<射撃ニュース4月>
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(クマ対策強化、麻酔銃扱える人材育成へ:山形)
市街地でクマの出没が相次ぐ中、山形県内では麻酔銃を使ってクマを捕獲できる条件を満たしている人が1人しかいないことから、県は、クマへの対策を強化しようと、麻酔銃を扱える人の育成に取り組むことを決めました。山形県ではクマが市街地に出没し、人に危害を加えるおそれがある場合、市町村がまずは追い払ったり箱形のわなを設置したりする対応を行い、それでも捕獲できない場合は麻酔銃の使用を検討します。市街地で麻酔銃を使うには、麻酔銃の所持許可と麻酔薬の使用資格が必要で、県は、住民の安全を確保するため、クマの生態に関する知識を持っていることやこれまでに麻酔銃でクマを捕獲した経験があることも求めています。県内でこうした条件を満たしているのは山形市の獣医師1人のみで、ことし2月に新庄市の市街地にクマが出没した際、この獣医師が山形市内から現場に駆けつけ、麻酔銃を使ってクマを捕獲しました。去年、県内の市街地でクマが目撃された件数は90件にのぼり、県は、クマへの対策を強化しようと、麻酔銃を扱える人の育成に取り組むことを決めました。対象は東根市の獣医師と鶴岡市の鳥獣被害対策推進員の2人で、今年度中に訓練を実施します。訓練では、麻酔銃の基本的な扱い方に加え、実際にクマに麻酔銃を使い、狙う場所や適正な麻酔の量などについて学ぶことが予定されています。県みどり自然課は「迅速かつ安全に対応できる人材を育成し、県民が安心して生活できる環境を整えたい」とコメントしています。
(「豚熱の防疫強化を」県が緊急対策会議:熊本)
宮崎県都城市で野生イノシシの豚熱(CSF)感染が確認されたことを受け、熊本県は14日、県庁で緊急防疫対策会議を開いた。農林水産省の通知に基づき、熊本県内では養豚場への侵入防止や、イノシシの捕獲と検査を強化する。
(県に有害鳥獣対策で要望、狩猟免許の取得支援など:兵庫)
神戸市など9市町の市町長で構成する神戸隣接市・町長懇話会は11日、兵庫県に対して狩猟免許の取得支援など有害鳥獣対策について要望を提出した。神戸市の久元喜造市長、明石市の丸谷聡子市長、三木市の仲田一彦市長が兵庫県庁を訪れて、斎藤元彦知事に要望書を手渡した。ツキノワグマの目撃情報が兵庫県南部でも相次ぐなど野生動物の生息域拡大で、市街地への出没による事故などが警戒される中、捕獲の担い手である狩猟者の確保・育成を求めた。要望書では、研修の開催や免許取得・更新の費用を支援するなど技術的・経済的な狩猟者への支援を求めたのに加え、兵庫県立総合射撃場(三木市)を最大限に活用するなど体験会などを通じた狩猟への関心を高めるための施策の実施も要望した。さらに狩猟者らが継続的に意欲を持って狩猟に取り組むための仕組みづくり、環境づくりについても要望に盛り込んだ。兵庫県と各市町は今後、担当者間で対策などについて検討する。神戸市などが県への要望に乗り出した背景には、有害鳥獣の増加に反して狩猟者の高齢化や減少がある。要望を受けた斎藤知事は、狩猟者の高齢化については兵庫県としても課題として認識していることを説明。狩猟免許を取得した人のうち、実際に狩猟するのに必要な狩猟者登録をする人が半分以下にとどまるほか、取得した狩猟免許を更新せずに失効させている人が多い現状も、何らかの対策が必要であるとの考えも示した。実際、丸谷明石市長の家族も狩猟免許を更新せず失効させたという。斎藤氏は、ベテランの狩猟者と若手が交流することで、技術や意欲を高め合えるような場が必要だと指摘。最近では鳥獣対策に臨む農家の女子高校生を描いた「罠(わな)ガール」、作者本人が狩猟に取り組む様子を記録した「山賊ダイアリー」といったマンガが人気を得ていることから、若年層が狩猟に興味を持つきっかけになる可能性があるとの見方も斎藤氏が示した。神戸隣接市・町長懇話会は神戸市のほか同市と隣接する芦屋市、西宮市、宝塚市、三田市、三木市、明石市、淡路市、稲美町の市町長で構成する。
(『鳥獣保護管理法』改正で市街地での熊への発砲が可能に)
熊に襲われる被害が全国で多発している。こうした事態に政府は『鳥獣保護管理法』の改正案を閣議決定したが、熊などの危険鳥獣への対応はどう変わるのだろうか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。伯父はハンターです。政府は市街地での猟銃使用を緩和する『鳥獣保護管理法』の改正案を閣議決定。これで熊に対し、ハンターの裁量による発砲が可能となりました。でも、流れ弾が一般人に当たった際の責任の所在がはっきりせず。もし、伯父の弾が人に当たったら、責任を負わなければいけないですか。『鳥獣保護管理法』に基づき、都道府県は熊などの指定管理鳥獣を捕獲・殺傷する事業を実施できますが、現行法では猟銃を使った捕獲等は麻酔銃の使用以外、住居の集合地域や駅などの人が集まる場所(住居集合地域等)では禁止されています。しかし、威力に劣る麻酔銃で熊を捕獲等することは困難であり、市街地に出没する熊への対策が急務になっていました。今回、閣議決定した同法改正案では、新たに緊急銃猟の章を設け、熊などの危険鳥獣が住居や広場など日常生活の場所や乗り物に侵入し、人の生命、又は身体への危害を防止する措置が緊急に必要で、銃猟以外の方法では的確かつ迅速に熊等の捕獲等をすることが困難を要し、通行禁止や避難等によって地域住民に弾丸が到達する恐れがない場合に、市町村長が狩猟免許を持つなど一定の資格を有する職員に実施させ、あるいは職員以外の者に委託して銃猟ができるとしました。その結果、発生した損失は市町村が補償します。あくまでも人身被害を防ぐ銃猟では、事前に避難させるなど人に被害が生じない建付になっており、ここでの損失は弾丸で建物が壊れるなどの物的損失が念頭にあります。ただ、職員の流れ弾で人がケガをした場合、過失がある限り、市町村の緊急銃猟事業の実行という公権力の行使に際して起きた事故として市町村には賠償責任があり、『国家賠償法』によって職員は免責されます。銃猟を受託した非公務員の発砲であっても、緊急銃猟事業の一環です。改正法では弾丸が到達する恐れのある人に向かって銃猟する場合には、市町村長の指揮を受けて行なうことになるようですから、私は事故が起きれば市町村が『国家賠償法』に基づく責任を負い、銃猟を受託された人は公務員に準じて免責されるべきと考えます。
(マダニ媒介の感染症『SFTS』、今年県内初確認:高知)
高知県内の80代女性がマダニが媒介する感染症「SFTS」にかかっていたことがわかりました。県内では、今年に入ってからは初めての感染例です。県健康対策課によりますと、4月上旬、須崎福祉保健所管内の80代の女性が発熱したため医療機関を受診しました。その後、県衛生環境研究所で検査を行ったところ、マダニが媒介する「SFTS」ウイルスを検出。4月10日にSFTSの発生届が提出されました。女性は現在、入院しているということです。SFTSは、主に野外に生息するマダニに咬まれることによって感染し、発熱や嘔吐、腹痛などを引き起こし、重症化すると死亡することもあるということです。県は、農作業やレジャーなど野外で活動するときは、肌の露出を避けるとともに防虫スプレーを使うなど、マダニに咬まれない対策をするよう呼びかけています。
(マタギ発祥は日光?:栃木)
「マタギ」といえば思い浮かぶのは秋田地方の伝統的猟師だが、その発祥の地は栃木県日光市だという。その由来と、獣害の現状を聞くため、市内で続く人気のジビエ体験講座に参加した。新聞社に届くプレスリリースの一つに案内を見つけた。「マタギの始祖の猟場 奥日光で狩猟&ジビエ体験」という講座だ。主催は日光自然博物館(日光市中宮祠)。シカなどによる食害、狩猟者不足などにより増える動物たちの現状を伝えるのが目的で、4年前に始めたという。猟期の12~3月に原則毎月1回開いている。午前中の座学で、日光とマタギのかかわりについての説明を受けた。解説した同博物館業務部長の青木孝純さん(62)によると、その根拠は「山立根本巻」という巻物だという。
(「チューリップまつり」会場でシカの食害相次ぐ:群馬)
群馬県桐生市の公園で開かれている「チューリップまつり」の会場にあるチューリップが、野生のシカに食べられる被害が相次ぎ、公園の管理会社が柵を新たに設置するなどの対策を始めました。桐生市の吾妻公園を管理する造園会社によりますと、ことし2月以降、園内のチューリップ畑で、芽やつぼみが相次いで食べられ、周辺にシカの足跡が残されていました。この公園では今月5日から20日まで「チューリップまつり」が開かれていて、事前に植えられていたおよそ1万株のうち、2割ほどがシカに食べられ、山際の一部では花がほとんどなくなっていますおよそ60年続くこのまつりの会場で、チューリップがシカによる被害を受けるのは初めてだということです。県内ではシカの生息域の拡大に伴って樹木や花などの食害が後を絶たず、公園を管理する造園会社では、周辺に柵を新たに設置するなどの対策を始めました。造園会社の福田勝巳代表は「去年からまつりの準備を進めていたので残念です。無事に咲いている花もたくさんあるので、来場する方にはご理解いただきたい」と話していました。
(ヒグマ・ツキノワグマ共通!基本のQ&A5選①:秋田)
クマにまつわる、よくある疑問一つひとつについて、丁寧に回答しているWEBページがあります。書いたのは、秋田県の職員です。答えている質問の数は、30個にのぼります。Q&A全体のポイントについては、すでにこの連載の中でお伝えしましたが、ツキノワグマ・ヒグマの生息する全国各地にとって、一つひとつが参考になる内容です。「正しく知って、正しい知識に基づいてきちんと対策すれば、無駄な衝突をせず暮らしていけると思う。ひとり一人に、正しい知識を身に着けてほしい」そんな秋田県の思いに共感し、SitakkeでもQ&Aのいくつかを抜粋してご紹介します。今回は、ツキノワグマにもヒグマにも共通の、生態と対策の基本編です。秋田県のホームページ内「クマについてよくあるご意見・ご質問」から、ツキノワグマにもヒグマにも共通の解説文を抜粋して5つご紹介します。①クマが活発に活動するのはどの時間帯ですか?季節にもよりますが、薄暗い時間帯(明け方・宵の口)が最も活動的になります。ただし、日中も比較的活動していますので、「人が起きている時間帯はクマも活動している」と心得てください。②クマのナワバリはどれくらいの広さですか?クマはナワバリ(排他的に占有する地域)を持ちません。複数のクマが同じ地域を共有しながら生活しています。個体ごとに普段利用している地域(行動圏)はオスで100k㎡度、メスで数k㎡~数十k㎡です。③クマによる事故を防ぐにはどうすれば良いですか?①クマとの鉢合わせを避ける―クマとの事故を防ぐために一番重要なことは、クマと鉢合わせしないことです。クマは基本的に人と至近距離で会わないよう行動しています。そのため、音や声で人の存在をアピールし、それに気づいたクマに避けてもらうことで至近距離での遭遇を避けることができます。よく音の通る鈴を持つ、スマホやラジオで音楽を鳴らす、柏手を打つ、誰かとおしゃべりをする、自転車のベルを鳴らすなど、どのような手段でも構わないので、クマがいそうな場所では音を立てて行動するようにしましょう。②クマに会ってしまったら―クマの様子を見ながらゆっくり後ずさりをしてクマとの距離をとりましょう。背中を向けて走ってはいけません。クマが追いかけてくる可能性があります。後ずさりをするときは、可能であれば木や電柱などクマと自分との間に遮蔽物が挟まる位置関係になるように移動しましょう。万が一の攻撃を受けづらくなります。付近に建物や車など逃げ込める場所がある場合は、速やかに避難してください。③襲われそうになったら―クマ撃退スプレーを持っている場合は迷わず使ってください。何も無い場合は、防御姿勢をとってください。両手で首を抱え、顔を伏せる姿勢です。クマは首から上を攻撃することが非常に多いため、防御姿勢によって頭部や顔面の損傷を少しでも小さく抑えましょう。④両手をあげて体を大きく見せたり、大声を出すことは有効ですか?クマとの距離や遭遇した状況によります。体を大きく見せたり、大声を出すことでクマを退けられることもありますが、至近距離で遭遇した場合などは、かえってクマを興奮させてしまう可能性もあります(その場を立ち去ろうとしていたクマに対して大声を出した方が、クマに攻撃された事例があります)。気迫で負けないことは重要ですが、大声を出せば必ずクマを退けられるとは考えない方が良いでしょう。⑤タバコや蚊取り線香の煙はクマよけになりますか?普段嗅ぎ慣れないにおいで人の接近に気付くことはあると考えられます。ただし、煙だけの対策では風向きによっては効果が出ない可能性があります。音は煙よりも風向きに左右されにくいため、積極的に音を立てるようにしてください。Q&A全文は、秋田県のホームページ内「クマについてよくあるご意見・ご質問」からご確認いただけます。
(ヒグマ・ツキノワグマ共通!基本のQ&A5選②:秋田)
①温暖化の影響で雪の少ない年や暖かい冬が増えると、冬眠しないクマも増えるのでは?クマは寒いから・雪が降るから冬眠するのではありません。食べもののない季節をエネルギー消費を抑えて乗り切るために冬眠するのです。雪の少ない年や気温の高い冬であっても、山の中には食べものがありませんので、クマが冬眠せず活動し続けることはないと考えられます。ただし、冬も人の生活圏にある食べもの(生ごみ、コンポスト、枝に残ったカキなど)にありつくことができている限り、冬眠せずに起きていることができます。人の生活圏でクマに食べさせないことが重要です。②秋田県にはツキノワグマとヒグマのハイブリッド個体がいると聞いたのですが?いません。秋田県に生息しているのはツキノワグマです(日本で野生のヒグマが生息しているのは北海道のみです)。過去に県内で飼育されていたヒグマが逃げ出した事故が発生していますが、逃げ出した個体はその場ですべて捕獲されています。なお、ツキノワグマとヒグマは別種の動物であり、自然界で交配し繁殖する可能性は極めて低く、現在のところ県内でそうした個体が確認された事実はありません。③クマが人の生活圏に出てくるのはクマが増えすぎたからではないのですか?出没の多寡はクマの数「だけ」で決まるものではありません。クマの「数」のほか、「居る場所(分布)」や「山の中の食物量」などのバランスによると考えられます。たとえば、2023年の秋はクマの大量出没が発生しましたが、2022年は出没が非常に少ない秋でした。クマはたった1年で急激に増える動物ではありません。2022年と2023年の大きな違いは、クマの数ではなく山の中の食物量だったと考えられます。一方、山の実りがそろって不作になった年は過去にもあったはずですが、これまで無かった規模の大量出没が2023年に起きたのは、過去と現在のクマの数と分布の違いだったのではないかと考えられます。人とクマの生活空間が近接・重複した状況下で、人の生活圏にある食物にアクセスしやすい状況と山の実りの不作が重なったため、2023年の大量出没が発生したと推測されます。④ドングリなどのクマが食べるものを山にたくさん置いてあげれば良いのではないですか?野生動物に対し、給餌などの人為的介入を行うことは基本的に望ましくありません。クマに限らず、本来食物が不足することで生息数が抑えられていたはずの鳥獣が、給餌によって増えすぎてしまう懸念があります。加えて、本来そこになかったはずのドングリ(種子)やそれについている虫が他所から持ち込まれることで地域の生態系のバランスが崩れる可能性もあります。野生動物は自然の中でたくましく生きています。野生動物は野生のままに。なお、秋田県ではナラ枯れ対策や針広混交林化事業を行っており、自然の植生回復や生物多様性の確保等を図っています。⑤電気柵は危険ではないですか。触った人がケガをしないか心配です。市販されている電気柵を使用する限り、危険なものではありません。過去には電気柵(のようなもの)による死亡事故が起きていますが、それは自作のものによる事故でした。市販されているものは電気事業法や関連する省令に基づいて製造されており、流れる電気量や間隔がコントロールされているほか、安全装置が整備されています。きちんと市販品を使用すれば、電気柵は安全で有用性の高いものです。一方で、「触ってもケガをしないくらい弱い電気でクマ対策に効果があるのか」という疑問も聞かれますが、ケガはしなくても痛みは感じます。電気柵に触れると痛いと学習することによって、クマをはじめとした野生動物は電気柵を忌避するようになります。秋田県のホームページでは、「電気柵をクマに突破されました。効果が無いのでは」という質問に対しても、写真付きで解説されています。Q&A全文は、「クマについてよくあるご意見・ご質問」からご確認いただけます。
(ヒグマ・ツキノワグマ共通!基本のQ&A5選③:秋田)
