<射撃ニュース7月>
7/12
(クマ出没相次ぎ、国の検討会が市街地での猟銃使用の法改正案了承)
市街地でのクマの出没が相次ぐなか国の専門家などによる検討会は市街地での猟銃の使用を禁止しているいまの法律を改正し、警察官の指示がなくても可能とする方針案を了承しました。鳥獣保護管理法では住宅が密集している市街地で猟銃を使用することを禁止していて、これまで市街地にクマが出没したケースでは、ほとんどの場合、警察官が別の法律に基づいてハンターに発砲を命じる特例的な方法で対処していました。しかし、クマの市街地への出没が全国で相次いでいる現状を受けて8日に開かれた専門家などによる環境省の検討会で、特例的な方法によらずに鳥獣保護管理法そのものを改正する必要があるとして、法改正に向けた国の方針案が了承されました。方針案によりますと、クマなどの「大型獣」が人に危害を及ぼすおそれがある状況では猟銃の使用を認めます。建物の中にクマなどが入り込んだ場合にも、一定の条件を満たせば猟銃を撃つことを認め、この場合はハンターの安全を確保するため、車の中からの発砲も認めるということです。また猟銃の使用は日中に限られていますが、市街地にクマなどが出没した場合、一定の技能を持った人に夜間の発砲を認めることも検討するとしています。環境省は今後、具体的な条文について検討するなど、法改正の手続きを進めることにしています。【法改正で何が変わるのか】野生動物の保護や管理について定めた鳥獣保護管理法では、市街地での猟銃の使用を禁止していて、環境省によりますと、現在は、市街地にクマが出没した場合、警察官が警察官職務執行法という別の法律に基づいてハンターに発砲を命じて駆除する特例的な方法で対応するケースがほとんどとなっています。ただ、実際には銃口を向けた先に住宅などがないかといった安全確認が必要で、実際に発砲が命じられるまでに時間がかかるケースも多いということです。こうした状況を受けて環境省の検討会では、特例的な対応ではなく、市街地での猟銃の使用を禁じた鳥獣保護管理法そのものを改正する方向で検討が進められてきました。8日にまとめられた法改正に向けた方針案では、3つのケースで市街地での発砲を認めることになっています。クマなどによる人身被害のおそれが発生した場合、建物の中にクマなどが入り込んだ場合、そしてクマなどをわなで捕獲した場合に猟銃を使ってとどめを刺す場合です。また、実際に危険が生じる前の安全な状況でも対応可能な仕組みを検討するとしています。一方、事故が起きたときに駆除にあたるハンターに不利益が生じないよう責任の所在を明確にすることや、クマなどの駆除をハンターに依頼する自治体の担当者などが関係する法令やクマの生態について必要な知識を得られるように研修などを行うことも盛り込まれています。【これまでの対応は】帯広市では5年前、市街地にヒグマが出没し、その後、小学校にも侵入しましたが、警察官が発砲を命じていいかすぐに判断できず、駆除までに時間がかかったケースもありました。警察や地元の猟友会によりますと、2019年12月1日の未明、帯広市の市街地にあるコンビニエンスストアの前にヒグマが出没したのが目撃され、別の場所でも目撃された後、午前7時ごろになって、帯広市中心部にある帯広小学校に侵入しました。ヒグマは体長およそ1メートル50センチ、体重130キロのメスで、その日、学校は日曜日で休みでけが人などはいませんでしたが、クマは小学校の木に登ったまま動かなくなりました。現場には帯広市から要請を受けた地元の猟友会のハンターおよそ20人が集まりましたが、鳥獣保護管理法では市街地での銃の使用を禁止しているため、この時、ハンターはみずからの判断では発砲することはできませんでした。そこで、現場に駆けつけた警察官が警察官職務執行法に基づいてハンターに発砲を命じることを検討しましたが、警察官はすぐに発砲の命令はできませんでした。最終的には帯広警察署の署長がみずから、現場の状況を確認して周辺の住民を避難させた上で発砲を命じ、ハンターが校舎の3階から木の上に登ったヒグマに向かって発砲し、駆除したということです。小学校にヒグマが侵入してから発砲の命令が下されるまで、およそ4時間がかかりました。この時、現場の小学校で対応にあたった猟友会のハンターの1人、沖慶一郎さんは、当時の状況について「猟友会としてはヒグマが木に登った今しかチャンスはないと思っていたが、警察官の命令なしに撃つことはできなかった。命令が出るまでの間は、とにかくヒグマが木から降りないように大声を上げたりして対応していた」と話していました。その上で今回、法改正に向けた方針がまとめられたことについては「今までは市街地では発砲できない前提で、例外中の例外として警察が命令するということだったが、今後マニュアルや基準ができることで、対応が早くなればいい。時間がかかれば不測の事態が起きることも予想されるので、できるときに事態を収拾してしまうのが一番いいと思う」と話していました。【法改正について専門家は】クマなどの野生動物の保護・管理に詳しい東京農工大学の梶光一名誉教授は「クマの分布が広がり個体数も増えてきて人間の居住地に現れるという差し迫った問題に対して、今回の法改正に向けた動きは現場でよりよい対処につながるという意味で前進だ」と評価しました。そのうえで、現場で効率的に運用していくためには「今後、法改正された環境のもとで現場の人たちを育てなければならず、うまく対応できる地域とできない地域の差が広がることが懸念される。ふだんは猟銃を使用することのない市街地で発砲するという高度な判断が求められるので、自治体とハンターなどの密な連携や、仮想の判断シミュレーションなど、知識や経験を積み重ねていく必要がある」と指摘しています。
(市街地で猟銃使用緩和へ、国の検討会が方針)
クマなどの被害が増え続ける中、今月、国の検討会が、新たな方針を示しました。住宅地での猟銃使用の緩和です。現在は、ハンターが、住宅地で猟銃を使うことは、危険が大きいことから、原則禁じられています。ただ、特に緊急の対応が必要な場合は、警察官が指示などで、発砲することが可能です。一方で、市街地での被害が深刻になっていることから、検討会は、警察官の指示がなくても住宅地で銃を使えるよう、法律を改正すべきとの方針を取りまとめました。方針では、▼人への被害の恐れがある▼建物の中に入り込む▼箱わなでクマを捕獲。こうしたケースを明記して、市街地で銃の使用を認めるというものです。実際に猟銃を使うハンターはどう受け止めていますか?会津若松市のハンターの男性は「猟銃の弾は300メートル飛ぶ。建物に入ったからと言って、簡単に引き金は引けない。市街地で発砲して、人がけがすることにならないか心配だ」と話しています。今回の方針について、歓迎する声もある一方で、こうした現場の懸念もしっかり聞いた上で、運用すべきだと思います。
(「アーバンベア」対策へ、環境省がクマ駆除で市街地での銃使用可能方針)
環境省はヒグマやツキノワグマなどのクマ類に対して、市街地で銃の使用を可能とする法改正を行う方針を決めました。クマを含む鳥獣の保護や管理について定めた鳥獣保護管理法では、市街地に出没したクマへの猟銃の使用が原則禁止されています。緊急時には別の法律に基づいて警察官がハンターに発砲を命令するといった方法などで対応していますが、解決まで時間がかかるなどの課題があります。しかし、道内では3年前に札幌・東区で4人が襲われるなど、「アーバンベア」と呼ばれる市街地近くに出没するクマの増加が指摘されていて、環境省は法改正が必要だとして検討を進めていました。今月8日に開かれた専門家による検討会では①人身被害の恐れが現に生じている場合②建物内にクマが入り込む場合③住宅街で箱わなによりクマを捕獲した場合のいずれかに該当すれば猟銃による殺処分を認めるとする改正案をまとめました。現在は禁止されている夜間の猟銃使用を可能とすることも検討します。環境省は早ければこの秋の臨時国会に法案を提出し、年内の改正を目指します。
(観光スポットでもクマ出没、市街地での銃猟可能に緩和へ:埼玉)
クマの市街地出没対策で、環境省の専門家検討会は8日、鳥獣保護管理法を改正し、市街地での銃猟が可能となる要件を条件付きで緩和する対応方針をまとめた。埼玉県内の猟友会関係者は「今まで以上の注意喚起と意識啓発が求められる」と話した。秩父市生活衛生課によると、2023年度の同市内でのクマの目撃情報は、22年度より42件多い73件で、調査記録が残る12年度以降、過去最多となった。毎年、山間部での目撃が多いが、23年度は市街地内の観光スポット「秩父ミューズパーク」付近での情報も多く寄せられ、市は昨夏、「熊出没注意」の看板増設を行った。本年度は7月5日現在で計8件の目撃情報があり、最も多い地区は大滝で4件。同地区を狩猟エリアとする奥秩父猟友会の青木博志会長(75)は「今年も野生鳥獣の行動は活発で、市に寄せられた件数よりも、もっとたくさん現れているはず。今後もクマの目撃者は多くなるのではないか」と話す。同猟友会メンバーは毎年、人が多く集まる大滝地区内の施設や観光地、登山スポットなどでクマの目撃情報が入ると、市から連絡を受けて現地調査を行い、人家に被害をもたらす可能性はないかなどを確認している。今回の鳥獣保護管理法の改正方針について、青木会長は「全国的にクマによる人的被害が増えてきているので、必要な対策」と賛同する。一方で、「人が集まる場所での銃の扱いは、今まで以上の注意喚起と意識啓発が求められる。狩猟者は、周囲の事故防止と銃の安全管理をより徹底するための訓練が不可欠」と強調した。
(クマと対峙するハンター、自治体の向き合い方は?:北海道)
クマがマチに現れたとき、緊迫の最前線に立つ「猟友会」。しかし、5月に北海道奈井江町の猟友会が上げた声をきっかけに、報酬のあり方などがクローズアップされています。地域の安全を守る自治体は、どのように民間のハンターと向き合うべきなのか。3つの自治体の例から考えます。連日、クマの目撃が報じられる北海道内。市街地周辺で目撃されるケースも多く、警戒感は高まる一方です。クマの駆除に大きな力を発揮するのが、地元の「猟友会」。しかし、奈井江町は猟友会に駆除を依頼できません。猟友会との話し合いが決裂したからです。この日、役場を訪れた地元猟友会の山岸辰人さんは、思わず語気を強めます。(北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「俺たちは役場の下請けじゃないんだよ。最低賃金にも引っかからない」。そのわけは“1日8500円”という、町が示したクマ対応の報酬にありました。命の危険と隣り合わせのクマの駆除。本来は趣味のハンターの集まり、民間組織の猟友会を軽視していると、山岸さんは怒りをあらわにします。(北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「米軍の特殊部隊を相手にしているようなものですよ。(クマは)音もなく忍び寄ってくる。アルバイトみたいな報酬で誰がやりますか、危険な作業」。一方で町側にも言い分が。三本英司町長は隣の自治体の報酬額を参考にしたと話し、問題点を指摘します。(奈井江町 三本英司町長)「国にしても道にしても(報酬額の)標準的なものはない。各自治体がそれぞれの状況の中で設定していて、どこが標準なのか苦慮しているのが実態です」。6月10日、札幌市内で開かれた北海道猟友会の総会に臨む山岸さん。総会では報酬額について、道内のハンターから意見が噴出しました。(総会での意見)「奈井江部会の声はその通り。燃料代も考えると赤字もいいところだ」。(総会での意見)「クマの出動手当などについて奈井江部会が単独で声を上げたが、北海道猟友会で全道的な調査をしてほしい」。民間のハンターの負担を「当たり前」としている現状が、奈井江町をきっかけに浮き彫りになりました。(北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「ハンターの皆さんが疑問に思っていることが言葉になって出てきた。みんな協力したい気持ちでやっている。そこに自治体が乗っかっているのは変な話ではないかと。まさに報酬問題とはそういうことだと思う」。自治体と猟友会が衝突するケースは、奈井江町に限ったことではありません。2018年夏、島牧村の住宅街には毎日のようにクマが現れ、緊張に包まれました。連日の出動でつみ重なった猟友会への報酬は1000万円を超えました。村議会は高額すぎるとして、上限を設ける条例を可決。これに反発した猟友会は、およそ2年にわたり村への協力をやめたのです。(北海道猟友会寿都支部 高島紀彦支部長)「村民の安全のためだから出てくださいと、いくらかかっても構わないから出てくださいと言われて出たらあの感じだから、何を言っているのかなと」。村民からの苦情も相次いだため、2020年に条例は改正。毎年話し合いで報酬額を決めることなどで、猟友会は協力を再開しました。今年度は8時間の出動で2万6900円が支払われます。(島牧村企画産業課 栗田翔主幹)「情報共有を図ったり、わからないことがあったら相談して対応を検討させていただいています。顔を合わせて話をするようにしている」。(北海道猟友会寿都支部 高島紀彦支部長)「(奈井江町は)役場が勝手にこの金額でやれと、一方的に押し付けているように感じる。島牧村はそんなことない。1年に1回必ず話をしている。お互いに納得するような議論をして、話をするというのが一番必要だと思う」。マチの90%以上が山林という上川の占冠村です。村役場に勤める浦田剛さんは「野生鳥獣専門員」。毎月、村の広報誌にクマに関する記事を載せています。(占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「クマのようす、シカのようすを見ている私たちの感覚が伝わるように、生き生きと伝えていきたいと心がけています」。村の巡回は欠かせない仕事。浦田さんはハンターの資格を持ち、必要であればクマの駆除も担う、いわゆる「ガバメントハンター」です。占冠村は、公務員が主導してクマの対応に当たっています。占冠村では6月、クマ出没の訓練が開かれました。有害鳥獣対策を担う地元のハンターや警察などが参加するなか、「野生鳥獣専門員」の浦田さんも模擬銃を手に現場に駆け付けます。道の駅の裏手にクマが現れた想定の訓練。発砲が難しい場所と判断し、まずは「追い払い」をするべく、浦田さんが無線機を手にハンターを指揮します。ハンターが連携を取りながらクマを取り囲みます。クマは住宅が少ない山のほうへ移動しました。訓練の最終段階は「クマの駆除」です。先陣を切って、クマがいる茂みへと向かうのも浦田さんです。そして、クマが死んだことを慎重に確認して、本番さながらの訓練は終了しました。浦田さんは、自治体の職員がリーダーシップを発揮することが、地域がまとまる近道だと考えています。(占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「野生鳥獣専門員を置いて仕事させてもらっているのは、ある意味では地域社会の住民のひとつの決意でもある。地域を動かしていく、そういうトリガーになれたらなと思っています」。クマの目撃が相次ぐ道内。危険な任務を民間に大きく頼る体制は曲がり角にきています。自治体とハンターが適切な関係を構築し、ともにクマと向き合う時が来ています。
(犬の散歩中の男性“クマのようなもの”爪でひっかかれ右腕ケガ:北海道)
犬の散歩をしていた男性が、「クマのようなもの」にひっかかれてけがをしました。北海道・小樽市で8日午後5時半ごろ、犬と散歩していた30代の男性が、10メートルほど先の道路に体長50cmほどの動物が座っているのを発見。かわいい鳴き声がしたので頭を触ろうとしたところ、爪で右腕をひっかかれ、けがをしました。男性は「僕の不注意もあるんですけど、頭をなでにいったらひっかかれちゃって、野生なんだなと思って怖くなって、引き返して逃げてきた」と話しました。付近では、午前中にもクマの目撃情報がありました。
(野生イノシシが豚熱感染、県内6例目:岡山)
岡山県は9日、高梁市内で捕獲された野生のイノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は6例目。県によると、6月28日に地元猟友会の協力で捕獲し、遺伝子検査で7月8日に陽性が確定した。高梁市内では6月中旬以降、野生イノシシの感染が相次いで確認され、県がイノシシに対する検査を強化している。県内の飼育豚についてはワクチン接種が進んでいるとして出荷制限はしない。豚熱は豚やイノシシへの感染力、致死力が極めて高い一方、人には感染せず、感染した肉を食べても健康に影響はない。
(豚熱感染イノシシ1頭確認:佐賀)
佐賀県は10日、玄海町湯野尾で捕獲した野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は8例目で、全て半径5キロ圏内に集中している。県生産者支援課によると、イノシシは5日に地元猟友会員が計画的な検査のため、わなで捕獲した。場所は経口ワクチンを散布したエリア内。9日の検査で感染が確定した。経口ワクチンに関して県は11、12日の両日、6月中旬に実施した1回目と同じエリア(半径10キロ圏内)で2回目の散布を実施する。
(ヒグマ「春期捕獲」狩猟者育成の場に:北海道)
熊の人身被害や家畜、農作物被害に歯止めがかからない中、北海道が市町村と連携し、ヒグマ対策として力を入れるのが春期管理捕獲だ。今年で2年目に入り、熊捕獲の経験がある狩猟者に初心者が同行し、経験を積む場として機能する半面、捕獲頭数は前年を下回った。本紙「農家の特報班」が当事者に取材し、成果と課題を探った。山中の40メートルほど先にヒグマの姿を捉えた。そっとハーフライフル銃を構える。弾丸は熊の首にめり込み、1発で仕留めた。90キロの雌だった。手がけたのは、ヒグマ捕獲の経験がない30代女性。同行した経験者から助言を受けながら成功させた。現場は北海道三笠市。まだ雪が残る4月だった。市は今年、春期管理捕獲の一環で、ヒグマ捕獲の経験がある男性狩猟者2人と、地元猟友会メンバーで未経験の30、40代の男女2人の計4人体制を基本に捕獲を進めた。未経験者2人は5月までにそれぞれ1頭ずつ、計2頭を捕獲した。道は、春期管理捕獲を実践する市町村に、人の生活圏からおおむね10キロ以上離れた区域では経験者に初心者の同行を求めている。今年、三笠市の春期管理捕獲に経験者として参加した高崎梨徒さん(25)は昨年、初心者として参加。現在はヒグマ出没時の駆除にも携わる。「捕獲を経験した人材が増えれば狩猟の戦力や指導役の確保につながる」と話す。今回参加した初心者2人は、市街地や農地などへの出没時、市からの要請を受けて駆除に従事するメンバーとなった。市は、「今後も捕獲に対応できる人材を増やしたい」(農林課)方針だ。今年初めて春期管理捕獲を実践した釧路市は、1回の出動でベテランと初心者計3、4人が山に入った。同市は「ベテランの動きを目の当たりにして、助言を受けて動いた経験は糧になる」(環境保全課)と来年以降の継続も検討する。一方、道によると、春期管理捕獲による道内全体の今年の捕獲数は14頭。前年から6頭減った。気候条件や人材育成との両立など、さまざまな要因が関係していた。「今年は足跡の発見が遅れた」。北海道三笠市の春期管理捕獲に参加した高崎さんは、そう振り返る。2~5月におおむね週に1度のペースで山に入ったが、足跡などの情報が集まりにくかった。3月の気温が平年より低かったため雪解けがなかなか進まず「恐らく、熊が出てくるのも遅かったのではないか」と高崎さんはみる。5月までの期間内で、捕獲できたのは2頭。昨年の4頭から半減した。三笠市だけでなく、道全体でも捕獲頭数は減少している。道によると、かつてヒグマの保護を目的に規制されていた残雪期の捕獲を再開した2023年の捕獲頭数は20頭。今年は、市町村の必要経費を助成する措置を新たに用意し、参加自治体が19から50に増えたが、捕獲頭数は14頭にとどまった。道は「雪が少なく、足跡を追跡しにくかったという報告が複数届いている」(ヒグマ対策室)と説明。天候の影響で捕獲頭数が前年を下回った可能性を指摘する。また、捕獲よりも、調査や訓練を重視した市町村も一定数あったという。釧路市は2~4月に計32回、狩猟者を出動させたが捕獲頭数はゼロ。市は初年度だったため「まずは、初心者の狩猟者が雪山で安全を確保しながら痕跡探しを進めることを優先した」(環境保全課)。半面、熊の捕獲を経験したり、熟練の狩猟者から現場で指導を受けたりした狩猟者は着実に増えた。道の求めに応じ、市町村が熟練狩猟者に同行させた初心者の数は延べ900人に上り、前年の2倍近くに相当する。ヒグマのような大型獣の捕獲に欠かせないライフル銃などの猟銃免許の道内の所持者数は22年度時点で6838人。高齢化を背景に、年間400人程度が免許更新を見送る一方、同規模の新規参入があり、直近5年の免許所持者数は横ばいで推移する。道内では乳牛を相次ぎ襲ったヒグマ、通称「OSO(オソ)18」を含め各地で多くの被害が出る中、道は、ベテランの狩猟者が培ってきた技術や知識の継承を重視。ベテランに同行するという現在の枠組みを今後も続け「若い世代を中心に捕獲経験者を増やしたい」(同室)と構想する。さらに、初心者向けに、ヒグマの生態を学ぶ講習会を新たに開くなどして、捕獲技術の向上を後押しする考えだ。
(「クマアラート」導入へ:三重)
今年度の三重県内のツキノワグマの出没件数が5日時点で43件と、過去最多だった昨年度の40件を既に更新していることから、県は、今月中に大学関係者や自然観察指導員などで構成する有識者会議を開き、クマの出没情報を迅速に伝えて注意喚起を呼び掛ける「クマアラート」を新たに導入する方針を決めた。一見勝之知事が9日午前10時半から県庁で開かれた定例記者会見で明らかにした。一見知事は「これからレジャー時期を迎える。人里の近くにクマが出てきているのを認識し、十分に注意してもらいたい」と呼び掛けた。県によると、6~7月は繁殖時期に当たり、雄の行動範囲が広がり、普段クマがいない地域にも出没する可能性が高くなるという。松阪地区では6~7月にかけて多気郡多気町相鹿瀬や大台町唐櫃や明豆の山林などでの目撃情報が寄せられている。これを受け、県では6月からクマの目撃情報を公式ホームページ(HP)上のバナーで知らせる取り組みを始め、クマを目撃した日と場所、種類、発見形態(足跡やふんなど)を地図上に表示し、どこに出没したのか、位置が分かるようにしている。新たに導入を検討している「クマアラート」は岐阜県や長野県など全国11道県で導入されており、県も今度、どのような運用にしていくのか決める方針。
(恐怖!クマ出没急増、人気観光地・日光に異変:栃木)
人気観光地・日光で、熊の目撃情報が急増している。学校の校庭にも出没したため、外での活動が中止された。こうしたなか、市街地での猟銃の使用条件が緩和される方針が固まった。日光・中禅寺湖周辺で、クマの目撃情報が相次いでいる。器用に木を登り、あっという間に見上げるほどの高さにまで移動するクマ。細い枝の上に立ち、さらに上へ。うまくバランスを取りながら、何かを口にしているように見える。番組取材班がクマに遭遇した時にも、木に登り、実を食べ続けていた。すぐ奥に見えるのは宿泊施設の社員寮。クマと遭遇してから10分後、クマが爆竹の音に驚いて木の下に降りた。クマは子どもたちのすぐそばでも…。中禅寺湖からほど近い日光市立中宮祠小中学校の敷地内でも、クマは目撃されていた。旭山晴美 中学校教頭「木の上に登って、1時間ほど桜の実を食べて」。昼間に侵入してきたクマは、グラウンド脇の桜の木に登り、1時間ほど実を食べていた。旭山 中学校教頭「外の活動ができないので、室内・屋内の体育館とかの活動になってます」。校庭に流れるラジオ「狭山日高インターに大型トラックが故障して止まっているため、3キロ半の渋滞です」。旭山 中学校教頭「クマは人の声には敏感だということで、スピーカーでラジオ放送を流したりしています」。学校に子どもたちがいる間は、校庭にラジオを流してクマ対策をしている。ラジオを流している間、クマは現れていないという。竜頭の滝にある飲食店でも、ある対策がとられている。店舗近くの木に登るクマの目的は「桜の実」。報告を受けた栃木県は、実がなった木の枝を切り落とす対策を行った。相次ぐクマ出没情報は全国でも…。長野県伊那市を走る車のドライブレコーダーには、突然飛び出してきた小グマが車に衝突する様子が捉えられた。クマは足を引きずりながら、道路脇へ…。車のバンパーは壊れたが、運転手にはけがはなかったという。北海道根室市の林道で4月、突進してきたクマが軽トラックに襲い掛かった。乗っていた2人にけがはなかったが、恐怖の瞬間となった。環境省によると、昨年度のクマによる人身被害は219件で過去最多となった。福島県矢吹町では、住宅に駆け込むクマが目撃された。市街地に入り込むクマの脅威…。環境省 担当者「クマ類が各地の市街地等に出没し、安心安全な市民生活の脅威となっております」。急増するクマ被害を受け、環境省の検討会は8日、市街地での銃使用を緩和する方針をまとめた。その内容とは?栃木県でクマの目撃情報は5月は30件、6月は84件ということで、すでに去年の倍以上になっており、月間の目撃件数としても過去12年で最多となっている。クマ対策として、中宮祠小中学校ではラジオ放送を流している。人の声を聞かせてクマを近寄らせないようにしている。そして、竜頭の滝の駐車場ではクマの餌(えさ)となる桜の実を落としたりしている。こうした対策を行っている付近では対策後、クマの目撃情報はないという。クマの出没が相次ぐなか、環境省の検討会は8日、市街地での銃の使用を条件付きで可能にする方針を固めた。その条件とは「人身被害の恐れが現に生じている場合」、「建物内にクマが入り込んだ場合」、「箱わなでクマを捕獲した場合」といったもので、こうした条件に該当する場合は市街地であっても発砲できるようになる方針さという。検討会の座長で酪農学園大学の伊吾田宏正教授は「市街地での銃使用は高度な技術が必要。下手をすれば、住民にけが人も出かねない。猟友会員に任せきりの構造も抜本的に変えていくべき」と指摘し、自治体が中心となった捕獲体制の整備が必要だとしている。
(シカをくくりわなで捕獲する方法学ぶ講習会:北海道)
シカによる森林や農作物の被害を減らそうと「くくりわな」を使ってシカを捕獲する講習会が道東の厚岸町で開かれました。9日、道などが厚岸町で開いた講習会には、地元の自治体の職員などおよそ50人が参加しました。はじめに林野庁の担当職員がシカの行動の特徴として大きな石や障害物を避けて歩く習性があると説明しました。そして、実際にけもの道に丸い輪っか状のワイヤーでシカの足をとらえる「くくりわな」を設置しました。その上で、周囲にえさをまいてシカをおびき寄せるとともに、付近に石を並べてわなを踏むよう誘導する方法を紹介しました。林野庁によりますと、担当職員がこうした捕獲方法を考案したということで、シカの駆除を効率的に進められるとして、道外を中心に実績をあげているということです。釧路総合振興局産業振興部の畑中香之林務課長は「とても理にかなった方法でシカの捕獲に効果があることが納得できた。多くの人に積極的に取り組んでいただき、道内全域に普及させていきたい」と話していました。
(三嶺での銃器を使用したシカ捕獲作業について:徳島)
三嶺とその周辺地域でのニホンジカによる自然植生被害の軽減を目的として、次のとおりニホンジカの捕獲作業が行われます。作業実施日には、作業区域内への立入りを控えていただくとともに、捕獲作業員や警備員の指示に従っていただきますようご協力お願いします。登山道へ向けた発砲や登山道を越える発砲は行われないため、登山等で入山される場合は、登山道から外れないようにお願いします。
(ミズバショウをシカから守れ、大平湿原に食害防止ネット柵を設置:群馬)
ラムサール条約登録湿地の芳ケ平湿地群・大平湿原でニホンジカによるミズバショウの食害が急増したことから、群馬県中之条、草津両町などは本年度、同湿原内にシカの侵入を防ぐネット柵を試験的に設置した。食害防止の効果を検証し、シカの動きを監視する。湿地群が広がる両町のほか、環境省や県など関係機関でつくる芳ケ平湿地群ラムサール条約連絡協議会(会長・外丸茂樹中之条町長)が、昨年度に開いた協議会で設置を決めた。シカはミズバショウの花芽を食べ、今季の花も食害に遭ったという。ネットは横5メートル、縦10メートルの範囲。協議会関係者ら22人が参加し、設置作業を5月下旬に行った。設置箇所は遊歩道から離れているため、ハイカーからは見えない。同湿原には県がカメラを設置し、シカの動きを調査している。町六合振興課は「食害を防ぐことができれば、来季は花の復活が見込める。シカの監視を続け、湿原の環境を守りたい」としている。
(リュウキュウイノシシの個体数、スダジイ堅果豊作後に増加傾向:沖縄)
奄美・沖縄地方に生息するリュウキュウイノシシ(以下、イノシシ)は、スダジイ堅果が豊作のときには、早い時期から繁殖を開始し、個体数が増える傾向にあることが分かりました。これはイノシシの個体数変化を予測する上で重要な発見であり、イノシシの森林生態系における役割を評価することや農作物被害を軽減するための管理計画を立案することに役立つ成果です。奄美・沖縄地方ではイノシシは伝統的な食材となる重要な狩猟対象ですが、サトウキビなどの農作物に被害を与える害獣としての側面もあるため、適切な管理計画の設定が必要です。また、地面を掘り起こして餌を探す習性を持つために、林床の動植物の生息に影響を与える可能性も指摘されています。研究グループは、イノシシの繁殖スケジュールや個体数変化の傾向などの基礎的な生態を明らかにするために、沖縄島やんばる地域の森林に設置した自動撮影カメラの撮影記録14年分とスダジイ堅果の豊作との関係を解析しました。解析の結果、当年仔の出現は、堅果不作時には概ね翌年5~6月に始まるのに対し、豊作時には翌年1~2月に始まることが明らかになりました。また、各年8~9月の相対個体数*3) は前年の相対個体数が多いと減少し、前年に堅果が豊作であると増加する傾向があることが判明しました。
(住宅地でクマ出没相次ぐ、市・警察・猟友会が駆除想定し協議:北海道)
士別市内では今年、住宅地で繰り返しヒグマが目撃され、公園が閉鎖になるなど市民生活に影響が出ている。市に寄せられた出没やふんなどの痕跡に関する情報は9日時点で31件と、すでに昨年1年間の37件に迫る。個体数増加が背景にあるとみられ、人に危害を加えかねない個体の出没に備え、市や士別署、道猟友会士別支部は、市街地での駆除も想定した協議を進めている。
(年々増えているクマ被害。あなたはどう感じる?)
