<射撃ニュース12月>
12/31
(体長65㎝のクマ「緊急銃猟」で駆除、温泉街の旅館敷地内でゴミ置き場漁り居座る:宮城)
30日午前10時50分頃、仙台市青葉区作並の「大江戸温泉物語Premium仙台作並」の敷地内で「ごみ置き場にクマがいる」と旅館の従業員から警察に通報がありました。仙台市によりますと、クマは体長65㎝のオスの子グマで旅館の脇にあるゴミ置き場を漁るなどして5時間にわたり居座っていましたが、仙台市からの委託を受けたハンターが午後3時50分頃、緊急銃猟で駆除したということです。「緊急銃猟」はクマやイノシシが人の生活圏に侵入し、猟銃以外での捕獲は困難などとされた場合に市町村の判断で猟銃を使うことが認められる制度で、2025年9月に施行されました。仙台市では10月に太白区内の住宅地近くで初めて実施し、今回が2度目です。クマが出没した旅館では、岩風呂などの客の利用を停止して、建物から出ないよう呼びかけていました。
(クマ4月~10月の捕獲数過去最多に、全国で9800頭余り)
今年度、全国で捕獲されたクマの数は9800頭余りで、過去最多となったことが環境省のまとめでわかりました。環境省によりますと、ことし(2025年)4月から10月までに全国で捕獲されたクマの数は、31都道府県であわせて9867頭にのぼり、統計を取り始めた2006年度以降、最も多くなりました。都道府県別では、▽秋田県が最も多く1973頭、次いで、▽青森県が1154頭、▽福島県が1153頭、などで、東北の6県で全体のおよそ7割を占めていました。環境省は捕獲数が増加した背景として、市街地でのクマの出没が相次いだことが考えられるとしています。クマの捕獲が増加した一方で、捕獲に対応できるハンターの数は減少していて、環境省によりますと、ライフル銃や散弾銃を使用するために必要な「第一種銃猟」の免許を取得している人の数は、1985年度は29万7000人でしたが、2021年度には8万4400人に減っているということです。こうしたことから、国は、ガバメントハンターとして、狩猟免許を持つ人を自治体職員に雇用した場合の人件費を支援するとしています。また、冬眠から目覚めて、春先に動き出すクマの捕獲を強化し、人の生活圏とクマの生息域を分けるゾーニングを進める方針です。
(県内で実施された緊急銃猟16件で全国最多:山形)
クマの出没を受けてことし山形県内で実施された緊急銃猟は今月26日時点で16件と全国で最も多くなっています。県は、自治体と猟友会などの連携がうまくいった結果だとして、来年も対策を強化していくとしています。緊急銃猟は、人の生活圏にクマの出没が増加していることを受けてことし9月から始まったもので、市町村長の権限で市街地で猟銃を使った駆除ができる制度です。山形県内では11月、米沢市内で初めて実施されました。県によりますと、県内で12月26日までに実施された緊急銃猟は16件で、全国で最も多くなっています。全国最多の要因について県は「自治体と猟友会、警察の連携がうまくいっている」と分析しています。県内では、12月21日時点のクマの目撃件数は2830件に上っていて、このうち市街地での目撃件数は316件、人身被害は13件発生しています。県は緊急銃猟の実施は人的被害の防止につながっているとして、来年も引き続きクマ対策を強化していくとしています。
(野生イノシシの豚熱累計61件:宮崎)
今年4月、都城市高崎町で県内1例目となる野生イノシシの豚熱感染が確認されてから8カ月余りが過ぎ、陽性事例は61件となった。確認は経口ワクチン散布エリアの県西部2市1町にとどまり、県は拡大の速度を一定程度抑えられたと分析する。ただ、猟期に入った11月以降、陽性個体は増加傾向で、区域内の捕獲個体の陽性率も急伸。専門家は「野生イノシシの感染が新たなフェーズに入りつつある」と指摘し、養豚農場へのウイルス侵入に改めて警戒を呼びかけている。
(異常事態!クマ出没、過去最悪の被害に初の緊急銃猟も:福島)
福島県内の2025年の重大ニュースを振り返る。今回は、今年の世相をあらわす漢字にも選ばれ、県内でも過去最悪の状況となっている「クマ」について。足跡をたよりに山の中を歩く、福島県昭和村の猟友会。クマの痕跡がないか神経を尖らせる。猟友会両沼支部昭和分会の会長・羽染輝男さんは「かなり雪降った場合でも、沢の中にクマがいることがある。まだ警戒は必要。今年は特に」と語る。2025年、村内の山林では枯れた木に生える「ナメコ」を多く目にする。実がクマのエサとなるナラが集団的に枯れる「ナラ枯れ」の被害が深刻な状態となっていて、山から里へクマがエサを求めて近づいている。羽染さんは「里に降りなければよいが、降りてきたやつはどうしようもない。駆除するしかないと思う」と話す。人身被害・目撃件数ともに過去最悪の状況となった2025年。[※12月16日時点 人身被害24人(+17人)目撃件数1959件(+1333件)]。エサ不足に加え、「クマの変化」が背景にあるという。クマの生態に詳しい福島大学食農学類の望月翔太准教授は「異常事態といえば異常事態。年々、人里で暮らすようなアーバンベアが毎年増えていっている中で、かなり人の生活圏に定着したクマがいたのではないかと。今年はそれに加えて山のエサがないので、山からも降りてきてしまった。そういった二つの要素からこれだけのクマの出没というのが見られたのではないか」と語る。加えて、「人に対してすごく警戒をもっていたものが、人里で暮すようになって警戒心が薄れる。人間って怖い生き物ではないと覚えてしまって、事故がたくさん出てしまったという状況」と分析する。喜多方市松山町では、11月に体長80センチほどのクマが連日目撃され、ワナにかかったところを「緊急銃猟」で駆除した。「緊急銃猟」とは、人の日常生活圏にクマやイノシシなどが出没した場合、一定の条件が満たした時に市町村長の判断で猟銃を使用した駆除などが可能となる制度。ただ住民の安全確保や、銃弾が建物などに当たってしまった場合の被害を補償する保険の加入など、必要な条件や準備は多岐に渡る。福島県内で初めて緊急銃猟による駆除を判断した喜多方市の遠藤忠一市長は、その難しさを痛感したという。「やっぱり躊躇する。何かあったら大変ですから。ただ第一義的には市民の普段の生活を守る・安全を守るという中で執行した。住居地域と住居地域の間にある農地と雑地だったから、その辺は非常に良かった。同時に運よく日曜日だった。お休みになっている時間に実施できた」と振り返る。また「ガイドライン作ったとしても予想できない。学校や公共施設、住宅地など、その場その場で判断しなくてはいけない。これが非常に難しい。動物は動きますから、判断が遅れれば別の被害がでるかもしれない。しかしながら判断する基準が難しい」とも語る。市街地で猟銃を撃つ射手へのケアも課題の一つとして挙げ、クマを人里に寄せつけない対策の重要性を改めて感じたと遠藤市長はいう。「緩衝地帯を作るとか、電気柵を作るとか。最後の最後に緊急銃猟に私はなるのではないか」と語った。クマへの新たな対策も始まっている。昭和村が取り組むドローンによるクマの探索は、熱を検知するカメラで茂みに隠れたクマや効率的に足跡を見つけクマが近づいていないかを確認できる。さらに、犬の鳴き声や銃声などを鳴らすことでクマを安全に追い払うこともできる。村内でクマによる人身被害が発生したことを受け、防災用に導入していたドローンを活用し目撃場所などを定期的に巡回している。現在、猟友会のメンバーは8人。深刻な人手不足が進む中で大きな助けになると期待されている。昭和村役場の栗城拓弥さんは「新しい技術を活用しつつ、実際に活動してくださる方の負担を軽減して、より鳥獣被害のない村を作っていければ」と話した。冬眠の時期に入り活動が落ち着きつつあるクマ。どのようにして被害を抑え、共存する環境を作っていくべきか、その問いに向き合い続けなればならない。
(クマ出没が4倍超、狩猟免許合格者は過去最多に:青森)
ことし青森県内で確認されたクマの出没件数は2,905件と、去年より4倍以上増加し、過去最多となりました。県によりますと、12月21日時点で県内で確認されたツキノワグマの出没件数は2,905件で、去年の同じ時期の707件を4倍以上上回り、過去最多となりました。また人身被害は、去年より6件増加し、食害も191件と、去年の6倍以上となりました。一方、今年度の県の狩猟免許の合格者数は、あわせて383人で、県の記録が残る2008年以降で最も多くなりました。県環境エネルギー部の山下伸一 次長は「受験の回数を増やしたことで、受験する方も免許を取る方も増えているというのは、そういったニーズがあると思う。免許を取得された方々が、実際現場で技能を生かしていただければ、われわれもうれしいかなとは思う」。とコメントしています。県は12月31日で出没警報を解除しますが、出没状況に気を配り、出合わないための対策を心がけるなど、引き続きの注意を呼びかけています。
(クマ対策の検討会、目撃情報は2013年の統計開始以来最多:静岡)
静岡県がクマの適切な管理・保全を行おうと23日、検討会を開き、専門家から意見を聞きました。検討会は、県が特定鳥獣管理計画を策定し、クマの適切な管理・保全を行おうと開かれたもので、大学教授や林野庁の職員らが出席しました。検討会は非公開で行われ、委員からは「クマが生息する区域と人が住む市街地を区域分けし、間の緩衝地域にクマが市街地に入ってこないような対策をすべき」といった意見が上がったということです。県は来年3月から5月までの間に予定されている次の検討会で、計画案をまとめたい考えです。県によりますと、県内で目撃されたツキノワグマの目撃件数は22日時点で168件と、2013年の統計開始以来、過去最多です。
(クマによる死亡事故発生でも、事故のあった自治体に聞く「問い合わせ」の実情)
2025年はクマの出没情報や人的被害が増加し、過去最多の13人が犠牲となった。クマ被害は連日のように報じられ、「今年の漢字」でも「熊」が選ばれた。同時に問題となったのは、行政機関への意見や苦情だ。特に被害数の多い秋田県では、1か月で700件を超える問い合わせが県庁に寄せられたという。クマ被害のあった市町村に話を聞くと、「応援していますよ」といった声が寄せられた一方で、死亡事故が起きていても「クマがいる場所に人が行ってるんだから人が死ねばいいんだ」といった声が寄せられていることがわかった。昨年頃から、クマによる被害や駆除が報じられると、「なぜクマを殺すのか」といった趣旨の意見が散見される。秋田県の鈴木健太知事は12月2日の県議会で、10月中旬からの1か月間で700件を超える電話やメールがあり、その半数以上が「捕獲等に対する県外からの批判的な意見」だと明らかにした。さらに、こういった県外からのクレームは、クマに関する問い合わせに限らず年間を通して寄せられるとも明かした。また、鈴木知事はクマ対策を担当する自然保護課の電話複数台に録音装置を設置し、職員の負担軽減に努める予定だともした。これまでクマ被害のあった市町村には、どのような意見がどの程度寄せられているのだろうか。大きな注目を集めたクマ被害の1つが、8月14日に北海道斜里町内・羅臼岳で発生した登山をしていた20代男性の死亡事故だ。調査をした知床財団の発表によると、14日に同行者から通報があり、捜索を開始。翌15日に被害者の遺体に接触している親子のヒグマ3頭(母グマ1頭、子グマ2頭)を発見し、同日に3頭とも銃により補殺した。のちに、DNA分析により被害者を襲ったのはこの母グマとみられることがわかった。この事故は事故が起きた14日から大きく報じられ、注目を集めた。翌15日には、羅臼岳周辺の閉鎖決定、被害者のものとみられる財布の発見、親子グマの捕殺など事態が進展するごとに報道各社でニュース記事が配信された。J-CASTニュースの取材に応じた斜里町の環境課の担当者によると、8月中に町とヒグマ関連の業務を委託している知床財団に寄せられたものも合わせて、「100件以上」の電話での問い合わせがあったという。問い合わせの中には、「なんでクマを殺すんだ」「クマがいる場所に人が行ってるんだから人が死ねばいいんだ」といったクマの捕殺に否定的な声も寄せられた。「かなり感情的になって、ひたすら怒鳴り続けるような方もいました」という。問い合わせの半分以上がこうした否定的な声だったという。一方で、「あなたたちがやっていることは間違いないよ、自信持ってください」「いろんな声があるけれども応援していますよ」といった声も多く寄せられたと話す。10月16日に岩手県北上市の温泉旅館で従業員の男性がツキノワグマに襲われて死亡した事故も、大きく報じられたクマ被害の1つだ。報道によると、男性は16日、露天風呂の清掃中に行方不明になり、翌17日に雑木林で遺体が発見された。同日に近くにいたツキノワグマ1頭を駆除し、後にDNA分析によりこのクマが被害者を襲ったクマだと断定された。この事故で亡くなったのはプロレスのレフェリーを務めていた笹崎勝巳さんだったと報じられたことも注目を集めた。北上市ではこのほかに2件、クマによる死亡事故が発生している。1件目は7月4日に80代の女性が亡くなった事故だ。11日にクマが駆除され、後にDNA分析によりこのクマが女性を襲ったクマだと断定された。2件目は、10月8日にキノコ狩りに出かけた男性がクマに襲われ死亡した事故だ。なお北上市は、事故現場から採取した毛からツキノワグマと判明したものの、サンプルの量や質が十分ではなく、17日に駆除したクマと同一個体かどうかは不明だとしている。市農業振興課の担当者はJ-CASTニュースの取材に、7月の事故が起きた際には、電話で20件ほどの問い合わせが寄せられたほか、メールでも意見があったという。約7割がクマの駆除に賛成、約3割が自然保護の観点から駆除に反対するという意見だったという。一方10月は、詳細な件数は把握していないものの、7月ほど問い合わせは寄せられなかったという。しかし、駆除に賛成する意見よりも「『なぜ駆除するんだ』というような意見が目立ちました」と明かした。こうした意見を寄せる人は「ほとんどが県外の方」だとし、「長い方はもう30分以上、1時間近く」話をすることもあったという。一方で、こうした問い合わせがほとんどなかったという自治体もあった。岩手県一関市では、10月27日に60代の男性がクマに襲われ死亡したことが報じられている。同日にクマが駆除されたが、後日このクマは男性を襲ったクマとは別個体だとされた。なお、市によると、その後、事故現場付近でクマの目撃情報はないという。一関市林政推進課の担当者はJ-CASTニュースの取材に、去年以前まではクマを捕獲・駆除したという報道が出ると「関西弁っぽい方から、『なんで殺すんだ』といった苦情がありました」というが、今年は「そういう方からのお電話はほぼないです」と明かした。反対に、「(市にクマが)出没したら対応しているのか」といった問い合わせはあるが、「被害があった時や被害がありそうな時は、法律に沿って許可をもらって捕獲しています」と説明をすると、「じゃあこれからも頑張ってください」といった言葉を貰うという。「特段、苦情はないですね」と話した。また、10月24日に男女4人がクマに襲われ男性1人が死亡、ほかの3人がけがをする事故が起きた秋田県成東村でも、村への問い合わせは2件だったという。なお、4人を襲ったクマは駆除されたことも報じられている。J-CASTニュースの取材に応じた村産業振興課の担当者によると、2件のうち1件は、全国的にクマ被害が増え駆除のニュースが報じられるなか「子どもさんが『なんでクマを殺すの』といようなことを感じている」といった意見だったという。担当者はこの件数に、「もっと影響があるのかなと思っていたたが、亡くなられた方がいたこともあってか2件でした」と明かした。なお、意見を寄せた人たちは村内の人なのか村外なのか定かではないが、「関西弁のような言葉の話し方でした」とした。
(「クマ境界線防衛プロジェクト」始動)
プロドローン(名古屋市天白区、戸谷俊介社長)はGEEP Forest(岐阜市)と共同で、ドローンや高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を活用した「クマ境界線防衛プロジェクト」を始動した。LiDAR測量によるクマ出没ハザードマップの作成や、獣害追い払いドローンを使った境界パトロールを統合。人間の生活圏と野生動物の生息域を明確に区分けすることで人とクマの共存につなげる。クマ出没ハザードマップの作成では、上空からのレーザー照射で野生動物の有無や位置情報を取得・解析。点群データをAI(人工知能)で分析し、作成する。ハザードマップに基づき、人間とクマの生活圏の間に境界線を設定。そのライン上をドローンが巡回飛行し、クマを見つけたら空からの警告・誘導や、クマよけスプレーの噴射で撃退する。同プロジェクトは構想段階で、実証実験に向けて準備中。今後自治体や林業関係者、研究機関との連携を深め、地域の特性に合わせたハザードマップ作成とパトロール運用のパッケージ化を目指す。
(米国籍ハンター、猟銃を手にして得た信頼:兵庫)
地平線が赤くにじみ始めた朝、路面には霜がへばりついていた。兵庫県西宮市の市街地から北へ。車で40分ほどの山間に、猟友会の小屋がある。ガシャッ。重い音が響いた。ハモール・ジェフリー・ヒースさん(43)=同市=は、慣れた手つきで猟銃を分解し、筒の中をじっと見た。動きが悪くないか、ゴミがついてないか――。「銃は周りからの信頼の証し。裏切りたくはない」。来日から19年ほど。日本語もなめらかだ。12月上旬、記者(26)と写真記者(25)は、猟に同行した。「今から入ります」。ヒースさんは無線機で一つ山を越えた先にいる仲間に声をかける。呼吸を整え、山の中へ。沼地を歩いたひずめの跡、泥がついた倒木、つやつやしたフン。痕跡を見つけるたび、周囲をぐるりと見渡し、耳を澄ませる。ピィーウ。シカの鳴き声が聞こえた。木の陰でかがむ。「近くに群れがいる。ゆっくり行きます」この日は、さらに北の丹波篠山市まで移動し、約3時間、シカやイノシシの痕跡を探した。「家族や近所の人を守るために。田んぼや畑、環境を守るために山に入るんです」。米アイオワ州で生まれ育った。実家は酪農家。幼い頃から父や祖父の猟に付いてリスやウサギを追い、10歳の頃には散弾銃を手にした。コヨーテが現れると、住民たちと散弾銃を片手に馬にまたがった。「自然の中で人と接し、助け合う環境で育った」と振り返る。大学時代、留学に来ていた妻(43)と出会う。20歳の頃に訪れた広島県で、海と山の豊かさに魅了された。静岡大への留学を経て、2007年に東京の貿易会社に入社した。だが、都会での生活は、長く続かなかった。
(有働由美子アナ、マタギの猟に密着してクマ被害に言及)
元NHKでフリーの有働由美子アナウンサーがキャスターを務めるテレビ朝日系ニュースエンターテインメント番組の年末特別版「有働Times(タイムズ)年末SP」(日曜・午後8時56分)が28日、放送された。今月20日、岩手県宮古市でのマタギによるクマ猟に密着した有働アナ。「市街地に出没し、人を襲うようになったクマが今年、社会問題になりました。どうしてクマが変わってしまったのか。長年、クマと向き合ってきた人たちにその答えを求めて直接、話を聞いてきました」と、今年史上最悪の死者13人にのぼったクマ被害についてコメント。エサとなるドングリの凶作などでエサを求めて人里に下りてくるクマの増加の反面、狩猟免許を持つ人の高齢化による減少という現状をリポート。さらに大自然の中で命がけで戦うマタギの実態を目の当たりにし「クマを猟銃で撃つという瞬間に初めて立ち会って、率直に銃声というものに驚きましたし、そこから恐怖とか緊張感とか悲しみ、みたいな気持ちが一斉にあふれ出したんですけれども、取材中に聞いた言葉で『街に出てくるクマが性質を変えたわけじゃなくて、里山を放棄したりという人間社会の変化にクマは対応してるだけなんだ』という言葉が非常に印象的でした」と有働アナ。「(専門家によると)来年の春、冬眠からさめたクマが街に出てくる可能性が高いということでした。もちろん、人の命を守るために駆除するという方法も必要ですけど、もっと長い目で見て人とクマと、人と自然というのをどういうふうに考えて、どういうふうに作っていくかという、ここをなんとかしないと同じことが繰り返されるというふうに思いました」と真剣な表情で話していた。
(“食料ある限り冬眠しない”クマの実態)
私たちの生活圏にますます接近してくる野生動物たち。「newsランナー」では、関西地域を中心にサルやクマといった野生動物の出没状況を取材。野生動物が生活権威増えてきた背景に「高齢化」「過疎化」で、動物たちにとって脅威が減り、柿などのエサも放置されているという現状があった。記者リポート:完全に覆ってますね。車のミラーにカバーですよ。すごいお手製ですね。すごい手作り。京都府宇治田原町では、今年7月、猿が車のミラーを奪い去るという被害が150件以上も発生した。住民は手作りのカバーで対策を講じていたが、一体なぜ猿はミラーを狙うのか?取材班は動物園で検証を実施。猿の行動を観察していると、ある専門家が興味深い見解を示してくれた。福知山市動物園 二本松園長:急にちょっと騒ぎ出しましたね。記者:威嚇ですか?福知山市動物園 二本松園長:そうそうそう。相手もサルと思っとるみたいで、自分とは思ってませんから。検証の結果、猿は鏡に映る自分を敵と認識。壊すことで「勝った」と思い、それが癖になったという可能性が浮かび上がった。宇治田原町によると対策は行っていますが、被害は今も続いているとのことだ。取材班はさらに、兵庫県豊岡市でも猿の出没が増加しているという情報を受け、現地に向かった。地元の人:仏壇でおばあさんが、ああ、拝んどるわと思ったら実は猿だったという。日本屈指の温泉街・城崎温泉のすぐ近くでも、猿が頻繁に出没しているという情報が!(Q.今、蟹がとかでお客さんが多いじゃないですか。そのシーズンにね、猿が大量にいるっていうのは、どうですか?)。かにの宿 華和ゐ 別館 谷本竹司さん:猿カニ合戦かなと。いや、これ笑い話じゃないんですけど、お客様にはユーモアを交えながら案内をしていますが…。豊岡市では10年ほど前から猿の出没が頻繁に確認されるように。民家に入ったり、農作物を荒らしたりする被害が後を絶たない。そして、取材を続けていくとある新事実が!地元の人:たぶん増えていると思います。来る回数も増えてるし、数も…集団で20匹~30匹はいると思います。ここ数年で、街に繰り出してくるサルの数や回数が大幅に増加!豊岡市によると、去年はこれまでで最も多い42頭の猿が確認されている。市では平日に1日2回、猿が人里に近づかないように見回りを実施。取材班がパトロールに同行すると、住宅の屋根の上を移動する猿を実際に目撃することができた。記者:こんなに、住宅のあるところに出ているんですね。豊岡市農林水産課 福岡数やさん:出てます。今、鳴き声聞こえました?記者:聞こえました。屋根の上ですね。めちゃくちゃ出てきてますね。豊岡市では今年、被害の拡大を防ぐため新たな対策として、1度で多くの猿を捕獲できる『サル専用の巨大な檻』を導入。この檻は天井部分が開いていて、サルが一度中に入ると外には出られなくなるよう、檻の上の部分には滑りやすいアルミの板が貼られている。檻の中には柿やウリ、リンゴといった猿を誘引する餌が置かれていた。12月から稼働しているが、取材時点ではまだ捕獲された猿はいなかった。なぜサルはますます人里に近づいてくるのでしょうか。専門家は次のように分析する。野生鳥獣対策連携センター 阿部豪取締役:家庭菜園で美味しいものがいくらでも食べられるし、空き家もあってですね、屋根裏に隠れれば安全ですし、暖も確保できるわけですよね。それがまあ居心地のいい場所だと認識されるようになってきたっていうことかなと思いますね。人間が怖い対象ではなくなってきたことや、過疎化で空き家なども目立つようになり、猿にとっては安心して過ごせる環境が増えてきたことが要因ではないかと見られている。野生鳥獣対策連携センター 阿部豪取締役:なんならもっとひどいことが十分起こりうるってことです。非常に悪質化する例も報告されていますので、そういう動物だということは認識しておく必要があると思いますね。そして今年、私たちに最も大きな衝撃を与えた動物が「クマ」。これまでにないペースで私たちの生活圏に“進撃”している。クマによる死者は12月5日時点で13人となり、過去最悪を記録。出没が多発する状況に関西でも警戒感は高まっている。12月21日、京都府福知山市では猟友会のメンバーなど20人近くが集まり、猟が行われた。猟の対象は鹿やイノシシ、そしてクマだ。この時期、クマは冬眠するはず…だが、なぜ警戒を続けるのか?ハンターから思わぬ新事実が明かされた。京丹波猟友会 松本宗士さん:従来であれば、今の時期は冬眠するんですけれども、昨今の温暖化ということで、なかなか冬眠の期間が短くなってます。また、クマという生き物は気温だけではなくてね、食べ物がある限りは冬眠しないという性質ですので。なんと!驚きの事実も。取材班は、より詳しくクマの生態について調査するため、岐阜県高山市にある「奥飛騨クマ牧場」を訪れた。1976年に開園し、国内でも数少ないクマ専門のこの牧場では、現在およそ120頭の日本ツキノワグマを飼育しており、間近で餌をやることもできる。記者リポート:おやつ、これリンゴです。リンゴを食べ、あ、見てください。クマは雑食で果物や木の実が大好物。餌がある限り冬眠はしないそうだ。この時期は冬の毛に生え替わっているため、とても大きく見える。奥飛騨クマ牧場 中村園長:この子特に大きいですよ。この下の子。多分僕と一緒ぐらい立ち上がると170(センチ)とか。体重はもう150キロ。力がものすごく強いので、僕たちも触ることはできません。大きな体だが、手が器用で、木登りや泳ぎが得意。時速40キロの速さで走ることもできるそうだ。生後10カ月とはいえ、体重20kgほどの子グマ。爪は鋭く、力も非常に強いといいます。さらに驚きなのがその嗅覚だ。園長の両方のポケットにリンゴを入れると、すぐに気づき離れようとしない。奥飛騨クマ牧場 中村園長:匂いですね。嗅覚はもう特に優れてるんで。犬の嗅覚の8倍ぐらいって言われてます。怖いイメージがあるクマだが、園長はクマ本来の生態について知ってほしいと話す。奥飛騨クマ牧場 中村園長:警戒心がすごく強くて臆病な動物ですね。やっぱり自分の身を守るため、自分の子供を守るために人に向かっていく…人を食べたいわけじゃないと思います。臆病者のクマがなぜ人間の生活エリアに次々出没したのか?今年はじめてクマが現れた京都の町で独自に調査すると、ある新事実が見えてきた。ことし10月、京都府木津川市では子供たちが鈴をつけて登校していた。地元の人:クマが出たんでね。(Q.いつぐらいからですか?)。地元の人:今年の夏ぐらいじゃないですかね。初めて。怖いですね。木津川市はこれまでツキノワグマが生息していないとされる「空白地」だったが、今年に入ってから2カ所でクマが確認され、目撃情報はこれまでに60件以上にのぼっている。newsランナーは京都でドローン事業を行う会社の協力のもと、木津川市の上空から独自調査を実施。AIやカメラを駆使して24時間かけてクマの居場所を探りましたが、夜通しの調査でクマは見つからず、多くの鹿が生息していることが判明した。調査した地区は高齢化で住民が減り、空き地や使われなくなった田畑が目立つ。柿も取る人がいなくなり、動物にとって餌が豊富で住みやすい場所になっているという実情が分かった。今後、どのような対策をすべきなのか?クマの研究を20年以上続ける兵庫県立大学の横山教授に聞いた。兵庫県立大学 横山真弓教授:クマっていうのはとにかく動き回って、何かこういいものを食べるものを探し続けます。関西圏だったら「柿」ですね。誘引しないように被害防除、畑はしっかり柵で囲う電気柵を設置する。人間が山に入る機会が減り、10年ほど前から年々クマが増加。山に餌がなくなり人里へ来ているので、食べ物などの誘引物をなくすことが第一だということだ。兵庫県はクマ対策先進県と言われるほど独自の取り組みを行っている。兵庫県立大学 横山真弓教授:この15年間、数が増えすぎないよう、個体数管理をしてきました。兵庫県では、罠で捕獲したクマにマイクロチップを入れて山に戻し、クマの個体数やクマの居場所などを管理し、被害を最小限に抑えているのだ。このままだと、5年後に国内のクマの数は倍増するという調査結果もある。兵庫県立大学 横山真弓教授:行政の方もね、全然専門のこと分からないで対応せざるを得ない状況なので、やはり専門職の鳥獣職が配置される状況に持っていくべきだと思います。これ以上被害を出さないため、国をあげての早急な対策が求められている。野生動物と人間の新たな関係構築が求められる時代となっているのだ。
(〈ふるさと逸品〉ジビエ(野生鳥獣肉):鹿児島)
さつまのジビエファクトリー(さつま町)さつま町初のジビエ処理加工施設として4月に操業し、地元猟友会などが持ち込むシカやイノシシを扱う。品質管理にこだわり、主に個人向けにEC(電子商取引)サイトで販売する。一般的にジビエは牛肉と比べて高タンパク、低カロリーで鉄分も豊富なため、アスリートにも喜ばれる。
(ジビエ店が犬用おやつ販売:岐阜)
岐阜県高山市のジビエ加工会社「飛騨高山舞地美恵」は、精肉段階で廃棄せざるを得ない部分を加工し、犬用おやつを販売している。
(脱サラ猟師、シカ肉販売所:北海道)
白老町在住の猟師、島口英光さん(56)が、町内で狩猟したシカ肉の販売所(苫小牧市樽前61)をオープンした。処理方法にこだわり、臭みがない肉と評判で、札幌方面から買いに来る人もいる。島口さんは「シカ肉は高タンパクで鉄分も多い。ジビエの良さを広めたい」と意欲を見せる。
(クマ出没:宮城)
利府町によると、30日午後8時20分ごろ、利府町青葉台3丁目にクマとみられる動物が出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午前1時30分ごろ、仙台市泉区実沢中山北にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後10時40分ごろ、仙台市宮城野区鶴ケ谷大谷にクマが出没しました。
TOPへ
12/30
(動物園駐車場近くで職員がクマに襲われけが:秋田)
26日朝、秋田市の大森山動物園の駐車場近くで男性職員がクマに襲われけがをしました。警察などによりますと、26日午前8時ごろ秋田市浜田の大森山動物園の第4駐車場近くの市道で職員がクマにかまれてけがをしたと警察に通報がありました。襲われたのは50歳の男性職員で、右肩や脇腹をかまれたほか、ほほや手の甲を引っかかれるなどしました。男性は自力で事務所に逃げ込み秋田市内の病院に搬送されました。男性を襲ったクマは体長およそ80cmで、駐車場の北側に走り去ったということです。大森山動物園ではツキノワグマ1頭を飼育していて、確認したところ逃げた形跡はなく、男性を襲ったのは野生のクマとみられます。秋田市が園の敷地内に箱わな1基を設置して捕獲を試みるとともに、周辺住民に警戒を呼び掛けています。
(イノシシがドアガラスを突き破って飲食店に侵入、店主の男性が右ヒザをかまれ軽いケガ:愛媛)
27日午後、愛媛県砥部町の飲食店にイノシシが侵入し、店主の男性が右ヒザをかまれ救急搬送されましたが軽傷だということです。砥部町によりますと、27日午後2時ごろ、町内の飲食店に体長およそ1メートルのイノシシが店のドアガラスを突き破って侵入しました。店主の男性が右ヒザをかまれ救急搬送されましたが、軽傷だということです。店内には当時店主の男性と女性店員2人のみで、女性店員がイノシシを追い払おうと椅子を投げつけたところ、店の外に逃げたということです。砥部町は、今後地元の猟友会と連携し、警戒を続ける方針です。
(クマ発砲可の緊急銃猟、50件超)
自治体判断でクマへの発砲を可能とする「緊急銃猟」は、9月の改正鳥獣保護管理法施行による制度開始から12月23日までに、全国で51件実施された。環境省によると、11月が29件と多く、10、12月は各11件。自治体からは、住民の命を守るための選択肢が増えたと評価の声がある一方、ハンターや専門職員の確保など課題も挙がる。最も多かったのは山形の15件で、新潟12件、秋田6件と続いた。環境省は制度開始前の7月、発砲手順などをまとめた指針を公表。市町村に対し事前にマニュアルをつくることや訓練の実施を求めている。
(2025年、クマ被害は過去最悪に)
過去最悪の人身被害をもたらしたクマ。“極めて深刻な事態”として政府も対策を急いだ。2025年、クマ被害はなぜここまで深刻化したのか、今後、食い止めるためにはどうするか。対策を講じる環境省と現場のハンターに現状と課題を聞いた。東北地方を中心にクマによる人身被害は後を絶たず、環境省のまとめでは、今年度は11月末時点で13人の死者を含む230人の被害があった。この時点で単年度として死者数、被害者数ともに統計開始以来、過去最悪となる深刻な事態だ。被害拡大の背景には、人の生活圏にクマが多く出没するようになったことがある。環境省の調べでは、クマ被害の多かった2年前の2023年、人身被害のうち市街地など人の生活圏で起きた割合は7月と8月はともに5割ほどで、9月に7割となった。それが25年は7月には7割だった。今や夏ごろから人の生活圏にクマが出没するケースが増えているとみられる。政府は緊急対策に乗り出し、10月30日に「クマ被害対策等に関する関係閣僚会議」を開いた。11月には「クマ被害対策パッケージ」をとりまとめ、緊急的・短期的・中期的の3つに分けて対策を示した。クマ対策の予算も大きく積み増し過去最大規模の34億円を計上した。明治から昭和、戦後にかけてクマは毛皮や食料として多く捕獲され個体数が減少。そのため国は長年、クマを保護する政策をとっていた。ヒグマは30年間で大幅に増え、現在、北海道におよそ1万2000頭いると推定され、本州と四国に生息するツキノワグマも数が増えているとみられる。「保護」から「管理」へと政策が大きく転換したのは2024年。2023年度にクマに襲われ6人が死亡、過去最悪の219人が被害にあったのを受けて、国は四国の個体群を除くクマ類(ヒグマ及びツキノワグマ)を新たに「指定管理鳥獣」に指定した。東北森林管理局は今年度、クマのエサとなるブナの結実が東北5県で大凶作だったと発表した。環境省・鳥獣保護管理室の佐々木真二郎室長は、「山の奥で生活していたクマが大凶作でエサを食べられず、エサを求めて移動したが、移動先でもエサがなく人の生活圏にまで出てきてしまったのではないか」と話す。その上で「クマの数が適正であれば、エサが大凶作でも十分に量は確保されるため、人の生活圏に出てくることは少ない。やはり数が増えすぎてしまったのは大きな要因だ」「対策を始めて1年では効果を発揮するのは難しかった」と振り返る。今注目されているのがハンターの存在だ。人命に危険が及ぶ緊急時、市町村長の判断で市街地などでも猟銃を発砲、駆除できる緊急銃猟制度も実施され始めた。しかしハンターには困惑もある。自身もハンターである栃木県猟友会の小堀大助事務局長は、クマハンターの技術の伝承は容易ではないと話す。クマを駆除するには、足跡をたどるなどしてクマがどこにいるかを見定める“嗅覚”がなければならない。撃つ際にも、クマは皮下脂肪が厚いために急所を確実に狙う必要があり技術が求められる。栃木県猟友会にはおよそ2000人が登録しているが、その45%ほどが70歳以上で、クマハンターの技術の伝承が課題だという。政府の「クマ被害対策パッケージ」では中期的に取り組むこととして「捕獲技術者の育成」がある。小堀事務局長は「猟友会はあくまで趣味で個人が参加する組織であるため、組織として技術を伝承していく文化はない」といい、ベテランの技術を若手に継承する仕組みを今後作っていく考えだ。「個体数の管理だけでは対策にならない」。環境省の佐々木室長、猟友会の小堀事務局長はともにそう強調する。クマを人里に引き寄せてしまう要因にも目を向けるべきだという。たとえば「空き家」。住人がいなくなり管理が行き届かない空き家の庭に柿の木があり、クマのかっこうのエサ場となっているケースもある。対策が急務だ。山から人里へと流れる川沿いの果樹の伐採も必要になりそうだ。さらにハンターへの支援・補償などの制度設計や、緊急銃猟の適切な運用のためのマニュアル作りや住民への周知も必要で、取り組むべきことは多岐にわたっている。ただこれらの取り組みが“縦割り”では、分野ごとに温度差ができてしまい十分な対策を講じることができない。クマの生息圏と人間の生活圏がすみ分けられ共存できる環境作りをめざし、チームとなって複合的な課題を解決していく姿勢が必要になるだろう。
(環境省「クマ対策専門官」を大募集)
相次ぐクマ被害などに対応するため、環境省は特に出没が多い地域で「クマ対策専門官」を増やす。野生生物に関わる業務の経験者が対象で、同省は「専門性を持った方に来ていただきたい」としている。募集は、北海道、釧路、東北、関東、信越の5カ所の地方環境事務所・自然環境事務所でそれぞれ1人の計5人。北海道と東北には今年度からすでに1人ずつ配置されている。本省や自治体との連絡調整などにあたる。ただ、応募には野生動物管理や希少種保護などの業務経験が計4年以上必要で、任期は2~3年だ。環境省の自然保護関連の任期付き職員採用にはかねて「処遇の割に求める条件が高すぎる」との声もある。同様の経験を持つ人材は都道府県庁などとの競合となることも予想される。シカやイノシシを含む野生動物管理を担う「広域鳥獣対策専門官」(9人)と外来種の防除などにあたる「外来生物地方調整専門官」(5人)も新設、募集を始めた。クマ対策専門官や、複数の事務所との併願も可能としている。応募は各事務所のウェブサイトから。
(クマ対策に過去最大の62億円)
環境省は26日、2026年度の当初予算案にクマ対策として62億円を計上した。出没がインバウンド(訪日客)にも影響を与えていることから、60億円は国際観光旅客税財源を活用。クマ対策の予算としては過去最大となった。クマの出没対策として、箱わなの設置や果樹の伐採、狩猟免許保有者を公務員として任用する「ガバメントハンター」の人件費の補助など、自治体への交付事業として52億円を盛り込んだ。国の直轄事業は計10億円。クマの生息状況調査や個体数推定、情報通信技術(ICT)やドローンなどの科学技術を活用したクマと人のすみ分け、捕獲に関する研究開発に5億円を充てた。
(県がクマに関する知見を持った専門職員の募集はじめる:岩手)
岩手県はツキノワグマの適正管理を目的に、クマに関する知見を持った専門職員の募集を始めました。これは26日開かれたツキノワグマ対策関係部局長会議で示されたものです。大学院を修了するなどして、野生動物に関する知見を持った任期付き専門職員1人を26日から募集し、2026年4月に採用したいとしています。専門職員は、別途募集する狩猟免許を持つガバメントハンターと連携してツキノワグマの生息状況や捕獲手法の調査、捕獲技術の研修などにあたります。また、県は11月以降に月別の出没数が減少している状況を踏まえ、7月4日から県内に出していたツキノワグマの出没警報を1月1日に注意報に切り替えることを明らかにしました。
(豚熱に感染した野生イノシシの確認について:群馬)
12月25日、野生イノシシの豚熱検査において、豚熱に感染した野生イノシシ13頭確認されました。群馬県が令和元年10月1日から実施している野生イノシシの豚熱検査において、12月25日の遺伝子検査で13頭の陽性が確認されました。これにより、県内における野生イノシシでの豚熱感染確認事例は416~428頭目となりました。
(豚熱感染イノシシ2頭確認、ワクチン散布エリア内:宮崎)
宮崎県家畜防疫対策課は25日、都城市高城町で9、18日に捕獲された野生イノシシの成獣計2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での野生イノシシ感染は、4月の初確認から60、61例目。いずれも経口ワクチン由来でない野外株だった。ワクチン散布エリアのため、新たな対応はしない。
(「目障りだ」有害鳥獣用の箱わなにクレーム:福岡)
有害鳥獣の捕獲に使われる箱わなについて、「目障りだ」「子供が触ったら怪我をする」などとクレームが寄せられ、福岡県内の町役場や猟友会が撤去などの対応に追われている。クレームとの関係は不明だが、箱わなのドアが盗まれたり、勝手に閉められたりする被害も出た。箱わなは、農作物の被害を防ぐためには必要とされているが、関係者は、難しいかじ取りを迫られているようだ。茂みの中に設置された箱わなに向かい、リュックを背負った人が、右手にライトを持って歩きながら近づいていく。半袖、短パン姿で、腰に上着を巻いていた。箱わなのドアは、獲物を捕らえるために上に開けられた状態だった。リュックの人は、左手でわなの柵に手をかけると、いきなり右足でドアを蹴り上げた。ガタンという大きな音がして、ドアが一気に閉まる。そして、録画用のカメラを警戒してか、振り返って、カメラ側にライトを向けた。その後は、向きを変え、ライトを持ちながら、来た方向へ戻って行った。この30秒の動画は、福岡県内の猟友会メンバーによるXアカウント「とある県下の猟友会」(@k_f_ryoyukai)が2025年11月30日に投稿した。衝撃的な映像が反響を呼んで、3万件以上の「いいね」が集まり、ネット上で拡散する騒ぎになっている。この箱わなは、県内のある町が、イノシシを捕獲するために2年前に設置した。地元猟友会に管理などを業務委託している。町の担当課や猟友会メンバーがJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、この箱わなは、8月29日と11月2日、何者かによってドアが盗まれた。「カメラ撮影中」と現場に看板も立て、何度も警告をしたが、今度は、今回のようにドアを勝手に閉める被害に遭ったという。メンバーは、「同じ場所のわなに対しての嫌がらせなので、ドアの窃盗も同一犯と思われます」との見方を示した。箱わなに盗難防止ワイヤーをつけたために、今回の行為をされたのではないかという。ドアは重く、2人で持つのがやっとだといい、車などを利用した複数犯とみている。実は、この箱わなについては、24年3月と4月にそれぞれ別の高齢者男性がドアを閉める様子がカメラに映っていたとして、猟友会メンバーが動画をXで投稿している。3月のときは、動機などは不明なものの、猟友会に所属する猟師の男性だったという。この男性は、その後除籍になっている。メンバーは、今回の被害がこれらの行為と関連している可能性もあるとしたが、真相は不明のままだ。有害鳥獣用の箱わなについて、町の担当課は、町内の約30か所に設置していると説明した。しかし、様々な意見が寄せられ、撤去したり移動したり対応に追われていると明かした。これらの箱わなドアについては、度々閉められる被害に遭っているという。設置場所の近辺は、博多湾が一望できる絶景ポイントがある若杉山、岳城山などに登る人も多く、子どもたちが遠足する姿もみられる。猟友会メンバーは12月13日、山登りをする人たちなどからクレームが相次ぎ、町の判断で該当する地区の箱わなをすべて撤去したとXで報告した。被害に遭った今回の箱わなも撤去したという。「目障りだ」「景観を壊す」「見苦しい」「子供が触ったら怪我をする」......。メンバーによると、こうした声が寄せられているといい、箱わながないと自らも困ることを想定していないのではないかと苦言を呈した。今回の被害について、町の担当課は、箱わなの所有者がはっきりしないため、被害届は出していないとしたが、メンバーは、警察への通報を検討しているという。福岡県警の管轄署は25日、取材に対し、「被害届については、把握していません。昨年3、4月にあった被害については、人間的なもめごとのため、捜査はせず警告して終わっています」と話した。
(動物との衝突事故、5年で最多:山形)
今年県内で発生したクマとの衝突事故(概数)が64件(10月末現在)で、過去5年間で最多となっている。
(東北でハンター増加、クマ・イノシシ対策で「わな猟免許」取得促す)
東北で野生鳥獣を駆除するハンターの数が増えている。2023年度までの10年間に宮城県は46.71%(全国3位)、山形県は40.13%(5位)増加した。各自治体は農作物に害をもたらすイノシシやシカ対策として「わな猟免許」などの取得を促す。最近はクマが人を襲うケースも多発しており、ハンターのさらなる確保を急ぐ。
(緊急銃猟の体制整備に向けた関係機関会議:埼玉)
人の生活圏に出没するクマ等の被害が全国的に問題となる中、改正鳥獣保護管理法に基づく緊急銃猟制度が令和7年9月1日から施行されました。県では、クマ等が出没した際、この制度を的確に運用できるよう、小川地域における体制づくりに向けた関係機関会議を以下のとおり開催しました。今後も、県内各地域における緊急銃猟の体制整備を引き続き支援していきます。
(ガバメントハンターと専門職員の募集開始:岩手)
岩手県は26日、クマの被害防止と適正管理に向け、専門職員とガバメントハンターの募集を始めた。効率的な捕獲手法の調査や研究、業務としての捕獲や市町村の支援を行う。ガバメントハンター5人を来年3月、専門職員1人を同4月に任用し、自然保護課の配属とする。達増知事は26日の定例記者会見で「クマと人間の共生を目指して最前線で働く人や、研究調査を自分の仕事にしたい人にぜひ名乗りを上げてほしい」と述べた。
(ガバメントハンター育成へ:青森)
今年は全国的にクマの出没が相次ぎ、政府は狩猟免許を持つ自治体職員「ガバメントハンター」の育成に本腰を入れる構えを示す。同様にクマの目撃が相次いだ青森県鶴田町は、職員が今年の狩猟免許取得に挑戦し4人が合格した。クマ用の箱わなを設置できる職員を確保したほか、将来的にはクマを銃で駆除できるガバメントハンターを育成し、クマ対策に取り組む考えだ。同町では今年、町民、町職員の計7人が狩猟免許取得に向けた事前講習を受け、町職員4人が試験に合格。クマ用の箱わなを設置できる職員1人のほか、散弾銃を所持できる職員が3人となった。しかし、狩猟免許者の少なさから、町内の猟友会は2014年度に解散したままの状態だ。秋庭誠一・町農業振興課長は「今年のクマの状況を踏まえ、町内で狩猟免許取得者を増やし、まずは箱わな設置に対応できる人材を確保する。将来的には町に猟友会を設置したい」と話す。しかし、クマを駆除できる威力を持つライフル銃の所持は条件が厳格に設定されており、散弾銃を10年以上所持し続ける必要がある。さらにクマ駆除には知識や経験も必要とされ、クマ対峙(たいじ)できるハンターの育成は長い道のりとなる。秋庭課長は「今だけの取り組みに終わらず、職員や町民も巻き込んで継続的に狩猟免許取得者を増やし、クマに対応できるガバメントハンターを増やしたい」と話した。
(貴重な若手、狩猟に引き込もうにも...)
