<射撃ニュース2月>
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(自転車に向かってイノシシが突進、ぶつかった男性がけが:新潟)
2月24日午後3時ごろ、新潟県柏崎市南下(のうげ)の県道で、市内の30代男性の自転車に突進してきたイノシシ1頭がぶつかった。男性は転倒して右足に軽傷を負った。柏崎市環境課によると、イノシシは体長約1メートルで、民家まで約30メートル。また、25日午後2時ごろには、新潟県長岡市小国町新町のおぐに運動公園総合グラウンド近くで、イノシシ1頭が目撃された。柏崎署によると、体長は約1メートル。民家まで約90メートル。
(「シカと衝突し車から煙が…」:北海道)
北海道で乗用車がシカと衝突する事故があり、その後、乗用車が炎上しました。ケガ人はいません。事故があったのは、北海道東部の浜中町西円朱別西16線の付近です。2月26日午前0時20分ごろ、乗用車の運転手の男性から「走行中にシカと衝突した。車の前部から煙が見える」と消防に通報がありました。警察によりますと、男性はこの約40分前に道道でシカと衝突。自宅に戻ると車から煙や火が上がったということです。火は約1時間後に消し止められましたが、車は全焼しました。付近への延焼はなく、ケガをした人はいません。警察が状況を詳しく調べています。
(シカ被害、都道府県向け新たなガイドライン案示す)
生息数が増え山林の植物が食べ尽くされるなど、被害が深刻化しているシカへの対応を話し合う環境省の専門家会議が開かれ、地域別に目標を立てて被害の大きい場所で優先的に捕獲にあたることなどを都道府県向けのガイドラインに新たに盛り込む案などが示されました。環境省によりますと国内のシカの生息数は2022年度におよそ246万頭と推計され、30年余りで8倍以上に増えています。山林の植物がシカに食べ尽くされるなど被害が深刻化しているため、国は2028年度までに生息数を半減させる目標を掲げ、捕獲を進めていますが、生息数は横ばいで、被害をいかに食い止めるかが課題になっています。27日はシカへの今後の対応を話し合う環境省の専門家会議が開かれ、多くの都道府県で捕獲が進められているものの、被害を防げておらず山林の生態系に深刻な影響を与えている実情が報告されました。その上で、シカへの対応をまとめた都道府県向けのガイドラインに▽シカが木や草を食べ尽くすことで土がむき出しになり、崩れやすくなって土砂災害につながるなど、人々の生活にも影響することを分かりやすく示すこと▽地域別に目標を立てて被害の大きい場所で優先的に捕獲にあたることなどを新たに盛り込む案が示されました。環境省は今後、都道府県などに聞き取りを行った上で、新年度中に新たなガイドラインを示したいとしています。
(クマの積極捕獲可能に、環境省が方針)
近年のヒグマやツキノワグマによる人身被害多発を受け、環境省は26日、市街地出没などが問題化した個体群については積極的に捕獲し、全体の頭数を減少させることも可能とする方針を示した。同日開かれた同省の専門家検討会で了承された。被害の深刻化に伴う方針転換で、既に個体数抑制の方針を決めた北海道の対応を追認した形だ。
(ヒグマ駆除の報酬引き上げ検討:北海道)
北海道は25日、ヒグマの駆除を行うハンターの報酬について、道内15市町村が国の新たな交付金を活用し、報酬の引き上げを検討していることを明らかにした。
(野生イノシシが豚熱、県内感染37例目に:岡山)
岡山県は26日、吉備中央町で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は37例目。県によると、17日に地元住民が畑で死んでいた個体を見つけ、県の検査で25日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めた。豚熱は県内の養豚場では1968年以来確認されていない。
(イノシシ人身被害相次ぐ、今月4件:新潟)
県内で今月に入りイノシシによる人身被害が相次いでいる。大雪の影響で山でエサを確保しづらくなり、市街地に出没したとみられ、県は注意を呼びかけている。柏崎市は25日、イノシシと接触した市内の30歳代男性が軽傷を負ったと明らかにした。男性は24日午後3時頃に自転車を運転中、体長約1メートルのイノシシとぶつかって転倒し、足をペダルに擦ってけがをした。県鳥獣被害対策支援センターによると、イノシシの人身被害は今月にいずれも上越市で3件発生しており、今年度は計4件となった。出没が相次ぐ理由について、同センターは大雪の影響とみる。イノシシは冬眠せず、この時期は本来、山でエサを捕って過ごす。だが、積雪のため地中の虫などを捕ることができずに、エサを求め市街地に出没したとみられる。また、道路の除雪でできた雪壁が市街地から山に戻るのを妨げている可能性もあるという。県のまとめでは、イノシシの人身被害は2020年度の7件が最も多かったとみられるが、当時も県内は大雪に見舞われている。同センターはイノシシに遭遇した際の対策として、「近づかない」「刺激しない」「エサとなるものを放置しない」の3点を呼びかけている。鳥獣被害に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授は「イノシシを手で払おうとすると、手を食いちぎられる可能性がある。脚の太い血管をけがして失血死を防ぐためにも、イノシシと距離が近い場合は、地面に伏せて体を丸める防御姿勢をとってほしい」と訴える。県は25年度中に、イノシシの捕獲情報や県内全域に120台設置した自動撮影カメラの情報を集約したマップを順次公開する予定。
(クマ市街地出没、新たな対応は?)
近年、人を恐れず町なかでエサを探すクマ、いわゆる「アーバンベア」の増加も問題になっています。クマ対策にはわなをしかけたり麻酔銃で対応できる場合もありますが、危険が迫っていてすぐに排除する必要がある場合、市町村が地元のハンターの団体である猟友会などに頼むことが一般的です。しかし、今の法律では市街地では銃による猟は禁止されていて、警察官がハンターに命令した場合などしか発砲できないため対応が後手に回ることがあるほか、北海道では自治体の要請で出動したハンターが後から法的責任を問われたケースもあって、猟友会が出動拒否を検討するなど様々な問題が起きてきました。鳥獣保護管理法の改正案は、クマが住宅地や建物など生活圏に入り込んで市町村が住民の命を守るため緊急に必要だと判断した場合は、安全を確保した上で委託したハンターに市街地でも銃を使う「緊急銃猟」を許可できるというものです。この安全確保のため、市町村は通行制限や避難指示も出せるようにします。また、銃弾が建物に当たるなどして損害が出た場合もハンターではなく市町村が補償します。政府はこの法案を今国会に提出し、クマの被害が多い秋までに施行することを目指しています。市街地での銃猟の実施に向けては安全確保の徹底はもちろんとして、市町村の負担が増すことから都道府県が人材面などで応援することや国の財政支援なども重要になります。そもそもクマ被害多発の背景には、人口減少などで町なかまでクマが身を隠せる茂みが広がったことや、エサになる果物の木が放置され、それに誘われてきた面もあります。高齢化が進むハンターの育成に加えて、緩衝地帯になる里山の整備などにも力を入れ、人と野生動物の住み分けを進めることも求められます。
(冬眠しないイノシシが市街地に出没、原因は寒波か:新潟)
新潟県内で今月に入りイノシシによる人身被害が相次いでいる。大雪の影響で山でエサを確保しづらくなり、市街地に出没したとみられ、県は注意を呼びかけている。柏崎市は25日、イノシシと接触した市内の30歳代男性が軽傷を負ったと明らかにした。男性は24日午後3時頃に自転車を運転中、体長約1メートルのイノシシとぶつかって転倒し、足をペダルに擦ってけがをした。県鳥獣被害対策支援センターによると、イノシシの人身被害は今月にいずれも上越市で3件発生しており、今年度は計4件となった。出没が相次ぐ理由について、同センターは大雪の影響とみる。イノシシは冬眠せず、この時期は本来、山でエサを捕って過ごす。だが、積雪のため地中の虫などを捕ることができずに、エサを求め市街地に出没したとみられる。また、道路の除雪でできた雪壁が市街地から山に戻るのを妨げている可能性もあるという。県のまとめでは、イノシシの人身被害は2020年度の7件が最も多かったとみられるが、当時も県内は大雪に見舞われている。同センターはイノシシに遭遇した際の対策として、「近づかない」「刺激しない」「エサとなるものを放置しない」の3点を呼びかけている。鳥獣被害に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授は「イノシシを手で払おうとすると、手を食いちぎられる可能性がある。脚の太い血管をけがして失血死を防ぐためにも、イノシシと距離が近い場合は、地面に伏せて体を丸める防御姿勢をとってほしい」と訴える。県は25年度中に、イノシシの捕獲情報や県内全域に120台設置した自動撮影カメラの情報を集約したマップを順次公開する予定。
(「クマ捕獲」の人材育成:北海道)
ヒグマの活動が活発化する季節を前にクマに対応できる人材を増やそうと、札幌市で、経験の少ないハンターに向けた講習会が開かれました。政府は先週、クマなどの「危険鳥獣」が人の生活圏に侵入した場合、安全確保などの条件を満たせば、市町村長の判断で銃の発砲を許可できる鳥獣保護管理法の改正案を閣議決定しました。札幌市では2021年に、東区の住宅街にクマが出没し、4人がケガをするなどクマへの対応が課題になっています。このため、北海道は今年から主に経験の少ないハンターを対象にヒグマ管理の現状や捕獲手法などを学ぶ講演会を実施しています。旭川市、函館市に続いて開かれた24日は、約60人が参加しました。野生動物被害対策クリニック北海道 石名坂豪 代表「(閣議決定は)大きな前進だと思います。(懸念点は)3年くらいして警察も含めて担当が変わったときに、警察と市町村の連携がうまくいかないということにならないように注意していただかないと」。講習会は今後、釧路市と北見市でも行われます。
(「ハンターの不利益にならないように」:山形)
山形県内では2月、市街地へのクマの出没が相次ぎました。現在、住宅密集地では捕獲の際に猟銃を使うことは認められていません。こうした中、政府はクマなどの捕獲の際、市街地での猟銃の使用条件を緩和させる改正案を決定しました。県猟友会に受け止めを聞きました。2月、県内で相次いだクマの出没。1日に新庄市中心部に出没したクマは翌日(2日)、麻酔銃が使用され捕獲されました。一方、3日には酒田市安田地区の車庫に1頭のクマが迷い込みました。1日半以上居座った後、夜になって車庫を抜け出し、その後、発見には至りませんでした。いずれも、クマが出没したのは住宅密集地で、現在の鳥獣保護法では猟銃を使うことが禁じられているエリアでした。県内では去年(2024年)、市街地でのクマの目撃は90件確認されています。環境省によりますと、こうしたケースは全国的にも相次いでいて、クマによる人的被害は昨年度、全国で統計開始以降最多となる198件、219人を記録しました。周辺に住宅が集まる市街地にクマが出没した場合、基本的に猟友会などのハンターは猟銃を使うことができません。そのため駆除のタイミングを逃したり襲われたりする危険性が指摘されていました。特に、凶暴なクマなどに対応する場合、猟銃以外の手段では捕獲や駆除が難しいとされています。21日に閣議決定された鳥獣保護法の改正案では人の生活圏に現れたクマやイノシシについて、住民の安全が確保できるなど条件を満たしていれば、市町村の判断でハンターが猟銃を発砲することができるとしました。具体的には、クマが河川敷や広場に出没したり、建物に立てこもったりした場合、市町村の職員が住民を避難させるなどして周囲の安全を確認した後、委託を受けたハンターが発砲できるようになります。必要に応じてハンターが私有地への立ち入りを可能にする規定や銃弾が建物に当たるなどした場合は自治体が補償する規定も設けられるということです。県猟友会の悪七美男副会長は今回の規制緩和について、「おおむね賛成」としています。県猟友会・悪七美男副会長「各市町村に申請して、それから警察が発砲許可を出したから、時間はかかっていた。各市町村で許可が出るのはたしかに早くていいことなんですけど。発砲した後が問題になるのかなと思います。発砲した後の対応を明確にしてもらわないと、私たちが一番困ると思う」悪七副会長は、法改正によって捕獲にかかる時間の短縮につながることを期待していますが、一方で、猟銃を使ったハンターが不利益を被ることがないよう配慮してほしいと望んでいます。今回の法改正について県みどり自然課は「国の定めるマニュアルに基づいて自治体側の対応も変えていく」と話しています。改正法案は今の国会に提出され、環境省は市街地へのクマの出没が増える秋までに市町村の体制が整うよう準備を進めるとしています。
(「牛を殺戮目的で襲うヒグマ」OSO18を仕留めるハンターたちの素顔:北海道)
道東を恐怖と混乱に陥れた「牛を襲うヒグマ」の正体とは? ハンターの焦燥、酪農家の不安、OSO18をめぐる攻防ドキュメント『異形のヒグマ OSO18を創り出したもの』。追うハンター、痕跡を消すヒグマ、そして被害におびえる酪農家の焦燥をつづり、ヒグマとの駆除か共生かで揺れる人間社会と、牛を襲うという想定外の行為を繰り返した異形のヒグマがなぜ生まれたのか、これから人間は変貌し続ける大自然とどう向き合えばいいのか。『異形のヒグマ OSO18を創り出したもの』から連載形式でご紹介!山の神を「怪物」に変貌させたのは大自然か、それとも人間か?2021年11月29日午前7時半、私は釧路行きの飛行機に乗っていた。OSO18が現れた標茶町と厚岸町は、北海道でも道東と呼ばれるエリアに属する。特に、釧路市から根室市にかけて広がるこの辺り一帯は根釧台地と言われ、日本随一の酪農地帯である。私は、事件の関係者に話を聞くために、道東へ飛んでいたのだ。到着直前、高度を下げていく機体の窓から見えたのは、地平線まで果てしなく続く深い森だった。道路も民家も、人工物は何ひとつ見えない。木々の葉はもうすっかり落ちていて、うっすらと雪が積もる山並みをセピア色の朝日が照らしていた。この森のどこかにOSO18がいる。そのことが私の心をざわつかせた。「OSO18捕獲対応推進本部」には、4人の専門家が招聘されていた。そのうち捕獲分野の専門家が、NPO法人南知床・ヒグマ情報センター理事長の藤本靖だった。知床半島の付け根・標津町に本拠地を置いている。同じ道東エリアには属するが、OSO18が被害を出している標茶町、厚岸町からは、さらに100kmほど離れている。OSO18を仕留められるのは、藤本が束ねるその集団しかいないのではないかと、北海道庁の職員は口にしていた。連絡を取り、藤本から来るように指定された住所は、国後島が望めるオホーツク海の浜辺に面した一画だった。到着したのはいいものの、自動車整備店「車検のコバック」があるだけで、事務所らしきものは見当たらない。仕方がないからコバックの店員に聞いてみることにした。「このあたりに南知床・ヒグマ情報センターという団体の事務所はないでしょうか」「ああ、ここですよ。社長、お客さんです」。奥から現れたのは、グレーのTシャツを着た中年の男だった。「NHKかい? ここが事務所なんだよ」。電話口で聞いた藤本の声だった。南知床・ヒグマ情報センターの事務所は、藤本がオーナーを務める自動車整備店の中にあった。正確に言えば、店の奥にある藤本の自席が、事務所を兼ねていた。藤本は、標津町の自動車整備店を経営する傍ら、2006年に知り合いのハンターたちとともにこの組織を立ち上げた。藤本は1961年、標津町で自動車整備会社を営む父のもとに生まれた。西に知床連山、東にオホーツク海を望む、大自然と隣り合わせの環境で生まれ育った藤本にとって、幼少期からの何よりの楽しみが釣りだった。大人になってからも毎週のように地元の仲間と釣りを楽しんでいたが、サケが自然遡上する町内の忠類川でサケ釣りの解禁運動に携わったことが転機となる。1995年、藤本らの働きかけにより、忠類川はサケ釣りが可能な日本初の河川となり、全国から釣り愛好家が続々と訪れた。そのとき多発したのが、釣り人とヒグマの遭遇だった。当時、ヒグマの生息数は徐々に増加し始めており、釣り場の管理に当たっていた藤本は対応に迫られた。人身事故を防ぐためには、まずヒグマのことを知らなければならない。地元のハンターたちにヒグマの生態について聞いて回った。どこであればヒグマに出会わずに済むのか、もし出会ったらどうすればよいのか、どんなヒグマが危険なのか、いつヒグマが出没するのか。しかし、見解はハンターによって千差万別だった。経験と勘がものを言うハンターの世界では、判断を直感に委ねている者が多く、科学的根拠も希薄だった。そこで藤本は、信頼できるハンターたちに声をかけ、被害を抑えるための対策を行いながら、ヒグマの科学的調査も担うNPOを立ち上げたのだ。藤本本人は、狩猟免許も銃も所持していない。ハンター集めと組織の運営、ヒグマの生態研究に力を注いできた。ハンターたちが捕らえたヒグマに発信機を取り付けて放ち、その移動距離や好んで歩くルートの規則性を解き明かす研究も行っていた。所属するハンターは、標津町をはじめ、中標津町、別海町、浜中町、釧路町など、道東一円に散らばる。北海道内でも名を馳せるヒグマ捕獲のエキスパートたちだ。これまでにメンバー全員で仕留めてきたヒグマは、合計1000頭近くにのぼるという。もともとは、休日に趣味として狩猟を楽しんでいたハンターたちだったが、藤本が組織としてまとめ上げて以来、行政から委託を受けて、有害鳥獣駆除も担うようになった。対象となる野生動物はヒグマだけでなく、エゾシカやキツネ、カラス、ハト、トドなど多岐にわたる。農業、酪農業、漁業など地域の第一次産業に深刻な経済被害をもたらす動物たちだ。とくにヒグマは、人間を一瞬で死に至らせる攻撃力を持っているため、他の動物以上に地域住民を不安に陥れる存在だった。繰り返し人里に出没し、人畜に被害を及ぼす恐れのあるヒグマは「問題個体」として、NPOのハンターたちが未然に駆除することもある。藤本たちは地元住民にとって自警団とでも言うべき存在だった。OSO18はどんなヒグマなのか訊くと、静かに語り始めた。「出没してる時期がほんの2、3ヵ月。それ以外の時期は出ていない。だから、基本的にどこにいるのかわからない。それに、何のために襲ってるのかも理解しづらい。俺が見たやつは、首からは血流してたんだけど本当に軽傷で、何なんだろうなっていう感想しかまだ持てない。食べるためにやってくれたほうがわかりやすくていいんだよ。食べるためじゃないんだもん、どう見ても。こんなヒグマは前例にないです。まるっきり」。藤本は何よりもまず、情報が足りなすぎるのだと言った。手がかりは、一枚の白黒写真と前足幅18cmという情報のみ。それ以外、何ひとつわからなかった。特定のヒグマを捕らえるためには、周辺の地域のヒグマの目撃情報や痕跡、植生、そこから考えられる移動ルートなどを地道に積み上げなければならない。OSO18の捕獲をするには、まずはそうした情報を集めることが優先事項だった。「OSO18に関しては、被害はあちこちであるんだけど、それが同一場所ではないということと、目的がどうやら食べるためではないということから、絞りづらい、やりづらい、捕りづらいことばっかり。俺らも会議に呼ばれて行ってるけども、とにかく情報がなさすぎますと。そこから先の部分に関してはちょっと未知数だね」。標茶町と厚岸町の猟友会が箱罠での捕獲を目指しているが、OSO18はすでに箱罠を見抜いているとみられる。だから、同じことを続けても捕まえるのは難しいだろうと言う。もし方法があるとすれば、と藤本はひとつの策を教えてくれた。被害が起きる夏の間は、牧場の周辺の草木が鬱蒼と生い茂る。姿を見つけられたとしても、藪の中に逃げ込まれれば、見通しが悪く、追跡するのは困難である。だから、草木の葉が落ち、大地一面に雪が降り積もる冬こそが最大のチャンスだ。冬の間ヒグマたちは冬眠しているが、春が近づき気温が上がり始めると、穴から這い出て歩き出す。雪が解けきるまでのわずかな期間、森の地表に積もった雪の上に、歩き出したヒグマの足跡が残される。もし、冬の間に、この足跡を見つけることさえできれば、追跡して仕留めることができるかもしれない、というのである。ただし、足跡を追跡する途中、前にいるヒグマに人間の気配を感じ取られてしまえば、一目散に逃げられてしまう。そこで必要となるのが「巻き狩り」という方法だった。複数人で協力して行うグループ猟である。足跡を追跡する側と、待ち伏せる側に分かれ、追跡する者はわざとヒグマに気配を感じ取らせ、仲間が待つほうに誘導していく。その先で、じっと待ち伏せているハンターが、逃げてきたヒグマを仕留める。それが、成功の可能性が最も高い作戦だと藤本はみていた。標茶町、厚岸町の猟友会がOSO18を捕獲するために箱罠を設置し始めて2年半。事態が一向に進展しない状況を受けて、そろそろ藤本たちがOSO18の捕獲に動き出すかもしれない。とすれば、彼らは冬の間に足跡探しを行い、巻き狩りを実行するだろう。私は、OSO18の巻き狩りを実行するときについていかせてもらえないか、と頼み込んだ。藤本は笑いながら言った。「まだまだそんな段階にないから。森の中で、足跡を見つけるだけでも大変なんだよ。それに、クマの巻き狩りは超危険だから。いつクマが反撃してくるかわからないし、気心の知れた仲間内だけでやらないと誰かが命を落とすかもしれない。はじめましての人間は連れていけないよ」。断る理由はもっともだった。私が落胆した様子でいると、気を遣ってくれたのか、エゾシカの巻き狩りならついてきてもいいぞ、と言う。冬の時期は、休みの日にいつもメンバーでエゾシカの巻き狩りをやっているのだという。彼らのことを知るためにも、まずはそこに同行させてもらうことにした。
(“現役最強のヒグマハンター”が語る、ヒグマを仕留める極意「異形のヒグマOSO18」を求めて:北海道)
