<射撃ニュース4月>
4/28
(山林でクマに襲われ70代男性けが:岩手)
25日午前、岩手県久慈市の山林で山菜採りをしていた70代の男性がクマに襲われけがをしました。岩手県内でのクマによる人身被害は2025年度2件目です。25日午前11時半ごろ、久慈市宇部町の山林で1人で山菜採りをしていた70代の男性から「クマに襲われて動けない。頭、顔から出血している」と消防に通報がありました。警察や消防によりますと、クマは体長1.5メートルほどの成獣とみられ、男性は頭を引っかかれて出血しているほか、腕をかまれるなどのけがをしましたが、病院の搬送時に意識はあり、会話は可能だということです。県内のクマによる人身被害は2025年度2件目です。県は「ツキノワグマの出没に関する注意報」を発表し、山に入るときは複数人で行動し、音の出るものを携帯するなどの対策を呼びかけています。
(男性がクマにかまれ軽傷:長野)
25日午前9時50分ごろ、長野県上田市芳田の市民の森公園から北東に約2キロ先の山林で、同市の公務員の男性(45)がクマに遭遇し、左足のすねをかまれた。上田署によると、男性は自力で下山し、軽傷の模様。山菜を採りに1人で山林に入っていたという。クマは成獣とみられるという。春は冬眠明けのクマが好物の草や木の芽などの食べ物を探して山中を動き回る。県は「山菜採りに熱中するあまり周囲への注意力が散漫にならないよう注意が必要」として、クマよけ鈴など音が出る物を持ち歩き、複数人で行動するよう呼びかけている。
(野生のサルが出没、50代の女性が軽いけが:大分)
26日午後3時過ぎ、大分県国東市で50代の女性が野生のサルに襲われ、軽いけがをしました。サルは現在も逃走中です。警察や国東市によりますと、26日午後3時過ぎ、国東市武蔵町で55歳の女性が自宅の駐車場で車に乗ろうとしたところ、突然野生のサルに襲われました。女性はサルに手を噛まれたり引っかかれたりして軽いけがをしました。サルはその後、逃げ出して、現在も捕獲できていません。警察では目撃しても刺激しないよう注意を呼びかけています。
(山菜採りの男性クマに襲われけが:岩手)
八幡平市の山林で山菜採りの男性がクマに襲われケガをしました。警察と消防によりますと、26日午前八幡平市野駄の前森山に1人で山菜採りに入った、市内の調理師・鈴木年明さん77歳がクマに襲われけがをしました。鈴木さんは左顔面や左腕、左腿などにケガをしましたが、自力で下山し病院を受診しました。その後、夕方になって矢巾町の岩手医大附属病院に搬送されました。意識はあり会話もできる状態だということです。
(公園でイノシシと遭遇、女性がけが:福岡)
北九州市は8日、小倉北区井堀5丁目の中央公園で3日午後8時半ごろ、60代女性がイノシシと遭遇し、けがを負ったと発表した。市は、同公園付近でイノシシを見たという複数の目撃情報があるとして、注意を呼び掛けている。
(県ライフル協会、補助金20万円を目的外使用:福岡)
将来の活躍が期待される県内の高校生アスリートを支援する県の事業をめぐり、県ライフル射撃協会が補助金を目的外で使用していたことが県への取材でわかりました。県では、2017年度からオリンピック出場など将来の活躍が期待される県内の高校生アスリートを支援する「トップアスリート育成強化事業」を始め、強化指定された選手に対して、競技団体を通じて補助金を助成しています。補助金の対象は大会参加の交通費や、競技用具の購入費用の一部などですが、県によりますと、県ライフル射撃協会は2020年度に目的外で補助金を使用していたことが県への取材でわかりました。県によりますと当時、協会を通じて選手2人に対し40万円が助成されましたが、このうち、少なくともおよそ13万円分について指定選手が出場していない大会の交通費を協会側が申請するなど誤った報告をしていたほか、実際に選手が出場した大会でも選手側に交通費や宿泊費用を渡していないケースもおよそ23万円分あったということです。県はこうした背景に協会の担当者の認識不足などがあったとしています。県は、協会を厳重注意にしていて、誤った報告で支給された補助金はすでに返金されているということです。
(ゼニガタアザラシが鳥インフル感染:北海道)
北海道根室市の海岸に打ち上げられていた野生のゼニガタアザラシ2頭が、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していた。環境省釧路自然環境事務所によると、アザラシ類の感染例は国内で初めてという。環境省から報告を受けた北海道野生動物対策課が25日、発表した。ゼニガタアザラシの死骸が18日、根室市桂木地区の砂浜で4頭見つかり、同事務所と北海道大学に回収されていた。北大で遺伝子検査をしたところ、感染が確認された。環境省によると、今回のゼニガタアザラシへの感染経路は不明だという。専門家の意見も聞きながら今後判断する。この地域では、2月以降、野鳥の感染例が相次いでおり、環境省が「野鳥監視重点区域」に指定し、警戒を強めていた。3月以降は、海鳥(ウトウやエトロフウミスズメ、ケイマフリなど)の感染例も報告されている。一般的にゼニガタアザラシと生息地が重なるため、海鳥の死骸やふんなどとの接触が原因になった可能性がある。道野生動物対策課によると、感染した鳥と密接に接触するといった特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられている。ただ、死亡したり衰弱したりしている鳥などの野生動物を見つけたときは「素手で触らず、近くの自治体に通報してほしい」と呼びかけている。ゼニガタアザラシは、北海道東部の沿岸に生息。南限は襟裳岬で、希少鳥獣に指定されている。道内では過去に、タヌキなどの感染例がある。
(野生イノシシ2頭の豚熱感染を確認:佐賀)
佐賀県は22日、唐津市と玄海町で捕獲、発見した野生イノシシ計2頭が、家畜伝染病の豚熱(CSF)に感染していたと発表した。
(中国製の「おもちゃの拳銃」、実銃と同じ機能)
中国の通販サイトで売られている中国製の「おもちゃの拳銃」について、実銃と同じ機能を持つものが少なくとも16種類確認され、警察庁が購入への注意を呼びかけています。警察庁によりますと2022年、インターネット上の通販サイトで「おもちゃの拳銃」として販売されているにもかかわらず、金属製の弾丸をこめれば、実銃と同じ機能になる「拳銃」を警視庁が初めて確認しました。実銃と同じ機能を持つ「おもちゃの拳銃」は全て中国製で、これまでに、少なくとも16種類あることが確認されていて、現在も中国の通販サイトで販売されているということです。これらを発砲した事件の覚知はないものの、このうちの1種類を人に突きつけて脅迫した事件が1件確認されているほか、2023年11月から今年3月までの間で、これらの銃を所持していたとして、30件ほどを検挙、約1100丁を回収したり、押収したりしたということです。
(イノシシとニホンジカの捕獲を民間に委託:富山)
県内で生息数が増えているイノシシとニホンジカの被害を防ぐため県は、2025年度から民間の事業者に捕獲業務の委託を始めた。
(クマに対する市街地での猟銃使用に向け、連携した体制作りを進める考え:岩手)
達増拓也岩手県知事は、市街地でクマを猟銃で駆除できるように法律が改正されたことを受け、市町村などと連携を強化する考えです。達増知事は25日の定例会見で、18日に改正鳥獣保護管理法が成立したことについて、次のように述べました。(達増拓也岩手県知事)「県としては市町村、猟友会、警察と連携した体制作りを進めたい」。改正法は、市街地にクマなどが出没した場合、市町村長の判断で猟銃を使った駆除を可能にすることが盛り込まれています。県内では、4月に盛岡市や釜石市の街中にクマが出没し、市民生活への影響が懸念されています。達増知事は安全な猟銃の使用へ、関係機関と連携を強化し、今後国が使用条件や手続きなどをまとめるガイドラインの内容を注視していく考えです。
(クマ対策、福島県が地域支援:福島)