「いまだに熊の出没情報を聞く」。岩手県の農家から日本農業新聞「農家の特報班」にそんな情報が寄せられた。春から出没が相次ぎ、狩猟も手がけるその農家は今年2頭を捕獲。「一体、いつになったら冬眠するのか」と困惑する。農家に詳しい実態を取材すると、狩猟の現場で直面しているさまざまな課題が見えてきた。狩猟歴8年というその農家が今年、最初に熊を捕獲したのは6月。鹿用に仕掛けたくくりわなにかかっていた。「体重は40キロくらいの幼獣サイズ」。7月にも1頭捕獲したが、さらに小さく、近くに親熊がいないか警戒したという。捕獲した2頭とも成獣ではなかったものの、鋭い爪や牙を持っていた。「襲われたら命に関わるけがを負いかねない」と話す。その後、自身が熊を捕獲することはなかったが、出没情報は12月に入っても耳にしているという。実際、熊の出没は12月に入っても続いている。自治体の発表情報などを基に特報班が調査したところ、宮城県大和町で20日、山林で頭に傷を負った男性が死亡しているのが見つかり、近くに、わなにかかった熊がいたという。町は「冬眠しない熊がいる」として、農作業時は警戒するよう喚起している。また、22日に秋田市、18日に岩手県奥州市でも、それぞれ熊の出没が確認されている。今回情報を寄せた農家は「餌を得た経験を持つ熊が越冬すれば、来年はさらに人里での出没件数が増える恐れがある」と懸念する。取材した農家によると、地元の狩猟者のうち、自分より若い世代は20代が1人、30代が2人しかいない。「これからも捕獲や駆除を続けていくには、若い人に加わってもらう必要がある」と考える。若手を引き込む上で課題に感じているのが、自治体が支払う金銭補償の低さだ。地元では報奨金はなく、要請に基づく交通費や駆除費用にとどまり「危険度に見合っていない」と感じる。「幼獣であっても危険と隣り合わせ。今の額では、若手が山に入る動機付けにはなりにくい」と指摘する。熊を捕獲した狩猟者に支払う手当を巡っては、政府内でも捕獲単価の引き上げなどが課題に挙がっていた。環境省は、政府の熊対策の新たな政策パッケージの一環として、2025年度補正予算に交付金事業28億円を計上した。熊の捕獲や狩猟者育成などの支援を想定している。同省は「捕獲に伴う手当に充てるかどうかを含めて、使い道は自治体が判断することになる」(野生生物課)と説明。今後、自治体での具体的な手続きが進む見通しだ。
(鳥獣ハンター、登録8割増:石川)
クマやイノシシ、シカによる鳥獣被害が拡大し、駆除を担うハンターの重要性が増している。かつてクマの大量出没を経験した石川県は新人ハンターの発掘に力を入れ、狩猟登録者が10年で8割増えた。岩手県はドローンやITを活用し、限られた人員で効率的な駆除体制を築く。都道府県への取材や環境省の鳥獣関係統計を基に狩猟者登録の総数を調べ、直近で集計可能な2023年度と13年度を比較した。
(狩猟フェスタでPR:高知)
中四国ではイノシシやシカ、サルによる農作物への食害が深刻だ。高齢化で減るハンターの確保に各自治体は知恵を絞る。クマは両地域とも生息数が少なく人身被害もまれだが、鳥取県では備えを強める。岡山県では新たな担い手として女性に期待する。中国地方のクマの生息数は2000頭程度とされる。西中国に続き鳥取、岡山など東中国も数の減少で2025年度はクマを駆除以外は禁猟とする。四国も絶滅の危機にある。
(町職員が「公務員ハンター」:富山)
北信越5県でもクマなど鳥獣による被害が多発している。有害鳥獣駆除に携わる人を増やすため、新潟県は狩猟に興味がある人を対象にした体験会を開催して免許取得などを促す。富山県上市町は職員が「公務員ハンター」となって駆除などに参加し、福井県越前市は駆除した鳥獣の処分をしやすくしてハンターの負担を減らす。各地で被害削減に向けた取り組みが進む。
(狩猟免許試験に150人超の応募、定員の4倍:群馬)
群馬県が今月実施した銃猟の狩猟免許試験に、定員の4倍近い150人を超える応募があった。クマの出没が相次ぎ、銃猟への関心が高まっていることが背景にあるとみられる。県は急きょ、来年3月に追加試験を行うことを決定。来年度以降も定員枠を拡大する方向で検討しているという。県は銃猟の狩猟免許試験を毎年度3回行っており、今月13日に3回目を県庁で実施した。定員は数年前から少しずつ増やし、今年は1回40人。1回の試験の応募者はこれまで、50~60人ほどだったという。応募が急増した理由として、県は山本一太知事が10月末の定例会見で自ら狩猟免許を取得すると宣言したことも影響したとみている。担当者は「技術を磨き、鳥獣捕獲の現場を担う人材になって欲しい」と期待している。
(女性のための狩猟体験ツアー:石川)
県内の狩猟者が高齢化する中で新たな担い手を確保しようと、県は女性を対象にした魅力体験ツアーを白山市などで開いた。県内に住む10~60代の計約30人が参加し、安全な狩猟方法や楽しさを学んだ。ツアーは13、20の両日に開催。全国の女性狩猟者でつくる「狩女の会」の代表福岡富士子さん(55)=能美市=が狩猟免許を取得する心構えや、猟に出る際の注意点を経験談を交えながら紹介した。イノシシの革を使ってキーホルダーなどを作る革細工体験、クマやシカの肉を使った調理実習、獣肉処理施設の見学などもあり、狩猟後の皮や肉の活用方法を学んだ。
(小豆島のイノシシ、瀬戸内海を泳いで四国から侵入か:香川)
広島県の福山大などの研究グループは、香川県の小豆島に生息するイノシシが四国から侵入したことを突き止めたと発表した。瀬戸内海を泳いで渡ったとみられ、研究成果は11月、国際学術誌「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ワイルドライフ・リサーチ」(電子版)に公開された。 離島へ外から生物が入り込むと、農林水産業への被害や生態系破壊を引き起こし、全国的に問題となっている。研究グループはイノシシが小豆島へ侵入した経路を調べるため、島や四国、本州それぞれにすむイノシシのDNAを解析した。その結果、小豆島と四国のイノシシはDNAの組成が似ており、本州のイノシシとは大きく異なっていた。さらに、島のイノシシは、遺伝的に異なる2系統であることも特定した。小豆島では、イノシシは絶滅したとされていたが、2010年頃から再び目撃されるようになり、農作物への被害も増えているという。福山大生命工学部の石塚真太郎講師は「研究成果は、四国からのイノシシの侵入を防ぐ対策に役立つだろう」としている。
(豚熱拡大で停止のイノシシ受け入れを再開:鳥取)
豚熱(CSF)の感染拡大を受けた県東部の獣肉解体処理施設のイノシシの受け入れ停止で捕獲頭数が激減していた問題を巡り、若桜町の民間施設が鳥取県の認可を受けて12月から受け入れを再開した。
(伊吹山再生「今できることは」:滋賀)
伊吹山の緑を取り戻すには――。ふもとの滋賀県米原市で25日、中学校6校の生徒18人で未来について語り合った。登下校でいつも見る山の現状から、地球温暖化や環境問題、身近な行動へと話が広がった。滋賀・岐阜県境の伊吹山(1377メートル)は、温暖化の影響で冬を越す鹿が増え、緑を食べ尽くす食害が深刻だ。土がむき出しの斜面は豪雨があると土砂崩れにつながる。生徒らは2024年8月、市の案内で3合目に登り、前月の豪雨で崩落した様子を見た。12月には、各校で山の再生のために何ができるかを話し合った。今年8月には山頂に登り、鹿を防ぐ柵の内側では草木が戻っていることを目で確かめた。この日は、伊吹山の過去・現在・未来を発表した。古事記に登場する歴史があり、固有種を含む豊かな植生を誇る日本百名山であること。滋賀や東海3県の計369校で、校歌にその名が登場することも報告した。また、伊吹山の現状は「温暖化をもたらした人間が原因では」との問題意識から、動植物と共存し、貴重な草木が生える山を取り戻す未来図を描いた。鹿が好まない「イブキジャコウソウ」の苗を各校で26年度から育てると決めた。育てた苗は、市が伊吹山へ植え戻す予定だという。パネル討論では、個人や地域でできることを考えた。大東中2年の大橋葵さんは「節電・節水に努めれば温暖化対策につながる」。双葉(そうよう)中2年の須戸百合葉さんは、夏休み前に伊吹山を学び、それを題材にポスターや作文にすることを提案した。地域の人に見てもらったり、SNSで発信したりしてはと、発想が広がった。同席した市民団体「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の高橋滝治郎会長(66)は「真剣な議論が心強い。一緒に活動していきたい」と語る。群馬から移住し、保全活動をする伊吹山レンジャーの鯉登(こいと)千尋さん(50)も「発表の力が素晴らしい。伊吹山の薬草を地場産業に広げられたら」と期待を話した。
(クマ出没注意、訪日客にもピクトグラムで)
観光庁は、観光地でのクマによる人的被害を防ぐため、エサやりや接近を注意喚起するピクトグラム(図記号)を公表した。訪日外国人客などに対し、クマへの注意をわかりやすく呼びかける狙いだ。環境省と協力し、「クマへのエサやり禁止」「ゴミ放置禁止」「クマに接近しない」の3種類を作成した。観光庁のホームページからダウンロード可能で、自治体や事業者が看板やポスターなどに活用することを想定している。クマによる訪日観光客の被害では、スペイン国籍の男性観光客が今年10月、岐阜県で襲われ、軽傷を負う事案があった。
(クマ被害ゼロを目指して、国産ロボットで人を守る)
東京大学発スタートアップの 株式会社Highlanders(本社:東京都豊島区、代表取締役:増岡宏哉)は、国産AIロボットを活用し、クマによる人身被害を未然に防ぐ新プロジェクト 「KUMAKARA MAMORU」 を、2025年12月24日より開始します。本プロジェクトでは、防衛・インフラ分野などの極限環境で実証を重ねてきた国産AI四足歩行ロボットを活用。深刻化するクマの市街地出没問題に対し、国産AIロボットが人の代わりに里山の境界を守るという、新しい社会インフラの形を提案します。
(違法エアガンなど所持、巡査長を懲戒処分:兵庫)
傷害能力のあるエアガンや一部が金属で本物に似たモデルガンを自宅に保管していたとして、兵庫県警は、県東部の阪神方面の警察署に勤務していた40代の男性巡査長を減給3カ月の懲戒処分とした。朝日新聞の情報公開請求でわかった。処分は11月14日付。巡査長は「違法性を認識していた上で所持していたことに間違いない。深く反省している」と話しているという。県警によると、発覚のきっかけは、警視庁によるネットオークションサイトの捜査だった。6月、警視庁の捜査員が巡査長の勤務先の警察署を捜査で訪れるなどし、その後、巡査長の自宅を家宅捜索。サイトで購入したとみられる傷害能力のあるエアガン2丁と、一部が金属製で本物に似たモデルガン1丁が見つかったという。巡査長は、違法性を認識しながらも所持していた理由について「エアガンを空撃ちした時の銃の動きが好き」「モデルガンのフォルムを見るのが好き」などと県警に対して説明したという。警視庁が8月20日、巡査長を銃刀法違反容疑(所持)で東京地検に書類送検したという。
(「今年の漢字」にも選ばれた「熊」、なぜ突如“人間の脅威”に?)
12月12日、今年の漢字に「熊」が選出された。一般公募で得票数の多い漢字が選ばれるシンプルな仕組みで、世間の関心がストレートに表れる催しとして、毎年注目されている。2025年は18万9122票が投じられ、「熊」はそのうちの2万2346票を獲得し、トップとなった。1位の争いは大接戦となり、2位の「米」(2万3166票)とは180票差だった。「熊」は過去10年、20位にもランクインしておらず、注目される対象ではなかった。逆にいえば、2025年のクマの猛威は特異的であり、それだけすさまじかったということだ。その大きな爪跡は、環境省が公表しているデータをみれば明白だ。まずクマによる被害者数。2025年度は217件で、ここ10年で最多となっている。2023年も213件で大量出没と騒がれたが、死者数が2023年の6人に対し、2025年は13件と倍以上。さらに生活圏での被害がセンセーショナルに報じられたことなどから、世間に大きなインパクトを与えた。このことからわかるように、2023年はクマ出没こそ多かったが、エリアは主に山間部だった。一方、2025年は死者数が過去最大となり、住宅地での被害も目立った。その結果、報道も、ローカルから全国ニュース扱いとなり、より多くの人がクマ被害の実情を知ることになった。クマの活動範囲が人の生活圏を侵食する。それはつまり、長年築かれてきた共存するためのゾーニングが崩壊したことに他ならない。山間部で生態系の上位にいるクマが、人里に降りてくれば、人にとって脅威になることは明白。常態化すれば、「災害」へと変わる。脅威は忍び寄っていたはずだが、なぜこれほどまでに手遅れになったのか…。背景には、複数の要因が重なっているとみられる。たとえば、クマの個体数増加や分布の拡大、社会構造の変化に伴う環境の変質、そしてクマの学習による行動の変化といったことだ。〈人口縮小社会の中で、野生鳥獣たちとどう向き合っていくか〉をテーマに長年研究を続けている岐阜大学の鈴木正嗣教授は、その原因を次のように考察する。「イノシシやシカなどによる被害が増えた理由として、しばしば挙げられるのが森林破壊です。しかし、実際には、国内の森林面積はほぼ横ばいとされています。人工林と天然林の比率も過去40年あまり大きく変化はしていないんです。むしろ、人口縮小による耕作放棄地の増加や山林の管理放棄などの問題に注目する必要があります。これにより、クマ類をはじめ、シカやイノシシなどの生息環境が好転し、生息数が増え、人との距離も物理的に縮まっているのです」。野生鳥獣の側の事情よりも、人口や人間活動の縮小がそのトリガーになっている。シンプルだが本質をついたそのロジックは次の通りだ。(1)人口が減少し、林業や農業など農山村の産業や生活スタイルが激変(2)高齢化や耕作放棄などにより、人の立ち入りが途絶え、管理が行き届かない場所が、人の生活圏近くでも拡大(3)人里近くで、収穫されることのない栗や柿の木が放置果樹として多く残存(4)人の生活圏と野生鳥獣の行動圏とが接近もしくは重複。人口減少がトリガーだとするなら、変化や脅威に気づきづらく、気がついたときには手遅れになるという状況も合点がいく。併せて、クマの個体数増加に対する認識のズレも被害を不用意に増大させた可能性がある。長年、クマは「繁殖力が弱く増えにくい」と考えられてきた。ところが、実際には特定の条件下で年平均16.0%もの推定増加率を示す地域があり、約5年で生息数が倍増するほどの強い繁殖力を持つケースも確認されている。想定以上の繁殖力に加え、クマの高い学習能力が人間やその生活圏に対する認識を変化させていることも、被害増大の推進力と考えられる。放棄された果樹(栗、柿など)や生ゴミ、農作物の味を覚えた個体は、それらを求めて繰り返し人里に現れるようになる。そこで、徐々に「ヒトや街は恐れるものではない」と学習。その瞬間から人の生活圏はクマにとって良質なエサ場へとスイッチする。本来なら、被害が目立ち始めた段階で食い止める必要があるが、現場の対応能力が限界を迎えていることも、問題を深刻化させている。駆除を担うハンターが不足し、高齢化も進行。クマ増大により、出没が同時多発的になり、箱わなの見回りや駆除後の対応が市町村の対応能力を超越している現実もある。秋田県ではこの「切迫事情」により、自衛隊への派遣要請が行われる事態となった。自治体の駆除を消極的にする、外部からの「かわいそう」といった抗議やクレームの殺到も、対策を後手に回らせた。その結果、箱わなで捕獲後、駆除せずに山奥へ放す自治体も少なくなかったという。警察官によるライフル銃を用いたクマ駆除を可能とした背景には、クマ被害の大きさが、駆除への抗議を抑え込む形になったこともある。逆説的だが、被害の深刻さが「災害級」であることが広く知られた結果、”壁”が取り払われた格好だ。全国の自治体のなかでもクマ被害が深刻で、自衛隊の派遣を要請した秋田県の鈴木健太知事は、「今回は特別な事態だった」としたうえで、「獣害に対しては、自治体・警察での対応力を高めていくのが本来の筋だ」と力を込めた。長らく人と野生動物の共存はバランスが保たれていたが、2025年、それがいかにもろいものだったのかが明らかになった。クマの出没頻度は、山間部でのエサの状況により増減するとみられてきたが、もはやその考えも改める必要があるのかもしれない。前出の岐阜大学・鈴木教授は、ひとつの案として、特に過疎地において、人の生活圏と野生動物の行動範囲のゾーニング再構築を提言する。個体数管理も徹底し、駆除を担う、プロ捕獲者の国による育成も不可欠だとも訴える。「人口減少だから仕方がない」と受け身で対処療法的な対応でやり過ごしていては、人類は生活圏を野生動物に奪われ続けることになる…。
(山も里も「親子」が危険:秋田)
ツキノワグマの出没の対策について学ぶ「医療と健康を考える集い」が11月に秋田県仙北市で開かれた。あきた森づくり活動サポートセンター情報専門員の菅原徳蔵さんが、クマの危険を減らすための留意点を示した。クマは餌がある限り冬眠しないことが動物園の観察で明らかになっている。栗の後は柿に来て、柿の実が木から落ちた後に雪が降ると冷蔵庫状態になるので、クマは長くそれを食べられる。だから冬でも鈴なりに実る柿の味を学習すると冬眠が遅れる。また、捕獲されて親を失った子グマは冬眠する方法が分からないまま空き家や小屋に入ったり、神社の軒下で冬眠したりする可能性などが指摘されているので特に注意が必要だ。
(クマ出没の背景にドングリの豊凶サイクル)
今年は多くの地域でクマの出没が相次いだ。捕獲頭数も過去最多という状況になっており、各地で緊急対策が講じられてきた。なぜクマはこれだけ出没するようになったのか。大きな要因として考えられるのが、ブナやミズナラなどの木の実の凶作とクマの生息形態の変化だ。調べてみると、木の実の結実にはゆるやかな豊凶のサイクルがあり、また、樹木の伝染病が広がっていた。今後クマの生息はどうなるのだろうか。環境省によると2025年度、全国でクマによる被害を受けた人の数は11月末時点で230人、うち死亡者数は13人。いずれも過去最多となっている。特に秋田県と岩手県で多く、秋田では被害者数66人(うち死亡者数4人)、岩手では被害者数37人(うち死亡者数5人)と突出している。今年度のクマにはこれまでになかった特徴がある。市街地への出没だ。秋田、青森、岩手、山形など各地で起きており、出没場所も民家、商業施設、銀行の地下駐車場、公民館、村役場などさまざまだ。民家の柿の木に登って柿を、民家の倉庫に入って保管米を、スーパーに侵入して食料品を。人が住むさまざまな場所でその姿が目撃されている。ペットの動物まで襲っていたケースもある。なぜこのような事態に陥っているのか。大きな要因は2つ考えられている。一つは山奥でのエサ不足。もう一つがクマの生息数や生息行動の変化だ。クマにとって重要な食料がブナやミズナラなどの堅果類の木の実、いわゆるドングリだが、そのドングリが深刻な不作となり、食料不足を招き、市街地まで出ているというのが基本的な構図だ。ブナ林は天然林で、ブナ、ミズナラ、オオカメノキ、カエデ類など、様々な落葉広葉樹で構成されている。北海道南部から鹿児島県まで日本全体に広く分布しており、天然林総面積の17%にあたる230万ヘクタールに及んでいる。問題は、ブナの実が毎年豊作ではないということだ。ブナには豊作の年と凶作の年のサイクルがある。東北森林管理局は1989年から東北5県の森林のブナの開花・結実の調査を行っている。その調査結果を見ると、北東北全体でブナが豊作や並作だったのは1995年、2000年、2005年、2013年と、5~8年間隔で豊作となる周期性が見える。森林生態学を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授は説明する。「ブナの豊作、凶作とクマの出没に関係性があり、豊作の翌年に大凶作となると、クマの大量出没が起こりやすいことが明らかにされています。秋田県では2024年はブナが大豊作で、2025年は大凶作でした」東北森林管理局が発表している秋田県のブナの実の豊凶指数と各年のクマの捕獲数を重ねてみると、近年の捕獲頭数とも関係している様子が浮かぶ。豊凶指数が2.8と並作だった2022年度の捕獲数は398頭、2023年度は0.1と大凶作で捕獲数が2185頭、2024年度は2.6と並作で捕獲数が382頭、2025年度は0.0と大凶作で捕獲数が約2500頭(12月15日時点)となっている。過去には必ずしも一致していない年もあるが、この4年間の数字だけを見ると、ブナの実の豊凶とクマの大量出没には一定の関係性があるように映る。こうしたブナの実の凶作に加えて、近年はナラ類、シイ・カシ類の木を枯らす「ナラ枯れ」の被害も広がっている。ナラ枯れは、ナラ菌という病原菌によって葉がしおれて垂れ下がり、紅葉の時期でもないのに、赤茶色に変色する伝染病だ。感染した木の多くは1年以内に枯れてしまう。ナラ枯れの被害を受けやすいのは、クマのエサとなるミズナラやコナラだ。新潟県が2004~2006年に行った調査によると、ナラ枯れになった木は、ミズナラが67%、コナラが22%の確率で枯死することがわかっている。東北森林管理局によると、東北5県の国有林では、2009年度に山形県を中心に5万8768本のナラ枯れ被害が発生したが、その後、減少した。しかし、2020年度に4万7040本と再び増加した。この年に大きな被害が起きたのは秋田県の2万3638本、青森県の1万4607本だった。秋田県では防除対策を施したり、被害を受けていないナラ林で伐採を行い、木の若返りを図ったりするなどの対応を実施。この対策が功を奏したのか2024年度は3750本とナラ枯れ被害は減った。一方、青森県では被害が広がり、2024年度は3万3832本となっている。ナラ枯れ被害は北海道から九州までさまざまな地域で報告されている。北海道や新潟県では、ナラ枯れによってエサとなる木の実が減ることで、人里や街中へのクマの出没が増えるおそれがあると報じられている。ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(カシナガ)という虫が関係している。カシナガがミズナラなどに巣くうと、樹木の中に病原菌のナラ菌が持ち込まれる。ナラ菌に感染して木の細胞が死ぬと、根から吸い上げた水を枝や葉などに送るための管(道管)が詰まる。すると、樹木は水を吸い上げられなくなり、全体が枯死してしまう。周囲の木にカシナガとナラ菌が広がることで、感染も広がっていく。問題は一度ミズナラが枯れてしまうと、その年だけでなく、長きにわたって実がならないということだ。ミズナラは苗木を植えてから実をつけるようになるまで10年ほどかかる。ブナの50~70年に比べると成長は早いものの、同じ場所に苗木を植えても実がなるまで、少なくとも10年以上必要だ。ナラ枯れが広がることは、クマにとっては長期にわたって、エサが減ることを意味する。ただし、クマの大量出没は、木の実の減少=山のエサ不足だけが要因とは言いきれない。クマの生息数の増加や生息範囲の変化も関係しているとみられる。秋田県のクマの推定生息数は長い間、1000頭ほどと考えられていた。だが、星崎教授を中心に動物の動きを感知して自動で撮影するカメラを使った調査結果をもとに、2020年4月の生息数を推定したところ、2800~6000頭(中央値4400頭)と従来の方法による推定数より大幅に多い結果となった。しかし、実際のクマの生息数は、この推定生息数よりも多いと、星崎教授は感じている。「調査のために山に入ると、クマがエサを食べた跡を昔よりたくさん見るようになりましたし、年に1~2回は実際にクマを目撃します。街中にクマがたくさん出るようになったことから、クマの数が増えた可能性があります」。実際にクマの捕獲頭数を見ると、一定の変化があることがわかる。秋田県では2009~2015年度のクマの捕獲数は100~300頭ほどだった。ところが、2016年度は476頭と前年の4倍以上に増え、2017年度は793頭と跳ね上がった。その後は400~660頭で推移していたが、2023年度に2334頭と一気に上がり、今年は12月15日時点で2500頭を超え、過去最多となった。ブナの実の不作などでクマの出没数や捕獲数が一度大きく跳ね上がると、1年後あるいは2年後以降、その出没水準が維持され続ける傾向がある。こうした傾向の背景には、クマの生息数の増加に加え、生息範囲の拡大が考えられるという。星崎教授は、人間の生活環境の変化がクマの生息範囲を広げていると考えている。「昔の秋田県では、林業や鉱業が盛んで、人が山の中でよく活動していましたし、住んでもいました。今はそれらの産業が衰退し、山あいから人が減った。新しくクマが出没するようになった地域は、林業などが衰退し、集落がなくなった地域と重なっています」。さらに、ブナの実の不作で山奥から人の活動エリアの近くまでやってきたクマが、翌年以降も居残っていると星崎教授はみている。「クマは冬眠中に出産します。街の近くまで来た母グマがそこで冬眠し、出産する。すると、冬眠を終えた子グマにとって、街の近くがホームグラウンドになる。ですので、そのような子グマは、成獣になっても周囲を警戒しなくなるのでしょう」。木の実の不足とクマの生息形態の変化。どちらも大きな変化だが、こうした変化の背景には、地球温暖化も影響しているかもしれないと星崎教授は考える。「クマは冬眠中でもエネルギーを少しは消費します。温暖化で冬眠期間が短くなると、冬眠中に弱る個体が減るのではないかと思います。たとえば、授乳中の母グマにとって温暖化は好都合で、子グマの生存率が高くなる可能性があります」。つまり、温暖化は、クマにとって過ごしやすく生存しやすい環境をつくっていることになる。ただ、温暖化がさらに進展すると、この状況は大きく変わる可能性がある。ブナを主体とするブナ林は涼しく湿潤な気候の山地に分布している。その代表が青森県と秋田県にまたがる白神山地だ。気象庁によると、1883~2020年の秋田県の年平均気温は100年あたり約1.5度上昇している。日本の平均気温は100年あたり1.4度上昇しているので、日本全体が暑くなっている。森林総合研究所が2006年に公表したシミュレーション結果では、100年後の日本国内のブナ林の成立に適する地域は10分の1にまで減少すると予測している。現在は温暖化がさらに進んでいるので、ブナ林の減少速度はもっと速くなる可能性がある。同研究所などが2024年に発表した研究成果によると、東日本のナラ枯れ被害は、2007年ごろまでは新潟県や山形県の一部が中心だったが、2008年以降は関東平野、北東北、北海道南端部にまで急速に広がっている。これは病原菌を媒介するカシナガの分布域の広がりに伴うものだが、その方向性は南から北へと向かっていた。今後、地球温暖化が進むことで、標高の高い地域や北方へと拡大する可能性がある。これらの情報を総合すると、温暖化がさらに進んだ未来には、山の中でクマのエサとなる木の実が激減する可能性がある。このことが、街中でのクマ出没を加速させるのか、クマの生息数を減らすのかは、不透明な部分がある。ただ、温暖化がクマに大きな影響を及ぼすことになるだろう。高齢化と人口減少が進む日本では、今後、クマ対策に割ける人員がさらに減っていき、クマへの対応はますます重荷になっていくと予想される。効果的なクマ対策を実施していく分水嶺が今なのかもしれないと星崎教授は指摘する。「効果的なクマ対策を実施するためには、限られた資源をどこに投入すればいいかを考える必要があります。ただ、研究者や行政職員だけでは、効率的な対策を実行することはできません」。秋田県には11月、クマ被害対策の支援活動のために陸上自衛隊が派遣された。星崎教授は、このような支援はありがたいと感じている。「自衛隊は戦略を立てる部署もあると思います。限られた人員を、どう投入すればいいのかを合理的に判断していくためにも、クマ対策の戦略立案に自衛隊の力を借りられれば心強いですね」。
(穴撃ち猟のマタギに密着、冬眠クマに“異変”?:岩手)
本来は冬眠しているはずのクマと向き合うマタギが感じた異変です。猟銃を構える、クマ撃ちの“マタギ”。その先で猟犬がけたたましく吠えています。たどりついた場所の地面には穴が。よく見ると、中にクマがいます。冬眠中のクマを仕留める「穴撃ち猟」です。“マタギ”と呼ばれる狩猟者たちは今年、冬眠するクマに“異変”を感じていました。23日に番組が取材したのは、岩手県宮古市でマタギを23年続ける西村昭二さん(53)です。クマ撃ちの“マタギ” 西村昭ニさん「(Q.これは?)散弾銃」。西村さんたち“マタギ”は狩猟期間に山に入り、冬眠しているクマを狩っています。西村昭ニさん「個体数の管理をある程度していって狩猟するのが、我々マタギの中の共生だと思う」。冬眠中のクマをとらえた貴重な映像です。木にできた穴の中をライトで照らすと…穴の奥で身を隠すクマ。目が覚めたのか、人がいる方をじっと見ています。クマは木の穴でも冬眠します。幹に登ったマタギが飛び降りた直後、木の上の穴からクマが出てきます。冬眠中のクマは何かの刺激で目を覚まし、行動することがあるといいます。西村昭ニさん「餌(えさ)不足でその分、山の中のクマも痩せている」。西村さんの体にカメラを付けさせてもらい、クマ猟の様子を記録します。猟犬を連れて、山の奥に進んでいきます。西村昭ニさん「あの穴見てくる。先に見て来るから待っていて」。地面にぽっかりと空いた穴を発見。銃を構えて近付きます。中にクマはいるのでしょうか…。するとこの後、遠くから猟犬の鳴き声が。急な斜面を駆け上がり、急いで向かいます。猟犬が吠える先に地面の穴が。この中にクマが1頭潜んでいます。犬の鳴き声で冬眠から目覚めたようです。襲われる恐れがあるため、すぐに発砲。1発でクマを仕留めました。クマと向き合うマタギの西村さんが今、懸念しているのが市街地に現れる「アーバンベア」です。西村昭ニさん「アーバンベアに関しては、家が見えるところで冬眠していると思っている。人間側からするとアーバンベアと共生はできない」。26日も、市街地でクマによる被害が出ています。秋田市の大森山動物園の駐車場で50代の男性職員がクマに右肩をかまれ、けがをしました。26日午後、秋田県の鈴木知事は、小泉防衛大臣と面会しました。秋田県 鈴木知事「本当に限界を迎えていた有害捕獲の現場において、救世主が来たと皆さん喜んでいただいた」。クマの被害が相次いだ秋田県では先月、自衛隊がクマ捕獲の後方支援に入っていました。延べ924人の隊員が重たい箱わなや、駆除したクマの運搬などを行ったといいます。小泉防衛大臣「当初の目的も達成できて、非常に良かったと思っている」。マタギの西村さんに今後、必要なクマ対策を聞きました。西村昭ニさん「山に餌がなかったら餌場になる山を作ればいいが、個人・自治体でできるレベルではない。国が率先して政策をうちだしていかないと厳しい。動物の生息できる森林を復活させないと、共生というよりは、すみ分けができないと思っている」。
(ハンターになる、色々費用がかかります)
ハンターになるには、お金がかかる。目指した時から覚悟はしていたが、駆け出しの記者にはやっぱり重荷だ。最も高価なのは、なんといっても猟銃だろう。シカなど大型動物を狙える散弾銃を購入しようと訪ねた「西澤銃砲火薬店」(長野市)。店主の西沢一郎さん(77)から示されたカタログを目にした時、思わず息をのんだ。価格は20万~50万円。その半額以下の中古品も検討したが、故障のリスクもある。「何本も持つものではない。最初に持つなら、新品がオススメだよ」。西沢さんの声にも押されて、新品の猟銃の購入を予約した。金額は約20万円。通帳とにらめっこした後、5年間履きつぶして穴が開いた登山靴の買い替えは諦めた。出費は猟銃だけではない。これまでにかかった費用は約10万円。狩猟免許を取るための受験手数料やテキスト代、射撃教習で使う銃弾の費用などだ。危険を伴う猟銃の所持は、警察の厳格な審査が必要で、法律では貸し借りも禁じられている。狩猟はあくまで趣味として楽しむものなので、費用がかかるのは当然なのかもしれない。一方、有害鳥獣を駆除できるのも、猟銃や狩猟免許を持つハンターだけだ。県は、有害鳥獣の駆除に参加する予定の人が初めて猟銃を所持する時の手続きなどの費用について上限1万円の補助金を用意している。ただし、補助金を活用するかどうかは自治体次第で、今年度は長野市など16市町村にとどまる。イノシシの食害に悩まされている新潟県上越市では、49歳以下など一定の条件の下、猟銃の購入費用を上限10万円で補助しているという。クマの目撃やシカによる食害が相次ぐ中、県は、若手ハンターの確保に努める方針を示している。ただ、ハンターになって世の役に立とうと思っても、お金で諦めてしまう人も少なくないのではないか。記者は懐を寂しくしながらそう実感している。地域を守るハンターを増やすため、行政は後押しできる方法を探ってほしい。
(「シカと森と私たち」:長野)
蓼科在住のミューラー洋子さんが、北山小学校3~6年生に「シカと森と私たち」という講演をしてくれました。この方は、自然体験学習に訪れた東京の小学生に講座を行っている方です。都会の子どもに教えることをも大事だが、まずは地元の子どもに地元の自然の良さと現実を知ってほしいという思いから、お申し出いただきました。今森で何が起こっているのかを伺い、鹿の問題を考える中で、森の役割や今ある森を保全していくことの大切さを教えていただきました。北山の自然を知る貴重な機会となりました。
(クマ出没激増もハンターは不足)
今年の漢字に「熊」が選ばれるほど世間の注目を集めた「クマ」問題。人的被害は約250件を数え、過去最悪の数字だ。クマの出没は12月に入っても続き、例年では考えられない状況。現場では何が起きていたのか。クマに翻弄(ほんろう)された一年を振り返った。12月に入ってもクマ被害が収まらない。20日には宮城県の山林でクマに襲われたとみられる高齢男性の遺体が発見された。環境省によると2016年以降12月にクマによる死者は確認されておらず、まさに異常事態だ。例年、クマは11月下旬から冬眠に入る。山に木の実が激減するからだが、今年は特に主食のブナを中心としたドングリ系が大凶作。クマは冬眠期の前に餌が尽きてしまい、困って人里に下りてきた可能性が高い。しかも、人里には十分な食料があることを認識してしまったことが問題という。長野県の森林づくり推進課鳥獣対策係は「あそこに生ゴミがあったと学習するクマが現れる。一定量の餌が確保できれば冬眠しない個体も出てくるだろう」と推測していたが、それが現実になった形だ。今年のクマ出没件数は4万を超えると言われ、死者は14人。統計を取り始めた06年以降で最悪の数字だ。一方クマを食い止める役目を担ってきた各地の猟友会のメンバーは高齢化が進み、年々減少している。さらに手当も十分ではない。猟友会への出動要請は各市町村の判断。財政難の地域ではクマ1頭の駆除費用が数万円程度の場合もある。NPO法人「地域おこし」代表理事の多田朋孔氏は「命懸けの仕事である割に対価があまりにも安すぎる」と指摘。9月には北海道積丹町で地域の猟友会がボイコットする騒動も起きた。クマは激増、駆除する側は減る一方。被害は必然的に拡大した。クマは教育現場や観光施設にも居座った。経済にも影響を与え、東北地方の企業の28・9%が「業務に支障があった」(東京商工リサーチ12月調べ)と回答した。政府は自衛隊や警察への協力要請も行ったが、際立った効果は表れていない。各自治体は頭をひねり、クマが市街地で餌にありつけないように放置された木を伐採するなどの策を講じている。また、狩猟免許を持つ公務員雇用も積極的に行い、猟友会の後継育成にも着手する。しかし、地方では慢性的に人手不足。効果は限定的だ。そんな中でテクノロジーを使って人手を補う動きもある。遠隔監視カメラとAIを組み合わせてクマの動きを把握するシステム、ドローンを駆使してクマを監視するシステム、またはGPSを利用したクマの実態調査の研究など、さまざまな技術が進行中だ。大混乱の一年を糧にできるのか。来年は人間の知恵が試される年となりそうだ。≪駆除後の処理作業が「減容化装置」で楽に≫クマの出没が相次ぐ中、課題は駆除後の処理。北海道福島町は微生物の力で死骸をまるごと分解する「減容化装置」を導入した。200キロ前後のヒグマも処理可能で、重労働の解体作業から解放された同町のハンター(70)は「処理が楽になり、こんなに助かることはない」と歓迎の声を上げた。粉砕用の刃のついた装置内に、微生物を混入した木製の炭化チップと水を入れ、約80度に保つ。約1週間で分解され、大部分が水や二酸化炭素として排出される。
(野生動物との衝突事故「ロードキル」どう注意する?)