年が明け、2022年1月8日。根釧台地の牧草地は、一面が雪で覆われていた。藤本が集合場所にしたのは、標茶町の東に隣接する別海町の牧場だった。メンバーのひとりの牧場だという。朝8時半、牧場の倉庫の前に次から次へとトヨタハイラックスがやってきた。車の後方に広い荷台を搭載したピックアップトラックだ。仕留めた獲物を積み込むためか、メンバーは皆、この車を愛用しているようだった。倉庫の中に入ると、薪ストーブを取り囲むようにして、男たちがパイプ椅子に座っていた。ストーブの脇には、七輪が置かれ、彼らはエゾシカの肉やホタテを焼いている。藤本が「気心が知れている」という、平均年齢60歳の、11人の男たちである。この日は、OSO18の話で持ちきりだった。「たとえば人間だったらさ、25.5cmの足跡の男を探せって……無理じゃん。手がかりがなさすぎる」。冗談を交えながらそう語るのは、集合場所となっているこの牧場の主の松田祐二。酪農を営みながら、狩猟や釣りを趣味にしてきた。「あと自分で測ったんであれば、18cmだって信用できるけど、自分が見たり触ったりしてないことは信用できないよな」そう語るのは元小学校教師の黒渕澄夫。58歳まで埼玉で教員生活を送っていたが、18年ほど前、北海道に移住してきた。そのほか、ホタテ漁師・上林芳勝、介護施設経営者・関本千春、食肉解体所経営・岩松邦英など、男たちは経歴も職業もバラバラだった。いずれも本業を抱えながら、休みの日に狩猟の腕を磨いてきた。彼らは、酒もタバコもほとんどやらない。酒を飲めばアルコールが抜けきるまで車を運転できなくなる。夜であろうと、いつヒグマの出没情報が寄せられるか読めないため、移動の「足」を失うわけにはいかない。野生動物は人間よりもはるかに鼻が利くため、追跡している獲物を逃がさないためには、タバコの匂いも大敵である。ストイックで合理的な彼らの性格は、どこか頭の中にある、豪快で大酒のみの猟師というイメージとは、一線を画すものに感じられた。合計1000頭近くにのぼる全員のヒグマの捕獲実績の半数以上は、メンバーの中にいるたったひとりの男によるものだった。いつも一番奥のパイプ椅子に座る、赤石正男。70歳を超えた現在も道内外のハンターから“現役最強のヒグマハンター”として崇められている。20歳で狩猟免許を取ってからちょうど半世紀、ヒグマを捕らなかった年は一度もない。その数は118頭までは数えていたが、それ以降は覚えていないという。数えていた頃から、もう20年は経った。普段は寡黙にしているが、ヒグマを仕留める極意を尋ねると、半ば笑みを湛えて、飄々と語り始めた。「習性がわかんなかったら捕れないよ、絶対。逆襲されて逆にやられるよ。簡単にやられるよ。甘い考えで行ってやるやつはみんなやられてるから」「ご自身が危険な目にあったことはないんですか?」「ないね。なぜか俺と顔合わすとクマのほうが逃げてくんだ。不思議だよな。本当に不思議だよ。こんなところに顔あんだよ。目合ってんだけど、知りません、っちゅうような顔して、素通りしていく」確かに、赤石にはほかのメンバーとは異なる雰囲気が漂っていた。口数は少なく、メンバーの話を常に微笑みながら聞いているが、瞳だけは鋭かった。それはまるで獣の目のようだった。巻き狩りへ出発することになり、赤石のハイラックスに同乗した。走行距離のメーターには、77万kmと表示されている。1990年に買ってから30年以上、修理を重ねながら乗り続けていた。エンジンは2回取り替えたという。時折、赤石は、謎めいた独り言をつぶやく。「雪が固くなってて音悪いな」。どういう意味か尋ねた。「雪が固い日はタイヤが音を出すだろ、その音をアイツらが聞いてるんだよ」。ヒグマやエゾシカなどの野生動物は、人間の何倍も鋭敏に外敵の気配を感じ取る。それをわかっていないと、簡単に逃げられてしまうのだという。高台に着き、車を停めた。遠くに広がる湿地を眺める。「いた、いたいた」。1kmほど先に、50頭ほどのシカの大群が一斉に駆けていた。もうバレてるよ、と赤石は双眼鏡を覗きながら笑った。「赤ちゃん(赤石)は、人間っていうより動物なんだわ」。藤本は赤石のことを指してそう言う。藤本と赤石は、もともと地元の標津町で釣りをしていて知り合った仲だった。藤本がヒグマについての独学を始めた際、指南役となったのが、10歳年上の赤石だった。それから40年以上、ともに山に入り、赤石が次々と獲物を仕留める姿を目の当たりにしてきた。赤石が圧倒的な捕獲歴をもつ背景には、天性の才能ともいえる野性的な感覚があった。動物が何を考えているのか、どの方向へ向かおうとしているのか、赤石はすぐに読み取ってしまう。赤石の脳内には、よく行く森の地形の特徴や植生が沢の一本一本に至るまで刻み込まれている。だから、エゾシカやヒグマをいとも簡単に見つけ出すことが可能だった。それだけではなく、足跡を見ただけで、その足跡の主が元気か、お腹を空かせているのか、眠たそうにしているか、などの状態までわかるという。メンバーはそれぞれの車を走らせ、無線で連絡を取り合いながら、獲物の追い立て役「勢子(せこ)」と待ち伏せ役「待ち」に分かれて、森の中の配置についていく。この日、赤石は、「待ち」についた。林道の奥で車を停め、歩き始める。遅れをとらないように急いでついていくと、雪に足を取られ、私は思わず転んでしまった。赤石は即座に振り返り、すごい剣幕で見つめてきた。そして、無言のまま、自らの口の前に人差し指を立てた。「静かに」と命じる仕草だった。さっきまでの飄々とした雰囲気とはまるで変わって、その目は殺気を放っていた。湿地に面する小高い林の中に位置をとった。湿地を挟んで対面にある林から、勢子が歩いてくる作戦のようだった。赤石は微動だにせず、目線だけを左右に振り動かし、じっと、遠くを見つめている。足音もなく、風の音もなく、静寂が一帯を包んでいた。30分ほどして、向こうの林から、10頭ほどのエゾシカが飛び出してきた。勢子が近づいてくる気配に気づき、逃げようと、こちらに向かって勢いよく走ってくる。赤石は瞬時に腰を落として、スコープを覗き、銃口をエゾシカに向けた。獲物はみるみる近づいてくる。100m、90m、80m……。それでも赤石は引き金を引かない。獲物が近づいてくる間、スコープを覗きながら、独り言をつぶやく。「でけえな、でけえな……。こんなん、いらないっつうの……」。エゾシカはその身体が大きくなるほど、肉が固く、臭くなる。だから赤石はいつも、1歳ほどのオスしか狙わない。赤石は角を見てそれを見分ける。エゾシカのオスは生まれて一年後に角が生え始め、その後1年おきに角が枝分かれしていく。そのため、枝分かれしていない角を生やしているのが、1歳のオスジカということになる。メスはそもそも角が生えないため、年齢を一瞬で見分けるのは難しい。だから、肉として価値のある若い個体を確実に持ち帰るために一歳のオスを狙う。10頭のエゾシカが全速力で突進してくる間、赤石はその中の枝分かれしていない角を探し出していたのだ。50mまで近づいたとき、ようやく一発だけ放った。静寂を切り裂く、爆音が轟いた。一頭の小さいエゾシカが湿地の葦の中に消えた。放った一発は、首元に命中していた。足や腹に命中すれば、肉が抉れてしまい、その部分は食べられなくなってしまう。だから、食べる部分がほとんどなく、一発で絶命させることができる首元を必ず狙うのだという。猟が終わり、「ヒグマのときは耳の穴を狙うんだ」と教えてくれた。ヒグマは、頭蓋骨が非常に硬く、銃弾がはじかれることがある。胸の肉は厚いため、貫通せず、一撃で倒れないこともある。だから、耳の穴なのだ、と。その佇まいは、森という戦場で命を懸けた瞬間を幾度もくぐりぬけてきた狙撃手のようだった。メンバーの中で、唯一銃を持たない藤本は、狙撃手に対置するなら、いわば「観測手」だった。戦場において、狙撃手は観測手と2人一組で行動する。スコープを覗いて標的に狙いを定めている間、周囲の状況をつかむのが困難だからだ。観測手は、標的との距離や角度、風向き、気温などを観測し、狙撃の手助けを行う。同時に、常に周囲に気を配り、早い段階で危機を察知する役目も果たす。藤本は、巻き狩りのときも、最も全体を見渡せる位置に車を回し、無線でエゾシカの動きを伝え続けていた。木を見て森を見ず、という言葉があるが、野生動物を仕留める場においても、木を見るハンターと、まさしく森全体を見渡す藤本のような存在が必要だった。
(冬眠終えるクマに備えを:山口)
ツキノワグマの目撃情報が2024年度に過去最多となった山口県岩国市で、春に冬眠から覚めるクマへの警戒感が高まっている。目撃情報の多かった市北部で住民対象の研修会を開くなどし、クマを人里に近づけない対策を呼びかけている。
(遠隔操作でシカを捕獲、ICT活用し春ごろから運用開始:岐阜)
垂井町が、人里に現れるシカから農作物などを守るため、情報通信技術(ICT)を活用した鳥獣害対策に乗り出した。19日に同町宮代の畑の一角に、遠隔で操作が可能なおりを設置。この中に入ったシカの捕獲を、春ごろから始める。おりが設置された場所は住宅地も多くあり、人通りも少なくないが、夜になるとしばしばシカが現れて農作物を荒らしているという。
(クマ、AIで24時間監視:三重)
県はツキノワグマの出没件数が急増していることを受け、2025年度にAI(人工知能)を活用した監視システムの実証実験を行う。クマの出没を24時間監視することが可能となり、被害を抑える効果が期待されている。県内のツキノワグマ出没件数は、23年度の40件から24年度は2月上旬時点で160件超と、4倍に増加。実際にクマに襲われて大けがを負う事例もあり、対策の強化が求められていた。クマ被害に悩む秋田県では、ドローンで撮影した映像をAIが解析し、山中に潜むクマを発見するシステムの実証実験が行われている。三重、奈良、和歌山にまたがる紀伊半島のツキノワグマは、東北地方などのツキノワグマとは別種で体格が小さいとされることから、AIが別の動物などと誤認せず、正しくツキノワグマと判定できるかどうかが課題だ。今回の実証実験は、クマの出没が頻繁な地区を1か所選んで実施する。3台ほどのカメラを設置して24時間監視し、クマとみられる生物が映った際にAIが解析。クマと判定した場合、担当の県や市町職員らにメールなどで警報を送ることを想定している。カメラの有効範囲は100メートル先までと広く、真夜中でも個体の認識が可能といい、クマと判定した際に人々へ警戒を呼びかけるアラーム音を鳴らしたり、クマが嫌がる音を発して追い払ったりする仕組みを加えることも検討する。このほか、人家に近い場所で、クマが隠れやすい茂みなどを刈り払い、クマを人の生活圏から遠ざけることを目指し、モデル地区を設定して支援。AI実証実験の費用を含め、25年度当初予算案で973万円を計上した。また、3714万円を計上し、紀伊半島のものとは種類が異なるとされる県北中部のツキノワグマの生態調査を初めて行い、残された毛や撮影した映像から生息域と生息数を分析する。
(クマやイノシシ、不審者をAI技術で検知して撃退:山形)
近年、全国の山間地域では高齢化と人口減少が進み、農作業の担い手不足が深刻化している。このような背景を受け、山形県朝日町は株式会社デンソー、ダイワ通信株式会社と連携し、AIを活用した害獣検知・通報システムを搭載した「AIスマートポール」の実証実験を2024年10月28日から12月12日にかけて実施。農園や役場を無線ネットワークで結び、AIによる害獣監視と撃退システムの有効性を検証した。検証結果の詳細については今後待たれるが、さて、このAIによる害獣検知・通報システムとはどのようなものなのか。デンソー発表から紹介していく。今回の実証では、デンソーの多機能スマートポール技術とダイワ通信のエッジAI端末「IWA BOX」、同社の獣害検知機能を連携させ共同開発されAIスマートポールを導入。AIカメラを搭載し、害獣や不審者を自動的に検知・識別し、光や音による撃退機能を備えている。検出情報はリアルタイムで管理センターや関係者に通知され、迅速な対応を可能にするとのこと。また、データは蓄積され、出没パターンの分析にも活用される。これにより、単なる撃退にとどまらず、将来的にはより精度の高い予防策の策定も視野に入れることも可能になる。朝日町では65歳以上の高齢者が総人口の36.8%を占め、労働力の不足が深刻化している。農作業においても担い手の減少が続き、特に害獣対策に関しては猟友会の高齢化が進み、監視や駆除の人手が不足しているのが現状だ。また、近年はクマやイノシシの出没が増加し、事故や農作物被害が相次いでいる。従来の対策では限界があるため、AI技術を活用し、害獣を早期に検知・追い払うことで住民の安全を確保し、農作物の被害を最小限に抑えることが求められていた。今回の実証実験では、AI技術による監視とデータ分析の有効性が検証された。現段階では電波状況の影響や精度の向上といった課題もあるものの、将来的にこの技術が本格導入されれば、農村地域における害獣対策の在り方が大きく変わる可能性がある。AIを活用したスマートポールは、2025年度を目標に本導入を開始予定とのこと。実績ができれば農業分野だけでなく、不審者侵入などの防犯や観光客の安全確保にも応用が期待される。自治体と民間企業が連携し持続可能な共存の仕組みの構築やハイテク技術を応用することで、地域課題や人員不足の解決につながることを期待したい。
(サルの被害からナシ守れ:愛媛)
ニホンザルから今治産ナシの被害を防ごうと、県などは25日、今治市古谷の集会所で研修会を開き、生産者や行政、猟友会関係者ら約30人が、地域で防護柵や捕獲などで対策する意義を共有した。県今治支局によると、山際にある古谷地区では12軒が約3ヘクタールでナシを栽培。最近はサルが群れでも現れ、被害が深刻化している。同支局は園地に設置したカメラで撮影したサルを見せ「柵外の木の下枝を伐採するなどしても、飛び込んで侵入してくる。集落ぐるみでの徹底した対策が必要」と説明した。野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の阿部豪専務は対策の基本として、金網の電気柵の設置と、サルの行動を予測した上での捕獲を連携して進めるよう強調した。追い払いも有効で、岡山県井原市でサルに衛星利用測位システム(GPS)発信器を取り付け、近付く前に地域で情報を共有する取り組みを紹介。「安心・安全な餌場と認識されると被害抑制が難しい。執着させないことが重要」と呼びかけた。
(増えすぎたシカ、どう対処:兵庫)
野生のシカが近年増加し、生態系や農作物などに影響を及ぼしている問題を考える講座「増えすぎたシカとどう向き合う?」が22日、県立人と自然の博物館(ひとはく、三田市弥生が丘6)で開かれた。ジビエ(野生鳥獣肉)ハンターやひとはく研究員が、増加の背景や食材としての活用について話した。
(「獣害対策ハンターリアル体験ワークショップ」:千葉)
館山市の地域共同獣害対策推進協会は、4月5、6日の2日間にわたり、「獣害対策ハンターリアル体験ワークショップ」を市内の里山を舞台に実施する。地元の捕獲従事者らと野山に入り、くくりわな猟を体験する。参加を呼び掛けている。狩猟に興味があるけれど、狩猟免許を取るまでは踏み出せない、という人に向けて、実際の狩猟体験を提供する。初日は、午前9時半までに集合。くくりわなについての座学を受けた後、昼食をはさんで午後から山に入り、獣道の見つけ方のレクチャーを受けたり、わなを設置したりする。夕食は、ジビエを使ったバーベキューで参加者同士の懇親を図る。2日目は、午前9時半に集合して、わなの見回りなどをして正午に解散する。イベントで使うくくりわなはセンサー付きで、イベント終了後の約2カ月間は、動物がかかるなどの動きがあり次第、参加者のスマートフォンなどに通知される。捕獲があった場合は、止め刺し、解体までの一連の流れも体験する。定員30人(最少催行人数は5人)で、参加費は1人3万3000円。会場や詳細な情報は、申し込み後に参加する本人に知らせる。申し込み期限は4月1日午前0時。
(令和6年度中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会の開催:長野)
近年、ニホンジカをはじめとする野生鳥獣が高山帯・亜高山帯へ侵入し、高山植物等の採食により国立公園の生態系や景観資源の劣化が生じています。中部山岳国立公園及びその周辺地域においても、ニホンジカ等の野生鳥獣による生態系への影響が懸念されることから、「中部山岳国立公園ニホンジカ対策方針」(平成25年3月策定)に基づき、関係機関が連携してニホンジカ対策を進めているところです。このたび、令和6年度に実施したシカ対策事業等の共有と今後の連携について検討を行うことを目的として、下記のとおり中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会を開催いたします。
(初の試み「ハンターデビュー講座」:長野)
まずはこちらの数字。「4092人」。これは県猟友会に登録する会員数です。1967年、今から58年前には「1万9450人」が登録していました。登録方法などが煩雑になっていることも影響し今ではおよそ4分の1にまで減少しています。一方で、野生鳥獣、主にクマによる被害や目撃件数は増加傾向にあります。こうした際に警察や市町村と対応に当たる猟友会。人材の確保に向けて県が新たな取り組みを始めました。去年9月、長野市松代町のブドウ畑でネットに絡まった状態で見つかったツキノワグマ。関昇一郎副知事「先ほどツキノワグマ出没警報への引き上げを県下5地域で決定させていただきました」。去年6月から9月にかけてクマによる人身被害が相次いだことを受け、県内では初めてとなるツキノワグマ警報が県内5つの地域に出されました。県によりますと、今年度のクマの目撃件数は6月に「347件」、7月は「273件」とやや減少しましたが、8月には「348件」と再び増加。12月末までに1422件で人身被害は13人に上っています。2月13日、県は来年度のクマ対策に向けて対応を協議。専門家からは厳しい指摘も…。信州大学農学部 竹田謙一教授「今非常に危機的な状況にあるんじゃないのかと、この野生動物管理のを担い手は誰なんだというのをもういい加減真剣に考えていかなければならない」3605「まずこういった業務に関わられる猟友会の皆さんの待遇改善がまず大事じゃないか」。クマ対策の最前線に立つ猟友会。県内にとどまらず全国で課題となっているのが、担い手不足です。県内の猟友会会員数は4092人。少子高齢化などが影響し、年々、減少傾向にあります。一方で、2008年度と2023年度の年代を比べると依然、60代以上が多くを占めていますが、30代は「9%」、20代は「3%」と若手も増えています。ところが、県が去年、猟友会170支部を対象に行った実態調査では会員の確保が厳しいと答えた支部がほとんどでした。長野県猟友会 竹入正一会長「いろいろなところで少しずつ増えているというところもあるし若い人が興味を持ってくれているとは思うが、年配の人たちは辞めていく人も多いし、なるべくいろいろな取り組みをして世の中にある程度貢献できるような状況、趣味の狩猟なんだけどそういうものも含めて人数確保できるようなことはしていきたい」。こうした中、県が今月23日に開いた「ハンターデビュー講座」。狩猟免許を持っていない人を対象に新たなハンターの裾野を広げようと企画したもので初めての試みです。60人の定員に対しおよそ150人の応募がありました。今回の取り組み、実際に現場で活躍する若手ハンターも期待を寄せています。北佐久連合軽井沢猟友会 菊池哲也さん「とてもいいことだと。先輩猟師さんから教えてもらうと間違っちゃったことがあったりとか危ないこともあるので、しっかりされている方に聞くというのが一番近道じゃないかなと。今後は若い人の力が大いに必要になってくる。自分がこの職業始めた理由がそこで、若い人たちが猟師という職業に喜んでなれるような土台づくりをしたいなと思って役場を辞めてこの会社を始めたので。一緒に地域から初めて若い世代を広められるように活動していきたいなと」。クマ被害は増える一方で、減少するハンター。人材確保に向けた試行錯誤が続いています。
(捕獲エリアを島内全域に拡大、環境省ノネコ捕獲検討会:鹿児島)
環境省が鹿児島県奄美大島で進める野生化した猫(ノネコ)の捕獲に関する検討会(座長・石井信夫東京女子大学名誉教授、委員5人)が26日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。2024年12月現在、わなによるノネコ捕獲数は前年度同時期を32匹上回る127匹。25年度は捕獲作業エリアを島内全域に拡大し、捕獲や個体数測定などを行う。野良猫対策に関するモニタリング調査の報告もあり、発生源対策の強化や猫の適正飼養の意識醸成の必要性も示された。ノネコの捕獲は生態系の保全を目的に、環境省と県、奄美大島5市町村が策定したノネコ管理計画に基づいて18年7月に開始。検討会は島外からのオンライン参加も含め、学識経験者で構成する委員と関係者ら約80人が出席した。環境省の報告によると、24年度は龍郷町の秋名と龍郷、奄美市名瀬崎原の計3地区を重点捕獲地域に加え、島内17地域588・8平方キロで捕獲作業を実施。18年7月の捕獲作業開始から24年12月末までの総捕獲数は714匹となった。重点地域の奄美市名瀬、名瀬崎原、龍郷町の秋名、龍郷は3月末までの捕獲結果などを基に、低密度維持地域への移行を判断する。25年度は瀬戸内町の西古見と龍郷町の赤尾木を重点捕獲地域に設定。奄美市笠利町の節田、赤木名も捕獲作業地域に加え、自動撮影カメラを設置してノネコや希少種の生息状況をモニタリング調査する。人の居住域とノネコが生息する森林域に接し、これまで野良猫対策の空白地だった農地でのモニタリングについて、5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会が島内64集落で実施した結果を報告した。それによると、農地内部や農地と居住地に接するエリアなどに設置した自動撮影カメラでは、野良猫290匹、外飼い猫64匹の計354匹が撮影された。このうち野良猫51匹、外飼い猫6匹はノネコ対策のカメラでも撮影され、19匹が森林域でノネコ用のわなで捕獲された。また農地内部で撮影された野良猫は、不妊・去勢手術の処置率が68・1%と低く、「農地内で繁殖した猫がノネコの発生源の一つとなっている可能性が示唆される」として、室内飼養など適正飼養を徹底する必要性が示された。委員からは「森林域でのノネコ捕獲と(居住地や農地での)発生源対策の連携が必要だ」「全島的に連携して適正飼養の意識を高める方向性を示すべき」などの意見があった。
(クマお兄さん「ヒグマのフンをもっと知りたい!」:北海道)
誰かに話したくなるクマの話、クマお兄さんのコーナーです。今回はフン=痕跡がテーマです。ヒグマと遭遇しないためには、ヒグマが現場に残す「痕跡」を知っておくことが大事です。でも「痕跡」をじっくり観察する機会はなかなかありません。そこでバーチャル技術でフンを体感するというお話です。ヒグマが現場に残す「痕跡」。「となりのヒグマ」と言われるほど、人の生活の近くにまで生息圏を広げているとはいえ、その痕跡を見る機会はそれほどありません。そこで北海道各地でヒグマの調査研究を続けている酪農学園大学環境共生学類の研究チームの調査に同行しました。同行した調査地は、札幌市の「奥山」にあたる定山渓です。研究チームでは、ヒグマの生息状況を調べるため、広大な森の各所に調査用の杭を立て、立木ににおいをつける習性を利用して、やってくるヒグマを自動撮影カメラで撮影。杭に残されたヒグマの毛を回収して、個体識別のためのDNA情報を集めています。調査地の森に入ってから3時間。ヒグマのフンが見つかりました(林道上の真ん中にあって取材班の車が踏んでしまいました)。長さ30センチほどのかたまりと、少し離れたところに10センチほどのかたまりです。酪農学園大学環境共生学類の佐藤喜和教授によると「ヒグマは歩きながらフンをするので、こうしていくつかのかたまりに分かれるんです」とのこと。研究チームはフンの大きさを計測。内容物を確かめると、エゾシカの毛とアリが出てきました。あたりの状況とあわせて記録写真をとってから、厚手のポリ袋でフン全体を回収しました。フンはヒグマの生活を理解するための重要な材料になるのです。佐藤教授 「ヒグマのフンには内容物がそのまま残っていたりして、何を食べているのかわかるし、季節の変化とか、住んでいる場所による違いとか、ダイレクトにわかります」。ヒグマの痕跡としての「フン」を知ってもらうために、じっくり手元で観察できるようにできないか。取材班は、林道上で見つけた別のフンを、あらゆる角度から撮影。その画像を合成してバーチャルリアリティー(仮想現実)のフンを作りました。調査地の森ではヒグマの足跡も見つかりました。泥の上についた足跡を見ると、5本の爪のあとがくっきりわかります。ヒグマは爪をたたむことができないためです。これもバーチャルのモデルに加工すれば、自分が見たい角度から観察できるようになります。佐藤教授「足跡だったりフンだったり、痕跡を見つけだす目を養うと、クマがどんな行動をしているとか、どんな所にいるのかがわかって、バッタリ出会う、ということが起こりにくくなると思います」。ヒグマのフンは時間がたつごとに色が黒く変わっていきます。佐藤教授は6月に興部町で「緑色のフン」を見つけ撮影しました。フキを食べたあとのフンと見られ、ちょうど現場に設置してあった自動撮影カメラの映像から40分前に出したばかりと判明しました。「あそこまで鮮やかな色のフンを見つけることは、そうそうない」と専門家が振り返るほど新鮮なフンでした。鮮やかな緑のフンを見つけたら、ヒグマがすぐ近くにいる可能性が高いと思って、周囲を十分警戒しながら速やかに離れてください。ヤブからヒグマが出てくると、どのように見えるのでしょうか。札幌市の円山動物園の協力をえて、オスのヒグマ「大ちゃん」をモデルに撮影しました。現場に高性能VRカメラを持ち込み、大ちゃんがケガをしないように、カメラとマイクを透明なカバーで囲って固定しました。ヤブから現れた大ちゃんは、鼻先でにおいを確認しながらカメラに近づいてきました。佐藤教授「本来このようなヒグマとの遭遇は、もっとも危険な状態のひとつです。森の中のヤブに囲まれた見通しの悪い場所では、できるだけ音を立てて自分の存在をクマに教えてあげてください」。さらに夜になると、ヒグマはどう行動するのでしょうか。照明を配置して日暮れを待ちました。大ちゃんは暗闇のなか、ヤブから姿をあらわし、ゆうゆうと水場に歩いていきました。日中よりも活発で、池の水に頭を近づけ、水を吸いあげる「ジョパジョパ」という音があたりに響きました。佐藤教授「ヒグマが活発に森を利用する時間帯はヒグマに譲る。時間帯によっての住み分けも大事です」。ヒグマVR痕跡編は2月に完成。NHK札幌放送局で開催されたイベント「ゆきんこフェスタ」で来場した人たちに体験してもらいました。「山登りする前の人に見せたらいいと思います」「季節によってフンに違いがでることを知ることができました」などの声が寄せられました。ヒグマVR開発を担当したNHK札幌放送局の田中壮チームエンジニアは‐「3Dのモデルを近づけて見る方がいたり、回転させて別の角度でみていたり、人それぞれの視点で新しい発見をしているのが印象的でした」。「ヒグマVR痕跡編」はNHK札幌放送局で開かれるイベントなどで展示される予定です。次の公開が決まりましたら、NHK北海道のホームページなどでお知らせします。
