<射撃ニュース4月>
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(イノシシ、体内のセシウム濃度は減少傾向に:福島)
東京電力福島第一原発事故の後、福島県内全域で出荷制限が続く野生のイノシシについて、体内の放射性セシウム濃度が全県的に減少傾向にあることを福島県環境創造センターと国立環境研究所が明らかにした。イノシシの体内でのセシウムの半減期は、物理学的半減期である約30年よりも倍以上早いことも確認した。調査は、原発事故があった2011年から14年間、全県で捕獲された約3600頭のイノシシのデータを対象とした。第一原発に比較的近い「浜通り」、福島市や郡山市を含む「中通り」、新潟との県境に近い「会津」、原発事故で今も人が住めない「帰還困難区域」とその周辺の4地域に分類し、筋肉中のセシウム濃度の変動を統計学的に解析した。その結果、地域ごとに速度は異なるものの、すべての地域でセシウム濃度は減少傾向にあり、一般食品の基準値である1キロあたり100ベクレルを下回る個体の割合が増加していることがわかった。ただ、帰還困難区域やその周辺では、現在でもセシウム濃度の高い個体が継続して確認されているという。放射能が元の半分になるまでの期間を示す半減期は推定約3~9年で、物理学的半減期(約30年)より減少が早いことが示された。分析では浜通りが3年、会津が約9年だった。同センターの関谷健一・研究部長によると、イノシシはミミズや植物の根を食べており、地域で生育状態が違うことが影響していると考えられるという。ただ、「(原発から遠い)会津の方が半減期が長い理由は分からず、今後の課題」としている。福島県内でイノシシ肉は、出荷制限に加え、一部地域では自家消費も控えることになっている。関谷さんは「出荷制限解除に向けてよい傾向だが、突発的に高い個体が出ることもあり、直ちに解除、何年後に解除と明確には言えない。引き続き調査研究を続ける」としている。これまで、帰還困難区域などの特定地域で数年間に限定した調査は行われてきたが、事故直後から現在に至るまでの長期的な変動や県全体を比較するような大規模な調査は初。論文は3月25日付で国際学術誌プロスワン(ウェブ版)に掲載された。
(検察が証拠品のライフル銃を廃棄していたことが判明:北海道)
ヒグマの駆除をめぐって猟銃所持の許可を取り消されていた北海道砂川市のハンターが返還を求めていたライフル銃が、廃棄されていたことがわかりました。北海道砂川市のハンター、池上治男さん(77)は、2018年の子グマへの発砲が危険だと判断され、北海道警察にライフル銃を押収されていました。3月の最高裁判決を経て、押収されていたライフル銃のうち、1丁が先週返還されました。一方で、2018年の発砲時に使用していたライフル銃はいまだ返還されておらず、池上さんは早期の返還を求めていました。池上さんの代理人弁護士によりますと、14日、検察から「適正に廃棄した」との連絡を受けたということで、引き続き経緯などの確認をしているということです。一方で、2018年の発砲時に使用していたライフル銃はいまだ返還されておらず、池上さんは早期の返還を求めていました。池上さんの代理人弁護士によりますと、14日、検察から「適正に廃棄した」との連絡を受けたということで、引き続き経緯などの確認をしているということです。
(クマ駆除中に滑落した女性は肋骨など折る大ケガと判明:山形)
クマの駆除のために山形市の山に入り滑落してケガをした猟友会の女性がきょう午前、消防防災ヘリで救助されました。女性は斜面を20メートルほど滑り落ち、手首や肋骨などを折る大けがをしたということです。警察によりますときのう午後3時すぎ、山形市和合町の団体職員の女性(60)がクマの駆除のため山形市上宝沢の山で活動していたところ転倒し滑落したということです。女性は斜面を20メートルほど滑り落ちたとみられ、右手首や右手の親指、肋骨を折る大ケガをしました。通報を受け向かった救助隊がきのうのうちに女性と合流しましたが日没のためビバークし、けさ6時半ごろ県消防防災ヘリ「もがみ」が女性を救助しました。女性が滑落した現場は蔵王ダムの管理事務所から南西方向におよそ700メートルのあたりで、女性は移動中に斜面で転んだとみられています。
(イノシシ豚熱:岡山)
岡山県は15日、玉野市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は76例目。県によると、衰弱した1頭が見つかり、県の検査で陽性が確定した。発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に野生イノシシの流通自粛を求めている。
(クマが隠れにくい緩衝林帯を整備へ)
東北森林管理局は14日、管轄する東北5県(福島県以外)での本年度の取り組みを発表した。クマ被害対策では人との生活圏のすみ分けを図るため、民家や公道に接する国有林で「緩衝林帯」を整備。下草刈りや伐採を行い、クマが隠れにくくする。緩衝林帯はまず、秋田県仙北市角館町の観光地、武家屋敷通り近くの国有林で夏にも整備する。要望がある他の自治体でも順次取り組む。ボランティア活動による整備も調整中という。
(国有林を捕獲用のおりの設置場所として提供へ:秋田)
クマへの対応について東北森林管理局は、国有林を捕獲用のおりの設置場所として提供する新たな対策を発表しました。すでに3つの市と町から国有林の活用について要望が寄せられています。福島を除く東北5県の国有林を管轄する東北森林管理局は、「国民の命と暮らしを守ること」を目指す政府の対策パッケージを踏まえたクマ対策を公表しました。国が対策のガイドラインを「保護」から個体数の減少を目指す「管理」に舵を切ったことを受けて、東北森林管理局では「地域との連携」を強化します。具体的には市町村の要望に基づき、電気柵や捕獲用のおりの設置場所として国有林を提供します。県内ではすでに3つの市と町から国有林の活用について要望が寄せられていて、東北森林管理局では今後協定を結んで市町村のクマ対策を後押しする方針です。
(クマ対策チーム発足、2025年度の過去最多出没受け:宮城)
2025年度、過去最多のクマの目撃情報があった宮城県が、クマ被害の防止に当たるための対策チームを発足させました。対策チームの発足は、病気療養中の村井知事に代わって記者会見した小林徳光副知事が明らかにしたものです。チームは、県が4月1日に設立した「野生鳥獣被害対策本部」(本部長・小林副知事)の下部組織に当たり、環境生活部や農政部といった関係部局の職員で構成されます。クマによる被害が予測される事態が起きると本部とともに立ち上がり、市町村と協力しながら対応に当たるとしていますが、4月15日時点では具体的な事態はなく、活動には至っていません。小林副知事は「必要に応じて万全の態勢を取っていきたい」と述べました。宮城県では、2025年度、クマの目撃情報が3500件を超え、人身被害も6件といずれも過去最多でした。2026年度も4月15日時点の目撃情報が既に18件に上っていて、2025年度と変わらないペースでクマが出没するとみて、警戒を強めています。
(緊急銃猟の手順確認:北海道)
稚内市は10日、市街地に侵入したヒグマを市町村の判断で駆除できる緊急銃猟の訓練を行った。地域事情を踏まえて作成する対応マニュアル作りに成果を反映する。
(小湊鉄道の「春」ピンチ:千葉)
千葉県市原市などを走る小湊鉄道の沿線をこの時期、美しく彩る桜や菜の花の多くは、地域住民によって維持されている。人気の撮影スポットとなっているが、住民の高齢化や動物による食害などで維持が困難となる地域もある。住民らは「この景色をなんとしても維持しなければ」と危機感を募らせている。菜の花畑は約20年前、地域住民が休耕田に種をまき始めたのが始まり。住民らでつくる「石神なの花会」が維持してきた。だが、5年ほど前から茎が細く短くなり、咲き方もまばらになった。原因の一つは土の栄養不足という。菜の花は秋の間に十分成長すると冬を越せるが、畑の養分が足りないため、冬の間に枯れてしまう。冬を越せたとしても、キョンや鹿などに食べ尽くされてしまうという。
(猟友会が県議会で抜本的なクマ対策を求める:宮城)
クマ捕獲の最前線に立つ猟友会からは、対策の抜本的な見直しを求める声が上がりました。宮城県猟友会浅井功理事「やっていることは対症療法ですね。出てきたから捕るでは解決にならないと思います」。宮城県議会の特別委員会に参考人として招かれた宮城県猟友会のメンバーは、クマの個体数が年々増えているとして、ハンターの立場から捕獲数を増やす必要性を訴えました。 人の手によってクマの餌場を設けることも提案しました。宮城県猟友会浅井功理事「強い雄とか大きい雌とかが、奥山の餌場を占領します。ということは、弱い雌とか子グマは必然的に表に出てこないといけないわけですよ。根本的にクマがすめる場所を作ってあげないといけないと思います。これは莫大な費用と時間がかかります。実のなる木を山に飢えていただきたいと」。
(クマとの共生探るツアー:石川)
クマによる人的被害や市街地への出没が全国的に課題となる中、クマと人間との関わり方を考えるツアーが12日、白山市尾添であった。市内外から約20人が参加し、科学と文化の二つの視点からクマとの向き合い方を考えた。白山手取川ジオパーク推進協議会と同市安吉町の酒蔵「吉田酒造店」による官民連携プロジェクト「Connect HAKUSAN」の一環。プロジェクトでは、環境保全や地域文化の伝承に取り組んでおり、今回はクマについて学ぶツアーを企画した。「白山自然保護センターブナオ山観察舎」では、センター職員が調査データなどを示してクマの生態を解説。
(獣害に向き合い、獣害対策の手助けに取り組む大学生たち:東京)
2025年は、クマによる国内での人身被害が統計開始以来、過去最悪を記録。死者は13人にのぼり、獣害問題への関心が高まった。都市部に住む人には身近に感じにくい側面もあるが、そんな獣害問題をひとごととせず、自らできることを模索して行動する大学生たちが東京にいる。現場に足を運び、獣害対策の手伝いをする「早稲田大学狩り部」を取材した。早稲田大学狩り部は17年、アフリカのゾウの獣害問題を研究する同大平山郁夫記念ボランティアセンター前准教授の岩井雪乃さんによって設立された。部員は早大生のみで、当初、部員数は10人未満で推移していたが、25年度末時点で70人ほどを抱えるまでに着実に増加している。岩井さんが部を設立したきっかけは14年、夫の畑で収穫を間近に控えていた作物がイノシシによって一晩のうちに食い荒らされてしまったことだった。自らわな猟の免許を取得し、実際に獣害対策に関わるようになったが、「大学生も巻き込むことで、問題への関心と理解を広げていこうと考えた」のだという。部員らは実際に農村に出向いて農作業の手伝いやわなの仕掛け、捕獲した野生動物の解体の手伝いなどを行っている。こうした活動を通して、獣害対策にどう貢献できるかを模索したり、食の自給について考えたりしている。狩り部で幹事長を務める同大商学部3年の沢本朔さん(20)は、狩り部を「狩猟の側面も、ボランティアの側面も持ち合わせている。はっきりとは分類できない、シームレスなサークル」と形容する。入部動機はさまざまで、「おいしいジビエ料理を食べたい」という人が最も多いが、社会問題に敏感な学生も多い。部員たちが獣害問題に直接向き合うために足を運ぶのは、千葉県鴨川市や同県佐倉市、山梨県丹波山村など、関東近郊の農村や中山間地。月に1、2回ほど現地で草刈りや柵の設置を手伝ったり、箱わなの設置や見回りを手伝ったりするボランティア活動を行っている。また、捕獲したイノシシやシカなどにとどめをさす作業や解体作業にも加わっている。部員らは年に12回程度、鴨川市にある活動拠点で解体作業の練習をしており、さらにジビエ解体施設の運営者からも指導を受けている。さらに狩り部では、解体した肉を地元のハンターから譲り受けることもあるという。その肉を使い、部では数カ月に1回、早稲田キャンパス(東京都新宿区)近くの調理可能な施設の一室を借りて、ジビエ料理会を開催している。料理会では、部員自らハンバーグやシチューなどの料理を作り、味わっている。部員の中には狩猟免許を取得している学生も多くいる。特にわな猟の免許は、15人程度が取得しているという。一方、審査が厳格で取得のハードルが高い銃猟の免許取得者は3人にとどまる。さらに、銃猟の免許を取得しても、銃の所持許可を得たうえで十分な修業を積まなければ実際の猟には出られない。そのため、大学卒業後にハンターとして銃猟に携わる人はごくわずかだという。クマに限らず、近年はイノシシやシカなど多くの野生動物が人里に頻繁に姿を現し、農作物を食い荒らしたり、人間に襲いかかったりして、深刻な被害をもたらしている。その背景として、岩井さんは少子高齢化を挙げる。農村では人口の減少が続き、手入れの行き届かない土地が増えた。そのため、人間の生活圏と自然との境界が曖昧になり、野生動物が人里へ入りやすい環境となっている。結果として収穫直前の農作物が食い荒らされるなどの被害が増え、深刻な打撃を受ける農家も少なくない。岩井さんは、人間が野生動物、ひいては自然と向き合っていくうえで重要な考え方として「順応的管理」を挙げる。自然を人間の思い通りに一定の状態で保ち続けることは不可能である。だからこそ、その時々の状況に応じて柔軟に対策を変えていく必要があるという考え方だ。例えば約30年前、ヒグマの個体数が大きく減少した際には、政府は個体数を回復させるための政策を行った。しかし現在は個体数が増えすぎたため、今度は減少させる方向へ政策が転じている。とはいえ、過去のヒグマを増やす政策が誤りだったわけではなく、岩井さんは「ただ当時の状況に応じて適切に対処した結果だ」と指摘する。現在の農村の状況を「人間と動物の陣取り合戦」と表現する沢本さんは、里山などを緩衝地帯として維持し、人間側が気を抜かずにすみかを守り続けることができれば、一定の共存は可能だと考えている。そのためには「野生動物が身を隠せる場所を減らすための草刈りや、畑の周囲への柵の設置など、地道な対策を積み重ねていく必要がある」と指摘する。狩り部がこれらの作業の手伝いに精を出すのはそのためだ。岩井さんは、狩り部の活動を通して部員たちに伝えたいこととして、農村に住む人々へのリスペクトと、自然の強さを挙げる。「困っている人は弱い存在だと思われがちであり、農村も高齢化が進んでいるため、外部からは余計そのように見られやすい。しかし実際には、農村で暮らす人々は非常に力強い存在だ」という。沢本さんも、草刈りや柵の設置、農作業の手伝いで学生たちが疲れ切って休憩している間も作業を続ける農家の人々の姿を見て、「ご高齢なのにもかかわらず、自分よりはるかに体力があることに驚いた」と振り返る。そして「こんなに農家の人たちはパワフルなのに、それでも獣害が起きてしまうのか」と感じたという。とはいえ、大学生が全くの無力というわけではない。沢本さんは「週末にお手伝いしにいく感覚でも十分貢献できる」と語る。狩猟免許を持っていなくても、ハンターを職業としなくても、週末に農村に赴き草刈りに参加するなどして誰もが獣害対策に関わることができるという。さらに、農村へ足を運ばなくても、都市部でレザー製品やジビエを販売・消費することも、獣害対策に貢献することにつながる。こうした活動は、時間と体力を比較的自由に使える大学生だからこそ取り組みやすいものである。沢本さんは、同世代の学生たちに対して「ニュースで報じられる獣害をひとごとだと思わないでほしい」と呼びかける。都市部であっても、例えばカラスがゴミをあさる鳥害は、獣害とひとくくりにして鳥獣害と呼ばれる。まずはそうした身近な問題に目を向け、人間に及ぼす害について最低限の知識を持つことが大切だという。そして、「小規模でも構わないので、将来は社会の一員として共に活動し努力していきたい」と語った。
(猟友会頼みのクマ対策、「公」が担う体制築け:東京新聞)
暖かくなり、今年もクマが活発に動き回る季節が巡ってきた。人里にクマが出たら、猟友会のハンターが駆除を担う。長く続いてきた獣害対策の「仕組み」だ。だが、北海道砂川市のハンターの猟銃所持許可取り消しを巡る問題は、それが個人の使命感に依存する、極めてもろいものだという現実を浮き彫りにした。北海道猟友会の男性ハンターは2018年、砂川市から要請を受け、ヒグマを猟銃で駆除した。その後、道公安委員会は建物に弾丸が当たる恐れがあったとして、男性の猟銃所持の許可を取り消す処分を下した。男性は処分の取り消しを求めて提訴し、一審で勝訴、二審では逆転敗訴。今年3月27日の最高裁の判決は処分を違法として、男性の訴えを認めた。駆除に協力したのに銃を取り上げられたことは、各地のハンターらに大きな衝撃を与えた。高額な報酬をもらえるわけでもなく、クマから反撃されれば命の危険もある。にもかかわらず、何かあれば全てハンターの責任とされかねないとなれば、とても引き受けていられないと思うのは当然だ。協力拒否が各地で相次いでいたとしても不思議ではない。最高裁判決は、弾丸が建物などに当たる危険性を認めながらも、住民の命や財産を守るための活動であり、緊迫した状況で判断が求められていたとして、許可取り消しは「酷」だと指摘。ハンターの活動に萎縮的な影響を及ぼすとした。
(“イノシシ”を追い払う人型ロボットにネット衝撃:ポーランド)
ポーランド・ワルシャワで、人型ロボットが野生のイノシシを追い払う様子が撮影され、注目を集めています。映像には、人型ロボットが道路脇に集まるイノシシの群れに向かって接近。イノシシたちが驚いて四方に逃げていく様子が映っています。さらに、イノシシを逃した人型ロボットが悔しそうに拳を突き上げる姿も確認されています。FOX Businessによると、実際ワルシャワでは数千頭規模のイノシシが市内に出没し、住宅地や公共スペースを荒らす問題が続いています。7NEWSによると、人型ロボットの愛称は「エドワード」で身長132cm。バックパックなどを装着しながら都市部を巡回しています。一方で、Futurismによると、この取り組みはマーケティング的な側面もあり、ポーランド議会を訪問するなど公の場にも登場し、国内で大きな話題となっています。この動画はSNSで拡散され「ブラボー、エドワード」「ポーランド人以外にはこれがAIではないと理解できない」「ポーランドで何が起きてるんだ?」といった困惑や笑いのコメントが寄せられています。
(小学校のグラウンドに無数の穴:秋田)
県内で生息域が広がっているイノシシにも十分な注意が必要です。鹿角市の小学校では今月、イノシシにグラウンドが掘り起こされる被害が続いています。草の根や虫などを食べるために地面を掘り起こしているとみられ、小学校や市が対応に追われています。全校児童37人、鹿角市の尾去沢小学校です。1週間前に新学期が始まったばかりですが、子どもたちは保護者が送迎する車で登下校する日々が続いています。その理由は、春になり冬眠から目を覚まし始めたクマ…ではありません。尾去沢小学校 浅水英夫校長「こちらですね」「イノシシがエサを探しに掘り起こしている、そういう状況です」「非常にフカフカなっていますしつまずくし、けがも起きる。そういう状況になっていますね」グラウンドには無数の穴と盛り上がった土。イノシシが草の根や虫などを食べるために、掘り起こしたあとです。浅水英夫校長「きれいにまっすぐ荒らしている状況で、なんかラインでもひいたのかなと思うぐらい…まあよくやるものだなと思いました。もう笑いしか出てこないです」。小学校や鹿角市教育委員会によりますと、今月1日の朝、グラウンドの地面が掘り起こされているのを出勤してきた教員が見つけました。教育委員会を通じて連絡を受けた鹿角市は、翌日2日にセンサーカメラを設置。そのカメラに写っていたのが…イノシシです。2日と4日、それに8日の夜には2頭が出没。イノシシがグラウンドを掘り起こしている姿が捉えられていました。市は7日に捕獲用のおりを小学校の近くに設置しましたが、まだ捕獲には至っていません。尾去沢小学校では安全のため、屋外での授業と活動を取りやめています。児童たちは、晴れた日の休み時間も体育館や教室で過ごしています。山林に囲まれているとはいえ、市の中心部から1.5キロほどのところにある尾去沢小学校。イノシシに地面を掘り起こされる被害は、昨夜から14日朝にかけてもあったといいます。浅水英夫校長「いついなくなるのかっていのうがめどが立っていないということで、外で遊んだり活動したりすることが解除できるのがいつなのかというのが、まったくめどが立たないそういう状況です」。ノシシは、かつて県内に生息していなかったとされていますが、目撃件数は年々増えていて、その生息範囲も広がっています。鹿角市でも10年ほど前にイノシシが初めて目撃されて以降、被害件数が徐々に増えています。鹿角市 農地林務課 青山真さん「今年に関しては4月の前半でいままでですと(この時期は)山の際で目撃があったのが、たとえば市街地の中とか目撃される場所が人の生活圏の中心部に寄ってきています」。今年もすでに田んぼが荒らされたり、イノシシが建物の中に入り込んで機械が壊されたりする被害が確認されています。個体数の増加も推測され、鹿角市では、いま、クマとあわせてイノシシにも警戒感を強めています。青山真さん「クマと同じように前もって準備をして遭遇を防いでいくっていうところに注意して、対策していただきたいと思います」「電気柵で囲うとかイノシシに掘り返されないような耕作の仕方をするということを意識していただければ、掘り返しの被害、出没を防いでいけると思います」。再びクマに警戒する季節となってきましたが、生息域が広がり続けるイノシシにも十分注意が必要です。
(シカ被害の現場映像、住宅の庭で入れ替わり100本以上のチューリップをむさぼる:北海道)
これは11日、札幌市西区西野にある住宅の庭で撮影された防犯カメラの映像です。3頭のシカがむしゃむしゃと食べているのは庭に植えられたチューリップです。そして、翌日には・・・今度は5頭のシカが現れました。10分ほどチューリップを食べたあとどこかへ行ってしまいました。被害があったのは札幌市西区西野4条7丁目にある住宅の庭でこの家の住人によりますとシカによる食害は初めてだということです。食い荒らされたチューリップの数は100本以上。周辺でもチューリップが食べられる同様の被害があったということです。北海道によりますと、2024年度のエゾシカによる食害の被害額は52億7700万円で、前の年に比べ1億3200万円増加しています。
(織物とジビエレザーが融合したコラボバッグ:静岡)
静岡ブルーレヴズは、静岡県湖西市を拠点に、浜松市を含む遠州地方で生産される「遠州織物」を使用した商品を展開する「Teatrino(テアトリーノ)」とのコラボレーション第2弾となるオリジナルバッグを発売します。本コラボレーションは、静岡の風土や素材、ものづくりの魅力を発信する取り組みとして展開しており、第2弾となる今回は遠州地域で織られた綿・リネンの遠州織物と、天竜産のジビエレザーを用い、静岡の魅力を感じられる特別なバッグに仕上げました。静岡ブルーレヴズだけの特別仕様で仕立てられた本商品は試合観戦はもちろん、日常使いにも活躍する限定コラボレーションアイテムです。
(シカの精肉から調理までを体験する1泊2日:埼玉)
Socioak SEED BASE 長瀞げんきプラザ(所在地:埼玉県秩父郡長瀞町、指定管理者:株式会社サンアメニティ)は、2026年5月9日(土)~10日(日)の1泊2日で、自然と食のつながりを深く学ぶ体験型イベント「ジビエと刃物 ~森と食をつなぐ~」を開催いたします。本イベントでは、シカの精肉体験や、道具としての「刃物」の文化を学ぶ講座、ジビエ料理の試食・調理など、普段の生活では触れることの少ない「命と食の現場」を多角的に体験します。新緑の美しい長瀞の地で、県立施設ならではの安心・安全な環境のもと、親子やグループで「生きる力」を育む特別な体験を提供します。
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(クマ駆除の女性が転倒し肋骨など複数箇所を骨折:山形)
山形市の山で12日午後、クマの駆除をしていた60歳の女性が転倒してけがをし、13日朝、山形県の消防防災ヘリで救助されました。救助されたのは山形市の団体職員の女性(60)です。警察と消防によりますと、女性は12日午後1時ごろ、山形市上宝沢の山で猟友会のメンバー7人でクマの駆除を行っていたところ、足を滑らせて転倒し、骨盤付近を痛めて動けなくなったということです。女性は山形市消防本部の救助隊に救助されて隊員と一緒に下山していましたが、途中で日没となったため、隊員と共に現場近くで一夜を明かしました。そして、13日6時半前、県の消防防災ヘリが上空から女性を救助し、県立中央病院に搬送しました。鈴木さんは肋骨や右手首など複数箇所の骨折がありましたが、命に別条はないということです。
(「ハンターにとって銃は魂」:北海道)
ヒグマ駆除を発端に北海道公安委員会から猟銃所持を禁じられた処分の撤回を訴え、最高裁判決で逆転勝訴した道猟友会砂川支部長の池上治男さん(77)。9日、道公安委員会の謝罪を受け、処分から7年ぶりに猟銃を手にした。長かった闘いに区切りが付いても、「(失った時間は)取り戻せない」。池上さんの表情は硬いままだった。「不便と負担をかけたことに対しおわび申し上げる。市町村や猟友会と連携しながら、引き続きヒグマ対策に適切に対応してまいります」。9日午前、砂川市にある池上さんの自宅。道警保安課の徳田一志課長は、事前に用意された道公安委員会のコメントを読み上げた。池上さんは複雑な思いを隠さない。「人の7年間を……。よくも(猟銃を持てない)こんな状況にしてくれたなと思う」。誠実な対応とは言いがたかった。謝罪の場に猟銃を所持する許可を取り消した道公安委の関係者の姿はなく、池上さんは「直接来るのが当たり前。事務方に謝罪させており、公安委員会が本当の意味で反省しているとは思えない」と不信感を募らせた。一方で、池上さんは現状を冷静に見つめる。砂川支部では池上さんが2019年4月に猟銃所持許可を取り消されて以降、原則として発砲による駆除を行っていない。今後もその方針は継続するという。箱わなによる捕獲の成果が上がっていることも理由の一つだが、池上さんの訴訟の経過が影響している。池上さんは1審の札幌地裁では勝訴したが、2審の札幌高裁で逆転敗訴。最高裁に上告した。最高裁は、発砲が周辺住民の生命や身体、生活環境の保護につながる重要な意義があったと認定。取り消し処分は重すぎ、著しく妥当性を欠くと結論づけた。司法の判断が揺らいだことを踏まえ、池上さんは「ハンターの立場を守る制度が確立されない限りは砂川で発砲はしない」と語る。訴訟に費やした時間は長かったが、全国から共感や励ましのメッセージが寄せられた。訴訟に関する費用を募るクラウドファンディング(CF)も行われ、300万円近くが集まった。「1人では戦えなかった」と支援者に謝辞を述べた。没収された猟銃の返還は、池上さん宅で非公開で行われた。道警職員が立ち去った後、自宅から姿を見せた池上さんは、いくぶんほっとした表情を浮かべ有効期限が延長された猟銃の所持許可証を掲げた。猟銃での駆除は技術や経験が必要とされ、危険性もあるが、出没に対する即効性は箱わなを上回るとされる。発砲再開は、砂川支部でも今後の検討課題だ。だからこそ、この日の猟銃返還には意義があった。「人のため真剣に活動するハンターにとって、銃は『魂』と言って過言ではない」。池上さんは、しみじみ話した。
(ヒグマ猟銃駆除、箱わなで捕獲個体のみ:北海道)
ヒグマの駆除を巡り、猟銃の所持許可を取り消した北海道公安委員会の処分撤回を求め、最高裁判決で逆転勝訴した北海道猟友会砂川支部の池上治男支部長(77)=砂川市=は11日、同支部の銃によるクマ駆除は従来通り、箱わなで捕獲した個体に限定する考えを明らかにした。
(野生イノシシ"2例目"の豚熱感染:熊本)
熊本県は、多良木町で豚熱に感染した野生のイノシシが確認されたと発表しました。多良木町では3月26日にも確認されています。豚熱はウイルスによる伝染病で「ヒトには感染しない」とされています。ただ、ブタやイノシシにとっては強い伝染力と高い致死率があるため「家畜伝染病」に指定されています。県によりますと、昨日(4月8日)多良木町で回収された死んだ野生のイノシシを検査したところ、豚熱ウイルス感染の陽性が確認されたということです。一方、宮崎県都城市では今日、約5500頭を飼育する養豚場で、豚熱の疑いがある事例が確認されました。これを受け、熊本県は明日(4月10日)午後、関係者を集めて緊急の防疫対策会議を開くことを決め、県内の養豚場にブタの状況の確認を進めるとともに、野生イノシシ用のワクチンを散布する予定です。
(ツキノワグマ出没注意報を全県に発令:秋田)
秋田県は10日、全県に「ツキノワグマ出没注意報」を発令した。目撃件数が前年同期と比べて大幅に増加していることを踏まえた。制度の運用を開始した2016年度以降で最も早い発令。期間は5月31日まで。
(冬眠明けのクマ、住宅地に出没)
昨年度、過去最悪の人身被害を起こしたクマが冬眠のシーズンを経て、今年も東北地方を中心に目撃されている。住宅地に姿を現したケースもあり、住民らに不安が広がっている。7日朝。福島県郡山市内の30代女性は、家の外が騒がしいのに気づき、ベランダに出た。そこには盾を持ち、ヘルメットをかぶった警察官らが十数人。事件かと思ってSNSを調べると、逃げていたのは容疑者ではなくクマだった。前日の6日夜に3キロほど離れた地区で目撃されていた個体とみられた。女性が住むのはJRの駅から800メートルほど離れた住宅街で、市街地にもほど近い。クマが社会問題になった昨年でも、このあたりには出なかった。「ここに出ることはまずないと思っていた。いったいどこから来たのか」「膠着(こうちゃく)状態」が続いたが、午後になって「パンッ」という音が聞こえてきた。「緊急銃猟が始まったのか」。緊急銃猟は、市街地に出たクマに対して自治体の判断で銃を使うというもの。流れ弾の恐怖が走ったが、どうやらクマを追い払おうと放った花火だった。それでも居座るクマに向け、今度は茂みにめがけての放水が始まった。これも効果はない。上空にはクマを監視するためか、ドローンが浮かんでいた。翌朝までに自宅周辺に張られた規制線は解かれた。クマが2キロほど離れた小学校のあたりまで逃げていったからだという。女性は行動範囲の広さに驚いた。結局、クマはその日の午後に、高速道路下の草むらにいるところを緊急銃猟で駆除された。最初の目撃から40時間超。地元の猟友会によると、体長145センチのオスで体重は100~120キロ、3~4歳の成獣とみられる個体だった。2025年度のクマによる人身被害は238人で、死者はそのうち13人に上った。いずれも、06年度以降で過去最多だった。
(ニホンジカ、50年には全国へ)
東京農工大や森林総合研究所などの研究チームが野生のニホンジカとイノシシの分布状況を予測したところ、いずれも2050年までに都市部を除く日本の大部分に広がる可能性が高いとの結果が出た。従来、生息数が比較的少なかった東北地方などでも定着する恐れがあり、担当者は対策の必要性を訴えている。論文は2月、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。環境省によると、2022年度末時点のニホンジカ(本州以南)とイノシシの推定個体数は約246万頭と約78万頭。いずれも徐々に生息域を広げており、18年度までの約40年間でそれぞれ約2.7倍と約1.9倍になった。研究チームは、1978、2003、14年の分布データを基に、繁殖を伴う移動・分散能力や気候、土地利用などの要因を考慮したシミュレーションを実施。50年と2100年の分布状況を予測した。その結果、いずれも50年までに、生息数が少ないとされる青森、秋田両県などでも拡大する可能性が示された。また、さまざまな要因の中で、両種が持つ移動・分散能力が最も強く影響していたという。大阪府内の市街地では3月、奈良県から移動してきた可能性のあるシカの目撃情報が相次ぎ、大阪市の住宅街で1頭が捕獲されるなどの騒ぎとなった。研究チームの東京農工大の諸澤崇裕講師(野生動物管理学)は「近年、関東平野でも河川などでシカの確認事例が増えている。対策が不十分のまま分布拡大が続けば、都市部に向かって生息域が広がる可能性もある」と指摘。予測を基にした事前対策が重要だとしている。
(クマ対策の専門人材奪い合い)
相次ぐクマの人身被害を受け、自治体が被害防止策の計画などにあたる専門職員の確保に力を入れている。国も人件費支援に乗り出したが、有害鳥獣の管理を専門的に学んだ人が少ない上、一斉に募集がかかったことで、人材争奪戦の様相を呈している。「私のところにも問い合わせが来ている。人材は奪い合いの状況だ」。3月下旬、東京都内で開かれたクマの保護管理に関する国の検討会で、ある大学教授が声を上げた。教授が指摘したのは、野生動物に関する知識や経験を持ち、クマの出没傾向を分析して被害防止策を検討したり、住民への啓発活動を行ったりできる人材だ。2025年度の人身被害者数は、東北地方を中心に死者13人を含む238人に上った。国も都道府県の専門職員採用を後押しする財源を補正予算に盛り込んだ。昨年12月から、ほぼ一斉に職員募集が始まり、昨年度、全国最多の5人の死者が出た岩手県は、大学院などでクマの生息状況などを研究した1人を任期付き職員として採用。北海道は人身被害が出た場合に警察との連絡や調整が必要になるため、警察官OB1人を採用した。クマなどの野生動物の生態は、大学の農学部や獣医学部で研究できるが、捕獲やすみ分けといった個体管理を学べる場所は少ない。さらに今回は、学生の多くがすでに企業などから内定を得ていた時期の募集だったことも採用難に拍車をかけた。福島県は応募要件に大学の専攻などは求めず「野生鳥獣に興味のある方」などとした。それでも採用には苦戦したといい、担当者は「大学などに声を掛けて回った」と振り返る。年度ごとの有期採用だが、長期での雇用を見据えており「将来的に高いレベルになれるよう専門知識を身につけてくれれば」と期待する。今年度「クマ対策室」を新設した鳥取県は、個体管理は長期的に行う必要があるとの考えから、正職員として2人を採用した。県の担当者は「意欲のある人が来てくれてありがたい。正職員としての待遇も大きかったと思う」と振り返る。一方、山梨県は「大学院で自然科学系科目を専攻し、博士課程を修了」を条件に2月中旬まで募集を行ったが、採用につながらなかった。同時期に採用活動をしていた他県や国と競合したとみている。野生動物の管理に詳しい岩手大の山内貴義准教授は「クマは県境を越えた個体群で生活する。隣接県で職員同士が連携して生態管理に対応するのも一つの手だ」と話す。環境省によると、2025年度に都道府県の鳥獣対策に関わる部署に配属された職員は計3650人。このうち、大学で生態を学ぶなど、クマの専門的知見を持つのは55人で、全体のわずか1・5%だ。人材不足解消の鍵になりそうなのが、環境省と農林水産省、学識経験者で取りまとめられ、22年度から東京農工大などで始まった「野生動物管理教育モデル・コア・カリキュラム」だ。野生動物の捕獲から関係法令まで学べ、同大では25年度までに延べ996人が受講した。国が鳥獣担当の自治体職員向けに行う研修会でもこのカリキュラムの内容が取り入れられている。同大の小池伸介教授(生態学)は「専門知識を習得した学生が社会に出る時期を迎えている。行政も専門人材として採用するには、正職員で募集し、異動をなくすなど、長期間施策に取り組める環境を整備する必要がある」と話す。
(富士山、シカ捕獲を強化:山梨)
山梨県は富士山の生態系を保全するため、5合目でのニホンジカの管理捕獲を強化する。県富士山科学研究所の研究では、ニホンジカがこれまで生息していなかった標高1500メートル以上の地域に移動するようになったことが分かっていて、植生や生態系に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。季節によって移動するシカに絞って捕獲することで効果的な対策につなげる。県自然共生推進課によると、富士山5合目周辺の山林にわなを設置し、シカが移動するとみられる春から初夏にかけて年50頭の捕獲を目指す。これまでも富士山周辺でシカの捕獲は行われていたが、県が数値目標を決めて捕獲に乗り出すのは初めて。シカの生息密度の高い、本栖エリアで集中的な捕獲も進める。県富士山科学研究所は2018年6~8月に富士山(標高880~2250メートル)の60地点を歩いて調査し、ニホンジカのふんの塊の場所を記録した。ニホンジカの捕獲状況も確認し、富士山中腹で人がニホンジカを捕獲することで、シカが標高の高い地域に移動していることが分かった。研究所によると、標高が高い地域に生息しているカモシカは植物を一部残す食べ方だが、シカは植物を食べ尽くす。標高の高い地域は希少な動植物が多く生息していて、植物や生態系への影響が懸念されている。狩猟では撃ち手がいる場所にシカを追い込む「巻き狩り」が主流だが、撃ち取れるのは10~30%とされる。生き残ったシカは危険な地域として学習し、標高が高い地域に移動する要因になっている可能性があるという。
(人とクマのすみ分けを図るには、政府がロードマップ)