①クマによる人身事故や農作物被害を防ぐため、もっと駆除すべきではないですか?捕獲(駆除)も重要な対策のひとつであり、各地域において状況に応じて捕獲が行われています。ただし、クマの出没はクマの数「だけ」ではコントロールできません。出没要因を除去しない限り、いくら捕獲をしてもクマの出没は続きます。捕獲「だけ」に頼る対策では、限界があります。出没要因の除去(農地への電気柵の設置、誘引物となる廃棄作物や生ゴミの適正処理など)と捕獲、両輪で対策を進める必要があります。一人ひとりがクマを集落に寄せ付けない、通わせないよう、対策に努めましょう。②出てきたクマを捕るのではなく、山に入って積極的にクマを捕獲するべきではないですか?クマの出没や農作物被害、人身被害が多く発生するのは6~10月です。この時期の山は草木が生い茂り、見通しが非常に悪いため、捕獲者がクマと鉢合わせをする危険性があります。捕獲従事者の安全管理上問題が大きいため、出没や被害の多い時期に山に入って銃を用いた捕獲をすべきではありません。一方で、人とクマとの間に適切な距離をとり、棲み分けを実現するため、集落周辺に定着している個体に捕獲圧をかけるなどの対策は必要と考えています。この方法については現在情報収集・検討中です。③家の近くにクマが出ます。近くにわなを置いてもらえませんか?集落内や市街地にわなを設置するのは難しい場合が多いことをご理解ください。わなにはハチミツなどクマをおびきよせるための誘引餌を使いますので、かえってクマを集落内に引き寄せてしまう可能性があります。また、親子が出没していて、子グマだけがわなにかかってしまった場合、知らずにわなの近くを通った人が母グマからの攻撃を受ける危険性もあります。さらに、誰でも簡単に見つけて近付ける場所に設置した場合、興味を持った人が触ってしまうことで、わなの仕掛けが作動しなくなる懸念や、ふいにわなのフタが落ちて人がケガをする懸念があります。こうしたことを防ぐため、出没しているクマの構成やクマの通り道などを見極めながら、わなを設置すべきかどうか、設置するならどこが良いか、慎重な判断が必要です。④クマを駆除するのではなく、麻酔をかけて山奥に放すか、動物園で飼育してはどうですか?クマを奥山に放獣しても元の捕獲場所(人の生活圏付近)へ回帰してしまう例が報告されていること、放獣先の地権者や周辺住民の理解を得ることが社会的に困難であること、現在本県の生息状況は安定していると考えられること等に鑑み、秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第5次ツキノワグマ)計画期間中は放獣しないこととしています。今後、個体数のモニタリングを行う中で必要に応じ放獣の実施を検討していきます。また、クマは長寿命の動物です。飼育下では30年ほど生きることが知られています。捕獲されたクマをすべて動物園に収容していると、あっという間に動物園がクマだらけになり、それぞれのクマを最大30年間飼育し続けることは容易ではありません。秋田県では捕獲(駆除)だけに頼っているわけではなく、クマの個体数をモニタリングしながら、誘引物の除去や電気柵の設置等と併せて対策を行っています。⑤捕獲されたクマを引き取って飼育したいのですが?動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)において、クマは「特定動物」に指定されています。特定動物を飼育するには、飼育施設ごとに予め都道府県知事の許可を受ける必要があります。ただし、動物愛護管理法の改正により、愛玩目的で新たに特定動物を飼養することは禁止されています。なお、クマの捕獲許可について、許可申請を行う段階で捕獲の目的と捕獲後の処置について明記しています。捕獲の目的や捕獲後の処置に飼養と記載していない場合、その許可で捕獲したクマを飼養することはできません。Q&A全文は、秋田県のホームページ内「クマについてよくあるご意見・ご質問」からご確認いただけます。
(クマに9回襲われて生還した識者が伝授「死んだふりは有効でコツがある」)
童謡やアニメのキャラクターでおなじみのクマだが、現実世界では人の命を脅かす猛獣だ。襲われたときに命を守る方法を知らないまま、登山やキャンプで野山に分け入るのは危険である。そこで今回は、NPO法人・日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長に、クマに遭遇した際の「生存マニュアル」を伝授してもらった。米田氏はクマに9回襲われ、そのたびに生還した経験を持つ。一般的には「死んだふり」が有効だとされるが、専門家の見解とは。「ある日、森の中、くまさんに出会った」――。誰もが知っている童謡「森のくまさん」の歌い出しだ。だが、登山・キャンプ・山菜採りなどの最中に、本当にクマに遭遇したら生命の危機である。環境省の調査によると「クマ類による人身被害」は毎年50~150件ほど発生している。2008~22年度の15年間で死者が0人だった年は2回(15年度・18年度)だけだ。他の13年間は1~5人の死者が出ている。クマの側が逃げていく場合や、けがで済む場合も多いため件数は少ないものの、命を落とす人は確実に存在するのだ。過去には、1970年に当時大学生だった青年5人が北海道の日高山脈でヒグマに襲撃され、うち3人が命を落とした「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」など、痛ましい出来事も起きている。万が一、われわれがクマに遭遇した場合、どうすれば生存確率が高まるのだろうか。「絶対にやってはいけないのは『クマに背を向けて逃げる』ことです。クマは左右前後に急に動くものに敏感に反応し、反射的に襲います。『後ずさり』する方法が効果的だとよくいわれますが、もし山中でクマに出会った場合、野山に慣れていない現代人が足元を見ないまま逃げようとすると、ほぼ確実に植物などに足を取られて転倒します。そのまま襲われてしまう可能性は高いでしょう。クマの走る速さは時速50~60キロメートル。例えるならば、五輪金メダリストのウサイン・ボルト氏よりも速い。もし転ばなかったとしても、慣れない山の中で逃げ切るのは難しいといえます」こう指摘するのは、NPO法人・日本ツキノワグマ研究所の理事長を務める米田一彦氏だ。米田氏は秋田大学教育学部を卒業後、秋田県立鳥獣保護センターに勤務。1986年以降はツキノワグマの研究に専念し、89年に同研究所を立ち上げた“クマの専門家”である。また、米田氏はクマの観察や追跡調査を行う際、遭遇・捕獲したクマに9回襲われ、そのたびに生還した稀有な経験を持つ。有効なクマ対策について身をもって知る、まさにスペシャリストだ。クマと出会った際に生き残る方法に話を戻そう。一般的に知られているのは、「死んだふりをすると助かる」という説だ。米田氏も「死んだふりの有効性については研究者の間でも諸説ありますが、私は効果があると考えます」と語る。ただし、「生き残る確率を高める上では“ある姿勢”を取ることが大切です」と米田氏は続ける。「9回襲われた識者」が伝授する、有効な死んだふりの方法とは――。
(クマ活発化、住宅街で大捕物:岩手)
周囲の警戒を気にすることなく、市の中心部を歩き回るクマ。盛岡駅からわずか500メートルほどの寺の敷地に姿を現すと、木によじ登っていた。現場は、盾やさすまたを持った警察官などが続々と集まり物々しい雰囲気になる。クマの真下に脚立を設置し、クマに向かって吹き矢を放つ男性。そのおよそ10分後、麻酔が効いて動かなくなったクマが、赤いソリのようなものに乗せられて運ばれていく。捕獲されたクマはその後、市内の山林に放されたという。
(安房猟犬猟野競技会:千葉)
館山市大井で行われた2024年度安房猟友会猟犬猟野競技会で、南房総市千倉町川戸の小原健一選手(75)が、成犬の部と若犬の部でダブル優勝した。鳥猟犬が決められたエリア内で、やぶなどに隠れている放鳥を探す競技。鳥を見つけ出すだけでなく、選手(ハンドラー)との連携も審査基準となる。大会には3歳以上の成犬9頭、3歳未満の若犬3頭が出場。2ペアが同時にスタートし、ウズラの置き鳥にポイント(獲物を見つけハンターにその位置を知らせる動作)させるというルールで行われた。小原選手は、成犬の部に雌のチバホリエ・アイムズ・エス(6歳、英国セッター)、若犬の部に雌のAWAコハラ・グラウス・リップ(2歳、同)と出場。ポイントや探索のグラウンドワークが良いと評価され、両部門で優勝した。小原選手は、安房猟友会の猟犬委員長で、22年の県大会で優勝するなど、優秀な猟犬を育てており「犬の訓練は、呼びやグラウンドワーク、ポイントをしっかりさせ、ぴたりと止めること」と肝を説明。「次回は、より多くの参加を期待している」と話している。
(国道走行中「クマとぶつかりました」:北海道)
北海道・釧路市阿寒町で2025年4月13日午後6時すぎ、国道240号を走行していた乗用車の運転手から警察に「クマとぶつかりました」と110番通報がありました。警察によりますと、乗用車の左フロント部分がへこんでいたということです。車にはドライブレコーダーなどはついておらず、警察は警戒を強めています。
(高校生「クマが追いかけて来た」:北海道)
12日夜、北海道北広島市のサイクリングロードにクマが出没し、自転車に乗った高校生が約100メートルほど追いかけられました。警察によりますと、12日午後7時25分ごろ、北広島市南の里のサイクリングロードにクマが出没し、自転車で通りかかった高校生を追いかけました。クマは10メートルほど先にいる高校生を約100メートルほど追いかけ、高校生はクマの姿がみえなくなってから警察に「クマを見つけた。そのクマが後を追いかけてきた」と通報しました。警察が、高校生から聞き取った話では、高校生がサイクリングロードを恵庭市から北広島市方向に走行中、枝が折れるような音が聞こえたため、音のする方向を見ると、体長約1メートルのクマが出てきたということです。この高校生にけがはなく、警察は高校生の性別や、当時一緒にいた人がいるかどうか明らかにしていません。北広島市の職員が現地を調査していますが、これまでにクマの痕跡は見当たらないということです。
(外野芝生席からシカ“乱入”数分間試合が中断:奈良)
ロートスタジアム奈良で橿原と高取国際が対戦中、右翼後方、外野芝生席からシカ2頭がグラウンドに“乱入”し、試合が中断した。シカがグラウンドに入ったのは四回、高取国際の攻撃中で、数分間にわたり駆け回った。幸い大きなトラブルはなかったが、春の珍事にスタンドはどよめいた。
(ジビエ×グルテンフリーで届ける:長野)
北アルプスの玄関口・長野県大町市。木崎湖のほとりに佇む小さなキッチントレーラー「Boca Y Cola(ボカ・イ・コーラ)」は、グルテンフリーでサスティナブルな食事を楽しめる注目のスポットです。オーナーの川村美咲さんは、自身が長年悩んできた原因不明の体調不良が、小麦を摂取しなくなったことで好転したことをきっかけに小麦を使わない食生活を始め、その経験をもとに「制限があっても食を楽しんでほしい」との想いからこの店をスタートさせました。Boca Y Colaのメニューは、どれも素材からこだわったメニューばかり。特に人気の「鹿焼肉丼(1000円)」は、大町市旧美麻地区で農作物を荒らす有害鳥獣対策事業で捕獲された鹿肉を、グルテンフリーの自家製タレで香ばしく焼き上げた一品です。お米は、目の前に広がる木崎湖畔・稲尾の田んぼで育てられた無農薬の自然栽培米を使用しています。
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(イノシシから「豚熱」確認、養豚事業者らを集めた緊急防疫会議:宮崎)
宮崎県内で11日、45年ぶりに豚熱の感染が確認されたことを受け、県は養豚事業者らを集めた緊急の防疫会議を開きました。県によりますと、都城市の用水路で死んでいた野生のイノシシから、11日、家畜伝染病の豚熱の感染が県内では45年ぶりに確認されました。これを受け、県は、12日、養豚事業者らを集めた緊急の防疫会議を開き、野生動物の侵入対策や農場入り口での消毒など、防疫対策の徹底を呼びかけました。(みやざき養豚生産者協議会・長友浩人 会長)「正直もう、かなり驚いております。基本、殺処分しないように今精一杯努力しようというのがまず年頭にあるんですが、最悪のことも一応、考えた上で行政の方としっかり進めたいと思っております」死んだイノシシが見つかった地点から半径10キロの区域では97戸の養豚農場でおよそ17万4千頭を飼育していて、県は、この区域を「感染確認区域」として、イノシシの捕獲を強化するほか、豚熱ワクチンの緊急散布を行うことにしています。
(クマは発見に至らず、センサーカメラを1か所に設置:長野)
9日にクマの被害が出た長野県飯山市では、パトロールを続けながらも休校となっている学校などは来週から通常通りとすることを決めました。飯山市常盤では9日夕方、住民3人がクマに相次いで襲われ、男性2人が大けがをし、女性1人が軽いけがをしました。空き家に入ったとみられたクマはその後、行方が分からなくなり、10日は現場から1.6キロほど北東の国道脇の畑で足跡が確認されました。市は、県や専門家と協力し、11日は千曲川の下流の森林1か所にセンサーカメラを設置しました。センサーカメラは今後、市内およそ10か所に設置することにしていて、2週間をめどにクマの出没状況を調べます。市は対策会議を開き、休校していた保育園と学校は来週から再開することを決め、保護者に送迎や付き添いなどを求めました。
(増える「狩猟免許」所有者、実際に猟に出る人は少なく)
ジビエ料理ブームや近年のアウトドア志向などを背景に狩猟免許を持つ人が増えつつある中、実際に猟に出るために必要な都道府県への登録者は6割にとどまっている。人口減で獣害対策の担い手は不足しており、猟に出ていない「ペーパーハンター」や初心者が腕を磨けるよう、自治体が育成支援を進めている。環境省によれば、狩猟免許所持者は最新の2020年度で21万8495人。ここ10年ほどは増加傾向にある。一方で都道府県に「狩猟者登録」をした人の割合は減りつつあり、同年度は13万7381人と全体の63%にとどまっている。特に都市部に住む所持者にとっては猟場が遠いことなどもあり、活動しないペーパーハンターのまま、免許を更新せず失効する人もいるとみられる。各地には狩猟の手続きやノウハウが学べる猟友会があるが、加入義務はない。狩猟文化に詳しい東北芸術工科大の田口洋美名誉教授(環境学)は「猟友会に入ってもベテランとの世代差があり、なじめずにやめる人がいる。仕事に追われる現役世代は猟の時間も確保しづらい」と指摘する。こうした状況を背景に、初心者層の育成に自治体が本腰を入れている。兵庫県は2年がかりで実習などに取り組む「狩猟マイスター育成スクール」を実施。昨年6月には年中利用できる県立総合射撃場(80ヘクタール)を三木市に開設した。わなを仕掛ける練習ができる68ヘクタールの森「わなフィールド」や食肉加工施設があり、猟期前には無料講習も開く。京都府も「仲間が作れない」「猟場での動き方がわからない」といった声を受け、11年度から猟友会に学ぶ「狩猟インターン講習」を開催。銃・わなの安全な扱い方や、別の猟師が仕掛けたわなの近くに新たなわなは設置しないなど猟場のマナー、足跡の見極め方、解体方法などを伝授する。初年度の受講者は延べ13人だったが、24年度は延べ50人に。今年2月には京都市内の山で京都府猟友会の下鴨支部員が受講者2人とシカを追い込む「巻き狩り」を実践した。大道良太支部長(45)は「講習で仲間を作りやすくなるはず。成功体験が積めるよう、丁寧に教えたい」と語る。
(シカやイノシシ対策強化へ、ハンター増やし相談対応や現地指導も:広島)
広島県三原市は本年度、イノシシやシカから農作物を守るための対策を強化する。高齢化に伴うハンターの減少を受け、任命する対象者を広げて人員を増やす。シカによる被害が急増する中、ハンターは従来の捕獲業務に加えて住民の相談対応や指導にも当たり、地域ぐるみで取り組みを進める。
(ブナの実豊作で多くの子グマ誕生:青森)
青森県は11日、関係部局などでツキノワグマに関する情報を共有する連絡会議を開き、昨年県内で709件の出没が確認されたことが報告された。会議では、県民に対する注意喚起や猟銃の取得費用の助成をはじめ、人や農作物の被害防止に向けた取り組みを進めることも確認した。ツキノワグマの出没件数を巡っては、2023年が1133件で過去最多を記録。昨年は記録がわかる1992年以降2番目の多さとなったものの、前年からは大幅に減少した。県自然保護課によると、クマの餌となるブナの実が豊作だったため、食料を求めて人里に近づく機会が少なかったことが影響したとみられるという。会議後に報道陣の取材に応じた同課の桜田定博課長は、ブナの実の豊作を背景に多くの子グマが生まれ、今後母グマが餌を求めて行動範囲を広げる懸念もあると指摘。「普段見ないところまで(クマが)出てくる可能性もあるので、注意いただきたい」と呼びかけた。県は現在、3年連続となる出没注意報を県内全域に発令している。
(春先はシカ衝突事故に注意:北海道)
中標津署管内(中標津、別海、標津、羅臼の4町)でも雪解けが進み、餌を求めるエゾシカが道路に姿を見せる季節になった。同署管内では今年に入り、10日現在でシカと車両の衝突事故の届け出件数は13件に上る。4月上旬だけで2件発生しており、同署は運転速度を落とすなどドライバーに注意を呼びかけている。
(シカで衰退の森、再生への活動紹介:島根)
松江市西川津町の島根大でこのほど、京都府でシカにより衰退した森の再生に取り組む「芦生タカラの森」の鹿取悦子代表が講演し、多くの植物が共生する森林づくりの大切さを訴えた。
