<射撃ニュース3月>
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(野生イノシシ2頭が「豚熱」感染:秋田)
秋田県北秋田市で2月29日と3月2日に捕獲された野生のイノシシ2頭の血液から、遺伝子検査で豚熱ウイルスの陽性反応が出た。捕獲場所から半径10キロ以内に養豚場はなく、ほかに異常は報告されていない。

(犬の散歩中、イノシシ5頭に遭遇:兵庫)
12日午後7時ごろ、兵庫県西宮市甲陽園目神山町の市道で、犬の散歩をしていた無職女性(37)が「イノシシが5頭いるのを目撃し、そのうち、1頭が突進してきた」と県警西宮署に届けた。女性はイノシシに襲われて転倒。起き上がったところ、さらに腹部に突進されて右脚をかまれ、軽傷を負った。同署によると、女性は突進してきたイノシシを1度避けたが、Uターンして再び向かってきたという。散歩させていた犬1匹も脚から出血していたといい、かまれたとみられる。署が注意を呼びかけている。

(巨大ヒツジ、違法にクローン作製か:アメリカ)
米国の牧場経営者が、中央アジアのキルギスから違法に輸入した希少な野生動物の細胞を使って、米国の狩猟愛好者向けに「巨大な雑種のヒツジ」を人工繁殖していた。AP通信が13日に報じた。南部テキサス州にある私営の狩猟施設に売るためで、1頭1万ドル(約147万円)での取引に合意したケースもあった。裁判所の資料などによると、訴追されたのは北西部モンタナ州に住む男性(80)。12日に出廷し、野生動物の売買や、その共謀などの罪への関与を認めた。これらの罪には、最高で懲役5年、罰金25万ドル(約3680万円)が科される。男性は少なくとも5人と共謀し、2013年から1年間にわたって人工交配を行っていたという。人工的につくりだした雑種のヒツジを狩猟愛好家向けの施設に売ることで、「高額の代金獲得」を狙っていたとされる。男性らは、キルギスに生息するアルガリ(野生のヒツジ)の細胞を現地のハンターから入手し、クローン胚(はい)を作製した。さらにそれを雌のヒツジに移植して、クローンをつくった。その後、「モンタナの山の王」と名付けたこのクローンの精液を用いて別の雌を妊娠させ、狩猟愛好家の好みに合う大型の雑種をつくったとされる。キルギスのアルガリは、絶滅危惧種に指定されている。大きな雄は体重が130キロを超え、らせん状の立派な角を持つことから、狩猟ファンの間で知られた存在だという。在来種を保護するために、モンタナ州への輸入は禁じられている。

(加害サル「半減」はやめます、目標達成困難)
ニホンザルによる農作物被害などを防ぐため、被害を及ぼすサルの群れ(加害群)を2014年度からの10年間で半減させる政府目標は、期限の今月末までに達成できない見通しとなった。政府は24年度からは数値目標を掲げず、常時被害をもたらしているような群れを優先的に減らす方針に軌道修正する。環境省によると、ニホンザルは17年時点で北海道、茨城、長崎、沖縄を除く43都府県で生息を確認。分布域は約40年で約1・7倍に拡大している。環境、農林水産両省は14年4月、加害群を捕獲して半減させる目標を初めて掲げた。だが、環境省によると、山口、三重などデータがそろう14府県分で比較すると、加害群は17年度の948群から22年度には988群と増加しており、目標達成は困難と判断した。一方、加害群の中でも出没頻度が高く、常時被害を及ぼしている群れを自治体が優先して捕獲してきたことなどにより、農作物被害額は14年度の13億円から22年度は7億円と減少傾向にある。環境省は近く、15年度に策定したニホンザル保護管理のための自治体向けガイドラインを改定し、柵の設置や追い払いなどでは被害低減が難しい群れについては全頭捕獲するといった方針を盛り込む。環境省幹部は「被害は減っているので、加害群の半減にこだわらず効果的な対策へのシフトを進めたい」と話す。生息域が拡大し農作物被害額の増加が続くシカについては、両省は個体数を11年度比で半減させる目標達成の期限を当初の23年度から28年度に先送りしている。

(今年度のクマ捕獲数886頭、すでに前年度の2倍以上:福島)
今年度、福島県内で捕獲された熊の数は2023年12月末時点で880頭を超え、前年度の2倍以上となっています。環境省によりますと今年度、県内で捕獲された熊は2023年12月末時点で886頭と、前年度の416頭の2倍以上となっていて、捕獲数が公表されている2008年度以降で最も多くなっています。2024年に入ってからも、暖冬の影響で冬眠していない熊の目撃が相次いでいて、県は「例年と動きが違うため、注意をしながら行動してほしい」と呼びかけています。

(違法わな解除で同意書提出要請へ:佐賀)
佐賀県は、鳥獣保護区や公道など禁止された場所に設置された「違法わな」の速やかな解除のために、狩猟者登録時に同意書の提出を求める方針を固めた。野鳥の会やJAなど関係者に聞く佐賀県環境審議会鳥獣部会(部会長・伊東主夫佐賀県猟友会会長)が12日、「第13次鳥獣保護管理事業計画」の改正案を了承した。審議会から答申を受けた上で、県は4月中にも計画を改正する。これまで違法わなが見つかっても、設置者の同意がなければ解除などができず、危険な状況で長時間放置される課題があった。同部会では、県生産者支援課が、違法わなとして、設置者の住所や氏名を書いた標識を付けていなかったり、捕獲された状態で数日間放置されたりしていたケースを例示した。法令を順守して即座に解除に応じる誓約書・同意書の提出を求めることを説明した。改正案では、カモによる養殖ノリや農作物の食害を防ぐために、わなによる鳥類捕獲を認めることも盛り込んだ。県境をまたぐイノシシの広域捕獲を具体的に明記した「管理計画」の改正案も示した。委員からは「同意書に関して十分な周知を」などの意見が出ていた。

(クマとのすみ分け図るなど県がクマ対策強化へ:富山)
県内では去年、市街地でクマの出没が相次ぎ死傷者も出たことから、県は来年度、クマとのすみ分けを図るため森林を整備するなど、クマ対策を強化することになりました。県内では去年、市街地などでクマの出没が急増して9人が襲われ、このうち1人が亡くなりました。こうした被害を防ごうと、県は来年度、クマ対策を強化することになりました。具体的には来年度の当初予算案で、クマとのすみ分けをはかるため市町村がクマの出没が多い地域で森林を整備したり、集落に近い里山に電気柵を設置したりする費用を補助する事業に1250万円を盛り込んでいます。また市町村がパトロールや、クマの食べ物となる柿の実の除去、それにクマ出没の対応訓練を実施する費用への補助金として、800万円を計上しています。そして、山の中に約100台のカメラを設置してクマの生息状況を調査する事業に1000万円を計上しています。今後は国と連携して、市街地に出没するクマに発信器をつけて、行動パターンを調査することも検討しているということです。さらにクマなどの捕獲を担う狩猟免許を持つ人を増やそうと、狩猟体験のイベントの開催やSNSでの動画発信などに300万円を盛り込んでいます。県自然保護課は「さまざまな対策で県民の安全を守っていきたい。ことしもすでにクマが目撃されているので注意してほしい」と話しています。

(“人とクマの共生へ” 北大の研究チームが調査研究に寄付募る:北海道)
人とクマが共生できる環境づくりに向けた調査・研究のために、北海道大学の研究チームが寄付を募るクラウドファンディングを行っています。クラウドファンディングで研究費を募っているのは、北海道大学大学院獣医学研究院の坪田敏男教授の研究チームです。研究チームでは、寄付を活用して▼ヒグマやツキノワグマの生態についての調査を進め、各地で相次ぐクマによる人身事故の防止対策を探るほか、▼若手の研究者の育成にもつなげるということです。また、極地に生息するホッキョクグマやネパールの高山地帯のヒグマなどに関する国際的な学術調査にも資金を充てたいとしています。坪田教授は「人とクマとが共に生きられる環境を未来に残すため、皆様からのご支援をお願いしたい」と話しています。今回のクラウドファンディングは目標金額を500万円として、来月15日まで寄付を受け付けています。

(ヒグマがフェンス越え侵入、飼育中のエゾシカ食べる:北海道)
昨年10月に北海道根室市郊外のエゾシカ養鹿場にフェンスを越えて侵入し、飼育中のエゾシカを襲って食べていたとみられるヒグマが捕獲されていたことが明らかになった。体長1メートル26センチ、体重86キロの雌で昨年12月2日に箱わな(幅1・5メートル、奥行き3・6メートル)にかかり、殺処分された。14日の市議会予算特別委員会で中村久議員(立民)の質問に市農林課の鵜飼豪生課長が答えた。このヒグマは、高さ2・7メートルのフェンスの支柱を伝って侵入と逃走を繰り返し、エゾシカを襲撃。市は道が出没時の対応指針で定める「問題個体」で3段階中2番目(農作物への被害など人間活動に実害を及ぼす)に当たるとして駆除を視野に箱わなを設置し、養鹿業者は電気木柵で対策を進めた。捕獲後、被害が止まったため、市はこの1頭が「犯人」だったとみている。

(野生のクマ侵入想定し避難訓練:岩手)
2023年、被害や目撃情報が相次いだクマへの備えについてです。3月13日、岩手・盛岡市動物公園ZOOMOの園内に野生のツキノワグマが侵入したという想定で、全職員が参加して避難訓練が行われました。訓練は、園内に野生のツキノワグマが侵入し、目撃した来園客が通報したという想定で行われました。職員はまず園内で共有された情報をもとにクマの行方を捜索した後、客に状況を説明して、近くの建物に避難させる手順を確認しました。続いて、避難した人を車に乗せ園の正面入り口へ移送するまでの流れも確認しました。盛岡市動物公園ZOOMOでは、2023年に園内に野生のクマが2回侵入していて、今回は訓練を初めて報道陣に公開することで来園する人に少しでも安心感を持ってもらえればとしています。盛岡市動物公園ZOOMO 森敦子さん「最善の形のシミュレーションをどれだけできるかが重要。そこをみんなで詰めていきたい」。また13日はクマを園の外に追い出す訓練も行われました。盛岡市動物公園ZOOMOでは、2025年は地震などの自然災害を想定した訓練を行うことにしています。

(フルーツの里、シカ食害深刻:北海道)
「フルーツの里」として知られる増毛町暑寒沢地区の複数の果樹園で、エゾシカによる果樹の食害が相次いでいる。シカにとって冬場の主な餌となるササの葉が減っている上、今季の記録的な積雪でササが埋もれて食べられず、餌を求めて移動してきたとみられている。ただ被害の全容は分かっておらず、農家は「たまったもんじゃない」と落胆している。...

(クマ対策の木伐採補助、1本5万円:秋田)
鹿角市の3月議会は12日、代表質問が行われ、去年、人の生活圏への出没が相次いだクマの対策で市は、庭などのクリやカキの木の伐採に対し、1本あたり5万円を支援するなどして被害を防いでいく方針を示しました。市内では去年、クマの目撃が前の年のおよそ1.7倍の311件、人身被害が過去2番めに多い11件、農地の被害は69件で、被害額がおよそ700万円に上りました。会派「誠心会」の浅石昌敏副会長から、新たな対策を問われた市側は、「出没を誘引するクリやカキの木の伐採に対し、1本あたり5万円の補助金を、来年度から2か年にわたり集中的に実施し、住宅地の安全安心の確保に努める」と説明しました。また、中学校部活動の地域移行をどのように進めるかについての質問には、「新年度に計画を策定する」としたほか、「新たに地域移行コーディネーター1人を配置し、学校や競技団体、関係者の協議や調整をしてもらいたい」と答えました。

(銃刀法改正案に要望、ハーフライフル規制強化で指定管理鳥獣の捕獲に影響:東京)
日本哺乳類学会(東京)と「野生生物と社会」学会(東京)は13日、警察庁が今国会に提出している猟銃「ハーフライフル銃」の所持規制強化を盛り込んだ銃刀法改正案に反対し、条件を満たせば初心者でも所持できるとする特例措置について改善を求める要望書を関係4省庁に提出した。

(「なんでここにシカがいるの!?」クマにイノシシも)
“木の伐採”問題と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 中古車販売大手「ビッグモーター」店舗前の全国の街路樹が枯れたり伐採されたりした問題でしょうか。それとも東京・明治神宮外苑の再開発をめぐる、数百本の樹木の伐採計画がどうなるか、といった問題でしょうか。森林政策の専門家に聞くと、「あまり報じられていない、さらにスケールの大きな森林伐採に関する問題がある」と指摘。『サステナ・フォレスト』、つまり「持続可能な森づくり」の視点が必要だと訴えています。一体、どういうことなのか。日本は、国土の7割が森林です。先進国では、サンタクロースを生んだフィンランド、家具のIKEAで有名なスウェーデンに次ぐ、まさに「森の国」です。ところが、九州大学の佐藤宣子教授(森林政策学)によると、「日本の森は今、非常に不健全な状況にある」と言います。かつて森は、日本人にとってもっと身近な存在でした。必要なものが揃うコンビニであり、栗や茸やイノシシなどの食材が採れるスーパーマーケットであり、燃料となる木材が確保できるガソリンスタンドでした。人々は都市部の会社に出勤するのではなく、森に通い、様々なものを得ていたのです。でも、森の役割は大きく変わりました。建築用の木材を得るためにスギやヒノキが多く植えられましたが、海外から木材が大量に輸入され、国内の森は放置されるようになりました。その結果、今、森は深刻な状況にあります。多発する獣害のニュース、夏なのに森が赤く染まる「ナラ枯れ」の背景にも、放置の問題があるのです。「なんでここにシカがいるの!?」。街に住む人がシカを目にして驚いたときの言葉です。ニュースでも報じられました。今、多くの野生動物が街や里にあらわれて、住民や農家に被害をもたらしています。農水省によると、2022年度の野生鳥獣による全国の農作物被害は約156億円。中でも全体の4割を占め、最も大きいのはシカによる被害です。シカの次に大きいのは、イノシシによる農作物の被害です。中山間地域の畑に監視カメラを設置すると、夜、入り込んで、キャベツを美味しそうに食べる様子が撮影されていました。さらに近年、イノシシが人に危害を加えるケースもが目立っています。環境省によれば、イノシシによるけが人は、2022年度、過去最多の85人に上りました。獣害としてのイノシシの捕獲数は2000年代に入って、20年余りで約4倍に。昨年度は約59万頭が捕獲されています。今年度、クマによる被害も過去最多になっています。環境省によりますと、去年4月から2月まで、クマの被害に遭った人の数は全国で218人(うち死者6人)に上りました。環境省の検討会は、絶滅のおそれが高い四国以外の地域で、クマを「指定管理鳥獣」に追加する対策案をとりまとめました。指定されれば都道府県がクマの捕獲などをする際に、国から補助金などの支援を受けられるようになります。クマによる人的被害が増えた理由として、ブナの実などの凶作が指摘されています。エサを求めて行動範囲が大きくなり、街に降りてくる危険性が高まりました。また、『アーバンベア』というクマの存在があります。アーバン(街)にもクマが出てきているのです。威嚇の爆発音にも動じず、車の通り過ぎる音にも反応しないケースも報告されています。クマは本来、警戒心が強いはずですが、人に慣れてきたのでしょうか。クマによる人的被害が増えた理由として、ブナの実などの凶作が指摘されています。エサを求めて行動範囲が大きくなり、街に降りてくる危険性が高まりました。また、『アーバンベア』というクマの存在があります。アーバン(街)にもクマが出てきているのです。威嚇の爆発音にも動じず、車の通り過ぎる音にも反応しないケースも報告されています。クマは本来、警戒心が強いはずですが、人に慣れてきたのでしょうか。先に述べた通り、かつて森は燃料となる木材を確保できるガソリンスタンドでもありました。実は、ナラ枯れも 、森の放置が関係しています。ナラ枯れとは、コナラなど広葉樹が次々と枯れることですが、近年、特に首都圏で急増していて、倒木による事故も起きています。ナラ枯れは、体長5ミリの昆虫「カシノナガキクイムシ」、通称「カシナガ」が幹に大量に入りこみ、病原菌であるナラ菌を増殖させ、水の吸い上げる機能を阻害して枯らす伝染病です。京都府森林技術センターの小林正秀・主任研究員によると、カシナガが狙うのは、繁殖に適した弱った木。その弱った木が増えてしまったのです。ナラ枯れは日本に昔からある自然現象ですが、1980年代以降に拡大した原因は、私たちの生活の変化にあります。かつて風呂や食事に使っていた炭や薪ですが、1960年代からのエネルギー革命で、ほとんどは電気やガスに置き換わっていきました。木材がエネルギーとして使われなくなり、ナラなどの広葉樹は放置され、老木化が進んで弱体化。カシナガたちの格好のターゲットになったのです。獣害もナラ枯れも、森の放置が大きく関わっていることを理解いただけたでしょうか。これ以上の放置を防ぐためには、改めて、“森の国”日本という認識が必要です。その上で、森に関わりながら生計を立て、森を見守ってきた“守り人たち”が置かれた厳しい現状を改善する必要があります。例えば林業従事者の平均年収は、危険かつ重労働であるにも関わらず、他の業種より低く、343万円(2017年)。成り手が減ってしまった原因でもあります。それでは、私たちはどうすればいいのか。佐藤教授や小林研究員などの専門家や実践家を取材したTBSのドキュメンタリー映画「サステナ・フォレスト~森の国の守り人たち~」(3月中旬から東京・大阪・福岡・名古屋・札幌・京都で上映)は、こうした森の現状を映像で描き、対策を探っています。映画をきっかけに、“森の国”に住む私たち一人一人がじっくりと考えていけたらと願っています。

(中山由起枝さん「ママアスリート」支援セミナー:栃木)
子育てをしながらクレー射撃の第一人者として活躍し、オリンピックに5回出場した経験を持つ小山市出身の中山由起枝さんが、みずからの体験をもとに国内の「ママアスリート」を支援するセミナーが、東京で開かれました。このセミナーは、中山さんが代表を務める団体が東京で開き、子育てをしながら競技に取り組んでいる現役の選手など、およそ60人がオンラインなどで参加しました。はじめに、出産の前後にトレーニングをする際の注意点について説明が行われたあと、中山さんが参加者からの質問に答えました。この中で、「現役の間、子どもともっと一緒にいたかったという後悔はないか」と問われると、中山さんは、「後悔はあったが、引退後に『アスリートの娘でよかった』と言われ、安心した」と答えていました。このあと、バレーボールの元日本代表の荒木絵里香さんが、競技と育児の両立には誰かに頼ること必要だと強調し、「親などに頼ることで、支援してくれる人の分まで頑張ろうと思えるようになった」などと、みずからの体験をもとに話していました。中山さんの団体は、今後もこうしたイベントなどを定期的に開きながら、「ママアスリート」の支援を続けていくということです。去年、出産したばかりのラクロスの選手は「周囲に同じ環境の選手がいないので、とても参考になりました。出産後の競技人生について悩んでいましたが、自分の目標のためにもう少し頑張りたいという気持ちが強くなりました」と話していました。

(ICTで鳥獣被害防げ:静岡)
西伊豆町の中学生や高校生らが、鳥獣被害防止を目指して情報通信技術(ICT)を活用したわなの開発に取り組んでいる。シカやイノシシがかかるとセンサーが反応してスマホに通知される仕組みで、見回りなどの負担軽減につながるという。2月上旬、同町宇久須の山林4カ所にくくりわなや無線、センサーを設置し、試験運用を始めた。

(山形新幹線つばさ、シカと衝突し上下線で一時運転見合わせ:山形)
JR東日本などによると、3月12日15:00頃、つばさ144号が板谷→庭坂駅間走行中にシカと接触したため、山形新幹線は、上下線の福島=米沢駅間で運転を見合わせていましたが、15:25までに運転再開し、一部列車に最大40分程度の遅れが出ています。

(3日連続でクマ目撃:秋田)
秋田市の手形地区で、12日にかけ3日連続でクマが目撃されています。12日、その姿が撮影されました。近くには大学や住宅があり警察が注意を呼びかけています。こちらは秋田市手形字蛇野にある道路から12日、撮影された映像です。映っているのは体長およそ50センチのクマです。秋田東警察署によりますと12日午前8時50分ごろ現場近くを通りかかった人から警察に、「クマがいる」という通報が相次ぎました。秋田大学の手形キャンパスから東に300メートルほどで近くには住宅街もあります。この地区では10日から3日連続で体長およそ50センチのクマが目撃されています。近くに住む立花三央さんは、子どもを保育園に送る途中にクマを目撃して撮影しました。立花三央さんは「今年は出始めも早いので、もっと増えるのかと住民としては心配だ」などと話していました。県内では去年クマによる人への被害が相次ぎ、この冬も例年より多く目撃情報が寄せられています。警察が現場の周辺で注意を呼びかけています。

(住宅街で雄シカが出没か:熊本)
熊本南署は14日、熊本市南区川尻2丁目北側の住宅街で同日午前7時ごろ、雄シカ1頭が目撃されたとして、防犯メールで注意喚起した。鹿を目撃した場合は、近づいたり、大声を出したりせず、市役所や警察に連絡するよう警戒を呼びかけた。

(食品14品目の出荷制限続く、シカは基準値超える個体も:栃木)
2011年の東日本大震災から13年となる中、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の影響により、県内では12日現在、原木シイタケやタケノコ、シカ肉など食品14品目で国の出荷制限が続いている。施設や露地栽培の野菜類は基準値を下回ることなどで解除され、この1年間では原木シイタケなど県内2軒の農家が制限を解かれた。一方、シカは基準値を超える個体が出ているほか、野生の山菜は検査手法の難しさもあり解除は見通せない状況だ。

(鹿革製品の贈り物、就労施設から中学卒業生へ:長野)
南箕輪村のNPO法人「やればできる」が12日、南箕輪中学校の卒業生162人に記念品を贈った。同法人は、村内の子どもたちを応援しようと2年前から毎年、卒業生に記念品を贈呈。昨年からは村内企業も協力し、村から巣立とうとする子どもたちに、ふるさとを思い出してもらえるような記念品を用意してきた。

(ジビエ用シカ肉処理施設開設:北海道)
旭川しんきん地域振興基金(武田智明理事長)は12日、本年度の産業振興奨励賞の表彰式を旭川信用金庫本店で開き、昨年1月にジビエ専用のエゾシカ解体処理施設を開設した東川町のハルキッチンが振興賞を受賞した。奨励賞には旭川市の北海製麺と日本醤油(しょうゆ)工業が、審査委員長賞には同市の高砂酒造が選ばれた。

(ジビエバーガー、イノシシ肉おいしさ手軽に:岡山)
新見市内で捕獲されるイノシシは、年間2千~3千頭に上る。捕獲後はそのまま処分されるケースが大半だが、適切に処理したジビエ(野生鳥獣肉)として活用を図ろうと、昨年4月に生まれたのが「ジビエバーガー」だ。