あなたは、年にそれほどクマ目撃件数や被害件数があるか知っていますか?クマ出没が最も多いとされる東北の過去4年間における目撃件数と被害の概要です。クマ被害増加の背景には、気候変動や生息域が広がって個体数が増えたことなどが原因で餌が不足し人里にまで降りてきているというようなことが言われています。ナビットでは、全国の主婦を中心としたモニター会員1000人を対象に「クマ被害」についてのアンケートを実施しました。クマ被害で連想する被害について尋ねたアンケートでは「人的被害」が80.8%と最も多くなりました。次に多かったのは「農業への被害」で15.6%です。具体的な統計情報はありませんが、実際の数では農業被害の方が多いと感じます。イメージの問題で人的被害と選択した人が多かったのでしょう。害の情報ソースについて尋ねたアンケートでは「新聞・テレビ・ラジオ」が77.1%と大部分を占めました。次に多かったのは「SNS・インターネット」が16.7%で、この2つで93.8%となっています。クマに遭遇しないようにするための対策についてのアンケートでは「クマが出没しやすい場所や時期を避ける」という基本的で確実性の高い方法が55.6%となりました。次に多かったのが「音を鳴らして人の存在をクマに知らせる」という対策が15.9%となっています。クマが住宅地に出没した際の処置についてのアンケートですが、かなり意見が分かれました。「かわいそうだが殺処分をやむを得ない」が1番多く、31.4%と1/3程度にとどまっています。次に多かったのが「山に帰すべき」で19.3%、「可能な限り殺処分をしないで捕獲すべき」が15.6%と続いています。クマ対策についてのフリー回答では、クマが住宅街に降りてくる根本的な理由を排除するという内容が多くみられました。また、人間とクマがすみ分けできるような環境作りを積極的に行うのような建設的な意見が多い印象でした。他には殺処分について言及された意見(賛否共に)が散見されました。
(「神戸にツキノワグマが現れる日」人間と自然の共生を考えるフォーラム:兵庫)
経済観光局農政計画課・環境局自然環境課。昨今、全国各地で野生のクマの市街地出没や人への被害が報じられています。今後、神戸でも現れる可能性があるのか、もし現れたらどう対処するのか、専門家の皆さまをお迎えしフォーラムを開催します。また、イノシシ、ニホンジカなどの有害鳥獣対策についてもお話しいただきます。
(女性を襲った八甲田のクマが移動してくる可能性あり:青森)
青森市の八甲田で女性がクマに襲われ亡くなったことを受けた対応です。黒石市は同じクマが市内の山に移動して出没する可能性があるとして警戒を呼びかけています。黒石市は今週から八甲田付近への入山警戒措置を実施していると発表しました。青森市との境界から黒森山や田代山周辺地域までの入山について市内5か所に看板を設置して厳重に警戒するよう呼びかけています。北八甲田の地獄沼近くでは先月女性がクマに襲われ亡くなる事故があり、青森市が箱わなを設置しましたがまだ捕獲できていません。クマは1日に10キロ以上移動できると言われていて、黒石市は同じクマが黒石側にも出没する可能性があるとしています。★黒石市農林課 齋藤充主任主事「ツキノワグマの行動範囲は非常に広く、メスであれば約30平方キロメートル、オスであれば約100平方キロメートルに達すると言われています 十分に黒石のほうに出没する可能性があると思いまして警戒を呼びかけています」。黒石市では今年度クマの目撃が3件と今のところ去年に比べ4件少ないということです。
(クマ目撃相次ぐ、4~6月は過去最多:島根)
島根県内でツキノワグマの目撃が、相次いでいる。4~6月は県の記録が残る2003年度以降、それぞれ月別で過去最多となった。浜田市や益田市など県西部で目撃が多いが、松江市宍道町でもあった。活動が活発になる繁殖期を迎えており、県は集落にクマを引き寄せないよう、適切に管理していない果樹の伐採など、注意を呼びかけている。月別の目撃件数は、4月46件、5月218件、6月307件。23年度は4月35件、5月139件、6月147件で、とくに6月は2倍超になった。鳥獣被害対策に取り組む県中山間地域研究センターは「個体数が増加傾向にあり、分布域が拡大していることが影響したと考えられる」と説明する。県が22年に策定したクマの管理計画によると、島根、広島、山口3県にまたがる西中国山地の推定生息数(中央値)は1307頭。また、16~20年度における3県の目撃情報などから定めた分布域は約8200平方キロ・メートルだった。11~15年度は約8000平方キロ・メートルだったことから、生息範囲が広がっていることが分かる。3月には、江津市の山中で作業をしていた男性がクマに襲われて重傷を負った。センターによると、6、7月は、親離れをした若いクマが歩き回る時期で、警戒心が薄く人里に出てきやすい。さらに、繁殖期でもあるため、雄のクマは雌を求めて移動距離が長くなるため、結果として目撃される機会も増えるという。県はLINE(ライン)の公式アカウントを使い、6月、「山に入る時」や「渓流釣りの時」など鈴やラジオを流して、人身事故に遭わないように注意を促した。
(山にクマ捕獲ワナ設置、防犯カメラには…:青森)
クマの目撃が相次いだ弘前市の山にワナが設置されました。ことしは県内のまちなかでもクマの目撃が相次いでいて、対処方法を学ぶ訓練も行われました。先月17日弘前市小栗山のアップルロード沿いでクマが目撃されました。捕獲用のワナは目撃現場から山側へ入った私有地に設置されました。こちらは今月1日私有地の防犯カメラが撮影した映像です。1頭のクマがペットボトルに近寄ってなかの液体をなめています。さらにきのうの夜も。前足を器用に使ってペットボトルを取る様子が映っていました。ワナは私有地を所有する中村元彦さんが地元のハンタークラブに依頼し弘前市から借りて設置しました。ドラム缶2つを筒状につなぎ合わせたもので、中にリンゴを入れクマが手に取ると檻が閉まる仕組みです。★津軽藩ねぷた村 中村元彦 理事長「ここクマの通り道で私クマに何度も出会っています 万が一誰かが事故にあっては遅いということで なんとかお願いして捕獲無事出来ればと思っていました」。★小松ハンタークラブ 蝦名良治 代表「ことし騒いでいる通りクマが多くて人身の被害があっても駄目なので設置しました」。弘前市ではけさも葛原地区のりんご畑でクマが目撃されました。被害はなかったということですが、市内ではことし18件の目撃情報があり、市が注意を呼びかけています。八戸市では地元猟友会など70人が集まり住宅街にクマが出没したことを想定した訓練が行われました。住民の安全を守るためどう行動したら良いのか対応を考えたあと実際に駐車場を住宅街にみたてて実地訓練に臨みました。住民に警戒を呼びかけながら爆竹で大きな音を立て、クマ役の人を住宅街の一角に追い込みます。そして後方を確認した上で警察官が猟友会に発砲許可を出しました。八戸市内では先月、市川町の国道沿いにクマが出没して実際に発砲した事案があり市街地に迫るクマへの対策が急がれています。★県猟友会 十二役美喜男 会長「いろいろな手順を確認しあう上では最高によい訓練だったなと」。★八戸警察署 太田辰治 刑事生活安全官「引き続き関係機関と連携してクマに対応していけるようにしていきたいと思います」。国は人身被害の恐れがある場合などには条件つきで市街地での銃猟を可能にする方向で検討を進めていますがそれまでの間現場では警察と猟友会などが連携して対応することが求められています。
(札幌で相次ぐクマの出没:北海道)
先週から札幌の住宅街で相次ぐクマの出没。10日あさ、新たな目撃が。10日午前3時半過ぎ札幌市西区西野9条9丁目の住宅街で、新聞配達中の男性が公園の野球場付近から道路を横断する3頭のクマを目撃しました。クマは親子とみられていて、付近の小学校では集団下校を行うなど警戒を強めています。クマの目撃は南区の住宅街でも。9日午後7時半ごろ南区北ノ沢9丁目で近くに住む人がシカに飛びかかるクマ1頭を車から目撃しました。クマは体長1メートルほどで、クラクションを鳴らすと驚いて山の方へ逃げていったということです。札幌市は10日あさ現場周辺を調査し、クマの毛と足跡を確認しました。札幌市 熊対策調整担当 清尾崇係長)「大体10cmから11cmくらいの足跡が見つかった。シカがけがをしていて、十分に走れる状況じゃくてそれをクマが狙ったことは考えられる」。相次ぐクマの出没に札幌市の秋元市長は。札幌市・秋元市長)「頻繁に出現するような個体については捕獲も視野に検討を進めていかなければならない」。
(エゾシカ食害防止へ新手法、「小林式」捕獲法講習会:北海道)
餌で誘引し、くくりわなで有害動物を駆除する新しい捕獲法「小林式誘引捕獲法」を、エゾシカの駆除に役立てようとする講習会が9日、北海道厚岸町内の道有林などで開かれた。シカによる農林被害が全道ワーストの町と釧路総合振興局が共催し、道内で初めて開いた。参加した釧路管内の自治体関係者ら約50人は、同法を考案した林野庁職員の小林正典さんから特徴や設置方法を直接学んだ。 わなを使うシカの駆除はばねの反動でシカの足をくくる方式以外に「囲い」と「箱」もあるが、いずれも高い費用がかかり移設が難しいなど共通のデメリットがある。「くくり」はこれらをカバーする一方で、安全面や捕獲率などに難がある。小林さんが考案した方法はシカが餌を食べる際、大きな石などの障害物を避けて歩く習性に着目し、わなの周りを石で囲うことで空はじきを防ぐ効果を狙い、車でアクセスしやすい林道近くの安全な場所での設置も可能にした。4年前の冬に関西の森林で28日間平均39基設置して試みたところ86頭を捕獲した実績がある。座学の後、参加者は町内の道有林に移動し、小林さんからわなを設置する際の注意点などの説明を受け、一人ずつ20基以上を林内に設置した。わなの周りに置く石は、周囲の土から指2本分出るようにすると自然に見えるという助言に、参加者は「置き方が難しかった」と話していた。同振興局と町は、10日にわなを設置した場所を確認し捕獲できたかを調べる。
(協同コム、東京大学の進める鳥獣被害対策システムの構築に貢献)
韓国HYUNDAI IT社のデジタルサイネージ総代理店である、株式会社協同コム(本社:東京都中央区入船2-5-7、代表取締役:立石 洋久)は、国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区本郷7-3-1 総長:藤井 輝夫)が研究を進める、「ICT利用による鳥獣モニタリング・被害低減の実現に関する技術開発(FS研究)事業に対して、光刺激提示装置として活用いただける、屋外用デジタルサイネージ H467SL-2を、2台納入致しましたのでご報告いたします。鳥獣被害対応では、現在担い手不足と作業負荷が課題となっております。イノシシ及びサルの獣害対策をターゲットに、限られた人手による効率的な対策を、デジタルサイネージを始めとしたICTの利用により実現することを、今回の目的としております。この研究により、・ICTの利用による野生のイノシシ及びサルの行動モニタリングと行動コントロール・省力的獣害対策の実現、上記2つの効果が期待されております。協同コムでは、今後もデジタルサイネージをはじめとしたICT機器の納入、選定サポート、保守に注力してまいります。
(クマが住宅街に出現を想定、花火そして猟銃:山梨)
今年度、山梨県内で確認されたクマの目撃情報は去年の2.5倍に上っています。住宅街にクマが現れたらどのように対応するか、警察とハンターらが連携した初めての訓練が行われました。訓練は大月警察署が初めて実施したもので、大月市や猟友会から約40人が参加し、住宅街にクマが出没したことを想定して行われました。会場は廃校となった小学校で、通報を受けて現場に駆け付けた猟友会のメンバーが花火で追い払おうとしました。しかしクマ(役)は逃げ出しません。そこで次の対応は…訓練会場のアナウンス:「ハンターに猟銃の発砲命令が下されます」。関係者のとっさの判断で猟銃でクマを仕留めることを決め、安全確認を行ったうえでハンターが建物の2階から発砲する想定の訓練をしました。「バン」と発砲の合図の掛け声がすると…クマ(役)が倒れました。大月警察署 平山幸比佐 生活安全課長:「警察も今回初めての訓練となりますので、その中で手探りでやってきたので、訓練を重ねていくことによって、素早く対応できるよう今後も続けていきたい」。今年度県内で確認されたクマの目撃情報は117件で、去年の同じ時期の2.5倍に上っていて、警察はクマを見つけた際は、その場を離れ、必ず警察や市町村に通報するよう呼びかけています。
(熊出没を想定した訓練、警察・市・猟友会が連携を確認:青森)
青森県内でもクマの目撃情報が相次ぐ中、八戸市で住宅街にクマが出没したことを想定した対応訓練がありました。県南地方で初めて行われた合同訓練には、八戸警察署や八戸市、それに県猟友会八戸支部などから関係者およそ70人が参加しました。訓練は、八戸市河原木地区の住宅街に体長およそ1.2メートルのクマ1頭が出没したという想定です。パトカーが出動し警戒や広報活動をするとともに、クマに対しクラクションや爆竹を鳴らして、発砲しても背後に危険が及ばない場所に追い込みます。そして、警察が猟友会のメンバーに発砲を許可するまでの一連の流れを確認しました。この訓練は、住宅街にクマが出没した時の迅速な対応や、関係機関の連携確認などを目的に行われました。【八戸警察署 太田辰治刑事生活安全官】「警察と市町村とですね、猟友会の方々との共通認識を持って対応に当たるということで、訓練を開催しました」。「(クマを目撃した場合は)直ちに安全な場所に避難していただいて、警察なり自治体の方に通報いただくのがよろしいのかなと思います」。県内には「ツキノワグマ出没警報」が出されています。6月、八戸市市川町では住宅に隣接したやぶにクマが出没し、猟友会が2発発砲しました。また八甲田の地獄沼近くでは、タケノコ採りをしていた80代の女性がクマに襲われ亡くなっています。
(ヒグマとばったり遭わないために「人間側も対策を」:北海道)
ヒグマによる人身被害防止を目的に市民団体などが10日、札幌市南区の果樹園で草刈りを行った。放棄された果樹の伐採や草刈りを2020年から始めている。約15人が参加し、人よりも背の高い草やこれから伸びるササなどを刈った。約5年前に新規就農した果樹園の50代男性によると、これまで敷地に現れたヒグマを映像で確認できたのは2回ほど。草刈りをした場所はブルーベリー狩りやりんご狩りを行う場所に近く、客も出入りする。ただ、約4ヘクタールの広さで起伏のある土地では、「機械は使えず手刈りのため手が回らない」という。市によると、南区でのヒグマの出没は20件(7月9日現在)で、昨年同日の83件と比べて4分の1にとどまる。担当者は「昨年は3頭駆除したこともあり、南区での出没件数は落ち着いている」とみる。NPO法人EnVision環境保全事務所の早稲田宏一研究員は「草刈りは人とクマがばったり出合わないために意味がある」という。市民団体「エコ・ネットワーク」の小川巖(いわお)代表は「毎年することで、前年の成果が見えている。植物との根気比べだ」と話す。茂みなどクマの移動経路をなくすことで、人との接触を防ぐ狙いだ。これまで伐採したサクランボなどの果樹は300本ほどで、放棄された果樹はヒグマを誘引する要因になる。小川さんは「クマ問題は人間側の問題でもある。人間も対策していかなければならない」と話す。
(「イノシシかと思った」仲間の猟師が撃った銃に当たって50代が重態:韓国)
韓国江原横城(カンウォン・フェンソン)でイノシシの捕獲に出た猟師が仲間の猟師をイノシシと誤認してけがをさせる事故が発生した。7月9日、警察や消防などによると、8日午後11時10分ごろ横城郡公根面富蒼里(コングンミョン・プチャンリ)の村会館付近の野山でAさん(59)が撃った銃弾が仲間の猟師Bさん(57)の顔などに当たった。警察の取り調べでAさんは熱感知レンズでイノシシを確認している間、動く音がしたためBさんをイノシシと勘違いしたと話したという。Bさんは複数の弾丸が一度に発射される散弾であごや耳の部分などを負傷した。Bさんは心停止状態で近くの病院に運ばれたのち、原州(ウォンジュ)地域大学病院に移送された。現在呼吸は回復したが病状が重いと伝えられた。2人は収穫期の有害野生動物被害防止団の所属で、富蒼里一帯でイノシシによるとうもろこし畑被害の通報を受けて捕獲に出たことが分かった。イノシシやシカと合わせて夜行性動物捕獲に出る場合、午後5時から翌日午前9時までの銃器搬出が可能だ。警察はAさんを業務上過失致傷容疑で立件して正確な事故経緯を調査している。
(キジを撃とうとして人を、飲食店の前にいた60代の顔に弾丸:韓国)
キジを捕まえようとして人間を撃った70代の猟師が有罪を宣告された。2月7日、仁川(インチョン)地方法院(地裁)刑事4単独のアン・ヒギル裁判官は業務上過失致傷の容疑で起訴されたA被告(75)に禁錮6月・執行猶予1年を宣告したと明らかにした。A被告は2022年12月7日午前11時50分ごろ、仁川市中区の仁川国際空港の近くで猟銃を撃ってBさん(63)にけがを負わせた疑いが持たれている。A被告は有害野生動物捕獲許可区域でキジを捕まえるために猟銃を撃ったことが分かった。猟銃の最大到達距離は190メートルだ。Bさんは80メートルほど離れた飲食店の前にいたところ、目の下に弾丸を受けた。病院に運ばれたBさんは全治8週間の診断を受けた。一般に有害野生動物を捕まえる場合には住宅や畜舎の近くに住んでいる住民を事前に避難させなくてはならない。そうでない場合、周囲100メートル以内では銃器を使ってはいけない。A被告は普段、仁川空港に離着陸する航空機と衝突しないようにキジやハトなど有害野生動物を捕獲する活動をしていた。アン裁判官は「被告人の過失が重い」とし「被害者が受けた傷害も軽くない」と判断した。ただし「被告人が犯行を認めており、裁判の過程で合意した被害者が処罰を望まないでいる」とし「被告人が職業人として捕獲活動をしたわけではなく、ボランティア活動をしていた点などを考慮した」と量刑の理由を明らかにした。
(中学校近くでクマ目撃、同じ個体とみられるクマ駆除:北海道)
10日午前、十勝の更別村の中学校の近くでクマが目撃され、その後、同じ個体とみられるクマが地元の猟友会に駆除されました。クマは子グマとみられ、親グマの姿は確認されていませんが、警察が注意を呼びかけています。警察や更別村によりますと、10日午前10時前、更別村更別南3線の畑にヒグマ1頭がいるのを近くを車で通りがかった人が目撃し、警察に通報しました。現場は更別中央中学校の校舎から350メートルほどの場所で、およそ3時間半後の午後1時半すぎに畑の近くにいた同じ個体とみられるクマが地元の猟友会によって駆除されました。村によりますと、駆除されたクマは体長90センチほどの子グマとみられ、親グマの姿などは確認されていないということです。村の教育委員会は中学校に対して屋外での活動を中止するよう呼びかけたほか、下校するときは保護者が迎えに来るよう要請したということです。警察はパトロールを強化するとともに、付近の住民に注意を呼びかけています。
(わなに残されたシカの脚、クマに襲われたか:北海道)
函館市小安町付近の畑で、きのう(2024年7月8日)午前9時ごろ、畑の持ち主がシカの後ろ脚1本を見つけ、市役所に通報しました。畑の持ち主はシカ対策のためにわなを設置しており、わなには脚1本だけが残されていました。警察によりますと、畑にはシカの身体を引きずった痕も残されていて、罠にかかったシカがクマに襲われた可能性が高いということです。警察は周囲のパトロールを強化しているほか、市は箱わなを設置するなど対策をとっています。
(「世界でも聞いたことがない」1つの箱わなに子グマ3頭:北海道)
1度に3頭のクマが罠にかかりました。地元の猟友会も見たことがないと驚いています。小さな箱わなの中から威嚇してくる3頭のクマ。クマが捕獲されたのは北海道・日高町清畠にある森の中で、近くには国道235号や日高自動車道があります。警察によりますとこの近くでは先月から6件の目撃情報があり、役場が猟友会に依頼して先月26日に箱わなを設置したところ、7日に3頭の子グマがかかりその後、駆除されました。1つの箱わなに3頭が同時にかかるのは非常に珍しいといいます。北海道猟友会 門別支部 佐々木憲支部長)「日本では私も猟友会長いですけど聞いたことがない。世界でも聞いたことがない」。猟友会によりますとこの時期は親離れした子グマが人里に降りてくることがあるため、人との接触や農作物の被害など注意が必要です。
(温泉住宅街の近くでクマ1頭目撃:北海道)
小樽市の住宅街の近くできのう、クマ1頭が目撃されました。中学校では職員が下校を見守るなど警戒を強めています。小樽市朝里川温泉1丁目できのう(2024年7月8日)午前10時半ごろ、道路わきの林に体長1.5メートルほどのクマ1頭がいるのを通行人が目撃しました。警察や小樽市によりますと、すぐ近くでフキが食べられた痕跡があり、ササも倒されていたということです。およそ150メートル先には中学校があり、教員らが生徒の下校を見守ったほか、保護者にメールで注意喚起しました。付近では5月からクマの目撃情報が3件あり、市などが警戒を強めています。
(国道286号線で体長1メートルのクマ目撃:宮城)
9日、宮城県川崎町でクマが目撃されました。けがをした人はいませんでした。県は6月28日、クマによる人身被害のリスクが高まっているとして、全域にクマ出没警報を出し警戒を呼びかけています。9日午後5時10分頃、川崎町の国道286号線で、道路上にいるクマが目撃されました。クマは体長が約1メートルで、通報を受けて警察官が駆けつけた際に姿はなかったということです。けがをした人はいませんでした。県は6月28日、クマによる人身被害のリスクが高まっているとして、全域にクマ出没警報を出し警戒を呼びかけています。
(三角山のクマ2頭、周辺で目撃相次ぎ登山道入り口すべて閉鎖:北海道)
札幌中心部の三角山にクマが出没し、登山道が閉鎖されました。散策のため普段から多くの市民が利用する登山道の閉鎖は2年ぶり。市は捕獲も視野に対策を検討しています。山の中を歩く2頭のクマ。これは7月5日午前9時ごろ、札幌市が設置したカメラがとらえた画像です。クマが出没したのは札幌の三角山と盤渓につながる登山道で、宮の森入り口から約300メートル付近です。札幌市によりますと、クマは親離れしたかしないかくらいの若い2頭で、体長1メートルほどだったということです。さらに同じ日の午後9時40分ごろには直線で約400メートル、西区山の手の住宅街でも2頭のヒグマが目撃されました。周辺ではこのほかにもクマの目撃が相次いでいて、札幌市は三角山につながる3か所の登山道の入り口全てを閉鎖。このルートのクマによる閉鎖は実に2年ぶりのことです。三角山では2年前の3月、クマの巣穴を調べていた男性2人がクマに襲われケガをする事故もありました。札幌市が2023年策定した「さっぽろヒグマ基本計画」。7月2日に公表された「ヒグマ対策重点エリア事業実施プラン」では、三角山から藻岩山及びその周辺を含む地域を「重点エリア」としています。このエリアは市内のクマ目撃件数の4分の1を占めていて、住宅街と隣接しているだけではなく登山客や観光客などの利用も多く、侵入対策や個体数を減らす取り組みが必要だとしています。そのため住宅街につながる場所でエサになるクルミの木を間引きしたり、電気柵を設置したりして近づけないようにするほか、箱わなによる捕獲で個体数を減らすこと、さらに自動撮影できるカメラを増やし、生息状況の監視強化にも取り組むとしています。札幌市は、今回三角山で撮影されたクマは4月下旬から出没を繰り返していた親子グマと同一個体とみられ、「問題個体」と判断。今後は箱わなによる捕獲も視野に対策を進める方針です。
(登校中の女子中学生がクマを目撃:北海道)
8日午前、北海道小樽市で登校中の女子中学生が体長1.5メートルほどのクマを目撃しました。警察が、付近のパトロールを強化しています。クマが目撃されたのは小樽市朝里川温泉1丁目の道道の交差点付近です。8日午前10時半ごろ、登校中だった近くの中学校の女子生徒が体長およそ1.5メートルのクマを目撃。その後、教員が警察に「生徒が登校中にクマを見た」と通報しました。警察によりますと、近くのキャンプ場では、笹が倒れる痕跡が見つかったということです。目撃された場所は、望洋台の住宅街の入り口で、警察が付近のパトロールを強化しています。
(運転中に“大きなクマ”目の前に、各地で出没多発:北海道)
山道を走行中、クマが目の前に現れました。北海道の比較的、見通しの良い道路。すると突然、右側の草むらから車の前に飛び出してきたのはクマ。車の前に飛び出してきたクマは振り返ることなく、しばらく道路を走り、そのまま左側の草むらに姿を消しました。「にんにくの産地」としても有名な青森県田子町でも車で走行中にクマを目撃。路肩に車を停車し、車内から撮影したということです。周囲を警戒しながら葉を食べるクマ。時折、車の方にも威嚇するように視線を向けます。森の中で木にしがみ付くクマの様子も撮影。目撃した男性によりますと、クマは体長80センチぐらいの子グマで、周囲に親グマがいる様子はなかったといいます。
(「クマがシカに覆いかぶさっている」:北海道)
札幌市南区北ノ沢9丁目で2024年7月9日午後7時40分ごろクマ1頭の目撃情報がありました。警察によりますと、付近住民から「クマがシカに覆いかぶさっている」と通報がありました。住民が外出のため車に乗ろうとしたところ、30メートルほど先の路上に体長約1メートルのクマとシカがいて、住民はびっくりしてすぐに家に入り警察に通報したということです。札幌市が10日朝に痕跡調査をしたところ、シカの毛やクマとみられる足跡が複数見つかりました。警察が付近をパトロールして警戒しています。
(JR田上駅近くでイノシシ1頭の目撃情報:新潟)
新潟県田上町で10日朝、イノシシ1頭の目撃情報がありました。近くにはJR田上駅や民家、老人ホームなどもあることから、警察や田上町役場が注意を呼び掛けています。イノシシが目撃されたのは田上町田上丙で、10日午前8時半ごろ、田上町役場から警察に「午前7時35分ごろ、JR田上駅付近で住民がイノシシ1頭(体長約50センチメートル)を目撃した」と通報がありました。イノシシは道路を横切っていたということです。目撃された場所はJR田上駅の近くで、民家や老人ホームもあるエリアです。警察と田上町役場はパトロールするなどして、付近の住民らに注意を呼び掛けています。
(ニホンジカのわなにツキノワグマかかる、民家までの距離600メートル:三重)
県の担当者によると、錯誤捕獲されたのは体長119㎝、体重34㎏のオス。民家から約600メートル離れた場所に仕掛けた箱わなにかかっていたところを町民が発見し、通報したということです。県内でツキノワグマが錯誤捕獲されたのは、5月18日の熊野市に続き2件目です。三重県ではツキノワグマなどの野生動物を錯誤捕獲した場合、人や農作物などに被害が出ていなければ山に返すのがルールとなっていて、今回も翌4日に町内の山林に学習放獣されました。放獣前には、記録のための耳タグとマイクロチップも装着したということです。に対して「檻を叩く」「爆竹を鳴らす」「忌避スプレーを噴霧する」などを行い、人の怖さを学ばせてから山に返すことで、他県の事例をみると、学習放獣によってクマが人里に近づかなくなったなどの報告があることから、一定の効果が見込めるとされています。 県の担当者はクマ対策として「クマに出会ったときは、目を合わせながら後ろに下がるといいと一般的にはいわれているが、状況によっては効果がないこともあるので、出くわさないようにすることが一番大切。クマが出没するエリアには近寄らない、どうしても近寄らなければいけない場合は、クマ避け鈴やラジオなど、音が出るものを必ず携帯してほしい」と注意を呼びかけています。
(庭に果実の木があるお宅はクマ対策を!:北海道)
札幌市によりますと、きょう(2024年7月9日)、札幌市西区山の手5条10丁目付近の住宅街で、サクランボの木が荒らされていると、市に情報提供がありました。市が調査したところ、サクランボの木にクマの毛や爪痕があり、枝が折られていたということで、通報者によると、7日にこの状況を確認したということです。付近では5日にも別のサクランボの木にクマの爪痕が残されているのがわかり、札幌市は緊急で電気柵を設置し、近くにセンサーカメラも設置したということです。札幌市は付近の警戒を強化するとともに、庭に果実の木がある住宅では電気柵を設置するか早めに収穫するなど、クマへの対策を呼びかけています。
(クマに続いて今度はイノシシの目撃情報:新潟)
6月下旬から2件のクマの出没があった新潟県田上町で10日、今度はイノシシが目撃された。田上町役場から県警加茂署に、午前7時半ごろに田上町田上丙地内のJR田上駅付近で住民が体長約50センチのイノシシ1頭を目撃したと通報があった。目撃場所は民家のすぐ近くで、加茂署と田上町役場では、付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。イノシシはは田上駅から東へ200メートルほどの所の特別養護老人ホーム「あじさいの里」付近で道路を横切っている所を目撃された。最近、田上町と隣接する新潟市秋葉区で繰り返しイノシシが目撃されており、同じイノシシの可能性がある。田上町では6月21日、7月7日とクマの出没状があったばかりだ。
(小学校近くでクマ1頭が目撃、登下校時に送迎:新潟)
魚沼市にある小学校の近くで7日、クマ1頭が目撃され、けがをした人はいませんでしたが小学校は8日の登下校時に保護者が送迎をするなどの対応をとりました。警察などによりますと7日の午後2時すぎ、魚沼市須原にある須原小学校の近くでクマ1頭を目撃したと近くの郵便局の職員などから市や警察に通報がありました。クマは体長1メートルほどで小学校の方向から西の方向へ移動したあと、国道を横断して山の方に去って行ったということです。けがをした人はいませんでした。須原小学校では8日は念のため登下校時に保護者が送迎をしたり、教職員が見守ったりする対応をとったということです。須原小学校の佐藤宏教頭は「この地域は山が近いのでクマが出ることはありますが、これほど学校に近い場所でクマが発見されたことはありません。地域の人や警察、消防、市教育委員会との情報共有やクマが現れたときの素早い対応について準備を徹底したい」と話していました。
(大槌ジビエ、鹿肉をブランド化:岩手)
岩手県大槌町と周辺で捕獲された鹿を食肉加工する「大槌ジビエ」。5年前に町内で創業した「MOMIJI(モミジ)」が加工から販売までを手掛ける。鹿肉のブランド化は県内初で、今春に農林水産省の国産ジビエ認証を取得。高品質を前面に押し出し、販路を拡大している。町の東側は太平洋に面し、東日本大震災で甚大な被害を受けた。一方、西側には北上山系の山々が連なる。町の総面積200平方キロの85%以上を森林が占め、鹿が好んで食べる広葉樹の割合が比較的高いという。鹿肉の商品化が始まったのは2017年。鹿の駆除を担っていたハンターの兼澤幸男さん(39)らが「食肉として生かせないか」と声を上げた。復興支援のために移住した藤原朋さん(39)の耳に入り、藤原さんの呼び掛けで同年9月にジビエの勉強会がスタート。19年12月にMOMIJIが設立され、兼澤さんが社長に就任した。藤原さんは役員として経営に携わっている。
(「第9回ジビエ料理コンテスト」を開催します!)
