<射撃ニュース3月>
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(ヒグマが30年前の2.3倍に、2022年末の時点で1万2175頭:北海道)
北海道に生息するヒグマの推定数が、30年前と比べて2.3倍になり、捕獲の強化に乗り出すことになった。北海道に生息するヒグマの推定個体数は、2022年末の時点で1万2175頭と、1990年と比べて2.3倍に増え、絶滅が危惧される水準にはないことが、25日に行われた専門家会議で報告された。これまでは、人間の生活圏への出没や農作物を荒らすなどの問題を起こしたヒグマを積極的に捕獲していた。しかし、個体数が増えていることから、被害を減らすことを優先して捕獲の強化に乗り出すことに舵を切ることにしたという。

(ヒグマ7500~1万頭に、駆除強化で2~4割減:北海道)
道は25日、道内のヒグマ生息数を2001~10年ごろの推定規模である約7500~1万頭にまで抑制する方針を固めた。直近の22年末時点の1万2175頭(暫定値)に比べ、駆除を強化して2~4割程度減らす。現行のヒグマ管理計画(22~26年度)の見直しの一環で、生息数抑制に向けた捕獲目標数を新たに決める。次期計画は24年度以降に策定でき次第、前倒しで施行する。農業被害や死傷事故が多発する中、人とのあつれきが顕在化していなかった頃の生息数に戻すことを目指す。25日に道庁で開いた専門家組織「ヒグマ保護管理検討会」で提案し、同意を得た。道によると、ヒグマによる道内の農業被害額は直近の22年度で2億7100万円と、01~10年度平均比でほぼ倍増。市町村が把握した目撃件数は22年度4384件と、記録が残る08~10年度平均比で1.8倍に増えた。道は昨年10月の検討会で、将来的にヒグマの捕獲目標数を設定すると表明し、残雪期の「春グマ駆除」の廃止など1990年代以降の保護政策を転換していた。各地で被害が相次ぐ現状を踏まえ、新たな管理計画の下、個体数の増加を食い止めるために複数年かけて集中的に駆除を強化する。捕獲目標数は管理計画の一部として、01~10年ごろの水準に時間をかけて戻すため、何頭を駆除するかを定める。計画全体に先駆け、まず5月にも捕獲目標数のたたき台を示す。

(ハーフライフル特例、審査「35日以内に」)
警察庁は25日の参院予算委員会で、今国会に提出している銃刀法改正案で規制強化を目指している猟銃「ハーフライフル銃」の所持許可について、クマやシカの狩猟・駆除に使う場合は初心者でも1年目から持てるようにする特例措置の審査を35日以内に速やかに行うよう、都道府県警を指導する方針を示した。

(狩猟の担い手育成へ、射撃の練習施設が完成:群馬)
クマなどの野生動物の出没や農作物への被害が深刻化するなか、狩猟の担い手を育成するための射撃の練習施設が群馬県に造られ、25日完成式典が開かれました。群馬県安中市に造られたのは、県営のライフル射撃場で、25日、県の職員や地元の猟友会のメンバーなど20人余りが出席して完成式典が開かれました。このなかで、県環境森林部の須田恵理子部長が「野生鳥獣とのあつれきの解消は大きな課題となっている。施設を大型哺乳類捕獲のための練習の場として活用していただきたい」とあいさつしました。県によりますと、県内の野生動物による農林業への被害額は年間およそ5億円にのぼる一方、狩猟免許を持つ人は、ピークだった40年ほど前の半数以下に減っていて、担い手の育成が課題となっています。完成した施設は、鉄筋コンクリート造りの平屋で、射撃を行う場所は5か所設置されていて、来月15日にオープンすることになっています。県猟友会の大矢力副会長は「完成を待ち望んでいました。若い狩猟者が施設を活用して銃の安全な取り扱いなどを学んでほしい」と話していました。

(クマに襲われて死傷した市民に見舞い金の支給検討:秋田)
北秋田市は、去年相次いだクマによる人身被害を受け、クマに襲われて死亡したり、けがをしたりした市民へ見舞い金を支給するなどの制度の実現に向け、検討することにしています。北秋田市では、去年10月19日午前に市中心部の市街地で5人が相次いでクマに襲われ、同じ日の夜には帰宅途中の中学生も襲われるなど、7月から11月にかけて15人が人的被害にあいました。市によりますと、ことしに入ってからも、今月13日までにクマの目撃情報が3件寄せられているということです。市は当初、クマによる被害は「不慮の事故」と捉え「見舞い金は考えていない」としていましたが、全国では野生動物に襲われて死傷した場合に見舞い金を出している自治体があることや、国が来月中にもツキノワグマを「指定管理鳥獣」にする方針を示したことを受け、見舞い金を支給するなどの制度の実現に向けて検討することになりました。北秋田市農林課は「具体的なことはまだ何も決まっていないが、前向きに検討していきたい。市民には引き続き、クマへの注意を喚起していきたい」と話しています。

(クマ対策はどうだ?有識者が検討会議:北海道)
北海道内ではクマが出没する時期となっていますが、近年のクマの個体数は30年前の2倍以上となっています。道では今後のクマの管理をどうしていくべきなのか、有識者から意見を聞く検討会が開かれました。道南の乙部町では今月(2024年3月)に入って、道路わきの斜面を歩くクマの姿が10日続けて目撃されました。草をかき分けて何かを探しているようにも見えます。ことしもクマが出没する時期となり、専門家が注意を呼びかけています。(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「冬眠から明けて雪解けの早いような斜面でエサを探しているんだろうと思いますけれども、人の生活圏の近くでもありますし、やはり地域の方たちの安全を考えると、ああいった場所で連日行動されているのは、あまり管理上よくないことかなと思いますね」。こうした人里近くに出没するクマを今後どのように管理していくのかー道は2024年3月25日、有識者から意見を聞く検討会を開きました。会議では、2022年度末でクマの推定個体数がおよそ1万2000頭と、30年前の2.3倍に急増していることが報告されました。一方で、クマの捕獲数が今年度の1月末時点で1356頭と、すでに過去最多を更新。専門家からは「切迫した状況にかわりない」と早急なクマ対策を求める声が聞かれました。道や札幌市では、近年相次ぐ人里近くでのクマの出没や若手ハンターの育成を目的に、今月から春期管理捕獲を始めました。道は今後、人里に近づく問題個体だけではなく、クマの個体数そのものを減らしていく方向で検討を進めています。(道・野生生物対策課ヒグマ対策室 武田忠義主幹)「従来の問題個体に着目した管理だけではなくて、個体数調整にも踏み込んだ管理が必要ではないかということをまず提案させていただきました。市町村や実施したハンターさんたちの意見も踏まえながら、今後どのように進めていくか、また改めて検討していきたいと思っています」道は、国がヒグマを指定管理鳥獣に追加することをうけ、問題個体を中心に捕獲を進め、個体数を1万頭以下に減らすことが望ましいとしています。5月に再度有識者会議を開き、エリアごとの捕獲対策や市町村との連携など対策を検討して行く予定です。

(奈良のシカ殺処分・駆除のエリア拡大へ:奈良)
奈良県で農業被害を引き起こしたシカを生きたまま捕獲し、「特別柵」と呼ばれる施設に収容する問題で、25日、県の検討委員会は、今まで駆除ができなかった緩衝地区のシカを、駆除の対象とする方向で今後検討していく方針を示しました。奈良の鹿は、国の天然記念物として手厚く保護されていて、捕獲して殺処分するハードルが高いとされています。奈良公園や春日大社、東大寺などがある奈良市の中心部から、東に5キロ以上離れた地域までの一帯では、シカの殺処分は一切禁止されています。さらに、中心部から10キロ以上離れた京都府との県境などを含むエリアでは殺処分は認められていますが、年間180頭までに制限されています。今回、駆除の対象区域として検討されている「緩衝地区」(C地区)は、シカの生息地域とそうでない地域の中間に当たり、このエリアでも現在はシカの殺処分が禁止されていて、捕獲したシカは「特別柵」で生涯にわたり収容されることになっていました。25日、県の検討委員会は、緩衝地区での農業被害が常態化し「特別柵」へのシカの収容が今後も増加することが懸念されるとして、緩衝地区に関しても駆除の対象とする方向で今後検討することを示しました。さらに、現在行われている「特別柵」での収容・終生飼育に関して、今後は捕獲した場所ごとで補殺または収容など管理に変化をつけることを検討するとしました。国の天然記念物である「奈良のシカ」をめぐっては、奈良の鹿愛護会が運営する保護施設のうち、農作物へ被害を与えたシカを死ぬまで収容する「特別柵」で、昨年度、65頭のシカが相次いで死んでいて、施設で働く獣医師が「虐待の疑いがある」と告発していました。これに対し、施設を運営する愛護会は、虐待を否定。奈良市は去年11月に調査結果を公表し、「動物虐待を裏付ける所見は見受けられなかった」と結論づける一方で、エサと糞が混じったり、水が汚れていたりするなど衛生環境に課題があり、衰弱死するシカが多いなどとして、改善を求める行政指導を行いました。ただ、農作物への被害を引き起こしても原則、殺処分ができず、特別柵に収容するシカが農業被害の深刻化とともに増えているという課題もあり、奈良県などは、「特別柵」のあり方について、見直す方針を示していました。

(駆除拡大は「遺伝子守るため」研究結果踏まえ委員長が見解:奈良)
天然記念物として保護されてきた「奈良のシカ」の駆除エリアが拡大される見通しとなった。生け捕りして奈良公園内にある鹿苑の特別柵で終生飼育する従来のあり方から大きな方針転換となる。「神鹿(しんろく)」とは何かが問われそうだ。25日に県庁であった「保護管理計画検討委員会」。元京都大講師の村上興正委員長は旧奈良市一円の鹿が天然記念物とされたことが「そもそもおかしい」と切り出し、奈良公園と春日山原始林などの保護地区一帯に限るべきだとの持論を展開した。福島大、山形大、奈良教育大でつくる研究チームは昨年から今年にかけ、保護地区の鹿は独自の遺伝子を持つことや、保護地区由来の鹿と旧奈良市外由来の鹿との交配が進んでいることを発表している。村上委員長はこの研究結果を踏まえ、「外から個体が入り、遺伝子攪乱(かくらん)が起きている。神鹿を保護しなければならない」とし、これまで生け捕りを実施してきた保護地区周辺の「緩衝地区」でも駆除を始める必要性を訴えた。他の委員からは「農作物の被害対策と、遺伝子の保護は分けて考えるべきだ」といった意見が出たものの大きな異論はなく、今後1年かけて緩衝地区での駆除解禁に向け議論する方向でまとまった。緩衝地区で畑を荒らすなどして生け捕りにされた鹿は、「奈良の鹿愛護会」が特別柵で終生飼育してきた。村上委員長は「野生鹿であり、ペットではない。一時保管にとどめることや、再度捕まった場合は殺処分も検討するべきだ」とも述べた。奈良教育大特任教授の松井淳委員は「緩衝地区は以前から矛盾のたまり場だった。殺すのはかわいそうだが、終身刑で置いておくのは動物福祉の観点から問題だ。方針を決めなければいけない」と話した。一方、オブザーバーとして参加した春日大社の北野治管理部長は「神鹿をどう定義づけるかは自分がどうこう言う話ではない」とことわりつつ、「神鹿を守ることは春日大社としては譲れない。人との共存を続けてほしい」と述べた。特別柵の鹿の衰弱を告発した奈良の鹿愛護会の丸子理恵獣医師は今回の方針を受け、「ただ殺処分を増やすようなことはやめてほしい」と要望した。

(『特別柵』での保護環境の不適切さ指摘され、新たな管理方法を検討:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」について、奈良県は駆除できるエリアの拡大を検討する方針を決めました。奈良のシカは、1957年に国の天然記念物に指定され、奈良県は保護地区などを定めて守っています。「緩衝地区」で農作物を荒らすなどしたシカについては、奈良の鹿愛護会が生け捕りにして、奈良公園にある「鹿苑」の「特別柵」で保護しています。しかし、特別柵で飼育されているシカは270頭ほどにのぼっていて、奈良県などの調査で保護環境が不適切だと指摘され、対策が検討されています。こうした問題を受けて、奈良県の有識者委員会は、シカを駆除できるエリアの拡大など、新たな管理方法を検討する方針を決めました。委員会では2025年度中に新たな管理ルールなどを取りまとめるということです。

(ことしの傾向と春グマの注意点:北海道)
道内では3月に入ってクマの目撃情報が寄せられ始めています。冬眠から目覚める時期や春のクマの注意点について、専門家に聞きました。今月18日午前10時半ごろ、道南の乙部町で町内に住む男性がヒグマを見つけ、撮影しました。国道沿いののり面で雪のちらつく中、1頭のヒグマが枯れ草をかき分けたり、顔をうずめたりしている様子がわかります。男性は、「クマが出ていると聞いて行ってみたらクマがいて驚きました。クマは何か食べ物を探している様子で、一緒に息子もいたので怖くて車からは離れられませんでした。近くで見ていた人は駆除してもらわないと困ると言っていましたし、通学路でもあるので心配です」と話していました。町によりますと、この周辺では今月11日から20日にかけて毎日目撃情報が寄せられていたということで、クマの体長はおよそ1.2メートルほどでいずれも同じ個体だとみられるということです。町は、クマの目撃情報があった際には住民に注意を呼びかけるとともに警察と連携してパトロールにあたっているということです。クマの生態に詳しい北海道大学大学院獣医学研究院の坪田敏男教授によりますと、クマが冬眠から目覚める時期は年々早まっていると指摘します。坪田教授は「40年ほど前は4月に入ってから目覚めるのが一般的だったが今は3月中に目覚めるのが当たり前になっている。暖冬化が強く影響している」と話しています。その上で、「去年はドングリが不作で栄養状態が悪いまま冬眠に入ったクマが多いとみられ、そういう点でも覚醒が早まる傾向にある」と、例年よりもさらに冬眠期間が短くなる可能性を指摘しました。冬眠明けのクマの被害に遭わないために気をつけることを聞きました。坪田教授がまず挙げたのが山菜採りです。坪田教授は「冬眠から覚めたクマはその辺に生えているやわらかい草を食べる。彼らもえさを探すのに必死で人への警戒心が薄れているし、山菜を採る人も周りへの注意を怠る中でばったりと出会ってしまう。山菜があるところにはクマがいると思ったほうがいいので、山菜採りで山に入るときには十分に気をつけてほしい」と話していました。そのうえで残飯などの処理の徹底を呼びかけています。坪田教授は「人里近くまで出てきてたまたま残飯があったりすると居ついてしまう。クマは嗅覚がとてもいいので徹底して生ゴミの管理をしてもらう必要があります」と話していました。

(暖冬でクマが早期活発化の恐れ:石川)
クマによる市街地での人身被害を防ごうと、石川県や県警などは、白山市で地域住民を交えた合同訓練を行った。暖冬の影響で今春はクマの活動が例年より早く活発化する恐れがあり、約50人の参加者は住宅地での出没に備え、住民の安全を確保する段取りを確認した。県内では昨年、2020年以来となるクマによる人身被害が相次ぎ、重軽傷者は5人に上った。同市でも12月、市街地に現れたクマに男女3人が襲われる事案が発生しており、人身被害の防止が急務となっていた。15日に同市荒屋町で行われた訓練は、住宅街の倉庫で体長約1メートルのクマが目撃されたという想定で実施した。白山署員や市職員らは、車から「戸締まりし、建物の外に出ないで」と呼びかけ、街中を移動したクマの居場所を捜索。神社の境内でクマを発見すると、捕獲方法を検討し、県白山自然保護センターの職員が麻酔銃でクマを捕獲するまでの流れを確かめた。訓練で市職員にクマの進行方向などを伝えた参加者は「捕獲までの流れが分かって、少し安心した」と振り返った。同市などでは今年に入ってから、クマの目撃情報が計4件(14日現在)寄せられている。県はホームページで出没情報を公開しており、ポスターでも冬眠明けのクマへの警戒を呼びかけている。県自然環境課の能登守課長は「早朝や夜に1人で出歩かない、生ゴミを放置しないといった対策を徹底してほしい」と話した。

(「殺さないでほしい」電話やメールで“苦情”10件以上:北海道)
北海道南部の乙部町でクマの出没を受け、箱わなを設置したことをめぐり、乙部町に「殺さないでほしい」などと苦情の電話が相次いでいます。3月11日から10日続けて乙部町豊浜の国道脇にクマが姿を現し、乙部町は箱わなを2個設置しました。この箱わなをめぐり町に苦情の電話が相次いでいます。多くはクマを心配するもので「なぜ箱わなを設置するのか。殺さないでほしい」などと10件以上寄せられています。乙部町の担当者は「気がめいってしまう。住民が安全に暮らしていくための対策をしているだけです」と話し、苦情への対応策も検討していくとしています。

(シカが関係する交通事故急増:北海道)
シカが関係する交通事故が相次いでいることを受け、留萌市では警察などがドライバーに対して、シカの道路への飛び出しに注意して運転するよう呼びかけました。啓発活動には留萌警察署の警察官や留萌開発建設部の職員などあわせて20人が参加しました。はじめに、参加者たちは、シカが関係する交通事故が多い小平町内の国道232号線に集まり、シカの数の増加に対して駆除が追いついていないことや、この時期、エサを求めて群れで活発に動くため、事故が起きやすいことなど、情報を共有しました。続いて、一行は留萌市の道の駅に移動して、訪れたドライバーにシカとの事故が起きた場所が一目で分かる地図を手渡し、道路への飛び出しなどに注意して運転するよう呼びかけました。留萌警察署によりますと、留萌市と増毛町、それに小平町では2023年、シカと関係する交通事故が31件発生しています。2024年は去年を上回るペースで事故が増えていて、25日までにすでに25件起きているということです。留萌警察署の遠藤辰哉交通課長は「今後も関係機関と情報を共有して、増加するシカとの事故への対策を考えていきたい」と話していました。

(ジビエ事業など34件に是正指摘:徳島)
徳島県の予算が適切に使われたかを外部の専門家がチェックする包括外部監査の結果が26日に公表された。2022年度の事業が対象となり、捕獲鳥獣をジビエ料理などに活用する「阿波地美栄事業」で不適切な補助金交付があったと指摘するなど、予算執行に一層の注意を求めた。地方自治法などに基づく措置で、今回の監査は新型コロナウイルスの感染影響などの経済対策や物価高騰対策とされた45事業を対象にし、是正が必要な指摘が34件あった。阿波地美栄については、新商品開発を県が支援するにあたり、事業者の自己申告にすぎない「自己宛て領収証」を認めていたことや、電動ノコギリなどの購入品を「消耗品」と認めて補助対象としたことを不適切と判断した。また、経営が厳しい路線の利用促進などを支援する「公共交通スマート利用応援事業」では、経費項目に挙げられた「航空関係調整」は具体的でないとして、「実態の不明瞭な経費」と判断。計上された約48万円の返納を事業者に求めるよう促した。このほか、緊急性を理由とした「1者のみ」の随意契約が散見される▽実質的に経費の100%を補助して補助事業の趣旨に反する、などと指摘した。監査人の梶野正寛弁護士は記者会見で「事業ごとに『緊急性』を勘案しても適正さを欠くものがあった。改善してほしい」と述べた。

(シカ被害防ぐ防護柵200か所余、破損のまま適切に管理されず)
シカによる森林被害を防ぐため、国の補助金を使って整備された防護柵の状況を会計検査院が調査した結果、全国200か所余りで破損したまま適切に管理されていなかったことが分かりました。野生鳥獣による森林被害は、2021年度はおよそ4900ヘクタールと東京ドーム1000個分を超え、その7割がシカによる被害となっていて、農林水産省は自治体や森林組合がシカの侵入を防ぐ防護柵を設置する際に補助金を出しています。この防護柵について、会計検査院は2021年度までの6年間に19の道と県に整備された623か所の状況を調査しました。その結果、213か所が倒木や積雪などの影響で破損したままになっていたことがわかりました。このうち116か所で、シカなどによる食害で森林被害が確認されたということです。防護柵の効果の維持には点検が重要だということですが、11か所では点検が1度も行われておらず、198か所では雑草を刈るついでなどに実施されていて不十分だったとしています。これらの防護柵の整備には総額でおよそ1億2300万円の補助金が充てられており、会計検査院は農林水産省に対し、現場に適した維持管理の方法の検討などを助言するよう求めました。農林水産省は「指摘を重く受け止め、点検の重要性を周知していきたい」としています。

(美しい伊吹山を取り戻せ:滋賀)
大雨で登山道が崩落し、ふもとからの登山ができない滋賀・岐阜県境の伊吹山(1377メートル)。ニホンジカが急増して高山植物を食べ尽くすなど、深刻な被害となっている。地元の滋賀県米原市が「伊吹山植生復元プロジェクト」を打ち出し、2年目に入った。取り組みをさらに強化する方針だ。

(ライフル射撃場に再利用の太陽光パネル:徳島)
今後、大量に廃棄されるとみられる太陽光パネルの再利用に向けた実証実験が始まるのを前に、2024年3月26日、現地でメディア向けに見学会が開かれました。太陽光パネルは耐用年数が25年程度とされていて、今後大量に廃棄されると見込まれています。そのため、パネルの販売を手掛ける企業と徳島市がこのほど協定を結び、徳島市ライフル射撃場の屋根を利用して、使われなくなったパネルを再利用した実証実験を4月1日から開始します。26日の見学会では、はじめに内藤佐和子市長が「この実験を通して持続可能な自然循環システムの実現に取り組みたい」と挨拶しました。実験では、射撃場の屋根に使用期間10年以内の太陽光パネルを24枚置いて、発電データなど収集を行います。これらのパネルの性能や発電量の信頼性を1年間かけて検証し、今後、再利用パネルとして販売する事業の確立を目指します。(徳島市 SDGs推進室長小原和浩さん)「見学とかもしていただけますので、是非こういう取り組みを行っていること、また市民の方一人一人が自分なりの取組ができるような啓発を進めていきたい」。