(駅前のムクドリ消えた!中部電力のライト照射など奏功か:長野)
松本市の松本駅東側「しらかば大通り」の電線にムクドリの大群が飛来し、ふん害や鳴き声による騒音が生じている問題で、市は25日、電柱を管理する中部電力がライトの照射などの対策を実施したところ、22~24日の3連休はおおむね姿を消し、一定の効果があったと発表した。臥雲義尚市長が定例記者会見で報告した。しらかば大通りへの飛来は昨年10月ころに始まり、市や近隣の宿泊施設から要請を受けた中部電力が、電線の上部に鳥よけのワイヤを設置するなど対策を講じてきた。昨年12月には鳥が嫌がる音を出すスピーカーを電柱に設置するも、効果は限定的だった。連休前に未設置だった区間に新たにワイヤを設置し、さらにムクドリが電線をつかめないように突起物があるスパイクを設けた。3連休は効果が見られたが、ムクドリは対策をすると飛来する場所を変えるため予断を許さない状況が続く。臥雲市長は「松本の玄関口に当たる部分でのムクドリ被害なので、引き続き注意深く見守り、粘り強く対策に取り組む」と述べた。市は1月以降、ムクドリのふんで汚れた歩道の清掃を始め、月2回程度実施していく。
(冬眠中のクマを観察:秋田)
県の内陸では人の背丈を超えるほどの積雪となっていますが、この時期しか見られないクマの冬眠を観察するツアーが行われました。県外からの観光客は普段見られないクマの様子を興味深く観察していました。冬の間、閉園している北秋田市阿仁打当地区の「くまくま園」です。飼育されているクマも冬の間は冬眠しています。ここでは、クマの生態を多くの人に知ってもらおうと、閉園中も祝日などに見学ツアーを行っています。24日は、青森・宮城・東京から5人の見学が訪れました。福田和人飼育員「冬眠明け春から徐々にこう食べさせていって、秋にはもう飽きる迄、で、大体こっちももう蓄えたとなるとあと食べないんすよ。そうっすっともう勝手に眠くなって「あ眠くなってるな」っていうのをこっちが判断したらここ冬眠状態に入ります」。ここで飼育されているクマは約60頭です。いずれも、秋におなかいっぱいのエサを与えて、徐々に食事量を減らすと11月下旬から12月上旬に冬眠に入ります。ただ個体差があって、冬眠中でも人が来ると起きるクマもいます。ライトを消すと、また寝に入るということです。参加者は、薄暗い中、あまり大きな声を出さないようにして、クマを観察したり写真に収めたりしていました。福田和人飼育員「春になったら春のクマの様子を見てもらって、でそういうふうに覚えていって、冬はこういう状態。ってそういうのをわかってもらえれば一番いいのかなっていう所ですね」。くまくま園では、来月末に若いクマから目覚め始め、4月下旬に開園する予定です。
(若手ハンター誕生:長野)
筑北村東条の会社員・窪田隆志さん(31)と丸山智也さん(27)が今冬、それぞれハンターとして地元の松塩筑猟友会本城支部に仲間入りした。父親同士が村役場の同僚で15年ほど前にそろって狩猟の免許を取得したハンター仲間で、それぞれの祖父も現役のハンターだ。2人は共に、3世代で鳥獣被害が広がる地域の山を守ることに意欲を見せる。父親は村職員の窪田信幸さん(61)と丸山一幸さん(50)で、職場の先輩の勧めで平成22(2010)年にハンターとなった。昨年、窪田さんが還暦を迎えたことをきっかけに、それぞれ息子に狩猟に参加するよう勧めた。今冬の猟期では、父親2人が猟友会に入った息子たちに、獲物の足跡の判別や地形の読み方を実地で教えてきた。15日に今冬の猟期を終えた。期間中に鹿2頭を仕留めた智也さんは「子供の頃から祖父と父を身近に見てたので、自分も将来はハンターになるとは思っていた。だがいざ一員となるとやはり不思議な感覚はある」と笑い「代々継げるのは感慨深い。早く一人前になりたい」と意気込む。隆志さんも「最初は獲物を見つけるのは簡単だと思っていた。だが(猟期を通じ)獲物と遭遇するために足跡や気配を追う〝経験〟や山を知る〝知識〟を身に付けなければならないと実感した」と語り「一つずつ覚えていきたい」と前を向いた。村によると、本城支部の会員は22人となり、平均年齢は50代、最高齢は80代となる。
(クマ対策の新兵器「とれんベア」:栃木)
去年、各地で相次いだクマの目撃や被害。“新兵器”が栃木県に向けて輸送開始です。こちらは北海道網走市。箱形の物体が3つ載せられています。きょう、栃木県へ向けて出発したこのトラック。積まれている物の正体は…シティ環境 澤口和人 常務取締役「弊社の『とれんベア』を運搬します」。クマがごみ捨て場を荒らすのを防ぐ新兵器「とれんベア」です。動物園で行った実験では、クマが扉を開けづらい構造になっているため、悔しそうに表面をペロペロするだけ。押し倒すこともできないので、中のごみを荒らすことはできません。シティ環境 澤口和人 常務取締役「(クマは)野生動物ですので、食べられないものに対して労力をかけない。ごみが食べられないとわかれば来なくなる」。お値段は55万円ほどで、北海道では既に13台設置されています。昨年度の1.7倍とクマの目撃が急増している栃木県が試験的に導入することを決めました。北海道以外では初めてのことです。
(イノシシ1頭を駆除:新潟)
上越警察署によると2025年2月26日午前4時40分、新潟県上越市浦川原区でイノシシを目撃したと通報があった。捜索に当たった同署が体長約1mのイノシシを発見し、同日午前7時25分に猟友会によって駆除された。同署によると、新聞配達をしていた男性が同区今熊の住宅街でイノシシを発見し、110番通報した。同署署員が目撃場所付近でイノシシを見つけて追跡し、同区山本の建設中の道路下で、市に依頼された猟友会が駆除した。人や物への被害はなかった。
(突然現れた5頭のイノシシに遭遇の瞬間:新潟)
上越市では、イノシシに襲われケガ人が相次いでいます。県内では、目撃情報も多数寄せられていて、専門家は大雪による影響を指摘しています。2月14日の上越市。女性が仕事帰りに携帯のスピーカーを使って友人と通話していると…突然現れたのは、5頭のイノシシ。すると…まさに猪突猛進。フロント部分に体当たりをして、一目散に逃げていきました。体当たりされた車はイノシシの毛と泥で汚れ、右側のバンパーが外れてしまったということです。上越市内では2月に入り、イノシシに襲われ5人がケガをしています。三和区では、11日に2人、12日に1人。16日には大潟区で2人が続けて襲われました。また、上越市や村上市など県内では目撃情報が相次いでいます。その理由について専門家は“大雪”を指摘します。■長岡技術科学大学 山本麻希准教授「(Q.イノシシが多い原因は?)大雪によるところが大きいと思う。イノシシは高いところに登るのが上手じゃない。道の脇に除雪で高く積もっていると思うが、あれを越えて山に帰れない」。イノシシは一度山から出てきてしまうと、この雪の中では帰り道が分からなくなるといいます。■長岡技術科学大学 山本麻希准教授「(Q.遭遇したときの対処方法は?)1m以上高いところにいると、基本的には襲ってこない動物なので、ぶつかってくる前に距離があったら物陰に隠れるとか、1m以上高いところに登るなどして、最初の衝撃を避けられるようにしていただきたい」。逃げ場がない場合は、後頭部を押さえながら膝を抱え込む防御姿勢をとることが大切だということです。
(JR上越線が一時運転見合わせ:群馬)
26日午後9時20分ごろ、群馬県みなかみ町上牧のJR上越線水上―上牧駅間で、上り普通電車(4両編成)がシカと衝突した。上越線は沼田―水上駅間の上下線で一時運転を見合わせた。JR東日本高崎支社によると、上下2本に最大84分の遅れが生じ、乗客約50人に影響した。
(イノシシが車に衝突、運転手の女性にケガなし:新潟)
26日夕方、柏崎市の県道でイノシシが車に衝突し、車のバンパーが損傷しました。運転手にケガはありません。警察によりますと、26日午後4時半ごろ柏崎市佐水の県道で軽自動車にイノシシ1頭が衝突し、車の前部分のバンパーが損傷しました。運転手の女性にケガはありません。イノシシは体長約1mで、衝突後は長岡市方面の山中に立ち去ったということです。2月に入り、県内ではイノシシに手足をかまれるなどの被害が相次いで発生しています。警察は、イノシシを見かけた場合、影に隠れるなど身の安全を守るとともに110番通報するよう呼びかけています。
(ジビエ料理、岩泉町の財産に:岩手)
岩泉町のおおかわむら地域振興協議会(佐々木久任(ひさとう)会長)は21日、同町の大川基幹集落センターで、ジビエ料理教室を開いた。シカやクマによる農作物被害が増える中、地域の食として定着を図ろうと、おいしく味わう方法を学んだ。町内の15人が参加し、岩泉猟友会副会長の佐々木勝彦さん(67)が講師を務めた。参加者は熊汁とシカ肉の玉ねぎ煮込み作りに挑戦。佐々木さんが肉質の特徴や火の通し具合、肉に適した味付けの方法を解説し、ご飯やサラダと合わせて試食した。佐々木会長(80)は「ここ10年くらいでシカやイノシシが捕れるようになってきた。有効活用するために、食べる方法を学ぶ機会は大切だ」と意義を話した。
(緑豊かな新城市で食す“ジビエ料理”:愛知)
山に囲まれ緑豊かな新城市には野生動物が多く生息し、自然に育まれた栄養満点のジビエ料理が楽しめます。身が引き締まりあっさりとした味わいの鹿肉の中華料理や、脂身を堪能できるしし鍋など、かつてのイメージを覆す進化した絶品ジビエ料理を紹介します。最初に向かったのは、新城市にある道の駅。いのししや鹿といったジビエのほか全国の様々な肉が販売されていました。中にはうさぎといった珍しい肉まで販売されていました。さらに、フードコートには鹿や、いのしし肉を味わえる料理もありました。じっくりと煮込まれた辛口の鹿カレー。そして、いのししの骨からだしをとった しょうゆベースのスープのししラーメンです。チャーシューはもちろん、いのしし。脂身が多い肉と、あっさりとしたスープがマッチしていました。続いて向かったのは、新城市内の観光ホテル。ここでは、地元新城の山でとれた鹿を使った中華料理を味わうことができます。鹿の肉は、高たんぱくでヘルシーなことが特徴で、さらに牛肉に比べて鉄分が2倍にもなります。鹿の肉は身が引き締まり、脂身が少ないことから、油を多く使う中華料理との相性がいいそう。普段は1,2品ほど出しているという鹿料理を、今回は全8種類用意してくださいました!酢豚ならぬ酢鹿や、鹿オイスターソース炒め、鹿チンジャオロース、鹿カツ、鹿カレー、鹿肉だんごから揚げ、鹿肉だんご甘酢、鹿ローストビーフです。中国から新城に来て10年ほどのシェフが中華鍋で調理する料理はどれも絶品!料理に使っている鹿肉のほとんどは、肉が柔らかい小さなメスのものを使用。一方、筋肉量が多く肉が固めのオスはカレーに使用しており、時間をかけて煮込むことでと「ろける牛肉」のような食感になります。肉の加工技術の向上、さらに1週間ほど肉を寝かせて熟成させることで、“ジビエは固いのでは?”といった概念を覆す柔らかさを実現したこちらの鹿肉。においやくせもなく、ジビエ初心者の方でもおいしくいただける鹿料理を味わうことができました。最後に向かったのは、小学校…?ではなく、廃校を再活用してオープンしたレストランです。廃校前はランチルームとして全校児童が集まって昼食を食べていたという場所には、ピアノや黒板がそのまま残されており、当時の面影を感じながら料理をいただくことができます。こちらでは、寒い冬にピッタリのいのしし肉を使ったしし鍋をいただくことに。ぐつぐつの鍋に1枚1枚丁寧にカットされたいのしし肉がのせられていきます。お肉に火が通ったところで、一口。赤みそを使ったコクのあるスープに、いのししの脂身が溶けてうまみが凝縮されています。使っている赤みそは、2年かけて熟成された自家製のもの。しっかりとした味わいながら、体にしみわたる優しい味わいで、ごはんが進むおいしさでした。以前まであったジビエのイメージとは全く異なる、柔らかくておいしいジビエ料理を新城市でたくさん味わうことができました。皆さんもぜひ新城に行った際には味わってみてください。
(ウシ・ブタ・シカ、地場産料理で乾杯:北海道)
登別青年會(辻弘之会長)主催の「のぼりべつ肉フェス2025~ヌプルペッ・ペールエールで乾杯!」が3月7日午後6時から、登別市登別港町の市観光交流センターヌプルで開かれる。今年も登別牛、のぼりべつ豚、登別エゾシカを使った料理を味わいながら、“ぜいたくな地域交流”を行う。肉フェスは辻会長と勝間広靖さんが企画し、昨年初めて開催。地域おこし協力隊の増田好希さんがコーディネートを行い、約70人が地元の1次産品を使った料理に舌鼓を打ちながら、登別の未来について語り合った。今回も立食形式で「登別牛の昆布締め寿司」「札内産豚バラのやきとり」「登別エゾシカの鹿タン焼き」など、登別や白老の飲食店が考案する料理が提供される。登別産ホップ100%の地ビールは、23年産と24年産を用意して味比べもできるようにする。新たな試みとしては、登別ゲストハウス赤と青を貸し切って二次会を開催し、さらに交流を深める。増田さんは「1~3次産業までサプライチェーンに関わる人をつなげる機会にしたい。それを消費者にフィードバックすることができれば」と抱負を話している。
(根室管内産エゾシカ肉、家庭料理に:北海道)
根室振興局は、根室管内産のエゾシカ肉「根室ディア」を使った料理の試食会を3月4日午後1~3時、町総合文化会館で開く。町内の料理人が作った6品を食べてもらい、一般家庭への普及を目指す取り組み。
(高校生が猟友会のメンバーからジビエ料理を教わる:熊本)
野生動物による農作物への被害が後を絶たない中、あさぎり町の南稜高校の生徒たちが猟友会のメンバーからシカやイノシシを使った「ジビエ料理」を教わりました。この料理教室は、あさぎり町で有害鳥獣の被害を防止する活動に取り組んでいる協議会が開いたものです。26日は、南稜高校の総合農業科の70人あまりが参加し、熊本県猟友会上球磨支部のメンバーからジビエ料理の作り方を教わりました。このうち「シシ汁」づくりではごぼうや長ねぎ、それにだいこんなどをだし汁でやわらかくなるまで煮込み、みそとしょうゆで味を調えていきました。また、「シカ肉の竜田揚げ」では、ももの部位を一口大に切り、しょうがやしょうゆなどをなじませ、かたくり粉をまぶして油で揚げ、全員で試食しました。南稜高校では、授業でシカやイノシシを捕獲するわなの設置方法などについて学んだり、18歳になると狩猟免許の取得にも挑戦したりしているということです。狩猟免許を取得した3年生の井上夢来さんは「山が好きで、鳥獣被害を減らしたいと思って免許を取得しました。イノシシやシカの肉はしっかり調理するととても食べやすいです」と話していました。
(ジビエ食のいま)
シカ肉の「もみじ鍋」やイノシシ肉の「ぼたん鍋」、また高級フレンチなど、冬はジビエがおいしい季節だ。近年、野生動物の生息域が拡大し、農作物の深刻な被害が出ているなか、その対策の一環として、国や自治体では、2018年頃からシカやイノシシなどを地域資源として「ジビエ」の利活用を進めている。一方で、ジビエに関心がある人へのアンケートでは「食べたことがない/ほとんど食べない」と答えた人が7割以上となっており、身近な食材とまではいえないのが現状だ。なぜ手に入りにくいのか。その原因や課題をジビエ普及に取り組む団体やレトルトカレーを商品化した企業に取材した。近年、野生動物が人の住む地域に出没するケースが増えている。シカやイノシシ、クマなどの生息域が拡大し、今冬も車との衝突や人里での目撃情報が頻繁に報道されている。野生鳥獣による農作物の被害も大きく、被害額は164億円(2023年度。全体の約6割がシカとイノシシによる)にのぼり、営農意欲の低下や耕作放棄の拡大、離農の増加につながるなど、深刻な影響を及ぼしている。2003年度にはシカ・イノシシの捕獲数があわせて37万頭だったのが、2023年度にはシカが約72万頭、イノシシは約52万頭と増えている。2007年に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(鳥獣被害防止特別措置法)」が制定され、野生鳥獣の捕獲等のさまざまな被害防止のための取り組みが全国で行われている。さらに捕獲した鳥獣を活用して地域活性化を図るべく、2016年「鳥獣被害防止特別措置法」の一部改正では食品としての利用が明記され、地域資源「ジビエ」として利活用の拡大を進めた。しかしながら食肉処理施設でジビエとして食肉加工・流通された割合は約1割(2023年度。ハンターによる自家消費を除く)にとどまる。実際に、Yahoo!ニュースが1月に行った「ジビエに関心がある1000人を対象にしたアンケート」からも、ジビエを食べたいと思ってもなかなか食べる機会がないことがわかった。「ジビエを食べたいか」の質問に、6割以上の人が「食べたい」と答えているのに対し、「どのくらいの頻度(回数)食べているのか」については、「食べたことがない(385人)」と「ほとんど食べない(378人)」が全体の7割以上を占め、「年に1~2回程度(148人)」「半年に1回程度(27人)」「3カ月に1回(21人)」「2カ月に1回(13人)」と続いた。また、「どこで食べたか/入手したか(複数回答)」について聞くと、「旅行先の飲食店で注文(181人)」と「旅行先のホテル/宿で食べた(161人)」が上位で、旅行先での体験が多かった。なかには「自分や知人が捕獲(154人)」もあったが、その場合は狩猟免許が必要になり、一般の人が簡単に捕れる手段ではない。身近な食材として入手するにはハードルが高いことがわかる。自由回答では、「どこで入手できるのか」「機会があれば食べたいが、旅行先くらいしか今は思いつかない」「もっと流通しやすくなればいいと思う」などの声も。必ずしも日常的に食べられるわけではなく、自宅で食べる身近な食材とまではいえないようだ。では、なぜ手軽にジビエ食を楽しむことができないのだろうか。それはジビエが野生動物の肉であるという点に起因している。一つは流通できる個体数そのものが少なく、計画的に増産・生産できないこと。もう一つは衛生管理のハードルが高いことだ。国産ジビエの利活用を進めている非営利団体、一般社団法人日本ジビエ振興協会の常務理事・事務局長の鮎澤廉さんは「野生鳥獣肉の処理加工施設の大半は年間処理数が50頭以下です。取り扱う個体数が少ないわりには、解体してお肉にするまでの作業は多いため、コスト対効果が悪く、従業員も増やせません。ビジネスとして成り立つ施設は実は少ないという状況」と話す。野生鳥獣の食肉について処理加工を行った施設は、全国で772施設(2023年度)ある。飲食店や販売店などでジビエを調理・販売する場合は、食品衛生法に基づく営業許可を取得した施設で解体などが行われた肉を仕入れなければならない。捕獲された野生動物をすぐに施設に運搬する必要があり、国際的な食品衛生管理方法「HACCP(ハサップ)」に沿った徹底した管理のもとで加工・調理・販売へとつなげている。鮎澤さんに聞くと、「野生鳥獣は、家畜と違い生産段階で管理ができないため、何らかの病原体を保有している可能性が高い」という。畜産動物とは異なり、自然相手の野生の動物ゆえに安定供給が難しい。個体差のバラツキもあり、いろいろ条件を満たしたものだけが食肉として流通できる。一定の供給量の確保と大規模な流通を確立するのが容易ではないのだ。しかし、そんな状況のなか、全国に店舗をもつ「無印良品」では、2020年からシカとイノシシの肉を使ったジビエカレーを提供している。最初はカフェなどの店舗で展開し、翌年からはレトルトカレーを販売。ジビエを加工した食品を扱うきっかけなどを、株式会社良品計画の商品開発担当部長・鈴木美智子さんと調味・加工担当の木島有美さんに聞いた。「私たちの商品開発は、地域の役に立つ、課題解決になることがベースにあります。地方に出店していくなかで、害獣被害の話を耳にするようになりました。もともとジビエは日本でも食文化としてありますが、流通にはなかなか乗らない。一方的に動物が悪いわけではなく、共存していくためには、増えすぎてしまったのはある程度なんとかしなければいけない。命が失われていくのであれば、食用にできるかたちで捕らえて、残さずおいしくいただく。その活動ができないかと考えました」(鈴木さん)。シカやイノシシのロースなどの部位はステーキとして高級レストランで提供される。鈴木さんたちは、捨てられてしまう部位があれば、そこを使ってカレーが作れないかと考えた。肉の仕入れ先を検討する中で、害獣被害に地域課題として取り組みつつ、質のよいジビエを提供する企業と出合う。そこで彼らが考えている課題やジビエに関する知識と技術を教わり、両社で時間をかけて話し合いながら、2年越しで商品化に結び付けた。シカとイノシシの肉を使った2種類のカレーは、「ジビエはお肉のクセみたいなものがあるので、それぞれ食べやすい味に設定しました。臭みもなくすような作り方をしています」と木島さん。消費者の反応は、販売当初から自然に受け入れられて、環境などに配慮した商品とあってとくに若い人の関心が高いそうだ。身近な食品であるレトルトカレーだが、コロナ禍で高級レストランでの需要が減り、捨てられる部位を活用していた無印良品も、その影響を受けて販売停止になった期間があったという。供給に対する課題を乗り越えるため、どのような工夫をしているか、また今後の展開をたずねると、「製造数を増やしてたくさん売る商品ではありません。また、単発で発注するだけでは、仕入れ側が準備できず、お肉がすぐに集まりません。しかし、定期的に『無印良品が仕入れる』ことがわかっていたら、仕入れ先もその分お肉を確保する動きができます。毎年必要になるからこそ、よいお肉を集める仕組みを構築し、循環させることが可能になるのです。答えは簡単には出ませんが、今の社会だからこそ考える課題で、続けていくことがとても重要だと思います」(鈴木さん)。一方、衛生管理についてはどのような対策がとられているのか。2018年に農林水産省では「国産ジビエ認証制度」を制定。安全に食べられるように、客観的な審査によって、厚生労働省の衛生管理に関するガイドラインを順守した食肉処理加工施設を認証している。いまは全国に38の施設があり、その施設から出荷したジビエを使った加工業者や飲食店なども国産ジビエ認証マークを使用することが可能だ。鮎澤さんは、ジビエの流通や販売に関する事業をサポートしているなかで、衛生的な食肉を入手するのが難しいという声を多く聞く。もともと山の恵みを楽しみ、感謝して食べる古くからの文化があって、その延長に流通ができたため、ジビエの衛生管理の知識が現場に行き渡っていない。国や自治体が発信する情報に触れないまま食肉処理をしているケースがまだ多くあるという。「日本ジビエ振興協会では、そういった事業者に対して、ジビエの解体処理や衛生管理、調理研修なども行います。解体処理講習会では最近受講者が増えています。自分のやり方がガイドライン通りなのか心配で勉強にきた方もいますよ」鮎澤さんは言う。「ジビエは地域性が楽しめるのも魅力。シカやイノシシのお肉は鉄分や亜鉛が豊富で、またタンパク質など必要な栄養素を効率よく摂取できるので、全世代におすすめしたいです。シャキッとした脂で、そのおいしさにハマる人も多い。より多くの方にジビエを知っていただき、飲食店などで一年を通してジビエが食べられる環境を作っていけたらと思います」。安定供給の難しさを解決するため、加工処理施設同士の連携で同じ衛生管理基準のジビエを集めているところも出てきているそうだ。消費者がジビエを食べることで、捕獲した鳥獣の有効活用へとつながる。天然の肉「ジビエ」を味わう――どのようにして私たちの手元に届いているのか、まずは知ることからはじめよう。
(令和6年度かごしま「ジビエーる丼」フェア:鹿児島)
消費者や実需者の皆様へ捕獲された有害鳥獣が有効な資源であることの理解を深めてもらい,ジビエの認知度向上・イメージアップによるジビエの需要と消費拡大を図ることを目的に,県内の飲食店等において,ジビエの魅力を発信する『かごしま「ジビエーる丼」フェア』を開催しました。かごしま「ジビエーる丼」フェアの特設サイトを構築し,消費者や参加店舗へ向け,フェアの情報やジビエの魅力を発信しました!
