<射撃ニュース1月>
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(4月までクマ出没注意報を発令、目撃相次ぐ:福島)
福島県の「ツキノワグマ目撃件数」は、2025年10月・11月にピークとなり、2026年1月は14日までに12件。冬眠の時期に入っても活動を続けるクマに注意が必要だ。福島県会津美里町。あたりが雪に白く覆われてもクマが目撃されている。住民は「うちは子どもがいるので困る。子どもだけで外に出た時は心配なので、遭わないこと祈るしかない」と、不安を口にする。1月14日午後0時半ごろ、道路を横切る体長約5cmのクマが目撃された。クマの目撃は、1月13日に喜多方市熱塩加納町でも。男性は「何か足跡があるというので辿ってきたら、小屋の中に黒い塊があった」と語る。小屋の中にいたのが、ワラの上で眠るクマ。通報を受けた喜多方市などは小屋の出口に箱ワナを設置し、発見から約4時間後に駆除した。体長は115cmで3歳ほどのメスの成獣とみられている。発見した男性は「今までもこの辺はクマがいたけど、実際に目の前にすると気分的に気持ち悪くなった。雪がこんなに降ってからクマが動いているなんて初めて」と語る。専門家は今後、母グマを駆除され冬眠の仕方が分からない若いグマが、小屋や空き家などの軒下で寝ているケースが出てくるかもしれないと指摘する。月15日に福島県は、県内全域にクマ出没注意報を4月15日まで発令すると発表。春先まで注意報を出すのは初めてとなる。そして、福島県の担当者が注意を呼びかけるのが「穴持たず」の存在。福島県生活環境部の加藤竜さんは「猟師言葉で、穴を持たないクマということで、冬眠しないクマというのが穴持たずと呼ばれます」と説明する。栄養が不足し冬眠に必要な脂肪を蓄えられなかったり、寝床を見つけられなかったりすることで、冬の間も活動を続けるクマを指す「穴持たず」。目撃件数から、この冬は例年よりも「穴持たず」が多い状況にあるとみられている。福島県生活環境部の加藤さんは「空家や倉庫を定期的に見回りして、早期に発見するということが重要。痕跡があった場合は、市町村や警察に通報して、地域住民にも情報を共有していただきたい」と話した。福島県は、今後もクマの目撃が多い場所でドローンを使った監視など対策を強化するとしている。

(クマ大量出没を受け、電気柵やフェンス設置に補助金支給:岩手)
相次ぐクマの大量出没を受け、県は、新たに宿泊施設が電気柵やフェンスを設置した際に補助金を支給する事業を始めます。課題となっているインバウンド誘客の拡大に向け、露天風呂付きの客室整備費なども支援することにしていて、来週から事業者を募集します。国のまとめによりますと、県内で宿泊した人の数はおととし1年間で延べ約315万人で、このうち外国人客は12万人足らずでした。前の年から増えてはいるものの、いずれも東北6県で最も少なくなっています。また、去年はクマの大量出没で、秋以降予約のキャンセルが相次ぎ、物価高騰も含めて宿泊業を取り巻く環境が厳しさを増しています。このため、県は、利用者が安心して滞在できる環境を整備するため、今年度新たに、電気柵やフェンス、監視カメラなどの設置を行った宿泊施設を支援することにしました。上限は100万円で、かかった費用の半分までを補助します。また、インバウンド誘客の拡大に向け、露天風呂付きの客室整備を行った場合は1,500万円が上限となっています。補助金の申し込みは来週月曜日から今月30日金曜日までです。県は「クマの大量出没で打撃を受けた誘客の回復につながれば」と話しています。

(野生イノシシの「豚熱」感染受け「防疫対策本部会議」開催:長崎)
今月6日に長崎県諫早市で捕獲された野生のイノシシ1頭が豚熱に感染していたことを受けて、長崎県は「防疫対策本部会議」を開きました。15日午後に長崎県庁で開かれた会議には、知事のほか農林部をはじめ関係する各部局長などが出席しました。長崎県農林部・渋谷隆秀部長「今後も養豚農場における発生を阻止するため関係団体等と密に連携し的確な対策を確実に実施してまいります」長崎県は今月6日に諫早市大場町で捕獲された野生のイノシシ1頭から「豚熱」が確認されたことを14日に発表。長崎県内における野生イノシシの「豚熱」感染は去年2月以降、松浦市内でのみ23頭が確認されていて、諫早市での発生はこれが初めてです。これを受けて長崎県は防疫対策についての情報を共有する必要があるとして、これまでに実施しているワクチンの接種状況や消毒などについて会議で確認しました。長崎県農林部畜産課・森修蔵課長「原因はわかりませんけれども、諫早に広がったということは非常にショックを受けております」「地元をよくご存知の猟友会の方とかにもお話を聞きながら効率的に(野生イノシシの)経口ワクチンの散布をできればと思っております」。長崎県は、市場を通して流通する豚肉には病気の影響はないことを県民に伝えるとともに、「豚熱」の感染を広げないため山に入った靴は靴底の汚れを現地で落とすことなどを呼びかけています。

(シカ食害対策などを共有、森林保全へ研究発表会:高知)
四国森林管理局の「四国森林・林業研究発表会」が14日、高知市の同局で開かれた。各森林管理署や高知大学などの12団体が登壇し、森林保全などの取り組みを報告した。

(ベテランハンター、クマの実態解説:山形)
山形県鶴岡市で、身近に迫るクマの実態についてベテランハンターの話を聞く勉強会があった。出羽三山の主峰の月山のふもとで暮らす、県猟友会鶴岡支部副支部長の秋元和夫さん(74)が講師を務め、「利口で学習能力が高い」と指摘した。地元の特産である庄内柿の中には、木の上の実に袋をかぶせることで渋を抜く特殊な技術が施されているものがあり、「クマは袋で覆われて甘くなった柿を食べて味を占めると、他の渋柿には目もくれなくなる」などと解説した。鶴岡市は2025年、クマの目撃件数が県内市町村で最多の405件(暫定値、県調べ)に上った。勉強会は12日、市民グループ「地域の足検討委員会」が主催し、約30人が集まった。

(深刻化するクマ被害、グリーンシーズンに向けクマ対策を学ぶ研修会:新潟)
去年、クマの出没が過去最多を記録し、人的被害も深刻化する中、新潟県長岡市では1月14日、農業体験などで子どもたちを受け入れる団体などを対象にクマへの対応方法を学ぶ研修会が開かれました。県内では去年12月末までに3454件と、昨年度の4倍以上の出没情報が寄せられているクマ。人的被害は17人に及んでいます。こうした中、14日、県が開いたのはクマ出没への備えと対応を学ぶ研修会。対象となったのは農泊や農業体験で子どもたちを受け入れている団体や市町村の担当者など約90人です。【新潟県地域農政推進課 藤田一 課長】「クマの関連ニュースが非常に多くて、受け入れ地域、送り出す親御さんからも心配の声を聞いているところ」。研修会は子どもたちを受け入れる際の安全確保につなげてもらうのが狙いです。14日はクマの生態や被害対策に詳しい専門家が講演し、クマの生態や性質を知ることが遭遇回避につながると指導しました。【クマに詳しい専門家 梅村佳寛さん】「生ゴミや残飯に餌付いたクマはすごく厄介で行動がエスカレートしてどんどん執着していく。(道路に)クマふんがあったりもするが、こういう痕跡を見かけたら近づかない」。また、専門家はクマとの遭遇を防ぐためにも鈴などを携帯し、自分の場所を知らせることが重要だと話しました。県は現在“クマ出没特別警報”を発表していますが、これからのグリーンシーズンに向けて各団体にクマに対する適切な対応、対策を徹底してほしいと呼びかけています。

(冬眠の仕方を知らない子グマ、人とクマの生活圏の近さが課題:山形)
2026年に入っても目撃されているクマ。雪が降ってもなお続くクマの出没について、専門家に話を聞いた。県内のクマの目撃件数は、2025年10月が841件、11月が557件、12月が97件と、最も多かった2025年10月から大幅に減っているのがわかる。しかし年が明けた2026年、1月11日時点で9件目撃されている。クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんに、雪が降るこの時期にもなぜクマが目撃されているのか聞いてみると...。(森林総合研究所・大西尚樹さん)「冬の間一度も冬眠しないクマは日本にはいない。いま目撃されるクマは、冬眠が遅れているクマか、1回冬眠して穴から出てきてちょっと動いている可能性もある。正直どちらかはわからない」。大西さんによると、ほとんどのクマが11月に冬眠を始めるが、いい餌場を見つけて12月も冬眠せず"年越し"したクマもいた可能性がある。またクマは「周囲の音が気になって穴から出てくる」など、冬眠中でも行動する場合があるという。2025年、異常なほどに目撃数が増え、私たちの生活圏の近くに出没するようになったクマ。「冬眠する場所も近くなっていると考えていい」と大西さんは話す。(森林総合研究所・大西尚樹さん)「私たちの生活圏のすぐ近くで冬眠をしているということは、そこから出てきた時も目撃されやすかったり、ちょっと動いた時に市街地に入ってくる可能性がある」。また大西さんによると、クマは本来1年半ほど親子で過ごし、季節ごとの暮らし方を母グマから教わるそうだが...。

(シカと衝突、エアポートなど13本運休:北海道)
14日午後6時15分ごろ、小樽市のJR函館線銭函―朝里駅間で、新千歳空港発小樽行きの快速エアポート(6両編成)がシカと衝突し、緊急停止した。乗客乗員にけがはなかった。

(特急がシカと衝突、2時間半の遅れ:北海道)
14日午後5時20分ごろ、浦幌町内のJR根室線厚内-浦幌間で、釧路発札幌行き特急おおぞら10号(5両編成)がシカと衝突し、停車した。

(製缶大手+辻口調が「ジビエ缶詰」)
野生鳥獣による農作物被害は日本における重要課題の1つだ。農林水産省のデータによると、野生鳥獣による令和6年度の全国の農作物被害は実に188億円で対前年度24.0 億円増、被害面積は4万4千ヘクタールと同4千ヘクタール増、被害量も73万トンで同22万トン増。とくに、昨今ではクマによる人的被害なども増加していることは周知の事実だ。こうした被害の増加を背景に、野生鳥獣の捕獲量も年々増加傾向にある。被害防止のための補助金、自動捕獲装置などによる「スマート捕獲」普及事業、自治体主導の対策強化や「鳥獣被害対策優良活動表彰」など、公的な対応、そして報道によって注目が高まっていることも要因だ。一方で捕獲後は未だに9割程度が廃棄処分されているといい、その利活用は大きな課題といってよいだろう。そんな中、東洋製罐グループホールディングスが、辻口調理師専門学校と約3年間にわたり、意外な課題解決手法を使った研究開発に取り組んでいた。「レトルト」である。東洋製罐グループは、製缶の技術の他に食材を常温で長期保存可能とするレトルト技術も保有している。そして誕生したのが 「長野のジビエ三種缶」(2025年末、クラウドファンディングを通じ、「+GIBIER プロジェクト」として販売開始、使われているのはすべて鹿肉)。ジビエの利活用には、大きく3つの課題が存在するという。1つ目が「安全性」。野生鳥獣は菌やウイルス、寄生虫などさまざまな病原体を保有している可能性がある。そのため、衛生面の整った認証施設で正しく処理し、調理の際も適切に加熱する必要がある。2つ目は「流通と保管」だ。もともと、食肉用ではなく農作物の鳥獣被害対策として捕獲されるため、安定的な需給計画を立てることが難しい。加えて個体差も大きい上、保管には冷凍設備も必要。よって、レストランなどのメニューに加えることは非常に困難で、外食産業におけるジビエ利用のハードルとなっている。3つ目の課題は「手間」だ。前述のとおり、適切な処理や加熱によってしっかりと殺菌を行う必要性があるため、ジビエ調理には専門的な知見を有した人材が関わることが推奨される。またスネ肉や首肉などの部位は、肉を柔らかくするために長時間煮込む必要があるなど、提供側の労力がかかることも利活用の妨げとなっている。これら3課題の解決のために、東洋製罐グループと辻口調理師専門学校がたどり着いたのが「レトルト」という回答だった。加圧加熱殺菌を用いたレトルト技術を応用することで、菌やウイルスを死滅させてジビエを安全に食べられるようにする。また、常温で長期保存可能にもなる。捕獲のタイミングが不安定なジビエ肉の需給を安定させることにも寄与する、という。「+GIBIER プロジェクト」サイドは「加熱済みのため開封してすぐに食べられるほか、調理の際は最後に焼き目を入れる、混ぜるといった仕上げだけで調理が完了する。飲食店などでの取り扱いが容易になることも利点」としている。筆者も「Confit de chevreuil~柑橘香る鹿肉と大豆のコンフィ~」「CERVO ALLA CACCIATORA~鹿肉とトマトの猟師風煮込み~」を試食する機会を得た(もうひとつは、「鹿肉の清酒煮~出汁と鹿肉の風味を活かした肴」)。残念ながらふだん鹿肉を口にする機会がほぼないため、レストランのキッチンで捌かれた鹿の肉と比較することはできなかったが、遠い過去に食した鹿肉料理の記憶が蘇るような特有の香りと味わいは体感できた。辻口調推薦の「アレンジレシピ」があることには試食後に気づいたが、食べ手に課される手間は基本的にゼロ。缶を開けて皿に移しレンジ加熱するだけ。その分、缶に詰められるまで長い工程の仕事がほどこされていることは舌でも歯でも嗅覚でも感じ取れ、重めの赤ワインのあてとしてなかなか贅沢な1品と感じた。3種セットで4000円程度(クラウドファンディングで、購入できる価額は変動する)を高価とみるか買い得とみるかはそれぞれ。いずれにせよ、冒頭の社会的課題へのこの果敢なる取り組みが持続可能となるや否やは、経済的利益の面にも左右されよう。すなわち、われわれがどこまで参加できるかにも委ねられる。

(エゾシカ肉を楽しむ!)
北海道札幌市に位置するホテルエミシア札幌では、地域の特産品であるエゾシカ肉を使用した特別メニュー「エゾシカフェア」に参加しています。このフェアは2026年1月5日から2月28日までの期間限定で、ホテル内の複数のレストランで提供されます。エゾシカ肉は鉄分が豊富で、ヘルシー食材として注目されています。

(クマ出没:宮城)
石巻市によると、15日午前0時35分ごろ、石巻市渡波新沼にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後3時45分ごろ、仙台市泉区鶴が丘2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、15日午前8時30分ごろ、丸森町作田にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午前4時40分ごろ、仙台市泉区旭丘堤2丁目にクマが出没しました。

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(市長町長と知事、クマ対策で意見交換:滋賀)
全国でクマによる被害が相次ぐ中、滋賀県内の市長と町長、それに知事が集まって意見を交わし、この中で、県が来年度(令和8年度)クマの個体数を調査し具体的な対策を検討していくことが報告されました。13日、守山市役所で開かれた「滋賀県首長会議」では、甲良町長を除く県内の市長と町長、それに三日月知事がクマ対策について意見を交わしました。この中で、クマによる人身被害が去年2件起きた長浜市は、生活圏にクマなどが出没した際に自治体の判断で猟銃の使用が可能となる「緊急銃猟」について、県がマニュアルを策定するよう求めました。また、栗東市から「クマがいないとされていた地域からも目撃情報が相次いでいて、本当にクマかどうかの確認も難しくなっている」という不安が示されたほか、大津市からは「生息地域が広がっている可能性もあるため、広く調査してほしい」という要望が出されました。さらに、去年11月に「緊急銃猟」の訓練を行った米原市は「現場では安全確保が難しく銃の使用が可能なケースは限られてくる」として、わなで捕獲し管理することが大切だと指摘しました。これに対して三日月知事は、来年度、クマの個体数を調査して保護か、管理かといった今後の対策を検討していくと説明しました。会議のあと、三日月知事は「クマへの不安が高まっているので、まずは広く調査して個体数を把握したい」と述べました。

(河川内伐木によるクマ対策としての緩衝帯整備について:群馬)
県では、農政部を中心に部局横断的に鳥獣被害対策を実施しており、県管理河川では、これまでイノシシやシカなどの移動経路の一つとして河川が考えられていることから、河川内伐木による緩衝帯整備を実施してきました。このような中、令和7年は県内の市街地においてクマの出没が多数確認され、沼田地域等においては人身被害が発生するなど対策が急務となったため、令和7年度補正予算によりクマ被害対策としての河川伐木を実施します。出没箇所の分析の結果、山間部や平野部は効果が限定的であると考えられるため、クマの出没が確認されている河川沿いの地域のうち、特に市街地に近く、かつ人身被害が発生あるいは発生の危険性が高い箇所に限定して重点的に実施します。

(「2人とも猟友会に参加」、バーの壁の中に“女性遺体”:北海道)
松倉俊彦容疑者(49) 「死体を店内の壁の中に入れて隠したことに間違いありません」。北海道日高町にあるバーの壁の中から女性の遺体が見つかり、経営者の松倉俊彦容疑者が逮捕された事件。壁の中の遺体は松倉容疑者の知人で行方不明になっている20代女性とみて身元の確認が進められていました。13日午後、警察は遺体は行方不明になっていた看護師の工藤日菜野さん(28)と明らかにしました。松倉容疑者と工藤さんを知る人は…。松倉容疑者の知人 「2人とも猟友会に参加していたので、そのつながりで知っている。結構、前から(店の)常連だったみたい」。松倉容疑者の店の常連だったという工藤さん。猟友会に一緒に参加する仲だったといいます。捜査関係者によりますと、工藤さんが去年の大みそかの31日午後4時ごろ、自宅近くの店舗で買い物をする姿が防犯カメラに映っていたことが新たに分かりました。警察はこの後、事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査しています。

(クマ情報を手軽に通報、すぐ周知できるアプリ:岩手)
岩手大学卒業生でソフトウエアエンジニアの栗和田(くりわだ)玄紀(はるき)さん(27)=東京都=は、クマの出没を目撃者が手軽に通報し、周知するアプリ「くまブザー」を開発した。即時性に強みを発揮し、近くの人と情報を共有することができる。身を守る新たな手段として普及を図る。アプリを開くと、ユーザーの許可を得た上で、必要な範囲で位置情報が登録される。目撃者がマップ上の地点にピンを設定してボタンを押すことで情報が追加され、半径約5キロ以内で目撃、通報があった場合にはスマートフォンなどにプッシュ通知される仕組み。

(山で狩猟のお手伝い:三重)
鋭い嗅覚と身体能力を生かして狩りをサポートする狩猟犬。大台町上真手のジビエ(野生鳥獣肉)販売店「鳥獣屋」は、店主の瀬古稔さん(68)らが仕留めたイノシシと鹿の肉を取り扱う。狩りでは3匹の狩猟犬の働きが欠かせず、飼育歴42年となる瀬古さんの1番手は、8歳の雌の雑種犬「ナイン」だ。昨年12月14日、ナインと瀬古さんはイノシシが多く生息する鳥羽市の答志島へ。3月中旬までが猟期で、期間中は週3日ほど訪れるという。ナインは山に放たれると、傾斜をものともせずに走り回り、時折立ち止まって鼻をヒクヒクさせながら、においで獲物を探す。

(ヒグマ生息の山中「護衛」付けます:北海道)
北海道猟友会三笠支部の支部長でハンターの高崎梨徒さん(26)=北海道三笠市=は昨春、ヒグマが生息する山中に送電線の点検や地盤調査などで入る作業員らを護衛する会社「GOE―MON」を設立した。

(熊の出没から身を守るための新たな武器、熊よけスプレーの進化)
近年、私たちの生活圏における熊の出没が増加し、その影響で人身被害も深刻化しています。この現状を受けて、生活用品の企画・製造・販売を手がけるFujikon corporation株式会社が新たな商品、「熊よけスプレー・直撃タイプ」を発表しました。この製品は、危険な状況から人々を守るために開発されたものです。これまでの「拡散タイプ」スプレーは、周囲に噴霧することで熊の接近を防止するものでしたが、今回はそれを一歩進めて、遠距離からピンポイントで撃退できる「直撃タイプ」を追加しました。この新型スプレーは、遠くの熊に対しても威力を発揮し、接近を未然に防ぐことを目的としています。予約販売は2025年12月から開始され、2026年に正式に発売される予定です。これにより、利用者は必要に応じた選択肢を持つことができるようになります。

(森林環境の変化でクマ頭数は増加中、今年はもっと頻繁に"アーバンベア"が来襲!?)
2025年を表す漢字は「熊」だった。それほどクマが街に出没し、人間に多くの被害を与えた年だった。この傾向は今年も続くのか?2025年のクマ被害は、被害者数230人、うち死亡者13人と過去最悪だった(25年11月末時点/環境省調べ)。では、2026年はどうなるのか。『獣害列島―増えすぎた日本の野生動物たちー』(イースト新書)などの著書がある森林ジャーナリストの田中淳夫氏に聞いた。――昨年は街に出没する〝アーバンベア〟が問題となりました。田中 〝山に食べるものがないから、クマは里におりてくるのだろう〟という考え方ですよね。私はまず、その発想自体が間違っていると思います。日本は明治時代になると近代化のために森の木の伐採を急速に進めました。そして、戦時中には軍需資材の供給などのためにものすごい量の木を切って、終戦直後は全国的にハゲ山が広がりました。その後、復興のためにスギやヒノキなどを大量に植林します。スギやヒノキなどの針葉樹は、クマの食べる実ができない。だから『クマの食べるものがない』といわれるのでしょう。でも、その人工林も1970年頃からの林業の衰退によって放置されていきます。間伐などの手入れをしないと人工林は密生するので、植えた多くが成長できずにバタバタ倒れていきます。そんな森には日差しが入り、雑草や広葉樹などが生え始めて混交林になるんです。この状態は、林業従事者から見れば〝荒れている森〟となりますが、森林生態系から見ると、生物多様性が増した〝豊かな森〟と言えます。豊かな森には、クマの餌がたくさんあります。ですから今、森にクマの餌がなくなっているわけではないんです。――でも、25年はドングリなどが不作だったと聞きます。田中 確かに北海道や東北などではドングリなどが不作といわれましたが、西日本は豊作の地域が多かった。それでもクマは出ています。ですから、山に餌がなくなったから街に出てきたのではなく、森が豊かになってクマの数が増えすぎたため餌の取り合いになり、強いオスグマなどに負けて、弱いメスグマや子グマたちが街に餌を求めてやって来ているというのが正しい理由だと思います。(編集部注:実際に環境省の「クマ類の推定個体数」でも北海道と本州の多くの地域で推定個体数は増加傾向と報告されている)――「ドングリなどを山に運べばクマは街に出てこないのでは」という声もあります。田中 ドングリを山に運んでも、それを食べ終わったら街に出てくるのではないでしょうか。こんな実験があります。ハチミツ、サケ、バニラアイスクリームを用意して、クマがどれから先に食べたか。結果はバニラアイスクリームでした。あのとても甘い香りが好みだったのではないかということです。クマが森から人里におりてきて、そこで食べるのは人間が作った果実などでしょう。人間が作った甘いリンゴや柿などのほうがクマもおいしいと感じるはずです。また、ゴミ箱の中に捨ててある肉を見つけて食べるかもしれません。すると果実などより肉のほうが好きになるかもしれない。果物より肉のほうが栄養がありますから。田中 確かに北海道や東北などではドングリなどが不作といわれましたが、西日本は豊作の地域が多かった。それでもクマは出ています。ですから、山に餌がなくなったから街に出てきたのではなく、森が豊かになってクマの数が増えすぎたため餌の取り合いになり、強いオスグマなどに負けて、弱いメスグマや子グマたちが街に餌を求めてやって来ているというのが正しい理由だと思います。(編集部注:実際に環境省の「クマ類の推定個体数」でも北海道と本州の多くの地域で推定個体数は増加傾向と報告されている)――「ドングリなどを山に運べばクマは街に出てこないのでは」という声もあります。田中 ドングリを山に運んでも、それを食べ終わったら街に出てくるのではないでしょうか。こんな実験があります。ハチミツ、サケ、バニラアイスクリームを用意して、クマがどれから先に食べたか。結果はバニラアイスクリームでした。あのとても甘い香りが好みだったのではないかということです。クマが森から人里におりてきて、そこで食べるのは人間が作った果実などでしょう。人間が作った甘いリンゴや柿などのほうがクマもおいしいと感じるはずです。また、ゴミ箱の中に捨ててある肉を見つけて食べるかもしれません。すると果実などより肉のほうが好きになるかもしれない。果物より肉のほうが栄養がありますから。

(ニホンジカの生息域と人との接触時リスクを同時に評価する地理空間的分析手法を開発)
ポイント:ニホンジカの生息しやすさと、人との接触リスクを同時に評価できる、新規の地理空間的分析手法を開発した・三重県多気町を対象に解析を行った結果、植生量と降水量がニホンジカの生息しやすさに強く影響し、集落の位置と人口密度が人との軋轢に強く影響することが明らかになった・ニホンジカの保存計画や軋轢緩和など、地域主体の野生動物管理の取り組みを支えることが期待される。東京大学生産技術研究所のパンディト サンタ特任研究員、沖一雄特任教授(兼:京都先端科学大学工学部・教授)、南アフリカ共和国・西ケープ大学のドゥベ ティモシー教授、株式会社協和コンサルタンツの諸藤聡子氏、英国・プリマス海洋研究所のサレム イブラヒム サレム氏(兼:京都先端科学大学工学部・特任准教授)からなる学際的研究チームは、三重県多気町波多瀬地区においてニホンジカ(Cervus nippon)に関する研究を実施した。本研究では、先進的な地理空間技術と専門家の知見を組み合わせ、ニホンジカの生息適性と人間との接触時リスクを評価した。基準選定、意思決定階層の構築、専門家評価の収集、階層分析法(AHP)(注1)の適用という体系的な4段階の枠組みを用いることで、実践的な接触時緩和策に関するエビデンスに基づいた提言を提示している。本研究を開始した背景には、日本におけるニホンジカ個体数の増加に伴い、人間社会との軋轢が深刻化しているという課題がある。とりわけ、専門家の知見と地理空間解析を統合して軋轢ホットスポットを特定するアプローチは、地域社会に対して共存に向けた実践的な指針を提供する点で極めて有用であると考えている。今後は、生態系の持続性と地域の安全性の両立を図る空間的フレームワークおよび革新的な管理戦略の高度化を目指すとともに、同様の社会―生態学的圧力に直面する他地域への応用を進めていく予定である。

(クマ、冬眠の仕方分からない?)
東北で13日、住宅敷地内の小屋でクマの目撃が相次いだ。このうち、福島県喜多方市では眠った姿で発見された。いずれもけが人や目立った物的被害はなく、捕獲された。午前10時ごろ、喜多方市熱塩加納町米岡の山林に隣接する住宅の物置小屋で、60代男性が丸まって眠る体長約1・5メートルのクマ1頭を見つけた。男性が自宅敷地内の除雪作業中にクマの足跡を発見してたどり、物置に行き着いた。県警喜多方署によると、市が箱わなを設置し、午後1時40分ごろ捕獲。その後、駆除した。県自然保護課によると、何らかの理由で冬眠の仕方が分からないクマがおり、小屋などをねぐらにして餌を探し求めている可能性もあるという。担当者は「食べ物を近くに置かないなどクマを寄せ付けないための対策に加え、建物に隙間や穴があればふさいでほしい」と注意を呼びかける。午後5時20分ごろには岩手県宮古市刈屋の住宅に隣接する小屋で、通報を受けて駆け付けた県警宮古署員が体長70~80センチの子グマ1頭を発見。約1時間後に捕獲した。周辺で目撃情報があった。14日に子グマを山に放つ予定。

(クマが納屋に立てこもる:福島)
喜多方市熱塩加納町の住宅地にある納屋に、3時間以上に渡ってクマが居座りました。けが人はいません。警察や喜多方市などによりますと、喜多方市熱塩加納町で13日午前10時半ごろ、この家に住む人から「納屋の中に黒い生き物がいる」と警察に通報がありました。通報があったのは近くに中学校がある集落で、市の職員や猟友会が現場を確認したところ、体長1・5mほどのクマ1頭が納屋の中で眠っていました。市などがクマを捕獲しようと納屋の近くに箱罠を設置し、午後1時40分ごろクマは捕獲されその後、駆除されました。けが人はいませんでした。県警によりますと2026年に入り、すでにクマの目撃件数が10件となっていて、専門家は「冬眠していないクマは、柿などの餌を食べながら動き続けている可能性もあるので、注意してほしい」と呼び掛けています。

(線路に車進入、一部運休し230人に影響:北海道)
12日午後2時25分ごろ、JR石北線の伊香牛(上川管内当麻町)―愛別駅(同管内愛別町)間の第1旭川根室線路踏切(同管内当麻町)で、普通列車の運転士から「乗用車が線路内に進入した」との連絡があった。

(クマが住宅の小屋に侵入、わなで捕獲後山林に放す:岩手)
1月13日午後、岩手県宮古市内の住宅の敷地内にある小屋にクマ1頭が侵入しました。クマは約1時間にわたりとどまり続けましたが、その後猟友会などにより捕獲されました。13日午後4時過ぎ、宮古市刈屋の住宅で「敷地内の小屋から音がする」と通行人から警察に通報があり、駆けつけた警察官が小屋の中にいるクマ1頭を目撃しました。クマは体長70cmから80cmほどの子グマとみられ、約1時間にわたり小屋にとどまり続けた後、地元の猟友会などによりわなで捕獲されました。人や物への被害はありませんでした。市によりますと、捕獲したクマは14日午前、市内の山林に放したということです。現場はJR山田線の茂市駅から北西に約7kmの住宅が点在する地域です。

(今年のクマ目撃件数はすでに去年1月「1か月間」を超える:山形)
県によりますと、今年1月1日~11日までのクマの目撃件数は9件となりました。去年1月「1か月間」の目撃件数は7件なので、今年に入りわずか10日ほどでその数字を超えたことになります。市街地での目撃件数も、去年1月「1か月間」で2件だったのに対し、今年はすでに6件(11日時点)となっています。県は、もしクマが市街地に出没した場合には、屋内へ避難し安全が確認されるまで外に出ないようにと呼びかけています 。また、冬の時期であっても山に入ったり農作業をしたりする際は、ラジオやクマ鈴を使うなど、音の出る物で自分の存在をクマに知らせるようにしてほしいとしています。また家庭での対策も重要です。クマを寄せ付けないために、家の周りにある取り残した果実や野菜、生ゴミなどは放置せずに片づけること、家や倉庫には必ず鍵をかけることなどの対策を県は呼びかけています。クマに出合ってしまった場合は、あわてずに落ち着いて、ゆっくりとその場を離れることが大切です。県は、至近距離でクマと対峙しても決して背を向けず、落ち着いて離れること、もし襲われそうになったら両腕で顔や頭を覆い、ダメージを最小限にとどめる姿勢をとることなども呼びかけています。

(庄内空港の緩衝緑地でクマの目撃情報、一部施設の利用を制限:山形)
酒田市にある庄内空港の緩衝緑地で12日と13日にクマの目撃情報があり、庄内空港事務所はサッカー場など一部区域の利用を制限しています。庄内空港事務所によりますと、12日午前9時45分ごろと13日午前7時35分ごろ、庄内空港東側の緩衝緑地のアーチェリー場とテニスコート付近でクマの目撃情報がありました。市によりますとクマの体長は50センチから60センチぐらいだということです。このため、事務所はテニスコートやアーチェリー場、サッカー場などの利用を制限しましたが、冬季間のため、予約はないということです。また、このエリアを中心に巡回を強化したほか、掲示を行い、付近住民への注意を促しています。

(食べてみて!イノシシ肉バーガー:新潟)
長岡技術科学大学の大学院生が、イノシシ肉を使った「ジビエバーガー」を作り、普及に取り組んでいる。開発したのは、鳥獣被害対策を研究している鈴木凌斗さんで、これまでに大学祭などで販売し、好評を得てきた。17、23日には長岡市殿町の「まちまち、ときどきカフェ。」に出店する。

(都会では出会えない「とろけるクマ肉」の衝撃体験!)
世界の富裕層たちが日本を訪れる最大の目的になっている「美食」。彼らが次に向かうのは、大都市ではなく「地方」だ。いま、土地の文化と食材が融合した“ローカルガストロノミー”が、世界から熱視線を集めている。話題の書『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著)から、抜粋・再編集し、日本におけるガストロノミーツーリズム最前線を解説。いま注目されているお店やエリアを紹介していきます。ジビエ料理は今、食通たちの間でひそかなブームとなっています。もともとはシカやイノシシ、クマといった野生動物の肉を使った、地方で受け継がれてきた素朴な料理でした。しかし近年では、こうした動物が害獣として駆除される一方、その命を無駄にしないというSDGs的な観点から、ジビエの活用が進んでいます。例えばイノシシカレーのように、身近な料理に落とし込むことで広がりを見せ、自治体が補助金を出してジビエを活用する取り組みも増えています。ファインダイニングの世界でもジビエは注目の食材になっています。きちんと処理されたシカ肉やクマ肉は驚くほど上品で、エレゾ(本書参照)のような処理のプロが関わることで、味わいは格段に高まります。私が初めてクマ肉を食べたのは、滋賀県の「比良山荘」のクマ鍋でした。クマ肉の3分の2は脂なので、最初はギョッとしましたが、脂がゼラチンのようにとろける食感で、クマの美味しさに開眼する一皿でした。また、かつてはフランス産のシカが最高とされていましたが、いまや新鮮な国産のエゾシカの方が美味しいという評価も珍しくありません。ジビエは地方の魅力とも結びついています。かつて登山客向けの素朴な宿だった店が、都会では食べられない洗練されたジビエ料理を提供し、フーディーたちが訪れる名店へと変貌する例も。岐阜の「柳家」や「かたつむり」「いろりの郷 奈かお」など、地方発のジビエ料理が再評価される動きが広がっています。さらに最近では、アナグマやハクビシンなどの“未知の味”に挑戦するレストランも登場し、ジビエは単なる伝統食から、グルメの冒険へと変わりつつあります。流行というより、好奇心に火をつける新しい食の領域。それが今のジビエなのです。

(猟師が作った熊料理「くまギスカン」が激ウマ:千葉)
関東一広い半島である房総半島。その大部分は山で、豊かな自然が広がる反面、「内側に何があるかは千葉の人間でも知らない部分が多い」というのは千葉県出身のP.K.サンジュン記者に聞いたことがある。まさしく、その内側の山中で「くまギスカン」という謎の熊料理が爆誕していたのでお伝えしたい。熊肉と言えば筋張ってガシガシしてるイメージがあった私(中澤)だが、そんな印象を覆す逸品だったのだ。タレ漬け焼肉みたいな料理であるくまギスカン。以前食べたことがある熊肉料理と比べると、ジューシーで柔らかくて臭みもないので食べやすい。甘辛いタレの味にご飯が進む。くまギスカンをご馳走してくれた猟師の仲村さんに話を聞いたところ、肉の味の違いは処理の方法や手際などで全然違ってくるのだとか。そういった事情もあって、ひと言で「ジビエ」と言っても味には大分バラツキがあるという。仲村さんは環境省に認定を受けた有害鳥獣捕獲等事業者『株式会社TSJ』の代表取締役であり、千葉県君津市でジビエショップ兼レストランを運営している。安定した味のジビエ肉を供給することにも尽力している人物だ。味にこだわることについて話を伺ったところ……仲村さん「害獣駆除も極論人のエゴだと思います。でも、人が暮らす上で必要であることは明らかです。であれば私は、駆除した害獣を無駄にするのではなく、できるだけ活用するのが生命への敬意だと思います。皆さん、食事前に『いただきます』と言うと思いますが、考えとしてはその延長ですね」。その言葉の通り、仲村さんのお店で取り扱っている食品・加工品などは全て害獣駆除のものなのだそうな。お店にはジビエ肉コーナーもあって、そこにはツキノワグマの肉も並んでいた。千葉には熊はいないらしいが……仲村さん「これは私の大親友であり猟師の村井さんが運営する『狩猟屋』という会社が駆除した富山の熊ですね。害獣駆除は人の暮らしに必要なことは先ほど申し上げた通りですが、一方で猟師としての収入が何かないと担い手がいなくなります。私がジビエを仕入れて売ることで、猟師たちのネットワークをサステナブルなものにするというのがもう1つの目的でもあります」。

(クマ出没:宮城)
多賀城市によると、14日午後9時29分ごろ、多賀城市八幡3丁目にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、14日午後5時ごろ、南三陸町歌津石泉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時30分ごろ、仙台市泉区実沢八乙女札原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前7時20分ごろ、仙台市泉区福岡大畑原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後10時ごろ、仙台市泉区松陵4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午後10時ごろ、仙台市泉区鶴が丘1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午後6時50分ごろ、仙台市青葉区南吉成6丁目にクマが出没しました。

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(豚熱イノシシ確認、県内62~65例目:宮崎)
宮崎県家畜防疫対策課は8日、都城市と高原町で昨年12月25日から今年1月2日にかけ捕獲された野生イノシシの成獣3頭と、死んで見つかった幼獣1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での野生イノシシ感染は、昨年4月の初確認から62~65例目。いずれも経口ワクチン由来でない野外株だった。

(豚熱確認、野生イノシシ1頭感染:秋田)
秋田県は8日、大館市で捕獲された野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染事例は2022年の初確認以来25例目で、本年度は7例目となる。

(捕獲された野生のイノシシ一頭から豚熱を確認:岩手)
県では、豚熱ウイルスの侵入を監視するため、野生イノシシの豚熱検査を実施しています。この中で、2025年12月25日に久慈市で死亡しているのが発見された個体から、岩手県で258例目となる豚熱が確認されたということです。県内の養豚場に対し、県は情報提供と感染防止対策及び早期通報の徹底を指導したとのことです。また、確認地点から半径10km以内の養豚農場において、異常がないことを確認しました。

(「ノスリ」死がい“鳥インフル陽性”:愛媛)
愛媛県は、10日に大洲市の森林で見つかった猛禽類「ノスリ」の死がいから、鳥インフルエンザの陽性反応が確認された、と発表しました。県内で死亡した野鳥から鳥インフルエンザの陽性反応が確認されるのは、おととし12月に同じ大洲市内で見つかった「フクロウ」に続き、『過去2例目』です。国は今後、検体の『確定検査』を行い「高病原性かどうか」を調べます。また、死がいの回収地点から半径10キロの圏内を「野鳥監視重点区域」に指定。県は、区域内の渡り鳥の飛来状況や野鳥の大量死がないかなど監視体制を強化するということです。県によりますと、鳥インフルエンザは感染した鳥と濃密な接触があった場合を除いて、人には感染しないとしています。一方で死亡した野鳥を見たら素手で触らないことや、同じ場所で大量の野鳥が死んでいた場合には県の機関などに連絡するよう呼びかけています。

