<射撃ニュース3月>
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(総合射撃場完成遅れ、時期見通せず:群馬)
県が狩猟者の確保・育成のために整備を目指す県安中総合射撃場(安中市)の完成が遅れている。当初は2020年7月の開場予定だったが、現在も安全基準を満たす設計ができておらず、完成時期は見通せない。11日の県議会常任委員会では懸念の声が上がった。

(離陸滑走中の飛行機とキツネが衝突:北海道)
札幌・丘珠空港事務所によると、2025年3月9日午後7時半過ぎ、丘珠空港発ー函館空港行きのJAL2757便が、離陸のため滑走路の中央部にさしかかったころ、前の車輪とキツネが衝突したということです。この事故で、機体の整備が必要になったためこの便は欠航となり、乗客44人に影響が出ました。けが人はいませんでした。点検のため滑走路も一時閉鎖され、一部の便の着陸に遅れが発生しました。またこの機体を使用する予定だった、翌朝に函館空港を出発して丘珠空港に向かうJAL2740便についても、すでに欠航が決まっています。

(散弾銃で医師射殺の男、二審も無期懲役:埼玉)
埼玉県ふじみ野市で2022年1月、在宅医療を行っていた医師を散弾銃で射殺したとして、殺人などの罪に問われた渡辺宏被告(69)の控訴審判決で東京高裁は11日、無期懲役とした一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

(弾劾宣告日に銃の出庫禁止を検討:韓国)
警察が、尹錫悦(大統領)の弾劾審判宣告を控え、猟銃など民間所有の銃器出庫禁止を検討している。 弾劾審判の宣告直後、万が一の事故発生の可能性を遮断するためだ。11日、警察庁によると、弾劾宣告日が指定された後、全国の市道警察庁に有害鳥獣駆除用銃器の出庫を禁止する指針を下す案を検討中だ。 警察は先立って2017年朴槿恵、元大統領の弾劾宣告当時にも有害助手救済用銃器出庫を全面禁止した経緯がある。弾劾宣告当日には、ソウル警察庁が狩猟用猟銃と空気銃など銃器所持者の携帯電話位置情報システム(GPS)を通じて位置をリアルタイムで追跡する案も検討しているという。また、最近2カ月以内に銃砲・刀剣所持許可を受けた人々を対象に使用目的などを再点検したり、武器を2丁以上持った人々の精神病歴を確認する方案なども議論中だ。現行法によると、管轄警察署と地方自治体に銃器所有・有害鳥獣捕獲許可を受ければ、銃器を警察官署に保管しなければならず、農作物に被害を与えるイノシシや鳥を追うための目的で銃器搬出が可能だ。昨年基準で個人と法人が警察の許可を受けて保有している銃器は計10万6678丁だ。このほか、警察は、ある地域の青年団体が保守団体の人事支援を受けて、憲法裁判官のテロを企てているという情報を入手し、事実関係を確認しているという。警察庁は、該当団体がクイックサービスや宅配運転手などに偽装し、奇襲テロを計画しているという内容の報告を受け、ソウル庁などに関連内容を伝えたという。

(警察など各機関が連携し屋内で『ヒグマ訓練』初実施:北海道)
秋田県で2024年、スーパーマーケットにクマが押し入るなど市街地にもクマが出没する事例が多く見られる。3月10日、クマが建物に立てこもったことを想定した訓練が北海道内で初めて行われた。「市街地におけるヒグマによる人身被害発生」(無線)。訓練は建物にクマが立てこもったという想定で行われた。2024年、秋田県ではクマがスーパーに立てこもるなど、人の生活圏にクマが現れる事案が年々増加傾向だ。北海道内で初めて実施されたクマの立てこもり訓練には、北海道警察、北海道、札幌市、ハンターなどが参加した。「(クマが)向かってくることも十分考えられる、警察官職務執行法を考える必要がある」(警察官)「弾倉の装填をこの場で許可してもらってもよろしいですか?」(ハンター)「はい、お願いします」(警察官)。訓練では、ドローンを使用し建物の内部を確認することも行われた。今後、各機関が連携強化し、訓練を実施していく方針だ。

(ヒグマの市街地への出没減らす“春期管理捕獲”の講習会:北海道)
雪が残る時期にもヒグマを駆除して、市街地への出没を減らす「春期管理捕獲」を安全に実施してもらうための講習会が11日、帯広市で開かれました。道内ではおととしからヒグマが人里に出没するのを防ぐとともに、若手ハンターなどの育成を目的に2月から5月にかけて「春期管理捕獲」が実施されています。帯広市も去年から実施するなか、若手ハンターなどが参加することも多いことから、安全に実施するための基礎知識を学ぶ講習会が開かれ、猟友会の関係者や市役所の職員などおよそ60人が参加しました。講習会では、野生動物対策を行っている会社の代表が講師を務めて、ヒグマの生息数が増加傾向であることや、市街地への出没が相次いでいる状況を説明しました。そしてヒグマを駆除する際には、▼無線などの通信手段を常に確保しておくことや、▼仲間とともに落ち着いて行動することなどが大切だと呼びかけていました。参加した40代のハンターは「クマの駆除は危険性が高いので、事故のないよう気を引き締めて臨みたいです」と話していました。帯広市農村振興課の岡拳太郎主任補は「講習会で学んだことを通して安全な捕獲体制を組んでもらえればうれしい」と話していました。

(増えるニホンジカ被害、課題は?対策の方法は?:長野)
軽井沢町は2月15日、「ニホンジカの植生(生態系)への影響」をテーマに、専門家4人によるトークセッション形式の講演会を開いた。軽井沢でもシカによる森林などへの被害が報告されていることから、環境課が初めて企画。約30人が聴講した。町環境課野生鳥獣対策専門員の小山克さんは、シカは栄養状態によっては2歳から出産でき「爆発的に増えやすい動物」と紹介。同課植物学専門員の蛭間啓さんは、昨年調査した入山峠や矢ケ崎山で撮影した写真を提示。シカが葉を食べてしまい、林の地上から2m以下が遠くまで見通せる様子を示した。植生保護には柵の設置が効果的とし「今のうちに設置できれば、まだ回復の見込みがある」とした。長野県環境保全研究所の尾関雅章さんは、高山植物の保護のため全長約15kmにわたり電気柵を設置した霧ケ峰高原の事例を挙げ「種の多様性が守られ、湿原環境の回復効果が得られた」と紹介。町猟友会の菊地哲也さんは、シカの捕獲頭数が減っていることについて、猟友会員の高齢化による活動低下や、人の気配に敏感な「スレジカ」の増加を挙げた。被害の写真を示し「標高1300m以上のスレジカの捕獲が急務」と語った。

(保護団体「クマ絶滅しかねない」:兵庫)
自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県)は10日、東京都内で記者会見し、今国会に提出された鳥獣保護管理法改正案の改善を求めた。改正案ではクマなどを「危険鳥獣」と定義し、一定の条件下で市街地での銃猟を可能とする。協会は「『危険』とレッテルを貼れば捕殺が進み、絶滅しかねない」と警鐘を鳴らした。同日午前、環境省に要望書を提出した。会見で室谷悠子会長は「森林破壊で奥山にすめなくなったから里に出てくる。捕殺しても根本解決にならない」と強調。柵を設けるなどして人に近づいてはいけないことや、集落との境界をクマに学ばせ、事故を防ぐべきだと訴えた。岩手県花巻市猟友会長の藤沼弘文さんは「(イノシシなど多産の動物と異なり)餌がないと子を生まないので、繁殖に時間がかかる」と指摘。北海道猟友会標茶支部長の後藤勲さんは、クマが積極的に人里で襲ってくることはないとし「アイヌ民族は山の神としてまつり守ってきた文化がある」と語った。改正案は、人の日常生活圏にクマなどが現れた場合、市町村長が発砲を判断するとしている。

(シカ衝突事故、春先に注意:北海道)
シカと車両の衝突事故が留萌署管内(留萌南部3市町)でも後を絶たない。昨年1年間の発生件数は59件で、前年の31件からほぼ倍増した。例年、雪解けとともにシカの活動範囲が広がる春先に事故が多発しており、同署はドライバーに注意を呼び掛けている。

(愛子さま「鴨場接待」デビュー:千葉)
天皇皇后両陛下の長女・愛子さまと秋篠宮家の次女・佳子さまは、2月14日、千葉県・市川市の宮内庁新浜鴨場で「鴨場接待」に臨まれました。愛子さま:Very nice to meet you too. It’s a fine day.(お会いできてうれしいです。良いお天気ですね)I hope you will enjoy.(楽しまれますように)。佳子さま:Nice to meet you.(お会いできてうれしいです)。この日参加したスイスやキューバなど12カ国の大使夫妻らとあいさつを交わされたお二人。伝統的なカモ猟で外交団をもてなす「鴨場接待」に愛子さまが臨まれるのは初めてです。昭和58(1983)年には、皇太子時代の上皇ご夫妻がご一家で鴨場を訪問されました。鴨場でのカモ猟には「叉手網(さであみ)」と呼ばれる、絹糸で作られた手持ちの網が使われます。越冬のため飛来した野生のカモを、池から伸びる水路へと誘導し、飛び立つところを叉手網で傷つけないように捕獲します。これは江戸時代から伝わる伝統的な技法です。新浜鴨場は天皇陛下が皇后さまにプロポーズをされた、特別な思い出の場所でもあります。平成5(1993)年、陛下は婚約内定会見で「10月の3日に千葉県の鴨場でもって、雅子さんの方に『私と結婚していただけますか』というようなことを申しました」と述べられています。ご両親の思い出の場所で、大使たちとカモ猟を楽しまれた愛子さま。捕獲された野生の鴨は、生態調査のため一羽ずつ標識をつけて放鳥されます。参加者の中で最初に放鳥に臨んだ愛子さまは、抱きかかえたカモを両手でそっと放されました。続いて佳子さまも優しくカモを放され、大使たちも次々と放鳥。元気よく飛び立っていく鴨を見守りました。最後は、お二人で一緒に放鳥されました。

(野犬捕獲わな、中標津町に寄贈:北海道)
中標津町民有志が、野犬を捕獲するトラップ(わな)を中標津町役場に寄贈した。昨年、別海、中標津の両町で牧場の牛が野犬に襲われる被害が相次いだことを受け、必要な資材の購入費を寄付で募って製作した。大きさは従来の箱わなの32倍ほどあり、大型犬に対応できる。今後、別海町役場にも寄贈して役立ててもらう。

(コクチョウ2羽の飛来を確認:宮城)
宮城・登米市の平筒沼で、ブラックスワンとも呼ばれるコクチョウ2羽の飛来が確認されました。10日午前、登米市の平筒沼です。白いハクチョウのそばで静かに羽を休めていたのが、コクチョウ2羽です。専門家によりますと、コクチョウはオーストラリアの固有種で、国内では茨城県などで生息が確認されていますが、宮城県内での飛来確認は約20年ぶりではないかということです。日本雁を保護する会・呉地正行会長「大きさや、体が黒くて首の長さとくちばしが赤いことから、コクチョウに間違いないと思います」。10日はコクチョウの飛来をSNSなどで知った人などが訪れ、珍客の姿を楽しんでいました。沼を管理する登米市は、鑑賞の際には近づきすぎないなど配慮してほしいとしています。

(岡山理科大学、「鹿ソニック」で日産のロードキル防止プロジェクトに協力)
岡山理科大学研究・社会連携機構の辻維周特坦教授が開発に協力している高周波音による鳥獣害防止装置「鹿ソニック」を利用した日産自動車(本社・横浜市)のロードキル防止プロジェクトの試験走行が3月3日、スタートしました。対象は特別天然記念物に指定されている絶滅危惧種のアマミノクロウサギで、鹿児島県・奄美大島で実験が続けられていますが、辻特坦教授は「クロウサギのロードキルを限りなくゼロに減らしたい。また将来的にはそれ以外の動物も人間との不幸な関係を減らしたい」と意気込んでいます。プロジェクト名は「NISSAN ANIMALERT PROJECT」(ニッサン・アニマラート・プロジェクト)。日産自動車は2010年から電気自動車「日産リーフ」に接近通報音を標準装備していることから、これに「鹿ソニック」を組み合わせて、動物保護にもつなげていこうという試みです。プロジェクトには、日産自動車、理大のほか鹿ソニックを開発した山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」、奄美市、環境省など計7団体が参画しています。アマミノクロウサギのロードキル件数は、環境省調査によると近年多発しており、2023年には147件と過去最高となっています。同省は「生息域も拡大し、数年前だとアマミノクロウサギが見られなかった場所でも見られるようになってきた。特に、国道や県道など、生活道路での交通事故が多く発生している」とし、ロードキル防止が急務となっています。プロジェクトの紹介動画は日産自動車公式YouTubeチャンネル及び、公式SNSで公開されています。紹介動画には辻特坦教授も登場し、次のように話しています。「(既に開始している実証実験について) 設置型実験を行った場所は、アマミノクロウサギのフンが多数あるところだったのですが、設置した後にはアマミノクロウサギの姿が照射範囲内ではカメラに映らなくなりました。ということは、彼らの出現を抑止できている、というふうに考えています。また車載実験のテストでも、スイッチを入れた途端にアマミノクロウサギが逃げ出すという動作がありました。これはうまくいくのではないかと思っています。プロジェクトの目標として、アマミノクロウサギのロードキルを限りなく ゼロ に減らしていきたいと思っています」。

(町職員の傍らハンターとして地域貢献:北海道)
白老町農林水産課で畜産分野を担当する一方、町などからの要請に応じクマやシカの捕獲や駆除にあたる有害鳥獣駆除員でもある。ハンターとしても「町民のため貢献したい」と話す。

(入社1年目の記者、ハンターに挑戦:長野)
人間と動物の境界を保ち、日々命と間近で向き合う猟師(ハンター)たち。入社1年目の丸橋量太記者(23)がハンターを目指し、その過程を体験するとともに、猟師の活動、彼らを取り巻く環境の変化を身をもって伝える。2月23日、県庁で「ハンターデビュー講座」が開かれた。狩猟免許を持たず、狩猟に興味を持つ人たちに向け、県が初めて開催したもので、10~70歳代の男女約50人が参加した。参加の理由は「知人が狩猟をしていて興味を持った」(43歳女性)、「ユーチューブでみた猟師の生活に憧れた」(22歳男性)など人それぞれ。定員の3倍近い145人の応募があったといい、県の担当者が「想像していなかった」と驚くほどの盛況となった。普段は取材する側に回る記者も今回は受講生の一人として、講座に参加した。記者は学生時代、青春を山にかけた。時間ができれば、夏の槍ヶ岳や冬の常念岳など北アルプスの山々を巡った。山に入り、体一つで自然と向き合うハンターには漠然とした憧れがあった。記者になって半年ほど過ぎた昨秋、実際にハンターを取材する機会があった。県内では、シカやイノシシなど野生動物による農林業被害が深刻化していること、クマによる人身被害も相次ぎ、死亡事故も起きていることを知った。その一方、捕獲するハンターは減り、高齢化も進んでいるという。「ハンターの役割や取り巻く環境を臨場感を持って伝えるには」。たどり着いたのが、その世界に飛び込んでみることだった。午前9時から始まった講座では、狩猟免許や銃の所持許可など猟に出るまでの流れや捕獲方法などを専門の講師らから学んだ。午後からは長野市松代地区に移動してのシカの解体実習。2日前に仕留められたシカ3頭が用意された。熟練のハンターにより迅速に内臓を抜きとられ、血抜きが行われたシカからは、不思議なほど獣臭さはない。「皮と肉の間を刃先を使って切り離してみて」。背骨に沿って頭から尻に入った切り込みから、肉を傷つけないようにナイフを動かすと、茶色の毛皮の下から徐々に真っ赤な肉があらわになった。

(記者は銃猟1種、わな猟の免許取得を目指します:長野)
狩猟の経験がない人向けに県が2月に初めて開催した「ハンターデビュー講座」を受講し、ハンターを目指すことを決意した記者。ハンターになるには何から始めたらよいのか。「まずは狩猟免許の取得が必要です」。この講座の講師を務めた円山 一実ひとみ さん(35)が教えてくれた。国内では、野生動物は「鳥獣保護法」で守られており、勝手に捕獲すれば違法になる。都道府県知事が発行する狩猟免許があれば一定の条件の下、狩猟を行うことが認められる。狩猟免許は、けもの道にわなを仕掛ける「わな猟」、クマやシカなどを狙える装薬銃と呼ばれる火薬を使う銃を扱える「銃猟1種」、水鳥などを狙う空気銃を扱える「同2種」、網を仕掛ける「網猟」――の4種類に大別される。免許の取得には、狩猟対象の鳥獣の見分け方などを問う知識、視力などの適性、猟具の取り扱い方などの技能――の3種類の試験からなる免許試験を突破しなければならない。銃猟の場合、警察から猟銃所持許可も必要になる。記者は、シカ猟ができる銃猟1種と、わな猟の免許の取得を目指そうと思う。わな猟は毎日わなの見回りをする必要があり、記者の生活スタイルに合わない猟だが、幅広く狩猟の知識をつけるために取ろうと考えている。円山さんは以前勤めていた職場近くで増え続けるシカを自分で仕留め、加工・調理しようと2016年に狩猟免許を取得。その後、全国で狩猟の講座を開催する今の仕事に転職したという。「狩猟に関わる人や自然に触れ、長い間受け継がれてきた文化に携わっていることを実感できるのが狩猟の魅力」と語る。猟に出るまでの道のりは半年程度かかるという。「忙しい毎日の中、やり遂げることができるのか」。一抹の不安はよぎるが、円山さんやこれまでに取材してきたハンターの生き生きとした表情が浮かんだ。やり遂げて喜びも苦労も伝えると改めて決意した。

(NHKディレクターが明かす「『異形の怪物』OSO18の正体」)
日本中を震撼させたOSO18。その生態と最期を追った取材記録を『異形のヒグマ』にまとめた二人のディレクターが、本誌のクマ取材担当記者と、ヒグマ取材の舞台裏を語りつくした。野田:OSO18の足跡と生態を追った『異形のヒグマ』を読んで、山森さんと有元さんの視点が交互に入れ替わる構成に引き込まれながら、私もOSOを取材していたときの記憶がありありと浮かび上がってきました。私が『週刊現代』の記者として北海道標茶町に取材に入ったのは'22年の年明けのことです。「北海道で、OSO18なるとんでもないヒグマが暴れているらしい」という話が編集部で盛り上がって、その実態を知りたいと思い現地へと飛びました。山森:私たちが取材を始めたのが'21年の11月ですから、野田さんともどこかですれ違っていたかもしれませんね。私と後輩の有元が中心となってOSOを追い続け、その記録を番組にまとめて『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』で放送したのですが、そこには収まりきらなかったものを形に残したいという思いから、二人でこの本を著しました。大型のオスのヒグマが、放牧された牛を次々と襲っている。'21年秋の時点で57頭が被害に遭い、うち26頭が死亡した(最終的に66頭が被害、うち32頭が死んだ)。その姿は'19年に標茶町が仕掛けたトレイルカメラ(罠に設置された定点カメラ)に映り込んだのみ。体長は3m、体重300kg以上と推測されるものの、最初の被害から2年以上経った当時も、その姿を誰も目撃したことがなかった。まず、そのミステリアスな状況に心惹かれました。誰も見たことのない映像を撮りたいと思い、自分たちの手でOSOの姿をカメラに収めようと意気込んで、取材を始めました。その後、有元と一緒に取材を進める中で、「考えが甘かった」と痛感することになりますが(苦笑)。有元:私が住んでいる札幌から標茶とその周辺にどれくらい通ったかを数えたのですが、延べ246日間、OSOを探していたようです。それだけ駆けずり回っても見つからなかった。野田:OSO18は「忍者グマ」とも言われていましたからね。被害に遭った牧場に3日間ほど密着し、牛の死骸にOSOが寄ってこないか、銃を持ったハンターとハリコミをしたことがありました。しかしほんの数分その場を離れた隙に、牛の死骸が20m運ばれていた。それがOSOの犯行だったかはわかりませんが、これがヒグマの仕業かと慄きました。山森:「OSO18」のように、命名されるクマは極めて稀です。そもそもOSO18は、最初の被害現場の標茶町オソツベツと、前足の足跡が幅18だったことに因んで北海道庁の職員がつけたコードネームが、そのまま公に使用されたもの。「襲う」「恐ろしい」の意味も込められており、さらに偶然にもOSOはスペイン語で「熊」を意味する単語でもありました。名前がついたことで一気に注目を集め、各メディアもセンセーショナルに報じた。「怪物」のイメージが独り歩きしたことに、自分たちが加担したことは否めません。有元:囚人が名前を奪われ、番号で呼ばれることは自由が剥奪されることの象徴ですが、野生動物にとっては逆ですよね。北海道の自然の中で、名のないヒグマのままでいたほうがOSOは幸せだったんじゃないか。今ではそう思います。野田:本書では、OSOを追跡するハンターとの緊張感あふれるやり取りもつまびらかに描かれていて、読ませどころのひとつになっていますね。山森:番組を制作するにあたり、まずはハンターや研究者の方々にヒグマの生態について尋ねることから始めました。歴戦のハンターに話を聞くと、ヒグマは冬眠明けに、春の雪解け時の残雪に足跡を残す。それを追跡して仕留めるのが捕獲の可能性がいちばん高いとわかりました。そこで、'21年の冬からハンターに密着をして、残雪の時季、'22年の2~4月にOSOをカメラに収めて、初夏に番組を放送できれば……そんなふうに想定して撮影を始めました。有元:ですが、実際に現場に入って取材を始めてみると、そんな簡単なものではなかった。ハンターから取材NGを出されることもあり、OSOの足跡を追うことすら難しかったんです。山森:先輩の役割だと思って、ハンターの説得を買って出たところ、むしろ「もう来るな」と叱られたこともありました。手紙をしたためて真剣に取材の意図を伝えるも、けんもほろろ。「こっちは死活問題なのに、面白がっているだけの人間が近づくな」。そんな雰囲気も感じました。本気で向き合っているつもりでも、どこか真剣さが足りなかったのかもしれません。野田:ハンターの人たちは、特有のプライドを持って仕事をしていますからね。ライフルなどの狩猟の道具には誰よりもこだわり、仕事に誇りを持っている。さらに専門性にしても猟場にしても自分のテリトリーがある、と感じました。ヒグマが人間の匂いをかぎ取り、警戒して出てこないこともあるので、基本的には部外者には関わってほしくないと思っている。有元:ハンターの皆さんに猟について教えてもらおうとしたんですが、これも一筋縄ではいかない。「どうやってクマを獲るんですか?」「足跡を追ったらその先にいるべ」「その足跡はどう見つけるんですか?」「そりゃ山行ったらあるべ」……会話が噛み合わない感じが、体で会得していった野生の感覚に思えて魅力的でした。ハンターには、私たちが気づかない自然の中のクマの痕跡を見分ける力があるんです。特に印象に残っているのが、70歳を超えてなお「現役最強のヒグマハンター」と崇められている赤石正男さん。捕らえたヒグマの数は約10年前に118頭以上で「それ以降は覚えていない」という凄腕です。風の吹き方や木の実のなり方から、動物の行動を読み取る解像度の精緻さに圧倒されました。彼らのすべてを知ることはできなくとも、せめてその入り口には足を踏み入れたい。そう思ってこちらも勉強しようとするんですが、狩猟の世界は想像以上に難解な世界でした。