(高校生がジビエ肉の調理に挑戦:鳥取)
鳥取市東町2丁目の鳥取西高で26日、1、2年生17人が鹿のジビエ肉を使った調理実習に挑戦した。同校の卒業生でレストランプロデューサーの河崎妙子さんが講師を務め、県産食材の魅力や料理の楽しさを伝えた。
(クマ出没:宮城)
富谷市によると、26日午後5時20分ごろ、富谷市富谷源内にクマが出没しました。
(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、25日午後5時40分ごろ、登米市津山町柳津黄牛比良にイノシシが出没しました。
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(市町村長権限で銃使用可に)
クマが人の生活圏に出没するケースが増加していることを受け、政府は21日、市街地での猟銃使用の条件を緩和する鳥獣保護管理法改正案を閣議決定した。人身被害の恐れがある場合、市町村長の権限で猟銃使用が可能になる。今国会に改正案を提出し、今秋までの施行を目指す。
(豚熱に関するお知らせ:茨城)
茨城県が行った検査の結果、令和7年2月9日に大字芦野倉地内で捕獲された野生イノシシから、豚熱の感染が確認されました。茨城県内で389例目、町内では52例目となり、豚熱の感染が多数確認され警戒が必要となっています。
(“多頭飼育崩壊”脱走した野犬が養鶏場の鶏を襲い208羽が死ぬ:北海道)
1月、北海道網走市の養鶏場が野犬に襲われ、208羽の鶏が死んでいたことがわかりました。野犬は、多頭飼育をしていた佐呂間町の牧場から逃げ出した犬でした。佐呂間町役場によりますと、1月下旬、網走市の養鶏場が野犬に襲われ、鶏208羽が死にました。また、網走市役所によりますと、経営者の男性が野犬を取り押さえた際、腕を噛まれてけがをしました。この野犬は、首輪の番号などから、2023年に200匹以上の多頭飼育が問題となった、佐呂間町の牧場から逃げた出した犬とわかりました。犬を飼っていた佐呂間町の男性(76)「申し訳なかったと思っている。捕まえてくれて感謝している」。野犬を引き取った元の飼い主の男性は「養鶏場側に弁償をしたい」と話しています。
(「森を知らない子グマ」指摘:秋田)
クマの冬眠時期に出没が相次いでいるのはなぜか。元秋田県職員で、NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田一彦理事長(77)は市街地周辺に定着した「都市型」のクマが増えたことが背景にあると指摘する。
(ツキノワグマ捕獲数が最多、「増え過ぎて捕獲が追い付かない。安全確保できぬ」)
広島、山口、島根県での2024年度のツキノワグマ捕獲数が12月末までの9カ月間で既に500頭を超え、過去最多になったことが環境省のまとめで分かった。国は西中国山地に生息する3県のクマを「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定し保護してきたが、近年は個体が増え捕獲が急増している。3県は年間捕獲数の上限目安を計135頭に設定しているが大幅に上回っている。3県の24年4~12月の捕獲数は計522頭。最も多いのは島根の336頭で、23年度1年間より208頭多い。広島は97頭で13頭多く、山口は89頭で35頭多い。3県が合同で管理計画を作った当初の03年度の計49頭と比べると、10倍以上に増えた。許可を得た有害捕獲が3割強、イノシシなどのわなにかかる錯誤捕獲が7割弱だった。山口県では24年度、人がクマに襲われる被害が過去最多の3件発生。目撃件数も791件(1月末時点)に上り、過去最多を更新している。岩国市の美和猟友会の政兼守会長(77)は「クマが増え過ぎて捕獲が追いつかない。管理の仕組みを変えないと、地域の安全を確保できない」と訴える。3県は一貫して続けてきたクマの「保護」政策を22年度、生息域の拡大抑制も視野に入れた「保護管理」政策へ転換した。殺処分できる捕獲数の上限の目安も年間80頭から135頭に引き上げたが、24年度の捕獲数は計画をさらに上回った。3県は25年度、5年に1度の生息調査をする。国は24年度、本州などのツキノワグマと北海道のヒグマを「指定管理鳥獣」に指定。地域の捕獲や頭数抑制に向けた取り組みに交付金を出すなどしている。山口県自然保護課は「広島や島根と協力し、クマの分布の広がりや個体数の増加を科学的に明らかにし、対策を進めたい」としている。
(鳥獣被害対策システム:福岡)
福岡県では、野生鳥獣による農林水産物への被害や、市街地での人的被害を防ぐため、イノシシやシカ、サルといった有害鳥獣の行動域を可視化することで、効率的な被害軽減対策の実施や注意喚起の一助とするためのシステムを開発し、令和7年1月14日から運用を開始しています。皆様から投稿される目撃・被害情報が、野生鳥獣による農林水産物や人的被害の軽減につながりますので、積極的に利用してください。
(猪も鹿も年間1万頭超捕獲、野生動物被害深刻:山口)
野生動物による被害は深刻です。2023年度、山口県内の被害は3億3千8百万円にのぼり、対策の1つとして捕獲が行われています。山口県内では2023年度、イノシシが1万2516頭、シカが1万319頭捕獲されました。しかしながら、県内の狩猟免許の所持者4308人のうち、60歳未満の人が36.9パーセントと高齢化が進んでいて、将来に不安が残るのが現状です。2月、下関市豊田町で「ジビエフェス」が開かれます。狩猟やジビエに関わる人たちの活動には、「活動を知ってもらいたい」という思いがありました。山に囲まれた下関市豊田町。昔から、害獣であるシカやイノシシなどの猟が行われています。ここでは、猟で得た野生鳥獣の食肉・「ジビエ」をテーマにした「ジビエフェス」が2016年から行われ、今年も2月16日に予定されています。10日から20日は「ジビエウィーク」として祭りを盛り上げます。豊田町観光協会事務局・下口裕美さん「イノシシや鹿は田畑を荒らす有害鳥獣として捕獲されているわけですけど、そのお肉をですね、ジビエ料理であったり加工品であったり、有効活用しておいしく召し上がっていただくということや、そこに関わっていらっしゃる方の取り組みや現状なんかも知っていただけるようなイベントにしていきたいなと思っております」。下関市の猟師・河野拓磨さんです。河野さんは兵庫県出身。学生時代、狩猟に興味を持って猟銃の免許を取得しました。卒業後、下関市で地域おこし協力隊員として活動しています。今回の「ジビエフェス」に猟師として参加する予定です。下関市地域おこし協力隊 猟師・河野拓磨さん「若い人のハンターが少ないんで若い人がやってるのを少しでも認知してもらえたら。僕も狩猟の仲間、若い人がいないんで、興味を持ってもらうきっかけになるかなって思って…」。この日は会場となる道の駅で、当日の打合せを行っていました。河野さん「鹿、1回での出産の頭数、知ってます?1回で何頭生まれるか…」。河野さんは自身の猟師としての体験や現状、課題を話し、狩猟やジビエについての理解を深めてもらいたいと考えています。河野さん「ジビエフェスではクイズを通して、軽いジビエの知識と今の狩猟の問題、課題だったりとかを知ってもらえたらなって感じで…。今、山口県に鹿が何頭いるか、3択で出題するとか。実際、当日は会場でみなさん、バーベキューで食べられると思うんで、どこの部位かについての問題を出そうかなと思ってます」。ジビエウィークでは旧豊田町内の4つの飲食店で、ジビエグルメが提供されています。「レストラン万作」では鹿の肉を使った限定メニューを作りました。道の駅 蛍街道西ノ市 飲食課・藤田愛美課長「ジビエ自体が堅くて匂いが気になるという方が多くて、そういったイメージがあると思うんですけど、それを食べやすく親しみやすい料理にすることを心がけております」。こちらは「鹿麻婆豆腐定食」。鹿のひき肉をふんだんに使ってお肉の風味をしっかりと味わえる辛さを抑えたマーボー豆腐です。また「鹿カツカレー」は柔らかい鹿のモモ肉をフライにすることでジビエ特有の臭みもなく、ジューシーな味わいを楽しむことができます。藤田課長「とにかくジビエというもの自体がすごく気軽に食べれるものなんだよっていう、味を少しでも知っていただけたらなというふうに思います」。このほか、好評の「100円ジビエバーベキュー」などたくさんの関連イベントが行われます。豊田町観光協会事務局・下口裕美さん「フェスの中では、地元の高校生考案のジビエナゲットの振る舞いや、鹿の角を使ってワークショップをしたり、一日楽しんでいただけると思いますので是非みなさん、お越し下さい」ジビエフェスが開かれる道の駅には休日、およそ3000人が訪れます。河野さんも、猟師の仕事やジビエへの理解が多くの人に広がることを期待しています。河野さん「ジビエフェスでジビエを食べて獲ってみたいっていう方が増えればハンターの人口増加にもつながりますし、他の人にジビエ、イノシシ、鹿、おいしかったよって言ってもらえたらハンターからしても新しいビジネスにつながったりとか、需要が増えたらうれしいなと思います」。
(新規ハンターの確保を、初心者向けの講座を開催:長野)
野生鳥獣による農林業被害を減らそうと、ハンターを目指す人を対象とした初心者向けの講座が、長野県庁で開かれました。講座は、狩猟への関心を高め、新たなハンターの確保につなげようと、県が専門の業者に委託して初めて開いたものです。県内では昨年度、ニホンジカやツキノワグマなどによる農作物や森林などへの被害が7億9千万円余りに及んだ一方で、ハンターの数は減少傾向が続いています。150人の応募に対して55人が受講し、獲物をワナにかける方法や、狩猟をする際の注意点などを学びました。県は、今後も講座などを定期的に開催し、関心を高めていきたいと話していました。
(女性ハンター育成に注力:岡山)
岡山県は有害鳥獣対策の一環として、女性ハンターの育成に乗り出す。高齢化などを背景に全体の狩猟者が減少する一方、ハンターの大半が加入する県猟友会の女性会員は123人(1月末時点)。
(狩猟のイベント『狩猟の窓口』:福岡)
現役のわな猟師がこれから狩猟を始めるための出猟までの導線を示すとともに、わな猟の実践的な方法を話す。また若手狩猟者のための猟師コミュニティや実践的な狩猟カリキュラムを提案する。定員10名。
(古里で獣害対策に奔走・元箱根ランナーの市職員、中山裕貴さん:千葉)
学生時代は陸上競技に打ち込み、最終学年で念願だった箱根駅伝に出場。現在は古里の鴨川市に戻り、県南部で深刻な被害をもたらしているイノシシなどの有害鳥獣対策に汗を流す。「農家の人だけでなく、市民のために貢献していきたい」と力を込める。市で生まれ育ち、中学生までは球技に親しんだ。中学の頃に駅伝大会に参加した経験もあり、高校から陸上競技に転向。「大学でも続けたい」と、進学した国士舘大学でも陸上部に入った。
(住宅街の保育園隣接地に連日イノシシ出没、すぐに駆除や捕獲できない事情が:熊本)
天草市の住宅街に現れたイノシシの姿をKKTのカメラがとらえました。エサを探しているのか、農地を掘り起こしています。実はこの場所は保育園の近くで、不安の声が上がっています。イノシシが現れたのは県道本渡牛深線沿いの住宅街。近くには商業施設もあります。保育園の周辺では連日イノシシが目撃されていて、不安が広がっています。対応に頭を悩ませているのが天草市です。すぐに駆除や捕獲に乗り出せない事情があるといいます。天草市農業振興課 緒方健吾参事「住宅地と保育園が近くにあるということで、銃器等を使用した捕獲は難しい。わなを設置すると他の個体も引き寄せてしまう可能性があるので、天草市では住宅地等での積極的な箱わなの設置は行っていません」。天草市のイノシシの捕獲頭数は例年、6000頭から7000頭で推移しています。しかし、今年度は12月までに8500頭にのぼり、過去最高のペースだといいます。行政だけでなく、地域の力にも頼らざるをえない状況です。天草市農業振興課 緒方健吾参事「耕作放棄地で特に水場があるイノシシの好む環境になっているので、地域の方でイノシシの寄り付きにくい環境を整備していただくことが大事」。住宅街でイノシシが目撃されているのは、天草市だけではありません。熊本市では今年、これまでに8件の目撃情報が寄せられているということです。熊本市によりますと、イノシシはこの時期、エサを求めて住宅街に出没するケースがあり、家庭菜園などの野菜くずや果物を放置すると寄ってきやすく、適度な収穫や片付けが必要だということです。また、イノシシを見かけでも刺激せず安全な場所に移動してほしいと呼びかけています。
(公園でイノシシ駆除:沖縄)
バンナ公園内でのイノシシ繁殖による農作物被害が周辺ほ場で相次いでいることを受け、石垣市農政経済課は昨年12月24日から、バンナ公園内東側の市有地(生活環境保全林)でくくりわなによる駆除を県猟友会石垣地区に依頼して実施しており、21日までに26頭を捕獲した。予想以上の効果が出ていることから生息密度が高いとみられる。当面はわなによる駆除を継続し、市有地以外のエリア拡大も検討する。バンナ岳一体は、狩猟実施可能な場所となっているが、公園の整備開始に伴い30年余りにわたって自粛していることから、イノシシなど有害鳥獣の繁殖で近隣のほ場が農作物被害を受けているほか、公園内の芝や植物も掘り起こされる事態も発生している。同課によると、昨年4月からことし2月21日までにバンナ公園に近い名蔵地区の農家10戸から駆除依頼が出ており、さとうきびや水稲、パインアップルなど921平方㍍で被害の報告がある。同課は昨年12月15日、公園内で猟銃を使った猟友会による駆除を計画したが、手続きや安全対策などに課題があったため中止。公園管理者の県都市公園課などと調整した結果、年度内は猟銃による駆除を見合わせ、わなによる捕獲を実施することになった。同年12月24日、猟友会に許可証と従事者証を交付し、市有地内で人の立ち入りがなく獣道とみられる場所90カ所にわなを設置した。猟友会のわな班がほぼ毎日チェックを行っており、これを3月末まで継続する。この間の生息状況や駆除効果を確認した上で猟銃による駆除を行うかどうか協議する。さらに現在のわなの設置エリアは公園東側の市有地で公園面積300㌶の3分1程度となっていることから、広範囲での駆除も検討する。松川英樹課長は「バンナ公園内はイノシシの棲み場となっていると考えられる。管理者の県と十分に協議しながら安全を最優先に駆除を実施し、農作物被害の軽減に努めたい。今後はクジャクについても対策の広げたい」と話している。
(突然イノシシが車へ体当たり、5頭が列をなして現れる:新潟)
夜道に現れたのは複数のイノシシ。運転手の運命やいかに。仕事帰りに車を走らせていた時のこと。運転していた女性は携帯のスピーカー機能を使用して友人と通話していました。すると…。前方から向かってきたのはイノシシ。しかも1頭だけではありません。突然の出来事に停車。すると…。これぞ猪突猛進。フロント部分に体当たりしてきました。先頭のイノシシが車にぶつかった後、小さいイノシシを含めて5頭が一目散に逃げていきます。家族なのでしょうか。女性にけがはありませんでしたが、体当たりされた車はイノシシの毛と泥で汚れ、右側のバンパーが外れてしまったといいます。新潟県上越市ではイノシシの目撃情報が相次いでいて、2月に入ってから5人の負傷者が出ています。女性のもとにも安全を呼び掛けるメールが来ていたといいます。その後、警察に通報した女性。物損事故となったそうです。
(シカの角研ぎ跡とクマの爪研ぎ跡、1本の木に:青森)
青森県五戸町大学沢のリンゴ園で、ニホンジカの角研ぎ跡とツキノワグマの爪研ぎ跡が並んでいる木の幹が見つかった。県南地方でニホンジカの目撃情報は急増しているが、角研ぎ跡を見た人は少ないとみられ、山の専門家は「人が襲われる危険性はツキノワグマの方が高い。ニホンジカとツキノワグマの研ぎ跡の違いを理解して、冷静に対処してほしい」と話している。場所は国道4号から西に約500メートル入った、十和田済誠会病院(十和田市)が運営する済誠会農園。国道の東側には旧五戸高校の校舎がある。同病院法人事業部管理課の工藤秀信主任によると、ツキノワグマの爪研ぎ跡は7年ほど前のもので、4本の線が等間隔で上から下に続いている。発見当時はクマの毛も付着していた。同農園付近にはツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシ、テンなどいろいろな野生動物がいるという。同農園でニホンジカの角研ぎ跡は1月初めに見つけた。その写真を東北巨木調査研究会の高渕英夫会長(十和田市)が交流サイト(SNS)に「ツキノワグマの爪研ぎ跡」として投稿したところ、県外の識者から、ニホンジカの角研ぎ跡ではないか-と指摘された。2月17日に工藤主任、高渕会長とともに現地を取材すると、同じ箇所に新たに角を研いだ、生々しい痕跡があった。確認できるもので7本あり、交差している部分もある。最も長い跡は約60センチ、深さは1センチ余り。東奥日報が北里大学獣医学部動物生態学研究室の岡田あゆみ教授に鑑定してもらうと、「幹の右側の新しい痕跡はシカの角研ぎの痕跡で間違ない」と回答が寄せられた。工藤主任は昨年夏、この木の近くで、ニホンジカの群れ5頭と10メートルほどの距離で遭遇している。「シカは目が悪いらしく、近距離でないと人に反応しないので、慌てない方がいいと思う。一方、ツキノワグマは人間を見えない場所から観察して、5メートルほどの距離でも一瞬で詰めて襲ってくる。警戒が必要」と両者の違いを語る。高渕会長は「ニホンジカで角があるのは雄のみ。人が襲われる危険性は、ツキノワグマの方がはるかに高い。木に付いた跡からシカかクマかを判断して、いわば、冷静に恐れてほしい」と呼びかけている。
(畑の野菜が大量に食い荒らされる被害が相次ぐ:宮崎)
ブロッコリーやキャベツなど、宮崎県内で畑の野菜が大量に食い荒らされる被害が今年、相次いでいます。その犯人は身近な生き物でした。綾町の農家、福重太陽さん。今年に入りブロッコリーとキャベツが、食い荒らされる被害にあっている。ブロッコリーを見てみると、ほとんんどの葉がぼろぼろになってしまっている。ブロッコリー本体は食べられていないものの、周りの葉などが食べられ、出荷できる状態のものでも通常と比べて小ぶりになっているという。被害にあっていないものと比べると一目瞭然だ。また、多くのキャベツも被害にあっている。今年、キャベツは半分ほどが出荷できなかったという。福重さんだけでなく、今年はこの一帯すべての農家が、被害にあっているという。畑の近くを見回ってみると、すぐにその犯人が現れた・・・。今年、県内で相次いでいる、畑の野菜が大量に食い荒らされる被害。綾町の農家、福重さんと畑の周りを歩いてみると現れたのが…野菜を食い荒らしている犯人…それは、ヒヨドリだ。ヒヨドリは全国に分布する鳥で、木のあるところなら市街地でも見かけることも多い鳥だ。ヒヨドリによる被害は宮崎市でも。こちらの畑で、ブロッコリーを栽培している八田京子さん。去年は被害がなかったそうだが、今年は多くのヒヨドリが畑に現れるという。取材した1時間ほどでも多くのヒヨドリが現れた。この畑では、なんとブロッコリーの8割ほどが被害にあったという。今年のヒヨドリの状況について専門家に聞いた。(日本野鳥の会・宮崎県支部 中村 豊 副支部長)「そうですね。今の時期にこういう里地で、これだけ大量にっていうのはちょっと異常かもしれないですね」。一般的にヒヨドリは寒さに合わせて北海道や本州から九州に南下するものや、山で繁殖し、一年中宮崎にいるものもいるという。では、なぜ今年は、大量のヒヨドリが現れるのだろうか。(日本野鳥の会宮崎県支部 中村 豊 副支部長)「去年の夏は暑かったので、木の実があんまりできなかったっていうことも考えられます。山手の方で食べるエサがなくなって、エサを求めて里地に降りてきた。今度は逆に冬になってきたら、寒波がすごくて、そのせいで向こうで生活できなくて普通よりも数多くヒヨドリが南の方の宮崎に渡ってきた」。ヒヨドリによる被害拡大の原因は、猛暑と寒さによるものだと推測されるという。(日本野鳥の会宮崎県支部 中村 豊 副支部長)「どうしてもヒヨドリも生活しないといけないので、人間は、何とか手立てがわかるでしょうけども、鳥はそこから離れて、エサのあるところに行くしかないと思いますので・・・」。取材した2人の農家は、ヒヨドリの被害が続くようであれば、栽培する野菜を変えたり、ネットを張ったりする必要があると悩んでいる。
(駆除されたシカやクマの肉を使ったジビエ料理教室:岩手)
岩泉町で農作物の被害を防ぐため駆除されたシカやクマの肉を特産品として生かそうと、ジビエ料理の教室が開かれました。岩泉町では年々、野生動物による農作物の被害が増えていて、駆除される動物の数も増加しています。こうした中、北上山地のほぼ中央にある大川地区では、廃棄されることが多かったシカやクマ、それにイノシシの肉を使ったジビエ料理の普及に取り組んでいます。21日の料理教室には住民など15人が参加し、地元の猟友会の佐々木勝彦副会長の指導のもと、地元で古くから食べられている「クマ汁」と「シカ肉とタマネギの炒め物」を調理しました。佐々木さんは、クマ肉は脂が多いので脂を切り取り、少なくすることで臭みがなくなることや、シカ肉は味が淡泊なのでタレにつけ込こんでから焼くことでおししさが増すことなどを説明し、参加者は興味深く話を聞いていました。その後、出来上がった料理をみんなで食べ、古くから伝わる地元のまたぎ料理を楽しんでいました。参加した20代男性は「ジビエ料理が好きで参加しました。とてもおいしかったです」と話していました。地元の地域振興協議会の佐々木久任会長は「岩泉町ではシカやクマが沢山とれるので、地域の産業、特産品になればと思います。この料理がそのきっかけになれば」と話していました。
(予約なしで気軽にジビエ料理を味わえる道の駅:岩手)
岩手県西和賀町の道の駅で、地域のマタギ文化を多くの人に伝えようとクマやシカの肉を使ったジビエ料理の特別メニューの提供が始まりました。地域の伝統文化を「食」で発信します。西和賀町にある「道の駅錦秋湖」です。こちらの施設で1月から提供されているのが…その名も「マタギ御膳ブナ」。鍋の中にはたっぷりの赤身肉。この肉の正体は?(道の駅錦秋湖 増岡幸樹店長)「マタギセットというだけあって、ジビエのセットになっております。メインとなっているのが鍋で、こちらがクマ肉の鍋になっております。あとは大槌産のシカ肉を使いました鹿カツ 鴨肉のローストをお付けしています」。ジビエ料理の他にも、町内で採れた西ワラビやキノコ、行者ニンニクなど地域自慢の山の幸も味わえるメニューとなっています。このメニューの提供を始めた背景には、地域の伝統文化を多くの人に伝えたいという思いがありました。(道の駅錦秋湖 増岡幸樹店長)「もともと昔から西和賀町にはマタギの文化があった。地域の道の駅としてマタギの文化というものを食として継承していきたいなという思いから始めました」。マタギとは山の神を大切にする山岳信仰に基づき、伝統的な技法でクマやシカを狩猟する集団のことで、西和賀町ではかつて多くの「沢内マタギ」が生活していました。町内の碧祥寺の境内にある博物館には、この沢内マタギにまつわる1000点近くの資料が展示されていて、厳しい自然の中で生きてきたマタギたちの生活の様子を知ることができます。特に山を神の領域ととらえ、クマやシカなどの動物や山菜などの恵みを大切に守っていたことが資料からは読み取れます。(碧祥寺 太田宣承住職)「このきれいな西和賀 沢内 湯田の景観が保たれてきたのは過去の方々が山を大事にしてきたということが必ずあるので、この風景が本当に美しいなと思った時に守ってきた方々の歴史がここにあるよというのは伝えていきたい」。現在、マタギを生業とする人はいませんが、その文化や風習は地域に今も色濃く残っています。道の駅錦秋湖ではマタギ文化を後世に伝えようと、これまでにクマの脂を使った商品や、シカ肉の加工品などを販売してきました。ジビエ料理は2024年始まり、現在は6種類が提供されています。最初に提供が始まったのは、クマ肉を使ったそばやカレーなどで、隣接する秋田県から仕入れたクマ肉を丁寧に下処理することで臭みも少なく、若い人からも人気です。そして1月提供が始まった「マタギ御膳ブナ」は、味噌ベースのスープにクマ肉の脂が溶け込んだ濃厚な味わいが自慢の鍋に、噛めば噛むほど肉のうまみが広がるシカ肉のカツを楽しむことができます。県内には予約をすればジビエ料理を食べられる店は多くありますが、予約なしで気軽にジビエ料理を食べることができるのが道の駅錦秋湖の魅力のひとつです。(道の駅錦秋湖 増岡幸樹店長)「その日ぽんと行って熊肉が食べられるところがそうそうない今のシーズンは雪景色なんですけど、まさに西和賀の自然そのものをこのメニューで味わっていただけたらうれしい」。西和賀町に伝わるマタギ文化を「食」を通して感じてみるのはいかがでしょうか?道の駅錦秋湖では1年を通してジビエ料理が楽しめます。また碧祥寺博物館は3月末まで冬季休館中ですのでご注意ください。
(房総ジビエフェア2025:千葉)