国土交通省によると道路上で発生した動物との衝突事故、いわゆる「ロードキル」の件数は年間およそ7万件。なかにはシカと衝突し、大怪我を負ったという事態もある。なぜシカは危険な道路に飛び出してくるのか。道路の開発に関する調査を行う一般社団法人北海道開発技術センターの交通政策部・佐藤真人氏は「(シカは)群れで行動する動物で、リーダーにあたる個体は比較的車を気にして、車が通りすぎてから道路を渡る。ただ、リーダーだけを見て追いかけてくる個体も多いので、群れの2頭目以降と車がぶつかっている可能性が高いのではないか」と説明。車を気にしているように見えても、ほかのものを気にして飛び出してくる可能性があるそうで「人の小さい子どももそうだと思うが、向かいの道路に知り合いがいたら走り出しちゃうとか。それぐらいの(行動が読めない)動物だと思って見てあげたほうがいい」と注意を促した。なぜバイクに向かってきたのか。シカとバイクが衝突した映像を見て「後ろ足を横方向に蹴り出しているような、そういった足の動きに見えた。シカとしては一応避けようとしているのではないか」と分析する。佐藤氏によると、シカはアスファルトなどの固い路面が苦手で蹄が滑り、動きが鈍くなって逃げ遅れてしまったのではと推測する。衝突を回避するには、あらかじめ注意すべきポイントがあるという。佐藤氏は「直線道路で見通しがいいはずなのに、やたらとタイヤ痕が集中していたり『なんでこんなところでブレーキを踏んでいるんだろう』というところは、動物が飛び出して急ブレーキをかけたという可能性が高い」と、ブレーキ痕の多い場所は動物が現れた可能性があると考え、あらかじめスピードを落とすことが大切と指南。それでも衝突してしまった場合は、自分の安全を確保したうえで二次被害を防ぐための行動も重要だという。佐藤氏は「もしシカとか動物が道路上で死んでしまって、後続車や対向車がさらにひいてしまって危ない状況であれば、安全対策を試みていただきたい。#9910(道路緊急ダイヤル)に通報すると、動物の死骸など回収するようにすぐ動いてくれる」と語った。では、動物と衝突して車が破損した場合、保険適用されるのか。一般社団法人日本損害保険協会北海道支部の川田晃久事務局長代理は「(動物との事故は)自損事故・物損事故になってくる。任意保険である『車両保険』が補償することになってくる」と説明する。日本損害保険協会によれば、北海道内でのエゾシカとの衝突事故で支払われた保険金は去年10月からの2カ月間で7億5000万円以上で、1件あたり平均60万円ほどの支払額となる。そもそも保険に入るとき、動物との衝突事故まで想定する人はそう多くはないという。川田氏は「保険契約を結ぶとき、対車の物損事故とかあるいは人との間で事故を起こしてしまったとき、そちらのほうに注目がいきがちになる。保険会社によっては車両保険に入っていても、シカとの衝突事故が補償されない場合もあり得ないことはない。保険を契約するときに確認をとることが重要」と語った。ABEMA的ニュースショーMCを務める千原ジュニアは「ブレーキ痕が多い真っ直ぐな道とか、勝手に居眠りとかそういうことなのかなと思っていたら、意外と動物が現れて、そこが獣道になっていてみたいな」と解説に納得した様子で「ブレーキ痕は、動物が飛び出してきたのかなという発想がなかったので、今後そういう可能性があるというのを気を付けたい」とコメントした。
(密着!狩猟の現場とハンターの矜持)
11月30日、午前6時30分。長野県・東信エリアの集合場所に小誌取材班が到着すると、メンバー全員から〝親方〟と慕われる楢原繁則さん(77歳)にこう忠告された。楢原さんの眼光は鋭く、これから足を踏み入れる場所が、死と隣り合わせの危険地帯であることを痛感させられた。この日行われたのは、クマの「巻き狩り」である。獣を追い込む「セコ」と、それを迎え撃つ「タツマ」とに役割を分けて狩猟に臨む。取材班は二手に分かれ、「セコ」で小諸市農林課に勤務する櫻井優祐さん(40歳)と「タツマ」で団体役員の田中直樹さん(42歳)に密着取材することにした。彼らは、小誌2024年12月号特集「令和のクマ騒動が人間に問うていること」で取材した狩猟グループ「Hunting Team狩顛童子」のメンバーであり、1年ぶりの再会だった。午前7時。気温はマイナス1度だ。メンバーは地図を広げ、それぞれの配置や作戦を入念に確認した後、無線機とGPSを装着して山のふもとへと向かっていった。セコの櫻井さんは、弾の入ったベストと散弾銃、合わせて5キロ・グラムほどの重量を背負い、山へ入ると、私たちに優しく促した。「配置に着くまでの道中、なるべく枝を踏む音を出さないように……。獣たちは普段、居場所が知れてしまうような大きな音を出しません。それと同じです」。この日のセコは3人。まずは山の等高線を読み、「下め」「中間」「高め(尾根筋)」それぞれの配置を目指す。櫻井さんはセコ長として2人をリードし、かつ全体の無線が受信しやすい「高め(尾根筋)」を担当。つまり、急斜面の〝道なき道〟を進まなければならない。両手で枝木をつかんでようやくよじ登れる斜面では腹ばいになった。人間も、野山では「4足歩行」の方が、都合が良いのかもしれない。「場所にもよりますが、頂上までは直線距離で約600メートルから1.5キロ。急斜面を登り上げて、さらにタツマがいる方へ約2キロ(獣たちを)押すので、心が折れそうになる時もありますが、獣の気配がすると血が騒ぎ、疲れを感じなくなるのです」到着した尾根の標高は1300メートル。午前9時過ぎ。タツマを含む13人全員が配置に着いたことを確認すると、等高線上に沿って尾根を歩き始めた。「ううおぉー、うぉい!!」。こだまするほど大きな声を上げると、山の中間からも同じ声が返ってくる。獣を追い込みながら、仲間の位置関係も同時に把握していく。それを繰り返していた時だった。午前11時20分過ぎ。遠くから銃声が聞こえ、無線が飛ぶ。「〝ワラジ〟ゲットです」。ワラジとはクマのことだ。タツマの一人でベテランの山岸修一さん(62歳)がクマを仕留めたという連絡が入ったのだ──。一方、この日のタツマは田中さん含めて7人。午前7時、セコと別れを告げ、タツマとともに険しい山道へと足を踏み入れた。急峻な斜面が延々と続く。周囲を警戒しながら登り始めておよそ1時間後、タツマも3班に分かれた。岩下幸一さん(66歳)と田中さんを追いながら、48歳の記者は、後を歩いた。足元の土は滑りやすく、油断すれば、今すぐにでも転げ落ちそうな急斜面である。傾斜は目測で45度前後だろうか。もはや「登る」というより「這い上がる」感覚に近い。何度も息が荒くなり、全身から汗が噴き出すのを感じていた。午前9時。てっぺん付近に到着した。射撃ポイントを特定すると、田中さんはライフルを取り出し、静かに獣の気配を探り始めた。時折、鳥のさえずりが聞こえるが、周囲は驚くほど静まり返っている。静寂というより「無音」の世界と言っても過言ではない。 否応なく鼓動が高まった。「獣はいつ現れるか予測できず、山の上下左右、全方向に神経を研ぎ澄ませる必要があります。それでも、この音のない世界では、クマやイノシシが近付けばすぐに分かります。『ガサガサッ』という笹や落葉の中を駆けるかすかな音が、この静寂を破って徐々に迫ってきますから」。セコが「動」ならば、タツマは「静」である。じっとその場で、獣が姿を現すその瞬間を待ち続ける。この日の天候は晴れ。だが、山の中の空気は冷たい。記者は軍手を二重にしていたが、指の腹はふやけたようにしわが寄り、感覚が徐々に遠のき始めていた。午前11時20分過ぎ。近くから「バーン」という耳をつんざく数発の銃声が響き渡った。山岸さんがクマを仕留めた瞬間だった──。この日、残念ながら田中さんと記者の前に獣は姿を見せなかった。だが、どこから獣が現れるか分からないという緊張感こそ、狩猟の本質なのかもしれない。急斜面を下山途中、セコ、タツマに同行した記者たちは何度も足を滑らせ、転倒を繰り返した。狩猟の現場がいかに過酷で、特に高齢者には厳しい環境であるかを、身をもって痛感させられた。この仕事は決して簡単にできるものではない。険しい山登りはもちろん、孤独や緊張感に耐え、命と向き合う覚悟もいる。経験や勘も必要だ。ハンターの養成は机上で考えるほど容易ではない。そのことを実感した取材となった。もとの集合場所に戻ったのは午後2時30分過ぎ。全身の筋肉が悲鳴を上げ、立っているのもやっとだった。そんな中、楢原さんが「どうだったか」と、やさしく声をかけてくれた。その瞳は、朝の厳しさとは打って変わって、穏やかだった。同時に、山に向き合うハンターたちへの深い敬意と感謝の念が込み上げてきた。楢原さんのようなベテランたちの高齢化が進む中、次代を担うハンターの養成は待ったなしの課題だ。
(「命がけのボランティア」クマに襲われながらも緊急銃猟で駆除)
2025年に全国で相次いだクマの出没。新潟県も例外ではない。クマの出没件数は12月23日時点で3443件と過去最多を更新し、人身被害は16件に上った。実際にクマに襲われた猟友会の男性を取材すると、まさに命がけで対応している現状とクマ対策の難しさが浮き彫りとなった。今年の漢字にも選ばれた『熊』が猛威を振るった2025年。新潟県内でも各地で目撃情報が相次いだ。11月12日には小千谷市の誇る伝統的な地場産業であるニシキゴイがクマに捕食され、被害に遭った養鯉池の周りにはニシキゴイのうろこなどの残骸が…。相次いだのは、目撃情報だけではない。10月27日、上越市でクマに襲われた男性は「こっちを見た途端いきなり走って襲ってきたので、だいぶ恐ろしかった」と証言。11月9日に新発田市でクマに襲われた男性は「自分で転んだが、その上にクマがバサッと…」と当時の恐怖を語るように25年、クマによる人身被害件数は16件に上った。こうした中、関川村では集落から数百m離れた河川敷で草木を重機を使って踏み倒していく作業が行われるなどクマが人の生活圏に近づくのを防ぐための対策が急ピッチで進められていた。そして、25年9月から運用が始まったのが、市街地でクマが出没した際に自治体の判断で発砲が可能となる“緊急銃猟”だ。10月には阿賀野市にある建設会社の倉庫に居座ったクマに対して実施されるなど、これまでに県内で行われた緊急銃猟は10件以上に上っている。緊急銃猟は自治体からの要請を受けて猟友会が行うが、クマの個体数が増える一方で、猟友会のメンバーは減少しているのが現状だ。「減っているなんてもんじゃない。消滅するわ。絶滅危惧種だ」。こう語気を強めて話すのは、新発田市加治川地区で20歳のときから60年にわたりハンターを続ける奥村勉さんだ。実は奥村さん、11月12日に新発田市二本木の農道でクマに襲われながらも緊急銃猟を実施した人物。当時の状況も細かに話してくれた。新発田市押廻に現れたクマは、竹藪に逃げ込んだのち、二本木の農道へ逃げたという。奥村さんはその農道に逃げたクマを追い、車から降りて猟銃の準備をしていたところ、畔の下から飛び出してきたクマに襲われた。その後、市役所の車に突進されたクマが走って逃げようとしたため、奥村さんは顔や足にケガを負いながらも猟銃を構え、50mほど離れたクマに狙いを定めて発砲。1発目は外れたものの、2発目はクマに命中。クマは弱り、這っていたところをもう一発撃って仕留めたという。「地域の皆さんの安全のために駆除した。それだけじゃないですか」。自分以外にケガ人が出なくてよかったと話す奥村さんだが、「俺らハンターは命がけのボランティア。本当に命がけのボランティア。クマでもイノシシでも」と話す。その命がけのボランティアに従事する加治川地区猟友会のメンバーは、現在わずか6人。人の生活圏で相次ぐクマの出没により、その存在の重要性が増す猟友会だが、その担い手不足は深刻化している。「ガバメントハンターをはじめ、専門人材や捕獲従事者の育成を進めるとともに国が主導してクマの個体数を推定し、増えすぎた地域の個体数を削減する取り組みを進めていく」。11月14日に石原環境相がこう話すように、政府も狩猟免許を有する自治体職員、いわゆる“ガバメントハンター”の育成など捕獲従事者の担い手確保を対策の重点項目に挙げている。ただ、奥村さんはその難しさを語る。「狩猟免許は取得しても有効期限が3年。3年でまた更新しなければならないから、その間に楽しい思い、おもしろい思いをしないとやめるのでは」。猟友会メンバーの高齢化も進む中、いずれは担い手がいなくなるのではないか…。過疎高齢化が進み、不要な果樹の放置などクマが人の生活圏に近づく要因も増える中、その対策の難しさが浮彫となっている。
(クレー射撃の日本王者は元JA職員:佐賀)
有害鳥獣から農作物を守りたいとハンターを夢見た元JA職員が、クレー射撃の日本一に輝いた。競技を始めて7年余り、思わぬ才能の開花に夢は世界へ向かう。岡山県で10月にあった全日本選手権大会で初優勝したのは、佐賀県唐津市出身の井本太輔(だいすけ)さん(34)。散弾銃で約20メートル先の空中に放出される素焼きの皿(クレー、直径11センチ)を狙い、撃つ場所を変えながら命中させるスキート種目を制した。全国から代表選手28人が集い、6人に絞られる決勝へ4番手で進み最後は逆転で頂点に立った。自民党の麻生太郎副総裁ら歴代の五輪選手も制した伝統の大会の76代目の王者となった。中学2年から弓道を始めたという井本さんは、県立唐津西高校と久留米大学(福岡)では弓道部で活躍。2014年春にJAからつ(唐津農業協同組合)に就職し、貯金事業などを担当した。「農家を回る中、イノシシやアライグマの被害に苦しんでいる方を目撃し、何かできることがないかと。ジビエが話題にもなっていて、狩猟の免許を取り、肉や革製品で何かしら貢献できないかと考えた」と振り返る。
(東京のデザイナーから“北海道のハンター女子”に)
熊をはじめ鹿や猪などの獣害が深刻化している。気候変動による食糧不足、猟師不足、里山の過疎化などの逆境の中で、頼もしい女性猟師たちが奮闘中!デザイナーとして働いていた東京でジビエの美味しさに開眼した高野沙月さん。早速狩猟免許を取得し、北海道河東郡上士幌かみしほろ町にJターンしたという。「若い世代のハンターの増加を実感し、業界の慣習に縛られずいろんな選択肢を作ろうと、株式会社Fantを設立したんです」。同社が提供するのは“ハンターと農家”“ハンターと飲食店”を繋ぐマッチングビジネスだ。「鳥獣被害に悩む農家さんや、ジビエを購入したい飲食店が、ハンターに対して駆除やジビエの調達をオーダーできる仕組みです。ジビエは食肉処理施設を経て、店に直接納品されます」。全国600店舗が登録し、1800人のハンターが待機中だ。
(登録者数17万人の“ハンター女子YouTuber”が明かす「獣害対策のシビアな事情」)
「東京で通信系の営業として働いていましたが、精神的に疲れ切った頃、茨城の祖父が亡くなったんです。移住して、畑を継ぐことにしたんですが、猪に落花生を食い荒らされてしまって」。2018年、Nozomiさんは狩猟免許を取り駆除活動を開始。「獣害に苦しむ近隣の皆さんに『ありがとう。怪我しないようにな』と声をかけられ、お役に立てることを嬉しく思います」。彼女がメインとするのはくくり罠。しかし、苦労して獲った猪が流通に乗ることはない。「東日本大震災の原発事故の影響で、茨城の猪肉は今も出荷制限されています。でも、私のYouTube『Nozomi's狩チャンネル』が猟師を志す方の参考になれたら」。
(ヒグマを仕留めた凄腕ママハンターが語る“私が狩猟を続ける理由”)
北海道上川郡当麻とうま町の福山萌子さんは凄腕のハンターだ。年に200頭のエゾ鹿を撃ちヒグマを仕留めた経験もあるという。「毎日見回っていると鹿の動きが予想できるようになるんです。でも、全部撃ったら警戒されるので、駆け引きしつつ」。狩猟が解禁される冬は道内各地へ、春から秋は地域の農家の依頼を受けて駆除に尽力する。「実は私が狩猟免許を取ったのはジビエ好きの夫に頼まれたから(笑)。私の子供たちもジビエが大好きで、今では私が育てた有機野菜とともに鹿肉を当麻小学校の給食用に納品しています」。駆除された鳥獣が有機野菜とともに食卓に並ぶことで、命のバトンが繋がれていく。
(“奈良のハンター姉妹”のジビエ肉が愛好家を虜にするワケ)
「ジビエ肉は鮮度が第一」。全国のジビエ愛好者を唸らせているのが奈良県吉野郡十津川とつかわ村の中垣夏紀さん、十秋さん姉妹だ。「私たちは鹿や猪を山で殺さず、生捕りにして、私たちの食肉処理施設に運びます。衛生管理の整った場所で処理から血抜き、内臓摘出まで10分以内。肉に臭みは一切ありません」(夏紀さん)。ジビエレストラン「まると」を開業したのは2022年。同店は会員制(募集停止中)だが、奈良市の「じびえ井田」で姉妹のジビエ肉を堪能できる(金土のみ。要予約)。「農作物被害を抑えるために猪や鹿をお肉にした過程など、ジビエの背景を伝えたい」(十秋さん)との思いが強く、姉妹もカウンターに立つ。
(昨年同時期の倍以上、軽井沢のクマ目撃170件:長野)
軽井沢町は12月25日、「有害鳥獣被害予防対策協議会」を開き、今年度のクマやニホンザル、シカなど野生鳥獣による被害状況や対策の現状について、関係機関が報告し、情報を共有した。被害報告によると、4~11月のクマの目撃情報は170件に上り、昨年同時期(83件)の倍以上となった。過去20年の集計データと比べても高水準で、目撃場所は千ヶ滝西区、中区、愛宕山、離山、南ヶ丘、レイクニュータウン、借宿、三ツ石など、町内全域に及んだ。クマによる被害情報は10件報告され、そのうち国有林内での人身事故が2件あった。5月3日には、三ツ石の国有林で山菜採りをしていた男性が、親子グマの冬眠穴付近で軽傷を負った。6月3日夕方には、追分の国有林で犬の散歩中にクマと鉢合わせした夫妻が負傷した。捕獲は25件で、南ヶ丘や南原の別荘地にとどまり、養蜂箱を繰り返し荒らした1頭については「危険」と判断し、8月に駆除したという。軽井沢町はクマ対策をNPO法人ピッキオに委託している。捕獲したクマに発信機を装着し、行動を把握した上で、人に対する危険度を5段階で評価。出没エリアなどと照らし合わせ、関係機関と協議し個体ごとの対応を決めている。発信機をつけた個体は、現在48頭いるという。この日、報告したピッキオの玉谷宏夫さんは「街なかに出没したクマすべてを駆除対象にするのではなく、問題の程度を正確に把握し、適切に対応するのが軽井沢町ならではのやり方。この取り組みには誇りを持ってよいと思う」と話した。
(仙台市内でクマの目撃相次ぐ:宮城)
警察によりますと26日午後9時頃、仙台市宮城野区原町3丁目の梅田川の土手沿いを歩くクマを通りがかった人が見つけました。その1時間後には、仙台市青葉区上杉6丁目の梅田川の用水路で、さらにその50分後にはあけぼの町の梅田川を移動するクマが目撃され、27日朝までに市内5か所から情報が寄せられています。特に宮城野区では今週クマの目撃が相次いでいて、警察は同一個体が梅田川を伝い移動している可能性もあるとして注意を呼びかけています。
(線路脇で同一個体とみられるクマの死骸見つかる:静岡)
12月、クマの目撃情報があった静岡・掛川市で、29日午前、クマ1頭の死骸が見つかりました。掛川市によりますと、12月29日、午前10時半ごろ、市内満水のJR東海道線の線路脇でクマ1頭の死骸が見つかりました。体長1メートル余りで、猟友会によりますと電車に接触したとみられるということです。掛川市では、12月24日に市内で目撃されたクマと同一個体とみていますが、念のため、周辺住民には引き続き注意するよう呼びかけています。
(「見回り減らせるわな」でイノシシ捕獲、ジビエも:熊本)
熊本県宇城市で、イノシシなど農業に大きな被害をもたらす害獣の駆除に自ら挑む農家のハンターが注目されている。若手農家らの有志団体で、見回りを減らせる仕組みを備えた箱わなを導入。捕獲後にハムに加工するなどの事業を手掛ける企業も設立しており、被害の抑制やジビエ(野生鳥獣肉)ブランドの確立に取り組んでいる。
(イノシシ処理の受け入れ、ジビエ業者が再開:鳥取)
豚熱(CSF)の感染拡大を受けた鳥取県東部の獣肉解体処理施設のイノシシの受け入れ停止で捕獲頭数が激減していた問題を巡り、若桜町の民間事業者が鳥取県の認可を受けて12月から受け入れを再開した。
(ジビエへの情熱生かし進むは「けものみち」:岐阜)
八百津町に新たなジビエ(野生鳥獣肉)の解体処理施設がオープンした。キャンピングカー製造大手のトイファクトリー(可児市)の元社員が経営する。「ジビエとキャンピングカーは似ている」。これまでの仕事の経験とジビエへの情熱を生かして、険しくも未来へ続く“獣道”を歩んでいる。会社名は「けものみち」。可茂、中濃、東濃地域で捕獲されたイノシシやシカなどを受け入れ、スライス肉や犬用ジャーキーを作る。瑞浪市の事業者と連携して、ソーセージやベーコンといった商品も製造。店頭やECサイト、イベント出店で販売している。
(「房総ジビエフェア2026」参加者・参加店募集:千葉)
「食べてまもろう、ちばの里山」千葉県内で捕獲され、県内の食肉処理加工施設で適切に処理・加工されたイノシシやシカの肉(以下「房総ジビエ」)を活用したコンテストならびにフェアの参加者・参加店を募集します。
(イノシシやシカ肉をおいしいひと皿に、県内60店でジビエフェア:富山)
野生のシカ、イノシシなどの肉を味わえる「とやまジビエフェア」が富山県内で開かれている。60の飲食店がそれぞれ「イノシシのパスタ」や「シカの煮込みハンバーグ」といったメニューを用意する。来年2月末まで。捕獲した野生鳥獣の食肉を活用しようと、県が企画。県農村振興課によると、シカやイノシシの狩猟期間にあたる11月~翌年3月ごろに毎年開いている。2023年度の参加は30店だったが、2年で2倍になったという。各店は「鴨(かも)のくんせい」「熊肉のシチュー」など趣向を凝らしたメニューを提供。フェア期間中しか食べられないひと皿もある。県の担当者は「多くの人にジビエのおいしさを知ってもらい、消費の拡大につなげたい」と話す。
(ジビエ普及へ、県内外の自治体と連携強化:長野)
一般社団法人日本ジビエ振興協会は、ジビエ(野生鳥獣の食肉)の普及を目指して県内外の自治体と連携を強化している。長野県の茅野市内でフランス料理店のオーナーシェフを務める藤木徳彦・同協会代表理事は今年度、福島県西会津町のアドバイザーに就任。ジビエ普及や食肉処理施設の建設に向けて協力している。同協会のジビエde地方創生プロジェクトの一環。有害鳥獣対策を「被害防止」から「資源活用」と捉え、地域の食文化として振興を図る。よりおいしく安全にジビエの普及を目指す。鹿やイノシシなどの出没に悩み、食肉処理施設建設を検討している西会津町との連携では、今年9月以降3回にわたり同町を訪問。飲食店対象にジビエに理解を求める講習会などを実施した。12月中旬には西会津町の視察を受け入れ、薄友喜町長や農林振興課の職員ら4人を2泊3日で茅野市や富士見町、原村などを訪問した。食肉処理施設を持つ信州富士見高原ファームではスタッフの戸井口裕貴さんらと意見交換。薄町長は「ジビエを特産化できないかと考えている」とし、管理運営の主体をどうするかなどが課題とした。視察ではクラフトビールを造るエイトピークス(茅野市)、ワイン醸造の八ケ岳はらむらワイナリーなども訪問。移住者の増加につながる地域づくりの参考にしてもらった。日本ジビエ振興協会は12年に発足し、16年に一般社団法人化。藤木代表理事によると現在鹿児島県や山口県、神奈川県内の自治体と連携について協議しているとし、「ジビエをどう地域資源として活用するかが重要」と指摘している。
(ジビエセンターが「農山漁村の宝」地域奨励賞:広島)
広島市安佐北区でジビエ(野生鳥獣肉)の加工処理と販売を手がける白木ジビエセンター・ももんしやが中国四国農政局の2025年度「ディスカバー農山漁村の宝(むらのたから)」の地方奨励賞に選ばれた。捕獲後に多くが捨てられていたシカやイノシシなどを地域資源につなげたと評価された。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後2時40分ごろ、仙台市泉区松陵3丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
白石市によると、28日午後6時35分ごろ、白石市郡山上関下にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前6時30分ごろ、仙台市宮城野区東仙台1丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後9時ごろ、仙台市泉区上谷刈古堤にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前0時50分ごろ、仙台市青葉区東勝山3丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前3時30分ごろ、仙台市泉区長命ケ丘4丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後10時50分ごろ、仙台市青葉区あけぼの町にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後10時ごろ、仙台市青葉区上杉6丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後9時ごろ、仙台市宮城野区原町3丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
色麻町によると、26日午後4時20分ごろ、色麻町四竃穴堰にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前3時20分ごろ、仙台市青葉区台原4丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前0時ごろ、仙台市宮城野区幸町4丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、26日午前8時ごろ、南三陸町歌津白山にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後11時30分ごろ、仙台市宮城野区幸町4丁目にクマが出没しました。
TOPへ
12/26
(「山に仕掛けた罠を探しに行く」、94歳の男性が行方不明:岡山)
おととい(23日)岡山県津山市と美咲町にまたがる山で94歳の男性が行方不明になったということです。行方が分からなくなっているのは津山市中原の岸本和夫さん(94)です。警察によりますと、岸本さんは今月23日午後0時半ごろ、家族に「山に仕掛けたイノシシ罠を探しに行く」と言い、自宅から自家用車で外出して以降、行方不明になっているということです。23日午後6時15分ごろ、岸本さんの家族から依頼を受けた知人男性(72)から110番通報を受けた警察が、消防団や猟友会の協力を得て、連日山道などの捜索を行っていますが、岸本さんの発見には至っていないということです。きょう(25日)も午前8時半から24人態勢で捜索を行っています。岸本さんの車は、津山市金井の山道入り口付近で見つかっているということです。岸本さんは身長165センチ位、中肉で短髪白髪交じり、上下黄土色の作業服、青色キャップ帽に眼鏡をかけているということです。
(イノシシ捕獲作業中に襲われ、60代男性けが:佐賀)
23日午前7時45分ごろ、伊万里市瀬戸町の山林で、市内の60代の農業男性がわなにかかっていたイノシシ1頭の捕獲作業をしていたところ、イノシシから左足などをかまれてけがを負った。イノシシは山中へ逃げた。男性は1人で自宅まで戻り、家族が119番して救急搬送された。同署によると、イノシシは体長約1・5メートル。男性は有害鳥獣捕獲従事者で、同日午前7時15分ごろ、ワイヤを使って仕掛ける「くくりわな」に1頭がかかっているのを見つけた。イノシシはワイヤを切り、男性の左の大腿(だいたい)部とふくらはぎにかみついて逃げたという。
(砂川猟銃免許取り消し問題、ハンター敗訴の2審判決が見直される可能性も:北海道)
北海道砂川市のハンターの男性が猟銃を所持する許可を取り消されたのは違法だとして道を訴えた裁判で、最高裁が2026年2月に弁論を開くことを決めました。取り消しを認めた2審の判断が見直される可能性があります。砂川市のハンター・池上治男さんは2018年、ヒグマ駆除のため発砲したところ、周辺の民家に銃弾が当たる恐れがあったことを理由に銃の所持許可が取り消されたのは不当だとして、道に処分の撤回を求めています。1審の札幌地裁は池上さんの訴えを認めましたが、2審の札幌高裁は一転、処分は適法だとして池上さんを逆転敗訴としました。池上さんは上告していましたが、最高裁は12月22日、2026年2月27日に当事者双方から意見をきく弁論を開くことを決めました。最高裁が、結論を変えるのに必要な手続きである弁論を開くことを決めたことから、池上さんが敗訴した判決が見直される可能性があります。
(砂川猟銃訴訟、上告審費用募るCF開始:北海道)
猟銃の所持許可取り消し処分を巡る行政訴訟の上告審で、最高裁が二審の結論を変更する際に必要となる弁論を来年2月に開くと決めたことを受け、原告で北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(76)が23日、札幌市内で記者会見を開いた。取り消し処分を妥当とした札幌高裁判決が「全国のハンターの足かせになっている」とし、破棄を求めた。また、上告審の旅費などを募るクラウドファンディング(CF)を開始したことを明らかにした。
(住宅に向け誤発砲か、50代猟友会男性を書類送検:山梨)
今年4月に山梨県大月市の住宅内で猟銃用の弾丸が見つかった問題で、警察は狩猟中に誤って発砲した疑いが強まったとして、猟友会の50代の男性を書類送検しました。この問題は今年4月、大月市猿橋町の住宅の天井裏から猟銃用の弾丸1発が見つかり、窓ガラスや壁に弾痕が残されていたものです。捜査関係者によりますと、その後の調べで、当時、住宅の周辺で県内の猟友会に所属する大月市の50代の男性が狩猟をしていたことが判明。男性が猟銃を向けた方向の十分な確認を怠り、住宅がある方へ誤って発砲した疑いが強まったなどとして、銃刀法違反と火薬類取締法違反、鳥獣保護法違反の3つの容疑で今月5日に書類送検したことが分かりました。警察の調べに対し、男性は「家があるとは分からなかったが、その場所で発砲したことは間違いない」などと、容疑を認めているということです。
(警察のライフル銃でのクマ駆除の派遣終了へ、駆除はゼロ)
警察庁は25日、岩手、秋田両県での警察官によるライフル銃でのクマ駆除について、他の都道府県警からの派遣を26日で終了すると発表した。27日からは地元県警のみで対応する。約1カ月半の派遣期間中、駆除したケースはなかった。ライフル銃でクマを駆除できるように国家公安委員会規則が改正され、11月13日から任務が可能になっていた。駆除チームの出動は1件で、同18日の岩手県岩泉町でクマ2頭が出没した現場だった。警察庁によると、自治体判断で発砲する「緊急銃猟」の態勢の整備が進み、クマの出没件数も減少。地元県警が2チームずつで任務を担う態勢が整ったことから、派遣は終了するとしている。
(イノシシの豚熱感染を確認:岡山)
岡山県美咲町と玉野市で、捕獲した野生イノシシから豚熱ウイルスの感染が確認されました。玉野市での確認は初めてです。感染が確認されたイノシシは、12月17日(美咲町)と、同月18日(玉野市)に捕獲されました。12月23日、岡山家畜保健衛生所の遺伝子検査で陽性と判明しました。岡山県猟友会は、捕獲イノシシの一部の血液を、家畜保健衛生所に送り検査をしています。岡山県では、2024年2月に豚熱を初確認。今回を含め感染確認は69例となりました。家畜の豚で感染は確認されておらず、これまでの確認例は全て野生イノシシです。 岡山県畜産課は、県内23の養豚場に対し、豚に異常があった場合は速やかに通報することや、畜舎への野生動物の侵入防止措置をとることなど、注意喚起をしています。また、豚熱は、人に感染することはないとした上で、生産者・消費者の双方に冷静な対応を呼び掛けています。
(野生イノシシの豚熱、県内で133例に:佐賀)
野生イノシシの豚熱(CSF)について、佐賀県は24日、小城市で初めて確認されたと発表した。県によると22日、同市小城町栗原で、住民が野生イノシシ1頭が死んでいるのを発見。23日に陽性が確認された。同日、嬉野市と唐津市で見つかった個体の陽性も確認され、県内の野生イノシシのCSFは計133例となった。
(野生イノシシが豚熱感染、県内8例目:鹿児島)
ブタやイノシシがかかると致死率の高い豚熱で、新たな感染です。鹿児島県は、霧島市で見つかった死んだ野生のイノシシ1匹が、新たに感染していたと発表しました。県内8例目です。県によりますと、霧島市で今月18日、死んだ野生のイノシシ1匹が見つかり、遺伝子検査の結果、23日、豚熱に感染していたと発表しました。鹿児島県内で野生イノシシの豚熱感染が確認されたのは8例目です。今回は、先月に見つかった1例目から南におよそ2.5キロ離れた山あいの民家の近くで見つかりました。これまでのところ、周辺の養豚場で異常は確認されていないということです。県は感染の拡大を防ぐため、引き続き、豚舎の柵の点検・修繕や豚舎周辺の消毒など、対策の徹底を呼びかけています。
(シカ急増、県内4年で4倍1万1600頭:福島)
福島県は24日、県内に生息するニホンジカの推定頭数が約1万1600頭に上り、2020年からの4年間で約4倍に急増したとの調査結果を明らかにした。遊休農地の増加や温暖化などによる生息域拡大が要因とみられ、農作物や生態系への影響が懸念されている。県は来年度から、年間の捕獲目標を倍増させるなど対策を強化し、急増に歯止めをかけたい考えだ。県庁で開いた県野生鳥獣保護管理検討会ニホンジカ部会で示した。県が20年秋に行った調査では、県内の生息数は推計約3100頭にとどまっていた。県によると、遊休農地の増加で餌が豊富になるなどニホンジカは「急増期」に入っている。積雪量の減少で行動範囲も拡大し、生息域も南会津中心から浜通りなど県内全域に広がっている。ニホンジカによる稲や牧草などの食害は年数百万円に上るほか、希少な植物が食べられるなど生態系にも影響が出ているという。このため県は近年、ニホンジカの捕獲を強化。21~23年度の年間捕獲数は現行のニホンジカ管理計画の目標(1400頭以上)を上回る2千頭前後で推移し、24年度は3472頭に上った。しかし、増加に歯止めはかかっておらず、来年度からの次期管理計画では捕獲目標を現在の2倍超となる年間3500頭以上に設定。さらに生息密度に応じて3種類ある管理区域を5種類に再編、新たに区域ごとの捕獲目標も設ける方針だ。最も生息密度の高い南会津地域は「重点管理エリア」とし、年間2200頭以上の捕獲を目指す。ただ、県内は狩猟者の不足や高齢化が課題で、捕獲頭数を増やすのは容易ではなくなっている。次期計画案では狩猟者の確保や育成の取り組みも明記。シカを自動検知できるセンサーカメラの導入などで生息数・捕獲数に関するデータを収集・分析し、対策の効率化を図ることも盛り込んだ。このままニホンジカの急増が続けば、食害で山肌がむき出しになり災害の危険性が高まったり、木の皮が食べられることによって林業に影響が出たりする事態も懸念される。県は「対策によってニホンジカの急増を食い止め、農業被害や生態系への影響を最小限に抑えたい」(自然保護課)としている。
(クマが箱わなに入ったらLINEで通知するシステム開発:秋田)
「オール秋田」で自治体や猟友会の負担軽減をめざします。クマが箱わなに入った際にLINEで通知が届くシステムが開発されました。開発されたのは「汎用型クマ箱わなセンサー」と「LINE通知システムソリューション」通称BAL(ビーエーエル)です。箱わなを製造している北日本鉄工やシステム開発を手がけるアキタネットなどがタッグを組んで作り上げました。LINEの公式アカウントを友だち登録し受信設定で市町村などの地域を選択すると、その場所に設置した箱わなの扉が閉まった時にセンサーが振動を検知してGPSの位置情報とともに通知が届く仕組みです。バッテリー式のセンサーは捕獲の回数などによって寿命が異なりますが、最短でも1カ月ほど交換が不要です。猟友会の負担軽減にもつながると期待されます。自治体や猟友会向けに運用される予定のこのシステムは、秋田県内の自治体から実証実験の希望を募っていて、来年=2026年春の製品化を目指すということです。
(「公務員ハンター」の募集開始:秋田)
秋田市は、クマ被害防止対策として「公務員ハンター」の募集を開始しました。市の任期付き正職員として有害鳥獣の駆除などを担います。「公務員ハンター」は、狩猟の免許や専門知識を持つ自治体職員で、市町村の判断により市街地で銃を使ってクマを駆除する緊急銃猟などで大きな役割を果たすことが期待されています。秋田市は、12月23日から「公務員ハンター」の募集を開始しました。市によりますと、わな猟免許と第一種銃猟免許を持ち、銃砲所持の許可を受けていることが応募の条件です。任期は2026年4月1日から2029年3月31日までの3年間で、クマをはじめとする有害鳥獣の駆除や被害状況の調査、被害防止に向けた農家などへの指導業務を担います。募集期間は2026年1月30日までで、市のホームページで受け付けています。
(クマの市街地出没に備え“緊急猟銃”シミュレーション訓練:和歌山)
和歌山県田辺市では、市街地にクマが出没した場合、一定の条件下で銃を使って捕獲できる「緊急猟銃」のシミュレーション訓練が行われました。今回の訓練は和歌山県と田辺市が合同で実施し、警察や消防、地元の猟友会などが参加しました。今年9月、相次ぐクマによる被害を受け改正法が施行され、人の生活圏にクマなどが出没した場合、一定の条件を満たせば、市長・村長の判断で銃による捕獲が可能になりました。訓練では、実際に市街地にクマが出没したという想定でモニターをクマに見立て、猟友会のメンバーが模擬銃を使って狙撃位置を確認したり、盾を持った警察官を配置するなどして、安全確保の手順を入念に確かめたりしました。
(クマ緊急銃猟、マニュアル作成:福井)
大野市は22日、市街地に出没したクマなどを自治体判断で駆除する「緊急銃猟」のマニュアルを作成し、既存のクマ出没対応マニュアルに反映させたと発表した。マニュアルの作成と更新は11月20日付。市農業林業振興課では、「実施地域周辺の交通規制や、市民の皆さまに屋外避難などをお願いする場合がある」と協力を求めた。緊急銃猟マニュアルでは、実施権限を市長から地域経済部長に、部長不在時には農業林業振興課長に委任するとした。捕獲は実施隊(県猟友会大野支部・和泉支部)に委託。現場の手順としては、実施計画に基づいて住民の安全を確保、捕獲者の要件などをチェックリストで確認し、捕獲者に証票(ゼッケン)を渡す。
(クマ出没緊急事態宣言を終了、目撃情報が大幅に減少:宮城)
宮城県大崎市は、クマの目撃情報が大幅に減少したことから約2カ月続いていたクマ出没緊急事態宣言を終了することを決めました。大崎市では23日に3回目のクマ被害対策本部会議が開催され、クマの目撃情報は10月をピークに11月中旬以降は減少傾向にあることなどが報告されました。そしてクマの被害が発生する恐れが大幅に減少したとして、10月28日に出されていたクマ出没緊急事態宣言の終了が決められました。伊藤康志大崎市長「クマ対策はこれからの行政の大きな仕事になっていくので、引き続き注意喚起していきたいと思う」。大崎市は今後、クマを引き寄せる原因となっている約1700本の柿や栗の木を伐採します。
(駆除を妨害する危険行為に地元猟友会が困惑「再三警告してるのに」:福岡)
深夜、福岡県の山中で、有害鳥獣駆除のために設置した「箱ワナ」の防犯カメラが捉えた恐怖映像のような動画がX(旧Twitter)に投稿され、大きな注目を集めた。「箱罠のドアをパクられ続けたので『カメラ撮影中』とデカデカと看板もかけたのに撮ってないと思ったんかな?再三警告したのに、何を考えてるん?マジで迷惑なんやけど(怒)。夜中やで…おかしいんか?最初に見た時はリアルに恐怖映像やったんやけど」。映像と共に窮状を投稿したのは、地元の猟友会のメンバー、とある県下の猟友会 (@k_f_ryoyukai)さん。実は以前から何度も「箱ワナ」の扉を盗まれる被害に遭っていたという。そこで、警告文と共に防犯カメラを設置。しかし、カメラ設置後も何度も被害を受けており、頭を悩ませていたそうだ。そして今回カメラに映っていたのが、「深夜」に「冬季の山中」に「薄着」で立ち入り、設置されていた「箱ワナ」の扉を蹴り落として駆除を妨害する不審な人物。行政と共に行なっていた「有害鳥獣駆除」に対する妨害行為である上、深夜、冬の山中に十分な装備もなく立ち入るという、あまりにも危険で非常識な行為に驚いたという。設置されていた「箱ワナ」について詳しく伺ったところ、「鹿、イノシシ、アナグマが対象の有害鳥獣駆除の罠です」と、とある県下の猟友会さん。東北地方を中心に、全国で相次ぐ「熊被害」における駆除について、自治体や猟友会に対して嫌がらせや迷惑行為を行うクレーマーが問題視されている。だが、福岡県を含む九州地方には現在、「熊(ツキノワグマ)」は生息していない。「罠や狩猟については、さまざまな意見があると思います。生き物の命を奪う行為であるのは間違いない事実です。だからこそ、なぜ有害鳥獣駆除が必要なのか?自分には出来るのか?ということを自問自答した後、一度猟師になってみられることを強く勧めます。その上で、自分には合わない、猟師にならない、という判断も立派なご決断です。中途半端な気持ちで猟師になると鳥獣にとっても自分にとっても最悪な結果しか生みません」(とある県下の猟友会さん)。今回動画に映っていた「薄着の痩せた人物」については、以前の防犯カメラに映っていた「扉を盗んだ人物」とは別の人間だという。「今回初めて映った人物です。女性に見えますが、腰にパーカーのようなものを巻いている男性のようです」(ある県下の猟友会さん)。ネット上には、「愛護がとうとう駆除の妨害活動を始めた模様」「場所的に服装もおかしいし、何者で何がしたいんだよ」「完全に一線を超えてる。反ワクがワクチン入ってる冷蔵庫のコンセントを抜いて回ってた行為と同じものを感じる」といった非難の声が多く寄せられた。「我々も意図が理解できなくて困っています。何かお考えがあるなら、箱ワナには設置した者の連絡先も明記されていますので、ご連絡をいただければ話し合いもできたのですが、この様な行動に出られたことは残念でなりません」(とある県下の猟友会さん)。
(危険が伴う夜間のクマ・シカの行動把握などをドローンで:北海道)
全国でクマなど動物の被害が相次ぐ中、ドローンを使い動物の行動などを把握する実験が行われました。光の照射など蛍光色を放つドローン。クマやシカが活発に動く夜に、ドローンから光を放って動物たちがどのように行動するのかなどの実証実験が十勝の更別村で行われました。夜に人が動物を追うのは危険が伴うことから、安全に動物の行動を確認する手段が求められていました。AIRSTAGE帯広店産業課柳原雅俊技術課長:「除雪されていない部分まで足を運ぶとなると、結構大変になりますので、遠方でも対応・対策ができるような部分で、ドローンが使えるようになると、非常に便利になるのかなと思います」。実験を行った企業は光を放った時に動物たちがどのような行動をとるか、どのような光が効果的かなど実験を重ね「ドローンと光を組み合わせることで、安全で実用的な対策手法として確立させたい」としています。
(離島のイノシシ被害対策にドローン×赤外線技術を活用:香川)
一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山県岡山市、代表理事:森本宏治)は、株式会社キンシュウ(山口県岩国市、代表取締役:有國秀賴)、株式会社ビットコミュニケーションズ(香川県高松市、代表取締役:川西健雄)との共催により、2025年12月16日~17日の2日間、香川県高松市の男木島において、ドローンと赤外線カメラを活用したイノシシ生態調査を実施しました。本調査では、ドローン自動離着陸ステーション「DJI Dock3」と赤外線カメラ搭載機「Matrice 4TD」を使用し、約1時間ごとの定期自動飛行により、イノシシの活動状況を昼夜問わず記録することに成功しました。今後はAIによる画像自動判定システムへの発展を視野に入れ、離島や中山間地域における獣害対策の新たなモデル構築を目指します。
(土砂災害引き起こすシカ、森林の保水力奪う:滋賀)
2025年のクマ被害は過去最悪のペースで拡大し、「災害級」とまで言われた。一方で、実際に自然災害を引き起こした野生動物もいる。大きな瞳に、すらりとした長い脚の持ち主。ギリシャや日本の神話で「神の使い」「聖獣」とあがめられる、あの動物だ。24年7月1日朝、滋賀・岐阜両県にまたがる伊吹山の斜面が雨で崩落した。ふもとの滋賀県米原市では、民家数軒と県道に土砂が流れ込んだ。一報を聞き、現場に駆けつけた石川芳治・東京農工大名誉教授(砂防学)は、道路にあふれる土や石を目にして肩を落とした。「嫌な予感が当たってしまった」。1年前の23年7月にも、伊吹山では雨による登山道の崩落が起きていた。翌月から調査を始めた石川さんは、山の状態から、「強い雨が降れば、下流での土砂災害につながる可能性がある」と危惧していたのだ。
(クマの餌となる果樹の伐採作業始まる:宮城)
人の生活圏へのクマの出没を防ぐため、宮城県栗原市ではクマの餌となるカキの木などの伐採作業を22日から始めました。伐採作業が行われたのは、栗原市一迫にある川内地区で、住宅にあるカキの木4本を市から委託を受けた業者が伐採しました。栗原市内では2025年10月、キノコ採りをしていた75歳の女性がクマに襲われ死亡し、別の70代の女性が行方不明になるなどクマによる人的被害が出ています。このため市ではクマの餌となるカキやクリの木の無償での伐採を住民から受け付けています。この地区では2025年、クマ10頭がわなで捕獲されていて、カキを食べている姿も目撃されていることから、住民からは安堵の声が聞かれました。佐藤智・栗原市長:「人の住んでいる所にクマが出てこないよう木を伐採する。将来的には国や県と調整しながらクマの頭数も調整すべきと思っている」。栗原市には約8000本の伐採依頼が寄せられていて、2025年度中に270本を伐採することにしています。
(獣害対策で腕磨く、若手ハンター向けに射撃研修:北海道)
知内町鳥獣被害防止対策協議会は21日、今年度の大型獣類捕獲射撃技術向上研修会を、ライフルや散弾銃などを販売する「ノースマン」(函館市亀田中野町)で開いた。道南の狩猟従事者7人が参加し、銃の管理や模擬実践射撃を通して技術向上に励んだ。研修会は、エゾシカやヒグマの捕獲に必要な知識や射撃技術を持つベテランハンターの高齢化などで技術の継承が進まない状況から、技術の向上などを目的に開催。大型獣類の捕獲従事経験が3年以内の、経験の浅いハンターが対象で、木古内、知内、福島、松前の4町が協力した。この日は、有害鳥獣の捕獲などを行うノースランドレンジャー(函館)のハンターが講師を務め、安全管理や技術指導を行った。銃の暴発を防ぐための安全確認の講座では、講師の山下慎吾さんが、弾丸の装填などを行うボルトと呼ばれる部分に、弾丸が残ってないかを声出し確認することを徹底するよう指導した。このほか、基本的な狩猟のルールや照準器の調整を行うを方法を学んだ。模擬実践射撃では、同店の室内射撃場で捕獲現場を想定し、50メートル先に設置した的に向かって発砲する訓練を実施。参加者が正確に照準を合わせる方法や射撃の際の体制などを学んだ。参加した捕獲従事経験2年、知内町、中村俊太さん(25)は「講師に教えてもらいながら打つ機会がなかったので良い経験になった」とした上で「今年はクマの出没が多く、ベテランハンターに負担がかかる状況だったので、いち早く戦力になれるようなりたい」と話した。
(獣害対策で腕磨く、若手ハンター向けに射撃研修:北海道)
知内町鳥獣被害防止対策協議会は21日、今年度の大型獣類捕獲射撃技術向上研修会を、ライフルや散弾銃などを販売する「ノースマン」(函館市亀田中野町)で開いた。道南の狩猟従事者7人が参加し、銃の管理や模擬実践射撃を通して技術向上に励んだ。研修会は、エゾシカやヒグマの捕獲に必要な知識や射撃技術を持つベテランハンターの高齢化などで技術の継承が進まない状況から、技術の向上などを目的に開催。大型獣類の捕獲従事経験が3年以内の、経験の浅いハンターが対象で、木古内、知内、福島、松前の4町が協力した。この日は、有害鳥獣の捕獲などを行うノースランドレンジャー(函館)のハンターが講師を務め、安全管理や技術指導を行った。銃の暴発を防ぐための安全確認の講座では、講師の山下慎吾さんが、弾丸の装填などを行うボルトと呼ばれる部分に、弾丸が残ってないかを声出し確認することを徹底するよう指導した。このほか、基本的な狩猟のルールや照準器の調整を行うを方法を学んだ。模擬実践射撃では、同店の室内射撃場で捕獲現場を想定し、50メートル先に設置した的に向かって発砲する訓練を実施。参加者が正確に照準を合わせる方法や射撃の際の体制などを学んだ。参加した捕獲従事経験2年、知内町、中村俊太さん(25)は「講師に教えてもらいながら打つ機会がなかったので良い経験になった」とした上で「今年はクマの出没が多く、ベテランハンターに負担がかかる状況だったので、いち早く戦力になれるようなりたい」と話した。
(女性のための狩猟体験ツアー:石川)
