は注意を呼びかけている。同市によると、目撃されているのは体長約60センチのオスとみられ、坂の石段を横切ったり、近くの草陰で食べ物を探したりしているという。若いせいか、人を怖がる様子がなく、人が接近してもなかなか逃げない。あじさい坂は、太平山神社への参道で約2500株のアジサイが植えられており、祭り期間中は多くの観光客でにぎわう。このため市では近くの3か所に捕獲用の箱わなを設置し、パトロールを強化している。市は「目撃しても刺激を与えず、餌を与えないように」と呼びかけている。

(熊目撃情報多数、市がネットや防災無線で注意呼び掛け:長野)
塩尻市内で6月に入って熊の目撃情報が頻発している。10日までに6件が市に寄せられ、1日にはニホンジカ用のくくりわなに誤ってかかったツキノワグマにかまれ、市職員が左手親指付け根を5針縫うけがをする事故も起きた。市はホームページや防災行政無線、緊急メールで市民周知を図るなどして、警戒体制を強めている。1日の事故は宗賀床尾の山林内で起きた。10日には洗馬芦ノ田の山林内で防犯カメラに、前夜に行動する熊が映っていたと報告があった。目撃情報は塩尻東、北小野、宗賀、楢川、洗馬で多い。目撃は4月が3件、5月が1件だった。市は市ホームページに注意喚起の文章とイラスト動画を載せた。野菜や生ごみを屋外に放置しないことや蜂の巣の除去、腐敗や発酵など刺激臭を発するものの回りへの電気柵設置を促している。市は1日の事故を受け、職員の出動体制を見直した。現地確認する際は2人で赴き、手袋やヘルメットを着用、熊よけスプレーを携帯する。狩猟免許がないため、猟友会員より離れた場所で対応する。猟友会員には、熊の出没が予想される場所にくくりわなを設置しないよう求める。14日に開く市鳥獣被害対策実施隊の緊急会議で、市猟友会の支部長と情報共有する。市農林部によると、昨年度の熊目撃情報は39件で、前年度に比べ18件多かった。捕獲状況は、捕殺が2頭、事故死が2頭、放獣が3頭だった。近年、熊の個体数が増えているとの見方もあり、田下高秋・耕地林務課長は「身の安全を確保しながら行動してほしい」と呼び掛けている。

(「クマがあぐらをかいて座っていた」市街地で目撃情報:北海道)
2024年6月10日午後9時まえ、散歩をしていた男性から「散歩をしていたら住宅街の車道でクマがあぐらをかいて座っていた」「クマだと思う」と警察に通報がありました。クマのような動物が目撃されたのは札幌市中央区旭ヶ丘1丁目の市道です。警察によりますと目撃されたのは1頭で、付近に街灯はなかったため暗く見えづらい状態でした。市の調査によりますと、足跡やふんなどの痕跡はなく、クマの可能性は低いということです。近くには小学校もあるため、警察は通学時間帯に合わせ注意を呼び掛ける方針です。

(養護学校の近くでクマを目撃:青森)
11日朝、青森市の学校近くでクマの目撃が相次ぎ、市によりますとこれまでのところ、人が被害にあったという情報はないということですが、市は注意を呼びかけています。青森市によりますと11日朝、クマ1頭を青森市戸山にある青森第二高等養護学校の近くで目撃したという情報が学校から市に寄せられました。これまでのところ、人が被害にあったという情報はないということです。目撃したのは学校の寮の調理員で、クマは11日朝5時すぎ、学校近くの道路に、また朝6時ごろには、近くの雑木林にいたということです。目撃された場所の西側と南側にはそれぞれ住宅地が広がっていて、市は現場に看板を設置したほか、SNSやチラシを通じてクマに注意するよう呼びかけています。青森市内ではこの数日、クマの目撃が相次いでいて、10日は市内南部の荒川で、9日は高田にある団地近くでそれぞれクマが1頭目撃されています。青森第二高等養護学校では近くでクマが目撃されたことを受けて、学校11日は生徒が下校する際、最寄りのバス停までのおよそ700メートルの間、職員が付き添っていました。青森第二高等養護学校の鈴木朋絵教頭は「生徒の生活の場である学校にクマが出て驚いている。生徒には走って逃げないなどの基本的な注意喚起をしていきたい」と話していました。

(今年に入って5件目のクマ目撃情報:島根)
6月10日夕方、島根県松江市東出雲町の道路で、クマの目撃情報がありました。クマが目撃されたのは、松江市東出雲町の山陰道付近、島田池の西側の市道です。6月10日午後4時過ぎ、道路を車で走行していた人から松江署に連絡がありました。連絡を受けた松江市職員と猟友会員で現場付近を調査したところ、道路沿いのフェンスを越えた場所に、クマらしきものが踏み倒した痕跡を発表したということです。松江市では、付近の保育園などに情報提供をして注意を促しています。松江市では、クマの目撃情報が今年にはいって5件目になるということです。

(線路上にシカ:宮城)
警察によると12日午後4時頃、仙台市青葉区上愛子でシカの目撃情報があった。目撃されたのはJR仙山線愛子駅から西に1.5キロ先の線路上。線路付近は住宅街となっている。目撃者によるとシカは線路上を愛子駅方面に歩いていったという。ケガ人は確認されていない。また、JRによると仙山線に遅れや運休は出ていない。

(天文台付近でクマ出没:北海道)
12日午後、十勝の陸別町にある天文台で、ヒグマ1頭が目撃され、町などが注意を呼びかけています。警察などによりますと、12日午後2時ごろ、陸別町の「銀河の森天文台」の敷地内にヒグマ1頭がいるのを天文台の職員が見つけ、警察に通報しました。ヒグマは、体長1メートル50センチほどで天文台の建物周辺をうろついたあと、近くの山林に逃げたということです。当時、天文台には職員などのほか、観光客が4人いましたが、けが人はいないということです。陸別町は、ヒグマの出没に注意するよう呼びかける看板を付近に設置するなどして対応しています。天文台の館長の乗用車に設置しているドライブレコーダーには、天文台の付近をうろつくヒグマがとらえていました。映像には、天文台の建物付近を1頭のヒグマがうろついていて、ほどなくして、駐車場を通り、山林の方向へ走っていく様子が映っていました。車を所有している銀河の森天文台の津田浩之館長は「日中で人の出入りが多かったにも関わらず、駐車場にまでクマが入ってくるなんてこれまでなかったし、とても驚きました。もし職員が帰宅する際に暗闇の中でクマと鉢合わせしたらと考えると心配です」と話していました。

(公民館近くにイノシシ、1時間後に確保:群馬)
13日午前8時40分ごろ、群馬県伊勢崎市境の境公民館の東側で、イノシシ1頭が出没し、約1時間後に確保された。けが人はいなかった。同市によると、イノシシは雌の成獣で体長1メートル、体重100キロ近く。地元の猟友会と県警伊勢崎署員が網で追い込んで捕獲した。現場は東武伊勢崎線境町駅から西に約800メートル、境地区の市街地で、周辺は住宅街。同市によると、市街地にイノシシが出るのは珍しい。市は「いせさき情報メール」で周知し、注意喚起した。

(イノシシ肉の利用促進へ、農福連携でペットジャーキー商品化:千葉)
館山市内で捕獲されたイノシシ肉を使ったペット用ジビエジャーキー「おいしし君」の生産が、地域の就労継続支援施設との連携で始まった。農福連携事業の一環で、捕獲されたイノシシの利活用促進に期待が掛かる。今回連携するのは市内でイノシシ肉の精肉加工を手掛けるジビエ堂、コメ農家のまえだファーム、就労継続支援B型事業所kaiの3者。地域おこし協力隊の松坂義之さんが3者をつなげ「農福連携獣害対策プロジェクト(NFJ)」と題したプロジェクトを立ち上げた。松坂さんによると、令和5年度の同市内でのイノシシの捕獲頭数は約2200頭。そのうち館山ジビエセンターで処理されたイノシシは約500頭となっており、脂が少ないなど食肉用として向かない約8割は焼却、埋設処理されているのが現状だという。そこでNFJは、3者がそれぞれの得意分野を生かし、ペット用ジャーキーにすることで捕獲されたイノシシの利活用率を高め獣害対策の促進につなげるのを狙いにしている。それぞれの作業分担は、ジビエ堂でイノシシを解体するなど初期処理。就労継続支援B型事業所kaiが初期処理したイノシシ肉の乾燥、封入、ラベル貼り付けを実施。まえだファームが捕獲従事者としてイノシシを捕獲する他、コメの販売網を生かした商品の販売を担っている。ジビエ堂では、これまでイノシシ肉のペット用ジャーキーを生産していたが、ジャーキーにする工程の作業負担が大きく、大量生産が難しく高額になりがちだった。今回、就労継続支援B型事業所kaiに依頼することで費用を抑え販売することを可能とした。同施設としても作業がコンスタントにあることで、利用者たちの安定した収入にもつながっているという。5日、同施設では施設内で乾燥させた肉の封入作業を実施。重さを量りながら乾燥肉を一つ一つ丁寧に封入しラベルを貼り付けていた。施設を運営するアイルの羽賀幸子さんは「安定した作業は利用者の技術取得にもつながる。また地域との連携は福祉の理解につながる」と話していた。

(ジビエ料理店で3周年イベント:福岡)
「ジビエ料理店べんけい」(岡垣町内浦)で6月22日・23日、オープン3周年イベントが開催される。店主は「元々理学療法士として働いていた」という中間市出身の永山律雄さん。沖縄・石垣島への移住をきっかけに趣味で狩猟を始め、「地元福岡で猟師の仕事をしたい」との思いから、岡垣町にUターンし2021年、同店を出店した。現在はジビエ料理店経営、食肉販売を行っている。「食肉加工技術は石垣島のハム工場に勤めていたころに学んだ」と永山さん。イベント当日は、イノシシ肉、鹿肉のスライス、塊肉、ミンチ販売を行うほか、近隣の飲食店が販売ブースを出店。「ごはんの時間」(海老津)は「ジビエコロッケ」「シューマイ」、「NINO(ニーノ)」(宗像市河東)は「ジビエのワンプレート」、「ウィズコーヒー」(東郷6)はコーヒーを販売する。永山さんは「ジビエを身近な家庭料理に取り入れてもらい、『ジビエ料理は値段が高いばかりでおいしくない』というイメージを払拭していきたい。命をいただくことへの感謝を胸に、ただ処分されるだけの命をなくす活動をこれからも続けていきたい」と話す。

(駆除シカ食肉に、ジビエ加工場開業:埼玉)
農作物などを食い荒らす「有害鳥獣」として駆除されたシカを食肉に加工し、販売する「皆野ジビエ加工場」が皆野町でオープンした。フランスのジビエ専門シェフからも助言を受け、本格的な味わいを提供する。提供するのは、自家製蜂蜜と地元老舗店のみそで味付けしたソーセージや、地場の野菜などからとった 出汁だし で固めたパテ・ド・カンパーニュ、バンズも特製のハンバーガーなど。政府と町の補助金計3000万円を受けて整備した加工場で、地元猟師がワナで捕獲したシカを食肉加工している。約10年前に同町に移住した岡野直樹さん(45)が加工・調理し、3月からキッチンカーで販売している。今後、東京都や千葉県などのレストランにシカ肉を出荷し、秩父地域でも販売網を広げる計画だ。秩父地域では、農作物を荒らすシカの食害が深刻化している。皆野町と東秩父村にまたがる県営牧場の名物ポピーも食い荒らされ、今春は例年の1割程度の花しか残らなかった。町は、岡野さんの取り組みが、シカの駆除を後押しする効果にも期待している。岡野さんは「将来は、出身地の東京・八丈島の海産物と、秩父の山の恵みを合わせた新しい料理を開発したい」と事業拡大に意気込んでいる。

(猟友会の体験講座が人気:長野)
飯伊連合猟友会(事務局・飯田市)が狩猟免許取得を目指す人の開拓を目的に開いている体験講座が人気を集めている。飯田市大瀬木の飯田国際射撃場で9日に開いた本年度の講座には、募集定員(30人)を大きく上回る約50人が参加。免許取得を考える人に限らず、ジビエ(野生鳥獣肉)や自然体験を求めて参加する人もいた。

(獣害対策、シカの革製品製作へ:島根)
美郷町で、獣害対策として駆除した動物を有効活用しようと新たにシカの革製品が作られることになり、地元のグループになめした革が送られました。美郷町は去年から、駆除したシカの肉の一部を広島県の動物園にライオンのえさとして使ってもらったり、肉質の良い部分を給食で提供したりしています。今回はシカの皮を加工品として使うことになり、専門の業者がなめした革が地元のグループに送られました。シカの革は、これまでグループが加工してきたイノシシよりも柔らかく、縫ったあとに裏返しやすいので、小物を作るのに適しているということです。グループの渡利マツ子さんは、「肌ざわりや手触りがイノシシとは全然違います」と話していました。美郷町美郷バレー課の安田亮課長は、「食と未利用のところをうまくバランス良く、だんだん体系的に使えるようになってきたのでもっと増やしていきたい。そのうえでまわりの自治体や地域の人と連携して輪を広げていきたい」と話していました。

(シカ肉を地域の起爆剤に、釧路に国内最大級の食肉工場:北海道)
エゾシカの捕獲頭数が道内最多の釧路管内で、国内最大規模のシカ肉処理機能を備えた食肉工場が12月にも稼働する。捕獲現場でシカを回収・運搬してハンターの負担を減らす取り組みや、厳格な衛生管理基準も打ち出し、停滞気味だったシカ肉利活用の起爆剤として期待されている。エゾシカ生息数の増加が続く中、管内では食肉の安全性を保証する道の認証制度を取得して需要喚起を図る動きも出ており、地域資源としてエゾシカへの注目度は今後さらに高まりそうだ。「シカ肉の需要は伸びている。これまで応えきれなかった注文にも応じていきたい」。約39億円の事業費を投じて釧路市内で新工場を建設する食肉製造販売、川島食品(東京)の川坂祐輔事業本部長(39)はこう語る。同社は牛豚鶏やジビエ(野生鳥獣肉)の食肉を加工販売し、首都圏のレストランやホテルなど計3700店舗に納入する。シカ肉はこれまで、道東の業者が処理加工したものを仕入れて販売してきた。新工場は鉄骨造り一部2階建て延べ3400平方メートル。牛豚鶏を解体処理し加工するのが中核事業になるが、大規模なエゾシカ処理機能も備えるのが特徴だ。...

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前5時30分ごろ、仙台市泉区福岡北向にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後10時15分ごろ、仙台市青葉区芋沢吉成東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、12日、大崎市鹿島台広長山谷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前7時15分ごろ、仙台市泉区明通2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前0時ごろ、仙台市青葉区熊ケ根町六番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前9時15分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前9時ごろ、仙台市青葉区芋沢川坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、12日午前5時ごろ、登米市迫町新田下十五丸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、12日午後0時5分ごろ、栗原市築館下宮野小牧にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、12日午前9時35分ごろ、富谷市三ノ関膳部沢上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後6時30分ごろ、富谷市富谷桜田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後5時5分ごろ、富谷市上桜木2丁目の高速道路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前8時ごろ、仙台市泉区朴沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、10日午後3時ごろ、富谷市三ノ関狼沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、10日午後5時15分ごろ、丸森町大張川張西風沢の土手にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、11日、栗原市志波姫沼崎淀にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、10日午後1時50分ごろ、南三陸町歌津中野付近の国道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、10日午後2時ごろ、富谷市富谷仏所にクマが出没しました。

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(銃の規制や罰則強化、改正銃刀法が成立)
銃をめぐる規制や罰則の強化を盛り込んだ、改正銃刀法が7日の参議院本会議で可決・成立しました。おととし7月に安倍元総理大臣が銃撃された事件や、去年5月に長野県で警察官2人を含む4人が猟銃などで殺害された事件など、銃を使った凶悪事件が相次いだことから、銃の規制や罰則強化を盛り込んで提出されていた改正銃刀法は、7日の参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決・成立しました。改正法では、「拳銃など」を対象に設けていた「発射罪」を、「猟銃」や「空気銃などその他の銃」についても新たに適用し、人を殺傷する目的で、これらの銃を所持した場合の法定刑を「拳銃など」と同じ「懲役1年以上10年以下」に引き上げます。また、インターネットなどで銃の製造方法が容易に入手できる現状への対策として、銃を製造して所持するよう、そそのかす内容の投稿を行った場合、1年以下の懲役、または30万円以下の罰金が科されます。このほか、猟銃の一種であり、射程が散弾銃の3倍ほどある「ハーフライフル銃」について、所持するための基準を厳格化します。発射罪の適用やインターネットでの、そそのかし行為への罰則は、7月から施行され、ハーフライフル銃についての規制強化は、9か月以内に施行されます。

(ハーフライフル規制強化・改正銃刀法が成立、クマ・シカの駆除には特例:北海道)
道内でヒグマやエゾシカなどの駆除や狩猟に用いられ、初心者でも所持できる猟銃「ハーフライフル銃」の所持規制強化などを定めた改正銃刀法が7日の参院本会議で可決、成立した。長野県で4人が殺害された事件でハーフライフル銃が使用されたことを受け、改正法は所持要件を厳格化。現行法は銃身の長さの半分超にらせん状の溝を掘ったものをライフル銃、半分以下をハーフライフル銃、溝がないものを散弾銃としているが、改正法は銃身の5分の1超に溝があればライフル銃とみなす。改正法施行後、溝が半分以下のハーフライフル銃を所持するには原則として、ライフル銃と同様に散弾銃を10年継続所持することが必要となる。ただ、道内の狩猟関係者が「初心者がハーフライフル銃を持てなくなる」と猛反発したため、警察庁は特例措置を拡大。クマやシカの駆除に従事する者に加え、都道府県が被害防止に必要だと通知した上でハンターがその都道府県で狩猟を行うと申告すれば、初心者でも所持できるようにする。6日の参院内閣委員会でも「規制が有害鳥獣の駆除に支障が出ないようにすること」との付帯決議がなされた。関連規定は公布後9カ月以内に施行される。このほか、インターネット上に拳銃の製造方法を投稿し、不法所持を呼び掛けるなどのあおり行為を罰則付きで禁止し、拳銃の要件を満たさない自作銃や電磁石銃、クロスボウ(洋弓銃)について、拳銃と同様に発射罪を適用できるようにする。

(クマに襲われ女性大けが:長野)
8日朝、長野県高山村で女性がクマに襲われ手首をかまれるなどの大けがをしました。長野県内では、クマによる被害が相次いでいて、県は、クマの活動が活発になる明け方や夕方は山に入らないことなどを呼びかけています。警察によりますと、8日午前4時半ごろ、長野県高山村で近くに住む41歳の女性から「クマに襲われた」と警察に通報がありました。女性は、新聞配達をしていた際に背後から襲われたとみられていて、右手首をかまれたり背中をひっかかれたりして全治およそ1か月の大けがだということです。長野県内では、7日夕方、木島平村で男性がクマに腕をかまれるなどして軽いけがをしたほか、今月1日と2日にも2人がクマに人が襲われてけがをしています。県は、県内全域に「ツキノワグマ出没注意報」を出して、明け方や夕方は、クマの活動が活発になるためこの時間帯は山の中に入らないことや、万一、山に入る際には音の出る鈴などを持って複数人で行動すること、クマの出没が確認されている場所には近づかないことなどを呼びかけています。

(トレイルランニング中の男性がクマに右腕かまれ軽いけが:長野)
長野県木島平村で7日、トレイルランニングをしていた静岡県の男性がクマに腕をかまれ軽いけがをしました。7日午後4時半すぎ、木島平村上木島のペンションのオーナーから、「男性がクマに腕をかまれた」と消防に通報がありました。クマに襲われたのは、静岡県静岡市の48歳の会社員の男性で、村内の木島平総合グラウンドから南に400メートルほどの山道で、1人でトレイルランニングをしていたところ、林から突然出てきたクマに襲われ、近くのペンションに駆け込んだということです。消防によりますと、男性は右の腕をかまれましたが、軽いけがの模様です。警察によりますと、クマは体長90センチほどで、猟友会員などと付近を捜索しましたが、発見には至っていません。村内では、8日から9日にかけて100kmの山道を走るトレイルランニングレースが開催される予定で、男性はレースに参加予定だったということです。

(新たに野生のイノシシ2頭から豚熱の感染を確認:佐賀)
県は先ほど、新たに野生のイノシシ2頭から豚熱の感染を確認したと発表しました。6日の2頭に続き、合わせて4頭の感染が確認されたことになります。県は先ほど、唐津市で発見・捕獲された野生のイノシシ2頭から新たに豚熱の感染が確認されたと発表しました。県内では6日、九州で初めて野生のイノシシから豚熱の感染が確認されていて、これで合わせて4頭の感染が確認されたことになります。一方、7日の閣議後の会見で坂本哲志農林水産大臣は次のように警戒感を示しました。「我が国の豚895万頭の約3分の1、280万頭を占める九州において、感染拡大のリスクがかつてないほど高まっています」。その上で生産者に対して、消毒の徹底や野生動物との接触を避けるなどの衛生管理を呼び掛けました。

(経口ワクチン散布へ:佐賀)
農水省は7日、九州初の野生イノシシの豚熱感染が佐賀県で確認されたことを受け、同県内で野生イノシシへの経口ワクチン散布を進めると発表した。九州全県では、野生イノシシの検査・捕獲を強化する。

(クマハンター報酬増進む、死亡事故の幌加内は日当2倍以上に:北海道)
ヒグマの目撃情報が続発する中、ハンターとして駆除やパトロールに奮闘する猟友会員には命の危険に加え、銃弾やガソリン費用などの金銭的負担も重くのしかかる。空知管内奈井江町では5月、報酬額の低さなどから地元猟友会が捕獲事業への参加を辞退する事態となった。重い負担に報いる報酬はどうなっているのか。上川管内の各自治体では、報酬増額への動きが進んでいる。

(猟友会隊員に日当、処分費も増額へ:群馬)
県内でもクマによる人身被害が出ている中、高崎市は、クマの出没や目撃情報で緊急出動する猟友会の鳥獣被害対策実施隊員に日当として3700円を支給するなどの緊急対策を実施すると発表した。予算を充実させることでより実効性のあるクマ対策を図る。

(「キョン」撮影できたら2千円:茨城)
農作物を食い荒らすなどの被害が問題となっているシカ科の特定外来生物「キョン」について、茨城県は写真や動画を県内で撮影できたら2千円の報奨金を出す全国初の取り組みを始めた。県内の目撃例は多くないものの、隣の千葉県で大量に繁殖していることから、大規模な「越境」を食い止めたい考え。「できる限り情報を集め、対策を練りたい」と協力を呼びかけている。キョンは成獣で体長約1メートル、重さは10キロ以上になることもある。警戒心が強く、人を襲うことは考えにくいというが、農作物の被害金額は増加傾向で、大きな鳴き声が迷惑との声も上がっている。茨城県では2017年、同県神栖市と千葉県を結ぶ橋で死んでいるのが初めて見つかり、23年までに計4例の目撃情報がある。報奨金制度では、4月1日以降に撮影された写真や動画を、発見場所や発見者の名前と一緒にメールで報告すると、1情報で2千円が受け取れる。集まった情報はホームページで公表。狩猟免許保持者を対象に、県内で捕獲した場合は1頭当たり3万円を払う制度も整備した。

(令和5(2023)年度野生鳥獣の捕獲状況及び農林業被害状況について:栃木)
令和5年度の野生鳥獣の捕獲状況及び農林業被害状況については、以下のとおりでしたのでお知らせします。主な獣類の捕獲状況(環境森林部自然環境課)。シカは12,624頭であり、対前年度比96%で減少傾向であった。イノシシは6,330頭であり、対前年度比109%で増加傾向であった。獣類(シカ・クマ)による林業被害状況 (環境森林部森林整備課)。林業の被害面積は65haで対前年度比100%、被害金額は2億3千万円で、対前年度比127%であった。被害の内容は、シカ・クマによる壮齢木の剥皮被害や、植栽地における幼齢木の食害(シカ)であった。野生鳥獣による農作物被害状況(農政部経営技術課)。鳥獣による農作物被害金額は1億8千万円で、対前年度比90%となった。このうち、獣類の被害金額は1億4千1百万円で、対前年度比97%となった。獣種別では、イノシシによる被害が65%を占め、次いでシカ、ハクビシン、サルの順で推移した。作物別では、稲の被害が最も多く、次いで野菜、果樹の順となった。

(ツキノワグマ出没マップ:三重)
クマの出没が三重県内で相次いでいる。2024年度の出没情報(痕跡などを含む)は、この2か月余りで19件(4月1日~6月6日正午)となり、前年同期の1件を大幅に上回った。23年度(40件)の半数に達し、過去最多のペースで推移している。県は、クマの出没地点を示す地図をネットで公開するなど対策を強化している。7日、県庁で開かれた鳥獣被害対策連携会議でクマに関する目撃情報が報告された。6月以降、県南部を中心に8件の目撃情報が寄せられた。統計を取り始めた2006年度以降、1か月間の件数として最多を更新している。今月4日には尾鷲市古江町の熊野古道三木峠で、東京都の男性から「茶色いものが、こちらに向かって走ってきた」との情報提供があったという。県によると、初夏は子グマが母親から離れ、オスがメスを求めて行動範囲を広げる時期にあたる。そのため、普段はクマが来ない人里などでも、出没することがあるという。今春から目撃情報が急増している理由は、県も分析できていないという。県幹部は「対策を強化していかなければならない」と危機感を示す。環境省によると、県内では2020年度に3人がクマに襲われ、被害を受けた。2023年7月には、尾鷲市の山の中を歩いていた男性がツキノワグマに足をかまれて軽傷を負った。県ホームページでは7日から「ツキノワグマ出没マップ」が公開された。情報のあった場所を地図上に示し、クリックすれば発見時期や「捕獲」「目視」「 糞ふん 」などの詳細を確認できる仕組みだ。7月からは林業者や登山者へのアンケートを実施する予定で、より多くの情報収集に努める。峠道などを歩く熊野古道は外国人観光客も多い。県は、英語やタイ語など7か国語で情報発信する考えだ。月内にも、県観光連盟のSNSなどを通じて、クマと遭遇した際の注意事項を掲載する。県の担当者は、▽山を歩く際は、鈴などで音を出して人間の存在を知らせる▽クマのエサとなるような食べ物を自宅周辺に放置しない――ことなどを呼びかけている。

(特定外来生物のヌートリア、農作物を食い荒らす恐れ:愛媛)
愛媛県松山市・中島の海で、特定外来生物のヌートリアが県内で初めて確認されました。生態系などへの影響が懸念されるとして、市は情報提供を呼びかけています。海面に浮かぶ黒い影。先月31日、松山市の中島で撮られた映像に映っていたのは…特定外来生物の「ヌートリア」です。目撃者が市に情報提供し、県衛生環境研究所が分析したところ、頭の形などからヌートリアと特定されたということです。ヌートリアは南アメリカ原産で、体長は40センチから60センチほど。茶褐色の体毛と後ろ足の水かきが特徴で、稲や水辺の農作物を食い荒らす恐れがあるため、国の特定外来生物に指定されています。県内で姿が確認されるのは初めてで、専門家は「定着が確認されている広島県の沿岸から泳いできたのではないか」と分析しています。松山市はヌートリアが生態系や農作物へ悪影響を及ぼす恐れがあるとして、見つけた場合は情報提供するよう呼びかけています。