クマによる人身被害を防ぐため、県は本年度、地域ぐるみで対策に取り組む市町村への新たな支援制度を設ける。地域住民の生活圏とクマの生息域の間に生い茂る草木を刈り払って「緩衝帯」をつくったり、電気柵を取り付けたりする費用を補助する。住宅街などで餌を探す「アーバンベア」の出没が相次いでおり、クマが集落に入り込まないようにする取り組みを後押しすることで、地域住民とクマのすみ分けを進めて人身被害を食い止めたい考えだ。全国でクマによる人身被害の増加を受け、環境省は昨年度、計画的に捕獲して頭数を管理する「指定管理鳥獣」にクマを追加し、対策に充ててもらうため自治体への交付金を用意した。県は交付金を活用し、クマ対策に乗り出す集落に市町村を通じて250万円を上限に補助する。農作物被害の主な原因となっているイノシシやサルの対策をクマにも拡充する形で、クマの目撃が多い会津を中心に県内15カ所ほどの集落を選定する見込みだ。県警に通報があったクマの目撃と人身被害の件数は【グラフ】の通り。クマの餌となるブナやミズナラ、コナラの実は数年ごとに豊作と凶作を繰り返し、凶作の年はクマが餌を求めて人里に現れる傾向が強まるとされる。凶作だった2023年は通報が最多の687件に上った。昨年は632件と減ったが、餌が並作ー豊作だったため生まれた子グマが多く、今年は目撃数が増加する可能性がある。クマの生活環境を巡っては、山林や里山で活動する人の減少や耕作放棄地の拡大などにより人への警戒心が薄れ、全国的に生息域が拡大。人里近くでの生活に慣れ、花火による追い払いが通用しない個体も出ている。集落に寄りつかせないようにするには屋外に置く野菜や生ごみ、未収穫の果物をなくすのに加え、電気柵の設置や緩衝帯の整備が有効で、地域ぐるみの取り組みが求められている。アーバンベア対策として県は、人里での出没が目立つ地域などでクマに衛星利用測位システム(GPS)を装着し、行動範囲の追跡調査を続けている。昨年度からの追跡データで、集落付近に定着している個体や奥山から出て数十キロ移動する個体がいることが分かった。県は市町村や狩猟関係者に追跡データを提供し、地域の特性に応じた対策に生かしてもらう考えだ。県は「市町村と連携し、集落単位で対策を進めていく」(自然保護課)としている。
(シカの食害進み土砂崩れも、荒れる伊吹山の植生復元をPR:滋賀)
滋賀県米原市は、ニホンジカによる食害が進む京都・滋賀最高峰、伊吹山の植生復元プロジェクトをPRするイベント「I am earth」を、5月10日に伊吹薬草の里文化センター芝生広場(同市春照)で開く。伊吹山の南側斜面は食害で保水力が低下し、2024年7月には麓の同市伊吹地区が3回にわたって土砂災害に見舞われた。市はプロジェクトで斜面に植物を植えたり、シカを駆除したりするなどの施策を進めている。イベントは、市や実行委員会が「伊吹山の未来を考えることは地球の未来を考えること」をテーマに行う。シカに食べられにくいイブキジャコウソウの苗木を育てる体験を午前11時から行う。参加者は苗木を秋まで自宅で育て、今秋に伊吹山に移植する。駆除したシカの角をキーホルダーに加工する体験(午前11時)や、伊吹山に生息する国の天然記念物イヌワシの保護を続ける野生動物調査研究会社「イーグレット・オフィス」(同市下板並)の須藤一成代表の講話「伊吹山の生き物」(午後1時)もある。音楽ライブや飲食・物販の出店も行われる。
(森に潜む“侵略者”「クリハラリス」:大分)
特定外来生物に指定されている「クリハラリス」の生息が、大分県別府市で確認されました。繁殖が進めば生態系や農林水産業への影響も懸念されることから、県などが対策を進めています。クリハラリスは、アジア全域にかけて広く分布し、頭胴長20~26cm、尾長17~20cm、体重300~440g前後になるリスで、環境省が2005年に「特定外来生物」に指定しています。別府市でクリハラリスの生息が初めて確認されたのは2021年、別府市南部の山中でした。おおいた生物多様性保全センター 森田祐介さん:「『クリハラリスじゃないかっていうリスがみつかったよ』ということで、非常にびっくりしましたし、最初は何かの間違いじゃないかと思いました」。離島や半島部を除く九州の本土で確認されたのは初めてで、生息域の拡大が懸念されています。現地では、リスの好物とみられるヤブツバキに食べた痕が数多く確認されました。森田祐介さん:「リスがいる証拠ですね。木の皮を前歯で横に削ってしみ出してくる樹液をなめて飢えをしのぐ行動をします。増えてきてしまうと、どんどん森づたいに広がっていってしまう可能性があるので、早期に根絶を目指す必要があります」。かつて大分市佐賀関沖の高島にクリハラリスが生息していました。観光資源として1950年代に11匹が放たれ、その後爆発的に繁殖しました。高島では2018年から森林総合研究所が中心となって防除を開始。4年間で1600匹以上のリスを捕獲し、2022年以降、生息は確認されていません。その結果、国の天然記念物であるカラスバトの繁殖が確認されるようになったといいます。森林総合研究所九州支所 安田雅俊さん:「クリハラリスが高密度に生息するようになって生態系への影響が大きかったと考えられます。高島から根絶したことによって、今後より生態系の回復が起きると考えています」一方、別府市で生息が確認されたクリハラリスは、DNA分析の結果、高島の個体とは異なる系統であることがわかりました。県やおおいた生物多様性保全センターなどは、2年間に48匹を捕獲しましたが、生息の実態はつかめていません。森田祐介さん:「別府にどのくらいのリスがいるのか非常に難しくてわからないです。どこまで広がってしまっているのかっていうのを早く把握したいと思っています」。こうした事態を受けて、県と別府市は今年2月に防除実施計画を策定。生息域の調査を行い、2025年度から7年間で根絶を目指す方針です。県自然保護推進室 羽田野康仁室長:「外来生物の中でも特定外来生物となっているということは、生態系への影響が特に大きい。発見初期の段階の対応によって駆除できる確率も上がりますので、この7年間で根絶を目指したい」。国内では天敵が少ないため、増えやすいとされるクリハラリス。対応が遅れれば広範囲に影響を及ぼす恐れもあり、関係者は警戒感を強めています。
(室蘭のエゾシカ駆除最多217頭:北海道)
室蘭市の2024年度のエゾシカ駆除数が、過去最多の217頭に上り、前年度(151頭)に比べ4割超増えた。シカ生息数の増加に加え、ハンターによる猟銃駆除を23年度から11年ぶりに再開。住民から目撃情報を提供してもらう体制を整えたことでくくりわなも効果的に設置できた。本年度の駆除目標は400頭とし、24年度実績からほぼ倍増させる。
(シカの生息域急拡大、農作物の被害絶えず:鳥取)
鳥取県でもイノシシやシカによる農作物被害が絶えない。特に近年、生息域を急拡大しているのがシカ。県内の自治体はジビエ(野生鳥獣肉)活用の振興や奨励金のかさ上げ、ハンター養成などに取り組んでいるが、適正な個体数にまで減らすには狩猟者の数がまだ足りていないのが実情だ。鳥取県内でシカによる農作物被害が増え始めたのは20年ほど前から。八頭郡内の集落の周辺で頻繁に目撃されるようになり、それまではイノシシが多かった八頭郡内の山の中の勢力図を徐々に塗り替えた。
(シカ被害軽減対策推進協定締結について:広島)
広島県三次市内に所在する国有林野等並びにその周辺地域の獣害対策の協力体制を構築し、共同してシカの捕獲を実施することを目的とした「シカ被害対策推進協定」締結を三次市長、三次市有害鳥獣駆除対策協議会長(三次市長兼務)の3者により令和7年4月24日広島北部森林管理署で3例目となる協定を締結しました。近年広島県北部地域のシカによる農林業への被害は拡大傾向にあり、捕獲効率が高い捕獲方法である「小林式誘引捕獲法」の普及にも努め、今後においても民国が連携し農林業被害及び森林生態系被害の防止を促進した取り組みを進めていきます。
(倉庫内にクマが侵入した想定、安全確保からオリの設置まで:秋田)
2019年に鹿角市十和田大湯の市街地にクマが出没した際、対応にあたった猟友会のハンターがクマに襲われ、けがをしたことを教訓に、鹿角市は、県内でいち早く、市街地の対処マニュアルを策定しました。その後、県内では全国に先駆けて、自治体と警察、それに猟友会による市街地での対応訓練が各地で行われています。23日は、近年、相次いで発生している建物内へのクマの侵入を想定した訓練が行われ、参加者が連携を確認しました。23日、鹿角市で行われた、クマの市街地対応訓練。去年、秋田市にあるスーパーの店内にクマが侵入して、長い間とどまったことを教訓に、見通しが悪い倉庫の中にクマが入り込んだ想定で行われました。2020年に策定した対処マニュアルなどに沿って、本番と同様に、市と警察、それに地元の猟友会が連携して、クマの捕獲方法や道路の規制、周辺住民の安全確保などを現地対策本部で検討し、素早く実施に取り掛かります。訓練の最終段階。クマが潜んでいる車庫の出入り口に捕獲用のオリを設置します。猟友会がオリを運んで、防具やヘルメットを着用した警察官は、クマが飛び出してきて危害を加えないよう支援する役割分担で設置を終えました。訓練のあとには、県自然保護課の近藤麻実さんが専門家の観点から良かった点や改善点を指摘しました。県 自然保護課 近藤麻実さん「警察がドアを開けるときに、盾の人とスプレーの人に別れていました。それはすごく良かったと思います。さすがです」「細かいことを言うと、こっち(ドアの開口が広い方)にいた方が良かったかなと思いました」。