<射撃ニュース1月>
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(男性が首にケガ、弾丸のようなものあたる:香川)
1月13日午後、高松市の山で37歳の男性の首に弾丸のようなものがあたり、男性がケガをしました。現場では男性が猟で使う空気銃が見つかっていて、警察が関連を調べています。午後4時50分ごろ、高松市香川町川内原の山で「知人が首に空気銃が当たったと言っている」と119番通報がありました。警察によりますと、高松市の37歳の男性が首を弾丸のようなもので負傷し、病院に運ばれましたが、今のところ命に別条はないということです。男性は家族に「わなを見に行く」と伝え1人で山に向かっていました。その後、男性の知人が男性から「死にそう」と連絡を受け、現場に駆け付けたところ、男性は、自分の車の運転席にいたということです。車内には、男性が猟で使う空気銃があり、警察が、ケガとの関連を調べています。

(体長50センチの猿、ランニング中の男性に抱きつく:徳島)
9日午前3時30分頃、徳島市上八万町で、体長約50センチの猿が、ランニングをしていた近くの30歳代男性の脚に抱きついた。男性が振り払うと離れたが、500メートルほど後をつけてきたという。男性にけがはなかった。徳島県警徳島中央署が注意を呼びかけている。近くの八万町では、5日に男性が猿に脚をかまれるなど、被害が相次いでいる。同署は子どもたちが登下校する時間帯の見守りを強化したり、県警の防犯アプリ「スマートポリス」で情報を発信したりしている。

(野生イノシシでの豚熱感染確認(194、195頭目):兵庫)
佐用町で発見された捕獲野生イノシシ2頭について、豚熱PCR検査を実施した結果、豚熱感染が確認されました。

(ヒグマ駆除、自治体が公表に二の足:北海道)
人里近くで出没を繰り返したり、人を襲ったりするなど問題行動を起こすヒグマを駆除しても、公表をためらう自治体が目立ってきた。公表後に全国から「なぜ殺すのか」という抗議や非難が相次ぎ、自治体職員が対応に忙殺される事態が相次いでいるからだ。だが駆除の事実を知らされない地域住民は不安を抱えたまま生活することになりかねず、多くの市町村が対応に苦慮している。2024年6月に道職員の男性がクマに襲われ、大けがを負う事故が起きた空知管内雨竜町。町が事故後、捕獲用の箱わなを山林に設置したところ、ニュースを見た人から「捕まえても駆除するな」との声が相次いだ。町職員2人が2日間で約30件の電話に対応。しつこく抗議を繰り返す人もおり、担当者は「業務がまひする恐れもあった」と振り返る。その後、町は駆除したかどうかを公表していない。道内のヒグマの目撃件数は2021年以降、毎年2千件を超えている。クマによる人身事故も過去3年間で10件発生した。問題行動を起こすクマへの対処は自治体にとって差し迫った課題となっている。札幌市はクマの駆除直後、地域住民に周知するため報道発表している。人を襲った可能性のあるクマを24年9月に西区小別沢で駆除した際も即日公表した。ただ道内外から100件以上のメールや電話が寄せられ、多くは市の対応を批判する内容だったという。23年7月に南区北ノ沢の住宅街付近に出没したクマを駆除した際も、1カ月に600件以上の意見が寄せられた。中には「おまえらは殺してばかりだ」と感情的な言葉で担当者を攻撃する人もいた。札幌市の担当者は「ヒグマを駆除したかどうかの情報を提供するのは、住民の不安を取り除くため。ただ理不尽と思える意見もあり、対応に苦しんでいる」とこぼす。札幌市のような事態はツキノワグマによる被害が相次ぐ東北などでも起きており、「野生生物と社会」学会(東京)は23年11月に発表した緊急声明で「(クマは)人命を奪うこともあり、一定数の捕獲は欠かせない」と説明。「関係者への配慮の無い電話や執拗(しつよう)なクレームは、関係者の努力をくじき、かえってクマとの共存を妨げる結果を招く」と訴えた。道ヒグマ対策室によると、自治体に人身事故などを起こしたクマを駆除する義務はなく、公表する決まりもない。このため悪質なクレームなどを受け、駆除の公表を遅らせたり、見送ったりする自治体が今後増える可能性もある。

(血に飢えた"怪物ヒグマ"が2025年、大量発生か?:北海道)
「今後、これまで生息域ではなかった場所にヒグマが出没するのは明らか。その上、あの『OSO18』のような個体が再び出現する可能性があります」。北海道内の猟友会会員はそう語気を強める。連日、全国でクマ出没が報じられるなか、北海道である「異変」が起きている。原因は3年連続で増加の一途を辿る「エゾシカ」にあるという。「エゾシカの繁殖力が高すぎて捕獲が追いつかないなか、駆除がかなりいい加減なんです。自治体によっては、死骸の写真と尻尾さえ持ち帰れば、駆除と認めるところもある。その結果、至る所でエゾシカの死骸が放置されたままになっています。本来、ヒグマにとって素早く動くエゾシカはエサになりえない。しかし、死骸なら食べられる。その結果、エゾシカの生息域にまで現れるようになったのです」。問題なのは、ヒグマが鹿肉の味を覚えてしまうことだ。北海道東部で'19年から4年間にわたって、牧場の牛66頭を殺傷したOSO18。本来野草や木の実を主食とするクマが、なぜ牛を襲ったかについては諸説あるが、エゾシカの死骸を食べたことが発端という見解が有力だという。さらに、増えすぎたエゾシカが、近年札幌市中心部に出没するなど、その生息域を広げているという問題もある。ヒグマの急増はもちろん、OSO18クラスの「怪物」が市街地へ現れ、人を襲う危険性は非常に高い。こうなると、頼りになるのは熟練のハンターたちだが――。「現状の発砲要件では、我々はどうすることもできない」と北海道猟友会標茶支部長の後藤勲氏はため息まじりに呟く。「現場に駆けつけても、銃弾を込めたり、発砲するタイミングもすべて警察官の指示がなければ動けないのが現状です。ようやく発砲の指示が出た時には、すでにクマが別の場所へ移動していることもザラです。まして'24年、『発砲した弾が建物に当たる恐れがあった』として猟銃所持許可を取り消されたハンターが処分の撤回を求めた裁判が、高裁で逆転敗訴してしまった。これが罷り通る以上、市街地でハンターが臨機応変に対応することは不可能です」。ヒグマの大量発生にもかかわらず、ハンターが身動きできない状況となれば、前代未聞の被害が起きることは必至。早急な対策が求められる。

(人命優先でクマ駆除したら猛烈な抗議する日本の末路)
2024年11月30日、秋田県秋田市のスーパーに侵入したクマがわなにかかった後に麻酔で眠らされ、その後駆除された。しかしこれが報じられると、市などに「人間の都合で殺すな」「山に返すべき」といった100件を超える抗議の声が寄せられたことが波紋を呼んだ。環境省によると、クマの被害を受けた人は昨年度、全国で219人と過去最悪で、23年12月の被害の67%は市街地で発生したという。それゆえ銃を扱うハンターの存在も重要になってくるのだが、市街地や住宅地で猟銃を使用することは、危険性が高いことから鳥獣保護管理法で禁止されているという。そんな中でクマによる農作物への被害は年5億円とされている。作家で経済誌プレジデントの元編集長の小倉健一氏が解説するーー。北海道砂川市で2018年8月、市の要請に応じてヒグマを駆除した猟友会砂川支部長の池上治男さん(71)が、銃所持許可を取り消された問題は、警察の対応に重大な疑問を投げかけている。池上さんは市職員と警察官の立ち会いのもと、民家近くに出没したヒグマを適切に射殺したにもかかわらず、後に「建物に向けて発砲した」との理由で所持許可を取り消された。しかし、現場には高さ8メートルの土手があり、弾丸が人や建物に当たる危険性は低かった。さらに、検察はこの件を不起訴処分としており、違法性は認められていない。それにもかかわらず、北海道公安委員会は銃の所持許可を取り消し、銃を押収し続けている。この対応により、ハンターたちは警察への不信感を募らせ、駆除活動を控えるようになってしまった。凶暴なクマとの遭遇は、人命や財産に重大なリスクをもたらすだけでなく、クマ自身の生存にも影響を与える深刻な問題である。2023年のクマ類による人身被害は、統計史上過去最多の198件だ。2024年度の人身被害も、2023年とほぼ同じようなペースで増えている。近年特に注目されているのが「アーバンベア」だ。集落や家のすぐ裏の森で日常的に暮らしていて、山奥にいるクマよりは人間に対する警戒心が低いクマのことを指す。住民たちはクマに襲われる恐怖と隣り合わせの現実なのである。こうしたリスクに対応するため、熊スプレーと銃器のどちらを選ぶべきかという議論がしばしば行われる。今回は「クマ抑止のための銃器の有効性」と「クマ除けスプレーの有効性」の二つの研究を比較し、クマ除けスプレーだけでは心許ない現実をお伝えしたい。クマ除けスプレーの有効性はどうなのか。この研究では、1985年から2006年にかけてアラスカ州で記録された83件のスプレー使用事例を分析している。その結果、全体で92%の成功率が確認され、ヒグマに対する成功率は92%、クロクマは90%、ホッキョクグマは100%という高い効果を示した。また、スプレー使用者の98%が負傷を回避しており、負傷した3名も軽傷で済んだことが注目に値する。スプレーの特長として、非致死性であることが挙げられる。クマを殺さずに攻撃や不要な行動を停止させるため、環境保護の観点からも優れている。しかし、クマ除けスプレーには限界も存在する。特に、風の影響を受けるケースが7%(83件中5件)報告されており、使用環境によってはスプレーが完全な効果を発揮しない場合がある。また、スプレー後にクマが再び戻ってくる事例が全体の14%(71件中10件)で見られ、特に食料やゴミを探す行動が原因となる場合が多い。このようなケースでは、スプレーが一時的な効果しかもたらさない可能性がある。一方、銃器による抑止については、1883年から2009年にわたる269件の事例を分析した研究がある。この研究によると、銃器の成功率は長銃が76%、拳銃が84%であった。これらのデータはスプレーの成功率に劣るものの、銃器は特に大型で攻撃的なクマに対して致命的な効果を発揮できる点で優れている。また、スプレーでは対応が難しい遠距離からの対処が可能であることも銃器の利点として挙げられる。銃器にも課題がある。まず、使用者の56%がクマとの衝突で負傷しており、これはスプレー使用時の負傷率(2%以下)と比較して大幅に高い。また、銃器の使用には十分な訓練が必要であり、正確に命中させる能力が求められる。さらに、銃器の誤作動や使用ミスが成功率を下げる要因となっており、近距離での対応が難しい場合もある。これらの結果から考えると、クマ除けスプレーと銃器はそれぞれ異なる状況で有効であり、どちらか一方だけではクマ被害を完全に防ぐことが難しいと結論付けられる。スプレーは非致死性で高い成功率を持つため、クマとの偶発的な遭遇において非常に有効である。しかし、再び接近してくるクマや極端に攻撃的な個体、あるいは遠距離での対応を要する場合には銃器が必要不可欠だ。現実的なクマ被害防止策としては、状況に応じてスプレーと銃器の両方を準備することが最善である。例えば、ハイキングやキャンプなどの活動では熊スプレーを携行し、迅速に使用できるよう準備しておくべきだ。食料やゴミをクマが接触できない場所に保管するなど、遭遇そのものを回避するための予防策を講じることも重要である。クマとの共存を目指すには、クマ除けスプレーと銃器の特性を正しく理解し、それぞれの強みを活かした対策を取ることが必要だ。スプレーは一時的な対処手段として有効だ。対する銃器は最後の手段としての役割を果たす。異常な行動を示すクマ(例えば、学習能力がない)は、再び人里に現れる可能性が高いと判断され、アーバンベアのように住宅地や市街地に頻繁に出没し、人間への警戒心が薄れたクマは危険であり、住民生活の安全確保を最優先にすべきだろう。麻酔銃でいいではないかという人もいるのだが、射程距離も短く、クマを逆上させる恐れもあることから使用が難しいという現実がある。温暖化やエサ不足によってますますアーバンベアが増えていくことが予測されている。このクマ除けスプレーだけでなく、銃器も含めたツールを適切に組み合わせることで、クマ被害を最小限に抑え、人間と自然が調和して生きる未来を築くしかない。一方的に、ハンターから銃を取り上げる警察の対応に批判が集まるもの当然だろう。警察は治安を守るため、住民が安心して生活するための組織であり、目的に沿った行動を求めたい。

(全国初、野生動物の出没や捕獲情報を可視化するアプリ運用開始:福岡)
福岡県の服部知事は、イノシシやサルなどの野生動物による被害を防ぐため、目撃や捕獲に関する情報などを可視化する全国初のシステムの運用を14日開始したと発表しました。運用が始まった「福岡県鳥獣被害対策システム」は、スマートフォンのアプリなどから、野生動物の目撃情報や被害の状況、それに全国初となる捕獲情報を、地図上で確認できるサービスです。利用者が日時や場所、動物の種類や大きさなどの情報を写真とともにスマートフォンから投稿すると、それらが地図上に反映されます。県内では、住宅地で人がサルやイノシシに襲われけがをする事案も発生しています。このシステムは、スマートフォンでアプリをインストールするか、パソコンからアクセスすることで、無料での利用が可能で、個人情報の登録は不要です。

(住民悩ます落石被害、犯人はシカ:広島)
JR可部線可部―旧三段峡間の廃線敷を活用した広島市安佐北区可部町今井田地区の道路整備で、市は進行中の「2工区」の工事を中断し、「3工区」を優先して整備する。3工区周辺の既存の県道で山からの落石や土砂の流出が多発しているため。シカの仕業とみられ、対策を望む住民の声に応えて2月に着工する。

(相次ぐ“冬眠しないクマ”、氷点下の出没に住民恐怖)
13日朝もカメラマンの目の前に…。冬眠しないクマの出没が各地で相次いでいます。緊張が走ったのは、午前8時ごろの秋田市。所々雪が積もる田んぼにクマが現れ、住宅街の方に向かっていったのです。撮影したのは付近に住む秋田朝日放送のカメラマンです。最低気温はマイナス3.1℃。冬眠していなかったのか、それとも何かの拍子に目覚めてしまったのか。市内では12日も目撃が相次いでいました。北海道でも…。雪が降りしきる9日午前1時すぎの小平町。画面左奥を見ると…街角を黒い影が移動しているのが分かります。ヒグマです。別の防犯カメラには、その姿がはっきりと捉えられていました。この日の最低気温はマイナス5.0℃。凍てつく寒さのなか、活発に動くクマの存在に住民は恐怖を募らせています。

(“冬眠しないクマ”目撃情報が前年比約13倍と急増)
この冬、出没が相次いでいる冬眠しないクマ。その目撃が後を絶ちません。FNNが入手した映像には、犬が吠える先にいる1頭のクマが柿の木の下で何かを食べている様子が映っていました。2024年12月20日、秋田・潟上市で撮影されたクマの姿。犬が吠え続けているとクマが立ち上がり、カメラのほうをじっと見つめ、しばらくすると走り去っていきました。本来なら冬眠しているとされる時期に相次ぐ、クマの出没。この年末年始も、冬眠しないクマの目撃情報が相次ぎました。2024年12月28日に秋田・美郷町で撮影された映像には、雪が降り積もった田んぼの上を歩くクマの姿が映っていました。田んぼと近くの住宅との距離は約50メートル。撮影した人は「1メートル以上…かなり大きかった。最初、大きい犬かと思った。シカやタヌキならよく見るがクマは初めてだった。あまりにも近くで見たので怖くてびっくり。痩せていなくて丈夫だった。まんまるとしていて、今の時期に見るクマなのかなというくらい。餌とか食べているのだと思う。猟友会の人たちにも動画を見てもらったが、かなり大きいと言っていた」と語りました。同じ日、近くでは別の目撃情報も寄せられました。車で通りかかった人が、雪をかき分けながら歩くクマを捉えました。クマは周辺に約30分とどまった後、林に立ち去ったということです。クマの出没はこれだけでは終わりません。年末から2025年1月にかけ、目撃が相次いだクマ。クマダスによりますと、2024年12月22日から2025年1月5日までのクマの目撃件数は68件。前の年の同じ時期の5件と比べると、急増しています。特徴的なのは、クマが捕獲された後に同じ地域で何度もクマが目撃されることです。2024年12月26日には、秋田市の自動車整備工場の倉庫にクマが入り込み、約1日かけて体長1.2メートルのメスの成獣が捕獲されました。クマが侵入した倉庫の近くは車通りが多く、飲食店や住宅、学校が立ち並ぶエリアです。周囲を散歩していた人は「まさかと思った。雄物川の川下の方に出没するのは理解できるが、いくらなんでもこの辺では…」と話しました。この倉庫からわずか2kmの場所では、2024年12月31日にもクマが目撃。周辺を取材してみると、動物の足跡が見つかりました。クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に確認してもらいました。秋田県立大学・星崎和彦教授:映像を見た限り、しっかりした爪があるのでクマだと思う。冬眠しているはずの時期になぜ、クマが私たちの生活圏に現れるのでしょうか。秋田県立大学・星崎和彦教授:寝る場所を探して出没しているということが起こりうる。星崎教授は、クマが市街地で冬眠している可能性があると指摘します。秋田県立大学・星崎和彦教授:2~3月になると、冬眠から目覚めたクマが出没する。街中への出没もあると、心づもりが必要かなと思います。

(“ヒグマは冬眠するはず…”その常識はもはや通用しない?:北海道)
北海道内には、数多くの野生動物が生息していますが、最近、よく耳にするのが冬眠をしないクマです。クマはなぜ、眠らないのでしょうか?13日、北海道大学で開かれていたのは、高校生が野生動物について考えるプロジェクトです。札幌市や釧路市、網走市の高校生が、それぞれの地域に生息する野生動物についての研究結果を発表しました。学生たちは、野生動物たちの現状、そして今後、どのように共存していくべきなのかを話し合いました。真冬の住宅街を飛び跳ねるように走っているのは、犬ではなく“クマ”です。今月9日の未明、北海道北部の小平町臼谷の住宅街にある防犯カメラが、その姿を捉えました。現場は、小平町役場から直線距離で約2.5キロの場所で、周囲は山に囲まれています。クマは山の方向に立ち去ったとみられますが、住宅は、目と鼻の先です。雪の中を走りまわるクマ。どうして冬眠しないのでしょうか?北海道大学 文学院 伊藤泰幹さん「“食い貯め”をして、十分に栄養状態がよくなってから、冬眠をそのまましてという形になるのですが、栄養状態がとてもよかったりすると、冬眠という行動をせずに活動しうるというケースはあります」。食べ物が充実していると、冬眠せずに冬を越す個体もいるというのです。つまり“冬眠しないクマもいる”という意識を持つ必要があるのです。北海道大学 特任講師 池田貴子さん「背景を想像してみようという意識があるだけでも、(クマと)遭遇しづらくなると思うし、そもそも(クマが)やって来ずらいマチを作るためには大事」。“クマは冬眠するはず…”と油断することなく、日常的に生ごみを外に置かないなどの対策をとることが大切です。

(管内エゾシカ1・9万頭捕獲、過去2番目の多さ:北海道)
道は、2023年度のエゾシカ捕獲数を発表した。全道は15万6863頭(前年度比8・2%増)で、過去最多となった。十勝管内は1万9138頭(同8・1%増)で過去2番目の多さ。

(稚内署管内でエゾシカ交通事故急増:北海道)
稚内署管内(5市町村)で2024年に発生したエゾシカに関係する交通事故は186件と前年比42件増、22年の150件を抜いて過去最多となった。日没から日の出にかけての夜間の事故が7割(130件)を占め、同署はスピードダウンやハイビーム使用を呼びかける。

(県内の農作物の鳥獣被害は5億3千万円:熊本)
熊本県がまとめた2023年度の野生鳥獣による県内の農作物被害額は、前年度比10%減の5億3757万円だった。2年ぶりに減少した。イノシシやシカ、サルによる獣害が増えた一方、カモなど鳥類による被害は、農家による対策が奏功し減った。県内の被害額は過去5年、5億円台で推移しており、県は予断を許さない状況が続いているとみている。23年度の鳥獣別は、イノシシが全体の55%を占め、前年度比3%増の2億9282万円だった。シカが20%増の8081万円、サルは14%増の1216万円。鳥類では、カモ類が36%減の6255万円、カラスが27%減の4109万円、ヒヨドリが87%減の430万円と、いずれも減少した。地域別では、八代が7720万円と全体の14%を占めた。宇城、菊池、芦北が6千万円前後で続いた。県むらづくり課によると、鳥類による露地野菜の被害が増えている八代や玉名の沿岸部では、作物を覆ったり、収穫物を残さず回収したりする対策によって一部で被害が減った。ただ、イノシシなどの獣類は山に餌がなければ農地に出て来る傾向が続いている。県は農家に対し、餌づけにつながらないような対策を呼びかけている。全国の被害額は163億6300万円で、前年度に比べ8億円増えた。

(クマ対策など、県新年度予算:岩手)
岩手県の2025年度一般会計当初予算は各部局からの要求額がまとまり、7430億5000万円あまりとなる見込みです。県によりますと、2025年度一般会計当初予算の要求総額は、高齢化による社会保障費の増額などに伴い2024年度の当初予算より108億4000万円多い7430億5700万円となりました。事業別に見ますと、半導体関連の人材の育成や確保に向けた取り組みを推進するための事業費として2320万円。生息数の調査や捕獲といったツキノワグマによる被害を防ぐための対策に必要な事業費として7180万円などが計上されています。県は、知事査定を経て一般会計当初予算案を県議会2月定例会に提案する予定です。

(イノシシ被害が4割、野生鳥獣農作物被害額は1億4千万円に:福島)
2023年度の野生鳥獣による福島県内の農作物への被害額は約1億4000万円で前年度より増えています。福島県によりますとイノシシやサル、カラスなどの野生鳥獣による福島県内の農作物への被害額は、2023年度は1億3959万円で、前の年度より2075万円、17.5%増えました。最も被害が多かったのはイノシシで、被害額は5617万円と全体の40%を占めています。またクマによる被害は679万円で、前年度より82%増えています。福島県は、被害が増えのは2023年度はエサとなる木の実などが凶作だったことが一因ではないかとみています。

(シカによる農作物被害、カメラ搭載「ドローン」使用:北海道)
毎年、深刻となっているシカによる農作物への被害。そんななか最新鋭の機器を使った駆除の現場にカメラが潜入しました。12日札幌・南区でおこなわれた北海道猟友会によるシカの駆除。作戦は、夜明け前に開始されました。北海道猟友会札幌支部南部会・小銭悟史隊長)「きょうは初めて新しい端末を使いまして、みんなの位置とシカの情報を端末に表示しながら最新鋭の駆除を進めていきたい」。“最新鋭の駆除”。使われていたのは・・・カメラを搭載した「ドローン」です。ドローンの映像は、うっそうとした森の中にいるシカを捉えていました。深刻となっているシカによる農作物への被害。農林水産省によりますと、道内の被害額は、2022年度に47億円にのぼります。実に、全国の被害額のおよそ7割を北海道が占めています。シカを捉えているのは映像だけではありません。サーモグラフィによる体温の検知でも、シカの居場所を特定します。橋野和洋さん(ハンター))「すぐ近所の農家さんが、いつも駆除してほしいという風におっしゃっていただいてる農家さん。あの辺一帯みんな困っている」。毎年1、2回おこなわれているこの大規模駆除。今回はハンター同士の位置がより正確に把握できるよう無線の通信システムを導入しました。ドローンが映す映像をリアルタイムで確認し、現場に指示を出します。今回は5頭のシカを駆除。駆除されたシカは、食用や動物用のエサとして活用されるということです。北海道猟友会札幌支部南部会・小銭悟史隊長)「札幌市の皆さんに有害駆除の実情を知っていただくとか、農業被害が札幌市でもあるっていうのを理解していただいて、協力的な姿勢であったりとか理解を持っていただけるように活動していきたい」。

(初記録、わなにかかった生きたシカを襲うツキノワグマ:東京農業大学)
国立大学法人東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院の稲垣亜希乃特任助教、小池伸介教授、イリノイ大学(兼任 東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院・特任准教授)のMaximilian L. Allen 准教授らの国際共同研究チームは、くくりわなにて捕獲されたニホンジカ(以下、シカ)にツキノワグマ(以下、クマ)が襲いかかり、その後死亡した個体に繰り返し訪問し、シカを採食する様子を捉えた一連の事例を報告しました。わなによって身動きが制限されたものの、生きた状態の成獣のシカをクマが捕食したことは世界で初めての知見であり、人によるわなを用いたシカの捕獲行為がクマに新たな形で食物資源としてのシカを提供している可能性が示唆されました。

(温暖化続けばエゾシカ頭数増、気象予報士が講演:北海道)
エゾシカの有効活用や環境保護に取り組むNPO法人「エゾシカネット」(札幌)が12日、創立10周年を記念した催しを札幌市北区民センターで開き、会員や市民ら約120人が参加した。気象予報士の菅井貴子さんが講演し、近年の道内の気温上昇を背景に「エゾシカの頭数が増え、生態系の変化が予想される」と語った。

(文化芸術講座の開催について_演題「ツキノワグマを知ろう」:長野)
ツキノワグマは長野県のほぼ全域に生息しています。人を積極的に襲う動物ではありませんが、県内では毎年10件近く人身事故が起きています。人里に滞在して農作物を荒らすクマも最近は増えています。身近な野生生物であるクマの生態や出会わないための対策、出会った時の対応についてもわかりやすくお話しします。毛皮や骨などを自由に触れることもできます。

