<射撃ニュース3月>
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(銃を奪われたクマハンター逆転勝訴:北海道)
これからの時期、クマによる市街地での人的被害も心配されるなか、最高裁では、注目の判断が示されました。猟銃所持の許可取り消し処分を受けた猟友会の池上治男さん(77)が、処分の無効を求めた裁判。最高裁は、処分を違法だとして取り消し、池上さんの請求を認めた1審判決が確定しました。北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長「ハンターにとっては銃が魂です。おかしな判決だったら、駆除から撤退するはずだった。でも、これで考え方がちょっと変わった」。2018年、北海道砂川市で猟友会の支部長を務める池上さんは、市の要請で出動。現場には、警察官や市職員もいるなか、ライフル銃を1発撃ち、ヒグマを駆除します。翌年、北海道公安委員会が「周囲の建物に弾丸が到達するおそれがある発砲は、銃刀法違反にあたる」として、猟銃所持の許可の取り消し処分を出しました。1審の札幌地裁は、市の要請だったことを重視し、公安委員会の処分を取り消しましたが、2審の札幌高裁は、クマを貫通した弾丸が近くにいた別のハンターの銃に当たっていたことをとらえ、「人の生命や身体も危険にさらした」として、池上さんの逆転敗訴とします。北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長(2024年)「危険なクマがいて、『駆除してくれ』と懇願されて、現場に赴いて。行って勝手に撃ったわけじゃない」。クマによる人身被害、死者ともに過去10年で最悪の被害状況となっています。住民の安全をどう守れるのか。40年以上、ハンターとして活動してきた池上さんの思いはここにありました。北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長「銃が好きで、撃ち殺すのが好きでやっている人はいない。あくまでも人のために」。猟銃を所持する許可が取り消されてからも、ほぼ“丸腰”の状態で活動を続けてきました。27日の判決。林道晴裁判長「処分は、酷であるだけでなく、自治体の任命を受けた民間人のハンターの活動を萎縮させる。道公安委員会の処分は、重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、裁量の範囲を逸脱・濫用したもので違法」。平裕介弁護士「国のために働いてくれているハンターを守るというところを、正面から法的に合理的に説明して。正直、前例がない。それをきちっと正面から書いてくれた」。こうしたなか、政府が27日、ロードマップを決定しました。地域ごとに個体数の管理を強化するため、2030年度までの捕獲目標数を設定。捕獲作業に従事する自治体職員の数は、現在の3倍を目指すことを盛り込みました。約7年ぶりに猟銃が戻ることになった池上さん。北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長「やっぱり、その地域の人たちがクマの被害にあわないようにするため、みなさんのために非常に良い判決だったと私は評価するから、200点満点と」。

(クレー男子選手、2年資格停止)
日本クレー射撃協会は26日、東京都内で理事会を開き、男子スキート選手に2年間の資格停止処分を科すと決めた。男子選手は2019年に栃木県内の射撃場で女子トイレにカメラを設置して女性を盗撮し、20年に栃木県の迷惑防止条例違反で罰金30万円の略式命令を受けていた。協会は24年に情報提供などで事件を知り、強化委員らが強化指定を辞退するよう促した。同選手は辞退届を提出したが、後に強要されたとの理由で無効を主張。日本スポーツ仲裁機構に申し立て、今年1月に協会側の手続きの瑕疵が認められた。これまで水面下での対応を続けてきた協会は、仲裁機構の判断を受けて理事会で正式に処分を諮った。

(クマ被害軽減へ、政府がロードマップを策定)
クマ被害を軽減しようと政府は捕獲目標数などを記したロードマップを策定しました。北海道については2034年までに個体数を現在の1万1600頭から8200頭まで減らすことを目標としています。「クマ被害対策ロードマップ」は今年度、全国で13人が死亡するなど、過去最悪となったクマ被害に対応するため策定されました。ロードマップでは人の生活圏とその周辺でのクマの出没を抑えるため、暫定的な捕獲目標数を設定しています。北海道は2025年から2034年の間に合計1万2540頭を捕獲し、現在の推定個体数の1万1600頭から8200頭まで減らすことを目指します。環境省は2026年度以降、個体数調査などを行い適切な捕獲目標数を示すとしてます。

(初の「豚熱」感染、野生イノシシで確認:熊本)
熊本県は、26日、熊本県南部の多良木町で死んだ野生イノシシから、豚熱ウイルスの感染が確認されたと発表しました 。熊本県内で豚熱感染が確認されるのは、今回が初めてとなります。農林水産省の資料によりますと、豚熱とは、豚熱ウイルスにより起こるブタ、イノシシの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。感染豚は唾液、涙、糞尿中にウイルスを排泄し、感染豚や汚染物品等との接触等により感染が拡大します。治療法は無く、発生した場合の家畜業界への影響が甚大であることから「家畜伝染病」に指定されています。野生イノシシの豚熱感染が拡大した場合、ブタを飼う農場での発生リスクが極めて高くなることが懸念されるため、熊本県は今日午後1時30分から、畜産関係団体や猟友会など関係機関を集めた「緊急防疫対策会議」を開催するということです。熊本県によりますと、九州では既に佐賀県、長崎県、宮崎県、福岡県、鹿児島県で感染が確認されています。

(冬眠明けツキノワグマ出没注意、対策会議:兵庫)
冬眠明けのツキノワグマの出没に備え、兵庫県の但馬県民局や但馬地域の市町などが、豊岡市の県豊岡総合庁舎でクマ対策連絡会議を開いた。豊岡農林水産振興事務所によると、2025年度の但馬地域のクマの目撃・痕跡件数は218件(2月末時点)。17年度以降で最も少なかったが、春先は過去にないペースで出没し、4~6月は82件で過去5年間の平均(66件)を上回っていた。餌になるドングリなどの堅果類が豊作だった影響か、秋以降は減少した。春先の急増原因として、前年度に堅果類が凶作だったため、冬眠前に栄養が不足したクマが餌を求めて、例年以上に活発に動いたのではと推測されるという。25年度の堅果類は豊作だったが、同事務所森林課の上田敦祐課長は「冬眠から目覚めたクマは活動的になる。(昨年の)秋に出没しなかったから、春も出没しないとは限らない。大事なのはクマを誘引しないこと」と話し、23日に開かれた連絡会議で対策を呼びかけたという。このほか、鹿用のわなにクマがかかる「錯誤捕獲」の防止に効果があるという乾草飼料「ヘイキューブ」について報告があった。わなの餌は米ぬかが多く使われるが、鹿だけでなく、クマも引き寄せるため、同事務所は人身被害や集落への出没防止のため、ヘイキューブの使用を勧めている。2月に養父市で実施したヘイキューブの研修会には35人が参加したといい、引き続きメリットなどを説明していくとしている。

(「神の使い」の生存競争、2年でなんと3倍に:奈良)
大阪市内で連日目撃が相次ぎ、25日に同市城東区で捕獲され、保護されたシカは奈良市の奈良公園から移動した可能性が指摘されている。奈良公園周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」を巡っては近年頭数が増加傾向にあり、奈良県の山下真知事は「生存競争に敗れた奈良のシカが大阪まで移動したのでは」とも推察。奈良県は26日に開いた有識者会合で、シカの頭数が増加している要因の分析や対処を強化する方向を確認した。適切な頭数管理が今後の焦点になりそうだ。奈良のシカは、奈良市の奈良公園や周辺など合併前の旧奈良市一円を生息地域とするシカのこと。古来、春日大社境内や奈良公園一帯に生息するシカは神の使い「神鹿(しんろく)」として手厚く保護されてきた歴史があり、昭和32年に国の天然記念物に指定された。山下知事は25日の記者会見で、奈良公園周辺にいるシカは文化財保護法に基づく天然記念物だが、範囲外では、鳥獣保護管理法に基づきクマやイノシシと同様の扱いになると説明。野生のシカは奈良で受け入れられないとしている。ただ、大阪市内では最近シカが相次いで目撃されており、奈良からシカが分散している可能性は高い。26日に開かれた「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」でも委員長の村上興正・元京都大学講師が「密度が高まれば野生動物が分散するのは当たり前の現象だ」と警鐘を鳴らした。シカとの共生を続けてきた奈良県は、奈良公園とその周辺を「重点保護・保護地区」に指定。手厚く保護しているほか、駆除せず捕獲だけにとどめる「緩衝地区」、状況に応じて捕獲や駆除など個体数調整を行う「管理地区」にエリアを分けて管理してきた。

(その名も「とれんベア」、ヒグマ対策用ごみ箱を設置:北海道)
2025年にヒグマの出没が相次いだ札幌市に3月30日、クマが倒したり開けたりできない「ヒグマ対策用ごみ箱」が試験的に設置されました。「ヒグマ対策用ごみ箱」を試験的に設置したのは、2025年にクマの出没が相次いだ中央区円山西町地区です。ごみ箱はクマに荒らされないよう人間にしか開けられないロックがかかっていて、鉄製のため、クマでも壊したり倒したりできないといいます。(札幌市環境共生担当課 清尾崇係長)「住民の方にこういったごみ箱を設置することでクマ対策が必要な地域だと改めて認識していただくこと。ゴミ出しのルールとかを改めて守っていただく」。市は試験設置の期間を2年間とし、効果を検証するということです。

(クマ対策、河川敷で伐採推進)
国土交通省は、クマの通り道となる河川敷で木々の伐採を進めている。各地で相次ぐ被害を受け、クマの隠れ場所となる茂みの除去や、重機による草木のなぎ倒し作業を加速し、出没しにくくする。捕獲用箱わななどの河川敷での設置許可手続きも簡素化し、効率的な駆除につなげる。国交省によると、クマは山間部から河川敷の木立や草むらを通って、市街地に下りてくるケースが多い。国が管理する河川の堤防沿いや中州では普段から伐採作業に当たっている。クマの目撃地点を中心に作業を急ぐ必要があり、政府の2025年度補正予算案に関連経費を計上した。

(ガバメントハンターを募集:新潟)
妙高市は、生活圏への出没が相次いでいるクマ対策を強化するため、狩猟免許保有者を公務員として任用する「ガバメントハンター」を募集している。市は既に1人雇用しており、2026年度に新規で1人採用する。鳥獣対策専門員としてパトロールや追い払い、捕獲などに当たる。妙高市によると2月19日時点で、市内の2025年度のクマによる人身被害は2件発生し、目撃情報は104件(前年同期比70件増)。捕獲数は25件で、前年同期に比べ17件増加している。

(クマ・イノシシ対策強化、ハンター活動報酬引き上げ:新潟)
長岡、見附、小千谷の3市の2026年度一般会計当初予算案は、見附は議会で可決され、小千谷と長岡は議会審議が終盤を迎えている。3市とも、26年度にスタートする総合計画に基づいた編成で、子育て支援や産業活性化、地域交通の再編などに力を入れる方針だ。3市の重点分野に焦点を当て、現状と施策を見定める。2025年秋は山のドングリの大凶作となり、餌を求めるクマの出没が全国で増加した。25年度の長岡市内の出没件数は、23日までに過去最多の338件。自治体の判断で市街地での発砲を可能とする「緊急銃猟」の制度が始まり、市内ではクマとイノシシで1件ずつあった。

(クマ目撃急増で「野生鳥獣対策幹」新設:埼玉)
埼玉県は30日、4月1日付の人事異動を発表した。異動規模は前年度比61人減の2411人。女性の活躍推進に引き続き重点を置いた結果、副課長級以上の女性管理職は前年度比10人増の137人、管理職全体に占める割合は16・5%となり、人数・割合ともに21年連続で過去最高を更新した。組織改編では、クマやイノシシの目撃情報が急増している現状を受け、環境部みどり自然課に「野生鳥獣対策幹」を新設した。

カ騒動で大阪市が大慌て、“押し付け”を拒否した奈良県のもっともな言い分)
奈良県側の答えは「明白」だった。大阪市都島区の公園や市街地に22日、若い雄のシカ1頭が突如現れ、大騒ぎになった一件。シカは大阪府警の交通機動隊が入る施設敷地内に侵入して雑草を食べたり、のんびり寝転がっていたが、最初の目撃情報(21日午前)から丸4日が経った25日午後1時15分、市職員が用意したおりに誘導され、ようやく捕獲された。奈良市の一部エリアに生息するシカは「天然記念物」となるため、対応に追われた大阪市は奈良県に受け入れを打診。しかし、山下真県知事は25日の定例会見で「奈良公園から(外へ)出たシカは天然記念物ではなく、野生動物」と要請を突っぱねた。「エリア外となる奈良市以外では鳥獣保護管理法に基づきクマやイノシシと同じ扱いになる」と説明。さらにこう言って受け入れを拒否したのだった。「大阪市で捕獲した場合、県内で放すことは認められない。農作業や人へ被害を及ぼす恐れが否定できない。県が把握している限り、捕獲した野生動物を他の都道府県で放獣した例は確認できていない。この原則を崩すことはできない」。奈良県から回答を受けた大阪市の横山英幸市長は府内で受け入れ先を調整するとし、シカは「市動物管理センター」で一時保護される。騒動勃発後、テレビ局は現場にリポーターを派遣し、生中継でシカの行方を追いかけるなど、総力取材。一方、奈良県には「連れて帰らな、かわいそうやろ」といった声が寄せられていた。「現在いる場所を生息地としていますが、奈良市内に生息するシカであっても農業被害を防止するため、許可を受けた上で保全に影響がない範囲で必要な頭数を駆除しています。今年になって450頭を駆除しました。大阪で見つかったからといって、農産物や人に被害を与える可能性のあるシカを『奈良県産だろう』と送り返されても困ります。逆にクマやイノシシを違う場所から連れて来られ、現地で放獣されたら住民はどう思うのかということです」(奈良県の担当者)。奈良県内には約6万5000頭(2020年時点)の「ニホンシカ」が生息し、隣接する京都や大阪から移動してくる個体もいる。奈良公園にいるシカは1465頭だが、奈良市内において「天然記念物」の対象となるシカは数千頭に上る。いちいち騒いでいたらキリがなく、そもそも今回捕獲されたのは、「普通のシカ」だ。「仮に奈良のシカだったとしても、エサを求めてなのか、住みづらかったからなのか、縄張り争いに敗れて逃げてきたのか、いずれにせよ、人の手ではなく、自らの意思で生息地から離れたわけです。それを『かわいそうだから』といって無理やり元の場所に連れ戻したら逆にストレスが生じる可能性があります。渡り鳥もそうですが、野生動物の自由行動を、もともとそっちにいたからといって、戻すのはどうか。シカが30キロ移動することはあり得ますが、わざわざ大阪まで行った理由は分かりません。奈良市民は毎日のようにシカの姿を見ていますから、何でそんなに騒ぎになるのか、そっちの方が不思議です」(前出の担当者)。ガソリン価格が高騰し、物価高により、国民生活が脅かされているというのに、シカに振り回されている場合か。

(島とイノシシの歴史をたどる:香川)
香川県内最大の島で、瀬戸内海でも淡路島に次ぐ2番目の大きさの小豆島。四方を海に囲まれ、橋もないこの島にイノシシがすみ着いている。実は100年以上前に一度絶滅した後、四国から海を渡り再びやってきたことがわかった。イノシシを巡る歴史をたどった。「このあたりで一昨年、昨年と連続でイノシシがかかったんです」。小豆地区猟友会の石井良次さん(74)が、設置したわなを案内してくれた。土庄町出身の石井さんは、就職を機に移住した兵庫県で猟師になった。2023年に島にUターンしてからも、狩猟のために毎日、仕掛けたわなの見回りをしている。石井さんは「子どもの頃、島にシカはいたけどイノシシはみたことがなかった」と話す。実は、島でイノシシが出没するようになったのは最近の話だ。15年ほど前まで、過去に絶滅した動物と考えられていた。

(冬眠明けのクマの出没に備え、ハンターによる射撃訓練:宮城)
冬眠明けのクマの出没に備えようと、ハンターによる射撃訓練が宮城県村田町で行われました。28日午前、村田町にある宮城県クレー射撃場。白石市鳥獣被害対策実施隊の福岡分隊の隊員13人が、勢いよく飛び出すクレーを狙って猟銃を次々と発砲していました。射撃訓練は、農作物を荒らしたり、人に危害を与える恐れがあるクマやイノシシなどへの射撃技術を向上させようと行われました。<宮城県猟友会刈田支部 安彦哲男 支部長>「大変危険なものですから、銃の操作に慣れてもらって一発でクマとか仕留めていただきたい」。隊員たちは、今後も定期的に訓練を重ね、出動に備えるということです。

(“狩猟免許”取得を後押し!:新潟)
コメの高騰が社会問題化する中、毎年、稲に被害をもたらしているのが、イノシシなどの動物だ。こうした鳥獣被害を減らすためにも農家などが参加して狩猟免許を取得するための講習会が開かれた。6月、新潟県十日町市で開かれていたのは、狩猟免許の取得を希望する農家などを対象にした講習会だ。より多くの人に狩猟免許を取得してもらおうと、JA魚沼と地元の猟友会が毎年講習会を開催。参加者は猟銃の扱いやワナの設置方法など実際の試験で課される課題を学ぶ。参加者は「地域によくクマやイノシシや害獣が出るので(農地などを)守りたいと思い来た」と参加の理由を話す。これからの時期、十日町市内では鳥獣による農作物の被害が多く発生し、2024年は十日町市内だけで1000万円ほどの被害が出ている。さらに、十日町市では地域の高齢化が進み、狩猟免許を取得している105人のうち60歳以上が7割を占めていて、有事の際すぐに活動できる人材が不足しているのが現状だ。県猟友会の池田富夫会長は「『イノシシが出た。お願いします』と言われても、誰も行けないというのが現状」だと話す。今後も懸念される農作物への被害。参加者から多く聞かれたのは、コメへの被害の不安だ。参加者の中には「稲が穂を出すとすぐ食べにくる。イノシシが集団で。田んぼの周りに網をかけてみたが、それを無理やり引きちぎる。ハクビシンは力があるのでやられた」と被害に遭ったときの状況を話す人も。自らもコメを生産しているJA魚沼の大嶋友吉さんが案内してくれたのは、周囲を木々に囲まれた山間にある田んぼ。大嶋さんは「山間部の条件が悪いところでは、自分の田んぼは自分で守らなければいけないということで狩猟免許を取得する人がいる」と話す。こうした山間にある田んぼでは、鳥獣による被害が避けづらいという。「稲の上に体をこすりつけ、のたうち回る。稲に臭いがついて、乾燥調整しても異臭や動物臭がして食べるには厳しいものになる」。コメの高騰が社会問題化する中、稲を守り、コメを消費者に届けるためにも大嶋さんは狩猟免許を取得する若者を増やしたいと考えている。「若手からどんどんと免許の取得をやってもらえるような環境づくりができれば」。

(狩猟免許取得について関心を持って」:北海道)
シカやクマなどの駆除を行う際に必要な「狩猟免許取得」について関心を持ってもらおうとサッポロファクトリーでイベントが行われました。このイベントは、クマなどの野生動物による被害が深刻化する中で、最前線で駆除に当たるハンターの活動を知ってもらおうと道や道猟友会などが開催したものです。会場では、ハンターが携帯するバッグなどの装備品や、本物の猟銃をモデルにした模擬銃が展示され、来場者が重さを体験しました。また、札幌市や猟友会などによるトークセッションも行われ、ハンターがになっている社会的役割や緊急銃猟のありかたついて理解を求めました。去年、道警に寄せられたクマの目撃通報は5200件余りで、過去5年で最多となっています。

(北アルプス上高地で鹿が越冬、既に定着か:長野)
北アルプス上高地の標高1600メートルを超える樹林帯でニホンジカが越冬していることが、自然公園財団上高地支部(松本市)の調査で明らかになった。一緒に調査に当たった信州大山岳科学研究所(上伊那郡南箕輪村)の泉山茂之・特任教授(67)=動物生態学=によると、このエリアでの越冬確認は初とみられる。

(平安時代の僧侶はシカ肉好き?:奈良)
平城京(奈良市)にあった寺院の井戸跡から、平安時代のニホンジカや魚の骨片が出土したことが奈良文化財研究所の調査で分かった。寺院の僧侶らが食べた後に廃棄したごみの可能性がある。当時、僧侶が肉を食べることは禁止されていたが、病気の治療に限って認められていたという。調査した山崎健環境考古学研究室長は「平安時代の寺院での食生活が分かる貴重な資料」と話した。研究所によると、寺院は奈良時代に創建された海龍王寺。かつて境内にあった井戸を埋めた土の中から骨片が見つかり、土の年代から、平安時代のものと判断した。魚やニホンジカはその時代の一般的な食材という。魚の骨片はアジ科やタイ科など計4点。これまでに、奈良時代に建てられた西大寺(奈良市)の井戸跡からも多くの魚の骨片が出土している。ニホンジカは後ろ脚の骨片で、最も長いところで約6センチあった。骨製品の制作に使われることが少ない部位のため、食用だったとみられる。成果は奈良文化財研究所発掘調査報告に掲載された。

(ムクドリ『大量襲来』:兵庫)
兵庫県加古川市のJR加古川駅前に『ムクドリ』が大量襲来しています。これまでも全国各地で“ムクドリと人間の戦い”が繰り広げられてきましたが対策は難しいようです。地元住民らによりますと、ムクドリは数年前からこの場所に現れるようになったそうですが、今年は特に数が多いといいます。これまでも全国各地で繰り広げられてきたムクドリと人間との戦い。奈良市では過去に対策として天敵である『ハヤブサ』の模型を設置しましたがあまり効果がありませんでした。模型がダメならと、大阪府堺市では2013年、天敵のタカを投入して徹底抗戦。驚いたムクドリは一気に舞い上がるなどしましたが効果は一時的でした。高知市ではムクドリの悲鳴を録音して流しましたが改善には至らず。さらに去年、奈良市では拍子木を鳴らして追い払おうとしましたが…。音に慣れてきたのかすぐに戻ってくるなど、人間とムクドリのにらみ合いが続いています。加古川市でも、数年前から様々な場所でムクドリの群れが確認されていますが、今年は駅前にいつもより多くのムクドリが飛んできています。その理由について市は、去年伐採や剪定をした街路樹がたまたま商店街の近くに多く、それが理由で商店街にこれまでにない数が集まった可能性もあると話しています。市は対策のために木を切ることを商店街に提案したということですが、商店街側はこう話します。(商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「昔は木も何もない商店街だったんですけど、木をいっぱい植えて緑あふれる加古川の街にしようっていうのがコンセプトになっていますので、緑を大事にしたいと思っております。木を切らずになんとかできないかというのを検討中です」。

(大学生が酪農体験:北海道)
若手新規就農者が企画した「えさし農ある暮らし体験ツアー」が、枝幸町酪農振興センターを主会場に開かれた。酪農業に関心がある大学生13人が参加し、牧場見学やチーズ作り、エゾシカの解体などを体験した。...

(駆除されたニホンジカの革製品を販売へ:長野)
工業デザインなどのケルビム(諏訪市)が、諏訪地域で捕獲されたニホンジカの皮を使った革製品の販売を本格化させる。皮革製造の宮内産業(飯田市)などと連携して長財布とポシェットを開発し、販売に向けてクラウドファンディング(CF)を始めた。廃棄されることが多い皮を有効活用して高齢化が進む猟師の収入増にもつなげ、持続的に地域資源が循環して森林環境が守られる仕組みをつくりたいとしている。諏訪地域の猟師が地元で捕獲した鹿の皮を宮内産業がなめし、都内の縫製工場で加工する。表面にざらつきを出す特殊加工が特徴で、皮に多少傷があっても製品化できるという。

(半自給自足の生活、狩猟風景:福島)
50歳で脱サラし、動画やラジオで「狩猟おじさん」として活動する二本松市の男性がいる。阿久津勝さん(52)だ。東日本大震災を機に「半自給自足」の生活を始め、狩猟の様子を発信する。阿久津さんは「活動を通して食や命の大切さを広く社会に伝えたい」と話している。北九州市で育った阿久津さんは10歳代の頃から八幡製鉄所で働いた。産業構造の変化で製鉄が苦境に立ち、20歳代になると千葉県流山市の公園遊具製造会社に転職。25歳で千葉県野田市に自宅を構え、東日本大震災当時は家族6人で暮らしていた。両親が暮らしていた富岡町の自宅は津波に流された。両親は助かり、原発事故の避難で千葉に呼び寄せたが、「富岡に戻りたい」とせがまれた。震災直後、物流網の機能が止まり、千葉県野田市のコンビニ店でも食料が棚から消え、ガソリンも買えなかった。「便利さを追い求める資本主義の無力さを感じた」と生活を見つめ直すことにしたという。2013年に郡山市に移住した。同市の建設会社で働きながら、5年前、幼い頃から興味があったクレー射撃のライセンスを取得した。転機はその時。射撃場で知人に「狩猟をやってみないか」と誘われ、山に入るようになった。生きている動物をめがけて引き金を引く緊張感。仕留めたシカを山から下ろし、食肉処理で無我夢中になっている自分に気づいた。「環境によってもジビエの味も変わる。子どもたちにも食のありがたみや山の四季を伝えたい」。そう思うようになった。加工場を作り、半自給生活を送るため、二本松市の山間部に平屋住宅を購入して引っ越した。井戸水を使い、梅干しやみそなどの保存食も自ら仕込んでいる。会社を辞めたのは24年1月。50歳だった。1年ほどかけて活動を模索し、同年12月に須賀川市で開かれたイベントでイノシシの頭骨を使ったアクセサリーなどを販売した。フリーランスとして「狩猟おじさん」を名乗り始めると活動の幅が広がった。24年8月には絵本「カーリーとしゅりょうおじさん」を出版し、子ども食堂の食に関するトークイベントにも顔を出した。動画投稿サイト「ユーチューブ」に狩猟の動画を投稿し、ラジオや音声配信サービス「ポッドキャスト」で半自給自足生活の魅力を紹介している。獣医師から猟師になった主人公が命と向き合う姿を描いた短編小説「一発の銃声」も25年にKindle(キンドル)で発表した。活動の原点には発達障害がある次男の 響祈ひびき さん(21)の存在もある。次男は音楽活動をしているが、組織で働くのが難しい。阿久津さんは「この子に最後に残せることは生きる力を教えること。有事でも生きる力を知っておけば少し安心できる」と語る。我が国は「災害大国ニッポン」とされる。「災害が起きた時にも備えがあれば強い。自給自足のライフワークを発信することで、備えにつながる暮らしを考えるきっかけになればいい」と話している。阿久津さんは28日~4月5日、須賀川市のアトリエ喫茶たろう内のギャラリーで、狩猟の魅力をアートで伝えるイベント「命の終わりから、創造の始まりへ。」を開催する。キジの羽で書物を書く書道家や、クマの爪を使ったはにわを作る粘土作家ら8人のユニークなアーティストが一堂に会し、作品を展示する。

(県産ジビエと総菜の店:埼玉)
県産ジビエなどを扱う「ル・マルシェ・ド・トワ」(さいたま市浦和区高砂2)が3月5日、JR浦和駅西口にオープンした。店長の佐藤真由香さんは日高市在住で、実家は浦和区で26年続くカフェ「土瑠茶(ドルチェ)」を営んでいる。店が入るビルオーナーから「地域に貢献できるような店を」という呼びかけに応えて、飯能・日高エリアの食材を中心としたセレクトショップの開業を決めた。店名の「トワ」はオーナーである公平トワ子さんの名前にちなんだもの。飯能・日高エリアでは近年、シカやイノシシなどによる獣害が増えている。佐藤さんは地元のジビエ肉処理事業者とつながりがあり、害獣を廃棄処分するのではなく、有効活用したいとの思いがあったという。仕掛けわなにかかったシカやイノシシを食肉として販売するほか、カフェ土瑠茶で加工したジビエ総菜も販売している。ジビエ総菜の一番人気は「鹿肉の赤ワイン煮込み」(600円)で、生産が間に合わないほどだという。「イノシシベーコンのザクロソースサラダ」(680円)はベーコンに加工したイノシシ肉を使っている。カフェ土瑠茶で提供しているキッシュやスパイスカレーなどの手作り総菜も並べる。

(「ジビエラーメン」開発:神奈川)
丹沢山地で捕れるシカ肉の消費拡大を目指し、秦野市内でラーメン店を営む小野瀬幸弘さん(54)がシカひき肉を使ったラーメンを開発した。キッチンカーも展開する小野瀬さんは「(キッチンカーの)機動力を生かしてジビエの魅力をアピールし、秦野に人を呼び込めたら」と意気込む。メニュー考案は、2月に行われた秦野商工会議所のセミナーで、ジビエへのニーズの高まりと市内で提供している量のギャップに気がついたのがきっかけだった。昨年開催の「グルメフェスティバル」で来場者や参加飲食店を対象にしたアンケート結果では、市内店舗でのジビエ料理の提供を求める回答が大半を占めていたのに対し、「今後もジビエ料理を提供しない」とした店舗が半数を超えていた。小野瀬さんは「食べたい人が多いのに、食べられる店が少ないのはおかしい」と、ジビエ料理を提供している飲食業の知人から市内でも精肉として販売している店を教えてもらい、ジビエメニューに取り組んだ。

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(刑事責任リスクでヒグマ駆除に遅れ、砂川猟銃訴訟27日に最高裁判決:北海道)
砂川市の要請によるヒグマの駆除を巡り、猟銃の所持許可を取り消されたハンターが起こした行政訴訟の最高裁判決が、27日に言い渡される。処分の取り消しを求めるハンターが逆転敗訴した札幌高裁判決から1年半。刑事責任のリスクから発砲判断が慎重になり、駆除が遅れるケースも出ている。猟友会関係者は「現場の萎縮は住民の危険につながる」とし、判断基準の明確化につながる判決を求める。

(イノシシ、豚熱疑い:鹿児島)
鹿児島県は19日、霧島市で17日に見つかった死んだ野生イノシシ1頭が、豚熱(CSF)に感染した疑いがあると発表した。国の検査で確定すれば、野生イノシシの感染確認は県内初めてとなる。県によると、九州で野生動物の感染が確認されていたのは福岡、佐賀、長崎、宮崎の4県。塩田康一知事は対策本部会議で「養豚場への侵入を防ぐため、衛生管理基準の順守徹底に万全を期していく必要がある」と述べた。

(機動隊にクマ駆除の射撃チーム:岩手)
岩手県は24日、今シーズンのツキノワグマの出没に関する注意報を県内全域に発表した。冬眠時季の人身被害発生を踏まえ、4月以降出没が増える恐れがあるとして初めて3月中に出し、注意喚起した。

(鳥獣被害対策課を新設:山形)
山形市職員の人事異動が25日内示され、新年度、総務部長には伊藤哲雄企画調整部長が起用されました。また、去年のクマの大量出没を受けて、新たに鳥獣被害対策を専門とする課を設置します。25日内示された新年度の山形市の人事異動の総数は今年度より183人少ない1144人です。主な組織機構の改編です。環境部に鳥獣被害対策課を新設します。山形市では去年、1年間のクマの目撃件数が203件で過去最多となり、市街地への出没も過去、類を見ないペースで発生しました。今年も3月22日までに7件目撃されています。市は、市民の安全確保に向けて迅速かつ効率的に対応できる体制を整備するとして、これまで環境課と農村整備課が行ってきた業務を一元化します。

(クマ対策に力、緊急銃猟の出動報酬など予算に:岐阜)
飛騨地方の2市1村は、住民の生活圏に入り込むクマへの対策を強化する事業費を新年度予算案にそれぞれ盛り込み、議会で可決された。高山市内の今年度のクマの目撃情報は456件(2月末現在)で前年度の2倍を上回る。昨年10月には、栗拾い中の70代男性が親子のクマに襲われ頭部などを負傷した。市は「人身被害防止の体制を充実させる」として計390万円を予算に盛り込んだ。鳥獣保護管理法の改正で可能になった、自治体の判断で銃を使う「緊急銃猟」の実施に備え、緊急銃猟の出動報酬を新設する。市の要請で出動した猟友会員らに1回2万円を支給し、出動時間が2時間を超えた場合は時給3千円を加算する。また、実際に猟銃を使った人には1万円を加算する。緊急銃猟に対応できるハンターを育てるため、狩猟免許を取ったり、猟銃を購入したりした場合は費用を最大50万円補助する。「市職員の免許取得を想定している」(農務課)という。飛騨市もハンター育成に力を入れる。狩猟免許を持つ若手の技能向上のため、射撃場利用料金(1回2200円)や弾代などの訓練費用を補助する。免許取得費補助と合わせ179万円を計上した。高山市と同様に、緊急銃猟の出動報酬を新設し、盾や防護品も購入する。クマは、えさになる柿や栗などを狙って集落に出没するケースも多い。こうした果樹の伐採補助金300万円も確保し、個人で伐採すれば5万円まで全額を、自治会など団体が伐採したら30万円まで全額を補助する。林業振興課は「ぜひ補助金を活用してほしい」と言う。昨年10月、世界遺産の合掌造り集落でスペイン人観光客が襲われた白川村。新年度予算では、動物が嫌がる高周波を出す機器を購入、設置する費用347万円を計上した。元々はシカ向けの機器だが、富山県内でクマ対策に使った例があり、新年度は目撃件数の多い村の南部地域を中心に設置して効果を確かめるという。クマを誘う柿や栗の木などを伐採する費用250万円も盛り込んだ。さらに、森林と人里の境界にある林などを伐採する事業にも着手するという。高山、飛騨市と同じく緊急銃猟の出動報酬も計上した。

(捕獲数定めるか検討へ:福島)
福島県は24日、ツキノワグマの保護と管理などについて話し合う有識者を交えた検討会を開いた。今年度のクマによる人身被害は21件24人(13日時点)で、統計が残る1998年度以降で最多となった。現在、県では捕獲の目標数を決めていないが、数を決めて管理するかどうかを新年度から検討していく方針も確認した。県生活環境部自然保護課のまとめでは、2025年度はクマの目撃件数も過去最多の2014件(2月末時点)となり、これまでの最多だった23年度の709件の3倍近くに達していることが報告された。通常は冬眠に入る12月も71件の目撃があった。県は、冬眠しないクマが増えたことによるものとみて、県内全域に「ツキノワグマ出没注意報(冬期)」を4月15日まで発令している。この日の会合では、26年度の新規の対策などについても確認した。県は現在、福島市と昭和村、柳津町に定点カメラを計86カ所設置し、クマの生息状況を調べているが、26年度は県中、県南にも広げる。定点カメラでの捕捉から、今年度は小型のクマが増えている様子がみてとれるという。親グマが捕獲され子グマが単独で人里に近づいているとみられる。このほか、県警の情報をもとに公開している「クマ目撃マップ」に、新年度からは自治体情報も追加し、更新頻度も上げる。また、現行の管理計画では捕獲数を定めていないが、27年度からの次の計画で捕獲数を定めるかが問題提起された。座長を務めた東北芸術工科大の田口洋美名誉教授は「これまでクマは『保護』を考えてきたが、人とのもめ事がないよう、いかに管理するか」と話し、局面が変わったと説明。新年度は捕獲目標を定めるか検討していくとした。捕獲したクマの年齢や体長などの詳細なデータの収集に努めるとした。25年度は1月末時点で過去最多の1663頭が捕獲された。