県内では、全国に先駆けて5年前から各地で市街地でのクマ対応訓練が行われています。視察した国の研究機関・森林総合研究所の研究員は、秋田で行われている訓練を高く評価しました。森林総合研究所 東北支所 大西尚樹さん「県と市と警察と対策チーム(実施隊・猟友会)が非常によく連携が取れていて、心強いなという感じがしましたね。実際、鹿角・秋田全体を見ても、クマの出没が相次いでいますし、こういった日頃の訓練を組み合わせていくことで、住んでいる方たちの安心感につながるかなと思いました」「クマと会話ができない。山に帰ってとか伝わればいいですが、そういうわけにはいかないので、クマたちが次にどういう行動をするか絶対分からないんですよね。我々専門家といわれる人たちがいろいろ考えて(対処)シナリオを提供して、研究の内容や成果を伝えておいて、その時に(現場で)ベストがとれるわけでない、必ずしも麻酔が使えないかもしれない、その中で、ベターと思われるものをくみ上げていって(対応する)」。県内では23日の鹿角市を皮切りに、各地で連携を確認する訓練が行われます。おととしのクマの大量出没で、県内で全国最多の70人がけがをしたことなどを受けて、国会では、法改正が議論されてきました。今月18日には、市街地に現れたクマなどに対し、一定の条件を満たせば銃を使った猟をできるようにする、改正鳥獣保護管理法が可決、成立しています。公布から6か月以内、クマの出没が増える秋までに施行される見通しです。
(クマ被害に専門チーム:富山)
クマなどによる人身被害や農作物被害を防ぐ対策を検討する「野生動物被害防止対策会議」が24日、県民会館で開かれた。県は、猟友会メンバーらクマ対策の熟練者でつくる「クマ被害防止専門チーム」を設置し、2頭同時に現れるなど市町村での対応が困難な場合、チームを派遣するとした。各自治体の捕獲や出没防止対策、出没時体制構築などの費用も県が一部補助すると説明した。会議は本年度の一回目で、県や各市町村、県猟友会などの関係団体が参加した。県によると、昨年の県内のクマ出没は333件で、捕獲されたのは95件。人的被害は1件で、6月に富山市内で男性が自宅付近で襲われて全治1カ月のけがを負った。
(チューリップが…シカによる食害が深刻:群馬)
群馬県桐生市内でシカの食害が深刻になっている。吾妻公園(宮本町)では1万本の花を楽しめるはずの「チューリップまつり」(5~20日)で3割ほどが被害に遭って花が付かず、民家の庭や畑でも被害が目立つという。捕獲数は年々増加しており、関係者は「対策をさらに強化していくしかない」と知恵を絞っている。
(狩猟の魅力や制度説明:北海道)
根室市は5月1日午後7時から、市民向けのハンター入門セミナーを開く。狩猟の魅力や市の必要経費支援制度を説明するもの。
(ハンター体験会:兵庫)
神戸市では、農作物や生活環境に被害を及ぼすイノシシ等の有害鳥獣の捕獲を、兵庫県猟友会の市内各支部に所属する有害鳥獣捕獲班員に依頼して実施しています。有害鳥獣捕獲活動に対する理解を深めるとともに、将来の有害鳥獣捕獲活動の担い手となっていただける方の裾野を広げるために、狩猟に関心のある市民の方を対象にした「ハンター体験会」を開催しています。
(捕獲・駆除したシカなどを供養:大分)
県猟友会(長井健三会長)は25日、別府市の志高湖畔にある鳥獣供養塔前で、県内で捕獲・駆除したシカやイノシシなどを供養する慰霊祭を開いた。
(マタギ文化に生きる画家:秋田)
雪原に新しいひづめの跡が続く。3月。秋田県横手市の山中で、画家の永沢碧衣(30)がそれを追って歩く。雪に埋もれた立ち木のそばにイノシシがいた。ハーフライフルを構え、引き金を引く。乾いた音がこだまする。永沢の方に走ってくるイノシシに再び撃つ。傷つきながらも疾走した後、転がるように倒れ込んだ。傍らで膝をつき、長く手を合わせる。マタギは獲物を捕ることを「授かる」と言う。自らの銃で初めて授かったイノシシ。丁寧に皮をはぐ。冷えた空気の中で、周囲に白い蒸気が立ち上がる。「温かい」。肉に触れると声が漏れた。肉だけではなく、皮も血も持ち帰る。画材の原料に使うためだ。狩猟者としてマタギの文化に関わりながら、その経験を描いている。
(出没したクマ捕獲:岩手)
釜石市中妻町に出没したクマは26日午後5時10分ごろ、捕獲された。被害は確認されていない。吹き矢で麻酔を打ち、捕獲した。現場は国道283号沿いに量販店や飲食店が立地するエリア。釜石署員や地元猟友会が午前11時ごろから警戒し、現場周辺では多くの市民が心配そうに見つめていた。
(クマがわなに掛かる、付近では目撃情報相次ぐ:青森)
青森市で25日、クマ1頭がわなに掛かっているのが見つかり、駆除されました。午後2時前に撮影された写真です。穴からは鼻のようなものが見えています。青森市によりますと、けさ設置したわなに、クマ1頭が掛かっているのが見つかりました。体長はおよそ1メートルで駆除されたということです。現場は青森公立大学の北側で、付近では24日から25日にかけ、4件の目撃情報がありました。市は再びわなを設置する方針で、わなを見つけても、興味本位で近付かないよう呼び掛けています。一方、青森県は、クマ被害防止のため出没情報を確認することや鈴やラジオをつけて音を出しながら歩くよう呼び掛けています。
(小学校のグラウンドにクマ:岩手)
4月24日朝、岩手県宮古市で同じ時間帯にクマが相次いで目撃されました。いずれも小学校の敷地やその近くだったことから警察が周辺の警戒を強めています。24日午前6時半ごろ、宮古市横町の宮古小学校のグラウンドにいるクマ1頭を通行人が目撃し警察に通報しました。警察によりますとクマは成獣とみられ、小学校の東側にある山林に逃げて行ったということです。これとほぼ同じ時間には宮古小学校から北東に約1.5キロ離れた鍬ヶ崎小学校の校舎の裏側でもクマが目撃されています。市内では23日もクマが相次いで出没していて、それぞれの小学校では24日は集団下校をするなどの措置を取り、警察が周辺を警戒しています。これまでにクマによる人や物への被害は確認されておらず、市は家の外にクマのえさになる生ごみなどを放置しないよう注意を呼びかけています。
(園児がお昼寝中クマが保育園の敷地を駆け抜ける:岩手)
岩手県釜石市で4月24日に住宅と塀の間に挟まり動けなくなっているクマが見つかり、市が捕獲を試みましたが山に逃走しました。24日朝は宮古市の小学校周辺でもクマの出没が相次いでいます。柵を無理やりくぐりぬけ保育園の敷地を駆け抜ける1.5mほどのクマ。24日午後2時過ぎ、釜石市にある小佐野保育園の防犯カメラが捉えた映像です。24日午後1時前、釜石市小佐野町の小佐野保育園付近で住宅と塀の間に挟まり動けない状態の成獣とみられる1頭のクマを近所の人が発見し警察に通報しました。警察と市によりますと、現場には捕獲用のわなが設置され周辺では立ち入り規制が行われましたが、約1時間後にクマは自力で脱出して逃走しました。小佐野保育園の敷地を通りぬけた後、南東方向にある甲子川を渡り、山へ入っていったということです。これまでに人や物への被害は確認されていませんが、現場は半径50m以内に小佐野保育園のほか小佐野小学校もある住宅地のため警察が警戒を強めています。一方、宮古市では24日午前6時半ごろ、宮古小学校のグラウンドと鍬ヶ崎小学校の校舎裏でそれぞれ1頭のクマが目撃されています県は4月18日、県内全域に「クマの出没に関する注意報」を発表していて出没情報を確認するなど十分な対策を求めています。
(磐越西線で列車がシカ?と衝突:新潟)
27日午前7時半前、阿賀町のJR磐越西線五十島-東下条で会津若松(福島県)発新潟行きの普通列車がシカとみられる動物と衝突した。乗客11人と乗務員2人にけがはなかった。JR東日本新潟支社によると、津川-馬下で一時運転を見合わせた。衝突の影響で、信越線新津-新潟で普通列車2本が運休となるなど、約200人に影響した。
(ジビエ料理や間伐材で小物作り:愛媛)
市民が環境問題について関心を深める「いとまちエコフェスティバル」が20日、西条市朔日市の商業施設「いとまち」で開かれた。来場者は、野生鳥獣肉(ジビエ)を使った料理や間伐材を使った小物作りを楽しみながら、持続可能な社会について考えた。新居浜市のファッションデザイナー白石綾さん(36)と、いとまちを運営する糸プロジェクトが企画し、昨年に続いて2回目。
(新メニュー「ジビエそば」好評:北海道)
店主の死去に伴い6年前に閉店したJR遠軽駅(オホーツク管内遠軽町)構内のそば店「北一そば」が25日、営業を再開した。町内で飲食店などを営む萩原和浩さん(42)がクラウドファンディング(CF)で改修費などを集め、復活にこぎ着けた。「駅そば」と呼ばれる駅構内のそば店としては日本最北となり、鉄道ファンらの話題になっている。
("森の京都"はジビエの宝庫!)