(野生のクマの痕跡をめぐるツアー:広島)
去年、野生のクマが出没した広島市の安佐動物公園で11日、痕跡をめぐるツアーが開かれました。ツアーは、クマの正しい知識を身につけてもらおうと企画されたもので、家族連れなどが参加しました。安佐動物公園では去年、野生のクマが出没し、西園を一時、閉鎖しました。参加者は、そのクマが木の実を食べたとみられる痕跡や爪痕などを観察しました。

(学生の“狩猟サークル”、捕獲から駆除まで:三重)
鹿や、イノシシなどの野生動物による獣害が問題となっていますが、その対策に取り組む全国でも珍しい大学の狩猟サークルを取材しました。津市白山町の山の斜面で、シカ用の罠を仕掛けていた、森武志さん23歳。プロの猟師ではなく、三重大学大学院の学生で、これは狩猟サークルの活動です。大学公認の狩猟サークル「トラッパーズ」には現在、男女5人が在籍。森さんを含め3人が狩猟免許も持っていて、普段は、三重大学が所有する農場などで農作物に被害をもたらすタヌキやアライグマなどを捕獲しています。(森武志さん)「集落で活動していて、人がどんどん減っているのは聞きますし、若い人はいないというのは感じるので、獣害対策というのは大事だと思うから、狩猟を続けてきている」。この日サークルのメンバーは、地元の農家からシカの捕獲を依頼され、OBのアドバイスを受けながら罠を仕掛けます。(サークルOB 新海佑太さん)「今の時期 シカだよ葉物野菜…ブロッコリーだったり、つい最近だとチンゲンサイをやられた人がいた」。9年前にサークルを設立したOBの新海佑太さん。大学卒業後、獣害対策を請け負うプロとして活動しています。三重県では2023年度のシカやイノシシなどによる農作物や林業への被害額は約3億6000万円。一方で猟師の減少や高齢化が深刻な課題となるなか、トラッパーズにも地元の農家から駆除の依頼が入るように。「昔は猟師が5~6人いたが、亡くなったり…地元に若い人が来ていただいていろいろ頑張ってくれているのは本当にありがたいこと」。いまや彼らは、地域にとって獣害対策の大切な担い手ともなっています。そして、翌日。(森武志さん)「いますね。あそこに寝ていますね」。罠には体長1.5メートルほどのオスジカが。自分たちが仕掛けた罠が見事捉えましたが、重要なのはこの後です。シカを仕留めなければなりません。急所にうまく刃物が刺さらず、OBの新海さんからも厳しい言葉が飛びます。(サークルOB新海佑太さん)「刃渡りが短いんだ」「思い切りやってやらんと逆にかわいそうだから」。獲物を仕留める様子を初めて見た1年生の部員は。(1年生の部員)「うまく言えないですね…」。サークル活動を通じて命の重さと向き合うことも多い部員達。肉は食べる分だけを持ち帰ります。(森武志さん)「サークルがなかったら僕も狩猟を始めていないので、興味のある人たちが一歩踏み出せるという意味で、狩猟サークルを大学生でやっているのは大事。先輩たちに学びながらサークルを続けられればいいなと思う」。自然とどう共存していくかを考えさせる狩猟サークル。森さん達は今日も山に入り、自然と向き合います。

(映画『劇場版 クマと民主主義』)
第5回「TBS ドキュメンタリー映画祭 2025」、2025年3月14日より全国6都市にて順次開催決定!現代を取り巻く重要な社会問題を考える「ソーシャル・セレクション」から『劇場版 クマと民主主義』予告編が解禁!本映画祭では、社会問題や多様な生き方をテーマにした作品から、アーティストに密着したものまで、多彩なラインナップをお届けしますが、今回解禁するのは、現代を取り巻く重要な社会問題を考える「ソーシャル・セレクション」の厳選5作品と、戦後80年という節目の年である本年だからこそ見るべきドキュメンタリーを特別上映する「戦後80年企画」から3作品。例年注目を集め活発な議論を巻き起こす「ソーシャル・セレクション」からは、今まさに私たちが直面する社会や環境、労働、生活、行政に関わる問題に迫る5作品の上映が決定!クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さ。7年前、北海道の小さな村が直面した課題は、今や全国に広がっている。村が歩んできた道のりと、クマ対策のヒントを追った幾島奈央監督。クマと人の課題その背景に見えてきたのは、人と人の課題だった。夕食後、外でガラスが割れる音が響いた。窓を覗くと、黒い影が見えた。ヒグマだ。「家に入ってくるかもしれない…」そんな恐怖の夜が、2か月も続いた。やっと解決したかに思えたとき、今度は住民が頼ってきたハンターたちの姿が突然消えた。クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さ。7年前、北海道の小さな村が直面した課題は、今や全国に広がっている。村が歩んできた道のりに、クマ対策のヒントがあった。

(永野芽郁、今年挑戦してみたいのはあのスポーツ)
1月10日放送のフジテレビ系『めざましテレビ』にVTR出演した永野芽郁が、今年挑戦してみたいことなどを語った。ニューヨークを拠点に活動するアーティストである松山智一氏が3月8日から開催する個展『松山智一展 FIRST LAST』のナビゲーターに就任し、音声ガイドも務めた永野。番組インタビューの中で永野は、“最近アートを感じたこと”について、「自分の寝ぐせ。いや、私、寝ぐせがつきやすいみたいで」「結構キレイに寝てるはずなんですけど、前髪が結構いい感じに芸術的になった日があって。これアートじゃんと思って」「にわとりのここ(トサカ)ぐらい」と手振りを交えてコメント。また、“今年挑戦したいこと”を聞かれると、「去年も『したいしたい』と言って1回もできなかった、クレー射撃」「クレー射撃するにも結構いろんな準備だったりとか、資格が必要だったりとか、いろいろあるので」「今年はなんとか合間を見つけて挑戦したいです」と笑顔で語っていた。

(温泉にクマ、日没迎え駆除断念:石川)
10日午後1時半ごろ、石川県加賀市山代温泉の住民から市山代グラウンド付近の斜面で「クマのような動物が穴を掘っている」と110番があった。駆けつけた県警大聖寺署員や市職員らがクマを確認し、駆除を試みようとしたが日没を迎えたことから断念した。石川県立大の大井徹特任教授(動物生態学)は「この時期のクマの出没は珍しい」と話している。県猟友会加賀支部や市によると、クマは体長約1メートル。現場周囲の安全確保のため猟銃での駆除が難しく、日没前に県猟友会加賀支部などがグラウンド近くにおりを設置。11日早朝に改めて周囲を確認する。

(列車とイノシシ衝突相次ぎ遅れや運休:福島)
12日夜、福島県のJR常磐線と山形県の奥羽本線で列車とイノシシの衝突が相次ぎ列車に遅れが出ました。けが人はいませんでした。JR東日本によりますと、12日午後7時15分ごろ福島県新地町の常磐線で上り普通列車(仙台発~原ノ町行)がイノシシ1頭と衝突して停車しました。乗務員が安全確認を行い、約30分後に運転再開しました。列車には約60人の乗客がいましたが、けが人はいませんでした。また山形県米沢市の奥羽本線でも12日午後6時17分ごろ、下り普通列車(福島発~米沢行)がイノシシと衝突して停車しました。その後、安全確認を行い約90分後に運転を再開しました。乗客乗員にけが人はいませんでした。この衝突の影響で山形新幹線は最大約2時間50分の遅れが出ました。また奥羽本線でも上り下り合わせて2本が運休、最大約3時間10分の遅れが出ました。

(イノシシ目撃、数十年間定着確認されず:沖縄)
本部町浜元などでイノシシが目撃されるようになり、サトウキビがかじられるといった被害が出ている。町によると町内ではこの数十年間イノシシの定着は確認されておらず、人的被害が生じる恐れもあるとして発見しても近づかないよう呼びかけている。昨年5月ごろから同町浜元のほか伊野波、伊豆味などで出没の報告があり、畑のほか民家の庭が荒らされたりウサギ小屋が壊されたりといった被害が出ているという。今のところ確認されているのは体重20~30キロの成獣とみられる1頭だが、メスだった場合にはうり坊と呼ばれる子イノシシを伴っている可能性があり、実際に複数の目撃情報があるという。繁殖による定着のほか大声などの刺激で興奮し人に向かってくる危険もあるため、町は住民に注意を促している。町では猟友会の協力を得てわなを設置しているが、民家が近いため銃を使った駆除などはできず、手を打ちかねているのが現状だという。

(里山で暮らすジビエハンター一家「獲物は食べてこそ成仏する」:京都)
昨年12月1日、本格的に冷え込み始めた京都市左京区大原の江文神社。オレンジのハンターベストを着た洛北地域の猟師約20人が集まり、供養塔に線香を手向けた。捕らえた鳥獣魚介の魂を悼む「鎮魂祭」が営まれた。参列者の一人、同区岩倉の今井亮太さん(39)は、「猟期の始まりのようで気合が入る」と力を込めた。自宅敷地内に食肉処理施設を構える、洛北地域で唯一の専業猟師だ。

(捕獲数は過去最多に、エゾシカの有効活用を考えるイベント:北海道)
農業被害をもたらすとして捕獲数が増加している、エゾシカの活用について考えるイベントが札幌市で開かれました。このイベントはエゾシカの有効活用に取り組むNPO法人が主催し、札幌市北区の会場に80人あまりが集まりました。この中で、道北の音威子府村でエゾシカの捕獲から加工販売までを手がける秋山實さんが講演しました。秋山さんは、捕獲されたエゾシカの多くが食べられずに処理されてしまう現状を説明した上で、「鉄分やタンパク質が豊富なエゾシカ肉の特徴を生かし、ジャーキーなどを健康食品として作りたい」と話しました。道によりますと、道内では昨年度、これまでで最も多い15万頭あまりのエゾシカが捕獲されたということですが、食肉などとしていかに有効活用していくかが課題になっています。NPO法人「エゾシカネット」の小野裕貴理事は、「エゾシカの需要を増やすことで生息数を適正にしていき、人と共存する姿を目指していきたい」と話していました。

(クマなし高山なしでもジビエ先進地、海風が運ぶミネラルが生むうまみ:千葉)
狩猟対象で食用とする野生鳥獣やその肉を意味する「ジビエ」。高山がなく、クマがいない「クマなし県」として知られる千葉県は、実はジビエ先進県だ。ジビエ初心者の記者が、魅力を探った。千葉県にはクマはいない一方、イノシシなどの中型動物は数多く、農作物被害は後を絶たない。農林水産省の2023年度のまとめによると、イノシシによる県の農作物被害額は1億2616万円で、関東1都6県でワースト。全国でもワースト8位だ。サルやシカなどその他の鳥獣も含めると、被害額は3億692万円にも上り、農業の盛んな千葉県にとって深刻な問題だ。県はイノシシなどの野生鳥獣対策の一環として、16年度からは県内で捕獲し、県内の食肉処理加工施設で適切に処理・加工したイノシシやシカの肉を「房総ジビエ」と名付け、ブランド化して消費拡大を図ってきた。農水省によると、23年度の県内のジビエ処理加工施設の数は15を数え、関東トップを誇る。

(農業被害防止、「ジビエ」促進:埼玉)
2024年12月、飯能市内にある野菜畑近くの林の中。佐藤好則さん(54)は、仕掛けておいた「くくりわな」を見回った。小さめのシカが、わなのワイヤに足を取られ、逃げ出せなくなっている。慎重に近づいてとどめを刺し、市内の解体処理施設に運んだ。佐藤さんは、同市飯能のNPO法人「crew―L(クルーエル)」の代表理事だ。里山周辺でのまちづくりや農業への鳥獣被害防止、「ジビエ」(野生の鳥獣の肉)の利用促進などに取り組む。畑の近くにわなをしかけ、侵入してくる害獣を捕らえるのも活動の一環だ。飯能市は人口約7万8000人。市域約193平方キロメートルの約4分の3は森林で、市は「森林文化都市」を名乗る。一方、森林には野生動物が多く住み、一部は田畑に出てきて農産物を食い荒らす。

(こどもたちが狩猟体験:静岡)
一年を通してさまざまな自然体験ができる学校が静岡県伊豆市にあります。そこで、子どもたちを対象に動物を捕獲する「狩猟体験」の合宿が行われました。猟師がわなを仕掛けるところを間近に見た子どもたちは何を学んだんでしょうか。伊豆市八幡にある「またね自然学校」です。<またね自然学校 斉藤大輔さん>。早速、子どもたちは猟師でもある斉藤さんとシカの居た痕跡を探します。山に入り30分。いくつもの鹿の痕跡が見つかりました。続いて、子どもたちはシカの目線になって、シカがどこを通るのか考え、わなの仕掛け場所を決めていきます。斉藤さんは4か所にわなを仕掛けました。仕掛けた罠には。シカはかかっていませんでした。鹿の解体にも立ち会いました。別の日に捕れたシカ肉が振舞われました。子どもたちの胸の中に食への感謝の思いが刻まれていました。

(ジビエ消費を、スタンプラリー実施:岡山)
岡山、倉敷、津山市など12市町村の計39店舗が対象。ぼたん鍋やシカ肉ソーセージといったジビエ料理を注文したり、ジャーキーなどの加工肉を購入したりした際、店に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ってスタンプを集める。応募はがき付きのチラシにスタンプを押してもらうこともできる。スタンプを2~4個集めると、数に応じてジビエレザーのキーケース(1万1千円相当)、しゃぶしゃぶ用のシカ肉(3500円相当)などが当たる抽選に1人1回限り応募できる。県によると2023年のシカ、イノシシによる農林被害額は計1億1956万円。捕獲に対する助成制度の浸透もあり、22年度は計約4万6千頭(前年は計約4万1千頭)が捕獲された。ただ、施設で食肉用に加工されたのはそのうち8・3%にとどまる。県鳥獣害対策室は「ジビエに親しんでもらえるよう各店舗では多彩なメニューが用意されている。ぜひ多くの人に食べてもらいたい」としている。

(『がもよんジビエフェス 2025』が開催:大阪)
地域の魅力を発見しながら、ジビエの美味しさを楽しむイベントが開催されますよ。『がもよんジビエフェス 2025』【開催期間】2025年1月25日(土)~2月7日(金)【場所】蒲生四丁目の飲食店13店舗。各店舗にてジビエ料理の特別メニューが提供されます。

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(今年はクマが大量出没?生息域広がり人里近づく個体増加)
2023年度と比べ、24年度はクマによる人身被害が減っている。昨秋は餌となるブナの実などが比較的豊作だったことが理由の一つとして指摘される。ただ、人里近くにすみ着く「アーバンベア」の出没や被害は後を絶たない。今年はクマとどう向き合うべきか。23年度のクマによる人身被害は219人(死者6人)に上り、過去最悪だった。24年度は11月末現在で81人。捕獲頭数も過去最多だった23年度の9274頭に対し、24年度は11月末現在で4971頭にとどまり、大幅な減少ペースにある。

(「クマ問題は人間問題だ」、日米の専門家は同じ認識も現場環境が大差)
「日本ではクマが出没すると、民間のハンターが駆り出される。行政の担当職員は数年で異動する場合が多く、野生動物管理の専門知識がある人は少ない」。今夏、アメリカクロクマ対策の取材で米東海岸を訪れた際、日本の野生動物保護と管理の状況を話すと、驚かれた。米国でも市街地に出没するクマが増えて、悩まされている。「ボランティアではなく、専門家の仕事だ」。取材に行った先々で対策に取り組む人々はこう話してくれた。日本では昨年度、クマによる人身被害が急増した。環境省によると、被害者は219人(6人死亡)に上る。私が勤務する岩手県内の被害件数は、秋田に次いで多く、死者も出た。積極的な捕獲を求める声と、保護を訴える声が対立し、現場では度々難しい判断に迫られた。対策にあたる最前線では、限られた人員と予算で最善を尽くしている。だが、それは、少数の「頑張り」に依存したものだ。地方自治体では、地域おこし協力隊の制度などを使って人材を募集する動きが広がっているが、いずれも期限付きで、応急措置にしかみえない。一方で、米労働省労働統計局によると、米国で動物学や野生動物管理学の専門家として州政府や調査機関などで働く人の平均年収は約7万5千ドル(約1100万円)に上る。10年、20年先の自身のキャリアと地域の野生動物管理の将来を見据えて仕事に励む人々が少なくない。そんな専門家を米国各地で取材し、両国の違いを実感した。「クマ問題は人間問題だ」という言葉は、日本でも米国でもよく聞く。だからこそ、米国では科学的な調査と同等に、住民への啓発教育や意識調査に力をいれている。例えば、マサチューセッツ州では昨年、野生鳥獣に関する啓発教育や、住民からの質問に対応する専門職を新たに設けた。ニューヨーク州では、コーネル大学と共同で、クマに関する住民の意識や許容度を定期的に調査し、クマの保護管理計画に役立てている。日本では、シカやイノシシなどによる農業や林業の被害も年々深刻になっている。都市部でも野生鳥獣の問題と無縁ではない。今後こうした課題にどう取り組むか。野生鳥獣の管理を「人間側の問題」として捉え、持続可能な働き方を前提とした議論を深めてほしい。

(悲鳴のような鳴き声、増え続ける草食獣キョン:千葉)
シカ科の小さな草食獣「キョン」が房総半島を中心に大繁殖している。特定外来生物として対策が進むが、生息域の拡大も懸念されている。「キョンはイノシシよりも日常的な存在。洗濯物を干していたら近くにいることもある」。房総半島の南東部、太平洋に面した千葉県御宿町で大地雅子さん(52)が営むイチゴ農園では3年ほど前、ハウスにキョンが侵入した。イチゴの苗を食べられ、ドアのガラスを粉々に割られた。ガラスの新調に10万円ほどかかるため、買い替えず補修して乗り切っている。被害後は、換気目的でのドアの開放を控え、ハウスの周りにネットを張った。近所の人も多くが家庭菜園や花壇、畑を荒らされているという。「キョンが入らないよう高さのあるネットを張るか、そもそも(野菜などを)つくるのをあきらめた人が多い」と大地さんは話す。キョンは中国南東部や台湾に生息し、体長70~100センチほどの小型草食獣。国内は房総半島や東京都の伊豆大島で定着が確認されている。千葉では、勝浦市にかつてあった民間観光施設(2001年に閉園)からキョンが逃げ出して野生化したとされる。県内の推定生息数は2006年度の約1万2600頭から23年度は約8万6千頭となり、大幅に増えた。定着が判明した自治体は04年度は5市町だったが、20年度は17市町に拡大した。生態系への影響、人や農作物への被害を防ぐため、キョンは外来生物法に基づく駆除が必要な「特定外来生物」に指定されている。23年度の千葉県内の農作物被害額は約890万円だった。自家消費の農作物が被害に遭い、数字に表れていないケースも多いという。「ギャー」と悲鳴のような鳴き声を出すことから、初めて聞いた人が驚いて役所に連絡を入れることもある。房総半島東部を走るいすみ鉄道(本社・大多喜町)は、キョンやイノシシと列車の接触事故が23年度に44件起きた。列車の遅れや運休の原因となる事故を防ぐため、動物が嫌う高周波音の発生装置の設置を進めている。

(シカとの衝突186件:北海道)
稚内署は、昨一年間の同署管内(稚内、猿払、利礼3町)の交通事故発生状況をまとめた。12月は大黒地区の国道40号で、20代男性が運転する軽自動車がスリップし、右折するため停車していた40代男性が運転する普通乗用車に衝突し、40代男性含む家族3人が頸椎捻挫などで軽傷を負う事故、恵北での事故では男女2人が重傷、鬼志別では家族3人が重傷を負うなど3件(前年同月3)発生し傷者は8人(同5人)だった。物損は141件(稚内124、猿払8、利尻3、利尻富士3、礼文3)。シカとの事故は10件(稚内8、猿払2)。一年間では、人身事故21件(前年比変わらず)、傷者29人(同1増)、死者1人(同1増)。物損1048件(同20増)。シカとの事故は186件(同42増)と大幅に増えた。昨年1月、利尻町で歩行者の女性がはねられ死亡する事故が1件発生した。高木交通課長は、一年間、出会い頭の事故のほか一時不停止や信号無視による人身事故が目立ったと振り返り「今は交差点などでの雪山で見通しが悪くなっているので、安全確認により一層気を付けてほしい」とし、増えるシカ事故については「一年間を通して主に夜間の郊外で事故が多発している。ハイビームで早期発見に努めスピードダウンを心掛けてほしい」と話していた。

(「コイルガン」所持した疑いで逮捕の男性、不起訴に:栃木)
殺傷能力を備えた電磁石銃、いわゆる「コイルガン」を所持したとして、去年11月、銃刀法違反の疑いで警視庁に逮捕された29歳の男性について、東京地方検察庁は不起訴にしました。栃木県の29歳の男性は殺傷能力がある拳銃1丁を自宅で所持したとして去年11月、銃刀法違反の疑いで逮捕されました。所持していた銃は磁力で弾丸を発射する「コイルガン」と呼ばれる電磁石銃で、警視庁の鑑定の結果、実弾を発射でき、殺傷能力があると認められましたが、この男性について東京地検は7日付けで不起訴にしました。理由は明らかにしていません。

(「こたつに入ったクマが食べたのは…」年末に自宅を荒らされた家主が明かした緊迫の一部始終:福島)
2024年末、自宅に帰った男性(66)は、自らの目を疑った。茶の間のこたつに頭からつっこんだ生き物の黒い大きなお尻があったからだ。クマが勝手に入り込んでいた。「多分寝ていたんでしょう…」──この“クマ住居侵入事件”は全国ニュースで扱われた。果たして、壮絶だったという現場はどのようなものだったのか。当事者らに取材した。地元記者が解説する。「昨年12月23日の夜、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが現れました。住民男性はすぐに、隣の家に避難しました。玄関は施錠されていましたが、裏口の一部が壊されており、ここから侵入したようです。翌日、猟友会などがクマを追い払うための花火を使いましたが、クマは隣家の物置に逃げ込んだ。そこで、遠方から呼ばれた獣医師が麻酔を塗った吹き矢で、クマを眠らせることに成功し、無事に捕獲されました。体長は1.1メートルで体重40キロほどのツキノワグマでした」。けが人などは出ず大事には至らなかったものの、自宅にクマがいたという恐怖体験をした男性に話を聞くと、当時の生々しい状況が分かった。「まあ、驚きましたよ。夕方6時過ぎごろに帰ってきました。玄関を片付けて、正面扉を開けてすぐそこが茶の間なんですけど、開けたらこたつの中にクマが入ってました。頭を突っ込んでいたんでしょうね。寝てたと思います。いつから家にいたのでしょうかね。昼間は留守にしていたので……。実は前の日に家の裏をクマがうろついているのを見てたんですよ。それで、23日に帰ってきたらそのクマが家のこたつで寝ていたんです」。家の中は大きく変わっていたという。「電気をつけてクマを見る前から異変には気付きました。臭かったんです。小便とか糞の匂いですね。それで電気付けたら真っ黒いケツが見えてね。あー、昨日のクマだなって。動いてなかったから怖くはありませんでした。そのまま隣の家に行って、警察や役所にも伝えてね。もう夜でどうしようもないから、朝に対処しようとなりましてね。裏からそっとクマの様子を確認したんですが、この動画は隣人が撮影したその時のものですね」。室内のこたつにクマが頭から入っているという異様な写真だ。「次の日の朝、みなさんが花火で山に追い返そうとしたんですけど、戻って来ちゃって、最終的には隣の家の小屋に入ったようですね。その後、麻酔で眠ったということで、帰宅しましたが、グタっとしていましたね。そのときにクマを見送りました。猟友会の人が言うには、まだ親元から離れたばかりの小さいツキノワグマということでしたよ」。自宅はどのように荒らされていたのだろうか。「クマの糞はありました。小さいのがポツポツと。その日のうちに片付けましたよ。ほとんど食い物は置いてなかったので、あまりあのクマは食べてないです。みかんは食べられておらず、お菓子もポッキーとかチョコレートとかがあったんですけど、散らばってはいたんですが、手はつけてなかったようです。こたつの上にあった鯖缶の残りだけは食べたみたい」。クマ自体には慣れていたという男性だが、近年はクマの動きに異変を感じているという。「クマを見るのはまったく初めてじゃないですよ。結構このあたりではよく出るので、道路でも見ますし、何年か前はうちの前の柿の木に登っていたみたいです。クマは冬はほとんど冬眠しているはずでしたので、冬に見たのは初めてです。自宅に来たときももう雪が結構降っていました」。喜多方市はこのクマを殺すのでは無く、人里離れた山中に放獣という判断をした。「いくら遠くっていっても、クマが戻ってくるんじゃないかと思っちゃって、怖いよね」男性はそう静かに話した。