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(豚の致死率ほぼ100%のアフリカ豚熱、韓国で急拡大)
日本で発生例のない豚やイノシシの伝染病「アフリカ豚熱(ASF)」が、韓国で急拡大している。2024年に入り、養豚王国の九州から近く、長崎・対馬から約50キロの韓国・釜山(プサン)で相次ぎ感染を確認。有効なワクチンはなく、ひとたび感染が拡大すれば壊滅的な被害も想定されるため、国内の港などでは、水際での厳戒態勢が敷かれている。「お荷物、嗅ぎます」。2月下旬、福岡市の博多港国際ターミナルでは釜山からの新型高速船「クイーンビートル」が入港後、禁止されている肉製品の持ち込みがないかどうか、農林水産省の委託を受け、検疫探知犬を操るハンドラーが入国者の荷物を調べて回った。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によると、ASFウイルスは冷凍豚肉の中で110日以上、くん製ハムの中でも300日以上感染力を失わないとの報告もある。韓国では19年に北部でASFの感染事例が初めて確認されると、感染域は南下し、23年12月には釜山でも初めて、感染した野生イノシシが見つかった。釜山では今年に入っても、旅客定期便がある港から5キロほどしか離れていない山で野生イノシシの感染事例が15件相次いでいる。ウイルスは人の靴の裏や車、自転車のタイヤなどに付着して遠方に運ばれる可能性がある。釜山港と日本国内を結ぶ航路は、博多港のほかに、大阪市、山口県下関市、対馬があり、これらの港や航空機の直行便がある空港などで、靴の消毒用マットを敷いたり、旅行者らにASFの流行を知らせるボードなどを設置したりして警戒を呼びかけている。農水省が豚の「最強の悪性感染症」として厳戒態勢を取る理由が、ASFの感染力や致死率の高さだ。ASFは感染した豚などの体液や排せつ物に混じったウイルスから感染する。発熱や皮下出血、粘血便などの症状が表れ、致死率はほぼ100%。豚の感染症には、すでに国内で感染が広がっている豚熱(CSF)があるが、これとは別のウイルスで、感染力はより強いという。通年で感染のリスクがあり、CSFには有効なワクチンが存在する一方、ASFにはない。人には感染しない。1900年代初頭にアフリカで症状が出た豚が見られ始め、20世紀後半になって欧州などに広がった。2018年にはアジア初となる感染を世界最大の豚の生産国である中国で確認。19年に死亡や殺処分で中国国内の飼育頭数は約4割減り、豚肉価格が2倍以上に急騰した。周辺諸国にも拡大し、東アジアで感染が確認されていないのは、日本と台湾のみだ。国内で感染が確認された場合はどうなるのか。感染した野生イノシシが見つかれば、半径約3キロ圏内に他に死んだ個体がいないかどうか捜索し、感染拡大防止のために必要に応じて周囲に電気柵やわなを設置する。農場の豚に感染した場合は、発生農場だけでなく、未感染豚も含めて一定範囲内の豚を殺処分する「予防的殺処分」も認められている。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、国際的な人の往来が活発化するなか、飼養頭数が約280万頭で国内全体の3割を占める一大養豚地帯の九州では、不安が広がる。鹿児島県さつま町の養豚場「旭ファーム」の大迫尚至社長は「(日本にASFが入るのは)時間の問題ではないか」と警戒。「農場に入る前に職員にシャワーを浴びさせ、外部の人を入れないために見学できないようにするなど、できる対策をしている」と気を引き締める。

(クマ農林業被害額5300万円、過去2番目の多さ:北海道)
十勝地域野生鳥獣等対策連絡協議会が11日、十勝総合振興局で開かれ、管内のヒグマによる農林業被害額が2022年度、5300万円と過去2番目に多かったと報告された。

(自治体関係者らを前にヒグマ対策で専門家が助言:北海道)
ヒグマの市街地への出没が問題となる中、自治体や猟友会などの関係者らでつくる野生鳥獣の対策連絡協議会が帯広市で開かれ、ヒグマ対策の専門家が対応訓練や関係機関どうしの連携を提言しました。11日、十勝総合振興局で開かれた会合には、十勝地方の自治体や地元の猟友会の関係者ら約50人が出席し、札幌を拠点に活動する獣医師で鳥獣対策コンサルタントの石名坂豪さんが講演しました。石名坂さんはヒグマ対策の現状について、早朝や夜間、休日にヒグマの出没が多いほか、猟友会や警察などの情報共有が十分ではないケースもあると指摘しました。その上で、休日や夜間でも対応できるように、緊急用連絡網の作成やヒグマが出没しそうな場所を把握し、役割分担や発砲の際の条件を事前に打ち合わせておくことがスムーズな対応につながるとアドバイスしました。また、石名坂さんは「ヒグマは人間側の都合に関係なく出てくるので、突発的な事態に常に冷静に対処できるようにしておく必要がある」と話していました。

(クマ遭遇時どう対処、知床財団職員が講演:北海道)
クマの生態や生息状況、被害対策について学ぶ講演会が10日、エコーセンター2000で開かれた。クマの目撃件数が増加傾向のため、参加した市民約40人は、クマに万が一遭遇した際の対処法などについて真剣に耳を傾けた。網走市の主催。2017、18年ごろから市内でクマの目撃件数が40件を超えたことを受け、19年から毎年開催しており、今回は知床財団の村上拓弥さん(34)が講師を務めた。目撃件数が増加した要因として、村上さんは「生息頭数の増加やエサの不足が挙げられる」とし、ヒトとクマがすみ分けをするため、「ごみやシカなどの動物の死体を放置しないことが重要」だと話した。...

(クマの生態、納得の解説:北海道)
JR江部乙駅で10日、地域住民が交流する「駅カフェ」が開かれた。江部乙地区で自動撮影のカメラを使い野生生物を記録している滝川高教諭の長沢秀治さん(56)が講演し、「クマは学習したことでタイプが変わるので対処法に『絶対』はない」と強調した。

(「鳥獣被害対策事業」を1,500万円削減の提案:福岡)
奥村 直樹 北九州市議会議員。昨日から令和6年度の予算特別委員会が始まり、私が所属する第1分科会では、産業経済局、公営競技局と農業委員会の予算議案について審査しました。その中で、鳥獣被害対策事業について「イノシシ、サルの捕獲経費の見直し」ということで1500万円の削減が提案されています。この理由を質したところ、「アライグマなど新たな対策が必要になったため」とのことでした。日々の相談を受け、私自身も一猟師として初心者ながら対応している中で、現時点でイノシシの対策が十分でないことは間違いありません。イノシシ対策最後の砦である猟友会の皆様からは、予算削減によってモチベーションが落ちたとの声が届いています。区役所に相談があったとしても、具体的に対応するのは猟友会であり、猟友会も義務ではなく協力している状況であることを忘れてはなりません。予算をどのように削減するか具体的な内容はまだ決まっていないとのことでしたが、そのような噂が先行している時点で説明不足だと言わざるを得ません。猟友会の皆様への説明も必要ですが、予算削減によって対応に影響が出るとしたら、そのシワ寄せが行くのは市民の皆様です。猟友会の皆様に合わせ、イノシシ被害に合っている市民の皆様への説明を求めました。もし、年度内に予算が足りなくなったら、どうするのか?との問いには、「削減した予算の中で対応していき、令和7年度の予算で求めていく」との回答でした。まずは納得のいく説明を求めました。また、予算削減により令和6年度内に影響が出るようであれば、手立てを求めていかなかればなりません。これまで現場で携わってきた身として、しっかり注視していきます。

(野生動物の保護管理を考える:北海道)
野生動物の保護管理について考える「標津アニマル・プロジェクト報告会」(標津町主催)が15日午後2時~同4時、町内のコワーキングスペース「モトトバ」で開かれる。

(特殊詐欺やクマへの対策強化へ:秋田)
県警察本部が定期人事異動を発表しました。特殊詐欺と位置付ける組織犯罪への対応や、クマによる人への被害を防ぐための地域活動の強化を図ります。県警察本部の春の定期人事異動は999人が対象です。被害が絶えない特殊詐欺など組織犯罪への対応を強化するため捜査員を増やして、4月から全国の警察で運用が始まる「特殊詐欺連合捜査班」の任務に当てます。また、去年県内で相次いだクマによる人への被害を防ぐため対応する警察官を増やして地域での活動の強化を図るほか、他県への出向などを通して若手警察官の能力向上を図ります。主な異動です。県警察本部の警備部長に髙橋等氏、交通部長に渡部仁氏。警務部参事官兼首席監察官に加藤和司氏、秋田中央警察署長に佐藤雅宏氏が就任します。異動の発令は3月25日です。

(イノシシ対策、市街地で強化:広島)
広島県福山市は2024年度、市街地に出没するイノシシの対策に乗り出す。23年にイノシシに襲われてけがをする人が相次いだのを受け、生息状況や出没頻度などを調査。人里に近い山際に仕掛けたわなで成獣を捕獲し、出没の抑制を試みる。

(サルサ踊って「サル去るさ!」:山口)
野生のサルによる農作物の被害が深刻な山口市仁保地域で、ラテン音楽「サルサ」のリズムで踊ってサルを追い払うユニークな取り組みが行われている。合言葉は「サルサルサを踊れば、サル去るさ!」。10年ほど前から地域の人たちとサル被害対策を検討する県立大文化創造学科の地域文化創造論研究室が企画する。

(国道を横断する体長2mのクマを目撃:北海道)
11日夕方、北海道むかわ町の国道沿いでクマ1頭の姿が目撃されました。町の職員らが付近をパトロールするなどして警戒に当たっています。クマが目撃されたのは北海道・むかわ町穂別稲里です。11日午後5時半すぎ、国道274号を車で走っていた男性が前方およそ150mほどの道路脇にいるクマ1頭を発見しました。車で通過した際クマは動く様子がありませんでしたが、その後、道路を反対側へと横断する姿を男性がバックミラーで確認しました。男性によりますと体長はおよそ2mだったということです。12日朝になって連絡を受けた町の職員が付近をパトロールしましたが、痕跡はありませんでした。現場からおよそ300mほど離れた地点には住宅が2軒あり、注意喚起を行ったということです。

(クマ1頭を目撃:北海道)
11日午後2時30分ごろ、乙部町豊浜の住宅街に近い国道脇の斜面にクマ1頭がいるのを、近くに住む40代男性が歩行中に目撃し、江差署に通報した。

(民家敷地にクマ、山林へ立ち去る:秋田)
11日午前10時25分ごろ、秋田市手形字大沢の民家敷地に体長約50センチのクマがいるのを住人が見つけた。秋田東署によると、けが人はなく、クマは山林に立ち去った。現場は秋田大手形キャンパスから約30メートル。同大は構内放送で注意喚起した。

(「道路の真ん中に30匹のサルが…」:新潟)
3月10日、阿賀野市でおよそ30匹のサルの群れが目撃されました。被害は確認されていません。10日午後3時過ぎ、阿賀野市沢口の市道を車で走行していた男性から「道路の真ん中に20~30匹のサルがいた」と警察に通報がありました。通報を受け警察が駆け付けたところ、目撃された現場から300mほど離れた阿賀野市上一分の田んぼで、およそ30匹のサルの群れがもみ殻などを食べているのを発見。警察官がサイレンを鳴らすなどしたところ、サルの群れは山の方向に立ち去ったということです。物的被害や人的被害は確認されていません。現場から50m程の距離には住宅もあることから、警察はパトロールを行うとともに近くに住む人に注意を呼び掛けています。

(家の裏に「クマ」?:愛知)
昨年12月中旬、名古屋市天白区に住む男性から「家の裏にクマのふんがある」と天白署に通報があった。男性の家は山林に近い住宅地。クマが人里に下りてきた可能性もある。各地で人が襲われる被害が発生していることもあり、署員が急行した。現場の地面には確かに直径30センチほどの大きな動物のふん。署員が写真を撮り、県の獣害対策を担当する部署に情報提供すると、返ってきた回答はタヌキのふん。署幹部は大ごとにならなかったことに胸をなで下ろしつつ「タヌキもクマと同じように、えさを求めて山を下りてきたのかも」と山の食料事情を案じていた。

(イノシシ肉入りカレー、ラベル考案:栃木)
那珂川町地域おこし協力隊の須藤(すどう)ゆうさん(41)が馬頭高生と連携して開発した「ししまるカレー」のラベルが完成し、デザインを考えた同校3年荒井紗千映(あらいさちえ)さん(18)にこのほど、ラベルがお披露目された。須藤さんは馬頭高水産科の生徒と共に昨年5月から、イノシシ肉を使ったカレーの開発を進めてきた。普通科の生徒にも関わってほしいと、ラベルデザインの考案を依頼。6案が集まり、イノシシなどをポップに描いた荒井さんの作品を選んだ。須藤さんは「『ししまるカレー』の字体もかわいい。手に取ってもらいやすいのでは」と評した。この日、完成したラベルを初めて見た荒井さんは「イノシシはかわいくしようとデフォルメした。想像以上の出来で、感動した」と話した。カレーは唐辛子入りの辛口と通常の2種類あり、須藤さんは新年度中の販売開始を目指している。

(高校生が発酵食品とジビエで調理実習:兵庫)
伊和高校の1年生が3月6日、「ふるさとの課題解決に向けた調理実習」に取り組みました。同校が総合的な探求の時間で実施するカリキュラム「宍粟と発酵」で、生徒たちは1年間、「宍粟」「発酵」「獣害」について、座学や実習を重ねてきました。総まとめとして、発酵食品とジビエを組み合わせたランチメニューを考案し、この日、調理実習に挑戦。鹿ミンチ肉を使ったカレーやハンバーガー、パスタなどのほか、酒かすや味噌、三尺キュウリのはじまり漬けなどの発酵食品も加えたオリジナルメニューに仕上げました。村田琉斗さんは「鹿肉は臭みをほぼ感じず、柔らかくうまみもあり驚いた。もっと学びたかった」と話しました。

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(野生イノシシ1頭から豚熱:広島)
広島県は8日、福山市で捕獲された野生のイノシシ1頭が、家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。同市内での感染確認は初めて。捕獲地点から半径10キロ圏内を感染確認区域に設定した。県によると、イノシシは3日に同市沼隈町で捕獲。県西部畜産事務所が遺伝子検査を行い、8日に陽性が確認された。県内の養豚場などに注意喚起するとともに、野生イノシシの捕獲と検査を継続する。豚の出荷制限は行わない。豚熱は豚とイノシシの家畜伝染病。人に感染せず、感染した肉を食べても健康に影響はない。

(山道から斜面を転げ落ちたか、70代男性死亡:兵庫)
8日午後11時20分ごろ、兵庫県川西市笹部の山中で、同市の男性(77)が倒れているのを消防隊員が発見した。男性は山道から約50メートル下の場所で頭部から血を流しており、既に死亡していた。県警川西署は山道から斜面を転げ落ちた可能性があるとみて調べている。同署によると、男性は山中に仕掛けたわなにイノシシが掛かったため、知人とともに山の中に入っていた。近くの沢で作業をした後、知人と別れたが、男性が戻らず、同日午後8時過ぎに妻が110番。警察と消防で付近を捜索していたという。

(学校給食へのジビエ食材提供廃止へ:和歌山)
県議会は一般質問の3日目です。シカなど野生鳥獣の肉ジビエ食材について、県は、利用拡大に一定の成果が得られたなどとして、学校給食への提供を来年度から廃止する方針を明らかにしました。
今日の県議会一般質問では、改新クラブの藤本眞利子議員が、学校給食での県産品利用拡大に向けて県が策定したアクションプログラムは、令和8年度までの計画にも関わらず、ジビエ食材の提供を廃止するという施策変更の考えを県に尋ねました。県農林水産部の山本佳之部長は、県内で捕獲された野生のシカやイノシシの肉「わかやまジビエ」の普及や消費拡大を目的に、県では平成29年度から、希望する小中学校に給食向けのジビエ食材を年に1度提供し、その結果、独自に給食へ取り入れる動きも始まっているという現状を説明しました。その上で、利用拡大に一定の成果が得られたとことに加え、限られた予算の中で、新たな施策を考えていく必要があるとして、来年度から学校給食への提供を廃止する考えを示しました。一方、ジビエの出前授業を希望する学校に対しては、教材として食材を提供することにしていて、県では今後、アクションプログラムを見直すとともに、関係事業者への説明も行っていくとしています。

(県内クマ出没、1千件超で最多:青森)
青森県議会は7日、一般質問を行った。県側は、2023年のツキノワグマの県内出没件数が1133件となり、記録が残る1992年以降で最多となったことを明らかにした。クマによる人身被害も、県が統計を始めた2006年以降最多の10件11人だった。県は生息域に自動撮影カメラを設置し、県内個体数を推定した上で、被害対策を検討する有識者会議を設置する方針。

(クマ生息地“レッドリスト”除外の可能性:北海道)
2023年クマに9人が襲われ2人が死亡した北海道。こうしたなか、環境省が絶滅の恐れがあるとしてレッドリストに載せていたクマの2つの生息地を外す動きがあることが分かった。一体、どんな影響があるのだろうか。2021年、札幌市東区の住宅街に現れたクマ。男女4人が重軽傷を負った。「OSO18」と呼ばれ2023年駆除されたクマ。北海道東部の標茶町や厚岸町で2019年から牧場のウシ60頭以上を襲った。人の生活とクマとの距離が近づき、被害も増える北海道。北海道警によると、2023年のクマの目撃件数は2022年にくらべ約2倍に増加した。クマによる被害が相次ぐ中、新たな動きが。絶滅の危機がある野生生物を掲載する環境省のレッドリスト。石狩西部と天塩・増毛が絶滅の恐れのある地域として載っていたが、外される可能性が出てきた。掲載された約30年前、この2つの地域はクマの行き来がないとされ、クマの孤立地帯とされていた。しかし、いまは全道的にクマの個体数が増え行き来が活発に。札幌市東区で人を襲ったクマは増毛山地から移動したとみられている。北海道は60年ほど前、ヒグマ根絶を目的とした「春グマ駆除制度」を実施。個体数が激減し1990年に廃止された。廃止から30年以上経過し、今度は個体数が激増。2023年は9人がクマに襲われ、このうち2人が死亡した。さらに相次ぐ人身事故を受け、政府はクマを「指定管理鳥獣」に指定する方針だ。駆除やハンター育成に国の交付金が受けられる。「(クマを)獲ることが本当の意味での自然と共生という考え方もできる」(札幌市ヒグマ防除隊 玉木康雄さん)。クマの保護から抑制へと流れは変わりつつある。

(クマに襲われたら、まず傷口洗浄:秋田)
昨年、東北地方をはじめ各地で住民を襲ったクマ。暖冬となったこの冬も目撃が相次いでいるが、春になれば冬眠から覚めて再び本格的に活動し始める。日常生活においてクマの存在感がかつてなく高まる今、備えは十分だろうか。人身被害が全国で最も深刻な秋田県で、治療に当たる医師に、被害の実態を聞いた。――クマによる負傷者への対応状況は。◆2009年から昨年10月までにクマ外傷で入院したのは31人。主に▽山菜採り▽草刈り作業▽栗拾い▽キノコ採り▽川釣り▽竹やぶ作業▽新聞配達▽散歩▽パトロール――の最中にクマに遭遇し、負傷している。このうち29人の負傷は頭や首に集中している。例年は数件程度だったが、昨年は10月だけで6人に上った。――負傷の状態を見て感じることは。◆やはり目を中心に、顔や頭を狙われている。たたかれたりひっかかれたりして、多くの傷ができたり、顔を骨折してしまう例が目立つ。切られるというよりは、強い力で皮膚と皮下組織を一緒にはがされてしまっている感じだ。中には顔をたたかれて顔の骨がばらばらになってしまった例もある。相当な力による外傷という印象だ。――主にどのような治療をするのですか。◆動物による外傷は著しく汚染していることが多いので、一度傷口を洗ってから縫う必要がある。手術で顔の骨を直したり、受傷から数カ月後に傷を目立たなくする手術を行うこともある。(手術が)複数回になることもある。はがれた皮膚が残っていれば縫えるが、皮膚が失われると移植手術が必要になる。――入院の期間は。◆負傷の状態によって早ければ1週間程度で済むこともあるが、長いと1カ月に及ぶこともある。何年たってもしびれなどの感覚異常や皮膚の違和感を訴える人もいる。また顔の筋肉や神経が切れてしまっていると、口を動かしづらかったり、まぶたが上がらない状態が残ったりする。――治療の現場から見て効果的な対応は。◆(クマ外傷での)顔面骨折はスポーツによる負傷よりも複雑になってしまう例が多いが、首の骨を大きく負傷したという例はあまり耳にしない。「突然襲ってきた」と多くの負傷者は振り返っているが、県が呼びかけている通り、いざという時に顔を覆ってうずくまる姿勢は有効だと思う。

(クマ被害防止策、生息実態の把握が重要:秋田)
環境省は来月にもクマを「指定管理鳥獣」に追加する。2023年度のクマによる人的被害が全国で過去最多となったことを受けた措置だ。これによって、都道府県による捕獲などの事業が国の交付金の対象となる。人的被害を防ぎつつ、クマの生息実態の把握や生息環境改善にも力を入れ、人との共生を目指していきたい。県によると、23年度(先月末時点)の県内クマ目撃件数は3698件、人身被害は62件70人に上る。人身被害のうち53件は住宅地やその周辺で発生した。秋田市御所野の運送会社倉庫には先月6日にクマが入り込み、捕獲まで4日を要した。上小阿仁村の民家には同22日と25日にクマが侵入。本来なら冬眠しているはずの期間にも出没が相次ぐのは異常事態だ。今冬は積雪が少なく、クマが早く動き出す可能性がある。農作業中の人や登下校中の児童生徒らが遭遇しないよう例年以上に警戒を強める必要があろう。県内に生息するクマは20年春時点の推定で4400頭。その後、少しずつ増えたとみられるが、23年度は先月末までに2315頭を捕獲した。捕獲枠の1582頭を大きく上回ったものの、市街地などに頻繁に出没し、危険除去のための駆除が増えた事情を鑑みればやむを得まい。一方で、大量捕獲は特定地域の個体群を絶やすことにもつながりかねず、常態化させないための取り組みが急務だ。クマは既に指定管理鳥獣となっているニホンジカやイノシシに比べ、個体数が少なく繁殖力も低い。地域個体群を安定的に維持していくには十分な保護管理が求められる。まずはモニタリングで現時点での推定個体数を算出し、捕獲枠が適正かを見極める必要がある。経年的な動向も把握し、将来の推移を予測することも欠かせない。県は24年度から、5年ぶりに生息数調査を実施する方針だ。2年間かけ、山中の自動カメラでクマを撮影する「カメラトラップ法」で調べるという。集落周辺の冬眠穴も初めて調査し、クマの居着き状況を確認する。これらの結果を踏まえ、捕獲や人里近くにいる場合は追い払いなどの被害防止対策につなげてもらいたい。併せて、クマが人里に下りて来ないよう生息環境を改善する取り組みも求められる。23年度にクマが異常出没した要因の一つはブナの実の凶作とされる。2月県議会の代表質問で佐竹敬久知事は「針葉樹と広葉樹の混交林化に取り組んでいる」と述べた。木の実などを得られる恵み豊かな森をつくっていくことは重要だ。クマを人の生活圏に呼び寄せないよう、やぶの刈り払いを継続的に実施する態勢づくりも不可欠だろう。指定管理鳥獣への追加を機に、電気柵の設置や果樹の管理などの対策も本格化させ、野生動物と人間のすみ分けを進めたい。