(農作物食害昨年度1・8倍、対策協はシカ駆除強化へ:長野)
小諸市有害鳥獣対策協議会(会長・小泉俊博市長)は5日、本年度総会を市内で開いた。

(クマ被害が過去最多を更新、専門家が語る「真の共存」への道)
昨年はクマによる人的被害の件数が過去最多を更新。春を迎え、冬眠していたクマも目覚めるこの時期に、再び気を引き締めたい。そこで、今あらためて押さえたい「クマ対策」と、「クマが出ない街」を実現するための方策について、専門家に聞いた。街中などの「人の領域」にクマが出没し、人に危害を加える事案が増えています。2023年度には、クマに襲われた方が219名にものぼり、うち6名は亡くなられてしまいました(環境省発表「クマ類による人身被害について」より)。これは統計開始以来、過去最多の件数です。これまで、クマに遭遇する場所と言えばその生息地である森や山、そしてせいぜいそこに隣接する農地、といったイメージがありました。しかし近年、餌となるものがない市街地にまでクマが出没し、被害を出すケースが増えています。このような、市街地からそう遠くない場所で暮らし、ときどき市街地に出没するクマ、またはその可能性を持つクマのことを、私は「アーバン・ベア」と呼んで研究を続けてきました。アーバン・ベアの側も、市街地に来たくて来るわけではありません。被害を防ぐには行政による対策が不可欠ですが、地域単位や個人単位で、クマが人の生活圏に入らないような対策を、日ごろからできる限りしておくことも重要です。個人レベルでできる対策は、大きく分けて2つあります。1つ目は、クマを引きつけてしまう誘因物を除去していくことです。代表的な誘因物としては、柿や栗など街中の果樹や、生ゴミ、コンポスト、ペットフードなどが挙げられます。特に効果がありそうなのは、果実を利用しなくなった道端や庭の果樹を伐採していくこと。何らかの理由で残すという場合、ついた実はすぐに収穫することを心がけてください。意外なのは「コンポスト」でしょうか。近年人気の、生ゴミから堆肥を作るアイテムですが、クマにとっては生ゴミとほぼ変わりません。利用する際は「室内で使うタイプ」を利用していただければと思います。また、もちろん畑や果樹園も誘因物の一つです。電気柵のような罠を周辺に設置して、クマの侵入を防ぐ必要があるでしょう。こうした点には、行政の補助も期待したいところです。そして2つ目の対策は、人の生活圏とクマの住む奥山の森林とを分ける「ライン」を設けておくこと。下草や低木の生い茂る藪などが森や山沿いにあると、クマが「森の続き」と勘違いして、人の生活圏に入ってくる危険があります。これを防ぐために、草刈りや放置された林の伐採などを通じて森と街の間に見通しの良い場所を作り、クマに「ここは森じゃない」と気づいてもらうのです。なお、こうした取り組みは、個々の住民の義務感や責任感頼みでは続かないもの。地域や町内会などで連携し、高齢者と学生が交流するイベントとして整備したり、もいだ実でジャムなどを作る行事にしたりと、エンタメ要素を盛り込んだ活動に落とし込むことが望ましいでしょう。実際、ヒグマと隣り合わせの都市・札幌では、そのような活動が増えています。一方、こちらから山や森に出向く場合の対策ですが、これは当然クマに「出合わない」ことが最優先。クマは慎重な動物ですから、山やその近くを歩くときは熊鈴などを携帯し、常に音を出して人の存在をクマに知らせることが基本になります。ラジオで音を出す、手を叩くといった行動も有効です。また、登山には必ず複数人で行きましょう。人数が多いほどクマの側から警戒してくれますし、万が一襲われた場合もいち早く助けを呼びに行くことができます。クマによる人的被害が過去最多だった昨年も、複数人で行動していた方の死亡事故は1件もありませんでした。そして、もし万が一クマに遭遇した場合には、「走らない」「騒がない」「背中を見せない」の3点が鉄則です。遭遇した場合、たいていクマも人に出くわして驚いています。大きく動いたり走ったりして、刺激してはいけません。中でも絶対にしてはならないのは、クマに背中を見せることです。クマの世界では、背中を見せた者は狩られます。まず、身体と顔をクマに向けたまま動かないこと。その後、ゆっくり後ずさりして距離を取りましょう。相手が荒く息をしたり唸ったりしていると恐ろしく思うかもしれませんが、そういう行動は「立ち去れ」というサインですから、むしろ生還のチャンスです。ゆっくり後ずさりしていけば、高確率でその場を離れることができるでしょう。もちろん、そもそもクマとの距離が遠く、こちらが一方的に気づいている状況なら、そのまま来た道を最速で、かつ静かに戻るのが一番です。なお、街中でクマに遭遇した場合、クマ側が十中八九「ここはどこ!」というパニックに陥って、なりふり構わず障害物を排除しようとしがちな点に要注意です。基本の対処法は山での遭遇時と同じですが、この場合は「障害物と認識されない」ことがより重要。もちろん「動かないこと」が一番ですが、例えば近くの壁に張りつくといった行動も、被害を受けないためには効果的だと思います。しかしそもそも、なぜこれほどクマが街中に出てくるようになっているのでしょう。それを理解するには、まず「クマと人間の、現在の力関係」を知る必要があります。よくあるのが「人間による環境破壊の影響で、野生のクマの数は減っている」という誤解です。確かにかつてはその傾向もありましたが、ここ20~30年で「自然との共生」を意識した様々な取り組みが進み、その状況はすっかり覆されています。現在、クマはもちろんシカやイノシシも、数十年前に比べて大きく数を増やしています。そうなれば、生息範囲が拡大し、人の生活圏に近づくのも当たり前。これが、クマが街に出るようになった根本的な原因です。今や野生生物は「人間による開発で住処を追われる、可哀想な立場」ではなく、再びかつてのように「人間の暮らしを圧迫する勢力」になっていると言えるでしょう。そして私の考えでは、その状況に「人間の安易な都市計画」が重なることで、いっそうクマが街中に出没しやすくなっているように思います。特に問題だと感じるのが、国土交通省が全国の自治体に策定を勧めている「緑の基本計画」です。国側はこれを通じ、都市部の生物多様性保全を目的に、都市部やその周辺の緑地帯をつなぎ、生き物が暮らせる「緑のネットワーク」を形成することを推奨しています。残念なことに、これが結果として「クマや野生動物の場所=森」と「人の場所=街」を結ぶ道となり、森の中を歩いているつもりのクマが意図せず市街地にたどり着いてしまう、というケースが頻発しているのです。自然との共生という価値観が浸透し、狩猟も一般的ではなくなった今、人間は野生動物たちに「怖い存在」だと認識されなくなりました。クマを含め、人間を見かけても逃げようとしない野生生物が増え続けています。もうすでに、どこかでネットワークを遮断して「共生」の意味を問い直すべき時期が来ているのです。野生生物たちが暮らす「自然」と「街の中の緑」をきっぱり分けた街づくりを進めない限り、今後も「アーバン・ベア」は増え続けてしまうのではないでしょうか。被害の増加を受けて、アーバン・ベア問題への社会的な関心は高まっています。人とクマとの関係を見直し、対策を講じる大きなチャンスが、今まさに訪れているのです。とはいえ、年々高齢化する猟友会や、過疎化する自治体にクマ対策や駆除を任せるのも、もう限界に近いでしょう。人口減少と過疎化が進めば、今以上に「人間より野生動物が優勢」な状況が生まれていくことは想像に難くありません。クマ対策を「地域防災」と捉え、環境省のみならず国土交通省や農林水産省なども巻き込んで、国が本腰を入れた対策に乗り出すべきだと、私は考えています。地域や個人でできる対策を最大限に講じ、山で暮らすクマはある程度保護しながらも、人の生活圏に出てくるクマには強硬に(駆除も含めて)対応する。このようにして人とクマの生活圏を明確に区別していくことが、人とクマが真に共存していくための鍵なのではないかと思います。

(クマがシカのわなにかかり暴れる、警察が周囲の住民に避難呼びかけ:岩手)
岩手県一関市でクマがシカのわなにかかっているのが見つかり、市役所と猟友会が対応を協議するとともに、警察が周辺を警戒・広報しています。千厩警察署によりますと、8日午後1時40分ごろ、一関市川崎町門崎萩崎の山の入り口付近で、シカ用のわなにクマがひかかって暴れているのが見つかりました。市役所と猟友会が対応を協議しています。付近には民家もあり、警察が周辺の住民に避難を呼びかけています。

(住宅街近くにシカ:徳島)
6月5日、四国放送の「けんみんボックス」に送られてきたシカの映像。ときどき、周囲を警戒するような仕草を見せながら斜面の草を食べています。しかし、人に慣れているのか、近づいても撮影者の方を見つめてきます。シカが撮影されたのは、徳島市南佐古三番町にある諏訪神社の斜面です。ここは徳島市の中心部、眉山北側のふもとで、住宅街のすぐそば、約200m離れた場所には小学校もあります。シカを撮影したのは、諏訪神社の前で「甘味処あんみつ姫」を営む幸﨑さんです。実はこの場所では、2023年12月にもシカが目撃されていました。徳島県立博物館の学芸員によりますと、眉山にはもともとシカは生息しているということですが、住宅街の近くまで下りてくるのは珍しいそうです。しかし、今回出没したシカは2023年12月に目撃されたシカとは見た目が大きく異なります。学芸員によりますと、「今回のシカは白い斑点もあることから若いシカではないか」と、いうことです。ただ、見た目はかわいらしいものの、マダニがついているシカも多く。近寄りすぎないように注意を呼び掛けています。また、刺激すると向かってくる場合もあることから、見かけた場合はそっと離れるようにしてほしいということです。

(畜産工場にクマ侵入、先月も同じ工場で被害:北海道)
7日、北海道名寄市にある畜産会社の工場の敷地内で豚肉が包まれていた袋などが入った麻袋が荒らされているのが見つかり、防犯カメラの映像にはヒグマ1頭があさる様子が写っていました。この工場では先月も牛の皮が荒らされているのが見つかっていて、警察はいずれもクマが侵入して荒らしたとみて近くの住民に注意を呼びかけています。7日午前6時40分ごろ、名寄市日進にある「マルハニチロ畜産」の名寄工場で、屋外に置いてあった廃棄物が入ったおよそ100キロの麻袋が荒らされて、袋の中身が敷地内に散乱しているのを出勤した従業員が見つけ、警察に通報しました。警察が、工場に設置されている防犯カメラの映像を確認したところ、午前2時半ごろにヒグマ1頭が豚肉が包まれていた袋や業務用の手袋などの廃棄物が入っていた麻袋をあさっている様子が写っていたということです。麻袋は屋外に6つ置かれていてこのうちの1つが荒らされていたということです。この工場では、先月31日にも屋外に保管していた牛の皮が荒らされているのが見つかっていて、警察や市は現場に残された足跡などからクマが侵入したとみて、警戒を続けていました。警察は市内のパトロールを行うとともに近くの住民に注意を呼びかけています。

(高速道路でクマ目撃、通行止めに:北海道)
東日本高速道路によると、北海道苫小牧市の道央自動車道で7日午前、点検中の作業員が路肩ののり面にクマ1頭がいるのを目撃した。周辺区間の上下線を正午から通行止めとし、確認を進めている。

(会社敷地内でクマ目撃:栃木)
7日午前9時10分ごろから同9時半ごろまでの間、鹿沼市上粕尾の会社敷地内で、会社関係者がクマ1頭を目撃した。鹿沼署によると、クマは体長約1.2メートル。木の上にいて、西方の林内へ移動したという。

(国道120号でクマ目撃:栃木)
6日午後6時ごろ、日光市中宮祠の国道120号で、通行人がクマ1頭を目撃した。日光署によると、クマは体長約80センチで、目撃された場所は日光市丸山浄水場の南方約200メートル。

(遊歩道でクマ2頭目撃:栃木)
6日午後3時ごろ、那須町湯本の遊歩道で、施設の利用者がクマ2頭を目撃した。那須塩原署によると、クマの大きさは不明。

(窓を開けたらクマ:山口)
5日夜、岩国市の民家で、家に住む人が窓を開けたところ、自宅敷地内に、体長約1.5mのクマ1頭がいるのを目撃しました。岩国警察署によりますと、5日午後7時半ころ、岩国市天尾の民家で、この家に住む人が窓を開けたところ、自宅敷地内に、体長約1.5mのクマ1頭がいるのを見つけ、警察に通報しました。目撃されたのは、錦川鉄道北河内駅の北東約300mの民家で、山と隣接しています。警察では、パトカーによる付近の警戒などを行い、注意を呼び掛けています。

(ツキノワグマ捕獲、市設置のおりに:群馬)
群馬県桐生市梅田町で雄のツキノワグマ1頭が今月、設置されていたおりに捕獲された。周辺のスギ人工林では、根もと近くの外皮をクマが剥ぐ「クマ剥ぎ」と呼ばれる被害が相次いでいた。クマを巡っては、安中市で5月、住民が襲われてけがを負うなどしており、自治体や県警が注意を呼びかけている。捕獲されたツキノワグマは全長140センチ、重さ95キロ。同市の梅田ふるさとセンターから北に、車で10分程度進んだ場所で捕らえられた。近くで林業関係に従事する女性(45)が山菜への獣害を防ぐため、市に依頼して設置されたおりに、1日にかかっていた。女性は「まさかクマが入っているとは考えもしなかった。(おりの中にいるのを見つけた時は)大変だと思って近づかなかった。まだ他の個体もいるのではないか」と話した。地元の猟友会関係者を介して市にも報告し、その後駆除した。クマ剥ぎは一説によると、冬眠から覚めたクマが樹木の中の水分をなめようとするためにしているとも言われる。被害に遭うと、スギの内部に害虫が入るなどして木材としての価値が下がる。

(「あじさい坂」でイノシシ目撃相次ぐ:栃木)
栃木市平井町の太平山県立自然公園「あじさい坂」でイノシシが連日目撃されている。7日も坂の下部で体長1メートルほどの1頭が出没した。あじさい坂は太平山神社に続く参道にあり、約千段の石段の両側に色とりどりアジサイが植えられている。今月中旬の見頃を前に花が咲き始めており、ハイキング客でにぎわっている。イノシシは午前10時半ごろ、坂の入り口から100メートルほど石段を登った場所に出没した。アジサイの株から数メートル離れた草木の茂みで餌を食べるような行動を30分ほど続けていた。ハイキング客が通行する石段を横切る場面もあり、驚いて途中で引き返す人もいた。坂の周辺ではイノシシの目撃が続き、栃木署は4日から3日連続で出没情報を広報していた。市は5日、坂の入り口など3カ所に看板を設置し、注意を呼びかけている。

(国道19号で子グマの姿をキャッチ:長野)
5日にツキノワグマ出没注意報が出された長野県内では、7日もクマの目撃が相次ぎ、長野市の善光寺の裏手でも目撃情報があり、市などが警戒に当たりました。午後1時半ごろ、長野市箱清水(はこしみず)の善光寺雲上殿(うんじょうでん)の駐車場で、近くを通りかかった人から「クマのような獣をみた」と警察に通報がありました。目撃された場所は、善光寺の本堂から北におよそ1キロ離れた山沿いで、近くには住宅も点在しています。市の職員が警戒にあたり、近くの学校などに注意を呼びかけました。一方、こちらは…。午前8時半ごろ、木曽町の国道19号で撮影され、SBCのスクープ投稿に寄せられた動画です。子グマとみられ、このあと河川敷に飛び降りたとみられます。7日は松本市や大町市でもクマの目撃情報がありました。クマの相次ぐ目撃を受けて、県は5日にツキノワグマ出没注意報を出し、注意するよう呼びかけています。

(なぜクマは街中に?車と衝突したまま消える:島根)
島根県松江市の小学校近くの国道で車とクマが衝突した事故。7日も衝突したクマは見つかっておらず、引き続き市などが警戒を呼びかけています。なぜ、この時期、街中にクマが現れたのでしょうか?「子どもたちに何かあったら危険だなと思って、ちょっと心配な気持ちになった」。こう心配するのは、6日学校に子どもを迎えに来た保護者です。おとといの夜、松江市宍道町の国道54号で軽ワゴン車に道路を横切ったクマが衝突する事故がありました。近くでは目撃情報もあり、体長1メートルから1メートル20センチ位のクマが衝突したとみられます。事故現場の近くには小学校があり、集団下校したり、不安を感じる保護者が送迎をしたりと警戒が続いています。松江市立宍道小学校 笹原由乃 教頭「とにかく『命を守る』、それが最優先ということを、一番に話をして、とにかく気を付けて帰ること。そして、何かあればすぐ必ず、大人に助けを求めること、それを下校指導して、帰した」。クマはいまだ発見されていませんが、そもそも、なぜ街中に近い場所になぜ姿を見せたのでしょうか?島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科  田川哲 係長「この時期は、子どものクマが親から離れる分散の時期なので、どうしても街中に現れる個体が出てくる」。今は、親離れをして自分の新しい住処を探すため、行動範囲が広がる時期とのこと。クマと衝突した車は、バンパーが破損していましたが、手負いのクマとなっている可能性は?島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科  田川哲 係長「血痕とかなくて、そのまま逃げたのであれば、けがを負ってたにしても、ひどくないけがではないか。けがをしているクマにしろ、してないクマにしろ、危ないことに変わりはないので、こちらがあまりパニックにならずに、もし見かけた時は、落ち着いて対応することが重要」。事故現場付近では、警察や松江市などが連携してパトロールするなど、引き続き警戒が続いています。

(善光寺雲上殿でクマ目撃:長野)
長野市の納骨堂の敷地でクマ1頭が目撃されました。場所はこちらです。善光寺雲上殿、こちらの駐車場でクマが目撃されました。国宝善光寺からはおよそ1キロ。近くには高校もあり長野市の中心部に比較的近い場所でした。目撃された場所では長野市の職員が警戒にあたっていました。捕獲用の網に、ロープ、そして盾も…長野市などによると午後1時ごろ長野市箱清水の善光寺雲上殿の駐車場で通行人がクマを目撃しました。体長はおよそ1メートル、大人のクマとみられています。市の職員が捜索しましたが、クマを見つけることは出来ませんでした。県内では先月、目撃情報が増加していて県は5日初めて全県に「ツキノワグマ出没注意報」を出しました。長野市内では7日だけで上ケ屋地籍や七二会地籍など合わせて4件の目撃情報が寄せられています。雲上殿からおよそ700メートルの場所にある長野西高校は保護者に対してメールで注意喚起しました。

(イノシシ出現:神奈川)
葉山町、逗子市、横須賀市にまたがる二子山山系では2013年頃からイノシシが確認され、農業被害も出ている。イノシシの捕獲活動を行う「葉山町鳥獣被害対策実施隊」(臼井康之隊長)によれば今年1月、はやま三ヶ岡山緑地にも現れたという。監視の末に6頭を発見。5月2日には人家にほど近い、あじさい公園内でメス1頭を捕獲した。住宅地に近い場所での出現に人的被害も危険視される。現在、二子山に生息するイノシシは12年12月から13年1月に放たれたと思われる5頭が始まり。イノシシは繁殖力が高く、1回の出産で4~5頭を産むといわれているが、二子山のイノシシはさらに多産で、7頭産んだ例が3回ある。また、これまでは10月が出産時期の限度と思われていたが、最近捕まった1頭は12月生まれと推測され、生まれる期間が長くなったことも増加の原因と考えられる。23年度末までに累計で522頭が捕獲され、現在も70頭前後が生息しているとみられる。昨年度に二子山全域で捕獲されたイノシシは109頭。そのうちの65頭は同隊が葉山町内で捕らえた。年度が変わって4月には8頭、5月には5頭と、捕獲ペースは昨年を上回る勢いだ。臼井隊長は「三ヶ岡山まで我々の活動範囲が広がると手が回らなくなる可能性もある。残っている5頭からまた数が増えてくれば他の地域への移動もあり得、そうなると今のメンバーだけでは対応しきれないので、行政の力を借りることになると思う」と予想した。

(害獣わな遠隔で確認:岩手)
県内でツキノワグマなど野生動物による人や農作物への被害が相次ぐ中、ICT(情報通信技術)を活用し、わなの状況を遠隔で確認できる新システムが誕生した。開発したのは今春まで岩泉町の地域おこし協力隊として活動した沢里寛行さん(47)。わなの見回り軽減や捕獲効率の向上も期待され、「猟友会や地元住民の安全確保に寄与したい」と力を込める。沢里さんが独自開発し、特許を取得した「害獣 罠わな 捕獲検知システム」は、わなから5~10メートルの位置にカメラを設置し、遠隔で監視する。1時間ごとなど定期的に撮影した画像が、パソコンやスマートフォンに送られる。人工知能(AI)を使った画像解析で捕獲したかどうかを判断し、わなを設置した猟友会員らに通知される仕組みだ。沢里さんによると、センサーや映像などを使った検知システムは徐々に浸透しているが、今回のシステムは比較的単純な構造となっていることなどから、誤作動や壊れるリスクが低い。「データ容量も少ないため、省電力で長時間稼働できるメリットがある」という。岩泉町出身の沢里さんは、都内の企業でソフトウェア開発などを行うプログラマーとして働いていたが、2016年に同町を襲った台風10号のボランティア活動を契機にUターンを決意。21年度から地域おこし協力隊となり、狩猟免許を取得したことで、獣害に関心を持つようになった。地元猟友会に入り、気づいたのは、野生動物による深刻な被害だった。「育てていた畑わさびがシカに一晩で全部食べられてしまった」「獣害がひどいから作付けを諦めた」――。地元農家らの切実な訴えを前に「何とかしたい」と思い立ち、ソフトウェアの知見を生かした検知システムの実証実験を同年夏から始めた。通常のわなは毎日見回りを行う必要があり、捕獲しても付近にいる別の個体と遭遇する危険を伴う。昨年11月には、八幡平市でイノシシのわなを確認しに行った男性が成獣のクマに襲われ、けがを負った。3月に完成した検知システムでは、遠隔監視することで見回りの負担を減らし、安全確保も実現。4月には「沢里技研」を創業し、今後は検知システムを自治体や猟友会などに貸し出すリース事業を展開する予定だ。県内では昨年度、クマによる人身被害が過去最多となる46件(49人)発生。今年もクマの目撃情報が県内各地で相次いでいる。沢里さんは「猟友会員らが命がけで活動している姿を間近で見てきた。検知システムを活用することで安全を確保し、捕獲効率を上げていきたい」と意気込んでいる。

(阿仁へ移住の29歳マタギ:秋田)
秋田県北秋田市の大阿仁公民館(阿仁幸屋渡)の新館長に今春、若手マタギの益田光さん(29)=阿仁中村=が就任し、住民同士の交流会を新たに企画するなど奮闘している。市内の公民館長では最年少で、20代での就任は異例。広島県出身でマタギになるため移住し、個人事業を展開する益田さんは、「公民館は住民のいろんな活動をお手伝いする役割。今ある地域の良さを生かしていきたい」と意欲的だ。大阿仁公民館は、阿仁農村環境改善センター、市役所大阿仁出張所と同じ建物にある。比立内、打当、岩野目など、大阿仁地域に点在する各集落の住民が主な利用対象。運営は館長と主事の計4人が、市の非常勤職員として当たっている。館長は、地域住民の意見や本人の意思を踏まえて市が任命する。

(ジビエ工房を新設へ:広島)
イノシシ、シカの駆除頭数の増加を受け広島県庄原市は本年度、食肉に加工する施設を新設する。冷凍保存する場所が不足するなど、現在の施設の収容可能量を駆除頭数が上回ってきたため。来年春の完成を目指す。

(高校ジビエ部がシカ肉を使ったサンドイッチなど販売:高知)
空き店舗が増える高知市の中央卸売市場を活性化させようと高知商業高校の生徒たちが8日、場内でジビエ料理を販売しました。甘からいソースをからめた唐揚げをフランスパンにはさんだサンドイッチ。香美市産の鹿肉を使ったジビエ料理です。高知商業高校ジビエ部では7年前からジビエ料理の商品開発などに取り組んでいて、ことし4月からは空き店舗が増える中央卸売市場を活性化させようと場内で商品を販売しています。8日は、生徒4人が新商品の鹿肉を使ったサンドイッチやそぼろにした鹿肉を入れたおむすびなどを販売。朝から多くの人が訪れ次々と買い求めていました。ジビエ部では、次回は7月6日に料理を販売する予定です。

(ご当地ジビエや「やぶ鹿コロッケ」が味わえるグルメブースも:兵庫)
養父市にある大屋かいこの里で6月16日に「守国かいこ祭り」が開催されます。入場無料。日本の養蚕に多大な業績をのこした郷土の偉人・上垣守国(うえがきもりくに)を顕彰して建てられた同施設は、昭和初期の養蚕住宅を復元し、当時の養蚕農家の暮らしぶりを伝えています。5月下旬頃から約1か月の間、蚕さん飼育現場・成長過程が見学できる同施設。この時期に合わせ毎年行われる同イベントでは、真綿づくりや糸引き、まゆ人形づくりといった昔から伝わる技術の実演や体験を楽しめるほか、マンガふるさとの偉人「上垣守国」原画展も行われます。また会場には同市のブランド鹿肉「やぶ鹿」を材料にしたコロッケなどのグルメブースも登場します。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、8日午後2時50分ごろ、富谷市三ノ関狼沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、7日午前8時30分ごろ、名取市手倉田山の路上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、7日午前5時30分ごろ、南三陸町歌津伊里前にクマが出没しました。

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(野生イノシシの豚熱感染を九州で初めて確認:佐賀)
佐賀県は6日、同県唐津市内で野生のイノシシ2頭が家畜伝染病「CSF(豚熱=豚コレラ)」に感染していたことが確認されたと発表した。県によると、野生のイノシシの感染が確認されたのは九州で初めて。発表では、2頭は5月30日と6月3日、唐津市東山の山中で見つかった。県の遺伝子検査で4日に陽性を確認し、国の検査でも6日に陽性と判明した。同市では昨年8月、2か所の養豚場で感染が確認された。これを受けて佐賀県内では豚へのワクチン接種を完了しており、豚に感染する可能性は低いとみられる。県はイノシシをジビエとして利用する際の取り扱いや、養豚場などでの野生動物の侵入に注意するよう呼びかける。

(野生イノシシの豚熱感染確認:鳥取)
鳥取県日南町で捕獲された野生のイノシシが、豚熱に感染していたことが分かり、県が対策に乗り出しました。鳥取県 平井伸治知事「残念ながら、今、豚熱はじわじわと本県の中にも入り始めていると言わざるをえません」。豚熱感染が確認されたのは、5月31日、日南町内でふらふら歩いているところを住民に発見され、その後捕獲された体長90センチのメスのイノシシ1頭で、検査の結果、4日に豚熱感染が分かりました。県内での野生イノシシの豚熱感染は38例目で、4月以降、島根県の安来市や奥出雲町で感染が確認された場所と近い位置関係になります。鳥取県は、県内16の養豚場の豚に異常がないことを確認したうえで、ウイルスが養豚場に入らないよう、長靴や衣服の交換、車両の消毒などを指示するとともに、経口ワクチンを散布してウイルス拡散を防ぐことにしています。なお、狩猟関係者には、野生イノシシの死体に近寄らないこと。県民には、人が感染することはないので安心するよう呼び掛けています。

(マダニにかまれ74歳男性死亡:熊本)
熊本県は6日、マダニにかまれたとみられる74歳の男性が死亡したと発表しました。マダニにかまれて感染したウイルスにより発症する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で死亡したのは、葦北郡の74歳の男性です。熊本県によりますと、男性は5月20日頃から倦怠感やふらつきなどの症状があり、23日に医療機関を受診しました。しかし、検査で異常がなかったため帰宅しました。その後、発熱するなど症状が悪化したため、24日に再び病院を訪れたところ、マダニに感染したことによる疾患が疑われ、熊本市内の医療機関に救急搬送・入院しました。そして、25日にマダニにかまれることで感染するといわれるSFTSウイルスに感染していることが分かりました。男性は入院を続けていましたが、6月1日に死亡しました。SFTSは6日から14日の潜伏期間を経て発症し、致死率は6%~30%とされています。

(H5N2型鳥インフル、初めて人の症例報告:メキシコ)
世界保健機関(WHO)は5日、H5N2型の鳥インフルエンザウイルスの人への感染が初めて確認されたと発表した。感染はメキシコで確認され、患者は合併症のため死亡した。米国の乳牛の間で流行しているH5N1型も、今回人への感染が確認されたH5N2型もA型のインフルエンザウイルスで、世界各地で主に鳥類が感染している。H5N1については1996年以来、人の症例が約900報告されており、感染が確認された人のほぼ半数が死亡した。メキシコでH5N2の感染が確認された患者は59歳で、感染源は不明。メキシコでは家禽(かきん)類のH5N2感染が報告されていたという。WHOは、現在の知見に基づくと、一般に対するH5N2のリスクは低いと指摘。他のH5系のウイルスは人に感染することが分かっているが、人から人への持続的な感染は確認されていないとした。メキシコの患者は基礎疾患があり、別の症状のため3週間前から寝たきりの状態だった。4月中旬に発熱、息切れ、下痢、吐き気、衰弱などの症状が表れて同月24日に医療機関を受診し、メキシコ市の国立呼吸器疾患研究所に入院。その日のうちに合併症のため死亡した。5月8日には検査でH5N2陽性と判定され、別の機関でこの結果が確認された。病院でこの患者と接触した17人は、いずれもH5N2感染は確認されなかった。患者の自宅の近所でさらに12人の接触者が特定され、うち7人に症状があったが、検査の結果、新型コロナウイルスもインフルエンザも確認されなかった。現在は血液検査を行って、過去の感染による抗体があるかどうかを調べている。患者が住んでいた隣の州では3月に養鶏場でH5N2の流行が報告されていた。WHOによると、今回確認された人の症例と関係があるかどうかは分かっていない。

(クマ出没件数、人身被害件数最悪の前年度を上回るペース)
全国各地で人がクマに襲われる被害が相次ぐ中、クマの出没件数が例年に比べて多くなっている。環境省が公表したクマの出没件数(速報値)は今年1月~4月でいずれも過去4年間で最も多く、人身被害の発生件数(198件)が統計のある平成18年度以降過去最多となった令和5年度の出没件数2万4345件を上回るペースとなっている。環境省は人身被害の発生防止へ警戒を呼び掛けている。出没数を公表していない北海道を除く全国の出没件数は、今年4月は657件と過去4年間で最多だった昨年の593件を上回った。1月、2月、3月もそれぞれ190件、127件、152件で過去4年間で最も多かった。増加する背景には耕作放棄地が増加し、クマの行動半径が広がっていることに加え、クマが実を好むブナが東北地方などで凶作になっていることがありそうだ。

