<射撃ニュース1月>
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(捕獲された野生のイノシシが豚熱に感染:秋田)
鹿角市と横手市で捕獲された野生のイノシシが、CSF・豚熱に感染していたことが分かりました。今年に入ってから初めての感染確認で、累計では16例になりました。県によりますと、豚熱に感染していたのは、鹿角市で今月20日に捕獲されたメスの野生イノシシと、横手市で25日に捕獲されたオスの野生イノシシです。今年に入ってから初めての感染確認で、3年前、2022年に県内で初めて確認されて以降、これで16例になりました。県内でも年々生息域が広がっているイノシシ、去年は約170件の目撃情報が県に寄せられています。豚熱は致死率が高いものの、人には感染しないほか、感染したイノシシを人が食べても健康に影響はありません。県は、養豚場や狩猟者に、ウイルスのまん延を防ぐための衛生管理を徹底するよう呼びかけています。

(野生イノシシ3頭豚熱感染:三重)
三重県は29日、志摩、松阪、伊賀の3市で今月中旬から下旬にかけて捕獲した野生イノシシ3頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1041頭となった。

(野生イノシシ2頭が豚熱感染:佐賀)
佐賀県は29日、唐津市で野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は49、50例目。いずれも経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、49例目は千々賀で、50例目は枝去木で、それぞれ26日に猟友会員が捕獲した。2頭は28日の検査で感染が確定した。

(“本気”の被害対策に2億9000万円、「撃退作戦」の中身を担当者に聞く:秋田)
クマによる人的被害が深刻だ。環境省の「クマ類による人身被害について(速報値)」(2025年1月8日時点での資料)によると、全国での被害者数は2022年75人(死亡2人)、2023年219人(死亡6人)、2024年82人(死亡3人)と高止まりしている。なかでも秋田県は、2023年に全国ワーストとなる70人(うち死亡0人)が被害に遭うなど対策は急務だ。「11月30日には、秋田市内のスーパーにクマが侵入。従業員にけがをさせ、そのまま2日間、店内の生肉などを食べながら居座り続けましたが、最後は仕掛けられた箱わなに入り、駆除されました。また、12月26日には市内の自動車整備工場にクマが現れ、スーパー同様に居座り、翌日に捕獲される事件も起きました。こうしたことから県は、2024年11月1日から2025年1月31日まで『ツキノワグマ出没注意報』を発令して県民に注意を促しています」(事件担当記者)。しかし、クマ駆除に対して、「かわいそうだ」といった苦情の電話が県に寄せられると、たびたび報じられてきた。その電話の多くは、県外からだという。秋田県の佐竹敬久知事は、昨年12月の県議会で苦情電話について質問されると、「もし私が電話を受けたら、相手を威嚇して『お前のところにクマを送るから住所を送れ』と言う。ドローンに物をぶら下げて上から落とす。小さい爆発物を食べてもらってリモコンで(クマの)腹の中で破裂させることもやったほうがいいのではと思う」と過激な答弁を繰り出した。県民の命が危険にさらされているがゆえの発言だと思われるが、その内容はあまりにショッキングだった。「知事の発言は、危険が迫っている県民からは支持の声が多くあがっています。翌日、記者から発言の意図を問われた佐竹知事は『本当にクマを送ることはできないが』と前置きし、『トップが毅然とした対応をすることで職員が対応しやすくなる』『自分の家にクマがいたらどうするのか。自分の身になってほしい。人間の命が一番だ』と説明しました」(同前)。秋田県の2025年度当初予算案では、クマによる被害対策費に2024年度当初の1.3倍となる約2億9000万円が計上された。県の担当者は、「対策は待ったなしです」と現状を語る。

「すでに2024年度の補正予算を使い、クマが通りそうな河川敷の木の伐採、エサになりそうな放任果樹の伐採を行っていますが、来年度予算案でもこれらが計上されています。また、県民から『市街地での対策を強化してほしい』という要望が多くなっていることも踏まえて、市街地への侵入ルートの特定と侵入遮断方法の検討、箱わな、電気柵の導入促進の予算なども計上しています」。そのほかの対策は、「麻酔銃を取り扱う職員の育成」「新聞広告、テレビ・ラジオ広告を使った山菜採り・キノコ採りシーズンの注意喚起」などだ。昨今は「冬眠しないクマ」もいるので、対策は年間を通じて行われそうだ。

(クマの出没に備えて、自治体職員などがツキノワグマ捕獲技術研修:岩手)
クマの出没に備えて、岩手県内の自治体の職員などがおりの設置などの対応について学ぶ研修会が盛岡市で行われました。この研修会は、クマによる被害の減少に向けて出没したクマを捕獲する技術を向上させようと、環境省の支援で県が実施したものです。28日は岩手県や盛岡市をはじめとした盛岡地域の市や町の担当者、さらには猟友会の関係者などあわせて26人が参加しました。県によりますと2024年度、県内では10人がクマに襲われていて、このうち1人が亡くなっています。こうした被害を防ごうと行われた研修会には、クマの個体数や分布を調べる民間企業から講師を招いて参加者がクマの生態や出没の傾向について学びました。そしてこの後、実際に捕獲用のおりの設置の手順も確認してクマの出没に備えていました。

(クマを3割増の210頭捕獲へ:福井)
今年度上半期のクマの出没件数が過去最多となる中、福井県は新たな管理計画の素案をまとめ、嶺南での狩猟の自粛を取りやめるとともに、県全体でこれまでより3割余り多い年間210頭を捕獲するという目標が盛り込みました。県内では去年6月に福井市の住宅にクマが侵入するなど、今年度上半期のクマの出没件数は638件と2004年の統計開始以来、最も多くなっています。こうした中、県は現行の「保護計画」の代わりとなる「管理計画」の策定を進めていて、28日は福井市で有識者や自治体、猟友会などが参加した検討委員会が開かれました。会議では県が新たな管理計画の素案を説明し、クマの生息範囲が人の生活圏に近づいているとして、これまでの保護策から管理強化への転換が必要だと述べました。そして2009年から続いていた嶺南での狩猟の自粛を取りやめるとともに、これまで「上限」としていたクマの捕獲数を「目標」と改め、年間で嶺北で160頭、嶺南で50頭の合わせて210頭と、これまでの上限より3割余り多い捕獲を目指すとしています。委員会の座長を務める、クマの生態に詳しい岩手大学の青井俊樹名誉教授は「これまで保護の観点が強い施策をとり続けた結果、人とクマとのあつれきが高まってしまった。ようやく視点を変えて管理に重点を置くということで大きな転換点だと思う」と話していました。県は2月中旬以降、素案に対する県民からの意見を受け付けたうえで、新年度からの施行を目指したいとしています。

("クマリテラシー"を考える:秋田)
本来は冬眠の時季にもかかわらず、県内ではクマの出没が相次いでいます。先月下旬に美郷町で撮影された映像では、クマが勢いよく雪をかき分けて進んでいます。このようにクマが徘徊する集落に、取材班が無人のカメラを仕掛けて、冬眠しないクマの姿をとらえました。行動を観察すると、課題が浮かび上がってきました。動画が撮影されたのは、五城目町の山あいにある富津内地区。連日クマが姿を現し、徘徊していました。実際に集落を訪れると、あちらこちらにクマの足跡が。クマの目当てになっていたのは、カキの木です。枝に付いた実はすでにすべて食べつくされていました。それでもやってくるクマは何をしているのか。無人カメラを設置して、行動を観察することにしました。カメラ設置から約16時間後。まだ夜が明けきらない午前4時ごろに、クマの背中が撮影されていました。動画には、カメラを気にしているのか、しきりに鼻と口を近づける様子が。クマがいた場所を確認すると、雪を掘り起こし、埋もれていたカキを食べた痕跡がありました。集落に点在するカキの木。クマを引き寄せる要因になるため、対策として伐採が有効ですが、その多くは空き家の敷地にあり、手をつけづらい状況でした。浮き彫りになる、クマ出没と人口減少の関わり。クマを巡って、今、深刻な分断と対立を生んでいるのが、駆除に関するクレームです。秋田市のスーパーにクマが居座り、捕獲されたときには、5日間で176件の苦情や意見が市に寄せられました。「ハチミツで誘い出して殺すなんて可哀想です。クマにも家族がいるでしょうに」「絶対駆除は必要です!クマは撲滅すべきです!」「血も涙もないのですか?罪のないクマが殺されてかわいそうです!」。クマ対応の最前線にいる、県の専門職員、近藤麻実さん。クマは冬眠するという今までの常識が通用しない状況を踏まえ、正しい知識の普及啓発に力を入れています。近藤さん「全国からの声が人を追い詰めます。親子グマで炎上した役場の方は、いまだにつらい精神状態にあります。そのくらい過熱だった」「人とクマとの距離がどんどん近づいて、もう本当に重なり合いながら暮らしている今の時代ですので」「地震とか津波とか豪雨災害とかそういうものから身を守る知識」「クマのリテラシーを持っておく必要がある」。「遠くのクマ」から「隣のクマ」へ。時代の変化に合わせたクマとの関係性の再構築が、今、求められています。

(猟銃費用補助、最大52万円:北海道)
オホーツク管内雄武町は、新たに猟銃の狩猟者登録を行う町内のハンターに対し、猟銃購入費用など最大52万円の補助を始めた。高齢化が進むハンターの担い手確保につなげる狙い。町によると、同様の補助では道内の市町村で最高水準の金額という。

(小学生がクマの正しい知識と対処法を学ぶ学習会:島根)
全国的にクマの被害が問題となる中、クマの正しい知識と対処法を学ぶ学習会が1月28日、島根県雲南市の小学校で開かれました。ツキワグマについて学んだのは、雲南市にある阿用小学校の1・2年生15人です。実は去年12月、学校の近くの畑にクマの足跡が見つかりました。そこでクマが活発になる春までに生態を理解し、被害に遭わないための知識を身に着けようと、初めて学習会を行いました。全国で問題になっているクマの被害。島根県によりますと、今シーズン、中国山地の西部ではエサとなる木の実が不作で、クマが人里に出没する可能性が高いと予測しています。実際に今年度の島根県内の目撃回数は1541件と過去最高で、去年10月には島根県浜田市三隅町で犬の散歩をしていた男性がクマに襲われ、足に軽いけがをする事例がありました。学習会ではクマのエサとなる柿などを収穫して、出会わないようにすることなどを伝えました。そして、もし遭遇したときには、頭や腹を守るために防御姿勢をとるなどの対処法を学びました。島根県東部農林水産振興センター 名生啓晃さん「そもそもクマが山から下りてこないのが一番なんですけど、出てきている場合にも人の存在を知らせてあげることによって、クマの方から避けてくれることが多いかなと思います」。春になると若いクマが活発に活動するということで、阿用小学校では引き続きクマに警戒することにしています。

(「令和6年度鳥獣対策優良活動表彰式」及び「第12回全国鳥獣被害対策サミット」の開催)
農林水産省は、令和7年2月14日(金曜日)に「令和6年度鳥獣対策優良活動表彰式」及び「第12回全国鳥獣被害対策サミット」を開催します。本日から、表彰式及びサミットの観覧者、並びに、サミットの資機材展示等への出展者について募集を開始します。農林水産省は、全国の農村地域等において鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人及び団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しており、令和6年度の農林水産大臣賞及び農村振興局長賞の表彰式を、令和7年2月14日(金曜日)に農林水産省本館7階講堂において開催します。表彰式典終了後、鳥獣被害対策に携わる関係者の情報共有の場として、「第12回全国鳥獣被害対策サミット」(以下「サミット」という。)を開催し、受賞者からの取組報告のほか、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッションを行います。併せて、鳥獣被害対策及び捕獲した鳥獣の利活用等に係る研究成果、技術情報、製品情報等の取組に係る資機材展示・カタログ展示・ポスターセッション・利活用展示(以下「資機材展示等」という。)を行います。なお、受賞者につきましては、1月下旬頃に改めてお知らせいたします。

(知床国立公園、観光客のヒグマへの意図的接近が過去最多に:北海道)
去年、知床国立公園を訪れた観光客が意図的にヒグマに近づいた「危険事例」の発生件数は70件と、統計を取り始めて最も多くなりました。環境省や道などでつくる「知床世界自然遺産地域科学委員会」によりますと、去年4月から10月に、知床国立公園を訪れた観光客が写真撮影や観察などの目的で意図的にヒグマに近づいた「危険事例」の発生件数は70件でした。これは、これまで最多だった2021年の49件を大幅に上回り、統計を取り始めた2017年以降、最も多くなりました。全体の半数以上にあたる38件は、9月と10月に集中していて、委員会は、この時期に斜里町を流れる川に複数のヒグマが頻繁に出没したことが影響しているとしています。中には、観光客がヒグマを撮影するために、およそ3メートルの距離まで近づいた事例もあったということです。2022年に自然公園法が改正され、野生動物への著しい接近などには罰金が科されるようになりましたが、その実効性が問われる結果となりました。委員会の事務局を務める環境省は「来年度はパトロールを増やしていきたい。知床を訪れた際は、ヒグマを見つけても50メートル以上の距離を保ってほしい」としています。

(アライグマ急増、「新型わな」で駆除対策へ:熊本)
都市化が進む熊本市内で、野生化したアライグマの目撃情報や捕獲数が急増している。昨年は前年比でほぼ倍増。生態系に悪影響をもたらし、人への感染症や農作物被害の恐れもあるため、市では新型のわなを導入して駆除に取り組んでいる。アライグマはもともと日本に生息していない特定外来生物。北米原産の小型の哺乳類で、輸入されたペットが野生化して国内に生息分布が広がった。見かけの愛らしさとは裏腹に、雑食性で繁殖力が高く、獰猛(どうもう)だ。絶滅危惧種の希少な両生類などが襲われるほか、人に感染する病原体の運び屋になることもある。市内では2010年に初めて確認された。飼育数が多い九州北部の福岡県や長崎県から入ってきたとも指摘される。市によると、写真や足跡、路上の死体、捕獲などでの確認数が年ごとに増えて2024年は年159件となり、前年の85件から大きく増えた。このうち捕獲数は昨年24匹で、これまでの累計の捕獲数55匹の半分近くに迫る。捕獲にはこれまで、エサを入れた網かご型のわなを使っていた。だが定期的にエサを補充する手間がかかるほか、アライグマ以外の動物が入ることもある。そこで新たに、樹木の空洞に身を隠そうとする習性を利用した巣箱型のわなに変更。県立熊本工業高校の生徒らが協力して16基を作り、昨年末に金峰山や立田山などに設置した。対策にあたる市の住谷憲昭・環境政策課長は「越冬して繁殖し、生息域を広げているようだ。感染症の恐れもあるので、目撃してもむやみに近づかず、写真に撮って連絡して欲しい」と呼びかける。天敵がいないため、駆除を急ぐことが効果的としている。

(急増するアライグマ農作物被害、年間3000頭捕獲:佐賀)
イノシシやジャンボタニシなど農作物に被害を与える生き物対策は農家にとって深刻な問題だ。佐賀県では近年、アライグマの農作物被害が急増。年間約3000頭が捕獲されている。繁殖力も高く厄介な存在だ。アライグマの農作物被害が急増しているため、佐賀県は対策を学ぶ研修会を開いた。参加したのは、猟友会やJAの担当者など約70人。対策を講じるためには、アライグマという動物を理解する必要がある。このため、参加者はまず、その生態について学んだ。アライグマは一夫多妻で、1回で平均3頭から4頭を出産する高い繁殖力をもつ。また、雑食でマダニを運ぶという。研修会では、アライグマを捕獲する道具、アライグマを近づけない道具など、最新鋭の対策機器が紹介された。このうち「箱わな」と呼ばれる捕獲器についての講習では、メーカーの担当者がその仕組みを説明。効率の良い捕獲技術について参加者は真剣な表情で学んでいた。佐賀県内では近年、アライグマによる農作物被害が急増している。年間の捕獲は約3000頭に上り、被害額は600万円を超える。イノシシだけでなくアライグマも農家を悩ませる厄介な存在となっている。

(シカの食害防止へ対策、捕獲・駆除を開始:島根)
島根県側の中国山地で生息域が広がっているニホンジカによる造林地での食害を防ごうと大田市と市森林組合が捕獲・駆除の取り組みを始めた。同市内でも食害が懸念されるため。林業の担い手である森林組合が獣害への対応力を高め、森林資源の保全につなげる。

(森林組合がシカ捕獲用わなを設置:島根)
山間部で増えているシカによる被害に対応しようと、大田市で森林組合が造林地に捕獲用のわなを仕掛けました。島根県内では、中国山地を中心にシカが木の皮や新芽を食べて、造林地で木が枯れたり育ちにくくなったりする被害が増えています。29日は、大田市三瓶町池田地区の造林地に大田市森林組合や市、それに県の担当者、あわせて14人が集まりました。森林組合の職員たちはシカを捕獲するわなやその仕掛け方について説明を受けたあと、造林地へ移動してけもの道を探しました。そして、けもの道に自分のにおいや足跡をつけないよう気をつけながら、わなのまわりに木の枝などの障害物を置いてシカがかかりやすいよう工夫してわなをしかけました。森林組合が自治体から委託を受けてシカを捕獲するわなを仕掛けるのは、島根県内では初めてで、大田市森林組合では、今年度、新たに6人がわなを仕掛ける狩猟免許を取得したということです。大田市森林組合森林経営課の藤本信也課長は、「数は少ないですけれど、市内でも被害が散見されています。被害が少ない時点で大田市と協力して取り組んでいます」と話していました。

(小学生が地元の農家悩ます獣害学ぶ:三重)
三重県尾鷲市の小学校で、野生動物が農作物に被害をもたらす獣害などについて学ぶ催しが開かれました。この催しは、子どもたちに地元の農業について学んでもらおうと、尾鷲市が開いたもので、宮之上小学校の3年生13人が参加しました。子どもたちは、野生動物が農作物に被害をもたらす獣害が、自分たちの住む周辺でも大きな問題になっていることなどを学んだあと、駆除した野生動物の命について考えようと、シカの肉を調理するなどジビエ料理にも挑戦していました。尾鷲市では、今後も獣害などについて学ぶ体験学習を行うということです。

(人とクマ、すみ分け考える:北海道)
北海道は29日、人とヒグマのすみ分けを図る「ゾーニング管理」を先行して導入するモデル地域に指定している滝上町で、管理計画案を検討するワークショップを開いた。

(サルがシカにまたがる「性行為」が拡大、何が起こっている?:鹿児島)
2015年に屋久島で一匹のオスのニホンザル(Macaca fuscata)がメスのニホンジカ(Cervus nippon)の背中に飛び乗り、交尾を試みた。研究者たちは、この行動はおそらく繁殖の機会がないことに対するはけ口だろうと報告した。言い換えれば、偶然カメラに捉えられた一度きりの出来事のようだったが、2020年、21年、23年にも目撃された。後のいくつかの事例には、2015年のニホンザルが関与しているようだった。もしそれが本当に同じ個体であるなら、群れの他のサルはこのサルからシカへのマウンティングを学び、「社会的伝播」として知られる方法で広めている可能性がある。この研究は、2024年12月24日付けで学術誌「Cultural Science」に発表された。ただし、研究者たちは、このサルを特徴的なアーモンド形の目に基づいて特定したが、完全に同じ個体だと断言はできない。「見分けるのは難しいですが、霊長類学者であるなら、群れの個体を一体ずつ識別しなければなりません」と、フランス、ストラスブール大学の霊長類学者であるセドリック・シュール氏は言う。「興味深いのは、おそらく最初にオスがシカへのマウンティングをしたのは性的欲求不満によるもので、ある特定の目的のためだったということです」とシュール氏は言う。しかし、そのオスが支配的な地位まで上り詰め、周囲のメスもその行動を行うようになった今、「その行動は時間とともに変化しています」とシュール氏は言う。「より複雑になっています」。性的な面はいったん脇に置いておくとして、ニホンジカとニホンザルはすでに興味深い異種間の関係を築いている。シカはサルの後をついて回り、サルが木から落とした食物を食べたり、サルの糞を食べたりもする。一方、ニホンザルは、シカを毛づくろいして栄養価の高いダニや他の寄生虫を食べる。両方の種が利益を得るこのようなサービスの交換を、科学者は「相利共生」と呼ぶ。サルとシカがお互いから食物を獲得することはその定義に当てはまると、米アリゾナ大学の進化生態学者で相利共生を研究し、今回の新たな研究には関与していないジュディス・ブロンスタイン氏は言う。しかし、このマウンティング行動は何か別のもののようだ。「私の推測では、シカはニホンザルに対して非常に社会的に寛容なのだと思います。なぜなら、ニホンザルが寄生虫をとってくれるからです」とブロンスタイン氏は言う。シカがある行動を許すようになるのなら、おそらく他の行動も許し始めるだろう。例えば、サルがシカの背中に乗って休んでいるだけのように見えることもある。興味深いことに、2017年には、大阪府の箕面国定公園という完全に新たな場所で5匹のメスのニホンザルがオスのニホンジカに乗り、体を擦り付ける行動が確認されていた。そこでシュール氏らは、ビデオに記録された屋久島と箕面での45件のニホンザルとシカのやりとりを調べたところ、ほとんどのサルはシカの上にただ座っているだけだった。論文は2024年12月20日付けで学術誌「Primates」に掲載された。研究チームは、一方あるいは両方の種が、身体的な接触による暖かさを心地よく感じている可能性さえあるとの仮説を立てている。ニホンザルが寒いときに体を寄せ合うことはすでに知られている。「おそらく、両種ともに複数のメリットがあるのでしょう」とブロンスタイン氏は言う。「つまり、ニホンザルが近くにいてもシカが逃げないという事実だけでも、マウンティング行動には明らかに保護と栄養の交換という役割があるということです」。シュール氏らは他の仮説を探る中で、ニホンザルが移動のためにシカを利用しているという説は除外した。シカはニホンザルが乗っている間に動くこともあるが、移動に費やした時間と移動距離が統計的に有意ではなかったのだ。研究チームは、より奇妙な仮説の一つを除外できなかった。シカがオスのニホンザルの精液を摂取し、定期的に栄養を得ているというものだ。しかし、ブロンシュタイン氏は懐疑的だ。「おそらくただ迷惑なだけでしょう? 何かが背中に乗っていて、シカはただそれを振り落としているだけだと思います」とブロンシュタイン氏は言う。「私はニホンザルのシカへのマウンティング行動に意味はないと思います」。これら二種間のやり取りは全て科学的に興味深いが、このやり取りを観察することは依然として稀で難しいため、シカへのマウンティング行動の意味づけはさらに困難な作業となっている。「前回屋久島に行ったとき、私は5日間滞在しました」とシュール氏は言う。「そして、私はシカへのマウンティング行動をほんの2秒間しか観察できませんでした」。それでも、この行動がオスでもメスでも、そして今では別の2カ所で起こっているという事実は、研究者が「共文化(co-culture)」と呼ぶものをニホンザルとニホンジカが発展させている可能性を示唆している(シュール氏と共著者のミシェル・ハフマン氏は、2024年9月に学術誌「Trends in Ecology & Evolution」で異種間における共文化の概念を提唱した)。動物の場合、1つあるいはいくつかの群れには出現するものの、全てに出現するわけではない行動を科学者は文化と表現する。例えば、チンパンジーには枝を使ってシロアリを食べる群れもいれば、石で木の実を割ることを学習している群れもいる。また、ザトウクジラは群れによって異なる歌を歌う。しかし、シュール氏によれば、共文化では、2つの種が交流する一連の行動を同時に進化させなければならない。「他の場所では、ニホンジカとニホンザルの間のやり取りは全く見られないでしょう」とシュール氏は言う。ブロンシュタイン氏は、共文化という考えを「本当にとても興味深い」と考えている。しかし、シカへのマウンティング行動が社会的伝播によって広がっているかどうかについては、そのニホンザルが同じ個体なのかを完全に特定できるようになるまで、仮説のままだろうと言う。「その仮説は理にかなっています。つまり、ニホンザルはかなり賢い個体です。そして、霊長類の中には、互いを観察することで新たな行動を採用する個体の事例が何百万件もあるのです」とブロンスタイン氏は言う。