(こたつクマを生きたまま放獣、役所に寄せられる賛否の意見:福島)
昨年末、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが侵入し、こたつの中に入り込んでいるのを住民男性(66)が発見した。駆けつけた同市や警察の担当者らは、花火などで追い払おうとしたが、クマは隣家の物置に逃げ込んだ。そこで、獣医師が麻酔を塗った吹き矢を放ち、クマを眠らせることに成功。このクマは、人里離れた山中に放獣された。当事者らが取材に応じ、その生々しい舞台裏を明らかにした。住民男性は取材に、「家は糞だらけで、散らかされていた」と明かし「また戻ってくるのではないかと思うと怖い」とも話した。クマの対処を巡っては、自治体も頭を抱えている。殺処分すると、「殺す必要は無い」「クマがかわいそう」などと批判が殺到し、生かしたまま放獣すると、近隣住民からは抗議の声が相次ぐからだ。苦情電話の対策について、県議会で答弁した秋田県の佐竹敬久知事は「お前のところにクマを送るから住所を言え」といった発言もしており、自治体の対応も注目をあつめている。今回、福島県喜多方市はなぜ放獣という判断をしたのだろうか。市の市民生活課の担当者はこう話す。「23日に現れたクマは体長1.1メートル、体重は40キロほどの痩せ型でした。当初は花火を使った追い払いを実施しましたが、近くの小屋に入ってしまい、うまくいきませんでした。民家のそばであるため、発砲(射殺)もできません。そういった状況の中で、吹き矢を使った麻酔で眠らせる作戦が成功したから、戻って来れないところに放獣をしました。眠っている以上、遠方に放つのであればわざわざ殺す必要もないのではないでしょうか。どこに離したかは、安全管理の問題で申し上げられないが、絶対に戻ってこられない場所です」。「当日の切迫した状況でたまたま麻酔がうまくいったから放獣という判断になりました。殺すか生かすかありきで、対応することは難しいです。現場の状況から、どのように対処するか。そしてうまくいった方法から、どう判断するかです。今回はたまたま放獣という判断になったということです」。放獣に際しては、人間の怖さを教えた上で山に戻す“学習放獣”という考え方もある。今回のケースは、山に追い払うこと自体には失敗したものの、花火を何発も打ったことが結果的にこのクマに人間に対する恐怖心も与えられた、として放獣という判断の後押しにもなったという。「今回の件を受けて、30~40件くらいの連絡が役所にきています。中には『また(クマが)戻ってきたらどうするんだ、危ないだろう』という批判的な意見もありましたが、『放獣してくれて、ありがとう』という肯定的な意見が多いです」。市役所に寄せられる意見の多くは当事者以外からのものだ。市としては、そのような意見のためというよりも、住民の生活を最優先した判断がたまたま、今回は放獣になったということだろう。一方、こたつにクマが現れた近隣住民に話を聞いてみると──。「この辺はよくクマがでるから、足跡とかもあるよ。法的には害獣で、人家に入った場合はね、クマよか人間のほうが大事だからね。でもクマも生きているんだよな」(70代男性)。「4年くらい前の秋の夕方の話なのですがね、ちょうど山を登って休んでいたんですよ。夕方で暗くなってきていて見えなくてね、気付いたらほんの1メートル先に熊がいて。周りが木に囲まれていて、暗いと本当に見えないのよ。犬が吠えたら熊が立って、そしたら本当に大きくて、1メートル60センチくらいあってね、私より大きくて……。また犬が吠えてくれてね、そしたらクマがクルミの木に登ったんですよ。鉄砲持っている人たちに電話してね、そのクマは殺処分になりました。殺処分は可哀想だけど、とにかく農作物の被害もあるから、なんともね」(70代女性)。「殺処分すれば、動物愛護の観点からどうなのかなと思う所もあります。かと言って、怪我人が出る事故も起きているんですよ。バランスよく考えるのがこのあたりに住む人たちみんなの考えだと思います。最近は若い人たちがSNSで極論を言い合っていますが、実態を見てほしいですね。今回は怪我人がなく無事に済んだのが何より良かったです」(60代男性)。クマの近くで生きる人たちはたくましかった。

(野犬が動けないシカを襲う一部始終:北海道)
北海道の東側・別海町で目撃されたのは、川にはまってしまったのか、シカを襲う2匹の犬。よく見ると犬には首輪がつけられておらず、野犬とみられます。ぐったりとしていたシカに何度もかみつく野犬ですが、次の瞬間、シカが後ろ足で野犬にキック。必死の抵抗を見せ、追い払おうとします。しかし野犬も簡単には引き下がらず、執拗にシカを襲い続けていました。実は映像が撮影されたこの町では、半年も前から野犬に頭を悩ませていたのです。2024年6月には、放牧中の牛78頭が野犬の集団に襲われる被害が発生。牛は体中をかまれていて、現場の足跡や痕跡などから、7匹から8匹の野犬に襲われたとみられます。JA道東あさひによると、2024年の秋にも牛2頭が襲われ、12月には牛が追われる被害も起きたといいます。JAは周辺農家に注意を呼び掛けているということです。

(「第7回房総ジビエコンテスト」ファイナリスト作品無料試食配布:千葉)
房総ジビエPR業務[主催:千葉県農林水産部農地・農村振興課(千葉県千葉市中央区市場町1-1)/事務局:株式会社オニオン新聞社(本社:千葉県千葉市中央区中央3-3-1 代表取締役 山本 寛)]は、「第7回房総ジビエコンテスト」ファイナリスト作品の無料試食配布を一般の方に向けて、2025年1月14日(火)14:30~15:30頃に実施いたします。本コンテストは、「サステナブルでおいしいジビエ料理」をコンセプトとし、コンテストにご応募いただいた県内外の料理人の中から、書類審査を勝ち進んだ5名による調理・実食審査を行います。同日に表彰式も行い、最優秀賞(千葉県知事賞)と優秀賞(千葉県農林水産部長賞)を決定します。千葉県では、野生鳥獣対策の一環として、県内で捕獲されたイノシシやシカの肉を「房総ジビエ」と銘打ち、消費拡大を図っています。県ではガイドラインにそって適正に処理加工されたイノシシ・シカ肉の飲食店での活用や開発を進め、「食べてまもろう、ちばの里山」を新たなテーマとし、獣害被害の対策とともに食肉として活用していくサステナブルな活動を推進しています。また、房総ジビエの美味しさを多くの方に知ってもらい、味わってもらう機会としてファイナリスト作品の無料試食配布を実施いたします。

(高校ジビエ部、20商品開発:高知)
シカやイノシシによる森林被害など地域課題の解決に向け、ジビエ肉商品の開発や販売に取り組む部活動がある。高知市立高知商業高の「ジビエ部」。利益から森林保護団体に寄付した額は2023年までで計150万円に達し、食害を受けた山への防鹿ネットの設置や植樹活動などに役立てられている。正式名称「ジビエ商品開発・販売促進部」が本格的な活動を始めたのは18年。顧問で狩猟免許を持つ佐々木翼教諭(40)が授業で、野生鳥獣による被害やジビエのおいしさについて話したところ、生徒から商品開発をしてみたいと声が上がった。現在、部員は13人で、県内で捕獲された野生鳥獣の肉を利用し、これまでに開発した商品はソーセージやジャーキーなど20種類以上。製造業者らと交渉を重ねてアイデアを磨き、牛肉や豚肉をブレンドしてジビエ特有の臭みを抑えたり、人が食べない部位をペットフードとして活用したりと工夫をこらした。

(今が旬の冬ジビエと天然温泉を満喫!:千葉)
天然温泉の「黒湯」とローカルガストロノミーを堪能できる贅沢な旅。『五氣里』では旬のジビエも味わえる特別なディナー体験をご用意しております。いすみ市の豊かな里山にある五氣里。四季折々に彩りを変える里山の風景と満天の星空をご堪能いただけます。東京から90分、2023年7月にオープンした千葉県いすみ市のラグジュアリーリゾート『五氣里-itsukiri-』では、現在、旬を迎えた房総の冬のジビエがお楽しみいただけるプランをご用意しております。日本では鹿や猪などが増えすぎてしまい、各地で鳥獣被害が大きな課題となっています。いすみ地域では鹿や猪に加え、キョンも多く生息しており、野生鳥獣対策の一環で、自然の恵みを資源として有効活用する取り組みを進めています。また、ジビエはビタミンやミネラルなどの栄養価が高く、高タンパク・低カロリーな点も注目を集めています。いすみの新鮮な山と里と海の幸、さらにジビエも味わえるフルコースディナーをご堪能いただけます。

(ジビエ流通衛生管理高度化事業集合研修)
ジビエの衛生管理を分かりやすく解説いたします野生鳥獣肉のさらなる利用拡大を推進するためには、野生鳥獣肉の食品としての、加工、流通及び販売における衛生管理の高度化を促進することが重要です。衛生管理は、食肉処理施設のみならず、加工、流通、販売といった消費者に届くまでの全ての段階で必要であり、それぞれ衛生管理の高度化を図る必要があります。特に加工、流通、販売の段階では、一般的な食品の衛生管理は理解していても、野生鳥獣肉(ジビエ)の特性を踏まえた衛生管理についての認識が薄い状況が依然としてあります。これらの状況を踏まえ、食品加工業者、流通業者、販売業者の方々に対して、ジビエの衛生管理についての研修を実施することに致しました。ジビエの特性を意識した衛生管理についてご理解いただくことで、ジビエ・ジビエ加工製品の流通促進に繋がると幸いです。

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(クマ被害相次ぎ、市街地で猟銃使用可能とする改正案国会提出へ:秋田)
秋田県内などでクマによる被害や市街地への出没が相次ぐなか、環境省は、現在は禁止されている市街地での猟銃の使用について、クマが建物の中に入り込んだ場合などに市町村長の判断で可能とする法律の改正案を通常国会に提出する方針です。現在の鳥獣保護管理法では、住宅が密集している市街地で猟銃を使用することを禁止していて、警察官が同行し、人に危険が生じている場合に限り別の法律に基づいて発砲を命じるなどしていました。しかし、市街地へのクマの出没が相次ぎ、環境省が具体的な法改正の検討を進めてきました。検討されている案では、クマが建物の中に入り込んだ場合など、危害を防ぐことが緊急に必要で、迅速に捕獲できる手段がほかにない場合などに、市町村長の判断でハンターが発砲することを可能とするとしています。また、猟銃の弾が建物に当たるなどの損害が出た場合は、市町村長が補償するなど、ハンターに不利益が生じないようにする仕組みについても検討しているということです。案では、クマのほかにイノシシも対象にすることにしていて、環境省はこうした内容を盛り込んだ法律の改正案を通常国会に提出する方針です。

(ヒグマ駆除、自治体が公表に二の足:北海道)
人里近くで出没を繰り返したり、人を襲ったりするなど問題行動を起こすヒグマを駆除しても、公表をためらう自治体が目立ってきた。公表後に全国から「なぜ殺すのか」という抗議や非難が相次ぎ、自治体職員が対応に忙殺される事態が相次いでいるからだ。だが駆除の事実を知らされない地域住民は不安を抱えたまま生活することになりかねず、多くの市町村が対応に苦慮している。2024年6月に道職員の男性がクマに襲われ、大けがを負う事故が起きた空知管内雨竜町。町が事故後、捕獲用の箱わなを山林に設置したところ、ニュースを見た人から「捕まえても駆除するな」との声が相次いだ。

(クマ出没に振り回される「秋田」の人々)
全国的にクマの出没情報が報じられる近年。昨年2024年は特に秋田県の市街地にあるスーパーにクマが侵入して立てこもったニュースが耳目を集めた。佐竹敬久知事が、クマの駆除に関する苦情に「『お前の所にクマを送るから住所を送れ』と言う」とした発言も大きく取り上げられた。クマが近くに出た学校の児童・生徒らは、保護者に送り迎えをしてもらっている。目撃情報に振り回される日々が続いているようだ。これだけ「クマ」の物騒なニュースが全国に届けられて、秋田県に来てくれる人は減ってしまわないだろうか。進学で秋田を離れた記者も心配になる。年末年始に現地を歩いた。秋田県で生まれ育った記者は、この年末に秋田市内にある実家に帰省した。地元紙をめくると、その日の天気やお悔やみ欄のほかに、「クマの目撃情報」が当たり前のようにある。昨年11月30日にクマが「立てこもり」をした秋田市土崎エリアのスーパー「いとく」を訪れた。大晦日の買い出しで賑わっていたが、森や山ではなく、視界の開けた市街地であることを目の当たりにして、改めてクマが出たことに信じられない思いとなる。ケガをした従業員は数日後には復帰したという。きりたんぽの具材などを買って店を後にした。秋田市教育委員会の担当者によると、このエリアの目撃情報が頻繁だったことから、昨年11月25日、市教委から市内の小中高等学校に一斉の注意喚起を改めて出していたという。登下校時の「クマ避け鈴」着用、できるだけ複数名での行動、薄暗い朝夕の行動回避といった児童・生徒らへの呼びかけを学校に求めた。また、状況によっては、部活動の中止や保護者による送迎の要請もされる。担当者によると、保護者に毎日の送迎を求めるものではないが、たとえば学校の敷地内にクマが現れた場合には、学校の判断で必ず送迎の要請がされるという。12月23日夕方6時前には、市内の中学校の生徒が校舎外にクマのような動物を目撃した。部活は中断され、体育館に避難した生徒らを保護者が迎えたそうだ。このような学業の影響だけでなく、就業中の保護者への影響もあり、家族の負担も決して小さくないだろう。秋田県は2024年7月からクマの目撃・被害情報をまとめたシステム「クマダス」の運用を始めた。「児童・生徒の安全確保が第一ですから、教育委員会も各学校でも365日24時間体制で連絡が取れるようにしております。市だけでなく県でもあちこちでクマの目撃があります」(秋田市教育委員会の担当者)。通常は冬眠しているはずのクマが年末年始も目撃されているのは、例年にないことだという。こうした状況にあって、特に県外から駆除の中止をうったえられても、「何を言っているんだ」と思う県民は少なくない。実際にクマに襲われた人もいる。2023年度の全国のクマによる人身被害件数は198件で、そのうち秋田県が最多の62件だった。ある県職員は、知事の「クマ送る発言」に、「いいぞ」と感じたと話す。「ドローンで爆弾入りの餌を食べさせて、リモコンで爆発させる」という提案も、実現性はともかくとして、少し乱暴でも、血肉の通った言葉だと受け止められているようだ。およそ2年前、近くのコンビニに歩いて向かおうと思った記者は、親から「行くな」と止められた。元々、用事の多くを車で済ませがちな車社会なところもあるが、クマが出るようになってからその傾向は強くなっているようだ。運動不足につながらないか心配にもなる。クマの出没は、人間の生活、経済、健康にまで影響があると言えば言い過ぎだろうか。影響といえば、これだけ秋田県の「クマ」情報が全国的にセンセーショナルに報じられることで、観光産業に悪影響はみられないのか。県外出身の妻は、特にクマを怖がっている。秋田市内の温泉施設で、露天風呂に誰もいなかったことから、クマが寄って来るのを恐れて「いい湯だな」と大声を出して、湯に浸かるのもそこそこにすぐに内湯に戻ったと話す。せっかくの雪見風呂がもったいない。子どもが外で雪遊びするのも心配そうだ。県観光文化スポーツ部の誘客推進課に、クマの情報が県の観光に影響したか尋ねたところ、そのような声は届いていないという。ただ、そのような調査を特段実施していないという。秋田県では、コロナ前の2019年1~4月と比較して、2024年同時期のインバウンド(訪日客の宿泊者数)が東北6県で唯一落ち込んだ。「クマの出没情報があってもキャンセルなどはない。団体客を受け入れられる宿泊施設が少なく、さらに人手不足のため、ニーズがあっても受け止めきれていない」(担当者)ことが背景にあり、クマの影響ではないという。県では、「クマの生態や対策方法を正しく知ることが、クマの事故や出没を防ぐ第一歩」だとして、クマに関する情報を公式サイトなどで用意している。

(シカの分布域、大山周辺に拡大:鳥取)
中国山地に生息するニホンジカの分布域が大山周辺に広がりつつある。10年ほど前は兵庫県と鳥取、岡山両県の県境付近と広島県中部に集中的に分布していたが、近年、大山周辺で捕獲数が増加。このまま拡大すれば、大山や蒜山の希少な植物が食害を受ける恐れがあり、環境省や大学などが効果的な駆除や捕獲に向けて対策を検討している。

(知事に聞く、出没相次ぐクマ対策:北海道)
2025年の北海道はどうなるのか。前回に引き続き鈴木知事のインタビューをお送りします。今回は市街地でも出没が相次ぐクマ対策についてです。北海道・鈴木知事)「やっぱりハンターの方も今のままでは不安だということもあるわけです」。市街地でも出没が相次いでいるクマ。鈴木知事は国による早期の法改正で、市街地での猟銃使用の条件を緩和するように求めています。依田アナウンサー)「道としては、やはりこんな施策が必要だなど、今、知事は何を考えていますか?」。鈴木知事)「発砲の許可とか、ガイドラインとかをしっかり決めてかなきゃいけないし、警察と猟友会と市町村、我々道はそれぞれの振興局ごとに、それぞれの地域単位で、みんなで連携して出没がこれだけ増えてますから、やってかなきゃいけないと思ってるんですけど、法律っていうのがどうしてもありますから。そこをやっぱり変えるということをやっていただく」。また、農業被害対策としての捕獲については、クマの単価を上げるよう国に求めています。鈴木知事)「これだけ軋轢が増えてきた中で、イノシシとかシカと一緒に指定管理鳥獣にはなったんです。なったことで補助金や交付金が使えるが、農業被害の(捕獲単価)はシカと一緒なんです。だから、(発砲許可と捕獲単価の)二つをどうしても市町村や都道府県じゃできないから、国会はごちゃごちゃしてるのかもしれませんが、ここはしっかり命に関わることだから、やってほしいと思っています」。ただハンターの不安は解消されていません。北海道猟友会は去年、発砲の責任を警察や自治体が負わない場合、クマの駆除を支部の判断で拒否できることにしました。今後は、ハンターとの信頼構築が課題となります。信頼を巡っては去年、「道」と「市町村」の間で軋轢が生じた場面も。宿泊税について道が「段階的定額制」を提案。しかし、「定率制」を採用している倶知安町との調整ができていないと道議会で追求されました。依田アナ)「道と自治体と今、知事自身はうまくコミュニケーションが取れていると考えていますか?」。鈴木知事)「市長を経験して、知事になってるんで、皆さんのそういう市長としてのつらさとか、いろんな住民から直接、より身近な形でいろんな意見を聞けますから、そこの重要性ってのはわかってるつもりです。お互いしっかりお互いの考え方を話した中で、落としどころっていうか、そういうものを見出していくこの考え方が大事なのかなと思ってます」。

(イノシシ死骸から豚熱:鳥取)
鳥取県が7日、同県江府町内で死んでいた野生イノシシ1頭が家畜伝染病・豚熱(CSF)に感染していたと発表した。同町での感染確認は初めて。

(今年の課題2025、ヒグマ対策:北海道)
道内ではヒグマの被害や目撃が相次いでいて、去年も実際の被害や具体的な対策など、さまざまなニュースをお伝えしてきました。被害の拡大を受けて、道は「ヒグマ管理計画」の改定を前倒しで進め、去年の年末に新たな計画をとりまとめました。今後は、積極的に駆除を進める方針です。道が対策を強化する背景には、ヒグマの生息数そのものが増えていることがあります。道内では35年前の1990年には5300頭でしたが、現在は1万2200頭と、実に2.3倍に増えています。これにあわせて、被害や目撃も増えているのです。【Q1「全国で相次ぐクマ被害、対策は?」】ツキノワグマを含めた被害は全国でも深刻になっていて、国は去年、「指定管理鳥獣」に指定し、対策が強化されることになりました。今後は、国の財政支援などを受けて、駆除や調査が進められることになります。道の新たな管理計画では、ことし、2025年から34年までの10年間で、1万3200頭あまりを駆除することで、道内の生息数を、いまの3分の2の7980頭に減らすとしています。【Q2「駆除に向け対策どう進めるか?】道は、エリアをわけて管理する「ゾーニング」と呼ばれる仕組みを導入します。それぞれ、対応が異なる4つのエリアにわけます。▼人が生活する市街地の「排除地域」。▼人が活動する農地や牧場は「防除地域」で、この2つの地域では、積極的に駆除を進めます。▼一方、ヒグマが暮らす森林や山間部は「コア生息地」として、保護を行います。▼そして、これらの地域のあいだに「緩衝帯」を設け、地域の実情に応じて、具体的な対策を進めることになります。こうしたエリアの設定は、市町村が主体となって行います。道は、モデル地域として名寄市、七飯町、滝上町の3つの市と町で先行して実施し、得られた情報をもとにガイドラインを策定して、市町村が設定する際の参考にしてもらう方針です。【Q3「波紋呼ぶ“ハンターの発砲の責任”どうなる?】関係者のあいだで大きな波紋を呼んだのが、去年10月の札幌高等裁判所の判決です。2018年に道猟友会の砂川支部長の男性が砂川市の要請に応じて出動したにもかかわらず、住宅の方向に発砲したとして猟銃所持の許可を取り消されました。男性は処分の取り消しを求める訴えを起こし、1審では認められましたが、2審の札幌高等裁判所は、1審とは逆に男性の訴えを退けたのです。これを受けて、道猟友会は、危険を伴って出動するハンターに責任を負わせることにつながるとして、市町村の出動要請には応じないことも含めて検討を進める事態に発展しました。結果的に、猟友会は出動要請を一律に拒否することはせず、現場で対応にあたる支部に判断をゆだねる方針を決定しましたが、駆除の強化に向けて、ハンターと、自治体や警察との連携の重要性が、浮き彫りになりました。ヒグマの被害が深刻になる中、私たちの命や暮らしを守るために、現場に駆けつけるハンターは必要不可欠な存在といえます。今後は、自治体や警察との連携を深める取り組みを進めるとともに、危険を伴う駆除の現場の当事者が不利益を受けない仕組みを検討していくことも求められます。

(県内JR、動物との衝突事故増で対策強化:千葉)
千葉県のJRの路線では動物と列車の衝突事故が相次ぎ、今年度は過去最多だった昨年度に迫るペースで増えていて、JRは対策を強化しています。JR東日本千葉支社によりますと、支社の管内で起きたシカやイノシシ、それにシカ科の特定外来生物「キョン」などの動物と、列車が衝突する事故は去年11月までに177件となっています。これは、過去最多の265件となった昨年度に迫るペースの増加で、今後も増えるとみられています。発生場所は房総半島の南側を走る内房線と外房線がほとんどで、ダイヤの乱れなどの影響が出ているということです。JRによると、動物は鉄分を摂取するためにレールをなめようと線路内に侵入することもあり、駅構内などに設置されたカメラの映像にはシカやイノシシが写っています。JRでは、動物の嫌う音を出す装置を設置したり動物が苦手なにおいの薬剤をまいたりして対策を強化するとともに、今後、沿線の自治体などと連携して対応したいとしています。

(冬眠期になぜ?生活圏にクマが相次ぎ出没:秋田)
7日朝、秋田市でクマとみられる動物が目撃されました。周辺には住宅や商業施設が立ち並ぶほか、学校や保育施設があり、警察が警戒しています。7日午前7時20分ごろ、秋田市寺内の市道を車で通行した人から「道路を横断する体長約50センチのクマを目撃した」と警察に通報がありました。現場は八橋小学校から北に約700メートルのところで、近くには住宅のほか商業施設や保育施設があり、警察が警戒しています。年末年始、秋田県内では、市街地などまさに私たちの生活圏を中心にクマの目撃情報が相次ぎました。本来ならクマが“冬眠している”とされる時期の相次ぐ出没です。雪が降り積もった田んぼの上を歩くクマ。12月28日に美郷町金沢で撮影されました。撮影した人は、「1メートル以上、かなり大きかった。最初は大きい犬かなと思った。シカやタヌキならよく見るがクマは初めてだった」と話しました。田んぼと近くの住宅との距離は約50メートル。「あまりにも近くで見たので怖くてびっくり。痩せていなくて丈夫だった。まんまるとしていて、今時期に見るクマなのかなというくらい餌とか食べているのだと思う。猟友会の人たちにも動画を見てもらったが、かなり大きいと言っていた」と、撮影した人は非常に驚いた様子でした。同じ日、近くでは別の目撃情報も寄せられました。車で通りかかった人が、雪をかき分けながら歩くクマを捉えました。クマは周辺に約30分とどまった後、林に立ち去ったということです。クマの出没はこれだけでは終わりません。2024年12月末から2025年の年明けにかけ、県内各地でクマが目撃されました。クマダスによりますと、12月22日から1月5日までのクマの目撃件数は68件。前年の同じ時期は5件でした。2023年はクマによる人身被害が70件と過去最悪となった年でしたが、冬場はほとんど目撃情報がありませんでした。昨冬と比較しても今冬の異常さが浮かび上がります。また、特徴的なのは、クマが捕獲された後に同じ地域で何度もクマが目撃されることです。大きな話題になったのは、2024年12月26日、秋田市仁井田での出来事です。国道13号線沿いの自動車整備工場の倉庫にクマが入り込みました。約1日かけて体長1.2メートルの雌の成獣が捕獲されました。クマは捕獲されたものの、付近の住民には衝撃が走る出来事だったようです。周辺を散歩していた人は、「近くの幼稚園に子どもを通わせている親から、『秋田南高校の周辺にクマがいるので注意するように、というメールが来た』という話を聞いた。まさかと思った。雄物川の川下の方に出没するのは理解できるが、いくらなんでもこの辺では」と驚きを隠せない様子でした。その不安が的中するようなことが続きました。2024年12月31日、秋田市茨島7丁目でクマが目撃されました。クマがとどまった仁井田の倉庫からわずか2キロの距離です。1月6日、周辺を取材してみると動物の足跡が見つかりました。クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に確認してもらったところ、教授は「映像を見た限り、しっかりした爪があるのでクマだと思う」と話しました。冬眠しているはずの時期に、なぜクマが私たちの生活圏に現れるのでしょうか。星崎教授は、「おそらくおなかが減って出没しているのではない。寝るところに困っているのではないか。大きな体が入るだけのしっかりした岩の隙間とか、寝る場所を探して出没しているということが起こりうる」と話した上で、「クマが市街地で冬眠している可能性がある」と指摘します。また、星崎教授は「2~3月になると冬眠から目覚めたクマが出没するので、街中への出没もあると心づもりが必要」と注意を呼びかけていて、「春先には今よりも多くクマが出没する可能性がある」と分析しています。本来ならいないはずの冬場の出没など、これまでの常識は通用しません。いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇する恐れがあることを心にとめて生活しなければなりません。

(家畜を襲う野犬、被害深刻化:北海道)
都会では、目にする機会がめっきり減った「野犬」。だが近年、北海道の畜産農家で牛が襲われる被害が相次ぐなど、複数の地方都市で野犬による問題が深刻化し、各自治体が対策を強化している。専門家は、一般の人の餌やりが繁殖を促す一因になっていると指摘する。