(低周波音でクマ撃退:山梨)
山梨県富士河口湖町の自動車部品製造会社が、低周波音でクマを追い払う装置を開発した。センサーでクマの接近を感知すると大きな音を出す仕組みで、実験ではクマが嫌がって近寄らなくなる効果がみられた。冬眠明けなのか、このところ北海道や東京では、人里に出没するクマの目撃情報が相次ぎ、住民の間に警戒感が広がっている。装置は既に北海道と岡山県で設置されており、問い合わせも寄せられているという。クマよけ装置は、富士河口湖町の「T.M.WORKS」(轟秀明社長)が開発し、岡山理科大(岡山県)や帯広畜産大(北海道)と共同で実証実験した。クマが装置から1~7メートル程度に近づくと赤外線が感知し、80~120ヘルツの低周波の音を組み合わせて断続的に出す仕組み。轟社長によると、80~120ヘルツは、クマが警戒している時に発するうめき声と同程度の周波数という。北海道と岡山県で2020~23年に行った実証実験では、音が出るとクマは逃げ、その場所に近寄らなくなったという。イノシシにも効果がみられたため、同社は装置を「いのドン・くまドン」と名づけた。同社は18年、シカと車との衝突事故を防ぐ目的で、高周波音でシカを遠ざける車載装置「鹿ソニック」を発売。その後、この技術を応用してイノシシ用装置の開発に着手、併せてクマ用も開発することにした。価格は太陽光発電パネルなどとセットで25万3000円(税込み)で、既に北海道や岡山県のキャンプ場などで導入されている。環境省によると、今年度のクマによる人的被害は2月末時点(速報値)で197件、218人で、このうち6人が死亡している。東北地方での被害が目立つ。昨年10月には、伊藤環境相が「クマの生息域にむやみに入らない」「柿などの果実やクマを誘引する農作物を適切に管理する」などと注意を呼びかけている。轟社長は、クマとの遭遇を避けるため、機械を人が通る場所に設置したり、電気柵と組み合わせたりすることが有効としたうえで、「動物の行動や生活環境が変わっていると認識することが必要」と、機械に頼り切らず、人が注意することも重要と呼びかけている。

(飛行機も鳥も安全に、高周波音で衝突回避の実験:大阪)
空港で離着陸中の航空機に鳥が衝突する「バードストライク」を防ごうと、関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港で、鳥が嫌がるという音波を出す装置を使った実験が今月から始まった。3空港を運営する関西エアポートは1年かけ、岡山理科大などと効果を検証する。装置は、山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」が、岡山理科大の辻維周(まさちか)教授の協力で開発した「バードソニック」。シカやイノシシと走行中の車との衝突などを防ごうと開発された、高周波の音波を使って野生動物よけにするT.M.WORKS社の「鹿ソニック」を鳥用に改良した。辻教授によると、数年をかけて、鳥の種類ごとに嫌がる高周波を確かめたという。関西空港には2台設置。太陽光パネルを電源に、高周波の音波をランダムに出す装置を使って、滑走路付近から鳥を遠ざける。空砲など従来のものと合わせて使い、鳥の飛来数の変化をチェックするという。空港で離着陸中の航空機に鳥が衝突する「バードストライク」を防ごうと、関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港で、鳥が嫌がるという音波を出す装置を使った実験が今月から始まった。3空港を運営する関西エアポートは1年かけ、岡山理科大などと効果を検証する。装置は、山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」が、岡山理科大の辻維周(まさちか)教授の協力で開発した「バードソニック」。シカやイノシシと走行中の車との衝突などを防ごうと開発された、高周波の音波を使って野生動物よけにするT.M.WORKS社の「鹿ソニック」を鳥用に改良した。辻教授によると、数年をかけて、鳥の種類ごとに嫌がる高周波を確かめたという。関西空港には2台設置。太陽光パネルを電源に、高周波の音波をランダムに出す装置を使って、滑走路付近から鳥を遠ざける。空砲など従来のものと合わせて使い、鳥の飛来数の変化をチェックするという。

(野生動物の生態に理解を:北海道)
ヒグマやエゾシカとの共生を考える講座「野生動物に学ぶ」が24日、札幌市北区の札幌エルプラザで開かれた。環境団体「エコ・ネットワーク」(札幌)の小川巌代表が講師を務め、「エゾシカやヒグマの知られざる能力と知恵」と題して、市街地に出没するヒグマやエゾシカの生態などについて解説した。

(狩猟から加工まで、シカ活用へ起業:北海道)
シカの狩猟、食肉加工・出荷から銃砲販売までを一元的に取り扱う会社「ノースディア 蝦夷八(えぞはち)」を、町内在住のハンター北村直樹さん(48)が設立した。地域資源としてシカを有効活用し、自然の恵みの循環を目指す考えだ。

(「クマ」が社名の地ビールメーカーが動物園に寄付金:岩手)
盛岡市の地ビールメーカーが26日、盛岡市動物公園ZOOMOに寄付金を贈りました。寄付金はクマとの共生を目指した教育活動などに役立てられます。ZOOMOに寄付金を贈ったのは、盛岡市に本社を置くベアレン醸造所です。26日は嶌田洋一社長から辻本恒徳園長に寄付金6万円の目録が手渡されました。ベアレンは去年、ZOOMOのリニューアルオープンを記念したビールを手掛けていて、ラベルには飼育されているクマがデザインされました。贈られた寄付金は記念ビールの売り上げの一部です。ZOOMOは寄付金を人とクマの共生を目指した活動に充てることにしていて、親子でクマについて学べるボードゲームを使った教育活動などを行う予定です。またベアレンとZOOMOは4月15日からコラボレーションビールを数量限定で販売する予定です。

(「鳥獣との付き合い方考えて」猟友会の活動を紹介:長野)
猟友会の活動を紹介する展示「猟師の世界をご覧あれ」が、麻績村地域交流センターで開かれている。狩猟で使うくくりわなや猟銃に似た模擬銃などを展示し、猟友会の活動を知ることができる。村公民館が主催し、松塩筑猟友会日向支部、麻績支部などが協力した。会場には、獣を追い込んで捕らえる猟の手法「巻狩(まきがり)」を紹介する写真38枚を展示。鳥獣被害対策として猟友会がシカやイノシシなどを捕獲している様子を紹介している。村内で捕獲されたシカやクマなどの毛皮やシカの皮を使った工芸品、ジビエ料理を紹介するパネルなども並べた。同村と筑北村坂井を担当する鳥獣保護管理員の新海秀幸さん(66)は麻績村でもシカが増加傾向といい、「増える獣をコントロールするのが人間の役割。中山間地域の麻績村でイノシシやシカなどとどう付き合っていくか考えてほしい」と話している。入場無料で4月14日まで。土・日曜午後1~3時には会場で猟友会員や鳥獣保護管理員から説明を聞くこともできる。

(目撃件数、すでに50件:秋田)
2023年は1年間のクマによる人身被害が過去最悪の70人に及ぶなど、“異常”といえる事態だった秋田県。2024年に入ってからは、例年より早い時期からクマの目撃情報が多く寄せられている。新しい年を迎えてから3月24日までの約3カ月間で、50件のクマの目撃情報が寄せられている。2023年の同じ時期は3件だったことからも分かるように、本来はクマが冬眠している時期で、例年はほとんど目撃情報がない。ことしの目撃情報の多くは、私たちの「生活圏」だ。2月、秋田市御所野湯本の物流倉庫でクマ1頭が目撃され、約3日間にわたり倉庫の中にとどまった。このクマは体長90センチの雌で、体重は約16キロと痩せていて「冬眠から目覚めたクマの可能性が高い」とされた。また、2月から相次いで目撃情報が寄せられているのは、秋田市手形地区。すぐそばには秋田大学があり、学生など人が行き交う場所だ。「だいたい30分くらい行ったり来たり、ここら辺をウロウロしていた」と話すのは、秋田市の手形大沢町内会の松渕孝会長。2月19日に自宅から撮影した写真には、体長約50センチのクマの姿が捉えられていた。クマは約30分とどまった後、やぶの中に入っていったという。また3月10日には、別の住民が自宅の玄関先でクマを目撃した。松渕会長は「周辺に出没しているのは同じ個体の可能性がある」と指摘する。秋田市は近くに箱わなを設置したが、個体の特定や捕獲には至っていない。過去5年間では、この時期に市内に箱わなを設置したことはないという。人の生活圏でクマが多く目撃されていることに加え、2023年は過去最悪の人身被害が発生しているため、不安を感じている人は多いと思う。2024年も同じように被害が起こる可能性はあるのだろうか。県内では2023年に、これまでで最も多い約2300頭のクマが捕獲された。これにより「生息頭数」は減っていると考えられている。一方で、クマの生態などに詳しい東京農業大学の山崎晃司教授は「クマの分布域が広がり、集落周辺に近づいている」と指摘する。東京農業大学・山崎晃司教授:「雪がなければ地面に落ちている餌を探すことができる。クマの冬眠は食べ物がないからするので、食べ物を見つけられるチャンスがあればクマが出てきてもおかしくない」。冬眠から覚めたクマは食べるものを探すが、山崎教授は「2023年に約2300頭捕獲していて、秋田の個体数は半減しているとみられる。プラス狩猟期間もあったので約2500頭は捕獲していると思う。いま出没しているクマは、2023年の捕獲の影響を受けて、栄養状態が悪いクマの可能性が高い」とみている。「栄養状態の悪いクマ」は、食べるものがある人里にすみ着く恐れがあるという。クマがすみ着く前に、寄せ付けない対策をする必要がある。東京農業大学・山崎晃司教授:「集落周辺にクマの分布域が広がっていることは事実。これ以上集落周辺にクマを執着させないためには、この季節だったら、コンポストや裏庭にごみ捨て山などがあるとすれば、きちんと管理する。これから農作物が実ってくるときには、収穫をきちんとする」。2023年からの繰り返しになるが、2024年も私たちの生活圏でクマに遭遇する可能性は十分にある。「いつでも、どこでも、誰にでも」危険性があることをしっかりと認識し、クマの餌となるものを置いたままにしないなど、クマを人里に寄せ付けないように一人一人が心がける必要がある。

(近づく春、クマ出没:新潟)
23日朝、長岡市で、犬小屋のペットフードをあさるクマが目撃されました。警察によりますと23日午前7時50分ごろ、長岡市上樫出地区で、「民家の敷地内にある犬小屋付近でペットフードをクマがあさっていた」と住民から近くの交番に通報がありました。クマはその後、南側の山中に走り去ったということです。警察が住民に注意を呼びかけ警戒にあたっています。

(クマ出没:栃木)
22日、那須烏山市でクマ1頭が目撃されました。けが人はいませんでした。22日午後6時ごろ、那須烏山市南大和久の住宅の敷地に体長およそ1・7メートルのクマ1頭がいるのを、近くに住む人が見つけ警察に通報しました。クマは北側の林に逃げ、けが人はいませんでした。クマが目撃されたのは、南大和久公民館から北におよそ300メートルで、住宅が立ち並んでいます。那須烏山警察署は付近をパトロールするとともに、注意を呼びかけています。

(“またクマ出現”カメラ至近距離で住宅街に不安:秋田)
3月中旬並みの気温となった秋田市。続々と目を覚ましているのでしょうか。26日午後1時ごろ、まだ枯草が多い斜面にツキノワグマが現れました。その場所は秋田高校、そして西に住宅地や秋田市の中心街が広がる地域です。体長約50センチメートルとみられる子グマ。同一の個体とみられるクマは25日も付近に出没していました。子グマはこの後、立ち去ります。しかし、約2時間後に再びクマが現れたのです。クマは一体なぜ、この場所に現れたのでしょうか。専門家は…。動物研究家 パンク町田氏「大体、4カ月の冬眠期間があるので、冬眠からクマたちが起き始めた。起きて数日すると、おなかが無性に減る。クマは新芽が大好き。恐らく新芽を探していた」。映像を確認して見ると、確かに枯草の合間に生える青々とした植物を口にしているのが確認できます。動物研究家 パンク町田氏「(母グマは)そばにいると思いますよ。人間のイメージで『そば』っていうのは1から3メートルですけど、クマからすると100から200メートル離れてもそば。子グマといっても力はめちゃくちゃすごい。力はプロレスラーぐらいある。見た目にごまかされて寄らない。子グマがじゃれ付いてきたら人間はけがをする。そばに寄っては駄目」。

(ごみ集積所にクマが頭を:岩手)
3月26日夜、岩手県花巻市内の旅館の敷地内にあるごみ集積所がクマに荒らされる被害がありました。人への被害は確認されていません。26日午後10時50分ごろ、花巻市湯口にある大沢温泉の駐車場で「ごみ集積所の扉に頭を突っ込んでいるクマがいる」と従業員から警察に通報がありました。警察や地元の猟友会などが駆けつけ爆竹などを使ってクマを追い払うと、クマは東側の山林に向かって走り去ったということです。このクマによる人への被害は確認されていませんが、生ごみなどが捨ててあったゴミ集積所の引き戸の扉1枚が外され他の扉にはツメで引っかかれた跡もあったということです。クマは体長1メートルほどの成獣とみられ警察は付近の住民などに注意を呼びかけています。

(クマ目撃:福島)
警察によりますと、27日午前9時40分ごろ、福島県会津若松市東山町湯本で、クマ1頭が目撃されました。これまでに、クマによる被害は確認されていません。警察は、会津若松市に情報提供するとともに、付近の警戒や広報を行っています。

(クマの目撃相次ぐ:秋田)
クマの目撃情報が相次いでいる秋田市手形で秋田朝日放送の取材班がクマと遭遇しました。近くには高校や住宅が立ち並んでいて警察が注意を呼びかけています。慌てて車をとめ撮影を始めたのは26日午後0時20分ごろです。クマの目撃が相次いだ秋田市手形の市道を走行中のことでした。クマが逃げた方向へ進むとまだすぐ近くに姿が見えました。クマはゆっくりと歩きこちらの様子を気にしてか茂みへと入って行きました。その約30分後の午後0時50分ごろに再びクマを目撃した現場の近くを訪れると…草に紛れてタイヤのように見えた黒い陰の正体は体長50センチほどのクマでした。クマは何かを食べるような仕草を見せながらこの場所で20分ほど過ごすと、どこかへ行ってしまいました。目撃が相次いでいるのは秋田市手形地区で、2024年は3月25日までに8件の目撃情報が寄せられています。体長はいずれも30cmから50cmだということです。26日取材班が遭遇したのは秋田高校のすぐ裏でした。新入生に向けたオリエンテーションが行われていたという秋田高校では職員がさすまたを持って下校を見守る厳戒態勢となりました。生徒と保護者には注意喚起の一斉メールを送ったということです。さらに、24日には視聴者が住宅のすぐ近くを走るクマの姿を撮影していました。自転車に乗って高校から現場近くの自宅に帰る途中にクマに遭遇したそうです。さらに別の住民も目撃し孫を通じて110番通報しました。駆けつけた警察は爆竹を鳴らすなどして対応していたということです。秋田市は手形地区で目撃が相次いでいることを受け今後箱わなの設置を検討しているということです。秋田県の自然保護課は体長が小さいクマでも鉢合わせると人を襲うことがあるとして見かけた場合は決して近寄らないよう呼びかけています。

(大槌町の食肉加工会社「国産ジビエ認証」東北で初めて取得:岩手)
シカの肉を使ったジビエ料理で町おこしに取り組んでいる大槌町の食肉加工会社が国が衛生的な管理や流通を行う事業者を認定する「国産ジビエ認証」を東北で初めて取得しました。国産ジビエ認証を受けたのは大槌町の食肉加工会社「MOMIJI株式会社」です。この会社は2019年に設立され畑を荒らすなどして有害駆除されたシカを食肉として活用する取り組みを続け、去年4月には町の財政支援も受けて新たな工場を稼働させています。会社によりますとこのたびジビエを安全に流通させようと国が6年前に設けた「国産ジビエ認証」を東北の施設としては初めて取得しました。これにより商品に認証マークを表示できるほか、取引先などへ商品の安全性をPRすることができるということです。MOMIJIの担当者は「ジビエの認知度はまだ低く、この認証を機に皆さんがジビエを知るきっかけとなってほしいし、安心安全なジビエをぜひ食べてほしい」と話しています。岩手県内では令和4年度にハンターによって2万6千頭余りのシカが捕獲されており、シカの肉などをどう有効に活用していくかが課題となっています。

(南信州のジビエ料理10品が楽しめる:長野)
阿智昼神観光局が運営する、観光拠点施設「ACHI BASE(阿智ベース)」の飲食スペースでは、3月16日(土)~6月30日(日)の期間、南信州のジビエ料理が楽しめる「ACHI BASE 期間限定 ジビエフェア」を開催中だ。

(花見をしながらジビエ楽しむ:静岡)
移住検討者と地域住民たちの交流を図るイベント「ジビエケバブを囲んでお花見交流会」が3月30日、旧依田邸(松崎町大澤)前の那珂川の河原で開かれる。町への移住促進に取り組む有志団体「伊豆まつざき田舎暮らしサポート隊」が主催する。昨年に引き続き2回目となる同イベント。見頃を迎える那賀川の桜並木の下で、移住検討者が地域住民と知り合うきっかけを作ることや、移住間もない人が新たなつながりを見つけることを目的に開く。イベントを主導するのは、同団体メンバーの伊東亨さん。都会ではなかなか食べることのできない、鮮度が大事なジビエを使ったドネルケバブを振る舞うため、ドラム缶を使ったグリルを自作。松崎町にジビエ解体施設を立ち上げた猟師の関隼人さん(WILD WEST)から鹿と猪の肉を仕入れる。「最近は狩猟や林業に興味がある人や、自然を感じられる仕事がしたいという問い合わせが増えてきている。肉を自給する機会は少ないので、そんな場を作れたら」と話す伊東さん。「松崎町は資源が豊富だが、見知らぬ場所に入る最初のきっかけを作るのは難しい。このような交流イベントを定期的に企画したい」と意欲を見せる。

(花見客狙い、南信州産ジビエフェア:長野)
阿智昼神観光局(下伊那郡阿智村)は、南信州産のジビエ(野生鳥獣肉)を使った料理を販売するフェアを観光拠点施設の「ACHI BASE(アチベース)」で開いている。村内で加工処理された鹿肉や、飯田市遠山郷産のイノシシやウサギの肉などを使ったメニューを提供。ハナモモの見頃となる春に合わせて企画。花を目当てに訪れたシニア層らに、信州らしさをアピールする。メニューは計10種類。鹿肉では、ロース肉を低温調理した「鹿肉のロースト」(1500円)や、ミンチをトマトと煮込んでパスタに絡めた「鹿肉ボロネーゼパスタ」(1200円)など5種類を用意。他に「イノシシ焼肉丼」(1300円)や「うさぎの唐揚げ」(1500円)などもある。6月30日まで。観光局が村内で運営する別の飲食店でジビエのメニューを提供していたところ、好評だったことからフェア開催を決めた。

