<射撃ニュース1月>
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(サルに襲われた高齢女性助けようとして女児けが:福岡)
29日午後5時35分ごろ、福岡県那珂川市の公園で「小学生の女の子が両脚をサルにかまれたようだ」と通行人の男性から110番があった。女児は小学校高学年で、両太ももをかまれ軽傷を負った。福岡県警春日署によると、女児は公園で友人と遊び、別れて1人で帰宅途中だった。目の前で高齢女性がサルに襲われ、助けようと駆け寄った女児に、サルが向かってきたという。同市や近接する福岡市南区では、昨年秋ごろからサルによる被害が相次いでいる。

(ゴルフ場に猟犬とイノシシが“侵入”して3人に体当たり:福岡)
福岡県宮若市で今月、猟犬に追われたイノシシがフェンスを突き破ってゴルフ場に迷い込み、プレー中の男女と従業員の計3人にけがをさせたことがわかりました。 ゴルフ場が被害を発表しました。3人のうち、従業員は右足を40針縫う重傷を負い、プレー中の男女も大けがをしました。

(エゾシカ防護柵誤って撤去、食害受けた農家に賠償へ:北海道)
胆振管内むかわ町は24日、50代男性職員がエゾシカ防護柵の撤去を誤って認めたため農業被害が出たとして、食害があった農業者に約140万円の損害賠償を払うことを明らかにした。

(ヒグマの被害相次ぎ「春期管理捕獲」:北海道)
ヒグマの被害が相次いだことを受け、2月から5月の残雪期にもヒグマを駆除する「春期管理捕獲」が、釧路市でも来月から行われます。「春期管理捕獲」は、ヒグマが人里に出没するのを防ぐとともに、ヒグマの捕獲にあたる人材を育成することを目的として去年から道内で実施され、これまでに19市町村で合わせて20頭が捕獲されています。道内では、捕獲が容易な残雪期に山に入り積極的に駆除を進める「春グマ駆除」制度が1966年から実施されていましたが、ヒグマの数の減少を受けて1990年に廃止されました。釧路市では近年、ヒグマの出没が相次いでいて、来月から4月上旬にかけて釧路・阿寒・音別の3地区で、それぞれ1か月あたり1頭を目標に「春期管理捕獲」を行う予定です。釧路市環境保全課の担当者は「春期捕獲により、人里周辺へのヒグマの出没を抑えるとともにヒグマ対策に必要な人材の育成にもつなげていきたい。捕獲に至らなかった場合も山林に人の気配を残すことでヒグマに警戒心を抱いてほしい」と話しています。

(絶滅危惧トモエガモ、2千→17万羽)
環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されている渡り鳥のトモエガモの個体数が増えている。国内では2004年の調査で約2千羽に減ったが、この10年ほどで急増。昨冬は17万羽近くが確認された。近年多く集まるようになった千葉県の印旛沼では今季、6万6千羽超のトモエガモが越冬している。トモエガモはロシアの北極圏で繁殖し、日本、韓国、中国で越冬する。野鳥の調査を手掛けるNPO法人バードリサーチと石川県加賀市の鴨池観察館が22年10月~23年3月に全国で調べたところ、約16万7千羽の越冬が確認された。国内では日本海側と九州の有明海周辺に越冬地が多く、太平洋側では宮城県や千葉県が目立つ程度だった。その中で印旛沼のトモエガモは18年に2千羽だったが、年々急増。昨冬は13万羽を超した。主要な越冬地の韓国では30万~40万羽で安定しており、韓国からの移動とは考えにくいという。バードリサーチの神山和夫研究員(57)は「トモエガモの総数が増えているのではないか。ロシアの研究者も繁殖地が広がっていると報告している。温暖化で繁殖条件が良くなっていると考えられるが、北極圏の環境が変わってきていることが懸念される」と話す。石川県加賀市と日本野鳥の会による渡りルートの調査で、北極圏が繁殖地だと判明したのは12年。まだ生態が不明な点は少なくない。北極圏を繁殖地とするガン類やハクチョウ類は温暖化で繁殖場所が増えたり繁殖期間が長くなったりし、個体数が増えていると考えられており、トモエガモも同様の可能性があるという。

(国有林でエゾシカ捕獲:北海道)
稚内市は28日から3月10日までに2回、ヤムワッカナイの国有林でエゾシカを捕獲する。市街地に出没するシカを減らすため、20頭の捕獲を目標とする。

(クマの生息域、40年で2倍)
クマの生息域が40年間で約1・95倍に拡大していることが、東京農工大の小池伸介教授(生態学)の分析で明らかになった。人口減少や生活様式の変化に伴い、クマの生息域は年々、人間の生活圏に近づいているとみられ、小池教授は「人間とクマのすみ分け(ゾーニング)が重要だ」と指摘している。環境省によると、ヒグマは北海道、ツキノワグマは本州と四国の一部地域に生息している。同省は生息情報が確認されたエリアを5キロメッシュ単位で調査し、公表している。小池教授が1978年と2018年のデータを比較したところ、全国で約1・95倍に拡大。近年では中国地方や近畿地方で拡大が顕著だったという。クマによる人的被害は23年4~12月、19道府県で196件あり、被害者は死者6人を含む217人に上った。記録が確認できる06年以降で最多だった。小池教授は「かつては炭焼きや木の切り出しで人が山に入り、山と人里の間に緩衝地域である里山があった。しかし、人が山に入らなくなり、耕作放棄地の増加などで境界が曖昧になり、クマが人里に出てくるケースが増えた。被害を防ぐには、クマの生息エリアをもう一度、山に押し戻す必要がある」と話す。

(36市町村、クマ捕獲許可権限望まず:長野)
県内の自治体の半数近くが、クマ捕獲の許可権限が市町村に移譲されることを希望していないことが、県が行ったアンケート調査で分かった。クマ対策を見直す県の検討会で22日示された。アンケートは昨年末、県内全77市町村を対象に実施。クマ捕獲の許可権限を県から市町村に移譲することについては、費用負担やノウハウの不足などを挙げ、36市町村が希望しないと回答した。また、移譲を希望する38市町村の約4割は、人身被害の恐れがある場合に限定するなど一部の移譲を求めていた。県は、クマの生活圏を分けて対策を講じる「ゾーニング管理」を行い、人の生活エリアに出没した場合は市町村権限で捕獲を許可する方針を打ち出している。この日の検討会で、専門家からは「ゾーニングが導入できない地域もある」とし、クマの誘因物除去などの環境整備が基本との意見が出された。県は2月に予定している次回会合でクマ対策の素案を示し、2023年度内に検討結果を取りまとめる方針だ。

(サルの動きをGPS使って「見える化」したら被害激減:長野)
長野県大町市がサルによる農作物被害対策として2020年度に始めた衛星利用測位システム(GPS)を使った捕獲の仕組みが効果を上げている。サルの群れの動きを把握し、行動を「見える化」したことで、効果的な場所へのおりの設置、住民との情報共有や連携が進み、被害が減少した。以前は住民からの被害情報が毎日のようにあったが、本年度は数件にとどまっている。サルによる農業被害が増え、追い払いでは効果が薄いため、市は捕獲主体に切り替えた。そこで、群れの動きを把握しようとサーキットデザイン(安曇野市)が開発した機器「アニマルマップ」を20年度に導入。被害が大きい地区で三つの群れを選び、各群れの1匹にGPS付きの首輪を装着した。午前6時~午後8時の2時間置きに首輪から位置情報が送信され、データを蓄積。サルの行動軌跡や滞在時間の長さが地図上に示され、行動範囲や長く滞在する場所がつかめてきた。住民からの聞き取り情報も合わせることで、時季によってサルが現れやすい場所が予測できるようになった。被害地区の住民に依頼した猿害対策協力員が、スマートフォンで位置情報を見られるようにし、ねぐらを確認して翌朝、畑に先回りして追い払いを実施。市は猟友会と協力し、群れがよくいる場所の近くで、事前におとりの餌でサルが寄ってくるか確かめた上で、カメラ付きの遠隔操作できるおりを設置。市職員が監視し、早い時は翌日に捕獲できるようになった。おりに置いた餌は、リンゴ農家が間引いた実や被害地区で取り残された野菜などを提供してもらい活用した。サルにGPS付き首輪を付けるのに1匹35万円、大型おりの購入は200万円。これら費用は国の補助金で賄なった。他にGPSなどの通信費が年約50万円かかる。畑で育てていた野菜がサルの食害に遭っていた同市社の下川清志さん(70)は、22年春に猿害対策協力員になり、GPS情報を活用して追い払いをした。被害がなくなり、「猿害が心配で夫婦一緒に出かけられなかったが、今は泊まりで行ける。安心感が違う」と喜ぶ。市農林水産課の伝刀章雄さん(52)は「GPSでサルの動きも成果も見えることで、住民と猟友会員、市職員の連携が進んだ。群れの管理を続けないとまた増える。狩猟免許を持つ職員を配属した今の態勢を維持できるかが課題だ」と話した。

(アライグマによる農業被害、過去2番目の約1億4400万円:北海道)
特定外来生物のアライグマによる道内の農業被害は、昨年度、過去2番目に大きいおよそ1億4400万円にのぼったことがわかりました。アライグマは繁殖力が強く生息範囲を拡大させているということで、道は対策を強化することにしています。北米原産のアライグマは、かつてペットとして日本に持ち込まれましたが、その後、捨てられるなどして野生化し、現在は特定外来生物に指定され駆除の対象となっています。道が行った調査では、昨年度、アライグマがスイートコーンや果物などを食い荒らす農業被害はおよそ1億4400万円にのぼったことがわかりました。これは過去最大となったその前の年度よりは500万円ほど減りましたが過去2番目となっていて、被害は増加傾向にあるということです。昨年度の被害額を振興局別でみますと、最も多いのは▼上川で3600万円、次いで▼空知が3400万円、▼胆振が2400万円などとなっています。道によりますとアライグマは繁殖力が強く生息範囲を拡大させているということで、市町村と連携しながら繁殖期の春の捕獲を強化するなど対策を進めることにしています。

(イノシシ増加中?冬の人里に出没、目撃情報は前年の3倍:長野)
真冬の人里に出没したイノシシ。県環境保全研究所の黒江美沙子さんによりますと、イノシシは冬眠をせず、冬場でも活発に動き回ると言います。

(ヒグマ目撃通報1・8倍の69件:北海道)
天塩署管内4町(天塩、豊富、幌延、遠別)の昨年のクマに関する通報件数が69件に上り、前年(38件)の1・8倍となったことが同署のまとめで分かった。個体数増加に加え、昨年5月に上川管内幌加内町の朱鞠内湖岸で、釣り客がヒグマに襲われ死亡するなどクマによる人身事故が複数発生したことも通報件数増加の要因とみられる。

(イノシシの出没相次ぐ、「豚熱」で激減も頭数回復し目撃情報3倍に)
長崎市を走行中の車に搭載されたドライブレコーダーに、車の前に飛び出し、接触するイノシシが捉えられた。長野では21日、記者が神社でイノシシに遭遇した。記者の方をチラリと見ていた。冬眠の習性がないイノシシは、山に雪の降るこの時期こそ、餌を求めて人里に現れる機会が増えるという。しかし、「冬だから」で説明がつかない事態も起きている。長野市では、2023年11月から12月末までの目撃情報が、前の年の3倍以上に急増している。そのわけは、今が激減していたイノシシの数が回復している時期だからだという。専門家は次のように指摘する長野県環境保全研究所・黒江美紗子博士:「豚熱でイノシシの生息密度がすごく下がった時期があった。増殖率がとても高い野生動物。年々、目撃数は増えていくと思う」。今後さらに人里での目撃が増える可能性もあり、見かけても近づかないことが重要だ。

(シカ関連事故144件、夜間7割「減速を」:北海道)
稚内署は2023年に同署管内で発生したエゾシカに絡む交通事故の発生件数をまとめた。前年比6件増の144件で、そのうち夜間の発生が全体の7割を占めた。前年の150件に次いで過去5年で2番目に多かったが、負傷者はいなかった。

(鳥獣駆除にAI・ドローン 実証で離島モデル:岡山)
岡山県笠岡市の離島・真鍋島で人工知能(AI)やドローンを組み合わせた鳥獣被害対策の実証調査が大詰めを迎えている。建設コンサルタントのエイト日本技術開発(岡山市)やシステム開発のシステムズナカシマ(同)、地元の駆除グループなどが協力。人口減少や高齢化で担い手の確保が難しくなる中、農作物被害などが拡大しやすい離島の特性を踏まえ、他地域にも応用できるモデルを築く。

(AIカメラでイノシシを捕獲、加美農業高校生徒のアイディアが最優秀賞:宮城)
農業にイノベーションをもたらすアイデアを競う学生向けコンテスト、アグリテック甲子園で宮城県加美農業高校の生徒が最優秀賞を受賞し、地元の色麻町に報告しました。色麻町役場を訪れたのは、加美農業高校農業機械科の生徒3人です。アグリテック甲子園は、高校生や大学生が最新技術を使って農業の課題を解決するアイデアを競います。加美農業高校の生徒は、地域と連携した獣害対策をテーマにイノシシを捕獲する箱型のわなのアイデアなどを発表し、最優秀賞を受賞しました。箱型のわなはイノシシ以外の動物を誤って捕獲してしまうほか、見回りに手間がかかるといった課題があります。このため、AIカメラでイノシシだけを判別して扉を閉め捕獲をメール通知するわなを開発しました。人の手間を掛けずに効率的にイノシシを捕獲することができます。審査では、既存の技術を組み合わせて完成度と実現性の高い対策を提案したことが評価されたということです。加美農業高校鎌田和希さん「一番はうれしいという気持ちと、感謝の気持ちでいっぱいです。色麻町に設置してある箱わなに、私たちの技術を全台設置できるようにできたらいいなと考えています」町はわなの精度や使いやすさを検証した上で、導入を検討したいとしています。

(ヒグマ駆除区域10キロに、人里近くの個体数減へ:北海道)
道は26日、ヒグマの出没抑制を目的に残雪期の2月から始める今季の捕獲促進事業「春期管理捕獲」の概要を発表した。冬眠中を狙う「穴狩り」や親子グマの駆除を許可する区域を人里から最大10キロ以内とし、1年目だった昨季の最大5キロ以内から拡大する。駆除活動をより活発にできるようにして人里近くの個体数を減らす考えだ。

(農作物荒らすアライグマ、県が捕獲強化:福岡)
福岡県は2024年度から、県内で増加傾向のアライグマの防除(捕獲)を強化する。捕獲者を狩猟免許を持たない人にも広げる。県は今後、毎年400人の捕獲の担い手をつくりたい考え。外来生物法は、生態系、人の生命や身体、農林水産業への被害を及ぼす海外由来の159種(2023年9月時点)を「特定外来生物」と定める。そのうち、27種が県内では確認されている。鳥獣保護管理法では、狩猟免許の取得者や農林水産業の被害防止のために都道府県などに許可を得なければ、鳥獣や哺乳類の捕獲を禁じている。一方、23年4月に施行された改正外来生物法は都道府県に対し、特定外来生物の被害防止策を講じるよう定めた。県が根絶を目指す特定外来生物を国に届け出れば、狩猟免許を持たなくても講習会などを受けた人は捕獲できる。県は23年度、優先防除対象にアライグマを選んだ。近年、アライグマの生息数が増加していると推定され、被害も増加。22年度の発見頭数は3470頭(17年度比で約4倍)、農作物の被害は約2549万円(同1・8倍)に上る。アライグマは繁殖力が強く、病気を媒介する可能性もある。県内では既に有害鳥獣として防除に注力する市町村もあるが、県は効果的に生息数を減らすため全県で統一的に取り組む必要があると判断。2月にも防除実施計画を策定し、参加する市町村を募っている。今後は地権者らの了解を得れば、山林や農地以外の市街地、河川などでも捕獲のため箱わなを設置できる。福岡市内で18日、初めて開かれた防除講習会には約70人が参加した。アライグマの外見の特徴、食べるもの、箱わなの設置方法、餌の種類などについて説明があった。参加した糸島市の農業、中園義弘さん(77)は、約3年前から栽培するミカンやクリなどが被害を受けた。「全部やられて頭にきた。狩猟組合にも捕獲を依頼してきたが、自分でも捕獲できたら」と参加理由を語った。そのうえで「自分のところでもこれだけの被害があるのだから、県内には何十倍もいるんだろう」と防除の重要性を指摘した。

(ドローン映像駆使したハイテク駆除もハンター数は年々減少・高齢化:北海道)
北海道内で生息数が増え続けているエゾシカ。カギとなるハンターの現状とは?今月、札幌市南区の山林で行われていたのは、ハンター90人を動員した「大規模なエゾシカ猟」です。近年、果樹園や田畑を食い荒らすなど、エゾシカによる農業被害が増加。有害駆除による、頭数制限が切迫した課題となっているんです。猟友会札幌支部 玉木康雄理事「雪が少なくなったおかげで、エゾシカの生息率、特に産まれた子ジカの翌年までの生存率が非常に高くなっている」。エゾシカの増加による被害の実態と、防ぐには何が必要なのか、もうひとホリします。道内のエゾシカ生息数は、推定で現在72万頭。ここ数年は、増加傾向にあります。これにより増えているのが、農林業被害。道内でも、果樹園の果物や農作物が荒らされるなど、昨年度は48億円の被害が出ていて、3年前と比べると、およそ10億円増加しているんです。この農業被害を少しでも防ごうと今月行われたのが、大規模なエゾシカ猟です。札幌市南区で実施されたのには、特別な理由が…。猟友会札幌支部 玉木康雄理事「この地域には農業が集中している。山に下りてきて農業被害が顕著に出るので、南区で実施することは、地域の農業被害を軽減していく、そのためにもここで開催する意義がある」。今回は、猟友会札幌支部のハンター90人が参加。ドローンも活用され、モニターに写ったリアルタイムの映像を見ながら、本部の責任者が現場のハンターに無線で指示を出します。猟友会札幌支部 玉木康雄理事「ハンターの数はかつてに比べて半減している。人手が足りなくなってきた分はハイテクを使った形でカバーしながら、今までの猟の知識に加えて先端技術を使って、どんなことが展開できるか」。ドローンの映像を見ながら現場のハンターに指示を出す本部の責任者「群れが2群動いてます。移動していますので、1軍はCの2~3(エリア)、もう一軍はDの2~3(エリアを警戒)」。ドローンには温感センサーが搭載!シカが色付きで表示されるため、上空からでも簡単に見つけ出す事ができるんです。本部の指示に合わせて、ハンターも準備。この日は、およそ2時間で16頭の雌ジカが駆除されました。猟友会は増えるエゾシカとの「距離感」が重要といいます。猟友会札幌支部 玉木康雄理事「密度を下げることによって、農業被害を直接減らすことがまず1つ。次は、人間の姿に対して野生動物があまりにも接近してきている状況があります。人間が怖い相手なんだということを分かってもらう。野生動物との距離感を保つためにも(駆除を行う)意味があると思います」。さらに、エゾシカの増加は、ほかの野生動物にも影響が…。酪農学園大学で野生動物の生態を研究する佐藤喜和教授は、エゾシカの増加によって、今後、クマによる被害も増えていくのではと指摘します。酪農学園大学 佐藤喜和教授「列車事故・交通事故・狩猟・駆除によって発生するシカの死骸があって、クマが臭いを嗅ぎつけて、結果的に道路・線路・畑の近くといった、人の暮らす場所の近くにクマが出てきやすくなることはあると思います」。さらに、今年はエゾシカ対策に影響を及ぼしかねない、あることが懸念されています。酪農学園大学(エゾシカ協会 副会長) 伊吾田宏正准教授「エゾシカ・ヒグマをはじめとする野生動物対策について、甚大な影響を及ぼすことを危惧しております。改正案に強く反対します」。いま開かれている通常国会に提出される予定の「銃刀法」改正案。この改正案では、主に経験の浅い“若手ハンター”の多くが使用している「ハーフライフル銃」の規制が強化される内容となっています。酪農学園大学(ヒグマの会 事務局長)  佐藤喜和教授「ハーフライフル銃が使えない場合、なかなかシカが捕れない。成功体験がなかなか積めないので、途中で辞めてしまう人も増えるし、若い人たちが増えていくことが重要ですが、ハーフライフル銃の規制はそれにブレーキをかける方向の規制」。被害が増えているエゾシカですが、道や猟友会が対策に取り組む一方で、検討されている「銃規制」があります。日本で所持が許可されている銃の中では、ライフル銃が最も威力が高く、命中率も高いのですが、小動物などを撃つ散弾銃などを連続10年以上の所持していることが条件であるため、道内で害獣駆除などを行う若手や初心者の多くは、散弾銃の3倍ほど射程距離が長い「ハーフライフル銃」を使用しています。しかし、ここ数年、銃を使った事件が相次いだことから、散弾銃を連続10年以上所持しないとハーフライフル銃を持てなくする銃刀法の改正案が、いまの通常国会に提出される予定です。そして先週、道などが改正案に反対する要望書を警察庁などに提出したところ、「持つべき人には所持許可を与えられる仕組み作りをしていく」と回答があり、必要な地域に限って許可申請を受け付ける案が検討されているということです。さらに、ハンター数の減少・高齢化も問題になっています。北海道猟友会によると、1978年に1万9000人以上いたハンターも、現在は5300人ほどにまで減少しました。そのおよそ半数が、60代以上なんです。ただ、暗い話だけではなく、明るい兆しもあります。ハンターになりたい若手の受験希望者が近年、増加しています。2023年に行われた狩猟免許試験には、北海道内から1276人の申し込みがあり、コロナ前の2019年と比べても500人近く増加しました。  シカ対策は、短期間ではなく、継続して行う必要があります。対策の効果が出始めても多くの人が関心を持ち続けることが重要です。

(「湯の花」でイノシシ対策:長崎)
長崎県東彼東彼杵町は1月14日、観光振興や地域課題の解決を目指すビジネスプランコンテストを同町で開いた。グランプリに、温泉の沈殿物「湯の花」で作る忌避剤「鳥獣コンコン」を使い、そのぎ茶のイノシシ被害防止を提案した県立島原翔南高(南島原市西有家町)の湯の花チームが選ばれた。町が十八親和銀行の協力で開き2回目。町内外から学生や社会人計34組の申し込みがあり、勉強会や調査を経てプランを練り上げた。予選を通過した11組が登壇した。同チーム(7人)は「総合的な探究の時間」に有害鳥獣対策を学んでいる。秋田の高校がカラスの忌避剤として硫黄石で成果を挙げたことに着目。硫黄分を含む雲仙温泉の「湯の花」で忌避剤を作り、カラスやアナグマ被害に悩む南島原の果樹園などで半年間検証。鳥獣が寄り付かないなどの効果が確認できたという。さらに費用は電気柵と比べ1ヘクタール当たり、8万5千円軽減されると試算。東彼杵町でも使ってもらい「そのぎ茶の生産に貢献したい」と提案した。賞金は20万円。審査委員長の岡田伊一郎町長は「非常に多くの方が困っている。ご協力をいただければ」と講評。代表の同校3年、原田佐由美さん(18)は「まさかという気持ち。野良猫や家庭菜園で困っている人にも役立つと思う」と述べた。

(希少チョウ守る、シカ食害防止ネット設置:宮崎)
県内では高千穂町・五ケ所高原にしか生息しないチョウ「ゴマシジミ」を守ろうと、有志グループ「五ケ所高原ゴマ姫の草原を守る会」は14日、生息地へのシカの侵入を防ぐネットを設置した。ゴマシジミが卵を産み付ける植物ワレモコウがシカの食害に遭い個体数を減らしているためで、県から受託し実施した。

(臭いで害獣撃退、農家救う:千葉)
バイオマス発電の廃液を活用し、イノシシなどの有害鳥獣が寄りつかなくなる強烈な臭いを放つ液剤を開発。環境や動物に負担をかけない方法で高い効果を発揮し、深刻な被害に悩む県南部の農家や全国各地の自治体を救っている。東京都出身。リゾートホテルで会員権を販売する仕事に携わっていた2010年ごろ、仕事の関係で静岡県のゴルフ場を訪れた際、フェアウエーが重機で耕されたように荒らされていた状況に驚いた。後にイノシシの仕業と知り、衝撃を受けた。「社会的に大変な問題。何とかできないか」。

(いばらきアライグマ対策セミナーを開催します!:茨城)
しましまのしっぽに黒いアイマスク。手先が器用で可愛らしい見た目のアライグマ。そんなアライグマですが、もともと日本にはいない動物で、国が指定する特定外来生物です。今、全国でアライグマが増加し、在来の生態系への影響や病気の媒介のほか、農作物や住居、文化財の被害などが大きな問題となっています。本県でもすでに全域に分布が拡がり、農作物被害のほか、市街地や人家への侵入も確認されています。そこで、この度、「いばらきアライグマ対策セミナー」と題して、アライグマの生態や被害を防ぐ方法などの基礎知識について学び、現状への理解を深めていただくセミナーを開催します!地域を守るため、まずは知ることがはじめの一歩です。アライグマについて一緒に考えてみませんか?ぜひご参加ください!