(「クマ出没注意報」全県に初めて発令:長野)
クマ対策です。先週末、長野県内で相次いで人身被害が発生、また、5月の目撃情報が例年より多いことから県は初めて全県に「ツキノワグマ出没注意報」を発令しました。今年、クマの目撃情報が増えています。5月は全県で106件で、平年の1.8倍です。また、6月に入り人身被害が2件相次ぎました。こうした状況を受け県はー。阿部守一知事:「ツキノワグマ出没注意報を発令します」。初めて全県に「出没注意報」を発令しました。県は今年度から目撃件数が例年の1.5倍以上、人身被害が起きたなどの条件で「注意報」を発令し、県民への注意喚起を強化。また、山にエサが少ない状況で目撃情報が2倍以上、人身被害が起きた場合は「警報」を出し、捕獲の強化などに乗り出すことにしています。今回は「注意報」の基準を上回りました。阿部守一知事:「県民の皆さんにはクマへの備えをしっかり行ってほしい」。県によりますと、2023年は山にエサが多く子どもを産んだクマが多いということです。一方で、遅霜で5月以降、エサが不足傾向にあり、親子連れで里山に出るクマが相次いでいるとみられます。県は山に入る際は「音の出るものを携帯すること」「クマを誘引する生ごみなどを外に出さないこと」などを呼びかけています。注意報の発令は8月末まです。

(ヒグマ駆除、猟友会に限界:北海道)
北海道奈井江町の猟友会が、町から依頼されたヒグマ駆除などへの協力を人手不足や報酬の低さを理由に辞退した。ヒグマ被害が増える中、多くの猟友会が高齢化や人手不足に直面しており、市町村が猟友会に対策を一任する仕組みの限界も指摘される。専門家からは自治体内に鳥獣対策の専門職を置くべきだとの声が上がる。同町は猟友会奈井江部会に、出没地の見回りから箱わなの設置、駆除と死骸の解体まで含め、最大1万300円の報酬で協力を求めたが、猟友会は5月、辞退した。猟友会の山岸辰人部会長(72)によると、ヒグマに最前線で向き合うことになる部会の会員は男性5人で、うち3人は70代だ。介護施設で働く人もいて出動時は仕事を休む必要がある。問題を抱えるのは奈井江部会だけではない。室蘭支部は約80人のうちクマを駆除できる熟練のハンターは6人ほど。62人の江差支部でも15人ほどで、管轄5町をカバーするには手薄だ。酪農学園大の佐藤喜和教授は、猟友会頼みのヒグマ対策が転換期を迎えていると指摘。駆除やモニタリングのほか、猟友会との調整、住民の啓発も担う「ガバメントハンター」を市町村に置くことを提案する。北海道占冠村では、2018年から浦田剛さん(46)が野生鳥獣専門員として活動。駆除に加え、村内を巡回してクマの痕跡を確認し、猟友会や住民と情報を共有する。住民の学びの場である「ヒグマミーティング」や広報誌発行も仕事の一部だ。浦田さんは「クマの特性や住民の要望を具体的に把握することが重要」と、調整役がいることの意義を強調する。環境省によると、35道府県が鳥獣保護管理の専門人材を置くが、駆除までを担う例は少ない。11年に専門人材を置き、先行例とされる長野県小諸市では、専門員を務めた人が退職して鳥獣対策会社を立ち上げ、市と連携する。仕事を引き継いだ農林課事務主任、桜井優祐さん(39)は、高齢の猟友会員が捕獲した大型鳥獣を運べない場合や、若手ハンターが日中は仕事で出動できないことがあると指摘し、猟友会と自治体が補完し合うことで「迅速で安定した対応ができる」と語った。

(クマ・イノシシを駆除する猟友会への謝礼増額へ予算案提出:山形)
県内各地でクマの出没が相次ぐ中、村山市は、猟友会がクマを駆除・捕獲した時に支給する「謝礼金」を大幅に引き上げる予算案を市議会に提出した。猟銃の弾丸の価格高騰や猟友会のなり手不足への対策だとしている。今年に入って、県内ではクマの目撃が相次ぎ、5月末の時点で26件と、2003年の統計開始以来"過去最多"となっている。5月29日には、米沢市中心部にクマが出没し、小・中学校で一斉下校などの対応がとられた。こうした中、村山市は、猟友会がクマやイノシシの駆除・捕獲をした場合に支給している謝礼金を大幅に引き上げる方針で、4日に開会した市議会に、謝礼金の増額分・約90万円を盛り込んだ補正予算案を提出した。これまでは、大人のクマやイノシシを捕獲した際は、日当と謝礼金を合わせて1頭あたり1万円だった。これを、クマは3万円・イノシシは2万円と大幅に増額する。また、子どものクマ・イノシシの場合も、これまでの2000円から1万円に引き上げる。今回の、謝礼金の引き上げ議案の提出は、地元猟友会からの要望を受けてのこと。村山市の猟友会に現状を聞いてみると...。(村山市猟友会・早坂和芳会長)「諸外国の紛争関係で弾丸の値段が上がっている。射撃場の使用料も若干上がってきている。会として、少しでも支援金を上げていただければとお願いした」。早坂さんによると、弾丸の値段はこれまでの約1.5倍に値上がりし、一発で1000円を超えるという。村山市猟友会の会員は約30年前に最大で約130人いたが、現在は高齢化などで51人とピーク時の4割にまで激減した。(村山市猟友会・早坂和芳会長)「若い人もいるがほとんどが70~80歳。年配なので辞めていく人が毎年1~2人増えている」。一方で、クマの目撃数の増加に伴い、村山市から猟友会への依頼件数は、2022年度が12件だったのに対し昨年度は30件と、2.5倍に急増している。猟友会メンバーの人数は減っているのに、依頼は増える現状に対応するためにも、謝礼金の増額で担い手が増えることを期待したいという。(村山市猟友会・早坂和芳会長)「増額案にみんな大変喜んでいる。段々減っていきますので、今回を契機に若い人が興味を持って会員になってくれればありがたい」。この問題は村山市だけに限らない。北海道奈井江町では、5月、猟友会が「報酬の低さ」などを理由に、町から依頼されたヒグマ駆除を辞退した。「猟友会のなり手不足」は全国的に深刻となっている。県内の各市町村の状況をまとめた。猟友会への謝礼金を増やすのは、村山市だけではない。<すでに増額/5市町村>上山市・小国町・大石田町・大蔵村・戸沢村※増額したのは、多くがここ数年以内。<増額検討中/10市町村>長井市・天童市・尾花沢市・南陽市・山辺町・中山町・最上町・舟形町・飯豊町・鮭川村※このうち中山町は、村山市と同様、5月12日からの町議会に謝礼金増額の予算案を提出する予定。<未定/19市町>山形市・米沢市など19の市と町。

(猟友会の出動に活動費支給、捕獲処分費も増額:群馬)
クマによる人身被害が全国的に相次いでいる状況を受け、群馬県高崎市は4日、クマの出没や目撃情報を元に現場に出動する猟友会員への活動費の支給をはじめとする緊急対策を始めたと発表した。

(ハンターのシカ駆除強化:北海道)
室蘭市がハンターによるシカの駆除を強化している。住宅の庭への侵入や交通事故が増え、市は昨年度、駆除を11年ぶりに再開。本年度は年間100頭の駆除を見込む。シカの通り道がクマの侵入経路になるなど、シカの増加がクマ出没の原因になっているとみられ、出没の抑止効果も狙っている。

(猟友会らと捕獲用おり設置検討:島根)
島根県江津市ではこの3日間でクマの目撃情報が相次いでいます。このうち1件は民家の敷地に侵入する姿が目撃されていて、市が注意を呼び掛けています。江津市によりますと、1日から3日にかけクマの目撃情報が8件寄せられています。このうち、3日は午前5時すぎに江津市渡津町で江の川堤防で、ジョギングしていた男性が土手の近くを走る体長およそ1メートルのクマを目撃しました。また、2日は江津市桜江町大貫で、こちらもおよそ1メートルのクマが民家の敷地に侵入するのを近所の人が目撃しました。江津市では1日からクマの目撃情報が相次いでいて、寄せられた8件のうち、5件が波積ダム周辺での目撃です。江津市は、外出する際に鈴やラジオなど音が出るものを持ち歩くなど、注意を呼び掛けるとともに、島根県と捕獲用の檻の設置を検討するとしています。

(クマ捕獲のためハチミツや野菜を入れた"箱わな"設置:北海道)
6月3日、北海道空知の雨竜町で北海道職員の男性がクマに襲われケガをしたことを受け、町は4日、箱わなを設置しました。クマが出たのは水田の隣にある山林です。6月3日午後3時20分ごろ、北海道雨竜町恵岱別で、がけ崩れなどの調査をしていた空知総合振興局の50代の男性職員が体長1.5メートルほどのクマに襲われ、胸をかまれました。町は4日朝から猟友会と共に現場付近を調査し、午後2時半ごろ、捕獲用の箱わなを設置しました。「(今回の出没は)クマの生息域ということもあったが、また人間を襲う可能性がある。猟友会と町はパトロール強化を考えている」(町職員)。北海道は周辺に今年度2回目となる「ヒグマ注意報」を出し、注意を呼び掛けています。

(市街地にクマ出没を想定:秋田)
秋田県内でクマの目撃情報が相次いでいることから、4日、潟上市で市街地にクマが出没した際の対応を自治体や警察などが確認する訓練が行われました。この訓練は潟上市役所で行われ、周辺の5つの市町村や県、それに警察や地元の猟友会などからおよそ30人が参加しました。このなかでは県自然保護課の近藤麻実さんが現場では安全を確保するため関係機関がそれぞれの車に乗って行動することが多く、トランシーバーがあると連絡をとりやすいと述べました。このあと、市街地でクマが目撃されたという想定で参加者が対応を話し合い、防災無線で住民に注意を呼びかけることやクマが通学路などに近づかないように大きな音を出して追い払うことなどを確認していました。参加した潟上市の職員は「実際にクマがよく出る地域が今回の想定だったので、対応の仕方を学ぶことができて良かった」と話していました。潟上市を管轄する五城目警察署の小林亮太生活安全課長は「管内に5つの市町村があるため情報共有を徹底してクマの出没に対応していきたい」と話していました。秋田県警察本部によりますと、今年に入ってから3日までの県内のクマの目撃は334件で、去年の同じ時期より132件増えているということです。

(イノシシ対処法を動画などで市民に周知へ:香川)
これから秋にかけて出没が増えるイノシシについて高松市は6月4日、市街地における対策連絡会を開きました。高松市がこの時期に毎年開いているもので、市や県、警察、猟友会などからおよそ20人が参加。通報、捕獲数の推移や出没時の各機関の連絡体制を確認しました。またイノシシに遭遇した場合、刺激せず、目をそらさずに後ずさりで身を隠してから警察または高松市に連絡してもらうなど、PR動画などで市民に対応方法を伝えていくことなどが話し合われました。昨年度のイノシシ出没の通報は、高松市で120件と、22年度の300件から大きく減少していますが、5月以降、子どものイノシシが市街地などにも現れる時期になることから、会では注意を呼び掛けています。

(ヒグマが身を隠す草の刈り取り:北海道)
オホーツク海側の斜里町で、ヒグマによる被害を減らし人と共存できる環境をつくろうと、ヒグマが身を隠す草を刈り取る取り組みが行われました。人とヒグマの共存を目指す「クマ活」と呼ばれるこの取り組みは、斜里町ウトロにあるホテルが行っていて、5日はホテルの従業員やボランティアなどおよそ40人が参加しました。参加者たちは、はじめに知床のヒグマの保全や管理を担う知床財団の職員から、クマが草やぶの中に潜むと捜索が難しくなるため、草刈りは重要だということなどを教わりました。このあと参加者たちは斜里町ウトロの国道沿いの斜面で草刈りを行い、高さ2メートルほどある草やぶを枝切りばさみで次々と刈り取っていきました。知床では去年、駆除されたヒグマの数が過去最多を記録し、斜里町ウトロでも街なかでの目撃が相次ぎました。ボランティアとして参加した札幌市の女性は、「気候変動などで札幌でも今後ヒグマに遭遇する可能性もあるので、クマをより身近に感じるいい機会になった」と話していました。「クマ活」を行っているホテルの従業員、村上晴花さんは「草刈りの活動を通して、この場所にヒグマが現れることを感じてもらい、ヒグマとの共存を考える機会にしてもらいたい」と話していました。

(クマ被害で銃の購入補助上限を引き上げへ:秋田)
クマによる人的被害が相次ぐ中、秋田県は5日、散弾銃やライフル銃を購入する際の補助上限をそれぞれ5万円から10万円に、7万円から15万円に引き上げる経費など計約6千万円のクマ対策関連予算案を発表した。ハンターの担い手確保を狙うほか、クマが人里に出没する一因とされる放置果樹の伐採も行う。佐竹敬久知事は「銃のほとんどは輸入品のため、円安で価格が高くなっている」と説明した。秋田県では昨年、クマによる人的被害が過去最多となり、今年もクマの襲撃とみられる死亡事案が発生した。クマへの猟銃使用を巡っては、人的被害の恐れが生じている場合、市街地での銃猟を特例的に行えるように法改正を目指す見通しとなっている。

(シカの食害、川と魚に影響広がる:京都)
京都府南丹市美山町芦生を流れる美山川の環境保全について、宿泊やガイドツアーの拠点「芦生山の家」の岡佑平館長(44)が講演した。源流域の森林で深刻なシカの食害が川に及ぼす影響や、河原への植樹など水辺の再生を報告し、「川を豊かにする手作りの活動を広げたい」と語った。岡さんは大阪府出身で、2007年に同町へ移住。原生的な森が広がる芦生で自然体験などを企画してきた。講演では、シカの食害で山の下草が失われた上、砂が流出して川底にたまったと説明。魚の種類や量も減ったといい「森の変化は水質、生き物にも影響する」と強調した。

(アライグマ捕獲数、年1000匹以上に:大分)
特定外来生物のアライグマが毎年大分県内で1000匹以上捕獲されていることが分かりました。生態系にも大きな影響を及ぼすとして県は警戒を強めています。水の中を歩き回る数匹の動物。特定外来生物に指定されているアライグマです。2023年11月に大分由布市で撮影されました。一方、2023年3月の大分県日田市。箱わなの中にあるエサを見つけて中に入りふたが閉じられますが、慌てる様子はありません。大分県内ではここ数年、アライグマの捕獲数が急増しています。アライグマをはじめイノシシやシカなど、野生動物による農作物への被害を減らそうと、6日、大分市内で対策会議が開かれました。大分県によりますと、農林水産業の被害額はピーク時の1996年は6億円近くありましたが、防護柵の設置や狩猟者の育成など様々な対策を取り続けたことで年々減少していて、2023年は1億4千万円あまりと過去最も低い額となりました。捕獲された数は、イノシシが2万6千匹あまりと過去10年間で最少でしたが、シカは約4万5千匹と過去2番目に多い捕獲数でした。また対策のひとつとして続けられているのが「ジビエの普及」です。大分県佐伯市にあるフランス料理店「ムッシュカワノ」24年前のオープン当初からイノシシやシカの肉を使ったジビエ料理を提供しています。シェフが手がけたのは「シシ肉のロースト」。臭みもなく柔らかくておいしいと評判のメニューです。こうした中、増え続けているアライグマ。どんな影響があるのか詳しく見ていきます。見た目もかわいらしいですから増えても問題がないんじゃないかと思っている方もいるかもしれませんが、実は影響が大きいんです。大分県内でのアライグマの捕獲数は増加し続けています。大分県内で環境保全活動をしているNPO法人の内田理事長によりますと、天敵となる動物がおらず一度に3、4匹を出産する繁殖力があるうえ環境への適応力もあるため増え続けているということです。大分県内での捕獲数は2013年には62匹だったのが、2022には1711匹。実に27倍にもなっています。元々いなかったはずのアライグマは1980年代ごろにペット用として日本に持ち込まれました。その後、捨てられたり逃げ出したりして野生化し繁殖してしまったんです。アライグマが増えることで私たちにはどんな影響があるのでしょうか。農林水産業への被害額を見ると年間で150万円ほどですから、それぞれ数千万円の被害を出すイノシシやシカと比べると少ないですが大きな影響があります。ひとつが「生態系」。川や池などに出没するアライグマはカエルなどの両生類を好んで食べます。中には、こんな生物もいます。天然記念物にも指定されていて絶滅危惧種でもある「オオイタサンショウウオ」。大分県によりますと、アライグマがこのオオイタサンショウウオを食べてしまっている可能性があるそうです。私たちがもしアライグマに出会ったときは、見た目がかわいいので近づきたくなる気持ちもわかりますが、エサを与えたり、触ったりしてはいけません。その理由が、感染症の危険です。アライグマは狂犬病や寄生虫などを保有していることが多く、噛まれたり、舐められたりすることで感染してしまう可能性があり非常に危険です。このまま増え続けると目撃することも増えるかもしれません。可愛いからといって決して触らないように気を付けてください。

(農林水産物の鳥獣被害額が過去最低に、新しいハンターの確保などが要因:大分)
2023年度の大分県内の農林水産物の鳥獣被害額は1億4100万円で、統計開始以降、過去最低となりました。これは、6日に開かれた大分県鳥獣被害対策本部会議で県が発表しました。シカやイノシシなどによる県内の農林水産物の被害額は、1996年度に過去最高の5億9000万円に上りました。その後は県の対策などもあり、年々減少傾向となっていて、昨年度は1億4100万円と1983年の統計開始以降で過去最低となりました。県は、イノシシなどの侵入を防ぐ防護柵の設置面積を広げたことや狩猟免許の取得にかかる費用を免除し、新しいハンターの確保を行ってきたことなどが要因だとしています。県では2024年度、新たにジビエを使った新商品の開発を支援する方針です。

(シカ捕獲が過去最高の1万頭超え:山口)
山口県内で2023年度に捕獲されたシカが初めて1万頭を超え過去最多となったことが6日、分かった。イノシシやサルを含めた野生鳥獣の農林業への被害額は5年連続で減っているが、シカの被害額は4年連続で増えて1億円を突破した。県はドローンを使ったシカ捕獲の検証に乗り出す。

(『アライグマ被害』多発:兵庫)
アライグマによる被害が兵庫県内で多発。状況を打開しようと、神戸市が始めた秘策を取材した。神戸を代表するブランドいちご「二郎いちご」収穫シーズン真っ只中だが、いま深刻な状況にさらされている。大切に育てた商品を無残な姿にした犯人はアライグマだ。福井苺園 福井岳史さん:ヘタだけ残っていてひどい時で(1日に)10個から20個くらい被害受けていました。これでウチらは生活しているので、そのいちごが食べられるのは困りますね。いま、アライグマは全国的に増え続け、神戸市でも2年連続、捕獲した数が過去最多を更新。増え続ける背景には周辺の環境が関係していると専門家は指摘する。兵庫県森林動物研究センター 栗山武夫主任研究員:アライグマはいろんな環境に順応・適応できている哺乳類の一種で、昼間隠れられるところが隣にあれば、そこに隠れて、夜な夜な隣のいちごに行って、朝になったらまた隠れるみたいな生活ができるので。アライグマの「日中の隠れ家」の1つとなっているのが、使われずに放置された「遊休農地」。つまり遊休農地を減らすことが、アライグマによる被害を抑えることにつながるのだ。そこで、神戸市が取り入れた秘策が、誰でも簡単に草刈りができる「ラジコン」だ。神戸農政公社里山農村地域振興本部 末松勢二課長:アライグマの巣になったりとか、そのへんを駆除するためにはこういう耕作地はできるだけ刈って管理が必要になってきますので。「遊休農地をどうにかしたいが、農業経験がない」などの声を受け、神戸市では5月からラジオコントロールできる草刈り機の貸し出しを始めた。取材した日、ラジコン草刈り機を借りた山本さんも、農業経験が浅く、約5年間、相続した農地をそのままにしていた。山本恵美さん:これを押すと…右と左があんまりコントローラー触ったことないんでわからない。バック、やりすぎ、待って待って。たった1時間で約600平方メートルに生い茂っていた草がスッキリ。今後、ラジオコントロールの草刈り機がアライグマ被害を防ぐ救世主となるかもしれない。

(「玉ねぎネット」でシカの食害を防止:群馬)
シカによる「食害」の被害を防ごうと、関東森林管理局は「玉ねぎのネット」を使った対策グッズを開発し、関係者向けの講習会が5日、安中市で開かれました。この講習会は、林野庁の関東森林管理局が開いたものです。5日は、群馬県や市町村をはじめ、森林組合の職員らがスギの苗木が植えられた安中市の臼沢国有林で、玉ねぎネットの設置体験に臨みました。スギやヒノキの苗木や幼木がシカに食べられる被害は県内でも深刻で、シカによる森林被害は全体で約1億2000万円にものぼります。食害による被害を防ぐネットはこれまでも市販されていましたが費用面が課題でした。そこで関東森林管理局では、ホームセンターなどでも手に入る材料を使って新しいネットを開発。玉ねぎを入れるネットを活用することでこれまでより4割ほど安く仕上げることに成功しました。また、ネットを固定する金具も事務用のクリップを使用することで、苗木の生長に合わせて調整することが出来ます。参加者は、設置作業を通して玉ねぎネットの実用化に向けた検討を進めることにしています。

(野生イノシシに免疫を付けるためワクチン入りの餌を地中に埋める:岩手)
5月に岩手県内で初めて養豚施設で豚熱が確認され、県は殺処分などの防疫措置を進めています。養豚施設での豚熱は野生のイノシシが感染源の一つと考えられています。イノシシの豚熱対策や有害駆除の現場を取材しました。雫石町の猟友会の会員で構成する鳥獣被害対策実施隊の久保田功さんです。4日、メンバーで手分けをしてイノシシの出没が多い町内5か所で経口ワクチン入りの餌を散布する豚熱対策を行いました。こちらが豚熱のワクチンが入った餌で、イノシシが好むトウモロコシなどで作られています。この対策は豚熱の感染源の一つとされる野生のイノシシに免疫をつけさせることで養豚場へのウイルスの侵入を防ごうと2年前から県が主体となって行っているものです。鼻を使って地中の餌を探すイノシシの習性に合わせて穴に埋めていきます。久保田さんらは1か所につき穴を10個合計20個のエサを埋めて今後、イノシシが食べたかどうかを定期的に観察します。県では野生のイノシシで豚熱の感染が確認された周辺をメッシュ状に感染確認区域として設定しています。2022年4月に宮城県との県境付近で確認された野生イノシシの豚熱感染はその後、奥羽山脈に沿って北上し2023年からは県北や沿岸部でも確認されるようになりました。雫石町農林課の村上敦美さんは鳥獣被害対策専門員として狩猟や有害駆除の最前線に立って4年目になります。町内では2022年7月、捕獲された野生イノシシから初めて豚熱の感染が確認されました。(村上敦美さん)「いよいよ雫石にも来てしまったかという感じで、緊急で皆さんに集まってもらって、ここからは消毒の徹底を皆さんにお願いしました」。町内での野生イノシシの豚熱感染は今年度、5件に上っています。捕獲したイノシシが豚熱に感染しているケースもあることからウイルスとの接触に神経をとがらせています。捕獲によってイノシシの頭数を適正に保つことと経口ワクチンの散布や消毒の徹底による豚熱のまん延防止。野生動物と人間の暮らしの境界線を守る取り組みが続けられています。

(狩猟、ヒグマ関連本ひとまとめ:北海道)
根室市内の書店リラィアブルブックス根室店(昭和町4)は、狩猟についての書籍を集めた特設コーナーを開設した。急増するヒグマに対応するため、市が5月に初めて開いた新人ハンター入門セミナーが盛況だったことを知り、企画した。

(街中で“クマに遭遇”どうする?パンク町田氏に聞く:広島)
5月下旬、広島県廿日市市ではクマの目撃情報が相次ぎました。この影響で、目撃場所に近い小学校は2日連続で休校となりました。街にはクマの出没を警戒するポスターも貼られていました。さらに、同じ廿日市市の線路では、のんびりと歩くシカの姿もありました。さんざん草を食べたすえに座りこみました。堂々とした立ち振る舞いに記者もびっくりです。また、安佐北区の狩留家では川の中を猛ダッシュで走り抜けるシカの姿も…。クマ・シカ以外にも、去年10月には通学路でもある住宅街で鳴く10匹近いサルの群れも目撃されています。住宅が近い場所でも目撃されるようになった野生動物たち。もし遭遇してしまったらどうすればいいのか。猛獣から昆虫まであらゆる動物の専門家・パンク町田さんに聞きます。本当、動物といえばおなじみのパンクさんですが、以前は珍しい動物などについてパンクさんに教えてもらうという場面がよくありましたが、最近はこういう「街中に動物が…」ということで質問されることも多いんじゃないですか?動物研究家 パンク町田 さん:そうですね。もう、ここ2~3年で急に増えましたね。青山高治 キャスター:住宅街などで動物が目撃されるようになったのはなぜなんでしょうか?パンク町田 さん:まず一番の理由は、今まで2年くらい前までですね、動物たちにとって非常に気候がよく、豊作だったんです。山でも実りがよかったわけです。唐澤恋花 アナウンサー:なるほど。クマでいうと、わたしが住んでいた場所が、群馬県のクマがよく出る地域で、目撃情報とかも毎日のようにシーズンになるとあったんですけど、実際にクマに遭遇してしまった場合は、どうしたらいいんでしょうか?パンク町田 さん:クマの方もわれわれ人間の存在に気づいていないようでしたら、まずは動かずじっとするというのがいいかと思います。唐澤恋花 アナウンサー:じっとするんですね。動かない方がいい?パンク町田 さん:まずは動かない方がいいと思います。もし目が合ってしまったというのであれば、目を離さない方がいいです。それでまだクマがじっと動かないようであれば、目を離さずにバックでゆっくりとクマとの距離を取る、というような対策をとったらいいと思います。青山高治 キャスター:これが近距離といいますか、出会い頭で遭遇してしまった場合は、また違いますか?パンク町田 さん:出会い頭でクマにもし襲われてしまったということであれば、抵抗してください。北海道にいるようなヒグマではなく、ベアであればアメリカなどでは実際に戦った方が、要するに抵抗した方が生存率が高い、というデータもありますので、とりあえず、あきらめずに戦ってください。青山高治 キャスター:なるほどそういったデータもあるということですね。出会い頭でもちょっと本当ぶつかるような出会った場合ということですもんね。パンク町田 さん:そうですね、もうクマに実際に襲われてしまったら…の話です。青山高治 キャスター:「熊よけの鈴」とかはこういったものはどうなんでしょうか?パンク町田 さん:鈴もですね、山の中では有効かもしれません。特に山深いところでは有効かもしれませんが、街のそばに出歩くようなクマは人間の出す音に慣れていますので、鈴の効果はかなり期待できないものになっています。コメンテーター 平尾順平 さん(ひろしまジン大学 代表理事):ぼくは子どもの頃からクマと出会ったら「まずは死んだふり」っていうのが刷り込まれているような気がするんですけども、目が合っていなければ、それも可能かもしれないけど、ひとたび、向こうが認識してしまったら、もう戦った方がいいっていうのが今の常識なんですか?パンク町田 さん:そうですね、海外ではそういう報道というか、そういう注意をしているところがあります。日本ではとりあえず「頭を手で覆って伏せましょう」というようなこともあるんですが、実際にはクマというのは、生きた動物よりは行き倒れのような動物を食べるという、そういう性質を持っていますので、死んだふりというのはよくないかと思いますね。青山高治 キャスター:広島は山もあれば海もあるという県なんですが、今回、その廿日市というところで、いわゆる山ではなく、海側のところまでクマが現れたということで、たいへん、みなさん驚かれたんですが、こういう海側まで来たりとか、クマの行動範囲ってのはどんどん広がっていくものなんでしょうか?パンク町田 さん:クマの分布数が増えると分布域も広がらないとクマも生活していけませんので、これからは、この調子で繁殖が進みますと、今以上に見られるようになるかもしれませんが、これからの気候にそれはかかっているかと思います。青山高治 キャスター:でもこういったクマと遭遇しても抵抗するようになった場合は本当に致し方がない場合ということですもんね。パンク町田 さん:襲われていない限りは、抵抗せずにじっとするなどの処置を取った方がいいと思います。続いて、サルに遭遇した場合はまた違うわけですよね。パンク町田さん:サルというのは棒や枝によく止まったりしているわけですが、どういうわけか動くとすごく怖がるんですよ。ですから棒状のものを持って歩くというのがおすすめです青山高治 キャスター:サルはとにかく棒を怖がるんですか。パンク町田 さん:はい、棒を怖がります。青山高治 キャスター:本当にちょっと持ってる杖であったり、傘であったりとか、携帯の自撮り棒みたいなもので大丈夫なわけですか?パンク町田 さん:そうですね、ステッキであったり、あるいは傘というのはよくですね、実際にサルを追い払うために使われているものですね。それを振り回して、要するにサルを威嚇する感じですね。青山高治 キャスター:シカに遭遇した場合は?パンク町田 さん:案外、シカは人を襲わない動物で、むしろ人との距離をシカの方で取りたいんですよ。ですから常に人間の方には警戒していますので、袋小路か何か行き止まりの所に偶然いて、それで人間が鉢合わせて、その “窮鼠猫を噛む” 状態でシカも思わず突進してくるということはあるかもしれませんが、基本、逃げるところがある限り、人間には突進してこないで、遠くへ行ってシカの方で距離を取ってくれます。青山高治 キャスター:最後にこういった動物の行動にはその背景にそれぞれ意味があると思うんですが、パンクさんは最近、こうやって住宅街にいろんな動物が現れているという状況をどんなふうに感じてらっしゃいますか?パンク町田 さん:これは日本人の今までの努力なんですね、結局。この環境を保全しようということで保全してきました。その結果、緑が豊かになり、それに伴い、昆虫や小さな小動物が増えて、そして次にシカやイノシシなどが増えて、最終的にクマが増える段階にきましたので、人間の要するにわれわれ日本人の環境保全がうまくいった証だと思いますが、ですけど実際には危険であると。要するにある程度ですね、人間の方、ちょっと人工的かもしれませんけど、場合によっては間引いていくような作業とかも必要になってくるかもしれませんね。