京都府が先日公表した最新のレッドデータブックによると、クロジという鳥の一種が新たに「絶滅寸前種」として加わった。低木の中や密生するササの上に、巣を設ける習性がある。個体数を大きく減らした要因はシカだという。ササなどの下草が食い荒らされ、生息に適した環境が失われつつある。種の存続に関わる意外な落とし穴だろう。シカが揺さぶるのは小さな生き物だけではない。自然界の動植物を撮り続ける写真家の永幡嘉之さんは、6年前に山の中でシカを襲うツキノワグマを目撃している。主に木の実や山菜などを好むはずが、どうして肉を。クマの周りを見ると、足元の緑はシカに食い尽くされていた。シカの食害がクマの食性にまで影響を与えたのだろうか、と永幡さんは自著に書いている(『クマはなぜ人里に出てきたのか』)。
(「鳥獣被害対策支援センター」開所:青森)
青森県は鳥獣被害対策を推進するための支援センターを開所し、市町村との連携を強化します。センターは、県庁北棟の自然保護課に設置されました。自然保護課と農林水産政策課の12人で構成され、鳥獣に関する被害情報などを速やかに共有し、市町村や関係団体との連携強化を図ります。10日は連絡会議が開かれ、これまでの出没状況や被害状況が報告されました。2025年のツキノワグマの出没件数は3333件で、前の年と比べ2624件増えています。また、2025年度は10人の人身被害がありました。県は今後、ガバメントハンター3人を雇用する予定です。
(野生鳥獣の生態や研究知って:長野)
クマなどの野生鳥獣による森林被害の状況や被害防止の試験研究を紹介する「クマと森林の動物特別展」が、塩尻市片丘の県林業総合センター森林学習展示館で、6月末ごろまで開かれている。入館無料。県によると、2024年度のクマによる林業被害額は約1億2千万円。特にスギやヒノキの皮をむき、枯らしてしまう「クマ剥ぎ」と呼ばれる被害が問題になっていて、同センター育林部は被害防止の試験研究を続けている。
(鳥獣被害対策実施隊が出発式、駆除や捕獲わな設置を担う:岩手)
岩手県滝沢市で12日、クマが出没した場合の駆除などにあたる組織の出発式が行われました。この組織は猟友会の会員29人で構成される「滝沢市鳥獣被害対策実施隊」です。2025年度発足した実施隊は、市から要請を受けて市街地に出没したクマの駆除をはじめ、イノシシやカラスによる農作物被害に対応します。出発式では、武田哲市長の激励を受けた佐々木幸文隊長が「伸びた草の陰にクマがいることがあるので注意して活動にあたるように」とメンバーに呼びかけました。活動は4月1日に始まっていて、クマの出没情報1件に対してわなの設置を行ったということです。
(緊急銃猟の訓練、首都圏では初:神奈川)
クマやイノシシによる人的被害の可能性がある場合に市街地などでの発砲を認める「緊急銃猟」の訓練が13日、秦野市内で行われた。首都圏の1都3県では初めてで、県警や市、地元猟友会などから約60人が参加した。住宅街にクマが出没したことを想定。関係団体による情報伝達やドローンを用いた捜索、猟友会による銃猟までのプロセスを確認した。昨年9月に法制化された緊急銃猟制度では、クマやイノシシが出没した際に▽人の日常生活圏への侵入▽緊急性が認められる▽銃猟以外での捕獲が困難▽人に弾丸が到達する恐れがない-などの条件を満たす場合に市町村長の委託を受けた者が日常生活圏で銃猟ができる。環境省によると、今年3月27日までに60件の緊急銃猟が行われ、対象の大半がツキノワグマだった。県内ではまだ行われていない。この日の訓練では通報を受けて秦野市が現地本部を設置し、猟友会が組織する「市鳥獣被害対策実施隊」を招集。警察や市が地域住民に避難を呼びかけ、最後には市長の許可を得た実施隊が模擬銃を構え、警察官が扮(ふん)するクマが絶命したことを確かめて終了した。
(鳥獣被害対策の現状~農畜産物を守るためにできること~:農林水産省 鳥獣対策室)
わが国では、人間の土地利用や自然資源の利用の変化、さらには冬季の少雪などの影響により、シカやイノシシなどの野生鳥獣の生息域が広がっているといわれています。これに伴い、さまざまな社会問題が発生しており、例えば、野生鳥獣がイネ、野菜、果樹、飼料作物などを食い荒らすなどの農作物被害を引き起こしています。野生鳥獣による農作物被害額は、侵入防止柵の整備などの被害対策を講じてきた結果、令和6年度には全体で188億円と、最も被害額が多かった平成22年度と比較して約21%減少しているものの、令和5年度よりも24億円増加しており、依然として高水準となっています。内訳は、シカによるものが78億5100万円と最も多く、続いてイノシシによるものが44億5600万円であり、これら2種類の獣類による被害が全体の約65%を占めています。特に、シカによる被害額は、元年度以降上昇に転じており、シカ被害の軽減が急務となっています。工芸作物の被害額は、令和6年度に約4億7000万円となっており、農作物被害額全体の約3%を占めています。獣種別の被害額では、シカによる被害が最も多く約3億3000万円(約70%)、続いて、イノシシが約4000万円(約9%)、クマが約4000万円(約9%)となっています。サトウキビやてん菜について、品目別の被害額は集計していませんが、サトウキビではシカやイノシシによる被害、てん菜ではシカやクマによる被害が主となっています。いも類の被害額は、令和6年度に約10億2000万円となっており、農作物被害額の約5%を占めています。獣種別の被害額では、シカによる被害が最も多く約5億円(約49%)、続いて、イノシシによる被害が約3億2000万円(約31%)となっています。野生鳥獣による被害は、農家の営農意欲を減退させ、さらなる耕作放棄、離農の増加を招いたり、人身被害や家屋被害を引き起こしたりするなど、被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしています。鳥獣被害対策は、(1)個体群管理(鳥獣の捕獲)、(2)侵入防止対策(柵の設置や追い払い)、(3)生息環境管理(刈払いなどによる餌場・隠れ場の管理、放任果樹の伐採)-の3本柱が基本であり、これらの対策を適切に組み合わせ、地域ぐるみで総合的に取り組むことが重要です。侵入防止柵を設置する場合は、対象となる野生鳥獣に有効なものを選ぶ必要があります。例えば、木や網を登ることができる獣種に対しては金網柵による物理的な防御よりも、電気柵の電気刺激による防御が有効です。また、侵入防止柵は設置して終わりではなく、柵下部地面の掘削による侵入や倒木による損傷部分からの侵入が報告されているので、定期的に見回りを行い、必要に応じて補修・管理を行うことが重要です。対策を実施しているにもかかわらず被害が減らない地域では、稲刈り後の「ひこばえ(孫ばえ。樹木の根元や切り株から生えてくる若芽や枝のこと)」や野菜くずなどの収穫残さの放置といった「無意識の餌付け」が行われている、柵の設置やその後の管理が適切ではない、追い払いや捕獲が正しく行われていないなどの原因が考えられるため、対策の実践状況を点検の上、正しい知識と技術で対策を進めることが重要です。鳥獣被害対策の担い手の減少・高齢化により、捕獲従事者や柵の管理者などの人手不足が進む中、ICT(情報通信技術)などを活用した捕獲、追い払いなどに関する研究・開発やICT機器などの導入が進められています。ICTなどを活用した鳥獣被害対策としては、センサーカメラやドローンによる野生鳥獣の生息・被害状況調査や遠隔監視・操作システムによる檻おりやわなでの捕獲といった技術があり、これらを組み合わせることで、見回りなどの労力の軽減や捕獲効果の向上が図られるものと考えています。これら生息・被害状況調査や捕獲実績、さらには柵やわなの設置状況などを地図上にまとめ、関係者で共有し、鳥獣被害対策の進捗しん ちょく管理を行うことは、経験や勘だけではなく、農作物などに被害をもたらす加害個体の生息状況および被害発生箇所のデータの蓄積・分析に基づく計画の策定や、「計画→実行→点検→改善」(PDCAサイクル)に基づく対策の改善にも有効です。農林水産省では、「鳥獣による農林水産業などに係る被害の防止のための特別措置に関する法律」を踏まえ、鳥獣被害防止総合対策交付金により、市町村が作成する「被害防止計画」に基づく3本柱など、地域ぐるみの対策を支援しています。令和7年には、クマによる死者数が過去最多を大幅に更新するなど、国民の安全・安心を脅かす深刻な事態となっていることを踏まえ、同年11月に関係閣僚会議を開催し、関係省庁連携による緊急的な対策を含めた総合的な施策を「クマ被害対策パッケージ」として取りまとめました。パッケージにある関連施策を推進することにより、人の生活圏からクマを排除するとともに、周辺地域などにおいて捕獲などを強化することで、増えすぎたクマの個体数の削減・管理の徹底を図り、人とクマの棲み分けの実現を図ることとしています。農林水産省としては、農林業者の安全と安心を守るため、農業集落に出没するクマへの対応を基本に、捕獲活動による「とる」、侵入防止柵の整備による「まもる」、緩衝帯の整備などによる「よせつけない」といった鳥獣被害対策の3本柱の取り組みをさらに推進しております。捕獲した鳥獣については、ジビエ利用を推進しており、令和6年度のデータでは、シカ、イノシシの捕獲頭数約138万頭に対し、食肉処理施設で処理された頭数は約16万8000頭で、その割合は約12%となっております。食肉処理施設で処理される以外でも、捕獲者が自宅に持ち帰って食べる「自家消費」などもあるため、残りすべてが捨てられているわけではありませんが、多くの個体が焼却または埋却により処分されています。このことは、自治体や捕獲者にとって経済的、肉体的、精神的に負担が大きく、捕獲個体をジビエ利用できれば、こうした状況も改善すると考えています。また、新たな地域資源となることで特産品が作られるなど、地域おこしに利用されることが期待されます。農村人口の減少・高齢化が見込まれる中、持続的に鳥獣被害を低減させていくためにICTなど新技術の活用は有用な手段となり得るものの、ICT機器を導入するだけですべての課題が解決するわけではありません。まずは、鳥獣被害対策の3本柱をきちんと理解した上で、新技術を活用することが効果的な被害対策につながるものと考えています。
(カワウ、なぜ大量発生?)
近年、カワウの大量発生が各地で問題になり、住民を悩ませています。なぜ大量発生するのか、その理由の1つにある魚の“生態の変化”がありました。途切れることなく、群れを成して飛ぶ黒い鳥。奥から来る漁船が隠れるほど、ひっきりなしに川の上を飛び交います。名古屋市で撮影された映像。飛んでいるのは全国の川や湖などに生息するカワウです。10日、カワウの一大生息地である千葉県市川市の鳥獣保護区を取材すると、国道沿いの木には無数の巣がありました。カワウの生息数に詳しい水産技術研究所の坪井潤一さんは…。「数年前までは3000~4000羽でずっと安定して推移していたが、ここ何年かで急増していて、最新の公表値で言うと1万4000羽を超えている。(カワウが)もっといるという話も耳にしている。(市川市に)関東の7割方が集結しているという状況になっていて、一極集中という表現がぴったり」。1980年代以前は生息数が減少し、保護する流れとなったものの、今は逆にカワウが増えすぎたことで近隣住民にも影響が…。通りには白いペンキで塗られたような木が目立ちます。実はこれ…。大量のフンによって木が枯れる、カワウが落とす魚から異臭がするなどの被害が出ています。なぜカワウはここまで増えてしまったのでしょうか?坪井さん「(カワウの)主食はコノシロだと分かった。コノシロは(冬場)暖かく深いところに移動する。温暖化で海が一年中暖かいから冬場も結構浅いところを泳ぐ。カワウが潜れて食べる。海でコノシロを食べて、おなかいっぱいになって戻ってくる」。豊富な餌(えさ)によって増加数に歯止めがきかなくなったカワウ。坪井さんたちのチームは、ある対策に打って出ました。「粒々状のドライアイスを巣の中に入れて、卵の一部分を凍らせて孵化(ふか)しないように。ドライアイスが卵の殻に接しているだけでも、卵白ですね、白身の部分が固まってヒナが孵化しない」「(Q.卵を取り除くことではダメか)卵を取り除くと非常に繁殖力の強い鳥で、行徳には周りにたくさん餌がある。卵がなくなったら生み足す。ヒナが孵化しないようにする。孵化しない卵を温め続けてもらう」。坪井さんは、4000羽前後がこの保護区の適切な生息数と考えていて、今後も繁殖を抑える活動を続けていくといいます。
(クマ対策説く:島根)
クマの生態や管理法について学ぶ北海道大4年の田村涼馬さん(23)がこのほど、益田市内で研究内容を紹介し、被害に遭わないために人間ができることを説いた。田村さんは同大文学部人文科学科で社会生態学を専攻し、札幌市内のヒグマの出没情報を分析している。野生動物管理の考え方について「本質は人の管理」と強調し、電気柵の適切な設置や柿の木伐採などの重要性を指摘した。クマの個体数推定で実態を把握する難しさに触れ「クマを知るのと同じくらい人間自らの行動を知り、リスクを適切に認識することが必要」とした。時速60キロで走るクマの身体能力や獲物をどこまでも追いかける習性を解説し、遭遇した時は背中を見せずゆっくりと後ずさりするといった対処法も伝えた。田村さんは同大大学院に進学して研究を続けるという。父の実家が浜田市三隅町にある縁で、クマの知識を深める機会として石見交通(益田市幸町)が企画し、行政や林業関係者ら35人が参加した。
(イノシシが肉になる光景:長崎)
箱わなにかかっていたイノシシはいななき、怒りに燃えるような目をして、おりにぶつかっていた。「これほどまでに生きようとしているイノシシを、これから殺すのだ」。写真家の繁延あづささん(48)=長崎市=はたじろいだが、猟師は槍(やり)で思い切り前脚近くを突いた。激しく暴れていたイノシシは、ぐらりと傾いて倒れた。猟師がナイフで首を切ると、鮮やかな赤が目に飛び込んできた。それは「肉」だった。自らの著作『山と獣と肉と皮』(亜紀書房)にこう記した。《突き刺される瞬間、私まで息苦しかった。それなのに、チラッと肉が見えただけで、〝おいしそう〟という喜びに近い感情が湧き上がった。なんだか自分が矛盾しているような気がした》。
(鹿用わなに熊、人身事故発生:兵庫)
近年、鹿などの捕獲わなに誘引されてツキノワグマがかかる錯誤捕獲が相次いでいる。兵庫県では2024年度の錯誤捕獲件数が過去最多を記録。県などは熊を誘引しにくい方法を模索する。
(「クマ被害対策ロードマップ」に求められる順応的管理と科学的根拠:WWF)
2025年度はクマ類(以下、クマ)の出没が相次ぎ、人身被害が過去最多となりました。この状況を受けて、日本政府は2025年11月に「クマ被害対策パッケージ」を策定し、翌年3月にはその実行のための「クマ被害対策ロードマップ(以下、ロードマップ)」を発表しました。ロードマップでは、「人とクマのすみ分けを実現し、国民の命と暮らしを守る社会」を目標に掲げ、クマの推定個体数調査や捕獲実施、施策の進捗確認、地方自治体への財政的支援など、クマの保護管理政策に国が一定の責任を持ち、実施する姿勢が示されています。人身被害が深刻化する中で、人の安全確保を強化しようとする点は重要な意義を持つといえます。一方で、クマは日本の森林生態系を構成する野生動物であり、その保護管理にあたっては、被害軽減だけでなく、個体群の維持や生態系全体への影響を踏まえた科学的かつ慎重な判断が欠かせません。十分な科学的根拠や体制が整わないまま施策が実施された場合、クマの過剰捕獲や、施策の実施主体である地方自治体の混乱を招くおそれがあります。WWFジャパンは、人の安全を守ることの重要性を認識すると同時に、ロードマップの遂行にあたっては、各個体群のクマを絶滅の危機にさらすことなく、生物多様性の保全にも配慮しながら進められるべきと考えます。そのためには、関係省庁や地方自治体が各々の責任と役割を明確化し、強固な連携のもと、科学的知見を踏まえた対策を講じることが重要です。国および地方自治体は以下の点に留意し、ロードマップを遂行すべきです。ロードマップでは、2030年度までの年度ごとの具体的な施策や数値目標が示されました。一方で、一部地域ではクマの個体数が明らかになっていないことに加え、クマの行動や出没は、堅果類(どんぐり)の豊凶や気象条件、里山や農地の管理状況などによって左右され、一定ではありません。こうした不確実性が高い状況に対応するためには、ロードマップを固定的な計画として運用するのではなく、実施した施策の効果を確認しながら、必要に応じて見直す「順応的管理」を原則とすべきです。この順応的管理の考え方は、捕獲対策だけでなく、ゾーニング管理や誘因物の除去、生息環境管理、体制整備といったロードマップに含まれるすべての施策に共通するものです。各施策について、実施状況や効果を定期的に評価し、想定した成果が得られていない場合には、手法や優先順位などの見直しを行う対応が求められます。ロードマップでは、初年度からクマの捕獲が予定され、具体的な捕獲目標数が設定されています。クマの捕獲は個体群に直接的な影響を及ぼす施策であり、その実施にあたっては、科学的根拠に基づく慎重な判断が不可欠です。適切な個体数管理を行うためには、行政区分ではなく生態学的なまとまりである「個体群ユニット」を基本単位として、個体数規模や動態を把握することが必須となります。ロードマップでは、東北地方を皮切りに生息状況や個体数推定を進める方針が示されていますが、科学的根拠に基づく管理を徹底するためには、東北地方に限らず、全国の個体群ユニットを対象とした統一的な手法による個体数調査を早急に実施すべきです。また、ロードマップでは、一定の自然増加率を前提に、推定個体数の20%を捕獲目標数として設定しています。しかし、自然増加率は、堅果類の豊凶、個体群の規模や年齢、性比構造などによって左右され、個体群ユニットごとに異なる可能性があります。一律の増加率を前提とした捕獲計画は、過剰捕獲につながるおそれがあることから個体群ごとに自然増加率を算出し、それに基づいた捕獲数を設定すべきと考えます。順応的管理と科学的判断を現場で実現するためには、実務を担う都道府県や関係機関を支える体制整備が前提となります。ロードマップは緊急的な対応として策定されたものであるからこそ、その実施にあたっては、国が主体的に関与し、継続的かつ具体的な支援を行うべきです。例えば、捕獲目標が地域ブロック単位で設定されている中では、ブロック内の各個体群ユニットに捕獲数をどのように割り当てるのか、その方針を定めておく必要があります。都道府県が適切な判断が行えるよう、国は想定される課題や対応方針をあらかじめ整理し、十分な支援を行う体制を整えるべきです。また、個体群ユニット単位での管理を着実に進めるためには、関係都道府県が参画する広域協議会が重要な役割を担います。国は、専門家による助言や関係者間の調整が円滑に行われるよう、必要な支援を講じるべきです。さらに、施策の実施が生態系保全の支障とならないよう、関係部署が主体的に情報共有および意見交換を行い、分野横断的な連携体制を構築していくことが求められます。クマは鳥獣保護管理法において指定管理鳥獣として位置づけられ、ロードマップの実施にあたっては国による財政支援が講じられることとなっています。人とクマの棲み分けを長期的に実現するためには、財政的支援が捕獲に偏ることなく、被害の発生そのものを抑制するための基盤的、予防的施策、具体的には、クマの生息環境の保全・整備、生息状況や個体数動態を把握するための継続的なモニタリング、放任果樹や生ごみなどの誘因物の除去、順応的管理を担う専門職員の育成などにも十分に割かれるべきです。クマによる人身被害が続く中、捕獲を中心とした対応は緊急的な措置にとどまり、それのみでは人とクマの間に生じる軋轢を根本的に解決することにはなりません。重要なのは、これらの取り組みを通じて、クマの行動特性や生息状況、人との接点を減らすための有効な取り組みなどを把握し、その知見を今後のクマとの棲み分けに向けた施策へと確実につなげていくことです。捕獲を前提とした対処に依存し続けるのではなく、生息環境管理や土地利用のあり方を含めた総合的な視点から、人とクマが長期的に棲み分けられる社会の実現を目指す必要があります。
(母ジカの農作物採食は世代を超えた成長促進効果をもたらす:中央大学)
中央大学、農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)、森林研究・整備機構 森林総合研究所(以下、「森林総研」)、国立環境研究所(以下、「国環研」)の研究チームは、農作物の採食がニホンジカの骨格成長を早めるとともに、母ジカによる農作物の採食が胎子期から子ジカの成長を促進することを明らかにしました。本成果は、農地を含む環境に生息する大型哺乳類の生活史注1)において、農作物の役割を定量的に明らかにした初めての報告であり、農業活動の影響を受ける野生動物の管理戦略を考える上で重要な知見となります。野生動物が農作物を採食することで生活史にもたらされる影響を定量的に評価することは、より適切な管理戦略の策定において重要です。近年の研究により、同じ地域に生息するニホンジカでも農作物の採食程度には個体差があることが明らかになってきました。しかし、生存や繁殖に直結する重要な生活史形質の一つである「体サイズ」と農作物の採食との関係については、明らかになっていませんでした。本研究チームは、261頭のニホンジカの標本を用いて、骨格成長に対する農作物採食の影響を調査しました。その結果、農作物への依存度が高いメスは、頭蓋骨が最大サイズに到達する年齢が最大1.4年早まること、また、母ジカの農作物依存度が高い場合、子ジカ(胎子)の後足長が最大15%長くなることが分かりました。この結果は、農作物採食はニホンジカの骨格成長を促進するとともに、母ジカの農作物採食が次世代に胎子期から成長促進効果をもたらし、子ジカの生存率を上昇させる可能性があることを明らかにするものです。メスジカによる農作物の採食がさらなる個体数増加と、食害の拡大につながるおそれがあることを示唆しています。本研究成果は、2025年8月に科学雑誌「PeerJ」で発表されました。
(「こんなにもクマ擁護派が…」足跡投稿の女性が驚いたネットの反応)
クマ出没の報道を受け、犬の散歩に出られず庭先をうろうろしていたら……。庭の一角で発見した巨大な足跡にぼう然、恐怖を感じたという地域住民の投稿がネット上で話題を呼んでいます。目撃報告が相次いでいた福島・郡山市では、同日、茂みに隠れていたクマを緊急銃猟で駆除。はたして、あの足跡の持ち主だったのか……。自宅の庭先で足跡を発見した女性に、詳しい話を聞きました。「福島県郡山市住宅街 近くに山はない ご飯無くて、お腹空いて、夜通しさまよいこんな所にきたのね うちの庭の防草シートに足跡があった」。今月8日、SNS上に庭先で発見したクマの足跡を公開したのは、郡山市在住の51歳の女性。同市内でクマの目撃情報が相次いでいたこともあり、足跡の写真を公開すると、大きな反響が寄せられました。「クマの報道があり、犬の散歩に行けないので、庭をウロウロしていたところ、防草シートにクマの足跡を見つけました。私自身はクマを見ていませんが、その後隣の家の庭に行ったのか、親戚が目撃し110番通報したと聞きました」。郡山市は福島県のほぼ中央に位置する人口約32万人の都市。付近に山はなく、クマが出没するイメージからはほど遠い場所です。それだけに、自宅の庭に残された足跡のインパクトは相当なものだったといいます。投稿には、「庭で目撃は怖すぎる」「住宅地なのにこんなところまで熊が出るとは…」「郡山の町中に熊出るとか怖すぎ」「人里に降りてきたらもう駄目だ」「熊にも熊の言い分があると思うとなんか悪者にしたくない気持ちがある」「人間のせいで本当にごめんね」など、さまざまな反応が寄せられました。郡山市は同日8日、目撃が相次いだことを受け、同市喜久田町の茂みにいたクマを「緊急銃猟」で駆除。クマが隠れた磐越道斜面付近半径200メートルを立ち入り規制し、市の職員や警察官ら約100人体制で対応にあたりました。女性は「1頭しか出ていないはずなので、駆除されたクマと同一個体だと思います。駆除されてから、ピタッと報道も警察もいなくなりました。クマが出た散歩道での規制もなくなり、今日は犬の散歩ができました」と現在の状況を語ります。一連の反響について、女性は「私はクマの擁護派、反対派どちらでもありません。ただ、お腹がすいて遠い山から降りてきて、こんな住宅街をさまよってたことが切なくなって投稿しました。多くのコメントをいただき、こんなにもクマ擁護派がいることに驚きました。なかには『クマにズタズタにされればいいのに』という過激な意見もありましたが、いろいろな意見があって当たり前。いずれにせよ、クマが怖いのは確かです」と話しています。
(クマが捕獲用のドラム缶罠にかかる:新潟)
4月12日午前、新潟県長岡市でクマ1頭が捕獲用のわなにかかっているのが見つかり、長岡市は緊急銃猟を実施しました。 市によりますと4月6日、長岡市巻渕の輪吾田川の土手近くでクマの目撃情報があり、翌日以降も出没が続いていたことから、市は現場周辺にドラム缶わな2基を設置。 12日午前6時半ごろ、このわなの1基に体長1mのメスのクマがかかっているのが見つかりました。現場は人の生活圏であることから、市は周辺道路の交通規制を行い、地域住民への呼びかけを行ったうえで午前9時46分に緊急銃猟を実施したということです。長岡市内での緊急銃猟の実施は今回で3例目です。
(物置にあったリンゴ3、4個食べられる:岩手)
盛岡市で10日未明、住宅の敷地内にある物置に保管していたリンゴがクマに食べられる被害がありました。警察によりますと、被害があったのは盛岡市川目の農業の70代男性の住宅敷地内にある物置です。10日午前0時30分ごろ、飼い犬がほえたため男性が外を見たところ、敷地内の車庫に入る成獣とみられるクマ1頭を目撃し、警察に通報しました。クマは午前2時前にも目撃され、警察が朝まで警戒にあたったということです。午前8時半ごろ、警察と市職員、猟友会の会員が男性の敷地内の車庫と物置を確認したところクマはすでに立ち去った後でしたが、物置小屋に保管してあったリンゴ3、4個がクマに食べられていました。市は箱わなを設置して捕獲を試みています。
(「県庁にイノシシが…」:長野)
長野県庁の敷地内で11日午後、イノシシが目撃され、その後、捕獲されました。けがをした人はいませんでした。警察によりますと、11日午後2時ごろ、県庁のロータリーでイノシシ1頭が歩いているのを職員が見つけました。長野市や警察などが出動し、イノシシは、午後4時ごろに捕獲されたということです。けがをした人おらず、建物への被害などもありませんでした。近くを流れる裾花川の河川敷周辺では、3月からイノシシの目撃情報が相次いでいます。3月に目撃された個体は、およそ80センチの成獣とみられていました。
(ジビエで地方創生へ)
ジビエ(野生鳥獣の肉)を鳥獣対策から、地域の魅力ある食文化として地方創生につなげるため、日本ジビエ振興協会は「ジビエ振興2・0」を始動する。
(ニホンジカ「丸ごと活用」:兵庫)
獣害対策で捕獲されたニホンジカの「まるごと1頭有効活用」を掲げるアパレル企業がある。神戸市に本社を置く「メリケンヘッドクォーターズ」で、シカ革のバッグや財布などを作り、ジビエのレストランや精肉店も経営。骨まで生かし「命を無駄にせず、生活に新しい文化を広めたい」と代表は話す。理念を込めた服飾雑貨がそろうのは、神戸阪急本館の店舗「ハイカラブルバード神戸」。しなやかで手になじむバッグは兵庫県内に生息するシカの皮を加工したもの。骨灰を混ぜて焼いた陶器も渋い光沢を放つ。同じ商品でも個体差があり、風合いが違うのが魅力だ。「利活用できていないものを製品にしたかった」と代表の入舩郁也さん(58)。アウトドア好きの父の影響で幼少期から山に出かけ、顔なじみの猟師からシカが処分される実情を聞いていたといい、別のアパレルメーカーから独立し2000年に同社の前身企業を設立。ものづくり対象としてシカに挑むことにした。当初は、野生のシカの流通システムが見当たらず、猟師らの人脈づくりから地道に進めた。自ら県内各地に足を運び入手ルートを開拓したが、皮はきれいなものばかりではなく銃弾の痕や傷がある場合もあり、状態が良好ではない皮をどう生かすかが課題だった。そのような皮の資源化は服のボタン作りから始まり、さまざま試して最適だったのが、塩と菜種油でもみ上げる兵庫・姫路の伝統技術「白なめし」の革。洗濯しても服に色が移らない利点があり、天然製法で素材を生かせる手応えをつかんだ。人の縁も生かした。創業時から知る障がい者作業施設の運営者に相談し、革をくりぬき、貼り合わせる加工を依頼。就労支援につながった。アパレル企業の枠を超えて鹿肉専門のレストランや肉の販売にも乗り出し、まるごと1頭有効活用の仕組みを確立した。「1枚の皮をどう使い、どうすれば捨てるものをなくせるか、毎晩頭で組み立てている」と入舩さん。活用の道はもっとあると思っている。農林水産省によると、野生鳥獣が食い荒らすなどした農作物被害金額は2024年度、全国で約188億円、被害面積は約4万4千ヘクタールに上る。兵庫県によると、対策のため同年度に県内で捕獲されたシカは約4万2千頭。このうちの多くは埋設処分や猟師らの自家消費に回り、食肉やペットフードなどへの利活用率は約33%となっている。
(ジビエフェス、高校生考案のおにぎりなど販売:静岡)
浜松市天竜区二俣町の商業施設「森のマルシェきころ」で12日、ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を伝える天竜ジビエフェスが開かれ、家族連れらでにぎわった。ジビエ関連の飲食ブースや雑貨販売、トークショーが行われた。
(シカ肉でジビエおやき:長野)
麻績村の温泉宿泊施設・シェーンガルテンおみで11日から、地元で捕獲されたシカ肉を使ったジビエおやきが販売される。木藤七重支配人の「ジビエを気軽に味わってもらいたい」とのアイデアで、合同会社麻績おやきの会(宮川幸子代表)が製造する、ナスと野沢菜の2種類にシカ肉を入れたジビエおやきを、土曜日と日曜日の週末限定で販売していく。シェーンガルテンおみは1月から、おやきの会が製造したおやきの販売を始めた。野沢菜とナス、切り干し大根など5種類を、土曜日と日曜日に限定販売し、これまで約300個売れた。県内で捕獲されたシカ肉を使ったジビエ料理も提供しており、木藤支配人は「ジビエおやきが一つの名物になってくれれば」と話す。麻績村の猟師らでつくる松塩筑猟友会日向支部がわな猟でシカを捕獲し、大町市の加工施設で肉に加工した。おやきの会がナスと野沢菜にシカ肉を混ぜておやきに仕上げた。試食した木藤支配人は「臭みもなく食べやすかった」という。通常のおやきは1個200円(税込み)、ジビエおやきは1個400円(同)で販売する。今週末は生おやきと冷凍おやきの計40個販売する。シカ肉を用意した日向支部の塚原茂樹さん(71)=麻績村中芝=は「シカ肉に抵抗がある人もいる。ジビエおやきでシカ肉のイメージが変われば」と願う。おやきの会の宮川さんは「普通のおやきと味の食べ比べもしてほしい」と話していた。
(エゾシカ肉の食肉処理場がビストロフレンチ:北海道)
エゾシカやヒグマなどを取り扱う食肉処理場を経営するMt.は、ビストロフレンチ「Bistro Montagne(ビストロ モンターニュ)」を4月10日(金)にグランドオープンする。
(”ヌートリア”を食べたことはありますか?:静岡)
国内でも生息域を拡大している南米原産の特定外来生物・ヌートリア。農作物を食い荒らし、生態系を破壊するおそれから対策が急務となっている。国内でも生息域を拡大している南米原産の特定外来生物・ヌートリア。農作物を食い荒らし、生態系を破壊するおそれから対策が急務となっている。湖西市や浜松市では10年ほど前から目撃情報が増え、磐田市でも近年、目撃されるようになっていて、柳沢さんは「いずれ天竜川を渡って、磐田市内に入って来るのではと前々から言われていた。頭数で言ったらいまのところ10~20ではないか」と話す。このため、磐田市やJA、地元の猟友会などは2025年9月、ヌートリアの対策に向けた協定を締結した。JA遠州中央の山田耕司 代表理事は「ネズミなので何でも食べる。(磐田市内には)米もあるし、キャベツ・ネギ・イモもあるので、生産者に(脅威を)どのように伝えていくか、1回被害が出てしまうと手が付けられないことになると思うので、早く広めていく必要がある」と警戒感をあらわにする。11月10日、浜松市から委託されている業者の駆除現場に同行させてもらうと設置されたワナの中に茶色の生き物が…。捕獲されていたのは体長40cmほどのヌートリア成獣だ。さらに、すぐ近くに設置されたワナにもヌートリアの姿が確認された。駆除を依頼されているルーツジャパンの岡本浩明 理事長によれば、ヌートリアは「水辺を好んで住みついたり移動したりする。雑草も生え、人も入らないような場所ならば比較的安心していられるので好んで住みつくと思う」という。元々は毛皮を利用するため明治時代に日本へと持ち込まれたヌートリア。その後に野生化し、西日本を生息域としていたが、10年ほど前からは浜松市でも出没するようになった。浜松市内では2020年度に30件程度だった目撃情報は年々増加し、2024年度は619件に。このため市は4年前から業者に委託して駆除に乗り出したが、2024年度に捕獲されたのは239頭に留まっている。岡本理事長は「目撃があったところで捕獲できるかというとそれは別。棲んでいる所や巣・エサを食べる場所を見つけて効率よく獲ることを心掛けており、目撃件数と比例して捕獲頭数も伸びるという具合にはなかなかいかない」と打ち明ける。さらに繁殖力が高く、年に数回出産し、1回あたり5頭前後の子供を産むと言われている。また、噛まれたり、糞や尿に触れたりすることで、感染症を媒介する可能性もあることから、岡本理事長は「スピード感が一番重要。増える前に手を打つ。捕獲することが肝」と強調した。浜松市浜名区で農業を営む足立宗久さんは2025年5月、ヌートリアに稲をかじられる被害に遭い、「去年はそんなにいなかったが、今年は急に増えた」と証言する。浜松市ではすでに浜名湖から離れた浜名区と天竜区にまで生息域を拡大していて、農林水産省によればヌートリアによる農業被害は全国で年間約5000万円に上る。このため、足立さんは「(現状)たくさんは被害が出ていないが、今後どんどんひどくなるのが怖い。ここの川沿いの上の方でも、けっこう出たらしいのでヌートリアが移動してどんどん繁殖しているのか心配」と不安な心境を吐露した。こうした中、ヌートリア対策の一環として磐田市などが取り組んでいるのが捕獲した個体の利活用だ。この日、磐田市の草地博昭 市長が試食していたのはヌートリアの肉を使ったソーセージとトマト煮込み。草地市長は「おいしい。ヌートリアかどうかわからないくらい」と笑顔で見せた。菊川市にある西欧料理・サヴァカでは、ジビエコースの料理の1つとして5年ほど前からヌートリアを提供していて、山口祐之オーナーシェフは「これは食べた人にしかわからないおいしさ」と太鼓判を押す。ヌートリアの特徴は脂が少なく、たんぱく質が豊富なこと。食用に出来るのはきれいなところで捕獲され、すばやく処理されたものに限るといった条件はあるものの、来店客からの評判も良いそうだ。山口シェフは「食べる前は、みんな『えっ?』という顔をするが、食べた後に何が一番おいしかったか聞くと『ヌートリアが一番』と言う人もたくさんいる」と明かし、「オスもメスも平均的な味で柔らかくておいしい扱いやすい肉。淡泊なので和食から中華まで幅広く使える」と話す。磐田市は今後、研究者とともにヌートリアの肉に含まれる栄養分などを分析した上で本格的な活用方法について検討を進める考えで、草地市長は「どれ位のコストで売れるものになっていくのか、流通関係や処理施設をどうするかなど課題がたくさん出てくると思うが、そうしたものを乗り越えていけばジビエとしての可能性はある」と意気込む。まずはヌートリアの生息地域の拡大を防ぐことが最優先だが、繁殖力が高いだけに磐田市の取り組みが注目されている。
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(イノシシに噛まれ男性が指切断の大けが:香川)
昨日(8日)午後、高松市牟礼町で、ゴルフ場に勤務する50歳の男性職員がオスのイノシシに噛まれ、指を切断するなどの大けがを負いました。昨日午後3時20分頃、高松市牟礼町大町のゴルフ場への進入路近くで、50歳の男性職員がイノシシに噛まれました。男性は腹や足首を噛まれた他、左手の薬指を切断する大けがをしました。高松市によりますと、イノシシは「くくりわな」にかかっていて、猟友会のメンバーが近づいたところワイヤが切れ、近くで待機していた男性を襲ったということです。イノシシは体重60キロから70キロ程度のオスの成獣で、警察や市、猟友会が周辺を捜索しましたが見つかっていません。市はイノシシに出くわしても何もせず、静かに立ち去る様、注意を呼びかけています。
(クマ駆除で猟銃許可取り消されたハンター池上氏に公安委員会が謝罪したうえで銃の返還へ:北海道)