県内の狩猟者が高齢化する中で新たな担い手を確保しようと、県は女性を対象にした魅力体験ツアーを白山市などで開いた。県内に住む10~60代の計約30人が参加し、安全な狩猟方法や楽しさを学んだ。ツアーは13、20の両日に開催。全国の女性狩猟者でつくる「狩女の会」の代表福岡富士子さん(55)=能美市=が狩猟免許を取得する心構えや、猟に出る際の注意点を経験談を交えながら紹介した。イノシシの革を使ってキーホルダーなどを作る革細工体験、クマやシカの肉を使った調理実習、獣肉処理施設の見学などもあり、狩猟後の皮や肉の活用方法を学んだ。
(学生やハンターが島の「囲い罠」見学:長崎)
全国的にはクマによる被害が報告されていますが、長崎県五島市ではシカやイノシシによる被害が急増しています。ジビエとしての利用などを考えるツアーが、このほど(14日)開かれました。畜産を学ぶ大学生やハンターなど10人が向かったのは、五島市玉之浦町の島山島(しまやまじま)に設置されている囲い罠です。この島には、数多くの野生のシカが生息しています。五島市では2024年度、イノシシによる農作物の被害額が約870万円、シカによる被害額が290万円でしたが、2025年度は10月末時点でイノシシ被害がおよそ900万円、シカ被害がおよそ110万円へと増えています。このツアーは、ジビエ料理など資源としての利用も始まるなか、野生生物と人間の共生を考える場にと、五島市が企画しました。参加者は、それぞれの地域の取り組みを紹介しあっていました。
(狩猟免許保持者増加策など検討へ:新潟)
クマやイノシシ、サルなどの出没が相次ぐ中、三条市は22日、猟友会へのコスト面の支援強化や、市職員を含めた狩猟免許保持者の増加策を検討する方針を示した。解体場所の設置についても猟友会などと相談していく考えだ。市役所で22日に県猟友会三条支部と三条市の意見交換会があった。猟友会からは渡邉英男支部長らが出席し、自治体の判断でクマへの発砲を可能とする緊急銃猟について、これまで三条ではなかったが「突如あるかもしれない」と指摘。普段から練習が必要となるほか、緊急銃猟に対応可能な会員が少数にとどまるなど課題を挙げた。また、現在はない専用の解体施設を市内に設けるよう求めた。
(弾も「値上がり」猟友会は「高齢化」クマの出没は前年度比6.5倍に:新潟)
新潟県内でクマの出没件数が過去最多となるなか、三条市と猟友会との意見交換会が22日に開かれました。【三条市 滝沢亮市長】「鳥獣害対策については、本当に市政の最優先課題、最重要項目のひとつ…」。三条市の滝沢亮市長らと意見を交わしたのは、新潟県県猟友会三条支部のメンバーです。2025年、三条市では住宅地でのクマの目撃が相次いでいて、寄せられた出没情報は142件に。前年度の1年間と比べてすでに6.5倍となっています。【新潟県猟友会 三条支部 渡邉英男支部長】「三条支部として、メンバーの平均年齢が65歳。新しい担い手、狩猟者の確保というのが、喫緊の課題なのではないか」。三条支部のメンバー88人のうちおよそ半数が70歳以上だということで、猟友会からは、人材の育成が急務となっていることや、猟に使う弾の値上がりが負担になっていることなどが課題として挙げられました。
(弁護士が狩猟免許、「法律面からハンター守りたい」思いも:北海道)
法テラス江差法律事務所の川口智博弁護士(47)は今月、函館で行われた狩猟免許試験に合格し、第1種銃猟、わな猟、網猟の3種の狩猟免許を取得した。檜山で唯一の法律事務所に着任して2年たち、身近な市街地へのクマ出没急増をみて免許取得を決意したといい、「法律家の立場から、わな猟などで協力できれば」と意気込みを新たにしている。
(クマ対策で電気柵を設置、露天風呂の営業を再開:岩手)
盛岡市下田の温泉宿泊施設ユートランド姫神(桜司支配人)は20日、クマの目撃情報を受けて休止していた露天風呂の営業を再開した。外周に電気柵を設置し、対策を施した。露天風呂を囲うコンクリート塀から3メートル先の外周約110メートルに、高さ1メートルの柵を設置。温泉タンクの貯水や配管清掃も済ませた。同市本町通の今川浩邦さん(65)は「安心して入れた。外風呂は爽やかで気持ちがよく、再開してくれてうれしい」と満足げだった。11月8日に施設の敷地東側をクマが歩く様子を利用客や支配人が目撃し、露天風呂の営業を停止。自動ドアを手動での開閉に切り替え、独自に策定していたマニュアルも見直した。
(100キロのイノシシからとった「たてがみ」に思わず目を疑う)
イノシシのたてがみの意外な活用法が、Xで話題になっています。投稿したのは、「@varied4203」さんです。当ポストは執筆時点で15万6000件を超えて表示されており、「靴屋さんなら縫い針ですね」「歯ブラシの毛にも使える」といったコメントが寄せられています。記事の中では、野生鳥獣による農作物被害総額についてもご紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。「靴屋さんに定期的に猪の立髪頼まれるのだけどなににつかうんだろう 聞いたけど忘れちゃった 100kgの猪から抜きました」そんなコメントとともに投稿されたのは2枚の写真。そこに収められているのは、大量のイノシシのたてがみでした。ジビエレザー専門の革屋を営む投稿主さん。定期的に靴屋さんにイノシシのたてがみを譲っているそうですが、用途がわからないとのこと。投稿主さんによると、イノシシのたてがみは首の後ろから背中にかけてはえる毛で、強度はなんと釣り針ほどだそう。採取できる量は写真に写っている量の約3倍程度だそうですが、十分な長さを確保するためには、100キロ級の「山の主サイズ」でなければ難しいといいます。そんな丈夫なイノシシのたてがみの「使用用途」は、SNSで大きな反響を呼びました。ポストには多数のいいねに加え、リプライ欄には・「靴屋さんなら縫い針ですね」・「ブラシの一部に植毛して使うんですよ」・「歯ブラシの毛にも使える」・「金箔を貼るには猪の刷毛を使うとTVで見たことがあります」など、イノシシのたてがみの活用方法を知る人からのコメントが寄せられました。投稿主さんは靴屋さんにたてがみを譲っているようなので、用途は「縫い針」が有力ですね。またイノシシのたてがみは針として利用されるほか、ヘアブラシやペット用ブラシ、歯ブラシ、刷毛として使われることもあるのだそうです。投稿の反響について投稿主さんに伺うと、「生産者としていろんな工芸家と繋がりがあるが、改めて本当に多様な用途がある素材だと再認識した」と話してくれました。ここからは記事の話題にちなんで野生鳥獣による農作物被害総額についてご紹介します。農林水産省が公表している資料によると、全国の野生鳥獣による農作物被害額は163億6300万円(2023年度)。最も被害額が大きいのはシカの69億5400万円で、次いでイノシシ(36億2700万円)、カラス(13億3900万円)の順に多くなっています。いかがでしょうか。今回はXで話題になっている「イノシシのたてがみの活用方法」をご紹介しました。
(急浮上した野生シカ「移住作戦」に暗雲も:愛知)
京都市郊外に生息する野生のシカを、名古屋城の内堀へ移して飼育する。そんな「前例のない挑戦」がにわかに動き始めている。果たしてシカの移住は実現するのか――。徳川家康が築いた名古屋市のシンボル、名古屋城。本丸を囲む内堀に2頭のシカがいる。雌の親子で、「もみじちゃん」と「やまむらちゃん」の愛称で市民や来場者らに親しまれている。城を管理する市名古屋城総合事務所によると、シカは既に江戸時代には飼育されていたとの記録が残っているという。その後、名古屋空襲があった戦時中に全滅。だが、戦後の1952年に市内の東山動植物園から3頭を譲り受けると、繁殖を繰り返し、70年代後半には56頭にまで増えた。その後、野犬に襲われたり病気になったりして、頭数は減少。91年に和歌山城公園動物園(和歌山市)から3頭をもらい受けた。現在残る母子の2頭は、その子孫とされるが、いずれも雌で繁殖で増えることはない。2頭は17歳と14歳。人間の年齢に換算すると60歳と40歳ほどという。飼育されたシカの寿命は20年程度とされ、あと5年ほどで寿命が来る。一方、京都市は野生のシカの駆除を進めている。かんがい用のため池として江戸時代に造られた「宝ケ池」(左京区)周辺の公園や、ミツガシワなど氷河時代の生き残りとされる貴重な植物が残る国の天然記念物の「深泥池(みぞろがいけ)」(北区)辺りで、十数年前まではあまり生息していなかった野生のシカが近年繁殖。希少な植物や近隣の農産物を食い荒らしたり、近くでバイクと衝突したりする事案も起きている。
(銃口の50センチ先にクマの顔、「やられる」と片手で発砲し命中:富山)
「銃口の50センチ先にクマの顔が迫った――」。今年、富山県内で相次いだクマの緊急銃猟。実際の現場は、どのようなものなのか。11月に砺波市の納屋に入り込んだクマを撃った猟友会員や市職員らの証言を基に、緊迫した当時の模様を再現した。11月10日午前6時15分頃、庄川町古上野でのクマの目撃情報があった。市は、非常勤公務員として市の「鳥獣被害対策実施隊」に参加する猟友会員にSNSなどを通じ出動を要請。男性隊長を含む5人が応じた。クマが出没したのは民家が散在する田園地帯。警察官約10人、市職員6人とともに、5人は一帯の捜索にあたった。ほどなく田んぼにクマの足跡が見つかる。足跡が続く先の民家に急行した。午前7時5分頃、男性隊員が、民家の生け垣に潜む黒い影を発見した。この隊員は狩猟歴37年。これまでにクマを3頭仕留めたベテランだが、許可が出るまでは発砲できない。冷静にスマートフォンを取り出し、SNSで他の隊員らに「いました」と報告。「役に立たないだろう」と思いつつ持ってきた護身用のスコップを握り直し、物陰に身を隠した。一同が集結した時、クマの姿はなかった。だが、民家の敷地のどこかにはいるはずだ。緊張が高まる。午前8時5分、緊急銃猟が許可された。慎重に敷地内を調べると、納屋の中にクマの気配が確認された。納屋の入り口は2か所あり、開いていた引き戸から侵入したようだ。隊長が様子をうかがいながら、素早く戸を閉め、納屋に閉じ込めた。「君がやってくれ」。最初にクマを見つけた隊員が隊長から指名された。隊員は納屋の地上約1メートル80の高さにある小窓からクマを狙うことにした。撃ち損じてもクマの向こう側に壁があり、弾が突き抜けても射程内にほかの民家はない。また、撃ち下ろせるポジションなので、撃ち手もある程度安全だ。納屋には鶏舎だった小屋が隣接している。小窓に近づくため、隊員は脚立で鶏舎の屋根によじのぼり、腹ばいになった。「クマが動いても動かなくても、見たら撃て」と隊長。ハンターに人気の高い米国製猟銃「レミントン1187」を握り、大型獣に使う一発弾「スラッグ弾」2発を込めた。小窓を開け銃口を先に突っ込み、そっと中をうかがうが、いない。そう思った瞬間、真下の棚の陰からクマが立ち上がった。完全な死角だった。「やられる」。クマの牙、爪の鋭さ、俊敏さは熟知している。不意をつかれ、「左手が銃を握っていない状態」で、反射的に右手で引き金を引いた。その一弾はクマの顔に命中。あおむけに崩れ落ちた。納屋に入ると、クマの体はわずかに動いていた。別の隊員がとどめの1発を頭部に放ち、午前8時35分、任務は完了した。全長約1メートル30、体重70キロのメスの成獣だった。「かわいそうだな。食ってやることもできない」。そんな感慨が隊員の頭をよぎった。通常の狩猟の獲物は食卓に上るが、市鳥獣被害対策実施隊で駆除したクマは焼却か埋却処理される決まりだ。当時、敷地内の2本の柿の木には、実がたわわに実っていた。腹をすかせて食べに来たのだろうか。「こんなところに出てこなければ」。隊長も、どこかむなしさを感じたという。市農業振興課によると今月19日現在で、市内での過去5年間の銃によるクマ駆除は2件目。今年は9年ぶりに山間部でわなによる捕獲も実施し、これまでに6頭を処分したという。
(東出昌大がベテラン猟師と考える「熊問題」と「猟師不足」)
北関東の山間に住み、狩猟生活を送る俳優の東出昌大(37)。熊問題への思いを聞くと、「容易に答えの出ない熊問題」について、一緒に山を歩いて考えることに。本記事は後編で、獣道を歩いた翌日、先輩猟師たちのもとを訪ねた。東出が所属する地元の猟友会支部の会員で、猟師歴50年におよぶベテランだ。熊による人身被害や、鹿や猪などによる農作物被害が増えるなか、駆除の担い手不足が課題となっている。ベテラン猟師たちは熊問題や担い手不足をどう見ているのか。そして、「若手を増やしたい」と語る東出の思いを聞いた。「50年前に私が猟を始めた頃は、このへんに獣はいなかったんですよ。鳥専門の猟師だったの」。そう話すのは、猟師歴50年を数える岡部富士夫さん(77)。猟師たちの交流の場でもある事務所を訪ねた。東出が「今こんなにうじゃうじゃいる鹿たちが」と言葉を重ねる。40年くらい前に、奥深い山に離れて暮らしていた獣たちが出てきたのだという。「昭和50年代には、環境庁が鹿の個体数を増やすために、雌鹿を撃っちゃダメって言っていたんですよね?」(東出)。「そうそう。でも爆発的に増えちゃって、今度は報奨金を出すから獲ってくれってことになったけど、もう後の祭りで。田舎から都市に若者が流出して、猟師の担い手がいないから、もう追っつかないっていう現状で」(岡部さん)。そして今は、熊の市街地における出没情報が毎日のように報道されている。2025年9月、改正「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」が施行され、「緊急銃猟」の制度が創設された。人の生活圏に熊などの野生動物が出没した場合、市町村の判断で猟銃を用いて捕獲を行えるという制度だ。市町村が委託した者が、安全確保を十分に講じたうえで担う。だが、請け負う人材の確保は難しい。「市から依頼が来て、(猟友会支部の)総会をやってメンバーを選びました。大物猟の経験が20年以上ある人を5人ほど。猟師になって数年だと、とても撃てないですよ。熊はとくに。絶対、一発で仕留めないと、興奮状態でどれくらい仕返しがくるか分からない。ふだんの猟でも熊に遭ったら、自信がない人は去るのを待って、撃たないほうが間違いない。だから、必ず一発で仕留められる人を選んだんです。出動要請はまだないですけどね」。今のところ、地域で熊が増えているという実感はないという。「でも、どうもどんぐりが減っているなと。ナラ枯れもあるしね」。ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌という病原菌が木々を枯らす伝染病だ。東北を中心に全国各地で被害が広がり、どんぐり凶作の要因と考えられている。東出が岡部さんに「熊問題についてどう思いますか?」と尋ねる。「山を整備しなきゃダメだよね。熊が山にいるんだったら、全然問題ない。森林を伐採した後に植林するんでも、木をちゃんと選ぶ。できるだけ山のほうにすみかを作って、里に出ないようにしないとね。人里との境界をはっきりさせる」。最近、飛び交う出没情報のなかには、猟師の経験からすると信じられないものもあると話す。「棒でたたいて追い払ったとか、絶対ないと思うよ。そんなことしたら危ない。動画だってわからんもんいっぱいあるよ。AIで作ってるのもあるし。でも、北海道で軽トラにヒグマが体当たりしたというニュースは本当だったね。素人は嘘と本当の見分けつかないと思うよ。嘘を流せるのが一番怖い」。この日、同じく東出の先輩でベテラン猟師の日原正夫さん(71)と古屋辰美さん(73)が、熊からの「護衛」として山を歩く仕事があるという。地元ケーブルテレビの社員が例年、山の中で点検作業を行っているが、今年は全国的に熊の人身被害が多いため、猟師が付き添うことになったのだ。こうした依頼を受けるのは今年が初めてで、今回が2回目だという。この道のりに同行させてもらった。歩きやすいところを行くのかと思いきや、足場が悪い道へどんどん入っていき、幾度も山を転がり落ちそうになる。もし熊に遭遇したら、襲われる前に焦って足を踏み外し、落下しそうだ。一方、70代の猟師2人は散歩するかのように軽やかで、わいわいと盛り上がっている。ベテラン猟師は健脚だ。「こんなふうに大勢でにぎやかに下りていたら、まあ熊は来ませんよ」と日原さん。途中、熊のフンを2度発見した。木の幹を引っかいた跡もある。熊が出没するエリアだが、日原さんは至っておおらかだ。「ツキノワグマは本来、奥地にいる動物で、自分から襲ってくることは滅多にないんです。人間が来るなと思ったら、普通は先にいなくなります。嗅覚は人間の1000倍と言われていますから。人間が熊に勝てるものはないんですよ。泳いでもダメ、木に登ってもダメ、走ってもダメ。時速60キロぐらいで走りますからね。相撲取って勝てるのは金太郎さんぐらいなんです」。古屋さんは、「狩猟の時に熊を見たのは、30年から40年のうちに2、3回かな」と言う。13年ほど山岳救助隊として活動していたが、熊の被害に遭った遭難者はいなかったそうだ。だが、東北を中心に市街地での出没件数が増えている。要因は複合的といわれるが、猟師たちはどう見ているのか。「やっぱり山に実がなっていないんでしょう」(古屋さん)。「よっぽど逼迫して、パニック状態なんじゃないかな。熊が川沿いを歩くとは聞くんです。川沿いを歩くうちに怖くなって、でも戻るより、この先に森があるかもと思って下っていって、何もなくてダメだダメだ……と思っているうちに、バッと街に出てしまったりするのかな」(東出)。この地域を歩いていても、「森」と「街」の境界が曖昧になっていることは見てとれた。藪のすぐ先に民家があったり、耕作放棄地や空き家に草木が繁茂していたりする。過疎化に伴い、かつて人が開拓した土地から人の気配が消えつつある。全国各地で過疎化が進み、「この先も人と野生動物の衝突は起こり続けると思う」と東出は言う。東出が古屋さんに「熊との共存の道があるとしたら、人間にできることはなんですか?」と聞いた。「見通しを一回よくすることだね。道路のまわりとかにある草や藪を刈る。荒れた里山をきれいにする。森の中を間伐したり、実のなる木を植えたり。山も耕作放棄地も手入れをするんです。見通しがよければ、熊もいきなり出てきたりしないでしょう」。人の生活圏と野生動物の生息域が重なり、鳥獣被害が増加している。駆除の担い手不足が課題だ。狩猟は地域の安全や農作物被害の減少に寄与するが、猟師は減少し、高齢化が進んでいる。環境省によると、狩猟免許の所持者は2021年度に21.3万人で、1975年度から約6割減少した。約56%が60歳以上だ。前出の岡部さんは、この支部では東出の影響を受けた若手猟師が増え、平均年齢が一気に下がったと語る。追いかけてきた週刊誌のカメラマンまで猟師になり、猟友会に参加するらしい。「彼のおかげで人数も倍になりましたよ。全国的に見ても、こんな支部はないんじゃないかな。でも年齢層が真っ二つなんで、継承が課題だね。50代、60代がいないんだよ。この世代はみんな都市部に流出しちゃっているからね」(岡部さん)。なぜ、東出は猟師になろうと思ったのか。狩猟免許を取得したのは、2018年。きっかけは『ぼくは猟師になった』(著:千松信也)を読んだことだった。「猟師の方が書いた本を読んで、一般人でも自分の力で獲って食っていいんだ、と。食ってみたいと思いました」。初めての猟は今も脳裏に焼きついている。師匠が同行した。「師匠の土地勘とかにおんぶに抱っこでした。朝一に行ったけど何も見つからず、『帰るぞ』と言われて、車の助手席に乗ってたんです。そしたら師匠が運転しながら、いきなり『でっくん(東出)、この上いる』って。右に真っ白な雪原があって、足跡がある。行きにはなかったけど帰りにあるんだから、見えないけど、この上にいるって。車を降りたら、40メートルくらい先にいるんです。鹿の群れがこっちを見てる。『撃て!』と師匠が口を動かす。で、撃ったんです。鹿がゴロゴロゴロと落ちてきた。当たったんだ! どうしよう、血抜きだよな。近づいていったら、鹿が七転八倒して血を撒き散らしている。頭をつかもうとしたら、ブェー!と言う。大動脈のところをナイフで刺そうとすると、師匠が『違う! そこじゃない!』。走ってきて、僕の手をつかんで大動脈を刺したんです。そこから血が広がって、白い雪が真っ赤になった。『俺、殺したんだ』と茫然自失としていたら、『何やってんだ、運ぶぞ。遅いといい肉になんねえから』」。岡部さんは「最初は誰かとペアを組んで教わらなきゃ、まったくできないと思う」と言う。東出はフリーの猟師として活動したのち、猟友会に加わった。地域の獣道について情報交換ができ、有害鳥獣駆除にも参加しやすいからだ。険しい山道を行くには相当の体力が要り、さらに捕らえた獲物を自ら担いで運ばなければならない。撃ったまま運べずに放置されると、熊がそれを食べ、肉の味を覚えてしまうこともある。東出は若い猟師が増えてほしいと語る。「自分の力で山から獲物を下ろせる若手が増えてほしい。それに役所の方々だって、いろんな仕事があるなかで野生動物の調査ばかりしていられないでしょう。役所から要請があった時、自分の足で歩いてつかんだ情報を提供できる猟師が増えてほしい。そうして、捨てられる命が減ってほしい」。では、どうすれば若手は増えるのか。周囲に猟師を増やしてきた東出の考えを聞いた。「私は自炊に第一歩があると思っています。山での楽しみって、自力なんです。暖をとるならエアコンを使わず、薪ストーブに木をぶっ込めばいい。でも、そのためには枝を拾ってこなければいけない。そういう自力の一番身近なところは、自炊することです。仕事で忙しいだろうけど、外食産業やデリバリーではなく、たまには自炊してみる。そこから自力の幅が増えていけば、田舎暮らしが楽しくなる。そうすると猟師が増えます」。自炊しても、なかなか鹿を撃とうとは思えないけれど――そう伝えると、笑ってこう言った。「無理はしないでください。でも、Googleストリートビューで風景は見られるけど、自分の足で山を歩いて感じる風とか光とか落ち葉の感触とか、デジタルには代替できない魅力があるでしょう? スマホで頼んだ味噌汁より、てめえで作った味噌汁のほうが味わいがあると思うんですよね。自力は楽しいですよ」。
(東出昌大と山で考える「容易に答えが出ない熊問題」)
猟師になって7年の俳優・東出昌大(37)。現在は北関東の山間で暮らし、東京で仕事がある時は電車で通う。日々の食事は自分で獲ったジビエで、肉を買うことはない。命を奪うことに逡巡しながら、自らさばいて調理する。熊を撃つが、過熱報道に胸を痛める。熊問題への思いを尋ねると、「一緒に山を歩いて考えましょう」ということに。本記事は前編で、獣道と猟師のキッチンから熊と人間社会について考える。10月の終わり、東出に「熊問題」に関するインタビュー依頼を送った。すると数日して、「すみません、1週間、ヒグマを求めて北海道の山中に入っていました」との返信。ヒグマはいたが、距離があって撃てなかったこと、逃げる母熊の後ろを子熊2頭が追いかけていったことなどが綴られていた。過熱報道の片棒を担ぎたくないと取材を断ってきたが、容易に答えが出ない熊問題と人間社会について考えるのなら、という返事だった。人身被害が増えている背景には、山の食料不足、里山の荒廃、地域の過疎化など、多くの課題が横たわり、地域によって状況も異なる。そこで、「自身の住む山域もあくまで局所的」という前提で「一緒に山を歩いて考える」という取材を進めることになった。取材前、「クマ類による人身被害について」の統計(環境省)などと共に、書籍のリストが東出から送られてきた。薦められた『人を襲うクマ』『クマ問題を考える』『山でクマに会う方法』の3冊を読み、鈴や熊スプレーを入手して、初冬、北関東の山間にある東出宅を訪ねた。昼過ぎに到着すると、東出は「寒いでしょう」と言って温かいカフェオレを淹れた。しばし歓談後、「さあ、熊問題……」と苦笑いを浮かべる。猟で使っている軽トラックに乗って、さっそく近くの山へ向かうことに。車を走らせながら、このあたりの事情を話す。「私はこの道を100回以上通っているけど、まだ熊を見たことはないですね。土地の人たちはある程度慣れっこになると、熊を見ても行政に連絡しない。すると出没マップには反映されません。一方で、人的被害が明確にある地域だと『見たら通報しましょう』と自治体が発信している場合もあります。1頭が3回通報されることもある。出没件数が増えているからといって、生息数も増えているとはいえないんです」。山を歩きながら、野生動物の正確な個体数を把握することがどれほど難しいかを実感してほしいという。「個体数を調べるには、主に食痕やフンの数などをマップに記して推測します。ただ、例えばツキノワグマのオスだと、行動圏は100~200平方キロメートルと広い。捕獲した熊にマイクロチップを埋め込む有効な取り組みもありますが、すべての山に分け入って、移動する熊を捕らえながらマイクロチップをつけることはできない。それほどに奥山は広大です。『最近、熊が増えているんでしょう?』と言われたりするけど、誰も実数は分かり得ないのではないでしょうか」。山道に車を停めて、山の中を歩く。昨年は熊のフンをよく見た地域だという。過去に熊を見かけたこともあるが、感覚としては「鹿150頭から200頭に対して熊1頭くらいの割合」だそう。夜明け前に山に入り、一日中、足が棒になるまで熊を探して歩いても遭遇できないと語る。案内されたのは道なき道で、一歩足を踏み外すと斜面を滑り落ちそうなところもあった。「そこの獣道は歩きやすいですよ」と東出が言う。一瞬、どこのことを言っているのか分からなかった。指さしたのは、人間の足幅より細い道だ。「獣が歩いた道は踏み固められていますから。あらゆる獣が歩くんです。熊も鹿も猪も、イタチもテンも狸も」。獣道を進むうち、ふと気づいた。どんぐりが見当たらない。東出が落ち葉の中にどんぐりを一つ見つけて、拾い上げた。「これは去年のですね。今年のと比べると、ボロボロなんですよ。虫が食べちゃっている。1年経つと食べられるものはないですね」。ところどころに動物が落ち葉をかき回し、木の実を探した痕跡がある。車で山に向かう道すがら、たわわに柿が実っていたことを思い出す。山に食べるものはないが、少し下りれば果実にありつける。どんぐりをつけるのは、カシやナラなどの広葉樹だ。広葉樹林を歩いたのち、針葉樹林へ。光が入って暖かな広葉樹林とは打って変わり、木々が密集して暗かった。「ここは針葉樹の人工林です。戦後、木材生産のため大量に植えたわけですが、森林環境を考えれば、伐採して間引かないといけない。広葉樹を植えたりして植物の多様性を保たないと、山に動物の食べ物がない状態が続いてしまう。日本全国の問題です」。林道では崩落したガードレールが放置されていた。過疎地域でこの先、森林の整備は進むだろうか。夕食に「家庭のジビエ飯」を振る舞ってくれた。東出家には大きな冷凍庫があり、自分が仕留めたもののほか、猟友会の仲間からもらった肉も入っている。この日は、猪の内腿や睾丸、穴熊の後ろ脚、鹿の腿、熊のレバー、ハラミなどがあった。「鹿を食べることが一番多いですね。ミンチにしてハンバーグのタネを作って人にお配りすることもあれば、ドライカレーにすることも。冬は残っているお肉で保存食作りもします。鹿の後ろ脚を解凍して、塩漬けにして吊るしておくと、生ハムになるんですよ」。食材はいつも、自分で獲った肉と近所の人にもらった野菜。買うのは調味料、にんにく、生姜くらいだ。「お肉は買っていないです、もうずっと。一回、野生肉を食ってしまうと、買わんでもいいやって。うまいので、本当に。もし獲った獣がおいしくなかったら、私は猟師をやっていないと思います」。包丁を軽く研いでから、猪の背ロースを切っていく。肉をボウルに入れ、塩、味噌、砂糖、醤油、みりん、日本酒で漬ける。山で拾った朴葉で蓋をして、カボチャや長葱と一緒にフライパンで焼いた。野生味はあるのに獣の臭みはなく、深い旨みが口の中に広がる。猟の目的は人によって異なり、仕留めた獲物を食べない人もいるそうだ。一方、東出は食べるために猟をしている。家族で食べきれる量を考えれば、そう頻繁に撃つ必要がない。「駆除の依頼を受けて撃った時も全部食べます。むやみに殺された野生動物を見ると、せめて食ってやれよと胸がキューッとなります」。狩猟を始めて、以前より動物の気持ちを想像するようになった。「『こんな寒い晩もあいつらどっかでがんばってるんだ』とか。真っ暗な山に向かう朝、『あいつら、俺がまさか来ると思わないだろうからのんきにしているだろうな。でもそんな奴を殺すのかな』とか」。猟師になって7年、命を奪うことへの逡巡は消えず、今も撃った後に「かわいそう」だと思う。「子鹿の鳴き声を聞きながら、母鹿の個体を谷底でばらしてる時、こんなことしていいんだろうかと思う。でも、これを薪ストーブのあるぬくぬくした家に持って帰って、嫁子供に食わせるんだっていう喜びもある。寒空の下、この冬を越えられないであろう子鹿が『ピー、ピー』『お母さん、お母さん』と呼ぶ声を背中に聞きながら、山を下りる。申し訳ないなと思います。許されないけどね」。「共生」とは何かと尋ねると、しばらく考え込んだ。「相手の気持ちもおもんぱかることじゃないかな。熊だって鹿だって猪だって、今食べ物がない。だったら里に下りたいよね。隣人として、うちの庭にある柿を食ってくれればいい。でも、時には殺されるし、僕は彼らを食うために獲りに行く。それが共生かな。僕は彼らを獲るけど、僕だけが安全圏にいようとは思わない。人間は利便性を追求して安心安全な社会を作り過ぎているから、自然界の残酷さをなきものだと勘違いしている。自然界は食う食われる、生き死にの繰り返しだと思います」。そうはいっても熊に襲われるのは恐ろしく、身を守りたいものだ。もし東出家の庭に熊が出たとしても、ただちに撃つと判断することは難しい。市街地での発砲は原則として禁じられている。東出は、熊が出たら近所のみんなに電話をかけて、「外に出ないで」と伝えるかな、と話す。同じく猟師である妻の花林さんは「ここに熊が出たら、どう戦おうか」と考えたりもすると言う。ふいに、東出から「僕は言っていること、過激? 熊寄りに映っちゃいますか?」と聞かれた。その心配も「容易に答えが出ない熊問題」であることを物語る。「私は熊と共に生きたい。でもそんなこと言ったら、何をメルヘン言ってやがる、とハレーションが起こる。それで取材を受けるのは嫌だと思っていたんですよ。『火中の栗を拾う』って、栗を食べたいから拾うと思うんだけど、僕はその栗を食べたいわけではないんです」。心穏やかに暮らしたいが、熊の報道に思うところがあり、つい黙っていられなくなったという。「『都内に熊出没』というニュースを見て、どこかと思ったら奥多摩なんです。そりゃあ、いるわと。『罠にかかった熊が凶暴化』というけど、箱罠に入っている熊にカメラを向けたら、ガオーッとなるでしょう。スクープ性が大事なのはわかりますが、数字を取るために誇大に伝えられていると思う。恐怖に駆り立てられた都市部の人が『殺すべきだ』『絶滅しろ』と言うのは、偏った情報に心を持っていかれ過ぎているんじゃないかと思います」。報道が過熱した先に「排除」があると考えている。「私もメディアの側に生きてきたから、熊問題について悩んだのだと思います。世の中の情報には、過度に歪曲されたものもいっぱいあると知っている。それらに感化されて集まるコメントの多くは厳罰化です。悪者をもっと懲らしめてやりたいという大衆心理が働く。すると、またメディアがその溜飲を下げるために憎悪を煽り立てる記事を書く。熊の次はまた別の話題、すぐに飽きて次へ行きます」。東出が危惧しているのは、過熱報道によって「殺せ」という風潮が強まること、それによって奥山の熊まで捕殺し、地域的な絶滅が起きることだ。「ここまで話題になっていない時は、捕まえた熊を奥山に放獣したりしていたんです。でも今は大衆の『殺せ』という声に押されて、全部捕殺する方向に舵を切っている自治体もある。絶滅した種は増やせない。私、人間嫌いではないんです。友人も多いし。ただ、山を歩いていると、こんなところに人工物を作らなくてもいいのになと思うことがある。人間だって、足るを知るべきだろうと思うんです。人類の繁栄に寄与しなければ人でなしって言えるほど、人類って立派かい?って」。夜は更け、山を歩きながら考える日は続く。
(札幌市内でも秋に起きていた“異変”:伊藤 秀倫)
「Tipping point(ティッピング・ポイント)」という言葉がある。社会学・生態学・疫学などで広く使われる概念で「転回点」などと訳されることが多い。例えば、疫病の感染拡大はじわじわと一定のペースで増えていくのではなく、ある臨界点(閾値)を越えた瞬間に非線形的な急増(感染爆発)を引き起こす――こうした急変現象を指す言葉である。 2025年、日本各地で起きているクマの大量出没は、まさにこの言葉を思い起こさせる。2025年度上半期(4月~9月)の時点で全国のクマの出没件数は2万件超。出没件数と比例して人身事故も過去に例を見ないペースで増加、環境省によると12月5日時点の速報値で209件に達し、死亡者も13人と過去最悪の数字で推移している。特筆すべきは人身事故のほとんどが山間部ではなく、市街地で起きているという点だ。なぜクマが人里に大量出没するのか。その背景として一般的に言われているのは、(1)クマが住む山林と人里の間にあった農地や里山など「緩衝帯」の消失(過疎化により里山を管理する人がいなくなった)(2)捕獲圧の低下(ハンターの減少や高齢化でクマを獲る人が減った)(3)“人慣れグマ”の増加(1~2を背景に「人を見ても逃げない」あるいは「人の生活圏から餌資源を得ることに抵抗のない個体」が増えた)という3つの要因である。それに加えて今秋の大量出没の直接的なトリガーとなったのが、ヒグマにとって秋の重要なエサとなるドングリなどの大凶作だ。こうした複合的な要因により、クマが人間の生活圏深くへと侵入しているのが今年のクマ被害の特徴である。これは本州のツキノワグマのみならず、北海道のヒグマでも同様である。現在、筆者が住んでいる札幌市に「西野」と呼ばれるエリアがある。西野地区は札幌駅の西、約10kmに位置し、手稲山や三角山といった札幌を代表する山々のふもとに広がる住宅街である。地区全体の面積は9平方キロメートルに過ぎない。ところが今年10月、札幌市郊外のこの狭いエリアに1カ月で大小7頭のヒグマが出没し、駆除されている。具体的なデータで見てみよう。ちなみに西野地区は現在筆者が住んでいる場所からも車でせいぜい10分ほどの距離にすぎない。連日ニュースで報じられる出没と駆除の情報に「今日駆除されたのは、いつどこに出てたクマだ?」と混乱するとともに、まるでヒグマが大挙して自分の生活圏に押し寄せてくるような感覚を覚えた。同時に「あの人はどう見ているのかな?」と気になった人物がいる。「野生動物被害対策クリニック北海道」代表の石名坂豪である。「“あらまぁ、やっぱりこんな近くにいるんだなぁ”という感じですかね」。その石名坂は、この人らしく飄々とした調子で言った。 2006年から2023年まで知床半島で環境省や知床財団の職員としてヒグマ対策に携わった石名坂は、獣医の資格を持ち、網・わな・第一種銃猟免許を所持するハンターでもある。いわば“ヒグマ対策のプロ”である石名坂が2023年に独立し、鳥獣対策コンサルタントとして事業所を立ち上げたのが、まさに札幌市西区西野だったのである。「もともと西区には祖父母の家が昔あったんです。せっかく知床から札幌まで来たのに、まさか家から見える場所にこれほどヒグマが出てくるとは思いませんでした」と苦笑する。石名坂は、そもそも2025年の札幌における大量出没をどう見ているのだろうか。そう尋ねると、石名坂は今秋のある「異変」について語り始めた。「今年の初夏に他の会社のアルバイト調査員として、定山渓周辺の山に何度も入ったんです」。札幌市南区にある定山渓といえば「札幌の奥座敷」とも称される定山渓温泉で知られるが、その周囲の山々はヒグマの濃厚な生息地でもある。「行ってみると、確かに自動カメラにはクマが映っているし、フンや足跡などの痕跡もそれなりにあったんですよね」。クマの生息地にクマの痕跡があるのは当然で、この時点では異変でもなんでもない。そして9月と10月、別の仕事で石名坂は、再び定山渓の山に入った。夏に調査で入ったのと同じエリアに差しかかったとき、石名坂は呆気にとられた。「どの木を見てもドングリが全然ないんです。あちこち見渡しても、ミズナラにドングリの実は全然ついていないし、かろうじてあったとしてもひねたようなごく小さな実しかない」。昨年の秋にミズナラのドングリが大豊作だったので、その反動で今秋は凶作だろうと予想してはいたが、実際目にした惨状は想像以上だった。しかも不作はドングリばかりではない。「クマはこの時期、ヤマブドウやコクワ(サルナシ)などの実も食べるのですが、そうしたツル性植物の実もなっていない。双眼鏡で一生懸命探しても申し訳程度にしかついてませんでした」。その結果、夏にはあれほど濃厚に感じられたクマの気配は、そのエリアからほぼ消えてしまっていた。フンも足跡もまったく見つからなかった。石名坂は「自分がクマだったとしてもこの場所は見捨てるだろうな」と思わざるを得なかった。山からクマの気配が消えたことは何を意味するのか。「恐らく、“ドーナツ化現象”のようなことが起きているのかもしれません。つまりもともとは山奥にいたクマまで含めて、食べ物を求めて、実りのない山を出て人里の方へと移動しているのではないか」。通常、クマの生息場所には“序列”がある。人間の気配が少なく木の実が豊富な山奥には強いクマが居座り、その次に強いクマがその下のエリアに、親子グマや弱いクマは山のすそ野の方、人里に近い方に押し出される。人里近くには果樹園や家庭菜園がありエサには困らないが、その分、人間との接触機会も増えるので、クマにとっては本来居心地のいい場所ではない。だが山の実りが極端に少ないと、本来山奥にいるクマもエサを求めて山を離れざるをえなくなる。「もちろん山にいるクマがすべて人里に出ているわけではありませんが、とくに子連れのメスに関しては、例年以上に通常年の生息域を越えて移動している印象があります」。石名坂の印象は、西区で捕獲されたクマのほとんどがメスであったことからも裏付けられそうだ。石名坂によると、クマの大量出没には2パターンあるという。「(1)8月から9月初旬にかけての夏の大量出没と、(2)9月中旬以降の秋の大量出没という2パターンです。例えば私が知床で経験した2012年の大量出没は(1)のパターンで、2015年の大量出没が(2)のパターンでした」。1)の真夏の時期はもともとクマが好む食べものが高山帯のハイマツのマツボックリと川を遡上するカラフトマスぐらいしかない。そのためハイマツが不作で、さらにマスの遡上が海水温上昇で遅れたりすると、クマは一気に飢えてしまい、人里への大量出没に繋がる。「それでも秋になって山中にドングリなどが実れば、大量出没も落ち着くのですが、問題はドングリ類が不作だった場合です。ただでさえエサの少ない真夏の時期を経て、一息つくはずの秋の実りがない年に(2)のパターンの大量出没が起きる」。この秋、札幌で起きたのは、まさに(2)のパターンの大量出没ということになる。「恐らく、本州各地におけるツキノワグマの大量出没も同じメカニズムだと思います」。ただ、と石名坂が首をひねる。「実は今年(2025年)の夏、道南でも大量出没が起きたんですが、今夏の道南の大量出没の“トリガー”となった食物がなんだったのか、あまり道南の土地勘がないので、そこがちょっとわからない」。その道南の福島町では2025年7月、新聞配達中の男性がヒグマに襲われて死亡、その遺体を食害されるというショッキングな事故が起きている。石名坂はその現場にも入っており、何を目撃したのだろうか。
(新聞配達中の50代男性がヒグマに襲われて遺体で発見、現場に残された“生々しい痕跡”:伊藤 秀倫)
2025年7月12日未明、北海道渡島管内福島町三岳地区。夜明け前の静寂に包まれた住宅街に助けを求める男性の声が響き渡った。近隣住民の1人はその声で飛び起き、玄関を開けた。すると――。〈目と鼻の先でクマが馬乗りになって男性(※紙面では実名)を襲っていた。(※住民の)男性は携帯電話で警察に通報しながら叫び声を上げたが、クマは気にするそぶりも見せなかった。しばらくすると、クマはかみついたままの男性を数十メートル引きずって北側の草むらに姿を消したという〉。クマに襲われたのは、新聞配達中だった52歳の男性である。通報を受けた警察官らが現場に到着した後もクマは草むらの中にとどまり続け、逃げる素振りさえ見せなかったが、駆除のためにハンターが駆け付けると、ようやくその場を離れた。その後、クマがとどまっていた草むらの中から発見された男性の遺体は、腹部を噛まれるなど全身に傷があり、クマが食害したことは明らかだった。テレビ局の依頼を受けた「野生動物被害対策クリニック北海道」代表の石名坂豪が現場に入ったのは、その翌日のことである。現場には道路を横切るように、被害者をひきずった血の痕が残されていた。石名坂が現場から受けた第一印象は、“袋小路のような場所だな”というものだった。被害者が襲われたのは、家と家の間の狭い通路で、突き当りの方向の一部にはブロック塀もあった。「もしかするとクマは生ゴミなどを探して家と家の間を徘徊していたところに、運悪く被害者が鉢合わせてしまったのではないか」。石名坂がそう考えたのは、実は事故の起きる数日前から周辺では、ゴミステーション(ゴミ置き場)やコンポストなどが荒らされる被害が起きており、クマの目撃情報も相次いでいたからだ。「羅臼町でも何度となく経験したことですが、一度、人里で生ゴミなどを漁ったクマは、これに強く執着するようになります。警戒心が強い、いわゆる“人慣れ”していない個体であっても、人目の少ない夜から明け方にかけて、生ゴミを求めて家と家の間を歩き回るようになってしまうんです」。実際に12日の事故以降も現場周辺では加害グマと思われる目撃情報が寄せられていたが、18日になってハンターによって1頭のヒグマが駆除された。体重218kg、体長約2m、推定年齢8~9歳の雄のクマだった。駆除された場所は、最初にゴミステーションが荒らされた現場近くの住宅街である。その後、DNA鑑定によって駆除されたクマが被害者を襲ったクマであったことが確認されたが、同時に驚くべき新事実も判明した。なんと問題のクマは、4年前の2021年に同じ福島町内で農作業中だった77歳の女性を襲って死亡させたクマと同一個体だったのである。この被害女性も亡くなった後に食害されていた。そのためメディアでは、問題のクマについて「今回も捕食する目的で被害者に近づいたのでは?」「人食いグマが再び」と4年前の事故と関連づけるような報道もあった。だが事故後に現場周辺に3回入った石名坂は、その見方には否定的だ。「もし人肉に執着していたのなら、4年前の事故の後、それほど間をおかずに次の襲撃があったはずです。過去のケースを見ても、人間の捕食が目的の場合、クマの襲撃は短期間に連続して起こるのが特徴的です。最近では大千軒岳のケースがそれに該当すると思います」。“大千軒岳のケース”とは2023年11月2日、北海道渡島半島の南西部にある大千軒岳(標高1072m)の中腹付近で、10月29日から行方不明になっていた当時大学生だった男性の遺体が発見された事故を指す。遺体には食害された形跡があり、その近くからは喉付近に深い刺し傷のあるヒグマの死骸も見つかった。実はその2日前の10月31日、同じ山を登山中だった3人の消防隊員がヒグマに襲われたが、そのうち1人がナイフで反撃し、撃退するという事案が起きていた。時系列としては、クマはまず大学生を襲い、その2日後に3人の消防士を襲ったものの反撃を受け、大学生の遺体のある場所まで戻り、その傷がもとで絶命したことになる。「食害目的であれば、それぐらい襲撃のスパンが短くなる。その点、今回の福島町のケースでは前の襲撃から4年も空いているので、少なくとも積極的な捕食目的ではないと見ています。むしろ生ゴミ目的で徘徊している最中に、不幸にも被害者と遭遇し、防衛反応として攻撃してしまった可能性が高いのではないか」。だが防衛反応としての第一撃で被害者が倒れたことで、クマの“目的”は変化してしまった。「その後の“被害者をヤブの中に引きずりこむ”という行動は、明らかに防衛反応ではなく捕食行動です。クマの中で途中から完全にスイッチが切り替わってしまったんだと思いますが、その切り替えの早さに4年前の経験が影響していたのかどうか。そこは正直わかりません」。このインタビューで私には石名坂に訊きたいことがあった。端的にいうとそれは、日本のクマに“行動変容”が起きている可能性はあるのか、ということだ。近年では人里周辺に棲息する「アーバンベア」や、人間を恐れない「人慣れグマ」の存在も知られるようになってきた。このところの人身事故の多さは、単純にクマと人間の接触機会が増えたことに起因する部分は大きいのだろう。一方で従来は、クマが人を襲うケースは、その大部分が偶発的に人と遭遇したことによる防衛反応であり、とくにクマが人間の生活圏に侵入した場合は、パニックになり攻撃に転じやすいとされてきた。だが近年、それだけでは説明がつきづらいような事案も少なくないように思える。例えば2025年10月に岩手県内で温泉を掃除していた男性が連れ去られて食害されたケースは、パニックというよりは積極的に人を襲っているようにも見える。その点について石名坂はこう述べた。「ただ、あの温泉清掃中にクマに連れ去られたケースでは、その1週間ほど前に近辺でキノコ採り中の男性がクマに襲われて死亡する事故が起きていることに注意が必要です。あくまでも最初の人間への攻撃は偶発的・防衛的な攻撃で、そこで食害したら、次からは“人間を狙う”ようになるのだと私は考えています。偶発的な攻撃によって相手(人間)が死亡した後、そのまま立ち去らずに、人肉を食べるという行動へとツキノワグマが移行しやすくなっている可能性はあるかもしれません」。だが、それを“行動変容”と呼ぶかについては懐疑的だ。「“行動変容”というと、急にクマの生物としての性質が変わったことになりますが、そうではないと思います。むしろ、もともと持っていた性質(肉食動物としての本能)が、何かのきっかけでその個体において発現したということだろうと思います」。その“きっかけ”とは何か。「ここばかり強調されると困るんですが……」と前置きしながら、石名坂は「クマについて、この20~30年で大きく変わったことがひとつあります」と指摘した。「本州のツキノワグマも北海道のヒグマもシカを食べる機会は、20~30年前と比べると確実に増えていると思います。本州の場合、イノシシも含めてですね。それだけシカが増えたということでもありますが、クマが動いている動物を捕まえてその肉を食べるという機会が、シカの交通事故やくくりわな猟の増加のせいで、最近は明らかに増えているんじゃないかな、と思います」。クマは本来、肉食動物である。そして学習能力が高く、環境の変化への適応能力もずば抜けて高い動物でもある。そのような野生動物がこれまでとは異なる傾向を見せ始めたのであれば、人間の側はこれにどう対応していけばいいのだろうか。「猟友会に丸投げの駆除はもう限界」と語る“クマ撃ち”のハンターや猟友会関係者にも話を聞いた。
(専門家が語る「市街地に出たクマを警察官が本当に撃てるのか?」:伊藤 秀倫)