(タイワンリス生息域拡大阻止:神奈川)
農作物などへの被害をもたらす特定外来生物「クリハラリス(タイワンリス)」について、神奈川県が生息域拡大を防ぐための防除実施計画作りを進めている。在来種のニホンリスなどの生息地となる県西部の山塊に侵入、定着した場合の生態系への影響が懸念されており、県内を定着段階に応じて3つの区域に分けて市町村と連携して効果的な捕獲などを推進する。2月には市町村の同意を得て計画をまとめ、4月から実行に移す方針。県によると、木々の樹皮が食害などにあって立ち枯れになったり、庭の果実や電話線などがかじられたりする被害が確認されている。主な生息地となっている横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町が捕獲や処分といった防除について計画を策定し、外来生物法に基づき実施してきた。その他の県内自治体では鳥獣保護管理法に基づく捕獲が行われている。県は在来種であるニホンリス、ムササビなどの生息地である県西部への侵入、定着を防ぐためには各自治体と問題認識を共有して広域的な観点で防除を行う必要があると判断し、県全域を対象にした防除実施計画の策定に踏み切った。計画の素案では タイワンリスの定着段階を踏まえて横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町を「高密度区域」▽横浜市、川崎市、大和市、藤沢市、茅ケ崎市を「分布拡大区域」▽両区域以外のエリアを「侵入警戒区域」に設定。それぞれの区域ごとに目標、必要な取り組みを掲げる。高密度区域では従来の防除の取り組みでノウハウも蓄積されているとし、今後も手を緩めずに被害の低減を図るとしている。

(タヌキやハクビシン捕獲のコツは?:栃木)
宇都宮市内で相次ぐタヌキやハクビシンなど野生動物の被害を受け、市は28日、市民向けの対策研修会を開く。野生動物それぞれの好物といった生態系の解説のほか、市の支援制度を紹介し、被害拡大の防止につなげる。研修会は2会場あり、瑞穂野地区市民センターで午前10時~正午、富屋地区市民センターで午後2~4時。農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーでもある、野生生物研究所ネイチャーステーション代表の古谷益朗(ふるやますお)さん=埼玉県=が講師を務める。

(捕獲した野生鳥獣を加工・冷蔵できる車両を公開:群馬)
ジビエ(野生鳥獣肉)の普及拡大に向け、日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)は23日、群馬県高崎市のGメッセ群馬で、自治体担当者や食肉処理施設職員らを対象にしたセミナーを開いた。衛生管理の注意点や活用事例を紹介したほか、捕獲した野生鳥獣を車内で加工・冷蔵保存できる新型の「ジビエカー」を県内で初公開した。冒頭、同協会の藤木徳彦代表(52)は、2016年の鳥獣被害防止特措法の一部改正により、野生鳥獣を駆除するだけでなく、食肉として利用する動きが加速したと指摘。「捕獲したシカやイノシシをいかに地域資源として活用し、お金に換えていけるかが重要だ」とした。同協会の会員がジビエの処理を行う食肉処理施設は全国に810施設あるが、シカやイノシシの捕獲頭数に対する食肉利用率は10%程度にとどまることを説明。

(「ジビエ」の正しい衛生管理などを学ぶセミナー:群馬)
近年注目を集めている、シカやイノシシなどの野生動物の肉、「ジビエ」について正しい衛生管理の方法などを学ぶセミナーが高崎市で開かれました。このセミナーは、日本ジビエ振興協会が「ジビエ」の正しい衛生管理や処理の方法などを知ってもらおうと企画し、県内の自治体や食肉処理施設の関係者など50人あまりが参加しました。セミナーでは協会の担当者が、捕獲する時は感染症対策として必ず長袖・長ズボンを着用することや、解体・処理する際は工程ごとに着衣や器具などをわけて使い、衛生管理を徹底するように呼びかけていました。また、会場の外では野生動物の処理から冷凍まで、一連の作業ができる移動式の車「ジビエカー」が展示されました。車には解体作業などを行うための動物を吊り下げるフックが取り付けられているほか、動物を洗浄するシャワーなども備えられていて、参加者たちは写真を撮るなどしながらその機能を確認していました。主催した日本ジビエ振興協会の藤木徳彦代表理事は「ジビエに関する正しい知識を学ぶことができる場はまだまだ少ない。自治体にはジビエに関する相談も多いと思うので、きょうの内容をぜひ生かしてほしい」と話していました。

(「人里で仕留めてもうれしくない」マタギの嘆き:秋田)
かつて人と動物のすみかを分け隔てていた里山が衰退し、野生動物が急速に人間の生活圏に近づいている。クマによる人身被害の急増は、人と野生動物は共生できるのかという根本的な問いを、私たちに突き付けている。「山が押してきた」。伝統的な方法で狩猟をする「マタギ」の発祥地とされる北秋田市阿仁(あに)地区。9代目マタギとして家業を受け継ぐ鈴木英雄さん(76)は、クマが人里に下りてくるようになった現状をそう嘆いた。2023年11月初旬。民家近くの空き地で鈴木さんが空を指さした。「あれ、なんだかわかる?」栗の木に巨大な鳥の巣のようなものがある。木に登ったクマが、実を食べるために枝を折った際にできる「クマ棚」だ。地面には根元から引き裂かれた枝や、栗の殻が散らばっていた。「きれいに食べている。クマは本当に賢くて器用だ」。鈴木さんは目を細めた。秋田県では同年4~12月、クマによる人的被害が62件と過去最多を記録した。阿仁地区でも人里に出没するクマが増えた。鈴木さんは10月、民家のそばや線路沿いで何頭ものクマを目撃した。車や人が近くを通っても逃げるそぶりを見せず、一心不乱に食べ物を探していた。バス停に座り込んでいた場面にも出くわした。「クマがバスを待っとる」。住民とそんな軽口を交わしたが、胸中は複雑だった。

(「アーバンベア」監視するのはAI:福島)
暗闇の中を4本足で動き回る黒い影。地面に顔を近づけ、何かを探しているかのような仕草だ。次の瞬間、光が明滅し、耳をつんざく電子音が鳴り響いた。ツキノワグマは慌てた様子で走り去った。これは会津大(福島県会津若松市)の斎藤寛教授(情報学)が、画像認識人工知能(AI)とカメラを搭載した装置で研究している「野生動物検出システム」の実証実験の様子だ。2023年度は福島県内の畑や通学路など16カ所に屋外カメラを設置した。AIは事前にクマの動画などを読み込んで学習しており、クマを感知するとランプが点灯し、犬の鳴き声やサイレンなど14種類の音がランダムに鳴る。登録者にはメールで画像付きの情報を送信し、クマの出現を知らせる仕組みだ。斎藤教授は会津若松市内でクマの出没が増えたことをきっかけに20年度から研究を始めた。音や光は近くの人に動物の侵入を警告するのが目的で、追い払う効果はあくまで副次的だ。クマは音に慣れる傾向があるといい、斎藤教授は「いったん逃げたクマが数時間後にまた来るケースもあった。においなどクマが嫌がる刺激を合わせることも重要だ」と話し、実用化に向けて改良を重ねている。23年は、クマによる人身被害が各地で相次いだ。環境省によると、同年4~12月の被害は19道府県で196件、死者6人を含む217人に上り、記録が確認できる06年以降で最多だった。特徴的なのが市街地に出没する「アーバンベア」の増加だ。

(狩猟経験少ないハンター対象の研修実施:千葉)
イノシシやキョンなど野生動物による農業などへの被害が相次ぐなか、狩猟の経験が少ないハンターを対象とした研修が千葉県君津市で行われ、熟練のハンターから実際に設置されたわなで動物を捕獲する手順などが伝えられました。この研修は、野生動物を捕獲するハンターの人材不足を解消しようと、狩猟免許を取得しているものの、狩猟の経験が少ないいわゆる「ペーパーハンター」を対象に、去年11月から県が開いています。これまでは座学や見学などが中心でしたが、24日は4人の参加者が熟練のハンターとともに山に入り、動物を捕獲する現場で実習を行いました。参加者たちは山の中に実際に設置されているわなを一つ一つ見回り、今回はわなにかかっている動物はいませんでしたが、わなを設置するコツや動物を捕獲する手順などを学びました。わなの中だけでなく、外にもエサを置くとわなにかかりやすくなるという説明に対し、参加者はエサを取り替えるタイミングなどについて質問していました。このあと、22日、わなにかかっていた動物を使って、動物を処理する手順の説明も行われ、参加者たちは写真を撮るなどしながら熱心に聞いていました。館山市から参加した20代の男性は「狩猟免許を取ったものの実際に始めるには難しさがありましたが、わなの掛け方や、捕まりやすくするコツを知ることができて勉強になりました」と話していました。千葉県自然保護課の市原岳人副課長は「野生動物による被害は深刻な状況で、捕獲に取り組むうえでは担い手の確保が課題になっている。研修を通して実践的な捕獲技術を身につけ、担い手になってもらいたい」と話していました。千葉県内ではイノシシやサル、それに、中国などに生息するシカ科の特定外来生物「キョン」など、野生動物によるさまざまな被害が問題になっています。イノシシに稲が踏み荒らされたり、サルに野菜が食い荒らされたりする被害が相次ぎ、県によりますと、県内での野生動物による農作物への被害は、昨年度1年間で額にしておよそ2億7000万円に上るということです。また、キョンはイモなどの農作物の被害とともに、「ギャー」という特徴的な大きな鳴き声によって、住民の生活環境への影響が広がっています。キョンは本来、日本には生息していませんが、1980年代以前に勝浦市にあった観光施設から逃げ出したものが房総半島で大量に繁殖したとみられています。生息数はこの10年間で2倍以上に急増し、昨年度の県の推計ではおよそ7万1500頭に上っています。県によりますと、これまでに生息が確認されているのは、房総半島を中心とした17の市と町に上るということです。このほか目撃情報は県北部の成田市や柏市で寄せられ、さらに近年は茨城県内でもたびたび目撃されていて、生態系への影響も懸念される中、生息域の拡大を食い止める対策が課題となっています。

(シカ、食害深刻:福島)
「樹皮が剥がれているのはシカに食べられたからです」。自治体向けの鳥獣コンサルティングなどを手がけるボルダー(南会津町)社長の千本木洋介(35)は下郷町の山中でこう話した。周辺には枝が折れ、木や下草がない場所もある。ほとんどがシカが食い荒らした跡だという。シカはかつて、県内であまり確認されていなかったが、近年、南会津町を中心に生息数が増加している。環境省の調査では、シカが同町に移動してきたのは20年ほど前で、2010年ごろには住民もシカを見るようになった。その後も生息数は増え続け、県によると、裏磐梯周辺でも増加傾向にあるという。生息数の拡大に伴い食害も深刻だ。南会津町によると、14年の農作物の被害額は約140万円だったが、19年には約570万円と4倍ほどになった。食害の影響は農作物に限った話ではない。「潜在的な林業被害のリスクが拡大している」と千本木は指摘する。シカは木の下に生える草や低い場所にある木の葉を好む。現在は背の低い「下層植物」の減少が目立つが、食害が進めば森林の多くの植物が食い荒らされ、生態系の変化や土壌流出の恐れが出てくる。南会津町のシカはどこから来たのか。福島大などが行った調査で、隣接する栃木県日光市に加え、ほかの地域からも移動してきていたことが分かった。40年近く前から生息が確認されている日光市からは予測できたが、ほかの地域は想定外だった。同大共生システム理工学類准教授の兼子伸吾(45)は「ほかの地域に由来する個体が確認されたことが(調査の)成果」と強調する。複数の地域に由来するシカが交ざり合うと、遺伝的に分布が拡大することを意味するという。「シカが増えて県内に広がっていくのは間違いない」。生息域が拡大した原因は明らかではないが、天敵のオオカミの絶滅や狩猟者の減少、暖かい日が続いて積雪量が減少し、雪を苦手とするシカが活動しやすくなったことが考えられる。シカの食害は各地で問題となっている。東京・奥多摩地域では04年、裸地化した森林から大量の土砂が大雨によって流出した。広がる食害に、千本木は「森林に与える悪影響は大きい。農業被害に加え、森林のことも考えていくべきだ」とする。兼子は広域的な対策の必要性を訴え「現状をしっかり把握した上で対策することが必要だ。南会津の状況を学び、生かしてほしい」と言葉に力を込めた。シカによる森林被害 シカの口が届く高さの枝葉や下層植物が食べられ、なくなったりする。林野庁によると、北海道から九州まで日本各地で被害が確認されており、野生鳥獣被害の約7割を占める。

(“動物と人間の関係”を河﨑秋子と安島薮太が語る)
北海道で乳牛66頭を襲い、世間を騒がせた「OSO18」のほか、日本全国各地で熊による人身被害が発生した2023年――。害獣駆除に賛否の声が上がり、動物と人間の共生が注目された。そうした背景を踏まえ、猟師を題材にした小説『ともぐい』で第170回直木賞を受賞した河﨑秋子さんと、漫画『クマ撃ちの女』の作者・安島薮太さんが、命に対する様々な価値観を語り合った。熊や鹿などによる被害や猟師の存在、そして動物への愛着などが交錯する二人の想いとは?河﨑 私の実家は北海道の別海町で酪農をやっているのですが、OSO(オソ)18が出没した標茶町の隣町なんです。車で1時間ほどかかるので、離れてはいるのですが、こちらに来たとしてもおかしくはない位置関係でした。ただ、放牧中の牛や馬がヒグマに襲われ、尻を噛まれたり引っ掻かれたりすること自体は、さほど珍しいことではないんですよね。安島 僕が取材でお世話になっている猟師の方も、OSO18は特別ではなく“通常運転の熊”という言い方をしていました。たまたま被害が大きくなってしまったんだろう、と。OSO18に関しては、メディアが「怪物」を求めたような印象も受けました。熊の目撃例が全国的に増えていますけど、それは実感します? 河﨑 私が子どもの頃よりは確実に増えています。ただ、うちの地域では、お互いに干渉しない関係は維持できているんですよ。それだけに、2021年に札幌市の東区でゴミを出している最中に人が襲われたというニュースを見たときは、すごくショックを受けました(注:東区で人が熊に襲われたのは1878年以来143年ぶり)。集落のなかで暮らしている人間が安心できなくなるというのは、ものすごく印象的な出来事でしたね。安島 実際に熊を目撃されたことはありますか? 僕は動物園でしか見たことがないんです。河﨑 大体200メートルほどの距離で目撃したことがあります。大きな川沿いの、橋を渡ったあたりで、道路を横断していました。夏前でやせ細っていたし遠目だったので、最初は犬かと思ったんですが、どうもサイズが違う。さすがに「やばいな」と思いました。安島 200メートルは怖い。僕は取材中にデントコーン畑(とうもろこしの一種)で熊の糞を見つけただけで、もう怖くて仕方がなかった。害獣の駆除が報道されると「可哀想だ」とか「ほかにやり方はなかったのか」と言われますけど、それは安全圏で見ている人の意見じゃないかな、と思います。河﨑 その感情は人間特有の優しさだと思うので、なきゃいけないことなんですけれども、それを現場で苦労している人にぶつけるのは違いますよね。ただ、私は『ともぐい』を物語として書いたのであって、熊への注意喚起のために書いたわけではないんですよ。安島 僕の場合はちょっと違っていて、というのも長期連載のマンガの場合、連載中に何か事件や出来事があれば、その時々で自分の考えを作品に込められるんですよね。だから「熊を舐めている奴を怖がらせたい」という意図も、じつは少しだけありました(笑)。とはいえ、熊は怖いだけじゃないとも言いたいので、それはこれから描いていくところですね。注意喚起という点では、11巻の巻末のおまけマンガは、まさにそのためだけに描いたんです。河﨑 あれは本当に実用的で、興味深く拝読しました。河﨑 安島先生は、どういった発想から『クマ撃ちの女』を描かれたのですか? 安島 いちばんベースにある考え方は、自然と人間の関係性を描きたいということでした。もともとは動物商、つまり動物を売る人間を主人公にしたマンガを描こうとしていたところから変遷があって、現在の形にたどり着きました。だからテーマ自体は最初から変わっていなくて、「人間は動物をどう扱うのか」みたいなものですね。河﨑 私は明治から大正初期にかけての北海道の文献を読むのが好きで、そういったものを読んでいると、どうしても「熊の被害はセット」みたいなところがあるんです。いまよりも性能のよくない銃を使い、電気柵もないところで家畜を飼い、どうやって生き抜いてきたのか。人間がどのように動物に相対してきたのかに興味を持っていまして、それで14年前に熊に関する小説を書きはじめたんです。「人間は動物をどう扱うのか」というテーマは、どこから着想を得たのですか? 安島 いま学校教育では、動物の命の大事さや平等を道徳として教えますよね。しかし、親戚の家が肉屋を営んでいたのですが、そこでは害になるネズミとかをバンバン殺していたわけです。割と雑に。そういったものを幼少時から目の当たりにして、「あちらとこちらで言っていることには齟齬があるな」と。その矛盾について考え続けていたんです。幼少期の体験というのは大きいかもしれません。河﨑 私の場合、子牛が生まれたときに、両親から「名前をつけるんじゃない」と厳しく言われました。真っ白な子が生まれると、やっぱり「シロ」と名付けたくなるじゃないですか(笑)。でも、雄であればすぐ肉になるし、雌として10年近く乳を出してもらったとしても、最後は必ず肉になるんです。安島 ああ、やっぱり名前をつけると愛着が湧いちゃいますよね。河﨑 結局は、人の食べるためのものをアウトソーシングし、生き物の命を奪うために育てているというのが本質だと思うんですよね。ただ、人間が動物にどういう感情を抱くか、そこに人間性が炙り出されると思います。安島 本当にそうだと思いますね。河﨑 『クマ撃ちの女』は、猟師さんの癖の強さがそれぞれ描き分けられている点がすごいですね。同じ猟師であっても、キャラクターによって動物の扱い方がそれぞれ違う。どう扱い、どう殺すか。つまり「動物の殺し方」ですよね。目を逸らさずにそこを描かれているのが素晴らしいです。安島 ありがとうございます。『ともぐい』を読んだときには、河﨑先生も同じことをやろうとしているように感じられて、それで嬉しかったんです。河﨑 現代では、まったく狩猟に触れなくても生きていくことは可能じゃないですか。実際に狩猟免許や銃砲所持許可を取得するには、手続きや審査のハードルがすごく高い。それでも、あえて野生動物を狩猟することに意味があるとしたら、どういったものなのか。『クマ撃ちの女』では、それが物語の芯に通底していて、まさに現代日本で狩猟をする意味がすごく如実に描かれています。しかもそれが主人公の視点だけではなく、いろいろとあり、ときに衝突もしますよね。『クマ撃ちの女』ですごくリアルだなと思ったのが、主人公チアキの狩猟犬が熊に怪我を負わされて、動物病院に担ぎ込む回です(第6巻収録第43話)。安島 獣医師が「治っても狩猟は無理かもしれません」「安楽死…させますか?」と問いかける回ですね。河﨑 手術が成功して狩猟犬が一命をとりとめたときに、チアキが「またクマが撃てますぅ!」と言うんですけど、それに対して獣医師が「……連れて行くのは構いませんけどね 本当に気をつけてあげてください」と冷静に注意する。回復した狩猟犬を再び狩猟に連れていくかどうかチアキがひとりで内省的に思い悩むのを描くのは簡単ですけど、第三者がちゃんとその立場にふさわしいことを言って、きちんと釘を刺してくれているんですよね。安島 いまの社会では、動物をものとして扱ってはいけない風潮があるじゃないですか。でも、使役動物として扱う側面もあるので、その両面を見せたい、という気持ちがあるんです。世間一般では、犬は愛玩動物として扱われますけど、狩猟犬は使役動物ですから、同じ動物なのにその違いを端的に出せますよね。河﨑 私は1年間ニュージーランドに行って、住み込みで牧羊を教えてもらったことがあるんですけど、牧羊犬というのは、狩猟本能に蓋をして牧羊をさせるんですよ。新しく子犬を引き取ってきたときには、やっぱり子犬だから可愛がりたくなるんですけど、「やめなさい」と言われました。牧羊犬にするために褒めることは大事だけど、必要以上に可愛がると牧羊犬としての働きができなくなってしまう。そうなると「お前が自分で撃ち殺すことになるんだよ」と諭されました。安島 ペットとして甘やかしすぎて番犬が務まらない、なんて話はよく聞きますよね。河﨑 使役犬としての犬は、その目的のために適切に使わないと、結局は役に立たないものとして、その個体を殺さなきゃいけなくなるんです。安島 その一方で、「可愛いだけ」というのも役割なんだな、とも思うんです。最近、実家がペットとして犬を可愛がっているんですけど、そばにいるだけで人間の役に立っている。これだけ人間に懐く動物も珍しいですよね。河﨑 そうした命に対する異なった価値観が、先ほどあげたシーンの、たった2コマの中に凝縮されているところが素晴らしいんです。河﨑 『クマ撃ちの女』の連載開始後、たとえば動物愛護団体などからクレームは来ましたか? 安島 いや、いまのところないです。河﨑 テレビや映画では、主人公がタバコを吸っているシーンがあるだけで規制がかかるような風潮がありますが、『ともぐい』は明治時代が舞台なので、それでコンプライアンス的な観点から平等を求められるようなことが和らぐかな、という意識が、じつは少しありました。明治時代の話であれば、人間の欲望を包まずに書けるな、と。安島 そういう意味でいうと、僕は結構無茶をしていたのかもしれませんね(笑)。チアキの師匠の光本は、かなり違法なことをやりますから。河﨑 光本はいいキャラしてますね。安島 じつは『クマ撃ちの女』の連載が打ち切りになる雰囲気を、自分で勝手に感じ取っていたんですよ。だから、早いうちに描いておこうかな、と思って出したキャラクターです。河﨑 実際に違法なことやグレーなことをやっている猟師の例は、話にはよく聞きます。安島 そういったものを暴きたい、という意思はないんです。あくまでも主人公や光本個人の異常行動として描きたかった。こちらがそういう気持ちだから、取材している人も教えてくれるのだと思います。河﨑 冬の入り始めに雪が落ちてきて、林の中には笹が茂っていて、チアキはすごく慎重に進むにもかかわらず、足を引っ掛ける場面も、すごくリアルだなと思いました。安島 転ぶシーンは担当編集から「ここ要りますか?」って言われるんです。ワンパターンかなぁと思いつつも、うるせえよ、と押し返して(笑)。山に入ることは、転ぶことと同義なくらいによくあることなんです。でも、そういう情報がたくさんあっても、リアリティがあるように描けるかどうかは別で、そこに気づいていただけたのは嬉しいですね。河﨑 笹の話ひとつとっても、文章で伝えられるものと、マンガで絵として伝えられるものは、かなり違いがあって、こういう見せ方があるのかと、すごく勉強になりました。たとえば、熊が近づいてきてチアキが緊張する場面や、熊の気配を感じ取るところとか……。私も、林の中に入って山菜採りをしていたとき、なんかやばいな、これは良くないな、と思って引き返すことがありました。安島 取材でそのような話を聞いて、チアキが引き返すシーンを描いたのですが、僕自身は実感したことはないんです。やはりあるものなのでしょうか? 河﨑 あります。人間にもし動物の部分が強く残っているとしたら、そういう直感には従ったほうがいいのかな、と思います。ただ、たまに本州で山に入ったりサイクリングロードで自転車を流したりすると、北海道とは植生や野生の動物、鳥の種類が違うので、これは私にとっては完全にアウェーで、そうすると全然、勝手が違いますね。安島 『ともぐい』の主人公の熊爪は、すごく即物的な考え方をしているように感じられました。しかもそこが徹底されていて、ちょっとびっくりしたんです。河﨑 熊爪は熊に近めの人間、という意識で書いてましたね。安島 お屋敷の若い衆が熊爪を運ぶときに「余りにも臭う」と表現するのがリアルでした。ああいうタイプの主人公って、あまり多くないと思うんですが、モデルはいるんですか? 河﨑 ビジュアル的なイメージとしては、愚かしさも含めて『愛しのアイリーン』(新井英樹)の岩男ですかね。安島 岩男でしたか、すごい! 新井先生の作品がお好きなんですか? 河﨑 高校生ぐらいの頃に『愛しのアイリーン』を読んで、すごく衝撃を受けたんです。それが軸にありました。安島 『ともぐい』は、最初は明治時代の狩猟者のルポみたいな始まり方をするじゃないですか。男性視点の。ルポとして読めるくらいな情報量なんですけど、次第に人間の正体を暴こうとしているように感じたんです。その物語展開が斬新でした。熊爪は即物的で軸があり、あまり揺らぎがないように見えて……、性の問題でブレてくる。河﨑 そうですね。揺らぐほどほかの世界を知らないというか、選択肢を知らないというか。自分にはこの生き方しかないだろう、と思っていたんですが、それが女関係で揺らぐことに。安島 いやもうね、男の情けない感じも、女の怖い感じも、全部書いてある! これはマンガではできないなぁ、と。僕がやっているのは文学じゃなくて娯楽なんですけど、ちょっと負けた気がしました。河﨑 いや、そんな(笑)。安島 何かもう、濃厚なものをぶち当てられた気がしています。完璧な小説ですよ。エンタメ性があるのは大前提として、まったく逃げずに人間のあり方を書こうとしています。帯文に「熊文学」と書かれていますが、『ともぐい』はまさしく文学ですね。河﨑 『クマ撃ちの女』のラストは、もう決まっているんですか?安島 だいたいは想定してます。河﨑 安島先生の狩猟に対する視点とか、猟師さんに対する視点が、非常に公平で誠実でフラットなものですから、描き手を信頼しながら読み進めていけるんですよ。その安心感がすごくあり、物語の行く末、たとえば主人公が最初の願望をどのようにして叶えていくのか。主人公を取り巻く人たちがそれをどうやって見守っていくのか、今後も注目していきます。