(県内クマ目撃急増:栃木)
栃木県内でクマの目撃件数が急増している。例年は6~8月に増える中、本年度は4~5月の目撃件数が前年同期比15件増の34件で、県の統計で確認できる2013年度以降で最多となったことが4日、県への取材で分かった。このうち5月が30件に上り、これまでの最多件数の2倍を超えた。地域別では日光市が半数超の18件で、観光地や住宅などの付近に出没しており、猟友会が警戒を強める。観光客の増加などで目撃機会が増えたことや、クマの行動範囲が広がった可能性があるとみられ、県などは注意を呼びかけている。県自然環境課によると、県内にはツキノワグマが推定600頭ほど生息している。一般的に4~5月に冬眠から目覚め、6~8月に目撃件数が多くなる。今年4月は日光市と鹿沼市で2件ずつ計4件の目撃があった。前年同月より3件少なく平年並みだった。しかし5月は中旬以降に目撃が相次ぎ、前年同月比18件増の30件に上った。13~23年の5月の目撃件数は平均7・5件。これまで16年と20年の13件が最多だったが、例年の2倍超の目撃が寄せられた。5月の市町別では日光市16件、那須塩原市8件、那須町と足利市が2件ずつと続いた。那須塩原市塩原では民家、那須町高久乙では道の駅付近、日光市足尾町ではグループホーム敷地内など、人里にも出没した。同課によると、餌となるドングリの結実は23年度、良好だった。担当者は「本来なら目撃が少ないはず」としつつ、「人目が増えたほか、親離れをした子グマが好奇心で人里に出た可能性がある」と分析する。出没が相次ぐ日光市では県猟友会日光支部のメンバーがわなを仕掛けており、4日もクマを引き寄せる餌を補充して警戒を強めた。全国では人的被害も出ている。群馬県安中市では5月末、住宅にクマが入り、2人が重傷を負った。秋田県にかほ市では6月1日、温泉施設近くで男性が襲われけがをした。県の担当者は「登山やハイキングで山に入る際は、クマと出会わない対策をしてほしい。万が一遭遇したら刺激せずに静かに離れて」と呼びかけている。環境省によると、出没情報は全国でも4月から増加傾向になっている。

(50m離れた草むらにクマ:山梨)
4日午後、山梨県忍野村の駐車場付近でクマが目撃されました。警察によりますと4日午後6時30分ごろ、忍野村忍草の駐車場で車に乗った人が約50m離れた草むらにクマがいるのを見つけました。クマは体長が約1mで、草むらから更に奥の雑木林に向かって行ったということです。クマが現れた現場は観光地の忍野八海の1つ、出口池入口交差点から南東約500mのところでした。警察はパトカーで付近を警戒すると共に忍野村役場に教育委員会への情報提供と地元猟友会への連絡、それに防災無線での注意喚起を依頼しました。

(犬の散歩中、住宅街近くでクマ2頭目撃:宮城)
警察によると、3日午後7時50分頃、宮城県名取市愛島台7丁目の市道でクマ2頭の目撃情報があった。目撃したのは犬の散歩をしていた人で、クマの体長は2頭とも約1m、山がある北の方に道路を横切っていったという。目撃場所周辺には工場が立ち並び、数百メートル先は住宅密集地となっている。2日午後2時頃には名取市愛島笠島の県道39号線上でも目撃情報が寄せられていた。警察が注意を呼び掛けている。

(クマ出没の情報:秋田)
クマ出没の情報です。県警察本部によりますと、4日午後4時時点のまとめでは、日中のクマの目撃情報はないということです。クマの目撃件数が例年にないペースで増えているとして、県はツキノワグマ出没警報を出して、被害を防ぐ対策を心がけるよう呼びかけています。具体的には、鉢合わせを避けるため、やぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し、人の存在をアピールするよう呼びかけています。去年、集落の食べ物を食べ、そのまま居ついたクマがいると考えられるとして、クマが入らないよう車庫や物置の扉をふだんから閉めておくことや、生ゴミや米ぬか、家畜の餌などを屋外に放置しないことなどを呼びかけています。また、山での被害を避けるため、入山禁止の山に入らないこと、単独行動を避け、ゴミを必ず持ち帰ることを呼びかけています。

(公民館のほど近く、道路を横断するクマ:山形)
山形県上山市で、道路を横断するクマ1頭が目撃され、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと、4日の午前10時半ごろ、上山市楢下で、道路を横断するクマ1頭が目撃されました。クマは体長およそ1メートルで、北の方向に立ち去ったということです。人や物への被害は確認されていません。目撃されたのは楢下公民館から北におよそ400メートルの場所で、警察がパトカーを出動させ現場付近の警戒を行うとともに、地区住民に注意を呼びかけています。

(道路を横断するクマ1頭を目撃:山形)
3日山形県米沢市の道路上でクマ1頭が目撃され、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと、きのう午後6時半ごろ米沢市万世町梓山で、道路を横断するクマ1頭を車で走行中の女性が目撃しました。

(クマの目撃相次ぐ:栃木)
2024年6月1日、栃木県日光市にある観光名所のひとつ、「竜頭の滝」のすぐ近くにある駐車場で林の中を動くクマが撮影されました。多くの人が訪れる、人気観光地に出没したクマ。奥日光では クマの目撃情報が相次いでいて、5月は7件、6月もすでに4件の情報が寄せられています。専門家は、この時期特有のクマの習性が関係していると指摘します。酪農学園大学 佐藤喜和教授:「繁殖の季節でして、クマの社会全体がやや不安定な状態にあると思います。特にオスの成獣が広い範囲を動き回っていますし、それに応じて特に子連れの雌グマなんかは、そうした雄グマを避けるような行動を取ったりします」。茂みの奥に見え隠れしているのは、子グマ。場所は、観光名所の「中禅寺湖」から、直線距離で約6kmの場所。国の指定史跡になっている神社のすぐ近くです。日光市内での相次ぐクマの目撃を受け、警察は注意を呼びかけています。広島の寺院でも墓地を“闊歩する”クマの姿が…5月28日の早朝の5時半頃、広島県廿日市市にある寺にもクマが出没していました。本堂の裏手を進んでいくクマ。別のカメラが捉えていたのは、寺の境内から堂々と墓地に入っていく姿です。律義にも、きちんと入り口を通っています。地図で見ると最寄りの駅から直線で約200m。周辺には住宅や飲食店なども多い場所です。墓地に入ったクマは、墓の間をわが物顔で“闊歩”していきます。まさにニアミス。危機一髪の状況でした。しかし、人の気配に気付いたのでしょうか。クマは、そそくさと画面の奥の方に走って行き、塀を乗り越えて去って行きました。寺や墓が荒らされるなどの被害はなかったといいますが、境内には、大きな足跡がくっきりと残されていました。酪農学園大学 佐藤喜和教授:周辺でクマの目撃情報があるかないか事前に自治体のホームページを調べるとか、そういったこともひとつは大事かなというふうに思います。

(クマと車が衝突:島根)
5日午後7時55分ごろ、松江市宍道町佐々布の国道54号で、島根県東部に住む40代男性の軽自動車とクマが衝突した。クマはそのまま逃げており、松江署が注意を呼びかけている。男性にけがはなかった。現場は市立宍道小学校の約100メートル西の路上。車は雲南市方面に走っており、道路を横切ったクマとぶつかったという。衝突の30分ほど前に、同校から北西約200メートルの路上で体長1~1・2メートルのクマを目撃したとの通報があったことから、松江署は同一個体とみて通学路を中心に警戒する。

(市街地に出没のクマ、すでに山へ移動か:広島)
先月末、広島県廿日市市の市街地で目撃されたクマについて、市は、山へ移動した可能性が高いとして、パトロールなどの対応を終了することを発表しました。5月28日から29日にかけて広島県廿日市市ではクマの目撃情報が相次ぎましたが、30日以降、目撃情報がありませんでした。市によりますと、目撃情報があった場所に近い佐方小学校の裏山を調査していましたが、クマを発見できませんでした。5日には、市内を流れる川の上流部で新しい足跡が見つかったということです。このため、市はクマは山側へ移動したとみて、7日に実施するパトロールをもって対応を終了することにしました。

(親子か?クマ3頭出没:山形)
山形県鶴岡市の民家の敷地に5日、親子とみられる3頭のクマが出没しました。人や物に被害はありませんでしたが、警察は近隣住民に注意を呼び掛けています。午後0時半ごろ、鶴岡市山五十川の民家の敷地内に3頭のクマが出ました。クマは1頭が体長およそ1.5メートル、2頭が70センチほどで目撃した住民によりますと親子に見えたということです。3頭は民家の敷地内にある小屋の裏にしばらく居座り、子グマとみられる1頭はウメの木に登っていました。敷地内では当時、工事が行われていて、作業員が重機を動かすと音に警戒したのか3頭は民家裏の茂みの中に走り去ったということです。人や物への被害はありませんでした。クマが出たのは山のふもとにある住宅地で、住民によりますと数年前にも敷地内の田んぼにクマが出没したということです。警察はパトカーを出動させ、現場周辺の警戒と近隣住民への注意を呼びかけています。県によりますと県内のクマの目撃件数は6月2日までに80件。このうちのおよそ3割の28件は市街地で目撃されています。県はクマ出没注意報を発表しクマが行動する早朝や夜間の外出は特に注意することなどを呼びかけています。

(クマか…警察に目撃情報:山口)
6日未明、山口市秋穂東の市道で、クマ1頭がいるのを、車で通りがかった人が見つけ、警察に通報しました。山口南警察署によりますと、6日午前4時40分ころ、山口市秋穂東の市道で、体長約1mのクマ1頭がいるのを、車で通りがかった人が見つけ、警察に通報しました。目撃されたのは、屋戸公民館から南に約500mの道路上で、車で通りがかった人は、クマを約5mくらい離れた距離で目撃したと話しているということです。警察はパトカーによる付近の警戒を行い、注意を呼び掛けています。

(クマ目撃、付近小学校では集団下校:秋田)
5日朝、秋田市の御所野地区と桜台地区の住宅地周辺でそれぞれクマが目撃された。警察が付近をパトロールしたほか、現場近くの御所野小と桜小では児童が集団下校した。けが人はいなかった。 午前8時40分ごろには、桜台1丁目の市道に体長1メートルのクマがいるのを車で通りがかった50代女性が目撃。桜小学校まで約100メートルと近く、桜小は屋外での学習を中止し、午後2時15分から学年ごとに集団下校を実施した。職員や保護者らが通学路を一緒に歩き、児童の下校を見届けた。

(県内でクマの目撃相次ぐ:山形)
山形県内では5日、クマの目撃が相次ぎ、このうち鶴岡市では民家の敷地を横切る3頭のクマが目撃されました。人や物に被害はありませんでしたが、警察で近隣住民に注意を呼びかけています。午後0時半ごろ、鶴岡市山五十川で自宅の敷地内を横切る3頭のクマを住人の40代男性が発見しました。クマは1頭が体長およそ1.5メートル、2頭が70センチメートルほどのあわせて3頭で、自宅北側の山に向かって走り去りました。人や物への被害はありませんでした。警察は鶴岡市役所に連絡するとともにパトカーを出動させ、現場周辺の警戒と近隣住民への注意を呼びかけています。また午後0時半ごろ、川西町玉庭では自宅の軒下にいる体長およそ1メートルのクマ1頭を住人の60代女性が発見しました。クマは自宅の南西側にある山の中へと入って行き、人や物への被害はありませんでした。

(路上に体長1.2mほどのクマ1頭:新潟)
新潟県阿賀町で体長1.2mほどのクマ1頭が目撃されました。その2時間後には、およそ500m離れた温泉施設でも目撃情報があり、警察や阿賀町役場が注意を呼び掛けています。クマが目撃されたのは阿賀町広谷で、警察によりますと5日午後0時40分ごろ、車で走行中の運転手から「路上でクマを目撃した。クマは山の方に入っていった」などと警察に通報がありました。クマは体長およそ1.2mでだったということです。その後、午後2時40分すぎに500mほど離れた温泉施設で、利用客が敷地内から山へ向かうクマ1頭を目撃したということです。阿賀町では5月31日に50代男性がクマに襲われけがをする被害が発生して、警察は阿賀町役場と連携し付近をパトロールするなどして、注意を呼び掛けています。

(JRの駅からクマ目撃!)
JRの駅から5日に目撃されたのは川岸を歩くクマの姿。初夏のこの時期、ある理由からクマの行動範囲が広がり、特に警戒が必要です。川岸を歩くツキノワグマ。午後1時ごろ、福島県で撮影されました。JR只見線の会津川口駅から川の対岸にいるクマを目撃。近くには集落もあります。青森県では朝、住宅街にあるコミュニティセンターの近くでクマと思われる足跡が見つかりました。北海道では体長約2メートルの巨大なヒグマが木に「背こすり」する姿が。枝を揺らしながらダンスをするような動きを見せています。撮影されたのは住宅街からも近い北海道大学の苫小牧研究林です。元々は野生動物が生息する場所ですが、短い期間にヒグマが何回も映っていたため大学では当面の間、一部区域を除いて立ち入り申請の受付を停止しました。別の場所では車の先を猛スピードで走るヒグマが…。4日後の先月15日、同じ場所で今度は親子のヒグマに遭遇。自宅近くに設置しているカメラには巨大なヒグマの姿も。木に付けた目印のラインは2メートル。ヒグマが立ち上がり背こすりすると、そのラインを超えています。ヒグマによる人への被害が起きています。北海道雨竜町で3日、51歳の男性職員がヒグマに襲われてけがをしました。襲ってくるヒグマに素手で抵抗した男性。緊迫の一部始終を上司が語りました。体長1メートルを超えるヒグマが突然、やぶから現れ、逃げる男性を追い掛けたといいます。馬乗りになるような格好でもみ合いに。男性は素手で抵抗しますが、左肩や背中にけがをして病院で治療を受けました。この時期は特にクマへの警戒が必要な訳が…。酪農学園大学 佐藤喜和教授「今の季節は繁殖期。オスグマも広く動き回るし、そのオスグマを避けるように親子のクマや若いクマが安心して過ごせる場所を求めて歩き回る。その結果、人目に付きやすい場所に出てくる。近距離で出会うと人身事故に至る可能性もある」。

(害獣の鹿をホルモン焼きに:宮城)
宮城県女川町の洋食レストラン「りぼん」が、有害駆除された鹿のホルモン焼きを販売している。町内産の水産物が不漁に苦しむ中、新たな食材に目を向けようと店主の山田隆大さん(33)が開発した。「女川には山もある」。牡鹿半島を中心に、増加する害獣の鹿を活用したジビエ普及を目指す。5月から冷凍で販売する「三陸鹿ホルモン焼き」はネギ塩ダレのタン(1500円)、しょうゆベースのタレに漬けたフワ(肺)とレバー(いずれも700円)の3種類。事前に食べやすい大きさに切って自家製タレで味付けしており、解凍して3~5分フライパンで焼くだけで出来上がる。開店10周年を記念して発売した。肉は、県猟友会河北支部が駆除した鹿を食肉加工する石巻市の「丸信ワイルドミート」から仕入れる。ハンター歴3年目の山田さんも同支部に所属している。かねてジビエに関心があった山田さんは、近年の海洋環境の変化でサンマやホヤなど町内産水産物の不漁に危機感を持った。「町は海のイメージが強いが、山にも囲まれている。ジビエで地域に新しい風を吹き込みたい」と2019年、鹿肉を使ったハンバーグをメニューに加えた。間もなく新型コロナウイルス禍で休店。空いた時間を使って21年7月、狩猟免許を取得した。新型コロナの5類移行で通常営業となり、鹿肉のローストビーフやボロネーゼなどジビエ料理のメニューを増やした。山田さんは「これまでの捕獲頭数は30頭ほど。腕前はまだまだだが、狩猟期間中は自分で捕獲した鹿を使った料理を提供している」と語る。県内のシカによる農作物被害は高止まりしており、12年度以降、毎年1000万円を超えている。22年度の被害額は2047万円。生息域は牡鹿半島から内陸部に広がっている。今後は町内飲食店への卸売りも行い、駆除された鹿肉の消費拡大と特産化を目指す。山田さんは「鹿肉は低カロリーで高タンパク、鉄分も豊富。意外と癖がなく食べやすい。ジビエの奥深さを知ってもらい、地域の目玉食材になればうれしい」と話す。

(ヤマドリの味に魅せられ、食肉販売の夢見て移住:茨城)
「食材探検家」を自称する茨城県日立市の豊永裕美さん(31)は、初めて食べたヤマドリに感動し、食肉用に販売する夢を追いかけている。ヤマドリは狩猟数が制限されており、繊細な性格で繁殖も難しく、国内でも極めて珍しい挑戦だ。県の地域おこし協力隊になった4月に千葉県から移住。2年後の販売を見据え、同市で繁殖に長年携わる木村良彦さん(79)の下で繁殖や飼育のノウハウを学んでいる。ヤマドリを初めて食べたのは4年前。観賞用に飼育されていた個体を知人から譲り受け、自ら調理した。当時、東京で昆虫食レストランの食材調達を担当し、いろんな食材を食べ歩くのが趣味だった。「もも肉が特においしくて、独特の香ばしい香りが印象的だった。これだけおいしいのに食べた人はほとんどおらず、これは面白いと思った」と振り返る。猟友会の依頼で放鳥用に育てている木村さんをインターネットで知り、1年半前から月に数回、木村さんの作業場に通うようになった。通いながら教わることに限界を感じつつも、収入面の不安もあり、先行きに悩んでいたころ、県が地域おこし協力隊を募集していることを知った。隊員には年間で最大200万円の活動費と、毎月約26万円の報償費が支給される。「新たな県産品として唯一無二のブランドをつくりたい」とアピールして隊員に選ばれ、日立市への移住を決断した。高齢化や担い手不足により、ヤマドリの繁殖に携わる業者は国内でも少ないという。この道約50年の木村さんは「何度も失敗を重ねながら独学で技術を培ってきた。誰かに伝えたいと思っていたので、うれしかった」と、後継者が現れたことを喜ぶ。豊永さんは木村さんの作業場に毎日通い、午前8時ごろから夕方まで、餌やりや飼育場の見回り、卵の採取などを手伝う日々を送っている。繁殖数を大幅に増やして有精卵の一部を食肉用に育て、2年後には販売を始める計画という。旧知の飲食店経営者たちから販売を心待ちにする声は届いている。しかし、市場が確立されているわけでもなく、どこまで販路が広がるかは未知数だ。親鳥1羽で1万円を超える売値を想定しており、「飼料や飼育環境を工夫して、自然に近い味わいをいかに出せるか課題。確かに高価だけど、売れないとは思っていない」と力を込める。地域おこし協力隊の任期は最長で3年間。任期が終わった後も日立市に根を張り、活動を続けるつもりだ。生産者と交流しながら、全国の珍しい食材を食べて楽しむグループ「亀は亀」の代表も務める豊永さん。かつてヤマドリを初めて食べたときに味わったワクワク感や感動を、多くの人と共有したいと思っている。

(エゾシカ革、コラボ製品人気:北海道)
エゾシカの革製品の普及に取り組む「LEATHERECTION」(レザレクション)と、アウトドアブランド「ROKUBO」(ロクボー、いずれも北見)が連携した製品が人気だ。7月に初の大型バッグを商品化する。道内では2022年度に約14万頭のシカが駆除され、その大半が廃棄される現状があり、資源としての利活用を広げたい考えだ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日、仙台市泉区福岡大沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、5日午後6時ごろ、南三陸町歌津草木沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後9時10分ごろ、仙台市泉区実沢半田原東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、4日午後4時ごろ、丸森町筆甫北山南でクマが出没したような痕跡が見つかりました。


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(「散弾銃が暴発した」60代女性の肩に当たる:北海道)
北海道北広島市の住宅で散弾銃が暴発する事故があり、60代の女性が左肩にけがをして病院に搬送されました。命に別条はありません。北広島市三島の住宅で午前10時すぎ、「散弾銃が暴発した」と消防に通報がありました。警察によりますと、札幌市白石区の61歳の男性が別荘の納屋で散弾銃を触っていたところ暴発し、近くにいた60代の妻に弾が当たったということです。妻は左肩から出血し病院に搬送されました。命に別条はありません。男性は狩猟目的で散弾銃を所持していましたが、近いうちに手放す予定だったということです。警察が銃刀法違反などの疑いを視野に捜査しています。

(クマに襲われる、74歳男性が顔面:長野)
2日夕方、長野県箕輪町で男性がクマに襲われ、けがをしました。2日午後4時半頃、箕輪町中箕輪の農道で、74歳の男性がクマに襲われ、顔面、太ももに擦過傷を負いました。爪で引っかかれたとみられます。男性は1人で散歩中で、クマは茂みの中から飛び出してきたということです。男性は近くの知人の家に寄り、その知人宅から110番通報があり、男性は帰宅してから119番通報をしたということです。クマは体長1mほどで、警察が付近を捜索しましたが、発見に至らず、付近の住民に注意を呼び掛けています。

(温泉施設近くの林でクマに襲われ男性けが:秋田)
1日午後3時50分ごろ、秋田県にかほ市金浦にある温泉施設「はまなす」の裏の林で、パート従業員の男性(50)がクマに右腕を引っかかれ軽傷を負った。クマは林の奥へ逃げた。温泉施設付近には商業施設や民家などがあるため、県警は周辺に警戒を呼びかけている。由利本荘署によると、男性は1人で温泉の水抜き作業をしていて、振り向いたところを襲われた。クマは1頭で体長約60センチ。当時温泉施設内には利用客がいたが、現場の林は客が立ち入らない場所だという。施設によると、当面は露天風呂の利用を中止し、屋内の温泉に限って営業する方針。

(道職員がクマに襲われる:北海道)
北海道の雨竜町で森林調査のため山に入っていた振興局の職員がクマに襲われました。命に別状はないということです。午後3時すぎ、雨竜町役場から警察に「振興局職員がクマに襲われた」と通報がありました。役場によりますと職員5人で森林調査のため山に入り作業をしていたところ、50代の男性職員が出血した状態で山から降りてきました。男性は襲われた際に持っていたカマを振り回して抵抗しましたが、クマに左肩を噛まれ左胸にかけて出血していたということです。会話は可能で命に別状は無く、男性は近くの病院に搬送されました。役場の職員やハンターらで周囲を警戒し、今後、ハコわなも設置する予定だということです。

(そのとき同僚がクマに襲われた:北海道)
北海道・空知の雨竜町の山林で2024年6月3日、道職員の男性がクマに襲われけがをしました。男性の上司がクマに遭遇した当時の緊迫の状況を語りました。3日に道職員の50代の男性がクマに襲われた雨竜町の現場周辺では、4日朝から役場の職員とハンターが警戒を続けていました。午後には役場の職員や警察が警戒する中、新たに箱わなが設置されました。男性から当時の様子を聞いた上司によると、男性を襲ったクマは1メートルから1.5メートルほどだったといいます。(空知振興局 産業振興部 門田和久林務課長)「ガザガサガサという音がしたので、後続の職員が来たんだと思ったら、突然クマが出てきて襲われた。抵抗した結果、クマが斜面を駆け下りるようにして逃げて行った。クマ鈴をつけてナタとかクマスプレーを携帯して行きましたが、本人曰くクマスプレーを使う暇もなく襲われた。傷は、噛まれたか爪を刺されたかのような傷があるのと、背中がひっかき傷みたいな」。空知振興局はこの事故を受けて、クマ鈴の携帯やクマの痕跡を見つけたら引き返すなど、ヒグマに出会わないための基本的な対策を徹底するよう職員に周知しました。雨竜町は箱わなの設置のほか、付近に看板を立てて注意喚起するとともに、5日以降もハンターによる巡回など警戒を続けるとしています。

(発砲したら暴れた熊、手をかまれた塩尻市職員が語った一部始終:長野)
塩尻市宗賀床尾の山林で1日、くくりわなにかかった熊に襲われて左手を5針縫うけがをした同市耕地林務課職員の20代男性が3日、信濃毎日新聞の取材に応じ、当時の状況を語った。わなにかかったまま人と遭遇し、猟銃の発砲音を聞いた熊は「パニック状態のようだった」という。

(狩猟ノウハウ伝承へ、体験ツアーで担い手発掘:静岡)
農作物に被害をもたらすイノシシやシカなどの鳥獣駆除に貢献している静岡県猟友会の会員の高齢化が進み、狩猟ノウハウの伝承が課題になっている。2024年2月末時点で同会に所属する3195人のうち、70歳以上が46%、60歳以上で63%を占める。アウトドアレジャーやジビエ人気が高まる中、担い手確保と発掘を目指す同会などが初心者講習会や体験ツアーに力を入れている。  5月に静岡市葵区北沼上で静岡猟友会わな部会が開いた「狩猟体験ツアー」には社会人や大学生など幅広い年代の23人が集まった。県立農林環境専門職大(磐田市)3年の古賀星(あかり)さん(20)は大学の授業の一環でわな猟の免許を取得したが実践の機会がなく、同級生4人と参加した。同免許を学生時代に取得した静岡市葵区の会社員鷲山楓さん(25)は「山に入って経験を積みたいが一人では難しい」と話し、仲間作りにもつながるツアー企画を喜んだ。教育の観点から職場の同僚と参加したのは静岡サレジオ中高(同市清水区)の吉川牧人教諭(50)。害獣駆除の意義を学び、学校現場への還元を図る。同部会の坂田勝幸さん(52)が講師を務め、参加者に獣道の見分け方やくくりわなの製作、イノシシの解体方法などを丁寧に指導した。坂田さんは「まずはレジャーの一環として狩猟を楽しんでもらい、狩猟免許取得に興味を持ってもらえたら」と期待する。藤枝市から高校生の息子と参加した寺岡真さん(49)は「狩猟やジビエには敷居の高さを感じていた。分かりやすく教えてもらえたので、将来は親子で免許取得を目指したい」と話した。県猟友会でも2020年から、猟期に新人ハンター向けの研修会を開催している。同会の杉山厚吉事務局長は「職人気質が漂うベテランと若手が交流する大切な機会」と説明した上で、「今後は猟師の長年の経験を伝える指導者の育成も必要」と指摘する。

(上空から「ワンワン」と音声、植物食い荒らすシカを追い払うのは「ドローン」:)
滋賀県米原市は、伊吹山の貴重な植生を食い荒らすニホンジカをドローンで追い払う取り組みを本年度から始めた。このほど山頂付近で作業を行い、一定の成果を収めた。山頂付近の「お花畑」には高山植物など貴重な植生が広がり、市は、シカが侵入しないよう積雪期以外は防護柵で囲っているが、一定数が入り込むという。これまでは職員らが追いかけるなどして追い払っていたが、省力化の観点からドローンを導入した。伊吹山ドライブウェイの開通を控えた4月中旬には、2機を使って作業した。シカが嫌がる犬の鳴き声を上空のドローンから出して追い払う仕組み。山頂付近で操縦する職員がドローンを近づけて鳴き声を出すと、斜面にいたシカ2頭が走って逃げる様子が確認された。今後もシカを発見すれば、観光客がいない早朝などに作業するとしている。