(猟師としても活動する塩職人は元新聞記者:京都)
まきを燃やした火で炊き上げて煮詰めた海水から結晶化した塩を専用シャベルですくい上げ、雪山のように積み上げる。雑味の元となるにがり成分を重力で下へとしたたり落とす作業で、京都府京丹後市網野町の海水をくみ上げて1週間続けて炊き上げる工程終盤に力が入る。「きらきらとした結晶に伸びのあるうま味が凝縮している。どの工房にも負けない塩です」。三味寛弥さん(31)=京丹後市=は、心の笑みを浮かべ胸を張った。大阪府吹田市の新興住宅地で育った「都会っ子」だった。それだけに自然への憧れはひとしおで、進学した地元の関西大では自転車部に入部し、北海道から沖縄まで野宿しながら旅するツーリングに取り組んだ。旅先の出会いを文章につづり、新聞記者を志した。関大卒業後、全国紙記者となり、徳島支局では事件担当、京都総局では事件や大学担当などを務め「さまざまな取材対象との刺激ある出会いに心を躍らせる」日々を送った。そんな記者生活の中、京都の山でシカやイノシシをわなで捕る猟師の男性との出会いが、転機となった。地元の猟友会で講習を受けて狩猟免許を取得し、府内の山中で年配の猟師らとシカを狩り、ナイフで肉をさばく「自然の営みの中で生きる」経験を積むうちに猟師を志し、2022年7月に退職。猟師兼ライターとして活動する中、京丹後市網野町島津の塩職人の事業継承に関わり、24年6月に網野町に移住し、塩職人となった。「キャンプで一晩かけて燃やすまきを釜で一瞬にして使う塩作りは、猟師と同じ、自然を相手にするダイナミックな仕事」と塩の結晶のように瞳を輝かせる。猟師も続けながら「京丹後を塩工房の煙突の煙がいくつものぼり立つようなまちにしていく」のが夢だ。

(シカの標本、一堂に:岡山)
倉敷市立自然史博物館(同市中央)が、シカの標本を一堂に集めたユニークな展示会「シカだらけ」を開いている。50点を超える標本はいずれも、岡山県内各地で確認された死骸やジビエ(野生鳥獣肉)加工後の骨から同館友の会が作った“オリジナル”だ。22日まで。農産物に深刻な被害をもたらす有害獣として社会問題化する中、改めてその生態に理解を深めてもらおうと初めて企画した。会場の3階特別展示室には約40点に上る頭蓋骨などの骨格標本のほか、毛皮標本がずらりと並び、入り口では子鹿の剥製が出迎えてくれる。骨格、毛皮各標本化の作業を担ったのは、友の会の「脊椎動物グループ」。2012年から10人程度が毎月1、2回、ヌートリアやネズミなどを製作してきた。シカに乗り出したのは14年。備前市や美作市から譲り受けた死骸、回収した骨を防腐処理するなどして仕上げており、今展示会がこれまでの取り組みの集大成となる。各標本の作り方を紹介する写真パネル、実際に毛皮に触ることができるコーナーもあり、親子連れらの人気を集めている。奥島雄一学芸員は「雄の角は毎年生え替わるが同じ形のものはないなど、見比べて初めて分かることがたくさんある。会場に足を運んで確かめてほしい」と話した。

(狩猟のイベントvol.10『狩猟の窓口』:福岡)
現役のわな猟師がこれから狩猟を始めるための出猟までの導線を示すとともに、わな猟の実践的な方法を話す。また若手狩猟者のための猟師コミュニティや実践的な狩猟カリキュラムを提案する。定員10名。

(国産ジビエ認証施設に「日田ジビエ工房」認証:大分)
農林水産省は3月7日、国産ジビエ認証制度にかかる認証機関により、国産ジビエ認証施設の第39号として食肉処理施設「日田ジビエ工房」(大分県日田市)が認証されたことを発表した。

(イノシシ肉、里山の豊かさを子どもたち満喫:京都)
小学生らに四季折々の自然に親しんでもらう体験イベント「西山ファミリー環境探検隊」が8日、京都府長岡京市長法寺の西山公園子どもの森周辺であった。親子36人が参加し、自然観察や地元の竹を使ったバウムクーヘン作りを通じて、里山の豊かな自然を楽しんだ。森林保全と育成に取り組む西山森林整備推進協議会が主催。大学生や市民ボランティアが協力し、毎シーズン実施している。子どもたちは公園周辺の里山を歩き、野生動物の足跡や昆虫の卵などを探索。一人が「あった」と指さすと、近くの子どもが集まって目を凝らした。バウムクーヘン作りでは、竹を芯にして生地を塗り、くるくると回しながら炭火で焼いた。子どもたちは、焼きたてをおいしそうに頬張っていた。イノシシ肉の焼き肉も体験し、担当者からイノシシの食性について学んだ。初めて食べたという長岡第六小2年の児童(8)は「豚肉のようでおいしかった」と驚いていた。

(高校生がジビエ調理学ぶ:長野)
松本第一高校(松本市)食物科の2年生62人が10日、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及に取り組む茅野市北山のフランス料理店「オーベルジュ・エスポワール」のオーナーシェフ、藤木徳彦さん(53)から鹿肉の調理方法を教わった。藤木さんは富士見町で捕獲されたニホンジカの肉を同校に持ち込み、解体しながら各部位の特徴を説明。ジビエの活用法を紹介した。調理師免許の取得を目指す生徒らは昨年、食材の地産地消について理解を深める授業の一環で、一般社団法人日本ジビエ振興協会(茅野市)の代表理事を務める藤木さんの料理店を訪れ、ジビエ料理を実食した。この日は藤木さんを学校に招き、ジビエを巡る現状や調理技術を学んだ。藤木さんは、農作物被害防止のため捕獲された鹿やイノシシなどのうち、食肉などに活用されているのは約1割にとどまる―と説明。メスのニホンジカの外ももや内ももの解体を実演し、「筋肉の付き方で軟らかかったり硬かったりする」と肉質に応じた調理法を解説した。生徒らは藤木さんが調理した鹿肉のスープや唐揚げを味わった。鹿肉の解体を初めて見たという前橋花帆さん(17)は「肉質などの特徴が分かり、たくさん料理ができることを知った」。唐揚げを食べた磐下太一さん(17)は「すごく軟らかくて味がしっかりしていた。ジビエがもっと普及して食べられるようになれば良い」と願った。

(県庁にジビエメニューのキッチンカーが登場!:山口)
農業などへの被害を防ぐために捕獲されたイノシシやシカの肉の活用は大きな課題です。いわゆるジビエ料理に親しんでもらおうと県庁で特別販売が行われました。シチューやドリアなど、4品どれも新鮮なイノシシ肉やシカ肉を使ったメニュー。ジビエ料理を販売したのは、長門市俵山を拠点としているキッチンカーです。使われている肉は県内で唯一、農林水産省の国産ジビエ認証を取得している俵山の会社で処理されたものです。県の職員らは、普段はなかなか食べることのないジビエ料理をじっくり噛みしめながら味わっていました。販売を企画した県農林水産政策課は、ジビエ料理を知ってもらう機会を今後、さらに増やしていきたいということです。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後6時50分ごろ、仙台市泉区館1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前5時45分ごろ、仙台市泉区朝日1丁目にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、10日午後6時ごろ、登米市中田町上沼長崎にイノシシが出没しました。

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(クマ緊急銃猟「説明を」:北海道)
野生鳥獣の適正管理などを話し合う「渡島地域鳥獣対策連絡協議会」が6日、渡島合同庁舎で開かれた。市街地に出没したクマについて、安全性の確保など一定の条件下で、自治体の判断による「緊急銃猟」を認める鳥獣保護管理法の改正案が閣議決定されたことを受け、出席者からは不安の声も聞かれた。

(市街地で銃猟可能に、自治体が判断:富山)
近年、各地でクマの市街地への出没が相次いでいて人身被害にもつながっています。政府は先月、市街地での銃を使った駆除を条件付きで可能にする法律の改正案を閣議決定しました。県内の現状と課題を踏まえ、法改正の影響をどう見るか専門家に聞きました。近年、全国各地で街なかに出没するクマの増加が問題となっています。人身被害も相次いでいて、環境省によりますと、被害を受けた人は昨年度、全国で過去最悪の219人にのぼりました。県内での被害は9人でうち1人が死亡しました。こうした状況を受け政府は先月、野生動物の狩猟などについて定めた鳥獣保護管理法の改正案を閣議決定しました。現在の法律では市街地での猟銃の使用は禁止されていて、クマが市街地に出没した時は別の法律に基づいて警察官がハンターなどに発砲を命じていました。しかし、法律の改正後は住民の安全が確保できるなどの条件を満たしていれば、市町村長の判断でハンターが猟銃を発砲する「緊急銃猟」ができるとしています。この政府の動きについて、クマ対策に取り組んできた県内の専門家は、これまで警察などと築いてきた連携体制が大きくかわることに不安を感じています。【富山県自然博物園ねいの里・赤座久明さん】「富山県の場合ゆっくりですけども、現場に即した対応がなされてきている」。県内でクマ出没の多かったおととしには現場に駆け付ける警察官や救急隊員向けにクマ対策の知識を共有する研修会を開き現場での連携を見直してきました。【赤座久明さん】「関係者が全部、同じ方向を向いて取り組む体制がかなり整ってきてると思ってるんです。ですからそれをあえて大きく変更するような、そういう必要はあまり感じてなかったわけですよね」。改正案では、クマが河川敷や広場に出没したり建物に立てこもった場合、市町村の職員が周辺の通行制限や住民の避難誘導を行い安全を確認、その後ハンターに発砲を委託する腕章などを渡しハンターのタイミングで発砲するとしています。赤座さんは、各市町村の職員が現場で円滑な指揮ができるか注意する必要があると指摘します。【赤座久明さん】「役所っていうのは2,3年で次の部署に行くとか次の部署に変わって全然今まで経験や知識のない人がそこについて いわゆる専門性とか経験値の積み上げみたいなものが現場でできるのかどうなのかっていう風なことがやっぱり一番問題だと思います」。赤座さんは法改正後もハンターと自治体、警察の三者で協力体制を築くことが大切だと話します。【赤座久明さん】「場合によっては市町村長の判断でやらなきゃいけないこともあるかもしれないけども自分たちができる得意なところを発揮しあってみんなで協力するっていう体制それを作っていかなきゃいけないと思います」。一方、赤座さんは、柿の木の伐採や里山の整備などクマと人との距離を保つ取り組みを長期的に行う必要性についても指摘しています。改正法案は今の国会に提出され、環境省は市街地へのクマの出没が増える秋までに市町村の体制が整うよう、準備を進めるとしています。

(「平年より出没が多い見込み」、クマ出没シーズン予報:宮城)
宮城県は春から秋にかけてのクマの出没について「平年よりも多い見込み」とするシーズン予報を出しました。県はクマへの注意を喚起し人身被害を防ぐため年2回「クマ出没シーズン予報」を発表しています。それによりますと県が去年行った調査ではクマの餌となる木の実が豊作で繁殖が増えるとして、今年4月から11月は「平年よりも出没が多い見込み」と予想しています。また、これからの時期は冬ごもりを終えたクマが食べ物を求めて行動範囲を広げるため人里や農地での目撃・出没が増加すると見込んでいます。県はラジオや鈴を持ち歩いたり複数人で行動したりするなど注意するよう呼びかけています。

(捕獲など対策に注力、イノシシ頭数「把握難しい」:新潟)
中山間地を中心に田畑を荒らすイノシシの対策について、上越市は来年度「出没しにくい環境づくり」「侵入防止」「捕獲」の3点で強化していくとした。市は2025年度、関連予算として24年度より90万円多い1160万円を計上した。市は市内に生息するイノシシの個体数について「正確な頭数把握は難しい」としている。県が24年6月に公表した資料によると、県内におけるイノシシの生息数は約4万7000頭と推定され、増加傾向にある。上、中、下越の広範囲に生息しているとみられる。上越市は19年度に15・5ヘクタールだったイノシシによる水稲被害面積を、30年度までにゼロにする方針。捕獲したイノシシをはじめとする獣肉(ジビエ)を柿崎区の施設で加工し、地元の料理店などで消費することも予定している。

(シカとイノシシ捕獲、高水準で推移:岡山)
岡山県がまとめた2023年度の鳥獣捕獲実績によると、シカは記録が残る1985年度以降で2番目に多い1万5999頭、イノシシは4番目の3万245頭と、いずれも高い水準で推移した。

(社会問題解決のための鉄砲、アトツギさんの思い!:京都)
京の事業所のアトツギさんたちが集う「アトツギ縁日」の第2弾が2025年3月8日に150周年の創業記念日を迎えた鳴海餅本店で開催されました。シュミレーターを使ってクレーン射撃の体験ブースを出していたのは、「濵﨑鉄砲火薬店」の濵﨑航平代表取締役です。祖業は猟銃やクレーン射撃の販売、名神など公共事業のダイナマイトの扱いなどだそうです。この日は、薬莢のキーホルダーの販売なども行われていました。航平代表もまた、「店は継がなくていいよと言われていたため、テレビCMの制作会社にいたんですよ」と話します。その後、故あってクレーン射撃にはまってしまい、近畿レベルで3位に入るほどの腕前に。そういうなかで、日本では負のイメージで敬遠されがちな銃のイメージを変えていきたいと思うようになり、アトツギを決意します。「鹿や猪、熊などが増えすぎて、農作物被害や土砂災害、民家に出没するなど社会問題化していますね。実は、ハンターの数が減っていて、自然の秩序が守られていないことに大きな要因があります。可哀そう、危険ではなく正しく狩猟文化を見直す必要があります」と航平代表。

(ハンター増狙いシカ駆除見学会:北海道)
浦河町は人手不足や高齢化が進む地元の狩猟団体への加入者を増やそうと、町民を対象にシカ駆除の見学会を初めて開いた。これまでは座学のセミナーを通じて加入を呼び掛けてきたが、狩猟現場を見てもらうことで関心を高める狙い。

(ハンター確保へ「えひめ狩猟フェスティバル」:愛媛)
イノシシやシカなど深刻化する野生鳥獣の問題を知ってもらい、ハンターの確保につなげようというイベントが、八幡浜市で開かれました。今月2日、八幡浜みなっとで開かれた「えひめ狩猟フェスティバル」では、県猟友会による捕獲用のわなやはく製の展示に加え、イノシシやシカの肉を使ったジビエ料理の販売などが行われました。このイベントは、野生鳥獣の増加が自然環境に及ぼす影響を知ってもらい、狩猟への関心を高めようと県が開いたものです。多目的ホールでは、わな猟を始める人向けに、イノシシの習性やわなの仕掛け方などを学ぶ講習会が開かれました。また、県内の若手狩猟者らによるパネルディスカッションも行われ、捕獲の技術向上には地域の先輩ハンターとのつながりが大切などと、アドバイスを送っていました。会場には、県による狩猟免許の相談窓口も設けられ、関心がある若者らが熱心に話を聞いていました。

(野生動物を捕獲する狩猟現場を体験する交流イベント:徳島)
イノシシやシカなど、野生動物を捕獲する狩猟の現場を体験する交流イベントが、3月5日に徳島県三好市で行われました。徳島県が地域おこし協力隊と地域住民とのつながりを持ってもらおうと実施したもので、徳島県内から15人が参加しました。はじめに、地域おこし協力隊の活動や、イノシシやシカなどの有害鳥獣駆除についての説明がありました。このあと、近くの山に移動し、実際に仕掛けられる罠の説明を受けました。そして、班に分かれ、罠の設置場所を探します。すると早速、鹿のフンを発見、その近くに罠を設置しました。参加者たちは初めての罠を仕掛ける体験に、恐る恐る取り組んでいる様子でした。この日仕掛けられた罠に獲物がかかると、参加者のうち希望者にジビエが販売されるということです。

(ペーパーハンターに告ぐ!実績をつんで師匠と仲間をつくるプログラム:千葉)
わな狩猟免許は持っているけれど、狩猟できる場所がなかったり、不安があったりしてそのままペーパーハンターになっている人たちに朗報です。プロの猟師と地域が全面サポートしてくれる、有害鳥獣捕獲従事者支援サービス「イノカリ」が、4月から始まる第2期生を募集しています。狩猟経験がなくて、館山に住んでいない人でも、わな猟免許を持っていれば狩猟ができるサービスです。そもそも、狩猟免許保持者は基本的に狩猟期の11月~2月しか猟ができません。獣害対策における捕獲は、基本的にその地域に住んでいる人しか行うことができません。なので、都会に暮らす人が、一年中狩猟を行いたいと思っていても、難しい現実があります。また、獣害対策を行っている地域の方でも、高齢化が進み猟を行える人が減っているのが現状です。一般社団法人地域共同獣害対策推進協会の松坂義之さんによると、現在館山市で管理捕獲に従事している人が200人ほどいますが、平均年齢は65歳くらい。主力で動いているのは70代で、80代の人もいるそうです。罠は1人30個かけられるので、従事者が1人減ると30個の罠が減ることになります。松坂さん「ぼくは15個しかかけていません。歳をとると、30個もかけられない。イノシシの増加率は1年で1.6倍なので、1000頭いたら翌年は1600頭になります。そうなると、外から人を入れるしかありません。入れる地区を限定して市外の人を入れ、私たちがきちんと有害鳥獣の捕獲をサポートするサービスが、イノカリです」。2024年9月に募集を開始し、11月からこの3月まで8名が活動しています。参加者たちは免許を持っているだけの初心者で、罠のかけ方は知っていても実践したことはないし、かかった後の「止めを刺し(獲物にとどめを刺すこと)」のやり方も経験もありませんでした。運営陣も初めてだったので、どのくらい面倒をみなければいけないのか、どんなサポートが必要なのかも手探りでしたが、8名という人数は参加者たちの様子を見ながら手伝って、運営陣が慣れるためにもちょうどいい人数でした。捕ったあとの選択肢は4つ。自分たちで捌いて自家消費する場合は、自家消費用解体施設で解体。肉は要らないけどお金になるのは、「館山ジビエセンター」で1キロ100円で買い取ってもらう方法。売り物としての肉が欲しいときは、「ジビエ堂」で1キロ1000円で委託して解体してもらい、放射能検査後真空パックにして出荷してもらう。全く不要なときは、有害鳥獣焼却施設で焼却、という方法があります。松坂さん「みなさん、最初は自分で解体しています。来れないときは、イノカリスタッフが1万円で1頭解体してあげるサービスもありますが、みなさん時間を調整して来られますね。皮も持って帰るし、頭も、港に許可をもらって頭の骨を海に沈めてスカルトロフィーにすることができます。角だけ欲しいとか、色んな使い方を皆さん考えています」。松坂さんが館山との二拠点生活をしているとき、有害鳥獣対策を行っていた地域おこし協力隊員が主催した、ジビエ解体ワークショップに参加しました。そこで、「狩猟免許を取ったら、面倒見てあげるよ」と言われたのが始まりで狩猟免許を取り、地域おこし協力隊員に。そのとき使っていたのが、狩猟用のセンサーでした。10個罠をかけたら10個見回りに行きますが、どこの罠に獲物がかかっているのかが分かっていれば、一番最初にその罠へ行くことができます。また、事前に罠にかかったという情報が来るので予定を立てやすく、松坂さんが都内にいるときでもLINEのやりとりで他の人が現地に向かうこともできました。実際にこのセンサーを利用していて便利だったため、それをそのままイノカリでも使用。免許を取ったものの、誰も現場で教えてくれず、唯一前任の地域おこし協力隊員だった人が教えてくれたものの、実体験できるケースが少なかったため覚えきれないこともありました。その体験から、ちゃんと指導して狩猟をしてくれる人が増えれば、従事者も増えるというベースが、松坂さんにはありました。イノカリメンバーはLINEグループ上で、いつ誰の罠に獲物がかかったのか知ることができ、その後のやりとりもスムーズに進めることができるそうです。箱罠で同様の仕組みをやっているところもありますが、くくり罠でもやっているところはなかなかないと松坂さんは言います。その理由はさまざまですが、やはりそこに住んでいない見ず知らずの人が、自分の地区に入って猟をするというのは受け入れにくい現状があります。いろいろなハードルを超えて、館山市の中でも作名(さくな)地区でだけ、活動することができるようになったイノカリ。地区の住人全員に同意をもらっていますが、全員が自分の土地を提供してくれた訳ではありません。裏山を提供してくれた協力者がいて、そこでのみ活動をしています。去年の11月に始まったこの取り組みですが、参加者たちは毎週のように作名地区に足を運び、活動を楽しみ、成果がでています。その様子をみていた地区の住人からは、「うちの山でもやってほしい」と声が上がりはじめました。その声は地区を飛び越え、他の地区にも飛び火しています。全国的に耳にする有害鳥獣問題と捕獲従事者の高齢化問題。その解決へ向けての一つの選択肢が、ここ館山で成功しているといっても過言ではありません。現在、イノカリ第2期生を募集中で、締め切りは3月23日です。この機会にペーパーハンターを返上し、ハンターとして活躍してみませんか?4月5日~6日は、狩猟免許不要のイノカリワークショップを開催。罠猟をリアル体験したり、イノシシ肉を使ったジビエ料理を楽しんだりできます。詳細は下記Facebookページをご確認ください。