(「岩手は人とクマのパワーバランスが逆転」専門家が説く個体数管理の重要性)
厳冬期に入っても一部でクマの目撃情報が続く岩手県内。人の生活圏に「寄せ付けない」対策の重要性が増す中、兵庫県は個体にマイクロチップを装着して生息数を把握し、集落周辺の捕獲を強化する対策を展開してきた。県森林動物研究センター研究部長で兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)は「岩手は人とクマのパワーバランスが逆転している」と低密度となる個体数管理と自治体の体制整備の重要性を説く。「試行錯誤の積み重ねでなんとか対応してきた」と語る横山教授。兵庫県は25年ほど前から、個体数調査でわなにかかったクマにマイクロチップを装着。捕獲された個体にチップが入っている割合から生息数の把握につなげてきた。「ゾーン捕獲」と呼ばれる仕組みも展開。集落から200メートル以内の出没が多い範囲で、シカやイノシシの箱わなに入ったクマも捕獲可能とする。約800頭を目安に生息数を調整。2025年度は4~11月に469件の目撃があり、1人がけがをしたが、狩猟は禁止としている。

(クマ対策で果樹伐採の費用補助、30日まで延長:栃木)
佐野市有害鳥獣被害対策協議会はクマ被害対策の一環で、餌となりうる果樹の伐採費用を補助する事業を実施している。同協議会の担当者は「鳥獣対策は環境面を整えるのが非常に重要。事業を積極的に活用してほしい」と呼びかけている。申請は30日まで。同協議会によると、果実を放置または収穫していない「未利用果樹」は、クマなどの鳥獣を引き寄せる原因となる。集落内にあると、鳥獣が集落全体を餌場として認識してしまう恐れがあるという。

(キョン駆除へ求む目撃情報、アプリで情報共有し報奨金も:東京)
伊豆大島(東京都大島町)で大繁殖しているシカ科の特定外来生物「キョン」の新たな対策として、都が報奨金制度やアプリによる目撃情報の収集を始めた。人が生活するエリアでの出没が目立っており、都は島民の協力も得て根絶を目指す考えだ。「キョンは市街地にもよく出てきて、交通事故が起きている。自分の車にも2回、ぶつかった」。伊豆大島の建設会社で役員を務める男性(58)は、表情を曇らせた。自宅の庭には無数の足跡があり、植木の葉が食べられた形跡もあった。記者が取材した昨年12月11、12日の2日間でも、レンタカーを運転していると、市街地近くの林道などで計10頭のキョンと遭遇した。畑や庭への侵入を防ぐため、島内の至る所に網が張り巡らされている。切り花を栽培する島民(71)は「キョンのせいで余計な手間がかかる。このままでは島で農業をやりたいという人がいなくなってしまう」と危機感を抱く。夜行性のキョンは深夜に人の叫び声のような「ギャー」という鳴き声を響かせるため、島民からは「なかなか寝付けない」と困惑する声も聞かれた。人口約6600人の伊豆大島でキョンが増えたきっかけは、1970年の台風だった。都立大島公園の柵が強風で壊れ、飼育中の十数頭が逃げ出したのだ。キョンのメスは、生後1年ほどで子どもを産むことができ、繁殖力が強い。天敵となる肉食獣もおらず、推定生息数は2017年に2万頭を超えた。島特産のアシタバやサツマイモが食べられ、被害額は年200万~300万円。コケイランやアカハナワラビなど6種の植物はキョンによる食害で絶滅の危機に直面している。キョンが05年に特定外来生物に指定されたことを受け、都は07年から業者に委託して駆除を始めた。年間6億~9億円の予算を確保して捕獲頭数を増やし、21年には初めて推定生息数が減少。24年12月末時点で1万7439頭となった。この機を逃すまいと、都は昨年9月、島民を巻き込んだ報奨金制度を始めた。自宅の敷地などに箱型のわな(高さ60センチ、幅60センチ、奥行き120センチ)を設置させてもらい、キョンを捕獲すると、1頭8000円を支払う。これまで手薄だった市街地での捕獲を増やす狙いがある。村松さんは、すぐにわなの設置を申請した。「島民はみんな迷惑している。少しでも減らすことに貢献できるなら」と話す。LINE(ライン)でキョンの目撃情報を共有するアプリの運用も昨年8月に始まった。島民らが目撃場所や写真を投稿すると、地図で共有され、キョンの生息地の把握やわなの設置場所の検討に役立てる。都環境局の担当者は「島のキョンはもともと都の施設から逃げ出した。都の責任で駆除しなければならない」と強調する。キョンは主に中国や台湾に生息する草食獣。体長約1メートル、体高約50センチで、シカより一回り小さい。国内では、千葉県や茨城県でも駆除が課題になっている。外来種の繁殖は、各地の離島で問題になっている。奄美大島(鹿児島県)では、1979年頃にハブ対策として沖縄県から持ち込まれたフイリマングースが島内で繁殖。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギや農畜産物への被害が拡大し、93年から駆除が始まった。島内全域にわなや自動撮影カメラが設置され、約3万2000頭を捕獲。環境省は2024年9月、根絶を宣言した。長岡技術科学大の山本麻希准教授(生態学)は「離島は手つかずの自然が多い一方、猟友会などの専門人材が少ないため、外来種が定着すると駆除は難しい」と指摘する。日本海に浮かぶ粟島(新潟県粟島浦村、人口約310人)では、2002年にペットとして持ち込まれたシカ3頭が野生化。村では、11年頃から捕獲しているが、生息数は150頭前後で減っていない。村の担当者は「手を打ちたいが、人手が足りない」と嘆く。

(クマ目撃、新年も相次ぐ)
クマの目撃が年明け以降も後を絶たない。クマは通常、今の時期は冬眠中だが東北を中心に出没が相次ぎ、車との衝突や事務所のガラス破損などの被害も出た。「餌不足で冬眠していない」との指摘もあり、警察などは注意を呼び掛けている。環境省によると、昨年4~11月にツキノワグマが出没したケースは全国で4万7038件(速報値)あり、過去最多だった2023年度の約2倍となった。北海道に生息するヒグマを含む捕獲数も最多の1万2659頭(同)に上った。クマは今の時期は冬眠しているとされる。ただ、各地の警察などの発表によると、元日以降少なくとも北海道や東北6県、新潟県で目撃情報が寄せられている。北海道の厚岸町では1日午後2時ごろ、クマのものとみられる足跡が発見された。苫小牧市では4日、目撃情報が寄せられ、苫小牧署が警察官による警戒を実施した。目撃は東北で特に多く、車との衝突例もある。福島県須賀川市では4日午後5時35分ごろ、50代の男性が運転する車が市道を横断する体長約1メートルのクマと衝突。男性にけがはなかったが、県警の担当者は「人身被害をなくすため情報発信の強化などに取り組んでいる。クマには引き続き注意してほしい」と話す。クマが人に接近したケースもある。秋田県大仙市では4日午前8時ごろ、40代の男性が勤務先の会社敷地内で除雪作業中に物音がして振り返ると、体長約1メートルのクマが立ち去るのを目撃した。クマがいた場所を確認したところ、会社事務所の出入り口にある風雪防止用の風除室のガラスが1枚割れていた。年明け以降も続くクマの出没は、餌となるドングリの凶作などが影響しているとみられる。北海道猟友会の堀江篤会長(78)は「餌不足で冬眠に至らないクマが多いのではないか」と分析。「餌をしっかり食べて冬眠に入らないと、本来より早く目覚めるなどの恐れがある」と指摘する。クマとの遭遇を避ける方法として、堀江会長は行政が発表する目撃情報を基に、出没の恐れがある山などには近づかないことを挙げる。その上で「クマは警戒心が強い。もし山に行く際は大勢で入り、大声を出しながら進めば警戒心から逃げることが多い」と話している。

(クマ目撃、昨年は2871件:山形)
昨年1年間の山形県内でのツキノワグマ目撃件数は2871件、市街地での目撃件数は322件で、ともに統計開始以降、最多だったことが、県のまとめでわかった。積雪期に入り目撃件数は少なくなっているが、県は引き続き注意を呼びかけ、新年度に向けて対策を強化する。県みどり自然課の今月4日現在のまとめでは、昨年1年間の月別の目撃は、クマの活動が活発になった5月に132件あり、6~9月は200~300件台で推移した。10月は835件と激増。餌となるブナの実が大凶作だったことが一因とみられる。11月は541件、冬眠期の12月も97件と、例年に比べ格段に多かった。年間の目撃件数はこれまで、2020年の795件が統計を始めた03年以降で最も多かった。市街地での目撃件数は、20年の253件が統計開始の19年以降最多。25年はいずれも大幅に上回った。4~11月に捕獲したクマは1328頭。これまでは23年度の800頭が最多だった。昨年9月に始まった、市街地に出たクマを銃で捕獲する「緊急銃猟」は、年末時点で15件。都道府県別で山形が最も多かった。県は、国の交付金も活用しながら「山形版クマ被害対策パッケージ」を展開。市町村を通じ、不要果樹の伐採などに取り組んでいる。クマの生態に詳しい山形大農学部の江成広斗教授(野生動物管理学)は「大量出没した年の翌春は、引き続きクマが出没しやすい。人の生活圏に移動したままのクマが春に活動を再開した時に、人と遭遇し事故が起こる可能性が高くなる」と指摘している。8日の定例会見で吉村美栄子知事は「昨年の異常事態が常態化してしまうのかどうかを見極めつつ、今年も気を緩めることなくしっかり対処していく必要がある」と話した。

(クマ目撃、2年連続1000件超:京都)
京都府内で今年度(令和7年度)寄せられたクマの目撃情報は、8日までに1191件に上り、2年連続で1000件を超えたことが府のまとめで分かりました。府はクマの活動が再び活発になる春までに備えを確認しておくよう呼びかけています。京都府によりますと、去年4月からことし1月8日までに寄せられたクマの目撃情報はあわせて1191件に上り、過去最多だった昨年度に続いて、1000件を超えたということです。市町村別では、いずれも8日までで▼京丹後市で377件、▼舞鶴市で187件、▼京都市で87件などとなっています。また、これまで、クマの生息が記録上、確認されておらず、「空白地」とされてきた府の南部でも目撃情報が相次ぎ、▼木津川市で61件となりました。去年は全国でクマによる人への被害が相次ぐ中、京都府内でも被害が起きていて、▼10月には舞鶴市の住宅で40代の男性が庭の柿の木から下りてきたクマに襲われ腕に軽いけがをしたほか▼11月には京丹後市の路上で80代の男性がクマに襲われ、頭などに軽いけがをしています。京都府によりますと現在は多くのクマが冬眠しているとみられるということですが、冬眠に入る時期が遅い個体や、冬眠する場所を変えるために移動する個体もいるということです。今後については、冬眠が終わる春ごろ、クマの活動が活発になり行動範囲が広がるとしていて、府は▼クマを引き寄せるような生ゴミなどを家の周りに置かないことや、▼山に入る際は1人で入らず、クマ鈴などを持つなど、遭遇しないための対策を確認するとともに▼春までにクマへの対策グッズを準備するよう呼びかけています。京都府農村振興課の藤井伊 参事は「秋に品薄で手に入らなかったクマ鈴などをいまのうちから準備するほか、山に入る際は、府のクマ出没マップで目撃された場所を確認して注意してほしい」と話していました。

(25年のクマ出没、過去最多の2926件:青森)
青森県は8日、2025年に寄せられたクマの出没件数(暫定値)が2926件だったと発表した。記録を取り始めた1992年以降で最多となり、2024年の約4倍、それまで最多だった23年の約2.6倍だった。出没件数のうち目撃は2725件、食害は191件、人身被害は10件10人で死者はなかった。25年は全国と同様に各地でクマが人の生活圏に出没する事例が相次ぎ、社会を揺るがす大きな問題となった。県は昨年4月にツキノワグマ出没注意報を発表。県内各地で出没が相次ぎ、5月に出没警報に引き上げ、警報期間を12月末まで延長した。

(「枯れない」という伝説の池、なぜか水たまり程度に:福岡)
国の特別史跡に指定されている大野城跡。ここに「水が枯れない」という伝説の池があります。しかし、近年、その池の水が枯れ果ててきているといいます。いったい、なぜなのでしょうか。伝説の池の謎を探るため向かったのは、福岡県太宰府市と宇美町、大野城市にまたがる大野城跡です。伝説の池を50年前から見てきたという藤田百合子さん(77)です。藤田百合子さん「昔から伝説の池といわれていて、どんな渇水の時でも枯れないと聞いていたけれど、近年はずいぶん枯れ始めて、ちょっと心配しているところです」。藤田さんに伝説の池まで案内してもらいました。そこで目にしたのは。直径およそ15メートルほどの穴に、水たまり程度のわずかな水しかありません。本当に、ここは池だったのでしょうか。藤田さん「青い水がたまっているのがすごく神秘的でよかったんですよね。どういう形で水がたまっているのかも不思議な感じです」。大野城跡にある案内板には、およそ20年前に撮影された池の写真がありました。池の名前は「鏡ヶ池」。当時は水がたっぷりと張っています。池がある場所は標高335メートルです。近くに川などの水源が全くないのに渇水の時でも水が枯れないため、かつては雨乞いの神事が行われていたといいます。しかし、2・3年ほど前からだんだん水が減り、現在はこのような状態になっています。藤田さん「本当に残念としか言いようがないのですが、できたら昔のような状態に戻ると一番うれしいです」。いったいなぜ、水が減ってしまったのでしょうか。この謎を探るため、大野城跡の調査や整備を行う福岡県庁へ向かいました。県の担当者は、意外な要因を指摘しました。福岡県文化財保護課・下原幸裕 係長「ここ最近ではあるのですが、イノシシが周りを掘りまして」。なんと、イノシシが水を枯らした犯人の可能性が高いとみられています。下原さんたち職員が池の周りの状況を確認したところ、イノシシが荒らしたとみられる形跡が見つかったということです。下原係長「ヘドロの中に、イノシシの足跡や、ぬた場(泥浴びをする場所)にして使っているような状況が見られます。水気のある場所で、ミミズなどのエサを求めて徘徊(はいかい)しているのではないかと思います。水を飲むぐらいにしていただければ、イノシシが入っても問題ないと思いますが、史跡のためにはもう少しおとなしくしてほしいという思いです」。枯れずの伝説を持つ池で起きた異変。県は、保全のための整備を検討しているということです。

(鹿に食いつくされる八ヶ岳の森:長野)
国土の7割を山が占めるという「山国」日本。全国に350を超える有人の山小屋があると言われている。こうした山小屋を営み、山を住処にし、山を自然を、そして登山者を守る人たち「小屋番」。このシリーズでは、「コヤガタケ」と呼ばれるほどに山小屋が多い八ヶ岳で生きる小屋番たちの日々に迫る。標高2,115メートルの白駒の池に向かう片側1車線のメルヘン街道。朝と夕方は鹿の楽園となる。車を運転していると、カーブを抜ける度に鹿と出くわす。衝突するおそれがあるため、ブレーキに足を置いて細心の注意を払いながら通らないといけない。「この間もフェンダーがやられたよ」山小屋「麦草ヒュッテ」のオーナー島立正広さんの車と鹿が衝突したのは、これが3度目となる。八ヶ岳で鹿の食害が止まらない。山小屋「麦草ヒュッテ」の近くにある地獄谷と呼ばれる地域を歩くと、美しい苔が一面に広がり、まさに「苔の森」という景色に心が癒される。ただ、ふと目を上にあげると、樹皮がはがれ枯れかけた木が痛々しく林立していることに気付く。多くの木は、私たちの背の高さぐらいまで、樹皮が剥がされ無くなっている。鹿の仕業だという。鹿は餌が足りなくなると、餓死を避けるため「樹皮」を非常食として食べることがある。ただこの樹皮は、樹木にとって根から吸い上げる養分と水分を運ぶ大切なライフラインであるため、鹿に樹皮を一周分食べられるとライフラインが上下で寸断されてしまう。樹皮を鹿にはがされた木々は枯れるしかない。八ヶ岳では今こうした光景が各所に広がっている。島立さんは、このままでは八ヶ岳の森は消えてしまうと危機感を募らせる。そもそも鹿が樹皮を食べるようになったのには鹿の頭数が増え、餌が不足していることが影響している。ハンターの減少と高齢化や天敵のニホンオオカミの絶滅、温暖化による積雪量の減少などの影響で増えた鹿が、生息する地域で餌となる下草を食べ尽くしたため、空腹を満たすため本来は食べなかった植物まで食べるようになった。「しらびそ小屋」のオーナー今井孝明さんは「最近では鹿は有毒植物のトリカブトも食べるし、貴重な高山植物コマクサなども食べてしまう」とため息をつく。「一番の対策は鹿の頭数を減らすこと」信州大学農学部の竹田謙一教授は八ヶ岳ならではの難しさを指摘する。増えすぎた鹿の数を減らすには狩猟が有効だが、ハンターの減少に加え、八ヶ岳のように登山者の多い山域では狩猟を行うのは簡単ではない。そのため、鹿の侵入を防ぐネットや防護柵を張るなど鹿の行動を制限するしかなく、決定的な対応手段がないのが現状だという。八ヶ岳の豊かな自然を愛し長く守ってきた小屋番たちは、明らかに今自分が見てきた風景が失われてきていると訴える。彼らは、この豊かな森が消えることを憂慮し、その自然を守るため、鹿の食害と闘っている。美しい森の中で鹿とどう向き合っていくのか。

(渡良瀬遊水地でイノシシ急増、5年で5倍)
茨城、栃木、群馬、埼玉の4県にまたがる国内最大の遊水地「渡良瀬遊水地」でイノシシが急増している。2011年に初めて生息が確認され、昨年の調査では1000頭超。5年間で約5倍になった。農作物被害に加え、堤防が掘り返される被害も相次いでおり、地元では、わなの設置を増やして駆除を急いでいる。遊水地北側の栃木県栃木市のコメ農家、赤坂敏雄さん(80)の田んぼでは、5年ほど前から被害が出始めた。稲が倒され、収穫直前の稲穂をかじり取られるといい、24年産は収量が半減した。25年産は電気柵やフェンスで田んぼを囲み、被害は全体の1割程度で済んだが、イノシシを目撃する頻度が上がっており、「駆除しないと安心できない」と嘆く。栃木市によると、周辺ではコメ以外にムギやサツマイモなど多くの農作物に被害が広がっているという。雑食のイノシシは植物の根を食べるため、農地以外も土を掘り返されてダメージを受ける。国土交通省渡良瀬川河川事務所によると、渡良瀬川下流の堤防では24年度、193件の被害が発生。19年度の6件から30倍以上に増えた。ゴルフ場の芝も荒らされ、遊水地内の「渡良瀬カントリークラブ」は23年秋、高さ1・5メートルのフェンスを周囲約7キロに設置した。イノシシのすみかは本来、山林や里山だが、耕作放棄地の増加やハンターの減少で個体数が増加。新たな生息地を求めて、川伝いに遊水地へと侵入し、繁殖を重ねているとみられる。被害拡大を受け、4県が22年度に設置した「連携捕獲協議会」の調査では、25年に1044頭の生息を確認。栃木県が20年に行った調査(205頭)から5倍になった。農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーを務め、イノシシの生態に詳しい古谷益朗さん(67)は「遊水地はヨシ原で隠れる場所が多く、餌も豊富で繁殖に適した環境になっている」と指摘する。遊水地は大部分が国指定の鳥獣保護区で、環境省の許可を得ればわなを設置できるため、地元ではわなでの捕獲を進めている。協議会や地元自治体は今年度、箱わなを12か所に、金属製ワイヤを使うくくりわなを200か所に設置。合計数は協議会発足時から約6倍になった。関係市町担当分も含めて、生息数の半数に相当する520頭の駆除を目指している。住民も協力しており、栃木県野木町では22年、地元有志が「鳥獣被害対策実施隊」を結成。農家ら15人ほどが箱わなを設置するなどしており、今年度は約70頭を捕獲した。同隊の三橋哲也さん(60)は「どんどん捕れて処理に困るほどだ。今後もわなの設置を続けるしかない」と話している。

(シカ問題を考える、特別展「シカと箱根の自然」開催中:神奈川)
特別展「シカと箱根の自然」が3月8日まで、箱根町立森のふれあい館で開かれている。ここ数年で個体数が大きく増え、町内でも目撃や交通事故の件数が多くなったニホンジカ。本展では、シカとの共存を考えるきっかけとして、その生態、現在なぜ日本全国でシカが増加しているのか、シカがたどってきた環境史について、はく製などの標本、生態写真とともに解説・紹介する。

(狩猟者育成:石川)
2025年は全国的にクマの被害に悩まされた一年だった。石川県内の人身被害はなかったが、白山市では県内初の緊急銃猟を実施。市街地での目撃も相次ぐ中、狩猟者の確保が課題となっている。同市で12月、狩猟の魅力を体験する女性対象の催しがあった。全国の女性狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」の代表福岡富士子さん(55)が経験談を語り、猟友会との関わり方や家事・育児との両立方法を伝えた。クマの取材を通して狩猟への関心が高まっていたが、出会うハンターは男性ばかり。女性には難しいのかと思い込んでいたが、そうではないようだ。

(AI×ドローンで追跡・警告、クマ被害ゼロを目指す挑戦:秋田)
2025年、秋田県はクマの異常出没に揺れた。山林だけでなく市街地にもクマが現れ、住民は外出をためらうほどの不安を抱えた。そんな状況を変えるべく、五城目町のドローンスクールがAI技術を活用した新たな対策に挑んでいる。2026年の実用化を目指すその取り組みは、クマ被害の未来を大きく変える可能性を秘めている。秋田県内では2025年、クマに襲われて4人が亡くなり、63人がけがをした。山林だけでなく市街地での目撃情報も急増し、農作物の被害も爆発的に増加した。住民の間には「外出するのが怖い」という声が広がり、日常生活そのものが脅かされる状況となった。こうした現実を前に、2026年は被害をゼロに近づけるための重要な一年と位置づけられている。五城目町のドローンスクール「Dアカデミー東北」では、AIを活用したクマ対策システムの開発が進められている。開発担当の高松あやのさんは、「クマが原因で外出することが怖くなっている住民に、今どこにクマがいるのかを伝え、危険回避につなげたい」と話す。開発中のシステムは、ドローンが高度50メートルから最大100メートル先まで映像を届け、その映像をAIが解析する仕組みだ。クマの可能性があるものを見つけるとアラートが鳴り、確実にクマと判断できればレーザー光を照射して自動追跡を開始する。クマとドローンの位置関係は行政や警察、猟友会とリアルタイムで共有され、迅速な対応につながる。また、クマの動きを記録することで研究にも役立てられる。2024年には、クマの着ぐるみを着た人やクマの画像を使った実証実験が行われた。全身が映っていれば「クマ」と認識できたものの、一部しか映らない場合には「ネコ」と誤認するなど、AIの学習データ不足が課題として浮かび上がった。そこで開発チームは北秋田市の「くまくま園」に協力を依頼し、赤外線でクマを様々な角度や距離から撮影してAIに学習させた。その結果、全身を捉えた場合は確実に認識できるようになり、さらに背中の一部や顔の8割、特徴的な腕や足だけでも「クマ」と判断できる精度に向上した。秋田テレビが提供した映像を使った実験でも、茂みに隠れて顔だけが見えるクマや体の一部だけが映っている場合でもAIが「クマ」と認識するなど、実用化に向けた成果が確認されている。高松さんは「将来的には顔の半分が映っただけでも判断できるようにしたい」と語る。屋外にクマの剥製を置いてドローンを飛ばすと、静止状態の認識は成功し、さらに校庭を走るスタッフをドローンが自動で追跡するなど、追跡機能の有効性も確認された。ドローンは雨天や夜間でも飛行可能で、最大約1時間飛行でき、バッテリーが少なくなると自動で離陸地点に戻る。山林だけでなく、市街地などの人口密集地区でも国や自治体の依頼があれば事前許可なしで飛行できる点も、実用化に向けた強みだ。しかし、市街地でクマが建物や物陰に隠れた場合には追跡が一時的に途切れる可能性があるほか、野生のクマを使った実証実験がまだ行われていないという課題も残る。高松さんは「まだ実際にシステムはできていない段階。もっと実験を重ね、精度を上げていきたい」と話す。早ければ2026年にも実用化される見込みのこのシステムは、クマ被害防止対策の新たな柱となる可能性がある。住民の安全確保、行政の迅速な対応、そしてクマの生態研究への貢献など、多方面での効果が期待されている。クマとの距離をどう保つかが問われる時代に、秋田発のAI×ドローン技術は、地域の安心を守るための大きな一歩となりそうだ。

(シカ食害、柵の検証に市民参加)
シカの侵入を防ぐ柵を設けることで、森林や草原の生態系はどう変化するのか――。市民に調査を担ってもらい、全国50カ所以上の写真や試料を集めて分析する研究プロジェクトを若手研究者が計画している。

(珍しい冬眠中のクマ観察ツアー、関心高く「満席」相次ぐ:岩手)
盛岡市動物公園で10日、冬眠中のニホンツキノワグマを観察するツアーが始まった。2024年1月から始まった全国的にも珍しいこのツアー。今年度はツキノワグマの出没が相次いだため、注目度は高く、問い合わせが相次いでいるという。この日は、市内の小学生を含む5組9人が参加した。中には北海道から来た人も。参加者は動物園の担当者の説明を受けながら、25年12月から冬眠に入った2頭のクマの様子を小さな窓から観察し、部屋の隅にうずくまって眠る姿を確認した。参加者からは「冬眠中に出産することを初めて知った」「冬眠前の餌の量が3倍になるとは知らなかった」などの感想が寄せられた。広報担当の森敦子さんは「昨年までは募集を開始しても、満席になることはほぼなかったが、今年は初日から3日目の12日まで既に満席で関心の高さがうかがえる。このイベントをきっかけにクマの生態を正しく知り、共存への方策や、自分なら何ができるのかを考えることが大切だと思う」と話している。

(ハンターが銃の扱い指導、狩猟免許受験者向け講習:北海道)
道猟友会江差支部は11日、来月1日に檜山振興局で行う狩猟免許試験の受験者向け予備講習会を町図書館で開いた。受講者たちはクマを駆除する際の猟銃の扱い方を学んだ。

(「祖父のミカンを守りたい」わな猟免許取得の高校生:熊本)
天草拓心高(熊本県天草市)生物生産科3年の本田優斗さんが、わな猟の狩猟免許を取得した。イノシシ被害に悩む果樹農家の祖父の力になりたいと思ったことがきっかけで、将来は果樹園を継ごうと考えている。同居する祖父の博幸さん(76)は同市有明町の果樹園で不知火や温州ミカンを育てており、休日は本田さんも両親や兄弟とともに手伝っている。果樹園はワイヤの柵で囲っているものの、イノシシは穴を掘るなどして侵入し、甘い温州ミカンを食べてしまうという。本田さんは「祖父のミカンを守りたい」との思いから、4種類ある国家資格の狩猟免許の一つで、18歳以上が対象になるわな猟免許の取得に挑戦。6月から、関係する法律、使用が禁止されているわなの種類、わなの仕掛け方などを授業や一般向けの講習会で学び、9月に天草市であった試験に合格した。博幸さんは「イノシシは一年中悩みの種。免許を取ってくれて、すごく助かる」と期待。本田さんは「捕獲してよい動物の種類が限られていることなど新たな発見もあった。仕掛けたわなでイノシシを捕まえたい」と話した。合志市の県立農業大学校に進学後、果樹園を継ぐつもりだ。

(クマ出没の原因はドングリ不作ではない?捕獲個体の栄養状態は良好と判明)
クマは冬眠に備えて、秋に大量のドングリを食べる。だからドングリが不作の年は、食べ物を探しに山から人里に下りてくるというのが定説になっているが、どうも違うらしいことが最新の研究で判明した。東京農工大学、島根県中山間地域研究センター、ノルウェーのNord大学、国立環境研究所からなる国際研究グループは、島根県に生息するツキノワグマの脂肪量に関する調査を行っている。クマがいつ何を食べ、どのように脂肪を蓄えて、どのように代謝しているのかを詳しく調べると、1年間のクマの栄養状態がわかる。秋になるとクマは冬眠に備えてブナ科の木の実、つまりドングリを大量に食べる。そのときに食べるドングリは、1年間に摂取するエネルギー量の7~8割に相当するという。クマにとってドングリがいかに重要な食料であるかがわかる。蓄えた脂肪は冬眠中の絶食状態で多くが代謝されるが、春から夏にかけてクマが好む食料が少なくなる時期にも代謝が続き、夏にはエネルギー収支がマイナスになることもあるという。そのため、ドングリが不作だと十分に脂肪を蓄積できず、その影響は夏まで大きく響く。そこで背に腹は代えられず、たくさんのクマが食べ物を求めて人里に下りてくる……、とされていた。しかし今回の調査で、クマは冬眠中に代謝しやすい皮下脂肪を使い、春から夏にかけては内臓脂肪、それが尽きると骨髄脂肪を代謝するという、3種類の脂肪をうまく使い分けて自らの栄養状態をコントロールしていることがわかった。さらに、ドングリが不作の年に街に現れ「有害捕獲」されたクマを調べたところ、どのクマも十分な脂肪蓄積量があり、栄養状態は良好だった。つまり、栄養状態の悪化が山から下りるというクマの行動変容をもたらしたのではないことが示唆されたわけだ。研究グループは、そのことが「集落内に放置された未収穫のカキやクリの果実などの、目の前の魅力的な誘引物の存在が出没を引き起こすことを示しています」と話す。たとえドングリが不作の年に山に大量のドングリを蒔いたとしても、簡単に手に入るおいしい食べ物が街にあることを知ってしまったクマたちには、もはや効き目はないということだ。むしろクマの数を増やすだけになりかねない。やっぱり原因は人間の側にあった。クマを呼び寄せる要因を取り除く。クマの侵入経路を遮断する。さらにクマの生活域と人間の居住地の間に緩衝地域を設ける「ゾーニング管理」といった複数の対策を組み合わせて、「人間とクマとの緊張関係を再構築」することが重要だと研究グループは訴えている。

(「山の荒廃」で餌不足の結果、クマの出没増)
昨年は、東北地方を中心にクマが人を襲うケースが相次ぎ、世相を一字で表す「今年の漢字」には「熊」が選ばれました。関西でクマの取材をする中で、山中で捕獲した1頭を長年飼育している場所が大阪にあると聞き、足を運びました。向かったのは、大阪と兵庫をまたぐ山の頂付近にある高代(こうだい)寺(大阪府豊能町)です。「くまの家」の道順を示す看板に従って敷地内を進むと、高さ3・5メートルの巨大なオリが現れ、オスのツキノワグマ「とよ」(推定15歳)がいました。とよは2014年6月、イノシシ用のわなにかかっているのを発見されました。近くに民家があるため、そのまま放すことはできず、動物園からも受け入れを断られ、殺処分の話が持ち上がりました。自然保護団体「日本熊森(くまもり)協会」(兵庫県西宮市)が依頼し、同寺の福永耕秀(こうしゅう)住職(57)らが、命を終えるまで世話をする「終生(しゅうせい)飼育」を受け入れることにしたのです。餌代は協会が寄付で工面し、ボランティアが世話をしています。地域の子どもたちだけでなく、遠方からも見学に訪れており、福永住職は「命を学ぶ場になっていれば、うれしい」と話します。終生飼育はとても珍しいケースです。環境省の統計によると、捕獲されたクマの数は25年度は4~11月だけで1万2659頭(速報値)に上りましたが、再び山に放されたのは111頭で、99%は殺処分となりました。クマは人間の食べ物の味を忘れず、再び同じ場所に出没する傾向があるようです。殺処分には、動物保護の観点から反対意見もありますが、人身被害が多発する中で人里に下りてきたクマの駆除は妥当だとの意見も根強くあります。こうした賛否の議論に目が向きがちですが、根本的な視点も忘れてはいけないと思います。クマが近年、人里に出没するようになったこと、そして、その背景です。生息数の増加と、餌となるドングリの不作が相まって活動域が人間の生活圏に広がった点がよく指摘されますが、人間側の問題も考えるべきだとの声も出ています。同協会は、「山の荒廃」を訴えます。高度成長期に木材需要が高まり、ドングリが実るナラなどの原生林を伐採し、スギやヒノキなど針葉樹の植樹が国策として進められました。しかし、林業の衰退で次第に放置されたために荒れてしまい、クマが好む木の実や昆虫が減った人工林は多いとされています。同協会会長の室谷悠子弁護士(48)は「クマがすめる森が少なくなっている」と懸念します。農林水産省は地球温暖化の影響に言及しています。このために、木を枯らす病原菌を媒介する虫の生息域が広がり、広範囲で「ナラ枯れ」が起こり、餌不足に拍車をかけている、というのです。クマは木の実だけでなく、虫、魚など、季節に合わせて食べ物を替える雑食動物です。クマが暮らす森は、生物多様性が守られた「豊かさの証し」と言う人もいます。「とよ」のような善意の例に頼るだけでは解決はしないと思います。人身被害をどう抑止するか。クマを人里から遠ざけるには。山をどう豊かに保つか。複合的な対応が求められます。皆さんは、クマとの共存について、どう思われますか。

(師に学ぶ、共生の道:北海道)
「いたいた、シカ4頭」「シカの群れって面白くて、血縁関係で集まってるわけじゃなくて……」。2025年11月下旬、北海道占冠(しむかっぷ)村の野生鳥獣専門員・浦田剛さん(48)は、車窓から双眼鏡をのぞき込みながらシカの生態を熱っぽく語っていた。助手席には後輩の小田中温(おだなかあつし)さん(26)。村のクマやシカ対応を一手に担う「ガバメントハンター」の師匠から弟子への生きた授業だ。2人はこの日、ヒグマの行動を調べる定点カメラの回収のため、役場から車で30分ほどのトマム地区の山林に向かっていた。

(大韓航空がクレー射撃チームを創設:韓国)
大韓航空は不人気種目の育成を通じた裾野拡大と競技の活性化に寄与するため、クレー射撃チームを創設したと9日に明らかにした。大韓航空は同日、ソウル江西区の大韓航空本社でクレー射撃チームの創設に伴う発足式を開いた。クレー射撃は、空へ飛ぶ円盤状の標的を銃で撃ち当てる競技であり、1900年のパリ五輪で正式種目に採用され、世界的に広く知られるようになった。しかし射撃の細目の中でも費用がかさみ、選手層が薄いため、エリート選手の育成基盤が弱い種目とされる。大韓航空は、2004年アテネ五輪で銀メダル(ダブルトラップ)と銅メダル(トラップ)を獲得し、韓国のクレー射撃史上初のメダルをもたらしたイ・ボナ選手をプレーイングコーチとして迎え入れた。プレーイングコーチは、選手として出場しながらコーチの役割も担う職責を指す。ともに入団したオム・ソヨン選手は2010年から活動しており、国内外大会で多数の入賞歴を持つベテランである。

(国防を本来の任務とする自衛隊の役割はどこまで広がるのか?)
旬なニュースの当事者を招き、その核心に迫る報道番組「深層NEWS」。読売新聞のベテラン記者で、コメンテーターを務める伊藤俊行編集委員と、調査研究本部の伊藤徹也主任研究員が、番組では伝えきれなかったニュースの深層に迫る。クマが市街地に出没したり、人間を襲ったりする被害が相次いでいる。地元の猟友会や自治体を支援するため、秋田県に自衛隊が派遣された。国防を本来の任務とする自衛隊の役割はどこまで広がるのか。笹川博義・自民党クマ被害緊急対策プロジェクトチーム座長、河野克俊・元統合幕僚長を迎えた昨年11月6日の放送を踏まえて、出演した伊藤俊行編集委員に聞いた。「自衛隊には、クマの駆除ではなく、後方支援の要請があった。銃器を扱うことはできても、クマの駆除に関しては、猟友会に経験と蓄積がある。現状は猟友会に非常に負荷がかかっており、支援してもらう」=笹川氏。「自衛隊は今回、自衛隊法100条に基づく輸送事業に従事する。分担をはっきりさせることで、猟友会は駆除に集中できて、負担を軽減できる。この緊張が高まっている状況では、自衛隊の派遣は当然だ」=河野氏。伊藤徹今年度、クマによる人身被害が深刻化しています。とりわけ、襲われて亡くなる人は、昨年11月20日時点で13人と過去最多を大幅に更新しています。番組にコメントを寄せてもらった岩手大の山内貴義(きよし)准教授によると、餌となるドングリやブナの実が大凶作で、冬眠を前におなかをすかせたクマが市街地に下りていると言います。クマは市街地においしい餌があることを学習する一方、人間との接触は嫌がり、自分の身の危険を感じたクマは、人間を襲ってくるということです。伊藤俊番組では、そうしたクマの出没が急増している背景を踏まえた上で、どのようにクマの被害を防ぐことができるのかについて考えました。なかでも、自衛隊の活動に焦点を当てました。亡くなる人は東北などに集中しており、地元だけでは手が回らなくなっています。陸上自衛隊は昨年11月、秋田県の要望を受けて、クマ対応にあたる猟友会や自治体を支援する活動を行いました。自衛隊法100条に基づく輸送事業として派遣され、①クマを捕獲する箱わなの運搬②見回りをする猟友会のメンバーらの輸送③駆除したクマの運搬や埋設のための掘削④情報収集――に携わりました。伊藤徹自衛隊が出動できる主な要件には、①他国から侵略を受けた時の防衛出動②国内の暴動などに対する治安出動③大規模災害が起きた時の災害派遣――があります。防衛出動と治安出動は武器の使用が認められており、災害派遣は、救援活動のために必要なら、最小限の火器や弾薬を携行することができます。今回は、これらに当てはまらず、箱わなの運搬などの後方支援を行いました。地元もクマの駆除は要請しませんでした。自衛隊の活用をどう考えるべきでしょうか。伊藤俊小泉防衛相は、自衛隊の本来任務は国防としながらも、今回の事態の特異性を考えて派遣を判断したと述べました。河野さんがおっしゃったように、暮らしが脅かされる局面で自衛隊が出て活動することは、国民に大きな安心感を与えます。番組にも視聴者から反響がありました。過去にも自衛隊は、2010年度から2014年度にかけて、北海道の依頼を受けて、エゾシカの捕獲に加わったことがあります。「白糠(しらぬか)の夜明け作戦」と呼ばれた活動で、地元ハンターが駆除したエゾシカを雪上車に載せて輸送しました。1960年頃にも、北海道の近海漁業を荒らし回っていたトドの退治に派遣されたことがあります。番組では、当時の活動を伝える貴重な映像などを紹介しました。一方で、ある陸自幹部OBの方によると、自衛隊は年間の訓練予定を綿密に立てていると言います。訓練なくして、部隊の練度は上がりません。自衛隊への支援要請は、練度の維持という点で、必ずしもプラスには働かないとの本音が漏れました。箱わなを運搬することが、自衛隊の強みを生かす活動なのかどうかというわけです。もちろん、自衛隊の本来任務に支障のないように、部隊の運用は行っているはずです。今回の派遣も、猟友会への支援などで重要な役割を果たしたと思います。ただ、国民の中に「何でもかんでも自衛隊」という雰囲気がないのかどうか。そこは、私たちも少し気をつけないといけません。「クマを仕留める技術は、数ヵ月の研修で身につくものではない。人材育成には時間がかかり、自衛官OBや警察官OBの方も含めて、ハンターをどう確保するかが課題だ」=笹川氏。「鳥獣対策を自衛隊の本来任務に位置づけることは間違っている。民間や警察で対応できない事象があれば、自衛隊で対応すると整理して考えることが順当なのではないか」=河野氏。伊藤徹確かに、自衛隊法100条と言われても、ピンとこない方は多いと思います。自衛隊の活動には様々な制約がかかっています。番組では、そうした制約の中で、知恵をひねり出していくやり方には限界があるのではないかという議論もありました。伊藤俊今回派遣された隊員は銃器を携行せず、装備は防弾チョッキ、クマ撃退用スプレー、防護盾、木銃でした。猟友会と連携して動いているとはいえ、右松健太キャスターは、危険なエリアで活動するには少し心もとない装備ではないかと指摘しました。歴史的な経緯もあり、法的には自衛隊に抑制的な行動を求める一方、現実には国民の要請や期待は高まっている。今回の輸送事業も、その狭間の苦肉の策のように見えます。私たちは、そういった中で活動している隊員の方に敬意を払うべきではないでしょうか。伊藤徹その通りですね。これからクマは冬眠の時期に入りますが、まだ活動しているクマもいるようです。依然として安心できません。笹川さんは、頭数を適切に管理するために、冬眠明けのクマを狙って捕獲する必要性を訴えました。政府もクマ被害対策パッケージを取りまとめて、自衛官OBや警察官OBの狩猟免許の取得を後押しすることにしています。伊藤俊クマの駆除に地元だけで対応できなくなっている理由の一つに、ハンターの不足があります。笹川さんは、ハンターの育成は一朝一夕には進まないので、すぐに始めるべきだとおっしゃいました。河野さんも、自衛官だった人は、定期的に射撃訓練を行っていて、射撃の練度は高いはずなので、その能力を生かすべきだと言われました。忘れてはならないことは、十分な報酬などで、ハンターの方々を処遇することです。これまでも問題になっていました。自衛隊もそうですが、困った時だけ、使えるだけ使うような態度は、あってはならないと思います。