(列車がイノシシと衝突、ダイヤに乱れ:福岡)
JR九州によると、28日午後9時36分ごろ、筑肥線鹿家駅で下り普通列車(福岡空港午後8時23分発唐津行き)がイノシシと衝突した。この影響で同10時10分現在、同線上下線筑前前原~西唐津間で遅れが出ている。

(有害鳥獣の食肉利用推進へ、フォーラム:岡山)
中国四国農政局(岡山市北区下石井)は2月6日、捕獲した有害鳥獣の食肉利用推進などを目指す「ジビエ連携フォーラム」を同所の岡山第2合同庁舎で開く。有害鳥獣を巡っては、岡山県内では2023年度にシカが約1万6千頭、イノシシが約3万頭捕獲されており、いかに有効活用するかが課題となっている。当日はシカ肉やイノシシ肉をペットフードに加工して販売しているアートキューブ(京都府)の垣内規誠代表や、地域ぐるみで鳥獣対策に取り組む島根県美郷町の職員らが登壇する。

(“害獣”シカの肉をブランド化:広島)
広島県・安芸高田市で、増え続けるシカによる農作物被害などの問題を解決するため、シカの肉を「ブランド」化する取り組みが始まっています。都内で開催された「食育イベント」では…こどもの森のレストラン ディレクター 田中亜衣さん「命の大切さ感じながら、おいしくお肉をいただくことで変えていける未来があるのでは」。先週、都内で食育のイベント「こどもの森のレストラン」が開かれました。子どもたちが真剣な表情で作っていたのはハンバーグです。使われているのはシカの肉。子どもたちは調理して食べるだけではなく、シカが住む森をイメージして会場を装飾します。広島県・安芸高田市で近年、シカが増加し、農作物への被害や交通事故など「シカ問題」に悩まされています。こうした問題を解決しようと動いたのは金沢大基さんです。Premium DEER 安芸高田鹿 金沢大基さん「シカはフランス料理だと高級な食材だし。でも日本では割と厄介者扱いをされているので、そこのギャップに興味を持った」。シカに可能性を感じた金沢さんは地元の人に加工場などを紹介してもらい、2019年にシカ肉のブランドを立ち上げました。金沢さん「シカは一年を通じて食べるものが春、夏、秋、冬って変わるので。シカの肉質や香りとか味わいは四季によって変わる。それを感じてもらって」。金沢さんは去年、広島での事業拡大を目指し、新会社を設立。各地のレストランに安芸高田市のシカ肉を提供しています。ぱんちょり. 宮本和輝さん「香りが個体によって違って面白いんですけど。うまみがしっかりあるので」。大学の食堂では、シカ肉を使った期間限定メニューを販売。金沢さん「ドキドキですよね。きょうから150食なんですよ。それをどのくらい食べてくれるか」。シカ肉を食べた学生は「シカって分からないくらいの普通の肉感があります」と話します。わずか2時間で完売しました。金沢さん「シカのイメージが少しずつ変わって、うれしいなって思います」。金沢さんが思い描く未来とは…。金沢さん「シカを軸にしながら、山の魅力とか山に関わる人とか町とか、魅力をもっともっと発信して、広げていきたいなと思っています」。

(県産ジビエのおいしさ知って:富山)
県産の野生鳥獣肉「とやまジビエ」の試食会が28日、富山市舟橋南町のレストラン「シェ・ヨシ」で開かれ、招待客約20人が県内の一流フレンチシェフ4人が腕を振るったジビエ料理を堪能した。県は、農作物被害防止対策としてイノシシなどの捕獲を強化しており、動物の命を無駄にしないよう、県内の獣肉処理加工施設や飲食店と連携し、安全に処理された食用肉を「とやまジビエ」としてブランド化し、消費拡大に取り組んでいる。その結果、2019年に約1億円だった被害額は23年には約4千万円に減少。ジビエとしての利用率も同年で17・1%と全国平均の6~7%より高くなっている。試食会は、ジビエについて正しく理解してもらおうと県などが開催。黒部市の加工処理施設「狩猟屋」の村井悟史社長が、捕獲から安全な加工処理までの流れを紹介した。主に同店の肉を使ったイノシシ肉の前菜、熊肉のパスタ、バターの代わりに熊肉の脂を使った生チョコなど全4皿が提供され、シェフが料理について説明した。そのうち「鹿肉のロースト赤ワインソース」を担当した富山市内のレストランのオーナーシェフ、小室徳幸さんは「村井さんが命を懸けて捕りに行ってくれた肉なので、作り手側もそれを理解して作った。下処理が丁寧で、安心して使える」と絶賛。ソースの赤ワインに県産洋梨のピューレを入れるなど地元にこだわった調理法などを説明した。県は2月28日まで「とやまジビエフェア」を実施しており、現在、県内約50の飲食店が参加している。県農村振興課の國分義幸課長は「安心で良質なとやまジビエの消費拡大に向けて今後も情報発信していきたい」と話した。

(小学生が調理実習でジビエ料理に挑戦:三重)
三重県尾鷲市で1月28日、小学生がジビエ料理に挑戦しました。尾鷲市にある宮之上小学校では、農作物などに被害をもたらすとして捕獲された獣の肉を有効活用するため、3年生の児童が市内で捕獲されたシカを調理しました。メニューはシカのスープと焼肉で、醤油や塩コショウを何度も入れてスープの味見を繰り返したり、肉が上手く切れず、大人の力を借りる場面もありましたが、最後は出来上がった料理をおいしくいただき、命の大切さを噛みしめていました。

(飲食店でジビエイベント:大阪)
農作物被害など近年、社会問題となっている害獣被害の対策として注目されるジビエ料理について理解を深めながら、地域を盛り上げるイベント「がもよんジビエフェス」が、大阪市城東区の蒲生4丁目エリア、通称〝がもよん〟の飲食店で開催されている。2月7日まで。13店舗が参加し、鉄分が豊富で低カロリーの野生動物の食材を使った和食やエスニックなど特別メニューが味わえる。古民家を再生し地域活性化を図る一般社団法人「がもよんにぎわいプロジェクト」が主催。同エリアは飲食店同士の結びつき強く、グルメイベント「がもよんばる」などを開催し、地域を盛り上げる取り組みを行ってきた。2018年からは「イベントを通して募金できたら」と、津波で被害を受けた宮城県仙台市や震災や豪雨被害のあった熊本県、石川県能登半島などへ復興支援を行ってきた。今回は同法人の宇田知令さんがテレビの報道番組で、野生動物による農作物への被害が増えている中、駆除した動物が食材として十分に生かされていない現状を知り、企画した。イベントでは同エリア近くにあるシアターカフェ「土間シネマ」で2月1日まで、京都大学在籍中に狩猟免許を取って猟師になった千松信也さんのドキュメンタリー映画「僕は猟師になった」を上映し、鳥獣被害対策や地域の取り組みを学べるほか、「がもよん」の歴史や魅力を再発見できる謎解きイベントを同時開催している。また大阪経済大学でまちづくりを学ぶ学生らが、ジビエ料理やがもよんに関する認知度、印象についてアンケートを行い、研究や論文に役立てる活動を行う。イベントを企画した宇田さんは「多くの人に害獣被害の現状と解決策としてのジビエ料理や食について考える機会にしてほしい。地域の魅力や歴史に触れることで、がもよんエリアの新たな一面を発見してほしい」と意気込んでいる。

(県産ニホンジカのミートソーススパゲティ発売:群馬)
株式会社ホテルメトロポリタン高崎(住所:群馬県高崎市八島町222番地/代表取締役社長:川又正明/総支配人:前田淳)では、「箕輪ジビエコンソーシアム」の活動趣旨に賛同し、飲食店向けジビエメニューのレシピ提供や試食会開催時の運営協力など昨年より行って参りました。群馬県のジビエ(上州ジビエ)を一般消費者にもより広く浸透させ、農作物に被害を及ぼす有害鳥獣として捕獲されたシカのジビエ利活用を目的としたメニューの第一弾としてレストラン「ブラッスリーローリエ」のメインディッシュが選べるランチビュッフェ(※2)のメインメニューにて『上州ジビエ(※3)群馬県産ニホンジカのミートソーススパゲティ』を2025年2月1日(土)より発売いたします。

(イノシシ対策!高校生がスイーツ作りに挑戦:宮城)
白石高校の生徒たちがイノシシ被害に悩む村田町で地域の課題解決に動きました。取り組んだのはイノシシが大好物だという柿とタケノコを使ったスイーツ作りです。

(週末は狩猟や森の保全、家のDIYなどで充実:神奈川)
「誰かの役に立っている気がしない」と都会での暮らしに疑問を持った中野さん。狩猟に興味を持ち、週末は有害鳥獣駆除や管理捕獲、森の保全活動に取り組むなか、仲間とともに、南足柄の地域課題を解決するプロジェクトも立ち上げた。週末の拠点での活動が、平日の仕事にもいい影響を及ぼしている。神奈川県南足柄市(みなみあしがらし)ー神奈川県の西部に位置し、人口は約4万人。北は丹沢山地、南は箱根外輪山があり、「水の郷百選」や「箱根ジオパーク足柄エリア」にも選定されていて、自然が身近にある。子育て環境がよく、地域密着型の教育に力を入れている。都内から車で、東名高速道路大井松田IC経由で約1時間30分。市内には伊豆箱根鉄道大雄山線が通っている。中野拓郎さん●46歳ー埼玉県の浦和生まれ。現在は東京の広告会社に勤務し、妻とともに都内のマンションに暮らす。自然への憧れから、週末を中心に小田原・箱根などで管理捕獲や有害鳥獣駆除、森林を守る活動などを行うため、南足柄と東京の二拠点生活を実践中。「ずっと都市部で暮らしていたので、自然への憧れは人一倍」と話す中野拓郎さん。平日は都内のマンション、週末は南足柄市の賃貸の一軒家で過ごす二拠点居住をしている。仕事は好きで充実していたが「誰かの役に立っている気がしない」と疑問を持つようになった中野さん。テレビでジビエのドキュメンタリー番組を見て、狩猟に興味を持つ。野生鳥獣による被害が多くなっているなか、捕獲してジビエとして有効活用する。人の役に立つし、自然とも触れ合えると思いました」(中野さん)。情報収集するなかで見つけたのが、「小田原くくり罠塾」だった。事前に罠・網の狩猟免状を取得し、2022年に入塾。塾では、野外での実技のほか、罠猟についての基礎知識、シカやイノシシなどの生態、ジビエ料理などについて学ぶ。塾へ通いながら第一種猟銃の狩猟免状も取得した。実際に罠猟を行うなかで、山の課題も見えてきた中野さんは、山の生態系や伐採を学ぶため、今度は南足柄市が開催した林業研修に参加。毎週のように小田原・足柄エリアを訪れるようになった中野さんは、妻の了解を得て23年3月に南足柄市の家を借りた。物件は仲間からの紹介。古い平屋で、トイレも汲み取り式だったが、高台にあり見晴らしがいい。今まで行っていた有害鳥獣駆除や管理捕獲、山林の伐採などの活動に、家のDIYも加わった。「簡易式トイレに改修し、キッチンもきれいにし、屋根の補修も。仲間が手伝ってくれたので楽しかったです」と、DIYも満喫している様子だ。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、29日午前8時ごろ、富谷市富谷狸屋敷にクマが出没しました。

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(猟銃所持、分庁舎でも受け付けへ:北海道)
警察署で受け付けている猟銃の所持などに関する申請を、北海道警は2026年4月から分庁舎でも受け付ける。現在道内にある5カ所の分庁舎に窓口を新設し、警察署の統合で分庁舎となる7カ所で継続させる方針。道警は昨夏、配置されている警察官が少ない美唄▽赤歌▽芦別▽木古内▽池田▽興部▽寿都の7署を、26年4月以降、近くの署に統合する再編案を発表した。警察官の職務の効率化が狙いで、いずれの建物も分庁舎として残す。パトロールする自動車警ら係や運転免許の更新窓口は続ける。住民説明会やパブリックコメントで意見を募ったところ、猟銃所持に関する窓口の継続を求める声が相次いだ。ヒグマやエゾシカによる被害が目立つ一方、駆除を行うハンター不足が懸念されており、担い手確保のためには地域に窓口が必要という意見が複数寄せられたという。そのため、道警は猟銃所持に関する申請窓口を分庁舎でも維持することとした。来春以降、既存の分庁舎(夕張▽三笠▽沼田▽砂川▽美深)でも申請できるよう、新たに人員の配置などを進める。警察署の再編は27年にかけて順次行われる。道警は、現在の64署5分庁舎から、57署12分庁舎になる予定だ。

(クマ狩猟の解禁、環境省に要望へ:島根)
島根、山口県境に近い浜田、益田、萩、長門4市の市長会議が27日、浜田市であった。ツキノワグマの目撃や人への被害件数が増えている中、狩猟を解禁できないか、中国市長会を通じて環境省に要望していくことを確認した。

(クマ被害対策費を1・3倍に、箱わなや電気柵の導入促進:秋田)
秋田県は27日発表した2025年度当初予算案で、クマによる被害の対策費に24年度当初の1・3倍となる2億9000万円を計上した。市街地への出没が相次ぎ、市民生活に影響が出たことを踏まえた。箱わなや電気柵の導入促進などのため、市町村への支援を拡大する。被害防止の啓発動画を作成して注意喚起も強化。猟師確保のため、狩猟免許試験の実施回数を増やし、猟銃購入への補助を拡充する。一般会計総額は、24年度当初比1・2%減の5773億円。4月に任期満了に伴う知事選を控えるため、災害対策や継続事業を中心とする骨格予算とした。

(「アーバンベア」対策強化:広島)
広島県内でのツキノワグマの目撃件数の増加を受け、県は2025年度、人里に出没するクマや市街地周辺に暮らす「アーバンベア」への対策を強化する方針を固めた。市町と協力し、出没ルートの独自調査を初めて実施。クマが目撃された場所周辺の見回りも充実させる。

(クマの建物侵入を想定、箱わな設置の手順確認:秋田)
建物内へのクマの侵入を想定した訓練が28日、秋田県警北秋田署で行われた。県と北秋田市、上小阿仁村、地元猟友会などから30人が参加。スーパーへの侵入を想定し、捕獲に向けて箱わなを設置するまでの手順を確認した。

(先月のクマ目撃、過去最多のおととしとほぼ同じ:岩手)
県内で先月報告されたクマの目撃情報は74件で、過去最多となったおととしの同じ月とほぼ同じ件数でした。今月に入ってからも、岩泉町の山林で男性がクマに襲われて大けがをしていて、県は引き続き注意を呼びかけています。県によりますと、先月、報告されたクマの目撃情報は74件で、過去最多となったおととしの同じ月の76件と比べて、わずかに減るにとどまりました。冬眠の時期に入っても、各地で目撃が相次いでいて、先月には花巻市の小学校にクマが入り込み、校舎の窓ガラスを割る事案が起こったほか、今月23日には、岩泉町の山林でクマの狩猟をしていた男性が顔をひっかかれるなどして大けがをしました。県内では、今年度、クマに襲われて1人が死亡、9人がけがをしていて、県は引き続き、家の外にエサになるようなものを置かないことや、クマに遭遇した場合は走って逃げることはせず、目を離さずにゆっくり後退することなどを呼びかけています。

(”クマが逃げた!”時に備える捕獲訓練:広島)
広島市の安佐動物公園では、園内で飼育しているクマが逃げ出した時の捕獲訓練が行われました。訓練はオスのツキノワグマ「クラウド」が、地震で倒れた木を伝って園内に逃げ出した想定で行われました。この対策訓練は、危険な動物が逃げた時の安全対策を来園者にも楽しみながら知ってもらおうと毎年、行われています。クマが暴れる中、用意されたのは大きな「麻酔銃」。クマが麻酔銃で撃たれて倒れると、職員が網を使って確保しました。安佐動物公園の西園では、去年8月と10月にクマの目撃が相次ぎ、一時、全面閉鎖されましたが、去年12月に一部が再開されています。

(岩手銀、クマの冬眠を観察:岩手)
岩手銀行は1月26日、盛岡市動物公園ZOOMOで「ツキノワグマの冬眠観察ガイドイベント」を開催した。自然保護や生物多様性の重要性を学ぶのが目的で、行員とその家族ら26人が参加した。同行は、「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、生物多様性の理解を深める活動を実施している。

(eスポーツアスリートのパフォーマンスがカフェインで向上、射撃テストや認知機能などで有意差)
カフェインは、エリートレベルのeスポーツアスリートにとっても有用であることが報告された。クロスオーバー試験の結果、射撃テストや認知機能などの指標にプラセボとの有意差が認められたという。台湾からの報告。

(イノシシ肉のコロッケが給食に:愛媛)
今治市の大三島ではイノシシが農作物を荒らす被害が深刻になっていて、捕獲したイノシシの肉を活用しようと小学校でジビエ給食が提供されました。大三島の小学校や中学校などでは、農作物を食い荒らすイノシシを料理として活用しながら子どもたちに地産地消を学んでもらおうと、給食にジビエ料理を提供しています。大三島小学校では27日、イノシシ肉を使ったコロッケが献立のメインとして登場しました。子どもでも食べやすいようにみじん切りの野菜と合わせてバターで炒めてタネにしたということで、子どもたちは口いっぱいにイノシシ肉のコロッケを頬張っていました。27日は島で収穫されたにんじんやレモンを使ったサラダやスープも提供されましたが、島ではイノシシがかんきつや野菜などを食い荒らす被害が相次いでいて、市によりますと、昨年度、農作物84トンあまり、およそ1600万円相当の被害が確認されています。4年生の男子児童は「ジビエのコロッケはふだん食べていないから新鮮でした。うちの畑もイノシシの被害にあったので、果物や野菜を襲わないようになってほしいです」と話していました。

(ジビエが給食に、鹿カレーで児童に提供:神奈川)
松田町は町内で捕獲された鹿をジビエとして有効活用しようと、1月31日の町立寄小学校の学校給食で「鹿カレー(鹿肉ミンチのカレー)」として提供する。足柄上地域では、ニホンジカやイノシシ等による農業被害が増加している。こうした中、子どもたちに地元の農作物被害の問題や猟友会の活動を知ってもらうとともに、「命をいただくことへの感謝」などを感じてもうことなどが目的。学校給食に提供されるのは、猟友会が捕獲し、町内の処理加工施設「あしがらジビエ工房」で食肉処理加工したもの。町は「猟友会のやりがい、そしてジビエの普及促進や地域振興に資するもの」と話している。

(高校生ジビエ食堂で獣害対策:静岡)
下田高校の生徒たちがイノシシやシカの肉を使ったライスバーガーやシチューを提供するジビエ食堂を開きました。高校の近くにシカなどが現れ定時制の生徒が怖がっていることを知ったことから獣害について学び、解決方法の一つとしての提案です。このプロジェクトは高校生のビジネスコンクール「アオハルし放題」で最優秀賞を受賞しました。

(シカ肉さばいて食べてみよう:静岡)
浜松市天竜区春野町堀之内の観光拠点施設「くまの親子・春野いきいき天狗村」でこのほど、ジビエ(野生鳥獣肉)の解体を体験する催しがあった。参加者16人。

(“ジビエ”通じて地域おこしに奮闘中:石川)
小松市の国道360号沿いにある「中ノ峠物産販売所」。元々は町内会で運営していましたが、高齢化などの理由で去年から運営が、移住してきたイノシシ肉やその加工品の製造販売する会社の代表に引き継がれました。そうした事から、名物だったイワナの塩焼きなどに加え、ジビエの販売にも力をいれる事に。ジビエを盛り上げることは南加賀全体の地域おこしにつながると語る物産販売所の代表の思い。