(漫画「クマ撃ちの女」連載5年、取材写真で振り返る猟師のリアル)
「くらげバンチ」(新潮社)で連載中の「クマ撃ちの女」は、連載開始から今年で5年を迎えた。北海道を舞台に、主人公の猟師としての活躍を描いた同作は、描写のリアリティの点でも評価が高い。作者の安島薮太さんは、専門知識はほぼゼロの状態で企画は始まったと明かす。「クマ撃ちの女」は、主人公のハンター・小坂チアキと、彼女を取材するライター・伊藤カズキを軸に物語が進んでいく。ヒグマを仕留めることに情熱を注ぐあまり、ときに社会常識から外れた行動をとるチアキには、“復讐”という目的があった――。そんな物語の骨子を支えるのは、熊をはじめとした野生動物の習性やその解体方法、都会人には知り得ない猟師という職業の実態だ。チアキは北海道の旭川を拠点に活動しているが、実は作者の安島さん、北海道に渡った経験のないまま企画をスタートさせたという。「もともとは編集部のほうから“釣りと料理”をテーマにした漫画を描かないかという提案があったんです。そこから漁師、猟師……と担当編集が連想していきました。だからクマ撃ちはもちろん、猟に詳しいとか、特別な興味があってのスタートではありませんでした。ただ出身が愛知県の三河にあった稲武町という、グーグルマップでみると緑一色の山深い地区で、祖父もハンターでした。今も地元にいる弟が猟銃所持の免許をとった良いタイミングでもあって、2018年の4月の終わりごろから、連載に向けた準備を始めていったのです」。ヒグマ猟師・久保俊治氏のドキュメンタリー番組を観ていたことも背中を押した。「クマ撃ち」で行こうと決まった編集者との打ち合わせを終えたその足で、久保氏の著書『羆撃ち』(小学館)を買い求めた。「この本で得た知識だけで1話と2話を描きあげました。舞台を北海道に設定したのも、友人が住んでいたのがたまたま旭川だったから。東京より北へ行ったこともなかった。実は1話では大きなミスを犯しています。“主人公が追跡の末にヒグマを見つけるも撃てず、自分の匂いを消すためにフンにまみれてやりすごす”という場面があるのですが、そのクマはフキを食べていたことにしてしまったのです。あとから猟師さんに、これは絶対にないと思う、と言われてしまいました。作中の設定は秋だったのですが、この時期のフキは糖質が抜けておいしくないからクマは食べないそうです。現実で起きないことは描かないというルールでやろうと思っているのに、いきなり破ってしまった。以降はきちんとルールを守ると決めてやっています」。作品のリアリティを支えているのが、こうした「人」への取材だ。現在は、協力してくれている猟師らを含めた専用のLINEグループを作り、疑問が生じた際には逐一意見を求めている。プロットの段階でチェックを受けることもあるそうだ。人脈づくりのきっかけになったのは、主人公と同じ「女性ハンター」だった。「連載をはじめるにあたり、地元の隣の足助町(あすけちょう)に女性のハンターの方がいると聞き会いに行ったんです。ジビエ料理を出す『山里カフェMui』のオーナー・清水潤子さんです。何も予備知識がないままお邪魔したので緊張したのですが、その日、ちょうどイノシシの解体をしていて、手伝わせてもらいました。カッターナイフで作業を進めていたのが印象的でした。“力士の手術だって小さいメスでやるんだから”と猟師の方はいいますね。田舎育ちとはいえ大きな動物の死骸に接したことはなかったですから、解体現場は衝撃でした。もともと動物好きでしたし、『こういうものなのか……』と納得した記憶があります」。清水さんに漫画の相談をしたことがきっかけで、人脈はひろがっていった。この人面白いよ、と教えてもらった佐藤一博さんは、埼玉県でライフル銃などの修理販売を行う豊和精機製作所の社長だ。会いに行くと15万円くらいするモデルガンをその場でプレゼントしてくれたうえ、漫画の監修も請け負ってくれることになった。さらに佐藤さんからは、北海道の鉄砲店「シューティングサプライ」と「ハンティングネット」を紹介され、電話で取材が可能になった。主人公のチアキが山に入った装備の詳細や、師匠から譲り受けた「ウィンチェスターM70プレ64」をはじめとした、作中の銃のディテールはこうした取材のたまものだ。はじめて北海道を訪れたのは18年の12月だった。「2泊3日の弾丸旅行で、レンタカーを借りて山に行き、資料写真を撮ろうと考えていました。ところが免許証を東京に忘れてしまい……レンタサイクルを借りて『シューティングサプライ』を訪れたら、社長の山口円さんが運転手を買って出てくれたんです 。狩猟現場に連れてくださって、猟師がヒグマに襲われ、アゴが取れかけるも助かった場所などに連れて行ってもらいました。また実際に猟をしているところにもたまたま遭遇できました。鹿を狙っていたのですが、猟銃を撃つと地面の草が波形に揺れるんです。収穫でした」。翌年の1月から連載は始まったが、この時に撮影した写真を作画資料に連載開始からの1年間を乗り切った、と振り返る。当時は「ボロいコンデジとアイフォン」が取材のお供だったというが、今は一眼レフカメラとゴープロを導入している。それでも東京に居ながら北海道の物語を描くには障壁が あり、一時はいっそ拠点を北海道に移すことも考えた。これまで7回ほど現地を訪れた。「やはり地元の人にしかわからない知見というのがありますね。たとえば、次の展開で『巻き狩り』(複数人で獲物を包囲して追い詰め行う狩り)を描こうと考えていたとき。ほかの地域では季節を問わずに行うものなのですが、北海道では冬しかやらないらしいんです。北海道では熊笹が生い茂っているため、雪でつぶれて見通しが良くならないと山に入れない。猟師さんからこれを聞いて『まずい』と。作中の季節を冬にするため、ライターの伊藤を一時的に東京に帰らせ、時期を調整しました(笑)」。「クマ撃ちの女」をめぐるリアリティという点では、猟師たちの違法行為も印象的だ。日の出前の狩猟や、車中からの発砲……。禁止されているやり方に手を染め、主人公たちに“現実”を教える師匠キャラは、読者の人気も高いという。暴発を防ぐため、猟銃には獲物を見つけてから弾を込めるよう定められている。ところが主人公のチアキは、クマに遭遇したときにすぐ撃てるよう、銃に弾をこめて携帯する選択をする(のちに改める)。猟師を“自然と対峙する聖なる存在”のようには決して描いていない。「取材で見聞きした現代のハンターの姿を、ありのままに取り入れたいとの考えからです。『こんな悪辣な輩と一緒にしてほしくない』と漫画を読んだ猟師さんから言われてしまうこともありましたが、褒めてくれる方もいます。法は、人間が決めたものであって、クマや野生動物、自然はその外にいる。そういう環境に置かれた人はどう振る舞うか、ということを描きたかった」。明確な目的をもって取材するわけではなく、聞いた話や遭遇した出来事を材料に漫画制作に活かしている。「本当はいまの4、5倍は取材したい」と語る安島さんに言わせると「漫画は調べたら描ける。頭で考えるより調べて書くほうが楽。紙の前でウンウン唸っているほうが時間がかかります」だそうだ。「漫画を描き始めたのが25歳からで、青年漫画の漫画家はモノを知っていなければならないと思っていました。そのためには取材が上手くなくてはと、当時は駅で電車を待つ間にホームにいる人にはなしかけ、いろいろ質問をぶつけて『間』をもたせる訓練をしていましたね」。来月もまた北海道へ取材に行く予定だという。

(ゆっくり進む車にイノシシが突進→逃走 新車の修理費用は?)
夕暮れ時の長崎市内。車が交差点をゆっくり曲がった次の瞬間、右側から黒い影が飛び出し「ドゴッ!」と鈍い音がした。イノシシは車にぶつかった後、すぐに起き上がると道路わきの竹やぶの中へ逃げていった。衝突された車はフェンダーがへこみ、牙が刺さったのか穴が開き、イノシシの毛が挟まっていた。車は去年4月に買ったばかりで、修理費用は30万円ほどかかるという。

(「令和5年度鳥獣対策優良活動表彰」の近畿農政局管内の受賞者決定)
農林水産省は、毎年、鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しています。今般、令和5年度の受賞者を決定しましたのでお知らせします。今後、鳥獣被害対策に取り組む各位におかれましては、受賞者の活動を参考に鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用に取り組んで下さい。農林水産省は、野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況の中で、各地域における鳥獣対策を推進しています。こうした中、鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用に取り組み、地域への貢献が顕著であると認められる個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施し、優良事例を広く紹介することにより、効果的な鳥獣対策の推進を図っています。この度、令和5年度における農林水産大臣賞(2者)と農村振興局長賞(6者)の受賞者を決定しました。近畿農政局管内からは、川合地域農場づくり協議会(京都府福知山市)が農林水産大臣賞に選ばれました。なお、表彰式は、令和6年2月15日(木曜日)に農林水産省本館7階講堂において行います。表彰式は公開で、式典中のカメラ撮影も可能です。また、表彰式後の「第11回全国鳥獣被害対策サミット」において、受賞者からの発表などを予定しています。

(狩猟フォーラム in 向島 体験レポート!:広島)
2024年1月21日(日)に「令和5年度 狩猟フォーラム」が向島運動公園にあるB&G向島海洋センターにて開催されました。広島県の野生鳥獣による農作物被害額は、2010(平成22)年をピークに減少傾向にありますが、依然として高い状態が続いているそうです。被害金額は2022(令和4)年度には400万円を超えており、そのうちイノシシによる被害が6割以上を占めているんだそう。耕作放棄地の増加により生息域が人里に近づいてきたことや、農地や里山でエサにありつく経験を積んだ結果、鳥獣被害が増加しているとのことでした。開会のお話の後は、各々気になるブースにて自由に参加する形式のフォーラムでした。狩猟ワークショップと題して、狩猟に使うワナや猟銃の紹介、模擬シューティング体験ができるコーナーがあったり、狩猟用具の展示、被害防止のビデオ上映、狩猟免許取得についての相談コーナーもありました。こちらはソーラー式の電気柵です。他の種類と比べると割高になりますが、充電や電池交換の手間がなくコストパフォーマンスに優れているとのこと。狩猟に使われるワナや猟銃の展示ブースです。実際に触れることができ、尾道猟友会の方々がそれぞれの説明や、実体験を話してくださり、狩猟について学ぶことが出来ました。模擬銃を持たせてもらいましたが、思っていた以上にずっしりとした重みを感じました。シューティング体験のテントの中です。プロジェクターに映された鳥獣を狙って引き金を引きます。銃が重いので構えて安定させるのが難しく、なかなか狙いが定まらなかったです。イノシシ捕獲用の大きめの檻の中に、子どもが何人も入って遊ぶ姿も見られました。安全は確保されているので閉まることはないのですが、絶対に閉まらないと分かっていても少しヒヤッとする光景でした。今後の日程は、尾道会場が1月27日(土)に農村環境改善センターにて、御調会場は2月3日(土)にみつぎいこい会館にて、瀬戸田会場は2月4日(日)に瀬戸田体育館にて、開催予定です。申込不要・参加無料・入退場も自由なので、少しでも気になる方は是非行ってみてはいかがでしょうか。

(高校生が動物から農作物守る方法を学ぶ:岡山)
自分たちが育てる野菜や果物を守ろうと、井原市の高校生たちが、野生動物の生態やわなの設置方法について学びました。井原市上出部町にある井原高校の農場で行われた特別授業には、高校で農業を学ぶ2年生18人が参加し、野生動物の対策に詳しい専門家が講師を務めました。農場では、イノシシに畑を荒らされたり、アナグマにぶどうや桃を食べられたりする被害が出ています。そこで、イノシシの足跡や体をこすりつけた跡をもとに、農場に出没した時期を確認する方法や、野生動物の通り道の見分け方などを教わりました。この高校では、地元の猟友会や笠岡工業高校の協力で、去年秋に箱の形をしたわなを設置していますが、この日は、どこに餌を置けばより効果が上がるかについても学びました。生徒たちは、この春から果樹の栽培を学ぶ予定です。生徒の一人は「農作物を守るためには、わなだけでなく動物について学ぶことも大切だと思いました」と話していました。井原高校の伏見拓也教諭は「農業は生産だけでなく、生産したものを守ることも必要。有害鳥獣への対策もより深く学ばせたい」と話していました。

(イノシシ目撃大幅増、けが人も:群馬)
群馬県板倉町で昨年度まではほとんどなかったイノシシの目撃情報が、本年度は1月上旬までに約10件寄せられ、関係者が対策に腐心している。14日には町民が庭に現れたイノシシに驚いて転び、けがを負う事故も起きた。群馬県など4県にまたがる渡良瀬遊水地は大部分が国の鳥獣保護区に当たり、イノシシが生息数を増やしていることが原因とみられる。28日に埼玉県本庄市で4人がイノシシに相次いで襲われるなど、平野部でも被害が出ている。遊水地のある群馬、茨城、栃木、埼玉の4県でつくる「渡良瀬遊水地連携捕獲協議会」(事務局・栃木県自然環境課)によると、昨年度のドローン調査でイノシシ488頭とニホンジカ5頭を確認した。イノシシは19年度の前回調査時の205頭から約2.4倍になっている。

(「伊吹山植生復元プロジェクト」の連携協力に関する協定書締結:滋賀)
OSPグループの中核企業で、シール・ラベル、フィルム製品、紙器パッケージ、販促ツールまでをワンストップで製造する大阪シーリング印刷株式会社(本社:大阪市天王寺区、代表取締役社長:松口 正)は、「伊吹山植生復元プロジェクト」の連携協力に関する協定書を2024年1月30日(火)に滋賀県米原市と締結したことをお知らせします。本協定は、大阪シーリング印刷株式会社と米原市がそれぞれの資源の活用を図りながら地域の資源を後世に守り、地球温暖化対策や自然保護の持続的な推進を図ることを目的としています。米原市は、大阪シーリング印刷の滋賀工場や、タック紙の製造・販売をしているOSPレーベルストック株式会社の本社があり、グループにとって縁の深い都市です。その市の取り組みのパートナーとなるべく連携協力に至りました。

(「トラバサミ」を設置して猫を傷つけた疑い、68歳男を逮捕:東京)
容疑者(68)は2023年、世田谷区船橋の住宅街にトラバサミを設置し、猫の足にけがをさせた疑いが持たれている。

(イノシシが車2台と相次いで衝突:香川)
警察によりますと、きょう(21日)午後3時50分ごろ、高松市新田町甲の県道30号で、道路に飛び出してきたイノシシがトラックに衝突、さらに午後4時ごろ、少し離れた高松市屋島西町の市道から、軽乗用車が敷地内に駐車しようと後退していたところ、後ろから来たイノシシと衝突しました。

(パトロール中の警察官が季節外れのクマ1頭目撃:宮城)
宮城県登米市で季節外れのクマの目撃情報です。20日午前11時40分ごろ、宮城県登米市中田町浅水の畑で、パトロール中の警察官がクマ1頭を目撃しました。クマは体長1メートルほどで北東方面の山林に逃げていったということです。けが人や農作物の被害は確認されていません。警察が付近の警戒にあたりましたが、その後は目撃されていないということです。

(集落近くに特別天然記念物ニホンカモシカ現る:福井)
福井県勝山市鹿谷町の集落近くにこのほど、国の特別天然記念物ニホンカモシカが現れた。目撃した男性(80)=福井市=は「山中以外で見たのは初めて」と驚いている。男性は1月2日午前11時ごろ、集落中心部で墓参した際、動物の足跡を発見。周囲を見回すと、約30メートル離れた空き地で体長1メートルほどの成獣が草を食べていたという。約50年の登山歴があり、山中で目撃したことはあるが「まさかこんな場所で見るとは。じっくり観察できた」と話していた。大野市の県自然保護センターによると、ニホンカモシカは県内各地で確認されている。雪が少ない歩きやすい場所や餌を求めて山を下りてきたとみている。

(住宅地にキツネ、ごみあさる姿:群馬)
JR高崎駅東口から2キロほどに位置する高崎市江木町の住宅地に、キツネが出没している。餌を求めて徘徊(はいかい)しているとみられ、人を見ても逃げるそぶりを見せない。愛らしい姿だが、接触により感染症を引き起こす可能性もある。専門家は「見かけても近づかず、誘引物は除去して」と注意を呼びかける。9日午前7時半ごろ、町内の住宅の庭に、1匹のキツネが姿を現した。撮影した住民の60代男性によると、隣接する家との間を往復していたといい、同11時ごろまでいたという。40年近く住んでいる男性は「キツネは初めて見た。人になれているようで逃げなかった」と話す。周辺は住宅が密集しており、幼稚園や学校も点在している地域。「子どもがかまれたら大変だ」と危惧した。近くに住む50代女性は、昨年12月下旬の午後9時ごろ、ごみステーションでごみをあさるキツネを見た。別の日にも見かけ、「キツネは山の中にいるイメージなので、びっくり。なぜこんなところに…」と首をかしげた。キツネは農地や森林、人里との境界に近い場所を含む幅広い地域に生息。県立自然史博物館(富岡市)の姉崎智子主幹(学芸員)によると、撮影されたのはアカギツネで、国内ではホンドギツネとして知られている。成獣とみられるという。キツネは肉食傾向が強い雑食で、人家周辺では生ごみなどさまざまなものを餌とする。姉崎さんは「冬場は餌資源が少ない。人家回りはごみなども多いため、餌を求めていた可能性はある」と指摘した。不用意に近づき、かまれたりすることで感染症を引き起こす可能性もある。姉崎さんは「キツネなどの野生動物は狂犬病を媒介する。日本では今のところ確認されていないが、注意は必要」と指摘。本県での発症事例は少ないが、県外で確認されているエキノコックス症にかかる危険性もある。見かけても「近づかず、誘引物は除去して」と、一定の距離を取ることを求めている。

(「人をはねた?」衝突した正体はイノシシ:長崎)
夕暮れ時の長崎市内、車が交差点をゆっくり曲がった次の瞬間、右から黒い影が飛び出してきました。イノシシは車にぶつかった後、起き上がると、道路脇の竹やぶの中へ逃げていきました。衝突された車は、フェンダーがへこみ、牙が刺さったのか穴が空き、イノシシの毛が挟まっていました。車は去年4月に買ったばかりで修理費用は30万円ほどかかるということです。

(「クマの足跡」発見、山中で目撃:福島)
いわき市は24日、同市三和町中三坂字湯ノ向の山中でツキノワグマ1頭の目撃情報があったと発表した。現場周辺にあった足跡の調査から、ツキノワグマが出没した可能性が非常に高いという。市は地元猟友会などと対応を検討している。市によると、地元の猟友会員が20日午後3時ごろ、車で見回り中に体長80センチほどのクマとみられる動物を発見し、22日に市に報告した。市が同日、周辺を調査したところ、大きさ約10~15センチの複数の足跡とふんを発見。報告した県から23日にクマの可能性が高いとの見解が示されたという。市内ではこれまでツキノワグマが生息している可能性は低いとされてきたが、昨年11月にも遠野町や田人町でクマとみられる目撃情報やふんの発見があった。市は「餌を求めて市域外から往来している可能性がある。今回の目撃情報で信ぴょう性が高まった」としている。市は防災メールで注意を呼びかけるとともに、近隣の中山間地域に啓発チラシを配布する方針。地元猟友会や県、県警と連携しながら看板の設置や巡回強化などの対策も検討する。

(住宅地の一角で体長0.5mほどのクマ1頭の目撃情報:新潟)
新潟県五泉市の村松地域で26日午前、体長0.5mほどのクマ1頭が目撃されました。警察や五泉市役所がパトロールするなどして、住民に注意を呼び掛けています。クマが目撃されたのは五泉市村松甲で、26日午前9時半ごろに住民から市役所にクマの目撃情報がありました。警察によりますと、住民は「午前9時20分ごろ、自宅の庭に体長0.5mほどのクマ1頭がいた。クマは庭にあるナンテンの実を食べていたようで、その後南方向に移動していった」などと当時の状況について話していたということです。クマが目撃された場所は住宅街の一角で、南側には村松公園や愛宕神社などがある山が広がっています。警察や五泉市役所はパトロールするなどして、住民に注意を呼び掛けています。

(住宅地に、エゾシカの群れ出没:北海道)
札幌市西区西野3条10丁目付近の住宅地で、26日午後6時ごろ、5、6頭のエゾシカが歩いていると住民から110番通報があった。北海道警札幌西署員が現場に向かったところ、オスの成獣2頭が歩いているのを目撃したという。シカは山の方向へ逃げたといい、住民にけがはなかった。現場は、同市立宮の丘中学校付近の住宅地。山と接する近くの公園でもシカの目撃情報があるという。

(住宅地近くでクマの目撃情報:新潟)
1月28日午後、五泉市村松でクマの目撃情報がありました。28日午後1時前、「五泉市村松甲の畑にクマ1頭(体長約0.5m)がいた」と近くに住む住民から警察に通報がありました。現場は住宅地に近いことから、警察や市が周辺をパトロールするとともに、住民に対し注意を呼び掛けています。

(クマ、民家車庫に1時間半居座る:秋田)
28日午前8時20分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字上苗代の民家車庫に体長約50センチのクマがいるのを住人の60代男性が見つけた。クマは約1時間半居座った後に去った。

(イノシシも子グマも、真冬なのに未だ出没相次ぐ:新潟)
警察によりますと、29日午後8時ごろ、新潟市西蒲区間瀬の住宅街で通りかかった人が道路上で体長50cmほどのイノシシを目撃したと通報がありました。警察は西蒲区役所と連携し付近の住民に注意を呼び掛けています。また、五泉市では26日と28日に住宅付近で体長50cmほどの子グマが目撃され、市民から警察に通報が寄せられています。県が出しているクマ出没特別警報の期限は1月31日に迫っていますが、真冬にも関わらず、未だクマやイノシシが出没しています。

(「ゴミは持ち帰れ」カモシカつぶやくキーホルダー:長野)
上伊那地域のメーカーなどでつくる「製造業ご当地お土産プロジェクト」は、地元産材と鹿革でキーホルダー「生命(いのち)のツブヤキ」3種を作り、22日に発売した。県内に生息する天然記念物のイラストをユーモラスに描き、それぞれ辛口のつぶやきを添えた。間伐材を縦横約4センチ、厚さ5ミリに切り出し、有害鳥獣として駆除された鹿から作った革のストラップを付けた。イラストは国特別天然記念物のカモシカとライチョウ、県天然記念物のオコジョ。「マジでゴミはもちかえれよ」(カモシカ)などと人間に向かってつぶやいている。事業所や障害者就労支援施設など5団体が参加。企画とデザイン、木材加工を担当したスワニー(伊那市)の橋爪良博社長(48)は「地域の素材を使い、自然を大切にしてほしいという思いをお土産にした」。ストラップ部分の製造を担った障害者就労支援施設運営のNPO法人やればできる(南箕輪村)の小松みどり理事長(50)は「手作りの優しい手触りを楽しんでほしい」とアピールしている。税込み1100円で、スワニーのオンラインショップで販売。山小屋や道の駅、宿泊施設での販売も予定する。

(刺激臭で作物を守る『鳥獣対策』実証実験で被害ゼロ達成:熊本)
イノシシやシカなどの鳥獣から「臭いで作物を守ろう」と、熊本県芦北町で新たな薬剤が開発されています。そんな刺激臭を放つ薬剤を開発したのが、山下早男(やました さなお)さん。芦北町の米農家で、精米工場も営んでいます。なぜ開発に至ったのでしょうか?山下早男さん「お客さんが(精米に)来るたびに『困った困った』と、イノシシ・シカどうにかならないかと」。熊本県内での鳥獣被害は、今も増えています。ここ芦北町では、1年間で被害額が2.8倍に。特に芦北名産のみかん畑では、シカが葉っぱを全て食べてしまい、木が枯れてしまうという被害が多発していました。みかん農家 柳田豊彦さん「柵をしても破られるし、入られると必ず何本か食べられてしまう。その繰り返し」。「電気柵」はシカに越えられてしまい、「捕獲用のわな」を仕掛けるとなると費用と人手が必要です。山下さん「この被害はどうすれば防げるのかと、どうすれば楽だろうかと、その想い!」。こで山下さんは手軽な方法として、『臭い』で鳥獣を撃退してみようと考えたのです。元々、自分で肥料を作るなど研究気質な山下さんが試行錯誤を繰り返すこと3年。薬品や糞尿ではない素材だけを使って、一番きつい臭いを作り出しました。その臭いは…?山下さん「豚のフンと、鶏のフンを混ぜたような臭い(笑)」※この忌避剤に糞尿は使用していません。取材に同行した芦北町役場の梅下さんが嗅ぐと…。スタッフも梅下さんも耐えられないほどの刺激臭だったようです。ちなみにこの薬剤の使い方は簡単、ペットボトルに入れて、切れ目を入れ吊るすだけ。シカによる被害に悩むみかん農家の畑で実験してみると…。みかん農家 柳田豊彦さん「仕掛けた場所は被害がなかったですね。毎年この辺にシカのフンとかあるんですが、シカのフンもないから侵入もたぶんしていないんだろうなと思います」。また、鳥獣被害で悩む16か所の農家で実証実験を行ったところ、全ての畑で被害ゼロを達成しました。山下さん会心の効果を発揮したこの薬剤、実は身近な素材で作られていました。効果抜群の臭いを放つ薬剤は、意外なモノでできています。その原料の一つが、精米の際に出るもみ殻。もみ殻に熱を加えると発生する液体「もみ酢」。ちなみに、この段階では、木材のような匂いがします。さらにそれに加えるのが、「乾燥した海老の頭」と「いりこ」。漁師から分けてもらった「海老の頭」と「いりこ」を「もみ酢」に加え、それを2年間熟成させると完成です。原料は、全て芦北町で取れた廃棄される素材。山下さんが使用する肥料も、余ったもみ殻や米ぬかを利用しています。廃棄される材料を生かして、新たな価値を生み出します。鳥獣被害を『臭い』で防ぐ。山下さんの研究はまだまだ続きます!

(ジビエの可能性に期待、農作物への被害防止から地域活性化へ:鹿児島)
野生のイノシシやシカの肉、いわゆるジビエ。鹿児島県内でも、毎年多くのイノシシやシカが農作物の鳥獣対策として捕獲されているが、実際に食肉として利用されるのはその10%にも及ばない。ジビエの利活用拡大を図る鹿児島県内の取り組みを取材した。鹿児島・日置市日吉町にあるジビエ処理加工施設、「ジビエ研究所レイビッグジャパン」。2022年6月に開業し、猟師が捕ったシカやイノシシを食肉として加工し、ジビエとして県内外の飲食店などに卸している。この日、向かったのは薩摩川内市の山中。小さなシカが、わなにかかっていた。猟師が「被害は多い。田んぼに入って稲の穂を食べる」と話す通り、この地域では山から下りてきたシカにより、田んぼに被害が出ているという。野生のイノシシやシカによる県内の農作物の被害は、年々減少傾向にあるものの、2022年は約3億3,000万円に上った。その対策として、野生動物の捕獲が進められ、イノシシとシカだけみても、その数は5万7,000頭を超える。しかし、そのうちジビエとして食肉加工されるものは、わずか2,800頭余りで、割合にして5%ほど。全国平均の10%を大きく下回っている。「ジビエのイメージも臭みが強いとかで、悪い」と話すのはレイビッグジャパン・峯夕子代表だ。ジビエの良さを知ってもらいたいと、薩摩川内市で飲食店を経営する傍ら、処理加工の会社を立ち上げた。特徴は、猟師が捕ったシカやイノシシを直接引き取りに行くこと。峯代表は「血抜きや鮮度がまばらになり、ひどいところでは3割ぐらいの鳥獣しか肉にできない」と現状を話す。「なるべく多くの鳥獣を活用したい」との思いからジビエ処理のプロが自ら現場に行き、冷凍車などを駆使して鮮度を保ち、より良質なジビエに加工している。レイビッグジャパンでは、この手法で年間約1,000頭の野生動物を処理。質を高めたジビエは東京の高級店などにも卸されていて「鹿児島のジビエはすごくポテンシャルも高く、おいしいと言われる。今まで鹿児島にジビエがあるのを知らなかったというシェフも多い」と、峯代表は手応えを感じている。この会社で処理された食材を味わえる店を取材した。鹿児島市の繁華街・天文館の一角にあるイタリア料理店「イルチプレッソ」。こちらでは定期的にジビエ料理を取り入れたメニューを提供している。オーナーシェフの古畑圭一朗さんは13年ほどイタリアにいた。「冬場、現地の郷土料理として提供されたイノシシのミートソースを通して、ジビエ料理に慣れ親しんでいた」という。レイビッグジャパンから仕入れたイノシシの肉をミンチ状にしてできたのがイノシシラグーのラザニア。※ラグーとはミートソースのこと店でジビエのメニューを提供する理由についてオーナーシェフの古畑さんは「処理するだけでなく、それを食べて、自分たちが生きていく糧にできるという循環型のシステム」と話す。イタリアではスーパーに行くと、牛肉や豚肉と同じようにイノシシやシカの肉が並んでいるほどポピュラーな食材だという。「食べる人がどんどん多くなり、ジビエがスーパーに並ぶ存在になればいいな」と、ジビエの将来性に期待している。薩摩半島南西部・南さつま市坊津町にはジビエを地域の魅力として発信する、処理加工施設「めんどり」がある。地元の猟友会にも所属する草野敏さんが立ち上げ、食肉処理したイノシシをふるさと納税の返礼品にした。これまではイノシシを捕獲しても破棄することが多かったことから「これを地域活性化のためになんとかならないか」と感じていた草野さん。焼き肉や鍋用としてイノシシ肉のロースやモモ、ウインナーなど、ふるさと納税用だけでも年間200万円ほどの売り上げとなっている。草野さんは「南さつま市のイノシシをおいしいと言ってくれるから、全国の皆さんに食べてもらいたいと思って。できる限り頑張っていきたいと思う」と笑顔で語った。2024年1月18日、日置市でジビエの利活用に関する研修会が開催された。市町村や猟友会の関係者が参加し、座学やジビエメニューの試食会が行われた。「味がいいね、さすがです」「おいしい」と話す参加者。研修会はレイビッグジャパンの施設も会場になり、ジビエ処理の実演も行われた。今、全国には約700カ所、鹿児島県内には10カ所のジビエ処理加工施設があるが、レイビッグジャパン・峯代表は全てが順風満帆とは言えないと話す。レイビッグジャパン・峯夕子代表:(処理加工施設の)90%くらいは経営がうまくいっていない状態。猟期だけ処理加工施設を動かすとか、これだけで生きていくことは難しいのかなと。峯代表は、経営していた飲食店をたたみ、2024年からはジビエ一本で勝負することを決断した。「消費を増やしていかないとなかなか難しい。おいしいお肉にして、それを食べてもらい、ジビエのイメージをもっとよくできたらと思う。(ジビエは)鹿児島が誇れるものだと思うのでもっと広めたい」と決意を語った。より多くのジビエを、よりおいしい状態で消費者へ届けたい。それぞれが利用拡大を目指し、工夫を続けている。