(イノシシ捕獲、努力続く:茨城)
サツマイモや水稲など農作物を荒らすイノシシを減らそうと、猟友会関係者らの捕獲に向けた恒常的な取り組みが続いている。被害は中山間部だけでなく、平野部にも拡大。会員の高齢化も進み、後継者確保は喫緊の課題だ。

(有害鳥獣対策での連携を合意、県に人材育成強化を要望へ:兵庫)
神戸市と隣接する芦屋市、西宮市、宝塚市、三田市、三木市、明石市、淡路市、稲美町の8市町は7日、ニホンジカやツキノワグマなど有害鳥獣への対策について連携することで合意した。神戸市内で同日開いた「神戸隣接市・町長懇話会」で各市町長(西宮、宝塚、三田は副市長)が協議。まずは神戸市が動物を検知するために設置している監視カメラについて、各市町に情報提供することから始める。神戸市内では西区の藍那地区や北区の道場地区にニホンジカが定着。農業被害などが目立っている。これらが六甲山地に定着すれば、下草の食害による土砂災害のリスク拡大や、景観悪化などにつながると懸念されている。さらに2024年にはツキノワグマの目撃情報や痕跡が神戸市内でも出始めた。今後は撮影した動物がイノシシかツキノワグマかなどを人工知能(AI)で判断できるカメラ100台を増設し、カメラ約250台体制で有害鳥獣を監視することなどを神戸市が説明した。出席した市町長らは協議の中で、有害鳥獣を駆除する際、依頼先になる各地の猟友会で高齢化が進んでいるのが課題になっているとの認識でも一致。このため有害鳥獣対策を継続してきた兵庫県に対し、狩猟人材育成の強化を求めることについて、各市町長の連名で要望書を提出することでも合意した。要望には、狩猟者の育成施設として開設した「兵庫県立総合射撃場」(兵庫県三木市)の積極活用などを盛り込む見通しだ。この日は有害鳥獣対策のほか、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)についても議論。各市町で取り組みの進展にばらつきがあることや、引き続き神戸市を中心として共同でデジタル人材を育成することを改めて確認した。加えて芦屋市の高島崚輔市長の呼びかけで、自治体が単独で実施すると費用がかさむ学校・教育関連のシステム更新について連携できるか情報交換する方針もまとまった。懇話会には神戸市の久元喜造市長、芦屋市の高島市長に加え、三木市の仲田一彦市長、明石市の丸谷聡子市長、淡路市の門康彦市長、稲美町の中山哲郎町長、西宮市の岩崎敏雄副市長、宝塚市の藤島昇副市長、三田市の西田和明副市長が出席した。神戸隣接市・町長の懇話会は新型コロナウイルスの影響で19年度以降実施しておらず、6年ぶりの開催になった。

(マタギの歴史や文化を紹介:秋田)
秋田県北秋田市阿仁の温泉宿泊施設「打当温泉マタギの湯」で、現役の若手マタギが利用客向けに語る企画「又鬼(またぎ)のバンゲガタリ(晩げ語り)」が開かれており、好評を博している。地元在住の打当マタギ益田光さん(30)が、マタギの歴史と文化、現在の活動などについて写真と映像を使いながら説明する。

(「お狩り初め」、狩猟の安全と豊作を祈る神事「全国でも珍しい」:京都)
狩猟の安全と豊作を祈る神事「お狩り初め」が5日、京都府南丹市美山町鶴ケ岡地区であった。

(鴨場見学会、宮内庁が参加者募集)
宮内庁は、埼玉県と千葉県にある「鴨場」で2月と3月に開催する見学会の参加者を募集している。はがきとメールで受け付け、応募多数の場合は抽選となる。締め切りは1月14日。参加無料で、詳細は宮内庁ホームページに掲載している。鴨場は皇族が外交団を招いて伝統のカモ猟を紹介する接遇場所。参加者は、猟に関するビデオを見た後、職員の解説を聞きながら場内を巡る。埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」が2月28日と3月13日、千葉県市川市の「新浜鴨場」が2月26日と3月11日で、いずれも午前と午後の1日2回実施する。各回定員は30人で小学生以下は保護者らの同伴が必要となる。

(特定外来生物「キョン」接近:栃木)
千葉県内で大繁殖し、県をまたいだ生息地域の拡大が懸念されてる小型のシカ「キョン」。特定外来生物として近年は茨城県内で4件の目撃情報が出ている。本県ではまだ見つかってはいないが、筑西市では生体1頭が確認されるなど確実に本県に接近。県境の農家も「侵入されれば家庭菜園までやられる」と警戒を強めており、県は情報収集に力を入れている。問題視されるキョンは1980年代に千葉県勝浦市で閉鎖された観光施設から逃げ出し、房総半島などで繁殖している個体。

(イノシシがファストフード店に突進?:沖縄)
名護市の市街地にイノシシが出没し、ファストフード店の敷地内へと入っていく姿が目撃されました。5日午前9時ごろ、沖縄本島北部・名護市の市街地で、野生とみられるイノシシを、散歩中の男性が偶然見つけスマホで撮影しました。イノシシはまだ子どもとみられる大きさで、車をかわして道路を走り回り、時折地面に鼻をつけて食べ物を探すような仕草をしながら、ファストフード店の敷地内へと入っていきました。イノシシは、ファストフード店の建物内には入らずに、国道を横断して、山の方へ帰っていったということです。

(イノシシの仕業か、夜間に畑や牛ふんの山荒らされる:沖縄)
うるま市石川山城の山城豊さん(79)の農園「沖縄紅茶農園」でイノシシによるものとみられる被害が12月10日、確認された。夜間に野菜畑や牛ふんの山が掘り起こされたり、荒らされたりしていた。豊さんが初めてイノシシの姿を見たのは同2日。10日には妻のミツ子さん(77)が2頭いるのを目撃したという。豊さんは「ここに25年住んでいるが、イノシシの被害は初めて」と驚く。ミツ子さんは「うちの農園で中学生の農業体験などがあるので、イノシシの害が心配。早めの対策が必要です」と話した。連絡を受けた山城区自治会の山城好治会長は市役所や猟友会に連絡し、対応を検討している。山城会長は「山城区でイノシシが確認できたのは、戦後初めてではないか」と話した。

(線路内に生きたイノシシが横たわり運転支障:島根)
6日午前、島根県奥出雲町内のJR木次線の線路内にイノシシが横たわっているのが見つかり、木次駅~備後落合駅間で約3時間半運転を見合わせました。また、列車に運休や遅れが発生しました。JRによりますと、6日午前5時45分頃、JR木次線の出雲三成駅~亀嵩駅間を走行していた列車の運転士が、線路内にイノシシ1頭が横たわっているのを確認し、米子指令所に連絡しました。安全確認のため木次駅~備後落合駅間で運転を見合わせました。その後、現地に派遣された社員によってイノシシは線路外に移動し、安全確認ができたことから午前9時20分頃に運転を再開。列車とイノシシとの接触はありませんでした。この影響で、3本の列車が運休したほか、2本の列車に遅れが発生しました。

(シカと接触、赤穂線に遅れ:岡山)
JR西日本によると、6日午前6時ごろ、赤穂線の伊部駅(備前市)~香登駅(同)間で列車がシカと接触し、車両と線路を確認した。同線の一部列車に約20分の遅れが出ている。

(約170cmの巨大ヒグマが次々に車を襲撃、ボンネットに乗り上げサイドミラーへし折る:北海道)
北海道の知床横断道路で、巨大なヒグマが車を襲う瞬間がカメラにとらえられた。道路はウロウロするクマを避けようと渋滞が発生し、1台の車を襲ったあと、撮影者の車の一部を破壊した。クラクションも恐れないクマに、撮影者は恐怖を体験したと語っている。北海道・羅臼町の観光スポットとして人気の知床横断道路で2024年10月に撮影されたのは、運転中の車に襲いかかる巨大なヒグマだ。襲われた車を遠巻きに撮影していた人は、「もうかなり固まってる感じですね。恐怖だと思います」と語る。しかしその後、被害は撮影者にも及んだという。突如現場に現れた1匹のヒグマ。ウロウロするクマを避けようと渋滞が発生する中、クマが立ち上がり、1台の車に襲いかかった。見ていた撮影者は、「(クマは)結構大きい。立ち上がったら170cmぐらいあったかと思います」と話す。撮影者によると、クマは約170cmもある体長で、餌を要求するかのように激しく車を揺さぶった。その後、車は逃げ出し、一安心と思いきや、今度は撮影者の方へと向かって来たという。傍観していた撮影者や同乗していた家族は、一転して息をのんだ。「来たぞ来たぞ~」、「あっち行ってマジで」、「わー来た来た来た」と声を上げ、近づいてくるクマにおびえる一行。近づいてきたクマは、撮影者が乗っていたキャンピングカーのボンネットにちゅうちょなく乗り上げ、車のサイドミラーをへし折っていた。撮影者がクラクションを鳴らしても、まったく動じる様子もない。その後、クマが車から離れたすきに加速し、間一髪逃げ出すことができたという。クマとの遭遇を振り返り、撮影者は「よその車が襲われている分には余裕があるんで、写真撮ったりしてたんですけど、いざ自分のとこに来ると、そういう状況じゃなくなっちゃって。もう何も考えられないというか、恐怖しかないですね」と恐ろしい体験だったと語っている。

(高校生、特産品作りに汗:北海道)
標茶高生の3年生が、地元産シカ肉で作ったソーセージや、校内の農園で栽培されたジャガイモの詰め合わせセットなどの特産品作りに取り組んでいる。地元事業者と連携し、町のふるさと納税返礼品に採用されており、高校生たちは「標茶の魅力を全国に発信していきたい」と意欲を燃やしている。

(シカの角で手彫りアクセサリー:岩手)
狩猟からアクセサリー制作まで-。盛岡市山岸の深山けものさん(40)=個人事業主名、本名非公表=は狩猟免許を持つ女性としてシカの肉だけでなく、角や骨まで活用し新たな可能性を広げている。「使われていなかったモノの価値を高められる。山の息吹も感じられ、いろんな人に身に着けて幸せな気分になってほしい」と願う。骨や角を繊細に手彫りしたアクセサリーは、日常に取り入れやすいデザインが特長。IT系デザイナーだった経験を生かし、これまで約30種、200個以上を手がけた。全て1人で制作し、硬い素材の加工は「骨の繊維の入り方を考えながら、何度も失敗し手探りで学んできた」。元々山菜採りや釣りが好きだった深山さん。神奈川県で暮らしていた時に狩猟見学ツアーに参加し、4年前に狩猟免許を取得した。2023年に故郷の盛岡市に戻り、狩猟を続ける中で「捨ててしまうシカの骨や角で何かできないか」と思った。彫刻用の電動ルーターを買って笛やペンダントを彫り始めた。友人から好評で、その年の末に骨細工アトリエけもの舎を設立。24年1月からはオンラインショップや各地のクラフト市で指輪(4980円から)、ペンダント(1万2980円から)などを販売している。

(シカ肉でドッグフード:福井)
ドッグランを併設する福井県坂井市のベーカリーショップ「パンテス春江店」で、県内の起業家3人がそれぞれ開発した、県産シカ肉を使ったドッグフードを販売している。パンテスを経営する今井薫さんがシカ肉パン(3個入り500円)を、飲食店など経営の大岡亮平さんは新会社を立ち上げて「関節ケア」や「腸活」「アンチエイジング」にそれぞれ効果があるという食材を加え、3種類の美容健康食(各1袋120グラム700円)を商品化した。坂本雅利さんはあばら、肩甲骨、肉のジャーキー(各1袋千円)を作り、起業準備を進めている。全国的にシカの食害が問題となっている。3人によると、県内で年間1万頭以上のシカが駆除される一方、活用されるのは500頭程度という。廃棄される肉を有効活用しようと商品化に取り組む中で知り合い、本格販売に先立って昨年12月14日に同店で販売会を開催。ペットの犬を連れた客たちが買い求めていた。大岡さんと坂本さんは人向けにシカ肉加工品の開発も進めるという。ともに県内で加工施設を造る予定で、県内猟師の収入増にも貢献したい考え。今井さんは福井店、敦賀店でも、これらの商品を販売していくという。3人は「いただいた命を有効に使い、食を通じて自然環境を考える機会にしたい」と話している。

(鴨料理を食べに「かも~ん!」:福岡)
「鴨(かも)のまち」を掲げる福岡県小郡市で、多彩な鴨料理を味わってもらう「かも~ん!鴨フェア」が1月14日~2月28日に開催されます。市内17の飲食店が参加して、それぞれ自慢の鴨グルメを提供。フェアで使えるお得な食事券も販売中です。市の北部に位置する三国(みくに)地区にはかつて雑木林が広がり、多くの池や沼地があったことから鴨の飛来地として知られていました。江戸時代には久留米藩の猟場があり、各家庭でも鴨肉を食べていたそうです。宅地開発などが進んで飛来数は激減しましたが、今も毎年11月15日~2月15日に伝統猟「無双網猟」が行われています。2022年の市制施行50周年を機に「鴨のまちプロジェクト」がスタート。小郡市、市商工会、地元猟友会などでつくる実行委員会が、鴨を活用した食文化の継承や特産品開発などに取り組んでいます。地域で長く受け継がれてきた鴨を取り巻く食文化は、文化庁の「100年フード」に認定されています。市内の飲食店が鴨料理のメニュー開発を競うコンテストを22、23年に実施したことはありますが、フェアの開催は今回が初めてです。期間中は参加店舗で、天然鴨から合鴨まで様々な種類の料理を楽しめます。

(ジビエ料理:岐阜)
山で捕れた鹿などのジビエ料理がメインの「いぶカフェ」。美濃加茂市猟友会の斉藤靖憲副会長(51)が夫妻で2021年に開業した。関市や揖斐郡から仕入れた新鮮な山野の肉を鹿肉ハンバーグ(1400円)、ジビエカレーセット(1100円)など誰でも食べやすい形に調理して出す。斉藤さんは愛知県出身で、高校卒業後の4年間、栃木県でプロゴルファー修業し、プロを断念した後、美濃加茂市のゴルフ場に勤めた。ジビエに魅了されたのはそのころ。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、8日午前8時30分ごろ、南三陸町志津川御前下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、8日午前8時30分ごろ、南三陸町志津川廻館にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、6日午前8時ごろ、色麻町四竃北谷地にクマが出没しました。

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(ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない?:北海道)
住宅地に現れたヒグマを警察や自衛隊が駆除できないのか―。北海道内でクマが増え続ける中、駆除を担う民間のハンターが危険にさらされる事例が相次ぎ、公的機関による直接の駆除を求める声が強まっている。北海道警察などは「駆除できる態勢がない」とするが、ハンターは高齢化などで人材不足に陥っており、民間頼みからの脱却が急務となっている。昨年10月上旬、北海道猟友会千歳支部の坂井憲一支部長(75)は、千歳市の要請を受け、市内の公園に入り込んだクマの対応に当たった。現場は市街地に隣接し、発砲できないエリアだった。「いつ襲われてもおかしくない状況」だったが、使えない猟銃は持たず、クマ撃退スプレーだけを携帯。仲間の会員や市職員と爆竹の音や大声を上げ、山林に追い払った。その前年の10月には、さらに切迫した状況に直面していた。市内のゴルフ場にクマが出没し、坂井支部長は猟銃を構え、体長1メートルの雌と対峙(たいじ)した。距離は15メートルしかなかったが、同行の警察官は「発砲できる場所か判断できない」と繰り返し、クマとのにらみ合いは30分近く続いた。鳥獣保護管理法は、半径200メートルに建物が10軒以上ある市街地での発砲を禁じている。ゴルフ場のケースでは、署員が関係機関と連絡を取り、市街地ではないと確認した後、駆除に至った。坂井支部長は「ハンターが負うリスクが大きすぎる。警察など公的機関が猟銃駆除できる態勢を整える時期にきている」と訴える。政府が1月の通常国会で提出する鳥獣保護管理法改正案では、市町村が許可すれば市街地での発砲が可能となる。駆除に伴う建物被害も自治体側が補償する見通しだ。現状でも市街地での発砲は、警察官が「緊急時」と認めれば許可されるが、千歳市の事例のように即応できていない。市町村に駆除の知識がある職員はほぼいないため、発砲の判断ができない状況が続出する可能性がある。北海道猟友会の堀江篤会長は「法改正がハンターの安全確保につながれば一歩前進だが、実効性がある運用こそが重要だ」と強調する。法改正の議論も含め、民間頼みの駆除が前提となるのはなぜなのか。銃器を扱う公的機関のうち、北海道警察は駆除を担うためには、クマの生態に関する知識や、通常の装備にはない猟銃の使用経験が必要とし、「知見のない警察が駆除を行うことは困難」とする。道警は2023年から始めたハンターや市町村との駆除訓練で、連携を強化する方針だ。拳銃より強力な銃器を扱う自衛隊の対応について、防衛省も「猟銃の訓練や狩猟のノウハウはなく、省内で本格的に議論をする段階ではない」とする。自衛隊法で定められた災害派遣の適用は「駆除に関し、自衛隊が出動しないと人命や財産に重大な支障が出るかどうかを考えると、過去に想定されてこなかった」との見解を示す。陸上自衛隊北部方面総監部(札幌)は、訓練中にクマと遭遇した場合など、自治体を通じて猟友会に駆除を依頼する。ある幹部は「訓練で使う銃にも基本的には弾は込めておらず、駆除はそもそも難しい」と明かす。海外では公的機関が駆除に関わる例は少なくない。東京農工大の梶光一名誉教授(野生動物管理学)によると、米国や英国では軍が各駐屯地に野生動物対策の専門職員を配置し、駆除を通じて個体数の管理に積極的に協力している。一方、国内では駆除を担う人材が不足している。北海道猟友会の会員数は高齢化などで、30年前の半減の5470人となった。梶名誉教授は「民間任せの態勢が破綻するのは時間の問題。国主導で専門職員を育成し、公的機関が駆除を担う検討を始めるべきだ」と訴える。

(2025年は「人とクマの大衝突が勃発しかねない」と専門家)
2023年度と比べ、本年度はクマによる人身被害が減っている。昨秋は餌となるブナの実などが比較的豊作だったことが理由の一つとして指摘されている。ただ、人里近くにすみ着く「アーバンベア」の出没や被害は後を絶たない。2025年、クマとどう向き合うべきか。2023年度のクマによる人身被害は219人(死者6人)に上り、過去最悪だった。2024年度は11月末現在、81人。捕獲頭数も過去最多だった2023年度の9274頭に対し、2024年度は11月末現在で4971頭にとどまり、大幅な減少ペースにある。被害の多かった秋田県によると2023年度、例年を上回る2300頭超を捕獲。昨年には、クマの出没情報をスマートフォンで確認できる「クマダス」の運用も始めた。被害が減った要因について、県の担当者は「昨年度は餌の凶作で秋の出没が多かった。一方で、本年度は春先の出没が多かった。出没数の増減には、複数の要因がある。捕獲数と被害の数を結び付けることはできない」と話す。昨年11月には、秋田市のスーパーにツキノワグマが侵入、従業員にけがを負わせた後、約2日間にわたり店内にとどまった。12月にも福島県喜多方市の民家にクマが居座った。餌となるブナの実などの豊凶により、人里に現れるクマの数は変化する。また、クマの数を減らしたとしても、人里近くで生息し、人を恐れないアーバンベアを放置すれば、人との接触や事故を減らすのは難しい。日本ツキノワグマ研究所(広島)の米田一彦氏は「人里にへばりつき、人慣れしたクマは増えている。アーバンベアに山の餌の豊凶はあまり関係ない」と指摘する。長年、調査を続けている米田氏は、今年は東北地方で問題行動を起こしやすい2歳のクマの数が多いと推測しており、出没や事故が増えると予測する。

(奈良の鹿と人間、100年の共生模索:奈良)
ポストコロナの観光再開と円安の追い風で奈良公園(奈良市)は国内外の観光客でにぎわっている。寺社より鹿が目当てなのかと感じさせるほど、鹿たちが大人気だ。たくさんの人からせんべいをもらっている。「奈良のシカ」は国の天然記念物。古代から「神鹿」として大切にされ、今も加護を受けている。とはいえ野生動物。人との接触ゆえに摩擦も起こる。最近、観光客による暴力や保護施設での虐待疑惑が耳目を集めた。久しい“隣人”にとってこの100年はどんな年月だったのだろうか。「最も変化したのは、ペットみたいに扱われるようになったこと」。元県奈良公園室長の中西康博さんはそう語る。東大寺境内にあった東大寺学園高校に通っていた時、「野性の怖さ」を体感することが度々あった。野球場で水を飲んでいると、子鹿が寄ってきた。子鹿を守ろうとした母鹿が飛びかかってきて転倒した。「学生時代に眼鏡を3本割られた。当時はよくあることだった」と笑う。秋の風物詩「鹿の角きり」でも鹿の暴れ方はすさまじく、大けがをする人もいた。県は「所有者のいない野生動物」と位置づけている。古代から春日大社や興福寺が「神鹿」として保護し、住民も信仰の対象としてきた。保護にあたったのは奈良町の町衆。中西さんは「もちろん春日大社や興福寺のお墨付きはあったが、自然信仰の一部として大切にされてきたのが実態ではないか」と話す。明治初期には廃仏毀釈(きしゃく)の直撃を受けて興福寺が力を失い、肉食文化の伝来に伴って食用にされて40頭を切ったこともあるという。憤った住民が「神鹿保護会」を結成。県の保護政策もあり、昭和にかけて頭数は回復した。1929(昭和4)年には保護施設「鹿苑」が完成し、42(昭和17)年に1000頭にまで増えた。この頃には「角きり」や「鹿寄せ」が盛んに開かれ、「神鹿」の地位は回復したかに見えた。しかし、時はまさに戦時中。戦局の悪化に伴う食糧難で鹿は再び狩られ、食べられた。一時は79頭にまで減少した。「明治期と違い、背に腹は代えられず、仕方なく食べていたのだろう」と中西さん。戦後、鹿は「神鹿」というよりは「奈良の財産」としての地位を確立してゆく。57(昭和32)年には国の天然記念物に指定され、65(昭和40)年には約900頭にまで回復。鹿を襲う野犬の駆除が進んだこともあり、現在は約1300頭にまで増えている。野生動物と人との共生は難しい。特に深刻だったのが農作物の被害だ。77(昭和52)年には約1000万円相当の農業被害があり、周辺の農家が賠償を求めて春日大社などを79(昭和54)年に提訴した。鹿に所有者がいるのかが争点になった。住民側は春日大社が所有者だと主張したが、春日大社は「神様が鹿に乗ってやってきたという説話が広まり、やがて神格化された。保護はするが、飼育はしていない」と主張した。「鹿害訴訟」と呼ばれた訴訟は6年後に和解。保護団体「奈良の鹿愛護会」が和解金を払い、鹿の生息地区が分けられることになった。現在は鹿を保護する地域と、一定の条件の下で捕獲、駆除する地域に分けられ、捕獲された鹿は鹿苑に保護されている。2023年、鹿の虐待疑惑が持ち上がった。中西さんは「野生の動物であって愛玩動物ではない。その原点に立ち返ってほしい」と訴える。今後100年はどうあるべきか。「鹿には鹿の生き方があることを認め、一定の距離を保つことが重要。なれなれしくせずに、お互い様という気持ちでのんびりと暮らしていくべきだ」。