クマの駆除で猟銃の所持許可を取り消されたハンターに対し、北海道公安委員会が謝罪し、猟銃を返還することがわかりました。砂川市のハンター池上治男さんは2018年、市の要請を受けてクマを駆除しましたが、建物がある方向に発砲したとして、2019年に北海道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消されました。池上さんは処分の取り消しを求めて提訴。最高裁は3月27日、二審の札幌高裁判決を破棄し、北海道公安委員会の処分を違法とする判決を言い渡しました。池上さんの逆転勝訴が確定しています。判決を受け、鈴木直道知事も「判決も出ているわけですから、ここは速やかに対応することが必要」と述べ、猟銃の早期返還を求めていました。池上さんの代理人弁護団によりますと、北海道公安委員会から連絡があり、4月9日にも公安委員会が池上さんに謝罪したうえで猟銃の返還を行うということです。市の要請に応じてクマを駆除したにもかかわらず、約7年にわたり猟銃を取り上げられていた池上さんに、ようやく銃が戻ることになります。
(「代理の人が来るのは、本当の意味で反省しているとは思えない」ヒグマ駆除で猟銃許可取り消されたハンター池上氏に北海道公安委が謝罪・猟銃を返還:北海道)
4月9日、クマの駆除で猟銃の所持許可を取り消されたハンターに対し、北海道公安委員会が謝罪し、猟銃を返還しました。砂川市のハンター池上治男さんは2018年、市の要請を受けてクマを駆除しましたが、建物がある方向に発砲したとして、2019年に北海道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消されました。池上さんは処分の取り消しを求めて提訴。最高裁は3月27日、二審の札幌高裁判決を破棄し、北海道公安委員会の処分を違法とする判決を言い渡しました。池上さんの逆転勝訴が確定しています。判決を受け、鈴木直道知事も「判決も出ているわけですから、ここは速やかに対応することが必要」と述べ、猟銃の早期返還を求めていました。市の要請に応じてクマを駆除したにもかかわらず、約7年にわたり猟銃を取り上げられていた池上さんに、ようやく銃が戻りました。北海道公安委員会の代理として訪れた北海道警察の幹部は4月9日午前11時ごろ、「池上様にご不便ご負担をおかけしたことをお詫び申し上げます」などと池上さんに謝罪しました。池上さんは「本来は警察が駆除するのが道民の安全を守るのが仕事、それを代行したつもりで私はやってきている。高裁の判決というは公安委員会の人に伝えてほしいのだけれども、知っていると思うけど、刑事事件を作ろうとしたような、冤罪を作ろうとしたようなことだと思いますよ。それはあってはならないこと」だと指摘。一方、北海道公安委員会から代理の人が来たことについて、池上さんは「公安委員会が直接、来るのが当たり前だと思うよ。代理の人が事務方の人が来るということは、本当の意味で公安委員会が反省しているとは思えない」としました。猟銃については報道陣に非公開で、返還されました。池上さんの猟銃所持許可の更新に向けて、銃の保管場所を点検するほか、経験者講習を行う予定だということです。
(クマ対策で「緊急銃猟」指針改定)
環境省は6日、クマ対策として可能となった「緊急銃猟」のガイドラインを改定した。実施事例を豊富に加え、対応した人員数や時系列、発砲時のイメージイラストを記載。使用した銃や、跳弾などを防ぐ「バックストップ(遮蔽物)」も示した。河川敷に出没した親子グマの緊急銃猟では、午前9時に関係者が集合し計画立案した。捕獲者は7人で、4人が住民への避難を呼びかけるなど計28人で対応した。市街地の家の庭に出没したケースは散弾銃が使われ、地面をバックストップとして屋上から撃ち下ろす形で実施。屋内への侵入事例や、麻酔銃を用いた対応なども解説している。また、今年2月までに実施した全ての緊急銃猟で自治体が警察と連携して通行制限していたことを紹介。対応フローを示した簡易版マニュアルを作成し、現場で迅速な対応ができたとの工夫例を載せた。昨年9月に市街地での緊急銃猟が自治体判断で可能となったことから、環境省は同7月に発砲までの手順を示したガイドラインを策定した。同省によると、今年3月27日時点の実施件数は60件。
(クマ被害、最多の238人)
環境省は7日、2025年度の全国のクマによる人的被害の速報値を公表した。被害者は238人、うち死亡が13人で、これまで最も多かった23年度の被害219人、死亡6人を大きく上回った。2月末時点の出没件数と捕獲数も過去最多。個体数の増加とともに、人里に餌があることを学習したクマが増えており、担当者は被害低減に向け「捕獲など個体数管理の強化に取り組む」としている。都道府県別で最も被害が多いのは秋田67人で、岩手40人、福島24人が続いた。東北6県が計158人と全体の6割超を占めた。犠牲者は岩手の5人が最多だった。月別にみると、10月が89人と突出して多く、冬眠前に栄養を蓄えようと活動が活発になる9~11月は計161人。被害は春から増え始め、12月以降は大きく減少し、1月はゼロだった。2月末までの25年度の出没件数と捕獲数の速報値も公表した。出没件数は、公表していない北海道と生息していないとされる九州・沖縄を除いて5万359件で、捕獲数(北海道を含む)は1万4429頭だった。
(東アジアで未発生は日本のみ、「アフリカ豚熱」水際警戒を強化)
豚とイノシシの伝染病「アフリカ豚熱」の国内への侵入リスクが高まっている。近年韓国で感染が相次ぎ、昨秋には台湾でも初めて確認され、東アジアで発生していないのは日本だけになった。人には感染しないが、侵入されれば豚の殺処分を迫られ、豚肉の供給が減り、値段は上がるとみられる。農林水産省が水際での警戒を強めている。農水省によると、豚やイノシシがアフリカ豚熱に感染すれば、発熱や出血の症状が出て、致死率はほぼ100%。有効なワクチンや治療法はなく、養豚場で1頭がかかると他の豚への感染リスクがある。家畜伝染病予防法で家畜伝染病に指定され、養豚場には感染報告と全頭の殺処分が義務付けられている。周囲の養豚場でも、予防のための殺処分を検討する必要がある。感染は各国に広がり、2005年以降、アフリカやアジア、欧州など84の国と地域で発生している。近隣では中国で18年に確認され、豚の飼育頭数が約4割減り、豚肉価格が2・5倍に高騰した。韓国では19年に見つかって以降、今年3月中旬までに飼養豚で79件、野生のイノシシで4416件確認された。台湾でも昨年10月に初めて見つかった。国内では豚もイノシシも感染は確認されていない。養豚場では、野生イノシシを侵入させないための柵の設置や、スタッフらの手や靴の消毒を徹底している。養豚生産者でつくる日本養豚協会(東京)の鋤柄卓夫・専務理事は「侵入されれば、とんでもないことになる。中国や韓国のようになることは明らかだ」と危機感を訴える。侵入ルートとして想定される一つは、飛行機や船で来日する人の靴や荷物にウイルスが付着し、運ばれるケースだ。日本と韓国や台湾の間では航空機や船の便数が多い上、移動時間が短いためウイルスの生存率は高まる。ウイルスが付着した肉製品などの畜産物が国外から持ち込まれる恐れもある。家畜伝染病予防法は畜産物の個人による持ち込みを原則禁じている。農水省によると、昨年の違法持ち込みの摘発件数は、22万962件(速報値)。記録が残る16年以降最多で、侵入リスクが高まっている。農水省は空港や港で、畜産物を廃棄する権限を持つ家畜防疫官と動植物検疫探知犬の出動を増やし、旅行客の手荷物や貨物を調べている。記者が関西空港で取材した3月16日、税関検査場では検疫探知犬のラブラドルレトリバー「ガヨ号」が入国者の荷物をかぎ回った。高病原性鳥インフルエンザなど他の家畜伝染病の侵入も阻止する目的だが、アフリカ豚熱への警戒度は特に高い。関西空港では違法に持ち込まれた畜産物の摘発が1日に100件超あるという。家畜防疫官の阿部花梨さん(25)は「アフリカ豚熱を水際で防ぐ責任がある。絶対に侵入させない」と語った。政府は3月24日、家畜伝染病予防法の改正案を国会に提出した。持ち込まれた疑いがある肉製品の販売を禁じ、家畜防疫官が外国食材店や倉庫に立ち入り検査できるようにすることを目指している。食への影響はどうか。日本ではアフリカ豚熱が確認された国・地域からの豚肉の輸入を止めており、22年には感染のあったイタリアからの輸入を停止。飲食店で生ハムなどの産地を変更する動きがあった。25年11月にはスペインでも確認され、輸入を停止。外食大手「すかいらーくホールディングス」は今年3月31日、しゃぶしゃぶ専門店「しゃぶ葉」でスペイン産の豚バラ肉の取り扱いを休止すると発表した。米国産の豚ロースに切り替えるといい、同社の担当者は「早く収束してほしい」としている。輸入停止の影響もあり、日本国内の豚肉の卸売価格は高止まりしている。国内で感染が確認されれば、さらに値上がりするとみられている。農水省の担当者は「最悪のシナリオでは、年間に数十件確認され、飼養豚が4割減ることも考えられる。万が一国内に侵入されたとしても、全力で封じ込めを図りたい」としている。
(緊急銃猟の日当、県内統一:福井)
県や市町などによるツキノワグマ出没対策連絡会が7日、県庁で開かれた。県は緊急銃猟に従事した人への日当単価を県内で統一し、クマの捜索にドローンを活用するなど対策を強化する方針を示した。オンラインを含めて県や全17市町、猟友会など関係者ら61人が出席。県が冬眠明けのクマによる人身被害の防止や新たなクマ対策を説明した。
(里山に迫るクマの脅威、県が“春に100頭”捕獲へ:新潟)
昨年度=2025年度は新潟県内でクマの大量出没や人身被害の発生が相次ぎました。この事態を受けて、新潟県が始めた新たな取り組みを取材しました。県猟友会 池田富夫会長「清津峡がちょっと先にある。そこにいたんですよ、クマはね。それがだんだん降りてきてしまって」。Qここは“里山”と言われるような?「そう、里でしょ、こんなところにクマがいちゃいけないんだよね。20年くらいですよ」。4月4日、 新潟県十日町市に県猟友会のハンター23人が集まりました。狙いはクマ。山に入ってクマを四方から囲む『巻狩り』という方法で捕獲します。昨年度=2025年度は全国的にクマが大量出没し、人身被害も相次ぎました。新潟県内の出没情報はおよそ3500件と過去最多となり、17人が重軽傷を負いました。こうした事態を受け、国が策定したのが「クマ被害対策パッケージ」です。個体数を管理するために、冬眠から目覚める春の捕獲事業を推進することなどが盛り込まれました。これを受け、県が新たに始めたのが広域的なクマの捕獲事業です。猟友会に委託し、県内16市町村で、“春だけで”100頭程度の捕獲を目指します。県猟友会 池田富夫会長Q 何の木に登るんですか?「ブナの木。ブナの芽を食べるんだね」。見晴らしの良い場所から木に登っているクマがいないか双眼鏡で探し、山に入ったハンターが雪に残った足跡などを探します。また、ドローンを飛ばし、上空からも捜索しました。村山興業 空撮事業部 俵山哲さん「上からドローンのズームカメラを使って、地上のクマを探す感じ」。ただ、この日は気温が低く、風も強かったこともあってか、クマを見つけることができませんでした。山に入ったハンターは「スギ林があるんですが、去年もその近くでクマが木の上にいた。そこに、また近くに痕跡が。きのうの跡です、大きくない。しっかり跡があります」。クマを捕獲するのは、人の生活圏に近い、いわゆる里山です。このエリアに出没したクマを捕獲し、駆除することで、他のクマを里山から遠ざける狙いもあります。新潟県猟友会 池田会長「とりあえず第1回目なんで、やれて良かった。クマが悪いわけじゃないんですけど、しっかり調査をした中で生かせるクマは生かしてもらえばいいし、管理しなくちゃならないクマは、しっかり我々が管理していく」。一方、クマから身を守るための取り組みも続いています。県猟友会 東蒲原支部 江花一実 副支部長「1回おいしいものを食べると一生忘れない。たしか去年、あそこにこの時期おいしいの食べたよな…とまた必ず来る。それだけ食べ物に対する記憶と執着心が強い」。阿賀町で6日に行われたのは、クマ被害を防ぐための講習会。この春、阿賀黎明高校の寮に入った新入生らが参加しました。県猟友会 東蒲原支部 江花一実 副支部長「今年の秋、順調にいけば秋の実りはいいはずです。そうすると冬にたくさん子どもが生まれて、“来年”またクマが出てくるって騒ぎになる可能性がある」。クマが食べるブナの実が“凶作”だった昨シーズン。阿賀町津川では、買い物帰りに道路を歩いていた女性がクマに襲われけがをし、目撃情報は165件と過去2番目の多さになりました。高校の寮は、女性が襲われた現場から車で5分ほどの場所にあり、昨年度=2025年度は、寮の周辺でもクマが目撃されていました。県猟友会 東蒲原支部 江花一実 副支部長「これがクマの爪。リーチが短くて腕がものすごく太いから、このスピードが“目にも止まらない速さ”。避けられない」。至近距離でクマと出くわしてしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。講習会では、『急な動きをしないこと』『目を合わせず顔をそむけること』『音を出すこと』など、クマからの攻撃を誘発しないための行動が伝えられました。待ったなしのクマ対策。クマは続々と冬眠から目覚め、活動を活発化させています。
(シカ食害52億7700万円、野生鳥獣被害の8割超:北海道)
2024年度に道内で起きた野生鳥獣による農林水産業の被害額は前年度から1億円増の64億6900万円だったことが、道のまとめでわかった。11年度、12年度に次いで3番目に多い。このうちエゾシカによる被害は52億7700万円で8割超を占め、全体を押し上げている。エゾシカの増加ペースに捕獲が追いついておらず、市街地への出没が相次ぐヒグマへの対応とともに対策が急務となっている。
(シカ食害対策に「竹敷き詰め」作戦、10年近くかけ効果実証:和歌山)
全国各地でシカの食害が問題となる中、和歌山県内の林野庁職員が独自の対策を考案した。樹木の周りの地面に竹を敷き詰める仕掛けで、シカはつるつるとした表面に滑って近づけなくなる。10年近くかけた実験で効果が実証されたといい、自治体や林業関係者に活用を呼びかけている。同庁は、土砂崩れなどで地面がむき出しになった山の斜面について、モルタルで格子の枠を設けて地盤を安定させ、格子の内側に、30センチほどのケヤキやカシなどの苗木や、草を植える森林再生事業を行っている。ところが、植樹してもシカに食い荒らされる被害が続出。侵入防止のネットを取り付けても食い破られた。金網は効果があったものの、設置費が高いなど、課題が多かった。環境省や林野庁によると、ニホンジカの生息域は2018年度までの約40年間で2・7倍に拡大。24年度の鳥獣による被害面積約4000ヘクタールのうち、6割はシカが原因だった。草木がシカに食べられ、土や岩がむき出しになった山では、崩落が起きている。シカの攻略法を思いついたのは、和歌山森林管理署の総括治山技術官、小林正典さん(47)。15年に和歌山県田辺市内の現場でヒントを得たという。滑らかなモルタルで覆われた箇所にはシカが中に入った形跡がなかった。「ひづめが滑るのを嫌うのでは」と考え、植樹した苗木の周りに竹を並べる対策を考案。並べる間隔や角度を変えて実験を重ねた。竹を選んだのは、安価な上、丈夫で破損しにくいためだ。自然に朽ちるため撤去の必要もない。侵入防止の効果は2~3年という。17~18年、田辺市内の山林(480平方メートル)に仕掛けを設置した上、ヤマグリやアラカシを植えた。昨春、生育状況を調査したところ、区域内の約8割で森林が再生し、木の高さは5メートルほどに成長していた。一方、比較のため、仕掛けを設置しなかった別のエリアでは、木がほとんど育っていなかった。小林さんは昨年11月、田辺市内の現場で、和歌山県内の自治体職員や林業関係者ら約80人を集め、仕掛けの詳細と成果を説明。滋賀県米原市の職員も参加したという。和歌山県の担当者は「これまでシカ対策に使っていたネットより丈夫で、維持管理の負担も少ない。有効な取り組みだと感じた」と話した。小林さんは、2月に開催された林野庁近畿中国森林管理局の研究発表会で成果を報告し、入賞。現在、奈良県十津川村内にも仕掛けを設置している。全国で深刻化するシカの食害。小林さんは「多くの場所で竹の仕掛けを活用してもらい、豊かな自然を守っていけたら」と語った。
(免許ある市職員OB、1人配置:青森)
青森市は6日、ツキノワグマ出没などに対応するための「ガバメントハンター」を1人配置したと発表した。期間は12月末まで。市によると、職員は狩猟免許保有者で市職員OBの70代男性。県猟友会に加盟している。特別職非常勤職員として市危険鳥獣対策室に1日付で採用した。週4日(木・土・日休み)勤務で、勤務時間は午前8時半~午後1時半。クマ出没情報などがあった場合、その都度出勤する。市は1日付で、市町村の判断でツキノワグマなどに発砲する「緊急銃猟」を盛り込んだ対応マニュアルを策定した。緊急銃猟の判断は、人身被害の恐れが非常に高い「レベル3」の状況にあり、現場が一定条件を満たす場合、環境保全課長、危険鳥獣対策室長、浪岡振興部市民課長のいずれかが決める。6日の定例記者会見で報告した西秀記市長は「県や市のホームページ、SNS(交流サイト)で公開する最新の出没情報を確認し、出没があった場合近づかない、山に入る際は複数人でクマよけの鈴などの音を出す-などの安全対策を行ってほしい」と市民に注意を呼びかけた。
(クマ対策を強化、専門員1人を県自然保護センターに配置:福井)
3月から4月にかけては、冬眠中のクマが目覚める時期です。近年のクマ出没増加を受け県は今年度、クマ対策専門員を新たに1人置き、市や町が行うクマの駆除や捕獲をサポートします。県によりますと、去年のクマの出没件数は950件と過去10年で2番目に多く、人身被害は3件発生しました。この状況を受けて今年度、県はクマ対策専門員1人を新たに置きました。5月から県自然保護センターに勤務し、緊急銃猟が発生した際に市や町に対して技術面や安全確保などのアドバイスを行います。狩猟免許を持っているため、要請があれば猟銃を使っての駆除・捕獲業務も担います。このほか、緊急銃猟に携わる人への報酬を全国的にも高い水準に統一するほか、ドローンを活用し安全かつ効果的なクマの捜索や追跡を行うことなど、県は去年の2倍に当たる約1億円の予算を計上し、クマ対策の強化を図ります。
(鳥類「絶滅寸前」種が増加…その原因はシカ:京都)
京都府はこのほど、絶滅のおそれがある野生生物の現状を取りまとめた「京都府レッドデータブック」の11年ぶりの改訂版の一部を公表した。哺乳類、鳥類、コケ植物、菌類の4分類群(計382種)の生息状況を解説。絶滅の危険が最も高いランクの「絶滅寸前」は鳥類のみが前回から大幅に増加しており、府自然環境保全課は「シカの食害による林床植生の衰退が大きく影響している」と指摘する。
(飼料作物のシカ被害額、コーンで拡大:北海道)
北海道で近年、拡大基調にある農林水産業の野生鳥獣被害。なかでも深刻なのがエゾシカによるものだ。道が公表している直近2024年度のシカ被害は金額ベースで5年連続の増加となり、52億円に達した。
(クマの痕跡を探る、冬眠から覚め本格的な活動期に:秋田)
北秋田市の山でも冬眠から目覚めたクマが動き出しています。若き阿仁マタギと北秋田市阿仁の山に入り、今シーズンの春山の状況とクマの痕跡を探りました。乾燥させたアオモリトドマツの葉に火をつけてそれをまとう。阿仁マタギにとって山に入る前に行う大事な儀式の1つです。トレタテ!は3月30日、阿仁マタギの16代目、松橋翔さんとクマの痕跡を探そうと山に入りました。阿仁マタギが入る比立内の山は、まだ雪がたっぷりと積もっています。雪の重みで倒れたり折れたりした木や枝が多くありました。およそ1kmの山道を歩いて、突如現れたのは氷の彫刻のような光景。山から集落へ水を引くホースが破損し、噴き出した水が凍ったのだそうです。いかに冬に冷え込む場所なのか思い知らされます。松橋さんによりますと、クマは冬眠をして目覚めて動き出すのが、早い個体で2月下旬、一般的なクマで3月中旬から下旬だといいます。一方で、縄張り争いに負けて街に下りたクマたちは、あまり縄張り意識が強くなく、街で新たな生態系を作ってしまうと言います。山にはクマが木の実などを食べるために作ったクマ棚が残されていました。山の入口からおよそ3km。1時間ほど歩いて山の中腹へ。春を告げるフキノトウがようやく顔を出していました。これもクマにとっては大事なえさになります。遅れていた雪解けが少しずつ始まっていて、山ではそれにあわせてクマも動き出しています。まもなくクマの本格的な活動期に入ります。
(鳥獣被害対策実施隊に新隊員入隊:岩手)
雫石町で8日、野生動物から農作物を守る鳥獣被害対策実施隊に新しい隊員が入隊し、辞令書が手渡されました。辞令「辞令書。高畑啓。雫石町鳥獣被害対策実施隊員を命ずる。令和8年よろしくお願いいたします」今年度、雫石町の鳥獣被害対策実施隊には新たに3人が入隊し、8日は欠席した1人を除く2人に辞令書が交付されました。実施隊は、イノシシやシカなど、農作物を荒らす動物をわなや銃を使って捕獲・駆除するほか、去年被害が相次いだクマの対策も担います。町内では、イノシシが農作物を荒らす被害が深刻化していて、去年は113頭を捕獲しました。隊員の任期は2年で、今年度はこれまでで最も多い51人で対応にあたるということです。
(シカ被害の防止へ、ニンニク成分由来の忌避剤を発売:北海道)
北海道電力は7日、シカなどの害獣が寄ってこないようにする薬剤をきょう8日から販売すると発表した。同社が開発し、特許を取得したニンニク由来の成分を配合。ライオンなどのふんに含まれる臭いを出すことで、シカやキツネ、アライグマ、ネコなどが寄りつかないようにする。北海道内に展開するホームセンター「ジョイフルエーケー」の5店舗で販売する。北海道電力が発売するのは害獣強力忌避剤「REPEL GX」で、希望小売価格は4378円。
(シカ食害でりんごピンチ:岩手)
約150年の歴史を持つ盛岡市の特産果実「盛岡りんご」が、出没が増えるシカの食害で窮地に立たされている。木の高さを抑える「わい化栽培」で作業を効率化する一方、低位置に芽があるため絶好の「標的」に。生育環境を整える上で重要な剪定(せんてい)期間に被害が相次いでも、捕獲に必要な県予算が上限に達して猟友会が駆け付けられない状況も生じた。岩手県内一の栽培面積を誇る盛岡のブランドリンゴをどう守るか。生産者は危機感を強め、行政に対策の強化を求める。
(鳥獣被害防げ、猟友会に対策隊委嘱:青森)
八戸市は9日、青森県猟友会八戸支部所属の57人に有害鳥獣の捕獲や防除を担う2026年度の「市鳥獣被害対策実施隊」を委嘱した。クマやイノシシといった野生鳥獣の生息域が拡大する中、被害の抑制に取り組む。
(クマの市街地侵入を防げ、電気柵設置:北海道)
昨年7月にヒグマによる人身事故があった福島町で、町は中心部や山間部の集落周辺に電気柵を設置する作業を進めている。昨年の出没後大がかりに設置し、冬季は取り外していた。ヒグマの活動が活発化する春先から設置し、人のいるエリアへの侵入を防ぐ。
(害獣寄せ付けない強力忌避剤発売:北海道)
北海道電力が開発したニンニク由来の特許成分を使った害獣強力忌避剤「REPEL(リペル) GX」の販売が8日、道内で始まった。液状の忌避剤が発する臭いでエゾシカなどを寄せ付けず、食害防止につなげる。
(国内唯一の自生地、根室のサカイツツジがシカ被害で消滅危機:北海道)
国内で根室市内の落石岬湿原にだけ自生するサカイツツジが、近年急増するエゾシカによる被害を受けている。湿原が踏み荒らされて泥でぬかるみ、このままでは生息環境が悪化し消滅の恐れもあると専門家は指摘する。自生地は国の天然記念物に指定されており、市はシカの侵入を防ぐため、全長約4キロの柵を設置する計画だ。
(くくりわな猟の効率が劇的に上がる「6種の神器」:舟橋愛)
狩猟でも有害鳥獣捕獲でも大活躍するくくりわな。特にメジャーなバネ式くくりわなは、地面を掘って埋めるためシャベルがマストです。でも、「シャベルは持ったから大丈夫!」なんて思っていると、意外なところで「しまった!」と叫ぶことになるかも……?わな猟に慣れている先輩でも、現場で「あっ!ない!」と途方に暮れているシーンを、筆者自身何度か目撃しました(笑)。これからくくりわなデビューをする人はもちろん、すでに設置している人も、おさらいとして「忘れがちなくくりわなのマストアイテム」を見ていきましょう!わな猟免許を取得したあとって、狩猟登録をするにしても有害鳥獣捕獲をするにしても、許可証がくるまでは少し時間が空くんですよね。その間、新米猟師たちはソワソワしながら準備を進めることと思います。でも、その準備の内容って、ほとんどの人が「わな本体」ではないでしょうか?試行錯誤でくくりわなを作ったり、気になるメーカーの商品を取り寄せたり……。もちろん、それも大事です。むしろ、わながなくては猟ができません。でも、わなを掛けたり直したりするときに必要な道具のことって案外忘れがちなんです。くくりわなの設置や掛けなおしの際に何がいるのかを知るために、まずはくくりわなを掛ける流れを見ていきましょう。1.地面に穴を掘り、踏み板の台座を置く 踏み板の台座の大きさに合わせて地面に穴を掘ります。シャベルが必要になりますが、これは当然、想定内ですよね。2.ワイヤーをセットし、バネを塩ビパイプに収納する 獲物をくくるためのワイヤーを踏み板にセットして、ワイヤーに通されたバネをギュッと塩ビパイプの中に圧縮収納します。この時、パイプの中にかなり力を込めてバネを収納しているので、バネの力を逃がさないよう、塩ビキャップの近くで蝶ネジをしっかり留めましょう。セットするタイミングは人それぞれですが、持ち運ぶ際に衝撃で作動してしまうことがあるので、現場で行う方が二度手間にならないと思います。車で移動して、あまり歩かない場所にわなが掛けられる場合は家でワイヤーをセットしてから運んでもOKです。3.踏み板を台座に置き、塩ビパイプを埋める バネを収納した塩ビパイプを土に埋めます。パイプを横向きに埋める場合はシャベルでOKですが、写真のように縦埋めにする場合はシャベルでは難しいのでドリルを使います。ちなみに、縦埋めは横埋めに比べて大変ですが、脚の高い位置をくくってくれるので、わなが外れにくいというメリットがあります。わなが外れて獲物が逃げるだけならいいのですが、イノシシに突進されてケガをする事故も毎年起きているので、浅く掛からないための工夫が必要です。4.丈夫な木に反対側のワイヤーを固定する シャックルで木にワイヤーを固定します。写真ではシンプルに巻いていますが、イノシシやシカを想定する場合はワイヤーを二重に木に巻き付けた方が安心です。5.わな本体とワイヤーを隠す 木にワイヤーを固定したら、最後の仕上げにわなを落ち葉や土で隠します。ただ、土を載せすぎると重みでわなが作動してしまうことがあるので、落ち葉があるなら落ち葉の方がいいと思います。上の写真はワイヤーを隠していませんが、「ワイヤーは隠さなくてもあまり問題がない」説も……。人によっては1mmの露出もなく隠すという人もいますし、「野生動物にはワイヤーとわなの関係性がわからないから隠さなくても掛かる」という人もいます。筆者は、獣がワイヤーに脚を引っ掛けてわなが露出したり、空弾きされたりしてもいやなので、ワイヤーが邪魔になりそうなら隠すし、そうじゃないなら隠さないです。設置方法を通して見ても、「やっぱりシャベルだけあればいいんじゃない?」と思いませんでしたか? 筆者もそう思っていました。ですが……意外と落とし穴があるんです。これを知ると、「くくりわなの設置と見回りに持って行くべきアイテム」が見えてきます!1.穴を掘るときに根っこが邪魔する! これはもう、大体の場所でぶつかる問題です。サクサク掘れる場所の方がめずらしいくらい。根っこって細くても頑丈で、密集していると本当に設置に時間が取られます。2.細かいパーツの紛失 くくりわなには、蝶ネジやシャックル、締め付け防止金具、ねじりバネの場合はストッパーと、細かいパーツが多いです。しかも、どれも無いとわなを掛けることができない重要なものばかり。山の中で紛失すると、まず見つけられません。3.パーツが錆びてネジが回らない! わなの再設置や、獲物がかかったわなを撤収する際に起きる問題。木にワイヤーを固定するためのシャックルが、鉄製だと本当によく錆びます。ピン部分が小さいために、錆びて固くなっていると手では回せないことが……。4.獲物の脚にワイヤーが絡んで外せない! わなに獲物が掛かっていた場合、なかなかワイヤーが外せないことがあります。止め刺しを終えてから外すシーンが多いため、血やワイヤーのささくれが付かないようにグローブをしていた方がいいのですが、そうすると細かい作業が難しく、余計に外す難易度が上がってイライラ。くくりわな猟の困りごとがわかったところで、本章ではくくりわなの必須アイテムを紹介します。筆者の見解を多分に含んではいるものの、これから害獣捕獲に挑戦する方にとっては参考となれば幸いです!用途を満たしつつ、自分に最も合うアイテムを探してみてください。1.刃付きスコップ 最初は普通のガーデニング用シャベルを想定していましたが、山の土は花壇とはまったく違いました。前述のように木の根が地中にはびこっているので、それを断ち切る強さが必要。というわけで、筆者はナイフのような刃とギザギザの刃が付いた細いスコップを使っています。これなら多少の根っこはシャベル一本で一掃!2.剪定ばさみ シャベルの刃でも切れないような太い根、もしくは密集している根は剪定ばさみで切ってしまうのが楽です。……と言いつつ、筆者が持ち歩いているのはワイヤーカッターです。くくりわなの4mmワイヤーまでは切れないと思うのですが、細い金具やワイヤーのささくれなどは切れるので、いざという時の保険としてこちらにしています。3.縦穴用ドリル 塩ビパイプを縦に埋める際に使用していますが、実はこれ、犬をアウトドアで係留するためのアンカーです。「くるくるワンワン」という、ハンマー不要で地面にぐいぐい刺すことができるすぐれモノ。愛犬たちとキャンプに行く際に使用していたのですが、これを埋めてから引き抜くといい感じに縦穴が掘れて、狩猟でも重宝しています!地面を掘るための道具としては、ほかにも園芸用ドリルなどがあるので、重さや長さなど、自分に合うものを探してみてください。4.予備のパーツとパーツ入れ 蝶ネジ、締め付け防止金具、シャックル、ねじりばねのストッパーなどは予備を持っていきます。ポケットの中に入れると紛失しやすいので、専用のパーツ入れを用意しておくのがおすすめ。100均の小さなタッパーで十分です。5.ラジオペンチ 屋外で使っているとシャックルがあっという間に錆びてネジが外れなくなります。こうした場合はペンチがあると簡単にネジを回せるので、一本持っていきましょう。普通のペンチよりも、先端が細いラジオペンチの方が使い勝手がいいです。6.ラバーコーティングの手袋 土を掘ったり埋めたり隠したり……と、何かと土や落ち葉を触るシーンが多いので軍手や手袋は必須です。また、くくりわなを仕掛けるような場所は木や藪も多いので、ケガの防止のためにも持っていた方が安心。手のひら部分がゴムになっているラバーコーティングのものだと、グリップ力があって作業がしやすく、血や汚れも沁みにくいので重宝します。最後に、わなを掛ける時は必須ではないものの、下見のときにあると便利なアイテムがあるのでそちらも紹介します。「下見なしで直接行って掛けている」という人も多いと思うので、こちらは参考までに見てみてください。1.メジャー くくりわなを設置する際に意外とあるのが、「根付からわなを掛けたい場所への長さが足りない!」という問題です。わなを設置したい場所を下見する際には、根付とわなを掛ける場所を測っておくとワイヤーの長さも現場に合わせて用意できるのでおすすめです。2.蛍光カラーテープ 見して「ここにわなを掛けよう」と決めても、次に訪れたときにその場所を探すのは結構大変です。山の中では本当にたやすく道に迷いますし、決めておいた根付の木もどれだかわからなくなるのは当たり前。記憶を頼りに探すより、目印を付けておいた方が効率的です。そんなわけで、筆者はわなの下見で場所を決めたら、根付にする木、もしくはその近くに蛍光テープを巻いています。見回りに行く際も、これがあるだけでかなり時短になりますよ!3.登山用アプリ(ジオグラフィカ) 圏外でも歩いたコースのトラッキングや覚えておきたい場所のマッピングなどができて、狩猟シーンでも大活躍してくれるのがジオグラフィカ。わなを掛ける時だけでなく、狩猟期間中は道迷いを防ぐためにも大いに活躍してくれました。登山用アプリはいろいろありますが、ハンターはジオグラフィカユーザーが多いように思います。くくりわなの作業に必要な6種+下見にあると便利な3種の神器、いかがだったでしょうか。筆者はシャベルは腰から下げ、それ以外はウエストポーチに入れて持って行くようにしています。そこそこ荷物にはなるものの、何かが足りず、家に戻るよりははるかに時短になるんですよね。時間を掛ければ何とかなることも多いのですが、わなの数が多いと一つひとつに手間取っているのももったいないです。「備えあれば憂いなし」で、ぜひ自分なりの装備を用意してみてください。
(住宅街にクマ出没、小中学校が臨時休校に:福島)
7日午前6時頃、福島県郡山市桑野の住宅街で、クマ1頭(体長約1・5メートル)が出没した。クマはその後、住宅街近くを流れる逢瀬川に移動し、正午現在も河川敷の草むらの中にとどまっているという。市や警察が周辺を警戒しており、緊急銃猟などの対応を検討している。これまでに人的被害は確認されていない。市や県警によると、クマは住宅街で目撃された約30分後、近くの公園「大島自然ふれあい広場」に出没。住宅街で目撃された個体と同一とみられ、市が公園内におりを設置して捕獲を試みたが、午前10時半頃に逢瀬川に移動しているのが確認された。現場はJR郡山駅から北西に3・5キロ。付近では、6日夜から路上などでクマの目撃情報が相次いでいた。クマの出没を受け、周辺の小中学校計2校が臨時休校となった。
(クマを緊急銃猟で駆除:福島)
福島県郡山市の住宅街に7日出没し、周辺にとどまっていたクマ(体長約1・5メートル)について、同市は8日午後、緊急銃猟で駆除した。けが人はいなかった。クマは7日午前、同市桑野の住宅街や近くの公園に出没。公園北側を流れる逢瀬川の茂みに入り込んだ後、夜まで動かなくなり、市や県警が警戒を続けていた。8日朝には、同じ個体とみられるクマが市北部に移動しているのが確認された。午前9時半頃からは、7日に出没した住宅街から北に約5キロ進んだ磐越自動車道外側ののり面の茂みに居座った。市は人身被害の恐れがあるとして、緊急銃猟の実施を判断。磐越自動車道の一部区間を通行止めにするなどして、午後3時30分過ぎにハンターが散弾銃を発砲して駆除した。
(イノシシの罠にクマ、冬眠明けのクマに注意:島根)
4月5日、島根県益田市でクマがイノシシの罠にかかっているのが見つかり駆除されました。益田市によりますと4月に捕獲されたクマは昨年は2頭でしたが、今年は7頭と多くなっています。クマが見つかったのは民家に近い国道191号から100メートルほどの場所に設置されたイノシシ用の罠です。クマは40~45キロほどで2~3歳くらいと見られています。春は冬眠明けでエサを求めるクマが増えることが予測されることからクマのエサとなるゴミなどを放置しないよう注意を呼び掛けています。
(ひと味違うジューシーな“野生肉”の魅力:山梨)
ウシやブタ、トリなど、みんなに愛される“お肉”。だが、野山を駆け巡って育つシカやイノシシなど、ジビエ(野生肉)の味もまた格別。特にこの時期のジビエは、冬場体に栄養を溜め込むので、ジューシーな旨みがぎゅっと詰まっているのだ。富士山のふもとにある「河口湖」周辺は、実はジビエのメッカ。山梨県のシカとイノシシは富士山麓に生える牧草やドングリをエサにするため、肉質も凝縮され、栄養価も高い。加えて、富士河口湖町はジビエを県産のワインと組み合わせて観光のブランドにするという動きも盛んなのだとか。そんな富士河口湖町にある「松風」は、ジビエ初心者にもオススメの店。ジビエ加工工場の室長兼ハンターの滝口さんが狩猟し、自身でさばいた新鮮なシカ肉やイノシシ肉を使ったメニューが評判なのだ。例えば、煮込むほど柔らかく、プリプリした食感が特徴の「イノシシ肉」。この時期は脂肪も多く、良質のタンパク質やコラーゲンも豊富なので、疲労回復や美容にも期待大というが、そんなイノシシ肉をおいしく食べられるのが、「野生猪ずき焼鍋定食」(2000円)だ。イノシシ肉と春菊、ゴボウなどの野菜を濃厚なタレで煮込んだ鍋は、丁寧に処理されているので、野生臭もなく、柔らかい肉はいくらでも食べられるという。一方、アミノ酸やミネラルバランスがよいヘルシーな肉といえば「シカ肉」だ。淡白な味で食べやすいのでいろいろな料理に応用されるが、「鹿のたたき」(1000円)は、さっぱりとした味でシカ肉本来のウマさがGood。新鮮なシカ肉のモモ肉部分を軽くあぶった一皿は、しっかり血抜きされているのでクセもなく、ネギやショウガと一緒にさっぱりと食べられる。また、噛めば噛むほど旨みが出てきて深い味わいになる「鹿ソーセージ」(600円~)もオススメ。サラミのような歯応えはビールとの相性もバツグンなのだ。脂肪分が多い上質なジビエはまさに“富士の恵み”。たまには気分を変えて、この時期ならではの極上のジビエを味わってみては?