(アナグマの凄まじい脂肪含有量が話題)
アナグマの脂肪含有量がSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのはジビエショップ「森の下で」の運営者(@morinonka)が「殺伐としたTLに突如アナグマの肉が! 」と紹介したアナグマのブロック肉。一般に脂身たっぷりの肉と言うと豚バラ肉や牛カルビを思い浮かべるが、アナグマのそれは見る限り脂肪率90%以上でケタ違い。白い脂身の中心部に赤身がほんのちょこんとある異様なビジュアルだ。など数々の驚きの声が寄せられる今回の投稿について、運営者に話を聞いた。ーーアナグマは一般的にこんなに脂肪をため込む動物なのでしょうか?運営者:私が狩猟をする京都府南部では、アナグマは気温が下がる10月後半頃から脂を蓄え始め丸々としてきます。逆に夏場は痩せて貧相な体をしていて、臭いもキツイので食べられたもんではないです。ーーおススメの調理法は?運営者:おすすめの食べ方は「すき焼き」や「味噌煮込み」です。アナグマの脂は甘く、鍋の出汁に溶け出るとバターのような香りがしてきます。お客様からはイノシシよりも美味しかったと褒めていただくこともあります。よく日本昔話で出てくる「タヌキ汁」もアナグマ汁だったと言われています。ーー反響へのご感想を。運営者:ポストを見ていただいた方からはアナグマに興味を持ってくださる意見が数多く届き驚きました。手に入りずらいと思いますが是非一度、食べていただきたいです。「森の下で」のウェブショップではアナグマや鹿などさまざまなジビエ肉を取り扱っている。またジビエ肉を用いたペットフードや雑貨も好評のようだ。ジビエの有効利用は自然保護にもつながる。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(シカ使った「骨付きソーセージ」試作品:京都)
ジビエ肉の食肉加工品を手掛ける京都府京丹後市峰山町の流通会社「日本インパクト」が、丹後地域で駆除されたシカを使った「骨付きソーセージ」と、薄切りにした「スライスチップス」の試作品を完成させた。3月に市のふるさと納税の返礼品として寄付者に発送される予定で、製造に必要な資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。京都府猟友会中郡支部(京丹後市)に所属する社長の金志繁実さん(62)は2011年から、ジビエ肉のレトルトカレーを奈良県内の福祉施設に製造を委託し、販売してきた。シカ肉のソーセージの試作も大阪府内の業者に委託して重ねたが、幅広い商品開発を進めるために、自社工房での商品の生産を決断。返礼品開発をCFによる寄付金を活用して支援する市の「ふるさと産品創出支援事業」を通じ、資金を集めることにした。骨付きソーセージは漫画などで描かれる骨付き肉を連想させる商品で、シカの大腿骨にシカ肉のソーセージを固めた。スライスチップスは、酒のおつまみとして食べやすいように薄く加工した。金志さんは「ジビエ肉の有効活用が進むよう、消費者に親しみを持ってもらえる商品を開発していきたい」と話す。CFによる寄付金は同市ふるさと納税特設サイトで1月末まで受け付ける。

(信州産の鹿肉で肉みそ:長野)
食品製造販売のぜん(大阪府豊中市)は3月1日、北安曇郡小谷村の「こしょうみそ」をベースにしたご当地みその第4弾を発売する。信州産の鹿肉を加えた肉みそで、商品名は「ぜんの辛(から)んま青唐辛子みそ信州版ジビエ肉味(み)噌(そ)」。海外でも販売し、日本古来の食文化を発信していきたいとしている。

(「房総ジビエフェア2024」2月29日まで:千葉)
千葉県は、県内で捕獲され、県内の食肉処理加工施設で処理されたイノシシやシカの肉のおいしさを多くの人に知ってもらおうと、「房総ジビエフェア2024」を、22日から県内外60の飲食店や小売店で実施している。2月29日まで。本年度の「第6回房総ジビエコンテスト」の加工食品部門やスペシャリテ部門の受賞店では、最優秀賞や優秀賞を受賞した食品や料理を味わうことができるという。また、参加店舗で対象の商品や料理を1000円以上注文・購入して、応募すると抽選で100人に、「房総ジビエ加工品セット」や「千葉の梨スイーツセット」などが当たるプレゼント企画も実施する。参加店舗や対象メニュー、プレゼント企画の詳細は特設サイトで。

(駆除されたシカ肉活用した料理完成:島根)
駆除されたイノシシの肉や皮を商品としてブランド化している美郷町で、今度は駆除されたシカの肉を使った料理が完成し、試食会が開かれました。美郷町は、20年以上前から害獣として駆除したイノシシの肉や皮を「山くじら」というブランド名で商品化していて、去年(2023年)からは、同じく害獣として駆除したシカの肉の一部を広島県の動物園へ提供していましたが、すべては有効活用できていませんでした。美郷町は、このシカの肉の活用の幅を広げようと、町内の飲食店などと新しい料理を開発し試食会を開きました。料理は、「みさと猪鹿鳥定食」という名称で、竜田揚げにしたシカの肉と鶏のから揚げ、それにイノシシ肉のローストを組み合わせています。参加者たちは、地元で生まれた新しいメニューをじっくりと味わっていました。試食した嘉戸隆町長は、「新しい名物が誕生しそうな予感がします。イノシシで実現したピンチをチャンスに変えることを、シカでも実現したい」と話していました。「みさと猪鹿鳥定食」は、来月(2月)1日から開発にあたった飲食店で提供されるほか、町は、今後、シカの肉を「美郷もみじ」と名付けてブランド化し、近隣の自治体などと連携して捕獲頭数を増やし、料理が提供できる店舗の増加につなげていきたいとしています。

(初めて食べた熊汁の味にビックリ!:長野)
地元の山の恵みや命の大切さを知ってほしいと、長野県栄村の小学校でジビエの授業が行われました。給食に出されたのはクマの肉です。BeastCaptor(ビーストキャプター)猟師・月岡健治さん:「熊肉ってみなさん食べたことありますか?」。栄村の栄小学校で24日に行われたジビエの授業。子どもたちは地元の猟師などから鳥獣の捕獲方法や「命をいただくありがたさ」について話を聞きました。BeastCaptor 猟師・月岡健治さん:「命は一つなんです。命を粗末にしないで、おいしく食べて供養してもらいたい」。そしていよいよ給食の時間。献立は村で獲れたクマの肉を使った「熊汁(くまじる)」です。地域の食に触れることで山の恵みと命の大切さを知ってもらうのがねらいです。クマの肉を初めて食べるという子どもたちもいましたが、そのお味は?BeastCaptor 猟師・月岡健治さん:「自然の恵みをみんなでいただこうという気持ちですね」「感謝ということで大事にしてもらいたい」。小学校では今後もジビエに触れる機会を続けていきたいとしています。

(「ジビエ」を給食に、地元の鹿肉でカレー:岩手)
野生の鹿などの肉「ジビエ」で地域おこしをしている岩手県大槌町では、1月24日に鹿の肉を使った給食が町内の小中学校で提供されました。これは地元の食材について理解を深めてもらおうと大槌町の教育委員会が企画しました。提供された給食は大槌町の新たな特産品である「岩手ジビエ大槌鹿」を使用したカレーなど4品です。給食は町内全ての小中学校で提供され、このうち大槌学園では児童たちが食べ慣れていないジビエをおいしそうに味わっていました。児童は、「おいしかった」「柔らかかった」「肉がいつものカレーに入っている肉よりもちょっと濃くておいしかったです」などと感想を話していました。鹿肉加工会社「MOMIJI」 兼澤幸男社長「小さいうちから食べる機会をつくってあげることで、子どもたちが大人になっても食べていただける一つの食材として認識ができるかなと」。大槌町では今後もこの活動を続けていくとしています。

(高たんぱく・低脂肪の『ジビエ』イベントを開催:東京)
飲食事業と水産事業を併せもつ株式会社SANKO MARKETING FOODS(本店:東京都中央区、代表取締役長澤成博、証券コード:2762、以下「当社」といいます。)は、当社受託食堂にて、日本の食文化を守るべく、産地の活性化に向けた『価値ある食文化』の提案をし続けています。今回は、農作物を中心に多大な被害を及ぼす鳥獣を駆除などした際の「お肉(ジビエ)」を安心安全なルートから仕入れ、各食堂にて提供することで「ジビエ」の食材について考えていきます。

(イノシシをレトルト食品に:長崎)
おいしいジビエを手軽にどうぞ-。長崎県波佐見町井石郷の食肉加工販売会社「モッコ」は、地元で捕獲したイノシシ肉を使ったレトルト食品を県内事業者で初めて発売した。長崎ではあまりなじみがないジビエ料理を、調理が不要なレトルトにすることで浸透を図る狙いだ。

(「いのししラーメン」高校生が開発:岡山)
地域を悩ませる害獣を地産地消の名物にできないか。そんな発想から、岡山県中西部の中山間地域に位置する高梁市の方谷(ほうこく)学舎高校(同市内山下)の地域探究部が、イノシシの骨からスープを取った「いのししラーメン」を開発した。2月に岡山市内で一般向けに限定販売する予定。部長の上野(かみの)陸さん(2年)は「高梁の新たな名物として広めたいし、イノシシ被害を減らすことにつながればうれしい」と意気込んでいる。年明け早々、上野さんは2月に販売会を開く岡山市北区の「奉還町ユースセンター」で、関係者にいのししラーメンを振る舞った。集まった人々からは、「豚骨とはまた違う深みがある」「どこかなつかしい」といった声が上がった。

(高校生考案のエゾシカ肉使ったメニュー提供:北海道)
開業1年目に346万人が訪れた北海道ボールパークFビレッジ。「野球だけじゃない」、新たな取り組みがどんどん進んでいます。北広島市 上野正三市長「鹿肉という感覚が全くなくて、レタスに合っている」。今月からFビレッジのクボタアグリフロントのカフェで販売されている新メニュー、「まるごとレタスの鹿肉タコレタス」です。三笠高校調理部 鈴木龍さん(3年)「せっかくタコスミートを作るならエゾシカ肉を使って、北海道のエゾシカ肉を広めていきたいと提案させていただいた」。メニューを考案したのは、高校生レストランでも有名な三笠高校の生徒たちです。クボタ 野上哲也さん「下打ち合わせのときに、ジビエができたらとつぶやいていた。(地域課題のジビエの活用に)しっかり趣旨をくんでいただいた」。食と農業」の未来を考えることをコンセプトにしたアグリフロントが、北海道の若者たちと連携するプロジェクトの一つとして企画しました。クボタ 野上哲也さん「地元の若い力などさまざまな連携をして、食と農について盛り上げていきたい」。開業1年目に346万人の来場者を記録したFビレッジ。実に、そのおよそ4割が野球観戦以外で訪れた人たちで、「野球だけじゃない街」に進化を続けています。そうしたにぎわいをつくり出す役割も担うFビレッジの中で、アグリフロントは、去年秋には北海道大学と連携して、「世界で初めて」小中学生がトラクターの遠隔操縦を行うイベントも行いました。北海道大学 野口伸農学部長「未来の農業はこういった技術によって支えられることを感じてもらえたらとてもうれしい」。多くの人たちと地域社会の活性化につながる「共同創造空間」を目指すFビレッジ。「食と農業」の分野での連携を始めとした、新たなボールパークづくりへの挑戦が続いています。

(地元産シカ肉使用、遠軽高生考案おやき:北海道)
パティシエを目指して今春札幌の専門学校に進学する遠軽高生2人が、町内の人気信州おやき店「大黒堂」でオリジナルのおやきを考案し、試作に励んでいる。コロナ禍で制限の多い高校生活を過ごした2人に、「ささやかな思い出にしてもらえたら」と店主が提案。地元産エゾシカ肉やジャガイモを使った試作品の味は上々で、来月には道の駅「遠軽 森のオホーツク」での販売を予定している。

(廃棄ジビエ、おいしい中華に:神奈川)
廃棄されるジビエ(野生鳥獣肉)を中華料理の職人技でおいしく生まれ変わらせようと、横浜中華街(横浜市中区)で「中華ジビエ祭」が行われている。農業被害をもたらし、捕獲後はほぼ廃棄されるイノシシの肉が、臭いをなくすなど工夫されて提供されている。食による社会貢献を目指す食品関連会社「Natural Factory浄」(東京都)が、調理方法が多様な中華料理店が集まる横浜中華街に協力を依頼。

(イノシシ肉の「野獣丼」:兵庫)
獣害をもたらすイノシシのジビエ肉と宍粟特産の波賀みそを使った「野獣丼」など、宍粟市の伊和高校と千種高校の生徒が考案したオリジナルグルメの販売会が27日、道の駅みなみ波賀(同市波賀町安賀)で開かれた。シカ肉のコロッケや地元産のフルーツを使ったソフトクリームなども並び、駅利用者らが地元食材を活用した品々を味わった。

(生徒考案「シカ駅弁」販売:静岡)
伊豆市の伊豆総合高は29日、同市の特産品を使った生徒考案の駅弁「美味(おい)シカ嬉(うれ)シカ弁当」を、伊豆箱根鉄道修善寺駅で販売した。駅弁には同市産鹿肉「イズシカ」と特産のワサビを使用。生徒たちは農作物に被害を及ぼす害獣のシカに理解を深めながら、命を無駄にせず有効活用する方法を模索した。

(イノシシ肉のカレーが学校給食に:大分)
大分県玖珠町の全小中学7校で29日、野生イノシシの肉を使った「ジビエカレー」が給食で、児童・生徒に振る舞われた。子どもたちに、鳥獣による農林業被害に関心を高めてもらい、命をいただくことへの感謝の心をより育んでくれればと、地元の林業団体などでつくる大分西部流域林業活性化センターが同町で初めて企画した。

(エゾシカ肉カレーおいしい!:北海道)
知内町内3小中学校で26日、町内で捕獲したエゾシカ肉を使用したドライカレーが給食で初めて提供された。知内中(佐藤雅士校長、生徒88人)ではエゾシカによる農林業被害の現状や活用方法を学ぶ食育授業も開かれた。全国学校給食週間(24~30日)に合わせ、エゾシカへの関心を高めてもらい、地場産食材の一つとして取り入れた。事前の生徒アンケートでは野生鳥獣の肉や料理を示す「ジビエ」という言葉の認知度は5割弱で、実際に食べたことがあると答えた生徒は2割だった。講話で町内在住のハンター、一之谷駿さんは捕獲したエゾシカを函館市内の食肉加工施設で処理、販売しているが、食用となるのは駆除頭数の1割程度で、大半が廃棄されている現状を紹介。「食べると言うことは生きることであり、命をいただいていること。命を粗末にしているのではなく、(狩猟対象への)敬意を持っている」などと話した。給食のドライカレーは豚肉に代わってエゾシカ肉のひき肉を使用。シカ肉は高タンパク、高鉄分、低脂質と成長期に必要な栄養価が高いという。初めてのジビエ料理という3年生の西山武哉(たつや)さん(15)は「おいしい。他の肉とあまり変わらない。給食での提供はジビエを知ってもらういい機会になると思う」と話していた。町内3校分で約290食が調理された。今年度中にシカ肉のジンギスカンの提供を予定している。

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(必要地域に限り申請可能に、ハーフライフル規制で解決案)
警察庁が今国会に提出予定の「ハーフライフル銃」の所持許可要件を厳しくする銃刀法改正案について、エゾシカやヒグマの被害に苦しむ北海道の反対を受け、必要な地域に限って許可申請を受け付ける案を検討していることが26日、関係者への取材で分かった。改正案は、ハーフライフル銃の所持要件を「猟銃の所持歴10年以上」などライフル銃並みに厳格化する内容。北海道の猟友会などが、エゾシカの捕獲数や新規ハンターの確保に影響があると反対し、警察庁が解決案を模索していた。北海道や関係団体に示された検討内容は、ハーフライフル銃が必要と認められた地域に限定して、有害鳥獣駆除や狩猟が目的の場合に申請を受け付ける。従来通り警察が審査した上で許可を出す。後日、実績も確認される。ハーフライフル銃は散弾銃より射程が長く、命中精度も高いが、現行法では散弾銃と同じく初心者でも許可申請を出すことができる。昨年5月、長野県で警察官ら4人が殺害された事件ではハーフライフル銃が使用され、立てこもりも発生。警察庁は規制強化する方針を昨年末に明らかにした。一方、北海道でエゾシカとヒグマの駆除や狩猟を行う複数の団体が、今年に入って相次いで反対を表明。射程が短く威力が弱い散弾銃でエゾシカやヒグマを倒すことは難しいという。ライフル銃が最適だが10年縛りがあるため、北海道の新規ハンターにとっては、ハーフライフル銃が必要不可欠という。警察庁によると、許可されたハーフライフル銃は全国に3556丁あり、約半数が北海道にある。北海道では、エゾシカの生息数が年々増加し、2022年度は72万頭で、農林被害は48億円に上る。ヒグマは23年の目撃件数が過去最多の4055件だった。

(猟銃規制強化、農水相「有害駆除に支障なし」)
坂本哲志農水相は23日の閣議後会見で、警察庁が検討している野生鳥獣の捕獲に用いる猟銃「ハーフライフル」の規制強化について、銃刀法では散弾銃を10年以上持ち続けないとライフル銃の所持が認められないが、有害駆除が目的なら期間が短縮される規定があると説明。「ライフル銃と同様の規制となった場合も規定が適切に運用されれば鳥獣捕獲対策に支障は生じない」との考えを示した。

(ハーフライフル規制強化、道内議員から異論)
警察庁は25日、自民党の内閣第1・第2部会の合同会議で、野生鳥獣の捕獲に用いる猟銃「ハーフライフル」の規制強化について、国会議員に説明を行った。ハーフライフルは現在、初心者でも所持できるが、散弾銃の所持から10年以上継続しなければ持てないように規制を強化する方針で、道内選出の議員からは「エゾシカやヒグマの生息数管理に大きな影響を与える」として異論が噴出した。

(ハーフライフル規制「鳥獣対策担い手減る」、知事が国に対応要請へ:北海道)
警察庁のハーフライフル銃規制強化方針を巡り、北海道の鈴木直道知事は19日、「ヒグマやエゾシカの捕獲や担い手の減少につながり、道の鳥獣対策に大きな影響が生じる恐れがある」と述べ、26日の通常国会開会に向けて国に対応を要請する考えを表明した。道猟友会や道内の野生生物関連団体は「猟が困難になる」として、相次いで反対を表明している。通常の散弾銃よりも射程が長いハーフライフル銃は、狩猟免許取得後すぐに所持でき、獲物までの距離が必要なエゾシカ猟を中心に道内で広く使われている。一方、長野県中野市で2023年5月に発生した殺人事件の凶器とされ、警察庁は猟銃を10年以上継続所持する人に限って所持を認める内容の銃刀法改正案を、通常国会に提出する方針だ。射程はハーフライフル銃の約150メートルに対し、散弾銃は約50メートル。規制が強化されると、エゾシカ猟などは立ち行かなくなるといい、野生生物の管理に支障が生じることが危惧される。鈴木知事は「規制強化の議論に理解を示すが、ヒグマなどの対応で道民の生命、財産を守ることに影響が出ることが懸念される」と語った。道猟友会も19日に道庁で記者会見し、「狩猟者が減り、有害鳥獣捕獲の担い手が不足する」と規制強化方針への反対を表明した。近距離射撃だったとされる中野市の事件に触れ、斉藤哲嗣専務理事は「ハーフライフルだけを規制しても、重大な犯罪を防げるわけではない」と指摘した。【石川勝義】

(北海道猟友会がハーフライフル銃の所持規制強化に反対の声明:北海道)
道内のハンターでつくる北海道猟友会は、法律の改正で「ハーフライフル銃」を所持するための規制が強化されれば、エゾシカやヒグマなどの駆除の担い手が不足し、農業被害が深刻な事態になるとして、法改正に反対する声明を出しました。去年5月、長野県で警察官2人を含む4人が殺害された事件で「ハーフライフル銃」が使われたことなどを受けて、政府は今月26日に開会する通常国会に、「ハーフライフル銃」の所持資格を厳しくすることを盛り込んだ銃刀法の改正案を提出する方向で最終調整を進めています。北海道猟友会は19日に道庁で記者会見を開き、法律の改正で所持するための規制が強化されれば、全道各地で担い手が不足する深刻な事態になるとして断固反対すると声明を発表しました。「ハーフライフル銃」の所持者が減れば全道各地でエゾシカやヒグマなどの駆除の担い手が不足し、農業被害の深刻な事態につながるとしています。北海道猟友会の齊藤哲嗣専務理事は「猟友会の存亡にも関わる危機的な問題だ。市長会や町村会、JAなどと連携し北海道から反対の声をしっかり国に届けたい」と話しています。【鈴木知事の対応】ハーフライフル銃の規制を強化することなどを盛り込んだ銃刀法の改正案について鈴木知事は「10年間所持できないとなればヒグマ、エゾシカの捕獲数や捕獲の担い手の減少につながるなど、鳥獣対策に大きな影響が生じるおそれがあり、道民の皆さんの生命や財産を守るという観点にも影響が及びかねない。鳥獣対策に影響が生じないよう、十分な措置を求めるために速やかに国に要請をしていきたい」と述べ、通常国会が開会する今月26日前に道として国に申し入れを行う考えを示しました。

(エゾシカ猟の66歳男性ハンター、ライフル銃が暴発し足にけが:北海道)
21日、北海道えりも町の山林で、エゾシカ猟をしていた66歳の男性ハンターのライフル銃が暴発し、男性は足にけがをしました。警察によりますと21日正午ごろ、えりも町歌別の山林でエゾシカ猟をしていた札幌市中央区に住む66歳の男性のライフル銃が暴発しました。暴発した銃弾は、男性の左足の親指をかすめ、けがの程度は軽く、命に別状はないということです。当時、男性は仲間のハンター10人以上でエゾシカ猟をしていましたが、近くに人はおらず、巻き込まれた人はいません。男性は仲間によって病院に運ばれ、病院が警察に「猟銃の誤射で来院している人がいる」と通報し、事故は発覚しました。警察の聴き取りに対し、66歳の男性は「銃口を下げた時、指は抜いたつもりだったが、引き金に指がかかってしまった」と話しているということです。警察は当時の状況を詳しく調べています。

(救急車が飛び出したシカと接触、急ブレーキで同乗の90歳男性が頭打ち急性硬膜下血腫:京都)
京都府舞鶴市消防本部は18日、急病人を搬送中の救急車がシカと接触する事故があったと発表した。急ブレーキにより、同乗していた急病人の家族と救急隊員の計2人が負傷した。急病人の90代女性に影響はなかったという。同本部によると、17日午後10時55分ごろ、東消防署の救急車が同市河辺原の府道を走行中、路上に飛び出してきたシカとぶつかった。急ブレーキをかけた衝撃で急病人の夫の90代男性がいすから落ちて転倒し、頭を打って急性硬膜下血腫となった。救急隊員の20代女性も頸椎(けいつい)を捻挫した。男性は入院したが、意識はあるという。男性はシートベルトをしていなかったといい、同署は「今後はシートベルトの着用を徹底し、再発防止に努める」としている。

(イノシシに襲われ男女4人けが:埼玉)
28日午前9時40分ごろ、埼玉県本庄市児玉町小平で、通行人から「男性がイノシシに襲われている」と119番があった。県警児玉署によると、近くに住む男性(69)が走ってきたイノシシを避けようとした際に転倒し軽傷を負った。その後、同10時半ごろまでに同町の小平や秋山で50~80代の男女3人が次々とイノシシにかまれた。このうち秋山地区の男性(81)が右足をかまれて重傷、2人は軽傷だった。イノシシはいずれも1頭のみで目撃され、体長は約1メートル。同署は同一のイノシシとみて、市や猟友会と行方を追っている。現場は住宅と農地が混在する地区。近くに住む農家の男性(54)は「イノシシは珍しくないが人を襲った話は聞いたことがない」と驚いた様子。「昨年暮れには子グマが出現し大騒ぎになった。対策といっても、せいぜい追い払うことしかできない」と話した。