(秋田県から学ぶ、全国に通じる大切なこと)
最近のクマは、鈴やラジオの音では逃げない?クマに会ったら、荷物を置いて逃げればいい?そんなウワサを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。よくある疑問一つひとつについて、丁寧に回答しているWEBページがあります。書いたのは、秋田県の職員です。答えている質問の数は、30個にのぼります。ツキノワグマ・ヒグマの生息する全国各地にとって、参考になる内容です。書き手には、北海道でヒグマの研究をしていた経験もあります。なぜこのQ&Aを書いたのか。話を聞くと、全国に通じる大切なことが見えてきました。「クマについてよくあるご意見・ご質問」は、秋田県のホームページから見ることができます。人身事故や農作物被害を防ぐための方法や、クマの生態にまつわる疑問まで解説しています。「秋田県のクマ生息数」などもありますが、生態についてなど、ほとんどの解説はツキノワグマにもヒグマにも共通です。たとえば、「最近のクマは鈴やラジオの音では逃げないと聞きましたが」という質問には、以下のように回答しています。人の生活圏周辺に定着しているクマは、車の往来や人の活動を見慣れており、車や人から特に危害を加えられないことを学習しています。したがって、車や人と一定の距離が保たれていてクマが安全だと判断している場合は、人に気づいていてもクマが逃げないことがあります。このようなクマの多くは、逃げないだけで、積極的に近づいてくることはありませんが、人と鉢合わせをすれば攻撃してくることが予想されます。バッタリ遭遇を避けるために鈴やラジオの音を活用してください。その上で、「ただし、現在入山が禁止されている地域では、鈴やラジオの音に積極的に接近してくるクマが確認されています。入山禁止地域には絶対に立ち入らないでください」と、最新の出没情報を紹介しているページに案内しています。「クマに会ったら荷物を置いて逃げれば良いと聞いていますが」という質問に対しては、以下の回答です。絶対に荷物を置いて逃げないでください。荷物の中にあるお弁当やお菓子などをクマが食べた場合、そのクマは「人を脅かせば食べ物が手に入る」という学習をします。本来であればクマは人を避けて行動しますが、このような学習をしたクマは、人から再び食べ物を得るため、積極的に人に接近するようになります。人の荷物を狙ううちに行動がエスカレートしていき、人身事故に発展する危険性があります。クマには絶対に食べ物を与えないでください。人と食べ物を結び付けて学習させないよう、山などに食品ゴミを捨ててこないことも重要です。どちらも事故を防ぐための基本的な知恵ですが、誤解して覚えてしまっていると、命とりになります。中心になってQ&Aを執筆したのは、秋田県職員の近藤麻実さんです。近藤さんは、秋田県として初めての「野生動物の専門知識を持つ職員」として、2020年4月に採用されました。2020年7月に秋田県自然保護課内に開設された「ツキノワグマ被害対策支援センター」で、ツキノワグマをはじめ、サルやイノシシなど、野生動物全般の対策にチームで向き合っています。「正しく知って、正しい知識に基づいてきちんと対策すれば、無駄な衝突をせず暮らしていけると思う。ひとり一人に、正しい知識を身に着けてほしい」。そんな思いで、このQ&Aを書いたと言います。もうひとつ、市町村の職員への思いも背景にありました。2023年10月、秋田県内の店舗の作業小屋に、クマ3頭が入りました。親子のクマだったこともあり、捕獲されると秋田県と市町村には全国からの激しい批判が届きました。北海道でもたびたび、クマが駆除されたとき、自治体やハンターに批判の電話が殺到しています。業務にも支障が出るほどの量になることもあり、課題となっています。近藤さんは、市町村の職員が何回も同じ説明をしなくてはいけないことを気がかりに思っていました。自治体の職員は通常、数年ごとに異動があり、まったく野生動物の知識がない人が担当になることも多くありますが、さまざまな角度からの問いかけに一つひとつ確実に回答しなくてはいけない状況は、精神的な負担も大きいと考えたといいます。そこで、「市町村職員の皆さんが説明に困らないといいなと思って、参考になるようなページを県で作りたいと思った」といいます。実際に市町村職員からは「活用したい」「まとめてもらって助かる」という声も届いているそうです。専門知識のない職員も、住民もわかりやすいようにと、イラストや写真がふんだんに使われています。足跡については、見比べるための犬の足跡も含めて、イラストと写真計6枚で解説。クマのフンは、食べたものが目に見える形で出て来ることが特徴なので、食べもの別に写真5枚と、タヌキのフンの写真1枚で解説しています。手厚い…。近藤さんは、「足跡の通報が相次ぐものの、別の動物の痕跡のこともある。クマかもと思うと恐怖を感じると思いますが、見分け方を知っていれば、無駄にドキドキしなくていいかなと思って載せました」と話します。Q&Aからは、「いろいろな立場の人に配慮して書いた」ことが伝わってきます。解説文は、データに基づいて具体的に書かれています。近藤さんは、「気持ちでも想像でもなく、データを出して根拠があることをしっかり説明したいと思いました」と話します。それは、「クマはすごく人を二分する」からだといいます。クマの駆除に反対する人も、もっと駆除すべきという人もいて、ときには強い言葉がぶつかり合います。近藤さんは、「分断をあおりたくない。いろいろな立場の人に理解してもらえるように、いろいろな意見を取り入れるように心がけた」といいます。たとえば、「もっと駆除すべきではないですか」という意見には、「捕獲も重要な対策のひとつ」とした上で クマの出没はクマの数「だけ」ではコントロールできません。出没要因を除去しない限り、いくら捕獲をしてもクマの出没は続きます。捕獲「だけ」に頼る対策では、限界があります。出没要因の除去(農地への電気柵の設置、誘引物となる廃棄作物や生ゴミの適正処理など)と捕獲、両輪で対策を進める必要があります。一人ひとりがクマを集落に寄せ付けない、通わせないよう、対策に努めましょう。と答えています。「麻酔をかけて山奥に放せないのか」という意見には、 クマを奥山に放獣しても元の捕獲場所(人の生活圏付近)へ回帰してしまう例が報告されていること、放獣先の地権者や周辺住民の理解を得ることが社会的に困難であること、現在本県の生息状況は安定していると考えられること等に鑑み、秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第5次ツキノワグマ)計画期間中は放獣しないこととしています。今後、個体数のモニタリングを行う中で必要に応じ放獣の実施を検討していきます。 と、根拠を示しながら、県としての考えを説明しています。ハンターの立場に配慮した回答もありました。「ハンターが金儲けのためにクマを大量に駆除しているのではないですか」という質問に対しては、 いわゆる「駆除」は、被害防止などの然るべき理由を元に、有害鳥獣捕獲として捕獲許可手続きを経て、市町村が実施しています。ハンター個々人の判断や希望で利益を得るために捕獲しているのではありません。地域のくらしを守るため必要な捕獲です。ハンターの方々に対し、いわれのない批判はお控えください。 とはっきりと強調しています。近藤さんは、「誤解がないように丁寧に説明しようと思うと長くなりますが、あまり長いと読む気がなくなってしまうと思って、わかりやすさとちゃんとした説明を両立することに難しさを感じながら書きました」と話していました。自治体職員には異動がありますが、野生動物の対策には、長い年月をかけた調査や、地元の住民との信頼関係の構築、専門知識に基づく判断が必要です。秋田県では、初の「野生動物の専門知識を持つ職員」として2020年に近藤さんを採用したことに始まり、「ツキノワグマ被害対策支援センター」を作ったことで、クマ対策への本気度を示してきました。センターの職員は10人ほど、うち専門職は近藤さん1人の体制でしたが、秋田県は国内で6番目に広い面積を持ちます。よりきめ細かい対応のためには、徐々に人を増やしていく必要があります。そこで2024年度には、一気に2人の専門職員を新たに採用しました。今回の取材にも同席してくれましたが、1人は、「大学でクマについて学ぶ中で、必要だと考えていた自治体の動きを、近藤さんがどんどん実現していた。それを知ったこともあって、専門職に応募した」と話していました。取材中、近藤さんと新人2人が和やかに話し合う雰囲気だったのも印象的でした。近藤さんが「Q&Aのたたき台を作ったのは自分だけど、新人2人も含めてまわりにも穴がないかの確認など協力してもらった」と話すと、「穴なんてなかったですけどね!」とすぐにフォロー。私が「いろいろな立場の人に配慮した回答」について質問していると、「ハンターの立場についても話したほうがいいのでは」と意見してくれ、近藤さんも「たしかに!」と話し出すなど、頼もしい一面も見えました。近藤さんは県初の専門職員として、いろいろなメディアで取り上げられています。県が専門職員の重要性を認識し人を増やしたことや、実際に新入職員ともチームワークを築いている様子からも、活躍ぶりが伺えます。しかし近藤さんは、自分は「サポートの立場でしかない」と話します。「県にいる専門職員として、市町村のサポートが大きな使命だと思っています。現場で最前線に立つのは市町村職員のみなさん、その先に農家さんなど住民ひとり一人がいます。市町村には専門職員はいないし、異動もあるし、少ない人数であれもこれもやっていて、その中で一から自分で勉強するのは負担が大きい。県職員として、市町村が動きやすくなるように仕組みづくりなどから後方支援がしたいと思っています」。なぜ専門職員が必要なのか。都道府県の職員と、市町村の職員、それぞれに求められることは何か。そのお話は、2月にあった、クマに関する大きな国の動きにも関連していました。
(秋田県から学ぶ、全国に通じる大切なこと)
2025年2月、クマに関する大きな国の動きがありました。現行の法律では、住宅地でのクマへの発砲は原則禁止されていて、危険が差し迫ったときのみ、警察官の指示のもとで発砲ができます。連日クマが出没していても、発砲がなかなか許可されないケースもあり、対応の遅れが懸念されてきました。2月21日、政府は鳥獣保護管理法の改正案を閣議決定。クマなどの「危険鳥獣」が人の生活圏に侵入した場合、緊急性や安全確保などの条件を満たせば、市町村長の判断で銃の発砲を許可できるという内容です。北海道内のハンターからは、「大きな前進」と歓迎する声も聞かれます。ただ、法律が変わるだけでは課題はなくなりません。今だからこそ各自治体に求められることを、秋田県の事例から考えます。たとえばあなたの住宅の目の前にクマがいたとします。すぐに対処してほしい!と思うかもしれませんが、そこで発砲しても危険はないでしょうか?クマはどんな様子なのか、周囲の人は避難しているのか、外の暗さや天候はどうか…など、いろいろな条件によって変わってきそうです。これまでも法律の壁はありましたが、条件がそろい、例外的に発砲した事例もありました。野生動物の対策には、長い年月をかけた調査や、地域住民や関係機関との信頼関係の構築、専門知識に基づく判断が必要です。しかし、自治体職員には「異動」があります。野生動物の知識がまったくない職員が担当になるケースも多くあります。判断基準が現場によって違ったり、迷って対応が遅れたりした場合、住民やハンターにリスクがあります。各自治体は、どのように「発砲すべきか」「安全に発砲できるか」を判断するのか。法律が変わってすぐに解決するのではなく、ますます各自治体のクマ対策の重要性が高まっているのではないでしょうか。秋田県では2020年4月、初めての「野生動物の専門知識を持つ職員」として、近藤麻実さんを採用しました。近藤さんは三重県出身で、もともとはジャングルに生息するような海外の野生動物に興味を持っていたといいますが、進学した大学で唯一野生動物に関わるサークルだった「ツキノワグマ研究会」に入ったところ、「クマの沼にはまった」そう。山の中に自動撮影カメラを設置し、カメラの前を歩くクマの撮影に成功したとき、「こんなに大きい動物が、生き生きと動いてるんだ」と感動を覚えたといいます。大学院まで進んでから、北海道の研究機関に9年間勤務し、主にヒグマを担当していました。秋田県職員になってからは、2020年7月には秋田県自然保護課内に開設された「ツキノワグマ被害対策支援センター」で、ツキノワグマをはじめ、サルやイノシシなど、野生動物全般の対策にチームで向き合っています。センターの職員は10人ほど、うち専門職は近藤さん1人の体制でしたが、2024年度に2人を新たに採用し、専門職員は3人という体制になりました。初の専門職員として注目を浴びる立場ですが、近藤さんは、自分は「サポートの立場でしかない」と話します。「県にいる専門職員として、市町村のサポートが大きな使命だと思っています。現場で最前線に立つのは市町村職員のみなさん、その先に農家さんなど住民ひとり一人がいます。市町村には専門職員はいないし、異動もあるし、少ない人数であれもこれもやっていて、その中で一から自分で勉強するのは負担が大きい。県職員として、市町村が動きやすくなるように仕組みづくりなどから後方支援がしたいと思っています」。たとえば、住宅地にクマが出没したときは、発砲するにしても、クマを山へ追い払うにしても、住民を避難させるにしても、警察と自治体との連携が重要になります。いざというときのために、日ごろから考え方やお互いの動きを話し合っておく必要がありますが、近藤さんは「市町村ではなく都道府県レベルでやっておくべきこと」と考えているといいます。クマを捕獲すべきかどうか、各市町村が判断基準にするのが、「都道府県が作った管理計画」です。北海道でも、「北海道ヒグマ管理計画」をもとに、各市町村が判断しています(知床半島では独自の管理計画も作成しています)。都道府県が全体の方針など「仕組み」を整えておくことが、各現場の判断の支えになるのです。都道府県に専門職員がいれば、現場対応の支援もでき、日常の対策の相談に乗ることもできます。「誰にも相談できないって心細いですから」と、市町村職員の「困った先の杖」となることを心がけている近藤さん。実際に市町村職員から、「困ったときに自然保護課に電話すれば良いと思えるだけで心強い」「自然保護課は最強の後ろ盾」という言葉をもらっているといいます。そして、専門職員に相談できる環境は、市町村職員にとってもスキルアップにつながります。近藤さんは、「県の方針決定という大きな舵取りをしつつも、現場対応も支援しつつなので大変なことも多いですが、やりがいも喜びもひとしおだなと感じています」と話します。国内では、市町村の単位で専門職員を雇用している事例もあります。さらに地域の事情に合わせた、きめ細やかな対応ができるようになります。ただ、クマは市町村の境目を越えて動くこともあり、近隣市町村との連携も、都道府県全体での仕組みも引き続き重要です。近藤さんは、「秋田県の場合は、まずは県による幅広いサポートに取り組んで、仕組みを充実させたい」と話していました。ここまで話を聞くと、正直思います。「北海道は貴重な人材を失ってしまったのではないか…?」。なぜ北海道でのヒグマの研究職を離れ、秋田県職員になったのか、聞いてみました。「研究がしたいというより、人とクマとの無駄な衝突を防ぎたいという気持ちが強かったんです。研究者が知るだけではなくて、正しい知識を地域に広めないと意味がないと、ひしひしと感じていました」。しかし、住民への普及啓発や、現場で一緒に手足を動かしての対策の機会は、研究機関ではなかなかありませんでした。そんなとき、秋田県庁での募集を見つけたそう。もともとはツキノワグマが原点で「愛着もひとしお」だったこともあり、応募を決意しました。今の仕事は「大変だけど楽しい」といいます。「市町村職員や住民との付き合いの中で、信頼してもらって相談してもらえるようになったり、対策がうまくいったり…小さな積み重ねを、積み重ねていける感じが楽しい」と、笑顔で話してくれました。ただ、必ずしも北海道にとってマイナスというわけではないようです。北海道の研究機関の「大好き」な先輩が、「秋田県ですごい体制を作れ」と激励してくれたことを心の支えにしてきたといいます。今も北海道の研究者や自治体職員とも交流があり、ときどき情報交換をしているそうで、「クマの種類は違いますが、対応の勘所は共通しています。全国に仲間がいるのは心強い」と話してくれました。近藤さんのような専門職員の存在は、これからのクマ対策のカギになります。しかし、クマ対策は一人だけの努力では前に進みません。最前線に立つ、市町村の職員。その判断を支える、都道府県の職員。ときには都道府県の枠も超えて交流することで、互いのいいところを、地域ごとに合った形で取り入れていく…。そうして各現場の教訓が、次第に国全体のクマ対策を動かしていくのかもしれません。この記事では自治体の役割について考えましたが、命と暮らしを守るためには、住民ひとり一人にも知っておくべきことがあります。秋田県では、クマにまつわる、よくある疑問30選に答えた、Q&Aを公開しています。
(海を泳いで渡った"離島イノシシ"が日本各地で増殖中!)