(「今年はクマの出没数は減る」と専門家が指摘する理由、「ただ、来年また“熊パニック”が起きる可能性も」)
2025年4月から11月末までのクマによる人身被害者は全国で230人、そのうち死者は13人に上り、史上最悪の事態となった。26年もクマの出没におびえ続けねばならないのか。本来、クマは11月下旬から12月ごろに冬眠を始めるのだが、今なお被害は収まらない。12月20日には、宮城県大和町の山林で80代男性の死亡が確認された。男性は猟友会に所属するいわば“プロ”。近くにはイノシシ用のわなに片足が引っかかった体長1.3メートルのメスのクマが見つかり、後に駆除された。いったいなぜこれほど多くのクマが出没するようになったのか。「25年は人の生活圏でのクマの活動がかなり活発化しました。これは、山におけるクマのエサが非常に少なくなってきていることと関係しています」と語るのは、岩手大学農学部准教授の山内貴義氏。「クマのエサにはブナの実などがありますが、特に25年はブナが大凶作だったようです。私は山へ調査に入ることが多いのですが、パッと見ただけでも、やはり25年はほとんどブナの実が見つからないということが確認できました」。山内氏によると、ブナの実の量は、木が持つ年単位の周期に依存して決まる。長期的な時間軸では、地球温暖化も凶作に影響している可能性があるが、実りの豊かさを決める主な要因は、木そのものが持つサイクルだという。そして、「23年は大凶作で24年は豊作、次いで25年は大凶作ときており、これはクマの出没頭数との明確な負の相関が見られます。そして私たち専門家の間では既に、26年はかなり実りがあるのではないかということが予測されているので、クマの出没数も抑えられるのではないかといわれています」。なんと、26年はこんな騒ぎにならないというのだ。ただ、安心できるのはつかの間に過ぎない。「秋にクマが大量に出没する年は、一般的にいって5年に1度くらいの周期でやって来ることが知られていました。ところが、ここ数年はそのスパンが1年おきと短くなっているのです」。次のシーズンにはまたぞろ“熊パニック”が起きそうなのである。それに備えるためにも11月に策定された“クマ被害対策パッケージ”の実効性ある運用が求められるものの、「即効性は期待できません。ガバメントハンターや新米ハンターを育成し、緊急銃猟などで撃てる人員を早急に増やそうとしているわけですけど、私は懐疑的です」。緊急銃猟には技術やクマの生態に関する理解が不可欠だが、これを短期間で養うのは困難だという。また、「緊急銃猟を行う際は、長期的に培った人間関係こそが重要になります。書類上は市町村の許可があれば発砲できることにはなっていますが、現場はそんなに単純ではありません。周辺住民の避難や安全確保、発砲のタイミングの調整など、全てにおいて細やかな現場のコミュニケーションが求められるのです」。避難には町内会長や周辺住民との人間関係が関わってくる上、現場の安全確保には警察官とハンターとの信頼関係が不可欠だ。「だからこそ、日頃から積み重ねられた人間関係に基づく話し合いが、現場では重要になってくるのです。クマ被害対策パッケージによって短期間で養成された新米ハンターに、それが可能であるかは疑わしい。現場に来ても“あんた誰?”ってなってしまいますよ」。“喉元過ぎれば熱さを忘れる”ではダメ。クマが消えても、備えあれば憂いなし。

(“春先から秋まで”クマの出没が相次ぐか:北海道)
2025年、北海道ではクマに関する通報が5000件を超え、過去最多を記録した。2026年も年が明けてすぐにクマの痕跡が見つかっている。2026年はどんな1年になるのか。元日、北海道東部の厚岸町で散歩中の人が発見した足跡。町内では5日にもクマの足跡が見つかった。「あーゆーのがどんな動物の足跡か見ながら走ってるっていう感じですね」「あれはキツネじゃないか。シカだと思って見たんですけど歩幅が狭いので」(いずれも北海道猟友会三笠支部・支部長 高崎梨徒さん)。北海道猟友会三笠支部・支部長の高崎梨徒さんは、三笠市からの依頼で年末から年始にかけて市内の山で見回りを続けていた。この冬、三笠市では雪が少なく、クマが出てこないか心配する市民の声が市役所に寄せられていたという。「冬になると葉も枯れて見通しも良くなる、夏はササで歩きにくい所も冬は雪があるのでスキーを履いて行ける」(高崎さん)。三笠市では2025年、公営住宅に体長約1.2メートルのクマがガラスを破って侵入。クマは家にいた女性の前を通り過ぎ、玄関から外に出ていった。高崎さんはこの公営住宅の周辺なども見て回る。「一番驚いたのは家の中にエサになるようなものが全然見当たらなかった」「なんで窓ガラスを割ってまで家に入ったんだろう」(いずれも高崎さん)。見回るのは車の中からだけではない。「今写っているのが僕ら」「車があったかいのでサーマルですごくわかりやすい」「上からサーマルカメラで見たら簡単にわかると思われがちですけど、あったかいものってたくさんあって、沢とか湖、池とかもあったかい」(いずれも高崎さん)。この日はドローンを使ってもクマの痕跡は確認できなかった。これは2025年9月にドローンが捉えた映像だ。三笠市内の山で1頭のクマが不思議そうにドローンを見ている。2025年の漢字一文字に選ばれた「熊」。2026年もクマに振り回される1年になってしまうのか。クマの生態に詳しい専門家は。「春先、ドングリが地面に残っていないことになるからクマの食物が相対的に少ない」「なので(市街地に)出没が増加する可能性がある」(いずれも酪農学園大学 伊吾田宏正准教授)。2025年はドングリが凶作だったため、2026年は山に蓄えがないとみられていて、春から市街地への出没に警戒が必要だという。そして2026年は秋になっても。「(2026年の秋)ドングリが不作ではなくても個体数は過剰なので人身被害や(市街地で)出没のリスクはあると思う」(伊吾田准教授)。秋になってもクマの出没は続くとみられている。また冬もクマが冬眠するからといって、安心できないという指摘もある。「冬眠というのはクマにとって望んでやっている行為ではない。穴のすぐそばでシカが移動している。容易にこれを仕留めることができるなと思ったら起きるというスイッチも入ると思う。これは読めないんですよね。私もこうだと断じることはできない」(札幌市ヒグマ防除隊隊長 玉木康夫さん)。年が明けてすぐに見つかったクマの足跡。2026年も油断できない日々が続きそうだ。

(クマたちから学ぶ日本再生プロジェクト!:一般社団法人日本ヴィーガン協会)
只今、年に一度のクラウドファンディング中で、ご報告が遅れています。継続ご支援があることで、安定したくま活動が実施できることに感謝致します。現場の事情で決まるくま活動。突然、村長さんを紹介するとつないでくださる、秋のくま活動で使いたい小屋が見つかったら、集中してもっと活動できるなど、前進、待機、そして都度できること探しです。継続ご支援の資金は、もう一歩進めるのに活動費不足の時に使うためや、くまのための山の購入に、大切に貯蓄もしています。

(“史上最悪の熊事件”が起きるまで:小池 新)
日本列島の各地で熊に襲われる被害が相次いでいる。死傷者も出ており、イベントの中止や学校行事の変更など、近年にない深刻な影響が拡大。山の木の実の凶作など原因はさまざまに指摘されるが、被害者からは熊の恐怖が語られている。熊の被害は熊害(ゆうがい)と呼ばれ、昔から各地で報告されていたが、中でもいまから110年前、北海道北西部の僻地の開拓村で起きた羆(ひぐま)による事件は「熊害史上最大の惨事」といわれる。胎児と2年後に亡くなった子どもも含めると死者8人、重傷者は2人。現場の地名をとった「三毛別羆事件」としていまにその恐怖が伝わる。当時の人々が「魔獣」と呼んだ羆による惨事はどのように起き、どのように伝わったのか。当時の新聞記事は見出し以外、適宜現代文に直して文章を整理。現代では使われない差別語、不快用語が登場するほか、敬称は省略する。また、事件では羆による「食害」があったこと、つまり羆が人間の体を食べたことが分かっているが、歴史上の事件とはいえ、人権に配慮して表現を変えている部分がある。1915(大正4)年という年は、前年に発足して第一次世界大戦参戦に踏み切った第二次大隈重信内閣が中国に「21カ条要求」を出したことで知られる。旅順・大連(いずれも現大連市)の租借期限延長、山東省のドイツ利権の譲渡など、膨大な利権の要求で中国との対立は決定的に。一方、年号が大正になって3年。11月には大正天皇の即位の礼が京都で行われ、その後も大嘗祭=天皇が即位後、初めて行う新嘗祭(新穀を神に供えて国家安泰・五穀豊穣を祈る神道儀式)=などがあり、祝賀ムードが続いていた。北海道でも札幌で提灯行列が行われる中、熊の出没と人間の被害が頻発していた。「少年を咬殺(こうさつ=かみ殺す)した熊を退治す 青年會(会)員と舊(旧)土人の手柄」。地元紙・小樽新聞(北海道新聞の前身の1つ)の同年11月24日付にはこんな記事が。「旧土人」とはいまでは完全な差別語だが、当時は先住民族の意味でアイヌ民族を指した。浜益(はまます)郡浜益村(現石狩市)で13歳の少年が兄と馬で薪を運搬中、突然現れた巨熊(おおぐま)が少年に飛びかかってかみ殺したうえ、遺体を担いで山中に入った。警察官と村民、青年会員、アイヌら約60人が捜索。竹藪で「食べ残し」の少年の遺体を発見した。さらに雪の中で寝ている熊を見つけたが、多くが恐れて発砲しない中、6人のアイヌが狙撃。2発が腹に命中し、立ち上がった熊に1人が日本刀を突き刺した。熊は逃げたが、一同はさらに約4キロ追跡してようやく捕獲。体長1丈(約3メートル)余で稀有の巨熊だった。別の地元紙・北海タイムス(北海道新聞の前身の1つ)の同年12月7日付にも「又も大熊 見事に射止(いとめ)らる」という記事が見える。芦別村(現芦別市)で同年春以来、巨熊の出没が甚だしく、5~6月以降射殺が3頭に及んでいる。最近はまた毎晩出没。12月1日などは午後10時ごろ、民家で飼っていた鶏を食い、家人が留守の別の民家に板戸を押し破って侵入し、豚肉などの食料を食い荒らしたうえ、納屋で寝込んだ。翌朝帰宅した家人が見つけ、別の男性が銃で熊の胸部を射抜いた。熊は窓から飛び出して山へ逃げた。3日、13~14人が足跡を頼りに追跡。約4キロ先の山頂近くで発見。前日発砲した男性が放った1発が急所に命中して射止めた。「身の丈八尺(約2.4メートル)で体重80貫(約300キロ)余の巨熊だった」とある。同じニュースは翌12月8日付小樽新聞にも掲載されている。そんな中、12月13日付北海タイムス社会面の欄外にごく短い記事が。大熊人を喰ふ(食う) 苫前村(現苫前町)サンケベツ(三毛別)に大熊現れ、さる10日、2名食い殺され、また11日夜も5名殺され、5名負傷し、大恐慌中(苫前電報)。当時の新聞は締め切り間際に飛び込んだニュースは欄外に掲載していた。一方、同じ13日付の小樽新聞は通常の欄に「猛熊七名を咬殺し五名に重傷を負は(わ)す(12日苫前発電)」として同内容を報道。末尾に「全村目下大騒ぎなり」と記した。両紙によれば計7人死亡5人負傷。確かに現地は「大騒ぎ」で「大恐慌」だっただろうが、実際の発生は12月9日だったことなど、この事件の報道は誤りが多い。さらに現場が僻地のため、情報が決定的に遅い。実はこの事件は少し時間がたつとほとんど忘れ去られた。半世紀を過ぎて作家・戸川幸夫と吉村昭によってそれぞれ小説化され、世間に広く知られるようになったが、2人が創作の基にした資料は、現場周辺を管轄する古丹別営林署の林務官だった木村盛武が独自に調査し、事件の生存者らにインタビューを重ねてまとめた記録だった。1965年刊行の冊子「獣害史最大の惨劇 苫前羆事件」をはじめ、同じ題名などで雑誌や単行本で取り上げており、現在は『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』(文春文庫)で読める(ダイジェストは文春オンラインでも)。当時の新聞報道が不完全なことから、この文章でも彼の記録で補強するしかない点が多い。記録のうち雑誌「苫前羆事件 ヒグマ10号別冊 獣害史最大の惨劇」(1980年)によれば、事件の舞台となった苫前村は北海道の中心地・札幌から北北東に約180キロ。ニシン漁が盛んな漁港の苫前中心部からも約30キロ離れており、古丹別川の支流・三毛別川に注ぐルペシぺナイ川(通称六線沢、御料川とも)に沿って上流に入った御料地(皇室の所有地)の開拓地だった=当時の北海タイムス報道では「苫前市街から4里(約16キロ)」。当時の地名は北海道天塩国苫前郡苫前村大字力昼村三毛別御料地農地六号新区画開拓部落六線沢(現苫前町三渓、通称六線沢)と長い。明治維新後、皇室の財産を増やす目的で官有林、官有地を御料林、御料地に編入する動きが強まり、北海道でも1890年から8カ所の国有林200万町歩(200万ヘクタール)=東京ドーム42万6000個分、当時の北海道の山林の約半分=が、うち天塩国では33万5000町歩が御料林とされた。4年後にはその3分の2が北海道庁に下げ渡されたが、苫前は御料林として残った。その後、御料林内の農業適地について農民の入植・開拓を認める方針が進められ、開拓地が広がった。『苫前町史』(1982年)は「この地域には明治43(1910)年ごろから相前後して隣村の鬼鹿、大椴(おおとど)=いずれも現小平町=の両開拓地より新懇地を求めて15戸の入植者があったが、被害にあったのはこれらの人々である」と記す。『慟哭の谷』はその2カ所に加えて「東北の河辺から」と記述しており、秋田県河辺町(現秋田市)と思われる。吉村昭『羆嵐』はフィクションだが、六線沢の開拓農民は東北地方の同じ村にいたものの、困窮し、指定された築別(現羽幌町)の御料地に入植。そこがすさまじい蝗害(こうがい=イナゴの被害)に遭ったことから、御料林を管理する帝室林野管理局の指定で六線沢に移転したとしている。あるいは、元々は秋田の農民だったのかもしれない。「ヒグマ10号別冊」によると、北海道庁に事件第一報の電報が入ったのは12月12日。2回の被害をまとめての報告だった。北海タイムス、小樽新聞とも初報が12日に苫前から電報で発信されたように書いているが、実際は本社や取材拠点があった札幌から発信されたと考えるのが自然だ。翌12月14日付で北海タイムスは「熊害公報 苫前の大惨事」の見出しでやや詳しく報じた。昨日紙面欄外記載のように9日午後7時ごろ、天塩国苫前郡苫前御料地サンケベツの農家に巨熊が乱入し、太田幹雄(9)をかみ殺したうえ、その母マヨが行方不明に。たぶん猛獣がくわえ去ったのだろうという電報が道庁に達した。引き続き12日、またも巨熊が民家を襲い、5人を殺して5人を負傷させたという公式の連絡があった。同庁保安課からは直ちに羽幌警察分署に向け、地方青年会の主だった者と旧土人に捕獲駆除させて民心を安定させるよう打電。同分署は署員と村民を督励して熊退治に大活動をしているという。「太田幹雄(9)」は「蓮見幹雄(6)」、「マヨ」は「マユ」の誤り。発生日は訂正されているが、これも道庁の動きを書いているだけ。札幌での取材であることは間違いない。当時の国鉄路線は、羽幌線(1927年開業、1987年廃止)はまだ通っておらず、1910年に留萌本線が留萌まで開業していた。それでも、札幌などの取材拠点からは移動手段も限られ、たどり着くのは相当の苦難だっただろう。それで北海タイムスは穴埋めのつもりだろうか、15日付から4回続きで「熊物語り 過去十一年間熊に喰ひ殺された人」を連載。「熊という言はある意味において既に北海道を代表する言葉である」の書き出しで、明治末期から熊による悲惨な被害が続いてきたことを年ごとに列記した。その間の16日付には「大熊と死傷十二名 熊は未だに捕獲されず人心頗(すこぶ)る恟々(きょうきょう=恐れおののく)の有様」を掲載。「いまだに詳しい情報はないことから巨熊の捕獲はできていないようだ」として経緯を記した。一方小樽新聞は同じ16日付で「古丹別の青年大擧(挙)して熊狩」の見出し。2度にわたる被害で全村の青年たちが大挙して熊退治をしようと隊を組み、手に手に猟銃や長刀を持って出発したことを伝えた。どういうわけか、この日の2紙は現場を「古丹別村」と誤記。報道の混乱は続いていた。そして12月19日付で小樽新聞は社会面トップで「山に吼(ほ)え野に嘯(うそぶ)き 老幼数名を咬殺した猛熊狩」で9日の惨事を熊の絵入りで伝えたが、発生した日をはじめ誤りや不正確な点が多い。地元紙でもそうだから、中央紙は推して知るべし。福澤諭吉創刊の時事新報が12月19日付で「小樽18日特電」で「五人大熊に噛(かみ)殺さる 天鹽國(天塩国)の惨事」を短く報じた程度だった。そして――。12月20日付北海タイムスは「巨熊遂に殪(たお)る 猛悪無比の苫前大熊五百余名で銃殺」、小樽新聞は「猛熊漸(ようや)く退治せらる 三毛別界隈(かいわい)の住民始めて安堵す」の見出しで、いずれも14日に熊を射殺・駆除したことを報じた。2紙とも「熊は金毛で背丈は十尺(約3メートル)以上」と記述。中央紙も東京朝日が同じ日付で「巨熊數(数)人を殺す 五百名で退治す」と一連のいきさつを「札幌特電」で伝えた。時事新報は21日付で「人喰熊退治さる 六人噛殺の大熊 包囲銃殺せらる」と「小樽20日午後特電」で報道。徳富蘇峰の國民新聞も同じ日付で「金毛の巨熊五人を噛殺す 首尾好く射止む」を「札幌電報」で載せた。

(「三毛別ヒグマ事件」“生き地獄”の一部始終:小池 新)
いまから110年前、北海道北西部の僻地の開拓村で起きた羆(ひぐま)による事件は「熊害史上最大の惨事」といわれる。胎児と2年後に亡くなった子どもも含めると死者8人、重傷者は2人。現場の地名をとった「三毛別羆事件」としていまにその恐怖が伝わる。当時の人々が「魔獣」と呼んだ羆による惨事はどのように起き、どのように伝わったのか。事件の発生、北海タイムスは12月21日付から「熊害大惨事の詳報」を4回、小樽新聞は24日付から「不安の六晝(昼)夜 苫前三毛別猛熊退治後聞」を3回、それぞれ連載。ようやく事件の全容が明るみに出た。「不安の六晝夜」は第1回の冒頭、「実に本道未曾有の熊害」とし、「当時この熊狩りに参加した本社駐在員は惨事前後の日記を報じてきた」と書いているが、本当に「本社駐在員」だったかどうか……。一方の「熊害大惨事の詳報」は最終回末尾に「(羽幌警察)分署長より宮崎(北海道)警察部長への通告と、同地へ出張した木村警察医に、同村から札幌に来ている川村某の談を総合したもの」と記している。北海タイムスの「熊害大惨事の詳報」を基に木村盛武※の記録で修正・補足する。三毛別御料地に巨熊が出没し、6人をかみ殺して6人を傷つけたうえ、十戸余りの農家へ侵入。同地方の住民を震駭(しんがい=恐れ驚き震える)させたことは本邦開闢(天地の始め)以来未曾有の椿事(ちんじ=思いがけない大変な出来事)だが、いま詳報が入ったので記す。▽死者 太田三郎(42)の内縁の妻・阿部マユ(34) 蓮見幹雄(6) 斉藤石五郎(42)の妻・タケ(34) 同三男・巌(6) 同四男・春義(3) 明景安太郎(40)の三男・金蔵(3)。▽負傷者 明景安太郎の妻・ヤヨ(34) 同長男・力蔵(10) 同次男・勇次郎(8) 同長女・ヒサノ(6) 同四男・梅吉(1) 長松要吉(59)。▽ほかに避難して危害を免れた者13人。明景梅吉はこの時の傷がもとで2年8カ月後に死亡。斉藤タケには臨月の胎児がいたので、それを含めると死者は8人となる。負傷者としてあげられた勇次郎とヒサノはけががなかったことが判明。これで死者8人、負傷者3人に。蓮見幹雄は、太田家に子どもがいなかったので、6歳のときから実子代わりに預けられていた。死亡当日、太田家に入籍。長松要吉は太田家に同居する雇い人だったようだ。第一に被害を加えられた太田三郎方は御料奥地六号にあり、家人4人中、長松要吉は9日午前7時ごろ、樹木伐採のため山に登った。三郎も地区道路の架橋工事の手伝いで外出。家にはマユと蓮見幹雄の2人だけが留守番をしていた。ところが、午後4時ごろになって要吉が1日の作業が終わって下山。帰宅すると、屋内の土間に大豆、小豆などが散乱しており、ただ事でないのを怪しみながらよく見ると、血痕があちこちに点在し、炉端には幹雄が顔面血まみれになって倒れていた。びっくりして三郎の出先に知らせ、居合わせた1人とともに3人で現場に戻って調べたが、マユは家におらず、行方不明であるばかりか、鮮血がしたたり、寝具は真っ赤に染まって乱れ、血痕が所々に付着して足の踏み場もない凄惨な光景を呈していた。窓の下の板囲いを突き破って大穴を開け、東方の山中に向かって何物かを引きずって行ったような形跡が歴然としていたことから、はじめて巨熊の仕業で幹雄が殺され、マユが薪で熊と戦ったが力及ばず、夜具に隠れたところを熊にさらわれたことが分かった。だが夜中なのでいかんともしがたく、焚火をしながら一夜を明かし、翌朝(10日)になってようやく近隣に知らせた。30人余りの応援を得て雪上の跡をたどってマユの遺体を探しに山に登ったところ、70間(約127メートル)余りの谷間に1頭の巨熊がマユの遺体を見張り、悠然と控えているのを発見した。同時に、熊も騒々しい物音に驚いたのだろう 猛然と立ち上がり、雪を蹴って雪煙をあげて突進してきた。一同は尻込みしてなすところを知らずためらい、銃を持った5人は狼狽のあまり、誰も発砲する勇気がなく、わずかに1人が1発を発射した。木村盛武の記録によれば、3丁が不発だった。当時の開拓小屋は粗末で、ほとんどは草で囲っただけ。板囲いだったのは太田家だけだったという。小樽新聞で連載された「不安の六晝(昼)夜 苫前三毛別猛熊退治後聞」は、太田三郎一家は前年11月、(隣村の)鬼鹿村(現小平町)から移住してきたと書いている。ここまでが「熊害大惨事の詳報」の第1回。第2回以降も詳しい叙述が続くが、当時の新聞記事らしく、次のように美文調で活劇ふうの文章が目立つ。「寂寞を破り、轟然響く1発の銃声も、狙いも違って空しく巨熊を怒らせるのみ……」。整理しながら記述を追う。猛り狂う熊は恐ろしい牙を見せて肉薄。危険が迫ったため、30人余りの人々は逃げ帰った。熊はそれ以上追ってこなかったので、一同は危険を免れたが、そのままにしてはおけず、勇を鼓して再び熊がいた所まで進んだ。雪を盛って小さな穴が開けてあるので、掘ってみたところ、大量にかき集めた笹や樺の葉の中から、食い尽くされて残った両足など、マユの遺体の一部が現れた。一同は身を震わせて、その旨を古丹別巡査駐在所と帝室林野管理局(札幌支局)羽幌出張所古丹別分担区員に届け出た。木村盛武の記録によれば、その使者に立ったのが開拓農民の斉藤石五郎だった。はじめはクジでほかの人間が行くことに決まっていたが、気が進まないとして石五郎に代わりを依頼。妻子を安全な場所に避難させることを条件に引き受けた。これが悲惨な運命の始まりだった。「熊害大惨事の詳報」はこの後、約300人が11日から山狩りを実施したが、成果がなく、12日になって、11日に第2の被害があったとの知らせがあったと書いている。しかし、木村盛武の調査によれば、第2の被害があったのは太田家で通夜があったのと同じ10日夜。『苫前町史』もそれに沿っている。「ヒグマ第10号別冊」は「ほとんどの記録、証言などによっても12月11日となっており、遺族の一部ですら、かく信じ込んでいる」とし、「本事件最大の疑問」としている。何かの記憶違いがそのまま定着したのだろうか。以下、木村の調査に従って修正して引用する。第2の被害とは10日、第1の被害があった太田三郎方で、遺体を納棺し、付近の者十人余りが集まって通夜が行われていた午後8時ごろ、突然棺が置かれていた側の板戸を破り、1頭の巨熊が乱入。火を恐れたものかランプをたたき落として真っ暗にし、暴れ回った。居合わせた人々は仰天して一斉にときの声をあげ、銃を携えた1人は機転を利かせて空包を放ったので、さすがに獰猛無比の巨熊も鉄砲の音に驚いたのだろう、逃げて姿を隠した。約40間(約73メートル)離れた隣家で警戒中の数名はときの声を聞き、銃をとって太田方へ駆け込んだが、熊はその間に60間(約109メートル)隔たった明景(みょうけ)安太郎方に侵入。生き地獄を現出させていた。研究者らによれば、熊の習性として、自分の獲物を取り戻しに来たのだという。この時発砲したのは日露戦争帰りの“勇者”だった。明景家は太田家から約500メートルの距離。斉藤家からは約900メートル下流で比較的安全とみられていた。明景家は当主の安太郎が所用で隣村に出掛けており、家には妻ヤヨと子ども6人、そして山の上から避難してきていた斉藤石五郎(駐在所などへの連絡に出掛けていた)の妻タケと五男の巌、六男春義の女性と子どもだけがいた。炉端に集まり、不安に包まれていたところ、血迷った巨熊は恐ろしい勢いで突入。暴れ回って灯火が消えた暗闇の中、熊は鋭い眼光で猛威を振るった。一同は逃げ惑い、子どもらは「助けてくれ!」と泣き叫んで阿鼻叫喚の惨状を呈した。獰猛極まりない熊は、梅吉を背負って前は勇次郎にすがりつかれほとんど気絶しそうなヤヨを捕らえて梅吉の足にかみついた。親子もろとも抱き締めて軽く2~3度、その頭部をかんだ。勇次郎は頭が熊のあごの下に挟まれていたため、かまれずにすんだ。要吉が慌てて屋外に逃げようとするのを熊は床を蹴って追いかけ、捕えようとした瞬間、ヤヨは負傷しながら勇次郎の手を引いて逃げ出した。要吉は熊に一撃を浴びせられて右手としりに爪の傷を負ったが逃れ出た。要吉が転ぶようにして走り、太田家へ急を告げたので、居合わせた一同は一斉にときの声をあげ、あるいは石油缶をたたいて各所に火を立てて大騒ぎとなった。熊はなおも暴れ回り、臨月で体の自由が利かないタケを捕らえ、タケの左右に取りすがる巌、春義と明景の三男・金蔵に一撃を加えて即死させた。タケの足を食い始めたため、タケは痛手を負いながら、慌てている力蔵に「私は到底助からないものと諦めるが、おまえ早く逃げよ」と子を思う親心、「早く早く」とせき立てたが、力蔵は子どもながらも母の危難を見捨てて逃げる勇気もなく、ためらっていた。熊の立ち上がる様子に、家の草囲いと雑穀俵の間に潜り込み、俵を被って息を殺し、難を逃れた。熊は妊娠中のタケの腹部を食い、胎児と内臓を引っ張り出した。金蔵と巌の遺体の一部を食い尽くし、残りを春義の遺体などとともにかき集めて、夜具とむしろで覆い、山中深く逃げ入った。生き残った力蔵の直接証言を得た木村盛武の記録により、タケが自分の体を食われながら胎児を思って「腹破らんでくれ!」「のど食って殺して!」と絶叫し続けたことはよく知られている。まさに「生き地獄」だった。十人余の村民はやっと明景安太郎方に駆け付けた。恐る恐る家に入って、明かりをつけてみると、物は散乱し、各所に生々しい血痕が付着して凄惨な光景。一同いまさらのように仰天して家の中をくまなく調べたところ、明景ヒサノは幸いにも大惨劇を知らず、夜具を被ってスヤスヤ眠っていたため、熊に発見されず危険を免れ、力蔵とともに九死に一生を得た。斉藤巌はしりなどを食われながら生きており「おじさん、熊を獲(と)ってくれ」と細々とした声で叫び、のどの渇きを訴えた。治療を受けさせるため運ぶ途中、哀れにも息絶えた。このあたり、実際の状況はだいぶ違ったようだ。木村盛武の記録によれば、事態を知った50人余りが明景宅を包囲。わが子を案じて戻ったヤヨが半狂乱になってわめき続けたが、誰1人踏み込めないままだった。屋内からは断末魔のうめき声と救いを求める女性と子どもの叫びに重なって、羆が人骨をかみ砕く「ゴリゴリ」「バリバリ」という不気味な音がしていたとも。とうとう1人が銃を2発発射すると、熊は飛び出して山に逃げた。そして、惨劇にも終幕が訪れる。この椿事は付近の村民を驚かせ、我先にと樺の皮を焚きつつ避難する者が多く、途中、取り替えるため投棄した火は十余丁(1キロ以上)にわたり、まるで古戦場をしのばせる光景を呈した。翌11日、鬼鹿村から応援隊として山本兵吉以下9人の鉄砲熟練者が続々来たり、村民と警察分署員の一隊を補助。昼間は熊の足跡をたどって山中深く追撃しようとしたが、恐怖で躊躇、逡巡する者が多かった。加えて、雪中で険しい場所のため歩くのも自由でなく、成果が挙がらないまま、明景家に張り込む一方、最も銃に熟練している者を7人ずつ、約14間(約25メートル)離れた小川を挟む要所を選んで拠点とし、銃7丁を備えて徹夜で見張り、熊の出現を待ち構えた。下流の大川家が熊狩り本部とされ、羽幌警察分署長が本部の隊長となったが、木村盛武の記録は、帝室林野局分担区員の喜渡安信技手が統率力、指導力に優れ、開拓地の人々から信頼されており、その後の山狩りは「土地鑑があり農民に顔の広い分担区員(喜渡技手)が実際の采配を振るうこととなった」(「ヒグマ10号別冊」)と述べている。獰猛極まりなく人間の肉の味をしめたかの巨熊は14日午前9時ごろ、ノソリノソリと人家を指してゆっくり歩いてくるのを発見。一同用意を整え、7人は銃を携えて川岸に進み、銃を持たない村民300人余りは鎌やまさかりなどを携えて八方に団を組み、家の屋根に上ったり、木陰に身を隠したりして熊が対岸に来るのを待った。熊は家人が立ち退いた川岸の家を襲って鶏数羽を食い、しばらくして出てくると、24~25間(約44~46メートル)前方まで近づいた。分署巡査部長が1発目を撃ったのに続き、7人が2発ずつ計14発を放ち、さながら活動写真(映画)を見るように壮観だった。山本兵吉の1発が見事に熊の腹部を貫き、なおも暴れて雪煙を立てて逃げようとするのを、追撃して2発命中。さすがに猛り狂う巨熊も3発の銃弾を浴びせられたのが致命傷となってうち倒れた。村民が寄ってたかって殴りつけ、ついに打ち止めたが、年齢8歳ぐらい、身長9尺(約2メートル70センチ)余り、体重70~80貫(約263~300キロ)。銀毛混じりの稀有の巨熊で、皮は直ちに剥ぎ、肉は村民一同で分け、太田母子その他の仇を報いたのを喜び、安堵した。他紙だけでなく、北海タイムスも前は「金毛」と報じていたが……。山本兵吉をはじめ銃に熟達していたのはマタギ(山間部に居住する伝統的な猟師の集団)だった。