(小中学生のクマ対策に鈴を貸与:秋田)
相次ぐクマの目撃を受け、秋田市は30日、市の各部局の幹部を集めた連絡会議を開き、市内の小中学生約1万9000人全員にクマよけの鈴を貸与するなどの対策をまとめた。会議ではこのほか、学校敷地内にクマが侵入した場合に備え、市立の小中学校など計62校に撃退用のスプレーを2本ずつ配布することも報告された。市教育委員会学事課によると、鈴の貸与、スプレーの配布は6月の開始を目指す。産業振興部からは、人工知能(AI)でクマを判別する、通信機能付きの自動撮影カメラを新たに5台購入するとの説明があった。目撃情報があった地域に設置し、迅速な対応につなげるという。また、鹿角市で遭難者を捜索中の警察官がクマに襲われた事故を受け、秋田市消防本部は、山岳での捜索活動の際は爆竹や電子ホーンなどを鳴らすことを徹底するなど対策を見直したことを報告した。会議後、報道陣の取材に応じた穂積志市長は「クマはいつどこに出るか分からない。県や市が発信している情報にアクセスし、行動してほしい」と呼びかけた。市農地森林整備課によると、市内では今年度、5月28日時点で65件のクマの目撃情報が寄せられ、12基の箱わなを設置して、6頭を捕獲したという。

(生活圏にイノシシ増加で連絡体制強化:群馬)
イノシシなどの野生動物が市民の生活圏で相次いで目撃されているとして、群馬県渋川市は3日、児童らの登下校時の安全確保のため庁内の連絡体制を強化したと発表した。市教育委員会の連絡系統を活用し、保護者に迅速に情報を伝える。伝達の遅れが人身被害につながらないよう運用を改めた。市によると、イノシシの目撃は昨年度までの3年は年間11、12件で推移していた。本年度は3日時点で既に11件に達している。特に最近は午前6、7時台にJR渋川駅の近くや住宅が多く立ち並ぶ市街地で連続して目撃されている。野生動物の目撃や注意喚起の情報は、市のメールやLINE(ライン)で広く伝えている。小中学校に関係する場所で目撃された場合、これまで環境森林課から直接、各学校に連絡を入れていた。ただ、早朝のため学校側と連絡が取れない例があったことから、連絡体制に市教委を追加。市教委と学校、保護者が一体となった連絡系統を使うことで、時間帯を問わず素早く一報を伝えられるようにする。先月末には安中市内で民家に入ったクマに高齢夫婦が襲われる被害も起きたため、市は野生動物による人身被害の防止策として連絡体制を見直した。人身被害を防ぐために市は、①野生動物の目撃情報の頻発時は外出を避ける②遭遇時は刺激せず、落ち着いて安全な場所に移る③自宅や畑に餌となる生ごみや農作物を放置しない―などの対策を呼びかけている。

(ヒグマのメス捕獲数、地域ごとに設定方針:北海道)
北海道の人里近くでヒグマの出没が相次ぐ中、「道ヒグマ保護管理検討会」(座長=佐藤喜和・酪農学園大教授)の2024年度第1回会合が3日、札幌市内で開かれ、メスの捕獲数を地域ごとに設定する方針が示された。道は、ヒグマと人とのあつれきを減らし、緊張感ある共存関係を構築する必要があるとして、メスの捕獲数の目安を提示。年間で渡島半島地域は約120頭、積丹・恵庭地域と天塩・増毛地域は約30頭、日高・夕張地域は約165頭をメスの捕獲数とした。一方で、推定生息数が減少か横ばいとみられる道東・宗谷(西部)地域は年120頭、同(東部)地域は年55頭を当面の捕獲上限数とした。会合では、捕獲後の個体群への影響を調べる実態把握を迅速に行いつつ、管理のあり方を適時調整していく必要性も強調された。ただ、土台となる22年度の推定生息数は6300頭~2万1300頭で、上限と下限に3倍以上の開きがある。「捕獲数」とされた数字もハンターによる狩猟捕獲の実績が含まれていない場合があり、データ不足の課題も明らかになった。

(ヒグマ捕獲目標、年間雌520頭:北海道)
道は3日、ヒグマの捕獲目標を全道で年間で雌520頭に設定する方針を明らかにした。ヒグマの生息状況に合わせて分けた6地域で、それぞれ年間30~165頭を目安とする。道はこれまでヒグマの捕獲上限数を設定してきたが、具体的な捕獲目標を示したのは初めて。今後、捕獲の進め方などを検討し、来年度から取り組むことを目指す。

(クマ出没情報をインターネット上で公開へ:新潟)
先月、阿賀町で50代の男性がクマに襲われけがをするなどクマの出没が増えるなか、県は今年度、出没情報を地図に落とし込んでインターネット上で公開するなど被害対策を進める方針を示しました。県内では、昨年度、クマの人身被害は9件10人にのぼったほか、ことしも先月31日、阿賀町で50代の男性がクマに襲われけがをしたことから、県は「クマ出没警戒注意報」を発表し注意を呼びかけています。こうしたなか県は4日、鳥獣対策本部会議を開き、クマの被害対策について話し合いました。このなかで、昨年度の取り組みとして、クマなどの捕獲に有効なライフル銃の射撃場がなかったことから、ことし3月に新潟市西蒲区に新たに射撃場を整備したことなどを説明しました。そのうえで今年度、やぶを刈り取ってクマとの緩衝地帯を整備するほか、麻酔銃の技術習得を支援するとともに、AIカメラなどでとらえたクマの出没状況などのデータを地図に落とし込み、インターネット上で公開するということです。また、国がことし4月にクマを「指定管理鳥獣」に指定したことについては、秋ごろに支援策が示される見通しだということも報告されました。県鳥獣被害対策支援センターの渡部浩所長は「人身被害や農作物の被害がないように対策を講じていきたい。これからの出没の状況などを見ながら、必要な注意喚起を図っていきたい」と話していました。

(イノシシ急増、歯止めを:埼玉)
茨城、栃木、埼玉、群馬の4県にまたがる渡良瀬遊水地でイノシシが急増し、4県で構成する渡良瀬遊水地連携捕獲協議会は4月、今年度の広域捕獲の目標頭数を現行20頭の5倍増となる100頭に引き上げることを決めた。遊水地をかかえる栃木市など4市2町による有害駆除を含め年間400頭の捕獲を見込み、急増に歯止めをかけたい考えだ。同協議会は2022年4月、遊水地でのイノシシ、ニホンジカの生息実態の把握や市町では難しい県境域の広域捕獲などを目的に4県が設立した。ドローンによる生息調査では、イノシシの確認数は19年度の205頭から3年後の22年度には488頭に倍増。さらに昨年度は834頭に増えた。年間20頭を捕獲目標に掲げ、22年度20頭、23年度は28頭と実績は残したが、旺盛な繁殖力には追いついていない状況だ。

(クマ出没警戒注意報が発表されました:新潟)
今年度初めてのクマによる人身被害が阿賀町で発生したことから、新潟県は「クマ出没警戒注意報」を発表し、5月31日から2か月間を「クマ出没警戒強化期間」として注意喚起しています。山登りや農作業等で入山する場合、人里と比べてクマに遭遇する危険性が高くなりますので、鈴など音の出る物を必ず携帯してください。クマ鈴は、市役所や各コミュニティセンターなどで販売しております。

(「見ると幸せになる」と言われる「白い鹿」がこんなに増殖していた:北海道)
北海道道北の日本海側・オロロンラインには多くのエゾシカが暮らしています。エゾシカの群れを観察していると、極稀に白い鹿に出会うことがあります。鹿は、鹿島神宮、春日大社の祭神とされるタケミカヅチが白い鹿に乗っていたという言い伝えから、神の使いとされていて、稀少な鹿なので、「見ると幸せになる」とも言われています。現れると、テレビのニュース番組に取り上げられるほどです。オロロンラインに住んでいて年中撮影しているボクでもめったに出会うことはなくて、いたとしても大きな群れの中に1頭だけでした。撮影に成功した写真は写真集に載せてもらったほどです。ところが今年は、何頭もいたんです!この春、まず最初に出会ったのは、大きな角を持った雄の白い鹿でした。それから約2ヵ月間、エゾシカの群れを探し、個体識別をして白い鹿を数えました。母白鹿とかわいらしい子白鹿の親子、まだ角が短い若い雄の白鹿、他にも数頭……。合計8頭以上の白い鹿を観察しました。目が赤くはなく黒いので、アルビノではなく白化個体なのですが、おそらく大きな角を持った雄鹿の子や親戚たちかもしれません。体の白さが遺伝して、その個体たちがこれほどたくさん生存しているとは驚きです。そのうち30頭くらいの白い鹿の群れが現れるのではないかとドキドキしています。そんな光景に出会ったら、夢の中なのか現実世界なのか混乱しそうです。白い鹿に出会うと幸せになると言われていますが、なにはともあれ、鹿たち自身が幸せに暮らしてほしいと願っています。

(相次ぐクマ被害どうする!?、“保護”か“駆除”かで揺れる対応:島根)
全国的にクマによる人的被害が相次ぐ中、2024年4月に「指定管理鳥獣」に追加され、国を挙げての対策が進められようとしている。一方で、これまで保護にも重点を置いてきたのが島根県だ。「駆除」か「保護」か…分岐点を迎えているクマ対策の現状と課題を取材した。取材班は、島根県中部に位置する邑南町で、クマに襲われ大けがをした男性を訪ねた。当時の状況を語った松島弘文さん(79)は、2023年6月に自宅の近くで農作業をしていたところ、裏山から現れたクマに襲われ、その際に顔を爪で引っかかれ左目を失う大けがをした。全国で出没が相次ぐ「クマ」。2023年度の1年間にクマに襲われてケガをした人の数は219人。死者は6人にのぼり、統計のある2006年度以降では過去最悪となっている。こうした中、国は4月に「ヒグマ」と「ツキノワグマ」を「指定管理鳥獣」に新たに指定。二ホンジカやイノシシと同様に捕獲や生態調査を国が支援することになった。2023年度もクマに襲われ、3人がけがをした島根県。実は、全国的にみても保護を進めてきた地域だ。島根県鳥獣対策室・原健雄室長:西中国山地ということで、広島県、山口県と一緒になるが、そこのクマは、絶滅しそうになっていたというのが過去あり、国が狩猟禁止区域にしている。島根・広島・山口の3県に生息するツキノワグマは、他の生息域から独立した「西中国地域」で生きる個体群だ。環境省のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされ、この地域では1994年から「狩猟禁止」が続いている。特に島根県の場合、人里から離れた山の中でイノシシ用のわなに誤ってかかるなどして捕獲されたクマは、原則として山へ返す「放獣」をしていて、クマの放獣数は全国で2番目の多さとなっている。3県が行った直近の合同調査では、西中国地域の生息数は1307頭と過去最多を記録したことが分かった。調査手法が変わっているため単純比較は難しいものの、生息域が拡大し、個体数が増加していると見られている。一方で、島根県東部の安来市広瀬町などの人里近くに出没するクマの対応に苦慮するケースもある。2022年に畑の近くに設置した「イノシシ用」のわなに誤ってクマが入るケースなどが発生している。クマが入っていたわなは、とても人の力では広げられない硬さだ。中には、わなにかかったクマの対応にあたった人たちが、けがをするケースも問題となっている。島根県猟友会・細田信男会長:住民に被害が出たりすると、やはり保護のあり方も考えないといけない。人間とクマが、「住み分け」ができるような施策も一緒に導入しないと意味がないのではと思う。こうした中、国や県が進めてきたのが「ゾーニング」という考え方。人里から離れたクマの「保護地域」と、人間の活動を優先する「排除地域」、その間となる「緩衝地域」。これらを明確に分けて動物と人間の住み分けを図ろうとしている。しかし、簡単に実現できるものではなく、クマと人が暮らすエリアの線引きは年々曖昧になりつつあるという。「出会った瞬間、『あ、もう死んだな』って」とクマに遭遇した当時の思いを話したのは島根・浜田市に住む宮本優さん。2023年11月に新聞配達の仕事中にクマに遭遇した。持っていた新聞紙で追い払い、九死に一生を得た。その後、捕獲されたものの、恐怖心は残っているという。宮本さんが襲われた場所の近くに捕獲用の檻(おり)が設置されると、約2週間で2頭もクマが捕獲されたからだ。クマを引き寄せたとされるのが、「柿の実」だ。かつては実が収穫されていたが、柿などの果樹が放置されてしまうケースが増えていて、これが害獣のエサになってしまっている。島根県は、優先度が高い地域から撤去費用を負担し伐採しているものの、2023年度の事業費は約100万円で、対応できたのはわずか5件だった。専門家は、ツキノワグマの指定管理鳥獣への追加で、国が人里へ寄せ付けないための対策を支援する必要があると指摘する。東京農工大学大学院・小池伸介教授:現実としてクマの生息地と隣り合っているような集落は、本当に高齢化して、力も限られているわけです。その集落に対策をしてくださいと言ってもできないわけです。そういう環境整備、誘因物の除去など公費を使ってやっていく制度にするのが望ましい。「保護」するのか、それとも実際に人的被害が増えているから「駆除」するのかが、難しい課題となっている。こうした中、広島県ではこれまでにない新しい手法で、クマの出没を予想しようという動きもある。広島大学大学院の西堀教授が着目したのは、空気中に漂うクマのDNAの採取だ。広島大学大学院・西堀正英教授:「環境DNA」という空気中に含まれる、または空気中に舞っている動物・植物由来のDNAを集めて、その中にツキノワグマのDNAがあれば、その辺りにクマが生息している、または存在していることが予測できるのでは。広島県内の動物園で、空気中のクマのDNAを採取すると、ツキノワグマが飼育されている建物の前、そして75メートル、150メートル、300メートルと離れるにつれて、空気中のDNAの量が減っていくことがわかったという。これにより、クマのいる場所を把握でき、出没情報を知らせるマップなどへの応用も期待されている。実用化できれば国内で初となるが、まだ時間がかかるという。ここまで決定的な有効打となるクマの対策は出ていないが、こうした新しい技術と地道な対策で、クマと人間の住み分けを進めていくことが、何よりも重要だと言える。指定管理鳥獣への指定で、国が今後示す支援内容が地域の実情に即したものになるのか、注目しなければならない。

(実録・クマ立てこもり事件:京都)
東北地方を中心にツキノワグマによる人身被害が過去15年で最多になり、クマが指定管理鳥獣に追加されるなど、クマ関係の話題が記憶に新しい昨今。京都府北部の福知山市で獣害対策専門の公務員として働くモチヅキは、「クマの被害は決して他人事ではありません! 福知山でもいつクマに遭遇してもおかしくないので、自分事として考えてください」と事あるごとに口にしてきました。そんな中、クマがレストラン倉庫へ侵入する事件がついに福知山で発生。「クマの立てこもり」として報道ヘリコプターで生中継されるなど大きな注目を浴びました。今回は、事件の裏で市の職員がどんなことをしていたのか?といったお話をさせていただきます。補足:クマ的には迷い込んだら外にたくさん人が押し寄せて逃げるに逃げられなくなった…という状況だったと思いますが、本記事ではわかりやすく「立てこもり」としています。その電話が鳴ったのは、2024年4月18日の午後1時40分過ぎ。午後2時から始まる市長定例記者会見を直前に控え、そわそわした気持ちでいたモチヅキの目の前で、外線電話がいつもより大きく鳴ったように聞こえたのは気のせいではなかったかもしれません。「福知山警察署の〇〇です」「夜久野町日置のはっかく亭にクマが立てこもっているとの事です。現在は警察官が入り口をバリケードして閉じ込めています。市からも現場に急行できますか?」。ある程度身構えていたつもりでしたが、私の心の準備を遥かに上回る内容でした。今回の記事は、はっかく亭さん、警察署など関係者の許可をいただいて公開しています。自分や関係者の記憶・記録を元に、実際のやりとりや状況をなるべく正確に書き残そうと試みました。電話を切った時、意外なほど冷静な自分がいました。「土日(特にGWなどの連休)」と、「職員が外出していて人手の少ない日」を狙いすましたかのように突如としてやってくるのが「クマ対応あるある」だからです。目の前に迫る市長定例記者会見。一方、クマ対応でも現場に急行する職員と市役所で関係部署との情報共有を図る職員が必要…という状況の中、とりあえず先遣部隊として職員1人がクマ対策のシールドやクマ除けスプレー、爆竹等をもって現場に急行。外出中の職員を急遽市役所に呼び戻し、私と課長は記者会見を終えてから現場に向かうという流れになりました。現場はどうなっているのか? 人身被害が出ないだろうか?頭の中を不安な気持ちが占めながらも、市長定例記者会見ではずっと水面下で準備してきた福知山公立大学とのICT機器を活用した獣害対策での連携を無事発表。記者会見が終わった瞬間、それはもう逃げるようなスピードで会場を抜け出し、作業服に着替えて現場に急行しました。我々が現場に到着した際にはすでに何台もパトカーが止まっていて、京都府職員、警察官、福知山市役所夜久野支所の職員等々、皆緊張感を帯びた顔つきで、物々しい雰囲気が漂っていました。報道で出ているとおり、結果から言えばクマは自力で倉庫内から脱出し、山に帰っていました。今回のクマ立てこもりは発生から解散まで21時間かかりました。これを長いとみるか、短いとみるかは評価の分かれるところかと思いますが、現場の人間からするとあっという間の出来事に感じました。現場の対応策のカードが尽き、このままクマが何らかのアクションを起こすまで様子を見るという長期戦になるかもしれない…という重苦しい雰囲気に包まれた時間帯もありました。以下、再び時系列に戻ります。店舗の従業員さんの中には、クマが立てこもっていた倉庫に家の鍵などが入った鞄などの私物を置いていて、解決するまで自宅に帰ることができない方もいました。このまま立てこもりが長引けばお店の営業にも大きな影響が出てしまう状況で、安全の確保を最優先としながらも、一刻も早い事態の解決を図る必要がありました。明確な解決方法が見えない中、膠着状態を抜け出すためにどのような次の一手を打つべきか…悩ましい時間が続きます。現場にいる我々が最も重視していたポイントは「倉庫内にまだクマがいるかどうか?」という点。お店の従業員さんが中にクマを閉じ込めたというお話と、その後に現場に駆けつけた警察官が倉庫の中で物音を聞いたという証言から、クマは一時期確実に倉庫の中にいたことは間違いのない事実。その後、既に抜け出したのか? まだ中に潜んでいるのか?仮に中にクマがいた場合、迂闊に近づいて不用意に窓から覗いたら、驚いたクマが顔を目掛けて突進してくるかもしれません…そうなったら大怪我は免れないため、中にクマがいるという想定で慎重な行動が求められます。定期的に窓から内部を覗いて目視で確認する、外から壁を叩いて大きな音を鳴らす…といったことを繰り返しても、中から反応はありませんでした。次の手段として、中で爆竹を鳴らして反応を確かめるということを行いました。合計4回、倉庫内で爆竹を鳴らしました。爆音と、光、火薬の臭い。嗅覚や聴覚が優れているクマが中に潜んでいたら、たまらずに何らかのアクションを起こすであろう…と期待していましたが、爆竹を投入しても全く反応がなく空振りに終わりました。既に日も傾き、安全に作業できるタイムリミット(=日没)が近づいてきます。窓を開放してクマが自由に外に出られる状態を作り、倉庫の内側と外側にそれぞれ赤外線センサーを3台設置し、夜間に映る動物がいるかどうか確認するための準備作業をして、1日目は作業終了。夜間にクマが外へ出てくる様子が映っていたら、自然に山に帰ってくれたということで一件落着だったのですが…残念ながらカメラには何の映像も映っておらず、事件は2日目に突入しました。2日目は、モチヅキは所用で現場に行けませんでした。現場にいた職員への聞き取りなどをもとに、レポートします。個人的な感想としては、仮に中にクマがいれば、4回の爆竹に無反応でなおかつ、倉庫内に仕掛けた赤外線センサーカメラにも一度も反応がない(映らない)のはあり得ないのでは…とも思いつつ、それでも中にクマがいる可能性はゼロではありません。最後の手段として「サーマルカメラ」と呼ばれる熱を感知して温度分布を可視化するカメラ(撮影対象の表面温度が高い部分は赤く、低い部分は青く表示されるサーモグラフィーを表示可能)で内部の様子を見てみることに。倉庫内は物が多く、死角もたくさんあり、薄暗いため目視での確認はできなくても、熱を持った生き物がいればサーモカメラであれば可視化できるはず!…ということで、専門機関に中を見てもらうも熱を持ったものは映らず…。この時点で中にクマがいる可能性は限りなく低いだろう…ということを現場で共有しましたが、最終的にそれを確かめるには中に入るしかありません。まさにシュレディンガーの猫ならぬシュレディンガーの熊。扉を開けて確かめるまで中にクマがいる可能性といない可能性は両方存在していたのです。2日かけて、あらゆる手を尽くして、中にクマがいる可能性が限りなくゼロに近い…ということは確かめたうえでのことですが、最終的には扉を開けて自分の目で見なければなりません…その恐ろしさはいかばかりか、想像するだけで震えます。倉庫の中にはクマの足跡など間違いなくそこにクマがいたという痕跡が多数残されていました。通報後に現場に参集した人は誰もクマが脱出する姿を目視していません。クマは事件発生直後のバタバタした状況の中で、自力で倉庫内から脱出していたと思われます。警察が規制線を張っている間も、行政が取材対応をしている間も、爆竹を鳴らしている間も、赤外線カメラを設置している間も、すでに倉庫にクマはおらず、もぬけの殻だった可能性が高いです。客観的に見たら何十人もの大人が2日間に渡ってクマの幻影に踊らされた訳ですが、「中に籠城している可能性」がゼロでない限り、最悪のケースに備えるのは当然の事なので、今回の対応は決して間違っていなかったと考えています。お店の従業員の方も、現場に参集した関係者もだれも怪我することなく、一連の対応を終えることができたのは不幸中の幸いだと思います。室内でクマに遭遇するという状況をモチヅキは経験したことがないので、どうすればよいか…?というアドバイスは難しいのですが、○大きな声を出したり、クマに背を向けて走って逃げるなどのクマを刺激する行為はしない○クマとの間に障害物を置いた状態で移動し、別の安全な部屋に移動して助けを求める(110番通報する)。といった今回従業員の方がされた対応をとるのが最善手かと思います。(部屋の形状や状況によっても対応は異なるので一概に言えませんが…)。ちなみに…モチヅキは調査などではっかく亭さんの前を通ることが多いのですが、営業時間になるといつもぎっしり車が停まっています。店長さんに伺ったところ、クマが立てこもった後も、連日たくさんのお客さんが足を運ばれているそうです!地元の方に愛される活気のあるレストランだからこそ、クマも気になって立ち寄ってしまったのかもしれません。長くなってしまいましたが、獣害対策を専門とする公務員の目線からの事件レポートはこの辺りで終わります。後編では、クマの目線も取り入れながら全国で多発するクマ被害の背景を深掘りし、どうすればクマと共生できるかを探ります。

(競輪レーサーと野生のクマ、どちらが速い?)
クマとの遭遇は競輪界でも話題になります。競輪選手たちは街道練習をしたり、過酷な自然環境のなかを走ったり、ときにはレース後にキャンプを楽しんだりすることもあるからです。この記事では、選手たちの体験を通じて、クマに遭遇したときの対処策について考えてみます。環境省が5月9日に公表した「クマ類による人身被害について」速報値によれば、2023年度のクマによる人身被害は全国で219人に達し、死者は6人にのぼりました。統計のある2006年度以降で最悪の数字です。北海道を代表する競輪レーサーの大森慶一選手(42歳=88期)も、かつて練習中にクマと遭遇した体験を持つ一人。この出来事を知る競輪評論家の加藤慎平氏は、次のように伝えています。「降雪地帯という土地柄、レーサー(レースで使用する自転車)に乗っての練習が制限されるため、それを逆手に取った練習法を編み出している。時には野生のクマに出会い、命からがら逃げ出したこともある」(加藤慎平コラム「筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪」netkeirin2021年12月2日)。大森選手は地元が雪深い地域ということもあり、独特のトレーニング方法を実施しています。雪山でのマウンテンバイク走行や、起伏の激しいコースでの脚力とバランスの鍛錬などです。この厳しい自然環境で、クマと遭遇し、追いかけられた経験も。こうしたハードな練習や苦労の甲斐あって、大森選手は現在もG1戦などグレードの高いレースで活躍しています。北海道では23年度に、2人がクマの被害で亡くなっています。近年、北海道でクマが多数目撃されるようになったのは、1989年度の春グマ駆除の廃止により個体数が増え、分布が広がったため。さらに、森林業者や狩猟者が減ったことも影響。クマの警戒心が薄れていると言われています(クマ類保護及び管理に関する検討会『クマ類による被害防止に向けた対策方針』2024年2月8日、p.4)。愛知県を代表するグランプリレーサーの金子貴志選手(48歳・愛知=75期)も、かつてクマの出没情報で気になる経験をしました。金子選手はキャンプ愛好家。レースでは毎日緊張しますが、大自然のなかでリラックスでき、心身がリフレッシュされます。次のレースに向けたトレーニングに集中するためにも、大切な時間なのです。しかし、自然には危険も潜んでいます。同じ中部地区の神田龍選手(34歳・三重=105期)と一緒に、富山県のキャンプ場を訪れたときのことです。「“熊が出没した”というニュースが報道されたりしますが、このキャンプ場周辺でも冬眠前の熊の目撃情報があるそうです。(中略)神田選手は夕暮れまで時間を忘れているかのように、薪割りに夢中になっていました。熊のことは気になっていたようですが(笑)」(金子貴志コラム「不屈の男・金子貴志の奮闘記」netkeirin2021年12月27日)。金子選手たちはキャンプ場をきれいに利用し、無事にこの日を終えました。自然のなかで伸び伸びとした時間を過ごすためには、クマなどの野生動物に対する注意も欠かせません。キャンプ場でクマに遭遇しないためには、どのような点に注意したらよいのでしょうか。たとえば、東京都環境局のウェブサイトでは「被害を防ぐために」として、以下のような点を挙げています。・テントに食べ物のにおいが残るため、テント内での食事は避ける・食べ物は密閉容器に入れ、可能であればテント外(車など)に保管・使った食器類は、置きっぱなしにせず洗って片付ける・生ごみは密閉袋に入れて持ち帰るか、クマ対策をしたゴミ箱に捨てる。また、お菓子ひとつでもテント内に置かないことや、調理した服で眠らず、寝る前に清潔な衣類に着替えることなども、安全なキャンプを楽しむために大切のようです。競輪選手は競輪場で自転車を使い、時速60~70キロで走ります。一方ヒグマは、自然環境や野生動物を保護する知床財団のウェブサイトによれば、時速60キロで走るとあります。単純に数字だけ比較すれば競輪選手の方が速そうですが、クマと遭遇するのは競輪場ではなく、山道などです。道のコンディションや転倒のリスクなどを考慮すると、すべての競輪選手が大森選手のように逃げ切れる保証はありません。実際に出会ったときの対処法については、環境省自然環境局の『クマ類の出没対応マニュアル-改定版-』などが参考になります。遭遇するのは人の生活圏など、山林に限りません。クマが遠くにいる場合は、冷静に静かにその場を離れるのが基本です。ほとんどの場合、クマは人の気配を感じると逃げたり隠れたりしますが、クマが気づいていない場合は、物音などで存在を知らせ、慎重にその場を離れましょう。急な大声や動きはクマを驚かせるため避けます。クマが近づいてくる場合、威嚇的な行動を見せることがあります。この場合も、冷静にクマとの距離を取り、クマが立ち去るのを待つのが賢明です。背を向けて逃げると追いかけられる可能性が高まるので、ゆっくり後ろ向きに退きましょう。クマが攻撃するリスクは高まります。攻撃を回避する完全な対処方法はありません。攻撃された場合、顔や頭を両腕で覆い、直ちにうつ伏せになるなどで、致命的なダメージを最小限にとどめることが重要です。ツキノワグマの場合、一度攻撃した後、すぐに逃げることが多いとされています。クマ撃退スプレーを持っている場合は、攻撃を回避できる可能性が高まります。クマに捕まって実際に攻撃されたら、反撃の手段はないのでしょうか? 危機管理のスペシャリストらによれば、「実際に襲われたら、どんな手を使ってもいいので反撃しましょう。目や鼻先を狙うのが効果的です」(ジョシュア・ペイビン、デビット・ボーゲニクト著『もしもワニに襲われたら』文響社、2023年)とあり、全く希望がないわけではなさそうです。クマに遭遇したときの対策を考えることは、練習中の競輪選手だけでなく一般市民にとっても重要です。最も重要なのは、クマと出会わないこと。適切な対策を講じることで、クマとの共存を目指したいものです。