イノシシって泳ぎがうまいの? そんなイメージはなかったけど、最近、海をはるばる渡って小さな離島で増殖し、住民に被害を及ぼす事例が増えているという。その被害に悩む島に実際に行って話を聞いてみた!兵庫県・淡路島の南5㎞ほどにある離島・沼島。人口わずか370人のこの島が大変な問題に巻き込まれていた。淡路島から海を泳いでやって来たイノシシが増殖し、推定頭数が島の人口に迫ろうとする200頭にまで増えているという。島の畑や道を荒らすなど被害も深刻だ。現地に赴き、島のイノシシ対策を担っている南あわじ市沼島市民交流センターの集落支援員、山見嘉啓さんに話を聞いた。「初めて島でイノシシが確認されたのが今から16年ほど前の2009年頃のこと。畑のサツマイモが誰かに掘り起こされて盗まれる被害があったんです。イノシシなんていませんでしたから『間違いなく人がやった』と犯人探しがなされる中で、現場に残った足跡を見ると蹄形だったんです。『イノシシかもしれない』と畑の所有者が言い出したんですが、そのときは誰も信じなかったんです」。しかし、事態は深刻化する。「被害があちこちで出始めました。イモだけでなく、カボチャやスイカなどが食い荒らされて、どの現場にも同じ蹄形の足跡が残っている。また、土をひっくり返したような大きな穴が掘られていたりすることから、みんな徐々に『イノシシが海を泳いでやって来たのでは......』と思うようになってきたんです」。しかし、イノシシが犯人という決定打はなかなか見つからなかった。「島で普通に生活しているだけでは、なかなか見かけません。イノシシの姿が確認できたのはけっこう最近で、17年。監視カメラを設置してイノシシが農作物を荒らしていることが映像で確認できたので、18年から捕獲をスタートさせました」。捕獲するためのワナはスタート時に3台だったものが徐々に増えていき、現在は島内に15台の箱ワナが仕掛けられている。「捕獲数は年々増加して、18年に12頭だったのが、昨年は130頭までに増えています」。島を案内してもらうと、今が旬のタケノコが荒らされた跡があった。「タケノコの皮がたくさん落ちているのはイノシシの仕業です。人間がタケノコを採っても、皮だけその場でむいて中身だけ家に持って帰ったりしないですよね。ミカンなんかもそうです。イノシシは器用に中身だけ食べてその場に皮だけ残すんです」。農作物が荒らされる被害だけではなく、段々畑を構成していた石垣が崩され、イノシシの通り道となっている箇所もあちこちにあった。「石垣として組まれていた大きな石が転がり落ちて、山の下にある民家のガラス窓をぶち破るなどの被害も出ました。特に見過ごせないのが、地震などのときに使う避難路に崩れた石垣や土砂がたまって通行できなくなるほど破壊されていること。南海トラフ地震の影響も考えられるエリアだけに深刻です。避難路へのイノシシの侵入を食い止めるために、イノシシが嫌がるにおいのする液体の入ったカプセルなどを設置してはいるんですが......」。最近は新たな悩みも増えているという。「箱ワナで仲間が何頭も殺されていなくなったということをイノシシが学習しているんです。ワナの床面にエサとなる米ぬかをまいているんですが、手前のほうを少し食べるだけ。ワナの奥の米ぬかの山の所まで行くと危険というのを知っていて、そこまでは行かない。古くなったエサはワナの近くに捨てるんですが、そのエサは跡形もなく完食です。箱ワナでのイノシシ駆除には限界を感じています」。人手不足も深刻なようだ。現在、イノシシ対策を行なっているのは山見さんのほかふたり。ふたりとも本業は漁師で、昨年イノシシを捕まえるワナの免許を取って参加している。「15ヵ所のワナのエサを替えるだけで、ふたりで半日かかります。箱ワナの中で作業をするので常時中腰でいないといけない。年齢的なこともあって腰にくるんです」体力だけでなく、精神的につらいシーンも。「6月、7月になってくると、イノシシの子供(うりぼう)がたくさんワナにかかるようになる。最後にやりで刺してとどめをさすんですが、うりぼうはものすごい声で『ギャーッ』と鳴くんです。その叫び声が耳に残ってしまって......。見た目もかわいいので、殺してしまうのは本当にかわいそうで精神的につらくなる。『ごめんよ』って声をかけながらやっています」。そんなこともあり、今年3月25日、島のイノシシ駆除に関わる人たちで僧侶と共に山に入り、箱ワナのおりの前で初めてイノシシ供養を行ない皆で手を合わせたという。「やはり動物の命を奪っているわけですから、何もしないわけにはいきませんよね」。ただ、悲観的な話ばかりではなく光明もあるようだ。「今年から野良猫がワナの辺りをパトロールし始めたんです。監視カメラから送られてくる写真に最近、猫が写り始めました。イノシシは猫が大嫌いで、猫が来たらパッと逃げる。この調子で猫が島中を動き回ってくれたら、イノシシの繁殖を邪魔して生まれてくるうりぼうの数が減るかもしれないとひそかに期待しています。結果は、うりぼうが生まれてくる6月ぐらいにわかると思います」。最後に、なぜ約5㎞もの海を泳いで淡路島から沼島にイノシシが渡ってきたのだろうか?と尋ねてみた。「あくまでも私個人の予想ですが、流されたのではなく、イノシシが自分から泳いで沼島に渡ろうと思ってやって来たと思います。というのも、淡路島と比べて沼島はイノシシの好物であるクヌギやクリの木があちこちにたくさんある。そのにおいが風に乗って淡路島まで流れていったんだと思います。沼島のほうからおいしそうなにおいがするなとわかったイノシシが『よし。泳いであの島まで行こう』と思って海を渡ってきたんではないでしょうか。とにかくイノシシはものすごく鼻が利くというか嗅覚が鋭い動物ですので。ちなみに、淡路島から沼島に泳いできたイノシシを動画で撮影された方がいて見せてもらったんですが、その泳ぐスピードがものすごく速いのに驚きました。潮の流れの影響もあるのか、オリンピックで金メダルが取れるんじゃないかというスピードでしたね(笑)」。ノシシが、泳ぎがうまいということには驚きだ。畑などを荒らす事例は多くあるが、実際に人の暮らす住居の中にまでイノシシが入り込み、冷蔵庫を開けてビールを飲んだりするという被害を受けた島もある。広島県尾道市の人口380人ほどの小さな離島・百島。この島でイノシシの駆除を担当する京泉盛勇さんに、なにゆえ百島のイノシシは民家の中まで入り込んできたのかを聞いてみた。「この島の農家はミカンなどのかんきつ類や野菜を作っているんです。そんなミカンや野菜が傷んで商品にならなかったものを、当時は畑の隅にそのまま捨てていました。イノシシが増えるにつれ、捨てられたものを食べに民家近くまでやって来るようになった。さらに、この島は家で自家製の漬物を漬けている家庭が多い。イノシシは発酵食品が大好きです。畑に近づいたイノシシがたまたま家の中からのおいしそうなにおいに気づく。そして、家に入り漬物を完食。さらに、食べ物のにおいのする冷蔵庫も床に転がしているうちにドアが開いて中のものを完食。そうやって一部の個体が学習していった結果だと思います」。イノシシが人の住居を襲うようになって以降、島の住民たちは自宅をフェンスで囲んで生活するようになった。それでも、その隙間を狙って侵入してくるという。「自治体から5㎜の太さの鉄で作った金網が支給されています。しかし、イノシシはこれを鼻先でこじ開け、たわませて20㎝ほどの隙間を開けると潜り込んで入ってきます。金網だけだとあまり役立っていないのが実情です」そして、イノシシが家の中に入ったときには、京泉さんに昼夜関係なしにSOSの連絡が入る。「夜中でも電話がかかってきて『なんとかしてー』と。行くことは行きますよ。けど、行ってもどうすることもできないんです。いくらイノシシが目の前にいるからといって人の家の中で猟銃は撃てませんから。仕方ないので、鍋を叩いて大きな音を出すなどイノシシが嫌がるようなことをして、早く家から出ていってもらうようにするしかないんです」。さらに、猟銃を使っての駆除は命がけだともいう。「過去に、大きなイノシシでしたが、弾が2発命中したんで大丈夫と思って近づこうとしたとき、突然こちらに体当たりしに向かってきました。慌てて弾を込めて撃ちましたが手をケガしてしまいました。本当に大変な仕事なんです」。命がけで駆除をしたとしてもそこで終わりではないのが離島イノシシ問題の難しさ。「島にいるイノシシを全部駆除しても、また新たなイノシシが海を泳いでやって来ますから、また増えていく。手の打ちようがないんですよね」。駆除活動にも限界があるとため息をついた。では、なぜこのようにイノシシが海を渡るケースが増えているのだろうか。離島イノシシの研究調査をしている兵庫県立大学自然・環境科学研究所の栗山武夫准教授に話を聞いた。「なぜ海を渡るのかということについては私も興味はあるんですが、結論から言うとまだよくわからない部分が多いんです。受動的なケースとして、海の近くで狩猟者に追われて、海に落ちてそのまま泳いでやって来たということもあるでしょうし、最近は山火事も多いですが、当然動物も逃げますから、海に落ちてそのままたどり着いたという可能性も否定できません。反対に、能動的に新天地を求めて海を渡ったケースも否定できないと思っています。イノシシは海岸で海藻を食べたりしますし、船員さんに聞くとイノシシが泳いでいるのはよく見かけるとのことです。科学的な証明は難しいのですが、能動的に離島に渡っていないと理由がつかないぐらい、急激な分布拡大は起こっています。今や瀬戸内海の離島にはほぼ全域にイノシシがいますし、九州から20㎞ほど離れた長崎県の壱岐島にも1頭たどり着いた記録があります。本州から40㎞ほど離れた新潟県の佐渡島にもイノシシの死骸が流れ着いたことが何度かあるようです」。まだ謎多きこの現象。住民にとってもイノシシにとっても、良き形の解決策が見つかる日が来ることが望まれる。
(シカ襲うクマ目撃:北海道)
北海道北部の上川町の層雲峡で4月12日、シカを襲うクマが目撃され、警察が注意を呼び掛けています。これは近くのホテルの客室から撮影された映像です。雪の残る斜面でクマがオスジカを襲い抑えつけています。12日午前6時50分ごろ、上川町層雲峡の国道39号線沿いの山で、クマが目撃されました。体長1メートルから1.5メートルくらいの成獣とみられます。目撃者によりますとクマはシカを襲ったあと、約15分後にシカを現場に残し山の方向に立ち去りました。現場はホテルなどが立ち並ぶ温泉街が近く、警察はクマが戻ってくる恐れもあることから注意を呼び掛けています。
(ジビエ料理コンテストで農林大臣賞などを受賞:静岡)
ジビエ料理のコンテストで入賞した高校生を祝う交流会が下田市で開かれました。この会は「高校魅力化推進会議」と地元の猟友会などが企画しました。交流会ではジビエ料理コンテストで農林大臣賞などを受賞した、下田高校生活科学部のジビエ料理コンテストで農林大臣賞などを受賞した、下田高校生活科学部のメンバーが紹介されました。が紹介されました。そしてイノシシやシカの肉を使った料理を食べながら、高校生は鳥獣被害の実情を学んでいました。
(ジビエ消費を、スタンプラリー実施:岡山)
ジビエ(狩猟肉)を使ったメニューを提供する岡山県内の飲食店や加工品を扱う道の駅などを巡った人に抽選で賞品を贈る「おかやまジビエスタンプラリー」が開かれている。農作物に被害を及ぼすイノシシやシカの捕獲数が増加する一方、ジビエとしての利活用が進んでいない現状を踏まえ、消費拡大を図ろうと県が企画した。来年1月31日まで。岡山、倉敷、津山市など12市町村の計39店舗が対象。ぼたん鍋やシカ肉ソーセージといったジビエ料理を注文したり、ジャーキーなどの加工肉を購入したりした際、店に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ってスタンプを集める。応募はがき付きのチラシにスタンプを押してもらうこともできる。スタンプを2~4個集めると、数に応じてジビエレザーのキーケース(1万1千円相当)、しゃぶしゃぶ用のシカ肉(3500円相当)などが当たる抽選に1人1回限り応募できる。県によると2023年のシカ、イノシシによる農林被害額は計1億1956万円。捕獲に対する助成制度の浸透もあり、22年度は計約4万6千頭(前年は計約4万1千頭)が捕獲された。ただ、施設で食肉用に加工されたのはそのうち8・3%にとどまる。県鳥獣害対策室は「ジビエに親しんでもらえるよう各店舗では多彩なメニューが用意されている。ぜひ多くの人に食べてもらいたい」としている。
(クマ出没:宮城)
丸森町によると、11日午後4時ごろ、丸森町薄平にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前5時45分ごろ、仙台市泉区住吉台西4丁目にクマが出没しました。
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(クマが住宅に侵入、男女3人が襲われ重軽傷:長野)
4月9日午後4時過ぎ、長野県飯山市で男女3人がクマに襲われ重軽傷を負いました。けがクマは近くの空き家に入り込んでいるということで、近隣の住民に警戒を呼び掛けています。場所は飯山市郊外の常盤地区にある住宅や店舗が並ぶ場所と見られています。消防によりますと、男女3人がけがをし、96歳の男性と65歳の男性が重傷、66歳の女性が軽傷と見られています。いずれも、ドクターヘリなどで搬送しました。飯山市によりますと、物置で作業をしていた65歳の男性がクマに左目から左耳、そして左手をかまれ重傷。クマはその後、住宅に侵入し、2階にいた96歳の男性が顔面を殴られ重傷を負いました。その後、近くにいたとみられる66歳の女性が尻をかまれ軽傷とみられます。襲ったのは体長約1メートルの成獣のクマと見られ、近くの空き家に入り込んでいるということで、近隣の住民に警戒を呼び掛けています。長野県は冬眠明けのクマに注意するようホームページで注意を呼び掛けています。
(3人襲ったクマ発見できず、周辺の捜索と警戒続く:長野)
9日夕方、飯山市で3人がクマに襲われ、このうち2人が大けがを負いました。クマの行方は分かっておらず警戒が続いています。9日午後4時過ぎ、飯山市常盤で住民3人がクマに相次いで襲われ、男性2人が重傷、女性1人が軽いけがをしました。その後、クマは、付近の空き家に逃げ込んだと見られていました。橋詰記者:「クマが居座っていたとみられる空き家です。けさ6時ごろ県のクマ対策員が捜索しましたが、その姿を確認することはできませんでした」近所の人は:「こわい。物置の戸は閉めておかないと」飯山市内ではきょう2つの小中学校と4つの保育園が休校・休園になりました。市や警察は周辺の捜索を続けるとともに住民に対し、不要な外出を控えるよう呼びかけています。
(野生イノシシが豚熱に感染、18年以降県内確認は初:長崎)
長崎県は3日、松浦市福島町で捕獲された野生イノシシ1頭について、家畜伝染病の豚熱(CSF)に感染していたことを確認した。
(イノシシが豚熱に感染、県内41例目:岡山)
岡山県は9日、高梁市で発見された野生イノシシが家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は41例目。県によると、1日に地元住民が河川敷で死んでいる個体を見つけ、県の検査で8日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域とし、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めている。
(野生イノシシの豚熱感染が判明:秋田)
鹿角市で3月に捕獲された野生イノシシが豚熱に感染していたことが9日、判明しました。今年度初めての感染確認です。県によりますと、豚熱に感染していたのは3月10日に鹿角市で捕獲されたメスの野生イノシシです。県立大学の遺伝子検査で9日、陽性と判明しました。県内での感染確認はこれが19例目で、今年度は初めてです。豚熱は人には感染せず、感染したイノシシの肉を食べても健康に影響はありませんが、ブタやイノシシが感染すると致死率が高いため、県は養豚業者や狩猟者などに衛生管理を改めて徹底するよう呼びかけています。
(クマ出没の恐れで復旧難航、JR宗谷線脱線事故:北海道)
脱線したJR宗谷線の列車が見えています。天塩中川駅からおよそ6キロほど稚内方向へ進んだあたりです。画面の左側が稚内方向で、そちらの方向へ向かって列車は進んでいました。脱線した列車は今も脱輪したまま止まっている状況です。そして画面の右側は列車が通過した場所の線路では盛土が崩れ、さらには複数の枕木が崩れ落ちている様子がわかります。また、その上側の斜面には一面に雪が積もっています。7日の中川町では最高気温が9.9℃と平年に比べて4℃ほど高い気温となっていました。そのため、JR北海道は今回の原因について、雪解けによる水が原因だと考えています。映像を見ましても、一部線路が宙吊りになっているようなところもある気もしますが、JRは会見で少なくとも復旧までは1週間か、それ以上かかるかもしれないという趣旨の話をしていましたが、その原因はどういったところにあるんでしょうか。はい。このあたりは周辺に山林が広がっていて、シカが多く出る地域だということで、クマが出る可能性もあります。そのため薄暗くなってくると危険なため、通常の復旧現場に比べて作業できる時間が短く、復旧までには時間がかかるとみられています。そして今回の事故を受け、国の運輸安全委員会の事故調査官が北海道入りしていますが、8日は名寄駅で当該列車の運転士に話を聞いて、明日現場の調査へ入る予定だということです。
(クマ出没、冬眠から目覚め動き活発化:北海道)