「サステナブルでおいしいジビエ料理」をコンセプトとして開催された第7回房総ジビエコンテスト。書類選考を勝ち残った5名のファイナリストの中から「最優秀賞」「優秀賞」に選ばれたメニューをご紹介します。千葉の野山にはたくさんの野生鳥獣が住んでいます。その動物たちが食べ物を求めて農家の田畑を荒らすのです。その農作物被害金額は、約3.3億円。千葉県では野生鳥獣被害対策の一環として、県内で捕獲され、野生鳥獣肉に係る衛生管理ガイドラインに沿って適正に処理加工されたイノシシやシカの肉を「房総ジビエ」と銘打ち、飲食店での活用や開発を進めています。野生鳥獣被害対策で捕獲したイノシシやシカを破棄するのではなく、食材として活用し、おいしくいただくことでSDGsにも貢献できるのです。「サステナブルでおいしいジビエ料理」をコンセプトとして開催した本コンテストには、飲食店の料理人から26作品の応募があり、書類審査及び実食審査を実施し、最優秀賞1名(千葉県知事賞)、優秀賞1名(千葉県農林水産部長賞)を決定しました。
(農村の鳥獣被害を防止しつつ、おいしいジビエ肉提供:京都)
垣内規誠(かきうち・ただまさ)さん(64)=京都府福知山市三和町=は、猟師をしながら、ジビエ処理施設「京丹波自然工房」を京都府京丹波町内で運営する。農村の鳥獣被害防止やジビエ活用に貢献した団体に贈られる鳥獣対策優良活動表彰で農林水産大臣賞を本年度受けた。京都市中京区生まれ。兵庫県宝塚市で高校まで育った。狩猟との出合いは小学生の頃。府内で猟師をしていた親戚の姿を見て「自分も狩りをしたい」と志した。27歳で猟師の免許を取得。「せっかく免許を取ったのだから、田舎で暮らそう」と、当時の勤務先と猟師生活が両立できる福知山市三和町へ移住した。ただ、子どもの頃とは狩り場の環境は随分と変わっていた。「整備が行き届かず、日当たりが悪くなった山では、動物たちの食べる下草が減った。食料を求めて里山に出てきたり、温暖化で冬を越したりする動物も増えた」。田舎での家探しに苦労した自らの経験を生かし、田舎暮らし専門の不動産会社「アートキューブ」(京丹波町塩田谷)を2007年に設立。シカやイノシシを解体処理できる「京丹波自然工房」を12年に併設した。捕獲した動物の状態を記録し、解体工程ごとに処理する部屋を分けるなど、新鮮な肉を確保するための衛生管理を徹底する。食肉に向かない部位はペットフードに加工することで廃棄物を減らす。微生物で分解処理する新施設も18年に稼働させた。狩猟やジビエの普及を目指して各地の講習会で講師を務める。体験を記したハンターのためのガイドブックを出版するなど、技術の継承に力を注ぐ。昨年11月、ジビエ肉やペットフードをそろえたショップを敷地内にオープンさせた。将来的には簡単なジビエ料理を提供できるカフェも構想する。「他の地域の人から『ジビエはおいしい。京丹波に行ってみたい』と思われるような場所にしていきたい」。
(絶品ジビエ「鹿肉担々麺」を実食:長野)
風光明媚な信州は、ロードツーリングやサイクリングなど、多くのライダーが訪れる地域です。春から秋までのグリーンシーズンの長野県大町市と言えば、爺ヶ岳スキー場ではかつて国内最大規模のエンデューロレースのエントリーを集め、また関東や近畿のオフロードライダーに人気の高い大町チャレンジフィールドなどがあることでも知られています。今回訪れたのは、ウインターシーズンの温泉・宿泊施設「ぽかぽかランド美麻」です。長野駅方面からここまでしっかり除雪されていたので無事にたどり着くことができました。トレーラーハウスや日帰り温泉などもあり、青木湖や木崎湖からクルマで20分と近く、多くの観光客が訪れるスポットでもあります。ここでのお目当てはランチです。食堂の券売機を見ると、ジビエ料理をアピールするポスターが貼られ、鹿肉を使用した「鹿ハンター飯」(980円)が平日限定ランチとして提供されていて、脳内はすっかりジビエになっていました。オーダーしたのは日替わりランチの「鹿肉担々麺」です。近年は全国的に鹿が増え過ぎているとも報じられていますが、それはともかく、森の恵みに感謝しながら鹿肉をいただくことにします。新鮮な鹿肉は臭みもなく、独特な甘み、肉の旨みがあり、とても食べやすく美味しいものでした。大町では過去にも何度か鹿肉ステーキや鉄板焼きを食べたことがありますが、このひき肉状の鹿肉もまた美味です。担々麺の辛味とマッチしていて、肉の主張が強過ぎず全体的なバランスが秀逸でした。仕上がりの見た目も美しく、鹿肉以外の具材も丁寧で、とても好印象でした。
(人も愛犬もシカ肉を:兵庫)
シカ肉を食べることによる健康効果を広めようと、兵庫県丹波市春日町のシカ肉料理店「無鹿リゾート」とシカ肉を使ったペットフード製造販売会社「EGサイクル」(同市山南町)がコラボしたイベントが、無鹿リゾートで開かれた。阪神地区を中心に18人とその愛犬13匹が訪れ、飼い主にはシカ肉のコース料理を振る舞い、愛犬にはシカの生肉などを提供した。シカ肉の栄養価の高さを知ってもらい、特産としてシカ肉の利用を深めようと企画。ミニチュアダックスフントやヨークシャテリアなど、様々な犬種が飼い主と共に参加した。愛犬には、生肉のほか、内臓や野菜を使ったフードも用意した。姫路市の姉妹は、ポメラニアンの愛犬と参加。2人は「(愛犬は)ぺろりと食べていた」と笑顔を見せ、「シカ肉は臭みがなく、歯ごたえがあっておいしかった」と話していた。EGサイクルの神保あゆさんは、「人も愛犬も、シカ肉はおいしいと感じてくれたようで良かった。食べることを続けてみようと思ってもらえて、有意義な企画だった」と話した。無鹿リゾートの鴻谷佳彦代表は、「鹿肉に関心が高い参加者ばかり。シカ肉の良さを伝えられたと思う」と話していた。
(捕獲イノシシ使いラーメン:福井)
福井市殿下地区で自伐型林業に取り組む一般社団法人「こしのくに里山再生の会」は、同地区で捕獲されたイノシシを使ったラーメンを同市畠中町の「かじかの里山殿下」で提供している。冬季限定。
(エゾシカのレトルトカレー完成:北海道)
むかわ町の鵡川高校(柳本高秀校長)の3年生3人が地域課題探究学習「むかわ学」で研究開発していたエゾシカの肉を入れたレトルトカレー「三氣カレー」が完成した。19日に町美幸の四季の館たんぽぽホールで先行販売すると、用意した30個が完売する人気となった。レトルトカレーの開発者は、成田駿汰さん(18)、藤丸健太郎さん(18)、古川慶三朗さん(18)。町内の猟師や農業者に協力してもらい、エゾシカや町産タマネギを使用し、食べやすい味や食感のカレーを研究。10月に試作品ができると、札幌市内で行われたエゾシカ肉の研修に参加し、パッケージや販路について学習。今月上旬に商品として完成させ、小樽市の業者が230個を生産した。パッケージは、表面にエゾシカのイラストを大きく載せ、協力してくれた生産者や製造業者のロゴも掲げた。裏面には製作にかけた思い、農業者や猟師を紹介するQRコード、栄養表示などを記載している。価格は1個600円。今後、3月1日に行われる同校の卒業式後に校内で販売するほか、札幌市内のホテルでイベントが開催される時などに出展を計画する。町春日の鹿肉処理場「むかわのジビエ」はオンライン販売を予定している。同校の木村亮仁教諭は「生徒たちが考えて商品を完成させることができた。学習の成果は、後輩たちが食品開発を行う際、役立つ事例となる」と評価している。
(エゾシカ肉料理に挑戦:北海道)
生産者や流通事業者らでつくる地産地消くしろネットワーク(事務局・北海道釧路市)は21日、市生涯学習センターのクッキングスタジオでジビエ料理教室を開いた。調理師と管理栄養士の資格を持ち、医療や福祉施設の給食をつくる製造者向けの調味料などを手掛ける「イーアンドイート」の加徳良太代表を講師に、釧路産のエゾシカ肉を使用した料理の作り方を学んだ。同ネットワークは、地場産品を地元で消費してもらうことを目的に活動し、料理教室は普及の一環として定期的に実施している。これまでは年1回としていたが、今年度は2回目としてエゾシカ肉に特化した教室を開いた。この日は、釧路市内から17人が参加。加徳代表がシカ肉のスジを外し、2・5㌢の大きさに切るなどの手順を実演した後、参加者は3~4人ずつ5班に分かれて調理した。シカ肉を使ったグーラッシュやメンチカツ、コンソメスープなどに挑戦。料理が完成した後は試食を楽しみ、エゾシカの栄養価についても学んだ。市内から参加した兒玉果歩さん(29)は「エゾシカの料理をしたことがなかったので、一から学ぶことができて勉強になった。レパートリーも増えて、今後はシカ肉も使ってみたい」と話した。同ネットワークの石田洋野主事は「機会があれば、エゾシカのことについてどんどん関心を持ってもらいたい」と話していた。
(獣駆除対策としても注目される野生動物の肉)
シカ肉の「もみじ鍋」やイノシシ肉の「ぼたん鍋」、また高級フレンチなど、冬はジビエがおいしい季節だ。近年、野生動物の生息域が拡大し、農作物の深刻な被害が出ているなか、その対策の一環として、国や自治体では、2018年頃からシカやイノシシなどを地域資源として「ジビエ」の利活用を進めている。一方で、ジビエに関心がある人へのアンケートでは「食べたことがない/ほとんど食べない」と答えた人が7割以上となっており、身近な食材とまではいえないのが現状だ。なぜ手に入りにくいのか。その原因や課題をジビエ普及に取り組む団体やレトルトカレーを商品化した企業に取材した。近年、野生動物が人の住む地域に出没するケースが増えている。シカやイノシシ、クマなどの生息域が拡大し、今冬も車との衝突や人里での目撃情報が頻繁に報道されている。野生鳥獣による農作物の被害も大きく、被害額は164億円(2023年度。全体の約6割がシカとイノシシによる)にのぼり、営農意欲の低下や耕作放棄の拡大、離農の増加につながるなど、深刻な影響を及ぼしている。2003年度にはシカ・イノシシの捕獲数があわせて37万頭だったのが、2023年度にはシカが約72万頭、イノシシは約52万頭と増えている。2007年に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(鳥獣被害防止特別措置法)」が制定され、野生鳥獣の捕獲等のさまざまな被害防止のための取り組みが全国で行われている。さらに捕獲した鳥獣を活用して地域活性化を図るべく、2016年「鳥獣被害防止特別措置法」の一部改正では食品としての利用が明記され、地域資源「ジビエ」として利活用の拡大を進めた。しかしながら食肉処理施設でジビエとして食肉加工・流通された割合は約1割(2023年度。ハンターによる自家消費を除く)にとどまる。実際に、Yahoo!ニュースが1月に行った「ジビエに関心がある1000人を対象にしたアンケート」からも、ジビエを食べたいと思ってもなかなか食べる機会がないことがわかった。「ジビエを食べたいか」の質問に、6割以上の人が「食べたい」と答えているのに対し、「どのくらいの頻度(回数)食べているのか」については、「食べたことがない(385人)」と「ほとんど食べない(378人)」が全体の7割以上を占め、「年に1~2回程度(148人)」「半年に1回程度(27人)」「3カ月に1回(21人)」「2カ月に1回(13人)」と続いた。また、「どこで食べたか/入手したか(複数回答)」について聞くと、「旅行先の飲食店で注文(181人)」と「旅行先のホテル/宿で食べた(161人)」が上位で、旅行先での体験が多かった。なかには「自分や知人が捕獲(154人)」もあったが、その場合は狩猟免許が必要になり、一般の人が簡単に捕れる手段ではない。身近な食材として入手するにはハードルが高いことがわかる。自由回答では、「どこで入手できるのか」「機会があれば食べたいが、旅行先くらいしか今は思いつかない」「もっと流通しやすくなればいいと思う」などの声も。必ずしも日常的に食べられるわけではなく、自宅で食べる身近な食材とまではいえないようだ。では、なぜ手軽にジビエ食を楽しむことができないのだろうか。それはジビエが野生動物の肉であるという点に起因している。一つは流通できる個体数そのものが少なく、計画的に増産・生産できないこと。もう一つは衛生管理のハードルが高いことだ。国産ジビエの利活用を進めている非営利団体、一般社団法人日本ジビエ振興協会の常務理事・事務局長の鮎澤廉さんは「野生鳥獣肉の処理加工施設の大半は年間処理数が50頭以下です。取り扱う個体数が少ないわりには、解体してお肉にするまでの作業は多いため、コスト対効果が悪く、従業員も増やせません。ビジネスとして成り立つ施設は実は少ないという状況」と話す。野生鳥獣の食肉について処理加工を行った施設は、全国で772施設(2023年度)ある。飲食店や販売店などでジビエを調理・販売する場合は、食品衛生法に基づく営業許可を取得した施設で解体などが行われた肉を仕入れなければならない。捕獲された野生動物をすぐに施設に運搬する必要があり、国際的な食品衛生管理方法「HACCP(ハサップ)」に沿った徹底した管理のもとで加工・調理・販売へとつなげている。鮎澤さんに聞くと、「野生鳥獣は、家畜と違い生産段階で管理ができないため、何らかの病原体を保有している可能性が高い」という。畜産動物とは異なり、自然相手の野生の動物ゆえに安定供給が難しい。個体差のバラツキもあり、いろいろ条件を満たしたものだけが食肉として流通できる。一定の供給量の確保と大規模な流通を確立するのが容易ではないのだ。しかし、そんな状況のなか、全国に店舗をもつ「無印良品」では、2020年からシカとイノシシの肉を使ったジビエカレーを提供している。最初はカフェなどの店舗で展開し、翌年からはレトルトカレーを販売。ジビエを加工した食品を扱うきっかけなどを、株式会社良品計画の商品開発担当部長・鈴木美智子さんと調味・加工担当の木島有美さんに聞いた。「私たちの商品開発は、地域の役に立つ、課題解決になることがベースにあります。地方に出店していくなかで、害獣被害の話を耳にするようになりました。もともとジビエは日本でも食文化としてありますが、流通にはなかなか乗らない。一方的に動物が悪いわけではなく、共存していくためには、増えすぎてしまったのはある程度なんとかしなければいけない。命が失われていくのであれば、食用にできるかたちで捕らえて、残さずおいしくいただく。その活動ができないかと考えました」(鈴木さん)。シカやイノシシのロースなどの部位はステーキとして高級レストランで提供される。鈴木さんたちは、捨てられてしまう部位があれば、そこを使ってカレーが作れないかと考えた。肉の仕入れ先を検討する中で、害獣被害に地域課題として取り組みつつ、質のよいジビエを提供する企業と出合う。そこで彼らが考えている課題やジビエに関する知識と技術を教わり、両社で時間をかけて話し合いながら、2年越しで商品化に結び付けた。シカとイノシシの肉を使った2種類のカレーは、「ジビエはお肉のクセみたいなものがあるので、それぞれ食べやすい味に設定しました。臭みもなくすような作り方をしています」と木島さん。消費者の反応は、販売当初から自然に受け入れられて、環境などに配慮した商品とあってとくに若い人の関心が高いそうだ。身近な食品であるレトルトカレーだが、コロナ禍で高級レストランでの需要が減り、捨てられる部位を活用していた無印良品も、その影響を受けて販売停止になった期間があったという。供給に対する課題を乗り越えるため、どのような工夫をしているか、また今後の展開をたずねると、「製造数を増やしてたくさん売る商品ではありません。また、単発で発注するだけでは、仕入れ側が準備できず、お肉がすぐに集まりません。しかし、定期的に『無印良品が仕入れる』ことがわかっていたら、仕入れ先もその分お肉を確保する動きができます。毎年必要になるからこそ、よいお肉を集める仕組みを構築し、循環させることが可能になるのです。答えは簡単には出ませんが、今の社会だからこそ考える課題で、続けていくことがとても重要だと思います」(鈴木さん)。一方、衛生管理についてはどのような対策がとられているのか。2018年に農林水産省では「国産ジビエ認証制度」を制定。安全に食べられるように、客観的な審査によって、厚生労働省の衛生管理に関するガイドラインを順守した食肉処理加工施設を認証している。いまは全国に38の施設があり、その施設から出荷したジビエを使った加工業者や飲食店なども国産ジビエ認証マークを使用することが可能だ。鮎澤さんは、ジビエの流通や販売に関する事業をサポートしているなかで、衛生的な食肉を入手するのが難しいという声を多く聞く。もともと山の恵みを楽しみ、感謝して食べる古くからの文化があって、その延長に流通ができたため、ジビエの衛生管理の知識が現場に行き渡っていない。国や自治体が発信する情報に触れないまま食肉処理をしているケースがまだ多くあるという。「日本ジビエ振興協会では、そういった事業者に対して、ジビエの解体処理や衛生管理、調理研修なども行います。解体処理講習会では最近受講者が増えています。自分のやり方がガイドライン通りなのか心配で勉強にきた方もいますよ」鮎澤さんは言う。「ジビエは地域性が楽しめるのも魅力。シカやイノシシのお肉は鉄分や亜鉛が豊富で、またタンパク質など必要な栄養素を効率よく摂取できるので、全世代におすすめしたいです。シャキッとした脂で、そのおいしさにハマる人も多い。より多くの方にジビエを知っていただき、飲食店などで一年を通してジビエが食べられる環境を作っていけたらと思います」安定供給の難しさを解決するため、加工処理施設同士の連携で同じ衛生管理基準のジビエを集めているところも出てきているそうだ。消費者がジビエを食べることで、捕獲した鳥獣の有効活用へとつながる。天然の肉「ジビエ」を味わう――どのようにして私たちの手元に届いているのか、まずは知ることからはじめよう。
(女性猟師が加工施設開設:島根)
出雲北山山系に位置する出雲市猪目町の野津恵子さん(54)が、自宅近くでジビエの加工解体処理施設の運営を始めた。自らも鹿やイノシシを捕獲し処理から販売までを手がける。丹念な作業で、ジビエのおいしさを伝える。
(クマ出没:宮城)
利府町によると、21日午後5時55分ごろ、利府町沢乙にクマが出没しました。
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(市街地でのクマ銃獲可能に、改正法案を閣議決定)
全国で相次ぐクマによる被害を受け、政府は市街地での銃による捕獲を条件付きで可能とする法律の改正案を閣議決定しました。環境省によりますと、2023年のクマによる人身被害は198件で過去最多でした。しかし、現在の「鳥獣保護管理法」では、市街地で銃を使用してクマを捕獲することは原則禁止されています。閣議決定された改正案では、クマが人の生活圏に侵入した事態など一定の条件を満たせば、市町村長は「緊急銃猟」としてハンターに発砲を許可できます。また、通行制限なども実施できるとしました。発砲によって建物などに損害が出た場合、市町村長が補償するなどの規定も整備されます。
(イノシシのワナ確認に行ったか、軽トラックが山中のがけ下に40m転落:熊本)
20日午前、球磨郡五木村の山の中で軽トラックが転落しているのが見つかり、乗っていた87歳の男性の死亡が確認されました。トラックが転落していたたのは五木村穂揚枝の山の中です。警察によりますと19日午後9時時頃、「夫が家を出たまま帰って来ない」と女性から通報がありました。警察と消防が捜索したところ、20日午前9時頃に道路からがけ下に約40メートル転落している軽トラックを発見し、近くに倒れていた五木村の無職・鶴﨑益喜さん(87)をヘリで搬送しましたが、その後、死亡が確認されました。鶴﨑さんの妻は、「山に仕かけたイノシシのワナを確認に行ったのではないか」と話しているということで、警察が転落の原因について調べています。
(サルが民家に侵入、90歳女性を襲う:群馬)
19日午前10時35分ごろ、群馬県安中市松井田町西野牧の民家にサルが侵入し、この家に住む女性(90)が襲われた。女性は左腕をかまれ、長野県佐久市内の病院に救急搬送された。負傷の程度は確認中だが、意識はあり、会話ができる状態という。県警安中署によると、配達途中の郵便局員が郵便物をこの家のポストに投函しようとしたところ、家の中からサル1匹が飛び出してきた。室内を確認したところ、女性がけがをしているのを見つけ、110番通報した。駆けつけた署員や市職員が室内にいたサルを捕獲した。女性は息子と同居しているが、サルに襲われた時は一人で家にいた。現場は安中市の南西部に位置し、森林が広がる地域。警察が付近住民に注意を呼びかけた。
(野生のイノシシが豚熱に感染:秋田)
羽後町で捕獲された野生のイノシシが、豚熱に感染していたことが分かりました。県内では17例目で、羽後町では初めての感染確認です。県によりますと、豚熱への感染が確認されたのは、先週土曜日に羽後町で捕獲されたオスの野生イノシシです。県立大学の遺伝子検査で、19日、陽性と判定されました。県内では、3年前に野生イノシシの豚熱への感染が初めて確認されて以降、これが17例目です。これまでは、湯沢市と横手市、東成瀬村、それに北秋田市と鹿角市で、いずれも野生イノシシへの感染が確認されていて、羽後町ではこれが初めてです。去年12月以降は、毎月、県内で感染が判明しています。豚熱は、人には感染せず、感染したイノシシの肉を食べても健康に影響はありません。ただ、ブタやイノシシが感染すると致死率が高いため、県は、養豚業者や狩猟者に、衛生管理を徹底するよう改めて呼びかけています。
(ハンター確保へ猟銃購入費補助:青森)
青森県内の市街地でクマとの遭遇や目撃が相次ぐ中、県は捕獲や駆除を担うハンターの確保・育成に本格的に乗り出す。猟銃の購入費を最大10万円補助するほか、免許取得の試験前後の講習会費用も支援する。県の新年度当初予算案に関連経費3100万円を計上した。県内の狩猟免許所持者は1981年度に7283人いたが、2023年度は1888人に減少。この間、ハンターの高齢化も進み、現在、60歳以上は半数に達するなど担い手不足は深刻だ。減少の一因は金銭面の負担の重さ。猟銃は一般的に20万~30万円と高額のため、新たな狩猟免許取得者に対して猟銃購入費の2分の1、最大10万円を補助する。当初予算では100人分を確保した。免許試験の事前講習会(8520円)や、取得後に県警が行う猟銃の取り扱い講習会(6900円)の受講料も全額県が受け持つ。猟銃購入費や受講料への支援は全国的に珍しく、隣県の秋田県は24年度から実施している。
(エゾシカの捕獲数増へ、新鳥獣被害防止計画を策定:北海道)
士別市は2025年度から3カ年を計画期間とする鳥獣被害防止計画を策定した。前計画(22~24年度)の策定時よりエゾシカなどによる農作物の被害金額や面積が増大しており、エゾシカの捕獲計画数を増やすなど対策を進める。
(十勝の野生鳥獣農林被害3割増8・7億円:北海道)
道は14日、2023年度の野生鳥獣による農林水産業被害の調査結果を発表した。十勝管内の被害額は前年度比30・6%増の8億7900万円で、2年連続で増加した。
(シカ被害、過去最多2億3000万円:北海道)
空知地域野生鳥獣等対策連絡協議会が19日、空知総合振興局で開かれた。2023年度の管内のエゾシカによる農林業被害額が前年度比5500万円増の2億3千万円で過去最多だったことなどが報告され、関係者が被害対策の方針を確認した。
(シカ絡む事故、過去最多845件:北海道)
胆振総合振興局はエゾシカ・ヒグマ対策連絡協議会を開き、昨年胆振管内で発生したエゾシカが絡む交通事故が前年比25件多い845件となり、9年連続で過去最多を更新したと報告した。振興局別でも5年連続で最も多かった。
(模擬銃で実技指導も、狩猟免許試験の講習会:北海道)
今月末から札幌市などで始まる狩猟免許の前期試験に向け、北海道猟友会札幌支部による受験予定者向けの予備講習会が23日、同市で開かれた。全国でクマの人身被害やシカの食害が深刻化する中、「ハンターの担い手として社会貢献したい」という若者が増えており、この日は約90人が指導を受けた。講習会では、講師役の現役ハンターが法令や狩猟可能な動物、猟具などについて説明。猟銃が使用できる区分の受験者には、模擬銃を使って銃の分解や弾の装填(そうてん)、安全確認の方法などの実技も指導した。
(九州北部の低山地におけるニホンジカの食性:九州大学)
福岡県篠栗町の九州大学農学部附属福岡演習林において2023年2月から2024年1月までの5回,ニホンジカCervus nippon(以下シカ)の糞を採集してポイント枠法で分析した.糞組成は2月は常緑広葉樹の葉を中心に生葉が42.1%を占め,残りは繊維と稈が主体であった.4月には生葉がやや減少し,繊維が大幅に増えた(45.8%).8月になるとイネ科の葉が11.2%,稈が56.5%に増え,シカが林外で採食することを示唆した.10月には葉がやや減少し,稈が減少(12.0%)して繊維が回復(39.0%)した.またツブラジイCastanopsis cuspidataと思われるドングリとヨウシュヤマゴボウPhytolacca americanaの種子が検出された.1月には生葉が最少(16.8%)になり,不明物質(35.1%)が増加した.調査地では2010年前後にシカが急増し,植生が貧弱になっており,シカの食性はそのことを反映して植物の生育期でも生葉の占有率が23-33%に過ぎなかった.