(“史上最悪の熊被害”で見落とされていた“ある視点”とは:小池 新)
事件を題材にした戸川幸夫と吉村昭の小説の題名がそれぞれ『羆風』『羆嵐(くまあらし)』だったように、この羆が射殺された当日にはすさまじい強風が吹いた。まだ駆除が報じられていない1915年12月16日、小樽新聞は社会面に大きく「風雪一過の後」の見出しで、14日朝の暴風のため、札幌―小樽間や宗谷線(現宗谷本線)、留萌線(現留萌本線)、名寄線(のち名寄本線、1989年廃止)などに被害が出たと伝えた。北海タイムスは事件から2週間経った12月28日付で「苫前の大被害」として次のように報道。「14日午前10時よりの暴風は未曾有の猛烈を極め、電柱を折り、屋根を剥ぎ、家屋を倒し、木造倉庫を吹き飛ばし、路上の人を傷つけ、船舶漁具を流失または破壊し、巨浪は市街にまでほとばしり出て、電信線などは北方は18日までも不通。苫前尋常高等小学校などは50人の生徒が一晩学校に宿泊。力昼小学校は校舎が破壊されるなど、全般的に大きな被害を受け、その損害額は苫前、(隣村の)力昼で計5万円になるという」。大正時代の貨幣価値は変動が激しく確定が難しいが、あるデータでは現在の価値で約7000万円になる。しかし、おそらくもっと多額で、いまなら億単位の被害だろう。三毛別地方の人々はこれを「熊(羆)嵐」と呼び伝えた。こうしたところからも分かるが、当時の人々はこの羆に一種、人智を超えたものを見ていたように感じる。熊を神とあがめたアイヌの感覚に近い。確かに羆の行動からはまるで何か、人間に対する明確な殺意と戦術があるように思える。彼らが「魔獣」と呼んだ意味が分かる。さらに、羆を狙った銃の多くが不発だったことや、蓮見幹雄の母が12月9日未明、幹雄が夢枕に立って「太田のおばさん(マユ)がこんなになってしまった」と歯が抜けた櫛を見せたと証言したこと、そして、ほかにも人々が何気なく言ったことばが“予言”のように的中したことが輪をかけた。射殺された羆は現場から苦労して約6キロ離れた三毛別青年会館に運ばれ、解体された。胃の中からマユが着けていたブドウ色の脚絆(きゃはん)の一部と大量の毛髪が出てきた。さらに、集まった人たちが口々に、前にも人を食ったことのある羆だと証言。その言葉を証明する衣類などが次々出てきて驚かせた。しかし、それ以上の真偽は分からないと木村盛武※の記録は言う。皮は板枠に張り付けられ、青年会館前で天日乾燥されたが、その間も棒でたたくなど、村民らの“復讐”が絶えなかった。ほかに、新聞報道には見られないが、木村盛武の記録にはいくつかエピソードがある。1. 事件の半月以上前の11月中旬から3回にわたって、問題の羆と思われる巨熊が開拓農家の軒先などのトウキビ(トウモロコシ)を食い荒らす出来事があった。マタギが警戒中に羆が現れたが、マタギの1人が焦って発砲したため逃げられた。2. 熊狩り本部は12月11日と12日の夜、明景安太郎宅で、胎児を含む犠牲者の遺体をおとりにして、銃を持った8人が張り込んで待ち受けたが、姿を現した羆はわなを見破り、屋内に踏み込まなかった。3. 六線沢下流の池田家では12月13日未明、熊狩り隊員40人がたむろしていたが、「羆が近くの家に侵入したらしい」という情報が入った後、屋外に積んであった薪が崩れて大きな音を立て、馬が暴れ出して馬小屋から飛び出した。隊員が薪を取りやすい下の方から抜いたためだったが、中にいた者は慌てふためいて物陰に隠れ、普段勇ましいことを自慢にしていた1人の男は台所の下に潜り込んだ。そこへ後から飛び込んできた男が着ていたヤギの皮の刺し子を嫌というほど顔にこすりつけられた。やがて羆ではなかったことが分かり、皆出てきたが、自称勇者は「すんでのところで羆のエサになるところだった。羆の睾丸を顔にこすりつけられた」と大騒ぎ。「羆の金玉事件」として後々まで宴会などで寸劇にされて笑いのタネになった。また、事件の反省材料として挙げるのは(1)羆の出没は多かったが人の被害がなく、安心感から対策がないがしろになってしまった(2)一部の射手が発砲して手負いにしてしまった。「獲物は猟者の独占物」という風潮があって、連携プレーによる駆除体制が築かれていなかった(3)熊の生態と習性への無知――。中山茂大『神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史』(2022年)は、当時の状況を、日露戦争後の銃の民間払い下げで技術が未熟な遊猟者が増加したと指摘。「開拓民が増え、熊害が増え、にわか猟師が増え、手負い熊が増え、人食い熊が増えた」と分析している。しかし、これほどの衝撃的な惨劇は「不思議なことに、それよりも古い明治初期に起こった丘珠事件の陰にかすんでしまった」と『慟哭の谷』は書く。丘珠事件とは――。読売新聞の1878(明治11)年1月31日付と2月2日付に札幌の話題の中で「この節は熊が多く出て、14~15日前には馬子(馬方)が1人かみ殺され…」という記述がある。詳細は門崎允昭『ヒグマ大全』(2020年)を見る。1878年1月11日、円山(村=現札幌市中央区)と藻岩山(山鼻村=現札幌市中央区・南区)の山間にあったと推定されるヒグマの冬ごもり穴に、山鼻村在住の男が撃ちに行き、逆に襲われてかみ殺された。ヒグマは穴に戻らず、平岸村(現札幌市豊平区・南区)から月寒村(現札幌市豊平区)に向かって徘徊し始めたので、開拓使は人身の保安上、1月16~17日に計6人の猟師を「羆討獲方」として雇い入れ、警察官吏の指揮でヒグマを足跡伝いに追跡した。しかし、白石村(現札幌市白石区)から雁来村(現札幌市東区)まで追跡したところで、吹雪のため、足跡を見失ってしまった。このヒグマが同月17日深夜から18日未明にかけて丘珠村(現札幌市東区)で炭焼きの家に侵入。主人が立ち向かったが一撃で倒され、妻は乳飲み子の長男を抱いて、雇い人の女性とともに外へ逃げ出そうとした。しかし、妻と女性は背中や脇をひっかかれ、妻は子どもを手から離してしまった。ヒグマは泣き叫ぶ子どもに襲いかかり、食い始めた。妻と女性は逃れて近くの家に助けを求めた。ヒグマは近くの林の中に逃げ込んだが、「羆討獲方」の猟師が夜明けとともに探索を開始。ほどなく発見。捕殺された。「開拓使」は明治政府が1869(明治2)年に設置した北海道の開発・行政を担った機関。これも確かに悲惨な事件だが、三毛別ほどではない。それでもこの事件が世に伝わったのは明治天皇が事件関連の遺物を観覧したからだ。『新撰北海道史 第三巻』(1990年)の「明治十四(1881)年の御巡幸」の項にはこうある。「第3日、9月1日」「午後は札幌農学校に臨御。陳武場の楼上において生徒(の)理化学の実験を天覧に供し、畢(おわ)りて博物場に臨御。天覧品中には、斯(か)の前年、丘珠村にて民家に入り、人を喰いし猛熊の剥製も陳列されて、開拓地の凄惨なる一面を展(の)べるが如くであった」。「第3日、9月1日」「午後は札幌農学校に臨御。陳武場の楼上において生徒(の)理化学の実験を天覧に供し、畢(おわ)りて博物場に臨御。天覧品中には、斯(か)の前年、丘珠村にて民家に入り、人を喰いし猛熊の剥製も陳列されて、開拓地の凄惨なる一面を展(の)べるが如くであった」「前年」は「3年前」の誤りだが、剥製だけでなく、アルコール漬けの犠牲者の遺体の一部も保存されていたという。この話はさらに「牡丹灯籠」などで知られる落語家・三遊亭圓朝が1886(明治19)年、元勲の山県有朋(当時内相、のち首相)、井上馨(当時外相)らに従って北海道に出向いた際の体験談をまとめた『椿説蝦夷訛』に織り込んで話題になった。『慟哭の谷』は、丘珠事件が正確な記録が残されたのに比べて、三毛別事件は「新聞報道以外に信憑性ある事件記録も物的証拠も残されていなかった」ことと、丘珠が大都市札幌に隣接しているのに対し、北海道の北西部の避遠の一寒村で起こったことを「かすんだ」理由に挙げている。付け加えれば、丘珠事件から三毛別事件まで37年余り。時代が変わっていた。開拓使は天皇が観覧した翌年の1882(明治15)に廃止されるが、当時はまだ北海道開拓は推進しなければならない国家プロジェクト。開拓地での開拓者の苦難に天皇が心を寄せていることを示す必要があった。その後の日清戦争に次ぐ日露戦争の膨大な戦費支出で国家経済は疲弊。北海道開拓につぎ込む資金がなくなり、なんとか1910(明治43)年から第1期拓殖計画をスタートさせた。それには鉄道路線の開設・延伸も関連していた。三毛別御料地への開拓民入植もそうした展開の小さな要素だったのだろう。明治から大正に代替わりして北海道開拓の性格が変質。以前より開拓民の苦難への関心は薄くなっていたのだろう。さらに、現場が御料林であることから、皇室のマイナスイメージになると考えられた可能性も……。事件が落着した後の1915年12月23日付北海タイムスのコラム「閑是非」は、当時の大隈首相とひっかけて次のように書く。「北海道の苫前ではホントの大熊が現れ、人を食い殺すこと7名、負傷者十数名。実に前代未聞の珍事である。今年ほど熊公の跋扈(ばっこ=思うままのさばる)する年はない。至る所、熊害頻々。実に酸鼻を極めている。苫前の熊公は20人の鉄砲持ちと500人の青年団とでとうとう射止めたようだ。中央の大熊(大隈)は脚は1本でこそあれ、狂暴無比で昨年以来暴れ回っているが、いまだに撃ち止めることができない……」。大隈首相は外相当時の1889(明治22)年、右翼の爆弾テロで右脚を失っていた。それをこんなふうに表現するのは品がないが、問題は「酸鼻を極めている」と言いながら、「熊公」と呼ぶなど、全体的に見て、犠牲者や被害者に心から同情しているとは思えない点だ。コラム筆者も「僻遠の一寒村」と思っていたのではないか。この三毛別羆事件は戸川幸夫、吉村昭両氏の小説が出た後、脚光を浴びるようになり、熊狩り本部が置かれた家の息子が自費で「熊害慰霊碑」を建立。事件を題材に郷土芸能として「苫前くま獅子舞」が創作され、町の有形文化財に。羆が射殺された現場の橋は「射止(うちどめ)橋」と名づけられるなど、町は事件を観光資源にしようとしている。三毛別羆事件の資料を読んでいて、どこか割り切れないものがあった。確かに残虐で悲惨な事件だが、抜け落ちている視点があると感じた。それは人間と熊との距離というか、経済的な結びつきだ。木村盛武の記録には、問題の羆の部位の行方について記述がある。皮は遺族救済のために創作された芝居の上演の際に使われた。肉は解体現場で大鍋や石油缶で煮て食べた。ためらう人もいたが、「被害者の供養」「魔獣への報復」だとして口にした。固くてまずかったという。薬として珍重された「熊の胆(い)」(胆嚢)は羆を仕留めた山本兵吉のものになったとも、幹部やマタギが分け合ったともいわれるが、はっきりしない。関連して同年12月29日付小樽新聞には「決死隊に十圓(円)」の記事が見える。三毛別熊害事件で部落一同から決死隊の銃手7人に謝礼10円を贈呈。銃手たちは熊(時価50円)を被害者に香典として贈ったという。あるデータではそれぞれ現在の約1万4000円と約7万円に相当する。これについて『慟哭の谷』は、高額なことから皮と熊の胆の込み価格ではないかとしている。事件発生前、11月26日付小樽新聞は社会面最下段の雑報の中で「羆の肉御買上」という短い記事を載せている。「今回宮内省(当時)より本道産の羆の肉をお買い上げになることとなり、道庁へ対し、調進を命じ来たれるをもって、各支庁に宛てて羆を調査中だとの説がある」。報知新聞12月19日付には「第二回の熊の皮陳列」が見出しの同紙主催の催しの案内記事が。「本日より好評の熊の皮の陳列即売会を再開する。防寒保温の寝具はこれに勝るものなしと各家庭から称揚されている。『熊の皮なら火事の危険がなく、年寄りも安心して寝かされます』……。カムチャッカの極寒をしのぐ熊の皮を来観してほしい」。同紙は12月21日付でも会の模様を載せ「昨日も300円(現在の約42万円)の白熊は寝具用として買われ、30~40円(同約4万2000円~約5万6000円)の熊の皮は冷え性の婦人用流産予防に買い入れられた」とした。羆も含め、熊は「捨てる所がない」と言われるほど各部位が利用できるといわれ、肉も高タンパク低脂肪で鉄分やコラーゲンが豊富。個体によっては美味だが、アイヌ民族は熊を神とあがめ、その肉は「神聖な肉」として珍重しており、それを食べることは霊的にも意味があるとされた。2本の記事からは熊がいかに珍重されていたかが分かる。それで皇室も関心を持ったのか……。興味深いのは、「ヒグマ10号別冊」に書かれている、11月のサトウキビ被害を現認した際の太田三郎と明景安太郎の会話だ。2人とも被害を受けた家の当主だが、聞いていた村民の証言によると、さして驚く様子もなく「こんな大物なら、さぞかし味もよかろう」と言い合ったという。基本的に、開拓民にとって熊は“自然の恵み”だったということだ。あんな大惨事さえ起こさなければ、農作物などの被害はある程度甘受するという感覚なのだろう。事件に関連する資料の多くは、この羆は、秋に飽食できずに冬眠しなかった「穴持たず」だったと書いている。丘珠事件のことを思い出してほしい。最初にかみ殺された男性は冬眠している羆を射殺しに行ったのだった。うまくいけば、肉は貴重なタンパク源になり、皮や「熊の胆」は臨時収入になる。それと対比しての「穴持たず」という名称なのだろう。開拓民を非難するには当たらない。それだけ開拓地の自然条件も経済状況も極めて過酷だった。その中では熊狩りはほとんど生きるために必要な手段だったのだろう。いずれにしろ、人間にとって熊は、肉がジビエ料理に使われるぐらいしか利用価値がない現在とは全く重みが異なる存在だった。北海道では当時、既に羆は札幌など石狩平野から追われて山間地に追いやられていたが、それでも人間との関係はいまよりはるかに濃密だった。いま、もし万が一、三毛別のような大惨事が起きたとしても、全く違った性格のものと受け止められるだろう。

(千歳JALマラソン、26年は中止:北海道)
千歳市で毎年6月に開催しているマラソン大会「千歳JAL国際マラソン」(千歳市スポーツ協会、日本航空、北海道新聞社主催)の実行委員会は8日、今年の同大会の中止を決めた。昨年、コース周辺の市街地でクマの出没が相次いだ。大会ではクマの痕跡は確認されなかったが、参加者やスタッフの安全確保が必要と判断した。実行委によると、過去のクマの目撃情報から、コースの約9割が生息域だと考えられることに加え、昨年の大会10日後の6月11日、コースからさらに市街地寄りの同市本町でクマと車の衝突事故があったことから「(クマの出没環境が)これまでと違う次元に入った」(実行委)として中止を決めた。クマの影響による中止は大会史上初。実行委は専門家の助言を踏まえ、クマの臭いを察知しほえてクマを追い払う犬「ベアドッグ」の導入のほか、カメラでの監視などの対策を取り、2027年の再開を目指すとした。同大会は同市の青葉公園周辺が発着点で、緑豊かな林道コースが人気。昨年は外国人約200人を含む約6700人が出走した。

(クマの目撃でキャンプ場が1週間閉鎖に:宮城)
年が明けてもクマの目撃が続いています。8日午前、宮城県南三陸町の国道でクマが目撃されました。近くのキャンプ場では利用者の安全を最優先に、8日から1週間の休業を決めました。町や警察によりますと8日午前10時ごろ、南三陸町戸倉の国道398号を車で通行していた人が道路を横切るクマ1頭を目撃しました。クマは体長約1メートルで、道路東側のキャンプ場方面から反対側の山の方向へ走り去ったということです。これまでに人や物への被害は確認されていません。現場近くの神割崎キャンプ場では、敷地内でクマは確認されていませんが、利用者の安全を考え8日から15日まで1週間の閉鎖を決めました。特に10日からの3連休は予約がほぼ埋まっていたということで、スタッフが予約客への対応に追われていました。神割崎キャンプ場遠藤勝史さん「実際にクマの影響による封鎖は初めてですね。連休も来る所ですが、利用しているお客様の安全面に配慮しての対応になるので仕方ない」キャンプ場では、クマよけの薬剤を散布するなどこれまでと同様対策を行いながら、営業再開に向け準備を進めていくということです。

(イノシシやシカと衝突で在来線一時運休:岩手)
岩手県内のJR在来線は列車がイノシシやシカと衝突した影響で一時運休しましたが、午前10時現在、全ての路線で運転を再開しています。JR北上線は10日午前6時ごろ、上り普通列車が横川目~岩沢駅間を走行中にイノシシと衝突しました。車両に異常はなく運転を再開しましたが、イノシシが線路をさえぎっていたため、藤根~横手駅間の上下線で運転を見合わせました。乗客や乗員にけがはありません。その後、撤去が完了し午前8時25分ごろに運転を再開しました。この影響で上下4本に運休、上下2本が区間運休し、約100人に影響が出ました。また、JR釜石線は10日午前5時15分ごろ、上りの回送列車が洞泉~陸中大橋駅間を走行中にシカと衝突しました。車両に異常はなく、間もなく運転を再開しましたが、シカが線路をさえぎっていたため、遠野~釜石駅間の上下線で運転を見合わせました。乗客や乗務員にけがはありません。その後、撤去が完了し午前8時15分ごろに運転を再開しました。この影響で上下4本の列車が運休し、約90人に影響が出ました。

(柵に引っ掛かり動けないエゾシカ:北海道)
左後ろ足が柵に刺さったまま、動けなくなったエゾシカ。左足は大けが…それでもなお、警戒の緩めず、こちらの様子をうかがっています。北海道千歳市北信濃の市道付近で、1月10日午前6時過ぎ、エゾシカが柵に引っ掛かり、動けなくなっているのを、近くに住む住民が見つけ、警察に通報しました。引っ掛かっていたのは雄のエゾシカ1頭で、高さ約2メートルの柵が左後ろ足の根本付近が刺さり、動けなくなっていました。シカは左足付近に大けがをしていましたが、激しく暴れていて危険なため、警察官が警戒に当たり、付近を通る人に近づかないよう、呼びかけていましたが、まもなく、千歳市の職員が訪れ、シカに麻酔をして、捕獲しました。見つかったのは、陸上自衛隊北千歳駐屯地と住宅街を隔てる柵で、シカは駐屯地の敷地内から、住宅街側に向かって策を飛び越えようとして、引っ掛かってしまったとみられます。近くに住む男性によりますと、この場所では以前も同じようなことがあったということです。

(冬眠しないクマか?目撃相次ぐ:北海道)
北海道函館市で1月10日午前、道路を横断するクマ2頭が目撃されました。警察が警戒を強めています。クマが目撃されたのは、函館市絵紙山町の国道278号線上です。1月10日午前10時30分ごろ、函館市に住む女性から「車で走行中、約100メートル先の道路をクマ2頭が横切った」と警察に通報がありました。警察によりますと、女性は戸井方向から椴法華方向に走行中、体調1.5メートルほどのクマ2頭が、右から左に横断するのを目撃したということです。クマ2頭は山の中に立ち去ったということで、女性にけがはありません。一方、松前町白坂では午前11時ごろ、車を運転していた50代の男性から「江差方向に走ってたら山側から海方向にクマが横切ったのを見た」などと通報がありました。警察によりますと、男性が江差方向に走行中にクマ1頭が国道228号線上を右から左に横切ったのを目撃したということです。クマは体長1.5メートルほどで車との距離は約100メートルだということです。

(イノシシやシカと衝突で在来線一時運休:岩手)
岩手県内のJR在来線は列車がイノシシやシカと衝突した影響で一時運休しましたが、午前10時現在、全ての路線で運転を再開しています。JR北上線は10日午前6時ごろ、上り普通列車が横川目~岩沢駅間を走行中にイノシシと衝突しました。車両に異常はなく運転を再開しましたが、イノシシが線路をさえぎっていたため、藤根~横手駅間の上下線で運転を見合わせました。乗客や乗員にけがはありません。その後、撤去が完了し午前8時25分ごろに運転を再開しました。この影響で上下4本に運休、上下2本が区間運休し、約100人に影響が出ました。また、JR釜石線は10日午前5時15分ごろ、上りの回送列車が洞泉~陸中大橋駅間を走行中にシカと衝突しました。車両に異常はなく、間もなく運転を再開しましたが、シカが線路をさえぎっていたため、遠野~釜石駅間の上下線で運転を見合わせました。乗客や乗務員にけがはありません。その後、撤去が完了し午前8時15分ごろに運転を再開しました。この影響で上下4本の列車が運休し、約90人に影響が出ました。

(ジビエ食べ放題3000円!:千葉)
突然だけどクイズです。遠くから見ると可愛いけれど近くにいると怖すぎるものはな~んだ? そう、熊である。昨年、話題になった熊被害。なにせ、清水寺で決定される2025年の漢字も「熊」だったから相当である。そんな中、猟師が運営するレストランに行ってみたところ、メニューに「熊カレー」が加わっていた。強い……!房総半島の内側、千葉県君津市の山中を進むと、ダムを越えたところに道の駅がある。その道の駅の斜向かいにある一風変わったドライブインが『猟師工房』だ。その名の通り、ガチで猟師が運営している『猟師工房』。現場オーラが漂うものはもちろん、お土産屋レベルでは置いてない部位や肉塊が並ぶジビエ肉コーナーは圧巻だ。なお、全て有害鳥獣として駆除されたものなんだそうな。要するに、害獣として駆除された命を無駄にしないための場でもあるのだ。そんな猟師工房の一画にあるレストランでは、3000円でジビエ食べ放題のビュッフェが提供されている。様々なジビエ肉が食べられるというだけでなくメニューが豊富なのが良いところだ。ジビエ料理ってシンプルなメニューが多いけど、ここはグラタンとかピザとか麻婆豆腐があったりして、素材だけでなく料理として楽しめるレストランになっている。実は別の所用があって訪れたんだけど、せっかくだからジビエビュッフェも食べていくことにした。ジビエ料理ってなかなか食べられないだけじゃなく軽めに食べるだけで3000円くらいはするからな。食べ放題税込3000円は凄い。そして、改めて食べてもやっぱり料理がウマイ。ジビエ料理って、例えば、肉にクセがあるとか筋張ってるとか、予備知識ありきで楽しめるものだと思っていたけど、仮に私が子供だったとしても素直に「美味しい」と判断しそうな味の質なのである。ちなみに、子供だと1人1500円とのこと。

(厳選したジビエ、人もペットも味わって:山口)
湖畔に車を止め、看板を目印に山裾の小道をしばらく歩くと小さな作業所が見えてきた。山口県下関市蒲生野にあるジビエ専門店「深坂(みさか)マタギLab」だ。地元で捕った野生のシカやイノシシの肉を加工・販売している。出迎えてくれたLab代表の斉藤照知さん(47)と妻の恵子さん(38)は「血抜きや精肉処理までの時間も徹底管理した、厳選したジビエを味わってください」と話す。夫婦とも下関市の出身。飲食店経営を経て愛知県に移住し、8年ほど暮らしたが、恵子さんが体調を崩して下関に戻ることになった。「何の仕事をしようか」と悩んでいた時、恵子さんの父親が趣味にしている狩猟に興味を持った。新鮮なジビエを食べてみると、とてもおいしい。なのに駆除されたシカやイノシシはほとんどが廃棄されていると知った。一念発起して「深坂マタギLab」を2022年に開業した。自分たちでシカやイノシシを狩り、慣れない精肉処理にとまどいながら、納得できる商品に仕上げた。だが、売れなかった。いくつもの飲食店に飛び込みで営業をかけたが、取引してもらえない。「ジビエの肉は臭い」という先入観が壁だった。

(ジビエバーガーを名物に:神奈川)
野菜販売会社「リンクボール」(厚木市妻田北)が、駆除されたシカの肉を使ったジビエバーガーの開発に取り組んでいる。野生鳥獣を取り巻く課題を広く知ってもらい、市の新たなブランドとして確立させる。

(ジビエの活用学ぶ、料理教室に13人:奈良)
奈良県は10日、奈良県奈良市西木辻町の奈良調理短期大学校で「第1回ジビエ料理教室」を開いた。県内から13人の男女が参加し、シカ肉などを使った料理を作って、ジビエに対する理解を深めた。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、10日午後4時16分ごろ、富谷市穀田瀬戸ノ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
石巻市によると、9日午前5時46分ごろ、石巻市北村幕ケ崎一にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、9日午前7時ごろ、丸森町小斎にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、9日早朝、南三陸町歌津石泉でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後6時10分ごろ、仙台市泉区小角松ノ木田にクマが出没しました。

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(25年度のクマ捕獲数1万2659頭、直近20年間で初の1万頭超え)
環境省は、2025年4~11月のツキノワグマとヒグマの捕獲数が、1万1290頭と1369頭の計1万2659頭(速報値)に上ったと発表した。直近20年で1万頭を超えたのは初めてで、大量出没があった23年度1年間の捕獲数9276頭を大きく上回り、最多となっている。都道府県別では、秋田県が2564頭で最も多く、福島県1528頭、北海道1369頭と続いた。同省は捕獲数急増の背景に、市街地など人の生活圏への出没増加があるとみている。25年4~11月の出没件数は4万7038件(速報値)で、23年度1年間の2万4348件より2万件以上多かった。

(砂川ハンター敗訴、見直しか)
「私のような事案と同じことになると警察官の方々も自衛隊の人も撃つことができないですよね」(北海道猟友会砂川支部 池上治男さん (76))。12月23日、会見を開いた北海道・砂川市のハンター、池上治男さん。処分は見直されることになるのか。池上さんは2018年、砂川市でクマを駆除したところ、建物に届く恐れがある方向に撃ったなどとして、道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消された。「たびたびクマが目撃されていました。男性は市の要請を受けクマを駆除しました」(田中うた乃記者)。「ハンターに頼んでおいて片方で撃ったらダメと。何を信用したらいいんだ。おかしいよ、本当に」(池上さん)。池上さんは猟銃の所持許可が取り消されたあとも猟友会砂川支部の一員として箱わなでの捕獲に関わってきた。2025年はクマの出没が相次ぎ、箱わなで捕獲したクマは16頭にも及んでいる。「砂川でも銃で捕獲することを止めた。私の事案があったからですね。高裁の判決が全国のハンターに対する足かせになったと思いますよ」(池上さん)。猟銃許可の取り消し処分は不当だとして池上さんは裁判を起こし、一審で勝訴したが二審の札幌高裁に取り消され、逆転敗訴。池上さんは上告していた。最高裁は2025年12月22日、双方から意見を聴くための「上告審弁論」を2月27日午後3時に指定。この弁論は結論を変えるのに必要な手続きのため、二審の判決が見直される可能性が出てきた。「最高裁で審理をしていただけるということで本当に良かった」(池上さん)。「(二審は)跳弾の危険があるのだという論調でした。そこについてもブレーキをかけてくれればいいなと思う」(中村憲昭弁護士)。最高裁の今回の決定について、元検事の磯部真士弁護士は。「クマの出没問題で『緊急銃猟』の話題が出ている状況。そんな中、跳弾の危険性が前提とされると『緊急銃猟』のやりようがないんじゃないかという社会的風潮もあると思う」「(最高裁での弁論は)社会的にはいいことだと思う」(いずれも磯部真士弁護士)。砂川のハンター訴訟。2018年にハンター池上さんがライフルでクマを駆除。2019年、道公安委員会がこの発砲は「建物に届く恐れのある方向に撃った」として、ライフル銃の所持の許可を取り消した。これによって裁判が起こり2021年の第一審では池上さんが勝訴、この”所持の取り消し”を取り消すこととなった。しかし二審では逆転敗訴。所持の許可取り消しという、最初に道公安が言った内容が生きることになった。これによって、ハンターが銃を所持して発砲することを恐れる展開が起きていた。池上さんは不服として上告。そして12月22日、最高裁が2026年2月27日に弁論を行うことを決定した。実質、これは二審判決見直しとみられている。最高裁の決定について、元検事の磯部弁護士によると…・最高裁が札幌高裁に差し戻しをする形ではないか、弾が跳ね返る危険性について審理を求める形になるのではないかとみている。・弾が跳ね返る危険性があるというふうに見られると、街中で行う緊急銃猟が困難になるという懸念もある。・そのため、最高裁での弁論は銃を取り扱うハンターにとっても、そして私達市民の安全を守るという意味でも、社会的にはいいことである。

(猿2頭出没、11人被害:静岡)
浜松市天竜区で昨年末から、親子とみられる野生の猿2頭が出没し、住民がけがを負う事案が相次いでいる。市によると、昨年12月31日~今年1月4日の5日間で、高齢者ら11人が腕や脚をひっかかれたり、かみつかれたりした。いずれも軽傷という。市は、箱わなを増設し、麻酔銃による捕獲を試み、5日朝、麻酔銃を使って子猿を捕獲した。6日以降も、親猿の捕獲を続けるという。

(子ザルに続き親ザルを捕獲し“サル被害騒動”は終息:静岡)
浜松市天竜区で年末から年始にかけて親子のサルに襲われ計11人がけがをした問題で、5日、子ザルが捕獲されたのに続き、6日昼前に親ザルも捕獲されました。浜松市によりますと、12月31日から4日までに浜松市天竜区の上野地区と両島地区で親子とみられるサル2匹が住民の足などをかんだり引っかいたりするなどして計11人がけがをしたということです。市や猟友会などでは、4日からわなを仕掛けたり麻酔銃を使った捕獲を試みていました。その結果、5日午前8時すぎ天竜区上野地区で子ザルを麻酔銃を使って捕獲したのに続き、6日午前11時ごろ、同じく天竜区上野地区で親ザルを麻酔銃を使い捕獲したということです。浜松市によりますと、6日までに2匹のサルが捕獲されたことでサル被害の騒動は終息したということです。

(「クマの胆」メルカリ出品、厚労省が削除要請)
漢方薬などに使われる「クマの胆(い)」とされる粉末がフリーマーケットアプリ「メルカリ」に出品され、厚生労働省が医薬品医療機器法(薬機法)に抵触するおそれがあるとして、削除を求めていたことが同省などへの取材でわかった。メルカリは出品を削除した。クマの胆はクマの胆嚢(たんのう)を乾燥させたもので、胆汁に含まれる成分が肝機能改善や胃のむかつき、食欲不振などに効果があるとされる。北海道大の坪田敏男教授(野生動物医学)によると、粉末状にして、煎じてから飲むのが一般的という。厚労省は昨年12月下旬、粉末の出品を把握。出品者が製造したという内容の説明文があったことから、未承認の医薬品と判断し、販売行為などが薬機法違反になる可能性があるとしている。メルカリは薬機法に基づいて医薬品の出品を禁止する規定を設けているが、今回は厚労省からの要請があり、総合的に判断して削除したという。粉末状でないクマの胆とみられるものも今年に入って出品されており、数万円で取引されている。厚労省は一部を把握しており、対応を検討している。

(イノシシ豚熱:岡山)
岡山県は7日、岡山市と吉備中央町で発見された野生イノシシ各1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は70、71例目。県によると、いずれも地元猟師が設置したわなにかかり、県の検査で陽性が確定した。発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に野生イノシシの流通自粛を求めている。

(職員7人が麻酔の調合資格取得、麻酔吹き矢で捕獲強化へ:岩手)
盛岡市は麻酔の吹き矢を使ったクマの捕獲体制の強化に向け、市の職員7人が麻酔を調合できる資格を取得したことを明らかにしました。盛岡市は去年12月、市街地でのクマの出没に関して麻酔の吹き矢を使った捕獲体制を強化するため、獣医師や公衆衛生医師の資格を持つ市の職員7人が麻酔を調合できる資格の取得を県に申請していました。新年最初となる6日の定例会見で、内舘市長は7人全員が無事資格を取得し、1月から研修を始めることを明らかにしました。また、春以降のクマの出没に備え、吹き矢の使い手として対応にあたっている盛岡市動物公園の園長に同行し、現場での実践研修も行う予定です。市によりますと、今年度のクマの出没件数は12月末現在652件で、12月以降、減少していますが、引き続きLINEなどによる情報の発信を続けていくことにしています。

(狩猟免許持つ人を自然保護専門員に:北海道)
標津町内でヒグマの出没が相次ぐ町は、鳥獣管理や被害対策を強化するため、専門の町職員の募集を始めた。狩猟免許を持つ人を自然保護専門員として正職員に採用する。業務内容は捕獲や被害防止の普及啓発のほか、捕獲業務を担うNPO法人や猟友会など関係機関との調整も担う。

(サル出没多発で有害鳥獣対策強化、地域や学校に電動ガン:新潟)
田上町は、町内でサルの出没が多発していることなどから、有害鳥獣対策を強化する。農作物等の被害地域や小中学校に配備する追い払い用の電動ガンなどを新たに整備。2026年度に向けて、大型おりやドローンの導入を検討している。町産業振興課によると、町内では18年ごろからサルが出没し、近年は出没範囲や被害を受ける地域が拡大。25年度は11月末までに118件の目撃情報が寄せられた。住宅地や小中学校に近い場合も多くなっていたという。

(市街地にクマ、出没情報6800件)
クマの人身被害が過去最悪となった2025年度。都道府県が公表したクマの出没情報を朝日新聞が地図に落として調べたところ、市街地で少なくとも約6800件の出没情報がありました。クマたちに何が起きているのか、人間社会はどう対応すべきなのでしょうか。

(前年比2倍の5260件、2025年のクマ通報:北海道)
北海道内のクマに関する警察への通報件数が、2025年1年間で5260件にのぼることが分かりました。北海道警察によりますと、2025年のクマの目撃や痕跡に関する通報件数は5260件で、2024年の通報件数の約2倍に上るということです。これまで通報件数が最も多かった2023年の4055件と比べても、1200件以上増えています。また、2026年1月1日から4日までに、苫小牧市や厚岸町でクマに関する通報が2件寄せられているということです。

(熊対策、県がモデル地域を指定へ:長野)
県内でも熊の出没が相次いだことを受け、県が熊対策の「モデル地域」を広域的に指定した上で、猟友会や市町村などの関係者が集う協議会を新設し、課題を整理する事業に乗り出すことが7日分かった。対策を最前線で担う猟友会で高齢化や会員の減少が深刻化する一方、県は捕獲数の引き上げや緩衝帯の整備などを打ち出している。

(実弾発射可能なおもちゃの拳銃を中国から輸入した疑いで63歳無職男性を書類送検:静岡)
025年6月に実弾を発射できるおもちゃの拳銃を中国から輸入したとして、浜松市に住む63歳の男性が書類送検されました。1月7日、銃刀法違反の疑いで書類送検されたのは、浜松市に住む無職の63歳の男性です。警察によりますと、男性は、2025年6月、実弾を発射できる玩具の拳銃1丁を中国から輸入した疑いがもたれています。横浜税関の川崎外郵出張所に到着した荷物の中で見つかり、宛先が男性の住所になっていたことから特定に至りました。男性は海外のサイトで購入していて、「おもちゃの拳銃を注文し輸入したのは間違いないが違法ということは知りませんでした」などと話しているということです。警察は、手元に同様の玩具拳銃がある場合は最寄りの警察署に相談してほしいと呼びかけています。

(令和6年度野生鳥獣による農作物被害:徳島)
令和6年度の野生鳥獣による農作物被害額は8千647万円(対前年度+882万円)、被害面積は26.6ha(対前年度比117.5%)となり、イノシシ・シカ・サルによる被害額が、全体の90%を占めています。主要な獣種の被害額では、シカが対前年度比81.0%と減少していますが、イノシシが対前年度比191.2%、サルが対前年度比129.9%と増加しています。

(2025年県内のクマ目撃件数は?:山形)
2025年、山形県内では、例年に比べ桁違いのペースでクマが目撃されました。目撃件数は2871件(暫定)にのぼり、前の年の348件と比べて、急増しています。また、市街地での目撃についても322件(暫定)と、前の年の90件を大きく上回る数字となっています。さらに、県内ではクマによる人身被害も多く確認されました。前の年は3件だったのに対し、2025年は13件に。4倍以上となりました。山形県では、12月以降も県内でクマの目撃が続いていることから、現在「クマ出没注意報」を発令して人身被害への警戒を呼びかけています。注意報の期間は、2026年1月1日から1月15日までとなっています。県は、もしクマが市街地に出没した場合には、屋内へ避難し安全が確認されるまで外に出ないようにと呼びかけています 。また、冬の時期であっても山に入ったり農作業をしたりする際は、ラジオやクマ鈴を使うなど、音の出る物で自分の存在をクマに知らせるようにしてほしいとしています。また家庭での対策も重要です。クマを寄せ付けないために、家の周りにある取り残した果実や野菜、生ゴミなどは放置せずに片づけること、家や倉庫には必ず鍵をかけることなどの対策を県は呼びかけています。クマに出合ってしまった場合は、あわてずに落ち着いて、ゆっくりとその場を離れることが大切です。県は、至近距離でクマと対峙しても決して背を向けず、落ち着いて離れること、もし襲われそうになったら両腕で顔や頭を覆い、ダメージを最小限にとどめる姿勢をとることなども呼びかけています。

(クマ対策会合、猟友会も参加:北海道)
札幌市は2日、市内でヒグマ出没が相次いでいることを受け、今後の対策を検討する会合を開き、今秋の木の実の不作が一因だと報告した。北海道警や猟友会も参加し、専門家からは、増加した個体数を駆除などで減らすことも選択肢との意見が出た。市によると、9月中にヒグマの目撃、足跡やふんによる痕跡の確認などが計71件あった。昨年同時期比5倍超で、過去10年の月間件数としては最多。山林近くの住宅地などでの目撃例も多い。ヒグマ出没の影響で休校する小学校も出ている。会合で市は、ドングリなどの木の実が昨年豊作で親子グマが増加したが、今秋は一転不作となり、餌を求めて市街地周辺に出没していると報告した。

(鳥獣による農作物被害6億8249万円:熊本)
熊本県は、野生鳥獣による昨年度の県内の農作物被害額が、前年度比27%増の6億8249万円に上ったことを明らかにした。イノシシの行動範囲が広がっていることが背景にあるとみられ、被害防止に向けて市町村を超えた連携体制の強化を図る。鳥獣別の被害額は、イノシシが3億4958万円(前年度比19%増)と半数以上を占めた。2023年度にほとんど被害が確認されていなかったヒヨドリが8744万円(同1933%増)と大幅に増え、カモが7188万円(同15%増)、シカが6939万円(同14%減)などとなっている。農作物別では果樹35・5%、野菜29・7%、米24・3%など。ヒヨドリは九州各県で被害が報告されており、県内では八代・芦北地域でミカンなどの被害が目立つという。県は今年度、モデル地区の阿蘇市に専門知識を持つ県鳥獣対策アドバイザーを派遣。勉強会で学んだ住民らが電気柵の設置や管理に取り組んだ結果、集落ではイノシシの被害に遭わずに米を収穫できたという。山江村でも、アプリを使って有害鳥獣の捕獲報告を行うなど情報通信技術(ICT)の活用を進めている。県むらづくり課は「農家だけで対策を講じるのが難しくなっている。地域一体となった取り組みやICTの導入を加速させていきたい」としている。

(熊出没マップに謎の「空白地帯」:新潟)
2025年、新潟県では記録的なペースで熊の出没が続きました。特筆すべきは山間部だけではなく、これまで出没が少なかった平野部でも出没件数が増えている点です。市域の大半が平野部の新潟市でも、25年度は11月末時点で28件と過去最多を記録しています。しかし、県の「クマ出没マップ」を見ると、ある奇妙な点に気づきます。県内の山という山が目撃を示す熊のマークで埋め尽くされる中、ぽっかりと空白地帯があるのです。なぜ地続きにもかかわらず、これらの地域では熊が目撃されなかったのでしょうか。これまでの熊の出没傾向を振り返りながら、新潟県内の「熊空白地帯」の謎について迫りました。

(クマと人、4区域住み分け:北海道)
函館市は市全域を山間部など四つの区域に分け、ヒグマ出没時の対応を区域ごとに変える「函館市ヒグマゾーニング計画」の案をまとめた。市街地でもヒグマの目撃が相次いでいることなどを受け、出没時の対応を明確にすることで捕獲などの判断の迅速化を図る。

(AI集約のクマ出没マップ「FASTBEAR」公開)
全国のクマ出没情報を地図上で可視化する「FASTBEAR(ファストベア)」の公開が、12月26日に発表されました。開発したのは、東京大学と会津大学発のスタートアップ、株式会社Aisometry(東京都文京区)。自治体の公式発表や報道をAIが自動で収集・整理し、全国47都道府県の出没状況を俯瞰できるのが特徴です。近年、クマによる被害は全国的に深刻化しています。環境省が公表した11月までの速報値によると、令和7年度の人的被害は230人、死亡者は13人にのぼり、出没数は3.6万件以上、捕獲数も9867頭で過去最多水準となっています。一方、出没情報は自治体のウェブサイトや報道などに分散しており、更新頻度や表記も統一されていません。Aisometryはこうした「情報の分散」が現場の混乱や住民の不安を助長していると捉え、FASTBEARの開発に至ったといいます。FASTBEARでは、独自開発したAIエージェントが自治体の公式発表やニュースを自動で収集し、地図と時系列ログとして表示します。地域をまたいだ状況の変化も確認でき、自分の生活圏周辺でリスクが高まっているかを直感的に把握できる設計です。同社は過去10年分、数万件規模のクマやイノシシの出没データも保有しており、今後は通知機能の拡充やデータ分析を通じた対策支援にも活用していくとしています。あわせて開発が進められているのが、クマ検出AIカメラ「SENTINEL(センチネル)」です。市街地や生活圏に隣接するエリアに設置し、クマの侵入を早期に検知することを目的としています。検知した画像付きの一次情報をFASTBEARにリアルタイムで反映し、自治体発表や報道情報と統合することで、注意喚起や巡回、捕獲・誘導といった初動判断を支援する構想です。低コストでの導入を想定しており、人的な巡回や監視の負担軽減も期待されています。同社の開発メンバーは福島県会津若松市にゆかりを持つ研究者が中心で、クマ被害を「遠い地域の出来事ではなく、生活と隣り合わせの現実」として受け止めてきたといいます。FASTBEARについては「不安を増やすための地図ではなく、行動を早くするための地図」、SENTINELについては「怖がるためのカメラではなく、被害を未然に防ぐためのカメラ」と位置づけています。本プロジェクトは、経済産業省の「未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業」の一環として進められており、東京大学大学院工学系研究科と会津大学コンピュータ理工学部の研究開発メンバーが中心となっています。今後は自治体など関係機関とのフィールド実験を行い、実運用に向けた改良を重ねるとともに、蓄積したデータを産学連携で分析し、クマ出没予測や中長期的な安全対策にもつなげていく考えです。

(駆除したヒグマを微生物で分解、施設フル稼働:北海道)
道南各地で昨年、ヒグマの出没・被害が相次いだ。駆除後の処理では、福島町の有害鳥獣減容化処理施設が威力を発揮した。一般的にクマは焼却処分されるが、同施設は微生物を使って死骸を分解する道南唯一の仕組みを持つ。昨年は近隣自治体からも多くのクマが持ち込まれフル稼働状態となった。

(獣害対策、最新ドローン活用WEBセミナー:東京)
DJI(ディージェイアイ)正規販売代理店としてドローンビジネスの最前線を支える株式会社セキド(本社:東京都港区、代表取締役:大下貴之、以下「セキド」)は、鳥獣被害対策をテーマにした無料WEBセミナー「【クマ被害など獣害対策】最新ドローン活用WEBセミナー」を、2026年2月3日(火)に開催いたします。YouTube ライブ配信で実施し、DJI Dock 3を用いた鳥獣被害対策の考え方や運用イメージを、遠隔デモ飛行を交えてご紹介します。被害の現状整理に加え、ドローンを活用した対策案、内閣府の方針(補助等)にも触れながら、導入検討時に押さえるべきポイントをコンパクトに解説します。鳥獣被害に関わる自治体・事業者の方は、ぜひご参加ください。