(若手ハンターが巨大ヒグマに接近して駆除するしかなくなる?)
昨年、クマが各地で大量出没したことは記憶に新しい。人身被害も相次ぎ、環境省の速報値によれば、クマによる被害件数は196件、被害人数は217人、死者は6人と、統計を取るようになってから過去最悪の件数を記録している。そんな中、警察庁が改正を目指している銃刀法改正案の中身を巡り、獣害に悩む地域から反対の声が上がっている。問題になっているのは、ハーフライフル銃と呼ばれる銃の規制強化だ。新聞各紙でもこの問題は取り上げられているが、ハーフライフル銃とはなにか、そしてその規制は妥当なのか、といった観点からこの問題を掘り下げてみたい。1月18日の 毎日新聞Web版 は次のように報じている。警察庁が通常国会に提出を予定している銃刀法改正案のハーフライフル銃規制強化に対し、北海道猟友会や道内の野生動物関連団体が、相次いで反対を表明している。ハーフライフル銃は2023年5月に長野県で男女4人が殺害された事件の凶器だったとされ、改正案では猟銃を10年以上継続所持する人に許可する方針。ハーフライフル銃について、「10年以上猟銃を継続所持している人に許可する方針」とあるが、そもそもの話、ハーフライフル銃は銃所持許可が降りたばかりの新人ハンターでも取得可能なことで普及したもので、この規制強化はその利点を全く損なうものになっている。これに獣害に悩む自治体や、駆除に携わる団体が大きく反発している。このハーフライフル銃規制の動きに、北海道庁をはじめ、北海道のハンター団体北海道猟友会、世界自然遺産知床の環境保全や環境教育活動を行う知床財団といった官民の組織が反対を表明している。現行の銃規制・狩猟制度では、第一種銃猟免許を取得すれば、ライフル銃か散弾銃、空気銃を使用した銃猟が可能になる。ところが、ライフル銃に関しては散弾銃を10年以上所持した実績がないと警察から所持許可が下りない。すると、新人ハンターは最低でも10年はライフル銃を持つことができず、散弾銃か空気銃を使わざるを得ない。猟銃に用いられる弾丸には様々なものがあるが、猟友会の全国組織である大日本猟友会では、大型獣であるクマに対しては、ライフル銃では30口径級ライフル弾(カービン弾除く)、散弾銃ではスラッグ弾(小さな弾が複数入った散弾ではなく、単発の弾)を適用弾丸としている。つまり、クマ相手に散弾銃で使える弾は、スラッグ弾のみということになる。しかし、ここで大きな問題が生じる。満足な精度が期待出来る距離(有効射程)の問題だ。ライフル銃の特徴は、銃身の内部にらせん状の溝(ライフリング)が刻まれており、射撃時にこの溝に弾丸が食い込んで回転することで、弾丸が安定して遠くまで飛ばすことができる。一方、散弾銃にはライフリングが刻まれておらず、弾丸が到達する距離は短くなる。つまり、ライフル銃は狩猟獣から離れて射撃できるのに対し、散弾銃ではずっと近づく必要がある。これは、相手がクマの場合は逆襲を受ける危険性が増大するし、シカの場合でも気付かれて逃げられる可能性が増える。そのため、これまでライフル銃を持てないハンターが大型獣に対して使ってきたのが、ハーフライフル銃だった。これはライフルが銃刀法で「腔旋を有する部分が銃腔の長さの半分を超えるもの」と定義されていることから、ライフリングの長さを銃身の半分以下に抑えることでキャリアが10年未満のハンターでも使えるようにした銃だ。散弾銃がスラッグ弾を用いるのに対し、ハーフライフル銃ではサボットスラッグ弾を用いる。金属製の弾丸をサボット(サボ)と呼ばれる樹脂製のカバーで覆ったもので、サボットがライフリングに食い込み、中の弾丸と一緒に回転して安定を与えることで飛翔距離を伸ばすものだ。散弾銃のスラッグ弾の有効射程はおよそ50mから100mなのに対し、ハーフライフル銃のサボットスラッグ弾の有効射程はおよそ100mから150mと飛躍的に伸びる。そのため、ライフル銃を持てない若手ハンターでも、大型獣を相手とした狩猟や駆除が可能になっていた。しかし、ハーフライフル銃をライフル銃と同じ扱いにされてしまえば、若手ハンターが大型獣を狩るには大きな障害となることが目に見えている。このため、獣害に悩む自治体や駆除に関連する団体が反対しているのだ。今回のハーフライフル銃規制では、現行のライフル銃規制と同じく「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」に対しては、所持を認める方針と伝えられている。しかし、害獣が市街地に出没する度に駆り出される猟友会員の多くはこれに該当しない。ライフル銃所持のベテランが出られなかったら、害獣と接近するリスクを猟友会のハンターが丸抱えすることになる。また、若手ハンターが大型獣を狩る経験を積む機会を奪うことにもなる。今回の警察の銃刀法改正案の背景には、2022年の安倍元総理銃撃や、2023年の長野県中野市での4人殺害事件といった、相次いだ銃による犯罪が挙げられている。しかし、安倍元総理の銃撃に使われたのは手製の散弾銃だ。中野市の事件ではハーフライフル銃が使われたが、被害女性2人は刺殺で、残り2人の警官は乗車中のところを運転席の窓から至近距離の発砲を受けて死亡したと報じられている。ハーフライフル銃の利点である有効射程の長さと全く関係がなく、ただの散弾銃であっても近距離から撃たれたのなら結果は同じだったと思われる。つまり、今回の銃刀法改正案で、ハーフライフル銃を規制する理由としては不適当だろう。令和元年の年齢別狩猟免状交付状況によれば、全狩猟免許交付者のうち7割以上は50歳以上が占めている。ハンターの高齢化が深刻な一方で、ただでさえ少ない若手ハンターは有効射程の短い散弾銃しか使えない。その状況でさらに害獣を駆除しろと言われても、ハンターのリスクが増すことは想像に難くない。前述したように、今回の規制強化はその理由からして実態に即するものではない。害獣被害が多発する現状に逆行するようなもので、再考を求めたい。

(なぜ散弾銃が良くてハーフライフルがダメなのか、規制強化にクマ対策狩猟関係者から異論)
26日から始まった今国会で、警察庁が猟銃のハーフライフル所持許可基準をライフルと同等の「猟銃所持歴10年以上」に限定する銃刀法改正案を提出することについて、狩猟関係者から猛反発の声が上がっている。近年、日本各地ではクマやシカ、イノシシといった大型獣による被害が多発。特に2023年はクマ被害が過去最悪を更新するほど深刻化している。一方で有害鳥獣駆除の捕獲従事者について各自治体から不足を指摘する声が上がっており、新規の捕獲従事者育成が急務とされている。そんななか持ち上がったハーフライフルを規制する銃刀法改正案。昨年5月に長野県で警察官ら4人がハーフライフルで殺害された事件が背景にあると言われるが、狩猟関係者が反対する理由は何なのか?「クマなどの大型獣を狙うには射程が長いライフルが必要だが、例外を除けば猟銃の所持許可を受けてから10年間は所持できない。その代用としてライフルより射程が短いハーフライフルは1年目から所持できるため、歴の浅い捕獲従事者たちが使用している。しかし、法案が通れば不足する捕獲従事者がさらに減るばかりか、大型獣を撃てる捕獲従事者が10年は育たなくなってしまう」(北海道猟友会砂川支部長の池上治男氏)。近年のクマ被害急増を受けて、国はヒグマやツキノワグマをニホンジカやイノシシと同じ指定管理鳥獣にして有害駆除による頭数管理を行う流れができつつあるが、今回のハーフライフル規制は捕獲従事者を減らす可能性があり逆行する法案だ。また、捕獲従事者は60代以上が多く高齢化して若返りが急がれているが、もし法案が可決して新規捕獲従事者が育たない“空白の10年間”が発生すれば、各自治体の有害鳥獣駆除に大きな影を落とすことになるだろう。こうした事情もあって反対の声は広がりを見せ、オンライン署名活動まで行われるようになった。その発起人で自らもハーフライフルで有害鳥獣駆除にあたる中村憲昭弁護士は、「どうも昨年の長野県の事件でハーフライフルが使われたからと、スケープゴートにされてる感がある。対人の殺傷能力という意味では、近距離から発射される散弾銃も同様に危険だが、なぜ散弾銃はよくてハーフライフルがダメなのか。重要な議論が抜けていて規制する根拠が見えてこない」と、法案を疑問視した。昨年の長野県の事件は確かに痛ましいものだった。しかし、犯行にハーフライフルが使用されたからといって規制をするのは、あまりにも乱暴すぎるというのが狩猟関係者たちの本音だろう。

(ハーフライフル「必須」、・知床財団が声明:北海道)
政府が野生鳥獣の捕獲に用いる猟銃「ハーフライフル」の規制強化を図る銃刀法改正案を検討していることを受け、知床財団(村田良介理事長)は、反対声明を公表した。財団は「野生動物の管理対策及び世界自然遺産の保全に甚大な影響を与える」と懸念を表明。地元関係者も「現場の声を聞いてほしい」と訴えている。

(北海道猟友会「ハーフライフル規制に反対」声明:北海道)
2022年7月に発生した安倍晋三元首相銃殺事件や、23年5月に長野県の警察官らが殺された事件等を受け、警察庁は現在の銃刀法における「発射罪」について、猟銃やその他の銃にも適用すること等の銃刀法改正案を1月26日からはじまる通常国会に提出する見込みだ。この改正案に対し、北海道の狩猟者団体「北海道猟友会」等の団体は緊急声明を発表し、長野県の事件で使われた「ハーフライフル銃」所持の規制に「断固反対」等と表明している。安倍晋三元首相銃殺事件は、22年7月8日に奈良県奈良市・近鉄大和西大寺駅近くで発生。同市内に住む男が手製の銃を用い、安倍元首相の後方から2発発射して首と左上腕部に銃弾が着弾し、心肺停止となった。その後に蘇生措置を施されたが、同日夕方に死亡が確認された。使用された銃は1回に6個の球を発射できる仕組みで、テープ等でぐるぐる巻きに固定して使用していた。23年5月に長野県で発生し、警察官ら男女4人が殺害された立てこもり事件でも銃が使われた。同年5月30日配信の朝日新聞によると、逮捕された男は「ハーフライフルを使った」と供述。「この際に使われた銃弾は、主に大型動物の狩猟用の『スラッグ弾』と呼ばれる威力の強いもの。一方、容疑者は2015年以降、銃4丁の所持の許可を受けており、このうち19年に許可を得たものがハーフライフルだったとみられる」と報じている。これまでに明らかになった大まかな銃刀法改正案の一部内容は、以下の通りだ。●「発射罪」について、拳銃等に含まれない銃にも適用する。●ハーフライフル銃の定義を見直し、さらに厳しい基準を適用。散弾銃と同じく、10年間継続して所持していなければ所持許可申請できなくする(現在は申請が認められれば所持可能)。●ネット上等で銃の不法所持や製造をそそのかす等の投稿等に罰則を導入する。そもそも、反対声明が相次いでいる「ハーフライフル銃」とは何なのか。猟友会とともに反対の声明文を出した北海道銃砲火薬商組合の資料によると、ハーフライフル銃は銃身の2分の1以下のライフリング(らせん状の溝)がある銃器で、主に単一の弾丸を発射。粒状の散弾も発射できるとしている。また前述の通り、申請が認められれば所持でき、経験等を積めば150mまではヒグマを確実に打つことができるという。道内で「反対」とする声明を発表した主な団体は、北海道猟友会、北海道銃砲火薬商組合、エゾシカ協会、ヒグマの会等だ。団体のうち、北海道猟友会の担当者は「今は改正案を提出しようとしている関係者に働きかけている状態だ」とコメントした。なお、本稿記者は警察庁側に問い合わせたが、締め切りまでに回答はなかった。これら団体は声明文の中で、主に以下のようなことを主張している。(1)命中精度の低い散弾銃を用いた捕獲により、不十分な管理対策となってしまう。(2)狩猟を始めるには10年待たなければならず、その間にハンターの高齢化の影響でハンター人口がもっと減少してしまう。(3)(2)が進むと、現在も支障が出ているエゾシカやヒグマ対策がさらにおろそかになる。(4)長野の事件でハーフライフル銃が使われたが、犯人をしっかり罰するべき。使用された銃の種類は関係なく、正しく使用している者に対する規制は不要。「銃を使った事件が起きるのを防止するには、銃を使いづらくする」「銃を使って犯罪する人が悪く、銃そのものは悪くない」。今回行われている議論はこのように二分されるだろう。ハンター側としては担い手不足やそれらを背景として、住民らに動物の被害が及ぶのを避けたいはずだ。反対に一般市民から見れば、いつ誰が銃を持って犯罪を行うのか分からず、不安な日々を過ごす可能性があるのも理解できる。1月24日には、この問題について北海道が警察庁に要望書を提出している。どうすればこの問題を解決に導く、または解決に向けて近づけていくのか。活発な議論が行われることを期待したい。

(”ハンター不足”のなか猟師の銃に新たな規制検討:北海道)
国はハーフライフルとよばれる猟銃について法改正して規制の強化を検討しています。長野県で2023年に起きた殺人事件で使われたことから警察庁が所持の規制強化を目指しているものです。一方北海道では近年、シカやクマの生息数や被害が増えていて、比較的初心者でも所持できるハーフライフルが規制されれば、駆除や狩猟の担い手確保がさらに困難になることが予想されます。こうした事態を受け道は1月24日、国に対し、法改正されても運用面で引き続き初心者が所持できるようにすることなどを要請しました。また道内の「エゾシカ協会」と「ヒグマの会」も25日、ハーフライフルの規制強化に懸念を示すとともに、狩猟駆除の現場に影響が出ないよう国に要望する声明を出しました。<以下、要望全文>警察庁が国会に銃刀法改正案を提出するという報道がありました。改正案では、現在は初年度から所持できるハーフライフル銃も、ライフル銃同様、散弾銃を連続して10年間所持しないと所持できないことになります。捕獲場所が広大な北海道では、ヒグマ及びエゾシカを安全に効率的に捕獲するため、散弾銃よりも命中精度が高いハーフライフル銃は初心者にとって重要な道具です。また、北海道で狩猟者登録(銃猟)する狩猟者のうち、道内居住者は毎年5千数百名ですが、道外居住者も毎年千数百名が登録して来訪しています。将来にわたってヒグマ及びエゾシカを持続的に捕獲していくためには、道外居住狩猟者の確保も重要です。さらに令和5年にクマによる人身被害が激増した東北地方等、本州でもハーフライフル銃を必要とする地域があります。改正案の通りになった場合、散弾銃では猟果は上がらないことから、10年未満で狩猟を辞めてしまう人が続出し、全国的な問題になっているクマ類やシカを捕獲する狩猟者が、今後大きく減少する恐れがあります。鳥獣被害防止特措法に基づく被害防止計画捕獲従事者、又は鳥獣保護管理法に基づく認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者については、10年未満でライフル銃を所持できる特例がありますが、前者は当該被害防止計画の市町村における有害駆除、後者は同事業者が受託する指定管理鳥獣捕獲等事業等でしか、当該ライフル銃を使用することができないことから、本特例の運用は非常に限定的です。そこで、現在、全国で個体数や被害が増加している個体数や被害が増加している大型野生動物対策の推進のために、、国に対して以下の通り要望いたします。<要望事項>銃刀法改正案から、ハーフライフル銃の所持許可基準をライフル銃と同様にするという点について削除するよう強く要望します。若くは、北海道等のクマ類やシカの捕獲を担う狩猟者の育成を行うことが必要な地域、及び、狩猟、許可捕獲、指定管理鳥獣捕獲等事業でクマ類及びシカの捕獲を行う道内外の狩猟者及び捕獲者に影響が出ない措置を講ずることを改正法案に盛り込むよう強く要望します。

(ヒグマ駆除のハンター選抜試験:北海道)
道猟友会札幌支部は、ヒグマの駆除にあたるハンターを選抜する試験を19日に浦臼町で行いました。道猟友会札幌支部はヒグマの市街地への出没に備え、札幌市からの委託を受けて、射撃の高い技術を持ったハンターからなる「防除隊」を設け、駆除にあたっています。19日は浦臼町の射撃場でことしの春から1年間活動する「防除隊」の選抜試験が行われ、およそ30人が参加しました。「防除隊」のメンバーは駆除に有効な口径の大きな銃を街なかで扱う高度な技術が求められ、ヒグマ駆除に使われるハーフライフル銃やライフル銃を使って、数十メートル先の的を撃つ正確さや銃の構え方などの審査が行われました。初めて受験した会社員の浅利裕志さんは、「緊張したが上手くできた。合格したら、クマの駆除で農業被害などに貢献したい」と話していました。道猟友会札幌支部防除隊の玉木康雄隊長は、は「市街地周辺にまでヒグマが侵入してきている。安全に駆除できるよう試験で技術のレベルを確保したい」と話していました。合格者は今月末に発表される予定です。

(ハトひき殺したとして逮捕、タクシー運転手の男性を不起訴処分:東京)
東京・新宿区の路上でハトをひき殺したとして逮捕されたタクシー運転手の男性が、不起訴処分となりました。去年11月、新宿区西新宿の路上で、タクシーでハトを1羽ひき殺したとして先月、警視庁に逮捕されたタクシー運転手の50歳の男性について、東京地検は18日までに不起訴処分としました。東京地検は不起訴の理由を明らかにしていません。

(クレー射撃、日本勢は決勝進めず)
クレー射撃のパリ五輪アジア予選はクウェート市で行われ、スキート個人予選で日本勢は20日の決勝に進めなかった。女子は折原梨花(林テレンプ)の9位、男子は戸口翔太郎(日本薬科大)の11位が最高だった。

(相次いで遺棄される“猟犬”、猟師に欠かせない存在に一体何が?:徳島)
イノシシや鹿などの狩りを行う際に、欠かせないのが猟犬です。その猟犬が、毎年この冬の時期に遺棄され相次いで保護されています。いったい何があったのでしょうか?徳島県海部郡海陽町の中心部から、うっそうと茂る杉林の中の道を車で走る事約15分。ここにいる6頭の犬は全て猟犬。猟師の山下瞳さんはこの場所で農業を営みながら猟をします。猟犬とは、飼い主と共に鹿やイノシシといった獲物を追いかけ、飼い主が猟銃で仕留めるのを補助するのが役割です。山下さんは頂いた命への感謝の気持ちは、忘れません。そして、その生活を支える猟犬はなくてはならない存在。(動物の保護活動をする 山本千晴さん)「おととい、野根の奥(高知県東洋町野根)で。顔が猟犬ですね。よく保護される犬の部類」。海陽町で動物の保護活動をしている山本千晴さんです。山本さんが克明に記した40頭に上る犬の保護記録。その多くが猟犬だというのです。遺棄されたと見られる猟犬は、海陽町と高知県との県境でよく保護されています。山本さんによると特に11月から2月にかけて、猟犬の遺棄が増えると言います。(動物の保護活動をする 山本千晴さん)「今、※猟期というのもあって、その猟期の終わる時期だが、それでもう使えない犬は捨てるという。山に行かない犬、イノシシに向かって行かない犬」。山本さんが遺棄された現場の一つを案内してくれました。場所は徳島県境のすぐ近く、高知県東洋町です。(動物の保護活動をする 山本千晴さん)「白い軽トラックが止まって、犬2匹を降ろした。この広場で遊ばすのかと思っていたら、白い軽トラックがあっちの高知県北川村の方にすごいスピードで逃げて行った。犬を放って。犬はもちろん追いかけて行くが、追いつけるスピードではなく、そのままナンバーも見られないまま、そのままいなくなった。犬はある程度追いかけたらもどってきて、この辺に」。その時、保護されたのがこの猟犬。名前はイッサ。オス犬です。保護された時、後ろ足には傷があり、血が出ていたそうです。傷の理由は分かりませんが、当時は十分に走ることが出来ませんでした。上の犬歯には削られた跡が、下の犬歯は咬まれた時にケガをしないためにでしょうか、削られた跡がありました。いったいどんな飼い主の元で暮らしていたのか…。また、飼い主を探す手がかりはないのでしょうか?(小喜多雅明記者)「マイクロチップはついてないんですか?」(動物の保護活動をする 山本千晴さん)「付いてないです。ほとんど。(マイクロチップが)付いた犬は会ったことないです。一匹も付いてない」。2022年6月以降に生まれた犬にはマイクロチップの装着が義務付けられています。しかし、それ以前に生まれた犬に対しては義務付けられていません。山本さんが保護した猟犬にはマイクロチップが装着されていませんでした。そのため飼い主を探す術がないのが現状なのです。(動物の保護活動をする 山本千晴さん)「猟友会でマイクロチップ装着の補助があるみたいだが、ほとんど利用者はいないような状態」。猟犬保護の活動をする団体の代表に話を聞きました。(GUNDOG RESCUE CACI代表 金子理絵さん)「猟犬を捨てるという背景にはやはり、その狩猟に使えなくなったことがあると思う。獲物に向かっていかないとか、それと老犬になったということ、何か問題があって、狩猟ができなくなって遺棄されていく」。一方で金子さんは猟師の存在は否定してはいけないと話します。(GUNDOG RESCUE CACI代表 金子理絵さん)「ハンター(猟師)がいるおかげで農作物が守られている、という農家もたくさんいる。心無いハンターのおかげで、きちんと飼育されているハンターにかなりの迷惑が掛かっている」。猟犬と共に暮らす猟師の山下瞳さんはこう訴えます。(猟師 山下瞳さん)「(犬は)しゃべれないから、ふんふんと鳴いたり吠えたり、この吠え方でお腹すいたとか、何かおるから山行きたいとか、本当に小っちゃい赤ちゃんの時から育てている子どもと一緒で、楽しいし一緒にいて幸せ。生き物ですから、人間と同じ命がありますから、やはり道具みたいに使い捨てにすることは、絶対に許されない。もう人間のすることじゃない」。飼い主に従順な猟犬は、捨てられてもその場所で飼い主が迎えに来るのを待ち続けると言います。言葉のないあなたに代わって伝えたい、その犬たちは心を持った命です。

(宮島に黒い大群「カワウ」居座る、厄介な「黒いギャング」対策に四苦八苦:広島)
「黒いギャング」と呼ばれる鳥が、廿日市市の宮島に居座るようになり、貴重な原生林に被害を与えています。解決策を探る地元の人たちの格闘をツイセキしました。世界遺産の島・宮島から一斉に飛び立った鳥の正体は…「カワウ」です。ただ羽を休めるだけでなく、手つかずの自然にダメージを与える厄介者になっています。【宮島漁協・丸本孝雄 組合長】「この部分は木も根も全部枯れていく。カワウのフンで」。雄大な自然を蝕むのはカワウのフン尿に含まれる酸性の物質です。ここ数年、宮島は県内最大のカワウの寝床と化しています。冬場に餌の魚が豊富な瀬戸内海を求めて主に関西方面から飛来し、居座るようになりました。推定の個体数は数千羽単位にのぼります。18日朝、市と県の職員が沿岸に上陸し対策を取りました。【廿日市市農林水産課・鹿野陽介さん】「釣り竿で投げてですね重りを投げてここにテープですね。これがバタバタと音が鳴りますので、それでカワウが嫌がって逃げていくと」。使うのは、風になびく「テープ」。木々に張り巡らせることで警戒心の強いカワウを視覚と聴覚で追い払う作戦です。【県農林水産局水産課・山地幹成さん】「(カワウに見える)表側に木の白くなっているところをやろうとしているんですけど」。およそ300メートルに渡り島の北東側にテープを張り巡らせました。【廿日市市農林水産課・鹿野陽介さん】「まだ(被害の大きさを)知らない人が多いのかなと思います。植林などが難しいので、今ある木を大事にしないといけないのが先にあります」。宮島は島全体が特別史跡と特別名勝に指定されるなど、法的な縛りがあり、木々が枯れても、自生する植物の回復を待つしかありません。去年、寝床だった場所はここ数年で一気にが朽ち果て山肌の土があらわになってしまいました。去年、初めて対策に乗り出しましたが…。一時的に「テープ張り」の効果で島自体によりつかなくなったものの、2カ月足らずで今の寝床に移動し、根本的な解決にはつながっていません。【宮島漁協・丸本孝雄 組合長】「放置していくと(厳島)神社側のほうに進んでいくと大変なことになるので、それを今食い止めておかないと」

(車とシカ衝突125件、繁殖期の秋多く:北海道)
昨年、天塩署管内4町(天塩、遠別、幌延、豊富)で起きた交通事故のうち、エゾシカと車両の衝突事故は前年より4件少ない125件で、初めて100件を突破した2022年に次いで過去2番目に多かった。1年を通して、市街地や山間部でシカとの衝突事故は発生しており、同署は注意を呼びかけている。

(「穴持たず」?真冬のヒグマ対策は:北海道)
北海道小平町の達布地区で、いまもシカの死骸を食うヒグマの目撃や痕跡情報が相次いでいる。大正時代に隣町の集落が12月にヒグマに襲われ、多数の犠牲者を出した「三毛別羆(ひぐま)事件」を彷彿(ほうふつ)させるだけに、町は箱ワナでの捕獲を目指す。真冬に出没するヒグマと対策について、知床財団の山中正実・特別研究員に聞いた。ヒグマはエサが豊富にあればなかなか冬眠しない。冬もエサをもらっている動物園のクマが冬眠しないのと同じ理屈だ。知床だと、ドングリが大豊作の年は12月に入っても雪を掘って食べ続けるし、遅くまでサケが遡上(そじょう)していた年は1月になってもサケを食べているクマがいた。また、2004年、道東でエゾシカのメスの狩猟枠が無制限になった頃には、狩猟で獲られたシカの残滓(ざんし)がたくさん放置され、各地で12~1月にも歩き回っているクマのことが話題になったことがある。

(アセビ繁茂の土壌生態系への影響が解明:九州)
宮崎大学研究・産学地域連携推進機構テニュアトラック推進室の徳本雄史准教授と、九州大学大学院農学研究院の片山歩美准教授の研究チームは、九州山地におけるシカ不嗜好性植物のアセビの繁茂にはシカの食害に伴う森林の更新阻害の問題をさらに深刻化する恐れがあることを明らかにしました。九州山地では、シカ等によって森林下層の植物が食べられ、一部のエリアでシカが好んで食べないシカ不嗜好性植物の繁茂が見られています。今回このシカ不嗜好性植物の繁茂による周辺環境と土壌微生物相(土壌内における微生物の集合)の変化を調査したところ、光環境が暗くなり、土壌中の菌相も共生菌類のうち外生菌根菌の相対的な存在量が低下していたことが分かりました。アセビが繁茂することによって他の樹木の定着が阻害されているため、森林の更新阻害の要因になっている可能性があります。以上の結果は、シカ食害による森林の更新阻害の問題がシカ不嗜好性植物の繁茂によって深刻化する恐れがあることを示唆しています。

(アライグマ防除へ講習会:福岡)
農作物への被害や生態系への悪影響をもたらす特定外来生物アライグマを減らそうと、福岡県は18日、狩猟免許がなくても捕獲できるようになる講習会を開きました。福岡市博多区で開かれた防除講習会には、アライグマから被害を受けている農家などおよそ70人が集まりました。講習会では、アライグマの生態や箱わなを使った捕獲方法が説明されました。福岡県内で発見されたアライグマは、2017年度から2022年度にかけておよそ4倍に増え、農作物被害もおよそ1.8倍に増えています。福岡県は、外来生物法に基づく優先的に防除すべき動物にアライグマを選定し、取り組みの一環として防除講習会を全8回開催します。受講すれば、本来必要な狩猟免許がなくても捕獲できるようになります。福岡県は、4月以降に運用を始める方針です。

(人と熊の闘い「五感で感じて」描写:北海道)
山中で狩猟を続ける孤高の男と冬眠を逃した凶暴な熊の闘いを描いた小説「ともぐい」(新潮社)が第170回直木賞を受賞し、著者で北海道の酪農家出身の河崎秋子さん(44)は受賞発表後の記者会見で「酪農の経験が生きた」と振り返った。出身地の別海町の親族や地元JAの組合長からも喜びの声が上がる。受賞作「ともぐい」には、河崎さんが道東の別海町で酪農業やメン羊飼育をしていた経験が生きたという。17日夜、東京都内で会見に臨んだ河崎さんは、熊に近い環境での暮らしから「梅雨の寒さや熊が出そうな場所の感覚を五感で感じ取っていたところはある」と回顧。その自身の経験を、先人の残された文章や言葉と結び付けて熊の狩猟などを描写したという。「まだまだ北海道で調べたいこと、掘り出したい物語がある」と今後も北海道での創作活動の意欲を見せた。今回の作品が、人と熊の物語を描く「熊文学」と表現されることについて「熊と闘うこと、熊のいる所で生き続けること、抗うこと。その全てを表して、熊文学と捉えてもらっても構わない」と話した。

(シカ捕獲の現場を知る、神奈川県猟友会が特別展:神奈川)
丹沢山地で過密化したシカとその捕獲についての特別展が県立秦野ビジターセンター(秦野市堀山下)で開かれている。2月12日まで。県猟友会の主催。ニホンジカは繁殖力が強く、雌の多くは3歳から出産するため、4年で頭数が2倍に増えるといわれている。成獣で1日に5キロの草を食べるため、シカの増加で植生が衰退し、土壌流出や森林機能低下につながるほか、農作物への食害などが問題となっている。これらの解決のためにシカの駆除などが行われているが、本年度は同市単独では32頭を捕獲、県から委託された県猟友会も管理捕獲を行っている。特別展では農林業被害への対策や食害からの植生回復、シカの生息環境向上への取り組みなどをパネルや写真で紹介している。近くに住む上田文彦さん(69)は「散歩中に市内でシカを見かけたことがあり、山に食べ物がないのか頭数が多過ぎるのか考えたことがあった。農作物への被害は農家にとって切実な問題。共生と自然とのバランスがうまく取れたら」と話していた。