(アイヌ伝説の猟師が実行「巨大ヒグマ」驚愕の撃退法)
「赤毛」「銀毛」と呼ばれ恐れられた巨熊、熊撃ち名人と刺し違えて命を奪った手負い熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊―――。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクション『羆吼ゆる山』。長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていたがこのほど復刊された。本稿では同書から一部を抜粋してお届けします。アイヌ伝説の猟師・沢造と銀色の毛をもつ巨熊との対決は――。沢造は、猟をするために山に入るときは、ニワトリの脂身を多めに持ってゆき、川の流れにつけて血抜きしたウサギの肉をこの脂で焼く。するとウサギの肉はニワトリの肉を焼いたようになって、いい匂いが染み込む。これを餌にすると、まず、どんなキツネも喰いついてしまう、という。それでも罠に掛からないキツネには、羆に使う口発破の小型のものを噛ませる。この口発破は、塩素酸カリウムと鶏冠石(砒素の硫化鉱物)にセトモノの細片を入れて調合するのだが、これらを混ぜ合わせるのはきわめて危険な作業となる。さて、猟場を一回りした沢造は、獲物を入れた背負い袋を背にして帰途についた。そして、一番楽しみにしていたイワナ沢の例の一本橋の近くまで戻ってきたとき、橋の上に置いた弓張り仕掛けのハネ罠に、見事な黄テンが掛かっているのを見つけた。今日はすでに、茶の毛色のテンを2匹得ていたが、これほど見事な色合いの黄テンは滅多に捕れない代物なので、沢造は思わずほくそ笑んで橋に駈け寄った。背の荷物を崖っ縁の雪の上におろし、一本橋の上にそろりと足を踏み出した。針金で首を絞められた黄テンは、すでに固くなって、仕掛けた弓の先にぶら下がっている。そこに近寄って首の針金を外し、テンを持ち上げて立ち上がったとき、不覚にも足元がぐらついてよろけてしまった。沢造は咄嗟にクルリと体の向きを変え、崖っ縁に飛んだ。すると、そこに積もっていた雪がぱっくりと割れて、大きな雪の塊りが沢造の荷物を乗せたまま崖下のイワナ沢に落下し、ドスンと音をたてた。「ありゃー、荷物まで落ちてしまった。しょうがねえなー、沢の入口から回らねばなんねえか」沢造は舌打ちしながら左手の斜面に向かった。そうして本流であるベツピリカイ川の岸辺にいったん降り、そこから右岸伝いに下ってイワナ沢に出合いから入り、右側の崖の下を歩いて、荷物の落ちている上流に向かった。高い崖の下に雪が砕け散っているところがあって、荷物はそこに雪まみれになってころがっていた。その荷物に手を伸ばしかけたとき、後ろの方で妙な物音がして、沢造の背にゾクリと寒気が走った。はっとして振り返ると、崖下の窪みから落葉と雪を蹴散らして一頭の熊が飛び出した。沢造が左手に掴んでいたテンを荷物の方へ放り投げたとき、ウォーッと一声、腹に突き刺さるような吼え声を上げて熊が立ち上がり、沢造めがけて襲いかかってきた。素速く身をかわした沢造は、右手で腰に下げた刺刀(さすが)を抜いた。そして、2度目に立ち上がった熊が両前足を振り上げて威嚇の声を上げながら今まさに飛びかかろうとする寸前、その腹にパッと抱きついた。熊の腰のあたりに両足をからませ、脇の下から両腕を回して背中の毛を手でしっかりと掴み、頭を熊の顎の下に押しつけた。熊は、なんとかして沢造を振り落とそうともがき、ウワッ、ウワッと短く吼えながら川岸の雪の上を跳ね回った。振り落とされれば命にかかわるのは目に見えている。沢造は懸命に熊の腹にしがみつきながら、右手の刃渡り30センチ近い刺刀を熊の心臓に突き当て、突き刺し、柄まで押し込み、なおもグイグイと力にまかせて刀を抉り上げた。傷口から鮮血がドッとほとばしり、辺りの雪を真っ赤に染めた。刺刀の切っ先で心臓を突き破られた熊は、狂ったように跳ね回り、暴れだした。沢造は落されまいと手に満身の力を込めてしがみついていたが、血まみれの刺刀の柄がぬるりと滑って右手が外れた瞬間、熊が大きく横に跳び、からめていた足が外れ、さらに背中の毛を掴んでいた左手も離れ、ついにその場に振り落とされた。そしてすぐさま身を起こし、崖下の大岩と岩壁の間の狭い隙間に目をつけるやいなや、一瞬後にはそこに潜り込んでいった。ズキンと左肩に痛みが走るのを覚えながら、そっと振り返って見ると、熊は倒れては起き上がり、岩に当たっては倒れ、川に転げ落ちては岸に上がり、水の中と雪の上とを問わずのたうち回ったあげく、崖に頭を打ちつけてひっくり返り、またもや立ち上がっては流れに倒れ込むといった、手の付けられぬ暴れようで、それでもなお、沢造の姿を求めてか、そこらを無闇矢鱈に走り回っていたが、もはや目が見えなくなっているのか、まもなくよろよろと足をもつれさせ、断崖の下に頽れてしまった。沢造は身じろぎもせず、熊の断末魔の喘ぎを岩の隙間から冷たい目で眺めていた。沢造にしてみれば、自分の猟場に無断で入り込み、しかも突然襲ってくる熊などに、同情すべき点は何ひとつなかったし、どんな因果があるにせよ、こんな目に遭わされるのはまったく心外であった。やがて熊は、赤く染まった雪の上にゆっくりと仰向けになり、四肢をだらりと開いてしまった。これが、冬ざれの山をさまよった末にようやく安息の地を見出したばかりの銀毛の最期であった。

(文化生かしたジビエ、阿仁で事業展開目指す:秋田)
秋田県北秋田市阿仁比立内は、穀倉地帯の仙北平野と阿仁鉱山を結ぶ大覚野街道の中継地。阿仁地域の中でも根子、打当と並ぶ伝統のマタギ集落だ。その一角にある「松橋旅館」は、馬で峠を越える荷役労働者を泊めた宿がルーツとされる。あるじは代々マタギを務め、館内には貴重な文化財である伝統的狩猟用具とクマの剥製、毛皮が並ぶ。そんな場所で松橋翔(かける)さん(27)は生まれ育った。祖父時幸(ときゆき)さん(1934~2011年)は比立内マタギのシカリ(頭領)を務め、独特な文化習俗を記録に残そうと、メディアや研究者の取材に応じた。映画「又鬼(またぎ)」(岩崎雅典監督、1982年公開)や伝記的小説「第十四世マタギ―松橋時幸一代記」(甲斐崎圭著、89年)のほか、新聞やテレビでマタギ文化、クマの生態などについてインタビューを受けていた。

(ジビエ食通じ獣害抑止へ、地元猟師の負担軽減も:千葉)
野生鳥獣による農作物の被害が県内で問題となる中、君津市の山間部に店を構える「猟師工房ドライブイン」では、同市や富津市で猟師が捕獲したイノシシやシカを活用し、和洋折衷のジビエ料理をビュッフェ形式で堪能することができる。主に千葉県内で捕獲された野生動物の肉を冷凍商品やペットフードにも加工して販売。ジビエ食にさまざまな形で触れることができる同工房には、連日多くの客が訪れている。60分食べ放題のビュッフェ(税込みで大人3千円、小学生1500円、未就学児は無料)では、シカ肉のシュラスコやコロッケ、イノシシ肉のソーセージといった洋食から、シカ肉のすじ煮やイノシシ肉のきんぴらゴボウといった和食までそろえている。ジビエを使ったカレーも用意していて、1月は県内で捕獲したキョンの肉とレンズ豆を使った本格的な味わいのカレーを提供する予定。どれも家庭的で食べやすい味付けとなっていて、幅広い世代が楽しめる。

(森林被害、高校ジビエ部が解決:高知)
シカやイノシシによる森林被害など地域課題の解決に向け、ジビエ肉商品の開発や販売に取り組む部活動がある。高知市立高知商業高の「ジビエ部」。利益から森林保護団体に寄付した額は2023年までで計150万円に達し、食害を受けた山への防鹿ネットの設置や植樹活動などに役立てられている。正式名称「ジビエ商品開発・販売促進部」が本格的な活動を始めたのは18年。顧問で狩猟免許を持つ佐々木翼教諭(39)が授業で、野生鳥獣による被害やジビエのおいしさについて話したところ、生徒から商品開発をしてみたいと声が上がった。現在、部員は13人で、県内で捕獲された野生鳥獣の肉を利用し、これまでに開発した商品はソーセージやジャーキーなど20種類以上。製造業者らと交渉を重ねてアイデアを磨き、牛肉や豚肉をブレンドしてジビエ特有の臭みを抑えたり、人が食べない部位をペットフードとして活用したりと工夫をこらした。週末のイベントを中心に販売。22年には東京ドームのVIPルームでシカ肉のジャーキーが提供された。

(ジビエの魅力を科学が証明:鹿児島)
イノシシやシカなど野生鳥獣肉「ジビエ」の利用が進んでいる。鹿児島県内では専門の処理加工施設が増えているものの、捕獲した9割以上は廃棄されている。せっかくの“山の恵み”を生かさないのはもったいない。17日からは鹿児島や阿久根など5市の飲食店20店舗が、ジビエの丼などを提供する「ジビエーる丼フェア」も始める。学んで、食べて、魅力を探った。シカは牛に比べて高タンパクで鉄分は2倍、脂質は6分の1とヘルシーで、イノシシも豚に比べて鉄分が4倍、ビタミンB12は3倍とされる。家畜栄養学を専門とする鹿児島大学共同獣医学部畜産学科の大塚彰教授(59)は「栄養満点なのは間違いない。それだけでなく、健康機能性に関する成分も豊富な可能性がある」と話す。大塚教授は数年前、天城町との共同研究でリュウキュウイノシシ肉の成分を調べた。結果、抗疲労成分の「バレニン」の含量が陸上動物の中で最も多く、同じく「カルノシン」も豊富なことが分かった。ジビエの普及に向け、こうした特長はアピールポイントになり得る。2024年度からは県の委託事業で、阿久根市と日置市のジビエ処理施設から仕入れたイノシシ、シカの肉の分析を進めている。野生鳥獣の肉は、どんな餌を食べているかによって味に個性が出るため、県内でも生息地域や季節で違いが生じる可能性がある。機能性成分に加え、赤身のおいしさに関わるグルタミン酸などの遊離アミノ酸の含量も調べる。「将来的には成分データと官能検査を組み合わせて分類し、『鹿児島ジビエマップ』を作れたら面白い」と構想する。ジビエーる丼フェアの基本メニューを監修する1級フードコーディネーター杉水流直子さん(45)=Table of Smile代表=考案のレシピを参考に、「シカハンバーグの大根おろしソース丼」と「イノシシ肉甘辛しょうが焼き丼」を作った。いずれの肉も、豚や牛といった畜肉より赤みが強く鮮やかな印象。イノシシはバラのかたまり肉だったので、薄切りする必要があった。脂身が固く締まっていて、野生ならではのたくましさを感じた。シカのハンバーグの加熱中、嗅いだことのないにおいが立ち上った。牛や合いびき肉とは違うが、不思議と食欲をそそる。これもジビエの特徴なのだろう。先入観でつい身構えてしまったが、実際はシカもイノシシも臭みは全くなく、箸が進んだ。シカはレバーに似た味わいで、ガツンと食べ応えがある。爽やかなおろしソースがよく調和していた。イノシシは豚肉に比べて歯ごたえがあり、脂身はほのかに甘い。薬味のネギと合わせて食べると絶品だった。肉質がしっかりしているので、もっと薄く切ると食べやすいかもしれない。

(“肉を噛みしめる快感”を追求した絶品ジビエを提案中:千葉)
美食を生み出す匠のブランド「Artisan NIPPON」が、“肉を噛みしめる快感”を追求した絶品ジビエを提案中。新たにリリースされた「至福のSteak hache(ステークアッシェ)」は、シンプルに焼き上げるだけで、噛みしめるほどに濃い旨みが爆発的にあふれ出してくるという。日本の風土に根差し、感性を磨き上げ、ひたすらに美食を創造する。「食の匠の離れ技」を追求している同ブランドは、心を動かす匠の技とストーリーを提供中だ。また、プロの料理人の感性と技に寄り添った「Attisan NIPPON For PRO」も設定。もちろん、プロだけでなく、誰もがその美味しさを体感することができる。ステークアッシェとは、フランス料理における粗びき肉のステーキ風のこと。木更津の風土に育まれた新鮮な猪肉(ぼたん)は、雑味やくどさが全くなく、脂切れも心地良いため、純粋で力強い旨みを堪能できるという。これまでに数千頭の猪と向き合ってきた職人による味付けは自然素材のみで、つなぎに使用しているのも卵のみ。特別な味付けは必要なく、シンプルに焼き上げるだけで、“肉を噛みしめる快感”に浸ることができる。

(猟師工房ドライブイン:千葉)
野生鳥獣による農作物の被害が県内で問題となる中、君津市の山間部に店を構える「猟師工房ドライブイン」では、同市や富津市で猟師が捕獲したイノシシやシカを活用し、和洋折衷のジビエ料理をビュッフェ形式で堪能することができる。主に千葉県内で捕獲された野生動物の肉を冷凍商品やペットフードにも加工して販売。ジビエ食にさまざまな形で触れることができる同工房には、連日多くの客が訪れている。60分食べ放題のビュッフェ(税込みで大人3千円、小学生1500円、未就学児は無料)では、シカ肉のシュラスコやコロッケ、イノシシ肉のソーセージといった洋食から、シカ肉のすじ煮やイノシシ肉のきんぴらゴボウといった和食までそろえている。ジビエを使ったカレーも用意していて、1月は県内で捕獲したキョンの肉とレンズ豆を使った本格的な味わいのカレーを提供する予定。どれも家庭的で食べやすい味付けとなっていて、幅広い世代が楽しめる。

(イノシシの皮活用、革製品作り・販売が評価:島根)
島根県美郷町吾郷地域の女性グループが、女性が生き生きと社会活動を続ける団体などを顕彰する「樋口恵子賞」に山陰両県で初めて選ばれた。イノシシなどの獣害対策に取り組んだことを機に、駆除した動物の皮を使った革製品作りや農産物の直売といった地域おこしへと発展させ、継続していることが評価された。受賞したのは旧吾郷地域婦人会(現・吾郷地域なでしこ会)で、20~90代の女性約60人で活動する。

(“ハシブトガラス”を狙撃して食べてみたら……)
“身近な害鳥”のハシブトガラスを狙撃して食べてみた結果がYouTubeで話題です。動画は、記事執筆時点で38万回以上再生されています。動画を投稿した茸本朗(たけもと・あきら)さんは、野外で採った食材を調理して食べる、いわゆる「野食」を実践し、その様子をYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗ch」で公開しています。以前には、カマキリを操る寄生虫「ハリガネムシ」を食べる様子を紹介してくれました。今回のターゲットはハシブトガラス。ハンターの6-10(ムート)さんと待ち合わせして、狩猟に同行させてもらいます。周辺のハシブトガラスは牛舎のエサを食べたり、畑を荒らしたりするため、駆除要請が出ているとのこと。遠くの畑にも何羽かいるのですが、頭がいいため、こちらが銃を持ったり、射程圏内に入ったりすると飛んで逃げるそうです。車に乗ってカラスを探しに行きます。ムートさんによると「カラスは自分に害をなそうとしている相手が分かって逃げている気がする」とのこと。農家の人がいても逃げることはありませんが、ハンターが乗っている確率が高い車(ジムニー、軽トラック、ランドクルーザー、パジェロなど)は警戒されやすいといいます。なかなかカラスに近づけないため、二手に分かれて行動します。茸本さんは畑にいるカラスに近づいて追い出す役目、ムートさんはやぶの中で待ち伏せて撃つ役目です。ゴーサインが出たので、茸本さんが歩き出します。先ほどまでたくさんいたカラスの姿はまばら。見張りのカラスが2羽いましたが、飛んで行ってしまいます。しばらくすると、ムートさんが隠れているあたりに数羽のカラスが飛んで来ました。カチッと銃を鳴らし、「当たった」と一言。どうやら待ち伏せ作戦が成功したようです。合流した2人はカラスを回収しに行きます。ひざまずいたムートさんが手を合わせ、「ハシブトですね」と確認します。回収したカラスはかなりの大きさ。茸本さんは「お前に罪はないが、駆除の対象になってしまったことについては哀悼の意を示しつつ、おいしくいただきたいと思います」と受け取ります。ちなみに、茸本さんは1年ほど前にハシボソガラスを食べたことがあるとのこと。同じフィールドで暮らすカラス同士を食べ比べしてみたいと考えていたところ、ムートさんが前日に先輩猟師さんにもらったというハシボソガラスを分けてくれることになりました。猟師さんのネットワークすごい。自宅に戻り、ハシブトガラスを解体しました。砂肝の中身は映せないそうですが、野菜くずや穀物などが確認できたとのこと。町でごみをあさり、牛の餌を食べ、畑を荒らし、果樹も食べていたと思われます。次に取り出したのは、ムートさんにもらったハシボソガラスの半身。見比べてみるとハシボソガラスは色が明るく、サイズが小さめで、ハシブトガラスは色がどす黒く、サイズは大きめです。食べ方を考えます。ハシボソガラスを食べたときはまずくなかったため、最初からにおいを消す方向ではいきたくないとのこと。シンプルにいきたいが脂がのっているわけはないので、焼き鳥にしてパサパサしているのも嫌……と考えた結果、炭火焼きにすることにしました。使うのは食用の備長炭粉末。まぶしてあぶったら炭火焼きになるという商品です。それぞれの部位に油を塗って塩を振り、150度のオーブンで1時間ほど焼き、焼き上がったら炭をまぶしてバーナーであぶります。炭火焼きが完成しました。もう1度塩を振ってカボスを絞り、以前食べた経験があるハシボソガラスから食べてみます。一口食べた感想は「超うまい」。カモのような身質で、味もカモのような血っぽい風味があるそうです。オーブンで1時間ほど焼いているのでサクサクして中身はジューシー。臭みもないため、「カモと言われたら気付かない人がいそう」と話します。次に、メインのハシブトガラスを食べてみます。しばらく噛んで出てきた言葉は「同じ調理法とは思えない」というもの。こちらはすごくパサパサしていて、ローストではなく「ただ焼いちゃった」という感じだそうです。ここまではムネ肉を食べていたのですが、今度はモモ肉に挑戦。「シャーキーみたいに硬い」と言いながらかんでいると、うま味が出てきたようで「これは筋トレ中の人に最適ですよ」と話します。これまで多くの鳥を食べてきた茸本さんですが、脂肪が全然なくて骨の周りにジャーキーみたいな肉が付いているタイプは初めてとのことです。他の部位も食べてみます。レバーは「まずいとまではいかないけれど、かなり鉄臭い」、砂肝は「苦い」、ハツは「歯応えがあるけれど、そんなにおいしいものでもない」、あぶった皮は硬くて脂ものっていないため、「食べる価値はない」という感想でした。食べ比べてみて、食味が上なのはハシボソガラスとのこと。でも、ハシブトガラスもモモ肉とムネ肉はちゃんとおいしいとのことです。厄介者といわれるカラスをおいしく頂く様子に、コメント欄では「すごすぎる……」「最初から最後まで目が離せない動画でした」「すごー! カラスって食べられるんだ」「なんてマニアックな内容でしょう。世界で唯一かも」「本当に大丈夫ですか?」「肉がパサパサとは意外でした」といった声が上がっています。茸本さんは、YouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗ch」やXで野食に関する情報を発信中です。

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(クマ被害の中“市街地で猟銃使用、市町村長判断で”改正法案へ)
クマによる被害や市街地への出没が相次ぐなか、環境省は現在は禁止されている市街地での猟銃の使用について、クマが建物の中に入り込んだ場合などに市町村長の判断で可能とする法律の改正案を通常国会に提出する方針です。現在の鳥獣保護管理法では、住宅が密集している市街地で猟銃を使用することを禁止していて、これまで市街地にクマが出没したケースでは警察官が同行し、人に危険が生じている場合にかぎり別の法律に基づいて発砲を命じるなどしていました。しかし、市街地へのクマの出没が相次ぎ、去年7月、環境省が設置した専門家会議は、クマによる人身被害のおそれがある場合などには市街地でも警察官の指示なしで猟銃を使用できるよう法律を改正すべきだと提言し、環境省が具体的な法改正の検討を進めてきました。検討されている案では、クマが建物の中に入り込んだ場合など、危害を防ぐことが緊急に必要で、迅速に捕獲できる手段がほかにない場合などに、市町村長の判断でハンターが発砲することを可能とするとしています。また、猟銃の弾が建物に当たるなどの損害が出た場合は市町村長が補償するなど、ハンターに不利益が生じないようにする仕組みについても検討しているということです。案ではクマのほかにイノシシも対象にすることにしていて、環境省はこうした内容を盛り込んだ法律の改正案を通常国会に提出する方針です。

(ニホンジカ増加傾向、侵入初期段階か:青森)
有識者による白神山地世界遺産地域科学委員会(委員長=中静透森林研究・整備機構理事長)が12月23日、青森県弘前市で開かれ、白神山地周辺で深刻な食害などを引き起こすニホンジカの増加傾向が報告された。秋田、青森両県にまたがる白神山地では近年、ニホンジカの侵入が脅威となっている。ニホンジカは林床のブナの芽生えを食べてしまうなど、増えすぎると生態系に深刻な影響を及ぼす。両県では一時は地域絶滅したとされるが、近年は岩手県から侵入しているとみられる。国などは昨年度、白神山地周辺の市町村に101台のカメラを設置。その画像などから241頭(前年度比12頭増)を確認した。大半がオスだったが、繁殖の目安になるメスも15頭確認された。遺産地域内では確認されなかったという。また、遺産地域周辺の17地点に録音機を設置し、ニホンジカの叫び声も調べた。13地点で計201回確認され、前年度と比べてほぼ倍増した。いずれも、オス同士が互いの位置を主張するためのもので、メスに対する呼びかけは確認できす、侵入の初期段階とみられる。環境省東北地方環境事務所の担当者は「ニホンジカは増えていると思われるが、まだ密度が低く、捕獲には適さない。今後はメスが増加していないか、注視していく必要がある」としている。

(マタギ「16世」故郷へ:秋田)
「マタギの里」北秋田市阿仁比立内で、15代続くマタギの家系に生まれた松橋翔(かける)さん(27)が今春、故郷で新たな一歩を踏み出す。現在は岩手県大槌町の地域おこし協力隊員として、シカを中心とするジビエ(野生鳥獣肉)の生産加工会社で働きながら、狩猟や解体を実践する日々。3月末で任期を終え、培った知識と経験を生かし、将来的に地元の阿仁でジビエ事業の立ち上げを目指す。「100年後の未来に阿仁を残したい」。伝統を受け継ぎながら変化を受け入れ、新たなマタギの姿を模索する松橋さんに迫った。

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(男性がイノシシに足をかまれる:神奈川)
26日午後5時半すぎ、神奈川県中井町で男性がイノシシに足をかまれる被害がありました。現場周辺ではイノシシの目撃情報が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。警察によりますと26日午後5時半すぎ、神奈川県中井町田中にある工場の従業員から「人がイノシシにかまれた」「足を負傷している」などと119番通報がありました。イノシシに噛まれたのは、通報した従業員の同僚男性(50代)で、道路を横断しようとしたところ、向かってきたイノシシに足をかまれたとみられるということです。男性は「両足をかまれた」と話していて、駆けつけた救急隊も足にえぐられたような痕を確認したということです。男性は病院に搬送され手当てを受けていますが、軽傷とみられるということです。現場は、中井町役場から南へ1キロほど離れた、住宅などが立ち並ぶエリアです。現場周辺では、ここ最近イノシシの目撃情報が相次いでいて、警察は「不用意に近づかず、見つけたら立ち去るようにしてください」などと注意を呼びかけています。

(散弾銃実包800個超を車内で保管、日本クレー射撃協会元理事の男性を不起訴:神奈川)
規定量を超える散弾銃の実包を乗用車に保管したとして、火薬類取締法違反の疑いで県警に書類送検された、日本クレー射撃協会の元理事の70代男性について、横浜地検小田原支部は26日、不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。男性は昨年1月中旬、伊勢原市内の宿泊施設の駐車場で、県知事が指定する安全な場所以外で保管できる800個を超える実包を乗用車に保管したとして、県警に今年6月、書類送検されていた。捜査関係者によると、同協会関係者が昨年12月に同容疑で刑事告発し、県警が捜査していたという。

(全国の野生鳥獣による農作物被害状況について)
農林水産省は、令和5年度の野生鳥獣による農作物被害状況について、都道府県からの報告を基に、全国の被害状況を取りまとめました。(都道府県は、市町村からの報告を基に把握を行っています)。令和5年度の野生鳥獣による全国の農作物被害は164億円(対前年度+8.0億円)、被害面積は4万1千ha(同+7千ha)、被害量は51万t(同+4万t)です。主要な鳥獣種別の被害金額については、イノシシ(被害額36億円、対前年度▲0.1億円)等で減少する一方、シカ(同70億円、同+4.5億円)、クマ(同7億円、同+3.4億円)等の被害は増加しています。

(「地域守る使命感にも限界ある」猟友会の苦悩:長野)
住宅地周辺に熊が出た―。9月5日朝、一報を受けた長野県の大北地区猟友会松川支部長の茅野靖昌さん(78)=北安曇郡松川村=は困惑した。現場は村役場にもほど近い。「本当にそんな所に熊が出たのか。見間違えじゃないか」。半信半疑のまま現場に急行すると、救急車が到着し、熊に襲われた女性を運び込んでいた。一気に緊張が走った。松川村ではこの日、女性2人が相次いで熊に襲われて負傷した。熊は村を南北に流れる乳川に沿って移動し、宅地に迷い込んだ可能性がある。捕獲した熊の胃の内容物を調べたところ、もみを食べていたことも判明。今夏にも乳川沿いで熊の目撃情報があり、茅野さんは「同じ熊とは限らないが、この時に適切な対策を取っていたら違ったのか…」と今も悩み続けている。長野県内では今年、里地で熊の目撃が相次いだ。5~9月は1278件に上り、平年(774件)の1・7倍に。人身被害は今月5日時点で12件・13人となり、昨年の11件・12人を上回った。県森林づくり推進課は、山に餌のドングリなどが一定程度あり「大量出没年」にはあたらないが、親離れした若い熊が新たな生息場所を求めて活発に移動し、目撃が増えたとみている。熊対策の前線に立つ猟友会の負担は重みを増している。全国で熊の被害が相次いだことを受け、環境省は市街地での銃猟使用の要件を緩和する方針だが、銃を伴う有害鳥獣対策として同村から支払われる報酬は1回3千円のみ。熊出没に合わせ、身の危険を伴う現場に急行できる人材を確保することは「容易なことではない」と猟友会の茅野さん。「地域を守る使命感にも限界はある。いつまでこの態勢で続けられるのか…」。捕獲を巡る問題については、県が昨年11月~今年3月にかけて県庁で開いた「ツキノワグマ対策あり方検討会」でも議論になった。緊急時に限られている市町村の捕獲権限について、緊急性を判断する基準を明確化し、迅速な対応を促すことになった。7月には熊の目撃情報を地図上に表示して警戒を促す「ツキノワグマ出没(目撃)マップ」を県ホームページで公開。9月には県内10広域圏のうち5地域に「ツキノワグマ出没警報」を初めて出した。ただ、警報の実効性や発令基準を巡っては「分かりにくい」との声も上がり、県は「効果や課題を精査し、必要に応じて見直す」としている。検討会では、自治体側から新たな知恵や対策を求める声が出る一方、専門家からは「捕獲のみに頼らない対策が重要だ」との指摘も根強かった。熊の保護管理に取り組む北佐久郡軽井沢町のNPO法人「ピッキオ」の玉谷宏夫さん(51)も「農作物や生ゴミの管理といった、地道な対策が基本になる」と指摘する。里山の利用が減り、耕作放棄地が増えて人里と熊の生息域があいまい化していることが課題として横たわる。県は市町村に対し、熊の生息域と人の生活空間を区分けする「ゾーニング」導入を促しており、本年度中に導入マニュアルも作成する方針。すでに山形村や伊那市が導入済みで、来年以降は県内6町村が本格的に導入に取り組む予定だ。玉谷さんは「熊がわれわれのすぐ近くにいることを認識し、自治体や住民などがそれぞれの立場でできることを考えることが求められる」と話している。