(私にも出来るヒグマ対策!:北海道)
“クマの市街地への出没を減らすために私たち市民にもできることがある”と聞いて、その活動に参加してきました。向かった先は、札幌市南区北ノ沢の住宅。敷地にあるサクランボやクリなどを伐採するボランティア活動の現場です。現場に到着すると、総勢20人のメンバーが作業の準備中。ボランティア活動の呼びかけ人でフットパスの専門家の小川巌さんをリーダーに、チェーンソーの使い手など、そうそうたるメンバーだけでなく、「クマの足跡をよく見るので貢献したい」と話す地元の人もいて、どうやら私でも役立ちそうです。なぜ果樹を伐採するのがクマ対策なのか? 手入れされないままになっていると、実った果実がヒグマを引き寄せる原因になってしまうのです。果樹のなかでも注意が必要なのが“サクランボ”。春から夏に向かうこの時期、クマたちが食べていた山の草がかたくなっていき、食べ物が乏しくなっていきます。秋のドングリやヤマブドウがなるまでにはまだ当分かかりそう…。そんな時期に、誰も面倒を見ていないサクランボの木に、赤くて甘い実がなっているのを見つけてしまったら、恰好の餌場になってしまいます。そこで、サクランボが実をつける前のこの時期に切り倒して、ヒグマを引き寄せる原因を取り除いてしまおうというのです。今回、果樹を伐採する現場では、去年のいまごろ、敷地にあるサクランボの近くに親子のクマが出没していました。幸い、けが人などはいませんでした。その時、自宅の窓からヒグマの様子を目撃した女性はー「この場所に住んで50年になるが、初めてクマを見て怖かった。作業に人手が必要なので、ボランティアは助かります」。敷地内にサクランボやクリなど、実のなる木を数10本植えて、家族で楽しんできたということですが、歳を重ねるにつれてあまり利用しなくなり、伐採を依頼することになりました。樹木の伐採は素人ではなかなかできません。そこで、普段からチェーンソーを使い慣れている専門家の出番。直径20センチほどもあるサクランボの木を、一気に切り倒します。ここからは、私たち、”一般”ボランティアの出番です。切り倒された木の枝を、ノコギリを使ってどんどん小分けにしています。実はこの作業が、意外に手間がかかる工程で、力はそれほど必要ありませんが、枝を細かく切っていくのには、人手と(ちょっと)根気が必要です。このほかにも大事な作業があります。それは、ヤブの刈り払い。クマはヤブの中に身を隠しながら移動します。なので、そうしたヤブを取り除いて見通しをよくすることが、出没を抑えることにもつながります。休憩を取りながら4時間の作業で、住宅の敷地内は、見通しがきくようになりました。ヒグマを引き寄せてしまう放棄果樹の問題は、手入れが行き届かない果樹があるけれど高齢化で伐採する人手がない、私有財産なので行政が伐採するわけにもいかないという、悩ましい状況にありました。この事態を解決できるのがボランティアの存在です。2020年からこの放棄果樹の伐採ボランティアをしてきた小川巌さんは「市民ができるクマ対策もあると思います。全部役所任せにするのでは無く、市民参加でやるきっかけになればとはじめました。続けてきたところはクマがあまり出てこなくなったという声もよく聞きます。これは1つの成果だと思います」。札幌市によると、こうしたヒグマ対策のボランティア活動は、市内の各所に広がっているとのこと。身近な場所で市民ができるヒグマ対策、ぜひ探してみてください。

(GI登録の伊吹そば原種、シカ食害で金属柵設置へ:滋賀)
伊吹山(滋賀県米原市)付近で古くから栽培されてきた希少な在来種そば「伊吹そば」の原種が、シカの食害で収穫量が減少している。伊吹そば生産組合は畑の周囲に電気柵を設けたが効果がなく、今夏の栽培を前に、より強固な金属柵を設置することを決め、クラウドファンディング(CF)で支援を募っている。伊吹そばの特徴は、主に直径4・5ミリ以下の小粒▽そば粉や麺にした時の見た目が、殻のすぐ内側にある甘皮由来の淡い緑色になる▽甘皮特有のそばの香りが強く出る、など。原種とは、伊吹そばの栽培用の種子を作るために必要な種のこと。冷涼で、寒暖差が大きい伊吹山のふもとは昔から上質なそばの産地だった。俳人・松尾芭蕉の弟子で、彦根藩士の森川許六が編纂(へんさん)した文献では「伊吹蕎麦(そば)。天下にかくれなければ」と記されており、江戸時代から品質の良さは全国に知られていたという。高度成長期以降、生産農家は激減したが、1995年に復活を願う生産者が滋賀県と協力し、伊吹そばの原種の増殖を開始。2019年には、地域で長年育まれてきた地域特性のある産品の名称をブランドとして国が守る「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。登録されるとGIマークにより、他産品との差別化が可能となり、名称やブランド価値が保護される。県内では「近江牛」に次いで2例目だった。伊吹そばの原種は他品種との交雑を避けるため、周囲を山に囲まれた米原市最北部に位置する甲津原(こうづはら)地区の畑約4ヘクタールで栽培している。この原種をもとに市内の約50ヘクタールで、7団体、9個人が伊吹そばを生産。米原、彦根市内のそば店6店が商品として提供している。しかし、5、6年ほど前から、8月下旬にそばの新芽が出始めた頃や、10月下旬のそばの実の収穫直前の時期にシカの食害が目立つようになった。天候不順や食害がなければ原種の収穫は通常、約1・8トンが見込めるが、昨年は半減した。畑の周囲約2キロに電気柵(高さ1・6メートル)を設置したが、シカは慣れてくると、夜間に電気柵の隙間から進入したり、柵を飛び越えたりするようになった。昨年、一部の畑の周囲600メートルに金属製の柵(高さ約2メートル)を設置したところ、進入を防ぐことができた。このため、今年は8月の種まきまでに、すべての畑の周囲を金属柵に付け替える。設置費約400万円のうち半額は米原市が補助。残り半分を生産組合が負担する。うち50万円について6月21日まで、CFで協力を募っている。QRコードからCFのサイトにアクセスできる。リターンは伊吹そばの乾麺を用意している。伊吹そば生産組合の山﨑茂組合長は「長い歴史を持つ伊吹そばを後世に残していきたい。GIの登録後、伊吹そばをメインに提供する店も出てきた。ブランド化し、地域経済の発展につながるように、皆様のご協力をお願いできれば」と話している。

(人を襲うクマも出没するなかで、登山者がいますぐにできるクマ対策についてまとめた:山本 聡)
春も終わり、冬眠から目覚めたクマたちの活動が活発になっている。今年もクマの出没のニュースが頻繁に報道されているのはみなさんもご存知のとおりだ。本格的な登山シーズンを迎え、私たち登山者ができる、準備すべきクマ対策について、専門家からのアドバイスを参考にまとめた。さて、そもそも山でクマに「遭遇する」とはどういう状態をいうのか。専門家の東京農工大学グローバルイノベーション研究院特任助教・稲垣亜希乃さんは、「おおよそ50m以内のクマとの予期せぬ接近」を遭遇と考えるとのことだ。この基準に照らして、最初に私(筆者)の遭遇体験を書いてみたい。7年前の8月の終わり、私は会社の仲間総勢8人でJR青梅線の終電に乗ってJR奥多摩駅に立った。奥多摩駅から深夜の登山道を鋸山まで駆け上がり、大岳山~御岳神社~金毘羅尾根~五日市会館という、ハセツネ後半のルートを「予行演習」で走ろうと計画を立てた。頭部や胸に複数のヘッドライトを付け、鋸山から大岳山の、おおよそ標高1150m付近の尾根道を駆け上がっていたときのこと。先頭をゆく私の鼻が獣臭を感じてあれ?と思った次の瞬間、登山道の右手のヤブからガサガサと大きな音がして、低い唸り声が闇のなかで突然響き渡った。その唸り声はこれ以上近づくなと警告するように続き、私はとっさにクマだと直感して後続のメンバーに告げ、行動を停止してストックを叩き、ありったけの声を上げてこちらの存在を示したところ、ヤブのなかで大きな物体がガサゴソとその場を立ち去る様子が感じられ、事なきを得た。移動速度が早いトレランで、クマとの距離を知らず知らず詰めていたのだろう。さらにこのときは見通しの効かない暗闇であったこと、そしておそらく私たちが風下から急速に近づいていったことから、互いに気がつくタイミングが遅れたのだと思われる。こちらは多勢で、かつライトをいくつも点灯して音を立てたため、運よくクマと思しき野生動物は立ち去ってくれたようだった。仮に単独や2人程度の人数で鉢合わせとなった場合、興奮したクマに襲撃されていた可能性も否定できない状況だったかもしれない。このほかにも、7月の尾瀬で、アヤメ平から鳩待峠へと緩やかに降りる稜線の木道を100mほど先行していた女性の登山者2人が、クマがいると慌てて戻ってきたことがあった。また同じ尾瀬で、5月のGW明けに御池から燧裏林道を歩いているときに出会ったレンジャーの女性は熊スプレーを腰に下げていた。昨日この付近でクマを見かけたので、いざというとき有効な熊スプレーを携帯してくださいねと私に注意喚起してくれた。このように、たまに山を歩く私でもクマとの遭遇体験があり、同じようにヒヤッとした体験をもつ読者も多いと思う。首都圏の奥多摩や丹沢のような比較的都市部から近い低山にもクマは活動しており、こうしたエリアでも予期せずクマと遭遇した経験をもつ登山者がいる。日帰り登山だから安心とは限らない。東京農工大学の稲垣亜希乃さんはクマと人間の生活圏が接近している現在の危うさについてこう話す。「全国的に(四国を除く)クマの生息域が拡大し、個体数が増えていることが明らかになっています。拡大した生息域のほとんどは里山地域です。里山は山菜採りやキノコ狩りだけでなく、散歩やハイキングでも人がよく立ち入ります。つまり今、クマと人の生活場所が近づき、重なってきているのです。これまでクマはいないとされていた低山や人里近くの山でも、登山中のクマとの遭遇リスクが増えると予想しています。そして、日常的に人の生活圏の近くで生活し、人の存在を恐れないクマがいる場合は、人身事故のリスクはより高まってしまうと考えています」。私たちは山でクマだけには会いたくないと願って歩いている。しかし、東京農工大学の稲垣さんのように野生動物の調査研究でむしろ出会いを求めて山中を歩く人もいる。稲垣さんの実体験では、これまで登山道でクマに遭遇(約50m以内)したことは一度もなく、研究調査目的で入った道なき山中では10回以上、クマに遭遇してきたとのことだ。そんな稲垣さんにこれまでのさまざまな遭遇体験のなかから登山者にも教訓となりそうな事例を3つ上げていただいた。①栃木県の山中で(状況)登山道ではない尾根道を上っていた。急な傾斜が緩やかになり、平らな尾根に上りきった30mほど先にツキノワグマが木の根元にいることに気がついた。クマは落ちたどんぐりを夢中になって食べており、人に気づいていなかった。クマスプレーを構えながら声を出したところ、クマはゆっくり歩いて去って行った。(教訓)傾斜の急な尾根上(や沢中など)では前方が遠くまで見えないため、積極的に音出しなどの存在アピールを心がけ、クマに人の存在を知らせる。②北海道の林道で(状況)北海道の林道で車を走らせていたところ、40m前方から親子のヒグマが飛び出してきて、こちらを見つめてきた。車を停め、クラクションを鳴らしたところ、親グマは興奮していたものの、子グマとともに茂みの中に去って行った。(教訓)車の中にいる場合は、絶対に車外には出ない。クラクションはある程度クマに有効である。③栃木県の山中で(状況)車道から30mほど離れた林内で10分ほど作業をしていた。頭上からガサガサと音がしてふと顔を上げると、20mほど先の木の上からツキノワグマが下りてきて(落ちてきて)、森の奥に逃げていった。(教訓)①ツキノワグマは地面にいるとは限らず、木の上にいることもある。とくに人の存在を感知した時にとっさに木の上に登ったものの、人が去らない場合は急に動く場合がある。②道路が近いからといってクマがいないわけではない。クマとの事故を防ぐには、予期せず山でクマに遭わないように事前に手を尽くすことが大切だ。しかし、万が一にもクマに遭遇した場合は冷静な対応が求められることは間違いない。しかし、野生動物との遭遇に慣れている一部の人たちをのぞき、いざというときに登山者が冷静に対応できるのか。それはその場になってみないとわからないことだ。それでも、クマに遭遇したときの対応方法を頭で理解し、山に入るまでに準備できること、用意できることはしておきたい。もしも登山中にクマを見かけたとき(まだある程度の距離が保たれている場合)の対応について稲垣さんはこうアドバイスする。「大きな声を出さず、落ち着いてクマの状態(こちらに気がついているのか、何をしているのか〈移動しているのか、立ち止まっているのか〉、自分自身の進行方向にクマがいるのか)を観察する。自身の安全を確保しつつ、クマを刺激しない最善を考え、行動する。急に叫び声を上げたり、クマに近づいたり、写真や動画を撮ったりする行為はクマを刺激するため行なわない」。山と溪谷社から『山でクマに会う方法 これだけは知っておきたいクマの常識(ヤマケイ文庫)』を出版したNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦さんが、NHKラジオ「石丸謙二郎の山カフェ」(2019年5月放送)で語った『クマに遭うこと3000回、私はこうして助かってきた』(「読むらじる。」に掲載)は、米田さんの究極の対処法の数々を知ることができる。クマとの修羅場をさらっと語ってしまう米田さんの冷静さ、大胆さと度胸に驚くばかりだ。この機会にぜひご一読いただきたいと思う。山と溪谷オンラインで『山のいきものたち』を連載するフリーナチュラリストの昆野安彦さんは、24年3月に寄稿した連載記事『北アルプス・上高地の最近のクマ事情。ツキノワグマはどこにいるのか。そして、私のクマ対策と、とくに気をつけていること』の最後を、次の言葉で結んでいる。「最近、YouTubeなどの動画サイトで、山の中で実際にクマに襲われた方の映像を見ることができるが、これらを見ると、クマがその気になったら、どんな対策をしていても完全に防ぎきるのは難しいように思う。このため、上高地でのクマ対策は出会いがしらに遭遇しないなど、クマとの接近をできるだけ回避することが基本になるだろう。今回の記事が、上高地を歩く方々への参考になれば幸いである」。「予期せずクマに遭わないこと」が最大の備えであるとする昆野安彦さんの言葉は、山を歩くすべての登山者への教えである。北アルプスの稜線に立つ山小屋のブログを見ていると、クマが出没したという話題をときどき読んだりする。クマの生息域は日本アルプスの高山から都市部の低山、里山まで拡大しているとされ、私たちが登山の対象とする山の多くもクマの活動域であることを認識しておこう。入山するさいはそのエリアを管轄する行政のウェブサイトや環境省のビジターセンターが発信するクマの出没情報をよく確認して、クマの出没情報があれば計画を見直すことも必要だ。また、クマの出没が想定されるエリアに入山する際は、以下の準備と備えをしておきたい。・行政や各地のビジターセンターが発信するクマの出没情報を確認し、頻繁に出没している山域への入山は回避する・単独行動はしない。また、早朝や夕方の人気の少ない時間帯での行動はとくに注意する・よく音の鳴るクマ鈴とホイッスルは必ず携行し、なるべく登山中は音で自分の存在を知らせるようにする・クマ撃退スプレーを携行する・テント場でキャンプをする際は食料や生ゴミを外に置いたり放置したりせず、密閉した袋に入れておく。東京農工大学の稲垣さんはこの対策のなかでも、とくに入山前の情報確認を念入りに行なうべきだと言う。また、クマ撃退スプレーの携行を勧めつつ次のようにアドバイスをする。「クマ撃退スプレーは適切に使用できるように、説明書や動画で使い方を学んだり、練習用スプレーで練習をしておくことが大切です。意味のない使い方をしてお守りにしかなっていない人をたまに見かけます」。北アルプスの上高地や北海道の大雪山系でのクマの出没情報を本サイトに寄稿する昆野安彦さんは、「上高地に行く前はもちろん、いるときも、クマ目撃情報をチェックし、危なそうな場所を回避している。クマが出そうな場所ではクマ鈴とホイッスルを携帯している。クマ撃退スプレーは大雪山で使うので持っているが、上高地ではまだ携帯したことがない。また、上高地ですれ違う登山者やハイカーで、持っている人を見かけたこともほとんどない。クマ撃退スプレーは腰に下げればさほど邪魔にならないので、今後のクマの出没状況によっては、上高地でも携帯してみようと思っている」と山と溪谷オンラインの記事のなかで自身のクマ対策をアドバイスとして書いている。この記事の一番下に、クマに関するウェブメディアの読みもの、統計、出没情報、クマ対策グッズなど、登山者のみなさんに役立つ「クマ」に関するウェブサイトの一部リストを並べてみたので参考に読んでほしい。重ねて書くが、クマが頻繁に出没するエリアの行政は必ずクマの出没情報をウェブサイトで発信している。登山計画時はキーワード検索でさまざまな角度から情報を得て、慎重に計画を立てるようにしよう。人間とクマとが軋轢を起こすことなく、日本の美しい自然環境のなかでお互いに共存できる未来であってほしいと願うばかりだ。

(イノシシとシカ、庄原市で捕獲数が最多:広島)
田畑や森林を荒らす有害鳥獣として捕獲されたイノシシとシカが2023年度、広島県庄原市内でともに過去最多となった。シカは、三次、安芸高田市でも同年度の捕獲数が最多を記録し、生息域が北部の庄原へと拡大している実態がうかがえる。

(「イノブタ」か、農道に14頭:沖縄)
国指定屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さんが5月27日、東村内の農道で野鳥の調査をしていたところ、イノシシのような、14頭の動物の集団と遭遇した。11頭の子どもに、3頭の親が連れ添っていた。渡久地さんは、子どもの体の模様などから、ブタと野生のイノシシが交雑したイノブタとみられ、野生で生息している可能性があると指摘した。11頭の子どものうち、3頭はイノシシの子どものような模様があったが、残りは黒っぽかったという。親は乳房が張っていたことから、子育て時期だとみられる。渡久地さんは「交雑が進むと、本来の種の維持、存続にも影響してくると思う。農業被害も危惧される」と懸念を示した。

(イノシシ少ない?捕獲激減、豚熱拡大影響か:高知)
「今年はうり坊の姿を見ない」「タケノコがイノシシに掘り返されていない」―。高知県中部から東部にかけての里山で、猟師や農家からそんな声が上がっている。春から初夏にかけて出産シーズンを迎えている県内のイノシシに何が起きているのか。「昨年ごろから捕まえた中に何頭か明らかに健康でない個体がいた」。安芸市のミカン農家で、有害鳥獣駆除にもあたる長野博光さん(73)が振り返る。

(事務所にクマか、ガラス割れ荒らされる:栃木)
3日午前7時50分ごろ、栃木県日光市若杉町の会社事務所に出勤した従業員が「ガラス扉が割れている。クマかもしれない」と県警日光署へ通報した。署によると、事務所内は荒らされ、近くにクマとみられる肉球の跡や毛が残されていた。クマが侵入したとみて、周辺に注意を呼びかけている。ガラス扉は高さ約2メートル、横約70センチで、下の部分が割れていた。発見時、事務所に人はいなかった。現場はJR日光駅から南約450メートル。

(クマの目撃情報、警察官が立ち去る姿を確認:宮城)
クマの目撃情報があったのは宮城県大崎市鹿島台で、2日午後6時すぎ、「窓越しにクマがウロウロしている」と住人から交番に通報があった。警察が現場に駆け付けた時、ちょうどクマが立ち去っていくところを確認したという。ケガ人や農作物の被害などは確認されていない。警察は行政と連携しながら、住人に警戒を呼びかけている。

(路上を横切るクマ、運転手が目撃:宮城)
クマの目撃情報があったのは、宮城県名取市愛島笠島の県道39号線上。警察によると2日午後2時頃、車の運転手が路上を横切るクマを目撃し、名取市役所に連絡をした。クマは西から東の方向に向かい、北東方向の森の中へ入ったという。また、クマの体長は約1mで、ケガ人や農作物などへの被害は確認されていない。この付近では2日前にもクマが目撃されていて、警察はマイクを使って注意を呼びかけたり、学校の登校時間に見回りを行う対策をとることとしている。

(イノシシの群れ、米ぬかが食べ荒らされる:青森)
南部町の果樹園にイノシシの大群が出没しました。設置したカメラには群れが何かを食い荒らす姿が2日連続で写っていて関係者が警戒を強めています。林の中を駆け回るイノシシの群れ…。子どもでしょうか小さいイノシシもあとから次々と現れます。近くの園地に設置したカメラを確認するとイノシシが何かを食べています。映像は南部町虎渡地区の果樹園で、きのうまでの2日間で3回撮影されました。イノシシたちは何を狙っていたのか…ビニールをかぶせて保管していた堆肥の元になるものでした。園主の親戚でコメづくりをしている農家が堆肥を作るため持ち込んだ米ぬかが食べ尽くされていました。周辺の園地でイノシシの群れを目撃していた佐々木さんたちはセンサー付きのカメラを設置。確認すると2日連続 朝と晩に15、6頭のイノシシが米ぬかを掘りかえしていました。南部町によりますと2022年度11件だったイノシシの目撃は昨年度40件と3倍以上に急増。2022年度にはゼロだった食害も昨年度は26件に。被害が拡大しています。園地の200メートル先ではおととい道路を横断している子グマも目撃されました。佐々木さんたちは食害を町に報告、連携して対策にあたることにしています。

(参道でイノシシ目撃:栃木)
4日午後0時半ごろ、栃木市平井町の参道で、通行人がイノシシ1頭を目撃した。栃木署によると、イノシシは体長約1メートル。東へ移動したという。

(「クマ2頭が海から上陸」の通報も:山口)
2日夕方、防府市の海岸で、「クマ2頭が海から上陸した」と釣りをしていた人から警察に通報がありました。2日午後6時半ころ、「防府市田島で体長約1mのクマ2頭が海岸から上陸するのを見た」と近くで釣りをしていた人が、警察に通報しました。釣りをしていた人の話では2頭のうち、1頭は山の方に立ち去り、もう1頭は再び海に戻っていったということです。目撃情報をうけ、市や地元猟友会が捜索しましたがクマの痕跡などは見つかりませんでした。目撃者が撮影した動画を猟友会のメンバーが確認したところ「イノシシの可能性が高い」と判断したということです。

(山中でクマ目撃情報:広島)
2日午前、廿日市市の大峯山登山口近くでクマの目撃情報がありました。廿日市署によると、午前10時過ぎ、廿日市市玖島の大峯山登山口駐車場近くの私有地でクマの目撃情報があったということです。目撃されたのは体長1~1.5mの成獣のクマとみられていて目撃した人の数十メートル先の道路を横断していったということです。現場は別荘などが点在するエリアで関係者以外は入ることができない場所ですが、警察は現地で聞き取りなどを行いスピーカーなどで注意を呼びかけたということです。

(体長2メートルほどのクマが道路に飛び出し、そのまま路上に:北海道)
2日午前、北海道別海町に体長2メートル近いクマが出没し、クマはゆっくりと道路を横切りました。別海町では先月21日、牧場の子牛8頭が襲われ、そのうち4頭が死ぬ被害も出ていて、別海町と警察が注意を呼びかけています。クマが目撃されたのは、別海町中春別で、2日午前9時ごろ、車で通りかかった人が、進行方向の右側から道路に向かって歩いてくるクマを目撃しました。数十メートル離れた場所で撮影された画像を見ても、クマの体長は2メートル近くあるとみられます。クマは、畑から道路に飛び出したあと、しばらく路上に居座り、その後、反対側の道路わきに姿を消しました。その間、通りかかった車は、停車したり、徐行したりするなど警戒しながら走行しました。今回、目撃された場所から10キロほど離れた別海町の牧場では、先月21日、子牛8頭がクマに襲われ、そのうち4頭が死ぬなどの被害が出ていて、警察や別海町はクマへの注意を呼びかけています。

(クマ出没の情報:秋田)
クマ出没の情報です。県警察本部が午後4時時点でまとめた2日、日中の情報です。小坂町荒谷の国道と、大館市池内の林でいずれも体長およそ50センチのクマがそれぞれ1頭ずつ目撃されました。また、北秋田市脇神の県道では、体長不明のクマ1頭と体長およそ1メートルと50センチのクマ2頭が相次いで目撃されました。クマの目撃件数が例年にないペースで増えているとして、県はツキノワグマ出没警報を出して被害を防ぐ対策を心がけるよう呼びかけています。具体的には、鉢合わせを避けるため、やぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し人の存在をアピールすることなどを呼びかけています。

(民家近くの山の斜面にクマ:新潟)
新潟県阿賀町の住宅近くで2日、体長50cmほどのクマが目撃されました。警察によりますと、クマが目撃されたのは阿賀町細越で、住民が自宅近くの裏山の斜面にクマ1頭がいるのを目撃し、町役場に連絡しました。クマはすぐにその場から立ち去ったということです。目撃された場所は民家の直近であることから、警察は町役場と連携して住民に注意を呼び掛けています。

(ジビエや月日貝を使った缶詰3種セット:鹿児島)
鹿児島オリーブから「アル・ケッチァーノ」奥田政行氏の監修を受けた「森と海の贅沢缶詰3種セット」が、6月8日(土)より300セット限定で予約販売される。また同日に奥田シェフを招き、鹿児島県日置市産のジビエや月日貝を使った新商品発表会を開催する。

(県産野菜たっぷりランチ!:大分)
「野菜たっぷり、ヘルシーランチ」の噂を聞いて、やって来たのは昔ながらの風情が残る戸次本町。量り売りの《からはな百貨店》さんの店内で、月1~2回ほどランチ出店されている《春菜キッチン》さんが、この日の目的です。《春菜キッチン》さんの魅力は、「大分県の野菜畑」とも言われる豊後大野市の野菜をたっぷり使ったヘルシーなご飯です。メニューは日替わり。取材日はメインのお肉が選べる『玄米ごはんプレート』と、有機パスタを使った『パスタランチ』がメニューでした。特にジビエが堪能できる『玄米ごはんプレート』は《春菜キッチン》さんの看板商品と言っても過言ではありません。東京ではじめてジビエを食べて以来、ヘルシーで美容にもよく、環境問題にも貢献しているというジビエの魅力にハマったという晴奈さん。もっと多くの人にその魅力を知ってもらおうと、試行錯誤を繰り返した末、現在のプレートご飯を提供する形になったようです。

(駆除シカ肉を犬用ジャーキーにして販売へ:京都)
京都府内ではまだ珍しい女性ハンターの1人、福知山市筈巻(はずまき)の公庄(ぐじょう)美保子さん(42)が、駆除した野生のシカの肉を犬用ジャーキーに加工し、販売するブランドを立ち上げる。野生鳥獣の農作物被害に悩む地域で主婦が狩猟をし事業を営むことで猟師のハードルを下げたい、と意気込んでいる。過疎化が進む地域で生まれ育った公庄さんは福知山市内の高校を卒業後、渡英。帰国後、東京で基礎化粧品の開発や製造などに携わっていたが、2019年春に長女の小学校入学を機にUターン移住。現在は、森の京都文化観光サポーターも務める。地元の猟師から話を聞いて狩猟に興味を持ち、手伝うようになった。20年にわな猟免許、22年には第一種銃猟免許を取得。「丹波吹風山(ふくちやま)狩猟会」の会員として駆除隊員に登録し、有害鳥獣駆除の活動を始めた。通常、捕獲したシカは隊員らが食肉として利用する以外は専用焼却施設で処分するが、「命をただ捨ててしまうのはかわいそう」と活用法を探り、犬用ジャーキーへの加工を思いついた。おいしさを保つため、くくりわななどにかかったシカはすばやく解体処理し、12時間から2日間程度、乾燥させてジャーキーにする。商品化のため、24年2月から試作を始め、愛犬家の知人らに配りモニター調査を実施した。シカ肉は大型・中型犬用には厚め、小型犬やシニア犬用には薄めにスライス。カルシウムやミネラルを摂取できる骨ジャーキーも用意した。着色料や保存料は無添加。モニターからは「愛犬の食いつきがいい」などと好評を得たという。公庄さんは「シカ肉は高たんぱく、低脂質、低カロリーのスーパーフード。娘たちもローストしたシカ肉は好物で、私たちが食べている安心・安全な肉を愛犬たちにも届けたい。加工の手間はかかるが、みんなにとって良い仕組みになれば」と話している。福知山市農林業振興課の鳥獣対策員、望月優さん(32)によると、市内には狩猟団体が三つあり、計212人が有害鳥獣の駆除隊員として登録しているが、女性はわずか9人。23年度の駆除数はイノシシ448頭、ニホンジカ4547頭などとなっている。野生鳥獣による農作物の被害額は年間約1500万円で、シカに関しては水稲被害がほとんどだ。20年のニホンジカの推定生息数は、府内自治体の中で福知山市が最も多いというデータもある。望月さんは「駆除隊員の数は、今は潤沢だが60代以上が7割なので、今後、担い手の育成を考えていく必要がある。公庄さんのように働きながら育児をして、駆除活動にも取り組む若手ハンターの存在は、よい刺激。モデルケースにもなる」と話している。商品のブランディングは、広告関連の仕事をする夫、仁さん(43)が担当し「鹿鹿(ろくろく)」とネーミングした。仁さんは「『ろくろく』は凡庸や平凡という意味を持つ。『猟師になりたい』と妻から聞いた時には本当に驚いたが、当初はここまで本気だとは思わなかった。犬用のシカ肉ジャーキーは既に商品化されているが、平凡な女性が猟師になり、捕獲から加工まで1人で行うのは珍しいのでは」と妻の挑戦を応援している。「ろく」にちなみ、6月6日、クラウドファンディングの「マクアケ」を利用した発売を予定。夫婦のプロジェクトはまもなくスタートを切る。