(代々エゾシカ猟を生業にしてきた猟師親子の仕事と夢:北海道)
北海道東部、釧路管内にある浜中町。酪農と漁業を基幹産業とするこの町に、代々エゾシカ猟を生業とするハンター一家が暮らしています。当代を務める3代目はエゾシカの「命をいただく」ことの意義に自問自答しながら、エゾシカ猟から食肉加工、販売までを手がけ、教育活動も行っています。若き4代目は先代の知識と経験を継承すべく技を磨きながら、エゾシカ猟を通じた更なる事業化を目指し奮闘しています。浜中町でエゾシカ猟の理想のカタチを追い求めるハンター親子の思いに迫ります。北海道では今、増えすぎたエゾシカが駆除の対象になっています。北海道の調査によれば、2022年のエゾシカの推定生息数は約72万頭。一時期に比べて生息数は減少しましたが、近年はまた上昇傾向にあります。その理由はエゾシカの高い繁殖力に加え、気候変動で積雪期間が短くなり、積雪量が低下したことで餓死する個体が減ったからだと分析されています。越冬する個体が増えたことに加え、狩猟者が減少していることも、その傾向に拍車をかけています。その結果、エゾシカの採食で森の植生が変化し、踏みつけによる生態系への影響も危惧されるようになりました。ほかにも、北海道の基幹産業である酪農業に欠かせない牧草の食害が問題化し、農林業の被害額は2021年度だけで実に44億8千万円にのぼります(出典:北海道『エゾシカ推定生息数』『エゾシカ対策係』)。そして、生息数の増加は地域民の暮らしにも影響をもたらしています。北海道警察によると、2022年にエゾシカに起因した交通事故は過去最高の4480件に達し、そのうちの1205件(26.9%)が釧路方面(釧路・根室管内)で発生しているのです(出典:『エゾシカが関係する交通事故の発生状況(令和4年中)』)。オスの成獣にもなると体長は190センチメートル、体重は150キログラムになるエゾシカ。衝突した際の被害は甚大なもので、乗用車がエゾシカと衝突した際には鋭利なツノがフロントガラスを突き破り、運転手や助手席の人間に致命傷を負わせることもあります。自動車社会の北海道ではエゾシカは日常的に危険な存在でもあるのです。エゾシカとの衝突事故は、10月以降が突出して多い。日暮れが早くなることに加え、発情期を迎えたエゾシカが活動的になる時期が重なるからだ。そのため、釧路・根室管内の道路では注意喚起の標識をよく目にする。釧路と根室を結ぶ国道44号線は、道内屈指のエゾシカとの事故多発地帯。写真左側の路肩に、エゾシカよけの柵があるのもご覧いただけるだろうか。岩松 邦英(いわまつ くにひで)さん(56)。150頭の乳牛を飼養する酪農家兼、代々続くハンターの3代目。2007年(平成19年)に自身で鹿肉を解体処理して販売する「アウトドアアシスト岩松」を設立した岩松邦英さんは酪農、代々続くエゾシカ猟、そして鹿肉加工を生業にしています。広大な原野のなかにある「アウトドアアシスト岩松」入り口の看板。北海道では2014年3月に「北海道エゾシカ対策推進条例」が制定され、捕獲等による個体数の管理や捕獲個体の有効活用推進といった「自然と人のよりよい共生の在り方」が考えられてきましたが、邦英さんはその前からエゾシカ猟師として、ハンティング後の生物資源の有効活用を実践してきました。「アウトドアアシスト岩松」では、環境省が定める『鳥獣保護管理法』に基づく「認定鳥獣捕獲等事業者」としてエゾシカを狩り、自宅敷地内にある保健所から認可を受けた施設で解体を行います。狩猟後わずか1時間以内という、ほかでは真似することのできない、抜群の鮮度を保ったままで食肉加工する方法を確立しています。鹿肉の解体施設。「猟期である冬(10月~2月)は、外部の狩猟者から突然解体依頼の連絡が入ることもあって、休む間もありません」と話す岩松さん。今回は繁忙期の最中、取材に応じてくれた。また、エゾシカを銃で仕留める邦英さんは、常に「クリーンキル」を心がけています。エゾシカが痛みを感じることなく、苦痛を与えず、死んだことも気づかせないよう急所を打ち抜く。首から上の頸椎を何十メートルも離れたところから、一発でエゾシカを仕留めるハンティング技術は30年以上の経験と熟練した腕がなせる技です。「私は酪農家としての顔もありますから、大切に育てた牧草を守らなければなりません。毎年の被害も決して少なくはありません。生活がかかっているので、命がけで守らないといけないのです。そして、それはエゾシカも同じです。そのエゾシカの『命をいただく』のですから、無駄にしていいものは少しもありません。肉は最高のスピードで、最高の処理方法と技術を駆使して出荷しています。肉だけではなく、内臓や骨、皮まで一切無駄にすることはありません。ツノや皮は工芸品として加工する業者に。内臓や骨は犬用のドッグフードとして利用されたりしています。皮ひとつにしても、処理や温度をおろそかにしてしまうと、バクテリアの影響で保管中に穴が空いてしまう。それだけデリケートな命をすべて全うさせること。それが狩猟者としての信念です」。そう、邦英さんは話してくれました。邦英さんの息子で4代目の竜世(りゅうせい)さん(26)。父の背中を見て「後継者になろう」という訳ではなく、自分なりの目的をもってエゾシカ猟の仕事に励んでいる。竜世さんは地元の中学校を卒業後、一度は工業系の仕事に就くことを目指して高等専門学校(高専)に進学しました。高専に通うなかで、卒業することが目的になってしまった状況に疑問を感じるようになった竜世さんは、5年生に進級する前に自主退学、放浪の旅に出たのです。全国津々浦々、時には海外へ。沖縄県ではサトウキビを狩り、伊豆諸島の青ヶ島では塩の製造、鳥取の農家や岩手の企業で働き人生の経験を積みます。「いろんな仕事をして気づいたのは、自分が一次産業の仕事が好みだということ。それに父の仕事の意義や命の意味が、外に出ていろいろな仕事を経験してわかったという感じでした」。竜世さんは幼いころ、邦英さんのエゾシカ狩りのことはよく知らなかったし、見に行くこともなかったといいます。邦英さんも、「竜世が小さいころ、狩りや加工場に連れていくことはしなかった。重いからね。背負うものが。命だから。それに滴った血や骨ってグロいでしょ。だから、子どもにこの仕事を継げと言ったことはなかった。酪農の仕事は、手伝ってもらっていたけどね」と話します。それにもかかわらず、26歳になる竜世さんのエゾシカ解体経験は5年を越え、狩猟免許も2022年2月に取得しました。その年の夏からは自らも狩猟へ出向き、自身で仕留めたエゾシカはすでに100頭を越えています。エゾシカの枝肉。一頭のエゾシカを解体するのに、ひとりだと15分、2人なら10分もかからないそう。「血抜きしてから枝肉にするまで、いかに早くするかが肝心。食べるときの味や食感がまったく違ってきます」と、竜世さんは話してくれた。衛生管理の基準である約24時間の冷却環境と、その間の熟成を経て切り分けられるエゾシカの肉。その直後に工場内にある機械で真空パックを施し、早ければ即日、全国各地に出荷される。色が黒く見えるのは、牛肉に比べ鉄分が3倍も含まれるから。10月下旬から2月上旬、エゾシカの活動がハイシーズンを迎えると、岩松さん親子が仕留めたエゾシカ以外にも、ほかのハンターが持ち込んだ個体の処理も請け負います。多い日には10頭近く捌くこともあるのだとか。ただ、持ち込まれたエゾシカの中には血抜きや内臓の後処理が不十分だったり、時間が経過していたりで、「飼っている犬もおこぼれにあずからない」状態のものも少なくないそう。「持ち込まれた限りは、仕事として解体はしますが、おいしいわけがないエゾシカ肉が流通し、これがエゾシカの肉の味と思われるのがつらいですね。時間が経過し鮮度が落ちたエゾシカの肉を解体・加工し、弊社が販売することは絶対にありません」と話す竜世さんは、若くして「職人」の域にあると取材を通じて感じました。発送作業を行うのは竜世さん。高い加工技術と抜群の鮮度の良さから、全国のジビエ料理店からの注文が絶えない。また、オリジナルのソーセージ、サラミ、ジャーキーや缶詰は浜中町のふるさと納税返礼品にも採用されている。3代目の邦英さんは今、「ハンター不足問題」と並行して起こっている「あること」を憂慮しています。「今、ハンティングの資格をとる若者の中に、動機が不純な人が増えたなと感じてます。『お金になるんでしょ』『ジビエって、儲かるんでしょ』という動機だけで始める若いハンターが増えた気がしていて。あとはエゾシカを撃つことを楽しむだけで、殺した後は適切な処理をせず、残滓にして生態系を壊してしまう『ゲームハンター』も増えていることを、強く危惧しています。昔は狩猟をして『命をいただく』ことは、生活の一部でした。命を粗末にするハンターはいなかったのです。『クリーンキル』の技術は持っているのが大前提。そのうえで『ハンティングすることは、命をいただく』『命をつなぐ』ということ、この想いは竜世に受け継いでもらいたいですね」。そう話す邦英さん。4代目・竜世さんへの思いと共に、命をつなぐ活動は野山や加工場といった仕事の現場にとどまりません。別の場所で次世代にも広く継承しようと活動しています。岩松さん親子は浜中町の隣り、別海町の別海高等学校で行われる「Wild Animal Education in Hokkaido(北海道野生動物教育)」の一環で、2023年9月に行われた「ジビエ料理教室」に協力しています。エゾシカのモモ肉を提供し、実際に調理をするなどの教育活動にも尽力しています。

(雪上にヒグマ4日連続“出没”の町、プロ集団「ヒグマ防除隊」ハンター試験に殺到:北海道)
雪の中に顔をうずめる黒い物体は14日に撮影されたヒグマの映像です。クマの痕跡が4日連続で見つかっている町を緊急取材しました。北海道の北西部、日本海に面した小平町。19日の最低気温はマイナス20.8℃。今季2番目の寒さです。1月も後半に入り、真冬にもかかわらず、この町で今、ヒグマの出没が相次いでいます。町の職員が14日午前6時40分ごろ、雪深いこの場所でヒグマを目撃したといいます。その時に撮影した映像です。雪の上に黒い物体が…。映像を止めて確認すると、耳のようなシルエットが。ヒグマの顔のように見えます。スローで見ると初めは顔が雪に隠れて映っていませんが、その後、顔を上げる動作が確認できます。雪に顔をうずめて何をしているのでしょうか。ヒグマが出没した場所に以前からシカの死骸があったのを町の職員と猟友会が確認していました。ヒグマはシカの肉を食べていたとみられます。映像を撮影したのは14日で、集落の近くを流れる川の周辺です。その後16日から19日まで4日連続でヒグマの足跡が見つかっています。さらに、小平町はこの川岸にエゾシカの死骸があったのを確認していました。冬でも餌(えさ)があることで「穴もたず」と呼ばれる「冬眠しないクマ」が増えることが危惧されています。北海道大学大学院 下鶴倫人准教授「餌があり続ければ冬眠しない。森の中にシカの残滓がたくさん冬でも落ちている状況が生まれれば、その地域のクマの一部は冬の間それを食べて、冬眠せずに冬を乗り過ごすクマも出ないとは限らない」。19日まで4日連続でヒグマが出没している小平町では、緊急の対策を取っています。ヒグマが通っているルートを推測し、その「通り道」にわなを設置しました。中にはシカの脚が入っています。すぐ近くには…。ヒグマのものと思われる足跡が。ヒグマが冬眠する場所にも異変が起きています。札幌市では住宅地からわずか500メートルの位置で巣穴が見つかっています。札幌市熊対策調整担当 坂田一人課長「市民の利用も多い三角山という小さな山があるが、そこを散策している人から巣穴ではないかという情報があって、市で穴について調査していたところ、調査業務にあたっていた委託業者2人がクマに襲われてけがをした」。巣穴から出てきた体長2メートルほどのヒグマに襲われたといいます。札幌市はこの冬も警戒を緩めていません。坂田課長「ヒグマの出没は冬眠だからといって100%ありえないことでもない。365日、札幌市のヒグマ防除隊にいつヒグマが出没して出動要請しても、すぐに駆け付けてもらう体制は整えている」。クマ対策のエキスパートとして重要な役割を担うのが札幌市の「ヒグマ防除隊」です。北海道猟友会札幌支部 奥田邦博支部長「言うまでもなくこのクマ防除隊は札幌市の生活安全のインフラを支えています。よりエキスパート、皆さんから信頼されるハンターを選ぶ」。ヒグマ防除隊の隊員は北海道猟友会札幌支部のハンター約500人から選りすぐられた30人ほどの精鋭です。市街地でヒグマが出没した場合などに自治体からの緊急要請を受けて現場に出動し、追い払いや捕獲などを行います。19日、射撃場で「ヒグマ防除隊」の試験が行われました。新規メンバーの募集にはハンター22人が名乗りを上げ、書類選考と面接試験を通った人が実射試験を受けます。初めて挑んだ51歳の浅利さん。ヒグマ防除隊の試験を受ける浅利裕志さん「猟銃の所持許可と狩猟免許を持っている人は周りを見ても少ないし、自分の持っているもので社会貢献という大きい目標。できる範囲でやっていきたい」。ハンターの高齢化が大きな課題です。北海道猟友会札幌支部防除隊 玉木康雄隊長「エントリーする人は若い人が増えた。実際には若いといっても40、50代。今のうちから次世代を育てていかないと、次どういうふうに対処していくのか非常に問題になってくる。誰でもできる仕事ではないので、そういった技術を社会のために役立てたいという志がある人が、非常に多くエントリーしてきたのは我々の救い」。

(狩猟の魅力を買い物客にも:群馬)
県民に狩猟の魅力や意義を伝える「ぐんま狩猟フェスティバル2024」(群馬県主催)が20日、伊勢崎市の大型商業施設「スマーク伊勢崎」で開かれた。猟友会のメンバーがわなや銃(模造)を紹介したり、県職員が狩猟免許の相談に応じたりするブースが設けられ、多くの買い物客が立ち寄った。イベントの運営には県猟友会(霜田和志会長)が協力し、4回目。これまで狩猟に関わりを持っていなかった人の関心を高めようと、ラジオパーソナリティーの内藤聡さんを進行役に、県内外の猟師3人が魅力を語り合う「ハンタートーク」を公開した。県産鹿肉を使ったジビエ料理の試食コーナーも設けた。来場した桐生市の会社員、佐久間健さん(54)は「1年前に東京から移住してきたが、わなの免許を取って少しでも地域に貢献したい」と話し、熱心に説明を聞いていた。県によると、野生鳥獣による2022年度の県内農林業被害額は約5億円で4年ぶりに減少した。だが、シカやイノシシの行動範囲は広がり、近年はアライグマが平野部の民家敷地内に出没するケースが相次ぐ。狩猟免許を持つ人が高齢化し、捕獲の担い手確保が課題となっている。県は関係する施策を展開し、高校生がわな猟免許を取得するなど若い世代が徐々に増えている。霜田会長(80)は「特殊な世界ではあるが、このような機会を通じて興味を持つ人が一人でも増えれば」と期待を込めた。

(狩猟の魅力をPRするセミナー:青森)
クマなどの野生動物による農作物への被害が深刻化する中、狩猟の魅力を紹介して担い手確保につなげようというセミナーが弘前市で開かれました。これは、弘前市や地元の猟友会などが、ハンターの高齢化が進む中、狩りの魅力をPRして担い手確保につなげようと開いたもので、21日は狩猟に関心がある市内の10人ほどが参加しました。セミナーではまず、▽実際の猟の映像などをもとに野生動物の生態や猟の魅力が紹介されたほか、▽狩猟免許を所持する人の高齢化が進んでいる現状などが説明されました。そして参加者は、光線を発射して的を狙う「ビームライフル」や、クレー射撃のシミュレーションによる射撃体験を行い、銃を撃つ難しさや楽しさを学びました。このあと、クマの肉で作られた鍋料理や地元のカモを使ったローストなどのジビエ料理が提供され、参加者はおいしそうに味わっていました。セミナーに参加した30代の女性は「初めて銃に触れたが結構難しかった。祖父の山で栗などが食べられる被害があり、悔しい思いをしたのでハンターになって地域にも貢献したい」と話していました。弘前市農村整備課 齋藤大介鳥獣対策係長は「弘前市でもハンターは減少傾向なので、こうしたセミナーをきっかけに免許を取得してもらい、将来の担い手になってもらいたい」と話していました。

(植生復元へシカ捕獲巡り初の意見交換会:滋賀)
伊吹山(1377メートル)の植生復元に向けたシカの捕獲に関し、米原市の平尾道雄市長と県猟友会米原支部は21日、市役所山東支所で初めての意見交換会を開いた。市と地元の狩猟者がどう連携を進めていくべきか意見を交わした。伊吹山は2023年7月、大雨で南側斜面が崩壊。登山道は今も通行止めが続いている。シカの食害で山肌があらわになる状況が深刻化している点が要因の一つとして、市はシカの捕獲の強化を進めている。

(シカを捕獲する新技術の勉強会:広島)
シカによる農作物被害が深刻ですが、被害は山の中の植林地にも広がり、林業にも影響が出ています。こうした中、広島県は植林地のそばでシカを効果的に捕獲するマニュアルを作りました。対策の切り札となるのか?先日、初めての研修会がありました。世羅郡森林組合 向井久宣 課長「シカの被害、特に本当に困ってるので。何かいい手立てはないかと思って」。広島県が開いた研修会には市・町の林業関係者ら20人あまりが参加しました。その目当てがシカを捕まえる新しい技術「水際捕獲」です。県が業者に委託して行った実証試験で3年前、注目の結果が出ていました。広島県林業課 小谷美紀 担当監「1か月で31頭のシカ捕獲すると、その後の3か月間シカの被害がその施業地ではなかったと。とても効果があると思っております」。シカの被害を受けやすいのは植林地に植えたヒノキなどの苗木です。狩猟の場合、山の中に潜むシカの居所を突き止めて行います。これに対して「水際捕獲」は植林地のそばにエサ場を作り、シカをおびき寄せ餌付けします。餌付けが出来たタイミングでくくりわなを設置、エサを食べに来たシカを捕まえます。県では、その後も試験を行って2023年3月、捕獲マニュアルを作成、今回の研修会となりました。実習は、安芸高田市吉田町のヒノキの植林地で行われました。実はここ、3年前、実証試験を行った同じ場所です。安芸北森林組合 上小田昌平 課長「ここはすごくシカの多いとこなんで、どんな感じなのか見させてもらいたいなと思っています」。講師は、実証試験を請け負った業者です。手に持ったのはシカの好物という牧草を固めたエサです。講師 BO-GA 市川哲生 専務「始めの頃は、こうやってパラパラってまいておく、ここで食ったらうめえな!となったとしたら、見渡したら、おっここにあるじゃないか!と来てくれるっていうストーリーです」。講師は◇エサやりは1~2週間以上続ける。◇餌付けできたらくくりわなを設置すると、手順を説明しました。くくりわなについては詳しく使い方を指導しました。これまで植林地の獣害対策は防護柵を張るだけで、捕獲は猟友会頼みでした。柴田和広 記者「3年前の実証試験のときは、このヒノキの植林地の周り700メートルに30カ所のエサ場を作って、シカの餌付けをしたそうです。1か月間31頭の捕獲のかげでは30カ所のエサを1か月間、毎日、新しくする努力があったということです」。講師 BO-GA市川哲生 専務「エサでおびき寄せて、そこは手間をかけるんですけど。人間の都合のいいところでエサでおびき寄せることで、安全性とか効率性を増すことができる。狩猟者さんだけに依存するんじゃない、新しい捕獲技術じゃないかなと思います」。参加者の1人は「いいやり方だと分かった。しかし、費用や労力の問題もある。導入については持ち帰って検討したい」と話していました。広島県では今後もこうした研修会を開き、普及を図る考えです。広島県の一昨年度のアンケート調査によると、5年以内に苗木を植えた植林地の約3割が野生動物の被害を受けていて、このうちヒノキの被害の7割はシカによるもの。シカ対策が急がれます。この「水際捕獲」は一部、農業分野にも導入されていて、北広島町と安芸高田市との境界区域で行ったところ、かなりの頭数を捕獲したという報告もあります。効果のある捕獲方法といえますが、その餌代の費用と人手をどこから捻出するかが課題となっています。

(鷹狩りの文化学び触れる:佐賀)
江戸時代に武家社会で盛んだった「鷹狩り」を知ってもらおうと、武雄市のNPO法人「日本鷹馬文化顕彰会」が21日、鹿島市の旭ケ岡公園(鹿島城跡)で体験イベントを開いた。鷹匠の石橋美里さんによる実演や日本在来馬との触れ合いを通して、伝統文化の魅力を伝えた。鷹狩りは武士の軍事訓練と娯楽を兼ねており、鹿島鍋島藩でも歴代藩主らが七浦地区などで行った記録が残っている。石橋さんは鷹狩りと日本在来馬の歴史について解説し、「鹿島は昔からカモなどの渡り鳥が多く、狩り場ではタカを使って猟が行われていた。地域の歴史について興味を持ってほしい」と呼びかけた。イベントでは馬での伝令のデモンストレーションや、子どもたちの乗馬体験もあった。馬に乗った鹿島小4年の馬場翔琉君は「毛が柔らかくて、気持ちよかった」と喜んでいた。

(命と向き合う浜松の女性猟師「感謝忘れない」:静岡)
「ごめんね。ありがとうね」。浜松市浜名区のわな猟師佐田恵利子さん(50)は、仕留めたばかりのイノシシの腹をポンポンとそっとなでた。ミカンの食害が問題となっている同区の三ケ日。同地区を拠点に有害鳥獣の捕獲に取り組むNPO法人「ルーツジャパン」(岡本浩明理事長)に所属する女性猟師に同行した。被害を受ける農地の周辺を見回って、土が掘り返された跡やミカンを食べた痕跡を探していく。スギなどが並び立つ森の中、イノシシが通りそうなポイントを見つけると、くくりわなを仕掛けて土や落ち葉で覆う。昨年12月下旬、全長1・3メートル、体重75キロほどの雌がわなにかかった。佐田さんは安全のため、銃でイノシシにとどめを刺す。静かな森の中に銃声が響き、約10メートル先の獲物の頭部を一発で捉えた。作業場に運び、その日のうちに解体した。猟を始めたのは2021年5月。岡本さんが主催した地元猟師との交流イベントなどに参加する中で関心を持ち、挑戦を決めた。「最初はわなを仕掛けても気づかれ、避けられてしまった」と振り返る。イノシシの賢さを知り、駆け引きの魅力にも引かれた。経験を重ねて、現在までに約60頭を捕獲してきた。イノシシに向かい手を合わせる佐田さん。「誰かの役に立てることにやりがいを感じる。(命を奪うことに)申し訳ないという思いは今でもある。感謝の気持ちを忘れずに、向き合い続けたい」と話す。

(「Z世代」若手猟師が増えている背景とは:京都)
京都市近郊の山でシカやイノシシを追う20代の若手猟師が活躍している。高齢化が進む猟友会では珍しく、生まれた時からインターネットがあった「Z世代」らしく動画サイトで狩猟技術を独自に学びながら命の重みをかみしめている。

(クマと衝突し貨物列車遅れ:群馬)
18日午後5時半ごろ、みなかみ町鹿野沢のJR上越線の水上駅―湯檜曽駅間で、隅田川駅発新潟貨物ターミナル駅行きの下り貨物列車(13両編成)がクマと衝突した。この事故で同線は水上駅―土樽駅間で上下線ともに一時、運転を見合わせた。

(千葉駅付近にイノシシ、どこから?:千葉)
千葉市中央区のJR千葉駅付近に昨秋、イノシシが現れ、警察官が多数出動しての大捕物となった。県都の中心市街地に出現したイノシシは果たしてどこからやってきたのか。市内でイノシシはそこまで増えているのか。イノシシの生息域を捕獲状況などから推定した県の「第3次第2種特定鳥獣管理計画」(2022年3月公表)によると、生息域は00年の時点では房総丘陵の中心地域に限定されていたが、05年ごろから県南端に拡大。その後、北部にも広がり、近年は東京隣接市以外の全域に広がっていると見られている。

(クマが出没しました:静岡)
2024年1月19日(金)20時頃、富士宮市内房の本成寺付近でクマの目撃情報がありました。周辺のみなさんは危険ですので、クマの活動が活発となる早朝や夕方以降の外出の際には、特にご注意ください。

(イノシシ目撃、通報数件:栃木)
19日午後3時ごろ、小山市粟宮の路上で、体長約1メートルのイノシシ1頭が歩いているのを通行人が目撃し、110番した。

(冬眠していない個体か、親子とみられるクマの足跡が発見される:北海道)
クマの足跡が発見されたのは函館市瀬戸川町の住宅から約5メートルの空き地と付近の道路です。警察によりますと、足跡は15センチと30センチの2頭分が確認されていて、親子クマの可能性があるということです。道路には、南の方向に坂を下るように足跡がついていました。ハンターや警察が捜索に当たりましたが、クマの発見には至っていません。警察は引き続きパトロールを実施する予定です。

(わかやまジビエを食べよう:和歌山)
野性のシカやイノシシを使った料理を提供する「わかやまジビエフェスタ」が2月29日まで、県内の飲食や宿泊施設90店で開催されている。今回が13回目で、県畜産課は「野生動物による農作物被害を減らすため、捕獲数を増やした。ジビエ肉をPRすることで命を無駄にせず、消費するのが大事」と訴える。ジビエとは、野性鳥獣の肉のことで、県内で捕獲され、認証施設で処理、加工された野性のシカとイノシシの肉を「わかやまジビエ」と位置づけている。また、品質のバラつきをなくすため、全国に先駆け、牛肉のように肉質等級制度を設けた。シカは低脂質、高たんぱくで鉄分が豊富。イノシシにはビタミンB6やタウリンが多く含まれる。認証処理施設第1号のいの屋社長で、鳥獣保護管理捕獲協会の北浦順嗣会長は「昔は猟師が血抜きしており、臭いイメージが強かった。現在は施設で処理するので臭みはない。フェスタを機に、一度食べてもらえば、きっと分かってもらえる」と自信を見せる。

(捕獲した有害鳥獣を有効活用:鹿児島)
農作物に被害を与える有害鳥獣を有効活用しようと、鹿児島県は18日、日置市でジビエ(野生鳥獣肉)研修会を開いた。県内各地から処理加工施設の運営者や猟師らが集まり、良質な肉を供給し、生かすためのアイデアや技術を学んだ。

(鴨のまちへの挑戦:福岡)
九州経済産業局、九州SDGs経営推進フォーラム、小郡市の共催で地域づくり勉強会が開催されます。小郡市で取り組む「鴨のまちプロジェクト」について紹介するほか、糸島を拠点にジビエの普及に取り組む社会起業家の西村直人氏から、今後の小郡市の取組みを加速するための方策が示唆されます。地域づくりについて一緒に考えてみませんか。