(害獣駆除からジビエ料理までを6次産業化:岐阜)
岐阜の中心部からクルマで1時間ほど。岐阜県の最西部に位置する揖斐川町(いびがわちょう)の里山に、ジビエ(野生鳥獣肉)料理を提供するレストランがある。ジビエの原料となるのは、主に増えすぎて農業被害をもたらすシカ。獣害対策による捕獲から、解体処理、製品への加工、レストランなどでの提供という「6次産業」が町の中の谷汲地区で循環している。ジビエ利活用事業を手掛けるキサラエフアールカンパニーズの代表取締役社長 所 千加氏と、岐阜県の鳥獣害対策室の林 邦博氏、熊﨑真由氏に、谷汲地区で育まれてきたジビエ利活用の取り組みについて尋ねた。岐阜県揖斐郡揖斐川町の谷汲地区にジビエのレストラン「シャルキュトリー ・レストラン 里山きさら」がある。シャルキュトリーとは、肉に火を入れることを示すことが語源のフランス語で、ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなどの食肉加工品の全般を指すという。里山きさらでは、豚肉に加えて、シカやイノシシなどの野生鳥獣肉(ジビエ)を用いた自家製のシャルキュトリーや、シカ肉、谷汲産の野菜や魚などの料理を味わえる。ジビエを中心にしたレストランを率いるのは、キサラエフアールカンパニーズの代表取締役社長 所 千加氏である。ジビエの素材になる鹿や猪は、農産物への影響がある害獣でもある。地域の農業を守るために不可欠な害獣駆除を推進する中で、ジビエを素材にした高付加価値商品を提供することで、岐阜発のジビエ文化を広めていく途上にある。所氏は、谷汲に近い地域の里山に育ってきた。そんな所氏も、子どものころはシカやイノシシの姿をあまり見ることはなかったという。「15年ほど前からよく姿を見かけるようになりました。昔は狩猟を趣味にしている方も多かったですが、高齢化などにより狩猟者も少なくなり、獣害が大きな問題になってきました」と語る。実際、岐阜県の獣害の状況はどのようなものか。岐阜県 鳥獣害対策室 鳥獣害対策係 技術課長補佐兼係長の林 邦博氏は「シカは保護政策が取られていたこともあり、2010年には県の鳥獣害の被害が4億8000万円にも上りました。翌年には知事をトップにした対策本部を設け、積極的に鳥獣害を減らす取り組みを進めています」と説明する。鳥獣害の中でもシカの被害は大きな位置を占めている。以前は10万頭にもあると言われたシカの生息数は、対策を進めてきた後の2019年の調査でも7万頭が確認されている。県としては、7万頭を半減させることで獣害を抑え込む計画を立てた。シカによる被害を抑えるためには、農地に寄せ付けないために柵を作ることと、増えすぎた数を減らすための捕獲をすることが対策になる。捕獲目標は年間1万5000頭である。岐阜県では現在までに総延長2600kmにも上る柵を用意してきたが、農道などは柵を作れず、完全に封じ込めることは困難だ。捕獲については、被害者からの依頼による有害鳥獣捕獲だけでは目標の個体数減少にペースが追いつかない。そこで県内の市町村に対して、個体数調整を目的とした捕獲の実施を求めた。毎年11月から翌年3月ごろまでの間に、主にわな猟で捕獲する。「個体数調整捕獲を実施することで、年間2万頭の減少に成功しています。シカによる獣害も2億円まで減少し、ピーク時の半分以下になりました」(林氏)。一方で、捕獲したシカを廃棄するにも費用がかかる。県の鳥獣害対策係 技士の熊﨑真由氏は「ただ処分するのにお金を使うのではなく、なんとか利用して利益にしていこうとの考えから、ジビエ利活用が進んできました」と語る。そうした県の取り組みと歩みを合わせるように、所氏もシカに関する問題を重視するようになっていた。「シカを捕らないと、地元の農業などが大きなダメージを受けます。当時から飲食店を経営していたため、『シカは食べられるからうまく活用しよう』と考えたのがきっかけでした。捕獲して商品になれば一石二鳥だろうという軽い気持ちでした」(所氏)。シカなどのジビエは、フランス料理では高級食材としてもてはやされているという知識もあった。一方で、飲食店を経営していた所氏ですら「匂いが独特なのではないか」と心配する気持ちもあった。10年ほど前のことで、国による捕獲事業はまだ用意されていなかったが、「捕獲しないと課題が解決しないと考えました。そこで狩猟免許を取得した上で、2013年には補助金などの整備がなされていない中で解体処理施設を作って取り組みを始めました」(所氏)。個体数調整捕獲のハードルの1つが狩猟者を集めることだった。個体数調整捕獲ができるのは年間の4分の1ほどの期間でしかなく、通年の事業にはならない。そうした中で、個体数調整捕獲を始めるに当たって、狩猟者免許の取得やわな猟の設備の準備などの手間と費用はかかるが、県から100万円の補助がある。その上、捕獲1頭当たり1万5000円の補助金も得られる。所氏は、こうした情報を地域の自営業者などに提供し、狩猟講習会の開催などのサポート役も買って出て地域が自立して営農を守る取り組みを進めた。「個体数調整での狩猟は、わな猟が中心です。猟銃を使う狩猟に慣れた昔からの猟師は、わな猟は危険だと言いますが、きちんとしたやり方を学べば私たちのような一般人でも安全にシカを捕れることを教えていきました。その上、1頭で1万5000円が自分の収入になります。多い人では1シーズンに200頭も捕獲しますから、冬場のビジネスになるのです」(所氏)。こうした教育と情報共有により、谷汲地域の狩猟者は80名を数えるようになった。もう1つの課題が、捕獲したシカの解体処理の方法と食肉にするためのノウハウだった。捕獲したシカは、適切な処置をして証拠を残し地中に埋設すれば補助金が得られるが、それではジビエの利活用にはつながらない。安全衛生を確保した上で解体処理をして、食肉などへの転用を支援する設備が必要だ。所氏は、自前で解体処理施設を立ち上げた。「捕獲して持ち込んでもらう解体処理施設は不可欠でした。自分たちで組み立てた施設なのでハード的に素晴らしいとは言えませんが、解体処理のソフト面で衛生を確保するノウハウが詰まった解体処理施設です」(所氏)。運び込まれた生け捕りのシカを、苦しませずに止め刺しし、新鮮な状態で汚染させずに解体していく。新鮮なジビエは、臭みを感じることなく、野生ならではのすっきりした脂の透き通った味わいがある。今回、取材陣は解体の実際の現場に立ち会わせてもらったが、担当者の見事な手さばきに感心すると同時に、命を食することへの畏れも感じる体験であったことを付記しておきたい。所氏は、「うちの解体処理施設にシカを持ち込んでもらえば、こちらで処理をするだけでなく、補助金を得るための複数の証明書類を狩猟者の方々が用意せずに済みます。狩猟者を育て、引き取る施設とプロセスを用意することで、個体数調整捕獲を安定して実現できるようにしました」と語る。所氏の解体処理施設には、冬の3カ月あまりに、例年600頭前後のシカが運び込まれ、ジビエの素材へと生まれ変わっている。個体数調整捕獲したシカを解体してジビエへと転用するには、所氏が用意したように安全・安心な衛生環境を備えた解体処理施設の整備が必要だ。岐阜県では、超獣害対策とジビエ利活用の推進に向けて、「ぎふジビエ衛生ガイドライン」を全国に先駆けて制定した。その後にできた国の食品衛生基準よりも、屋内での解体が義務付けられる点などで厳しいガイドラインになっている。熊﨑氏は、「解体のやり方、衛生的な肉を提供するにはどうしたらいいかを、有識者や地元の皆さんの話を聞きながらまとめ、ぎふジビエとして流通できる仕組みを整えました」と説明する。ぎふジビエは狩猟から食品加工・流通販売までを一括管理することで、1次産業、2次産業、3次産業を組み合わせた「6次産業」として国から認定されている。徹底した品質管理により、美味しいものを良い状態で顧客に届けられるようにした。その上で、「解体方法からジビエにするまでの取り組みはある程度固まってきましたが、お金にするところは難しく、県としてもイベントの開催などで支援しているような状況です」(熊﨑氏)と次のステップの模索が続く。現状は岐阜県全体で、年間2万頭の捕獲頭数に対して3000頭前後がぎふジビエとして活用されている。解体処理施設は県内に20カ所あるとはいえ、捕獲したシカを速やかに運び適切な解体処理を行える数は限られているため、全頭の活用は難しい。それでも、全国では1割程度の利活用率が平均的である中で、岐阜では15~20%と高い利活用率を維持していて、県と地域の取り組みが成果になって現れていると言えそうだ。「イベントの支援、解体講習会、施設整備支援などで、所さんをはじめ、熱意をもって取り組んでいる人が各地域にいることが成果につながっていると感じています」と熊﨑氏は語る。所氏も「ジビエ利活用という変化に対して、地域を巻き込んでいけたことが効果をもたらしています」と見る。ただし、ジビエ利活用をビジネスにするのは容易なことではない。所氏は「1頭当たり肉として商品になるのは平均10数kgです。うちでは年間600頭を処理し年間に7トンほどの肉が確保できるのですが、精肉として100g当たり120~130円で卸したとしても、1000万円前後の事業にしかなりません。この規模でどんなビジネスができるか考えてみてください」とジビエ利活用の現状を説明する。そこでキサラエフアールカンパニーズでは、シャルキュトリーのような加工肉の製造に目をつけた。「精肉なら100g当たり120~130円なのが、カンパーニュやテリーヌにしたら100gで1000円といった価値を生み出します。シャルキュトリーなどの製造加工所を作り、価値を高めた製品を作れるようにしました。ジビエはまだ発展途上のビジネスですが、毎年着実に売上が高まってきています」(所氏)。製造加工所と同時にシャルキュトリーやシカ肉料理を食べられるレストラン「里山きさら」も2016年にオープンし、ジビエ利活用の6次産業のサイクルを自前で構築した。キサラアールエフカンパニーズでは、加工品についてB2BとB2Cの双方で販売ルートを確保している。その中でも個人向けのB2C領域の伸びが大きいという。キッチンカーで直接販売するほか、東京などの百貨店の催事には所氏らが自ら出向き販売している。所氏は「ジビエの加工品は、店頭に置いておくだけでは売れにくいものです。私たちが直接説明することで、消費者に選んでもらえるようになります」と、販売の難しさも指摘する。所氏の取り組みと並行して、岐阜県ではぎふジビエの展開を進めている。ぎふジビエと名乗るには、ガイドラインに準拠した処理ができる解体処理施設と、そこで処理されたジビエを取り扱うための登録をしたレストランなどの飲食店を介して販売される必要がある。登録した飲食店では、「ぎふジビエ」の看板を置くことで、適切に取り扱われたジビエを食べられることが分かる。所氏は、「これまでは、猟師が捕獲したシカなどを持ち込んで販売することもありましたが、それは食品衛生法にも、ぎふジビエのガイドラインにも合致していない違法な販売に当たります。ぎふジビエとして、きちんと処理された肉を食べていただきたいと思います」と語る。林氏は、「登録した解体処理施設には実績管理を求めています。卸売か小売か、ペットフードなどへの加工かといったことも管理します。取り扱う以上の量が販売されたら、ガイドラインに反することになります」と管理の裏側を語る。その上で、「トレーサビリティ面で、各事業者が管理しやすいICT活用システムがあれば利用を考えたいです。理想を言えば、全国統一でトレーサビリティを管理できるシステムがあると、県としてはありがたいです」と今後のICTのジビエ利活用への貢献に期待を寄せる。さらに、IoT(モノのインターネット)の活用も検討段階に入っている。シカをはじめとしたジビエは、捕獲してからストレスをできるだけ与えないことが品質を保つポイントになる。足をくくるわなにかかってから、暴れたり時間が経ったりすると品質劣化につながる。現状は、日々わなを仕掛けたポイントを見守りに行くが、ここにIoTを活用する実証実験を行っている。「オリ型のわなに獲物が接近したらスマートフォンに情報が入り、モニター画像を見ながらオリを閉じます。こうすることで、オリに入ってからすぐに捕獲しに行くことができます」(林氏)。2023年度まではサルで実証し、2024年度からシカによる実証を進める予定だ。オリがすべての課題を解決するわけではないが、ICTの活用がジビエ利活用にも着々と近づいてきていることを感じる。市町村によっては、10分の10の補助金が適用になり、地元の負担にならずに取り組みを進められるという。企業版ふるさと納税のような仕組みにより、企業からの支援により地域の取り組みを推進する方法もある。そうした中で所氏は、「ハードへの補助はもちろん、ソフト面での補助が不可欠です。ジビエ利活用への補助が何年継続されるのか分からない中で、事業者としてはいつはしごを外されるかという不安が拭えません。3年、5年といった補助の担保があると事業を拡大しやすくなります」と補助金の上で成り立つ事業の難しさを語る。ジビエの販路拡大も事業の継続には不可欠だ。林氏は「まず知名度を上げることが課題です。ジビエ利活用を推進するぎふジビエ協会を通じて、首都圏などのレストランがぎふジビエのシカ肉の限定メニューを提供するフェアを開催するなど、認知の向上に努めています」という。所氏のキサラエフアールカンパニーズも、こうしたフェアには精肉を提供し、ぎふジビエの全国区での価値向上への道のりを探る。レストランでのジビエ提供やシャルキュトリーの製造販売に加えて、所氏はぎふジビエに多彩な価値をもたらす取り組みを進めている。人間に向けた食肉に適さない部分でも、ペットフードとして活用できるところはある。「犬の食いつきが良かった部分などを使ってペットフードの商品を提供しています」(所氏)。また、キャンプを楽しみながら学び、ジビエを体験できるグランピング施設「a laise camp すめらぎの森」も、レストランの近隣に設けた。5棟のコテージと12区画のキャンプサイトを備え、雄大な自然の中でぎふジビエを味わうキャンプが楽しめる。所氏は、「ジビエについて私たちから直接お話をして、体験して食べてもらって、知ってもらえる場所を提供したかったのです」と語る。今後は、解体処理の見学など現在では公開していない部分も含めて、ジビエを食べることの新しい学びにつながる体験の提供も視野にいれる。捕獲して食べる。それだけでも数が増えすぎたシカの一時的な利活用にはつながる。しかし、所氏は、地域を巻き込みビジネスとしての価値を保ちながら持続的なジビエの利活用を岐阜発、谷汲発の文化として定着させていくための多面的な地ならしを進めている。

(「鹿の焼肉丼」が驚きのコスパ:神戸)
元町にジビエ料理のお店があるのをご存知でしょうか。野生動物のお肉ってちょっと硬そうなイメージがあるかも知れませんが、ここのお肉はとても柔らかいんですよ。今日は鹿の焼肉丼を頂きました。このお肉は兵庫の山で狩猟された鹿肉を使っているのですが、狩猟の際の処理の仕方などによってお肉の食感が変わってくるのだそうです。とても柔らかい鹿肉、その理由は処理のやり方以外にもあります。焼肉丼の鹿肉は細切りなのですが、なぜかというと中華鍋で強火で手早く炒めるからなんです。鹿のタタキもメニューにあるぐらい、お肉が新鮮だからこそできる調理法ですね。キッチンにはまるで中華料理屋さんかと思うくらいの大きな炎が立っていました。そんな調理法だからか、お肉からほんのりと香ばしく焼けた匂いがしています。ご飯に野菜が載せられた上に鹿のお肉がたっぷりと、プルプルの温玉も隠れていました。温玉を崩してキムチとお肉を絡め、ご飯も一緒にすくって頬張ります。お肉には焼肉のタレもかかっているのでしっかり味、そこにとろりとした黄身がまろやかに絡みます。もちろんお肉は柔らかい。鹿肉は赤身なのでどちらかと言うと牛肉に近い感じ。柔らかいお肉なので、牛のミスジだと言われたら信じてしまうほどです。しっとりしていて上品な味わいなのが驚きで、これは女性ウケもいいのが頷けます。ジビエと言えばお高いイメージですが、鹿の焼肉丼は破格の880円(税込)というお値段です。焼肉丼には、鹿のもも肉とロースが100グラムほど入っているそう。もっと鹿肉を食べたければプラス300円で増量も。ランチではスープやライチティーも付いているのでコスパが凄いんです。「鹿肉を食べたことのない人にも気軽に鹿肉を食べて欲しい、日常的に鹿肉を食べてもらえる環境を整えるためにも、開店時からリーズナブルな価格設定を貫いています」とのこと。先日ここに来た時には、オムライスを食べました。こちらは鹿のすじ肉をトロトロに煮込んだものがデミグラスソースの海に浮かんでいる感じ。焼肉丼とは使っている部位が違うので食感も違いますが、お肉が柔らかいのは一緒です。野菜はニンジン、玉ねぎ、きのこなども入っていましたよ。今回は、案内されてから初めて奥にもうひとつお部屋があるのを知りました。独特の雰囲気を持ったお部屋で、こじんまりと落ち着きます。8~12人ほど入れるそうです。夜でもこの2つのメニューはあって単品で880円(税込)、他にも種類が豊富にあります。テイクアウトもあるそうなので、まだ鹿肉を食べたことがない人も気軽にチャレンジしてみてくださいね。

(ジビエ専門料理店オープン:奈良)
奈良・猿沢池のほとりに佇むホテル「セトレならまち」内に、2024年4月1日(月)、普段口にしたことのない珍しいジビエを提供するカウンター6席のみのジビエ専門料理店「じびえ井田」がグランドオープンします。「じびえ井田」は、“知ればもっとおいしくなる”をコンセプトに、食べることを通して、ジビエを取り巻く現状や地域の取り組み、食べるメリットまで学べるジビエ専門料理店。適切に処理された安全なジビエは臭みもなく、今まで知らなかった奥深いジビエ料理の魅力に出合えます。カウンター6席のみの店内は、名料理長が繰り出す料理を五感で体験できる素敵な空間になっており、器やジビエ料理に合うお酒にもこだわり満載。料理長とのトークも楽しい時間を演出してくれます。料理を手掛けるのは、大阪の有名ホテルなどで研鑽を積み、2018年には「DINING ROOM IN THE NARAMACHI(ダイニングルーム イン ザ ナラマチ)」の初代料理長に就任した井田弘(いだひろし)氏。ジビエをこよなく愛し、いつか自分が捕獲したジビエを出すべく、猟師を目指して勉強中だそう。メニューはジビエの仕入れ状況により、井田さんが奈良の食材とあわせて一皿に仕上げます。鹿や猪、熊、雉、孔雀、兎など、ほかではあまり見かけないジビエも扱っているので、その日どんなメニューに出合えるのか、お店で初めて知る楽しさを体験できます。“ジビエ=臭い”というイメージを持つ人もいるかと思いますが、こちらのお店では適切に処理されたジビエを提供する仕組みが整っているというから安心です。何より、低カロリーで栄養面でも体にいいのがうれしい! 距離感が近い空間で、シェフのパフォーマンスを間近に見ながら料理を味わえるのも楽しみです。

(イノシシの命、残さず:鳥取)
大山町の猟友会有志でつくる「大山ジビエ振興会」が、希少なイノシシのホルモンの販売を目指している。同会によると牛や豚のホルモンより高タンパク質で美味だが、消費期限が短いことなどで市場にほとんど流通していなかった。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後0時45分ごろ、仙台市泉区寺岡2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前0時30分ごろ、仙台市泉区上谷刈立脇にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後0時45分ごろ、仙台市泉区寺岡2丁目にクマが出没しました。

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(クレー射撃場で60代男性が散弾銃を“誤射”か:埼玉)
22日午後、埼玉県吉見町にあるクレー射撃場で60代の男性が誤って散弾銃を発砲し、利用客の男性2人に銃弾が当たりました。男性2人は背中などから血を流すけがをしましたが、命に別状はないということです。22日午後1時半すぎ、埼玉県吉見町にあるクレー射撃場「百穴射撃場」で従業員の男性から「利用者の撃った弾が他の利用者にあたりけがをした」と119番通報がありました。警察によりますと、クレー射撃を行っていた60代の男性が散弾銃を誤って発砲し、利用客の70代の男性と30代の男性2人に銃弾が当たりました。2人は、腕や背中などから血を流すけがをしたということで、病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。警察によりますと、散弾銃を発砲した60代の男性は、散弾銃に弾が入った状態で銃口を下にし移動していましたが、その際に、操作を誤り発砲。銃弾が跳ね返り、利用客の男性2人に当たったということです。警察は、散弾銃を発砲した60代の男性から話を聞いていて、事故の詳しい原因を調べています。

(新千歳空港にシカ侵入、滑走路が約3時間にわたり断続的に閉鎖:北海道)
21日午後、新千歳空港にシカ3頭が侵入し、滑走路がおよそ3時間にわたって断続的に閉鎖されました。北海道エアポートは、2本ある滑走路のうち1本で航空機の離着陸を続けることができたため、運航に大きな影響は出ていないとしています。北海道エアポートによりますと、新千歳空港の敷地内にシカ3頭が侵入しているのが見つかり、21日午後6時40分ごろ2本ある滑走路のうち国内線ターミナルに近いA滑走路を安全確保のため閉鎖しました。その後、シカの移動にあわせて2本ある滑走路を断続的に閉鎖しましたが、空港の関係者などが車両を使ってシカを追い払う作業を行い、およそ3時間後の21日午後9時40分ごろ、滑走路の閉鎖を解除しました。北海道エアポートによりますと、滑走路が一時的に2本とも閉鎖されるタイミングがあったものの、ほとんどの時間帯では残りの1本の滑走路で航空機の離着陸を続けることができたため、運航に大きな影響は出ていないとしています。

(成獣のクマに襲われ左小指失うなど重傷:島根)
22日午前9時ごろ、江津市桜江町谷住郷の山林で、邑智郡森林組合の50代男性がツキノワグマに複数回かまれ右腕や左手、顔に重傷を負った。島根県防災ヘリで病院に運ばれたが、搬送時に意識があり、命に別条はないという。クマの被害は今年に入って初めてで、県が注意を促している。県鳥獣対策室や同組合によると、出現したのは標高約300メートル地点。作業員10人が午前8時ごろから、植樹前の地ならし作業をしていたところ、体長1メートルを超す成獣のクマが出現し、雑木をまとめていた男性を襲ったという。男性は右腕を数カ所かまれ、左小指を失ったほか、顔に裂傷を負った。クマは山の中に逃げた。県鳥獣対策室によると、男性が被害に遭った後、近くで子グマの鳴き声が聞こえたという。ツキノワグマは12月ごろから冬眠に入り、3月~4月に目覚めると、親子で巣の中で過ごす習性があるとされる。邑智郡森林組合の日野原淳事業課長は「想定していなかった事故が起きた。作業工程を見直して再発防止に努める」と話した。島根県内のツキノワグマによる人身被害は2018年度以降、11件目。いずれも県西部で発生しており、春先の人身被害は初めてとなる。島根県は、山林に入る際は2人以上で行動する▽クマが行動する早朝や夕暮れ時は鈴や笛など音の出るものを身に着ける▽子グマを見つけた場合は速やかに立ち去るーよう求めている。