(給食週間、初日はジビエなど地元の食材で:京都)
京都府福知山市立の小中学校で「まるっと京都 味めぐり」として、府内の伝統野菜や郷土料理、各エリアの特徴的な料理が給食で出されている。全国学校給食週間(1月24日~30日)に合わせた取り組み。初日の24日のコンセプトは「森の京都」エリアで、子どもたちは市内の食材を使ったジビエ料理などを味わった。市学校給食センターが毎年テーマを決めて実施していて、今回は地元の食材や京都の料理に関心を持ってほしいと企画。日替わりで、「お茶の京都」「海の京都」「竹の里・乙訓」などにちなんだ料理が出される。24日の献立は、森の京都カレー、みぶ菜のソテー、みかん。京野菜のみぶ菜は大江町で育ったもので、カレーには夜久野町で捕獲された鹿肉や三和町のシイタケのほか、市内で栽培するジャガイモ、タマネギなどがふんだんに使われた。水内の大正小学校(勝村輝幸校長、児童325人)では、動画や校内放送で、この日のメニューを紹介。食欲をそそるカレーの香りに待ちきれない様子の児童たちは、「いただきます」と手を合わせたあと、おいしそうに食べ、おかわりをする子もいた。給食を食べた児童は「鹿肉を食べたのは初めて。ジューシーでおいしかった。また食べたい」と話していた。

(ジビエ活用目指す食肉のプロ「地域課題の解決に」:京都)
「自信を持って売れるおいしい肉を食卓に届けることが、食肉のプロ集団としてのやりがい」。今年で創業72年を迎えた京都府和束町内唯一の精肉店「キザキ食品」3代目の木﨑裕太さん(53)は、豚肉や鶏肉、一頭買いにこだわった黒毛和牛などの多様な食材を店頭に並べる。和束町出身。祖父や父に肉のさばき方を教わりながら、高校時代から家業を手伝ってきた。「猫の手も借りたいほど店は忙しく、家業を継ぐ以外の進路は考えられなかった」と笑う。府内最大の茶産地である町内では、摘み取り前の新芽をイノシシやシカが食べてしまう獣害が悩みの種だ。ジビエの流通が少ない創業当時から、全国に先駆けて加工・販売を続けてきた。特製みそとイノシシ肉を使った「ぼたん鍋セット」は、今でも住民らから人気を集める一押し商品だ。2006年に父・健介さんから代表の座を引き継いだ。毎週月曜日は全国から質の良い肉が集まるという京都食肉市場(京都市南区)に足を運ぶ。産地ブランドや生産者、1頭の枝肉からとれる肉の歩留まり(良品率)など長年培ってきた「独自のポイント」で目利きし、厳選した肉を競り落とす。「地域住民のために役立つことがうちの役割」。先代の教えを胸に刻みながら、インターネット通販やふるさと納税の返礼品活用で全国的な販路開拓に力を入れる。新たな挑戦として、店舗近くに、自社加工場「京都南部ジビエ加工センター」(同町中)を建設。昨年11月に高機能ドッグフード「京都わじか」を開発した。「シカ肉は(ジビエの中でも)廃棄する部分が特に多いが、同じ命。地域資源を捨てることなく利活用したい」。加工場では週に6頭程度のシカ肉を乾燥させてスライスし、「ホルモンジャーキー」や「すじふりかけ」など11種類のペットフードを生み出している。従業員の高齢化や猟師の担い手確保、大型スーパーとの価格勝負など直面する課題は多い。「『三方よし』を大切にし、創業100年を迎えたい。これからも食肉流通を通じ、地域課題の解決に貢献していきたい」と新規事業のアイデアを膨らませている。

(ジビエ、草花加工:広島)
広島県三次市で「里山labo(ラボ)」を立ち上げた丸岡直子さん(47)は、ジビエ(野生鳥獣の肉)のペットフードやドライフラワーを販売する。

(シカ肉味わって、フェス盛況:北海道)
陸別産シカ肉の魅力発信を目的とした「鹿フェス」(浜田旅館主催)が26日、町内のセレモ浜田で開かれ、町内外から訪れた多くの人が低カロリー、高タンパクでくせのないシカ肉に舌鼓を打った。

(ジビエ「思った以上においしい」:大分)
大分県日田市の昭和学園高で24日、地元産のジビエ(野生鳥獣肉)を使った料理教室が開かれた。調理科3年の31人がイノシシとシカの肉で4品の調理に挑戦した。農産物の鳥獣害対策の一環で、県西部振興局や林業団体でつくる大分西部流域林業活性化センターが主催。この日はシカとイノシシの肉を約12キロ提供した。生徒たちは、市在住のフードコーディネーター原田京子さん(63)の指導で、ひき肉のグラタンや、スライス肉のしょうが焼き風、シカすね肉のさんしょうみそ煮込み、韓国おにぎりのキンパを約3時間かけて作った。原田さんによると、日田産ジビエは栄養豊富でおいしく、さまざまな料理に向いているという。栄養士を目指す飛瀬聖梨(ひじり)さん(18)はジビエ料理は初めて。試食して「思っていた以上に癖もなくておいしかった。これからも使ってみたいし、普及に努めたい」と笑顔で話した。センターによると農業被害は近年、減少傾向。2023年の県内の被害額は1億4093万円で、シカ4万2285頭、イノシシ2万4251頭を捕獲した。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、28日午後5時ごろ、富谷市穀田要害にクマが出没しました。

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(狩猟中の74歳の男性がクマに襲われる:岩手)
23日午後、岩泉町で狩猟のために山林に入っていた町内に住む70代の男性がクマに襲われけがをしました。警察によりますと、23日午後4時ごろ、岩泉町袰綿の山林で町内に住む小泉徳さん74歳がクマに襲われけがをしました。小泉さんは5人で狩猟をしていたところ、成獣とみられるクマ1頭に顔を引っかかれるなどして、一緒に狩猟していた人が車で小泉さんを自宅まで運んで消防に通報しました。その後、小泉さんは矢巾町の岩手医科大学附属病院に運ばれましたが、その際に意識はあり会話もできていて、命に別条はないということです。県によりますと、2024年度の岩手県内のクマによる人身被害は10件目で、2025年に入って被害が発生するのはこれが初めてです。

(ヒグマ駆除「警察と連携が条件」と猟友会:北海道)
ハンターによるヒグマの駆除について、北海道猟友会は、市町村からの出動要請に対する対応の考え方を新たにまとめました。市街地での出動にあたっては、日頃から警察や自治体と連携して演習を行っておく必要があるなどとしています。ヒグマの駆除をめぐっては、自治体の求めで出動したハンターが猟銃所持の許可を取り消されたことなどを受けて、北海道猟友会は出動要請に応じないことも含めて検討を進めた結果、市町村からの要請を一律に拒否することはせず、現場で対応にあたる支部に判断をゆだねる方針を決定しています。これを受けて現場のハンターからは、市街地での駆除の要請に応じるかどうかの判断について不安や懸念の声も上がっていたことから北海道猟友会は対応の考え方を新たにまとめました。それによりますと、市街地での出動要請に応じるには、地元の警察や市町村との連携のもとで適切な捕獲体制が確立され、日頃から出没を想定した演習などが行われている必要があるとしています。また、現場に出動した際には警察の指示にもとづいた発砲であっても、事故が起きると民事上の責任を問われるリスクがあることを理解する必要があるとしています。一方、山あいで農作物などに被害を加えるクマの駆除には引き続き協力し、市町村などとの信頼関係を保つよう求めています。北海道猟友会はこれらを道内の71の支部に通知することにしています。

(民家花壇に埋められた死骸はキツネ:岐阜)
岐阜県警関署は23日、21日に関市小瀬の民家花壇の土中から見つかった野生動物の死骸について、ホンドキツネの頭部と右前脚だったと発表した。署によると、頭部と右前脚はつながっており、腐敗は進んでおらず、白骨化もしていなかった。住民の男性が花壇の土が盛り上がり、毛のような物が出ていたため不審に思い、掘り返したところ見つかり、署に通報した。男性が20日午後2時ごろ、花壇を手入れした際には異常がなかった。9日には、この民家から約3キロ北に離れた美濃市生櫛の中有知小学校の花壇でシカの頭部が埋められているのが見つかっており、署はいずれも何者かが埋めた可能性があるとみて、関連を含めて調べている。死骸がキツネだったことについて、狩猟経験者は「シカやイノシシを捕るため、獣道に仕掛けたくくりわなにキツネがかかることはよくある。ただ、食用になる動物ではなく、行政から有害鳥獣の駆除要請がなければそのまま放すことが多く、通常持ち帰るのは考えにくい」と話した。

(エゾシカ、年1800頭捕獲:北海道)
北見市は2025年度から3年間、農林業被害を防ぐため、エゾシカを年度あたり1800頭捕獲する方針を決めた。24日の市議会産業経済委員会で示した。

(シカ衝突事故、過去最多139件:北海道)
天塩署管内4町(天塩、豊富、幌延、遠別)の2024年の交通事故のうち、エゾシカと車両の衝突事故が前年比14件増の139件で、2年ぶりに過去最多を更新した。シカと車両の衝突事故は1年を通じて発生しており、同署は運転速度を落とすなど慎重な運転を呼びかけている。

(ツキノワグマ目撃情報、過去最多だった昨年度の1・5倍超す:山口)
山口県内でツキノワグマの目撃情報が増え続け、今年度は既に過去最多だった昨年度の1・5倍超に上る。農業にも影響が生じており、自治体は熊が人里に近づかないよう不要な果樹の伐採などの対策に力を入れる。専門家は人と熊が適切な距離を保つための備えの重要性を説く。「せっかく愛情込めて育てたのに……」。20日、岩国市美和町の農園。特産の「岸根栗」を栽培する農家の男性(81)が、枝の折れた栗の木を見上げながらつぶやいた。農園では昨年10月上旬、5日間にわたり、食害被害が発生した。栗の木約200本のうち10本で枝が折られ、高所の実も食べられていた。地元の猟友会に相談したところ、幹や枝に残る爪痕などから熊が木に登って荒らしたと判明。同月中旬、農園内で体長約1メートルの熊がわなに掛かった。その後の被害はなかったものの、男性は「今後、他の農家に被害が出ないよう何とかしてほしい」と語り、抜本的な対策の必要性を訴えた。県のまとめでは、今年度の熊の目撃件数は789件(14日時点)で、過去最多だった昨年度の444件を大きく上回る。隣県でも同様の傾向が見られ、島根、広島両県によると、島根県では587件増の1541件(昨年12月末時点)、広島県では52件増の776件(同)に上る。目撃件数の増加は農作物の収穫にも影響を与えている。JA山口県によると、岩国、周南両市での今年度(昨年9~11月)産の栗の出荷量は計約7・7トンで、前年度比約2・5トン減、22年度より約5・5トン少なかった。担当者は、夏場の乾燥で実が成熟する前に落下したことが主な原因とみる一方、「目撃件数の増加や食害のため、農家が熊との接触を恐れて収穫を控えたことも要因の一つだろう」と説明する。県によると、両市ではタケノコ、山口市阿東地域ではリンゴとナシの食害も報告されている。熊が人里に近づかないよう、自治体は対策に力を入れる。岩国市などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会は昨夏から、市内で人が管理していない果樹を伐採した場合、1本当たり3000円を補助する取り組みを実施。昨年10月末までに柿や栗を含む約80本が伐採され、来年度も予定する。県内では2年ぶりとなる人身被害も起き、岩国、周南両市で計2人が重傷を負い、1人が負傷した。県によると、わなの設置を申請する自治体が増え、今年度の熊の捕獲数は昨年度より35頭増の89頭(14日時点)となっている。周南市での人身被害後にわなの設置を依頼された市徳山猟友会の秋本慎也会長は「今季は出動回数が増え、出没は確実に増えていると感じる。住民はおびえながら暮らしている」と話す。目撃情報は県の東側が大半だが、各地で出没していることや保護者からの不安の声を受け、県北西側にある長門市でも昨年12月、市内16の小中学校に熊よけ用の「熊鈴」を配布した。熊の生態に詳しい県立山口博物館学芸員の大森鑑能さんは、目撃件数の増加について「出没に関するニュースなどを見て関心が高まり、違う動物を熊と勘違いするケースもある」と前置きし、「熊は人がいないと認識した場所や時間に出没する。人口減少やコロナ禍で外出を控えたことなど、人の行動が変わったことが熊の行動に影響を与えたのではないか」と推察する。被害を防ぐ対策として、大森さんは電気柵を設置する「被害防除」や、不要な果樹を伐採する「生息地管理」が重要だと指摘する。そのうえで「鈴の音や声を出すことでできるだけ遠くから熊に存在を知らせ、熊との鉢合わせを避けるべきだ」と強調する。各地で熊が目撃され被害も出ているという情報を耳にする度に、熊のいない九州出身の私は恐怖ばかりを感じていた。熊は俊敏で鋭い爪と牙を持ち、襲われればとても太刀打ちできないからだ。しかし取材を進めてみると、人里では夜に出没することが多く、本来は人の気配を察知すると逃げ出すほど臆病な動物であることがわかった。山に入る際や山間地を訪れる際には熊鈴を持つなど、個人でできる対策で身を守ることが大切だと思う。

(アライグマによる農作物被害が深刻化:埼玉)
埼玉県内でアライグマが急増し、農作物を食い荒らす被害が深刻化している。県によると、昨年度の捕獲数は前年度比1275匹増の1万1790匹で、直近10年間で3・3倍に増えた。被害を防ごうと、県は捕獲体制の強化を検討している。「少しでもアライグマが触れたと思われるものは商品化できない。大切に栽培しているのに」。さいたま市岩槻区のブドウ園で巨峰やシャインマスカットなどを栽培する石井公一さん(68)は悔しがる。5年ほど前からアライグマによるとみられる食害が急増。箱わなを設置しているほか、2023年からは園の一部を電気柵で囲んだ。だが、昨年は900房ほどが食い荒らされ、被害額は50万円を超えたという。アライグマは夜間に侵入し、木に登ってブドウを狙う。親子で一緒に来ることも多い。石井さんは昨年30匹以上を捕獲し、市役所に引き渡した。ただ、わなを器用にすり抜けてしまう個体も多いという。埼玉県によると、野生動物による県内の農作物の被害額は約8200万円(2023年度)で、3割弱の約2300万円をアライグマが占める。サル(約1500万円)やシカ(同)を上回る被害だ。埼玉県内で初めてアライグマが捕獲されたのは2002年度で、当初は2匹だった。生息域は県北部、県西部が中心だったが、今では県内全域に広がっている。天敵がおらず、一度に3~6匹の子どもを生むなど繁殖力が強いとされる。埼玉県内で増えている空き家が、増加の一因となっているという見方もある。総務省の23年調査によると、賃貸や売却用などを除いた県内の「放置空き家」は13万5800戸。空き家が快適な「すみか」になっている可能性があるという。埼玉県は「防除実施計画」を策定し、「野外のアライグマ完全排除」を最終目標としている。狩猟免許を持たない人でも設置できる箱わなを使えるよう、農家ら向けの研修会を実施している。県みどり自然課は「農作物が少ない冬にもわなを仕掛けて、繁殖期に集中的に捕まえてほしい」としている。ただ、農家からは「個人での対応は限界だ。行政が本格的に駆除に乗り出すべきだ」との声も出ている。

(イノシシ狩りに賞金、かつての保護動物が今や社会的脅威に:中国)
昨年10月のある早朝、熱探知カメラ付きドローン(無人機)が頭上を飛ぶ中、多数の犬が中国北西部の森を疾走する巨大な動物を追いかけていた。ドローンの操縦者は、トランシーバーでハンターに「犬が捕まえた! 刺せ! 刺せ!」と叫んだ。駆けつけたハンターは、体重125キログラムの獣に槍(やり)を突き刺して殺し、2400人民元(約5万円)の報酬を獲得した。このハンターは、中国北西部の寧夏回族自治区西吉県に雇われ、「賞金稼ぎ」チームで働いている。彼らの獲物はイノシシである。中国では近年、農作物に多大な影響を及ぼし、事故やけが、死亡事故も引き起こしている害獣を駆除する試験的プログラムの一環として、賞金稼ぎチームにイノシシの駆除を許可している。昨年2月には、このプログラムは全国的な駆除に拡大された。ハンターが銃や毒物を使用することは認められていない。だが、野生動物保護が厳しく規制されている中国において、動物の駆除は人々を驚かせた。動物保護団体はこの措置を批判している。中国国営の英語放送「中国国際テレビ(CGTN)」によると、イノシシをめぐる問題の要因は、20年以上前にさかのぼる。食用としてあまりにも多くのイノシシが狩られた結果、一部地域では絶滅した。これを受け、中国政府は2000年にイノシシを国家保護リストに追加。イノシシが多すぎる地域限定で許可された人のみ狩猟を行うことが認められた。その後、天敵がほとんどいなくなったイノシシの個体数は約1万頭から約200万頭に急増した。国家林業・草原局(NFGA)は23年1月、34省級のうち八つを除くすべての地域でイノシシが資産や人々に損害を与えていると発表した。昨年秋に300頭のイノシシを駆除した西吉県では、主にイノシシが農地を荒らすなどの行為によって、23年だけで200万元を超える経済的損失がもたらされたと、中国のネットメディア「澎湃新聞」に語った。命を落とした人もいる。澎湃新聞によれば、23年12月、湖北省に住む51歳の村民がイノシシに噛(か)まれて失血死した。3年前には四川省南で村の役人がイノシシに襲われ亡くなった。イノシシは個体数の増加に加え、急速な都市化により生息地が縮小したため、都市部でも頻繁に目撃されている。昨年10月には、南京のホテルのロビーにイノシシが入り込み警備員に捕まった。その2日前には、体重80キロの別のイノシシが杭州市東部の繁華街を暴れ回った。イノシシによる襲撃の報告がソーシャルメディアや国営メディアで増え続ける中、中央政府は23年にイノシシを国家保護リストから外し、狩猟免許の必要性を免除した。政策転換を歓迎する声も多かったが、地方当局による賞金稼ぎの取り組みには反発も招き、この増大する社会的脅威に国がどう対処すべきかについて、専門家の間では議論が巻き起こっている。「我々は動物を保護するべきではないのか? なぜまた狩猟に戻ったのか?」と、中国版TikTokの「抖音(トウイン)」のユーザーは述べた。10年以上にわたり野生動物の密猟と闘ってきた動物保護団体は、中国のSNS微博(ウェイボー)で全国的な駆除を「残忍な茶番劇」と呼んだ。当局はこの政策を擁護している。国家林業・草原局のイノシシ個体群管理専門家チームの1人は、国営英字紙チャイナ・デイリーに対し、天敵がいない以上、狩猟はイノシシの個体数を管理する「唯一の方法」だと語った。だが、北京拠点の自然保護団体「中国生物多様性保護・緑色発展基金会」の周晋峰代表はCNNに対し、人間の介入としての狩猟が正当化されるのは、動物の個体数が地域の生態系を圧倒している場合のみだと語った。また、公開データに基づき、中国でイノシシが「猛威を振るっている」と断言するのは時期尚早だと指摘。イノシシの襲撃は「人間が自然のバランスを崩した結果だ」と付け加えた。イノシシの駆除方法や死骸をどう処理するかについても意見が分かれている。政府が支援する専門家グループのメンバーは、狩猟効率を上げるためにハンターが銃を使用することを認めるべきだと提案した。また、法律を改正して「捕獲したイノシシ」を食用にすることを提案。だが、食用として安全であることを保証するための検疫プロセスを経た場合のみにとどめるとした。どちらの提案も、グループ外の専門家の間で安全性への懸念を引き起こしている。共産党機関紙の人民日報によると、国家林業・草原局は「プロの狩猟を促進する」ために「銃器と弾薬の管理を最適化する」ことに取り組んでいるという。CNNは、銃器使用の可能性とイノシシの食用合法化の提案への対応について、当局に問い合わせた。「イノシシによる被害は大惨事となっている。これは実際に生態環境の不均衡を反映している」と専門家グループの副代表は中国国営中央テレビ(CCTV)に語っている。「したがって、どんな方法を用いようとも、最終的には人間と自然の真の調和を実現するために、生態系の連鎖の流れとバランスを回復させる必要がある」。