あれほど動かなかったことが、これほど急激に進むものなのか――。2025年11月14日、日本政府が公表した「クマ被害対策パッケージ」の内容を読みながら、私はちょっと呆気にとられた。〈人の生活圏からクマを排除するとともに、周辺地域等において捕獲等を強化することで、増えすぎたクマの個体数の削減・管理の徹底を図り、人とクマのすみ分けを実現する〉という目的のもと、そこには〈警察によるライフル銃を使用したクマの駆除〉まで行うことが明記されていたからだ。筆者がクマの取材を始めて5年ほどになるが、“クマ撃ち”のハンターや猟友会関係者に取材する中で、誰もが口を揃えていたことがある。「猟友会に丸投げの駆除はもう限界。持続可能性を考えるならガバメントハンター(野生動物の捕獲・駆除を専門的に行う公務員ハンター)や警察にクマ駆除の専門部隊を作るしかない」。彼らはこれを10年、いや20年以上前から言い続けていたのだが、現実にはほとんど進展がなかった。ところが未曾有ともいうべき2025年のクマ被害を受けて、政府が重い腰を上げた途端、これまでピクリとも動かなかった警察という“山”があっさり動いたのである。「これまで口を酸っぱくして言い続けても動かなかったものが……私も本当に急すぎてびっくりしているところもあるんですけど、基本的には良い方向だと思っています。改めて政治って大事なんだなと実感しましたね」。そう苦笑まじりに語る「野生動物被害対策クリニック北海道」代表の石名坂豪は自身も狩猟歴25年を超えるハンターである。「山の中ならともかく、市街地に出てきたクマの駆除を民間人である猟友会のハンターが担うという従来の態勢は、やっぱりどう考えてもおかしかった。何か事故があった場合の刑事上の責任というリスクも、市街地では跳ねあがりますから」。そういう意味で、市街地での駆除対応を警察主導で行うという方向性は望ましいものであることは確かだ。一方でこんな疑問も浮かぶ。〈射撃技術と相応の装備はあるにせよ、市街地に出たクマを警察官が本当に撃てるものだろうか?〉。石名坂の答えは明快だ。「射撃技術という意味では、普通のハンターよりもよほど優れているでしょうから、撃つこと自体に問題はないと思います。ただ市街地での駆除は、周辺に一切の危険を及ぼさず安全に捕獲しなければいけない。そこが最もハードルの高いところです。当面は猟友会や我々のようなハンターがサポートに入るにしても、本当の意味でオペレーションできるようになるには結構時間がかかると思います」。何よりも「クマを撃つのは、シカなど他の動物を撃つのとは違う難しさがある」と石名坂は言う。例えば、その強靭な生命力は、しばしばハンターの想像をも上回ってくる。「以前、私の元同僚が“12番のハーフ”でちょっと遠いところのヒグマを撃ったんです。死なずにヤブに長時間潜伏されて大変だったんですが、最終的に倒した後でヒグマの姿を確認したところ、彼の撃った弾も1発が顔面、もう1発が肩にちゃんと命中していた。ですが、弾が頭骨と肩甲骨に弾かれていたんです」。 “12番のハーフ”とは、口径が12ゲージで、銃身内部の半分までライフリング(旋条)がほどこされた銃のことで、銃刀法改正で今年3月から「ライフル銃」と同じ扱いになった。サボットスラッグ弾と呼ばれる殺傷力の高い単発弾を発射するが、その弾が頭蓋骨に当たっても致命傷を与えるには至らなかったことになる。「サボットスラッグ弾は近距離であれば殺傷力も高いのですが、普通のライフル弾より弾頭重量が重くて初速が遅い分、距離が離れるほどさらに速度が遅くなり、運動エネルギーも急速に落ちるので、威力は低下します。なので、もう少し近い距離なら骨を貫通していたと思うんですが、改めてヒグマの頑丈さを思い知りましたね」。当然のことながら、狙うべき「急所」は限られてくる。北海道庁の環境生活部自然環境局野生動物対策課がホームページ上で公開している「ヒグマ捕獲テキスト」によると、ヒグマの急所は〈脳や脊髄などの中枢神経〉と〈胸部(心臓、肺周辺)〉の2つの部位である。「この中枢神経を射抜くことができれば、神経が切断されるのでクマは立っていられず、その場で崩れ落ちます。ただ、非常にピンポイントなので数センチずれただけで致命傷を与えることはできません。もう1箇所の胸部については、心臓や肺を撃ち抜けば確かに死ぬんですが、すぐ死ぬわけじゃないんです。心臓を撃たれても一定の距離は走るし、絶命するまでの間にヤブの中に逃げ込んで、そこで倒れるということが頻繁に起こります」。そういう場合は、クマが逃げ込んだと思われるヤブの中に入って、その生死を確認しなければならなくなる。石名坂が苦笑いする。「私の場合、あまりにもそれをやりすぎてやや感覚が麻痺しているんですが、正直、かなり危ない作業ではあります」。手負いになったクマは、撃ったハンターに反撃してくるという話はよく聞くが、実際にそういう目にあったことはあるのだろうか。「過去、30頭ぐらいは私が第一射手としてヒグマを撃ってますが、銃弾が命中したクマがそのままこっちに向かってきた経験はありません。基本的にはその場に斃れるか逃げるか、ですね」。ただそれも弾が「急所」に当たっていれば、の話である。「私の知り合いのベテランハンターの方が、1発目の狙いが外れて小さな若グマの臀部を撃っちゃったことがあるんです。そうしたらその若グマはふらつきながらも急に小走りで向かってきて、のしかかってきたそうです。そのハンターは銃を叩き落とされながらも何とか反撃して、仕留めたものの、両腕や下あごを噛まれ、額の一部の皮を剥かれて骨が見えるほどのケガを負い、しばらく入院を余儀なくされました」。そのクマは体重わずか25kg、ゴールデンレトリバーほどのサイズだったというが、手負いの状態でもそれだけのケガを負わせる膂力がヒグマにはあるのだ。こうしたことをふまえると、警察官がライフルでクマを撃つというのが、そう簡単なことではないことがわかる。「私が懸念しているのは、例えば警察が使用するライフルのスペックというのは公開されていないんですね。もちろん保安上の機密なんだとは思うんですが、それでも市街地で確実にクマを即倒させる(または即時無力化する)ためには、そこは非常に大事なポイントだと思います。ライフル銃の弾頭直径や薬きょうのサイズには非常にたくさんの種類があって、各規格間には互換性がない。クマを倒すのに必要とされる、最低限の弾のエネルギーをちゃんと確保できる規格のライフル銃なのかどうか。だいたい、ヒグマを倒すのに必要な最低限の弾のエネルギーは、2000~3000ft-lbs(フィートポンド)以上、ツキノワグマでも1500ft-lbsは必要だと言われています」。フィートボンドとは、弾の威力(運動エネルギー)を表す単位であり、1ft-lbsは「1ポンド(約0.45kg)の物体を1フィート(約30.48cm)持ち上げるのに必要なエネルギー」のことだ。こうしたクマを射つためのノウハウは、実際にクマを撃ったことのあるハンターに伝授してもらうことが不可欠となるが――。「ただ実は、箱わな捕獲グマの止めさしではなく、本当にフリーな状態で歩き回っているクマを撃ったことがあるハンターというのは、北海道でも本州でも、意外と少ないんです。ですからノウハウを共有するといっても、そう簡単な話ではないと思います」。一方で前出の「クマ被害対策パッケージ」の内容で、石名坂が「当初はあまり注目されていませんでしたが、実は有効なカード」として注目したのが〈市街地等での適切な麻酔銃猟や麻酔吹き矢による捕獲〉である。日本の法制度では、麻酔銃の所持には銃砲類としての規制に加え、麻酔薬の医薬品管理や劇物管理が重複するため、個人がこれを所有するのは難しい。だが自治体や動物園、研究機関など専門団体であれば管理は可能で、獣医師や捕獲許可者などが扱うことができる。とくに麻酔銃が有効と考えるのは、次のような場面だ。「例えば最近よく起きている建物内にクマが立てこもってしまったような事案ですね。一応、緊急銃猟の制度設計では屋内でも猟銃で駆除できるようにはなっているんですが、じゃあ実際に撃てるかといえば、私も含めてなかなか撃てないと思うんです。というのも建物内はどこにガスや電気、水道などが通っているか分からないし、壁に当たって跳弾する可能性もある。麻酔銃であればそうしたリスクは避けられるので、(麻酔銃の)30m程度の射程内にクマが入るのであれば、かなり使えるんじゃないかなと思います」。石名坂自身、過去に何度か麻酔銃による“クマの生け捕り”を行ったことがある。「斜里町での事例ですけど、このときはキャンプ場(市街地に隣接する鳥獣保護区の林内にある)周辺に出たクマが木に登ったんですね。こういう場合、木の上に向かってライフルで撃ちあげると弾がどこに落ちてくるかわからないので、実弾を放つ銃は基本的に使えないんです。その時は私が麻酔銃でクマを撃って、眠らせた後、木から引きずりおろしました」。そのときは、鳥獣保護区の学術捕獲の許可の枠内で対応したため殺処分はせず、耳に管理タグをつけて国立公園の中で放した。だが2年後、そのクマはまた人里付近に出没し、別のハンターに撃たれて駆除されてしまったという。クマ駆除のニュースが流れるたびに、「麻酔で眠らせて山に放せばいい」という声があがるが、現実はこういうものなのだ。「麻酔で眠らせて、しかるべき場所まで運んで、放獣する作業はそれなりに人間側にもリスクがあるわけです。そしてかなり無理をして放しても、最終的に放したクマが長生きできるかというと、実際には厳しい。ゴム弾などを使った殺さない追い払いについても、かなりしつこくやっても、2~3年のスパンでみると、結局どこかで問題を起こして駆除されてしまう。ですから麻酔による放獣や非致死的な追い払いに過度な期待を持っている人たちと直接話す機会があったら、私はその夢はかなり強めに否定することにしています」。一度、人里に慣れてしまったクマは、いずれ必ず人里に戻ってくる。そうしたクマが出産し、母グマになると、その「人間に対する警戒心の薄さ」は子グマへも引き継がれていく可能性が高い。この現実から目を背けるべきではない。クマと人間社会をめぐる現実に対して、感傷で応じる段階はとうに過ぎている。
(求められる真のクマ対策とは?:仲上龍馬)
北海道と東北地方を中心にクマとの軋轢が相次いだ2025年。NPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖さんは、一連の騒動を振り返り、こう続ける。「秋田県への自衛隊投入も、まるでそれが『最後の手段』であるかのように伝える報道が目立ったが、現場を知る立場からすれば、自衛隊を投入しても住民の安全は守れない」。自衛隊の本来任務は「訓練」であり、〝便利使い〟されるのは当然望ましくないことでもある。だが、藤本さんがそう語気を強める背景には、ある確信があった。「1962年、今私がいる標津町で、大量のヒグマが出た。その時にも、住民からの強い要望に応じて自衛隊が投入され、少数のヒグマを仕留めたそうだが、地元の住民が一緒に山に入り、案内したからこそ実現できたことだった。今も同じことだ。箱わなの設置や捕獲したクマの運搬など、人手が必要な場面で自治体は救われるだろうが、いざクマが出たときに対応するのは、元々いる職員だ」。25年7月、北海道羅臼町の国道で白昼堂々、生きたシカの首元に食らいつくヒグマの姿は人々に強烈な印象を与えた。その現場にいち早く駆け付けたのも、「職員」である。「母グマはもう一人のガバメントハンターが、子グマ2頭は私が駆除した。市街地から近い国道かつ通学路でもあったため、見逃すという選択肢は取れなかった」。そう語るのは羅臼町産業創生課の田澤道広さん。行政職員でありながら個人として銃所持許可を持つ、「ガバメントハンター」だ。「ここ数十年間の大きな問題は、住民がいる市街地だからこそクマを撃つ必要があるのに、『撃っていいのは山の中だけ』だと、実態と法律とが矛盾し続けていたことだ。しかし今、そのような状況からようやく脱却し始めている」。同年9月には自治体の判断で市街地における銃猟が可能となる「緊急銃猟制度」が施行され、11月には警察官がライフル銃を使用してクマを撃つことが可能になった。これに伴い、秋田県と岩手県に「銃器対策部隊」が初めて派遣されたのだ。こうした動きについて田澤さんは、「猟友会のような『趣味』の団体ではなく、国民の生命・財産を守る『公の仕事』としてクマの対応にあたれる仕組みが整うことは望ましい」と評価しつつも、現場対応における難しさも明かしてくれた。「緊急銃猟制度は、正直少し期待外れでもあった。市街地に出没したクマは大抵、動き回る。一定の範囲内にいる住民を避難・退避させ続けることはほぼ不可能という感覚がある。住民の避難は警察が全て対応を担うなど、形を変える必要がある」。そして何より、クマを撃つ能力のあるハンターの高齢化と人材不足は深刻だ。前出の藤本さんはその危機感をこう語る。「今一番求められていることは、若手ハンターの育成に尽きる。クマを狩る技術は、『実践』の中においてのみ身につくものだ。今回、自衛隊や警察の銃器対策部隊が動いたなら、来年以降も継続的に、現地でクマと対峙したり、地元のハンターと連携したりする経験が必要だ。そうして初めて住民に安全がもたらされるはずだ」。田澤さんも思いは同じだ。「私もクマを撃つまでに約10年かかった。机上での教育も大切だが、やはり、経験が一番だ。現場での場数を踏めば、例えばあそこのやぶに潜んでいる可能性が高いだとか、ある程度の展開が読めるようになる。撃つのも『経験』だ。昔、遠距離からライフル銃でクマを撃ったとき、クマは数百㍍走った先で力尽きた。あとで解体すると、弾は確かに心臓を貫通していた。2人がかりで散弾銃を何発も撃ち抜き、約20発目でようやく仕留めたということもあった。軽い弾ではクマには通用しない。シカとクマとでは弾頭も火薬量も変える必要があるし、まずは試射しなければならない。こうしたことも、経験なしには習得しえない」。加えて、昨今、議論の多くが「クマが出た後」のことに終始している印象がある。「クマが出る前」に何ができるかということこそ熟考すべきだろう。柿の木やごみなどの誘引物の除去や、山と地続きでクマが身を隠せる場所の除去など、人間側で講じられる対策は徹底した上で、「狩猟期の前倒しや鳥獣保護区の見直しなど、再考の余地がある決まりもまだある」(藤本さん)。また、今の日本はクマの「駆除」に必死なあまり、「獲った後」の視点がすっぽりと抜け落ちてしまっている。「大切な命をいかに生かせるか、という議論が発展しないことに違和感がある」(田澤さん)。その場しのぎの弥縫策では、クマとの軋轢は解消できない。人とクマ双方の暮らしを守るためにも、持続可能な対策が急がれる。
(オオカミ狩猟解禁が物議、絶滅状態から「家畜の敵」に:ドイツ)
ドイツでオオカミの駆除を目的とした狩猟を認める法案が物議を醸している。国内では一時の絶滅状態から復活した「保護の成功例」だが、近年は家畜の被害が多発。「外敵」駆除を求める農家と、共存を訴える環境団体が対立する事態となった。「ようやく畜産農家が枕を高くして寝られる」。ライナー農相は17日、オオカミ駆除を条件付きで認める法案が閣議決定されたことを喜んだ。十分な生息が確認できる放牧地域では夏季の狩猟を可能とするほか、被害が出ている場合はさらに規制を緩める。ドイツで2000年にわずか1カ所に限られていたオオカミの縄張り区域は、これまでに200カ所以上に拡大。他方で昨年は家畜の羊とヤギ、約4300匹が襲われた。人身被害は報告されていないものの、子どもを森で遊ばせることを控えるなど警戒感が高まっている。オオカミは欧州全体でも生息数が増え、今年3月、野生動物保護に関するベルン条約に基づく「厳重」な保護対象から外れた。ただ、世界自然保護基金(WWF)は、狩猟の効果に懐疑的で「群れは有能な個体を失うと不安定になり、さらに家畜を狙い始める恐れがある」と説明。電気柵や牧羊犬の導入を優先すべきだと反発している。
(アンドルー元王子、銃所持許可証の返納を警察に求められる:イギリス)
王子の称号やヨーク公爵の爵位を剥奪されたアンドルー元王子。銃の所持許可証も失ったことが明らかになった。放送局「BBC」を初め複数のイギリスマスコミが報じている。ロンドン警視庁は声明を発表。11月19日に銃器許可証の担当官が、ウィンザーのある住所を訪問し「60代の男性に対して、銃器と散弾銃の所持許可証を自主的に提出するように要請した」と説明した。男性は許可証を提出したという。「現段階ではこれ以上のコメントは控える」とも。この男性がアンドルーであるという。警察はアンドルーに許可証を返納させた理由について、明らかにしていない。現時点でアンドルーは、許可証を所持している人の監督下にないかぎり、銃を使用したり持ち運んだりすることはできない。また警察は許可証の提出を求めただけで、アンドルーがコレクションしている銃器は押収しなかった。今回の返納の決定は、今後再審理される予定であるとも報じられている。イギリスのロイヤルたちは猟銃を使っての狩猟を楽しむことで有名だが、アンドルーも狩猟好きで知られる。2019年、インタビューでジェフリー・エプスタインとの関係を追及されたとき、エプスタインの右腕で性的人身売買で有罪判決を受けたギレーヌ・マクスウェルの誕生日パーティーをアンドルーが開催したという疑惑について質問された。アンドルーはマクスウェルの誕生日パーティーではなく、「週末に狩猟を楽しんでいただけだ」と答えていた。またクレー射撃も嗜み、セレブたちの射撃大会に出場していたこともある。
(通報から28時間後に箱わなで捕獲:秋田)
22日午前11時10分頃、秋田市の市公設地方卸売市場で、男性から「倉庫にクマが入っていくのを見た」と110番があった。倉庫内に設置したカメラに動き回るクマ1頭が映っており、市が倉庫の入り口付近に箱わなを置き、約28時間後の23日午後3時頃、捕獲された。体長約1・3メートルの雄だった。23日の競りは通常通り行われ、秋田市市場管理室は「けが人が出なくてよかった。再び侵入されるかもしれないので業者に注意を呼びかけたい」としている。
(住宅街でクマの目撃が相次ぐ、12月の目撃は既に過去最多:宮城)
仙台市の住宅街で、クマの目撃が相次いでいます。12月の目撃件数としては既に過去最多です。警察によりますと24日午前2時40分ごろ、泉区南光台南3丁目で酒販売店の駐車場に入っていく体長約1メートルのクマ1頭が目撃されました。近隣では数時間前の23日午後11時ごろに南光台東2丁目で、午後11時半ごろには宮城野区鶴ケ谷北2丁目でもクマが目撃されています。七北田川に近いこの地域では、22日から24日にかけて住宅街でクマの目撃が相次いでいます。同一個体の可能性も考えられるということです。近所の人「20年以上住んでいますけど、聞いたことないです。家のすぐそばですよ、住宅街ですよ、びっくり」仙台市によりますと、12月に入ってからのクマの目撃件数は49件と統計開始以降12月としては既に過去最多を更新しているということです。
(料理人と猟師で向き合う命:愛知)
愛知県豊田市の山間部に、県内外から客が集まるジビエ料理店「山里カフェMui」がある。店を営む清水潤子さん(54)は料理人であると同時にイノシシなどを狩る猟師でもあり、二つの立場で動物の死と向き合う。「命の大切さに感謝をしながら」。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後4時30分ごろ、仙台市泉区実沢八乙女屋敷にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前6時ごろ、仙台市宮城野区東仙台5丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前2時40分ごろ、仙台市宮城野区原町5丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前1時40分ごろ、仙台市宮城野区東仙台3丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後11時10分ごろ、仙台市宮城野区東仙台6丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後10時40分ごろ、仙台市宮城野区燕沢1丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、24日午後1時25分ごろ、松島町根廻上山王にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前2時40分ごろ、仙台市泉区南光台南3丁目にクマが出没しました。
(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、24日午前10時25分ごろ、登米市石越町南郷高森にイノシシが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後11時ごろ、仙台市泉区南光台東2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前5時15分ごろ、仙台市宮城野区安養寺2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前4時15分ごろ、仙台市宮城野区鶴ケ谷2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後11時30分ごろ、仙台市宮城野区鶴ケ谷北2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後4時ごろ、仙台市泉区市名坂原田にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、22日午後7時ごろ、南三陸町歌津長羽にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、12月22日から23日にかけて、仙台市宮城野区岩切にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前7時40分ごろ、仙台市青葉区川内三十人町にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前6時15分ごろ、仙台市泉区市名坂原田にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前5時ごろ、仙台市泉区八乙女中央2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
栗原市によると、22日午後5時ごろ、栗原市栗駒沼倉畑中にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、22日午後4時30分ごろ、富谷市富谷にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、22日午前10時15分ごろ、登米市東和町錦織川端にクマが出没しました。
TOPへ
12/22
(測量作業中に銃で撃たれる、20代男性がけが:岩手)
12月19日午後、岩手県二戸市浄法寺町の山林で測量作業中の20代の男性が猟銃とみられる銃で撃たれる事故がありました。男性は肩にけがをしましたが、命に別条はないということです。消防によりますと、19日午後3時ごろ、二戸市浄法寺町の山林で、測量作業をしていた男性が撃たれてけがをしたと同僚の男性から通報がありました。撃たれたのは20代の男性で、猟銃とみられる銃で撃たれ、肩にけがをして病院に運ばれました。消防によると、搬送時意識があり命に別条はないということです。警察は狩猟中の事故とみて、当時の状況を詳しく調べています。
(熊に襲われ89歳男性が死亡:宮城)
20日朝に宮城県大和町国見山南の山林で、クマに襲われたとみられる仙台市若林区の加藤光男さん(89)の死亡が確認された。例年はクマが冬眠している時季でもあり、猟友会関係者や地元住民らは大きな衝撃を受けた。県猟友会の複数の関係者によると、加藤さんは大和町出身。現場の山林にイノシシ用のわなを仕掛け、様子を見に来たとみられる。以前は猟銃も扱ったが、現在はわな猟のみでイノシシが中心だったという。「被害の現場はクマの生息地域。通常は12月半ばまでに冬眠に入るのに、たまたま遭遇してしまった」と県猟友会黒川支部の浅井功支部長(75)。「クマによる人的被害はあってはならない。とても残念だ」と悔やんだ。現場は町北西部の山間地域。地元の女性(74)は「この辺りはクマの目撃情報が多くて心配していたのに今回の件でもっと怖くなった。今年は冬眠しないのだろうか」と不安がった。加藤さんと同じ県猟友会の仙台南支部に所属する仙台市太白区の男性(89)は「普段はおとなしい印象。仲間が亡くなり、驚いている」と語った。若林区の加藤さんの自宅近くに住む70代女性は「穏やかな性格で、会えば明るくあいさつしてくれた。残念の一言だ」と話した。加藤さんは20日午前8時10分ごろ、宮城県大和町国見山南の山林で、イノシシ用のわな付近で倒れているのが見つかった。駆け付けた消防隊員が現場で死亡を確認した。わなにはクマがかかっており、加藤さんはクマに襲われた可能性が高いとみて、県警大和署が経緯や死因などを調べている。署などによると、くくりわなには体長約135センチのツキノワグマの脚がかかっており、加藤さんは発見当時、わなの周辺で頭にけがをして意識不明の状態で倒れていた。加藤さんの知人が発見し、「猟友会の人が帰ってこないので探していたら倒れていた。わなにかかったクマが暴れていて助けられない」などと署に通報した。午前9時55分ごろに署と町役場、猟友会が連携し、クマを駆除した。現場は大和町役場から北西約10キロの山林。県内では、栗原市栗駒文字の山林で10月3日、キノコ採りに来ていた同市の女性=当時(75)=がクマに襲われて死亡した。女性と一緒にキノコ採りに参加していた別の70代女性も行方不明になっている。
(“冬眠しないクマ”12月に89歳男性が死亡、わな猟と「錯誤捕獲」の危険性:宮城)
「冬だから、もうクマは出ない」。その認識が揺らいだ。12月20日朝、宮城県大和町の山林で、頭部に大きな外傷を負った男性が倒れているのが見つかった。近くには、イノシシ用の罠(わな)にかかったクマ。警察は、男性がクマに襲われた可能性が高いとみて調べている。現場に入り、実際にこのクマを駆除した猟友会のハンターは、取材に対し「今年は異常だ」と語った。冬の山林で起きた死亡事案は、クマの活動実態と、わな猟の現場が抱える危険を突きつけている。警察によると、通報があったのは12月20日午前8時10分ごろ。「猟友会のメンバーが家に帰ってこない」「イノシシの罠に生きたままのクマがかかっていて、そのすぐそばに人が倒れているが、近づけない」。猟友会から寄せられた切迫した内容だった。警察が現場に駆け付けると、道路から約100メートル先の山林で、男性が倒れているのを確認した。現場には、体長およそ1.3メートルのメスのクマがいた。イノシシ用の「くくり罠」にかかり、ワイヤーは木に結び付けられていた。午前9時55分、役場職員と猟友会が対応し、クマは緊急捕獲(殺処分)された。この対応に当たった、県猟友会黒川支部のハンターが応じた。現場到着後、クマの状態を直接確認し、駆除に踏み切ったという。実際に駆除したハンターは、当時の状況をこう振り返る。「前足にワイヤーはかかっていたが、完全に動けない状態ではなかった。一定の範囲で動ける状態だった」。警察によると、男性が倒れていた場所は、クマの手が届く範囲だった。ハンターは「罠にかかっているから安全だと思って近づくのは非常に危険だ」とも話す。「捕まっているクマ」であっても、人の命を脅かす状況は十分にあり得た。倒れていた男性は、仙台市若林区在住の89歳の男性と判明した。意識はなく、頭部に外傷があった。ハンターによると、男性の右手は複雑骨折しているような状態だったという。救急隊は搬送せず、警察は「社会死状態」と判断した。傷は激しく、クマによるものかどうかの断定はできないが、「大きな力が加わったようだ」という。死因については、今後、解剖で詳しく調べられる。町によると、男性は猟友会に所属していたが、大和町の猟友会ではなかった。家族が男性と連絡が取れなくなり、知人づてに大和町の猟友会のメンバーに相談。イノシシの罠を確認しに行ったところ、発見されたという。関係者の話では、猟友会の黒川支部が応援を要請した案件ではなく、個人の狩猟目的で仕掛けた罠だった可能性がある。罠の様子を確認した際、クマの逆襲にあったのではないかという見方もあるが、いずれも推測の域を出ていない。今回、浮かび上がるのが「錯誤捕獲」の問題だ。イノシシやシカを対象に仕掛けた罠に、別の動物がかかることを指す。本来は、猟友会や県、町に報告し、駆除や放獣などの対応を取る必要があるという。実際に駆除したハンターは、現場対応の難しさを踏まえ、「もし個人狩猟中の錯誤捕獲だった場合、処理を一人で行うこと自体が大きなリスクになる」と指摘する。このクマを駆除した猟友会のベテランは、強い危機感を口にする。「本来は冬眠に入る時期だ。12月中旬以降にクマが出没し、さらに人身被害まで起きるのは、今年が異常だ」。現場周辺の住民からも、「冬はもう出ないと思っていた」「この辺で人を襲う話は聞いたことがなかった」。といった声が聞かれた。今回の事案の詳細については、調査が続いている。それでも、実際に駆除に当たったハンターの証言は、冬でも終わらないクマの活動と、わな猟の現場が抱える危険性を浮かび上がらせた。被害を防ぐ側が、命の危険にさらされる現実がある。季節に関係なく、警戒が必要な時代に入っている。
(知事は来年のクマ対策について「クマを寄せつけない街をつくっていく」:秋田)
今年最後の県議会で県の補正予算案が原案通り可決されました。閉会後、鈴木知事は来年のクマ対策について、「県民とともにクマを寄せつけない街を作っていくことに力を入れたい」と述べました。県が県議会に提出していた補正予算案は、一般会計の総額で追加分も含めて144億円余りです。クマ対応や、物価高騰対策のためのプレミアム商品券発行費用などが盛り込まれていて、19日の本会議で原案通り可決されています。閉会後、鈴木知事は来年のクマ対策について「すごく多くの面で努力をしていきたい」と述べました。鈴木知事「県民の皆さんと、または事業者の皆さんと力を合わせながらですね、しっかりとしたクマを寄せつけない街を作っていくということに力を入れたいと思います」。鈴木知事は、“季節で変わるクマの行動パターンについて県民とともに理解を深めて、対応・行動を変えていきたい”という考えを示しています。
(新たな熊被害対策、AIカメラ導入:新潟)
小千谷市は新たなクマ被害対策として、人工知能(AI)カメラを搭載した通信機器を導入する。カメラがクマを検知すると、市の担当者が映像をリアルタイムで確認できる仕組みで、市民への情報発信などに活用する。設置は来年1月以降になる見込みだ。県のアーバンベア捕獲緊急支援事業の交付金を活用する方針。クマの様子をリアルタイムで確認でき、より詳しい情報を市民へ発信することや、より確実にクマを捕獲するための情報収集に生かす。
(アーバン・ベア化を阻む個体数管理:兵庫)
もはや「災害」ともいえるクマによる被害。環境省によると、今年に入り、東北地方を中心に全国で過去最多の230人(12月5日時点)が被害に遭い、13人が犠牲となった。9月にはクマを駆除するため、自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」が解禁。ただ、ハンターの高齢化や養成など課題は多い。深刻化するクマ被害をどう防げばよいか。注目されているのが、独自のクマの個体数管理で、人間の生活圏に寄せ付けないようにしている兵庫県の取り組みだ。今年5月上旬、兵庫県の但馬地域の山中で、わなにかかった体長約1メートルのツキノワグマのメスが甲高いうなり声をあげ、威嚇するようなしぐさを見せた。現場へ到着した兵庫県森林動物研究センターの職員2人のうち1人が至近距離からクマに向けて麻酔銃を発射。麻酔の効果で眠りに落ちたクマにもう1人が手際よく注射し、個体識別機能のあるマイクロチップを装着して、山中で放した―。兵庫県が独自に行っている個体数調査の光景だ。シカやイノシシなどのわなにかかった個体を対象にマイクロチップを装着して放ち、翌年わなにかかったクマにマイクロチップが装着されているかを調べる。そこで得られた統計的データから生息するクマの個体数を推定するシステムで、平成15年から本格的に運用を始めた。同センターによると、捕獲作業中に職員が襲われるケースも過去にはあったといい、担当者は「すばやく的確に作業を終えること、冷静な判断をすることを心がけている」と話す。チップが装着されたクマの累計は15年以降、3400頭以上に上り、年々個体数を把握する精度は高まっている。調査により県内では年間約15%のペースで増えていると推計されることが判明。5年で2倍になる計算で「クマが増えすぎると生息範囲の拡大につながる。個体数を把握し、状況に応じた対策をしなければならない」とセンターの担当者は話す。このため、県は推計される個体数に応じて、狩猟を禁止したり解禁したりして、人身被害やクマを人の生活圏に寄せ付けない範囲の頭数を維持するよう管理している。県内では700頭前後のクマが生息しているとみられるが、400頭以上と推定される場合は、農作物などに被害を及ぼすクマを捕獲する「有害捕獲」で捕獲された個体の殺処分も行い、800頭以上と推定される場合は狩猟も解禁する。一方で、個体数が800頭未満と推定される場合は、狩猟を禁止。400頭未満と推定される場合は有害捕獲による個体の殺処分も可能な限り行わないなど、個体数の推計値が400頭を下回らないよう管理している。全国的にクマ被害が多発する中、兵庫県の今年度の出没件数は10月末で439件だが、人身被害は1件にとどまった。兵庫県自然・鳥獣共生課の担当者は「クマの個体数の動向をつかんでいるので、東北や北海道のように(被害が深刻に)はならないのではないか」と話す。ただ、懸念材料はある。近年は集落の過疎化や高齢化などにより耕作放棄地などが増加。これまで主に県北部の但馬地域に出没することの多かったクマが、丹波地域や阪神地域などにも出没するようになるなど、クマの生息域が南下している傾向がみられるという。県の担当者は「地域の過疎高齢化によりクマの生息できる領域が広がっている。個体数のコントロールはある程度できているが、生息域の拡大については今後の課題だ」とする。環境省によると、全国で確認されたクマによる人身被害は令和5年度が198件(219人)で、昨年度は82件(85人)と減少したが、今年度は12月5日時点で209件(230人)と件数、被害者数ともにいずれも過去最多を更新した。人の生活圏でもクマの出没や被害が相次ぐ。兵庫県のクマ対策に20年以上携わる兵庫県立大の横山真弓教授(獣医学)は、東北地方での大量出没は「今までの常識からは考えられない状況だ」と説明。全国的にクマのえさとなるドングリ類が不作となり、人の生活圏に食べ物が豊富にあると学習しているクマが人里に押し寄せている可能性を指摘する。このため、横山教授は兵庫県のようにクマの個体数推計システムを構築させる必要性があると強調する。「個体数を推計することで、適正な捕獲数を計算できる。クマは生態系を維持する上で重要な役割を担っている。個体数の推計ができないと、やみくもに捕獲を行わなければならなくなる」と指摘する。そのうえで、クマが生息域を拡大するのを防ぐため、クマを人里に引きつけるカキの木などの誘因物を無くす▽電気柵の設置や、集落と山側の境界の見通しをよくするバッファーゾーンを整備する―といった取り組みが有効だと説明。こうした取り組みをバランスよく行うことで、クマが人の生活圏に出没することを防げるとしている。
(野生鳥獣の捕獲や処理を学ぶ研修会:群馬)
二ホンジカなどによる農作物被害が問題になる中、野生鳥獣の肉「ジビエ」の活用を進めるための研修会が中之条町で開かれ、参加者が捕獲や処理の仕方について理解を深めました。この研修会は、ジビエに対する知識を身に着けることで利用拡大に繋げようと、県が昨年度から開いているものです。17日は、吾妻地域で猟銃免許を持つ人や、行政担当者など約20人が参加しました。初めに県の担当者が、有害鳥獣による農作物被害額は全国で164億円にのぼると説明し、「捕獲するだけではなくジビエとして利用することで、農山村地域の所得向上につなげたい」と話しました。県内のジビエは、福島原発事故の後、出荷制限が続いているものの、高崎市と南牧村の2つの施設で加工や出荷を行っています。研修会では、狩猟管理学が専門の酪農学園大学の伊吾田宏正准教授による講演も行われ、参加者は、動物にストレスを与えない捕獲方法や、食肉加工の衛生基準なども学んでいました。
(ヒグマ対策で連携協定、知内町と森林組合:北海道)
知内町と知内町森林組合(松井盛泰組合長、組合員数220人)は18日、緩衝帯の整備などヒグマ対策に関する連携協定を締結した。同組合は山林で働く知見を生かして草刈りや電気柵の設置、パトロールなどを行い、町は組合員のハンター資格取得などを支援する。
(狩猟免許の受験者が過去10年で最多:栃木)
本年度の県内狩猟免許の受験者数が前年度比26%増の427人となり、過去10年間で最多となったことが20日までに、県への取材で分かった。東北地方を中心に市街地へのクマ出没が増えていることなどから、県自然環境課は「狩猟への関心が高まっているのでは」と分析。免許取得に関するPRや例題集の無料配布も奏功したとみており、今後も受験者増に向けて力を入れる方針だ。
(クマによる外傷事案、消防署員が救急活動を検討:岩手)
釜石消防署(小林太署長)は10日、クマによる人身被害の救急対応を考える事例検討会を開いた。県内では今年、死者が出るなどクマによる負傷事案が増加。負傷者の収容から搬送まで救急活動を担う消防署員は、一連の活動の中でさまざまな状況判断や決断が求められることから、今後の活動に生かすために開催した。同署員約30人のほか、県と市の鳥獣担当部署の職員も参加し情報共有。クマによる人身被害対応では二次被害防止の観点からも関係機関の連携が重要であることを再確認し、協力体制強化へ意識を高めた。会では大槌消防署の和田泰介救急救命士(消防士長)が、県内の狩猟解禁日(11月1日)に大槌町金沢の山林で発生したクマによる顔面外傷事案について説明した。受傷者(70代男性)は仲間と狩猟中、発砲したクマに倒されたところを、別の1頭に襲われ顔面を負傷した。仲間からの119番通報で、同署の救急隊と現場安全管理のための消防隊が出場した。プレアライバルコール(救急隊が現場到着までの間に電話で通報者から情報収集)で受傷者の状態を聞き取り、通報者に圧迫止血を依頼。現場到着後、顔面の複数の裂創を確認した。受傷者は会話はできたが重症状態で、止血や創の被覆などの応急処置を行って病院へ搬送した。出場時に県のドクターヘリを要請したが、暴風警報発令中で対応不能とのことで、最終的に県高度救命救急センター(岩手医大付属病院)への陸路搬送を開始した。釜石道で容体が急変したため、直近の医療機関での安定化が必要と判断し、県立釜石病院へ搬送。受傷者は必要な処置を受けた後、同センターへ転院搬送された。和田救急救命士は時間経過と活動の流れを振り返り、「状況判断と病院選定に苦慮した。クマ外傷時の活動マニュアルや訓練経験がないので、実際に現場に行くと、想像に欠ける点があった」と話した。二次被害防止策にも言及。署内の話し合いでは▽消防車両上部から周辺を監視する人員の配置▽現場近くに住宅がある場合は車両積載マイクで屋内避難を広報▽ポンプ車などへのクマよけスプレーの常時積載―などの意見が出されたという。同署の佐藤純平救急隊長(消防司令補)は、救急隊の医療機関選定について話した。消防法の改正を受け、本県では2011年に救急搬送実施基準が定められている。搬送先医療機関の選定基準としては▽傷病者または家族などから申し出のあった、かかりつけ医▽搬送時間が最短▽病院群輪番制の医療機関―があり、症状や病態とともに総合的に判断して搬送する。佐藤救急隊長は今回のクマ外傷の病院選定について考察。質疑応答では救急隊の活動人員や重症時の判断などに関し、実際に現場を経験した2人に考えを聞いた。釜石消防署の小林署長は「県内のほとんどの消防署ではクマ対策にかかる消防活動や救急活動のマニュアルを作成していない」とし、装備を含む課題を指摘。自治体の中にはクマの緊急銃猟実施の際に担当課の要請で救急車を安全な場所に待機させたり、クマが出没した際、小中学校の登下校時に消防車両が巡回を行う体制をとっているところもあるというが、まだまだ課題は多い。会では県や市の鳥獣担当職員とも情報共有。署員らはクマの習性や追い払いの方法、緊急銃猟の実施基準などについても学んだ。釜石大槌地区では今年、クマ事案での救急出場は釜石市1件(軽傷)、大槌町1件(重傷)。釜石消防署では特異事案があるたびに今回のような署内研修を行い、情報共有や知識習得に努めているが、県や市の関係部署を招いての事例検討会は初めて実施。県沿岸広域振興局保健福祉環境部・釜石保健所環境衛生課の髙橋秀彰課長は「それぞれの組織には強みがある。何より大事なのは連携で、チームで対応することがポイント」と相互協力の必要性を示した。クマ事案での救急活動は現場周辺にクマがひそんでいる可能性もあるため、二次被害を防ぐための安全確保も重要なポイント。小林署長は「署員も危険を伴う対応。関係機関と連携しながら、任務分担して活動することが大事。状況を見極め、あせらず冷静に」と、よりベストな活動を望んだ。
(ブナの豊凶「1年おき」、森林環境変化に対応を:秋田)
「2026年ブナ豊凶予報」。秋田県のウェブサイトに、こう題したページがある。県林業研究研修センター(秋田市河辺)が独自の調査によって発表しているもので、来年の「予報」は11月に出された。これによると、県内5カ所の調査地点のうち4カ所で「豊作」、残り1カ所も「並作」となる見通しだ。クマの主な餌となるブナの実のなりが良ければ、人の生活圏への出没は抑制されるのではないか―。そうした見方に、センターの和田覚・環境経営部長は警鐘を鳴らす。「27年はまた、凶作になる可能性が高い。『1年』の猶予にできる対策を進める必要がある」ブナは春に花が咲き、秋に結実する。センターでは前年の秋に「冬芽」を調査。冬芽の中には、葉だけの芽と、葉と花の混芽があるといい、混芽の比率を調べることで花の咲く量を推定している。
(焼却かジビエか、駆除したヒグマ”530頭”の行方は:北海道)
2025年度、北海道内でヒグマ警報などが出された17の市町村で、合わせて530頭と異例の数のクマが駆除されました。クマの駆除にどう向き合うのか、北海道南部で取材しました。北海道北部、苫前町で11月、体重380キロの巨大グマが捕獲され、その後駆除されました。2025年度、ヒグマ警報や注意報が出された北海道内17の市町村で駆除されたクマは530頭にのぼります。中でも多いのが北海道南部で、半分を超える約300頭が駆除されています。「持ち込まれたクマや他の動物は、この台に置いて炉の中に入れて灯油で焼却する」(南部桧山衛生処理組合 上戸等場長)。江差町や上ノ国町など、周辺5つの町のゴミ処理を行うこの施設では、駆除されたクマの焼却処理も行っています。2025年度は、上ノ国町で105頭ものクマが駆除され、焼却が間に合わない事態に。「今年は120頭くらい持ち込まれている、去年は30頭くらいだったので、4倍です。ちょっと焼却が間に合わないという状況が、9月10月は続きましたね」(南部桧山衛生処理組合 上戸等場長)。焼却炉はひとつで、焼却できるのは1日2頭です。冷凍庫にも収まらない時は、埋立地で処理をしたこともありました。さらに経費もかさんでいます。クマの焼却に使う灯油は1回100リットルほどです。去年は年間で約3000リットルでしたが、今年はすでに7000リットルほどになっています。「2025年度の灯油代の予算が40万円くらい、すでにその倍以上の90万円くらいかかっています。例年とは全く違う焼却回数なので、そういった部分で、(他の)業務に多少の影響は出ますね」(南部桧山衛生処理組合 上戸等場長)。一方で、駆除されたクマをおいしくいただく取り組みも行われています。「これがヒグマのヒレ肉です」(北斗市猟友会 谷内田龍司会長)。北斗市猟友会の会長、谷内田龍司さんです。谷内田さんは去年、会社を立ち上げ、ジビエ加工施設も作りました。ハンターとして活動しながら、新鮮なクマやシカの精肉にも取り組んでいます。販売も行っていて、クマの肉は100グラム1100円です。「数年前より、エゾシカが増えてきまして、捕獲しても処理しきれない。北斗市はハンターが結構いるので、有効活用しましょうということで5年くらい前から市と振興局と構想を練ってやりました」(北斗市猟友会 谷内田龍司会長)。駆除されたクマはハンターの手で現場で血抜きされ、1時間30分以内にこの施設に持ち込まれます。鮮度の問題から、1時間30分を超えるものは受け付けないといいます。その後、洗浄や解体などの過程を経て、数日熟成し、クマの精肉ができあがります。今年は10頭ほどを精肉したといいます。新鮮な肉を求めてさっそくお客さんが訪れました。谷内田さんはハンターの育成にも取り組んでいます。「捕獲したら食べるを基本に、今一緒に歩いて、伝授しています」(北斗市猟友会 谷内田龍司会長)。クマにほんろうされた2025年の北海道。駆除についてだけでなく、その後の対応についても考えていく必要がありそうです。
(クマの出没1000件超、影響は:富山)
県内では今年、クマの出没が1000件を超え、過去10年で最多となりました。初めての緊急銃猟が行われるなど、クマの出没によってさまざまな影響が出た、この1年。まずは、意外なところにも広がっている影響からです。長谷川記者のリポートです。南砺市・五箇山にあるこちらの飲食店。今年、全国的にクマの出没が相次いだことで思わぬ反響があったといいます。ジビエの名店「高千代」の看板メニューは、地元で獲れたクマの肉をふんだんに使ったくま鍋です。そして、クマの脂身をそのまま味わう、くまトロも名物です。これらのクマ料理がこの秋、注目を集めました。テレビやインターネットでクマの話題が連日取り上げられたこともあり、インバウンドを中心に注文する人が増え、注文数は例年の2倍になりました。高千代 髙桑四郎店主「紅葉の時期とクマの被害の時期が重なって、とんでもなく忙しくて、体がだいぶボロボロになりました。完全な想定外です」。クマの出没件数が1000件を超え、過去10年で最多となった今年の県内。12月に入ってからも出没が相次ぎ、立山町下田ではKNBのカメラがその姿をとらえました。今年、目撃情報が連日ニュースとなったのは夏からでした。まず、夏山での目撃が相次ぎました。8月、登山者でにぎわう室堂ターミナルのすぐそばにもクマが姿を現しました。薬師峠キャンプ場で撮影されたのはテントの脇で食べ物をあさる姿です。キャンプ場は出没を受け、シーズンいっぱいの閉鎖を決めました。県はツキノワグマ出没警報を発令。クマの主食となるブナやミズナラなどの山のドングリ類が軒並み不作となったことから、平野部でも出没に注意するよう呼びかけられました。県森林研究所森林環境課 中島春樹課長「秋になってクマが食べ物を求めて、より低標高の平野部の近いほうに活動域を広げやすくなりまして、その一部が平野部の方にさらに出てしまう恐れがある」。餌を求めて人里に下りてきたクマが狙うのは放置されたカキの実です。平野部でのクマの出没は9月下旬から急増しました。出没した多くの場所の近くには、カキの木がありました。富山市では寄せられた出没情報をもとに市の職員が原則、猟友会のハンターとともに現地を確認しています。相次ぐクマの出没は会員数や経験豊富なハンターの減少など、猟友会が抱える課題を浮き彫りにしました。八尾町猟友会 佐々木孝会長「今まで1か月ほどの間に、携帯にかかってこなかったのが1日ぐらいだけやないかなと思う。その倍くらいの人数で回していければ、ローテーションみたいになれば、数出んでもいいし、ちょっと楽になるかなという気持ちもありますわ」。人への被害も相次ぎました。今年、クマに襲われて6人がけがをしました。全国で相次ぐ出没や人身被害を受け、政府も対応に乗り出しました。法改正により自治体の判断で銃器を使ったクマなどの駆除が可能となる緊急銃猟が9月に始まりました。県内では10月、富山市吉岡で緊急銃猟による駆除が初めて行われました。緊急銃猟は、これまで県内であわせて9回実施の判断が下され、このうち5件でクマが駆除されました。こうした緊急対応が続くなか、県内では捕獲の動きが広がりました。緊急銃猟を含む「有害捕獲」は人への被害を防ぐため、人里へ下りてきたクマを捕獲するものです。今年度は、県内のツキノワグマの捕獲数がこれまでに過去最多となる355頭にのぼっています。有害捕獲されたクマは捕獲したハンター本人が自分で消費するのが原則となっています。一方で「有害捕獲」とは別に、狩猟期間中に山で狩猟として捕獲されたクマについては、一般の人も飲食店などで食べることができます。五箇山のジビエの名店「高千代」の店主・髙桑四郎さんは今年のクマは例年よりも脂の乗りが良いと話します。髙桑さんは元ハンターです。山でのクマの数も増えているのか聞きました。髙桑店主「いや~増えてないと思いますね。大体クマっていうのは3年に1回ほどしか出産しませんから、そんなに急激に増えるものでもないと思うんです」。県は5年に一度、クマの個体数調査を行っています。赤外線センサー付きのカメラなどで山のクマを記録し、生息数を推計する手法です。去年の推計では県内のクマの生息数は1449頭とされています。前回、2018年の推定1460頭からはほぼ横ばいですが、調査方法が異なる2008年の推定740頭と比べると、大きく増えています。全国でクマ被害が相次いでいることを受けた国の方針を踏まえ、県は来年3月ごろから山に生息するクマの捕獲を行い、個体数の調整を進める方針です。県内では12月に入ってからもクマの出没が相次いでいます。冬でも人里に餌があると学習したクマは冬眠が遅れる傾向にあり専門家は注意を呼びかけています。
(クマと人間を分けてきたもの、江戸時代から眺めると)
江戸時代、とりわけ前期は大規模な農地開発が進んだ。山野が切り開かれ、耕地面積はほぼ倍増した。日本近世史が専門の武井弘一・金沢大学教授によると「戦乱から自分の身を守るのに精いっぱいだった時代が終わり、人々のエネルギーは開発に向かった」。しかしそれは鳥や獣たちのすみかを奪うことでもあった。追い立てられたシカやイノシシは人里に現れ、農作物を荒らした。百姓たちが頼りにしたのが、戦国時代に村に持ち込まれた火縄銃だった。武井さんによると、鉄砲の保持・使用を認めてほしいと領主に求める文書がこの時期に目につくという。治安維持のため、あるいは「生類憐(あわ)れみ」のために、幕府は村にある鉄砲を取り締まったが、百姓たちは強く抵抗した。それだけ獣たちに悩まされていた。
(約50グラムで30万円超…高額な“熊の胆のう”フリマサイトへの出品相次ぐ)