(イノシシ出没、市道をうろうろ:沖縄)
17日午前7時半ごろ、沖縄市池原にある沖縄職業能力開発大学校の北側の市道で、イノシシが徘徊(はいかい)しているのを周辺住民が目撃した。付近の雑木林に逃げたという。けが人はいない。沖縄署によると、目撃されたイノシシは体長約70センチ、体高約50センチ、体色は茶色で性別は不明。沖縄署によると、15日から同一の個体とみられるイノシシが目撃されている。署は「かみつく恐れがあるので、むやみに近づかないで」と注意を呼び掛けている。
(集落に逃げ込んだイノシシを捕獲し駆除:新潟)
村上警察署に19日午後4時40分頃、村上市今川の住民から「今川駅の直近でイノシシ1頭が穴を掘っている」と通報がありました。イノシシは集落内に逃げ込み、警察は村上市などとともにイノシシを発見、捕獲し駆除したということです。この件でケガ人はいないということです。この冬は県内各地でイノシシの出没が相次ぎケガ人もでています。
(広がる鳥インフル、飼いネコ感染リスクに警戒強まる:アメリカ)
米国で高病原性(H5N1)鳥インフルエンザが家畜や動物に流行する中、飼いネコへの感染に当局が警戒を強めている。ネコはイヌに比べ鳥インフルが重症化しやすく、死亡率が高い。屋内飼いのネコは飼い主との距離が近く、ヒト感染の経路となるリスクも指摘されている。米食品医薬品局(FDA)は1月、生乳や未殺菌の卵・牛肉・鳥肉を材料とするキャットフードとドッグフードの製造業者に対し、鳥インフルウイルス汚染のリスクを防ぐために食品安全計画を更新することを義務づけた。原料を仕入れる農場の鳥インフル感染状況を確認したり、加熱殺菌を検討したりすることを推奨した。FDA施策のきっかけは、2024年12月にオレゴン州で飼いネコが鳥インフルに感染し死んだ例の報告だった。州農業局が調べたところ、七面鳥の肉を使った冷凍生食ペットフードから採取したウイルスと、死んだネコから採取したウイルスの遺伝子が一致。ペットフード経由の感染と結論づけ、メーカーは問題となった商品を自主回収した。同月には、カリフォルニア州でも生食フードを食べた飼い猫の感染が見つかった。FDAは4州で類似の感染例について調査を進めているという。米国で販売されるペットフードの多くは加熱処理や低温殺菌済みの原料を使う。生食フードは食中毒のリスクがあり、米当局は推奨していない。ただ、近年はペットの「健康志向」の広がりを背景に利用者が増えていた。日本でもネット専門店などで販売されている。米国では家畜やニワトリへの鳥インフルの感染拡大が深刻だ。米農務省によると、過去30日でニワトリなど家きん2200万羽が鳥インフルに感染した。ヒトの感染も70件近くの報告があり、1人が死亡している。感染者の多くは酪農家で、ウシ経由の感染と見られる。ネコの鳥インフル感染は22年以降、80件以上の報告がある。24年12月以降の報告が30件以上あり、足元で数が増えている。鳥インフルが流行する酪農場で飼われているネコがウイルスを含む生乳を飲んで感染したとされる例が多く報告されていた。市販ペットフードによる感染は、酪農場と無関係な例として注目された。ネコへの感染が懸念される理由の1つは、致死率の高さだ。米獣医師協会は、猫の鳥インフル感染症状について発熱や呼吸困難を挙げ「急速に進行し、死に至る可能性がある」と警告している。もう一つの懸念は、飼い主など身近なヒトに感染を広げるリスクだ。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は6日、米疾病対策センター(CDC)が発行する週報に鳥インフル感染のネコが飼い主に感染を広げた例が掲載され、その後情報が消去されたと報じた。CDCはこの件について説明しておらず、内容の真偽や消去の理由は不明だ。だが、専門家の間では、飼いネコ経由でヒトに感染が広がるリスクは以前から認識されていた。生乳や生食フードを除いても、ウイルスに感染したネズミや野鳥を捕食して感染するリスクがある。メリーランド大学獣医学部のクリステン・コールマン准教授はH5N1型のウイルスが、「これまで感染したことのない動物に広がっており、人に感染させることができるペットが、その進化に影響を与える可能性がある」と警告する。過去の流行でネコ科の動物からヒトに感染した例が報告されていると指摘し、飼いネコや自らを鳥インフル感染から守るため「監視なしでネコを屋外に出す時間を制限するなどの予防策が必要だ」と助言している。
(「鹿皮」有効活用し資源に:長野)
農林水産省が鳥獣被害防止などで貢献している個人や団体を表彰する本年度の「鳥獣対策優良活動表彰」で、飯田市松川町の皮革製造加工メーカー「メルセン」(中川武人社長)が農村振興局長賞を受賞した。捕獲鳥獣利活用部門(団体)での受賞で、ジビエ処理事業者から鹿皮を買い取り、ペットフードの犬用ガムを開発。捨てられていた皮を資源として有効活用し、持続可能な利用を実現していると評価された。全国では現在、年間約72万頭、県内では約2万5000頭の鹿が捕獲されているが、鹿のジビエ利用率は全国で約17%で、多くはごみとして埋設、焼却されている。また、ジビエ処理加工施設が増えた一方、多くは経営が苦しく、皮などの残渣(ざんさ)処理にかかる費用が課題となっている。同社は捨てられる皮を革へと作り替えることで、ジビエ加工施設の処理費用を減らし、事業に貢献できると考え、10年ほど前から鹿皮の利活用を模索。2019年に皮から脂肪をそぎ落とす機械を導入し、ジビエ処理事業者からの鹿皮の買い取りを始めた。皮の鮮度を保つため、処理事業者ごと異なっていた保存方法を統一化。県内を回り15カ所から鹿皮を買い取っており、仕入れ枚数は19年度に約1000枚だったが、本年度は4倍の4000枚を超えた。同社は鹿皮から名刺入れなどを開発したが、傷などにより半数以上の皮は廃棄していた。「何とか全部活用できないか」と考える中で、傷や厚みを気にせず使えるペットフードに着目。犬用ガム「SikaChew(シカチュウ)」を開発した。犬用ガムはかみやすいよう棒状にし、犬は塩分に弱いため皮を冷凍保存するなど安全性を心掛けた。24年4月に販売を開始。好評で捨てる皮がほとんどなくなり、革製品用の良質な皮までガムに回すほど注文が入るという。また、中川さんは県内の中高生などに向け講演会を開き、鹿皮を有効活用する意義を伝えている。中川さんは「人は命をいただいて生きている。肉を食べれば皮も出る。全部使うことで命を大切にしたい」と強調し「皮革はエコでサスティナブルな天然素材。有限だからこそ有効に使い、資源として生かしたい」と話した。
(奥球磨のジビエ丼、個性楽しめる14品:熊本)
熊本県南部の多良木町、湯前町、水上村の飲食店13店舗で、ジビエ(野生鳥獣肉)やキクラゲといった地元食材を使った丼を提供する。
(「根室ディア」試食会開催:北海道)
エゾシカ肉料理の普及を目的としたエゾシカ料理の試食会が開催されます!美味しい料理が多数用意されておりますので、お申込みのうえ、お越しください。
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(狩猟用鉛弾の段階的規制「早急に全面規制すべき」)
狩猟で使う鉛の銃弾が原因でオジロワシなどの野鳥が中毒死している現状を受け、環境省は今年度から全国で段階的に始まる鉛弾の規制を「早急に全面規制すべき」という方針を示しました。18日、環境省が開いた「オオワシ・オジロワシ保護増殖検討会」で、猛禽類医学研究所の齊藤慶輔獣医師が鉛中毒の現状と対策について発表しました。道内は2000年から「指定猟法禁止区域」として大型獣猟用の鉛ライフル弾と鉛散弾の使用が禁止されています。しかし、国の天然記念物であるオオワシやオジロワシなどの野鳥が、鉛玉で撃たれ放置されたエゾシカなどの肉と一緒に鉛玉のかけらを飲み込み、鉛中毒となる例があとを絶ちません。齊藤獣医師と北海道大学の調査では過去5年の間に18羽のオオワシとオジロワシが鉛中毒となっていることが分かっています。こうした現状を受けて、18日の検討会で齊藤獣医師は、1、今年度から全国で段階的に始まる鉛弾の全面規制を早急に実現すべき。2、北海道では大型獣猟用の鉛弾が使用禁止になってから20年以上が経ってもオオワシやオジロワシが鉛中毒となっているため、水鳥猟用の鉛散弾を含め道内では全国に先駆けて鉛弾の全面撤廃をするべき。3、鉛弾に代わり環境や鳥類への影響が少ない銅弾やスチール弾などの無毒弾の流通や価格の低下を政府主導で進めるべき。と、これらの案を提出し、検討会の意見として環境省から了承されました。国は狩猟で使う鉛弾の使用を今年度から段階的に規制し、2030年度には鳥類の鉛中毒を全国でゼロにする方針です。
(猛禽類鉛汚染新たに9羽、道外ハンター使用か:北海道)
「釧路湿原野生生物保護センター」(釧路市)に直近5年間に死んで回収された希少猛禽(もうきん)類の臓器中の鉛濃度を分析したところ、9羽が鉛に汚染されていることが分かった。環境省が公表している同時期の確認数(10羽)に匹敵し、鉛弾が規制後も依然として使われている実態がさらに明らかになった。猛禽類医学研究所(釧路市)と北大大学院環境獣医学分野毒性学教室(札幌市北区)などの共同研究で判明した。
(イノシシに頭かまれる、農道散歩中の男性出血:千葉)
15日午前7時20分ごろ、茂原市押日の農道で、散歩中の男性(47)がイノシシに襲われた。同市農政課によると、男性は頭をかまれ出血した。病院に搬送されたが、命に別条はないという。イノシシは捕獲されておらず、同市は警察と連携し、パトロールを実施。近くに中学校があることから、月曜日もパトロールを行うという。同課はイノシシと遭遇した場合、刺激せず、落ち着いてその場から離れるよう注意を呼びかけている。
(警察庁舎工事で地中から60~70点銃と7点の刀剣みつかる:奈良)
奈良県警は、同県御所市の高田警察署分庁舎(御所警察庁舎)の改築工事現場で、銃のようなもの60~70点程度、刀剣のようなもの6点が見つかったと発表した。腐食が進み、さびたように見える。いつ製造され、なぜここから発見されたのか謎で、関心が高まっている。県文化財課は明治以降につくられた可能性が高く、埋蔵文化財にはあたらないとみている。県警施設装備課によると、13日午前11時ごろ、作業員が掘削中、地下約1メートルの地点で見つけ、同課に通報した。いずれも長さ数十センチ。銃のようなものに銃弾は装填(そうてん)されていなかった。高田警察署分庁舎は昭和36年に御所警察署として竣工(しゅんこう)。以前は民有地だったというが、詳しい記録は残されていない。老朽化に伴い令和5年12月から解体し、昨年10月から新庁舎建設の工事が行われていた。県文化財課によると、現場は弥生時代の大規模な集落跡の鴨都波(かもつば)遺跡の一部になっている。このため、工事に県立橿原考古学研究所の職員が立ち会っていた。同課の担当職員は「一見して明治以降に製造されたものの可能性が高い」と指摘。「一般論として戦国時代の火縄銃などが出てくれば、埋蔵文化財として扱えるが、明治以降の銃や刀剣が発見されても埋蔵文化財としては扱わないことが多い」と説明している。銃のようなものと刀剣のようなものは同県大和高田市の高田警察署で保管されており、県警施設装備課は「製造時期や本物かどうかの特定を急ぎ、適切に処理する」としている。
(害獣捕獲報奨金を不正受給:長崎)
長崎県新上五島町は17日、町の有害鳥獣捕獲事業で、町内の地元猟友会所属の60代男性と30代男性の親子2人が虚偽の捕獲報告書を提出し、報奨金計16万4千円を不正受給していたと発表した。2人は不正を認め、返還に応じる意向という。報奨金は害獣を駆除した際に町が支払い、本年度はイノシシ(成獣)1頭1万円、シカ(同)1頭9千円など。受け取りには報告書に捕獲時の写真を添え、イノシシ、シカの尻尾も町に提出する。町によると、2人は捕獲した個体の体に書く番号を書き換えて、同じ個体の写真を何度も提出。尻尾は別に保管していたものなどを流用していた。町が報告書の確認中、写真の個体が酷似していることに気づき、偽装が発覚した。町は2018年度から昨年12月までに2人が報告したイノシシ計99頭、シカ計148頭のうち、イノシシ計8頭、シカ計9頭を虚偽と認定した。町内ではイノシシ、シカ合わせて年間4500頭(過去5年間の平均)が捕獲されている。石田信明町長は「証拠写真撮影方法の見直しや報告書の確認徹底など再発防止策の検討を進める」とした。
(野生イノシシ、「豚熱」に感染:岡山)
岡山県は13日、津山、井原市で捕獲、発見された野生イノシシ各1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は35、36例目で、津山市内では初めて。県によると、津山市では3日に地元猟友会が捕獲、井原市では7日に死んでいた個体を住民が発見し、いずれも県の検査で12日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めた。
(野生イノシシ2頭、豚熱感染:佐賀)
佐賀県は17日、唐津市で野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は53、54例目。いずれも経口ワクチンの散布エリア内だった。県生産者支援課によると、53例目は7日に肥前町入野の水田で死んでいたのを発見、54例目は13日に西唐津で猟友会員が捕獲した。2頭は14日の検査で感染が確定した。
(県内のクマが4割近く増加していた:青森)
県内に生息するクマの数は推定で1600頭以上と前回の調査より4割近く増えていることがわかりました。県は管理強化ゾーンを設けるなど管理計画の骨子案を示しました。特定鳥獣保護・管理計画はクマなどの保護や管理目標を都道府県ごとに設定しますが、青森県はクマについて東北で唯一策定されていません。このためクマ対策の委員会で検討を進め、県が計画の骨子案を示しました。骨子案では4つの地域に分けて人とクマのすみ分けを図ります。このうち里山に区分される「緩衝地域」のなかに森林の整備などによって見通しを良くするなど「管理強化ゾーン」を設けるとしています。県が去年6月から10月にかけて行ったクマの生息数を把握するための調査によりますと、県内に生息するクマの数は推定で1614頭と前回の調査から4割近く増えていることがわかりました。★県ツキノワグマ保護管理対策検討委員会 大西尚樹委員長「科学的な順応的管理とか広域的管理とかゾーニング管理とか考え方もどんどん新しくなってきています そういう意味では最新の保護管理計画が作れると思います」。県は来年度地域ごとに捕獲の上限なども盛り込んた計画の策定をめざします。
(令和6年度クマ類保護及び管理に関する検討会の開催について)
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成 14 年法律第 88 号)に基づく基本指針において、国は、全国的な見地から都道府県における特 定計画の作成及び実施に対して技術的な支援を行うこととされています。このことを踏まえ、環境省では、クマ類の保護及び管理に関する考え方と今 後の方向性の検討を行うことを目的とした検討会を令和7年2月 26 日(水) に開催します。本検討会は公開で開催します。
(サルやイノシシの出没情報、マップで確認:福岡)
相次ぐサルやイノシシなどの被害を未然に防ごうと、福岡県が「鳥獣被害対策システム」を開発し、1月14日から運用を始めた。目撃者が投稿した動物の情報や写真、ハンターによる捕獲数などが地図上に集約されている。ネットで誰でもアクセスできる。新システムは、市民が目撃情報を投稿するサイトと、各種情報を地図上で確認できるサイトの二つがある。投稿サイトでは、目撃した動物の種類と日時、場所、大きさ、写真などをフォームに登録。情報はリアルタイムで地図上に反映され、どのエリアでどんな種類の動物が目撃されているかを確認できる。県によると、県内では昨年4~12月、かみつかれるなどの人的被害がサルで12件、イノシシで5件確認された。昨年度の農業被害額は全国ワースト2位で、カキやブドウなどの果物が、イノシシやカラス、シカに食べられる被害が多いという。県によると、県内では昨年4~12月、かみつかれるなどの人的被害がサルで12件、イノシシで5件確認された。昨年度の農業被害額は全国ワースト2位で、カキやブドウなどの果物が、イノシシやカラス、シカに食べられる被害が多いという。県はシステムを活用し、登下校時の子どもの見守りや、侵入防止柵の設置場所の見直し、ハンターによる捕獲ポイントの絞り込みなどにつなげてもらいたい考え。確度の低い情報は、随時削除するという。
(エゾシカ捕獲、平年並み:北海道)
環境省釧路自然環境事務所によると、本年度の釧路湿原でのエゾシカの捕獲数は1月下旬時点で56頭だった。植生被害を抑えるために、本年度から試験的にくくりわななどを使っているが、捕獲ペースは平年並みとなっている。
(イノシシ、ドカ雪で山に帰れずパニック状態に:新潟)
新潟県上越市三和区で2月11日から12日にかけてイノシシが出没し3人が負傷した。専門家によると、今冬のように一度に大量の雪が降ると雪壁ができてイノシシは山へ帰れずパニック状態に陥り、人に遭遇すると襲う事例が増えるという。イノシシは足が短く高い所へ登るのが苦手なため専門家は「見かけたら高い場所へ逃れるか物陰に隠れて」と注意を呼びかけている。三和区では11、12の両日、隣接する岡田、大(おお)、水吉の3集落で体長約1メートルのイノシシが出没した。手や足をかまれたり、後ろから突進され、転んで頭などを打ったりして60~80代の男女3人が負傷。12日夕、体長約1メートルのイノシシが駆除された。3集落とも山に接した場所にある。野生動物の生態に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授によると、大雪が降ると道路除雪などにより各所で雪壁ができるため、足の短いイノシシは雪壁を登れず、山に帰るためのルートを見失う。パニック状態で集落をうろつくため、人や車と遭遇すると突っ込んでいくという。12日に襲われた男性(81)は自宅の玄関先に出たところでイノシシに遭遇。いきなり突進され、右の太ももをかまれた。イノシシはその後も集落内をさまよい、車に体当たりした。当時、軽トラックを車庫入れしていた水吉の男性(83)は「車に向かって走ってきた」と興奮気味に振り返った。大雪で山へ戻れなくなったイノシシが人を襲うケースは今後も起こる可能性がある。山本准教授は「イノシシは高い所へ上るのが苦手で足が潜りやすい雪の上を歩くのを嫌う。前方に遮る物があると突進しない性質もある」と説明。イノシシに遭遇した場合は「1メートル以上高い場所に上るか、塀や戸などの物陰に隠れてほしい」とアドバイスする。
(イノシシなどによる県内の農作物被害額、昨年度は10%減少:熊本)
イノシシなど野生の動物による県内の農作物への被害額は昨年度、およそ5億3000万円と前の年度より10%減少しました。県のまとめによりますと、昨年度の被害額を動物別にみますと、イノシシがおよそ2億9000万円と半数を超え、次いでシカが8000万円で15%、カモ類が6200万円で12%を占めています。また、地域別の被害額では、八代地域が県全体の14%と最多で、宇城、菊池、芦北、熊本地域が11%、阿蘇、球磨地域が10%を占めました。被害額の合計はおよそ5億3700万円で、前の年度よりおよそ5900万円、率にして10%減少しました。県によりますと、カモなど鳥類への対策が進んだことで被害額が減少したとみられるということです。県と市町村では引き続き「潜み場」とよばれる、動物が隠れる場所をなくすなど、野生の動物が生息しにくい環境を整備したうえで、農地への進入防止や捕獲といった取り組みを推進することにしています。
(対カラス予算5倍:石川)
カラスのふんとの戦いに、今度こそ決着をつける。金沢市は新年度、まちなかのカラス対策費をこれまでの5倍に引き上げる方針を固めた。新たな撃退法として、深夜から明け方にかけ、ねぐらとなる樹木に向けLED光線を照射する「人海戦術」を採用。鳥対策の釣り糸「テグス」を増設するほか、カラスの行動を分析するためのカメラ設置や専門家の現地調査も計画する。より強い姿勢でカラスを追い払い、美しいまちの維持につなげる。新年度当初予算案にカラス対策費1500万円超(今年度約300万円)が計上される見通し。金沢のまちなかを飛び交うカラスの姿は、秋から冬にかけて目立つ。日中に郊外で餌を探し、ねぐらとする金沢城公園周辺に戻る途中で、市役所がある広坂や香林坊、武蔵周辺の道路や歩道上にふんを落としているとみられる。市が導入を予定するLED光線は、人の目には優しい一方、カラスに刺激を与える鳥獣対策用。委託を受けた業者がLED機器を持ち、深夜から明け方にまちなかを巡回する。8~12月に週4回程度のパトロールを隔週で実施することを想定しており、夜間の生息状況の確認や光線の効果を検証する。テグスは現在、香林坊大和のみに設置しているが、カラスがまちなかにとどまらないように香林坊周辺の街路樹5本に追加する。いしかわ四高記念公園と香林坊大和の間を通る仙石通りは、特にふん害が目立つことから、8~10月に月2回清掃する。市はこれまでさまざまなカラス対策を講じ、現在は「特殊波動装置」を19基設置して嫌がる音を出し、追い払っている。市の調査では、金沢城公園をねぐらにするカラスの個体数は2004年時点で9千羽。ここ数年は4千~5千羽で推移しており、そうした対策の効果が出ているとみられるが、「気味が悪い」「ふんの跡がたくさんある」などの苦情は後を絶たないという。国内外から観光客が増加していることも背景に、市は問題の解決を目指し、対策をさらに強化する。