(クマの目撃情報共有アプリを導入へ:岩手)
県のクマ対策会議が開かれ、県民がクマの目撃情報を共有できるシステムを早ければ24日にも導入することなどが確認されました。会議には達増知事のほか県の幹部が出席し、来月からの新年度から実施する具体的なクマ対策の取り組みについて話し合いました。この中では県の公式LINEを活用し、県民がクマの目撃情報をリアルタイムで共有するアプリ「Bears(ベアーズ)」が導入され、早ければ24日にも利用開始できるということです。また、今年に入ってからクマによる人身被害が2件発生し、来月以降も出没が増える傾向があることから、県は24日から「ツキノワグマの出没に関する注意報」を発表しています。

(ツキノワグマ管理計画を改定へ:茨城)
茨城県は去年策定したツキノワグマ管理計画について、市町村の判断で可能となった「緊急銃猟」を盛り込むように、改定することになりました。県環境政策課によりますと、今年4月からの運用が予定されている管理計画では、国の方針を踏まえて、クマが出て危険と判断した場合、市町村の判断で「緊急銃猟」が可能となるほか、的確な情報提供や風評被害の防止も進めるとしました。改定される計画案は、3月25日に開かれる自然環境保全審議会で承認される見込みです。県の新年度予算案では、クマの捕獲体制を強化するため、ライフル銃を扱える人を事前に登録して、市町村の要請で派遣するほかライフル銃を扱う人の訓練費用などにおよそ1300万円が計上されています。

(クマ被害対策の統括監も配置:秋田)
秋田県は23日、2026年度の定期人事異動を発表しました。新たな総合計画の実現に向け2つの部を改めるなどの組織再編を行います。また、部局をまたいだクマ対策を統括するポストを新たに設け次長級の職員をあてます。

(緊急銃猟、模擬銃で確認:青森)
青森県八戸市と八戸署などは19日、住宅街でのツキノワグマ出没を想定した緊急銃猟の実地訓練を市農業経営振興センターで実施した。市は昨年12月に対応マニュアルを策定しており、実地訓練は今回が初めて。参加者は出動時の動きをマニュアルに照らし合わせながら、クマ駆除に至るまでの手順を確認した。

(人が気付かずにクマが同じ道路を通っている:岩手)
岩手生態学ネットワークと森林総合研究所東北支所は20日、盛岡市盛岡駅西通のキオクシアアイーナで、クマの出没状況や生態について学ぶ市民講座を開いた。2025年度は県内で人身被害が相次ぎ、冬眠時季の出没件数が増えている。専門家らはクマとの遭遇や被害を防ぐため、対策の重要性を訴えた。

(住宅地に迫るシカ・熊・サル:広島)
広島市近郊の市街地を囲むようにシカ、ツキノワグマ、サル、イノシシが生息、出没している状況が中国新聞のまとめで分かった。山林を移動しているとみられ、山際の住宅地で増えている地域も。春になり、野生動物の活動も活発になる時季。人の接近に伴う事故やトラブルに一層の注意が必要だ。シカは広島市安佐北区の白木山を中心に生息する。南は安芸区、西は佐伯区湯来町まで出没。住宅街に入り込む▽畑の防除ネットに角を引っかける▽牧草を食べる―などの報告が市町へある。捕獲数は安佐北区が2024年度1655頭、25年度(10月末まで)1566頭と突出。市農政課は「生息数は地域ごとに濃淡がある。白木山周辺の密度が上がり、餌を求めて広がっている」と分析する。佐伯区の担当者は「10年ほど前に出没情報を聞き始めた」、府中町の担当者も「18年の西日本豪雨で山が荒れた影響か、山際の市街地での出没が増えてきた」と話す。ツキノワグマは広島市で25年度(12月末まで)に7頭捕獲された。市農政課は「ドングリなど山の食料は豊富。捕獲も出没も例年並み」と説明。山が深い安佐北区西部で特に動きが活発とみられる。市町が把握する生息範囲は、県などが20年度の西中国山地の調査でまとめた生息範囲図とほぼ重なっている。

(里山利用でクマ対策:富山)
富山県氷見市の林業者や製材業者らでつくる「ひみ里山杉活用協議会」(岸田毅代表理事)は22日、市芸術文化館で「氷見の里山から考える クマの被害と対策」と題した講演会を開いた。クマの生態に詳しい石川県立大の大井徹特任教授が講師を務めた。人身被害が増えている要因として、里山が放置されて人里近くまで森林が回復し、クマにとって好適な生息地となっていることなどを挙げた。奥山に十分な数のクマが生息できる環境を維持しつつ里山の利用を促進し「里山をクマにとって居心地の悪い森にする必要がある」と訴えた。市民ら約100人が聴講した。北日本新聞社後援。

(クマの冬眠明けを前に、市民講座:岩手)
クマが冬眠から覚め、行動を活発化させる時期が近づいている。盛岡市では20日、クマの生態や人との関わりを学ぶ市民講座が開かれ、200人以上が集まった。クマの生息域が年々広がる状況が示され、「人身被害をどう防ぐか」などの質問が相次ぎ、関心の高さがうかがえた。地元の研究者らの集まり「岩手生態学ネットワーク」と、森林総合研究所東北支所が主催。研究者とクマ対策をする自治体職員、動物写真家の3人が登壇し、クマをめぐる現状や課題が多角的に示された。森林総合研究所多摩森林科学園の岡輝樹さんは、「ブナの実りと出没の科学」をテーマに発表した。同研究所管内の東北5県では、クマの重要な餌であるブナがまったく実をつけない「無結実化」の割合が年々進んでいるという。岡さんは、農業や生活に被害を与えるおそれがあるとして、法に基づき自治体の許可を得ておこなわれる「有害鳥獣捕獲」の数に着目。「クマの出没状況や人間に与える被害の大きさを示す指標になる」と説明した。ブナの実が不作の年にはその数が増え、さらにその増加は人身被害件数とも連動しているという。そのうえで「現在は出没した個体への事後対応が中心で、対応も個人の経験に依存する側面が大きい」と指摘。「被害を事前に防ぐ『予防』に力を入れ、専門知識を備えた人が出没したクマにどう対応するか判断すべきだ」として、人材の適切な配置の重要性を強調した。岩手大学出身で、秋田県自然保護課職員の渡辺颯太さんは、秋田の現状や取り組みを紹介。1970年代と現在の航空写真を比較して、集落周辺や河川沿いまで森が迫り、クマが移動しやすい環境が広がっていることを示した。「人とクマの距離は確実に縮まっている」と警鐘を鳴らした。動物写真家の佐藤嘉宏さんは、長年の観察に基づく映像を紹介。クマが季節ごとにカエデやブナ、昆虫など多様なエサを探す様子や、親子で行動する姿に会場からは笑みもこぼれた。一方で、人里近くで活動する様子も示され、「私たちは気づかないままクマに接近していることが多々ある」と指摘した。佐藤さんは「岩手のクマはちょうど今頃、冬眠から明けて活動を始める時期。常に食べ物を求めて行動する動物だ」と説明し、「正しい知識を持ち、過度に恐れず、適切な行動をとることが重要だ」と呼びかけた。29日には、盛岡市動物公園(ZOOMO)で、同様の啓発イベント「山でゆったり暮らすクマ、街中出没する異常なクマ」が開かれる。佐藤さんと岩手大の山内貴義准教授、報道カメラマンの柳沢啓さんの3人が話し、辻本恒徳園長との座談会もある。

(クマと地方、どう共生するか:山形)
野生動物が専門で、ツキノワグマの調査・研究も手掛けた山形大の玉手英利学長が、任期満了に伴い3月末で退任する。全国でクマが人間の生活圏に数多く出没し、人身被害も相次ぐ中、根本的な解決への手立てはあるのか。話を聞いた。――クマの研究に関わったきっかけは。石巻専修大(宮城県)で金華山島のニホンジカの研究をしていたが、クマについては山形大に赴任して以降の2006年、県内で起きた大量出没が契機になった。推定個体数は1500頭とされていたが、捕殺されたクマは690頭を超えた。「頭数や生態などに異変が起きているのではないか」と考え、学生や仲間の研究者たちと調べ始めた。――調査の成果は。大量出没の翌年の07年2月の厳寒期に、山形県鶴岡市の朝日地域で民家の床下に子グマが入り込んだ。捕獲時には既に弱っており死んでしまったことから、DNA型を調べると4カ月前に同地域で捕殺された母グマと一致した。母グマから冬眠を学習できずに動き回る子グマがいることを科学的に裏付けた。また、13年にはクマの生態に適した環境条件についてデータ解析をしたところ、川に近く、道路から遠いほど好まれるという結果となり、県内のほぼ全域が住みやすい環境になっていることも明らかになった。――調査・研究を続けていく中で感じたことは。09年から岩手県の北上山地で3年に及ぶ調査・研究に加わった。その時には、わなでクマの体毛だけを採取し、DNA型を分析することで個体を識別する「ヘアトラップ法」などを駆使して推定個体数を割り出した。従来の目視による算定法は過少に見積もっていた可能性があることを突き止めた。

(市街地でのクマ襲撃は「災害」:秋田)
ツキノワグマに襲われた人たちの証言を分析すると、個人的なアクシデントではなく「生活圏災害」としての心理構造が浮かび上がった―。秋田大の研究班が21日、新潟市で開かれた日本災害医学会の学術集会でこうした研究成果を発表した。被害は外傷だけでなく、心理や生活に波及していることを明らかにし「医学分野でもクマによる被害を『災害』として捉えて支援することが必要だ」と訴えた。発表したのは秋田大の奥山純子客員研究員(尚絅学院大教授、精神医学)。奥山客員研究員は門廻充侍(せとしゅうじ)講師(防災工学)との研究班で、2023年に被害に遭った10人にインタビューを実施。被害者の「語り」から心理的影響の構造を分析した。インタビューは昨年夏、秋田魁新報と共同で行った。

(55年のハンター歴を持つ会長発言の重み:北海道)
冬眠から目覚めたクマが活動を始め、札幌市などでは市街地への出没を防ぐための「春期管理捕獲」がスタートする季節。しかし、そんな本格的なシーズンを前に、ヒグマ対策の最前線に立つ北海道猟友会のトップが漏らした、ある発言が波紋を呼んでいる。「クマの駆除から猟友会を外してもらいたい」。クマの目撃や被害が相次ぐ中、なぜ彼は「撤退」を口にしたのでしょうか? ハンター歴55年の大ベテランである堀江篤会長の言葉から、日本のクマ対策が抱える深刻な問題が浮き彫りになってきました。025年、北海道ではクマの出没が相次ぎました。目撃などの通報は5,000件を超え、捕獲数は2,000頭以上といずれも過去最多を記録。住民の不安がピークに達する中、11月に開かれた「ヒグマ対策推進会議」の場で、その発言は飛び出しました。会員数約5,700人を束ねる北海道猟友会の堀江会長が、「警察や自衛隊に対応してもらえればいい。われわれは外してもらいたい」と発言したのです。会議室に走る緊張。長年、地域の安全を守ってきた猟友会が、なぜ突然このような発言をしたのでしょうか。堀江会長の真意を探ると、国が推し進めるある制度への"強い違和感"が見えてきました。それが「ガバメントハンター」の拡充です。クマ被害の多発を受け国は、警察官や自衛官OBを自治体が雇用し、クマ駆除にあたらせる方針を打ち出しました。一見すると合理的な解決策に思えますが、堀江会長はこれを「雲をつかむような話」「その場しのぎ」と一刀両断します。「いきなりトップダウンで警察官にライフルを持たせる、自衛隊にお願いすると。猟友会そっちのけでどんどん進んでいる。それならそっちでやりなさい、という気持ちだったんです」。堀江会長が危惧しているのは、現場の過酷さと制度のミスマッチです。銃の扱いを知っている警察官や自衛官のOBであっても、「クマを撃つ」ことは次元が違うと言います。「止まっているものと動いているものでは違う。クマは襲ってくる。2~3メートル手前まで来る。その時まで待って撃てるか。それだけの度胸があるかだ」。さらに、OBとなれば年齢は60歳を超えています。険しい山道を歩ける体力があるのか、日々の厳しい訓練を積めるのか。たまにしか訓練しないのであれば「初心者と同じ」であり、初心者がクマを撃てるようになるには10年以上かかると堀江会長は指摘します。実際、北海道のデータ(1962~2024年度)によると、クマに襲われ死傷した177人のうち、狩猟や駆除の際に反撃されたケースが66人で最多となっています。クマの駆除は、常に死やケガと隣り合わせの極限の現場なのです。堀江会長は、決して国のクマ対策に非協力的なわけではありません。むしろ「クマの有害駆除は国でやってほしい」と以前から訴え続けてきました。彼が求めているのは、高齢のOBを一時的に雇うような「その場しのぎ」ではなく、若い世代を雇用し、訓練を重ねて専門職として育て上げる「持続可能な制度」です。堀江会長は、ガバメントハンターの教育や訓練には全面的に協力する姿勢を見せていますが、一方で、こうも本音をこぼします。「僕は言ってるんですよ、もう普通のハンターに戻りたいって」。猟友会トップの"撤退"発言は、決して無責任な投げ出しではなく、現場を知らないまま進む国のトップダウン政策に対する「命がけの現場からの強烈な警告」と言えます。クマとの共存、そして住民の安全をどう守っていくのか。猟友会という民間ハンターの善意と自己犠牲に頼り切る時代は、もう限界に来ています。真に実効性のある「プロのクマ対策組織」をどう構築していくのか、国と自治体の本気度がいま問われています。

(ツキノワグマの重傷化率が示す現実)
2025年、日本のクマ出没と人身被害は過去最悪規模に達しました。環境省の速報値によると、2025年度のクマ類の出没情報は4万9916件。1月末時点での被害人数236人、死亡者人数は13人と、過去10年で最多。また7~9月の数値で、人の生活圏でのクマ被害の割合が全体の70%を超えて高くなっています。これらの数字が示すのは、「山に入らなければ安全」という従来の前提が崩れつつあるという現実です。子どもの通学路や身近な公園でも遭遇が起こり得る今、保護者が正確な情報と構造的な背景を知ることは、過度に恐れず・過小評価もせず、安全を守る上で欠かせない要素となっています。では、この複雑な“クマ問題”の本質はどこにあるのでしょうか。なぜこれほど急激に出没が増え、なぜ都市近郊にまで現れるのか。何をどうすれば被害は減らせるのか。そこで話を聞いたのが、東京農工大学・小池伸介教授です。小池さんはツキノワグマ、森林生態系、生物多様性、植物ー動物相互作用を専門とし、25年以上にわたり奥多摩・日光を含む関東のクマ分布の変遷を追ってきた、日本でも数少ない「クマを“個体”と“生態系”の両面から語れる研究者」。国内調査だけでなく、直近1年はノルウェーでヒグマ研究チームと共同研究を行い、国際的な視点で日本の状況を相対化できる立場にもあります。3月2日に発売した新書『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社)では、2025年のクマ騒動を研究者として分析しています。いま日本で起きている事象を、一過性のニュースではなく「生態系と社会の変化が重なる“必然”」として読み解ける専門家である小池さんに、日本に住む我々とクマの直面している“異常事態”について、話を聞きました。ーー小池先生はなぜツキノワグマ研究を始められたのですか。小池伸介教授(以下、小池) 高校時代(1990年代)に「高速道路で分断された森をつなぐ」という記事を読んで、森のコリドー(緑の回廊)に興味を持ち、森林や動物について学びたいと思うようになりました。大学で山梨のクマ研究プロジェクトに送り込まれたのですが、当時は技術的に難しく、ツキノワグマの行動を直接観察することはほぼ不可能。なので長らく、クマが果実を食べて種を運ぶ=種子散布という、森のなかでの役割を中心に研究してきました。今は技術が進んで、GPS首輪に小型カメラを付け、クマ自身に生活を“撮って”もらっています。見えなかった生活史が見えるようになったのは大きいですね。この1年はサバティカル(研究休暇)で、ノルウェーのヒグマ研究チームと共同研究をしてきました。3月に日本へ戻ります。ー2025年の日本におけるクマ騒動はまさに異常事態で、クマの情報に子どもが怯えたり誤解したりという影響もありました。小池 特にお子さんは簡単に手に入る情報を信じてしまいやすい。そういう意味では、やっぱり保護者の方が情報取得に際してリードしてあげてほしいです。SNSだけじゃなく、新聞とかテレビのニュースとか、複数の種類の媒体から得た情報を照合し、何が正しいか正しくないかをお子さんと話してほしいと思います。ーーSNSでも過激な動画が出回りました。小池 刺激的な情報が広がりやすい時代になっていますよね。2025年のクマ騒動の特徴としては、やはりインターネット上での情報が溢れたことが大きかったと思います。多くの人が正しい情報にたどり着けない場面も多かったのではないでしょうか。明らかな偽情報を流している人もいて、しかしそれを皆さん信じてしまうーー「本当のクマとは何か」が、多くの人に知られていないことを痛感しました。ーー特に気になった誤情報、たとえばどんなものがありましたか。小池 非常にまずいと思ったのは、生成AIによる動画です。「ツキノワグマなら、ほうきで追い払える」「チワワなどの小型犬でも撃退できる」「食べ物を与えれば山へ帰る」といった作り物の動画が大量に出回りました。あたかも「ツキノワグマなら戦って勝てる」という見せ方をしている動画がたくさん溢れていたのです。しかも、最初に投稿された時点では「これは生成AIによる動画です」と付記されていたものが、転載されていくうちにどんどん「本物の動画」として回っていく。これらは命に関わる判断を誤らせるもので、とても危険です。クマについて何も知らない人があのような動画を見て「なんだいけるじゃん」と思ってしまうと、今後、事故に結びつきかねません。ーー実際のところ、ツキノワグマについてヒグマと比べると大きくはないという印象を持っている人は多いかもしれません。とはいえクマですから、人間が敵う相手ではないわけですよね。小池 相手はクマです。ヒグマは人間の遭遇時に死亡率が高いですが、ツキノワグマの場合は重傷化率が非常に高くなります。というのも、ツキノワグマは立ち上がると人の顔面の高さに前肢が届きやすく、クマがポンと前肢で払っただけでも人間の目や鼻は簡単に取れてしまいます。勝てる相手ではないことを前提に、接近・挑発・撮影は避けてください。ーー今年の夏もまた去年と同じような事態が繰り返されるのでしょうか?小池 昨年被害の大きかった東北地方で、同規模の被害が今年も再現される可能性は高くないと思います。昨年のクマ大量出没の直接の引き金は、ブナ科堅果(ドングリ)の凶作でした。東北以外で今年それが起きれば、その地域では出没が増える可能性がありますが、とはいえ東北ほど個体数が多い地域ばかりではないので、「何千頭」という規模にはなりにくいと考えています。ーードングリの豊凶周期が関係するのですね。小池 そうですね。ドングリはだいたい2~3年周期で豊作と不作を繰り返します。東北に関してはおそらく、今年はそれなりに実りが良くなると思われるので、山に食べ物もありますし、昨年かなり駆除をしたため、それほど市街地にクマが出てくることはないと思います。とはいえ、また不作の年は必ず訪れますから、各自治体で長期的な視野を持ち、対策を進めていかなければなりません。ーー地域の住民としては、どのような対策が必要でしょうか。小池 まずは家庭周りの誘引物をゼロにすることです。典型例は放置された柿の木で、昨年、テレビの映像でも、よく柿の木に登ってるクマの映像がありましたよね。特に高齢化した集落などでは、庭の柿の収穫も難しくてほったらかしになっていることは少なくありません。そのほか、屋外の生ゴミ、外置きのペットフード、電気柵などの対策をしていない農地なども、強い誘因です。人間が食べられるものは全てクマも食べられますので、そういったものは全て誘引物になるのです。近年は放任果樹の伐採補助など行政の支援も増えているので、個人で抱え込まず自治体に相談してください。まずは「人間の食べ物がクマを誘引するものになっている」という認識を持つことが大事かなと思います。ーークマが出没する地域では、通学路や学校で子どもたちがクマと出くわすリスクもあります。クマと遭遇したとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。小池 静かに距離を取り、建物や車へ退避します。①走らない、②叫ばない、③撮影しない、を徹底してほしいです。走ることによってクマがパニックになって追いかけてくる危険性があります。昨年の騒動で非常に驚いたのが、クマの至近距離に立ってスマホで動画や写真を撮影することが横行していたことでした。これではクマが「なんだ、人は何もしてこないから大丈夫だな」と学んでしまう懸念があります。クマを見かけたらとにかく静かに立ち去ることです。ーー情報収集の方法についても教えてください。小池 自治体の目撃情報マップや出没速報は、日常的に確認してほしいです。特に「普段は出ない場所に出た」という情報は要注意。 加えて、地域で“冬の振り返り会”をおすすめします。「どこで、何が誘因になり、どんな導線で来たか」を洗い出し、優先順位を決めて夏までに対策したほうがいいですよね。ーー先ほど「本当のクマとは何か」が知られていないというお話がありましたが、童話や童謡に出てくるクマさんや、可愛らしいキャラクターとしてのクマはすごく人気があって親しみを持たれていますが、現実にすぐそこで暮らしている野生動物だという認識が薄くなりすぎていたかもしれません。そのことを改めて昨年は思い知らされました。小池 はい、多くの人は「クマ」という動物に親しみを持っていたと思います。しかし、そこに昨年のようなセンセーショナルな騒動が巻き起こると、特にネット上では「可愛いクマを殺してはいけない」「凶暴な人食いグマは殺すべき」みたいな極端なイメージでの議論になってしまうのだと感じました。錯綜する情報に躍らされず、現実的な捉え方をしていきたいですね。

(獣害政策にアドバイザー:三重)
鳥獣による農作物被害を防止・軽減し、獣害に強い地域づくりを進める専門的な指導・助言を得ようと、伊賀市が設ける市の獣害政策アドバイザーに兵庫県立大学自然・環境科学研究所(森林動物系)教授の山端直人さん(57)が就く。任期は4月1日から1年間(再任もあり)。山端さんは松阪市出身の元三重県職員。県農業研究所で獣害対策などの研究に従事し、2017年から現職。

(地域再生大賞優秀賞に選ばれた日本ジビエ振興協会:長野)
信濃毎日新聞社など全国47の地方新聞社と共同通信社が各地の地域活性化の取り組みを応援する第16回地域再生大賞で優秀賞に選ばれた一般社団法人「日本ジビエ振興協会」(茅野市)の代表理事、藤木徳彦さん(54)に24日、表彰状が贈られた。全国で鳥獣被害が深刻になる中、ジビエ(野生鳥獣肉)の活用をリードしてきた実績が評価された。同協会は、ジビエ取り扱い時の衛生基準となる国のガイドラインの策定や、トレーサビリティー(生産流通履歴)などを確保した食肉処理施設を国が認証する「国産ジビエ認証制度」の実現に尽力。企業と協力してジビエを使った製品を開発したり、ジビエ活用を目指す自治体に助言したりと活動の幅を広げている。この日は茅野市北山の同協会で伝達式が開かれた。藤木さんは「やってきたことを公に認めてもらえた」と喜び、ジビエ活用に関する相談が増えている中、「パイプ役としての役割を果たしていきたい」と意気込みを語った。

(クマ対策へ信州ガバメントハンター協議会設立:長野)
長野県小諸市、大町市は21日、「信州ガバメントハンター協議会」を設立した。ガバメントハンターとは、狩猟免許を持ち、鳥獣被害の対策にあたる自治体職員だ。警察や自衛隊のOBがなることもある。日常業務と並行して、鳥獣対策にあたる。協議会は、2市で連携を深めつつ、人材育成に取り組むべく立ち上げられた。今後、他の市町村にも呼びかけていく。ガバメントハンターの名称が注目されるようになったのは、2025年10月30日に開かれた「クマ被害対策等に関する関係閣僚会議」で、石原宏高環境大臣が早期育成をかかげたことがきっかけだ。クマ被害が深刻化したため、対策として育成をしていく。ガバメントハンターと猟友会が、協力し被害を抑制することを期待されている。猟友会がクマなどを駆除する場合は、駆除・捕獲の判断を行政にあおがなければならない。一方、ガバメントハンターは、現場の判断で駆除ができるところが異なる点。猟友会への連絡の手間が省け、鳥獣被害対策としてすぐに対応ができる点がメリットだ。即駆除か捕獲を依頼するか決められる。猟友会は普段別の仕事をしているため、依頼があってもすぐに駆け付けられるとは限らないが、ガバメントハンターは職務として迅速に対応することも可能だ。クマの捕獲・駆除は、猟友会に善意で協力してもらう形で成り立ってきた。しかし、命の危険がある、報奨金が安い、猟銃を撃った際の責任などリスクの大きさも浮き彫りになってきた。ガバメントハンターが設置できれば、猟友会のこういったリスクを減らすこともできる。石原環境大臣は、クマへの対策としてガバメントハンターの確保を掲げ支援していくとしている。石原環境大臣の言葉で広まったが、ガバメントハンターの歴史はもう少し古い。北海道羅臼町(らうすちょう)では、自治体職員が30年以上前から存在する。市町村の判断で発砲可能な「緊急銃猟」を運用するうえで欠かせないという。協議会を設立した長野県小諸市では2011年から、ガバメントハンターを導入。岩手県では、3月1日付けで5人着任した。新潟県でも4市で導入予定としている。クマ対策として期待されているが、北海道の猟友会・堀江篤会長は「国で駆除をしてほしい」といいつつ、引退した警官や自衛官をガバメントハンターにすることには「その場しのぎ」と切り捨てている。堀江会長は、警察や自衛官のOBであっても「クマを撃つのは次元が違う」とコメント。若い世代を雇用し、訓練した専門職になる持続的な制度を求めた。専門職として成長させることも必要だが、まずはクマによる被害を減らすことが先決だ。猟友会と協力して、うまく回せる仕組みとなることを望む。

(クマ緊急猟銃マニュアル案に異論相次ぐ:山梨)
山梨県笛吹市が25日、クマを想定した緊急銃猟のマニュアル案を関係者に示しました。追い払いと捕獲を基本対応とした市の方針に対して、猟友会などからは危険が伴うと、異論も相次ぎました。笛吹市はマニュアル案でクマなどが出没した際の対応方針について、まずは「追い払い」と「捕獲」を基本対応とし、これらが困難な場合の最終手段として、緊急銃猟を位置付けています。これに対し、会合では猟友会のメンバーから、「追い払いや捕獲を基本とする方針には、捕獲者の危険が伴う」と異論が上がりました。また市のマニュアル案では、緊急銃猟の実施までに3時間以上かかる想定だとしていて、「クマが1カ所に留まることはほとんどなく、逃げられてしまう」との意見も上がりました。笛吹市 農林振興課 坂本淳課長「人命に関わることなので、今後も市民の安全を守るために、市のほうでも早い対応を心がけていきたい」。市は今回の意見や県が策定中の完成版マニュアルを参考に、早めの運用開始を目指すとしています。

(初心者向けの狩猟体験会:東京)
22日、東京・青梅市の山の中で、初心者向けの狩猟体験会が行われました。東京都内でもクマなどの目撃情報が増える中、都がハンターの育成強化に乗り出しています。バスには「1日狩猟体験」の文字。去年から東京都が主催していて、料金は無料です。22日は、男女18人が集まりました。青梅猟友会 瀧嶋康廣地区長「猟というものはどういうものか、きょう一日体験してもらって、一人でも多くの猟友、猟仲間が増えますように。これがきょうの目的」。山ではグループに分かれて、険しい道を進んでいきます。別の場所で活動していたハンターたちが、3時間で3頭のシカを駆除していました。参加者も一緒になって運び、解体も体験。さらに別の日に駆除したシカも食べました。地元の猟友会は60人いますが、そのうちの半数以上が60歳を超えています。瀧嶋地区長「獲物が走ってくる音は、静かに来て枝をパチッと折るぐらいの音しかしない時もある。やっぱり耳も関係ありますよ。年配になると耳も聞こえづらくなる」。今年も、すでに全国各地でクマが出没し始めています。東京都によると、現在登録されている狩猟免許はおよそ8000件。その中で、ハンターとして活動できる狩猟者登録をしているのは400件にとどまっています。東京都環境局 上中章雄担当課長「何から始めていいか分からない方が多い。そういった声をくみ取りながら担い手を増やしていきたい」。

(シカ捕獲で功績、知事感謝状:北海道)
福島町内で長年エゾシカの捕獲や担い手の育成にあたった功績をたたえ、北海道猟友会松前支部長で町千軒の道下志郎さん(70)に北海道知事感謝状が贈られた。

(イノシシ捕獲功労者、県庁で表彰式:茨城)
イノシシなどの捕獲功労者をたたえる表彰式が23日、茨城県水戸市の県庁で開かれた。県内の個人5人と1団体が受賞し、賞状や副賞を受け取った。

(猟師が主催する植樹祭に参加して見えた山の課題と、再生後に広がる森の風景:竹村和佳子)
西丹沢の猟師たちが主催する「奥山再生プロジェクト」が21日、神奈川県山北町の大野山山中で行われ、私も参加してきました。「クマを里から奥山に返す」ため、丹沢にドングリを植えるベテラン猟師・杉本一(はじめ)さん(88)らの活動の一環です。10年前に植えた木々がどうなっているのか、この日私たちが植えた木々でどんな山に変えていきたいのか?杉本さんをはじめ、植樹祭に全国各地から参加したさまざまな人の話を聞き、考えました。この日のイベントは、交流サイト(SNS)などでボランティア100人を募ったところ、予約開始からわずか12分で枠が埋まってしまったという。杉本さんの狩猟仲間で、活動を引き継いだ民間狩猟グループ「豊猟会」の豊田里己会長(67)は「本当にびっくり。100人なんて集まらないだろうと思っていた。締め切り後も参加したいという書き込みが多数あったが、スタッフ側の人数を考えるとこれ以上増やすのは難しく…」と、注目度の高さにうれしい驚きだ。植樹の方法を説明する豊田さん(中央手前)。左奥は杉本さん100人のボランティアには、関東・中部のみならず北海道、岩手、山形、福島、兵庫からも参加者がいた。小さい子ども連れの家族も何組かいた。山形市から夜行バスで駆けつけた仁藤伊代子さん(53)は、昨年クマ問題についてSNSで情報を集めていてこの活動を知ったという。こういうイベントに参加するのは初めてだが、「地元では今まで起きていなかったところで水害が起きたりしている。それも山の荒廃が原因だという。地方の山もメガソーラーなどで切り開かれて、今後はこういう活動が起こるんじゃないかと思い、勉強したいと思って」と、参加理由を語った。今回植樹が行われた大野山はハイキングコースとしても人気だが、植樹が行われたのは一般登山道から離れ、林道を奥に入った所にある。2班に分かれ、私を含む50人は背丈ほどの高さの桃や栗の木を1本ずつ、日当たりのいい斜面に4、5メートル間隔に植えた。「この辺りは、来年は柿を植えて果樹の森にする」と豊田さん。別班はさらに車で15分ほど奥に入った場所で、高さ50センチほどのクヌギやコナラなどドングリがなる苗木を1人10本ずつ植えたという。私たち果樹班は作業後、別班のいる奥山に移動した。ここに杉本さんや豊田さんが「見せたい」という木があった。この山は以前、杉本さんが約4万本のクヌギを植えた場所。当時、知人に声をかけてドングリを集め、苗木にして植えたが、なかなか実がならなかったのだという。

(アライグマ被害 約710万円:大阪)
堺市は、イノシシやアライグマなどによる農作物被害への対策として、令和7年度から令和9年度までの3年間を対象とした「堺市鳥獣被害防止計画」を公表したんよ。市内全域を対象に、捕獲と防護柵整備を組み合わせた対策を進めるねん。アライグマは堺区を除くすべての区で被害が確認され、令和3年度以降では南区の捕獲頭数が最も多いわ。近年アライグマは中区、西区、北区でも捕獲頭数が増えてるねん。イノシシは南区、美原区を中心に確認され、水稲や野菜への被害が出ているんよ。住宅地での目撃情報も増えてるわ。ヌートリアは東区、美原区で出没が確認されてるんよ。令和6年度の農作物被害額は、アライグマが709万9千円、イノシシが18万5千円で、合計728万4千円。被害面積はアライグマが約4,700平方メートル、イノシシが約1,500平方メートル。ヌートリアによる被害は確認されていないわ。

(死んだシカ、オオワシ群がる:北海道)
天塩町内の自然写真家柳谷明伸さん(73)が、シカの死骸に群がるオオワシの姿を撮影した。オオワシは国内希少野生動植物種に指定されている。20羽ほどが群がっていたといい、柳谷さんは「これほどの群れで見たのは初めて」と話す。

(出没したシカ今後は?:大阪)
おとといから大阪市内で相次いでいる野生のシカの目撃情報。きのうときょうは大阪・都島区の川沿いの公園や、集合住宅の敷地内でその姿が目撃されています。シカは今後、どうなってしまうのでしょうか。大阪市の横山市長はきょう、今後の方向性について、以下のように述べました。まずは捕獲の可能性について。横山市長「捕獲した場合は、有害鳥獣として対応せざるを得ない可能性が高い。放獣は現時点では選択肢としてかなわないです」。奈良へ送る可能性について。横山市長「おそらく奈良公園のシカは個体識別番号を付しているわけではないので、個体を見て明確に奈良公園から来たと断定するのはどこまで行っても難しいと思う」「奈良には奈良の鹿の環境がありますから、むやみやたらに別の個体を入れるということは難しいと思う」。ただ奈良県などと協議は続けているといい、受け入れ先の調整がついたり、何らかの判断が出るまでシカを見守る構えも示しました。横山市長「受け入れ先があれば、捕獲したうえでそちらに移送する選択肢もあります。奈良公園が受け入れると言っていただいたら移送できる可能性もありますが、奈良公園は当然鹿のコミュニティーがあるので、むやみに野生のシカを受け入れるということは当然できない」「奈良から来た蓋然性なども確認しながら、奈良側と確認して持っていけるところを見つけるのが重要かなと思います」。シカはきょう、集合住宅の植え込みなどに出没。住人や警察官が見守る中で、葉を食べるなどの様子もありました。この先も見守るしかないのでしょうか。