(「狩猟と地域おこしボランティア」、命と向き合う早稲田大学の実習授業)
近年、シカやイノシシによる農作物被害が深刻化しています。この背景には、狩猟を担う人材不足や農村地域の過疎化があるといわれています。そんな中、早稲田大学では学生たちに狩猟や地域の課題を実体験してもらう授業を2017年から開始しました。この授業では、命をいただくという狩猟の本質に触れるとともに、地域おこしのボランティア活動にも取り組んでいます。今回は、授業を担当するする早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC) 准教授の岩井雪乃先生と同授業ティーチングアシスタントの小島さん(早稲田大学3年生)に、授業の狙いや取り組みについて詳しくお話を伺いました。―授業開始の経緯を教えてください。 岩井先生)2017年に実習授業を開始しました。獣害問題が拡大している状況には、猟師不足、農村の過疎高齢化が原因にあります。早稲田大学生に、まずは狩猟に関心をもってほしい、農村の問題に関心をもってほしい、そんな想いから授業をスタートしました。―岩井先生ご自身が獣害問題に取り組もうと思われたきっかけは何ですか?岩井先生)実は、2014年に夫が千葉県鴨川市に移住して農業を始めました。そのとき田んぼがイノシシに食い荒らされてしまったんです。そんなきっかけから、どうにかしたいと思い自分で狩猟免許を取りました。しかし、狩猟免許は比較的簡単に取れるものの、実際に動物を捕るには山の地形や動物の習性を何年にもわたって学ぶ必要があり、一筋縄ではいきません。自分一人だけ猟師が増えても限界があると気づき、大学の授業として多くの人に興味を持ってもらう場をつくり、将来的に猟師を増やす方が社会貢献になると考えました。―現在の主な活動を教えてください。岩井先生)半期で現地実習を2回行います。コロナ前はみんなで泊まり込みで行なっていましたが、現在は日帰りです。狩猟の現場は山梨県の丹波山村です。そこで実際の罠猟や銃猟の仕組みを猟師さんに教わり、解体施設の見学やタイミングによっては一緒に解体を体験させてもらいます。同時に、地域おこしのボランティアとして、農作業のお手伝いや空き家の片づけなど、現地のニーズに合わせて活動しています。―狩猟以外にも幅広いボランティア活動も現地で行なっているのですね。岩井先生)やはり狩猟は初心者の学生がお手伝いできることが少なく、基本的には「学ばせてもらう」形になります。一方で、ボランティアセンターが主催している授業なので、「地域に貢献する」という目的があります。そのため、農作業や空き家の整理など地元の方に喜ばれる活動も組み合わせています。具体的に空き家の整理とはどのような作業ですか?岩井先生)丹波山村は、移住希望者がいるのに、住める家がないのです。急峻(きゅうしゅん)な地形で平地が少ないため、住宅を新規建設できません。一方、空き家がたくさんあるので、それを活用できればいいのですが、相続の問題などで所有者が不明だったり、ボロボロで修理に費用がかったりするケースが多いんですね。私たちが手伝うのは、所有者から「使っていいよ」と許可が出た空き家を修理する際に、中に残っている荷物を運び出す作業です。荷物を全部出さないと修理や解体ができないのです。住める状態にするには長いプロセスが必要になりますが、学生はその初期段階のお手伝いをしています。―授業はどのぐらいの人数の学生が参加しているのですか?岩井先生)春クラスと秋クラスがあり、それぞれ履修生は15名、つまり年間30名が履修しています。そこにティーチングアシスタント学生も1~3名が参加します。―授業に参加する学生はどんな動機が多いですか? 岩井先生)大きく3つあると感じています。もともと狩猟そのものに興味があり、狩猟を学びたい学生。ジビエを食べたい、ジビエ料理に興味がある学生。あとは、地方出身で実際に身近で被害に遭っているなど、獣害問題をなんとかしたい、地域おこしの必要性を感じているという学生ですね。小島さん)あと近年は漫画『ゴールデンカムイ』などのメディアコンテンツやYouTubeなどをきっかけに狩猟に興味を抱く学生も多いようです。―この授業を履修した学生は、実際どこまで狩猟体験を行うのですか?解体シーンなど衝撃は大きいのでは?岩井先生)現地では、先ほど述べたように猟師さんによる罠のかけ方やモデルガンを使った銃猟の実演を見学します。タイミングが合えば解体を見学したり、実際に刃物を入れさせてもらうこともあります。初めて解体を見た学生は驚いたり、思いのほか平気だったりと反応はさまざまです。学生には、「いつからこれは動物ではなく“肉”に見えるのか」を意識するよう伝えています。それによって、食べること・生きること・殺すことを改めて考えるよう促しています。小島さん)僕自身も最初は「自分は平気かも。」と思って行きましたが、本当に目の前にするとやはり気持ちの変化がありました。死生観も一緒に考える機会になります。―獣害問題や狩猟の担い手不足は、今後どのように推移していくと考えられますか? 岩井先生)国の補助金や地方自治体の助成の成果があって、シカやイノシシの数は少しずつ減少傾向にはあります。ただ、地方の人口減少や高齢化が根本にあり、人間の手が入らなくなった農地や山林が増えるため、動物の活動範囲は拡大しています。獣害を完全にゼロにするのは不可能なので、被害を「地域住民が耐えられるレベル」に抑える“共生”がカギになっていくと思います。―将来的に社会人をしながら週末ハンターをしたり、狩猟免許を生かす人は増えそうですか?岩井先生)最近は「会社員になった後も週末猟師になりたい」という学生の声が増えています。卒業生でも、平日は都内で商社勤務、週末は千葉の鴨川市で狩猟を続けている方がいます。働き方が多様化する中で、“都会と地方の二拠点生活”という形で狩猟を実践する可能性は広がっていると感じます。―最後に今後の活動方針を教えてください。岩井先生)引き続き「狩猟と地域おこしボランティア」の授業を継続し、より多くの学生に“獣害問題”や“命をいただく”という経験をしてもらい、将来の選択肢に「猟師」や「農村暮らし」をイメージしてほしいと考えています。

(こどもレンジャー、エゾシカのカウント体験:北海道)
釧路湿原に増え続けるエゾシカをテーマにした釧路湿原こどもレンジャーのイベントが25日、温根内ビジターセンター周辺などで行われ、エゾシカのカウント体験などを行った。

(ジビエや有機野菜、山都町特産をカレーで:熊本)
山都町の特産物を使ったカレーを提供している町内の飲食店が集まった「SDGs×カレーフェスタ」が19日、同町千滝の町総合体育館パスレルであり、家族連れらでにぎわった。町は、町産野菜やジビエ(野生鳥獣肉)を地域で消費することを目的に、食のブランド化を進める。町観光協会と連携し、特産物を使ったカレーづくりを企画。参加した12店が工夫を凝らしたメニューを開発した。この日は、8店舗が出店。シカ肉入りや、粉末のお茶、ニンジンをルーの主役にしたものなど、個性豊かな品が並び、一帯にスパイスの香りが漂った。無農薬米や有機野菜を使ったビーガンカレーを食べた熊本市西区の主婦(35)は「ナスがとろけていておいしい。町産の野菜が買えたら食べたい」と笑顔で話した。町は2月20日まで、企画参加店でカレーを食べて情報発信した人に景品が当たるキャンペーンを実施している。

(「令和6年度ジビエ連携フォーラム」の開催について:岡山)
農林水産省中国四国農政局は、令和7年2月6日(木曜日)に岡山第2合同庁舎10階第10-A・B会議室において「令和6年度ジビエ連携フォーラム」を開催します。これにより、捕獲した野生鳥獣の食肉利用はもとより、多用途(ペットフード、皮革等)での普及拡大を図るとともに、これらの活動に取り組む関係者の相互連携を図ります。本フォーラムは、捕獲した野生鳥獣の食肉利用や多用途利用を図ることが地域社会の維持に有意義な取組となっていることを踏まえ、ジビエの多用途利用やジビエ利用による地域振興、ジビエの魅力発信等について先進的に取り組んでいる実践者等からの講演を通じて知見や情報の共有を図り、ジビエ推進に携わる関係者相互の連携を促進するとともに、ジビエ利活用の取組を発展・充実させることを目的として開催します。

(天然鹿皮を使用したバイクボディバッグ:山梨)
驚くほど軽くて柔らかい、本革なのに雨にも強い、鹿皮バッグブランドの登場。株式会社イェーガー 取締役代表 富永智一。平日は医師として人の命と向き合い、週末は猟師として動物の命と向き合っています。有害鳥獣として捕獲されている鹿や猪の9割はただ破棄されてしまう、鹿皮の利用率は、さらに低い0.2%以下という現状を知り、有効利用する活動をしております。実はバイクが昔から大好きで、お気に入りはイタリアバイクのドゥカティ!日常はカブを愛用しています笑 実はこの夏のこと、いつものように山梨へ向かっている高速で、バイクで転んで事故にあってしまいました。幸い命に別状はなく、これも天が自分に与えた何かの宿命と捉え、この傷を意味のある事にして昇華させたい、バイクを嫌いになりたくない!バイクが好きなんだ!という想いで、鹿皮のレザーブランドを作ろうと決意しました。通気性が良く、しなやかで肌馴染みの良いしっとりとした鹿皮は、バイクに乗っている時も体にピッタリと一体化し、共にツーリングをするのに最適な素材です。「紐は丈夫なものが良い!荷物が沢山入るようにしたい!ポケットはたくさんつけたい!濡れても手入れが簡単なものが良い!」。バイカーのワガママを詰め込んだ鹿革製品を作りました。是非、実際に皆様の手に取っていただき、鹿皮の品質を実感していただきたいです。

(シカ革のブーツ発売:北海道)
札幌市営地下鉄南北線・中の島駅そばのジーンズ専門店「ユニークジーンストア」がこのほど、エゾシカ皮革メーカー「エゾプロダクト」(札幌市中央区)とタッグを組み、ジーンズに合うオリジナルブーツを製品化しました。1月25、26日には発売記念イベントが開かれます。

(鹿革の特産化模索:長野)
麻績村地域おこし協力隊農業班の平林結さん(36)が、筑北地域に多く生息する鹿の革を特産品にできないか模索している。鹿は近年、肉がジビエ料理の食材として徐々に活用されてきたが、今季から狩猟に同行している平林さんは「皮や骨の多くは廃棄されている」と話す。鹿革も里山ならではの素材として地域循環できる仕組みを作れないか加工を実践しながら思案している。稲作や果樹栽培を学ぶ傍ら、昨年11月から地元猟友会にも加わり、勢子として狩りに参加している。解体後に残る生皮を譲り受け、洗浄方法やなめし方をインターネットで調べつつ試行錯誤しながら革づくりを学んでいる。今冬初めて加工した鹿革と、裁縫の楽しさを教えてくれた曾祖母・久子さん(故人)が遺した着物地を組み合わせ、ハンドバッグも試作した。埴科郡坂城町出身の平林さんは、日本大学生物資源科学部森林資源科学科で学んだ。ゼミの一環で狩猟免許も取得。猟銃を購入せず失効したものの、鹿の繁殖状況や鳥獣害について理解を深めた。卒業後、転職を経て入社したランドセル工房で革の加工に興味を持った。来季には猟銃を手に狩猟に参加できるよう再び免許取得を進める考えだ。「鹿を余すことなく活用できるよう何でも試したい。麻績の『鹿レザー』が新たな特産になれば」と語る。

(ジビエが給食に:神奈川)
松田町は町内で捕獲された鹿をジビエとして有効活用しようと、1月31日の町立寄小学校の学校給食で「鹿カレー(鹿肉ミンチのカレー)」として提供する。足柄上地域では、ニホンジカやイノシシ等による農業被害が増加している。こうした中、子どもたちに地元の農作物被害の問題や猟友会の活動を知ってもらうとともに、「命をいただくことへの感謝」などを感じてもうことなどが目的。学校給食に提供されるのは、猟友会が捕獲し、町内の処理加工施設「あしがらジビエ工房」で食肉処理加工したもの。町は「猟友会のやりがい、そしてジビエの普及促進や地域振興に資するもの」と話している。

(特産のシカ肉を給食で提供:岩手)
大槌町の小中学校で、24日、町の特産品として売り出している、地元産のシカ肉を使ったカレーが、給食として提供されました。大槌町の食肉加工会社は、畑を荒らすなどして駆除されたシカを食肉に活用するジビエ事業を6年前に始め、特産品として売り出していて、24日は、町内の3つの小中学校の給食で、地元産のシカ肉を使ったカレーが出されました。このうち、吉里吉里小学校の3年生の教室には、食肉加工会社の社員たちが訪れ「シカが増えすぎると困るので捕る必要はあるが、『捕ったからにはおいしく食べよう』とみなさんの給食に出てきた」などと子どもたちに説明しました。鹿肉は、子どもでも食べやすいように小さくカットされていて、児童10人はおいしそうに味わっていました。初めてシカ肉を食べたという児童は「柔らかくて食べやすい。おいしいのでまた食べたい」と話していました。食肉加工会社でシカ肉の解体を担当する俵航海大さんは「思った以上に抵抗感なく食べてくれてとても嬉しかった。子どものうちから親しんでもらうことで、大槌のシカ肉が食材の選択肢として根づいたら嬉しい」と話していました。

(ジビエ手軽に味わって、イノシシラーメン:福井)
福井市殿下地区で捕獲されたイノシシのラーメンを看板メニューに冬季限定で開店する「福亥軒(ふくいけん)」の営業が25日、同市畠中町の農家レストラン「かじかの里山殿下」で始まった。7年目の営業を迎え、イノシシの骨から煮出したスープと、市内で製造されたしょうゆを合わせた深い味わいのラーメンで、ジビエのおいしさを伝える。

(骨付きシカ肉どーん!:静岡)
静岡県の伊豆半島、伊東市にある八幡野港のすぐそばに、本格ジビエ料理が楽しめるお店があります。オーナーが自ら猟で動物をとり、料理の提供までこなす、県内でも数少ないお店です。伊豆高原駅から車で約5分、徒歩で約20分のところにある一軒家。八幡野港の手前に「伊豆のジビエ屋 Bistro KEN(ビストロ ケン)」があります。

(捕獲シカ食べよう!:北海道)
捨てられることの多いエゾシカ肉の有効活用などを目指し、釧路短大(釧路市)の学生らが鍋料理を考案した。企画した「ひがし北海道ブランド化推進協議会」は、「世界三大夕日」で売り出す釧路の夕日の 茜 あかね 色をイメージして「釧路夕日鍋」と命名。道産食材を使った新たな名物としてPRする。道の推定では、2023年度のエゾシカ生息数は73万頭(うち道東は31万頭)で、農業被害などが増加。年間15万頭ほどが捕獲されるものの、食肉などへの活用は3割以下にとどまっている。シカ肉は鉄分が豊富で高たんぱく、低脂肪の特徴があり、血抜きや加工技術も向上しているという。夕日鍋には釧路産昆布のだしやカレー粉で風味をつけ、シカをかたどったニンジンやパプリカなどで彩った。茜色が映えるよう、釧路センチュリーキャッスルホテルの岩山純司・洋食調理長のアドバイスで野菜ジュースを使うなど、工夫を重ねた。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、26日午後5時15分ごろ、名取市相互台東1丁目にクマが出没しました。

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(野生イノシシ12頭豚熱感染:三重)
三重県は22日、津、志摩、亀山、菰野、伊賀の5市町で先月中旬から今月中旬にかけて捕獲した野生イノシシ107頭のうち、12頭が豚熱に感染していたと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1038頭となった。

(野生イノシシが豚熱感染:岡山)
岡山県は21日、高梁市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は34例目。県によると、17日に地元住民が山の麓で死んでいた個体を見つけ、県の検査で20日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めた。豚熱は県内の養豚場では1968年以来確認されていない。

(眠らないクマ冬山に、なぜ冬眠しない?:青森)
真冬にもかかわらず県内でクマの目撃が相次いでいます。隣の秋田では人里でも目撃が相次いでいるクマ。なぜ冬眠していないのか?私たちはどう対応したら良いのか、専門家に聞きました。冬山を勢い良く走る1頭のクマ。これは今月13日に弘前市百沢の岩木山登山コース標高およそ1,100メートルの場所でバックカントリー中のガイドが撮影しました。体長はおよそ1.5メートルと見られています。別のガイドも冬の岩木山でクマの足跡などを見たと言います。白神山地ガイド会 渡邊禎二 代表「(クマ自体は)今シーズでも足跡は見ましたけど ことし暖冬だからいるという推測もあるんですけど数年前も真冬に何回かクマとすれ違ったことがあるので」。1月は冬眠時期とされていますが県内ではことしクマの目撃が相次いでいます。県によりますと今月の目撃は青森・十和田・平川など7市町村で8件、過去5年で最も多くなっています。動画を確認した専門家は「しっかり脂肪がついている個体」とした上で「去年秋のドングリ類の豊作が関係する」と指摘します。森林総合研究所 大西尚樹 動物生態遺伝チーム長「豊作の時は冬眠前にたくさん(餌を)食べるのですが食べ残しが残っています 冬眠中でも起きてきて餌がある場所を覚えていればそこでドングリ(餌)を食べようというような感じで起きてくる個体がいる」。となりの秋田県ではこの冬人里でも出没が相次いでいます。専門家はにおいなどで生活圏におびき寄せない対策が必要だと強調します。森林総合研究所 大西尚樹 動物生態遺伝チーム長「秋田の事例もあるので人里近くで冬眠中でも動き回る個体は出てくる 私たちの生活圏に近寄らせない近寄る魅力を与えないことが大事」。白神山地ガイド会 渡邊禎二 代表「街で人間と関係性を持ったクマはいろんな知恵が付いていると思うのでそれはちょっと危険かと思います」。県内ではこの冬食害や人的被害は確認されていません。県は冬場にクマを目撃したら刺激せずに安全な場所に移動し、市町村や警察に連絡するよう呼びかけています。

(シカ駆除の新たな課題はクマ)
野生のツキノワグマがわなにかかった成獣のシカを襲い、食べている様子を東京農工大などのチームが初めて撮影に成功した。シカの食害は全国的な問題で、駆除目的のわなの設置が広がっている。研究チームのメンバーは、シカを捕獲する人とクマとの事故が増えたり、クマが家畜を襲うようになったりする可能性があると警告している。「手慣れた感じで、このクマはシカを食べ慣れていることが映像から分かった」。研究チームの小池伸介東京農工大教授(生態学)が話す。映像は昨年5月、栃木県日光市の山中でわなの近くに設置したカメラで撮影した。

(ツキノワグマ捕獲技術向上研修会を開催します:新潟)
本県では、指定管理鳥獣であるツキノワグマの出没件数や人身被害件数が増加傾向にあり、今後も人身被害等の拡大が懸念されます。一方で、狩猟者等の減少や高齢化などにより、ツキノワグマの捕獲従事者も減少し、持続的な捕獲体制を維持することが困難な状況にあります。このため、県では、第一種銃猟免許取得後の経験の浅い狩猟者(新潟県在住者に限る。)を対象に、ツキノワグマの捕獲技術の向上を目的とした実践型の研修会を開催します。ツキノワグマの捕獲に興味や意欲のある方の参加をお待ちしています。なお、当事業は一般社団法人新潟県猟友会に委託しています。申込・お問い合わせは新潟県猟友会へお願いします。

(地元で獲れたクマの焼き肉が小学校の給食に:長野)
地域の山の恵みや命の大切さを学ぼうと長野県栄村の小学生が特別な給食を味わいました。長野県の最も北、新潟県と接し、豪雪地帯として知られる栄村。48人の児童が通う栄小学校の、給食の時間です。21日の献立は・・・焼肉!使われているのは、地元の山で獲れたクマの肉です。地域の食に触れることで山の恵みと命の大切さを知ってもらいたいと、小学校では2021年度から「ジビエ給食」を提供しています。子どもたちの反応は?クマの焼き肉はお代わりをする子もいるほどの人気ぶりでした。給食の前には猟師からも話を聞いた子どもたち。小学校では今後もジビエに触れる機会を設けていくことにしています。

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(ハーフライフル銃の許可要件を厳格化する改正銃刀法を閣議決定)
政府は21日、「ハーフライフル銃」と呼ばれる射程の短い猟銃について、許可要件を厳しくする改正銃刀法を、3月1日から施行することを閣議決定しました。改正銃刀法では、ハーフライフル銃を所持できる基準を、10年以上続けて猟銃の所持を許可された人などに限定し、従来のライフル銃と同じ基準を設けて、規制を強化します。また、本来の用途で2年以上使われていなければ、許可は取り消されます。2023年に長野県で警察官を含む男女4人が殺害された事件で、長期間使われていなかったハーフライフル銃が使われことを受け、許可基準が厳格化されました。この改正は3月1日から施行されます。

(住宅で散弾実包20発なくなる、17日に見つかったものとの関連捜査:栃木)
今月13日夕方から18日朝にかけて、さくら市内に住む70歳代の女性の家から散弾実包20発程度と空薬きょう5個程度がなくなっていると、さくら警察署に届けがありました。窃盗の被害にあったと見られるのは、亡くなった女性の夫が狩猟をするために持っていた散弾実包などで、家の別棟に置いてありましたが、18日午前8時半ごろ別棟の窓ガラスが割られているのに気づき、確認したところ、なくなっていることがわかったということです。一方、さくら警察署によりますと17日、さくら市内で散弾実包20発が見つかっていて警察で関連を調べています。

(狩猟中の男性が滑落し重傷:群馬)
19日午前11時ごろ、群馬県みどり市東町小中の袈裟丸山で、狩猟をしていた埼玉県行田市の自営業の男性(68)が約10メートル滑落し、右太ももを折る重傷を負った。群馬県警桐生署によると、男性は19日午前6時ごろに入山し、計6人でシカ猟に当たっていた。何らかの原因で滑落し、仲間に助けを求めた。同行していた40代男性が下山し、午後1時5分ごろに119番通報。その後、県防災ヘリで救助された。同署が詳しい事故原因を調べている。

(小学校にシカ頭部、舌と気管ない状態:岐阜)
岐阜県美濃市生櫛の中有知小学校内の花壇から見つかったシカの頭部から、舌と気管が抜かれていたことが16日、関係者への取材で分かった。頭部は40~50センチほどで肉と皮が付いた状態で、顎に皮が切断された痕跡があり、首の骨が数十センチ付いていた。腐食や動物がかじった跡は見られなかった。美濃市猟友会の山口泰宏会長は、気管と舌が抜かれていたことなどから「動物の仕業とは考えにくく、知識のある人間がやった可能性もあるが、通常の処理では切らない部分で切っているため、手慣れた人間ではない気がする。猟をする人は通常自宅や処理施設で適切に処理をする」との見方を示した。頭部は今月9日午後3時ごろ花壇に浅く埋まった状態で発見された。警察は何者かが埋めた可能性も含めて調べている。

(住宅花壇に動物の頭、シカの頭部発見の小学校近く:岐阜)
21日午後0時35分ごろ、岐阜県関市小瀬の住宅で花壇の土中から動物の頭などが見つかった。9日には北約3キロの小学校でシカの頭部が発見されており、関署は関連を調べるとともに、何者かが埋めた可能性もあるとみて捜査している。署によると、見つかった頭部(長さ約20センチ、幅約15センチ)は茶色の毛に覆われ、脚のようなもの1本(長さ約20センチ)がつながっていた。全体の重さは1.2キロほどだった。住人男性が、花壇から毛のような物が土から出ていたため掘り返して見つけ、通報した。同県美濃市の市立中有知小では9日、校内の花壇に埋められていたシカの頭部が見つかった。

(「ウサギ島」で逮捕の男、ウサギ大量死への関与ほのめかす:広島)
「ウサギ島」として知られる広島県竹原市の大久野島で昨年11月下旬から多数のウサギの死骸が見つかっている問題で、竹原署に動物愛護法違反の疑いで現行犯逮捕された滋賀県大津市の会社員の男(25)が関与をほのめかしていることが22日、捜査関係者への取材で分かった。同署が関連を調べている。

(野生イノシシの豚熱の感染が確認:新潟)
県内ではこれまで、15市町で野生イノシシにおいて、豚熱の感染が確認されていましたが、新たに津南町で捕獲された野生イノシシでの感染が確認されました(県内89例目)。

(野生イノシシが豚熱感染、県内34例目:岡山)
岡山県は21日、高梁市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は34例目。県によると、17日に地元住民が山の麓で死んでいた個体を見つけ、県の検査で20日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めた。豚熱は県内の養豚場では1968年以来確認されていない。