(野生イノシシへの豚熱感染でワクチン散布:長崎)
松浦市で野生イノシシが豚熱に感染していたことを受け、県は13日に経口ワクチンを散布しました。松浦市福島町で1月21日に捕獲された野生のイノシシ1頭は、豚熱の感染が確認されています。県は養豚場への感染拡大を防ぐため、野生のイノシシに対し、エサにつつんだ経口ワクチン約800個を福島で散布しました。野生のイノシシに免疫を持たせる目的です。今のところ、県内の養豚場で異常は確認されていませんが、県は来週以降、養豚場に消石灰を配布して一斉に消毒作業を行う予定です。
(1月のクマの目撃件数、去年同期比で8倍あまりに増加:秋田)
県内で、先月1か月間に寄せられたクマの目撃件数は、去年の同じ時期と比べて8倍あまりに増加していることがわかりました。県は、「ツキノワグマ出没注意報」を今月末まで延長していて注意を呼びかけています。県によりますと、先月の1か月間に、市町村などによって報告されたクマの目撃件数は133件で、去年の同じ時期の15件と比べ、8倍あまりとなっていて大幅に増えています。先月13日には、秋田市の秋田港近くでクマ1頭が道路を横断する姿がNHKの取材班にとらえられるなど、中心市街地での出没も相次ぎ、近隣住民の生活に大きな影響が出ました。今月に入り、クマの目撃件数は、先月に比べて減少傾向にあるということですが、県は、「ツキノワグマ出没注意報」を今月末まで延長して、雪の降り方や積雪の有無にかかわらず、警戒してほしいとしています。具体的には、食べ物があればクマは冬眠せず起きていることができるため、米ぬかや生ごみなどを屋外に放置しないことや、車庫や倉庫にクマが入り込むおそれがあるため、扉は開け放しにしないよう呼びかけています。
(狩猟のテーマパーク、斬新アイデア:滋賀)
中小企業の後継者が新規事業のアイデアを競う「アトツギ甲子園」で、大津市の「浜崎銃砲火薬店」の浜崎航平さん(27)が、20日に東京で開かれる決勝大会に出場する。県内からの決勝進出は初めて。銃砲店の顧客であるハンターを増やすため、“狩猟のテーマパーク”づくりを目指すという斬新なアイデアについて発信する。大会は中小企業庁が主催。4分間のプレゼンテーションと6分間の質疑応答で、新規性や社会性、承継予定の会社の経営資源を有効に活用できているかなどの観点で審査される。39歳以下の後継者が対象で、第5回の今回は全国から189人の応募があった。浜崎さんは、書類審査を通過した15人による近畿ブロック予選で上位3人に選ばれ、18人で競う決勝に進む。
(愛子さま、伝統のカモ猟ご紹介:千葉)
天皇、皇后両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまと秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは14日、千葉県市川市の宮内庁新浜(しんはま)鴨場で、駐日大使夫妻らに伝統的なカモ猟を紹介する恒例行事に接待役として参加された。愛子さまのご参加は今回が初めて。愛子さまと佳子さまは、スイスやキューバなど12カ国の大使夫妻らと笑顔で握手し「お楽しみいただけると幸いです」などと英語であいさつをされた。お二方は「叉手(さで)網」と呼ばれる手持ちの網で野生のカモを無傷で捕獲する技法をご紹介。1羽ずつ捕獲したカモを放鳥し、大使らと和やかに交流されていた。新浜鴨場は明治26年に開設された。徳川将軍家や大名家で伝わってきたカモ猟の技術継承や、国内外の賓客を接待する場ともなっている。
(クマ出没時の対応学ぶ:富山)
富山県は18日、クマ出没に対応する人材育成に向けた研修会を砺波市役所で開いた。自治体職員や猟友会員、住民ら約40人が参加し、緊急時の対処法を学んだ。クマは2024年、捕獲や調査を国が支援する「指定管理鳥獣」に追加された。研修会は環境省の交付金を活用し、県として初めて企画した。鳥獣被害対策のコンサルティングなどを行う野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の上田剛平取締役が講師を務め、クマの生態や出没時の対応事例を紹介した。クマの痕跡をいち早く発見するのは地域住民だとし、被害を防ぐためには住民から市町村や警察への素早い通報が必要と強調。マニュアルを整備し、関係者間の役割分担や情報共有の流れを明確にしておくことが大切だと説明した。後半では、出席者が地域のクマ対策の課題を意見交換した。県は今後、19日に魚津市で、20日に立山町で同様の研修会を行う。県自然保護課の中島剛係長は「クマが冬眠から目覚める前に対策を進めるきっかけにしてほしい」と話した。
(クマが出没する場所は?リスク軽減に向け研究進む:島根)
今年度、クマの目撃件数が過去最多となっている島根県では、県内の森林の状況やクマの捕獲件数などから、どこがクマのリスクが高いかを表すリスクマップを作成していて、14日、その研究結果が発表されました。1月末までの島根県内のクマの目撃件数は1546件と過去最多。去年6月には、松江市宍道町の住宅街で目撃されたり、また、去年3月には、江津市の山あいで作業していた男性がクマに襲われ、大けがをしました。島根県中山間地域研究センター 鳥獣対策科 田川哲 専門研究員「これが実際の冬眠穴だが、入口は60センチ位で小さいもの」「現場にいた森林組合の皆さんも『こんな小さいのが冬眠穴っていうのは知らなかった、驚いた』と表現されていた」。江津市で男性が襲われたケースは、クマが冬眠する穴を囲んで作業してししまったため、クマが逃げ場を失い、近づいてきた被害者を防衛的に攻撃した可能性が高いということです。島根県中山間地域研究センターでは、こうしたクマの被害を減らすため、出没予測の研究を行っていて、その中には、クマのえさとなるドングリがなる植物の種子の数を基にしたものもあり、今年度、高い確率で予測できたということです。(インタ)島根県中山間地域研究センター 鳥獣対策科 田川哲 専門研究員「住民に対しては、そういったリスクの高い場所で住んでいることが分かったのであれば、誘引物(例:柿など)を除去するとか、道を歩く時にも気を付けて歩くとか、そういったところに役立ててもらいたいなと思っている」。
(「ディアロード」返上へわな作戦:北海道)
「ディアロード」と揶揄(やゆ)される北海道北部の国道232号。特に留萌市~苫前町(約40キロ)の海岸線の急斜面は毎冬、数えきれないほどのエゾシカが雪を掘って下草をむさぼる「異様な光景」が続く。シカも命をつなぐために必死だが、交通事故も多発。道は今冬、本格的な捕獲に乗り出した。留萌~苫前の海岸線は冬、風が強く、国道沿いの急斜面は雪が飛ばされて積雪が少ない。このため、エゾシカは「エサ場」として利用。しかも急斜面は道路敷地(のり面)のため、銃で撃たれる心配もない。斜面の上の丘陵地は森林で吹雪もしのげ、格好の越冬地になっている。生息密度が濃いのが中間に位置する小平町だ。冬は雪深い内陸からエサを求めて海岸線に移動しているようで、斜面では1日に300頭以上が目撃される日もあるという。町は有害鳥獣駆除を続けているが、農業被害額は減少傾向になく、エゾシカが関係する交通事故も2018年以降、毎年10件以上発生している。
(新年度当初予算案、クマなどの被害対策費を計上:秋田)
大仙市は、子ども向けの遊び場施設の整備や、クマをはじめとした鳥獣被害対策にかかる費用などを新年度の当初予算案に盛り込みました。大仙市の新年度の当初予算案は、一般会計の総額で450億8600万円で、市長選挙を控えて骨格予算となったため、今年度より13億2000万円あまり少なくなりました。予算案には、令和9年度中のオープンを目指している子ども向けの屋内型遊び場施設の設計費用と、建設予定地に建っている施設の解体費用として1400万円余りが盛り込まれました。また、ことし7月から8月に大仙市を会場に開催される「世界少年野球大会」の運営にかかる費用などとして800万円余りが計上されています。このほか、クマやイノシシといった鳥獣被害に対策するため、電気柵の設置に対する補助金や、動物の居場所を熱で感知できるカメラを搭載したドローンの導入費用として800万円余りが盛り込まれています。大仙市の新年度当初予算は、今月20日に開会する市議会に提出されます。
(春先の冬眠明けクマ出没に備え、地域の対応力強化へ:富山)
春先に冬眠あけのクマが人里へ出没する事態に備え、自治体や警察、猟友会など地域の対応力を強化するための研修会が富山県砺波市で始まりました。この研修会は、去年4月、ツキノワグマによる全国的な人身被害の増加を受けて、環境省がツキノワグマを「指定管理鳥獣」に追加したことを受けて富山県が企画し、砺波市、魚津市、立山町の3つの会場で開かれます。初回の18日は、砺波地域の自治体職員や警察官、猟友会の会員、地区住民の代表者など約40人が出席し、野生鳥獣の保護管理に詳しい上田剛平さんが講師を務めました。*野生鳥獣対策連携センター(環境省 鳥獣プロデータバンク登録)上田鋼平さん「みなさんが住んでいる近くの山にクマは絶対にいると認識する。みんながクマの問題を自分ごととして考えて、一人でも仲間に引き込んで(集落)みんなでやる」。富山県内では、おととし、クマによる人身被害が相次ぎました。被害件数は7件で8人がけが、1人が死亡し、目撃・痕跡情報は636件と過去20年で4番目に多くなりました。目撃・痕跡情報は、去年、333件とおおむね半減しましたが、このうちの約8割を占める260件が4月から9月にかけて寄せられた情報で、おととしの同じ時期の1.5倍に増えています。このことから、富山県は、冬眠前の秋の時期に加え、冬眠あけ、春先の対応を強化する方針で、県直営の捕獲チームの組織や市町村のクマ対策への支援に力を入れることにしています。研修会は、19日に魚津市で、20日に立山町で開かれます。
(『狩猟』の魅力を伝える講演会:富山)
ハンターの担い手不足の解消につなげようと、富山市で狩猟の魅力を伝える講演会が開かれました。講演会はハンターの高齢化が進む中、狩猟の魅力や有害鳥獣による農作物被害への対策の必要性を知ってもらおうと富山市が開いたもので、狩猟免許の取得予定者44人が参加しました。会では、富山市猟友会長の杉本忠夫さんがハンターの活動内容やジビエ料理の魅力について講演し、「初心者向けに射撃の講習や勉強会を開いているので、安心して始めほしい」と猟友会への参加を呼びかけていました。会場内には狩猟用の捕獲檻や銃の模型なども展示され、猟友会の関係者は、狩猟を身近に感じてもらう活動を通じてハンターの確保に繋げたいと話していました。
(狩猟の実態を知って、担い手確保へ:群馬)
野生鳥獣を捕まえる狩猟の意義や魅力を知ってもらう県の出前授業が、前橋市小屋原町の共愛学園高校であった。群馬県内の狩猟者はピーク時の1981年に9788人を数えたが、2023年には半分以下の4614人にまで減り、高齢化も進んでいる。その一方で、野生鳥獣による農業や林業への被害は23年には約5億5千万円に上るなど、近年は5億円前後の被害が毎年発生している。県自然環境課の金子文大主任(45)がこれらのデータを踏まえて狩猟の社会的役割などを説明し、駆除によって野生鳥獣の個体数を適切に管理していく必要があることを説明した。
(「イノシシ天国」に直面、住民が駆除なしに手にした驚きの結果:神奈川)
銃やワナによる「駆除」ではなく、耕作放棄地の手入れなどでイノシシを撃退することに成功し、全国的に注目を集める地区が神奈川県大磯町にある。立役者は「クレーマー」に終わらず、自ら行動した3人の住民だ。「みなさん、今日はありがとうございます。頑張りすぎないで、疲れたらどんどん休んでくださいね」。1月下旬の土曜日、大磯のランドマーク高麗山のふもとの広場に、剪定(せんてい)バサミや草刈り機などを持った作業着姿の40人ほどが集まっていた。親子連れや高校生もいる輪の中心で、作業手順などを快活に説明するのは、近くに住む大西寛美さん(67)。この日の草刈りの呼びかけ人の1人だ。大西さんは10年前、ここ台町地区の山あいの一軒家に引っ越してきた。憧れだった暖炉付き物件を見つけ、庭いじりや家庭菜園を楽しみながらのセカンドライフを思い描いていた。ところが、住んでみると一帯は「イノシシ天国」だった。裏山から入ったイノシシが庭を掘り起こしたり、生活道路を横切ったり。中には自転車に乗っていると並走されたという住民もいた。
(クマより強いゴミ集積所導入へ:栃木)
全国的にクマの出没や人身被害が相次ぐなか、県は今春、クマ対策の本場・北海道生まれの鋼材製ゴミステーションの試験導入に乗り出す。県内では今年度、クマの目撃件数が過去最多を更新した。新しい取り組みによって、クマを人の生活圏に寄せ付けないための環境整備を進めたい考えだ。導入するのは、北海道網走市の廃棄物処理業「シティ環境」がヒグマ対策用に製造するゴミステーション「とれんベア」。2ミリ厚の鋼材製で、幅165センチ、奥行き90センチ、高さ130センチ。コンクリートの平板を基礎にしており、総重量は約1・1トンに達する。ヒグマの怪力でたたいても壊れず、押しても簡単には倒れない。扉の開閉はロック式で、ヒグマには開けられない。旭山動物園(北海道旭川市)の協力を得て、耐久性試験を実施しており、強度は実証済み。ヒグマより小さいツキノワグマが破壊するのは不可能だ。市街地に出没するヒグマはエサを探してゴミ捨て場をあさるケースがある。同社によると、とれんベアの頑丈さは、ヒグマに諦める経験を学習させるためのものだ。ヒグマはエサにありつくことができた場所を覚えて、その場に執着する特性がある。逆に、エサのにおいがしても食べることを阻まれれば、そこではエサが得られないことを学習するという。同社は、この習性に着目。ヒグマを寄せ付けないゴミ捨て環境をつくろうと、2013年にとれんベアを開発した。これまでに、ヒグマが多く出没する北海道斜里町ウトロ地区で12台が導入されている。一方、本県ではツキノワグマの目撃件数が急増している。県自然環境課によると、昨年4~12月の目撃件数は250件で、23年度の1年間に確認された142件の約1・8倍に上った。記録を確認できる14年度以降では最多の件数だ。これに伴って、県内各地で人が襲われてケガをするなどの事例も起きており、国内有数の観光地である日光市の中禅寺湖畔では昨年8月、ツキノワグマが店舗に侵入し、店内を荒らすケースもあった。クマによる被害は近年、全国的にも相次いでおり、環境省は昨年4月、ヒグマとツキノワグマの「クマ類」を「指定管理鳥獣」に追加し、各都道府県に計画的な捕獲と頭数管理を呼びかけている。これを受けて県も新年度から捕獲上限数をこれまでの90頭から145頭に拡大するなど、対策を強化する。本州初となるとれんベアの導入も対策強化の一環だ。県によると、環境NPOの主導で長野県軽井沢町などでもツキノワグマ対策のゴミステーションが設置されている。ただ、栃木県側が照会したところ、現在は製造を中止していることが判明。「大は小を兼ねる」との考えでとれんベアを選んだという。2、3月中をめどに、県内3市町で各1台を設置し、約1年かけて効果や使い勝手を検証。今後の導入拡大の可能性を探る方針だ。
(クマによる被害対策を地元住民が学ぶ:山口)
去年、クマによる人身被害が相次いで起きるなど人や農作物への鳥獣被害が深刻な山口県岩国市で18日、地元の住民がその対策について学びました。岩国市美和町で行われた研修会には地元の生産者や猟友会の会員など約30人が参加しました。研修会は鳥獣被害が深刻な地域の住民に野生動物の生態や対策に関する知識を身に着けてもらおうと行われました。(野生動物保護管理事務所広島事業所 宮本大右さん)「エサをなくす、畑を囲う隠れ場所になるヤブをなくす、捕獲することも必要」。県や市によりますと、野生鳥獣による農林業への被害は年々減少傾向にあるものの岩国市では去年、クマによる人的被害が2件発生しました。今年度のクマの目撃数はすでに昨年度を上回っていて市民からは不安の声もあがっています。市は、今年度、国から受けている放置されている果樹を住民が伐採するための交付金を来年度も要望することにしています。
(西表島にリュウキュウイノシシの狩猟文化を訪ね、獲物を刺身で食らった!:沖縄)
琉球列島の島々では古くから狩猟が営まれてきた。世界自然遺産の島で「東洋のガラパゴス」とも称される西表島もそのひとつ。イノシシ猟は豊かな森が育む恵みを得て、命をいただき命をつなぐ行為。この島で味わったのは、なんとイノシシの刺身! 探検ナチュラリスト・湯本貴和さんの連載「野生を喰らう」。今回から3回にわたって南の島のイノシシを追った旅と食の模様をお伝えします。西表島の亜熱帯林は、じつに人臭い森である。島の北部を流れる浦内川河口にマングローブが広がっていて、カンムリワシやイリオモテヤマネコなど希少動物の宝庫である。浦内川上流部まで観光船で行き、そこから南部の大原集落まで抜ける横断歩道は、わたしも経験があるが場所によっては踏み跡が定かではなく、増水すると身動きがとれなくなる。登山者が行方不明になる遭難も、数年に一度は聞く。現在、竹富町役場では単独入山を禁止しており、入山届を役場、警察、観光船乗り場に提出することを義務づけている。その限りでは、秘境というべきかもしれない。しかし1945年に米軍によって撮られた空中写真をみると、島のかなり奥まった場所にまで農地があったことがわかる。カンムリワシやイリオモテヤマネコも、じつは人里近くの田畑を餌場にしている。イチジクの仲間がやたらに目につくのは、人が開墾したあとに侵入したものだろう。気をつけて森を歩くと、あちこちに猟師道やくくり罠なども見られる。実際、この森ではイノシシの固有亜種であるリュウキュウイノシシ(Sus scrofa riukiuanus)の猟が昔からおこなわれてきた。この西表島で亥年の2007年12月15~16日に第2回イノシシサミットが開催された。イノシシサミットの話はまた後でも触れるが、沖縄島、奄美大島、石垣島、西表島、台湾から猟師や研究者が集い、イノシシにまつわる地域の文化や自然との共生について語り合う会である。西表島では、イノシシはカマイと呼ぶので、ここではカマイサミット。1日目の午後からリュウキュウイノシシの系統分類学、動物考古学、そして民俗学や人類学、生態学について研究者の発表があった。夜は10時までパネルディスカッションとして猟師からそれぞれの島での狩猟に関する儀礼、伝承、技術、解体の仕方、料理方法などについて意見交換があった。西表島では、もともとは冬期間の10月から翌年の田植えを終える3月ごろまでがカマイの猟期だ。最初にヤマ(猟場)に入るときにはカンダシカ(標準和名オオバルリミノキ)を横にひき、それからクワズイモの大きな葉のなかに白飯とマース(塩)をまぶしたものを道端に埋めて、それを跨いで入るというしきたりがあったようだ。カマイはオキナワウラジロガシやスダジイの豊作年には脂がのって、翌年に仔イノシシも多いという。ただ、どんぐりの実りが少なくとも、アブチャン(標準和名モクタチバナ)などの果実を食べてカマイは食い繋いでいる。人臭い西表島は、動物にとって豊かな森なのだ。2日目にはカマイ猟のヤマをまわって、地元猟師による跳ね上げ式脚括り罠を設置する実演があった。夕方からはまずビール、そのうち島酒(泡盛)を傾けながら存分に語るという愉快な2日間であった。いちばん驚いたのは、その場で振る舞われたカマイの刺身だ。日本ではウシやウマ、シカ、クジラなどの刺身はよくあり、沖縄ではヤギの刺身も人気があるが、なかなかブタやイノシシの刺身はない。細かく切ったカマイの刺身は、コリコリとした歯応えと何ともいえない甘みが魅力だった。本土ではブタやイノシシの刺身は、とりわけE型肝炎のおそれが高いことが知られている。同行した当時20歳の長男にカマイの刺身を食べさせたことで、妻にこっぴどく叱られたことを思い出す。しかし、西表島ではそのような懸念はついぞ聞いたことがなかった。離島なので、イノシシ自体へのE型肝炎ウイルスの感染の度合いが低いのかもしれない。イノシシサミット当初からの主要メンバーである石垣金星氏は、自分は猟が下手だといいながらも、意見交換会の司会と翌日の猟場まわりや罠の実演に大活躍であった。西表島租内集落生まれで、高校からは島を出て大学卒業後に中学校教員として島に帰ったのち、学校教員は退職。その後は島おこし運動を牽引して、西表をほりおこす会、西表ヤマ学校、金星文庫などの文化運動を展開した金星氏であった。「文化力のある島は滅びない」ということばを残して2022年6月30日、暑い暑い日に突然この世を去ってしまった。
(動物の生態は 狩猟の在り方は:石川)