(野生イノシシから豚熱確認:岩手)
岩手県は21日、久慈市で死亡後に捕獲された野生のイノシシ1頭から、豚熱(CSF)の感染が確認されたと発表した。

(野生イノシシのASF感染対策、基本方針まとめる)
日本への侵入が懸念されるブタの伝染病、ASF=アフリカ豚熱について農林水産省は、国内の野生のイノシシで発生した場合に備えて、感染拡大を防ぐための具体的な対策を盛り込んだ基本方針をまとめました。ASF=アフリカ豚熱は、CSF=豚熱とは別のウイルスによる伝染病で、ヒトには感染しませんが、ブタやイノシシが感染すると致死率はほぼ100%とされ、発生すると畜産業への影響が懸念されています。これまで日本では感染は確認されていませんが、去年12月以降、韓国の南東部・プサン(釜山)で野生のイノシシへの感染が拡大していて、日本への侵入のリスクが高まっているとされています。これについて農林水産省は22日、専門家の会合を開き、アフリカ豚熱が国内の野生のイノシシで確認された場合の具体的な対策を盛り込んだ基本方針をまとめました。この中では▽感染したイノシシが見つかった場合、死体などに残ったウイルスも感染源となるため、迅速に焼却などの処分を行うことや▽ほかにも死んでいるイノシシがいないか、半径3キロ以内を少なくとも22日間は捜索することそれに▽ウイルスの拡散を防ぐため、都道府県が登山道などの通行を制限できることなどが盛り込まれました。農林水産省では、畜産関係者などに注意を呼びかけるとともに、今回の基本方針を都道府県などに近く通知することにしています。

(「学習放獣」いったん中止:長野)
クマ対策です。長野県は大量出没時に新たに「警報」を発令し、捕獲・駆除を優先する方針を決めました。「警報」の基準はエサが少ない状況で人里での目撃件数が平年の2倍となるか、人身被害が出た場合を想定しています。今年度、全国で相次いだクマの被害。県内でも人身被害が11件12人にのぼりました。2023年10月には飯山市でわなにかかったクマに襲われ、男性が死亡する事故も起きています。こうした状況を受け対策を検討してきた県と専門家。3月21日、対策案をまとめました。人の生活圏とクマの生息エリアを分ける取り組みの強化をこれまで以上に進める他、大量出没した際は県が新たに「警報」を発令する方針です。警報発令時は捕獲したクマをお仕置きして山に返す「学習放獣」をいったんやめ、捕獲・駆除を優先させます。また、これまで放獣していたイノシシやシカのわなにかかる、いわゆる「錯誤捕獲」されたクマも駆除の対象とします。警報の基準は山のドングリなどのエサが「凶作」と予測された状況で、人里での目撃件数が月単位で平年の2倍以上となるか、人里で人身被害が発生した場合を想定しています。ツキノワグマ対策あり方検討委・百瀬剛委員(環境省信越環境事務所):「(『錯誤捕獲』されたクマは)どういった場合に駆除するのか、誰が許可するのか、この辺を今後、整理してほしい」。県は今後「警報」や駆除の基準について、さらに専門家と議論しクマの出没が増える今年の秋までに正式に決め運用する方針です。

(セミの幼虫狙うヒグマ:北海道)
北海道・知床半島で2000年以降、ヒグマの食生活が変わり、人工的に植えたカラマツの根元を掘り返してセミの幼虫を食べるようになった結果、カラマツの成長が悪化していることが分かったと、高知大や東京大のチームが22日までに生態学の国際誌に発表した。チームは「人工林の造成がヒグマの新しい行動を生み出し、生態系の中で果たす役割も変えてしまったとみられる」としている。チームによると、知床半島では、ヒグマが食べたサケの残骸が木の栄養になるなど、生態系を育む役割があると考えられてきた。しかし、シカによって草が激減して以降、セミの幼虫が多くいる人工林の根元を掘り返すようになったという。

(クマが冬眠から目覚める前に対策強化:長野)
クマによる人への被害が全国で過去最悪となった今年度。クマが冬眠から目覚める季節を迎えています。県は21日、今後のツキノワグマ対策についてより厳しい対策を取っていく方針を決めました。不意に出没するクマ。飯山市では去年の秋、襲われた80歳の男性が死亡しました。こうした被害を受けて県は対策会議をこれまでに3回開き議論を重ねてきました。今年度最終回の21日、対策がまとめられました。岸元さん「昨年、全国的に特に東北地方ですごくクマが出没して、クマの問題は非常に大変だという事は意識されてですね。クマ対策の総合的な対策のやり方が今回また改めて見直されたんじゃないかなと私はそんなふうに考えています」。対策は人とクマの住み分けを徹底するためクマの生態を把握するモニタリング調査を強化します。また、調査に基づいて出没を予測して県民に注意報や警報を発令するということです。環境省のまとめによると今年度クマによる被害に遭った人の数は「218人」統計を取り始めて以降最多となりました。県内では12人がクマの被害に遭いました。今月8日環境省は4月中にもクマを「指定管理鳥獣」にする方針を表明しました。「指定管理鳥獣」には「ニホンジカとイノシシ」が指定されていましたがクマも加わる見込みです。指定されるとクマの捕獲事業に国からの支援を受けられます。猟友会 竹入正一会長「非常にいいと思います。厳格にどうのこうのというところから少し猟友会のサイドからいうと外れてくるような気がします。クマとの共存が根本なのでそのことを踏まえながら指定鳥獣になったということは良いことだと思う」。県内では例年クマは4月になると冬眠から目覚めて活動を始めます。今年どんな動きをするかはまだわからないと専門家は話していました。

(房総半島で「キョン」が大繁殖、北上して茨城県に迫る:千葉)
「ギャー」と悲鳴のような不気味な声で鳴き、農作物の食害などが問題になっているシカ科の特定外来生物「キョン」が、房総半島を北上している。繁殖力が強いために、駆除に取り組む自治体も拡大を止めきれない状況で、すでに利根川を越えた茨城県内でも見つかっている。地元の猟師らは駆除したキョンの有効活用方法を提案して、キョンの阻止を訴えている。太平洋に面した千葉県いすみ市。地元の石川雄揮さん(46)に連れられていった竹林で、体長70センチほどのキョンがうずくまっていた。脚には、くくりわなに使った細いワイヤが巻きついていた。キョンは日本のシカより小型で、中国東南部や台湾に生息する野生動物だ。本来は日本には生息していないが、勝浦市内にあったレジャー施設「行川(なめがわ)アイランド」(2001年に閉園)」で飼われていたものが逃げ出し、1960~80年代に房総半島に定着したとされている。その後、生息域が拡大し、県は2000年に「県イノシシ・キョン管理対策基本方針」を策定。地元自治体が駆除に取り組んできたが、生息頭数や分布域の拡大は止まらなかった。県の推計によると、06年度は約1万頭だったが、22年度には約7万頭に。同年度の農作物被害は約3億円にのぼっている。生態系や農業被害の拡大を受け、環境省は05年にキョンを特定外来生物に指定している。シークヮーサーを栽培している農家の女性は、キョンの食害に悩まされていると訴える。食害に苦しむ農家などの依頼を受けて、キョンの駆除と活用に取り組んでいるのが石川さんだ。生き物を殺す作業は精神的にもつらいが、「それでも続けてきたのは、獣害に遭ってきたおじいちゃんやおばあちゃんが泣きながら『ありがとう』と言ってくれるからです。誰かがやらなければ、という使命感が僕を支えてきた」と話す。生息数を増やしているキョンの対策として、県内の自治体の多くが、キョンを捕殺した猟師に1頭あたり6千円の報奨金を支払っている。「報奨金では、まったくもうからないですよ」と、石川さんは引きつった笑みを浮かべた。捕獲に使うくくりわな1個1万円弱。ねらったキョンではなく、力の強いイノシシがかかるとすぐに壊されてしまい、修理の手間や費用がかかる。さらにやっかいなのが、アライグマだ。体は小さいが獰猛で、わなにかかると徹底的に噛んで使い物にならなくしまう。しかも生息数がかなり多い。「アライグマにわなを壊されると、気力が失せます」。さらに毎日、設置したわなを見回らなければならないので、ガソリン代もばかにならない。有害鳥獣の駆除は、ボランティアに近いのが実態だという。石川さんはもともと報道番組制作会社のディレクタ―で、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」や後発番組の「サンデーフロントライン」などにも携わっていた。14年に狩猟免許を取得し、翌年に東京からいすみ市に移り住んだ。現在は狩猟体験やグランピングなどを提供する合同会社「Hunt+(ハント・プラス)」を経営しながら、地域の獣害低減に取り組んできた。石川さんのもとには、千葉県の有害鳥獣の担当者も相談に訪れるという。石川さんは、捕殺したキョンの活用を訴えてきた。その一つがジビエだ。台湾でキョンの肉は高級食材として扱われているといい、赤みが主体の肉はとても上品な味だ。最近は駆除した有害鳥獣を食肉処理する施設も、ジビエを提供するレストランも増えてきた。しかし、一般的な食肉としての需要がなかなか伸びていかないと、石川さんは嘆く。さらに石川さんは、地元で捕れたキョンの革の利用を模索してきた。キョン革の繊維は非常に細かく、強度と柔軟性、汚れの吸着性を併せ持つ。そのため、宝飾品やメガネ、楽器などを拭く最高級品のセーム革や、弓道の「ゆがけ」と呼ばれる手袋の材料として利用されている。シカの革を使った関東、近畿地方の伝統工芸品「印伝」(いんでん)にも、キョン革が使われている。なめし革に染色を施して漆で模様を描き、革袋などが作られる。現在の印伝の製品は、ほぼすべてが中国から輸入されたキョン革が使われているが、石川さんは「房州印伝」の商標をとるなどして国産化を試みてきた。「年間数十万頭ものキョンの革を中国から輸入していながら、国内で捕獲したキョンはほとんど利用することなく、その命の多くをただ処分しています。この状況を少しでも良くしたい」千葉県も今年度から、県の事業で捕獲したキョンの肉や加工品、革製品をふるさと納税の返礼品として用意するなど、活用に力を入れ始めた。房総半島内で、拡大を続けてきたキョン。千葉県は21年度に、半島中央部の東西に位置する一宮町と市原市を結んだ「分布拡大防止ライン」を設定。キョンの北上をはばむ「防衛ライン」として、この付近での捕獲を集中的に進めている。しかし、すでに県北部の成田市や柏市の周辺でも、キョンの目撃は相次いでいる。県自然保護課の市原岳人副課長は、「ラインの北側に、キョンの生息域は広がっていないと認識しています」と説明する。「防衛ライン」を越えて確認されているのはオスばかりで、メスは目撃されていないためだ。キョンは群れをつくらずに単独で行動することが多く、さらにオスはメスよりも行動範囲が広いと考えられている。一方、さらに北側の茨城県では昨年12月、利根川を越えた下妻市でキョンの死がいが見つかった。22年に石岡市、23年にも筑西市でも確認されており、県内で4例目となる。すべてオスだという。茨城県環境政策課の飯村勝輝課長補佐は、「対岸の火事どころではない状況です。かなりの危機感を持って対応を考えています」と話す。来月には有害鳥獣の捕獲対象にキョンを追加し、自治体で駆除ができるようにするという。房総半島で被害を増大させながら、生息域を拡大してきたキョン。今後、半島内の「防衛ライン」を突破し、さらに利根川も越えてしまえば、もうだれも止められない――。「脅威」が、静かに広がっている。

(クマのDNA分析で旭川市郊外に少なくとも3頭の生息を確認:北海道)
去年、果樹園などで食害が相次いだ旭川市郊外の地域では少なくとも3頭のクマが生息していたことが旭川市の調査でわかりました。旭川市は市内に出没したクマの動きを把握し、今後の対策に生かそうと現場に残されたフンや毛を採取しDNA分析を進める取り組みを酪農学園大学などとともに今年度から本格的に始めました。その結果、旭川市内では10頭のクマのDNAが確認され、去年、果樹園などで食害が相次いだ郊外の地域では少なくとも3頭のクマが生息していたことがわかりました。このうちの1頭は去年10月に捕獲されたクマだったということです。旭川市では今後、DNA分析の結果をもとに専門家の意見を詳しく聞いて市内に出没しているクマの行動パターンを把握することにしています。旭川市の担当者は「今後もDNA分析を継続し、問題を起こすクマへの対策を考えていきたい。いずれは、ほかの自治体とも連携しながらより広い範囲でクマの行動ルートを把握していきたい」と話しています。

(クマ遭遇「空気」で防ぐ:広島)
クマ遭遇防止の手がかりは空気中に――。全国でツキノワグマによる被害が相次ぐ中、広島大大学院の研究チームが、空気中に漂うクマの「環境DNA」を分析する手法を開発した。西堀正英教授(動物遺伝学)は「クマの出没が予測できれば、被害防止にも役立つ」と実用化を目指す。環境DNAは海水や土壌などに含まれる、ふんや分泌物といった生物由来の遺伝情報。主に水中や土の中にどのくらいの密度で生物が生息するかを推定するのに活用されている。チームは空気に含まれる環境DNAに着目し、2021年に装置を開発。空気を採取し、ツキノワグマの環境DNAを検出・分析する手法を確立した。

(シカが苦手なハーブで花壇:広島)
広島市安佐北区の可部高の生徒が、シカの食害に遭いにくいハーブを使った美化活動に取り組んでいる。花壇に植えた花が、周辺にすむシカに荒らされたのを受けて考え出した対抗策。地域で被害は深刻化しており、共生の道につながればと願っている。

(イノシシと普通列車が衝突:福島)
JR東日本によりますと23日午後6時半ごろ福島県のJR磐越東線・川前駅(いわき市)~夏井駅(小野町)の間で、下り普通列車(いわき発~小野新町行)がイノシシと衝突しました。乗客4人と乗員にけがはありませんでした。この影響で列車は一時運転を見合わせましたが運転に支障がないことが確認され、午後7時すぎに運転を再開しました。列車は43分遅れとなりましたが、ほかの列車に影響はなかったということです。

(シカと普通電車が衝突:兵庫)
23日午後9時20分ごろ、JR宝塚線の三田(兵庫県三田市)-道場(神戸市北区)間で、新三田発四条畷行きの普通電車がシカと衝突した。この影響で後続の高槻発新三田行き普通電車が最大43分遅れるなど計15本の電車が遅れ、約3千人に影響した。JR西日本によると、シカに気付いた運転士がブレーキをかけたが間に合わなかった。乗客にけがはなかったという。

(シカ目撃情報相次ぐ、川伝いに移動か:埼玉)
さいたま市桜区の秋ヶ瀬公園や桜草公園などで今月中旬以降、シカがいるとの情報が市や埼玉県警浦和西署に寄せられている。二つの公園は荒川沿いにあり、県西部に生息しているシカが川伝いに移動してきた可能性がある。市は、「見つけても刺激を与えることはせず、その場を離れて」と呼びかけている。市と同署に寄せられた情報は14~22日で計4件。2頭が目撃されており、体長はいずれも1・5メートルほどという。22日昼、桜草公園付近でシカ2頭の写真を撮影した忽那博史さん(53)(さいたま市南区)は取材に対し、「模型かと思ったら、動いたので驚いた。公園の外には交通量の多い道路もあるから、事故が起こらないかが心配」と話した。

(シカ肉の有効活用で試行錯誤:北海道)
北海道では年間約15万頭にのぼるシカが駆除され、そのほとんどが廃棄されるだけです。シカ肉を有効活用する道はないのか。北海道のある会社が模索を続けていました。焼きあがった肉の断面は色鮮やかなレアの状態。「エゾ鹿肉のロースト」です。「お肉がすごくやわらかくて、臭みもなく、噛めば噛むほど赤み肉のおいしさが伝わってきます」(鎌田祐輔 記者)この料理を提供しているのは札幌・中央区のイタリア料理店「オリゾンテ」です。「エゾシカの内もも肉を低温でゆっくり火を入れてグリルしたもの。肉のやわらかさ。臭みも少なくシカの味もするのが特徴」(イタリア料理 オリゾンテ 平野祐也 料理長)。北海道ではシカが増えすぎ農業や林業への被害が深刻化しています。しかし、駆除されたシカの多くは廃棄されるだけです。「(シカを)取ってからの仕事が早くて、そのおかげで臭みがなくて肉質がやわらかくなっている。道外の客でエゾシカを食べたい方が多い」(平野 料理長)。仕留めたあとの処理が早い上に優秀なハンターはシカのこめかみを狙うため、内臓を傷つけず、肉質を落とさないといいます。ハンターと契約しレストランにシカ肉をおろしているのは、北海道むかわ町穂別の「アイコンズ」です。本社は札幌市でペットの犬が着用するドッグウェアの専門店ですが、駆除されたシカが廃棄されているだけだと知り、9年前から手探りでシカ肉の有効活用を模索し始めました。現在、東京や大阪など、シカ肉の提供先は広がってきています。「全てのことを何もかも試した。これはダメ、これはいけるなと」(アイコンズ 初田勝一さん)。アイコンズでシカ肉の加工を担当している初田勝一さん。出身地の京都で飲食店を営む調理師でしたが、シカの解体はもちろん初めて。シカ肉のジャーキーの商品化には1年半もかかりました。いまでは40種類もの商品化に成功しています。「普段食べているシカ肉も環境の問題とか、背後にいろいろ問題があって、皆さんの口に入っている」(北海道調理師専門学校の教員)。2月下旬、アイコンズは札幌・北区の調理師専門学校にまるごと1頭分のシカ肉を無料で提供しました。シカによる食害を知ってもらい、シカ肉の普及を目指した取り組みです。初田さんも講師として招かれました。「北海道で年間15万頭のエゾシカが駆除されている。年間5000頭を処理しているが、ほとんどが食肉には適さない」(初田さん)。授業に参加した約40人の学生にとっては普段は見ることのないシカ肉の解体です。「精肉する人によって肉の味が変わる」(初田さん)。現役のシェフからは肉の部位に合わせた調理法を学びました。この日、作られたのは内もものローストやロースカツレツなど5品。その出来栄えに写真を撮る学生の姿も。「北海道ならではの良さや北海道が抱える問題をきちんと理解して、調理師としてどう社会に貢献できるか、大事にしてほしい」(北海道調理師専門学校 笹岡 親 副学校長)。アイコンズでシカ肉の加工が始まってからまもなく10年になろうとしています。これは栄養価の高いエゾシカの乳房をスライスして乾燥させたものです。全国でもアイコンズでしか販売していないといいます。「内臓も胃袋もアキレス腱も、何もかも使って歩留まりが65%、エゾシカの命を余すとこなく使ってあげる。だから他のメーカーにはない商品が結構ある」(初田さん)。犬用のこれらのレトルト商品は4月以降、全国での販売を目指しています。「(シカの)命を無駄にすることなくつながっていくかは、人と人とのつながりだと思う。ハンターがいて、解体所があって、最終的に料理屋に回る。それしかない」(初田さん)。駆除するシカを決して無駄にしない。試行錯誤が続いています。

(新たに開発したペットフードが好調:高知)
シカやイノシシの肉を使って商品を開発・販売する高知商業ジビエ部が、森林保護活動団体に50万円を寄付しました。高知市の高知商業で行われた寄付金の贈呈式には、高知商業ジビエ部の部員約10人と自然保護活動などを行う民間団体「三嶺の森をまもるみんなの会」の依光良三代表が参加しました。高知商業のジビエ部は野生鳥獣による被害を地域の課題と捉え、シカやイノシシの肉を使った商品の開発・販売を行っています。その活動の利益を森林保護に役立ててもらおうと、「三嶺の森をまもるみんなの会」にこれまで5年間であわせて100万円寄付しています。今年度は新たに開発したペットフードが好調で、目標の寄付金額を半年ほど早く去年10月に達成するなど利益は81万円にのぼり、このうち50万円を寄付することにしました。3月21日の贈呈式では、ジビエ部の前田和珠部長から依光代表に目録が手渡されました。ジビエ部では来年度、高知市の中央卸売市場でイートインコーナーを開くなど、今後も新たなチャレンジをしていくということです。