(捕獲目標定めヒグマと共存、被害減へ道が計画改定:北海道)
北海道は27日、道内に生息するヒグマの2022~26年度管理計画の改定版を公表した。人との共存可能な個体数に抑えるために、捕獲目標を新たに導入したのが特徴。現在の生息数は1万2千頭前後に増加しているとみられ、今後10年以内に、ヒグマ被害が社会問題化していなかった00年代ごろの生息総数(約7500~約1万頭)の水準に削減することを目指す。改定計画は、人とクマのすみ分けを図る「ゾーニング管理」の推進も盛り込んだ。森林や市街地など区域に応じた対策をとって人里への出没を防ぎ、人との共生状態を保てるようにする。大学や研究機関と連携しながら、ヒグマの分布や繁殖状況の把握を強化する。

(砂川猟銃訴訟高裁で逆転敗訴、当事者の思いと広がる波紋:北海道)
「クマの痕跡があるかどうか今から見て回る」。今月中旬、空知の砂川でそう言って山の中を巡回するのは北海道猟友会砂川支部の池上治男さんです。ハンター歴は30年以上。支部長として後進の指導も担うベテランですが、今は銃を持てない状態です。ことし10月。札幌高裁のある判決がヒグマの駆除に携わるハンターに衝撃を与えました。判決では「弾丸が周辺建物5軒に到達する相応の危険性があった。北海道公安委員会の判断は裁量権の逸脱・濫用に該当しない」とされました。池上さんは、6年前、砂川市の要請を受けてクマを駆除しましたが、翌年に周辺の建物に銃弾が当たる恐れがあったなどとして道の公安委員会から猟銃所持の許可を取り消されました。池上さんは処分の取り消しを求めて道を提訴。1審は池上さんの訴えを認めましたが、2審の札幌高裁は1審判決を覆し、道公安委員会の処分を認める判決を言い渡しました。「高裁判決は、ここで弾を撃ったら(弾が)クマの体内を貫通して人がいる8メートル上まで到達して人に当たるという。そんなことを言ったらどこに行っても撃てない」発砲現場で当時を振り返り、こう語気を強める池上さん。相手が子グマだったこともあり、当初、駆除は避けたいと市に伝えたと言います。しかし…「市はどうしても駆除してほしいと。空知振興局も「ここは住宅の密集地域じゃないから」って言って撃つ前提で話は終わって、警察は住民に「今から撃つ(駆除する)から出ないで」と伝えた。ヒグマ自体も向かってきたから仕方なしに撃たざるを得なかった」。危険が伴うヒグマの駆除。斜面など弾を止める安土が背後にあるか、確実に狙える位置・距離なのか。様々な制約がある中で、反撃される可能性もあるクマをハンターは確実に仕留めなければなりません。長年の経験も踏まえ、池上さんは「条件はそろっていた」と振り返ります。高裁は、弾がクマを貫通して周辺の建物に届いた可能性を指摘。背後の斜面では安全を確保できない、としました。逆転敗訴は波紋を呼び、道猟友会は先月、道内71の支部に自治体や警察と十分連携できない場合は、出動要請の拒否するよう通知する方針を決めました。最終的な判断は各支部に委ねることになりましたが、駆除の要請に引き続き応じる支部がある一方で、「慎重にならざるを得ない」とする支部も出ています。こうした中、鈴木知事が道猟友会の堀江篤会長とともにハンターがヒグマを円滑に駆除できる体制づくりを求める 要望書を環境省に提出しました。「現場の関係者が緊密に連携して捕獲従事者が不安を抱えることなく捕獲できる。そういう仕組みになるようにしてほしい」(鈴木知事)。道によると、今年度、道内で駆除されたり狩猟されたりしたヒグマの数は昨年度の1・9倍にあたる1804頭に達し、記録が残る1962年度以降で最多となりました。環境の変化などからエサを求めて市街地に近づく個体も増える中、ハンターが果たす役割はますます重要になっています。専門家は、ハンターだけに責任を求める体制は問題だとした上で、次のように指摘します。「例えば火災や大雨、洪水があったときには消防がどこの市町村でも出るし、事件事故があれば警察が出動する。鳥獣だけは民間の銃所持許可者が出てくる。時代が変わり鳥獣の問題も様変わりする中で本質的には行政が責任を持てる部隊を何らかの形で持つそういう風にしないと、今後も増える鳥獣には対処できないのでは」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)。池上さん側は高裁判決を不服として最高裁に上告しています。求めているのは、ルールを守り、地域の安全のために奮闘するハンターがないがしろにされない社会です。「行政と協力体制ができていても高裁判決だと協力できない状態になる。私たちも好んで動物を殺していない。危険だから普通の人にはできないし命かけてやっていることを理解してほしい」(池上さん)。どうすればハンターが安心してヒグマの駆除に当たれるのか。自治体や警察などを含めた新たな協力の仕組みが求められています。

(揺らぐハンターの最前線「猟友会依存は異常」専門家:北海道)
クマが出没した際、多くの自治体では北海道猟友会の支部に出動を要請し、ハンターが駆除します。しかし2024年11月、北海道猟友会が市町村の出動要請に応じないよう、各支部に通知することを検討していることが明らかになりました。その背景には2018年、北海道砂川市のハンターがクマ駆除のための発砲をめぐって猟銃所持の許可を取り消された問題があります。所持の許可を取り消された北海道猟友会・砂川支部長・池上治男さんです。「ヒグマにあたった弾が跳ねてあっちにいったりこっちにいったりすることは物理的や数学的に考えられない」(池上さん)。駆除の際、池上さんが発砲した弾が、付近の建物に当たる可能性があったとして北海道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消されました。池上さんは北海道に処分取り消しを求める裁判をおこしました。しかし10月、2審の札幌高裁は池上さんの訴えを退けました。この判決を受けて猟友会が検討した結果、自治体や警察との連携が不十分な場合には出動要請を拒否するよう各支部に通知することを決めたのです。UHB調べによると札幌・旭川・帯広などの支部は、従来通りの対応としています。一方、渦中の砂川支部は。「ヒグマ出て痕跡調査してくれとかだったら行くようにしているが(駆除要請あっても)現実的にはいまの状況では撃てない」(池上さん)。また広尾など一部の支部は出動を拒否する方針を示しています。今後はどうしたらいいのか、専門家に聞きました。「猟友会はあくまで趣味の団体。猟友会に依存している現在の体制はそもそも異常。行政がしっかり体制を整えて捕獲も自らできるような職員配置をすることを本気で考えなければいけない時期にきている」(酪農学園大学 伊吾田 宏正 准教授) 。新たな安全体制の構築が急がれています。

(「クマが来るから柿の木を切って」近所からの要望、無視して被害があったら賠償請求される?)
近年、国内各地でクマによる被害が増えています。環境省によると、2023年度のクマによる人身被害は219人で、うち死亡は6人と過去最多となりました。北海道に広く分布するヒグマの推定個体数は中央値1万1700頭となり、過去30年間で2倍以上に増加しています。また、本州および四国の33都道府県に分布するツキノワグマも、推定個体数は増加傾向にあります。クマが集落や市街地など人が住む地域に出没することも多く、その原因の一つが、民家の果樹や公園の樹木です。環境省の「クマ類出没対応マニュアル」では、クマの誘引物として「カキ、クリ、クワ」などの果樹を挙げた上で、伐採するか、電気柵で周囲を囲うといった対策をおこない、適切な管理をするよう求めています。しかし、庭や敷地の管理が難しいケースもあります。弁護士ドットコムには、「クマが来るから、柿の木を切るよう、隣家の住人から要望がありましたが、大切な木なので、切りたくありません」という相談が寄せられました。また、「別荘を所有しているが、クマが怖いので草刈りをしてほしいと言われています」という相談もあります。相談者によると、定期的に草刈りを実施しているといい、これ以上経費が増えることに消極的です。いずれのケースも、果樹の伐採や敷地の草刈りをせずにクマが人に被害を及ぼした場合、持ち主や管理者に法的責任が生じることはあるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。――隣人からクマ対策として果樹を伐採したり、草刈りをしたりするよう要望があった場合、応じる義務はあるのでしょうか。果樹の所有権は植えた人やその土地の持ち主に所有権がありますし、また管理している土地の雑草をどうするかはその土地の管理者が自由に判断できることではあります。しかし、昨今のクマ被害の増加を考えると、近隣住民から要望があった場合には、これに対して対応すべき法的な義務が生じる可能性もあります。クマの生息地に近い地域や直近数年の間にクマが目撃された地域などにおいては、クマの被害を発生させないようにするための注意義務が住民に一定程度課されると考えられます。その一環として果樹の木を伐採する、あるいは実がなったらすぐに採取する、クマが隠れる場所をなくすために庭などの草刈りをするということが求められることになると思われます。――もしも、果樹や草木を放置してクマが出没して、隣人に被害があった場合、賠償請求される可能性はあるのでしょうか。結論からいうとその可能性はありうると考えられます。例えば、近接した時期にクマの目撃情報が何度かあり、近隣の住民から再三に渡り草刈りや果樹の対策をとるよう求められていたにもかかわらず、これを放置していた場合には、先にあげた注意義務に違反すると評価されることもありうるということになります。そのため、不法行為(民法709条)の賠償責任を負うこととなり、治療費等の損害をクマ被害に遭った隣人に支払う必要が生じうると考えられます。――クマとどう共存していくか、個々人の力で解決することは難しいかもしれませんが、解決に向けて私たちにはどういうことが求められているのでしょうか。最近は高齢化に伴い、果樹や雑草の管理が個人では行き届かないことも少なくないと思われます。そういう場合には、町内会を中心とした地域住民全体で助け合いながら、草刈りや果樹の管理(伐採や実の採取)をするのが望ましいでしょう。伐採の費用を補助してくれる自治体もあります。出没したら殺せばいいというのは非常に短絡的な考え方です。クマが人里に現れずに済む対策を人間側が取る必要があります。

(【元警察官】が答える!「クマとゴッツン!どうしたら?」)
2024年11月、秋田市のスーパーにクマが出没し、従業員を襲ったあとで約50時間にわたってスーパー店内に立てこもる事件が発生しました。自然を追われたクマやシカといった野生動物が人里に出没するケースが急増していますが、もしクルマやバイクで野生動物にぶつかってしまったらどうすればよいのでしょうか?警察をはじめ、道路や交通にかかわる仕事では、クマやシカといった野生動物だけでなく、飼い主のいない野良イヌ・ネコ、誰かが飼育しているペットや家畜などは、すべて「モノ」として扱われます。生命ある動物をモノとして扱うことに抵抗を感じる人も少なくないし、ペットを飼っている人にとっては家族同然でも、法律上の考え方は覆りません。その証拠に、他人のペットを故意に傷つけた場合は「他人の物を損壊・傷害した者」を罰する刑法の器物損壊罪に問われます。なお、器物損壊罪には過失(わざとではない行為)を罰する規定がありません。たとえば、不注意で他人の家の美術品を壊してしまっても罪にはなりませんが、これは「犯罪ではない」というだけで、民事上の賠償責任までは免除されないという点は覚えておきましょう。動物がモノとして扱われるのなら、車両とぶつかってしまった場合はどのように考えるのでしょうか?答えは「物損事故」です。物損事故とは、人の死傷がない交通事故を指します。相手が生命のある動物でも、法律上はモノ扱いなので、モノの損傷が生じた物損事故という考え方です。そして、事故を起こした相手はモノなので、運転者がひとりで物損事故を起こした「単独物損事故」という扱いになります。ガードレールや電柱などにぶつかったのと同じだといえばわかりやすいかもしれません。単独物損事故を起こしたとき、まずするべきことは警察への届け出です。「相手がいないから届け出は要らない」と思うかもしれませんが、クマやシカ、イノシシなど、ある程度大きな動物とぶつかれば、まず間違いなく車両が損傷します。もちろん、相手がいないのだから、いきなりぶつかってきたのだとしても、修理費用は自腹です。単独物損事故でも補償してくれる車両保険に加入していれば保険を使って修理できますが、この場合は警察の事故証明が必要になります。ただし、警察はどこでどんな事故が起きたのかを調べない限り事故証明を出してくれません。だから、動物とぶつかったときは「その場で警察に通報する」のが正解なのです。クマ・シカなどは生命力が強く、車両とぶつかったとしても多くの場合は生存しています。とはいえ、時速数十キロのスピードで走る1~2トンもある鉄の塊とぶつかれば、動物も無傷ではありません。出血や骨折などでその場から動けなくなっていることもあります。ぶつかった動物が生きていた場合、そのまま放置すれば後続の車両が急ハンドルを切って避けようとして事故を起こしたり、あるいはそのまま動物を轢いて追い打ちをかけてしまったりするかもしれません。可能であれば、負傷した動物を道路の外へと移動させてあげてください。ただし、生命の危険を察知した動物は思いがけない抵抗をみせることがあります。親切心から近づいても攻撃を受けるかもしれません。また、野生動物はワクチンを接種したペットとは違い、人体に悪影響を及ぼすウイルスなどを保持している危険もあります。わずかにでも危険を感じたなら、近づくのは避けてください。こんなときは、110番で警察に通報するか、または局番なしで「#9110」の道路緊急ダイヤルに電話をかけて対応を任せましょう。警察に「動物とぶつかった」と通報した場合、警察官が現場に臨場して事故処理をおこないます。運転者としては、警察官からの求めに従って運転免許証などを提示するだけです。心優しい運転者なら「警察が動物を助けてくれる」と期待するかもしれませんが、実は警察も積極的に動物を救護してくれるわけではありません。後続事故を避けるために動物を路肩などに移動させることはありますが、野生動物であれば警察署などに連れ帰って手当をするといった対応はしないのがセオリーです。また、すでに動物の生命が途絶えていたときも、警察が引き取って処理するのではなく、国・都道府県・市区町村といった自治体の道路管理者に連絡して処理を任せます。ドライに感じてしまうかもしれませんが、動物の死骸は廃棄物にあたり警察では適正に処理できないので、道路管理者に任せるしかないというのが現場の実情なのです。今後、さらに都市化が進み、森や林に動物の食料が減ってしまえば、クマやシカなどの動物が市街地に出没する機会が増えてくるでしょう。もしぶつかってしまった場合は、まず慌てずに後続車との事故を起こさないよう危険防止の措置をおこない、安全を確保したうえで警察に通報してください。

(シカよけの柵、食べないブナも保全)
九州大学などの研究グループは、シカがササなどを食べる食害を防ぐために設置した防護柵が、エサにはならないブナも保護していることを突き止めた。シカが地表に近い別の植物を食べ、土壌が流出して生じるブナの枯死や成長の低下を防いでいた。成果は森林被害を防ぐための保全策に役立てる。自然のブナ林は水を保持する能力の高さから「森のダム」とも呼ばれるが、近年は枯死する事例が国内で広がっている。一方のニホンジカは個体数が増え続けており、直接の食害のほか、地表近くの植物を食べることで土壌流出を引き起こす。日本の森林被害の約7割の原因になっているとの試算もある。ただ、シカと直接のエサにはならないブナ林の詳しい関係は分かっていなかった。研究グループは、熊本県と宮崎県の境にある標高1417メートルの白髪岳でシカが入れないようにした防護柵の内外で、ブナや土壌の状態の違いを調べた。ブナは木の年輪の状態などを手掛かりに、1960~2022年の約60年間の成長量を比べた。その結果、シカが足を踏み入れる防護柵の外側ではブナの幹の成長量が低下し、22年は内側より37%低くなっていた。内側に比べて水分が不足していることも分かった。シカによる他の植物の摂食が土壌流出を引き起こし、ブナの根の一部が表面に露出して乾燥したり凍結したりしたのが原因とみている。ササの保護に向けた防護柵の管理が長年行き届いている白髪岳を調査対象に選んだ。九大の片山歩美准教授は「他の植物の保護が、ブナ林そのものの保全にもつながる科学的な根拠を初めて示すことができた」と意義を語る。

(県内のツキノワグマ捕獲数、過去最多の300頭超え:兵庫)
兵庫県内で活動期の4~11月に捕獲されたツキノワグマが過去最多の333頭に上ったことが、県のまとめで分かった。今秋は山中のドングリ類が記録的な凶作で餌が不足し、集落への出没が相次いだ。人的被害の拡大も懸念され、専門家は「集落に出没させない対策を強化し、捕獲の在り方も検証が必要」とする。

(出没相次ぐツキノワグマ、一部地域ではクマアラート注意報延長:三重)
三重県は27日、県内でツキノワグマの出没が続いていることから、一部の地域で「クマアラート」注意報の期間をさらに延長すると発表しました。17日、いなべ市北勢町新町の山奥でツキノワグマが目撃されたことを受け、四日市農林事務所管内で出されていた来年1月12日までの「クマアラート」注意報は、1月末まで延長されます。対象となる地域は桑名市、いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、木曽岬町、東員町、朝日町、川越町、菰野町です。三重県内では、今年4月から26日までにクマの目撃件数が160件あり、過去最多だった昨年度の40件の4倍となっています。現在、クマアラートの注意報は四日市農林事務所管内のほか、津市、尾鷲市、紀北町、熊野市、御浜町、紀宝町に発表されています。

(クマに襲われる被害相次ぐ、対策強化も課題山積:岐阜)
飛騨地域の山間部で暮らす住民たちに動揺が走った。6月11日夜、下呂市小坂町湯屋の畑で80代女性がツキノワグマに襲われ、顔などに重傷を負った。県内では今年もクマの目撃や被害が相次いだが、人里に下りてくる原因は多岐に及ぶ。飛騨地域では過疎の影響も一因となっており、一部の自治体は対策の強化に乗り出した。下呂市で人身被害があった春ごろ、飛騨地域では例年を上回るクマの目撃があり、住民は不安な日々を過ごしていた。県内では今年、6月に揖斐川町で70代男性、9月に郡上市で30代男性がいずれも釣り中にクマに襲われた。県は「出没注意情報」を発令し、県民に対策を呼びかけた。

(野生動物と車の事故を避けるために:和歌山)
和歌山市の阪和自動車道で23日夜、路上に倒れていたイノシシと乗用車が衝突する事故が起きた。車ははずみで道路の側壁にぶつかり、全焼した。高速道路への野生動物の出没は多いという。県警高速隊などによると、23日午後8時50分ごろ、和歌山市の和歌山南スマートインターチェンジの南約1㌔の上り線で、御坊市の男性(24)の車が追い越し車線を走行中に体長約150センチのイノシシと衝突した。衝突したはずみで車は走行車線側の側壁に衝突後、滑走して中央分離帯のガードレールにも衝突して炎上し、全焼した。イノシシは事故前に複数台の車とぶつかり、路面に倒れていたという。男性にけがはなかった。その後、道路を横向きでふさぐ形になって停止した車に湯浅町の男性(71)が運転する乗用車が衝突。この男性は胸を打つ軽傷を負った。男性は取材に「突然黒い物体(車体)が現れ、ブレーキが間に合わなかった。高速道路に限らず安全運転に気を付けないといけないと思った」と話した。西日本高速道路(NEXCO西日本)関西支社によると、野生動物が交通事故に遭う「ロードキル」は2023年度、関西2府4県の管内で約3500件発生した。担当者は「特に夜間や山間部を走行される際は前方に注意して運転し、動物を見かけた時には、非常電話や道路緊急ダイヤル(#9910)に通報してほしい」としている。日本自動車連盟(JAF)は、野生動物が出没する危険が高い道路に設置される警戒標識に注意して運転し、遭遇しても急ハンドルは避けることなど注意点をサイトに掲載している。和歌山市によると、イノシシの捕獲頭数は今年度に入って急増。昨年度は年間636頭だったが、今年度は11月末時点で1059頭。近年は豚熱の影響で減っていたが、過去最多だった20年度の1220頭に迫る。

(動物と列車の衝突事故相次ぐ、JRが対策強化:千葉)
千葉県のJRの路線では動物と列車の衝突事故が相次ぎ、今年度は過去最多だった昨年度に迫るペースで増えていてJRは対策を強化しています。JR東日本千葉支社によりますと、支社の管内で起きたシカやイノシシ、それにシカ科の特定外来生物「キョン」などの動物と、列車が衝突する事故は先月までに177件となっています。これは過去最多の265件となった昨年度に迫るペースの増加で、今後も増えるとみられています。発生場所は房総半島の南側を走る内房線と外房線がほとんどで、ダイヤの乱れなどの影響が出ているということです。JRによると、動物は鉄分を摂取するためにレールをなめようと線路内に侵入することもあり、駅構内などに設置されたカメラの映像にはシカやイノシシが映っています。JRは、動物の嫌う音を出す装置を設置したり動物が苦手なにおいの薬剤をまいたりして対策を強化するとともに、今後、沿線の自治体などと連携して対応したいとしています。

(野生イノシシ、出没・被害が年々増加:秋田)
大館市内で野生イノシシの出没、被害が年々増加している。本年度は出没情報が27件、農作物などの被害が22件で、すでに過去最多だった前年度を上回っている。市内では8年ほど前から目撃されるようになり、出没場所が市の南側から北側に拡大。畑だけでなく、田の被害が増えていることから、来年度は電気柵設置の補助対象に水稲を加える方針で、対策を強化する。

(冬のクマ「“穴持たず”に要注意」:青森)
内外でさまざまなニュースがあった今年も、あとわずか。本紙は29日付紙面で「24年県内十大ニュース」を紹介。その一つとして、重大な人身被害を受けての「クマで八甲田入山規制」を挙げたところだが、一部地域では冬場に入ってもなおツキノワグマの目撃情報があるようだ。本来であれば冬眠しているはずのクマが山野をうろついていること自体がイレギュラーであり、県が発令していた「ツキノワグマ出没警報」は11月末で解除されたものの、まだ十分な注意が必要と考える。青森市荒川の八甲田山系では6月下旬、クマによる人身被害が相次いだ。うち1件ではタケノコ採りで入山していた80代女性が亡くなった。8月2日、市が成獣1頭を駆除したものの、入山規制は9月21日まで続いた。このほか、5月29日には深浦町上長慶平地区で、8月4日には三戸町貝森地区でけが人が出た。クマは冬眠する生物。故に今冬のように年内から豪雪に見舞われるような場合は、さほど心配はないイメージもあるが、実際は今月に入っても一部地域で複数の目撃情報が寄せられている。平川市ホームページによると、同市では12月13日夕に碇ケ関大落前の資材置き場付近で、同20日朝には葛川一本木平の原野でそれぞれ目撃された。特に13日分については、碇ケ関温泉会館、碇ケ関公民館といった公共施設に多数の民家が建ち並ぶ人里から、そう遠くない場所での情報だった。冬に出没するクマは俗に「穴持たず」と呼ばれる。降雪前の採餌が不十分で、栄養を蓄えられなかった時に冬眠に失敗し、このような状態に陥ってしまう。その一方で秋までの栄養状態が優良だった場合も越冬に入ることなく「富栄養の穴持たず」になるという。今秋の県内は、主な餌であるブナの実が豊作だったことから、後者に該当する個体が一定数発生している可能性はあるだろう。こうしたクマは往々にして攻撃性が高まっている。死傷者10人が発生し本邦で史上最悪の熊害(ゆうがい)の一つに数えられる、1915(大正4)年の北海道の「三毛別ヒグマ事件」も穴持たずの個体が起こした惨劇だった。11月下旬、秋田市のスーパーマーケットに長時間クマが居座った秋田県では、12月に入っても依然市街地への出没が散見されている。岩手県でも花巻市や北上市の街中で目撃されているという。北日本の里山に暮らす人々のほとんどは、行政の警報などがなくてもクマへの緊張感を保ちながら暮らしているだろうが、市街地においても予断がならない時代に入りつつあるのではないか。こうした状況だけに、キャンプやスポーツでの入山者にもある程度は用心してもらいたい。特にバックカントリースキーに関しては遭遇時のリスクを考えると、管理・許可されていない場所での挑戦や、単独での入山は、厳に慎むべきであろう。

(シカ事故に注意:北海道)
根室市内でエゾシカの飛び出しなどによる交通事故が多発している。昨年は過去10年で最多の109件を記録したが、今年は11月末で124件とすでに最多を更新しており、物損事故のうちの約3割を占めている。

(「地域発 元気づくり支援金」活動報告:長野)
県の「地域発 元気づくり支援金」を2023年度に活用した木曽地域の優良事業表彰式と事例発表会が25日、木曽町の県木曽合同庁舎であった。知事表彰を受けた木曽猟友会とともに、2団体が活動を報告した。木曽猟友会は、模擬銃でクレー射撃や狩猟の体験ができるシミュレーターを購入し、中学校や県林業大学校などで体験講座を計16回開催。会員の高齢化と減少が課題となる中、新たな人材発掘を試みた実績が評価され、知事表彰を受けた。

(初のクマ出没警報、効果に疑問も:長野)
「地域住民の関心が高まり、クマは本当にどこにでも出没しうるという認識が広まった」。クマの対応に追われた1年を、伊那市職員はこう振り返った。ツキノワグマによる人身被害が相次いだことを受け、9月に県が初めて発出した「出没警報」。対象5地域のうちの一つ、上伊那地域では学校近くなどでもクマが現れ、住民からは不安の声も聞かれた。各市町村もクマが潜みやすいやぶの除去や緊急点検などの対策を実施した。上伊那地域でクマの目撃情報が増え始めた6月、伊那市の伊那養護学校近くで子グマ1頭が出没。目撃された水路は校舎の目と鼻の先。屋外での活動も多い同校では近くを子どもが通ることもある。