"森の京都"の食を代表するひとつにジビエがある。亀岡市、南丹市、京丹波町、綾部市、福知山市といった京都府の中北部、西側には兵庫県の丹波など豊かな森に恵まれ、新鮮で野趣あふれる肉を短時間で手にすることができる素晴らしい環境にあって、まさにジビエの宝庫と言える土地だ。近年はそのジビエのあり方にも大きな変化が生じている。以前、南丹市美山で野生鳥獣の捕獲から精肉・加工・販売までを一貫して行う方に話を聞いたことがある。主にシカ・イノシシを扱っていて、「一般的に山に分け入って猟をするイメージがあると思いますが、うちに持ち込まれる野生鳥獣の捕獲場所は主に里なのです」と伺った。増えすぎたシカやイノシシが人里に現れ農作物を荒らしたり、車との衝突事故が起こったりと、里での日常を脅かしているのだとか。食用となる野生鳥獣の一部は有害鳥獣対策によるものというわけだ。これは京都に限らず全国の問題でもある。狩猟解禁の秋冬がジビエのハイシーズンであるものの、有害鳥獣駆除にはシーズンがなく、年間を通して捕獲が可能だ。シカは春から食べてきた新芽や山菜など豊富なエサが身についた夏の、特に雄シカがおいしくなるという。美山の山谷を駆け巡ってきたシカは適度に筋肉がつき肉質も良いのだそう。有害鳥獣駆除とはいえども、大切な命をいただくという気持ちを持ってジビエを扱うことは忘れないと話されていたことが印象に残る。福知山にもジビエをおいしくいただける店が点在する。"アグリフレンチ"という農にフォーカスしたフランス料理をいただける『ビストロq』では、赤身が美しい〈丹波もみじ〉の一皿をいただくことができる。「もみじ」というのはシカ肉のこと。福知山にもたいへん有名なジビエハンターがいらして、この方が扱う肉なら間違いなしと、京都周辺の多くの料理人からの支持も高い。オーナーシェフ・塩見晋作さんもそのハンターからジビエを仕入れており、〈丹波もみじ〉の料理は自信の一品だ。「フランス料理は、自然の恵みである素材の持ち味を最大限に引出し、その土地柄にあった形で提供することに真髄がある」と語る塩見さん。地産地消が大前提という彼の料理は福知山産の多彩な野菜が用いられ、安心と満足で心も癒される。ジビエをいただくことは、自然環境と生態系のバランスを守ることに寄与するといったサステナブルな活動ともなる。観光を楽しみ、ご馳走をいただき、その上、自然保護にもなる。これから迎える夏に向けて、〈丹波もみじ〉を堪能する森の京都のおいしい旅はいかがだろう。
(給食に「シカ肉鍋」、地元の高校生が考案:大分)
野生鳥獣肉「ジビエ」に親しんでもらおうと日田市の前津江小と前津江中の給食で6日、地元の高校生が考えたジビエ料理が提供された。
TOPへ
4/25
(スキーしていた男性、クマに襲われけが:群馬)
22日午後1時40分ごろ、群馬県片品村戸倉の尾瀬国立公園内でスキーをしていた東京都の男性(35)が体長約1.5メートルのクマに襲われケガを負った。
(シカ捕獲「出動」日当過払い、猟友会が報告修正怠る:福岡)
福岡県東部の「耶馬日田英彦山国定公園」の犬ケ岳地区でニホンジカを捕獲する県の事業を巡り、事業委託先の県猟友会(福岡市)が2018年度、対象の山林へわなを仕掛ける作業に従事していない会員を「出動」扱いとし、日当約61万円を一時的に過払いしたのに、県に出す報告書の訂正を怠っていたことが分かった。県は西日本新聞の指摘で今年9月、県猟友会に修正資料を再提出させた。
(野生イノシシ15頭豚熱感染:三重)
三重県は23日、今月の上旬から中旬にかけて県内の山林や畑などで捕獲された野生イノシシ120頭のうち15頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県によると、感染が判明したのは、伊賀市で5頭▽津市で4頭▽多気町で2頭―で、志摩市、松阪市、鳥羽市、菰野町で1頭ずつ。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1105頭となった。
(警機動隊の訓練中に銃部品破損、トリチウム漏えい:福岡)
福岡県警は5日、宮崎県えびの市の陸上自衛隊霧島演習場で、拳銃の狙いを定めるための部品が機動隊の訓練中に破損し、部品に使われている放射性物質トリチウムのガスが漏えいしたと発表した。トリチウムは微量で、人体への影響はないという。
(3人襲撃のクマと同じ個体か、監視用カメラ設置:長野)
畑で農作業をしていた長野県木島平村の90代女性が16日にクマに襲われ、背中や腕などにけがをしたことを受け、県は17日、監視用のセンサーカメラ5台を村内に設置した。県などは、隣接する飯山市で9日に男女3人を襲って重軽傷を負わせたクマと同じ個体の可能性もあるとみて追跡している。設置したのは、襲われた現場から東に約1キロの山際。県北信地域振興局林務課と村の職員が、立てた支柱にカメラを取り付けた。動くものに反応して作動し、スマートフォンでリアルタイムで映像を見られ、カメラの向きを変えるなどの遠隔操作もできる。近くの道路にはクマとみられる足跡が残っており、そうした痕跡などからクマの移動ルートを推測し、設置場所を決めたという。飯山市と木島平村のクマはいずれも体長約1メートルの成獣とみられる。県は飯山市内にもカメラを設置したが、いまのところクマは納まっていないといい、同じ個体が飯山から木島平に移動した可能性も視野に入れている。同課の坂口修・鳥獣対策専門員は「周辺では畑などでの作業が増えているので、外出時は音が出るものを持参したり、朝夕の作業は控えたりするなど注意してほしい」と話す。
(クマ今年は目撃ゼロ、AIカメラや捕獲用の檻を設置:石川)
これからのシーズンに懸念されるのが、冬眠を終えたクマの人里への出没です。クマによる人身被害などへの対策を強化しようと、金沢市は24日、関係者を集めた連絡会議を開きました。暗闇を駆け抜ける、一頭のクマ。2024年10月、金沢市の住宅地、太陽が丘でMROが捉えた映像です。金沢市内で2024年に寄せられたクマの目撃情報は70件。2024年5月には、金沢市湯谷原町の寺の境内で犬の散歩をしていた50代の男性がクマに襲われ、けがをしました。冬眠を終えたクマが再び人里へ出没する懸念が高まる中、金沢市は、庁内の関係部署を集めて今後の対策を話し合う連携会議を開きました。市によりますと、今年に入ってからクマの目撃情報はまだ確認されていませんが、近年は春から夏にかけての出没が増えていることから、事前に捕獲用の檻を設置するなど、対策を強化しています。金沢市森林再生課・青山雅幸課長「令和4年からはAIカメラを12か所に設置していて、クマの確認につなげていきたい」会議ではこのほか、クマをはじめイノシシやニホンザルなどの野生動物が農作物に被害を及ぼす事例が年々増えていることが報告されました。そのため市では、電気柵の設置や放置された果樹の除去に対する補助金の活用を進めていきたいとしています。
(豚熱のイノシシ確認で山のレジャーでのウイルス拡散防止を知事が呼びかけ:宮崎)
都城市では、今月9日に死んだ野生のイノシシが見つかり豚熱への感染が確認されました。河野知事は定例会見で山登り、ハイキング、山菜採りなどレジャーで山に入る人に対し、土は山で落として帰ること、バーベキューなどでの残飯を放置しないことなどを呼びかけました。河野知事は、山林にいる野生のイノシシの間でウイルスが広がっているかもしれないと危機感を示しました。豚が感染すると養豚業に大きな被害を与えます。(河野俊嗣知事)「イノシシだけでなく場合によっては鳥がそれに接したものが農場の中に持ち込む可能性もあるということでして」。韓国の南部では口蹄疫も感染が広がっていて、豚熱に限らず強い緊張感での対策の徹底を求めました。
(県がニホンザル対策強化:富山)
県は2025年度、農作物を中心に被害をもたらすニホンザルへの対策を強化する。発信機を使った群れの行動分析、自治体職員らを対象にした研修会を通じて効率的な捕獲に取り組む。
(クマが建物内に居座った想定で対応訓練:秋田)