(クマの目撃相次ぐ、小学校にクマよけの鈴贈呈:山口)
今年度、クマの目撃情報が相次いだ岩国市で、地元の企業などで作る団体が小学校の児童にクマよけの鈴などを贈呈しました。岩国市御庄地区にある企業などでつくる「新岩国会」は毎年、地元の御庄小学校と相談して必要な備品を贈呈しています。今年度は、市内でクマの目撃情報が増えていることや未成年が犯罪に巻き込まれる事件を防ごうと、クマよけの鈴と防犯ブザーを贈ることになり、代表者3人が小学校を訪れました。そして、代表の児童にクマよけの鈴50個と新年度の児童全員分の防犯ブザーを贈呈しました。山口県内では今年度に入り、3日までのクマの目撃情報は797件で、このうち岩国市は252件で最も多くなっています。市内ではクマに人が襲われる事案も2件起きていて、このうち1件は御庄地区の隣の地域で発生しています。山口県は4月ごろから冬眠明けのクマが出没するおそれがあるとして注意を呼びかけています。御庄小学校ではこれまでの団体の寄付で在校生は全員、クマよけの鈴を持っていることから、今回贈呈された鈴は新入生や転入生用などの予備として保管されます。クマを目撃したことがある5年生の男子児童は「去年、クマが遠くの草むらにいるのを見て怖かったです。クマから自分の身を守れるし、安全に登下校したいです」と話していました。

(野生動物による被害への対策学ぶ講座:千葉)
千葉県鋸南町でイノシシなどの野生動物による被害への対策を学ぶ講座が開かれました。この講座は野生動物による人や農作物への被害を減らそうと鋸南町の協議会が開いたもので、わな猟などの免許を持つ地域おこし協力隊が講師をつとめました。講座にはわな猟の免許を持っているものの仕掛けた経験がない人など県内外から8人が参加し、はじめにわなの種類について説明を受けたあと、イノシシなどをつかまえるくくりわなの作り方と掛け方を教わりました。このあと、実際にイノシシが出た場所の近くを訪れ、捕獲用の箱わなの使い方の説明を受けたり、くくりわなの設置を体験したりしました。鋸南町の今年度のイノシシの捕獲数は先月末の時点で708頭と、昨年度より減っていますが、野生動物による被害総額は1600万円あまりにのぼっています。参加した30代の男性は「わな猟の免許を取得しましたが、実際に経験がなかったので参考になりました。近所で被害が出ているので役に立ちたいです」と話していました。講師をつとめた鋸南町地域おこし協力隊の小池貴久さんは、「捕獲者の高齢化が進んでいるので、若い人たちに関心を持ってもらい、現場に出てきてもらいたい」と話していました。

(猟師を突き動かした苦い記憶、東日本から能登へ:宮城)
崩れ落ちた家屋に、鼻を突く焦げた臭い。輪島朝市があった場所は一面、焼け野原と化していた。あの日と同じ光景が目の前に広がっていた。昨年1月、岩手県大槌町の猟師、兼沢幸男さん(40)はキッチンカーで石川県輪島市に駆けつけた。突き動かしたのは、震災からの苦い記憶だった。2011年3月11日、茨城県日立市にある港で貨物船にペンキを塗る補修作業をしていた時だった。岸壁がひび割れ、船のブリッジが大きく揺れた。「津波が来るぞ!」。津波を避けるため、貨物船は急きょ、兼沢さんら船員12人を乗せて沖へと出た。船内のテレビで地元・大槌町に近い三陸沖が震源だと知り、焦りが込み上げた。海岸から3~4キロにある自宅には、母・幸子さん(当時53歳)や妻・華奈さん(36)、1歳になったばかりの長女・心海(ここみ)さん(15)が暮らしていた。強まる不安とは裏腹に、船は東北から遠ざかっていく。東京電力福島第一原発事故による放射性物質から逃れるため、船は茨城沖から太平洋を西へと向かった。母や妻の携帯電話に何度かけてもつながらない。震災から5日後、福岡の港に接岸し、飛行機と車を乗り継ぎ、その日のうちに大槌にたどり着いた。津波と、火の付いたがれきが打ち寄せて燃え広がる「津波火災」で町は壊滅状態だった。自宅は津波を免れ、妻と長女は無事だった。母は親戚らの制止を振り切り、海沿いに住む一人暮らしの祖母の元へ車で向かったと聞いた。祖母は隣人に連れられ避難所にいた。しかし、母の姿はどこにもなかった。3か月後、被災した車の集積場から母の車だけが見つかった。翌年の3月11日、くしに付いていた遺髪と愛用のエプロンをビニール袋に入れ、行方不明のまま葬儀を行った。母の死を受け入れようとした。船乗りをやめ、地元のガス会社でアルバイトを始めたが、心はすさんでいた。町には大型バスに乗ってボランティアが次々にやってきた。「どうせ観光に来たんだろう」。見知らぬ町外の人への不信感もあり、感謝の気持ちはわかなかった。震災から数年たった頃だった。仮設住宅団地にプロパンガスを運ぶうちに、毎年来ているボランティアが何人もいることに気づいた。被災者に餅を振る舞ったり、子どもたちに文房具を配ったり。山形から来たという40~50歳代の男性は「仕事が休みだったんで来たんですよ」と笑顔で話した。町外の人が大槌のために、自分を犠牲にしてここまで頑張ってくれるなんて――。偏見で凝り固まっていた自分が恥ずかしくなった。「自分も大槌の役に立ちたい」。そんな思いが膨らむ中、農地がシカに荒らされていると聞いた。猟師が高齢化で減っていた。闘志に火が付いた。「俺がやってやる」。一念発起し、15年に狩猟免許を取得した。20年には狩猟したシカの肉を加工・販売する事業を開始。「ジビエを大槌の産業にしたい」と夢を膨らませていた24年の元日、能登半島地震は起きた。東日本大震災と同じ最大震度7。津波が押し寄せ、火の手も広がっていた。居ても立ってもいられなかった。あの時は何もできなかった。移動を妨げる海はない。翌日には町の仲間らに呼びかけ、カイロや食料などをかき集めた。普段ジビエ料理を提供する際に使っているキッチンカーを走らせ、能登に入ったのは1月6日。炊き出しで温かいうどんを振る舞うと、能登の人たちは「震災の時は何もしてあげられなかったのに……。ありがとう」と喜んでくれた。その後も大槌と能登の片道約800キロを車でほぼ毎月、往復した。能登の人から感謝の言葉をもらうたび、伝えてきた思いがある。「俺たちも震災で支援してくれた人たちに直接恩返しできたわけじゃない。だから次に何かあったら『恩送り』してくれれば」。受けた恩を人から人へ。いつも自分より他人を優先した母も、きっとそう言うと思うから。能登半島地震からまだ1年。自分も本当に前を向けるまで数年かかった。「これからも能登の復興を支えたい」。自身の「恩送り」も始まったばかりだ。

(一時絶滅しかけたライチョウ、「絶滅危惧」の分類引き下げへ:長野)
環境省は6日、国特別天然記念物のニホンライチョウについて、近い将来に絶滅する危険性が高い「絶滅危惧IB類」としている同省レッドリストの分類を、早ければ2029年度にも引き下げる方針を明らかにした。同日に開かれた「ライチョウ保護増殖検討会」で示した。一時絶滅したとされた中央アルプス(長野県)での生息数が同省の取り組みで順調に増加しているためで、同省は危険度が1段階低い「絶滅危惧2類」への引き下げを検討している。ライチョウは本州中部の高山帯のみに生息する。

(奄美大島のマングース根絶、「無謀」な事業をどう成し遂げたのか:鹿児島)
2024年9月3日、東シナ海に浮かぶ鹿児島県奄美大島において、生態系に大きな被害をもたらしたフイリマングース(以下「マングース」)の根絶が宣言された。外来種の根絶事例は世界にいくつか存在するがいずれも小規模で、東京23区よりも広い奄美大島全島級は世界初だといわれる。猛毒のハブ駆除のためにわずか30頭程度のマングースが放たれてから、実に45年目の出来事。根絶に至るまでの多難な道のり、そして外来生物問題のこれからを2人のキーパーソンに語ってもらった。「早くやめたら?」と言われ続けた(阿部愼太郎さん・環境省 奄美群島国立公園管理事務所)。―阿部さんがマングース防除に取り組んだきっかけを教えてください。大学を卒業し、民間企業に就職した1988年に奄美大島へやってきました。獣医師の資格を生かした、実験用霊長類の繁殖・供給施設での仕事です。その傍ら一人で島内の野生生物調査を始め、後に知り合った仲間2人と奄美哺乳類研究会というNGOをつくりました。1989年のことです。マングースの分布が広がる中で在来の動物がどんどん減り、早期に退治しないといけないことが分かったのですが、全島規模の防除となればもはやNGOの手に負えるものではありません。調査結果を公開し、環境庁(当時、2001年1月より環境省)や鹿児島県が真剣に音頭を取って駆除すべきだと訴えたのが始まりでした。ただ環境庁(省)には、今でこそ野生生物に詳しい人材がいますけど、当時はそうではありませんでした。奄美大島には2000年に同庁管轄の野生生物保護センターが設置されることになったのですが、地域の野生生物に詳しい人を探す中で私も候補の一人となり、その前年の1999年に採用されました。本格的なマングース防除事業は、2000年から環境庁の主導で始まりました。ただ、報奨金制度でできる作業には限界があり、マングースの分布は拡大を続けます。マングースは行動圏が狭く、林道沿いにわなを設置するだけでは根絶を目指せなかったのです。その後2005年に外来生物法が施行され、予算規模を拡大できたことが転機になりました。専従の防除チーム「奄美マングースバスターズ」を立ち上げ、林内に綿密にわなを配置するための体制が強化できたのです。私自身は、一時期転勤で奄美大島を離れていたのですが、赴任先の沖縄でもマングース探索犬導入にも関わりました。島内ではマングースに対する危機感が共有できていたと思います。マングースの分布が広がった場所では、あっという間に在来種の姿を見かけなくなりましたから。ただ、生態学の学会などに行ってみると、奄美大島みたいな大きな島で外来種の根絶など無理でしょうと言う人ばかりで、大学の研究者などからも「無駄だから早くやめたら?」といった反応があったのも事実です。本当に何回も、何人もの生態学者に言われましたよ。―そんな中、防除はどのように進められたのでしょう。マングースバスターズが中心となって、島内のほぼ全域に多いときで約3万5000個の捕殺わなと約300台のセンサーカメラを設置しました。わなの設置地域拡大とともに、貴重な在来種の混獲も起きてしまっていたので、それをできる限り防ぐ目的でバスターズとともにわなの改良を重ねました。メンバーはそれ以外にも、探索犬の導入時にハンドラーの勉強をするなど、使命感を持って熱心に取り組んでくれました。もう1つ重要だったのが、国立環境研究所(国環研)の深澤さんをはじめとする多くの研究者の存在です。特に深澤さんは、国環研に入る前からプロジェクトに関わっていたこともあり、現場の取り組みを理解してくれていたことが大きい。バスターズが蓄積してきた日々の作業結果を入力した膨大なデータも、本当にわかりやすく整理解析し説明してくれましたし、良き相談相手でした。データをもとにわなを仕掛けるべき場所の提案や、その評価を繰り返ししてもらったことで、効果的に防除活動が進められたと思っています。最終的には2018年に捕殺式のわなにかかった1頭が、奄美大島で確認された最後のマングースとなっています。その後もわなやカメラ、探索犬によるモニタリングを6年間続け、そこから根絶確率を慎重に計算し今回の根絶宣言に至りました。―世界で類を見ない成功を実現した今の気持ちを教えてください。根絶は不可能と言われ続け、常識的に考えれば無謀なチャレンジでしたが、きちんとやれば実現できることを証明できて本当に良かった。各地・各国でも目標を立てて外来種対策に取り組んでいると思いますので、貴重な実験結果になると考えています。ただ、他の外来種にも応用できるかといったら、簡単ではないだろうという気持ちもあります。対象種ごとの生態を考慮した対策がやはり必要でしょう。それでも、人が現場でどう動けば良いのか、それにどれぐらいのコストと労力がかかるのか、そういった知見は役立てられていくと思っています。―今後の課題は。マングースの防除が進むにつれ、在来生物の数が回復している実感があります。ただ回復によって、在来種が交通事故に遭うケースも増えています。加えて、アマミノクロウサギによる農業被害なども増加しました。今後は在来種の保護に努めつつも、畑に入り込まないよう対策を施すなど、在来種との棲み分けを含めて共生のあり方をきちんと考えていかなければなりません。最後に問題提起として。マングースバスターズや探索犬は、訓練を積んだ外来種対策のプロたちです。にもかかわらず、防除事業が終わって給料を支払う財源がなくなったからといって解散してしまうのは、少し違う気がしています。県や市町村にも協力を求めて、1人でも多くのスタッフがプロとして次のステップに進めるような仕組みを考えていきたいですね。2つの評価手法を「ゼロ」の根拠に(深澤圭太さん・国立環境研究所)。環境省からの受託事業者としてマングースバスターズの雇用やデータ整理を担っていた自然環境研究センター(自然研)に所属していた2011年から、事業に関わってきました。最初の仕事は「意思決定にデータを使いたいが手法がない」といった課題への対応です。事業の構想には衝撃を受けましたね。あまりにも大きく、山深い奄美大島で本当にできるのかと。さらには、身体が小さく、なわばりを持たないマングースは、行動の予測や捕獲が非常に難しい。でも、現地の人々はできると信じていて、私もプロジェクトに関わるうちに、だんだんと確信を得られるようになっていきました。―確信を得るに至ったエピソードがあれば教えてください。事業を進める中で、困難に直面することも多々ありました。かかりにくい個体がいたり、いないと思った場所にいたり。それに対して、現地の方がいつも知恵を絞ってくれたんです。探索犬の導入も、わなで獲りにくい個体がいずれ残ることを見越していた現場の方々がボトムアップで提案してくれたものでした。途方もない大きな目標を描きつつも、綿密に戦略を立て、データを見ながら軌道修正を図る皆さんの姿勢が確信につながりましたね。加えて「マングースの個体数を知りたい」「在来種の回復効果を知りたい」といった現場のニーズと、それに応えられるだけの十分なデータ蓄積があったことも大きかったです。そういった意味では、私はマングース防除事業に育てられたと言えるかもしれません。生物多様性にどんなニーズがあるのか、現場での活動を通じて理解できましたし、今回の根絶宣言につながる研究のタネができました。―根絶宣言の背景にある、根絶確率はどのように導き出したものなのでしょう。今回は「ベイズの定理に基づく根絶確率評価」という手法を用いました。これは、6回振れば1回は1が出るというサイコロのような確率論ではなく、天気予報のように「パーセンテージが高いから雨が降るだろう」といった具合に、確率を信念の度合いとして用いるものです。この手法では、最後の検出(生存確認)以降、どれだけゼロを積み上げられるかが問われます。事業で得られた捕獲状況の実データなどを解析していることが大きな特徴で、シミュレーション結果はマングースバスターズなど現場の方々の肌感覚とも一致していました。マングースの生存は、2018年度に捕獲された1頭を最後に確認されていません。その後も約6年間、活動を続けながらゼロを積み上げた結果、根絶確率が十分に高まったと判断し根絶宣言に至りました。―生存数がゼロになったとの判断が社会的になされて、根絶宣言が出されたわけですね。一方で、科学的に見ると確率がゼロになったわけではありません。ゼロの証明は、科学として根本的に難しいテーマですね。計算上はゼロにはなり得ませんから。その上で「残存している可能性が十分に低い状態」であることをどのように判断するかの手法はさまざま検討されていますが、面積が大きくなればなるほど難しい。世界にはマングースの根絶事例がいくつかあるものの、奄美大島は特筆して大きいですし。くまなく捕獲すること自体難しいですが、評価の難易度も高くなります。それらを理由に、検討会でも「根絶宣言をそもそも出すべきか」から議論をしました。―それでも根絶宣言を出すに至りました。理由はいくつかありますが、根絶宣言によって区切りを付ける意義が大きかったように思います。成果をしっかりと発信する必要がありましたし、奄美大島のマングース防除事業に充てられていた環境省の予算を、他の外来生物防除事業に回すことも考えなければなりません。根絶宣言をする・しないの選択肢があるときに、どちらの方が期待される便益が大きいかによって判断するのが合理的なのだろうと感じましたね。宣言を出すにあたり、科学的には2つの評価手法を根拠として用いました。エリアにおける根絶確率を算出するHBM(Harvest-Based Model)と、個体数をベースに根絶確率を算出するREA(Rapid Eradication Assessment)です。今回HBMでは、1979年に30頭が放たれ、ピークの2000年に1万頭まで増え、そして防除事業の進捗により根絶されるまでの推移をシミュレーションしました。そこで導き出されたパラメーターは、REAにも使われています。2024年3月までに得られたデータをもとに、HBMで99.7%、REAで98.9%の根絶確率がそれぞれ示されたことから、検討会で十分な議論を経て「根絶した」と評価しました。―全国各地で外来種の問題が後を絶ちません。今回得られた教訓は他でどう生かせますか。マングースバスターズもマングースが嫌いなわけでは決してありませんし、わなを仕掛ければどうしても在来生物を混獲してしまいます。そういった意味で、実は心理的コストの非常に大きな事業でした。負担を軽減するには、なるべく短期間で終わらせることが望ましい。そのためには人も予算も集中的に投じる必要があるでしょう。外来生物の防除は、必要があってやっていることです。私たちの事業でも、「外来種だから」という理由だけで取り組んでいる人はいません。必要性の判断根拠として重要になるのは、在来種や人間社会に与える影響です。例えば房総半島を中心に大きな問題となっている小型のシカ「キョン」による、在来植物への食害は非常に深刻だといわれていますよね。そういった悪影響についてしっかりと説明や対話を重ねていくことが、外来種対応においては重要だと今回の事業を通じて学ぶことができました。

(人間の罠をギリギリのところですり抜けてゆく、OSO18が持つ”未知の力”:北海道)
「OSO18みつかったぞ!」。2022年9月29日、藤本から電話があった。「え……、どういうことですか?」「大倉牧場に設置してたトレイルカメラに映ったんだよ」「どうしてOSO18だってわかったんですか?」「詳しいことはこのあと写真送るからちょっと待ってて」。少し待つと、写真をまとめた資料がメッセージで送られてきた。そこにはトレイルカメラで撮影された3種類の写真が並んでいた。1枚目は、2019年8月、オソツベツの髙橋牧場で撮影された、檻の前のOSO18。2枚目は、この2022年7月、類瀬牧場の沢で牛の死体を食べるOSO18。そして3枚目が、2週間ほど前に、大倉牧場に仕掛けたトレイルカメラで撮影されたというヒグマの写真だった。藤本によって、それぞれの写真のヒグマの左大腿部に赤い円で印がしてある。いずれにも傷のような、白い跡が残っていた。思わぬ発見だった。これまで気に留めていなかったが、これまで撮影されたOSO18の写真には共通して、確かに傷跡があった。「これ全部同じ傷跡だよ。だから、大倉牧場で撮られたヒグマもOSO18だ。間違いない」そして、これはかつてOSO18が人間に与えられた傷なのではないかと藤本は言った。銃なのか、あるいは罠なのか。OSO18が人間を警戒する理由をこの傷が示唆しているのではないか、と。10月1日。藤本は赤石とともに大倉牧場に向かっていた。ちょうど前日から、大倉牧場では、数日間かかるデントコーンの刈り取りが始まっていた。OSO18がその付近にとどまっているうちに早く手を打たなければならない。大倉牧場は四方をすべて森に囲まれ、キツネやエゾシカ、タンチョウが頻繁に出没する。現場に駆け付けると、標茶町の農協職員がデントコーン畑の上空にドローンを飛行させていた。映像を見ると、確かにヒグマが食べたと思われるミステリーサークルがたくさんあったが、ヒグマの姿は確認できなかった。危険を察知して、昼の間は周囲の山に潜んでいるのかもしれない。畑にデントコーンが残っていれば、また食べに戻ってくる可能性が高い。藤本は、北海道庁から「くくり罠」と呼ばれる罠の使用許可を得ていた。土の中に隠された踏み板を踏むと、ワイヤーが跳ね上がり、足に巻き付く仕組みだ。通常、ヒグマを捕獲する目的でくくり罠を用いるのは、法律で禁じられている。あまりに危険だからだ。ワイヤーが巻き付いたヒグマは、それを外そうと必死に暴れまわる。そのとき仕留めようとしたハンターが近づくと、ヒグマは怒りに任せ、自分の足がワイヤーで引き裂かれるのを覚悟で突進してくる。過去には、くくり罠にかかったヒグマに、殺されたハンターもいるほどだった。そのため、ヒグマに対して用いることができるのは箱罠に限られていた。ただし、OSO18はすでに箱罠を見抜いているものと思われるため、特別対策班がOSO18と思われるヒグマを捕獲する場合に限って、特別許可が出ることになった。藤本と赤石は、デントコーン畑と森の境目に辿りついた。境界には、野生動物の侵入を防ぐための高さ2m近い柵が張られていたが、何ヵ所か、柵の下に穴が掘られているところがあった。ヒグマが土を掘り、畑に侵入した跡だった。付近には、ヒグマがデントコーンを食べた後の糞もあった。糞の中には、消化しきれなかった黄色いコーンの実が残っている。柵の向こう側には、ヒグマの足跡もあった。赤石が柵をのぼり、森のほうへ飛び越えた。残されていた前足跡にメジャーを当てた。「やっぱ16だわ……」。この夏、牛が襲われた現場に残されていた足跡と同じサイズだった。赤石は足跡のそばに、くくり罠を設置することに決めた。再び畑に侵入してくるとすれば、一度通った道を使ってくるはずである。赤いハイラックスの荷台には、ワイヤーの直径が20cmの特大サイズの罠が積んであった。この日までに赤石が、OSO18を捕獲する目的で、イノシシ用に用いられているくくり罠を独自に改良してきたものだった。土を掘り、罠を埋め、再び土で隠す。そこだけが不自然にならないよう、森から枯れ葉や枝を持ってきて、罠を埋めたあたりにバラまいた。最後に、自然と罠を踏むように足を誘導するため、太い倒木を持ってきて、罠の手前に置いた。倒木をよけようとその奥に踏み出したときに罠を踏む。そのような狙いだった。作業を柵のこちら側から見ていた藤本はこう言った。「この柵からこっちは人間の領域。向こうはクマの領域。だから、クマが安心してる向こうのほうに罠をかける」。あとは毎日、この罠が見える位置まで慎重に近づき、かかっているかどうかを、確認するだけとなった。藤本は、標茶町に住むハンターに毎日くくり罠の確認に行くよう頼んだ。その数日後のことだった。大倉牧場ではもうデントコーンは完全に刈り終わり、視界は開けていた。朝5時すぎ、2人のハンターが罠の確認に向かった。危険が伴うため、私は、罠から離れた安全な場所で待機する。遠くの森と畑の境目のあたりで、車がゆっくりと罠に近づいていく。罠のそばで停車し、2人は降りて罠を見に行った。その時間が私にはとても長く感じられた。ついに、OSO18の姿を見ることができるかもしれない。期待と同時に、緊張感が押し寄せた。遠くの2人が、車に戻り、こちらに帰ってくる。「どうでしたか?」「罠が跳ね上がってたんですけど……」。なんと罠が作動し、ワイヤーは跳ね上がっていたという。16cmの足跡もあった。しかし、そこにOSO18の姿はなかった。罠は確かに踏んだものの、何らかの理由でそこから逃げ出していたのだ。OSO18が持つ未知の力を、私は感じずにはいられなかった。どこまで追いつめても、ぎりぎりのところで、人間の手からすり抜けていく。後日、赤石が再び現場を訪れ、同じ場所に罠を仕掛けなおした。だが、OSO18がここに現れることは、もう二度となかった