国産のシカ・イノシシを使用し、多くの人がご家庭で作れて、安全でおいしく楽しめる料理を大募集!一般社団法人日本ジビエ振興協会は、国産のシカ・イノシシ肉をメイン食材とした料理コンテストを開催。第9回目となる今年、応募資格はプロ・アマ不問で高校生以下は除く「一般部門」と小学生、中学生、高校生または、チーム(1チーム3名まで、親子参加可)「小・中・高校生部門」の二部門。募集テーマは「国産のシカ・イノシシを使用し、多くの人がご家庭で作れて、安全でおいしく楽しめる料理」です。日本ジビエ振興協会が承認業務を行っている国産ジビエ認証取得の処理施設も年々増加し、安心安全なジビエの流通が加速し始めています。レストランのみならず、オンラインショップ等でも購入ができるようになり、一般のご家庭にもジビエ肉が届くようになりました。そして、さらなる流通消費の促進のためには、家庭での消費拡大が次のステップと考えています。そのためには調理方法の普及が不可欠になりますが、まだまだ「硬いのでは?」「匂いは?」等の潜在的な意見が蔓延しており、その払拭も必要な状況です。第9回ジビエ料理コンテストでは、「家庭で作って楽しめる」ことをコンセプトとしたジビエ料理レシピを募集することになりました。受賞レシピを広く周知することで、「作ってみたい」「食べてみたい」という意欲を掻き立て、ジビエ料理に挑戦する一般の方を増やし、ジビエの消費拡大につなげることを考えています。安心安全なジビエ肉が正しくご家庭に流通し、よりおいしく調理された料理が日本の伝統食として文化を象徴した時代のようにジビエ肉が愛されるように、弊会では鋭意努力してまいります。特に、本コンテストは農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金」事業の一環として実施されるものであり、日本の農家を守る役割もあります。是非ともより多くの方々にご応募いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後5時40分ごろ、富谷市大亀滑理川一番にクマが出没しました。
(イノシシ出没:宮城)
南三陸町によると、11日早朝、南三陸町志津川助作にイノシシが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前9時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場愛宕裏にクマが出没しました。
(イノシシ出没:宮城)
豊里町によると、11日午前9時40分ごろ、登米市豊里町平林にイノシシが出没しました。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、11日午後3時20分ごろ、松島町手樽才ノ神付近にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢小坂南にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後10時50分ごろ、仙台市泉区朴沢小屋にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、9日午前5時30分ごろ、松島町竹谷猪里沢付近にクマが出没しました。
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(市街地にクマ、銃猟可能に:環境省)
昨年度、過去最多の人身被害を出したクマの市街地出没対策に関し、環境省の専門家検討会は8日、3回目の会合を開いた。鳥獣保護管理法を改正し、市街地での銃猟を可能とする要件を条件付きで緩和する対応方針がまとまる見通し。現行法は住宅密集地などでの銃猟は原則禁止で、ハンターらが市街地で銃猟できるのは警察官職務執行法に基づき警察官が命じた場合などに限られていた。検討会が5月23日の会合で示した対応方針案は、警察官が現場にいない場合などには警職法で対応できないことが懸念されると指摘。クマによる人身被害の恐れが生じている場合、市街地での銃猟を特例的に行えるよう鳥獣保護管理法を改正すべきだとしていた。環境省によると、昨年度のクマの人的被害は、把握できる2006年度以降で最多の198件、219人だった。住宅街などで餌を探す「アーバンベア」も多数出現した。
(銃乱用恐れの申告、急増:長野)
銃の所持者の言動などから、銃を使って危害を加える恐れがある場合などに、銃刀法29条に基づき近隣住民らが都道府県公安委員会に申告できる制度で、2023年に県内で6件の申告があったことが5日、県警への取材で分かった。うち2件は調査の結果、欠格事由に該当すると判断され、所持許可が取り消された。
(砂川の猟銃取り消し、10月18日判決:北海道)
ヒグマ駆除の際、適切に発砲したのに道公安委員会から違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)=砂川市=が道を相手取り、処分の取り消しを求めた行政訴訟の控訴審第3回口頭弁論が5日、札幌高裁(小河原寧裁判長)であった。池上さんが意見陳述し、結審した。判決は10月18日。
(猟銃免許取得の利便性向上へ:沖縄)
石垣市は害獣駆除を目的とした猟銃所持者の確保や射撃大会の開催などを目指して整備計画を進める「石垣市狩猟者研修センター」建設地の第1候補として、市内星野地区の山側(白保大俣原)を選定した。2023年度末に策定した基本計画によると約52億円の建設費を見込むほか、施設規模は延べ床面積1万600平方㍍を予定する。選定場所は民有地や市有地、国の土地が混在しているため、今後は用地取得へ向けた交渉を地権者と進めながら、地域住民への説明も実施する。市農政経済課によると同センターは、鳥獣被害から農作物を守るため猟銃所持免許の取得を希望する農家の利便性向上のほか、スポーツ競技としての射撃大会開催など観光コンテンツの創出を目的に整備する。市は23年度に副市長を委員長とし、関係部長で構成する「建設用地選定委員会」を設置、年度末までに市内6カ所の候補地から白保大俣原の用地を絞り込んだ。第2候補地には野底栄地区の山側にある伊原間大浦山を挙げている。候補地は、射撃場の指定に関する内閣府令などを参考に選定。銃弾を撃ち込む方角の奥に山が位置しており、住宅や公道、公共施設から200㍍以上離すなど安全性を確保する条件を満たしているという。また、西表石垣国立公園や保安林の規制が少ない用地を選んだ。第1候補地の白保大俣原は、休耕田など個人所有地(45筆)の用地取得が必要になるが、大規模な造成工事は不要。第2候補の伊原間大浦山は、用地の大半を市有地が占めるが、造成工事の費用が掛かるとみている。基本計画によると、施設は約6万平方㍍の敷地に免許取得・更新用の研修センター、300㍍級のライフル射撃場などを整備する。市は、300㍍級の射撃場を整備することで愛好者の誘客にもつなげたい考え。散弾銃を使うクレー射撃場は、弾の飛散防止ネットを設けて周辺の自然環境負荷を抑える。同センター建設には開発行為を伴うが、同課は面積が県の示す環境影響評価(環境アセス)基準の10ヘクタール以下のため「環境アセスは対象外」としている。一方、水質調査は定期的に実施し、環境省などのガイドラインに沿って、専門家の意見を聞きながら周辺環境のモニタリングも検討していく。
(野生イノシシ5頭が豚熱:茨城)
茨城県は4日、県内の城里町と大子町、常陸太田市でそれぞれ見つかっ…(以下不明)。
(本年度のクマ捕獲上限「800頭台」、人の生活圏は制限せず:秋田)
秋田県などは5日、本年度のツキノワグマの捕獲上限数について「800頭台」とすることを決めた。詳細な頭数は、県が今月中にも公表する。上限に迫っても、人の生活圏に出没した場合の有害駆除は制限しない方針。同日県庁で開いた「野生鳥獣保護管理対策検討委員会」(委員長=星崎和彦・県立大教授)で、学識経験者や関係団体などと協議した。
(クマの大量出没を懸念、住民参加型の訓練:石川)
2024年はクマのエサとなる実が凶作傾向と予測され、人里での大量出没が懸念されています。石川県羽咋市では、集落での出没を想定した住民参加型の訓練が行われました。羽咋市酒井町で行われた訓練には、県や警察、猟友会に加え、地域の住民などおよそ40人が参加しました。訓練は山道から出てきたクマが集落の方へ逃げていくのを畑にいた住民が目撃するとの想定で行われました。通報を受けた警察などが捜索に向かったほか、市の職員らが住民に戸締まりなどを呼び掛けました。記者リポート「いま県の職員が倉庫の中のクマを捕獲しようと、麻酔銃を準備しています」。また、麻酔銃で眠らせたクマを猟友会が捕獲するまでの連携を確認しました。住民は「きのうもクマ出ましたし、近々で訓練できて非常によかった」。酒井町では3日の朝クマ1頭が目撃されるなど県内では目撃情報が相次いでいて、県はツキノワグマ出没注意情報を出し、里山周辺での遭遇に注意を呼び掛けています。
(「千葉県有害鳥獣捕獲協力隊」の隊員募集について:千葉)
千葉県におけるイノシシやキョンなどの有害鳥獣対策の強化・促進のため、狩猟免許は取得しているものの捕獲には取り組めていない方などに、捕獲技術を習得していただくこと等で有害鳥獣捕獲の新たな担い手確保につなげるとともに、千葉県の有害鳥獣問題に共感いただける方などからふるさと納税の寄附による支援をいただく「千葉県有害鳥獣捕獲協力隊」の隊員を募集します。昨年度、好評をいただいたことから、今年度は定員を拡充します。有害鳥獣捕獲の新たな担い手確保のため、狩猟免許(わな猟)所持者を対象に、県の捕獲事業に同行し、実践的な技術を習得する意欲のある方を募集します。また、習得した技術を県内での有害鳥獣捕獲に活かしていただくため、市町村等とのマッチングの機会を設けます。狩猟免許(わな猟)を所持していない方は、オンラインでの参加となります。
(街にいながら狩猟を追体験できる「罠ブラザーズ」より、年間通してジビエを美味しくいただく新プラン『アメイジング・罠ブラザーズ』が登場:長野)
株式会社山学ギルド(本社:長野県上田市 / 代表取締役:川端俊弘)をはじめ、「食季cafe展」、「土とデジタル」が共同で運営する、街にいながら狩猟を追体験できる罠シェアリングコミュニティ『罠ブラザーズ』は、年間通してジビエを美味しくいただく新プランとして『アメイジング・罠ブラザーズ』を開始いたします。これまでシーズン毎に開催してきた『罠ブラザーズ』は、現在開催中の2024春をもって累計250名の方に参加いただきました。実際に現地での活動を自身の目で体感したいという声をきっかけに、今年からスタートしたジビエ食体験ツアー『僕たちはどう食べるか』には半年で30名以上の方に、上田の地へ足を運んでいただきました。そしてこの度、開催期間に限らず猟師との繋がりを継続し、年間を通して街にいながら鹿肉を美味しくいただきたいという声から、新プラン『アメイジング・罠ブラザーズ』が誕生いたしました。
(クマ対策ポスターがかわいすぎ?県議会で異例の議論:秋田)
秋田県が作成したクマによる被害への注意喚起ポスターについて、秋田県議会で「クマがかわいすぎてクマの怖さが伝わらないではないか」との異例の指摘があった。問題のポスターは、クマが葉っぱの向こう側から顔を傾けて正面をのぞき込むイラストが描かれ、「クマに注意」との大きな文字や、森で遭遇したときの対処方法などについてのイラストも掲載されている。つぶらな瞳でデフォルメされていて、議員の指摘通り確かにかわいらしい印象を持つ人が多いだろう。「かわいすぎて怖さが伝わらない」との指摘に対して、秋田県の生活環境部長は、「このチラシについてはクマを可愛く見せようとして、こういったイラストにしたわけではないんですけど、ご指摘の通り、確かにクマに襲われた場合に深刻な被害に遭うというのは、なかなか伝わりにくいようにも感じますので、イラストをどうするかということと、被害に遭った場合の状況について、PRの仕方を今後考えてまいりたいと思います」と答弁した。また佐竹知事も、「すみません、私が見てれば良かったのですが」と謝罪した上で、「私は相当ですね、怖くやります。あくまで『デビル』。動物愛護とは別ですので、やはり恐怖を感じるような、そんな映像を使うべきだと思います。しっかりとそういう状況にいたします」と答弁し、ポスターを修正する意向を示した。秋田県内では2024年の6月30日までに510件のクマの目撃情報が寄せられていて、2023年の同じ時期より123件増えている。また、6人がクマに襲われけがをしている。人身被害が過去最悪となった2023年と同じペースとなっている。
(生物多様性やシカの食害など学ぶ講演会:長野)
佐久市は7日、市内の生物多様性やシカの食害などについて学ぶ講演会「佐久の自然を考えよう」を市役所で開く。昨年度に続く望月地区の森林内の植生などを調べる「生物多様性保全活動検証事業」の一環。生物多様性の理解を深めるため、専門家ら4人による講演会を企画した。同地区の現状を知ってもらい、生態系の保全につなげる。昨年度は、望月地区の地形や標高が異なる10カ所を調査地として選定。植生変化の調査や回復に向けた実験をする「植生調査」と野生鳥獣の生息状況を把握するための「動物調査」を行った。動物調査では、センサーカメラにシカの姿が一番多く写っており、植物を食べる様子が見られた。また、植生調査で柵を設置したところ、シカが入れない内側の植物の方が成長する結果に。これらの調査から、調査地の森林内の植物は、シカの影響を受けているとみられる。講演会では、国立研究開発法人森林研究・整備機構(茨城県つくば市)フェロー、小泉透さんが生物多様性について説明。麻布大(相模原市)獣医学部の塚田英晴教授がシカの保全問題について解説する。市環境部の担当者が、昨年度の事業の報告と今後の予定について話す。
(クマ対策の課題「ハンター不足、高齢化」半数超:青森)
青森県内で今年、ツキノワグマの目撃や被害報告が相次いでいることを受け、東奥日報が県内40市町村に被害防止に向けた課題を尋ねたところ、クマを駆除する狩猟者(ハンター)不足や高齢化を挙げた市町村が半数以上の23に上った。人材確保のための支援を国や県に求める自治体も多かった。「ハンターの平均年齢は67歳。近い将来ハンター不足になる可能性が非常に高い」(五戸町農林課の庭田大輔主事)、「町内にハンターは2人だけ。長期的に見れば人手不足になる可能性がある」(大間町産業振興課の伊藤満治課長補佐)。実際にクマを駆除する猟友会員の高齢化が多くの自治体で共通した課題となっている。その影響で「出動回数に限度がある」と大鰐町農林課の山田翔太係長。まだ出没件数が少ない五所川原市の川口均農林政策課長は「クマを捕獲する事態があった時に必要な人員を確保できるか」と懸念を口にした。高齢化による担い手不足に加え、平川市農林課の對馬秀人主事は例年の問題として「捕獲が農繁期と重なる時期の隊員の確保が困難」と嘆く。白神山地を抱える西目屋村は、狩猟免許の受験料の全額補助のほか、威嚇用ロケット花火の農家への無償配布、電気柵の設置費や箱わな購入費を助成する事業などを行っている。西澤彰・産業課長補佐は「狩猟免許の所持者増へ周知に力を入れるべきだ」と国に提言する。つがる市農林水産課の松橋誠課長補佐は「猟友会の育成を目的とした事業を実施してほしい」と国や県への要望を語った。目撃情報に加え、死亡事故など人的被害が相次いだ青森市。本年度の出没件数は58件(3日時点)に上り、すでに昨年度1年間の56件を上回った。菊池朋康・環境政策課長は「猟友会に頼らない形での捕獲・駆除の仕組みも必要ではないか」と考える。駆除にはわなも欠かせないが、そもそも「保有するわなの数が十分ではない」(黒石市農林課の齋藤充さん)との声もあった。6月中旬に民家近くにクマが出没した八戸市は「住宅街でクマが出没した場合、猟銃での対応が困難」(農林畜産課の寺沢智幸課長)と実際の対応の難しさを吐露した。このほか、自治体の境界付近でクマが出没した際の自治体間の連携や情報共有の体制強化を課題に挙げる自治体も。南部町の担当者は「ICT(情報通信技術)などの先端技術を活用した広域的な捕獲を検討してほしい」と要望している。
(ハンターの魅力、県と猟友会がPRイベント:石川)
狩猟の魅力を広く伝えようと、県は6日、白山市吉野の白山吉野オートキャンプ場でイベント「ハンターPRキャラバン」を開いた。担い手不足が予測される狩猟者の確保につなげる狙いで、狩猟に関するクイズや、おもちゃのレーザー銃を使って的を打つ「シューティングゲーム」などを参加者が楽しんだ。県自然環境課の職員や県猟友会白山支部(同市)の会員が実施。イベントの会場には、クイズが書かれたパネルが三つ設置され、来場者がクイズに参加すると、クマよけの鈴がプレゼントされた。本物の猟銃を再現した模擬銃や、イノシシなどを捕らえる際に仕掛ける「箱わな」の展示もあった。県によると、県猟友会員は平均年齢が高く、若い世代の参入が少ないことが課題になっている。今後、県猟友会員の引退者が増え、市街地などに出没した野生動物を駆除する「有害鳥獣捕獲隊」が編成できなくなるケースが考えられるという。県はイベントを今月下旬に加賀市でも開き、狩猟の魅力PRに力を注ぐ。シューティングゲームを体験した野々市市の山本新さん(9)は「銃が結構重たくてびっくり。なかなか的に当たらなくて難しかったけど、面白かった」と話した。
(市街地にクマ、こう対応:山形)
新庄猟友会(古沢友一会長、39人)は7日、市街地でのクマの出没に対応するための訓練を、舟形町の県猟友会射撃センターで初めて実施した。新庄市内の住宅街で昨年11月、クマが出没したことから企画し、参加者は非常時の対応を確認した。訓練は射撃技術向上などを目的に毎年実施している安全射撃大会に併せて実施し、会員34人が参加した。市街地での発砲を想定し、模擬銃を構え、警察官からの発砲許可と合図を受けた上で射撃するまでの手順を体験した。爆竹や大声を出してクマを追い払ったり、網を使って子グマを捕まえたりする方法も学んだ。訓練終了後、クレー射撃で標的を撃つ訓練も実施。古沢会長は「会員みんなで有事に備える」と気を引き締めた。
(松枯れの倒木で防獣柵損壊の危険:長野)
松枯れ被害の拡大に伴い、枯れた木が倒れて獣害防護柵が損壊するケースが松本市内で急増している。修復箇所の累計延長は令和4年度が730メートル、昨年度は842メートルで、本年度は6月末時点ですでに832メートルに上る。このままでは田畑へのシカの侵入・食害が広がりかねないとして、市は本年度、柵周辺のマツをあらかじめ伐採する対応に乗り出す。里山辺地区では柵の破損が数年前から問題になっている。藤井町会の元町会長、藤井敬善さん(73)によると「柵を直してもまた木が倒れて壊され、いたちごっこの状態」。侵入したシカに果樹の芽を食われたり水田を荒らされたりする被害が出ているという。中山地区の南東部では、柵付近に仕掛けたわなにシカが掛かる頻度が2日に1回まで増加している。一方で、松枯れの激甚エリアでは柵周辺のマツが傾いており、地元農家は「このままでは破損箇所がシカの『電車道』になる」と心配する。市の森林環境課、農政課によると、立ち枯れたマツは5年もすると倒れやすくなる。近年は鳥獣被害額が拡大傾向にあり、その背景には松枯れで相次ぐ柵の破損もある。このため市は本年度、里山辺の4カ所(約400メートル)、中山の11カ所(約600メートル)で柵を挟んで幅20メートルの範囲にあるマツを予防策として面的に処理することを決めた。費用を計上した補正予算が市議会6月定例会で可決し、秋の収穫時期までに着手できるように準備することになった。市内の松枯れは15年ほど前から拡大を続ける。被害が甚大な四賀、岡田などでも同様の対応を望む声があるといい、市森林環境課は「土地所有者の同意を得られれば他の地区でも取り組みを進めていく」と話している。
(談話室:山形新聞)
▼▽「あと5年もしたら鉄砲(てっぽう)撃(ぶ)ちは半分になるな」「んだな」。こんな会話を耳にしたのは、猟銃所持者に年に1回義務付けられている、銃の検査会場だった。警察署で一斉に実施されるため、猟友会員らが顔を合わせる。▼▽会員数減少の実態は当事者がよく知る。県猟友会の2023年度の会員数1695人は、ピーク時の2割ほどでしかない。加えて高齢化も深刻だ。65歳以上が6割近い。「ところでなんぼ(何歳)になるや」。冒頭の2人のやりとりは続き、問われた方は「88だ」と答えた。▼▽その男性は、次の猟期を最後に銃を手放すつもりだとも話した。クマなどによる被害が拡大し、駆除や捕獲でハンターの役割は増す一方だ。半面、銃は扱いを誤れば自分だけでなく他者の命にも関わる。彼は体力や判断力の衰えを自覚して引き際を見極めたのかもしれない。▼▽運転免許についても、不便になるが事故を起こしてからでは遅いと返納する人が増えた。社会のために身を引く決断と言えよう。米大統領選討論会で高齢不安を露呈したバイデン氏は、身内の民主党内からの撤退論に晒(さら)される。米国のみならず世界が注目する決断やいかに。
(「モンスターウルフ」の威嚇力:北海道)
ここ数年、全国的に目撃情報、襲撃被害の件数が急増し、大きな社会問題となっているクマ問題。頼みの綱だったはずの猟友会は高齢化などで人手不足。彼らの多くは本業が別にあり、自治体からの要請があっても即座に対応できるとは限らない。重要なのは農作物や家畜に被害を出さず、市外地への侵入を許さないことだが、クマ撃退に絶大な威力を発揮すると農家や自治体関係者が期待を寄せるアイテムがある。それが「モンスターウルフ」だ。体長120㎝、高さ80㎝の狼型ロボットで、搭載された赤外線センサーが野生動物の接近を感知すると、約90デシベルの大音量で威嚇。さらに首を左右に振り、目と尾の部分のLEDライトが激しく点滅するという。それも音声は50種類以上とバリエーション豊富だ。「野生動物は基本的に憶病で、大きな音や強い光は苦手です。そうした修正を利用したものでシカやイノシシだけでなく、クマの撃退にも成功。販売総代理店のウルフ・カムイ社のユーチューブチャンネルでは撃退動画の数々を公開しています」(農業専門誌記者)。済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携して表彰を行う「第8回ものづくり日本大賞」で、ものづくり地域貢献賞を受賞。現在、約250台が全国各地の自治体で実戦配備されている。また、CNNやBBCなど欧米メディアでも紹介。そのため、日本だけでなく海外からも多くの問い合わせが寄せられているそうだ。「しかも、ふるさと納税の返礼品にもなっています。寄付金が1台185万円と高額ですが、それ以上に驚いたのは、ヒグマ駆除の報酬額が安すぎて猟友会からそっぽを向かれた北海道奈井江町の返礼品であること。開発・製造元の太田精器はこの町の会社なんです」(同)。猟友会に頼れない今、自治体はモンスターウルフを大量に設置して人里への侵入を防ぐしかないかも。
(今度はヌートリア?地元が捕獲作戦:兵庫)
兵庫県高砂市阿弥陀町のため池に外来種のヌートリアが住み着いている。ため池にはハスが植えられ、冬には毎年、小学生がレンコン掘りをしている。しかし、本来なら青々と茂るはずの葉が今年は激減。地元の水利組合はヌートリアによる食害の可能性を指摘し、わなを仕掛けて捕獲に乗り出した。このため池では1980年代にハスが咲いていたが、外来種のカメによる食害などで次第に減少したという。2017、18年に東播磨県民局の協力を得てカメを駆除し、種レンコンを植え付け、かつての風景をよみがえらせていた。以前ハスが弱った際は、ザリガニやカメの影響が考えられたという。7年ほど前に一掃して以降は勢いを取り戻していた。だが、昨年から再びハスの数が減り、今年は7年ほど前と比べて半減してしまった。ヌートリアは市内全域で生息が確認される特定外来生物で、稲や葉野菜を食べたり、ため池の堤や水田のあぜを破壊したりする。ネズミの仲間で、繁殖力が強い。市鳥獣被害防止計画で地域一帯となって捕獲防除が求められている。6月下旬、猟友会と水利組合が市鳥獣被害防止対策協議会から箱わなを借り、ヌートリアが通りそうな池のほとりに設置した。水利組合の松本博一さん(76)は「このままでは子どもたちがレンコン掘りをできなくなる。なんとかしたい」と話した。
(有害鳥獣対策、担い手確保:千葉)
千葉県は有害鳥獣対策の担い手確保のため「捕獲協力隊員」を募集する。狩猟免許(わな猟)の所有者であまり活動していない「ペーパーハンター」らに実践的な技術を身に付けてもらい、捕獲作業への参加を促す。募集は昨年度に続き2回目。免許所有者対象の「実践コース」(参加費1万円)は定員を30人から50人に、捕獲の動画配信などの「疑似体験コース」(同5千円)は20人から30人に増やした。実践コースは、わな設置の実習や特定外来生物のキョンの捕獲作業に参加。キョンを集団でわなに誘導する「追い込み捕獲」も体験できる。本年度から県内自治体の捕獲活動も紹介し、習得した技術を生かしてもらうため自治体とのマッチングも行う。募集は10日~9月30日までで先着順。県ホームページの「ちば電子申請サービス」で申し込む。県の有害鳥獣対策を応援する支援隊員も募集する。寄付額が1万円~30万円で返礼品はキョンの肉や革製品など。申し込みはふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で10日から今年末まで。昨年度は93人から約128万円の寄付があった。県自然保護課によると、2022年度の有害鳥獣による農業被害額が約2・7億円。イノシシの被害が最も多く1億1700万円で、シカ・キョンの被害は1200万円だった。同課の担当者は「マッチングの機会を設け、実際の活動につなげたい」と参加を呼びかける。
(昨年度の野生イノシシの捕獲数、前年度の1.5倍に増加:福島)
福島県内の野生のイノシシは、伝染力と致死率が高い、ブタの伝染病、CSF=豚熱に、一時、多くが感染し、捕獲数が激減したとみられていましたが、昨年度は、捕獲数が一転して前の年度の1.5倍に増加したことが県のまとめでわかりました。家畜の豚への感染が引き続き懸念されています。福島県では、東京電力福島第一原発の事故の後避難指示が出された地域を中心に野生のイノシシの生息範囲が広がり、県が自治体や猟友会と連携して駆除を進めるなか、4年前の令和2年度の捕獲数は事故前の10倍近い3万5698頭にまで急増しました。しかし、令和3年度から状況が一転し、捕獲数は前の年度の半分の1万8767頭に激減し、令和4年度は、さらにその半分の9934頭まで減りました。ところが、昨年度の捕獲数は、1万4667頭と、前の年度の1.5倍に増えたことが県のまとめでわかりました。県内ではこれまでに、少なくとも34の市町村で、伝染力と致死率が高い、ブタの伝染病、CSF=豚熱に感染したイノシシが捕獲されていて、県は、駆除の効果に加え、豚熱に感染して一時的に個体数が減ったものの、免疫を持つイノシシが一定数いると考えられ、繁殖して増えたと見ています。県自然保護課は、「他県でも豚熱の影響で一時減少したものの増加に転じた事例がある。養豚場への感染の懸念は依然としてあり、引き続き捕獲対策を緩めず進めていきたい」としています。
(市街地の銃使用の規制緩和へ、知事は「感謝申し上げる」と歓迎:岩手)
各地で相次ぐクマの被害を受け環境省の検討会は8日、市街地などで銃を使ったクマの捕獲について、規制を緩和する方針を取りまとめました。市街地などで銃を使ってクマを捕獲することは法律で原則禁止されていて、免許を持つハンターが銃を使用できるのは警察官が指示をした場合などに限られています。しかし警察官が緊急性を判断することは難しく、指示が出るまでに時間がかかることなどにより、ハンターが銃を使えず、対応が遅れて被害が出る恐れが指摘されています。そのため環境省の検討会は8日、人への被害の恐れが生じている場合などに、警察官の指示がなくても銃を使用しクマを捕獲できるように、法律を改正すべきとする方針を取りまとめました。今後、法改正も含めて環境省で検討が進められる見通しです。これを受けて岩手県の達増拓也知事は、「法改正を行う方針が示されたことに感謝申し上げる」「国においては法改正やガイドライン等の整備を進めていただきたい」とコメントしています。
(人や農地守るバスターズ、イノシシ駆除に活躍:広島)
広島県尾道市因島三庄町の住民グループ「野犬・イノシシ対策隊バスターズ」が発足から8年たち、活動の幅を広げている。昨年は因島の全9町で過去最多のイノシシ251頭を捕らえ、半数余りを因島三庄町以外が占めた。人や農地の被害を防ぐため、捕獲ノウハウの伝授にも力を注ぐ。
(鳥獣保護管理法第38条に関する検討会(第3回)の開催について)
環境省では、近年、クマ類等の市街地への出没が増加し、生活環境の保全上の支障が生じる事例が増加していることを受けて、鳥獣保護管理法第38条で禁止されている住居集合地域等における銃猟について、課題の整理及び対応方針の取りまとめを行うことを目的とした「鳥獣保護管理法第38条に関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催しています。本検討会の第3回を、令和6年7月8日(月)に開催します。第3回では、第2回に事務局から提案のあった「鳥獣保護管理室法第38条の改正に関する対応方針(案)」について、過去2回の検討会での議論とパブリックコメントの結果を踏まえて、取りまとめに向けた議論を予定しております。
(親離れしたクマが歩き回る6~7月、遭遇したら「ゆっくり後ずさり」:福井)
福井県内で今春からツキノワグマの出没件数が急増し、4~6月は3か月連続で過去最多となった。人里近くで冬眠した個体が多かったことなどが原因とみられ、6月には1頭が福井市の住宅街に侵入。民家に立てこもった。夏は親離れや繁殖によりクマの活動範囲が広がる時期で、人と遭遇する危険性も高まるため、県が警戒を呼びかけている。「クマが出ています。家の中に入ってください」。6月18日の昼過ぎ、福井市花堂東の住宅街では、クマの立てこもりについてアナウンスするパトカーが巡回し、物々しい雰囲気に包まれた。福井南署や市などによると、クマは体長1・1メートルの雌の成獣。午後3時過ぎに猟友会員に射殺された。現場はJR福井駅の南約2キロ、越前花堂駅の北東600メートルに位置する。ここまでの移動経路について、クマの生態に詳しい石川県立大の大井徹特任教授は「東側の足羽川沿いか、西側の足羽山などを足がかりに移動してきたのではないか」と推測。市の担当者は「住宅街にクマが出たことは大きな驚きだ。今後は街中をうろつく事態も想定し、どう対応すべきか検討しないと」と危機感を強める。県によると、県内で確認された目撃情報、フンや足跡などの痕跡、わなによる捕獲を合わせた出没件数は、4月が27件、5月は116件、6月は255件。いずれも2004年に統計を取り始めてから過去最多となり、3か月合計の398件は、それまで最多だった19年(214件)の1・8倍に達した。なぜ今年は出没数が多いのか。県や大井特任教授は、餌となるドングリ類(ブナやミズナラの実)が少なかった昨秋、山を下りてきたクマの多くが人里近くで冬眠し、春先に目覚めた後も人里周辺で活動しているためと分析する。県自然環境課の西垣正男参事は「出没の多さには、県民が目撃情報を積極的に報告してくれるようになった側面も関係しているだろうが、それを考慮しても数が多い。山間部に住む人の数が少なくなったことなどから、クマの生息域は年々拡大しているため、今後も出没数が増える恐れがある」とみている。繁殖期の6~7月は一年で最もクマの活動が活発になり、親離れをした若いクマが広範囲に歩き回る時期でもある。夏の行楽シーズンと重なるため、県は市町との臨時の連絡会を6月11日に小浜市で、同18日に勝山市でそれぞれ開催。クマの生態について情報共有し、ドラム缶のおりを使った捕獲技術の研修を行った。さらに、▽生ゴミを放置しない▽隠れ場所となるヤブを刈る▽遭遇したらゆっくり後ずさりする――といった対策の周知を強化するよう求めた。県は24年度中にクマの駆除に関する管理計画を策定し、25年度から実施する方針で、西垣参事は「計画的に生息数を管理し、被害を防ぎたい」と話す。
(なぜ“初夏の被害”相次ぐ?専門家が指摘“クマの繁殖期”)
7月に入ってもクマが人を襲う事態が相次いでいます。専門家は今の時期ならではの注意点を指摘しています。人々が直面しているのは厳しい暑さだけではありません。3日、兵庫県養父市の山中で72歳の男性がクマに襲われました。猟のわなにかかっていたクマが突如、わなから外れ、男性は頭や足をかまれました。夏本番が始まる7月になってもクマが人を襲う異常事態が続いています。福島県喜多方市でも…。クマの恐怖に直面した親子がいました。設置したカメラにはクマの姿が。この映像の前日、まさにこの場所でツキノワグマに出合い頭に襲われた75歳の女性が、その時の恐怖を語ってくれました。なんと、クマが馬乗りに…。異例のクマとの遭遇。専門家は今の時期、ある理由でクマの行動が活発になるといいます。自宅で飼っているヤギに餌(えさ)を与えるため、小屋に保管してあったお米を取りに行った際、女性はクマに襲われたのです。先月24日午前7時半ごろ、小屋の入り口から米袋のほうに移動していると、奥から体長1メートルほどのクマが現れます。すると突然、走り出したクマに襲われ転倒。胸の上に乗ってきたクマから身を守るため、必死に手で顔を覆ったといいます。しかしその後、病院に行くと胸の骨が折れていたことが分かりました。ところがこの翌日、クマが再び小屋に出没。市が設置した自動カメラに、その姿が映ります。喜多方市は同一個体の可能性が高いとみています。喜多方市熱塩加納総合支所 澤井康人住民課長「クマはある程度学習してそこに食べ物があるという認識を持つようなので、そこに行くと食べ物があるということで来たのかな」。相次ぐ人的被害。暑さの影響は…。クマの出没が相次ぐ背景に5日のような“過酷な暑さ”は関係あるのでしょうか。石川県立大学 大井徹特任教授「(高温は)直接行動には影響しません。立派な毛皮をまとっているので暑さには比較的に弱いと思うが、山の中では暑さをしのげる場所がたくさんある」。では、暑さに弱いはずのクマがなぜ人里に現れるのでしょうか。石川県立大学 大井徹特任教授「例年よりもたくさんクマが出ているように思われるのは長期的に変化するクマの生態がある。年々クマの生息域が山奥から市街地周辺に広がりつつある。そういう長期的変化のなかで6、7月はクマの交尾期で、活発に活動するクマたちがとんでもない場所に。市街地の人目に付きやすい場所に出てきやすい時期」。
(つま先蹴りでクマ撃退「やるか、やられるかだった」:島根)
6月29日早朝、江津市浅利町の菰沢公園内を散歩中にクマに遭遇し、とっさのつま先蹴りで撃退した男性が5日取材に応じた。「やるか、やられるかの状況だった」と緊迫した場面を振り返った。男性は近くに住む永井秀司さん(63)。菰沢公園は日課の散歩コースの一つで、クマを警戒して鈴と笛を首にかけて歩く。29日午前6時半ごろ、公園のオートキャンプ場手前を折り返し歩き進むと、後ろに何か気配を感じた。振り返ると、約5メートル先に体長1メートルを超えるクマの成獣がいて、四つ足でゆっくりと向かってきた。首にかけた笛を鳴らす間もなく「何かしないとやられる」とスニーカーの右足で思いきり蹴り上げた。足首の角度は90度。顎にヒットし、親指の付け根に感触がしっかり残った。クマはグルグルとうなり声を上げ、逃げ去る際に口元に血が見えたという。助かったという思いで、急に動悸(どうき)がして冷や汗が流れ出た。永井さんは中学時代は柔道部。サッカーや空手の経験はない。「もし空振りしていたら、どうなっていたか。命はなかったかもしれない」。思い起こすと今でも怖い。県によると、2024年度のツキノワグマの目撃件数は4~6月で571件。うち6月だけで307件を占め、14年度以降で最多。特に人里で目撃されるケースが多く、注意が必要だ。今回の対処に、島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科の田川哲係長は「運が良かったケース。攻撃すると興奮して反撃が苛烈になるおそれがある」と注意を促す。後ろ向きに逃げるとクマは追いかける習性があり、最善の対処法は「その場で首の後ろに手を組んでうつぶせ姿勢を取ること」とした。
(生物多様性やシカの食害など学ぶ講演会:長野)