(野生イノシシ3頭が豚熱感染:佐賀)
佐賀県は20日、唐津市で野生イノシシ3頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は46~48例目。いずれも経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、46例目は8日に畑島で猟友会員が捕獲した。47例目は肥前町鶴牧で、48例目は肥前町納所で、14日にそれぞれ死んでいるのを発見。3頭は17日の検査で感染が確定した。

(クマ緊急銃猟、自治体判断への支援が課題)
クマによる人的被害の多発を受け、人の生活圏に侵入したクマに対し、自治体の判断でハンターの発砲を容認する「緊急銃猟」を含む法改正を政府が目指している。住民の不安軽減につなげたい考えだが、国や県はすべての判断を自治体任せにしないほか、ハンターが結果責任を問われることのないよう、きめ細かな支援を行うべきだ。おととし8月には日光市中宮祠の宿泊施設にクマが侵入し、約20分間施設内を徘徊(はいかい)したことがあった。宿泊客や従業員約10人がいたため、リアルタイムで事態が把握できていれば「緊急銃猟」の対象となる可能性のあるケースだった。また、昨年8月にも同所の集合住宅内にクマが侵入した形跡があったほか、那須町高久乙の宿泊施設敷地内にクマがいるのを宿泊客が目撃している。改正鳥獣保護管理法案では、人の生活圏に現れ、危害を及ぼす恐れの大きい「危険鳥獣」を新設する。ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシが対象方針で(1)住居や乗り物に侵入するか、その恐れが大きい(2)危害防止が緊急に必要(3)銃猟以外では的確、迅速な捕獲が困難(4)住民に弾丸が当たる恐れがない-との要件を満たせば、市町村長が緊急銃猟の可否を判断できる、とする。北海道では市の要請を受け、ヒグマを駆除した地元猟友会の男性が「弾丸が建物に届く可能性があった」として、道公安委員会から猟銃の所持免許を取り消された。男性は撤回を求めて提訴したが、昨年10月札幌高裁で敗訴し、上告しているケースがある。こうした不利益を受けないよう、今回の法改正には建物に弾が当たり損害が出ても、ハンターでなく市町村長が損失を補償。けが人が出た場合も、ハンターの責任が問われない方向で調整している。ハンターが確実に仕留めるとは限らない。手負いのクマが、さらに興奮して危険性が高まる可能性もある。そのため、事前の通行制限や避難指示が必要な場合も想定できる。すべての可能性を含め、責任を持たねばならない市町村長の判断は、決して容易ではない。当初は、国や県のこまやかな支援がなければ、現場は円滑な指揮が難しいのではないか。国は、発砲マニュアルの作成などを急ぎ、市町村長をサポートすべきだ。

(相次ぐ野生鳥獣の被害、3市町村が知事に対策を要望:福島)
福岡県朝倉市と筑前町、東峰村のトップが福岡県に対し、農林業に被害をもたらしているイノシシやシカなどへの対策を求めました。朝倉市の林裕二市長ら3人は27日、福岡県庁を訪れ、服部知事に提言書を提出しました。提言書では、イノシシやシカなどによる農林業への被害を減らすため、ハンターの育成や捕獲活動などへの支援を求めています。また、厳しい経営状況が続く第3セクター方式の甘木鉄道についても、財政支援の拡充を要望しました。

(山からの落石が多発、犯人はシカ:広島)
JR可部線可部―旧三段峡間の廃線敷を活用した広島市安佐北区可部町今井田地区の道路整備で、市は進行中の「2工区」の工事を中断し、「3工区」を優先して整備する。3工区周辺の既存の県道で山からの落石や土砂の流出が多発しているため。シカの仕業とみられ、対策を望む住民の声に応えて2月に着工する。同地区では、県道宇津可部線の道幅が狭いため、並走する可部線の廃線敷約2キロの区間で市が道路整備を進めている。「1工区」の約800メートルは2017年度に完成。2工区は22年度に着手し、約600メートルのうち県道勝木安古市線につながる約150メートルの工事が進んでいた。1、2工区に挟まれた3工区の約690メートルは2工区の開通後の整備を想定していたが、山際を走る宇津可部線でシカ被害が深刻化。蹴落とされた石や土砂が道端の農業用水路をふさぐなど、住民たちを悩ませていた。今井田自治会の竹井盛之会長(80)は「シカの死骸が水路にはまっていたこともある。獣害を超えた『獣災害』だ」と強調。農地に水を入れる時期には輪番を組んで見回りし、石などを取り除く作業を続けてきたという。市は住民の要望を受けて、3工区の工事を優先。3月末までに約60メートルの区間で、幅5メートル強の道路と80センチの水路を造る。工事費は約3千万円。全体の完成時期は未定で、区地域整備課は「予算が付き次第、順次進めたい」としている。市は、03年に廃止となった可部線の廃線敷の活用に向けて「可部線メモリアル街道」と呼ばれるビジョンを06年に策定。同地区での道路整備はその一環。竹井会長は「完成まで時間がかかるが、将来的に地域の農業を守ることにつながる」と早期開通を望んでいる。

(目撃相次ぐ「冬眠しないクマ」聞いて納得その理由:北海道)
「冬になるとクマは冬眠する」。そんな思い込みは捨てる必要がありそうです。12月から北海道内各地でクマの出没が相次いでいます。背景にあるのは「環境の変化」です。2025年1月13日、ドライブレコーダーがとらえたのは雪原を飛び跳ねる黒い影。体長1.5メートルほどのヒグマです。車に気が付いたのか画面右側に立ち去りました。場所は後志の積丹町。住宅街からは離れていますが、500メートルほどの距離には小学校と中学校があります。こちらは1月9日、小平町で撮影された映像です。住宅街を走り回る1頭のクマが映っていました。季節外れのクマの出没に住民は警戒感を強めています。道内では12月からクマの目撃情報が31件も寄せられています。なぜ冬眠しないクマが出没するのか、専門家はー(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「雪がそれほど多くない地域があったと思いますので、そういう地域ではエサが雪に埋もれることなく、ちょっと掘り返せばどんぐりなんかを食べることができる地域も多かった」。秋にドングリなどが豊作だったことも冬眠が遅れている理由のひとつと考えられます。そのうえでー(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「一般的にはクマが出歩いていない安心できる時期だと思いますが、このところの温暖化の影響とか、雪の降り方も例年と違うことが多いので、動いているクマがいるかもしれないということを念頭に置いて山に入ることが大事冬もクマの目撃が続く道内。「クマは冬眠する」という思い込みを捨てて注意して行動する必要があります。

(冬眠期になぜ?前年同時期に比べ約13倍:秋田)
秋田県内では年末年始、市街地などまさに私たちの生活圏を中心にクマの目撃が相次いだ。本来なら冬眠しているとされる時期に、なぜクマの出没が相次いでいるのか。専門家に見解を聞いた。2024年12月28日に美郷町金沢で、雪が降り積もった田んぼの上を歩くクマの姿が撮影された。撮影した人は、「1メートル以上、かなり大きかった。最初は大きい犬かなと思った。シカやタヌキならよく見るがクマは初めてだった」と話した。田んぼと近くの住宅との距離は約50メートル。「あまりにも近くで見たので怖くてびっくり。痩せていなくて丈夫だった。まんまるとしていて、今時期に見るクマなのかなというくらい餌とか食べているのだと思う。猟友会の人たちにも動画を見てもらったが、かなり大きいと言っていた」と、撮影した人は非常に驚いた様子だった。同じ日、近くでは別の目撃情報も寄せられた。車で通りかかった人が、雪をかき分けながら歩くクマを捉えた。クマは周辺に約30分とどまった後、林に立ち去ったという。クマの出没はこれだけでは終わらなかった。2024年12月末から2025年の年明けにかけ、県内各地でクマの目撃が相次いだ。秋田県のクマダスによると、12月22日から1月5日までのクマの目撃件数は68件。前年の同じ時期は5件だった。2023年はクマによる人身被害が70件と過去最悪となったが、冬場はほとんど目撃情報はなかった。昨冬と比較すると今冬の異常さが浮かび上がる。また特徴的なのは、クマが捕獲された後にも、同じ地域で何度もクマが目撃されることだ。大きな話題になったのは2024年12月26日、秋田市仁井田での騒動。国道13号線沿いの自動車整備工場の倉庫にクマが入り込み、約1日かけて体長1.2メートルの雌の成獣が捕獲された。捕獲されたとはいえ、付近の住民にとっては衝撃が走る出来事だったようだ。現場周辺を散歩していた人は、「近くの幼稚園に子どもを通わせている親から、『秋田南高校の周辺にクマがいるので注意するように、というメールが来た』という話を聞いた。まさかと思った。雄物川の川下の方に出没するのは理解できるが、いくらなんでもこの辺では…」と驚きを隠せない様子だった。その不安が的中するようなことが続いた。大みそか、秋田市茨島7丁目でまたもクマが目撃された。クマがとどまった仁井田の倉庫からわずか2kmの距離だ。1月6日に周辺を取材してみると、動物の足跡が見つかった。クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に確認してもらったところ、教授は「映像を見た限り、しっかりした爪があるのでクマだと思う」と話した。冬眠しているはずの時期に、なぜクマが私たちの生活圏に現れるのだろうか。星崎教授は、「おそらくおなかが減って出没しているのではない。寝るところに困っているのではないか。大きな体が入るだけのしっかりした岩の隙間とか、寝る場所を探して出没しているということが起こりうる」と話し、「クマが市街地で冬眠している可能性がある」と指摘する。また、星崎教授は「2~3月になると冬眠から目覚めたクマが出没する。街中への出没もあると心づもりが必要」と注意を呼びかける。「春先には今よりも多くのクマが出没する可能性がある」という。本来なら姿を見ることがないはずの冬場の出没など、これまでの常識は通用しなくなった。いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇する恐れがあることを心にとめて生活しなければならない。

(我が国初のシカ捕獲実験が札幌で:北海道)
深刻化するエゾシカの農業被害を食い止めるために、ドローンや最新技術を使った日本初の捕獲実験がスタートしました。今回、ハンターの資格を持つ記者が現場の最前線に密着しました。2025年1月に札幌市南区で、札幌市とJA、ハンターの3者が協力して、最新技術を駆使したシカの捕獲実験が行われました。ドローンを使用して上空からシカの熱を感知し、ハンターに居場所を共有するという日本初の取り組みです。およそ40人のハンターが2人1組に分かれて決められた配置場所につきます。シカを追い立てて仕留める大規模な巻き狩り猟です。ハンターの資格を持つ吉岡祐貴記者も特別に参加が許されました。山の中には、至るところにシカの足跡が見られました。実はエゾシカの推定生息数は年々増加し、2023年度は過去10年で最多の73万頭となりました。エゾシカが農作物を食べるなどの農業被害はおよそ48億円にのぼり、シカはいま「害獣」とも呼ばれています。これ以上被害を深刻化させないためにも、道は2024年1月からの3年間を「緊急対策期間」としていて、シカの捕獲を重点的に推進しています。(ハンター歴7年 小川佳一さん)「ドローンで発見したシカがプロットされるので、どこにいるのかという(情報が)飛んでくる」。ハンター歴7年の小川さんです。今回の捕獲実験では手元のモニターにシカの位置情報が表示されるため、ハンターは待ち伏せをして発砲の準備をすることができます。しかしー(小川佳一さん)「GPSがまだとれていないですね」。この日は機材トラブルでシカの位置情報を確認できず、本部との無線でシカの位置を共有することになりました。(小川佳一さん)「チャーリー隊の左翼はアルファ隊に進入している」。今回捕獲したシカは全体で4頭。大人3人がかりで引っ張りますがー山から下ろすのも一苦労です。ハンターの数はピーク時の4分の1。増え続けるシカ問題を解決するためにも、最新技術の活用は不可欠だといいます。(北海道猟友会札幌支部南部会 小銭悟史隊長)「この大きな範囲にシカがいるかいないかということは、我々人間には分からないものですから。そういったところをできる機械に任せて、実際のとる人間が担うといった形で、人間と機械のいいところどりをして、効率と安全を大きく担保できればいいかなと考えています」。

(シカ事故発生138件、過去10年で最多:北海道)
根室署は、2024年に同署管内で発生したシカの飛び出しなどによる交通事故の発生状況をまとめた。発生件数は2年続けて100件超えとなる138件で、過去10年で最多となった。

(人とクマ、区域定めすみ分け:北海道)
名寄市内で昨年、名寄高付近や名寄公園などにヒグマが出没した問題を受け、市は人とクマのすみ分けを図る「ゾーニング管理」を導入する。3月末までに管理計画を定めて対応の目安や住民への説明に活用する。

(猟銃・煙火・電子爆音機で鳥を追い払う地道なパトロールで事故防止:佐賀)
2024年12月に韓国で起きた航空事故。原因の1つにあげられているのが飛行機に鳥が衝突するバードストライク。渡り鳥の飛来が多い佐賀空港の発生件数は全国で10番目に多く、地道な対策が安全を支えている。有明海の干潟には多くの渡り鳥が飛来する。佐賀空港はその干潟のそばにあるため、バードストライクの発生は多い。佐賀空港では2023年に32件のバードストライクが確認され、全国で10番目に多い発生件数だった。このため佐賀空港ではバードストライク防止のため日々、対策がとられている。佐賀県から対策を委託されているのは「佐賀県猟友会」。この日(2025年1月12日)佐賀県猟友会佐賀南支部のメンバーは、空港の滑走路周辺に鳥がいないか確認に向かった。この時期のパトロールは1日6回ほど。鳥の状況に応じて回数は増える。パトロール開始から数分後。猟友会の1人が猟銃を手に車から降り、空に向けて発砲した。銃を扱い始めて35年になるという猟友会の会員は、発砲による対策の効果を次のように説明する。佐賀県猟友会佐賀南支部の会員:鳥そのものには撃たないが、弾のヒューンという音で鳥は逃げるんですよね。いま多い鳥はタゲリですね。なかなか(空港の外に)出ていかない。バードストライクの対策は猟銃の発砲だけではない。空港内の道路を車で走っていると、キーンという甲高い音が聞こえてきた。高い電子音を発するのは「電子爆音機」という装置だ。鳥よけに効果があるといわれている。空港内にはこの装置が9カ所設置されている。鳥が慣れないよう設置場所は定期的に変えられる。猟友会のメンバーは、さらに鳥を追い払うための対策を講じた。その対策とは上空に花火と同じように打ち上げる「煙火」。銃による発砲で逃げない鳥に効果があるという。佐賀県猟友会佐賀南支部の会員:小さい鳥のカラスとかは銃で逃げますが、トンビやタゲリはなかなか出ていかないので、煙火を使います。しかし、「煙火ばかり使うと音に慣れてしまい逃げなくなるため、猟銃と煙火の両方を使わないと効果がない」と猟友会の会員は言う。状況の見極めが必要で、対策の効果を上げるのは簡単ではないようだ。この日のパトロールは1時間ほどかけて終了。飛行機の離着陸の妨げにならないよう短時間での作業が求められる。このようなパトロールは全国で約20の空港で導入されている。国土交通省の調査によると、離着陸1万回あたりのバードストライクの発生件数は、パトロールを導入していない空港より導入している空港の方が4件から5件ほど少ないとの結果が出ている。佐賀空港では1998年の開港以来、バードストライクによる遅延などはあるものの、大きな事故は発生していない。猟友会の会員は「地道な作業ですが、パトロールしないと飛行機が安全に飛べないので頑張ってやるしかない」と語る。安全に飛行機を利用できる空港の環境は、日々の地道な活動によって支えられているのだ。

(森林総合研究所付近でロードキルによって斃死したアライグマから採取した外部寄生虫:茨城)
2023年10月、森林総合研究所付近 (茨城県つくば市松の里) で斃死したアライグマの全身から外部寄生虫を採取した。採取された寄生虫はキチマダニ、フタトゲチマダニ、ネコノミ、ケモノハジラミ科であった。採取された2種のマダニはSFTSウイルスや日本紅斑熱リケッチアなどの病原体を媒介し、ネコノミはネコひっかき病の原因細菌を媒介する。以上から、アライグマが宿主として感染症を媒介する寄生虫の運搬・維持の役割を担い、市街地に近い地域であっても感染症や吸血の人に対するリスクが示唆される。こうした公衆衛生上のリスクを踏まえて,外来種管理やロードキル現場で作業する野生動物管理従事者は感染症の予防措置をとることが推奨される。

(浅間山で深刻化するシカの食害、NPOが調査:長野)
長野・群馬県境の浅間山(2568メートル)周辺で、シカが樹木の樹皮をはいで食べる「樹皮はぎ」の被害が急速に進んでいる。シカが生態系に与える影響などを調べているNPO法人「生物多様性研究所あーすわーむ」(長野県軽井沢町)がまとめた2024年の調査結果の中で明らかにした。調査に携わる関係者は「樹林が消えてしまう可能性もある」と指摘している。

(「クリハラリス」生態系に影響おそれ、県が本格的防除へ:大分)
特定外来生物で、県内でも生息が確認されている「クリハラリス」について、県は早期に対策を講じなければ九州全体の生態系に影響を及ぼすおそれがあるとしてことしから本格的な防除に取り組むことにしています。別名「タイワンリス」とも呼ばれる「クリハラリス」は東南アジア一帯に広く分布するリスの一種で、繁殖力が強く、生態系や農作物に大きな被害をもたらすおそれがあることから特定外来生物に指定されています。九州ではこれまで離島や半島以外では確認されておらず、県内では大分市の無人島、高島でのみ生息が確認されていましたが、県によりますと、おととし別府市でもクリハラリスの定着が確認されました。県は早期に対策を講じないと九州全域に分布が拡大し、生態系などに影響を及ぼす可能性があるとして別府市と共同で防除実施計画を策定することになりました。計画はことし4月から2032年3月31日までの7年間で、別府市内の各地に「箱わな」を設置して封じ込めを図り、最終的に根絶することを目指すとしています。県自然保護推進室は「生息域が阿蘇くじゅう国立公園に隣接しているので侵入を防ぐのは喫緊の課題だ。九州の豊かな自然環境を未来につなぐためにも早期に防除を進めたい」としています。

(外来種「キョン」繁殖拡大、目撃情報で「褒賞金」も:茨城)
海外から持ち込まれた外来種「キョン」が繁殖し、関東地方の住民生活に被害が出ています。つぶらな瞳の鹿のような姿。でもその鳴き声は「人の叫び声」にも聞こえるとか……。行政も駆除に乗り出し、茨城県では情報提供に「褒賞金」までかけられています。そもそも人間の都合で持ち込まれたキョン。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

(第1回 鹿サミット:北海道)
室蘭工業大学は「自然と共生し、持続可能で幸福な社会の実現」を目指し、令和6年11月に「自然と響き合うまち」共創拠点を設置しました。近年、鹿による農業被害や、車や列車との衝突事故が増えおり、多くの地域においては喫緊の課題となっています。鹿は「害獣」のように扱われることもありますが、本当にそうなのでしょうか。一方が加害者/被害者ではなく、ヒトと自然が共生するための方策(技術、仕組み、文化、教育、まちづくり、etc.)について多面的に考えていきます。会場は、昨年12月に開所した室蘭工業大学札幌サテライトオフィスのあるエア・ウォーターの森にて開催いたします。当施設にはキッチンラボが併設されており、セミナー後の懇親会では、白糠アイヌ文化保存会 磯部 惠津子氏による白糠町の鹿肉を使った「ユクオハウ」を提供致します。

(クマによる農作物の被害を防ぐには?交付金制度や先進地域の対策を学ぶ研修会:秋田)
クマが大量に出没した昨年度、果樹園のリンゴや田んぼのコメが食い荒らされる被害も県内各地で相次ぎました。生産者を悩ますこうした農作物の被害を防ごうと、市町村の担当者を集めた研修会が秋田市で開かれ、対策に活用できる国の交付金や、先進地域の対策などについて学びました。クマやイノシシなどの野生の鳥獣による県内の農作物被害は、昨年度、過去10年で最も多い1億6665万円でした。このうち8割がクマによるものです。作物別では、果樹が被害全体の8割近くを占めていて、野菜・コメが続いています。こうした鳥獣被害を防ごうと、県は17日、市町村や農業団体などを集めた研修会を開きました。クマは今年度新たに捕獲や生息調査が国の交付金の対象になる指定管理鳥獣に追加されています。県の担当者は、被害を防止するための捕獲や、電気柵・緩衝帯の設置、それに誘因物の撤去といった、対策に活用できる交付金などについて説明しました。このほか、研修会では、動物が嫌がるレーザー光を活用した撃退装置や、捕獲後の解体作業を省力化する施設を導入した北海道の町から職員を招いて、先進的な対策の紹介などが行われました。県水田総合利用課の大友秀樹課長は「被害を減らすには捕獲だけに偏らず、人間の生活圏への侵入防止と、放置されている果樹の伐採といった環境の管理との、3本柱の組み合わせが重要だ」と呼びかけました。

(鳥獣被害を防げ、猟友会メンバーや自治体担当者が対策を学ぶ:富山)
イノシシなど野生動物による農作物被害を防ごうと、猟友会のメンバーや自治体の担当者などが対策を学ぶ研修会が、富山市で開かれました。この研修会は、農作物被害に取り組む「地域実践リーダー」を育成しようと毎年開かれていて、20日、富山県民会館には県内の猟友会のメンバーや自治体の担当者などおよそ70人が参加しました。はじめに兵庫県立大学自然・環境科学研究所の山端直人教授が講演し、集落内の不要な果樹といったエサになるものや、やぶなどの隠れる場所をなくすこと、それに畑はできるかぎり柵で囲うなどの対策が必要だと指摘しました。その上で、ただ柵を設置しても効果が出ないケースもあるとして今後、点検補修をする際には野生動物が跳び越えられない高さにすることや、電気柵を設ける際にはシカは高さ90センチ、イノシシには高さ20センチから40センチなど、動物の大きさにあわせて設置すると効果が高いとアドバイスしました。また、福井県鯖江市の担当者は、市内の集落では住民たちが率先して柵の設置や点検、周辺の草刈りなどを行っていて、住民自身が対策に取り組む意識が大事だと話していました。県によりますと、昨年度の野生動物による県内の農産物の被害額は4100万円あまりで、そのうちおよそ8割がイノシシによる被害だということです。朝日町有害鳥獣対策協議会の70代の男性は「朝日町はサルの被害が多く困っているので参加した。きょうの話を町に持ち帰って話したい」と話していました。