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(駆除の男性遺体で発見、所持していた猟銃見つからず:徳島)
3日、徳島県阿南市を流れる川の中から、市内に住む山上守さん(90)の遺体が発見されました。山上さんは2日午前8時ごろ、有害鳥獣である「カワウ」の駆除のため猟銃を持って自宅を出発。しかし、夜になっても帰宅しなかったため、家族らが捜しましたが見つからず…。川沿いに山上さんが乗っていた軽トラックが残されていたことから、警察と消防が3日朝からおよそ60人態勢で周囲を捜索。午前10時すぎ、水中から山上さんの遺体が発見されました。しかし、山上さんが所持していた猟銃はまだ見つかっておらず、警察が捜索を続けています。
(最高裁判決受け北海道公安委員会がお詫び)
8年前、北海道砂川市でヒグマを駆除した際の発砲を理由に、猟銃の所持許可を取り消された男性ハンターについて、最高裁は27日、ハンターの訴えを退けた札幌高裁判決を破棄し、処分の取り消しを命じる判決を言い渡しました。これを受け、猟銃の許可を取り消していた北海道公安委員会がコメントを発表しました。この裁判は、2018年に砂川市内でヒグマを駆除した池上治男さん(77)が、発砲した銃弾が住宅に届くおそれがあったとして翌年、北海道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消されたことについて、処分の取り消しを求めていたものです。1審判決では、札幌地裁が道公安委員会の処分を違法と判断。2審では、札幌高裁が弾が障害物に当たって軌道を変える「跳弾」が人にあたる危険性もあったなどとして、処分は適法と判断し、池上さんが上告していました。最高裁第3小法廷の林道晴裁判長は27日、「池上さんの発砲は危険性があったことは否めない。しかし当時の発砲は公務員による要請があり、公務員による警護のもとにあったものなどを踏まえると、処分は酷な処分でハンターが発砲することをためらわせ、萎縮させている。被上告人の処分は相当性を欠き権利の乱用と判断」などと指摘し、札幌高裁の判決を破棄。池上さんに対する処分を取り消す判決を言い渡しました。最高裁の判決を受けて、北海道公安委員会は27日、コメントを発表しました。「北海道公安委員会といたしましては、今回の最高裁判決を重く受け止めております。池上様にご不便、ご負担をおかけしたことに対しお詫びを申し上げますとともに、速やかに猟銃の返還に向けた手続きを進めてまいります。今回の最高裁の判決の内容を精査し、適正な行政処分の実施に努めてまいります」「市町村や猟友会と連携をしながら、引き続き、ヒグマ対策に適切に対応し、道民の安全安心な暮らしを守るよう、北海道警察を指導してまいります」としています。
(クマ人身被害増でガイドライン改定、基本方針「保護」から「管理」へ)
クマによる人への被害が全国で相次いだことを受け、環境省は都道府県で対策を作る際のガイドラインを改定し、基本方針を「保護」から個体数の減少などの「管理」へと見直しました。ガイドラインの改定はおよそ4年ぶりで、基本的な方針をこれまでのクマの個体数の維持・増加を狙う「保護」から、維持・減少を目指す「管理」へと見直しています。また、ヒグマとツキノワグマについて全国をそれぞれ5と18の区域に分け、成獣で400頭以上の「個体群」がある場合は目標の頭数を設定したうえで、捕獲することを勧めています。また、人とクマのすみ分けを徹底するため、市街地と農地を合わせた地域を「排除エリア」、その周辺を「管理強化エリア」に設定し、出没したクマを捕獲するよう求めています。
(豚熱の野生イノシシへの感染が相次ぐ:長崎)
長崎県内で、家畜伝染病「CSF(豚熱=豚コレラ)」の野生のイノシシへの感染が相次いでいる。昨年の感染事例は全て松浦市内だったが、今年に入って諫早市と佐世保市、長崎市でも感染したイノシシが見つかった。県は家畜への感染を警戒し、緊急のワクチン散布を行うなど対策に取り組んでいる。豚熱は、豚やイノシシが感染する熱性伝染病で、伝染力が強く致死率も高い。九州では、2024年6月、佐賀県唐津市で捕獲されたイノシシから初めて検出され、25年には福岡、長崎、宮崎、鹿児島でも感染した個体が見つかった。これまで5県で300頭以上の感染が確認。今年3月下旬には熊本でも初めて確認され、感染の報告がない大分県でも検査態勢を強化するなど警戒を強めている。長崎県内では、松浦市で捕獲された成獣で昨年2月に初めて感染を確認。12月までにさらに22頭見つかったが、いずれも松浦市内で捕獲されたり、死亡したりしていた。しかし、今年1月に諫早市で捕獲されたイノシシからウイルスが検出されると、同市での感染確認が急増。さらに2月には、佐世保市でも死亡していたイノシシの感染が判明し、3月には長崎市でも確認された。今年の感染確認は計23頭に上る。県畜産課によると、県内で飼育している豚は全頭がワクチンを接種しているが、養豚場の関係者らには、敷地内にイノシシが侵入しないように防護柵を設けるなどの対策を依頼した。また、感染した肉を食べても人体への影響はないとされているが、感染が確認されたイノシシが見つかった地点から半径10キロ圏内を「豚熱感染確認区域」とし、区域内で狩猟したイノシシはジビエ料理への利用を控えるように呼びかけている。さらに、諫早市では野生のイノシシの感染予防策として経口ワクチンを散布。今後、佐世保市などでも散布する予定だという。3月の県議会本会議では、平田知事が「市町や関係団体と十分連携を図りながら、最大限の危機感を持って的確な防疫対策を実施していく」と表明した。同課の担当者は、「車のタイヤや靴底に付いた泥で、ウイルスが運ばれることもある。登山などで山奥に入った場合は、しっかりと泥を落としてほしい」と注意喚起している。
(ガバメントハンターを初採用、クマなど有害鳥獣対策担う専門職に3人が着任:秋田)
秋田市では2026年度、狩猟免許や専門知識を持ち、クマ対策などに当たるガバメントハンター3人が新たに着任しました。秋田市には1日、消防本部を含め新たに100人の正職員が加わりました。その中には、クマなどの有害鳥獣の駆除を担当するガバメントハンター3人が含まれています。銃を使った狩猟ができる第一種銃猟免許やわな猟の免許を持つことなどを条件に、秋田市が初めて募集しました。2026年度は36~52歳の3人が、3年間の任期付き職員として採用されました。いずれも秋田県の内外の猟友会などで活動してきた経験があり、市の農地森林整備課に配属されて、クマをはじめとする有害鳥獣の駆除や被害状況の調査などを行います。ガバメントハンターとして着任・外丸圭介さん(52):「皆さんが安心して生活できる環境の一助になればと思っている」。ガバメントハンターとして着任・穴澤龍弥さん(36):「今までボランティアとして駆除活動に携わってきたので、仕事として、行政職としてガバメントハンターができたのはとても良いこと。仕事としてガバメントハンターが一般的なものになり、若い人の狩猟免許の取得などが進んでいってくれれば良い」。3人は、3日から本格的に業務を始めます。
(砂川のハンター逆転勝訴でも、不安消えぬ釧根の関係者:北海道)
猟銃によるヒグマ駆除を巡り、砂川市のハンターの猟銃所持の許可を取り消した北海道公安委員会の処分を違法と判断した3月27日の最高裁判決。釧路、根室管内の狩猟関係者からはハンターの立場を理解した判断として評価する声が上がる一方、発砲条件や責任の所在をより明確にすべきだとの意見も根強い。判断基準は曖昧なままで、現場のハンターの不安をどう解消するか実効性が問われている。
(鳥獣被害防止へ“対策実施隊”結成:新潟)
農作物の鳥獣被害防止に向け、対策を強化します。4月1日、新潟県見附市で結成されたのは鳥獣被害対策実施隊です。見附市の猟友会メンバーや狩猟免許を持つ市民など35人で構成されます。見附市では近年、田畑を荒らす鳥や獣による被害が増加傾向にあり、昨年度、農作物の被害は少なくとも2400万円に上り、このうち約95%がイノシシによるものとなっています。この日は、去年、わな猟の免許を取得し、半年で7頭のイノシシを捕獲した鈴木伸介さんが代表して辞令を受け取りました。【見附市鳥獣被害対策実施隊 鈴木伸介さん】「(イノシシに田んぼの)中に入られて踏み倒されたり、においがついたり。ケガ・事故のないように、一生懸命頑張っていきたい」。隊員たちは今年度、イノシシなどの捕獲にあたるほか、クマを呼び寄せないため、住民の同意を得た柿の木の伐採などにも取り組むということです。
(実は鹿よりも熊の方が多い林業被害、パネルで紹介:長野)
熊などの野生動物による林業被害について紹介する企画展「クマと森の動物 試験研究展」が、塩尻市片丘の県林業総合センターの森林学習展示館で開かれている。野生動物の林業被害は、鹿よりも熊が多いことなどをパネルで紹介。動画も活用し、被害の実態を伝えている。センターは研究成果を広く発信するため、本年度から企画展を始めた。今回が第1弾となる。熊が樹齢約60年のスギの皮を剥ぐ様子を写真で紹介したり、剥ぐ時に使う熊の実物の爪を展示したりしている。QRコードを読み取ると、熊が木の皮を6秒ほどで剥ぐ様子を映した動画を見ることができる。鹿の侵入を防ぐ柵やイノシシが畑などに侵入するのを防ぐために設けた土手「猪土手(ししどて)」などが見学できる屋外の特別コースも用意した。センターの小山泰弘育林部長は「被害は里だけでなく山の中でも起きている実態を知ってほしい」と話している。今回の展示は2カ月程度開催する予定。今後も内容を変更し、研究成果などについて紹介する。
(山のクマとアーバンベア、生態と違いを学ぶ:岩手)
春のクマ出没期を前に、盛岡市動物公園「ZOOMO(ズーモ)」で29日、山と市街のクマの生態を学ぶイベントがあった。市民ら約100人が参加し、専門家の解説に耳を傾けた。同園と岩手県盛岡広域振興局が共催し、カメラマンや大学の研究者が講演した。長年、山中のクマの生活を観察する北上市の動物写真家佐藤嘉宏さん(69)は、撮影した写真や動画とともに食生活について説明。「ミズバショウなど50年前は食べられていなかった物を食べている。採食の対象をどんどん開発している」と述べた。岩手大の山内貴義准教授(野生動物管理学)は、ここ数年の出没傾向について「1~3月の出没が多くなっている。人里にエサを依存し、冬眠しない個体が増えた」と指摘した。講演者らによる座談会もあり、人間と生活圏を分ける「ゾーニング管理」の方法などで意見を交わした。司会を務めた同園の辻本恒徳園長は「われわれは今後もクマに対する向き合い方を考え続けなければいけない」と語った。
(有害鳥獣被害1億2534万円:北海道)
北見、置戸、訓子府1市2町の有害鳥獣による2025年度の農業被害額は前年度比10.2%増の1億2534万円に上った。このうちエゾシカによる被害が大半を占めた。
(「目撃・足跡・糞を見つけたら、すぐに通報を」:北海道)
4月に入り、冬眠から目覚めたヒグマが本格的に動き出す時期を迎えています。2026年もクマ対策への十分な準備が必要です。3日前、北海道根室で撮影された湖のほとりを歩くタンチョウ。そのすぐそばでは、クマがうろついています。北海道らしいのどかな春の風景にも見えますが、クマは冬眠から目覚めすでに活動を始めています。羽幌警察署 藤田雅徳地域・交通課長「海側に熊が出ましたと想定します」。道北の初山別村です。国道沿いでクマが現れたとの想定で3日に実施されたのは、警察や役場、猟友会などによる合同訓練です。周辺道路の通行止めや、警察とハンターの連携など、クマが目撃された時の一連の対応について確認しました。初山別村では3月、体長1.5mほどのクマが目撃されていて、急きょ、合同訓練の実施を決めました。羽幌警察署 藤田雅徳地域・交通課長「春はヒグマの被害が多い。ヒグマを目撃したり、足跡や糞を見つけたら、すぐに警察や管轄する役場へ通報をお願いします」2026年に入り、北海道内で警察に寄せられたクマに関する通報は、2日の時点で79件。このうちの43件が3月です。雪解けが進み、登山や山菜採りなどで山に入ることが増えるこの季節。改めて、十分な注意と対策が必要です。
(専門家は『冬眠明けのクマ』に注意呼びかけ:宮城)
昨シーズン、宮城県内でも過去最多の目撃があったクマについてお伝えします。宮城県内では、3月19件の目撃があり、専門家は冬眠明けのクマに注意を呼びかけています。4月2日午前、仙台市の泉ケ岳です。あいにくの天気ではありましたが、キャンプの片付けをしていた大学生は、すでに冬眠明けのクマに警戒しているようでした。クマの頭蓋骨と鋭い前足の爪。岩手大学の山内貴義准教授がヒトを襲った個体を、自治体から提供を受け研究のため保管しているものです。クマの冬眠明けはいつになるのか、聞きました。岩手大学 農学部・山内貴義 准教授「山の方にいるクマは多分まだ冬眠してると思う。山に行けば雪も残っていて、気温も平地よりは低いのでまだ冬眠しているとは思う」。しかし、岩手県では 住宅もある地域で2026年2月に目撃情報を受け追い払いをしていた猟友会の男性がクマに襲われるなど、すでに2件の人身被害が発生。3月には出没注意報も出されています。岩手大学 農学部・山内貴義 准教授「気温の上昇が早くて雪解けが早いと、冬眠から明けるのが早いと言われてるので、全般的に早くはなってるんですけども、今 街中でよく見かけるのは、おそらく人里近くで冬眠してしまって、冬眠から早く目覚めて、目覚めればお腹がすくので何かエサを求めて動き回る。それで、人の住んでいる近くなので、人と遭遇する機会が増えてしまう」。そして、宮城県でもー。利府町によりますと、目撃されたのは役場の北側の住宅団地に通じる町道で、たびたび目撃情報がある北東側の山林から降りてきた可能性もあると言います。宮城県内でのクマの目撃は、2026年3月には19件となっています。宮城県猟友会 刈田支部・安彦 哲男 支部長「あれ、(木が)折れてる所はクマが折ったやつです」。白石市の安彦哲男さん(81)は、ハンター歴56年のベテランです。昨シーズン、市内では例年の3倍を超える30頭が捕獲・駆除されていています。宮城県猟友会 刈田支部・安彦 哲男 支部長「(2025年度)許可もらって、3頭捕獲しています、この近辺で。狙った所に当たらなければ暴れるし、やっぱり練習しないと難しい」。昨シーズン、宮城県内で駆除したクマは499頭。過去最多だった2020年度の1.7倍でした。宮城県内で猟銃免許を持つ人の平均年齢は62歳。人数も、2025年3月末時点で1865人と、長期的に見ると減少傾向は続いています。訓練に参加した隊員「色々な先輩方に、銃の使い方やルールを教えてもらえるので、すごい役に立ちます」。クマによる被害を防ぐには、若手ハンター育成も課題のひとつです。また、施設面での課題もあります。この日の訓練で使ったのは、散弾銃という主に鳥類やシカ猟などに使う銃ですが、クマが市街地に出た場合には、一発で仕留めることが出来るライフル銃が有効とされています。しかし、宮城県内では 射撃場は登米市と気仙沼市の民間施設しかありません。宮城県でも、昨シーズンの事態を受けて、村田町にある県の施設でもライフル銃の訓練を行えるよう検討しています宮城県猟友会 刈田支部・安彦哲男 支部長「大変危険なものですから。銃の操作に慣れてもらって、一発でクマとか仕留めていただきたいというのが理想です」。暖かくなるにつれて冬眠から明けるクマ。これからの時期、改めて警戒を強める必要がありそうです。岩手大学 農学部・山内貴義 准教授「今の時期 目覚めてしまっても、 まだ山にエサが十分にない。里の味を覚えてしまった個体は 少なからずいますので、そういった個体が、エサを探して建物の中に入ったり、春先は結構出てくるかな。この後4月中旬ぐらいまで、警戒した方がいい」。山内准教授は、2025年度 人里に数多く出没したクマが、放置されたカキやクリ・ごみなどエサのありかを覚えている可能性があるとして、警戒を続けるように呼びかけています。
(被害防止のカギは春?クマ対策が本格始動)
冬眠明けのクマが続々と活動を始めています。去年、クマ被害が相次いだ地域の猟友会は「被害を減らすには今の時期が鍵」と話しています。水辺でシカを襲う1頭のクマ。先月28日、釣り人でにぎわう川の近くに姿を現しました。現場は北海道東部に位置する別海町。数キロ離れた海沿いには町が広がっています。撮影した男性によりますと、この場所は釣りで人気のスポットで、この時期はアメマスが釣れるといいます。春の息吹とともにクマの出没も相次ぎます。自動車専用道路を悠々と横切るクマ。先月29日、北海道遠軽町で撮影された映像です。クマはガードレールの下を素早くくぐり抜け、道路脇に走り去っていきました。新年度を迎え、自治体もクマ警戒モードへ。青森県 宮下宗一郎知事 「クマは相手を選べませんから、まずは出会わないようにすることが大事。基本的な対策はしっかりしてほしい」。去年、クマの出没件数が過去最多となった青森県では、今月1日に「ツキノワグマ出没注意報」を発表しました。そして、この人たちも始動です。集まっていたのは岩手県の花巻市猟友会の面々。花巻市では去年、過去最多となる97頭のクマを捕獲。毎日のようにクマが人の生活圏に現れ、町は緊張に包まれました。花巻市猟友会 藤沼弘文会長 「おはようございます。4月1日から新年度の(シカ・イノシシなど)有害鳥獣の自治体駆除が始まります。約1年近くやるわけですが狩猟シーズンまで行いますので、長丁場になりますが皆さんとの連絡を密に取り合いながら」。新年度初日から早速、パトロールへ向かいます。花巻市猟友会 藤沼弘文会長 「(Q.獣道みたいになっている?)うん、ここもそうだ」。メンバーと連絡を取り合いながら慎重に進めます。なかでも特に猟友会が注目していたのが…。花巻市猟友会 藤沼弘文会長 「シカの足跡、ほれ。こいつは新しい足跡。これが獣道ってやつ」。なぜ今、シカの痕跡を追っているのでしょうか。パトロール中のハンター歴約50年の菅さんは、まさに今の時期が鍵を握っているといいます。ハンター歴50年 花巻市猟友会 菅実さん 「シカ、イノシシが増えると山の餌(えさ)をクマより先に食うわけだ。そしたらクマが食う餌がないから結局(人里に)下がってくる。シカ、イノシシを駆除しないと、クマも大変なの」。シカなどの数が増えすぎることにより、山で食べるものがなくなったクマが結果として人里へ近付いてきます。そのため、シカの数も一定数に調整する必要があります。花巻市猟友会 藤沼弘文会長 「去年は岩手県で1万2000頭のシカを駆除しました。それでも多いので、今年は1万5000頭ぐらい駆除しないと間に合わないんじゃないかと」。
(鳥獣被害防止へ“対策実施隊”結成:新潟)
見附市では近年、田畑を荒らす鳥や獣による被害が増加傾向にあり、昨年度、農作物の被害は少なくとも2400万円に上り、このうち約95%がイノシシによるものとなっています。この日は、去年、わな猟の免許を取得し、半年で7頭のイノシシを捕獲した鈴木伸介さんが代表して辞令を受け取りました。隊員たちは今年度、イノシシなどの捕獲にあたるほか、クマを呼び寄せないため、住民の同意を得た柿の木の伐採などにも取り組むということです。
(警察本部長が離任会見「熊駆除対応プロジェクトチーム」など任期振り返る:岩手)
4月6日付けで県警本部を異動する増田武志本部長が2日、会見を開き任期を振り返りました。県警察本部の増田武志本部長はおととし3月に本部長に着任し、4月6日付けで警察庁の長官官房付となります。増田武志本部長「この期間を振り返りますと、令和6年中につきましては複数の贈収賄事件の検挙や治安対策上大きな脅威となっている匿名流動型犯罪グループなどによる不法事案の摘発を行いました」。印象に残っている事案について、増田本部長は、クマの出没や人身被害が相次いだ去年、警察でもライフル銃を使ってクマを駆除するプロジェクトチームを発足し、岩泉町で実際に対応に当たったことを挙げました。後任には警察庁の小野宏樹氏が着任します。
(市の枠超えイノシシにNo!:千葉)
県内でイノシシによる農作物の被害が拡大する中、富里市と隣接する山武市が野生鳥獣害対策連携協定を締結した。市境を超えてやってくるイノシシなどの被害を食い止めるためで、県内初の試み。両市は他の隣接市町にも広げていきたいとしている。両市は以前からイノシシを捕獲する箱わなの設置許可申請で連携してきた。イノシシ被害が広がる中、連携範囲を広げようと今回の協定を結んだ。
(自治体、シカ対応に苦慮)
万博に都構想。話題が尽きない大阪で新たな問題が浮上した。シカるべき対応が問われるのがシカだ。市街地に出没し、役所の人々が頭を悩ませたかと思えば、警察施設に「出頭」し、今は温泉地にいる。お隣の奈良から迷い込んだ説もあり、「どの自治体が対処すべきか」と問われる事態に。似た問題は各地でも取り沙汰されるところ。「やるシカない」のかけ声頼みにならない対策とは。関西を中心に連日報道されてきた西のシカ騒動。大阪市の担当者は本紙の取材に「初めてのことで…。常時、数人が張り付いたが、見守るしかできなかった」と漏らした。
(希少植物、イノシシ被害に:山形)
鶴岡市由良が北限の希少植物「コシノコバイモ」がイノシシ被害を受けたことが分かった。南庄内で植生を調べている鶴岡自然調査会とフロラ山形の会員が確認した。被害を受けたのは鶴岡市由良と大荒の2地区。いずれの群生地も穴が掘られ「風前の灯火」となっている。イノシシ被害は農作物だけでなく自然界の貴重な植物にも及び始めた。日本固有種のコシノコバイモはユリ科の多年草。茎の高さは10~20センチに成長し、春にかれんな花を咲かせる。山形県では準絶滅危惧種(VU)に指定されている植物で、県内で分布が確認されているのは鶴岡市だけ。大荒地区には30メートル四方に約200株の群落がある。イノシシ被害を受けた由良と大荒の群生地は、いずれも穴だらけとなり今後の植生が心配されている。イノシシは水田や湿地に入り泥を浴びて体に付いた虫を取り除く習性があるが、今回の場合は鼻で土を掘りミミズなどを食べた行動とみられる。フロラ山形の会員は「20年以上も前から『今年も花を咲かせてくれた』と愛着を持っていただけに食害を見たときはショックだった。以前と比べれば明らかにイノシシの個体数は増えていると思う。被害を受けた場所で来年の春に再び花を咲かせるか心配。厳しい状況に変わりはない」と表情を曇らせる。農林水産省によるとイノシシによる全国の農作物被害(2023年度)は約36億円。シカの約70億円に次いで多く、鳥獣被害の約2割を占める。北海道を除く46都府県に生息。兵庫県や茨城県ではかみつきの人身被害も出ている。クマと同じく学習能力が高く食べ物にありつけた場所には繰り返し出没する傾向がある。
(果樹園で相次ぐイノシシによる被害、「センサーカメラ」や「箱わな」を設置するなどして対策強化:青森)
青森県南部町の果樹園でイノシシによる被害が相次いでいることを受け、町は視察を行うとともに、「箱わな」を設置するなど対策を強化しています。視察では、南部町の工藤祐直 町長たちが町内2か所のリンゴ園などを回り、被害の状況を確認しました。このうち、小向にある坂本昌人さんの園地は、2025年からイノシシによる地面の掘り起こし被害にあっていて、2026年も5アールほどで被害が確認されています。農家からは、今後の農作業に遅れが出ると対策を求める声が聞かれ、町では「センサーカメラ」と「箱わな」を設置するなどの対策を施しています。南部町 工藤祐直 町長「事前の防御を含めながら対応していくというのと、こういう被害があったあとに、どう支援をしていけばいいのかを一緒に考えないといけないと思います」。町によりますと、昨年度のイノシシによる食害や掘り起こしの被害は35件と、前年度の6件から大幅に増えていて、町では引き続き対策を強化していく方針です。
(猟会がクヌギの木など2千本植樹:神奈川)
山北町で狩猟を行う豊猟会(豊田里己会長)が3月21日、「動物のすめる森を作ろう」と大野山でクヌギの木など合計約2千本を植樹した。クマなどの動物のエサを育て、人里に降りることを防ぐことを目的に行われた。全国から集まった150人の参加者らは同会の杉本一名誉会長が育てたクヌギのほか、モモなどの苗木を土に埋めた。今後、草刈りなどの手入れを行い3年ほどで実がなるという。豊田会長は「動物たちが里に下りず、山で食べられる環境を整えたい」と話し、丹沢湖の水が少なくなっている状況に「落ち葉で土が柔らかくなり、山の保水力を高めて、将来的な解決につながれば」と期待した。
(猟友会に鳥獣対策隊委嘱:岐阜)
イノシシやサルなどから農作物を守る「美濃市鳥獣被害対策実施隊」の委嘱式が3日、市防災・中央コミュニティセンターであった。昨年、人的被害が全国的に多発したクマは市内でも目撃件数が増えており、山口泰宏隊長(62)=市猟友会長=は「猟友会として社会的な貢献と責任を感じた。十分に注意を払って活動してほしい」と呼びかけた。隊員は市猟友会の20人。2013年度から1年更新で活動を続ける。被害住民らの要望で有害鳥獣の駆除やわなによる捕獲、パトロールなどをする。委嘱状を渡した篠田啓介市長は「市の安心安全を最前線で守ってくれる存在。支援体制を整えていく」と話した。
(クマ「緊急銃猟」充実へ出動ハンターに報酬:兵庫)
クマが冬眠から目覚める春を迎えた。姫路市はクマによる人的被害を防ごうと、昨秋に整備した「緊急銃猟」制度の充実を図る。危険と隣り合わせのハンターの報酬額を定め、猟犬のワクチン接種の費用を助成。狩猟免許の取得費用についても補助額を手厚くする。
(本格活動期前でも目撃相次ぐクマ、ふるさと納税で広がる自治体支援の動き)
ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営する株式会社さとふる(本社:東京都中央区、代表取締役社長 兼 CEO:藤井 宏明)は、全国で相次ぐクマの目撃・被害報道を受け、自治体と連携して開設したクマ被害対策支援特集ページの取り組みと、寄付の広がりについて紹介します。一般的にクマの冬眠期は11月頃から翌年5月頃とされています。しかし、2026年は2月にも各地でクマの目撃情報が複数報道されており、本格的な活動期を前に、出没や被害の拡大が懸念されています。報道などによると近年クマの出没や被害が増加傾向にあると指摘されています。クマの生息域の拡大や人里への出没増加は、農作物被害や人的被害への不安を高める要因となっており、自治体では捕獲体制の強化や防除対策など、地域単位での取り組みが進められています。こうした状況を受け、「さとふる」では、全国的に深刻化するクマ被害対策に取り組む自治体を支援する特集ページ「広がるクマ被害から地域を守る~ふるさと納税でクマ対策を支援~」を、2025年11月21日に開設しました。特集ページを通じて、2026年3月31日時点で約1,000万円の寄付が寄せられています。掲載自治体数は開設当初の5自治体から、3倍以上となる18自治体へと拡大しました。直近では、2026年3月10日に秋田県由利本荘市が新たに寄付の受け付けを開始しています。寄付者からは、「各地のクマのニュースに胸が痛む。お役立ていただけると嬉しい」「日本に住む身として、みんなで取り組む問題だと思った。少しでも応援の気持ちを伝えたい」といった声が寄せられています。こうした声からは、クマ被害を“特定地域の問題”としてではなく、社会全体で向き合うべき課題と捉える意識の広がりがうかがえます。今後、気温が高まることで、クマの出没はさらに活発化することが想定されます。ふるさと納税を通じた支援は、地域の安全確保に向けた取り組みを後押しするとともに、寄付者と対策に取り組む自治体をつなぐ選択肢の一つとなっています。
(クマの緊急銃猟へマニュアル策定:栃木)
宇都宮市街地に出没したクマを自治体判断で駆除する「緊急銃猟」を的確に行うため、市は3日までに「市緊急銃猟実施マニュアル」を策定した。市は県が定めるクマの生息域ではないものの、市内でクマの捕獲実績があり、生息域も拡大傾向にあることから策定。既に緊急銃猟の実績がある先進自治体を参考に、実施前の確認が必要なチェックリストも作成した。ハンター15人を確保しており、本年度内に実地訓練などを進める方針。
(「いきもの係」新設、野生動物対応一手に担う:北海道)
北海道滝上町は1日、野生動物に関する業務を一手に担う部署「いきもの係」を農林建設課内に新設した。豊富な専門知識や現場経験を持つ人材を配置し、町独自の管理計画の策定といったヒグマ対策や、エゾシカによる食害の予防・低減などを図る。これまで、庁内の各部署に分散していた野生動物への対応業務を統合し、▽住民からの通報や相談の窓口▽外部の関係団体・機関との連絡・調整役▽ドローンなどを使った町内の野生動物の基礎データの収集――などを行う。専属職員は現在1人だが、5月にはさらに1人を採用。兼務の3人を加えた体制で業務にあたる。町内では2020年から4年連続でヒグマによる人身事故が発生し、出没件数も増えていることから当面はヒグマ対策を中心に置く。ヒグマの出没時には猟友会や警察、消防と連携して対応するほか、収集したヒグマの生息状況などの基礎データを基に、出没時の対応や市街地への侵入予防といった町独自のヒグマ管理計画の策定にも取り組む。将来的には人工知能(AI)を使った出没予報も管理計画に加える考えだ。1日付で採用された橋口城児さん(42)は、旭川市役所で鳥獣対策を6年間担当した。狩猟免許も持つ橋口さんは「被害予防の観点から中長期的な管理計画を作りたい」と意気込みを話した。
(ヒグマの駆除数17倍増、公園整備計画を延期:北海道)
北海道上ノ国町は、2026年度に予定していた花沢公園(同町勝山)の再整備計画を延期することを決めた。計画予定地で25年度、ヒグマの出没が相次いだことから、「子どもの安全が確保できない」と判断した。今後はヒグマの出没状況を踏まえ、計画再開の時期を判断する。町施設課によると、花沢公園に隣接する消防庁舎の建て替えに伴い、公園を再整備する計画で、今年度は約3億円をかけて庁舎を取り壊して更地にし、現在の公園にはない大型遊具などを設置する予定だった。新しい消防庁舎はすでに別の場所に建てられており、移転している。しかし、町では25年度、ヒグマの駆除件数が前年度の6頭から約17倍増となる106頭に上り、花沢公園周辺でもヒグマの目撃情報などが相次いだという。このため、26年度もヒグマの出没が懸念されることから、「人命が最優先であり、ヒグマ被害を発生させないことが最も重要」(担当者)として、計画延期を決定した。延期期間は今のところ1~2年程度を想定しているものの、担当課は「いつ再開すべきかは今後検討する。延期期間はまだ分からない」と説明している。
(シカによる食害で球根1万個全滅:群馬)
群馬県桐生市宮本町の吾妻公園で4日に始まる恒例のチューリップまつりが、花のない状態で開かれることになった。球根約1万個がシカによる食害で全滅したためだ。花苗の配布や写生大会などのイベントはあるが、主催する公園は「開花を楽しみにしてくれた市民に申し訳ない」としている。今年で62回目となるまつりではこれまで、園内14か所の花壇を約1万本のチューリップが彩り、毎年約3万人の人出でにぎわった。公園は、ハイキングなどを楽しむ人も多い吾妻山(481メートル)の麓にある。公園の管理事務所によると、昨年もまつりの前に球根の約3割をシカに食べられた。対策として、高さ2・5メートルのフェンスなどで侵入路をふさいだり、シカがにおいを嫌う木酢液を花壇の周囲にまいたりしたが、今年も2月下旬から被害が出始め、3月20日頃にほぼ全ての球根が食べられたという。管理事務所の担当者は「夜中に山から下りてきて掘り起こし、球根と芽を丸ごと食べられてしまった」と肩を落とす。市によると、市内のシカは増加傾向で、2015年度に199頭だった捕獲数は24年度には693頭に増えた。シカは山の斜面から柵を跳び越えて花壇に侵入するとみられる。管理事務所は市と相談し、さらに柵を高くすることを検討している。
(エゾシカ銃猟、流れ弾に不安:北海道)
苫小牧市樽前地区でのエゾシカの銃猟を巡り、樽前町内会は別々川近くの道路沿いや牧草地などに「発砲禁止」と書いたのぼりを10本設置した。同地区では、私有地に入って猟をするハンターや住宅地近くで銃声が聞こえるケースが増えており、流れ弾で人や住宅に被害が出ることへの不安が高まっていた。のぼりは幅45㌢、長さ150㌢ほどで、蛍光の黄色の生地に赤字で「発砲禁止」と印字した。同町内会で購入し、3月17日に設置した。胆振総合振興局や苫小牧署などによると、公道や公園、住宅集合地での猟銃の使用は法律で禁止されている。同地区では数年前から、民家の近くや原則使用禁止の日没後に発砲音が聞こえたり、私有地に勝手に入って猟をするハンターが目撃されたりする事例が後を絶たない。住民からは「人に弾が当たってからでは遅い」「シカの死骸が放置され、ヒグマを誘引してしまう」など懸念の声が上がり、今年1月に同振興局と市、同署などと共に勉強会を初開催。その際に出された対策を参考に、のぼりの設置に踏み切った。しかし、設置後も私有地での猟銃使用は無くならず、3月28日には野外で作業をしていた住民が銃声を聞き、ハンターを特定して110番通報した事例もあった。現場にも立ち会った鴻野一朗副会長(61)は「ハンターは2人で札幌市から来ていた。今後も地域で目を光らせ、見つけたら通報する対応を徹底したい」と話す。
(命がけのクマ駆除、最高裁判決がみせた考慮)
「そうは言っても、実際にヒグマが住宅地に出てきたらどうするんですか」。浅はかな質問だったと思う。猟友会砂川支部奈井江部会がヒグマ駆除に協力しない姿勢を示した2024年5月。部会長にそう問うた。「まあ、目の前にいたらやるしかないけどさ」と言いつつも、クマを猟友会だけに任せるのはおかしいのではないか、という憤りはよくわかった。まちの安全のために住民が平等にコストを払うべきなのに、と。「記者さんもやってみなよ。やればわかるよ」。
(クマ駆除の体制整備、猟友会頼みからの脱却を)