(ハンターデビュー講座受講者募集:長野)
狩猟免許を取得しようとしている方、狩猟活動に興味のある方を対象とした、ハンターデビュー講座が2月に2日間長野県で開催されます。2日目は飯島町での開催となりますので、狩猟に関心のある方はぜひご参加ください。

(中高生が冬の雪山でマタギの生活を体験:山形)
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校・R高等学校(以下、N高グループ)・N中等部は、2026年1月9日(金)から1月13日(火)まで、山形県小国町にて、宿泊型体験学習プログラム「マタギと暮らす雪合宿『命の価値』を知る」を実施します。本プログラムでは、全国各地から集まった中高生たちが4泊5日で小国町に宿泊滞在し、地元のマタギの方々にレクチャーを受けながら、雪山での生活や狩猟体験を行います。1日目・2日目は、雪山歩行のトレーニングやマタギに関する講義を受け、3日目は、「巻狩り」という手法でうさぎ狩りに挑戦。体験を通じて、自然の中で生きること、生活に密接した命のやり取りについて考えます。さらに、地域の伝統行事である「さいず焼き」(お焚き上げ)も行い、地域の暮らし・文化についても理解を深めます。4日目は、地元・小国高校の生徒と一緒に活動を行い、郷土食のからこや笹巻きの調理・試食体験を行った後、小国町の魅力を話し合い、PR方法の発表を行います。

(ジビエ処理や宿泊体験:秋田)
「マタギ発祥の地」とされる秋田県北秋田市阿仁根子の古民家を改装し、ジビエ(野生鳥獣肉)解体処理と山菜などの加工、飲食・宿泊体験ができる新たな交流拠点にする取り組みが、集落有志の手で進んでいる。施設名は古民家の屋号にちなんだ「マタギの台所 ウヘエ」。既に解体処理施設が稼働し、現在は飲食・宿泊スペースの整備が進む。本年度内の本格オープンを予定している。古民家は1893(明治26)年の建築。山に囲まれた集落を見渡せる高台にある。20年以上前に空き家になってからは、かつての住人で県内に住む所有者が定期的に通い、掃除や換気などをして維持してきた。しかし個人では手をかけきれない部分も多く、建物は徐々に傷みが進んでいた。

(ドローン自動監視システムでイノシシ調査を実施:香川)
日本ドローンビジネスサポート協会は、キンシュウ、ビットコミュニケーションズと共同で、2025年12月16・17日の2日間、香川県高松市の男木島においてドローンと赤外線カメラを活用したイノシシ生態調査を実施した。ドローン自動離着陸ステーション「DJI Dock 3」と赤外線カメラ搭載ドローン「Matrice 4TD」を活用して約1時間ごとに定期自動飛行を行い、イノシシの活動状況を昼夜問わず記録した。今後、AIによる画像自動判定システムへの発展を視野に入れ、離島や中山間地域における獣害対策の新たなモデル構築を目指す。男木島では近年イノシシが急増しており、農作物への被害が深刻化しているほか、住宅地にも出没するようになり住民の生活を脅かしている。人手による継続的な監視や対策には限界があることから、ドローンによる自動監視システムの有効性を検証する調査を実施した。

(海の困りものが資源へ、広がる利活用の取り組み)
テーマは「海の厄介者の有効活用」についてです。まず取り上げるのは、愛知県と三重県にまたがる伊勢湾。ここ数年、伊勢湾ではヒトデが一気に増え、漁の現場を悩ませているそうです。ヒトデは網にからんで漁のじゃまをしたりと、漁場を荒らしてしまうため、地元の漁協では毎年、何百キロものヒトデを駆除してきました。ところが最近、この困った存在だったヒトデが、思いがけない場所で役に立ち始めています。中部国際空港株式会社 地域共生部 伊藤 淳一さんにお話を聞きました。「ヒトデは動物の忌避剤としてシカ、イノシシなどから、ムカデ、ゴキブリ、鳥類に関しても効果があると言われています。私達はいただいた生のヒトデを屋外で忌避剤として使用するために天日干しをして、シンクのゴミ受けのネットに入れ、苗木の周りにぶら下げているという形です。植林した樹木を実際に管理している方のお話ですが、150本のコナラとクヌギの苗木は今2年経っていますが、シカやイノシシによる食害はほとんど見られないということで確実に効果があると聞いています。古くなった忌避剤は地面に撒いてですね、肥料として効果があるんで捨てることなく、ヒトデは役に立ってくれるのかなというふうに思っています」。ヒトデには農作物を荒らすシカやイノシシなどを寄せ付けない効果があるそうです。ヒトデの忌避効果のポイントは、 独特の強いにおい と、ヒトデの体内に含まれる 「サポニン」という成分。この2つが動物にとって強い刺激になり、「ここには近づきたくない」と感じると考えられています。そのヒトデの力に注目したのが、中部国際空港。伊勢湾の鬼崎漁協ではアサリの漁場を守るため、毎年ヒトデを駆除してきましたが、空港はそのヒトデを譲り受け、植林活動の獣害対策に役立てることを思いついたそうです。さらに空港では、貨物倉庫に入ってくるハトの対策にも試験的に使用中。既存の商品では「クマにも効く」と書かれたものもあることから、今後は山のエリアでの検証も考えているそうです。

(危険鳥獣用防護盾を寄付:山口)
山陽小野田市の小野田地区猟友会(金子友明会長)は、クマやイノシシなど危険鳥獣が出没した時に使用する防護盾3枚を市に寄付した。透明なポリカーボネート製で1枚の大きさは縦112センチ、横54センチ。市農林水産課で保管、使用する。

(役場にドローンポートを常設、クマを遠隔監視:北海道)
2025年12月26日、北海道新十津川町とKDDIスマートドローンは、新十津川町役場の屋上にドローンポート「Skydio Dock for X10」を常設し、運用を開始したことを発表した。深刻化するクマなどの有害鳥獣被害に対してドローンの遠隔自律飛行技術を活用することで、初動確認の迅速化と監視の強化を図る。クマ出没時の飛行については、クマの探索や行動範囲の確認、地域住民の避難を目的に地方自治体から依頼を受けた場合は、航空法の捜索・救助等のための特例(航空法第132条の92)の適用対象になり得るため、制度環境が整いつつあると判断し、今回のドローンポート常設に至った。これにより、状況に応じた柔軟かつ迅速なドローン運用が可能となり、クマ出没時における実効性の高い初動対応を実現する。新十津川町役場の屋上に設置したSkydio Dock for X10は、ドローンの自動離着陸および自動充電が可能。クマ出没情報の通報を受けた際には現場へドローンを急行させ、現場作業者の安全を確保しながら迅速に状況を把握できる。

(群馬県知事の猟銃免許取得表明にひろゆき私見)
実業家のひろゆきさんが11月1日、自身のX(旧Twitter)を更新。群馬県の山本一太知事がクマ対策のために猟銃免許の取得を目指すという報道に言及しました。ひろゆきさんは、「群馬知事、猟銃免許取得へ クマ対策、ハンター育成も」という記事を引用し、「熊を撃ち殺すために猟銃免許を取りに。」と知事の行動に触れました。続けて、「トップの姿勢って大事だよね。猟友会と敵対するアホな政治家も居るけど。」と、知事自らが問題解決に向けて動く姿勢を評価するコメントを投稿しました。全国的にクマによる被害が深刻化していますが、対策の担い手である猟友会の高齢化や減少も課題となっており、各自治体は対応に苦慮しています。今回の山本知事の表明は、ハンターのなり手を増やす狙いもあるとみられています。この投稿には、知事本人からも「67歳の自分が取得することで、若い人たちがもっと狩猟に興味を持ってもらえるよう頑張ります」と返信があったほか、多くのコメントが寄せられています。

(くくりわな猟で害獣3千匹超捕獲:大分)
臼杵市下ノ江の遠藤源治さん(79)が有害鳥獣対策のくくりわな猟で捕獲した獣の数が通算3千匹を超えた。狩猟免許を取って16年目。昨年度は419匹(イノシシ223匹、シカ157匹、タヌキなど39匹)を捕獲した。近年は毎年、300匹以上を捕獲しており、市農林振興課は「市内で突出した存在。有害鳥獣の被害対策に大きく貢献してくれている」と感謝する。遠藤さんは郵便局を62歳で退職して2年後、家で育てる栗の木を荒らすイノシシに困り果て、狩猟免許を取った。猟を始めた2010年の捕獲数は6匹。試行錯誤を重ね、わなの改善を続け、数を増やし、現在は鳥獣保護管理法が定める上限数の30個を操る。市内の佐志生、海添、深田など広域の山を60地点に分類した表で管理する。山ごとに植物の旬を把握し、栗やタケノコなどの実り具合から獣の動きを読み、緻密に戦略を立てる。盆正月を問わず、まだ薄暗い時に家を出て、日の出とともに山に入る。仕掛けたわなを確認し、新しい獣道を探す。夜は翌朝に備えて早めに床に就く。「イノシシは頭がいい。一度でも危ないと思ったら二度と同じ道は通らない。小まめな活動が大切だ」と語る。「早く捕まえに来てほしい」と各地域の農家から要望を受ける。捕獲したと伝えると心から喜ばれるものの害獣はなかなか減らない。「それだけ鳥獣被害は深刻だ。膝の痛みが増すばかりだが、動けなくなるまで頑張る」と話す。

(相次ぐクマ被害、今後の対策は:北海道)
去年は全国でクマの被害が相次ぎ、政府が新たな対策をまとめる事態となりました。最前線で対応にあたってきたハンターたちのトップ、北海道猟友会の会長を務める堀江篤さんに話を聞きました。北海道猟友会の会長、堀江篤さん(78)。50年余りの経験を積んだベテランのハンターです。北海道猟友会 堀江篤 会長「正直なところ、たくさんクマが出てほしくない。ただ出たものは、危険な動物は駆除していかなければならない」。去年、全国でクマによる被害が相次ぎ、道内では2人が死亡。市街地への出没も急増し、不安が広がりました。こうした中、最前線で対応してきたのが、猟友会に所属するハンターです。自治体の求めに応じて各地で活動にあたりました。「一般市民がわれわれに期待している。出てくれるだろうという希望や期待。地区によっては休む暇もないぐらい出動した」。民間の組織である猟友会は、もともと趣味で狩猟免許を取得した人たちの集まりです。これまで、社会的な責任を果たそうという思いで出動要請に応じてきました。しかし、ヒグマと向き合う危険性や出動に伴う負担を考えると、複雑な感情があるといいます。「全部、猟友会におんぶにだっこで、そういう対応がずっときているから、おかしいのではないかと僕は疑問がわいてきた。クマの駆除もボランティアで出ている、命がけだということを認識してほしい」。こうした中、政府は去年11月、ハンターの支援や人材確保に向けた新たな対策をまとめました。柱の1つが「ガバメントハンター」と呼ばれる、狩猟免許を持つ自治体職員の採用です。銃を扱ったことがある自衛官や警察官のOBを活用することも盛り込まれました。堀江さんは一定の評価を示す一方で、実際にヒグマを駆除できるようになるのは簡単ではないと指摘します。「ハンターは10年 20年かけて基本的なものを覚える。クマの性格とか…経験のない人がガバメントハンターに。訓練してもひと月ふた月ではできない」。駆除の難しさを知ってほしいと、堀江さんが射撃場を案内してくれました。訓練では50メートル離れた的を狙います。ヒグマはこの距離で構えるケースが多いといいますが、実際の現場では動きを予測できません。反撃を防ぐためにも、急所を確実に撃ち抜く技術と精神力が求められます。「クマが動いているとおりに銃を持っていく。それからスイング。必ずフォローするという気持ちで撃たないと当たらない。いきなり現場に行っても、駆除はなかなか難しい」。全国で被害が急増したことを受けて、国は去年、警察官によるライフルでの駆除を認めました。道警の警察官たちも、さっそく堀江さんのもとを訪れ、研修が行われました。堀江さんは、国や自治体などと連携してクマ対策の強化に力を尽くす考えです。北海道猟友会 堀江篤 会長「人の生命を守るのは国の責任だから、率先して体制づくりに進んでもらいたい。われわれは協力を惜しまない。クマの生態(の講習)や射撃の練習、官民一体で対策をしていかなければならない」。道内では、冬眠から目を覚ます時期にヒグマを駆除する春期管理捕獲が2月から始まります。雪が山に残るこの時期は、遠くからでもヒグマを見つけやすく、経験が浅いハンターの訓練の場にもなっています。堀江さんはこうした機会を通じて、人材育成に力を入れたいと話していました。

(3000件超の目撃情報に6件の人身被害、専門家は「個体数管理」の重要性を指摘:宮城)
2025年、全国的に人々を悩ませ、脅かしたクマ。かつて「保護すべき希少な存在」だったクマは今、人里や都市部を脅かす「日常的な脅威」へと変貌を遂げている。宮城県内での目撃件数は3,000件を超え、過去最多を大幅に更新した。この異常事態の背景には何があるのか。専門家は、変わりゆく野生動物との距離感を訴える。2025年、宮城県内を駆け巡ったクマのニュースは、これまでの常識を覆すものばかりだった。10月、栗原市でキノコ狩りをしていた75歳の女性がクマに襲われ死亡。同行していた別の70代女性は、今も行方不明のままだ。共にキノコ狩りに来ていた男性は、「本当にかわいそうだ。早く見つかってほしい。」と沈痛な面持ちで語る。12月には、大和町の山林で猟友会の男性(89)が遺体で発見された。イノシシ用の罠にかかったクマに襲われたと見られている。環境省によると、統計を取り始めた2006年以降、12月にクマによる死者は確認されておらず、この被害がクマによるものと断定された場合、初めてとなる。2025年の県内における人身被害は、12月26日時点で計6件になった。被害は人間だけにとどまらない。加美町では、民家敷地内に連日クマが侵入し、七面鳥やウコッケイあわせて13羽が食べられ、大崎市では庭先の犬小屋で飼っていた柴犬がクマに連れ去られた。従来、木の実などを主な食料としているクマが血の味を覚えたことを示す出来事となった。クマの目撃は山林だけでなく、市街地でも常態化した。仙台市中心部、地下鉄東西線・大町西公園駅の近くでは、5月と10月に多数の目撃情報が。仙台市太白区鈎取の住宅地では、全国初となる緊急銃猟制度に基づいた捕獲・駆除が実施された。また、過去10年にわたって目撃情報のなかった多賀城市では、10月から11月にかけてクマの目撃情報が相次ぎ、後に「大きめのネコ」だったと判明する騒動も。県民の間に広がった不安の深さを象徴する出来事であった。12月26日時点で、宮城県内のクマの目撃情報は3000件を超え、過去最多だった2016年の倍以上となっている。なぜ、これほどまでにクマの目撃が増えているのか。動物生態学が専門の石巻専修大学・辻大和教授は、根本的な原因に「個体数の急増」を挙げる。石巻専修大学 辻大和教授:研究者の間では、10年ほど前までは「クマは少ないから、守らなければいけない」と考えていたんですけれども、実際は私たちが考えているよりも繁殖力が強い動物だったっていうことが分かってきているんです。宮城県の調査によれば、約20年前には300頭から800頭ほどと推定されていた県内のクマは、5年前の調査で3147頭にまで膨れ上がった。辻教授は、この増加に「エサの凶作」が重なったことが、2025年の異常事態を招いたと分析する。石巻専修大学 辻大和教授:増えてきたクマたちがじわじわ活動域を拡大する中で、山に食べ物がないと、人里でうろうろし始めますよね。県は「第四期県ツキノワグマ管理計画」に基づき、生物多様性を守る観点から約3000頭の維持を目標としている。しかし、現状の対策は限界に近い。県環境生活部・自然保護課の松川雅俊主幹は、「藪の刈り払いや生息域を住み分けるための環境整備も計画のなかには盛り込んでいるが、即効性のあるものは、対症療法となってしまう」と苦難を口にする。県環境生活部・自然保護課 松川雅俊主幹:現状、目撃がすごく増えている。当然ながら県民の皆様の生活にも影響が出ていることを重く受け止めております。解消するためには、ある程度、個体数の削減をやっていく必要は当然あるという風には考えています。事態を受け、県は2025年度から「指定管理鳥獣」に追加されたツキノワグマを10頭をめどに試験的に捕獲する事業を始めた。2026年度には、この上限を大幅に引き上げることも検討している。本州に生息するツキノワグマは、地域によって生態が異なり、行動パターンも異なるとされている。本州中部や秋田県などで長期間にわたってクマの生態を研究している、東京農工大学の小池伸介教授は、短期的な対症療法だけではなく、中長期的な視点から行政が予算を計上し地域のクマを調査したうえで、科学的な知見から対策を講じるべきと訴える。東京農工大学 小池伸介教授:それぞれの地域で地道なデータを蓄積しないと本当の値はわからない。それが科学的な管理だし、行政はしないといけない。人口減少により人が去った境界線へ、繁殖力のある野生動物が入り込む。2025年のクマ出没増加は、一時的な「異常」ではなく、構造的な変化の表れかもしれない。石巻専修大学 辻大和教授:人口はどんどん減っていきます。対照的に動物たちは数を増やし分布も拡大しています。私たちは動物と日常的に出会う環境にいることを認識するのが良いんだと思います。いま、野生動物との物理的・心理的な距離感を再認識することが求められている。2025年のクマを巡る騒動は、単なる「エサの凶作」による一過性のパニックではない。それは、数十年を経て進行してきた生態系の変容と、過疎化が進む人間社会の綻びが重なり、ついに限界点を超えた結果であると言えるだろう。また現場に対応にあたる行政も、マンパワーには限界があり専門人材も不足している。社会全体として野生動物とどのように向き合うべきか、考える時期が来ている。クマとヒトを取り巻く環境は、新たなステージへと移行している。

(猟友会が直面する“法の壁”と見回りは「丸腰」の矛盾:静岡)
特集の「現場から、」。今回は静岡県内でも2025年の秋から目撃と出没が相次いだクマについてです。「災害級」ともいわれるクマの脅威から人の暮らしを守る最前線、猟友会と一緒に山に入りました。民家のすぐ横を移動する黒い影。2025年12月24日、掛川市の住宅に設置された防犯カメラがとらえた野生のクマです。自然豊かな静岡県はツキノワグマの生息地であり、主に県中部の南アルプスや東部の富士のふもとに生息しています。2025年、静岡県内でクマとみられる動物の目撃が相次ぎ、統計を始めた2013年以降で目撃数は最多となりました。12月23日、富士宮市内房(うつぶさ)の山に入りました。県猟友会の風岡正則(かざおか・まさのり)副会長は、増えすぎているシカや農業被害につながるイノシシを罠で捕獲しています。<県猟友会 風岡正則副会長>「ここをずっと歩いているんですよね。人間の歩いた道じゃない、獣が歩いた道。だからここに罠をかけてある」。Q. これは何罠?「くくり罠、ワイヤーで(シカの)足を縛るやつですよね。(罠に)シカがかかって見回りに来ないで、2~3日サボっておくと、クマが来てシカを食べる」。罠にかかり動けないシカをクマが食べるようになったのは、ここ2~3年のことだと言います。<風岡副会長>「周りを見ても全部植林のスギ・ヒノキじゃないですか。雑木がないから、ドングリの実なんかが少ないはず。エサがないところに、クマの個体が増えれば、山の中でエサが調達できないから、里に出てくることはあり得ますよね」。クマの目撃が増えた背景として考えられているのは、「山に人が入らなくなった」からです。<風岡副会長>「いま炭を焼く人もいないし、薪を作る人もいない。山で仕事をする人が少なくなったから」。静岡県は長年、ツキノワグマの猟を自粛し、保護してきました。2024年、県が初めてクマの生息数を調べると南アルプス地域に約440頭、富士地域に約100頭生息していると分かりました。クマの目撃の増加を受け県はツキノワグマを引き続き保護していくのか、一定の個体数になるよう管理するかの検討を始めました。相次ぐ出没を受け、全国では住宅地近くに出没したクマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」が始まっており、県内でも猟友会を中心にその役割を担うことになります。しかし、クマと向き合う猟友会の多くが、いま危険を感じている課題があります。<風岡副会長>「自分の身が危険だなと思っても、鉄砲を持っていくわけにはいかないんですよ、罠の見回りでは」。Q.ダメなんですか?「法律でそういう風に決まってるんですよ」。罠の見回り中に、猟銃を携帯することはできません。銃刀法が定める「正当な理由」=「狩猟行為中」に見回りは該当しないため、銃刀法違反になってしまうからです。<風岡副会長>「こうやって見回りに来るときに、クマがシカを食べている現場に出くわすこともある。これはやばいなっていう時はありますよね」。Q.それは猟友会のメンバーの皆さんが…「みんながそう言ってます」。今後、住宅地にクマが出没した場合に、自治体の判断で駆除する「緊急銃猟」も猟友会の皆さんが担っていきます。安全にクマの駆除をするため自治体による「緊急銃猟」のマニュアル整備も急がれます。

(前年比2倍の5260件、2025年のクマ通報:北海道)
北海道内のクマに関する警察への通報件数が、2025年1年間で5260件にのぼることが分かりました。北海道警察によりますと、2025年のクマの目撃や痕跡に関する通報件数は5260件で、2024年の通報件数の約2倍に上るということです。これまで通報件数が最も多かった2023年の4055件と比べても、1200件以上増えています。また、2026年1月1日から4日までに、苫小牧市や厚岸町でクマに関する通報が2件寄せられているということです。

(人を恐れぬ〝新世代熊〟、ビニールハウスで冬眠?)
ハウスや農作業小屋など人里で冬眠するなど、従来とは異なる行動パターンや習性を持つ熊が今冬、目立っている。人の生活圏に出没するだけでなく、人を恐れずそこで暮らす熊。狩猟者たちは「新世代熊」と呼び、警戒を強める。雪が積もる新潟県十日町市。狩猟者の池田富夫さん(76)は今冬、新世代熊の存在を強く認識する。上旬には、住宅地で柿の木に登り、柿を食べる1頭の子熊がいた。銃を持った猟友会が数時間見守ったが、熊は気にする様子もなく食べ続けていた。さらにビニールハウスの中に熊がしばらく居ついていたこともあった。人の手では切れないほど頑丈なビニールを突き破り、米ぬかをあさっていた形跡が確認された。「ハウスの中で冬眠しようとしていたのではないか。新世代熊は人間を恐れず、行動がより大胆になってきている」。池田さんはこう考える。池田さんは、山奥から人里に下りて出産し、生活する熊を新世代熊と呼び、10年以上前から住民に警戒を呼びかけてきた。人里に出没する熊は「アーバンベア」とされ、対策の必要性がいわれるが、新世代熊は生活圏に定着した熊を指す。本来熊は秋に蓄えた脂肪を使い木の穴など山奥で冬眠するが、池田さんは今冬、冬眠場所まで人里を選ぶ新世代熊がいるという。「雪が降っても人里にいるのはおかしい。柿を食べる時間帯も本来は夜だが今年は人目に付く昼で、しかも逃げない」と警戒する。新世代熊の存在は多くの狩猟者が認識し、専門家も指摘する。岩手県宮古市では去年の春ごろ、家の窓から見える場所に穴を掘って生活している熊が確認された。かつては牛舎に5頭の熊が牛と共に寝そべっていることもあった。同市の狩猟者・西村昭二さん(53)は「街中だけで育って山を知らない人間依存型の熊がいる。SFのような話が現実で起きている」と懸念する。熊の生態に詳しい日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は、①山にいる②山と里を行き来する③街中だけにいる──の3タイプの存在を指摘する。このうち、今冬目立つ街中だけにいる熊は、子熊が圧倒的に多いという。米田理事長は「親熊が捕獲されたりはぐれたりした結果、越冬の仕方を学べなかった子熊が人里に残っている」と指摘する。こうした子熊は山の穴ではなく街中で冬眠をする恐れがあるという。冬眠しない熊の存在が心配されるが、米田理事長は「熊は冬眠する」と強調。「ただ、人里で冬眠する熊は、車や人の音などの騒音や気温の変動の影響で目を覚ましたり眠ったりを繰り返す。攻撃性は低いとしても、人が遭遇すれば、警戒が必要となる」と警鐘を鳴らす。

(冬眠明けのクマは危険、3~5月にエサ不足の恐れ)
昨年、クマによる人身被害が最も深刻だった秋田県。主なエサとなるブナの実が凶作だったことが、大量出没の一因とみられている。秋田県林業研究研修センターは、2002年から独自の基準で県内5カ所の結実状況を調査。今年は「豊作」の見通しで、27年は「凶作」と予測する。同センターの和田覚環境経営部長がこう指摘する。「昨年はブナに限らず、ドングリやミズキ、ヤマブドウなど、山に秋の生り物がほとんどない状態でした。一方、柿や栗、くるみは里にある樹木で豊作凶作の波が少ない。クマの主食となるブナは大きな木の中で最も早く開葉し、花を咲かせます。5月の連休ごろに実ができ、10月ごろに栄養価が高くなり、クマは脂肪分が多い実を食べて冬眠に入ります。その実が昨秋はなかった。冬眠明けの春先はまだ山の植物が芽吹いておらず、5月ごろまでエサが不足することが考えられ、注意が必要です」もっとも近年は凶作が当たり前で、豊作になること自体、珍しいという。ブナの豊作は21年まで5~7年に1回の周期だったが、22年、24年と隔年で豊作となり、23年と昨25年はクマが大量に人間の生活圏に下りてきた。昨年も各地で子連れのクマが目撃された。「豊作の翌年は100%凶作です。幹を太らせるなど、ブナがエネルギーを消耗するためです。ですから来年の予測ができます。豊作の年はクマの繁殖が盛んになり、子グマをたくさん産みます。23年と昨年、クマが大量に人里に下りてきたのは凶作が原因というよりも、その前年にブナが豊作でクマの個体数が増えすぎたからです。クマが増えたところに凶作が重なり、エサがなくなった。今年、ブナが豊作になると、再び繁殖活動が活発になり、来年も昨年同様、大量出没する恐れがあります」(前出の和田氏)。地域やその年の気候によって異なるが、クマが冬眠から目覚めるのは3~5月ごろ。待ったなしだ。

(クマ対策は「知ること」から、なぜクマは街に出没するようになったのか)
記事のポイント①各地でクマの出没が相次ぎ、社会問題化している②クマの問題は野生生物との共生や地域の暮らし方にも関わる課題だ③酪農学園大学の佐藤喜和教授に、クマ問題の背景や必要な対策について聞いた。各地でクマの出没が相次ぎ、社会問題化している。クマの問題は、人的被害や農作物への影響にとどまらず、野生生物との共生や地域の暮らし方にも関わる課題だ。酪農学園大学の佐藤喜和教授に、クマ問題の背景や必要な対策について話を聞いた。佐藤喜和(さとう・よしかず) 酪農学園大学酪農学研究科長教授 北海道大学農学部卒業後、2002年に東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。日本大学生物資源科学部准教授などを経て、2014年より現職。フィールドワークを通じ、野生動物、特にヒグマの生態を専門に研究している。著書に『アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う』(2021年、東京大学出版会)がある。――最近、「クマが冬眠しない」という報道を目にします。クマが冬眠しなくなってきているのでしょうか。北海道や東北では、クマはほぼ冬眠に入っていると考えていいと思います。この数年、1月に入ってからも「クマの足跡がある」といった情報が寄せられることがありますが、すべてのクマが冬眠しないで起きている、というわけではありません。冬眠中に何らかの攪乱(かくらん)があって、一時的に目を覚まし、歩き回るクマが出てくることはあり得ます。そうしたクマも再び冬眠に入ると考えられます。ですから、こうした情報が出たとしても、過剰に反応する必要はありません。――そもそもなぜクマは人里や市街地に出没するようになったのですか。2025年、特に大きな問題だったのは、クマが冬眠前に脂肪を蓄えるための木の実が不作だったことです。北海道や東北では、ドングリが実るミズナラやブナなど、いわゆる堅果類が凶作でした。クマはエサを求め、食いだめをしようとする。北海道では住宅地沿いの公園や川沿いにクルミの実が落ちており、東北では集落に柿の実がなっています。これが、秋口に大きな問題になった背景です。まだ理由ははっきり分かっていない部分もありますが、大凶作になる年というのは、木の実がつく前の夏ころから、クマの出没が増える傾向があります。2025年は、北海道でも東北でも、7月ごろからクマの出没が目立っていました。その時期は、ちょうど人里では畑に作物がある時期です。北海道では小麦やサクランボ、プルーンといった果樹園で被害が出ました。8月以降になるとトウモロコシへの被害も多くなりました。東北でも、稲を食べる被害が見られたほか、夏から秋にかけては果樹園などへの被害にも広がっていきました。結局、山にエサがなさそうだと分かったときに、クマたちは「人里に下りればエサがあるから大丈夫」という行動パターンを取るようになってきているわけです。――昔から人里には食べ物はあったと思うのですが、何が変わってきているのでしょうか。ここ30年ほどの間に、クマの個体数は徐々に回復してきました。一方で、人間側は、クマを積極的に追いかけることは少なくなり、出てきたクマだけを捕獲するという対応に変わってきました。さらに、山際の集落では、人口減少や高齢化が進み、クマが出ても追い払わない、そもそも人に出会わないという状況が増えています。犬に吠えられることも減っています。その結果、じわじわと数を増やしてきたクマたちは、あまり人を恐れない世代になってきていると考えられます。クマにとっては、「人里」というよりも、自分の生息地の一部のような場所になっていったのだと思います。そのため、ばったりと人と出会ったときに、人を排除しようとして攻撃してしまう。そうした形で事故が起きてしまうのです。だからこそ重要なのは、人間と食べ物を結びつけさせないことです。そこが結びついてしまうと、非常に厄介な状況になり、最終的には駆除するしかなくなってしまうのです。――佐藤教授は、食べ物の問題のほかにも、子どもを守るために街に出てくるというクマの生態を紹介しています。これは、どのような状況なのでしょうか。親子のクマにとって、特に警戒しなければならないのがオスグマです。繁殖期になると、オスはメスを求めて活発に動きますし、自分と交尾していないメスが連れている子グマは、自分の子ではありません。そうすると、オスは子殺しをする可能性があります。そのため、母グマは、活動範囲を狭めたり、活動時間をずらしたり、オスと出会わないように行動します。オスグマは非常に慎重で、人前にはなかなか姿を現しません。そこで母グマは、あえて人の近くに身を置くことで、オスグマが近づかない環境をつくり、子どもを守ろうとすることもあります。これを「人間の盾(ヒューマンシールド)」と呼びます。親子グマは、人を襲いたいわけでも、食べ物を求めているわけでもなく、人目につく場所にいること自体が、安全なのです。こうしたケースは、5月から7月ごろによく見られます。――食べ物が目的ではない場合もあるのですね。もう一つ、クマが人目につく場所に出てくる理由として、オスの子グマ(若オス)が親元を離れて独り立ちしていく過程があります。「分散」と呼ばれる行動です。分散の時期にある若オスは、ライバルがいなくて、エサがありそうな新たな環境を探しています。街の近くで生まれ育った若オスが新天地を目指す場合、森から街へとつながる緑地に入り込んでしまうことがあります。具体的には、川沿いの河畔林や防風林、河岸段丘の斜面、山の斜面沿いに街まで延びている緑地などです。こうした緑地がどこかで街につながっていて、若オスが移動中に少し横道にそれただけで、いきなり街のど真ん中に現れてしまうことがあります。こうした緑地本来、生物多様性を守るために重要なものとして整備されてきました。その一方で、クマを市街地に迷い込ませるルートにもなっているという実態があります。

(なぜ?“冬眠しないクマ”:静岡)
2025年12月、静岡県掛川市や菊川市で相次いだクマの出没。通常は冬眠している時期で、クマの生息域ではない場所になぜ出没したのでしょうか。住宅の敷地内にゆっくりと入ってきた1頭のクマ。2025年12月24日早朝に掛川市の住宅で撮影された防犯カメラの映像です。防犯カメラを設置していた住宅で暮らす海野さん。撮影された翌日の夜にたまたま映像を確認していたところ、クマに気づきました。その後、警察を呼ぶなどして確認しましたが、荒らされることはなく入ってきた場所とは別のところから立ち去ったとみられます。クマの映像が撮影された約2時間後、この住宅から1kmほど離れた公園でも目撃情報が。公園にはくっきりとクマの足跡が残っていました。その後も目撃情報は相次ぎ、3日後には菊川市堀之内でフェンスを乗り越えるクマが撮影されました。県 自然保護課・小澤真典 班長:11月・12月くらいから3月くらいまで通常は冬眠している時期。この年末に出没があり驚いている。周辺では2025年12月24日~27日にかけてクマが目撃され、29日には掛川市の東海道線の線路わきで列車と接触したとみられるオスのクマの死骸が見つかりました。掛川市や菊川市などは特徴などから目撃情報が相次いでいたクマだとみています。なぜ、冬眠しているはずのクマがこの時期に出没するのでしょうか。県 自然保護課・小澤真典 班長:今回捕まったのは若いオスの個体・親離れしたツキノワグマで、新たな場所を求めて森林をさまよい、掛川・菊川に出てしまったのではないか。また、2025年12月31日に熱海市でシカやイノシシ用のワナにかかっていたクマも若いオスとみられています。生後1年半を越え、親離れしたオスのクマは個体によっては冬眠せず、動き回ることがあるということです。県内では2026年1月8日もクマの生息域ではない函南町の県道でクマの目撃情報があり、県などが注意を呼びかけています。県 自然保護課・小澤真典 班長:クマも含め野生動物を近づけないということが大事。生ごみなどを周囲に置かないことが大事。全国でクマの目撃がやまないなか、県内でも今年度の目撃情報は2025年12月26日までに172件と、すでに過去最多となっています。

(クマ被害は特産品にも…深刻化する経済的打撃)
クマによる人身被害が相次いだ昨年は、特産の農畜産物への被害も広がった。国は予算を計上して、畑への侵入を防ぐ電気柵の整備などを支援するが、経済的打撃は深刻だ。従来なら冬眠に入っているはずのクマの出没は新年に入っても続く。農家らは「味を覚えた個体がまた来るのではないか」と気をもんでいる。昨年10月24日夜、山形県上山市の果樹園の監視カメラに1頭のクマが映った。二本脚で立ち上がり、たわわに実った洋ナシの木に前脚を掛けたが、何かの気配を感じたのか、周囲を見回すと、その場を離れていった。同園にクマが出没し始めたのは5月下旬。まずサクランボが食べられ、秋には洋ナシの被害が深刻化。約4トンの被害が出た洋ナシは、例年の約6割しか出荷できなかった。その後、園周辺で4頭のクマが捕獲されたが、果樹園の代表(52)は「他にもまだいるかもしれず、気が抜けない」と警戒する。青森市の男性リンゴ農家(52)の畑でも、8月末頃から 早生わせ 種「きおう」の枝が毎日のようにクマに折られた。果実の被害は10月上旬までに約2トン、傷つけられた木も約250本に上った。畑に箱わなを設置し、作業前に爆竹を鳴らしたり、避難用のバギーを購入したりと対応に追われ、費用も300万円以上かかった。男性は「クマの被害は初めてで、どこまで広がるのか気が気ではなかった」と振り返る。被害は家畜などにも及んだ。新潟県小千谷市では「泳ぐ宝石」と呼ばれるニシキゴイが襲われた。クマは養殖いけすを仕切るために張られた網を器用にたぐり寄せていたという。市によると、これまでコイのエサが狙われたことはあってもコイ自体が食べられたことはなく、大平直豊・錦鯉戦略室長は「ついに被害が出てしまった」と危機感を募らす。山形県小国町でも「やまがた地鶏」約180羽が食い荒らされたほか、秋田県大館市では鶏舎内で比内地鶏約300羽が死んでいるのが見つかった。周辺にクマの足跡があり、驚いたヒナが暴れて押し合い、圧死したとみられている。産直通販サイト「食べチョク」の運営会社が、サイトに登録する生産者に尋ねたところ、東北地方で7割超、信越地方でも4割超が「例年よりクマの被害が増えた」と回答。環境省によると、農業被害などを起こしたクマを捕らえる「許可捕獲」も昨年10月末時点で過去最多の9867頭(速報値)に上った。被害農家を支援する動きもある。宅配大手オイシックス・ラ・大地は12月、東京都品川区にある系列の食堂のサラダバーに食害に遭った農家のリンゴを並べた。1食につき50円が寄付される仕組みで、5日間で450食を提供した。同社の担当者は「支援金をリンゴの苗木の購入費などに充ててもらえればうれしい」と話す。

(だからヒグマは日本人カメラマンを襲った…地元テレビ局の餌づけが発覚)
「この時期、熊は人を襲わない」──そう信じてテントに残った写真家は、なぜ命を落としたのか。1996年、カムチャツカ半島で起きた「星野道夫ヒグマ襲撃事件」。その背後には、地元テレビ局による“餌づけ”という衝撃の事実があった。宝島社ムック『アーバン熊の脅威』より、一部抜粋してお届けする。1996年7月25日、TBSのテレビ番組『どうぶつ奇想天外!』の撮影のため、動物カメラマンの星野道夫とTBSスタッフらはロシアのカムチャツカ半島へ渡った。撮影予定地に入ったのは同月27日のこと。撮影隊が基地とする2階建てのロッジから離れたところに星野と、撮影隊とは別に訪れたアメリカ人写真家がそれぞれテントを張って、そこで野生のヒグマの撮影にあたることになった。その夜、いきなり熊が現れる。最初に気づいたのはアメリカ人写真家で、熊は食糧庫の屋根の上でひとしきり暴れたあとに、星野のテントへ近づいていった。写真家からの知らせで小屋からガイドがやってきて熊除けスプレーを噴射すると、熊は退散していった。撮影隊は星野に対し、安全のため小屋で寝泊まりするよう勧めたが、星野は「この時期はサケが川を上ってエサが豊富だから熊は人を襲わない」と言ってテント生活を続けた。一方、写真家は危機を感じて近くの塔の上に移っていった。8月6日にも熊は星野のテント近くに現れたが、星野はテント生活を続行。だが8日の午前4時頃、ついに惨劇が起こる。暗闇の中に星野の悲鳴と熊のうなり声が響き渡り、TBSスタッフらが小屋から出て、声の方向を懐中電灯で照らすと、熊が星野を森の中へ引きずっていく姿が見えた。無線で救助を依頼すると、ヘリコプターでやってきた捜索隊が上空から熊を発見して、そのまま射殺。星野は森の中で、遺体を食い荒らされた姿で発見されている。後日、星野の友人らの検証により、この熊が地元テレビ局のオーナーに餌づけされていたことが判明する。そのため人間への警戒心が薄くなっていたという。熊が最初に発見された時、食糧庫の上にいたのは、そこに餌があることを知っていたため。テレビ局オーナーが何の目的で餌づけを行っていたのか、はっきりとはわかっていないが、何かしらのテレビ的演出を目論んでいたとも考えられる。また撮影隊の滞在中は餌づけのための餌が与えられた様子はなかったことから、熊はかなりの空腹状態だったと推察される。星野は本人の預かり知らぬところで非常に危険な状況に追い込まれていたのだ。星野が死の直前まで撮影していた映像は後日、遺族の意向もあって特別番組としてテレビ放送されている。

(人間の近くに住むことでクマは小さくなり攻撃性も低下した)
イタリアのフェラーラ大学(UniFe)などで行われた研究によって、中央イタリアの村々の近くで人間と長く暮らしてきたヒグマが、ほかのヒグマよりも小柄で温厚(おんこう)な性質に“進化”していた可能性が報告されました。研究ではこのクマのゲノムが調べられており、攻撃性の低下と関係が示唆されている遺伝子の近くに多くの遺伝子変異がおきていることが示されています。人間との長い共存と駆除の歴史が、このクマたちの“性格”をDNAレベルで変えてしまったのでしょうか?