(年間60万頭も駆除されている野生鹿を使ったジビエレザー:兵庫)
日本の野生鹿による農作物の被害額は、年間60億円にも上ると言われている。この被害を抑えようと、年間60万頭が駆除され続けているようだ。そうして駆除された野生鹿の一部は、ジビエ料理としてレストランで提供されている。だが、それ以外はどうだろうか。今回取材した株式会社A.I.Cは、駆除された野生鹿の革を扱うジビエレザーブランド「Portierra(ポルティラ)」を運営している。もともと牛革を扱っていたが、上記のような社会的な問題の解決に関心を持ち方向性を変えたようだ。いまでは当たり前となったエシカルやサステナブルにも力を入れており、その魅力を広める活動も行っている。なぜ、これほどまでに野生鹿が問題となっているのか。そして、鹿革の魅力はどこにあるのか。同社の三木大介さんにお話を伺った。ー御社の活動内容を教えてください。弊社は新規参入のタンナーで、もともとは家畜の革を扱っていましたが、いまは野生獣を専門としています。ブランド「Portierra」ではジビエレザーを扱っており、主に狩猟で捕獲した鹿の皮をなめして販売をしています。本社は兵庫県のたつの市にあり、原皮収集は県内だけでなく近郊鳥取県や岡山県まで足を広げて行っています。ー拠点を兵庫県に置いている理由はありますか。兵庫県たつの市は、あまり知られていませんが牛革の生産量は日本一なのです。たつの市の皮鞣しは鎌倉時代から続く伝統産業で、皮革業者や工場がたくさん集まっているのは大きなメリットになります。皮革の加工は多くの工程に分かれているので、それぞれの工程を専門とする加工業者さんが必要になるからです。また、現在事務所として使用しているこの古民家は僕の父の生家で、たつの市の産業を盛り上げたいという父の思いもあり使わせてもらっています。ー駆除した鹿を扱われているとのことですが、野生鹿による被害はどれほどのものなのでしょうか。昨今はニュースなどで熊による被害が良く報道されていますが、鹿による食害や環境破壊の被害規模はそれ以上に深刻なものです。現在、野生の鹿は爆発的に繁殖しており、日本全国で年間60万頭が駆除されています。この駆除数も倍程にしないと繁殖を抑制できないと言われています。僕が住んでいる田舎では、電車と鹿がぶつかったり、畑が食害にあったりというのは日常茶飯事です。人里に降りてこなくとも、山の木の幹を食べつくされてしまうと、木々は立ち枯れして土砂崩れが起きやすくなったりもします。自然の植生にも広く影響を及ぼしています。これほどまでに鹿が増殖してしまったのは、実は僕たちの生活の変化が大きな原因になっています。戦後復興の為の無計画な植林、過疎化による里山の消失、猟師さんの高齢化、大きいところでは地球規模の温暖化など、現在は鹿にとって快適な生活が送れる環境になってしまったのです。ーそこから、どうして駆除した鹿を扱おうと決めたのですか。展示会などで、野生の鹿が増えすぎて困っているという話を多くのお客様や他の業者さんから聞く機会がありました。調べてみると、どうやら僕らが活動している兵庫県の界隈でもかなりの数の鹿が捕獲されていることがわかりました。それがちょうど10年くらい前の話ですね。そうした状況を知ったからには、牛革をなめしているだけでは駄目だと思い野生獣を扱う方向に一気にシフトしました。牛革の方が供給量や質も安定しているため、商売を続ける点では有利だったのですが、グローバル化の流れを受けて、国内タンナー事業は下火になっているのは明らかですしこの状況を変えるためには、今までとは違うことをしていかなければならないと思ったからです。ー駆除された鹿が製品としての革になるまでの工程を教えてください。猟師さんや野生動物の食肉処理施設に僕たちが出向いて、そこで生皮を購入させてもらいます。業者さんにも依りますが、生皮は塩漬けにされているか、大型の冷凍庫で保存されています。最初に、塩処理によって生皮に含まれている水分や油脂分を浸透圧で抜いていきます。防腐加工の目的もありますが、次の工程で薬品の入りを良くする目的でもあります。その後、ドラムで石灰を使って脱毛をし、裏の肉を落とすフレッシングを行っていきます。再度、石灰脱毛をして、浸酸という皮を酸性にする作業をはさみ、なめしをします。最後に水絞りをして、シェービングで皮の厚みを整えて、再なめし、染色という流れになります。ーどういった点で環境への配慮を意識していますか。「Portierra」の大きな特徴として、リン酸系のなめし剤を使っています。弊社の商品を土のなかに埋めれば、完全に分解されて自然に還すことができるほど、安全な基剤となります。最も多く使われている鞣し剤はクロムといって、革にとっては万能な薬剤となります。安価で強く綺麗になめしができるという特徴があります。ですが、低温で焼却されると六価クロムという発がん性物質に変性する可能性があります。「Portierra」ではクロムやその他環境負荷になりうる薬剤を使用しない事もコンセプトとしています。また薬剤以外にも、増えすぎて駆除されてしまった野生獣を扱っている点でエシカルであり、サステナブルだと考えています。鹿は日本の野山が育んだ大切な命であり、そのお肉を頂き更に皮も頂く。完全な地産地消が可能で、大半を輸入に頼る牛皮とは性格が大きく異なります。ー野生の鹿ということで、革にはどのような特徴がありますか。鹿革は日本で古くから使われてきた歴史があります。牛と比べて鹿の方が繊維が細いため、空気を通しやすく吸水速乾性があります。また油分との親和性もよく、柔らかい質感を維持できます。メンテナンスフリーで長く使えるのが特徴ですね。野生由来なので、牧場で育った牛や豚に比べると圧倒的に傷が多いですし、虫刺されも多いです。個体差によって、得られる革の大きさや厚みも異なってきます。ですが、それも含めてジビエレザーだという事を肯定的にとらえ丁寧に伝えていきたいです。さらに言えば、染色なしのホワイト革で素材の持つ自然な質感などを楽しんでいただきたい気持ちもあります。ー今後の展開についてお聞かせください。海外の方にも「Portierra」を知っていただきたいので、英語のホームページを用意してあります。これまでの活動事例ですと、環境汚染が深刻だったバングラデシュの皮革産業を改善するために、弊社のリン酸系のなめし剤を使った技術を教えたり、イタリアの展示会に参加したりして鹿革の魅力を発信してきました。国内での活動としては、新たに大きな工場を借りたことで、これまで以上に鹿革の生産ができる体制を作ると共に、「Portierra」とは別ブランドを立ち上げ、牛革の生産も再開していこうと計画しています。今後、鹿革の生産量を年間1万頭位まで増やすつもりです。たとえば、この記事を見て興味を示してくださるブランドさんがいらっしゃれば声をかけていただきたいと思います。日本国内で取れる素材でものづくりをする魅力をどんどん発信していきます。

(ジビエフェア、3月末まで:神奈川)
野生動物の肉「ジビエ」の食文化が根付く神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社の参道一帯で31日まで、「大山猪鹿(ジビエ)フェア」が開かれている。農業への獣害対策を兼ね、主にイノシシと鹿肉を使って昨年度初めて開催。「評判がよく今年もやりたい」の声が強く、昨年度より1店多い18の飲食店と宿坊が参加、日本遺産のまち伊勢原・大山の新名物として定着を目指す。メニューはイノシシや鹿の鍋、竜田揚げ、ミートソース、ソーセージ、ロースト、シチュー、カレーなど。このうち、みそ漬けの鹿肉を使うジビエバーガーは、食べ歩きもできるよう初参加店がフェアのために開発した。県央地域で一般的な豚肉のみそ漬けを鹿肉に応用したという。今年は大山名物の豆腐料理とセットにしたメニューが目立つ。ジビエ肉は牛肉に比べると鉄分が多く高タンパクで、脂肪とカロリーは低い。特に鹿肉は脂質が牛肉の6分の1、カロリーは半分以下でダイエット食材として注目されている。イノシシ肉にも老化抑制に効果的といわれるコエンザイムQ10が豊富。ジビエと豆腐のヘルシー料理を同時に楽しめるのが売りだ。武田安司実行委員長(68)は「バラエティーに富んだメニューになったので、旅館や飲食店を巡ってほしい」とPRしている。大山では古くから宿坊を中心にしし鍋などが振る舞われてきたが、狩猟に頼るジビエの供給量が不安定な課題があった。ジビエ処理加工施設「阿夫利山荘」(磯崎敬三代表)が山麓にできた2015年から、冷凍保存も可能になった。フェアは名産品づくりを目指す「伊勢原うまいもの遺産創造委員会」を母体に地元の旅館組合とその女将(おかみ)の会、大山飲食店物産組合の実行委が企画。阿夫利山荘は、イノシシや鹿肉の安定供給に協力している。予約が必要なメニューもあり、各店の連絡先や料理は市公式サイトで確認する。

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(イノシシに左足噛まれ転倒:栃木)
20日午前11時ごろ、小山市大行寺の路上で70代の男性が体長1メートルほどのイノシシ1頭に左足を噛まれて転倒し、軽いけがをしました。小山警察署によりますと、地元の猟友会が対応に当たりましたが、捕獲には至っていないということです。小山市と警察で警戒活動などを行っています。

(道内のヒグマ捕獲数最多:北海道)
ヒグマの2023年度の許可捕獲数が急増したのは、知床半島や道南を中心に市街地や農地周辺での出没が相次ぎ、行政機関などが住民の安全確保を優先し積極的な駆除に踏み切ったためだ。専門家は「人里への出没を確実に止める決定打はない。大量出没の原因を解き明かす必要がある」とする。

(農作物クマ被害14倍:青森)
2023年度のツキノワグマによる青森県内農作物被害が12月末時点の速報値で2129万円となり、前年同期の14倍に上っていることが19日、県のまとめで分かった。現在の調査方式となった07年度以降の年間実績と比べても、既に過去2番目の多さとなっている。被害面積は7.21ヘクタールで、前年同期の6倍近い。

(鳥獣被害対策てこ入れ、猟銃取得費を半額補助:新潟)
新潟県長岡市は2024年度、鳥獣被害対策を強化する。イノシシやクマなど大型鳥獣の捕獲、駆除に必要となる猟銃の購入費の補助に踏み切る。昨年、市内ではクマの目撃情報が相次ぎ、栃尾地域ではけが人も出た。新補助制度を通し、駆除業務を担う市民ハンターの育成と確保につなげる。鳥獣の捕獲、駆除を担う「長岡市鳥獣被害対策実施隊」に入ることなどを条件に、新たに猟銃を購入する費用の半額まで、上限15万円を補助する。

(人とクマとの共存へクマがすみやすい森づくりから考える講演会:秋田)
秋田県内では2024年に入ってからもクマの目撃情報が多く寄せられています。クマを捕獲せずに人と共存するためにはどうしたらよいか、クマがすみやすい森づくりから考える講演会が開かれました。16日大仙市で開かれた講演会には県内外から約80人が集まりました。講師を務めたのは森林生態学を専門とする東北大学の清和研二名誉教授です。清和名誉教授はスギなどの針葉樹の人工林は日本の森林面積の5分の2を占め、間伐が追い付かずに生態系が破壊されたと指摘しました。2023年県内ではクマが市街地などに相次いで出没しました。今回の講演会は捕獲頭数も増える中クマと共存する方法を模索しようと企画されました。清和教授は数ある木の実の中でも凶作・不作となる年が少ないクリに着目します。クマを本来の生息域である山に留めるにはスギの林を間伐しクリの木を混交させることが有効であるほか、より多くの実をつけるとされる太い木を森に残すことが大切だと話しました。さらに、間伐された木は地元で製材や乾燥、製品化を担う産業の必要性を指摘しました。

(もし「鹿」とぶつかったら:三重)
山間部の道を運転していると突然、鹿が飛び出してくることがある。三重県伊賀地域では、野生の鹿と車が衝突する事故が数多く発生しており、繁殖期の秋だけでなく出産期を迎えるこれからの季節も特に注意が必要だ。県や伊賀、名張両市によると、伊賀地域の一般道上で見つかった動物の死骸の処理件数は年間約850件。このうち鹿は、伊賀市内が約150件、名張市内が約90件に上る。伊賀市に住む公務員の男性(50)は10年ほど前、勤務先から自宅への帰路に伊賀コリドールロードを乗用車で走行中、暗い左手の山から突然飛び出してきた鹿と衝突。急ブレーキをかけ、ハンドルを右に切ったが避けられなかったという。衝突した鹿はその後、山へと逃げ去った。男性にけがはなかったが、車は左前部のバンパーなどが大きく凹んだ。警察に連絡して事故処理をした後、自動車修理店に車を持ち込むと、修理費の見積額は40万円以上だった。加入していた車両保険は鹿との衝突も保障対象だったが、修理費を全額賄えず、結局は廃車にして買い替えることにしたという。男性が衝突した鹿は逃げ去ったが、事故の状況によっては鹿が絶命したり、負傷したまま道路上で動けなくなったりするケースもある。名張市維持管理室によると、道路上で鹿が動けなくなっている場合、けがの状況によっては山に戻ることが困難と判断し、やむを得ず現場で電気ショックなどによる殺処分を行うことがある。市の担当者は「野生動物は気性が激しいことが多く、二次被害の防止の観点からも必要な措置。ご理解頂きたい」としている。行政の委託で動物の処理を請け負う業者の担当者は「安全確保のために誰かがしなければならない」と話す。この業者は道路の維持修繕作業も含めて365日、深夜早朝も24時間体制で備えており、多い時には一晩で7頭くらい対応したこともあったという。時には動物が暴れ、駆けつけた作業員が危険にさらされることもあるといい、担当者は「動物が山に戻れる状況なら戻すが、他の車や人に危害を加えるおそれがある場合も多い。発見しても動物には近寄らないでほしい」と話す。鹿が出没する可能性が高い道路には、黄色に黒の絵柄が入ったひし形の警戒標識が設置されている。ただし伊賀地域は、標識の無い場所でも鹿が出没しており、山間部の道路を夜間に走行する際は十分注意する必要がある。状況に応じてハイビームを活用することで、鹿を早く発見できる可能性が高まる。注意して運転しても、前出の男性のようにどうしても鹿との衝突を避けられない状況もあるかもしれない。衝突してしまった場合は、安全な場所に車を止めてから、警察に連絡する必要がある。道路上にある動物の死骸や動けなくなった動物を発見した場合は、二次災害を防止するために道路管理者に連絡する必要がある。管理者は道路によって違い、高速道路と国道のうち指定区間は国土交通省、国道のうち指定区間外と都道府県道は各都道府県、市町村道は各市町村となる。道路緊急ダイヤル(#9910)は国土交通省が24時間体制で運営しており、道路の穴や汚れ、落下物など道路の異状に関する通報も含めて一元的に受け付けている。県や市町村が管理する道路だった場合、同省から各管理者に連絡が届く。

(有害鳥獣ハンターを募集:鹿児島)
農作物を荒らすイノシシなどの被害を減らすため、鹿屋市が、有害鳥獣ハンターを募集しています。鹿屋市では、2022年度の鳥獣被害の総額が600万円近くにのぼり、そのうち6割以上がイノシシによる被害です。農地への侵入防止の他、個体数を減らすための捕獲が必要ですが、猟友会員が高齢化で減少しています。このため鹿屋市では、市内に定住し、有害鳥獣対策や農業の担い手となる地域おこし協力隊を募集しています。詳しくは、鹿屋市の移住ポータルサイトをご覧ください。

(狩猟の魅力を伝えるイベント:北海道)
ハンターの高齢化に伴い、新たな担い手が不足する中、若い世代に狩猟の魅力を知ってもらうイベントが開かれました。このイベントは若い世代に、狩猟の魅力やハンターの社会的な役割を伝えて、担い手の確保につなげようと、環境省や北海道などが企画しました。北海道内在住の若手ハンター4人によるトークセッションでは、ハンターを目指した理由や狩猟の心構えが語られました。会場には、レーザー光線で目標の獲物を狙うライフル銃のシミュレーターが用意され、参加者たちは猟銃の重さや楽しさを体験しました。北海道内ではエゾシカによる農業被害やヒグマの人里への出没が深刻な問題になっている一方、警戒や駆除に当たるハンターは高齢による引退などで、ピーク時の3分の1まで減っています。各地で冬眠明けのヒグマを捕獲する春期管理捕獲も始まっていて、北海道は「ハンターが不足しているのでイベントを通じて若い世代に担い手になってもらいたい」と話しています。

(クマ被害防止に生息エリアと人の生活圏との分離を:長野)
クマによる被害防止策を検討してきた県の専門家の会議は、クマの生息エリアと人の生活圏とを分ける取り組みを強化していくことなどを県に提言しました。21日、県庁で開かれた専門家などでつくる検討会が提言したもので、それによりますと、クマの生息数や木の実の状況を把握したうえで、エサになるものを人の手で取り除くなどして、クマの生息エリアと人の生活圏とを分ける取り組みを強化していくべきだとしています。さらに、クマが多く出没する時期には、「クマ出没警報」など警戒を呼びかける情報を出すほか、緊急時に市町村の許可で迅速に捕獲できるように、明確な判断基準を作るべきだなどと提言しています。県は、提言の内容を、マニュアルやクマの保護管理計画に盛り込むとともに、市町村に説明することにしています。座長を務めた佐久大学の上原貴夫評議員は、「これから暖かくなると人もクマも活動的になるので、人の安全確保とクマの保護につながるように、できるだけ早く対応を進めてほしい」と話していました。

(狩猟の伝統守る鴨場見学が人気:埼玉)
越谷市大林にある「宮内庁埼玉鴨場(かもば)」の見学会が2月28、29の両日、同市の主催で行われた。2日間とも午前、午後各30人、計120人の定員だったが、めったに見られない施設とあって、6倍近い706人が応募する人気ぶりだった。鴨場は1908年(明治41年)に造られ、伝統的な手法によって鴨猟が行われている。皇室が国内外の来賓を招いてもてなす施設で、ほかに千葉県市川市の「新浜鴨場」がある。広さは東京ドームの2・5倍に当たる約12㌶。樹木や竹林、草花などが生い茂る緑地帯で、中央に「元溜(もとだまり)」という1・2㌶の池があり、毎年9月上旬から翌年5月上旬まで約2000羽を超す渡り鳥が生息する。マガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロなどの約10種類の鴨のほか、サギやカワウなどの群れが来る野鳥の楽園となっている。鴨猟シーズンの11月15日~2月15日には、各国の外交使節団の長、閣僚、国会議員、最高裁判所判事らが招かれ、江戸時代から伝わる伝統的な手法で猟を行う。現在は国際鳥類標識調査に協力し、捕獲した鴨に標識(足環)を付けて種類や性別などを記録した後に放鳥している。参加者は、常駐する5人の職員の案内の下、動画で鴨猟の手法を視聴。訓練されたアヒルを使い、「引堀(ひきぼり)」と呼ばれる水路に鴨をおびき寄せる様子を見学した。鴨猟には、鴨を無傷で捕獲することができる「叉手網(さであみ)」が用いられる。持ち手は布袋竹、網は絹糸を編んで柿渋に漬け、防水と補強を施している。アヒルの調教は、毎日同じ時間にケヤキの「板木(ばんぎ)」を小槌(こづち)でたたいて餌を与え、「引堀」におびき寄せる訓練をしている。アヒルと一緒に餌を食べに来た鴨を「小覗(このぞき)」という小さな穴から鷹匠(たかじょう)がうかがい、入ったのを確認して小土手から人が飛び出すと、驚いて飛び立つ。そこを叉手網で捕獲するのが伝統猟だ。参加した佐藤玲子さん(76)と小林かね子さん(80)は「広くてびっくりした。念願がかなった。一生に一度、見たかった」と感動していた。3回目でやっと当選したという石井孝雄さん(73)、加代子さん(69)夫妻は「近くに住んでいるが初めて。立派な仕組み、伝統に驚いた。網の手作りもすごい」とうれしそうに話していた。

(上山高原、シカの食害深刻:兵庫)
扇ノ山(標高1310メートル)の山麓に広がる上山高原(新温泉町)の植生や動物の生息状況など、この1年の調査結果を報告する「モニタリング報告会」が、新温泉町石橋の上山高原ふるさと館であった。 上山高原でススキ草原の復元や希少植物の保護に取り組むNPO法人「上山高原エコミュージアム」が毎年開催。研究者らがススキ草原や希少植物、クモ、チョウ、ノウサギなどのテーマ別に発表し、約40人が聞き入った。

(10日連続でクマ出没:北海道)
北海道の住宅地近くで、10日連続でクマが目撃されました。草むらの中であたりを見渡したり、何かを探していたりするようにも見えるクマ。このクマは20日午前11時前、北海道・乙部町で目撃されました。体長は1.2メートルほどあるといいます。住宅地からおよそ50メートルのこの場所。実は、ここにクマが出没するのは10日連続で、住民は不安な日々を過ごしています。付近の住民「送り迎えとか、子どもたちが外で遊べないので、早く何とかなってほしい」警察は、パトロールを強化し、住民に注意を呼び掛けています。

(イノシシの群れ!?田んぼへ走り去る:新潟)
警察によりますと、19日午後8時半すぎに住民から「五泉市中川新地の路上で、体長約1mのイノシシ3頭と、二回りほど小さい7頭くらいが近くの田んぼに走り去るのを目撃した」と通報がありました。付近に住宅がある地域で、警察は住民に注意を呼び掛け、警戒にあたっています。

(作業小屋の中にクマ:秋田)
19日午前10時35分ごろ、北秋田市七日市字与助岱の作業小屋の中にクマがいるのを、警戒中の警察官が見つけた。けが人はいなかった。北秋田署によると、クマは体長約80センチ。午前9時35分ごろ、近くに住む女性が小屋の近くにクマがいるのを見つけ、市を通じて署に通報した。

(海方向に体長1mほどのクマが逃げていくのを目撃した:新潟)
新潟県村上市で21日午前、体長1mほどのクマ1頭が目撃されました。近くには瀬波海岸や温泉街もあることから、警察が注意を呼び掛けています。警察によりますと21日午前9時45分ごろ、村上市浜新田で松の木の伐採作業をしていた作業員が駐在所を訪れ「体長1mほどのクマが海方向に逃げていくのを目撃した」などと届け出たということです。クマが目撃された場所は民家からおよそ400mの場所で、瀬波海岸や温泉街も近いことから、警察は村上市役所とともに注意を呼び掛ける広報や警戒活動を行っているということです。

(県道を横切るクマ1頭目撃 :福島)
警察によりますと20日午後6時半ごろ、福島県白河市大信中新城の県道で車を運転していた会社員の男性がクマ1頭(体長約80センチメートル)目撃しました。クマは県道を北から南に横切り、立ち去ったということです。これまでのところ周辺で被害は確認されていません。警察は白河市に連絡するとともに、付近のパトロールにあたり、周辺住民に警戒するようを呼びかけています。