去年、警察官2人がクマに襲われて大けがを負った秋田県鹿角市で、クマが建物の中に入ったとの想定で訓練が行われ、関係者が対応の手順などを確認しました。鹿角市役所で行われた訓練には、警察のほか、県や市の担当職員、それに地元の猟友会など、合わせておよそ40人が参加しました。訓練は、市役所の敷地内にある車庫の中にツキノワグマ1頭が入り込んだとの想定で行われ、クマ役の県職員が車庫の中に入ると、警察官がシャッターをすべて下ろして中に閉じ込めました。そして、警察官が安全を確保するなか、猟友会のメンバーが車庫のわきにある扉に、おりを設置し訓練を終えました。鹿角市では去年5月、十和田湖に近い市北部の山林で、タケノコ採りの男性を搬送しようとした警察官2人がクマに襲われ、頭や腕に大けがを負う人身事故が発生しています。また、秋田市では去年11月、開店準備中のスーパーマーケットにクマが入り込み、従業員1人がけがをしたほか、クマが居続けたため店は休業を余儀なくされました。鹿角警察署地域課の草※ナギ大心課長は「周囲の安全確認を徹底し、付近にクマがいない確証をとったうえで、地上部隊を入れるかどうかを検討していきたい」と話していました。県自然保護課の近藤麻美さんは「山菜採りは、できるだけ複数で行動し、音を立てて人の存在をアピールすること、市街地でクマを目撃したら、速やかに市町村や警察に通報し、近所の人と情報共有することをお願いしたい」と話していました。
(餌を求め人里へ?住宅地や畑などで相次ぐ熊との遭遇)
列島各地でクマの被害や目撃が相次いでいます。滋賀県ではネコの散歩中に女性が襲われる被害が発生しました。専門家は、ペットの散歩中にはあることに注意が必要だと指摘しています。畑のあぜ道を悠々と駆け回るクマ。すぐそばには住宅とみられる建物もあります。22日、北海道の芦別市で運転中にクマに遭遇した動画。餌を探しているのでしょうか、クマはキョロキョロと周りを見渡すようなしぐさをしています。撮影した人によると、クマは体長1.5メートルほど。畑の周りを駆け回ったあと川の方面へ去っていったといいます。クマの出現は滋賀・長浜市でも。22日の早朝、ネコの散歩をしていた60代の女性が左腕をかまれるなどして大けがをしました。駐車場を俊敏に駆け回る黒いクマ。田んぼの中を悠々と歩く姿も目撃されました。女性を襲ったとみられるクマは体長1.5メートルほど。ツキノワグマのオスとみられ、その後、猟友会によって駆除されました。女性が襲われた場所は、JR長浜駅から約2km離れた住宅街。通学路にもなっているような人通りの多い場所で、学生が歩く姿が見られます。日中にはペットの散歩をする人もいる住宅街。女性が猫の散歩中だったことと襲撃は関係あるのでしょうか。専門家は、次のように指摘します。動物の生態に詳しいパンク町田さん:例えば犬だと、クマにとって犬は天敵。クマの意識を集中させてしまう。ネコの場合、この類似した効果がないとは言えないが、犬ほどではない。「(襲ってくる)可能性がないとは言えない」くらいではないか。大型犬などを連れてクマに遭遇した場合は、特に注意が必要だといいます。今の時期、クマは冬眠明けで腹をすかせ、行動が活発になっています。専門家は、今週末から始まるゴールデンウィークにも、これまで現れなかった地域にクマが出没する可能性があると注意を呼び掛けています。
(クマの銃駆除、自治体の体制整備急げ)
住民の安全を守る対策強化の必要性を改めて痛感する。長浜市の住宅街にクマが出現し、女性会社員が左腕をかまれ、転倒して重傷を負った。市内の住宅街での被害は珍しく、山すそから出て活動範囲を広げている状況がうかがえる。滋賀県内では2024年度の目撃件数が178件と過去5年間で最多に上り、頻繁になっている。今年は動き出す時期が例年より早いとの指摘もある。長野県では今月、計4人が自宅などで襲われた。全国の人的被害は23年度に過去最悪の219人に上り、うち死者は6人。昨年には秋田市のスーパーでクマが従業員にけがをさせた上、2日以上も「籠城」した。こうした中、市街地での銃使用を緩和し、出没したクマを自治体の判断で緊急的に銃猟することを可能にする改正鳥獣保護管理法が先週末に国会で成立した。改正法は、危険鳥獣を政令で定めるとし、ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシを想定する。住宅地などに侵入、またはその恐れのある場合や危険防止が緊急に必要など一定の条件の下、市町村長は職員やハンターに緊急銃猟をさせることができる。これまで市街地での銃猟は原則禁止され、人に危険が迫ってから現場で警察がハンターらに発砲を命じる仕組みだった。被害を防ぐ迅速な対応や、住民の不安軽減につなげたい。環境省はクマの出没が増える秋までに、発砲の判断や捕獲方法、安全対策に関するガイドラインを作り、施行する。地域の実情を考慮しつつ、きめ細かな指針が求められよう。市町村の責任は重くなり、事前の訓練や体制整備が欠かせない。課題は、ハンターの確保だ。クマ銃猟経験者は全国で推定3千人。多くの自治体が民間の猟友会に頼り、高齢化も指摘される。北海道砂川市では、要請を受け、ヒグマを駆除した猟友会の男性が建物近くだったと所持許可を取り消され問題となった。ハンターに責任を委ねず、自治体主体で客観性と透明性ある仕組みとすべきだ。環境省は自治体向けに、経験のあるハンターを登録する「クマ人材データバンク」を設ける。銃を扱える専門職を雇用し、育成するといった自治体の取り組みを、国が支えるべきではないか。過度な駆除とならない配慮も不可欠だ。人間とクマのすみ分けができる対策にも知恵を絞りたい。
(今年県内初、マダニ媒介感染症:鹿児島)
県内の60代の男性がマダニが媒介する感染症、SFTSに感染し入院していることがわかりました。県内での感染の確認は今年初めてです。マダニが媒介するウイルスによる感染症SFTSに感染したのは、いちき串木野市に住む60代の男性です。県によりますとこの男性は、4月14日、発熱や下痢などの症状が出ました。血小板の減少がみられ鹿児島市の医療機関に入院したということです。21日、県の検査でSFTSの陽性が確認されました。県内での感染の確認は今年初めてです。今のところ男性にマダニにかまれた跡は見つかっておらず、はっきりとした感染の経路も分かっていないということです。これからの季節、マダニの活動が活発になることから県は草むらに入る際は肌の露出を避けるよう、注意を呼び掛けています。
(野生動物における重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス抗体保有状況調査結果(令和4年度)について:福岡)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS):主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染する。発熱、頭痛、筋肉痛、神経症状、消化器症状、呼吸不全症状などが症状として現れ、致死率は10~30%程度とされる。陽性率とは、血液採取時点で、SFTSウイルスに感染していることを表しているのではなく、過去に野生動物がSFTSウイルスに感染した結果、抗体を保有している割合を表しています。人への感染は、野生動物がSFTSウイルスに感染し、ウイルスが血液に侵入して全身にまわった状態の体液に人が接触することで起こります。しかし、こういった状態の野生動物は極めて少ないことが報告されており、今回、抗体を保有していることが確認された個体についても、過去の感染を示すだけで、現在このような状態にある可能性は極めて小さいと推定されます。また、人への感染は、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで起こりますが、すべてのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。ただし、いったん感染してしまうと、死亡や重篤な症状が現れる可能性があるため、十分に気を付けて野外での活動を行うことをお勧めします。