(県産シカ肉のオイル漬け缶詰:岐阜)
岐阜市羽根町の飲食店「お遊食おせん」を経営するひょうたん姉妹(岐阜市)は、アウトドア食品ブランド「GIBIER CAMPUS(ジビエキャンプ)」を立ち上げた。店舗の一部を専用の工場に改装し、第1弾として県産シカ肉のオイル漬けの缶詰を昨年11月に商品化。年間5千~1万個の販売を目指す。シカ肉をオリーブオイルで漬け込み、スパイスにクミンを使っている。そのまま食べられるが、オイルごと鉄板で焼いてステーキにしたり、煮込んでアヒージョにしたり。バゲットやパスタに合わせてもいい。活用の幅が広く、キャンプ時の食材としてもってこいだ。

(ジビエペットフード需要拡大に向けたシンポジウム:長野)
信濃毎日新聞社(本社・長野市)は、2016年から鳥獣被害対策の一環でジビエペットフードの開発事業に取り組んでいる小諸市農林課との共催により、各分野の専門家を講師に招き、ジビエペットフードを取り巻く状況や解決すべき様々な課題、ペットの健康に果たす役割について考えるシンポジウムを開催します。行政や製造関係者、獣医師、バイヤーの方のほか、一般の方どなたでもご参加いただけます。来場特典として小諸市、信濃毎日新聞社の提供による「鹿肉ペットフード」「カイコ入り鹿肉ペットフード」をプレゼント。また、当日は商談用のスペースもご用意しています。ぜひご来場ください。

(ジビエ紹介:神奈川)
農林水産省が1月9日から12日にかけて、東京都千代田区霞が関の同省北別館1階「消費者の部屋」で行った展示「知って!楽しむ!ジビエ」で、秦野市のジビエの紹介とジビエ商品の展示が行われた。全国各地で問題になっているシカやイノシシなどによる農作物被害。これらの捕獲と、ジビエとしての利用が広まる中、地域資源の活用として同省では消費拡大を推進している。これをPRする同イベントに、地域のジビエ活用の事例として秦野市のブースが出店。市内の鳥獣対策とジビエ活用の取り組みや、TANZAWA GIBIERの「丹沢ジビエレザー」、川上商会の「イノシシ肉キーマカレー」のレトルト、鹿肉を使った北京館の「ジビエ麻婆豆腐の素」も紹介された。また、10~11日はTANZAWA GIBIERの伊藤彩夜加さんが現地を訪問。11日には秦野市議会議員と秦野商工会議所職員と共に、これからのジビエのあり方や秦野の現状、問題点を同省職員と意見交換した。

(三陸・大槌のジビエプロジェクト:岩手)
三陸のほぼ中心に位置する大槌町で知られる「大槌ジビエ」。『害獣』を『まちの財産に』を合言葉に、捕獲したシカを地域資源として活用し事業を行っているMOMIJI株式会社。その紹介記事に続き、MOMIJI株式会社のシカを中心としたジビエサイクルの考え方から生まれた「大槌ジビエツーリズム」より、三陸・大槌の自然を体感し、ジビエを通じて命を学ぶ体験プログラムをご紹介します。その3つ目が「マタギのガイドによる雪山体験&足跡探し~ジビエに触れるジビエBBQ~」と題した雪山歩きのプログラム。これは、大槌町の自然に魅せられ移住した人と、地域おこし協力隊員からなる若手チームが企画・同行する、狩猟と雪山の世界に触れるプログラム。メンバーは「大槌ジビエツーリズム」のリーダーでありハンターの大場さん、マタギ&解体士の松橋さん、そして野生動物調査員の小倉さんなど「大槌ジビエツーリズム」を支える中心メンバーです。集合場所の公民館の1室。はじめは小倉さんが、ホワイトボードに小動物の足跡を書いてクイズを出題。雪山に残る足跡はどのような動物が通ったのかを探る、重要な手がかりです。足跡を見て、動物の種類や体の大きさ、足の形、歩き方などがわかります。大きな肉球と爪がついているのがクマ、2本の蹄が目印なのはカモシカ、シカ、イノシシで、歩幅や足跡の深さでどの種類なのかを判断するなど、山での猟で必要な知識を学びます。そして、松橋さんからは狩猟を生業とするマタギが使う「山言葉」のレクチャーがあり、クマ=イタズ、ウサギ=シガネ、小動物=ケラなどを覚えてから、クルマに乗ってまだ雪が残る新山高原へと向かいます。新山高原は大槌町と遠野市との境にある高原地帯。山の中腹でクルマを降り、まずは神社へ立ち寄って参拝。神様に山に入る許可をいただき、安全祈願を行います。それからスタッフガイドのもと、徒歩で雪の残る山中へと入っていきます。しばらく進むとスタッフがいち早く動物の足跡を発見。子供たちに声をかけ「これは何の動物かな?」と問いかけます。雪面に残るウサギやシカが歩いた形跡が点々とのび、子供たちの目が輝きます。しかしそれもつかの間、子供たちは夢中になって雪遊びを始めました。林の中を探検すると、シカが樹皮を食べた跡や、土手を崩し生き物が獣道を作った痕跡、高い木の上にある鳥の巣など生き物のいろいろな息遣いを見ることができます。探索のあと山を下り、今度は巻狩(まきがり)体験です。巻狩とは、ひとりで山に入り、動物の足跡をたどって猟を行う「忍び猟」と違い、10~20人の大勢で山に入り動物を追い出す人と撃つ人に分かれて行う猟の方法のこと。銃の持ち方や扱い方の注意事項を聞いたあと、追い出し役のリーダーの「撃て!」の合図で、スタッフが作ったシカの的に向かってエアガンを撃ち、マタギの世界観を疑似体験。たっぷりと雪山を堪能した後は公民館へと戻り、待ちに待った「大槌ジビエ」のランチです。鹿肉をたっぷりのオリーブオイルでこんがりと焼き、塩コショウでシンプルに味付け。参加者は旨味たっぷりのジビエで、エネルギーをたっぷりとチャージしました。このプログラムは、新山高原に雪が残る春先に実施。詳細は大槌ジビエツーリズムHPまで。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、28日午後2時50分ごろ、角田市高倉天王前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後4時40分ごろ、富谷市富谷高屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、27日午後4時30分ごろ、角田市君萱山田にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日、仙台市泉区福岡堰添にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、20日午前11時45分ごろ、登米市中田町浅水長谷山にクマが出没しました。

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(ハーフライフル銃の所持条件厳格化、ヒグマの会など反対の声明:北海道)
エゾシカやヒグマの駆除で使われる「ハーフライフル銃」をめぐり、専門家などでつくるヒグマの会やエゾシカ協会は、所持の条件を厳しくする法律の改正が行われれば、道内のヒグマやエゾシカ対策に大きな影響が出るとして、反対する声明を発表しました。去年5月、長野県で警察官2人を含む4人が殺害された事件で「ハーフライフル銃」が使われたことなどを受けて、政府は今月26日に開会する通常国会に、「ハーフライフル銃」の所持資格を厳しくすることを盛り込んだ銃刀法の改正案を提出する方向で最終調整を進めています。これについてヒグマの会とエゾシカ協会は18日に道庁で記者会見を開き「現在、許可申請が認められればハーフライフル銃を持つことが出来るが、散弾銃を10年間所持した実績がないと許可申請できないという法改正が行われれば、エゾシカやヒグマの駆除に甚大な影響を及ぼす」として強く反対する声明を発表しました。声明ではハーフライフル銃が使えないと至近距離での散弾銃の発砲を余儀なくされて駆除の際の危険性が増し、捕獲数が大幅に減る恐れがあるほか、ハンターの間での技術の継承もできなくなり、なり手不足に陥る可能性もあるなどとしています。エゾシカによる農業被害などが増加する中、北海道はことしから再来年までの3年間を「緊急対策期間」として対策を強化することにしていて、法律を改正する場合は、道内の事情を考慮するよう国に働きかけるなど、対応を検討することにしています。ヒグマの会の事務局長を務める酪農学園大学の佐藤喜和教授は、「ハーフライフル銃の9割は北海道で使用されているが、5年後、10年後にヒグマなどの駆除に対応できる人がいなくなるおそれがある」と話しています。【道内銃砲店の組合関係者は銃刀法の改正案にハーフライフル銃の規制を強化する内容が盛り込まれていることについて、道内の銃砲店でつくる組合の関係者は、若手のハンターを中心にハーフライフル銃が使われる機会の多い道内では、特に規制の影響が大きいと懸念しています。ハーフライフル銃とは、銃身の内側に刻まれている「ライフリング」と呼ばれるらせん状の溝が銃身の長さの半分以下になっているものです。「散弾銃」と比べると3倍ほどの有効射程がありながら、より威力が強く散弾銃などを10年間続けて使用した実績がないと所持できないライフル銃と違って経験の浅いハンターでも所持することができます。道内の銃砲店でつくる北海道銃砲火薬商組合によりますと、道外よりも広い範囲で猟が行われる北海道では、ハンターが遠くから獲物を狙う機会が多く、ライフル銃を所持できないハンターは、散弾銃よりも射程の長い「ハーフライフル銃」を選ぶケースがほとんどだということです。北海道銃砲火薬商組合の沖慶一郎組合長は、「散弾銃でヒグマを狙う場合、50メートルほどの距離まで近づく必要があるため弾が外れてしまったら、わずか3秒ほどで反撃されてしまう。経験が浅いハンターがヒグマなどを撃つことができなくなり、ハンター不足がさらに深刻になるおそれがある」と話しています。

(大日本猟友会、ハーフライフル規制強化「今は推移を見守る」)
野生生物の捕獲に用いられる猟銃の一種「ハーフライフル」の所持について、警察庁が規制の強化を検討している。26日召集の通常国会に銃刀法改正案を提出予定で、エゾシカやヒグマの管理研究に取り組む道内の2団体などが反対している。そうした中、都道府県の猟友会が加盟する一般社団法人大日本猟友会の佐々木洋平会長(81)=岩手県一関市=が17日、東京都内の事務所で北海道新聞のインタビューに応じ、規制強化について自身の考えを述べた。一問一答は以下の通り。―これまで初心者でも所持ができたハーフライフル銃について、警察庁はライフル銃と同等に銃の所持から10年たたないと所持できないよう規制を強化しようとしている。「昨年末、警察庁から(昨年5月の)長野県のハーフライフルによる殺傷事件を受け、そのように法改正したいとの説明を受けた。とりあえず内容については分かったと回答した」―ハーフライフルは全国に3556丁あって、そのうち道内は1738丁と約半分を占めており規制されると影響が大きい。道猟友会など関係団体は反対声明を出して反発している。「私の所属する岩手県猟友会も所持している割合は高い。全国のハンターも反対している人は多いが、行動に出していないだけ。一度認めた銃の規制を強めることは行政上問題があると思っているし、行政への不信感につながると感じる」―大日本猟友会としても反対する考えはあるか。「大前提として、われわれの最優先事項は猟銃による事故、事件をなくすことに尽きる。今回の(長野の)銃撃事件は、狩猟もクレー射撃もしない人物に銃を所持させていた警察の対応にそもそもの根本原因があると思っている。ただ、4人も被害者が出てしまっている以上、個人的な思いとしては規制強化もやむを得ないのではないかと感じる。われわれが了承するしないにかかわらず、警察庁は規制を強化する。(弾を回転させ射撃の精度を上げるため銃身内部にらせん状の切り込みを入れる)ライフリングが銃身の半分以下だとしても、ハーフライフルもライフル銃だと言われても仕方の無い代物。ただ、もう一度警察庁と話し合いを持つつもり。今は推移を見守っている状況なので何とも言えない」―北海道や北東北などクマの人身被害が多い所は除外するよう求める考えは。「そうした考えはない。やるなら全国一律であるべきだと考える」―規制強化により道内ではハンターを志す若手が減るとの懸念がある。「初心者がシカやクマなどの大型哺乳類を撃つということ自体難しいのではないか。まずは散弾銃でカモなどの鳥類から始めるべきもの。経験の浅いハンターがシカやクマの駆除を担うのは危険だ。ただライフル銃の所持者を維持するために、会では2020年12月22日付で内規を改訂し、有害駆除に従事する実施隊員については散弾銃を所持してから5年でライフル銃を持てるようルールを定めている。つまり狩猟では使えなくても駆除に使う場合は5年でライフルが持てるようにしている。このルールを徹底するよう都道府県警と自治体に促していく。また、散弾銃でも飛び散らない1発弾(スラッグ弾)を使うという代替手段もある。規制強化されても影響を最小限に食い止める仕組みはすでにあると考える」

(クレー射撃協会が理事解任を審議へ、2月2日に臨時総会)
不適切経理などの問題が浮上している日本クレー射撃協会は17日、東京都内で理事会を開き、各都道府県の代表者(正会員)から出された全理事の解任請求について協議するため、2月2日に臨時総会を開くことを決めた。組織運営の透明性を欠くとして、15人の正会員から請求が出ていた。この日の理事会では、冒頭で不老安正会長の解任動議が出され、出席した17人の理事のうち9人が賛成したが、会長解任による混乱を懸念する声が出て会議を中断。動議の提出者と不老氏らが協議し、扱いを保留することになった。協会を巡っては、五輪選手輩出のための支援金を募った事業で集まった資金の目的外使用などがあったとされている他、銃弾の取り扱いが不適切だったとして、役員が火薬類取締法違反の疑いで刑事告発される事態も起きている。

(「エゾシカ緊急対策期間」の設定について:北海道)
道内のエゾシカ推定生息数は、平成22年度から平成26年度までの「緊急対策期間」において捕獲強化に取り組んだことにより、平成23年度の77万頭をピークに一旦減少しましたが、平成30年度の65万頭から増加に転じ、令和4年度には72万頭まで増加したと考えられます。一方、エゾシカによる農林業被害額は、侵入防止柵の設置による防除対策に取り組んだこと等により、平成23年度の6,409百万円をピークに減少傾向にありましたが、平成30年度の3,858百万円から増加に転じ、令和4年度には4,846百万円まで拡大しています。また、エゾシカが関係する交通事故発生件数は令和4年に4,480件、列車支障発生件数は令和4年度に4,273件となり、いずれも過去最多となっています。このように、人とエゾシカとの軋轢が深刻化していることから、道では、北海道エゾシカ対策推進条例に基づき、緊急にエゾシカの捕獲等の措置を強化する必要があると判断し、令和6年1月から令和8年12月までの3年間を「緊急対策期間」として設定し、エゾシカの捕獲等の実施主体その他関係する機関及び団体と連携協力して、エゾシカの捕獲等を重点的に推進することとしました。期間中の取組を通じて、北海道エゾシカ管理計画(第6期)に掲げる「適正な個体数管理」と「捕獲個体の有効活用」を推進し、人間活動とエゾシカとの軋轢の軽減、エゾシカと人間の共生、及び本道の豊かな生物多様性の保全とその持続可能な利用を目指します。

(「第二のOSO18」防げ、ヒグマ捕獲へ先手:北海道)
北海道は、人や家畜に対するヒグマ被害が昨年多発したことを受け、残雪期の春に狩猟者を出動させて、ヒグマを捕獲する市町村への財政支援を新たに始める。農業現場では、乳牛を相次いで襲った通称「OSO(オソ)18」のようなヒグマが再び出現することへの懸念は根強い。狩猟者の出動経費などを助成し、熊の人里への出没抑制と人、家畜の安全確保に加え、次世代の狩猟者育成を目指す。道によると、2023年度の道内のヒグマ被害者数は12月までで9人。うち2人は死亡している。被害者数は記録のある1962年度以降で2番目の多さだ。農業関連の被害規模は集計中だが、「OSO18」によって乳牛が殺されたり、飼料用トウモロコシが食い荒らされたりした被害が見付かっている。道内の農家には「第二のOSOが出現するのではないか」(道東の酪農家)と懸念する声が多く出ている。道は「冬眠明けの春以降も警戒しなければならない。安全確保のためにも個体数を管理する必要がある」(ヒグマ対策室)と判断。2023年度の追加補正予算で「春期管理捕獲支援事業」に1500万円を確保。近く申請を受け付ける。狩猟者の日当や捕獲時の報酬に加え、経験の浅い狩猟者への事前研修や指導者の派遣経費などを半額まで補助する。道は22年度から「春期管理捕獲」として1990年以降規制されていた残雪期の捕獲を開始。「ヒグマに警戒心を植え付ける」(同室)ため、人の生活圏からおおむね10キロ以内の区域で、親子連れの捕獲や冬眠中の個体を捕殺する「穴狩り」を認めており、23年度は、実行する市町村の経費を補助することにした。人材育成も視野に入れ、同10キロ以上離れた区域では、ベテラン狩猟者と経験の浅い狩猟者が一緒に行動するよう求めている。

(シカ被害、作州地域で深刻:岡山)
野生のニホンジカが岡山県北部の作州地域で増加し、分布を拡大している。2018年度以降、県全体の推定生息数は減少している一方、作州では新たな出没地が目立ち、特に津山、真庭地域で捕獲と被害が急増。

(小学校グラウンド脇でクマ目撃:秋田)
17日午後、美郷町の小学校のグラウンド脇でクマが目撃され、警察が注意を呼びかけています。クマが目撃されたのは美郷町土崎の千畑小学校のグラウンド脇の立ち木です。大仙警察署の調べによりますと17日午後2時20分ごろ、町民から連絡を受けた美郷町役場の職員が体長約50センチのクマ1頭が木の上にいるのを確認しました。町では木の近くに捕獲用のわなを設置して、警察と警戒にあたりましたがクマはわなに入らず、午後6時半ごろ立ち去ったということです。周辺では14日と15日にもクマが目撃されていて警察が、付近の住民に注意を呼びかけています。県内では18日未明にも北秋田市阿仁前田の住宅敷地内で体長1.2メートルのクマ1頭が目撃されています。

(真冬にクマ?年明け“目撃”多発:山口)
冬眠はしていないのでしょうか。真冬も目撃が相次いでいます。クマとみられる動物が目撃されたのは山口県防府市です。塗装会社の防犯カメラがそれを捉えていました。体長は80センチほどとみられています。右田新町自治会 清水明会長「確かにクマかなとも思うし、ちょっとクマにしては小さいんで、もしかしたら犬かもしれないし。猟友会の人にも来てもらったんですけど、『これはどっちかといえばクマかもしれない』という意見が強かった」。防府市では7日にも今回の現場から約1キロ離れた小学校の校庭で“クマの親子”とみられる足跡が確認されています。16日、クマとみられる動物が目撃された現場付近は小学生の通学路にもなっています。右田新町自治会 清水明会長「近所に親のクマがいたら、これはちょっと恐ろしいことになるかもしれないという気はありますね。重点的に子どもたちの帰る時間と行く時間は見回りを強化しようと思っています」。警察によりますと、今年に入って山口県内でのクマに関する目撃情報はこれで4件目だということです。

(クマ目撃、住宅地近く:島根)
17日午後5時40分ごろ、江津市二宮町の飯田八幡宮北側の市道付近で、成獣のクマ1頭が目撃された。現場は市立青陵中学校から南東500メートルで、近くに住宅地がある。住民が江津市に通報した。体長は不明。

(フレンチシェフが“みえジビエ”出張授業を開催:三重)
三重県立明野高等学校の高校生を対象に、フレンチシェフによる“みえジビエ”を使用したメニューの実習授業が開催されます。フランス料理の用語で、捕獲された野生のシカやカモ類等の鳥獣の肉を指す「ジビエ」。三重県によると、野生のシカやイノシシなどを食肉にするためには、食品衛生法による食肉処理業等の許可を受けた施設で処理を行う必要がありますが、関係法令では、衛生管理の具体的な作業内容まで示されていないため、個々の事業者が独自の方法で取り組んでいるのが現状です。そこで、三重県では人々がジビエをより安全においしく食べられるよう、「みえジビエフードシステム衛生・品質管理マニュアル」と「みえジビエフードシステム登録制度」を制定。「みえジビエフードシステム衛生・品質管理マニュアル」に沿って、捕獲から解体処理、加工、調理などを行った安全で高品質のジビエを、“みえジビエ”として展開しています。そんな“みえジビエ”の魅力を知ってもらうべく、三重県では「三重県立明野高等学校」にて、フレンチシェフによる出張授業を開催。授業では、みえジビエに関する説明が行われ、三重県津市のフレンチレストラン『ミュゼボンヴィヴァン』の出口直希シェフによる、みえジビエ鹿肉メニューの実習授業が行われます。

(「房総ジビエフェア2024」の開催:千葉)
県では、「房総ジビエ」のおいしさを多くの皆様に味わっていただき、更なる房総ジビエの消費拡大を図るため、県内外の店舗60店(予定)が参加し、多彩な房総ジビエ料理や商品を提供・販売する「房総ジビエフェア2024」を開催します。本フェアでは、今年度開催した「第6回房総ジビエコンテスト 加工食品部門」及び「第6回房総ジビエコンテスト スペシャリテ部門」の受賞作品を味わうことができます。また、フェア期間中に、参加店舗で対象の房総ジビエ料理や商品を1,000円以上注文・購入し、応募された方の中から抽選で100名に県産品等をプレゼントします。

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(クレー射撃協会、不適切経理か)
日本クレー射撃協会が五輪選手輩出のための支援金を募った事業で、不適切経理の疑いがあることが15日、複数の関係者への取材で分かった。集まった計240万円の一部で目的外使用などがあり、返金を求める協賛社もある。この事業は選手の海外派遣などの資金を募るため、2021年10月の理事会で決定。関係者によると、支援金の一部がトップ選手不在の大会の賞金や、協会職員の臨時給与に充てられたという。協会と別団体の口座に振り込むよう求められたケースもあった。60万円を寄付した会社経営者の丸石博氏は共同通信の取材に「強化のために充ててほしかったのが、本来の目的で使われず誠に遺憾」と述べた。協会は「問題は認識しているが、それ以上はコメントできない」とした。日本協会を巡っては、この件も含めて告発する匿名文書が昨年、日本オリンピック委員会(JOC)に届いた。JOCの指示で実施した第三者の弁護士による調査では「適正な組織運営、資金管理を阻害しかねない不適切な行為といい得る」と指摘された。

(去年1年間にクマに襲われけがした人70人、過去最悪に:秋田)
県内では、去年1年間にクマに襲われるなどしてけがをした人は70人と、過去最悪の被害となりました。県はクマが冬眠する時期になっても集落近くで目撃されることもあることから今月末まで県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出して注意を呼びかけています。県内では去年1年間にクマに襲われるなどして70人がけがをし、統計を取り始めて以降、最も多かった平成29年の20人の3.5倍となり、過去最悪の被害となりました。県が被害の場所を調べたところ、全体の87%にあたる61人が民家などが近くにある人の生活圏で襲われていたということです。また、クマの目撃件数は3666件と、これまでで最も多かった平成29年の1299件を大幅に超えて過去最多となりました。さらに、クマが冬眠する時期になっても集落近くで目撃されることもあることから県は「ツキノワグマ出没警報」を今月末まで延長し、注意を呼びかけています。県自然保護課は「人の生活圏へのクマ出没の背景は山の中の食べ物不足だけでなく、人口減少やクマの分布域の拡大もある。引き続き、集落の柿や米などを食べられないよう適切に管理してほしい」としています。

(兵庫県立総合射撃場指定管理者候補者の選定:兵庫)
兵庫県立総合射撃場の業務について、令和6年4月から業務を開始する指定管理者を公募し、応募者の中から下記のとおり候補者を選定しましたので、お知らせします。今後、地方自治法の規定に基づき、兵庫県議会での議決を得て、知事が指定する予定です。1 指定管理者候補者 候補者:株式会社野生鳥獣対策連携センター 所在地:丹波市青垣町佐治94番地-2 代表者:代表取締役 坂田 宏志 2 指定管理期間(予定) 令和6年4月1日から令和11年3月31日まで(5年間)

(散弾銃発射事件、男性に罰金30万円の略式命令:大分)
去年3月、狩猟が認められていない豊後大野市の清掃センターの近くで、猟のために散弾銃を撃ったとして略式起訴された70代の自営業者が、竹田簡易裁判所から罰金30万円の略式命令を受けました。略式命令を受けたのは大分市の70代の自営業者です。自営業者は去年3月、豊後大野市三重町にある清掃センターの近くで、狩猟が認められていない場所であるにもかかわらず、猟のために散弾銃を発砲したとして警察の捜査を受け、去年9月、鳥獣保護法違反や銃刀法違反などの疑いで書類送検されました。銃弾は清掃センターの事務所のガラス戸などに当たりましたが、この日は休みだったため出勤していた職員はおらず、けがをした人はいませんでした。竹田区検察庁は先月27日に略式起訴し、竹田簡易裁判所は17日までに罰金30万円の略式命令を出しました。

(オオタカに鳥インフル疑い:群馬)
群馬県は16日、太田市で15日に回収した野生のオオタカ1羽の死骸から、簡易検査でA型鳥インフルエンザの陽性反応が確認されたと発表した。野鳥での疑い事例は県内で今季初めて。国立環境研究所が遺伝子検査で高病原性かどうかなどを調べている。県によると、15日午後1時半ごろ、一般の人から「タカが死んでいる」などと桐生森林事務所に通報があり、県が委託する検査機関で陽性反応が出た。同日夜、環境省は回収地点から半径10キロ以内を野鳥監視重点区域に指定した。同区域に含まれるのは太田、桐生、みどり、大泉、邑楽の計5市町。県は同区域内で他に野鳥が死んでいないかなど監視を強化している。高病原性と判明した場合、同区域の解除は2月12日の見込み。陰性の場合はすぐに解除される。回収地点から半径3キロ以内に養鶏場は2カ所あるが、いずれも異常は確認されていないという。

(玄関出たらイノシシが、驚いた女性転倒しけが:群馬)
14日午後1時過ぎ、群馬県板倉町の住宅で、50代女性が敷地内にいたイノシシに驚いて逃げようとした際に、転んで軽傷を負った。イノシシは逃げ、町は注意を呼びかけている。町産業振興課などによると、女性が玄関先に出たところ、敷地に入り込んでいたイノシシを目撃。逃げようとした際に転び、擦り傷や打撲を負った。自宅の窓ガラスも割れたという。13~14日にかけて、町民から目撃情報が相次いで寄せられている。町は「いたくらお知らせメール」などで注意を呼びかけた。

(新幹線内でクマ撃退用のスプレー誤射か、登山帰りの乗客の男性を過失傷害の疑いで書類送検:静岡)
去年12月、JR浜松駅の東海道新幹線の車内で、クマ撃退用のスプレーが誤って噴射され、乗客が軽傷を負った事件で、警察はスプレーを所持していた男性を書類送検しました。過失傷害の疑いで11日、静岡地検浜松支部に書類送検されたのは、首都圏に住む男性です。この事件は去年12月、JR浜松駅に停車していた新幹線の車内で、クマ撃退用のスプレーが誤って噴射されたもので、乗客5人が目や喉の痛みを訴える軽いけがをしました。警察によりますと、男性は登山帰りに浜松駅から新幹線に乗車していて、安全装置が正しく装着されていないスプレーを袋に入れることなく、リュックサック外側のサイドポケットに入れていたということです。