(クマやサル対策の現状を報告「野生動物への餌付けはしないで」:長野)
軽井沢町は12月8日、野生動物対策の取り組みや成果を伝える報告会を町中央公民館で開いた。町民ら約50人が参加。野生動物の対応にあたる関係機関が近年の傾向や対策の現状を報告した。ニホンザルの対策にあたる町環境課の職員によると、町内には20頭の群れが生息し、千ヶ滝、鶴溜などの別荘地を中心に行動。「何年経っても同じところにいる状態が続いているが、住宅地や農地には行っていないので一定の成果はある」とした。外来種のアライグマ、ハクビシンなどの捕獲・駆除にあたるNPO法人生物多様性研究所あーすわーむのスタッフは、アライグマが屋根裏に住み着いて家屋に被害を及ぼしている様子を写真とともに報告。外来種は早期対策が最も重要とし、「自分が住んでいる場所にもともとどんな生き物がいるか知っておくことが、外来種の早期発見につながる」と話した。町の委託でツキノワグマを保護・管理するNPO法人ピッキオのスタッフは、夏に杉瓜地区で捕獲・駆除した個体について「個人の故意の餌付けによって、人家に入ろうとするなど、行動がエスカレートしていた」と説明。「全ての野生動物に言えることだが、故意でも無意識でも餌付けをしないようにしてほしい」と呼びかけた。

(アライグマの農作物への被害拡大、捕獲対策学ぶ研修会:佐賀)
野生化したアライグマによる農作物などへの被害が佐賀県でも拡大する中、小城市で自治体や猟友会の関係者などが捕獲方法など対策を学ぶ研修会が開かれました。この研修会は、県内でもアライグマによる被害の報告が近年、増えていることを受け、県が小城市で開き、市や町の担当者や猟友会のメンバーなどおよそ70人が参加しました。はじめに、県の担当者が現状を説明し、昨年度、県内ではおよそ3000頭のアライグマが捕獲されていることや、野菜や果物など農作物への被害が600万円に上ることを報告したうえで、空き家など住宅地の近くに住み着くと、感染症のリスクもあることなどを説明しました。続いて、獣害対策に取り組む企業の担当者が講演し、▽畑や山に食べ物が少なくなる冬は、アライグマが箱わなの餌にかかりやすくなるほか、▽繁殖前であるため、個体数も減らす効果も期待できるなどと説明していました。会場には最新の箱わなや電気柵の実物も展示され、参加者が興味深そうに説明を受けていました。鳥栖市の猟友会の男性は「アライグマは獲っても獲っても減らない印象がある。捕獲を続ける人を育てないといけない」と話していました。県生産者支援課の北川篤副課長は「アライグマは近年数が増え身近な被害が多い。きょうの内容を地域で共有して今後に生かしてもらいたい」と話していました。

(全国でクマ出没激増中!被害に遭わないために知っておきたいこと)
里山やキャンプ場、渓谷など自然の中に入ればクマに遭遇する可能性はあります。「もしも」に備えて、準備できる対策グッズとその使い方について、知っておきましょう。基本は「クマの生息地へ人間がお邪魔する」ため、人を怖がるクマに対して、その存在を先にクマに知らせることが最も大切。準備しやすい対策グッズの筆頭が「鳴り物」です。クマ鈴はスタンダードアイテム。さまざまなものがありますが、リュックなどに下げるだけで音が鳴るので手軽に準備できます。クマ鈴以外でも、小型ラジオを鳴らす、山歩きの場合は2人以上でしゃべりながら、10数mおきに手を叩くなどの対策もありますが、しかしクマ専門家によると、それらの音にすでに慣れてしまったクマも多いとか。あらかじめ人の存在を「知らせる」という目的のほかにも、クマが嫌がる音を発生させるという手段もあります。その場合のクマよけグッズの代表がホイッスル。口で吹かなくても、ボタンを押すだけでさまざまな音を出すことができる電子ホイッスルが便利です。NET-O電子ホイッスルは、音量・音質が3段階で選べて、最大で120dBの音量が出るアイテム。もしも本体が電池切れという事態になっても、通常のホイッスルもセットになっているのでいざというときでも安心です。また、高圧ガスを使用したクマよけグッズもあります。ベアホーンは、約800mおきに一度鳴らしてクマを遠ざけるというアイテム。手のひらにすっぽりと収まるサイズで、最大115dBの音を出すことができます。一度に鳴らす時間は一瞬でOK。1/4秒または、1/2秒でクマよけ効果が得られます。クマに遭わないことが大前提ですが、もしクマに「バッタリ遭遇」し、なおかつ、クマがこちらに向かってきたときのための防御アイテムが、クマ撃退スプレー。このアイテムは、グリズリーなどが生息する北米で開発されたもの。北米では90%以上の確率でヒグマの攻撃を止めた効果が実証されており、日本のクマ研究者・クマ関係者は、山に入るときは必ず携帯するといわれています。しかし、クマ撃退スプレーの中身はカプサイシンという刺激成分のため、それ自体が危険物。噴射するとき、風向きに注意しなければ自分にふりかかり呼吸困難になってしまいますし、クマの顔を狙う噴射のタイミングが難しいこともあって、扱いにはトレーニングが必要です。使用の基本は、いざというときの取り出しやすさ。必ず専用のホルダーを使って腰や、ザックのショルダーベルトなどに装着、いつでも手にできるようにします。リュックの中に入れてしまっていては、いざというときに使うことはできません。もしものときは、次の3ステップで噴射します。① ホルダーからスプレー缶を取り出して構え、安全装置を外す ② 斜め下の角度に構え、クマの目や鼻にスプレーを噴きつけるため射程距離に入るまで待つ ③ クマの顔めがけて一気に噴射する。注意するべきは、自分にかからないように風向きを判断すること。噴射の際の射程距離は、製品によって違いがありますが平均的には5~6mです。十分クマを引き付けてから噴射しましょう。スプレーが、クマの頭の上をかすめてしまわないように角度を45~60℃と少し下向きにすることがポイントですとっさのときに、さまざまなことに注意をしながら正しく噴射するのは難しいので、事前に練習しておくことが理想。製品によってはトレーニング用の缶がセットになっているものもあります。ほかにも自然の中に入るときは聴覚や臭覚など、自身のセンサーを鋭敏にすることも大切です。草木がカサカサと揺れる音、野生動物の死体などで発生する生臭い匂いがしたら、近くにクマがいる可能性があります。クマの足跡や、新鮮なフン、またツキノワグマの場合は、木の実を食べるため樹上につくる枝の塊「クマ棚」を発見した場合も同様です。早く通り過ぎましょう。強風や強い雨の音などがする悪天候の日、川の流れの音が大きいときなどは、音や臭いがわかりづらくなるので特に注意が必要です。連日ニュースで報じられるクマとの遭遇事例。出遭わないためにも出遭ってしまった場合でも、対策グッズがあるにこしたことはありません。キャンプ、登山、山菜採り、目的はなんであっても、自然の中に足を踏み入れる際、決して過信は禁物です。

(渡り鳥の観察からニホンジカの調査まで:愛媛)
地域福祉などの分野で貢献のあった個人や団体に贈られる南海放送賞。今年度の受賞者をシリーズで紹介しています。きょうは野生動植物の調査研究や自然保全活動などを行っている「西条自然学校」です。去年12月、西条市内で開かれた自然観察会。地域を流れる川に生息する水草や越冬でお堀に飛来した渡り鳥などを観察しようと、市内などから親子連れらが参加しました。案内するのは、「西条自然学校」のスタッフです。渡り鳥の説明をしていた山本貴仁さん。山本さんは、2012年にNPO法人「西条自然学校」を設立。県内を中心に、野生の動植物の調査や研究のほか、市民向けの勉強会などを開催し、自然を守る活動を行っています。NPO法人「西条自然学校」山本貴仁理事長:「もともと生き物が好きで、鳥やいろいろな生き物を観察したり、仕事としても生き物に関わっておりましたので、その中からさらにということで自然学校の活動を始めました」。石鎚山のふもとにある西条自然学校。愛媛の鳥獣害などを研究するスタッフや、草木染の体験などを通して植物について知ってもらおうと活動するスタッフなど、現在6人がそれぞれの専門知識や技術をいかして日々自然と向き合っています。山本さん:「こういうのがあったらシカです。これはけっこう新しいですね」。この日は、愛媛大学の職員や会のメンバーとともに、ニホンジカの痕跡などを調査します。参加者:「普通に見たらかわいいと思いますけど、害獣として被害がすごくあるということもわかったのでいろんな面から見て人間と共存するということが大切だなと感じました」。山本さん:「まずはシカに関心を持っていただく。それからもっと進んでシカの痕跡がわかるようになって、分布の拡大状況が分かる人を増やすそういう状態を目指しています」。西条自然学校が、いま力を入れているのが“森の再生”です。山本さん:「木も水を吸わないと生きていけないので、土壌中の水分を吸い上げてしまうというのと、雨を葉で受け止めてしまって地表に届く雨が少なくなるというのがあって、川の水が減ったり地下水に影響があると言われているので、それを改善したい」。石鎚山系の山には、かつて植林されたスギやヒノキの人工林がそのままの状態で放置されています。“本来の森の姿に戻そう”。その思いで、伐採作業などを続けています。野生動植物の調査研究、森林の保全活動と、地域の自然と向き合ってきた西条自然学校。山本さん:「一番は私たちの活動を理解してくださって、その活動を継続するためのスタッフが生まれてくるのを意識しながら、愛媛は海から山まであるんですけど、様々な自然が保たれるよう調査をしながら伝えていくという事を続けたいと思っています」。

(野生ツキノワグマの痕跡をめぐる、アニマルトラック入門講座:広島)
令和6年秋に、西園に野生のツキノワグマが出没した。この時にクマがいろいろな痕を残している。この痕をめぐり、クマがどんな生活をしていたか考えてみよう。参加人数は、20人。受付は、当日9時~(入園ゲート付近にて整理券を配布)。園路から外れた土の斜面も歩くので、歩きやすい履物での参加を推奨。

(「昔は銃メーカーでした」、ルーツが意外すぎる世界のビックリ自動車企業 )
その国の工業水準を測る指標として、世界的な自動車メーカーが存在するかがひとつの目安にされることがあります。その理由は、自動車が様々な精密部品で構成された工業製品だからであり、自国でそれらを賄うためには、裾野の広い大きなピラミッド型のメーカー群がなければ、高性能かつ多様な車種を大量生産することが難しいからです。ただ、実は同様のことは兵器も同様です。ゆえに、実は有名な銃器メーカーの中には自動車やバイクを製造し、名を挙げた企業も数多く存在します。代表例を見てみましょう。そもそも、内燃機関、いわゆるエンジンを搭載した自動車が誕生したのは、19世紀末です。1886年にゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツがほぼ同時期にガソリン自動車を発明したことを契機に、ヨーロッパでは貴族や豪商などの上流階級を中心に徐々に自動車が普及していきましたが、自動車を生産できるのは、高い工業力と精密加工技術を持つ国に限られました。このころヨーロッパでは産業革命により工業化が進んでおり、とくに高い技術力と精密加工技術を持つ銃器メーカーが、自動車やオートバイ製造に進出するケースが見られました。19世紀末から20世紀初頭にかけて銃器を製造し、量産化するには、高い工業力と精密加工技術を必要としました。そのことがヨーロッパにおける自動車の発展の下地となったといえるでしょう。例えばCZ75自動拳銃やVz.61「スコーピオン」短機関銃などの開発元として知られるチェコのCZ(チェスカー・ズブロヨフカ・ウヘルスキブロッド)社は、第一次世界大戦後にオートバイ製造へと進出しています。同社のオートバイは、安価な日本製オートバイが台頭するようになった1970年代までは、2ストロークのオフロードバイクを中心に各国で人気を博しました。また、トヨタ「GRスープラ」やBMW「Z4」の生産を請け負うオーストリアのマグナ・シュタイア社も、銃器メーカーの流れをくんでいると言えるでしょう。同社の前身であるシュタイア・ダイムラー・プフ社は、もともと小銃メーカーで、2001年に銃器部門が分社化されましたが、1864年の創業から現在まで狩猟用ライフルのほか、ブルバップ式の軍用ライフル「ステアーAUG」を製造しています。ユニークな歴史を持つのはイタリアのベネリです。同社は夫を亡くしたテレサ夫人とその息子たち5人兄弟によって創業した二輪メーカーで、自動車やバイクの修理工場を経て1921年に市販1号車の発表するいっぽうで、猟銃の製造も手がけるようになりました。同社は、1970年代に日本車の台頭で経営危機に陥ったため、モト・グッツィと合併しています。その後、二輪ブランドは休眠状態になりますが、一方で銃器部門は分社化されベネリ・アルミ社となった後も好調を続け、ベネリM1やM4などの高性能なセミオートマチック式散弾銃を開発しています。この銃は世界の軍隊や警察で使用されるベストセラーとなりました。過去に自動車を生産していた銃器メーカーで、もっとも有名なのがベルギーのFN社でしょう。この会社は「Nationale d’Armes de Guerre」、日本語に訳すと国営兵器製造会社という言葉が社名の元で、1899年から1930年代後にかけて主に高級車を製造していました。とは言うものの、FNにとって自動車製造は本意ではなく、M1889小銃とその改良型であるM1893小銃の製造権を巡り、ドイツのマウザー社との法廷闘争で敗れたことにより資金繰りが悪化。これを補うために自動車ビジネスに参入したというのが大きな理由でした。FNが製造した高級車はベルギーやペルシャ(現イラン)の王室にも納入され、好調を博していたようですが、世界恐慌の直前にラインナップを大幅に強化したのが裏目に出て1930年代に経営が悪化、乗用車製造から撤退せざるを得なくなります。ただ、その後もベルギー国内の需要を賄うために、1960年代までトロリーバスを生産しています。

(「奈良公園でシカの交通事故が多発」:奈良)
「奈良公園ではシカの交通事故が多発しています。車にあたったシカの半数が死亡し子ジカも犠牲になっています」。奈良市内の県立奈良公園付近で、シカと車の交通事故が多発していると訴える投稿が、X(旧Twitter)で話題になりました。投稿したのは、普段から公園を歩きながらシカたちの環境を改善させようと活動をしている川地祥介さん(@ncbutwDsL0UC6np)。川地さんは、奈良の鹿の治療に携わる人から「昨年(2024年)秋は交通事故で運ばれてくるシカの数が多くて治療は目が回るような忙しさだった。特に生まれて数か月しか経っていない子ジカたちがどんどん命を落としていくのを目にするのはつらかった」と聞き、注意喚起の意味も込めて、ポストしたといいます。「事故件数については、愛護会さんが例年集計されます。ただまだ昨年の事故件数などの集計がされていないかと思いますので、現場での感覚として多発しているということだと思います。先日もYouTubeにバスとの事故に遭って倒れてる雄ジカの様子が流れていました。現場の映像を見たところゆっくり慎重に走っていれば事故になるようなところではありませんでした」(川地さん)。こうした現状を踏まえて、奈良の鹿を交通事故から守りたい人たちが有志で2月にシカと車の交通事故に関するセミナーを開くことになりました。国の天然記念物「奈良のシカ」たちの交通事故の実態や対応策などを川地さんに聞きました。──奈良のシカの交通事故が多発しているとのことですが。「奈良のシカの交通事故がいつごろから多発しているかについては正確に確認するのは難しいかもしれませんが、参考となるのは『奈良の鹿愛護会』さん(以下、愛護会)が毎年出されている『ストップ!交通事故』のパンフレットです。これによると2011年から2023年の各年における奈良のシカの交通事故件数が記載されています。ちなみに2023年は事故発生件数は123件で、残念ながらそのうち73頭が亡くなっています。2011年から2023年までの間、交通事故発生件数は106件から193件の間で推移しています。しかし、この数字も愛護会の職員さんが奈良のシカを保護した際に交通事故と判断された数をカウントされているそうですので、実際はもっと多いと考えられます」。──実際はもっと交通事故が多いと考えられるというと。「シカが車に当たった後、その場を立ち去ってしまうと、交通事故件数にカウントされず、また交通事故に遭ったシカが別の場所で死亡した場合も交通事故によると認定されない限り、交通事故が原因で死亡した数に含まれないそうです」。──交通事故で、シカがけがをした際には?「奈良のシカは国の天然記念物なので、交通事故で負傷したシカの通報が愛護会さんに入ると、現場へ職員さんが向かいシカを保護します。そして奈良のシカの保護施設『鹿苑(ろくえん)』に交通事故に遭った鹿を連れて帰り、愛護会の獣医師さんが鹿の治療を行います」。──事故が起きる要因は。「シカと当たったドライバーさんに現場で聞いた時はシカが左の斜面から急に降りてきたとおっしゃってました。シカの飛び出しが多いとは思いますがシカの交通事故の場合、ひき逃げがほとんどでどのような状況でシカが事故に遭ったかを知ることは難しいようです。ただ死亡する数が多いことから考えると、かなりのスピードの車とぶつかってるのではないかと推定されます。シカの交通事故が多い時間帯は、早朝や夜間なので、暗くなってドライバーがシカを発見しにくくなる、道路がすいていてドライバーがスピードを出しやすいなどの要因があるように思います」。──今後、事故への対応策が必要ですね。「はい。行政が行っている対応策として、道路にシカ注意の標識設置や県がシカの交通事故について気を付けるよう県民向けに広報しているようですが、それだけでは奈良公園内のシカの交通事故対策は不十分だと感じています。シカの交通事故が多い道沿いに柵などの障害物が設けられていない場所があることや、県庁前の中央分離帯に芝生が生えていてこれを食べにシカが広い道路を横断し非常に危険です。これを見かねた多くの人が県に対策を要望していますがこれまで改善されていません。場所によってはセンサー付きの警報装置の設置やスピードを出しにくくするバンプ(凸凹)またはトリックアートの路面表示などの対策を考えて頂きたいです」。奈良の鹿を交通事故から守りたい人たちが集まって、2月9日午前10時から1時間、「クレオ大阪中央」(大阪市天王寺区)の3階でシカの交通事故に関するセミナー「奈良の鹿の交通事故を減らしたい!~野生動物の交通事故 奈良の鹿の治療現場から~」を行う予定。参加費は500円、予約は不要です。シカの交通事故については、道路の対策とドライバーの意識次第で事故はなくせると訴える川地さん。車のドライバーへ向けた川地さんのメッセージをご紹介します。奈良公園内やその周辺の道路では大人のシカも子ジカも1日に数回道路を横断します。鹿の高さは大人のシカで乗用車のドライバーの目線の高さと同じくらいで、子ジカはそれよりも低くドライバーさんからは非常に見えにくいです。対向車の車と車の間から出てきて渡った鹿の後ろに子ジカがついてきているかもしれません。大人のシカとともに子ジカの存在にも十分注意して頂きたいです。また、シカは犬が苦手です。散歩中の犬を怖がって1頭が走り出すと周りのシカもつられて走り出し集団で道路を横断してくることもあります。十分ご注意いただきたいです。季節ごとでは発情期(秋頃)の雄ジカは行動範囲が広がり雌ジカを追いかけ雌雄ともに道路に飛び出してきます。追いかけられる雌ジカも追いかける雄ジカも猛スピードで道路に飛び出してくるので大変危険です。奈良公園内及びその周辺道路ではいつシカが飛び出してくるか分かりません。シカが飛び出してくることを常に想定し速度を落としゆっくりと慎重に運転してくださるようお願い致します。

(シカ狩りの古来儀式再現:長野)
諏訪湖(長野県)のほとりに立つ諏訪大社でかつて行われていた、シカをいけにえとする儀式「御室(みむろ)神事」の再現に挑んだドキュメンタリー映画「鹿の国」が今月、東京都と長野県で封切られた。角が生え替わるシカを命の循環の象徴としてささげる儀式を通じ、日本古来の野生動物との向き合い方を描いた。儀式は600年前に途絶えたものだが、現代の北海道で自然と向き合うことにも通じる内容だ。

(特定外来生物アライグマ急増、生息域拡大か:熊本)
特定外来生物のアライグマが熊本市で増えている。市内での捕獲数は昨年末時点で前年度の2倍以上に急増し、市中心部の住宅街近くでも見つかり、生息域の拡大も指摘される。農作物への被害や感染病の原因となる可能性もあり、市は新型のわなを導入するなど本格的な駆除に乗り出している。

(JR信越線で特急しらゆきがシカと衝突:新潟)
1月16日午後6時過ぎ、新潟県柏崎市のJR信越線越後広田-長鳥で上越妙高発新潟行きの特急しらゆきがシカと衝突した。乗客72人と乗務員2人にけがはなかった。

(甲賀のNPO法人・狩猟協会が新メンバーを募集:滋賀)
農作物へ深刻な被害を及ぼす野生動物を駆除する狩猟者を増やそうと、「NPO法人滋賀県狩猟協会」(甲賀市水口町)が新規入会メンバーを募集している。協会は2020年設立。メンバーは、甲賀、湖南、大津、栗東、守山各市などの50~80代の20人で、4分の1が65歳以上。募集の背景には、高齢化と将来的な狩猟者の減少への懸念がある。