県白山自然保護センターなどは15日、白山市の白山麓に生息する動物の生態や狩猟の在り方を知ってもらうイベントを、同市東二口のジビエ(野生鳥獣肉)解体処理施設「白山ふもと会」などで開いた。現役猟師による体験談や同施設の設備について説明があり、市内外の参加者16人が半日かけて、白山の大自然への理解を深めた。約20年前に狩猟免許を取得した水稲農家の横河利博さん(69)が体験談を披露。猟師になったきっかけとして、イノシシが荒らした田んぼの写真を見せながら「やつら(イノシシ)が入ると、理由は分かってないがイネが育たなくなる。それを防ぐため猟師になった」と説明した。
(スキー場でクマに襲われたら…時速50キロ以上で滑降する技量なしでは逃げ切れない)
本サイトが2月14日に公開した記事では、この冬、全国各地で「冬眠しないクマ」の出没が相次いでいることを指摘した。その上で、筆者が訪れたスキー場(長野県北部)の近くに自宅がある住民の話として「つい最近もスキー場に続く県道で、クマの目撃情報があった」と紹介した。スキー場におけるクマの出没についてはこれまで、雪解けの進む春先(春スキー)での目撃情報こそあったが、厳冬期(トップシーズン)における出没報告は皆無に近かった。ところが、冬場に街中を我が物顔でウロつくアーバンベアが急増している事実からみて、厳冬期のスキー場におけるクマの出没は、もはや時間の問題と言っていいだろう。ではスキー場でクマに遭遇し、襲撃を仕掛けられたら、どうすればいいのか。長年、スキーを趣味としてきた筆者が考えるに、迫り来るクマの襲撃から逃れられる局面は極めて限られていると思われる。日本列島にはヒグマ(北海道)とツキノワグマ(本州以南)が棲息しているが、いずれも標的を時速50キロ前後で追尾する能力を備えている。時速50キロといえば、男子100メートル走の世界記録保持者で「人類最速のスプリンター」と称されたウサイン・ボルトの時速45キロを上回るスピードだ。つまり、スキーヤーであれ、スノーボーダーであれ、追いかけてくるクマを振り切るためにはまず、時速50キロ以上のスピードで滑降できる技量がなければならないことになる。現実問題として言えば、興奮しているクマに執拗な追尾を諦めさせるためには、時速60キロ前後のスピードで引き離していく必要があるだろう。加えて時速50キロ以上での滑降が可能な斜面は、おおむね中級者向けの中斜面(斜度15~20度)、それも中斜面が長く続く圧雪ゲレンデに限られる。中斜面の距離が短く、すぐに緩斜面になってしまうようなゲレンデでは、スピードが落ちたところで、たちまちクマに追いつかれてしまうからだ。今後は自分が行く予定のスキー場やその付近でのクマの目撃情報の有無について、少なくとも事前に確認する必要があるだろう。そして目撃情報がある場合は、予定自体を中止するか、場所を変更すべきである。
(「狩猟と地域おこしボランティア」:早稲田大学)
岩井雪乃(平山郁夫記念ボランティアセンター准教授)。私が担当する科目「狩猟と地域おこしボランティア」は、山梨県丹波山村で、①狩猟を学びつつ、②地域に貢献するボランティアをおこなう実習科目です。①では、猟師さんと共に山を歩いて動物の足跡を探したり、シカの解体に挑戦したりします。②では、空き家の再利用のために残置物を片付けたり(移住希望者の住居がない問題を解決)、伝統野菜を継承するための農作業を手伝ったりします。そして、履修生は、大学に戻ってきてからは、「丹波山村の魅力を発信するボランティア活動」を行います。
(30年にわたりクマを観察・撮影してきた男性:秋田)
長年、クマを撮影し続けてきた秋田市の男性が、県内の芸術家の功績をたたえる『県芸術選奨』の特別賞に選ばれました。30年にわたる観察と撮影を通じて感じたクマの変化や人間との共生について話を伺いました。ブナの枝に座りのんびりと食事をするクマ。木の幹から顔を出してこちらの様子をうかがっているクマ。アスファルトの歩道を歩いて好物のクワの木に向かう親子グマ。撮影場所は全て秋田市内です。加藤明見さん「三脚を構えて待っていたら左側から子が後ろで3頭出てきたんです。それで私をちらっと見て、そのまま歩いてゆっくり行きましたから」「自分で好きな写真の一枚ですね」。約30年の間クマの写真を撮り続けている秋田市の加藤明見さん。撮り続けてきた膨大なクマの写真から選りすぐった8点がいま、秋田市の県立図書館に展示されています。加藤さん「子(グマ)が暴れるので頭のほうに来るわけです。そうすると重いじゃないですか、親が沈んでいくんです。溺れそうになって」「めったにない たまたま偶然。ものすごい大騒ぎでした!」。写真集の出版や展示会を通じてクマの生態の変化も写し出してきた加藤さん。長年の功績がたたえられ、県芸術選奨の特別賞=「ぶるさと文化賞」に選ばれました。加藤さん「クマの撮影は決して容易ではありませんでした。山を歩き彼らの食べ物や行動を観察する中で、少しづつその姿を捉えるようになりました」。警戒心が強く、人が近づくと隠れたり逃げたりすることが多いクマ。加藤さんは経験を積んで次第にその姿を捉えられるようになりました。しかし10年ほど前から人の生活圏でも頻繁にクマを見かけるようになり、近年、急激にクマの行動が変わりつつあると感じています。加藤明見さん「(おととしの大量出没は)人里にどんどん出てきたので、これは私からするともしかしたら100年に1度あるかないかの状態じゃないかと思って見ていました」「大切な生き物であることは違いないと思います。ただ人に被害を与えるような状態はやっぱり困る」。加藤さんは人が襲われる被害を未然に防ぐためにもっと人がクマのことを知ることが重要だと考えています。加藤さんが撮影したクマの写真は秋田市の県立図書館に2月18日まで展示されます。また八郎潟町のはちパルでは27日まで加藤さんの写真の展示会が開かれています。
(自然講座「なぜクマは街に~人の暮らしと自然の変化から考える~」:広島)
クマなどの野生動物が街中に出てくるようになった原因や、その生態についてお話していただきます。
(クマの毛皮に触れ共存学ぶ:北海道)
クマの生態について学ぶ「占冠村ヒグマミーティング」が、村内で開かれた。参加者はクマに関する展示や講演会を通じて、共存の大切さについて理解を深めた。
(新築祝いに「剥製」?北海道の風習説)
北海道では新築祝いに剥製を贈る風習があった-。浦幌町立博物館はこうした“説”の真偽を確かめるため、広く情報を集めている。2023年夏、大阪府のきしわだ自然資料館の学芸員から同博物館へ1本の問い合わせがあった。「北海道では家を建てた人にエゾシカの剥製を贈る風習が本当にあるのでしょうか」。同資料館にエゾシカのトロフィー(頭部のみの剥製)を寄贈したいとの申し出があり、その寄贈者が「父親が帯広で家を建てたときに知り合いからもらったもの」と話していたとのことだった。同博物館の持田誠学芸員は早速、北海道自然史研究会と北海道博物館協会学芸職員部会に情報提供を呼び掛けた。その結果、9人から11件の情報が寄せられた。「(聞き取りによると)確かに新築の家にエゾシカの頭部の剥製を贈る習慣があったと記憶しているとのこと。ほかにもサンゴの置物、キジの剥製も新築の家への贈り物としてあったらしい」との情報の一方、「聞いたことがない。ハンターだけでないか」「新築祝いは聞いたことがない。お金持ちの象徴として、持つことがはやったと記憶している」と風習は無かったとする声も複数あった。また、「実家の玄関壁に、父が新築時に購入したエゾシカトロフィーが備わっている」との証言もあった。今年1月には同博物館の「博物館だより」で、証言を集めている旨を紹介したところ、町内から2件の情報があった。一つは「新築時にキジの剥製をもらった」というもので、もう一つは「エゾシカのトロフィーが自宅にあるので寄贈したい」との申し出だった。持田学芸員は「新築の家に剥製を贈るという行為が、北海道の一般家庭の風習というほど広まっていた可能性は低い」とした上で「一部の農村地域などで昭和や平成の初めごろまで習慣としてあったことがうかがえる。引き続き証言を集めたい」としている。
(キングオブコント準優勝芸人、狩猟免許試験の合格報告)
お笑いコンビ「わらふぢなるお」のふぢわらさんが、2025年2月17日に、狩猟免許試験に合格したことをXで報告した。ふぢわらさんは、自身のYouTubeチャンネルで24年9月15日に公開した「狩猟免許取得!何も分からないけど頑張ってみた【超初心者】」と題した動画で、狩猟免許取得に挑戦することを明かしていた。その理由として、「害獣駆除ですね、シカとかイノシシとかそういうのを駆除したいなという思いがありますので」と話した。その後たびたび、警察の初心者講習会を受けた際の動画や、免許取得までの流れを話す動画、教習射撃の様子の動画を公開。狩猟免許には第一種銃猟(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟(空気銃)、わな猟、網猟の4種類があるが、ふぢわらさんは第一種を目指すとしていた。教習射撃では、飛んでいくお皿を打つ練習で5発中4発を的中させ、「楽しい」と話す場面もあった。25年2月1日に、「ハンター試験(狩猟免許試験)終了! やっと全部終わった!結果は後日!」と報告していたふぢわらさん。17日に狩猟免許試験に合格したことを報告し、「これでようやくハンターとなりました!ありがとうございます!」と喜びを伝えた。わらふぢなるおは、ふぢわらさんと口笛なるおさんから成るコンビ。「コント日本一」を決める「キングオブコント」で17年から19年大会に3年連続で決勝に進出し、18年大会では準優勝を獲得した。
(普通列車がシカと衝突:大分)
JR九州によると、15日午前5時34分ごろ、豊肥線緒方~豊後清川間で下り普通列車(豊後竹田 5時15分発 大分行き)がシカと衝突した。この影響で同8時20分現在、同線上下線で遅れが発生している。
(農作業用の小屋にイノシシ、捕獲されけが人なし:新潟)
18日朝、小千谷市で、農作業用の小屋の中に体長およそ1メートルのイノシシがいるのが見つかりました。イノシシは小屋の中に1時間ほどとどまったあと捕獲され、けがをした人はいませんでした。小千谷市や警察によりますと、18日午前9時すぎ小千谷市時水の住宅で、敷地内にある農作業用の小屋の中にイノシシがいるのをこの家の住民が見つけ、警察に通報しました。イノシシは体長がおよそ1メートルで1時間ほど小屋の中にとどまったあとに逃げて、市や地元の猟友会が捕獲したということです。けがをした人はいませんでした。現場は山のふもとにある地域で、周辺では17日もイノシシの目撃情報が2件あったということです。県内ではイノシシに襲われてけがをする人が相次いでいて県や市などが注意を呼びかけています。
(鹿皮活用の先駆者に国の表彰:長野)
革製品製造のメルセン(飯田市)が、農林水産省の鳥獣対策優良活動表彰の農村振興局長賞(捕獲鳥獣利活用部門)を受賞した。同社は「頂いた命に感謝し、全てを有効活用する」との思いから、有害鳥獣として捕獲された鹿の皮を買い取り、皮革製品やペットフードとして商品化。
(「全国ジビエフェア」28日まで開催中)
株式会社ぐるなびは、農林水産省の「令和6年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、国産の野生鳥獣肉(ジビエ)等の消費拡大のため、「全国ジビエフェア」を2月28日まで開催している。「全国ジビエフェア」の特設サイトでは、幅広いジャンルの飲食店をはじめ、ホテル・宿泊所で提供しているジビエ料理について紹介。また、様々な自治体等と連携し、"ご当地ジビエ"の楽しみ方を情報発信している。このほど、"ご当地ジビエフェア"の情報を追加。また、各地域ごとのフェアでは、抽選で豪華賞品が当たるスタンプラリー等を行なっている。さらに、「全国ジビエフェア」では、ジビエを自宅でも楽しめるよう、ジビエ製品(精肉、加工品、ペットフードや皮革製品を含む)を販売する小売店やECサイトを特設サイトで紹介している。特設サイトでは、多くの人に「ジビエを食べる機会」や「ジビエを購入する機会」を提供するため、SNSを活用した情報発信も強化。「宴会で楽しむジビエ」や「気軽に楽しむジビエ」などテーマ別特集を設けることで、消費者がニーズに合った店舗を見つけやすくなっている。
(県内初の「ジビエ給食」提供:埼玉)
皆野町は2月5日、町内で捕獲されたシカ肉を使った「皆野町産鹿肉のキーマカレー」を町立の幼稚園、小・中学校で「ジビエ給食」として提供した。学校給食におけるジビエの活用は県内初の取り組み。同町では以前から、シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害が地域課題とされている。昨年、町内にジビエ加工場「皆野ジビエ加工場」(皆野町下田野)が稼働し始めたことから、「農作物被害対策や地元産のおいしいジビエ料理の普及」を目的に、学校給食へのジビエ活用が決まった。給食センターの職員が、シカ肉と豚肉1対1の合いびき肉を使うカレーのレシピを考案。ジビエ独特の臭みを消すためショウガとニンニクを入れ、隠し味に同町の「新井武平商店」のみそやしょうゆを加えて、食べやすい味に仕上げたという。昨年10月から1月中旬まで数回にわたって試食会を行い、保護者の理解を得て、このほど給食メニューに加わることになった。当日、皆野小学校1年1組の児童と一緒にジビエカレーを食べた黒澤栄則町長は「シカ肉は栄養価が高い。自然の恵みとして循環しながら、子どもたちの健康な体作りに生かしていきたい」、同校の池田尚末教諭は「味がおいしいし、肉を細かくしてあるので、普通のカレーの時よりも児童たちの食べ進みが早い」と、それぞれ話した。シカ肉を提供しているのは「Bonpu(ボンプ)」(皆野)で、地元産のシカ肉を同工場で加工したソーセージ、シチュー、パテドカンパーニュ、リエットなどを製造・販売している。週末には、キッチンカーでシカ肉を使ったジビエバーガーを販売する。当日同席した同社代表の岡野直樹さんは「ヨーロッパでは、ジビエは高級食材。以前から地元の子どもにおいしいジビエ料理を食べてほしいという思いがあった。児童の反応が心配だったが、おいしそうに食べてくれてうれしい」と話す。同町では年内に1~2回、カレー以外のジビエ給食を提供する予定。
(害獣を食循環に、高校生がジビエ加工:佐賀)
佐賀県立高志館高校・食品流通科の2年生たちが、農作物に被害を与えるため駆除されたイノシシの肉の加工に取り組んでいます。13日はアグリ創生教育研究センター(佐賀市)で、ソーセージにするため、ひき肉を袋に詰めました。「(農業)被害額が佐賀県ではイノシシが1位だったので」「たくさんの人に食べてもらいたいです」と話す生徒たち。駆除された害獣を加工して“食の循環”に・・・・。イノシシ肉のソーセージはホットドックの材料に使われ、地域のイベントで高校生らが中心となり、販売する予定です。
(有害鳥獣「活用」へタッグ:神奈川)
厚木市内などで捕獲された有害鳥獣のシカやイノシシをジビエとして活用するため、厚木市とJAあつぎが協力し「(仮称)葉にんにく&ジビエソーセージ」を開発した。2月5日には市役所で試食会を実施。市内温水のJAあつぎ夢未市では販売が始まっている。農林水産省でも利用が推進されるジビエ。厚木市においても県央やまなみ協議会などで広域的な取り組みが進められており、有害鳥獣の有効活用が検討されていた。昨年に厚木市からの依頼を受け、JAあつぎとの共同開発がスタート。伊勢原市の施設で食肉処理、群馬県の業者に協力を依頼し、第一弾としてイノシシ肉のソーセージの開発が進められた。同JAではジビエ独特の臭みを消すために、夢未市で餃子に入れている葉ニンニクに着目。葉ニンニクは野生鳥獣対策の忌避作物として、管内で2016年から栽培されており、豊富な栄養素からも人気が高い。合わせることでハーブソーセージのような香りの効いたソーセージになったという。「葉ニンニクが味を引き立て、旨みも増しました」と夢未市の清田陽平店長は話す。5日の試食会では、完成した葉ニンニク入りのソーセージが山口貴裕市長らに振る舞われた。今後は厚木の特産品として活用が期待され、山口市長は「市内でも鳥獣被害で農作物が荒らされることが多い。商品開発に尽力いただき感謝しています」とコメント。清田さんは「ジビエの活用を検討する市の協力のおかげで商品化することができた」と話した。
(鹿や猪を食べ比べる特別イベント「アナタとジビエ」:東京)
株式会社ニード(所在地:東京都中央区 代表取締役 飯島理)が運営する喫茶と居酒「anata(アナタ)」は、猪や鹿のジビエ料理をご提供する1日限定イベント「anataとgibier(アナタとジビエ)」を2025年2月15日(土)に開催いたします。鹿や猪のお肉のことを「ジビエ」と呼んでいる方も多いのではないでしょうか。本来のジビエは「狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉」のことですが、有害鳥獣として処理されてしまった野生動物のお肉を日本ではジビエとして利用しています。野山を駆け回り、大自然で育ったお肉を、美味しく食べてみませんか?ジビエは季節や産地によって育ち方・脂のつき方が変わり、味わいも変わります。今回は、冬に向けて脂を蓄えた猪・鹿肉をご用意しました。産地ごとに変わるその味わいを食べ比べて楽しみましょう!
(ジビエ料理が味わえる古民家カフェ:岐阜)
岐阜県美濃加茂市にある「いぶカフェ」さんは、旧伊深村役場庁舎をリフォームして生まれ変わった古民家カフェ。淡いエメラルドグリーンの外観が可愛らしく、温かみのある雰囲気が魅力です。地元の食材をふんだんに使った料理やスイーツに加え、狩猟免許を持つオーナーが手がける本格的なジビエ料理も楽しめると話題のお店です。
(田畑荒らす害獣、食肉利用はわずか)
九州・山口で長く勤め、各地でおいしい食べ物に出会ってきたが、いちばん印象に残っているのは大分県の農家でいただいたアナグマの肉だ。すき焼きにした肉の脂身が口の中で甘く溶けて、こんなにうまい肉があるのかと驚いた。アナグマは体長40~60センチのイタチ科の哺乳類。本州以南に棲(す)み、田畑を荒らす害獣だ。駆除には自治体の許可が必要で、わななどで捕獲する。ジビエとしての認知度は低いが、猟師の間では「ジビエの王様」と呼ばれることもあるという。
(ぬかたの森のアニマルトラッキング:愛知)
動物の痕跡(フィールドサイン)を探し動物の行動を探る、それがアニマルトラッキングです。それは狩猟の入口となる、野生動物の行動を推察し、わなを仕掛ける場所、位置を決めるために非常に大切なことなんです。参加者のみなさんと会場の裏山を散策し、箱わなやイノシシの痕跡などを観察したり、竹林のタケノコの被害や事前に設置したトレイルカメラの画像を見て、本物の野生動物たちの行動を観察しましょう!アニマルトラッキング終了後に、ぬかた産「ミネアサヒ」をお釜で炊いて、ジビエ肉のおにぎりとシシ汁作りのミニ体験つきです!
(シカ肉へしこ、うまみ蓄え:福井)
シカ肉を使ったへしこの仕込み作業が福井県おおい町名田庄納田終の「よざえもんカフェ」で行われている。くせが少なくヘルシーな味が特長で、おにぎり、お茶漬けなどで提供している。同カフェのスタッフは「ジビエは初めてという人にこそ食べてもらいたい。おいしさを味わってもらえるはず」と話す。同カフェを管理するNPO法人「森林楽校(がっこう)・森んこ」が、食害防止へ駆除されたシカの有効活用に向け約5年前に「シカ肉へしこ」を考案した。地元の特産品化と、環境問題に関心を持ってもらおうと、2021年にふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で資金を調達。調理場を改修し翌年から毎年2キロほどを漬け込んでいる。おおい町や美浜町で捕ったシカのモモ肉を使用。サバのへしこを作る工程と大きな違いはなく、塩漬けした肉と、地元の農家から提供された米ぬか、塩水を混ぜ合わせ、たるで9カ月ほど熟成させ仕上げる。2月8日には、県立大海洋生物資源学部の2年生3人が授業の一環で仕込みを手伝った。1月下旬に塩漬けした2キロの肉を使い柿本さんの指導を受けて作業を進めた。11月ごろまで漬け込み完成させる。シカ肉へしこは同カフェでおにぎりやお茶漬け、リゾットなどで味わえる。お客さんからは「食べやすくおいしい」などと好評という。現在は昨年分までのへしこが食べられる。スタッフは「全国見渡してもここでしか食べられない味だと思う。鉄分など栄養素も豊富」とアピールした。
(「エレファント鹿カレー」発売)
筋肉トレーニーとアスリート、健康志向のみなさんのためのカレー「エレファント鹿カレー」が、2025年1月22日の「カレーの日」より新発売。高たんぱく・低脂肪という栄養価を持つジビエカレーです!
(クマ出没:宮城)
登米市によると、19日午前10時5分ごろ、登米市中田町上沼冠木にクマが出没しました。
(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、18日午前6時50分ごろ、登米市迫町北方地粮にイノシシが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後1時45分ごろ、仙台市泉区向陽台4丁目にクマが出没しました。
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