(目撃相次いだシカついに捕獲:大阪)
大阪で目撃が相次いでいたシカ。3月25日午後、ついに捕獲されましたが、受け入れ先を巡って物議を醸しています。大勢の人たちに取り囲まれながら、檻の中の様子をうかがう、シカ。なかなか「一歩」を踏み出しません。膠着状態が続いた中、午後1時15分ごろ、ついに捕獲されました。シカを巡っては、同一の個体かはわかっていませんが、大阪市の中心部や東大阪市で相次いで目撃されていました。人に慣れていることや、生駒山系に野生のシカが生息していないことなどから、奈良公園からやってきた可能性が指摘されています。警察によりますと、24日午後6時半ごろ、大阪市城東区にある大阪府警の施設の敷地内に、1頭のシカが入り込んでいるのを、警察官が発見したということです。警察はシカが外に出て事故などが起きないよう、門を閉めるなどしてシカを敷地内に閉じ込め、市に対応を求めていましたが、25日正午ごろから担当者らが現地入り。捕獲に向けて餌を使って誘導する様子も。そして、午後1時15分ごろ、用意していた檻にシカが入ったのです。捕獲後の受け入れ先について、大阪市の横山市長は「奈良県と調整したい」としていましたが、奈良県の山下知事は…(奈良県 山下真知事)「奈良公園から出た鹿は“天然記念物”ではなくなります。そうするとシカは“野生動物”だということで、農林業や人身への被害を及ぼすおそれが否定できない以上、奈良県内での放獣を認めることはできない。たとえば和歌山で捕獲したクマを奈良県で放されたら、“それはやめてくださいよ”となるのと同様に、大阪府下で捕獲されたシカについては、大阪府下で放獣してくださいと」。難色を示した奈良県。受け入れはどうにもならないのか。先ほど、大阪市の横山市長は…(大阪市 横山英幸市長)「奈良県の判断は尊重したい。並行して受け入れ先の調整は進めている。一定前向きな返事もいただいています。シカさんが安全に“次のステージ”に移れるよう環境を整えていくことが大事」。放浪を終え「次のステージ」で、新たなスタートを切ることはできるのか。捕獲されたシカは大阪市の動物管理施設「おおさかワンニャンセンター」で一時保護されたのち、府内の施設に受け入れてもらう方向で調整されているということです。

(タヌキの“窃盗の瞬間”をモクゲキ:岐阜)
岐阜・恵那市で盗まれた、庭に設置したライト。カメラが捉えたのは、不審な影。その正体は、2匹の泥棒タヌキによるものでした。狙われたのは、玄関までの足元を照らすために設置をしていたライト。泥棒タヌキが現れたのは午後8時ごろ。1匹は見張り役でしょうか。そして、もう1匹がライトに少しずつ近づき辺りを見渡すと、口でくわえ逃げ去っていきました。1カ月ほど前から異変を感じていたという目撃者。これまでに5個のライトが姿を消し、そのうち3個は裏山で見つかったということです。今後はライトを地中に埋めて対策するということです。

(町中心部で角にロープ絡まったエゾシカ:北海道)
角にロープが絡まった雄のエゾシカの目撃が北海道厚岸町で相次いでいる。少なくとも2頭が確認されており、22日も町中心部を歩く様子が見られた。町は「ロープを外そうと近づくと暴れる恐れもあるので、静かに見守ってほしい」としている。道によると、2024年度のエゾシカの推定生息数は73万頭で高止まりが続き、家庭菜園のネットや漁網などに絡まる鹿も多い。角は春頃に自然と抜け落ちるが、動けなくなった場合は自治体が救出に出向いている。

(アフリカ豚熱に備え、ドローンで「空からのイノシシの死骸捜索」を実証:埼玉)
株式会社NTT e-Drone Technology(代表取締役社長:滝澤 正宏、以下「NTTイードローン」)は、愛知県が実施したアフリカ豚熱防疫体制整備に係る野生イノシシの死体捜索演習に参画し、NTTイードローンが提供するセルラードローン「Skydio X10」を活用した広域捜索の有効性を検証しました。本演習は、愛知県としてアフリカ豚熱の発生を想定して行った、ドローンを活用した初の実地演習であり、山林内での迅速な死骸捜索体制を強化することを目的に実施されたものです。

(自治体向け、クマ対応を自動化)
NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は24日、クマ出没時の対応を自動で済ませられる自治体向けのサービスを開発したと発表した。人工知能(AI)やドローン、住民向けアプリを組み合わせることでクマの発見、住民への注意喚起など一連の業務を自動化し、自治体側の人手不足を補う。クマ対策の包括的なサービスは珍しい。4月から販売を始め、100以上の自治体で採用を目指す。出没が疑われる地域に設置したカメラや自動運航が可能なドローンでクマを検知する。AIで画像を解析し、クマと判断した場合は警察や消防に情報を伝える。住民には自治体の公式アプリで通知を送る。

(環境DNA分析しクマの生息状況把握、対策に活用へ:福井)
遊漁券アプリを運営する「フィッシュパス」(福井県坂井市)は、川や海の水に含まれる生物の「環境DNA」を分析し、生息状況を把握する事業を手掛けている。昨年末から新たに、クマを調査対象に追加。採水地点から上流約1キロにわたり、おおむね24時間以内にクマがいたことを把握できることから、クマ対策に活用する動きが出ている。川や海には、そこにすむ生物の排せつ物やはがれた細胞などに由来する環境DNAが含まれている。同社によると、約1リットルの水をくみ、含まれるDNAと、特定したい生物のDNAを照らし合わせると、生息しているかどうかだけでなく、生息密度も推定できる。生物を特定せずに、どんな生物がいるのかを調査することも可能という。同社は2023年度に龍谷大と連携して、環境DNA調査の研究をスタート。25年度から永平寺町の自社分析センターで、魚類を中心に分析の受注を始めた。これまで全国の約60漁協から魚類の資源管理や外来種の把握などを目的に調査依頼があった。従来は網で捕獲するなど調査に多大な労力を費やしており、環境DNAで効率化できるようになるという。新たに調査対象に追加したクマを巡っては、環境省によると、25年度(今年2月末時点)のクマによる被害者数は死者13人を含む237人で、過去最悪となっている。クマ対策に環境DNAを生かしてもらおうと、ツキノワグマやヒグマを判別するための検査キットを昨年末に開発した。活用する動きがある。その一つが、秋田県北秋田市の米代川水系サクラマス協議会だ。渓流釣りが盛んな米代川周辺ではクマによる被害が発生しており、湊屋啓二会長も3年前に襲われ、負傷した。すでに釣り客向けにクマの目撃情報をSNSで発信しているが、今春以降、環境DNAによる生息状況も周知していく。「身をもってクマの恐ろしさを経験した。人による目撃だけでなく、科学的にもアプローチしていきたい」と話す。フィッシュパスは、農業被害を与えているイノシシの調査依頼も受けており、西村成弘社長は「鳥獣被害という社会課題の解決に向けて技術開発を進め、野生動物との共存にも貢献していきたい」としている。

(害獣・不審者対策UGV(無人陸上車両)「機動警備ドローン」を発売:東京)
ドローン技術で持続可能な社会を実現するエバーブルーテクノロジーズ株式会社(本社:東京都調布市、代表取締役:野間恒毅)は、除雪ドローン(R)で培った遠隔操縦・悪路走破性能を応用し、害獣・不審者対策、無人見回りに活用できるUGV(無人陸上車両)「機動警備ドローン MSD-F22」を開発、本日より販売を開始いたします。本製品は、遠隔操縦に加え、あらかじめ設定したルートに沿った無人巡回に対応。2D LiDARによる障害物検知・自動停止機能を搭載し、安全性に配慮した設計です。

(ヒトデ由来激臭で害獣防ぐ:北海道)
北海道根室市の食品製造卸、吉田水産が開発した害獣向け忌避剤が注目を集めている。漁業に悪影響を与えるヒトデを原料に使っており、共同開発を持ちかける大手企業も現れている。水産資源の保護と害獣対策につながる一石二鳥の効果に期待が高まっている。商品名は「強臭力」。買い取ったヒトデを水洗いして切断後、水を加えタンクで2~3カ月程度発酵させる。沈殿物を取り除いて加工する。2023年から販売している。

(漆器店が「ジビエ」の魅力発信:長野)
今週は、里山について考え、理解を深めるテレビ信州「里山WEEK」。「ジビエ」の魅力を広めたいと活動する塩尻市の男性を取材しました。その男性の正体は木曽漆器店の社長なんです。猟師・中村傑さん「こういうちょこっとしたやつ、イノシシがかいている。これがどんどん畑に降りてきて、(イノシシが)畑のものをあさったりするので」。塩尻市奈良井の山中。斜面を登った先で地元の猟師・中村傑さんが仕掛けているのは、くくりわなです。近くの畑で、イノシシに作物を食べられる被害があったと聞き、駆除のために取り付けました。最近は、人の手が入らない“里山”が増え、イノシシやシカなど野生鳥獣による被害が深刻化しています。県内の農林業への被害額は、昨年度、8億4994万円余りでここ3年は増加傾向にあります。猟師歴14年、長年、駆除にも携わってきた中村さんは…。楢の杜 猟師・中村傑さん「最近山に入ると、見るのはシカの数が多くて確実に増えている気がします。前まで里山って言われてたところで山みたいにボサボサになってたりするので、そういうところの区別がはっきりしないので、やっぱり山のやつ(野生動物)も(人里)近くまで出てくる感はあります」。塩尻市南西部の楢川地区は、豊かな森の資源を活かした“木曽漆器”の産地です。創業79年の中村漆器産業。県内外に25店舗を展開、木曽漆器の伝統を受け継ぐ会社の一つです。中村漆器産業 中村健一郎社長「軽トラでここに獲物が搬入されてここで高圧洗浄でまず汚れを落として」。3代目、中村健一郎社長。3月から、本社の敷地内で稼働させたのは漆器工場、ではなく…。“ジビエ”の食肉処理施設です。アウトドアが好きだったこともあり、1年ほど前に、狩猟免許を取得した中村社長。地元の猟友会に入り、ハンターとして活動する中で、見えてきたことがありました。中村健一郎社長「有害駆除とかはなかなか食用にされなくて、そのまま山に埋めたりというのを聞いたりして、それはちょっともったいないよねと思って、そういうの(活用)ができないかなというのがきっかけです 」。地元で獲れた野生動物をジビエとして活用したい。しかし、塩尻市に食肉処理施設がないことを知り、自ら、事業化することを決めました。その後押しをしたのが、先輩猟師の存在です。中村健一郎社長「師匠が10何年猟師やってきて何頭もさばいて自分で食べたりしているというのが大きいですね」。中村社長が“師匠”と呼ぶのが、先ほどの中村傑さん。毎朝、わなの確認や設置を行っています。その“師匠”が、新たな食肉処理施設「楢ノ杜」で解体処理の中心を担うことになりました。楢の杜 猟師 中村傑さん「(今までは)こっち側からだと、持ち込みに時間かかったりなんだりで、いずれか地元で獲ったやつは地元で、そういう活用ができるようにできたらなと思ってました」。ジビエは鮮度が命。仕留めてから1時間以内の搬入をルールにしています。いまはシカのみを扱っていて、“師匠”の中村さんや中村社長が捕獲したシカのほか、持ち込みも受け付けています。肉は、内臓などを取り除いて枝肉の状態で1日から2日間、寝かせたあと、小売りのパックに詰めます。松本市の寿司割烹料理店。シカ肉の卸し先の1つです。店のメニューは海鮮がメインですが、塩尻市出身の店主が、初めてジビエ料理をメニューに加えました。店主・小幅吉貴さん「物心つくときから(ジビエを)食べていたので、味に対して、扱うことに対してのハードルなく、むしろおいしい」。シカロースのタタキ。臭みの少ないシカ肉本来の味を楽しんでもらおうと低温調理で仕上げました。店主・小幅吉貴さん「提供する僕ら側は少ない。そういった部分でも増やしていかないと。ただ、獲るだけというのはあんまりよろしくない。しっかりおいしく食べてあげてというのが一番いいんじゃないかな」。捕獲されたシカのうち、食肉などに利用されている割合は全国的にも、まだ17%ほどです。山で獲った命を無駄にせずいただく―。中村社長は今後、ひと月にシカ15頭ほどの処理を目指していて、消費の拡大も図りたい考えです。食肉にできない部分は、ペット用のジャーキーに加工するなど、最大限の活用を目指します。4月からは、漆器店の一角で、シカ肉を販売する予定で、家庭でも楽しんでほしいと話します。中村健一郎社長「ほんとシンプルに美味しいんで、スーパーに売ってるお肉と同じような感覚で買っていただけるような工夫をして販売していきたいと思います。(楢川地区は)漆器の産地だったりして、観光客の人は結構来てくれるんですよね。こんなに山が近くにあるんで、その山の幸、ジビエだったりそういうのも一緒に発信できたらいいなって思ってます」

(カラスが食べられる“ジビエ焼肉店”が登場:東京)
産地直送の炭火焼ジビエ「焼山」が中目黒にオープン。産地直送ジビエ肉を、シンプルに香味野菜とともに炭火焼きで楽しめる。渋谷カフェブームの火付け役「宇田川カフェ」をはじめ、さまざまな飲食業態を展開するLD&Kが手がける産地直送ジビエ焼肉専門店。ジビエとは、フランス語で“「狩猟」によって捕獲された野鳥やイノシシなどの野生鳥獣の食肉”のこと。大分県の湯布院にある自社工場「九州狩猟肉加工センター」より、産地直送で独自に仕入れるため、品質のよいジビエを手軽な価格で楽しめる。さらに、流通の関係で市場に出回ることの少ない鳥獣食肉の希少部位などもバラエティ豊富に取りそろえる。イノシシロースやイノシシバラ、シカの骨付きモモ、シカロースなどに加え、特に珍しいのが、野鳥のカラス(842円、足付き1058円)だ。羽根付きのままで仕入れたものを店内でさばき、炭火焼きで食べられる。脂身もなく、あっさりとした味わいが特徴だ。そのほか、1羽丸ごと焼かれるヒヨドリ(1羽1296円)は骨ごと食べることができ、ジューシーな脂身がクセになる。また「ジビエの味噌煮込み」(594円)や、「鹿ロースのタタキ」(1296円)など、一品料理も多彩にラインナップ。肉の味を引き立てる「香味野菜」のサラダも充実しており、「パクチー盛り」(702円)やクレソンとパクチーの「山のサラダ」(810円)などを提供する。

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(クマに襲われ猟友会員けが:岩手)
13日午後1時5分ごろ、岩手県花巻市栃内で、住宅に隣接する林の中から出てきたクマに同市の男性猟友会員(70)が襲われ、顔にけがをした。病院に搬送されたが、命に別条はないという。花巻署によると、クマの目撃情報を受けて住宅に駆け付けた男性らが、追い払うために林に向けて花火を数発鳴らした後、急に襲われた。現場は田んぼが広がる地域。住民に注意を促していた署員が顔から血を流す男性を発見した。その後、別の猟友会員らがクマの足跡をたどり、隣接する北上市で成獣1頭を駆除した。署は、同一個体とみている。

(イノシシにかまれ70代女性けが:栃木)
8日午後6時ごろ、小山市三峯の路上で、「イノシシにかまれてけがをした人がいる」と通りがかった人から消防に通報がありました。被害に遭った70代の女性は右のふくらはぎをかまれたとみられ、病院に搬送されました。搬送時、女性は意識があったということです。通報を受けて警察が付近を捜索しましたが、女性を襲ったとみられるイノシシは発見されませんでした。現場はJR小山駅から南に900メートルほどの道路で、線路に近く、民家などが立ち並んでいます。警察では、小山市などと連携して警戒を続けています。

(猟犬が民家侵入でペット襲撃→猟友会が“逆ギレ”:埼玉)
埼玉・日高市で、猟犬が民家の敷地内に侵入し、飼育していたニワトリなどを襲う事案が発生、波紋が広がっている。被害に遭った住民によると、対応した猟友会メンバーからの謝罪は一切なく、「市から頼まれた仕事だから悪くない」と開き直られたという。憤りを語る当事者の女性に詳しい経緯を聞いた。問題の事案は今月15日の正午ごろに発生。夫と義父の3人暮らしで、自宅の敷地内でニワトリや猫など複数の動物を飼育している当事者の女性が、普段小屋で飼っているニワトリを玄関先に放していたところ、鈴の音とほえる犬の鳴き声が聞こえ、突然猟犬が飛びかかってきたという。女性は必死の思いで猟犬を追い払い、間一髪で撃退。女性やニワトリがけがを負うことはなかった。その後、軽トラックに乗った飼い主と思われる男性が現れ、女性が「なんで野放しにしてるんですか! 襲われたんですよ!」と訴えると、男性から「猟犬なんだから呼んでも来ないのは当たり前だろ! 市から頼まれた仕事だから私は悪くない! 文句があるなら市に言え! やってやってるんだから感謝しろ!」と暴言を浴びせられたという。車の中には猟銃もあるだろうと感じた女性は、恐怖を覚え警察に通報。しかし、警察からも特段の対応はなく、後から駆けつけた数人の猟友会メンバーも、全員が反省の様子を見せることはなかった。「日曜日になると猟友会のメンバーが近隣の害獣駆除に訪れており、以前から猟犬が自宅の玄関や庭先、ベランダに侵入を繰り返していました。室内で飼っている子猫たちもパニック発作を起こすようになってしまいました。飼い主もおらず、猟犬だけが野放しにされている状況に恐怖と危険を感じ、夫が何度も市役所に相談を重ねてきましたが、すべて無視され続けている状況です」。今回、女性は被害について初めてSNS上に報告。投稿は拡散され、「犬のせいにするな。自分がキチンとしたパートナーシップ築けてないだけやろうが」「猟犬こそマテ、モドレのコマンドが100%使えないとダメなんじゃ…」「動物が襲われそうになった時点で猟犬としての躾がなってないじゃん」「うちの畜舎にも興奮した猟犬が入ってきて大変な目にあいました」「飼い主は猟犬飼う資格無いね。管理できないなら飼うな! 迷惑だ!」「ワンちゃんを飼っている人は、他人や他の動物を傷つけないようにするのは最低限の義務だと理解してほしいです」など、多くの反響が寄せられた。投稿後、これまで何の対応もなかった市の産業振興課にあらためて抗議文を送ると、即座に返信があったといい、「SNSで拡散されるといやいやでも動くんだなと思いました」と振り返る一方で、猟友会からは現時点でも謝罪の言葉はないという。「私は犬に対して怒っているわけではありません。きちんとしつけもできてない猟犬を勝手に人の敷地にいれるなという話。何かあってからでは遅い、小さな子どもが襲われても『仕方がない』で済むのでしょうか。猟犬のしつけもできず、民家に入って人や動物を襲っても謝罪も言えない、逆ギレするような人間が猟銃を持ってるのはとても恐ろしいことだと思います」。有害鳥獣駆除を担当する日高市産業振興課は、被害に遭った住民に対し「猟犬の貴所有地への侵入及び飼育動物への危害事案が発生したことにつきまして、心よりお詫びとお見舞いを申し上げます」「本事案では、山林内で回収に当たる人員が不足していたことから、1頭が回収できずに貴所有地に侵入してしまいました。このことから、山林内に回収作業に当たる人員を配置し、民家等への侵入を防止してまいります」と文書で謝罪。同課の担当者は、ENCOUNTの取材に「猟友会の方から16日に連絡があり、イノシシやシカの駆除に帯同していた猟犬が民家に侵入し、飼われている猫やニワトリなどを追いかけ回したと報告を受けております。猟犬ですので、どうしても動くものを追いかけてしまう性質がある。有害駆除自体は市の計画に伴い適切に運用されていたと認識しています。今後はルートや人員配置も含め再発防止策を講じるとともに、住民の方からも理解を得られるよう務めてまいります」と回答した。全国各地でクマを始めとした野生動物の被害が相次ぎ、有害駆除を担う猟友会の社会的な役割が増す中、適切な安全管理体制の構築が問われている。

(猟友会のトップ「クマ駆除から外してもらいたい」発言の真意は:北海道)
冬眠から目覚めたクマが活動を始める季節ですが、猟友会のトップから出たのは「駆除から外してもらいたい」という発言。出没が増えるシーズンを前に、その本音に迫りました。札幌市は冬眠から目覚めた人里近くに住むクマを駆除する「春期管理捕獲」を始めました。市街地での出没を減らすことなどが目的です。根室市などでは既に活動を始めたクマの姿も目撃されています。2025年はクマの出没が相次ぎました。クマの目撃に関する通報は5000件を超え、2025年度1月までの捕獲数は2000頭以上。いずれも過去最多を記録しています。そんなさなか、2025年11月に開かれた「ヒグマ対策推進会議」でこんな発言が。「クマの駆除から猟友会を外してもらいたいと言いたい。警察や自衛隊に対応してもらえればいい」(北海道猟友会 堀江篤会長)。会員数約5700人の北海道猟友会トップから飛び出した撤退発言。会議の場に緊張が走りました。その真意はどこにあるのか。北見市の堀江篤会長を訪ねました。「いきなりトップダウンで警察官にライフルを持たせる、自衛隊にお願いすると。猟友会そっちのけで、どんどん進んでいるような感じだから、それではそれでやりなさいと。われわれはそこから外してもらいたいという気持ちだったんです」(堀江会長)。保険の代理店を営みながら北海道猟友会の会長を務める堀江さん。ハンター歴55年のベテランです。堀江さんが危惧しているのは、国レベルで進められている「ガバメントハンター」の制度についてです。クマによる被害が多発する中、国が打ち出したのが狩猟免許を持つ公務員「ガバメントハンター」の拡充です。退職した警察官や自衛官を自治体が雇用し、人材確保につなげるというものですが。「雲をつかむような話だ。その場しのぎのように自衛官や警察官を一時的に雇うだとか、そんないい加減な雇い方でいいのか」(堀江会長)。堀江さんによりますと、銃を扱った経験がある人でも実際にクマを撃つのは簡単ではないといいます。「止まっているものと動いているもので違う。クマは襲って来る。手前まで来る、もう2~3メートルまで。その時まで待って撃てるかですよ。それだけの度胸があるかだ」(堀江会長)。堀江さんはガバメントハンターの拡充には賛成ですが、その制度の運用に疑問を感じているのです。「基本的には自衛官、警察官のOBという話が出ています。すると60歳を超えていますよね。健康状態は山道などを歩けるのか。銃を持って撃つ経験があるのか。その訓練を毎日のようにやっていければいいんですが、たまにしか訓練しないなら初心者と同じです」(堀江会長)。堀江さんは初心者がクマを撃てるまでには10年以上かかるといいます。若い世代を雇用し、訓練を重ねて専門職となっていくことが、その場しのぎではない持続的な制度になるというのです。「クマの有害駆除は国でやってほしいというのが、前からの僕の希望だったんですよ。ただ、どうしても一般市民がわれわれに期待をしている。それを裏切るわけにはいかないから、ガバメントハンターの教育や訓練には協力するという話は最初から言ってきたんです」(堀江会長)。北海道によると、1962年度から2024年度までにクマに襲われ死傷したのは177人でした。そのうち狩猟や駆除の際に反撃されたケースが66人で最も多いといいます。危険と隣り合わせの最前線に立つ猟友会。堀江さんは本格的なガバメントハンター制度の確立を何より願っています。そのための協力も惜しまないといいます。その上で…。「僕は言ってるんですよ、もう普通のハンターに戻りたいって」(堀江会長)。その場しのぎではない、持続可能なガバメントハンターの制度はできるのでしょうか。

(砂川猟銃許可取り消し訴訟、最高裁で逆転勝訴の公算:北海道)
北海道砂川市のハンターに対する猟銃所持の許可取り消しをめぐる注目の裁判ですが、原告の猟銃を取り戻そうと、法廷で戦う弁護士も実は、ハンターです。現場を知るからこその熱き思いに迫りました。11日札幌の白旗山と藻岩山の周辺で始まった、ヒグマの「春期管理捕獲」です。次世代を担うハンターの育成と人里へのヒグマの出没を抑えるのが目的です。人とクマの距離がかつてなく近づく中、最前線に立つハンターたちが注目している裁判があります。北海道猟友会砂川支部長 池上治男さん(77)「銃を持った以上は人の役に立つハンターでいたい」。北海道猟友会 砂川支部長の池上治男さんは、北海道の公安委員会に猟銃所持の許可を取り消され、処分の取り消しを求めて最高裁で争っています。池上さんの隣りに寄り添い、法廷での戦いを支えているのが中村憲昭弁護士です。中村憲昭弁護士「池上さんがどういう気持ちで発砲したのか、私は理解できます」。なぜ、ハンターの気持ちがわかるのか。実は、中村弁護士もクマやシカの猟銃免許を持つハンターなのです。猟銃を取り上げられた池上さんとは、特に強い絆で結ばれています。中村憲昭弁護士「師匠と弟子との関係だから、(弁護は)業務的な感覚ではやっていない」。017年に狩猟免許を取得した中村弁護士。銃を買いにいったところ、偶然出会ったのが池上さんでした。中村憲昭弁護士「どんな銃を買えばいいか、狩猟はどう始めるのかも分からないという状況で銃砲店に行った。そうしたら池上さんがそこにいた」。ところが2年後、池上さんは猟銃所持の許可を取り消されます。自治体の要請で砂川に現れたクマを駆除した際、北海道の公安委員会から「住宅に弾が届くおそれがあった」などと判断されたのです。池上さんは許可取り消しが違法だとして、北海道を提訴。中村弁護士とともに法廷で戦い続けてきました。中村憲昭弁護士「(道公安委員会は)弾丸到達のおそれと言うが、高低差を無視して平面図で考えている」。1審の札幌地裁は、池上さんの訴えを認めたものの、2審の札幌高裁は弾が障害物に当たって軌道を変える「跳弾」の可能性を重視し、池上さんに逆転敗訴を言い渡します。この判決に、北海道内外のハンターの間に「現場が全責任を負うことになりかねない」との懸念が広がりました。ところが、最高裁は2月、池上さんや中村弁護士らの訴えを聞く場を新たに設定。この「弁論」は高裁の判決を変えるために必要な手続きで、結論が変わる可能性が高まったことを意味します。現場のハンターの気持ちを知る、中村弁護士は…。中村憲昭弁護士「(弁論が開かれて)ほっとしている。高裁で逆転敗訴を受けたことで、有害鳥獣駆除の現場に混乱を与えてしまった、大変心苦しかった」。法律家として目指すのは、逆転勝訴。ハンターとして願うのは、師匠による猟銃の指導です。中村憲昭弁護士「池上さんから『構え方そうじゃない、ああしろこうしろ』と言われるときも、池上さんは(銃を)構えての指導はできない、ジェスチャーだけ。池上さんにはちゃんと銃を持って指導してもらいたい」。師匠とともに歩んだ7年間。その結果は3月27日、最高裁で言い渡されます。

(野生イノシシにおける豚熱の感染確認:福岡)
令和8年3月9日(月曜日)に市内で捕獲された野生イノシシにおいて、市内1例目となる豚熱ウイルスの陽性が確認されました。引き続き、福岡県と協力しながら、豚熱の発生予防、まん延防止に必要な対策を推進・強化していきます。

(豚熱、関連の農場など約2200頭の豚の殺処分終了:静岡)
静岡県は富士宮市の養豚場で発生した豚熱に伴うおよそ2200頭の豚の殺処分が終了したと発表しました。県は15日午後、富士宮市の豚熱が発生した農場と同じ経営者が経営する関連の養豚場の合わせておよそ2200頭の豚の殺処分を、14日午後5時半に終了したと発表しました。これらの農場では、15日午後7時現在でも清掃や消毒作業が続いていて、15日中に作業を終えるのは難しい状況だということです。殺処分や消毒作業などにあたった作業員は、県職員や農協、富士宮市の職員ら延べ1450人に上っています。県によりますと、豚熱は豚やイノシシの病気で、強い伝染力と高い致死率が特徴ですが、人に感染することは無く、万が一感染している豚の肉を食べても人体への影響はないということです。

(ヒグマ人身事故「登山道閉めず大失敗」:北海道)
「知床世界自然遺産地域適正利用・エコツーリズム検討会議」が10日、北海道斜里町であった。昨年8月に羅臼岳登山道で起きたヒグマ人身事故に絡み、出席者から「(事故前に)登山道を閉めなかったのは大失敗だ」などの指摘が出された。この事故では、下山中の男性(26)が亡くなった。2日前に登山者につきまとう個体が確認され、知床ヒグマ対策連絡会議が「登山道の利用自粛」を検討したが、「強い注意喚起」にとどめた。自然ガイドでもある知床自然保護協会の綾野雄次会長は「(事故2日前に)登山道に危険なクマがいて(クマ撃退)スプレーを吹いたのについてきたという。この状態でどうして(登山道を)開けていたのか」と指摘した。「あそこで閉めなかったのに、なぜ(事故後に駆除されて)クマがいなくなったのに閉めているのか。二重の疑問だ。閉めなかったのは大失敗。その後も閉めているのは小さな失敗。これからも閉めるのなら大失敗だ。理由があるのなら説明していただきたい」と述べた。今年2月になって知床ヒグマ対策連絡会議は、「つきまとい個体」が確認された場合は、登山道を閉鎖するなどの対策案を明らかにしている。連絡会議の岡野隆宏・環境省釧路自然環境事務所長は「このような事故が起きたことを深く重く受け止めている。再発防止策を検討していたということで、時間がかかってしまったことをご理解いただきたい」と述べた。この検討会議は、エコツーリズムの専門家や地域の関係団体などで構成する。知床の世界自然遺産地域の利用のあり方について議論する場となっている。

(「被害者が前議長でなくて良かった」、市議長がクマ人身被害を巡り不適切発言:宮城)
富谷市議会の議長が、議会閉会に伴う懇親会の挨拶で、富谷市内で起きたクマによる人的被害について触れ、「被害者が前議長ではなくて良かった」などと発言したことが分かりました。富谷市では去年、60代の男性がクマに襲われ、けがをしていて、議長は「軽率だった」と話しています。3月13日午後4時ごろ、仙台放送の取材に応じた、富谷市議会の畑山数晴議長。富谷市議会 畑山数晴議長「いまこうして振り返って自分の発言を見れば、それは言うべきではなかったと非常に重く受け止めております。そこまで配慮していなかったのは、軽率だったと反省はしております」畑山議長によりますと、12日開かれた議会閉会に伴う市長や幹部職員などが出席した懇親会の冒頭のあいさつで、「去年、富谷市内でクマによる人的被害が発生したが、被害者が前議長ではなくて良かった」などと発言したということです。富谷市では、去年9月、歩道を歩いていた60代の男性が、背後から体長1.5メートルほどのクマに襲われ、頭や顔、上半身などを複数ひっかかれ、けがをしました。命に別条はありませんでした。畑山議長は発言の意図について、「クマの対応に追われる中、去年9月の時点で議長だった議員がクマに襲われてけがをしたら、議会運営に支障が出るという趣旨で発言した」などとしていて、今後の対応については、議会事務局と協議した上で検討するとしています。富谷市議会 畑山数晴議長「当然、被害があった方に対しては本当に大変だったというところは当然あるんですけども、『身内のネタ』ということではないが、そういう形に考えないでしゃべってしまったというところは、本当に反省しなくてはいけない」。畑山議長は、去年9月から富谷市議会の議長を務めています。

(狩猟免許持つ職員でチーム発足へ:北海道)
ヒグマなど野生鳥獣の問題に対応するため、道は狩猟免許を持つ職員で新たなチームをつくり、鳥獣捕獲の支援に当たる方針です。道はきょう会議を開きヒグマの捕獲や管理について専門家が意見を交わしました。道ヒグマ対策室市川善浩室長「道内ではヒグマをはじめとする野生動物とのあつれきがかつてないほど高まっている。各地で捕獲従事者の確保が難しくなっている」ヒグマをめぐっては去年、道内で2人が亡くなったほか人里への出没も相次ぎ、捕獲の担い手の確保や育成が課題になっています。こうした中、道は新年度の一般会計予算案にヒグマ対策費として前年度のおよそ5倍の6億500万円を計上しています。鈴木直道知事はきのうの道議会で、狩猟免許を持つ道職員で新たなチームをつくり地域での捕獲活動の支援にあたる方針を示しました。上川の占冠村など一部の自治体では職員として駆除などを担う「ガバメントハンター」が導入されています。道が去年12月に職員にアンケートをしたところ、狩猟免許を持つ職員が96人いました。このうちライフル銃を扱える狩猟免許を持つのは81人、鳥獣捕獲の経験者は33人でした。道は、新年度にガバメントハンターを3人程度採用するのに合わせ、狩猟免許を持つ職員でチームをつくり市町村の捕獲支援も含めて活動に当たる考えです。

(相次ぐクマ出没で「業務に影響」の企業、東北地方で2割近くに)
昨年各地で相次いだクマの出没に関して、東京商工リサーチ(東京)が影響や対応を企業に尋ねたところ、東北地方の企業の2割近くが「業務に影響が出た」と回答したことがわかった。東北の企業では3割近くがクマへの何かしらの対応をしたと答え、このうち約半数が護身用グッズを配布したり設置したりしたという。調査はクマが冬眠から目覚める時期を前に、1月30日~2月6日にインターネットで実施し、全国5140社から回答を得た。調査では、全体の3・5%に当たる184社がクマの出没で業務に影響が出たと回答。人身被害が相次いだ東北の企業がこのうち85社と半数近くを占めた。被害への対応では、影響がなかった企業も含め、全国の400社が「(具体的な)対応をした」と回答。内容(複数回答)は「従業員への周知・啓蒙(けいもう)」が82・2%と最も多く、「護身用グッズの設置・配布」が45・7%と続いた。東北でも、対応の内容を回答した129社のうち、「従業員への周知・啓蒙」が最多の105社(81・3%)。2番目に多い「護身用グッズの設置・配布」は64社(49・6%)とほぼ半数に上り、全国より3・9ポイント高かった。クマを検知する機器の設置や就労時間の短縮、社員用駐車場の変更を行った企業もあった。東京商工リサーチの担当者は、「地域によってはクマが企業として対応すべきリスクの一つとなっている現状が明らかになった」と話している。