堂々と道路を横切る1頭のクマ。10日午前11時半ごろ、北海道歌志内市の道道を車で通りかかった人が撮影しました。クマは体長約1.5メートルで住宅のそばを通り過ぎ、森へ向かっていきました。歌志内市では、今年初めてのクマの目撃です。冬眠から目覚め、活発に動き出したクマ。10日午後には、札幌市南区真駒内の認定こども園のそばで1頭が目撃されました。体長1メートルから2メートル、足跡の大きさは10センチほどで若いクマとみられます。札幌市環境共生担当課 清尾崇 熊対策担当係長「冬眠から明けて食べ物を探しに出てきたようだ。山菜などが住宅地の近くにあると、食べ物を狙って出てくる可能性もある」。人や畑への被害は確認されていませんが、札幌市は現場付近に電気柵を設置するなど対策を行いました。11日も、近くの小学校では登下校に合わせ、保護者らが見守るということです。
(クマ目覚める春、市街地に出没する「アーバンベア」に警戒)
クマが冬眠から目覚める季節を迎え、各地の自治体や猟友会がハンターの確保や育成に励んでいる。今年は昨年のドングリの豊作による出産増加で、冬眠明けの母グマが子グマの餌を求めて行動を活発化させるとの予測がある。市街地に出没して人を襲う「アーバンベア」の被害が増える懸念があり、関係者は警戒を強める。「クマは茂みから急に飛び出してくるぞ」。岩手県花巻市の山林で3月29日、市猟友会の藤沼弘文会長(78)がそう注意を促すと、会員らはライフルや散弾銃を手に散っていった。若手の技能向上のため、クマやシカの捕獲方法を指南する講習会。3年前に入会した市内の会社員(33)は「花巻にもクマに襲われて大けがをした人がいる。自分も何か力になれれば」と意気込む。最盛期に約600人いた会員は数年前、50人を下回った。勧誘活動で約150人にまで戻す一方、「ボランティア会員制度」を導入し、首都圏など地域外から応援に来るハンター約40人を確保した。藤沼会長は「緊急時に人々を守るには各地域に実力と経験のあるハンターが必要だ」と話す。ハンターの確保・育成のため、新潟県は昨年、新潟市内のライフル射撃場整備を支援。青森県は今年度から猟銃購入費の補助を始める。背景には、クマの捕獲中にハンターが襲われるケースが相次いでいることがある。現行の鳥獣保護法は、警察官が命じた場合などを除き、市街地での猟銃発砲を原則禁止している。このため、秋田県鹿角市で2019年11月、温泉街にクマが出没した際、人家が近いことから発砲できず、市猟友会員2人が襲われ、けがを負った。各地の猟友会の要請を受け、市街地での猟銃使用の条件を緩和する同法改正案が、今国会で審議されている。人身被害の危険性が高いヒグマ、ツキノワグマ、イノシシが市街地に現れ、建物内に立てこもるなどした場合、市町村が住民の安全を確保した上で、ハンターの裁量による発砲(緊急銃猟)を可能にするとの内容だ。ただ、人家に流れ弾が飛ぶ危険があり、ハンターに高い技量と的確な判断力が求められる。鹿角市は今月下旬、市役所の倉庫を使い、クマが立てこもった想定の訓練を実施する予定で、市猟友会の稲垣正人会長(73)は「経験が浅いハンターも多く、法改正されても今のままではアーバンベアの捕獲は難しい。若手の訓練が急務だ」と話す。改正法案が今国会で成立すれば、クマの出没が増える今秋までに施行される見通しだ。環境省はどのようなケースなら市町村が「緊急銃猟」を認めることができるか判断するためのガイドライン作りに着手している。また、高齢化による将来的なハンター減少に備え、捕獲スキルを持つ全国のハンターを登録する「クマ人材データバンク」も作成中だ。今夏にも運用を開始し、自治体間で人材情報を共有することで、域外からハンターをリクルートできる態勢を整える。同省鳥獣保護管理室の宇賀神知則室長は、「クマに対応したことがない地域の自治体でも、クマ捕獲の経験者を探せるようにしたい」と話す。クマの出没は早くも、全国で相次いでいる。今月2日朝には盛岡市内の住宅街にツキノワグマが現れた。約10時間後、寺院敷地内の木に登っているところを麻酔の吹き矢で捕獲され、けが人はいなかった。青森県では今年1~3月の目撃件数が29件と前年同期より倍増。今月4日、ツキノワグマの出没注意報を県内全域に出した。環境省によると、2024年度のクマによる人身被害人数(速報値)は85人(うち死者3人)。過去最多だった23年度の219人(同6人)を大きく下回った。しかし、NPO法人・日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長によると、昨年秋にクマの餌となるドングリが豊作になった結果、今年は冬眠中にクマの出産が増えたとみられ、母グマが子グマを守ろうとより攻撃的になると予測されるという。米田理事長は「春のうちから人身被害が起きる可能性が高い」と注意を呼びかけている。
(エゾシカと車の衝突事故、過去最多の5400件余に:北海道)
道内で去年確認された車とエゾシカの衝突事故は5460件と、統計を取り始めた2004年以降で最も多くなったことが分かり、警察は山間地などでは動物の飛び出しを想定し、速度を抑えて運転するよう呼びかけています。道警本部によりますと道内で去年バイクを含む車と、エゾシカが衝突した事故は5460件とおととしより173件増え、統計を取り始めた2004年以降で最も多くなったということです。エゾシカの繁殖期やえさを求めた動きが活発になる9月から11月にかけて増える傾向にあり、この3か月間の衝突事故はあわせて2658件と年間の半分近くを占めたということです。また、事故の7割が午後4時から午前0時の間の暗い時間帯に起きたということです。衝突事故の中にはバイクの男性が道路脇から飛び出してきたエゾシカに衝突し、意識不明の重体となるなど、けが人が出た事故が3件あったということです。警察は、山間地などで車やバイクを運転する際は、▽動物の飛び出しを想定し速度を抑えるとともに、▽夜間は早めにライトを点灯すること、それに▽対向車がないときなどはハイビームを活用するよう呼びかけています。
(施設脱走し「キョン」大繁殖、8万頭超どう向き合う:千葉)
中国や台湾に生息し、1960~80年ごろ千葉県勝浦市の観光施設から逃げ出したことで県内で繁殖したとされる特定外来生物「キョン」。県は完全排除を目指すが、2023年度末時点で推定約8万6000頭おり、これまでに17市町で生息が確認された。この動物とどう向き合うべきか。県環境審議会委員を務める麻布大の加瀬ちひろ講師(動物行動管理学)に聞いた。――キョンってどんな生き物ですか?◆頭までの高さが約50センチと中型犬くらいのシカ科の動物です。オスには角と上顎(うわあご)に牙があり、メスは早ければ生後半年で子どもを産みます。「ギャー!」と鳴くのが特徴です。運動能力も高く跳躍力は80センチほどです。栄養価が高い花などを好みます。常緑低木のアオキやツバキの花、農作物では大根の葉などを食べます。――なぜ県内で増えているのですか。◆一つは気候や環境があります。生息が確認されている房総半島は温暖で、千葉は全国有数の農業県です。栄養の高い食べ物が多く、キョンの生活に適しています。もう一つ考えられるのが、増加ペースに捕獲量が追いついていないことです。県の23年度の捕獲数は1万頭余りでした。一方、キョンの自然増加率は推定18~34%とされており、仮に前年比で34%増なら、2万頭以上捕獲しないと前年から減らない計算になります。――減少の可能性はありますか。◆キョンは好奇心が旺盛で新たな環境にも順応しやすい性格です。移動先は緑地帯に限らず、どこでも暮らしていける素質を備えています。それを考えると、県内の生息数や生息地は今後も拡大すると考えられます。減少に転じるには生息数の密度が高いところで捕獲を増やすと同時に、生息密度が低いところでも力を入れていくことが大切です。――排除するため、捕獲以外にできることは?◆国内に生息するキョンは栄養状態が良く、これが繁殖の拡大につながっている可能性があります。対策の一つとして、農作物を食べさせないことが重要です。ジャンプしても届かない高さに柵を張るか電気柵を設置して畑を守ることで、繁殖力の低下にもつながるとみています。――生息数や生息地が増加した場合、キョンとどう向き合うべきですか。◆近年、テレビ番組でよく取り上げられています。事業展開の動きもあり、ジビエ料理の食材などにも使われています。一方、私たちはキョンをどこまで理解しているのか。野生動物との向き合い方が問われている気がします。「野良猫」のように普段から目にする存在になった時、どうするか。研究者として、捕獲以外の問題解決方法を探る必要性も感じています。
(「二ホンジカ」の目撃件数が急増、県内で100年以上前に「絶滅」:青森)
青森県内で「ニホンジカ」の目撃件数が急激に増えています。食害が拡大し、生態系が乱れてしまう可能性があることから、県は目撃した場合、情報の提供を呼びかけています。7日、十和田市焼山にある山林で「二ホンジカ」が群がる様子が設置されたカメラに映っていました。東北巨木調査研究会 高渕英夫 会長「シカは最大10頭まで映ったことがある。4頭だけ映っていたけれども、何頭いたのかはわからない。撮影していても『シカ』も『イノシシ』もそんなに増えているような感じはしない」。また、三沢市でも「ニホンジカ」の目撃情報がありました。青森県によりますと、「ニホンジカ」の目撃情報は県南地域を中心に増え、津軽地域では食害も相次いでるということです。青森県内では100年以上前に「ニホンジカ」が絶滅し、生息地の北限は岩手県とされてきました。青森県が集計をはじめた目撃件数は2010年度は13件でしたが、10年後の2020年度が290件と大幅に増えました。「二ホンジカ」が増えると、食害や生態系が乱れてしまう可能性があることから、目撃した場合は情報の提供を呼びかけています。
(野生鳥獣「生活圏侵入」への“抜本的対策”に不可欠な視点)
クマやイノシシ、シカなどが人里に出没したという報道が増えている。2日は岩手・盛岡の中心部にクマが出没、5日には静岡・沼津の繁華街の焼肉店に鹿が突入し、それぞれ捕獲された。長野・飯山市では9日、人里に出没したクマが人を襲い、3人がけが。いまだ捕獲されておらず、周辺の小中学校は臨時休校を予定している。とどまることのない野生鳥獣の生活圏出没に、政府もその対策に本腰を入れ始めている。2月末には、一定の条件付きながら、自治体判断により市街地での銃猟を可能にする鳥獣保護管理法の改正案が閣議決定された。後手に回っていた国の対応も、ようやくエンジンがかかりつつあるようだ。逆にいえば、それほど野生鳥獣による人的被害が急激に増えたということでもある 。だが、その対策として、「ハンターを増やすだけでは対策にならない」と指摘するのは、岐阜大学応用生物科学部教授の鈴木正嗣(まさつぐ)氏だ「野生鳥獣が人の生活圏に出没すると、その原因を<都市開発>や<ハンターの減少>、<森林面積の減少>などとする報道や言説を目にすることがありますが、これらはミスリードを招きかねません。一面では正しい部分もありますが、そこには多くの誤解や思い込みがあるように思います」。どういうことなのか。同氏は、<人口縮小社会の中で、野生鳥獣たちとどう向き合っていくか>をテーマに長年研究を続けている。そうした活動の中で蓄積した知見などを踏まえ、次のように野生鳥獣による被害増加の背景を説明する。「イノシシやシカなどによる被害が増えた理由として、しばしば挙げられるのが森林破壊です。しかし、実際には、国内の森林面積はほぼ横ばいとされています。人工林と天然林の比率も過去40年あまり大きく変化はしていないんです。むしろ、人口縮小による耕作放棄地の増加や山林の管理放棄などの問題に注目する必要があります。これにより、クマ類をはじめ、シカやイノシシなどの生息環境が好転し、生息数が増え、人との距離も物理的に縮まっているのです」。野生鳥獣が頻出するようになった原因の多くは人口や人間活動の縮小に起因する。シンプルだが本質をついた考察。そのロジックは次の通りだ。(1)人口が減少し、林業や農業など農山村の産業や生活スタイルが激変(2)高齢化や耕作放棄などにより、人の立ち入りが途絶え、管理が行き届かない場所が、人の生活圏近くでも拡大(3)人里近くで、収穫されることのない栗や柿の木が放置果樹として多く残存(4)人の生活圏と野生鳥獣の行動圏とが接近もしくは重複。野生動物の出没が人里に頻発しているのではなく、そもそも人と野生鳥獣の距離が近くなっている。つまり、人間の領域と野生鳥獣の領域とが大きく重なり始めているのだ。この半世紀を振り返れば、現状は当然の帰結ともいえる。同時期に、日本の産業構造は大きく変化し、農林業従事者は急速に減少・高齢化した。経済発展が最優先される中、農山村の活力が相対的に低下してきたわけだ。その間、人口は減少フェーズに突入。反対に一部の野生鳥獣は保護政策や生息環境の好転などによって個体数を増やし、気がつけば両者間の関係性に大きな変異が生じてしまった…。「人間社会の構造」と「野生動物が生息する環境」。両者の変化の組み合わせこそが野生動物の人里出没の真因。そうだとすれば、もはや場当たり的な対策では成果が得られないのは自明だろう。これからどのように野生動物と向き合っていけばいいのか。鈴木氏が補足する。「日本の人口や産業構造をかつての姿に戻すことが対策のひとつになり得ます。しかし、現状を踏まえれば、それは必ずしも現実的ではありません。今後、農山村の人口が減り続ければ、人による管理が行き届かないエリアがさらに増加し、そこはクマやイノシシ、シカなどにとっては好適な生息環境となります。今後、こうしたエリアが全国で同時多発的に出現する可能性もあります。それは最悪、出没を制御することが不可能な事態に近づくということを意味します」。そこで浮上するのが、ハンター増員による捕獲増強という対策だ。だが、この発想にも鈴木氏はクギを刺す。「野生鳥獣が増加した原因として、しばしば<ハンター減少>が挙げられます。これにも思い込みや誤解があります。近年のハンター減少は確かです。しかし、ハンター数のピークは1970年代で、それ以前はもっと少なかったことが見過ごされています。また、1970年代以降に狩猟をやめたハンターの多くは鳥類をターゲットにしていたことも確認されています。したがって、シカやイノシシなどの獣類の増加原因としてハンター減少を結びつけるのは、やや短絡的ともいえます。もちろん、ハンターのみなさんが有害鳥獣捕獲や個体数管理に貢献していることは紛れもない事実です。しかし、趣味としての狩猟で培われてきた手法や流儀だけでは、効率的かつ安全な獣害対策に対応しきれません。そもそも国の狩猟免許制度自体が、有害鳥獣捕獲や個体数管理などの公的な目的を有する捕獲への従事を十分に想定できていないのです」。そのうえで鈴木氏が提言するのが、いわゆる「ハンター」とは一線を画す、公的な目的を有する捕獲を効率的に行う専門家、いわば「捕獲のプロ」の育成とその仕組みや土台づくりだ。「ハンターは主に趣味で狩猟を行っており、自動車の運転免許にたとえれば第一種免許所持者。これに加え、第二種免許のような資格として、公共的な捕獲を担うのプロフェッショナルの育成と確保も求められています。いわば、公的な目的を有する捕獲を科学的・計画的に設計し、実施し得る専門家の育成と確保です。現状でも『認定鳥獣捕獲等事業者』という制度がありますが、運転免許のような試験は導入されておらず、質保証の制度ではなく、手続き論にとどまるとの指摘もあります」趣味や個人的動機により獲物を撃つハンターだけでなく、地域住民や建造物等へのリスクを最小限に抑えるなどしつつ、的確な方法で仕留める捕獲のプロを増やす。改正法の実効性を高める意味でも、こうした人材の育成が抜本対策のパーツとして不可欠。これが、上述の「ハンターを増やすだけでは対策にならない」の真意だ。求められるのは本質的で持続可能な対策。それはまさに人口縮小時代において、人と野生鳥獣が共存し得る社会の構築ということになる。その推進には、国家レベルでのアクションが求められる。施策を打つにも担当者レベルでの的確な判断が難しければ、結果的に対策が後手に回るからだ。現状では、野生鳥獣の管理に関する分野の教育体制は整っておらず、それゆえ関係省庁や地方自治体において同分野に精通する人材は圧倒的に不足している。この問題については、日本の生物多様性の保全と持続可能な利用に関する基本的な計画である「生物多様性国家戦略2023-2030」(2023年3月31日閣議決定)も言及しており、都道府県あたりの専門職員数の増員に係る数値目標を提示している。徐々にだが、この課題については解消へ向かいつつあるという。環境省や農林水産省により野生鳥獣の管理に特化したカリキュラムが策定され、東京農工大学、岐阜大学、酪農学園大学、山形大学など複数の大学が関わる連携教育体制を構築。ようやく専門人材育成のための教育体制の整備が始まった。2022年度に行われたカリキュラム試行の際の受講生291人へのアンケート調査では、「『野生動物に関する職に就きたい』を含む24%が『進路を考えて受講した』と回答。こうした明るい材料も含め、今後、野生鳥獣の管理について、深く考察し政策に生かすことができる人材の配置が進めば、着実に問題解決へとつながっていくと考えています」(鈴木氏)。世界でも最速レベルで人口縮小が進む日本。一方で森林の内側では野生鳥獣が増殖し続け、やがて人間の生活圏が侵食される――なんの手も打たなければ、そんな信じがたい世界が現実になり得る。それほどまでに、抜本対策を打つべき猶予期間は限られた状況にある。
(足跡残しクマ防止、猟友会が管理捕獲:北海道)