(“冬眠中や冬眠明け”狙った駆除本格化:北海道)
去年、前年比2倍の4000件以上ヒグマが目撃された北海道で、冬眠中や冬眠明けを狙った駆除が本格化している。絶滅の恐れがあるとして、保護に重点を置いてきた政策を約30年ぶりに転換。捕殺などで個体数を管理する。冬ごもりの季節も続いた去年の狂騒を分析するとともに、ことしを展望する。駆除は「春期管理捕獲」と呼ばれ、道内の64市町村が実施する意向を示した。冬眠中を狙う「穴狩り」や親子グマの駆除を許可する区域を人里から最大5キロから10キロ以内に広げる。ハンターと出会わずに繁殖しているメスの個体数を減らし、人間の足跡を山奥まで増やしてクマに警戒心を与える狙いだ。北海道東部の釧路市では2月からスタートしている。「今のうちから人間の圧をかけて、においをつけて(クマに)ここまで人間が来ているんだと認識させたい」(北海道猟友会釧路支部 米山秀治支部長)。人身被害は2人が死亡し7人が負傷だった。亡くなった2人は釣りや登山の最中に被害に遭い、いずれも駆除されたクマの胃の中から遺体の一部が見つかっている。駆除は1000件以上に達した。街中にも出没し、連日報道された。人里に出没する「アーバンベア」が北海道東部で乳牛を襲い続けた「OSO(オソ)18」が流行語大賞のトップ10入りした。何かにつけ、話題となったのはOSO18だった。2019年以降、北海道東部の標茶町や厚岸町で乳牛66頭を襲い続けた。警戒心が強くわなにもかからないことから「忍者グマ」と地元で恐れられていた。そんなクマが人知れず、昨年7月、2町と隣接する釧路町で駆除されていた。駆除したハンターや持ち込まれて加工した業者も、OSO18だとは思っていなかった。「脂ものって500キロくらいあるというイメージだったが、実際は毛が薄くて痩せていた」(加工会社の社長)。体長2.1メートル。体重は内臓を除き304キロ。脂は比較的少なかった。DNA鑑定でOSO18と判明したのは約1カ月後。すでに東京のジビエ料理店などに”熊肉”として売られていた。「駆除するだけでは申し訳がない」。加工会社の思いから釧路市内の飲食店で「みそ煮込み」としてふるまわれた。客も恐る恐るほおばるが、口に含んだ瞬間笑みがこぼれる。「歯ごたえ最高、こりこり」。あっけない最期だった。OSO駆除の知らせは酪農家たちを安堵させたが、予想だにしない反応があった。「なぜ殺したのか」「クマがかわいそう」「他に方法があったはず」。SNSで批判が続出し、ハンターや家族、役場に電話も寄せられた。これに地元猟友会は憤る。「これだけクマの被害があるようなところに来て、生活し実態を見てくれと言いたい。われわれも面白半分にクマを撃っているわけではない。批判されるくらいならハンターを辞めるという人も。鉄砲を持たなくなってしまう」(北海道猟友会標茶支部の後藤勲支部長)。北海道猟友会によると、道内のハンター登録者数は年々減り続けて、ピーク時の1978年に比べると、2023年は4分の1の約5300人まで減少した。半数が60歳以上と高齢化も深刻な問題。熊撃ちになるには、5~10年の経験が必要とも言われている。銃弾も輸入に依存していて、円安やウクライナ情勢で高騰した。「1個の弾が1000円くらい。昔は600円だった」(北海道猟友会 厚岸支部の根布谷 昌男さん)。北海道が9月、「ヒグマ有害捕獲へのご理解のお願い」と題しX(旧ツイッター)に投稿する事態に。「人を恐れないで何度も市街地に出てくるクマは、危険なものとして捕獲しなければならない場合もある。やむを得ず駆除をしているという事実は多くの人に知ってもらいたい」(北海道の担当者)。子グマを連れて、札幌市南区の住宅街で出没を繰り返したメスのクマが箱わなで捕殺されると、抗議が約650件も殺到した。大半は道外からとみられる。北海道民に街頭でマイクを向けると、駆除に肯定的な人が多い。「捕獲して自然に戻すことができれば一番良いが、なかなか難しい」「人間の命の方が大事。駆除しないと大変なことになる。これからどんどん被害が続出する」「危険なクマから守ってくれるハンターに苦情をぶつけるのは違うと思う」。10月に実施した『北海道ニュースUHB』のYouTubeコミュニティアンケートで、クマ駆除への見解をたずねた。約1万7000の投票のうち、73%が「問題個体は積極的に駆除すべき」と回答。「やむを得ない場合に限り容認」が22%と続き、「何があっても反対」はわずか3%だった。騒動は雪が降り始めても収まらなかった。12月、北海道中部の芦別市で、木材会社の倉庫にヒグマが居座った。騒ぎを取材していたカメラマンの前に突然現れた。すぐに避難し無事だったが、現場は一気に緊迫。「怖いな」。つぶやいた本音も残っていた。クマは体長1.3メートル、体重70キロのメス。現場が住宅街だったことや、人を襲うそぶりを見せたこともあり、駆除された。北海道に開拓使が置かれた明治以降、先人はヒグマと対峙し、人食いグマとの戦いも語り継がれてきた。冬眠中や冬眠明けを狙う「春グマ駆除」が有効な手段として推奨された。草木が雪で覆われ見通しがよく、残雪で足跡も追いやすい。ただ、価値観は時間の流れとともに変わる。絶滅の恐れがあるとして、1990年以降、春グマ駆除を禁じた。約30年がたった。道のシミュレーションではヒグマの個体数は2020年度で1万1700頭となり、ほぼ倍増したと推定。環境省の専門家検討会はクマを「指定管理鳥獣」の対象に加える方針案をまとめた。保護に重点を置いてきたクマを捕獲管理へ転換する。クマの捕獲費用の一部を国が負担する。人の生活圏への出没を未然に防ぐため電気柵を設置し、ハンターの育成にも取り組む。北海道の鈴木直道知事も歓迎した。「スピード感を持って対応してもらい感謝したい。地域の切実な声を理解してくれた」(鈴木知事)。増え過ぎたから減らす。人間の一方的なロジックによる政策転換で、クマとの共生が実現するかは分からない。間もなく冬眠しているクマたちが目覚め、動き出す。

(クマ春期捕獲を開始、目撃件数最多:北海道)
根室市は、冬眠明けなどのヒグマを残雪期に捕獲する春期管理捕獲事業を始めた。ハンター育成に加え、人への警戒心をクマに与える目的で道が昨季に創設した制度で、根室市の参加は初めて。これまで被害報告がほぼなかった市内は昨年秋に養鹿(ようろく)場(長節(ちょうぼし))のエゾシカが襲われ、2023年度の目撃件数も過去最多を記録しているため、対策に乗り出す。

(ヒグマ人里出没で管理捕獲:北海道)
根室市は7、8の両日、ヒグマの人里出没抑制などのため春期管理捕獲事業を実施した。7日は市総合文化会館で室内研修を行い、ワイルドライフプロの葛西真輔代表から市鳥獣被害対策実施隊員の4人がクマ捕獲に関する知識や技術の習得を図り、8日は葛西代表と長節地区でクマの痕跡を探す現地研修を行った。全道的にクマの出没が相次ぐ中、市内でも昨年度のクマの目撃件数が統計開始以降最多を記録。被害防止体制の構築が求められているが、対応できるハンターの不足が懸念されている。このため、クマの捕獲に必要な技術を持つ人材の育成を図るとともに、人里周辺に生息、繁殖する個体の低密度化を図り、人への警戒心植え付けによる人里への出没抑制を目的に実施する。7日の研修では各種法令の順守や発砲後のクマの動きなど一連の作業を「安全第一で行う」と述べたほか、道庁が作成したテキストに沿った捕獲技術、斜里町での地形を活用した捕獲パターンや、捕獲する際にあった人身事故の事例などについて説明した。8日の現地研修では、長節周辺の車道沿いを車で巡回してクマの痕跡を探したほか、2班に分かれて長節地区の国有林に入り、それぞれ痕跡を探した。ドローンによる上空からの調査も行ったが、痕跡は確認できなかったという。市鳥獣被害対策実施隊員で、道猟友会根室支部の斉藤雅之支部長代行(68)は「万が一クマが市街地に出たときなど、要請があったときすぐに行動を起こせるような形にしたい」と話していた。事業は今後13日までの3日間も行う。

(シカ・クマの被害対策:北海道)
シカやクマによる農業被害などが相次ぐ中、室蘭市で関係機関が情報を共有し、今後の対策について話し合う協議会が開かれました。この協議会は、胆振総合振興局が自治体や警察など関係機関と情報を共有しシカやクマへの対応を検討しようと、8日、室蘭市で開いたもので、およそ60人が参加しました。はじめに、振興局の担当者が最近の状況について説明し、胆振地方では▼シカによる農林業への被害が年間3億円を超えていることや、▼去年1年間にシカが関係する交通事故が道内で最多となる820件発生したことを報告しました。また、去年、全道の警察へ寄せられたクマに関する通報は、これまでで最も多くなったということです。続いて、今後の対策について意見を交わし、▼シカの個体数を減らすためにメスジカの捕獲に積極的に取り組むことや、▼クマに対応するために新たなハンターを育成していくことなど、関係機関で連携していくことを確認しました。胆振総合振興局環境生活課の徳永昇課長は「去年5月にはクマが室蘭市の市街地に現れるなどしたので、振興局としても関係機関との連携を密にして住民の生活や安全につなげていきたい」と話していました。

(7万頭のキョンが大量発生!年間150億円の農作被害:千葉)
「野生動物が人里に出没して人を襲ったり農作物を食べてしまう被害は減りません。年間の農作物被害は150億円を超え、深刻な状況です」(全国紙社会部記者)。昨年末には全国の人里にクマが立て続けに現れ騒ぎになったが、野生動物が人の住む場所に出没するのはクマに限らない。「千葉県のキョンが騒がれていますが、農作物を荒らすのはシカ、イノシシ、サルの3種類が定番です。東京都も例外ではなく、多摩の丘陵地帯に生息するイノシシが国立市や立川市の街中で確認されています。数年前には足立区の河川敷に体長1mほどのイノシシが現れ、川を泳いで北千住に逃走しました。人里に出てきた動物たちは畑の花や実を食べてしまうため農家にとっては天敵です。北海道、九州、関東の順で被害にあっています」(同前)。野生動物の出没が増えている一方でハンターの高齢化が進み、全国的に捕獲が追いついていない。そこで新たな担い手を育成しようとの試みが自治体で始まりつつある。千葉県がスタートした有害鳥獣捕獲協力隊もその一つだ。昨年秋に男女30人が選ばれ、実践的な訓練が行われる。1月と2月に行われた捕獲同行に密着した。「捕獲箱の近くに落ちている丸くて米粒より少し大きいのがキョンのフンです」。講師役の男性がそう教えた。君津市の山中で行われたこの日の捕獲同行に参加した隊員3人はいずれも女性で、狩猟免許は取得したものの猟の経験がないペーパーハンターたち。鹿の好物のアオキの葉が仕掛けられた捕獲箱の中身は空だったが、近くには獣の足跡とフンが落ちていた。「足跡もあり、キョンが捕獲箱の近くにまで来ていることが分かります。キョンは体が小さいので民家の庭などに簡単に隠れ、花などを食べてしまう。冬のキョンは昼でも活動しているので、今日遭遇するかもしれません」(同前)。数百m離れた場所には一回り大きな捕獲箱。中には米ヌカが撒かれているが、イノシシとみられる動物がヌカを食べた形跡がある。イノシシはシカやキョンと違ってフラフラと匂いを嗅ぎながら進むので、地面の足跡を見つけにくいのが特徴だという。捕獲同行では解体実習も行う。罠にかかったキョンを解体する日もあるが、この日は空振りを見越して、あらかじめ仕留めたイノシシが用意されていた。皮と内臓を抜いた個体をまず講師の男性がナイフで捌いていく。スーッとナイフの刃が入る。4本足の動物は前脚の関節がなく肉でつながっているだけのため、刃を入れる場所が分かればサクサク切れるという。「ポイントは手足を外すことで、それができればきれいに解体できます。捕獲した獣は山の中に埋めることが多いのですが、最近は埋設がダメな場所がある。市町の処分場に持っていくためには小分けにする必要があるのです」(同前)。難所は後ろ脚だ。股関節が骨盤にはまっているため前脚のようにナイフが入らない。ももの付け根にあるボール状の骨を探し出し、外していくのがポイントになる。講師に続いて参加者が体験するが、2人は経験者とあって関節にスムーズにナイフを入れていく。講師の男性によると、関節の場所さえ分かれば5分でできるようになるという。山の中の30ヵ所に捕獲箱やくくり罠が仕掛けられ、県から委託された捕獲業者は毎日見回りを行う。餌を変えたり、獲物がかかっていればその処理もしないといけない。動物ごとの特性を知らなければ捕獲効率も上がらず、簡単ではない作業だ。参加者の一人、望月和子さんは、捕獲隊に参加した理由をこう話す。「夫の畑にイノシシがでてくることがあり、猟に興味を持ちました。いままで別の体験でシカやイノシシの解体をやったことがあります。狩猟の実践的に役立つ知識を知りたいし、ゆくゆくは食べられるものを捕ってみたい」。7万頭を超えるキョンが生息する千葉県ではイノシシ、サル、シカによる農作物被害も多く、その額は年間2億円を超える。有害鳥獣に悩まされる県では効果的な捕獲手法を検討中で、その支援を目的に昨年からふるさと納税の返礼品にキョンやシカの加工肉を追加したところ、全国から93人、128万円の納税が集まった。研修を終えて育った捕獲隊が捕まえた肉を捌いて返礼品にするという。

(狩猟に興味がある人のためのマッチングサービス)
農林水産省によれば令和4年(2022年)度の野生鳥獣による農作物被害額は約156億円にも上る。被害面積は約3万4000ヘクタールで、被害量は約46万9000トンにも及ぶという。さらに、ここ5年ほど被害額は150~160億円を推移しており、改善の兆しがあまり見えていない。その背景にあるのが鳥獣駆除の担い手、いわゆるハンターの減少である。この問題の解決に期待されているのがマッチングサービス「ハンターバンク」だ。狩猟に興味がある人と鳥獣被害に苦しむ農家をマッチングしてくれる。運営するのは、シカやイノシシによる列車への衝突事故も年に数回程度は起こり、自らも鳥獣被害に苦しむ小田急電鉄である。「ハンターバンク」により増えている“週末ハンター”とは何か。その仕組みをみていきたい。まず、鳥獣被害の現状を把握したい。昨年11月に農林水産省が発表した「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物被害額は155億6300万円、都道府県別で最も多いのは北海道(56億4300万円)で、全体の36%を占める。次いで福岡県、熊本県(ともに5億9700万円、全体の4%)だったという。農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害額について「鳥獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加、さらには森林の下層植生の消失等による土壌流出、希少植物の食害等の被害ももたらしており、被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしている」と見解を述べている。先にも述べたように、鳥獣被害対策が進まない一因なのが「ハンターの減少」である。環境省のデータでは、2019年度の狩猟免許所持者数は21.5万人。その6割以上が60代以上だという。ハンターの減少、高齢化は非常に深刻だ。その救世主として期待される小田急電鉄が運営する「ハンターバンク」というサービスがある。狩猟に興味がある人と鳥獣被害に苦しむ農家さんをマッチングするサービスだ。鳥獣被害の予防、対策だけでなく、狩猟人材の育成に大きく寄与する可能性がある取り組みなのだ。アウトドア趣味の延長や地元の鳥獣被害対策への貢献など様々な理由で狩猟に興味を持つ人は多い。しかし、彼らの障壁になるのが「狩猟経験」だ。狩猟免許の取得、狩猟者登録を行ない猟期に申請すれば誰でも狩猟はできる。しかし、実際に初心者が一から狩猟経験を積んでいくのは非常に難しい。また、自治体に依頼される有害鳥獣の捕獲は地元の猟友会に依頼されることが多く、さらに猟友会の中でも熟練者が担うことが多い仕事である。そもそも、自分が狩猟に向いているかのか、免許を取得する前に狩猟の経験ができる場はほとんどないというのが現状だ。ハンターバンクでは、狩猟免許がなくても3か月のレクチャーを経て狩猟技術を学び、さらには都心部に住みながらも週末など限られた時間だけで狩猟に参加が可能なのだ。ハンターバンクの発案者で責任者の有田一貴さんは次のように言う。「ハンターバンクでは、狩猟に興味がある人と被害に困っている農家さんをマッチングしています。わなの仕掛けなど、狩猟免許が必要な行為はスタッフが行ないます。参加者は複数人でひとつの箱わなを管理します。捕獲に向けた作戦会議、誘引のためのエサ撒き、捕獲できた時の止め刺し・解体、そして美味しく食べることは免許がなくてもできます。もちろん狩猟免許を持っているけど狩猟経験を積みたいという会員もいます。また、有害鳥獣捕獲において必要な行政への捕獲許可申請についてもハンターバンクがサポートしています。小田急電鉄では年に数件から10数件、イノシシやシカが列車に衝突し遅延や車体の故障などの被害がありました。また小田急電鉄が通過する小田原市などでは鳥獣被害に苦しむ地域です。ハンターバンクでは現在、小田原市と協定を結びハンターバンクを運営しています。狩猟に興味がある人にも向けてのサービスは2022年11月からになります。現在までの累計の会員数は360名ほど。これまでに50頭以上のイノシシを捕獲しています。新鮮なジビエが楽しめる、週末だけ現地で狩猟に参加する『週末ハンター』ができるなど間口を広げることで狩猟をもっと身近なものに感じてもらい、ハンター不足の解消に貢献できたらと思っています。ハンターバンクの経験をきっかけに狩猟免許を取得された会員様もいて嬉しい限りです」小田原市の鳥獣被害防止計画によれば、2024年は578頭のイノシシを捕獲予定だ。単純計算でハンターバンクの活動で1割ほど鳥獣被害対策に貢献していることになる。今後、小田原市だけではなく活動エリアを広げていく予定だという。ハンターバンクの活動が全国的に拡大すればさらにハンター不足の解消、そして鳥獣被害の減少につながることだろう。今後に期待したい。

(海渡るイノシシ、島の住職困惑:兵庫)
各地で目撃が増えているイノシシ。そのイノシシが大繁殖している島では、様々な被害に頭を悩ませていました。車道近くの空き地を悠々と歩くのはイノシシです。徐々に暖かくなる季節を迎え、各地で活発になってきた生き物たちの動き。そのなかでも近年、予想もしていなかった被害に頭を悩ませている地域がありました。そこは兵庫県姫路市街から南西約18キロの海上にあり、40余りの島々から成る兵庫県の家島諸島。取材班が上陸したのは、そのなかでも人口が約2100人と最も多い家島です。面積は5.4平方キロメートル。そんな海に囲まれた島の人たちが被害を訴えます。島の住職に案内された寺の敷地内では、至る所にイノシシに荒らされた跡が見られ、板で囲ったり、鈴を付けたりしても被害はなくなりません。島では絶滅していた町の花「ササユリ」を復活させようとしていましたが…。兵庫県立大学では2020年から家島諸島4島などに15台のカメラを設置して調査。その結果、推定個体数は家島で267頭、坊勢島で66頭、西島で102頭、男鹿島で109頭で、出産期直後の時期には家島だけで400頭にも上るとみられています。映像のなかには2頭の成獣が激しく争う場面や母親とみられるイノシシの後について土の中の餌(えさ)を探すウリ坊の姿。また、カメラの前でウリ坊同士がじゃれ合う姿も撮影され、家島諸島でイノシシが大繁殖をしている様子が分かります。兵庫県立大学 栗山武夫准教授「2010年ぐらいに初めて確認をされていて、家島諸島に限らず例えば小豆島とかあちこちの瀬戸内海の島に最近、ここ数十年の間にイノシシが泳いで渡っている状況」。これまでもイノシシの泳ぐ姿は度々、目撃されています。その見た目とは違い、非常に泳ぎが得意で、犬かきならぬ“いのかき”で10キロ以上でも泳ぐのは可能だといいます。家島諸島でも2021年に海から上陸したイノシシが撮影されているほか、目撃者も多くいます。栗山准教授によりますと、家島諸島に渡ってきた理由は様々で、本州などのもといた場所の個体数が増えたことや火事や猟によって追われた可能性もあるといいます。猟友会も警戒を強めています。飾磨猟友会 濱野年晃さん「泥浴びして帰っていく時、葉っぱに泥が付く。これでどこを通るか判断して檻(おり)を設置していく」。島内には罠を16カ所ほど仕掛け、年間約100頭を捕獲しています。しかし、イノシシは繁殖力の強い生き物です。兵庫県立大学 栗山武夫准教授「生まれた翌年に繁殖する。雄と雌が1頭ずついた場合、雌が(年間)4頭生むので2頭が6頭になる。3倍のスピードで増えていく」。姫路市は来年度の当初予算案に100万円を計上し、誘導型の柵などを設け、被害対策の効果を実証する予定です。

(島しょ部の哺乳類は成長遅く長生き、シカの骨で研究:岡山)
島しょ部に生息する哺乳類は、成長が遅く寿命が長い―。そんな研究結果を岡山理科大生物地球学部の林昭次准教授(古生物学・骨組織学)らのチームがまとめた。捕食者がおらず、餌資源が限られるためゆっくり成長するめためと考えられる。

(”ヤマシシ”と人間の歴史展示:沖縄)
東村では「ヤマシシ」の生態や人々の生活との関わりを紹介する企画展が開かれています。「山と水の生活博物館」で開かれているヤマシシ展はやんばるの人々が「ヤマシシ」と呼ぶイノシシと人間との歴史を伝える写真や民具などが展示されています。博物館の向かいではリュウキュウイノシシ、コンスケとイノスケが飼育されていてかわいらしい姿を見ることもできます。▽東村立山と水の生活博物館 宮城達也学芸員:「やんばるに住んでいるヤマシシについてもっといろんな方に知ってもらいたい。コンスケ・イノスケもみなさんのお越しをお待ちしております」。ヤマシシ展は今月末まで開かれていて30日にはイノシシ汁の試食会も予定されているということです。

(味の素グループ社員研修、シカ猟や農作業を通じ:長野)
味の素グループは6日、昨年に佐久市望月地区などで行った若手・中堅社員対象の人材育成プログラムの社内向け発表会を都内で開いた。プログラムは自身の「志」(パーパス)を見つめ、主体的・自発的に行動する人材を育成するのが目的。佐久市でシカの猟や農作業などを通じて持続可能な農業や循環型社会の在り方を学んだ7人を含む15人の社員が味の素(東京)の藤江太郎社長らを前に、体験や考えたことを発表した。