住民の安全を守るため、ハンターが果たす活動の公益性を重視した判決だ。クマ被害が深刻化する中、広く理解を得られる結論と言えよう。クマを駆除した男性ハンターへの猟銃所持許可を取り消した北海道公安委員会の処分について、最高裁は違法とする判断を下した。男性は道猟友会砂川支部長を務める。2018年に砂川市の要請で鳥獣被害対策を担う非常勤の公務員として駆除を行った。民家に向けた危険な発砲とみなされ、猟銃の所持が認められなくなった。判決は、弾丸が周辺の建物や関係者に当たる危険性は認めた。一方で、市から駆除を求められた経緯や近くにクマがいる緊迫した状況にあったこと、けが人が出ていない点などを考慮した。発砲は住民の命や暮らしを守るために行われた。猟銃の許可を取り消されれば活動が萎縮する恐れもあり、男性は「このままでは誰も駆除を引き受けなくなる」と訴えていた。判決はそうした公益性も踏まえ、丁寧に判断した。昨年度のクマによる人身被害は過去最多に上った。そうした中、市町村の判断で市街地での発砲を認める「緊急銃猟制度」が始まった。ただ、協力するハンターからは、けが人が出た場合などに責任を問われるのではないかとの声も出ている。環境省は「注意義務を果たす限り、刑事責任などの不利益を被ることは通常想定されない」と説明するが、不安を取り除く努力を続けるべきだ。事例を検証し、制度の改善を図ることも欠かせない。そもそもクマの駆除には公共の安全を守る目的があり、不測の事態も起こりうる。にもかかわらず、民間の猟友会に頼ってきたのが実情だ。猟友会は地域貢献として要請に応じてきたが、高齢化や担い手不足に直面している。公的機関が責任を持って対処する体制の整備を急がねばならない。国は、狩猟免許を持つ自治体職員「ガバメントハンター」の育成や警察官によるライフル銃での駆除に乗り出した。だが、経験や専門知識の蓄積には時間がかかる。冬眠を終えたクマの活動が始まる時期を迎えた。人とクマとの「すみ分け」を図るなど、あらゆる対策を強化する必要がある。
(「このままじゃヒグマ駆除なんて誰もしなくなっちゃうよ」)
7年前に猟銃所持の許可を取り消された北海道のハンター・池上治男氏(77)が処分の撤回を求めた裁判は、最高裁で逆転勝訴となった。猟銃所持の取り消し処分について最高裁が違法の判決を下したのは初めてという。その経緯を池上氏に語ってもらった。北海道の中央部に位置する砂川市からヒグマ駆除の要請を受け、池上氏が別の男性ハンターを伴って出動したのは2018年8月のことだった。北海道猟友会砂川支部長を務める池上氏は見事一発でヒグマを仕留めた。ところが翌年になって、池上氏が民家に向かって発砲したとして、砂川警察署が池上氏を鳥獣保護管理法違反と銃刀法違反の容疑で書類送検した。滝川区検察庁は不起訴としたが、今度は道公安委員会が池上氏の猟銃所持許可を取り消したのだ。市の要請を受けてヒグマを駆除したのになぜ? 池上さんは20年5月に処分の撤回を求めて札幌地裁に提訴する。ここから7年にわたる法廷闘争が始まった。21年12月、札幌地裁は池上氏の主張を認める判決を下したが、道公安委員会を所管する北海道が控訴。24年10月、札幌高裁は一審裁判決を取り消し、池上氏の主張を退けたため今度は池上氏が上告した。そして3月27日、最高裁が池上氏の主張を認める逆転勝訴となったのだ。「いやあ、7年は長かった」とは、当の池上氏である。それにしてもなぜ、それぞれの裁判所でまるで違う判決となったのだろう。「札幌地裁はそもそも建物に銃弾が当たっていないこと、そして銃が建物の方向を向いていたというけれど、建物は5メートルの高台にあって――真上から見た2次元の図面なら建物に向けて撃ったように見えるけど――、3次元で見たら銃は建物に向いていないことを認めてくれたんです。一方、札幌高裁では弾丸が岩などに当たって跳ね返る“跳弾”を重視し、危険だったということで負けたんですよ。でもね、そんなこと言われたら誰もヒグマ駆除なんて出動できないですよ」。――でも、池上さんの弾はヒグマ以外に当たっていないのでは?「それがね、連れて行ったもう1人のハンターがね、ヒグマを駆除した後におかしなことを言い出したんだよ。俺の撃った弾がヒグマを貫通した後に跳弾して、彼のライフルの銃床に当たったと……。俺がヒグマを撃った後に、彼が念のためとどめを刺しているんだけど、銃床が貫通した銃でとどめが刺せるのかね」。札幌高裁は跳弾による銃床の破損も重視した。その銃の持ち主は、今回の判決文にも現れるC隊員のことだ。《本件ライフル銃から発射された弾丸は、本件ヒグマを貫通し、C隊員が把持していた猟銃の銃床に当たって貫通した》とある。最高裁判決は続けて《本件発射行為によってC隊員に具体的な死傷の結果が生じたことはうかがわれないことにも鑑みれば、上告人が個人として受けている本件許可を取り消すことは、上告人に酷な面がある》として、銃床の破損を問題視していない。それどころか、こうした処分を行ったことが、民間人が鳥獣の駆除に《任命されること自体をちゅうちょさせる》《職務の遂行に萎縮的な影響を及ぼ》すことを危惧している。その上で最高裁は、道公安委員会の取り消し処分は《社会観念上著しく妥当を欠き、本件処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法》と断じた。「あくまでも高裁の事実認定を認めつつも、我々の言い分を認めてくれました。25年度は砂川だけでもヒグマの出没が200件を超えまたからね。本来なら警察が行うべき駆除を我々猟友会が代行しているわけです。それを違法とされたら担い手がいなくなってしまいます。それは弁護士の先生方も同じ考えだったと思います」逆転判決後に行われた記者会見では、3人の代理人たちが高裁判決を引き合いにしながら最高裁判決がいかに画期的なものかを熱弁した。池上氏も言葉少なながら質問に応じた。ところが、ある質問で池上氏が一変した。
(「本当に可愛いんだったら箱罠に入ったヒグマの頭を撫でに来い」)
7年前に猟銃所持の許可を取り消された北海道のハンター・池上治男氏(77)が処分の撤回を求めた裁判は、最高裁で逆転勝訴となった。その後の記者会見が思わぬ波紋を広げている。会見では裁判担当の記者たちが次々と質問した。共同通信、北海道新聞、NHK、東京新聞……当然ながら、いずれも最高裁での逆転判決についての質問だった。ところが、朝日新聞の記者がこんな質問をしたのだ。「そもそも猟友会のハンターに依存していいのかという国内の野生動物管理に様々な課題はあると思うが、クマとの共存に向けて今回の判決に抱く期待などはあるか?」。これに対して池上さんは、一瞬、戸惑ったような表情を浮かべたが……。池上:えーっと何? クマとの共存? あなた、クマとは共存できないよ。続けて一気にしゃべり出した。池上:“共栄”はなんぼかできるかわからないけれど、“共存”っていうのはまず無理! そこにクマが出た!(と騒ぎになったら)共存できないよ。それだけ危険だっていうこと。あるクマ好きの人から私の家に電話が来る。「人間75億人いるんだから、人間の1人や2人、やられてもいいんだ」。こうやって平気で私のところへクレームの電話が来るんですよ。だから、あなたもね、本当にクマが可愛いんだったら箱罠に入ったクマの頭撫でに来いって。すると(恐ろしさが)わかるから。池上氏の主張はまだ続く。池上氏:ロイターもCNNも来ました。このクマ問題で世界中が笑ってますよ。日本のヒグマ行政について。人間が被害に遭うってことの意味は生きたまま喰われるんだよ。腹から喰われるよ。そして後は埋める。土まんじゅう作るっていうのは、その肉を後から食べに行く。そういう実態を知らない人は簡単にクマとの共存って言う。あなたがそう思ってるんじゃないと思うけど、クマとの共存って言ってしまったら、その被害に遭ったご家族の方がどういう思いをされるかってことを考えないと駄目だ。クマと戦って助かる人はほとんどいませんから。ヒグマだったらなおさらそうだ。この天井まで高いのがヒグマですよ。そんなのと、野生動物と共存するって安易なことを言っていたら、本当に人間、どこでも少なくなっちゃうよね……。改めて池上氏に聞いた。――“共存”って言葉に反応したんですか?「いやいや、あの場でね、共存なんて言葉を使う人がまだいるのかと思って……」――クマの駆除が報じられると、自治体などにクレームを言ってくる愛護団体がいると聞いてはいました。「北海道の記者はね、私のところに取材に来るからわかっていると思うのさ。ハンターとして弟子になった記者もいるしね。でも、あの若い記者は見たことがなかったから、東京の記者さんかもしれないし、上司に聞いてこいと言われて質問したのかもしれない。シュンとしちゃって、ネットでも話題になっているようだから可哀想だったけれど、実際にクマが出たところでないとその恐ろしさはわからないからね。知らない人にはちゃんと説明しないといけないから」。最高裁での逆転勝訴を伝える朝日の記事に“共存”の文字はなかった。――会見ではクレームの電話が来るともおっしゃってましたね。「『75億人のうち1人や2人』って電話は、今回、裁判になった砂川のヒグマ駆除が報じられた後に、札幌で行われた駆除に対してのクレームだった。もちろん俺は行っていないよ。でも、北海道のヒグマ駆除は全部、俺がやっているかのように思われちゃっているみたいなんだ」。――他にはどんなクレームが?「まあ、みんな似たようなもんだよ。『あんなに可愛いのに』とかね。そりゃ小さいうちは可愛くも見えるし、街に降りてくるのは増えすぎて山にいられなくなった弱いやつですよ。それでも人間と比べたら力は比べものにならないし、手足に10本のナイフを持っているようなものだからね。それが人間の居住区に入ってきたら、何もしないわけにはいかない」。――裁判になった砂川のヒグマ駆除では当初、池上さんは子グマだから逃がすことを提案したそうですね。「そう。熊撃ちの人は別だけど、駆除で熊を撃ちたいとは思わないよ。弱っている子グマだったから誘導すれば山に帰ると思ったんだ。でも、市の職員が『3日連続で出没していて住民も不安を感じているからどうしても』ということで撃ったんだ」。――改めて勝訴して良かったと思います。さっそく道公安委員会は謝罪を公表しましたが、池上さんには連絡がありましたか?「ないよ。まあ代理人を通してということになっているからね。早く俺のライフルを返してもらいたいね」。
(朝日記者”クマとの共存”質問めぐり中傷相次ぐ)
猟銃の所持許可取り消しをめぐる裁判で、最高裁で逆転勝訴した北海道のハンターが開いた記者会見が話題になっている。新聞記者が「クマとの共存」について質問した際に、ハンターの男性から怒られたという触れ込みで会見の一部を撮影した動画が拡散されている。だが、弁護士ドットコムニュースが男性に取材したところ、「怒ったわけじゃない」と困惑した様子で答えた。最高裁は3月27日、北海道砂川市の要請を受けて出動したハンターの池上治男さんが猟銃所持許可を不当に取り消されたとして処分の撤回を求めた裁判で、北海道の処分を違法として取り消す判決を下した。池上さんは判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで、代理人の弁護士とともに記者会見を開いた。その中で、朝日新聞を名乗る記者が「クマとの共存に向けて今回の判決に抱く期待などはありますか?」と質問した。これに対して、池上さんは「えっと何、クマとの共存? あなた、クマとの共存はできないよ」と少し語気を強めるように答えた。このやりとりの一部始終を映した動画がXで、「朝日新聞記者さん、猟銃所持取り消し裁判で逆転勝訴した池上治男さんにめっちゃ怒られる」という文章とともに投稿されると、「池上さんマジでキレてるの草」「バカな質問だ」などの反応が相次ぎ、1万回以上リポストされた。弁護士ドットコムニュースの記者も当時、この会見場にいたが、ネット上で炎上状態になっていることは数日後に知った。実際の会見は、以下のような流れで進んだ。最初に、代理人の中村憲昭弁護士が最高裁で処分取り消しの判決が出たことを紹介。原告の池上さんが「メディアの人たちのおかげをいただき、感謝申し上げます。安心してハンターを頼れるような結論を出してもらった。非常にいい判決をもらった」などと簡単なあいさつをした。それから質疑応答が始まり、まず3月の司法記者クラブの幹事社を務める毎日新聞の記者が「(裁判を通して)議論が深まったと思うが、その点について一言いただきたい」と質問した。その後、各メディアが自由に質問する状況に移り、「判決の意義は?」「判決を受けてどのように活動していきたい?」「一緒に活動されてきたハンターのみなさんに伝えたいことは?」「どういった点がハンター目線の判決だった?」「判決に点数をつけるとしたら?」などといった質問が上がった。そんな中、会見から20分以上が過ぎた時に、その後ネット上で炎上状態となる朝日新聞記者による質問が出た。その際、確かに、池上さんは少し語気を強めた口調になったものの、全体としては、実際にクマと対峙してきた自身の経験から、クマによる人的被害が相次ぐ中で「クマとの共存」を重視する一部の世論に対して、クマの危険性をうったえる内容の話だった。池上さんは同時に、「あなたがそう思ってるわけじゃないだろうけど、クマとの共存っていうことを言ってしまったら、被害にあったご家族の方々がどういう思いをするかってことを考えなきゃダメだと思う」とも話していた。実際に、あの会見場にいた弁護士ドットコムニュースの記者の目にも、池上さんが質問者の朝日新聞記者に怒ったという風には映っていなかった。その後、朝日新聞記者の質問部分だけが切り取られた動画が拡散され、記者を揶揄する書き込みが続いた。そこで、弁護士ドットコムニュースは改めて池上さんに、こうしたネット上の反応について電話で話を聞いた。すると、池上さんは次のように話した。「私は怒ったわけじゃない。(ネット上の)コメントとかいうのは、相手がとんでもないことを質問したと思い込む人もいる。でも、あの場にいた人は分かるんじゃない?そんなおかしなことじゃなかったと思うけどね。あんまり『あいつが悪い』とかいう必要もない。質問の仕方が悪かったのかもしれないけど。間違えて捉えられたら困る」。会見の出席者やテーマ、時間にもよるが、筆者のこれまでの経験上、記者会見では一般的に、前半部分で当事者のコメントや細かい事実関係の確認に関する質問が集中する。これは速報ニュースに盛り込むための質問であるともいえ、各社の記者は必要性の高い質問から優先して尋ねることが多い。そして、ニュースを報じるために最低限必要なコメントや事実確認が得られた後に、質疑の時間がまだ残されている場合は、別の報道に活用できるようなコメントを取るための質問や、今後の取材で話を聞く相手を探す際の参考にするために会見出席者の考え方を事前に確認する質問など、会見の趣旨に関係のない質問をすることが少なくない。記者は一般的に、一つの機会でできるだけ多くの材料を引き出そうとする。そのため、当日扱うニュースに盛り込むつもりがなくても、別の取材や報道につなげられる可能性があれば質問をするというのは基本動作ともいえる。近年、記者会見の様子が生中継されたりオンラインで流されたりすることが珍しくない。最近では、日米首脳会談の際に、テレビ朝日の政治部記者がトランプ大統領に質問を投げかけた場面をめぐって、賛否両論を呼んだ。質問の稚拙さや記者の不勉強を批判するのは自由だが、会見の一部を切り取って当事者の思いまでをも歪めて発信するのは、マスメディアが批判されてきたことと同じ行為ともいえる。一方で、記者は質問をするのが仕事だ。ネット上の反応を恐れて質問をしなくなったら記者は終わりだ。
(だから「人食いグマ」は絶対に駆除しなければならない)
2025年、クマによる人身被害は統計開始以来最悪を記録した。それだけでなく、事故の内容がこれまでとは変わってきているという。一体何が起きているのか。25年以上にわたりツキノワグマの生態を研究し、『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社新書)を上梓した東京農工大学教授の小池伸介氏に聞いた――。――2025年度はクマによる人身事故が頻繁に報じられ、そのたび大きく話題になりました。実際に、事故の件数は例年よりも多かったのでしょうか。12月末時点でクマによる人身被害は236人にのぼり、うち13人の方が亡くなられました(ヒグマによる被害含む)。統計開始以来、死者数・被害者数ともに過去最悪となっています。ただ、2025年の問題は単に件数が多かっただけに留まりません。注目すべきは、事故の性質にこれまでとは異なる特徴が見られた点です。――研究者の目から見て、どういった違いですか?もっとも大きいのは、従来の知見では説明がつきにくい事故が相次いだことです。たとえば、おそらく多くの人が記憶しているであろう、岩手県北上市の温泉で清掃をしていた方が被害に遭われた事件がそうでした。あの事件で、クマは被害者の方を山へひきずっていってしまった。そういった行動はこれまでのクマによる人身事故では見られなかったのです。そのほかにも、街に出てきたクマは従来であればパニックになって逃げ回ることが多かったのに、非常に落ち着き払ったクマが見られたり、集落の中で複数人で行動していても襲われたりするケースが出てきました。死亡事故の中には、毎年発生するような山菜採りやキノコ狩り中のケースも含まれているので、今挙げたような事例が大半だったわけではありません。ただ、件数は少ないながらも、これまでとは違うケースが発生していたのはたしかです。――そうした変化が起きた理由は特定されているのでしょうか。正直に言えば「わからない」というのが今のところの結論です。クマというのは一頭一頭、人間的に言えば“性格”が違う。行動パターンも食べものも異なるため、「こうだったからこうなった」とは言いにくいのです。もちろんクマの分布が広がり、生息数も増えて警戒心が下がった個体が増えた影響はあるでしょうし、ほかにもクマ特有のきっかけが何かあったのかもしれないのですが、検証ができていないのが実情です。――凄惨な事件が起きるたびに、「クマ全体が凶暴化している」とも言われますが、実際そうした傾向はあるのですか?すべてのクマが一気に凶暴化したかのような報道も一部のメディアではありましたが、日本にいる何万頭ものクマが一斉にガラッと変わったかといえば、そんなことはありません。しかも昨年の深刻な被害は北東北に集中しており、日本全体で同じことが起きたわけではない。そこは冷静に見る必要があります。クマは基本的に単独で生きている動物ですから、森の中でクマ同士が「あそこに行ったらうまいものがあった」とか「人間は食べられる」といったコミュニケーションをとることはないんです。ただ、学習能力が非常に高いので、ある個体が何かのきっかけで「集落に行けば、楽に食べものが手に入る」と学習してしまった場合、その個体の行動を変える可能性があります。そして、そういった特殊な学習や経験をしたクマが増えてきたのは間違いないと思います。――学習はどういったプロセスで起きるのでしょう?たとえばキャンプ場で生ゴミや人間の食べものが放置されていると、自然界にはない強い匂いがしますよね。クマからすると気になるわけです。おそるおそる行ってみて、食べてみたらおいしい上に高栄養だった。そうすると「これは食べものだ」と認識するし、「山の木の実を探して食べるより楽だ」と学びます。そして「じゃあもっと探そう」となり、キャンプ場だけだったのが「同じ匂いがする」とホテルの厨房に行き、そこでも食べられたら「じゃあもうちょっと奥まで行ってみよう」と食堂まで進んでいき……となっていく。あるものと食べものが結びつき、そのほうが効率がいいと気づけば、どんどんそちらを選んでいくようになります。クマは基本的に警戒心の強い動物ですが、警戒心と欲求のバランスがあるんです。人間が何もしてこないと、警戒心がだんだん下がっていく。欲求だけがどんどん高くなると、行動に歯止めがかからなくなります。生ゴミのような高カロリーの人間の食べものは、クマからすれば果実などと違って、食べ尽くしてもいつの間にか補充されているものですよね。その経験から行動依存を強め、執着するようになるんです。――クマが人間を襲って食べるのも、学習によるものなのでしょうか。クマからすると、山の中で人間はただ面倒くさい存在であって、食べものとして認識はしていません。けれど何かのきっかけで「あの動物は食べられるんだ」と学ぶと変わってきます。最初は遭難した方の遺体をたまたま食べただけかもしれない。けれどそこで「人=食べもの」あるいは「人=食べものを持っている存在」という認識ができてしまうと、次は人を見たら襲ってやろう、食べてやろうとなりかねません。だからこそ、食害が発生した場合、そのクマは絶対に駆除しなければなりません。――そうした学習をしてしまったクマをそのままにしてはいけない、と。さらにいえば、人里に出てきて「人間は何もしてこない」と学んだクマも本来は排除すべきです。今は実害がなくても、その先にエスカレートする可能性がありますから。北海道では事故を起こしたクマの遺伝子情報をデータベース化しているのですが、それにより、昨年駆除されたクマが実は4年前にも女性を襲った個体だったと特定されました。やはり一度出てきてしまったクマは排除するしかないんです。――ここまでは個々のクマの学習についてのお話でしたが、学んだことが世代を超えて受け継がれていくことはあり得るのでしょうか。クマは生まれてから1年半は母親と一緒にいて、食べられるものや安全な場所、冬眠のやり方などを学びます。その影響が非常に大きいんですね。面白い研究報告があって、クマが木の皮を剥いで食べる「樹皮剥ぎ」という行動は、森の中のクマがみんなやるわけではなく、特定のメスの家系しかやらないんだそうです(※)。つまり、母親から教わったクマはやるけど、教わらなかったクマはやらない。それぐらい、母親から学んだことがその後の生活のベースを決定するんです。※北村芙美(京都大学大学院農学研究科)、大西尚樹(東北支所生物多様性研究グループ)「針葉樹の樹皮を剥ぐツキノワグマの特徴」――ということは、もし母グマが「人里は危険ではない」と学んでいれば、子グマもそう学んでしまう。そうなんです。そしてもうひとつ注目すべき要因があります。クマのオスはメスを発情させるために子殺しをすることがあるんですね。ですから、子連れの母グマはオスを必死に避けようとします。北海道の知床半島では、昆布番屋の周りに親子グマが多くてオスがいないことが観察されています。スカンジナビア半島でも、繁殖期にメスが人のいるところの近くで子育てをすることが知られている。オスへの警戒心と人間への警戒心を比べたときに、人間のほうが“マシ”なんでしょう。まだ本州では実証されていない仮説ですが、ここ5年、10年で警戒心の低いクマが急激に増えてきた背景には、同じことが起きている可能性はあると考えています。集落の周辺で母グマが子育てをし、そこで育った子が「人間は怖くない」と学び、さらにその子もまた集落の近くで育つ。こうした世代を超えた蓄積が進んでいるとすれば、非常に怖いことです。――春を迎え、これからクマの活動が活発になってきます。2026年も2025年同様に被害数が増える可能性は高いのでしょうか。基本的に、春先はクマがそれほど出ません。草木の芽が出る季節ですから、山の中に食べものがある。一方で集落には柿も栗もないので、通常は春の出没は少ないんです。ただ、ちょっと気になるのが、2月中旬あたりから東北で家屋への侵入や出没のニュースがちらほら出ていることです。大体が体長50~60cmの個体だったと報告されています。大きさからして、おそらく昨年生まれたクマでしょう。昨年は駆除数が1万頭を超えましたから、母親が駆除されてはぐれてしまった子グマがいるはずです。山ではなく廃屋や集落の近くでなんとか冬眠した個体が、目を覚ましてフラフラと出てきてしまっている可能性があります。そういう意味では、春先の出没もそれなりの件数があるかもしれません。――秋以降についてはどう予想されていますか?さすがに北東北で何千頭と出没するようなことはないと思います。かなりの数を捕獲しましたし、どんぐりの実りもおそらく去年ほどは悪くない。ただ昨年も、北東北ではどんぐりが凶作だったけれど、全国には豊作だった地域もあるんです。ということは、今年も日本のどこかは凶作になるわけです。そうした地域で例年より多くのクマが出てくることはあるでしょう。もうひとつ気になるのは、対策の効果が表れるかどうかです。政府は2025年11月に「クマ被害対策パッケージ」を発表し、環境省では2026年度の補正予算案でクマ対策を大きく積み増しました。一部の自治体では、集落周辺のクマの個体数調整や、緩衝帯の森林整備にお金を投じる動きが出てきています。ですが、多くの自治体はまだ「出てきたクマをどう捕獲するか」に重点を置いている。それは対策ではなく「後始末」なんですよね。そもそも集落に出てこないようにするための対策が進まず、そこにどんぐりの凶作が重なればまた多くのクマが現れてしまう。各地域のどんぐりの豊凶と、行政の取り組みの内容・スピード感、この2つが今年の出没の規模を左右すると思います。
(クマは“凶暴化”していない、前環境相が提言)
昨年から日本全国で相次いでいるクマ被害。冬眠明けのシーズンとなり、全国各地で目撃情報が相次いでいる。2025年度の被害規模は、クマに襲われて命を落とした人は13名、傷を負った人は223名となり過去最大だ。クマ被害を抑制するために必要な方策を前環境大臣・浅尾慶一郎氏が提言する。ドングリが凶作の年にはオスグマも山林を出て、人間の生活圏に来ていると思われますが、大きくて強いオスグマは、凶作であっても、山林内でエサを確保できるので、山林を出ることは少ないようです。凶作の年は母グマと子グマ、小さくて弱いオスグマが、山林から押し出されて人間の生活圏に来ていると見られます。このようなメカニズムを経て、アーバンベアが増え、クマの被害が大幅に増加したのです。クマの食性が草食から肉食に変わり、人間を食べるために山林から出てきているのではないか。人間を警戒して近づかないはずのクマが凶暴化し、人間への恐怖を感じなくなってしまったのではないか。巷では、そのような推測が飛び交っていますが、それらはまだ科学的に確認された事実ではありません。クマの食性や、人間を恐れ、できれば遭遇したくないという習性は依然として変わっていないと考えられます。生息域が拡大し、ドングリの豊作の年が増えたことで、個体数は増えたものの、凶作の年が訪れるペースも上がったために、エサにありつけなくなったクマは、エサを求めてやむなく山林を出ざるをえない。昔なら、そこは里山だったけれども、今では山林を出たらすぐに人間の生活圏になっているために、人間と遭遇する確率が高くなった。そして、クマと人間は残念ながら、同じ空間に一定の時間以上いると、自分の身を守るためにどちらかが相手を攻撃せざるをえない。結果としてクマ被害が大幅に増加した。とするならば、ドングリの凶作の年にクマがエサを求めて山林を出ても、そこにエサがなく、身を隠す場所もなく、人間もあまりいないようなエリアを作るのが最も賢明で根本的なクマ対策になるはずです。クマが山林を出ても、そこに広がるのが人間に見つけられやすい草原など開けた場所で、しかもエサがないことを学んでいけば、やがて山林を出なくなるでしょう。かつてはクマの生息域と人間の生活圏の間には、里山のような「緩衝地帯」があり、それが人間とクマの共存(棲み分け)を可能にしていました。しかし、これまで述べてきたように里山は減少し、「緩衝地帯」は消え、クマの生息域と人間の生活圏が近接してしまいました。であれば、再び「開けた緩衝地帯」を人工的に作り出すしかありません。それこそが私が提唱したい「自然の管理」です。そのために具体的には何をするのか。最後にそれを述べましょう。第一にすべきことは、すでに述べたように、クマの生息域と人間の生活圏の間に数キロにわたる「緩衝地帯」を設け、そこに生えている木をできるだけ伐採し、見晴らしの良い草原などにすることです。国の予算におけるクマの対策費は、2025年度の6億円(前年度補正予算との合算)から大幅に増える見込みですが、「自然の管理」を全国で行うにはそれだけでは到底足りませんから、できるだけお金を使わない方法で、クマ対策を実施していく必要があります。その知恵を絞るために環境省が中心となって、昨年10月からクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を設けました。緩衝地帯を設けるコストを下げるためには、そこで収益を上げる仕組みを作ることが鍵になります。
(イノシシの生態を知り、電気柵・捕獲・環境整備の三本柱で農地を守る:新潟)
2026年2月25日~27日に新潟市で開催されたAGRI EXPO新潟2026では、前長岡技術科学大学准教授で株式会社うぃるこ代表取締役の山本麻希さんが「イノシシの効果的な被害対策について」と題して講演した。イノシシの生態から電気柵の正しい運用法、捕獲の要点、さらに地域ぐるみの獣害対策まで、講演内容を抜粋してお届けする。まず山本さんは、イノシシの基本的な生態について解説した。時速50キロ以上で走り、1メートルほどジャンプでき、鼻で70kg以上を持ち上げられる。イノシシは雑食性が非常に強いが、自然環境下では鼻で土を掘り、山芋やくずの根といったでんぷん質の塊茎・塊根を主食としている。この「掘る」習性が、あぜや法面の土木的な被害にもつながっている。新潟県を含む北陸・東北の日本海側では近年、急速に個体数が増加。2024年度は過去最高の被害額を記録し、その90%以上が水稲の被害だという。繁殖力も脅威だ。平均で年に約4.5頭を産み、メスは1歳で85%が妊娠する。「増加率は1.64倍。哺乳類中最大の増加速度」と山本さん。家族単位で行動するため一度に十数頭が農地に侵入し、一晩で田んぼの稲の3分の2が倒されることもある。一度でもイノシシが侵入した田んぼの米はJAが買い上げないケースも多く、「一回でも侵入を許すとその田んぼ一枚がダメになる」と被害の深刻さを強調した。加えて、マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症リスクも高まっている。「農作業から帰ったら身体にダニがついていないかを確認しましょう。刺された後に微熱が続くなら、病院で必ず『ダニに刺された』と伝えてください」と注意を呼びかけた。続いて、被害防除の具体策として電気柵の正しい運用方法を解説した。かかしや音・光による対策は、動物が慣れるため長期的な効果は期待できない。「物理的に柵で入れなくするか、電気の痛みを学習させて入れさせないか。このどちらかしかありません」と山本さんは明言した。電気柵は、地面のアースとワイヤーの間にイノシシの体で回路を形成させ、電気ショックを与える仕組み。そのためアスファルトや厚手のゴム製防草シートの上では効果が下がる。新潟県のように大型個体が多い地域では、ワイヤーの間隔を下から15cm・15cm・20cmに設定することを推奨している。「下の隙間が開くと、たてがみの硬い頭から入ろうとする。最初の一発目で必ず鼻に触れさせることが重要だ」という。電圧管理も重要だ。「設置初日にボルトチェッカーで電圧を測り、本体の裏に油性マジックで記録してください。そこが最大出力です」と山本さん。電圧が6000Vでスタートした場合、初期電圧より1000ボルト以上下回ったら草刈りして電圧を回復させ、常時4000~6000Vの範囲で維持することが目安だという。毎年の設置・撤収が負担になる地域に向けては、常設型のフェンシングワイヤータイプも紹介した。「電気柵を適正に張れば、被害ゼロが実現できます。私自身、中山間地で田んぼを借りて稲作をしていますが、周囲がイノシシ被害を受けている中、一度も侵入を許していません」と、山本さんは自らの実践を交えて語った。個体数管理について、山本さんが最初に強調したのはイノシシの行動圏の狭さだ。「農地を荒らしている個体は、その農地から200~300m以内にいます」。北杜市での調査でも、林縁から200m以内に行動圏の75%が含まれるという結果が出ている。この事実を踏まえ、山本さんは「山の10頭より里の1頭」と強調。「山奥で頑張ってたくさんのイノシシをとっても、農地の近くにいるこの1頭を捕獲しない限り、被害は絶対に止まりません」。捕獲の手法としては箱わなとくくりわなが中心となる。箱わなでは「母イノシシが疑いなく入るまで待つこと。早くトリガーをかけすぎると親はスレ個体(捕獲失敗の際に取り逃がして捕獲ができなくなる個体)になり二度と入りません」。一度でも罠で失敗した個体の再捕獲率はわずか3.9%。「有害捕獲では1頭も逃すなと師匠に言われています。1頭逃せば、年に4頭産み、8年で32倍になって返ってくる」。捕獲の成功には「ハード(道具・罠)×ソフト(技術)」の両方が不可欠であり、何よりも「スレ個体を作らない」ことが最重要だ。新潟県ではくくり罠による捕獲研修会を定期的に開催している。演の終盤、山本さんは猟友会の高齢化と担い手不足という現実に触れた。「猟友会の平均年齢は68歳くらい。猟友会員がゼロの集落もすでにいくつも出てきています」。こうした中で、集落住民が自ら獣害対策に取り組む体制づくりが急務だという。わな猟の一連の作業のうち、狩猟免許が必要なのは「わなの見切り(設置場所の選定)」「わなの設置」「止め刺し」の工程のみ。林道整備やわなの見回り、搬出、解体は免許がなくてもできる。「少ない狩猟者を集落の皆さんが手伝い、みんなで自分たちのイノシシを取っていく体制が今後は絶対に必要になります」。山本さんは、こうした体制づくりの入り口として「集落環境診断」を推奨する。うぃるこ式の手順では、まず予備診断と集落勉強会で住民・行政・専門家が鳥獣被害対策の基本を共有する。その後、現地を一緒に歩いて集落地図を作成し、ワークショップで対策方針と合意形成を行う。「医療と同じです。お腹が痛ければ病院で検査して診断し、治療する。獣害も、ちゃんとプロと一緒に診断をしましょう。大事なのは対策を実行できるかどうか。診断だけでは、病気は治りません」。この集落環境診断から始まり、見事に成果を上げたのが、新潟県村上市の越沢(こえさわ)集落だ。山形県境に近い山北地域に位置し、人口123人・44世帯(2023年8月時点)の小さな集落である。海から3キロ、山・川・田に囲まれた自然豊かな環境だが、10キロ圏内に猟友会員が一人もいなかった。越沢集落では2014年にサル対策の集落環境診断を実施し、翌年にはサル被害ゼロを達成した実績がある。しかし2020年、今度はイノシシ被害が深刻化し、再び集落環境診断を実施。電気柵の導入と同時に捕獲体制の構築に着手した。2014年には兵庫県出身の地域おこし協力隊員・神吉能宣さんを迎え、集落住民2名(農家)もわな免許を取得。うぃるこ社員が現地指導を行い、1年で18頭の捕獲に成功した。現在は、わなかけの上手な人が設置を担当し、見回りは免許を持たない住民が担い、捕獲後はみんなで解体して集落公民館でジビエとして楽しむという、役割分担の体制が確立されている。この取り組みは2025年度の鳥獣被害対策優良活動表彰で農村振興局長賞(被害防止部門)を受賞した。講演を締めくくるにあたり、山本さんは「猟友会がいないからと諦めないでほしい。プロが教えれば、1年で捕れるようになります」と力強く語り、参加者にエールを送った。山本さんが代表を務める株式会社うぃるこでは、「野生動物との共存を目指す」を掲げ、集落環境診断や捕獲研修会の実施、常設型電気柵の導入支援、ICTを活用した捕獲の効率化など、現場に寄り添った獣害対策の伴走支援を全国で展開している。イノシシ被害にお困りの方は、同社や各市町村の鳥獣被害担当窓口に相談してみてはいかがだろうか。