(シカの農業被害増、対策に本腰:北海道)
共和町は急増しているエゾシカなどの有害鳥獣駆除対策として、3年間の実証事業に取り組んでいる。昨年9月以降、専門家を招いたセミナーを2度実施。今後、農耕地などへの侵入を防ぐゾーニングや、有害鳥獣対策の専門人材の育成に力を入れるなど、農業被害を防ぐ取り組みを本格化させる考えだ。

(クマ出没、施設入所者と従業員どう守るか:秋田)
秋田県や岩手県など東北各地で大量出没し、多くの死傷者を出したツキノワグマの被害。人やペットを襲い、命を奪ったクマの一部は今も人里近い山林に潜んでいる可能性が高く、冬眠から目覚めて本格的に活動し始める春以降の新たな被害が懸念されている。秋田の現場では何が起き、注意すべき点は何か。関係者の話を聞いた。ごみ集積所まではわずか数十メートルの距離だった。北秋田市内の障害者福祉施設の近くで2025年7月31日午後10時過ぎ、ごみを出そうと外に出た70代の入所者の女性、Mさんがうめき声を上げて倒れているのを別の入所者が見つけ、施設の夜勤の職員が119番した。施設を出て集積所に向かっていたMさんを横からクマが襲い、そのままMさんはうつぶせになった様子が施設の防犯カメラに映し出されていた。クマは集積所の裏手の茂みの方向に立ち去った。Mさんは頭や顔を襲われて意識不明の重体となり、8月20日に入院先の病院で死亡した。腹部や頭、耳などをかじられていた。クマが持っていた雑菌が体内を巡り、抵抗力が低下して意識が戻らなかった。

(白銀の森散策、地域学ぶ:北海道)
斜里町と包括連携協定を結ぶ大手スポーツ衣料メーカーのゴールドウイン(東京)は町内のホテルなどで、料理を通して地域の歴史や文化への理解を深める「ガストロノミー」の考えに基づいた体験イベントを行った。参加者は雪景色に包まれる原生の森を歩き、地域課題のエゾシカについて学びを深めた。

(クマは間もなく冬眠明け、クマ対処法学ぶ:山梨)
月も半ばを過ぎて、クマが冬眠から目覚める時期となり、クマへの対処法などを学ぶ講習会が17日、山梨県身延町で開かれました。山梨県内では今年度、クマの目撃頭数が376頭と過去最多に上り、自治体などが警戒を強めています。冬眠から覚め、活動が活発化する時期を前に、17日は身延町でクマ対策の講習会が開かれました。鳥獣害対策に取り組む「甲斐けもの社中」の山本圭介さんが講師を務め、クマと遭遇するリスクを下げる方法などを紹介。クマは食べ物を得た場所を記憶して、繰り返し出没する習性があるため、エサになるようなものを放置しないことが重要だと呼びかけました。甲斐けもの社中 山本圭介さん「誘引させない、依存させない。この2つが重要です。柿を今年食べて、ここは今年大丈夫だなと思えば、来年も同じ場所に来ます」。また、クマと遭遇した際は背中を見せず、静かに後退すること、 襲ってきたらうつぶせになり首や頭を守ることなど、対処法を紹介しました。

(ハンターの心、理解深めた:北海道)
狩猟に親しむイベント「狩猟フェア」が14日、旭川市の市民活動交流センター・ココデで開かれた。上川管内のハンターや専門家が集まり、家族連れらが展示販売コーナーや工作体験、シカ肉料理などを楽しんだ。

(新設「クマ対策」に14億円)
総務省は17日、災害など想定外にかかった費用を支援する特別交付税の2025年度3月分として、9181億円を全国の自治体に19日付で交付すると決めた。今冬の大雪を受け、除排雪の経費に過去最大の925億円を計上した。このほか、クマの被害が相次いだため、新たに措置したクマ対策に14億円を確保した。今年度の交付総額は1兆2256億円で、能登半島地震の影響を受けた前年度と比べて2・7%減少した。

(クマの出没情報をLINEで共有:岩手)
急増するクマ出没・被害への対策として、岩手県は4月をめどに、ツキノワグマの出没情報を可視化するシステムの運用を始める。県の公式LINEから、出没情報の登録が可能で、内容をリアルタイムで共有して被害防止に役立てる。クマを目撃した場合、県の公式LINEから、見つけた日時や頭数を入力し、地図上の目撃場所をタップする。登録されると、内容が即時に反映され、誰でも確認できる。各市町村への電話も引き続き受け付けており、通報があった場合には、各市町村の担当者が代わりに入力する。自宅や職場など事前に知りたいエリアを登録しておくと、その地域にクマの出没情報が登録された際に通知も受け取れる。入力後に人身被害などが発生している場合には通報できるよう、連絡先となる警察署の電話番号を掲載したホームページに進むこともできる。八幡平市のIT企業「ゴールデンフィールド」が開発した「 Bearsベアーズ 」と呼ばれるシステムを導入して運用する。同市の公式LINEでは2024年4月から既に運用している。金野利哉社長は「市町村をまたいで移動するクマを一元的に管理することができ、自治体の業務効率化にもつながる」と期待している。4月からの本格運用を前に、盛岡市で2日、市町村の担当者に対する利用方法の説明会が開かれた。オンラインを含め、27人が参加し、操作手順などを確認した。県自然保護課の岩渕美保特命課長は「システムを活用して、自分がいる場所、行きたい場所の状況を事前に確認し、安全確保に努めてもらいたい」と話した。県は2日、クマの出没による被害の拡大を受け、狩猟免許を持つ職員「ガバメントハンター」の発足式を行い、運用を始めた。昨年、クマが市街地で大量出没したことを受け、有害捕獲経験者を対象に、昨年12月から募集を開始。面談などを経て、今月1日付で5人を会計年度任用職員として採用した。週4、5日勤務し、県の捕獲事業に携わるほか、市町村の緊急銃猟や有害捕獲の支援、ハンターの捕獲技術向上に向けた研修会などを開く。発足式で達増知事は「クマが市街地にも出没し、県民の不安が増している。5人の知識や経験を生かしてもらいたい」と期待を込めた。今回ガバメントハンターとして採用された盛岡猟友会の袴田亮さん(66)は2020年から野生動物の捕獲に従事しており、「県民の安心、安全のために貢献していきたい」と意気込んだ。

(猟友会員の報酬増へ、市議会で条例改正案可決:秋田)
秋田県仙北市議会は17日、本会議を開き、26年度一般会計当初予算案、追加提案分を含めた25年度一般会計補正予算案、鳥獣被害対策実施隊に任命されている猟友会員への報酬を増額する条例改正案など計47件を可決し、閉会した。

(クマのストレス…体毛で把握:福島)
福島大食農学類の望月翔太教授は17日、クマの体毛からクマが感じたストレスや食べたもの(食性履歴)を時間軸に沿って特定できる研究結果を報告した。クマの行動歴を把握することで「適切な野生動物管理の新しい評価指標に活用していきたい」としている。福島市で開かれた鳥獣被害対策講座で報告した。昨年以降、複数の野生のツキノワグマを調査。体毛を細断し、成分を分析した。ストレスに関する調査では、宇宙滞在中の宇宙飛行士から採取した毛髪の成分を分析し、ストレスレベルや身体的変化を可視化するときなどに使う「イメージング質量分析」をクマに応用。電車の事故に巻き込まれたクマの体毛を分析したところ、一定期間にわたり、慢性的に生理的負荷が蓄積している結果が得られたという。望月教授は「山に餌がないなどのストレスを受けて人里に降りてきたクマが、人間に対する恐怖心などでうつ状態になり、異常行動を取ったのではないか」との仮説を述べた。そのほか、個体に衛星利用測位システム(GPS)を装着した調査では、行動範囲が広い個体の方がストレスを受けている可能性が示された。そのため「餌の確保がうまくいかず、広い範囲を移動しているのかもしれない」と分析した。食性履歴に関しては、毛に含まれる窒素と炭素の比率を見ることで、野生植物と農作物のどちらを食べていたかを調査。調査した約10個体は、山にある野生植物を食べていて、農作物はほとんど検出されなかったという。今後は、クマの行動履歴を調べる福島市のGPS調査とストレスの調査結果を掛け合わせ、異常行動が多いクマの特徴や生存地域を調査する方針。望月教授は「調査結果を基に危害を与えるクマの特徴を把握し、対策につなげていきたい」と話した。

(ニホンジカもイノシシも2050年までに全国に分布を拡大)
東京農工大学、森林総合研究所、自然環境研究センターからなる研究グループは、ニホンジカおよびイノシシについて将来の分布予測を行い、自然な分散と人口減少の進行を背景に、2050年までに日本の大部分に分布が拡大する可能性が高いことを明らかにした。大型有蹄類は狩猟やジビエ、薬用物質の提供など人間社会に恩恵をもたらすが、個体数や分布の拡大は、生態系の変化、林業・農業への経済的損害、車両との衝突事故、人獣共通感染症の感染拡大などの課題も引き起こす。近年、先進国では大型有蹄類の分布域が拡大し、原因解明が重大な課題となっている。研究グループは今回、1978年、2003年、2014年のニホンジカとイノシシの分布データを用いて分布拡大モデルを構築し、分布拡大に与える物理的環境、土地利用、気候要因、移動・分散能力を評価した。その結果、すでに分布している地域に近い場所ほど分布が拡大しやすく、距離が離れるにつれて分布が広がりにくくなる傾向を認めた。今回の推定結果は両種の非常に高い移動・分散能力の反映と考えられた。また、積雪日数も分布拡大に寄与しており、今後気候変動が進行すると、現在は積雪日数が多い東北地方北部や日本海側の地域でも、分布拡大が進む可能性が示唆されている。さらに、ニホンジカでは 2050年には平野部の都市部などを除く日本全国のほとんどの地域で分布確率が非常に高くなり、この傾向は2100年にかけて顕著になると予測された。研究グループは、予測されたニホンジカとイノシシの将来分布に基づいて、被害が顕在化していない地域でも予防原則に基づいた対策の検討が可能になるとしている。

(熊の目撃情報が激増の飯田市、猟友会員の手当を改定へ:長野)
飯田市は2025年に市内での熊の目撃情報が激増したことを受け、市の要請で猟友会員が出動した際の手当を負担に見合うように改める。現在は年額3500円か5500円だが、26年度から出動ごとに半日4千円、1日8千円とする方針。26年度一般会計当初予算案に関連費用156万円を盛った。

(車とシカ衝突事故が急増:北海道)
広尾署管内の広尾、大樹両町で、シカと衝突する交通事故が増えている。2025年の発生件数は前年を上回り、今月にはシカが2台の車と連続して衝突し負傷者が出る事案も発生した。車両が大きく破損する被害も相次いでおり、同署は注意を呼びかけている。

(SNS動画きっかけで「奈良のシカ」巡るクレーム急増:奈良)
「奈良のシカ」に関する奈良県の担当課へのクレーム電話が急増し、職員が疲弊している。暴言や長電話などで職員はストレスを抱え、業務に支障も出ている。職員の精神的ダメージにもつながることから、県はナビダイヤルの効果的な活用も始めた。立場が弱い自治体職員に対するこうした行為は全国で増えており、専門家は「カスタマーハラスメントに該当する」と指摘。10月には法改正で企業や自治体のカスハラ対策が義務化される方針だ。「なぜシカへの暴力を見て見ぬふりするのか」「シカさんに暴力を振るう(特定の国の)外国人を捕まえろ」「(同)外国人を奈良公園に入れるな」。電話は全国各地の人から入り、理不尽な要求を突きつける。何度も同じ内容を繰り返すケースもある。職員の回答が意に反した場合は「なぜ要望を聞けないんだ」などと興奮してののしったり、「ばか野郎」などと強い口調で怒鳴ったりする人も。多い日には1人が累計で約3時間、電話対応に費やすこともあった。クレームの電話が増えたのは2024年。「外国人がシカをいじめている」という内容のSNS(交流サイト)の動画がきっかけだった。最近は比較的落ち着いているものの、完全になくなってはいない。「公僕」を強く意識し、高圧的な態度を取るケースも。公務員という立場上、電話を切れないこともある。こうしたやり取りを何度も繰り返すことが精神的ストレスになり、モチベーションが奪われて業務に集中できなくなる職員もいる。国の天然記念物である「奈良のシカ」は野生動物であり、飼育動物ではない。野生のシカを春日大社の「神の使い」と考え、人々が大切にしてきたことで1000年以上、市街地で共生する珍しい光景が成り立っている。こうした歴史を知らず、外国人がシカに不用意に近づいてトラブルになる一部の動画を見ることで、虐待が日常的に起きていると誤解し、“正義感”で電話を入れる人もいるという。「貴重なご意見はありがたいが、奈良のシカを心配してもらえるなら、奈良公園の歴史や文化にも認識を深めてもらいたい」(担当者)。こうしたクレーム行為について、奈良大の太田仁教授(社会心理学=対人援助分野)は「PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しかねない危機的な状況。職員が体調を崩さないか心配」と思いやる。総務省が24年11~12月、地方自治体の一般職職員を対象に実施したハラスメントに関する調査では回答者の35%が「カスハラを受けたことがある」と回答。民間企業の従業員を対象とする厚生労働省の調査結果に比べ、約3倍に上っており、立場が弱くなりがちな自治体職員への理不尽な攻撃が多い状況がみえる。一方、公務員の中には「こんなこともできないのか」と周囲に思われるのを気にして「自分で何とかしなければならない」という意識を持つ人も多く、個人でクレームに対応しているケースも目立つという。その結果、電話の後に「燃え尽き症候群」のように意欲をそがれ、職場で孤立も感じ、辞職してしまう事例もある。太田教授は対策として「電話が長時間になれば切る、または担当を交代するなど部署の中で対応をルール化するのが効果的。個人に抱え込ませず、チームで対処する態勢が重要」と説く。県の担当部署でも昨年12月から各担当部署の電話番号を「0570」から始まるナビダイヤルに変更。自動音声の案内中に電話を切る人もいて、一定の効果につながっているという。職員らのストレスが増す中で厚生労働省は今年10月、自治体や企業にカスハラ対策を義務付ける改正労働施策総合推進法を施行する方針だ。対処例として「十分説明しても要求が続く場合は電話を切ることができる」なども挙げている。法改正により、自治体や企業は職員らの心身の健康や安全を確保し、安心して働くことができる職場環境を整備することなどを求められる。県は08年に不当要求行為への対応マニュアルを整備済みで、職員への更なる周知を徹底するという。

(奈良のシカ、遠く離れた奈良市西部にも群れ:奈良)
奈良市の奈良公園に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の移動・生息域が市内の旧市街地を超え、西部地域にまで拡大している。背景に奈良公園でのシカの過密化があるとみられ、年々の頭数拡大による分散化が、今後、地域の暮らしにトラブルをもたらす弊害を懸念する声もある。奈良公園の鹿の保護を行う「奈良の鹿愛護会」は、今月開催の「奈良の鹿保護管理計画検討委員会」に、移動を続ける鹿(逸失鹿)の対処等についても協議を予定しているという。

(クマ被害防ぐ県が動画:山梨)
冬眠明けのクマが行動を活発化させるのを前に、県は6日、クマとの遭遇や被害を防ぐためのポイントを解説した啓発動画の公開を県ホームページなどで始めた。「クマの被害に遭わないために」と題した3分間の動画で、入山時には、事前に出没情報を確認し、人の多い道を複数で行動するといった予防策を紹介。万が一、クマに遭遇して逃げられない場合には、「首をガードして地面にうつぶせになる」といった対処法も実演形式で解説している。また県では、「山梨にはクマがいます」と記載された啓発ステッカーを1万3000枚制作。クマの出没情報などがまとめられた県HPにアクセスできるQRコードも掲載しており、今月中にも自治会や道の駅、キャンプ場などに配布を始める。県自然共生推進課の小泉友則課長は「これから登山などを楽しむ人も増えてくる。動画では、被害を防ぐ行動をわかりやすく解説しているので、ぜひ活用してほしい」と話している。

(初の「春クマ捕獲」に踏み切る理由:富山)
富山県がこの春初めて行う個体数の管理を目的としたクマの捕獲で、今シーズンは10頭の捕獲を目指します。春に行うクマの捕獲は、増えすぎた個体数の管理を強化するとした国の方針を踏まえ、県が初めて行います。6日の県議会で杉田生活環境文化部長は捕獲の内容について、富山市有峰地区で今月末から5月までの2カ月間行い、10頭の捕獲を目標とすることを明らかにしました。捕獲を行うのは、富山市大山地域のハンターなど約10人で、期間中、10回以上の出動を予定しているということです。クマへの対応を巡っては全国で人身被害が深刻化していることを踏まえ、環境省がこれまでの「保護」から個体数の削減・管理へと方針を転換しています。県は、春に行うクマの捕獲は高度な技術を要するとしていて、ハンターの技術継承を進めるとともに、有峰地区での実績をもとに他の地域でも実施できるよう検証を進めたいとしています。

(小学校でヒグマを学ぶ授業:北海道)
クマが冬眠から目覚める春を前に、北海道東部の弟子屈町の小学校で、クマの生態を学ぶ授業が行われました。この授業はヒグマの行動が活発になる春を前に、クマに対する知識を学んでもらおうと弟子屈町などが企画しました。知床財団の専門家らが講師を務め、クマの生態や性格を学びました。下校中にクマに出会った場合の対処法も訓練しました。こちらは15日、根室市落石近くを走る列車内から利用者が撮影した映像です。道内では、15日、厚岸町や別海町など、道東を中心にクマの目撃情報が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。

(高校生が製作したイノシシ捕獲用の檻2基を贈呈:岡山)
イノシシによる被害を防ごうと、高校生が製作した捕獲用の檻の贈呈式が岡山県浅口市で行われました。イノシシ捕獲用の檻は、浅口市が2020年度からおかやま山陽高校に製作を依頼しているものです。機械科の有志、およそ20人が去年9月から製作を始め、今回は2基が贈呈されました。生徒たちは、軽量化やよりスムーズな動きなどを目指して毎年改良に取り組んでいます。贈呈された檻は、希望する市内の地区に貸し出され、イノシシの捕獲に役立てられます。

(高校ジビエ部が森林保護団体に40万円寄付:高知)
高知商業高校のジビエ商品開発・販売促進部はこのほど、森林保護団体「三嶺の森をまもるみんなの会」(香美市)に40万円を寄付した。

(狩猟フォーラム:広島)
狩猟の役割や鳥獣被害の対策を伝える「狩猟フォーラム」が20日午前10時~午後1時半、広島県尾道市役所である。無料。

(ガバメントハンター、新年度2人を任用へ:秋田)
鹿角市の3月定例議会は11日、本会議を再開し、4議員が一般質問を行った。本年度にクマの出没や被害が相次いだことを受け、新年度、ガバメントハンターとして新たに鳥獣管理員2人を任用する。笹本真司市長は「有害鳥獣捕獲ではスピード感を持って対応する重要な役割を担う」などと捕獲体制の強化に期待を述べた。

(市街地でのクマ捕獲へ、銃猟経験者に実射研修:栃木)
栃木県は16日、人の生活圏でクマを捕獲できる人材育成の一環として、新年度に銃猟経験者を対象とした座学と実射の研修を実施する方針を明らかにした。ハンターに人の安全を確保しながらクマを駆除する技術を身に付けてもらい、住民が安全に暮らせる環境を整える。

(クマ出現の女子ゴルフ会場、対応を協議:宮城)
昨日クマが出現した女子ゴルフ会場では、今朝9時から宮城県富谷市職員4人、猟友会3人、地元警察2人がコース内を巡回し、クマの痕跡確認などを行っている。コース内の巡回が終了した後に、大会運営と明日以降の対応が協議される。選手は今日も、ドライビングレンジや、パッティンググリーンでの練習も許可されておらず、時折クラブハウスにゴルフバックを取りに来る姿が見られる程度だ。開幕前日の16日、会場の仙台クラシックゴルフ倶楽部で、クマが出現したとの目撃情報があり、プロアマ参加者、選手、関係者の安全確保のため、プロアマと初日(第1ラウンド)が競技中止になり、現在も今後の対応策が検討されている。

(クマ捕獲の猟友会員らに1頭当たり8000円の報奨金:長野)
長野県は新年度から、クマを捕獲した猟友会員らを対象に、1頭当たり8000円の報奨金を支給する。

(クマ管理計画に「緊急銃猟」:茨城)
クマによる人的被害が全国的に深刻化する中、県が改定するツキノワグマ管理計画案の概要が18日、わかった。市街地に出没した際に市町村の判断でできる「緊急銃猟」が初めて明記され、予防策に重点を置いた現計画から、クマが出た時の対応の強化にかじを切った。25日の有識者による審議会の議論を経て、年度末にも改定される。改定案では取り組みの柱として新たに「出没への対処」の項目を追加し、人身被害の防止に力を入れた。鳥獣保護法が改正されて昨年、可能になった「緊急銃猟」について明文化し、市町村に国の指針を踏まえて対応するよう求める。クマが目撃された場合、県、市町村、猟友会などが「迅速・的確な情報共有・提供」を行うことも明記された。また、「出没に備えたマニュアルや資機材の整備」「出没を想定した体制整備・訓練の実施」などの文言も追加され、クマが生息する隣接県との情報共有も定めた。管理計画は昨年3月、5か年計画として初めて策定した。ただ、茨城は現在、クマの生息域ではなく、意識啓発に重点を置いていた。しかし昨年、全国的に人的被害が深刻化し、同4、6月には県北地域で相次いでクマが確認された。今回の改定には、県内へ生息域が拡大する危機感があり、県の担当者は「備えを万全にするとともに、正しい情報を発信して風評被害を食い止めたい」としている。

(クマ出没9年ぶり確認、対策強化へハンター育成など予算化:茨城)
今年度は全国的にクマによる人身被害が相次いだ。クマは生息していないとされる茨城県内でも9年ぶりにツキノワグマの出没が確認された。県は新年度からハンター育成や銃購入の支援などをするツキノワグマ対策強化費として1300万円を予算案に盛り込んだ。県環境政策課によると、昨年4月22日に大子町で、山中に設置していたセンサーカメラがツキノワグマを撮影していた。また同年6月2日にも同町で、住民のドライブレコーダーの画像にツキノワグマが映っていたことが確認された。同課の担当者は「目撃情報が少ないため、県内にクマが定着しているとは考えていない。しかし隣県の福島や栃木には生息しているため、今後も県境を越えて出没する可能性はある」という。そもそも定着しない理由として「県内は杉の人工林が多く、クマが好きなドングリなどが少ないことも要因ではないか」と話す。今年度はクマ対策として普及啓発などは実施していたが、新年度からは、ライフル銃使用者の登録、市町村の要請に応じて捕獲者を派遣するなどの体制構築を新規事業として始める。また、市町村のマニュアル策定やわなの購入に対する補助を始める。新たに狩猟免許を取得する人やライフル銃を所持する人に対する経費補助も始めるという。

(クマハンターの練習経費費補助へ:島根)
クマの緊急銃猟をはじめとしたハンターの技術向上や育成を目的に、島根県が2026年度、市町村と連携して県外射撃場での練習費用の補助に乗り出す。25年は全国的にクマによる人的被害が相次いだ。県内には威力があるスラッグ弾を撃てる射撃場がないため、旅費などを一部支援する内容で、26年度一般会計当初予算案に300万円を盛り込んだ。狩猟用の銃を使用できる県内の射撃場4カ所では殺傷能力が高い単発弾頭のスラッグ弾や狩猟用ライフル銃の練習はできず、広島県庄原市や岡山県真庭市などまで行く必要がある。25年は全国的にクマの出没が相次ぎ、市町村長の判断で駆除する緊急銃猟も始まった。自由に動ける状態のクマに弾を撃ち込むため、仕留めるにはハンターの技術向上が必要となる。県は県外射撃場での練習にかかる交通費、射撃場利用料、弾代などの費用について、県と市町村が連携して補助する新規事業費を盛り込んだ。具体的には県と市町村が3分の2を補助し、ハンターが3分の1を負担する。実施予定とする美郷町は26年度一般会計当初予算案に64万円を計上し、緊急銃猟に対応する認定捕獲等事業者の社員や、猟友会員らの技術向上を支援したい考え。松江市も実施する予定で考えているとし、市農林基盤整備課の庄司靖係長は「ハンターから県外で訓練する負担が大きいという声が以前からあった。(緊急銃猟で)いざというときのために技術を高めていただく必要がある」とした。県の事業とは別に、環境省の交付金を活用する考えを示す自治体もある。安来市や益田市は緊急銃猟に対応するハンター向けに県外の射撃場で訓練を開きたいとする。益田市農林水産課の大庭健志課長は「ハンターは山でクマを撃った経験がなく、緊急銃猟の対応に不安を抱えている。県の事業も活用し、幅広く担い手の育成につなげたい」と述べた。県鳥獣対策室の安松崇徳室長は「緊急銃猟を含めた獣害対策として銃猟の免許を持っている方に射撃技術を磨いてもらい、ハンターの担い手の確保・育成に向けて市町村と連携して支援していきたい」と話した。

(クマ対策、倍増1億円:福井)
県は2026年度当初予算案で、ツキノワグマ対策に県予算として過去最大規模の1億円を計上した。25年度当初から倍増。緊急銃猟に当たる猟友会員らへの報酬を県内一律で大幅に引き上げるほか、猟友会員の少ない市町への指導や、実際の銃猟に当たる人材としてクマ対策専門員を2人雇用する。

(クマ対策を強化へ、猟友会員に〝出動手当〟:秋田)
小坂町は2026年度、ツキノワグマを中心とした鳥獣被害防除対策費として911万円を確保し、対策を強化する方針を示した。猟友会員が出動した際に支給する〝日当〟を新たに設けるほか、誘引樹木の伐採、やぶ払いを進めるため、補助金支給を継続する。

(ツキノワグマ研修会を開催します:宮城)
昨今のツキノワグマの出没及び人的被害の状況下から、ツキノワグマを対象とした被害対策等に係る研修会を開催します。今年はツキノワグマの目撃件数が過去最多となっており、人身被害も発生しましたが、冬眠明けのツキノワグマが活動再開をする春に向けて、農林水産業従事者や捕獲従事者等の安全確保ならびにツキノワグマの生態等について学んでいただく機会と考えております。報道機関の皆様におかれましてはぜひ取材してくださるようお願いします。

(通報から駆除まで手順確認:北海道)
松前署は18日、町市街地などでのクマの出没を想定した対策訓練を関係団体と共同で行った。通報から捜索、駆除までの手順を踏みながら、連絡体制、情報の共有、駆除の命令などの動作を確認した。

(クマのエサ、柿・栗除去を:福井)
クマによる人的被害の防止のため、生態や対策について学ぶ研修会が18日、福井市の県生活学習館(ユーアイふくい)であった。講師をした環境コンサルタント「BO-GA(ボーガ)」(敦賀市)の古川麗(うらら)さんは、集落は柿や栗、放置野菜があり「クマにとってはスーパーと同じ」と例え、エサになる物は除去することを促した。嶺北の自治体で構成する「ふくい嶺北連携中枢都市圏事業」の一環。獣害対策に関心のある市民ら34人が参加した。古川さんは県内にも生息するツキノワグマの生態について「犬よりも数倍嗅覚が鋭い。基本的に昼行性だが、夜も目が利くため活動できる」と説明。

(シカ被害対策に関する現地検討会を開催:広島)
令和8年3月4日(水)、広島市安芸北区の押手山国有林においてシカ被害対策をテーマとして現地検討会を開催しました。検討会には県・市の獣害担当者や林業事業体など約50名が参加し、鋼製防護柵のほか、従来の樹脂製ネット防護柵や単木保護管なども見学いただき、今後のシカ被害対策について意見交換を行いました。各地でシカの増加に伴う林業被害が問題となっていますが、生育の途中で樹皮を剥がされたことが原因となって樹木内部の一部に腐朽が発生し、伐採後の収益に大きな影響が発生するケースが見られます。シカ被害対策としては、植栽した苗木の食害を防止するために樹脂製ネットのシカ防護柵が設置されますが、耐用年数は数年程度とされていることから、こうした従来の防護柵では植栽から伐採まで数十年間にわたって剥皮を防止することは困難です。これに対して、鋼製ネットを使用した防護柵は耐久性が高く、10年以上にわたって被害を防ぐことが可能であると考えられますが、広島県内では農地にしか設置実績がなかったことから、当署では県内で初めてとなる林業用の鋼製防護柵を令和7年度に設置し、剥皮被害に対する有効性について検証を進めているところです。

(今年度『クマの狩猟禁止』、理想の対策?:兵庫)
クマによる人的被害は全国で100人を超え、過去最悪の13人が死亡しています。そんな中、11月13日から秋田県・岩手県では警察官によるライフル銃を使ったクマ駆除の運用が始まりました。クマ対策の“正解”はあるのか?兵庫県では、20年前から“クマ管理”を行っているといいます。兵庫県の取り組みの特徴や効果、他の自治体での応用の可能性について、クマ対策に関わる兵庫県立大学・横山真弓教授への取材をふまえてMBS米澤飛鳥編集長がプレゼンテーションします。11月13日から、秋田県・岩手県で警察官によるライフル銃を使ったクマ駆除の運用が始まりました。市街地にクマが出没した際には、「緊急銃猟」の支援などを行うということもあるということです。東北地方の状況に対し、兵庫県ではクマによる人身被害の事例があまり見られません。2023年度は0件、2024年度は2件、そして全国で被害が非常に多い今年度(※8月末時点)は、1件のみとなっています。県によってもクマの数は違うため、一概に少ないと言い切ることができるものではありませんが、「比較的抑えられている」ということです。全国の他の自治体ではクマの狩猟の取り組みが拡大されているところがある一方、兵庫県では今年度、クマの数が減っているためクマの狩猟禁止するということを決めています。一体どういうことなのか?それは“数をコントロール”しているということです。兵庫県のクマ対策に関わる兵庫県立大学・横山真弓教授によると「兵庫県はクマの頭数を把握し、設定した目安のもと数を管理している」ということです。では、クマの数をどのようにして把握するのかでしょうか。兵庫県では20年以上前から、以下のような方法を取っています。▽捕獲したクマたちマイクロチップをつけて放つ▽次の捕獲期間で捕まえたクマのチップの有無を確認▽マイクロチップ付きのクマの比率によって、年ごとの個体数を推定。捕まったクマに「マイクロチップがついてる個体」が多ければ増加の規模は大きくないとされ、逆に「マイクロチップがついていない個体」が多く捕まると増加していると考えられる、ということです。横山教授によると、兵庫県の政策方針は「クマを800頭ほどに調整している」ということです。クマは自然に年15%ほどのペースで増えていくものだということですが、▽推定生息数が400頭未満⇒狩猟捕獲はしない/有害捕獲は可能な限り殺処分せず▽400頭~800頭未満⇒狩猟捕獲はしない/有害捕獲は原則殺処分▽800頭以上⇒狩猟捕獲は可能/有害捕獲は原則殺処分、という原則で数をコントロールして、800頭を目安にするという施策が続けられています。兵庫県はこのようなクマ対策をとっていますが、全国では難しい部分もあるといいます。岩手県の担当者によると、「頭数把握は5年に1度。2022年で約3700頭。毎年調査をする余力なし」といい、秋田県の担当者も「頭数把握は5年に1度。2020年で約4400頭。把握より駆除を重視」ということです。この現状からは兵庫県のような頭数の管理をするのは難しいようにも見えますが、横山真弓教授は「実情把握しないと対応も遅れる。予算・人材・体制など不十分」といいます。兵庫県で数の管理を続けることができているのは、まだクマの頭数が少なかった頃に施策を開始しているためと考えられます。兵庫県がクマ管理政策を始めた約20年前は100頭前後だったということで、現在とは規模感が異なるようです。こうした中、予算委員会の答弁で高市早苗総理は、自治体へのクマ対策の財政を支援するということを述べています。クマ被害の対策施策パッケージというのを取りまとめ、自治体への補助などを打ち出すということです。クマの対策は地域の実情に合わせて変わってくる部分もあるということで、国もリードをしながら進めていくべきものであると考えられます。