(館山ジビエセンター、設立3年で初の黒字見通し:千葉)
有害鳥獣を食肉に加工し、販売する館山市の「館山ジビエセンター」の収支が、会社設立3年目となる令和5年度、初めて黒字となる見通しになった。商品の主力であるイノシシの受け入れ数が4年度から大幅に増えたためだ。代表の沖浩志さん(41)は「今後も受け入れ数が安定するように、関係者の理解や協力が得られれば」と話している。5年度にわなにかかるなどして捕獲され、センターが受け入れたイノシシは3月半ばまでの時点で計508頭。4年度全体の合計から200頭余りも増えた。5年の10月、11月には1日で9頭も受け入れたことがあったという。館山市有害鳥獣対策係によると、5年度の市内でのイノシシの駆除数は2月末までで2095頭。過去最多だった2年度の2357頭に次ぐペースという。市は、駆除数が増えた理由について、餌のドングリが4年は豊作だったことで繁殖が進み、5年度は人里に降りてくるイノシシが増えたため、と推測する。イノシシの場合、同センターは体重1キロ当たり100円で買い取る。持ち込まれたイノシシは、解体、加工して肉の部分の他、内臓のタン、ハツ、レバーも食用として売っている。受け入れ数が増えたことで売り上げが伸び、黒字化の見通しにつながった。沖さんは、5年度の状況を「想定外の好調」と喜ぶ。設立初年度となった3年度のイノシシの受け入れ数は118頭。経営上は赤字のスタートだった。沖さんは、この数字をベースに徐々に受け入れ数を増やし、6年度に500頭で収支を黒字化する計画を立てた。この計画が1年前倒しで達成できたことになる。ただ、自然が相手だけに今後もイノシシの受け入れ数が安定的に確保できるかはわからない。沖さんは、最終的に5年度の収支が確定する6月に向け、「受け入れ数が500頭あると経営が安定することを関係者の皆さんに示せれば」と期待する。沖さんは、今後の受け入れ数をできるだけ安定的に確保できるように、現在は館山市内に限られている受け入れ対象地域を近隣の市町に広げたり、シカやキョンといった他の害獣の受け入れ数を増やしたりする方策を館山市など関係機関と話し合いたい、としている。

(来月稼働、近畿最大級ジビエ処理場:奈良)
年間1000頭のシカやイノシシを解体・加工できる近畿最大規模のジビエ(野生鳥獣肉)処理場が、宇陀市東部の山あいに完成した。市が総額約3億8000万円の工費を投じて建設した「UDA GIBIER FACTORY」(宇陀ジビエファクトリー)だ。関係者は農林業の獣害対策や地域振興などに役立つと期待している。4月1日の稼働を前に、施設を紹介する。猟師が市内で捕ったシカとイノシシを引き取り、食肉やペットフードを製造・販売する。2022年5月に造成工事が始まり、今年1月末に完成した。1630平方メートルの敷地に処理加工施設と減容化施設の2棟が建つ。

(地元ジビエの創作料理に舌鼓:鳥取)
「ジビエ」と呼ばれるシカやイノシシの肉をお酒と一緒に楽しんでもらうイベントが、このほど米子市でありました。先月行われた「とっとりジビエフェス2024」。ジビエの良さを知ってもらおうと地元の飲食店などが開きました。この日は、16の創作料理が用意され、参加したおよそ150人が、ワインなどを片手にシェフ自慢の味を楽しんでいました。企画した団体は、今後子ども向けのイベントなども行って、ジビエファンを増やしたいとしています。

(嚥下食、エゾシカのムースと男爵のピューレ:北海道)
食べ物をかんだり、飲み込むことが難しい人向けに工夫した食事「嚥下(えんげ)調整食」(嚥下食)のアイデアを競う全国大会「第11回嚥下食メニューコンテスト」(日本医療福祉セントラルキッチン協会など主催)に、室蘭の料理人や介護・福祉関係者でつくる市民団体「ケセラネットワーク」が初挑戦し、優秀賞(3位相当)に選ばれた。エゾシカのムースに男爵(だんしゃく)芋のピューレ、リンゴのソースなどを添えたフランス料理。少量でも栄養価が高く、食べる側も食べさせる側も楽しめる色合いなどが評価された。

(ジビエバーガー、高校生が考案:山口)
下関市菊川町の田部高の生徒がシカやイノシシのジビエ肉を使ったハンバーガーを考案し、同町の道の駅「きくがわ」で27日に販売する。学生は調理工程や宣伝の確認など当日に向けて準備に追われている。田部高では2023年度から総合的な探求の時間で「チイキ×ジブン」と題して、地域の課題や魅力を探り、解決する授業を実施している。

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(県内2例目、イノシシが豚熱感染:岡山)
岡山県は19日、高梁市で捕獲された野生のイノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は同じく高梁市で2月に捕獲された野生イノシシに続いて2例目。県によると、3月10日に地元猟友会の協力で捕獲し、遺伝子検査で18日に陽性が確定した。県は捕獲地点から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めるとともに、県内の全23養豚場に注意喚起した。県内の飼育豚、イノシシについてはワクチン接種が進んでいるとして出荷制限はしない。豚熱は豚やイノシシへの感染力、致死力が極めて高い一方、人には感染せず、感染した肉を食べても健康に影響はない。

(豚熱確認、野生イノシシの死骸から検出:広島)
広島県は15日、府中町で12日に見つかった野生のイノシシ1頭から豚熱(CSF)を確認したと発表した。町内での感染確認は初めてで県内では39例目。県畜産課によると、町内の公園付近でイノシシの死骸が見つかり、県の遺伝子検査で陽性を確認した。発見場所から半径10キロ以内に養豚場はなく、豚の移動制限はしない。

(春先のクマを狙う「春期管理捕獲」始まる:北海道)
相次ぐクマの出没を受け、捕獲しやすい春先のクマを狙う「春期管理捕獲」が札幌市で始まっています。追跡しやすい春先のクマを狙う春期管理捕獲は、近年相次ぐ人里近くでのクマの出没を防ぐことや若手ハンターの育成が目的です。札幌市では今月から春期管理捕獲が始まっていて、15日は南区の山林でハンター4人がクマを探しましたが、捕獲には至りませんでした。(北海道猟友会札幌支部防除隊 玉木康雄隊長)「数日前に降った大雪の影響で、クマが出てくるタイミングは後ろにずれるかなと。暖かい日が続いたり雨が降ったらそれでもって出てくる」。札幌市の春期管理捕獲は4月末まで続きます。

(公務員によるヒグマ駆除、「ガバメントハンター」導入低調:北海道)
ヒグマの市街地浸入が増える中、公務員が職務で駆除に当たる「ガバメントハンター」の導入を求める声が道内の捕獲現場で強まっている。多くの自治体は地元猟友会などに駆除を委ねているが、高い技術と知見を持つ熟練ハンターは高齢化で減少し、民間頼みのクマ対策は限界に達しつつある。ガバメントハンターを導入済みの自治体は既に迅速な駆除などで成果を挙げているが、道内では一部市町村の例外的な取り組みにとどまっているのが現状だ。

(ドローンでイノシシの位置を確認し捕獲、実証実験の結果報告:青森)
農作物に被害を与えるイノシシの駆除に向け、ドローンでイノシシの位置を確認したうえで捕獲につなげる実証実験を県などが実施し、15日、その結果が報告されました。県内のイノシシは一度は絶滅したとされるものの、近年急増していて、昨年度は農作物の被害額が過去最多の530万円となり、今月4日には八戸市で男女2人がイノシシに襲われて手や足に軽いケガをし、県内で初めての人的被害が確認されています。15日はイノシシの駆除のため県などが実施したドローンを使った実証実験の結果が報告されました。それによりますと、ドローンには赤外線カメラが搭載され、去年の秋以降、十和田市や田子町などの山あい13か所でドローンを使ったところ、2か所でイノシシの群れを発見したほか、ハンターが4頭の捕獲に成功したということです。担当者によりますと、ドローンからの映像はイノシシの位置が特定できるだけでなく、経験の浅いハンターでも山の地形がイメージできて狩猟しやすくなるなどの効果があったということです。県は今後、ドローンを使ったイノシシ対策のマニュアルを今月中に策定し、その後、各市町村に配布する予定だということです。県食の安全・安心推進課の中村義人課長は「新しい技術をうまく活用することで、イノシシを効率的に捕獲できるのは間違いないので早い段階の実用化につなげていきたい」と話していました。

(去年の出没件数は過去最多、クマ被害未然防止学ぶ講習会:青森)
クマ被害を防ぐための講演会がきのう青森市で開かれました。県総合社会教育センターが開いた講演会には林業関係者など200人が参加しました。講師はNPO法人日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長です。9回クマに襲われた経験をもとにクマに遭遇しないための対策を説明し、餌になる「柿」などは外に放置しないことや遭遇した場合は致命傷をさけるために頭を守ることなどを説明しました。県内の去年1年間のクマの出没件数は1,133件と過去最も多く人身被害も10件に上っています。参加者は被害を未然に防ぐ対策を学んでいました。

(岩手大のツキノワグマ研究会:岩手)
岩手県内では去年、クマによる人身被害が過去最悪となりましたが、クマが冬眠から覚める時期をひかえ、八幡平市の安比高原で被害防止を呼びかけるイベントが始まりました。これはクマが冬眠から覚める時期をひかえ、クマに襲われるなどの被害をなくそうと、岩手大学の学生で作るツキノワグマ研究会が、森林が広がりクマの出没が多い八幡平市の安比高原で開きました。初日の16日は、学生による「クマトーク」が行われ、観光地の軽井沢や知床を例に、クマが開けにくいゴミ箱や電気柵の設置など、安比高原で被害を防止するための対策を紹介しました。また会場には、実際のクマの毛皮や骨、それに学生がクマの生態や被害状況をまとめたポスターなどが展示されています。県によりますと、去年、1年間のクマによる人への被害は過去最悪の46件、49人に上り、このうち2人が亡くなっています。岩手大学ツキノワグマ研究会の滝川あかりさんは「去年、エサが少なかった影響で、この春もおなかをすかせたクマが出てくると思うので、春の山菜採りなどで山に入るときはラジオや鈴などで自分の存在をクマに知らせてほしい」と話していました。このイベントは、安比高原のペンション「安比ロッキーイン」で今月いっぱい行われています。

(暖冬で春先からクマ警戒:石川)
去年12月、石川県白山市で男女3人がクマに襲われけがをしたことを受け、県はこの時期としては初めて、クマを捕獲する訓練を行いました。白山市荒屋町で15日開かれた訓練には、県と市、警察のほか、近くの住民らおよそ50人が参加しました。練は、工務店の倉庫で体長1メートルほどのクマが目撃され、住宅街の方向に向かって逃げたという想定で行われました。警察や市が住民に戸締りなどを呼びかけ、近くの保育園などに対しても外出しないよう連絡しました。クマはその後、神社の境内に潜んでいるのが見つかり、県の職員が麻酔銃を使って捕獲しました。石川県内では去年10月から12月にかけて男女5人がクマに襲われけがをしています。今年は暖冬傾向のため、早い時期からクマが活動する可能性があり、県が注意を呼びかけています。

(クマ対策で初の検討会:富山)
富山県内自治体と北陸電力がクマ対策について意見を交わす初めての検討会が14日、富山市久方町の北陸電力新価値創造研究所で開かれた。同社が提供する人工知能(AI)を活用したクマ検知のカメラシステムの効果を高める方法などについて、県や11市町の担当者と識者ら約20人が議論した。検知システムは、樹木などに取り付けたカメラの近くを動物が通ると、センサーが熱を感知して撮影。画像データをAIがクマと判別した場合のみ、自治体の担当者などにメールを自動送信する。県内では既に6自治体が導入している。ただ、2023年の出没シーズンは出没範囲が大幅に広がったことなどから検知件数が少なく、監視場所の改善などが課題となっている。出席者からは「コスト面で設置できる台数が限られ、設置場所が難しい」「電気柵と組み合わせて効果を高められないか」などの意見が出された。

(クマ電気柵に寄付3300万円:北海道)
羅臼町がヒグマの市街地出没を防ぐ電気柵の補修費などを確保するため、ガバメントクラウドファンディング(GCF)と、ふるさと納税による寄付を14日まで受け付けたところ、1627人が3379万7900円を寄せた。目標の約6千万円には届かなかったものの、町は「これほど共感していただけるとは思わなかった」と感謝している。

(「クマ出没」温暖化影響も:北海道)
二酸化炭素(CO2)の排出などが原因とされる地球温暖化をテーマにした講演会が16日、苫小牧市のグランドホテルニュー王子で開かれた。北大大学院獣医学研究院の坪田敏男教授(獣医学)が、温暖化がクマの生態に与える影響について解説した。

(エゾシカ被害の正確な調査結果は?:北海道)
農業被害や交通事故が各地で深刻な問題となっているエゾシカについて理解を深めてもらおうと、地域住民を対象にした研究機関による調査の成果報告会が標津町で行われました。標津町では、14年前から大学や研究機関などと連携して鳥獣被害対策に取り組む「アニマルプロジェクト」と題した活動を行っていて、今月15日に標津町の川北地区で開かれた報告会には、町民ら約40人が集まりました。この日は道立総合研究機構の担当者が道内におけるエゾシカによる農林業被害の現状について、2021年度の被害額が約45億円に上ることが紹介されました。ただ、こうした経済的な被害は、農家による申告に頼ることが多く、正確なデータが乏しいため、今年度までの3年間で、牧草地を鉄製ワイヤーで編んだ柵で囲った区画と囲っていない区画で被害の程度を調べたところ、牧草の収穫量の差は平均で20%あったというデータがとれたということです。標津町では、より正確な被害データの把握に向けた取り組みを進めていくことにしていて、標津町農林課の長田雅裕係長は「研究で分かったことを農協や農家などと共有しながら新しい捕獲方法も含めてシカ対策につなげたい」と話していました。

(出没相次ぐクマの研究成果報告:兵庫)
全国各地でクマの出没や人身被害が相次ぎ、大きな社会問題となる中、兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)が、「野生動物の保全と管理の最前線―兵庫県におけるツキノワグマの保護管理の成果と広域管理」と題したオンラインシンポジウムを開いた。同センターの研究員6人が、それぞれのテーマで研究成果を発表。依存度が増しているカキなどの餌の採食データを示しながら、人里に近付くツキノワグマの生態に迫り、246人が視聴した。横山真弓研究部長は、今年度と昨年度に位置情報を確認できるGPS首輪を装着したツキノワグマ5頭の行動状況を報告。ある若い雄は標高約500㍍付近のエリアを中心に行動していたが、時には、近くに役場や学校がある国道を横断するケースもあった。別の成獣の雄の、秋、冬の行動エリアは100―300㍍ほどの低標高地点が中心。冬の夜間、市街地からの距離が100㍍以内に近づくことも多かった。近くの木にはカキがなっていたという。「人の生活圏に近い低い標高エリアは食べ物を得られやすく、一時的に出没しているというよりも、既に定着している環境と考える必要がある」と警鐘を鳴らした。森光由樹主任研究員は、2020―23年の8月下旬―9月中旬、成獣のツキノワグマ18頭に装着した専用カメラで行動を捉えた。夜間に休息する個体は12頭で、活動する個体は6頭だった。休息場所は、夜間は90%が地上で、昼間は95%が樹上。昼間に樹上にいるのは人など外敵への忌避行動、と推察した。また、アオハダやミズキといった水分の多い液果の採食が少ない年は、カキの採食の割合が増加。晩秋から初夏にかけてのクマの出没は、液果の結実量に関係があると結論づけた。藤木大介主任研究員は、餌となる植物の豊凶と、ツキノワグマの出没状況の関係を考察。環境変動をきっかけに生態系が急激に変化する「レジームシフト」を疑い、クマの出没数を予測できる鍵となる植物が、ブナ、コナラ、ミズナラの堅果3種からカキなどの液果に”交代”している仮説を立てた。堅果の3種同時凶作が大量出没の引き金になることが分かっていたが、13年以降、同時凶作年はない。低標高の北部エリアに限ると、12年ごろから、クマの出没数と関係があったコナラの豊凶指数の”波”が、何らかの原因で消失。21年から、このエリアのクマが9―11月に食べた物を分析したところ、堅果はほとんど食べておらず、カキなどの液果に依存していることが判明した。同センターは07年の設立当初から、ツキノワグマの保全と被害防止の両立を目指し、個体数の推定のほか、行動特性や食性の解明、対策の効果的な検証を行っている。今年度は全国で出没件数が大きく増える中、兵庫県は516件(4―12月)と、前年度(509件、4―12月)並に抑えており、他県に先駆けて取り組んだ管理計画に基づく個体数管理が成果を上げている。

(狩猟の届け出書類自動作成、ジビエの在庫管理も:神奈川)
野生鳥獣の食肉加工で必要な事務作業をデジタル化する管理サービスを横浜国立大生の起業家が開発した。捕獲した個体の情報をパソコンやスマートフォンで入力すれば、自動で自治体に届け出る書類を作成したり、ジビエの在庫管理などができる仕組みで、加工処理施設で導入が広がりつつある。今後、提供内容の拡充で毛皮や角、骨などの活用につなげ、有害鳥獣として駆除される野生動物の命を無駄にしないサービスを目指している。ジビエ管理サービスの名称は「ラクシカ」。横国大生の渡辺洋平さん(23)が開発した。サービスでは加工処理場の猟師の氏名、捕獲した日時や場所、個体の性別、重量などを入力する。届け出をする自治体の書式に合わせた形で書類を作成できるようにカスタマイズし、猟師の事務作業の負担が軽減できる。加工処理の進捗(しんちょく)情報を入力することで、ジビエの在庫管理としても使える。令和5年3月ごろ、北海道の加工処理施設を訪れ、着想を得た。北海道や長野県などジビエ活用に注力し、ブランド認証を進めている自治体で施設に高度な衛生管理を求めており、届け出書類が複雑化していることに着目したという。渡辺さんは対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を駆使して、サービスを構築。6月に運用を開始し、渡辺さんの出身地、北海道では5つの処理施設が導入し、約1600頭分の情報を登録している。将来的には、毛皮や革製品の流通履歴を記録したり、行政機関とも連携して自治体職員の事務手続きを効率化したりすることを目標にしている。渡辺さんは「野生にはデータ化の余地が残っている。さまざまなデータがつながればおもしろい」と話す。例えば、野生動物の捕獲場所のデータや集音マイクで録音した野生動物の鳴き声からシカが密集している場所を推定すれば、生態系を維持しながら狩猟を行うことができる。山中の獣道を歩く猟師の位置情報を把握すれば、遭難対策もでき、狩猟の安全性を高めることも可能になると、アイデアは尽きない。渡辺さんは3年、シカの毛皮やジビエを取り扱う「ディアベリー」を設立した。増えすぎたシカが与える農作物や森林への損害が社会問題化する一方で、ファッション業界などを中心にアニマルウェルフェア(動物福祉)の意識から毛皮や革離れが進む現状に違和感を覚えたことが活動の原点となっており、「シカを100パーセント利用して、命を無駄にしないサービスを作りたい」と話す。

(猟友会の活動を展示で紹介へ:長野)
麻績村公民館とおみ図書館は今春、猟友会の活動を紹介する初の展示イベントを計画している。野生鳥獣の個体数を調整して農作物被害などを抑える役割がありながら、猟銃やわなで狩ることにマイナスイメージもある狩猟について、展示や体験を通じて理解を深め、担い手を次代へ継承する機運を高める。「猟友会の一日に密着!猟師の世界をご覧あれ」と銘打ち、23日~4月14日に村地域交流センターの1階ロビーで催す。松塩筑猟友会の麻績支部(丸山富雄支部長)と日向支部(久保田正守支部長)、麻績村と筑北村坂井を担当する鳥獣保護管理員の新海秀幸さん(65)=聖=がイベント運営を担う。イノシシやシカを取り囲んで狩る「巻き狩り」の一部始終を撮影した写真や、猟友会員のジャケットやわな(くくりわな・箱わな、わな標識)、鳥獣の毛皮・革製品、鳥獣保護区看板などを展示する。猟銃所持の試験に用いられる模擬銃も並べ直接手に触れられるようにする。図書館も関連本を展示する。狩猟の担い手が高齢化して減少している現状を受けて企画した。村内2支部によると、会員数は計30人を切っている。新海さんは子供向け講座も検討し「狩猟は命をいただく厳粛な営みだ。展示を通じて住民に自然と人との関わり方を考えてもらう機会となれば」と話している。