(山道でイノシシと激突!「自賠責保険が使えない」残酷な現実:「フルタ自動車鈑金」)
こんにちは。岐阜県岐阜市雪見町、県道岐阜各務原線(長良橋通り)沿いの鮮やかな「ターコイズブルーの看板」が目印の「フルタ自動車鈑金」代表の古田昌也です。本日2026年4月3日、岐阜市内は桜が葉桜になっております。岐阜県は少し車を走らせれば、郡上や飛騨、揖斐方面など、美しい山々と大自然を満喫できる素晴らしい環境です。しかし、春になり暖かくなると、冬眠から目覚めた「彼ら」も活発に動き出します。今回は、岐阜のドライバーなら決して他人事ではない「野生動物(鹿やタヌキ、イノシシ)との衝突事故」の恐ろしさと、あるお客様の体験談をもとに、知られざる「保険の罠」、そしてフルタ自動車鈑金が提供する絶望からのリカバリーについてお話しします。これは先日、当店に青ざめた顔で駆け込んでこられた岐阜市内にお住まいのS様(40代・男性)のストーリーです。週末、ご家族で山間部の温泉へ向かい、すっかりリフレッシュして帰路についていた日曜日の夜。街灯の少ない山道を時速50キロほどで走行していた時のことです。突然、右の茂みから巨大な黒い影が飛び出し、S様の愛車のフロント部分に激突しました。急ブレーキを踏み、心臓をバクバクさせながら車を安全な場所に停めて確認すると、なんと立派な体格の野生のイノシシでした。不幸中の幸いでご家族にケガはありませんでしたが、車の状態を見てS様は絶句しました。フロントバンパーは無惨に割れ、ヘッドライトは粉々。ボンネットはひしゃげ、ラジエーターから冷却水がシューシューと漏れ出しています。「でも、自賠責保険や車の保険に入っているから大丈夫なはずだ……」。そう自分に言い聞かせ、翌日、保険会社と購入した量販店へ連絡をしたS様を、さらなる絶望が襲うことになります。事故の翌日、保険会社に電話をしたS様は、担当者から信じられない言葉を告げられます。「S様、誠に申し上げにくいのですが……動物との衝突事故では『自賠責保険』は一切使えません。さらに、お客様がご加入の任意保険(車両保険)は『エコノミー型(車対車限定)』のため、今回の修理代はお支払いできないんです」。S様は頭の中が真っ白になりました。なぜ保険が使えないのでしょうか? ここには、多くのドライバーが勘違いしている罠があります。車検の際に必ず加入する「自賠責保険(強制保険)」。これは、事故の相手である「人間」を死傷させてしまった場合の対人賠償に特化した保険です。法律上、野生のイノシシやタヌキは「モノ」として扱われます。そのため、動物を轢いてしまった事故は「自損事故(単独事故)」と同じ扱いになり、自賠責保険は1円も下りません。任意保険の「車両保険」には大きく分けて2種類あります。一般型:当て逃げ、自損事故、動物との衝突でも補償される。エコノミー型(限定型):「車と車」の事故などに限定され、自損事故や動物との衝突は補償対象外。保険料を節約するために「エコノミー型」にしていたS様は、保険からの修理代が出ず、すべて「全額自己負担」になってしまったのです。もし、あなたが山道で動物とぶつかってしまったら、パニックにならずに以下の行動をとってください。1. 安全確保と二次被害の防止:ハザードを焚き、安全な場所に車を停めます。動物が倒れていても、むやみに近づかないでください(パニックになったイノシシの蹴りで大怪我をする危険があります)。2. 必ず「警察(110番)」へ連絡を!:「動物相手だから…」と警察を呼ばずに帰ってしまうと、「交通事故証明書」が発行されません。もし車両保険(一般型)に入っていたとしても、証明書がないと保険金が下りなくなるため、どんな小さな接触でも必ず警察を呼んでください。
(クマは栄養状態良くても人里出没か)
クマは栄養状態が良くても人里に出没する――。島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科の沢田誠吾科長らの研究チームが、こうした調査結果をまとめた。環境省の専門家会議「クマ保護及び管理に関する検討会」で検討委員も務める沢田科長は、栄養不足だから出没するという一般的な見方を覆す結果だとしている。研究チームには沢田科長のほか、東京農工大の小池伸介教授らが参画。2003~18年、島根県内を対象に集落の近くで捕獲されたり、交通事故で死んだりしたツキノワグマ651頭の脂肪量を計測した。その結果、秋の主食ドングリが凶作だった04、08、10、16年のいずれも10月でみると、内臓脂肪率は平均40%で、栄養状態が良好だとされる35%を上回っていた。5月も40%で、12月は60%に達していた。豊作・並作の年では、12月が50%だった。沢田科長によると、クマは栄養状態が良くても、冬眠までに少しでも脂肪を蓄えようと食べ物を探し続ける。食べ物があるから人里に出てくるという。一方で、栄養状態の良いクマは、食べなければならないという切迫性は低い。沢田科長は「人里に食べ物がなければ、クマにとって出没のメリットはない。放置果樹の伐採などを徹底すれば、出没を減らせる」と分析している。今回の調査では、人里に出没したクマの内臓脂肪率は、凶作の年の方が豊作など実りの多い年より高いことも判明した。ドングリ類は、凶作年の前年が豊作などになることが多い。沢田科長は「前年秋に蓄えた脂肪は1年かけて使われる。凶作年の内臓脂肪率が高いのは前年に多くの食べ物を摂取できたためだろう」と推測する。
(東京はすでにクマに囲まれている…専門家が「ここまで侵入する可能性がある」と警鐘を鳴らす"要警戒エリア")
2025年は東北各地や北海道などで街中にクマが現れた。いずれ東京都心にも出現する可能性はあるのか。25年以上にわたりツキノワグマの生態を研究し、『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社新書)を上梓した東京農工大学教授の小池伸介氏に聞いた――。――本書のタイトルは『クマは都心に現れるのか?』ですが、この答えはすでに出ているのでしょうか。可能性は十分にあります。航空写真で見るとわかるのですが、関東平野の周りは山林が取り囲んでいて、千葉県と茨城県を除けばその山林とクマの分布域はほぼ一致しているんです。つまり、すでに首都圏はクマに囲まれている。現在の東京都のクマの分布の最東端は青梅市や日の出町周辺、それから高尾山のあたりです。札幌や富山など、すでに市街地にクマが出没した都市の事例を見ると、クマは山間部から河川敷や河岸段丘をつたって移動し、本来の生息地から遠く離れた街の真ん中に現れています。東京でも構造は同じです。多摩川の河川敷は近年樹林化が進んでいて、クマからすれば奥多摩の森から線状につながった細長い森でしかない。日常の探索活動としてその中を進んでいるうちに、気づいたら本来の生息地からかなり離れた場所まで来てしまうことは十分にあり得ます。――青梅から先、どこまで来る可能性が考えられますか?クマにとって数十kmの移動は日常の範囲です。首都圏の距離感でいえば、青梅から多摩川沿いに立川、府中、調布あたりまでが、その「数十km」に収まってしまう。実際、青梅の多摩川河川敷ではすでにクマが目撃されています。このまま何もしなければ、今の分布域の先で目撃が増えていくことになるでしょう。――東京にもクマが現れる可能性があるとなると、もし街中で遭遇した場合にどうすればいいのか知っておきたいです。正直に言えば、できることはほとんどありません。ただ、山の中と違って市街地では、近くの車や建物に逃げ込めるというオプションがありますよね。実際にそうすることで被害を免れた方もいます。ですので、もしそれができるなら、まず車なり建物の中に入ることだと思います。あとは、特に慣れない土地に行く際には、自治体が出しているクマの目撃情報をチェックしてほしいですね。クマが確認されているエリアを事前に把握しておくだけでも、リスクは下げられます。――本書を読んでもっとも認識を改めたのが、クマが人里に現れるようになった背景でした。「人間が自然を壊したから」ではなく、むしろ逆であり、そこには社会構造が関係しているのだ、と。かつてはクマのいる奥山と人の暮らす平地の間に、農業や林業を営む中山間地域がありました。人がそこにいること自体が、クマと人を隔てるバッファーの役割を果たしていたんですね。ところがこの40~50年で日本社会は大きく変わり、高齢化や過疎化により中山間地域から人がいなくなった。そして耕作放棄地が森に戻っていくことで、クマを含む動物が住めるエリアがじわじわと広がっていったんです。過去40年間で、ツキノワグマの分布域は約2倍になっています。しかも物理的な距離が縮まっただけでなく、山から人の気配が消えたことで、クマにとっての心理的な障壁も薄れてきたと考えられます。山林が破壊されたからではなく、人がいなくなったことが今の状況を生んでいるんです。――「山に住めなくなって人里に出てきた」という誤解は根強く存在していると思います。たしかに高度経済成長の頃は日本が元気で人口は増えていたし、林業も盛んで奥山を開発していました。けれどもそれはせいぜいバブルの頃までの話です。わざわざ奥山の木を伐って売るなんて、今の人件費ではコストが悪すぎて到底考えられないんです。大規模な造林が行われたのも1980年代頃までで、それ以降の人工林の面積は変わっていません。ところがニュースで「どんぐりが不作だからクマが山から出てきました」とだけ伝えられると、「食べものがなくてかわいそう」「人工林のせいで住めなくなった」というわかりやすいストーリーが簡単に作られてしまう。そして多くの人がそれで納得してしまうんですよね。だからこそ世論が「かわいそうだから殺すな」「全部駆除してしまえ」と二極化してしまうのだと思います。――過疎化や高齢化が背景にあるとなると、クマに対して対策するだけでは問題が解決しないように思えます。そうですね。みなさん「クマ問題」とおっしゃるんですが、これは「クマの問題」ではありません。地方が抱える構造的な問題を、たまたまクマが表面化しただけなんです。高齢化した集落では、昔なら収穫した柿を干し柿にしたり栗を出荷したりして稼いでいたのが、今では自家消費すらせずに放置されています。それがクマの誘引物になってしまう。被害に遭うのも高齢者が中心です。そして出てきたクマを排除する人手も足りていないし、野生動物の問題に向き合う専門の人材も足りていません。今までは片手間でやってなんとかなっていたけれど、その限界を越えてしまった。秋田や岩手はもう目先の対応で精一杯です。一つの県でどうにかなるレベルではなく、国全体で考えなければいけないところまで来ていると思います。日本がこの先30年、50年でどうしたいか、地方を切り捨てるのか、あるいはどうやって残すのか、それぐらいの課題が突きつけられています。――2025年はクマに関する報道が過熱し、世間の関心もかつてないほど高まりました。日本におけるクマの捉えられ方は変わったと感じますか?先ほど「世論が二極化している」と言いましたが、昔から「クマがかわいそうだから殺さないで」という人も「全部駆除してしまえ」という人もいたんです。ただ、どちらでもなくてフワッとしている中間層の人が多くて、だから極端な意見が目立ってなかった。ところが、そうした中間層の人たちの中にも、昨年を通じて両極に寄ってしまった人はそれなりにいた印象があります。片方は「全部駆除しろ」と言い、もう片方は「殺すな」「何十億円という税金をクマを殺すためだけに使うのか」と主張する。そしてどちらにも共通するのは、正しい情報にアプローチしようとしないことです。――そうした状況を変えるには何が有効だと思われますか。やはり中間層だった人たちを元の位置に連れ戻すということだと思います。その層はまだ情報を得ようとするし、ニュートラルな姿勢がある。そのためにいろんな媒体を使って発信し続けることも、私たち研究者の責任ではあるのかなと思っています。――「かわいそう」でも全面駆除でもなく、クマと共存するためには何が必要なのでしょうか。人間とクマが同じ時間帯・同じ場所に一緒にいることは絶対にできません。だから、適度な距離を維持する「すみ分け」が必要になる。そのためには、クマに対して常にプレッシャーをかけ続け、居てはいけないところのクマは獲り切ることが必要だと考えています。油断すればクマはすぐに人間の領域を侵食してきます。今の状況はまさにそうして生まれてしまった。クマを森に押し戻す力をかけ続け、クマと人間の新たな関係を構築することでしか共存は成立しないのです。
(タイワンリスが過去最多の出没:神奈川)
特定外来生物のクリハラリス(通称・タイワンリス)に関する藤沢市内の相談、捕獲件数がともに過去最多となっている。相談は市内ほぼ全地区から寄せられ、市は引き続き捕獲、駆除に力を入れている。市環境保全課に寄せられたタイワンリスの2025年度の相談件数は、昨年12月時点で187件となり、24年度総数78件から約2・4倍の増加となった。捕獲件数も今年2月末で289件と、前年度総計156件から約1・9倍に増えている。タイワンリスは、腹部に栗色の毛が生えたリス。生態系への悪影響や生活被害防止の観点から国の特定外来生物に指定されており、飼育や放出、運搬などが禁止されている。神奈川県は効果的な防除に向け24年3月に「防除実施計画」を策定。藤沢市は同計画内で「分布拡大区域」に区分され、住民の通報に応じた防除の必要性が示された。市は捕獲件数増の要因の一つとして、計画策定後に設置された檻の数の増加を挙げている。市では現在、緑地での捕獲の他、被害相談のあった市民への檻の貸し出しなどを行っている。捕獲件数は檻の総数の他に、農家が独自で捕獲した数も含まれている。被害相談件数増について、被害を確認した地域が以前より北上したことが要因の一つとして挙げられる。同課の担当者は「市内のほとんどの地区で目撃されている。生息地が東海道線をまたいだことは確実ではないか」と警戒感を強めている。相談には「庭の果物や木が食べられた」「家庭菜園が荒らされた」などの声が多く寄せられている。昼行性のため目撃しやすく愛らしい見た目が特徴的だが、「見かけても餌付けなどは行わないでほしい」と同課担当者。被害があった場合の相談を引き続き受け付ける。檻の貸し出しは、年度につき1回(1カ月間・延長3カ月)。市は「捕獲しなければどんどん増えていく。今後も取り組んでいく」としている。
(イノシシ被害増、果樹園掘り農機入れず:青森)
青森県南部町の果樹園で近年、イノシシによる地面の掘り起こし被害が目立っている。土中のミミズなどを食べるための行動とみられ、地面の土や草がめくれ、でこぼこになった状況が農作業の大きな障害になっている。同町小向地区にある坂本昌人さん(56)のリンゴ園地では、昨年に続き、今年も掘り起こしの被害があった。トラクターや農薬散布のためのスピードスプレーヤーといった農機が入れない状態という。坂本さんは「今年はさらにひどい被害で、この先どうなるのか…。復旧するにも手間がかかるので、(行政には)補助などをしていただければありがたい」と語った。同地区の泉山俊春さん(47)の園地でも同様の被害が起こっている。泉山さんは「3年ぐらい前から被害に遭っているが、面積は年々大きくなっている。草刈りも大変。農作業に遅れが出る」と嘆いた。町によると、掘り起こし被害は町内の各地で増えており、町は猟友会とわなを設置するなど対策を取っている。4日には自民党の神田潤一衆院議員や夏堀浩一県議、工藤祐直町長、地元町議らが現地を視察した。神田氏は「農業被害額には含まれないこのような隠れた被害や、農作業への負担があることを、しっかり国に伝えていく」と話した。
(津山線で遅れ、列車がシカと接触:岡山)
JR西日本によると、津山線で1日午後7時50分ごろ、玉柏ー牧山駅間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。このため、同線の一部列車に約15分~20分の遅れがでている。
(エゾシカ現況マップ(捕獲情報/年度別)について:北海道)
近年、エゾシカの分布拡大や個体数増加によって人とのあつれきが深刻化しています。対策を効果的・効率的に実行するためには、エゾシカに関する様々な情報を集約し、地図上で可視化することが重要です。道総研エネルギー・環境・地質研究所で、エゾシカの捕獲に関する情報を地図化し、時系列の変化を表示することが可能な「エゾシカ現況マップ(捕獲情報/年度別)」(現況マップ)を開発したので紹介します。
(ハンターの"管理の手間"を、まるごと支援:北海道)
UncommonProduction株式会社(所在地:北海道札幌市中央区南二条西24丁目2-10、代表取締役:朝倉 渉)は、銃猟を行うハンターのための狩猟支援アプリ『HunterKeeper(ハンターキーパー)』を提供開始いたします。許可証の更新管理から実包の在庫管理、日々の狩猟記録、報告書の作成まで、狩猟に関わるあらゆる管理業務をひとつのアプリでサポートします。スマートフォンでも、パソコンでも。どこからアクセスしても、常に最新の情報を確認できます。銃砲所持許可の更新申請は、誕生日の2ヶ月前から1ヶ月前のわずか1ヶ月間しか受け付けられません。早すぎても遅すぎても申請不可。この独特のルールが、更新忘れを生み続けています。装弾帳簿は法令上3年間の記録保存義務があり、手書きでの管理は記入漏れや年次集計の手間が常につきまといます。警察・自治体への報告書も毎シーズン手作業。さらに猟友会に入っていなければ、講習日程や助成金情報すら届かない。そんなハンターさんの声に向き合い、HunterKeeperは生まれました。
(鹿肉ソーセージ、「信州伊那のすぐれもん」に認定:長野)
長野県伊那市の市観光協会は3月27日、市特産品を「信州伊那のすぐれもん」として新たに5品認定した。認定されたのは信州高遠ジビエ加工センターの「鹿肉ソーセージ」と、これを桜のチップでスモークした香ばしい香りの「燻製(くんせい)ソーセージ」など5品。ソーセージは、市内で有害獣として捕獲された鹿の肉を利用しようと、同市のソーセージ専門店「ブッチャー」と開発。同センターの藤川昌樹センター長によると「若く癖のない鹿肉を使い、ハーブや豚肉も入れて食べやすくした」という。
(田畑荒らすイノシシを犬のおやつに:富山)
道の駅のと千里浜(羽咋市)は、能登産のイノシシ肉を使い、無添加の犬用ジャーキーを開発した。良質なタンパク質を含むイノシシ肉は犬のおやつにうってつけという。道の駅では、昨年開設した「ドッグラン」が人気で、田畑を荒らす「厄介者」を有効活用して、愛犬家を呼び込む新たなアピールポイントとして発信する。ジャーキーは能登で捕獲され、羽咋市内の処理施設で食用加工されたイノシシのすね肉をミンチにして使う。道の駅オリジナル商品のチップスに使ったサツマイモ、レンコンの端材を混ぜ、延ばして乾燥させた。すね肉は脂が少なく、栄養価が豊富なのも特長だ。道の駅のと千里浜は昨年4月、敷地にある調整池を活用したドッグランを開設した。雨が降っていない日にオープンしており、愛犬を連れてドライブや旅行を楽しむ人に好評という。閉鎖中の冬季には「いつからオープンするのか」と問い合わせも寄せられた。道の駅では、イノシシ肉や地元の野菜を使ったオリジナル商品をそろえる。ドッグランをオープンしたことで愛犬家らの来訪が多いことから、ペット向けの新たな商品の開発に着手。仙台市出身で地域活性化起業人として働く花澤圭介さんのつながりを生かし、軽井沢鹿工房(長野県)に加工してもらった。ジャーキーはレンコン、サツマイモの2種類で、各千円(税込み)。道の駅の自動販売機で販売している。今後は季節に合わせた食材を使ったり、別のペット用の商品を作ったりすることも検討する。道の駅のと千里浜の担当者は「道の駅がペットとともに旅行を楽しむ人の目的地になればうれしい。地元の人も訪れてほしい」と話した。
(安房高校が最優秀賞、害獣「キョン」活用ペットサプリ案を評価:千葉)
持続可能な開発目標=SDGsの達成を目標にした高校生のアイデアコンテストが3月31日千葉市で開かれ、害獣キョンを活用した県立安房高校の発想が県大会最優秀賞に選ばれました。高校生が社会課題の解決策を提言する「SDGs QUEST みらい甲子園」。3月31日の県大会では、85チームから勝ち上がった12チームが出場し、ごみ箱のある場所をデジタルマップに示すことで一人ひとりが街を綺麗にするアイデアや、規格外のレモンを使った商品を販売し、関係団体に寄付する案などを発表しました。最優秀賞には県立安房高校の生物部で作る「K.LAB」が提案した、害獣キョンの胃を使ったペットサプリの開発が選ばれました。この案は、キョンの狩猟報酬が低く害獣駆除が追い付いていないという現状を踏まえ、キョンの付加価値を上げることで報酬アップを図るもので、発想のプロセスが素晴らしいと評価されました。「K.LAB」は4月以降、研究施設と協力して、野生のキョンが普段食べているものをDNA鑑定で割り出したいとしていて、代表の2年生大石夏鈴さんは「たくさんの人に知ってもらえて一歩実装に近づいた」と話しました。
(ヒトデの力で農作物を守り、シカとの衝突をゼロにする“優しい境界線”の創造:北海道)
北海道では、エゾシカによる農業被害と交通事故(ロードキル)が深刻な社会課題となっています。令和6年度、農業被害は年間約52.7億円、ロードキルは6,705件、車両修理費は平均約62万円にのぼると公表されています。しかし、この数字の裏にあるのは「お金」だけではありません。人の命。そして、野生動物の命です。この問題は単なる被害ではなく、「続けてきた人生」が失われていくことだと実感しました。もともと私は専門家ではありませんでした。あるお客様から「シカの被害で困っている。相談に乗ってくれないか」と声をかけられたことが、すべての始まりでした。そこから、試行錯誤の日々が始まりました。シカの生態を学び、雪原の足跡を追い、何を恐れ、何を避けるのかを観察し続けました。その中で出会ったのが、北海道環境バイオセクター株式会社の技術でした。 ヒトデ由来の天然成分「マリンサポニン」には、光に反応して紫外線を放つ特性があります。一方で、シカは人間には見えない紫外線を鋭く認識できる動物。この二つが結びついたとき、新たな可能性が見えました。「恐怖ではなく、光で境界を伝えられないか」その仮説を確かめるため、北泉開発株式会社様のご協力をいただき養鹿牧場で検証を行いました。忌避テープに近づいたシカが足を止め、進路を変える。出入口で侵入をためらう様子。また、これまで確認されていたフェンスへの衝突も、見られなくなりました。個体差はあります。しかし、確かに「見えている」という変化がありました。モニターを通じてシカの挙動を観察していた時、その反応を見て抱いた「これならいける」という確信。それこそが、私たちが製品化へと踏み出す最大の原動力となりました。ヒトデから抽出した「マリンサポニン」がシカに本能的な警戒心を抱かせ、さらに独自の「光」の技術が視覚的にその足を止めさせる「Deer Block」忌避テープの製品化を進めました。個体差はあっても、彼らには確かに「見えている」。光によって、シカたちが自発的に「ここから先へは進めない」という道を選んでいるのです。この自然界の忌避メカニズムを最大化させることで、シカを傷つけることなく、人と動物の適切な距離を保つことが可能となりました。紫外線という、人間には見えずシカには見える『光』を媒介にすることで、環境景観を損なわずにメッセージを伝えることができます。私たちの技術は、電気柵のような強力な防壁ではありません。しかし、阿寒の牧場や、札幌・壮瞥の果樹園などでの実証を通じて、私たちは「棲み分け」の可能性を信じています。100%の遮断は難しくても、「ここには入らないでほしい」という境界は、光で伝えられるのです。私たちの会社理念は、「人と動物との共生、地球環境を大切にし、お客様と共に新しい価値を創造する」ことです。シカが増えたのは、私たち人間が彼らの生活エリアを侵食したことも原因の一つでしょう。だからこそ、一方的な排除ではなく、ヒトデの力を借りた「優しい境界線」を形にしたい。現在は、北海道道東地区の国道において、ガードレールへマリンサポニン含有インクを塗布し、実証実験を進めていただいております。雪原の足跡からは、ガードレールを無理に越えず、並行して移動する行動が確認されました。地域からは「ヒヤリとする場面が減ったように感じる」という声も届いています。私たちの技術は、強制的に防ぐものではありません。しかし、「ここから先には行けない」という選択を、シカ自身に委ねることができます。傷つけるのではなく、気づかせる。それが、私たちの考える「優しい境界線」です。だからこそ、排除ではなく共生を。約52.7億円の被害を減らすこと。ロードキルをゼロに近づけること。農家の方がもう一度、あの倉庫を収穫でいっぱいにできる未来を取り戻すために。4月1日。私たちの夢をここに宣言します。人も、野生動物も、どちらも犠牲にならない未来をつくる。 光でつくる「優しい境界線」を、北海道から世界へ。これは、エイプリルフールの嘘ではありません。私たちの、本気の夢です。
(ジビエ、安全においしく:福島)
東京電力福島第1原発事故により県で出荷制限が続くシカなどの野生鳥獣肉。このほど郡山市にシカの捕獲から放射性物質の全頭検査までの管理体制が整った加工施設「ふくしまジビエファクトリー」が完成した。基準値を超えないシカ肉の出荷制限が一部解除され、隣接する店で料理の提供が始まった。県によると事故後のジビエ肉の制限解除は初めて。料理店を営む平山真吾さん(40)は、新型コロナウイルス流行で店を休業中の2020年に狩猟免許を取得し、農作物を荒らす野生動物の駆除に協力していた。出荷制限が続く中「せっかく捕っても処分するしかなかった」ともどかしかった。
(駆除された「鹿肉」が絶品の創作料理に:三重)
三重県菰野町の「湯の山温泉」で、新たな特産品として注目を集めているのが「鹿肉」。通称「もみじ肉」とも呼ばれるこの鹿肉を使った料理が、地域の観光活性化の切り札として期待されています。菰野町の地域課題を逆手に取り、農業被害削減のために駆除された鹿肉を、おいしい食資源として活用する取り組みが本格化しています。菰野町では、2025年10月に「料理研究三重庖友会」のメンバーが鹿肉料理の試食会を実施。創意工夫を凝らした様々な料理が披露されました。湯の山温泉の「ホテル湯の本」では、鹿肉を使った会席料理を提供しており、その代表的なメニューが「鹿肉のオイル蒸し」です。
(ジビエで健康薬局から:静岡)
医薬品がずらりと並ぶ薬局で、鹿肉のソーセージやハンバーグを販売する「あい・ハート薬局 中原店」(静岡市駿河区)。店内に置かれたチラシには、「オクシズの鹿肉を『健康の源』に!」の宣伝文句が躍る。
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(「ツキノワグマ出没注意報」、初の3月発表:岩手)
岩手県は24日、クマ対策関係部局長会議を開催し、「ツキノワグマ出没注意報」を発表した。3月中に注意報を出すのは初めて。冬眠明けのクマの活動が今後活発化することが予想されるため、例年4月以降だった発表を前倒しした。県庁で開かれた会議には、県幹部ら約25人が出席。県の施設周辺での刈り払いの実施や緊急銃猟にあたるハンターへの報酬の補助など、新年度のクマ対策の取り組みを共有した。県は3月に狩猟免許を持つ5人を「ガバメントハンター」として採用。4月にはクマなどの野生動物を管理する専門職員1人を新たに採用する。効率的なクマの捕獲方法を調査したり、ガバメントハンターと連携して捕獲技術向上に向けた研修を行ったりする。会議では、クマが目撃された位置を共有できるアプリ「 Bearsベアーズ 」の運用についても説明。県の公式LINEを通して、24日から目撃情報を登録・閲覧することができるようになった。達増知事は「クマが冬眠から目覚めるこの時期は警戒が必要。今後も市町村や猟友会などと連携し、県民の安全安心の確保に取り組む」と話した。県によると、今年度のクマの捕獲数は1184頭(1月末時点)に上り、出没件数とともに過去最多となった。冬に入り出没は大幅に減ったが、2月には花巻市、3月には宮古市でクマによる人身被害が発生している。
(クマ出没注意報!、「くまログあおもり」は4月中に運用開始:青森)
青森県は明日4月1日から、県内全域にツキノワグマ出没注意報を発表します。注意報が発表されるのは過去最速です。注意報は県の自然保護課が明日4月1日から、県内全域を対象に発表します。各市町村から直近10日間で報告されたクマの出没件数が、基準となる5件を上回ったためです。県自然保護課 櫻田定博 課長「昨年は過去に類をみない大量出没、それから過去最多に並ぶ人身被害が起こりました」。去年、県内では過去最悪のクマ被害が発生しました。統計開始以降最多の3,333件の出没、人身被害は過去最多だった2023年に並ぶ10件発生しました。今年は最悪だった去年よりも早く、出出没注意報が発表されました。県自然保護課 櫻田定博 課長「まずはクマの出没情報に敏感になっていただいて、クマが出ているところにはなるべく近づかない。山に入る際には複数人で音を出しながら入る、クマを引き寄せる恐れがある食べ物や野菜くずを屋外に放置しない。こういう基本的な対策をきっちり講じてほしいと思います」。県ではクマへの注意喚起を促すため、目撃情報や人身被害情報をマップ化してメールなどで配信するシステム「くまログあおもり」の運用を、4月中に始めるとしています。
(クマ被害防止へ捕獲目標、行程表を策定)
政府は27日、2030年度までのクマ被害対策のロードマップ(行程表)を策定した。現在の推定個体数から地域ごとの捕獲目標を設定し、30年度の目標個体数を提示。クマの捕獲作業に従事する自治体職員数や資機材数も盛り込んだ。急増する人身被害に対応するため、個体数管理を強化するとともに自治体の体制整備を図る。
(「秋に大量出没した年の翌春は出没増える傾向」、冬眠明けのクマに注意を呼びかけ)
春になり、冬眠から目覚めたクマの出没が増えることを受けて、石原環境大臣は「秋に大量出没した年の次の年の春は、クマの出没が増える傾向にある」として注意を呼びかけました。環境省によりますと、今年度、クマの被害により亡くなった人は統計開始以降、過去最多の13人に上っています。春になり、冬眠から目覚めたクマの出没が増えることを受け、石原環境大臣はきょう(31日)の会見で、すでに各地で目撃情報が相次いでいるとしたうえで、「秋にクマが大量出没した年の次の年の春は、出没が増える傾向にある」として、注意を呼びかけました。具体的には、▼クマの生息地に入るときは、クマの行動が活発な明け方や日の入り前後を避けること、▼単独行動を避け、鈴やラジオなど音が出るものや適切なクマ撃退スプレーを携帯すること、▼山に入った時に残飯やゴミを放置しないことなどを呼びかけています。
(「あなた、クマと共存はできないよ」猟友会ハンターが熱弁:北海道)