(軽自動車がイノシシと衝突する事故:新潟)
長岡市の国道で7日、軽自動車とイノシシが衝突する事故がありました。事故があったのは長岡市川口相川の国道17号です。警察によりますと7日正午すぎ、車の運転手から「イノシシと衝突しました」と通報がありました。前方部分が大きくへこんだ車……その近くには道路脇でぐったりと倒れこむイノシシの姿がありました。この冬、出没が相次ぐイノシシ。この事故で車の前方部分が破損しましたが運転手にけがはありませんでした。

(雪道にシカ、さらにもう1頭:北海道)
雪道でシカに遭遇。1頭だけではありませんでした。車は雪道を走行中でした。突然、シカが現われ、横切っていきました。しかし、実はもう1頭いたのです。運転していた男性「危ない!もう1頭、まさか出てくると思っていなかった。来た瞬間は2頭目、来るんだと驚いて。止まってくれればいいかなと期待も込めていたけど、全然止まらなかったので」。2頭目のシカは車の後方にぶつかり、そのまま走り去っていったそうです。車の修理代は約14万円に上るということです。運転していた男性「(シカは)1頭出ると2頭、3頭来ると話では聞いていたけど、実際そうなると、ちょっと油断していた」。

(真夜中に鹿と衝突し回転しながら吹っ飛ぶ:山梨)
山梨県の夜道で、突然飛び出したシカと車が衝突する瞬間がカメラに捉えられた。シカは回転しながら弾き飛ばされ、車のバンパーは大きく破損。運転手によると、シカは驚いた様子でこちらを一瞥し、そのまま逃走したという。山梨・山中湖村付近の夜道で2月28日午後10時頃、突然左右から同時に現れた2頭のシカが撮影された。次の瞬間、右側のシカが道路に飛び出し、車と衝突。シカはクルクルと回転しながら弾き飛ばされてしまった。衝撃は車のバンパーが割れるほどだった。果たしてシカは無事だったのか。運転手は「ひかれたシカは、一瞬『なにしてくれとんねん!』みたいな感じでこっちを見て、走って逃げていった。何してくれとんねんはこっちのセリフじゃいって感じ」と語っている。その後、警察に連絡し、事故処理を行ったという。

(空一面に鳥の大群“カワウ”か:千葉)
千葉県では、空を埋め尽くす鳥の大群が出現した。現場は羽ばたき音が響き渡り、不気味な光景だったという。専門家によると、大型の水鳥「カワウ」の可能性が高いとみられている。千葉・白井市で2月26日午後6時頃、空に広がる“ゾッ”とする不気味な光景が撮影された。撮影者は同行者と様子を見つめながら、「すごい、何これ」「また戻ってくる、また来た」「怖いんだけど」と会話を交わしていた。2人が目にしたのは、空を埋め尽くす鳥の大群だ。撮影者は「ガーってすごい音がして、何の音だろうと思って空を見上げたら鳥だった。あまりの多さに怖いぐらいでしたよ」と振り返る。この大群の正体について専門家に聞いたところ、見た目の特徴や、この時期に群れで現れたことから、大型の水鳥「カワウ」の可能性が高いという。撮影者によると、数日にわたり確認されていたが、2月26日を最後に姿を見せなくなったという。

(1カ月で636頭のイノシシ捕獲:熊本)
3月5日朝、熊本・天草市の住宅地で、イノシシが罠にかかっているのが見つかった。天草市内では農作物が食い荒らされる被害が相次いでいて、市はもしイノシシを見かけても刺激しないよう注意を呼び掛けている。3月5日午前6時ごろ、天草市の住宅地で、畑に仕掛けられた箱罠で、体長約80センチ、体重50キロほどのイノシシが捕獲されているのが見つかった。近所の人によると、イノシシは以前から近くの山にいたが、最近、頻繁に目撃されるようになり、住宅近くのミカンの木が被害に遭ったという。近隣住民は「ここ(住宅)の下を混ぜくってさるく。ここの下も、ここの裏も、そこの周辺も全部(掘り返す)。これは稲を作っていいか、作られないか、心配しています」と話し、別の住民は「イノシシが歩いた足跡ですね。ミカンとかを食べに来るんでしょうね」と話した。罠は有害鳥獣捕獲対策協議会に依頼して設置したもので、協議会のメンバーがイノシシを引き取ってジビエとして利活用するという。天草市によると、捕獲されたイノシシは2025年1月の1カ月間で636頭で、2024年に比べて大幅に増えているという。

(地元シカ肉、調理法探る:北海道)
道南の料理人らでつくる「クラブ・ガストロノミー・バリアドス」と渡島総合振興局は7日、地元食材の活用法などを学ぶ「道南食財勉強会」を函館短大付設調理製菓専門学校で開いた。シカ肉をテーマに料理人ら約20人が集まり、試食をして調理法などを探った。

(「ジビエディナー」春限定メニュー提供:山梨)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的な非日常を提供する「星のや」。日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2025年3月20日から6月8日までの間、「ジビエディナー」春限定メニューの提供を開始します。ふきや木の芽など山菜ならではの風味や香りとともに春のジビエを堪能する全6品のコース料理です。森に囲まれた屋外のダイニングで、鹿肉や猪肉を美食に仕上げます。シェフこだわりの料理をワインとともに堪能する、ディナータイムを提案します。

(河川敷にクマ出没?:宮城)
7日午後8時半ごろ、仙台市若林区堰場の広瀬川河川敷にある若林緑地で、付近の住民から「1メートルほどの黒いものが動いている」と110番があった。宮城県警若林署はクマの可能性もあるとして、注意を呼びかけている。目撃現場は若林小の南西約100メートル付近。若林区では2023年11月、上飯田地区や今泉地区などでイノシシ1頭が走り回り、仙台東高のガラスを突き破る騒ぎが起きた。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、9日午後5時48分ごろ、富谷市明石杉ノ入にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後5時50分ごろ、仙台市青葉区芋沢大竹原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、6日午後5時30分ごろ、角田市毛萱中迫下にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、6日午後5時30分ごろ、角田市毛萱栃窪にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、6日午後4時50分ごろ、栗原市一迫嶋躰館浦にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午後7時ごろ、仙台市青葉区芋沢小坂南にクマが出没しました。

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(通算18例目の豚熱感染を確認:秋田)
湯沢市で捕獲された野生イノシシが豚熱に感染していたことがわかりました。県内18例目の感染確認です。県によりますと豚熱に感染していたのは先月23日に湯沢市で捕獲されたメスの野生イノシシです。体長95センチほどで1歳程度の幼獣とみられています。県立大学の遺伝子検査で5日、陽性と確認されました。3年前に県内で初めて豚熱が確認されてから18例目で、今年に入ってからは3例目です。豚熱は人には感染せず、感染したイノシシの肉を食べても健康に影響はありません。ただブタやイノシシが感染すると致死率が高いため、県は養豚業者や狩猟者に衛生管理を。また春になると山菜採りなどで入山する人が増えるため、山を下りたら靴についた泥などを良く落とし消毒や水洗いを徹底するよう呼びかけています。

(法廷で弁護士「医師に弾が当たり、動揺し引き金を引いてしまった」:埼玉)
埼玉県ふじみ野市の住宅で2022年1月、医師=当時(44)=が散弾銃で射殺されるなど訪問していた医療関係者3人が死傷した立てこもり事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われ、一審のさいたま地裁で無期懲役の判決を受けた男(69)の控訴審初公判が27日、東京高裁(石井俊和裁判長)で開かれた。弁護側は一審と同じく、男の医師らに対する殺意を否認。検察側は控訴棄却を求めて即日結審した。判決公判は3月11日に開かれる予定。弁護側は、当時男が医師の胸を狙って散弾銃を発射していなかったことや、医師に弾が当たった動揺でさらに引き金を引き、男性理学療法士に当たってしまったなどとし、殺人と殺人未遂は成立しないと主張。判決に事実誤認があるとして、「現判決の量刑は明らかに不当」とした。また、被告人質問などを求めたが退けられた。一審さいたま地裁の裁判員裁判判決では、発砲の際に殺意があったことを認定した上で、「強固な殺意に基づく冷酷な犯行」として検察側の求刑通り無期懲役を言い渡していた。判決によると、男は22年1月27日、前日に亡くなった男の母の在宅医療を行っていた医師らを自宅に呼び出し、蘇生措置を要求。医師が断ると、胸部に散弾銃を発砲して心臓破裂で死亡させた。また、同じ散弾銃で男性理学療法士の右側腹部を撃ち肝損傷などの重傷を負わせたほか、男性医療相談員の顔に催涙スプレーを発射して傷害を負わせ、路上にいた別の男性医療相談員に別の散弾銃を放ち、殺害しようとした。

(市街地へのクマ出没時の猟銃使用判断、知事「専門家の配置など体制づくり進める」:秋田)
市街地での猟銃の使用を条件付きで可能にする鳥獣保護管理法の改正案について、秋田県の佐竹知事は4日、地域ごとに銃器の専門家を配置するなど現場のサポート体制を構築する考えを示しました。クマによる人身被害は全国で増加していて、2023年度は219人と過去最悪でした。閣議決定された改正案は、クマが市街地に出没した場合、住民の安全確保などの条件を満たせば市町村長の指示でハンターが猟銃を発砲できるとされています。また、市町村はクマが市街地に出没した場合、県に応援を要請することができます。4日に開かれた秋田県議会予算特別委員会の総括審査で、委員がサポート体制について県の考えをただしました。佐竹知事は「県が応援に行っても、全く銃器が分からないとこれは無理。銃器のベテランを嘱託のような契約を地域ごとにしておいて、その人にすぐ現場に行ってもらい、応分の報酬を払うとか。銃を撃つ人ではなく、別に発砲を判断する『補助者』を県でどう確保して市町村に派遣するか」と述べ、県がベテランのハンターなどと契約し、応援の仕組みを構築する考えを示しました。改正案は国会で審議されていて、クマの出没が増える秋ごろまでに施行される見通しです。

(クマの緊急銃猟、明確な条件整備が必要:秋田)
政府はクマによる人的被害を防ぐための「緊急銃猟」を可能にする鳥獣保護管理法改正案を閣議決定した。一定の条件が満たされていると判断した場合に、市町村長がハンターらに委託して銃猟できるようにする。今国会で改正案の中身を議論し、秋までの施行を目指す。県内では近年、市街地でのクマ出没が相次ぎ、人身被害もたびたび発生している。住民の命を守るには対策の強化が不可欠であり、実現すれば一歩前進といえよう。市町村長は緊急銃猟が可能かどうかを見極める大切な役割を担うことになる。専門的な知識や経験が少なく、対応に不安を感じるという市町村長は少なくないだろう。緊急銃猟の可否などをスムーズに判断し、的確に対応できるようにする必要がある。現行法では、住宅が集合する地域や多数の人が集まる場所などでの銃猟は原則禁止されている。警察官職務執行法に基づき、警察官がハンターらに発砲を命じることはできるが、「人に危険を及ぼしている場合」などに限られている。改正案では▽住居や乗り物などに侵入するか、その恐れが大きい▽危害防止措置が緊急に必要▽銃猟以外では的確、迅速な捕獲が困難▽住民に弾丸が当たる恐れがない―の4点を緊急銃猟の条件に挙げている。クマが建物内に長時間とどまるケースなども対象となり得る。市街地で銃を使う以上、周囲の安全を確保することは大前提だ。一方で、人にクマによる危険が迫っている緊急時に市町村長が判断に迷い、その間に被害が広がるようなことは避けなければならない。政府は今後、緊急銃猟の条件などについてまとめたガイドラインを策定する方針だ。市町村長が判断する際の助けになるよう、策定に当たっては、条件をより明確かつ具体的に示してもらいたい。改正案には、緊急銃猟を実施するに当たり、住民らの安全を確保するため、市町村長が現場周辺の通行制限や避難指示を行えることも盛り込まれた。そうした時に人員やノウハウが不足している場合には、都道府県に応援を求めることもできるとした。市町村はいざという時に混乱が生じたり、対応が遅れたりしないよう、普段から県と意思疎通を図っておく必要がある。県自然保護課にはクマの生態や関連する法律などに詳しい専門職員が3人いる。県と市町村が役割分担し、合同で訓練することなども有効だろう。緊急銃猟で建物に損害が出た場合には、市町村が補償するとの規定も設けた。損害の発生に備えて保険料金を支払う自治体に対しては、国の財政支援も必要となろう。法改正に向け、政府はさまざまなケースを想定し、クマ対策に万全を期してほしい。

(クマ駆除の報酬増額へ、25年度から:北海道)
浦河町は新年度から、ヒグマ出没時に町の要請で警戒出動や駆除を行うハンターに支払う報酬額を増額する方針を示した。クマによる人身被害が全国的に増加する中、危険が伴うハンターに配慮した形だ。

(放流魚を捕食するカワウ、空気銃による駆除検討:宮城)
県議会2月定例会は4日、予算特別委員会の総括質疑を行った。県は2025年度、放流魚を捕食するカワウの食害対策として、空気銃による駆除手法「シャープシューティング」の導入を検討していると明らかにした。

(鹿やイノシシから農作物を守る柵の損傷が急増:長野)
長野県松本市の里山辺、本郷など東山部と呼ばれる地域で、松くい虫(マツノザイセンチュウ)による松枯れ被害を受けた木が倒れ、獣害防護柵が損傷するケースが相次いでいる。松くい虫は体長1ミリほどの線虫で、カミキリムシが媒介。寄生された松は水を吸い上げられなくなり枯れる。松本地域では近年、松くい虫被害が拡大。長野県によると、2023年度の被害量は2万5317立方メートルで、県全体の半数近くを占めた。人手不足や高齢化などで対策が追い付かず、住民らが頭を悩ませている。松本市農政課によると、防護柵は09~16年度、東山部や梓川地区で、地域の協議会などが市の費用負担を受ける形で設置。高さは2~2・5メートル、総延長は約175キロに及ぶ。柵は17年度以降、台風といった自然災害や、鹿やイノシシの衝突などで破損することがあった。20年度から松枯れ被害木が倒れて防護柵が破損する事例が増え、24年度は1月までで48件と既に過去最多となった=グラフ。今では破損の9割以上が、松枯れ被害木の倒木によるものだという。里山辺藤井地区で防護柵を管理する藤井鹿柵協議会によると、一帯では18年から松くい虫被害がひどくなり、年2回の点検で毎回、損傷した柵を見つけるようになった。里山辺林地区では同じ場所が何度も破損し、鉄製の金網ではなく安価なビニール製の網で簡易的な修理を続けてきた。だが松枯れ被害は収まらず、少しの風でも木が倒れるように。破損した防護柵を鹿が跳び越え、果樹の実を食べる被害も確認されている。松本市は本年度、松枯れ被害木が倒れる前に伐採し、柵の山側に幅約30メートルの緩衝帯を設ける事業を始めた。市が業者に委託して伐採する方式で、昨年9~10月に東山部の協議会などに要望を聞いたところ、東山部の防護柵の総延長138キロのうち、52キロ区間について実施依頼があった。だが、市森林環境課によると本年度内の実施予定は里山辺と中山の一部地域計3・3キロにとどまる。予算は1874万円と限られ、実際に伐採する人や伐採の計画を作る人材が不足しているという。緩衝帯の整備を終えても、防護柵の管理は続ける必要がある。藤井鹿柵協議会長の花岡俊敬さん(74)は、点検を担う農家の高齢化が進んでいるとし、「今後は町会(自治会)として取り組みをしたり、同じ境遇の地区と協力したりしていけたら」と望む。市農政課は「防護柵を抱えている町会だけでなく、地域全体で考える機運をつくりたい」としている。

(この春「孤児グマ」が市街地に大量出没する恐れ)
この冬は東北や北陸地方を中心に、クマの出没が相次いだ。通常は冬眠しているはずの時期だが、目撃数が例年の100倍を超える地域もある。春以降、クマとの遭遇が増える前兆なのか。「冬にクマが出没しているという情報は耳にしていましたが、『まさか、こんなところにクマが出るわけがない』というのが第一印象でした」。秋田市を貫く交通量の多い国道13号沿いで自動車修理業を営む池田雄紀代表取締役(56)は語る。昨年12月26日朝、池田さんが出勤すると工場の周囲にパトカー3台が止まっていた。「『クマらしきものが出た』という通報があった」と、警察官は言う。念のため、池田さんは工場の防犯カメラの映像を事務所でチェックした。開いたシャッターから工場内に侵入するクマの姿が画面に映し出された。外に出た様子はなかった。「通報は完全に間違いだろうと思っていたので、青ざめました」(池田さん)。秋田市の職員や猟友会のメンバーが駆けつけ、午前10時ごろ工場内に箱わなを設置した。午後8時半ごろ、秋田市から、「無事捕獲しました」と、電話があった。「うちにクマが来ることはもうないだろうと思いつつも、暗闇で何か音がすると、『クマじゃないか』と、ビクッとする。トラウマになっています」(同)。秋田県自然保護課によると、2年前まで、冬季のクマの目撃数は、「月1件くらい」だった。ところが、2023年12月は80件、24年1月は16件。24年12月は115件、今年1月は133件に増加している。秋田県は24年度から、目撃者が情報を投稿する「クマダス」システムを運用しているので、それ以前の数字とは単純に比較できないが、「この期間の目撃が増えていることは間違いない」と、同課の担当者は言う。本来ならクマは冬眠している時期だが、なぜ出没が相次いでいるのか。長年、クマの生態を研究してきたNPO日本ツキノワグマ研究所の米田(まいた)一彦所長によると、昔から冬季に活動するクマは「一定数いる」という。通常、クマは冬眠する際、大木にできた洞穴状の穴を利用したり、斜面に穴を掘って、その中にこもる。これまで米田さんは冬眠するクマを秋田県で37例、広島・島根県で32例、直接観察した。「小型映像カメラが使えなかった時代は、クマがいそうな穴を見つけたら、片っ端から頭を突っ込んで、確認しました。標高の低い、暖かい場所で冬眠するオスグマは覚醒度が比較的高く、すぐに襲ってくる。穴の中で構えたカメラをかじられたこともありました」(米田さん)。島根県の海岸部では、穴ではなく、くぼ地の笹やぶなどで冬眠するクマが珍しくないという。「母グマは添い寝をするように子グマを育てます。寒い日は寝て、暖かい日は動く」(同)。つまり、「冬眠」といっても、春の訪れまでぐっすりと眠り続けるわけではない。冬に出没するクマは俗に「穴持たず」と呼ばれる。特に、秋にえさが豊富で栄養状態がよくなると、穴に入らず、冬の間も断続的に活動しやすくなる。この「富栄養の穴持たず」のクマの増加が、この冬、目撃数が増えた一因ではないかと、米田さんは推測する。たとえば、昨年11月30日、秋田市のスーパーに侵入して2日後に捕獲されたクマは体長約1メートル、体重約70キロ。「通常なら45キロくらいなので、びっくりするほど太っていた」(同)。当時、「精肉コーナーが荒らされた」と報道されたが、記者が同市農地森林整備課に確認したところ、「商品を食べた形跡はなかった」という。米田さんは、こう語る。「私は50年あまり冬山を歩いてきましたが、クマが雪の下のドングリを掘って食べた痕跡を見たことはありません。冬場は食欲が著しく減退するので、クマが食べ物を求めてさまよい歩くことはないと考えます」。今年2月2日、青森県十和田市の集落の近くにクマが出没し、駆除されたときも作物の被害は確認されなかった。このクマを解剖したところ、「胃の中は空だった」(同市農林畜産課)。目撃数が増えた理由として、「富栄養の穴持たずグマ」以外に、もう一つ別の理由があると、米田さんは推測する。それは「都市型・集落依存型の孤児グマ」の増加だ。1980年代後半から、冬の間も断続的に活動する子グマの存在が広島県などで確認された。「人里に出てきた母グマが駆除されると、体長50センチほどの子グマが残される。それが穴に入らず、人家近くの草むらなどで冬を越す。暖かい日は短い距離を移動する」(米田さん、以下同)。通常、メスグマは越冬中の2月に出産し、子グマは二冬を母グマと過ごしてから独り立ちする。「その前に母グマが『駆除』されると、子グマは森での生活を十分に学ばずに成長し、人里近くにすみ着くのではないか」と米田さんは言う。環境省によると、23年度、クマによる人身被害は統計のある06年度以降最多の219人(うち6人死亡)だった。同年度に捕殺されたクマは、全国で9099頭に上り、前年度の3755頭を大幅に上回った。ハンターの心情的に、母グマだけを撃ち、子グマは逃がす場合がある。母グマだけがわなにかかり、子グマは逃げてしまうこともある。「1年前の冬、東北各地で『50センチグマ』が目撃されました。それが今、80センチ前後に成長して、冬の間も断続的に活動し、目撃数を底上げしていると考えます」。このうち、オスグマは今年、交尾が可能な年齢になるので、メスを求めて活動が活発化することが予想される。「市街地でクマとの遭遇事故が増えるのではと心配しています」。今年2月21日、鳥獣保護管理法の改正案が閣議決定された。住民の安全が確保できるなど条件を満たしていれば、市町村長の判断でハンターが人口密集地に現れたクマに対して猟銃を発砲できるようになる。この決定を歓迎する自治体は少なくないが、クマが市街地に現れたら、自治体やハンターはこれまで以上に難しい判断を迫られるのではないか。「住民は『クマを射殺してくれ』と言うでしょう。けれども、ハンターにしてみれば、これまで原則禁止されてきた市街地での発砲は恐ろしいわけです」。たとえば、猟銃の弾は威力が強く、コンクリートなどに当たると跳ね返る、「跳弾」が発生する。そうした訓練はまだこれからだ。「なのに、市街地にクマは出てくる。出没が増える秋は本当に心配です」。今月下旬から、冬眠明けのクマの活動が本格的に始まるとみられる。環境省は秋までに改正法に沿って市町村の体制が整うよう、準備を進めるとしているが、うまくいくのか。