佐久市は7日、市内の生物多様性やシカの食害などについて学ぶ講演会「佐久の自然を考えよう」を市役所で開く。昨年度に続く望月地区の森林内の植生などを調べる「生物多様性保全活動検証事業」の一環。生物多様性の理解を深めるため、専門家ら4人による講演会を企画した。同地区の現状を知ってもらい、生態系の保全につなげる。昨年度は、望月地区の地形や標高が異なる10カ所を調査地として選定。植生変化の調査や回復に向けた実験をする「植生調査」と野生鳥獣の生息状況を把握するための「動物調査」を行った。動物調査では、センサーカメラにシカの姿が一番多く写っており、植物を食べる様子が見られた。また、植生調査で柵を設置したところ、シカが入れない内側の植物の方が成長する結果に。これらの調査から、調査地の森林内の植物は、シカの影響を受けているとみられる。講演会では、国立研究開発法人森林研究・整備機構(茨城県つくば市)フェロー、小泉透さんが生物多様性について説明。麻布大(相模原市)獣医学部の塚田英晴教授がシカの保全問題について解説する。市環境部の担当者が、昨年度の事業の報告と今後の予定について話す。
(「クマに注意!!」看板設置:青森)
青森県むつ市は6日、クマの出没・被害への注意を呼びかける看板を水源池公園北駐車場のそばに設置した。市は市内の観光施設や公共施設など30カ所程度に看板を立てる予定で、今回が初の設置となる。
(シカ食害にへこたれず、キキョウ脇芽生やしてピンチ脱出:京都)
戦国武将・明智光秀の首塚がある谷性寺(京都府亀岡市宮前町)の門前に広がる観光園「ききょうの里」で、キキョウが例年より遅く、見頃を迎えようとしている。今年は多くの新芽がシカの食害に遭ったためだ。代わりに伸びた脇芽のつぼみが膨らみ始めていて、あと1週間ほどで咲き誇りそうだという。同園は、光秀が家紋にしたキキョウを中心にアジサイやハンゲショウ、ギボウシなどを住民らが栽培。2004年から期間限定で毎年オープンしている。
(クマのエサになるブナの実、今年「並作」もクマ警戒を:岩手)
林野庁東北森林管理局は、クマのエサとなるブナの実の県内のことし秋の実りについて、去年の「大凶作」から一転、ことしは「並作」になる予想だと発表しました。一方で、「ことしも目撃情報が相次いでいるため、油断はせず、引き続き警戒してほしい」と呼びかけています。東北森林管理局は毎年5月から6月にかけて国有林のブナの開花状況を調べています。今年度、県内24か所で調査した結果、ブナの花が木の全体にたくさんついていたのは6か所、木の上部にたくさんついていたのが14か所、花がごくわずかについていたのが4か所、まったくついていなかったところはありませんでした。こうしたことから、ことしの秋に予想されるブナの実の実り具合は、4段階ある評価のうち2番目にいい「並作」と予想しました。昨年度は、岩手県を含む東北森林管理局の管内の5県すべてで「大凶作」となり、クマがエサを求めて人里に下りてくるなどして被害が相次ぎました。クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所動物生態遺伝担当の大西尚樹チーム長は「去年より人里に下りてくるクマは減ることが予想できるが、ことしも目撃情報が相次いでいるため、油断はせず、引き続き警戒してほしい」と呼びかけています。
(国道でパトカーとクマが衝突:福島)
5日午後10時35分ごろ、福島県会津美里町松坂字上平の国道401号で、会津坂下署のパトカーとクマが衝突した。けが人はいなかった。会津若松署会津美里分庁舎によると、クマは体長約1メートルで、道路を横断中にパトカーとぶつかったという。クマは息のある状態で路上に倒れていたため、6日早朝に地元の猟友会が駆除した。パトカーには警察官2人が乗車し、昭和村から会津坂下署に戻る途中だった。
(同じ地区内の2か所で連続してクマを目撃、しかし現段階では猟友会への依頼は行わず:山形)
山形県鶴岡市の沿岸部三瀬地区できのうクマの目撃が2件連続でありました。短時間で連続して目撃されたことに地区では警戒を強めていますが、コンパクトな地域ならではの対応の難しさもあるようです。アスファルトに点々と残るクマの足跡。きのう撮影された写真です。きのう、クマの目撃があったのは鶴岡市の沿岸部に位置し、周辺を山に囲まれた三瀬地区です。午後4時から6時の間に地区内の2か所で連続してクマが目撃されました。近くには保育園もあり、地域住民らは警戒を強めていてます。鶴岡市三瀬地区自治会 竹内秀一 事務局長「まだ夏に入ってすぐなので、エサというより移動しながら何かを探している状況なのではないか」古くは宿場町として栄えた三瀬地区は、およそ1200人が生活をするコンパクトな地区です。しかし、このコンパクトさがクマなどへの対応を難しくしています。住宅地や公共施設周辺で猟銃を使う場合には、複雑な手続きが必要になるため、この地区では現段階では猟友会への依頼は行なっていません。三瀬地区では、エサとなる果物や野菜を畑に放置しない、草刈りを行なって動物が隠れる場所を少なくする、などの対策をとっています。自治会では朝と夕方のパトロールのほか、小・中学校の登下校の際に保護者に車での送迎を依頼するなどして、対応しているということです。
(爆走するイノシシ、通学時間帯に猪突猛進:鹿児島)
鹿児島市で5日朝、子どもたちの通学路を走るイノシシが目撃されました。近くではこれまでにも小学生などがイノシシに襲われけがをしていて、鹿児島市が注意を呼びかけています。猛烈な勢いで疾走するイノシシ…。映像は5日午前7時すぎ、鹿児島市小野3丁目の県道です。走っている車の中から撮影されたものですが、映像からもものすごい勢いで走っているのがわかります。現場は国道3号へ繋がる県道206号です。交通量も多く、近くには玉江小学校と伊敷中学校もあり、子どもたちの通学路となっています。5日、目撃された現場周辺では、これまでにもイノシシによる被害が相次いでいます。今年2月に500メートル離れた明和1丁目で、20代の男性がイノシシに襲われけがをしたほか、去年11月には、原良6丁目で登校中の小学生がおそわれけがをしました。鹿児島市にはこの4か月間で、住宅街で23件の目撃情報が寄せられていて市の担当者は「エサを求めて住宅街に現れている可能性がある」と話します。(鹿児島市生産流通課 新留直哉課長)「山の中の食べ物、今までタケノコとか生えていたが、そういうものがなくなってちょっと街の方に出てくる場合もある」。もしイノシシを目撃した場合は、あわてないことが重要だということです。(鹿児島市生産流通課 新留直哉課長)「とにかく刺激をしない、イノシシももともと臆病な動物なので。おとなしい動物ですけど、パニックになったりする場合も。見かけた時は刺激せず、静かにその場から離れる、物陰にかくれる」。鹿児島市は5日の目撃情報をうけ、周辺の学校などに改めて注意を呼びかけました。
(「自宅の裏でクマが草を食べている」:新潟)
7日午前、新潟県湯沢町で体長約1メートルのクマが目撃され、警察が注意をよびかけています。警察によりますと7日午前9時56分ころ新潟県湯沢町で「自宅裏で体長約1メートルのクマ1頭が草を食べている」と警察に通報がありました。クマが目撃された場所は民家が近くにあることから警察や湯沢町役場と連携して注意を呼びかける広報や警戒活動を実施しています。
(シカ用の箱罠にツキノワグマかかる、本年度で2件目:和歌山)
三重県は5日、紀北町東長島に仕掛けたニホンジカ捕獲用の箱わなにツキノワグマがかかり、このクマを町内の人家から離れた場所に逃がしたと発表した。県獣害対策課によると、町から許可を受けてわなを設置した住民が3日午後5時半ごろ、クマがかかっているのを発見した。
(公園近くで体長約1.3メートルのクマ目撃される:山形)
7日午後、山形県米沢市の公園近くでクマ1頭が目撃されました。いまのところ人への被害は確認されていませんが、市が注意を呼び掛けています。米沢市によりますと、きょう午後1時15分頃、米沢市万世町桑山のビッキ石山公園の近くで、クマ1頭が目撃されたということです。クマは体長1.3メートルほどでした。現在のところ人への被害は確認されていないということです。目撃情報のあった公園は、山に面していて、市では近くを通る人に注意を呼び掛けています。
(住宅の庭にクマ、県内は「クマ出没警報」が発表中:宮城)
6日午後、宮城県気仙沼市の住宅の庭でクマ1頭が目撃されました。クマはすぐに姿を消し、けがをした人はいませんでした。6日午後2時頃、気仙沼市二ノ浜の住宅の庭にクマ1頭がいるのをこの家に住む人が見つけ、警察に通報しました。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで、警察が駆けつける前に姿を消したということです。宮城県内では、先月からクマの目撃情報が多くなっていて、県は全域に「クマ出没警報」を出して注意を呼びかけています。警察によりますと、県内では6日、大郷町や丸森町でもクマの目撃情報が寄せられています。
(民家に子熊1頭が逃げ込む:福島)
矢吹町の民家で子熊とみられる熊1頭が目撃されました。こちらは目撃した人が撮影した子熊とみられる熊の動画です。車の様子に驚いたのか、慌てて民家に走って逃げていく様子が映っています。撮影した人の話によりますと、熊が目撃されたのは矢吹町谷中の民家です。7月6日午後0時33分ごろ、実家に帰る途中で車で走行していたところ、熊に遭遇したということです。車の中にいたため、けがなどはなく、すぐに警察に通報したということです。県内では熊による人的被害が相次いでいるほか、目撃情報は過去最多のペースとなっていて、県などが注意を呼び掛けています。
(またまたクマがシカ用のワナに…エサ不足?:静岡)
静岡県富士宮市の山林に仕掛けられたシカ用のワナに体長1mあまりのクマがかかり、7月8日に山の奥へと戻されました。市内ではこうした事案が相次いでいます。クマが見つかったのは山梨県との県境で、富士宮市にある山林です。7日夕方、ワナの様子を見に来た猟友会のメンバーが発見し、8日午前8時過ぎに麻酔銃で撃たれ、眠らされたあと捕獲されました。捕獲されたのはオスのツキノワグマで、全長125cm・体重45kg・3~4歳とみられます。県内ではツキノワグマの狩猟は「自粛」となっているため、業者が人のいない山の奥へと戻しました。いま富士宮市ではシカやイノシシ用のワナに間違ってかかるクマの「錯誤捕獲」が相次いでいます。7日朝にもツキノワグマが錯誤捕獲されていて、6月から数えるとこれで6頭目となります。西富士山麓猟友会・藤浪庸一 会長:例年はこんなことはない。ちょっと異例です。今までにこれほど多く「錯誤捕獲」でワナにかかることはない。猟友会によると、クマの「錯誤捕獲」は例年あるものの2024年は特に回数が多く、さらに捕獲される場所が奥山から身近な里山になっているということです。西富士山麓猟友会・藤浪庸一 会長:(クマの)個体もかなり痩せている。食べるものがないから、どうしても下りてきてしまう状況と思う。猟友会は、山に入る時はクマ対策をしてほしいと注意を呼びかけています。クマの目撃情報や被害は全国で相次いでいます。こうした中、環境省の専門家検討会は8日、鳥獣保護管理法を改正し、市街地でのクマの銃猟が可能となる要件を条件付きで緩和する対応方針をまとめました。環境省は次の国会で早期の改正を目指します。これまでクマの生息域とされてこなかった場所にも出てきていることもあり、対策が急がれます。クマに遭遇しないための注意点がこちらです。まず、早朝と夕暮れです。クマが良く動く時間帯なので、山に入る時はこの時間帯は注意が必要です。また、クマよけの鈴やラジオ、笛など音が出るものを用意して自分の存在をクマに知らせることが大切だということです。
(温泉でクマ、フキ食べた跡:北海道)
北海道小樽市の住宅街の近くで2024年7月8日朝、クマ1頭が目撃されました。中学校では職員が下校を見守るなど警戒を強めています。小樽市朝里川温泉1丁目で8日午前10時半ごろ、道路わきの林に体長1.5メートルほどのクマ1頭がいるのを通行人が目撃しました。警察や小樽市によりますと、すぐ近くでフキが食べられた痕跡があり、ササも倒されていたということです。
(神社近くの民家の裏にクマが…:新潟)
新潟県村上市山北地域で4日朝、クマ1頭の目撃情報がありました。目撃されたのは民家のすぐ近くで、警察や村上市役所は住民らに注意を呼び掛けています。クマが目撃されたのは村上市岩崎で、4日午前8時20分ごろ、住民から市役所に「村上市岩崎にある諏訪神社近くの民家の裏で、体長0.5メートルほどのクマ1頭がいるのを目撃した」などと連絡があったということです。目撃された場所は民家のすぐ近くで、警察は村上市役所とともにパトロールするなどして、住民らに注意を呼び掛けています。
(「さくらんぼの木にクマの痕跡が」登山道閉鎖:北海道)
札幌市西区で昨夜(2024年7月5日)、クマのようなものが目撃され、札幌市がけさ調査に入ったところ木にクマのものとみられる爪痕が見つかりました。付近では警戒が続いています。クマのようなものが目撃されたのは、札幌市西区山の手1条13丁目付近です。警察によりますと5日午後9時半すぎ、「家の裏庭に子グマ2頭と親グマ1頭がいて笹薮の方にあがっていった」と近所に住む女性から警察に通報がありました。札幌市が6日午前8時半ごろから目撃情報があった付近を調査したところ、クマの痕跡が見つかったということです。(札幌市の担当者)「お宅にさくらんぼの木があって木に(クマの)爪痕が残っている。昨夜みたのも子グマ2頭と親グマじゃないかということで、同じ可能性が高い」。札幌市西区では5日三角山の登山道付近で2頭のクマが確認されていて今月20日まで登山道の全ての入り口を閉鎖しています。
(遊歩道にヒグマが出没、「自然歩道」の全ルートを閉鎖:北海道)
札幌市は7月5日、札幌市西区の三角山の遊歩道付近でヒグマの姿が確認されたため、自然歩道の三角山から盤渓 までの全ルートを閉鎖祖したと発表しました。市がヒグマのモニタリングのため、自然歩道の三角山~盤渓ルート付近に設置したカメラに7月5日、2 頭のヒグマが映っているのが確認されました。三角山周辺では4月以降、ヒグマの出没が度々確認されていて、7月3日にも付近のサクランボが荒らされる被害がありました。確認されたクマは体長1メートルほどの比較的若い個体で、近くに母グマがいる可能性もあることから、市は安全のため自然歩道の全区間の閉鎖を決めました。閉鎖は7月20日までの予定です。
(クマが庭の梅の実を食べる:山梨)
山梨県北杜市白州町の民家で5日午後、クマが目撃されました。この周辺では3日連続の目撃情報で、市では注意を呼び掛けています。市によりますと5日午後2時ごろ、北杜市白州町鳥原の林道・雨乞尾白川線沿いの民家でクマが目撃されました。クマは民家の庭の梅の木に登り、実を食べていて、家の人が110番通報しましたが、クマは立ち去ったということです。家の人にけがはありませんでした。北杜市では今回の現場から南側の白州町白須で、きのう7月4日にクマが目撃されていて、おとといの3日にも今回の現場近くの白州町鳥原でクマが目撃されるなど、白州町の白須と鳥原では、この3日間で4回のクマの目撃情報がありました。目撃されたクマはいずれも小グマで、目撃現場が近いことから市では同じ個体の可能性があるとして、注意を呼び掛けています。
(「クマが海から上がってきて北に向かった:山口)
7日のあさ早く、山口市秋穂付近でクマを目撃したという情報が相次ぎ、警察では注意を呼び掛けています。クマを目撃したという通報があったのは山口市秋穂東の大河内地区です。警察によりますと、7日5時半ごろに海岸を散歩していた人から「体長1メートルほどのクマが海から砂浜に上がってきて北のほうに向かったのを見た」と110番通報があったということです。その後、別の目撃者からも、ほぼ同じ時刻に、最初に目撃された場所からおよそ200m北に位置する田んぼにクマがいて北に向かっているのを見たとの情報が寄せられています。さらに、大河内地区の北に隣接する防府市台道地区でもクマの目撃情報が警察に寄せられました。午前7時半ごろ体長およそ1メートルほどのクマが県道を南から北に横切り、山の方向に立ち去ったとの通報内容だったということです。警察では周辺をパトロールするとともに、クマを見かけても決して近寄らないようにと注意を呼び掛けています。
(「自宅の裏でクマが草を食べている」:新潟)
7日午前、新潟県湯沢町で体長約1メートルのクマが目撃され、警察が注意をよびかけています。警察によりますと7日午前9時56分ころ新潟県湯沢町で「自宅裏で体長約1メートルのクマ1頭が草を食べている」と警察に通報がありました。クマが目撃された場所は民家が近くにあることから警察や湯沢町役場と連携して注意を呼びかける広報や警戒活動を実施しています。
(トラックの10m先に”クマ”茂みに入るも先には市街地:北海道)
2024年中の北海道内でのクマの目撃件数は7月5日午後4時現在、1285件に上っています。6月は「907件(速報値)」と令和最多の記録。7月に入ってからもすでに北海道内各地で「約100件」の目撃通報が寄せられています。
(シカ用の箱罠にツキノワグマかかる:三重)
三重県は5日、紀北町東長島に仕掛けたニホンジカ捕獲用の箱わなにツキノワグマがかかり、このクマを町内の人家から離れた場所に逃がしたと発表した。県獣害対策課によると、町から許可を受けてわなを設置した住民が3日午後5時半ごろ、クマがかかっているのを発見した。
(山形新幹線、シカはねる:山形)
7日午後7時50分ごろ、JR奥羽線庭坂(福島市)―板谷(山形県米沢市)間を走行中の東京発山形行き山形新幹線つばさ153号が、シカをはねて一時停車した。乗客乗員にけがはなかった。JR東日本によると、車両点検を終えて約30分後に運転を再開した。この新幹線と在来線の下り計2本が最大33分遅れ、計約250人に影響した。山形新幹線は在来線と同じ区間を走る「ミニ新幹線」。
(小学校の近くで成獣とみられるクマ1頭を目撃:岩手)
岩手県八幡平市の小学校の近くで8日、クマが目撃され警察が付近を警戒しています。クマが目撃されたのは、八幡平市田頭の市立田頭小学校の南西の道路です。警察によりますと8日午前6時ごろ「徘徊するクマがいる」と通報がありました。クマは体長1メートルほどの成獣とみられていて、目撃された後、南の方角に移動していったということです。目撃場所が小学校の近くだったことから警察が付近をパトロールするなどして警戒を強めています。
(加速するジビエビジネス:鹿児島)
鹿児島県さつま町は、町内で初めてとなるジビエ処理加工施設の建設を予定するIT企業「ダブルビーゼット」(鹿児島市)と1日、立地協定を結んだ。鳥獣被害の減少に加え、雇用創出や特産品化が期待される。同施設は同町広瀬に整備し敷地面積810平方メートル。2025年4月の操業を見込む。シカ、イノシシ、アナグマを年間計800頭処理し、電子商取引(EC)サイトなどで販売。3人の新規雇用を予定している。町によると、23年度の町内の3種捕獲頭数は計約5500頭、農作物被害額は約3000万円に上る。捕獲者は埋設処理と比べて食肉施設に搬入すると報奨金が上がるため、意欲向上が期待できる。事業者側は町と立地協定を結ぶことで、助成金や固定資産税の減免措置(3年間)が受けられる。同社は、これまで同市内でジビエを扱う居酒屋の出店経験もある。馬場添佳社長(39)は「ジビエは廃棄されることが多く、もったいない。町内の活性化に少しでも貢献したい」と話した。鹿児島県鹿屋市の地域おこし協力隊員に、同市出身の永吉裕之さん(44)が就任した。農作物への鳥獣被害を減らす「有害鳥獣ハンター」として活動する予定で、永吉さんは「狩猟免許を取って、地域に貢献したい」と意気込んでいる。市の有害鳥獣による農作物被害額は、2023年度で2192万円。高齢化などで猟友会の担い手不足も深刻化しており、市は害獣捕獲やジビエの加工販売などを学んでもらう協力隊員を募集していた。永吉さんは市川西町出身で、県外の専門学校卒業後、福岡県のリサイクル販売会社などで働いた。漫画を通して狩猟業界に興味を持っていたところ、市の募集を見つけて応募した。任期は最長3年で、市林務水産課を拠点に被害対策に取り組む。1日は市役所で辞令交付式があり、中西茂市長が「猟友会から技術を学んで頑張って」とエールを送った。永吉さんは「市内の親戚の近所でもイノシシがよく出ると聞く。お酒も好きなので、明るく話しかけ地域に溶け込みたい」と語った。
(ジビエ夏祭り:愛媛)
愛媛県内で捕獲したイノシシやシカなどをおいしく食べてもらおうと、5日に松山市でジビエ料理を楽しむイベントが開かれています。松山市の城山公園で午後4時から開かれているのは「ジビエ夏祭り」です。県では鳥獣害対策の一環として、捕獲したイノシシやシカをジビエとして活用することを推進しています。会場には約10台のキッチンカーが出店し、県内でとれたイノシシやシカなどのジビエを使ったハンバーガーや串焼きなどの料理を販売しています。こちらはシカ肉を使ったロースト。愛南町で捕獲された新鮮なシカ肉を使用し、素材そのもののうまみを感じることができます。ジビエ夏祭りはこのあと午後9時まで城山公園で開かれています。
(学校給食にジビエ、児童ら野生動物の命を考える:新潟)
新潟県糸魚川市教育委員会は学校給食にイノシシ肉を使ったハンバーグを提供した。ジビエ(野生鳥獣肉)を食べる体験を通して命の大切さなどを学ぶ食育の一環。子どもたちは普段のハンバーグとの違いを楽しみながら、おいしそうに頬張っていた。学校給食では月1回、「ジオ給食」として郷土料理や地場産食材をメニューに取り入れている。
(ジビエを食せ!猪突猛進フェス:佐賀)
イノシシ肉に親しんでもらおうとジビエ料理をふるまうイベントが佐賀市で開かれました。このイベントは捕獲されたイノシシの利活用促進のため普段食べる機会の少ないジビエ料理に親しんでもらおうと県などが主催し初めて開いたものです。高校生や大学生、それに飲食店が共同で考案したイノシシ肉のホットドッグやカツカレーなど、5種類のジビエ料理あわせて500食が無料でふるまわれ、訪れた人たちは珍しい料理に舌鼓を打っていました。【佐賀青年会議所 船津和弥理事長】「まずはイノシシのおいしさを知っていただいて佐賀県が持っている課題を市民の方々にも知っていただきたい。そういった思いでこの大会を開催しております」。害鳥害獣による県内の農作物被害は年間およそ2億円で、イノシシによる被害は6割から7割を占めているということです。
(良質な鹿肉「いわてジビエ」として全国へ:岩手)
岩手県内のジビエ(野生鳥獣肉)事業者が鹿肉のブランド化を進めている。品質基準や在庫管理システムを統一し「いわてジビエ」として全国に売り込む構想。大槌町や遠野市に加え、宮古市でも参入に向けた動きがある。首都圏を中心に高品質な鹿肉の引き合いは強く、連携して大口の販路を開拓し持続可能な産業に育てたい考えだ。ブランド化は、県内で初めて処理加工施設を稼働した大槌町のMOMIJI(兼沢幸男代表取締役)が中心的な役割を担う。同社は鹿肉の品質を「プレミアム」「レギュラー」に独自に分類しており、こうした基準を共有する方向。具体的には▽3歳以下の雄または4歳以下の雌▽銃で首か頭だけを狙撃▽捕獲後1時間以内に施設へ搬入-などの条件を満たせば、高品質なプレミアムとして供給している。
(学生らがジビエ料理提供:佐賀)
野生のイノシシ肉を使ったオリジナルメニューを提供するイベント「ジビエを食せ!! 猪突ちょとつ 猛進フェス」が6日、佐賀市天神の「どんどんどんの森」で開かれた。イノシシなどが農作物に被害を与える獣害を知ってもらい、ジビエ(野生鳥獣の肉)を広めようと、佐賀青年会議所と県が初めて企画した。西九州大短期大学部地域生活支援学科の食健康コースの学生たちが地元飲食店とチームを組み、イノシシ肉のメニューを考案。1か月ほどかけて試作を重ねたという。カツカレーや野菜炒め、香辛料で漬けた肉を焼いた「ジャークボアー」など多彩な料理が並び、各ブースには行列ができていた。県立高志館高も参加し、ソーセージを使ったホットドッグをふるまった。タコスを提供した同学科1年の学生(19)は「香辛料を控えめにして子どもでも食べられるよう工夫した。ジビエ料理がもっと身近になってほしい」と話していた。会場では、獣害を紹介するパネルや箱わなの展示も行われた。県によると、野生鳥獣による県内の農作物の被害額は約2億円(2022年度)に上り、6割以上が田畑を踏み荒らすなどイノシシによるものという。
(高校生がシカ肉使ったカレーや肉まんを販売:熊本)
八代農業高泉分校(熊本県八代市)と芦北高(同県芦北町)の県立2校の生徒たちが、シカ肉を使った料理を販売するイベント「ジビエ甲子園」が5日、熊本市中心部で行われた。生徒たちが自ら考案した肉まんやコロッケなどを売り出し、ジビエ料理の魅力をPRした。シカやイノシシによる農林業被害対策の一環。演習林では樹木に被害が出ており、両校は被害調査やICT(情報通信技術)を活用した捕獲の研究に取り組んできた。捕まえたシカを地域資源として有効活用しようと、ジビエ料理のレシピ開発も行っている。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後4時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場町北にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
栗原市によると、8日午前10時40分ごろ、栗原市花山本沢深山にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後3時30分ごろ、仙台市泉区明通2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午後2時20分ごろ、栗原市栗駒中野上野にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、6日午後6時50分ごろ、富谷市一ノ関臑合山の運動公園にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
栗原市によると、6日午後0時15分ごろ、栗原市一迫北沢類子にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
丸森町によると、6日午後1時ごろ、丸森町大張大蔵中柳沢にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前8時30分ごろ、栗原市一迫川口山館にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子芦見にクマが出没しました。
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(わなから逃げ出したクマ、猟友会の72歳男性に突進してかみつく:兵庫)
兵庫県養父市の山の中で、72歳の男性が罠から逃げ出したクマにかまれ、顔や腕などにけがをしました。3日午前11時半ごろ、養父市大屋町笠谷の山の中で、「クマに襲われ全身から出血している」と消防に通報がありました。警察などによると、襲われたのは猟友会に所属する72歳の男性の猟師で、シカやイノシシ用のワナを見回っていたところ、ワナにかかったクマを見つけました。男性がクマに近づくと、クマはワナから逃げ出して数回突進してきた上でかみつき、男性は顔や腕、両足をけがしました。命に別条はありません。現在、クマは見つかっておらず、養父市ではことしクマの目撃情報が多く寄せられていることから、注意を呼び掛けています。
(クマ出没時日当に大きな開き、1000~2万6900円:北海道)
ヒグマ出没時などに対応する「鳥獣被害対策実施隊」の活動を辞退した北海道猟友会砂川支部奈井江部会(5人)は、道内の猟友会支部が巡回や駆除した際、自治体から受け取る報酬額に関して行った調査結果をまとめた。ヒグマ出没の巡回時の日当は1千~2万6900円だった。山岸辰人部会長(72)は「報酬の大小を比べることが目的ではない」としつつ、「適正な報酬額の目安を知る手がかりになる」と話す。
(野生イノシシ1頭の感染確認:佐賀)
佐賀県は3日、唐津市肥前町切木の道路で死んでいた野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は7例目で、全て半径5キロ圏内に集中している。県生産者支援課によると、今月1日に道路で衰弱しているのが見つかり、県職員が確認した際には死んでいた。2日の検査で陽性を確認した。捕獲場所は6月13、14日に経口ワクチンを散布したエリアだった。
(野生イノシシが豚熱感染、県内5例目:岡山)
岡山県は2日、高梁市内で捕獲された野生のイノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は5例目。県によると6月26日に地元猟友会の協力で捕獲し、県の遺伝子検査で7月1日に陽性が確定した。高梁市内では6月17日にも野生イノシシの感染が確認されており、イノシシに対する検査を強化していた。豚熱は豚やイノシシへの感染力、致死力が極めて高い一方、人には感染せず、感染した肉を食べても健康に影響はない。1968年以来、県内の養豚場では確認されていない。
(クマによる人身事故現場周辺に箱わな設置:青森)
青森市荒川の八甲田山系の山林でクマによる死亡事故と人身被害が相次いだことを受け、市と県猟友会東青支部は1日、事故現場3カ所の周辺に箱わな2台を設置した。人を襲ったクマは猟銃を発砲しても逃げず、食料を求めて人に近づいて来る傾向があり、人を怖がらない個体である可能性が高いことから市は周辺を入山規制しており、駆除の観点から捕獲を試みる。捕獲されたクマは加害個体かどうか調べる方針。一方、現場近くの酸ケ湯温泉によると観光客の間で目立った混乱はなく、山菜採りに来る人もほぼ見られなくなったという。人身被害は6月下旬に近接する場所で3件相次ぎ、うちタケノコ採りで入山した80代女性が襲われて死亡した。これを受けて市は、クマの生息域に人が近づかないように踏み込んだ対策として同月28日夕方から現場3カ所を中心におおむね半径3キロの範囲を入山規制、周辺の登山道入り口7カ所も閉鎖した。国道103号は通行規制の対象とはせず、並行して箱わなを使った捕獲・駆除を実施することを決めた。市は同月29、30日に同支部とわなの設置場所を選定。今月1日、市職員と同会東青支部の計13人が現場近くの酸ケ湯公共駐車場に集まり、アルミ製の箱わな(60センチ四方、奥行き180センチ)とドラム缶型のわな各2台を大型トラック2台で現場近くの国道まで運んだ。設置場所までは同支部が猟銃を携帯して警戒しながら誘導したという。濃霧のため2台設置して終了し、2日以降にあと2~3台を設置予定。設置場所は安全面などを考慮して公表しない。わなは、同支部が2、3日に1回、定期監視し、捕獲されたかの確認や餌の管理をする。市環境部の柴田一史次長は「報道のおかげもあって(6月29日以降)山菜採りの人は入っていない。登山客にも理解いただき助かっている。一日でも早く捕獲して安全な山に戻していきたい」と述べた。一方、入山規制された直後の週末(同月29、30日)や観光客らの反応について酸ケ湯温泉宿泊営業課主任の高田新太郎さんは「今のところお客さんの入りには影響はない。ただ、入山規制が長引くとすれば、紅葉シーズンの登山客への影響が心配」と話した。県は今月1日、県庁で危機情報連絡員会議を開き、庁内各部局や県警から集まった17人が入山規制の情報を共有。一部SNS上で入山規制に伴い国道103号が通行できないとの誤った情報が出回っているとし、各部局に正しい情報の周知を呼び掛けた。県自然保護課によると、今年の県内のクマ出没件数は6月30日現在で272件。過去最多だった昨年同時期を24件上回っている。
(クマの特定鳥獣保護・管理計画策定へ:青森)
出没が相次いでいるクマ対策です。県は東北で唯一青森県だけになかった特定鳥獣保護・管理計画について来年度中の策定をめざします。特定鳥獣保護・管理計画は科学的なデータにもとづいてクマなどの保護や管理目標を都道府県ごとに設定するものです。県はニホンザルやニホンジカ、イノシシについての計画を策定していましたが、クマについては東北で唯一策定されていませんでした。宮下知事は先月から県が八甲田山系、白神山地、下北の3地域で行っているツキノワグマの個体数調査の結果をもとに、来年度中の計画策定を目指すと述べました。★宮下知事「何十頭、何百頭くらいいてそれが何群いて、どれくらいの生活域で活動しているのか実はあまり正確にわかっていない そういう基礎的な調査をしっかり固めてエビデンスに基づく政策が実行できる環境をつくる クマが人を襲うようになっているということもありますのでスピード感を持ってつくることが大事」。ことしは八甲田山系の地獄沼周辺でタケノコ採りの女性がクマに襲われて死亡し、周辺の入山規制が行われるなどしていて、人と野生のクマがバランスよく共存できる対策が求められています。
(クマ好物のブナの実、4年ぶり「並作」か:秋田)
東北森林管理局は4日、福島を除く東北5県のブナの結実予測を発表し、秋田県は4年ぶりの「並作」になるとした。ブナの実はツキノワグマの好物とされ、市街地などへの出没との関連が指摘されている。
(道内での目撃件数『1254件』6月だけで900件超:北海道)
2024年中の北海道内でのクマの目撃件数は7月4日午後4時現在、1254件に上っています。6月だけで「907件(速報値)」と令和最多の記録となっていて、7月に入ってからも連日北海道内各地でクマが目撃され農作物の「食害」も確認されています。
(男性ダニ媒介脳炎、国内7例目:北海道)
北海道函館市の保健所は3日、市内の70代男性がウイルスをもったマダニにかまれて罹患する「ダニ媒介脳炎」を発症したと発表した。国内での発症が確認されたのは、先月26日に発表された札幌市の50代男性に続く7例目。保健所は「山林に入る場合は長袖、長ズボンで、サンダルは避けてほしい」と呼びかけている。男性は5月下旬に北海道南部で山菜採りをしたが、マダニにかまれたかは分からないという。同月31日に腕や脚がしびれて医療機関を受診し、検査の結果、7月1日に陽性と判明。意識障害やけいれんなどの症状も現れ、現在も入院している。マダニは森林や草地に生息し、春から秋にかけて活動が活発化する。
(クマ出没増、磨け捕獲術:石川)
県猟友会の会員らを対象にしたクマ捕獲技術の研修が17日、白山市三宮町の県農林総合研究センター林業試験場であった。主催した県によると、今秋はクマの餌となるブナの実の大凶作が予測される。市街地で出没が増える可能性があり、参加者は効率的な捕獲方法を学んだ。白山支部(同市)と野々市支部(野々市市)の猟師ら36人が参加。獣害対策などに取り組む野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の上田剛平さんが講師を務めた。研修は座学と実地があり、餌を内部に設置したおりにクマを誘って捕獲するわなの有効な使い方を紹介した。上田さんはクマの人身被害を防ぐ上で「住民の目撃情報を円滑に市町や猟友会などの捕獲隊に流す態勢を整えることが重要」と指摘。過去に出没した場所はわなを設置する際の参考になると説明した。実地研修では、白山市が管理するおりを使って上田さんが運用時の注意点を説明した。参加した同市白峰の池内裕さん(62)は「クマの捕獲は経験したことがないが、今日学んだことを生かして、被害防止に貢献したい」と話した。県は5月、人里近くで近年クマが多く目撃されていることなどから「ツキノワグマ出没注意情報」を発令するなど、市街地での出没に警戒を呼びかけている。県内では今年、金沢、白山両市でクマによる人身被害が2件発生していることから研修の開催を決めた。今月中旬に能美市、小松市でも開く。
(狩猟・捕獲実践研修の参加者を募集します:静岡)
志太榛原農林事務所は、野生鳥獣による農作物への被害を減少させるため、地域の被害状況に応じた鳥獣被害対策の技術指導者を育成する研修を実施しています。・狩猟をやってみたいけど、実際、ハンター生活ってどうなんだろう?・狩猟免許を取ったけれど、実際どこでどうやって始めればいいかわからない・・・・せっかく捕獲した獲物をおいしく食べられるようになりたい!そんな方、この研修を受けてみませんか?