(シカ皮から「猛虎グッズ」:兵庫)
黄色と黒のコントラストに、おなじみの虎の刻印。阪神タイガースカラーの財布やコインケースといった革製品を、広島県東広島市の革細工職人・坂木英樹さん(54)が製作している。素材に使うのは、兵庫県内で有害鳥獣として駆除されたシカの皮。これまで広島県民として、広島カープとコラボした鯉カラーの革製品も手がけてきたが、今年から虎にも手を広げた。その思いとは-。皮革製品を取り扱う「ベルズスクエア」(東広島市)を営む坂木さんがジビエレザーを使い始めたのは5年前。シカやイノシシによる農作物の食害、植物種の減少などが全国的な課題となる中、「ジビエレザーを活用することで狩猟が強化され、シカやイノシシの生息数が適正な水準に落ち着けば」と考えた。有害鳥獣として駆除されたシカやイノシシの活用で最も知られるのはジビエ料理だが、食肉として利用できる部位はわずかで、処理コストの方が高い。採算性の低さに加え、ハンターの高齢化や担い手不足もあって駆除数はなかなか増えず、生息数の適正化はたやすくないのが実情だ。一方、ジビエレザーを活用すれば、駆除後に大半が廃棄されるという野生動物の皮に新たな価値が生まれ、循環につながる。全国有数の皮革産地・兵庫県でも、姫路市やたつの市などで複数の業者がその技術力を生かして生産に力を入れている。魅力の一つは、野生ならではの生き傷の多さ。ただ坂木さんは「美しいと感じてくれるのはまだ一握り。認知度の低さも影響している。ジビエレザーがもっと知られるようになれば、理解が進んで活用も広がるはず」と語る。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後0時10分ごろ、仙台市泉区朴沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、2日、大崎市鹿島台広長内苗代付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、3日午後2時30分ごろ、丸森町金山上片山でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

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(クマに襲われ男性が頭などにけが:新潟)
31日朝、新潟県阿賀町で自宅の裏の竹林にたけのことりに入った50代の男性がクマに襲われて頭などにけがをしました。男性は病院に運ばれましたが意識はあり、自分で歩ける状態だということです。警察によりますと、31日午前6時半ごろ、阿賀町黒岩で50代の男性が自宅の裏にある竹林にたけのこをとりに入ったところクマに襲われました。クマは体長およそ1メートル50センチで、男性は額や後頭部をひっかかれたほか右手の人さし指をかまれて病院に運ばれましたが、意識はあり、自分で歩ける状態だということです。現場の竹林の近くには住宅が点在していて、警察がパトカーを巡回させるなどして注意を呼びかけています。新潟県内で人がクマに襲われてけがをしたのはことしに入って初めてです。現場の近くに住む70代の男性は、「この周辺でクマに襲われたなんて聞いたことはない。朝早くに襲われたことを聞いてその時間に外出できないと感じた。クマとはいつどこで遭遇するかわからないから、外に出る時は気をつけたい」と話していました。

(市の職員がクマに指をかまれ5針縫うけが:長野)
長野県塩尻市で1日、市の男性職員が二ホンジカ用の罠にかかったクマに指をかまれてけがをしました。1日午前7時過ぎ、塩尻市宗賀で二ホンジカ用のくくり罠にクマがかかっていると近くの人から市に通報がありました。市の職員と猟友会の会員の合わせて3人が現場に駆けつけたところ罠が外れて猟友会の70代男性が襲われました。男性を助けようと20代の男性職員がクマを木の棒で叩くなどしていたところ左手の指をかまれて5針縫うけがをしました。その後、猟友会員によってクマはその場で駆除されました。猟友会員にけがはありませんでした。

(50代男性がクマに襲われ右腕にけが:秋田)
1日午後4時前、にかほ市にある温泉施設の裏で、50歳の男性がクマに襲われ、右腕にけがをしました。男性は意識があり、命に別状はないということです。警察によりますと、1日午後3時50分ごろ、にかほ市金浦にある温泉施設「はまなす」の裏で作業をしていた50歳の男性従業員が、体長およそ60センチのクマに襲われました。男性は右腕にけがをして病院に搬送されましたが、意識はあるということです。現場はJR金浦駅から南におよそ2キロほどの国道沿いの場所で、付近は海水浴場のほか、飲食店や観光物産施設などが立ち並んでいます。秋田県内では去年、クマによる人身被害が過去最悪の70人に上ったほか、ことしも先月に入ってから相次いでいて、被害にあったのはこれで6人となります。秋田県は全域に「ツキノワグマ出没警報」を出していて、クマとの鉢合わせを避けるため、やぶなどの見通しの悪い場所では鈴やラジオなどで音を出し人の存在をアピールすることや、山では単独行動を避け、ゴミを必ず持ち帰ることなどを呼びかけています。

(猟友会がクマなどを捕獲したときの謝礼、大幅引き上げ:山形)
クマの出没が各地で相次ぐ中、村山市は地元の猟友会がクマやイノシシを捕獲したときに支給している謝礼を大幅に引き上げる方針を示しました。クマの出没は各地で相次いでいて、県内でも29日、米沢市中心部でクマが出没し小中学校で集団下校を行うなど影響が出ています。こうした中、村山市は地元の猟友会がクマやイノシシを駆除したり捕獲したりした場合に支給している謝礼を大幅に引き上げる方針を示しました。これまでは、駆除や捕獲したのが大人のクマやイノシシだった場合、1頭あたり1万円でしたが、クマは3万円、イノシシは2万円に増額するほか、子どものクマやイノシシの場合、2000円から1万円に引き上げる方針です。村山市の猟友会では、猟銃の弾丸の価格が高騰しているほか、捕獲には危険が伴うため複数で作業にあたるなど負担が大きいとして、市に対して財政的な支援を求めていました。村山市は謝礼の増額分90万円余りを盛り込んだ補正予算案を来月4日に始まる定例の市議会に提出することにしていて、村山市農林課は「高齢化が進んでいる猟友会の新たな担い手の確保につなげていきたい」としています。

(シカ・イノシシ:クマ、「減容化」処分広がる)
捕獲した有害鳥獣の死骸を微生物の働きで分解し、容積を小さくする「減容化」施設を導入する自治体が全国で増えている。エゾシカによる被害が深刻な北海道内では4月、津軽海峡に面した福島町で稼働を始めた。同じ施設は、東京電力福島第一原発事故で住民が長期間避難を強いられた福島県でも、捕獲したイノシシの処理に活用されている。大きな骨まで分解するという施設はどんなものなのか。4月11日、福島町千軒の渡島西部衛生センターの一角にできた減容化施設が公開され、デモンストレーションが行われた。木造平屋建ての施設内にステンレス製装置(幅5メートル、奥行き1.9メートル、高さ2.4メートル)が設置されている。フォークリフトで持ち上げたエゾシカの死骸1頭(約80キロ)がまるごと装置上部から投入され、ふたが閉められた。装置の仕組みはこうだ。装置内の処理槽には、有機物を分解する微生物と、培地となる炭化チップが入っており、温度はこの微生物が活性化する85度程度に保つ。製造元の芹澤微生物研究所(静岡県川根本町)によると、肉と内臓は24時間、骨や皮も1週間程度で水と炭酸ガスなどに分解され、脱臭装置に送られて排気・排水される。1回の処理で入れられる鳥獣は約120キロという。町は、事業費約1億500万円のうち約5700万円に国の鳥獣被害防止総合対策交付金を使い、残りは過疎債と町の一般財源を充てた。5月中旬までの約1カ月間に12頭を処理した。炭化チップは年3回入れ替える予定で、焼却処分する。有害鳥獣の死骸は一般廃棄物の可燃ゴミとして扱われるため、ハンターは捕獲したエゾシカなどを持ち帰り、ゴミ袋に入る大きさに解体する必要があった。ハンターの高齢化で有害駆除の担い手不足は全国的に深刻だ。福島町でも近年の従事者は3~4人しかいない。福原貴之・産業課長は「解体せずに済むようになり、ハンターの負担軽減や駆除の効率化を図れる」と導入の狙いを語る。町では、捕獲したヒグマなども処理する計画だ。近くの山中では昨年10月、登山中の大学生がヒグマに襲われ死亡した。町内で捕獲した有害鳥獣は無料で受け入れる。近隣町村から持ち込まれたものは1キロあたり40円、最大3千円で引き受ける。福島県双葉地方の8町村でつくる双葉地方広域市町村圏組合(富岡町)。大部分が2011年に事故があった東京電力福島第一原発の半径20キロに入り、住民が避難して無人になった地域でイノシシが急増した。住民の帰還が進むにつれ、駆除したイノシシの処理が課題になった。同組合の担当者は「従来の焼却では処分しきれなかった」と振り返る。

(増加するシカ、森林の炭素貯留量減らす)
九州大学の片山歩美准教授らの研究グループは、天然林で草や木などを食べるニホンジカの影響で森林が持つ炭素の貯留機能が下がっていることを明らかにした。九大の演習林(宮崎県椎葉村)内での観測で、シカが食い荒らした林の地上部の炭素蓄積量は、天然林のものと比べて最大で59%減っていることがわかった。

(警察官2人がクマに襲われた山林、体長1.1メートルのクマを駆除:秋田)
警察官2人がクマに襲われた秋田県鹿角市の山林で31日朝、箱わなに成獣1頭が入っているのを猟友会が発見し駆除した。今後、個体の特定に向けて分析が進められる見通し。鹿角市によると、31日午前5時45分ごろ、十和田大湯の山林に市が設置した箱わなに、体長約1.1メートルの雌の成獣1頭が入っているのを地元の猟友会が確認した。この山林では、山菜採りで遭難した男性の遺体を搬送しようとした警察官2人がクマに襲われて大けがをし、その後、周辺で親子とみられるクマ2頭が目撃されている。男性の遺体には、大型の動物にかまれ、爪で引っかかれた傷があり、死因は失血死とみられている。また、衣服には動物の毛が付着していて、県がクマのものかどうかを調べている。市によると、クマはすでに駆除され、胃の中には何も確認されず、警察官を襲ったクマかどうかは現時点で分かっていない。市は、駆除したクマの肉や毛を県に提出した。県がDNA鑑定などで個体の特定を進めるものとみられている。市は、箱わなを引き続き設置するとともに、周辺に絶対に立ち入らないよう注意を呼びかけている。

(自宅でパイプ銃や爆発物を所持、元会社員の男に懲役6年判決:北海道)
札幌市の自宅で黒色火薬や空気銃を所持したとして爆発物取締罰則違反などの罪に問われた元会社員、諏訪博宣被告(30)に札幌地裁(吉戒純一裁判長)は30日、懲役6年、火薬やパイプ銃などを没収(求刑懲役10年など)とする判決を言い渡した。判決によると2022年10月29日、札幌市白石区の当時の被告宅で、正当な理由がないのに黒色火薬や鉄パイプなどを組み合わせた銃1丁などを所持したほか、他人に危害を加える目的で爆発物「HMTD」を所持した。

(キョンを撮ったら2000円、目撃情報を求めて全国初の報奨金制度:茨城)
千葉県や伊豆大島(東京都大島町)で繁殖し農業被害などが問題となっているシカ科の特定外来生物「キョン」が、茨城県でも目撃されるようになり、茨城県は30日、キョンの目撃情報に報奨金を支払う制度を始めた。4月以降に県内で撮影された画像や動画1件当たり2000円を支払う。県によると、キョンの情報への報奨金制度は全国初。県内の目撃事例は2017年5月が最初で、神栖市内の千葉県境の橋の上で車にひかれて死んでいる個体が見つかった。その後の確実な目撃情報は22年に1件、23年に2件あり、いずれも雄だった。茨城へは千葉県から移動してきているとみられる。千葉県によると、県内の生息数(推定)は22年には約7万1500匹で、野菜などの農業被害や鳴き声による苦情が多い。定着域は2004年の5市町から、20年には主に県南部の17市町まで増えた。茨城県は県境の利根川が防衛線になると考えているが、県の担当者は「橋を渡るケースもあるし、泳いでくる可能性もゼロではない。できるだけ多くの人の協力で監視を強化したい」と危機感を募らせている。茨城県内のキョンの目撃情報は県生物多様性センター=電029(301)2940=へ。狩猟者などによる捕獲に対しても、1匹当たり3万円を支払う。

(兵庫県立総合射撃場がオープン:兵庫)
狩猟者の育成などを目的とした県立総合射撃場が1日、三木市にオープンしました。オープニング式典では、県立総合射撃場の愛称が「ハンターズフィールド三木」になったことが発表されたほか、兵庫県出身のクレー射撃選手大前有希さんが記念の射撃を行いました。射撃場は狩猟者不足による野生鳥獣の増加で、農作物への被害が拡大しているという問題を解消するため、狩猟者を育成することなどを目的として整備されました。施設の敷地はおよそ80ヘクタールで、ライフル射撃場や銃の許可がない人も体験できるビームライフル場などが備えられています。施設にはこのほか、わなを使った猟を練習できるエリアも設けられています。

(タケノコ採り、入山者絶えず「危険」:秋田)
クマによる人身被害が発生した鹿角市十和田大湯の山林で、入山禁止地域にタケノコ採りで立ち入る人が後を絶たない状況となっている。人を積極的に襲う危険なクマがいると指摘され、被害の再発が懸念されている。関係機関がパトロールを行い監視を続けているが、完全に入山者を止めるのは難しい状況。市は「自分だけは大丈夫と思わず、禁止地域には絶対に立ち入らないで」と呼びかけている。

(クマ出没警戒注意報が発表されています:新潟)
新潟県は、今年度初のクマによる人身被害が阿賀町で発生したことから、「クマ出没警戒注意報」を発表するとともに、5月31日から7月31日までの2か月間を「クマ出没警戒強化期間」として注意喚起を実施しています。長岡市内でもクマの出没情報が多数寄せられています。クマの被害に遭わないよう十分にご注意ください。また、クマを見かけたら、長岡市役所又は最寄りの警察署へ連絡してください。

(動物との事故が増加、5年前の3倍:広島)
広島県警安佐北署管内で動物が関係する交通事故が増えている。同署のまとめでは、2023年は111件に上った。5年前の18年の3倍で、8割強をシカが占める。深夜、未明のケースが多く、同署は「車や人が少ないからといって油断せず、制限速度を守り、安全運転を心がけて」と呼びかけている。

(クマ出没想定し初の合同訓練:北海道)
歌志内赤歌署は5月30日、上歌地区で市や北海道猟友会砂川支部歌志内部会とともに、クマ出没を想定した初の合同対応訓練を行った。

(クマ出没にどう対応、ハンターらが訓練で手順確認:北海道)
空知の歌志内市で、クマが出没した場合に警察官やハンターがどう対応するか、手順を確認する訓練が行われました。山あいの広場で行われた30日の訓練には警察官7人とハンター2人、それに市の職員が参加しました。訓練は住民がクマを目撃し、110番通報を行ったという想定で行われ、現場に駆けつけた警察官が市の職員などと協議して猟友会にハンターの出動を要請しました。そして、到着したハンターが山にいるクマを駆除するまでの手順を確認しました。あわせて、クマを撃退するためのスプレーの使い方の講習も行われました。赤歌警察署地域・交通課の青山功課長は「市街地だと駆除がより難しい面もあります。今後も訓練を続けていきたい」と話していました。警察は住民に対し、外出の際にはクマの出没情報を確認するよう呼びかけています。

(シカの定着防げ、瀬戸際の六甲山:兵庫)
ニホンジカの生息域が兵庫県北部などから拡大し、神戸・阪神間の六甲山地に迫っている。いったん定着すると増加は速いとされ、森の植生を数年で変えてしまう恐れがあるため、神戸市はセンサーカメラ150台を投入するなど監視強化に乗り出した。目撃情報や生息の痕跡はすでにあり、専門家は「六甲山は観光客も多く、捕獲などの対策が難しい。定着を阻止できるか、今が勝負」と指摘する。「六甲山にはもうシカが入っている」。そう証言するのは、県猟友会摩耶支部の寺口和彦支部長(77)。2021年5月、神戸市の求めで六甲山牧場内に設置したイノシシ用のわなにシカがかかった。体重70キロほどの雄。当時はシカの捕獲許可を取っておらず、放すしかなかったという。22年5月には、神戸市灘区の市街地に雄1頭が現れ、捕獲される騒ぎがあった。六甲山を通り抜けたと考えられている。同年秋には山上で足跡が見つかり、23年以降も目撃されたり、定点カメラで撮影されたりしている。

(高山植物をシカの食害から守る柵設置:滋賀)
貴重な高山植物の群落がある米原市の伊吹山で、シカによる食害が深刻になっていることから、5月31日、市の職員やボランティアなどが植物を守るための防護柵を設置しました。滋賀県で最も高い標高1377メートルの伊吹山の山頂付近には、国の天然記念物に指定されている貴重な高山植物の群落がありますが、増え続けているシカによって植物が食い荒らされる被害が深刻化しています。31日は米原市や滋賀県などでつくる「伊吹山を守る自然再生協議会」のメンバーや県内外のボランティア、およそ40人が山頂付近の登山道に集まり、防護柵の設置作業を行いました。柵が設置された場所では貴重な植物「イブキトリカブト」などがシカに食べられて茎だけになる被害が確認されていて、メンバーたちは高さがおよそ2メートルある金属製のフェンスを、群生地を囲うようにしておよそ150メートルにわたって固定していきました。米原市まち保全課の鎌田亜裕美主査は「シカによる食害などで貴重な植物が減っていますが、いまならまだ間に合うという思いで柵を設置しています」と話していました。伊吹山の山頂には今年度、シカの食害を防ぐための柵が今回を含めてあわせて3か所に設置されるということです。

(シカ捕獲、今年は29頭:北海道)
稚内市は30日、今月5日間行った富士見・西浜地区でのライフル銃によるエゾシカ捕獲事業で、29頭を捕獲したと発表した。昨年5月に行った同様の事業より9頭少なかった。市農政課は「気温が低く雨の日もあったため、山から下りてくるシカが少なかったのではないか」とみている。

(果樹園、シカやウサギの食害深刻:北海道)
旭川市内の果樹園で、シカやウサギによる食害が深刻化している。リンゴやサクランボの樹皮や花の芽が食べられ、中には枯れてしまうものもある。果樹農家は「見たことないくらいの被害だ」と嘆く。

(「クマよけの鈴」市が全小中生に貸与へ:秋田)
秋田市は30日、市街地でクマの出没が相次いでいることを受け、市立小中学校に通う全1万8876人にクマよけの鈴を貸し出す方針を明らかにした。撃退用スプレーも高校を含む市立の全校に2本ずつ配備する。被害防止のため同日に開いた連絡会議で報告した。

(荒らされたソバ畑に苦悩する農家:北海道)
北海道で相次ぐクマの被害。北海道北部の名寄市では対策の切り札として、ドローンの活用に期待が高まっています。4月、住宅地での目撃が相次いだ名寄市。観光客がクマに襲われる事故もあり、住民からは不安の声が上がっています。被害をどう防ぐか。ドローンスクールを運営する名寄自動車学校が対策の切り札として準備を進めているのが…。直径約1.2メートルもある巨大なドローン。その名も「ハンタードローン」です。「猟友会と一緒になって開発されたドローン。おそらく北海道で導入は初」(名寄自動車学校 和田敏明社長)。その能力は…クマが苦手な「猟犬の鳴き声」が!クマを山に帰すことが狙いです。スピーカーからは人の声を流し、緊急時に住民に危険を知らせることもできます。さらにこんな機能も…上空から大きな音を出す機能も搭載。ハンタードローンは、京都の猟友会やドローンスクールなどがハンターの減少や高齢化などを理由に開発しました。本州ではすでに、指定管理鳥獣の捕獲などに活用され、シカやイノシシなどへの効果が認められています。クマへの活用例は少ないですが、猟犬の鳴き声などが苦手なクマにも同様の効果が期待されています。一方、課題もあると言います。「(クマがパニックになり)住民の方に向かって来た場合、どうなりますか。ドローンだけでは対応できない。猟友会のみなさんや色々な方の協力を得て、カバーしていかなければならない」(名寄自動車学校 和田社長)。名寄市内では自動車学校、市や警察などが連携し、課題を検証した上でハンタードローンの導入に向けた協定の締結を目指しています。一方、名寄市によりますと、2023年のクマによる農業被害額は120万円を超える状況です。被害に悩む農家の中には、個人としてある決断をした人もいます。自分の畑を守るため、ハンタードローンの購入を決めたのは、名寄市で農業を営む水間健詞さんです。毎年のようにクマがソバ畑を荒らし、年間の被害額は数十万円規模に上っていました。少人数で畑を管理する水間さんにとって、ハンタードローンは画期的な対策です。ソバの収穫が始まる前の8月ごろから、ハンタードローンを使用する予定です。ドローンの活用で身近に迫るクマの脅威に対抗できるか、期待が高まっています。

(ロードキル防げ:岡山)
シカ、サル、タヌキ、ウサギには標準のデザインがある。黄色いひし形の警戒標識に登場する動物たちだ。山道を運転していてよく見る▼設置のルールにのっとってさえいれば、国や都道府県などの道路管理者は標準以外を描いてもいい。シカの角の向きが逆だったり、親ザルが子を連れていたり。ウシ、カルガモなどのご当地標識もある▼こうした野生動物が車と衝突して死ぬ「ロードキル」を防ごうと研究する数少ない専門家が、岡山理科大の辻維周教授である。沖縄の石垣島で暮らしていたとき、天然記念物のワシやカメが多く犠牲になる惨状に遭遇したのがきっかけだ▼動物は嫌がるが、人間にはほとんど聞こえない高周波の音に注目した。山梨県の自動車部品メーカーによる音の発生装置の開発に協力。実証実験を重ね、効果的な周波数や音のパターンを確かめた。車のフロント部分に取り付け、進行方向にいるシカなどとの衝突を防ぐ▼装置は線路への侵入防止や、田畑の獣害対策にも使われる。人間と動物がすむ場所を明確に分け、うまく共存していくことが目標という▼ロードキルは、利便を求めた人間が動物の生活圏に道を造ったのが主な原因とされる。動物の行動を変えるのは容易ではないが、人間は心がけ一つでもある。標識を見かけたときは速度を抑えて慎重に通過したい。

(狩猟ノウハウ伝承へ:静岡)
農作物に被害をもたらすイノシシやシカなどの鳥獣駆除に貢献している静岡県猟友会の会員の高齢化が進み、狩猟ノウハウの伝承が課題になっている。2024年2月末時点で同会に所属する3195人のうち、70歳以上が46%、60歳以上で63%を占める。アウトドアレジャーやジビエ人気が高まる中、担い手確保と発掘を目指す同会などが初心者講習会や体験ツアーに力を入れている。

(レジャー中にクマと遭遇、身を守る対策は?:北海道)
北海道でも山菜採りシーズンを迎えてます。一方で、レジャー中のクマとの遭遇が後を絶たず、なかには襲われる事故も発生しています。生息域が広がっているともいわれるクマ。専門家は「すぐそこにクマがいる」と思って備えるべきだと指摘します。5月18日土曜日。札幌市西区の登山道は大賑わいでした。ただ、およそ10日前には、この登山口からわずか3キロしか離れていない山林で、親子のクマ3頭が目撃されていました。山菜採りなど山に入る人にとって、クマは心配事のひとつですが、意識はそれぞれのようです。4月28日、根室市で撮影された映像。山菜採りで山に入った軽トラックにクマが襲いかかる映像は衝撃を与えました。5月5日には日高の浦河町で、81歳の男性がクマに襲われ、大けがをしました。こちらも山菜採り中のクマとの遭遇です。レジャーの最中にクマに遭遇する例がことしも後を絶ちません。朱鞠内湖での痛ましい事故から1年。道北の幌加内町では安全祈願祭が行われました。2023年5月、この湖で釣り人がクマに襲われ死亡。事故の5日前にもこの近くでクマが目撃されていましたが、襲われた男性は1人で釣りをしていました。釣り場への渡し船を運営する中野さんは、朱鞠内湖は静かな環境で釣りができることが人気だったと話します。(シュマリナイ湖ワールドセンター 中野信之代表)「(男性は)1人で行きたいということだったので。もうちょっと対策をしておけばよかったなと。ルール作りをしていなかったので。(クマを)見かけたという情報はいままでもこれまでもあって。襲ってくることはなかった」。悲惨な事故をうけ、地元では新たに「朱鞠内湖ルール」を決めました。船着き場以外では、原則として常に複数人で行動するよう求めます。いちはやくクマの居場所を特定できるよう、ドローンを用いた訓練も町や警察と実施しました。対策が進む朱鞠内湖。事故から1年経ちますが、中野さんの心の傷は癒えていません。クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授が、実際に林道でクマの等身大のパネルを用いて教えてくれました。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「人を襲うために行動しているクマはほとんどいないと思います。基本的には人と出会ったときには遠ざかろうとか隠れようとかそういった行動をとるので、複数の人間で行動したり鈴を鳴らしたりして、人間の気配をクマに知ってもらうことが大事」。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「まずは相手の様子を確認してゆっくり離れる、来た方に戻っていくことが大事」。クマに遭遇してしまったら、とにかく落ち着いて必ず引き返すことです。手をあげるなど、敵意がないことを示すのも有効だといいます。大声を出すのは、かえって危険。クマの興奮を誘うからです。また、背中を向けて逃げてもいけません。追いかけてくることがあるからです。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「いくつかのパターンはありますけど、一番多いのは子グマがいて逃げられない母グマやエサがあるので逃げたくない場合。威嚇突進(ブラフチャージ)という行動をとることがあります」。この車に突進する根室のクマも、近づいてくるものへの威嚇突進だと佐藤教授は分析します。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「この突進は直接相手をやっつけるためではなく、こっちに来るなという意思を表示をする行動なので、基本的には(途中で)止まる。なかなか怖い場面だと思いますけど、そこで慌てて背中を向けて走ったりせずに、クマが走ってきたときは(自分は)必ず止まる。クマが戻ったときに(自分は)ゆっくり下がっていく」。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「威嚇突進してきて接触に至ってしまった場合には、地面に伏せてお腹を地面で守りながら背中をリュックで守り、首の後ろの急所を両手で組んで直接的な攻撃を防ぐ」。人が危害を加えないと分かると、クマは立ち去っていくといいます。この体勢で生存率を高められるのです。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「クマなんか一回も出会ったことないという地域でも、もしかしたらことしはクマがいるかもしれない。ぜひクマのことをよく知って、クマの気持ちとか、クマがいまどのような状況なのか想像できるようになると、事故は少なくなっていくのかなと思います」。レジャーは安全に家に帰るまでがレジャーです。不幸な事故を繰り返さないためにークマとの向き合い方を知る必要があるのは、わたしたちひとりひとりなのです。

(「人を襲う危険なクマ」見逃されてきた可能性も:秋田)
今月18日、鹿角市の山林で男性の遺体を搬送しようとした警察官2人がクマに襲われた件で新たな事実が判明しました。ここ数年、事故が起きた山林ではタケノコ採りをしていた人がクマに襲われケガをしていたことが関係者への取材でわかりました。中にはクマに襲われケガをしたものの、警察に届け出なかったケースも存在していて「人を襲う危険なクマ」が見過ごされてきた可能性があります。被害のあった現場に近い山林からクマよけのアラーム音と時折、爆竹の音が聞こえてきました。撮影を始めてから約1時間。ヤブの中から複数の男性を乗せた四輪駆動の軽自動車が出てきました。十和田湖にほど近い鹿角市十和田大湯の山林では、15日に行方不明となった青森県の男性が18日に遺体で発見され、遺体を運び出そうとした警察官2人がクマに襲われけがをしました。クマは現在も捕獲されておらず、県や鹿角市は「人を積極的に襲う危険なクマ」だとして、現場一帯を入山禁止にしています。軽乗用車に乗っていた男性らがいたのは、警察官2人がクマに襲われてけがをした現場に通じる林道の入口付近です。警察官がクマに襲われた現場について男性らは、日常的にクマを目撃するだけでなく、クマに襲われケガをした人が過去にも複数存在していたと証言しました。今回の被害が起きるまで「人を積極的に襲うクマ」が現われる前触れや危険性を感じなかったのか?現場の山林を管理しているという80代の男性を直撃しました。男性は40年以上前からタケノコ採りに訪れた人から入山料を徴収して山を管理していました。男性は「入山者には注意喚起したが通報しないこともあった」という趣旨の話をしていて、危険なクマの存在が共有されず見過ごされてきた可能性が浮かび上がってきました。県は・持ち物を奪う・後をつけられたなど、積極的に人に接近するクマと遭遇した場合は、必ず市町村や警察に通報し情報を共有するよう呼びかけています。また、立ち入りが禁止されている場所では、ラジオやクマよけの鈴などの対策では被害を防ぐことができないとして、絶対に立ち入らないよう強く注意を促しています。