(「単独忍び猟」のリアル、冬山で獲物が残した「4次元パズル」を解く:北海道)
今シーズンは、北海道でも暖冬が続いている。そうした気候の変化は、山に住む動物たちの生態にも影響を与える。北海道のほとんどの地域では、猟期は10月から3月までと定められているが、残された時間の中でハンターたちは冬山へと向かう──。元NHKディレクターの黒田未来雄氏が転身の経緯を明かすシリーズの第4回(第3回を読む)。単行本『獲る 食べる 生きる 狩猟と先住民から学ぶ“いのち”の巡り』より抜粋・再構成。獣の痕跡を追い、一人で山を歩くのが「単独忍び猟」の醍醐味だ。爪先が尖っているため、深い雪を嫌うエゾシカは、厳冬期には風で雪が飛ばされやすい稜線を歩くようになる。鉄砲を担ぎ、その足跡を追う。あっという間に心拍数が上がり、肩で息をするようになる。たまに足跡は稜線から外れ、なぜか深い雪の中に入ることもある。不可解な行動を無視して、歩きやすい尾根筋を辿ってゆくと、大きな倒木に進路を遮られたり、崖が崩れていたりで、結局は引き返さざるを得ない。山の歩き方は全て、地形を知り尽くした動物たちが教えてくれる。そして、その足跡の先には必ず彼ら自身がいるはずだ。しかしながら、ターゲットに追い付くのは簡単ではない。鹿は人間より耳も鼻もいい。目はそれほど良くないと言う人もいるが、僅かな動きを察知する能力では全く敵わない。鹿に勘付かれないよう、木や岩の陰に身を隠しながら慎重に進むが、何百メートル離れていようと、僕が木の陰から顔を出した瞬間に猛然と走り去ってしまう。一旦安全な距離まで逃げると、あとは一定の間隔を保ちながら、僕と同じ速度で移動してゆくだけ。こうなってしまうと、どれだけ歩こうが、もう追い付けはしない。人間のほうが圧倒的に不利な状況で行われる隠れん坊。鬼はむしろ鹿のほうだ。彼らに一旦見つかってしまったが最後、一瞬でゲームオーバーだ。だから、獲物の行動を読んで先回りしたり、相手の思いもよらない方向から接近したりするのは、狩猟に欠かせない基本のキだ。原理は極めてシンプル。正しい場所に、正しい時間にいられれば遭遇できる。ただそれだけのことだ。X・Y・Z、3次元の座標。プラス、時間軸の4次元。分解してみれば、理論的に要素は4つしかない。ところが、ここに天候や植物の生育状況に、鹿自身の気分など、様々な因子が複雑且つ流動的に絡み合うから厄介だ。正しい場所と時間に到達するため、まずは、正しかった場所と、正しかった時間から推理を組み立ててみる。正しかった場所。これは簡単だ。足跡、フン、食痕(しょくこん)。獲物がピンポイントでそこにいたという確固たる証拠だ。ならば、何の植物を食べているのか。それはどこに生えているのか。結論として今、足跡はどこに向かおうとしているのかを突き詰めてゆく。正しかった時間。これは相当に難しい。鹿はどのくらい前にその場所にいたのだろう。ついさっきなのか、半日前なのか。足跡であれば、風や日光によってどれだけ崩されているか、また、上に降り積もった雪や落ち葉の量を見る。食痕であれば、断面の乾燥具合、フンであれば硬化の程度などを観察する。冬のエゾシカのフンは黒い長円形の粒状で、一度にいくつもがパラパラと落とされる。一見、同じように雪の上に転がっていたとしても、つついてみてコロコロと転がれば新しい。逆に、雪に張り付いて動かなければ、凍るだけの時間経過を示唆する。ただし、気象条件は一定ではない。新しい足跡があっという間に強風で消えてしまうこともあれば、天候が安定している場合は1週間前のものがくっきりと残っていることもある。フンも、凍ったり溶けたりを繰り返す。この4次元パズルをひたすら解いてゆく行為が、狩猟だとも言える。平面上のX・Y軸を辿るのは、地図を俯瞰(ふかん)して見ているようなものだ。座標が変化すれば、草地だったり、川だったり、森だったりと、環境が変わる。鹿はそれぞれの環境を使い分けて暮らしている。敢えて単純化すると、草地=食事、川=水飲み、森=休憩、といったところだ。Z軸は標高。X・Y軸と同義な部分もあるが、時間軸とより密接に関係している気がする。鹿は本来、夜行性ではなく、昼でも夜でも活動して寝たい時に寝る動物だそうだ。しかし、ハンターの圧力がかかっている場所では、どんどん夜行性に傾いてゆく。法律により、発砲していいのは日の出から日の入りまでと定められていて、日中に出歩けば弾を喰らう危険性があるからだ。だから、夕方から明け方にかけて山を降り、草地で食事をして川で水を飲む。ハンターにとっては、鹿が動いているほうが見つけやすい。だから、日の出直後と日没直前が、最も獲りやすいタイミングだ。ところが、その時間帯に鹿がどれだけ活発に動くかは日によって異なる。例えば大きな影響を与えるのが、それまでの気象だ。日の出が朝6時だったとしよう。猛烈な低気圧が通過したばかりの6時と、晴れて暖かい日々が続いたあとの6時では、鹿にとって全く違う意味を持つ。更に、風の向きと強さ、雲の厚さ、朝霧の有無など、変動要素は枚挙にいとまがない。毎日決まって、時計の針が文字盤の6の数字に重なる瞬間が訪れようとも、実際には同じ6時など存在しない。日々変わる「朝6時」をどう解釈するか。それがハンターの力量である。だが自分の読みがピシャリと当たることは少ない。「今日は確実にあの場所にいるに違いない」と考え、絶対に見つからないと思われるルートを苦心惨憺(さんたん)して辿り、理想的なポジションから覗き込む。結果、そこに鹿は1頭もいなかった、といった事態は日常茶飯事だ。それでも、場数を踏むと共に確度は上がる。山の中で一人、喜びも悔しさも独り占めにしながら、ハンターとしての僕は少しずつ成長してゆくのだ。

(「熊被害」が東京の“都会に住む人間”にとっても他人事ではない理由)
2023年ほど多くの日本人が熊に怯えた年はないだろう。環境省の統計によると、同年4~10月までの全国の熊による人身被害は速報値で180人にのぼり、これまで最も多かった2020年度の158人を上回り、過去最悪を更新した。例年、熊は9月頃が最も動きが活発で、以降は目撃情報が減少していくはずなのだが、温暖化の影響なのか、ドングリの不作で餌が十分に確保できないなどの要因で、2023年は10月になってから逆に出没数が増加。10月だけで71人が熊被害に遭うという異常事態となった。人身被害が起きたエリアは18道府県に及び、死者数も5人(岩手県2人、北海道、富山県、長野県がそれぞれ1人)と、過去最多の2021年度などに並んだ。そのなかでも秋田県は61人、岩手県は42人と被害者数が飛び抜けて多く、両県だけで被害件数の6割近くを占めている。とくに秋田県は「緊急事態宣言レベル」といわれるほど被害が増加し、これまで最多だった2017年度の20人から約3倍になっており、県担当者はこの異常な状況について「餌となるブナの実が大凶作で餌を求めて人里に出没しているのではないか」と分析している。今までの常識であれば、北海道に生息する凶暴なヒグマと違い、本州や四国にいるツキノワグマは人間との軋轢を避ける傾向が強く、遭遇すること自体がまれで襲撃される可能性も極めて少ないとされていたが、その常識が通用しなくなっているのだ。その他、ツキノワグマの被害件数は福島県で13人、青森県で11人、長野県で10人、新潟県と富山県で各7人などが上位で、東北や中部地方での熊被害が目立つ。しかし、今までほとんど熊被害が確認されていなかった島根県や山口県でも今年は被害が報告されている。1990年代まで、島根と山口における熊被害はほぼ皆無だった。しかし、現地の医療関係者によると、2000年以降は熊の襲撃による外傷で病院に運び込まれる人が少しずつ増えていたといい、2023年は増加傾向が顕著になっているという。一部では「ツキノワグマは関門海峡を泳いで渡る能力がある」と指摘され、熊が絶滅したといわれている九州にまで生息域を広げる可能性がある。東京都も例外ではない。都の集計によると、2023年11月末までのツキノワグマの目撃等情報は161件。奥多摩町が66件と最も多く、次いで檜原村が23件となった。これだけ見ると「東京といっても多摩地域の山間部だけの話でしょ」と思ってしまうが、八王子市が22件、あきる野市が18件、青梅市が17件にのぼっており、着実に熊は都会に近づいてきている。研究者の指摘では「東京都内に生息している熊は増加傾向で安定しているとみられる」とされ、今後さらに東京での出没例が増えていきそうだ。

(「熊は人を食べない」定説が崩壊した理由)
熊による襲撃は凄惨なものが多く、2023年の被害でとりわけ世の中を震撼させたのが、11月に北海道の大千軒岳へ登山に出かけた22歳の男子大学生が遺体で発見された事件だった。激しく損傷した大学生の遺体の近くにヒグマの死骸があり、登山中だった大学生とは別の消防士の3人グループが襲撃されたが、その際になかの一人がナイフで熊の顔や首などを刺し、撃退していた。ヒグマはその傷が原因で死亡したとみられる。大学生の遺体は損傷が激しすぎるために死因の特定に難航したが、警察がヒグマの胃の内容物を調べたところ、大学生のDNA型と一致したことで、ヒグマに襲われて死亡していたことが確定した。通常の熊被害では、警察やマスコミの「配慮」によって、具体的な体の損傷状況などは伏せられることが多い。しかし、この一件では死因の特定に熊の胃の内容物の鑑定が用いられ、注目度の高い事件だったことから多くの大手メディアで報じられたため、世間の人々は「熊は人間を襲って食べる」ということを改めて認識させられた。2023年5月には、北海道幌加内町の朱鞠内湖で釣りをしていた男性がヒグマに襲われて死亡。遺体は「ほぼバラバラ」といえるほどすさまじく損傷しており、警察官らの捜索によって付近で頭部が発見され、さらに覆うように被せられた草木の下から胴体とみられる遺体の一部が見つかった。ヒグマは食べ物を埋めるなどして隠す習性があり、「保存食」として隠していたのではないかとみられる。男性を襲ったとみられるヒグマは現場付近で射殺されたが、胃袋には約9キロの内容物があり、その中には肉片や骨片があったことがわかっている。登山中や山奥での釣りでヒグマと遭遇してしまったのは不運としか言いようがないが、安全なはずの住宅地で襲われるケースもある。2023年10月、富山市南部の江本地区で頭やアゴを深く切り裂かれた七十代女性の遺体が見つかった。当日夜、女性の夫が「夕方から妻の姿が見当たらない」と警察に届け出て、署員が捜索したところ、敷地内で血を流して倒れている女性を発見した。死因は首や胸の骨折に伴う出血性ショックで、顔の損傷が激しく、身元の特定に時間を要したという。敷地内の畑には大きな熊の足跡があり、約1週間前には2.5キロほど離れた地域で女性が熊に襲われて重傷を負う事件も起きていた。運よく生き残れたとしても、熊の攻撃は非常に悪質でダメージが大きくなりがちだ。ある医療論文によると、熊の襲撃で受けた被害者の外傷はほとんどが顔面に集中しており、眼球を失ったり、鼻を全欠損したりといったケースが目立つ。熊は攻撃時に立位になると110~130センチほどの高さになることが多く、人間の頭頸部が爪や牙による攻撃の標的になりやすいとみられている。報道番組熊の襲撃を受けた被害者のレントゲン写真が公開され、頭蓋骨の中央部がグチャグチャになっていることにSNS上で騒然となったこともあった。ある形成外科医が明かしたところによると、熊によって顔面の中心を「かじり取られた」という事例もあり、現場に駆けつけた救急隊員が「被害者の眉間から両下まぶた、頬、鼻、上口唇がひとまとまりになったもの」を路上で発見し、病院まで持ち帰ってきたことがあったという。人的被害こそなかったものの、2019年以降に北海道の標茶町と厚岸町で放牧中の牛を合わせて66頭も襲い続けたヒグマ「0SO(オソ)18」は、アーバンベアの象徴的存在となった。本来、ヒグマは凶暴な性格とは裏腹に前述のとおり木の実などを主食にしているのだが、OSO18は特殊な熊で、肉を主に食べていたとみられる。多くのハンターが躍起になって捜しても見つからず、人前に姿を見せないのはもちろん、固定カメラにもほとんど映らなかったことから「忍者熊」とも呼ばれていた。2023年7月にOS018とは認識されぬまま駆除されていたことがわかったが、もしOSO18が牛に飽き足らず「人間の味」に目覚めていたらと思うとゾッとする。OSO18が肉食になったのは、ハンターが撃ったシカを放置しておくことが原因とも指摘されている。放置されたシカの死骸を食べて肉の味を覚えたのではないかというのだ。射殺後に放置されるシカは多く、それを食べたヒグマが肉食化し、第二、第三のOSO18が生まれる可能性がある。人身被害にしても家畜への被害にしても、専門家らの見立ては「今後さらに増加していくだろう」という意見で一致している。生息域の拡大も気になるところで、アーバン熊は私たちにとって無視できない身近で危険な問題となってくるだろう。

(シカのわな猟、遠隔体験:長野)
近年、深刻さを増す害獣被害。特に農作物への食害、車道への飛び出しで自動車事故を引き起こすシカの被害は多い。捕獲されても食肉利用率が低く大量廃棄されてしまう問題もある。そんな中、注目されるのが長野県上田市の山学ギルドが展開する「罠(わな)ブラザーズ」だ。ポイントは「肉」ではなく「捕獲用のわなを買う」シェアリングサービスであること。わなにかかったシカ肉を得られる上、都会にいながら狩猟を疑似体験できる。

(シカ急増で収まらない鳥獣被害、活路は「対策の広域化」「ICT」「ジビエ」)
気候温暖化の影響もあり、これまで被害報告が少なかった東北地方でも増加するなど鳥獣被害が全国に拡大している。農林水産省は自治体による対策活動を支援しているが、鳥獣のなかでも特にシカの繁殖率が高く被害はなかなか収束しそうにない。打開策として期待がかかるのが、対策の広域化やICTの活用、そしてジビエ(野生鳥獣肉)の消費拡大だ。「生物多様性」への関心の高まりもあり民間企業の参入も始まっている。全国で鳥獣による被害が拡大かつ深刻化している。農林水産省の統計によると、収穫前の野菜や果物を食い荒らすといった農作物被害額は年間150~160億円規模にも上る。この数字はあくまで被害報告があったものだけであり、未報告の小規模な被害や休耕地の被害などは含まれていないため、実態はさらに大きい。このほか、人に危害が加えられることもあるが、人身被害もこの被害額の対象外だ。鳥獣被害防止計画を作っている地方自治体は、全自治体のほぼ9割に相当する1517団体に上り、まさに全国規模の問題になっている。鳥獣被害の背景の1つには、気候変動によって鳥獣の生息範囲が変わってきたことがあるという。例えば、もともと降雪が多くてシカやイノシシが住みにくかった東北地方にも、最近になって温暖化により降雪量が減ったことで生息域が拡大し、被害が大きくなっている。このほか、狩猟者の減少、さらには中山間地域での人口減少により餌が取りやすくなっていることなどが鳥獣被害の減らない理由として考えられている。数ある鳥獣の中でも、特に増加が著しいのがシカ。環境省の資料によると、ここ数年は減少傾向にあるものの、ニホンジカの推計個体数は1989年に比べて約8倍の222万頭にまで増えている。この数字には増加が著しい北海道のエゾシカが対象外であり、エゾシカを含めた頭数でみると「全然減ってない状況」(農林水産省農村振興局農村政策部 鳥獣対策・農村環境課 鳥獣対策室 課長補佐の岩城数馬氏)という。こうした状況に対して、農家や地域住民などが自衛するだけでなく、国も積極的に対策を講じている。目標として「2028年までに、2011年比でシカ・イノシシ数を半減」を掲げ、捕獲事業に加え捕獲従事者の育成や確保など各種の支援策を進める。鳥獣被害に関して基本的な対策は3つある。捕獲などによってそもそもの鳥獣数を減らす「個体群管理」、農地の周りに柵を張るなどの「侵入防止対策」、人と動物の居住範囲を分ける「生息環境管理」である。最後の生息環境管理については、緩衝帯を設けたり、休眠農地の果樹を伐採したりするなどして、動物の居住範囲を人から遠ざけるための施策だ。これらの取り組みに対しては農林水産省が「鳥獣被害防止総合対策交付金」を設けて支援している。これは2007年(平成19年)に制定された鳥獣被害防止特措法に基づく交付金であり、地方自治体が地元の猟友会や農協と共に設立する地域協議会などに対して交付する。2024年度については概算決定額が99億円で、これに2023年度の補正予算49億円を加えた148億円が2024年度の対策費ということになる。農水省としては2011年以降、毎年100億円を超える金額を鳥獣対策費用として投じているが被害は収まらない。農水省によると、こうした状況の打開策の1つは「広域的な捕獲の強化」。これまでは鳥獣被害を受けていた農村など人間の居住地をベースとした対策だったが、今後はより「上流」に踏み込み、山間部などでの鳥獣捕獲などに取り組む。こうなると市町村単位での対策では収まらず、自治体同士の連携あるいは都道府県主導の取り組みが必要となる。つまり対策の「広域化」ということになる。打開策のもう1つがICT活用。関係者の数が限られるなかで、ICTを活用することで捕獲の促進だけでなく、被害の状況把握や集計作業の効率化を図る。具体的には罠の近くに置くセンサーやカメラ、集計アプリの開発などが挙がっている。これらにより、従来は人が巡回する必要があった罠に鳥獣がかかっているかどうかの確認作業や、捕獲場所などの市町村への報告を自動化できる。農水省としては、ICT利用についてさらに先の姿も示している。まず生息・捕獲状況をデータ化しデータに基づく被害対策の策定(計画)、続いて計画に基づきICTを活用した罠などを使った対策の実施(実行)、さらに対策の効果を定量的に確認し課題を整理(点検)し、点検や分析を踏まえた対策の改善を行う(改善)。こうしたPDCAサイクルを回すことで、従来は熟練者の勘に頼っていた捕獲作業が効率化されることが期待される。別の観点での取り組みが、野生鳥獣肉(ジビエ)の利用と消費の促進。捕獲した鳥獣を埋めたり焼却したりするのではなく、人間向けの食材やペットフードとして活用しようという取り組みである。これについても農水省は交付金の対象にするなどして積極的に支援している。従来は捕獲から処理加工、供給、消費に至るサイクルのいずれの段階にも課題があり、有効活用が進んでいなかった。例えば、捕獲段階では安定的な供給が確保されない、消費段階では消費先が一部のレストランに限られるなどの課題がある。農水省による支援策の1つは移動式解体処理車、通称「ジビエカー」の導入。捕獲した鳥獣を食材にするのに必要な血抜き作業のため、捕獲から2時間以内に処理施設に持ちこまないといけなかったが、この輸送負担が大きかった。そこで、専用の機材を装備したジビエカーにより、捕獲したその場で血抜きや枝肉に加工するなどの処理が可能になる。農水省の支援を受けることにより、各地で鳥獣被害対策が進んでいる。その1例が兵庫県相生市にある集落ぐるみの対策。過疎化が進むこの地域では、住民が 連携して「集落と森林との間に緩衝帯を整備」「センサーカメラなどによる被害状況の見える化」などの対策を進めるなどして、2017年時点で329万円あった被害が「ほぼゼロまで」(岩城氏)減少させることに成功したという。別の事例は長野県の小諸市の取り組み。こちらは市が主導となった例だ。同市では契約した専門家の指導のもとで計画的かつICTを活用した捕獲を進めている。合わせて市営の野生鳥獣商品化施設も設置し、同市内で捕獲されたシカは同施設に搬入され、ペットフードなどに加工されて高級品として販売されている。2019年度では市内で捕獲した鳥獣個体の96%を有効活用できており、近隣自治体からも捕獲鳥獣を受け入れている。隣接する佐久市や立科町とは広域協議会を設置し、捕獲機材を共同購入している。ICTの活用や活動の効率化に積極的ということで、他地域のモデル事業と言えるかもしれない。最近では企業の参入も始まっている。例えば、小田急電鉄は「ハンターバンク」を事業化している。ハンターバンクは小田急電鉄が社内の事業アイデア公募をきっかけとして事業化を進める活動であり、最近話題の「生物多様性の確保」を目的としたもの。農林業や生態系に影響を及ぼす獣害問題を解決するため、農林業者とハンター(免許保持者)や狩猟に興味がある人をマッチングする。2020 年 8 月から実証実験を行い、2022年6月から小田原市でサービス開始している。農水省が推奨するICTの活用やサービスの広域化は、民間企業が得意とするところ。鳥獣被害対策やジビエの活用は事業化のハードルが高いが、今後多くの企業が知見を持ち寄り、事業化と社会解決の解決が両立できるかどうかが注目だ。