(“クマ大量出没”はなぜ起きた? )
2025年は日本各地で野生のクマが市街地に出没しました。メディア報道やSNSで関連情報が相次ぎ、全国的に不安が広がる状況となりました。なぜクマは市街地に現れるようになったのでしょうか。2025年に起こったことや、今知っておきたいクマの生態について、専門家にお話を伺いました。お話をお聞きしたのは、東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介先生。『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社)の著者で、ツキノワグマの生態を25年以上研究する専門家です。――改めて振り返ると、2025年はクマと人間にとってどんな年でしたか?世間では、2025年になって急にクマが狂暴化して市街地に現れた、というイメージがあると思います。ですが、日本各地で2000年代以降、数年おきにクマの出没は割と頻繁に起こってきました。それも突然始まったことではありません。国内のクマの分布域は40~50年かけて少しずつ広がって、この40年間で約2倍になっています。その背景にあるのは社会の変化。昔はクマは奥山に、人は平地にいて、山と平地の中山間地域では農業や林業が営まれていました。ここがクマと人を隔てるバッファーとなっていたのです。ところが高度経済成長のあと、中山間地域で産業を営む人が減り、人が山から離れてしまった。すると耕作放棄された土地が森に戻っていきます。そこに野生動物が立ち入るようになって、クマが増えるとともに、クマと人の距離が徐々に近づき、クマと人が隣り合っている状況ができてきました。ここでドングリの不作が起きると、クマの行動が変わって市街地にも現れるようになる。その「もう本当に森にドングリがない」という状況になったのが2025年でした。特に岩手や秋田ではドングリのなりが非常に悪かった。それでクマの行動が変わってしまった、それが如実に現れた年でした。――ドングリの不作がきっかけとなっただけで、クマと人の距離は近づいていたのですね。普段から人のすぐ裏山にいるクマは、それほど人を警戒していない可能性があります。そんなクマが、山にドングリがない状況で、ふと人が住んでいる集落を見ると、柿や栗がいっぱいある。「じゃあ町に行こう」と、そんなことが起きたのではないかと思います。クマの数や人とクマとの距離感が一定の閾値を超えてしまい、かつ人への警戒心の低いクマが一定数に達してしまったのが去年だったのではないかと思います。 実は2023年も秋田ではそれなりにクマが出ていました。ただこの時点では、街中に出てもパニックになって逃げ回るクマが多かったのですが、去年は非常に落ち着いているクマが多く見られました。盛岡の街中を悠々と歩いているクマもいましたね。そんな人への警戒心が下がって何とも思っていないようなクマが増えてきたことも印象的でした。 ――ツキノワグマが人を狙って襲う事件もありました。ツキノワグマは雑食で基本的に人は襲わないと言われていましたが、人への警戒心が下がって狂暴化したのでしょうか?「警戒心が下がる」ことと「狂暴化する」ことはまた別の話です。警戒心が下がって食べ物を求めて人里に来るクマは増えていますが、人を積極的に襲うような狂暴なクマは今も多くないと考えます。昨年の報道を見ると、人を襲う事故が13件と非常に多かったように見えますね。ただその中には、昔からあるような山菜取りやキノコ狩りで山に入った方が襲われたケースも含まれます。従来、クマが人を攻撃するのは防御のため。母熊が子熊を守りたいときや、人に出会ってパニックになって逃げ道もわからないときに攻撃してくるわけです。そんな中、ごく一部で人を狙ったような事故もあったことは確かです。昨年はご遺体を山へ引っ張っていったケースもありました。クマは非常に学習能力の高い動物です。山にいるクマがいきなり人を見て襲って食べてやろうとはならなくて、何かきっかけがないと「人は食べ物を持っている」とか「人は食べられる」といった学習はしないわけです。例えば山の中で遭難して亡くなった方がいて、そのご遺体をかじってみて、食べられると学習する。こうして特殊な経験をして人は食べられるという結びつきを学習すると、今度は出会った人間を叩いて倒してみようと、積極的に襲うようになるわけです。こうしたケースも昔からありました。現代のクマが突然狂暴化したわけではありません。――ネット上ではクマが情報伝達をして、人が食べられることが伝えられているというウワサもありました。それはないと思います。山の中のクマの生活はわかっていないことも多いですが、今のところ食べ物の情報、在り処を教えるようなコミュニケーションは確認されていません。クマは群れを作らない動物です。子熊は冬眠の穴の中で生まれて、1歳半ごろまでお母さんと一緒に過ごします。その1年半の間に食べられるもの、食べられないものや危険な場所などいろいろなことを教わっていく。母親と別れた後は1頭で暮らし、他のクマと会うのは基本的に繁殖する時だけ。個体間のコミュニケーションは繁殖目的でしかしないと言われています。――クマ鈴は「かえってクマをおびき寄せるのではないか」という不安の声もあります。もう効果はないのでしょうか?クマが人に対して高い警戒心を持っているという前提であれば鈴は効きますが、警戒心が下がってしまったクマは、鈴を鳴らしても何も反応しない可能性はあります。ただ山の中ではまだそういったクマは少ないと思いますので、山林では鈴の効果はあると思います。今、年間何百万人もの人が登山やハイキングに行って、みなさん鈴をつけています。日本の登山客のクマの事故は、毎年10件に満たないくらいです。そう考えると、やはり鈴の効果は非常に大きいと思います。鈴はクマに対して「人が来たよ」とアピールする道具です。山の中にいるクマはまだ人に対して警戒心を持っている。そんなクマに人が来たよと教えることで、彼らに先にその場から移動してもらう。音でメッセージを出せるのが、鈴やラジオなんですね。ただ、風が強い日や雨が降っているとき、沢の中のように常に音がしている場所では、音が伝わりにくい。統計でもこうした状況での事故が多いです。一度でもクマに会ってしまった人は「鈴を持っていても意味がなかった」「鈴がクマを呼び出したのでは」と思うかもしれません。でも逆に、鈴のおかげで遭遇しなかった機会は何回あるかわからないわけです。また、山以外でも、人里に出没するクマがすべて警戒心が下がりきっているわけではありません。食べ物を求めて来たものの、人には会いたくないクマもいるわけです。その場合、鈴でこちらの存在を知らせることで、遭遇を回避できる可能性があります。人の声でもいいですね。人の話し声も結構響きますし、動物もすごく気にします。1人で歩くのではなく複数の人で歩いておしゃべりをしているだけでも、こちらの存在をアピールできます。あまり知られていませんが、同じ山にいるクマでも個性があって、食べる物もクマによって違います。行動の仕方もそれぞれで、個体差が非常に大きい動物ですね。最初に母親にから教わる内容が違うというのもあるし、1頭で生きているのでそれぞれの経験している内容も違っていて、その結果として個性が作られていく。そう考えると町に出るクマはそのクマ特有の事情があって、山から出てこないクマとは状況が違っている。それを踏まえた上で、被害を及ぼすクマはやはり駆除しなくてはいけないという考え方になりますし、山奥のクマは守って、集落周辺の本来はクマが居てはいけないところのクマは被害が出る前であっても駆除したり、山へ追いやるなど、分けて考えた方がいいですね。これからはクマという一括りではなく、人に被害を出したか、どこに住んでいるかで対応を変えていくことになります。――山にいるクマは守った方がいいのですね。日本でクマが絶滅したらどんなことが起こるのか、それは誰にも分かりません。雑食の彼らは果実や木の実を食べて排出することで、森の植物の種(タネ)まきをしています。クマの行動範囲は広いため、鳥やサルよりも遠くに種を運び、それが森の植物の遺伝的多様性を保っています。九州でツキノワグマが絶滅して80年ほど経ちました。まだ目立った変化はないかもしれませんが、樹木の寿命は数百年。何年も経ってから、大変なことが起こる可能性も否定できません。それから最近の研究で、クマは動物の死体を食べることで森の掃除屋のような役割をしていることもわかってきました。死体を食べる動物はほかにもいますが、クマは特に処理するスピードが速いので、病原菌の発生源をすみやかに除去してくれる。だから、クマは危険だからいなくなればいいというのは、極端な考え方だと思いますね。

(毎年3月は通報件数“急増”、冬眠明けのクマに注意:北海道)
雪解けも進み、だんだんと近づいてくる春。2025年、出没が相次いだクマも活動の時期を迎えているようです。勢いよく走る一頭のクマ。3日前、根室市落石近くを走る列車内から利用者が撮影した映像です。同じ日、厚岸町や別海町などでも、相次いだクマの目撃。十勝でもクマに動きが…。新得町にあるクマの飼育施設、サホロリゾート ベア・マウンテンです。冬眠用の檻から顔を出そうとしたり、檻の中を動き回ったりしていました。クマの生態をよく知ってもらうため、より自然に近い環境で飼育しているこの施設。12月からエサを与えず「冬眠」させていましたが…。ベア・マウンテン 坂出勝 園長「2月20日前後ごろには…いまガラガラやっていますよね。こんな感じで『餌くれ!』と激しく動くクマがいた。いま胃が小さくなっているので、だんだん(餌の)量を増やしていっている」。これは過去5年間、1月から3月末までの間に道警に寄せられたクマの通報件数です。3月にぐっと件数が伸びているのがわかります。多くのクマが動き始めるのが今の時期なのです。専門家は冬眠明けのクマは特に気性が荒いわけではないとしながらも、注意が必要だといいます。酪農学園大学 佐藤喜和教授「去年の秋、特に札幌近郊は餌がないときにクマたちが山沿いの公園や川沿いのクルミを求めて(山から)下りてきていたが、クルミが春の段階でも残っていると、クマが食べにやってくるかもしれないので、そういったエリアでは注意したほうがいい」。雪が解け歩きやすくなる山。山菜採りのシーズンも迎え、多くの人が山に入る時期でもあります。酪農学園大学 佐藤喜和教授「クマの食べ物と、人が山菜で食べたいものは本当に似ているので、ばったり出会ってしまう可能性もある」。佐藤教授は、クマの住む森に行く際は、音を出したり複数で行動したりするなど、今からしっかりした対策を取るよう呼びかけています。

(ヒグマは意外とサケを食べない!?)
ミミズを頭から食べるモグラ、地面を掘り返して土の中の生き物を食べるイノシシ、旬なものをたくさん食べるツキノワグマ……など、日本で見られる哺乳類38種の食事をイラストで紹介した『哺乳類の食事事典』より、ヒグマの食事について紹介します。ヒグマは日本で最も大きい陸上哺乳類で、北海道に生息し「エゾヒグマ」とも呼ばれます。春から初夏は草本類、夏はアリやハチなどの昆虫、秋にはヤマブドウやサルナシなどの果実、ブナやミズナラの堅果を食べます。ツキノワグマ同様に、その食性は季節性があり、地域差や個体差が大きいですが、時にはエゾシカを襲ったり、一部地域のヒグマは川に入ってサケ類を捕まえたりと、ツキノワグマよりも肉食傾向が強いといわれています。床半島では、秋になると産卵のために数千~数万のサケ類が遡上し、ヒグマが川や海岸に集まります。サケ類は高栄養の食べ物で、ヒグマの成長や繁殖を助ける重要な資源であり、穴ごもり前の贅沢なごちそうです。一方で、知床半島のヒグマの安定同位体比から食性を調べた研究によると、知床半島で実際にサケ類を利用しているヒグマは半島にいるクマ全体の5%程度でした。近年サケ漁やダム建設など人の影響が大きくなり、ヒグマがサケを捕ることのできる環境の減少がその一因ではないかと考えられています。ヒグマの食べ残しや糞には海の栄養が含まれ、その栄養が土を肥やして植物を育て、食べ残しはキツネなど他の動物の食べ物にもなります。ヒグマはサケ類を通じて、海の恵みを森へと運び、豊かな生態系を支える重要な存在となっています。

(やんばるで目撃されたシカは絶滅危惧植物を食べていた:沖縄)
琉球大学理学部、沖縄美ら島財団、南西環境研究所、森林総合研究所らの研究チームによる研究成果が、国際学術雑誌「Mammal Study」オンライン版に掲載されましたので、ご報告いたします。小林峻(琉球大学理学部)、安里瞳(沖縄美ら島財団)、中田勝士(南西環境研究所)、永田純子(森林総合研究所)、亘悠哉(森林総合研究所)が、2024年10月から沖縄島北部やんばる地域の世界自然遺産地域の森林で目撃されていた国内外来種ニホンジカの糞を分析し食性を明らかにしました。本研究では、近年食性解析に用いられるようになってきたDNAメタバーコーディング法を適用し、糞の内容物に含まれる植物の種類を分析しました。その結果、少なくとも植物28種が検出され、その中にはレッドデータブックで絶滅危惧IA類に指定されている絶滅危惧種も含まれていました。本研究により、やんばるに本来生息していないニホンジカの侵入は、絶滅危惧植物を含む多様な植物の保全を考える上で懸念材料になることが明らかとなりました。絶滅危惧種が多く生育しているやんばる地域における一刻も早いニホンジカの防除が望まれるとともに、世界自然遺産地域への新たな国内外来種の侵入を防ぐ制度を早急に整備することが必要です。

(クマ防止で弥生いこいの広場に電気柵:青森)
青森県弘前市は19日、クマ目撃の多発を受けて昨年9月から閉鎖していた弥生いこいの広場のオープン時期について、クマ侵入防止対策の電気柵の設置を終了後、可能な限り夏休み前のオープンを目指す考えを明らかにした。例年は4月に開園している。広場の電気柵は総延長2キロを設置する。動物広場とピクニック広場、オートキャンプ場、第一駐車場を囲む形で約1.6キロを設置し、クマに倒されにくく、冬は倒して管理できるものを採用する。子どもが触れる危険のある場所などは、バリケード設置などの対策も考えているという。動物の餌を栽培する畑、予備の動物舎があるエリアについても約0.4キロにわたり簡易式の電気柵で囲む。19日の市議会本会議に追加提案、可決された2025度一般会計補正予算に関連経費を盛り込んだ。同じくクマ目撃が多発した大森勝山遺跡についても、遺跡を傷つけないよう、基礎を設置しない細い支柱を用いるタイプの電気柵を設置する。工事は5月の遺跡オープンに合わせて完了する予定。

(麻酔銃の担い手増やしたい、捕獲技術者研修:長野)
クマ出没の対応のために、麻酔銃を扱える人材の確保が急務だとして、県は12日、佐久市内山の佐久平国際射撃場で麻酔捕獲技術者研修会を開き、県内の市町村職員や獣医師、捕獲従事者ら51人が参加した。麻酔銃を巡る法規制や扱いの注意点を伝えた後、麻酔銃や猟銃の実演を見せた。県林務部森林づくり推進課によると、県内で麻酔銃を使えるのは10人程度という。イノシシやシカなどを狙いとしたわなに、クマなど別の野生獣がかかる「錯誤捕獲」が起きた場合は原則、麻酔で眠らせた後、生息域に返すことが必要。昨年9月からは、クマが住宅地など人の生活圏に侵入した場合に、条件付きで銃による駆除ができる「緊急銃猟」制度が始まったが、跳弾が懸念される場合など、その場によっては、麻酔銃も選択肢となり得る。迅速な態勢づくりのために、担い手養成のきっかけにしようと初めて企画した。

(喜界島の野生シカ推定46匹、集中的捕獲が奏功:鹿児島)
鹿児島県喜界町は2025年度、島内で野生化したシカの生息数などの調査を4年ぶりに実施した。それによると推定生息数は46匹で、前回調査(21年度)の303匹から大きく減少した。23、24年度の2年間で計486匹が捕獲されており、町は集中的な捕獲事業が功を奏したとみている。もともと喜界島にシカは生息しておらず、2000年代初旬ごろ、人によって持ち込まれた個体が野生化して増えたとみられる。サトウキビの新芽などの食害が確認されており、町は17年度から本格的に補助事業に乗り出した。生息数などの調査結果については、12日の町議会3月定例会で当局が明らかにした。調査では、センサーカメラによる自動撮影調査と、ふんの量から対象地域のシカの生息密度を推定する「糞粒調査」を組み合わて分析。捕獲や目撃情報が多い百之台地区から島北部にかけて実施した結果、推定46匹となった。調査は今回が3回目で、18年度の初回調査時は推定115匹だった。17~22年度の累計で約300匹だった捕獲数は、従事者に支払う捕獲報奨金の増額(現在1匹当たり1万5千円)や、捕獲技術の向上などもあり、23年度は291匹、24年度は195匹。25年度は1月末現在122匹となっている。町農業振興課は「推定数はあくまで調査結果で、残り46匹を捕獲すれば根絶ということではない」と説明。生息域の拡大は見られなかった一方、一部地域では前回調査よりも野生シカが多くカメラに映った地点もあり、町は今後も捕獲従事者と情報共有し、効率的な捕獲活動を継続する方針。

(狩猟フォーラム開催:長野)
狩猟への理解を深めてもらおうと、南箕輪村猟友会は7日に、南箕輪村公民館で、狩猟フォーラムを開きました。フォーラムには、上伊那地域からおよそ40人が参加しました。藤城ふじしろ栄えい文ぶみ村長も出席していました。フォーラムは、狩猟に興味を持ってもらい、狩猟者の人口を増やそうと南箕輪村猟友会開いたもので、2019年以来2回目の開催です。村猟友会の加藤尚かとうひさしさんは「害獣駆除などを自治体から依頼されることもありますが、猟友会はあくまで楽しく趣味で狩猟を行う会です。」「ぜひ多くの人に狩猟を楽しんでほしいです。」と講演しました。会場には、猟友会員が使用している銃や罠、捕獲した動物の剥製などが飾られていました。南箕輪村猟友会には現在、20代から80代まで33人の会員が所属しています。フォーラムではほかに、ジビエ料理の試食も行われました。

(高校で「クマ防災教室」:青森)
青森市の高校でクマに遭遇した時の対応を学ぶ防災教室が開かれました。青森南高校できのう開かれた防災教室には、1、2年生の生徒およそ360人が参加しました。クマの冬眠が明け、出没が増える4月を前に学校が県に依頼して実現したもので、青森南高校では初めての取り組みです。県自然保護課の担当者が、「クマに遭ったらどうしよう」と題して講話し、クマの生態や出没状況のほか、実際に遭遇した場合の対処法などを説明しました。生徒たちは万が一に備え、心構えを学んでいました。

(持続可能な薪炭林整備へ、山奥で択伐・シカ頭数管理:和歌山)
和歌山県みなべ町のみなべ川森林組合(田中昭彦組合長)は4月から、持続可能な薪炭林を整備して里山機能を回復させる新たなモデル事業に取り組む。作業道のない山奥にある薪炭林で紀州備長炭の原木ウバメガシを択伐(たくばつ)し、シカの頭数管理によって切り株や根元から生える新芽の食害を防ぐ。

(狩猟免許の志願者が急増中、背景には“災害級”のクマ被害:静岡)
シカやイノシシなど野生動物の捕獲に必要な狩猟免許。この狩猟免許の取得を目指す人がいま増えていて、2026年は試験の受験者数が前年から急増した。一体なぜなのだろうか?2026年1月に静岡市葵区で開かれた講習会。狩猟免許の取得を目指す人たちが散弾銃の扱い方や罠の仕掛け方を学んだ。自衛隊に約15年間所属していたという男性は「ニュースなどでクマが問題になっているのが大きな理由」と参加した動機を打ち明け、消防士をしているという女性も「クマなど獣害のニュースが増えているので、農作物などを守れるように」と口にした。主催者によると、参加希望者が定員を超えたため、追加の日程が組まれるほどの盛況ぶり。なぜ、いま狩猟免許の取得を目指す人が増えているのだろうか? 県民からの110番通報を受け付ける静岡県警察本部 通信指令課の佐藤真 巡査部長。野生動物の危険性が高まっていることから、所属先でも上司から常々スキルアップするよう求められているといい、「どうしたらよいか考えた時、自分も狩猟免許を取得し、猟友会から直接指導を受けたいと思った」と話す。災害級とも称されるほど、全国で相次いだクマによる被害。環境省のまとめでは、全国で確認されたツキノワグマの出没件数は4万件以上(2025年度)と、すでに過去最多を更新し、死者も13人に上っている。このため新たに始まったのが、クマが生活圏に侵入した場合や猟銃の使用以外に捕獲が難しい場合など、4つの条件をすべて満たした時に限って自治体の判断で駆除することができる緊急銃猟だ。静岡県内では人身被害こそ出ていないものの、富士宮市や静岡市を中心に多くの目撃情報が寄せられた。こうした背景もあってか、2月に行われた狩猟免許試験の受験者数は静岡県だけでも359人と前年の倍近くに急増。この日も、佐藤さんは仕事の休憩時間を使って銃の所持免許を持つ先輩からアドバイスを受けるなど、狩猟に必要な知識の向上に余念がない。今後は警察と猟友会のパイプ役のような存在になりたいと意気込む。一方、御殿場市に住む林沙代さん(31)。曾祖父が狩猟に携わっていた話を幼少期に祖父からよく聞いていたほか、自身もアメリカに留学していた際、銃を取り扱った経験があるという。このため、「農作物を一生懸命作っている人がイノシシやシカの被害に遭い、頑張って作ってきたものがなくなってしまったり、クマの被害に遭われたりしている人もいるので、猟友会に入り社会貢献できるように頑張りたい」と、狩猟免許取得を志望した理由を明かす。馬場馬術で東京五輪に出場した経験を持つ夫の伸伍さんも、チャレンジを重ねて来た自らの人生と重ね合わせ沙代さんの挑戦を見守っていて、「僕自身もスポーツを通して、いろいろな社会貢献をしたい気持ちを常に持っている。昨今、ニュースでクマ(に関する話題)が増えているのは僕も気にしているので、困っている人の助けになればすごく良いこと」と背中を押す。クマと人との距離感が以前と比べて変わる中、どのようにして人的被害を防いでいくのか。強い思いと安全への意識、そして確かな技術を持ったハンターの育成が急務となっている。

(クマと遭遇したとき、どうすれば:奈良)
登下校時や外で遊んでいるときに、クマに遭遇したらどう対処したらいいのか。クマの生態を知った上で安全確保策を学ぶ安全講習会が、奈良県天理市福住町の市福住小中学校(森下知永子校長、91人)で開かれた。小学1年~中学2年の児童生徒や近隣に住む保護者ら100人ほどが参加した。福住地区は天理市の山間部にある。昨年5月に別の地区でツキノワグマが目撃されるなど、通報が増えていることから、今月3日に市として初めて講習会を催した。講習会では、野生動物保護管理事務所関西支社(神戸市)の野瀬遵主任研究員が、ツキノワグマの生息場所のほか、植物をたくさん食べることや走る速さは時速40キロほどといった生態を解説。ゴミをきちんと処理したり、集団で行動したりしてクマと出合う危険を避けようと呼びかけた。遭遇時には、ゆっくりとその場を離れるのが効果的だが、襲われた際にはうずくまって頭や首、腹部を守ろうと説明。会場にクマの着ぐるみが登場した際には、児童らは実際に防御の姿勢をとり、友だちと確認しあっていた。中学2年の広瀬紗夕さん(14)は、家から30分かけて自転車で通っていたが、最近は車で送り迎えしてもらっている。「遭遇した時に実践できるかは分からないけど、知っておくことは大事だなと思いました」と話した。

(クマの緊急銃猟を想定した訓練:兵庫)
全国でクマによる被害が相次ぐ中、養父市で人の生活圏にクマが出没し、緊急銃猟が必要となった場合を想定した訓練が行われました。この訓練は、2025年9月に改正鳥獣保護管理法が施行され、市長の判断で緊急的に銃猟が可能になったことを受けて実施されました。訓練には県や市の担当者、警察など21人が参加し、養父地域局の倉庫にクマが立てこもった想定で行われました。参加者は市が新たに作成した「対応マニュアル」に基づき、対策本部の設置から、緊急銃猟の伝達手段などを確認していました。訓練を終えた参加者からは、許可の腕章の受け渡し方法や、腕章手渡し前にクマが襲ってきた場合の対応などについて質問が出ていました。養父市では、2024年に192件のクマの出没が確認されるなど増加傾向にあり、4月以降は、現地でクマ出没を想定した実地訓練も行う予定です。

(ガバメントハンター「自分で撃てるのではやい」、警察OBら免許取得の動きも:北海道)
2025年に相次いだ市街地でのクマの出没。その対応を担うハンターですが、いま深刻になっているのが担い手不足です。そこでいま、自治体が直接ハンターを雇うガバメントハンターなどが注目されています。クマによる被害が過去最悪レベルとなった2025年。北海道内ではクマの目撃件数が5000件を超え過去最多に。知床では登山中だった男性がクマに襲われ死亡する事故も起きました。羅臼町役場で働く田澤さんです。デスクの周りにずらりと並ぶのはクマに関する資料です。(羅臼町産業創生課 田澤道広さん)「これはクマスプレーですね。クマ対応するときにそれぞれ持って行けるように」。田澤さんは狩猟免許を持ちながら自治体の職員として働くガバメントハンターです。(羅臼町産業創生課 田澤道広さん)「行ってすぐ撃たなきゃいけないときとか、(クマが)いなくなるようなときは、ハンターが来るのを待たなくても自分で撃ててしまいますので、その分はやいですね」。これまではクマの目撃や被害の連絡が入ると、まず猟友会のハンターが現場を確認。そのうえで行政が駆除の必要性を判断し、改めて猟友会に出動を要請していました。一方、自治体の職員であるガバメントハンターは、現場で状況を確認しながら駆除の判断まで行うことができ、対応のスピード向上が期待されています。(羅臼町産業創生課 田澤道広さん)「ハンターもほかに自分の仕事を持って、空いたときには来てくれるみたいな人が多いので、すぐに来てもらえないということもある」。全国的に深刻となっているのが、ハンターの高齢化です。地域によっては担い手が不足するなか、ある動きが…警察や自衛隊の退職者を対象にした狩猟免許取得の説明会です。銃の扱いに慣れた人材をハンターとして確保する狙いで、狩猟免許取得までの流れや費用のほか、現役ハンターが狩猟の魅力を紹介しました。猟友会に所属するハンターもこの動きに期待を寄せています。(ヒグマ防除隊 玉木康雄隊長)「自衛官や警察官は銃の取り扱いに関して基礎的な部分は習得済みで、危険性も理解しているので、入ってきてくれるということは、安全面でのリスクをすでにマネジメントできる状態で入ってきてくれるので、非常にありがたいなと思う」。地域の安全を守るために欠かせないハンターの存在。担い手不足をどう乗り越えるのか。新たな人材の確保に向けた動きが加速しています。

(猟友会が「フェア」:北海道)
北海道猟友会旭川支部は14日、狩猟への関心を深めてもらうイベント「狩猟フェア2026」を旭川市市民活動交流センターCoCoDe(ココデ、宮前1の3)で開く。

(ICTわなでイノシシ10頭を4か月間に捕獲:広島)
広島県尾道市が、情報通信技術(ICT)を使ってイノシシを捕獲する実証試験に取り組んでいる。住宅地そばの1カ所で4カ月間に重さ20~70キロの計10頭を捕らえ、一定の成果を上げている。豚熱とみられる影響で市全体の捕獲数は減少しているものの、市は再び増加に転じる恐れがあるとして対策を強化する。

(「守りの対応は限界」、上山高原のシカ食害深刻 研究者が調査報告:兵庫)
新温泉町のNPO法人「上山高原エコミュージアム」のモニタリング報告会が8日、同町石橋の上山高原ふるさと館であった。

(冬眠から覚めるクマ、専門家「恐れ過ぎず人の存在アピールを」:秋田)
冬場はクマの目撃情報がほとんどありませんでしたが、季節が春に移ろうとともに冬眠から覚め始めています。秋田県内では2025年、1年間にクマに襲われるなどして4人が亡くなり、63人がけがをしました。被害のほとんどは私たちの生活圏で発生しています。県の情報システム・クマダスによりますと、3月は11日までに、横手市や秋田市で9件のクマの目撃情報が寄せられています。2026年もクマの異常出没に悩まされるのか。傾向や注意点を、クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に聞きました。県立大学・星崎和彦教授:「県南地域や市街地は雪が解けたと思うので、そういう所で暖かくなった日や次の日あたりは『クマが出てくるかも』と気を付けたほうが良い。特にやぶの周りや建物の密集した陰など」。今シーズン、クマはどこで冬眠しているか分からないと指摘します。2025年は私たちの生活圏での被害が目立ちました。クマが人里に現れる理由は「食への執着心」です。星崎教授:「体の脂肪の蓄積がどのくらい残っているかによっては、脂肪が少ない場合は何か食べないと生きていけないので、そういう場合は食べ物への執着はすると思う」。一方でクマの出没は、山の木の実のなり方も大きく関係します。星崎教授:「この春は、山でブナの花がそれなりに咲くだろうという予想が立てられているので、割と早い時期にクマが山に戻るだろうと。その過程で、街中近くや街中で冬眠していたクマと遭遇することは、何回かはやはり避けられない」。星崎教授は、被害の可能性を指摘しながらも、「クマを恐れ過ぎず、人の存在をアピールしなければならない」と話します。星崎教授:「あまり人間が活動を自粛しすぎると、人けがなくなり、クマからすると自由に出入りしていいのだと、誤ったシグナルを受け取ってしまう可能性が高い。クマの生息域と背中合わせの場所だよね、というような場所での活動を避けるとか、そういうことは考えた方が良いが、街中での活動までは、言い方は悪いが『びびってやめる』必要はない。普段通りの日常生活を送ろうという意識のもとで、クマに対する心積もりは持ってと」。2025年はブナの実が大凶作でしたが、2026年は「ある程度実がなる」と予想されています。このことから星崎教授は、クマの市街地への出没は「2025年より減少する可能性がある」と分析しています。一方でクマの脅威が消えたわけではありません。特に、早朝や夕方は1人で行動をしないなど、クマに出合わないよう対策を続ける必要があります。

(「やりたくない」それでも銃を握る:福島)
東日本大震災と原発事故後、人のいなくなった街で野生動物が増加した。農作物を守るため、コメ農家から猟師に転身した男性がいる。「やりたくない」と葛藤しながらも、故郷のために引き金を引く。彼が顔と名前を明かせない理由とは。東日本大震災後、福島県では野生動物が増え続けている。本来、人の手で個体数が管理される野生動物だが、東京電力・福島第一原発での事故で約16万5000人が避難を余儀なくされた福島県では、それが難しくなった。数が増えすぎると農作物への被害や生態系の変化、人への攻撃など様々な問題を引き起こす。福島県はイノシシだけで年間2万5000頭以上の捕獲を目標に掲げており、その役割を担うのが猟師である。取材に応じた一人の男性は「名前も顔も出すことは出来ない」ことを条件とした。彼は元々コメ農家だったが、福島第一原発事故で田んぼがあった場所が避難区域に設定された。人がいなくなった街で野生動物の生息域は広がり、営農を再開した田畑は食い荒らされ、収穫の喜びも奪われた。男性は「農家はいつごろ収穫できるか楽しみにしている。だから、それがもうできないというのは、やっぱり心えぐられる状態」と語る。彼はふるさとの農業を守るため、自らの農業を辞め、猟師になる道を選んだ。男性が仕掛ける罠には、年間150頭の野生動物が捕獲される。「可哀想に、でもしょうがないな。土地の形変わっちゃうから、やむを得ない」と語る。命を奪う行為には、常に葛藤がつきまとう。「どうしたものかなって考えるのは毎回ですよ。やりたくないですよ、本音としては。だって結局とどめさす相手も生き物なので」。駆除したイノシシに向かって手を合わせ「ごめんな」とつぶやく。男性は「人間が檻の中で生活するわけにはいかない。だから究極の選択でやむを得ず駆除しているだけの話」と、その行為の重さを口にする。葛藤は、命を奪った後も終わらない。福島県内では、一部地域を除き、野生動物は放射能の影響で出荷制限や接種制限がかけられ、食材として活用することができない。「命を奪っているわけなので、本来は家畜と同じく食料にしてもらった方がまだマシだけど、残念ながらここの地区はそうはいかない」と男性は語る。駆除した動物は、震災後に増加した野生動物を適正に処分するために設立された「有害鳥獣焼却施設」へと運ばれる。「獣でもおいしく食べられるのであれば、弔いにもなるのではないか」と、活用できない命への無念さをにじませた。猟師の役割は、必ずしも社会から理解されるものではない。行政には、野生動物を駆除しないことを求める声も寄せられているという。「全然仕事にならないくらいクレームの電話がいっていたわけで、あえて顔や名前をおおっぴらにしないのは、そういうこと」と、男性は匿名を条件とした理由を明かした。それでも男性は、かつて命を育んできたその手で、引き金を引く。「故郷を捨てる気はない。元に戻れなくなってしまったけども、でも勇気を出して戻ってきて生活している人もいる。その人たちのために、助け舟ではないけども、少しためになることやれればいいなって。でもやっぱり、誰かはやらないといけない」。猟師たちの静かな祈りの先に、この土地の暮らしが続いている。

(『クマとともに ホッキョクグマ・ヒグマ・ツキノワグマの未来』)
クマの適応能力とはここまで柔軟かと、その生態を詳細に書いた本書を読んで、驚いた。クマは元来食肉類動物で、肉食向きの消化器官を持つにもかかわらず、草食に近い雑食に進化してきた。冬には植物は枯れ食物が少なくなるので、冬眠もするようになった。しかしホッキョクグマだけは北に移動したために、肉食に戻りアザラシをとって暮らすようになり、冬眠の必要はなくなった。彼らは状況に合わせて、必要な能力を身に着ける。状況観察能力は鋭く、アザラシが呼吸のために「浮上する直前に水面がほんの少し上昇する」のを察知して、ときに何時間も待ち続けるらしい。人間のような容赦ない知性だ。しかし近年は温暖化で氷が解け、アザラシに会えるまでの遊泳距離が長くなるなどして、ホッキョクグマはエネルギーを使い果たし、生存が困難になっているという。一方日本でヒグマ、ツキノワグマは数を増やしている。薄明薄暮型で、朝夕に人間との接触事故が多いと言われるが、人間活動の少ない地域では昼間に活動性が高くなるらしい。彼らには何も決まったことはないようで、一度高栄養の人間の食物の味を覚えたり、銃で威嚇されずに人間は怖くないと覚えたりすると、山から降りて集落付近で定着してしまう。人間が山を切り開き、食物が少なくなったから降りてきているというよりは、高齢化で無人となった農地が増えたり、緑化計画で山と街とがつながってクマが移動できる道ができたりして、市街地が入ってはいけない場所であるとクマが気づきにくいからこそ、遭遇機会が増大しているという。人間にとってのSNSは、いつでもアクセスでき、思わぬ報酬がもたらされる場所であり、依存が問題視されているが、クマにとっての市街地も同じなのかもしれない。人間同様クマも報酬の機会を逃さない。クマが市街地への依存から抜け出すには、私たちがクマの現状を正確に知ることが助けになるという。