(豚熱ウイルス長距離伝播、1000キロ超の可能性も)
国内で2018年以降に確認された養豚場や野生イノシシの豚熱ウイルスについて、岐阜県から沖縄県(1343キロ)、三重県から山口県(424キロ)といった長距離伝播(でんぱ)が複数起きた可能性があることが、農研機構の解析で分かった。これらは感染した野生イノシシの移動ではなく、ウイルスが付いた人や物の移動で広がったと考えられ、今後の対策に生かす必要があるとする。遺伝子などの配列のわずかな違いを比べ、同じ豚熱ウイルスでも細かくグループ分けする手法で解析した。これまでは豚熱ウイルスの配列の一部(150塩基)を使っていたが、同機構は全配列(約1万2000塩基)を調べることでより詳しく解析した。ウイルスは、養豚場に由来する100株と、野生イノシシに由来する585株を解析。「伝播したと考えられる経路」を地図上に示した。直線距離でおよそ200キロ以上の長距離伝播が起きたと考えられる経路は六つ。長い順に、岐阜-沖縄、三重-山口、石川-山形(334キロ)、京都-高知(243キロ)、島根-佐賀(214キロ)、岐阜-埼玉(198キロ)だった。三重-山口と島根-佐賀はつながっており、山口に伝播後に広がって島根まで行き、続いて佐賀に長距離伝播したとみられる。同機構は、長距離伝播の要因に山に出入りする人や車両の移動などがあると指摘。感染が終息した地域でも長距離伝播によって再侵入も想定される。「ウイルスを持ち運ばない対策が重要」とする。豚熱は2018年に国内26年ぶりに発生。これまでに農場で96例が発生し、40万頭以上が殺処分となった。

(2年連続的中のクマ予報、今季は「平年より多い」:宮城)
県は3日、クマが県内にどのぐらい出没するかを予想する2025年度の「クマ出没シーズン予報」を発表した。4~11月は「平年よりも出没が多い見込み」と予想。

(野生クマ捕獲、京都や兵庫などで急増)
野生のクマの全国での捕獲数は今年度、前年の約半数にとどまるなかで兵庫県や京都府、島根県などでは倍以上に増えている。好物のドングリが一部地域で凶作となったため、クマが餌を求めて山を下りて捕獲されるケースが増えたとみられるという。環境省によると、全国の捕獲数は昨年度、過去最高の9276頭だったが、今年度は1月末時点で5154頭にとどまっている。ただ、兵庫県内ではすでに前年度の約5倍、176頭が捕獲されている。昨秋、ブナやコナラの実であるドングリ類が凶作だったため、餌を求めて果樹園や集落に出没する頻度が増えた可能性があるという。京都府内も約3倍の280頭に増加。担当者は「ドングリが14年ぶりの大凶作に見舞われ、夏から秋にかけて出没数が増えた」と言う。島根県内でも西部でドングリが凶作だったといい、昨年度の128頭から336頭に急増している。クマによる人的被害は昨年度、過去最多の219人にのぼり、今年度も83人が被害にあっている。クマは3月末以降、冬眠から覚めて活動を始めるといい、環境省が注意を呼びかけている。

(特定外来生物「クリハラリス」が山中に生息、駆除へ7年計画:大分)
樹木の枯死や農作物の食害を引き起こす特定外来生物のクリハラリスが大分県別府市の山中に生息していることが判明し、県は新年度から本格的な駆除に乗り出す。県によると、九州ではこれまで離島や半島でしか確認されておらず、山間部で確認されたのは初めて。わなを仕掛けるなどして7年かけて封じ込める計画だ。専門家は「対応が遅れれば、九州全域の生態系に影響を与えかねない」と警鐘を鳴らしている。「まさか別府で見つかるとは思わなかった。広がると手がつけられなくなる」。1月中旬、県庁で開かれた県環境審議会の自然環境部会。部会長を務める特定非営利活動法人・おおいた生物多様性保全センターの足立高行理事長が、メンバーの有識者らを前に危機感を口にした。部会では、別府市の山中でクリハラリスが木の皮を食い荒らした痕(食痕)が見つかり、捕らえるために箱わなを仕掛けていることなどを県の担当者が報告した。箱わなは、リスが餌の栗を取ろうとすると蓋が閉まる仕組み。足立理事長は「生息域がある程度広がると、一つの駆除方法では対応不可能になる」と迅速な対応を呼びかけた。同市では2021年1月と22年1月、南部の山中でクリハラリスが確認された。23年の調査で妊娠・出産を経験した雌が見つかり、雄も捕獲されたことから、県はこの地域に定着していると判断した。県や国立研究開発法人「森林研究・整備機構」などによると、国内では神奈川県で広範囲にクリハラリスの生息が確認され、樹皮をはがされた木々の枯死や、かんきつ類の食害が発生。九州では離島の長崎県・壱岐、熊本県の宇土半島など生息地が広がりにくい地域でしか確認されていないが、地元では家庭菜園が荒らされたり、インターネットのケーブルがかじられたりといった被害が出ている。大分県でもかつて、大分市の離島・高島にクリハラリスが生息していた。1950年代、観光政策の一環で高島を自然動植物園にしようと島内に放されたという。同機構の森林総合研究所が2018年度、県などの許可を得て駆除に着手。長く放置されていたこともあり、1平方キロ・メートルほどの島で根絶までに約7年かかった。同研究所九州支所の安田雅俊・森林動物研究グループ長は「たった数匹を放っただけでも、定着すると根絶までに膨大な時間と労力がかかる。防除には早期発見、早期対策が鉄則だ」と強調する。県が23年1月に別府市で捕獲したクリハラリスをDNA検査したところ、高島とは別の系統だと判明した。このため、すみ着いた経緯は不明だが、県と同市は23年度から市街地付近の山間部で生息状況の調査や駆除を実施。今年1月20日までに計40匹を捕獲した。現時点で農作物などの被害は確認されていないが、生息域は阿蘇くじゅう国立公園や九州山地とつながっている。放置すれば、山間部を通じて九州全体へ分布が広がる恐れがある。県は3月中旬に本格的な駆除に向けた実施計画を策定する予定。25年度からの7年間で捕獲を進める方針で、同年度の一般会計当初予算案に箱わなの設置費用など約1800万円を盛り込んだ。県自然保護推進室の浜田みほ室長は「計画を基に一日も早い根絶を目指したい」と話している。特定外来生物は、生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすとして、外来生物法に基づいて輸入や飼育などが原則として禁止されている。現在、ヌートリアやオオクチバス、セアカゴケグモなど162種類が指定されている。九州・山口でも、特定外来生物の定着が問題となっている。環境省や農林水産省によると、特に農作物の被害が大きいのはアライグマで、1997年に長崎県で捕獲されて以降、福岡、佐賀、大分県を中心に確認されている。農水省の統計では、九州での昨年度の農業被害は約4100万円に上る。鹿児島県・奄美大島では、ハブを退治する目的で79年に放たれたマングースが野生化し、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなど希少な在来種を捕食。90年代に入って駆除が始まり、昨年9月に環境省が根絶を宣言した。

(ハンター増狙いシカ駆除見学会:北海道)
浦河町は人手不足や高齢化が進む地元の狩猟団体への加入者を増やそうと、町民を対象にシカ駆除の見学会を初めて開いた。これまでは座学のセミナーを通じて加入を呼び掛けてきたが、狩猟現場を見てもらうことで関心を高める狙い。

(ドングリ狙う野生クマが動物園に侵入繰り返す、伐採できぬ園の事情:広島)
広島市安佐動物公園(広島市安佐北区)に昨年夏から秋にかけて、野生のクマが現れ、園は一部閉鎖を余儀なくされた。冬眠期が終わり春が来れば、再び現れるかもしれない。園内にある、クマの好物ドングリの木が目当てとみられるが、切るに切れない事情があるという。同園の学芸員、畑瀬淳さん(60)らに出没場所を案内してもらった。広島市北部の山あいにある同園には、約150種類の動物がいる。正門から山側に向かって20分ほど歩くと、ピクニック広場が見える。園には年間約40万人が訪れ、広場では週末、レジャーシートを広げて食事する家族連れの姿が見られる。この広場の奥を歩くクマが防犯カメラに映り込んだのは、昨年8月の午前6時半ごろ。体長130センチ、体重60~80キロの1歳10カ月ぐらいとみられるツキノワグマ。園は広場を含む西側を一時立ち入り禁止にした。

(クマ痕跡、生態学ぼう:広島)
広島市安佐北区の市安佐動物公園で、昨年、度々出没した野生のツキノワグマの痕跡を観察するツアー「アニマルトラック入門講座」が行われている。昨今、市街地に現れる「アーバンベア」が社会問題になっており、市民に正しい知識を身につけてもらおうという狙いだ。今月末までの土日(8日は除く)に行う予定。「この木に残っている線みたいなものが、クマさんが木に登ったときについた爪の痕です」。ツアーの初日となった1月11日、学芸員資格を持つ飼育技師の畑瀬淳さん(60)が、クマが痕をつけた木の写真パネルを手に、家族連れら5人に説明していた。畑瀬さんはその後、クマが出没した同園西側のエリアを案内。実際に木の幹についた爪痕や登って折れた木の枝、餌のドングリの食痕などを約1時間半かけて紹介して回った。雪の上に残っていたアナグマやテンの足跡、キツネの尿なども観察した。家族で参加した50歳代の男性は、「クマは凶暴なイメージがあったが、生態を知ることで印象が変わった。実は人間を避けているなど、意外な一面が聞けて面白かった」と笑顔で振り返った。同園では昨年5月の夜間、園内に生息する野生動物の調査のために設置していた監視カメラに、体長1・5メートルほどのツキノワグマが映り込んでいた。8月にも映像で2回確認され、当時は夜間に園内でイベントを開催していたため、西側エリアを閉鎖した。9月中旬に再開したが、10月中旬にも職員がツキノワグマを目撃し、再び同じエリアを閉鎖。その後1か月ほどは頻繁に確認されていた。11月下旬以降、新たに姿や痕跡などは見られなくなり、同園は冬眠に入ったと判断した。このトラブルを生かし、市民にクマの生態を知ってもらう機会にしようとツアーを計画した。畑瀬さんは「クマの痕跡を間近で観察しながら解説を聞ける珍しい取り組み。野生動物に興味を持ってくれたらうれしい」と話した。

(シンポジウム「シカの過採食から生態系を保全し回復させるために生態学がやるべきこと」)
全国各地でシカの個体数が増加し、シカの過採食による植生衰退、さらに森林・草原・湿原・高山・河川生態系や様々な生物群集への影響が多数報告されている。環境省はシカの個体数半減という目標をかかげており、地域によってはシカの個体数が減少に転じ、植生に変化のきざしが見えている地域もある。しかし、シカの生息域は拡大しており、それにともないシカの影響がおよんでいる地域が拡大し、生態学の教育・研究が行われてきたサイトも影響をうけるようになってきている。加えて、長期間シカの過採食を経験している地域や脆弱な生態系では、シカ個体数が減少しても植生が消失したまま変化せず、生物種の地域絶滅や生態系劣化が進行し、不可逆的変化やレジームシフトが議論されるようになってきている。限られた予算・人的資源のもと、また気候変動の影響も受けている生態系において、どのように生態系・生物群集への影響を食い止め、生態系を「回復」させることができるのか。そもそも「回復」とは具体的に何を意味するのか。生態学をはじめとするアカデミアに今求められていることは何なのか。本シンポジウムでは、研究分野や学問領域を超えて、知見を統合・共有し、シカ食害から生態系を「回復」させるために学術界としてすべきことをみなさんと議論したい。まず、植生の回復・生態系保全・生物多様性保全などの異なる管理目標のもとで、保全と研究が進められてきた兵庫県・丹沢山地・芦生の例を通じ、進展と課題を紹介頂く。次に、個別研究から一般化に繋げるために必要な生態学理論、実務における現状と今後の展望を紹介頂く。生態学者の皆様に参加いただき、その知識や経験を総動員して、既存知見の統合研究や理論的フレームワーク、研究ネットワーク化など、分野横断的な今後の取り組みに繋げることを目指す。

(日産、クルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指す)
日産自動車は3月3日、「世界野生生物の日」に合わせて、クルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指す「日産アニマラートプロジェクト」を開始すると発表した。歩行者にクルマの接近を知らせるEV(電気自動車)の車両接近通報装置の仕組みから着想して、動物に合わせた周波数を発する装置を導入することで、クルマと野生生物の接触事故ゼロを目指す取り組みとなる。プロジェクトの第1弾では、日産、奄美市、環境省、岡山理科大学、T.M.WORKSら7団体が連携し、産官学一丸となって鹿児島県奄美大島と徳之島にのみ生息する日本固有種で、絶滅危惧IB類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)に指定されている「アマミノクロウサギ」の保護を目指す。2021年7月に世界自然遺産に登録された奄美大島では、クルマと動物の接触事故「ロードキル」が深刻な課題となっていて、環境省の調査によると、アマミノクロウサギのロードキル件数は7年連続で増加し、2023年には過去最多の147件を記録した。また、全国で起きているロードキルの実態としては、国土交通省によると2022年度には直轄国道で7万件、高速道路では5.1万件のロードキルが発生。イヌ、ネコ、タヌキ、鳥類、シカなど、さまざまな種類の動物がロードキルに遭う状況が続いているという。国土の約7割を森林が占める日本において、各地域に生息する野生生物とクルマとの共存は重要なテーマの1つとしている。今回、歩行者にクルマの接近を知らせる「接近通報音」技術に着目し、野生生物にもクルマの接近を知らせ、事故の防止につなげることを目指してプロジェクトが立ち上げられた。プロジェクトを通じて、増加するアマミノクロウサギのロードキル件数の抑制を目指し、将来的には全国各地で発生している野生生物のロードキル問題の解決にも貢献していきたいと同社は考えている。日産では、テストデバイスを搭載したEV「サクラ」による走行実験を奄美大島にて2024年12月よりスタート。森林地域内の市道スタル俣(利用規制道路)にて、アマミノクロウサギの出現する夜間に10km/hで走行を行ない、高周波音の有無での挙動データを収集。実証実験段階ではあるが、高周波音のスイッチを入れた途端にアマミノクロウサギが逃げ出すという動作が確認でき、実験より得られたデータをもとに、通常速度での走行実験をはじめ今後プロジェクトの活動をさらに深めていく予定としている。

(獣害報告アプリ導入、クマやサルなど:東京)
東京都青梅市は、市内でツキノワグマやサル、イノシシなど野生動物の目撃情報や農作物被害が相次いでいるのを受け、動物の目撃情報や獣害を共有するスマートフォン用アプリ「獣害報告LINEアプリ」の運用を2月から始めた。

(日本ライフル射撃協会と共同開発したARシューティングゲーム「サイバーショット」プロトタイプ版が登場)
Bufffは、拡張現実(AR)を利用してプレイするシューティングゲーム「バーチャルショット」のプロトタイプ版を日本ライフル射撃協会と共同開発した。

(クマ対策に役立てて、JA共済連秋田がドローンやセンサーカメラなど900万円分相当の資機材を贈呈:秋田)
冬場にも出没が相次いだクマへの対策に役立ててもらおうと、5日、JA共済連秋田がドローンやセンサーカメラなどを県に贈呈しました。県は市街地に出没したクマの追跡調査や建物にクマが居座った際の状況把握などに役立てたい考えです。JA共済連秋田が県に贈呈したのは暗闇でも撮影できる赤外線カメラ付きのドローン3台や、画像が自動で送信されるセンサーカメラ30台。それに農作物の被害を防ぐための電気柵などです。こうした資機材はクマ対策に役立てられます。県のツキノワグマ等情報マップシステム=クマダスによりますと、今年に入ってから既に143件のクマの目撃情報が寄せられています。冬眠が終わり農地や市街地でのクマの目撃がさらに増えることが見込まれるこれからの時季を前に、JA共済連秋田から県に寄贈されました。佐竹知事「クマのですね、追跡の関係でドローンの活用、様々な資材・機材が必要ですが、なかなかそう簡単に県だけでこれを準備するのは難しい状態です。最新の機材を賜ったところは本当にこれから我々も力強い限りです」。寄贈されたドローンなどは合わせて約900万円相当です。JA共済連秋田が地域貢献活動のために積み立てている基金によって賄われています。JA共済連秋田小松忠彦会長「農作物とか生活を脅かす、命の危険を感じるようなことが、なるべく多くならないように努めていくっていうのが一番基本になるかと思うんですが、最終的にその回避するための機材として、今回のドローンはじめいろいろなものを活用していただいて、そういったことにお役立ちできればなと」。県は市街地に出没したクマの追跡調査や建物にクマが居座った際の状況把握などに役立てたい考えです。

(命と向き合う狩猟体験ワーケーション:福岡)
快生館のある古賀市薬王寺エリアは鹿やアナグマなど多くの野生動物が生息しており、日々動物の鳴き声が聞こえてくる自然豊かな環境です。一方で野生鳥獣による農作物被害の増加や、猟師の高齢化に伴う狩猟の担い手の減少という地域課題を抱えています。狩猟免許を持つ快生館スタッフとともに、そんな課題と向き合い、命を頂くことを体験する狩猟体験のワーケーションを開催します。2023年から始まった狩猟ワーケーション。好評につき2025年も開催決定!狩猟免許所持の有無に関わらず、命を頂くことと向き合いたい、食育として経験したいなどの想いのある方は奮ってご参加ください。

(イノシシ対策セミナーを開催します!:岡山)
株式会社野生鳥獣対策連携センターの阿部 豪 先生をお招きし,イノシシに関する基礎知識や防護柵設置術,捕獲の知識をお話しします。あわせて,笠岡市のイノシシに関する情報もみなさまにお届けする予定となっています。参加費は無料ですので,ご都合がつくようでしたら是非ご参加をお待ちしております。