(新人ハンター入門セミナー、好評により9月に第2弾:北海道)
北海道根室市は9月にも新人ハンター入門セミナーを開催する。初開催となった5月のセミナーに続く第2弾で、セミナー効果か、今月の狩猟免許試験には根室管内で15人が挑戦する予定だ。初回が定員を超える参加を数えたことから、新人ハンターの養成機会を増やし、パトロールなど出動機会が増えている北海道猟友会根室支部会員の負担軽減につなげたい考えだ。今年度根室管内で開かれる狩猟免許試験は今月7日と12月8日。9月のセミナーは12月の試験に間に合うよう開催する。5月のセミナーは定員20人。猟友会根室支部の斉藤雅之支部長代行の「5~6人がいいところ」という予想を覆す女性6人を含む31人の応募があり、実際には21~74歳までの24人(うち女性5人)の参加だったが、主催した市も驚く盛況ぶりだった。7日の試験には根室管内から15人が応募している。すべてがセミナー参加者かは不明だが、市では「一定程度セミナーの効果があった」と評価している。道猟友会によると道内71支部中、根室支部の平均年齢(昨年3月末現在)は52・9歳と釧根管内で最も若く、道内でも上位10位以内だが、斉藤支部長によると会員43人中、実働部隊となると1桁台にとどまるという。市内では今年度3日現在、83件のヒグマ目撃数を数えている。最多目撃数を数えた昨年度の年間100件に迫る勢いで、市街地への出没など猟友会への負担が増しており、市では「入門セミナーや支援制度のPRで新人ハンター養成につなげたい」と話している。市のハンター養成支援制度は免許取得経費(上限2万6700円)、猟銃所持許可経費(同7万1300円)、猟銃購入経費(同20万円)などがある。
(「ヒグマ対策重点プラン」決定:北海道)
札幌市が2日正式決定した「ヒグマ対策重点エリア事業実施プラン」では、観光地や住宅地に近接するエリアで箱わなによる駆除や電気柵の設置などを進め、生息数の低密度化を目指す。プランの重点エリアには観光客が多い地域も含まれているほか、出没件数の3割を占めており、対策は喫緊の課題。自動撮影カメラを増設し、クマを誘引するクルミを間引くことも盛り込んだ。
(地元猟友会がクマ駆除を辞退…渦中のハンターが語った“本音”:北海道)
「下世話な表現ですが、ジジイを舐めているな、と思います」この人がこういう強い言葉を使うのを初めて聞いた。北海道猟友会砂川支部奈井江部会で部会長を務めるハンターの山岸辰人(72)には、過去に何度か取材したことがある。ハンターにしては珍しく、常に穏やかな口調で理論的に話を展開する人だな、という印象があった。その山岸があえてこういう言葉を使った点に、“問題”の根深さを感じる。ことの発端は2024年5月21日夕方、HTB(北海道テレビ)が以下のようなタイトルで報じたニュースにある。〈猟友会がクマの駆除辞退 「この報酬ではやってられない」「ハンターを馬鹿にしている」北海道奈井江町〉。奈井江町は札幌と旭川のほぼ中間に位置する人口約4700人の小さな町だ。その奈井江町が、町内でヒグマなどが出没した際の対応を担う「鳥獣被害対策実施隊」への参加を地元の猟友会に呼びかけたところ、報酬面などで折り合いがつかず、猟友会がこれを辞退したという。ニュースの中で、山岸は辞退の理由をこう語っていた。〈やっぱりヒグマは相手が違う。鉄砲持っているからって、米軍の特殊部隊相手にするようなもんだよ。この条件ではちょっとやってられない〉 町側が提示した実施隊の日当は4800円、ヒグマ対策の場合は3700円を加給されて8500円。そして発砲した場合は1800円が加給されて最大で1万300円というものだった。これに対して山岸は〈高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンター馬鹿にしてない?って話ですよ〉と怒りを露わにした。その後、奈井江町側は報酬を上げる意向を示したものの、結果的に交渉は決裂。奈井江町の三本英司町長は6月8日、山岸らの奈井江部会に対して依頼を断念する旨を伝えた。猟友会としては異例の「駆除辞退」という決断をした山岸の真意はどこにあったのか。改めて話を聞いた。――奈井江町側との交渉の経緯を教えてください。「まず4月24日にこういう紙が役場から届いたんです」。山岸がそう言って取り出したのは、〈鳥獣被害対策実施隊の業務について〉と題されたA4で6頁のペーパーだ。1頁目の右肩に〈作成:2024.4.1 産業観光課〉という文字が入っており、奈井江町産業観光課が作成したことが分かる。冒頭には、こうある。〈近年出没が増加しているヒグマ対策、緊急的に駆除を行わなければならないエゾシカ対策を行うため、奈井江町職員5名のほか、北海道猟友会砂川支部奈井江部会の有資格者4名を鳥獣対策実施隊員として町長が任命し、協力いただくことになります〉。その具体的な業務内容は、〈ヒグマが出没した際の見回り、箱わなによる捕獲を中心とした駆除、緊急的に必要となったエゾシカの駆除〉とあるが、山岸は苦笑する。「ほかにも箱わなの巡回、熊を捕獲した場合の止め刺し(トドメ)、熊の死体の運搬・解体・処理も業務に入ってます。何のことはない。鳥獣被害対策として考えられる作業は、ほぼすべて我々がやることになっているわけです」。その上で提示された日当が4800円+アルファだったのである。「文書を受け取った段階で、日当の低さもさることながら、業務内容やこの事業の枠組み自体、いろいろと問題が多いなと感じました。町役場の担当者には、(奈井江部会の)仲間と相談した上で、ゴールデンウィーク明けに返事をすると伝えました。みんなで改めて文書の内容を検討したところ、やっぱり『このままじゃ、とてもやれない』という話になった」。――この文書の何が問題だったのでしょうか。「例えばこの文書では、箱わな設置後の見回りを我々も行うことになっていましたが、これは法律違反です。鳥獣保護法には、わなの見回りはわな設置者が行うという規定があるからです。奈井江町の場合、町役場で唯一わなの設置資格を持っているのはAさんという職員だけで、実質的に彼の責任でわなを設置するわけだから、見回りはこのAさんが行わなきゃいけないはずです。一事が万事この調子で、鳥獣駆除がどういう法的な根拠に基づいて、運用されているか、まったく現場を知らない人たちが文書を書いている、という印象を受けました」。そこで山岸らは、現実的に対応可能な改善策を「実施隊の業務(案)」として15項目にまとめた。この案では、例えば、わなの見回りはわな設置者が行うこととし、さらに駆除後の獲物の運搬や解体については「猟友会としては行わない」ことなどを明記した。というのも、エゾシカにしろ、ヒグマにしろ体重何百キロの死体を現場から運び出し、さらには車に載せて処理場まで運搬し、解体することは、とてつもない重労働である。そこまでやって日当4800円+アルファでは、対価としてあまりに見合わないからだ。その日当について山岸らの案では、ヒグマの緊急出勤の場合は「1回あたり1名に付き 4万5000円」、それ以外の獲物については「1万5000円」としている。ヒグマの緊急出勤の手当は、道内でも自治体によって異なる。例えば札幌市の場合は1回2万5300円、捕獲・運搬した場合は3万6300円が支払われる。また道南の島牧村(人口約1300人)では、1日2万6900円、緊急出勤のときは4万300円、さらに捕獲した場合は10万円の報奨金が追加で支払われる。山岸らの出した4万5000円という数字は、国や北海道、JR北海道などに準じたという。――この4万5000円というのは、絶対に譲れない数字だったんですか?「いや、そうではないです。組織の予算規模や地域によって、報酬に差が出ることはもちろん理解しています。この金額は、ヒグマの駆除というリスクの高い仕事の基準価格として出しました。JRや国がこれぐらい出している仕事なんですよ、というひとつの意思表示です。ただ、我々が一番言いたいのはそこじゃないんです。だって報酬でいうなら、これまで我々は実質無報酬でクマの駆除をやってきたんだから」。――えっ、無報酬だったんですか? 「まぁ、ボランティアです。なぜそうなったかといえば、話は20年ぐらい前に遡るんですが、猟友会にも“黒い歴史”があるわけですよ」。山岸が言う“黒い歴史”とは、かつて自治体から出る報奨金などが、猟友会の中で既得権益と化し、いざこざの元となっていた実態を指す。「そもそも狩猟というのは我々が趣味でやっていることで、通常は狩猟税を払って許可を貰ってやるわけです。一方で駆除というのは、“お上”から降ってくる仕事ですから、同じ獲物を撃つのでも報奨金が出る。あるいは民間の測量会社がダムを作るために森の中で測量作業をするのに、ヒグマ対策で護衛が必要というような場合も、猟友会に依頼が来て、個々のハンターに割り振られるわけです。例えば日当2万5000円の護衛で、その測量調査が半年続けば、出動日数が多い人だと50万とか60万とか余裕で稼げる。報酬の出る駆除の仕事を猟友会内でどう割り振るか――そこに利権が生まれてくるわけです。結果、全国の猟友会はこの利権をめぐってあちこちで分裂してしまいました」。そういう苦い経験を経て、山岸たちのグループ(現・奈井江部会)は「面倒のタネになるから、駆除に際して我々は基本的に報奨は受け取らない。欲しい人は、個々人で手続きする」(山岸)というスタンスになったのだという。――つまり、これまで山岸さんたちが実質的にボランティアでやってきた仕事を、今年からは奈井江町主導の「鳥獣被害対策実施隊」の枠組みでやりましょう、という話になったということですか?「まぁ、そういうことです。そもそも各自治体で鳥獣被害対策実施隊を作ることは、平成19年に農水省が定めた規則134号(鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律)に基づいています。だから、本来であればこの根拠となる法律に基づいて、業務内容が決めていかないとおかしい。ところが町役場からの文書を読んでも、この法律に関しては1行も触れていない。『町長の任命であなた方はこういう実施隊に入ることになるから。日当はこれで』ということしか書かれていなかった」。5月15日、山岸は15項目の「業務(案)」を持って町役場を訪れると、担当者に対して、町側の文書の問題点と、改善すべき点を説明したという。ところがーー。「ひとつひとつ説明したんですけど、担当者は『(山岸らの)要求に叶えられそうなものはない』と。で、二言目には『予算がない』。日当を増額するには『条例変更しないといけないから難しい』。何を言っても、ラチが明かないんです」。――予算はもう決まっているわけですか?「知り合いの町議に聞いたところ、鳥獣対策の予算は約110万円で、そこからヒグマやアライグマ捕獲用の罠の購入費を引いた残りが我々の日当に充てられる、と。これが年間15万円ほどだそうです。もし、ヒグマの緊急出動で我々が2人出ることになったら、日当8500円×2で1日1万7000円かかる。ということは、年間9日出動しただけで、15万円越えちゃうんです」。ちなみに昨年、奈井江町では20件のヒグマの目撃情報があった。「じゃあ予算を使い果たしたら、もうクマ追わないのか? こんな杜撰なプラン、民間企業だったら即却下ですよ。とにかく役場の対応を見て、こっちの提案に歩み寄るつもりはないな、と思った。それで翌日の夕方またみんなで集まって、『これ以上いくら話しても無駄だから、辞退しよう』ということを決めました」。そして5月19日、山岸らは三本町長宛に以下のような文書を郵送する。〈先般「鳥獣被害対策実施隊の業務について」参加要請を頂いた件について、部員全員にて協議した結果、当部会に於いて十分に町の要求にこたえるには、人員的にも難しいとの結論に至りました。よって、本件に関しては参加を辞退いたします〉。実は現在、奈井江部会には山岸を含めて会員は5人しかおらず、そのうち3人は70歳を越えている。しかも平日は皆それぞれに本業の仕事があるため、緊急出勤の度に所定の人数を確保するのは〈人員的にも難しい〉という事情があった。山岸は要請を辞退することを、事前に北海道猟友会のしかるべき筋にも伝えていた。「文書を送った翌日(5月20日)には、HTBからこの件で話を聞きたいと連絡があって、我々としては“もう終わった話”だったので、取材に応じたという次第です」。そして5月21日の夕方に冒頭の第一報が報じられた。奈井江町側が山岸らの辞退の文書を確認したのは21日の朝だったというが、HTBの取材に対して、「猟友会と改めて話し合いをしたい」というコメントを出した。以後、この問題は各メディアで盛んに報じられたのだが、「メディア向けの奈井江町の言い分が噴飯モノでした」と山岸は言う。「例えばSTV(札幌テレビ)の取材に対して、町役場の担当者は『(4月1日付の)文書は“たたき台”であって、こういうことになってびっくりした』という趣旨のコメントをしています。でも彼らは文書をもってきたときに、“たたき台です”なんて一言も言ってない。それに文書の体裁を見れば分かるけど、これは明らかに決定稿なんですよ」。――仮に奈井江町側がこの文書を持ってくる前に、猟友会側との事前のすり合わせがあれば、ここまで揉めることはなかった?「もちろん、そうです。僕らが一番怒っているのはそこなんです。駆除の現場を何も知らない人間が、突然“こう決まったから、従うように”と言ってきたから、それはおかしい、と言っている。だってこれじゃ、僕らは単なる役場の“下請け”ですよね」。――一連の報道が出た後で、奈井江町側から何かアプローチはあったんですか。「担当課長が“話し合いのテーブルについてくれ”と言ってきましたが、こちらとしてはもう終わった話なので、“雑談なら応じるけど、実施隊の話はしないよ”と言いました。それからは何も言ってこないですね。かわりに町長から携帯に電話があって、やっぱり“話をしたい”というので、『まず町長ご自身が役場内で担当者に聞き取りをして、状況を確認してからでないと話が前に進まないのでは』と申しあげました」。――奈井江町側としては、何とか穏便にコトを収めたかったという感じでしょうか?「それは強く感じます。でもこれは『じゃあ、ちょっと報酬を上げればいいだろう』という水面下の交渉で決着すべき問題じゃないんです。今、駆除の現場で何が起きているのかという現実に向き合って、将来的に持続可能なヒグマ対策の在り方を探らないと解決しないと僕は思う。ところが、担当者も町長も、そのあたりの認識があまりに薄いように感じられたので、あえて突っぱねた面もあります」。実は山岸は一連の報道が出た後の5月27日にも町役場を訪ねている。「そこでも、担当者がしきりに『条例を変えないと要求には応えられない。その時間はない』と繰り返すので、『じゃあ、その条例ってどんな条例なんだ? 見せてくれ』と言ったら、『……ありません』。呆れてモノが言えませんでした」。実際には「奈井江町鳥獣対策実施隊設置条例」という該当する条例が平成25年に制定されている。「それも、私が知り合いの町議に頼んで調べてもらって、初めて分かったんです。担当課の人間は誰も知らなかった。『条例が……』と言っておけば、こっちが黙ると思ったんでしょう。軽く見られたものです」。
(増え続けるヒグマと命がけで対峙するハンターが見た“危機”と“異変”:北海道)
奈井江町は札幌と旭川のほぼ中間に位置する人口約4700人の小さな町だ。その奈井江町が、町内でヒグマなどが出没した際の対応を担う「鳥獣被害対策実施隊」への参加を地元の猟友会に呼びかけたところ、報酬面などで折り合いがつかず、猟友会がこれを辞退したという。5月21日にHTB(北海道テレビ)が報じたニュースの中で、北海道猟友会砂川支部奈井江部会で部会長を務めるハンターの山岸辰人(72)は辞退の理由をこう語っていた。〈やっぱりヒグマは相手が違う。鉄砲持っているからって、米軍の特殊部隊相手にするようなもんだよ。この条件ではちょっとやってられない〉。町側が提示した実施隊の日当は4800円、ヒグマ対策の場合は3700円を加給、発砲した場合は1800円が加給されて最大で1万300円というものだった。今回の一件で彼が最も伝えたかったのは、「ハンターにとってヒグマの駆除というのは、命がけの仕事であることを理解してほしい」ということに尽きる。町役場の対応をあげつらうことは、山岸の本意ではない。――山岸さんは山の中でヒグマを追うのは、「米軍の特殊部隊を相手にするようなもの」と表現されました。具体的にどういうところが?「森の中でこっちはヒグマの存在に気付いてなくとも、向こうはほぼ確実にこちらに気付いています。以前、知り合いのハンターが大雪山に犬を連れて猟に行ったとき、草原の中に5頭のクマがいるのが見えたそうです。するとある瞬間、そのクマたちが一斉に立ち上がって、同じ方向を向いて鼻をひくひくさせ始めた。後でわかったのは、その方向から5キロメートル以上離れたところにトウキビ(トウモロコシ)の花があって、ちょうどその花が開いた瞬間だったそうです」。――ヒグマの嗅覚は犬の100倍とか1000倍とか言われていますね。「そうです。それから僕らがヤブの中を歩くときは、どうしたってガサガサと音がしますが、ヒグマはまったく音を立てません。猫みたいに柔らかい毛を全身立てることで、葉っぱとの摩擦音が消えるんです。だからクマにヤブの中に入られたら、どっちの方向に抜けたのか、それともまだそこに留まっているのか、見定めるのは至難の業です」。信じ難い話だが、ヒグマはあの大きさでありながら、ひざ丈ぐらいの草があれば、四肢を地面に投げだすようにして「ぺったんこ」になり、すっかり隠れることができるという。「ハンターから追いかけられたヒグマは、そうやって忍者のように隠れたり、わざと川の中を歩いて足跡を消したり、人間がとても歩けない雪渓から雪渓へと3mぐらい軽々と飛び越えたりする。極めつけは“止め足”です」。“止め足”とは、ハンターの追跡に気付いたクマが、自分の足跡を踏みながら後ろに戻り、足跡のつかない草の上などにジャンプすることで、足跡を辿れないようにかく乱する行動である。場合によっては、そのまま草むらに隠れて、後から足跡を追ってくるハンターを横合いからいきなり襲うケースもある。「特に“半矢(ハンターの銃撃などで手負いになること)”のクマは要注意です。向こうも必死ですから、止め足も使うし、死んだふりもする。僕の知り合いのBさんもトムラウシ山でやられてます」。仲間とシカ狩りで山に入ったBさんは、その帰り道で、林道の上にいるクマを見つけて撃った。銃弾は命中し、クマはもんどりうって、斜面を転がり落ちた。Bさんはそのとき仲間と離れて1人だったが、上からのぞいてクマが動かなくなったのを確認すると、無線で“クマ獲ったぞ”と仲間に連絡し、先に下に降りたという。するとーー。「死んだと思ったクマが突然立ち上がって、いきなり(Bさんの)頭にかぶりついたんです。仲間がかけつけたときは、もうやられた後で頭から血を流したBさんが倒れていたそうです」。最後の力をふり絞った反撃の後、クマはそのまま絶命した。Bさんは病院に搬送され、120針以上を縫った。一命はとりとめたものの頭蓋骨骨折の大けがで、その後も、6回の大手術を余儀なくされたという。Bさんの場合は狩猟中の事故だったが、有害駆除で緊急出勤中のハンターの事故も後を絶たない。例えば2021年4月には、富良野市内で「ハンターがクマを手負いにした」との情報があり、警戒活動にあたっていた猟友会の別のハンターが森林内の斜面で、突然ヒグマの襲撃を受けた。このハンターは全身多発外傷(咬創、裂傷、開放性骨折、粉砕骨折)の重傷を負った(当該クマは同行のハンターが駆除)。また2022年7月には道央の滝上町で、“牧草地にヒグマがいる”という通報を受けて2人のハンターが出勤。68歳のハンターがヒグマを発見し、発砲したところ、撃たれたクマは崖の下のササヤブに落ちた。この死骸を回収すべく崖下に降りたところ、ササヤブの中からクマが飛び出してきた。同僚ハンターは離れた場所にいたため、このハンターはクマと格闘、無我夢中で弾痕から腸を引き抜いたところ、クマはその場を離れた(翌日、付近で死んでいるのを発見された)。このハンターは70針を縫う重傷(頭部、顔、右腕への咬傷)を負っている。「ヒグマによる人身事故の被害者の半数はハンターです。いくら銃を持っていても、相手がヒグマの場合、反撃を受けた場合のリスクはそれだけ大きい。仮に命だけは助かっても、半身不随になったり、Bさんのように何度も手術をしたり、本業の仕事にも支障が出るケースがほとんどです。ですから奈井江町との話し合いでも、休業補償も含めて実施隊の隊員はちゃんと保険に入れてほしいと頼みました。町側は『隊員は臨時職員扱いで、公務災害が認められるから大丈夫です』と言うんだけど、それでどこまでカバーされるのか。補償の具体的な内容もはっきりしない。これでは命をかける気にはなりません」。――一方で、もしこのまま山岸さんたちと奈井江町側とで折り合いがつかなければ、今後奈井江町内でヒグマが出没した場合、これに対応する手段がないということになりますよね。それについては、どうお考えですか?「先日も猟友会の仲間と話したんですけど、みんなが心配しているのは、まさにこの間の『空白』をどうするのか。もし今、町内でクマが出たら、現実問題としてどんな対応ができるのか。僕の中では、それに対する案もないわけではない。ただこの空白をどうするのかというのは本来、役場側が考えるべき問題なので、ここではあえて申しあげません」。ひとつだけはっきりしていることがある。それは、今後、全道的にヒグマはどんどんと増え続け、それに対処すべきハンターはどんどん減っていくという事実だ。データで見れば、1990年代に5200頭だったヒグマの生息数(推定)は、2020年度には1万1700頭と30年で倍増している。一方でピーク時の1978年には約2万人いた北海道の猟友会の会員数は、2022年には5361人と、実に4分の1まで減少している。さらにヒグマを獲った経験のあるハンターは70歳以上の高齢者が多く、彼らが引退してしまったら、そのノウハウもまた途絶えてしまうことになる。――今後、北海道では、これまでヒグマが出没してなかった地域での出没もあり得ますが、そうした地域では既に猟友会がなくなってしまったところもあるそうですね。「ですから、これまでのようにすべてを猟友会に“丸投げ”というヒグマ対応はもう限界だと思っています」。――最近では、自治体や警察などの公務員が職務として駆除にあたる“ガバメントハンター”の必要性も議論されています。これについてはどうお考えですか?「僕は、そういう鳥獣対策のプロフェッショナルの公務員がいて、その指示のもとで、我々のような猟友会が協力するという形が一番いいと思う。だから今回、役場に直談判に行ったとき、担当者が『いま、若い職員に罠の免許をとらせてます』と言うので、『だったら、ついでに銃の免許もとらせれば』と言ったんです。それに対しては返事しないんだわ(苦笑)。自治体の方がこういう認識だとなかなか難しいかもしれません」。――誰の責任において駆除を行うのか。山岸さんは自治体が主導権を握るべきだとお考えですか?「私は最終的にそれしかないと思っています。それに対して猟友会は、例えばNPOなど法人化して町役場とクリアな契約関係を結び、粛々と駆除に当たるという形もありだと思います。とにかくはやく本格的な対策を始めないと“手遅れ”になるぞ、というのが僕らの認識です。というより、既に手遅れかもしれない。この危機感をより多くの人に共有してほしい。それが今回の我々の行動の真意です」。今回、山岸が指摘した問題は、北海道の小さな町のレアケースではない。クマの生息する地域であれば、日本全国どこでも今後、起こり得る「今そこにある危機」なのだ。だからこそ、山岸らが提起した問題に奈井江町側がどう対処するのか、そこから新たな枠組みが生まれてくるのか、クマ問題を扱うライターとして個人的にも注目していた。だがこのインタビューを終えた後、 前述した通り 、両者の交渉は「決裂」してしまったのである。今後、奈井江町ではヒグマが出没した場合は、猟友会に所属していない町内の別のハンターや民間業者に委託することを検討しているという。「町がそれでいいと言うなら、奈井江部会としてもこれ以上言うことはありません。我々としては、とにかく中途半端な形で決着することだけは避けたかった。それだけです」。付言するならば、猟友会に属していない町内在住の唯一のハンターも既に80歳を越えているという。
(クマ目撃マップ分析、すでに市街地周辺に:秋田)
追いかけてきたクマに押し倒され、顔を激しく傷つけられて右目の視力が戻らない…被害にあった女性は、今も苦しんでいます。NHKは去年とことしの秋田県のクマ目撃情報を地図上で比較して、専門家と分析。手塚崇文助教 秋田大学医学部附属病院「クマの力は非常に強いので、鋭い爪で顔を引っかかれると多くの人は顔面神経をやられて顔の動きが悪くなったり、失明する人もいたりして、後遺症を残すような重篤な外傷を負ってしまう。去年、診てきた患者で、クマに襲われたときに時間的な余裕があったという人は極めて少なかったので、クマに遭遇した場合はまずは顔を守ってほしい」。秋田県では昨年度、クマに襲われる人的被害が過去最多の70人となりました。NHKが秋田県から提供を受けたクマの目撃データをもとに、去年とことしの傾向を比較し分析しました。秋田県がまとめた県内のクマの目撃情報を地図上に可視化したものです。期間はいずれも4月1日から6月7日までです。特徴的な地域を見ていきます。去年10月、相次いでクマに襲われるなど5人がけがをした秋田市新屋地区の周辺です。去年のこの時期は新屋地区がある雄物川の北側で目撃はありませんが、ことしはすでに複数回、目撃が報告されています。続いて、秋田市の中心部から北に6キロほど離れた秋田市飯島地区の周辺です。去年は東側の森林エリアでの目撃がありましたが、ことしは市街地の近くでクマの目撃情報があります。市街地への接近は秋田市だけではありません。大仙市です。大曲駅を中心に住宅地が広がっていますが、この周辺でもことしは目撃が相次いでいます。秋田市と同様に去年は森林エリアにとどまっていました。こうした傾向は各地で見られていて、去年の今の時期であれば目撃がなかったような市街地やその近くでも、ことしはクマの目撃が相次いでいると見られます。東京農工大学大学院 小池伸介教授「この時期は従来であれば出没の時期ではないが、去年の秋に市街地でエサにありつけたクマが、その経験をもとにことしはすでに市街地でエサを探している可能性はある。去年の秋にクマが出た場所は、ことしはいつ出てもおかしくないという認識を持ってほしい」。2023年度、クマの目撃情報が780件と前年度の4倍以上に増加した秋田市では、対策をとったことでクマの出没を抑えられた地域があります。JR秋田駅から北西に2キロほど離れた秋田市手形山北町の住宅街では、去年10月、住宅街のそばにある山際の栗の木にクマ1頭が登っているのが目撃されました。このときは、警察や猟友会が駆け付けて爆竹を鳴らしてクマを追い払い、住民に被害はありませんでしたが、木の近くにはクマが食べたとみられる栗の実も落ちていました。このため、町内会は栗の木に引き寄せられたクマが住宅街に出没するおそれがあるとして、秋田市を通して栗の木の所有者に依頼し、木は伐採されました。それ以降、栗の木があった場所でクマが出没したという情報は寄せられていないということです。当時、町内会の会長を務めていた小鹿優太さんは「栗の木の所有者も非常に協力的ですぐに対策して下さったので、そこが一番大きい」と話しています。その後、この場所ではクマの目撃情報はありませんでした。しかし、翌月。今度は、山でつながる南側の地域でクマの目撃情報が相次ぎます。クマの目撃情報を地図で分析したところ、10月13日以降、手形山北町の南側にある広面地区や手形地区などで年内に少なくとも27件の目撃情報が寄せられていました。11月22日に撮影された写真では現場近くの住宅のそばで柿の木に登って実を食べようとするクマの姿が確認できます。東京農工大学大学院 小池伸介教授「対策をしたところ、しなかったところの差が出てしまった。個人だけでなく集落でどうするかを計画的に取り組む必要があり、行政がある程度音頭をとって、えさとなる木などの誘引物を除去し住宅地につながる突破口を1つずつ封じていかなければ、ことしの秋も同じことが起きる可能性がある」。秋田県は、クマによる人身被害が去年過去最多となるなか、クマが人の生活圏に出没しないよう今年度、対策を強化しています。具体的には、人の生活圏でクマの人身被害のあった場所を中心に、65か所を「出没抑制重点区域」として7月中に設定し、▼山林と人の生活圏を行き来するクマの移動経路を遮断するために、道路脇や河川敷などのやぶの刈り払いや草刈りに重点的に取り組むほか、▼クマの食べ物となる放置された栗や柿の木についても所有者の同意が得られれば実がなる前に伐採することにしています。このほか、県は通学路や集落周辺のやぶや枝を刈り払って人とクマのすみ分けをする「ゾーニング」を進めていて、県は昨年度からの5年間に、800ヘクタールで刈り払いを行う計画で、今年度末までに全体の半分近くまで作業を完了させる予定です。そして、秋田県はクマの出没を多くの人と共有し被害を未然に防ごうと警察や市町村に寄せられるクマの目撃情報を1つに集約して地図上に示す「クマダス」の運用を7月から始めています。これまで県で運用してきたシステムより早く情報を伝えられるほか、メールの配信機能も設けられ、市町村単位や任意で指定した場所を中心に半径数キロ圏内を設定して出没の情報を通知する機能も備わっています。県自然保護課は「より身近な場所での出没情報に限定して情報を得ることもできるので、クマの被害にあわないようこのシステムを活用してほしい」と話しています。クマによる被害が過去最悪となった去年に続き、ことしも各地で被害が相次いでいます。ことし4月以降、7月3日までに全国16の道県で少なくとも37人がクマに襲われるなど被害に遭い、このうち2人が死亡しています。環境省のまとめによりますと、ことし4月から6月までにクマに襲われてけがをするなど被害にあった人は、▽秋田県で6人▽岩手県と▽長野県でそれぞれ4人など、全国であわせて34人となっています。過去の同じ時期と比べると、年間を通じて過去最悪の被害となった昨年度は39人、この時期の被害が最も多かった2017年度が40人で、ことしも多くなっていることがわかります。さらにNHKの取材では7月に入ってから栃木県と福島県、それに兵庫県でそれぞれ1人がけがをしていて、クマによる被害はこれまでに全国16の道県であわせて37人に上っています。例年、春先から夏にかけては山林を中心に被害が出ていて、岩手県では5月中旬に山菜採りで山に入っていた60代の男性が遺体で見つかったほか、青森県でも6月25日に八甲田山系で80代の女性が死亡しています。また、環境省によりますと、ことしは自治体に寄せられたクマの目撃や痕跡の情報が例年よりも増えていて、4月と5月をあわせると全国で3032件と去年の2567件よりも500件近く多くなっているということです。北海道から中部地方にかけての道や県の中にはクマに対する「警報」や「注意報」などを出しているところもあり、ホームページで公開している目撃などの情報を確認するとともにクマに出会わないための対策を取るよう呼びかけています。