高裁は2026年3月27日、猟銃所持許可の取り消しをめぐる訴訟で、北海道猟友会砂川支部長のハンター・池上治男さんの訴えを認め、処分を適法とした二審判決を破棄する上告審判決を出した。池上さんの逆転勝訴だ。SNSでは、判決後の会見で朝日新聞の記者からの質問に対する池上さんの回答に注目が集まっている。池上さんは18年に砂川市からの要請でヒグマを駆除したが、北海道公安委員会は銃弾が周辺の民家に当たる恐れのある発砲だったと判断し、猟銃所持の許可を取り消した。処分の取り消しを求めた訴訟では、一審は池上さん側が勝訴したが、二審の札幌高裁では逆転敗訴。最高裁では「処分は重すぎて妥当性を欠く」として、裁判官5人の全員一致で池上さんの逆転勝訴が確定した。SNSでは、判決後に開かれた会見で朝日新聞の記者から寄せられた質問への、池上さんの回答に注目が集まっている。男性記者は25年度のクマ被害が過去最多となったことを受け、「そもそも猟友会のハンターに依存していいのかという国内の野生動物管理に様々な課題はあると思うが、『クマとの共存』に向けて、今回の判決に抱く期待などはあるか」と問いかけた。池上さんは「えっと、『クマとの共存』? あなた、クマと共存はできないよ」と一蹴。「共存をどうお考えかっていう......」とした記者に、「『共栄』はなんぼかできるかもわからないけれど、『共存』っていうのはまず無理」とした。「そこにクマが出た!(と騒ぎになる)。共存できないよ。それだけ危険だってことを(理解しなければ)」と語り、池上さんのもとには、たびたびクマの保護を訴える電話がかかってくるとも明かした。「『人間75億いるから、人間の1人や2人、やられてもいいんだ』。こうやって、平気で私のところにクレームの電話が来るんですよ」。「もし本当にクマが可愛いんだったら、箱わなに入った熊を、頭を撫でに来いって。すると分かるから」と語り、「CNNも来ました、このクマ問題で。世界中が笑ってますよ。日本のヒグマ情勢については」と、海外と比べても異様な状況があると訴えた。「人間が被害に遭うっていうのは、生きたまま食われるんだよ。腹から食われるよ。そして(食べた)あとは埋める。『土饅頭を作る』ってのは、その肉を後から食べにくるんだよ」。記者に向け、「あなたがそう思ってるわけじゃないだろうけど、『クマとの共存』っていうことを言ってしまったら、被害にあったご家族の方々がどういう思いをするかってことを考えなきゃダメだと思う」とした。「クマと戦って助かる人はほとんどいませんから。ヒグマとだったら尚更そうだ。この天井まで(体高が)高いのがヒグマですよ。背、立ったらここまで行くんだよ」とクマの大きさに触れ、「そんな野生動物と共存するって安易なことを言ってたら、本当に人間、どこにも住めなくなっちゃうよね」とした。池上さんはクマとの共存については「絶対に無理です」とした上で、「『共存する』ってことは、こういう風に置き換えたらいい。『山の自然を、正しい形に取り戻せ』」とも訴えた。「鹿が多すぎてヒグマとかクマが増えてきた。そういう科学的な論拠を捉えた上で、自然の中でヒグマがどこに住んでいるか(調査・把握する)」。「北海道にヒグマがいなかったら困りますから。唯一の素晴らしい動物なんですよ」とした上で、「たまたま人間のコミュニティにヒグマが入ってきて、摩擦が起きる。摩擦が起きないってことは絶対ありませんから、『共存』っていうことはやっぱりちょっと違うかなという風に思いますね」と語った。
(セシウム濃度、全地域で減少:福島)
福島県環境創造センターの小松仁主任研究員らは、東京電力福島第1原発事故後の県内で14年間にわたり捕獲されたイノシシの放射性セシウム濃度の推移を分析した結果、県内全ての地域で減少傾向を示していることを解明した。減少幅は地域ごとに差があった。物理的半減期より早く減少していることも確認した。論文が26日、国際的な科学誌に掲載された。2011年から県全域で捕獲された約3600頭のイノシシのデータを集め、筋肉中に含まれる放射性セシウム濃度を統計解析した。全地域で時間がたつごとに減少傾向にあることが確認された一方、減少のスピードに地域差があった。県全体では食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回る個体の割合が増加しているが、帰還困難区域などでは依然として数値が高い個体が見つかった。濃度の減少スピードを示す生態学的半減期は約3~9年と推定され、物理的半減期の約30年より短かった。小松氏らは論文で「濃度が十分に低下した一部地域での鳥獣肉の利活用再開を検討する上で、極めて重要な科学的根拠だ」とし、今後は生態学的半減期に地域差がある要因などの研究を進める意向を示している。
(羅臼岳、危険なクマ出没で登山道早期閉鎖:北海道)
オホーツク管内斜里町の羅臼岳(1660メートル)で昨年8月、登山中の男性がヒグマに襲われて死亡した事故を受け、環境省などは25日、再発防止策を正式に決定した。人を恐れないクマの出没時、登山道を早期に閉鎖する。捕獲できない場合は、最短でも5日間閉鎖するなどの基準も示した。クマの出没に備え、国立公園の登山道の閉鎖に関する基準を設けるのは異例。
(クマ危機警戒本部を設置:岩手)
北上市は25日、ツキノワグマ出没に対応する危機警戒本部を設置した。
(仙台市が猟友会など3組織を市長表彰:宮城)
去年、仙台市で住宅街に現れたクマを「緊急銃猟」によって全国で初めて発砲し駆除した対応について、仙台市長が関係団体を表彰しました。仙台市長表彰を受けたのは、猟友会などで作る「仙台市鳥獣被害対策実施隊」など3つの組織で、去年、市内の住宅街に現れたクマを緊急銃猟で駆除したことが表彰の理由です。去年10月、仙台市太白区の住宅街にツキノワグマ1頭が現れておよそ13時間とどまり、猟友会が猟銃を発砲して駆除しました。市町村長の判断で、市街地での発砲を認める「緊急銃猟」の制度に基づいて、実際に発砲したのは、これが全国で初めてでした。仙台市は、この一連の対応が関係機関の連携によって迅速かつ的確に行われ、被害の未然防止、市民の安全確保につながったとしています。駆除した隊員「第一は安全を考えながら、市民をフォローする。隊員同士の絆がいかに大切かを伝えて、活動していきたい」。仙台市は、今後もクマ出没のおそれがあるとして、関係機関との連携を強化し、安全対策に取り組むとしています。
(ヒグマ対策強化、緩衝帯整備や銃猟支援:北海道)
昨夏に市街地付近でヒグマの出没が相次ぎ、ヒグマ注意報が出された初山別村内では、雪解けの季節を迎えて対策が進んでいる。新年度予算に、山と人里の間に設ける緩衝帯の整備費、民間ハンターの銃器購入の補助などヒグマ対策の費用を盛り込んだ。猟友会羽幌支部は「ここ数十年、クマの頭数が増えているのは体感的に間違いない」とし、警戒を強めている。
(人間将棋も熊対策を徹底:山形)
将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市の春の風物詩「人間将棋」を4月11、12日に控え、会場となる市中心部の舞鶴山で28日、地元猟友会などがクマの生息調査を行った。
(夏樹陽子さん、副会長を退任)
日本クレー射撃協会は1日、俳優の夏樹陽子さんが2月に副会長を退任したと発表した。2022年に就き、2期目の途中だった。協会を通じ「本業の都合により任期満了前ではございますが、副会長の職を辞することとなりました」と説明した。
(クマ等の出没に備えた緊急銃猟想定訓練を実施します:埼玉)
近年、クマが人の日常生活圏に頻繁に出没する事態が北海道や東北地方を中心に発生していることを受けて、迅速な対応により被害を防止するため、令和7年9月1日付けで「改正鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」が施行されました。埼玉県内でもクマが目撃されているなか、埼玉県と飯能市が合同で緊急銃猟実施手順の確認を行うため訓練を実施いたします。人の日常生活圏内にクマ等が出没した場合を想定し、緊急銃猟の手順を確認する目的で訓練を実施します。訓練の様子は県内の自治体関係者や猟友会が見学します。訓練実施中、捕獲を想定している割岩橋付近の通行と立ち入りを制限させていただきます。ご不便をおかけいたしまして申し訳ございませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。
(AIが防犯カメラのクマ検知、危険度を即座に通報:岩手)
一関高専(小林淳哉校長)は、ソフトバンクや米シリコンバレーの生成人工知能(AI)開発企業アイジップと連携し、生成AIを活用してクマ出没を検知・通知するシステムの開発を始めた。防犯カメラなどの動画からクマを自動検知し、危険度や状況を文章化してリアルタイムに通知する。人手をかけず低コストで広範囲を監視できるようになり、人的被害の防止など地域の安全に貢献する。
(防護ネットに金網組み合わせ、鹿やイノシシ侵入防ぐ:東京)
東京・御岳山で杉苗木を植林する東京都農林水産振興財団は、防護ネットに金網を組み合わせた柵で鹿などの野生動物による苗木の食害を防いでいる。化学繊維製のネット柵に亀甲型の金網を結束。
(熊駆除の公益性、ハンター守る態勢を急げ:信濃毎日新聞)
熊による被害防止が急務となるなか、駆除を担うハンターの公益性を重視した、妥当な判断といえる。地元自治体の要請で公務としてヒグマを駆除したのに、危険な発砲だったとして猟銃免許を取り消された猟友会員が、北海道に処分の撤回を求めた訴訟の最高裁判決である。道の処分は重すぎ、駆除活動を萎縮させるとして、発砲時の危険性を厳しく見た高裁判決を破棄、原告の猟銃所持を認めた。原告は、18メートル前後の近距離で熊と向き合う「緊迫した状況」で発射判断を求められ、撃った。そこには地元の市職員らが立ち会っていた。警察官が周辺住民に屋内避難を呼びかけてもいた。これに対して道公安委員会は、銃を向けた先に民家があったことから、弾丸が到達する恐れのある建物に向かって銃猟をしてはならないとする鳥獣保護管理法を厳密に解釈し、処分した。最高裁判決は、発砲は住民の生命や生活環境を保護するためだったと強調。建物や人に被害はなく、発砲までの経緯に不適切な点も見当たらないと結論づけた。熊の駆除は逆襲に遭いかねない危険な役目だ。猟友会員らはそれを半ばボランティアで引き受けている。万が一のときの責任を個人に負わせるべきではない。昨年始まった緊急銃猟制度では、発砲で生じた民事上の責任は自治体が負うと明示された。ただ最高裁判決も、弾丸が熊を貫通して「跳弾」となり、周りの人に当たる危険性はあったと指摘している。国は「注意義務を果たす限り」刑事責任を問うことは想定していないとするが、現場の不安は消えていない。ハンターが安心して駆除に当たれる態勢を急ぎ整えたい。大町市の取り組みが参考になる。市街地での出没に迅速、確実に対処するため、担当職員や猟友会員、警察官らが随時、情報共有できるアプリを開発した。関係者個々のスマホ上に、熊の居場所や立ち入り規制の範囲などを表示。安全確保や責任の所在を確認し合いながら対応でき、発砲に至るまでの判断の過程が記録されるので後に検証もできる。大きな安心材料になりそうだ。熊による全国の人身被害は本年度、過去最多の237人を数え、うち死者は13人に上る(2月末)。街なかでの出没や被害も目立っている。一方でハンターの担い手不足は深刻だ。その解消のためにも、公益性と安全性を両立できる環境づくりが求められている。
(大阪シカ騒動、人ごとにあらず:東京新聞)
万博に都構想。話題が尽きない大阪で新たな問題が浮上した。シカるべき対応が問われるのがシカだ。市街地に出没し、役所の人々が頭を悩ませたかと思えば、警察施設に「出頭」し、今は温泉地にいる。お隣の奈良から迷い込んだ説もあり、「どの自治体が対処すべきか」と問われる事態に。似た問題は各地でも取りざたされるところ。「やるシカない」のかけ声頼みにならない対策とは。関西を中心に連日報道されてきた西のシカ騒動。大阪市の担当者は「こちら特報部」の取材に「初めてのことで…。常時、数人が張り付いたが、見守るしかできなかった」と漏らした。市によると、21日から市北東部の住宅地などに1頭のシカが出没。毎日、日中は市職員らが近くでシカに目を光らせた。シカはマンション敷地や公園を移動し、25日に府警の施設に「出頭」。誘導はなく偶然だったという。市が捕獲すると27日、シカの飼育経験があり、受け入れを表明した府内の温泉施設へ運ばれた。その最中、「ネーミングセンスに定評がある」と自負する横山英幸市長が自身のX(旧ツイッター)でシカの名前を募集。「ど根性鹿『なにわ1号』」と私案を出すと、大阪府の吉村洋文知事が「『シカやん』。これでどうや」とアピール。他に「ナウ鹿」、大阪と奈良にちなんだ「阪奈(はんな)」などが挙がった。温泉施設のインスタグラムによると、名前は近日公開という。ところでシカはどこから来たのか。取り沙汰されるのが、シカの生息で知られる奈良公園(奈良市)だ。一部を除く市内でシカは国の天然記念物に指定。出没地から東に30キロほど。「大阪遠征」はありえるのか。森林ジャーナリストの田中淳夫さんは「大阪市での出没前に公園西側で目撃されており、山を越え、幹線道路を通って移動したのでは」とみる。11日以降、東大阪市でも複数目撃され、角が切られた痕跡が一部確認された。これは奈良公園のシカの特徴という。過去には公園から1、2キロの市街地での出没はあったが、昨年ごろから離れた場所で見られるように。その要因として公園内のシカの「過密状態」を挙げる。現在、1460頭超が生息するとされる。「観光客に人気で、シカせんべいが例年の何倍も売れている。餌が増えて過密になり、ストレスを感じたシカが新天地を求め旅立っている」。出身地を調べる研究もある。鍵になるのが「ミトコンドリアDNA」の遺伝情報の解析だ。100年近くシカがいないとされながら近年目撃されている茨城県では、森林総合研究所などの研究グループの解析で栃木・日光のシカと遺伝子型が一致したと判明した。福島大などのグループは奈良公園のシカを調べている。古くからシカは狩猟されており、兼子伸吾教授は「奈良時代のころには周辺地域で絶滅した」と話す一方で、奈良公園のシカは人々によって守られてきたとされ「独自の遺伝子型を残している」と説く。ただ近年は「市外や県外からも入ってきている」。大阪に現れたシカとの関連をつかむ場合、「奈良公園のシカの特異的な遺伝子型が検出されなければ、さらに調べないと分からない」と話す。今回の騒動、人間界では自治体同士が「どちらが対応するか」で議論に。吉村知事は25日の会見で「故郷に帰すのが普通かなと思っていた」と、奈良県側に対応を打診したと明かした。しかし奈良県の山下真知事は、エリア外に出たシカは法的扱いが変わるとし「大阪で捕獲されたシカは大阪にお願いする」と述べた。
(日常と切り離せないクマ問題。命と安全を守るための「正しい向き合い方」とは?)
昨今、クマの出没や被害に関するニュースがあとを絶たず、この問題はもはや山間部だけの出来事ではなく、我々の日常生活と切り離せないものとなった。こうした状況下で自らの命と安全を守るためには、クマの性質を正しく理解し、適切な距離を保つための具体的な知恵が不可欠である。そこで今回、山形県舟形町で狩猟・駆除活動を行う舟形猟友会のメンバー、斎藤優輝さんと、長野県軽井沢町でクマ保護管理活動を行っている特定非営利活動法人ピッキオのメンバー、玉谷宏夫さんにクマ問題についてインタビューを実施。日々の生活で注意すべき点や遭遇時の対処法について詳しく調査した。地域住民からレジャーを楽しむ人まで、自分たちの身を守るための実践的なガイドとして、ぜひ本記事を参考にしてみてほしい。クマの行動原理の大部分は「食」に直結している。ここでは、専門家の知見に基づき、その食性を解き明かしていこう。3月から4月ごろ、雪解けとともに冬眠から目覚めたクマは、ブナの新芽や草本類、あるいは厳しい冬を越せなかった動物の死骸などを口にする。夏から秋にかけては、実は山の中に食べ物が最も少なくなる過酷な時期。この時期のクマは、アリやバッタといった昆虫まで食べて飢えを凌ぐ。そしてこの時期になると、市街地ではスイカやトウモロコシなどが食べごろを迎える。特に夏季のトウモロコシ被害は甚大で、全国の被害の半分以上がこのトウモロコシ被害だという。そして秋、12月の冬眠を控えたクマは、ブナやミズナラの実、ヤマブドウ、山栗などを求めて猛烈に食欲を旺盛にする。山に十分な餌がなければ、彼らは市街地へ繰り出し、柿や栗をむざぼる。この「食への執着」こそが、人間との接触を増やす最大の要因となっている。クマと出合わないための行動指針。リスクを最小限に抑える「時間・場所・環境」の管理クマとの事故を防ぐために最も重要なのは、言うまでもなく「出合わないこと」である。クマを人里に呼び寄せないための環境づくりと、リスクの高い時間を避ける行動を徹底しなければならない。自分の街にクマを寄せ付けないためには、彼らにとっての「魅力的な餌場」を徹底的に排除することが鉄則だ。玉谷さんは、クマにとって魅力的な匂いを発する生ゴミの出し方には細心の注意が必要だと語る。また、屋外に置かれたペットフードや家畜の飼料などもクマを呼び寄せる原因となるのだそう。そして、特に注意が必要なのが、庭先に植えられた柿や栗の木だ。斎藤さんによると、これらはクマを強く引き寄せる「誘引物」となるという。実際に舟形町役場によると、2025年12月時点のデータで柿15本、栗5本、ラフランス10a、リンゴ1本といった甚大な果樹被害が確認されており、前年の被害ゼロから大幅な増加に転じている。今年はクマが柿の木に留まり続ける姿も目撃されており、例年以上に「執着」が強い状況だという。対策として最も有効なのは、思い切って木を伐採するか、あるいは実が熟す前にひとつ残らずすべて収穫しきることだ。こうした誘引物の除去のほかにも、クマが身を隠せそうな場所を作らないことが大切だ。対策の一例として、藪の刈り払いがあげられる。玉谷さんによると、家の周りや通学路など、移動経路や潜伏場所になりそうな藪を刈り払って見通しをよくするだけで、不意の遭遇リスクを大きく下げることができるのだという。また、行動するタイミングを誤らないことも生存戦略のひとつである。出没がピークを迎えるのは、冬眠を控えて食欲が極めて旺盛になる9月から11月ごろだ。ブナなどの実が不作な年だと、この時期にクマは食料を求めて広範囲を移動するため、人間との接触機会が激増する。特に警戒すべき時間帯は、早朝と夜間。斎藤さんによると、この時間帯は通報も多くなるといい、薄暗い中での活動はクマと鉢合わせる可能性を高めてしまう。レジャーや日々の散歩、農作業においても、この「魔の時間帯」を避けることで、遭遇リスクを下げることができるだろう。山歩きや農作業の際の代表的な対策として、自分の存在をクマに知らせる「クマ鈴」の活用が挙げられる。クマは本来、警戒心が強く人間を避ける習性を持っているため、音を鳴らしてこちらの位置を事前に伝えることは、不意の遭遇を避ける有効な手段となる。また、より確実な対策として「笛(ホイッスル)」の併用も効果的だ。クマ鈴の音は川のせせらぎや風の音にかき消されてしまうことがあるが、笛の鋭い高音は遠くまで届きやすく、広範囲に存在を知らせるのに適している。さらに、万が一動けなくなった際の救助要請にも役立つため、あわせて携帯しておきたいアイテムだ。「どこにリスクが潜んでいるか」を把握するために、行政のサービスを積極的に活用するのも有効である。例えば山形県では、最新のクマ出没情報を可視化した「出没マップ」をウェブ上で公開している。自分が住む地域や、これから向かおうとしているレジャー先の出没状況を事前にチェックすることは、現代における必須の習慣と言える。こうした公的なサイトやサービスを日頃から確認し、警戒レベルを適切に判断する知恵が、自分と家族の身を守ることにつながる。プロの猟師であっても、野生のクマと対峙した際の恐怖は想像を絶する。ここからは、もし不運にもクマと遭遇してしまったとき、私たちの「命」を左右する判断と行動について解説する。クマの体格とパワーは、まさに「プロレスラー」そのものである。斎藤さんは、実際にクマが頑丈な金属製の檻を力任せに破壊しようとする光景を目撃し、「檻の中にいてもなお、恐怖で震えた」と語る。それほどの怪力を持つ相手に、素手で立ち向かうことは不可能だ。また、特筆すべきはその「足の速さ」。クマは人間よりも遥かに速く走ることができるため、背中を向けて逃げ出すことは、自ら「追われる獲物」になることを意味する。一度標的にされれば、走って逃げ切れる確率は限りなくゼロに近い。では、実際に遭遇した際、私たちはどう動くべきなのか。まず、「遠くで見つけた場合」は、相手に気づかれないよう静かにその場を立ち去るのが鉄則だ。クマを刺激せず、距離を保つことが最優先となる。問題は、「数メートルで目が合った場合」である。この時、最もやってはいけないのは、パニックになって背中を向け走り出すことや、大声で威嚇することだ。専門家の推奨する基本的な動作は、「目を離さず、ゆっくりと後退して距離を取る」ことにある。もちろん、過去には「大声で威嚇したらクマが逃げ出した」というような体験談も存在する。しかし、それはあくまで結果論であり、実際にはクマがどのような反応を示すかは「運任せ」という側面も否定できない。だからこそ、生存確率を少しでも上げるためには、個人の直感よりも専門家が推奨するセオリーを最優先すべきなのだ。また、万が一遭遇した時に備えて、すぐ車内へ逃げ込める動線を常に用意しておくことも極めて有効であると斎藤さんは語る。実際、猟友会でも、現場では常に車へ戻る経路を最短距離で確保しながら活動を行っているという。強固な遮蔽物としての車は、野生動物の脅威から身を守るための盾となってくれる。出合ったとき用の対策グッズとしては、護身用のクマスプレーを携行する人も増えているが、斎藤さんは「持っているだけで安心」という考えに警鐘を鳴らす。一度も使ったことがない道具を、極限の緊張状態で正しく作動させるのは至難の業だ。頭で考えてから使おうとするようでは、本気で襲いかかってくるクマのスピードには到底間に合わない。スプレーの仕組みを理解しているか、有効な射程範囲を知っているか、風向きなどの使用条件を把握しているか、など、これらを反射的に判断し、体が動くレベルまで習熟していなければ、緊急時に生き残る可能性は下がる。道具はあくまで「使いこなせてこそ」の助けであることを忘れてはならない。私たちが安心して日常生活を送れる裏側には、クマ問題の最前線で活動する猟友会の存在がある。彼らの活動は、単なる「駆除」にとどまらず、地域とクマとの境界線を守るための多岐にわたる任務で構成されている。その最たる例が、クマの出没通報を受け、実際に現場へ向かう「緊急銃猟」だろう。よくテレビなどでも放送されているこの任務は、常に危険と隣り合わせだという。山中での駆除に用いられる銃器には主に2種類ある。長距離を狙えるライフル銃でも射程は約100メートル、散弾銃に至っては約50メートルまで接近しなければならない。前述の通り、クマは人間を凌駕するスピードとパワーを持っている。そのクマに対し、わずか50~100メートルという至近距離まで踏み込むことは、プロの猟師であっても相当なリスクと覚悟を伴うものだ。一方で、意外に知られていないのが市街地での対応である。「出没したら即駆除」と思われがちだが、市街地での通報があった場合、そこでの発砲は難しいため、基本的にはその場で駆除するのではなく、「山へ追い払う」ことが優先される。この際、物理的な攻撃ではなく「追い払い用花火」などが用いられるという。さて、このような派手な緊急銃猟が注目されがちだが、猟友会の日常においてメインとなるのは実は「罠の設置」による防衛策だ。非常に鼻が利く、このクマの習性を利用し、好物の餌を入れた罠を設置して山から降りてくる前に食い止める。基本的には山中に設置されるものだが、近年の出没傾向を踏まえ、最近では市街地付近に罠を設置する試みも行われているのだという。このように、猟友会が最前線で活動する一方で、自治体も多角的な対策を講じている。広報による注意喚起はもちろん、農地への電気柵設置や、クマの潜み場となる藪の刈払い、不要な果樹の伐採に対して補助金を出すなど、住民の防衛策をバックアップしている。また、猟友会が安全に緊急銃猟を行えるよう、保険加入や装備品の配備、マニュアル作成といった体制整備も進められている。このようにして行政とプロが手を取り合って街を守っていることも知っておいてほしい。いかがだっただろうか。クマが身近な存在となった現代において、最も重要なのはその生態を正しく理解し、誘引物の除去や時間帯の管理といった「出合わないための備え」を徹底することである。万が一の遭遇時には、パニックにならず、プロが提唱する生存戦略を冷静に実践することが、自身の命を守るためには重要となる。また、クマスプレーなどの道具を携行する際は、「持っているだけで安心」という過信を捨て、極限状態で反射的に使いこなせるまで習熟しておくといった、実効性のある備えをしておきたい。地域を支える猟友会の献身的な活動に敬意を払いながら、我々一人ひとりが当事者意識を持って対策に取り組むことが、安全な暮らしを維持するための確かな鍵となるはずだ。舟形猟友会・斎藤さん「テレビや新聞、インターネットで毎日のようにクマに関することが取り上げられており、実際に現場ではクマへの対応が過去最高レベルに多くなっています。ですが、クマによる死傷者数が過去最高になったとしても、交通事故による死傷者数のほうが多いようです。北海道や東北地方を中心にツキノワグマの出没、被害が発生しているようですが、すべての都道府県で同じような事態になっているわけではないようです。クマの出没に関する情報を自分で調べてみて、比較的安全な山などで自然に触れ合えるレジャーを計画していただくとよいのではないでしょうか」。ピッキオ・玉谷さん「かつてクマは「奥山の動物」でしたが、今では私たちのすぐそばで暮らす「身近な動物」になりつつあります。だからと言って、むやみに怖がる必要はありません。大切なのは、クマが近くにいることを前提として、事故を防ぐために「それぞれの立場でできること」を正しく実践することです。現在はクマの生態研究が進み、クマスプレーのような防衛手段が個人でも手に入るようになったのは、共存に向けた大きな進歩であり心強いことです。今後、人口が減少し、クマの勢力圏がさらに広がっていくであろう将来を見据え、私たちは知恵を絞って、人とクマが共生できる新たな『妥協ライン』を見つけていかなければならないと、私たちも考えております」。
(クマ出没時、誰が引き金を引くべきか)
クマが庭先に出た時、引き金を引くのは誰だろうか。火災なら消防、事件や事故なら警察が駆けつける。では、獣害からは誰が守ってくれるのか。その問いに対するヒントがないかと、京都府福知山市の鳥獣対策員、望月優さん(33)の仕事現場を取材した。全国でも珍しい、市の正規職員として獣害対策に臨むスペシャリストだ。「庭の木にクマの爪痕がある」という地域の農家からの通報を受け、望月さんは現場に向かう。一見クマがひっかいたように見えるが、ほかの動物の痕跡のこともあるという。現場を見た結果、雄ジカが角をこすりつけた跡だと分かった。「僕が一目見れば、クマとの違いがわかるんですけど、知らなかったらびっくりしますよね」。動物ごとに対応が異なるため、対象を見極めることは獣害対策では重要だ。
(「女性ハンター」を描く“読む狩猟体験”の書:中江有里)
近年、人間の脅威となっている熊。その被害が出る度に「駆除」が叫ばれる一方、「むやみに殺すな」という声も上がる。本書はある女性ハンターの誕生とその成長を追っていく。そして熊と一対一で対峙するその時を描く。実家は裕福、家族関係は良好、高身長で身体能力が高く、整った顔立ちの岸谷万智が主人公。札幌で暮らす大学生の万智は周囲から羨望と嫉妬の対象とされ、居心地の悪さを覚えていたある日、狩猟の雑誌を開いた。興味の赴くまま銃砲店に足を運び、そこで師匠となる人を得て、万智は順調に狩猟の道を歩み始める。初めての狩猟でいきなりエゾシカを仕留めたが、喜びは感じなかった。「ただ、体の力が抜けた」思いがけない感慨を覚える。万智が出会うハンター仲間の中に、勇吾という男がいる。若い女性ハンターの万智を下に見たり、口が悪く、周囲から浮いた存在だが、彼には彼のハンターとしての矜持がある。「俺は生き物としての俺の強さを信じたくてこの世界に飛び込んだ」。万智自身、狩猟の道へ進んだ理由は、当初ははっきりとしていなかった。ただこれだけはわかる。「撃たれる動物にとっては、撃った人間が男なのか女なのか、お金があるかないか、容姿がどうとか、関係ないんだって。そういうの全部、関係ないところに私は行く」。これは襲われる側にも重なることだ。つまり一歩山に入れば、誰の命も平等にそこに有るだけ。かつて人間と熊との棲み分けはできていた。棲み処を追われた熊は、驚くほど人間くさい。熊を追い立てたのは人間の方。だけど人前に現れた熊は駆除するしかない。熊を前にした万智の精神世界は野蛮で冷静。万智の魂は、このレベルに到達するために狩猟を選んだのだと感じる。言うなれば読む狩猟体験、読書中、五感が冴えわたった。
(ジビエ30種類を味わったライターが語る、狩猟の魅力と「クマ問題」)
あなたはこれまで、カラスを食べたことはありますか? タヌキやキツネはどうでしょう。あまり「食べ物」として想像しにくいこれらの動物も、実はクマやイノシシ、シカと同じく国が定める「狩猟鳥獣」。つまり、機会があれば誰でも食べられる存在です。狩猟鳥獣は現在46種類(2026年1月時点)。ただ、ジビエとして流通・消費されるのはごく一部に限られます。「せっかくなら可能な限り食べてみたい!」と、カラスを含む30種のジビエ食に挑んだのがノンフィクション作家・北尾トロさん。その記録は、著書『ツキノワグマの掌を食べたい! 猟師飯から本格フレンチまでジビエ探食記』(山と渓谷社、2024年)にまとめられています。東日本大震災を機に東京から長野県松本市へ移住し、50代で狩猟免許を取得した北尾さん。ハンターとして野生生物と向き合うなかで、価値観や死生観はどう変わったのか。さらに近年のクマ被害をめぐり、北尾さんが考える「荒唐無稽でも共存に近づくアイデア」を聞きました。── 2011年の震災は、多くの人が生き方を見つめ直すきっかけになりました。30年以上東京で暮らした北尾さんもご家族(妻と娘の3人)と長野に移住。しかし、どうしてまた、狩猟をやってみようと思われたのでしょう?移住してから僕は東京と松本を行き来する生活だったんですが、1年ぐらい経つと、家族は新しい環境に馴染んでいるのに、僕だけ溶け込めていない。かみさんは野菜づくりを始めてイキイキしてるし、娘も友達ができて楽しそうにしている。自分だけ置いてけぼりだぞと焦り出したんです。せっかく信州に来たんだから、ここでしかできないことをやりたい。そこで思いついたのが、狩猟だったんです。じつは、移住直後に「野生動物や猟師の取材をしてみないか」という依頼があったんだけど、知識がないしビビって断っちゃった。それがどこか記憶に残っていて、この機に自分がハンターに挑戦するのは面白いかもと。だからライター根性もありましたよね。── ご家族はさぞびっくりされたのでは?ええ。ハンターへの道で最初に立ちはだかった壁は、家族の理解でしたね。かみさんは、「火薬を使うような銃が家にあるのは物騒でいや」と言う。そこでエアライフル(主に鳥専用)にしたところ、今度は小学生の子どもが、「鳥さんは悪いことをしていないのに、なぜ殺すの」と、素朴な疑問をどんどん投げかけてくる。僕も子どもを説得するために一緒に考えながら、「じゃあスーパーで売られているお肉は良くて、自分で撃った動物のお肉はダメなの? そんなことはないよね。スーパーのお肉だって、食べる人のために誰かが代わりに動物を殺しているんだよ」と理論武装していくわけです。家族を説得したら、次の課題は、狩猟を教えてくれる人を探すことでした。地元の猟友会に連絡すると「50代!? 若いねえ!」とすごく喜ばれたんだけど、エアライフルと言うとがっかりされちゃって(害獣駆除では主に散弾銃を使用する)。── 家族のためにエアライフルにしたら、今度は教えてくれる人探しに苦労されて。そう。そのあと人づてに長野市のラーメン店の主人が猟をすると聞いて、行ってみたら、キジバトとヒヨドリの焼き鳥をポンと出され、それがまあ美味しかった。「エアライフルなら、こういう鳥が獲れるよ。教えられないけど、狩猟について来るのはいいよ」「お願いします!」と。彼はいわゆる猟師っぽくない。どこか文化系で、僕にぴったり。結果的にすごく良い師匠に出会うことができたんです。そうして師匠から銃の構え方や山の歩き方を教わり始めたある日、ついに僕にも川でカモを仕留める絶好のチャンスが来ました。師匠のアドバイスを聞きながら、これは当たるな...と思ったんです。当たったら、鳥は死ぬ。その時、それはしたくないなという思いが僕の中によぎった。でも師匠が見ているので、あからさまに外せない。── 葛藤、ですね。そこでちょっとだけずらし、「外れてくれ」と願いながら撃ったら、片方の羽に当たり、カモは最後の力を振り絞って飛んでったんです。僕は、ああ良かったと。でも師匠は、「結果として最悪です。あのカモは自然界では、もう生きていけないかもしれない。当たったからには、二の矢を打ってとどめを刺さないと」と。傷を負わせ、なおかつ逃がすことを半矢と言うんですが、これは最悪なことだと。なるほどと思いましたね。そのショックで初シーズンは1羽も取れないまま、やってもやっても獲れねえって本を書きました(笑)。── 心の迷いがかえって"相手"を苦しめる...! 狩猟の本質と対峙した1年目ですね。翌年からは、仕留められるようになったそうですが、ご自身で撃ったものは食べましたか?もちろんです。師匠が獲った鳥は残さず食べるという考えなので、その意識は最初から身についていました。自分で解体もできるようにと、初年度から羽をむしるところから解体も教わっていましたから。料理もほぼしたことがないのに、骨で出汁をとったり、心臓やレバーなど内臓もなるべく捨てずに調理したり。全部食べることが供養だと娘に話してきたからには、ちゃんとやっている姿を見せなきゃと。── 自分で仕留めた鳥だけでなく、さまざまな野生動物(ジビエ)を食べるようになったのはなぜでしょう?まず単純に美味しいから。家畜にはない肉本来のガツンとした歯ごたえや野生の旨味がある。個体差があるのも面白い。狩猟の時期やオスとメス、獲る地域によっても脂の乗り方や肉質が違います。シカなら夏ジカ、イノシシやクマはやっぱり秋がいい。家族全員が好きなヤマドリは、標高が高いところで木の実をいっぱい食べているので、淡白だけど脂が乗っててびっくりするぐらい美味しい。売買禁止の鳥だから、猟師だけが楽しめる味でもあるんですよ。野生動物だからこそ当たり外れもあり、いかに美味しく食べるかを考えるのもまた楽しいですよね。── 個体差があるとは新鮮です。一般的には食べるのをためらってしまいそうな鳥獣も食されていますが、そのモチベーションはどこから来るのでしょうか。たとえばカラスとかね。みんな「カラスは不味い。獲るもんじゃない」と言う割に、聞くと実際に食べたことはないんです。言い伝えや噂なんですよ。それなら自分で食べて確かめたいという好奇心がまず一つ。もう一つは、獲ってもいい狩猟鳥獣の中には「不味い」という噂が定着しているものが多い。そうでなくても駆除された獲物は、そのまま土に埋葬されがち。すると、それを掘り起こして食べる動物がいて、また繁殖しちゃうわけです。てことは、やっぱり獲ったら食べるのが基本。僕のすごく個人的な意見だけど、獲ったらなるべく食べようよと思っちゃう。── その結果、さまざまな動物を食し、どんな実感を持たれましたか?先入観がことごとく裏切られましたね。山で暮らしているカラスは赤身で美味しいし、アライグマやアナグマも臭みの原因と言われる外側のあぶらを取るとめちゃめちゃ旨い。ヌートリアやタヌキもふつうに食べられるし、キツネや野ウサギ、テンは筋肉質で肉が少ないけど、そこが好きと言う人もいます。唯一僕が、「うへっ」ってなったのはカワウかな。噛むほどに川の匂いが広がって、これはもう期待通り不味い(笑)。── 不味さが確認できたことも喜びに(笑)。そんなふうに狩猟から調理、食すまで野生動物と近しく触れ合ってきた経験から、近年のクマ被害についてはどう思われますか?まず要因の一つに、ハンターの高齢化で熊があまり獲られなくなり、個体数が増えたことが考えられます。その結果、山のテリトリー争いに負けた弱い個体が里に降りてくる。本来は脂肪が蓄えられるどんぐりを食べて冬眠しなくちゃいけないんだけど、栄養不足で冬眠すらできない熊も出てくる。そう考えると、荒唐無稽かもしれないけど、数十年単位でどんぐりの木を植えたり、不作の年は、森にどんぐりを撒いたりとか、人間が動物と共存できる道を探ったほうがいいと思います。人間側がちょっと偉そうですよね。僕は、邪魔者を排除する・駆除っていう言葉が好きじゃない。そもそも山は彼らのもの。勝手に開発して追い詰めてったのは人間のほうですから。ハンターを10年以上やってきて思うことは、やっぱり彼らのフィールドにお邪魔して、時々恵みとして命をもらっているということ。人間は生き物のエネルギーをもらって、なんとか生きられるわけですから。── 北尾さんにとって、「狩猟」とは何でしょうか?他の趣味と違うのは、命のやり取りがあることでしょうか。鳥に弾が当たった後、走って行くでしょ。するとまだ温かい。すぐに腸を出さないといけないので手を体の中に入れると、すごく熱いんですよ。それがだんだんと硬直してくる。さっきまで生きていたのに、ただの物質になっていく時間がすごくリアルでね。結局人も同じ。生まれて、生きて、死ぬ。そのサイクルをすごく生々しく感じるんです。きれいに言っちゃうと、美しい。僕にとっての狩猟のメリットはそれを実感することかもしれない。自分の死や家族の死と結びつけるのは違うかもしれないけど、死に対する感覚が身近になる。戦場じゃなくても流れ弾に当たったように死ぬ人生もあるでしょうし、案外、命はそんなものかもしれないなとも思う。だったら、明日のために今日を生きるんじゃなく、今日をしっかり生きないと明日は来ないぞっていうふうにも思うようになりましたね。── 最後に今後の目標を教えてください。まだ食べたことのないヒグマやミヤマガラス、タイワンリスなど未知のジビエを味わうこと! そして獲ったら残さず食べる。不味いと決めつけられている鳥獣も、自分の舌で確かめる。そんなハンターでありたいです。ここ数年、ニュースに取り上げられることの多い「クマ被害」の話題は、人間と野生生物との関係性を捉え直す転換点のようにも感じます。命は大事、でも駆除は必要、しかしハンターは不足している。さまざまな見解と課題が複雑に絡み合い、用意に答えを出すことはできないテーマではあります。必要なのは一面ではなく、多角的な視点から問題を捉えてみること。そういった意味で、北尾さんが語ってくれた「ジビエは旨い」「生死の生々しい実感」といった話は、私たちにまた一つ新たな視点を与えてくれるようです。