(ついに現れたOSO18!傷つけられた牛3頭から判明した事実:北海道)
「有元、OSOが出たらしいぞ」。山森からの電話を受けたとき、私は、驚きを隠せなかった。3週間前、藤本が今年最初に被害が起き始めると予言していた場所が、まさしく阿歴内だったからだ。遡ること3週間前、2022年6月10日。標茶町で第2回OSO18捕獲対応推進本部会議が開かれていた。私たちは藤本から信頼を回復したとはいまだ言い難かったが、会議は全メディアに公開されるということで、カメラマンとともに撮影に入っていた。道庁や標茶・厚岸両町の役場、猟友会、農協、専門家など30名以上が集まる中、その会議の中心人物こそが藤本だった。藤本は、冬の間に行った足跡捜索をもとに、捕獲作戦を語り始めた。まず、OSO18が冬眠している可能性の高い森を突き止めるに至ったという。それが厚岸町西部に広がる上尾幌(かみおぼろ)国有林だった。もともとヒグマの生息密度が低い森である。2月から3月にかけての残雪期、藤本たちは標茶町、厚岸町の周辺にある森の中を大きく6つのエリアに分けたうえで、23日間をかけてしらみつぶしに捜索を行った。多くの森で、ヒグマの足跡や糞を採取したものの、大きさが小さすぎたり、DNAが一致しなかったりと、OSO18らしきヒグマが生息しているとは言い難かった。ただ唯一、上尾幌国有林では、それらしき足跡が見つかった。人間に見つからない沢沿いを慎重に歩いていく幅18cm前後の足跡だった。この森にOSO18は潜んでいるかもしれない。その仮説の裏付けを、もうひとつの事実から藤本は示した。スクリーンには、これまでの全57頭分の被害地点がグーグルアースに落とし込まれている。年ごとに異なる色のピンが落とされた地図である。不規則に思えた被害には、たったひとつ、ある規則性があった。藤本はわかりやすくするため、地図に年ごとの最初と最後の被害だけを表示した。例年の被害の始まりは6月下旬~7月上旬、最後の被害は8月下旬~9月下旬にかけてだ。それらの地点は、上尾幌国有林に面する阿歴内に集中していた。「被害が起き始めるのは、例年6月後半から7月にかけて。この時期というのは草が生い茂って、クマからすれば自分の身を隠せるようになります。そうなってから襲撃行動を起こしている。ですから、この草が生い茂る時期、その時期を見計らって行動するクマっていうのは、やっぱりその地区の近くにいる。最初に被害が起きる地域の近くに潜んでいて、出てきたときに襲うっていうのがあるのではないかと。最後は穴に戻る直前、ようするに自分の穴の近くにまで帰る前に、襲っている可能性が高い」。だとするならば、今年の被害も、冬眠から目覚めたOSO18は、阿歴内で最初の襲撃行動を起こすだろう。さらに、被害地点間をどのように移動しているのか、予想移動ルート図を藤本は描き出していた。スクリーン上に映し出された予想ルートは、上尾幌国有林から伸び、阿歴内にあるひとつの牧野に到達していた。そのポイントが、東阿歴内牧野だった。7月1日、「阿歴内で被害が起きた」と山森から電話を受ける直前、私は藤本の事務所を訪ねていた。OSO18が襲撃を始める季節が訪れるなか、何としても藤本に同行取材の許可をもらいたい。数ヵ月前に迷惑をかけたことを改めて詫び、藤本が被害現場に駆け付けることがあればついて行かせてほしいというお願いをするためだった。事務所前に到着したときに目撃したのは、藤本が先を急ぐように赤いハイラックスに乗り込み、発車させる姿だった。車に駆け寄り、窓越しにどこへ向かうのかを尋ねた。「なんでもないよ。ちょっと用事」。それだけを言い残して、勢いよく走り去っていった。思えば、あのとき藤本は、牛が襲われたという連絡を受け、現場に駆け付けるところだったのだ。そのことを私には告げなかった。お前にはまだ情報は共有できない、というかのように。取材拒否を告げられて以降、たびたび詫びを伝えに行っていた。そして何度か顔を出すうちに、次第に最新の見立てを少しずつ教えてくれるようにはなっていた。しかし、お前たちには言えないこともある、という含みが常に藤本の言葉の中にはあった。おそらくまだ私たちは信頼されていないのだろう。だから、被害があった、ということすらも教えてくれなかった。何にしても、情報を集めるために急いで阿歴内に住んでいる酪農家に電話をする。すると、詳細な被害現場を突き止めることができた。藤本がOSO18の予想ルート図に描き出していた到達点、東阿歴内牧野だった。東阿歴内牧野まですでに向かっているであろう藤本を追いかけるように、車を走らせた。牧野の近くに到着すると、渋滞が起きたかのように車1台分の細い農道に10台以上の車が並んでいた。最後尾の車の後ろに停車し、牧野の入り口まで歩いていく。入り口付近では男たちが集まって、ドローンを飛行させていた。農協職員たちのようだ。標茶町役場から「熊被害発生」の連絡を受け、急遽現場に駆け付けたらしい。まだ近くにヒグマがいる可能性もあるため、ドローンで周辺の状況を探る役目を任されていた。画面には、牧草地に横たわる牛の姿が映し出されている。ドローンが降下していくと、腹から飛び出した内臓が確認できた。操作する農協職員がつぶやいた。「お腹これ食われてますよね? こんなの見るもんじゃない……」。腹の中から内臓がすべて引きずりだされ、腹の中は空になっている。だが、ドローンで周囲をどれほど探してもヒグマの姿は確認できなかった。牧草地の奥から酪農家が一頭の牛を引いて戻ってきた。「これも傷つけられた牛だよ。クマに」。襲われたのは、一頭だけではなかった。引いてこられた牛は、首元から背中にかけて点々と爪痕が残り、肉がむき出しになっている。傷口には無数の蝿がたかり、血が脈を打ちながら噴き出し、毛の白い部分を赤く染めていた。爪によって開けられた穴は骨まで到達している。ヒグマの爪には細菌がいるため、このように傷を負うと傷口が化膿する。治療しても回復が見込めないため、その場で殺処分させられることになった。ほかにもかすり傷を負っている牛が一頭見つかり、この日の被害は合計3頭に及んだ。「またか……」。阿歴内牧野の組合長を務める大谷正志がため息をついた。東阿歴内牧野では前年の6月24日にも被害が起き、一頭が死亡、2頭が負傷している。その日以降、昨年は300頭以上の牛のすべてを牛舎に引き揚げていた。本来であればかからないはずの餌代、そして掃除などの労力を、酪農家全員が割く必要に迫られたのだ。今年に入って全員で話し合い、いくつかの対策を取った。夜通し音を出し続けるスピーカー付きのラジオを3台、50万円はするオオカミ型の追い払い装置「モンスターウルフ」も設置した。「いろいろ対策したのにだめなんだな……、あとどうすればいいのよ……」。牧夫のひとりもため息をつく。今年も牛を引き揚げるわけにはいかない。酪農家たちの経済的負担、労力はこれ以上割けない。かといって、ヒグマを追い払う装置でも被害を防ぐことはできそうにない。ここで放牧を行う8軒の酪農家や牧夫を、諦めに近い空気が取り巻いていた。「寝ないで監視するしかねえのかな……」と冗談交じりにつぶやく者もいた。やがて牧草地の奥から藤本が現れた。標茶町農林課の宮澤とともに被害現場周辺の調査をしていたようだ。こちらを見るなり、「場所よくわかったな、お前」と笑う。呆れたような表情だった。そして、ここまでついてきたなら、といくつかの質問に応じてくれた。「この現場で被害が起きるというのは、対策本部で藤本さんが予想していたのと似ていますよね?」「似ているんじゃなくてそのものだ。同じルート。読んでるルートどおり。だからこの先、先手先手でいければ何らかの反応は出ると思う」。藤本は牧野の周辺に張り巡らされた有刺鉄線を見回り、ヒグマの体毛を回収したという。その体毛は後日、DNA分析により、OSO18のものであることが確かめられた。

(「猟奇的」と謳われたヒグマ、OSO18の意外過ぎる正体:北海道)
被害直後に詳細な実地調査を行うのは、藤本にとってこの日が初めてだった。その中でこれまでの想定を覆す事実が判明することになった。まず、OSO18の由来にもなった足跡の大きさである。これまでの被害現場で見つかった前足跡の幅が共通して18cmだったことからOSO18と名付けられ、400kgを超える大型のヒグマであると想定されていた。中には、「超巨大ヒグマ」とまで形容するものもいた。しかし、この日現場で見つけた足跡を測ると、大きくて16~17cm程度しかなかった。足跡の土の沈み込みや歩幅からしても、「超巨大ヒグマ」と呼べるほどの大きさだとは考えられない。「いまOSO18が何か伝説的な話になりつつあるけど、ごく普通のサイズだと思う。特段、怪物的なクマではない」。では、なぜこれまで18cmだと公表されてきたのか。「ほとんどの足跡はこういう状態が多いんだ」と藤本は写真を出しながら、測り方の難しさを語った。四足歩行のヒグマが歩くと、多くの場合は、前足が踏んだ跡の上に後ろ足の跡が重なる。だから、実際の前足よりも大きい跡が残されることになる。足の周りには毛もついているため、それによっても跡は大きくなる。このことを理解して測らないと、正確な大きさは割り出せないというのだ。この日、藤本が現場で探したのは、ヒグマが方向を転換するときなどに時折できる、後ろ足の重なっていない前足単独の跡だった。このように条件が整った前足跡を測ると、いずれも16cm前後だと判明したのだった。「どっかの段階からか、虚像化されて、OSO18は足跡が18cmあって、体重は400kgを超えて、体長は3mあると。何か空想上のクマになってるけど、現実をしっかり見ていくと、そんなクマではないっていうのがはっきりわかる。体長は1.8から2.1m、体重は280kgから310kg程度、どこにでもいるオスの成獣だ。足跡は16cm。OSO18じゃなくて、OSO16だ」。冬の間、藤本や赤石は、18cmの足跡を探し続けていた。しかし、その前提が間違っていた。探すべき足跡の大きさがそもそも違っていたのだ。そして、OSO18が想定より小さいということから、同時に推測できることもあった。OSO18が牛を傷つけるだけのケースが多く、襲った獲物に執着しなかった理由である。2021年までに襲われた57頭のうち半数を超える29頭が、食べられていないどころか、殺されてすらおらず、傷つけられただけだった。その奇怪な行動により「ハンティングを楽しんでいる」「猟奇的」とまで言われるようになった。しかし、この日被害を受けた3頭の牛に関して、興味深い事実があった。負傷した牛を安楽死させるためにやってきた獣医の話によると、3頭のうち、唯一殺されていた牛は、事件前から足を怪我しており、3日前に処置をしたばかりだということだった。この牛は、事件当日も足に痛みを抱えながら過ごしていたと思われた。OSO18が想定以上に小さいという仮説も踏まえると、「猟奇的な行動」を紐解く、以下の可能性が考えられた。――OSO18は半数以上の牛を殺さなかったのではなく、殺せなかったのではないか。大きい牛であれば、体重は400kgを超える。OSO18が300kg前後の個体だとすれば、自分より大きい動物に立ち向かっていった、ということになる。牛に蹴られて人間が重傷を負う事故も起こるくらいだから、襲われかけて、牛が足を使ってヒグマに反撃するということも十分に考えられる。OSO18は牛に近づいていき、爪を立てて襲いかかったものの、このような反撃を受けて、襲撃に失敗していたのではないか。そして、諦めきれずに、次から次へと牛を襲った。その結果、運よく抵抗の少ない牛を仕留めることができた。だから足を怪我していた牛だけが殺され、捕食されていた。負傷しただけの2頭と死亡した一頭の違いは、OSO18から逃げきれたかどうかの差だったのではないか。OSO18が襲った牛に執着せず、現場に戻ってこなかったのにも十分な理由が考えられた。藤本が現場に駆け付けたとき、一番驚いたのは、牛の被害状況ではなく、その周囲にいる人間の数だった。牧夫、酪農家、町役場職員、地元猟友会ハンター、合計20名近い人間が被害現場に集結していた。誰もが牛の被害を気にして、現場の様子を確かめに来たのだった。ヒグマの嗅覚は、犬の100倍とも1000倍とも言われている。これほどの人間が現場に大挙すれば、辺り一帯に人間の匂いが否応なく残される。OSO18も慎重にならざるを得ず、仕留めた獲物がある現場には戻りたくても戻れない。おそらくそれは、これまでの被害現場でも同じような状況だったと考えられる。つまり人間の側が、その警戒心を煽っていたのだ。ただでさえ警戒心の強いヒグマが、人間の匂いの漂う東阿歴内牧野に戻ってくるはずもなかった。OSO18は別の牛を求めて、次の現場へ移動するだろう。藤本は、前年の動きから、すでに東の厚岸町の牧場へ向かい始めていると読んだ。東阿歴内牧野から厚岸町に向かって、ひと続きの林帯が伸びている。それは、OSO18が身を隠しながら移動するための「道」でもあった。

(クマの実像に迫る研究50年、NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」理事長:広島)
クマの実像に迫る研究、50年 NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」理事長(広島・廿日市市) 米田一彦さん。クマとの遭遇は3000回以上。命の危機を感じた接触は9回にも及ぶ。50年以上にわたって、フィールドワークに徹し抜いてきたクマ研究の先駆者だ。秋田県庁で鳥獣保護行政に従事。その傍ら、多数のクマに発信器を付け追跡し越冬穴に頭を突っ込んで確認するなど、生息数調査の基礎を築いた。1986年退職。「西日本のクマの生息状況を調べてほしい」との環境庁(当時)の意向で、90年から広島へ通い、その後移住した。中国地方のクマは「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されていたが、集落に依存する里グマの被害がまん延。クマを敵視する住民、保護を叫ぶ都市部の人々、苦慮する行政―。そんな三つ巴の渦中に飛び込んだ。「生活を脅かす問題の解決なしに共存はない」。すぐに追跡用の発信器も、捕獲用のドラム缶檻も大量に自作した。これらを駆使しクマを山に戻す「奥山放獣」を提唱、大規模に実施し全国的な注目を集めた。麻酔の吹き矢を使ってイノシシわなにかかったクマを助けた。集落を電気柵で囲い、クマが侵入せぬよう好物の柿の実を都市部の住民と共にもいだ。そんな地道な活動に近年多発するクマ問題を解決するヒントがあるという。市街地出没事案でも「クマの行動を予測し事故を未然に防ぐ道がある」と独自の見解を持つ。不意の襲撃に心底震えたこともある。それでも「これが私の天職。クマの実像を伝えたい」。命を見つめ続ける、その眼が光った。1948年、青森県生まれ。秋田大学卒。アジア各国のクマ生態調査にも貢献した。『生かして防ぐクマの害』(農文協)など著書多数。

(放射性物質と狩猟、自然の循環から取り残された野生動物と向き合う料理人:福島)
東日本大震災・原発事故から14年。福島の山野を駆ける野生動物との向き合い方も問われている。全国には、狩猟した野生動物を解体するなどの加工施設が772カ所ある。ただ福島だけが空白となっている。背景にあるのが原発事故による出荷制限と摂取制限だ。福島県内では、いまだ多くの野生動物が食べられない状況にある。原発事故後変わってしまった福島の野生動物との関係を考える。「牛肉とか豚肉とかおいしいのは間違いないですけど、自然界で獲れたもの、自分が生きるために蓄えた筋肉だったり脂肪だったりっていうのを頂くっていうのは、感じるものがあるなって思って」 こう語るのは、平山真吾。料理人だ。家畜では味わえない、野生の動物の旨味に魅了され、5年前に狩猟の世界に足を踏み入れた。平山の師匠・藤田昇(69)と安藤仁(58)。狩りのイロハは2人から学んできた。平山は「一緒に足跡を見ながら、野生動物がどっちの方向を向いているとか推測まで教えてもらっています」と話す。この日は、シカを狙い、雪に残る手がかりを探す。猟師たちが辿るのは、本来人の通ることのない獣道。シカが生息するこの場所は、藤田と安藤が長年の猟で見つけた絶好の狩場。藤田が「自分の猟場は、あまり人に荒らされたくないっていうのもある」と話すように、本来猟師の常識では新人に狩場を教えることはあり得ないという。それでも平山の同行を許しているのは「猟師」と「料理人」、立場は違えど同じ世界を望んでいるからだ。藤田は「命というものを、私たちは殺す形になりますから。やはりとったものは最後までおいしく食べるのがいいと思うが、なかなか今までは放射能の関係で、とっても廃棄していました」と話す。安藤は「プロの料理人の腕を通してジビエの良さを伝えてほしい。本当においしいですから」と話す。山中を歩き回ること6時間。この日、シカを狩ることはできなかった。東京電力・福島第一原発事故の後、人がいなくなった街で急速に増えた福島県の野生動物。体内には放射性物質が蓄積し、その肉は出荷制限・摂取制限がかけられた。我がもの顔で田畑を荒らす野生動物は駆除を迫られたが、駆除をしても食べることはできない。福島県の野生動物は、自然の循環から外れてしまった。平山は「彼らも荒らそうと思って畑などを荒らしている訳ではなく、自分たちが生活するために、しょうがなく畑に降りてきて、自分たちが生きるのに必死なわけですから、ただ殺すっていうのは悲しいですよね」と語る。平山が福島県郡山市の店で提供しているジビエは、福島県外や国外で獲れたもの。クマ・シカ・キジ・カモ…原発事故から14年、モニタリング検査ではほとんどの野生動物の安全性は証明されている。出荷制限がある影響で、全国で福島県だけが野生動物を解体する加工場がない。「そうなってしまったものは仕方がないと受け止めて、それをいかに緩和していくかっていうのが僕らの課題」と話す平山は、自らジビエの加工施設を手がけようと考えている。「まだまだ放射能の問題など、皆さん気になるところがいっぱいあると思う。安心で安全なおいしいジビエを、より多くの人に楽しんでいただきたいと思う。ジビエはかたい・臭いというネガティブ要素が、まだまだ拭い切れないことあるので、それをうちのお店でジビエの概念を変えていただければと思う」と平山は語る。原発事故によって自然の循環から外れた福島の野生動物。猟師として野生動物の命を奪い、料理人として野生動物の命を活かす。福島の野生動物を再び自然の循環に組み込む平山なりの答えだ。現在、福島県内で食用として扱われる野生動物は9種類。このうち6種類が、国による制限がかけられている。モニタリング検査では、ほぼすべての品目で国が定める基準値を下回っている。農林水産省によると、全国の野生動物による農作物の被害は164億円に上っていて、国は野生動物の捕獲とジビエの活用を積極的に進めている。生態系の維持や命を無駄にしないために、福島県内でも人と野生動物の関係、野生動物の活用を見つめなおすことを考えなくてはならない。

(かわいくても危険「アライグマ」、捕獲数が増加:石川)
生態系や農作物に被害を及ぼす特定外来生物のアライグマ。石川県内での捕獲数が増加傾向にあり、県は注意を呼び掛けています。つぶらな瞳にしましま模様のしっぽ。かわいらしい見た目とは裏腹に、アライグマは人間や生態系に悪影響を及ぼす可能性がある特定外来生物に指定されています。アライグマによる被害を可能な限り抑えるべく、小松市では6日、防除講習会が行われました。「(農作物への)被害金額というのは、大体4億円くらいの数字で推移している。令和5年度は4億後半の数字ですので、もっと増えるのかなというのはあります」。40年ほど前テレビアニメの影響で人気を集め、海外から日本に入ってきたアライグマ。しかし、その後、捨てられたり、逃げ出したりして野生化が進み、石川県内でも毎年捕獲されていますが、昨年度はその数が急増しました。南加賀を中心に捕獲数が増加していますが、これ以外の地域でも目撃情報が相次いでいると言います。この日の受講者や狩猟免許保持者以外は、捕獲が禁止されているアライグマ。専門家は見た目に反して凶暴な性格に注意が必要だと言います。特定外来生物専門家・今井 涼子さん:「見た目、可愛いかなとかで触りたくなるかもしれないですけど、野生動物ですので色んな病気を持っていますし、触ったりというのはやめていただいて、エサをやるというのもやめていただきたいと思います」。もし遭遇した場合は決して近づかず、石川県の担当課に連絡するよう呼び掛けています。

(ワイルドライフマネジメント(衣・食・住)の取り組みを体験:兵庫)
大阪・関西万博の開催に合わせて展開される「ひょうごフィールドパビリオン」。兵庫県そのものをパビリオンに見立てた取り組みですが、神戸エリアでも「こうべフィールドパビリオン」として40を超えるプログラムが登録されています。その一つ「インテグリティに基づくワイルドライフ・マネジメントA・B・C(衣・食・住)」というプログラムを体験してきました。「ワイルドライフ・マネジメント」とは、森と人を繋ぎ、調和のとれた自然環境を次の世代に繋ぐための取り組みです。「インテグリティに基づく・・・」とあり、「高い倫理観を持ったうえで自分自身の深淵や価値観に基づいて自信を持って行動する」という意味になります。現在ニホンジカによる農林業被害が全国的に深刻で、その対策として毎年4万頭もの鹿が捕獲されています。その捕獲された鹿のすべてを活用すべく、兵庫県内で20年以上前から取り組んでいるのが民間の株式会社メリケンヘッドクォーターズという会社です。こうべフィールドパビリオンのこのプログラムでは鹿の皮や骨を使ったアパレル雑貨や鹿肉の美味しさを街なかで堪能出来るんですよ。最初に伺ったのが神戸阪急本館6階にある「ハイカラブルーバード神戸」というお店。大きな鹿頭部の壁掛けや鹿のオブジェなどが出迎えてくれるのですぐにわかります!

(農作物守るイノシシよけ、中学生が製作:和歌山)
和歌山県印南町印南原の稲原中学校の生徒がこのほど、町内で猟師の人数が減少し、農作物への鳥獣被害が増えていることから、イノシシよけを作って農家約500戸に配った。同校では、授業でもち米作りに取り組んでおり、その延長として1~3年の縦割りグループに分かれて、収量を増やすための方策について学習した。イノシシよけを作ったのは、3年生の松永彩寧さん、2年生の片山凛花さんと中家礼尊さん、1年生の大川瑛太さんの4人。鳥獣害対策について調べるグループで、4人はまず現状を知るために稲原地区の農家91人にアンケートを実施した。「イノシシをどこで何匹見たか」などを尋ね、地区内の被害状況を分析した。イノシシが山から下りてくる理由については、実際に猟師に聞くなどして調べた。学習を進め、イノシシは畑だけでなく駅や集会所など広範囲で目撃されていること、人間とイノシシがそれぞれの空間ですみ分けることが重要だと分かった。松永さんらは自分たちにできることはないかと考え、「暗闇で目が光るものを怖がる」という性格を利用したイノシシよけを作ることにした。試行錯誤を繰り返し「お面」と「大きな目」の2種類を考えた。お面は主に画用紙で作り、人の顔に似せている。目の部分や裏面には光沢のある素材を使った。「大きな目」はCDを目に見立て、目の光を表現した。これら二つをセットにし、稲原地区の農家に配布した。松永さんは「鳥獣害に困っている農家の人たちに使ってもらいたい。少しでも被害を減らすことができれば」と期待している。

(児童にクマよけ鈴:山口)
ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる山口県岩国市で、地元企業でつくる新岩国会は5日、御庄小にクマよけの鈴50個と防犯ブザー103個を贈った。安全な登下校に役立ててもらう。

(シカの食害対策にメープルシロップづくり:宮崎)
宮崎の環境保全を推進し、地域の経済・社会の持続的発展も見通したSDGs達成をめざす取り組み行う個人や団体を表彰する「MRT環境賞」。今年度、受賞した方々の取り組みをシリーズで紹介します。3回目は、優秀賞に選ばれた延岡市の森林ボランティア団体「フォレスト・マントル上鹿川」です。少子高齢化で森林の荒廃が課題となる中、樹木の保全や地域資源の活用に取り組んでいます。(フォレスト・マントル上鹿川 戸高正男代表)延岡市北方町の上鹿川(かみししがわ)地区。ここで森を次世代へとつなぐ活動に取り組んでいるのが、戸高正男さんが代表を務める「フォレスト・マントル上鹿川」です。(フォレスト・マントル上鹿川代表 戸高正男さん)「ここの林は一見、きれいなように見えるでしょう、しかし、よく見ると下層植物が非常に乏しい。何で乏しいかというと、やはり、シカが食べているのです。だから、せっかく芽がでたのをシカが食べてしまうので、ネットは有効な手段だと思ってます」。「地域の森林は地域で守りましょう!」を合言葉に、2008年、森林ボランティア団体として設立した「フォレスト・マントル上鹿川」。シカによる食害対策のため、およそ3キロにわたってネットを設置するなどして森林の保全活動に取り組んできました。また、天然杉周辺の希少植物の調査も行っています。さらに、事務局の西 京子 さんを中心に地域資源の活用にも力を入れています。2015年から取り組んでいるのがメープルシロップの製造です。樹液を採取するイタヤカエデやイロハモミジなどがあるのは国有林で、樹液の売買契約に基づいて実施していて、樹液が採取できるのは、まさに今、2月から3月にかけての1か月余りです。メンバーと協力して手際よく作業を進めます。透明の樹液の糖度は1度から2度程度。布でこしたあと、32時間かけて焚き上げ、糖度60度のメープルシロップに仕上げます。こうした活動を続ける中、フォレスト・マントル上鹿川が直面しているのが、メンバーの高齢化。今後は大学と連携するなど次へとつなぐ取り組みも計画中だといいます。(フォレスト・マントル上鹿川・事務局 西 京子 さん)「社会的には、多分、この地域はいつかはもう地域住民がいなくなっていくだろうが、ここの環境のすばらしさは本当に素敵なんです。素敵というより、ここの森の環境が必要です。だから、住民がいなくなった後も次の世代で誰かがバトンタッチしてくれるというようなところが生まれてくるといいなというふうには思っています」。