(名所のあじさいはシカに食べられた:兵庫)
兵庫県姫路市と2006年に合併した旧安富町の安志加茂神社には、町花のあじさいの名所があった。近年、名所のあじさいはシカの食害で壊滅的な影響を受けている。昨年6月、近くの安富中学校を訪れた真田慶樹(けいじゅ)宮司(60)は、あじさい復活に向け、生徒たちに呼びかけた。「力を貸してくれませんか?」。神社は旧安富町の時代から土地の一部を無償で町に貸し出していた。町が「あじさいの里」として管理し、合併後は姫路市が引き継いだ。市の予算で草刈りや枯れた枝の剪定(せんてい)に取り組んできた。市は新芽を食べるシカの侵入を阻む柵を18年に設置したが、柵は壊れ、シカの食害で名所のあじさいは廃れていった。20年に同神社の宮司になった真田さんは「ネットに残るかつてのあじさいの姿を期待して訪れた方たちから、おしかりを受けることもありました」と振り返る。

(増えています、わな猟を始める方)
株式会社秀和システム(東京都・代表取締役会長兼社長 上田智一)は、2024年3月23日、新刊『狩猟免許試験【わな・網猟】絶対合格テキスト&予想模試3回分』を発刊します。わな猟は、銃がなくてもできる猟ですので「難しい試験のある所持許可や、高い銃の購入や、厳重な銃の管理と手続き」が必要ありません。また短時間でもできるのが特徴で、ちょっとの合間にわなを架設することができます。その割に猟果が多いのがわな猟の特徴です。わな猟で撮れる獲物としては、シカ、イノシシなどが代表格です。これらはもみじ鍋、牡丹鍋にはもちろん、いろんな美味しい頂き方があります。なにしろ一頭まるごと手に入るので、調理法はいろいろ試せます。奥深いジビエの世界に足を踏み入れてみませんか。

(クマに襲われ頭の骨が、被害者語る実態と教訓:秋田)
昨年、東北地方をはじめ各地で住民を襲ったクマ。暖冬となったこの冬も目撃が相次いでいるが、春になれば冬眠から覚めて再び本格的に活動し始める。日常生活においてクマの存在感がかつてなく高まる今、備えは十分だろうか。人身被害が全国で最も深刻な秋田県で、実際にクマに襲われて重傷を負った男性に、被害の実態を聞いた。――襲われた時の状況は。◆昨年の10月19日だった。市内中心部で、高齢女性や女子高生らが相次いで襲われていた。騒がしくて様子を見に自宅の外へ出て数時間後に車庫に戻ると、2メートルもない距離で黒い大きなクマと目が合った。「でかい、ヤバい」と思った瞬間、襲いかかってきた。その時はTシャツ1枚で薄着だった。腕の下3カ所、腰2カ所と足のつけ根1カ所を次々にかまれた。頭や顔、背中もひっかかれた。後で気づいたが、右の耳たぶは切れてなくなっていた。強く頭をかまれたり、かじられるなどして、頭皮が切れて骨の一部が見えてしまう状態だった。出血したので急いでタオルで止め、家族と警察や消防に通報した。頭に包帯を巻いてドクターヘリに乗せられ、秋田市の病院で治療を受けた。その後応急処置をし、8日間入院して退院できた。入院直後は左目が見えなかったが、次第に見えるようになった。あと数ミリずれていたら失明していたと思う。間一髪だった。――どのようなクマでしたか。◆おそらく1・5~2メートルの体長でかなり大きかった。きっと雄だ。よく見たら頭が黒ではなく、茶色がかっていたので高齢だったかもしれない。すごい力とスピードだった。おそらく走る速さは人の数倍だ。人力で対抗できる相手ではない。まだ捕獲されていないと思うので再びやって来るのではないかと心配だ。――傷の状態は。◆頭皮がビリビリして、突っ張るような感じがある。出血もあり、寝ていると枕に血がしばらくついてしまう状態だった。かまれた腕の付け根がまだ痛む。歯が食い込んで、傷が深く入ってしまった。1カ月間は肩より上に腕が上がらなかった。髪の毛も以前より抜けるようになってしまった。すぐに搬送してくれて病院で専門の医師に診てもらった。医療用ホチキスで傷口を閉じ、口や目の下を縫ってもらい、眼底検査や破傷風の処置もしてくれた。病院の対応は迅速で、とても感謝している。――課題や教訓は。◆サイレンの音で異常に気づいたが、最初は「交通事故かな」と思った。近くに潜んでいる可能性があると分かった段階で、行政側や警察は住民に早く知らせてほしかった。動き回っていると分かったら、住民はとにかく家にとどまり、外を出歩かない方がいい。移動は極力、車でせざるを得ないと思う。クマはまず、目や顔を狙ってくる。そこをしっかり守ることが大切だ。現実的には、バイクなどのヘルメットを外出時にはかぶったり、革ジャンを着たりすることで傷を浅くできるのではないか。致命傷を防ぐためにもクマ用の「ヘルメット」や体に着ける「プロテクター」をぜひ早く開発し、市販してほしい。――急に鉢合わせて、防御策はありましたか。◆秋田県の担当者は、うずくまったりスプレーを使ったりするよう呼びかけているが、住宅地でとっさにやるのはまず難しい。襲われて負傷しても「運が悪かった」と泣き寝入りだ。被害者は予期せぬ形で襲われ、長期間にわたり心身に深い傷を負うが、支援態勢は非常に乏しい。行政側には何らかの支援策を検討してほしい。

(鳥獣被害対策連携会議:三重)
県は1日、関係部局による鳥獣被害対策連携会議を県庁で開き、クマの目撃情報や2月に実施した出没訓練の課題などを委員間で共有した。野呂幸利危機管理統括監のほか、各部局長ら7人が出席した。会議では、2月28日午後1時半ごろ、松阪市飯高町宮前で、野鳥撮影に訪れた女性がクマとみられる動物を目撃したとの情報を共有。市が地元の区長や松阪署、猟友会など関係機関に連絡し、看板の設置や地元自治会で回覧板を回すなどして注意喚起した一連の対応を確認した。

(カワウによるアユの食害相次ぐ:三重)
三重県内で野鳥「カワウ」によるアユの食害が相次いでいる。個体数の増加に伴い、被害額もここ2年ほどで増加。県は、関係機関が取り組む飛来防止対策や駆除などに補助金を出すなどして支援を進めている。県によると、カワウによるアユの食害は、2020年度までは3500万円ほどだったが、21年度は約4400万円、22年度は約4200万円に上った。詳しい要因は不明だが、22年度の個体数も、20年度から倍増して2600羽が県内で確認されている。

(ヒグマ、種子の運び屋:北海道)
道内に生息するヒグマがサルナシなどの木の実類を食べた際、最大約6キロ離れた地点まで移動してから種子をふんと一緒に排出することが、道立総合研究機構(道総研)の研究で分かった。種子は通常と同じように発芽することも確認され、ヒグマが植物の分布拡大や種の保存に貢献していることを裏付ける結果となった。人とのあつれきが強まる中、道総研は「生物多様性を支える存在であることも知ってほしい」としている。

(早朝に列車がシカと衝突:福岡)
JR九州によると、8日午前6時21分ごろ、久大線夜明―光岡で列車がシカと衝突した。この影響で一時遅れが発生した。

(クマの目撃情報:山口)
山口市小郡上郷の空き地でクマが目撃されました。警察によりますとクマが目撃されたのは山口市小郡上郷にある小郡運動公園管理事務所から北北西およそ200mの空き地です。きょう午前11時15分ころ草刈り作業中の人が、空き地に駐車していた車で休憩していたところ、およそ15メートル先にクマ1頭がいるのを見つけました。クマは体長50センチから60センチほどで山の方へ歩いていたと言うことです。警察は関係機関へ連絡するとともに、パトカーによる付近の警戒や、住民への広報を実施しています。

(「しし肉」駅弁完成「しし肉」駅弁完成:石川)
16日の北陸新幹線小松駅開業に向け、小松市が駅弁製造の高野商店(加賀市)と共同開発を進めてきた駅弁「小松しし肉弁当」が完成した。小松産イノシシ肉を素材に生かし、包装紙には歌舞伎「勧進帳」の弁慶が描かれた。同日から小松駅と金沢駅で販売される。南加賀広域圏事務組合が市内に整備した獣肉処理加工施設「ジビエアトリエ加賀の國」のイノシシ肉を使用。甘辛く煮付けたスライス肉とそぼろを小松産の大麦入りご飯に載せている。1個1280円。市は、イノシシ肉の販路拡大を図るとともに、小松駅の名物となるような駅弁作りを目指してきた。市の担当者は「試食した女性たちの意見を取り入れた自信作。臭みがなくて軟らかく、ご飯が進む味に仕上がった」と話した。

(駆除イノシシ、ジビエで売り込め:佐賀)
山間部で駆除したイノシシの肉を有効活用しようとする取り組みが、多久市でじわりと広がりつつある。活動の中心は同市で「地域おこし協力隊」として活動した木下光次さん(73)。自ら食肉処理・加工施設を設立し、市猟友会や飲食店の協力を得ながら「ジビエで売り出し、多久の名物に」と奮闘している。木下さんは小城市三日月町出身。ずっと関東で働いてきたが、家族を埼玉県に残し、2021年3月に多久市の地域おこし協力隊員に着任した。西多久農産物直売所「幡船の里」を盛り上げる活動に励むうち、イノシシ被害に手を焼く地域の声を受けて有害鳥獣駆除の仕事も担うようになった。市猟友会のメンバー約40人と一緒に山間部でイノシシを駆除。「捕獲しても埋めるしかなく、そのためには深さ1メートル以上の穴を掘らなければいけない。思いのほか重労働で高齢者にはきつい。衛生面の不安もあった」。ジビエとして売り出すため、一念発起して食肉処理場の免許を取得。西多久町八久保地区の借家を改装して食肉処理施設「西多久テラス合同会社」を23年10月に設立した。地域おこし協力隊によるイノシシ処理施設の起業は県内で初めてだ。現在はロース肉のスライスやミンチなど加工品約20品を扱う一方、飲食店とともにジビエカレーなどご当地メニューの開発に当たる。2月24日には西多久公民館でジビエ料理を味わう会を開き、予定を大きく上回る来場者が訪れた。木下さんは反響に驚きながら「1時間以内に血抜き、下処理することで特有の臭いを感じることはない。多久の新たな特産品にしたい」と話した。すでにペットフードなど新たな販路拡大に取り組んでおり、採算面での安定化を目指す。現在の処理能力は一日1、2頭だが、規模拡大によって「将来的には市内で駆除したイノシシをすべて集約して処理できれば」。協力隊の任期を終えた3月7日以降も多久に残り、イノシシ問題に向き合っている。

(「鹿肉ギョーザ」個性生かした2種類の味:岐阜)
揖斐高校(岐阜県揖斐川町三輪)の3年生が、地元の久保田工務店や本巣市三橋のラーメン店「清太麺房」と協力して、町産の鹿肉を使った冷凍ギョーザを開発した。道の駅「夜叉ケ池の里さかうち」(同町坂内広瀬)で販売している。同校生活デザイン科食物コースの生徒が授業の一環で開発に取り組み、これまでにもジビエのおにぎりやビビンバを考案、販売してきた。脂身が少なく味がしっかりした鹿肉の個性を生かしつつ、白菜の漬物でうま味と汁気を、タケノコで食感の個性を出した。生徒が考案したレシピを基に、同店の鈴木清倉代表がアレンジし、通常の味とみそ味の2種類を完成させた。同校で試食会があり、開発に関わった生徒4人は「鹿肉のおいしさを楽しんでほしい」と笑顔で話した。ギョーザは20個入りで1620円。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、10日午前10時10分ごろ、色麻町大上新町にクマが出没しました。

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(日本クレー射撃協会、不適切経理疑いで警察に相談)
日本クレー射撃協会は5日、五輪選手輩出のための支援金を募った事業で不適切経理が疑われている事案について、警察に相談していることを明らかにした。同事業は高橋義博前会長体制の2021年10月の理事会で決定したもので、集まった資金の一部に目的外使用があったとされている。大江直之事務局アドバイザーは「資金流用にとどまらず、業務上横領の疑いがある」と話した。昨年12月には協会の元強化担当役員が火薬類取締法違反の疑いで神奈川県警に刑事告発された。5日に東京都内で開いた理事会では、副会長に丸石博理事、強化委員長に清水光一理事を据えるなど新人事を承認した。

(市街地出没のクマ、銃での駆除迅速化へ)
伊藤信太郎環境相は6日の参院予算委員会で、ヒグマやツキノワグマが市街地に出没した際、現在は規制されている銃による駆除が迅速に行えるよう、鳥獣保護管理法の改正を含め具体的な対応を検討する方針を明らかにした。捕獲に伴って事故が起きた場合の責任の所在や、役割分担と指揮系統を明確にすると述べた。

(民家にイノシシ、襲われた男性ら撃退:青森)
4日午前10時50分ごろ、八戸市南郷島守の民家にイノシシが出没し、この家に住む男性(68)に襲いかかった。男性は左手の中指をかまれて傷を負った。

(豚熱の影響でイノシシ捕獲数が減少:栃木)
豚熱の感染拡大の影響で、野生のイノシシの捕獲数が減少している。栃木県内ではこれまで1万頭以上あった捕獲数が、2022年度は5千頭台にまで減っている。農作物の被害が減り、農家には朗報だが、特産品としてのイノシシ肉を扱えなくなった地域も出ている。県によると、県内のイノシシの捕獲数は2019年度が1万2084頭、20年度が1万1252頭と1万頭台を推移していた。しかし、野生イノシシに豚熱の感染が広がった21年度以降は激減し、同年度は4747頭、22年度は5801頭にとどまった。県内の推定生息数は22年度末で約9300頭とみられ、14年度の約2万5千頭の半分以下に減った模様だ。豚熱は豚やイノシシが感染する病気で、18年に岐阜県の養豚場で国内では26年ぶりに発生が確認された。感染力、致死率が高いが、人には感染しない。その後、本州と四国のほぼ全域で野生イノシシの豚熱感染が確認されており、栃木県内では20年11月、那須塩原市で野生イノシシの感染を確認。感染は広がり、23年12月までに148頭の感染が確認されている。環境省などによると、イノシシの推定個体数は捕獲の強化に加え、豚熱の影響もあり、全国的に減少している。ピークの2014年度には137万頭いたが、21年度には72万頭になった。野生イノシシによる農作物の被害は大きく、県内の被害の約8割は稲や野菜、イモ類。過疎化や高齢化による耕作放棄地の増加などが、野生イノシシの活動の活発化につながっているとみられている。県内では15年度の被害額が過去最大で、1億7700万円にのぼったが、22年度には7千万円ほどにまで減少している。県は24年度から、年度あたりの捕獲目標をこれまでの1万3千頭から4600頭に変更するが、県自然環境課の担当者は「農業被害と豚熱対策として、引き続き捕獲は強化していく」と話している。

(クマ被害多発の北秋田市、見舞金支給を検討:秋田)
4日に開かれた秋田県北秋田市議会の一般質問で、津谷永光市長は、昨年続出したクマ被害に関し「被害者に対する応急的支援を目的とした制度の創設について、実現に向け検討していく」と述べ、市内で襲われて死傷した市民への見舞金支給などの制度を検討する考えを示した。市内では昨年10月19日に市民6人が襲われるなど、7~11月に10~80代の15人が人身被害を受けた。おととし5月には死者も出ている。

(クマ対策の確立へ、人里で冬眠するクマの調査実施:秋田)
去年の相次ぐクマによる人への被害、そして冬も目撃情報が相次ぎ今年もクマへの警戒が続きます。県は新年度の当初予算案に2億円を超える対策費を盛り込んでいます。人の生活圏の近くで冬眠しているクマの調査などを行い、有効なクマ対策の確立を目指します。県は新年度の当初予算案に専門職員を1人から3人に増やし体制を強化することなどクマ対策の費用としておよそ2億2000万円を計上しています。大きな課題となっているのが人の生活圏へのクマの出没です。県は集落に近いクマの冬眠場所=冬眠穴を調査する手法について研究を進め今後の対策にいかしたい考えです。新年度からは2年間に渡ってクマの生息数の調査を行います。 2017年から3年間行ったことがありますがその際と同じく自動で撮影できるカメラによる生息数調査で今回は120基のカメラを設置し6月から8月にかけて行います。県議会の福祉環境委員会で県は「新たな推定生息数は再来年度の調査が終わり数値の整理が終わってから公表したい」「人里の周辺でクマが定着増えてきた実態があるそういったところを改善して人とクマのすみ分けをしていきたい」と説明し、有効なクマ対策の確立を目指すことを説明し理解を求めました。

(「クマの出没情報」メールで配信:秋田)
秋田県内で2023年、クマによる人身被害などが過去最悪となったことを受け、秋田県は5日、クマの出没情報をメールで配信する新しいシステムを整備する考えを示した。2023年度、県内ではクマに襲われるなどして70人がけがをした他、農業被害は1億5500万円に上っている。いずれも過去最悪の被害だ。クマによる被害を防ぐための事業費として、県は2024年度の当初予算案に2億1900万円余りを計上し、人とクマの生息域を分けるための緩衝帯の整備などを計画している。5日に開かれた秋田県議会福祉環境委員会で、県は、クマの出没情報を警察と市町村が同時に共有し、登録者にメールで知らせる新しいシステムを運用することを報告した。これに対し委員は、「メールだけでなく、防災無線など様々な方法で注意喚起するべき」などと指摘した。秋田県生活環境部・川村之聡部長:「早い段階で情報を収集して伝達しようというシステム。元々ある防災行政無線をやめて下さいというものではない。当然併用してもらうのが一番良い」。新しいシステムは、8月に運用が始まる予定。

(野生イノシシ「豚熱」感染で県が緊急会議:岡山)
高梁市で捕獲された野生のイノシシが豚の伝染病CSF=「豚熱」に感染していたことを受けて、岡山県は4日緊急の会議を開き、防疫対策の徹底などを確認しました。岡山市北区で開かれた会議には、岡山県や農業団体の関係者などおよそ30人が出席しました。はじめに県の担当者から、高梁市の山の中で2月18日に捕獲された野生のイノシシが、豚熱に感染していたことが報告されました。県内の野生動物から豚熱の感染が確認されたのは初めてで、県はすべての養豚場に対し、消毒の徹底や野生動物の侵入防止などに注意するよう呼びかけています。会議では、養豚場の中だけでなく周囲も消毒するなど防疫対策を徹底することや、風評被害を防ぐため、豚熱は人に感染することはないと県民に正しく周知していくことを確認しました。県畜産課の森分哲彦課長は「農場内にウイルスを持ち込ませないことが一番重要なので、関係者と連携して指導を強化していきたい」と話していました。

(キョン出没、繁殖阻止へ捕獲緩和:茨城)
千葉県で食害が深刻化するシカ科の特定外来生物「キョン」が茨城県に出没し、県内自治体に警戒感が広がっている。神栖市で確認後、石岡、筑西、下妻の各市でも見つかった。県は近く、市町村に委ねる有害鳥獣の捕獲許可権限の対象にキョンを追加する。わなにかかったキョンを逃がさず捕獲できるよう手続きを緩和し、繁殖を防ぐ。下妻市唐崎の県道で昨年12月28日、雄のキョンが死んでいるのが見つかった。県内で確認されたのは4件目だった。「これが最後であってほしい」。外来生物対策を担う市環境課の担当者は不安げに話す。県内で初めてキョンが確認されたのは2017年5月。神栖市の常陸川大橋で死んでいるのが見つかった。22年には、石岡市の山中に設置されたセンサーカメラに、歩いて移動するキョンが映り込んでいた。さらに昨年9月、筑西市を流れる大谷川の堤防を移動する姿が撮影された。確認されたのは、いずれも雄。繁殖している可能性を示す雌は確認されていない。一方、筑西市で見つかった場所は、栃木県境まで約6キロ。新たな脅威は隣県にもじわりと及ぶ。千葉県では爆発的に繁殖し、生息数が7万頭余りと推定されている。隣接する茨城県への定着が危惧される中、土浦市の県霞ケ浦環境科学センターで1月、キョンの専門家を招いた講演会が開かれた。環境省が主催し、県内の外来生物や農政を担当する市町村職員、狩猟関係者ら約100人が参加した。キョンの生態に詳しい麻布大の加瀬ちひろ講師(動物行動管理学)は実験結果を紹介。畑への侵入を防ぐには「高さ85センチの柵であれば基本的に越えることはない」と述べた。質疑応答では食害に関する質問が相次いだ。鉾田市農業振興課の皆藤拓也係長(39)は「5年後10年後、鉾田に入ってきてもおかしくない」と話し、隣接自治体と連携する考え。猟友会竜ケ崎支部の田村盛一さん(68)は「数万頭にもなったら、駆除するのは難しいだろう」と語り、警戒感を強めた。県も対策に乗り出した。県議会12月定例会に知事権限に関する条例の一部改正案を提案して成立。これを受けて今年4月、市町村に委ねている有害鳥獣の捕獲許可権限の対象にキョンを追加する。現在はキョンの捕獲許可は、各地域の県民センターまで行って申請しなければならないが、今後はイノシシと同様に市町村窓口で可能となる。イノシシのくくりわなや箱わなにかかったキョンを「錯誤捕獲」として放すことがないようにするためだ。定着防止へ情報収集する県自然博物館(坂東市)の副主任学芸員、後藤優介さん(42)は「茨城で増えてしまうと、栃木や福島を通じて本州全域に広がってしまう」と指摘。「何とか茨城で増えない状況をつくらないといけない」と危機感を示した。

(暖冬傾向“クマの冬眠明け早まるか”雪が少なくても雪崩警戒)
暖冬傾向となっているこの冬。積雪も平年より少ない地域が多く、この時期としては珍しく積雪ゼロのところも目立ちます。暖かい日が多くなることで警戒が必要なのが、クマの冬眠明けです。「ことしは例年より早く目覚めるかもしれない」と専門家は警鐘を鳴らします。スキー場は、営業の休止を余儀なくされています。去年の秋ごろからクマによる被害が相次ぎ、今年度に亡くなったり、けがをした人は全国で218人にのぼり、過去最悪の被害となっています。クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授によりますと、クマは例年、11月以降に冬眠に入り、3月末ごろになると冬眠を終え活動し始めるということです。しかし、2月上旬には秋田市郊外で倉庫にクマが入り込んで3日間にわたって居座るなど、この冬、各地でクマの出没情報が相次いでいます。石川県立大学 大井徹特任教授「去年の秋には東北地方を中心にエサとなるドングリなどが不作となり十分に脂肪を蓄えられなかったために冬眠に入るのが遅れたり、気温が高くなると穴から出てきたりするクマもいるのではないか」。例年は春先以降とされる冬眠が明ける時期についても「海外の研究では、冬場の最低気温が1度上がるとクマの冬眠期間が数日短くなると報告されているほか、国内でも3月の気温が高ければ冬眠明けが早まるという調査結果がある」などとして、今シーズンの暖冬傾向によってクマが活動を始める時期が早くなる可能性があると指摘しています。ことしは平年よりも積雪が少ないため、草木の芽吹きが早まるほか、早い雪どけにより地面に落ちたドングリなどを見つけやすくなるとして、冬眠から明けたクマの活動がより活発になることが考えられるということです。石川県立大学 大井徹特任教授「クマによって個体差はあるが、冬眠明けの時期が例年より早くなることも想定してほしい。クマがいそうな茂みなどには近づかないようにするほか、人里に近づかないよう果物や家畜のエサなどクマが好むものを取り除くなどして、ことしは特に早いうちから対策をとってもらいたい」。