(「野犬のまち」返上へ、捕獲対策奏功:山口)
山口県周南市の野犬対策が奏功しつつある。県や県警、動物愛護団体と協力し、野犬の捕獲と飼い主への譲渡を進めた結果、捕獲数は激減した。ただ、「野犬のまち」との汚名返上に向けて課題も残る。市は新たな一手を検討している。周南市の市街地に広がる周南緑地。東京ドーム17個分の公園には草が生い茂り、木の実や小動物といった野犬のエサが豊富だ。野犬にとって格好のすみかとなった緑地では、住民がかまれたり、追いかけられたりする被害が後を絶たなかった。近年、そんな野犬の姿が減りつつあるという。市環境政策課によると、県周南環境保健所が市内で捕獲した野犬の数は、2019年度の841頭から減少傾向に転じた。23年度には284頭まで減り、今年度は10月末現在で98頭にとどまっている。「野犬が減ったことは間違いないでしょう」。市の担当者は手応えを口にする。周南市が野犬対策に本腰を入れ始めたのは、5年前のこと。市長選で野犬対策の強化を公約に掲げた藤井律子氏が初当選すると、県と県警、市の3者による連絡協議会を立ち上げた。市内に捕獲用のおりや監視カメラを増設し、野犬パトロールを強化した。野犬の目撃情報を共有し、捕獲や注意喚起につなげる市民向け通報アプリの配信も始まった。野犬対策に効果を発揮したと市がみるのが、県が22年度に導入した「遠隔捕獲システム」。捕獲おりに取り付けた監視カメラの映像をスマホで見ながら、遠隔操作で出入り口を塞ぐ仕組みだ。野犬がエサに触れない限り、おりの扉が閉じない従来型とは異なり、新システムはエサに触れなくても、映像を見ながら、扉を閉められる。野犬のなかでも、警戒心が強く、ワナに近づこうとしない成犬を確実に捕らえられるようになったという。効果は数字に表れている。周南市内の成犬の捕獲数はシステムを導入した22年度に21年度の倍近い143頭にのぼった。成犬は緑地で子犬を繁殖させてきた。「繁殖源」が少なくなることで、県生活衛生課は「野犬の繁殖が抑制され、子犬の数も減っている」とみる。捕獲時にけがをする恐れが高い成犬がそばにいなければ、素手で子犬を捕まえられ、巣穴の撤去も容易になったという。数年前には、インターネットで周南市を検索すると、関連して「野犬」が検索語の最初に表示されることもあったという「野犬のまち」周南市。汚名返上は道半ばとばかりに、市の担当者は言う。「『野犬が減った』という市民の声がある半面、目撃情報やエサがまかれていたという通報もある。対策の成果は表れているが、安心はできない」。野犬対策の強化と合わせ、周南市は動物愛護団体との連携・支援に力を入れている。県が捕獲した野犬は引き取り手がいなければ殺処分されるため、市内の団体などが一時的に保護する。しつけなどを済ませた上で、飼い主を探す活動に取り組んでいる。譲渡先がみつかるまでのむやみな繁殖を防ぐため、団体の多くは自費で不妊去勢手術を野犬に行っている。そこで、市は6月から、県獣医師会徳山支部に所属する12の動物病院で行う不妊手術1回につき、1万円を補助する事業を始めた。しかし、市は12月議会で利用実績がないことを明らかにした。藤井市長は「手術費がより安い指定外の病院を利用していることが要因」と答弁。利用を促すため、補助額の引き上げや指定病院の拡大を検討する考えだ。

(獣害問題に挑む学生たち:三重)
ニホンジカやイノシシなどの野生鳥獣による被害が深刻化する三重県。さまざまな獣害対策により年々減少傾向にはあるものの、県が発表したデータによると、2022年における野生鳥獣による農林水産業の被害金額は、約3億500万円にのぼる。そんな中、三重県津市の三重大学では学生が「狩猟サークル」を設立し、地域の獣害問題に取り組んでいた。三重大学の附帯施設農場で農作物に被害をもたらす動物を捕獲することが、現在、狩猟サークル「トラッパーズ」の主な活動となっている。農場ではタヌキ、アライグマ、ハクビシンなどの中型動物の被害が多い。大型の箱わなを1か所、小型の箱わなを2か所、くくりわなを2か所設置し、毎日見回りを行っている。2024年から農場での捕獲を始めたことで捕獲数は増加傾向にある。2023年はシカ3頭とイノシシ1頭だったが、2024年は10月時点で、シカ1頭、イノシシ1頭、中型動物10頭を捕獲した。「農場は大学から近いので、見回りや撒き餌の確認に行きやすくなったことも活動の効率化につながっている」と、トラッパーズの代表・奥村亮介さんは話す。11月から2月の狩猟期間は、三重県の山間部に位置する上ノ村でも狩猟を行っている。上ノ村で捕獲した動物は、解体してジビエ料理にしたり、皮はなめして毛皮に、角や骨はキーホルダーなどのアクセサリーに加工したりと、無駄なく活用する工夫をしている。こうした活動するうえでトラッパーズが大切にしているのは「集落と連携した獣害対策による地域貢献」と「狩猟技術の向上」だ。事故を防止しながら継続的に狩猟活動を行っていくためには、農場の職員や地域住民との情報共有は欠かせない。定期的にわなの設置状況や捕獲状況の報告を行い、農場の職員からは被害や目撃情報を教えてもらい、狩猟に役立てているという。奥村さんは「狩猟活動は生き物と自然を相手にするので決まった方法がなく、獣の個体の性質と狩場の環境によって異なる。多くの知識と経験を積む必要があるので、できるだけたくさん出猟するようにしている」と語る。三重大学に狩猟サークル「トラッパーズ」が発足したのは2016年。もともとは「地域貢献サークル Meiku」の活動の一部として、上ノ村で獣害対策を行っていたが、獣害被害を目の当たりにしたメンバーたちが被害削減を目指して、狩猟をメインとするサークルを立ち上げた。

(〝狩りガール〟3人始動:長野)
木祖村のハンターが所属する木祖村猟友会(上村憲一郎支部長)に3人の女性メンバーが加わった。村内では初めての女性ハンターだ。猟友会員の高齢化が進む中、3人の〝狩りガール〟は、狩猟の魅力を伝える活動にも力を注ぎ、農林業に有害な野生鳥獣を駆除するハンターを目指す新たな仲間づくりにも一役買おうという。活動を始めたのは、会社員の清水美和さん(47)と山田百合子さん(43)、村地域おこし協力隊の丸山夏実さん(30)の3人。清水さんは、上村支部長が部長を務める村体育協会射撃部が2年程前に作った「クレー射撃はじめてみない?」のポスターを見たのがきっかけで猟に興味を持った。山田さんは、新たな捕獲技術者の発掘・育成を目的に猟友会が導入しているクレー射撃のシミュレーターの体験を機に、ハンターの世界に飛び込んだ。木曽郡内の野生鳥獣による農林業被害額はここ数年、年間2000万円を超えている。丸山さんは、遊休農地の活用と農作物のブランディングに取り組む中、深刻な食害被害を目の当たりにした。「あまりに被害がひどく、農業をやめてしまう住民もいる。農業を守るためにも狩猟をやるしかない」と決意した。木祖村猟友会員は現在23人で、60代以上が7割を占める。50年ほど前には会員が100人いた。高齢化を理由に猟をやめる会員が格段に多いため、狩猟免許の取得者が増えても追いつかない状況という。3人は「先輩に学び、少しでも地元のためにできることをしたい」と張り切っている。上村支部長は「女性会員が生き生きと活動することで、猟に興味を持ってくれる人が増えればうれしい。若い世代にもアピールできる心強い仲間」と期待している。

(猟師が語る“手負い熊”の恐ろしさ)
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊。「赤毛」「銀毛」と呼ばれ恐れられた巨熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊など、戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションです。本書から、一部を抜粋して紹介します。羆を仕留めそこなった熊撃ち名人の行方とは――。三石川を十キロあまり遡ったところに幌毛という部落(現在の富沢)があった。その幌毛に、熊撃ちの名人と呼ばれた大友さんという老人がいた。当時、日高の山では、どこへ行っても羆の足跡が見出され、その姿を目にすることもしばしばであった。老人は、そんな山に入って毎年のように二、三頭の熊を撃ちとるので、部落の人たちからは、「熊撃ちの名人だ」ともてはやされていた。秋の穫り入れもたけなわのある日のこと、隣りの主人が大友さんを訪ねてきて、「大豆畑が荒らされているから、ちょっと調べてみてほしいんだが」と言った。「畑が荒らされているって、どんな具合いにかね」「うん、大豆のニオが一部こわされて、バラバラになっているところがあるんだよ」「そうか、足跡はついてないのか」「うん、ハッキリとは分からないけど、シカでないかと思うんだ。シカだったら、一晩であの畑ぐらい荒らしてしまうべもよ」「そうだな。よし解った、すぐ仕度して行ってみるよ」。翌朝、腹ごしらえをすませてから銃を背に家を出た老人は、まだ働く人の来ていない豆畑に足を運び、件の豆ニオのところへ行ってみた。思ったとおり、シカの足跡があった。銃で撃たれた際、飛び跳ねて付いたと思われる、深い足跡も残っていた。畑の縁には、走り去るときに付けたものであろう、荒く掻いたような足跡もあり、シカはそこから小笹の藪へ逃げ込んだものと思われた。さらに笹藪の中へ入ってゆくと、多量の血が付着した笹の葉が見出された。銃弾はシカのどこかに命中していて、しかも相当な深手を与えているものと見受けられた。流れ出た血の量から推して、獲物は近いとみた大友老人は、小笹の中に付いた血の跡を追って、ゆっくりと上っていった。ひと思いに息の根を止めてやるつもりで、シカの全身が見える位置を目で探した。再び歩き始め、ボサ藪の右側に回ってその裏側に出、シカがいるはずのボサ藪を振り返ったとき、はっとしたように老人の足が停まった。なんと、そこで老人が目にしたのは、大きな一頭の羆がシカの死体にまたがって、下腹のあたりを喰い破り、内臓をむさぼり喰っている姿であった。熊もひどく驚いたのであろう、引っぱり出した内臓を口からぶら下げたまま、じっと老人を見すえている。だが、生い茂るボサ藪は老人の下半身を隠すほどの丈があり、手に下げた銃も熊の位置からは見えないものと思われた。老人はそろりと左手の銃を持ち上げて、右手でしっかりと銃把を握った。そして、そっと左足を前に踏み出したとき、不覚にも右足がズルッとわずかにすべった。体が斜面にかしぎ、一瞬目線が逸れ、熊が大きく跳んだ。かしいだ体勢を立て直す間もなく、腰矯(こしだめ)にした銃がダーンという音とともに火を噴き、老人は切り株の下部へ回り込みながら腰の弾帯から二弾目の実弾を抜き出して、手早く装填した。銃身を一振りすると同時に熊を見ると、緩斜面を下へ跳んだ熊が、向きを変えるやいなやウオーッと一声大きく吼えて、今度は老人に向かって走りだした。肩付けするいとまもなく、またもや腰矯にして、走り上る熊の真正面に撃ち込み、素早く切り株の上へ回り込んで、三弾目を詰めるべく遊底を開こうとした。ところが、老人がいくら引いてみても遊底は開かなくなってしまった。羆は、と見れば、斜面に坐り込んで傷ついた胸のあたりを掻きむしっている。それを見定めた老人は、傍らに生えている少し太目のカシワの木に登った。第一の枝は、地上から約八尺(二・四メートル強)あり、大きな羆なら立ち上がって前肢を伸ばすとどうにか届く高さに付いている。老人は、その一の枝に立って幹に左足をからませ、再度銃を操作してみたが、脹れたケースは一向に抜ける様子もなく、遊底はどうやっても開いてくれなかった。そのうち、立ち上がった熊が低い唸り声を発しながら斜面を上ってきた。木の下に寄った熊は、顔を振り上げて老人を見、木の上側に回り込むや、前肢を幹に掛けて立ち上がり、真っ赤な口をあけてガウーッと一声吼え、老人を威嚇した。仕方なく老人は銃の先を羆の顔面に押し付け、「ズドン、ズドン」と大声を出して脅かしてみた。だが、熊はひるむ気配すら見せず、木を叩いたり揺すったりしていたが、しまいには老人をにらみつけて大きく吼え、その木に登り始めた。老人は思いっきり体を低くして、銃口で熊の鼻先を突いた。ウワッと短く吼え、いきなり熊が銃の先に噛みついた。老人は右手を銃床の台尻にかけ、熊の咽深くまでいきなり銃身を押し込んでやった。さすがに痛かったのであろう、熊は木から滑り落ちながら大きく頭を振った。そのとたん、危うく木から転落しそうになった老人は、思わず銃を手離し、木にしがみついた。地面に落ちた熊は、頭を振って口から銃を放り出すと、またもや木に登りだした。羆が木に登るときは、一の枝まではそれほど早くないが、一の枝に前肢をかけると、そこから上に登るのは恐ろしく早い。まして、この木のように一の枝から地面までの間隔が短い木であれば、たちまちのうちに老人の足元まで来てしまう。腰鉈を抜いた老人は、力一杯、登ってきた熊の頭にそれを叩きつけた。そしてさらに、一の枝に掛けた右前肢の指に鉈を振りおろし、指の大半を爪もろとも切り落としてしまった。指を切られた熊は、自分の体重を支えきれずに木から転落し、ガウーッ、ガウーッと叫びながら、その辺りを狂ったように走り回った。頭を割られ、指を切断され、腹部に浅い傷とはいえシカ弾を受け、急所は外れていたものの鉛の実弾を一発胸元深くに撃ち込まれていては、出血も多量となる。そのためか、もはや走ることができなくなったらしく、熊は前肢を庇うような仕種で、よろめきながら山の奥へ遠去かっていった。「大友さん、どうしたかね、朝早くから鉄砲の音がしていたけど」。この人は山本さんという人で、昨日大豆畑が荒らされていると言ってきた当人である。「うん、ゆんべここで撃ったシカを追っていったらよ、おっきな熊がシカの腹破って百尋(内臓)喰らっていたんだ。あいにく手負いにしてしまったでよ、これから追ってみるけど、あの上にあるナラの根っ株のところにシカが倒れていっから、二、三人で行って、おらのとこまで運んできてけろや。晩にはシカの肉で一杯やるべしよ」「うん、わかった。すぐ運んでバラしておくから、気をつけてや。熊も運びに行ってやるべよ。大体、どのあたりだべか」「そうだな、あのへんだと、大方シュムロ沢のカッチ(沢の詰め)だべよ。まああとから来てみてくれや」「うん、シカを始末したら行ってみっから、気をつけて行ってや」。山本さんの声を背に受けて、老人は、畑の上縁から背丈の低い笹藪の中に足を踏み入れ、カシワの樹林へ向かってゆっくりと歩を進めていった。笹の葉や地面に付着した血痕は、跡切れ跡切れながらもなお先へ続いている。少し先に小さな窪みがあり、そこにベットリと血の塊りが付いていた。熊が坐り込んだ跡だ。“近いな”。老人は足を停め、顔を上げて様子を窺った。注意深く見回す老人の目には、何ひとつ動くものの影は映らなかった。透かし見る雑木林の樹間には、なにも変わったところはなく、たまさかに小鳥の囀りさえ聞こえるほど、静けさが辺りを包んでいた。だが、老人の頭の中から、“熊は近くにいる”との直感は去らなかった。全身を耳にし、目にもして、老人はその場に立ちつくしていた。いくばくかの時が流れ、再び老人は歩き始めた、ひと足ひと足ごとに足元に目をやりながら。“熊はもう少し先だ”と、周囲の状況から老人は判断したのだ。歩き始めて五メートルあまり、右手にナラの大木が立っていて、その根元で血痕が消えた。老人はナラの根元を回ってみた。ほんの二メートルほど離れたところに、もう一本、ナラの大木が立っており、その二本の木の真ん中あたりに、やや多目の血痕があった。まだ新しいものと思われるその血痕に、老人の目がひきつけられた。あれだけ細心の注意を払いながら、老人は不覚にも前屈みになって、地面に落ちた血の跡を目で追った。それがすぐに跡切れているのを見たとき、何か異様な気配を感じた老人は、素早く傍らの大木に身を寄せた。その瞬間、後頭部に烈しい一撃を受け、前のめりにたたらを踏んだ。倒れる寸前、老人は咄嗟に体の向きを変え、仰向けになって倒れながら銃を前に突き出し、覆いかぶさってきた熊の咽元に銃口を当てるようにして引き金を引いた。ドッと胸にのしかかってきた熊の重みとズキンという胸の痛みを感じながら、老人はしだいに意識を失ってゆき、いつしか深い眠りに落ちた。家に運ばれた老人は、床についたまま、訥々とその日の出来事を語り、よばれた医者が到着したときには、もう二度と立ち上がることもできず、次の日には遂に帰らぬ人となってしまった。肋骨が折れて内臓に突き刺さり、出血が腹中に溜ったため、命を落とす羽目になったという。このように、手負いの熊がどんなに恐ろしいものであるかということは、父からも、他の猟師からも、事あるごとに何度も聞かされていたし、「確実にたおせる距離でなければ、絶対に発砲するな」と固く戒められたものだった。さらに、「もし万が一、かりにも手負いの熊を出したとしたら、自分の命を賭けてでも、それを仕留めてしまうことに全力をそそげ」とまで教えこまれた。このような教えが、少年の私をいっそう用心深くしたのか、身近に熊の気配を感ずることがずいぶんと早くなっていた。

(巨大なヒグマに襲われた…アイヌ伝説の猟師が実行した「恐るべき撃退法」とは?)
長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていた伝説の名著『羆吼ゆる山』(今野保:著)がヤマケイ文庫にて復刊。「赤毛」「銀毛」と呼ばれ恐れられた巨熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊など、戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクションです。本書から、一部を抜粋して紹介します。アイヌ伝説の猟師・沢造と銀色の毛をもつ巨熊との対決は――。沢造は、猟をするために山に入るときは、ニワトリの脂身を多めに持ってゆき、川の流れにつけて血抜きしたウサギの肉をこの脂で焼く。するとウサギの肉はニワトリの肉を焼いたようになって、いい匂いが染み込む。これを餌にすると、まず、どんなキツネも喰いついてしまう、という。それでも罠に掛からないキツネには、羆に使う口発破の小型のものを噛ませる。この口発破は、塩素酸カリウムと鶏冠石(砒素の硫化鉱物)にセトモノの細片を入れて調合するのだが、これらを混ぜ合わせるのはきわめて危険な作業となる。さて、猟場を一回りした沢造は、獲物を入れた背負い袋を背にして帰途についた。そして、一番楽しみにしていたイワナ沢の例の一本橋の近くまで戻ってきたとき、橋の上に置いた弓張り仕掛けのハネ罠に、見事な黄テンが掛かっているのを見つけた。今日はすでに、茶の毛色のテンを二匹得ていたが、これほど見事な色合いの黄テンは滅多に捕れない代物なので、沢造は思わずほくそ笑んで橋に駈け寄った。背の荷物を崖っ縁の雪の上におろし、一本橋の上にそろりと足を踏み出した。針金で首を絞められた黄テンは、すでに固くなって、仕掛けた弓の先にぶら下がっている。そこに近寄って首の針金を外し、テンを持ち上げて立ち上がったとき、不覚にも足元がぐらついてよろけてしまった。沢造は咄嗟にクルリと体の向きを変え、崖っ縁に飛んだ。すると、そこに積もっていた雪がぱっくりと割れて、大きな雪の塊りが沢造の荷物を乗せたまま崖下のイワナ沢に落下し、ドスンと音をたてた。「ありゃー、荷物まで落ちてしまった。しょうがねえなー、沢の入口から回らねばなんねえか」沢造は舌打ちしながら左手の斜面に向かった。そうして本流であるベツピリカイ川の岸辺にいったん降り、そこから右岸伝いに下ってイワナ沢に出合いから入り、右側の崖の下を歩いて、荷物の落ちている上流に向かった。高い崖の下に雪が砕け散っているところがあって、荷物はそこに雪まみれになってころがっていた。その荷物に手を伸ばしかけたとき、後ろの方で妙な物音がして、沢造の背にゾクリと寒気が走った。はっとして振り返ると、崖下の窪みから落葉と雪を蹴散らして一頭の熊が飛び出した。沢造が左手に掴んでいたテンを荷物の方へ放り投げたとき、ウォーッと一声、腹に突き刺さるような吼え声を上げて熊が立ち上がり、沢造めがけて襲いかかってきた。素速く身をかわした沢造は、右手で腰に下げた刺刀(さすが)を抜いた。そして、二度目に立ち上がった熊が両前足を振り上げて威嚇の声を上げながら今まさに飛びかかろうとする寸前、その腹にパッと抱きついた。熊の腰のあたりに両足をからませ、脇の下から両腕を回して背中の毛を手でしっかりと掴み、頭を熊の顎の下に押しつけた。熊は、なんとかして沢造を振り落とそうともがき、ウワッ、ウワッと短く吼えながら川岸の雪の上を跳ね回った。振り落とされれば命にかかわるのは目に見えている。沢造は懸命に熊の腹にしがみつきながら、右手の刃渡り三十センチ近い刺刀を熊の心臓に突き当て、突き刺し、柄まで押し込み、なおもグイグイと力にまかせて刀を抉り上げた。傷口から鮮血がドッとほとばしり、辺りの雪を真っ赤に染めた。刺刀の切っ先で心臓を突き破られた熊は、狂ったように跳ね回り、暴れだした。沢造は落されまいと手に満身の力を込めてしがみついていたが、血まみれの刺刀の柄がぬるりと滑って右手が外れた瞬間、熊が大きく横に跳び、からめていた足が外れ、さらに背中の毛を掴んでいた左手も離れ、ついにその場に振り落とされた。そしてすぐさま身を起こし、崖下の大岩と岩壁の間の狭い隙間に目をつけるやいなや、一瞬後にはそこに潜り込んでいった。ズキンと左肩に痛みが走るのを覚えながら、そっと振り返って見ると、熊は倒れては起き上がり、岩に当たっては倒れ、川に転げ落ちては岸に上がり、水の中と雪の上とを問わずのたうち回ったあげく、崖に頭を打ちつけてひっくり返り、またもや立ち上がっては流れに倒れ込むといった、手の付けられぬ暴れようで、それでもなお、沢造の姿を求めてか、そこらを無闇矢鱈に走り回っていたが、もはや目が見えなくなっているのか、まもなくよろよろと足をもつれさせ、断崖の下に頽れてしまった。沢造は身じろぎもせず、熊の断末魔の喘ぎを岩の隙間から冷たい目で眺めていた。沢造にしてみれば、自分の猟場に無断で入り込み、しかも突然襲ってくる熊などに、同情すべき点は何ひとつなかったし、どんな因果があるにせよ、こんな目に遭わされるのはまったく心外であった。やがて熊は、赤く染まった雪の上にゆっくりと仰向けになり、四肢をだらりと開いてしまった。これが、冬ざれの山をさまよった末にようやく安息の地を見出したばかりの銀毛の最期であった。

(アイヌ伝説の猟師が語る「ヒグマの最大の欠点」とは?)
熊撃ち名人と刺し違えて命を奪った手負い熊、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」―――。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクション『羆吼ゆる山』。長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていたがこのほど復刊された。本稿では同書から一部を抜粋してお届けします。熊が何かに襲いかかるときは、前足を振り上げて立ち上がる―これが熊の習性の中でも最大の欠点である、と清水沢造(編集部注:アイヌの老猟師)は言っていた。かつて狩猟を生業としていたアイヌの人々は、この天のカムイから授けられた獣を狩るのに、昔は弓矢をもってしていた。熊が立ち上がったとき、一の矢で急所を衝くことができれば、それでもどうにか倒すことはできた。しかし、羆は蝦夷地最大、最強の猛獣であり、それを殺獲する武器として弓矢はいかにも非力であったし、危険も大きかった。一の矢で急所を外したあげく羆に襲いかかられ、命を落とした人も少なくなかったといわれる。そうした状況の中で彼らが苦心の末に作りだしたものに、ブシという毒薬があった。それは、ヘビノダイハチ(ヘビノタイマツ、またはマムシグサ)に含まれている毒素と、ブシ(トリカブト)に含まれている毒素とを煮詰めて抽出した毒薬であったが、製法が人によって異なり、それゆえ、毒の回りに早い遅いがあったという。抽出を終えた段階で、もう一つやらねばならぬ作業があった。それは毒の強弱、つまり効き目を試すことである。ドロリと煮詰まった液体を、ほんの耳かき一杯分ほど自らの舌の上に乗せ、じっと正座するのである。やがて、額に汗が噴き出し、顔面は蒼白となり、全身が小刻みに震えだす。この時点でマキリ(小刀)の刃を用いてその薬をこそぎ落とし、口をすすいでしまう。このように自分の体に現れる徴候をもって、毒の効き目ははっきりと確かめられるのである。この液体を、十勝石(黒曜石)で作った矢尻に塗って、熊の体に射込むのだが、これまた当たりどころにより、毒の回りに早い遅いがあった。しかしブシを用いるようになってからは、獲物は確実に倒せたし、危険の度合いも低下した。こうして、この毒薬を用いてのアマッポ猟はたちまちのうちに広まり、全道的に行なわれるようになったという。ところが、明治の初め頃から猟銃が持ち込まれるようになって、アイヌの人々の中にも銃を使う者が増えてきた。彼らは、狩猟者としてそれを必要とするがゆえに、猟銃の取扱いにはきわめて精通し、大正から昭和にかけての沢造たちの時代になると、操作法に心を砕いて、一瞬でも早く正確に射撃できるよう、各々が鍛練をしたものであった。なかでも「腰矯(こしだめ)」という、銃を腰のあたりに当てて発砲する技法に惹かれた沢造は、1年あまりの時間をかけて、あらゆる角度からの練習を重ね、ついにそれを己れのものとして完成させた。沢造にはまた、熊の習性を知悉(ちしつ)する者だけが使える、得意の手があった。それは、走り寄ってくる熊に対して大声を発し、その熊を立ち上がらせる、というものである。立ち上がって襲いかかろうとする寸前に腰矯にした銃を発砲すれば、弾丸が熊に致命的な打撃を与える確度は増す。「襲いかかってきた熊の前に立ち塞がって大声を張り上げれば、たいていの熊は立ち上がるものだ」と沢造は平然として語っていたが、それを聞いたとき私は、ある種の畏怖を覚えた。その言葉に私がおののいたのは、そのような技に恐れを抱いたからというよりも、猟を生業とする者の凄みを感じとったからに違いない。