(シカ59頭も捕獲、自衛隊分屯地国有林:北海道)
道が今年1月~3月4日にかけ自衛隊稚内分屯地の国有林で実施したエゾシカの捕獲事業で昨年の35頭を大幅に上回る59頭を捕獲し終了した。宗谷総合振興局(環境生活課)では昨年度からエゾシカ指定管理鳥獣捕獲等事業委託業務として国有林内の捕獲困難地域での捕獲を行っており昨年は35頭捕獲した。今冬も自衛隊敷地内にある山林で1月7日から牧草、トウモロコシの餌でエゾシカを誘引したあと、網に入れたカボチャを木に括り付け、その下にくくり罠を20カ所に設置。罠一つひとつの付近にカメラを設置しシカが掛かっていれば一日一回、北海道猟友会稚内支部のハンターが出動し捕獲作業を行った。捕獲の指揮をとったベテランハンターの男性によると、1、2月は連日のようにエゾシカが捕獲され、一日に最高で9頭を捕獲したとし「昨年より1か月早く罠を設置したことや積雪が多いことで山にエサがなくエサを求めて罠にかかるシカが多かった」と話していた。振興局(環境生活課)職員は「ハンターさんをはじめ、自衛隊などの協力のお陰で昨年以上の成果を得ることが出来ました」と感謝していた。

(滑走路を悠々と、シカ2頭が侵入「てくてく歩いていた」:北海道)
滑走路を悠々と歩く2頭のシカ。午前10時ごろ、新千歳空港の滑走路にシカ2頭が侵入しました。この影響で2本ある滑走路がどちらもおよそ40分間閉鎖され、一部の便に遅れが出ました。(撮影した人)「離陸待ちの飛行機が連なっていて、どうしたのかなと思っていたら、てくてく歩いていた」。新千歳空港で滑走路にシカが侵入したのは今回が初めてではありません。2015年にはシカの群れが侵入したほか、21年にもシカ2頭が迷い込み、いずれのケースも一部の便に遅れが出ました。千歳市によりますと、今年度の千歳市内のシカの捕獲数は現時点で157頭で、ここ10年増加傾向にあります。しかし、空港周辺は銃による駆除ができないため、カメラによるシカの動きの監視などで侵入への対策をとってきました。北海道エアポートによりますと、6日にシカが侵入した経路は分かっておらず、現在調査中だということです。

(市街地に野生の“キツネ”!?:新潟)
3月4日夜、新潟市中央区のやすらぎ提で撮影された“キツネ”。なぜ、市街地に現れたのか…注意点などを専門家に聞きました。4日午後8時前、新潟市中央区のやすらぎ提で撮影されたのは、なんと野生の“キツネ”です!新潟市の中心市街地で見つかったキツネ。一体どこから来たのでしょうか?動物の生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授は…【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】「森林とか農耕地とか河川敷にも住んでいて、わりと山から人里まで広く分布している。夜行性なので、ほとんど姿を見ることはないが、我々の農耕地の周りに普通に住んでいる生き物」。実は3カ月前、約3km離れた県庁でも目撃が。県庁の敷地にある“県庁の森”に生息しているのでしょうか…。一方で、かわいらしい見た目のキツネですが、肉食性の強い雑食動物のため注意が必要です。【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】「農作物もトウモロコシや栄養価の高い果樹などを食べるので、近くで畑などやっている人は、中型獣類用の対策をしていただきたい。ペットや家禽を飼っている場合は、ニワトリとかが襲われる可能性があるので、しっかり防除をしていただければ」。北海道では、キタキツネが主な感染源となっている“エキノコックス”による感染も確認されていますが…【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】「本州の本土キツネは、エキノコックスは今のところほとんど持っていない。少し一部で出てきているところはあるが、新潟のキツネは出ていないので、そちらは心配しなくていいと思う。ただ、当然、野生動物なので、様々な寄生虫は別に持っている。それは警戒していただきたい」。また、山本准教授はペットのエサなどを外に放置しないよう注意を呼びかけています。

(ゴルフ倶楽部でイノシシ被害:岡山)
玉野市中心部に近い玉野ゴルフ倶楽部(同市宇野)が深刻なイノシシ被害に見舞われ、利用者のプレーに支障を来している。昨秋から敷地内に侵入してコースを掘り返し続けており、経営にも影響を与えるとして、市に捕獲指導や周辺の個体数の削減などを要望している。倶楽部によると、敷地の周囲には電気柵を設けているが昨年10月、イノシシ6頭が通り抜けて入り込んだ。狩猟免許のある社員を中心にした捕獲隊が駆除に努めているが、現在も1頭がすみ着いてフェアウエーやラフなどを掘り返しているという。被害はコース面積の約15%に達し、フェアウエーが広範囲にわたってでこぼこになったホールも。プレー中に打球が飛んだ場合、近くの被害のない場所から打つなどの対応を余儀なくされている。利用客から「ゴルフにならない」と厳しい声を受けており、倶楽部は割引券を配っておわびしているという。大森雄副支配人は「コースが荒らされてゴルフ場の価値が下がり、危機的状況だ」と話す。深刻な被害を受け、1月中旬には居着いたイノシシの捕獲支援や、市主導で近隣の生息数を減らすことなどを求める要望書を市に提出。同月末には同じく被害に遭った東児が丘マリンヒルズゴルフクラブ(同市下山坂)、瀬戸大橋カントリークラブ(同市滝)と連名で、市内の生息数の抜本的削減▽被害防止策の指導・支援▽侵入防止柵の購入費補助―などを申し入れた。市農林水産課は「玉野ゴルフ倶楽部には職員と専門家が出向き、捕獲用の餌のまき方などを指導している。個体数は各地区で捕獲隊や捕獲協力隊の結成を働きかけ、専門家の力も借りて地道に減らしていくしかない」としている。

(冬道の連続飛び出し!シカとの衝突事故で14万円の修理代:北海道)
ドライバーの方は注意が必要です。北海道の枝幸町で、走行中の車が道路脇から現れたシカと衝突する映像が視聴者から届きました。先月27日、枝幸町の国道を走行する車。突然右からシカが現れ道路を横切ります。そのシカに続いてさらにもう1頭、道路に飛び出してきました。車を運転していた男性)「もう1頭、まさか出てくると思わなかったんですけど、来た瞬間は2頭目くるんだって驚いて、止まってくれればいいかなと期待も込めてたんですけど、止まってくれなくて。1頭出ると、2頭、3頭くると話では聞いていたんですけど、実際そうなると、やっぱりちょっと油断してましたね」。車の右後方にぶつかったシカは、そのまま走り去っていったそうです。車を運転していた男性にけがはありませんでしたが、車の修理代の見積りはおよそ14万円にのぼるということです。凍結路面などですぐに止まれないことも多いこの時期。警察は、車を運転する際にはシカの飛び出しに十分注意するよう呼びかけています。

(ジビエで学ぶ地産地消の意義:静岡)
料理人を目指して学ぶ学生を対象に、ジビエの解体とその肉の試食をする勉強会が3月5日に静岡県浜松市で開かれました。これは料理人を目指す若者に地産地消の意義を探ってもらおうと、浜松調理菓子専門学校と野生動物の肉を加工・処理するジビエ工房が主催し、学生や料理人など計85人が参加しました。参加者は捕獲されたシカ肉を解体する様子を見学したあと、プロの料理人がその肉の骨付きの部位を焼いたり、パエリアなどの料理に調理したものを試食しました。春野町ではシカやイノシシによる食害が地域の課題となっていて、主催者は浜松市の支援を受けながら今後もこうした機会を作っていきたいとしています。

(ジビエみそかつバーガーやボロネーゼ好評:岐阜)
揖斐高校(岐阜県揖斐川町三輪)生活デザイン科食物コースの3年生が考案したジビエ(シカ肉)料理の販売会が、同所の久保田工務店で開かれた。訪れた町民らはキッチンカーに列を作って出来たてを味わっていた。

(おいしくて栄養満点のジビエ餃子がついに誕生:神奈川)
自家農園野菜の餃子専門店「金輝餃子」。こちらのお店にて、この度新商品の販売がスタートしたそう!2025年2月14日(金)から販売されているのは、丹沢産の新鮮な猪肉を使用したジビエ餃子です。

(シカ肉の竜田揚げ「おいしい!」:熊本)
あさぎり町の南稜高で2月26日、生徒が捕獲したシカやイノシシなどを使ったジビエ(野生鳥獣肉)料理教室があり、総合農業科の生徒約70人がシカ肉の竜田揚げやイノシシ肉の郷土料理などを味わった。

(猪肉専門店「丹波篠山おゝみや」の新たなショップがオープン:兵庫)
2025年4月12日(土)にオープンする「猪肉専門店 丹波篠山おゝみや 城下町店」は、丹波篠山市の中心地に位置する猪肉をメインとした、ジビエやジビエの加工食品を販売する専門店です。他にも選りすぐりのおみやげ物や工芸品、テイクアウトもあり、丹波篠山観光の際は一度は立ち寄りたくなるお店です。

(ジビエのレトルト食品第2弾、シカ肉カレー発売:神奈川)
今月から販売しているシカ肉のキーマカレー(中央)秦野市鶴巻地区でジビエ商品の開発を通して地域活性化や魅力を発信しているジビエ卸売業の川上拓郎さん(59)が、シカ肉を使用したレトルト食品「丹沢ジビエシカ肉のキーマカレーフォンドボー仕立て」を発売した。川上さんは「(地元の)鶴巻温泉の魅力を知ってもらい、継続的な来訪につなげたい」と意気込んでいる。鶴巻温泉は2020年から「ジビエの食べられる街」を掲げ、地元の各店がイノシシやシカ肉でしし鍋やピザなど多彩なジビエ料理を提供してきた。持ち帰って自宅でも味わえるようにと、帝国ホテルでの勤務経験がある川上さんはレトルト食品の開発に取り組み、23年にイノシシ肉のキーマカレーを販売。今回は第2弾としてシカ肉でのキーマカレーを開発した。昨夏にはシカ、イノシシのソーセージも販売しており、川上さんは「イノシシとシカの両方をやらないとジビエを取り扱っているとは言えない。これでラインアップがそろった」と胸を張る。

(ジビエを多久市の名物に:佐賀)
農作物に被害を与えるイノシシの肉の特産化を目指す多久市で1日、「ジビエうどんを味わう会」が開かれた。市観光協会が昨年のジビエカレーの会に続いて開催し、県内外から約80人が参加した。同市西多久町にイノシシの食肉処理施設ができるなど、山間部で駆除したイノシシの肉を活用する動きが進んでいる。この日はジビエうどんとジビエチャーシューのほか、多久の名物・女山大根の漬物や、大根の葉を使ったおにぎりが用意された。うどんの肉は薄くスライスしてつゆや片栗粉をつけて表面をふわふわにし、チャーシューは圧力鍋で蒸して柔らかくした。来場者は「臭みがなくておいしかった」「柔らかい肉が、だしとマッチしていた」などと感想を話していた。

(学校給食で地産地消:神奈川)
神奈川県西・湘南地域の学校給食で、多彩な取り組みが広がっている。共通するのは地産地消だが、使用される食材からはそれぞれの街が抱える課題なども浮かぶ。児童数20人の小規模校である松田町立寄(やどりき)小学校は、県内初というジビエ(野生鳥獣肉)を給食に導入。1月末にはシカ肉カレーが登場した。山に囲まれた寄地区では十数年前からシカやイノシシが人里へ下り始め、農作物の被害が深刻化している。この日の食材となったシカは、学校近くでわなにかかり、足柄上郡5町による県内初の公設公営施設として2023年から稼働している町内の「あしがらジビエ工房」で加工処理された。シカ肉はミンチにし、カレー粉と白ワインをまぶしていためることで獣臭を消した。6年の飯山響さん(12)と佐藤慎さん(12)は「臭みがなくおいしかった」と口をそろえた。食材のシカをわな猟で捕獲した猟友会の飯田賢さん(74)も駆けつけ「児童たちが次々にお代わりするのがうれしかった」と話した。調理した吉崎なつきさん(58)はわな猟免許も持ち、町がサイトで公開しているジビエレシピの考案者。当日の全校朝礼でジビエについて説明し、取材に「シカの駆除だけではもったいない。食わず嫌いな人もいるので、子どもの頃から味を覚えてもらえれば」と思いを語った。町は児童・生徒数が多い他の小中学校でもジビエ給食を検討する。23年度から地産地消の食育を本格化した二宮町は、今年も地元の「原木シイタケ」を使った給食メニューを町立全小中学校で提供した。施設で人工的に栽培する一般的な菌床シイタケに対し、木に開けた穴にシイタケ菌を入れて育てるのが原木シイタケ。重労働だが、香りや味は濃く、肉厚になる。十数年前までは町内に20軒の農家があったが、高齢化に加え、11年の東京電力福島第1原発事故後に国内有数の産地だった福島県から原木が入らなくなったこともあって、今では3軒に減ったという。先月26日の給食は、町内の里山の木で育てたシイタケをみじん切りにして、マーボー豆腐の具にした。二宮小学校4年の池田唯織さん(10)は「シイタケ入りのマーボー豆腐はとてもおいしい」と平らげた。二宮小では、栄養士と町内のシイタケ農家今田由季子さん(45)が全教室とつないだライブ中継を行い、栽培の現状などについて説明し、児童たちは原木シイタケの実物も見学した。小田原市は2月、特産の梅を活用したメニューを給食に取り入れた。若者にレシピを開発してもらおうと、小田原短期大に協力を求め、学生が考案したチキンの梅ソース、魚の梅マヨパン粉焼き、魚の梅しそ照り焼きの中から一つを市立全36小中学校に選んでもらった。そのうち、2年の斎藤凜さん(20)が開発した梅マヨパン粉焼きは「誰でも食べやすいようにマヨネーズとあわせ、梅をマイルドにした」一品。梅を収穫する曽我梅林に近い曽我小学校の鈴木雅子教諭(40)は「梅干しの給食はめったにない。食べたことのない子もおり、地元の味を知るよい機会」と歓迎した。市は給食で、農薬や化学肥料を減らして環境に配慮した米を使う取り組みもしている。自校炊飯している曽我小と片浦小は1カ月間、市内で収穫された米を給食に出した。米農家の川口浩一さん(59)は「安全な有機米にこだわっており、子どもに食べてもらってうれしい」と語った。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、4日午後4時30分ごろ、登米市津山町柳津沢田にイノシシが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、3日午前10時5分ごろ、登米市迫町北方東富永にイノシシが出没しました。

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(イノシシに男性2人が襲われる:栃木)
栃木県小山市の田んぼで男性2人がイノシシに噛まれ、数十針を縫うなどけがをしました。イノシシはまだ見つかっていません。1日午前10時半すぎ、小山市白鳥の田んぼで農作業をしていた女性がイノシシに襲われ、それを助けようとした40代の息子が右手や右足を噛まれたということです。さらに、2人を助けようとした近所に住む60代の男性も、右手や右足を噛まれました。40代の男性が軽傷、60代の男性が数十針を縫うけがをしたということです。イノシシは体長およそ1メートルで、その後見つかっていません。警察は周辺の住民らに注意を呼びかけるとともに、今後、市や猟友会などと連携して対応していく方針です。警察によりますと、現場近くにある「渡良瀬遊水地」で行われていた植物のヨシを焼く作業に追われてイノシシが出てきた可能性もあるということです。

(イノシシに襲われ32歳女性けが:石川)
28日夕方、金沢市の山あいで、30代の女性がイノシシに足などをかまれ、けがをしました。28日午後6時前、金沢市上山町の県道で勤務先から帰宅途中だった32歳の女性がイノシシに襲われました。女性は尻や太ももなどをかまれ、病院に運ばれましたが、軽傷で命に別状はないということです。近くに住む女性は「きのうもイノシシを見た。下にいると思ったら、犬が吠えて川を渡っていった」と話していました。現場は金沢駅から南東におよそ13キロの湯涌温泉近くにある山あいの集落です。イノシシはそのまま逃げたとみられ、市と警察が警戒に当たっています。

(改正銃刀法、施行:北海道)
ハーフライフル銃の所持許可について、猟銃を10年以上継続して持っている人に厳格化するなどの規定が盛り込まれた改正銃刀法が1日、施行された。法改正を巡っては、道は「エゾシカやヒグマの捕獲が困難になる」として国に配慮を求め、警察庁が昨年11月に各都道府県警に発出した通達により、都道府県が捕獲が必要と判断した獣類について、猟銃の所持期間に関係なくハーフライフル銃を使用できる特例が定められた。道は2月28日、農林水産省と環境省に、ヒグマとエゾシカといった獣害対策のため、ハーフライフル銃による捕獲が必要であるとする通知を発出。これにより、市町村や都道府県による推薦書や確認書の交付を受けなくても、所持許可の申請をすることが可能となり、道内外の狩猟者は、居住する都道府県で所持許可の申請をすれば、猟銃所持が10年未満であっても、道内でのヒグマとエゾシカの狩猟に使用することができるようになった。

(シカ・クマによる農作物などの被害、4年連続で増加:北海道)
シカやクマによる農作物などの2023年度の被害は総額63億円あまりと4年連続で増加したことが道のまとめでわかりました。このうちヒグマによる被害は過去最高にのぼっていて、道は駆除などの対策を強化するとしています。道は昨年度1年間の野生の動物による農業や水産業への被害をまとめました。それによりますと、被害の総額は63億6900万円で前の年度から5億2500万円増え、4年連続で増加しました。このうちエゾシカによる被害は51億4500万円と前の年度から2億9800万円増え、全体のおよそ8割を占めています。またヒグマによる被害は3億3200万円と8300万円増加してこれまでで最も高くなり、中でも飼料用トウモロコシの被害が目立っています。道は被害が増えた原因について、いずれも生息数が増加し、エサを探して行動範囲が広がり人里に出没するケースが増えたとみられるとしています。道野生動物対策課は「エゾシカやヒグマを積極的に駆除するなど対策を強化することで、農作物などの被害を少しでも減らしていきたい」としています。

(初のクマ動向調査、姿とらえられず:岩手)
金ケ崎町は、2024年度初めて実施したツキノワグマ動向調査の結果を公表した。それによると、24年8月中旬~11月下旬に町内の河川敷4地点に自動撮影カメラ計5台を設置して実施したものの、緊急調査ということもあり、クマは撮影されず、実施時期や対象範囲に課題を残した。一方、同調査では過去の出没データを解析して移動経路も予測。町のホームページ(HP)で公開し、広く周知を図っている。調査は、市街地でクマの出没が相次ぐ事態を重くみて、仙台市を拠点とする合同会社東北野生動物保護管理センターに委託して実施。目撃情報などに基づき移動経路をある程度割り出して北上川や宿内川、渋川沿いにカメラを設置した。クマは撮影されず、期間中にカメラ設置地点周辺から寄せられた目撃情報も8月下旬と10月下旬の計2件だけ。9月以降の目撃件数は例年に比べて極端に少なく、その理由の一つに、えさとなるブナやドングリなどが森林地帯で豊富に実ったことが考えられている。この結果を踏まえ、同センターからは、クマの動きが活発になる交尾期に合わせて調査の開始を2カ月ほど早め、できるだけ多くのクマを撮影するためにカメラの台数を倍以上に増やして広範囲で調査する必要性が指摘された。

(冬眠しないイノシシが市街地に出没:新潟)
新潟県内で2月、イノシシによる人身被害が相次いだ。大雪の影響で山でエサを確保しづらくなり、市街地に出没したとみられ、県は注意を呼びかけている。柏崎市は25日、イノシシと接触した市内の30歳代男性が軽傷を負ったと明らかにした。男性は24日午後3時頃に自転車を運転中、体長約1メートルのイノシシとぶつかって転倒し、足をペダルに擦ってけがをした。県鳥獣被害対策支援センターによると、イノシシの人身被害は今月にいずれも上越市で3件発生しており、今年度は計4件となった。出没が相次ぐ理由について、同センターは大雪の影響とみる。イノシシは冬眠せず、この時期は本来、山でエサを捕って過ごす。だが、積雪のため地中の虫などを捕ることができずに、エサを求め市街地に出没したとみられる。また、道路の除雪でできた雪壁が市街地から山に戻るのを妨げている可能性もあるという。県のまとめでは、イノシシの人身被害は2020年度の7件が最も多かったとみられるが、当時も県内は大雪に見舞われている。同センターはイノシシに遭遇した際の対策として、「近づかない」「刺激しない」「エサとなるものを放置しない」の3点を呼びかけている。鳥獣被害に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授は「イノシシを手で払おうとすると、手を食いちぎられる可能性がある。脚の太い血管をけがして失血死を防ぐためにも、イノシシと距離が近い場合は、地面に伏せて体を丸める防御姿勢をとってほしい」と訴える。県は25年度中に、イノシシの捕獲情報や県内全域に120台設置した自動撮影カメラの情報を集約したマップを順次公開する予定。

(エゾシカ捕獲数が半減、市街地出没対策:北海道)
苫小牧市がエゾシカの市街地出没対策として実施している捕獲事業(1月15日~3月6日)で、2024年度の捕獲数は今月26日時点で77頭と前年度の半数程度にとどまる見通しとなった。一方で、今冬のシカに関する市への苦情や通報も半減しており、市環境生活課は「昨秋は森(の木の芽や野草)が豊富で冬も少雪だったため、森で十分に餌を食べられているのでは」と推測している。市は、シカの住宅地への出没が急増し、苦情が相次いだ22年度に市内中心部の山林でくくりわなによる捕獲を開始。日高町の専門業者「K」(佐々木憲代表)に委託し、初年度は156頭、23年度は173頭を捕獲した。今年度は180頭を目標に猟銃捕獲も新たに取り入れ、わなの設置場所も出没の減少が予想される中心部から樽前の放牧場だった市有地に変更した。ワイヤやばねを使ったくくりわなは50カ所に設置。大豆などの臭いを染みこませた牧草ロールを置いたり、通り道を見極めてわなの場所を動かしたりしているほか、連携する食肉加工処理業者が処理できる日には猟銃でも狙っている。同課によると、業者は肉や骨、角を動物用の餌や玩具などに活用し、捕獲したシカを無駄にしないよう努めてきた。今年度、捕獲数は少ないものの猟銃の使用で食肉加工のチャンスが広がったため、3月30日には親子対象のエゾシカ料理研究会を市民活動センターで開催する。参加無料で定員は5組(先着順)。時間は午前10時~午後1時。シカの生態や市民生活への影響などを学んだ後、シカ肉の料理や試食を体験する。同課の担当者は「シカを迷惑と感じるだけでなく、別の視点から関心を持ってもらう機会をつくれたら」と話す。