(頼れるハンターに、深川の協力隊2人奮闘:北海道)
深川市の有害鳥獣駆除を担う地域おこし協力隊の2人が、4月から本格的な銃を使った駆除に乗り出している。昨年8月に着任した大竹克宏さん(54)=愛知県出身=と、井之上拓矢さん(28)=大阪府出身=で、同市が有害鳥獣駆除を担う協力隊員を一度に2人採用したのは初めて。井之上さんは2月末に猟銃の所持許可を取得し、そろって銃による駆除が可能になった。2人は「市民に信頼されるハンターになりたい」としている。
(住宅街にクマ迷い込む、現場は一時緊張感に包まれる:岩手)
24日午後、岩手県釜石市の住宅街にクマ1頭が出没し、一時、住宅の間を走り回る姿が確認されました。こちらは24日午後に釜石市小佐野町で撮影された画像です。住宅の間からクマ1頭が道路に向かって飛び出してきました。警察によりますと、24日午後1時ごろ、釜石市で「クマを見つけた」と通行人が近くの交番に駆け込みました。クマの体長はおよそ1.5メートルの成獣とみられ、一時、住宅の壁と塀の間に挟まって動けなくなっていたということです。市や猟友会が罠をしかけるなどの対応にあたりましたが、その後クマは、東の方向に川を渡って逃げたということで見つかっていません。現時点でけが人は確認されていません。
(クマを捕獲、90歳女性を襲った個体かは不明:長野)
4月22日朝、長野県木島平村で捕獲おりにクマ1頭がかかっているのが見つかりました。16日に同村で住民を襲ったクマと同じ個体かはわからないということです。クマが捕獲されたのは、長野県木島平村の千石橋付近です。4月22日午前4時頃、成獣とみられる体長1.3メートル、体重98キログラムの雄のクマ1頭が捕獲されました。人身被害を防ぐため、猟友会が殺処分したということです。木島平村では4月16日に畑で草取りをしていた90歳の女性がクマに襲われていて、これを受け、村が周辺に捕獲おりを3基設置していました。住民を襲ったクマと同じ個体かは不明ということです。また、木島平村の隣の飯山市では4月9日、住民3人がクマに襲われ重軽傷を負いました。この時、クマも負傷したとみられ、村によりますと、捕獲されたクマに外傷がなかったため、同じ個体である可能性は低いということです。
TOPへ
4/24
(住宅の寝室で弾痕見つかる、狩猟などで誤射か:山梨)
22日朝、大月市の住宅の寝室で弾痕が見つかり、警察は何者かが狩猟などの際に誤射したとみて調べています。大月警察署によりますと、22日午前7時10分ごろ、大月市猿橋町猿橋の住宅で住人の男性が2階寝室の窓ガラスが円形状に割れ、反対側の壁と天井の境目の廻り縁に弾痕があるのを見つけました。弾は廻り縁を貫通し、天井裏で見つかったということです。男性によると、19日午後3時時点で窓ガラスに異常はなかったということです。警察は何者かが狩猟などの際に誤射したとみて調べています。
(クマに襲われ60歳女性重傷、女性はネコの散歩中:滋賀)
22日朝早く、滋賀県長浜市の団地で、60歳の女性がクマに左腕をかまれてけがをした。クマは地元の猟友会によって殺処分されたということだ。警察によると、22日午前5時10分ごろ、滋賀県長浜市の市営住宅北新団地の近くの路上で、ネコの散歩をしていた60歳の女性がクマに襲われた。女性は左の前腕をかまれて全治1週間のけがをしたほか、襲われた際に尻もちをついて、腰骨を折る重傷を負いました。長浜市や警察によると、クマは体長1.5メートルぐらいのオスの成獣とみられ、現場から逃げていたが、約2キロ離れた田んぼで発見され、地元の猟友会が銃で撃ち、殺処分した。女性が襲われた現場は、JR長浜駅から直線距離で約2キロの住宅街だった。
(70代男性、クマに襲われけが:岩手)
22日午前8時40分ごろ、久慈市山根町で、地元の70代男性がクマに襲われたと119番通報があった。久慈署によると、男性は顔を負傷したが、命に別条はない。襲われた後、車で民家へ移動し通報した。1人で山菜採りに出かけていた。
(ツーリング中に750ccの大型バイクとシカが衝突:長野)
4月21日、長野県川上村の村道で70歳男性が運転していた大型バイクがシカと衝突し、転倒して大けがをしました。事故があったのは、川上村御所平の村道です。消防によりますと、21日午前10時20分頃、目撃者から「シカとバイクがぶつかり、男性が立てない状況だ」と通報がありました。警察によりますと、午前10時10分頃、神奈川県藤沢市の70代男性が運転していた750ccの大型バイクと子鹿が衝突し、転倒しました。男性は佐久穂町内の病院に搬送され、肋骨を折る重傷を負いました。男性は仲間とツーリング中だったということです。現場は見通しの良い直線道路で、警察が事故の原因を調べています。
(イノシシ、豚熱感染を確認:佐賀)
佐賀県は2日、伊万里市で捕獲した野生のイノシシ1頭が家畜伝染病の豚熱(CSF)に感染していたと発表した。6月から唐津市や玄海町などで確認され、今回で計22頭になった。
(熊被害の木島平村、小中学校が再開:長野)
木島平村穂高で16日に農作業中の住民1人が熊に襲われた人身被害を受け、臨時休校になっていた木島平小学校と木島平中学校が21日、再開した。熊は見つかっておらず、木島平小では教職員やPTA関係者が通学路を見回って警戒。保護者が運転する車で登校する児童の姿も目立った。全校約190人の木島平小では午前7時半頃から、熊よけの鈴を着けた児童が集団で登校。事故翌日の17日から臨時休校となり、学校再開を「楽しみ」と話す児童もいた。集団登校に付き添った保護者の男性(38)は、6年と4年の子どもが通う。9日には近隣の飯山市で住民3人が襲われており、相次ぐ被害に男性は「熊の出没情報は毎年あるけれど、人に被害が出て心配」。同村のような山里では熊と共存していかざるを得ない―として「餌になる残飯を放置しないなど、気を付けないといけない」と話した。木島平小では当面、登下校時間帯に通学路を見回って警戒を続ける。日台邦治校長は「住宅地で被害が出て対策が難しいが、地域の力も借りてやっていきたい」と話した。
(県がクマ出没注意報:岩手)
岩手県は18日、今シーズンのツキノワグマの出没に関する注意報を県内全域に出した。本年度はまだ人的被害の報告はないが、春は行楽や山菜採りで人が山に行き、クマと遭遇する危険性が高まるとして対策を呼びかける。県によると、2024年度の出没状況は2883件で人的被害は10件10人。餌となるブナの実が大凶作だった23年度は5877件の出没で、人的被害は県に記録が残る1993年度以降で最多の46件49人だった。昨年度はブナの実が並作だった。クマは餌が豊富だと繁殖数が増える傾向にあり、本年度も注意が必要だ。
(クマの動きがおかしい…例年に比べ1カ月早い:長野)
4月16日、長野県木島平村で90歳の女性が畑仕事中にクマに背後から襲われ、背中など11カ所をかまれた。また、9日には隣の飯山市で男女3人が襲われ重軽傷を負った。立て続けに起きたクマによる人身被害。専門家は、北信以外でも2025年はクマの動き出しが例年に比べて1カ月ほど早く、大量出没の可能性もあるとして注意を呼びかけている。「今年クマの動きは1カ月くらい早いです。春から動きがおかしい年は気を付けた方がいいんです」こう指摘するのは、野生動物学が専門の信州大学農学部・泉山茂之特任教授。例年、クマは冬眠から目覚め、5月の連休明けごろから動き出すと言う。しかし、2025年は4月中にもかかわらず飯山市と木島平村の人里で人身被害が発生。中南信でもシカのワナにクマが掛かるなどの報告が寄せられていて、動き出しが例年より1カ月ほど早いと言う。ドングリなどのエサが不足していたわけではなく、理由ははっきりしないが、動き出しが早い年は、大量出没する傾向もあり注意が必要だと言う。泉山特任教授は「動きがおかしい年は、違ったことがすでに起こってるわけじゃないですか。だから気を付けたほうがいいかもしれない」と呼び掛ける。人里への出没については、クマが行動する河川敷やその周辺の環境の変化が大きいと言う。泉山特任教授は「放棄耕地が増えたり、川沿いの田んぼが作らなくなって荒れてるとか、そういうところをつたってきてしまったクマが人間のそばに来て逃げようと思っても逃げたらそこに人がいたり、不幸な遭遇が起こってしまう。クマが入り込みやすい環境がどんどんできていることが大きな問題」と指摘する。クマの出没が増える夏に向けて、人里近くの耕作放棄地や、やぶの手入れをするなどクマを近づけない対策が重要だ。泉山特任教授は「河川敷とか段丘斜面とかがクマの移動の道になりにくい環境づくりをしていく。家の周り、畑の周りは少しずつでも刈っていれば、人が何かやっているというのがクマに伝われば、ここは人が来ているとわかればそこを避けるようになりますので、少しずつでもやってください」と注意を呼び掛けている。