(相次ぐクマ被害、一時絶滅の危機も過去最多に増加:島根)
TSKと山陰中央新報社のコラボ企画「カケル×サンイン」。共通テーマを同時に取材し、テレビ映像と新聞紙面の両面からニュースの核心に迫ります。今回のテーマは「クマ」です。クマによる人的被害が相次ぐ中で、4月に「指定管理鳥獣」に追加され、国を挙げての対策が進められようとしています。一方で、これまで保護することにも重点を置いてきたのが島根県です。「駆除」か「保護」か分岐点を迎えているクマ対策の現状と課題を取材しました。向かったのは、島根県中部に位置する邑南町。クマに襲われ大けがをした男性を取材しました。クマに襲われた松島弘文さん:この道が左に続いてますよね。土が出ているところがカーブになっていて、そのすぐ上の所で遭遇。気がついたらしがみつかれていた、かまれないようにするのが精一杯だった。松島弘文さん(79)は、2023年6月に自宅の近くで農作業をしていたところ、裏山から現れたクマに襲われました。松島弘文さん:片目はえぐりだされて切り取ったから大丈夫ではないですね。顔を爪でひっかかれ、右目を失いました。全国で出没が相次ぐ「クマ」。23年度の1年間にクマに襲われてケガをした人の数は219人。死者は6人にのぼり、統計のある06年度以降では過去最悪となっています。こうした中、国は4月に「ヒグマ」と「ツキノワグマ」を「指定管理鳥獣」に新たに指定。二ホンジカやイノシシと同様に捕獲や生態調査を国が支援することになりました。2023年度も3人がクマに襲われてけがをした島根県、実は全国的にみても保護を進めてきた地域です。その背景を県の担当者に聞きました。島根県鳥獣対策室・原健雄室長:西中国山地ということで、広島県、山口県と一緒になるが、そこのクマは絶滅しそうになっていたというのが過去あり、国が狩猟禁止区域にしている。島根、広島、山口の3県に生息するツキノワグマは、西中国地域と呼ばれる他の生息域から独立して生きる個体群です。環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」とされて、1994年度から「狩猟禁止」が続いています。特に島根県の場合、人里から離れた山の中でイノシシ用のワナに誤ってかかるなどして捕獲されたクマは、原則として山へ返す「放獣」をしていて、クマの放獣数は全国で2番目の多さです。3県が行った直近の合同調査では、西中国地域の生息数は1307頭と過去最多を記録。調査手法が変わっているため単純比較は難しいものの、生息域が拡大、個体数が増加していると見られます。一方で…。山陰中央新報社・吉野仁士記者:Qこちらがクマが入っていた罠ですか?安来市の猟友会員・村本博志さん:ワイヤーメッシュを広げてクマが出ていった、クマの毛も残っていました。山陰中央新報社・吉野仁士記者:とても人の力では広げられない硬さですね。安来市の猟友会員・村本博志さん:かなりの力なので、一撃食らえば人間は…。イノシシ用のワナに誤ってクマが入るケースは、人里近くでも発生。安来市広瀬町でも、2022年に畑の近くに設置したワナにクマがかかりました。島根県も人里近くに出没したクマは駆除していますが、中には、ワナにかかったクマの対応にあたった人たちがケガをするケースも問題となっています。島根県猟友会・細田信男会長:住民の方に被害が出たりすると、やはり保護のあり方も考えないといけないのかなと、人間とクマが住み分けができるような施策も一緒に導入しないと意味がないのではと思う。こうした中、国や県が進めてきたのが「ゾーニング」という考え方。人里から離れたクマの「保護地域」と、人間の活動を優先する「排除地域」、その間となる「緩衝地域」。これらを明確に分けて動物と人間の住み分けを図ろうとしています。しかし簡単に実現できるものではなく、クマと人が暮らすエリアの線引きは年々曖昧になりつつあります。クマに襲われた宮本優さん:出会った瞬間に「あ、もう死んだな」と…。浜田市金城町に住む宮本優さん。23年年11月に新聞配達の仕事中にクマに遭遇、持っていた新聞紙で追い払い、九死に一生を得ました。ただその後、驚いたというのが…。宮本優さん:またクマが檻に入ったと聞いた。安心はしたけど、常に不安はずっとありますよね。クマにまた出くわすのではないかと。宮本さんが襲われた近くに捕獲用の檻が設置されると、約2週間で2頭もクマが捕獲されたのです。クマを引き寄せたとされるのが柿です。県内に放置された柿の木などの果樹は、害獣のエサになってしまうことから、優先度が高い地域で県が撤去費用を負担し伐採していますが、23年度の事業予算は約100万円。対応できたのはわずか5件です。専門家はツキノワグマの指定管理鳥獣への追加で、人里へ寄せ付けない対策に国が支援する必要があると指摘します。東京農工大学大学院・小池伸介教授:現実としてクマの生息地と隣り合っているような集落は、本当に高齢化して、力も限られているわけです。その集落に対策をしてくださいと言ってもできないわけです。そういう環境整備、誘因物の除去などを公費を使ってやっていく制度にするのが望ましい。絶滅の恐れがあるから「保護」するのか、それとも実際に人的被害が増えているから「駆除」するのか…難しい課題となっています。こうした中、広島県では、これまでにない新しい手法でクマの出没を予想しようという動きもあります。広島大学大学院・西堀正英教授:環境DNAという、空気中に含まれるまたは空気中にまっている動物・植物由来のDNAを集めて、その中にツキノワグマのDNAがあればその辺りにクマが生息している、存在していることが予測できるのでは。広島大学大学院の西堀教授が着目したのは、空気中に漂うクマのDNAの採取です。広島県内の動物園で、空気中のクマのDNAを採取すると、ツキノワグマが飼育されている建物の前、そして75メートル、150メートル、300メートルと離れるに連れて、空気中のDNAの量が減っていくことが分かったといいます。これにより、クマのいる場所を把握でき、出没情報を知らせるマップなどへの応用も期待されています。実用化出来れば国内で初となりますが、まだ時間がかかるといいます。ここまで決定的な有効打となるクマの対策はありませんが、こうした新しい技術と地道な対策で、クマと人間の住み分けを進めていくことが何よりも重要です。指定管理鳥獣への指定で、国が今後示す支援内容が地域の実情に即したものになるのか注目しなければなりません。

(出没地域の実態、被害者の証言:島根)
山陰中央新報社とTSKさんいん中央テレビが共通テーマを同時に取材し、新聞紙面とニュース番組の両面で核心に迫る「カケルxサンイン」。今回のテーマは全国で被害が増加しているクマ。出没地域の実態や人里まで生息域が広がっている理由は何か。被害を減らすと同時に人とクマのすみ分けによる共存は可能なのか。2回に分けて紹介する。環境省によると2023年度の全国の人身被害は219人で、統計が残る06年度以降で最多となった。餌となるブナの不作が影響したとみられ、東北地方を中心に、餌を探しに市街地まで出てきた個体に襲われる事例が目立つ。島根県内の過去10年間のツキノワグマ目撃数は、1300件を超えた16、20年度を除き、500~800件で推移していたが、23年度は954件に増えた。人的被害は浜田市、江津市と邑南町の計3人で、2人が重傷を負った。県鳥獣対策室によると、県内に出没するクマは島根、広島、山口3県にまたがる西中国山地を生息域とする個体だ。西中国山地では1960年代以降、餌となる実を多く付けない針葉樹の植林が増えたことなどから、個体数が減少。絶滅が危ぶまれるまで減り、98年度の推定生息数は280~680頭となった。国は西中国山地で狩猟目的の捕獲を禁じる措置を取っており、今も続く。この結果、推定生息数は増加。2020年9月末で767~1946頭まで回復した。そもそも捕獲していないのに加え、過疎化による耕作放棄地増加や、クマの人への警戒心の低下なども増えた要因とされる。

(すみ分けを図るには、専門家に聞く:島根)
クマの生息域の拡大に伴い、2023年度の全国の人的被害(219人)は過去最多を記録した。「カケルxサンイン」の(下)では、ツキノワグマの生息域が人里まで広がっている理由や、生息域と人の生活圏を分ける「ゾーニング」を進めるために何が必要なのかを専門家に聞いた。島根、広島、山口3県にまたがる西中国山地で絶滅寸前だったツキノワグマは、国の狩猟禁止措置や3県の管理計画で保護され、個体数が回復しているとされる。島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科の田川哲係長は、国や県の施策に加え、クマが好むドングリを実らせるコナラなどの生育が進んだ点を理由の一つに挙げる。かつてコナラは人間がまきとして使うために定期的に切っていたが、生活様式の変化に伴って伐採本数が減り、結果的にクマの餌が増えたと指摘する。もう一つの大きな要因は人口減少だ。これまで集落とクマが生息する奥山の間には里山があったが、里山を人が利用しなくなった。柿やビワの木が放置され、餌場を求めてクマが出没する。人の手入れが行き届かず、草やぶなど身を隠しやすい場所も増える。奥山と集落を隔てる野生動物との緩衝地帯だった里山がなくなり、人とクマのすむ境界があいまいになっている。

(イノシシの命と向きあって:島根)
野生動物が田畑を荒らす“獣害”。島根県で特にやっかい視されているのが、イノシシです。被害を減らすため捕獲が進められています。イノシシに特別な思いを寄せるのが、今回の主人公、森脇香奈江さん。狩猟免許を持ち、松江市で獣害対策を行っています。「イノシシの命とどう向きあえばよいのか?」。葛藤を抱えながら、模索を続ける森脇さんの思いに耳を傾けます。

(伊吹山をシカから守る防護柵、まずは150m:滋賀)
伊吹山を守る自然再生協議会などは31日、米原市の伊吹山(1377メートル)で、シカから植物を守るための金属防護柵を設置した。米原市や岐阜県関ケ原町の職員のほか、保全団体、一般ボランティアを含む計約40人が集まり、小雨が降る中で作業を進めた。伊吹山ドライブウェイの駐車場から山頂までの東登山道の入り口付近で、イブキトリカブトやユキザサといった貴重な植物を守るため高さ2メートルほどの金属柵で全250メートルを囲う予定で、この日は150メートル分を取り付けた。

(シカの食害から守る保護柵を整備:兵庫)
氷ノ山(ひょうのせん)(標高1510メートル)山頂付近にある「古生沼(こせぬま)」周辺の希少な植物をシカの食害から守るため、兵庫県養父市などが5月、保護柵を整備した。氷ノ山は「氷ノ山後山那岐山(うしろやまなぎさん)国定公園」内にあり、国定公園内の国有林を管理する兵庫森林管理署と市が今年3月、植生保護の推進に関する協定を結んだ。今回の柵の整備は協定締結後、初めての保護活動となった。「古生沼」は標高1498メートルにある高地性湿原で、県の天然記念物に指定されている。西日本唯一の高地性湿原とされ、ヤチスゲやトキソウ、エゾリンドウなどの貴重な湿地性植物が自生している。20年ほど前からは、シカがこれらの植物を食べたり、湿地を踏み荒らしたりする状況が確認された。放置すると貴重な植物が絶滅してしまうおそれがあるとして、これまでは但馬地域のボランティア団体が主体となって、雪解け後の春に保護柵を設置し、降雪前の秋に撤去する活動を続けてきた。ところが、このボランティア団体が昨年3月末で解散したため、今後は兵庫森林管理署と養父市が主体となり、研究機関と連携して柵を整備することになった。柵の整備は5月15日にあり、同署や市の担当者、県生物学会但馬支部の菅村定昌支部長ら約15人が参加した。古生沼周辺に生える植物を囲むように、高さ約1・8メートルの網目状のナイロン製柵を設置した。菅村支部長は「湿原の乾燥化が進み、シカが植物を食べ、本来の植生が失われつつある。保護柵の整備で、何とかこのままの湿原を残したい」とコメントした。

(山と人里との間「緩衝帯」で雑木林の刈り払い始まる:岩手)
岩手県大槌町では、クマをまちに近づけないよう、山と人里との間「緩衝帯」の藪などを刈り払う作業が31日から始まりました。大槌町では2023年、住宅地に出没したクマを麻酔薬を使い捕獲したほか、現在、町内の保育園付近にクマが住み着いているという情報があり、住民に注意を呼びかけています。人間の生活圏でのクマの目撃が増えている状況を踏まえ、町では今年度、町内の建設・林業事業者と協定を結び、クマなどが移動経路として利用している藪や雑木林の刈り払いを行うことにしました。31日から町内2か所で作業が始まり、複数の所有者がいて手入れできなかった雑木林では、実がクマの餌となるクワの木や、竹などが伐採されました。大槌町産業振興課つくる係 佐藤明係長「クマを寄せ付けない環境整備が基本になるんですけど、それでもクマがそこに執着してしまう場合は捕獲しなければならない部分もありますので、地域の猟友会と連携して捕獲の対策を進めているところです」。今年度は町内23か所での刈り払い作業を予定していて、学校周辺などを優先して整備していくことにしています。

(大型トラックがシカをはね停車中の軽乗用車に追突:北海道)
5月31日午後10時45分ごろ、深川市音江町広里の国道12号で、50代の男が運転する大型トラックが軽乗用車に追突する事故がありました。この事故で軽乗用車に乗っていた一家3人が軽いけがをしました。警察によりますと、軽乗用車が片側2車線の国道12号を旭川方面に向かって走行していたところシカと衝突して車道で停車し、大型トラックが後ろから突っ込みました。軽乗用車は50代の夫婦と20代の娘の一家3人が乗っていて、いずれも打撲などのけがをしましたが命に別条はありません。警察はトラックを運転していた男を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕していて、男は「ぼーっとしていた」などと容疑を認めています。

(ツキノワグマを捕獲:岡山)
津山市によると、捕獲されたのは津山市奥津川の山の中で、集落からは1km以上離れた場所です。30日午前10時ごろ、津山市の鳥獣被害対策実施隊員がわなの見回りをしていたところ、イノシシやシカ用のわなにツキノワグマが捕獲されているのを発見しました。捕獲されたツキノワグマは体長145㎝、体重85㎏のオスで、推定10歳以上だということです。ツキノワグマは県の管理計画に基づいて麻酔銃で眠らせた後、個体を識別できる印をつけたということです。

(”牛皮荒したクマ”が近くの畑に出没か:北海道)
6月1日夕方、北海道名寄市でクマの足跡が見つかりました。5月31日には近くの食肉処理場で牛の皮が荒らされていて、警察が注意を呼び掛けています。クマの足跡が見つかったのは、名寄市日進の畑です。6月1日午後5時15分ごろ、畑作業を終えて自宅に戻ろうとした畑の所有者が発見しました。5月31日夕方、畑作業を終えたときには足跡はなかったということです。警察によりますと、足跡は約20センチで、畑から食肉処理場の方向に複数の足跡が確認されました。畑では作物は何も栽培していませんでした。名寄市では5月31日、食肉処理場に置いていた牛の皮が荒らされていて、近くで足跡やふんが見つかっています。警察は同一のクマの可能性もあるとみて警戒しています。

(昨夜からけさにかけてクマの目撃情報相次ぐ:宮城)
昨夜からけさにかけて、宮城県内ではクマの目撃情報が相次いだ。いずれも人的被害の情報はないが、各警察で注意を呼び掛けている。29日午後6時頃 宮城県名取市相互台4丁目の「みはらし公園」で、散歩中の人が公園内の木に登っていた体長約1メートルのクマを目撃。警察が到着した際にはクマの姿はなかったとのこと。29日午後7時10分頃 宮城県大崎市三本木斉田桜舘地内の県道156号線(小野田三本木線)で、車の運転手が体長約1メートルのクマを目撃。県道を横切り南方向に逃げたとのこと。29日午後8時40分頃 仙台市泉区福岡岳山(だけやま)地内の県道223号線(泉ヶ岳公園線)沿いにある仙台市泉区除雪ステーション付近で、車の運転手が体長約1メートルの子グマ2頭を目撃。南側の山林に逃げたとのこと。29日午後10時55分頃 仙台市泉区南中山5丁目地内の市道で車の運転手が体長約1.5メートルのクマを目撃。目撃者によるとクマはゴルフ場から市道を横切り聖和学園短期大学の方向へ向かったとのこと。30日午前5時30分頃 宮城県登米市登米町寺池道場地内の県道257号線(河南登米線)で、犬の散歩中だった人が体長0.5メートルの子グマを目撃。県道沿いにある北上川の河川敷方向へ向かったとのこと。県のHPによると、■クマに会わないためには①目撃等情報に注意②複数人数で入山したり、クマ鈴やラジオを携帯して音を鳴らす③クマの活動時間帯である朝夕・黎明薄暮時のほかクマの注意力が散漫になる霧や風のある気象状況や沢沿いに注意④ゴミ等は放置せず、持ち帰る⑤クマの痕跡をみつけたら、その場を離れる■万一クマに会ってしまったら①そっと立ち去る②騒がない③そっと後ろに下がる④子グマでも絶対に近寄らない■もし、クマが攻撃してきたら①腹這いになり、両手で首の後ろをガードするなど抵抗しない(身を守る)。クマの攻撃は、多くは最初の一撃で終わり、その後、人間から離れていく。②クマ撃退用スプレーを使用する(ただし過信せず、まずクマと出会わないことが大事)

(港町で逃走中の「イノシシ」、南下して米子市で目撃:鳥取)
先週、鳥取県境港市でイノシシが連日目撃されていましたが、同じ個体と見られるイノシシが、ついに米子市内でも目撃されました。今後、市内の方にさらに南下するおそれもあり注意が必要です。境港市内のサッカーグラウンド。ピッチに現れたのは…そう、イノシシです。今月21日、市民スポーツ広場で撮影された映像です。これと同じ個体と見られるイノシシがその後も目撃されていて、現在も逃走中です。最初のイノシシの目撃情報は、19日、境港市外江町でした。イノシシの行動エリアは米子市方面へ、だんだんと南下していき…ついに23日、米子市の崎津地区で目撃。そして24日には彦名町付近で目撃され、その後は目撃情報が途絶えています。もしイノシシに遭遇した場合、どんなことに注意が必要なのでしょうか。鳥取県 鳥獣対策センター 西信介 副所長「基本的に警戒心の強い動物なので、人の気配を感じるとずっと隠れて、通常の場合だと、なかなか人の人の前に出てくることはないので、出くわした場合はじっとして動かない、やり過ごすということが重要になると思います」。イノシシを刺激したりエサを絶対あげたりしないよう注意が必要です。

(貨物列車がイノシシと接触か:兵庫)
30日午後8時すぎ、JR山陽線の上郡(兵庫県上郡町)-三石(岡山県備前市)間で、大阪貨物ターミナル発高松貨物ターミナル行貨物列車がイノシシとみられる動物と接触し、停車した。JR西日本によると、この影響で上下線計9本が最大47分遅れ、約790人に影響した。けが人はいなかったという。

(各地でクマ目撃相次ぐ:新潟)
連日各地でクマの出没・目撃が続いています。警察によりますと、29日朝7時頃、魚沼市松川の県道70号で、車を運転していた人が道路を横切る体長1mほどのクマを目撃しました。最寄りの住宅まで約100mのところだったということです。29日午後6時半すぎには、妙高市堀之内の国道292号で同じく体長1mほどのクマ1頭が目撃されています。また、30日朝7時前には五泉市菅出の建設会社の作業場の敷地内に体長1mほどのクマ1頭が現れ、走り去ったということです。また、29日午後3時過ぎには、新潟市西蒲区間瀬の住宅前で体長1mほどのイノシシが目撃されました。それぞれ警察と行政が連携し、注意を呼び掛けています。

(市中心部にクマ出没:山形)
山形県米沢市の中心部で29日朝、クマが出没しました。その後も、中学校や病院、JR米沢駅の近くで目撃されていて、警察が周囲をパトロールし、警戒を呼びかけています。正午ごろ、米沢市駅前4丁目の松川河川敷でクマが撮影された映像です。体長およそ1メートルほどのクマが川を渡り、中洲にある茂みに入っていきます。クマが出没したのは米沢市立第一中学校のすぐ脇の河川敷です。近くにはJR米沢駅や市立病院などがあり、住宅も密集しています。警察や市によりますとクマは、午前8時40分ごろ、米沢市通町6丁目でも目撃されていました。現場は、県立米沢栄養大学から西に40メートルほどの河川敷で、クマは南の方向に走り去りその後、川の茂みの中に入っていったということです。このクマと同じクマが川を伝って下流の市街地まで移動してきたとみられています。クマの出没を受け、現場近くの米沢一中では授業や部活動を中止し、午後3時半に全校生徒を一斉に下校させました。また、市内の小学校2校でも教職員が付き添いながら児童を集団で下校させました。米沢市によりますと、この映像が撮影されたおよそ4時間後、午後4時の時点では、クマは米沢市金池4丁目の河川敷に移動していて、その後、、午後5時ごろには河川敷の茂みに入り姿が見えなくなったということです。警察では現場周辺をパトロールし、河川敷に近づかないよう市民に警戒を呼びかけています。

(クマの目撃が相次ぐ:宮城)
5月31日朝、宮城県大郷町でクマ3頭が目撃されるなど、県内では目撃情報が相次ぎました。全国的には人身被害も出ていて、クマの行動範囲が広がるシーズンになることから、県は注意を呼びかけています。警察などによりますと、31日午前7時40分ごろ、大郷町川内で、住宅の畑を横切って、山林の方に向かっていく親子とみられるクマ3頭を付近住民が目撃しました。31日は青葉区と太白区、大崎市、大和町でもクマが目撃されていて、県のまとめによりますと、今年度のクマの目撃情報は76件に上っています。31日、群馬県安中市では未明に70代の夫婦が住宅に入り込んだクマに襲われるなど、全国では人身被害も発生していることから、県は注意を呼びかけています。

(シカ出没:群馬)
群馬県警によると、30日午後6時ごろ、玉村町五料にシカが出没しました。

(クマ1頭が道路を横切る:青森)
青森市で30日、クマ1頭が目撃されました。県内では過去最多だった2023年と同じペースでクマの出没件数となっていて、県などが注意を呼びかけています。クマ1頭が道路をゆっくりと横切りました。青森市野木で30日午前11時ごろに撮影されました。青森市では、30日までの2日で、このほかにもクマの目撃が2件報告されています。県内では、2024年に入ってクマの目撃が47件と過去最多となった2023年と同じペースで推移していて、5月29日には、深浦町で山菜採りの男性がクマに襲われてけがをしています。県はクマの出没情報などを確認して危ない場所には近づかないことなど、注意を呼びかけています。

(山林でクマ2頭目撃:栃木)
31日午後4時20分ごろ、日光市中宮祠の山林でクマ2頭の目撃情報があった。

(運転中の列車にクマが衝突し走り去る:福島)
警察によると、5月31日午後5時ごろ、福島県会津若松市内を走行していた会津鉄道の列車に、クマ1頭が衝突した。クマはそのまま走り去り、その後の動向はわかっていない。乗客にけが人はなく、列車は12分遅れで運転を再開した。警察がパトカーによる警戒・広報活動を実施している。

(十勝エゾ鹿使ったメニューも試作中:北海道)
池田町でエゾシカ肉の加工販売を手掛ける「エゾの杜(もり)」(町大通4、三坂一茂社長)の店内で、中華総菜のテークアウト店がオープンした。幕別町出身で、この春十勝にUターンした竹内祐三さん(30)が道外の中華料理店で研さんした腕を生かし、本格的な中華調理を提供している。同社のブランド「十勝エゾ鹿」を使ったメニューも試作中で、竹内さんは「池田町を盛り上げていければ」と意欲を見せる。竹内さんの実家は幕別で農業を営み、エゾの杜でも同農場の野菜を食材として使っている。東京や長野の店で修業を積んだ竹内さんが十勝に戻ってくると知った三坂社長が出店を提案した。メニューは、生地から手作りする特製肉まん(300円)やシューマイ(600円)、エビのチリソース(1400円)、豚肉とピーマンの細切り炒め(1200円)、マーボー豆腐(1000円)など。調味料として使う酒醸(チューニャン)も自ら作るこだわりで、「クルミの飴(あめ)焼き」などの菓子も販売している。薬膳アドバイザーの資格を持つ竹内さんは「シカ肉は栄養価が高いので、ヘルシーな弁当を作りたい」と同社の製品を使ったメニューも試作中だ。三坂社長は「シカ肉を使った料理を試食したが、何を食べても完璧」と太鼓判を押す。

(「敷地内をクマが横切った」:宮城)
体長1メートルほどのクマの目撃情報があったのは宮城県気仙沼市東八幡前の住宅敷地内。1日の午後5時半頃、住民の男性から「敷地内をクマが横切っていった」と警察に通報があった。男性によると、クマは住宅から100メートルほど離れた東陵高校に向かっていったという。人や作物への被害は確認されていない。警察が注意を呼びかけている。

(熊・いのしし情報:富山)
6月1日7時30分ごろ氷見市磯辺地区の八代公民館付近の氷見田鶴浜線で、成獣(約100cmほど)のクマが目撃されました。クマは道路を西から東へ横断し山に移動したとのことです。本日現地確認を行ったところ、クマが通った痕跡を確認しました。お近くにお住まいの方は十分注意してください。また車に乗っている際にクマに遭遇した場合は、決して車からは出ずに速やかにその場から離れてください。

(キャンプ場で"クマ目撃":北海道)
6月1日朝、北海道月形町のキャンプ場で、クマ1頭が目撃されました。キャンプ場は2日までの2日間、閉鎖されます。クマが目撃されたのは、北海道月形町北農場の「皆楽公園」の中にあるキャンプ場です。6月1日午前8時ごろ、利用客が1メートルほどのクマ1頭が歩いているのを目撃し、キャンプ場の管理人に届け出ました。ケガをした人はいませんでしたが、キャンプ場は1日と2日の2日間、閉鎖されます。警察と町が警戒を呼び掛けています。

(クマの目撃相次ぐ:宮城)
31日夕方、名取市内でクマ1頭が目撃されました。宮城県内ではクマの目撃が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。5月31日午後5時頃、宮城県名取市愛島塩手で「クマが林から飛び出してきて道路を横切り、向かいの林に入っていった」と警察に通報がありました。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで、警察官が駆けつけた際に姿はなかったということです。けがをした人はいませんでした。同じ時間帯、付近でのクマの目撃が相次ぎ警察が注意を呼びかけています。

(シカ肉メニュー試作中:北海道)
池田町でエゾシカ肉の加工販売を手掛ける「エゾの杜(もり)」(町大通4、三坂一茂社長)の店内で、中華総菜のテークアウト店がオープンした。幕別町出身で、この春十勝にUターンした竹内祐三さん(30)が道外の中華料理店で研さんした腕を生かし、本格的な中華調理を提供している。同社のブランド「十勝エゾ鹿」を使ったメニューも試作中で、竹内さんは「池田町を盛り上げていければ」と意欲を見せる。竹内さんの実家は幕別で農業を営み、エゾの杜でも同農場の野菜を食材として使っている。東京や長野の店で修業を積んだ竹内さんが十勝に戻ってくると知った三坂社長が出店を提案した。メニューは、生地から手作りする特製肉まん(300円)やシューマイ(600円)、エビのチリソース(1400円)、豚肉とピーマンの細切り炒め(1200円)、マーボー豆腐(1000円)など。調味料として使う酒醸(チューニャン)も自ら作るこだわりで、「クルミの飴(あめ)焼き」などの菓子も販売している。薬膳アドバイザーの資格を持つ竹内さんは「シカ肉は栄養価が高いので、ヘルシーな弁当を作りたい」と同社の製品を使ったメニューも試作中だ。三坂社長は「シカ肉を使った料理を試食したが、何を食べても完璧」と太鼓判を押す。店内では、竹内さんの中華総菜のほか、十勝エゾ鹿のバーガーなども販売している。新商品「ひぐまバーガー」(956円)も登場した。池田町内で捕獲したヒグマのミンチ肉を和風照り焼きソースで仕上げた一品だ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5月31日午後3時ごろ、仙台市太白区太白2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、1日午後2時30分ごろ、松島町高城前田沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、31日午後7時30分ごろ、富谷市明石下寺前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、31日午前8時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢横前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後11時ごろ、仙台市泉区実沢中山南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後8時40分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

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