京極町と北海道猟友会倶知安支部京極部会は6日、人里に出るヒグマを減らすための春期管理捕獲事業を、町大富で行った。クマの発見や捕獲には至らなかったが、雪原などに人の歩いた痕跡を残してクマの出没を抑える措置をとった。
(アライグマ捕獲、初の3万匹超え:北海道)
北海道内の特定外来生物アライグマの捕獲数が2023年度、過去最多の3万5785匹となり、初めて3万匹を超えた。北海道などが捕獲対策を強化しているためだが、アライグマの繁殖力は強く、農業被害額も増加し続けて過去最悪を記録。農家の悲鳴が止まらない状況が続いており、専門家は地域ぐるみの対策を呼びかけている。「ただただ、憎たらしい」。伊達市の農家山本健市さん(48)は憤る。他の農家より出荷時期を早めようとビニールハウスでスイートコーンの栽培を10年ほど前に始めたが、食い荒らされた。電気柵を設けても被害は収まらず、ハウス栽培を3年前に断念した。北米原産で特定外来生物のアライグマは1970年代に放送されたテレビアニメの影響からペットとして輸入されたのが野生化し、全道各地に生息域が拡大。道内の生息確認地域は30年前が24市町村だったのに対し、今では167市町村(25年1月現在、離島を除く)に広がった。大半の市町村が生息数を把握できていないなど対応に苦慮する中、道は23年3月に道立総合研究機構と共同で捕獲プログラムを策定。市町村ごとに生息数を把握して捕獲目標を定め、水辺を好む性質を考慮して用水路の近くの箱わな設置などを推奨する内容だ。23年度の捕獲数は前年度より1万匹近く増え、10年前と比べると5倍以上に。9割以上が箱わなでの駆除だ。道は捕獲目標を定めた自治体数を把握していないが、担当する道野生動物対策課は「捕獲に熱心に取り組む自治体も増えた」とみる。管内別で最も多いのが7673匹を捕獲した空知管内で、次いで上川が4505匹、日高が4352匹だった。捕獲プログラムを受け、合同で計画を定めた三笠市と美唄市は23年度の目標捕獲数を2市で計460匹に設定。実際は前年度比123匹増の495匹に上り、計画を上回った。増加の背景について、三笠市農林課は「捕獲従事者が積極的に活動してくれた」と話す。しかし、1匹で年平均4匹の子供を産み、生涯にわたって多ければ30匹ほどを産む個体もいる。その繁殖力に駆除が追いついていないのが実情で、道内の農業被害は1億7400万円と10年前の3倍近くに増えた。被害は農業にとどまらない。在来種と餌やすみかの奪い合いも問題になり、道立野幌森林公園(江別市など)ではアライグマが生息域を広げ、アオサギが姿を消した。アライグマの生態に詳しい北大大学院の池田透名誉教授(保全生態学)は捕獲プログラムに基づく目標設定が重要と強調。「影響は農業に限った話ではない。行政を中心に住民を巻き込んで防除体制を作るべきだ」と指摘する。
(ヌートリアに食べられ伝統野菜ピンチ:島根)
松江市黒田町一帯で江戸時代から栽培されている伝統野菜「黒田せり」が、特定外来生物ヌートリアによる食害でピンチに陥っている。セリ田の四方と天井をネットで囲っても隙間(すきま)から入り込んで葉を食べるため、今季だけで50万円以上の損害を受けた農家もいる。大型ネズミの仲間であるヌートリアは捕獲が難しく、イタチごっこが続いている。農林水産省によると、かつて黒田町一帯は沼地で、春の七草の一つの野生のセリが自生していた。松江藩の五代藩主・松平宣維(のぶすみ)(1698~1731年)がセリの改良を推奨し、本格的な栽培が始まったとされる。あくが少なく、シャキシャキとした食感で香りが良いのが特徴で、美食家として知られる北大路魯山人から1930年代に「日本一」の折り紙を付けられたという。環境省によると、ヌートリアは南米原産の大型ネズミの仲間で、体長40~60センチ。毛皮にするため日本に持ち込まれたが、近年は農作物を食い荒らすため、特定外来生物に指定された。同市農政課によると、黒田せりの栽培農家は1955年ごろ、45戸(栽培面積4ヘクタール)でピークだった。宅地開発や後継者不足により、2014年には9戸(同40アール)で出荷量8トン、出荷額600万円に低下、現在は5戸だけが市場に出荷する。このうち黒田町の農業、野津宏三さん(90)と弟子の加藤善平さん(50)は12アールで栽培する。セリは例年4月ごろ、水を張ったセリ田に苗をまき、苗から伸びたツルが水中で広がる9月ごろにいったん回収。約10センチ間隔でツルを切って再びセリ田にまき、長さ30センチほどに成長したら11月から翌年3月まで収穫する。今季は苗の生育が悪く、ヌートリアの食害もあり、収穫が半月遅れになっている。食害は約15年前から目立ち始め、野津さんはこれまで10匹以上捕まえた。今年1月も体長約50センチの個体を捕獲したが、ヌートリアは繁殖力が強く、食害は防げないという。同市農業基盤整備課によると、昨年度は捕獲おりを農家に26個貸し出し、数件の捕獲例があるが、決定的対策にはなっていないのが実情だ。野津さんは「迷惑な存在で、今季は50万円以上の損害が出た」と憤慨する。収穫は4月10日ごろまで続くといい、加藤さんは「ヌートリアとの戦いに勝ち、伝統野菜を守りたい」と話している。
(剣山をシカの食害から守れ:徳島)
徳島県は、剣山をシカの食害から守るボランティア活動に加わるよう呼びかける動画を作った。7日から県のユーチューブチャンネルで公開。県庁や県西部県民局などでも紹介する。動画は「剣山~受け継ごう徳島県のたからもの~」(3分14秒)と、内容を圧縮し縦型動画にした「剣山に危機が~求ム!!新たな担い手~」(30秒)の2本。
(記録映画上映、クマを知り被害を防ぐ:北海道)
ヒグマの出没や被害と向き合う人たちに密着した記録映画「劇場版 クマと民主主義」(HBC製作)の上映が5日、札幌市中央区のシアターキノで始まった。行政や議会、ハンターらが時にはぶつかりながら、被害をなくそうとする姿が描かれている。同館で7、9日にも上映される。監督は2018年にHBCに入社した幾島奈央さん。
(「鳥獣被害対策実施隊」に委嘱状:青森)
危害防止のため、ツキノワグマやニホンジカ、イノシシの捕獲や駆除に取り組みます。八戸市では、鳥獣被害の対策を行う実施隊に委嘱状が交付されました。交付式では、「市鳥獣被害対策実施隊」を代表して青森県猟友会八戸支部の十二役美喜男支部長が八戸市の熊谷市長から委嘱状を受け取りました。八戸市内では2024年、人的な被害はなかったものの、イチゴの食害を始め各地で農産物被害が確認されています。また、市川地区では2024年6月、ツキノワグマが目撃され駆除。2025年2月には、河原木地区でツキノワグマの目撃情報が相次ぎ、近くの学校では対応に追われるなど日常生活にも大きな影響が生じています。
(クジャクと闘うハンター:沖縄)
今年2月までの約18年間に宮古島市で捕獲されたインドクジャクの数は6896羽。野生化し固有種の捕食など生態系に影響を及ぼしている外来種のクジャク。そんな招かれざる鳥と闘う島のハンターを取材しました。林の中を歩くスナイパー。鋭い視線の先にいるのは…。農家「あかちゃんが泣いているみたいな、猫が鳴いているみたいな声」。緊急対策外来種インドクジャク。県猟友会宮古支部 西原武さん「ずっと繁殖すると農業が大変なことになる。固有種の保全もありますしここにいるべきものではないので」。島の暮らしと生態系を守ろうと闘うハンターに密着しました。透き通る青い海が魅力の宮古島市。島にある森に目を向けてみると、ミヤコニイニイやミヤコカナヘビなど固有種が生息しています。しかし、その森にはある招かれざる鳥が。緊急対策外来種のインドクジャクです。30年以上前、観賞用として持ち込まれたクジャクですが、台風などで壊れた畜舎から逃げ出し野生化。繁殖力が強く、島に天敵がいないクジャクは瞬く間に大繁殖し、畑に現れては農作物を食い荒らす厄介者です。農家「おととしくらいに野菜いっぱいやられた。そりゃ悔しいさ。あんなにいっぱいやられて」。羽を広げた優美な姿とは裏腹になんでも食べる大食漢。固有種の捕食も確認され、市は18年前から地元の猟友会と協力し本格的な捕獲に乗り出しました。県猟友会宮古支部 西原武さん「少し警戒していますね」。西原武さん44歳。3年目の若手ハンターです。県猟友会宮古支部 西原武さん「始めたころには、この辺は朝来るとクジャクがいて最近は自分が捕獲したというのもあるかもしれないけど、あまり見られなくなった。出勤前に用事はないけどクジャクいないかなって感じで車で回って、クジャクの被害、野菜がやられたと聞くと自分が少しでも役に立てればという思いがあって」。猟友会の活動により捕獲数は年々増加し、2023年度には過去最多となる1110羽が捕獲されました。一方で、これまでクジャクが生息していなっかた池間島でも去年1羽が捕獲されるなど、生態系への影響が懸念されています。県猟友会宮古支部 守武大 事務局長「2019年から毎年500羽以上の捕獲を続けていて、捕獲のノウハウが蓄積してきたのと猟友会員も増えて若い方が育ってきたのが大きい」。外来生物の対策をする南西環境研究所と今年から合同調査を始め、夜間にドローンを使ったねぐらの調査などを実施。根絶に向けた動きが加速しています。南西環境研究所 竹場蓮さん「猟友会の方と今回初めて一緒に同行したり捕獲したりできるようになったので、もっと密になって排除を目指していきたい」。午前6時過ぎ。西原さんは猟銃を抱えて、森の中へと静かに入っていきます。クジャクを見つけ、発砲しますが…。県猟友会宮古支部 西原武さん「はぁ…、相手も賢いですから。難しいです。アプローチミスです。意外と近くにいたので」。2箇所目のポイント。つるが生い茂る森に入ると。県猟友会宮古支部 西原武さん「藪の中で3メートル先にクジャクがいて、つる草にクジャクが絡まっていて、向こうも身動き取れないんですけど、自分も同じようにつる草に絡まって、狙おうにも近すぎて狙えないし、いつの間にかつるがほどけて逃げられた」。クジャクの鳴き声をたどり森を歩いていくと…。県猟友会宮古支部 西原武さん「あそこに4羽いる」。西原さんが撃った弾は、木の上のクジャクに命中しました。県猟友会宮古支部 西原武さん「メスですね。首が地味な緑色ですね」。――撃つ瞬間は何か考える?県猟友会宮古支部 西原武さん「何も考えないようにしています。考えると撃てなくなるので」。今回の取材ではオス2羽メス4羽の合計6羽を捕獲。県猟友会宮古支部 西原武さん「達成感はありますね。申し訳ないとは思うけどここにいるべきものではないので。農家も死活問題ですし固有種の保全もありますし。人間の都合で持ち込まれて人間の都合で駆除されてかわいそうです」。人のエゴで持ち込まれ奪われる命。島の暮らしと自然もまたハンターたちの手で守られています。
(クマ目撃、すでに前年超える『109件』:北海道)
気温の上昇と共にクマの動きも活発になっています。2025年の目撃件数はすでに2024年を上回り100件超え。北海道内各地でここ数日クマの出没が相次いでいます。
(盛岡駅から600m地点にクマ:岩手)
盛岡市の中心部に2日、ツキノワグマが出没して住民を驚かせた。捕獲されたのはJR盛岡駅から北東に約600メートルの寺の境内。近くに中学や高校、スーパーがある住宅地だった。警察も出動して、市、地元の猟友会と連携して捕獲する騒ぎとなり、内舘茂・盛岡市長は「これだけの中心市街地にクマが出てくることは、あまり記憶にない。人的被害がなく、ほっとした」と胸をなで下ろした。クマが最初に目撃されたのは2日午前4時50分ごろ、同市青山1の路上で、付近には小中学校もある。県警が警戒を呼びかける中、目撃情報が相次いだ。クマは市内を流れる北上川を南下し、捕獲場所となった川沿いの寺院「永祥院」の境内に入り込んだ。寺院の関係者は「クマは寺の門から入って来て、菩提樹(ぼだいじゅ)につかまって立っていた。境内に落ちていたドングリを食べていた。40年ぐらい住んでいるが、さすがにクマが現れたことはない。寺の建物の中から出ないようにした」と振り返った。岩手県警盛岡東署によると、警察官約10人が入れ替わりながら寺の周辺で警戒にあたった。市民や車が寺に近づかないように規制。地域住民に戸締まりを呼びかけた。同署は「クマ1頭に約10人が出動したのは多い方だと思う」と言う。クマは境内の木に登ったところ、獣医が吹き矢で麻酔を2回打った。眠くなって木から落ちたところを捕獲された。最初の目撃から約11時間半後のことだった。その日のうちに市内の山林にクマを放した。吹き矢で麻酔を打った獣医で、市動物公園の辻本恒徳園長は「人の気配のする所に来るのは特別な個体。今回は例外であり、レアケース。警戒心が薄く、食べ物を探しながら市中心部に来たが、気づいたら人がいっぱいいて、パニック状態になったとみられる」と話した。山林に帰された今回のクマが再び市中心部に戻ってくる可能性について「ゼロではないが、人に追いかけられて怖い思いをしたことを学習して、もう街に近づかないのでは」とみている。もし街中でクマに出くわした場合、「騒いだらクマもびっくりする。音を立てるのは逆効果で、威嚇することになる」と助言する。盛岡市によると、捕獲したのは体長140センチ、体重60キロのオスのツキノワグマ。市内のクマの目撃などの件数は2021年度162件、22年度132件、23年度304件、24年度147件。24年度は31頭捕獲したが、郊外がほとんど。目撃される時期は5月の連休ごろから増え、夏がピーク。4月初めに市中心部に出て来たのは、極めて異例だという。市は今回のケースを検証して今後の対策を検討する。
(温泉街でシカ約6頭を追いかけるクマ1頭を目撃:北海道)
2025年4月5日午後0時40分ごろ、札幌市南区定山渓温泉西3丁目で体長約1メートルのクマ1頭が目撃されました。警察によりますと、病院の駐車場にいた人が、北西方向に約100メートル先の森の中にシカ5頭~6頭を追いかけるクマ1頭を目撃しました。クマは山の中に立ち去ったということです。午後3時半現在、新たな目撃情報はありませんが、札幌市の担当者などが痕跡調査を実施しています。
(クマがシカをくわえて引きずる:北海道)
クマがシカをくわえている様子を観光客が撮影しました。場所は、北海道美瑛町の観光地「青い池」のすぐ近くでした。4月5日、美瑛町の観光地「青い池」のすぐ近くで撮影された映像です。そこには1頭のクマがシカをくわえて引きずっている様子が映っていました。警察や町によりますと、目撃されたクマの体長はおよそ1.5メートルで、「青い池」までおよそ200メートルのところでも、クマの足跡が見つかったということです。その後の調査で、「青い池」からおよそ1キロ離れた「しろがねダム」の近くまでクマが移動した痕跡があったことから「青い池」の閉鎖はしていませんが、当面は警察やハンターが周辺をパトロールする予定です。
(珍しい真っ白なオスのシカが目撃される、「アルビノではなく白変種」:北海道)
今月5日、北海道北部の天塩町で、体毛が白い珍しいシカが撮影されました。“神の使い”のように神々しくたたずむ真っ白なオスのシカ。今月5日、北海道天塩町で撮影されました。苫前町の農家、小澤貴之さんが実家に帰省をした際に偶然遭遇し、映像に収めました。エゾシカなどの野生動物の生態に詳しい酪農学園大学の伊吾田宏正准教授は、遺伝子に突然変異が起きた全国的にも珍しい個体だと指摘します。・酪農学園大学 伊吾田宏正 准教授「鼻は黒っぽく見えて、目も黒そうなので、アルビノではなく白変種なのかなと。遺伝的に突然変異が起きているのだろう」。さらに、伊吾田准教授はこの珍しい“白変種”とみられるシカがここ数年、北海道内の稚内市など、北海道北部のエリアだけで相次いで目撃されていると話します。・酪農学園大学 伊吾田宏正 准教授「白いシカは、文化的に“神の使い”という捉え方もあるので(狩猟で)撃たれにくい。その個体が繁殖をして残っている可能性がある」。白いオスジカは、その後群れを率いるように、まだ雪の残る林の中に消えていきました。
(普通列車がイノシシと接触:岡山)
R西日本によりますと、きょう(8日)午後7時ごろ、JR伯備線の総社~豪渓間で、岡山発備中高梁行きの普通列車がイノシシと接触したため、車両と線路を確認しているということです。このため、午後7時20分現在、JR伯備線の一部の列車に遅れが出ています。
(普通列車がシカと衝突:福岡)
JR九州によると、9日午後9時9分ごろ、久大線夜明~光岡で下り普通列車(久留米午後8時9分発日田行き)にシカが衝突した。この影響で同9時34分現在、同線上下線の久留米~日田で遅れが出ている。
(桜とジビエ料理囲んだ交流会:静岡)
見頃を迎えた桜とご当地グルメを囲んで移住検討者と地元住民が交流を深める「ジビエとお花見田舎暮らし交流会」が3月29日、約300年前に建てられた旧依田邸(松崎町大澤)の中庭で開かれた。主催は松崎町移住定住促進協議会(愛称=伊豆まつざき田舎暮らしサポート隊)。同団体は、町役場や観光協会、地元民や移住してきた町民、農家や子育て中の母親など、さまざまな立場の有志が集まり、2022年に発足。移住前の相談対応をはじめ、同町での田舎暮らしをありのままに伝える情報発信、移住者と地域住民との定期的な交流会イベントの開催などに取り組んでいる。当日は近隣市町を含む地域住民や移住者ら約50人が集まり、見頃を迎えた桜や、松崎町産のジビエを使ったイノシシ汁や鹿肉ケバブを楽しみながら、近況を話し合うなど交流を深めた。同時に開催されていた「春の松崎町移住体験会」の参加者も加わり、さまざまな人たちとのコミュニケーションを通じて、移住についての考えや思いを深める姿も見られた。同団体の神健一さんは「自分も移住者だが、田舎での生活は都会に比べて人に頼らなくてはいけないことが多い。人を知って交流を深めることで、田舎暮らしの楽しみが広がり深まっていくと考えているので、これからもいろいろな形で参加できる交流会を実施したい」と話す。さらに「移住促進や関係人口づくりは、役場や協議会だけが動いて成しえるものではない。町の皆さんの理解と協力を得ながら、町全体で取り組んでいきたい」と意欲を見せる。