(ヒグマ出没が急増、札幌のこども園では電気柵を設置:北海道)
4月に入り、北海道内でヒグマの目撃件数が急増している。道警によると、1日から16日までに94件の通報が寄せられ、前年同期の約1・4倍に上る。冬眠を終えたクマの行動は今後さらに活発になることが予想され、道警が警戒を強めている。道警のまとめでは、今年のクマの出没に関する通報は16日時点で171件。特に4月に入ってからの伸びが際立っており、1~16日の件数は前年同期の64件から30件も増えていた。美唄市では3日午後、シカを撃つために一人で山に入っていた地元猟友会の男性(76)がクマに襲われて重傷を負った。札幌市南区真駒内では9日午後、認定こども園「ときわみなみのこどもえん」の裏山に体長1~2メートルのクマが出没。園への侵入を防ぐため、市が周辺に電気柵を設置するなどの対応に追われた。小畑圭子園長(62)は「30年ほど働いているが、クマがこんなに近づいてきたのは初めて」と語る。クマによる人身被害を防ぐため、道警は▽日頃から出没情報を確認しておく▽山林ではクマよけの鈴や撃退スプレーを持ち歩く▽フンや足跡を見つけた時はすぐに引き返す▽住宅街で目撃した際は110番する――などの対策を呼びかけている。
(釧路で「アーバンフォックス」増加中:北海道)
北海道釧路市に2024年度に寄せられたキタキツネに関する苦情などの通報件数は97件で、前年度を20件上回って過去5年間で最多となった。「餌をやる人がいる」という通報が後を絶たず、市街地などでは「アーバンフォックス」と呼ばれる人なれした個体も増えている。市環境保全課によると、通報件数は年間70~80件ほどあり、これまでは21年度の81件が最多だった。餌を与えている人物が特定できれば市が注意に出向いており、理由を尋ねると「かわいい」「やせていてかわいそう」などと答えたという。キツネは寄生虫エキノコックスを媒介する。幼虫が寄生したネズミを食べたキツネの腸内で成虫になり、卵はフンと一緒に排出。人がキツネに触れたり水などを介したりして感染すると、潜伏期間を経て重い肝機能障害などを起こすことが知られる。市は、感染防止に加え、キツネが人間の与える食べ物に依存し、何度もやって来るようになることから、餌を与えないよう呼びかける。収集日前にごみを出さないことも大切という。市ホームページに「キタキツネの被害と対処について」と題したコーナーを設け、注意点をまとめている。市は箱わなも設置しており、24年度は18匹を捕獲した。駆除はせず、離れた場所に放している。
(クマの目撃情報がすでに195件、去年上回るペース:北海道)
サクラが咲き始めると外に出たくなりますが、活動したくなるのはあの動物も同じようです。木々の奥に見える、1頭のクマ。シカの死がいとみられるものを口にくわえ、引きずっていきます。北海道美瑛町の観光地「青い池」近くで、5日に撮影されました。この1週間前にも、幌加内町の路上でもクマが目撃されていました。冬眠から目覚め、道内各地で動き出したクマ。道警に寄せられたクマに関する通報は、今年に入ってから195件。去年の同じ時期よりも、30件ほど多くなっています。この傾向について専門家は…北海道立総合研究機構 釣賀一二三 主査「近年の傾向として、クマの分布が市街地周辺に拡大してきている。個体数も増加傾向にあると考えると、年々出没件数が増えてくる傾向になるだろう」。今年は、すでにけが人も出ています。4月3日、美唄市の山に入っていた70代のハンターの男性が、クマに襲われ大けがをしました。春の山菜採りシーズンを迎え、これからは山に入る人が増えるため、特に注意が必要です。北海道立総合研究機構 釣賀一二三 主査「(クマは)この時期だと、芽吹いてきた山菜を食べている例が多い。南側の斜面だけではなく、沢沿いや、雪どけが早くて山菜が出てくるところは注意したほうがいい」。こうした状況を受け、対策を取る人も増えています。江別市のホームセンターでは、約30種類のクマ対策用品を揃えていて、4月の売り上げは、去年の同じ時期に比べて約40%伸びているといいます。ジョイフルエーケー大麻店 山本雄太さん「クマ撃退スプレーというのがあります。当店では一番売れ筋の商品となっている」。こちらは新商品の「熊よけホーン」。爆竹や犬の吠える声など、3種類の音で人がいることをクマに知らせます。暖かくなるこれからの季節。アウトドアを安全に楽しむためにも、クマの知識を身につけ、事前の対策を取ることが大切です。クマは、味を覚えて繰り返し現れることがあるといいます。自治体で電気柵の貸し出しや、購入の補助制度もありますので問い合わせてみてください。HBC制作のドキュメンタリー映画「劇場版クマと民主主義」が函館市で上映されます。5月2日(金)から8日(木)の1週間、劇場は函館シネマアイリスです。近くにお住い方は、ぜひご鑑賞ください。
(イノシシと衝突、車どう注意?:宮崎)
車を運転していたところ、いきなりイノシシが目の前に現れ、急ブレーキを踏んだが衝突した。どんな時間帯が危ないのかなど、生態を踏まえて運転する上での注意点を知りたい(宮崎市・60代無職女性)。女性は昨年秋、宮崎市・生目地区の郊外を車で走行中に事故に遭った。時間帯は午後7時半ごろで辺りは真っ暗。ハイビームをつけて時速40キロ以下で走行していたが、横からイノシシが現れて車両の右側面に衝突された。ハンドルを取られ、車は路肩に向かって飛ばされた。イノシシの衝撃でへこんだバンパーの修理代に約30万円かかり、「気を付けて運転していた。けがはなくて幸いだが保険金だけでは修理代を賄えなかった」と明かす。環境省の取りまとめ(1月末の暫定値)によると、イノシシが絡んだ人身事故は本年度、計60件発生し76人が被害に遭った。本県は1件で1人。県自然環境課によると昨年11月、走行中のバイクが飛び出してきたイノシシと衝突。転倒して運転者が軽傷を負った。「昔は山林でしか見なかったが、町場にも現れるようになった」。こう語るのは、イノシシ猟を65年ほど続ける東諸県郡猟友会の武田年男会長(84)。狩猟者の減少などを背景に、餌場を求めて分布域が広がっているといい「人里に慣れてきている」。イノシシが絡む人身事故に遭うリスクは今後も高まりそうだ。どんな対策が可能か。武田会長によると、イノシシは耳や鼻がよく利く、警戒心が強い動物。夕方から早朝にかけて活動が活発になるという。対策に力を入れる栃木県は、こうした生態を踏まえ、車の走行時に注意すべき点をまとめて県民に注意喚起している。同県自然環境課の担当者は「山や森、やぶなどの付近を走行する際は特に注意が必要」と強調。車のハイビームは有効で、早期に動物を発見したり、自身の存在を認識させたりできるという。また、イノシシなど野生動物の目はライトなどが当たると、点のような光に見えるため、気付いたらすぐに減速するのが良い。ただ、投稿者の女性はこうした対策を講じていた。他にできるとすれば、事故の被害を大きくしてしまわない対応とみられる。県警交通部の統括官は「別の事故を発生させないため、急ハンドルを切ってよけないように」と助言する。ハザードや三角停止表示板を使い、通行車両などに停車を伝えることが二次被害の防止につながる。野生動物との衝突は自損事故に当たるため、「110番通報し、けが人がいる場合は119番を」と呼びかけた。
(山で聞こえる「おーい」の声は人じゃない、すぐ逃げろ?)