(鹿捕獲にドローン、猟犬の鳴き声で追い出し:岡山)
岡山県は、県内で生息域が拡大する鹿の捕獲対策として、追い出し役の猟犬が鳴く音声などを搭載したドローンを使った実証試験に乗り出した。試験では、衛星利用測位システム(GPS)を活用した首輪を鹿に付け、追い出された際に逃げる経路なども把握。中山間地域で効率的に捕獲できる先進技術として農作物の被害防止につなげ、2026年度の本格運用を目指す。鹿の捕獲には通常、複数人の狩猟者が山に入り、猟犬を放って追い込む「巻き狩り」という手法が使われる。猟犬の代わりにドローンを使って、猟銃を持って待ち伏せする猟師がいる場所まで追い込んで、作業の省力化につなげる。実証試験は昨年12月に県北部の鏡野町で2回実施し、ドローンの操作方法や狙った方向に鹿を追い出せるかなどを確かめた。操縦者から機体が見える上空90メートルの位置で、1日当たり平均5、6回(1回平均20分)ゆっくり飛ばした。猟犬の鳴き声は、ドローンに載せた高出力のスピーカーを通じて再生した。野生の雄鹿1頭にGPSを搭載した首輪を付け、鹿の行動の軌跡などを分析。首輪は実証試験の前後1カ月にも付け、試験でドローンを飛ばした際に取った行動と比較する。ドローンを飛ばす条件は鹿の真上で飛ばしたり、追い込みたい方向に猟犬の鳴き声を流したりするなど、さまざまな条件を試した。今後の実証試験では、銃の発砲音や鹿自体が警戒する時に発する鳴き声なども検討する。県は本年度予算で、約300万円を盛り込み、実証試験で幅広くデータ収集を進める。試験を委託する野生鳥獣対策連携センターは「猟師の高齢化や担い手不足が深刻化する中、省力化につながる技術として広げていきたい」と話した。運用に向けた課題は、高度など地域によってドローンを飛ばす条件が異なること。県鳥獣害対策室は「最新技術を活用して被害を減らしていきたい」と力を込める。

(クマ出没予測「空気」から:広島)
全国でツキノワグマによる被害や遭遇が相次ぐ中、広島大大学院の研究チームが、空気中に漂うクマの「環境DNA」を分析する手法を開発した。西堀正英教授(動物遺伝学)は「クマの出没が予測できれば、被害防止にも役立つ」と実用化を目指す。環境DNAは海水や土壌などに含まれる、ふんや分泌物といった生物由来の遺伝情報。主に水中や土の中にどのくらいの密度で生物が生息するかを推定するのに活用されている。チームは空気に含まれる環境DNAに着目し、2021年に装置を開発。空気を採取し、ツキノワグマの環境DNAを検出・分析する手法を確立した。広島市安佐動物公園との共同研究で、ツキノワグマ3頭がいる飼育舎から離れるにつれてDNAの検出量が減ると実証。さらに、DNAより空気中に残る時間が短いリボ核酸(RNA)を同時に分析し、クマが出没した場所や時間を絞り込むことを可能にした。チームでは、クマの生息を裏付けるため、ふんなどを採取してDNAを分析。個体の判別に取り組み、出没予測マップの作成も目指す。

(試験捕獲の結果など報告、中部山岳公園連絡協:長野)
環境省や北アルプスがまたがる各県などで構成する中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会が2月29日、松本市中央公民館(Mウイング)で開かれた。増加が懸念されるニホンジカ侵入に対する本年度の試験捕獲の結果や対策方針の改訂案が共有された。環境省は昨年5~6月と10~11月に試験捕獲を実施して1頭を捕獲。わなの前に設置した自動撮影カメラには、1度に最大5頭が写ったと報告した。識者からは「自動カメラの撮影で、オスとメスの区別や子どもかなども考えないと」などと意見が上がった。来年度も試験捕獲を行い、1カ月前倒しして4月からの見込みという。

(高校生、AI活用でイノシシを捕獲:宮城)
加美農高(宮城県色麻町)の生徒たちが、人工知能(AI)で判別されたイノシシだけを捕まえる箱わなを考案し、製作した。地元猟友会を悩ますクマやシカなど別の動物がかかる「錯誤捕獲」を解決しようと研究を重ねた。1月にあった最新技術を活用した農業ビジネスプランを競う全国大会では最優秀賞に輝いた。

(奈良公園シカ集団の長期の孤立・遺伝的独自性等の特徴は変化しつつある)
福島大学、奈良教育大学、山形大学の共同研究グループは、奈良市内のシカの血縁関係をDNA解析で調べ、管理地区のシカの由来や交配の状況を調査した。奈良公園の野生のニホンジカは重要な観光資源だが、奈良市ではシカによる農業被害が多発。市内を保護地区・管理地区・緩衝地区の3エリアに分け、管理地区では被害対策で捕獲事業を進めてきた。しかし、管理地区のシカがどこからきたのかは不明だった。そこで、研究グループは保護地区と管理地区に生息するシカの血縁関係と血縁個体の分布をDNA解析で調査した。保護地区からは奈良公園の2地点(大仏殿前と飛火野)と、奈良教育大学構内のニホンジカの糞30個体分を採取。管理地区(大柳生、田原、東里、精華、狭川、柳生)からは、捕獲した137個体の筋肉サンプルを奈良県より提供を受けた。その結果、保護地区内では、大部分が奈良公園独自の遺伝的特徴を持つ個体だったが、市外から入り込んでいる可能性は高い。一方、管理地区では奈良市外から移入した複数系統のシカが存在し、保護地区由来と思われる独自の遺伝的な特徴を持つ個体と混在していた。特に緩衝地区の周辺の地域では、奈良公園独自の遺伝的特徴を持つ個体と、奈良市外からのシカと交配しつつあることも分かった。奈良公園のシカは1000年以上孤立し、独自の遺伝的特徴を残してきたとされる。しかし、現在の奈良市内外のシカの増加と分布の拡大により、奈良公園のシカ集団の長期間の孤立や遺伝的独自性等が変化しつつある現状が示された。今後、「長期的に何を守りたいのか」の議論と、「奈良のシカ」の保護管理や天然記念物としての在り方について社会的合意が必要としている。

(「ゾンビ鹿病」がまん延:アメリカ)
慢性消耗病(Chronic Wasting Disease:CWD)は鹿に感染するプリオン病の一種であり、発症するとよろめき・嗜眠(しみん)・社会的交流の減少・よだれの垂れ流し・急激な体重減少・意識の喪失といった症状が現れ、まるでゾンビのようになることから「ゾンビ鹿病」とも呼ばれます。そんなゾンビ鹿病がアメリカで広がっているとのことで、一体どのようなリスクがあるのかについて専門家らが解説しています。鹿がまるでゾンビのようになってしまうゾンビ鹿病は、1967年に初めてアメリカ・コロラド州の研究施設に収容されていた個体で発見され、その後は野生の個体でも発症が相次いで確認されました。記事作成時点では、野生の個体だとアメリカ・カナダ・ノルウェー・フィンランド・スウェーデンなどで発症が確認されているほか、韓国でも飼育下の個体で発症した例が報告されています。そんなゾンビ鹿病の原因となっているのが、クロイツフェルト・ヤコブ病、牛海綿状脳症(狂牛病:BSE)などと同じプリオンと呼ばれる伝染性の異常なタンパク質です。プリオンはタンパク質が誤って折り畳まれた状態を伝達することで増殖し、脳や神経組織の構造に影響を及ぼして神経変性疾患を引き起こします。ゾンビ鹿病に感染した個体の糞便や唾液などに触れたり、汚染されたエサや水を摂取したりすると他の個体にもゾンビ鹿病が伝染します。プリオンはウイルスや細菌ではなくタンパク質であるため、従来の消毒方法であるホルムアルデヒドや放射線、高温での焼却といった処理に対する抵抗性があるため不活性化が難しく、環境中に何年も残留する可能性があるとのこと。記事作成時点ではワクチンや治療法はないため、ゾンビ鹿病の広がりを抑えるのは非常に困難です。近年、アメリカではゾンビ鹿病がまん延しており、2023年11月にはアイダホ州・モンタナ州・ワイオミング州に位置するイエローストーン国立公園内で、初めてゾンビ鹿病の感染例が確認されました。イギリスのノッティンガム・トレント大学で獣医学の上級研究員を務めるサミュエル・ホワイト氏らはゾンビ鹿病の広がりについて、「科学者や自然保護活動家、そして一般の人々の間で懸念が高まっています」と指摘しています。1つ目の懸念が、ゾンビ鹿病が人間に対する潜在的な健康上のリスクとなっているという点です。記事作成時点では、ゾンビ鹿病が人間に感染したという事例は報告されていませんが、ゾンビ鹿病の原因となるプリオンが人間の細胞に感染して増殖することが研究で確認されています。また、クロイツフェルト・ヤコブ病や狂牛病などその他のプリオン病は種を超えて広がることが知られており、イギリスでは1995年以降に狂牛病の流行によって178人が死亡し、数百万頭ものウシが殺処分される事態となりました。すでに、人間がゾンビ鹿病の個体を狩猟で捕まえ、食べてしまったケースは複数あると考えられています。野生動物保護団体のAlliance for Public Wildlifeによると、2017年には7000~1万5000頭ものゾンビ鹿病になった個体が人間によって食べられたと推定されており、その数は年々増加しているとみられます。ホワイト氏らは、「ウィスコンシン州などゾンビ鹿病の罹患(りかん)率が高い地域では、数千人もの人々が感染した鹿の肉を知らないうちに食べてしまった可能性があり、リスク軽減対策の緊急性が強調されています」とコメントしました。ゾンビ鹿病などのプリオン病は従来の感染性病原体と異なり免疫反応を誘発しないため、早期診断が難しいという点も課題です。さらに、プリオンは不活性化して環境中から除去することが難しいため、汚染された水や土壌などを介して人間に伝染する可能性も検討する必要があるとのこと。2つ目の懸念が、ゾンビ鹿病のまん延による鹿の個体数減少が経済的・環境的な悪影響を及ぼすということです。鹿の狩猟は北米において人気のあるレクリエーションというだけでなく、一部のコミュニティにとっては生活の糧にもなっているため、個体数減少はこれらの人々に打撃を与えます。また、鹿の個体数が急激に減ることで生態系への連鎖的な影響が及ぶ可能性もあります。ホワイト氏らは、ゾンビ鹿病がもたらす多くの課題に対処するためには、「ゾンビ鹿病のまん延を追跡するための監視を強化すること」「鹿の個体群が移動するのを抑制すること」「感染リスクを最小限に抑える狩猟慣行を奨励すること」「感染拡大を防ぐための厳格なバイオセキュリティ対策を実施すること」など、包括的で協調的なアプローチが必要だと主張。「科学者の警告に耳を傾け、リスクを軽減するために断固とした行動を取ることで、私たちはゾンビ鹿病やその他の人獣共通感染症から野生動物と人間を守ることができるのです」と述べました。

(オーストラリアの2人、北秋田のクマ被害を取材:秋田)
オーストラリアの映像作家2人が2~4日、クマ被害をテーマとした番組を制作するため秋田県北秋田市を訪れた。人身被害があった市内の現場を回り、襲われた男性に話を聞くなど精力的に取材を進めた。2人はジョシュ・マクタムニーさん(43)とアマンダ・ナイトさん(40)。同国の公共放送SBSに所属するマクタムニーさんは何度も来日し、日本を題材としたドキュメンタリー番組を制作している。滞在中、クマ被害のニュースに触れる機会が多く、実態や背景に迫る番組を作りたいと考えたという。

(シカ捕獲強化一時保管施設を整備へ:兵庫)
新温泉町は2024年度、捕獲したシカの死骸を一時保管する冷凍庫「ストックポイント」を浜坂地域に整備する。シカの食害や交通事故が目立つ浜坂地域で捕獲を増やす狙い。24年度一般会計当初予算案に約1200万円を盛り込んだ。

(札幌市24年度予算案、シカ駆除増へ冷凍保管庫:北海道)
札幌市は新年度、農業被害を軽減するため、駆除したエゾシカを保管する冷凍保管庫を初めて整備する。ハンターらの課題の一つである保管場所を確保することで、駆除個体数の増加につなげたい考えだ。

(「あじさいの町」復活へ、シカの食害で激減:兵庫)
シカの食害で激減したアジサイを復活させようと、安富中学校(姫路市安富町安志)の3年生35人が、同校近くの安志加茂神社内にある「あじさいの里」で苗木約100本を植えた。苗木は生徒らが同校で丹精した450本から、冬の寒さを乗り越えたものを厳選。生徒は「ホタルとあじさいの町」として観光客でにぎわった以前の光景が戻るようにと願いを込め、住民らと丁寧に植え付けた。

(「模造銃購入したら銃刀法違反の容疑者に」現職警官が道を提訴:北海道)
ネットオークションで入手した模造古式銃が合法か念のため北海道警に確認したところ、銃刀法違反の容疑者にされてしまったとして、網走署の20歳代の現職警察官が道を相手取り、慰謝料など約410万円の損害賠償を求めて提訴していたことが分かった。4日に札幌地裁(布施雄士裁判長)で第1回口頭弁論が開かれ、道側は請求棄却を求める答弁書を提出した。訴状によると、原告は道警本部の機動隊員だった2022年1月、オークションサイトで古式銃の模造品を購入した。札幌南署に禁制品でないことを確認しようとしたが、同署は模造銃を任意提出するよう要求。拒否すると自宅を捜索された上、網走署に異動を命じられたり、銃刀法違反容疑で書類送検されたりした。原告はその後、嫌疑不十分で不起訴になったという。原告側は訴状で「違法捜査で多大な精神的苦痛を味わった」と主張。道側は答弁書で「銃刀法に抵触する可能性があり、捜査するのは当然だった」とした。

(ツシマヤマネコ、害獣用わなにかかる被害急増:長崎)
長崎県の離島・対馬に生息する国の天然記念物「ツシマヤマネコ」が、有害鳥獣の捕獲用わなにかかる被害が深刻化している。わなにかかったまま衰弱死することもあり、環境省はわなの設置者に見回りを頻繁に行うことなどを求めているが、解決は簡単ではない。昨年3月、対馬市内で負傷した1匹のヤマネコを住民が見つけ、環境省対馬野生生物保護センターが保護した。わなできつく締められたためか、左後ろ脚が 壊死えし しており、手術で切断。センターが歩行や木登りといった“リハビリ”をしたうえで約半年後、自然に帰した。センターの柴原崇・首席自然保護官は「傷が深かった。発見が遅れていたら死んでいたかもしれない」と振り返る。同市では、シカやイノシシの増加に伴って農作物や希少植物の食害が深刻化し、害獣駆除を求める声が大きい。このため、猟友会の会員が、ワイヤなどで作られた輪で獣の脚をくくり捕らえる「くくりわな」や、餌でおびき寄せて鉄製の箱に閉じ込める「箱わな」を山中などに設置している。ただ、わなは獣の通り道に仕掛けられるため、ヤマネコがかかることもある。捕らえられたまま時間がたつと、衰弱して命を落とすことにもつながるという。ヤマネコがわなにかかったケースは記録を取り始めた1992年度以降、今月2日現在で56匹に上り、同じ個体が2度かかったこともあった。うち7割は直近の10年間に集中しており、くくりわなに17匹、箱わなに23匹がかかり、計7匹が死んだ。害獣対策の強化でわなの数が増え、被害が急増したとみられる。センターはわなの設置者に対し、1日1回はわなの様子を見てヤマネコが捕らえられていないかを確認したり、くくりわなにかかってもヤマネコの脚なら抜けられるよう、輪の直径を調整したりすることなどを求めている。だが、200人を超える猟友会の会員は1人30個までわなをしかけてよいとされており、監視カメラを導入するなどしてわなの様子を確認するのは、技術的にも予算的にも容易ではない。一方で、食害を防ぐためには、わなを減らせないジレンマを抱える。猟友会の60歳代男性は「見回った直後にわなにかかれば翌日の見回りまで発見できない。どうしても限界がある」と漏らす。狙った獲物ではない動物がわなにかかる「錯誤捕獲」は各地で相次いでいる。中には、誤って捕まった動物を放とうとしたハンターが命を落とす事故も起きている。2020年10月、愛知県新城市の山林で、シカ用のくくりわなにかかった国特別天然記念物のニホンカモシカを地元猟友会の男性が見つけた。男性がカモシカを逃がそうとしたところ、暴れたカモシカの角で太ももを刺されて死亡した。長野県小諸市でも19年までの10年間に、わなにかかったニホンカモシカに角で刺されてけがをする事故が2件発生。同県飯山市や宮城県気仙沼市では、錯誤捕獲されたツキノワグマに襲われて死亡する事故も起きている。小諸市農林課の竹下毅野生鳥獣専門員によると、大型の獣でも錯誤捕獲した場合、原則としてわなから山に帰さなければならない。しかし危険を伴うため、ハンターが放置して衰弱させたり、射殺したりするケースもあるという。そこで同市では麻酔を使って動物を放つ専門職員を配置し、ハンターには錯誤捕獲を発見しても、自ら対応せずに通報するよう呼びかけている。竹下専門員は「安全に動物を逃がすための指針作りや人材育成が必要だ」と指摘する。

(希少なサワガニやウミガメの卵も食べるイノシシ:沖縄)
沖縄・慶良間諸島は5日、国立公園指定から10年を迎える。生態系保全の一環で、急速に生息域を拡大した外来種ニホンイノシシの駆除が進められている。農作物の被害だけでなく、希少なサワガニ類やウミガメの卵を捕食するなど生態系への影響が広がり、県は2031年度までに慶良間諸島全域からの根絶を目指す。イノシシは03年ごろにイノブタ生産のため渡嘉敷島に持ち込まれ、管理不足で逃げ出した個体が野生化。座間味島、阿嘉島、慶留間島でも分布が確認された。県は第二種特定鳥獣管理計画(第2期)で年度ごとの目標生息数を設定。渡嘉敷島では23年度139頭から31年度0頭、座間味島では23年度18頭から27年度0頭を目指す。捕獲事業では新たな課題も出ている。継続的な捕獲によって警戒心が強くなったイノシシは、日中を避けて夜間に行動するようになり、原則日中しか使えない猟銃での捕獲が減っているという。県自然保護課は「夜間の捕獲が必要になってきているので、他県の事例を参考にしながら同様に実施できるか検討していく」としている。

(地域おこし協力隊員に「有害鳥獣ハンター」採用へ:鹿児島)
鹿児島県鹿屋市は、農作物などに被害をもたらす有害鳥獣を捕獲する「鳥獣ハンター」を地域おこし協力隊員として採用することを決めた。期間は7月から最長3年間で、捕獲技術やジビエ(野生鳥獣肉)の加工販売を学び、市内での定住・独立を目指してもらう。今月31日まで募集している。市によると、昨年度の被害は少なくとも、麦やトウモロコシなどの飼料作物が約2.2ヘクタールで最も多く、サツマイモなどのイモ類が約1.9ヘクタール、水稲が約0.6ヘクタールに及んだ。動物別ではイノシシによる被害が最多で、タヌキ、アナグマと続いた。電気柵を設置したり、捕獲したりしているが、対策が追いつかない状況という。対象は、市内への移住が可能な市外在住者。狩猟免許(わな)を取得してもらい、有害鳥獣の捕獲や被害防止対策の推進を担う。ジビエの加工技術を学ぶほか、サカキといった枝物の生産にも携わる。市林務水産課は「地元住民と一緒になり、有害鳥獣から農作物を守ってくれる人材を求めている」としている。狩猟免許や経験、年齢は問わない。報酬は月20万円で期末手当も支給する。副業も可。家賃は月5万円程度を上限に市が負担する。

(関空では年間約20件発生「バードストライク」、新対策は高周波を使った『バードソニック』:大阪)
鳥などが航空機に衝突する事故「バードストライク」の新たな対策とは?3月1日、関西空港の滑走路付近に設置されたのは、鳥類防除装置「バードソニック」。鳥類が嫌がる高周波を照射することで、鳥を傷つけることなく回避行動を促すということです。関空では、鳥が航空機に衝突することで機体の損傷や欠航などにつながる「バードストライク」が年間20件前後起きていて、これまでも空砲で威嚇するなどの対策がとられてきました。(協力した岡山理科大学の辻維周教授)「(装置は)シカとかイノシシにもきくように開発されたものです。それを鳥に応用することによって空の安全をより一層増す狙いがあります」。空港を運営する関西エアポートは、関空のほか神戸や伊丹空港でも「バードソニック」を2基ずつ試験導入し、1年ほどかけて効果を検証するとしています。

(希少なサワガニやウミガメの卵も食べるイノシシ:沖縄)
沖縄・慶良間諸島は5日、国立公園指定から10年を迎える。生態系保全の一環で、急速に生息域を拡大した外来種ニホンイノシシの駆除が進められている。農作物の被害だけでなく、希少なサワガニ類やウミガメの卵を捕食するなど生態系への影響が広がり、県は2031年度までに慶良間諸島全域からの根絶を目指す。イノシシは03年ごろにイノブタ生産のため渡嘉敷島に持ち込まれ、管理不足で逃げ出した個体が野生化。座間味島、阿嘉島、慶留間島でも分布が確認された。県は第二種特定鳥獣管理計画(第2期)で年度ごとの目標生息数を設定。渡嘉敷島では23年度139頭から31年度0頭、座間味島では23年度18頭から27年度0頭を目指す。捕獲事業では新たな課題も出ている。継続的な捕獲によって警戒心が強くなったイノシシは、日中を避けて夜間に行動するようになり、原則日中しか使えない猟銃での捕獲が減っているという。県自然保護課は「夜間の捕獲が必要になってきているので、他県の事例を参考にしながら同様に実施できるか検討していく」としている。

(アライグマ駆除、新年度から専門業者に委託へ :群馬)
農作物を荒らすアライグマの捕獲数が太田市で増えていることを受けて、市は新年度、専門業者に駆除を委託する新たな対策に乗り出す方針を決めました。北米原産のアライグマは、かつてペットとして大量に輸入されましたが、捨てられるなどして野生化し、全国各地で農作物を荒らしていることなどから、特定外来生物として駆除の対象になっています。太田市によりますと、市内でもアライグマによるとみられる農作物などの被害が相次ぎ、捕獲頭数は今年度、1月末の時点で204頭となり、4年連続で100頭を超えています。市はこれまでに、希望する市民に対してアライグマを捕獲するための「おり」を貸し出す対応をしてきましたが、捕獲が追いつかない現状があることから、新年度は専門業者に駆除を依頼する新たな対策に乗り出す方針で、新年度予算案におよそ300万円を盛り込んでいます。太田市農業政策課は「捕獲だけでなく、アライグマが住みかにしやすい空き家への対策などの総合的な取り組みを行い、個体数の抑制と被害の軽減に努めていきたい」と話しています。

(イノシシ目撃情報、3年で3倍以上に増加:鹿児島)
鹿児島市で、イノシシの年間の目撃情報が急増している。市生産流通課に寄せられた情報は2021年度54件、22年度119件、23年度(2月27日時点)で170件と、ここ3年近くで3倍以上に増加。サルも6、8、66件と大幅に増えている。6日の市議会産業観光企業委員会で市が答弁した。イノシシに関しては、2月中旬、同市明和1丁目の住宅街の路上で、20代男性が足などをかまれて軽傷を負った。昨年11月にも、周辺で小学生が襲われてけがをしている。同課によると、住民の危機意識が高まり同じ個体が複数回通報されている可能性が高い。餌を与える人がいるほか、放置された果樹を求めて住宅街に下りてきていることも、目撃が増えた要因の一つとみている。同委で委員からは、人的被害が続いているとして、農作物への被害防止を中心に取り組む同課だけでなく、危機管理課を含む独立した体制とするなど、所管を見直すべきだといった指摘が相次いだ。市は「どうすれば解決につながるのか、被害減少に向けて全庁的に一体となって取り組む」と答えた。

(シカ捕獲163頭最多ペース:北海道)
エゾシカと、駆除対象の特定外来生物アライグマの捕獲数が、千歳市内で目立って増えている。2023年度の捕獲数はエゾシカが163頭で、過去15年で最多だった20年度に迫るペース。アライグマは642匹で、過去10年の最多を更新した(ともに5日時点)。森林部に隣接する住宅街では、庭木や家庭菜園などが荒らされる事例が出ている。...