(東出昌大がYouTubeで披露した“鹿肉”に「感染の恐れあり」)
山で狩猟をしながら、半自給自足生活をしている様子を公開している東出昌大のYouTubeチャンネル。登録者数45.6万人(1月17日現在)と好調だが、1月11日に《#88 鹿のたたきサラダ・キノコのソテー/キノコ狩り・毒キノコの特性/値段付けの難しさ》という動画を投稿。そこで出された「鹿のたたき」がほぼ生の状態で危険なのではと物議を醸している。《東出さんのYouTubeなんだが、これ鹿肉だけど生なんだが大丈夫なのだろうか 鹿肉は一般的に生食はE型肝炎、無鉤条虫などの寄生虫に感染するリスクがあり、食べる場合はしっかりと加熱する必要があります 真似はしない方が無難だと思います》と、X(旧Twitter)上で鹿肉の加熱不足について指摘する声が。そこで、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事である藤木徳彦さんに、動画のような生状態での鹿肉を食べてE型肝炎ウイルス、寄生虫感染の恐れなどがないかを聞いた。「感染の恐れは十分あると思います。厚生労働省が出しているジビエのガイドラインには、肉の中心部を75度以上で1分以上加熱してください、とあります。動画の鹿肉の状態はそこに達していないと思われ、すべての細菌・ウイルスは死滅していないのでは」。東出が昨年8月に再婚した元女優・松本花林さんは妊娠中だ。「妊婦の方はお刺身を含め、生のものは控えていると思いますが、この鹿肉はかなり生っぽいので控えたほうがいいでしょう」(藤木さん、以下同)。動画を見て、東出をまねて生に近い鹿肉を食べる人がいないか心配される。「生っぽいほうがおいしいと言う方もいらっしゃいますが、国が生食は禁止と明確に謳っています。動画で『鹿のたたき』とされていて、中が生になっていますが、これはやめてほしいですね」。鹿肉を食べるときの注意点を藤木さんに聞いた。「まずはしっかりと加熱すること。厚生労働省のガイドラインでは、猟師の方から直接買ったり、もらったりしてはいけないとされています。全国810か所でジビエ専用の処理施設があり、衛生的に処理・解体されていますので、そこから買っていただきたいです。農林水産省は『国産ジビエ認証制度』を設けていますが、810か所の施設の中でも特に安心・安全な鹿肉、猪肉を生産しているところが全国で30か所あります。そこでお肉を買っていただければ、まず安全かなと思います」。動画では料理をスタッフと食べていたが、それにもネット上では不安の声が。《本人は自分でやってるから知らんですが 撮影の中で飯ご馳走になったらリスク高いとか、スタッフの方はしんどいですね》《カメラマンさんと東出さんが仲良くなったからこそかなとは思うのですが、ぼんやりした知識でのきのこも半生焼けの鹿も食べて安全なのかグレーなお料理をカメラマンさんも頂いて大丈夫なのか心配になりました…》。生の鹿肉に感染の恐れがあるE型肝炎の致死率は、A型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある怖い病気。何も感染していないことを祈るばかりである。

(第12回 全国鳥獣被害対策サミット:東京)
今年度のサミットは、『獣害対策の「転換点」~成功までの過程から学ぶ~』というテーマで開催します。獣害対策に取り組む上で、課題解決から成功に至るまでには、必ず転換点(ターニングポイント)が存在します。数々の集落から見えてくる、成功への「転換点」とは?また、集落を支援する側から見た成功への「転換点」とは?どのような過程を経て対策における成功にたどり着いたのかを紹介します。また鳥獣被害対策に係る最新技術や情報、研究成果等の展示や利活用に係る展示も行います。実会場にて鳥獣被害対策に係る関係者と直に意見交換できる場としては勿論、オンラインでの配信も行う予定です。この機会に是非、ご参加ください。

(「シシ喰い祭り」で五穀豊穣を祈願:熊本)
五穀豊穣を願う「シシ喰い祭り」が、熊本県玉名市で行われました。玉名市の滑石諏訪神社で行われた「シシ喰い祭り」は、かつてこの地域を荒らしていたイノシシを祭神が鎌で退治して、その肉を村人に分け与えたことが由来となっています。氏子たちが猪肉を奉納し拝殿でお祓いを受けると、地域から選ばれた福男が五穀豊穣や無病息災を願い、神社の前の池に入り御幣(ごへい)をつけた竹竿を立てました。福男 井上輝雄さん「冷たいというよりも痛かったです。去年よりもいい年になるようにと願いながら御幣を刺しました」。その後、祭りを取り仕切る地区の引継ぎ式として裃(かみしも)姿の代表が盃を交わす「節頭渡し」が行われました。奉納された猪肉は地域の人たちに配られます。

(「みえジビエ」を使用した出前授業、鹿肉でキーマカレーやメンチカツ:三重)
三重県が捕獲から流通まで徹底した衛生管理で提供している野生の鹿肉、「みえジビエ」を使用した出前授業が、伊賀白鳳高校で16日に開かれました。伊賀白鳳高校では、栽培する野菜が鹿などの被害を受けたことから、生徒が県の獣害対策やジビエに興味を持ったことをきっかけに、鹿肉活用の商品開発を行ってきました。出前授業は、鹿肉をよりおいしく食べられるコツを学ぼうと開かれ、生物資源科とフードシステム科の3年生10人が参加しました。鈴鹿市でイタリア料理店を営む山川裕之シェフが講師を務め、キーマカレーやメンチカツなど鹿肉を使った3品の調理実演を行いました。生徒たちは鹿肉の旨味(うまみ)を出すために肉から出る水分をしっかりと飛ばすことなどのポイントを学び、実際にメンチカツを揚げる作業に取り組みました。生徒からは「ジビエなど鹿肉はマイナーなイメージ。おいしいということや活用方法があることをSNSで発信して知名度を上げていきたい」などの声が上がっていました。生徒たちが考案した鹿肉を使った新商品は、来年度の販売を目指しているということです。

(房総ジビエコン、イノシシぬか炊きで栄冠:千葉)
千葉県内で捕獲されたイノシシとシカの肉を使った料理メニューで腕を競う「房総ジビエコンテスト」が、千葉市中央区で行われ、東京都港区の和食店「酒亭穂椋」の岡田東司さんが出品した「猪(いのしし)のぬか炊き-未来への一皿-」が最高賞の県知事賞に輝いた。岡田さんは「イノシシ肉だけでなく、廃棄されることが多い米ぬかを使い料理を作った」と話した。県は農作物を食い荒らす野生鳥獣の肉を「房総ジビエ」と称し消費拡大を推進。

(地元産の肉や野菜使ったカレーライス楽しむイベント:熊本)
熊本県山都町では地元でとれた肉や野菜をふんだんに使ったカレーライスを食べられるイベントが開かれ、多くの来場者でにぎわいました。この催しは、山都町と町内の飲食店が地元産の食材の魅力を広くPRしようと企画したもので、19日は8軒の飲食店が出店しました。提供されたカレーはいずれも、山都町の山でとれたイノシシや鹿の肉、それに地元で育てられたニンジンやトマトなどを具材にしたオリジナルの商品です。中には、肉や卵、乳製品などを食べない「ヴィーガン」の人たちのために野菜とスパイスのみを使ったカレーや、野菜が苦手な子どもでも食べやすいように調理されたものもあり、各店舗の創意工夫が見られました。会場には多くの家族連れなどが訪れ、気に入った商品を購入して休憩スペースでおいしそうに味わっていました。熊本市から父親と一緒に訪れた小学6年生の女の子は「とてもおいしくて、ほかのカレーもいろいろ食べてみたいと思います。また来てみたいです」と話していました。山都町の60代の男性は「想像どおり、おいしかったです。山都町に戻ってきて、まだ数年しか経っていないので地元のことをより知ることができる、いい催しだと思います」と話していました。

(「キノコ仙人」ジビエ料理で客もてなす:岐阜)
緑豊かな岐阜県山県市に「キノコ仙人」と呼ばれる人がいる。野山に分け入ってキノコを集め、自ら獣をさばいて仕上げたジビエ料理に添え、客をもてなす。料亭「摘草料理かたつむり」店主の清水滋人さん(69)。店は、はるばる県外から多数の客が訪れるほどの人気で「キノコはお客さんを喜ばせるとっておき」と目を細める。清水さんの朝は早い。日の出前に家を出て、県内の山々に入る。キノコは夏によく育ち、最盛期には約80種類採れる。暑さに弱く、水分が欠かせず、夏は太陽が昇った2時間以内に採るのが肝心だという。「雨が降った3日後のキノコがうまい」。地元出身の清水さんは18歳から料理人などとして働いた。30年ほど前に「誰もやっていないことをやりたい」と思い立ち、キノコに関する本を数冊購入して独学を始めた。飲食店勤めのかたわら、キノコを採り、ホテルなどへの売り込みを続けた。山県市の古民家を改装し、知人のシェフと一緒に店を構えたのは2012年。最初はキノコと山菜だけを提供していたが、客からせがまれ、ジビエ料理も始めた。地元の猟師から鹿やイノシシなどを丸ごと1頭仕入れ、仕留め方を見極めながらさばく。完全予約制1日8~10人限定で、ランチ、ディナーともお任せのコースのみ。料金も決して安くはないが、著名人も通う野趣あふれる料理の名店として知られるように。いつしか清水さんも「仙人」と言われるようになった。22年、大動脈解離を患い、生死をさまよった清水さん。1カ月間の入院と自宅療養で店に復帰し、その後も足しげく山へ通う。「仕入れも料理も、自分の中に強いこだわりがあるからいいものが作れる」と胸を張った。

(鹿肉でハンバーグ、次は「シチューに」:広島)
広島県安芸高田市の鹿肉を題材にした食育イベント「こどもの森のレストラン」が東京都内であった。鹿肉を使う飲食店の経営などをする同市のcicaが、市外では初めて開催。親子連れ40人が2部に分かれて調理体験などを楽しんだ。

(ジビエ料理、球磨焼酎にもぴったり熊本)
ジビエ(野生鳥獣肉)料理の試食会が15日、人吉市駒井田町の洋食店「バルエイト」であり、地元の飲食店経営者や観光業者ら35人が、地元のシェフ4人が考案した料理に舌鼓を打った。ジビエ肉の活用を促進しようと人吉商工会議所が主催した。

(「断然味が濃い」ジビエソーセージ:和歌山)
山道を上った先にあり、緑に囲まれた和歌山県かつらぎ町の花園地区。肉屋「メツゲライサカモト」を訪れると、店主の阪本晃一さん(42)が笑顔で出迎えてくれた。メツゲライは、ドイツ語で肉屋の意味。ドイツで修業した阪本さんが、野生のシカやイノシシなどジビエや手作りソーセージを扱う店を営んでいる。阪本さんは、大阪府和泉市出身。保育士だった頃、研修で訪ねたドイツで、たまたま見た肉屋の仕事に魅せられた。改めてドイツに渡って約3年半、肉の解体から加工までを身につけた。帰国後、さらに県内でジビエの技術を学び、花園地区で地域おこし協力隊員として活動。2020年に肉屋をオープンした。

(ジビエでカレー、インド人シェフが本格料理:富山)
立山町の美容と健康の総合施設「ヘルジアン・ウッド」で20日、地元産イノシシ肉を使ったジビエカレーの提供が始まった。期間限定で営業しているインド料理レストラン「ACHA YATRA(アチャ ヤトラ)」のインド人シェフ、アチャリヤ・コーシクさん(55)が本場の料理を作る。今後も町内の「猟師」と協力して、ジビエの魅力を伝える。前田薬品工業(富山市)が運営する店は、昨年12月8日~今年3月中旬の期間限定で営業している。20日~2月2日を「ジビエウイーク」として、立山町で捕れたイノシシの肉を使ったカレーを提供する。シェフのアチャリヤさんは、ヘルジアン・ウッド内にあるサウナホテルのマネジャーとして勤務している。料理好きのアチャリヤさんが宿泊客に提供するカレーは、好評を博す。アチャリヤさんによると、20年以上住んでいる日本で提供されるインド料理は現地とは大きく異なるそうで、「本当のインドを知ってほしい」と考えていたという。アチャリヤさんは約8年前から立山町に住んでおり、町内に猟師を副業としている人がいることを知るとともに、立山の自然が育んだ質の高いジビエに魅了された。ただ、ジビエは流通が少なく提供する場も少ないことから、ジビエの魅力を知ってもらおうとジビエウイークを企画した。25、26日、2月1、2日にはジビエカレーのほか、イノシシ肉を使った鍋を提供し、猟師から猟や肉の特徴について説明してもらう。旧日中上野小に今年秋に開業するレストランでシェフを務める予定のアチャリヤさんは、「ジビエ料理を食べることで、頑張っている猟師の存在を知ってほしい」と話した。

(「野野野(ややや)!?ハンターの好奇な世界」:福岡)
「ジビエ」「鉱物」「植物」の各分野の専門家を招いて開催する催し。“野食ハンター”茸本朗さん(1月29日、2月1、2日)、“鉱物ハンター”村田陽子さん・光さん(1月29日~2月4日)、“植物ハンター”長谷圭祐さん(1月29日、2月1、2日)が登場し、経験談などを語る。会場では各ハンターがお薦めするジビエ食材や鉱物、植物などを販売し、さまざまなワークショップを開く。

(調理師免許を持つ紀宝の猟師:三重)
野生鳥獣による農作物の被害に悩む地域に貢献しようと、2019年に狩猟免許を取得した紀宝町神内の井戸里華さん(55)。猟の知識や経験は皆無だったが、同町の御船猟友会唯一の女性メンバーとして、シカやイノシシなどを仕留める。調理師免許を持ち、ジビエ料理もお手の物だ。和歌山県古座川町で生まれ育った。幼少期は夏に近所の川で毎日のように泳ぎ、小学校から高校までは書道や茶華道に励んだ。「山や猟とは無縁でした」と振り返る。

(小学生、熊の生態やジビエを学ぶ:長野)
栄村栄小学校(48人)で21日、熊の生態やジビエ(野生鳥獣肉)について学ぶ授業があった。地域で身近な野生鳥獣との共生や、命をいただく大切さを考える総合的な学習の一環。村内の猟師から狩猟の話を聞いたほか、NPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)が制作したかるたで遊び、楽しんで学んだ。

(国産ワインと国産ジビエのメーカーズディナー開催:東京)
株式会社ダイナック(本社:東京都港区、代表取締役社長:綾野喜之)が運営する『肉屋のワイン食堂 La Boucherie et Vin』は「国産ワインとジビエのマリアージュ」と題し、一夜限りのメーカーズディナーを開催いたします。当社は、野生鳥獣の安心・安全な流通で農作物への鳥獣被害問題の解決にも取り組む一般社団法人日本ジビエ振興協会の賛助会員となっており、国産ジビエ認証を取得した株式会社信州富士見高原ファームと提携。安心・安全に入荷したジビエを使用し、『肉屋のワイン食堂 La Boucherie et Vin』ではジビエを楽しむイベントを定期的に開催しております。今回は鹿・猪・きじといった国産ジビエに加え、富士山サーモンなど厳選した素材を使用したディナーコースをサントリーが手がける日本各地のワインとともにお楽しみいただきたくメーカーズディナーイベントとして開催いたします。ゲストソムリエとしてサントリー株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:鳥井信宏)より松本典之氏をお招きし、日本ワインの奥深さだけではなく、ジビエ料理との相性など丁寧に解説していただきます。

(高校生がシカカレー開発:北海道)
鵡川高の3年生3人がエゾシカ肉を使ったレトルトのキーマカレーを開発した。地域活性化の方法を探る同校の授業「むかわ学」の一環で、町内産のエゾシカ肉や野菜を使い試作を重ねた3人は「おいしくなった」と自信を見せる。3月末までに町内や札幌で試験販売する予定だ。

(エゾシカ肉を使用したアイヌの伝統食「オハウ」の提供を開始:北海道)
すすきの・中島公園のホテル、イビススタイルズ札幌(所在地:北海道札幌市、支配人:森田雅春)では、2025年1月22日から、エゾシカ肉の消費拡大と北海道の食の魅力を伝えるため、道産食材であるエゾシカ肉を使ったアイヌ民族の伝統食であるユクオハウ(汁)を朝食ブッフェで提供します。

(イノシシ肉で恵方巻き:徳島)
那賀町大久保のもみじ川温泉は2月2日の節分に合わせて、地元産のイノシシ肉を使った恵方巻き「ボタン柚子味噌巻」(1210円)を販売する。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、22日午後2時ごろ、登米市東和町錦織入沢にクマが出没しました。

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(誰かが埋めた?小学校の花壇にシカの頭部:岐阜)
岐阜県美濃市の小学校で1月9日、信じられないことがありました。花壇でシカの頭部が見つかり、警察は何者かが埋めた可能性も含め調べています。「春に向けて花が植えられているその間に、完全に埋めたという状態ではなく、少し埋められたところに土がかぶさっていた状態でした」(中有知小学校 石原隆 校長)。花壇から出てきたのは、シカの頭部でした。岐阜県美濃市の中有知小学校によりますと、9日午前9時ごろ、校務員の女性が花壇の手入れをしていたところ、苗が踏み荒らされ、土が盛り上がっているのを不審に思ったといいます。「教頭が児童が帰ってから確認したところ、シカの頭部が発見されました」(石原校長)。シカの頭部は約40~50cmで角はなく、肉や皮がついた状態で腐敗はしていなかったということです。前日の8日に校務員が花壇の手入れをした際には、異常はなかったということです。校門は車止めがあるだけで、夜間もカギはかけられていません。8日は小学校の体育館を夜間開放していたため、午後9時ごろまでは人がいたとみられています。現場となった小学校は、東海北陸道の美濃インター近く。住宅が多く、近くに山がある場所でもありません。Q.この辺りでシカは見る?「いないと思う。山もないし」(近隣住民)。「子どものいるところで気持ち悪いものを置かれたら、子どももかわいそう」(近隣住民)。なぜ小学校の花壇に、シカの頭部が埋められていたのでしょうか。「何とも言えないですが、警察も動物などではなく、人為的なものだろうと話しているので、人為的なものだと思うが、何を意図するかは学校としても判断しかねる状況です」(石原校長)。石原校長によると、最近トラブルなども特になかったということです。小学校は警察などに連絡し、防犯カメラを新たに2台設置しました。登下校の見守りや、子どもたちの登校前に学校内の点検を行っています。警察も、小学校周辺のパトロールを強化しています。「どういう経緯か分からないが、憤りを感じます。子どもたちが安心安全に学校生活を過ごせるよう、日常を早く取り戻せるように願うばかりです」(石原校長)。小学校によると、子どもたちは今のところ動揺などはなく、普段と変わらない様子だということです。警察は、何者かが埋めた可能性も含めて調べています。また美濃市教育委員会によりますと、2013年にも今回の小学校の校庭で猫の頭部が見つかったことがあったということです。今回の事案との関連については分かっていません。

(冬休み明けの登校は異例の警戒態勢:秋田)
秋田市で14日、警察が見守るなど異例の態勢で授業が再開されました。市内北部の市街地や学校近くでクマが相次いで目撃されているため、小学校では児童が保護者の車などで登校しました。13日にクマが目撃された地点から約300メートルの距離にある飯島小学校では、冬休み明け最初の登校日の14日、盾を持った警察官が警戒にあたる中、児童が保護者の車などで登校していました。12~13日にかけ、秋田市の飯島地区と土崎地区やその周辺の地域では、クマが相次いで目撃されました。県のクマダスによりますと、12日と13日、秋田市北部のエリアでは24件のクマの目撃情報がありました。13日午前6時50分ごろに土崎港相染町のゴルフ練習場周辺で目撃されて以降、クマは北東に移動したとみられ、商業施設や住宅の敷地に出没しています。警察と猟友会は13日正午ごろ、下新城岩城で北に移動するクマ1頭を確認しました。その後、周辺の地域で目撃情報はありませんが、14日朝は飯島小学校のほか、飯島南小学校、土崎小学校、外旭川小学校で警察が児童の登校を見守りました。保護者は「警察の人も来て一生懸命やってくれているので安心。対策は、目を離したタイミングで外に出ていかないようにするとか、なるべく一緒にいる時間を増やしている」と話しました。飯島小学校の小沼登志美校長は、「保護者には、車での送り迎えをできるだけお願いするようにしている。子どもたちにもできるだけまとまって登下校するよう話している。クマ鈴が鳴るように、しっかり使うように話している。大変心配だが、地域の人が立ってくれたり、警察がついてくれたりしているので、私たちも登下校を見送って対応していきたい」としています。飯島小学校は、保護者に一斉メールを送信したほか、児童を集団で下校させるなどして警戒を続けています。なお、秋田市は、土崎港相染町の工業団地内に箱わなを2基設置していましたが、クマは北方向に移動したと判断して14日午後に撤去しました。

(鳥獣被害額、5%増の164億円)
2023年度の野生鳥獣による農作物被害額が163億6300万円で、前年度から8億100万円(5%)増えたことが農水省の調べで分かった。鹿による被害が、生息頭数の増加などを背景に北海道で広がり、この10年間で最大の69億5400万円(前年度比7%増)に上った。一方、イノシシは36億2700万円(同0・3%減)となり、13年連続で減少している。飼料作物や稲を中心に、鹿による被害額は前年度から4億5400万円増え、このうち、北海道が3億7600万円と8割を占めた。22都府県でも前年度から増えている。被害額は北海道が51億4400万円と最大で、岩手が2億4300万円、長野が1億6200万円と続いた。イノシシによる被害額は、中四国で前年度から1億3400万円減った一方、関東では6900万円増えるなど、地域で明暗が分かれた。全体では、1200万円減とわずかな減少にとどまった。鹿、イノシシ以外では、カラス(13億3900万円)、熊(7億4700万円)、猿(7億1100万円)の順で被害額が大きかった。熊による被害は北海道や東北で広がり、被害額が前年度比3億4100万円増と1・8倍に拡大した。鹿・イノシシの生息頭数について、国は28年度までに合計で約215万頭(11年度の半数に相当)に減らす目標を掲げている。同省は「目標の達成につながるよう」(鳥獣対策・農村環境課)に、鹿の集中的な捕獲を支援する事業を24年度補正予算・25年度当初予算案に盛り込んでいる。同省は被害面積もまとめた。23年度は4万900ヘクタール(前年度比6700ヘクタール増)で、このうち北海道が3万100ヘクタールと74%を占めた。

(野生イノシシ2頭が豚熱感染:佐賀)
佐賀県は14日、伊万里市で野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は44、45例目。いずれも経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、44例目は昨年12月31日に南波多町原屋敷で、45例目は1月7日に波多津町板木で、それぞれ猟友会員が捕獲した。2頭は10日の検査で感染が確定した。

(野生イノシシが豚熱、感染確認は33例目:岡山)
岡山県は15日、同県笠岡市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は33例目。県によると、8日に地元住民が空き地で死んでいた個体を見つけ、県の検査で14日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めた。