全国各地で人的被害が相次ぎ、クマ問題への関心が高まるなか、大手フリマサイトで“熊の胆のう”が出品されるケースが多数報告されている。中には1個で約33万円という高額出品も。効能をうたった場合、個人間での売買は薬機法違反に問われることもあるが、問題はないのか。専門家や自治体に見解を聞いた。「熊 胆のう 月の輪熊 48g ¥83,000」「【希少】熊 胆のう 50g ¥65,000」。大手フリマサイト「メルカリ」で検索すると、乾燥させ保存状態を高めた熊の胆のうが複数出品されているのがうかがえる。値段はまちまちだが、高いものでは「49g ¥33,3333」という破格の値段がついた商品も。また、熊の胆のうではなく「涙型 置物」という名目で出品されているケースも多く、「この置物はクマの胆嚢涙型の形状を持ち、インテリアに独特のアクセントを加えます」「アンティークや調度品、お守り等にいかがですか? ご飲食はお控えください。ご飲食した際の責任は一切負いかねます」といった注意書きが添えられている。なぜ名目が「置物」とカモフラージュされているのか。50年以上にわたってツキノワグマの生態調査を続けたきたNPO法人「日本ツキノワグマ研究所」の米田一彦所長は、「法の抜け穴をかいくぐるためでしょう」と解説する。「クマ科の動物は全種がワシントン条約で国際的な取り引きが規制されており、熊の胆(くまのい、熊の胆のうのこと)もこの対象です。一方、国内での取り引きは特に規定はなく、個人で自家消費する分には問題はありませんが、漢方としての効能をうたって販売した場合は薬機法に引っかかる可能性がある。あくまで置物とすることで、それらのリスクを回避していると考えられます」。米田氏が2008年に行った調査では、1個あたり80万円もの値段で取り引きされていたという熊の胆のう。いったいどのような効能があるのか。「消化不良や肝機能の改善、胆汁の流れをよくするといった効果があり、江戸時代までは実在する動物の生薬としては最高位の万病薬とされてきました。今は主成分のウルソデオキシコール酸がすでに工業化されており、市販薬を上回るほどの効能があるわけではありませんが、アジア圏ではいまだに漢方として生薬が重宝される傾向がある。がんに効くなどの迷信もあります」。今年、多くのクマが駆除されたことで、通常あまり出回ることのない熊の胆の一部が市場に流れた可能性がある、と米田氏。一方で、正規の駆除ではない密猟によるものも一定数あると分析する。「密猟自体は多くはありませんが、確実にあります。実際、私も調査用に捕獲していたクマのおりが壊され、内臓がえぐられ、高級中華の食材となる四肢が切断されて持ち去られていたという経験があります。アジア圏でも特に漢方文化が盛んな中国や韓国にはありがたがる人がまだまだ多い。フリマサイトで気軽に出品できるようになったことで、今後流通が増えたり、密輸につながるケースもあるかもしれません」。フリマサイトで熊の胆のうを販売することに問題はないのか。秋田県健康福祉部医務薬事課の担当者は、「薬機法にあたるかは個別のケースとなるため、一概に違反と申し上げることはできません。管轄の自治体によっても異なり、担当部署が薬事監視を行って個別に対応していくことになります」としている。
(若手ハンター研修会、4町合同で初開催“20代~50代の男女7人:北海道)
クマによる食害などの被害が相次いだ北海道南部で、4つの町が合同で初めてハンターの研修会を開催しました。若手ハンターの射撃力向上を目的として初めて北海道南部の4つの町が合同で開いた研修会。木古内町と知内町のそれぞれ20代から50代の若手ハンター7人が参加し、銃の安全管理や射撃方法などを学びました。「銃弾が正しい狙った場所に飛ぶようにすること自体が安全管理だと思う、自ら道具を手入れしてやっていきたい」(知内町からの参加者)。参加者はハーフライフルで50メートル先の的の狙い方や、銃の手入れ方法を学んでいました。
(若手ハンター育成 「かながわハンター塾2ndステージ」:神奈川)
鳥獣被害に向き合う若手ハンターの育成を目的とした「かながわハンター塾」。グループでの組猟や捕獲した個体の解体などの現場実習を、県内から集まった10名の参加者が体験しました。連日のようにテレビや新聞を賑わす人の日常生活圏へのクマ出没のニュース。今年9月には新たに緊急銃猟制度も施行されるなど、野生鳥獣による被害への対応や高齢化によるハンターの減少が、今や自治体にとっても重要な課題となっています。県土の約39%を森林域が占める神奈川県でも同様の課題を抱えており、今後の有害鳥獣対策の担い手育成の一環として県が推進しているのが、若手・新規ハンター育成プログラム「かながわハンター塾」です。「かながわハンター塾」は、神奈川県が主催し、神奈川県猟友会と連携して、狩猟経験の浅いハンターや狩猟未経験者を対象に行う、有害鳥獣捕獲の担い手育成を目的とした実践的な研修プログラムです。主に猟銃を使った巻き狩りの実猟体験を通じて、安全な狩猟技術と知識を習得させ、地域における鳥獣被害対策の即戦力となるハンターを育成することを目指しています。平成26年度に事業をスタートし、平成29年度からは対象を免許取得後の方に限定した、より実践的な「かながわハンター塾 2ndステージ」に移行。例年、県内の各猟区において現場実習を行っており、令和7年度の3回目は、相模原市緑区内の鳥屋猟区を会場として実施されました。令和7年12月7日(日)、相模原市緑区の鳥屋猟区において、神奈川県が主催する「かながわハンター塾 2ndステージ」が開催されました。今回は川崎市や横浜市、小田原市、秦野市など、県内各地から10名の参加者が集まり、そのうち3名は女性の参加者でした。また夫婦での参加者もおり、公益社団法人神奈川県猟友会の指導のもと、真剣に獲物を狙う姿や丁寧に解体を行う様子がみられました。鳥屋鳥獣保護協会の会長であり、猟区の案内人を務める榎田智徳さんの誘導のもと、参加者は緊張の面持ちで猟区へ移動し、銃を持ってそれぞれの立間(たつま)と呼ばれる獲物の逃げ道となるポジションにつきました。勢子(せこ)と呼ばれる獲物を追い立てる役割を神奈川県猟友会の青年部が担い、猟犬とともに出発しました。山を囲うように、ベテランハンターと新人ハンターが交互に配置され、勢子が追ってきた獲物を仕留めようと銃を構えて待っています。開始から1時間半を経過した頃、銃声が鳴り響き、新人ハンターの功績とはいかなかったものの、ニホンジカ2頭を捕獲しました。狩猟経験2年目の参加者は、「無線で獲物の情報が共有され、こちらに近づいた時は緊張感があった。自分で捕れたら最高だろうなと思った」と話し、今後の狩猟については、「また鳥屋猟区で鳥猟をしたり、北海道でエゾシカや千葉でキョンを狩猟したり、幅広く活動していきたい」と意欲を語ってくれました。狩猟経験3年目の参加者も、「配置されてすぐニホンジカが走ってきたのが見えた。『撃って』と言われたが銃の準備ができておらず撃てなかった。それが最初で最後だった。今日でシカを見たのは2回目。人の気配を感じたからもう来なかったのかも」と残念そうな様子でした。その後もベテランハンターから猟に纏わるノウハウや過去の経験談に熱心に耳を傾けていました。狩猟後は、捕獲した2頭のニホンジカを解体する実習を行いました。神奈川県猟友会が手本として、ナイフ1本で皮と肉をきれいに分け、新人ハンターも苦戦しながら、命を無駄にすることなく丁寧に取り組んでいました。骨や筋肉の構造について学びつつ、解体は自分なりのやり方を見つけていくことが大切であると指南を受けていました。今回ハンター塾の実践の地となった鳥屋猟区は、相模原市の南西部、宮ケ瀬湖の西側に位置する山間地域で、大正10年から続く公営の猟区で、アクセスの良さと環境の豊かさが大きな特徴です。圏央道相模原インターチェンジから車で約30分、関東圏の都市部からも無理なく来られる距離にありながら、狩猟しやすい地形や多様な生息環境が広がっています。丹沢山地に連なる豊かな森林に囲まれ、2,995ヘクタールに渡る広大な区域には、ニホンジカやイノシシのほか、多様な鳥獣が生息しています。猟区では、生息環境の整備などで狩猟鳥獣を保護する一方、入猟日や入猟者などの一定の制限をしながら狩猟を行い、保護と狩猟の調整が図られています。また、鳥屋猟区の管理運営は、地域団体である鳥屋鳥獣保護協会に委託されており、巡視員が入猟者や狩猟場所の様子を適切に把握したり、案内人が入猟者に同行したりすることで、狩猟事故の防止を図るとともに、林業関係者や登山者等の安全性にも寄与しています。入猟する際は、案内人が付き添い、新人ハンターや初めて鳥屋猟区に訪れた人でも安心して参加することができるため、ハンターの育成の大きな力となっています。今後も狩猟文化の継承と獣害対策の要として重要な役割を果たしていくことが期待されます。
(シカ防除柵の効果を検証、クラウドファンディング実施:東京)
東大先端科学技術研究センター(先端研)の西澤啓太助教らの研究グループが、11月25日からシカ防除柵が生態系にもたらす影響の分析に向けたクラウドファンディングを開始した。近年、ニホンジカの生息域が拡大し、生息密度も高まっている。シカが樹皮を食い荒らすことによる被害は全国の森林の3割で確認され、下層植物の食害は貴重植物の消失や土壌の流出を招いている。森林をシカから守るため、各地でシカ防除柵による植生の保護が進んでいる。西澤助教らのチームは、シカ防除柵の内外で、植生や昆虫・微生物の分布などの生物多様性や土壌の炭素貯留量の違いを調査する。市民参加型のプロジェクトを想定し、チームが送る調査道具を用いて参加者が調査を実施。得られたサンプルをチームが分析する。全国50サイト以上でサンプル調査を行うことで、全国的なシカ被害や対策を可視化し、効果的な防除計画への活用を目指す。得られた資金は調査キットや解析機材に充てられる予定。調査への参加者は来年4月から募集し、資金拠出の有無を問わず応募を受け付ける。クラウドファンディングは学術系クラウドファンディングサイト「academist」上で「人とシカが共生できる社会へ!市民科学で防鹿柵の効果を見える化する」の名で実施されている。12月15日時点で当初の目標金額の150万円を達成し、300万円を新たな目標に設定している。期間は来年1月19日まで。
(緊急銃猟、その時どうする:石川)
加賀市は18日、クマが市街地に出没した場合、駆除するために自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」を想定した訓練を、同市水田丸町の水田丸町民会館付近で開いた。訓練は、町内に成獣のクマ1頭が出没し、同町民会館にとどまったと想定。市職員や大聖寺署員、猟友会、近くの東谷口小学校児童ら約70人が参加した。市職員が同町民会館の半径100メートルの住宅約20軒を回って屋内にとどまるよう呼びかけたほか、同小学校にも教室内への避難を求めた。安全を確保した後、猟友会の2人が模擬銃を使い、市職員が演じたクマを駆除するまでの流れを確認した。
(クマ対策を協議、捕獲報奨金や隊員の時給引き上げ検討:青森)
クマの出没や被害が相次いでいることを受け、黒石市が対策会議を開きました。捕獲の報奨金を新設するといった支援策について検討しました。対策協議会の会議には、市の関係者や猟友会などおよそ18人が参加しました。黒石市によりますと、今年度クマ被害の連絡があったのは、きょう時点で45件に上っています。特に8月は22件と多く、山での餌不足が影響した可能性があるということです。会議では、猟友会の負担軽減のため市職員が狩猟免許を取得し、箱わなの設置といった作業を担うほか、隊員の時給を1500円から2000円に引き上げ、また捕獲報奨金を新設し、体長80センチ以上の成獣は2万円、幼獣は1万円とする案が示されました。【黒石市農林課 齋藤充主任主事】「特に協議会予算で今後どういった対策を行っていくか、具体的については猟友会の方の待遇の改善や今後狩猟捕獲についてどういった装備が必要かという部分について、意見交換のほう伺いましてそちらの内容を反映したうえで、今後装備等について整えていこうと考えているところであります」。
(「クレー射撃シミュレーター」が凄かった!:滋賀)
オリンピック正式種目でありながら、日本ではあまり馴染みないスポーツにクレー射撃がある。これは、宙を飛ぶ皿を散弾銃で撃つシンプルな競技。世界の競技人口は約500万人もいるという。ハリウッド映画で、登場人物がクレー射撃をするシーンをたまに見かけるという意味では、ご存知の方も多いはず。ただ日本では、銃の所持要件が厳しいなど、実際に始めるにはハードルが高い点は否めない。そんななか、滋賀県大津市で7月に新規オープンしたのが、「クレーシューティングシミュレーター」。「本物の銃に触れて撃てる」という、関西では初、国内でも希少な施設ということで訪れた。応対に出たのは、濵﨑銃砲火薬店の次期代表、濵﨑航平(はまさきこうへい)さん。同店は、滋賀県でも数少ない銃器を取り扱うショップで、ガラス張りの棚には実銃が所狭しと陳列されている。本題に入る前に、濵﨑さんはクレー射撃の基礎知識を教えてくれた。「クレー射撃というのは競技の総称で、細かい種目がいくつかあります。代表的なのがトラップとスキートです。日本のテレビ番組でよく放送されているのがトラップです。これは、手前から奥に飛ぶお皿を撃つものです。対してスキートは、お皿が横に飛びます。このお皿をクレーと呼びます。トラップに関しては、1枚のクレーにつき2発まで撃てます。クレーは陶器でできていて、使い捨てです。色は白やオレンジが一般的です。これに弾が命中すると粉々になります。放出機から1枚ずつ、全部で25枚のクレーが飛び出ますが、何枚命中したかで得点が競われます」。現在、日本国内でクレー射撃をする人は約10万人とされている。銃を所有している人の数自体は20万人ほどで、60歳以上がおよそ6割を占めている。所有人口のピークは半世紀も昔だそうで、年々その数を減らしている。害獣被害が増えているのも、ハンターの自然減が一因としてあるそうだ。濵﨑さんは、この現状に危機感を抱き「クレーシューティングシミュレーター」を導入したという。「特に若い人は、銃に興味はあっても敷居が高そうだし、どこから始めていいかわからないと感じています。そこでもっと気軽に銃や射撃に親しめるようにと、機材を買いそろえオープンしたわけです」。店内を見渡すと、カジュアルなTシャツ、チキンビリヤニキット、チリソース、ドッグフードなども販売されている。この品揃えも明確な意図があるという。濵﨑さんは話を続ける。「銃砲店は、銃の所有者でなければ入りづらいものです。それで、誰でも入ってみたくなるお店にしようと、ジビエの臭み消しに使える調味料などを取り扱っています。今後の目標としては、雑貨店のように気軽に目的なくふらっと立ち寄って、ついでに銃にも触れられるというのが理想ですね」。なるほど。銃にはあまり関心のなかった筆者も、話を聞いてそそられた。さて、「クレーシューティングシミュレーター」は、店の上の階にあるという。上がってみると、広々とした空間に、2台のプロジェクターが置かれ、大きなスクリーンにクレー射撃場のCGが映し出されている。プロジェクターのそばに銃が置かれているが、これは本物の散弾銃だという。「本物といいましても、発射装置にかかわる機構をすべて取り払っているので、銃としての機能を失っています。模擬銃と呼びますが、これならどなたでも使うことができます」。シミュレーターの使い方も、濵﨑さんは教えてくれた。「まず、開始前の設定から行います。キャリブレーションといって、センサーの感度などを使用者のクセに合わせます。スクリーン上に設定のボタンが現れるので、それに銃口を向けて引き金を引くと、ボタンを押すことになります。設定が終わったら、射撃できます。リアルの競技と同じく掛け声を発すると、マイクがその声を拾ってクレーが射出されます。それを狙って引き金を引くだけです」。濵﨑さんが射撃を実演した。画面上で、地面より下に設置されている放出機から、クレーが発射される。それを銃口が追い、引き金が引かれるや、お皿は弾けてピンク色の霧と化した。とても面白そう……実演を見ていると、狩猟本能とでもいえばいいのだろうか。文明化とともに忘れ去った原始のスイッチがオンになった気がする。「どうぞ、どうぞ」――濵﨑さんのすすめにしたがい、銃を手に取った。最初の印象は「なんて重いんだ」だった。銃の重さは約4kg弱。両手で持っても、ずしりとした感触が伝わってくる。1競技25枚のクレーを撃ち終わる前に、腕が疲れてしまいそうだ……。ここで正しい構え方を教わる。肩の内側寄りに銃床の端部を密着させ、銃床に頬を当てる。これで重さが分散され、ブレずに安定して撃てるそうだ。さっそく掛け声を発し、飛び出たクレーを追い、引き金を引いた。なんと初弾で命中。次のクレーも難なく命中した。これは自分に射撃の才があるのかと喜んでいたら、クレーの速度や命中判定などの設定を、かなり甘めにしているからだという。そこで、実際のクレー射撃に近い設定に再調整してもらい挑戦したところ、まったく当たらない……。クレーを目で追い、銃口をそちらに向ける頃には、かなり遠くに行ってしまい、その小さい標的に命中させるのは至難の業になっている。「なので、ベテランの方ですと、飛び出してから0.6秒ぐらいで撃ちますね」と濵﨑さん。リアル設定だと初心者は、25枚のうち当たるのは頑張っても数枚くらいだそうだ。ただ、素質がある人だと、いきなり20枚当てることもあるとか。ちなみに、実銃を所持するための試験では、25枚中2枚当てれば合格。これがオリンピックだと、逆に外すのが2枚程度になる。単純なようで難しく、かつ奥の深い競技なのだ。現在、施設を利用する人は、銃の所有を目指し試験対策として来る人が一定数を占めるが、純粋にエンタメ気分で遊びに来るのも大歓迎とのこと。入場料はドリンク付きで500円、1プレイ(クレー25枚)で1000円と、利用料金も手頃。クレー射撃にちょっとでも興味があるなら、足を運んでみるといいだろう。
(クマの“最大被災地”東北、実態と命を守るヒント)
過去最悪となっているクマによる被害ですが、今年度、最も多くの人身被害が出ているのが東北地方です。その実態と対策、そして今なお注意すべき点についてお伝えします。最近のクマによる被害の特徴は市街地での出没です。仙台市や盛岡市などでは中心部の観光名所や官庁街でクマの出没が相次ぎ、一時、立ち入りが規制されたり施設が閉鎖されたりしました。山形県などでは学校にクマが侵入し、教育や保育の現場にも不安が広がりました。子どもの安全を守ろうと車による送迎が各地で行われたほか、大学の休講や保育園などでは屋外での活動を控えるといった動きも出ました。経済的な影響も出ています。今年度、最も人身被害が多い秋田県では繁華街の人出が減り、飲食店は新型コロナの感染拡大の時と同じような売り上げの落ち込みに苦しみました。農作物の被害も深刻です。秋田県鹿角市ではクマなどの有害鳥獣によるリンゴやモモといった農業被害額が10月末時点で1100万円余りにのぼり過去最悪となっています。人身被害はより深刻です。環境省によりますと、2025年4月から11月末までのクマによる死者は全国で13人、けがをした人は230人に上っています。このうち東北地方の死者は岩手で5人、秋田で4人、宮城で1人のあわせて10人、けが人は秋田で66人などあわせて154人となり、人身被害は全体の6割以上を占めています。いわば”最大被災地”といえます。専門家によりますと、東北地方はもともとクマの生息域が広く、個体数も多いということです。そのうえ2025年はエサとなるブナの実が凶作となったことが大きな要因だと指摘しています。クマは通常、11月下旬から12月にかけて冬眠に入ります。しかし、目撃情報の件数は減ってきたものの、12月に入っても被害が起きています。岩手大学農学部の山内貴義准教授は「人に慣れて街なかに入っているクマは冬眠が遅れるほか、物音などで冬眠から一時的に覚めてしまって、出没する可能性がある。また、空き家や農業用ハウスなどにとどまってしまうおそれもある」としています。そのため注意点として、まだ残っている柿の実などは摘み取るとともに、戸締まりを厳重にすることが必要だと指摘しています。そのうえで、自治体などが出す出没情報には引き続き注意して欲しいとしています。また来年の春について、気温が高いと冬眠から早く覚めてしまう可能性もあり、3月中旬くらいから警戒が必要だと話しています。自治体の判断で市街地での猟銃の使用を可能にする「緊急銃猟」は環境省のまとめで12月11日までに全国で47件、東北地方では27件実施されました。ただ、駆除を主に担ってきた地域の猟友会ではハンターの減少や高齢化という課題があります。宮城県の猟友会の例をみてみます。ピークの1982年には8755人の会員がいましたが、2025年3月の時点では1865人と2割ほどにまで減っています。そして、60代以上の会員がおよそ6割にのぼっています。宮城県猟友会黒川支部の浅井功支部長は「会員の減少と高齢化で、クマよりもハンターの方が“絶滅危惧種”になっている」と話しています。こうした中、注目されているのが「ガバメントハンター」です。クマの駆除や捕獲に必要な、狩猟免許やスキルを持つ自治体職員です。実際に駆除するだけでなく、地元の猟友会との調整や被害防止ための計画作りなどを担うことも期待されています。政府が11月14日にまとめた「クマ被害対策パッケージ」では「ガバメントハンター」を自治体職員に雇用した場合、今年度の補正予算を活用して人件費を支援するとしています。被害が相次いだ東北地方では、ほかの地域のヒントとなる対策も行われています。国土交通省東北地方整備局はホームページで工事現場での取り組みを紹介しています。具体的には、ロケット花火の音やスピーカーで大きな音を流すほか、クマが嫌がるとされる海外などから購入したオオカミの尿やトウガラシを置くことなどをあげています。さらに、クマ撃退スプレーが確実に使えるよう講習会を実施したり、クマの目撃情報が地図で表示されるスマートフォンのアプリを活用したりするなど、複数の対策を組み合わせて身を守ろうとしています。東北地方整備局によりますと、こうした取り組みでこれまでのところ、工事現場での被害は確認されていないということです。クマは冬眠の時期に入ったいまも、そして来年の春も残念ながら安心はできません。クマの脅威と隣り合わせの時代になったのだという意識を持って、これからもできる対策をとって欲しいと思います。
(当事者が明かす“異例のミッション”、前例のない自衛隊のクマ対応:秋田)
クマの大量出没と人への被害が相次いだ今年。全国各地で、市町村や猟友会、それに警察が総動員で被害を防ぐための対応にあたりました。特に被害が深刻で、国防や災害への対応が本来の業務である自衛隊までもが唯一活動に加ったのが秋田県です。自衛隊は、隊員の活動を最前線で記録した映像を初めて公開しました。報道機関の多くは、安全確保の観点から、離れた場所での撮影を余儀なくされていたため、隊員たちを間近で撮影した映像は、貴重な記録といえます。秋田放送は、活動の最前線にいた当事者にも、直接インタビュー。秋田駐屯地のトップや、隊員たちを直接指揮した現場のリーダーは、当時何を思い、どのように備えて活動に臨んだのか。秋田駐屯地として、そして自衛隊としての“異例のミッション”を振り返ります。取材班が訪れたのは、陸上自衛隊・秋田駐屯地。安全確保のため、クマ対応の後方支援に当たる自衛隊の撮影は、車の中から行うことがほとんどでした。危険と隣り合わせの現場に足を運ばなければならなかった隊員たち。普段、訓練で使ったり身につけたりしていたものを活用しましたが、命を守るためだけでなく、関係機関との連携も念頭に置いて準備を進めていました。谷口祥平・3等陸佐「(ヘルメットは)本当だったら迷彩の柄。『鉄帽』というんですけど。これは猟友会の方が現場で“地形に馴染んでしまうと誤って猟友会の方が射撃してしまうのではないか”と。 識別の観点で白いものをつけております」。佐藤久人記者「“1組〇人”など、どういう体制を組んだのか」。谷口祥平・3等陸佐「現場では10名1組を基本体制として活動しました。 10名なんですけど、その長は小隊長、その下には分隊長、そして監視組と作業組、それぞれ4人/4人で活動しました」」。佐藤久人記者「別の活動でも組むような体制なのか、今回特別に組んだのか」。谷口祥平・3等陸佐「今回のクマの活動ということで検討した編成になります」。活動に臨むため、様々な検討を重ねていたことを明かしたのは、秋田駐屯地の谷口祥平・3等陸佐。鹿角市などで、現場の隊員たちを指揮しました。その鹿角市で行われた活動を上空から撮影した映像を見ると、検討を重ねた装備や体制が、現場の活動に反映されていることがわかります。捕獲用のおりを設置する現場にいるのは、白い布で覆った鉄帽をかぶった隊員たちです。森の中でも、はっきりと存在を確認できます。現場で組んでいた体制も見て取れます。おりの設置を行うのが「作業組」の隊員たち。そして少し距離をとり、別の方向を向いて立つのが周囲を警戒する「監視組」です。鹿角市で活動にあたった部隊は、秋田駐屯地を拠点とする第21普通科連隊の中の「第4中隊」です。そのリーダーを務める谷口さんにとっては、隊員たちに危険が及ばないよう、万全の準備を整え、現場での体制を構築することが、大きな課題の一つでした。谷口祥平・3等陸佐「(隊員には)最初はやはり不安があったと思います。私と同じ認識で…死傷者が出るんじゃないかと」「身の危険があるかもしれない。 そんな中での活動でしたので。 でもやっていくうちにだんだん、 市の方と、猟友会の方と、現場の隊員が連携かなり緊密に図れるようになりましたので、そこは克服していったのかなと 思ってます」。命を守るために全隊員が共通して身につけたのは、ヘルメットと防弾チョッキ、そして、熊よけのスプレーやスプレーから目を守るためのゴーグルです。クマの監視・警戒を担当する隊員たちは、防護用の盾や、クマと一定の距離を保ち、威嚇をするための銃剣道用の木銃も持っていました。さらに、網を発射して絡み付け、動きを封じる「ネットランチャー」も用意し、不測の事態に備えていました。佐藤久人記者「普段あまりない重装備?」。谷口祥平・3等陸佐「いえ、我々の訓練でこの一式の装備つけますので、隊員としては慣れてる方なのかなと」。秋田駐屯地の隊員、延べ924人を動員した活動は、関係機関のトップ同士による速やかな、そして緊密な連携で実現しました。鈴木知事が防衛省に、支援を要請したその日のうちに始まっていたのが、自衛隊と県による、活動内容の詳細を決めるための協議です。ここで重要な役割を果たしていた1人もまた、関係機関のトップです。川口大介記者「秋田の駐屯地に所属する部隊として意気込みを」。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「県民の安心・安全守ること、それと隊員の安全を守ること。 これをしっかり精査しながら、 できる限り早い段階で着手できるようにしてまいりたい」。こう意気込みを語ったのは、偶然にもこの日が誕生日だった、秋田駐屯地のトップ。合計19日間、あわせて12市町村で活動したすべての隊員たちを率いる駐屯地のトップは、どのような思いを持ち活動に臨んでいたのか。話を聞くことができました。佐藤久人記者「失礼します」。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「よろしくお願いします」。佐藤久人記者「連隊長は8月から?」。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「今年8月、市ヶ谷の方から参りまして、着任したばかりであります」。秋田駐屯地司令、そして、第21普通科連隊の清田裕幸連隊長45歳。熊本県出身で、秋田での勤務は初めてです。秋田駐屯地に足を踏み入れたばかりにも関わらず、まさに“前人未踏”のミッションと向き合うことになったのでした。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「我々として本来任務は国防。無制限に活動することはできないと。ただやはり秋田県におけるクマ被害の危機的な状況感じてましたし。その中で“郷土部隊”として、 秋田駐屯地所在する部隊としては、県民の命と平和な暮らしを守る観点から我々ができることを安全管理留意し取り組んでいく」「対応していく上で、県として対応する上では我々の活動は非常に重要な活動になると、まずみんなに伝えました」鹿角市での活動初日。最前線に向かう隊員たちの行動方針を把握し、市や猟友会側と緊密に連携した活動を行えるかどうかなどを最終確認するため、自ら現場に足を運んでいた、清田連隊長。様々な地域を回って、“得られたもの”もありました。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「全部の地域は回れなかったんですけど、箱わなでもテレビでいっぱいあるような柵がいっぱいあるところとか、 ドラム型のところとか違ったりとか。エサのかけ方も違うので。向きとかそれぞれの猟友会が考える地域独特のものとか、そういったところは感じるところは多くありました」「なんといっても我々訓練していない。知見がない。不慣れな活動。段階的に準備をしていこうと。 こういったことを私から隊員に伝えたところです」。本来の仕事の傍ら、クマ対応にあたっていた猟友会関係者の負担を軽減するため、自衛隊は、それをカバーするかたちで主に平日に活動しました。現場となった12市町村の中で自衛隊が最も長い期間活動した鹿角市によりますと、例えば捕獲用のおりの設置は、地元関係者だけで担うよりも、半分程度の時間で作業が完了。また、住民の要請などを受けておりを設置する場合、人員の手配がつかず、それまで数日かかっていたものが、要請の翌日には完了することができました。関係機関や住民への貢献を果たすことができた隊員たちも今回の任務を、有意義だったと振り返ります。谷口祥平・3等陸佐「特異な環境における活動だった。与えられた任務に対して、しっかりとその任務を分析する、 我々は何をしなきゃいけないか。 それをしっかり判断して、それぞれの任務に臨むことが大事だと思いますので。訓練等で引き続きそれを錬成できればと思っております」。自衛隊が持つあらゆる経験、装備を投入して臨んだクマ対応。再び派遣の指示が出されるかどうかは、わかりません。秋田駐屯地は、地元から必要とされる部隊であり続けるための努力を続けるとともに、今回の活動のように、地域との連携を深めていく考えです。佐藤久人記者「秋田への貢献という思いを新たにしたかたちですか」。第21普通科連隊 清田裕幸連隊長「そうですね。陸上自衛隊というのは人が一番大切な存在。我々は秋田に存在する唯一の駐屯地ですので、県民の皆様の命と平和な暮らし、 安心安全、これがあって我々の活動が成り立つと考えるので、そういったかたちの中で地域とともにある駐屯地として、引き続きこういった活動…こういった活動というか、災害も含めまして、本来任務も含めまして、取り組んでいきたい」。
(「肉の味を覚えてしまったヒグマ」の脅威:北海道)
北海道東部で2019年夏以降、放牧中の牛66頭が相次いで襲われた。“犯人”は「OSO18(オソじゅうはち)」の通称で呼ばれたヒグマ。ヒグマの主なエサは草木の根や木の実だが、オソは肉の味を覚えてしまったようだ。次なる被害を防ごうと、北海道庁や地元の役場などが「特別対策班」を結成し、捕獲を目指した。だが「忍者」と呼ぶ人も出るほど警戒心が強く、作戦は失敗を重ねた。ところが今年8月、事態は急変する。被害の出ていなかった町で7月に駆除された個体が、実はオソだったことが判明したのだ。危機は回避され、酪農関係者は安堵。しかし、専門家はこう警鐘を鳴らす。「オソは人間が生み出した。第2、第3のオソが出てきても不思議ではない。根本的な対策をしないと意味がない」。どういうことか。始まりは2019年7月。標茶町の下オソツベツという地区で牛の死骸が見つかった。ひっかき傷やかみ傷があり、ヒグマに襲われたと推定された。その年のうちに標茶町内で28頭が襲われ、2021年には隣の厚岸町でも被害が出始めた。時期は6~9月の夏場に集中。現場に残された体毛などをDNA型鑑定すると、雄の同一個体が襲撃している可能性が高いと分かった。北海道庁の出先機関・釧路総合振興局によると、足跡などから推定されるものも含めて今年6月までに両町で少なくとも66頭が襲われ、32頭が死んだとされる。被害の総額は2千万円を超えた。標茶町の酪農家高野政広さん(66)は被害を受けた1人だ。「話には聞いていたが、まさか自分の牛が襲われるとは」。2021年7月1日の朝、牧場に行くと1頭の牛が血まみれになって倒れていた。発見時はまだ生きており、直前に襲われたようだった。「牧場の被害も痛いが、いつ孫が襲われるかと思うと気が気ではなかった」と振り返る。振興局や標茶・厚岸両町などは下オソツベツの地名と、発見された幅約18センチの足跡からOSO18と命名し、初の対策会議を2021年11月に開催。翌22年2月、NPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖さん(62)をリーダーに「OSO18特別対策班」を組織し、捕獲を目指すこととした。特別対策班を結成後の最初の被害は、22年7月の標茶町。1日に3頭、11日に1頭、18日にも1頭が襲われた。ヒグマは獲物を襲った現場に戻る習性がある。このため藤本さんらは18日に被害が出た牧場で、牛の死骸をあえて回収せずに張り込みを始めた。しかしオソが姿を現さない。1週間が過ぎ、張り込みを解除。そのとたん、残していた牛の死骸が消えた。「人の気配に極めて敏感なクマだ」。藤本さんはそう感じた。9月には、ヒグマの好物であるデントコーンの畑にわなを仕掛けた。しかしその30センチ横を通過し、わなは作動せず。駆除できないまま冬を迎えた。その隠密な行動ぶりから、いつしか「忍者グマ」と呼ぶ人も現れた。メディアの報道も過熱。「“闇夜にまぎれて行動する恐ろしい超巨大ヒグマ”を早く食い止めなければ」。地域の人々は焦りを募らせた。今年7月30日早朝、被害が発生していた地域から10キロ以上南の釧路町で、ハンターが1頭の痩せたクマを駆除した。このクマは2日前、オタクパウシ地区の放牧地に出没していた。人を見ても逃げないため、問題がある個体と判断されていた。死骸は食肉加工され、東京都内のジビエ料理店などに出荷された。釧路町の担当者は8月に入り、このクマが実はオソだったのではないかとの疑問が浮かんだ。町が残していたこのクマの毛をDNA型鑑定すると、オソだったと特定された。「あっさり駆除されてしまった」。あまりにあっけない幕切れ。4年にわたりオソを追い続けた標茶町の職員はそのことに驚き、振興局の担当者は「その思いつきがなければオソは行方不明のままだった」と胸をなで下ろした。釧路町に残っていた記録によると、オソは体長2メートル10センチ、体重は330キロ。大きめではあるが、決して「超巨大ヒグマ」とは言えない体格だった。推定年齢は約9歳6カ月の雄で、手足に皮膚病があり、痩せていた。「みんなが『牛を食べるくらいだから、オソは大きい』と強く思い込んでいた。だから寄せられる目撃情報も少なかった」。対策班リーダーの藤本さんは、これが捕獲が難航した理由の一つだと考えている。ただ、ヒントはあった。襲った牛のほとんどは体重120~180キロほどと、小柄なものばかりだった。藤本さんはこう推測している。「むしろ狙った牛を殺しきれないからこそ、複数頭に手を出したのではないか」。実際、2022年中に現場をしらみつぶしに調べた対策班のメンバーの中には「本当にそんなに大きいのか」という疑念も浮かんでいたという。「忍者」の異名の元となった、主に夜間に活動するというのも誤解で、実際は多く目撃されていた。「“超巨大ヒグマ”というフィルターを取り除いてクマの目撃情報を集計し直すと、22年だけでもオソらしきクマが7回目撃されている。まさかオソだとは思わず、対策班まで報告が上がってこなかった」。と藤本さんは悔やむ。誤解はほかにもあった。行動範囲の意外な広さだ。今年6月、標茶町上チャンベツ地区でこの年最初の被害が出た。このころ対策班は既に、オソの体長は2~2・1メートル、体重270~320キロの「普通のクマ」だと見抜いていた。7月15日ごろには標茶町阿歴内でそれらしき足跡を発見。大きなチャンスと捉え、付近にわなを仕掛け、ハンターが張り込んだ。だが、いくら待っても現れない。釧路町で駆除されたとの一報が届いたのはそんなときだった。「え、そっちだったのか」。釧路町のオタクパウシ地区はクマが非常に少なく、捜索範囲から外していた。「よく出没していた厚岸町の上尾幌とは、山でつながっている場所。冬もオタクパウシで越していたのかもしれない」と藤本さんは分析する。「もしかしたら、そこの主だったのかもな」。駆除されて初めて、オソの生態が具体的に想像できるようになった。東京都中央区の人形町駅前にあるジビエ料理店「あまからくまから」は8月初頭、クマの肩肉ともも肉の計約42キロを仕入れた。下旬になって業者から「あの肉は話題になっていたオソだった」と連絡を受けた。店長の林育夫さん(58)は驚き、心配になったという。「人を襲ってはいなかったよな」肉はオソと判明する前からステーキ、もしくはアイヌ料理の「カムイオハウ」(神の鍋)として提供され、9月中にほぼ完売。他のヒグマと味はあまり変わらなかったという。地元には思わぬ余波が広がっていた。オソが駆除されたと報道されると、釧路町役場には「かわいそう」といった苦情が約30件相次いだ。そのほとんどは道外からだった。野生動物の駆除に関する苦情は多く、7月に札幌市で子を連れた親グマが駆除された際も、市に約650件の苦情が寄せられた。釧路町の担当者はこうした声が広がることを危ぶんでいる。「ハンターを誹謗中傷するような内容が出てくると、萎縮し担い手が少なくなってしまうかもしれない」。北海道庁がホームページや交流サイト(SNS)で「捕獲は地域の安全に欠かせない」と理解を求める呼びかけを行うなど、異例の事態となった。9月下旬のX(旧ツイッター)への投稿は10月までに2千万回以上閲覧され、7万を超える「いいね」が付いた。藤本さんら対策班は、オソのようなクマが出現した一因にエゾシカの急増があるとみている。エゾシカの推定生息数は増加傾向で、2018年度の65万頭から、2022年度は72万頭に増えた。農作物を食い荒らすほか、自動車や列車との衝突事故が相次いでいる。北海道は駆除を推進しているが、同時に「残滓(ざんし)」と呼ばれる駆除後の死骸や解体後の内臓の不法投棄が問題化している。例えばオソの被害が出た厚岸町では2022年5月、国有林に100頭超分の残滓が投棄されているのが発見された。北海道猟友会の関係者によると、安価に死骸を持ち込める処理場が少ないことなどもあり、公になっていないだけで、同じことはほかにも複数発生しているという。藤本さんは、オソが肉の味を覚えたきっかけがエゾシカの死骸だった可能性があると指摘する。ヒグマは雑食で、主に草木の根や木の実などを食べる。しかし、オソが移動したと思われる経路上に、フキなどの草木を食べた跡はまったくなかった。肉食に執着していたとみられる。「シカが草木を食べ尽くしてしまうので、ヒグマは他の餌を探す。そのうちにシカの死骸を見つけ、肉の味を覚えたのかもしれない。肉というごちそうを一度食べてしまうと、クマは忘れられない。その延長線として、シカよりも緩慢な牛を狙うようになったんだろう」。そうだとすれば、「生み出したのは私たち人間の可能性がある」。藤本さんは自戒を込めてそう語った。エゾシカの駆除態勢や処理方法を早急に整備し、適切な個体数調整をしないと「第2、第3のオソはすぐ現れる。オソは突然変異ではない。周囲にもっと大きなクマがたくさんいる。それらが同じように肉の味を覚えたら、人を狙って襲いかかる個体が出てきても不思議ではない」。
(野生動物の侵入は感染症の流行を起こすか:東京医科大客員教授・濱田篤郎)
2025年はクマをはじめとする野生動物の市街地への侵入が多発し、ヒトや農作物への被害がたびたび起こりました。住宅地の中を野生動物が歩き回る姿を見ると、ヒトへの直接の危害だけでなく、その動物がかかっている感染症が流行するのではないかと心配になります。そこで、今回は野生動物によって持ち込まれる感染症について解説します。環境省の発表によれば、25年度は国内でクマに襲われてケガをした人が11月末までに230人、死亡は13人と過去最多になりました。こうした事故の多くが市街地やその周辺で発生しており、クマが本来の生息地域である森の中からヒトの居住地域に侵入した結果、多数の被害につながっているのが分かります。クマは大型の動物なのでメディアでもよく取り上げられますが、他にもシカ、イノシシ、サルなどの野生動物が市街地に侵入するケースが最近は増えています。この原因には、開発促進による森林減少や、気候変動で餌になる植物が減っていることなどが挙げられています。こうした森からの侵入だけでなく、アライグマやハクビシンなど市街地にもともと生息する野生動物も最近は増加しており、町中でもよく目にするようになりました。いずれも繁殖力の強い動物であるのに加え、市街地には餌となる生ごみが多かったり、老朽化した家や空き地など隠れ場所がたくさんあったりするためと考えられています。このように、最近はヒトと野生動物が隣接して生活しており、動物の保有する病原体がヒトに感染することを懸念する声も聞かれます。そのリスクは高いとは言えませんが、既に報告されている事例もあります。まず、クマについては、かまれたり引っかかれたりした傷口が、細菌感染を起こすことはありますが、周囲に感染症をまん延させるケースは少ないようです。それよりも、侵入する個体数を考えると、シカやイノシシなどの方が感染症を拡大させるリスクは高くなるでしょう。日本国内で野生動物が市街地に侵入して感染症をまん延させるとすれば、その経路は次の三つが考えられます。一つは動物に付着するマダニなどを介するルート。次に動物のふん便などが水源を汚染するルート。そして、動物の肉を食べて感染するルートです。こうした経路別に考えると、感染源としてはシカへの注意が特に必要だと思います。今年は国内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者数が増加し、11月末までに過去最多となる188人が報告されました。原因としては、媒介するマダニが温暖化の影響などで増えたことがありますが、この病気のウイルスに感染した動物が、市街地にまで侵入するようになった事情も関係しているようです。特にシカはSFTSのウイルスに感染していることが多く、森の中ではシカとマダニの間でウイルスが循環していると考えられています。ヒトはそのウイルスを保有するマダニに、たまたま刺されて感染するわけです。このシカとマダニの流行サイクルが、市街地の近くにも存在するようになれば、それだけ患者数が増えてきます。さらに最近の調査では、アライグマもSFTSに感染している個体が多く、この動物を刺したマダニも市街地などでウイルスを媒介する可能性があります。このように野生動物の市街地侵入に伴う感染症流行の経路として、まずは動物に付着するマダニを介する感染が考えられます。次に考えられるのが、動物のふん便中の病原体が水源を汚染し、経口感染症をまん延させる経路です。野生動物の腸管には数多くの病原体が感染しており、それを便とともに周囲に排せつします。市街地に侵入した動物が上水道の水源を汚染することもあるでしょう。病原体が水源を汚染しても、ほとんどは浄水処理中の塩素消毒により死滅しますが、寄生虫のクリプトスポリジウムは塩素消毒に抵抗性があるため、水源を汚染すれば水道水を介した大規模な集団感染が発生します。例えば、1996年に埼玉県越生町で起きた水源汚染では、住民の7割に上る8800人がこの寄生虫に感染しました。クリプトスポリジウムは一過性の下痢症状を起こすだけで回復しますが、免疫機能が低下している人では重症化することもあります。野生動物の中でもシカはクリプトスポリジウムに感染していることが多く、市街地に侵入すると、そこの住民が利用する水源を汚染するリスクがあります。その結果、感染者が多発することも想定されるのです。このような事態を避けるためには、水源付近への動物の侵入を防いだり、塩素消毒以外の浄水方法を十分に実践したりすることが必要です。2015年に鳥獣保護法が改正されてから、シカやイノシシなど野生動物の肉を食べるジビエ料理が日本でも普及してきました。同法改正は野生動物の増加を抑える対策の一環で、今回のテーマである動物の市街地への侵入を防ぐための一つの対策です。こうして広まったジビエ料理は人気を呼んでいますが、野生動物の肉には病原性大腸菌やE型肝炎ウイルスなどの病原体が潜んでいることが多いため、それを安全に食べるには十分に加熱処理することが必要です。それをせずに感染症にかかるケースが最近は増えています。クマの肉もジビエ料理の食材になります。この肉には旋毛虫という寄生虫が潜んでいることがあり、感染すると全身の筋肉の炎症を起こし、死亡例も報告されています。日本では旋毛虫症の集団感染が16年以降、茨城県や北海道の飲食店で3回発生しており、いずれもクマの肉を十分に加熱せずに食べたことが原因でした。野生動物の市街地への侵入を防ぐ対策が、感染症流行の原因にならないように、ジビエ料理を食べる場合は、肉の中まで十分に加熱するようにしてください。以上、野生動物の市街地への侵入により感染症が流行する経路を考えてみました。ヒトを含む動物にはそれぞれの生息範囲がありますが、この範囲が重なってくると、動物同士の衝突とともに、それぞれの保有する感染症が波及する事態も起こります。今後、ヒトと野生動物の共存を考える中で、感染症も視野に入れた対策を講じていくことが大切だと思います。
(ガバメントハンターは危険と隣り合わせ、さらにデスクワークとの二重負担:長野)
狩猟を始めて2年目の冬、桜井優祐さん(40)は初めてクマに遭遇した。場所は長野県の山中。約40メートル先の斜面を、ゆっくり登っている。だが桜井さんは動けなかったという。「弾を込めることもできず、息をひそめてじっとしているしかなかった」。桜井さんはその後、「ガバメントハンター」になった。狩猟免許を持つ公務員。普段は長野県小諸市役所の農林課職員として働いている。政府によるクマ被害対策の「切り札」としても注目を集める存在だ。狩猟歴は現在、約10年。デスクワークをこなしながらパトロールもし、時にクマと対峙しなければならない。危険と隣り合わせだが、魅力的な仕事でもあるという。「経験や資格を生かせるし、生きがいを仕事にできている」。桜井さんの仕事に密着すると、その大変さが見えてきた。桜井さんは隣町の御代田町で生まれた。専門学校を卒業後、2006年から御代田町役場に勤務。農作物被害の相談窓口などを担当していた際、地元のハンターと出会い、狩猟に興味を持った。「自分も鉄砲撃ちになりたい。狩猟文化に触れ、ジビエを楽しみたい」。こつこつと勉強を進め、2016年にわな猟と第1種銃猟免許を取得。「仕事の役に立つといいね」と家族も背中を押してくれた。猟友会に入り、山での狩猟や射撃場でのクレー射撃で腕を磨いてきた。今も11月~翌2月の狩猟期間は休日に仲間たちと山に出かける。「仲間と背中を預け合って歩き回り、獲物を捕獲できた時の達成感はひとしおだ」。小諸市は2011年、全国に先駆けてガバメントハンターを導入した。ニホンジカによる農業被害が深刻化し、ハンターの高齢化が不安視されていたさなかだった。初代は北海道大の研究員。地元のハンターを会員とする市直営の「小諸市野生鳥獣対策実施隊」を結成し、行政主導で捕獲に乗り出した。桜井さんが小諸市役所に入庁したのは23年4月。一般事務職として農林課の配属となると、経験を買われガバメントハンターになった。「小諸市は抜本的な鳥獣対策を行っていたし、初代ハンターの取り組みにも関心があった」。クマが出没すると現場へ行き、人身被害の恐れがあれば県に捕獲許可を依頼する。地元のハンターとも情報を共有し、許可が出たら速やかに駆除する。人手が足りない時は桜井さん自らクマを仕留める。2024年、生ごみを保管する倉庫にクマが現れた。ドラム缶型のわなを設置したが、なかなか入らない。地元のハンターと相談し、わなが小さいとの結論に至った。自治体や猟友会と速やかに調整し、通常2日ほどかかるわなの交換を半日で済ませ、その日のうちに捕獲できた。桜井さんはガバメントハンターの利点をこう説明する。「ハンターと行政職員双方の目線でスピード感を持って調整できる。いわば潤滑油的な存在」。今年10月、山林でシカ用のわなにクマがかかったと通報があった。現場に急行すると、確かにシカ用のわなに体長1メートル超のクマがいて、「クォンクォン」と鳴きながら座り込んでいる。他の獲物用のくくりわなにクマが誤ってかかることを「錯誤捕獲」という。この場合、自治体の捕獲許可を得ていない状態になる。その場で猟銃による駆除ができず、生きたまま山に帰さねばならない。同行したNPO職員が麻酔銃を撃つと、クマの動きは止まった。ケージに入れてトラックで10分ほど移動し、4、5人で林道脇の地面に降ろす。そして、クマにつけていた目隠しを外した時のことだった。麻酔が切れかかったクマが、ゆっくりと顔を上げて起き上がった。正面にいた桜井さんと目が合う。「危ない、こいつは来る」。マは上半身だけでふらふらとほふく前進するように向かって来る。桜井さんはすぐさま乗ってきた車に逃げ込んだ。クマはあたりを徘徊し、桜井さんたちとにらみ合うような形になったが、数分たつと山に帰っていった。錯誤捕獲は珍しくはないという。小諸市内では年間約10件発生し、過去にもクマに追いかけられたことがあった。桜井さんは振り返る。「鉄砲が使えないところでは私はただの事務屋。やられたらかなりのダメージを負っていた」。11月、私は桜井さんのパトロールに同行させてもらった。市役所から車で約15分、道沿いにはクマへの注意を呼びかける看板が置かれ、林道の脇にブロッコリーやネギなどの畑が並んでいた。人影はない。「収穫期にはクマが出やすい明け方に農作業する場合もある」。そばには国指定の鳥獣保護区である浅間山麓が広がる。クマよけの鈴やスプレーを携え、畑近くのけもの道に入り「くくりわな」を見て回った。野菜畑には大小さまざまな動物の足跡が残り、動物の通り道となった土手はえぐれていた。最近、技能実習生がイノシシに追いかけられる被害が起きたばかりだ。わなは獲物が足を踏み入れるとワイヤが締まる仕組み。地表に出ないよう土ですっぽりと覆い隠す。周辺に木の枝を置いてわなの上を通るよう仕向ける。わなが作動したのに取り逃がす「空はじき」が起きていないかも確認する。設置場所は10カ所前後で、見回りは2、3日に1回だ。わなにかかると発信機が作動し、スマートフォンと職場のパソコンの両方にメールで通知が届く。届けば休日でも現場に向かう。一方で、市職員としてのデスクワークもおろそかにできない。農林課は農家への助成金の事務や、国や県からの調査業務などを担う。現状は「事務作業と現場の見回りが半分ずつ」だ。仕事の大変さが伝わってくる。小諸市でのクマの目撃情報は昨年度が65件、本年度も20件以上に上っている。桜井さんはクマの増加を感じている。「クマの生息地から農地、集落が地続きの環境。肌感覚として個体数は増えている」。昨年度は、道路を歩いていた50代男性が左腕を引っかかれてけがを負った。「行政は、クマが十分なえさを確保できるよう生息域の環境整備を進めるべきだ。かなりの時間と労力がかかるため、対症療法として個体数を減らす取り組みも欠かせない」中でもガバメントハンターの確保は、クマへの対応に苦慮する行政の急務となっているが、課題も多い。駆除をした際は地元のハンターと同様の報奨金が支払われるが、クマが周囲をうろついているような状況での勤務に対する「危険手当」は周辺自治体も含め未整備だ。このため、小諸市は見直しに向けた議論を進めているという。政府はガバメントハンター確保に向けて人件費などを支援する方針だが、「質」の確保も必要になる。「役所はどこも慢性的な人手不足。ハンターは専従ではなく事務作業もやらないといけないだろう。人材のマッチングがどれだけできるかだ」。