(“年越しクマ”襲来…)
年末年始にかけて、本来なら冬眠シーズンのはずのクマの出没が相次いでいる。仙台市では2025年12月にタクシーとの衝突危機や温泉旅館への侵入が発生し、2026年元日には北海道で巨大な足跡が発見された。秋田県でも2026年に入り市街地での目撃が8件に上っている。専門家は、冬眠明けが早期化する可能性を指摘する。2025年12月25日、クリスマスの深夜に仙台市を走行するタクシーのドライブレコーダーが、クマの姿を捉えた。目の前に突然クマが飛び出し、あわや衝突の危機だった。運転手によると、クマは体長約1.5mだったという。2025年、全国で過去最悪の被害を及ぼしたクマ。冬眠シーズンを迎えているはずの年末年始も出没が相次いでいる。年越しを間近に控えていた2025年12月30日には、仙台市の中心部から車で約40分の山間部にある温泉旅館の敷地内にクマがとどまっていた。営業中だった温泉旅館の施設にクマが侵入した。居座りから約5時間後に緊急銃猟を行い、体長65cmの子グマ1頭が駆除された。さらに新年を迎えた2026年1月1日、北海道・厚岸町では、クマと見られる足跡を散歩中の人が発見した。長さ約30cm、幅約20cm、肉球までくっきりと残った足跡が、20mに渡って続いていたという。発見された足跡から、乳牛を襲うなどして2023年に駆除された巨大グマ「OSO18」と同程度の大きさとみられ、警察は住民に警戒を呼びかけている。こうした巨大グマは2025年11月にも出現していた。北海道・苫前町では、体重約400㎏の巨大なクマが箱ワナによって捕獲された。一方、クマによる人的被害などが相次いだ秋田県では、2026年に入っても連日のように市街地での目撃情報が報告され、すでに8件に上っている(6日午後4時時点、足跡も含む)。環境省は、2025年にクマに襲われて亡くなった人は全国で13人、駆除数は9765頭(速報値2025年4月~10月末時点)に上り、統計開始以来、過去最悪と発表している。秋以降から急増したクマ被害、2026年はどうなるのか。専門家は次のような可能性を指摘する。岩手大学農学部・山内貴義准教授:だいたい3月ぐらいまで冬眠すると言われているけど、気温が高くなると冬眠が明けるのが早くなるという研究例もある。春が早くやってくると(クマが)早めに目覚めてしまって、ただ山の方にはまだエサがない、街中にエサがあることを学習してしまった個体が、街中に急に出没する可能性がある。この冬は山のエサ不足により、人間の食べ物に依存してしまったクマが多いという。春先の3月中旬以降、警戒を強める必要があると指摘している。

(熊と衝突する事故:福島)
熊の目撃があったのは須賀川市深渡戸字石母毛地内です。警察によりますと1月4日午後5時半ごろ、目撃者の男性が車で走行中に、森林から出てきた熊と衝突する事故があったということです。事故の後、熊はその場から立ち去っていて、車の損傷はありましたが、目撃者の男性にけがはないということです。警察が注意を呼びかけています。

(高速道路を横断するクマ:京都)
7日午前8時15分ごろ、京都府舞鶴市上根の舞鶴若狭道で、道路を横断するクマ1頭が目撃された。道路規制などの影響はなかった。京都府によると、通勤途中の府職員が、北から南へ高速道路を横断する成獣とみられるクマ1頭を目撃した。一帯の山間部には「丹波個体群」と呼ばれるツキノワグマが生息しており、この時季は冬眠を開始していない個体もいるといい、注意を呼びかけている。

(県道にツキノワグマか:静岡)
1月8日、静岡県函南町の県道20号線で7日にツキノワグマと思われる動物が目撃されたと情報提供があり、函南町などが注意を呼びかけています。県東部農林事務所によりますと、1月8日に「SNSのXに1月7日にクマと思われる動物が映っているドライブレコーダーの映像が投稿されている」と県東部農林事務所に情報提供があったということです。県東部農林事務所によりますと、ツキノワグマの目撃情報があった場所は函南町の熱海峠と十国峠の間付近の県道20号線で、情報提供を受けて、函南町と熱海市、県の職員が現場に行きましたが、ツキノワグマがいた明確な痕跡などは見つからなかったということです。函南町の隣の熱海市では2025年12月31日に、オスのツキノワグマが捕獲されていて、函南町や熱海市は周辺に住む人や通行する人に対し、外出の際は単独行動を避けるなどし、クマを見かけても近づかず、刺激しないよう注意を呼びかけています。

(貨物列車がシカと接触:広島)
5日午後11時5分ごろ、東広島市志和町七条椛坂のJR山陽線八本松―瀬野間で、西条発広島貨物ターミナル行きの下り貨物列車がシカと接触した。JR西日本中国統括本部によると、山陽線の下り列車1本が部分運休したほか、上下計3本が最大約40分遅れ、約500人に影響が出た。

(シカ出没、JR山田線で列車運休:岩手)
6日午後5時10分ごろ、宮古市のJR山田線川内-松草駅間を走行中の上り普通列車の運転士が、前方の橋にいるシカ1頭を発見し、停車した。川内駅に戻り、乗客12人をタクシーなどで送った。上り4本が運休、区間運休、下り1本が遅れ、約70人に影響した。車両運用上の都合で7日の下り2本も運休し、約50人に影響した。

(年明けから8件のクマ目撃情報:宮城)
1月6日夜、仙台市青葉区の仙台城跡近くで、道路脇の草を食べているクマ1頭が目撃され、警察などが注意を呼びかけています。クマが目撃されたのは、仙台城跡から西におよそ160メートルほどにある青葉区川内のバス停留所、「仙台城跡南」付近です。警察によりますと、6日午後9時半ごろ、「クマが草を食べている」と車で通りかかった人から警察に通報がありました。目撃されたクマは体長1.5メートルほどで、警察が近くをパトロールしましたが発見には至っていません。 これまでに、クマによる被害は確認されていないということです。宮城県によりますと、県内では今年に入ってから6日時点で、去年の同じ時期と比べて6件多い、8件の目撃情報が寄せられているということです。

(JR山陽線で列車がシカと衝突:山口)
7日午後8時10分ごろ、山口県下関市のJR山陽線・小月-長府駅間で、上りの普通列車(2両編成・乗客約30人)の運転手から「線路内にいたシカと衝突して停車した」という内容の連絡がありました。JR西日本によると、運転士が確認するとシカは線路内に倒れていたため、シカを撤去し、約40分遅れで運転を再開しました。乗客にけがはありませんでした。この影響で、上下線合わせて5本が最大約40分遅れ、約500人に影響が出たということです。

(クマ目撃相次ぐ:岩手)
盛岡市によると、7日午後0時5分と同25分ごろ、東松園2丁目付近で、クマ2頭の目撃情報があった。同日早朝には東松園わんぱく公園付近で、通行人が子グマ1頭を目撃し、110番通報した。

(知って!楽しむ!ジビエ)
農林水産省は、鳥獣被害対策のため捕獲された野生鳥獣を地域資源として余すところなく活用する取組を推進しています。鳥獣被害の現状や対策、各地のジビエ料理店等が参加する「全国ジビエフェア」の紹介のほか、シカ等の皮、骨、角等を加工して作られたファッション・インテリア関係の製品を、ショールームをイメージした展示を通してご紹介します。シカ皮を使った楽器(三味線、太鼓)の体験コーナーの設置や、シカ皮の羊皮紙「鹿皮紙(しかひし)」を使った事前予約制のワークショップも開催予定です。

(駆除した鹿肉、美味レトルトカレーに:三重)
尾鷲市で狩猟を行う山崎裕之さん(55)が、駆除した鹿の肉を使ったレトルトカレーを開発した。市内では鹿による農作物の食害が多発。駆除された鹿の一部は廃棄されており、「ジビエ」としての活用に乗り出した。山崎さんは「駆除を担う猟友会は高齢化が進んでいる。若者が加わるきっかけになってほしい」と話している。保険代理店を営む山崎さんは5年前に狩猟免許を取得した。初めて先輩猟師と山に入った時、猟銃で撃たれた鹿がけがをしながらも何十メートルも走って逃げようとするのを見て「生きようとする野生の力を感じた」と振り返る。駆除した鹿は、猟友会員が自家消費している。ただ、高齢の会員が重さ40キロほどの鹿をきつい斜面の山中から運び出すのは難しく、現地で穴に埋めて処分することもあると聞いた。食肉として販売するには、食肉処理業の営業許可を取得した施設で解体する必要がある。だが、市内にはその施設がないこともわかった。「せっかくいただいた命を余すことなく大事にしたい」と、自ら空き家を購入して改装し、処理施設として許可を取得。2022年に「尾鷲ジビエ」として開業した。「鹿肉特有のにおいが苦手」という山崎さんは、時間をかけて血抜きをし、においの原因になる部位を丁寧に取り除いて臭みのない精肉に仕上げた。それでも市民には「鹿肉は臭いというイメージ」が根強く、なかなか売れなかったという。「おいしい鹿肉を一度食べてみてほしい」と、カレーに加工することを思いつき、試行錯誤を重ねた。焼き肉では硬すぎて食べにくいすね肉を、圧力をかけて調理することでほろほろにした。解体の過程で出る小さな肉片は、スープに溶け込ませた。内容量の4分の1は鹿肉で、「肉のごろごろ感とうまみが味わえるカレー」に仕上げ、昨年11月から「鹿肉ごろごろジビエカレー」として売り出した。山崎さんが山に入るのは、月に1~2回。猟友会の仲間が捕った鹿も買い取る。年間50~60頭を精肉にし、骨はペットフードに加工するなど、廃棄するのは毛皮の部分だけ。狩猟には弾丸などの費用がかかるため、「鹿を買い取ることで猟師に還元できれば、若い人も狩猟を始めやすくなる」と話す。200グラム入りで、税込み1500円。市内の土産物店などで販売している。

(「ぎふDeerフェア」の魅力:東京)
岐阜県の自然の中で育った鹿肉が、東京のレストランで味わえる特別イベント「森のごちそう 首都圏 ぎふDeerフェア」が始まりました。東京・虎ノ門のイタリアンレストラン「Cassolo」が主催の岐阜県とともに、本州鹿の美味しさを広めるこのイベントに参加し、特別なメニューを提供しています。

(とんこつラーメンの製法でつくるジビエラーメン)
株式会社力の源ホールディングス(本社:福岡市中央区、代表取締役社長:山根智之)傘下の力の源カンパニーが運営する博多発祥のラーメン店「一風堂」は、「九州ジビエコンソーシアム」(事務局:株式会社tracks、所在地:糸島市二丈片山、代表取締役:江口政継)とコラボレーションし、九州地区で捕獲された猪や鹿を使用した「九州ジビエラーメン」を共同開発しました。そのお披露目会として2026年1月17日(土)と18日(日)の2日間、東京都港区「一風堂 浜松町スタンド」にてジビエづくしのコース料理を味わえるイベントを開催します。

(「食べて森を守る」熊鍋の缶詰プロジェクト始動:岐阜)
株式会社ひょうたん姉妹リゾート(所在地:岐阜県、代表:三宅 未紗)が運営する居酒屋割烹「お遊食おせん」は、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて、「熊鍋の缶詰」プロジェクトを2026年2月まで実施中です。本プロジェクトは、駆除後に廃棄されることの多いツキノワグマを食材として活用し、売上の一部を山林保全活動に還元する「食べる自然保全モデル」。幻の高級食材を缶詰化することで全国どこでも味わえる体制を構築し、「美味しく食べて、森を守る」という新しい社会参加型の環境保全を提案します。

(学生がジビエ丼を販売:岡山)
1月28日、中国四国農政局が入る岡山市北区下石井の岡山第2合同庁舎(北側駐車場)で、環太平洋大学の学生が、岡山県産イノシシを使った料理などを販売します。販売時間は午前11時30分から午後1時までです。販売するのは、人間の都合で駆除したイノシシの食材などへの利活用を進め、消費拡大を図ろうと取り組んでいる学生です。当日は、環太平洋大学のキッチンカー2台が出店し、ジビエ丼(先着100食限定)やイノシシの皮を使ったジビエコースターなどを販売します。併せて、庁舎の南側入り口では、鳥獣被害防止とイノシシ肉などの利用拡大に取り組んでいる中国農政局が、ジビエに関するパネルなどを展示します。

(ジビエ店経営、向き合う命:愛知)
愛知県豊田市の山間部に、県内外から客が集まるジビエ料理店「山里カフェMui」がある。店を営む清水潤子さん(54)は料理人であると同時にイノシシなどを狩る猟師でもある。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、8日午後2時40分ごろ、栗原市栗駒桜田定官寺にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、8日午前10時ごろ、南三陸町戸倉寺浜にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後4時30分ごろ、仙台市泉区朴沢九ノ森にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
多賀城市によると、7日午後10時10分ごろ、多賀城市城南1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後9時30分ごろ、仙台市青葉区川内にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、6日午後0時ごろ、登米市豊里町中谷岐にイノシシが出没しました。

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(元日から「クマ出没注意報」を発令中:山形)
山形県内では1月1日から「クマ出没注意報」が発令されています。県は、人身被害を防ぐため引き続き警戒を呼びかけています。山形県内では、去年7月から「クマ出没警報」が継続されてきましたが、1日から「注意報」へと切り替えられました。年末年始は帰省する人などの動きが活発になることを踏まえ、県は引き続き注意が必要と判断しました。クマ出没注意報の発令期間は、1月15日までとなっていて、県は、お正月休みで外出する、また農作業や山のレジャーを予定している人に対し、次の点に注意するよう呼びかけています。クマに出合わないために、外出時の注意:クマの目撃情報があった場所での、早朝や夜間の不要不急の外出は控えてください。早朝や夜間は、特にクマに出合う可能性が高まります。音での対策:ラジオや鈴、笛など、音の出る物で自分の存在をクマに知らせるようにしてください。環境の整備:家の周囲にある取り残しの果実や野菜は、クマの餌となるため、速やかに撤去してください。また、自宅や倉庫は必ず鍵をかけてください。また県は「もしクマに出合ってしまった場合は、あわてず落ち着いて、背を向けずにゆっくりとその場から離れることが重要」「もし襲われそうになったら、両腕で顔や頭を覆ってダメージを最小限にとどめる行動を」としています。

(野生イノシシから「豚熱」確認:鹿児島)
先月30日に鹿児島県霧島市で見つかった死んだ野生のイノシシが、豚熱に感染していたと県が発表しました。霧島市で先月30日に見つかった死んだ野生のイノシシ1頭が、遺伝子検査の結果、豚熱に感染していたと鹿児島県がきょう3日、発表しました。鹿児島県内で野生イノシシの豚熱感染が確認されたのは今回が9例目です。

(イノシシ豚熱:岡山)
岡山県は15日、真庭市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は61例目で、真庭市では初めて。県によると、6日に空き家の敷地内で死んでいるのが見つかり、14日に県の検査で陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めている。

(クマ対策で緊急銃猟支援もハンターからは不安の声:山梨)
全国的にクマ被害が拡大するなか、四方を山に囲まれた山梨県もクマ出没の緊急対策をまとめた。クマの冬眠期に入っているものの、近年は県内で冬眠しない個体が多数目撃されているうえ、市街地への出没も増加していたための措置。出没した際の迅速な対応として緊急銃猟による捕獲への支援などが柱になっている。ただ、実際にクマと対峙(たいじ)するハンターからは不安の声も出ている。緊急銃猟は令和7年9月に導入され、人間の生活圏に出没したクマを市町村長の要請を受けたハンターが発砲して駆除する。実施主体は市町村になる。環境省によると、12月中旬までに東北地方を中心に50件を超える緊急銃猟が実施されている。山梨県での緊急銃猟の実施例はないが、クマ出没は増加。県によると、県内の出没頭数は、6年度の346頭が最多だったが、7年度は12月10日に347頭となり過去最多を更新した。人身被害は6、8月の2件にとどまるものの、冬眠期になっても出没は続いており、新たな被害の発生も危惧されている。そこで県は7年11月、緊急対策をまとめた。緊急銃猟対応としては、実施主体となる市町村向けに▽ヘルメットなど必要備品購入支援▽発砲で他者の財物を傷つけるなどに備えた保険の料金支援▽1回20万円を目安とした経費の支援-などとなる。緊急対策の一環として県は12月中旬、甲府市内で県内のハンターら約50人を集めた研修会を開催した。講師に招かれたのは緊急銃猟でヒグマを駆除した経験のある北海道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊隊長の玉木康雄氏ら。玉木氏は緊急銃猟で発砲したハンターが責任を問われないために行政、警察との連携が重要だと強調した。この研修会参加者から聞こえたのは、緊急銃猟に対する不安の声だ。「緊急銃猟は発砲までの手続きが面倒で、とてもできそうにない。頼まれても断ると思う」。大月市の男性(73)は研修会後、こう漏らした。行政と警察が付近の交通規制や住民避難を完了させた後でないと発砲できないので、臨場しても一日無駄にしてしまう可能性もあるためだ。また、中央市の男性(71)は「仕留めそこなったクマが逃げて人を傷つけたら…。そう思うと怖い。確実に仕留めなければならないので苦しい」と口にした。県はハンター側に不安があることを理解しており、払拭に努めている。実施までの時間がかかることが懸念される点については、県がマニュアルを作成するとともに、訓練を実施して時間の把握することを各市町村に求めている。ハンターに法的責任が及ばないようにすることについては、損害は保険で対応できることを強調する。県担当者は「ハンターの負担を軽減できるよう、今後も対応を続けていく」としている。

(離島のイノシシ被害対策にドローン×赤外線技術を活用:岡山)
一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山県岡山市、代表理事:森本宏治)は、株式会社キンシュウ(山口県岩国市、代表取締役:有國秀賴)、株式会社ビットコミュニケーションズ(香川県高松市、代表取締役:川西健雄)との共催により、2025年12月16日~17日の2日間、香川県高松市の男木島において、ドローンと赤外線カメラを活用したイノシシ生態調査を実施しました。本調査では、ドローン自動離着陸ステーション「DJI Dock3」と赤外線カメラ搭載機「Matrice 4TD」を使用し、約1時間ごとの定期自動飛行により、イノシシの活動状況を昼夜問わず記録することに成功しました。今後はAIによる画像自動判定システムへの発展を視野に入れ、離島や中山間地域における獣害対策の新たなモデル構築を目指します。男木島は高松港からフェリーで約40分の瀬戸内海に浮かぶ離島です。近年、島内でイノシシが急増し、農作物への被害が深刻化しています。さらにイノシシは住宅地にも出没するようになり、夜間は住民が安心して外出できない状況が続いています。しかし、人手による継続的な監視や対策には限界があります。こうした課題を解決するため、ドローンによる自動監視システムの有効性を検証する調査を実施しました。

(エゾシカ猟、解体に同行:北海道)
佐呂間町の地域おこし協力隊員で、ハンターでもある市川明さん(41)が事業化を目指すエゾシカの狩猟・ジビエ体験のモニターツアーが佐呂間町で行われた。オホーツク管内の協力隊員ら26人が参加し、市川さんらの狩猟現場に同行したほか、解体したエゾシカを炭火で焼いて実食。「命をいただく」ツアー造成の可能性や課題を探った。市川さんは旭川市出身で、2023年4月に着任。昨年、狩猟免許を取得し、有害鳥獣駆除のほか、エゾシカ肉のペットフードの製造・販売などにも取り組んでいる。ツアーは、清里町の協力隊員、大野恵さん(31)らが隊員同士の交流イベント「DD TOWN!」の一環として企画し、昨年11月21、22日に行った。北海道猟友会遠軽支部の鈴鹿保支部長が協力した。参加者は市川さんのグループと鈴鹿さんのグループに分かれて狩猟に同行。山林に入ってわずか10分、鈴鹿さんが140キロほどの雄シカを仕留めた。鈴鹿さんはすぐに、心臓付近にナイフを刺し、「食用にする時は肉に臭みが出ないようにすぐに血抜きをすることが必要だ」と説明した。一部始終を見ていた斜里町の協力隊員、浅香里菜さん(29)は息絶えたシカを前に無意識に深々と頭を下げていた。「撃たれてもなお生きようとするシカの姿に、命への向き合い方、命をいただく意味を考えさせられた」参加者全員で解体作業も体験。重機で逆さづりにされたシカの姿に当初は目を覆う参加者もいたが、部位ごとに丁寧に肉を切り分けた。その後、炭火焼きの新鮮な肉を食べた参加者は「臭みがなくコクとうまみが深い」「脂っこくなく、いくらでも食べられる」などと感想を話していた。市川さんは「参加人数や解体場所の確保など事業化する上での課題を整理できた。食育の観点から教育ツアーとしての可能性も感じた」と手応えを語った。大野さんらは今後もこうした交流イベントを企画していく考え。「地域との関わりをより強固にして、隊員同士が地域おこしの議論を深め合う場にしていきたい」と述べた。

(狩猟初心者、小田急が支援:東京)
農作物への獣害を減らそうと、小田急電鉄が狩猟初心者らを支援する会員制サービス「ハンターバンク」を展開している。入会すると、経験を積んだスタッフのサポートの下、免許の有無にかかわらず狩猟を体験できる。ハンターの裾野を広げるとともに、野生動物の電車への衝突事故を減らす狙いがある。11月中旬、神奈川県小田原市の山林に20~50代の会員の男女18人が集まった。スタッフに連れられて野生動物の痕跡を確認しながら、おりに誘導して捕獲する箱わな3カ所を巡回。獲物はかかっていなかったが、設置方法や餌のまき方などを学んだ。参加理由は「ジビエを食べるのが好き」「趣味にしたい」などとさまざま。狩猟経験のない免許所有者の男性もいて「始めるきっかけがなかった」と話した。

(「2026年のブナの実は豊作」の予測、緑が芽吹く5月頃には山に戻る?)
年末の風物詩「新語・流行語大賞」のトップ10に「緊急銃猟/クマ被害」がランクイン。さらに、日本漢字能力検定協会が毎年発表する「今年の漢字」にも「熊」が揮毫されるなど、2025年はクマの話題が途切れなかった。平年なら冬眠を迎えるはずの現在でも、クマが市中に出没するなど異常事態が続いている。2026年もクマに振り回されるのか──クマの生態に詳しい岩手大学准教授の山内貴義さんは、こう推察する。「生ゴミなどの味を覚え、人里に餌があるといってもクマが冬眠せず冬を越すとは考えにくい。しかし、暖冬となって気温が高くなると冬眠から覚めるのが早まることがあります。3月以降は注意が必要でしょう」(山内さん・以下同)。冬眠から早く覚めても、早春の頃の山には新芽などの餌はまだない。「2024年4月に岩手県花巻市の温泉地で、ゴミ集積所にクマがいた事例がありました。餌がないと一時的に人里に出没する可能性があるので、ゴミや家畜の餌などの取り扱いには気をつけた方がいい。ただし、緑が芽吹く5月頃にはまた山に戻ると考えられます」。山に戻ったとしても2025年の被害件数を考えると、人里に出没するのではないかと心配になる。しかし、山内さんは「2026年はクマの行動はおとなしくなる可能性がある」と指摘する。「ブナの実などのドングリが大凶作だった2025年から一転、2026年はかなり改善されると予想されています。なので人里への出没は少なくなるか、2025年とは打って変わってまったく出てこないということもありえます」。実際、秋田県林業研究研修センターの調査では「2026年のブナの実は豊作」だとする見通しもある。生活を脅かしたクマが山で豊かに暮らせるかどうか、その動向から目が離せない。

(相次ぐクマ被害、専門家が語る『山の高密度化』の実態:兵庫)
クマの被害が深刻化する中、兵庫県では個体数を管理可能な範囲に抑える「低密度管理」に成功している。一方で、秋田県など多くの地域ではすでに対応能力のキャパを超えていると推測される。「被害を抑えるためには、思い切って大きく数を減らすべきではないでしょうか」と話すのは、兵庫県立大学の横山真弓教授。野生動物の保全管理を研究し、現場で対策指導を行う横山教授に詳しく話を聞いた。兵庫県立大学 横山真弓教授:昭和の初め頃まで、日本はさまざまな野生動物を乱獲しました。また、当時は日本中“はげ山”だらけでした。生活のために薪(木材)が必要でしたし、炭鉱など鉱物資源の採掘で木を切り倒したことで、もう再生できないんじゃないかというぐらい“はげ山”にしていったのです。その結果、野生動物が激減。絶滅の危機に陥り、慌てて「保護政策」をとったのです。第二次世界大戦が終わった頃には、動物がいなくなったとまで言われていました。そして戦後は厳しい狩猟規制が続き、できるだけ捕らせない政策をとりました。その後、燃料革命が起こり我々の生活は一変。電気、ガスなどボタンを押せばよくなり、皆、山に見向きもしなくなったのです。私たちが最初に野生動物の増加に気づいたのは「鹿」でした。1990年頃に鹿が増え始め、2000年代に入るとイノシシが増えだした。そして2010年にクマが増えはじめたのです。野生動物の増加は、狩猟者の減少や温暖化による積雪量の減少など、さまざまな要因が働いていると言われています。そして人間が耕地や住居を放置したまま里山から離れ、都会に出てしまったたことも大きな影響を与えています。柿や栗など、野生動物が「安全に美味しく食べられる」恰好のエサ場になってしまっているのです。我々『兵庫県森林動物研究センター』が15年ほど前から「クマの個体数推定」をした結果、「クマは1年で15%ほど増える」ことがわかりました。仮に100頭いたとして、一年後には115頭、二年後には132頭…5年で2倍になります。100頭ならよいのですが、1万頭だったら5年後に2万頭になってしまうのです。同様に個体数推定を行っている岐阜県でも「増加率15%」というデータを出しています。捕獲がなければ、「5年で倍増」は、決して大袈裟ではなく、現実の数字なのです。兵庫県、岐阜県のデータから考えると、クマの数が多い地域では増えないように一定に保つためには、増加する分の15%の駆除が目安になります。。秋田県は2023年の大量出没を受けて、23年24年で2600頭もの駆除の努力をされてきたのに、今年も大量出没してしまいました。しかし秋田県が5年ほど前に推定したクマの生息数は4400頭。数が合いません。これはどういうことなのか?データは1回の調査ではなかなか安定しないものです。古典的な手法ですし、あくまで推定値ですから乱高下するのです。ですが、データが蓄積されると変動幅が小さくなってきます。秋田県の前回の調査は過小評価だったのかもしれません。今、最新の調査を行っている最中です。結果が待たれます。そして…山は繋がっています。2023年は全国で9099頭という驚異的な数を捕獲したにも関わらず、今年被害が深刻化している状況を考えると、県同士の連携や、継続した調査が非常に重要だと思われます。今の東北地方は、相当数のクマが高密度に生息している状態だと推測されます。動物は、高密度化すると行動が変わってきます。争いが激しくなり、行動が過激になっていくのです。食べ物をめぐる争いも激しくなり、体の大きなオスのクマは子クマにとっては脅威となります。メスや子供はオスが怖い。だから山の中の争いが激しくなると、弱い母子が里に逃げて来ている可能性があると思います。里に着いた時はもう必死に食べ物を探している状態。また、人は怖い生き物ではないと学習しているクマも多くなってきていて、人里での活動がエスカレートしているように見えます。さらに、クマは鼻が凄く良いので、食べ物の匂いがする場所、例えばスーパーや、人が多くいる介護施設や幼稚園など、たくさん煮炊きをする所に匂いに誘われてしまっているのだと思います。現在、兵庫県に生息しているクマは約800頭です。私たちが野生動物の保全管理をはじめた25年前は鹿が増えだした頃。当時は「鹿は増えているけれど、クマは絶滅に瀕している」と保護政策をとっていました。クマは100頭いないと言われていて、一生懸命保護していたのです。ですが、2年おきにクマが大量出没し、2010年には1600件もの目撃情報が報告されました。「100頭しかいないはずなのにおかしい」と、さまざまな角度から調べた結果、600頭ほど生息していることが分かりました。どのぐらいの生息数が適正なのか、非常に難しいところですが、600頭の出没対応で、すでに非常に大変でした。我々が管理できない数になったらお手上げです。議論を重ね、環境省が「800頭いれば絶滅しない」という数値を出していたこともあって、800頭を目安とすることになりました。それまで完全保護政策だったのを、集落に侵入する個体は初めから駆除するなど、段階的に政策を転換していったのです。それでもあっという間に800頭に達しました。2016年のことです。そこで政策を大きく転換。狩猟を一部解禁にしたり、集落周辺での捕獲強化を始めました。15%ずつ増加しますから、一年で120頭程を捕獲しないといけない場合も出てきます。今、9年目ですが、クマ被害は減少傾向にあります。管理可能な数は自治体によって異なりますが、今の秋田県や岩手県は完全にキャパを超えていると思われます。被害を抑えるためには、ここはいったん、思い切って大きく数を減らすしかありません。クマという動物と共存するのは、本当に大変ですから、現状の対策としては「低密度管理」がベストではないでしょうか。兵庫県は2007年、野生動物管理のための拠点施設「森林動物研究センター」を設立しました。研究員は現在6名。動物の個体数推定を専門に行う研究員や、森林の豊作凶作を調べる研究員など、それぞれ専門分野をもったメンバーが研究と対策の実行・指導を行っています。私は動物の体の中を調べ、健康状態や繁殖状況などを分析していくのが専門です。日本は1999年の法改正で「地方分権」が強く進められ、「問題のある野生動物の対応は各都道府県が責任をもつこと」となりました。この時、法改正には『付帯決議』があり、「都道府県に専門的人材を配置することや研究機関の設置などに国が支援する」ということが書かれていたのですが、結局、何も進んでおらず支援体制も出来ていません。しかし、野生動物が増えている今、対応できる人材を育てないと大変なことになります。増えきってから対応するのは本当に大変なのです。今の自治体の仕組みでは、私たちの分野は「林業職」とか「農業職」とか、あるいは「獣医職」の方が担っているのですが、野生動物について学んできている人は非常に少ないのが現状です。研究者はたくさんいますが、行政機関に配置されている人はほとんどいないのです。例えば都道府県には必ず獣医師がいます。動物愛護法などで獣医師を配置することというのが定められているのです。畜産の獣医とか、公衆衛生の獣医とか。鳥インフルエンザなどが起きた時、専門知識がないと対応できないからです。野生動物の保護管理も同じです。今後ますます野生動物の増加が見込まれる中、早急に「鳥獣職」というのをきちんと法律で定める必要があると思います。今、国会で色々と対策を議論していますが、まずは専門職種の「鳥獣職」を各自治体に配置するべきではないでしょうか。人を育てることと人材配置はセット。学生たちも職種がない現状では、勉強もなかなか進みません。そういうところを、これから数年かけて変えていく。日本の鳥獣行政の仕組みを変えていかなければ、今後ますます野生動物が人間社会を脅かすことになると思います。

(「冬眠してる熊までも...酷すぎる」捕獲報道に反発の声)
クマに襲われる人が相次ぐ中で、国がまとめた被害対策パッケージに「冬眠中の捕獲」などが盛り込まれたと各メディアが報じ、「酷すぎる」と反発する声も一部で上がっている。ネット上では、反対する署名活動も始まった。一方、出没地域では、市街地周辺の駆除を望む声も強い。かつては「穴狩り」などとして、北海道など一部地域で行われていたが、復活するのだろうか。環境省などに取材した。木の中の穴をのぞくと、クマと目が合う。クマは、こうしたところでも冬眠していると、穴撃ちするというハンターのマタギが説明する。別の機会では、マタギが木のすき間を枝でつつくと、クマが上の穴から出て顔を見せた...。「よし撃て!」。こう声がかかり...。これは、岩手県内でここ数年のうちに行われた狩猟だとして、最近のテレビニュースで流れた映像だ。クマは、土や木、岩の穴で冬眠するが、かつては北海道など一部地域で、冬眠中を狙った「穴狩り」の習慣があったとされる。乱獲による絶滅の恐れもあって、1990年に春グマ猟が北海道で禁止され、こうした習慣は消えつつあるようだ。ところが、クマの出没が増え、人が襲われるケースが多発すると、政府が動いた。クマ被害対策パッケージを2025年11月14日に発表し、その中で、「春期のクマの捕獲の推進」を打ち出した。パッケージ内では具体的な捕獲内容は書かれていないが、各メディアでは、「冬眠中や冬眠明けのクマの捕獲」などと報じた。もしそうだとすると、それは「穴狩り」を含むことになる。実際、秋田県は、市街地近くを管理強化ゾーンに設定し、禁止していた冬眠中のクマ捕獲を認めることにしたと報じられている。これに対し、クマの殺処分に反対する一部の人たちを中心に、ネット上で反発する声が上がった。「冬眠してる熊までも....酷すぎる」「『寝首を掻く』ような行為だ」「卑怯で道義に反します」。署名サイト「Change.org」では、「クマの命を守って!冬眠中の駆除強化策の即時撤廃を」と題した活動も始まり、「最も無防備な時期を狙う『春季捕獲強化』は、生命倫理を深く欠いた非人道的な施策」だと反対している。12月26日現在では、5000件以上の署名が集まっており、賛同者は、SNS上でも参加を呼びかけている。クマの保護活動をしている日本熊森協会(兵庫県西宮市)でも12月5日、「冬眠期および春グマ駆除の拡大に強く反対」などとする要望・提案を公式サイトなどで発表した。そこでは、「冬眠中のクマを殺すことは、社会が越えてはならない一線」と主張し、こう訴えた。「冬眠期のクマは極度に体力を消耗しており、母グマであれば巣穴で授乳中、仔グマは自力では生存できません。この段階での捕殺は、巣穴に残された仔グマの確実な餓死につながります」。そして、「春グマ猟は、人里に出てきた問題を起こした個体と無関係に冬眠中のクマを捕殺するという方法」だとして、クマ絶滅のリスクを高めてしまうと訴えている。同協会の室谷悠子会長は24日、J-CASTニュースの取材に対し、政府の被害対策についてこう異議を申し立てた。「有害獣捕獲(駆除)とは、本来は、被害が出ている捕殺が必要な問題個体であるという前提で捕獲=捕殺をするのが原則です。冬眠中に山の中で眠っているクマは何の被害も出しておらず、問題個体ではありません。そのようなクマまで捕殺することは、有害捕獲の原則に根本的に反しているというのが反対の第一の理由です」。また、室谷会長は、かつての春グマ猟のような乱獲につながることも、反対理由だとした。クマの胆のうは、「熊胆(ゆうたん)」「熊の胆(い)」として漢方薬に使われるとされ、現在でも、フリマサイトなどで数万円~数十万円で取り引きされている。この胆のうは、冬眠中などの時期が一番肥大して高く売れるといい、「春グマ狩りは、熊の胆目当ての乱獲につながり、かつて、それがクマの個体数を減らした理由の1つになったこともあります」と室谷会長は指摘する。そして、「有害捕獲されたクマの商業利用は乱獲を助長するため、明確に禁止すべきですが、現在は焼却、埋葬を指導しているだけで、捕獲されたクマの熊の胆がどうなっているか追跡できない状態です」と懸念を述べた。日本熊森協会では、クマの捕殺自体が必要なこともあると認めており、自治体などにクレームは入れていないという。しかし、まず山の再生や誘引物除去、里山管理の強化などを通じた被害防除を徹底すべきだと訴えている。では、政府の被害対策パッケージでは、本当に冬眠中のクマを捕獲する「穴狩り」を行うのだろうか。この点について、環境省の鳥獣保護管理室は、取材に対し、こう答えた。「冬眠中のクマを捕獲するのは、今はすごく難しいと思います。昔のように、クマの穴を知っている人は少なくなったからです。主として、冬眠明けのクマが対象になると思います。雪が残っている3月などは、足跡が発見しやすく、葉が茂っていないので遠くから狙いやすいと聞いています」。北海道が23年から、人里周辺を対象にしたクマの春期管理捕獲を行っており、それを参考にしたと説明した。道のヒグマ対策室に12月15日に取材すると、ここ2年で穴狩りの報告は来ていないという。しかし、実施要領を見ると、人里に隣接した区域などの要件を満たせば、穴狩りを実施できるとしている。環境省は、人を襲ったり襲う恐れがあったりする問題個体だけを捕獲することについては、否定的だ。「それをどうやって決めるのですか?オチオチしていれば、被害が拡大してしまいますので、しっかり対応しないといけません。生活圏に近い市街地周辺に住んでいるクマを積極的に捕獲したいと考えています」。クマの商業利用については、法的な決まりはないとしたが、こう説明した。「毛皮の取り引きについては、ワシントン条約で登録の手続きなどが決められています。クマの胆のうについては、かつては1頭数十万円で売れたと聞きましたが、薬機法で厳しく制限されています。漢方薬としては、登録などをしないと、商業的に売ったりできないと思います」。