(「シカに注意」アート作品に:北海道)
釧路市阿寒町阿寒湖温泉を拠点に活動している木彫作家の岡田実さん(45)が制作した「道路標識アート」が、釧路市内の村井建設(住之江町12)にお目見えした。シカの飛び出し注意の道路標識をモチーフしたもので、標識に当たる部分は阿寒湖温泉で間伐されたシナノキを使い、手で模様を彫って躍動するシカを表現した。
(「シカカレー缶」、高校生監修:北海道)
北海道三笠観光協会が、北海道産のエゾシカ肉を使った「エゾシカカレー缶」を新発売した。商品開発には三笠高調理部の生徒が協力。道の駅三笠内の同協会売店で販売している。
(名刺入れ、ジビエ加工で出た皮を使って:大分)
大分県豊後高田市の高田高生徒が地元事業者と協力し、駆除された野生動物の食肉(ジビエ)加工で出た皮を利用した名刺入れを開発した。「捨てられる命を無駄にしない」をテーマに取り組んだ成果。イノシシとシカの皮で作った品は7色あり、同市中真玉の革製品製作・販売「馬場鞄(かばん)製作」の店舗やホームページで取り扱っている。生徒は3年の井ノ口蓮さん(17)と常広美心(みこ)さん(17)、2年の森川大智さん(16)の3人。市の無料公営塾「うみね」のプロジェクトに参加し、同塾のコーディネーターで市地域おこし協力隊員の皆川直輝さん(24)のアドバイスを受けながら挑んだ。ジビエを扱う料理人や鳥獣被害に悩む農家などから、市内で駆除された野生動物の8割が破棄され、残りは主に食肉に加工されていることを聞き取った。皮の有効な活用策を検討した結果、持てば長く使ってもらえる20代の社会人をターゲットに名刺入れを開発することにした。製作は同店の馬場浩一さん(61)と共同で行い、自分たちの思いを込めたブランド名「IPRUS(アイプラス)」を考えて同校2年の小門唯花さん(16)にデザインを依頼、刻印した。取り組みは全国の高校生が学校や地域を超えて交流する「マイプロジェクトアワード」(3月29~30日・東京)で、全国3248プロジェクトの中から選考を通過した48プロジェクトに選ばれ、会場で発表した。2年前に移住して店舗を開いた馬場さんは「ジビエは独特の手触りなどが魅力的で、開店当初から活用を考えていた。財布やバッグなどの展開も考えたい」。3人は「地域で無駄になっている資源でも、知恵を出すことで価値を生み出して活用できることが分かった」と話した。
(シカの角から人気のアクセサリー:京都)
農作物や希少植物を食べ荒らし、問題になっているシカ。小島和幸さん(70)は、京都府南丹市美山町で、その角をアクセサリーに生まれ変わらせている。市役所を退職後に始めた「六十の手習い」と謙遜するが、道の駅「美山ふれあい広場」などの土産品として人気を集めている。鹿角(ろっかく)は、ごつごつとした質感など「表面を生かしてこそ味わいが出る」という。茶色と白のまだら模様を、オオサンショウウオの斑点やリスの毛並みに見立てるなど、地元の生き物をかたどったキーホルダーやイヤリングを作る。地元の旧美山町役場で道の駅の立ち上げなど村おこしを担い、合併後は美山支所長を務めた。2013年に退職後、道の駅の駅長などをしてきた中で、敷地内の直売所「ふらっと美山」ににぎわいを生もうと、工芸品づくりに自ら挑んだ。木彫りや杉玉など身近な素材でさまざまに工夫したが、特に熱中し、好評も得ているのが鹿角を加工したアクセサリー。知人の猟師から角を譲り受け、数年前に始めた。電動工具で硬い角を慎重に削り出していく。角の枝分かれ部分を活用した耳の長いウサギ、観光客が無事に帰ることを祈ったカジカガエル、付け根を薄く輪切りにし細かな透かし彫りを入れたメダル状の作品…。想像力や技巧を働かせた作品を生み出してきた。自宅での作業は「昼食を取るのも忘れる。年寄りの時間つぶしに最高」というが、直売所のほか、隣接する京都丹波高原国定公園ビジターセンターで美山限定グッズとして売っており、訪日客などから好評という。シカは猟師が数多く駆除しており、活用が課題になっている。ジビエでの利用は増えつつあるが、角も工芸品にして「付加価値を高めたい」。形を変えて役立てることで「気持ちの問題だが、殺生ではなくなる」。命を生かし切りたいという。
(林の周囲を歩くクマ1頭の目撃情報:宮城)
6日夕方、宮城県登米市内でクマ1頭が目撃され、警察が注意を呼び掛けています。6日午後5時20分頃、登米市迫町新田の市道を歩いていた男性がクマ1頭を見つけ110番通報しました。クマは体長1メートルほどで、林の中から出てきたあと西の方に歩いて再び林の中に入っていったということです。現場は栗原市瀬峰の五輪堂山公園から北に1キロほどの住宅が点在する場所で、警察がパトロールをし付近の住民に注意を呼び掛けています。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、7日午後5時30分ごろ、松島町高城反町にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、7日午後4時ごろ、松島町高城明神二にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前5時45分ごろ、仙台市泉区住吉台西4丁目にクマが出没しました。
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(70代ハンターがヒグマに襲われ重傷:北海道)
3日午後2時ごろ、北海道美唄市の会社から「ハンターが何者かに襲われて顔面を損傷している」と119番があった。美唄署や消防によると、70代の男性ハンターが市東部の山林でヒグマに襲われたとみられ、顔や頭に深い傷を負い、脚にもかみ傷があり、重傷という。救急搬送時に会話は可能だった。北海道でのクマによる人的被害は今年初めて。男性は「クマに襲われた」と付近の会社に駆け込み、119番通報を要請。猟銃を所持していたという。男性を襲ったと見られるクマは見つかっておらず、署は山林に続く道の交通規制やパトロールで警戒を強化している。
(野生イノシシ、豚熱感染を確認:青森)
青森県は4日までに、階上町で見つかった野生イノシシの死骸が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。
(豚熱に感染のイノシシ、県全域ワクチン散布へ:佐賀)
ブタの伝染病、CSF=豚熱に感染している野生のイノシシが大町町で初めて確認されました。県は感染が拡大しているとして、県全域にワクチンを散布する対策を取ることにしています。県内では去年6月以降、唐津市や玄海町などで豚熱に感染した野生のイノシシが相次いで確認されています。県は4日、先月31日に伊万里市で見つかったイノシシ1頭と、今月1日に大町町で見つかったイノシシ1頭でも豚熱の感染が確認されたと発表しました。大町町で感染が確認されたのは初めてです。県は感染の拡大が続いているとして、餌で包んだワクチンを散布するエリアを県全域に広げ、今月中旬までに実施する方針です。県によりますと、豚熱は伝染力の強いウイルスによるブタやイノシシの感染症で、人には感染せず、仮に感染した肉を食べても人体に影響はないということです。また、イノシシの感染が確認された場所が養豚場から近い場合、ブタへのワクチン接種が行われていないと出荷が制限されますが、県内ではすべての養豚場でワクチン接種が済んでいて、今のところ影響はないということです。佐賀県生産者支援課の担当者は「野生のイノシシはかなりの距離を移動するため、感染を広げないようにするのは難しいが、なんとか食い止められるよう努めたい」と話しています。
(イノシシ被害深刻化、世界遺産の損壊危惧:岩手)
世界遺産「平泉の文化遺産」の構成資産となっている平泉町の中尊寺と毛越寺、観自在王院跡で、イノシシが地面を掘り起こす被害が相次いでいる。世界遺産の景観が損なわれるばかりでなく、地中の遺跡などが損壊する恐れもある。両寺と町は国など関係機関を交え、景観に配慮した防護柵の設置を検討するなど対策を急いでいる。中尊寺の被害はここ数年で確認。文化財関連では、金色堂前の弁財天堂の池や大長寿院、白山神社、大池跡付近で地面を掘り起こされた。このうち弁財天堂の池は今年に入って護岸が崩されるなど深刻化している。毛越寺では1月、常行堂や講堂跡、開山堂、弁天池の付近など、山林に近いエリアで発生。観自在王院跡でも複数の被害が確認された。近隣では近年、イノシシの目撃が相次いでいた。人的被害は確認されていない。町は被害状況を確認し、文化庁などに報告。国と県の補助を受け、対策事業の枠組みを構築したい考えだ。いずれも年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れることから、景観に配慮した意匠の防護柵設置を想定している。
(小学校敷地内でみつかったウサギとみられる動物の頭部を鳥が埋める様子:カラス)
3月31日、静岡・袋井市の小学校の敷地内で、ウサギとみられる頭部が見つかった事案について、警察は、カラスとみられる鳥が埋めている様子を確認できたと発表しました。これは、3月31日、袋井市立浅羽東小学校の校庭の砂場で縦13センチ、幅8センチ、毛の色が茶色のウサギとみられる頭部が見つかったものです。学校ではウサギを飼育していなかったことから、警察が学校に設置された防犯カメラを調べたところ、29日午前9時ごろ、カラスとみられる鳥が飛来し、埋めている様子を確認できたということです。学校関係者が見つけた31日午後4時過ぎまで人の出入りはなかったため、警察は人為的なものではないとみています。警察は頭部が切断された原因について詳しく調べるため、今後、専門機関に鑑定を依頼するということです。
(3年連続で「ツキノワグマ出没注意報」:青森)
3年連続で「ツキノワグマ出没注意報」が発表されました。青森県内の出没件数は、すでに2024年を上回っていて、専門家は「クマは一年を通して出没する」と警鐘を鳴らします。「ツキノワグマ出没注意報」は、クマが冬眠から目覚める時期にあわせて、県が4月4日~11月30日まで県内全域を対象に発表しました。注意報は3年連続の発表です。県はその理由について、2024年秋の調査でエサとなる「ブナの実」が豊作であるため、クマの栄養状態が良くなって出産が増えていて、冬眠明けの母グマがエサを求めて行動範囲を広げる恐れがあるためとしています。これに加え、人間とクマの生活圏が近づいていて、被害にあうケースが増えていると県の担当者は指摘します。県自然保護課 近藤 毅 総括主幹「山での仕事をする人が減っている、里山に近い農地での耕作放棄地が出てくると、クマが茂みから出てきやすい。草刈りをしてクマが出にくいようにする対策は効果があると思います」。クマの出没件数は、2023年が過去最高の1133件、2024年が過去2番目の709件で、発生が相次いでいます。2024年6月には、八甲田山系でタケノコ採りで山に入った女性がクマに襲われて死亡し、登山道の一部などが3か月間にわたって立ち入りが規制され、観光にも大きな影響が出ていました。2025年の出没件数は3月末時点で29件となり、前の年の同じ時期より15件増えています。クマの生態に詳しい専門家は、街中に出没する“都市型のクマ”は一年を通して出没すると警鐘を鳴らします。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦 理事長「“都市型のクマ”は通年、秋や春関係なく出てくる。冬でも出てくる。青森は三八・上北・八戸に近いほうや、津軽も今年の秋は相当出るかと思う」。県はクマの出没が確認されている場所には近づかないこと、クマを引き寄せる食べ物や生ゴミを屋外に放置しないことなどを求めています。
(シカとイノシシ捕獲、高水準で推移:岡山)
岡山県がまとめた2023年度の鳥獣捕獲実績によると、シカは記録が残る1985年度以降で2番目に多い1万5999頭、イノシシは4番目の3万245頭と、いずれも高い水準で推移した。
(芝桜の名所に暗雲「植えても植えてもシカに…」:岐阜)
例年4月から5月にかけ見ごろを迎える芝桜ですが、岐阜県郡上市の名所では、ある動物の影響で芝桜に危機に直面しています。花見シーズン真っただ中。各地で桜の名所がにぎわう中、4日名古屋ではソメイヨシノの満開が発表されました。平年より2日遅く、去年より3日早い観測です。そして4月中旬以降、見ごろを迎えるのが足元一面に広がる芝桜です。しかし、この地方の名所で「ある動物」による被害で、地元の人たちから悲鳴が上がっています。郡上市の芝桜の名所「國田家の芝桜」。2日、地元の「道の駅」がSNSで発信したこちらの投稿によると、庭に約5万株の芝桜が花を咲かせる絶景が見られなくなってしまうかもしれないというのです。実際に現地に行き、話を聞くとーー「見てください。これみんなシカが引き抜いた。食べに来てこれ全部引き抜いた。これがいっぱいあるんですよ」(芝桜を育てている 國田洋子さん)。毎年咲かせるために育てているのは國田洋子さん。母・かなゑさんが育て始めた芝桜を50年以上守ってきました。例年の今ごろは花を咲かせる前で緑色の絨毯が広がったようになるといいますが、今年は一面枯れてしまい、茶色に。ここまでひどいシカの被害は初めてだといいます。「雪に覆われていたから安心していたけど、雪が消え始めてから毎晩くらいシカがやってきて今年になってから植えるとまた引き抜いて、それの繰り返しで。もう本当に涙が出るくらいです。植えても植えてもシカに引き抜かれてね」(國田さん)。実はシカによる被害は芝桜だけに留まらず、地元の猟友会も頭を悩ませているといいます。「1000頭に近い数が明宝の中で捕らえられていると思うが、それだけ捕られているってことは、明宝の人口よりシカのほうが多い。家の周りにシカが出るようになったのがここ10年くらいかな」(郡上市猟友会明宝支部 熊崎弘一 支部長)。國田さんの庭近くには、防獣フェンスがありますがそれでもシカの被害を避けられなかったのにはわけが。「雪が今年はめちゃくちゃ降った。たくさん降るとネットの高さが低くなる。それをよいしょって超えてくる」(熊崎支部長)。シカの侵入を防ぐため今後は庭を囲うように柵を設置するなど芝桜を守るための新たな対策を検討しているといいます。県外や海外の観光客にも愛される國田家の芝桜。今年は見られるのでしょうか。「いつもとはちょっと違うと思う。遠いところから大勢の人が毎年見に来てくれるから、そういうことを思うとやはりきれいに咲いてほしい」(國田さん)。
(イノシシ被害で緊急会議:沖縄)
今帰仁村与那嶺区(島袋艶子区長)と仲尾次区(大城司区長)は3月13日、村内西側地域で出没が確認されたイノシシについて緊急の話し合いを持った。与那嶺公民館で開かれた会合には、両区の自治会やPTA関係者が参加した。
(猟師が「どんぐりの木」植樹:神奈川)
西丹沢地区(山北町)で狩猟を行う民間グループの豊猟会(豊田里己会長)は3月22・23日、「動物のすめる森をつくろう」と、共和地区財産区にクヌギとクルミの苗木1510本を植樹した。山北町で狩猟ができる場所は2カ所あり、一つが町が管理する三保猟区・世附猟区(10月中旬~3月中旬)。もう一つが財産区や個人などが所有する山にある狩猟可能区域で、豊猟会はこの可能区域で活動する。ここ数年、エサ不足により、シカやイノシシ、クマなどが山奥から人が暮らす里山に下りてきて、畑の作物などを荒らすケースが増えている。豊田会長は「動物がすむ山奥の開発が進み、ドングリやクルミなどが減っています。まず、エサとなる木を増やす必要があります」と話す。エサを増やすために行われた植樹は会員に加え、SNSで公募した全国の猟師仲間ら総勢80人が参加した。杉本一名誉会長が育てた苗木には、植樹者の名札を付け、共和地区財産区(大野山周辺)に、クヌギ1400本とクルミ110本を植樹した。今後は定期的に下草刈りなどを行っていく。豊田会長によると猟師主導でこうした森林保護を行うのは全国的にも珍しいという。「多くの人の参加に感謝します。猟師が整備する森づくりの元年。今後、10年間は活動を続けていきたい」と話す。西丹沢地区は都会から近く、良質な猟場として猟師仲間から知られる。豊猟会は創部38年目の狩猟グループ。山北町に加え、都内など遠方からも30人が加盟する。
(移住の37歳、猟師修業中:香川)
仕留めたイノシシの皮をナイフを使って丁寧にはがしていく。香川県東かがわ市五名(ごみょう)地区で、奥沢康平さん(37)が初めて捕獲したイノシシを先輩猟師らと一緒に解体していた。2024年夏に東京から人口約250人の同地区に移住した奥沢さん。いずれは猟師として生きていきたいと考えている。1月、奥沢さんが山の中に設置した「くくりわな」に、初めてイノシシがかかった。体長1メートル10センチ、体重71キロのメス。地区で農林業を営む先輩猟師の木村薫さん(75)の自宅にある解体所に運び、ほかの移住者と2人がかりで台にのせた。まず、イノシシの体に高温スチーマーを使って熱湯を噴射し、ダニを取り除く。奥沢さんと先輩猟師の木村さんがナイフを使って皮をはがした後、木村さんが手際よく肉を部位ごとに切り分けていった。「脂を残しながら皮をはぐ作業が最も難しい」と奥沢さん。皮と一緒に脂まで取ってしまうと、肉がおいしくなくなるからだ。解体作業の中でも「かなり修業が必要」な工程だという。
(繁華街の焼き肉店に鹿が突入:静岡)