(野生イノシシ1頭豚熱感染:三重)
三重県は15日、津市白山町の山林で7日に捕獲した野生イノシシ1頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1026頭となった。

(ペン型の拳銃を所持、会社役員逮捕:兵庫)
殺傷能力のあるペン型の拳銃を神戸市内の自宅で所持していたとして、54歳の会社役員が逮捕されました。自宅からは全長2メートルの「対戦車砲」も押収され、いずれも「自分で作った」と説明しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。逮捕されたのは、神戸市中央区の会社役員 矢内秀和容疑者(54)です。警察によりますと、去年9月、殺傷能力のある長さ18センチ余り、直径7ミリのペン型の拳銃を自宅で所持していたとして、銃刀法違反の疑いが持たれています。去年8月に情報提供があり、警察が自宅を捜索したところ見つかったということです。調べに対し「私が持っていたものに間違いない」と容疑を認め、「こうなるのなら捨てておけばよかった」などと供述しているということです。また、自宅からはほかにも全長2メートル、幅1メートルほどの「対戦車砲」やエアガンなど90点が押収され、警察によりますと、このうち16点は銃刀法違反の疑いがあるということです。ペン型の拳銃と対戦車砲については「自分で作った」と説明しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。

(「鳥獣捕獲等事業者」認定の警備会社と県が包括連携協定:秋田)
県は「鳥獣捕獲等事業者」に認定されている警備会社と包括連携協定を締結しました。佐竹知事は、市街地での出没が相次ぐクマ対策にも期待したいと述べています。県と包括連携協定を締結したのは、秋田市に本社を置くアルソック秋田です。具体的な取り組みの内容は、今後両者で協議されますが、暮らしの安全・安心につながることや、環境との共生に関することなど5つの柱が盛り込まれています。このうち、環境との共生について、県は、クマへの対策を取り入れたい考えです。

(ALSOK秋田、クマ対策や防災で県と協定:秋田)
秋田県と警備会社のALSOK秋田(秋田市、松本安之社長)は14日、地域防災や環境との共生などに関する包括連携協定を結んだ。災害時の警備支援やクマ被害防止のほか、見守り活動を通じて子どもや高齢者を狙った犯罪の防止に力を入れる。 協定には▽地域や暮らしの安全・安心▽地域防災および危機管理▽環境との共生▽働きやすい環境づくりとダイバーシティー(多様性)推進▽県民サービスの向上および地域社会の活性化―の五つを盛り込んだ。

(高周波音装置で畑に野生動物近づけない対策学ぶ:岡山)
高梁市で、野生動物による農作物の被害が相次いでいることから、農家の人たちが高周波の音を活用した装置で、動物を農地に近づけさせない方法を学びました。高梁市では、農作物がイノシシやシカなどの野生動物に荒らされる被害が相次いでいて、市によりますと令和5年度にはおよそ25ヘクタールの農地が被害を受け、被害額は1500万円あまりに達しています。研修会には、農家などおよそ60人が参加し、岡山理科大学の辻維周特担教授が、人の耳には聞き取りにくい高周波の音を出して、野生動物の被害を防ぐ取り組みを紹介しました。この装置は辻特担教授が開発に協力し、野生のシカ用の場合、半径200メートル以内に近づけさせない効果があるということです。装置は屋外に設置したり、車に取り付けたりしていて参加者は、スピーカーから出る音を興味深そうに聞いていました。高梁市でぶどうなどを生産する70代の男性は「イノシシだけでなく、最近はアライグマによる被害も増えていて、従来の対策だけでは追いつかないのでこうした新しい技術に期待している」と話していました。辻特担教授は「農業の担い手の高齢化が進む中、電気柵よりも負担が軽くすみ、若い人が参入しやすい農業の環境作りに有効だと思う」と話していました。

(”渡り鳥”の生息調査、伊豆沼では霧の影響で16日に”延期”:宮城)
宮城県内の沼や河川などで、15日朝 今シーズン2回目となる県の渡り鳥の生息調査が行われた。伊豆沼での生息調査は、濃い霧の影響で16日に延期された。栗原市と登米市にまたがる国内有数の渡り鳥の越冬地・伊豆沼。夜明け前から濃い霧が立ち込め、日の出とともに一斉に飛び立つマガンやハクチョウなどの姿を見ることはできなかった。伊豆沼や大崎市の蕪栗沼には、宮城県内で越冬するマガンの9割以上が集中しているが、霧の影響で伊豆沼での渡り鳥の生息調査は16日に延期された。宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 嶋田哲郎研究室長「霧がとても濃くて、ガンのカウントができません。飛び立ちのカウントは完全に見えていないと、数は数えられない」。伊豆沼周辺では、1月10日の財団独自の調査で、例年並みのおよそ11万羽が確認されているという。

(冬の渡り鳥2回目の生息調査:宮城)
マガンや白鳥など、県内に飛来する冬の渡り鳥の数を調べる今シーズン2回目の生息調査が各地の沼や川などで行われました。冬の渡り鳥の調査は、鳥の生息数を調べて食物連鎖から環境の変化を確認するため、毎シーズン11月と1月、それに3月の3回行われています。2回目となる今回は15日と16日の2日間、県内の沼や川、湿地などおよそ500か所で県職員や自然保護員などおよそ100人が調査にあたりました。このうち栗原市と登米市にまたがる伊豆沼では日の出前の午前6時半ごろから県職員などが望遠鏡を使ってマガンなどの数を調べていました。去年のこの時期は暖冬の影響で越冬する渡り鳥が少なかったということですが、伊豆沼での調査にあたった「宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団」の嶋田哲郎・研究室長は「今年は冬らしい寒さが続いているので渡り鳥の数は平年並みかいくぶん増えるのではないか」と話していました。県は16日夕方、調査結果を公表することにしています。

(山林からはみ出すクマ、今や都市は野生動物にとっての天国に!?)
今季も野生のクマの跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)が話題になっている。昨季(2023年秋)はブナの実やドングリなどの果実が不作で、人里どころか都市部に餌を求めて侵入してくるクマが後を絶たなかった。人身事故も多発して、マスコミによって連日のように報道がなされた。多くの都市民はお茶の間という安全地帯で、ちょっと怖い、しかし作り話ではない正真正銘の事件を、興味津々と見ている。ところが比較的森の樹木の果実がよくなったといわれる今季でも、秋田市ではツキノワグマが町のど真ん中のスーパーマーケットに侵入して、店員にけがを負わせ、2日間も占拠する事態が発生した。猟友会から警察まで出て大騒動したが、結局捕獲罠(檻)で御用。こんな町中のしかも店の中で猟銃や拳銃使えるわけがないのだから、慎重の上に慎重を期した対応による大捕り物となって、マスコミを喜ばせた。麻酔銃(吹き矢)を使ってもっと出際よく捕獲できると思われるが、人身の安全を最優先させた結果であろう。学者やらコメンテーターがいろんなことを言っているが、決め手はない。そもそも生息数さえ分からないのだし、それを突き止めようとすれば、膨大な費用と人手がかかる。仮に金があっても、現代社会で日がな山中を駆け回って調査できる人材はほとんど限られている。またクリスマス近くになって、福島県喜多方市の民家にツキノワグマが侵入し、炬燵に入っていた。そのまま居座って1泊したあと獣医の放った麻酔銃(吹き矢)で眠らされ、人里離れた山中に放たれたという。居心地のよい炬燵から目が覚めたら雪山の中。クマにとっては天国から地獄である。秋田のケースでは、捕獲後麻酔を打たれ眠らされた後、殺処分されたとのことで、クマが可哀想だという声が県庁に多く寄せられた。その対応に追われて、通常の行政が滞るようになるとは、実に難儀な時代になったものである。駆除がよいのか放獣なのかは、一概に結論付けることはできない。現場の環境の違い、クマの状況(性格、行動など)千差万別であるから、やはり現場ごとに判断すべきものであろう。秋田と福島での対応の違いは当然なのである。ここでクマについては一旦おいて、野生動物全般の動向について予(かね)てから感じていることを述べさせてもらおう。昭和の中期、高度経済成長期は日本の野生動物にとっては苦難の時代であった。急激な都市の膨張によって、平野部の農地は後退し、奥山の天然林は伐採され、動物たちが餌を摂り、安全に暮らせる生息地が大幅に狭まった。農薬の使用や公害によって食物連鎖が破壊され、絶滅の危機にさらされた種も多い。ところが時代を経て、環境保全への社会の意識が高まり、公害対策、身近な自然環境の保護、森林の再生、鳥獣保護などが進むと、多くの野生動物の生息数は明らかに回復してきている。これらの兆候はまず都市部の鳥類にみられた。我が家(東京都豊島区)の近所でも、20種を超える野鳥が見られ、中でもツミやオオタカといった食物連鎖の頂点に立つ猛禽類がいることは、その裾野すなわち種の広がりが大きくなったことを証明している。しかし、これは単純に都市に自然が回復したと喜べるものではない。実態は、鳥類の都市環境への順応にある。カラスやドバトはもともと人間社会にべったりの種であったが、その他の種であっても、人間のこしらえた環境を巧みにわがものとして生息していこうとするのである。都市における餌や営巣環境は森林に比べれば劣悪と思われるが、天敵が少ないという長所がある。こうした都市への順応がいよいよ哺乳類にも及びはじめた。まずはハクビシンやタヌキたちで、都市化によって農地や森林と切り離されて孤立化した個体や集団が増殖したものか、森林から河川敷を伝って都市内に移動してきたものか、おそらくその両方であろう。またペットとして移入されたアライグマのような外来種が逃げて増殖したのもある。これらの小型の哺乳類による果樹の食害や糞害、住居侵入営巣などの被害も多発して、それなりに対策が取られているのだが、いよいよ中型・大型の哺乳類のお出ましとなる。20年ちょっと前、秋田市に所在する東北森林管理局に勤務した時、市街に隣接する一つ森公園へ散歩すると毎朝カモシカに会えるという話を聞いた。それどころか秋田駅裏(東口)にあった森林管理局のアパートではカモシカがゴミ箱をあさっていた。現在では開発されてビルが立ち並んでいるから、たぶんカモシカは現れないだろうが、ちょっと大きな都市でさえ、野生動物が生活できる環境なのである。カモシカは比較的おとなしいのでご近所の話題になるだけで、マスコミに取り上げられるような社会問題にはならなかった。筆者自身も仙台市付近の東北自動車道の法面で草を食べるカモシカを見たし、気仙沼港裏の空き地で見かけたカモシカは、筆者の顔を見つめて逃げもしなかった。イノシシもふつうに市街地に現われる。クマと違ってパフォーマンスが猪突猛進で単純なことから、人はあまり恐怖心を抱かないが、統計をみるとクマほどではないが人身被害が発生している。牙で突かれたり、噛みつきもある。これらの動物に比べてもっと現れていいはずなのはシカである。奈良公園や安芸の宮島などでは、市民や観光客にまじって何事もなく生息しているのだが、こうした例は一般的ではないようだ。森林における生息数は増え続けて、林道を走れば見ない日がないくらいだから、もっと市街地に現われてもおかしくないはずだ。カモシカやクマ、イノシシは単独で行動することが多く、市街地の入り組んだ環境でも比較的自由に行動できる。シカは群れで行動することから、見通しの良い広い空間を必要とし、集団での逃げ場などの少ない市街地を苦手にしているのであろうか。こうしてみると、ツキノワグマが市街地出現は必然的だったのである。人間の生活圏の後退とそれに相応した野生動物の進出は、種によって時期は前後したけれど一連の流れに乗った現象だったのである。そもそもクマには森と都市との見境はないのではないか。餌があって命の危険さえなければ、どこでもクマには快適な環境なのであろう。昔は奥山にいてさえ狩猟の危険にさらされて、人間は怖い存在だった。ところが山村の過疎化や山暮らしへの適応力の低下によって、マタギどころかハンターも減り、クマにとっていつ撃たれるかわからない危険な環境から、徐々に安全な環境に変化した。数世代経過するうちに人間が危険な存在であるというクマ社会での常識が、薄れていったのであろう。そうするうちに生息数も増えて餌不足になる。ただでさえ森林の生(な)り物は年によって豊凶が著しい。恐らくはこの現象も森林生態系のなせる業で、生物の世代交代を促すためや適応力の高い個体を峻別する仕組みなのだろう。その森林が、進化の著しい人類によって直接開発され、あるいは緩衝地帯であった農地などが市街化され、町や都市と隣接するようになった。飢えたクマたちが、食物が豊富で一見安全そうな人間社会に進出するのは、極当たり前の現象だと思う。秋田の事件も森林から5キロメートル(km)も離れた市街地などと報道されているが、一夜に山中を30㎞ぐらいは平気で移動するクマにとっては何てことはない。30年ほど前のこと、青森県下北半島の野生生物研究所、もともとは北限のサルの研究・保護活動をされていたのだが、ツキノワグマにも発信機を着けて行動を調査していた。そこで、クマは夜間には国道を利用して移動していると教えてもらった。人間に便利なものは概して野生動物にも便利なものなのだ。5kmが遠いなんて、都市化によって退化した人間の感覚でしかない。都市には森林と共通するさまざまな要素がある。1 餌となる食料の存在である。庭木の果樹、家庭菜園の野菜、食品ごみ、果ては商店やスーパーの食料品など豊富以外の何ものでもない。2 塒(ねぐら)となるもの。鳥類なら建物の隙間など、タヌキやハクビシンなら縁の下や屋根裏、クマの冬眠用の樹洞に代わるものとしては、物置、空き家、果ては炬燵などいくらでもある。3 高層ビルも崖と同じで、ハヤブサなどの猛禽類の見張り場として機能している。野生動物の目には、都市空間は最上級の森林として映っているのかも知れない。森だの町だのと人間が勝手に描いたゾーニングは、どうやら野生動物たちには埒外(らちがい)であるらしい。それならば、それを前提に人間側の対応を考えなければならないし、かつての山村のように野生動物と生活をともにしているという心構えを必要とする。都市の便利さに溺れて、無防備に暮らす時代は終わったのかも知れない。人間へ反撃をするのは、野生動物だけではない。その生息の母体となる森林についても目を向ける必要がある。

(重さ最大4.3キロ、死んだシカの胃にプラごみ:奈良)
奈良公園でごみのポイ捨てが増え、そのごみをシカが食べてしまう問題を受け、奈良県は新型のゴミ箱を設置する実証実験を始めました。奈良公園に設置されたのは、「スマートごみ箱」。ゴミが溜まると自動的に圧縮され、容量に対しおよそ5倍のゴミを収容することができます。なぜ「新型のごみ箱」を設置?今からおよそ40年前…奈良県は、家庭ゴミの持ち込みや、シカがあさるのを防ぐため、公園のゴミ箱を撤去。以来、長年に渡り職員や市民などが清掃を続けてきました。しかしここ数年、外国人観光客の増加とともにごみのポイ捨てが増え、シカが食べてしまう問題も増えているんです。最近の調査では、死んだシカの胃の中にプラスチックの塊がたまっているケースも多数、確認。ポリ袋などの大量のごみとみられ、重さは最大で4.3キロもありました。昔のように「シカがあさるのでは?」と反対の声もあり、県はゴミ箱の投入口をシカが開けられないよう“密閉型”にするなど、対策をしているとのことです。【奈良県 竹田博康観光局長】「ごみがなくなること、ごみを持ち帰ってもらうことがゴール。プラスチックごみを食べて、シカが死んじゃってるんですよと、ごみをなくそうという気持ちになってほしいメッセージを送っている」。「スマートごみ箱」では、ごみが捨てられた時間帯や種類も把握でき、奈良県は今後1カ月程度で効果を検証することにしています。

(道の駅に「鹿肉唐揚げ」登場:愛知)
県立新城有教館高校3年生が考えたメニュー「鹿肉唐揚げ」が、新城市八束穂の道の駅「もっくる新城」で31日まで限定販売されている。食農サイエンス系列の3年生が「飼育と環境」として昨年7月から学習を続け、11月にあった「第2回鳥獣害フォーラム」でジビエレシピの「鹿肉唐揚げ」を披露し、「道の駅にレシピを提供してジビエの普及活動を続けたい」と発表した。山梨学院短期大学食物栄養科の中川裕子教授らのアドバイスを受け、ワインをベースにして下味をつけた鹿肉を揚げた。道の駅では丼メニューの「本気上手い(どうまい)鹿唐揚げYKK BOWL」として12月16日に1080円(税込み)で発売。スタッフの田中裕士さんによると、平日は一日平均5~6食が売れ、週末はその1・5倍という。3年生の山口純永さんと黒田司さんは「9人がレシピ考案という目標に向かって頑張ってきた。評判が良いと聞いてうれしい」と語った。授業から取り組みを見守ったNPO法人「愛猟」(豊田市)の鈴木康弘理事長は「後輩たちにもレシピ考案を引き継いでほしい」と話した。道の駅「もっくる新城」では春にも再度の販売を検討するという。

(ジビエ文化拡大を後押し:長野)
食肉卸のプロミート(長野市)は、野生鳥獣の食肉「ジビエ」の取り扱いで日本有数の問屋の一社だ。鹿を中心に熊や小型哺乳類、野鳥類まで様々なラインアップをそろえ、県内外の飲食店や料理人を支えている。加工品なども増やしており、ジビエ文化の拡大に貢献している。同社のルーツは1938年に長野駅前で開業した個人商店「小林牛肉店」だ。89年に会社を設立し、街の精肉店から食肉卸に軸足を移した。創業時の店名の通り、信州牛など牛肉の取り扱いが現在も主力だ。ジビエの取り扱いに力を入れだしたのは2010年代前半ごろ。それまで少量の取り扱いはあったが「鳥獣による農業被害が深刻になり始めたこともあり、新規事業として本格的に取り組んだ」(小林智将専務)。ジビエ事業が軌道に乗るきっかけは15年の北陸新幹線の金沢延伸だった。長野県は延伸に合わせ東京・銀座にアンテナショップ「銀座NAGANO」を開業。県産食材の営業拠点の役割もあり、ジビエへの問い合わせも増えた。そこで店に寄せられるジビエ関連の問い合わせにできる限り対応するとの方針で県と協力。結果、それまで県内中心だった販路が全国に広がった。全国から入る注文に対応するには在庫が不可欠だ。だが、いつ何頭捕れるか不明なのがジビエの宿命。「猟師さんには『捕獲に成功したら必ず買い付ける』と言って、とにかく数の確保を進めた」(小林専務)。猟師とのつながりが深まったこともあって、熊や小型哺乳類なども手掛けられるようになっていった。事業は拡大基調となったが、いざ買い付けても需要がかみ合わず廃棄に回ることもたびたび。廃棄を減らすため、ジビエを使った加工品の製造にも乗り出した。県内の観光施設の土産物向けにOEM(相手先ブランドによる生産)にも取り組んだ。豚熱感染の疑いでイノシシ肉が扱えなくなるなどの逆風もあったが現在、売り上げの10%前後、5000万~7000万円程度をジビエが占めるまでになっている。19年に長野市に「長野市ジビエ加工センター」が開所し、ジビエについての食肉処理が一般化したのも業容拡大につながった。同センターでは鹿で年間1000頭ほどを食肉処理している。それまでの食肉処理は手工業的な側面が多く残り、衛生管理などに不安が残っていた。衛生管理のほかマニュアルの整備や処理工程習熟が進んだ結果、肉の柔らかさの指標となる含水率が向上するなど品質が上がり、味の評価も高まった。観光業の好調さも相まって「鹿肉は現在、需要が供給を少し上回る状況が続いている」(小林専務)。価格が豚肉よりは高いが牛肉よりも安い点、高たんぱく低脂質のヘルシーな食材である点などからメニューに個性を出すにはもってこいの食材という地位を獲得しつつあるという。

(「ジビエdeキッズバレンタインパーティー」:神奈川)
主催の株式会社テレビ東京コミュニケーションズと企画運営を担当する子育て支援団体NPO法人チルドリン(代表理事蒲生美智代・東京都渋谷区)は、2025年1月18日(土)横浜開港記念会館にて、「ジビエdeキッズバレンタインパーティー」を開催します。本イベントは、「家族でジビエを楽しく学ぶ」をテーマとしたファミリーイベントです。イベント構成は、試食ブース・ステージ・出展者ブースの3コーナーで構成されており、どのコーナーにおいても、ジビエについて親子で楽しく学べる内容になっています。ジビエの情報や,学びを暮らしの中で活かしていくヒントを持ち帰れるように、絵本の読み聞かせや童謡歌手のステージ、猟師と参加者が直接コミュニケーションできるトークショー、ジビエに合う地元の野菜やドレッシングの提案、本格的なジビエランチパック(ジビエバーガー・ジビエコロッケ・地産野菜サラダ)の試食などを行います。本イベントの2つの目的は、・命の循環のありがたさ・森(自然)を守るということ、とし、ひとりでも多くの方に、ジビエという食材が少しでも深く浸透していくために、間口を広げ、子ども達を対象とし、わかりやすさ・楽しさを重視したイベントとしています。また、参加者は未就学児から小学生・子育て世帯の親など、幅広い年代の方にジビエをまるごと満喫して頂ける内容となっております。本イベントを契機として、まずはレストランなどで気軽にジビエを楽しめる機運をつくり、食卓でジビエが楽しめる日がくることを目指します。

(食害で駆除も大半は廃棄処分→活用のため犬用ジャーキーに:愛知)
東栄町御園で有害鳥獣肉を処理・販売する企業「野生動物命のリレーPJ(プロジェクト)」が、奥三河で捕獲されたニホンジカを原料にしたペットの犬用ジャーキー「奥三河鹿美人」を製造販売している。ニホンジカは農作物の食害が問題になっている有害鳥獣だが、駆除で捕獲したうちの大半が廃棄処分されており、少しでも有効活用しようと企画した。同社の本業は、動物園のライオンなどのえさづくり。ニホンジカを解体し、低温殺菌した脚や胴体の骨付き肉を全国の25園に「屠体給餌(とたいきゅうじ)」用に出荷している。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、17日午前10時30分ごろ、栗原市栗駒中野大柳にクマが出没しました。

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