(知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る、“現代の人間に欠けている自然観”)
クマによる人間の死亡事故が過去最多となり、1年を表わす漢字に「熊」が選ばれた2025年。大量出没のニュースに関しては、「クマを駆除すべき」という意見がメディアやSNSで目立ったが、北海道・知床で活動する動物写真家で獣医師の竹田津実氏(88)は、「クマ側からの視点が足りない」と異論を唱える。ノンフィクションライターの中村計氏が聞いた。──この秋から冬にかけて、毎日のように人里でカキや栗などの果実を頬張るクマの映像がメディアを通して流れていました。知床やロシアでヒグマの撮影をしてきた経験を持つ竹田津さんは、昨今のクマ問題をどう捉えていますか?竹田津:大前提として農業っちゅうのは大なり小なり、野生動物に対する壮大な餌付け行為だということを理解しておいた方がいいと思いますよ。要するに現在の状況はね、餌付けをやっといて、餌付いたのが悪いと、こう言ってるわけだから。不思議な理論なんです。柿の木なんてクマに来てくれって言ってるようなもんなのに、来たら仰天する。クマも悲劇ですよ。何が悪いんだって思うでしょうね。向こうからしたら「どうぞ」って言われてるようなもんでしょ。そら「ごちそうさん」って言いたくなるよね。そこの矛盾は、まずはちゃんと認識すべきですよ。──現代人は餌付けという感覚は、なかなか持てていないと思います。竹田津:クマ側からの視点というのかな、そこの想像力がぜんぜんないんですよ。クマがこれだけ人里に降りてくるようになったのは、必然だと思いますよ。(1990年に)春グマ駆除が廃止になって、徐々に増えてくることはわかっていたわけだから。一方、人間社会の方の人口はどんどん減ってきている。2025年のように山の餌が不作だったら、少しテリトリーを広げれば、トウモロコシやら、スイカやらがあるんだから。食べたい、食べたいってなりますよ。──長い歴史で見たら、クマたちが自分たちのテリトリーを取り戻しに来ている感じですよね。昔、人間に奪われた土地を。竹田津:はい、そうです。つまり、僕はクマには、その権利があると思っているんです。奪われたものを奪い返す権利です。もちろん、人間にも権利はありますから、人里に近づいてきたら堂々と駆除すればいい。自治体によっては、駆除したことを公表したがらないところもありますけど、それ自体は仕方ないし、悪いことではない。──クマの権利という言い方もクマ視点といいますか、竹田津さんならではの見方ですよね。竹田津:そんなものはないって言う人もいるでしょうけど、そう言ってしまったら、人間っちゅうのは何者かっちゅうことになりますよ。人間は何をしてもいいのか、と。誰かがそれは違うだろうって言わないと、世の中はおかしなことになる。人間はさ、「そこのけそこのけ、人間様が通る」って言い過ぎた。正義はこっちにあるんだと言わんばかりに。正義を言い出すと絶対、暴力につながるんですよ。自衛隊なんかもね、僕は出してほしくなかったな。自衛隊の役割は、本来、そういうもんではないと思うけどな。──人間のちっぽけさであったり弱さを痛感する自然災害という意味では、地震や台風とクマは同じ種類のような気がします。人間の脆さを突き付けてくる。そういうものの存在がなくなってしまうのは確かに怖い気がします。竹田津:クマがおるということは、それだけ自然が豊かだっていうことでもあるんです。そやから、むしろ自慢すべき話なんですよ。僕はいつも言ってるんですよ。北海道の自慢は、人間がコントロールできない自然があることなんだ、って。そういう考え方も少しずつ育てていかないと、前に進めないと思うんです。今、世の中は駆除一辺倒になっていますけど、人もお金もない中、そんなに簡単に減るもんじゃない。駆除しながら、どうしたらクマと共生できるのか、もう一度、考えていかないと。自然ってのは本来、ある程度、緊張感のあるものなんです。ダラーッとなんてしていられない。人間社会も自然の一部なんだから、ヒグマに襲われて死ぬってことも、そりゃあるだろうなと思ってないと。スズメバチに刺されて死ぬ人も、マムシに噛まれて死ぬ人もいるようにね。──地震などの自然災害はどうしようもないと思えますけど、同じ自然でも相手が生き物となると、殺せば何とかなると思ってしまうところがあるんでしょうね。竹田津:私は北海道の守り神は、ヒグマとヤブ蚊だと思っているんです。特に知床はそうですよね。ヒグマとヤブ蚊がいるから人がなかなか近づけなかった。だから、あれだけの自然が守られてきた。昔、知床の遠音別岳(おんねべつだけ)に登ったんですけど、あそこのヤブ蚊は強烈でしたよ。普通の蚊より大きいんです。ある本に遠音別岳の鳥は飛べなくなるって書いてあった。要するに、蚊に血を吸われてやられてしまうんだ、と。そんなことねえだろって思っていましたけど、実際に行ってみたら、ここならありえるなと思いましたね。もう、刺されまくりましたから。

(約70年ぶりにツキノワグマ“発見”した教授に聞く「箱根の山とクマ問題」:神奈川)
今年も名勝負を生んだ東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)。往路のハイライトとなったのは、黒田朝日が驚異的な走りで青山学院大学を往路優勝に導いた「山上りの5区」だった。小田原中継所から標高差約860mという山道を駆け上がる特殊区間。街景色から山の風光へ、鮮やかに移り変わっていく彩りがデッドヒートを盛り上げる。山を駆け上がるにつれて周囲の木々は重なりを増す。そこで、はたと気になるのはやはりあの生き物。2025年の「今年の漢字」にも選ばれた「熊」だ。「箱根の山」といえば、元祖ご当地キャラとも言える? 金太郎も、銅像などでしばしば熊にまたがっている。明治時代に作られた童謡「金太郎」では「熊にまたがりお馬の稽古」と歌われていることもあり、「金太郎伝説」の地である金時山(足柄峠)を中心とした箱根の山一帯にはかつて、熊も元気に走り回っていたのだろう。では今現在、箱根の山に熊はいるのか? 答えはイエスだ。正確には、「一度は絶滅したと考えられていたが、最近になって確認された」というのが正しい。その貴重な“発見者”でもある、玉川大学農学部環境農学科の關(せき)義和教授に話を聞いた。「箱根全域に恒常的に生息している可能性は十分あると言えます。2025年は目撃情報がないようですが、前年まではコンスタントに目撃されていますし、伊豆半島の方でも最近見つかったりしています。分布をさらに南下させているのかなという気はしていますね」。關教授は2017年、自身の研究のため箱根町南部に位置する「箱根自然観察林」の15地点に自動撮影カメラを設置した。その中で、箱根旧街道「畑宿」近くのカメラにはっきりと写っていたのが、黒々とした毛並みのツキノワグマ。しかも1頭だけでなく、少なくとも3個体が識別できたのだという。「はっきりと判断はできないですが、成獣のサイズだったと思います。色々と調べてみると、熊は戦前にはもう絶滅していたということが分かって……」ツキノワグマはかつて箱根の山にも生息していたが、昭和初期の森林伐採や狩猟の解禁の影響などから1945年にはすでに絶滅したとされていた。つまり、關教授の“発見”は、70年以上の沈黙を経て戦後初めて箱根の山に熊が確認された瞬間だったのだ。生息が確認された2017年以降、箱根町ではコンスタントに目撃情報が出ており、糞や足跡などツキノワグマの痕跡もたびたび確認されている。箱根駅伝の往路「5区」、復路「6区」のコース風景からも見て取れるように、緑豊かな箱根の山は熊にとっても暮らしやすい環境なのだろうか。關教授は語る。「箱根の7割以上は森林です。ヒノキなどの木も多く、そういう環境は林床が暗くなって下層に植物が生えてこず、熊の餌もないという感じになってしまうのですが、箱根の山には広葉樹のコナラやブナもある。どんぐり類を食べる熊が暮らしていける環境は十分に整っていると思います」。一方で、懸念材料もあるという。一つは、全国的に見られる害虫の「カシノナガキクイムシ」が運ぶ菌によって木が急に枯れる伝染病だ。「これが箱根でも結構起きているので、ブナやコナラの木が減ってしまう可能性がある。鹿がすごく増えていて、熊の食べ物に影響があるのも懸念材料ですね。また、観光客が年間2000万人以上訪れているので、ゴミの投棄などモラルの問題があると困ることもありますね」。北海道や東北地方で問題になっているように、普通ならば冬眠に入るこの時期に熊が人間の前に出てくる可能性はあるのだろうか。多くのファンが観戦に詰めかける箱根駅伝の沿道に出没するとなれば、大パニックも予想されるが……。「ほぼないとは思いますが、絶対とは言い切れないですね。怖いのは(2009年に)乗鞍岳で発生したように、パニック状態になった熊が道路上に出てきて暴れるとか、そういうことです。基本的に熊は臆病なので、人に会ったら逃げていくのが一般的ですが、稀に衝突が起きることもある。不幸な事故が起きないように、野生動物がいる場所に入っていくときは人が動物にどう接するべきか、という知識を持っておく必要はあるかと思います」關教授自身も、これまで何度か熊に遭遇した経験があり、山に入る際には熊スプレーやナタを持参するなど万全の装備をしているそうだ。研究者としては、昨今の熊問題には心を痛めていると話す。「人里に出てきちゃうのは問題だと思うので、それに関しては社会全体で対処していかなければいけません。ただ、山中にいる熊に対して何もしてないのに騒ぎ立てるのは良くない。ゾーニングと言いますが、動物たちの住む場所と私たちが住む場所をきちんと分けて、不要な軋轢が生じないようにする環境作りは、人間側の方で必要だと思っています」。最後に「箱根の山」の魅力を聞いた。「急傾斜が多く、かつては道を切り拓くのも大変で“恐れる山”という存在だったようです。そこを人間が利用していくなかで多くの人が訪れる観光地となった。それでも壊しすぎず、森林が多く残されていて、野生動物も多く生息しています。それだけの環境が残されているのはとても魅力的ですし、この先も守っていきたい、という思いはありますね」。新春を彩る箱根路の名勝負。デッドヒートの舞台となる「5区」の山には、金太郎の時代から自然と人間が共に生きるエネルギーが満ちているのだ。

(正当な獣害対策でも設置者の責任に!?、帰省シーズンの“予期せぬ事故”)
お正月は里帰りなどで、普段はいない人が出入りすることもあるでしょう。子どもたちの行動範囲が広がり、思わぬトラブルが起こる場合もあります。害獣対策として設置された電気柵に、近所に来ていた子どもが触れてけがをした――。「私有地だし、正当な対策だったはず」。そう思っていても、あとから責任を問われるケースはゼロではありません。帰省シーズンならではの注意点について、弁護士の坂本尚志先生に聞きました。ここ数年、イノシシやシカによる被害が増えており、自分の畑を守るため、周囲に電気柵を設置しました。このあたりは高齢者が多く、子どもの姿はあまり見かけません。普段は人が立ち入る場所ではなく、私有地として管理しているつもりでした。しかし、年末年始になり帰省してきたのか、近所に見慣れない家族の姿を見かけました。小さな子どもが農業用水路を飛び越えたり、あぜ道を行き来したりする様子を見て、少し危ないと感じ「そこは電気柵があるので、気をつけてくださいね」と保護者に声をかけたんです。保護者の方は軽くうなずいていましたが、とくに子どもを止める様子はありませんでした。翌日のことです。その家族が自宅を訪ねてきて「子どもが電気柵に触れてけがをした」と、強い口調で訴えてきました。幸い、命にかかわるような大きな事故ではありませんでしたが、子どもは手にけがをしており「もっとわかるように注意するべきだったのではないか」「子どもが触る可能性を考えていなかったのか」などと責められました。事前に声はかけていましたし、害獣対策として必要な設備でもあります。場所も私有地です。それでも、こちらに責任があるのでしょうか。どこまで対応すべきなのか、判断に迷っています。こうしたケースについて、弁護士の坂本氏は次のように説明します。「害獣対策として電気柵を設置すること自体は、正当な行為です。ただし、それだけで設置者の責任がすべて否定されるわけではありません」。ポイントになるのは、事故を予測できたかどうかだといいます。「周囲に住宅があり、帰省などで子どもが出入りすることが想定できる場所であれば、子どもが誤って触れてしまう可能性も考える必要があります。私有地であっても、安全への配慮が不要になるわけではありません」。たとえば、注意書きを設置していたとしても、それだけで十分とは言い切れない場合があるそうです。「『立ち入り禁止にしていた』『注意喚起はしていた』という事情があっても、設置場所や見えやすさ、触れやすさによっては、十分な配慮があったかどうかが問われることがあります」。「正当な目的だったかどうか」よりも、「もう一段の対策が取れなかったかどうか」が判断材料になるといいます。似たような場面でも、同じ考え方が当てはまります。たとえば、雪かきをしたあとにできた雪山で子どもが遊んでけがをした場合や、私有地にある池に誤って落ちてしまった場合なども「危険を予測できたか」「防ぐための配慮があったか」が問われます。悪意がなかったとしても、責任を問われる可能性がある点は共通しています。では、どうすれば良かったのでしょうか。弁護士の坂本氏は、次の点を挙げます。「子どもが近づく可能性がある場所では、・注意喚起をわかりやすくする・物理的に簡単に触れない構造にする・人の出入りが増える時期はとくに注意する、といった配慮が重要になります」。正当な対策であっても「何かあったときに説明できる状態かどうか」が、大きな分かれ目になるといいます。年末年始のように人の動きが変わる時期は、普段は問題にならないことが思わぬトラブルにつながることもあります。「私有地だから大丈夫」「いつもこうしているから」。そう思っている場所こそ、安全管理ができているか見直しをすることが大切です。

(登山家・服部文祥氏&俳優・東出昌大氏が問題提起する“クマ駆除の数は妥当なのか”)
クマによる人間の死亡事故が過去最多となった2025年、メディアやSNSでは「駆除すべき」という意見が溢れた。そんな世論に異を唱えるのが、登山家・著述家の服部文祥氏と俳優の東出昌大氏だ。ともに北関東の山奥に居を構え、狩猟においては"師弟関係"でもある2人が語り合った。服部:クマの話、気が乗らないんだよね。デッくん(東出)が取材を断っているのと同じ理由で。東出:クマに関する報道って、結論ありきなんですよね。「クマ=怖い」という。だから、町の人のインタビューでも「怖いです」って言っている人のコメントしか使わない。2025年の漢字は「熊」になっちゃったけど、人間側が勝手に騒いでるだけだという感じするじゃないですか。服部:ここ2、3年かな、それなりの教養のある連中からも「クマって怖いんでしょ?」って言われるぐらいマスコミにすり込まれちゃってる。実際、ほとんどの人がクマを見たことすらないのに。東出:服部さん家の柿の木はトタンを巻いていますけど、ああするとクマは登らないんですか。服部:登ってないね。東出:うちも柿の木は切らずに残していて、クマが食いに来ないかなと思ってるんですけど来ないですね。服部:熊がいるエリアの人たちは、例年よりは多いよねというのはあっても恐れおののいているわけではないよな。親族を亡くしたり、犬を殺されて悲しんでいる人もいるけど、やっぱりクマと一緒に生きていこうと思っている。これまでもそうしてきたし、今後も、そうするしかない。ワイワイ騒いでるのは都会の連中だもんな。「ゴジラが出た!」みたいなノリだろ。楽しんでるだけ。そんな人相手にクマの話をしても無駄。クマの話はいったい誰のために何をしているんだろうという気分になる。東出:クマ問題は、誰に向かって、どういう意見を言えばいいのかというのが非常に難しいですよね。でも、メディアもそこまで深い議論は求めてないから、迂闊にしゃべっちゃうと、結局、おもしろがってる系の連中にあげ足を取られるだけになる。服部:基本的には週刊ポストの読者も同じだと思ってる。何も憂いてないし、問題意識があるわけでもない。ただ、クマが人間の肉を求めて森の中をウロウロしているとか、街に出てくるみたいなイメージを持っている人が多いと思うんだけど、それは違うということだけは言っておきたい。99%以上のクマは人間を恐れている。めちゃくちゃ臆病。めんどくさいけど、そのことだけはずっと言い続けていかなきゃいけないのかなと思う。人の建物の中に入って暴れてるクマも一見、怖そうに見えるけど、混乱してるだけだから。残りの1%、いや、もっとぜんぜん少ないと思うけど、人間でも凶悪犯罪を犯す者がいるように、異常に凶暴な、通常の習性を逸脱した個体が出ちゃうらしい。それは犬もネコも一緒、すべての生物共通の事実だからな。10月だったかな、岩手で露天風呂を清掃している人を襲ったクマがいただろ。あの個体なんかは、そんな逸脱個体かもしれない。東出:あの事故は気の毒でしたね。クマは間違った対応さえしなければ危なくないという主旨の発言をすると、人が亡くなっているのに不謹慎だとか、配慮が足りないっていう人がいるんですけど、僕は別に遺族に対して言ってるわけじゃないんです。もし遺族を目の前にしたら、そんなこと絶対言わないので。服部:そういうわけのわからんこと言うやつには「クマも亡くなってるから」って言わなきゃいけない。クマ目線もなきゃズルいだろ。東出:マタギの村の人たちにインタビューした本の中で、おばあちゃんの大根畑の何分の1かをクマにやられたという話が出てくるんです。でも、そのおばあちゃんは、クマたちも食うものがなくて大変なんだ、一緒に生きていかなくちゃというような話をしていて。そういう想像力が服部さんのいうクマ目線ですよね。2025年度のクマの全国的な駆除数はこれまで最多だった2023年度の9099頭を更新し、9765頭に達しているそうなんですけど、それって妥当な数字なんですかね。服部:殺し過ぎだろ。どっちが凶暴かって言ったら、はるかに人間の方が凶暴だよね。全哺乳類の体積率でいうと、人間と家畜で9割だぞ。野生動物は1割もいかない。そのぐらい人間と家畜がこの世界にはびこっていて、まだ、さらに殺せっていうの? 俺がクマだったら、増えてんの、どっちだよって言いたいよ。俺はクマ新聞というのつくった方がいいと思っていて。クマがつくるクマのための新聞。東出:ハハハハハハハ。服部:昨日、〇〇山のクマ子さんが人間に駆除されました。これで今年、○○県のわれわれの駆除数は2000頭に達しました、みたいな。秋田県は2025年、4人がクマの事故で亡くなって大ニュースになったけど、クマの駆除数はその約500倍だからね。クマ新聞には人喰いグマじゃなくて「クマ喰いヒト今年も出没!」って書かれてるよ。東出:騒いでいるのはノイジーマイノリティーで、サイレントマジョリティーはさすがにもうクマ、クマって騒ぎ過ぎだろ、って気づき始めてるんじゃないですか。服部:自衛隊まで出してきたからな。そこに正義はあるのか? どっちの味方しますかって聞かれたら、俺はクマだな。俺にとっては、そっちのほうが正義。クマにおまえの助けはいらない、って言われるかもしれないけど。東出:絵が浮かぶなぁ。服部:俺にとっては、そのへんの赤の他人よりもクマのほうがよっぽど親近感がある。仲間だと思ってる。いたら撃って食うけどな。それが俺のクマと一緒に生きていくという意味だから。クマ肉はジビエの中でも最高ランクだもんな。新鮮なのはヤバいくらい旨い。東出:クマ肉は保存が難しいんですよね。すぐ酸化しちゃう。冷凍すると、冷凍庫の臭いがついちゃうし。でも、そこさえクリアすれば本当にうまい。服部:あの味は、説明のしようがないよな。東出:僕はまだクマを撃ったことないから、服部さんに「クマを獲ったら、どんな感じになりますか?」って聞いたら、自分で獲ってみないとわからないぞって言われたんですよね。2026年は絶対、北海道でヒグマを撃ちたいと思っているんです。それが僕の命題だと思っていて。服部:お前、なんか怖いよ。俺もクマを撃つまでは、猟師である以上、クマを撃ったという肩書きが欲しいみたいな欲求があったけどさ。猟師として箔をつけるために狩ろうとしている部分がすこしでもあるなら、そのことは撃たれるクマのためにも意識しておいたほうがいい。東出:話が戻りますけど、自衛隊派遣の決定に関しては、どうだったんですかね。災害、災害っていうけど、数だけでいったら全国の死者は13人ですよ。史上最多とは言いますけど、大きな災害で何十人という人が一気になくなるのとは規模が違う。メディアも周りもうるさいから、何かやらないと叩かれると思ってやっただけなんじゃないですか。服部:現代人は自然すらも思い通りにできると思ってるからな。地震やコロナでどうしようもないものだとわかったはずなのに、もう忘れてる。俺らは自然が身近にあるし、猟もしているから、自然ってのは命に無関心だし、人間の都合では動いてくれないということもわかってる。でも、今の人たちは人間も生態系の一部だという意識すらもないだろ。生態系ならぬ「人間系」だけで生きていると思ってる。実際、人間の生活圏だけで暮らしが成立していると錯覚してしまうような社会になってしまったからな。スーパーに行けば食い物は何でも手に入るし。東出:現代社会があまりにも安全・安心になってしまったから、死の実感が薄れ、残酷な存在を求めている気もしますよね。怖がることを楽しんでいるというか。だって、クマの残忍性をこれでもかというほどクローズアップするじゃないですか。交通事故だって、むごい事故はいくらでもあるのに。そういう意図的に不安になりたいという大衆心理がクマ問題の根本にあるんじゃないですか。世の中が安心・安全に偏りすぎたがゆえに。私が住む地域の町内放送で、どこどこの畑にクマの糞らしきものがあったので外出を控えましょう、というアナウンスを流していたんです。たかだか糞ですよ。目撃したわけでもないのに。人間自ら行動の自由を放棄している。なんて愚かなんだろうと思ってしまいましたね。服部:お役所っぽいけどな。何かあったときに責任を問われるのが怖いんだろ。誤解を生む言い方かもしれないけど、人も自然の中で生きている以上、クマとの接触で何人か死んでしまうのはしょがないと思うしかないな。地震や台風と同じだろ。狩猟をしていると、人が食われるかもしれないという環境に身を置いている方が命のあり方としては正しいと思えてくるんだよな。死んだ人には悪いけど、クマに襲われて死ぬのは死に方としては相当良い死に方だと思う。大自然に吸収される感覚というか。少なくとも、車にひかれて死ぬよりよっぽど正しいだろ。東出:轢死の方が嫌ですよね。服部:嫌。俺、車嫌いだし。クマに襲われた瞬間は、怖いと思うだろうけどな。抵抗もするだろうし。でも、それは別問題だから。そういうこと言うと、自分の子どもがそうなったとしても同じことが言えるのかって返されるんだけど。そうなったら、そりゃ悲しむだろうし、もしかしたら最初はそう言えないかもしれない。けど、時間が経ったら、自分の子どもであってもしょうがないなと思うだろうな。これが自然だ、って。東出:それは僕もそうですね。自然って、そういうもんですよね。

(なぜ八ヶ岳にはクマが少ないのか:長野)
「八ケ岳には熊がいない」―。長野県内各地で熊が出没する中、諏訪地域で熊について取材していると住民や自治体関係者らからこんな言葉をよく聞くが、実際はどうなのか。八ケ岳連峰は登山者が多く、山麓は全国有数規模の別荘地だ。県のデータを調べてみると確かに個体数は県内他地域と比べて少なく、専門家によると針葉樹が多い植生が一因という。ただ、近年は諏訪地域でも目撃情報や個体数は増加傾向にあり、専門家は人が住む場所に熊をおびき寄せない環境づくりの重要性を指摘している。県の「第5期ツキノワグマ保護管理計画」(2022~27年)によると、県内8区に分かれた保護管理ユニットで八ケ岳一帯は「八ケ岳保護管理ユニット」に分類。JR中央東線より北側の諏訪地域、しなの鉄道線やJR小海線よりも八ケ岳側の東信地域に加え麻績村、筑北村、松本市東部、長野市南部も含む。県はわなを仕掛けたり、カメラを置いたりして熊の生息数を推計。それによると「八ケ岳」は231頭(中央値・20年)で8ユニット中、最も少ない。最多は東北信の千曲川右岸に当たる「越後・三国」で、1804頭(同)と八ケ岳の8倍近い。諏訪地域の一部を含む「南アルプス」は339頭(同)と、1・5倍だ。八ケ岳に熊が少ない理由について、NPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)の岸元良輔代表は「美ケ原や霧ケ峰、蓼科高原など八ケ岳周辺はカラマツの植林地が県内でも特に広がっているため」と指摘する。熊の餌となるドングリなどの堅果類の実をつける広葉樹が少ないことも影響しているという。県が25年にまとめた県内の民有林の樹種別では、カラマツの割合は県全体で26%だが、諏訪地域は44%、佐久地域は55%。両地域とも針葉樹林が占める割合は6割台だ。ただ他のエリアと同様に八ケ岳の熊の推定生息数は増加傾向だ。11年には47頭だったが、15年は150頭、20年には231頭(いずれも中央値)に増加。岸元さんは「里山が熊にとって良好な生息地になり全体の個体数が増える中で、他から(八ケ岳に)流入する熊もいる」とみる。茅野市農林課によると同市での熊の目撃情報は、24年は前年の2倍以上の15件。25年は11月末までで既に24年を上回る17件に上る。特に25年は八ケ岳山麓の別荘地での目撃報告が目立つ。同課は「山であれば熊がどこに出てもおかしくない」と注意を呼びかける。岸元さんは「八ケ岳一帯は植生の影響で他の地域ほどには熊は増えないだろう」としつつ対応が必要と指摘。「農作物を電気柵で囲ったり、ごみの出し方に気を配ったりして熊を人間の生活圏におびき寄せないことが大切。自治体などによる電気柵の導入補助といった支援も重要だ」と話した。

(自然をナメた「迷惑観光客」が辿った末路:中野タツヤ)
今年度クマに襲われて死亡した人は13人にのぼり、過去最多の被害となっている(11月17日時点、環境省まとめ)。クマ問題を取材するライターの中野タツヤさんは「クマは『餌付け』によって人間を恐れなくなり、襲ってくる危険性が高まる。特に『迷惑観光客』による餌付け行為が世界的に問題視されている」という――。「ルールを無視し、無謀な弾丸登山を試みて、レスキュー隊に救助される」「写真を撮るために勝手に私有地に侵入する」「京都の街にゴミを捨てている」などなど、日本各地で「迷惑観光客」による被害が相次いでいる。ゴミの増加や落書きも困ったものだが、中でも非常に危険な行為と言えるのが、北海道をはじめとする、クマ生息地で繰り返されている迷惑行為だ。ヒグマをはじめとする野生動物への餌付け、および、無謀な接近行為は、迷惑観光客本人だけでなく、地域住民全体の命を危険にさらす行為と言える。ヒグマに餌付けをすると、過度に人に慣れて、人間を恐れなくなり、襲ってくる危険性が高まってしまうのだ。そのため、国立公園内での餌付け行為には罰金が課されるなど、各地で餌付けを禁止するルールが策定されているが、あえて無視する迷惑観光客も後を絶たない。2025年8月14日、北海道・知床半島の羅臼岳で登山客の男性がヒグマに襲われ死亡する事件があった。この事件の背景事情として、知床を訪れる観光客の中に、ヒグマに餌付けをしていた者がいる可能性を、以前の記事で指摘している(参照〈観光客がヒグマに「スナック菓子」を与えている…知床・羅臼岳に「殺人グマ」が出現した恐ろしい背景事情〉)。知床の事件では、餌付けした観光客は被害にあわず、不幸にも別の登山客が犠牲になってしまった。一方で、海外ではルールを無視した観光客自身が被害にあうという、まさに自業自得としか言えないような事件も起こっている。

(なぜ伝説の動物写真家はヒグマに命を奪われたのか:中野タツヤ)
2025年度クマに襲われて死亡した人は13人にのぼり、過去最多の被害となっている(環境省まとめ)。クマ問題を取材するライターの中野タツヤさんは「クマの生態を熟知したプロでさえ、被害に遭うケースがある。その代表例が、動物写真家の星野道夫さんの悲劇だろう」という――。ヒグマに限らず、野生動物が自然の中で見せる愛らしい姿を見てつい撮影したくなる気持ちは理解できるが、実際には大きな危険がともなう行為であり、動物の生態を熟知したプロの写真家でさえ、被害に遭うこともある。その代表例と言えるのが、動物写真家の星野道夫さんの悲劇だろう。TBSの人気番組「どうぶつ奇想天外!」の撮影チームがヒグマ撮影のためにロシアのカムチャツカ半島を訪れたのは1996年7月だった。一行の内訳は、動物写真家の星野道夫さんと、ロシア人ガイド2人、TBSのディレクター、カメラマン、アシスタントの3人の計6人。星野さんは慶應義塾大学に進学しながら、神田の古書店で手に取ったアラスカの写真集に魅せられて単身渡航。アラスカでの体験をレポートにして提出しギリギリ卒業したというエピソードも残っている。大学卒業後はカメラマン助手を経てアラスカ大学フェアバンクス校に入学。以降、グリズリーをはじめとするアラスカの野生動物たちの写真を次々に発表。1990年(1989年度)には『アラスカ:極北・生命の地図』(朝日新聞出版)で写真家の登竜門ともいえる「木村伊兵衛写真賞」を受賞。また、大自然の中での体験をつづったエッセイも高く評価されていた。「どうぶつ奇想天外!」のカムチャツカロケは星野さんの持ち込み企画で、「ヒグマと鮭」がテーマだったという。カムチャツカ半島には手つかずの自然が豊富に残されていて、エサとなる鮭もたくさん遡上してくる。そんなカムチャツカで、鮭を追うヒグマの姿をカメラに収めようという企画だった。TBSの一行が目指したのはカムチャツカ半島南部に位置する「クリル湖」のほとりだった。クリル湖は直径約7キロの巨大なカルデラ湖で、カムチャツカ半島の中でも特にヒグマの生息数が多い地域として知られている。この時、TBS側のスタッフ3人とロシア人ガイド2人は木造の小屋に宿泊していた。だが、星野さんだけは小屋から3メートルほど離れた場所に自分のテントを張って泊まっていたという。万が一ヒグマが襲ってきた場合、薄い布製のテントでは攻撃を防ぎようがない。以前ご紹介した環境活動家のティモシー・トレッドウェル氏の死亡事故でもヒグマはテント内にやすやすと侵入し、同行のガールフレンドとともに食害している。日本国内でも1970年に発生したいわゆる「福岡大ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」では、人間が宿泊するテントをヒグマが襲い、倒壊させて3人を食害している。ヒグマが多数生息する地域において、あえてテントに宿泊するのは危険な行動だったはずだ。この経緯について、TBS側は事故直後のプレスリリースにおいて、次のように説明している。小屋は決して大きくはないが六人が寝られない程ではなく、五人も小屋で寝起きするよう進(ママ)めたが星野さんは『皆がそうしていること。またこの時期川を上がってくる鮭で食料も豊富なので、ヒグマも人を襲うことはない』とテントでの寝起きを続けていた(以下、小坂洋右、大山卓悠著、山と渓谷社刊『星野道夫 永遠のまなざし』からの引用)。この時TBS側は「現地ではヒグマによる事故が起きていないから安全」という認識を持っていたようだ。TBSがのちにまとめた「遭難報告書」ではこのように説明されている。当地域には時折、ヒグマが出没することがあるが、音をたてれば、すぐに逃げていた。また、この時期は湖には六〇〇万匹もの鮭がオホーツク海から遡上し、食料が不足するようなことはないことからも、ヒグマの襲撃など今までなかったという」(前掲書)。また、同報告書では「地元科学者、レプスカ氏(カムチャツカ漁業・海洋学研究所)の見解」として、次のようなコメントが紹介されている。私はクリル湖畔の当研究所で、一六年間夏期調査のため、勤務しているが、その間クリル湖畔でクマが人を襲ったことは一度もありませんでした。以前に働いた人の話によっても最近六〇年間、クマが人間を襲ったケースは記録されていません(前掲書)。事件は1996年8月8日未明に起こった。『星野道夫 永遠のまなざし』の記述によると、事件前日となる7日の夜、TBSスタッフ3人が就寝したのは午前0時ごろだったという。就寝前に星野さんが小屋にやってきて「ヘッドライトが見つからない。貸してくれ」と頼んだという。さまざまな原稿の締め切りに追われていた星野さんは、自分のテントの中で遅くまで執筆していたらしい。星野はヘッドライトを受けとると、自分のテントに戻っていった。それが、TBSスタッフ3人が生前の星野さんを見た最後だった。クリル湖畔に星野さんの悲鳴が響き渡ったのは、翌8日未明だった。小屋で寝ていたTBSクルー3人およびロシア人ガイド2人が駆けつけると、ヒグマがテントを押しつぶし、星野道夫さんを引きずりだしていた。TBSのスタッフたちは「ヒグマが星野さんをくわえて森の中に逃げ込むところ」(TBSのプレスリリースより。前掲書からの引用)を目撃したが、もはやなす術がなかった。五人は近くのサイエンスセンターに避難し、現地のロシア人に通報した。午前六時にロシア人による捜索隊が編成され、ヘリによる現地警察の捜索も始まった。その結果午後一時頃、もり(ママ)の中で星野さんの遺体が発見され、まもなく星野さんを襲ったと思われるヒグマが捜索隊によって射殺された。射殺されたヒグマは「体長二メートル強、体重二五〇キロの七~八歳と思われる雄」だったという。「著名な動物写真家がヒグマに襲われ亡くなった」というニュースが日本国内をかけめぐると、全国から星野さんへの哀悼の意が寄せられた。一方で心ない憶測や批判も一部で巻き起こったという。特に、TBS側のプレスリリースおよび遭難報告書で、星野さんが周囲の制止にもかかわらず危険なテント泊を続けた」と説明されていたことも、星野さんへの批判に火をつけた。ヒグマ専門家としての星野さんの見識、能力が疑問視されると同時に、「動物の写真を撮るために危険な行動を取ったカメラマン」というイメージも一人歩きしていったのだ。ただ、その後、星野さんを直接知る人々は、そうした批判や汚名をそそぐために、事件の実態についての調査を続けた。彼らの努力によって、事件の真実はTBS側の当初の発表とはいささか異なっていたことが明らかになったのである。TBS側のプレスリリースを読む限り、事件現場にはTBSスタッフ3人とロシア人ガイド2人しかいなかった印象を受ける。だが、実際には、アメリカ人カメラマン、カーティス・ハイド氏も現地に滞在しており、星野道夫さんとも交流していたことが明らかになった。事件発生前の7月27日にクリル湖畔入りしたハイド氏は、最初の夜は星野さんのテントの隣に自分のテントを張ったが、「寝る前に星野道夫が想像もしなかったことを言いだした」という。「あのさあ、クマが出たら起こしてくれない」。カーティスは一瞬、聞き間違いではないかと思って「何だって?」と聞き返した。「クマが出たら起こしてくれる」。星野道夫はそう言って自分のテントに入って行った。約二時間半後、深夜の一時頃に、外から聞こえてくる物音に、カーティスは跳ね起きた。最初は地面を掘るような音だったが、バンバンと何かをたたくような激しい音に変わり、ドスンドスンという感じで響いてくるようになった。何事かと寝袋から這い出し、ジッパーを開けてテントから出ると、音は小屋から二、三十メートルほど離れた食料庫の方から聞こえてくる。おそるおそる近づいてみると、大きなヒグマが食料庫に乗って、トタン屋根の上でせわしなく飛び跳ねては降りているのが目に入った。明らかに、食料庫を壊して中の食料を奪おうとしている様子だった。「クマが出たら起こしてくれ」と星野道夫が言ったその意味が、この時ようやく分かった。一行がクリル湖畔に入って以来、この三日の間にきっと同じようなことが起きていたのだろう(前掲書)。このヒグマが餌付け行為によって人慣れしており、いつ人を襲ってもおかしくない危険な個体だったことも明らかになった。その大きな方のクマが人から餌をもらって食べているところを見たのは、七月三十日のことだった。この日の朝、カーティスは観察タワー近くのたき火のそばで、地元テレビ局のオーナーが、大きな方のクマを撮影しているのを見つけた。自分は二百五十メートルぐらい離れたところにいたが、クマが何かを食べていることは分かった。食べ物は明らかに人工の入れ物に入れてあり、その人物はクマからほんの三メートルぐらいのところに立ってビデオカメラを回していた。(中略)案の定、その日も日が暮れると例のヒグマが現れた。そして、はしごの下に後ろ足で立ち、前足をタワーに掛けて犬が餌をねだるような仕草をし始めた。クマの行動が専門のウイリアム・リーコックの顔に驚きの表情が浮かんだ。彼にはすぐさま状況が飲み込めたようだった。「誰か、このクマに餌を与えているやつがいる」(前掲書)。餌付け行為により人慣れしたヒグマは、人を襲う危険なヒグマに変貌しかねない。今年8月に知床半島の羅臼岳で登山客がヒグマに襲われた事件でも、観光客の餌付けによりヒグマが凶暴化していた可能性が指摘されている(参照〈観光客がヒグマに「スナック菓子」を与えている…知床・羅臼岳に「殺人グマ」が出現した恐ろしい背景事情〉)。つまり、TBS側の「現地ではヒグマの事故が起きておらず安全」という認識は全くの誤りだった。それどころか、事件当時はいつヒグマの襲撃が発生してもおかしくない危険な状況にあったといえる。TBS側がこの認識のもとに、撮影を中止するか、最低でも星野さんを説得して小屋に泊まらせるなどの対策を取っていれば、事故は防げた可能性がある。推測だが、TBS側のスタッフはヒグマに関する知識に乏しかったので、ロシア人ガイドや、星野さんの判断に従うことが多かったのではないか。もちろん、当時の星野さんは世界的に著名な動物写真家であり、ヒグマをはじめ野生動物の生態にも明るかった。TBS側が星野さんの意見を遮り、説得するのは難しかったに違いない。ただ、星野さんのヒグマに関する知識は、大半がアラスカで得たものだった。アラスカでは野生動物の保護が確立しており、人とヒグマの共生が実現している。ヒグマへの餌付けは厳禁とされてて、人慣れしたヒグマが出没することはなかった。一方、1996年当時のカムチャツカ半島では、ソ連崩壊後の混乱から抜けきれないでいた。外貨獲得のために外国人観光客を大量に呼びこんでおり、野生動物の知識を欠いた観光客がヒグマに餌付けし写真を撮影するといった悪質なケースも横行していたという。このようなことが影響し、星野さんは現地のヒグマの危険性を過小評価してしまった可能性がある。そうした星野さんの判断を、TBS側が正すことができなかったことが、事故の遠因となったと考えられるだろう。ただ、ロケの全責任を負うのはTBS側だ。その意味で、事前の調査や安全確認が本当に徹底されていたのか、という疑問が生じるのは当然だろう。また、「TBS側の責任」とされるのを避けたいがゆえなのか、プレスリリースや遭難報告書の記述が、「事故原因は星野さんの判断ミス」をほのめかす表現になってしまっていることも問題ではないだろうか。発生から20年以上が経過した事件ではあるが、野生動物との向き合い方を考える上で、多くの反省点を含んでいるといえるだろう。