(「クマなど絶滅させろ」と叫ぶ人が知らない「不都合な真実」:小池伸介)
今、社会問題となっているクマによる被害。「クマなど絶滅させてしまえばいい」と主張する人がいる一方、「クマは自然の中で重要な役割を果たしている」と擁護する人もいる。私たちはこれから、クマとどう付き合っていけばよいのか。著書に『クマは都心に現れるのか?』がある動物学者の小池伸介氏が答えを出す。最近よく耳にするのが「クマなど絶滅させてしまえばいい」という極論である。九州ではクマが絶滅した。これを受けての極論なのだろう。では実際、クマが少なくなりすぎた場合、あるいは完全にいなくなった場合、どういったことが起こると考えられるのか。これはよく私のような研究者に寄せられる質問である。私はもともとクマの生態そのものではなく、植物の種子(タネ)を運ぶというクマの生態系における役割の研究をしていた。そのため、愛護団体の人々はよくこの研究を引用して「クマは自然の中で重要役割を果たしているから大事なんだ」と主張する。一方、絶滅推進派の人々は「九州のクマはいなくなっても九州の森はあるじゃないか」と反論する。この両者はよく激突し、私にも問いが突き付けられることがある。私の答えはこうだ。確かにクマは植物の種子を運ぶという役割を持っている。他の鳥やサルに比べると非常に広い範囲で、非常にたくさんの種子を運ぶ。森の中の植物の繁殖を助ける上で、他の種子の散布動物が持っていない役割をクマが果たしているのは間違いない。つまり、森が森であるためにはクマも必要な存在であると言える。だが、九州からクマがいなくなってまだ80年しか経っていない。植物の寿命は100年、200年だ。植物の世代交代は、気の遠くなるような時間軸で繰り広げられる。毎年毎年果実を何万粒も実らせ、種子を動物や風を使ってどこかにまき、その中から一粒か二粒でも根付いて成長してくれれば、世代を更新できて大成功というようなことを連綿とやってきたのだ。そう考えれば、クマがいなくなってたかが80年程度で「ほら森があるじゃないか」と言われても、クマがいなくなっても影響がないのか、あるいはその影響が今後あるのかという判断はまだできない。クマが本当にいなくなった場合、日本の森がどうなるのかは、おそらく500年、1000年経たなければわからない。森が維持できるかできないかというのは、人間のタイムスケールで測ることは難しいのだ。これらのことは常に野生動物管理の議論になるが、自然の変化は私たちの予想もつかないような時間の長さや規模で起きる。そして、変化に気付いたとき、私たちはもう取り返しがつかない状態になってしまっている。気候変動や異常気象は、まさにこの問題が顕在化したものだ。だからこそ、予防的に措置しましょうという考え方が正解なのである。現在、シカやイノシシが増えすぎて農作物への被害が深刻になっている。中には「シカが増えすぎたからシカを捕食させるためにオオカミを放せ」と主張する人もいる。しかし、これも暴論だ。生態系は人間が思うようには動いてくれない。奄美大島のハブとマングースの話を思い出してほしい。ハブを駆除するために導入されたマングースは、ハブではなく希少な在来種を捕食し、その駆除に膨大な費用と手間がかかった。生態系を人間の都合でいじって、人間の思う方向に変えようというのは、とてもではないが無理な話だ。野生生物がいなくなってから回復しようと思っても難しい。だからこそ、人間と野生生物との持続的な共存をこれからも目指していくしかない。長い自然の歴史を考えれば、答えは自ずからわかる。予防的に考えて共存していくしかないという知恵を、人間もようやく持ち始めてきたのだ。彼らが完全にいなくなってしまった後では遅い。そうならないうちに共存する道を考えなければならない。もし人間が自らを万物の霊長だと思い上がっているのだとしたら、それこそ自分たちの知恵で解決すべきである。クマが絶滅に瀕している四国の状況だけを見ても、日本はこの現状を国として深刻に受け止める必要がある。他国は大型獣をどう守るかという議論を真剣にしている中、21世紀の先進国でクマほどの大型哺乳類が絶滅しようとしている地域があるのは、国際的に見ても非常に恥ずかしい。すでに九州はクマが絶滅してしまった。国際的に、日本は野生動物を本当に管理できているのかと、その姿勢や真剣度、本気度が問われている。残念ながら、日本人にはこうした自覚がほとんどない。先進国としての自覚が欠けているとしか思えない。

(クマ被害“過去最悪”でも「人的被害1件のみ」なぜ?)
JBpress/JBpress Innovation Reviewでは3月25日(水)、31日(火)に「第10回 行政イノベーションフォーラム」を開催します。本セミナーの基調講演として、デジタル庁 デジタル監の三角育生氏が登壇し、生成AI前提で再設計する行政運営と、その鍵となるデジタル・サイバーセキュリティ対策について解説します。また、兵庫県尼崎市 市長の松本眞氏と、ジャーナリストの瀬尾傑氏による対談も実現。同市が教育DXの一環として進める、行政データの統合・分析による「教育EBPM」に迫ります。さらに、兵庫県立大学 横山真弓教授をゲストに迎え、少子高齢化社会に求められる「ベアガバナンス」の在り方を編集部が徹底取材。2025年のクマ被害が“過去最悪”となる中、なぜ同県では「人的被害を1件のみ」に抑え込めたのか。データドリブンなクマ対策の最前線に迫ります。その他、前回開催時に好評だった宮崎県知事による講演や、愛知県 総務局 デジタル戦略監(CDO)による講演も再配信します。どうぞお見逃しなく。

(旭山動物園・坂東園長が講演:北海道)
エゾシカやヒグマなど野生動物との共生を考えるシンポジウム「鹿サミット」(室蘭工業大など主催)が15日、札幌市内で開かれた。旭山動物園(旭川市)の統括園長、坂東元さんが講演し、道内でシカが増加した要因や求められる対策について解説した。

(専門家が教える“遭遇時にやってはいけない3つの行動”)
2025年に大きな問題となったクマの大量出没。報道やSNSを通じて出没情報が相次ぎ、社会的な関心も高まりました。では、2026年はどうなるのでしょうか。今年の見通しや今からできる対策について、東京農工大学大学院農学研究院教授で、ツキノワグマの生態を25年以上研究する小池伸介先生に話を聞きました。――2026年も昨年同様にクマの大量出没の可能性はあるのでしょうか?まず東北地方、特に秋田や岩手で去年と同じような規模での出没はないと思います。去年はドングリのなりが非常に悪かったのですが、今年はそこまで悪くないだろうと予測されています。駆除数も多かったので、去年のような規模の出没にはならないでしょう。ただし、去年のドングリのなりは、東北では悪かったけれど、他では悪くなかった地域もあります。そう考えると今年も日本のどこかでドングリのなりが悪い場所はあると思います。そこではクマが出没する可能性があります。それがどのくらいの数のクマが出てくるかは、山にいるクマの数によって決まります。東北のようなクマが多い場所でなければ、出没の規模はそこまで大きくはならないと思いますね。もう1つ出没の有無や規模に関わってくるのは、自治体が去年を踏まえてどれくらい対策をするか、ということです。本気の対策をやってその効果が出てくると、出没の頻度が下がり、規模も小さくなると思います。昨年クマが出た地域では、その集落の誘因物をきちんと除去するなど、地道な対策ができていれば出没も抑制されるでしょう。ドングリが実る量は人間の方ではどうしようもないことですが、それが少なかったときクマがどのくらい出没するかは、山にいるクマの数や人間側の対策が関わってきます。対策が本格化するまではまだ時間がかかり、ドングリの不作はどこでもありえることなので、2025年ほどの規模ではないものの、どこかで出没は起きると考えた方がいいと思います。――これまでクマが出なかったところでも、今後は出没することがあるのでしょうか。クマの分布は本州では広がりきったところです。ここ100年ぐらいクマがいなかった場所にも現れています。例えば、茨城県には明治時代までクマがいたのですが、人間が狩って1度絶滅しました。それがここ10年で福島県から徐々に入ってきていることが確認されています。伊豆半島も同様に明治時代に絶滅したのですが、ここ数年で2回捕獲されていますね。東京でも、多くの人は奥多摩にしかクマはいないだろうと思っているかもしれませんが、今は高尾山にもいます。八王子や青梅にもいるので、もうどこでクマが出てもおかしくないというのが今の状況ですね。東京では、圏央道の西側あたりまでクマが目撃されています。もう出没する準備が整っている状況で、これからドングリが不作になったときとか、飛びぬけて好奇心の高いクマが生まれたときには、市街地に出てくる可能性はあります。あとは多摩川沿いですね。多摩川の河川敷は森のようになっているところがあります。そんな場所を通って、姿を隠しながら都心の近くまで行くこともできます。実際、シカは立川や国立、府中まで来ているので、クマもいつ来てもおかしくないのではと思います。――クマが市街地で出没する前に、予兆やサインのようなものはありますか?市街地への出没はいきなり起きることは少なくて、その前に山との間にある集落でちょくちょく出没するという前兆があります。ふだん出ないところで目撃されたり痕跡が見つかったりしたあと、市街地に現れることが多いです。都道府県や市町村など、行政が出没情報をネットで公開しているところもあります。それで過去の情報も見られるので、例年ないようなところで出没や目撃があると要注意と思った方がいいですね。何㎞圏内といった目安は、都市の規模やそれぞれの方の生活圏の広さによって異なるので一概には言い難いのですが、クマは数10㎞は簡単に移動するので、それも一つの目安になります。目撃情報を週に1度など定期的にチェックして、いつもはない場所で目撃情報があったら、それはその後のその周辺での出没を予測する注意すべきサインになります。――今から秋に備えて、一般の人がクマ対策としてできることを教えてください。去年も出没があったところは、なぜ出没したのか、その集落ぐらいの規模で今一度見直すことが大事です。まだ記憶が確かなうちに、何月何日の出没はどうだったか、最初に出てきたのはどこか、どこを通って町に入ってきたか、といった情報を持ち寄って確認することです。それで何が原因で出てきてきたのか、どこが侵入経路になったのかという振り返りができます。そこを踏まえて、この柿の木を何とかしようとか、ここの藪を優先して刈ろう、といった行動に移す。こうして次のクマが出てこないように誘因源を除去する、移動経路を遮断することは、今から取り組めることですね。また、去年あれだけニュースになっても、やっぱり多くの人はクマがどんな動物なのかよく知らないんですね。知らないから正しい対策につがらないところもあるので、まずクマを知ることも、1人1人ができることだと思います。正しい姿を知ることで、過度に怖がる存在ではないことも、一方でただ可愛いだけの存在ではないことも分かるでしょう。理解することで、今何ができるかという次の段階に進めます。去年の秋の時点では、情報が多すぎて正確な情報にたどり着くことも難しかったと思います。今は落ち着いて、いろいろな情報がまとまってきたので、去年の秋に比べると正しい情報にアプローチしやすい状況になっています。落ち着いている今のうちに、改めて情報を振り返っておくことも大事ですね。――遭遇しないように対策することが一番ですが、万一遭遇してしまったら、どうすればいいでしょうか。クマに遭遇する状況はさまざまなので、これをやったら大丈夫という方法はありません。なので「やってはいけないことを、やらないようにする」ことが最善です。1つは、大きな声を出すなどしてクマをパニックにさせないこと。人に会いたくないクマが会ってしまったとき、パニックになると向かってきます。2つめは、自分がパニックにならないこと。クマに会ったらよく様子を見て、こちらに気づいているか、怒っているかなどの状況から次にとる行動を判断する必要があります。3つめはクマに背を向けて走って逃げないこと。クマは走るものを追いかける習性があるといわれますし、背を向けるとクマの様子が分からなくなってしまいます。まずこの3つだけでも覚えて気をつけてください。

(壮絶であり貴重な生存者の証言『ドキュメント クマから逃げのびた人々』を配信開始)
パンローリング株式会社(東京都新宿区)は、三才ブックス刊行の『ドキュメント クマから逃げのびた人々』を世界最大級のオーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービスであるAmazonオーディブルで配信開始いたしました。

(夜の用水路でヌートリアの痕跡をたどっていくと…“野生”のアライグマと遭遇!?)
夜の用水路で、外来生物を調査・捕獲する様子を収めた動画がYouTubeに投稿され、外来種被害の現実が伝わる映像として注目を集めています。動画を投稿したのは、外来種の捕獲や生態系保全活動について発信しているYouTube「がやまる(@がやまる)」を運営する、がやまるさんです。ヌートリア(南米原産のオレンジ色の前歯が特徴的な大型の水辺のネズミ)やアライグマと遭遇した現場の状況や、生態系保全への思いについて聞きました。狩猟解禁となった2025年11月の夜、動画はがやまるさんの特定外来生物の防除活動に密着。今回の調査場所は、これまでの観察データからヌートリアの生息密度が最も高かったエリアで、かつ川がコンクリートで固められており、捕獲時の安全性や作業のしやすさを考えて選んだといいます。「獲れるかどうかというよりも、噛まれないか? など安全面での緊張感が高いです。個体によっては激しく暴れ、威嚇音を出すことも…。自分の心を落ち着かせて捕獲に挑みました。今回は今まで捕獲した中でも比較的大人しい個体だったため、すんなり成功しました」。がやまるさんによると、ヌートリアによる被害については、これまでにも各地で確認しているそう。「主な被害として農業被害、二枚貝の捕食、土手に穴を掘るため土砂災害の被害、人獣感染共通症などが挙げられます」。ヌートリアは稲を食べるほか、水質浄化に関わる二枚貝も捕食し、さらに最大6mの巣穴を掘ることで田んぼ周辺の環境にも影響を与えるのだとか。そんなヌートリアの個体としての強さの要因としては、第一に「繁殖力」が挙げられるといいます。「生後半年で赤ちゃんを産めると言われており、ねずみ算式に殖えていきます。ヌートリアもアライグマも人獣共通感染症を媒介するので、人間への危険性もあります」。今回のヌートリア捜索中にはアライグマとの遭遇も。アライグマは、柑橘類を好み、農作物被害と在来種の捕食の両面で問題になっているそう。がやまるさんは、このとき23年間の活動で初めて野生のアライグマを確認した際は、想像以上の身体能力と警戒心を感じたといいます。「在来種であり絶滅の危機に瀕しているニホンイシガメの手足を食べてしまうアライグマの被害が全国的に多発しており、この河川でも何匹もそのような個体を発見しています。ヌートリアと同様に簡単に捕獲できると思っていましたが、逃げ足も速く身体能力も高いため、一筋縄にはいかないと感じました。また個体差もあると思いますが、人間をかなり警戒していたため、近づくのも難しい様子でした」。がやまるさんの活動の原点には、「すべての生き物が生態系を支える存在だ」という考えがあるそう。外来種であっても嫌いな生き物はおらず、「できることなら、すべて大切に飼ってあげたい」と話します。しかし、法律や環境の制約から仕方なく「駆除」という手段を取っていると明かします。「もともと『生き物が好き』という好奇心から始まり、いつしか『日本の自然を守りたい』と考えるようになりました。でも本来、この世に生きる生き物すべてが、生態系を成り立たせてくれる大切なパーツなんです」。最後に、視聴者に向けて、街中で外来種を発見した時の対応について教えてもらいました。「まずは、日本にはこんな生き物がいる、ということを知ってほしいです。そして興味を持って、一歩踏み込んで考えてみてほしい。もし街中で見つけた場合は安易に近寄らず、私や近隣の市役所などに連絡してください。情報提供だけでもありがたいです」。

(クマに遭遇したらどうする?カプサイシン2%以上のクマよけスプレーを推奨)
春の行楽シーズンを前にクマへの対策です。農林水産業や鳥獣対策の従事者を対象にしたクマ対策の研修会が17日に開かれ、参加者が、遭遇した場合の対応や生息しない環境づくりなどについて確認しました。宮城県富谷市で開催されたツキノワグマ対策の研修会には、各市町村の鳥獣被害対策担当者や農林水産課の職員など50人が出席しました。クマの生態に詳しい専門家が、山菜取りなどで山に入る機会が増える期間は、クマ鈴の活用や藪を避けることが重要だと指摘しました。一方で、遭遇した場合に使うクマよけスプレーは、カプサイシンが2%以上含まれるものがより効果的だと説明しました。さらに、クマの休息場所となる耕作放棄地やエサとなる放置された作物をなくし、生息しにくい環境を整備することも重要だと強調しました。野生鳥獣被害対策アドバイザー 小野寺レイナさん:「(クマは)春は若い出たばかりの芽を食べる習性があるので、エサが極端にないということはおそらくないと思うが、去年本来の居場所からエサがないことによって移動したクマがいると思うので、そういったクマが更に移動する。あとは親が捕獲されてしまった子グマやどこに行っていいかわからないクマは出没する確率は非常に高いと懸念している」。宮城県内では、2025年4月から3月10日まででツキノワグマの目撃件数が3537件と過去最多となっていて人身被害も6件発生しています。県は、今後も研修会を開きクマ対策を確認してもらう予定です。

(平安時代の僧侶はシカ肉好き?:奈良)
平城京(奈良市)にあった寺院の井戸跡から、平安時代のニホンジカや魚の骨片が出土したことが奈良文化財研究所の調査で分かった。寺院の僧侶らが食べた後に廃棄したごみの可能性がある。当時、僧侶が肉を食べることは禁止されていたが、病気の治療に限って認められていたという。調査した山崎健環境考古学研究室長は「平安時代の寺院での食生活が分かる貴重な資料」と話した。研究所によると、寺院は奈良時代に創建された海龍王寺。かつて境内にあった井戸を埋めた土の中から骨片が見つかり、土の年代から、平安時代のものと判断した。魚やニホンジカはその時代の一般的な食材という。魚の骨片はアジ科やタイ科など計4点。これまでに、奈良時代に建てられた西大寺(奈良市)の井戸跡からも多くの魚の骨片が出土している。ニホンジカは後ろ脚の骨片で、最も長いところで約6センチあった。骨製品の制作に使われることが少ない部位のため、食用だったとみられる。成果は奈良文化財研究所発掘調査報告に掲載された。

(クマ出没で手動化された自動ドアを開けやすくしたい:秋田)
クマの出没対策として自動ドアが手動化された際の不便を解消しようと、秋田市の秋田公立美術大の3年生6人が、ドアを開けやすくする補助ツールを6種類製作した。手のひらサイズの器具で、少ない力で重いドアに隙間を作ることができる。地域の課題解決につなげるために、3Dプリンターなどで制作できるよう設計データを公開し、誰でもダウンロードできるようにしたり、完成品を学内イベントなどで無料配布したりすることを検討している。

(ハンターになった24歳の新聞記者:長野)
里山について考え、理解を深めるテレビ信州「里山WEEK」。去年、信州をはじめ全国的に問題となったのがクマによる被害でした。そんなクマ対策にも取り組むのがハンターです。狩猟の世界に飛び込んだ24歳の男性に密着しました。空中に放たれる的を狙いながら、射撃の指導を受けるこちらの男性。丸橋量太さん、24歳です。実は丸橋さん、読売新聞長野支局に勤務する入社2年目の新聞記者です。読売新聞長野支局 記者 丸橋量太さん「もともと若いハンターが増えているということで取材を始めて、どんどんそういう、自然に向き合っている姿に憧れて、いろんなこと伝えるのであれば自分も(ハンターに)なってみたら、より多くの事を伝えられるのではということで」。ハンターの役割や取り巻く環境をよりリアルに伝えたい。丸橋さんはハンターを目指すことを決めました。2025年2月。県が開いた「ハンターデビュー講座」。なり手不足を背景に、裾野を広げようと、初めて企画されました。抽選で選ばれた60人が参加。その中に取材カメラを片手に受講する丸橋さんの姿もありました。この日は、猟友会の指導のもとシカの解体も体験。慣れない手つきで包丁を入れていきます。「難しいですね」。埼玉県出身で、都内の大学を卒業。学生時代は青春を山にかけ北アルプス縦走にも挑戦しました。自然が好きで、狩猟の世界にはもともと関心がありました。丸橋さん「自然に触れて自然に囲まれて、生かされて生きているというのを感じることに興味があった。(それを)実感したかったので、登山を始めて、狩猟も同じことというか」。取材では、ときに雪深い山へ。この日は、秘境の地ともいわれる長野県栄村・秋山郷の山の中でマタギの伝統猟に密着。およそ300メートル先のクマを仕留める猟師の姿を目の当たりにしました。ハンターを目指し始めてからは、紙面で特集記事を連載。クマによる被害が全国的に問題となる中、鳥獣被害の問題や猟銃免許を取得する過程などを記事にしています。丸橋さんが取材を通じて感じたのが、猟友会が直面する人材不足と高齢化という壁でした。県内で猟銃免許を持つ人は、去年3月時点で4035人。ピーク時の50年前、1976年は1万9450人で、約5分の1まで減っています。長野県猟友会 嶌﨑厚副会長「高齢化が著しいです。平均年齢も60を超えてて、70代後半の方も多いですし。若い方がなかなか増えないというような現状もあることも確かです」。銃を使って狩猟をするには、知識、適性、技能の3つの試験によって取得する「狩猟免許」と「銃の所持許可」、その両方が必要になります。特に銃の所持許可については、3年前、長野県中野市で起きた殺人事件で猟銃が使用されたことを受け、審査はより厳しくなっているといいます。まず、法律や銃の扱い方などを学ぶ講習と試験を受けます。合格すると、その後には、アルコール中毒や精神疾患などがないか医師による証明が必要になるほか、警察による身辺調査も行われます。丸橋さんの場合も、県外に住む大学時代の友人など数人に調査が入ったといいます。こうして銃を所持する資格があると判断されると、実弾を使った射撃教習へ。丸橋さんは、この教習で初めて銃を手にしました。25発練習したあと、すぐに試験に臨みます。本番では25発のうち2発を的に当てれば合格ですが…。試験本番では6発を命中。猟銃の所持許可が下りたのは、その射撃教習から5か月後。ハンターを志してからは約1年が経っていました。丸橋さん「銃を持つってなると普段の生活から社会的な責任みたいなのもしっかり感じていかないといけないですし、重みをこの手帳ですけど感じているところです」。丸橋さんは銃を購入。「試験とか含めたら40万円くらいですね」。猟銃はおよそ20万円、受験費用やテキスト代などもすべて含めるとかなりの費用です。丸橋さん「これ(銃)を買うので、ボーナス出たんですけど貯めておいて、登山靴はぼろなんですけど、今シーズンは買い替えなしで…」。有害鳥獣の駆除を行う予定の人が、初めて猟銃を所持する際の費用に対し、県の補助金は最大でも1万円。長野県猟友会 嶌﨑厚副会長「若年層には経済的制度上のハードルが高いが、今から若い方、中堅どころの方の技術者の育成進めていかないと厳しい。猟友会もそうですし、関係の県とか市にも協力をお願いしたい」。丸橋さん「絶対年齢層は上がる。だけどシカとかクマの被害とか増えているというところで、若い人もすそ野を広げないと太刀打ちできないと思うので、一助というかそんなになれるかわからないですけど、自分の体験を通じて魅力みたいなところを発信したり、伝わればなというのは。まだ何もしていないが、できたらいいなというのはあります」。新聞記者とハンターという二足のわらじ。丸橋さんはようやくスタートラインに立ちました。

(「止め刺し」まで行うハンターに同行し目撃した直木賞作家が語る「狩猟のリアル」)
北海道を舞台に、女性ハンターの成長を描いた新刊小説『夜明けのハントレス』(文藝春秋)。その執筆にあたり、直木賞作家・河﨑秋子氏は道内各地のハンターへの取材を重ねた。猟に同行し、彼らの技術と思想に触れる中で見えてきたのは、命と向き合う者だけが持つ揺るぎない「柱」だった。河﨑氏が同行したのは、車を使わず徒歩で山に入り、エゾシカを探し出して仕留め、その場で解体するという一連の猟だった。「五感を使い、経験と照らし合わせながら獲物を探していく様子を間近で見ることができました」と河﨑氏は振り返る。素人には気づけない痕跡ーシカの歩いた跡、立ち寄りやすい水場ーをベテランハンターは的確にたどっていく。「シカの足跡や立ち寄りやすい水場といった痕跡を正確にたどっていく様子が、非常に印象的でした」。その嗅覚は、長年の経験が培った技だ。取材で最も印象に残ったのは「止め刺し」の場面だという。弾を撃ち込んだ後、首元にナイフを入れて血管を切断し、放血する工程だ。「実家にいた頃、兄がシカを仕留めた際はすでに止め刺しが終わった状態で運ばれてきていたため、その過程は見たことがありませんでした」。雪の上に広がる赤い血。命の重みを、河﨑氏は肌で感じた。小説の中で、主人公が師匠から告げられる言葉がある。「自然と動物に対して八方美人になるな」ーこのセリフは、河﨑氏自身の体験から生まれたものだ。羊を飼い、牛を飼い、柵の向こうにはクマやシカがいる世界で暮らしてきた河﨑氏は、「状況に応じた立ち振る舞いや、例えば山菜を採りに行く際に『少し奥に入りすぎたから引き返そう』と判断するような、自分なりの基準があります」と語る。自然や動物を大切にする心は尊い。だが、それが自分の命を危険にさらすほどになれば本末転倒だ。「その柱が揺らいでいると、本当に人命に関わってきます」。ハンターはとりわけ、この「柱」を必要とする。動物の命を奪う行為に、迷いは致命的だ。「『ここで殺すべきか、殺さないべきか』といった一瞬の迷いが、自身に危険をもたらすリスクは非常に大きいのではないでしょうか」と問われると、河﨑氏は「現場で絶対的に優先すべきは人命第一であり、そこは揺るがしてはならない原則だと考えます」と断言した。ハンターたちは、自分の内面をあまり語らない。河﨑氏が取材した中にも、「ちょっと格好つける人もいれば、恰好つけたくないのであまり語らない人など、いろんな方がいました」という。小説の中で、主人公はクマを撃った後に号泣する。それに対し、ベテランハンター・勇吾は「俺もあるんだ」と打ち明ける。このシーンについて、河﨑氏は「もし実際のハンターが、感情の波みたいなもので泣いたとしても、多分人には言わないのでは」と推測する。生き物を追い詰め、仕留める瞬間。人間が何を感じるかは、制御できるものではない。河﨑氏がハンターたちから学んだのは、そうしたリアリティだった。

(ハンターたちが書き残した文献から伝わる「本質的な恐怖」)
新作『 夜明けのハントレス 』(文藝春秋)の執筆にあたり、直木賞作家・河﨑秋子氏は現代のハンターへの取材だけでなく、明治・大正・昭和のハンターたちが残した記録にも目を通した。そこには、現代では想像もつかないような過酷な猟の記録が残されていた。クマの恐るべき生命力、そして猟師たちの執念ー文献から浮かび上がるのは、命がけの闘いの歴史である。河﨑氏が参照したのは、ハンター自身が書き残した一次資料だ。「現代のハンターはもちろん、明治、大正、昭和のハンターが自ら記した記録も数多く、特に昭和の戦前・戦後にはかなりの数が存在しました」。そこに記されていたのは、「とんでもない」光景だった。「例えば、一頭のクマを追って何十、何百キロも移動し、冬の山々を越えていくといった記録が残されています」。現代では考えられない距離を、ただ一頭のクマを追って移動する。遭難のリスクも当然ある中での、まさに命がけの追跡だ。仕留めた後も過酷だ。「山中で獲物を仕留めて解体し、何十キロにもなる肉を背負って帰還するのです」。車もない時代、すべてを人力で担いで下山する。その労苦は想像を絶する。文献の中で最も河﨑氏の印象に残ったのは、クマの生命力に関する記述だ。「過去の猟師たちの文献や聞き書きの記録には、『弾が心臓に達し、確実に破壊しているにもかかわらず、100メートルも走って追いかけてくる』といった記述があります」。致命傷を負っているはずなのに、なお動き続けるクマ。「『頭を狙っても頭蓋骨が厚く、弾が弾かれて致命傷にならないことがある』と聞くと、その恐ろしさが分かります」と河﨑氏は語る。シカであれば一発で仕留められることも、クマ相手ではそうはいかない。だからこそ、ハンターたちはクマに特別な感情を抱く。小説の中で、ベテランハンター・勇吾は「勝ちたい」と繰り返す。「クマは人間を捕食対象として攻撃してくる可能性がある。それは本質的な恐怖です」と河﨑氏。そのような存在であるクマに対し、「食われることを極端に恐れている」からこその「勝ちたい」という言葉なのだ。現代と過去の猟を比較すると、技術の進歩が明らかだ。「機材は新しくなり、昔はなかったスコープも普及しています。また、法律も当時とは異なります」と河﨑氏は指摘する。何より大きいのは移動手段の発達だ。かつては徒歩で何十キロも移動していたが、今は車が使える。「それは非常に良い変化だと考えています」と河﨑氏。とはいえ、「それでも、あれほど大きな動物を山中で仕留め、車まで運び、里に持ち帰るのは相当な重労働です」。クマともなれば何百キロにもなる。「相応の性能を持つ車でなければ運搬は難しいでしょう」。過去の文献が示すのは、クマという存在の圧倒的な力と、それに立ち向かった人間たちの執念だ。現代のハンターたちもまた、その系譜を引き継いでいる。河﨑氏の小説『夜明けのハントレス』は、そうした歴史と現在をつなぐ一冊ともなっている。

(胃の中から“大量の人骨”が出てきた“人食いヒグマの惨劇”とは)
日本史上最悪の獣害事件といえば「三毛別羆事件」が有名だが、それに次ぐ犠牲者を出した凄惨な事件をご存知だろうか。1923年(大正12年)8月、北海道の沼田町で起きた「石狩沼田幌新事件」。夏祭りの帰り道、原生林から突如として現れたヒグマは、次々と人間を襲い、民家にまで押し入って母親を生きたまま森へ引きずり込んだ。闇夜に響く断末魔と、肉を食らう音。のべ300人規模の討伐隊が出動した、体重340kgの人食いヒグマの凶行とは。『超危険! 最恐クマのすべて』(宝島社)の一部を抜粋して紹介する。三毛別羆事件が日本史上最多の死者数を出した事件ならば、大正時代に起きた石狩沼田幌新事件は、史上2番目の死者を出したクマ被害であった。いずれも北海道の開拓地域で起こった事件である。舞台となった沼田町は今では道内の有数の米どころで知られるが、開拓以前はほとんどが原生林に覆われるヒグマの生息地であった。そのため、開拓民とヒグマの接触による事故は頻繁に起きていたのである。1923年8月21日、沼田町内は年に1回の夏祭りで賑わっていた。娯楽の少ない開拓地であり、芝居などを見に近隣の村落からも多くの人が詰めかけていた。そんな一夏の祭りも無事に終わり、夜も深まると、人々は帰宅の途についた。夜の山道を行く一行だったが、脇道で小用を足し、遅れて歩いていた19歳の青年が、背後から突然ヒグマに襲われたのである。なんとか抵抗して逃れた青年は、先を歩く一行に危険が迫っていることを教えに急いだ。ところが、ヒグマは先回りして一行の先頭を歩いていた13歳と15歳の兄弟を襲った。最初の一撃で弟は撲殺され、兄は内臓に達するほどの重傷を負った。恐慌をきたした一行は、300mほど離れた農家宅に逃げ込み、囲炉裏の火を強めて、屋根裏や押し入れに身を隠した。やがて、弟の内臓を食べながらヒグマは家に近づき、様子を窺う。兄弟の父は中に入れまいと必死に内側から戸を押さえたが、ヒグマは彼もろとも押し破り、侵入してきた。兄弟の母親が次の餌食となった。部屋の隅で震える彼女をヒグマはくわえ上げ、外へ連れ出そうとした。深手を負っていた兄弟の父親は、自分の妻を助けるべく抵抗したが、それも虚しく、ヒグマは山中へと消えていった。闇の中から「痛い、痛い」という母親の叫び声が響いた後、念仏を唱える声がかすかに聞こえ、ほどなく声は遠ざかっていった。重傷を負った兄の証言によれば、闇の奥からやがて自分の母親をヒグマが食い出す音が、ガリ、ガリと響いたという。母に向かって叫ぼうと息を吸っても、裂けた腹から出てしまい、力を入れることもできなかった。兄の傷は深かったが、奇跡的に一命を取り留めた。その翌日、近くのやぶの中で、母親の遺体が見つかった。下半身はすべてヒグマに食われ、無くなっていた。母親の遺体が見つかった日、この惨劇は瞬く間に、沼田町全域に知れ渡った。翌23日、近隣の雨竜村(現・雨竜町)にある伏古コタン(アイヌの集落)から、熊撃ち名人と称されるアイヌを含む猟師3人が応援に駆けつけた。そのうちのひとりは憤慨のあまり、「そんな悪いクマは、自分が仕留める」と、周囲の制止も振り切って、単独で山中へと入っていった。その後、数発の銃声が響いたが、それっきり行方不明となる。翌24日、事態を重く見、在郷軍人や近隣の青年団などが応援に駆けつけた。近隣の集落の60歳未満の男子が残らず参加するという、村始まって以来の、総勢300人以上からなる討伐隊が組織されたのである。この討伐隊が山中を進むと、ほどなくしてヒグマが現れた。最後尾にいた50代の男性を撲殺。別の男性にも重傷を負わせ、他の討伐隊メンバーに襲い掛かろうとした矢先、鉄砲隊の一斉射撃を浴び、とうとう凶悪なヒグマは射殺された。ヒグマが殺された現場近くからは、23日に行方不明となっていた猟師の遺体が発見された。銃は折られ、頭部だけを残して、全身が食い尽くされた、惨憺たる状態であった。死者4名、重傷者4名。しかも死者の多くがヒグマに食われるという、実に無惨な事件であった。4人の人間を屠ほふったヒグマは、体長2m、体重340kgとされる。死後に解体されたクマの胃の中からは、大きなザルいっぱいにもなる大量の人骨と、未消化の人の指が出てきたという。その後、ヒグマの毛皮は、沼田町立幌新小学校に保存されたが、廃校になったのちは、幌新会館に移され、現在は沼田町ふるさと資料館分館に展示され、その惨劇の記憶を伝えている。