4月5日、静岡県沼津市の焼肉店で、鹿1頭がガラス戸を突き破って店内に入りました。鹿は捕獲され、殺処分されました。警察と沼津市によりますと、4月5日正午頃、沼津市高島町のビルの1階にある焼肉店で、通行人が鹿が店舗出入口のガラス戸を突き破り店内に入った状況を目撃し、警察に通報しました。警察が現場に駆けつけたところ、店内で1頭の鹿を発見しました。鹿には短い角があり、雄とみられ、体長は1メートル50センチ程度だったということです。警察官5~6人と沼津市の職員2人、地元の猟友会員1人が網とロープを使って午後1時40分頃に鹿を捕獲しました。捕獲には約30分かかりましたが、鹿が暴れることはなかったいうことです。鹿は猟友会員に引き渡され、殺処分されました。焼肉店の店長は、「ありえないと思った。深夜とかだったらわかるが、真昼間にこんなことがあるとは」などと話しました。当時店は営業時間外で、けが人はいませんでした。現場はJR沼津駅北口から徒歩4分ほどの繁華街で、警察は一時、焼肉店の前の歩道を通行止めにしました。
(民家の庭先でイノシシ捕獲:埼玉)
埼玉県の羽生市は24日午後3時ごろ、同市上川俣の民家の庭先で、箱わなを使ってイノシシを捕獲した。川俣地区の住宅地に頻繁に出没したイノシシで、庭や畑の掘り起こし被害があったため、2月10日から県東部環境管理事務所が箱わなとセンサー式ソーラーカメラを仕掛けていた。同市猟友会によると、捕獲したイノシシは体長110センチくらい、推定体重70~80キロ。推定年齢3~4歳の雄。箱わなには、米ぬか、くず米、サツマイモ、リンゴなどの餌を置いていた。イノシシによる人的被害はなかった。市は今年1月ごろから、イノシシが川俣地区を中心に住宅地でたびたび目撃されたことから、市民の安全・安心を考慮し、捕獲を試みていた。同市環境課は、利根川堤内辺りから来たとみている。
(動物用焼却炉を更新へ:北海道)
豊富、幌延、天塩、遠別、中川の5町で構成する西天北五町衛生施設組合(事務局・幌延)は本年度、幌延町内の西天北クリーンセンターにある動物用焼却炉を更新する。老朽化に加え、駆除や交通事故で同組合に搬入されるエゾシカの増加が主な要因。
(ジビエ研究会が発足:京都)
シカやイノシシなどによる農産物被害が深刻化する中、京都府京丹後市弥栄町須川(来見谷地区)で「くるみ谷ジビエ研究会」が発足した。掲げた理念は「生きとし生けるもの全ての命を粗末にしない」。行政と連携し、捕獲した動物を資源として有効活用する組織づくりを目指す。来見谷地区は丹後半島中央部の山あいにある集落。2023年11月、兵庫県宝塚市からこの地に移住した猟師の治井憲一郎さん(66)は周辺の山々で猟を始め、捕獲したシカやイノシシの個体の素晴らしさに驚く。自然豊かな山々で育った動物の肉は良質で、滋味あふれるものだった。治井さんは捕獲した動物を処理し、近所の人たちと一緒に食べるようになったが、近所の人たちはそのおいしさに感嘆の声を上げ、口々に「シカやイノシシなどの肉はこれまで食べたことはなかった」と話したという。来見谷地区がある丹後半島でも、農作物が食い荒らされるなど獣害は深刻だ。人口減少が続く中、動物と、人間が手を入れる里山の境界線が崩れたことが背景にあるとみられる。治井さんが丹後に移住し、とても驚いたことがある。それは「捕獲した動物のほとんどがそのまま地中に埋められて処分されている現実」という。「もったいなく、悲しい。なんとかならないものか」。近所の飯島篤さんたちと相談を重ねるうち、今年に入って勉強会がスタート。2月13日には稲作農家、料理研究家、行政書士ら40人が集まり、「くるみ谷ジビエ研究会」が発足し、治井さんと飯島さんが共同代表に、藤原利昭さんが事務局長となった。治井さんによると、京丹後市や府の担当者と話し合いを続けており、捕獲したシカ、イノシシなどの「有効活用」を目標とすることで意見が一致。今後はその実現のための具体策を検討することになった。京丹後市の中山泰市長に対しては、捕獲した動物の処理、加工、販売施設の整備やジビエについての官民共同の教育機関の設立などを要望した。治井さんは「自然の恵み、神様からの贈り物は決して粗末にしてはいけないという一念です。会の趣旨に賛同し、一緒に行動してくれる人を募っています」と話した。
(自ら仕留めたジビエ販売:広島)
自ら仕留めたイノシシとシカの肉を販売する店を広島県府中市上下町に開いたのは2023年12月。元々狩猟が趣味で、わなと猟銃の免許は持っていた。節目の50歳を過ぎ「一生を通じて打ち込めることに挑戦してみよう」と決断した。「今の年齢なら、まだスキルを磨く時間があると考えた」と振り返る。
(国産ジビエをペットの未来へ:京都)
株式会社nullkyotoは、古都・京都の豊かな自然の中で、捕獲される鹿たちの命を無駄にすることなく、恵みとして受け取り、社会に還元するため、2025年4月3日、新たにジビエペットフードを展開する「Rawto(ロートゥ)」を立ち上げました。
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(タケノコ掘りの男性、右腕かまれ負傷:愛媛)
日午前11時20分頃、松山市下伊台町の畑で、「家族がイノシシにけがをさせられた」と住民が119番。愛媛県警松山東署員らが駆けつけたところ、70歳代の男性が負傷していた。男性は市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。同署の発表では、男性は近くでタケノコ掘りをしており、右腕をかまれたという。イノシシはそのまま走り去ったといい、同署は注意を呼びかけている。
(野生イノシシ2頭が豚熱感染:佐賀)
佐賀県は1日、唐津市と武雄市で野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は71、72例目。場所はいずれも経口ワクチンの散布エリア内。県生産者支援課によると、3月25日に唐津市北波多稗田の民家の庭先で、死んでいるイノシシを住民が発見した。同28日には武雄市武内町真手野の山奥の水田につながる道路で、死んでいる成獣をイノシシパトロール隊が発見した。2頭は同31日の検査で感染が判明した。
(1日から“春のヒグマ注意特別期間”:北海道)
クマが冬眠から目を覚ます時期を迎え、道は1日以降の2か月間を特別期間として、山菜採りなどで山に入るときは十分に注意するよう呼びかけています。道は毎年、クマが冬眠から目を覚ます時期にあわせて、あす、4月1日から5月末までを「春のヒグマ注意特別期間」と定めています。この期間は山菜採りのシーズンとも重なり、山に入る人が増えることから道内全域で十分に注意するよう呼びかけています。また、道内各地では、冬眠中や目を覚ましたばかりのクマを駆除する「春期管理捕獲」が実施されていて、30日、札幌市南区ではドローンを使ってヒグマを探す取り組みが行われました。道によりますと去年はヒグマの食料となるドングリなどの実り具合が良好だったことから、ことしは子グマが生まれやすく、活動が活発になる可能性もあるとしています。道は、山に入るときには事前にホームページなどで出没情報を確認した上で、▼2人以上で行動することや▼クマよけの鈴や笛など音の出るものを鳴らすこと、▼ふんや足跡を見つけたらすぐに引き返すことや▼自分たちの食べ物は必ず持ち帰ることなど、対策を徹底するよう呼びかけています。
(ドローンでクマを森に返すプロジェクト:岩手)
東京都のNPO法人ドローン地域活性化センター(渋沢健太郎理事長)は、ドローンを活用してクマを森に返すプロジェクトを盛岡市内で実施する。6月の始動に向け、4月末までクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。目標金額は500万円で、実験は10月までに5回を目安に実施する予定。2024年の目撃情報を基に、住宅地と森林を分断するルートを決め、全長5.7キロの航路をドローンが何度も往復する。ドローンは、クマが嫌がる周波数の高い音を発信。サーモカメラを搭載し、上空からクマを発見すると接近し、山に追い払う。餌となるドングリをペットボトルに入れて運び、山でまき、里での出没を防ぐ。
(苫小牧のシカ捕獲半減、暖冬で餌豊富:北海道)
苫小牧市が2022年度から実施しているエゾシカの捕獲事業で、24年度の捕獲数は77頭と前年度の半分以下にとどまった。市によると、エゾシカが生息する森に餌が豊富にあり、人里への出没が少なかったことなどが要因という。エゾシカに関する市への通報や苦情も減少した一方、市の担当者は「捕獲数が減った分、シカが繁殖し、今後被害が増える可能性がある」と警戒している。
(有害鳥獣の処理「焼却処分か食用」:岐阜)
岐阜県美濃、関市で1月、小学校や民家の花壇からシカやキツネの頭部が見つかったことを受け、関市猟友会は市の協力を得て、2025年度から捕獲した有害鳥獣の処理を原則、焼却処分か食用とすることに決定した。
(尾道でハンター急増、イノシシ被害が半減:広島)
広島県尾道市でわなの狩猟免許を取る人が増え、イノシシによる被害を減らす成果を上げている。2024年度の新規取得者は45人を数え、ここ10年で最多。捕獲に取り組む住民グループも、より効果的な対策を打てるようになった。
(「狩猟の窓口2nd」:福岡)
狩猟に興味があるけれど、何から始めたらいいのか分からない。狩猟免許を取ったけれど、実際の狩猟には踏み出せていない。そんな人々へ向けたイベントを、福岡で活動するわな猟師が開催! イベント内容:猟期終了後にやるべきこと(次のシーズンに向けた準備)。少人数制の実践的カリキュラムの紹介。狩猟コミュニティの紹介個別相談会(わな猟を始めるための具体的アドバイス)。
(シカ被害対策及びジビエ活用推進協定を締結:山口)
3月31日(月曜日)、長門市地域におけるシカ被害対策及びジビエ活用推進協定の締結式が長門市役所で行われました。シカによる農作物への被害が依然として多いことなどから、近畿中国森林管理局と長門市有害鳥獣被害防止対策協議会及び山口県長門猟友会の三者が、協定を締結し、くくり罠を用いたシカの捕獲活動等を関係機関が協力して取り組むこととなります。協定の締結を受け、近畿中国森林管理局から、くくり罠100セットと誘因エサを提供いただき、山口県長門猟友会が罠を設置等を行う。また、長門市有害鳥獣被害防止対策協議会も加わりジビエ活用を促進することとなります。
(クマ目撃相次ぐ:岩手)
岩手県盛岡市の住宅街でクマの目撃が相次いでいて、市が注意を呼びかけています。2日朝、盛岡市青山で撮影された映像です。住宅の庭をクマが通り過ぎていきます。最初にクマが目撃されたのは午前5時前、盛岡市青山1丁目の県立盛岡みたけ支援学校高等部の近くです。通行人が子グマ1頭を目撃しました。周辺は住宅街で、近くには厨川中学校もあるエリアです。今のところ、クマによる人への被害は確認されていません。クマは大新町や前九年、安倍館町でも目撃されていて、市は付近の住民に注意を呼びかけるとともに、警察や猟友会とともに警戒にあたっています。
(鹿2頭と乗用車が衝突、車大破し修理費80万円:兵庫)
兵庫・養父市。目的地までもう少し。山道を進む夫婦の目の前に現れたのは、2頭のシカ。よけきれず、衝撃が走りました。シカと衝突したドライバーは「突然大きなシカ2頭がどっと飛び出してきて、ブレーキかける暇もよける暇も何もなく、ただ悲鳴だけでどーんとぶつかった」と当時を振り返ります。シカたちはなぜ、突然飛び出してきたのでしょうか。ドライバーは、もう1頭いたのではと推測します。車を脇に止め、警察に通報。2頭のうち1頭は地面に横たわり、もう1頭は山のほうへ逃げていったといいます。夫婦にけがはなかったものの、衝突で車は見るも無残な状態に。シカと衝突したドライバー:概算の修理見積もりが出たが、80万円というとんでもない金額で…はい。
(イノシシが大根300本引き抜く?:沖縄)
春になると各地でイノシシ被害が報告されるが、大宜味村の農家で16日、「賢い?イノシシ被害」があった。塩屋区の農家、加藤新平さん(41)が大根を収穫するため朝早く畑へ出ると、大根が1本残らず引き抜かれていた。その数300本。きれいに並べられていたので、当初誰かが収穫を手伝ってくれたものと思っていたが、かじられた痕もあったのでイノシシの仕業と判明。隣の宮城賢さん(69)所有の畑では、カボチャ300個が残さず食べられて全滅とのこと。2人は「大雨被害を乗り越えてやっと収穫できると思っていたのに、とても残念」と肩を落とした。
(「京の鹿肉フェア」を開催中:京都)
株式会社 ホテル京阪(本社:大阪市中央区 社長:山田 有希生)が運営するホテル京阪 京都 グランデ(所在地:京都市南区)では、5月31日(土)までの期間、2階のレストラン「オクターヴァ」のディナータイムに、京都府産の鹿肉を使用した「京の鹿肉フェア」を開催しております。京都府南部の笠置町を拠点としたジビエブランド「やまとある」で、生物多様性の回復・持続的な食糧生産への転換など、SDGsへの寄与を目指して捕獲・製造された新鮮な鹿肉を使用し、8種類のメニューをご用意いたしました。深みのあるスモーキーな香りでワインやビールとの相性が抜群の「鹿の燻製ハム 自家製ピクルス」、噛むたびに旨味が広がるジューシーな「鹿のソーセージ」、口の中でほぐれる食感になるまで煮込んだ「鹿の赤ワイン煮込み」など、鹿肉を存分に味わえる料理に仕上げました。そのほかにも、「鹿のベリーサラダ」、「炭塩の鹿のティエド グリル野菜サラダ」、「鹿の香草パン粉焼き」、「鹿のソテー グレープフルーツとビーツ」、「鹿肉のスパイスカレー」をご用意。牛肉に比べ、高たんぱく・低カロリーで豊富な鉄分を含む食材である鹿肉。しっかりとした旨味と歯ごたえを味わえるメニューを、ぜひお楽しみください。
(2050年のたんぱく質不足に備え、ジビエを未来の食の選択肢に:福岡)
猟師の社会貢献!持続可能なジビエ文化の確立を目指して!!当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「大林猟師企画」の夢です。私は個人事業主の猟師として、狩猟とジビエ振興に取り組んでいます。そして今、2050年に予測されるたんぱく質不足の解決策の一つとして、ジビエが当たり前に食卓に並ぶ未来を目指しています。私は現在、福岡市在住の猟師として、有害鳥獣の捕獲とジビエの普及活動を行っています。現代の日本では、鹿や猪などの野生動物が増加し、農作物被害が深刻化しています。一方で、2050年には人口増加に伴うたんぱく質不足が予想され、食肉の確保が大きな課題となると考えられています。そこで、私は「ジビエを未来の食の選択肢にする」ことを目指し、以下の取り組みを進めています。キャンプ場と猟師のコラボ企画として、ジビエ試食イベントを開催都市部の人々にジビエの魅力を伝え、食材としての可能性を体験してもらう機会を提供。狩猟体験・講座を実施し、新規ハンターや関係人口を増やす活動狩猟の担い手不足を解消し、ジビエの安定供給に貢献。将来的には解体施設を整備し、ジビエ流通の基盤を構築捕獲から解体・加工・流通までの仕組みを整え、持続可能な供給体制をつくる。私には5歳になる甥がいます。彼が大人になったとき、食の選択肢としてジビエが当たり前に存在し、安心してたんぱく質を摂取できる未来をつくりたい。そのために、猟師としてできることを積み重ね、2050年に向けて持続可能な狩猟・ジビエ文化の確立に挑戦します。「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。
(異色業態「中華×ジビエ」とは?:東京)
三軒茶屋『あかんぼ』の姉妹店「新赤坊(ニューあかんぼ)」が、同じく三茶に2025年2月2日グランドオープン。2018年創業の1号店は町中華系居酒屋なのに対し、ドミナント出店の新店は「中華×ジビエ」がテーマの異色の中華酒場。その全容と経営について、三茶出身の店主・武居佑真氏(37歳)を取材した。酒場激戦区・三軒茶屋で、1号店『あかんぼ』は連日4回転するほどの繁盛ぶり。月商・坪月商は300万円・30万円と堅調だったが、武居氏曰く「売上は限界がきていると感じていた」そう。また、調理は同氏のワンオペで行っていることもあり、心身ともに疲弊した状態が続いていた。そこで、売上を向上させ、料理人を育成することで自身の負担を減らしていく事業拡大の構想を2年ほど前から模索。三茶に絞って物件を探しながら、中華料理を絡めた新業態づくりに着手した。当初は「中華×おでん」の案もあったが、2024年に入り、2号店のテーマは「中華×ジビエ」でいくことを決意する。「1号店と同じことをやっても、多分売上が分散するというか、お客さんへの発信がブレそうだなと思いました。そこで違う業態は何がいいかと考えたとき、昔に比べてジビエ食材が手に入りやすくなったことに着目しました。また、ジビエはいわゆる“筋肉飯”。脂質が低く高タンパクで、食べると代謝が上がる効果も期待できるなど、今注目されている食材です。これを中華と掛け合わせたら、新しいお客さんが獲得できるのではと思い、去年からジビエ食材の仕入れ先を探し始めました」。仕入れは意外にも簡単だった。ジビエ業者約5社がそれぞれ運営するオンラインストアから欲しいジビエの部位を選び、インターネット上で購入するだけ。「品揃えが充実しているので、入荷が安定しますね。チルド(生肉)は寄生虫が多いので、安全面を考えて工場で品質管理された冷凍肉を使っています。また、ジビエ肉は部位別に小分けされて届くため管理もしやすい。ジビエを使うのはほぼ初めてでしたけど、昔焼肉店で働いていた経験も生かしながらやっています。衛生面では牛や豚の扱いと差異はありません」と、武居氏は言い切る。
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