(自撮りのためにクマへ突進、だが鋭い爪が皮膚を切り裂き:中野タツヤ)
2025年度クマに襲われて死亡した人は13人にのぼり、過去最多の被害となっている(環境省まとめ)。クマ問題を取材するライターの中野タツヤさんは「クマなどの野生動物と遭遇した際は、慎重に行動したほうがいい。特に、海外では野生動物との『危険な自撮り』が問題視されている」という――。前回、TBS「どうぶつ奇想天外!」のロケ中に写真家の星野道夫さんがヒグマの襲撃で命を落とした事件についてご紹介した(参照〈なぜ伝説の動物写真家はヒグマに命を奪われたのか…星野道夫さんの悲劇を呼んだ「餌付けされたクマ」の怖ろしさ〉)。野生動物の生態に詳しいプロの動物写真家であっても、ヒグマのような動物に接近して写真を撮るのは大きな危険をともなう行為だ。観光地などでクマなどの野生動物を見かけたとしても、絶対に接近して写真を撮ってはならない。ただ、「SNSでバズりたい」といった動機から、危険を顧みない自撮りが横行し、死亡事故も発生しているのが現状だ。こうした事故の中には、襲撃の一部始終が動画に撮影され、衝撃的な映像がインターネット上に投稿され今も視聴可能なケースさえある。ヒグマとの自撮りがいかに危険かを示すためにも、今回、そうした事例について今一度ご紹介してみたい。事件は2018年5月2日の夕方に起こった。以下、報道やSNS投稿などを元に事件の概要を追ってみよう。インド・オディシャ州ナバランガプル地区で、タクシー運転手をしていたプラブー・バターラ(Prabhu Bhatara)氏は、客を乗せて車を運転している途中だった。彼が運転するSUV車の後部座席には、その日結婚式をあげたばかりの新婚カップルが乗っていた。運転の途中で、バターラ氏は急に尿意を催し、森のそばに車を停めて用を足すことにした。と、その時、彼は近くに一頭のナマケグマがいるのに気がついた。ナマケグマはクマの一種で、主にインドやスリランカに生息している。シロアリなどのアリを主な食料にしており、長い鼻で吸い込むようにして食べる。体長は約140~190センチ、体重はオスでも80~145キロと、日本のツキノワグマと同じくらいのサイズだ。ヒグマに比べると小さいが、人間の住む地域の近くに生息していることもあって、人を襲う事故が後を絶たない。インドではかつて「マイソールの人喰いクマ事件」という大事件が起こっている。死者12人を出し、観測史上最悪のクマ襲撃事件として有名だが、これもナマケグマによるものだ。この事件は1950年代に起きたとされ、1957年に刊行されたケネス・アンダーソンの著書『Man-Eaters and Jungle Killers』の中で紹介されたことで、世界中で知られるようになった。バターラ氏はSUV車に戻ると、後部座席のカップルに言った。「すぐ横の小さな池でナマケグマが水を飲んでる! ケガをしていて逃げられないみたいだ。俺、あいつと自撮りしてくる!」新婚夫婦は猛反対したが、バターラ氏は構わず斜面を駆け上がっていった。ナマケグマまで数メートルの距離に近づくと、クマの様子がはっきり見えた。クマは怪我をしていて、動きがにぶく、体から血がにじんでいた。バターラ氏はスマートフォンで撮影を始めた。ナマケグマと自分をフレームに入れようとスマートフォンの角度を調整していると、ナマケグマが急に動き始めた。危険を察知し、バターラ氏が逃げようと一歩踏み出したところ、足が滑り転倒してしまった。その瞬間、ナマケグマはバターラ氏に襲い掛かると、体を地面に叩きつけ、爪で肉を引き裂き、鋭い歯を何度も突き立てた。新婚夫婦がSUV車の後部座席から「逃げて!」と叫び続けるが、ナマケグマは爪と顎でバターラ氏の体をがっちり捕らえ離さなかった。バターラ氏が逃げようともがくほど、余計クマの攻撃を受ける。バターラ氏はすぐに動けなくなった。現場には周辺住民らが集まって、叫んだりクマに向かって棒や石を投げたりしたが、攻撃をやめさせることはできなかった。そこに突然、野良犬が現れ、バターラ氏を助けようと思ったのか、クマに突進し、吠えかかって噛みついた。しかし、体の大きいクマにとって、野良犬の攻撃などは大した問題ではなかった。クマは野良犬には構わず、バターラ氏を地面に叩きつけて、頭部と首に致命傷を負わせた。やがてバターラ氏の動きが止まり、あたりは静寂に包まれた。この時、群衆の一人がクマによる襲撃の一部始終を動画撮影しており、現地のローカルニュース局「kanak news」が放送している。事件が起きたインド・オディシャ州ナバランガプル地区は森林の面積が約40%を占め、先住民が多く住む農業地帯だ。野生動物が多く生息し、クマやゾウ、コブラなどの毒ヘビとの遭遇事故が頻繁に発生している。この事件の約半年前となる2017年12月には、ゾウとの自撮りを試み、踏み潰されて死亡するという事件も起きている。このような地域で、野生動物との自撮りを敢行するのは、誰の目にも危険な行為と映るだろう。事実、SNS上にはバターラ氏を批判する投稿が相次いだ。「バターラ氏は馬鹿だった。彼の馬鹿さのせいで、ただ自分を守っただけの無垢なクマが鎮静化されなければならなかった」「バターラ氏はダーウィン賞(愚かな行為で死亡、もしくは生殖能力を失った人を、逆説的に人類進化に貢献したとして表彰)の候補者だ。自撮りやYouTube動画のために命を失う価値はない」。SNSの普及により、バズ目的で危険な撮影を敢行して命を落とすケースが世界中で増えているが、こうした行為を英語で「killfie(キルフィー)」と呼ぶことがある。2016年にカーネギーメロン大学とインド工科研究所が発表した論文によると、2014年3月から2016年9月までの間に127件の自撮り死亡事故が発生しており、そのうち76件がインドに集中しているという。また、米ニューヨークポストの報道によると、2014年3月から2025年5月の間に発生した自撮り死亡事故のうち、最多はインドで271件だったという。なぜインドにおいてこうした危険な自撮り行為が後をたたないのか。先ほどのニューヨークポストの記事によると、インドは人口が多く、密集していることに加えて、野生動物との遭遇機会が多く、また切り立った崖といったリスクの高い環境にアクセスしやすいという理由があるようだ。近年はカムチャツカ半島やアラスカといったヒグマ生息地へ行くツアーもあり、お金さえ払えば、大自然の中で「ヒグマと自撮り」するチャンスを得ることができる。だが、クマをはじめとする野生動物を見かけても、接近して写真を撮影するのは非常に危険な行為だ。都会の人も十分注意して行動すべきだろう。

(クマが生息している都道府県に色を塗ってみたら…)
SNS上で注目を集めた投稿について、その背景をあらためて取材する「バズ投稿のウラ話」。今回は、2025年8月にX(Twitter)で注目を集めた「クマが生息する都道府県」の可視化マップについて、投稿者のいつかいちくん(@itsukaichi_engi)さんに話を聞きました。いつかいちくんさんは日頃から、飛行機・鉄道や地理に関するネタを地図上に可視化してXで公開しており、またnoteでは「ジオグラフィック航空アナリスト」として交通・航空関連のレポートを中心に発信しています。話題になった投稿は、8月23日時点での環境省の情報(参考:環境省資料)をもとに作成した「クマが生息する都道府県」のマップ画像。クマが生息する地域を日本地図に着色することで、わかりやすく示しました。なお、北海道にはヒグマが、それ以外の地域にはツキノワグマが分布しています。マップでは、九州・沖縄と四国の一部を除いたほとんどの都道府県が塗りつぶされ、関東近郊でも千葉県以外の首都圏にツキノワグマが生息していることを示していました。こうして見ると、想像よりも広範囲で、かつ身近に生息していることがわかります。2025年は異常なまでに住宅街や街中でのクマ出没が相次ぎましたが、そもそも日本のどこに生息しているのかという情報はなんとなくでしか知らなかったという人は多かった様子。当時のXでは、「千葉県と香川県と愛媛県にクマがいなかったのは意外すぎた」「えっ……本当?千葉県にはクマいないの?」「四国にも熊が居るの意外」「九州各県がいずれも生息確認されていないのが不思議だ」などの声が寄せられていました。ねとらぼ編集部では、可視化マップ制作の背景や日頃の投稿のテーマ選びについて、いつかいちくんさんに話を聞きました。――今回の色塗り地図を作られた理由を教えてください。いつかいちくんさん:2025年に入って全国的にクマの出没が相次ぎ、人的被害も出るなどして、社会的に大きく取り上げられました。ただ、具体的にどのエリアに出没しているかを確かめたく、都道府県単位で可視化マップにしてみました。――投稿には多くの反響がありました。お受け止めをお聞かせください。いつかいちくんさん:本州で唯一千葉県だけ出没していない結果に対して多くの反響がありました。「関東山地と山がつながっていないから?」「クマのプーさんならディズニーにいる」「移住するならチーバ君」など様々な反応がありました。つい先日、2025年の漢字が「熊」に選出されたこともあり、その影響もあってこの投稿にも反応がちょくちょく来ています。――いつもユニークな視点の図や色塗り地図を投稿されています。テーマを選ぶ際のこだわりはありますか。いつかいちくんさん:1つはその時のトレンドに関連することを意識しています。特に今回の“クマ騒動”のようなニュースは、分布図にしてみると見えてくるものがあると感じ、作成してみました。もう1つは「意外性」です。以前、「過去に37℃以上を記録したことがある都道府県」を可視化しましたが、実は沖縄県以外の全ての県が37℃以上を記録し、沖縄のみ37℃以上を記録したことがありません。暑いイメージの沖縄ですが、周りに海があるなどを理由に夏は気温がそこまで上がらないのでは、と仮説を立てて可視化を試みました。こうした意外性を意識することで得られる発見、気づきなどがユニークな地図を作成する1つの材料となってますね。他にも地図を作る際に意識している点としては、コーポレートカラーを意識して着色しています。以前、「東横イン」がある都道府県を投稿した際には青色、「餃子の王将」がある都道府県の際は赤色のように、企業のイメージカラーを地図にすることで、ご覧になる方がイメージしやすいよう心掛けています。――今後チャレンジしてみたい分野、テーマはありますか。いつかいちくんさん:今後は、市町村ベース、細かい地図など、地図のジャンルを広げていきたいとぼんやりですが考えています。他にも、当方は交通関連(航空、鉄道関係)を得意としていますので、過去に反響が大きかった「○○県まで1本で行ける」などの地図をシリーズ化していきたいと考えています。

(正月も“眠らないクマ”、県内で目撃相次ぐ:宮城)
年が明けても、宮城県内ではクマの目撃情報が相次いでいる。1日午前1時50分ごろ、石巻市前谷地の路上で、体長およそ1.5メートルのクマ1頭が目撃された。車を運転していた人が「前方でクマのような動物が道路を横切った」と警察に通報した。クマはその場を立ち去ったとみられ、発見には至っていない。運転手は「近くの民家に入っていったようにも見えた」と話しているという。また、1日午後4時50分ごろには、仙台市泉区西田中の路上でクマが目撃された。警察によると、目撃者の話では体長は約2メートルで、近くには住宅団地があるという。クマはその後、姿を消していて、けが人はいない。さらに、1日午後10時52分ごろ、南三陸町歌津では、民家の敷地内で体長およそ1メートルのクマが目撃された。住人が勝手口付近で物音がするのを不審に思いドアを開けたところ、「目の前にクマがいた」と話しているという。クマはごみをあさっていて、その後、逃げていったという。警察や自治体は、外にごみを出さないなどの対策を呼びかけている。

(住宅街にイノシシが出没し公園内にとどまる、その後猟友会が捕獲:山形)
山形市の住宅街に31日午前、イノシシ1頭が出没し、一時、住宅街にある公園にとどまりました。その後、午後2時前に猟友会によって捕獲されました。31日午前8時半ごろ、山形市小白川町5丁目でイノシシ1頭がいると近くの住民から110番通報がありました。イノシシは体長およそ1メートルで、午前11時ごろには近くのあさひ町地区の公園で目撃され、そのまま公園内にとどまりました。その後、猟友会が出動し、吹き矢を使って麻酔で眠らせ、午後1時45分ごろに捕獲しました。現場は県庁から北におよそ400メートルの住宅街にある公園で、人や物への被害はありませんでした。

(住宅縁の下にクマ、2時間とどまる:福島)
31日午前10時40分ごろ、喜多方市高郷町揚津字小ケ峯丙の住宅で「住宅敷地にクマがいる」と住民から喜多方署に通報があった。クマ1頭が敷地内を歩き回った後、住宅の縁の下に入り込み約2時間にわたってとどまった。けが人はいなかった。喜多方署によると、クマは体長約50センチ。午後2時50分ごろに縁の下から移動し、南側に逃げたという。住民の男性(63)によると、クマは縁の下の隙間から入り込んでいたといい、その日のうちに、板で隙間をふさぐなどした。午前8時50分ごろにも、住宅南側の県道で、同一の個体とみられるクマを目撃しており、「最初は、イノシシかムジナだと思った。まさか自分の家にクマが居座るとは」と驚いた様子だった。市はクマを遠ざけるため花火の音を鳴らすなどしたほか、今後はわなの設置も検討する。現場は、山間部の集落。東に約700メートルの地点にはJR磐越西線尾登駅がある。

(ツキノワグマ、「くくりわな」にかかる:静岡)
31日午後4時20分ごろ、熱海市熱海の鷹ノ巣山で、狩猟者が仕掛けたわなにツキノワグマ1頭がかかったのが確認された。

(民家敷地のカキの木に出没、猟友会が発見し駆除:長野)
長野県飯山市の民家の敷地にクマ1頭が出没し、猟友会に駆除されました。2日午前10時ごろ、飯山市瑞穂の住宅の敷地内にクマ1頭がいるのを猟友会の会員が見つけました。画像は住民が撮影したもので、柿の木に登っていたクマはその後、猟銃で駆除されました。クマは体長50センチほどだったということです。住民はこの時期にクマを見かけるのは珍しいと話していました。

(クマ、年末年始に複数の目撃情報:宮城)
3日朝、宮城県南三陸町の畑で、生ごみをあさるクマ1頭が目撃された。警察によると、3日午前7時35分ごろ、南三陸町歌津中野の畑で、近くに住む人から「クマが生ごみをあさっていた」と通報があった。クマは体長およそ1メートルで、現場から北側の山の方向へ立ち去ったという。周辺には複数の民家があるが、けがをした人はいなかった。警察が周辺をパトロールしたが、クマは発見されなかった。警察によると、歌津地区北部では年末年始に複数のクマの目撃情報が寄せられており、同じ個体の可能性もあるという。また、気仙沼市本吉町林の沢の路上では、3日午後1時20分ごろ、車で通りかかった人がクマ2頭を目撃し、警察に通報した。体長はそれぞれおよそ1メートルと50センチとみられ、クマは山の中に入っていったという。警察は付近で警戒を続けている。警察は、外出時や屋外に生ごみを放置しないよう注意を呼びかけている。

(新快速列車が鹿と接触:兵庫)
JR西日本によりますと、3日の午前10時37分頃、山陽本線のはりま勝原駅と網干駅の間で、網干行き下り新快速列車がシカと接触し停止したため、山陽本線では列車に遅れがでています。車両と線路の確認を行っていたため、JR神戸線は神戸から姫路まで、山陽線は姫路から相生まで、赤穂線は相生から播州赤穂までで遅れが出ていて、各駅到着には25分ほどの遅れが見込まれるということです。乗客にけがはないということです。

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(「内臓がない男性の遺体がある」と通報、動物に襲われたか:東京)
30日午後1時50分頃、東京都奥多摩町日原の小川谷林道で、登山中の男性から「内臓がない男性の遺体がある。動物に食べられたのかもしれない」と110番があった。駆けつけた警察官が、林道上で倒れている男性の遺体を発見した。遺体は損傷が激しく、警視庁青梅署は、動物に襲われた可能性があるとみて身元や死因を調べている。同署幹部によると、現場はJR奥多摩駅から北に約9キロの山中で、周辺ではクマやカモシカがたびたび目撃されているという。

(高裁判決を見直しか「二審判決は全国のハンターの足かせ」:北海道)
ヒグマの出没が相次いだ2025年の北海道。エサを求めるかのようにマチを徘徊し、人が襲われる被害も相次ぐ異常事態となった。2026年、そのクマの駆除に関連して、注目の裁判が予定されている。現役ハンターの思いと裁判のポイントをまとめた。「私のような事案と同じことになると警察官の方々も自衛隊の人も撃つことができないですよね」(北海道猟友会砂川支部 池上治男さん (76)。年の瀬が迫った2025年12月23日。会見を開いたのは北海道・砂川市のハンター、池上治男さんだ。処分は見直されることになるのか。池上さんは2018年、砂川市でクマを駆除したところ、建物に届く恐れがある方向に撃ったなどとして、道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消された。「ハンターに頼んでおいて片方で撃ったらダメと。何を信用したらいいんだ。おかしいよ、本当に」(池上さん)。池上さんは猟銃の所持許可が取り消されたあとも猟友会砂川支部の一員として箱わなでの捕獲に関わってきた。2025年はクマの出没が相次ぎ、箱わなで捕獲したクマは16頭にも及んでいた。「砂川でも銃で捕獲することを止めた。私の事案があったからですね。高裁の判決が全国のハンターに対する足かせになったと思いますよ」(池上さん)。猟銃許可の取り消し処分は不当だとして、池上さんは裁判を起こし一審で勝訴しましたが、二審の札幌高裁はこれを取り消し、逆転敗訴。池上さんは上告していた。最高裁は12月22日、双方から意見を聴くための「上告審弁論」を2026年2月27日午後3時に指定。この弁論は結論を変えるのに必要な手続きのため、二審の判決が見直される可能性が出てきている。「最高裁で審理をしていただけるということで本当に良かった」(池上さん)。「(二審は)跳弾の危険があるのだという論調でした。そこについてもブレーキをかけてくれればいいなと思う」(中村憲昭 弁護士)。最高裁の今回の決定について元検事の磯部真士弁護士は…「クマの出没問題で『緊急銃猟』の話題が出ている状況。そんな中、跳弾の危険性が前提とされると『緊急銃猟』のやりようがないんじゃないかという社会的風潮もあると思う」「(最高裁での弁論は)社会的にはいいことだと思う」(いずれも磯部真士 弁護士)。砂川のハンター訴訟。2018年にハンター池上さんがライフルでクマを駆除した。これによって2019年これを受けて、道公安委員会がこの発砲は「建物に届く恐れのある方向に撃った」として、ライフル銃の所持の許可を取り消した。これによって裁判が起こっていきまして、2021年第一審では池上さんが勝訴し、この所持の取り消しを取り消すということになった。しかし、二審では逆転敗訴、所持の許可を取り消すという最初の道公安の言っていることが生きることになった。これによって、ハンターが銃を所持して発砲するということを恐れるような展開が起きていた。これを受けて池上さんは不服として上告した。そして12月22日、最高裁が2026年2月27日に弁論を行うことを決定した。実質、これは二審判決見直しかとみられている。最高裁の決定について、元検事の磯部弁護士によると…最高裁が札幌高裁に差し戻しをする形ではないか、弾が跳ね返る危険性について審理を求める形になるのではないかとみている。この球が跳ね返る危険性があるというふうに見られると、この街中で行う緊急銃猟が困難になるという懸念もある。そのため、最高裁での弁論というものは銃を取り扱うハンターにとっても、そして、わたしたち市民の安全を守るという意味でも、社会的にはいいことだと話をしている。

(「クマは5年で倍に。管理できない数になったらお手上げです」、『鳥獣職』を全国の自治体に:兵庫)
クマの出没がとまらない。そろそろ冬眠かという時期なのに、出没件数が過去最多を更新し続けている。しかも北海道や東北だけでなく、関西の観光地や住宅地でも目撃されているのだ。なぜこんなことになっているのか。今、人間がすべき対策は何なのか。25年以上クマなど野生動物の保全管理を研究し、現場で対策指導を行う、兵庫県立大学の横山真弓教授に詳しく話を聞いた。【兵庫県立大学 横山真弓教授】我々『兵庫県森林動物研究センター』が15年ほど前から「クマの個体数推定」をした結果、「クマは1年で15%ほど増える」ことがわかりました。仮に100頭いたとして、一年後には115頭、二年後には132頭…5年で2倍になります。100頭ならよいのですが、1万頭だったら5年後に2万頭になってしまうのです。同様に個体数推定を行っている岐阜県でも「増加率15%」というデータを出しています。捕獲がなければ、「5年で倍増」は、決して大袈裟ではなく、現実の数字なのです。兵庫県、岐阜県のデータから考えると、クマの数が多い地域では増えないように一定に保つためには、増加する分の15%の駆除が目安になります。。秋田県は2023年の大量出没を受けて、23年24年で2600頭もの駆除の努力をされてきたのに、今年も大量出没してしまいました。しかし秋田県が5年ほど前に推定したクマの生息数は4400頭。数が合いません。これはどういうことなのか?データは1回の調査ではなかなか安定しないものです。古典的な手法ですし、あくまで推定値ですから乱高下するのです。ですが、データが蓄積されると変動幅が小さくなってきます。秋田県の前回の調査は過小評価だったのかもしれません。今、最新の調査を行っている最中です。結果が待たれます。そして…山はつながっています。2023年は全国で9099頭という驚異的な数を捕獲したにも関わらず、今年被害が深刻化している状況を考えると、県同士の連携や、継続した調査が非常に重要だと思われます。昭和の初め頃まで、日本はさまざまな野生動物を乱獲しました。また、当時は日本中“はげ山”だらけでした。生活のために薪(木材)が必要でしたし、炭鉱など鉱物資源の採掘で木を切り倒したことで、もう再生できないんじゃないかというぐらい“はげ山”にしていったのです。その結果、野生動物が激減。絶滅の危機に陥り、慌てて「保護政策」をとったのです。第二次世界大戦が終わった頃には、動物がいなくなったとまで言われていました。そして戦後は厳しい狩猟規制が続き、できるだけ捕らせない政策をとりました。その後、燃料革命が起こり我々の生活は一変。電気、ガスなどボタンを押せばよくなり、皆、山に見向きもしなくなったのです。私たちが最初に野生動物の増加に気づいたのは「鹿」でした。1990年頃にシカが増え始め、2000年代に入るとイノシシが増えだした。そして2010年にクマが増えはじめたのです。野生動物の増加は、狩猟者の減少や温暖化による積雪量の減少など、さまざまな要因が働いていると言われています。そして人間が耕地や住居を放置したまま里山から離れ、都会に出てしまったたことも大きな影響を与えています。柿や栗など、野生動物が「安全に美味しく食べられる」恰好のエサ場になってしまっているのです。クマの出没のニュースの際、「凶作でエサのどんぐりが足りないからどんぐりの木を植えましょう」などと耳にしますが、これは皆さん、誤解されています。どんぐりは何本あっても同じなのです。確かにクマはどんぐりが大好きですし、どんぐりの凶作が食糧不足につながります。しかし、どんぐりの木がたくさんあっても、増やしても、凶作の状況は変わらないのです。どんぐりはブナ科の実で、栄養価が高く、多くの野生動物の貴重な食糧です。植物の種ですから、植物側からすると、「毎年豊作にすると、動物が増えてしまい、生き残こる『どんぐり』がなくなってしまう」のです。地域一帯を凶作にすることで、ネズミやリスなどが繁殖できなかったり死んだりします。動物の数が減った所へ、豊作年を作ると、生き残る「どんぐり」が多くなるという訳です。まり、「植物の繁殖戦略」と言いますか、豊作と凶作をつくるのは、植物のメカニズムなのです。地域一帯で凶作とか豊作となるので、「どんぐり」の木の数を増やしても同じ。例えば今年は、西日本は豊作で「どんぐり」は余っている。だけど東北はブナもミズナラも全部凶作という具合です。植物が長い時間をかけて進化したシステムで、人間がどうこうできることではないのです。「どんぐり」の木を増やしても、クマの出没を減らす対策にはなりません。今の東北地方は、相当数のクマが高密度に生息している状態だと推測されます。動物は、高密度化すると行動が変わってきます。争いが激しくなり、行動が過激になっていくのです。食べ物をめぐる争いも激しくなり、体の大きなオスのクマは子クマにとっては脅威となります。メスや子供はオスが怖い。だから山の中の争いが激しくなると、弱い母子が里に逃げて来ている可能性があると思います。里に着いた時はもう必死に食べ物を探している状態。また、人は怖い生き物ではないと学習しているクマも多くなってきていて、人里での活動がエスカレートしているように見えます。さらに、クマは鼻が凄く良いので、食べ物の匂いがする場所、例えばスーパーや、人が多くいる介護施設や幼稚園など、たくさん煮炊きをする所に匂いに誘われてしまっているのだと思います。現在、兵庫県に生息しているクマは約800頭です。私たちが野生動物の保全管理をはじめた25年前は鹿が増えだした頃。当時は「鹿は増えているけれど、クマは絶滅に瀕している」と保護政策をとっていました。クマは100頭いないと言われていて、一生懸命保護していたのです。ですが、2年おきにクマが大量出没し、2010年には1600件もの目撃情報が報告されました。「100頭しかいないはずなのにおかしい」と、さまざまな角度から調べた結果、600頭ほど生息していることが分かりました。どのぐらいの生息数が適正なのか、非常に難しいところですが、600頭の出没対応で、すでに非常に大変でした。我々が管理できない数になったらお手上げです。議論を重ね、環境省が「800頭いれば絶滅しない」という数値を出していたこともあって、800頭を目安とすることになりました。それまで完全保護政策だったのを、集落に侵入する個体は初めから駆除するなど、段階的に政策を転換していったのです。それでもあっという間に800頭に達しました。2016年のことです。そこで政策を大きく転換。狩猟を一部解禁にしたり、集落周辺での捕獲強化を始めました。15%ずつ増加しますから、一年で120頭程を捕獲しないといけない場合も出てきます。今、9年目ですが、クマ被害は減少傾向にあります。管理可能な数は自治体によって異なりますが、今の秋田県や岩手県は完全にキャパを超えていると思われます。被害を抑えるためには、ここはいったん、思い切って大きく数を減らすしかありません。クマという動物と共存するのは、本当に大変ですから、現状の対策としては「低密度管理」がベストではないでしょうか。兵庫県は2007年、野生動物管理のための拠点施設「森林動物研究センター」を設立しました。研究員は現在6名。動物の個体数推定を専門に行う研究員や、森林の豊作凶作を調べる研究員など、それぞれ専門分野をもったメンバーが研究と対策の実行・指導を行っています。私は動物の体の中を調べ、健康状態や繁殖状況などを分析していくのが専門です。日本は1999年の法改正で「地方分権」が強く進められ、「問題のある野生動物の対応は各都道府県が責任をもつこと」となりました。この時、法改正には『付帯決議』があり、「都道府県に専門的人材を配置することや研究機関の設置などに国が支援する」ということが書かれていたのですが、結局、何も進んでおらず支援体制も出来ていません。しかし、野生動物が増えている今、対応できる人材を育てないと大変なことになります。増えきってから対応するのは本当に大変なのです。今の自治体の仕組みでは、私たちの分野は「林業職」とか「農業職」とか、あるいは「獣医職」の方が担っているのですが、野生動物について学んできている人は非常に少ないのが現状です。研究者はたくさんいますが、行政機関に配置されている人はほとんどいないのです。例えば都道府県には必ず獣医師がいます。動物愛護法などで獣医師を配置することというのが定められているのです。畜産の獣医とか、公衆衛生の獣医とか。鳥インフルエンザなどが起きた時、専門知識がないと対応できないからです。野生動物の保護管理も同じです。今後ますます野生動物の増加が見込まれる中、早急に「鳥獣職」というのをきちんと法律で定める必要があると思います。今、国会で色々と対策を議論していますが、まずは専門職種の「鳥獣職」を各自治体に配置するべきではないでしょうか。人を育てることと人材配置はセット。学生たちも職種がない現状では、勉強もなかなか進みません。そういうところを、これから数年かけて変えていく。日本の鳥獣行政の仕組みを変えていかなければ、今後ますます野生動物が人間社会を脅かすことになると思います。

(寝息を調査…冬眠する巨大クマの姿:北海道)
2025年、全国で相次いだクマの被害。北海道内でもクマに襲われ死亡する事故がありました。なぜ住宅街に現れるのか、解決の糸口を探るため、まだ研究が進んでいないクマの生態に迫ります。(ベア・マウンテン 坂出勝園長)「基本的にここから先は一般の方は入れません。危ないので」。11頭のクマを飼育する、新得町のベア・マウンテンです。冬の間は休園し、野生のクマと同じく冬眠させています。(ベア・マウンテン 坂出勝園長)「400キロを超えています。びっくりすると思います、この体格」。檻の中で眠る、体重420キロのオスグマ。(ベア・マウンテン 坂出勝園長)「きょうで絶食10日目。仮死状態までならないので、うつらうつら寝ている状況。時々起きて水分補給をするのがよくあるパターン」。坂出園長は毎日、クマの呼吸音を聞いて眠り具合を確認します。(ベア・マウンテン 坂出勝園長)「いびきほどではないけど聞こえます。この子で1分間に3回くらい。標準的な寝方をしている」。この園では、秋にエサを増やしてクマを太らせ、冬に絶食させることで冬眠を促します。しかし、もし野生のクマが十分なエサを得られなかったらー(ベア・マウンテン 坂出勝園長)「ブナとかドングリが凶作ですから、(野生の)クマにとっては厳しい冬になる。冬眠の季節になったから痩せているけど寝ようとはならないですよね、自分の命かかっていますから。そうなるとマチに出てきてエサを食べたい太りたいとなる」。砂川市のハンター・池上さんです。雪が降っても箱わなの見回りを続けていました。(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「エサはあるけど雪が積もっているから」。(吉岡記者)「中には何が?」。(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「シカ肉」。4か月にわたってヒグマ注意報が発出された異常事態をうけて、過去最長となる12月8日まで箱わなを設置していました。(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「ひどかったな、ことしは」。(吉岡記者)「来年はどうなる?」。(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「変わらないよ。ヒグマ(を駆除して)いなくなったら新しいヒグマが入ってくる」。2025年に砂川地区で捕獲されたクマは16頭。それでもいたちごっこのように出没が相次ぎました。(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「ヒグマ自体の数を減らさない限りはこの状態が何年も続いていく。いろいろな意味で対策するべきだと傾いてきた。具体的に進んでいるかと言うとまだこれから」。(吉岡記者)「男性が襲われた公園では、ハンターが猟銃を持って警戒にあたっています」。9月、札幌市西区の公園で散歩中の男性がクマに襲われ、右腕をけがしました。市内の住宅街では4年ぶりの人身被害でした。多くの人が訪れる円山動物園も一時休園する事態となりました。(円山動物園 木田竜介さん)「このあたりに足跡があった。当時積雪があり、クマの足跡がここにあった」。動物園の敷地内にはっきりと残された、幅10センチの足跡。(円山動物園 木田竜介さん)「フェンスは3メートルほどの高さがある。今までの歴史でなかったことで想定していなかった」。園内のカメラには連日、侵入を繰り返すクマの姿がー2025年はまさに“異常事態”と言えるほど人の生活圏への出没が相次ぎました。西区西野では道内初となる緊急銃猟が実施されました。2025年に札幌市内で駆除されたクマは19頭。過去10年で突出して多い数字となりました。(木原稔官房長官)「本日新たな“クマ被害対策パッケージ”をとりまとめました」。政府は深刻化するクマ被害に対応するため、「ガバメントハンターの確保」や「警察官によるライフル銃の使用」など、駆除の強化を打ち出しました。しかし、専門家は根本的な対策が必要だと指摘します。(北海道大学 下鶴倫人准教授)「食べ物があるとクマが理解している限りは、なかなか改善しないだろう。人間とクマは陣地争いをしてきた。クマの領域がどんどん人間側に近づいてきている。クマに押されているという見方もできるかもしれない。出てくる理由をしっかり知って、原因や経路をしっかり把握して、防除という面の対策を(駆除と)同時に進めていかないと、駆除だけしていれば問題は解決するのかと言えば決してそうではない」。

(なぜ2025年はクマ被害相次いだ?猟師が感じる“違和感”)
クマが人間の生活圏まで相次いで出没した理由は何なのか?その答えを求めて、岐阜県高山市に向かった。ただ、それは国や専門家らとは真逆の答えだった。高山と言えば、飛騨の小京都と呼ばれ、外国人観光客が押し寄せる人気観光地だが、今年はクマも多数姿を見せた地域だ。その高山市内で親子で猟師を生業としている脇谷雅彦さん(64)と息子の将斗さん(39)を取材した。父はこの道46年、若手の教習射撃指導員をしている大ベテラン。息子は、父の猟をする背中を追いかけてきた若手猟師で、約10年のキャリアを積んでいた。2人とも地元の猟友会のメンバーであり、市街地でも引き金をひく可能性もあるため、経験と実績、そして何より的中率の高いウデが必要な緊急銃猟の中心的な猟師だ。2人と共に真っ白な山に向かった。麓の積雪は20センチ程度だったが、山はその2倍近い積雪となっていて、太陽に照らされキラキラ輝いていた。父はライフルを、息子は散弾銃を背負って、標高1000メートル以上の山に入ると、ニホンカモシカが木々の間から顔を出していた。小動物の足跡もいくつかあったが、クマの足跡は見当たらなかった。新たに雪が積もったからとも考えられるが、そもそも冬眠に入るクマは歩いた痕跡を消すという。理由は猟師から仕留められないためだ。野生の世界では無敵のクマの唯一の天敵は、クマの領域に入ってくる猟師なのだ。もともと警戒心の強いクマを、より慎重にさせたのは猟師の存在かもしれない。足跡こそなかったものの、実は、まだ冬眠していないクマもいると聞き、リスクを考えて下山した。クマの罠も見せてもらった。ドラム缶を利用したトンネル型の仕掛け罠で、入り口付近には好物のハチミツを置き、さらに行き止まりのトンネルの奥にもハチミツを置いて誘導する作戦だ。奥にあるハチミツ付近には、踏み台の様な板があり、それを踏むと後方の鉄板が落ちて、クマが閉じ込められるという。ただ、爪が鋭く、牙も鋭利で噛む力も強いため、そのドラム缶を内側から破って逃げた強者もいたという。その罠を見せてもらったが、鉄製のドラム缶が1メートル近く裂けている様を見て、クマの破壊力を実感せずにはいられなかった。その裂けた穴の周辺には真っ黒なクマの体毛が付着していて、猟師から逃げようとする必死さも伝わってきた。果樹園などからの要請を受けて罠を仕掛けるというが、今年は例年の倍近い5頭が罠にかかったという。しかし、脇谷親子は、山や罠でクマを仕留めたりする中で、ある違和感を覚えていた。実は、自分たちが管理している山の中ではクマは増えていないというのだ。一方で専門家らの一般的な見解はこうだ。去年はドングリなどが豊作でクマも出産ラッシュとなり、頭数が増えたが、今年は凶作だったため、エサが足りず、人里まで降りてきたのでないか。しかし、クマ猟師として連日山に入る脇谷親子は「クマの絶対数は変わっていないのではないか」と推測している。ただ、エサがないため人里へやってきていて、そこで人目に触れるため、クマが増加していると錯覚しているのではないかというのだ。去年産まれたクマが多いのなら、山でも罠でも相対的に若いクマが捕獲されるケースが多いはずだが、仕留めるクマはほとんどが5歳以上だからという。もちろん、東北を中心に全国的に増加傾向にあるクマだが、猟師が定期的に山に入る地域によっては、事情が異なるのかもしれない。人を襲う被害が出ているため、駆除は必要かもしれないが、行き過ぎた駆除はクマの過度な減少を招くのではないかと、猟師の脇谷親子は不安を口にしていた。山の麓にあるクマの解体工房にも潜入した。扉を開けると、皮を剥がされたクマが吊るされていた。内臓も取られ、血抜きも済ませ、解体を待つばかりのクマで、体調1メートル、体重は約100キロ。全身の9割は淡いピンク色に染まっていたが、それが脂肪で、冬眠を前にエサを食べ脂が乗った状態になっていた。この脂肪があるから、これをエネルギーに変えながら、長い冬眠にも耐えられるというのだ。ただ、この脂の乗り具合を見て、山の状況が見えるのだと教えてもらった。この脂の厚みが10センチほどあれば、エサを充分食べたクマ。僅か数センチしかなければ、あまりエサを食べられなかったクマという証なのだ。私が目の当たりにしたクマは、全体的に脂は薄く、エサは充分には食べられなかったと思われる。だから、エサを求めて人里まで降りてきたのだが、そこで捕獲されてしまったのだろう。解体したからこそ分かる、今年の山とクマのエサ事情ということか。脇谷さんが手掛けるジビエ料理店も訪れ、クマしゃぶしゃぶ、串焼き、ソーセージを頂いた。血抜きが巧みだからか、臭みはなく、弾力や甘みもあり、赤身の牛肉に似ていた。クマしゃぶしゃぶを見て驚いた。脂が10センチほどあり、赤身の部分は僅かだったからだ。これはエサもよく食べられ、あとは冬眠に入るのを待つばかりのクマだったのだろう。融点も低いため、口溶けもよく、甘みと旨味が凝縮されていた。あの野性味溢れる姿とは想像がつかないほど、繊細で上品な味だった。その味を堪能しつつ、あることが脳裏に浮かんだ。「本当は山で暮らしたかっただろう」と。自衛隊や警察も出動し、自治体独自の判断で緊急銃猟も行われた2025年。しかし、それはあくまでも対症療法であり、駆除するだけでクマ対策の根本的な解決には至っていない。以前のように、クマと人間が共存する暮らしを復活させるにはどうすればいいのか?クマが眠りから覚める前に考えたいものだ。これを解決しない限り、来年2026年もクマに振り回される1年になるのは間違いないだろう。

(クマを引き寄せる柿の木どうする?伐採しないですむ「共存」を)
心がざわついたクマ対策がある。柿の木の伐採だ。今年、東北を中心にクマの出没や被害が相次いだ。山形県内の目撃は昨年の8倍の2800件超。人への被害は過去最多の13件起きた。ブナの実の「大凶作」からか、秋になると、人里で柿の木に登って実を食べるクマが各地で頻出した。南陽市では、折れた柿の木を確かめようとした職員がクマに襲われ、3カ月の重傷を負った。取材で会った近くの80代女性は「外を歩けなくなった。おっかなくて」と怖がった。命を守ることは最優先だ。行政はクマ被害を防ぐ主な手段として、不要になった柿の木の伐採や早めの収穫を呼びかけた。切る費用の一部を自治体が補助すると、希望者が想定を上回ることもあった。ただ、でも、と思う。山形で過ごすなか、橙(だいだい)色の実をつけた柿の木がある里山の風景は美しいと感じる。それが失われていくことに、唇をかむような思いがした。柿の木どうする――山形総局の複数の記者で、記事を書いた。同僚が取材した白鷹町の女性(76)は柿の木をやむなく伐採した。義父が7人の子どもたちのおなかを満たすために植えたと聞く立派な木。クマが食べた痕跡があった。「残念だけど、仕方がない」と女性。それぞれの木に、家族の思い出や物語があるのだと思う。専門家らが記事への解説や提案をする朝日新聞のデジタル版の機能「コメントプラス」では、この記事に2人がコメントを寄せた。

(住宅街の公園に居座ったイノシシ、捕獲後に駆除される:山形)
31日午前、山形市の住宅街にある公園にイノシシが居座り、麻酔を使って捕獲され、その後駆除されました。このイノシシによる人や物への被害は確認されていません。公園の中を悠然と歩くイノシシ。その周りを警察官や猟友会が取り囲んでいます。市や警察によりますと、きょう午前11時ごろ、山形市あさひ町にイノシシがいるのを付近をパトロールしていた警察官が発見しました。現場は県庁から北におよそ200メートルの公園で、近くには住宅やスーパーマーケットが立ち並ぶ地域です。警察や市の職員が警戒するなか、午後1時から1時30ごろにかけて吹き矢を使って麻酔をかけイノシシを捕獲して、その後、猟友会によって駆除されました。このイノシシによる人や物への被害は確認されていないということです。山形市によりますと、この付近ではきのうからイノシシの目撃情報が複数寄せられていて、きょう捕獲されたイノシシと同じ個体とみられています。

(住宅の縁の下にクマ居座る:福島)
31日午前10時40分ごろ、福島県喜多方市高郷町揚津字小ケ峯丙の住宅で「自宅敷地にクマがいる」と住民の60代男性から喜多方署に通報があった。同署によると、クマはその後、男性の自宅の縁の下に入り込んだ。午後2時時点、クマは縁の下にとどまっているという。クマは体長約0.5メートル。同署によると、男性は同日午前8時50分ごろにも、自宅南側の県道でクマ1頭(体長約0.5メートル)を目撃。クマは男性方の敷地をうろついたが、その後、姿が見えなくなっていたという。

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