(電磁石で金属弾を発射する銃「コイルガン」を無料回収:東京)
電磁石を使って発射する銃いわゆる「コイルガン」について、警視庁が無料回収を始めました。「電磁石銃」は、電磁石で金属製の弾丸を発射する「コイルガン」とも呼ばれる銃で、改正銃刀法が2024年3月までに施行され、その6カ月後以降は原則所持が禁止されます。警視庁は、東京都内の警察署で無料回収を始めていて、「銃を規制前に回収したい」としています。
(銃自作事件、26歳男を火薬無許可製造罪で追起訴:千葉)
国に無許可で火薬を製造したとして、千葉地検は2日、火薬類取締法違反の罪で、千葉市緑区の自営業、田代靖士被告(26)を追起訴した。殺傷能力のある銃を自作したとして、武器等製造法違反(無許可銃砲製造)などの罪で5月に起訴していた。被告は自宅で許可なく鉄製の銃1丁を作った疑いで、千葉県警に4月に逮捕された。県警によると、調べに「日本の政治を含め、世の中に失望した」と供述していた。起訴状によると、昨年7~12月の間に、自宅で火薬約320グラムやパイプ銃1丁を作り、その銃を所持したとしている。
(データ取得の労力をゼロに!獣害対策用次世代GPS首輪の実証実験に成功)
Biologging Solutions株式会社は、国内初となるLTE-M通信を利用したGPSデータの遠隔取得が可能な獣害対策用GPS首輪の実証に成功しました。近年、国内では地方創生と地域経済の活性化を進めているものの、野生動物による農作物への被害が大きな問題となっています。全国の市町村の85%以上が被害を報告し、令和4年度の被害額は約156億円に上ります。この鳥獣害は、農業の経済価値の低下だけでなく、耕作放棄や離農の増加という社会的影響も引き起こしています。家庭菜園を含む地域社会の利益も損なわれており、地方創生と地域経済の再活性化のためには、効果的な鳥獣害対策が急務です。このような背景から、近年、GPS首輪を使用して野生動物の行動を追跡する手法が注目されています。この技術は、個体群管理、侵入防止対策、そして生息環境管理という、鳥獣害対策の3つの基本的な柱に役立つ情報を提供することが可能です。
(異例の瞬間撮影、クマをキツネが追尾:岩手)
各地で目撃が相次ぐツキノワグマについて、岩手県盛岡市内で専門家が見ても珍しいという瞬間がカメラに捉えられた。映っていたのは、クマの背後からキツネが尾行する様子だ。その映像は何を意味するのか。2023年6月、岩手大学の学生による「ツキノワグマ研究会」が盛岡市猪去の山林に設置したカメラで捉えられた映像。林の奥から2匹の動物が現れる。先頭を歩いているのはツキノワグマだが、その後ろから付いてきている小さな動物の正体は、なんとキツネだ。7月3日、この映像が撮影された現場を研究会の代表に案内してもらった。実はこうした光景は10年前の6月にも盛岡市下厨川の山林で写真に収められていた。こちらは森林総合研究所東北支所のカメラで撮影されたもので、2匹のキツネがクマの後を追っている。クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんによると、こうした光景が確認されるのは全国的にみてもかなり珍しいということで、当時、大西さんはとても困惑したという。森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん「笑っちゃいました、なんでキツネが一緒に歩いているの」。このキツネは本州などに広く分布する「ホンドギツネ」。通常、キツネは単独行動を基本としているため、大西さんはクマと一緒にいたのは偶然だと思っていたが、2023年に岩手大学の研究会の動画にも同様の光景が記録されていると知り、考えが変わった。森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん「10年たっているのでキツネもクマも明らかに違う個体同士。たまたま起きたことではなく時々あることなんだと」。世界的にみると、ホッキョクグマの後ろをホッキョクギツネが追尾するという事例があるそうだが、今回のケースとは性質が異なるという。森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん「クマのふんを食べるため、北極というえさが少ない中で、キツネにとっては貴重な食べ物ということで追いかけていた」。しかし、山林では雑食であるキツネのえさが枯渇しているとは言えない。大西さんは、今回の事例では撮影時期がどちらも6月であることに着目し、自分の子どもを守るための行動なのではないかと推測している。森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん「6月はキツネが子どもを産む時期でもある。クマが子ギツネを食べる可能性があるので、巣にクマが来ないよう追い払う目的。クマがどこに行くか確認しようとしているのでは。一番可能性が高いのはここだと思う」。
(日光の観光地「竜頭滝」でクマが連日出没:栃木)
栃木県日光市の観光地「竜頭滝」でクマが連日のように出没し、私たちのカメラの前にも姿を見せました。体長1メートルを超えるクマが出たのは、2日午後3時ごろの栃木県日光市です。近くに観光地「竜頭滝」があるということで、現場は一時騒然としました。日光ではクマの出没が相次いでいて、7月1日にはクマに襲われて男性1人がケガをしています。栃木県は外国語にも対応した注意喚起のポスターを作成し、県内の市や町に配布しているということです。
(クマ目撃相次ぐ、静岡県境近くで「国道を横断した」情報も:神奈川)
神奈川県山北町付近で6月からクマの目撃情報が相次ぎ、町は注意を呼びかけている。町環境課によると、7月1日午後5時40分ごろ、静岡県境に近い透間地区周辺の国道246号を走行中のドライバーから、「クマらしき1~1・5メートルくらいの動物が国道を南側から北側へ横断した」という目撃情報が静岡県警御殿場署に寄せられた。町は地元自治会や防災メールを通じて住民に情報提供し、2日に現場を確認した。6月3日には谷ケ地区、18日に共和地区でもクマの目撃情報があった。いずれも住宅に近い場所のため、町はごみの管理を徹底し、クマの餌にならないよう注意喚起している。
(一般住宅でクマ目撃:宮城)
2日午前5時50分頃、宮城県気仙沼市唐桑町鮪立の住宅で「クマが庭を横切っていった」と、この家の住人から警察に通報がありました。目撃されたクマは、体長が約1メートルで警察官が駆けつけた際に姿はなかったということです。けがをした人はいませんでした。クマが目撃されたのは早馬山展望台から北に500メートルほどの山間で、住宅が点在する場所です。警察がパトロールをするなどして警戒にあたっています。県は6月28日、クマによる人身被害のリスクが高まっているとして、全域にクマ出没警報を出し警戒を呼びかけています。
(振り返れば「クマ」がいた、とっさにクマの顎を蹴ったらクマは逃げた:島根)
島根県江津市の公園内で、男性がクマに遭遇。とっさにつま先でクマの顎を蹴ったところ、クマは逃げたということです。市内では6月以降、クマの目撃情報が多発していて、市が注意を呼びかけています。江津市によりますと6月29日午前6時半頃、市内に住む男性が、菰沢公園内の遊歩道を散歩していたところ、後ろから気配がしたため、振り返るとクマがいたということです。クマは体長1メートルを超える成獣と思われ、男性はクマと目が合い、立ち上がりそうな雰囲気を感じたため、とっさにつま先でクマの顎を蹴ったところ、クマは山側の方へ逃げていったということです。市は公園内にクマの捕獲檻を2か所設置し、キャンプ場を含む公園の一部を閉鎖しています。江津市内では6月に入り、クマの目撃情報が28件寄せられるなど急増していて、市は注意を呼びかけています。
(クマが1頭目撃、現場は高校の近く:山形)
2日朝、山形県鶴岡市でクマが1頭目撃されました。人や物への被害はありませんが、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと、きょう午前8時半ごろ鶴岡市羽黒町玉川で車を運転していた30代の女性が道路を横断する体長およそ80センチのクマ1頭を目撃したということです。クマは南東の方向に向かい、人や物への被害は確認されていません。クマが目撃されたのは、羽黒山大鳥居から東におよそ50メートル先で、近くには羽黒高校がある場所です。警察は鶴岡市役所に連絡するとともに、パトカーを出動させ現場周辺を警戒し、近くの住民に注意を呼びかけています。
(町道を横断するクマ、近くには住宅や公園:福島)
警察によりますと、3日午後3時前、福島県鏡石町久来石南の町道で、近くに住む人が道路を北から南に横断するクマ1頭(体長約1メートル)を目撃しました。これまでに、クマによる人や物への被害は確認されていないということです。現場周辺には住宅や、矢吹町の大池公園があるということで、警察は、パトカーによる警戒や広報を行っています。
(クマ1頭が物置小屋に、出入り口にカメラ設置:福島)
3日午後1時40分ごろ、福島県会津美里町上平字家ノ上の小屋で、近くに住む80代男性が小屋に入るクマ1頭を目撃し、町役場を通して会津若松署会津美里分庁舎に通報した。クマは小屋内にとどまっている可能性があり、町は小屋の出入り口など2カ所にセンサーカメラを設置。小屋近くの道路には立ち入り禁止の看板を置いた。同分庁舎によると、クマの体長は不明で、人的被害はないという。現場は町役場から西に約11キロの山間部。6月28日には、近くの県道で70代男性がクマに襲われ重傷を負った。同分庁舎によると、小屋は2階建てで、物置小屋として男性が管理しているという。同分庁舎や町の担当者、町鳥獣被害対策実施隊が現場で警戒活動を行った。同分庁舎と町は4日も警戒を続ける。
(「初めて見た」田んぼに巨大イノシシ:秋田)
今度は田んぼで黒い影が撮影されました。秋田県にかほ市で先月27日、巨大なイノシシが歩き回っていました。撮影者によりますと、この場所で見たのは初めてだったといいます。イノシシの撮影者「びっくりしました。最初はこっちを見ているのかと思ったが、気付いたら逃げていくような感じで、大人のイノシシかなと思った」。秋田県では4月以降、すでに63頭が捕獲、または目撃されているということです。
(列車とイノシシが衝突:岡山)
JR西日本によりますと、きょう(3日)午後7時7分ごろ、JR宇野線の備前田井~宇野駅間で、岡山発宇野行の列車がイノシシと接触したということです。このため、宇野線の一部列車に遅れが出ています。
(自宅前にクマ、学校帰りの児童が発見:青森)
4日午後3時半ごろ、青森県田子町田子の耕田寺付近で、小学校から帰宅した児童が、自宅の前にクマ1頭がいるのを見つけました。児童はすぐに自宅内に入り、けがなどはなかったということです。町によりますと、2024年度にクマの目撃は数件あるものの、市街地での目撃は初めてだということです。町や警察は注意を呼び掛けています。
(捕獲野生動物の有効活用へ:奈良)
奈良県では、シカなどの野生動物による農作物などへの被害が年間で1億円前後あり、対策として田んぼや畑への防護柵の設置や駆除などが行われています。ただ、こうした対策で捕獲されたシカなどは、埋められて廃棄されることも多く、有効に活用しきれていないのが現状です。こうした中、宇陀市にこのほど近畿地方最大規模の野生動物の食肉加工施設が完成。有効活用に向けた取り組みが始まっています。
(鳥獣害対策とビジネスの両立!:和歌山)
和歌山県田辺市の市街地から車で30分、山の中にある日向(ひなた)地区。温州(うんしゅう)ミカンをはじめとするかんきつ類や紀州南高梅(なんこうばい)を栽培している農村地域だ。同地区の農家、岡本農園代表の岡本和宜(おかもと・かずのり)さんは19年前、25歳のとき父親が体調を崩したのをきっかけに実家で就農。ホテル関係の仕事を辞め、28歳のときに父親が1人でやっていた岡本農園の代表を継いだ。当時、温州ミカンを主に栽培していた岡本農園は、農協を通しての市場出荷がほぼ100%であった。しかし、いいものを作ってもあまりもうからない現実に岡本さんは直面した。さらにショックだったのが「生産サイドがコストをかけているものに対して自分で値段が付けられない」ことだった。そこで、前職のホテル業のときから人と接するのが好きで営業も得意だった岡本さんは、自分で直接販売しようと販路開拓を開始する。「営業に行くならミカン栽培の少ない県へ行こうと考えて、滋賀県や岐阜県の全ての道の駅に飛び込み営業に行きました」味には自信があった。「試食しておいしかったら取引をしてほしい。値段は自分で決めさせてほしい。できたら土日に対面販売をさせてほしい」。それが岡本さんが出した販売の条件だった。道の駅の規約上、地元産しか扱えないと断られたところもあったが、承諾してくれるところも多かった。対面販売も好評で、取引先はどんどん増えていった。同時にネット販売も開始し、約2年で温州ミカンの農協出荷はゼロになったそうだ。
(有害鳥獣ハンター着任:鹿児島)
農作物を荒らす有害鳥獣の駆除に取り組む鹿児島県鹿屋市の地域おこし協力隊「有害鳥獣ハンター」として、市出身の永吉裕之さん(44)が着任した。狩猟のノウハウを学びながら、最大3年間、活動する。鹿屋市でも近年、イノシシなどによる農作物被害が増えている。市によると、イモや野菜の被害が多く、2023年度の被害額は2192万円。イノシシによるものが1666万円と半分以上を占め、タヌキやヒヨドリなどの被害もある。これらを減らす対策として、市が初めて協力隊として有害鳥獣ハンターを募集した。永吉さんは串良商業高を卒業した後、県外のリサイクルショップなどで働いてきた。狩猟の経験はないが、地元で働きたいとの思いや狩猟への憧れから応募したという。活動内容は有害鳥獣の捕獲、鳥獣被害の防止対策、ジビエ販売、サカキやシキミの生産。これから地元の猟友会のメンバーと交流を深め、狩猟免許も取得していく予定。1日に市長から辞令をもらった永吉さんは「地域のために役に立ちたい。3年後は自立して稼げるようになりたい」と話した。
(シカ肉販売から地域の活性化へ:岩手)
農業被害をもたらす野生のシカの肉を使った「ジビエ」で地域おこしをしている岩手県大槌町で、7月4日に自治体の職員などを対象とした研修会が開かれました。これは関心が高まりつつあるジビエ事業への理解を深めてもらおうと沿岸広域振興局が企画したもので、4日は県内の自治体職員など22人が参加しました。講師は大槌町でシカ肉の販売や狩猟体験のツアーなどを行っている「MOMIJI」の兼澤幸男社長が務め、事業を始めるまでの経緯などを説明しました。兼澤さんはシカ肉の販売だけでなく、ジビエを軸として地域全体への相乗効果を育んでいくことが大切だと話していました。MOMIJI 兼澤幸男社長「ジビエをきっかけに大槌を知ってもらい、発信できていない魅力を次の世代が発信できる流れが出来れば」。沿岸広域振興局では10月にも研修会を計画しています。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午前11時15分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、2日午後5時50分ごろ、富谷市西成田南田にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午後0時10分ごろ、仙台市泉区朴沢西又付近にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、3日午後5時20分ごろ、富谷市三ノ関坂ノ下にイノシシが出没しました。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、1日午後5時20分ごろ、松島町幡谷明神の線路沿いにクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
大河原町によると、1日午後、大河原町堤北岸でクマが出没したような痕跡が見つかりました。
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(複数のクマに襲われ、追いかけられた男性が頭から出血:栃木)
1日正午すぎ、栃木県日光市足尾町砂畑の病院から「職員がクマに襲われた」と110番通報があった。日光署によると、襲われたのは同市足尾町中才、同病院職員の穴沢正志さん(51)。頭部から出血し、背中や左腕も負傷したが、入院はしていないという。同署によると、穴沢さんは同日午前11時55分ごろ、病院の南約100メートルの山林のなかで休憩をしていたところ、背後からクマに襲われた。クマは2、3頭いて、逃げる穴沢さんを追いかけてきたという。同署は警戒活動などを行ったという。
(クマに襲われ渓流釣りの60代男性重傷:福島)
2日午前11時半ごろ、福島県天栄村へ渓流釣りに来ていた神奈川県の60代男性がクマに襲われ、顔を引っかかれたり、腕をかまれたりした。地元消防と県警によると、ドクターヘリで搬送され、意識はあるものの重傷だという。渓流沿いで襲われ、男性は自ら119番通報した。県内の人身被害は本年度3件目で、中部と西部にはツキノワグマ出没特別注意報が出ている。
(シカ駆除のロープに引っかかり、バイクの男性が転倒し骨折:高知)
高知県安田町内京坊の町道で2月、くくりわなのロープにバイクで走行中の60歳代の男性が引っかかって転倒する事故があり、安芸署は、わなを設置していた同町の70歳代の男を鳥獣保護管理法違反の疑いで地検に書類送検した。同署によると、男は狩猟免許や知事の許可を得ずにくくりわなを設置した疑い。わなは、シカを駆除するために田んぼの中に設置されていたが、ロープが通常よりも長かったため、かかったシカに引かれ、道路を横切って張られる形になっていたという。バイクの男性は2月24日午前5時30分頃、ロープに気付かずに転倒し、鎖骨などを骨折する重傷を負った。
(捕獲した野生イノシシが豚熱、感染確認は県内初:愛媛)
愛媛県は1日、西条市で捕獲された野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での確認は初めて。県は感染拡大防止に向け養豚業者らに情報提供し、防疫対策の徹底を呼びかけている。県畜産課によると、県は有害鳥獣対策として県猟友会にイノシシの捕獲を依頼し、うち年間300~400頭に遺伝子検査を実施している。6月28日に西条市で捕獲された雌の成獣(体長約70センチ、体重約40キロ)が検査で陽性となり、国に確定検査を要請。遺伝子解析の結果を踏まえ、農林水産省が1日夜、陽性と判定した。養豚場で感染が確認された場合は農場内の豚を全頭殺処分する必要がある。県は養豚業者65戸らに対し、飼育している豚と野生イノシシの接触を防止する柵の設置に加え、養豚場に出入りする車両や人の消毒徹底を改めて通知。今回、陽性と判定されたイノシシ捕獲地点から半径10キロの「感染確認区域」では、死んだ野生イノシシなどの検査を強化する。豚熱は、豚とイノシシに急性の発熱、食欲不振などの症状が現れて死ぬ伝染病で、人には感染しない。ワクチンの普及で国内発生はなくなっていたが、2018年に再び確認された。国内の養豚場ではこれまでに21都県で38万頭以上が殺処分されている。
(男性がクマに襲われ頭から出血:栃木)
1日正午ごろ、栃木県日光市の山林でクマが突然、50代の男性に覆い被さってきました。男性は、頭から出血するけがをしました。正午ごろ、日光市足尾町にある病院から「職員がクマに襲われた」と110番通報がありました。警察によりますと、50代の男性職員が病院近くの山林で休憩していたところ、クマが後ろから男性に覆い被さり、男性は頭から出血するけがをしました。男性は自力で病院に戻り手当てを受けていて、命に別状はないとみられるということです。男性は現場で2頭から3頭のクマを目撃していて、日光市は現場近くに捕獲用のわなを設置しました。市内では今年4月以降、クマの出没が相次いでいて、日光市などは注意を呼びかけています。
(ブタの伝染病CSFに感染した野生イノシシを相次ぎ確認:岩手)
県内では、今年度ブタの伝染病、CSF=豚熱に感染した野生のイノシシが相次いで確認されています。県は各養豚場に感染防止対策を徹底するよう呼びかけています。CSF=豚熱は、豚熱ウイルスによって引き起こされるブタやイノシシの伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。県内ではことし5月に洋野町内の養豚場で豚熱の感染が初めて確認されこの養豚場では2万頭近くのブタが処分されました。感染した経路などはわかっていませんが、農林水産省は養豚場のブタへの感染を防ぐためには野生のイノシシと養豚場のブタとの接点を断つことが重要としています。こうした中、岩手県によりますと県内ではことしに入り豚熱に感染した野生のイノシシが相次いで確認され今年度は先月20日までに175頭を検査し、このうち41頭が陽性だったということです。先月は奥州市や久慈市などで捕獲された野生のイノシシが豚熱に感染していたということです。県内では昨年度1年間に陽性が確認された数は43頭で、これを上回るおそれがあり、県畜産課は、各地の養豚場に情報を提供するとともに、人や車の消毒や、イノシシの侵入を防ぐ柵の点検など、感染防止対策を徹底するよう呼びかけています。
(シカ・クマ被害2億円超え:栃木)
県内の2023年度のシカとクマによる林業被害額は前年度比27%増の2億3千万円に上り、8年ぶりに2億円を超えたことが29日までに、県のまとめで分かった。過去10年間では15年度の2億6800万円に次ぐ規模となった。被害面積は前年度と変わらず計65ヘクタール。樹齢を重ねた価値の高い樹木が、樹皮を傷付けられる剥皮(はくひ)被害を多く受け、全体の被害額を押し上げたとみられる。県森林整備課によると、近年減少傾向が続いていた林業被害額は20年度の1億1700万円を底に増加へ転じ、3年連続で増えている。21年度は1億7千万円、22年度1億8100万円と推移している。
(クマ出没情報を地図で確認「クマダス」、新システム開始:秋田)
クマによる被害が多発する秋田県は1日、県内の出没情報をスマートフォン、パソコン上の地図に表示する新システム「クマダス」の運用を開始した。指定したエリアでの出没情報を、速報メールで受け取ることもできる。イノシシやシカにも対応しており、動物による人身被害の防止につなげたい考えだ。地図で出没地点を選択すると、日時や目撃時の状況が表示される。これまでも似たシステムはあったが、県が市町村の情報を集約していたため反映に時間がかかっていた。クマダスは各自治体が直接入力する仕様になっており、速報性が向上する。今後は観光地などにクマダスのQRコードが載ったチラシを配布し、県内外の人に注意喚起する。県の担当者は「市町村はもちろん、一般利用者にもクマ対策に活用してほしい」と話した。秋田県は昨年、全国最多となる62件の人身被害があった。今年も被害が続いており、人の生活圏に出没する「アーバンベア」も少なくない。
(ドローンでカワウ駆除!猟銃射程に追い込む:高知)
四万十町がドローンの活用に力を入れている。昨年は、町内でのカワウ駆除に活用。町職員らが複数の機体を飛ばして群れを特定の方向に追い込み、地上で待ち構えたハンターが発砲した。捕獲は5羽にとどまったが、駆除の手法としては全国的にも珍しく、県内では初のドローン活用事例とみられる。
(クマ捕獲わな設置:青森)
八甲田山系でクマによる人への被害が相次いだ事態を受け、県猟友会東青支部と青森市は1日、被害のあった現場周辺2カ所にクマ捕獲用わなを設置した。2日にもう2カ所設置する予定。設置したわなは幅、高さが各60センチ、奥行き180センチの箱形タイプで、蜜ろうやドッグフードを入れてクマをおびき寄せ、中に入ったら閉じ込める仕組みになっている。猟友会と市は今後2、3日に1回のペースでわなを巡回し、クマが捕獲されているかどうかを確認する。1日は午後1時半ごろから、猟友会メンバーと市の担当者計13人で設置作業を行った。市環境部の柴田一史次長は取材に「一日も早くクマを捕獲し、安全な山に戻したい」と話した。市などは6月28日、死亡事故があった地獄沼の東側を起点におおむね半径3キロの範囲で入山を規制。期間は「当面の間」としている。一方、県は1日、各部局の担当者を集めた危機情報連絡員会議を県庁で開き、入山規制エリアやわな設置などの対策について情報を共有した。県によると6月30日現在、県内のクマ出没件数(目撃、食害、人身被害)は計272件で、年間を通じて最多だった昨年(1133件)の同時期を24件上回っている。会議後、県自然保護課の吉田巧課長は「入山規制のエリアは県や市のホームページで確認できる。国道103号は通れない-という誤った情報があるが、通行できるので正しい情報を確認してほしい」と県民に呼びかけた。
(有害鳥獣ハンター養成塾が開講:愛媛)
有害鳥獣を狩猟・捕獲するハンターの養成塾が30日、愛媛県松山市三番町5丁目のえひめ共済会館で開講し、狩猟免許取得を目指す農業者や大学生ら約50人が鳥獣による農作物被害状況や対策、機具の扱い方などを学んだ。塾は、担い手を確保しようと県が2014年度から毎年実施。本年度は25年1月にかけて計4回の講座があり、狩猟・捕獲の基礎知識や獣の解体処理見学、現役猟師との意見交換などを予定している。3回以上の受講で免許取得にかかる費用が全額支援される。
(逃げたシカ、残る1頭を捕獲:沖縄)
沖縄県沖縄市の沖縄こどもの国は30日午前、園外の雑木林に逃げ込んでいたホンシュウジカを捕獲したと発表した。原因究明と安全対策などのため臨時休園となっていた同園の営業は、7月1日から再開する。ホンシュウジカの展示は飼育施設の点検や改善のため、しばらく休止する。同園では28日、ホンシュウジカの雌2頭が展示場外に逃げ出したことを確認。園内に逃走した1頭はすぐに捕獲できたが、もう1頭は園に隣接する雑木林で逃げ、園や市役所の職員らが約100人態勢で周辺を捜索していた。同園によると、雑木林にいたホンシュウジカは30日午前6時50分ごろに捕獲。一般市民や捕獲作業に従事したスタッフにもけがはなかった。ホンシュウジカにも目立ったけがはなかった。同園は「今後、同様の事態が発生しないよう、飼育施設の点検と改善を行う。原因と今後の対応については改めて報告する」としている。
(桃畑で熊被害か、枝折られ実は種だけに:長野)
長野県坂城町中之条のさかき地場産直売所「あいさい」で、熊によるとみられる被害を受けた畑の桃が並んでいる。同町坂城の農業男性(41)が27日夕、栽培している畑で桃の木の枝が折られたり、種だけ残して実が食べられたりしているのを発見。7月上旬の収穫を予定していた実もあったが、急きょ残りをもぎ取って出荷した。数日間はおいしく食べられるという。男性によると、被害は27日午後5時ごろ確認。熊を警戒して地元の猟友会員らに立ち会ってもらい、知人の助けを借りて収穫した。男性は「困ったどころの話じゃない。これから別の品種が収穫期を迎えるので心配だ」と話した。4~6個入りを150袋ほど出荷し、1袋税込み550円で販売。あいさいのスタッフは「柔らかい桃が好きな人は数日置いてから食べてほしい」としている。
(マタギサミット、クマ猟を取り巻く課題を共有:新潟)
狩猟文化を考える「ブナ林と狩人の会マタギサミット」が、新潟県津南町のニュー・グリーンピア津南で開かれた。地元で活動する現代アーティストが、津南町と長野県栄村にまたがる秋山郷のマタギ文化を報告した。クマ猟を取り巻く課題の解決と後継者の育成を目的として、東北地方を中心とした会場で毎年開かれている。35回目の今年は20年ぶりの新潟県開催となり、6月23日にあった。
(クマ対策、クリ伐採費助成の受け付けスタート:秋田)
秋田県大館市は1日、クマを引き寄せる可能性があるクリやカキの木の伐採費用を助成する制度の受け付けを開始した。果実を目当てにクマが住宅地などに出没するリスクの軽減を図る。
(クマやイノシシを駆除する地域おこし協力隊員として脱サラ男性が着任:青森)
兵庫県出身の男性がクマやイノシシなどの鳥獣対策を担う三戸町の地域おこし協力隊員に着任しました。着任したのは兵庫県神戸市出身の山下史寛さんです。農業を志して脱サラし今回有害鳥獣対策を進める協力隊員に応募しました。三戸町では今年度クマの目撃件数が6月までに15件と昨年度1年間の13件をすでに上回っています。けがをした人はいませんが、りんごなどの食害は昨年度9件あり秋の収穫期に向けて対策が急がれています。三戸町地域おこし協力隊 山下史寛さん「責任重大と言いますか私としてもできることを一生懸命やるだけですので、今後そういった鳥獣の被害が少なくなっていくように努力していきたいと思います」。山下さんは今後狩猟免許を取得し地元猟友会と連携して鳥獣被害の把握や調査、ジビエ活用の検討などにたずさわります。