("ドングリの木"伐採進める県に「シカ目線で見ていない」憤る研究者)
連日、大勢の観光客で賑わう奈良公園。お目当てはもちろんシカです。鹿せんべいをやったり、くつろぐシカの横で写真を撮ったり、奈良公園は野生のシカと人間が共存する、世界的にも珍しい場所です。ところが今、シカの生態が脅かされかねない問題が起きているといいます。北海道大学・文学研究院招へい教員の立澤史郎さん(65)。長年、奈良公園周辺に生息するシカの研究に取り組んできました。そんな立澤さんが最近気になっていることが「切り株」です。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「これは新しいですね。枯れてるからじゃなくて、生きている状態で切られたわけですけど。奥とか右側の切り株は伐採されているんだと思います」。公園内には木の切り株が至る所にあるのです。あちこちに、最近切られたとみられるものが目立ちます。これらは奈良県が伐採したものです。中でもドングリの木が伐採されていることに立澤さんは憤っています。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「(シカが)かなり真剣にドングリだけ狙っている感じですね。ドングリ自体が秋から冬にかけてのシカの主食ですから、食べ物を供給するという点で一番、ドングリの木の伐採は問題になってくる。『誰もシカ目線で見ていないな』というのは非常に思いました」。シカにとって、ドングリは貴重な食料で食べられなくなると冬の生存率に大きく影響するといいます。また食料として以外にも冬を乗り越えるうえで必要なものだといいます。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「奈良は冬の底冷えが結構厳しいんですけど、そういうときはたいてい、大きなドングリの木の下に集まっている。落ち葉がたまった所に乗っかってみんなで寄り添って寒さをしのいでいるんですけど、照葉樹のドングリの大木の根元は、シカにとっては冬を越せるかどうか非常にクリティカル(深刻)なポイントになる環境だと言えます」。なぜ奈良県はドングリの木を伐採するのでしょうか?理由は、2012年に県が策定した「奈良公園植栽計画」にあります。1880年、明治時代に開園した奈良公園。その美しい景観が評価され、1922年には「国の名勝」にも指定されました。ところが、時が経つにつれ公園の木々が大きく成長し景観が損なわれたとして、県は適切な樹木管理として木を伐採し、マツやサクラに植え替えていくことを決めたのです。県はこの計画に基づき2019年から本格的に伐採を始め、これまでに280本の樹木を伐採。このうち40本近くがシラカシやイチイガシなどのドングリの木でした。奈良公園のシカは今、別の問題も抱えています。春夏の主食である「芝」が減ってきているのです。急激に増えた観光客が踏んでしまうことで芝が根っこから切れてしまっています。修復を試みた場所もありますが、3年前の写真と見比べても、変化は一目瞭然です。立澤さんは、こうした食料不足は「シカだけの問題ではすまされない」と指摘します。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「自然の食べ物が減った分、人間に食べ物を依存する。人間に対する『食べ物をくれ』という要求が強まってきて、場合によっては非常に攻撃的になることが考えられます。もうひとつは、食べ物がないんだから、平たん部にいても仕方がないということで、農地の多い公園の外側へ出ていく個体が増える可能性がある。そちら側に出て行ったシカは農作物被害を起こす可能性が高くなると思います。いずれにしても、人とシカの間のトラブルがより強まる可能性があると思います」。市民からもシカの食料不足を懸念する声があがっています。ドングリの木の伐採中止と芝地の回復を求めて市民団体が署名運動を開始。1か月足らずで約2万5000人の署名が集まり、5月、奈良県の山下真知事宛てに要望書を提出しました。計画を進める奈良公園室の担当者に話を聞くと…(奈良県・観光局奈良公園室 奥田篤室長補佐)「ドングリの木は確かに切っているんですが、伐採木の1割ちょっとの本数です。奈良公園には非常にたくさんドングリがなる木があるので、急激にシカが食料危機に陥ることはないと」。シカの数は伐採が始まった2019年以降も減っておらず、食料が不足しているわけではないと主張しました。そして…(奈良県・観光局奈良公園室 奥田篤室長補佐)「当然シカも大事なんですけど、それと同時に奈良公園の景観、これは『名勝』なので文化財で、実は同じくらい重いものです。それをシカだけの考えで進めるのは難しいのかなと」。ドングリの木の伐採について奈良県の山下知事は、5月30日。(奈良県 山下真知事)「(ドングリの木)約1000本のうち(伐採するのは合計で)58本なので、それくらい切ってもほとんど影響がないと思いますけど、仮に微々たる影響があったとしても、奈良公園の外側の山に行ってドングリの実を食べればいいということなので、シカの生態には全く影響がないと認識しております」。一方、北海道大学の立澤さんは、例え1割でもドングリの木が減るとシカに影響があり、人がやる鹿せんべいに依存するシカも出てきているといいます。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「今は鹿せんべいを持っていると(シカが)どっと来ますから。保護が成功したから今のシカの姿があるんですけど、増やした責任は人間にあるので、これからどうするかを人間が責任を持ってうまくバランスをとってやらないといけない」。1000年以上、人とシカが共生してきた奈良。景観を重視する県とシカの専門家の間で意見が割れています。前田春香アナウンサー「両者の意見はそれぞれあるんですけれども、取材をしてどのような印象でしょうか?」。金咲和歌子記者「県の主張もその通りで理解できるんですが、奈良のシカはやはり野生のシカであるということが大きなポイントです。そうした意味で、人間のあげる鹿せんべいに依存するような状況が続くと、野生という意味での価値が低くなってしまうのではないかという指摘が出ています」。前田春香アナウンサー「『観光地の景観を守る』と『シカの命を守る』。非常にバランスが難しい問題ですね。今後について奈良県はどのような方針なのでしょうか?」。金咲和歌子記者「県には鹿の保護について検討する委員会と、奈良公園の景観について考える委員会がそれぞれあって、少し縦割りになっている側面があったそうなので、情報共有をより密にしていくという方針を県も持っています。また、ドングリの伐採が鹿の食料事情にどのように影響を与えたかや、そもそも奈良公園内にシカの餌はどのぐらいあるのかを改めて調査する方針です」。河田直也アナウンサー「これまでに280本の樹木が伐採されているということですが、伐採はさらに続くのでしょうか?」。金咲和歌子記者「ドングリについてはプラス20本ほど、合計で約60本を伐採する計画にはなってはいるのですが、今後伐採を続けていくかどうかも、もう一度検討すると県の担当者は言っていました」。前田春香アナウンサー「非常に難しい問題ではありますが、中野先生、これは放ってはおけないですね」。神戸学院大学・中野雅至教授「どちらにも言い分があると思います。僕は奈良県出身ですが、昔からシカは鹿せんべいに寄って来ましたよ。50年前も60年前もそれほど変わっていないと思います。インバウンドの増加や芝生の面積など、ドングリ以外の要因もやっぱりもっと見た方がいいと思います。ドングリの伐採本数だけを見れば、確かに山下知事がおっしゃる考えも無理はないような気もするので、他の要因も見た方がいいと思います」。
(野生動物との共存は「森と人の暮らし」の再構築から始まる )
近年、全国各地でクマの出没や人身被害が相次ぎ、社会問題となっている。特に令和7年度は記録的な大量出没が見られ、多くの地域で住民に不安が広がった。その背景には、気候変動や凶作といった短期的な要因だけでなく、日本の森林環境の変化、そして地方の過疎化という深く複雑な構造的問題が横たわっている。長岡技術科学大学で野生動物管理工学を研究し、自身が代表を務める法人で鳥獣害対策の社会実装に取り組む山本麻希さんは「獣害対策をしていくには、森と人の暮らしのどちらも環境整備することが大切だ」と説く。研究者でありながら現場主義を貫き、自ら狩猟免許を持ち山に入る山本さんに、クマ大量出没のメカニズム、多様な野生動物の脅威、そして我々人間が向き合うべき「地域社会の在り方」について聞いた。山本さんは、長岡技術科学大学において、大型鳥獣類を対象とした行動生態学と管理工学を専門としている。野生動物の生態を深く知ることが適切な管理につながるという信念のもと、動物の体にセンサーを取り付けて行動を記録する「バイオロギング」という手法や、ドローン、ICTなどの工学技術を駆使した対策手法の開発を行っている。また「大学で研究した結果をスピード感を持って社会実装したい」という思いから、NPO活動などを経て、鳥獣害対策の現場指揮、地域住民への啓発を行う株式会社うぃるこを設立。さらに、未来里山技術機構(NEST)を立ち上げ、獣害対策と持続可能な森林管理、地域経済の活性化をセットにした、包括的な地域創生事業を展開している。山本さんの活動の根底にあるのは「野生動物と人間の共存」という信念。単に動物を駆除すればよいという考えではない。生態学的な知見に基づき、適切な工学技術を開発・導入し、それを運用できる地域の人材を育てることこそが鍵だと考え、様々な活動を行う。2025年、全国的にクマの出没がニュースとなったが、山本さんが拠点を置く新潟県もまた、深刻な状況に見舞われた。山本さんによれば、この大量出没は「起こるべくして起こった」という。直接的な引き金となったのは、ブナの凶作である。専門家たちの間では、夏の時点で山に実がないことが確認されており、「今年は出る」と予測されていた。新潟県では過去、ブナの凶作と連動してクマの出没が増加してきた歴史がある。2025年は、ブナが大凶作だった。しかし、問題は単年の凶作だけに留まらない。より深刻なのは、長期的なクマの分布と行動の変化である。山本さんは、まずクマという動物の生物学的な特性を指摘する。「クマは体重に対する大脳比率が非常に高く、とても学習能力の高い、かなり頭の良い動物なんです」。過去の凶作のたびに、本来は人を避けて奥山で暮らしていたクマたちが里に降りてきた。その際、彼らは成功体験を得てしまったのだ。「降りてきた時に、『柿がおいしかったな』とか『あそこに行けば餌があるな』と、良い思いをしてしまっている。そうすると、餌が少しでも不足するとすぐに降りてくるようになり、やがて山へ帰らずに、人里の近くで暮らす個体も出てくるわけです」。中山間地域の過疎化が事態をさらに悪化させた。里山の手入れがされず、奥山と人里の間が密林化したことで、「帰らなくていい状況」が生まれてしまったのだ。その結果、数十年の時を経て、事態は新たなフェーズに入ったと山本さんは警鐘を鳴らす。「今や里山どころか、民家の裏山に定住して繁殖する個体が定着してしまいました。彼らは人間の里近くで生まれ育ち、奥山の暮らしを知らない世代なのです」。さらに、山本さんが新潟県における大量出没の最大の原因として挙げるのが、森林環境の劇的な悪化、具体的には「ナラ枯れ」である。「新潟県ではカシノナガキクイムシが媒介する伝染病によって木が枯れる『ナラ枯れ』が発生しており、県の調査によると2002年から2010年にかけて大蔓延しました。多い年には5万本から10万本にも及び、全県に被害が広がったのです」。森林面積の多くを広葉樹が占める新潟県において、その被害は甚大だ。この喪失が、クマの生態に致命的な影響を与えた。本来、クマは高標高のブナが凶作の際には、より低標高にあるナラ(ドングリ)を食べて飢えをしのいでいたからだ。「かつては里山のナラが、クマたちの『セーフティーネット』として機能していました。しかし、ナラ枯れによってそのセーフティーネットがごっそりと消滅してしまったのです」。食べるものを失ったクマは、生きるために集落へと溢れ出すしかなかった。2006年以降、クマの大量出没が常態化してしまった背景には、このナラ枯れによる餌資源の枯渇が深く関係している。山本さんが長岡技術科学大学で研究をするようになったのも、新潟でのクマの大量出没がきっかけだった。幼少期から無類の動物好きで、実家では多くの保護犬や猫と暮らしていた山本さん。大学院ではペンギンなどの潜水行動を記録する研究に没頭し、博士号を取得した。しかし当時は「野生動物管理」が職業として成立していない時代。「仕事にならない」と研究者の道を一度断念し、高校教師として働いていた。転機は2006年。新潟県でクマが大量出没し、およそ500頭ものクマが捕殺されたニュースを目にしたことだった。「隣の長野県では科学的な管理が行われているのに、新潟ではあまりに多くのクマが殺されている。生態学者として『絶滅してしまうのではないか』と愕然としました」。このままではいけない──。山本さんは当時関わりのあった長岡技術科学大学に直談判し、「一番クマが出ているこの地域で、科学的見地から意見できる人間が必要だ」と訴えた。その熱意と実績が評価され、工学系の大学に生態学のポストが作られるという異例の形で、山本さんは再び研究の世界へ戻ることになった。新潟のクマ問題がなければ、現在の山本さんの活動は存在しなかったかもしれない。クマ対策について、科学的データに基づいた「順応的管理」と、徹底した「ゾーニング」の必要性を提唱している。まず課題となるのが、個体数管理の指標だ。野生動物の管理計画を立てる際、しばしば「何頭いるか」という推定生息数が議論の土台となる。しかし、広大な山林を移動する野生動物の正確な数を把握することは、科学的に極めて難易度が高い。そこで山本さんが推奨するのが、絶対数そのものではなく「トレンド(増減傾向)」を重視するアプローチだ。「正確な生息数を出すことは非常に難しく、推計にはどうしても大きな誤差が含まれます。そこで重要になるのが、『増えているか、減っているか』というトレンドを見ることです。新潟県では県内120箇所に自動撮影カメラを設置し、そこに写る頻度を指標として活用しています」。カメラに写る頻度が上がっていれば「増えている」と判断して捕獲圧を強め、下がっていれば緩める。このデータを元に、柔軟に対応を変えていく「順応的管理」こそが、不確実性の高い自然界に向き合うための現実的な手法という。さらに山本さんは、対症療法的な管理だけでなく、根本的な環境整備の重要性を説く。ナラ枯れで傷んだ森を再生させることだ。しかし、そこには「時間」という壁が存在する。「ナラの森を更新させるには、一度木を伐採して光を入れ、育林しなければなりません。それには30年という長い歳月がかかります。ですが、クマに対して森が戻るまで30年待ってくれとは言えません」。森が回復するまでの過渡期、そして人里にクマが定着しつつある現在において、どう共存を図るか。そこで不可欠となるのが、人とクマの生活圏を分ける「ゾーニング」という考え方だ。緩衝帯をどの程度の広さで設けるかは、地形や地域の実情によって異なり、専門家の間でも議論があるところだ。しかし、山本さんは「メスグマの行動圏」を一つの基準として考えるべきだと指摘する。「クマ、特にメスの行動圏はだいたい直径3キロから5キロメートルくらいと言われています。つまり、集落から5キロ以内の裏山にメスが定着してしまうと、その集落はすっぽりと生活圏に入ってしまうことになります」。もしその距離感でメスが定着し、子供を産んでしまうと、その子グマは最初から人を恐れない「新世代グマ」として育ってしまう。そのため山本さんは、単に草を刈ればいいという話ではなく、個体の性質を見極めた厳しい管理が必要だと訴える。「集落の近くを行き来しているだけの『通りすがり』の個体であれば、追い払いや電気柵で対応できます。しかし、集落周辺の裏山に定着してしまった個体に関しては、住民の安全を守るために、厳しく山へ押し返すか、場合によっては捕獲して排除する必要があります。ここに関しては、『かわいそう』という愛護の視点だけでは、地域住民の暮らしは守れません」。人と野生動物、双方が不幸にならないための境界線を引くこと。その覚悟を山本さんはこう表現する。「動物たちは決して『悪者』ではないということです。クマだって、人を襲いたくて降りてきているわけじゃありません。お腹が空いて、生きるために必死で餌を探しているだけなんです。それでも、里に定着してしまったクマに対しては、残念ながら心を鬼にして管理しなければなりません。でも、排除して終わりではないんです。同時に長い時間をかけて奥山の環境を整え、クマが本来帰るべき場所を作ってあげる。この個体管理と環境整備の両輪を回していくことこそが、私たち人間に求められている責任なんです」。日本の野生動物問題はクマだけに留まらない。山本さんは、シカ、イノシシ、アライグマ、サルといった動物たちもまた、それぞれ異なる形で脅威となっていることを指摘する。「シカは一度減ったかと思われましたが、再び増加傾向にあり、被害が減らない状況にあります。また、イノシシも豚熱で一時的に減少したが、繁殖力が高くすでに個体数が回復しつつあります」。特にシカについて、山本さんはその「食性の広さ(可塑性)」に恐怖を感じているという。「シカは餌がなくなると、それまで食べられなかったものを食べるようになるんです。例えばシカが嫌いなマムシグサのような、針がいっぱいで毒のある植物でさえも食べてしまう事例が出ています。最後は本当に森を全部食い尽くすまで増えてしまう動物なんです」。森の下草を食い尽くされると、土壌が露出し、土石流などの災害を引き起こす原因となる。日本の森林生態系を根底から破壊しかねない存在として警戒している。また、次に山本さんが警鐘を鳴らすのが、特定外来生物のアライグマだ。1970年代に放送されたテレビアニメブームでペットとして輸入されたが、その実態は愛らしいイメージとは程遠いという。「非常に凶暴で、ペットとして全く不向きで、飼いきれなくなった人たちが放してしまった結果、爆発的に広がりました」。アライグマは雑食で繁殖力が高く、日本の在来生態系に壊滅的な打撃を与える。タヌキやアナグマを駆逐し、絶滅危惧種であるサンショウウオやカエルなどの両生類を根こそぎ捕食してしまう。「彼らは木登りがとても得意なので、フクロウやサギ類の巣を襲って、一晩でコロニーを全滅させてしまうこともあります。彼らに罪はないですが、生態系からの根絶を目指さないと、日本の自然が大変なことになります」。これら全ての獣害問題に通底する根本的な課題について、山本さんは「獣害対策の技術自体は、もうすでに確立されているんです。問題は、それを実行する『人』が地域にいないこと。これに尽きます」と話す。例えば、イノシシ対策の電気柵。正しく設置すれば被害は防げるという。しかし、電気柵は一度設置して終わりではない。伸びた雑草が電線に触れると、そこから電気が地面に逃げる漏電が起きて電圧が下がり、動物を撃退できなくなってしまう。つまり、効果を維持し続けるには、柵の下の草を刈り続けるという、地道なメンテナンスが欠かせない。山本さんは、現場の実情をこう嘆く。「電気柵を張れば止まるのは分かっています。でも、誰がその下の草刈りをするのでしょうか。管理をするための労働力が、もう農村には残っていないんです。80歳のおじいちゃん、おばあちゃんに、急斜面で草刈りをしろなんて言えませんから。最大の問題は、日本の人口が異常なまでに都市部に一極集中してしまっていることです。地方に人がいなくなり、山の手入れをする人が消えた。その空白地帯に野生動物が進出しているのが現状です」。近年、この流れを変えるべく、地方自治体では「地域おこし協力隊」などの制度を活用し、外部からの人材導入や関係人口の創出に力を入れている。しかし、山本さんは現場を見てきた人間として、そこにある厳しい現実を指摘せずにはいられない。「協力隊の3年が終わった後、どうやって生活していくのか。田舎で暮らすには、やりがいだけではダメなんです。家族を養えるだけの経済基盤がなければ、優秀な若者はまた都会へと流出してしまう」。地域に産業がなく、仕事がない。この「稼げない」という現実こそが、獣害対策の担い手不足を招き、結果として野生動物との境界線を崩壊させている。「稼げる仕事」として鳥獣対策を確立するためには、日本の社会システムそのものをアップデートする必要がある。山本さんは、欧米との決定的な違いをこう説明する。「欧米では、ワイルドライフ・マネジメント(野生動物管理)が社会システムの中に組み込まれている国もあります。例えばイギリスでは、土地所有者(貴族などが多い)が、そこに住む生き物も管理する責務を負うという考え方になっています。ドイツでは、フォレスターという日本と同じような森林を管理するプロフェッショナルの職業の方がおり、彼らは森の管理とともにそこに住むシカの個体数も管理する役割を担っているようです。そしてアメリカ合衆国では、州の野生生物担当機関が管理の中心を担い、調査・モニタリング等の科学的データに基づいて施策を進めます。州機関が比較的安定した資金基盤を持つことが、専門人材の雇用や科学に基づく管理を支える構造になっています」。ひるがえって、日本はどうか。山本さんがかつて「そんな職はない」と言われたように、日本社会には野生動物管理を職業として遇する文化が存在しなかった。「日本には明治期以降、禿山になるまで木を切り、動物を獲り尽くしてしまった『野生動物があまりいなかった時代』が長く続きました。そのため、昭和40年代から取られた保護偏重の政策が続いていました。その後、1999年に科学的データに基づく順応的管理が導入されたり、2014年に『鳥獣保護管理法』へ改正されたりと、制度のアップデートは行われてきましたが、管理へと舵を切るのがあまりにも遅すぎたように感じています。結果として、今の自然環境の変化に対して、社会の仕組みが追いついていないんです」。森が戻り、動物が増えた現代において、科学的に「管理する」専門家が必要不可欠だ。一方で、獣害対策だけで生活することは現実的に難しい。そこで 山本さんは未来里山技術機構(NEST)で、森林管理や森の恵みを活用した地方創生業務を行い、地域経済を回すことを目指している。「森を整備し、そこから得られる木材で収益を上げつつ、森を育てる『育林』の価値に賛同してくれる企業からのスポンサーシップも募る。そうして得た資金で、森を守る専門家を雇う。さらに、そのプロセス自体をスタディツアーとして都市部の住民に販売し、学びの場を提供する。そうやって、獣害対策をしながら、地域で稼げる状況を作りたいと考えています」。この春、山本さんは大きな決断を下す。長年勤めた長岡技術科学大学を退職し、自身が立ち上げた事業による地域活性化に、活動の軸足を移す。「私は新潟のクマ問題がきっかけで、大学にポストを作ってもらってここに来ました。そして今、そのクマ問題を本格的に解決するために、大学を出ていくんです。結局、地域で経済が回らないと人は戻らないし、獣害もなくなりません。現場に出て、ビジネスを作って、獣害対策プラスアルファ、農業プラスアルファのように、地域で食べられる仕組みを作っていきたいい。森と人の暮らしを守るためには、私が実業でやりきらないといけないと思ったんです」。クマの大量出没は、我々に突きつけられた警告である。それは単に「動物が増えた」という話ではない。人間が森を利用しなくなり、地域社会から人が消え、自然と人間の境界線が崩壊したことの証左だ。しかし、その危機感は都市部の人には実感が持ちづらいものかもしれない。山本さんは、ぜひ現場を見てほしいと話す。「ニュースを見て『クマがかわいそう』と言うだけでなく、ぜひ現場に来て見てほしいんです。インターネットやAIで得られる知識は断片的です。実際に里山に足を運び、荒れた森を見て、畑を荒らされて途方に暮れるお年寄りの話を聞くこと。あるいは、対策に汗を流す人々と触れ合うこと。現場に来て、地域の人と話をしてみてほしい。そのリアルな体験こそが、野生動物との真の共存とは何かを考える出発点になります」。
(農業用倉庫内でクマ1頭目撃、緊急銃猟で駆除:山形)
酒田市によりますと、25日午前6時前、山形県酒田市中野俣の農業用倉庫内でクマ1頭が目撃されました。地区の住民から警察に通報があったということです。クマは午前11時前、緊急銃猟で駆除されました。駆除されたクマはメスの幼獣で、体調73センチメートル、体重20キログラムでした。
(“迷い”シカ「何かの縁」、能勢温泉が受け入れ:大阪)
大阪市内で目撃が相次いだシカについて、大阪市は27日午後に、大阪府能勢町にある「能勢温泉」に移送しました。今月21日以降大阪市内で目撃が相次いだシカは、25日大阪市城東区で捕獲され、市の施設で一時的に保護されていました。奈良公園から移動してきた可能性もあり、大阪市は当初、受け入れについて奈良県と調整しましたが、奈良県側の難しいという見解をうけ、大阪府内の施設と調整を進めてきました。大阪府能勢町の「能勢温泉」は、かつて敷地内に迷い込んだシカの世話をした経験があり、大阪市が依頼したということです。能勢温泉の西山竜也社長は「何かの縁で来てくれた。言葉は通じないが『ここに来てよかった』と思ってもらえるように、良い環境を作っていきたい」とし、受け入れに向け、敷地内にあるキャンプ場の一角に柵を設置し、木を植えて環境を整えるなど準備を進めたということです。大阪市の横山市長が26日夜、シカの名前について自身のSNSでアンケート実施したところ、吉村知事が提案した「シカやん」が過半数を占めました。能勢温泉の西山社長は市長の意向に沿いたいとしています。
(残雪期のヒグマを探せ、春季管理捕獲を実施中:北海道)
石狩市は残雪期に人里に現れるヒグマを捕らえる「春季管理捕獲」を、厚田、浜益両区で5月末まで実施している。今月30日現在、市内での目撃通報は無いが、両区の山中でハンターがヒグマとみられる動物の足跡を見つけており、冬眠明けのヒグマが出没する可能性が高まっている。市内では昨年1年間で、史上最多の7頭を駆除しており、市は「市街地や集落付近での出没抑制につなげたい」としている。
(民家敷地内にクマ、わなで捕獲:福島)
31日午前9時50分ごろ、会津若松署員が会津美里町旭寺入の民家の敷地内でクマ1頭を発見した。クマは、約5時間40分後に近くにある蔵の中で町が設置したわなで捕獲された。けが人や物的被害はなかった。同署会津美里分庁舎によると、クマの体長は約0.5メートル。3月30日に現場近くでクマの目撃情報が寄せられていたことから、周辺を警戒していた署員が発見した。連絡を受けた町が、蔵の中に侵入したとみられるクマをわなを使って捕獲したという。現場周辺は山あいの地域で、民家の敷地がやぶに隣接している。住人の男性は「クマは蔵の基礎部分に開いている穴から入り込んだようだ。小さいとはいえ怖かった。捕まって良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
(小学生の尾瀬宿泊体験学習、相次ぐ熊出没で休止決定:新潟)
魚沼市は、市内の全小学校が尾瀬で毎年実施している宿泊体験学習を、2026年度は休止すると決めた。相次ぐクマの出没を受け、児童の安全を考慮した措置で、26年度はガイドが映像を使って自然環境を説明するなど、座学での代替案を検討している。魚沼市は10年度から、5年生を対象にした宿泊体験学習「魚沼尾瀬学校」を実施。豊かな自然や環境保全の大切さを児童に知ってもらい、郷土への誇りや自然愛護の心を育むことを目的とする。例年6~7月ごろ、魚沼市から船とバスを乗り継いで尾瀬に向かい、ガイドの案内で尾瀬沼周辺を散策するなど、1泊2日の環境学習を行ってきた。
(ジビエ活用、県推進:島根)
野生動物の食肉利用(ジビエ)の活用を推進するため、島根県が2026年度、野生イノシシのジビエに必要な豚熱(CSF)のPCR検査体制を構築する。
(鹿肉ソーセージ、観光協会認定の特産品に加わる:長野)
伊那市高遠町の信州高遠ジビエ加工センターの鹿肉ソーセージが新たに、市観光協会が市の特産品を認定する「信州伊那のすぐれもん」に登録された。粗びきの鹿肉ミンチにハーブと少量の豚肉を加え、ジューシーさと食べやすさを両立させた。
(ジビエ丼お肉ほろほろ:石川)
白山の山あいで「ジビエ」を使った丼ものや地元の巨大ナメコを使った料理が楽しめる。築100年の古民家らしく「実家」のぬくもりを感じる店内は、大きなクマの毛皮やシカの角が飾られ、猟師の家にお邪魔したような雰囲気もある。人気メニューはシカ肉のロースト丼(イノシシ肉も)(税込み1680円)。60度前後の低温で2時間以上かけて加熱し、柔らかい肉質に仕上げたジビエが県内産米にのり、ナメコやタマネギをいためた特製ソースがからむ。肉は口の中に入れると、ほろほろとほどけていく。付け合わせの生卵をかけるとまろやかになるが、今度はワサビがつんとしたアクセントになり、ボリュームはあるが飽きがこない。スタッフの馬嶋礁也さん(26)は「ジビエは臭いがあるというのはイメージだけで臭みはない」と話す。ジビエ初心者にも食べやすい。食堂は2021年、ジビエ加工や地元の自称「日本一でっかいなめこ」(長さ10センチ前後)、食用羊の生産を行う「山立会」(白山市)がオープンした。店では全国的にシカなどが作物を荒らす獣害が相次ぐ中、捕獲して安全に解体処理されたものを使う。時々、クマのどて煮がメニューに並ぶこともある。馬嶋さんは「里山での暮らしを感じながら味わってほしい」と話している。
(エゾシカ肉の食肉処理場がビストロフレンチをオープン:北海道)
エゾシカやヒグマなどを取り扱う食肉処理場を経営する株式会社Mt.がBistro Montagne(ビストロ モンターニュ)を2026年4月10日(金)にグランドオープンする。Bistro Montagneでは、北海道の山の恵みであるジビエや山菜、季節の野菜を使用したメニューをお届けし、日常の中の小さなご褒美を感じるような一皿と時間を提供します。アラカルトを中心としたメニュー構成で、お客様のお好みでメインの料理を選ぶことのできる「自分だけの一夜」をフレンチで楽しんでいただけるお店です。また、エゾシカ肉によく合うピエモンテバルベラ(2023)をはじめとする多彩なワインを取り扱い、ドリンクと料理のペアリングをご堪能いただくことができます。
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