(シカから「空白地帯」守れ:大阪)
全国的にシカによる農作物や森林の被害が広がる中、府南部の山林はシカの「空白地帯」とされていた。しかし数年前からシカの目撃情報が出始め、地元は危機感を強めている。シカの増加は食い止められるのか。 生い茂ったシダを踏みつけて、梅雨のぬかるんだ山の斜面を上っていく。「この辺りがいいかな」。府立環境農林水産総合研究所の主任研究員、幸田良介さん(40)はそう言うと、シカの生態を調査するためのカメラを木に取り付けた。

(成果上げた県のクマ対策、研究者が最新知見紹介:兵庫)
全国各地でツキノワグマ、ヒグマの出没や人身被害が多発し、大きな社会問題になったことを背景に、兵庫県森林動物研究センター(所長=梶光一・東京農工大名誉教授、丹波市青垣町沢野)は、2月17日午後1時からオンラインシンポジウム「野生動物の保全と管理の最前線―兵庫県におけるツキノワグマの保護管理の成果と広域管理―」を開く。事前申し込みで参加無料。広く聴講を募っている。同センターは設立当初から、ツキノワグマの個体群の保全と被害防止の両立を目指し、個体数の推定のほか、行動特性や植生の解明、対策の効果的検証を行ってきた。2010年に1600件を超える大量出没を経験したのを機に、抜本的に対策を見直し、今年度は全国で出没が大きく増える中、兵庫県は516件(4―12月)と、前年度(509件、4―12月)並の成果が現れている。

(ヒグマ、エゾシカの死骸に執着:北海道)
ヒグマの目撃情報が続く北海道小平町は17日、達布地区の箱ワナを移動した。移動先はヒグマの「通り道」になっていると思われる熊ノ沢の林道入り口で、重機で除雪して設置した。町は11日に熊ノ沢から数百メートル集落寄りの空き地を除雪して箱ワナを設置した。今月4日に近くの民家周辺で足跡が確認されており、エサとなるエゾシカの脚を入れておいたが、ヒグマの目撃や痕跡は熊ノ沢周辺に集中。熊ノ沢から道道を渡り、崖下の小平蘂川(おびらしべがわ)に下りるルートを行き来していると判断した。町では川岸にエゾシカの死骸があるのを確認しており、13日早朝にはこの死骸を食べているような動画も職員が撮影した。ヒグマがこの死骸に執着している間は箱ワナのエサに誘導されることは考えにくく「通り道」への移動を決めた。研究者の中には「がりがりに痩せていないのならエゾシカの死骸がなくなれば冬眠につくと思う。心配なら銃での捕獲も手では」といった意見もある。足跡を追いやすい積雪期はハンターによる猟銃での捕獲も考えられるが、町では箱ワナでの捕獲を優先する考えだ。

(渡良瀬遊水地、増えるイノシシ対策どうする?)
栃木、茨城、埼玉、群馬の4県にまたがる渡良瀬遊水地で、イノシシが増えている。遊水地内は国の鳥獣保護区で駆除には制約があり、「野生動物の楽園」だ。だが、増えすぎることで人への危害が出かねないと心配する声が上がっている。遊水地では2009年ごろからイノシシの姿が確認されていた。わたらせ未来基金の青木章彦理事長は、15年の関東・東北豪雨で渡良瀬川の上流部から多くのイノシシが流されてきたとみる。イノシシは泳ぐ能力にもたけているという。青木理事長は「約1千頭はいると思う」と話す。4県は22年4月、渡良瀬遊水地連携捕獲協議会を発足させた。イノシシやニホンジカの生息状況を把握し、捕獲を進めるのが目的だ。昨年度のドローンなどによる調査では488頭のイノシシが確認された。19年度の205頭から約2・4倍に増えている。23年度は目標捕獲頭数を20頭としているが、関係者の中には「100頭単位の駆除をしないと増える一方」「今、繁殖を食い止めないと歯止めがきかなくなる」と心配する声がある。捕獲は「箱わな」が中心だが、イノシシは嗅覚(きゅうかく)に優れ、なかなかかからないという。ワイヤにバネを組み込んで足を捕捉する「くくりわな」は、毎日のように見回りが必要。もしイノシシがかかっていたとしても凶暴になっているので、確実に仕留めるには銃器が必要になる。しかし、見回りの人手も銃器を扱える人も少ないのが現状だ。協議会では今後、4県の知事や県議会あてに要望書を出し、①捕獲数目標の大幅な増加②わなの設置数の増加③現在は11月1日から翌3月31日までとなっている捕獲期間を延ばし、通年での実施――などを求めていく。イノシシによる農作物の被害は大きい。植物の根を食べるといわれるイノシシが堤防を掘り返すようなことがあれば、治水にも影響が出かねない。毎春、渡良瀬遊水地であるヨシ焼きの時には、火に追われたイノシシが人家がある地区に飛び出してくる。栃木県野木町では22年の春、スーパーの敷地に出たイノシシが人にけがをさせる被害が出た。町役場によると、最近では国道4号辺りまで出没するのが日常になっているという。

(奈良のシカは「神の使い」か「害獣」か:奈良)
奈良公園やその周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」を巡り、保護団体「奈良の鹿愛護会」による虐待の疑いが通報された問題が後を引いている。通報を受けた奈良市は現地調査の結果、同会に対して保護施設の環境を改善するよう行政指導する一方で、「動物愛護法上の虐待はない」と結論づけたが、その後も同会へ苦情が寄せられているという。だが今回の問題は、同会だけの責任なのか。「混乱を引き起こしてしまった」。昨年11月、市が公表した調査結果を受け、同会の山崎伸幸事務局長は記者団の取材に謝罪の言葉を述べ、保護したシカを収容する「特別柵」内の環境を改善する意向を示した。事の発端は、同会の獣医師が昨年8~9月に、特別柵で「虐待行為があった」と奈良県や市に通報したことだ。柵内では衰弱死するシカが多いといい、県や市が調査に乗り出す事態に発展した。県は同11月、柵内についてエサの栄養が不足して掃除が行き届いていないとして、「環境は不適切」と指摘。一方、動物愛護法上の観点から調査した市は、柵内ではやせているシカを確認したものの、餌の枯渇は認められず、収容される前からやせていた可能性があるとし、同法で定めた「虐待を受ける恐れがある事態」に該当しないと判断した。問題に対しては一定のジャッジが下されたが、その後も同会には多くの批判の電話がかかってくるという。ただそもそも、奈良のシカの複雑な位置づけ自体が、保護をより難しくしている。春日大社の「神鹿」とされ、国の天然記念物にも指定されている「奈良のシカ」は、周辺の農家にとっては農作物に被害をもたらす害獣でもある。保護の対象でもあるシカを一律に殺処分するわけにはいかず、同じ奈良市内でも地区によって保護するかどうか対応が異なる。同会は殺処分が認められていない地区で農作物被害を出したシカを生け捕りにし、再びそのシカが害を与えないよう終生柵内で保護するという役割を請け負っている。だがスペースには限りがあり、柵内は過密状態になっているのが現状だ。仲川げん市長は「シカにとって本当に望ましい状態なのか疑問だ」と問題提起した。さらに、シカの保護に携わる人手や予算など資源の問題もある。一般財団法人の同会は県や市から補助を受けて、シカの保護管理を担う。ただ、その仕事は幅広く、負傷したシカの手当てや保護から、シカの角きりといった伝統行事まで多岐にわたる。シカが交通事故にあえば、たとえ早朝であっても同会の当番が軽トラックで出かけて死骸を回収し、持ち帰って弔うという。元県職員で奈良公園のシカの管理に携わった男性は「愛護会の活動は献身的だ」と打ち明ける。奈良市内の農家の男性も「シカの捕獲を一手に引き受ける愛護会には感謝しかない」と話す。山下真知事は「管理を愛護会に任せきりにしていたことは、県にも一定の責任がある」と述べ、昨年12月に特別柵の収容頭数や改善策などについて議論する県の検討部会を立ち上げた。今後は奈良市や国も交えて、保護する地区の見直しなどを検討する意向だ。

(若者に狩猟の極意伝授:静岡)
町域の約90%を森林が占める川根本町は、大井川を中心に豊かな里山が広がり自然を身近に楽しめる一方、野生鳥獣による農作物被害が深刻化している。苦しむ農家を救おうと、同町では若い猟師の育成やジビエの消費拡大を通じて被害の食い止めを図る動きが加速している。同町の猟師殿岡邦吉さん(74)は20~30代の男女5人を弟子に取り、約50年間培った技術と知識を次代につなげている。その取り組みを追った。1月上旬、殿岡さんは弟子の渡辺実優さん(24)を連れ、川根本町内の里山に入った。「ここは昨日シカが通った。こっちは3日前に通ってる。メインで使っている道はここだね」。殿岡さんは山に残るシカの足跡から瞬時に情報を読み取り、渡辺さんに猟の極意を伝えていく。「長く猟師をしていると山を見て動物がどう行動しているか目に浮かぶようになる」と殿岡さんは話す。使用するのは直径12センチ以下のくくりわな。小さなわなをピンポイントで踏ませるため、毎日山に入りシカの習性や山の状況を見極める。同町には約60人の猟師がいるが、そのうち約75%を60歳以上が占める。「若い人の中には、狩猟免許を取っても師匠を見つけられず経験を積めない人も多い」と殿岡さんは嘆く。一方でシカやイノシシの捕獲依頼は多く、人手が足りていないという。猟師の高齢化が進む中、増え続ける獣害被害に危機感を募らせ昨年、弟子の若者らと里山保全や後継者育成を目指す団体「TONONKA(トノンカ)」を立ち上げた。初心者向けの狩猟ツアーなども開催し、門戸を広げる活動を進める。同団体は昨年、猟師向けのLINE(ライン)オープンチャットを開設し、師匠を見つけたり猟の情報共有をしたりする場を提供している。同町で地域おこし協力隊員として活動し、猟師の技術を学ぶ渡辺さんは「猟師が働きやすい環境をつくり、なりたいと思う人を増やしたい」と意気込む。殿岡さんは「若者のエネルギーに支えられて頑張れる。少しでも興味がある人はウエルカムです」と笑顔を見せた。川根本町の大井川鉄道千頭駅前の「カフェうえまる」は、シカ肉を使った「大井川ダムカレー」を提供している。約5年前、地元猟師から「シカを駆除しても消費する場所がない」との相談を受け誕生したカレーは、同町にジビエという新たな魅力を根付かせた。白いご飯をダムの堤体、シカの骨からだしを取ったバターマサラカレーをダム湖に見立てた。ご飯の上にはシカ肉の竜田揚げと、大井川ダムのローリング式ゲートをイメージしたちくわが並ぶ。親戚に猟師がいて、小さいころからジビエに親しんできた同店の山本敦子店長は「おいしさを多くの人に知ってもらいたい」と意気込む。低脂肪高タンパクで鉄分を多く含むなど栄養価の高さも魅力の一つ。管理栄養士の資格を持つ山本さんはシカ肉を「山のサプリメント」と例えた。同店は料理に使う野菜や果物も同町内で栽培しているが、「シカが民家のすぐ近くまで群れで来て、全て食べ尽くしてしまう」(山本店長)という。同店の上田まり子オーナーは「農家、猟師、ジビエを扱う飲食店の三役がそろうことが大切。みんなが笑顔になれるよう続けていきたい」と話した。

(イノシシささげ悪霊慰める:宮崎)
宮崎県高千穂町の高千穂神社で13日、イノシシを供えて悪神の霊を慰め、鎌倉時代から続くとされる伝統神事「猪掛祭(ししかけまつり)」があり、世界平和や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。高千穂地方を荒らした悪神・鬼八(きはち)を神社の祭神・三毛入命(みけいりのみこと)が退治したという伝説が由来。

(五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」:熊本)
イノシシの肉を食べてこの1年の五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」が熊本県玉名市の神社で行われました。この祭りは、田畑を荒らすイノシシを神様が退治してその肉を地元の人たちに分け与えたという言い伝えにちなんで、玉名市の滑石諏訪神社で180年あまりにわたって行われています。17日は氏子たち10人あまりが参加してイノシシの剥製の前で神事が行われ、全員で神職のおはらいを受けました。氏子を代表してことしの福男に選ばれた植野司さん(72)が神社の向かいの池に入りひざ下まで水につかりながら、先端に御幣のついた竹ざおを去年のものから新しいものに取り替えました。福男は、ふだんの年は地域の若者が選ばれますが、高齢化が進み、ことしは植野さんが50年ぶりに福男を務めました。植野さんは「災害のない1年になるように願って竹ざおを立てました」と話していました。供えられたイノシシの肉はこのあと地元の各区に配られ、さっそくごぼうと一緒に煮て味わっていました。滑石諏訪神社の宮総代の坂西雪正さんは「過疎化が進んでいますが、伝統の祭りを若い世代に引き継いでいきたい」と話していました。

(ヒグマ駆除の教訓語る:北海道)
浜中町のハンター兼酪農家の岩松邦英さん(56)が、釧路市内で「ヒグマと人間~50頭仕留めて解(わか)ったこと~」と題した講演を行った。町内などでの狩猟や駆除の経験をもとに、地域のクマの特徴や対策の課題について話した。

(クマ1頭目撃、けが人などの被害無し:宮城)
15日夜、仙台市青葉区でクマ1頭が目撃されました。警察によりますと、15日午後7時40分ごろ、青葉区八幡6丁目の路上で、県道31号を車で走行中のドライバーから「クマが歩いているのを見た」と警察に通報がありました。クマは体長約1.5メートルで、けが人などの被害は無いということです。

(県道沿いでうずくまるクマ1頭目撃:宮城)
15日朝、仙台市太白区の県道のそばで、クマ1頭が目撃されました。警察が注意を呼びかけています。15日午前6時頃、仙台市太白区秋保町湯元の県道秋保温泉線をジョギングしていた近所の男性が、クマ1頭を見つけ警察に通報しました。クマは体長1メートルほどで、道路脇にうずくまっていましたが、男性に気づくとすぐに南側の山の中に入っていったということです。現場は秋保の磊々峡から北西に2キロほどの名取川沿いで、天守閣自然公園の近くです。警察が周辺をパトロールして住民に注意を呼びかけています。

(野生イノシシの目撃情報:群馬)
群馬県みどり市で13日夜8時過ぎイノシシを見たという情報が警察に寄せられました。警察はイノシシなど野生動物を目撃した場合は近づかず避難するよう呼びかけています。視聴者が13日夜8時過ぎみどり市笠懸町鹿付近で撮影した映像です。イノシシとみられる動物が道路を走っています。警察には、みどり市笠懸町鹿で昨夜8時過ぎ成獣のイノシシを見たという情報が寄せられました。けが人など被害の情報は入っていないということです。周辺では1月5日、桐生市内でイノシシを見たという情報が寄せられています。警察などではイノシシなど野生動物を見た場合は近づかず避難するよう呼びかけています。また果物や生ごみを放置すると野生動物を呼び寄せる可能性があるとして注意を呼びかけています。

(雪の住宅地を走るクマ:新潟)
新潟県内では、冬になったいまの時期にもクマの目撃情報が相次いでいます。14日午後3時半ごろ、新潟県新発田市で撮影された映像には、雪が積もる中、走っていく1頭のクマの姿が映っていました。クマはコンビニエンスストアの脇から現れ、住宅地の方に走っていったといいます。

(親子熊か、3頭目撃:福島)
福島県警会津若松署会津美里分庁舎によると、15日午後3時30分ごろ、会津美里町東尾岐字台で散歩中の30代女性が河川敷沿いから山に登る熊3頭を目撃した。目撃された熊1頭は体長約100センチ、2頭は体長約50センチで親子熊とみられる。南会津町では1月6日に山林で狩猟をしていた60代男性が熊にかまれて負傷する被害があった。会津若松署会津美里分庁舎は「今の時期、一般的には熊の冬眠時期とされるが、山林などに入る時には十分に注意してほしい」と呼びかけている。

(真冬にクマ目撃?1月すでに4件:山口)
去年、県内でも相次いだクマの出没、真冬になっても目撃情報が…。16日朝も防府市でクマとみられる動物が目撃されました。今年に入ってすでに4件目です。防府市にある塗装会社の防犯カメラで16日午前6時半ごろ撮影された映像です。道路を黒い動物が駆け抜けます。体長は80センチほどと見られます。現場は防府市上右田の住宅街の市道です。自治会長の清水明さんは防犯カメラの持ち主から相談を受け警察に通報しました。=右田新町自治会・清水明会長=「クマかな~とも思うしクマにしては小さくてもしかしたら犬かもしれない猟友会にきてもらって『これはどちらかと言えばクマかもしれない』という意見が強かった」。1キロほど離れた右田小学校では7日、クマの親子とみられる足跡が見つかっています。清水さんによるとこの辺りは通学路で多くの小学生が行き来するそうです。=右田新町自治会・清水明会長=「近所に親のクマがいたら恐ろしいことになるかもしれないという気はある。重点的に子供たちの帰る時間と行く時間は見守りを強化しようと思っている」。警察によりますと今年県内でのクマに関連する目撃情報はこれで4件目だということです。

(河川敷にエゾシカ7頭。専門家「雪少なく越冬地に向かわなかった」:北海道)
帯広市西11北9の十勝川河川敷で14日午後4時ごろ、市内の会社員木村真人さん(52)がエゾシカの群れを目撃してカメラで収めた。「市街地の近くでシカの群れを見たのは初めてで、とても驚いた」と話している。木村さんが、橋の歩道を帯広側へジョギングしていたところ、十勝川右岸の河原をエゾシカの群れ7頭が西に向けて疾走していた。エゾシカは橋の下に隠れ、その後はどこに行ったのか分からないという。突然のことに驚きながらもシカの群れを撮影。「走っている様子は大自然の感じだったが、後ろに帯広市街が広がっている不思議な光景だった」と話した。野生動物の生態などを研究する帯広畜産大学の柳川久教授(64)によると、冬のシカは餌のササなどが雪の下で食べられないため、河口などの越冬地に向かう。今回目撃されたシカは、雪が少ないため帯広付近に滞在していると推測されるとし、「大きな集団ではないので餌が足りなくなるとは考えづらい。何かに驚くなどのアクシデントがなければ、市街地には出てこずに川沿いを動くと思われる」と話している。

(シカ肉をおいしく調理:宮城)
宮城県石巻地域で捕獲されたニホンジカの消費拡大を目的とした「ジビエ料理セミナー」が15日開かれました。飲食店の店主らが、野生のシカ肉をおいしく調理するための知識を学びました。香ばしく焼いたシカ肉にりんごジャムを添えた「ポワレ」。そして、シカ肉と生姜にセリを加えた「しぐれ煮」。石巻市で開かれたセミナーでは、ニホンジカの肉を使った和・洋・中の4品が用意され、飲食店の店主らおよそ70人が試食しました。調理したのは、ジビエの普及に努める長野県のシェフ、藤木徳彦さんです。藤木さんは「野生のシカやイノシシの肉はメスの方が柔らかい」と話し、肉質を見極めることをアドバイスしました。長野県のジビエ料理シェフ 藤木徳彦さん:「自身の店の料理に合わせてオスとメスを使い分けることがひとつの方法。客にも伝わると非常に喜ぶ」。このセミナーは、石巻市などでつくる協議会が、牡鹿半島で数が増え、自然環境に影響を及ぼしているシカの有効活用を目指し初めて開きました。参加した人たちは、おいしいシカ肉を提供しようと、熱心に耳を傾けていました。

(鹿肉そばで被災地支援を:長野)
長野市信州新町の「道の駅信州新町」内の店舗「手打そば そば信」で16日、ニホンジカの肉を使ったそばの提供が始まった。売り上げの一部を能登半島地震の支援に充てる。店主中村翔さん(38)は「少しでも助けになればうれしい」としている。商品名は「信州ジビエ鹿の甘辛肉そば」。提供は4年目で、鹿肉は同市中条地区の野生鳥獣解体処理施設「市ジビエ加工センター」から仕入れる。鳥獣害による農産物の被害を減らす貢献をしたいと考えたメニュー。肉の下処理に手間がかかるため、毎年客が夏場の半分以下に減る冬に期間限定で販売している。中村さんは「新型コロナウイルス流行時や、地滑りに伴う国道19号の通行止めで困った時に、多くの人に助けられた。感謝を込め支援したい」と話す。売り上げの一部を義援金として被災者に届けるか、支援物資などを購入して届けるかは今後決める。鹿肉は圧力鍋でじっくり煮込むため、癖はなく、軟らかい。甘めの味付けで、ラー油で味の変化も楽しめる。約1カ月間提供する。税込み900円。

(「国産のジビエとワインのディナーペアリング」を3日間限定で開催:京都)
フォーシーズンズホテル京都(所在地:京都市東山区妙法院前側町、総支配人:ファニー・ギブレ)では、日本産のジビエと選りすぐりのワインのペアリングをお楽しみいただく「国産のジビエとワインのディナーペアリング」を、1階レストラン「ブラッスリー」にて、2024年1月26日(金)から28日(日)の期間限定でご提供いたします。ここ数年で、日本でも多くの方に親しまれるようになったジビエ。旬のこの冬の季節に、日本のジビエの新たな美味しさを体験していただく、ワインペアリングディナーをご用意しました。それぞれの料理の特徴に合わせ、シャンパン、フランス ローヌ地方の実力派ワイナリーM.シャプティエのワイン、デザートワインの4種のワインをペアリングいたします。800年の歴史を持つ日本庭園「積翠園」を臨むラグジュアリーかつ洗練されたリゾート空間で、自然の恵みを味わいながら特別な時間をお過ごしください。

(国産ジビエ認証施設の第35号認証について:山口)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第35号)として、俵山猪鹿工房 想が運営する食肉処理施設「俵山猪鹿工房 想(山口県長門市)」が認証されました。

(害獣だった鹿が町の名物になるまで:岩手)
リアス式海岸で知られる三陸。そのほぼ中心に位置する町が、大槌町です。古くからシャケをはじめとした漁業が盛んで、沿岸部でありながら町の大部分を山林が占めているため、野生動物が数多く生息しています。大槌町で「大槌ジビエ」が知られるようになったのは、東日本大震災後、町へと戻ってきた兼澤幸男さんが2020年に設立したMOMIJI株式会社がきっかけです。MOMIJI株式会社は、鹿肉の加工製造・販売、ツアー、講習会などを行う地元企業で「〝害獣〟を〝まちの財産に〟」を合言葉に、捕獲したシカを地域資源として活用しています。代表の兼澤さんは、生まれも育ちも大槌町。町外で船乗りの仕事をしていたときに東日本大震災が起こり、母親の安否が確認できなくなり帰郷。その後、町内の鹿による農作物の被害が甚大であることを知り、2015年に狩猟免許を取得します。岩手県のシカは約10万頭いると推測されており、猟師の高齢化や東日本大震災の原発事故などによる影響で害獣駆除はどの町でも思うように進まず、農作物の被害は増える一方でした。町から委託を受け、増えすぎたシカの駆除活動に参加するうちに、兼澤さんは捕獲後のシカの廃棄に疑問を感じるようになったといいます。シカの命を奪うことに葛藤した末、一度は狩猟をやめたこともありましたが、町内の駆除頭数が激減したため、兼澤さんは狩猟を再開します。そして「奪った命を価値のあるものとして循環させたい」という兼澤さんの思いが醸成されてゆき、それに共鳴する仲間とともに町に働きかけを行います。紆余曲折を経て2020年にMOMIJIを創設、岩手県初の鹿肉加工場「ジビエWorks~三陸やま物語~」を建設し事業化を成し遂げます。今や東京や仙台などのレストランで評判の「大槌ジビエ」は、MOMIJIクオリティあってこそ。それは、猟場の新山高原にあらわれるシカは、ドングリなどの実をたっぷり食べて育ったため肉質が良いことに加え、ハンター兼澤さんの狩猟&解体技術の高さによります。撃つシカは3歳以下の若い個体のみ。そして、頭か首を狙い即死させることで、余計なストレスをかけないことがポイントです。そして仕留めたら素早く丁寧に血抜きし、工場へと搬入。1時間以内のスピード処理を行うことにより、フレッシュで臭みのない、柔らかい鹿肉を味わうことができるのです。「ジビエは臭くて硬い」という概念を覆す「大槌ジビエ」の旨味は日本一と兼澤さんが自慢するだけあって、通販での売れ行きもよく捕獲が間に合わないほど。「大槌ジビエ」の赤身はBBQならぬGBQでシンプルに食べるのがおすすめで、スネ肉を使って開発した缶詰「大槌鹿のコク旨シチュー」も人気商品です。2023年には新工場も完成。増産に向けて地元の猟友会ハンターたちともつながりながら、年間700頭の捕獲を目標にかかげるMOMIJI株式会社は、設立当初から害獣問題を財産へと変えるジビエサイクル実現のため「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」を立ち上げています。このプロジェクトでは、シカ解体の際に出る革や角を再利用した、アクセサリーの製作&販売や、地域おこし協力隊員の力を借りるなどして、大槌町のシカが育つ環境に触れるツアーの実施。生き物の命をいただく「食育」活動を行うなど、シカを中心とした輪が地域の活性化へとつながり、他の市区町村からも注目が集まっています。

(学食ランチにシカ肉を使ったジビエ料理を提供:徳島)
徳島県産のシカ肉を使ったジビエ料理を徳島文理大学短期大学部の学生が考案し、16日に大学の学食で提供されました。16日、徳島文理大学の学食でふるまわれたのは徳島県産シカ肉を使ったシチューとミートボールです。短期大学部生活科学科で栄養士を目指す食物専攻の学生は毎年、授業の一環として鳥獣被害対策で捕獲された県内のシカ肉を使って、ジビエ料理を考案しています。16日は、濃厚でクリーミーなシカ肉のシチューとジューシーなミートボールのセットが1食500円、30食限定のランチとして提供されました。徳島文理大学では23日火曜日にも、シカ肉を使った別のメニューを学食で提供する予定です。

(シカ肉うまみ強く:北海道)
根室振興局は根室管内産のエゾシカ肉「根室ディア」を使った料理教室を、町総合文化会館で開いた。シカ肉のおいしさを知ってもらい、消費を拡大することが目的。参加者はプロの手ほどきを受けながら調理に挑戦した。

(「“ジビエラボ”コラボメニュー」が1月18日(木)より提供)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、農林水産省補助事業「ジビエレストラン拡大支援事業」について事業実施主体となり、より多くの方に飲食店でジビエ料理を食べてもらえるよう、ジビエに関心のある料理人を募り、ジビエの研究や新たなジビエメニューの開発を目指す「ジビエラボ」を2023年8月から10月にかけて各地で開催しました。この度、2024年1月18日(木)より「ジビエラボ」にご参加いただいた39名の料理人が考案した「“ジビエラボ”コラボメニュー」を各飲食店で提供開始します。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後7時40分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後4時ごろ、仙台市泉区住吉台東4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午前6時ごろ、仙台市太白区秋保町湯元平倉にクマが出没しました。

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