(「オオカミの目玉」2500円模型、イノシシ食害が減少:東京)
電子部品販売の雷電(東京、道場守会長)は、イノシシによる農作物の食害を防止する「イノ用心」を販売している。オオカミの目玉に似せた二つの模型を支柱にぶら下げた商品で、太陽光を蓄えて夜間に青く光る。イノシシは青色を識別できるため、天敵がいるとみなして侵入をためらう効果があるという。県内の実証試験でリュウキュウイノシシへの効果を確認しており、道場会長は「沖縄のイノシシも本能的にオオカミを恐れるようだ」と手応えを実感している。
(日本でいちばんクマを撮っている「クマ恐怖症」になったカメラマンが5年がかりで撮った“決定的瞬間”とは)
日本で今、もっともクマの写真を撮っているカメラマン、二神慎之介は昨年、日本全国でクマが大量出没した“好機”に、ほとんどクマの写真を撮らなかったという。その理由について、「怖かったから」と素直に語る。二神の最大の弱点。それは長年の濃密な撮影活動による「クマ恐怖症」を抱えているということだ。日本で今、もっともクマの写真を撮る男は、もっとも“ビビり”な男でもあった。クマと人との遭遇事故が頻発する昨今、二神はこう警鐘を鳴らす。「クマの本能が変化してきている。『共生』という言葉では、追いつかない時代がすぐそこまで来ています」――。――私が二神さんのヒグマの写真を初めて見たのは2022年、ニコンプラザ大阪で開催されていた「『羅臼』~漁師の海、ヒグマの山~」という写真展でした。その中でメインの一つとして飾ってあったのが松ぼっくりを食べるヒグマの写真だったんです。正直、こんな大人しそうな、こんな地味なヒグマの写真を大きく使う自然写真家がいるんだと驚いたんです。ただ、それだけに明確な意図があるのだろうなとも感じました。二神 ヒグマというと、まず川の中に入ってシャケを食べているものだというイメージがあるじゃないですか。なので、そこで牙をむいている、荒々しい漁のシーンの写真を選びがちなんです。プロは小さいヒグマでも大きく、迫力があるように見せることもできますから。でも僕は逆で、大きなヒグマのやさしい表情を撮りたいという思いがずっとあって。あのとき展示していた写真は、松ぼっくりを食べ終わって、満足げにふーっと空(くう)を見つめている写真だったんです。――あの距離でヒグマがあそこまでリラックスしている写真を撮るのは相当難しいことなんでしょうね。二神 僕らができることって、2つしかないんです。撮影ポイントを見つけることと、待つことです。もちろん、クマを見つけて寄っていくこともありますが、そうすると少なからず被写体にストレスをかけてしまう。なので、ベストなショットは生まれないんです。松ぼっくりを食べているヒグマの写真は、ねらい始めてから5年ぐらいかかりました。――松ぼっくりを食べているヒグマの写真というのは見たことも聞いたこともなかったのですが、世界初と言ってもいいのでしょうか。二神 初とは言い切れませんが、写真展に出したのとは別のカットで、ヒグマの口の中に入っている松ぼっくりがはっきり写っている写真もあるんです。それはかなり珍しいと思います。――日本には世界でも有数のヒグマ高密度地域、知床半島があります。今、そこでヒグマを撮影しているカメラマンのほとんどは「ヒグマが出たぞ!」となると、そこにみんなで寄っていって集団で撮るみたいな感じですよね。撮影スポットもだいたい決まっています。そういうところのクマは人慣れしているのでしょうが、慢性的に相応のストレスもかかっていると思うんです。二神さんのように自ら撮影ポイントを開拓し、そこで待つというスタイルでヒグマを撮っている人はごく少数派ですよね。同じ場所で集団で撮っている写真と、二神さんの写真の違いは見る人が見ればわかるものなのでしょうか。二神 僕はわかると思っています。被写体の圏内にあとから入って撮ったものは目線が泳いでいるとか、どこか落ち着かない表情をしているものなんですよ。――二神さんは京都外国語大学卒業後、編集プロダクションでコピーライターなどを経験し、2012年から北海道に移り住んで本格的にクマを撮り始めたんですよね。二神 2012年に引っ越して、2014年ぐらいまで北見に住んでいました。ただ、最初の2年間は、ほとんど撮れませんでしたね。20キロくらいのザックを背負って、朝から晩まで歩きましたけど。撮れるようになったのは2015年、2016年あたりです。僕にとってはその2年がヒグマ撮影のピークでしたね。でも会えなかった最初の2年間でクマの食性などの知識を蓄積できたからこそ、ピークの2年もあったんです。――それだけヒグマを追いかけていると、危険な目に遭遇してしまうこともあるわけですよね。二神 これはあんまり話したくないのですが……。本来、そういうことがあってはならないので。僕と同じ失敗を繰り返さないで欲しいという意味で恥を忍んで、今回はお話しします。知床の山に入るようになって、2年目だったと思うんです。その頃は、とにかく夢中だったので怖さよりもクマに会いたいという気持ちが勝っていた。12月に入って、森の中をあてどもなく歩いていたんです。そうしたら雪景色の中、すごくきれいなヒグマが歩いていたんです。「うわ、俺が会いたかったクマはこいつだ!」と思ったんです。今でもいちばん美しいヒグマだと思っているんですよ。ただ、そのクマは子連れだったんです。――子連れのクマはとにかく怖いという印象があります。二神 子どもにレンズを向けたら、親グマは何かされるんじゃないかと思ってすごい怒ります。なので、子どもが先に逃げたのを確認してから親だけを単体で撮っていたんです。僕はすごく興奮していて、記者会見場のカメラマンみたいにパシャパシャ撮っていた。そうしたら、親グマがゆっくりとこちらに向かってきたんです。まずいと思ってクマスプレーを構えたんですけど、手が震えてストッパーが外せなかった。とても簡単な作業なのに。クマとの距離が20メートルを切っていたので、クマにプレッシャーを与えちゃいけないと思って腰をかがめたんです。でも今思うと、すでに怒っていたので意味がないんです。やるなら立ち上がって、威圧すべきだったのかもしれません。そのときのクマの圧力がとにかく凄くて、最後は、尻餅をついてしまった。そうしたら上からジロッと僕のことを見下ろして、しばらくしてから、きびすを返したんです。僕は「はぁ……」って、呆然と去って行くクマのお尻を眺めていました。――ヒグマのブラフチャージの話はよく聞きますよね。突進されたけど、襲われまではしなかったという。最終的に、どれくらいの距離まで詰められたのですか。二神 2メートルか3メートルぐらいだったと思います。上から見られた感じがあったので、確実に5メートルは切っていたんじゃないかな。あのとき、初めてヒグマの怖さを思い知りました。生物としてヒグマとの上下関係を本能に刻み込まれましたね。おそらく殺すつもりはなかったと思うんです。威嚇ですよね。関西弁で言うと「たいがいにせいよ」と。「子どももおるのに」って。そう、ヒグマが僕に教えてくれていたんだと思います。でも、僕からしたら死ぬほど怖かった。おそらく背を向けて逃げ出したら、殺されていたと思います。すぐに車が置いてある道路まで戻ったのですが、車の前でへたり込んでしまって。そのときは車に乗り込めないくらいに消耗していました。――直前までシャッターは切っていたのですか。二神 こちらに向かってきているときもまだ撮っていました。今は、そんなこと絶対しないですよ。ただ、毛が逆立っていたし、距離が20メートルを切ったあたりで、これはやばいと思ってやめました。ただ、その写真はすごく美しいんですよ。ハラハラと雪が降っていて、倒木を乗り越えて、こちらに向かってきている写真なんですけれども。ただ、あれはどこにも発表できないですね。――それはなぜですか?二神 あれは僕のミスだし、写真家としては本来、あってはならないことだと思うんです。それと、完全に怒っているクマの顔を出したくないというのもあります。あの写真を出したら武勇伝にしかならない気もするんですよね。こんな危険な目にあっても撮った写真なんだ、と。あれは自慢話にしちゃいけないと思っています。――一度でもヒグマに襲われかけるという経験をしたら、動物カメラマンをやめたくなりそうな気もしますが。二神 初めて(ブラフ)チャージを受けたときは、その日はもうダメでした。でも翌日か、翌々日には、また山に入っていましたね。ただ、2017年か2018年ぐらいかな、クマが怖くて仕方なくなった時期があるんです。2018年夏はシーカヤックに乗ってヒグマの撮影をしました。表向きは海側から撮りたいという理由だったのですが、実はクマが怖かったんです。クマの気配がギューッと詰まった森の中に入っていくことができなくなってしまって。別に何か危険な目に遭ったというわけではないんです。その頃には危機回避能力もかなり高くなっていたので。おそらく恐怖症って花粉症に似ているんです。大なり小なりヒグマの圧倒的な存在感に本能を傷つけられていると、あるとき、その恐怖心が許容量を超えてあふれ出してしまうというか。――一度、割と近距離でヒグマと遭遇する可能性のある撮影ポイントに連れて行ってもらったことがあるじゃないですか。二神さんがそばにいるときは緊張という言葉で済んでいたのですが、あるとき、二神さんが先に行ってしまって。「二神さんの姿が見えない」と思った瞬間、緊張が10倍ぐらい跳ね上がったんです。呼吸が乱れるというか、あれは恐怖でした。二神 実は、わざとやったんです。もちろん僕は中村さんの位置をちゃんと把握していたので。一人で山に入るという感覚を、少しでも体感して欲しかったんです。――確かに何の事故が起きなくても「至近距離でクマに遭遇してしまったら……」という恐怖感に少しずつ精神が蝕まれる気がします。恐怖症が花粉症だとするなら、発症するとなかなか治らないわけですか。二神 山に入るのが怖くて仕方なくなったとき、奥会津の金山町というところで狩猟をしている猪俣昭夫さんに相談しに行ったんです。「奥会津の最後のマタギ」と呼ばれて、けっこう有名な方なんです。その方に「クマが怖くて仕方ないんです」という話をしたら、嬉しそうに「そこからだよ」って言われたんです。なぜか、嬉しそうに見えたんですよね。おまえもそういう心境まで来たのか、と見てくれたのかな。それとも単に、そらそうだよ、と思っただけだったのかもしれないですけど。――そういう話をカメラマン仲間としたりしたことはあるのですか。二神 ないです。同じような経験をしている人がいたら、対処法を教えて欲しいです。もう僕はビビり過ぎて、チャンスを逃しまくっているので。――今もまだ怖いことは怖いわけですか。二神 怖いですよ。ただ、少しは回復しています。中村さんが恐怖を50感じているとしたら、僕は25くらいかもしれない。僕の方が経験がちょっとあるので。でも、昔の僕は5くらいだったんです。クマを撮りたい気持ちが強過ぎて。――25でも十分、怖いですよね。二神 昨年、ヒグマがいろんなところで出没してニュースになりましたよね。ある意味、カメラマンからしたらチャンスでもあるわけです。でも、こんなにクマの写真を撮ってきたにもかかわらず、昨年は悲しいくらいに撮れていないんです。怖くて、なかなか山の中に入れませんでした。――昨年7月頃は大雪山の白雲岳の避難小屋の目の前に親子グマが居座り、話題になっていました。なかなか出会えないシチュエーションでもあるので、カメラマンが殺到し問題にもなっていたようですが、あのクマは撮りに行ったのですか。二神 あのエリアでクマを撮ろうと向かっている途中、携帯電話で山小屋のSNSを見たら「キャンプ場の近くに親子グマが居座っている。危険なので山小屋の利用は自粛してほしい」という書き込みがあったんです。それを見て引き返しました。この状況で行くのはちょっと違うだろうと……。でもそのまま行っていれば、いい写真が撮れたんじゃないかって、そのあと、くよくよ悩みましたけど。――プロのカメラマンもけっこういたそうですよ。二神 むしろ、それでこそプロと言えるのかもしれません。でも僕はもう撮れればいいという考えにはなれないんですよね。ああやって大挙して押しかけると、クマが人慣れしてしまう恐れもあります。単純に僕自身がクマを恐れているのもありますけど、今、それ以上に怖いのはクマの人間に対する反応の変化なんです。――昨年5月には、朱鞠内湖で釣り人が襲われるだけでなく捕食されるという衝撃的な事件も起きました。二神 これまで、そういう事故の話を聞かなかった場所なので驚きました。クマに襲われるケースって、いちばん多いのは出会い頭なんです。予期せず遭遇してしまって、クマがパニックを起こして人間を襲ってしまう。でも朱鞠内湖の場合はヒグマが自ら近寄っていき、人間を捕食した可能性が高い。そういうクマが出てきたら、人間は何の対処もできません。それは従来のヒグマの行動では考えられないことなんです。何かのきっかけでクマの遺伝子情報が書き換えられつつあるのかもしれません。――僕も10年以上前、3泊4日で知床の山に入ったことがあるんです。あたりは糞だらけなのにヒグマの姿はチラリとも見えない。こんなにも人間の前には姿を現さない生き物なんだと思ったんですよね。二神 その頃までは、クマの方がちゃんと避けてくれるという前提があった。でも今は、その考え方も古くなりつつある。だから、もはや見通しの悪い森の中でクマを撮影するという時代ではないのかもしれません。そう言いつつも、もう一回はちゃんと撮りたいと思っている自分もいるんですけどね。ただ、そうしたら最後、おれはクマに殺されちゃうのかなとも思うわけです。そうなったら絶対にいけないんですけど。ヒグマの夢を見るときは、たいてい怖い夢なんです。最近は、ヤバいと言われているクマのいる森に僕が入っちゃって、そのクマにジロッて睨まれている夢とかが多いですね。――二神さんは本州でツキノワグマの撮影もしていますよね。昨年からツキノワグマの事故も相次いでいますが、ヒグマとツキノワグマの習性の違いというか、怖さの違いみたいなものもあるものなのですか。二神 僕がツキノワグマを撮り始めたのは2014年からなんです。ただ、ツキノワグマの経験値はまだまだ低いです。ツキノワグマを追いかけ始めたころ、ヒグマの経験があるからレベル3ぐらいから始められると思っていたんですけど、ぜんぜんジャンルが違いました。ヒグマ以上に会える回数が少なくて。ヒグマはうわっという感じで現れますけど、ツキノワグマはトコトコトコって現れる。かわいいんです。でも僕はツキノワグマの方が断然、怖いです。ヒグマ以上にストレスを与えちゃいけない感じがします。ツキノワグマは体が小さいぶん、ヒグマ以上に臆病な感じがするんですよね。なので、ちょっとしたことでパニックに陥って、突進してくるイメージがあるんです。――現状、クマに対して一般人が使える武器はクマスプレーしかありません。昨年10月、大千軒岳(北海道)では消防隊員がヒグマの喉元にナイフを突き刺して撃退したというニュースもありましたけど、あれはそうそうできることではありませんよね。二神 あれは奇跡的というか、とんでもない武勇伝ですよね。あんな話、聞いたことがありません。普通の人はできるなんて思わない方がいいですよ。パニックになって、何もできないのが普通ですから。――スプレーはいろいろな弱点を指摘する声もありますが、実際のところ、どれくらいの撃退能力があるものなのでしょうか。二神 僕は実際に使ったことまではないのですが、近年は数件ですがクマスプレーで撃退したという報告もあります。なので、一定の効果はあると思います。ただ、クマスプレーの弱点として、早撃ちができないんですよ。ホルダーから取り出して、ストッパーを外さないと噴射できないので。――私が二神さんと北海道の山を一緒に歩いているときも、両サイドに茂みが迫っているような場所で腰のホルダーからスプレーを取り出して、構えていましたもんね。私も後ろで真似して構えていました。二神 ああいう場所でヒグマと鉢合わせしてしまったら、準備しておかないと、もうアウトなんですよ。――昨年、クマの事故が相次いだことにより、今年からヒグマとツキノワグマが「指定管理鳥獣」に指定されるなど、ここにきて人とクマの関係が急速に変化しています。そんな中、「共生」という言葉が多く聞かれるようにもなってきましたが、二神さんの実感としてクマとの共生は可能だと思いますか。二神 少し厳しい言い方をすると、僕は「共生」という言葉は生ぬるいんじゃないかなと思っています。作家の熊谷達也がマタギを描いた小説『相剋の森』の中で〈山は半分殺してちょうどいい〉という言葉を使っているんですけど、もし共生という理想郷がありうるとしたら、自然に全力で抗って抗って、ようやく手に入るという種類のものだと思います。昔の人は畑を守るために鉄砲撃ちを雇っていたわけですから。ただ、人間の殺傷能力が高くなり過ぎて、一時期ヒグマは絶滅寸前まで追い込まれてしまった。減り過ぎたので保護の方に針が振れたわけですが、今度は増え過ぎてしまった。それが今の状態だと思うんです。――人に危害を加える可能性のある野生動物を適正な頭数で維持するというのは、本当に難しいんでしょうね。ひと昔前まで、北海道の人でもヒグマなんて生涯、一度も見たことがないという人がほとんどだったらしいですもんね。二神 大昔、ヒグマを見られることが当たり前の時代があった。次の段階として、見ることはなくなったけど感じることはあるという時代になった。つまり、気配ですよね。山に入ると足跡があるとか、植物をむさぼった跡があるとか。ただ、それを過ぎると不感症というか、クマを感じ取ることができない時代になってしまう。そういう時代になりつつあったタイミングで昨年、街中などにクマが出没したからみんなパニックになってしまったと思うんです。僕はクマの姿は見たことないけど、感じられるという関係性がいちばん理想だと思うんですよね。――適正な距離ということですね。ただ、現代人の中には生き物を殺すというだけでアレルギー反応を示す人たちもいます。二神 僕の知り合いが言っていたのですが、現代人は死ぬことを許さない、と。死を嫌うとか、死を怖がるというのは普通のことだと思うんです。でも、死を許さないというのは異常な心理状態だと思います。――クマは今、史上、もっとも増えているのではないかという説も出ています。ある意味、人間との生息域の奪い合いですよね。どちらが生き残るか。二神 クマが増え過ぎている。人間も増え過ぎてしまった。確かに、ちょうどいいクマの頭数を残すというのは難しいと思うんです。ただ、人間たちは動物を絶滅させると生態系に致命的なダメージを与えるということにはもう気づいていますから。そこは救いですよね。――二神さんはクマを撃ちたいと思うことはないのですか。二神 憧れはあるんです。自分で獲ったものを自分で食うみたいな生活に。ただ、硝煙の臭いがついたら、もう動物の写真は撮れなくなるかなとも思っているんです。物理的なものというより精神的なものですかね。狩猟者になるということは自然体系の中で主役になることでもあるんですよ。一方、僕がやっている撮影行動の主人公はやはり動物たちなんです。なので、狩りをするということは、その主体と客体が入れ替わってしまうことでもあると思っていて。――ちなみに今年もまた昨年のようにクマが人里にたくさん現れるのでしょうか。二神 クマの食性は多様なので、そんなに簡単に飢えたりはしないものなんです。ただ、昨年はいろいろな種類の木の実やサケなど、クマの餌が軒並み少なかった。だから、人里に出てこざるをえなかったと思うんです。ただ昨年、かなりの頭数が駆除されていますし、今年もあらゆる山の中の食物が不足するということは考えにくいので、昨年のようなヤバい状態になることはないと信じたいですね。二神 今年はやろうと思っています。ただ、今、僕が考えているテーマは「サイン」なんです。クマの気配が感じ取れる写真。もともと僕がヒグマに興味を持ったのも、観光で北海道に来たとき、クマが食い散らかしたサケの残骸を見たからなんです。そのとき、強烈にヒグマの存在を感じたんです。「ここにクマが来たんだな」「さっきまで、ここにクマがいたんだな」と。想像力は無限なので、実際に見たときの感動を超えることもあるじゃないですか。二神 昨年のクマ騒動で、日本人の脳にものすごく強烈にクマのイメージが焼き付いたと思うんです。でも、それも時間が経つと忘れてしまう。だからクマを感じるという感覚を残すためにも、これからはクマの存在を想像させる写真により力を入れていきたいなと思っているんです。見えないけど、感じる。それが野生動物と人間の適正な関係だし、幸福な関係でもあると思うんです。僕がクマを撮り始めた頃、丸2年間、ほとんどクマに会えませんでしたけど、それでも幸せだったんです。妄想の世界で何度も会っていたので。会ってしまったら、それでおしまいですから。近い将来、そんな人とクマの理想的な距離感を「サイン」という表現方法で何らかの形にしたいと思っているんです。
(東北自動車道で乗用車がクマと衝突:宮城)
30日午後、宮城県大和町の東北自動車道で、走行中の普通乗用車がクマと衝突する事故がありました。けがをした人はいませんでした。警察によりますと、30日午後2時15分ごろ、大和町鶴巣北目大崎の東北自動車道上り線を走行中の普通乗用車が道路を横切ってきたクマと衝突しました。この事故で普通乗用車のバンパー下の部品が破損しましたが、車に乗っていた30代の男女にけがはありませんでした。クマは体長約70センチの子グマとみられ、車と衝突した後東側にある森に入っていったということです。他の車への影響はありませんでした。警察が現場周辺で警戒に当たっていますが発見には至っていないということです。宮城県内では6月に入りクマの目撃情報が過去5年の平均と比べ大幅に増えていることなどから、人身被害が発生する危険があるとして、県は28日、全域にクマ出没警報を出して警戒を呼びかけています。
(市街地にシカ出没:長野)
松本市の中心市街地で6月中旬以降、シカの出没が相次いでいる。田川と奈良井川が合流する渚エリアを中心に、松本駅や島内駅付近などで市民や通行人が目撃している。市は、シカに遭遇しても近づかずに松本警察署に連絡するよう呼び掛けている。市や同署によると、最初の通報は6月15日朝で、渚2の国道19号沿いの店舗近くでシカ3頭の目撃情報が寄せられた。それ以降、同月下旬にかけて渚1から渚3付近の田川沿いの街中で出没が相次ぎ、松本駅近くで電車とシカが衝突する事案も起きた。29日の夕方には、松本駅前の松本バスターミナル付近と、奈良井川に架かる月見橋周辺でほぼ同時に目撃された。7月1日朝には、市音楽文化ホール(島内)近くの踏切周辺でも1頭が目撃されている。里に下りたまま山に戻れず、河川敷や街中に迷い込んでいる可能性があり、各地で出没するシカが同一の個体かどうかは不明。パトロールをしている市森林環境課は「人に危害を加える動物ではないので、騒ぎ立てずに連絡してほしい」とし、メール配信サービス「松本防災ネット」でその都度情報発信して注意を呼び掛けている。
(交差点でクマと乗用車接触:栃木)
1日午後2時15分ごろ、那須町高久甲の東北自動車道那須インターチェンジ(IC)付近の交差点で、通行人がクマ1頭を目撃した。午後3時ごろにも同所でクマ1頭の目撃があったほか、午後3時50分ごろには、同所で走行中の乗用車がクマ1頭と接触した。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。
(“害獣処分”のシカ、狩猟方法や肉の活用に関心を:埼玉)
害獣として処分されるシカの狩猟方法や、肉などの活用方法について若い世代の人たちに関心を持ってもらおうという催しが、埼玉県秩父市で開かれました。秩父市福祉女性会館で開かれたこの催しには、小学生から大学生までおよそ40人が参加しました。秩父市では農作物や森林を荒すため、年間1000頭余りのシカを捕獲処分していて、そのうちのおよそ5パーセーントが食肉や革細工の材料として流通しています。会場には実際にシカを捕獲する際に使われるわなが用意され、小学生たちがシカがわなにかかる仕組みを体験していました。またシカ肉を試食するコーナーでは、地元野菜と煮込んだシカ汁やシカ肉のソーセージが用意され、試食した参加者は「くせが無くて美味しい」とか「思ったよりやわらかい」などと話していました。主催した秩父青年会議所の原島達昭委員長は「シカなどの野生動物を害獣として捉えるだけではなく、どうしたらそれらと共生できるか考えるきっかけになれば」と話していました。
(新鮮シカ肉、ハンターが直売:北海道)
歌志内市内でキッチンカー「りんどう」を経営し、ハンターでもある田中一紀さん(51)が市内の山林で自ら狩猟したシカ肉の販売を、自身の加工場(歌神36)で始めた。田中さんは「シカ肉は牛肉に似た味で、カロリーは低いが鉄分やミネラルが豊富。ハンター直売の新鮮でおいしい肉を多くの人に食べてもらいたい」と話す。
(捕獲された鹿革をネームタグに再生:神奈川)
大箱根カントリークラブ(神奈川県)が、オリジナルネームタグの制作・販売を8月1日から開始する。自然な風合いが魅力の木製ネームタグは、ゴルフ場のコース整備で出た間伐材を再利用して作られたもの。11月8日に開業70周年を迎える同ゴルフ場は、開業記念コンペの参加賞も間伐材で制作しており、環境負荷の低減を進める一環としてオリジナルネームタグの制作・販売を行うこととなった。特に深いこだわりを見せるのが、小田原の鹿革を再利用したネームタグのベルト部分。近年、小田原では鹿の生息数が増えており、農業や林業への被害が深刻化している。こうした背景から、捕獲される鹿の数が増えており、一部はジビエ肉として消費されているという。しかし、革は焼却処分されることが多いため、鹿革を有効活用するためにベルトに採用することになったのだ。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後4時40分ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後4時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯向にクマが出没しました。
(クマ出没の痕跡:宮城)
村田町によると、2日午前9時ごろ、村田町薄木夕向原の畑でクマが出没したような痕跡が見つかりました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午前8時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢花坂下にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、6月30日午後0時20分ごろ、富谷市三ノ関狼沢にクマが出没しました。
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(クマに襲われ男性が大けが:福島)
28日朝早く、福島県会津美里町の山あいにある住宅の近くで、70代の男性がクマに襲われ、顔に大けがをしました。男性は会話ができる状態だということですが、警察は付近でクマへの警戒を呼びかけています。警察や消防によりますと、28日午前6時20分ごろ、福島県会津美里町上平の山あいにある住宅近くの県道で、近くに住む70代の男性がやぶから飛び出してきたクマ1頭に襲われて顔に大けがをしました。男性は右目の辺りに大けがをして病院に運ばれましたが、会話はでき、命に別状はないということです。男性が山あいの道路を歩いていたところ、目の前に突然、クマが現れ、クマは男性を襲ったあと、そのまま現場を離れたということです。福島県内では6月24日にも喜多方市で70代の女性が、自宅そばの小屋にいたクマに襲われてけがをしています。警察は、クマに遭遇した場合は▽目を背けずにゆっくりと後退して逃げるほか、山あいに入る場合は▽1人では入らず▽鈴やクマを撃退するスプレーを携帯するなど注意するよう呼びかけています。
(鳥獣対策金、抜本見直しを)
財務省は28日、政府の事業が効率的に行われているかどうかを点検する予算執行調査の結果を発表した。野生の鳥獣による農作物被害対策を支援する交付金について、効果的ではなく「予算措置の在り方を抜本的に見直すべきだ」と指摘した。計27事業で改善を求め、各府省庁に対し2025年度予算の概算要求に反映するよう要請した。「鳥獣被害防止総合対策交付金」は農林水産省が所管し、毎年100億円以上の予算が付けられている。ただ、支援を受ける約8割の市町村で侵入防止柵が正しく設置・維持管理されていなかった。被害減少に積極的ではない市町村にも交付金が配分され、「現行制度は不合理」と判断した。
(県内に「クマ出没警報」発表:宮城)
宮城県は28日、県内全域に「クマ出没警報」を発表した。県内では6月に入りクマの目撃情報が過去5年の平均と比べ大幅に増えていることや、例年7月は一年で最もクマの目撃等情報が多くなる傾向にあるため、人身被害のリスクが高まっているとして発表となった。県ではこれからの時期、キャンプや山登りで人がクマの生息域に近づく機会が増え、人身被害のリスクが高まることが予想されるとして、沢沿いや、やぶの深い場所など、クマの移動ルートになる地点には近寄らない事などを呼び掛けている。
(豚熱確認、野生のイノシシから:広島)
広島県は28日、広島県三原市高坂町で捕獲された野生のイノシシ1頭から豚熱(CSF)を確認したと発表した。同市内での確認は初めてで、県内では43例目になる。県畜産課によると、15日に捕獲されたイノシシを県が遺伝子検査して陽性を確認した。県は捕獲場所から半径10キロ以内の養豚場など5戸に注意喚起した。
(14日に発砲したクマか、死んだクマ1頭発見:青森)