(クマ捕獲ノウハウ伝授:北海道)
釧路総合振興局は1日、ヒグマ捕獲従事者に向けた講習会を、釧路市生涯学習センターで開いた。獣害対策の専門家でワイルドライフプロ代表の葛西真輔氏が、クマの生態や取り巻く社会環境、捕獲の安全管理などについて講話した。道は昨年「第2期北海道ヒグマ管理計画」を改訂し、クマ政策を保護から個体数抑制へ転換。一方で、クマを捕獲することができるハンターの高齢化や担い手不足が深刻化していることから、クマの捕獲経験が少ないハンターを対象に初の講習会を企画した。当日は釧根、十勝、オホーツクの各地から、新人ハンターなど46人が受講した。葛西氏はクマの生態について「基本は臆病だが、学習してエスカレートする」とし、人里で食べ物が得られると学んでしまったクマが、シャッターを突き破ったり、トラックによじ登ったりしてごみをあさった事例を紹介。「一度食べ物で成功するともう止まらない。最初の一回を防ぐのが大事」と強調した。クマを銃で駆除する際には、発砲後に絶命を確認するときが一番危険であるとし「高所からアプローチする」「後ろ足の方から近づく」「石を投げるなどして反応がないことを確認する」などの、手負いのクマからの逆襲を防ぐノウハウを伝授した。時には発砲しないことを決断する必要もあるとし「チャンスはまた来る。焦らず対応するのが肝心」と説いた。受講した釧路町の小松茂町長は「法改正で自治体の権限で発砲できるようになる見込みなので、いざというとき判断できるよう学んでおく必要がある。実践的な訓練の実施も検討したい」と話していた。

(足場が不安定だとイノシシやシカが嫌がることに着目した獣害食い止め策:京都)
獣害を食い止める切り札となるか―。京都府南丹市美山町萱野区が新たに市道に設置したのは、「グレーチング」と呼ばれる溝ぶた。

(イノシシから畑守る、電気柵を設置:鹿児島)
暖かい日差しが差し込んだ25日、薩摩酒造(枕崎市)や航空会社「ソラシドエア」(宮崎市)の社員ら12人とともに、枕崎市南部の畑の周囲に電気柵を張り巡らせる作業に汗を流した。「動物は電流を嫌うから畑に寄りつかなくなるんだよ」。薩摩酒造の関連会社でサツマイモの栽培に取り組む中敷領正さん(36)が電気柵を設置するわけを教えてくれた。枕崎市内の2023年度のイノシシとアナグマによる農業被害は85万円。そのうちサツマイモの被害が73万円と大半を占める。畑に目をやると、イノシシの足跡がいくつも残っていた。この畑も対策をしなければきっと狙われるだろう。背筋が伸びる思いがした。縦72メートル、横28メートルの畑を囲うように4~5メートルおきに約50本、電線を留める棒を立てた。イノシシがくぐったり飛び越えたりできないように、高さ20センチと40センチの位置に電線を張っていった。ピンと張るのに苦戦したが、30年以上サツマイモを育てている新沢光雄さん(63)にコツを教えてもらうと、少しずつできるようになった。電源と電線をつないで電気柵の設置が完了した。畑には23日に肥料がまかれ、3月末までに25列の畝ができる予定だ。芋を植え付ける準備は順調に進んでいる。

(クマと人間の共存訴える:北海道)
雄武町民大学(町教委主催)の第2回講座が町民センターで開かれ、酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)がヒグマと人間の共存について語った。

(ヒグマ駆除だけでなく「共存」できるまちづくりに貢献:北海道)
今回のまいにち金メダリストは北海道猟友会札幌支部 支部長の奥田邦博さん。北海道猟友会は、野生鳥獣の適正な管理を目的に活動し、駆除や保護、環境整備にも取り組む団体です。金メダリストの推薦者は、NPO法人TSUNAGU 理事長の中嶋明子さん。「猟友会の皆さんには、日頃から私たちの活動を支えていただき、本当に感謝しています」。「TSUNAGUは、市民が実践できるヒグマ対策の普及に取り組んでいます。具体的には、ヒグマについて学び、草刈りで見通しをよくし、餌付けを防ぐためのゴミ拾いを行っています。その取り組みに対し、猟友会の皆さんにもゴミ拾いの重要性をご理解いただき、ご協力いただいています」(中嶋さん)。「これからも、ヒグマと共存できるまちを目指して、まずはゴミをゼロにすることを目標に活動を続けたいと考えています」(中嶋さん)。「いつもご尽力いただいてありがとうございます」と、中嶋さんから奥田さんへ金メダルが贈られました。「日頃、会員たちが行っている活動への金メダルですので、代表して私が受け取りました。皆さんも喜んでくれると思います」と奥田さん。「猟友会は、仲間とともに活動する趣味の団体です。私は普段、自動車整備の仕事をしています」(奥田さん)。「猟友会の活動が全国で統一された仕組みのもとで運営され、ガバメントハンター(行政と連携した狩猟者)としての役割を担えるようになればと願っています。その一環として、ゴミ拾いや草刈りなど、私たちにできる環境整備の活動にも積極的に取り組んでいきたいと考えています」(奥田さん)。

(シカと自然を考えるつどい:兵庫)
但馬は県内で最も豊かな自然環境に恵まれた地域ですが、里山では放置された山林が増え、海岸から氷ノ山の山頂までシカが侵入・繁殖し、希少植物だけでなく、当たり前にあった植生がシカの食害により失われつつあります。このような状況の中、本フォーラムを通じて、シカと自然環境について考える機会としたいと思います。

(「ヒグマにはないが、人間には縄張りがある」:北海道)
2022年3月。日増しに気温が上がり、雪解けが進んでいた。北海道の各地で、冬眠明けのヒグマが出没したことを伝えるニュースが少しずつ出始めていた。藤本には、OSO18の捜索を始めたら教えて欲しいと頼んでいた。しかし、エゾシカの巻き狩りについていってからというもの、もう2ヵ月近く連絡がなかった。ときを同じくして、標茶町で取材に回っている際、聞いた噂があった。藤本が率いるNPO法人南知床・ヒグマ情報センターが北海道釧路総合振興局から、OSO18の捕獲依頼を正式に受け、動き始めたというのだ。その名も「OSO18特別対策班」というらしい。時折藤本に電話をして、いつから動き出しそうか尋ねるが、「まだまだ動かねえから、焦るな」と言われ、そそくさと電話を切られる。地域住民を取材していたとき、「OSO18特別対策班」と掲げた車が走っているという話も聞いた。藤本は内密に捜索を進めているようだった。最初、取材に行った日、藤本が口にしていたことが、ふと頭をよぎる。「OSO18が捕まらない問題の本質は、人間の縄張り意識。俺らが何かしようとすると、地元の“やっかみ”がひどいんだわ」。同じ道東とはいえ、藤本たちが本拠地とする標津町から標茶町の現場までは、100km近く離れている。町を越境してヒグマを捕りに行こうとすると、地元猟友会のハンターたちから、追い返されることもあった。2015年、標茶町でヒグマに襲われて林業関係者が死亡した際、加害個体を捕獲しようと、仲間のひとりが標茶町の山に向かった。だが、現場で地元猟友会のハンターに「おれたちで捕まえるから帰ってくれ」と告げられたという。このようなハンターの縄張り意識を、藤本は昔から身に沁みて感じてきた。だから道東各地に住む腕利きのハンターたちをNPOに引き入れ、その壁を乗り越えようとしてきた。町を越境して獲物を仕留めにいくとき、地元猟友会のハンターとの窓口を果たしてもらうためである。しかし、メンバーの中に標茶町に住むハンターは未だひとりもいなかった。藤本はこうも語っていた。「ヒグマは人間が引いた町境なんて無視して移動していく。ヒグマは縄張りを持たないのに、それを捕まえようとする人間には縄張りがあるんだ」。今回は、北海道庁による正式な依頼があるものの、町を越境してヒグマを捕りに行くことに、何らかの難しさを感じているのかもしれない。カメラを持ったメディアの人間と行動をともにすることで、反感も買いかねない。“やっかみ”が、具体的にどのようなことを指しているのかはわからなかったが、藤本が意識的に私たちを遠ざけようとしている、ということだけは明らかだった。私と山森はふたりで作戦を練り、ひとつの妥協策を思いついた。現場には同行せず、我々は彼らの事務所の前で待機する。代わりに、ウェアラブル(装着)カメラを用意して藤本や赤石に装着してもらい、現場の様子を記録してもらう。捜索が終わり、事務所に戻ってきたところで、その日の経過をインタビューする、というものだった。その方法で取材を了承してもらえないか、藤本にメールを送った。史上例にないヒグマを捕らえるまでの過程を映像で後世に残すことこそ、我々の仕事の存在意義である、という思いを添えて。しかし、藤本から返信が届くことはなかった。こうなれば、捜索の状況については別のルートで探るほかなかった。藤本たちをOSO18特別対策班に任命したことがわかった、北海道釧路総合振興局の井戸井毅である。井戸井は、会ってはくれたものの、開口一番、「お話しできることはなにもないですよ」と言った。OSO18が全国的に報じられるようになって以降、町役場には駆除に対する抗議の電話が相次ぎ、標茶町役場の宮澤や厚岸町役場の職員は、その対応で精神をすり減らしてきた。井戸井は、そんな話をたびたび聞かされていた。彼らにこれ以上負担をかけないよう、なるべく目立たないように穏便に済ませたいと井戸井は考えているようだった。ただ、彼が直面する難しさはそれだけではなかった。地元のハンターたちの中には、北海道庁が主導してOSO18特別対策班に捕獲を依頼することをよく思わない人たちもいる。藤本に協力の要請をしつつ、地元ハンターたちには、そのことを理解してもらえるよう日々説明して回ることも、本部長たる井戸井の仕事だった。OSO18を早く駆除するよう求める酪農家たちの声。ヒグマの駆除に抗議する動物愛護の声。特別対策班の結成をよく思わないハンターたちの声。井戸井は、いくつもの意見の板挟みにあっていた。「そもそもいまOSO18がどこの森に潜んでいるのかさえ、わからないですもんね。だから、まずは足跡を見つけるしかないです。町役場や地元ハンターの人たちにも協力してもらいながら、足跡を探す“目”を増やそうと思っていて、私も行こうと思ってるんです」残雪期は短く、雪が消えれば足跡は追えなくなる。限られた時間のなかで、少しでも多くの目で探したいと考えていたからだった。足跡探しについていかせていただけませんか、と半ば懇願するように頼んだところ、「私らでは何も見つけられないかもしれませんが、じゃあ、一緒に行きますか」と言ってくれた。2022年3月9日、山森が運転する車の助手席に、カメラを片手に乗り込んだ。前を走る井戸井の車についていく。釧路市から国道44号線に沿って、東へ40分ほど走り、厚岸町に入った。海沿いに広がる道有林が見えてきた。車は林道へ入り、さらに奥へと突き進んでいく。道にはまだ雪が残っていて、車がガタガタと大きく揺れる。時折、車の裏を雪が擦って、ゴンと異音を立てる。木々が林立した景色が延々と続く中、道の両側の森に、無数の足跡が残されているのが見えた。どれも細く小さいため、エゾシカの足跡のようだった。井戸井が林道の途中で車を停めた。歩いていった先には、何台ものハイラックスが停車している。窓には、「OSO18特別対策班」と貼られていた。そこに藤本や赤石たちの姿があった。この日、藤本たちも足跡の捜索に出ており、井戸井に足跡の見つけ方を教えるため、ここまで呼び寄せたようだった。「でか、でかい……」。藤本が指さした地表の足跡を見て、井戸井がつぶやいた。そこには、幅18cmほどのヒグマの前足跡が残されていた。大型のヒグマのものとみられる。林道の左側から右側へ横断する足跡だった。こちらの存在に気付き、藤本は何も言わずに、笑みを浮かべた。「まだまだ動かねえから」と伝えていた相手に、捜索しているところを見つかった照れと、こんな山奥までよく来たなという呆れが、混じっているような笑みだった。藤本はこの1ヵ月間、OSO18が潜んでいるであろう森をいくつかの候補に絞り、重点的に捜索を進めていた。まず目をつけていたのが、この厚岸町南部にある道有林だった。この日見つかった18cmの足跡の状態から、前日に残されたものだと赤石は分析した。「これがOSO18だっていう可能性もあるんですか?」「うんかなり候補だね、こんなでかいやつそうそういないから」。酪農家にしてハンターの松田も口を開いた。「もしOSO18が大きい、というのが本当だったら、十分可能性はある」。赤石もそれに同調する。「捕ってみないうちは、わからねえな。ただ、もう一日足跡の発見が遅れているから、追いつけないな。全然止まらないで歩いていくでしょ」。ヒグマは一日に数十kmを移動することもある。足跡を追跡するには、その日のうちに残された真新しい足跡を発見しなければ、人間の足では追いつけないのだという。足跡は森の北側にある禁猟区、別寒辺牛(べかんべうし)湿原のほうへと消えていた。追跡するのは困難だった。藤本は言った。「今やってることは、砂漠のなかに落とした針を拾うような作業。幽霊みたいなクマをずっと追いかけてるわけだから。果たしてそれがどこにいるんだっていう、本当にスタート中のスタートのことをいまやってるからね。だから、この先どうなるかは、ちょっと読めないね」。被害が出ている標茶町と厚岸町の面積を合計すると、東京23区の3倍の広さに及ぶ。その中から潜んでいる場所を絞り込んでいくのは、途方もない時間を要するものだった。OSO18はこの付近にいる可能性が高い。どうにかその捕獲に向かう様子を撮影させてほしい。だが、そう頼む隙も与えてくれないまま、藤本たちはすぐに現場を去った。危険きわまりないヒグマ捕獲の撮影をする資格は、お前たちにはない、と無言のうちに伝えられているようだった。藤本たちの捜索の様子を撮影できたのは、この日が初めてだった。再び足跡が見つかれば、彼らはすぐに追跡を開始し、捕獲態勢に移るだろう。あわよくば、それがOSO18の最期の瞬間となるかもしれない。3月中、私は藤本の事務所から徒歩2分の宿にしばらく滞在し、朝と夕方、毎日顔を出すことにした。現場についていけなかったとしても、毎日、事務所に顔を出し、会話をすることで徐々に信頼してもらえるのではないかと考えたのだ。藤本の愛用する赤いハイラックスが事務所の駐車場に停まっているかどうか。それが、事務所にいるか、現場に出ているかどうかの目印だった。様子を見に行く日々が続いたものの、すでに出発してしまった後だったり、夜まで帰ってこなかったりすることが多かった。どうやら連日、捜索に出ているようだ。しかし、時折タイミングが合って直接話すことができても、「捜索は行ってねえよ。焦るなって」と言われるばかりだった。

(狩猟で犠牲、鳥獣の霊を供養:沖縄)
県猟友会石垣地区(石垣克治地区長)による共猟と鳥獣魂慰霊祭が狩猟最終日の2月15日にあった。共猟は石垣島北部地区で実施され、慰霊祭は底原ダムの北側にある鳥獣魂供養の碑の前で執り行われた。

(シカとの衝突に注意を、ドライバーに啓発:北海道)
シカと車両の衝突事故の防止を目的とした街頭啓発が1日、市内の道の駅るもいで行われた。留萌署や市交通安全協会、留萌開発建設部などから約10人が参加し、立ち寄ったドライバーに注意を呼び掛けた。

(アセビ、シカ“食べ残し”で優占種に)
本州から九州にかけて分布しており、春になると房になった白い小さなツボ状の花を咲かせるツツジ科の植物である。屋久島以南には、別亜種や変種のヤクシマアセビ、アマミアセビ、リュウキュウアセビが分布している。アセビ属の学名Pierisは、昆虫のモンシロチョウ属とまったく同じつづりである。生物分類学の世界では、異なるものに同じ学名を用いることはご法度であるが、植物と動物とでは命名に関する国際的な規約が異なっており、それぞれのルールの中では重複していないため、どちらも「合法」である。漢字表記の「馬酔木(あせび)」は、まるで馬も酔いしれるかのような粋な名前に思われるかもしれないが、本種は有毒植物であり、家畜に食べさせるとめまいや過呼吸、嘔吐(おうと)などの中毒症状があらわれることに由来すると思われる。毒性は強く、重篤な場合には死に至る危険もある。近年、各地でニホンジカが増加し、林内のさまざまな植物を食べ尽くして問題となっているが、本種や以前紹介したシキミなど、有毒な植物は嫌って食べないため、下層植生がこれらの植物ばかりになってしまう場合がある。アセビが優占した場所では、陰が多くなって林内の照度が低下したり、土壌中の水分量が減少したりといった変化が報告されている。また、土壌中の微生物相にも変化が生じ、他の樹種の芽生えが減少するという報告もある。詳細は定かでないが、アセビが他者を排除するような、何らかのメカニズムが存在している可能性がある。アセビばかりになり、シカが見向きもしなくなると元の森の状態に戻るのかと思いきや、そうはならないかもしれないところに自然の怖さや奥深さ、そして興味深さが存在している。

(貨物列車がシカと接触:兵庫)
28日午前7時半ごろ、兵庫県と岡山県の境界付近となるJR山陽本線三石-上郡駅間で、東京貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行きの貨物列車がシカと接触した。JR西日本近畿統括本部によると、上下3本に最大36分の遅れが生じ、約900人に影響した。

(貨物列車がシカと衝突:群馬)
2日午前8時35分ごろ、群馬県みなかみ町湯桧曽のJR上越線土合―湯桧曽駅間で、上り貨物列車(20両編成)がシカと衝突した。この影響で、上越線は越後中里―水上駅間の上下線で約30分間運転を見合わせた。JR東日本高崎支社によると、上り普通電車1本に遅れが発生し、乗客35人に影響した。

(ジビエ料理も!「狩猟フェスタ」:高知)
有害鳥獣対策やジビエ料理を紹介する狩猟フェスタが3月8日午前10時~午後3時、香美市香北町の日ノ御子河川公園キャンプ場で開かれる。入場無料。串焼きやバーガーといったジビエ食品、革製品販売などの14ブースが並ぶ。高知商業高校ジビエ部はシカ肉と県産の牛、豚、鶏肉をミックスした新商品「鹿カレーパン」=写真=を販売する。猟友会などが模擬銃の展示やわなを実演。数量限定でシカ汁やシカ焼き肉の試食も。

(捕獲したシカ、料理で活用を:北海道)
知内町内で捕獲が増加傾向にあるシカについて学び、調理する「ふるさと調理実習」が、知内高で開かれた。町内のハンターの一之谷駿さん(33)が講師を務め、生徒は初めて触るシカ肉に驚きながら楽しそうに調理していた。

(エゾシカ革でバッグや小物を制作:北海道)
「使っていてすごく気持ちがいいんですよ」。原さんがエゾシカ革で手作りしたバッグは、ずっと触っていたくなる柔らかさ。水拭きで汚れを落とせるので手入れしやすく、マットな色合いも魅力です。原さんがエゾシカ革のブランド「Deer Park」を立ち上げたのは15年前。「丈夫で柔らかくて軽い。素材として素晴らしいのに、皮は廃棄されることがほとんど。せっかくの北海道の資源を大事に活用しなければと思いました」と話します。

(ジビエ料理を堪能し、里山保全学ぼう:兵庫)
ジビエ料理を楽しみながら、里山保全や森林動物について学ぶ「ジビエフェスティバル」が16日、有馬富士共生センター(三田市尼寺)で開かれる。9日まで参加者を募っている。

(里山の一軒家で味わうジビエ:兵庫)
淡路島北部の里山・興隆寺に、一軒家の創作フレンチレストラン「bistro La Grace(ビストロ・ラ・グラース)」(淡路市)が昨年12月に開店しました。同店は、淡路市が地域活性化をめざし立ち上げた複合施設『興隆寺ヴィレッジ』の、農家レストランとしてオープン。閑静な森の中、浮かぶように立つ大きな屋根の建物が印象的です。店内に入って、窓からの眺めに感動!ほぼ四方がガラス張りの店内では、どの席からも大きな木や緑の野原が見晴らせて、自分自身が静かな森の佇まいに溶け込むような不思議な感覚に包まれます。同店のオーナーシェフは、ホテルや日本国総領事館公邸の料理人として腕を磨き、神戸の大人気店『TOOTH TOOTH』の総料理長も務めた松下平さん。フロアを担当するのは、奥さまの住子さんです。同店では、地元・興隆寺で獲れたイノシシや淡路島産の新鮮な食材をふんだんに使用した創作フランス料理を提供。

(獣害にアートで向き合い、駆除された動物の命に新たな息吹を:千葉)
JR内房線館山駅から徒歩9分ほどの場所にある「YANE TATEYAMA(やねたてやま)」で、2月28日まで開催されていたジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」。ドイツ在住音楽アーティストが制作したBGMと、館山在住アーティストの作品が加わって、急遽2日間限定特別展が開催されています。獣害として駆除される動物の中で、一番再利用されない頭骨にスポットを当てて12組のアーティストが参加した展示会です。 アーティストたちは南房総の獣害問題について学び、自らクリーニングして頭骨にして、命と真剣に向き合って作品を作りました。頭骨クリーニングやジビエ頭骨アート展示&販売会「生命の残響」の詳細については、ジビエ頭骨の新しい可能性。異種アーティストが頭骨クリーニングから作品作りまで実践して展示【館山市】で詳しく紹介しています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後1時45分ごろ、仙台市泉区山の寺2丁目にクマが出没しました。

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