(札幌を震え上がらせた“獣害事件”のリアル)
現在、約200万人が暮らす北海道の中心都市・札幌市。花見の名所として知られる円山公園付近も、開拓時代には原生林が広がり、そこには恐ろしい“人喰いグマ”が生息していた。1878年(明治11年)1月、猟師がヒグマの冬眠を妨げたことから悲劇は始まる。手負いで空腹状態のヒグマは市街地へ向かい、深夜の簡素な小屋を急襲。両親の目の前で、幼い赤子が無惨にも食い殺されてしまったというが、その実情とは……。別冊宝島編集部編『超危険! 最恐クマのすべて』(宝島社)の一部を抜粋し、発展途上の札幌を恐怖のどん底に陥れた事件の全貌を紹介する。今日では北海道の中心都市として発展した札幌市だが、開拓時代には原生林が多く残り、市街地を少しでも出ればすぐにヒグマが生息するような場所だった。ここで取り上げるのは、札幌に開拓民が定住し始めてからまだ間もない時代、現在の札幌中心部にあたる「札幌区」の人口がまだ、3000人足らずの頃に起きたクマ被害である。舞台となったのは、札幌市街地にほど近い、標高225mの円山だ。現在では北海道神宮が置かれ、花見の名所としても知られる市民の憩いの公園となっている。そんな場所もかつては、人間を恐怖させる人食いグマが生息する地だったのである。最初の事件は1878年1月11日に起きた。きっかけは、札幌在住の猟師によるクマ狩りだった。円山で冬眠中のヒグマを見つけたのである。北海道の開拓民にとって、ヒグマの肉は貴重なタンパク源であり、さらに冬眠中のクマは脂肪も豊富で、特に美味とされた。毛皮も高値で売れることから、猟師は早速に銃を構えたものの、仕留めることができず、かえってクマを刺激し、返り討ちにあってしまった。猟師は殺され、眠りを妨げられたヒグマは、冬眠中の空腹状態だったこともあり、餌を求めて札幌区の市街地までやってきたのである。同月17 日、札幌警察署は駆除隊を組織し、ヒグマの捜索にあたった。同日、豊平川対岸の平岸村(現・豊平区平岸)でヒグマを発見し追撃するも、その後、猛吹雪のために見失ってしまう。周辺は、今でこそ住宅地が広がるが、当時はまだ開墾され始めて間もない森林地帯だった。森に逃げたヒグマだったが、空腹を満たす餌は乏しい。食べるものを求めて、自然と人里へと近づいていく。こうして第2の事件が起きたのである。同日の深夜、ヒグマは丘珠村(現・丘珠町)の家を急襲した。当時の丘珠村は、山中で炭焼きを生業とする人々が集住する地区であり、家といっても木材と藁で作った三角屋根の簡素な小屋である。両手を合わせたような格好であることから「拝み小屋」と呼ばれていた。当然、クマにとって侵入はたやすい。異変に気づいた家主の男性は、筵の戸を上げて様子を窺おうとしたところを、クマの一撃を受けてたちまち昏倒した。家主の妻は幼い我が子を抱いて小屋の外へ逃げ出したが、後頭部にヒグマの一撃を受け、息子を雪の中へと落としてしまった。頭皮が剥がれるほどの重傷であったが、命からがら近隣に住む雇い人に助けを求めた。雇い人と負傷した妻が家へ戻ると、ヒグマは雪原に投げ出された息子を食い殺している最中だった。雇い人もクマの返り討ちにあい負傷するなど、誰もその凶行を止めることはできなかった。翌日、ヒグマが去った後に再び家へ戻ると、家主の夫は、その原形がわからなくなるまで食い荒らされた状態で見つかったのである。その後、円山で冬眠を妨げられ、人食いとなったヒグマは、18日の昼頃、第2の事件の現場付近で、駆除隊によって発見され射殺・駆除された。ヒグマは体長1.9mになるオスの成獣で、死骸は札幌農学校(現・北海道大学)に運ばれて、教授の指導のもと、学生たちが解剖に当たった。そのときの様子が、回顧録『クラーク先生とその弟子たち』に生々しく記されている。それによれば、異常に膨らんだクマの胃をメスで切り開くと、消化された内容物とともに、人間の頭髪や、食われた赤子の両手と頭巾、歯形のついた大人の腕が出てきたという。胃の内容物はホルマリン漬けにされ、クマの死骸の剥製とともに、現在も北海道大学付属植物園に保管されている。事件の翌年に北海道を訪問した明治天皇が、その剥製を天覧したことから、この人食いグマの存在が、世間の注目を集めるようになったという。

(愛くるしいジャイアントパンダが侵入者の脚を“食いちぎった”驚愕の理由)
動物園の人気者といえば、四六時中のんびりと笹を食べる愛くるしいジャイアントパンダだ。しかし、彼らが「クマ科(食肉目)」に分類される猛獣であることを忘れてはならない。ここでは、『超危険! 最恐クマのすべて』(宝島社)の一部を抜粋し、可愛い顔の裏に隠された、肉食動物としての本能と狂暴性に迫る。子どもから大人まで、動物園の人気者といえば、ジャイアントパンダだ。近年、日本でも上野動物園で待望の子パンダとして誕生したシャンシャンは、一世を風靡し、人気者となった。その愛らしい姿を目に焼き付けようと、連日、多くの人が長蛇の列を作った。その後に生まれたシャオシャオとレイレイのきょうだいパンダとともに、日本に明るい話題を振り撒いたことは記憶に新しい。中国語では「大熊猫」と書くが、実はジャイアントパンダは食肉目クマ科に分類される、れっきとしたクマなのである。動物園で見るジャイアントパンダは、四六時中、笹を食べては寝る、ほのぼのとした姿を見せてくれ、およそ本書で紹介してきた凶暴なクマの姿とは似ても似つかない。しかし、ジャイアントパンダの腸は体長の約4倍と短く、肉食動物の特徴を持つ(牛や羊などの草食動物の腸は、体長の20~25倍にもなる)。本来、肉食のジャイアントパンダが竹や笹を食べるようになったのも、過酷な生存競争の中で、環境に適応してきた結果である。ただ、身体的にはその進化のスピードが追いつかず、効率よく竹や笹を消化しエネルギーにすることができないので、起きている間は頻繁に食事をし、体力を温存するためにあまり動かないだけなのだ。そんなジャイアントパンダも、時にクマ科としての片鱗を見せることがある。ジャイアントパンダの生息地として知られる中国でも、日本同様、動物園の人気者として親しまれてきた。特に北京動物園で飼育された「グーグー」のあまりの人気に、たびたび観客が囲いに侵入し、パンダに襲われる事故が起きている。突然の侵入者に、グーグーは驚き、人間を攻撃したのである。最初の事件は、2006年9月、酔っ払いの男性が誤ってパンダの囲いに入ったことがきっかけだった。男性は、グーグーに抱きつこうと近づいていった。急な人間の振る舞いに驚いたグーグーは、男性の足に思いっきり咬みついた。酔っ払った男性も負けじと、グーグーに咬みつき返そうとし、両者はしばらく取っ組み合いになった。グーグーにはケガはなかったが、男性は足を食いちぎられ重傷を負っている。翌年の2007年10月には、今度は15歳の少年が囲いに侵入し、グーグーに足を食いちぎられる事件が起きた。食事中だったグーグーは、大事な餌をとられると思ったのか、侵入してきた少年の脚に咬みついたのである。その傷は骨にまで至り、食いちぎられた肉片が少年のかたわらに落ちていたという。そのさらに翌々年の2009年1月、三度目の悲劇が起きた。囲いに入ってしまった子どもの玩具を取ろうとした男性が、グーグーに襲われている。両足に咬みつかれ重傷を負った。穏やかそうに見えるジャイアントパンダだが、元来、単独で生活する生き物である。そのため、動物園でも他のジャイアントパンダと飼育することは、子パンダを除いて原則しない。自分のテリトリーに他の個体や動物が侵入するだけで、パンダにとってはストレスなのだ。肉食の特徴を残すジャイアントパンダは、野生では時に、爬虫類などの小動物を捕まえて食したという記録も残る。なかには野生のジャイアントパンダが家畜を襲ったという事件もある。2013年2月、ちょうど中国では春節を迎えた頃である。中国四川省雅安市にある建聯村は、国家級自然保護区の周辺に位置する地域で、ジャイアントパンダが食べる竹が豊富にあるため、野生のパンダを目にすることも少なくない。普段は笹や竹を食べるパンダであったが、その日は違った。羊の様子を見ようと飼育主の親戚が飼育場に向かったところ、付近の木の下で、子羊を食べているジャイアントパンダに出くわしたのである。驚いた発見者はパンダを刺激しないようにその場を離れ、所有者に連絡。知らせを聞きつけた野次馬の村民らが増えたことから、パンダは食べかけの子羊をくわえて、山へと去っていったという。

(なぜクマは人里へ現れるのか?)
昨年は、クマの市街地への出没や建物への侵入、人身被害など、クマに関するニュースが連日のように報じられました。「なぜこれほど増えているのか」と不安を覚えた方も多いのではないでしょうか。ツキノワグマの生態を25年以上研究してきた“クマ博士”こと小池伸介氏が、相次ぐクマ出没の背景にある原因や、クマの世界で起きている変化を科学的視点からひもとく書籍『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社)。クマと人との関係を科学的に読み解く1冊です。今回は、「クマの出没予測における課題」と「広葉樹を植えても出没が減らない理由」について、小池氏の解説を書籍から一部抜粋してお届けします。個体数管理の目的が未来の大量出没の規模の小規模化である上で重要なのが、クマの出没の予測である。秋になるといくつかの自治体は、「今年は凶作だからクマの出没に注意してください」という予報を出す。この予報はどれくらい正確なのだろうか。この鍵となるのがドングリの豊凶調査だ。ドングリの豊凶調査は、県によって実施体制が異なる。県の担当職員が直営で行っているところもあれば、林業試験場が担当しているところもあり、林業関係の組合などに委託しているところもある。調査方法や調査地点数はバラバラだが、それなりの数の調査地点を設ければ、その地域のドングリが豊作か凶作かという大まかな判断については、ある程度、正確だと考えられる。ただし、ドングリは種類によって豊凶の判断のタイミングが異なる。例えばブナの場合、前年の秋の時点で翌年に豊凶がある程度わかる。ブナは花が咲くかどうかで果実が実るかが決まるため、前年の秋の段階で花芽ができているかを確認すれば、翌年の豊凶をある程度は予測できるのである。一方、ミズナラ、コナラ、クリなどは、花は必ず咲く。しかし、花が咲いても実がなるかどうかは別の問題で、それが判明するのは8月頃になってからだ。そのため、どこの行政も8月頃に調査を行い、公表するのは9月、遅い県だと10月から11月になってしまうのである。ドングリの豊凶の情報を出し、住民へクマの出没について啓発するためには、発表のタイミングが大切である。ドングリの凶作は人間には変えられないし、凶作に伴うクマの行動も変えられない。ならば、豊凶の情報を早くに出すことで、人間側の意識と行動を変えること、これが出没注意報の目的だ。例えば、「今年のドングリは凶作だから普段は来ないところまでクマが来るかもしれない。だから早めにカキを収穫しましょう」「クマとの遭遇を避けるため、散歩の時間帯とコースを替えましょう」「出没マップを頻繁に見ましょう」というように、住民一人一人の警戒レベルを上げ、クマとの遭遇を避ける行動を促す。そのためには、クマが実際に出没し始める前に、できるだけ早く情報を発表しなければならない。ところが、自治体が情報を10月や11月に発信したとしても、すでにクマが人里に出始めている。「今年はドングリが凶作でした」と後追いで発表しても、あまり意味がない。一方、20年間にわたってドングリの凶作に伴うクマの出没を多々経験する中で、住民の側にも「また凶作か」という慣れが出てきている可能性もある。情報の出し方やタイミングだけでなく、どのように危機感を伝え、具体的な行動変容につなげるかという情報発信の工夫も行政には求められている。ドングリ豊凶予報は、個体数推定と同様、完璧な精度を求めるより、早期に大まかな傾向を把握し、それを住民の行動変容につなげることが重要である。情報発信のタイミングと方法を改善していくことが、今後の課題と言えるだろう。クマが出没しないために、山にドングリが実る広葉樹を植林し、クマの食べ物を増やしたらいいのではないかという話もよく聞かれる。しかし、山にクマの秋の食べ物であるドングリが実る木を植えても、クマの大量出没はなくならない。むしろ出没の規模が大きくなり、より多くのクマを捕獲しなくてはいけなくなるだろう。理由としては、ドングリの豊凶は、樹齢に関係なく広範囲で同調する。したがって、新しく植栽しても豊凶はなくならない。さらに、広葉樹林を増やせばクマの食べ物を増やすことになる、数を増やすことにつながる。過去40年間のクマの状況を見てわかる通り、森が広がればクマの数は増える。次頁の図10の上は森が少ない状況、下は森が多い状況を示す。凶作は必ず起きるので、一定間隔で食べ物の量が大きく減少する。上が近畿地方、下が東北地方と捉えてもいいだろう。森の規模が小さければ、クマの数も少なく、凶作であっても出没するクマの数は少ない。一方、森の規模が大きければ凶作時に出没するクマの数は増える。2024年の近畿、2025年の東北の出没から私たちは学んだ。クマにとっての食べ物の環境改善と出没に伴う捕獲は、必ずセットで考えなくてはならない。

(クマ退治3つの解決策:浅尾 慶一郎)
2025年度は、クマに襲われて命を落とした人が13名、傷を負った人が223名となり、過去最大の被害が出ています。出没件数は4万9226件、捕獲数は1万3499頭と、こちらも過去最多の数字となりました(以上、12月末までの速報値)。クマは日本に住む人々にとって、すでに災害級の脅威となっています。被害者の数が増え、出没件数が増えているだけではありません。その脅威の質が2000年ごろから確実に変化しました。それまではクマが生息する山や森林に入っていかなければ被害に遭うことはありませんでしたが、2000年ごろからはクマが人間の住む場所に現れ、人を襲うケースが増えたのです。人間の生活圏に現れるクマは「アーバンベア」と呼ばれています。特に昨年の北海道や東北でのアーバンベアの被害は深刻で、日常生活が脅かされました。クマの出没が日常的になった地域では、住民は不要不急の外出を控えざるをえず、観光客が激減し、通学路の安全が確保できないために休校とせざるをえない学校もありました。私は2024年10月から2025年10月まで、石破茂前首相の下、環境大臣としてクマの被害を減らすべく努力してきました。クマの駆除をしやすいように法律を改正するなど、いくつかの対策を実行に移しましたが、クマ被害を根本的に減らし、人間がクマと日本列島で安心して共存していけるようにするための方策までには手が回りませんでした。そのことに忸怩たる思いを抱いています。しかし、1年間大臣を務め、クマ被害の対策にあたり、被害の現場を視察したり、環境省の職員や識者の意見に耳を傾けたりするうちに、中長期的にクマの被害を減らし、国民に安心・安全に暮らしてもらうための方策がはっきりと見えてきました。ここでは、その方策を示したいと思います。それを実行に移していくのは、国や地方自治体ですが、それを進めるためには、国民の皆さんの理解と協力が欠かせないからです。

(人を食べた経験のあるクマの放置は危険:小池 伸介)
昨年より、クマによる死傷者が全国各地で相次いでいる。著書に『クマは都心に現れるのか?』がある動物学者の小池伸介氏によれば、クマは本来、人間を食べ物として認識していないが、「人を食べたことがあるクマ」は危険な存在になると警告する。そのメカニズムについて、くわしく教えてもらった。昨年より、クマによる死傷者が全国各地で相次いでいる。著書に『クマは都心に現れるのか?』がある動物学者の小池伸介氏によれば、クマは本来、人間を食べ物として認識していないが、「人を食べたことがあるクマ」は危険な存在になると警告する。そのメカニズムについて、くわしく教えてもらった。専門家の立場から言えば、多くのクマが人間を食べ物として認識している可能性は極めて低い。これまでクマによる意図的な人への攻撃とそれによる捕食行動をした、という記録はほとんどない。岩手県北上市の温泉で起きた被害のようにクマが人を引きずっていく行動は、野外でシカの死体を発見した後のクマの行動と非常によく似ているので、おそらくそれに類似した行動だと思う。あくまで人間を食べ物として認識し、捕食してやろうと思って襲うような行動は、あったとしても非常にまれなケースと思われる。クマにとって、その対象が食べ物かどうかを認識するためには、それなりの学習や経験をしなければならない。もしも、人間を獲物として認識するようになるクマがいるとしても、いきなり街を歩いている人間をクマが襲って食べるような行動を取るわけではない。そこまでの行動を取るためには、最初は例えば事故などで亡くなった方のご遺体を見つけるなどし、それを食べてみて人間が食べ物であることを認識するとか、ばったり遭遇した際に驚いて叩いたら相手が倒れて亡くなってしまい、ただの肉の塊になったような状況になって少しかじってみたら食べることができたとか、こうしたことが重なる必要があるだろう。前述の北上市の温泉の被害の前には、近隣で人のご遺体がバラバラの状態で発見されたという事例があった。その現場から発見されたクマのDNAと、北上市の温泉の事例で得られたDNAの照合ができていないため、同じクマかどうかわからない。だが、考えられるストーリーとしては、前述のようなことが重なることで、「人と食べ物」がつながり、次の段階に進んでしまうのではないだろうか。全く何も条件のない状況から、いきなり人間を食べ物として襲うようになるわけではない。それなりの前段階がなければ、人間を獲物や食べ物として認識するクマは現れないだろう。逆に言えば、人間を食べることを経験した個体をそのまま放置しているとかなり危険ということである。食害をしたクマは、その経験を記憶し、放置すると再び人間を襲って食害をする危険性がある。また、それがメスの場合、子に対して人間が食べられる存在であることを教える可能性もある。こうした子孫へ伝えられる行動は、絶対に阻止しなければいけない。そのため、食害をしたクマは絶対駆除しなければならないが、食害か否かを見分けるのは非常に難しく、現行犯でないとはっきりとはわからない。クマを捕獲して胃の中にご遺体があれば、それは食害になるのだが、ご遺体がバラバラになっていただけだと、それがクマによるものか、他の動物によるものかはもうわからない。亡くなった後に荒らされていた可能性もあり、死因がクマによるものか、別の原因なのかもわからない。私たちもシカの死体を山に設置し、死体がどのように分解されるのかと実験することがあるが、シカの死体にはクマも来るしタヌキもイノシシも来る。いろいろな生物が寄ってきて食べてしまう。人間のご遺体であっても、おそらく同じようなことが起きている。本当にクマの食害かどうかを判別すること、また食害をしたクマを特定することは非常に難しい。2025年にはクマがイヌをさらっていく、「イヌを食べるクマ」という事象が大きく報じられた。クマはイヌをどんな存在と認識しているのだろうか。食べ物として意図的に襲っているのだろうか。被害に遭ったイヌの状態も様々だ。放し飼いだったのか、リードがついていたのか、犬種が何なのか、いろいろな条件がある。これも人間に対するクマの食害と同じで、何らかのきっかけで食べられる存在と学習すれば、クマはイヌを食べるであろうし、キャンキャン吠える面倒な存在と思えば避けるだろう。警戒心が下がったクマが、それまでは行くと危険と思っていた人間の集落へ近付いてみたら案外簡単に近付け、そして侵入できたことを経験する。さらに、いつもキャンキャン鳴いてうるさい犬の近くに行ってみるとドッグフードがあって、それは美味しいと記憶する。これらをつないでみる。集落には簡単に行ける、ドッグフードは美味しいと経験する。そして、美味しいドッグフードの周りにいつもキャンキャン鳴いてうるさいイヌがいるが、なぜかイヌは逃げないし、向かってこない。鎖につながれているからだが、クマがイヌを叩いてみたら血を流して肉の塊になった。食べてみた。なるほど、イヌは食べ物なのだとだんだん学習していく。おそらく、このクマは最初からイヌを狙っていたわけではない。その前に別の家で学習したのかもしれない。こうしたことは、クマの学習能力の高さを考えれば起こって然るべき事象である。これも人間に対するクマの食害と同じで、何らかのきっかけで食べられる存在と学習すれば、クマはイヌを食べるであろうし、キャンキャン吠える面倒な存在と思えば避けるだろう。警戒心が下がったクマが、それまでは行くと危険と思っていた人間の集落へ近付いてみたら案外簡単に近付け、そして侵入できたことを経験する。さらに、いつもキャンキャン鳴いてうるさい犬の近くに行ってみるとドッグフードがあって、それは美味しいと記憶する。これらをつないでみる。集落には簡単に行ける、ドッグフードは美味しいと経験する。そして、美味しいドッグフードの周りにいつもキャンキャン鳴いてうるさいイヌがいるが、なぜかイヌは逃げないし、向かってこない。鎖につながれているからだが、クマがイヌを叩いてみたら血を流して肉の塊になった。食べてみた。なるほど、イヌは食べ物なのだとだんだん学習していく。おそらく、このクマは最初からイヌを狙っていたわけではない。その前に別の家で学習したのかもしれない。こうしたことは、クマの学習能力の高さを考えれば起こって然るべき事象である。秋田県ではネコも食べられていたという話を耳にした。リードでつながれているわけでもない敏捷なネコが、容易にクマに捕らえられるとは考えられず半信半疑だが、食べ物と認識し、捕らえることができると学習すれば、それがクマのメニューに加えられる。つまり、人間にせよイヌにせよ、クマに食べ物と認識されないようにし、学習させないことが重要ということだ。アリやハチと同じで、クマは動物性タンパク質を食べられるのであれば、それを積極的に食べようとする。これまでも奥多摩で放牧されているヒツジが被害に遭ったり、秋田県の農家の庭先で飼われているニワトリが食べられてしまうことは普通に起きていた。特に2025年が特別だったわけではない。ただし、このように意図的な攻撃事例が増えていくとすれば、それに対応したシステムを作っていかなくてはいけない。家畜やペットや人間を食べ物だと認識するクマが増えてきてしまえば、社会が危惧しているようなクマが積極的に人を襲う状況になってしまう。その前に対策をしっかりと講じるべきだ。

(人身被害データで判明した「遭遇時の生存率を上げる鉄則」)
もしも、山でクマと遭遇してしまったらどうすればいいのか。東京農工大学大学院の小池伸介教授は「クマが人間を攻撃するときは、パニックになっている場合が少なくない。だからこそ人間側は落ち着いて様子を観察する必要がある。焦って背を向けて走り出すのは絶対にNGだ」という――。少し前になるが2010年頃、日本クマネットワークではそれまでの人身被害を集計するというプロジェクトを実行したことがあった。これは各地に散らばっているクマによる人身被害の情報を全て集め、データを解析しようという試みだ。私は関東地方、特に南関東地方を担当した。クマの生息数が少ない南関東地方でも、クマとの事故は確かに存在する。特に奥多摩や丹沢山系などで発生しているが、件数は少なく年間数件程度であり10年間では15件程度だった。当時の南関東地方のクマの人身被害の特徴は、基本的に山間部で発生しており、その6割から7割が通常とは異なるアクティビティをする人々が被害に遭っていた。この通常と異なるアクティビティとは、通常の登山道をたどる登山やハイキングといった行動とは違い、あえて他者が来ないような場所を選ぶ山中の行動のことだ。登山道を登り、山頂に行き、下りてくるという一般的な登山者へのクマによる人身被害は極めて少ない。事故のほとんどは、渓流釣り、トレイルランニング、バリエーションルート(登山道ではないルートを登る難易度の高い登山)、マウンテンバイクなど、通常とは異なる形で山に入る人々が遭遇している。これは、山菜採りやキノコ狩りで、他者に知られたくない場所へ行きがちな行動と似ていると言える。こうしたことから推定されるのは、おそらくクマは通常の登山道といった特定の場所、特定の時間(日中など)に人間がよく来ることを理解し、警戒しているのではないかということだ。しかし、バリエーションルートなどのように、普段は人間が通らない場所を通ると、クマからしてみれば、人が来ないと思っていたような場所に人が来てしまうことになる。詳しい聞き取りができた丹沢山系の事例では、鈴もつけていた登山者が、通常の登山道ではない尾根を進んでいたところ、子連れのクマに遭遇して襲われたというものがある。また、奥多摩ではある登山家が山道を走っていて被害に遭っている。人間が歩く速度ならクマのほうも未然に人の存在に気付き、遭遇を避ける余裕もあるが、速い速度で走って接近したことで、クマのほうはその場を立ち去る余裕がなくなってしまったのだ。速度が速いという点で、マウンテンバイクも同様である。クマが人の接近を予想できない、あるいは人が来ることに対してその場を立ち去るタイミングを逃してしまうようなシチュエーションが事故につながりがちということになる。他者が行かない場所へあえて行くという意味で、渓流釣りも当てはまる。2025年に奥多摩で起きた事故では、被害者は鈴をつけていた。しかし、渓流の中は水音があるため鈴の音は伝わりにくい。また、川沿いに風の流れが発生し、渓流釣りでは下流から上流へ進んで行くため、人間の匂いは上流に届きにくくなり、その結果、クマと鉢合わせてしまう。クマが人間を感知できない状況では、事故に遭いやすくなる。一般的に素早い行動はクマを刺激するが、そうした特定の行動で人間がクマに刺激を与えたことで事故が起きるというよりも、お互いが意図せず、偶発的に鉢合わせた結果、事故に至るのだ。次にヒグマの事故について考えてみる。2025年8月14日に北海道の知床・羅臼岳登山道で、登山から下山中の2名のうち1名がヒグマに襲われた。被害者は鈴を持っていたものの、山中を非常に速いスピードで下山していたという。加害したのは子連れの母グマだった。このケースでは、かなり速いスピードで接近した上に、見通しの悪い箇所に差し掛かったところで、アリを食べていたヒグマの親子に遭遇した可能性が高い。クマが人間の接近に気付いたとしても、その場を立ち去る前に人間と遭遇してしまった可能性がある。そして、母グマは子グマを守るために本能的に男性に攻撃したと思われる。北海道のヒグマ被害では、渓流釣りでの人身被害で致死率が非常に高いというデータもある。サケの密漁者も同様だが、他者に知られないように静かに行動し、人間があまり立ち入らない場所で行動するため、やはりクマと鉢合わせをする危険性が高くなる。沢登りと呼ばれる、水に浸かりながら渓流を遡行することを愛好する登山者もいる。このように通常の行動から外れ、普段は人間がいない場所をわざわざ選んだりすると、クマとの予期せぬ遭遇を招く危険性がある。遭遇しないように気をつけていても、運悪く出遭ってしまうこともある。ただ、不意に出遭ってしまっても、人身被害に至らず、そのまま互いに離れていった事例も多い。人身被害には、人間の行動、人間の年齢や人数、クマの性格、子連れなどクマの状態、クマがこちらに気付いているかいないか、遭遇した地形、遭遇した距離、季節や時間帯など、千差万別のバリエーションが考えられる。一つとして同じ事例はなく、何が共通していて、何が特殊なのかもよくわからないというのが正直なところだ。そのため、「クマに出遭ったらどうすればいいか?」とよく聞かれるが、これをすれば100%安全というような正解はない。ただ、クマと遭遇した場合に人間が避けるべき反応や行動として共通して言えるのは、クマを驚かせないことだ。クマは自分自身が生き延びていくため、あるいは繁殖して子孫を残すために、様々なセンサーを備えている。動体視力が非常に優れていることを考えると、遭遇した場合、あまり急な動きをしないほうがいい。クマが人間を攻撃するのは、基本的に防御を主な目的にしている。子を守る、あるいは自分自身を守る、その場を早く去りたいといった行動をするために人間を攻撃する。不意に人間に出遭いパニックになってしまったクマは、自分の逃げ道すら見つけられないような状況になっていることも多い。そうしたクマは、目の前にいる人間を叩きのけてでも、逃げようとするわけである。そうした場合、正体がよくわからない相手(人間)が激しく動いていれば、クマはこいつを何とかしなければいけないと考え、前足で激しく叩くなどの行動につながる。そういう意味で、やはり不意に遭遇した場合、クマの前で急な動きをせず、クマをパニックにさせないことがとても重要となる。クマをパニックにしてはいけないのと同時に、自分もパニックになってはいけない。遭遇時の状況によって対応も違ってくるので、落ち着いて状況を把握し、自分の取るべき行動を冷静に判断しなくてはならない。例えば、クマがこちらに気付いているのか気付いていないのか、目の前のクマは子連れの母グマか単独のクマか、怒っているか怒っていないか、どっちの方向へ逃げたがっているのか、こちらをどう気にしているのかなどによって、次に取るべき行動が変わってくる。いきなり遭遇したら、とにかく落ち着いてクマの様子を観察しなければならない。クマと向き合いつつ、ゆっくり後ずさりするのも有効とされている。その場合もクマがゆっくり近付いてくるのか、それとも走って向かってくるのかによって対応は異なるだろう。クマがゆっくりと移動している場合、いわゆる「木化け」という避け方もある。これは木に化けるという意味ではなく、クマの前から消えるようにする対処法だ。クマと距離があり、自分にも気持ちに余裕があり、またクマがあまりこちらを気にしていない場合などで、クマと自分との間に樹木や岩などを挟み、それに隠れる。クマとは目を合わせながら隠れたほうがいいのか、目を合わせないほうがいいのか、いろいろ意見もあるが、目を合わせる合わせないにかかわらず、基本的にはクマの様子をしっかり観察しながらゆっくりと後退し、距離を取っていく。そうすると、クマのほうはいつの間にか人間がいなくなったと思ってくれるかもしれない。だから、自分がパニックに陥り、背中を向けて走るなどは決してしてはいけない。そもそもクマは走るものを追いかける習性があると言われている。クマも驚くし、素早い動きに反応を示す。また、走ることで人間側のパニック状態も継続してしまう。それ以上に背を向けてしまえば、クマの様子をうかがうことができなくなる。つまり、素早い動きでクマをパニックにせず、人間の側も落ち着いて状況を観察することが重要であり、逆にクマを驚かせたり、背を向けて逃げたりすることは絶対にやってはいけない行動なのである。クマは時速50キロ以上で走ることができ、その上木々が倒れ、岩が転がる森の中では、クマのほうがはるかに巧みなルートファインディングが可能である。クマは木登りも極めてうまい。クマが本気で追いかけてきたら、森の中で逃げ切ることはできない。

(くまもり全国大会のおしらせ)
全生物のために、次世代のために、豊かな水源の森を守ろうというくまもりの活動は、今年、30年目に入ります。2025年は、東北、北海道で、2023年を上回る山の実りの大凶作で、クマの大量出没と過去最多の人身事故となり、クマの捕殺数も過去最多となりました。クマと人との軋轢が高まる中ですが、熊森は、これまでの実績から、人身事故低減のためにも、捕殺一辺倒ではなく、温暖化に適応した森の再生による棲み分けや、集落の被害防除対策に取り組むべきであると提言しています。厳しい時ですが、昨年は、岩手、福島、島根、奈良で、今年は静岡でも新たな支部活動が始まり、地域の輪を広げながら、水源の豊かな森の保全・再生や野生動物との棲み分け・共存へ向けた実践活動を被害に苦しむ地域にこそ、広げようと準備をしています。全国大会では、全国の支部が一堂に会し活動を共有し、さらなる一歩を元気よく踏み出したいと願っております。全国で仲間の輪が広がっています。会員限定のイベントですが、ぜひご参加ください。

(熊森が花巻市猟友会長と共に環境省にガイドライン案(クマ編)に申し入れ)
現在、環境省がパブリックコメントを募集している「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ編)令和7年度版(案)」は、内閣府の「クマ対策パッケージ」を受けて作成されたものです。クマが全国的に増加していることを前提とし、さらなる捕殺強化を可能にする内容となっています。しかし昨年、ツキノワグマ1万2000頭超、ヒグマ2000頭超が捕殺されており(秋田県では2023年から2025年の間に5000頭超)、この上さらに捕殺を強化することは、クマとの共存を不可能にするばかりか、地域的な絶滅をも招きかねません。当協会はガイドライン案に対する環境大臣宛の意見書を自然環境局・堀上局長に提出した後、約1時間、局長や職員の方々に現場を知る者として申し入れを行いました。環境省の皆さんは黙って聞いておられました。今回の提出には、室谷会長、鈴木北海道支部長、井阪秋田県支部長、東岩手県支部長のほか、東北の貴重な現場の声を届けるべく、岩手県猟友会花巻支部の藤沼支部長、山形の山岳ガイド・八木文明さんも参加。串田誠一参議院議員(熊森顧問)も同行してくださいました。狩猟歴50年の岩手県猟友会花巻支部長・藤沼さんは次のように証言しました。「昨年、岩手で一番クマがいるはずの山を4日かけて縦走したが、見事に痕跡がなかった。一方、里ではたくさんのクマがいて、捕殺された。」山形で山岳ガイドを務める八木さんも、ガイド仲間に聞いたところ、「昨年は山の中でクマを見る機会が極端に少なかった」という意見が大半だったと語りました。クマは里に下りてきているが、「増えた」とは考えられない―東北の山を知り尽くした地元の2人の証言は、見事に一致していました。環境省は、奥山の実態については今後調査を進めると言われていました。また八木さんは、東北でソーラーパネルや尾根筋の風力発電の開発が次々と進んでいることにも言及。「山の環境の悪化がクマをはじめとした野生動物の行動に影響を与えている。土地所有者と事業者だけで開発が進み、周囲の住民が全く知らないままというのも大きな問題だ」と訴えました。当協会が今回、環境省に強く伝えたのは、近年の捕殺のあり方に関する深刻な問題です。近年、クマの捕殺はほとんどがハチミツや米ヌカなどの強力な誘引物が入った罠によって行われており、山の中にいる問題のないクマまでおびき出して、全て殺処分しています。この方法は、人とクマの境界をあいまいにし、みなしごグマを多発させ、事態をかえって悪化させるという悪循環を生んでいます。猟銃と犬でクマを追いかけていた時代の方が、クマは人里を避け、棲み分けができてうまくいっていました。地域の安全を守る猟友会支部長という立場から、捕殺が必要な場合にはクマを捕殺もする藤沼さんも「罠にかかったものを全て殺処分し続けていたら、クマはいなくなってしまう。」と、危機感を示します。罠による個体数調整に頼るのではなく、クマの生息地となる森を豊かにし、被害防除や緩衝帯の整備、犬などの力も借りた追い払いを徹底することこそが、人身事故を防ぐ根本的な対策です。熊森は、こうした取り組みに重点的に人材と予算を割くべきだと訴えました。環境省は、「さまざまな意見をパブリックコメントで寄せてほしい」と応じました。