26日午後、八戸市で死んだクマ1頭が見つかりました。27日も青森県内では保育園の近くなどでクマが目撃されています。市や発見した人によりますと、26日午後3時すぎ、八戸市市川町の国道45号沿いの茂みの中で、クマ1頭が仰向けの状態で死んでいるのが見つかりました。市によりますと、この場所は14日、猟友会がクマに向けて2発発砲した場所とほぼ同じ場所だということです。その後クマの行方は分からなくなっていましたが、近くに住む人が草などを片付けていた時に見つけたということです。市は、クマが死んでから時間が経っていて、弾が命中したかどうか判別することが難しいとしていますが、発砲したクマの可能性が高いということです。27日にも青森県内ではクマの目撃情報が寄せられています。三沢市では午前2時すぎに淋代保育園付近で、七戸町では午前6時半ごろ、城南小学校のスクールバスのバス停付近で、クマ1頭がそれぞれ目撃されています。
(「人を襲ったクマはまた人を襲う」女性死亡でキャンプ場閉鎖:青森)
八甲田山系にある青森市郊外の山中で80代女性がクマに襲われて死亡した事案を受け、青森県は出没警報を発令して警戒を呼びかけている。市は27日、環境省や林野庁、県、県猟友会など関係者による会議を開き、入山規制をする方向で合意した。県内のクマ出没件数は過去最多だった2023年(1133件)を上回るペースで推移。安全確保のためキャンプ場を閉鎖する動きもあるなど、関係者は緊張を強いられている。市などによると、25日に亡くなった同県むつ市の女性はタケノコ採りをしていたといい、救出時に多数の外傷が確認された。県内でクマの襲撃による死者が出たのは21年の平川市以来、3年ぶりという。事故現場周辺では他にも人身被害などが相次ぐ。21日にもタケノコ採りの女性がクマに襲われて大けがをした。また22日には持参した食料を奪われ、追いかけられる事案もあった。県は25日、県内全域に出していた「ツキノワグマ出没注意報」を警報に引き上げた。夏山シーズンを迎え、登山客や観光客の受け入れ態勢を整えていた八甲田山の旅館や登山関係者は対応に追われている。現場から約2キロの距離に位置する酸ケ湯温泉旅館は26日、管理するキャンプ場の閉鎖に初めて踏み切った。畑田素子支配人は「人を襲ったクマはまた人を襲う恐れがあり、まだ駆除されていないことから営業を続けていくのは危険と判断した。ショックだし、残念です」と話した。一方、県山岳連盟(服部一雄会長)など9団体で構成する実行委員会と、周辺事業者などでつくる八甲田振興協議会は27日、連名で女性を襲ったクマの駆除を求める要望書を県に提出した。実行委は「八甲田山の日」記念山開き登山大会を7日に開催し、参加者が八甲田大岳などを巡る予定だったが、中止する方向で検討を進めているという。青森市の西秀記市長は26日の記者会見で「今回、死亡事故があった区域へ立ち入ったり、近づいたりしないでほしい」と訴えた。また「観光面で影響が出てくる可能性があるので憂慮している」とした。
(クマ死亡事故、3キロの範囲で入山規制:青森)
北八甲田のクマによる死亡事故を受けた入山規制の範囲が決まりました。現場から半径3キロの国有林と登山道の立ち入りがきょうから規制されます。この事故は今月25日に発生、八甲田の地獄沼近くでタケノコ採りに入った女性がクマに襲われ亡くなりました。関係機関が2日にわたり対応を検討した結果、半径3キロの登山道や国有林の入山をきょうから規制することが決まりました。★青森市環境政策課 菊池朋康 課長 「今回の入山規制というものが広く浸透して少しでも被害につながらないようにぐっと我慢して近づかないようにしていただきたい」。入山規制は現場の国有林を管理する国、そして登山道を管理する県や市などそれぞれの管理者が個別に立ち入りを禁止する形で行われます。規制範囲は死亡事故の現場の3キロ以内の範囲で、クマが捕獲されていないため期限を決めず「当面の間」規制するとしています。警察は付近に人を襲ったクマがまだいるとして絶対に近づかないよう呼びかけています。一方県はクマの個体数調査を八甲田山系、白神山地、下北の3地域で5年ぶりに始めました。調査方法は赤外線カメラ180台による定点観測で県は年内に個体数を推定するとしています。
(「クマダス」7月から運用開始:秋田)
秋田県は、クマによる被害を防ぐため、県や市町村に寄せられた目撃情報を1つに集約し、地図上に分かりやすく示す新たなシステム「クマダス」の運用を7月から始めることになりました。クマの目撃情報について、秋田県では、警察からの情報をもとに地図システムを運用していましたが、自治体でも独自に同様のシステムを運用しているところがあり、情報を網羅的に把握することができていませんでした。7月1日から始まる新たなシステム「クマダス」では、これまで県や市町村がそれぞれで管理していたクマやイノシシ、ニホンジカが目撃された場所や時間、当時の状況や写真などが地図上に1つにまとめて示され、一目でわかるようになります。また、市町村が情報を入力するとそのまま地図に反映されるため、これまでより早く情報を知ることができると期待されています。さらに、メールの配信機能も設けられ、市町村や対象のエリアを設定することで、最新の情報が得られるということです。秋田県自然保護課は「より身近な場所での出没情報に限定して情報を得ることもできるので、クマの被害にあわないようこのシステムを活用してほしい」と話しています。
(「ツキノワグマ出没に関する警報」の期間延長を決定:秋田)
クマの目撃やクマによる人身被害が相次ぐ秋田県は28日、県内に発令している「ツキノワグマ出没に関する警報」の期間の延長を発表しました。県によりますと、4月18日から発令されている警報の期間は、5月29日に一度延長され6月30日までとしてきましたが、今回8月31日までの期間延長を決めました。県内では今年度に入り6月24日現在で、408件のクマの目撃、106頭のクマの捕獲、5件6人のクマによる人身被害が発生しています。警報の発令期間中に県は、入山禁止地域へ絶対に立ち入らないことや、入山禁止ではない地域についても、山林に入る場合は鈴などでクマに聞こえる音を出すなどの対策を取ること呼びかけます。
(クマ・イノシシなど野生動物の出没マップ:栃木)
クマの目撃が栃木県内各地で相次いでいることを受け、県警は25日、出没情報を示した地図をホームページ上で公開した。夏のレジャーシーズンを前に、注意を促し、野生動物による被害防止に役立ててもらう。県警ホームページの「野生動物の注意喚起情報」から見られる。地図上で野生動物が出没した場所や日時を確認できるようになっている。クマのほか、今後はイノシシやサルなどの情報も表示するという。県警はこれまでも「ルリちゃん安全メール」で野生動物の出没情報を配信してきたが、メールの登録者にしか届かず、また、文字だけなので分かりにくいという課題があった。生活安全企画課の福田亮課長補佐は「県外から観光に来た人たちにも見てもらい、栃木県内での被害防止につなげていきたい」と話している。
(猟友会を支援へ、6月上旬から新手当の支給始める:群馬)
クマの目撃が相次いでいる群馬県高崎市では昼夜を問わず、緊急に出動する猟友会を支援しようと、6月上旬から新たな手当の支給を始めました。高崎市では昨年度1年間のクマの目撃情報は31件でしたが、今年度は4月と5月の2か月間だけですでに25件、寄せられ、6月に入ってからは山間部にある住宅の近くでも目撃されています。クマの目撃情報があった場合、高崎市は昼夜を問わず、猟友会に緊急出動を依頼し、猟友会のメンバーに現場のパトロールや安全確認などにあたってもらっています。市ではこれまで猟友会に対し、鳥獣被害対策として年間の活動費を支給していましたが、緊急の出動ごとに支給される手当はありませんでした。クマの目撃が相次いだことを受け、市では6月上旬からクマによる緊急出動1回につき、猟友会のメンバー1人当たり、3700円を支給することにしました。さらに、クマが捕獲された場合の1頭当たりの処分の費用についても、これまでより1万円増額して2万5000円としました。
(市街地に現れる「アーバンベア」増加、対応にあたる猟友会は高齢化進み人手不足の現状:山形)
私たちの暮らしに身近な出来事の現場を取材し、その背景や影響を探る「THE現場検証」です。6月、山形県内ではクマによる人的被害やサクランボの食害が相次いで発生しました。こうした中、クマの捕獲を行う猟友会はいま高齢化による人手不足に直面しています。取り巻く現状を取材しました。近年、人への警戒心がないクマの出没が増えています。岩手大農学部・山内貴義准教授「レベルが上がったというか、新たなフェーズに入った感じ」。一方、長年クマと向き合ってきた猟友会はいま、高齢化によってクマに対応しきれなくなるケースも出ています。県猟友会・悪七美男副会長「年だからね、なかなか山に行って指導とかできなくなってきているから」。6月20日、県内でことし2件目となる人的被害が発生しました。クマに襲われたのは兵庫県の71歳の男性で、男性は頭や肩から出血するけがをしました。自力で下山し命に別条はありませんでした。ふもとの蔵王温泉街では、観光客に注意を呼びかけるなど、対応に追われる事態となりました。県内のことしのクマの目撃件数は6月23日時点で132件で、このうち、3割近い39件が市街地での目撃でした。”人に近い”場所に現れるケースが後を絶ちません。こうした山から市街地に降りてくる「アーバンベア」と呼ばれるクマが増えている背景には何があるのでしょうか。県内のクマの捕獲状況などが適切かどうかアドバイスを行う県特定鳥獣保護管理検討委員会のメンバーも務める岩手大学の山内貴義准教授に話を聞きました。岩手大・山内貴義准教授「クマの行動自体が大胆になっているというか、アーバンベア自体は実は十何年前から言われていて、人慣れしているクマがいるという話はあったが、ここまで頻繁に出るっていうのはちょっとレベルが上がったというか、新たなフェーズに入ったのかなと」。5月、南陽市のサクランボ園地に入ったのは体長70センチほどの子グマ。無我夢中で食べ続けるクマに対し音を鳴らし追い払おうとするもー夢中で食べるクマ「(パイプ叩く)おい!全然逃げねえ…」。岩手大・山内貴義准教授「通常、クマは臆病な動物。人の近くに寄らず音を出すと逃げると言われているが、あそこまで大胆な行動をしているということは、相当もう人に慣れている。人のことを全く怖いと思っていない。ああいう個体はおそらく捕まえて遠くに放しても戻ってきてしまう」。こうしたクマによる被害を防ぐ活動に取り組んでいるのが猟友会です。狩猟免許を持った人たちが会員になっていて、県内には市町村や地域ごとに16の組織があります。県猟友会は依頼のあった住民の園地に罠や電気柵などを設置したり、春先は雪山でクマを捕獲したりするなどの対策を行っています。県猟友会で副会長を務める悪七美男さん(75)。悪七さんは猟友会に所属して50年以上になりますが、年々、思うような活動ができなくなっているといいます。悪七さん「ここ西村山地区でも、毎年20頭近く捕獲しているけど、ことしはたった1頭だけ」。県内では、猟友会が春先に捕獲するクマの数がここ数年で半減しています。要因の一つと考えられているのが猟友会の会員の「高齢化」です。県猟友会・悪七美男副会長「30代、40代の頃は、この山に行っていなかったら、ほかの山を見て帰ってこられた。2か所も山を見てこられた。高齢化して、今まで行った距離も倍の時間がかかって歩かなきゃいけない」。県猟友会の会員数はいまから40年余り前の1978年が最も多く、7000人以上を数えました。しかしその後は減少の一途を辿り、10年前の2014年に過去最少の人数となりました。近年はわずかに増加傾向にあるものの、1700人ほどにとどまっています。世代別では、60歳以上が半数以上を占めていて、20代は全体の2%ほどです。時代の流れと共に若い世代で狩猟に興味がある人が少なくなったことが会員数の減少にもつながっていると考えられています。県猟友会・悪七美男副会長「獲物を捕まえてみたい、クマを獲ってみたいと思う人は何の仕事をしていても出席するだろうけど、いまの若い人たちはなかなかそこまでいかない」。近年は、クマの捕獲現場などに参加する会員は60代から70代が中心です。75歳の悪七さんは自営の建設業の合間をぬって、猟友会の活動に参加しています。会社勤めの人にとっては猟友会との両立は時間的にも難しいのが現状です。県猟友会・悪七美男副会長「今後は猟友会が減少していくんだと思う。 高齢化の人が辞めて若い人たちが入らない限りどんどん減っていくだけ」。岩手大・山内貴義准教授「人間のいろんな問題の隙をついて、野生動物はどんどん入り込んでくる。ハンターは経験を積んでいかなければならない。1、2年じゃ無理で、5年、10年かかる話なので長期的な人材育成を含めやっていく必要がある」。“人に近づく”クマが増えている一方、クマを捕獲する役割を担う猟友会の活動は厳しさが増しています。県内で去年、クマの出没が相次いだことを受け、村山市などはことし、猟友会に対するクマ捕獲の謝礼を大幅に引き上げました。こうした取り組みが始まったものの、猟友会の高齢化への対策や担い手の確保には課題が山積しているのが実情です。
(クマ対策の新兵器、初めてヒグマ追い払う瞬間捉える:北海道)
北海道内で出没が相次ぐヒグマ。農作物の被害も増えていますが鳥獣対策のために作られたある機械がヒグマを追い払う瞬間を道内で初めてカメラが捉えました。麦畑に近づく一頭のヒグマ。畑に入ろうとすると…大きな音と光に驚き逃げ去っていきました。これは27日午後10時ごろオホーツク管内で撮影された映像です。ヒグマを追い払った音と光の正体は…オオカミの姿をしたロボット「モンスターウルフ」。動物が近づくとセンサーが感知し激しい光と50種類以上の音で動物を追い払います。「モンスターウルフ」は2016年、北海道・奈井江町の「太田精器」によって開発されました。太田精器・太田裕治社長)「所詮オオカミのかかしでしょとか言われたんですが思いのほか効果があるということで約250台ぐらい全国で使われるようになりました」。これまでシカやツキノワグマが逃げる姿は撮影されていましたが、ヒグマを追い払う様子が捉えられたのは今回が初めてだということです。太田精器・太田裕治社長)「本当に効果があるんだなということがわかりました。クマの問題は社会問題になっているので、地域のクマ・獣害対策に対して役に立てられたらなと考えています」。現在は動物を追いかけることができる、走るモンスターウルフの開発が進められています。さらなるパワーアップでヒグマ対策の救世主となるかもしれません。
(ジョギング中にクマ、命救ったのは常備していたスプレー:北海道)
クマに遭遇した男性の命を救ったのはスプレーでした。絶体絶命のピンチと九死に一生を得た一部始終をカメラの前で語ってくれました。「頂上に行く手前でうなり声が聞こえた気がした。殺気みたいなものを感じた」(関 忍さん)。恐怖の瞬間をこう振り返るのは、北海道美唄市の関忍さんです。関さんは6月17日夜、市内の展望台でジョギングをしていました。2023年も同じ場所でクマを目撃していた関さんは、クマよけスプレーを常備していましたが…振り向くと草むらから体長1.5メートルほどのクマが現れました。わずか10メートルという距離、絶体絶命のピンチです。「そのまま間髪入れず走ってきた。うなり声をあげて走ってきたのでむちゃくちゃ怖かった」(関さん)。近づいてくるクマに決死の覚悟でスプレーを噴射。クマは関さんまで、あと3メートルほどにまで近づきましたが、沢へと逃げていったといいます。「クマがいないのを確認しながら下りてきた。ドキドキですよね」(関さん)。関さんを救った「クマよけスプレー」には唐辛子の辛み成分のカプサイシンが含まれ、強い刺激でクマを追い払うことができるとされています。2024年はすでに1000件以上、6月だけで773件と“令和最多”となった道内のクマの目撃件数。クマと遭遇する事故も増加傾向にあり、過去5年間で7人が死亡、多数のケガ人が出ています。札幌市内にあるアウトドアグッズの専門店でも危機感を感じ取れる状況に…「こちらクマスプレーのコーナーです。噴射距離12メートルという強力なものも発売されています」(小出 昌範ディレクター)。10メートルを超えて噴射が届く商品やコンパクトサイズのものまで。中には売り切れの商品もあり、以前と比べてクマよけスプレーの購入者が増えているといいます。「鈴とか笛は今まで持っていたけれど、それだけだと心配だということでクマスプレーを携帯する人が増えた」(秀岳荘 白石店 後藤 恵輔さん)。一方、高まる関心の裏で恐怖や焦りからスプレーをうまく噴射できない人も多いようです。「安全弁を外せなかった。慌ててしまって押しても出なかった。腰についてぱっと出してすぐ打てる練習はしていて損はない」(秀岳荘 森山 俊さん)。札幌市で開かれたクマよけスプレーの講習会には大勢の人が参加しました。「よく間違われるのが持ちやすいからってこうやって持つ方がいるが逆で、オレンジ色の部分が安全弁になっていてこれがあると押せない」(森山さん)。参加した男性も登山中にクマと遭遇した経験がありました。「登山道を下りているときに“でかい犬”がこっちに走ってくると思ってよく見たらクマ。そこからスプレーを買ったがなかなか使うことがなくて今回はよい機会」(参加した男性)。では、クマよけスプレーはどれほどの効果があるのでしょうか?「直接(クマの)顔に当たらなくてもガスの成分がクマに届くだけで、クマは踵を返して逃げていく」(森山さん)。噴射されるとどのような状態になるのか。記者がスプレーの威力を体験してみました。「スプレーの噴射威力中身を安全なものにかえて体験する。うわーすごいですね」。「噴射した瞬間に視界が真っ白になり遅れて臭いが来るので、クマであっても威力を感じるのだと思う」(すべて木村 洋太記者)。クマよけスプレーはクマと遭遇した時に人が反撃できる唯一の武器ともいわれています。「昔はナタを持って歩くというのが常識とも言われていたが、なかなか振り回して攻撃するのは難しい。飛び道具なので持っておくだけで安心感は違う」「最終的な非常手段です」(ともに森山さん)。クマよけスプレーで九死に一生を得た美唄市の関さんもこう言葉に力を込めます。「クマスプレーがあるから少しは冷静な気持ちもあった。持っていてよかった。これがないと今ごろは私は生きていないかもしれない」(関さん)
(馬牧場にライフル銃の弾痕、通報を迷った牧場主の複雑心境:北海道)
競走馬牧場の厩舎で見つかったのは、ライフル銃の弾痕……。衝撃の光景が広がった。ハンターによる誤射の見方が出ており、人と馬への被害はなかったという。SNSを通して「ハンターさんは萎縮しないで」とメッセージを発信した牧場主に、改めて心境を聞いた。「マジですか~ イーストスタッドの厩舎裏扉にライフルの弾が着弾 早速警察に通報」。北海道浦河町の谷川牧場(@tanikawastud)の牧場主は、6月12日にXを通して事案について報告した。谷川牧場は明治45年に創業し、軍馬の生産から始まった、由緒ある競走馬の生産拠点。「イーストスタッド」は、約115の牧場が出資して作った種馬の牧場だという。現場の様子は、白い壁に弾がのめり込んでおり、一撃の強さを物語っている。同日朝、イーストスタッドの職員がルーティン作業で裏戸を開けていた時に発見したとのことだ。タイミングや状況によっては、悲惨な事故につながった危険がある。一方で、牧場主は「最近、本当に鹿が増えて被害大です。この件でハンターさんには萎縮しないで駆除してほしいです」と書き込んだ。現地の複雑な鳥獣被害の実情が垣間見える。反響は大きく、「うお怖っ…」「間一髪」「人馬に被害が出なくてなによりでしたね」と、驚がくの反応が。「かなり距離があった流れ弾でしょうけど、これはヤバイです」「入射角的に跳弾っぽい気がするなぁ…」と原因を分析するコメントも。また、「鹿もですが、北海道はヒグマの被害増えてますし、猟師さんは萎縮しないで退治して欲しいです」「最近は熊や鹿の被害が多くなっていて本当に大変ですね」「ハンターさんも牧場の皆さんも、今後もどうか安全第一でお仕事して頂きたいものです」といった、駆除の大変さをおもんぱかる声も上がっている。ハンター側の事情も考慮したうえで、牧場主は事後対応に悩んだことを明かした。「警察に通報するかしないか迷いましたが、再び同じ場所、角度、方向に発砲されて事故でも起きたら大ごとなので通報しました」。そのうえで、「萎縮しないで駆除してくださいの文言に反応した人がいらっしゃいましたが、再発を避けたいという理由から通報したわけなので、理解していただければと思っています」と話している。
(沖縄こどもの国からシカが逃走:沖縄)
28日午前11時52分ごろ、沖縄市の「沖縄こどもの国」でホンシュウジカ2頭が逃走した。園によると、1頭は確保したが、もう1頭は午後1時34分現在、いまだ園外に逃走中。園職員が残り1頭の捕獲作業に当たっている。園によると、シカは黄色のタグを付けている。沖縄こどもの国によると、シカはおびえやすいため見つけたら近づいたりせず離れてほしいと呼びかけている。
(マタギ役の主演オファーを「断ろうと思った」)
俳優の寛一郎(27)が映画『プロミスト・ランド』(6月29日公開、飯島将史監督)に主演した。禁じられた熊狩りに挑むマタギ役を演じる。オファー当初は「断ろうと思った」と話す。その理由とは……。本作は第40回小説現代新人賞を受賞した作家・飯嶋和一氏の同名小説を原作に、東北地方を舞台に禁じられた熊狩りに挑む2人の若者を描く。山形県庄内地方のマタギ衆に密着したドキュメンタリー「MATAGI マタギ」の飯島将史監督が長編劇映画初メガホンをとった。寛一郎の役は、禁止通達に背いて、弟分の信行(杉田雷麟=らいる)と雪の残る山中に入り、熊狩りを決行する礼二郎。マタギの男という誇りを貫くあまり、大切な妻ともうまくいかなくなり、不器用にしか生きられない若者だ。最初にオファーをもらったときは断ろうと思ったのだという。「当時、僕は24歳くらいで、礼二郎の役は僕じゃないんじゃないかと思ったんです。印象としては僕よりも年上の役で、僕自身は結婚もしていませんし、彼の説得力が出せないんじゃないか、と。年下の信行の役の方が現実的じゃないか、とお話したんです。でも、チャレンジとしてやってみたいという思いもありましたし、マタギという文化も全く知見がなかったので、そこを含めて面白そうだったので、ご返事をしました」映画製作には時間がかけられた。一昨年には山形県庄内地方にある2つの猟友会のマタギから話を聞き、山の中にも入っていった。「傾斜がきつい中、本当に道なき道を歩いていくんですけど、登山とも違うんです。猟友会の方々はシニアなんですが、ものすごいスピードで登っていく。でも、全然疲れている素振りは一切見せない。熊を見つけた時はものすごい勢いで駆け下りていくんだそうです」。そのバイタリティーには心底驚かされた。「マタギの人は熊を見ると、血の気が立つんだそうです。それは多分、小さい頃から受け継いだものなんだろうなと感じました。自然と人間の共存というものもありますけど、マタギの人たちにとっては、本能的にやっていることなんだと思いました」。礼二郎には共感できる部分もあった。「どこかに自由を求めていて、ある程度わがまま。自分勝手なところもある。それによって周りに膨大な迷惑をかける。山というのは自由っぽいんだけど、マタギには縛られたところもある。マタギはそれを山に置いていくのかもしれない。そんな矛盾した部分は僕にも分かります。多分、男性なら、彼の気持ちがちょっと分かるところもあるじゃないですかね。僕には奥さんはいませんが、その喪失感みたいなものも分かります」。実際の撮影は昨年4、5月に約3週間をかけた。「毎日ではないんですけど、朝早い時は4、5時に出発して1時間半ぐらいかけて、山を登るか、降りるかする。春とはいえ、まだ雪も残っていますし、足元が危ない。昼はお弁当で、トイレは雪山のどこか。まだ日が短かったので、思ったよりも撮影できる時間はなかったように思えます」。劇中で熊を追って、雪山を歩く礼二郎と信行の姿には演技を超えたものが映っているようにも思える。「そう言っていただけると、うれしいです。演じている人間も、雪山に身を置くことによって、ヒートアップさせてくれた部分もあるんじゃないかな。その一方で、山の中にただいるだけで、成立してしまう怖さもありました。演者としては、いろいろとやろうともしましたけど、いることに真実が見えてくるんじゃないかと感じました」。ダブル主演を務めた杉田雷麟(21)は19年、映画『半世界』(監督・阪本順治)で稲垣吾郎演じる主人公の息子役を演じ、第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第34回高崎映画祭最優秀新進俳優賞を受賞し、『福田村事件』、主演作『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(2024年)など話題作が相次ぐ注目株だ。「雷麟君とは縁があるんです。父親(佐藤浩市)が彼のデビュー作『Aではない君と』(息子役)というドラマに一緒に出ていたので、名前だけは知っていたんです。しばらくたったら、周りでも名前を聞き始めて……僕も阪本監督の『せかいのおきく』に出ましたから。どこかでご一緒できるかなとは思っていました」。6歳下の後輩俳優にはかつての自分を見るような思いもある。「自分が忘れかけているものを持っているし、もっと学ばなきゃいけないことをもちろんある。そういう意味でも、その礼二郎とノブじゃないけど、どこか補い合っていたのかなとは思います」。本作では杉田とのダブル主演。これまで映画では『君がまた走り出すとき』『下忍 赤い影』(19年)での主演経験はあるが、「幸せなことですが、主演は大変だなと思います。頭に立つからには、作品を背負わなきゃいけない。多少、人とぶつかることがあっても、作品を良い方向に導かなければいけないから」と寛一郎。9月13日公開の映画『シサム』では江戸時代、アイヌとの交易を通じて、人生を見つめ直す主人公を演じる。
(民家の敷地でクマ3頭の目撃情報:宮城)
28日午後、宮城県蔵王町の民家の敷地でクマ3頭が目撃されました。人や農作物への被害は確認されていませんが、周辺には学校もあることから警察が警戒を強めています。警察によりますと28日午前11時20分ごろ、蔵王町遠刈田温泉で「家の外で物音がしたので外を見たらクマ3頭がいた」と住人から町役場に通報がありました。町の職員が民家を訪れた時には、既に立ち去っていたということです。けが人や農作物への被害は確認されていません。近くには学校があり、このうち遠刈田中学校では教職員が引率し児童が集団下校しました。この地区では午前8時ごろに1頭、午後1時ごろにも1頭のクマ目撃情報が寄せられています。宮城県では6月に入りクマの目撃情報が過去5年の平均と比べ大幅に増えていることなどから人身被害が発生する危険があるとして、県は28日クマ出没警報を出し警戒を呼び掛けています。
(市街地に10頭超のシカの群れ出現:山梨)
6月下旬、大月市のJR大月駅の近くに10頭を超えるシカの群れが現れました。地元の住民が撮影した映像は、人の姿を気にすることなく飛び跳ねるシカの姿を捉えていました。撮影者が驚いた先にあるのは、シカの群れです。この映像は6月24日午後11時ごろ、JR大月駅から北東に250メートルほど離れた空き地で撮影されたものです。住民によりますと、シカは人の姿を気にすることなく、空き地を歩いていたということで、映像には…。飛び跳ねるシカの様子も。周辺では1年ほど前から、日が暮れるとシカが姿を見せることが増えたといい、生活道路を横切ることもあるということです。住民は「子どもが通ることもあるので、夜間は特に注意する必要がある」と話していました。
(農作業中クマ目撃:福島)
警察によりますと、28日午前7時10分ごろ、福島県矢吹町西長峰で、農作業中の人が、道路を北から南へ横断するクマ1頭(体長約80センチメートル)を目撃しました。現場は、県立光南高校の南側です。これまでに、周辺で人や農作物への被害は確認されていません。警察は、矢吹町に情報提供するとともに、パトカーで付近の警戒や広報にあたり、注意を呼びかけています。
(道路を横断するクマ:福島)
警察によりますと、28日午後1時半ごろ、福島県田村市常葉町鹿山宮ノ脇の県道で、市内に住む30代の女性が車で走行中、道路を西から東へ横断するクマ1頭を目撃しました。クマはその後、東側の山林に向かったということです。これまでに、周辺で被害は確認されていません。警察は、田村市に情報提供するとともに、広報活動を行い、注意を呼びかけたということです。
(クマ肉とエゾシカ肉、美幌峠で味わって:北海道)
美幌峠の道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」レストハウスで食堂などを経営する「海空のハル 美幌峠・道の駅店」は、土日曜限定メニューで低温ロースト加工のクマ肉とエゾシカ肉の提供を始め、話題になっている。同店は「人気が出れば、仕入れ量を増やしたい」と話す。
(クマ出没:宮城)
色麻町によると、29日午後4時30分ごろ、色麻町四竃上郷地区付近にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
大河原町によると、28日早朝、大河原町大谷見城前でクマが出没したような痕跡が見つかりました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前6時ごろ、仙台市青葉区新川石橋付近にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後6時ごろ、仙台市太白区太白3丁目付近にクマが出没しました。
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