(過去最悪クマ被害、遭遇した場合の対処法を学ぶ研修会:岩手)
岩手県でクマの被害が過去最悪となる中、雫石町の企業が地域の人たちを招いてクマに遭遇した場合の対処法などを学ぶ研修会を開きました。この研修会は雫石町の段ボールメーカー、「東北紙器」が地域貢献の一環として開き、従業員のほか地域の住民など20人あまりが参加しました。講師は町役場の職員で、農林水産省の野生鳥獣被害対策アドバイザーの谷崎修さんが務め、クマに遭遇しないために山や、山のふもとを歩く際は鈴やラジオなどで音を出して人の存在を知らせることが重要だと説明しました。続いて、万が一、遭遇した場合に備えて実際にクマよけのスプレーを使う体験も行われ、参加者たちはストッパーの留め具を素早く外せるよう練習して扱いに慣れておくことや、スプレーを使う際は両手でしっかりと持ち、クマの顔を狙って噴射することなど、ポイントを教わっていました。参加した住民たちは「クマはかなり身近な問題なので、とても参考になりました。知らないことも多かったので、実際に体験することも大事だと思いました」とか、「スプレーや山に追い払う花火などの備えも考えていきたい」などと話していました。

(狩猟の魅力まるわかりフォーラム:北海道)
狩猟に興味がある方、狩猟を始めようと思っている方必見!!環境省主催「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が、4年ぶりの現地開催となり、北海道で開催します。本フォーラムは、多くの人に狩猟の魅力や社会的役割、安全な狩猟方法等を紹介し、鳥獣保護管理の担い手となるきっかけを提供するために開催しています。また、捕獲した鳥獣の有効利用方法としてのジビエ利用については地方創生の観点等から注目されていますが、利用状況は限定的であることを踏まえ、捕獲鳥獣のジビエ利用を推進することも目的としています。

(“クマの専門家”が最終講義:新潟)
2月22日、定年のため新潟大学で最後の講義を終えた農学部の箕口秀夫教授。クマの専門家として、県民にも注意を呼びかけてきた教授が教え子や職員に囲まれながら最後の講義で伝えたのは夢を抱く大切さだった。様々な植物や動物の調査を学生とすることができたのが一番の思い出」こう新潟大学での27年間を振り返ったのは、農学部の箕口秀夫教授だ。箕口秀夫 教授(2020年):人に慣れてしまう、人間生活に慣れてしまうといったいわゆる新世代グマに変化してきている。箕口教授は中山間地に定点カメラを設置するなどしてクマの生態を観察。さらに…箕口秀夫 教授(2023年9月):クマの餌条件は非常に劣悪。専門家の立場で県などに助言を行い、クマの出没の増加が懸念される際には県民への注意喚起を行ってきた。そんな箕口教授も23年度で定年。22日の最終講義には多くの教え子が集まっていた。教え子は「ユーモラスでいつも冗談じみたことを言ってくれる楽しい先生」「同じことを知るにしても、こっちがワクワクするような講義だった」と振り返る。その言葉通り、箕口教授の最終講義はユーモアにあふれたものになった。箕口秀夫 教授(講義にて):同一個体の夏と秋の体格なんですけど、冬ごもりをするためにたくさんの餌が必要。脂肪を蓄えるということで、私だけなんですけど「逆ライザップ現象」と呼んでいる。結果にコミットしているんですね、ちゃんと。講義の中で箕口教授が指摘したのは、人間の生活圏に近い里山で生まれ、里山で一生を過ごす新世代グマ・アーバンベアと呼ばれるクマの増加だ。クマを集落に寄せ付けないよう緩衝地帯の設置などによるゾーニング、そして集落での対策が重要だと訴えた。箕口秀夫 教授(講義にて):リピートアフターミー、「柿厳禁」ということを合言葉にクマの対策をしていかなければいけない。そして、講義の最後に語ったのは幼い頃の自身の夢。「ガラパゴス諸島や世界のジャングル、大森林、草原などで生物の研究をしたいと、小学生のときに夢を抱いた。小学校の頃の夢を叶えることができました」。「夢を叶えることができた…」それは箕口教授が長年の努力の末につかんだ実感だ。だからこそ、夢を抱く若者への期待も膨らむ。「不思議をどんどん解き明かしてくれることを期待している。バトンタッチしたい」。今後も研究を続けると話す箕口教授。多くの拍手に包まれてその教授人生に幕を下ろした。

(フロント係、実は猟師:静岡)
浜松市浜名区の県立森林公園内宿泊研修施設「森の家」で狩猟免許を持つフロント係。「猟師見習いです」と笑顔を見せ、野生鳥獣の肉を使ったバーベキューなどを計画中だ。愛知県岡崎市出身。専門学校卒業後、医療事務などに就いていたが、幼い頃によく行った両親の実家の浜松市天竜区佐久間町の自然や、遊びの最中に見かけたシカやサルを懐かしく思い出し、「山で暮らしたい」と思うように。「それなら」と20代前半にわな猟免許を取得し、直後に同区龍山町に移住。初日に、後の師匠となる猟師の門をたたいて教えを請うた。「獣とはなんぞや」から始まり、獣道の見つけ方、わなの扱い、仕留めた獲物の解体までを教わる。

(住宅敷地内にクマ入り込む、猟友会などが捕獲:岩手)
3日、岩手県住田町で住宅の敷地内に子どもとみられるクマが入り込んでいるのが見つかり、4日午前、猟友会などに捕獲され、山に返されました。3日午後3時ごろ、住田町世田米にある住宅の倉庫で、子どもとみられるクマが入り込んでいるのをこの家に住む人が見つけました。警察や猟友会などはクマを捕獲するわなの用意などのため、3日はクマが逃げないように倉庫の戸を固定しましたが、4日朝には敷地内にある別の倉庫に移動していたということです。猟友会などは4日午前、わなを仕掛け、昼前にクマが捕獲されました。警察によりますと、けがをした人はおらず、猟友会などは正午すぎにクマを町内の山に返したということです県自然保護課は今後、冬眠から目覚めたクマが住宅などに出没するおそれもあるとして、注意を呼びかけています。

(住宅街にクマの親子出没、市内で4年ぶり目撃:兵庫)
4日午後3時ごろ、兵庫県川西市一庫中ノ坪の山林で、親子とみられるクマ2頭を近くのガソリンスタンド店員が目撃した。市によると、2020年10月以降、市内での目撃情報はなかった。同市産業振興課によると、店員に気付いたクマは現場から山の方に逃げていったという。付近では足跡やふんなどは見つからなかった。現場は能勢電鉄日生中央駅から約800メートル南東の住宅街。

(“冬眠明け”各地でクマ目撃)
この暖冬のなか、クマの目撃が相次いでいます。例年よりも短い冬眠期間。各地で警戒を強めています。岩手県の住宅の倉庫。木の下に黒い物体が動いているのが分かります。体長1メートルほどの子グマです。3日、倉庫にいるのを住民が目撃しました。倉庫内にはニンニクが散らばっていて、クマはネコの餌(えさ)を食べたとみられています。一夜明けた4日、猟友会などに捕獲され、その後、山へ返されました。福島県いわき市でも3月に入って市街地でクマの目撃が。巨大なクマと遭遇したという女性。わずか数メートル先に…。クマを目撃した人(50代) 「黄色い位置に、こっちを向いて(クマが)四つんばいでいた。完全にやられていたと思ったら怖くて怖くていられない。軽自動車くらいの大きさ(横幅)があった」クマを目撃した場所は、住宅や公園に隣接する駐車場です。福島県の海側に位置するいわき市では、ツキノワグマが生息している可能性は低いとされています。ところが今月1日、JR湯本駅からわずか200メートルほどの住宅地でクマが目撃されました。クマを目撃した人(50代) 「他人事だと思っていた。クマって、まさかって。五十何年、生きているけど初めて経験した。民家がある所にクマ、恐ろしい。通学路で学生も通るので怖い」女性たちはすぐに車へ避難。クマは立ち去ったといいます。クマとの遭遇は、もはや他人事ではありません。近隣住民は身を守るため、バットを持って移動します。これまでクマが出没していなかった地域でも油断はできません。いわき市 環境企画課 若松慎太郎係長 「猟友会などに話を聞いたところ、クマが生息していないにしても地域外から往来している可能性。クマによる人身被害の発生が一番、恐ろしいので、被害がないように広報に気を使っている」。これからの時期は冬眠から目覚めたクマと遭遇する危険が高まります。子グマを連れた母グマが猛スピードで男性を威嚇。冬眠明けの恐るべき習性が捉えられていました。群馬県桐生市の住宅近くの登山道。5月の早朝に散歩していた男性は、茂みの奥にある小さな沢にツキノワグマの親子がいることに気が付きます。その時、母グマが猛スピードで目の前まで近付いてきて威嚇してきます。専門家は、冬眠明けの親子グマの習性について…。北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授 「子連れの母グマにとって一番怖い存在は雄グマ。雄グマが自分の子どもを狙って殺そうとしてくるケースがある。(母グマは)近くにいる雄グマの存在を警戒しなくてはいけない。その対象の一つに人間もある。直接的な攻撃に至る前に威嚇行動を示すことが一つの特徴。背中を見せて走って逃げるという行為に至ってしまうと、直接的な攻撃に発展する可能性が高まる」。男性はクマの方を向いたまま後ずさり、幸いけがはありませんでした。今年は、冬眠から目覚める時期が早まっている可能性が指摘されています。冬眠の巣穴から出てきたとみられるヒグマの親子。去年4月の映像です。ヒグマが冬眠から目覚めるのは通常、3月半ばから5月半ばです。ところが「異常な暖冬」ともいわれる今年は異変が。北海道ではすでに2月からヒグマの目撃が相次いでいます。北海道南部の浦河町。先月26日の午後4時30分ごろ、団地で遊んでいた小学生たちがおよそ100メートル先にヒグマが2頭いるのを目撃しました。小学5年生がスマートフォンで、とっさに現場を撮影。写真ではヒグマの姿は確認できませんが、左側の木の辺りに体長1.5メートルと70センチほどのヒグマがいたといいます。ヒグマは後ろ足で立って木に「背こすり」する習性があります。小学生たちは立っている姿を見たのでしょうか…。通報を受けた町の職員が現場でヒグマの足跡を発見します。雪の上に付いた足跡の幅はおよそ17センチです。町の担当者は親子のヒグマとみて注意を呼び掛けています。

(カメラにシカの大群が:長野)
各地でシカの食害が問題になっていますが、対策のために設置したカメラに、このほど、行列を作って移動するシカの姿が捉えられました。その姿と数に、改めて農家や住民が対策に頭を悩ませています。急斜面を下るシカ。一頭ずつ、整然と列を作って歩いていきます。シカが現れたのは千曲市更級(さらしな)地区の里山。「堂の山(どうのやま)」と呼ばれる一帯で、3年前から地元の有志が、整備に取り組んでいます。「堂の山」復活プロジェクト 大谷公人(おおたに・きみと)さん。大谷さんたちは、里山を地域の憩いの場にしようと、やぶを切り払ったあと、サクラや草花を植えたものの…。(大谷さん)「植えてはあったんですが、みんな食べられて跡がない感じですかね」。「敵」の正体を知ろうと2年ほど前にカメラを設置。すると、むしゃむしゃと草を食べるシカの姿が。時には10頭ほどの群れで現れたり…。カエデの木を大きなツノでつつく様子も。ほかにも、整備した遊歩道を歩くタヌキや、カメラを威嚇する野鳥など、さまざまな生き物が映っていました。そして2月21日にカメラが捉えたのが、10頭近いシカの大行列です。

(市街地の路上や車の上にサル:佐賀)
佐賀・唐津市の市街地。ガード下の駐輪場で動く影の正体は“サル”。駐車場にも現れ、住人を威嚇。サルが目撃されたのは、JR唐津駅のすぐ近くで住宅も立ち並ぶエリア。どこから来たのか。10kmほど離れた山林では、2つのサルの群れが確認されている。今回目撃されたのは、はぐれザルの可能性が。30分ほど付近をうろついたあと、立ち去ったという。

(「クマがポリバケツをあさっている」:新潟)
新潟県新発田市で7日、クマ1頭の目撃情報がありました。警察によりますと午前5時58分、新発田市上楠川で散歩をしていた男性が、住宅の外に置かれたポリバケツをあさっているクマ1頭(体長約1メートル)を目撃し警察に通報しました。クマが目撃された場所から民家までは約20メートルと近接していることから、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(広がるジビエ利用、6年間で1.6倍)
農村地域で深刻な被害をもたらす野生鳥獣の捕獲数が増え、肉を有効活用する取り組みが広がる。新たな料理レシピの開発も盛んだ。農林水産省によると、2022年度に全国の処理加工施設750カ所で処理されたジビエ利用量は2085トンで、16年度に比べて1.6倍に増加した。外食産業での利用拡大、定着が進んでいるほか、ペットフードなどの新用途の開拓で着実に利用量が増えてきた。同省は、19 年度の水準から25年度までに倍増(4000トン)させることを目標にしている。「ジビエ」とは、フランス語で狩猟によって捕獲した野生鳥獣の肉や料理のことを指す。日本でも古くから狩猟肉を食べる文化があり、肉食を禁忌としていた江戸時代には、「シカ肉=もみじ」、「イノシシ肉=ぼたん、山くじら」と植物の名前などを隠語として用い、「決して肉ではない」として、ごまかして食べていた。野生鳥獣による農作物被害は22年度で156億円で、全体の約7割がシカ、イノシシ、サルによるもの。捕獲対策などが進み、10年度から3割減となっているが、農水省は「下げ止まっており、依然として被害は大きい」と話す。肉をジビエとして流通させるには、「血抜き」など捕獲した鳥獣を適正に処理することが求められ、農水省は「ジビエハンター育成研修制度」を23年5月に導入。食肉処理施設の衛生管理などを推進するために、「国産ジビエ認証制度」を制定している。家庭や飲食店、学校給食なででジビエ料理を普及させようと、「ジビエ料理コンテスト」も開催している。

(ジビエ料理の消費拡大へ、猟師や食肉加工業者などの交流会:山口)
農作物などを荒らすため駆除されたシカやイノシシの肉を料理に活用して消費拡大を図ろうと、猟師や食肉加工業者などの交流会が山陽小野田市で開かれました。この交流会は野生のシカやイノシシの肉などのジビエ料理の需要を開拓するため連携を深めていこうと農林水産省中国四国農政局が山陽小野田市で開き、地元の猟友会のメンバーや食肉加工業者、それに飲食店経営者などおよそ20人が参加しました。はじめに食肉加工業者の仲村真哉さんが、ジビエの高い栄養価に注目が集まる一方、肉が硬いとか臭いというイメージが定着しているなどと説明した上で、「手に取りやすい商品を作りジビエのイメージを変えていく必要がある」と連携強化を呼びかけました。これに対し、参加者からは「価格をどう抑えるかが課題だ」とか、「スライスやミンチなど調理しやすくして販売してはどうか」といった意見やアイデアが出されました。会場ではジビエ料理の試食が行われ、参加者は地元で捕れたシカ肉のローストやイノシシの肉を煮込んだ角煮など5品を味わいました。中国四国農政局山口県拠点の小松博樹地方参事官は「需要のすそ野を広げるだけでなく、山口県のジビエの品質の高さを広めていきたい」と話していました。

(「エゾシカ肉は高タンパク」食農講座:北海道)
農業体験を通じた体験型観光に取り組む千歳市グリーン・ツーリズム連絡協議会は、ジビエ(野生鳥獣肉)料理や、市内の野生鳥獣の現状について学ぶ食農講座を開いた。参加者はシカ肉の調理法などについて熱心に耳を傾けた。

(ジビエ料理全国コン入賞、シカ肉のイタリアン考案:北海道)
三笠高3年の鈴木龍さん(18)が、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及促進を目的にした「第8回ジビエ料理コンテスト」の「おうちで食べたいジビエ料理部門」で全国調理師養成施設協会会長賞を受賞し、同高の初入賞を果たした。

(エゾシカでペットフード:北海道)
苫小牧市内で捕獲されたエゾシカのみを使ったペットフードや犬用玩具が今月から、苫小牧市植苗の道の駅ウトナイ湖で販売されている。商品を加工、販売する株式会社K(日高町)は同市街地周辺のシカ捕獲事業の受託業者。「命をつなぐ」をモットーに駆除したエゾシカの有効活用に積極的に取り組む。道の駅ウトナイ湖の店頭には「苫小牧産エゾシカ肉100%使用」を掲げたジャーキー(35グラム、462円)とフレーク(40グラム、528円)、あばら骨付きのリブ(60グラム、660円)、角で作った犬用玩具(Sサイズ、990円)4種類を陳列。いずれも「ジビエスタイル」のブランド名で売り出している。加工、販売責任者の佐々木貴和子主任は「すべて手作りで、捕獲場所ごとに加工し、添加物は一切使っていない」とアピール。今年度は市内で170頭以上を捕獲しており、順次これらに加工していくという。同社はインターネット販売のほか全国のペットショップなど約70店にエゾシカ由来の商品を卸してきたが、市内での販売先はこれまでノーザンホースパーク(美沢)の売店のみだった。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後3時30分ごろ、仙台市泉区朴沢宮床山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午前9時50分ごろ、仙台市泉区実沢中山南にクマが出没しました。

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(銃をめぐる規制や罰則強化、銃刀法の改正案を閣議決定)
銃を使った凶悪犯罪が相次いでいることを受けて、政府は、これまでの銃刀法で拳銃などを対象に設けられていた「発射罪」を、猟銃やその他の銃にも適用することなど、銃をめぐる規制や罰則の強化を盛り込んだ銃刀法の改正案を閣議決定しました。銃刀法では、「拳銃など」を対象に法定刑の上限が無期懲役の「発射罪」が設けられています。一方、おととし7月、安倍元総理大臣が銃撃された事件では、被告の自宅から「拳銃」には分類されない手製の銃が押収されたほか、長野県で去年5月、警察官2人を含む4人が殺害された事件では「ハーフライフル銃」と呼ばれる猟銃が犯行に使われました。銃が凶悪犯罪に悪用されるケースは、種類にかかわらず想定されるとして、政府は1日、銃の規制や罰則の強化を盛り込んだ銃刀法の改正案を閣議決定しました。改正案では、従来の「拳銃など」に加えて「猟銃」や「空気銃などその他の銃」についても「発射罪」を新たに適用し、人を殺傷する目的でこれらの銃を所持した場合の法定刑も、拳銃などと同じ「懲役1年以上10年以下」に引き上げるとしています。また、インターネットで銃の製造方法が容易に入手できる現状への対策が必要だとして、銃を製造して所持するようそそのかす内容の投稿を行うことについて、新たに罰則を設けます。政府は今の通常国会での改正案の成立を目指すことにしています。今回の銃刀法の改正案には「ハーフライフル銃」と呼ばれる銃の規制強化も盛り込まれています。猟銃の1種である「ハーフライフル銃」は射程がおよそ150メートルと、「散弾銃」の3倍ほどあり、所持するために厳格な基準がある「ライフル銃」に対して、狩猟免許の取得後すぐに所持することができます。今回の改正案にはハーフライフル銃についても、許可の基準をライフル銃と同じ『猟銃を10年以上継続して所持している人』などに限定することが盛り込まれています。一方、「ハーフライフル銃」は北海道でエゾシカやヒグマの駆除に使われることが多く、経験年数の浅い若手ハンターの多くが使用していることから、地元の団体から「駆除の担い手不足が深刻化する」などと、懸念の声もあがっています。警察庁は、自治体の推薦がある場合や警察が実績を確認した場合など、許可の特例も設けて地域の獣害対策に支障が出ないようにしたいとしています。松村国家公安委員長は1日の閣議後の会見で「ハーフライフル銃を必要とする人が、適切に所持の許可を受けられる運用にする。国会ですみやかに法案が審議され、早期に可決・成立することを期待する」と述べました。

(銃所持をあおる行為に罰則新設)
政府は1日、インターネット上などで銃所持をあおる行為への罰則新設を盛り込んだ銃刀法改正案を閣議決定した。ハーフライフル所持許可の厳格化も含まれるが、鳥獣対策に悩む北海道の狩猟関係者らの要望を受け、地域事情による必要性が認められた場合は、現行制度と同様、申請者が許可を得ればすぐ所持できるよう、運用面を一部見直した。2023年に長野県で4人が殺害された事件で、警察の許可を得て長期間使用されていなかったハーフライフルが使われたことや、22年の安倍晋三元首相銃撃事件を受け、警察庁が改正案の検討を進めていた。今国会に提出し成立を目指す。改正案では、ネット上などで不特定多数に向けて銃所持をあおるような行為に1年以下の懲役、または30万円以下の罰金を科すとした。ハーフライフルを巡っては、より射程が長いライフルと同程度に許可基準を厳格化。10年以上継続的に散弾銃の所持許可を受けた場合に限定する他、狩猟や競技といった本来用途で3年以上使われていなければ許可を取り消していたが、2年以上に短縮する。