(年の瀬も後を絶たないクマ被害、“異例の暖かさ”クマの活動に影響は)
今年も残り10日余りとなったこの時期になっても、クマによる被害が、後を絶ちません。20日宮城県では、ハンターの男性が亡くなりました。罠にかかったクマに襲われたとみられます。番組では、その後クマを駆除した猟友会のメンバーを取材。現場で一体、何が起きていたのでしょうか。20日、サタデーステーションが向かったのは未だクマへの警戒が続く東北地方。福島県猟友会 芥川克己会長「雪がない限りはエサを探せますからね」「(Q暖かいとクマとしても活動しやすい?)活動しやすいと思います」。“異例の暖かさ”は、冬眠の時期に入っているクマにも影響を及ぼしているようです。20日、周辺では10月下旬並みの17.2℃だった宮城県大和町では町内の山林で猟友会の人が倒れていると警察に通報がありました。クマ1頭がワナにかかった、その隣で89歳の男性が頭などに傷を負った状態で見つかり、死亡が確認されました。その後、猟友会メンバーや警察官などが駆け付けクマは駆除されました。亡くなったのは、猟友会のメンバーの加藤光男さん、89歳です。私たちは、このクマを駆除したハンターに話を聞くことができました。宮城県大和町鳥獣被害対策実施隊 隊長 浅井功さん「(クマの大きさは)135cmのメスですね、かなり大きかったです。年をいったクマですね」。現場の状況から加藤さんはクマに接近し過ぎたことで襲われた可能性があるといいます。宮城県大和町鳥獣被害対策実施隊 隊長 浅井功さん「クマに近寄り過ぎたということだと思いますね。クマは(ワナで)ワイヤーでくくられているわけですから行動範囲というのがあるわけですよ。なんで(クマに)近づいたのかは分からない」。クマの痕跡は、福島県でも。福島県猟友会 芥川克己会長「新しいかどうか分からないが(クマが)踏んだ痕跡がありますね」。猟友会のハンターが箱ワナをチェックしていると、周辺にはクマの足跡や糞が残されていました。別の場所でも。福島県猟友会 芥川克己会長「(クマの)爪痕あるわ、いっぱい、来ているんだな。エサは食べている、爪痕をしっかり付けているから」。猟友会のハンターによるとこの時期に目撃されているクマは“冬眠を知らない子グマ”が多いといい、20日のパトロールの際にも子グマの足跡が確認されました。福島県猟友会 芥川克己会長「自分で(冬眠用の)穴も探せない。親と一緒にいられないような小さなクマかなと思うんですけど、親だけ捕獲されて子グマだけ残ったという可能性もないわけじゃないと思います」。クマへの警戒が続く中、県はツキノワグマ出没警報や注意報を来月15日まで延長するとしています。“異例の暖かさ”を憂いていたのは新潟県にあるスキー場。先週土曜にオープンしたばかりですが…悩ませているのは雪不足です。ここ数日は晴天が続き、雪が溶けたところもあり、24あるコースのうち、7つは稼働できていません。20日もスキー場は、晴れ間が広がり、湯沢町の最高気温は16℃。コースを整備するのも大変だといいます。苗場スキー場 パトロール隊長 西銘春彦さん「気温が上がって、マイナス3度以上になると、降雪機は止めます。霧を散布しているので、それが雪にならない温度になると雨になって落ちてくるのと一緒です。このまま高温が続くと厳しいですけど、ただ続くのも、この3日だけってことなので多分持つと思います」。気温の上昇により急速に雪解けが進むと融雪災害にも警戒が必要です。営業時間前、パトロール隊はコース内で雪崩が起きそうな亀裂がないかをチェック。シーズン中は毎日パトロールをしています。
(熊3頭を捕獲、男性を襲った個体か:島根)
島根県益田市は19日、クマによる人身被害があった同市波田町で、ツキノワグマの親子とみられる成獣1頭と幼獣2頭を捕獲したと発表した。4日に70代男性が襲われた現場に近く、成獣の体長は約1メートルと目撃情報と重なり、市は男性を襲ったクマである可能性が高いとみて3頭を殺処分した。市によると、18日夜、被害現場から約100メートルの獣道などに仕掛けていた捕獲用のおり6台のうち3台に3頭が次々にかかったという。市は引き続き捕獲用のおり1台を設置し、住民に注意を呼びかけている。
(イノシシ目撃情報も発見できず:千葉)
千葉県浦安市で11月初旬から相次いでいたイノシシの目撃情報が最近は途絶えているとして、市は定期パトロールを中断し、市内に設置した捕獲用の「箱わな」も今月11日に撤去した。市によると、今月2日を最後に3週間近く目撃情報が市などに寄せられておらず、騒動はひとまず落ち着きをみせている。11月5日、東京メトロ東西線の浦安駅に近い地域での目撃情報が「初報」だった。その後もディズニーリゾート付近や、東京湾沿いのエリアなどでの目撃情報が十数件ほど断続的に寄せられた。見間違えとされる不確実な情報もあったが、市や県警は目撃情報があった現場周辺のパトロールを展開。今月3日には大規模な捜索に乗り出したが、発見に至らなかった。初報から約1カ月半。イノシシが市内に出没していたかは定かではない。市環境保全課の担当者は「『イノシシがいる』という前提で捜索した。現時点で市職員は確認できていないが、このまま何もなければ…」と漏らす。目撃情報が再び入れば、パトロールを再開するという。
(用水路でイノシシを駆除:新潟)
長岡市の十二潟町や下々条町などで18日正午過ぎから、イノシシの目撃情報が、市や長岡署に相次いで寄せられた。午後4時半ごろ、市などが下々条町の用水路付近に追い込んで駆除した。猟銃は使わなかった。体長は約1メートル。
(クマに襲われたか、民家敷地にシカの足1本:埼玉)
埼玉県長瀞町によると、17日午前7時半ごろ、同町風布の幹線36号線(塞神峠)寄居町境から600メートル付近で、クマのような動物の目撃情報があった。体長は約80センチ。同町では13日、野上下郷の幹線7号線八重子1号橋付近、民家の敷地内でシカの足が一本確認されており、クマに襲われた可能性があるという。
(山形で放獣のクマ、秋田で捕獲)
今年6月に山形県酒田市の寺の床下に居座って捕獲され、山に放されたツキノワグマがこの秋、秋田県横手市の民家近くに出没し、駆除された。放されたクマが再び確認されるのは珍しい。人の生活圏に現れてしまったことに、関係者からは「残念だ」という声が漏れる。酒田市によると、クマが若竹町の寺院本堂の床下に入り込んだのは6月3日。市はバリケードをつくって出られないようにして箱わなを仕掛けた。現場は市役所から南に約1.5キロの住宅街で、周辺は規制線が張られた。居座って5日後の8日夜、箱わなにかかっているのを確認。翌日、獣医師が麻酔銃で眠らせた。体長96センチ、体重32キロの雄。親離れしたばかりとみられ、両耳に個体識別用のタグをつけて山間部に放った。このクマが再び現れたのは、県境を越えた秋田県。直線距離で約50キロ離れた横手市雄物川町谷地新田で10月24日朝、小屋に入り込むのが目撃された。民家に近く、市は現場対策本部を設置。追跡して3時間後に猟友会が田んぼに囲まれた雑木林で駆除した。けが人はなかった。両耳についていたタグをもとに、秋田県に照会をかけ、酒田市で放たれたクマだと分かった。体長は約120センチ、体重は推定50キロまで成長していた。酒田市の平井雅史危機管理監は「山の生息エリアで暮らしてもらえればと願ったが、人里に下りてきてしまい、残念です。思い通りにいかないことを改めて感じさせられた」と話した。
(体長約1mのクマ目撃、同じ場所で歩行中の男性とクマがぶつかる:滋賀)
18日午後8時半ごろ、滋賀県長浜市の路上で体長約1メートルの熊1頭が目撃されました。この場所では19時間前にも熊が目撃されていて、警察が注意を呼び掛けています。熊が目撃されたのは滋賀県長浜市の余呉川西岸沿いの道路です。18日午後8時半ごろ、車に乗った女性から「目の前に熊がいます」と通報がありました。警察によりますと、熊は体長約1mで、北側の山手に向かっていったということです。同じ場所では、午前1時ごろにも熊1頭が、歩いていた男性とぶつかったということです。男性にけがはありませんでした。警察は、付近の住民に注意を呼び掛けるとともに、警戒活動を行っています。
(県が子ども食堂70カ所にシカ、イノシシ肉を贈呈へ:鹿児島)
ジビエ(野生鳥獣肉)に親しんでもらおうと、鹿児島県は県内約70カ所の子ども食堂にジビエ100キロを贈る。農業県の鹿児島では鳥獣被害が課題で、ジビエの利活用を進めている。来年1月中旬~下旬に各食堂で提供される予定。提供するのは、シカとイノシシのミンチ肉。
(高校生、イノシシ肉レシピ考案:富山)
氷見高校農業科学科の3年生6人が、富山県氷見市で捕獲されたイノシシの肉を使った「米粉パンのハンバーガー」と「フリーズドライみそ汁(猪汁)」を考案し、18日に学校で報告会を開いて成果を発表した。農業科学科は農地を荒らすイノシシの肉を有効活用しようと、2015年から商品開発に取り組む。18年からは名城大(名古屋市)と連携し、カレーやラーメンなどのメニューを考えてきた。今回の2品は名城大農学部の林利哉教授から助言を受けて開発。ハンバーガーの肉は肩ロースを選ぶなど食感にこだわったほか、軟らかくなるようパン粉を多めに使った。ソースとケチャップも混ぜ、味にインパクトを付けた。みそ汁は能登半島地震の経験から非常食にもなるフリーズドライ製法とし、具材となる肉の焼き具合や真空乾燥する時間に試行錯誤を重ねた。報告会には3年生15人が参加。「おいしい」「臭みが全然ない」などと感想を話しながら試食した。ハンバーガーを担当した石丸桃香さんは「おいしく食べてもらえてうれしい」と笑みを見せ、みそ汁を作った清水叶人(かなと)さんは「東北でまた大きな地震があり困っている人がいる。猪汁が被災者の力になる商品になればいい」と話した。
(高校生がクリスマスマーケット開催、シカとイノシシのレザーキーホルダーも:長崎)
長崎県対馬市でクリスマスマーケットが開かれ、高校生が自分たちで開発した商品を販売しました。対馬高校商業科の3年生が12月13日に市内の商業施設の一角で開催したクリスマスマーケットです。店頭にはドングリを使ったクッキーやコーヒー、シカとイノシシの革を使ったキーホルダーなどが並びます。生徒たちが獣害などの社会問題の解決につなげようと開発しました。訪れた人は生徒たちから商品の説明を受けながらお気に入りの一品を選んでいました。
(自販機にシカやイノシシの肉!:神奈川)
イノシシやシカの肉を使ったキーマカレーやソーセージが24時間購入できる自動販売機が、秦野市営温浴施設「弘法の里湯」(同市鶴巻北)敷地内に設置された。同施設がある鶴巻地区は「ジビエの食べられる街」としてPR中。
(人気メニューは「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」:東京)
2025年は「クマ出没」に悩まされた1年だった。人間の生活圏に降りてきたクマによる人身被害も、記録が残る2006年以降で過去最悪となり、農作物や民家の被害も拡大。秋田県では2000頭以上が有害駆除された。日本漢字能力検定協会が発表する、令和7(2025)年の世相を1文字で表す「今年の漢字」にも「熊」が選ばれたほどだ。それぞれの立場によって思いは違うが、この人はどう見ているのか。ジビエ(野生鳥獣肉)料理店を営み、メディアに登場する機会も多い店主に聞いた。東京・人形町交差点近く(東京都中央区)に「あまから くまから」という店がある。来年で開業30年、店名は沖縄の言葉「あっちから、こっちから」に由来している。約15年前からジビエを扱い始め、やがて専門店になった。今では全国からお客が訪れる人気店だ。個体処理後の食肉加工施設から仕入れたクマ肉も積極的に扱う。「11月11日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系列)では、当店の取り組みの一環として私のコメントをご紹介いただきました。私たちが日頃から大切にしている視点を発信できてありがたかったです」店主の林育夫氏はこう話し、店のモットーを語る(以下、発言は同氏)。「ジビエ料理店として『有害駆除という現実と向き合い、命を無駄にせずおいしくいただく』ことや『森が育んだ大切な恵みとして丁寧に調理』を心がけています」。日本では昔から「マタギの鍋」のような食文化があり、東北地方の狩猟民「マタギ」が捕獲したクマ肉を煮込んで食べていた。「クマ肉の旬は冬で、冬眠前のクマの脂はおいしいです。一番人気は鍋ですが炭火焼きなども提供します。肉の味は食べたエサによって変わり、柿などの果物を食べていれば脂が甘みを増し、木の実などが多ければ肉はこってりした味になります」。取り扱う食材の性質上、提供メニューもストレートな名前が多く、例えば「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」(税込9580円、コース料理は同1万2800円。価格は取材時)が人気だ。「それまでお客さんから『ヒグマとツキノワグマはどちらがおいしいのか?』と聞かれることが多く、そのたびに肉の特徴などを説明してきました。ある時〈それなら一緒に提供しよう〉と思い、始めたのです。最高ランクのクマ肉は神戸牛ぐらいするので、それなりの価格になりますが、食べたお客さんには喜ばれます」。この時期は「穴熊のすき焼き」(同7800円)も人気だ。「冬眠に入るとクマ肉が手に入らないので限定提供ですが、脂が甘くてさっぱりしています。以前テレビで“地球上で一番おいしい肉”と紹介されましたが、穴熊は当たり外れも多い。当店では秋の味覚『柿穴熊』を仕入れています。木登りが苦手な穴熊は落ちてくる柿が大好物。これをエサにして脂をたくわえた肉はクセが少なくておいしいのです」。ジビエ食材の仕入れはどのようなルートで行うのか。「牛肉・豚肉・鶏肉とは異なり大規模な流通ルートがなく、食肉処理場の許可を受けた中小の食肉加工会社から仕入れます。各地の業者さんと取り引きしていますが、北海道はヒグマやエゾシカ、九州や中国地方は穴熊が多いといった特徴があります」。2023年には店で提供したヒグマ肉の炭火焼きが「OSO18」だったことも。OSO18は北海道東部で2019年から2023年にかけて酪農家の家畜を次々に襲撃した雄ヒグマ(のコードネーム)で、後に駆除された。人的被害はなかったが木の実や果物を食べるはずのクマの習性が変わり、熊害(ゆうがい)深刻化の象徴として社会問題となった。「北海道の長年付き合いのある業者さんから仕入れた肉で、その後『DNA鑑定でOSO18と判明した』と連絡が入りました。人を襲ったクマではないとはいえ、ドキッとしたのを覚えています。反響は大きく炭火焼きにした内モモは完売。肉質も柔らかいと好評でした」。林氏はアイヌ関係者とも交流があり、「イオマンテ」(アイヌの儀礼、ヒグマなどの魂を神の国に送り届ける)のような文化も尊重している。「OSO18の肉は付き合いがある、阿寒アイヌコンサルンの 廣野洋理事長にお清めをしていただいた後、カムイオハウ(熊鍋)として1人前7800円で提供しました」。林氏の横顔も紹介しよう。大学時代は飲食店中心のアルバイトをしており、卒業後も飲食業界に進み、雇われ店長となる。その後に独立して飲食会社を経営。料理は大手ピザチェーンのFC(フランチャイズチェーン)店運営時に覚え、調理師免許を取得したという。ところで、なぜジビエを提供するようになったのか。「もともとこの店は、こだわり料理を提供するダイニングバーでした。15年ほど前、有機野菜の仕入れ先の長野県の農家さんイノシシ肉を送ってもらったことがあります。調理してお客さんに出したところ大好評でした。12月に提供したのですが、年明けに来た常連客から『あのイノシシもうないの?』と聞かれたほどです」。イノシシは江戸時代から食べられており、獣肉食が禁じられていた江戸期には「山くじら」という看板を掲げて、お客に食べさせていたという。その看板が構図にある歌川広重の浮世絵も残っている。「今振り返っても上質なイノシシ肉でした。やがてクマ肉も来るようになり、試食したらおいしかった。徐々にジビエのある居酒屋からジビエ料理専門店になっていきました」。冬は鍋が人気だが、夏の看板メニューはシカ肉。「夏鹿の炭火焼き」などを提供する。そんな店の客層が広がったのは、多くの飲食店が苦しんだコロナ禍だった。「外出自粛や営業短縮要請で時間が空き、公式サイトを作成して発信するようにしました。すると、ウチの店を見つけて遠くから訪れてくれるお客さんが増えたのです」。その時に始めて後にコースにしたのが、現在も人気の「外来種駆除応援コース」(9800円)だ。小型のシカ「キョン」や「アライグマ」といった生態系に被害を及ぼす恐れのある「特定外来生物」として駆除された食材をコース料理として提供するようになった。「ジビエ料理店の取り組みの一環で始めたのですが、20代と思われる若いカップルが『ぼくたち応援にきました』と来店してくれました。好き嫌いがあるので万人受けする料理ではありませんが、キョンの肉は台湾などで古くから珍重されてきた高級食材。千葉県がふるさと納税の返礼品として提供するほどです。炭火焼きやロースト、鍋、煮込み、パスタ料理でも提供しています」。「キョン」は千葉県にあったレジャー施設から逃げ出した個体が野生化して繁殖。「アライグマ」は人気アニメのかわいい姿が人気となり大量輸入されたが、凶暴性があるため飼育放棄や脱走などで野生化。繁殖率の高さや天敵の少なさで個体数が増大したといわれる。今年のクマ出没騒動に対しては、さまざまな思いを持つ林氏。「メディアで報道されるように、猟友会会員などの地元ハンターは疲弊しています。絶対的な人手不足もあり高齢化も進んでいますが、要請があれば朝晩土日関係なく出動します。手当も少なく経費分にもならない話は以前から聞いていました。処理施設不足で新設を求めて申請中・認可待ちもありますが、来年以降のクマ出没数はまだわかりません」。そう話す林氏は「実は『熊肉活用研究所』という会社もやっています」と切り出す。同氏が立ち上げた一般社団法人で、「廃棄されてしまうことが多い、熊肉、鹿肉、猪肉など有害鳥獣の有効活用を推進しもってわが国の食文化に資することを目的とする」を掲げる。具体的にどんな活動をしているのか?「ウチの店では食材提供できない駆除された肉を、例えばペット用の『ひぐまジャーキー』にして通信販売したりしています。クマ以外に、シカなどもあります。アイヌの方たちとも仕事をしてきましたが、彼らの考え方では『動物はカムイ(神)であり、その肉や毛皮はカムイからの贈り物』なのです」。人気漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル著)も好きだという林氏は、アイヌ料理店も運営する。「自分ができることで取り組んでいきたい」と話していた。
(未利用の鹿・猪を活かした無添加ペットおやつ:愛媛)
クレアは、ペットの健康と地域の環境課題の解決を両立させる自然派ペットおやつ「道後もぐもぐ」を、12月3日(水)より愛媛県内の取扱店舗や公式オンラインショップで販売している。クレアは「人とペットのしあわせな暮らしをデザインする」をビジョンに、国産素材にこだわったペット関連商品の企画・製造・販売を行う会社だ。愛媛の自然の恵みを活かしながら、全国のペットと飼い主に“少し特別なごほうび時間”を提供。また、地域課題の解決に寄与する“サステナブルなものづくり”にも積極的に取り組んでいる。
(クマ出没:宮城)
大和町によると、20日午前8時ごろ、大和町吉田国見山南にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後0時10分ごろ、仙台市太白区茂庭台5丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、18日午前9時ごろ、富谷市富谷治部入にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
白石市によると、16日午後6時ごろ、白石市越河五賀八幡にクマが出没しました。
TOPへ
12/19
(何らかの理由で猟銃発射、心臓に当たりハンター死亡:山形)
警察は17日、13日に山形県白鷹町で発見された変死体について、猟銃が発射されたことで死亡したと判明したと発表しました。何らかの理由で猟銃が発射され、男性に弾が当たったものとみられます。死亡したのは白鷹町荒砥乙の無職の男性(78)です。男性は狩猟免許を持つハンターで、1人で活動中だったとみられます。死因は胸部銃創による心挫滅と失血。猟銃から発射された弾が左胸に命中したということです。13日の午前、山形県白鷹町で、男性が血を流して倒れているのが見つかりました。男性はその後死亡が確認されました。警察によりますと、13日の午前11時過ぎ、山形市に住む60代男性が車で白鷹町大瀬を走っていたところ、町道の路肩に軽乗用車が停まっていて、車の横で血を流して倒れている男性を発見しました。発見した男性はすぐに119番通報し、倒れていた男性は病院に救急搬送されましたが、死亡が確認されました。警察は現場の状況から事件と事故の両面から捜査していました。男性が血を流していた状況や、部位などの詳細は捜査中としていますが、運転席側に仰向けに倒れていたといいます。車の中には猟銃がありました。ここのところ出没が相次ぐクマに襲われた可能性について、TUYの取材に対し警察は「それはないと思う」としていました。現在は狩猟期間中で、対象期間はイノシシ・ニホンジカ以外の鳥獣は11月15日~2月15日まで、イノシシ・ニホンジカは11月15日~3月31日までとなっています。警察は「猟銃を使用する場合は適正な猟銃の使用により、事故防止に努めて」と異例の呼びかけを行いました。山形県内では、小国町でクマ駆除活動中のハンターが複数で活動中に銃の誤射事故が起き、1人が足にケガをする事案も発生し、責任の有無を求めて裁判が開かれるなどしています。当然のことながら、銃は誤射や暴発のリスクがあるのです。全国的にクマの出没で猟友会をはじめハンターが頼りにされる機会が増えていて、今後も銃を使用する際は注意が必要です。
(積丹の猟友会休止、「問題解決難しくする」と周知せず:北海道)
ヒグマ駆除現場でのトラブルから地元猟友会が積丹町内での活動を9月下旬から約1カ月半休止したことを巡り、出没の可能性が高い時期にもかかわらず、活動休止を町民に周知しなかった町の対応が16日開会の定例町議会で問題視された。松井秀紀町長は、周知しなかった理由について「問題解決を難しくし、長引かせるのではないかと判断した」と述べた。
(捕獲された野生イノシシ、豚熱に感染:秋田)
秋田県大館市で捕獲された野生のイノシシが豚熱に感染していることが分かりました。県によりますと、大館市で6日、野生のイノシシが捕獲されました。遺伝子検査の結果、17日に豚熱ウイルス陽性と判定されました。県内での豚熱の確認は24例目です。イノシシの捕獲場所から半径10キロ以内に養豚場がありますが、異常は確認されていませんまた、県内で飼育されているブタは豚熱ワクチンを接種しているため、移動や出荷に制限はありません。
(野生イノシシ22頭豚熱感染:三重)
三重県は17日、県内で今月中に捕獲した野生イノシシ186頭のうち、22頭で豚熱への感染を確認したと発表した。
(首相、クマ対策に万全期す)
高市早苗首相は17日の記者会見で、深刻化するクマ被害への対策に万全を期す考えを示した。「2026年度予算の前倒し執行も含め、冬眠期の前と後で対策を切れ目なく実施する」と述べた。
(「クマゲキ」県職員有志チーム発足:群馬)
クマによる人身被害が深刻化する中、群馬県は将来の「ガバメント(公務員)ハンター」を育てるため、狩猟免許の取得を目指す県職員有志のチームを17日に発足させた。秘書課や林業振興課、森林保全課など幅広い部署から25人が参加。県庁で発足式があり、職員と一緒に免許取得を目指す山本一太知事が「全国どこにもないチームで、ぜひ県庁からガバメントハンターを育成してクマ対策に貢献することを目指していきたい」と激励した。
(クマとの衝突が過去最多、シカとの衝突は2100件超に:北海道)
北海道の鉄道路線において、シカやクマとの衝突事故が依然として大きな課題となっています。JR北海道は12月16日、2025年度(11月30日時点)のクマとシカの衝突件数を発表しました。クマとの衝突件数は57件に達し、これまでで最も多かった2023年度の52件をすでに上回っています。一方、シカの衝突件数は2025年度(11月30日時点)で2,129件と、前年同時期と比較して約300件増加しています。シカやクマとの衝突が発生すると、動物の処理に時間を要し、列車の遅れや運休などの輸送障害が発生します。特にクマが出没した区間では、安全確保のためハンターの手配や専用機材の準備が必要となり、運転再開までに時間がかかることがあります。JR北海道は、大きい個体については”クマキャッチャー”と呼ばれる重機を使って処理しているということです。
(クマ駆除に向け実践的訓練へ:福島)
福島県警は、ライフル銃による安全で確実なクマの駆除に向け、猟友会などの協力を得て実践的な訓練を実施する方針を固めた。11月に改正国家公安委員会規則が施行され、警察官によるライフル銃でのクマの駆除が可能になった。実践的な訓練の対象は、県警銃器対策部隊の隊員になる見通し。県警に現在配備されているライフル銃とは別に、警察庁から今後、クマの駆除に適したライフル銃が追加配備される予定。
(物価高対策やクマ対策で規模増大、県が約477億円の補正予算案発表:岩手)
岩手県は物価高やクマ対策などを盛り込んだおよそ477億円の補正予算案を発表しました。ツキノワグマ対策として、緩衝帯の整備やガバメントハンターの任用経費、クマの出没情報を共有するアプリの構築などに、合わせて2億2900万円も計上されました。
(ツキノワグマ出没対応の専門指導員を募集、報酬は日額1万1,460円:岡山)
岡山県はきょう(18日)、ツキノワグマの出没に対応するための職員「特定鳥獣専門指導員」を募集すると発表しました。「特定鳥獣専門指導員」は県民の安全・安心を確保するための対策として、専門知識や技術の普及啓発、出没情報をもとにした現地調査、錯誤捕獲時の不動化対応などを行うということです。募集期間は12月18日から2026年1月9日までで、試験は1月14日に美作県民局(津山市山下)で実施されます。任用期間は2026年4月1日から2027年3月31日までの1年間です。業務内容には、ツキノワグマに関する地元住民への普及啓発や被害防止対策の巡回指導、出没情報をもとにした現地確認、錯誤捕獲等時の麻酔銃操作、追い払い支援などが含まれます。また、ツキノワグマの生息状況調査や他の野生鳥獣に関する業務も担当するということです。応募資格として、麻酔銃所持許可の取得が可能であることや普通運転免許を有していることなどが条件となっています。勤務は原則として週4日以内、1日6時間45分(午前8時30分~午後4時15分)で、報酬は日額1万1,460円だということです(勤務日数に応じて日額で支給)。応募を希望する人は、履歴書と学歴・職歴確認書を美作県民局森林企画課または県庁環境文化部自然環境課に提出する必要があります。詳細は岡山県環境文化部自然環境課(086-226-7309)までお問い合わせください。
(猟友会メンバーらが初の緊急銃猟の訓練:岐阜)
クマが温泉街の旅館などに居座ったケースを想定した緊急銃猟の訓練が16日、岐阜県下呂市で実施されました。下呂市で初めて実施された緊急銃猟の訓練には、猟友会のメンバーや自治体職員など約50人が参加しました。緊急銃猟は市街地などにクマが出没した際、安全確保などの条件を満たした上で、自治体の判断で銃による捕獲が可能になる制度です。下呂市には温泉街があることから、旅館などの建物にクマが居座ったケースを想定しました。また1発で仕留めた場合と、逃げて別の部屋に移動した場合の2つのパターンを想定しました。猟友会のメンバーからは、安全確保について「外での発砲とは違い、建物内だと壁の向こう側に何があるかわからない」などの意見が出ました。
(12月もクマ目撃相次ぐ、警報・注意報を1月15日まで延長:福島)
福島県は15日、中通り地域と会津地域に同日を期限に発令していたツキノワグマ出没警報を来年1月15日まで延長すると発表した。浜通り地域の出没注意報も同日まで延長した。12月に入ってからも目撃が相次いでおり、警戒を緩めないよう呼びかけている。県によると、今年度の県内での目撃件数は14日時点で1944件と昨年度(618件)の3倍超に上り、12月も昨年の21件に対して今年は既に49件となっている。ブナやコナラなどクマの餌となる木の実が凶作だったため冬眠が遅れている可能性があるという。県自然保護課は「近くにクマがいるという前提で、家の近くに餌になるものを置かないなどの行動を続けてほしい」としている。
(クマの影響、東北の企業3割近く「ある」)
クマによる人身被害が各地で相次ぐなか、東京商工リサーチ(東京)が業務への影響について全国の企業に初めて調査したところ、東北地方では3割近い企業が「影響が出ている」と回答したことがわかった。調査は1~8日、インターネットで行われ、全国の6309社から有効回答を得た。このうち業務に「影響が出ている」と答えたのは6・5%の414社だった。なかでも東北地方では、553社のうち28・9%にあたる160社が「影響が出ている」と回答。北海道の15・4%、北陸地方の8・6%を大きく上回り、全国で最も割合が高かった。具体的な影響(複数選択可)は、「従業員への周知や注意喚起に迫られた」が47・0%と最も多く、「被害を防ぐ投資が必要になった」が27・5%と続いた。このほかにも影響として「従業員が襲われた」(群馬・運送業)、「田んぼでの作業が滞った」(福島・農業)、「勤務時間中に従業員が子どもを送迎」(秋田・サービス業)などの回答が見られた。一方、「クマ対策グッズの受注が増えた」(大阪・製造業)といった回答もあった。
(ツキノワグマ対策&イノシシ対策研修会:宮城)
県ではツキノワグマなどの野生鳥獣からの被害を防止するために、鳥獣被害対策の専門家を招いて研修会を開催します。今年はツキノワグマの目撃件数が過去最多となっており、人身被害も発生している状況を踏まえ、農林水産業従事者や捕獲従事者等の安全確保ならびに農作物の被害防止対策について学んでいただく機会と考えております。特に今回は「ツキノワグマの生態と農作物被害対策」のほか、クマスプレーの使用方法や、出没時の現場対応、関係法令などについて説明していただきます。報道機関の皆様におかれましてはぜひ取材してくださるようお願いします。
(クマのAIフェイク画像を見抜けずSNS投稿:宮城)
宮城県女川町が11月下旬に公式X(旧ツイッター)などに掲載したクマの写真が生成AI(人工知能)によるフェイクだった問題で、画像は、町内で働く実習生が「仲間内で楽しむために持っていた画像」だったことが、町などへの取材でわかった。情報を提供した人は虚偽だと知らなかったといい、町も見抜けずに投稿して混乱を招いた。町によると、画像を持っていたのは、町内で働く実習生グループ。作成したのはその友人らとみられ、実際に撮影した住宅街の写真に、生成AIで、巨体のクマを重ねたものだという。一方、町に情報提供をしたのは、町内の会社に勤める男性。部下が実習生グループから写真を得たが、上司である男性と部下は虚偽だとは知らずに町に提供したという。町産業振興課では、11月26日正午過ぎ、緊急性を考慮して投稿したが、庁内では「クマが鮮明すぎる」「クマが大きい」など疑問の声があったという。目撃情報を受け、町は防災無線で町内に警戒を呼びかけたほか、女川小中学校は部活動を中止。保護者の迎えを依頼したほか、児童生徒は集団下校を行った。近くの保育所では庭の使用を中止する措置を取った。「フェイク画像だ」と情報が町に寄せられ、町は虚偽だと断定し、発信から5時間15分後の午後5時半に町は訂正と謝罪を行った。Xでは午後5時時点で366万回閲覧され、投稿は8700件以上拡散された。町産業振興課の千葉泰広課長は「情報源に確認をとるべきだった。情報の出し方を考えながら対応していきたい」と話している。フェイクコンテンツの識別に詳しい東北大学の栗林稔教授(48)に女川町の騒動について聞いた。今回は仲間内でやりとりしていた画像が、女川町にわたって広まってしまった。タイムリーなクマの目撃情報であったがゆえに、より注目を浴びたことも拡散された要因だ。情報を提供した人は入手場所を提示し、町は1次情報に近いところまで確認する作業が必要だった。信用性が確認できないのであれば載せないのも一つの判断だし、緊急性が高いのであれば「真偽は不明ですが、このような情報が出ている」と注釈を添えた注意喚起にとどめることもできた。映像や音声は視覚や聴覚に直接訴え、人は簡単にだまされる可能性がある。目撃情報が寄せられているという程度の文字情報での発信にとどまっていれば、問題を引き起こす可能性は低かった。AIを識別する技術は生成技術とのいたちごっこだ。だからこそ、SNSのユーザーは、情報が正しいのかどうか、拡散するとどういう影響があるのか、立ち止まって考えてほしい。情報操作を行いたい個人や組織が、公的機関やメディアを巻き込んで生成AIを悪用する危険性がある。誰もが簡単に生成AIを使える時代になったが、ユーザー側のリテラシーは高まっていない状態だ。脅威を想定し、どう防ぐのか皆が考えなければならない。
(愛子さま、鴨場接遇行事に初めて単独参加:埼玉)
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは17日、埼玉県越谷市の宮内庁埼玉鴨場で、駐日大使らに伝統的なカモ猟を紹介する行事に接待役として参加された。鴨場での接遇行事に愛子さまが単独で臨むのは初めて。ヨルダンやメキシコなど16カ国の大使らと英語を交えながら和やかに交流した。鴨場では、訓練したおとりのアヒルを使って池にいるカモを細い水路に誘い出し、人の姿に驚いて飛び立つところを網で捕まえている。茶色のジャケットにロングブーツの装いの愛子さまは、捕獲したカモを大使らとともに放鳥。1羽目は飛ばずに芝生の上で落ち着いてしまったものの、2羽目は勢いよく飛び立った。大使らの拍手に愛子さまは笑顔で応えていた。宮内庁によると、鴨場の伝統的な技法は江戸時代に将軍家や大名家で楽しまれていた。明治以降は皇室が受け継いできたという。
(町が雇う公務員クマハンター第1号「技を磨いていきたい」:福井)
市街地でのクマなどへの発砲を、市町村長の判断で認める「緊急銃猟」が可能になって3か月半が経過した。ただ、その主な担い手となるハンターは福井県内でも減少しており、高齢化も進む。また、クマに発砲するのは容易でなく、人材確保とともに、技術向上も急務となっている。県自然環境課によると、散弾銃やライフル銃の狩猟免許を所有し、狩猟者として登録している人の数は2024年度は384人と、20年前(665人)の6割以下となった。また、免許を取得しても、すぐにクマを撃てるとは限らない。そこで県は11月、緊急銃猟に対応できる人材育成を目的として、県猟友会員らを対象に、兵庫県三木市の射撃場で研修を実施した。福井県内にも射撃場はあるが、緊急銃猟で用いる「スラッグ弾」での射撃や、移動する標的を狙う練習はできないためという。2回の開催には延べ47人のハンターが参加。担当者は「クマを撃ったことのないハンターも多く、好評だった」と話し、今年度中の追加開催も検討している。クマ猟にたけた県猟友会勝山支部長の上弥吉さん(75)は「県内でも、移動標的の練習ができる施設がほしい。このままでは若手が育たない」と危惧する。全国的には、狩猟免許を持つ人を自治体が雇う「ガバメントハンター」を確保する動きが広がる。現在、県内市町では唯一、南越前町が公務員ハンターを置く。その第一号となったのが、農林水産課の坪田愛子さん(48)だ。友人の誘いで狩猟に興味を持った坪田さんは2019年、銃猟免許とわな猟免許を取得した。射撃場で練習していたとき、偶然居合わせた同町の職員から、イノシシやシカの獣害が深刻なことから、町が公務員ハンターを雇用するという情報を聞き、応募。22年4月から同ハンターを務める。普段はイノシシやシカのわな猟が中心で、クマが出没したとの情報があれば、痕跡の確認にも行く。ただ、町長がクマの緊急銃猟の実施を決めれば、真っ先に招集がかかることになる。昨年から今年にかけて、誤ってシカのわなにかかったクマを約10頭駆除してきたが、動くクマを撃った経験はない。「確実に仕留めなければ危険なので、正直不安がある」と明かす。ただ、何よりも守るべきは町民の安全だ。「県内でもクマ被害が相次ぐ中、射撃訓練などでベテランの技を覚え、銃猟の技術を磨いていきたい」と話している。
(総数減でも女性狩猟者増、20日に体験ツアー:石川)
2024年度の県内の狩猟免許所有者のうち、女性は全体の6・5%に当たる171人だった。県全体の免許所有者は減少しているものの、女性数が増えている実態が明らかとなった。県議会環境農林土木委員会で、県側が善田善彦議員(自民)に答えた。県は、狩猟免許所有者が高齢化で年々減少している中、野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理ブームを背景に、女性に免許取得を促す事業を20年度から取り組んでいる。24年度の免許所有者は県全体で2629人で、事業開始前の19年度に比べ300人減少した一方、女性は49人増えた。本年度は20日に女性向けの狩猟体験ツアーを実施する。県の担当者は「狩猟者の裾野を広げていきたい」と話す。
(クマはいないけど…イノシシの獣害拡大:宮崎)
宮崎県内各地ではイノシシによる農作物被害が深刻化している。長年、鳥獣駆除に携わる日之影町の有害鳥獣駆除員は、イノシシの生息数増加と被害拡大を肌で感じており、「昔はイノシシを見ることがなかったが、今は集落近辺で子連れのイノシシが歩いている」と現状を語る。高齢化による狩猟者の減少が、この問題に拍車をかけている。
(河川敷にシカやイノシシ、ドローンで野生動物確認:群馬)
一般社団法人「桐生ドローン利活用協議会」(塩崎泰雄会長)の獣害調査隊「チームドローン」は16日朝、桐生市内の野生動物の出没状況を調査した。ドローンに搭載した赤外線カメラで渡良瀬川河川敷の茂みなどを撮影し、シカやイノシシの姿を確認。今後は山間部にも調査の範囲を広げ、クマが発見された場合は、市などと情報共有する方針だ。ドローンは午前7時ごろから飛行。桐生市桜木町の渡良瀬川河川敷を基点に、上流の赤岩橋方面と下流の松原橋方面を巡り、茂みなどを撮影した。赤岩橋近くの茂みでは5頭のシカの群れを発見。川の中州の茂みでは2頭のイノシシ、松原橋近くの茂みには数頭のシカの群れがおり、それぞれ映像に捉えた。
(ドローンで獣害調査へチーム発足:群馬)
群馬県桐生、みどり両市に出没する野生動物を調査しようと、市民らでつくる桐生ドローン利活用協議会は「獣害調査隊―チームドローン」を立ち上げた。同協議会の約15人が16日、子グマ1頭が11月に目撃された桐生市三吉町の「さくら遊園」で空撮を行い、情報を集めた。
(クマ出没増で鳥獣の捕獲や追い払いを強化へ:新潟)
見附市はクマやイノシシなどの出没増加に伴い、わな猟免許を持つ市職員や、地元猟友会員らでつくる「鳥獣被害対策実施隊」を来年4月に設ける。銃による捕獲や追い払い、わなの設置などを強化し、住民や農作物への被害防止に努める。市職員以外は非常勤特別職となる。県内では既に、見附市、新潟市、燕市、弥彦村、粟島浦村を除いた25市町村が隊を設けている。隊員は狩猟税の非課税措置などの優遇処置が受けられ、活動経費の一部は国の特別交付税措置が充てられる。これまでは活動経費として猟友会に負担金を一括で支払い、捕獲の報奨金としてクマは1頭3万円、イノシシとシカは1頭1万5千円を支給してきた。
(獣害は自分ごと、生徒が関心:広島)
害獣とされるシカの肉をもっと身近に―。安芸高田市で鹿肉のブランド化を進める株式会社「cica」が、広島都市圏の教育機関と連携を深めている。中高生が鹿肉のPRに一役買ったり、食堂のメニューに加えたり。おいしく命をいただきながら、「近くて遠い」里山の課題や将来を考える。生徒の自主性や思考力を育みたい学校側の共感も呼び、輪が広がりつつある。
(子どもたちにクマ鈴配布:岩手)
クマの出没が相次ぐ中、岩手県岩泉町内の教育・保育施設に通う子どもたちに17日、クマよけの鈴が配られました。このうち、岩泉小学校では全校児童が体育館に集まり、猟友会の会員からクマよけの鈴の効果を学んだあと、町の職員と教師から一人一人に鈴が配られました。この「クマ鈴」は岩泉町とアウトドアに関する協定を結ぶ総合アウトドアメーカーが「ふるさと納税」として収めたもので、クマの足跡や顔がデザインされています。「クマ鈴」は17日中に町内にあるこども園や小・中・高校に通う子どもたちに配布されるということです。
(クマ被害と無用な殺生をAIで防ぐ)
クマによる人的被害が相次ぎ、令和7年の世相を1文字で表す「今年の漢字」にも「熊」が選ばれた。そんな中、松山市の企業が開発した遠隔監視カメラと人工知能(AI)を組み合わせてクマの出没を検知し、住民らに知らせるシステム「クマミるAI」が注目を集めている。四国にはクマはわずかしか生息しておらず人的被害はない。そんな四国発のシステムはどのようにして生まれたのか。その狙いとは-。クマミるAIを開発したのは、松山市のIT企業「アイムービック」。設置してある遠隔監視カメラが動体反応で撮影した約30秒の動画をAIで分析し、クマを検知すると、5分ほどで動画と出没場所が分かるLINE(ライン)のメッセージが自動で自治体担当者らに送信される仕組みだ。カメラは農業・畜産業向けの遠隔監視システムを手がける「コアーサポート」(鹿児島県)が開発したもので、ソーラーパネル式になっており電源は不要。携帯電話の電波で送信し、小型軽量、防水のため山林や河川敷などにも簡単に設置できる。約850の自治体に導入されている「アルカディア」(大阪府箕面市)の防災情報配信システム「スピーキャン・ライデン」と連携し、出没情報をメールや防災行政無線などでも市民や猟友会員らに伝達、注意喚起する運用を想定している。四国でツキノワグマは徳島、高知県にまたがる剣山系とその周辺に生息しており、昨年度確認されたのはわずか26頭。数百~数千頭が目撃される東日本と異なり、環境省レッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされている。四国で生活するアイムービック執行役員の大浜悠介さん(32)も、クマによる人的被害をテレビの全国ニュースで目にする程度だったという。以前東北で暮らした経験のある大浜さんは今年10月、福島県に住む友人の元を、コアーサポート社長の中本哲也さん(53)とともに訪問し、事態の深刻さを知った。そこで開発中のシステムをクマ出没を迅速に伝達できる仕様に変更し、同月下旬にリリース。本州や北海道の企業や地方自治体から数十件の問い合わせがあり、自治体や研究機関などを対象に先行導入プロジェクトの協力者を募集している。中本さんは「クマは臆病な生き物で人間に遭遇したくないはずだ。クマにはクマの事情がある。人里の快適さを覚えさせないよう、人里に下りてこない対策を取れれば無用な殺生が減らせる」と主張。大浜さんは「偶発的な鉢合わせによる不利益から人間とクマの両方の命を守るため役に立ちたい」と力を込める。大浜さんによると、クマの生態については分かっていないことが多く、動画データを集積することで生態解明の一助になることを期待する。クマミるAIの開発を担うアイムービックの永見峻一郎さん(28)は「検知した地点で山に追い返すためにレーザー光線や音などを出す装置と組み合わせて効果が得られないか」と事業者連携に意欲をみせる。環境省のまとめでは、7年度のクマによる人身被害件数(4~11月末、速報値)は209件、被害者数230人、死者13人で過去最悪の状況だ。中本さんらの依頼でクマミるAIの試験運用を行った酪農学園大(北海道江別市)の伊藤哲治講師は「人間とクマの適正な距離感が崩れている」と指摘。「捕獲・駆除という手段を必要に応じて行う一方で、中長期的な視野で捕獲や駆除に頼らない共生のしくみや体制を構築していくことが望ましい」とし、「人為的な要因で絶滅したり、極端に増減したりするのは生態系に大きな影響を与えるので避けるべきだ」と警告している。
(80年間の新聞を分析して判明「冬眠しないクマ」の凶暴すぎる実態:中山 茂大)