(きのこ採りで戦慄、「熊の巣穴」を見に行った男たちの末路)
「赤毛」「銀毛」と呼ばれ恐れられた巨熊、熊撃ち名人と刺し違えて命を奪った手負い熊、アイヌ伝説の老猟師と心通わせた「金毛」、夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊―――。戦前の日高山脈で実際にあった人間と熊の命がけの闘いを描いた傑作ノンフィクション『羆吼ゆる山』。長きにわたって絶版、入手困難な状況が続いていたがこのほど復刊された。本稿では同書から一部を抜粋してお届けします。「ここを登れば、すぐ上に椎茸の出ていた木があるんだ。この辺りでは、ここよりほかに登れるところはないからな」。そう言って、六馬(編集部注:1歳上の友人)が先に立ってその絶壁を登り始めた。やや離れて、三郎(編集部注:同じ歳の友人)と私が続いた。岩の突起を探り、オーバーハング気味に上部が迫り出した壁のテラスを横に渡り、さらに岩の割れ目を伝って上へ這い上がっていった。こうして20メートルあまりの岩壁を登りきった3人は、小笹の生えた広い緩斜面の外れに出た。そこから見上げるなだらかな斜面は、山の上へ延びて雑木の大木が立ち並ぶ山襞の岐れに至るが、その半ばからは黒々としたトドマツの林に被われており、山嶺の雪の白さと対照をなしてそれが鮮やかに浮き上がって見える。一帯は、人の手の入らない、不伐とも言うべき原生林であった。先を歩いていた六馬が、急に振り返って言った。「ほら、ここへ来てみれ。これが去年取り残していった椎茸だよ」。六馬が指さす方を見ると、誰かが盗伐でもしたのか、ナラの木の太い部分だけを切りとった寝木があった。木の肌一面に出た椎茸が腐らぬままに凍りついていて、指で叩くとカンカンと音がした。「この椎茸を見つけて採り始めたとき、ほら、あそこに大きなナラの根剥(むく)れがあるだろう、あの木の根元のところで、でっかい熊が穴を掘っていたんだ。びっくりしたな。ここに伏せていて、熊が穴に入ったのを見て、この茸を採らずに逃げて帰ったんだ」。と言って六馬は、そこから30メートルほど離れたところに横たわっている、遠目にもナラの大木と判別される風倒木を指さした。「そうか、あそこが熊の穴か。よし、分かった。中に入っているかどうか、ちょっと様子を見てくるか」。私は何気なく、向こうに見えている根剥れに近づいていった。この辺りの山のように地山が岩石で形成されていて地表の浅いところでは、樹木や笹は土中深くに根を伸ばすことができず、表層にのみ根を張るものが多い。そんな木は台風などで根こそぎ倒されてしまうことがあって、それを根剥れと呼び、強風で折られた木を含めて風倒木と呼んでいる。六馬の指さしたその剥れの側に来て、よく見ると、倒れたナラの大木は根元近くで二股に分かれていて、どちらの幹も同じくらいの太さであった。そして根元の剥れたところは、土が小山のように盛り上がっていた。その土の山は熊が穴を掘ったときにできたもので、穴はその土の山の向こう側にあるようだ。私はいったん斜面の下に回り込み、倒れた幹の傍らから穴へ近づいていった。盛り上がった土の壁まであと1メートルほどに接近したとき、目の前を横切る一本のゾミの木に突き当たり、行く手を遮られた。その木は、だいぶ前に誰かが鉈のような刃物で幹に切り込みを入れて横に折り曲げたもので、それから相当永い年月が経っているらしく、切り込みの入った折り口のところは、生木が盛り上がって丸味をおびている。折られて水平になった幹からは若い小枝が上へ隙間なく生え、それが私の前進を阻んだのだ。仕方なく、私は斜面に膝をつき、その下を這って潜り抜けた。眼前に、熊が掘り出したものと見られる土の壁があった。立ち上がって、その壁の向こうに目をやった。穴の入口に細いアオダモの木が生えており、その木肌に、熊が穴を掘った際なすりつけたものと思われる赤土が、乾いた状態で付着している。穴の縁には、ほんの2、3センチほど雪が積もっていて、その上にエゾリスの足跡と、きょう私の跡を追ってきた獣猟犬のノンコがたった今通りすぎていった足跡とが付いている。右手でそのアオダモを握り、左の掌をそうっと雪の上に置き、そのままの姿勢で左手に力を入れ、一段上に足場を移して伸び上がって熊の穴を覗き込んだ。それは、今まで想像してみたこともない、見事なまでに美しい造作であった。直径80センチ以上の大きな穴の内側に、笹の葉がびっしりと、しかもまったく同じ厚みで貼りつけてあるのだ。真ん中の洞になった部分は、直径30センチほどの正円形になっている。さっき、この穴に近寄ったとき、広範囲にわたって付近の小笹の葉が摘みとられているのを目にし、“どうして、こんなに”と訝しく思ったが、きっとシカの群れによる採餌の痕であろうと、自分なりにその疑問にけりをつけていた。それが、穴を覗いたとたん、熊の仕業と分かって、私は驚き、目をみはった。それにしても、野生の猛獣である羆に、こんな繊細な仕事が本当にできるものなのだろうか。そう疑いたくなるほどに、それは素晴らしい出来栄えであった。あまりの見事さに眼を奪われて、穴の中にいるかも知れない熊のことなど、私はほとんど忘れてしまっていた。剥れ上がった根っ子の上にいた三郎と穴の左側に立っていた六馬の方を交互に見て、声に出して言った。「おい、2人ともちょっと来てみれよ。ずいぶん綺麗にしてあるもんだぞ」「本当か」。と言って六馬が私の横へ歩きかけたとき、さわーっと何かが動いたような気配を感じ、思わず熊の穴に顔を戻した―一瞬、体が硬直し、息が止まった。眼前わずか30センチほどのところに、らんらんと光る目と開いた真っ赤な口、白い牙があった。ウオーッと一声吼えて、その牙が目に突き刺さるように迫り、なま温かい息が顔をなぜた。三郎がパッと根っ子の上から飛び降り、六馬が弾けるように走りだし、咄嗟に穴から身を引いた私はクルリと後ろを向き、逃げようとした体が前へ進まなくなった。“あっ、やられる”穴から飛び出た熊に背後から掴まれたと思うと同時に、体を前へ投げ、思いっきり斜面に跳んだ。宙に浮いて一回転した体は足から先に斜面に着き、そのまま駈けだしていた。しかし、惰性のついた足は下りの斜面で勢いを増し、思いあまって目の前に見えた一本の細い立ち木に飛びついた。なんと、それは枯木であった。私は枯木を抱いたまま、もんどりうって転がった。したたかに斜面に叩きつけられ、やっとの思いで立ち上がった私は、体のどこにも痛みを感じていないことを知り、ほっとして後ろを振り返った。熊の穴の縁にノンコがいるのが見えた。ノンコは空の臭いを嗅ぐようなしぐさで高鼻を使っている。だが、その様子からして、まだ穴の中にいる熊には気づいていないようだ。おそらく、ノンコは熊の吼える声を聞いて走ってきて、その辺りの臭いが一番強いと感じ、穴の縁に立って熊の居場所を突き止めようとしているのだろう。そして熊は、大嫌いな犬が来て穴の前に立ちふさがってしまったため、私を追って飛び出すこともできず、穴の奥深くに身を潜ませたものと見える。ノンコが穴の中に目をつけて熊に戦いを挑むようなことになると、始末が悪い。私はただちにノンコを呼んだ。熊の吼えた声を耳にして気が立っていたのであろう、ノンコは一目散に走ってきた。再び集まった3人は、互いの無事を確かめ合うと、一緒になって急斜面を辷り降り、支流の沢を下って約4キロの道程を走り通し、ようやく私の家に辿りついた。後で判ったことだが、熊に吼えられて私が穴の縁から逃がれようとしたとき、ぐっと体が止まり、“後ろから熊に掴まれた”と思ったのは、穴へ近寄ろうとして這って潜り抜けたあのゾミの木に、下腹が引っかかって前へ進めなくなったためであった。だが、あのときは本当に熊に掴まれたように感じられ、背中から首筋のあたりがぞくっとしたのであった。

(世界的にも珍しい「クマが生息する首都」:東京)
東北地方を中心としてクマ出没や被害が頻発しているが、登山者にも人気の奥多摩などのエリアがある東京都は、世界的にも珍しい「クマが生息している首都」として知られている。そこで今回、東京都におけるクマ出没の最新状況を探ってみた。近年、クマが人を襲う事故が北日本を中心に多発している。今年の11月30日には、秋田市のスーパーでクマが男性従業員を襲い、そのまま3日間立てこもったニュースを覚えている人も多いだろう。環境省の発表によると、2023年度のクマによる人身被害の件数は198件、被害者数は219人、そのうち6人が死亡しており、これは2006年度の統計開始以降で過去最悪の数字だ(2024年11月6日時点、ヒグマによる被害も含む)。被害増加の原因について、環境省ではクマの主食であるブナ、ミズナラなどの堅果(ドングリ)が凶作となり、エサを求めて人里に出没したのではないかと分析。2024年4月からクマ類(ヒグマおよびツキノワグマ)を、捕獲や調査などの費用を国が支援する「指定管理鳥獣」に指定した。また、今年度の上半期(4~9月)のクマ出没情報は、全国で1万5788件(前年より2397件増加)に上り、統計が残る2016年度以降で過去最多だった。北日本を中心にクマ被害が増える中、東京都の被害状況はどうなっているのだろうか?東京都は、登山者にも人気のエリアである多摩西部地域(奥多摩町、檜原村、あきる野市、青梅市、八王子市、日の出町)にツキノワグマが生息している。そこで、東京都環境局、奥多摩町、檜原村、あきる野市の4都市町村にクマ被害について電話で話を聞いてみた。「東京都に関して言うと、過去5年間の人身被害は、2019年度と2022年度に各2件あったのみです。目撃情報は増えていますが、イノシシやシカを誤認した可能性もあるので、確実にクマが増えているかはわかりません」(東京都環境局多摩環境事務所自然環境課長・田中さん)ここで気をつけたいのが、「目撃情報数」と「クマの生息数」は必ずしも一致しないことだ。特に人が多いエリアでは、同じ個体が複数回、目撃されることもある。また、クマの活動範囲と人間の活動範囲が重なることで、生息数は増えていなくても目撃情報が増加するケースもある。「春から夏にかけては、山中でクマを見かけたという登山者からの情報が多いです。ただその時期は、山に登る登山者が増えるからだと思われます」(檜原村産業環境課農林産業係長・森田さん)。東京都が2017年度から2020年度にかけて実施した調査によると、都内のツキノワグマ生息数は160頭前後と推定される。その調査をもとに都が定めた「第13次東京都鳥獣保護管理事業計画」では、「生息数確保の観点から狩猟禁止を継続し、有害捕獲のみを行う」としている。これらを踏まえると、東京都のクマ被害は、目撃情報こそ増えているが、深刻化しているわけではないようにも思える。東京都内ではクマによる被害は今のところ少ないものの、リスクはゼロではない。あきる野市環境農林部環境政策課長の山本さんが、次のように言う。「多摩地域は西に山地が広がっており、クマの生息区域にあたります。登山者の方は、自分がそのエリアに足を踏み入れていることを自覚し、しっかりとしたクマ対策をしていただきたいです」。東京都のクマは目撃情報から、12月のクリスマス前後に冬眠に入り、3月末から4月上旬に目覚めると推定される。さらに季節ごとに活動エリアに一定の傾向が見られるという。「春先はエサが少ないためか、山麓や市街地での目撃情報が多くなります。一方、秋になってドングリが実をつけると、山の上での目撃が増加しています。ほかにもカキやクルミ、クリの木があるエリアにも出没する傾向がありますね」(奥多摩町観光産業課農林水産係長・小峰さん)。クマ対策としてはまず大切なのは、クマに遭遇しないようにすることだ。そのためには、以下の3点に気をつけて入山したい。クマ鈴など、音を鳴らしながら歩く。クマが出没しやすい早朝、夕暮れの時間帯は特に注意する見通しの悪い場所や沢の音が響く場所は、遭遇リスクが高いので警戒する。いくら対策をしていても、クマと遭遇するリスクをゼロにすることはできない。そこで、もしクマに出遭ったときの対処法も、知っておこう。最も避けるべきなのは、クマに背を向けて走って逃げ出すこと。クマは逃げるものを追いかける習性があり、その速さは時速40kmにも達するため、逃げ切るのはほぼ不可能だ。背中を見せずにゆっくりと後ずさりし、静かにその場を離れるのが基本である。もしクマに遭遇してしまったら、クマに背を向けない。落ち着いてゆっくり後ずさりし、その場を離れる。クマが襲ってきた場合は、撃退スプレーを使用する。東京都内の多摩西部地域の市町村ではクマによる人身被害を防ぐため、放置果樹や人里と山の間にあるヤブの刈払いなどの取り組みを進めている。また東京都環境局は人身被害防止策の一環として、今年2月に「TOKYOくまっぷ」を公開した。これは、都内のツキノワグマの①目撃、②痕跡、③撮影、④捕獲情報を地図上にわかりやすく表示したものだ。「TOKYOくまっぷ」では、目撃情報を赤(1カ月以内)、黄(3カ月以内)、青(3カ月以前)の3色で示しているので、情報の鮮度を一目で確認できる。また、情報の信頼度も(高・中・低)の3段階で表示されるため、直感的にリスクを把握できる。もし、自分の行きたい山域に高確度・赤の目撃情報があれば、特に注意が必要だ。そしてもし都内でツキノワグマを見かけたら、その地域の市町村やビジターセンター、東京都環境局多摩環境事務所自然環境課(TEL:042-521-2948)に情報を寄せると「TOKYOくまっぷ」に反映される。なお、人家周辺などで目撃したり、クマに襲われた場合などの緊急時は警察に連絡すること。東京都環境局多摩環境事務所自然環境課ではチラシやポスターを作成しており、ダウンロード可能だ。そしてもうひとつ、3市町村の担当者が登山者にお願いしたいこととして口をそろえて話してくれたのが、「食べ物やゴミを放置しないこと」である。クマが人間の食べ物の味を覚えると、人に近づくようになり危険が増す。行動食や昼ごはんなどで出たゴミは当然持ち帰る。またテント泊のときなども、食べた後の食器や缶詰、ビールの空き缶などをテントの外に置かないよう注意しよう。狭いテントの中では生ゴミを外に置きたくなるが、それがクマを誘引する原因になってしまう。あらためてだが、東京都のクマ被害は、被害は深刻化しているとは言いがたいものの、リスクはある。安全に登山を楽しむためには、「TOKYOくまっぷ」で最新の目撃情報を確認したり、しっかりとした対策を取ることが重要だ。それと同時に、登山者ひとりひとりがルールを守り、「餌付けをしない、食べ物を放置しない」といったクマと適切な距離を保つ意識を持つことも忘れてはいけない。

(倉庫に入り込んだクマ、箱わなで捕獲:秋田)
26日、秋田市の国道沿いにある自動車整備工場にクマが入り込み中にとどまった。クマは27日朝までに倉庫内に設置した箱わなで捕獲され、昼頃運び出された。道路を歩く黒い影…クマです。26日午前5時15分ごろ、秋田市大住3丁目で撮影された。同じ時間付近の防犯カメラもクマの姿を捉えていた。26日朝、カメラがクマを捉えた場所から約800メートルの国道13号線沿いにある自動車整備工場の倉庫内にクマが入り込み、倉庫のシャッターを閉めて市が箱わなを設置した。市によると、26日午後7時ごろ、センサーカメラがわなに入ったクマの姿を映し出した。一夜明け、市や猟友会が目視でクマ1頭を捕獲したことを確認し、午前11時50分ごろ危険がない状態で運び出した。捕獲されたクマは体長1.2メートル・体重77キロの雌で8歳の成獣と推定される。現場は住宅のほか学校や飲食店などが立ち並ぶ地域で、26日朝以降周辺でクマの目撃情報はない。

(中心市街地にイノシシが出没:山口)
山口市の中心部にイノシシが現れ、警察が追跡するなど一時騒然となりました。防犯カメラには道路をイノシシが駆け抜け、その後警察官が追いかけていく様子が映っていました。警察によりますと27日正午過ぎ、山口市で通行人から「中心商店街にイノシシの成獣がいます。」と110番通報がありました。イノシシは通報のあった場所から約1km離れた中学校や高校の近くに移動しました。パトカー3台などが出動して捜索に当たりましたが、県庁の近くの山に逃げて行き、午後2時ごろに捜索を打ち切りました。けが人はいないということです。

(体長1.3m・体重40kg『土佐犬』現在も逃走中:青森)
青森県東北町大浦地区の住宅で飼われていた土佐犬が26日から逃げ出し、町などが捜索していますが、まだ見つかっていません。土佐犬は26日午前7時頃に東北町大浦地区の住宅から逃げ出し、27日も朝から町や警察、それに動物愛護センターの職員などが捜索しています。土佐犬は体長1.3m、体重40kgほどのオス、赤茶色の毛並みで黒色の首輪をしています。26日午前7時半頃には、土佐犬は大浦地区の住宅で体重が約17kgある中型犬の首を噛んだということです。町は見つけた場合は近寄らず、連絡するよう呼びかけています。

(シカと衝突の影響でダイヤに乱れ:福岡)
JR九州によると、31日午前9時27分ごろ、原田線原田駅で上り普通列車(原田午前9時27分発桂川行き)がシカと衝突した影響で車両に不具合が発生した。この影響で同9時50分現在、同線に遅れが出ている。

(年末年始も相次ぐ“目撃”、眠らず彷徨う“クマ”:秋田)
秋田県内でクマの目撃が相次いでいます。秋田市では31日午前7時30分ごろ、茨島地内の河川敷内を歩く体長およそ1メートルのクマが目撃されました。散歩をしていた男性が目撃したもので、一番近い民家まではおよそ80メートルの場所でした。同じ31日には、大仙市協和で、自宅の窓から外を見た男性が、近くの道路上に座っている体長およそ1メートルのクマを目撃。五城目町では、町道を横切る体長およそ1.5メートルのクマが目撃されています。また、1日午前6時50分ごろ、由利本荘市岩野目沢地内で、体長およそ1メートルのクマが目撃されました。近くを走行していた車の運転手が、畑の中にいたクマに気付いたものです。各地の警察では付近の住民に注意を呼び掛けています。

(大阪万博でジビエ発信:長野)
ジビエの普及拡大を目指す日本ジビエ振興協会(本部・長野県茅野市北山、藤木徳彦代表理事)は、来年4月に大阪・夢洲で開幕する大阪・関西万博のテーマウィークで6月5~16日の12日間、食と暮らしの未来について考える展示の一部を担う。農村の現状やジビエ利用に加え、野生鳥獣肉の衛生管理と品質に関する農水省の認証制度などを紹介し、食の安心安全の在り方を発信する方針だ。協会によると、出展内容の詳細は現在検討中だが、ジビエの魅力と鳥獣被害対策について理解促進を図る動画や展示を行う予定。信州ジビエや鹿肉を食してきた諏訪地域の歴史も盛り込みたい考えだ。期間中はEXPOメッセで同テーマの展示面積約2000平方メートルのうち、43平方メートルほどがジビエコーナーになる。テーマウィークは前回のドバイ万博から始まったプログラムで、地球的課題をテーマに公式参加者、国や自治体、出展企業などが集まる。協会が出展する12日間は「食と暮らしの未来」をテーマにフードロス、食育、食文化、スマート農林水産業、サステナブルファッションなどの分野で展示や対話イベントが行われる。農水省は2018年に安全安心なジビエの流通促進を図るため、国産ジビエ認証制度を制定した。厚労省の衛生管理に関する指針の順守、製品に関する捕獲から出荷までの一連の工程の履歴が確認できる体制などが認証取得のポイント。協会は国産ジビエ認証制度の認証機関に登録されている。万博では認証を取得した食肉処理施設で解体された野生鳥獣を使った商品などの試食も検討されている。ジビエ料理は欧州で古くから高貴な料理として人びとに認識されてきた歴史があるが、藤木代表理事(53)によると、日本のジビエの衛生管理、品質管理の体制は世界的にも高い水準にあるという。出展について「野生鳥獣肉を食肉として流通させる体制が整っていなかった時代から約20年を経て日本のジビエが和牛や日本酒などと同等に扱われ、市民権を得るまでになった。鳥獣被害対策は世界的な課題でもある。衛生的に処理されたジビエがおいしく消費される日本の取り組みを広く伝える機会にしたい」と意気込んでいる。

(エゾシカ捕獲数過去最多、積極活用呼び掛け:北海道)
道はこのほど、昨年度の全道のエゾシカ捕獲数(確定値)が過去最多の15万6863頭(前年度比8・2%増)だったと発表した。南部(渡島、桧山、後志管内)も同18・9%増の7742頭と過去最多となった。エゾシカの増加により交通事故や農林業被害といったトラブル(あつれき)も増加する中、道は今年度のエゾシカ捕獲推進プランでメスの捕獲割合を高め、個体数の効果的な削減を目指している。振興局別では渡島が3387頭で全道14振興局中12位、桧山は771頭で同14位と全道的にみれば少ないが、他地域と同様に増加傾向にある。全道のエゾシカの推定生息数は、2018年度の約65万頭から22年度の72万頭に増加。10年から14年までの「緊急対策期間」に捕獲に重点的に取り組んだことにより11年度の77万頭をピークに減少していたが、再度増加に転じている。また、エゾシカによる農林業被害額も18年度の約38億5800万円から、22年度には48億6600万円に拡大。22年度にはエゾシカの関連する交通事故も4480件、列車支障発生件数は4278件といずれも過去最多となっている。道は、人とエゾシカのあつれきが深刻化しているとして今年1月から26年までの3年間を「エゾシカ緊急対策期間」に設定。特に、毎年子ジカを出産する雌ジカの捕獲が重要として、道は今年度のエゾシカ捕獲推進プランにメスジカを捕獲しやすい2~3月の許可捕獲の促進を盛り込み、個体数の削減を目指している。道野生動物対策課は「食肉利用、ペットフードや皮革製品、角など捕獲個体の有効活用を」と呼び掛ける。

(鹿肉や猪肉などのジビエや、旨みを蓄えた冬野菜を存分に味わえる「山の懐石」冬限定メニュー:長野)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。その始まりの地である長野県・軽井沢の「星のや軽井沢」のメインダイニング「日本料理 嘉助」では、2025年1月1日より「山の懐石」冬限定メニューの提供を開始します。「山の懐石」は、山川の素材を味わう休息のための料理です。冬限定メニューでは、鹿肉や猪肉などのジビエや、甘みや旨みを蓄えた冬野菜などの信州の恵みを日本料理と掛け合わせた仕立てで堪能できます。肩ひじ張らず、寛ぎながら楽しめる、休息のための懐石料理です。「谷の集落に滞在する」をコンセプトとする星のや軽井沢のメインダイニング「日本料理 嘉助」では、旬の食材を使った、自然の趣のある日本料理「山の懐石」を提供します。信州の滋味といえば、山菜や高原野菜、きのこ、ジビエ、川魚などが挙げられます。日本料理 嘉助では、土地の食材が持つ可能性を最大限に引き出したいという思いから、素材本来の旨味が引き立つ調理法を駆使し、皿の上で軽井沢の季節のうつろいを表現します。山の素材が時に主役となり、時に脇役となり、食材や調味料の『組み合わせの妙』が織りなす調和を大切にしています。

(ハンターが料理人!:鳥取)
2024年7月17日、鳥取県西伯郡大山町、大山環状道路沿いにオープンしたお店「美食倶楽部 Gibier人 櫻川」。米子市内で営業されていた日本料理のお店が、和食やジビエ料理のお店として移転オープンしました。狩猟ハンターでもある店主の寺川さんが調理する、ジビエ料理を堪能できるお店です。

(鹿肉事業、新会社:広島)
広島県安芸高田市産の鹿肉をブランド化して全国の飲食店に卸す食の情報メディアiD(東京)は、鹿肉の関連事業を担う新会社「cica」を設立した。本社は同市向原町に置く。個体数が増え課題となる中、鹿肉の新商品開発や子ども向けの食育、里山環境を考える探究学習のプログラムを推進。企業と連携し新たな価値創造を目指す。

(シカ肉ソーセージ、高校生がふるさと納税返礼品開発:北海道)
標茶町のふるさと納税返礼品に、標茶高校(小森章史校長)の食品ゼミ鹿班が製造したエゾシカ肉のウインナーソーセージ、創生ゼミが商品化をプロデュースした生徒栽培のジャガイモがそれぞれ加わった。

(ジビエガイドを改訂、44店舗掲載:岡山)
岡山県はシカやイノシシなどの狩猟肉(ジビエ)の消費拡大を図ろうと、県内でジビエを使った料理を提供する飲食店や精肉取扱店、レシピを紹介するPR冊子「おかやまジビエガイド」を改訂した。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、29日午後3時20分ごろ、利府町春日岩沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後6時30分ごろ、仙台市泉区朝日1丁目にクマが出没しました。

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