(ハーフライフル銃、規制強化へ)
自作銃や猟銃の悪用防止を目的に規制を強化し、インターネット上などで銃の所持をあおるといった行為を新たに禁止する規定を盛り込んだ銃刀法改正案が1日、閣議決定された。政府は今の通常国会に改正案を提出し、成立をめざす。銃刀法改正案にはハーフライフル銃の規制強化も盛り込まれた。長野県で昨年起きた4人殺害・立てこもり事件で使われたためだ。規制には、害獣駆除でハーフライフルを多く使用する北海道の関係団体などが反対し、協議が続いてきた。銃刀法は、銃内部の半分を超える部分にらせん状の溝があるものをライフルと規定する。弾が銃を通る際に回転がかかり、射程が長く威力も強い。規制は厳しく、10年以上続けて猟銃の所持を許可された人などに限られる。一方、鳥類の狩猟などで一般的に使われる散弾銃には溝はない。溝の割合が半分以下のハーフライフルは散弾銃より射程が長いが、規制は散弾銃と同じだった。警察庁は改正案で、ライフルの定義を、溝の割合が「5分の1以上」と変更。ライフルと同様の規制をかけることにした。昨年12月に改正方針が明らかになると、ヒグマやエゾシカの捕獲にハーフライフルを使う北海道の関係団体から懸念の声が上がった。「捕獲数や捕獲の担い手確保の減少につながる」。北海道の鈴木直道知事も1月24日の記者会見で言及した。

(野生のイノシシ1頭から豚熱ウイルス検出:岡山)
岡山県は、高梁市で捕獲された野生のイノシシから、ブタの伝染病、豚熱ウイルスが検出されたと発表しました。岡山県内で豚熱ウイルスの感染が確認されたのは初めてです。岡山県によりますと、2月18日、高梁市の山中で、県が行っている豚熱の調査のため捕獲した野生のイノシシ1頭から豚熱ウイルスが検出されたということです。岡山県内で豚熱ウイルスの感染が確認されたのは初めてで、県は3月1日、県内23のすべての養豚場に注意喚起を行いました。また感染したイノシシが捕獲された場所から半径10キロ以内を感染確認区域に設定し、この範囲で捕獲されたイノシシの肉の流通を自粛をするよう関係者に要請しています。豚熱は、ブタやイノシシの病気で、人に感染することはなく、感染したブタやイノシシの肉を食べても人体に影響はないということです。

(イノシシに襲われた80代男性が軽傷:兵庫)
2月29日午前8時ごろ、赤穂市尾崎の民家の庭で、この家に住む80代の男性がイノシシに襲われ軽傷を負った。赤穂市と警察によると、イノシシは同日午前7時半ごろ、別の民家敷地内に現れた。110番通報を受けて駆けつけた警察官に追い払われ、約400メートル北に逃げて被害男性宅の庭先に侵入。男性に向かって突進してきたという。男性はイノシシの牙が当たったとみられ、左足に擦り傷を負った。イノシシは体長約1メートルのオスで、市の要請を受けた猟友会によって駆除された。市は「イノシシを目撃した場合は、刺激しないようにゆっくりその場から離れて」と注意を呼び掛けている。

(イノシシに襲われ、女性捕獲員が重傷:岡山)
岡山県笠岡市は28日、イノシシの駆除などを委託している50歳代の女性捕獲員が、わなにかかっていたイノシシに襲われ、全治2か月以上の重傷を負ったと発表した。市によると、女性が15日午前7時半頃、同市神島外浦の山林で、くくりわなにかかっていたイノシシを確認。別の捕獲員に電話で連絡していたところ、わなのワイヤが切れ、手や脚をかまれたという。

(釧路湿原のシカ捕獲、環境省検討)
環境省釧路自然環境事務所は、釧路湿原でのエゾシカ捕獲について、2024年度に従来の囲いわな以外に、箱わなやくくりわななどの試行を検討している。シカの捕獲を増やして生息数を減らし、植生被害を抑えるのが狙い。28日に釧路市内で開いた「釧路湿原エゾシカ対策検討会議」の会合で明らかにした。

(キョン出没、繁殖阻止へ捕獲緩和:茨城)
千葉県で食害が深刻化するシカ科の特定外来生物「キョン」が茨城県に出没し、県内自治体に警戒感が広がっている。神栖市で確認後、石岡、筑西、下妻の各市でも見つかった。県は近く、市町村に委ねる有害鳥獣の捕獲許可権限の対象にキョンを追加する。わなにかかったキョンを逃がさず捕獲できるよう手続きを緩和し、繁殖を防ぐ。下妻市唐崎の県道で昨年12月28日、雄のキョンが死んでいるのが見つかった。県内で確認されたのは4件目だった。「これが最後であってほしい」。外来生物対策を担う市環境課の担当者は不安げに話す。県内で初めてキョンが確認されたのは2017年5月。神栖市の常陸川大橋で死んでいるのが見つかった。22年には、石岡市の山中に設置されたセンサーカメラに、歩いて移動するキョンが映り込んでいた。さらに昨年9月、筑西市を流れる大谷川の堤防を移動する姿が撮影された。確認されたのは、いずれも雄。繁殖している可能性を示す雌は確認されていない。一方、筑西市で見つかった場所は、栃木県境まで約6キロ。新たな脅威は隣県にもじわりと及ぶ。千葉県では爆発的に繁殖し、生息数が7万頭余りと推定されている。隣接する茨城県への定着が危惧される中、土浦市の県霞ケ浦環境科学センターで1月、キョンの専門家を招いた講演会が開かれた。環境省が主催し、県内の外来生物や農政を担当する市町村職員、狩猟関係者ら約100人が参加した。キョンの生態に詳しい麻布大の加瀬ちひろ講師(動物行動管理学)は実験結果を紹介。畑への侵入を防ぐには「高さ85センチの柵であれば基本的に越えることはない」と述べた。質疑応答では食害に関する質問が相次いだ。鉾田市農業振興課の皆藤拓也係長(39)は「5年後10年後、鉾田に入ってきてもおかしくない」と話し、隣接自治体と連携する考え。猟友会竜ケ崎支部の田村盛一さん(68)は「数万頭にもなったら、駆除するのは難しいだろう」と語り、警戒感を強めた。県も対策に乗り出した。県議会12月定例会に知事権限に関する条例の一部改正案を提案して成立。これを受けて今年4月、市町村に委ねている有害鳥獣の捕獲許可権限の対象にキョンを追加する。現在はキョンの捕獲許可は、各地域の県民センターまで行って申請しなければならないが、今後はイノシシと同様に市町村窓口で可能となる。イノシシのくくりわなや箱わなにかかったキョンを「錯誤捕獲」として放すことがないようにするためだ。定着防止へ情報収集する県自然博物館(坂東市)の副主任学芸員、後藤優介さん(42)は「茨城で増えてしまうと、栃木や福島を通じて本州全域に広がってしまう」と指摘。「何とか茨城で増えない状況をつくらないといけない」と危機感を示した。

(24年度はクマ出没減か?:宮城)
宮城県は29日、クマがどのぐらい目撃されるかを予想する2024年度の「クマ出没シーズン予報」を発表した。活発に動き回る夏季(4~11月)は「平年並み」と予測。記録的な目撃件数となった23年度に比べ、減少するとみる。

(ヒグマ「許可捕獲」最多76頭:北海道)
宗谷総合振興局は、自治体が地元の猟友会に依頼してヒグマを捕獲する「許可捕獲」による2023年度の管内の捕獲頭数が、記録の残る00年度以降で過去最多の76頭(2月20日時点)に上ったと明らかにした。前年度の3倍余りに達しており、同振興局は目撃情報の増加が要因とみている。

(家島諸島に大量のイノシシで被害急拡大:兵庫)
家島諸島(兵庫県姫路市)で、かつては生息していなかったとされるイノシシの被害が拡大しているとして、姫路市と県が対策に乗り出す。人口減少の著しい離島でのイノシシの増加は各地で問題となっており、人口約4千人の家島諸島でも近年は学校や通学路に出没する被害が発生。観光PRを進める上でも安全確保に向けた対策が求められている。自動撮影カメラによるイノシシの個体数推計に取り組む県立大自然・環境科学研究所の栗山武夫准教授によると、家島諸島のイノシシは、四国側から10数年前に泳いで上陸したと考えられる。捕獲者の少なさや温暖な気候などの条件が生息に適している可能性もあるという。栗山准教授は令和2年8月から家島諸島の4島や沼島(兵庫県南あわじ市)にそれぞれ15台のカメラを設置し、調査を実施。推定個体数は年平均で、家島267頭▽坊勢島66頭▽西島102頭▽男鹿島109頭-。出産期直後の時期には、家島だけで400頭ほどに上るとみられるという。姫路市や県中播磨県民センターによると、数年前から幼稚園の園庭や高校の校庭、通学時間帯の通学路などに出没しているほか、住民が襲われたり、家庭菜園を荒らされたりする被害も発生している。近年は住民が狩猟免許を取得するなど捕獲にも力を入れているが、柵の整備費用を上回る農業被害がないとして、国庫補助事業による対策は進められてこなかった。姫路市は令和6年度の当初予算案に100万円を計上。誘導型の柵などを山林と集落の間に設置し、被害対策の効果を実証する。県中播磨県民センターとも連携し、猟師の少ない島嶼(とうしょ)部での被害防止に向けた仕組みづくりに連携して取り組む。市の担当者は「地域住民の協力も得ながら取り組んでいきたい」と話している。

(山中にイノシシの「死骸放置」、行政が撤去できないワケ:岐阜)
美濃市片知の山の中。「谷あいにイノシシの死骸がある。死因が豚熱だったらまん延が心配だが、行政に撤去してもらえない」と、元猟師の男性(61)から中日新聞へ相談が寄せられた。なるほど、心配するのも無理はない。記者が市や県に取材すると、死骸を回収できない裏側が見えてきた。男性によると、2月4日午前10時半ごろ、山水を引く取水口に掃除のため向かう途中でイノシシの死骸を発見した。数年前まで地元の猟友会に所属していた男性は、知り合いの現会員に頼み、イノシシが死んでいることを確認した。目立った外傷はなかったという。その日のうちに猟友会が市に通報した。

(捕獲と保護、どうするクマ対策:群馬)
本年度、全国で過去最多の人身被害を出したクマについて、国は4月にも捕獲費用などを支援する「指定管理鳥獣」に追加する。出没が相次いだ背景には、猛暑などの異常気象による餌不足のほか、高齢化や人口減少に伴う荒廃農地の増加がある。群馬県は国が示す指針に沿って人とクマの生活圏を分ける「ゾーニング」に取り組む方針。専門家は大量出没を前提とした継続的な対策を訴える一方、繁殖力が低いクマの過度な捕獲をしないよう個体数や生息域を把握する必要性を強調する。

(クマ類を指定管理鳥獣へ)
ヒグマの推定個体数はこの30年間で倍増する等、クマ類の分布は、四国を除き北海道・本州の広い地域で拡大傾向を示しています。昨年秋には秋田県・岩手県を中心に市街地や集落等、人の生活圏へのクマ類の出没が相次ぎ、人身被害が過去最多を記録する等、甚大な被害が発生しました。環境省が設置したクマ類の専門家による検討会は2月8日、人とクマ類のすみ分けを図るべく、「クマ類による被害防止に向けた対策方針」を策定。クマ類による被害防止に向けた具体的な行動として、絶滅のおそれの高い四国の個体群を除くクマ類を指定管理鳥獣に指定する方針を示しました。指定管理鳥獣とは、環境大臣が定めた集中的かつ広域的に管理を図る必要がある鳥獣であり、すでにニホンジカ、イノシシが指定されています。指定管理鳥獣の指定により、都道府県または国が捕獲等をする指定管理鳥獣捕獲等事業を実施することができることになり、同事業に伴う交付金を拡充していきます。同事業を実施する都道府県は、捕獲等事業の内容を具体的にまとめた同事業実施計画を策定し、この計画に基づいて捕獲等事業を行います。さらに同事業には、法令上の特例措置が設けられており、同事業実施計画に位置付けている場合は、捕獲の禁止のほか、捕獲した鳥獣の放置の禁止、夜間銃猟の禁止が適用されません。

(春クマ捕獲実施へ、ハンター養成も目的に:北海道)
ヒグマの目撃情報が過去最多を更新中の根室市は、クマの春期捕獲事業に乗り出す。道の春期管理捕獲事業の補助を受けて行う。外部講師を招き、ヒグマに対応できるハンターを養成する。

(JRが「通年減速運転」を決断:北海道)
北海道のJR花咲線では、シカとの衝突事故を避けるために、早朝や夜間の減速運転が行われている。2022年度から秋冬限定で行われてきた措置だが、3月から通年実施されることになった。減速運転は、JR花咲線など1日16本の列車で行われる。北海道の釧路と根室を結ぶ、JR花咲線。現在、早朝や夜間を中心に、スピードを落として運転している。その理由が、シカとの衝突事故だ。群れをなして縦横無尽に線路を横切り、1頭が雪に足をとられてもかまわず駆け抜けていく。そのため、2022年度から秋と冬だけ減速運転が行われてきた。JR北海道は、事故を防ぐ効果があったとして、3月のダイヤ改正から1年を通して行うと発表したのだ。季節を問わず増え続ける動物との衝突事故。対策は、どれだけ効果があったのだろうか。JR北海道によると、通常運転だった年に比べると、事故が3割ほど減少し、91件になった。減速運転は、JR花咲線や釧網線の一部区間、計16本の列車で行われる。

(中部山岳の鹿対策、第2期方針案提示:長野)
国や県、市町村でつくる「中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会」は29日、松本市内で会合を開いた。近年、ニホンジカの高山・亜高山帯への進入が加速し、生態系への影響が懸念されていることを踏まえ、関係機関が連携して取り組む「ニホンジカ対策方針」の第2期方針案を示した。6~7月ごろの作成を目指す。2013年にまとめた対策方針を大幅に改定。第2期案では、「高山・亜高山帯」と「山麓部」に分けて対策を進める方向性を示した。高山・亜高山帯では希少な植物群落などの保全に向けた優先順位を定めつつ、保護柵の設置などを準備する必要性を明記。山麓部では高山・亜高山帯へ進入する鹿の「供給源」となっているとし、狩猟や捕獲を積極的に行うとした。同公園は面積約17万4300ヘクタールで、長野、岐阜、新潟、富山4県にまたがる。第2期案では、「白馬」「立山黒部」「後立山」「槍穂高・常念・上高地」「乗鞍」の5エリアに分け、被害リスクのレベル付けをそれぞれ行い、対策につなげるとした。広域でのモニタリングを実施するため、鹿の目撃や痕跡といった情報を広く集めるためのシステム構築も盛り込んだ。環境省信越自然環境事務所の栗木隼大(はやた)・生態系保全等専門員は「鹿の管理をしっかり行える基盤をつくりたい」と述べた。

(鹿とキョンの被害で昨年は全滅、小湊鉄道「菜の花のカーペット」:千葉)
あと1カ月ほどで花の季節がやってくる。桜や菜の花、チューリップなどが、美しい姿を見せてくれるはずだ。だが、開花が心配されている場所もある。千葉県市原市にある「石神の菜の花畑」だ。石神の菜の花畑は一面に菜の花が咲く名所として知られるが、昨年は咲かなかった。その理由を鉄道ライターはこう証言する。「菜の花畑の中に小湊鉄道の線路が走っていて、列車と菜の花の写真を撮ることができます。有名な撮影地になっていますね。ところが昨年は全滅だったので、大騒ぎになりました。地元の人に理由を聞くと、冬の間に鹿とキョンが菜の花の芽を食べてしまったからだと。電柵を設置していたのですが、破られてしまったそうです」。今年はしっかりと対策がなされ、菜の花は今のところ問題ないようだ。下見をしたという鉄道ライターは、「すでに花が咲き始めていました。本数が多く、今年は菜の花のカーペットが見られるはずです。見ごろは例年どおり、3月中旬ぐらいになりそう。ただ、心配な点があります。同じ作物を作り続けると起こる『連作障害』です。アブラナ科の菜の花は連作障害を起こしやすく、土壌の管理が大変。なんとかこのまま成長してくれればいいんですが」。石神の菜の花畑には駐車場がないため、訪れるなら小湊鉄道を利用したい。小湊鉄道が出る五井駅へは、普通電車でも東京から1時間ほど。五井駅から菜の花畑の最寄り駅である養老渓谷駅へも、約1時間(平日は里見駅から養老渓谷駅までは代行バスを運行)。養老渓谷駅から畑までは、徒歩約15分だ。

(住宅街に現れたウサギの大群:神奈川)
神奈川県逗子市の住宅街で突然、ウサギの目撃情報が相次いだ。道路をピョンピョンはねたり、竹やぶに集団で固まっていたり。住民の通報を受けた県警は一帯を捜索するなどして28日までに三十数匹を保護した。ノウサギの大量繁殖とは考えにくく、何者かがウサギを大量に遺棄した動物愛護法違反容疑を視野に捜査を始めた。複数の住民によると、始まりは今月20日の午後。同市沼間5丁目で、シバイヌの散歩をしていた男性(82)が上空で騒ぐカラスに気づいた。下の竹やぶをのぞくと、ウサギの大群が草むらに固まり、中にはカラスに顔をつつかれたものもいた。男性はジャンパーにくるんで12匹を家に運び、逗子署に通報した。一安心した男性は「カラスの餌食にならなくてよかった」と周囲に話したという。

(果樹園でエゾシカの食害が深刻:北海道)
果物の栽培が盛んな日本海側の増毛町の果樹園では、リンゴの木の幹の皮などがエゾシカに食い荒らされる食害が相次いでいて、農家が頭を悩ませています。増毛町は朝と夜の寒暖差や水はけがよい土地柄を生かした果物の栽培が盛んで、町内には34軒の果樹園があります。「JAるもい増毛支所」によりますと、果樹園ではことしに入り、リンゴの木の幹の皮や芽がエゾシカに食い荒らされる食害が相次いでいて、なかには果樹の8割が被害を受けたところもあるということです。町内の仙北昌洋さんの果樹園でもリンゴの木の3割ほどがシカの食害にあっていて、仙北さんは「かなりの痛手です。木が枯れてしまった場合、植え替えて再び収穫できるようになるまで10年近くかかります。早く対策をうたなければこの先が心配です」と話していました。食害が急増している理由について「JAるもい増毛支所」はシカが食べるササが山で不足していることに加え、この冬の記録的な大雪で果樹園近くの川が雪に覆われ、シカが川をわたって侵入しやすくなっているためと分析しています。事態を重くみた道の留萌振興局は今月、岩見沢市の果樹園を訪れ、エゾシカの侵入を防ぐ取り組みを視察するなどしていて、今後、食害対策を協議していく考えです。留萌振興局の岸田隆志地域産業担当部長は「果樹園には雪が残っていて、食害の全容を把握できていない。今後、増毛町や農協と一緒に有効な対策を考えていきたい」と話しています。

(ドローンでイノシシ駆除の実証実験:広島)
ドローンを飛ばして、イノシシが嫌がる周波数の超音波を上空から出して駆除する実証実験が神石高原町で行われました。実験は町や地元の猟友会などが合同で行いました。実験には2機のドローンが使われ、機体の下には、イノシシが嫌がる周波数の超音波を出す装置が取り付けられました。操縦担当者がイノシシが生息するとされる山の上空およそ50メートルの高さにドローンを飛ばし、およそ15分間、ジグザグに飛行させながら超音波を発射しました。超音波を嫌がるイノシシが逃げると予想される道の出口などでは猟友会の人たちが待機しましたが、実験の間、イノシシは姿を見せませんでした。神石高原町によりますと、2022年度に町で捕獲されたイノシシの数はおよそ1600頭と15年前の10倍に増え、農作物が荒らされる被害が相次いでいて、駆除が課題となっています。町では、実験をもとにドローンや超音波の機能を改善して、実際の運用に向けて準備することにしています。実験を担当した神石高原町未来創造課の中野達也デジタル推進係長は「イノシシを追い込む猟犬のかわりに、ドローンがイノシシを追い込めるならけがの心配もない。困っている農家のためにも早めの実装を目指したい」と話していました。

(シカ侵入、ICT使い捕獲:三重)
伊賀市の比自岐地区獣害対策協議会(獣対協)が農林水産省の「農村振興局長賞 被害防止部門(団体)」を受賞した。東京・霞が関の農林水産省で15日に表彰式があり、獣対協の森本壽一会長(73)と森井博一事務局長(73)は22日、市役所を訪れ、対応した宮崎寿副市長に報告。2人は「今後も続けます。表彰でやる気が湧いてきます」などと語った。獣対協は2008年に比自岐地区住民自治協議会内に設置された。行政の補助金などを利用して田畑への侵入防止柵を張り巡らせ、地区の比自岐(78戸)▽摺見(するみ)(41戸)▽岡波(25戸)の3集落が協力し、当番制で柵の点検、補修を続けている。柵の総延長は約18キロに及ぶ。

(クマの出没情報、事前確認を:北海道)
道知事認定自然ガイドの斎藤彦馬さん(33)による「ヒグマのお話会」が2月25日、更別村内のサラパークで開かれた。村内外から12人が来場し、ヒグマと人間との共存について考えた。

(イノシシ被害対策学ぶ:島根)
イノシシによる農作物被害を防ぐ研修会が2日、島根県邑南町の町健康センター元気館であった。県中山間地域研究センター鳥獣対策科の坂倉健太主任研究員(34)が、イノシシの習性や防護柵の設置のポイントなどを解説した。