(野生のシカやイノシシ、「ジビエ」以外の活用に脚光)
狩猟で捕獲した野生鳥獣の活用に再び注目が集まっている。新型コロナウイルス禍が一服、食肉「ジビエ」やペットフードとともに、皮革やツノ、脂肪などを活用した製品を製造・販売する例が目立ち始めた。クラウドファンディングによる応援購入サイト「マクアケ」に2023年7月31日、「一枚革から作る多機能ペンホルダー」というプロジェクトが公開された。野生のシカの皮革を材料に用い、①巻いて包めば「ペンホルダー」②机に広げれば「名刺やスマートフォン置き」③打ち合わせの際には「マウスパッド」――という製品の製作を応援するもので1個6000円。最終的に65人に85個を販売した。このプロジェクトの中心となったのが、明治大学理工学部建築学科の建築・アーバンデザイン研究室(佐々木宏幸教授)に所属する大学院生の庄野永駿さん、大学4年生の石川優希さん、住川千夏さんの3人だ。長野県南信州西部3村(阿智村、平谷村、根羽村)は、野生のシカやイノシシなどによる農作物被害に長年悩んできたが、駆除されたシカやイノシの大半は破棄されている。3村が直面する課題解決策として3人が考案したのが、普段シカト(無視)されているシカの皮革を活用する「SHIKATO(シカト)プロジェクト」だ。阿智村で捕獲したシカの皮革を、地元の皮職人の助けを借りながら地域のお母さんたちに製作を依頼し販売することで、獣害を減らしながら地域経済を潤して持続可能な循環型経済の創出を目指す。SDGs(持続可能な開発目標)の「12.つくる責任・つかう責任」「15.陸の豊かさも守ろう」などにも貢献できるという内容だ。「獣害の現状を多くの人に知ってもらうと同時に、地域の雇用にもつなげたかった」と石川さんはコンセプトを説明する。製品には、「シカト」と「シカプラス(=シカとともに)」という二重の意を込めてデザインした「鹿+」のマークと、「本体に使われている革は南信州で有害鳥獣として駆除された鹿のものです。皆様の意思が鹿と共生する地域づくりにつながります。『いただきます。』の思いを込めてデザインしました。」とのメッセージを記したカードを添えた。パッケージは、シカのシルエットをくりぬいたデザインにした。「開封前にまずシカのシルエットを通して、『もとは森にすんでいたシカだった』と獣害に思いをはせてもらいたかった」(住川さん)。ただ、当初のスケジュール通りに進まないなど失敗も多く、学ぶことばかり。「リアルな世界では『学生だから』と言い訳できないことを実感した」と庄野さんは振り返る。佐々木教授も「社会を直接相手にし、社会に働きかける難しさを実体験した経験は貴重。今後に生かしてほしい」と話す。3人は現在、「自分たちと同じ世代を含めた幅広い層へアピールしたい」と、シカ皮革を使った「ワイヤレスイヤホン用ケース」「スマホ用コードを束ねるホルダー」などの製品開発を進めている。農林水産省によると、22年度の野生鳥獣などの農作物被害額は155.6億円に上り、なかでもシカ被害(64.9億円)とイノシシ被害(36.3億円)が多くを占める。環境省の「シカ・イノシシの捕獲数及び被害等の状況等」によると、被害防止等を目的とした許可に基づく22年度のシカの捕獲頭数は71.6万頭、イノシシは59.0万頭(いずれも速報値)に上るが、そのうちジビエとして活用されるシカやイノシシは1~2割程度だ。21年9月施行の改正鳥獣被害防止特別措置法には、捕獲した鳥獣の処理・有効活用の更なる推進などが盛り込まれた。千葉県では革職人が23年5月に新団体「シシノメラボ」を設立し環境に負荷をかけない方法で加工した害獣の革製品「チバレザー」のブランド化を図っている。9月には金沢市の金箔大手がイノシシの皮革を金箔で彩った名刺入れを発売するなど、ジビエ・ペットフード以外の利用に目が向き始めた。ジビエ振興を図りたいという地域や自治体関係者を対象にジビエの衛生管理・処理方法、外食産業の動向などを指南する日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)が毎年開催する「地域に向けたジビエ基礎知識セミナー」にも変化が出ている。イノシシの脂を原料にしたせっけんを製造販売するジビエソープ(長野県佐久市)の松岡磨貴子社長、ジビエレザー「Portierra(ポルティラ)」を販売するA.I.C(兵庫県たつの市)の辻清課長の講演を23年度から盛り込み、後押しを始めた。同協会の藤木徳彦代表理事は、「ジビエの処理を行う食肉処理施設は赤字基調のところも多い。捨てていたものによって利益を得られれば経営力強化にもつながるはずだ」と狙いを話す。

(フルーツの里、シカ食害深刻:北海道)
「フルーツの里」として知られる増毛町暑寒沢地区の複数の果樹園で、エゾシカによる果樹の食害が相次いでいる。シカにとって冬場の主な餌となるササの葉が減っている上、今季の記録的な積雪でササが埋もれて食べられず、餌を求めて移動してきたとみられている。ただ被害の全容は分かっておらず、農家は「たまったもんじゃない」と落胆している。

(狩猟の担い手確保へ、高校で特別授業:群馬)
狩猟の魅力や社会的役割を伝え、将来の担い手確保につなげようと、沼田市の尾瀬高校で特別授業が行われました。この特別授業は県が2021年度から実施しているもので、14日は尾瀬高校・自然環境科の1年生19人が参加しました。講師は県自然環境課の金子文大さんが務め、野生鳥獣の分布が拡大し農林業などに大きな被害が出ていることを伝えました。尾瀬でも二ホンジカがニッコウキスゲを食い荒らし生態系に影響が出ていることが紹介されました。このあと生徒たちは県内で狩猟を行う捕獲従事者の指導の下、具体的な狩猟方法も学びました。罠や銃などの狩猟道具の使い方が説明され、模造銃を恐る恐る構えた生徒はその重みを体感していました。14日は最大で約1万人いた県内の狩猟免許保持者が約40年で半分近くまで減少していることも学び、生徒たちは授業を通して狩猟の社会的役割について理解を深めていました。

(クマ農林被害、十勝で高止まり:北海道)
十勝管内でヒグマによる農林業被害が増加傾向にある。2022年度の被害額は5300万円と過去10年間で20年度に次いで2番目となった。捕獲頭数は増えておらず、農業被害に捕獲が追いついていない状況だ。管内の猟友会関係者はハンターの負担が増えているとして、道などに活動への支援を求めている。

(市設置の箱わなでクマ捕獲:北海道)
根室市議会は14日、予算審査特別委を続行した。市内長節(ちょうぼし)の民間養鹿(ようろく)場で昨年9、10月にエゾシカがヒグマに相次いで襲われた問題で、市は養鹿場付近に仕掛けた箱わなで昨年12月に雌グマ1頭を捕獲したと報告し、目撃情報への対応について「目の届かない場所ではドローンも活用している」(農林課)と対応を強化していることを説明した。...

(アライグマ被害が都内で深刻:東京)
東京都内で特定外来生物のアライグマによる被害が増加している。農作物への被害金額は昨年度、過去最多の851万円となったほか、絶滅危惧種「トウキョウサンショウウオ」を捕食するなど、農業以外にも影響を及ぼす。関係者らは、被害を食い止めようと対策に腐心している。「心を込めて育てた作物が食い散らかされると本当に悔しい」。町田市でサツマイモなどを栽培する農業男性(54)はため息をつく。男性は5年ほど前に、アライグマによる被害に遭った。秋から冬にかけてサツマイモが根こそぎ掘り返されているのに気づいた。飼っているニワトリも4、5羽殺された。周囲の農家からは、「アライグマがいる」と聞いていたが、「多少の被害なら仕方ない」と考えていた。しかし、ニワトリまで被害に遭ったため、ニワトリ小屋の近くに箱わなを置いたところ、アライグマがかかった。男性は、小屋を補強するとともに、畑に電気柵を設置した。すると、アライグマによる被害は減ったという。ただ、サツマイモ畑を荒らされる被害は続いている。「一定の効果は出ているが、広い範囲に柵を張っても被害をゼロにはできない」と頭を抱える。環境省によると、アライグマが主人公のアニメが1970年代に放送されたのを機に、人気が高まり、国外から輸入が増えた。しかし、成長すると気性が荒くなる個体が多く、飼い主が捨てるなどした結果、野生化が進んだという。都内では、2003年度に初めて農作物への被害が確認された。都によると、06年度に被害が急増したが、その後はいったん落ち着いた。しかし、15年度以降に再び増加し、昨年度は過去最大の851万円に上った。捕獲数も増加傾向にある。05年度に36匹捕獲され、09年度は100匹を超えた。19年度には834匹、昨年度は1282匹になった。都では、13年度にアライグマと、被害が多く出ているハクビシンの防除計画を策定。計画では、▽原則として生け捕り型の小型の箱わなを使う▽庭木に残る果実や放棄農作物などを適切に処理することなどを示している。今年度からは、JA(農協)や区市町村に対し、アライグマのような中型の野生獣による農作物被害防止対策をした場合に、補助金を出す事業を開始。捕獲や処分に関する経費も半分を補助している。都の担当者は「少しでも被害を少なくするために、関係機関が行う取り組みを支援したい」と話している。影響は農作物だけでなく、生態系にも及んでいる。里山の自然環境保護などの活動を行う団体「西多摩自然フォーラム」によると、05年から青梅市内で、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているトウキョウサンショウウオの死骸が見つかるようになった。周辺の足跡などからアライグマに捕食されたと考えられている。あきる野市内の水辺でも、10年から被害が顕著になった。産卵のために水辺に来たトウキョウサンショウウオを捕食しているとみられる。この水辺では06年頃、 卵嚢らんのう が約800房あったが、10年には500房まで減少した。同団体は被害を食い止めるため、水辺を管理する都に、箱わなの設置を依頼した。効果はあり、多くのアライグマが捕獲された。卵嚢の数は回復していき、13年には1000房を超え、現在は1200房程度で推移しているという。同団体は「今後も対策を続け、トウキョウサンショウウオを守っていきたい」としている。アライグマの生態に詳しい国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構、茨城県つくば市)の小坂井千夏主任研究員は「アライグマの被害を根絶するには、個人や行政が連携し、限られた予算の中で効率よく捕獲することが求められる」と指摘。また、「アライグマを野放しにすると、民家の屋根裏などにすみ着いて感染症を媒介する可能性がある」と警鐘を鳴らす。

(鳥獣被害防止へ捕獲法学ぶ:北海道)
アライグマなどの鳥獣被害対策をテーマにした芦別市農業研修講座が15日、市総合福祉センターで開かれ、農業者約30人が防除や捕獲のコツを学んだ。...

(クマ出没想定の訓練、クマ役は警察官:北海道)
春が近づくと懸念されるのがクマの出没です。北海道函館市で19日、学校にクマが出たという想定の訓練が実施されました。これは函館市上湯川町の小学校グラウンドで行われた訓練です。警察官がクマ役となり、学校関係者や市の職員らがドローンからクマが嫌がる犬の鳴き声を流したり、爆竹を鳴らしたりして追い払う流れを確認しました。(函館中央警察署 小本達也地域課長)「クマを目撃した場合は慌てず、冷静に、警察にすぐ連絡する」。ことしに入り函館市内でクマの目撃情報などが相次いだほか、桧山の乙部町でもクマが目撃されていて警察は警戒を呼びかけています。

(マタギ本人から話を聞く座談会:青森)
クマの狩猟を行う下北半島のマタギの文化や伝統についてマタギ本人から話を聞く座談会がむつ市で開かれました。この座談会は16日、むつ市のNPO法人が開き、「畑マタギ」と呼ばれるむつ市川内町の畑集落のマタギなど3人が参加しました。「最後の畑マタギ」とも言われる大澤専悦さん(77歳)は、県内外から詰めかけたおよそ150人を前に、下北の山々を歩きクマがいそうな穴や山の特徴を5年かけて覚えたことや、クマをしとめたあとには敬意を込めて「シオクリ」と呼ばれる儀式を行うことなどを紹介しました。また、いま山の中ではかつて見られた一部の動物の姿がほとんど見られなくなるなど、生態系が大きく変わりつつあると危機感を示していました。このほか、「畑マタギ」に関する著作がある弘前市出身の紀行作家、根深誠さん(77歳)は、昔は男性だけがクマを料理し、水や包丁を使ってはいけなかったことなど独特のしきたりを紹介しました。参加者からはマタギとハンターの違いやクマとの共生についての質問が相次ぎ、大澤さんたちが丁寧に答えていました。千葉から参加した男性は「本やインターネットでもなかなか知ることができないので勉強になった」と話していました。大澤さんは「後継者がいないのは時代の流れでしかたない。クマを撃つために自分で歩いて山を覚えたことが財産だ」と話していました。

(3日連続で市街地にクマ出没:秋田)
「冬眠明け」は特に注意が必要です。秋田市の市街地で3日連続で目撃されるなど、各地で相次いでいるクマの出没。遭遇した女性がその脅威を語りました。秋田市では市街地のすぐ近くでクマが出没。茂みの中をうろ付いているのは子グマでしょうか。クマが出没したのはJR秋田駅からわずか1キロほど。市街地に隣接した林道です。秋田大学のキャンパスからも近く、周辺では3日連続でクマが目撃されています。冬眠時期である2月にも目撃が…。今月14日、取材班はクマと遭遇した親子に話を聞きました。2人の子どもを育てる立花三央さんは12日朝、息子を保育園まで送る途中に車内からクマを目撃しました。クマはその後、茂みの奥に入っていったといいます。林道を抜ければ、すぐに住宅地です。周辺には小学校などもあり、日常生活での不安が募ります。この地域では、去年の秋にもクマの出没が相次いでいました。住宅の敷地の木にクマが登っているのを近隣住民が目撃。撮影した男性はひと月の間に2度、クマと遭遇しています。去年、市街地での出没が多かった地域は冬眠明けのクマの行動に注意が必要だと専門家は警鐘を鳴らしています。石川県立大学 大井徹特任教授「去年、たくさんクマが出没した地域では春先に目覚めたクマは餌(えさ)に飢えている可能性がある」。冬眠から目覚めたクマが巣穴から出てくる姿を捉えた貴重な映像。足を伸ばして崖の岩場をゆっくりと移動します。今年は暖冬の影響などで冬眠明けの時期が早まっている可能性もあるなか、問題は山の食べ物が不足していることです。石川県立大学 大井徹特任教授「東日本の山奥では山の中の植物はまだ冬枯れの状態、餌は乏しい。北東北中心に(去年)秋のドングリが不作。餌が山の中で少ない状態だった。脂肪蓄積が十分できていなかったクマも多いと考えられる」。べ物を求めてクマが人里に出没する恐れがあるといいます。石川県立大学 大井徹特任教授「去年、北東北中心にクマがたくさん出没した。そういった地域では人里の周辺で冬眠してしまったクマもいると考えられる。クマが早くから目覚めて家庭から出た生ごみやペットの餌、家畜の飼料を求めて出没する可能性がある。クマを引き寄せないようにクマの餌となるものが身の回りにないか、あったら除去しておく必要がある」。突然、クマと遭遇して襲われないように見通しの利かないところでの行動は避けるなど、注意を呼び掛けています。

(カメラの前にじっと居座るクマ、住宅地近くに出没相次ぐ:北海道)
北海道乙部町の住宅地近くでクマの出没が相次いでいます。今月11日から連日目撃されていて、18日もカメラの前に姿を現しました。午後1時ごろに撮影したクマの様子です。じっと居座り、草を食べています。時折こちらを気にするそぶりも見せています。クマが出没したのは、乙部町豊浜の国道229号沿いの山の斜面です。この付近では今月11日から18日まで連日、体長およそ1.2メートルのクマ1頭が目撃されていて、同一の個体とみられています。豊浜地区は乙部町の中心部から10キロほど離れていて、出没が相次いでいるのは住宅地からほど近い場所です。町はすでに箱わなを設置しているほか、警察もパトロールを強化し、住民に注意を呼び掛けています。

(クマとみられる動物の目撃情報:兵庫)
3月15日夜、兵庫県神戸市北区でクマとみられる動物の目撃情報があり、警察が注意を呼び掛けています。15日午後9時15分ごろ、神戸市北区山田町で女性から「クマらしき動物を目撃した」と警察に通報がありました。警察によりますと、動物は1頭で体長1メートルほど、現場から山の方に逃げていったということです。足跡やふんなどは見つかっていませんが、クマは夕方から早朝にかけて出没する可能性が高いということで、警察が注意を呼び掛けています。現場は、神戸電鉄・北鈴蘭台駅から南東に約1キロで、近くには住宅街もある地域です。

(駅付近でイノシシの目撃情報:新潟)
新潟県長岡市によると、3月16日17時30分ころ、新潟県長岡市寺泊桐原地内の桐原駅付近でイノシシの目撃情報があった。

(クマ目撃:北海道)
15日午後6時55分ごろ、池田町美加登付近の町道で、車で走行中の男性が道路を横断するクマを目撃し、池田署に通報した。人畜への被害は確認されていない。

(クマの目撃相次ぐ:富山)
富山県の高岡市と立山町でクマの目撃情報が13日相次ぎました。冬眠明けのクマはえさを求めて活発に活動するため、県などが注意を呼び掛けています。14日午前7時ごろ、富山県高岡市西海老坂の土砂採取場でダンプに乗っていた作業員が、クマ1頭を目撃して警察に連絡しました。目撃した作業員によりますと、クマは土砂採取場の中をうろついていて、別の作業員がショベルカーのクラクションを鳴らすと、山の方角に逃げていったということです。この日は午後1時半ごろ、立山町白河でもクマ1頭が目撃されています。富山県自然保護課によりますと、例年クマの冬眠が明けるのは3月末から4月頃で、冬眠明けのクマがエサを求め活発に活動するため、春先の山菜採りなどの際には、スプレーやヘルメットなど装備するよう呼び掛けています。

(イノシシの出没について:佐賀)
伊万里警察署からのお知らせです。本年3月15日午後6時30分頃、伊万里市山代町所在の福川内公民館付近において、イノシシ 1頭が出没しました。

(国産ジビエ認証施設に福岡「糸島ジビエ工房」、岩手「MOMIJI」認証)
農林水産省は3月14日、国産ジビエ認証制度にかかる認証機関により、国産ジビエ認証施設の第37号として食肉処理施設「糸島ジビエ工房」(福岡県糸島市)」が、また、第38号として食肉処理施設「MOMIJI」(岩手県大槌町)が認証されたことを発表した。国産ジビエ認証委員会が登録した認証機関(一社)日本ジビエ振興協会で、認証申請のあった食肉処理施設「糸島ジビエ工房」と同「MOMIJI」の審査を実施。両施設は、制度に規定する全ての要件を満たすと認められ、それぞれ「国産ジビエ認証施設」の食肉処理施設に認証された。

(スーパーでシカ肉試食会:北海道)
根室産エゾシカ肉「根室ディア」の試食会が根室市内のスーパー「マルシェ・デ・キッチン」で開かれた。札幌市在住の料理研究家、青山則靖さんがエゾシカ肉を使った料理2品を調理し、買い物客に提供した。

(シカ肉の味、猟師が伝える:北海道)
昨年、比布町内に移住した30代の若手ハンター桑野未来さんが、エゾシカ肉を加工販売するジビエ工房「PIPIYUK(ピピユク)」の事業を軌道に乗せようと奮闘している。桑野さんは「害獣として駆除されるシカを活用し、肉のおいしさを伝えたい」と意気込む。

(安全でおいしいシカ肉いかが:岩手)
遠野市松崎町の遠野ジンギスカン羊丸・道(加藤穣店長)は、大槌町でジビエ事業に取り組むMOMIJIが加工したシカ肉の提供を始めた。資源の有効活用を掲げ、市民らが味わう機会を増やす。安全でおいしい肉はジンギスカン鍋との相性も抜群で、新たな人気商品として期待が高まる。スライスしたもも肉はオリーブオイルに漬け、刻んだニンニクなどで香りを付けた。柔らかい肉は歯切れがよく、舌触りがいい。ジンギスカン鍋で焼くことで余計な油が落ち、よりヘルシーに楽しめる。1人前(120グラム)千円、あばら骨ごとカットしたチョップは1本1100円で提供する。MOMIJIの最高品質の肉は3歳以下の雄または4歳以下の雌で、銃を使い捕獲した現場で血抜きをし、1時間以内に施設に搬入する。衛生管理も徹底されている。同社の兼沢幸男代表取締役(39)は「ジンギスカン店で提供することにより、これまで食べたことのない人にも広がってほしい」と期待する。

(県庁の食堂で提供されたのは…:山口)
山口県庁の食堂で15日、ジビエのメニューが登場しました。提供されたのは、「シカ肉の黒酢あんかけ定食」。酢豚をイメージしたメニューで、揚げたシカ肉と野菜などが甘酸っぱい黒酢で味付けられました。農林業における鳥獣被害の減少に向けた取り組みの1つで、捕獲した鳥獣をジビエとしておいしく食べられることを知ってもらおうと県が企画しました。県のまとめでは、昨年度、シカが9757頭、イノシシが1万9400頭捕獲されました。シカやイノシシを含む、野生鳥獣による農林業への被害は、およそ3億7400万円となっています。県 農林水産政策課 鳥獣被害対策班 中谷幸夫さん「ジビエを推進することで捕獲者のみなさんがより多く捕獲して、農林の被害も減少するのではないかと思っています」。今後、県では、一般の食堂などとも連携して、ジビエの需要拡大に努めたいということです。

(ACHI BASE 期間限定 ジビエフェア:長野)
2024年3月16日~6月30日の期間に開催。夜はテラスで星空も楽しめる。日本一の星空「長野県阿智村」の株式会社阿智昼神観光局(代表取締役社長:白澤裕次)が運営する観光拠点施設「ACHI BASE(阿智ベース)」の飲食スペースにて、2024年3月16日(土)~2024年6月30日(日)の期間、南信州のジビエ料理が楽しめる「ACHI BASE 期間限定 ジビエフェア」を開催いたします。日本一の星空の村にある観光拠点施設ACHI BASE(阿智ベース)は、村内および周辺観光案内、昼神温泉をはじめとした村内宿泊施設の案内・手配に加え、アウトドアグッズのレンタル、阿智村上空を遊覧するバーチャル体験「VR空中ACHIさんぽ」や子供用「KIDSボルタリング」などのアミューズメント施設として営業しています。建物内には飲食スペースを併設しており、テラスでのBBQ、村内の農作物・生産加工品を使ったコンセプトカフェとして営業しています。このたび飲食スペースにて飲食スペースにて、2024年3月16日(土)~2024年6月30日(日)の期間、南信州のジビエ料理10品が楽しめる「ACHI BASE 期間限定 ジビエフェア」開催を開催いたします。また、夜の時間帯は飲食でのご利用のお客様は、テラスにて星空をお楽しみいただけます。

(ジビエの利用促進、取り組み事例情報交換:静岡)
静岡県はこのほど、ジビエ(野生鳥獣肉)の利活用促進をテーマにした研修会を静岡市内で開いた。猟師や処理施設、飲食店の関係者ら約50人がジビエ業界の取り組み事例を情報交換した。

(クマ出没:)
色麻町によると、15日午後4時50分ごろ、色麻町高根新山付近にクマが出没しました。

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