(日本一の繁華街を「戦場に変えた」18歳少年の犯行理由)
「いろんな銃を撃ちまくることができて、溜まっていたものを全部吐き出したような気分で、スカッとした。どうせ刑務所に行くんだろうから、代わりにベトナムに行きたい。好きなガンを思いっきり撃つことができるなら死んでもいい」。今から半世紀以上前、東京・渋谷の駅前で市街戦が起きた。18歳の少年が人質を盾に銃砲店に立てこもり、無闇やたらに銃を乱射したのだ。動員された警察は延べ7千人、興味本位で現場に集まった野次馬が3千人、負傷者18人。前代未聞の事件を起こした少年の犯行動機は銃に対する異常なまでの執着だった。高度経済成長期に起きた事件の真相を、鉄人社の新刊『高度経済成長期の日本で起きた37の怖い事件』より一部抜粋してお届けする。後に事件を起こす片桐操は1947年(昭和22年)、東京都世田谷区に4人兄弟の末っ子として生まれた。物心ついたころから銃に強い関心を持ち、ミリタリー雑誌『丸』を愛読。体格には恵まれていたが、性格は極めて内向的で、傘の柄と花火の火薬でビー玉を飛ばす手製の銃を作るなど、とても子供とは思えない趣味に没頭した。旧日本陸軍の上等兵という軍歴を持つ父親はそんな息子を理解し、高価なモデルガンを買い与える。ただし、「人は殺すな。人を殺すくらいならまず自分が死ね」との警告も忘れなかった。地元の中学に進学してからは作家・大藪春彦(1935-1996)の『ウィンチェスターM70』『野獣死すべし』などのハードボイルド小説に大きな影響を受ける一方、アメリカの銃雑誌『ガン・ダイジェスト』や『シューターズ・バイブル』を入手し、辞書を片手に英文を翻訳し銃の専門知識を習得。歳上の長姉は趣味に没頭する弟を見て、中学卒業祝いに3万5千円(現在の貨幣価値で15万~20万円)もする本物の22口径のライフル銃「マスターライフルNO3」と4千円の照準器をプレゼントしている。この銃が後に犯行に使用されることになるとは、姉は想像すらしていなかった。高校へは進学せず、銃を扱いたい一心で陸上自衛隊への志願入隊を希望するも不合格。そこで、自動車修理工見習い、港湾荷役作業員などの職に就いた後の1963年5月、ブラジル行きを視野に国内航路のタンカーの見習いコックとなる。南米に行けば好きに銃を撃てると考えたのだ。そこには、当時の日本とブラジルには「犯罪人引き渡し条約」が存在していなかったため、たとえ銃絡みの事件を起こしてもブラジルに逃亡すれば捕まらないだろうという思惑もあった。乗船しては月に一度、自宅に帰る生活を続けて約2年後の1965年4月18日、待ちに待った18歳の誕生日を迎える。片桐にとって、この日は特別な意味があった。それまで姉名義だったライフル銃を自分の名義に変えられるからだ。さっそく最寄りの北沢警察署で変更手続きを行うとともに、貯金24万円から後に銃撃戦の舞台となる渋谷区北谷町(現在の神南一丁目)の「ロイヤル銃砲火薬店」で3万9千円のSKBライフル銃を月賦で購入。職場には40日間の有給休暇を申請しており、後楽園や立川の射撃場に足繁く通う。すでに、心の中では銃を使った大事件を起こす決意が固まっていた。1965年7月29日午前11時ごろ、片桐はライフル銃を手に、以前射撃の練習で何度か訪れ地理を熟知していた神奈川県高座郡座間町(現・座間市)の山林に入った。そして「数人の子供が空気銃を撃って遊んでいる。危ないから止めさせてほしい」と警察に虚偽の電話をかけ、大和警察署鶴間駅前派出所に配属されていた田所康雄巡査(当時21歳)をおびき出す。そして山林に身を潜め、同巡査が現れた瞬間、姉からもらったライフル銃の引き金を引く。目的は警察官の銃を奪うことで、倒れた同巡査が所持していた38口径の回転式拳銃の他、警察手帳、制服、ズボン、ヘルメットなどの装備品を剥ぎ取り、警官に変装した。そこに銃声を聞いた同署の巡査2人が駆けつけてきたが、彼らに対しても容赦なく発砲し、1人に左股貫通の重傷を負わせた(もう1人は奇跡的に留め具の金属に弾が命中し無傷)。その後、片桐は現場から100メートルと離れていない男性Mさん宅に現れ「近くで撃ち合いがあり、犯人に逃げられたので車を出してほしい」と要請する。Mさんに片桐が偽警官であることを見破る余裕はなかった。そして、Mさんが運転するマツダ軽四輪の後部座席に乗り、国道246号線を町田市に向け走行。市内の商店街に入り、Mさんから「犯人の情報がわかるかもしれないので、交番に寄ってみたらどうか」と提案されたものの、これを曖昧に拒否する。それでもMさんは正午過ぎに原町田交番前の交差点に差しかかったところで急ブレーキを踏み、車から下り交番へと向かう。このとき、同交番では町田署からちょうど事件の連絡を受けたところで、電話口に向かって「今、手配されている車が来ました」と怒鳴った後、交番の警官は腰のピストルに手をやった。対して片桐はMさんの後を追ってピストルを彼の脇腹に突きつけ、警官を後退させる。そこへ、トヨペット・ニューコロナが2人の前で停車した。片桐はMさんを突き放して、ニューコロナの後部座席に飛び込み、運転していた男性Tさんに命じてそのまま逃走。カーラジオからは「警察官が2人重傷」のニュースが流れ、片桐が乗り換えた車が手配されていることを伝えていた。その後、川崎市の稲田堤で停車中の日産セドリックのライトバンを奪って乗り換え、Tさんに運転を命じてさらに逃走を続ける。このころになって、神奈川県警はようやく本格的な捜査を開始する。機動隊パトカー6台、警らパトカー7台、交通機動隊の白バイ85台、パトカー16台を動員、33ヶ所に検問所を設けて緊急配備についた。が、片桐の奪ったライトバンは多摩川を渡って東京都に入っていた。14時過ぎ、東京都小金井市の小金井公園に到着。停車中の日産セドリックに乗っていた男女2人から車を奪い、Tさんを助手席に押し込んだうえで人質3人をピストルで脅しながら五日市街道から井の頭公園、さらに水道道路へ向かわせる。カーラジオからは「田所巡査が死亡」「乗り捨ててあったライトバンを発見」「主要道路で3千人の警官が検問中」というニュースが流れていた。逃走に協力させられた人々の後の証言によると、片桐は終始冷静で「ご迷惑をおかけして恐縮です」と妙に丁寧な言葉遣いだったそうだ。渋谷区に入ったころ、気分が悪いと訴え出た人質の女性を代々木上原付近の内科病院前で解放した後、区内を走り回る。17時、前出のロイヤル銃砲火薬店の向かいの渋谷消防署前で車を停めさせると、人質2人を車に残したまま1人で同店に押し入った。このとき、すでに警官の制服を脱ぎ私服だった片桐を店員たちは、しょっちゅう銃の手入れや弾の購入に訪れていた顔馴染みの客として快く迎え入れる。が、片桐は彼らに銃口を向け「誰も動かないでください。大人しくしていれば危害は加えません」と威嚇。そのまま店員の男女3人と女性店員の妹の女子大生の計4人を人質に店に立てこもった。まず片桐は店のシャッターを下ろし、店内の電話線を切断、外部との連絡手段を絶った後、店内にある武器の確認に入る。ロイヤル銃砲火薬店には各種のライフル銃や散弾銃、大量の弾薬が保管されており、それらを喜々として手に取った。後の供述によれば、「まるで宝の山を手に入れたような気分だった」という。夢にまで見た理想の空間で、片桐は恐怖に怯える人質の店員に銃への弾薬装填を命じる。自分1人では時間がかかりすぎるため、店員たちの知識と技術を利用したのだ。このときも「申し訳ありませんが、お手伝いください。ご迷惑をおかけします」と不気味なまでに丁寧な話し方だったそうだ。こうして、短時間で大量の武器の準備が完了するのだが、着目すべきは片桐が射程距離が長く威力の高いライフル銃を中心にセレクトしていたことだ。これは遠距離にいるであろう警官を狙撃する戦術的判断によるものだった。準備が整ったところで、片桐は入口付近、窓際、レジカウンターなど店内の様々な場所に銃を配置。これまた、あらゆる角度から狙撃するための戦略だった。この間、市民から寄せられた通報により、座間町の警察官射殺事件と逃走中のカージャックが次第に関連づけられ、警察は犯人の足取りを追って渋谷方面へ向かっていた。片桐も店の窓から数台のパトカーが遠巻きに配備されていることを確認、すでに包囲が始まっていることを察知していた。が、焦りは一切なかった。逆に、この状況こそが待ちに待った瞬間で全て事前の計画どおりだった。18時前、外では警察の包囲網が確立されつつあった。管轄の渋谷署をはじめ機動隊や原宿署の応援部隊が続々と到着。このとき片桐の手元には10丁を超えるライフル銃と散弾銃、数百発の弾薬が置かれていた。18時過ぎ、片桐は最初の銃弾を外に向けて放つ。日本の犯罪史上でも類を見ない市街戦の始まりである。最初の標的は店を包囲していた警察車両だった。ライフル銃の高い精度と射程距離を活かし、遠距離から次々にパトカーを狙撃していく。警察は建物の陰や街路樹の後ろに身を隠すよりなかった。なにせ、相手は人質を取り重武装した凶悪犯。警視庁は原宿署、青山署からも応援の機動隊員を現場に急行させ、最終的に防弾チョッキ着用の警官・機動隊員約600人が片桐と相対することになる。警察にとって状況は最悪だった。店内に人質がいることもさることながら、ロイヤル火薬銃砲店が角地にあったため、複数方向からの狙撃が可能。実際、片桐は店内を移動しながら、時には威嚇射撃で警察を後退させ、時には精密射撃で特定の標的を狙い撃ちしていた。今まで経験したことのない軍隊さながらの攻撃に対して、警察には採るべき有効な手段が見つからなかった。一方、現場周辺では大混乱が起きていた。流れ弾の危険性から近くを走る山手線30本が開通以来初めての全線ストップとなり、また銃声を聞いた住民や通行人ら野次馬が集まり、その数、約3千人。警察関係者の負傷者も10人(内5人が重傷)。この異常事態を、当時渋谷駅前の青果店「西村フルーツパーラー」に店員として勤務していた当時16歳の永山則夫は偶然目撃しており、事件に触発されるように3年後に全国で連続射殺事件を起こすことになる。時間の経過とともに銃撃戦は激しさを増していく。片桐はパトカーや報道ヘリの音がうるさいと110番に電話をかけ、すぐに退かせないと人質を殺すと脅迫する。さらに、女性店員に命じて冷蔵庫からビールを持ってこさせ、あおりながら銃を乱射。警察は野次馬に被害が及ばないように躍起になっていた。19時を過ぎても片桐の銃撃は衰えず、「まだ弾薬はたくさんある」と朝まで徹底抗戦する構えだった。警察は狙撃による制圧も考えたが、人質の安全を考えると実行は困難。検討の結果、催涙弾の投入を決定する。19時18分、防毒マスクを被った警視庁第一機動隊の隊員が店の窓ガラスを破り、5発を店内に投げ込んだ。店内にガスが充満すると、片桐の動きに明らかな変化が現れる。それまで冷静に銃撃を続けていたのを止め、激しく咳き込みながら人質の女性2人を盾にして店外に出てきた。右手に銃を持ち、左手で人質の肩を押さえながら弾を放つ片桐。最後の瞬間はその直後に訪れる。背後で隙を狙っていた男性店員の1人が、店内にあったライフル銃を手に取り、銃床で片桐の後頭部を殴ったのだ。不意を突かれた片桐は転倒しながらも逃げる店員に向け何度も発砲。弾が切れたタイミングで原宿署の緒方保範刑事(同36歳)が体当たりを敢行する。対して片桐も隠し持っていたピストルで至近距離から銃弾を放ち、緒方刑事の顔面と背中に命中させる。被弾した同刑事はその場に倒れ込んでしまったが、後に続いた警察官約10人が一斉に片桐に飛びかかり制圧。19時25分に現行犯逮捕され、ようやく市街戦は幕を閉じた。重軽傷者は全部で18人。片桐が放った弾は110発(130発との説もあり)にも及んだ。逮捕後、片桐は警官を射殺した神奈川県警大和署に引き渡され、取り調べで次のように供述した。「いろんな銃を撃ちまくることができて、溜まっていたものを全部吐き出したような気分で、スカッとした。どうせ刑務所に行くんだろうから、代わりにベトナムに行きたい。好きなガンを思いっきり撃つことができるなら死んでもいい」。問題は裁判だった。片桐は18歳の未成年(当時)。通常なら少年法が適用され家庭裁判所で審理が行われるのだが、犯行の重大さを考えた場合、果たして家裁の判断に委ねるのが正しいのか。そこで、いったん送致された横浜家庭裁判所が検討を重ね、刑事処分相当として横浜地検に逆送致することを決定。同地検は強盗殺人罪、殺人未遂、強盗、不法監禁、銃刀法違反などの罪で片桐を起訴する。1965年11月27日、横浜地裁で始まった裁判の罪状認否で、片桐は殺意を否定する。が、これは弁護人の入れ知恵だったようで、1966年10月7日の第14回公判で、最初から警察官を射殺して拳銃を奪う意図があり、また逃走時に車内に監禁して車を運転させた被害者も後で始末するつもりだったと供述を変更。さらに「銃への魅力はいまなお尽きない。将来、社会へ出て再びこのように多くの人に迷惑をかけることのないよう、死刑にしてほしい」と訴えた。1967年4月13日、横浜地裁は検察が求刑した死刑を退け、無期懲役を言い渡す。理由は考え方が未熟な少年の犯罪であり社会復帰できる可能性があるというものだった。この判決を不服として検察が控訴した結果、1968年11月17日、東京高裁は「拳銃を奪うという目的の下に綿密な犯行計画を立てていた点から、被告人はあらかじめ警察官の殺害までは明確に意識していないまでも視野に入れており、矯正は極めて困難である」として逆転死刑判決を宣告。最高裁も上告を退け、死刑が確定した(1969年10月27日)。1972年7月21日、収監されていた東京拘置所から、死刑施設のある宮城刑務所に移送され絞首刑執行(享年25)。最期の言葉は刑場に入る前、教誨師に残した次のようなものだった。「僕は親不孝の許しを乞い、被害者の方の冥福を祈りながら静かに死んでいきます。でも、僕のような人間がこの社会から二度と出ないようにこの最後の辛さ、苦しさの心境だけは若者たちに伝えてください」。

(イギリス環境・食糧・農村地域省、森林へのシカ被害を軽減する施策を発表)
イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、イングランドの森林へのシカの被害を軽減する施策を発表した。現在、イングランドの森林の約3分の1がシカの被害(過剰な採食や踏み荒らしによる若木の成長阻害、生息地劣化、農作物損傷等)を受けていると推定され、森林造成や自然回復、木材生産への悪影響が懸念される。生息するシカ6種のうち3種は特定外来生物で、脆弱な環境への圧力を一層強めている。現在の管理手法は影響の拡大に追い付いておらず、景観規模での効果的・積極的管理を強化する必要がある。今回発表された施策は、土地管理者が迅速かつ効果的に行動できるよう手段と支援を提供しており、専任のシカ対策担当官の配置、助成、許可手続きの簡素化を実施。必要に応じて許可の変更も検討する(夜間銃猟・禁猟期間の許可など)。さらに、政府は国内の野生シカ肉市場を支援し、駆除による管理コストの相殺を図るほか、ドローン調査による国家優先地域の特定や景観規模での目標行動の特定など、管理の有効性・効率向上を目指す研究を支援する。

(キッチンカーがシカと衝突、その後出火しキッチン部分ほぼ全焼:北海道)
2026年3月19日、北海道天塩町でキッチンカーが燃える火事がありました。けが人はいませんでした。車が燃える火事があったのは、天塩町川口の国道232号です。19日午後7時前、「車両が燃えている」と消防に通報がありました。警察によりますと、キッチンカーは国道を走行中、左から来たシカと衝突。その後、何らかの原因で出火したということです。キッチンカーには男女2人が乗っていましたが、2人とも逃げて無事です。また火はおよそ30分後に消し止められましたが、荷台のキッチン部分がほぼ全焼したということです。警察と消防が出火原因などを調べています。

(住宅地でクマ大捜索:富山)
能美市辰口地区の住宅地で12日、クマが相次いで出没した。付近には民家が密集し、病院なども立地することから、市や消防、警察、猟友会が捕獲作戦を展開。ドローンを投入して空からも行方を追ったが、発見には至らなかった。ただ、捜索を打ち切った後も同じ個体とみられるクマの目撃情報が寄せられ、付近住民は恐怖を抱えたまま一夜を過ごした。最初にクマが見つかったのは午前10時ごろで、松が岡4丁目の住宅地にいる体長1メートルほどのクマが目撃された。同11時20分ごろには、隣接する緑が丘11丁目の芳珠記念病院駐車場から山中へ移動するクマを住民が見つけた。消防隊員が現場へ駆け付けたところ、同11時37分ごろ、病院のそばにある緑が丘日吉神社への登り口にいるクマを発見。クマは神社奥の茂みに隠れ、行方が分からなくなった。市によると、住宅地が広がる緑が丘にクマが出没するのは珍しい。この後、市や石川県の職員、消防隊員、能美署員、地元猟友会メンバーら約30人が集結して周辺を回り、ドローンを使って上空からもクマを探した。ただ、姿を確認することはできず、午後4時半ごろに捜索を打ち切り、現場近くに捕獲用のおり1基を設置した。しかし、同5時40分ごろ、緑が丘1丁目の公園近くで、茂みに入るクマ1頭を見かけたと住民から市に通報があった。市は再び周辺をパトロールしたが、クマは見つからなかった。この日、能美市では市議会の定例会本会議が開かれており、4月に就任した飯田重則副市長(前県危機管理監)が議場を途中で抜けて現場に駆け付け、指揮に当たった。多数のパトカーや消防車両が集まる物々しい光景に、住民は不安を口にした。近くに住む西徳美さん(79)=緑が丘4丁目=は「最初は事件でもあったのかと思った。クマが出て危ないと聞いて、怖い」と声を震わせた。地元で児童の登下校の見守り活動に取り組む中山俊市さん(76)=同=は「心配だ。どう猛でかみつかれたりすると言うので恐ろしい」と話した。地元の辰口中央小や辰口中は、安全確保のため保護者に児童生徒を迎えに来てもらう措置を取った。放課後児童クラブを利用する子どもたちはクラブまでバスで送り届けられた。両校は13日朝の登校を保護者同伴とする。市は住民に対し、クマの侵入を防ぐために窓や車庫のシャッターを閉め、明け方や夕方の外出は特に注意するよう呼び掛けた。

(クマ2頭目撃→イノシシだった可能性が:宮城)
17日夕方、仙台市青葉区の広瀬川の河川敷で目撃されたクマ2頭がイノシシである可能性が高いことが、仙台市の調査で分かりました。17日午後5時15分頃、仙台市青葉区霊屋下(おたまやした)の広瀬川の河川敷で「クマ2頭を目撃した」とバスの乗客から警察に通報がありました。2頭の体長は、1.5mと80cm程度で川の下流方向に立ち去ったということです。しかし、18日に仙台市の職員が河川敷を調べたところ、目撃された動物が掘り起こしたとみられる土の痕跡から、その動物がイノシシだった可能性が高いことが分かりました。その後、担当者に取材を進めてみると…2025年から親2頭・子3頭のイノシシの親子が、周辺に住み着いているとのことで、2025年10月には、霊屋下でクマ5頭が目撃されましたが、それも今回と同じ理由でイノシシの可能性が高いとみているということです。最近では、クマ対策で藪を刈ったため、イノシシを目撃しやすい環境が整っているとのことで、クマとイノシシの判別に関しては、クマは土を掘り起こす習性は基本的になく、イノシシは土の中の植物の根なども食べるため、掘り起こした痕跡でイノシシと識別可能だということです。2月13日にも周辺でクマ5頭目撃されていますが、それも、クマの痕跡は見つからなかったということでイノシシの可能性が高いといえます。一方で、宮城県によりますと、県内のクマの目撃情報は、2026年1月以降、2025年の2.5倍にあたる111件に上っています。

(東大阪市に“奈良公園のシカ”が越境したか:大阪)
今月11日以降、東大阪市内でシカの目撃情報が相次いでいます。市によりますと、これまで市内でシカの目撃はなく、奈良公園から越境してきた可能性が高いということです。11日、東大阪市中石切町1丁目で「シカがいます」と警察から市に連絡が入りました。職員が駆け付けると、角が切られたオス2頭がいたということです。2頭はその後行方がわからなくなりましたが、17日午後1時ごろまでに市に7件の目撃情報が寄せられていて、いずれも角を切られたオス1頭という情報だったということです。市の健康部保健所は市内でシカが目撃されたのは初めてだといい、角が切られているなどの特徴や、10日に奈良県西部で似た特徴の6頭が目撃されていたこと、生駒山系にシカが生息していないことなどから、奈良公園から来た可能性が高いとみています。奈良公園のシカの保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」によりますと、公園内のシカの頭数は去年の調査で過去最多の1465頭にのぼり、若いオスが縄張り争いに負け、群れで公園の外に出ていくことが増えているということです。市は17日現在で農作物や生態系への影響はないとしていますが、野生動物を保護することができないため引き続き見守りを続け、市民に対しては、「シカに出会ったとしても、餌を与えず刺激しなければ自然に立ち去ります。むやみに刺激するなどせずせず、落ち着いて行動してください」などと呼びかけています。

(歩道のシカが突然飛び出し車に衝突:京都)
京都・南丹市夜の山道でカメラが捉えたのは…、車体が大きくへこむほどの衝撃。衝突の直前、シカは思わぬ動きをしていました。映像を確認すると、歩道には2頭のシカがいたのですが…。飛び出しから衝突までは1秒足らず。シカは、そのまま走り去ったということです。愛知・豊川市で思わぬ動きを見せたのは前を走るミニバン。ウィンカーを出して、コンビニの駐車場に入ると一気に加速。再びウィンカーを出して、車線へ。前の白い車を追い越す形になりました。交通ルールに詳しい高山弁護士によりますと、こうした行為は通行区分違反などに当たる場合もあり、3カ月以下の拘禁刑、または5万円以下の罰金が科される可能性があるということです。

(体長約50センチの子グマ駆除:山形)
舟形町でクマ1頭が目撃され、その後、駆除された。春に入りクマの活動が活発化していて、県内の2026年の目撃件数は2025年の同じ時期の3倍を超え、一層の注意が必要。点々と続くクマの足跡。舟形町では、3月6日から頻繁に目撃されていた。場所は舟形町舟形の障がい者支援施設「光生園」の敷地内やその周辺。1度目は3月6日午前9時45分ごろ、施設の玄関付近やピロティ・中庭などを歩いていた子グマを施設長が目撃した。体長は約50センチで、町の職員が花火などで追い払ったが、12日正午すぎ、同じ個体とみられる子グマが施設の近くで再び目撃された。この時は施設の南側を流れる最上小国川の方へと消えていったというが、13日午後1時20分ごろ、子グマが再び現れ住宅街を徘徊(はいかい)。野菜の残飯などが捨てられている場所などにも近づいていた。1週間に3度の出没。施設の周辺では、2025年にもクマの出没が相次いでいた。子グマは13日、通報を受けて駆けつけた猟友会のメンバーらが捕獲し駆除されたが、住民の不安は尽きない。一方、12日、山形市滑川の民間施設の駐車場でも子クマとみられる1頭が目撃されている。クマはその後、北にある山に入って行き、行方がわからなくなっている。市は近くに住宅があることから、パトロールを強化し警戒にあたっている。2025年、異常なペースで目撃されたクマ。2026年に入ってもその件数は衰えない。県によると、3月8日時点の2026年の目撃件数は52件で、2025年の同じ期間と比べると3倍を超えるペースとなっている。また、今週は酒田市・小国町などでもクマが目撃されていて、県内全域で出没が相次いでいる。県は「この時期はクマが冬眠から覚めて活動が活発になる。山菜採りなどで山に入る際はクマ鈴などの装備をし、複数人で行動してほしい。また、市街地ではエサとなる生ゴミを放置しないなど、去年行った対策を継続してほしい」と呼びかけている。

(回送列車とシカ衝突:北海道)
10日午前4時45分ごろ、小樽市のJR函館線銭函―朝里間で回送列車がシカと衝突した。乗務員にけがはなかった。

(豚熱の陽性率減少、イノシシ肉制限緩和:岐阜)
岐阜県は、豚熱(CSF)予防のため制限してきた野生イノシシのジビエ(野生鳥獣肉)利用について、4月から基準を大幅に緩和し、「ぎふジビエ」としての販売拡大を後押しする。近年、イノシシの豚熱感染頭数や陽性率が減少したことから、国と協議して決めた。ジビエとして解体処理する際の検査は継続する。最近の陽性率を新基準に照らせば、県内全域でジビエ利用が可能となり、事実上の解禁としてジビエ関係者の追い風となりそうだ。

(イノシシ料理を食べ歩き:兵庫)
地域の特産品を多くの人に知ってもらおうと、兵庫県丹波篠山市では、イノシシの肉を使った料理を楽しむイベントが開かれています。丹波篠山市が発祥とされるイノシシの肉を使ったぼたん鍋。「丹波篠山いのしし春まつり」は地元の食文化や観光などの魅力を広く発信するイベントです。会場には、ぼたん鍋のほかにもハンバーガーやソーセージなど、特産のイノシシの肉を使ったたくさんの料理が集まり、食べ歩きを楽しむ観光客らでにぎわっています。中でも注目を集めているのが「イノシシの丸焼き」。豪快な料理に舌鼓を打っています。

(100年以上続く大衆食堂の新メニューは「ジビエ料理」:福島)
福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は100年以上続く大衆食堂です。地元の人はもちろん、観光客も多く訪れる人気店のこだわりは「お肉」。先月からは新メニューにも力を入れています。お肉の香ばしい匂いが広がる店内は、オープンと同時に多くのお客さんで賑わいます。地元や遠方からも長年通う常連客に愛されているメニューが、こちらの焼肉定食。300グラムもある豚ロースを塩コショーで焼いた、シンプルで食べ応えのあるひと品。そして、新鮮な馬肉を使った「馬刺し」定食もお店を代表するメニューのひとつ。1年分をまとめて手作りするというお店特製ダレは、ニンニクが効いている中にも果物の甘みを感じることが出来、食欲をそそります。そんな”お肉”にこだわったメニューを提供しているのは、西会津町にある大衆食堂「同気食堂」です。お店を切り盛りするのは、赤い髪がトレードマークの四代目・氏家待子さんです。同気食堂は大正10年創業、100年以上親しまれています。西会津町は、江戸時代には越後街道の宿場町「野沢宿」として栄え、その名残が残る大正にお店を創業したのが四代目・待子さんの祖父でした。「同気食堂」の”同気”という言葉にはこんな意味が…。お客さんが満足してまた来てくれるように、お客さんに寄り添ったお店にしたい…との思いが込められているんです。実は食堂のすぐ隣では精肉店も営んでいて、リーズナブルな価格で常に新鮮なお肉を提供することができます。価格でも”同気”。お客さんと同じ気持ちに寄り添った設定になっているんです。西会津町のご当地グルメの「みそラーメン」。ピリッと辛い濃厚なみそと、特産・ミネラル野菜の甘みが加わった使った一杯。なんと同気食堂ではそこにトンカツをプラスし、このボリューム。とにかく”お肉”推しです。お店オリジナルのみそを使ったスープがしみ込んだトンカツはしっとりとした食感で、みそと野菜のうま味が加わりいつものトンカツとはまた違った味わいに。そして、先月から新たなメニューを始めました。そこで使われるお肉がこちら。クマとイノシシを使ったジビエメニューを始めたのです。西会津町で今年度駆除したクマは98頭またイノシシが128頭と例年よりも多かったそうです。それを無駄なくジビエや革製品などへの活用を町をあげて積極的に行っていきたいと考えています。ですが、震災から15年経った今でも県内で駆除されたクマなどの野生鳥獣は原発事故の影響から出荷制限が続いていて活用できないのが現状。そのため「同気食堂」でも今は県外から取り寄せたものを使ってジビエメニューを提供しています。地元のものを活用できるまではいくつも問題もありますが、一日でも早く活用できるようにと期待を込めて始めたのです。こちらのジビエメニューは2種類。素材の味・風味をシンプルに感じてもらいたいと、塩・コショーだけで焼いた「イノクマ焼肉定食(2,000円)」とすきやき風のあまじょっぱいタレのお鍋で、たまごに付けていただく「イノクマ鍋定食(2,000円)」です。どちらのメニューも、クマとイノシシのお肉が両方使われているので食べ比べもできます。

(とやまジビエ普及目指す:富山)
「とやまジビエ」の需要拡大に向け、関係者が連携して事業展開を目指す「とやまジビエコンソーシアム」の設立総会が16日、富山県富山市の富山電気ビルで開かれ、狩猟者、加工業者、飲食店関係者ら17人が情報交換した。県では2011年度からジビエの利活用を進め、基準に沿って処理されたものを「とやまジビエ」として普及を目指している。商品開発やイベント開催など、さらなる普及拡大に向けて同会を設けた。県農村振興課の加藤真一課長が「ジビエの普及が農作物被害の軽減につながる。今後の取り組みに向けて意見交換したい」とあいさつ。参加者からは「給食に使えばどうか」「通年で流通できる商品を作っては」「価格が上昇しており、補助が必要だ」などの意見が出た。今後は安全性と品質を確保するとともに、消費者向けの出前授業やイベント、交流サイト(SNS)などでPRを図る。

(ジビエ給食を初めて実施:神奈川)
近年、小田原市西部の箱根外輪山から広がる山林では、野生のニホンジカによるスギやヒノキの植栽木や下層植生への食害、樹皮剥ぎなど、森林の生態系に大きな影響を与えている実態があります。今回、鳥獣被害への知識と理解向上、有害鳥獣の有効活用、さらに命の大切さを学ぶ機会とすることを目的に、小田原市内久野小学校で小田原産鹿肉を使ったジビエ給食をイベント給食として初めて実施しました。

(金融マンから「猟師」「ジビエ料理店主」に転身:長野)
県外から長野県東御市に移住してジビエの飲食店をオープンさせた男性がいます。猟師として捕獲した有害鳥獣を使ってジビエ料理を作り、「地域の味に」と奮闘しています。また、猟師の担い手不足など地域の課題にも向き合い、次の世代につなげたいと意気込んでいます。だしを使って作った自慢のカレーに。焼いた肉をタレに漬け込んだ丼も。これらの料理に使われている肉は全て東御市内で捕れたシカやイノシシの肉「ジビエ」です。026年1月、東御市にオープンしたジビエ料理店「山肉料理ふくふく亭」。一人で店を切り盛りするのは、福島俊治さんです。福島さんは埼玉県出身の46歳。30歳のころ、勤めていた金融機関の転勤で長野県内の支店へ。信州の自然に触れ、暮らすうちに移住を考えるようになり、5年前に東御市に移住。そして、2025年5月、23年務めた金融機関を退職し、2026年1月、ジビエ料理の飲食店を始めました。実は福島さん、狩猟の免許を持った猟師です。アウトドアが好きで、信州の自然に触れる中で狩猟に興味を持ち、免許を取得。今は東御市の猟友会に所属し、銃やわなを使って有害鳥獣の駆除を行っています。福島さんが始めたのはもう1つ。店の隣に自分で作った「解体処理施設」です。約250万円かけて整備し、営業許可も取得。捕獲したシカやイノシシはここで処理しています。解体処理した肉は、冷蔵庫で1週間ほど寝かせ、熟成させます。料理では、肉だけでなく骨も使っています。時間をかけて丁寧に取っただしや熟成させた肉を使い、定食や焼肉など、豊富なメニューが並びます。猟師として有害鳥獣を捕獲し、それを加工して料理に出す福島さんの取り組みは、地域の課題解決にもつながるほか、次の世代への継承も意識しています。

(ニホンジカ丸ごと活用、アパレル企業の挑戦:兵庫)
獣害対策で捕獲されたニホンジカの「まるごと1頭有効活用」を掲げるアパレル企業がある。神戸市に本社を置く「メリケンヘッドクォーターズ」で、シカ革のバッグや財布などを作り、ジビエのレストランや精肉店も経営。骨まで生かし「命を無駄にせず、生活に新しい文化を広めたい」と代表は話す。

(「平戸いのしし」ブランド化、地域課題の解決:長崎)
鳥獣被害対策やジビエ利用に取り組み、全国や地域に貢献している個人や団体をたたえる農林水産省の本年度鳥獣対策優良活動表彰で、長崎県平戸市田平町の農業法人GreenPeace(市山宗社長)が、捕獲鳥獣利活用部門の農村振興局長賞を受けた。猟友会と提携したイノシシの捕獲、引き取り、専門的な知識に基づく食肉処理加工、インターネットなどを活用したジビエ肉の販売に取り組み、農作物被害対策や高齢化する猟友会の支援など地域課題の解決に貢献している点が評価された。同社は2017年、イノシシによる農作物被害の拡大や営農者の意欲減退を懸念し、捕獲後に焼却・埋却処分されるイノシシを地域資源として活用しようと食肉化事業をスタートさせた。「平戸いのしし」の名称でブランド化し、捕獲後の引き取りから下処理、加工、販売までを担う「6次産業モデル」を確立している。猟友会に対しては、独自協力金の支払いや、埋却処理の負担をなくすことで捕獲意欲の向上を図るとともに、食肉処理に適した捕獲方法を指導している。引き取ったイノシシは、自社の食肉工場でカットから検査、保存までを一貫して実施し、衛生マニュアルを設けて品質管理を徹底している。同社は「平戸は江戸時代、藩による植林が盛んに行われたことで良質のドングリが豊富に実る。それを食べることで肉質の良いイノシシが育つようだ」と話す。同社によると、昨年の処理頭数は約千頭。精肉のほか、ソーセージなどの加工品、ご当地グルメ「平戸ジビエ南蛮カレー」などを開発し、百貨店やオンライン、ふるさと納税などで販路を広げている。受賞は2月12日付。市山社長(45)は取材に「取り組みが評価されてうれしい。今後は広域的な事業展開によって生産量の増加を図りたい」と抱負を語った。

(創作シカ肉料理に舌鼓:北海道)
ジビエ試食会「鹿でNight」が2月27日、コワーキングスペースモトトバ(標津町川北63)で開かれ、町民が創作シカ肉料理に舌鼓を打った。町農林課が主催。町内で年間400~500頭捕獲されるシカを、町民に地域資源として身近に感じてもらうとともに、町内飲食店でのシカ肉利用拡大を図ろうと実施しており、今回で4回目となった。当日は川北地区の飲食店「あかつきダイニング」と標津町出身の店主が営む中標津町のカレー店「ocobore」、農林課の町地域おこし協力隊員でハンターでもある小野田傳治郎さんが腕を振るった。テーブルにはシカ肉のにぎりずしやハンバーグ、キーマカレー、ポトフなどの料理が並び、ビュッフェ形式で楽しんだ。このうちポトフにはシカのあばら肉を使用。筋っぽく避けられがちな部位を、じっくり煮込んでとろける軟らかさに仕上げた。参加した福岡県のの大学生の大西愛望さん(21)と菊渕歩美さん(同)は「しゃぶしゃぶとポトフがおいしかった。シカ肉は臭みがあるイメージだったが、高級な肉のように食べやすい」と箸が止まらない様子だった。町農林課の小野田さんは「シカは1頭まるごとおいしく食べられる。存分に価値を生かし、大事な資源として使っていきたい」と話していた。

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