冬眠の時期になっても、クマによる被害が相次いでいる。ノンフィクション作家・人喰い熊評論家の中山茂大さんは「冬ごもりをするために十分なエサが得られなかったクマが凶暴化し、見境なく人間を襲うようになる。約80年分の北海道の地元紙を通読すると、その恐ろしい実態が確認された」という――。環境省の発表によれば、4~11月のクマによる被害者数が全国で230人となった。過去最悪のクマ被害を出した令和7年も師走を迎えたが、クマが冬ごもりに入るはずのこの時期になっても人身事故は後を絶たない。今月4日には、富山市婦中町で新聞配達中の夫妻がクマに襲われ、顔などに大怪我を負い、長野県野沢温泉村では、除雪作業中の男性が襲われ怪我をした。これほど多くの被害を出した大きな要因のひとつが、東北地方でのドングリの凶作だといわれる。しかし筆者の体感的には、これに加えて、柿の豊作が影響しているのではないかと思う。まだ統計が出ていないので断定はできないが、今年は全国的に柿が豊作といわれ、千葉県大多喜町の拙宅でも、たわわな柿が鈴生すずなりである。柿は日本全国で生育し、多くの農家が好んで植えた。過疎化によって山から人間が撤退し、その一方でクマの支配地域が広がり、里山に放置された果樹が野生動物を誘引する一因となっていることは、指摘されるところである。山の木の実の不作と柿の豊作が重なったことで、例年より多くのクマが里山に下りてきた可能性がある。農作物の豊凶作と、クマによる人身被害に密接な関係があることは、過去の記録を見れば明らかである。筆者は明治・大正・昭和と約80年分の北海道の地元紙を通読して、ヒグマによる事件を収集、データベース化し、拙著『神々の復讐』(講談社)にまとめたが、開拓時代の北海道では長雨や台風、冷害の年には、必ずと言ってよいくらいにクマ被害が増加している。たとえば未曾有の大凶作といわれた大正2年には、筆者が把握しているところでは、ヒグマによる死者11人、負傷者8人、樺太での行方不明7人を加えると、18人もの犠牲者を出しており、これは開拓期を通して最悪の数字である。また昭和初期には、東北地方で娘の身売りが社会問題になるほどの冷害凶作が続いたが、同時期の北海道でも、昭和3年に死者8人、負傷者14人を出している。そしてこの時期に起きた特筆すべき事件が、士別地方で広く言い伝えられてきた「天理教布教師熊害事件」である。この事件は白昼堂々、市街地からほど近い場所で発生したことから目撃者も多く、討ち取られたクマが公衆の面前で解体されたため、ショッキングな事件として長く語り継がれてきた。概略は『林』(1953年12月号)で犬飼哲夫教授が記録している。白昼に道路を通行中に熊にさらわれた青年がある。昭和六年十一月に上川郡温根別村にあったことで、午前十時頃道路から人のはげしい悲鳴が聞えたので、皆が駈け寄って見たら、道に小さな風呂敷包みと鮮血に染った帽子が落ちていて、誰かが熊に襲われたことが判り大騒ぎとなって捜索したところ、天理教布教師の原田重美さんという二十四才の青年であることが判った(後略)(「熊」)。『熊・クマ・羆』(林克巳、1971年)によれば、事件が起きたのは《一度降った雪も消えて、小春日和を思わせる晩秋の日》であったという。他にもいくつかの記録があるが、なかでも『士別よもやま話』(士別市郷土史研究会、1969年)の及川疆の談話が詳しいので適宜引用する。旭川で用事を済ませて帰宅途中の天理教の原田布教師が、大津澱粉工場を過ぎて百メートルほどのところで、突然飛び出してきたヒグマに担ぎ上げられ北側の斜面に連れ去られた。布教師の悲鳴は澱粉工場にも伝わり、働いていた連中は屋根に逃げるなど大騒ぎとなった。新聞によれば、通報と同時に警察隊が組織され、午後0時半頃に落葉松林内で発見、射殺した(「小樽新聞」昭和6年11月8日夕刊)。斜面の上でこの熊は、猟師が三間に近づくまで微動だにせず、一気に躍りかかろうとした瞬間を射殺されたという。一発は両耳を貫通し、もう一発は両耳と両目の交差する眉間の一発で、事件発生からわずか二時間のことであったという(及川疆)。加害熊の遺体は市街地に運ばれて解体されたが、腹の中から被害者の肉体が取り出されると、現場は阿鼻叫喚の様相を呈した。死体の半分はすでに喰われていてこの半分というのが消防番屋「現士別信金本店」で町民のみている中で老兇漢の腹中から血糊と一緒にとり出される。こわいものみたさ女ヤジ馬も現代言では失神とか、この山の王者のなれの果て、目方はそのまま測らなかったが脂気一つない肉だけですら四十三貫もとれたというからこれが健康なら優に百貫はこえていたであろう。被毛ひもうが頭から肩にかけ僅わずかに生えているだけの裸も同様、ひどい虫歯で満足なものは一本もない。目も鼻もただれていてこのままではとうてい冬は越すことが出来なかったにちがいない。ひ熊が人を襲うのは何の理由もなしにするものではなく、いろいろの条件が重なった結果であることを証明する様な事件であった(及川疆)。かつての「山の王者」は、栄養不良のために粘膜がただれ、歯は欠け、体毛が抜け落ちていた。生き延びるためには、危険を冒してでも人を襲うしかなかったのである。満足なエサが得られなければ、見境なく人間を襲い、4カ月に及ぶ穴居生活に耐えうる栄養を、なんとしてでも蓄えようとする。クマの凶暴さは、ここに極まると言っていいだろう。そして以下の二つの事件もまた、その典型といえよう。天塩国留萌郡鬼鹿村では、昨秋は果実が至って不足で、彼等の食餌を欠乏させたと見え、今年は頻りに人家に近づき、あるいは板倉を破って数ノ子、筋子、鰊などを盗み食うので、人民は大いに憂慮していたが一夜、同村字田崎沢口の菓子を渡世とする某方で十時ごろ、何やら突然、仏間の背後を押破る音がしたので、その家の主人は、馬が畑から入って来たようだから追い出せと職人某に命じたので、職人は直ぐさま縄を用意し外に出ると、何ぞはからん馬と思ったのは一頭の大熊で、それと見るやいなや、矢庭にその職人を引き捕え、肩に引き担いで、どこともなく逃去った。この時、職人は必死に助けを呼んだが、起き出る者もなく、そのまま熊の餌食となったのは、とても憐れなことだった。翌朝、早速猟夫人足とも十人余りを頼み、そそくさと分けて探したところ、彼の熊は職人某の死体を半身土中に掘り埋め、余りの半身をメリメリ喰らっていたのを認めたので、一同砲先揃へて打ち放ったその弾は過またず、いずれもすべて的中し、さすがの大熊も、もろく打ち倒れたので、衆人打ち集まって熊の腹を割いてみると、かねて田沢奥に炭焼を渡世とした老父があったが、この老父も喰われたと見え、その腹中に衣類の細片になったもの、その他、結髪シナ(木皮)で結んだままのもの等あったので、初めて右老父も害されたこと知った。(後略)(「函館新聞」明治18年10月2日)。今年は天候不順で山野の果実不足のためか、近頃熊の出没が繁く、北見地方渚滑では、去る六日、中山儀市(三五)等三名が薪切りをしていると、午前十時頃、中山の背後より一声高く飛びかかろうとしたので、中山はあまりの急なことに気絶するばかりに夢中で斧をふりあげ、脳天めがけて一撃を加えたが、致命傷には到らず、狂いに狂った熊は、直ちに左腕に噛みつき振り廻したと見えるや、中山は悲鳴をあげるまま絶息した。他二名は腰も抜かさんばかりに逃げ帰り、中渚滑より約三十名が出動し現場に到ると、熊は悠然として中山の太股にかじりついているのを射止められた。この熊は牡で、なお牝熊の出没を恐れて通行が全く杜絶の状態である(後略)(「北海タイムス」大正15年9月15日朝刊)。師走のこの時期でも、いまだクマが出没し、見境なく人間を襲う背景には、絶対的なエサ不足がある。冬ごもりに十分なエサが得られるまで、彼らは出没を繰り返すに違いない。
(人里に依存「ニュータイプ」クマ)
12月に入ってもクマの目撃情報が相次いでいます。餌(えさ)を求めて住宅の中に侵入するなど、人の生活圏で冬眠に備える「ニュータイプ」のクマが出てきています。クマが目撃された福島市内のエリアには、比較的新しい建物が並ぶ住宅地があり、そのすぐ横に中学校がある場所になっています。周辺には公園や通学路などがあり、時間帯によっては住民たちと出くわしていた可能性もありました。今年過去最多、120頭以上のクマを捕獲した岩手県の中心都市・盛岡市。冬眠に入るとされる12月になっても、クマの出没が相次いでいます。住民は日常のすぐそばにあらわれるクマに、動揺を隠せません。岩手県は、11月までとしていたクマ出没警報の期間を年末まで延長。秋田県や山形県などの自治体でも引き続き警報が出されており、住民に注意を呼びかけています。“冬眠の時期”にもかかわらず、住宅街などでクマの出没が相次ぐ理由について専門家は次のように話しました。岩手大学 農学部 山内貴義准教授「『ニュータイプ』の個体が非常に多くなっている」「人間の餌はおいしいものだと、親が食べていれば子どもは確実に伝承してしまいますので、そういった形で(クマが)学習してしまう」。山内准教授は、「人里で餌が見つかる」と学んだ子グマが大人へと成長し、住宅街などに出没している可能性があると指摘。こうしたニュータイプのクマについて、今後、あることに注意が必要だといいます。「危険なクマですが、建物の中に入って何か物色し始めたりしないか心配はしていました」。新潟県関川村で2年前、クマが住宅に侵入した時の様子です。玄関の網戸を突き破って侵入したクマは、洗面所で暴れ回り、鏡台などを倒して室内をめちゃくちゃにしました。当時、住民はこう話していました。「青天の霹靂(へきれき)。家の込み合っている所に来て(住宅に)入ってくるとは想像もしなかった」。クマが住宅に侵入する被害は他にも起きています。ぐちゃぐちゃに荒らされた部屋。よほど空腹だったのでしょうか。冷蔵庫を壊し、中にあった食材も食べられてしまっています。これは去年、島根県益田市の住宅にクマが侵入し荒らされた直後の様子です。去年はこうした被害が50件近くあり、複数回入られた家もあったといいます。一方、雪が積もる福島県喜多方市で去年12月に撮影されたのが、コタツの中でくつろぐクマです。クマに入られた家の住民「茶の間のコタツに頭を突っ込んで入っていたって」。撮影者が網戸に近づきますが、特に気にする様子はありません。体長およそ90センチ。クマは一時、この家に居座りました。クマに入られた家の住民「(Q.クマが家の中に入るのは?)家に入るのは初めてだと思います。茶の間にあったお菓子とかを食べたみたいです」。近年、冬眠に必要なエサを住宅地などで得ようとするニュータイプのクマが増えているため、今年も引き続き注意が必要だと山内准教授はいいます。冬眠中のクマを捉えた貴重な映像です。今年1月、木にできた穴の中をライトで照らすと、穴の中で身を隠すクマがいました。目が覚めたのか、撮影者がいる方をじっと見ています。山内准教授「クマは自分で穴を掘って冬眠する場所を確保はしません」「基本的に大きな木の穴とか、岩と岩の隙間とか、土に空いた自然な穴とか、もともとある穴を利用して冬眠します」。木の穴や土穴など、3つのタイプがあるというクマの冬眠場所。しかし、人里に慣れてしまったニュータイプのクマは、私たちの身近な場所で冬眠する可能性があるといわれています。アメリカ・カリフォルニア州で撮影された映像です。画面右側に見えているのは冬眠の準備を始めているクマの姿です。器用に前足を使って、寝床に敷くためのワラのようなものを引きずっているのが分かります。その後、体ぎりぎりの大きさの穴におしりから入っていきますが、実はここ、空き家の床下なのです。別の場所でも、床下をのぞくと冬眠するクマが複数確認されています。また、インクが発射される銃を持った男性が、住宅の壁に空いた隙間から床下に入っていくと、飛び出してきたのは巨大なクマです。撮影者によると、アメリカではこうした空き家などの床下に、冬眠用の巣穴を作るクマが多くいるといいます。そして、日本でも先週、人里で冬眠しようとするクマが確認された事例がありました。新潟県猟友会 池田富夫会長「ここからクマが出入りしていた。すごいでしょう。人間の手で切れるものではない」。案内されたのは、クマが侵入したというハウスです。池田会長「このどこかに潜んでいたんです、きのう。きのうはライフル銃で狙いながら、爆竹で追い出して。この辺で捕獲しました」。新潟県十日町市のハウスの中に潜んでいたのは、体重130キロのクマでした。池田会長「(クマの)目的はここに米ぬかが積んである、それを食べに来ていた。以前はコメを食べたり、色んなものを食べていた。最終的にはここに来てしまったんですね」。クマはその日のうちに駆除されたといいます。新潟県猟友会の池田会長は、クマがハウスの中で冬眠しようとしていたのではないかとみています。池田会長「冬眠かなと思う。分かりませんけど、いくら人が来ても(中から)出なかったからね。雪が降っても(人里に)来るのは変。去年もこの奥のかやぶきの中で冬眠していた」。山内准教授は次のように話します。「(ニュータイプのクマは)人もあまり出入りしないような空き家とか小屋とか、意外と(人里に)近い所で冬眠する可能性はあると思います」。
(冬眠したのか?身近な脅威となったクマ)
「今年の漢字」にも選ばれるほど“身近な脅威”となったクマ。本来冬眠に入るはずの12月になっても人里に現れている。この脅威はいつまで続くのか…。本来12月中には冬眠に入るとされているクマ。しかし、12月4日、各地で立て続けに4件、5人がクマに襲われた。これまで目撃されなかったような町なかでの出没や被害が相次いだことし。住宅街の柿の木に。保育園に。海にまで。4月から12月17日正午現在でのクマによる人身被害は少なくとも235人にのぼり、亡くなった人は13人とこれまで最も多かった2023年度を超えて、いずれも過去最多の被害となった。今年度の被害を都道府県別にみると、秋田県が66人と最も多く、次いで岩手県が38人、福島県が24人など。目立つのが、人の生活圏での被害だ。88人もの人身被害が出たことし10月について、被害が発生した『場所』の傾向を専門家とともにNHKが分析したところ、人の生活圏内での被害は少なくとも62人でおよそ7割を占めた。内訳は、住宅周辺が26人と最も多く、国道や市道などの道路上が24人、住宅街が6人、住宅付近の農地が6人となっていた。なぜ、生活圏でクマの被害が多発したのか。状況を分析すると、クマの活動がより市街地の中心部で盛んになっていることが見えてきた。こちらは、人身被害が最も多かった秋田県が、県内の市町村から収集したクマ目撃情報の場所を示したマップ。これまで最も被害が多かった2023年は、比較的山に近いエリアで目撃されていたのが…。ことしは、より市街地での目撃が増加。住民からの情報も加えると、その市町村の中心部にクマの行動範囲が広がっていることが見える。いったい何が起こっているのか。森林総合研究所の大西尚樹動物生態遺伝チーム長は、背景の1つに、人里近くで生まれた子グマがより市街地に近づいていることを指摘している。大西さんによると、クマは冬眠中の1月から2月が出産のピークで、1回の出産で2頭ほどが生まれる。ツキノワグマは1年半、ヒグマは1年から2年半ほどの期間、小グマは母グマに連なって動き、食べ物の取り方などを学ぶ。大西さんは、ここ数年で徐々に人里近くで活動する「アーバンベア」が増えていると指摘している。去年(2024年)はどんぐりなどが豊作だったことで、ことしの1月ごろにたくさんの子どもが生まれたとみられる。そのため、「次の世代のアーバンベア」が増え、より人里近くを自分のテリトリーと認識して行動していることから、生活圏での目撃情報が増えているのだという。森林総合研究所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長「人里と近い生活圏で繁殖をしたアーバンベアの2世代目、3世代目というのが出てきているとみられる。山の中でそもそものクマの個体数が増えて密度が高くなり、クマの生息域の前線が私たちの生活圏に近づいている。これが元に戻ることはない。子連れの母親は子どもが食べる分も求めて食べ物を探し回らないといけないため、市街地での親子グマの目撃や、生活圏での人身被害につながっている」。クマの生態に詳しい北海道大学獣医学研究院の坪田敏男教授によると、クマは、秋にドングリなどを食べてできるだけ体重を増やし、山に食べ物がなくなる冬に備えて、11月下旬から12月にかけて斜面に掘った土穴などに入って冬眠するという。リスなどの小動物は冬眠中に体温を5度程度まで下げて熟睡するのに対し、クマは冬眠中でも、体温は30度台前半までしか下がらず、メスは冬眠中に穴のなかで子どもを生み、寝たまま授乳もするなど眠りが浅いという。ほとんどのクマは、一度冬眠に入ると4月ごろに冬眠から覚めるまで穴から出てこないものの、ごくまれに、人や周囲の動物の気配で目覚めて出てきたり、穴を変えるために移動したりするクマが確認されているという。しかし、ここ数年、12月以降の目撃情報が増加傾向にあるという気になるデータがある。こちらは、環境省によるクマの出没情報の全国まとめについて、東北6県の2019年からの6年分の12月の情報をグラフ化したもの。12月の出没情報は、2019年から2022年は30件から50件程度だったが、2023年の12月は284件にのぼり、前年の9倍余りに増加。2024年の12月も271件で2年連続で200件を超えた。さらに1月も同様の傾向が見えた。本来冬眠に入る12月や1月に目撃件数が増加している背景として、森林総合研究所の大西尚樹さんは、そもそもクマの生息域が広がり人里周辺で冬眠する個体が増える傾向にあるため、人が見かけやすくなったことがあると指摘している。その上で、クマは、“寒くなったら冬眠する”わけではなく、山に“食べ物がなくなったら体力温存で”冬眠する。人里に慣れたクマは人の生活圏に行けば柿などがあることを知っているため、食べ物があり続けるかぎり、冬眠が遅れるという。実際、こちらは、ことし1月11日に、秋田県鹿角市で雪が降り積もる中、クマが柿を食べ続ける様子を捉えた写真。現場は市街地で、このクマは1週間程度、この場所に現れて、収穫されていなかった柿を食べ続けていたという。また、大西さんは、去年は山の実りが豊作だったことでたくさん生まれた子グマが親子で人里に出没し、親グマだけが駆除されて孤児になった子グマも一定数いると指摘。こうした“孤グマ”は、親から冬眠の方法を教わっておらず、寒さや雪を避けるために空き家や倉庫に入り込む可能性もあるという。去年12月23日、福島県喜多方市では、住宅の中でまだ1歳に満たないとみられる子グマが見つかった。住民の男性によると、その日は雪が降り積もり、夜に帰宅すると、茶の間のこたつに体長およそ90センチほどのクマが入り込んでいたという。自宅は修繕中で、裏の壁に空いていた隙間から中に入り込み、部屋のふすまを破って茶の間に侵入したとみられ、その後17時間にわたって居座り、最終的には地元の猟友会などが花火を使って追い出した。こうした事例もあるため、大西さんは「12月中も警戒を続けて、とにかく早く柿などの誘引物を除去し、建物に入らせない対策も必要だ」と警鐘を鳴らしている。これまでとは異なる次元となったクマ被害に、国も対策を強化している。ことし9月には「緊急銃猟」の制度が始まり、市町村の判断で市街地でも猟銃でクマを駆除できるようになり、12月17日10時時点で全国で50件実施された。市町村による「緊急銃猟」の判断が間に合わなかったり、ハンターを確保できなかったりした場合などの緊急時には、警察官がライフル銃で対応することも可能になった。このほか、政府は、ハンターの確保に向け、自衛隊や警察の退職者などに狩猟免許の取得を促すとともに、自治体が狩猟免許を持つ人を「ガバメントハンター」として任期付きで雇用した場合は、人件費を補助するほか、冬眠明けのクマの春先の捕獲について財政支援も強化する方針だ。また、環境省は、クマの個体群ごとに全国で統一的な手法で推計を行うなどして、個体数管理を強化するとしている。ことしのクマの取材は、秋以降特に被害が広がり、東北の町なかでは、クマ鈴の音があちらこちらで聞こえるようになった。人々の不安や警戒感が日ごと増し、この状況をコロナ禍に例え「『ウィズコロナ』ならぬ『ウィズクマ』だ」と話す人もいた。相次ぐ被害を受けてさまざまな対策が立ち上がった一方で、駆除や捕獲を担うハンター不足や、クマの誘因物となる柿の木が、所有者が不明のため自治体がすぐには伐採できないといった課題も各地で顕在化。山のどんぐりなどの凶作により、クマの出没が増加するサイクルのため、再来年(2027年)、再び次のクマが大量に出没するとみる専門家もいる。被害にあう人を少しでも減らすために、ことしの経験を踏まえ、人とクマとの適切な距離感を形成する環境作りに継続して取り組み、今後に備えることが必要だ。
(自分で食べるためなのに…クマの狩猟報告に「ありがとう」の違和感)
北海道稚内市で宿泊施設を経営する作家でハンターの武重謙さん(43)は10月、約5年にわたる学びや実践を経て、初めてヒグマの狩猟に成功した。その喜びをX(ツイッター)に投稿したところ、祝福の声とともに感謝のコメントも寄せられた。環境省によると、4~11月のクマによる人的被害は230人(速報値)で、過去最多だった2023年度(219人)を既に上回った。犠牲者も11月20日現在で最多の13人に上る。確かに街に出た場合は駆除することも必要だ。ただ、武重さんは今回、駆除ではなく自分でいただくために山で獲物を仕留めた。今後も自然の恵みを得たいと思っている武重さんは、駆除の意味合いで感謝されたことに違和感を覚えたという。<とうとうやりました。2021年からがんばってきて、やっとです。良い猟に、良い獲物でした>。10月31日に武重さんが写真付きでそんな投稿をすると、表示回数は258万回に上り、2・2万人が「いいね」をつけた。そして、たくさんの祝福コメントが届いた。「おめでとう」「長年の努力が実った瞬間ですね」。一方で、拡散されるにつれて「ありがとう」「どんどん狩って」といった感謝の言葉も交じるようになった。「僕は僕のためにクマを捕った。だから『ありがとう』はよく分からないですね」。
(市街地のクマ目撃…実は「着ぐるみを着た人を見間違い」!?:山形)
山形県山形市の住宅街で起きた「クマ騒動」が、きょうまでに、まさかの展開を見せました。12月13日の午前7時35分ごろ、山形市の東側を走る大動脈、国道13号を車で走行中の人から市に「側道にクマがすわっている」などという目撃情報が寄せられました。場所は山形市前田町。山がそばにあるとはいえ住宅密集地。しかも朝の通勤時間帯の目撃情報でしたが・・・これが意外な方向に向かいました。13日のうちに、この目撃情報を知った現場付近の施設関係者が、警察に一本の通報をしたというのです。「その時間、現場に着ぐるみを来た女性がいた」という内容でした。その後の調査で、クマが目撃されたという時間帯、現場にはクマのような耳付きの、真っ黒な毛がついた着ぐるみのような服を着ていた女性がいたことが判明。車に乗っていた人が、その女性をクマと見間違えた可能性があることが分かりました。市によると、13日の午後2時半ごろには警察から連絡が入り、クマだと思われたものが「クマに似た着ぐるみを来た女性」だった可能性が高いという情報を確認。この女性は道端の縁石に腰かけて休憩をしていたとみられ、道に背中を向けていたことから、この様子を車から見た人がクマと勘違いしたのではないかということです。12月に入っても山形県内では毎日のようにクマの目撃が続いていて、山形市も例外ではありません。市の担当者は「クマと疑わしいものを見た場合も情報を寄せてほしいと思います。それが市民の安全につながります」と引き続き注意を呼びかけています。今回の着ぐるみ騒動は、クマの目撃が今も全国的に相次ぐ中、市民のクマに対する安全意識の高さが現れた、ちょっとほっとする結末を迎えた出来事でした。
(住宅の木の上に「居座りクマ」、麻酔銃で木から落ちたところを捕獲:福島)
北塩原村で住宅の敷地内の柿の木に居座っていたクマは、18日午後3時半すぎに捕獲されました。警察や村などによりますと、18日午前8時ごろ北塩原村北山で住宅の敷地内の柿の木にクマが登っているのを通りかかった人が見つけて通報しました。クマはおよそ50㎝の大きさで、木の上に居座って柿の実を食べ続けましたが麻酔銃を撃たれ、午後3時半すぎに木から落ちたところを捕獲されました。今回のクマによるけが人や建物などの被害は確認されていませんが、クマが居座った柿の木は伐採されました。近くの中学校は、クマの出没を受けて保護者に迎えに来るよう連絡し部活動も中止しました。
(複数のクマが市街地にいる可能性も、中心部でクマ目撃が相次ぐ:山形)
12月に入ってもクマの出没が続いています。きょうは山形県酒田市の中心部でクマの目撃が相次いでいて、市は複数のクマが市街地にいる可能性もあるとみて注意を呼びかけています。きょう午前9時半ごろ、酒田市光ケ丘の光ケ丘公園野球場の近くでクマが目撃されました。市や警察が周辺を警戒しました。酒田市では、けさ早くからクマの目撃が相次いでいて、午前5時ごろに船場町や南新町で目撃され、午前7時半過ぎには酒田市住吉町の松陵小学校の近くで、午後1時ごろには二番町でも目撃されています。今のところ人的・物的被害は確認されていませんが、市は、複数のクマが市内にいる可能性があるとみて建物の出入口の鍵をかけるなど注意を呼びかけています。県によりますと、今月のクマの目撃件数は57件ですでに去年12月の倍以上となっています。今年の県内の目撃情報は2787件と(今月14日現在)統計開始以降最多となっていて、11月までだったクマ出没警報を今月末まで延長して注意を呼びかけています。
(「高速道路の真ん中にシカがいて避けきれず衝突」交通事故の女性タレントが報告)
タレントで釣りYouTuberとして活動する神野梓が16日、自身のインスタグラムを更新。高速道路で鹿に衝突する事故により大けがを負ったことを報告した。顔に痛々しい傷の残る写真や車が大破した様子の写真とともに「釣りに向かう道中、高速道路の真ん中にシカがいて避けきれず衝突。その衝撃でハンドルが効かなくなり、ガードレールに突っ込みました。スピードが100キロ超えてたら・・どんな事故になってたのか。考えると恐ろしいです。命を落としてもおかしくない事故だった。と救急隊の方に言われこうして今ここにいられるのは、本当に周りの人のおかげです」と報告した。また「みんなに伝えたいことがあります。高速道路で動物が急に現れた土岐、急ブレーキや急ハンドルは本当に危険。後続車を巻き込む可能性もあるし、今回みたいにコントロールを失うこともあります。それともうひとつ。iPhoneの『衝突事故検出』昨日。強い衝撃を感知すると、自動でカウントダウンが始まり反応がないと119や緊急連絡先に自動通報してくれます。(位置情報も送信されます)。私はこの機能に本当に救われました。『まさか』は突然起きる。だからこそiPhoneの緊急設定は一度見直してほしい。この投稿が誰かの命を守るきっかけになりますように」と自身の経験を交え、注意喚起した。
(命の大切さを考える、学校給食にジビエ料理:山口)
児童たちはしっかり学んだあとに味わいました。農作物に被害をおよぼす鳥獣についての特別授業です。給食では、ジビエ料理が提供されました。山口市の小学校で交わされる意見。テーマは鳥獣対策です。県の担当者も参加した特別授業ではシカやイノシシなどによる農作物への被害や駆除された鳥獣の活用などについて学びました。県によりますと作物が食い荒らされるなどの農林業被害は昨年度、およそ3億5千万円にのぼるということです。児童たちは草刈りや柵を設置するなど山を整備することの大切さも学びました。また、イノシシ肉の煮込み料理が出されました。ジビエを味わうのは初めてという児童もいましたが…。児童たちは鳥獣への理解を深めかみしめながら命の大切さも感じたようでした。
(食肉処理業者がイノシシやシカなどの有害鳥獣を「ジビエ」として活用:山形)
山形県内で捕獲したイノシシなどの有害鳥獣を食用として活用する取り組みが新たに始まりました。廃棄せざるを得なかった命を無駄にすることなく「おいしく食べる」取り組みを取材しました。鶴岡市から委託を受け田畑を荒らすイノシシやシカなど有害鳥獣を捕獲している佐藤昌志さん。この日、鶴岡市内の山中に仕掛けた罠にかかったのはイノシシです。周辺の田んぼではイノシシによる被害が相次いでいました。近年、エサを求めて人里に下りてくる野生動物が増加していますが、捕獲した有害鳥獣の肉を食用として活用するには解体や精肉を行う「食肉処理業」の許可が必要です。佐藤さんはことし3月、「食肉処理業」の許可を取り、捕獲した有害鳥獣を食用に解体・精肉する施設「たがわジビエ」を鶴岡市内につくりました。たがわジビエ佐藤 昌志さん「人間にとって農業被害なり、害とされている獣を食用として捕獲してそれを資源に変えるという活動をメインでやっています」。有害鳥獣の捕獲を行っている10人がメンバーとなり、これまで廃棄せざるを得なかった有害鳥獣の命を無駄にすることなく現在、飲食店を対象に販売しています。解体と精肉を担当しているのは佐藤さんと狩猟歴7年の加藤聡さんの2人です。たがわジビエ加藤 聡さん「7年前に比べても何十倍、被害・目撃があっていままでこういう施設が無かったので販売もできないし、イノシシを獲っても埋葬だったりうまく食肉につながっていなかった」。食用として販売できる有害鳥獣を捕獲したときに料理人に情報を送り、購入希望者を募っています。加藤さん「きょうは3時間かかりました。大変でした。ただこれが料理人につながっておいしい料理になるのでそれが楽しみです」。たがわジビエから食肉を購入している最上町のフランス料理店「トトマビ」です。トトマビ オーナーシェフ松田 清也さん「ジビエという言葉もフランス語だしフランスではポピュラーであり、花形の食材になっている。県内にジビエ肉の加工所がなかなかないので周辺ではたくさん獲れているのにレストランで使えない歯がゆさがあったがたがわジビエのおかげで堂々と山形県産のジビエを使わさせてもらっています」フランスに渡り修行した松田さんは食材を余すことなく全て使うことがフランス料理の基本と話します。松田さん「たがわジビエから買った本州鹿の肉。半身の状態で買った後に骨から肉を外して焼いておいしい部位と加工しないとおいしく食べられない部位があります。焼き切った肉のくず、骨も焼き切ってスジ張ったものを全部水から煮だして全部無駄なく食べるようにソースにしていく」。この日はシカとイノシシを使った3皿がコース料理として提供されました。松田さん「人間の都合で奪っている命になるので有効に活用して食材、頭からつま先まで無駄なく使いたい、命を無駄にしたくないという思いが全く同じだと思ってたがわジビエの思いと通ずる部分だと思う」。たがわジビエ加藤 聡さん「ジビエおいしいというイメージをもってもらうのが理想、わかってほしいどうしても『かわいそう』『殺さないで』という意見もあると思うが駆除しないとどんどん農被害が出てきているので」。たがわジビエ佐藤 昌志さん「獣の命をとってよいという許可をもらった人間なので山に捨てるとか燃やすとかそういうことよりも人に食べてもらうことで供養になるのではという自分への慰めでもある。めぐる命に変換する仕事を誇りをもってやっていきたい」。人里と自然との距離が年々、近づく中、人が奪った命を活用する取り組みが今後、さらに必要なのかもしれません。
(ジビエ活用へ、諏訪地域を視察:福島)
福島県西会津町の関係者が17日まで3日間、諏訪地域などを訪問し、ジビエ(野生鳥獣肉)活用へ向けた視察を行った。茅野市の一般社団法人「日本ジビエ振興協会」が本年度から、同町のアドバイザーを務める縁で実現。同協会がジビエ活用に関して自治体のアドバイザーになるのは、同町が初という。
(高校生、ジビエ料理教室:福井)
ジビエ(野生鳥獣肉)料理をきっかけに、イノシシやシカなど有害獣による身近な農作物被害へ関心を持ってもらおうと、福井市の福井南高校で、料理教室が開かれ、総合学科2年生20人がシカ肉のハンバーグ作りに挑戦した。 県福井農林総合事務所が3年前から福井市内の高校で実施している。料理店のメニュー監修などを手がける福井市の料理家田中桂子さんが講師となり、生徒たちに調理を手ほどきした。食材として県産シカ肉の内モモが用意され、生徒たちは、こぶし大の肉100グラムを包丁でミンチにし、炒めたタマネギと混ぜて手でこねた。
(毛抜きに2時間半…高級食材“クマの手”ってどんな味?)
12月も相次ぐクマの出没。その一方で、クマ肉を出すいわゆる「ジビエ料理店」が大盛況だ。埼玉・秩父市にある「鈴加園」で提供するのはオスのクマの前脚の肉だ。鈴加園の鈴木公士専務は「夏の脂がのっていないときはもう少しピンク。脂がのると赤い良い肉になる」と語る。そんな中、中華料理の超高級食材といわれるクマの手「熊掌(ゆうしょう)」を自分で調理した人物に話を聞いた。野食ハンターの茸本朗さんは、これまでイノシシや鹿など定番のジビエ料理から、ヒツジの睾丸、ドブネズミまであらゆる珍食材を味わってきた。熊掌の調理について、茸本さんは「びっしり毛が生えているので、それを全部抜かなきゃいけない。ものすごい固く生えてて、なかなか抜けない」と説明する。「最初はピンセットで抜いていたが、握力がなくなってきてしまい、魚の小骨を抜く用のペンチみたいな骨抜きを使って、丁寧に抜いていった。最終的に2時間半くらい抜くのにかかった」。さらに「結局煮るのに圧力鍋を使ったり、6時間はかかった。昔の中国の人は3日3晩かけて煮ていたそうだ」と語った。毛抜き2時間半、煮込み6時間。半日ほどかけて調理したその味はどうなのか。「味はすごく正直に言うと、ちょっとワイルドな香りのする豚足。クマ臭さや野生動物の匂いはあった」。調理方法に問題があったのかは不明だというが、普通のクマ肉はかなり上質な味わいだったという。「とろけるような上質な脂で、赤身は力強い牛肉をもっとワイルドにした感じ。お肉としては大変おいしい。ジビエの中だけでなく、他の牛肉とか豚肉をあわせても、私はヒグマが一番おいしい肉の一つだと思う」と評価した。さらに、ラーメン王・HEY!たくちゃんも起死回生の新作ラーメン「ジビエ味噌ラーメン」を開発。トンコツならぬクマ骨の旨味を凝縮したスープに特製クマ肉チャーシューも加えた。たくちゃんいわく「過去最高傑作」のラーメン。このクマラーメンを目当てにお店を訪れるお客さんも増えたという。
(再起の狩女、宣伝兼ね24日からキッチンカー営業:石川)
ついのすみかと移住した穴水町で開業したばかりの農家民宿が能登半島地震で全壊した猟師でジビエ(野生鳥獣肉)活用のコンサルタント、福岡富士子さん(55)が来年、避難先の能美市で「惣菜(そうざい)屋富士SUN」を始める。店の宣伝も兼ね、同市緑が丘でキッチンカーによる飲食物の販売を24日に始める。「めげんとここまで来たぞ」と、不屈の精神で能登や能美、全国に元気を届ける。
(鹿・猪の“未利用資源”を活かした無添加ペットおやつ:愛媛)
クレア株式会社(所在地:愛媛県松山市、代表取締役:保木口恵子)は、ペットの健康と地域の環境課題の解決を両立させる自然派ペットおやつ「道後もぐもぐ」を発売いたします。本製品は、愛媛県内で深刻化するシカ・イノシシによる農作物被害(※年間5億円超・令和4年度 )に対し、その“加害野生動物そのもの”を有効な地域資源として活用する取り組みから誕生しました。捕獲後に活用されず廃棄されるケースも多い鹿肉・猪肉を食品原料として見直し、高品質な国産素材(松山どり等)とともに“完全無添加のおやつ”として製品化しています。動物由来の素材活用を通じて、食害対策の一助となるサステナブルモデルを目指しています。ペット市場では「安心して毎日与えられる無添加おやつ」への需要が高まり続けています。一方、愛媛県をはじめ全国では、野生鳥獣による農作物への被害が年々深刻化。令和5年度の全国被害額は約164億円にのぼり(農林水産省)、愛媛県内でも農作物の規格外増加や廃棄量の増大が問題となっています。そこでクレア株式会社は、「地域の課題解決に寄与する商品づくり」を理念に掲げ、農林業に被害を及ぼすシカ・イノシシなどの野生鳥獣(獣害要因)を“地域資源”として有効活用する取り組みを進めてきました。本来は活用されずに廃棄されることも多い捕獲個体の鹿肉・猪肉を、松山どりなどの高品質な国産素材とともに、丁寧な加工によって安全・高品質な無添加ペットおやつへと再資源化しています。“ペットが喜び、地域も喜ぶプロダクト” を実現するために生まれたのが、今回の「道後もぐもぐ」です。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、18日午前9時ごろ、富谷市富谷治部入にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
白石市によると、16日午後6時ごろ、白石市越河五賀八幡にクマが出没しました。
TOPへ
12/17
(県庁職員狩猟免許取得チーム(仮)が発足します:群馬)
群馬県庁から捕獲の担い手を育成するため、その第一歩となる狩猟免許取得を知事と一緒に目指す群馬県庁職員のチームが発足します。
(民家近くの柿の木に熊、緊急銃猟で駆除:新潟)
クマが民家近くの柿の木にとどまり危険だとして、長岡市は16日、自治体の判断で発砲を可能とする「緊急銃猟」を実施し、クマ1頭を駆除した。長岡市の緊急銃猟実施は初めてで、県内では12例目。長岡市によると、16日午後0時半ごろ、濁沢町の集落にある柿の木にクマが登っていると110番通報があった。猟友会会員で構成する市鳥獣被害対策実施隊と市職員、長岡署員が柿を食べているクマを確認。クマが木の上にとどまった状態となり、人に危害を加える恐れがあると判断し、午後2時半過ぎに猟銃で駆除した。体長約0・7メートル。
(クマ緊急銃猟の条件は?県内7市町でマニュアル完成:福井)
県は15日、ツキノワグマなど危険鳥獣の緊急銃猟の対応マニュアルが7市町で完成したと明らかにした。関連の条例制定や猟友会との調整を進めている10市町は、年度内の策定を目指しているという。
(狩猟免許試験を3月も実施:群馬)
クマ被害対策で、群馬県は15日、狩猟免許試験のうち第1種、第2種銃猟(単願のみ)を来年3月15日に追加実施すると発表した。例年は7、10、12月の年3回だが、相次ぐ被害を背景に希望者が殺到する状況を受け、緊急的に追加した。来年度以降は年4回とすることも検討する。
(適正数の10倍のシカがいる地区も、「地元だけで防護柵維持難しい」対策考える:長野)
シカの農作物被害や防護柵の維持管理を考えるシンポジウムが14日、松本市教育文化センターで開かれた。里山辺地区まちづくり協議会と市農業技術者連絡協議会が主催。県や市、地元関係者によるパネル討論と、新潟県長岡市で野生鳥獣対策支援を手がける会社「うぃるこ」の社長、山本麻希さん(54)の講演があり、109人が耳を傾けた。
(クマ問題に欠かせない人材の実情、駆除数は増えるも極めて厳しい現場:田中淳夫)
2025年はクマの人里出没に振り回された1年だった。近年はシカやイノシシの獣害が問題になっていたが、人身被害を含むクマの出没は、日本の野生動物管理が抜き差しならない状況になってきたことを知らしめる役割を果たしたかと思う。そして野生動物の管理にはハンターが欠かせない存在であることに気づかされた。獣害対策には「予防」も「防御」も重要だが、やはり最後の砦は「駆除」なのである。そのためにはハンターが欠かせない。だがハンターとはどんな立ち位置にあり、現状はどうなっているのか。その点をひもといてみた。ハンターとは、一言で言えば狩猟免許を持っている人だ。その狩猟免許保持者は、減り続けているとされる。だが推移をよく見ると、ここ10年ほどは反転している。12年度は約18万700人だったが、21年度は約21万3400人と増えた。ただし、免許は猟銃のほかワナ、網、空気銃も含む4種類の合計だ。重複取得もあるから実勢はもっと少ない。また近年取得が増えているのはワナ免許であり、銃免許の取得者は8万4400人ぐらい。加えて実際の狩猟に必要な都道府県への狩猟登録は、約13万7000人(こちらも重複あり)と6割ほどにすぎない。免許はあるが、現場に出る機会を持たないペーパーハンターが多いのだ。たしかに実質的なハンターは減っている。増えすぎた野生動物を駆除する人が減ったことが獣害を多発させたと考える声もある。ただ、それほど単純ではない。有害駆除数を見ると、驚くべき数字が並んでいる。1990年と2024年の駆除数を比べてみよう。シカは4万2000頭から73万8700頭へ、イノシシは7万200頭から63万3000頭へと急増している。クマにいたっては、90年代は保護政策がとられていたので、ヒグマ200頭、ツキノワグマ1500頭にすぎない。それが24年には826頭と4520頭。今年は10月末まででも984頭と8883頭である。クマ両種合わせると年間で1万頭に届きそうだ。この10年間は、毎年5000頭以上駆除するが普通になっている。30年あまりのうちに駆除数は激増したのだ。ハンター数が減っているのに、駆除数は増えるという逆転現象が起きていた。そもそもハンター数は、75年に51万8000人だったから、現在は随分減ったように説明されるが、60年代は30万人前後、50年代は20万人を切っている。戦前はさらに少ない。30年代は10万人以下だった。つまり「ハンターの減少」が、「野生動物の増加」と「獣害の増加」を招いたとは説明できない。むしろ少ない人数で多く駆除しており、ハンターは頑張っているのだ。クマはともかく、シカやイノシシの駆除数が劇的に増えたのは、報奨金が増額されたことが大きい。かつてシカは1頭5000円くらいだったのが、最近では地域によっては2万円、3万円に達しており、しかも生息数が増加したから捕獲のチャンスも増えた。狩猟に精が出るわけだ。それが新規参入者も増やした。だが、クマはそうはいかない。シカを撃ち損じてもハンターの身に危険はないが、クマだと逆襲される恐れが強い。それに比して報奨金や出動手当は安いと言われている。しかも現在求められているのは、人里、とくに市街地に出てきたクマの駆除である。市街地における発砲は条件も厳しい。標的の後ろに人家などがなく、跳弾にならないよう柔らかい土などのバックストップが求められる。射撃技能面からも非常に難易度が高い。今年4月には、市町村の判断で市街地での猟銃の使用を可能とする改正鳥獣保護管理法が成立し「緊急銃猟制度」ができた。通常のイメージでは、クマの駆除と言えばライフルを使用する遠距離射撃だろう。射程は100~400メートル(m)ほどだが、クマは急所に当たらなければ、すぐに倒れず反撃に出ることが考えられる。100mぐらいなら数秒で詰めると言われるが、その間に第2弾、第3弾を発射して仕留めねばならない。市街地に入ってきたクマを探して駆除するとなると、距離ははるかに近くなる。人家や田畑、公園の茂み……などに潜んでいる可能性があり、捜索するハンターとの距離はかなり近い。そして突如襲いかかられることも想定しなければならない。これまでのケースだと50m以下、ときに3~5mの距離で出くわすこともあった。一発で仕留めないと致命的だ。ハンターも相当な心得や技術を要求される。だから複数で行うのが普通だ。なお市街地で使用するのは、ライフルではなく散弾銃である可能性が高い。散弾銃は、通常は小さな数百粒の散弾で鳥などを狙うが、ここで使用するのは単発のスラグ弾だ。弾道が安定していて、近距離なら威力がある。しかもライフルと違ってセミオートで3連射できるものが多い。目の前のクマに対応しやすいとされる。いずれにしてもクマを駆除できる人材が、極めて少ないことは間違いない。こで注目を集めるのが、自衛隊や警察など銃の経験者だ。ただ自衛隊が害獣を駆除するのは法的に難しい。その点、警察ならすぐに人命救助の点から法的にクリアしやすく、機動隊にはライフル射撃に長けた隊員もいる。そこで警察に「熊駆除対応プロジェクトチーム」が結成されて、11月からクマの出没が多発する秋田県や岩手県に運用されている。だが、こちらも簡単でない。まず警察のライフルはテロ対策用で口径が小さく、弾丸も貫通するためクマなど大型動物には効果が弱い。銃の口径や弾丸をクマ対応用に変えると、弾道も従来とは変わってくるので射撃に一定の訓練が必要となる。しかも駆除に臨むためにクマの行動や性質などの知識も身につけなくてはならない。やはりクマ撃ちのベテランハンターの研修を受ける必要がある。また退役自衛官や警察OBを雇用することも考えられているが、いずれにしろ再訓練は必要だろう。期的に狩猟免許所持者を増やす試みも行われている。各地の自治体で行政がハンター養成に動き出した。兵庫県は「狩猟マイスター育成スクール」を実施したほか、鳥取県や熊本県などは狩猟免許を取得する際にかかる費用を補助する制度をつくった。ほか猟友会が講習会を実施するところも増えている。一方で、せっかく免許を取得したのに、実際の狩猟には出ていないペーパーハンターへの支援もある。小田急電鉄はそうした人々への講習のほか被害農家と結びつけて有害駆除を担ってもらう「ハンターバンク」事業を展開する。また狩猟免許や各地の狩猟登録をするのに結構な金額がかかることも問題だ。銃の取得は多くの証明書類と講習会出席、試験などが必要で、多額の手数料がかかる。銃自体も高額であることは言うまでもない。弾丸も安くないし、義務であるガンロッカーの設置、射撃練習、そして3年ごとの技能講習などを伴う更新手続……実に煩雑で負担が大きい。加えて狩猟税もある(有害駆除を行う場合は免除される場合もある)。こうした金銭負担と手間は決して軽いものではない。趣味の狩猟とは分けて、有害駆除に従事する人への減免制度も必要ではないか。すでにガバメント(公務員)ハンターの養成も課題に上がっている。また民間でビジネスとして有害駆除を担う認定鳥獣捕獲等事業者もいる。ただ現実には猟友会との兼ね合いもあって、上手く機能していないところが多い。それらの制度を整理して十分に活躍できるようにすることを考えるべきではなかろうか。
(クマの生息域に「お邪魔している意識を持つべき」)
「地球とつながるよろこび。」を企業理念に掲げアウトドア事業を行う株式会社ヤマップ(福岡市、代表取締役CEO 春山慶彦、以下ヤマップ)は、全国の登山者を対象に「クマに関する登山者意識調査」を実施しました。昨今、市街地での出没などクマに関する報道が過熱する中、実際に山という「現場」を知る登山者はどう感じ、どう行動しているのか。見えてきたのは、経験を積むほどに深まる野生動物への「畏敬の念」と「現実的な共存」を模索する成熟した姿でした。調査対象の92.8%が、山はクマの生息域であり登山者は「お邪魔している意識を持つべき」と回答しました。特に「お邪魔している」と強く実感している層(「とてもそう思う」回答者)を属性別に見ると、活動地域別では「北海道・東北」の割合が高く、登山歴や遭遇経験の有無においても、山との関わりが深い層ほどその傾向が強まっています。存在の身近さが、野生生物に対する畏敬の念を深めている実状が窺えます。登山中、実際にクマを目撃した経験のある方は約3割(29.4%)でした。一方で、クマ以外の野生動物(サルやイノシシなど)との遭遇経験者は93.2%に達し、野生動物は「いて当然」の存在になっています。また、具体的な対策に対するスタンスを分析したところ「人間の安全のための管理(駆除等)」と「共存のための環境づくり(保全)」の両方を支持する層が最多(43.1%)となり「両輪での対策が必要」という現実的な認識が広がっています。登山頻度の変化について調査したところ、全体では約6割が「変わらない」と回答しました。しかし地域別に見ると、「九州・沖縄」では93.7%が変わらないのに対し、「北海道・東北」では48.3%にとどまるなど、クマの出没状況による地域差が顕著に表れています。 また、「週に1回以上登るコア層」や「共存のための環境づくりを支持する層」ほど、これまで通り活動を継続する傾向が見られました。具体的な対策については、「撃退(スプレー等)」よりも「遭遇回避(会わない対策)」が重視されています。「熊鈴・ラジオ(54.7%)」や「事前の情報収集(47.3%)」、「単独登山の回避(38.3%)」など、接触そのものを未然に防ぐ工夫が主流となっていることがわかりました。野生動物であるクマの生態や行動原理を深く理解し、科学の力でクマと人の「境界線」を引き直すこと。それは、登山者とクマが適切な距離を保ち、日本の豊かな自然を共に分かち合う未来につながります。「クマがどこにいるか」という生態調査と「登山者がどこを歩いているか」という行動データを統合・分析する試みは、国内でもほとんど例のない画期的なアプローチです。本研究は、森林生態学・野生動物管理学の第一人者である小池伸介教授(東京農工大学)との共同体制により実現しました。GPS解析を用いてツキノワグマが本来どのように森を利用しているのか(採食、休息、移動などの生活圏)を可視化。「登山」という行為が、彼らの生活にどのような影響を与えているのかを明らかにしていきます。クマの生態に詳しい山﨑晃司教授(東京農業大学 地域環境科学部)をお招きした、年末特別ライブ配信を開催いたします。「クマに遭遇した方はどのように行動したか」「遭遇したとき、本当に有効な対処法・心構えとは?」報道だけでは見えてこないクマの生態を、様々な視点から解説。2026年の登山シーズンをより豊かに、安全に楽しむために、年内に押さえておくべき知識を総ざらいします。当日は、チャットでの質問にもお答えします。ぜひリアルタイムでご参加ください。効率化の時代に敬遠される「問い」に対し、対話と身体知の機会を生み出すプロジェクト。「人間性の再発見」「境界の融和」「知恵の共創」を軸に、人と自然、頭と体の距離を「より親しく、より近く」へ。テクノロジーと共存しながら失われつつある「生きた手触り」を社会実装し、新たな豊かさを広く醸成することを目指しています。
(飼い犬がクマに襲われる:秋田)
県内では15日に4件のクマの目撃がありました。大館市では9日、飼い犬がクマに襲われる被害がありました。9日朝、大館市比内町大葛で住宅敷地内の犬小屋で飼っていた犬1頭が死んでいるのを飼い主が発見しました。警察などによりますと、犬の近くにはクマと思われる足跡があり、8日の午後7時から9日の午前6時までの間に襲われたとみられています。飼い主によるとクマの足跡は家の裏の林側へ続いていて、駆けつけた警官が足跡を追うと、その先でクマを目撃したということです。県は食べ物が手に入る環境ではクマは冬眠せずに活動を続けられるとして、人の生活圏でクマが食べられるものを放置しないよう注意を呼びかけています。
(イノシシ捕獲用の罠に体長約1mのクマかかる、鳥獣被害対策実施隊が駆除:宮城)
山元町によりますと16日午前7時頃、山元町大平の山林で、体長およそ1メートルのクマが罠にかかりました。罠は個人がイノシシの捕獲用に設置していたもので、その後、町の鳥獣被害対策実施隊がその場でクマを駆除しました。これまでに、クマによる被害は確認されていないということです。警察によりますと今年に入り、周辺ではクマの目撃情報が数件確認されていて、町内でクマが罠にかかったのは今年初めてだということです。
(シカと正面衝突、50万円相当のバイク損傷:愛知)
愛知県岡崎市の山道を走っていたバイクの目の前に、突然現れた野生のシカ。前方から飛び出し、避ける間もなく正面衝突。バイクは横転してしまいました。シカと衝突した男性「最初は左に避けようと思ったんですけど、シカがなぜかこっちに突進してきて、避けられずに衝突した」。シカは一度倒れましたが、すぐに立ち上がり、山道の奥へ走り去りました。「このシカに遭う前に、何匹かのシカを目撃していて、それもあって注意して低速で走っていました」。運転していた男性は無傷でしたが、50万円相当のバイクはフロントカウルが割れてしまったということです。
(イノシシ・シカの熟成肉を直売:広島)
広島県庄原市是松町の新しい市有害鳥獣処理加工施設「庄原ジビエ工房」が本格稼働し、狩猟期間を迎えたイノシシやシカが次々搬入されている。
(ジビエをもっと!、害獣をおいしくいただく仕組みを作る:大阪)
大阪・北区にオープンしたジビエ専門レストラン。提供されるのは、イノシシやシカなど害獣として駆除された野生肉を使った本格洋食だ。背景にあるのは、猟師から会社経営者に転じた樋口晃司さんの「もったいない」をなくしたいという思い。流通しにくい部位もシェフの技で価値ある一皿へ。田畑を守り、命を生かす―都会と山をつなぐ新たなジビエの挑戦を追う。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、16日午前5時ごろ、富谷市あけの平2丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
大和町によると、16日午前10時35分ごろ、大和町宮床八坊原にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
石巻市によると、15日午前1時20分ごろ、石巻市魚町2丁目にクマとみられる動物が出没しました。
(クマ出没:宮城)
村田町によると、15日午前6時30分ごろ、村田町菅生舟ケ沢でクマが出没したような痕跡が見つかりました。
TOPへ