(野生動物が目の前に現れたとき、あなたが取るべき行動は?)
クマが人を襲ったり、イノシシが住宅街に出没侵入したり…。近年、全国で野生動物による人的被害が増え、ニュースをにぎわせています。中山間部に生息している野生動物が、都市部でも目撃されるようになり遭遇率が高まっています。もし、日常生活の中で野生動物に遭遇してしまったら、どのような行動を取れば良いのでしょうか? 正しい知識と行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。今回は、目撃情報や被害が増えているクマやイノシシのほか、サルやシカに遭遇してしまったときの適切な行動を紹介します。クマやイノシシ、サル、シカなどの野生動物の目撃情報をニュースで見かけることや被害が増えています。特にクマによる人身被害は、2023年に218件発生しており、これは環境省が統計を取り始めて以降、過去最悪の件数とも言われています。市街地周辺や都市部に生息し、人への警戒心が比較的薄いクマのことを「アーバンベア(都市型クマ)」とも呼びますが、なぜ増加傾向にあるのでしょうか。主な要因としては次の3つが考えられます。クマの個体数増加:狩猟者の減少や、自治体が野生動物保護の傾向を強めていることなどから、駆除数が減り、個体数が増えたとみられます。過疎化による里山の荒廃:人口が減り、もともと人が住んだり、農林業で利用したりしていたエリアに草木が茂るようになり、クマをはじめとする野生動物が生息できる環境が拡大傾向に。ドングリの不作:天候不良などでドングリが不作となると、食料を求めてクマが人里へ降りてくることがあります。クマ以外の野生動物はどうでしょうか。環境省の調査によると、1978年から2018年までの40年間で、ニホンジカの分布域は約2.7倍に拡大、イノシシの分布域は約1.9倍にも拡大しているのだとか。これも、過疎化によってかつて人が住んでいたエリアが野生動物の暮らしやすい環境へと変化したことが大きな要因と考えられます。シカとイノシシによる主な被害は、田畑を荒らされることによる農作物への被害で、2019年の農作物被害総額は、ニホンジカが約53億円、イノシシが約46億円にものぼります。サルについては、これまで本州で唯一、サルの群れが生息していないとされていた茨城県で、近年目撃情報が相次いでおり、生息域が拡大しています。全国で人身被害や農作物への被害も報告されています。では、実際に野生動物と遭遇してしまったら、どのような行動を取ることで危険を回避できるのでしょうか。今回は、クマやイノシシ、シカ、サルそれぞれの動物の特徴を理解しながら、身を守るための行動を確認していきましょう。遠くにいる場合:落ち着いて静かにその場から立ち去りましょう。もしクマがこちらに気付かずに近づいてくる場合は、物音を立てたり、手を大きく振ったりして人間の存在を知らせましょう。その後、様子を見ながら退避してください。急に大声をあげたり、急な動きをしたりするとクマが興奮してしまう可能性があるため、そのような行動を取るのは避けましょう。近くで遭遇した場合:クマも人間に驚いてパニック状態になる可能性が高いです。人間がパニックになると、助長されてクマが暴れる可能性があるため、まずは落ち着くことが大切です。慌てて走ることはしてはいけません。クマは逃走する対象物を追いかける傾向があるので、クマを見ながらゆっくり後退し、徐々に距離を取りましょう。もしイノシシに遭遇してしまったら…人の様子をうかがうような行動がみられる場合は、焦らず、静かにゆっくりと後退し、安全な距離を取ります。イノシシは急な坂道や木を登ることが苦手なので、高い場所が周りにある場合は上がって逃げましょう。基本的には臆病な性格のため、脅かしてパニックにさせないように注意が必要です。もしシカに遭遇してしまったら…シカはとても臆病で、人間が近づくと驚いてどんな行動をするか分かりません。そのため、シカには近づかず、静かに後退して離れます。シカの出産時期(6月~7月ごろ)は、生まれたばかりの子ジカを見かけることもありますが、親ジカの姿が見当たらなくとも、必ず近くで見守っているので決して近づいたり、触ったりしないようにしましょう。もしサルに遭遇してしまったら…大声を出したり、物を投げたりすると興奮して襲ってくることがあるので、刺激せずに落ち着いて静かにその場から離れましょう。サルと目を合わせてしまうと、威嚇されていると勘違いし、目をそらした瞬間に襲いかかってくる可能性があるため、目を合わせないようにしましょう。また野生動物以外に気を付けたいのが、ヘビやハチ。日本で野生生物による死亡事故が多いのはクマやヘビではなく、スズメバチとも言われています。ヘビもかまれたりすると命にも関わる有毒生物です。身近な場所にも生息しているため、登山時などは特に注意が必要です。例えば、スズメバチは黒色に反応するため、山林に入るときは頭髪が隠れるよう帽子や手ぬぐいなど、白色系の明るい色のものを着用すると良いでしょう。絶体絶命、野生動物に襲われた場合はどうする?十分に気を付けて興奮させずに逃げようとしても、野生動物の行動は読めません。もし至近距離で突発的に遭遇して、襲われてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。致命傷を負わないようにする:クマは顔面や頭部を攻撃してくることが多いため、両腕で顔面や頭部をガードしたり、うつ伏せの状態を取り両手で頭部や首部を守ることで、重大な傷害や致命的ダメージを最小限にとどめることにもつながります。リュックサックや帽子を身に付けている場合は、プロテクター代わりにもなります。イノシシは低い位置から、太い血管のある太ももを犬歯で攻撃してくることがあるため、体を丸め、内股(うちもも)や腹部を隠し、頭部や頸部(けいぶ)を噛まれないように腕や荷物などでカバーします。撃退スプレーを使う:クマが突進してきたり、至近距離にいる場合は、霧状の催涙液を消火器のように大量に噴射するものや、カプサイシンを配合したクマ撃退スプレーが販売されているので、森に入る際などには持参するのが良いでしょう。クマが3~5メートルの位置くらいまで接近してきた場合、クマ撃退用スプレーをクマの顔に全量を一気に噴射してください。クマだけでなく、イノシシやシカ、サルにも効果的です。緊急事態に備えて、とっさに使えるように取り出しやすいところに入れて所持するようにしましょう。野生動物に襲われないためには、遭遇しないようにするのが一番です。野生動物との遭遇を回避するために、日頃からできることとは何でしょうか。野生動物の出没情報をチェックする:日頃からテレビやラジオ、インターネットのニュースのほか、自治体のホームページなどを確認しましょう。出没しやすい要因を排除する:柿やリンゴなど、野生動物のエサになるような実のなる木は不要であれば伐採しましょう。生ごみやコンポスト、ペットフードなどの屋外への放置もNG。コンポストやゴミ置き場にはふたをつけて鍵をかけるのがおススメです。音が鳴るものを持ち歩く:クマよけの鈴、ラジオなどで音を出して人の存在をアピールすると、野生動物は近づいてきません。熊鈴を持っていなくても、音を鳴らし続けることができるスマホアプリを使用するのも有効。クマよけ用の鈴の音を鳴らすアプリがあるので、特に山などに行くときはスマホに入れておくのがおススメです。複数人でいるときは、大きな声で話してにぎやかにして人間の存在を知らせることで、野生動物を避けることにつながります。

(銃砲火器類を路線バスに持ち込んでもいいってマジ?)
世界の中でも特に厳しく制限されているといえど、日本でも本物の銃を買える。問題はそれを運搬する時であるが、公共交通機関を使っても良いのだろうか?かつての日本は、比較的銃の所持が緩やかな国の一つだった。許可を取ればライフルや散弾銃のほか、民間人でも拳銃の購入ができた。明治時代には鉄道の時刻表に銃砲店の広告が普通に出稿されていたほか、伊豆へ鉄道旅行する際に携行すべき物品のページでは「拳銃及び許可証」がリストに含まれているほどだ。また、本当に出没したという“盗賊”などから、運搬中の郵便物を保護する名目で、郵便局員が単発のパーカッション式ピストルを携帯していた時代もある。戦後は銃に関する法律が変わり、民間人の拳銃所持は禁止。ライフルや散弾銃のいわゆる「長物」への極端な制限は当初なかったが、後年に銃を使った凶悪犯罪がたびたび発生したため、だんだん規制が厳しくなり今日へと至る。現在でも、アメリカやチェコなど銃に明るい国に比べれば、半端なく高いハードルを越える必要があるものの、許可を取れば民間人でも実銃の所持が可能だ。ただし狩猟または標的射撃に、定期的に使うことが第一条件で、コレクションは認められない。主に空気銃、散弾銃(ショットガン)、ライフルが所持可能な実銃のジャンル。狩猟用に許可を取った場合、ライフルを持つためにはまず散弾銃を10年使い続けるのが条件となっている。日本で購入できる散弾銃の最大口径は12ゲージ(18.52mm)まで。ライフルには小口径と大口径があり、小口径が5.9mm以下で狩猟向けの使用はNG、大口径はそれ以上~10.5mm(41口径相当)まで。弾倉に装填できる弾薬の上限は散弾銃が2発、ライフルは5発。グリップの部分がストックから独立した形状の散弾銃やライフルも原則不可。アクション映画やFPSでよく登場する、対物ライフルのバレットM82は形状的な問題かつ50口径・12.7mmなので日本での所持はまずできない。また、許可のない人が、ライフルの所持許可を持っている人の自宅などへ行き、銃本体に触ってしまうと違法行為になる。この国において銃を持つということは、細かい所作に至るまで何かと大変だ。ちなみに実銃の空気銃=エアガンであるため、BB弾を圧縮空気やガス圧で飛ばす、10歳/18歳以上なら誰でも買えるオモチャの鉄砲のことを「エアソフトガン」と呼んで区別することがある。「モデルガン」は弾が飛ばない銃の玩具、エアソフトガンとモデルガンを総称するなら「トイガン」だ。銃砲店で購入するときもそうだが、定期的に使用していないと許可が取り消されてしまうため、何かしらの形で銃を自宅から持ち出したり、射場や自宅まで運んだりする機会が生まれる。日本で銃の所持許可を持っている関係各位に話を聞く限り、大抵の場合はマイカーに積んで運搬するとのこと。しかし、事情で公共交通機関を使う場合も珍しくはない。問題は、当の各種公共交通機関が銃の運搬に対応しているか、だ。ここでは航空機、船、鉄道、バスとタクシーでの、銃の運搬にまつわる条件等を軽くチェックしてみた。どの交通手段も持ち込み制限品は国が定めたルールに則っているが、まずは同公共交通機関の中で唯一、手荷物検査がある航空機から。当然ながら、実銃以前にトイガンを含め鉄砲の形をしている物体は、どんなものでも機内持ち込みは絶対不可だ。では手荷物として搭乗前にカウンターに預ける場合はどうかと言えば、こちらは対応している。一度に運べる弾に重さ制限があり、包装込みで5kgまで。銃本体も預かってもらえる。ただし、銃と弾を別々の荷物に分けて収納しておかないと違法の場合がある。続いてカーフェリーなどの旅客用船舶を見てみよう。こちらは船会社によって異なり、持ち込み自体を禁止しているところもあれば、船長に銃を預ける形で運搬対応してくれる航路もある。船長預かりの場合、予約の際に銃を運びたい旨を連絡しておくのが一般的。ケースなどに入れ剥き出しの状態になっていない荷姿で乗船の際に預ける。弾数制限もあり、こちらは狩猟目的の弾であれば400発までとなっている。マイカーごと乗り込んで、クルマのトランクに銃を入れておけば良さそうな感じもするが、自動車は銃の保管場所として法律上認められていないためNGになる。続いては鉄道。JRの条項を例にすると、銃本体にまつわる規定は特にないようだ。むしろ、爆発物の一種でもある弾のほうが危険品として重要視されている。鉄道にも一度に運べる弾数に限りがある。専用のケースなどに発火しない状態で納めた上、猟銃の弾なら200発まで、22LRなど競技用の22口径弾は800発まで車内持ち込みが認められている。実包だけでなく空包も同じ条件だ。バスとタクシーは条件がほぼ同じ。やはりこちらも銃本体を運ぶ際の制限事項は特に書かれておらず、対象になっているのは弾薬である。鉄道に比べると弾数の上限が少なく、バス/タクシーともに50発までとなっている。電車・バス・タクシーで銃を運ぶ際は、やはり銃本体と弾を別々に収納して、該当の荷物を「肌身離さず」持って歩くのが前提だ。いずれにせよ公共交通機関での銃の運搬は、普段より気を遣うこと請け合い。しかも銃は結構重いので、ちょっとした筋トレまで兼ねてしまうかも。

(シミュレーターによるクレー射撃体験イベント:熊本)
銃の所持許可が不要なシミュレーターを使ったクレー射撃の体験イベント。年齢問わず誰でも参加できる。国内トップ選手による実射見学会や、北京五輪(2008)で2連覇を果たした柔道女子の谷本歩実さんとプロゴルファー古閑美保さんのトークライブもある。ホームページの申込フォームから事前申し込みが必要。

(川で野犬の群れ目撃:栃木)
2日午前11時25分ごろ、那珂川町小川の田んぼで野犬の群れが目撃された。那珂川署によると、黒色や白色などの中型犬約10頭がいるのを近くの住民が見つけた。群れはそれぞれ田んぼから立ち去ったという。

(列車がシカと衝突:大分)
JR九州によると、28日午後7時59分ごろ、久本線豊後三芳―豊後中川で特急ゆふ5号(博多午後6時30分発大分行き)がシカと衝突した。この影響で同9時20分現在、同線や鹿児島線で列車に遅れが出ている。

(イノシシ1頭を目撃した:宮城)
28日午後、仙台市の雑木林でイノシシ1頭が目撃されました。目撃場所の近くには大学などがあり、警察が付近の住民に注意を呼びかけています。28日午後5時半頃、仙台市青葉区川内三十人町の雑木林で、「イノシシ1頭を目撃した」と付近の住民から警察に通報がありました。警察によりますと、イノシシは体長およそ1.5メートルで、通報を受けて警察が駆け付けた時には、イノシシは逃げていたということです。現場付近には、東北大学青葉山キャンパスや仙台赤門短期大学があり、警察では、目撃場所付近の警戒をするとともに、付近の住民に注意を呼びかけています。

(クマ目撃か、警戒を呼び掛け:三重)
松阪市西部農林水産事務所は2月28日、同市飯高町宮前でクマのような動物が目撃されたと発表した。事務所の担当者によると、少なくともこの数年、宮前地区での目撃例はないといい、市は警戒を呼びかけている。同事務所によると、同日午後1時半ごろ、多気町から野鳥の写真を撮りに来ていた女性が、局ケ岳神社(飯高町宮前)から北東に1キロほどの林の中にクマのような動物がいるのを見つけた。女性は事務所を訪れ、職員に目撃情報を伝えた。

(シカ目撃:群馬)
1日午後2時ごろ、群馬県伊勢崎市波志江町の八坂用水付近で「シカが1頭いる」と、目撃者から110番通報があった。

(山中でクマ?目撃:三重)
県は1日、クマとみられる動物が松阪市の山中で目撃されたと発表した。県や市は同日、県庁で対策会議を開いた。市によると、2月28日に野鳥の撮影を行っていた人が、クマとみられる動物を見た。民家のある場所から約2キロしか離れていなかったという。県によると、2023年度のクマ出没件数は40件(2月27日時点)で、過去最多を更新している。ツキノワグマはこの時期、冬眠していることが多いが、起きている場合もあるため注意が必要という。

(列車がシカと衝突、けが人なし:北海道)
2日午前10時45分ごろ、胆振管内厚真町のJR日高線勇払―浜厚真間で、苫小牧発鵡川行きの普通列車(1両編成)がシカと衝突した。乗客と乗務員にけがはなかった。

(ハンターを育成する事業を始めた:北海道)
山口峻弥さん。狩猟体験や講習を開催してハンターを育成する事業などを手がける「はこだて鹿△(さんかく)」を1月に起業した。「狩猟やジビエ(野生鳥獣肉)をもっと身近なものにしたい」と意気込む。

(近畿最大規模のジビエ生産拠点:奈良)
近畿で最大規模となるジビエの生産拠点が宇陀市内に完成し、記念の式典が開かれました。市内の山あいに完成した「UDA GIBIER FACTORY」。宇陀市では、シカやイノシシによる農林業への被害が多発しており、対策として捕獲されるシカやイノシシは年間で合わせて1500頭に上るといいます。しかし、その大半が穴を掘って埋められるなどしており、処理のあり方も課題となっていました。そこで、捕獲したシカやイノシシをジビエとして有効活用しようと、施設の設置が決まったものです。ここでは、年間およそ1000頭の処理が可能で、近畿で最大規模のジビエ生産拠点となります。施設内で加工された食肉は、主に需要の高い関東方面や地元の飲食店向けに出荷する予定です。また、宇陀産のジビエを材料にした加工食品をふるさと納税の返礼品にする計画で、命をムダにしない取り組みがここから始まります。宇陀市 金剛市長「獣害対策の大きな一歩になると思っています。ここで生産されたジビエの肉が全国で愛されるように頑張ってまいりたいと思います」。

(ジビエ調理法、専門学生ら学ぶ:静岡)
浜松調理菓子専門学校(浜松市中央区)は28日、学生が食文化やジビエ(野生鳥獣肉)の調理法を学ぶ「春野のまち勉強会」を天竜区春野町の「くまの親子・春野いきいき天狗村」で開いた。同校や近隣大学、専門学校などの学生約60人がシカの食肉処理や調理の際の要点を学んだ。

(中学校でジビエ給食:福井)
鳥獣による農作物などへの被害に関心を持ってもらおうと、小浜市内の中学校では28日、捕獲した野生動物の料理「ジビエ」給食が出されました。ジビエ給食が出されたのは小浜市の小浜中学校です。メニューのカレーにはシカの肉が使われています。この取り組みは鳥獣被害に関心を持ってもらい、狩猟の担い手確保にも繋げようと小浜市が10年前から取り組んでいます。カレーにはシカ肉のほか、生徒が食べやすいように豚肉もブレンド。生徒たちからは「最高です」「シカ肉の味はほとんど気にならなかった」「他の肉とは違う食感、風味でおいしかった」と好評でした。また、獣害については「シカが増えすぎるのは問題。これからもそういったことに関心をもって生活していきたい」と話していました。小浜市内では、柵の設置や鳥獣の捕獲により、16年前のピーク時に比べ農作物への被害は減っているものの、ここ数年は高止まりが続き、2022年度の農作物の被害額は132万円だったということです。

(ジビエ食肉処理加工施設、イノシシ肉観光資源に:宮城)
大崎市が認定したハンター約50人が仕留めたイノシシが届くと、2人のスタッフがきびきびと動き始める。床上操作式クレーンにつるし、皮を剥いで内臓を摘出、体をビニールで包んでいく。豚熱や放射性物質の検査に異常がなければ、部位ごとに分けて真空包装し、冷凍庫で保存。

(ジビエを気軽に食べて欲しいと県内初の専用自販機を設置:山梨)
2023年の12月から甲府市で稼働を始めたのは、イノシシの肉を中心にジビエを購入することができる自動販売機。この自動販売機を設置したのは松本秀明さん(41)。松本秀明さん:「自分で狩猟した肉を入れています。ジビエはちょっと敷居が高い感じがして、自動販売機だったら手軽に買えるかなという発想」。自動販売機に入っているイノシシの肉にはロースやモモなどの種類があり、ボタンを押すと冷凍の状態で出てきます。松本さんはこの自販機の奥にある自動車整備会社を経営しています。なぜ、ジビエを販売しているのでしょうか?松本秀明さん:「父が狩猟をやっていて小学生のころからずっと好きで憧れていました。20歳になって狩猟免許が取れてそれからずっと」。松本さんは食肉処理業の資格を取り、罠や銃でイノシシやシカを捕獲し、自ら加工しています。捕獲してから2時間以内には精肉します。松本秀明さん:「自分で狩猟しているので獲物を仕留めるところから搬送、血抜きまでの過程が全部自分でできているので、最短の時間で肉を冷やしてなるべく臭みのない肉が目標」。新鮮なイノシシの肉を使った鍋はイノシシの肉に甘みがあり、脂身もしっかりと肉の旨味が感じられ、とても食べやすい。松本さんには小学生のお子さんがいるのですが、このお肉が大好きでいっぱい食べてくれるんだそうです。イノシシなどは捕獲されても食肉処理施設の数が十分ではない現実を知り、自ら加工、販売してジビエを広めようと考えた松本さん。松本秀明さん:「害獣で畑の被害がとても多く、それを減らすために皆さんが捕獲して頑張っているんですが、後処理がすごく大変なんです。それを自分が引き取ることによって、他の猟師の負担が減り、捕獲率もアップして農業被害も減ると思う。それが社会貢献にもつながるので頑張っていこうと思う」。今後は認知度を広めて飲食店などとも契約をし、販路拡大を目指しています。松本秀明さん:「美味しい肉を皆さんにアピールして食べていただき、たくさん消費してくれれば良いと思う。このジビエの自動販売機を活用してもらいたい」。

(ジビエレザーを個性的製品に:岡山)
岡山市の「建部獣皮(たけべじゅうひ)有効活用研究所」が、シカやイノシシの革(ジビエレザー)の魅力を広めようと、触って楽しむことに特化した個性的な製品を開発している。

(狩女の会がジビエ:富山)
南砺市城端地域で29日にあった「じょうはな つごもり大市」に、能登半島地震で石川県穴水町で被災した女性狩猟者グループ「狩女(かりじょ)の会」を主宰する福岡富士子さん(53)=福井市出身=がジビエ料理の店を出した。福岡さんは穴水町大町で昨年11月にジビエ料理などを出す農家民宿「富士SUN」を開業したが、地震で開業2カ月で建物が全壊。石川県南加賀地方に避難して再出発に向け、全壊した建物の解体申請などを進めているという。毎年2月末日に開かれている「つごもり大市」に穴水町から出店している人の誘いを受け、狩猟者仲間からイノシシの肉を提供してもらってイノシシ汁やソーセージ、野菜炒め、あぶり焼きなどを販売した。福岡さんは来場者に「家がペチャンコになり、道路に倒れて飛び出している」と現地の状況を説明。「人はこんな状況になると涙も出てこなくなる。2カ月たってようやくしゃべれるようになってきた」と現在の心境を話した。福岡さんは「絶対にあきらめずに頑張ろうという気持ちになっている。能登のために、能登の物を食べて応援してほしい」と呼び掛けた。福岡さんは交流サイト(SNS)で能登半島地震の被害状況やジビエ料理などの情報を発信している。「ジビエふじこ」で検索。

(ジビエ事業で収益図る、鹿肉廃棄ゼロへ:群馬)
ペットのおやつ専門店「&C」代表 長原駿さん(前橋市滝窪町)。私は猟師をし、駆除した鹿肉を使ったペットのおやつの専門店を営んでいます。他に「DOGPARTY」という犬のイベントも主催しています。なぜ、このようなことをしているのか。答えは簡単で、「鹿肉の利活用にはお金がたくさん必要だから」です。獣害の実態を伝え、解決への協力を呼びかけることは重要です。しかし、私にとってそれだけではこの課題に本当に向き合っているとは思えませんでした。もっと何かできないだろうか。私には健康な体と、料理人をしていた時に鍛え上げられた精神力があります。自分のパワーが余っているはずなのに、残しておいていいのだろうか。このパワーをもっと使えば、目標とする「鹿肉の廃棄をなくす」ことにつながるのではないかと考えました。そして力の使いどころとして目をつけたのが「お金を稼ぐこと」です。皆さんに自分の事業を評価していただき、その対価を駆除に充てていくことを目指し、料理人を辞めてジビエ関係の事業を立ち上げました。しかし、そう簡単にいくはずがありません。アルバイトや手伝いなどで何とか食いつないでいく日々が続きました。始めてから、「みんながやらない理由」に気付きました。日本全国を見渡しても、この事業を行っている企業は多くありません。補助金などに頼らず黒字化している事業者はさらに少数です。ジビエの生産性の不安定さや、原材料としての安全を確認できるまでのハードルなど、多くの困難があるからです。しかし、私はこの事業をやると決めたので、どうにかやり遂げるためにもがいています。矛盾するようですが私としては、猟師はこうした事業をやらない方がいいと考えています。なぜなら、そこに命の価値観を押し付けてしまいがちだからです。命に対する価値観は、お金へのそれとは比べものにならないくらい、一人一人異なります。猟師は日々、命と向き合い、考え、それぞれが答えのようなものを持っています。命に対して強いこだわりを持っています。その強い思いをストレートにぶつけてしまうと、狩猟や畜産など、命に関わる事業をしている方々以外には重過ぎて、敬遠されかねません。ですから私の事業では、まずは「おいしい!」や「かわいい!」「楽しそう!」を感じ取れるような発信を心がけています。それがペットおやつ専門店やドッグイベントという形になっていきました。よく、猟師の方々から「君は猟師じゃなくて、利活用者だよね」と言われます。自分でもそう感じますし、それでいいと思っています。鹿肉の利活用にはお金が必要です。多くの方にこの点を理解していただき、協力してもらえるとありがたいです。

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