山にいる時、「おーい、おーい」という男性の呼ぶ声が聞こたら、それはツキノワグマの声だから急いで逃げろ!という都市伝説がある。実際、YouTubeなどにも、登山や渓流釣りの際に撮影された、年配の男性が「おーい」と助けを求めているような声が収録された動画が投稿されている。果たして、男性が「おーい」と呼びかけているように聞こえる声の主は「ツキノワグマ」なのか?この真偽について、岐阜県高山市にある100頭以上のツキノワグマを飼育する「奥飛騨クマ牧場」の飼育担当者の方に聞いた。「奥飛騨クマ牧場」の飼育担当者の方によると、「ツキノワグマは通常、『おーい』とは鳴かない」と言う。「言葉では表現しづらい音なのですが、『ウォン』『ウォーン』と低く鳴くことはあります。聞き慣れない方にはそれが、『おーい』と聞こえるのかもしれません」(「奥飛騨クマ牧場」飼育担当者)。都市伝説では、「おーい、という声が聞こえたらすぐに逃げろ」と言われているが、この「おーい」と聞こえる時のツキノワグマの声は、とくに「威嚇」の声ではないそうだ。「威嚇的ではなく、歌を歌っているようなニュアンスでしょうか。または、親子グマが互いを呼び合っているのかもしれません」(「奥飛騨クマ牧場」飼育担当者)。いずれにせよ、山の中で聞き慣れない声が聞こえたら、そこは動物たちのテリトリー内であるということ。入山者が増える春から初夏は、母グマが子育てを行う時期であり、子育て期の母グマはとくに警戒心が強く、少しの刺激にも敏感だという。もしクマと思われるような声が聞こえた時は、無闇に音や声を出してクマを驚かせたり怖がらせたりするのではなく、静かに、かつ速やかにテリトリーの外に退避することが望ましいそうだ。
(檻から脱出「ヒグマ6頭」が、2名の老女を襲った惨劇の一部始終:秋田)
春の本格到来と共に、冬眠から覚めたクマが活動を活発化させる季節がやってきた。近年、街中に出没する「アーバンベア」が社会問題化しているのは周知の通り。最新の統計である2023年度の数字を見ると、全国でクマによる人身被害は198件発生し、被害に遭った人は219人(うち6人死亡)。統計のある2006年以降で最多となった。今年も4月に入ってからだけでも、16日、長野県木島平村で90歳の女性が襲われ、右腕や背中など11カ所を噛まれる事件が発生。9日にも長野県飯山町で3名の男女が襲撃され、重軽傷を負っている。今年も全国で深刻な被害が発生するのは確実視されているのだ。我々はクマの危険性を再認識し、きちんと対応を取る以外に手立てはないのだが、それを余すところなく伝える事件が、13年前、2012年の4月20日に起きた「八幡平(はちまんたい)クマ牧場」事件である。秋田県鹿角市にあった「八幡平クマ牧場」で、飼育されていたヒグマが檻から脱走。従業員女性2名が襲われ、犠牲となった事件である。「週刊新潮」は当時、事件の関係者に取材し、襲撃が起きてから、逃げ出した6頭のヒグマが射殺されるまでの5時間を再現している。当時の記事を振り返り、クマとの共生の仕方について、改めて考えてみよう。〈六名の死者のうち二名の女性の体は胎児とともに羆(ひぐま)の胃に送りこまれ、消化された。それは、羆の血肉の一部になり、わずかに毛髪が不消化のまま胃中に残されていただけだった。雪の上におかれている赤身の肉は、羆の肉であることに変りはないが、人肉でもあるのだ〉。吉村昭の小説『羆嵐(くまあらし)』の一節だ。この名作が、日本獣害史最大の惨劇と言われる「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」をモデルにしたものであることは知られている。1頭のヒグマが農家を次々に襲撃し、死者6人、重傷者3人を出した。事件が起こったのは1915年。舞台は北海道北部の開拓村である。時は流れて平成の世。いまだ根雪の残る秋田県北東部、鹿角市で「三毛別事件」を彷彿とさせる惨劇が起こった。「秋田八幡平クマ牧場」から6頭のヒグマが逃げ出し、田中ハナさん(仮名=75)と田中シゲさん(同=69)が犠牲になったのだ。2人はいずれも牧場従業員で、苗字は同一だが姉妹ではない。「三毛別事件」は野生のヒグマによるもので、今回は牧場で「管理されていたヒグマ」という違いは確かにある。しかし、両事件は、はっきりと1つの事実を示している。荒れ狂うヒグマの前では、人間があまりに非力な存在でしかないという事実を。事件の2日後、射殺されたヒグマが解体され、それぞれの胃袋が取り出された。その内容物を前に、人々は慄然とする他なかった。「やっぱり、警察は熊の解体なんてやったことないし、腹破ってもどれが胃だか分かんねから、俺ら猟友会に依頼したんだべ」とは、鹿角市猟友会のA氏(75)。解体には、同猟友会の会員8名が立ち会ったという。会員の1人が刃渡り12センチほどの包丁でヒグマの腹を裂くと、“ブシュー”という音がしてガスが噴き出してきた。ある猟友会員は、「風下にいた人は皆エズいてた。胃袋を取り出した後、内容物を警察の人がビニール袋に移していった。その中に、人の肉があった。牛とか馬と同じで、ちょっとくすんだ赤色だ。あそこにいた熊が生肉を餌にしていたことはないから、あれは人の肉だ。大きさは握り拳くらい。それがゴロゴロ出てきた。胃液で黄色っぽく変色したタイツもあった」。同じく解体現場に立ち会った別の会員は、ヒグマの胃から人間の髪の毛が取り出されるのを見たという。「新聞紙片面くらいの大きさの胃からは、毛だけではなく、人間の皮膚も出てきた。被害者が身につけていた肌着の片袖の部分だけが出てきたのには驚いたよ」。冒頭で引用した『羆嵐』と同様、被害者は〈羆の胃に送りこまれ〉ていた。しかも、それから時をおかずに射殺されたため、消化されないまま胃中に残されていたのであろう。惨劇は如何にして起こったのか。ここで、ヒグマ解体の約48時間前、事件発生時まで時計の針を巻き戻す。秋田と岩手にまたがって広がる火山群「八幡平」の麓。木々が生い茂る一角に「八幡平クマ牧場」はある。事件のあった4月20日は朝から快晴。気温は午前10時で約7度だった。牧場の敷地内のほとんどの部分は50センチほどの根雪に覆われ、葉を落としたままの木々が林立する荒涼たる光景は、見る者に寒々しい印象を与える。「八幡平クマ牧場」が開設されたのは1987年。事件当時、北海道ヒグマ、コディアックヒグマ、ツキノワグマの3種、計33頭が飼育されていた。野生では本州に生息するツキノワグマは体長は平均1.5メートル、体重は80~120キロ。それに比べ、日本では北海道にのみ生息するヒグマは体長約2メートル、体重は300キロを超えるものもいる。アラスカのコディアック島などに生息するコディアックヒグマはさらに大きく、体重1トンになるものもいるという。「八幡平クマ牧場」の経営者は造園業も営む男性(68)。従業員は、亡くなったハナさんとシゲさんに男性従業員(69)を加えた3人のみ。20日は冬季閉鎖中だったが、4月下旬の営業再開に向け、午前8時頃から従業員3人がエサやりなどの作業をしていた。鹿角広域行政組合消防署・副署長の話。「第一報が大館消防本部に入ったのが午前10時5分で、それが我々に転送されてきた。牧場の男性従業員がまず大館市に住む経営者に連絡し、彼が119番したのです。この時の情報は“女性が熊に噛まれているようだ”というもの。救急小隊3名が10時26分に、私を含めたポンプ小隊4名が31分に現着しています」。牧場には、客用の入口と従業員用の入口がある。従業員用入口から牧場のほうを見た副署長の目に、信じがたい光景が飛び込んできた。檻の中にいるはずのヒグマ2頭が悠々と牧場敷地内を歩いていたのだ。熊との距離は約30メートル。「私は急いで入口のゲートを閉めた。でも、もう一方の入口には門もなく、一度熊が逃げてしまったら四方八方どこでも行ける」(同)。男性従業員は経営者に連絡した後、牧場から車で5分ほどの場所に住む猟友会会員・A氏(前出)の自宅を訪れている。「ハナさんが“熊が逃げた”と叫んだんだ。シゲさんは何も応答ねぇ……」。一緒に牧場に向かう車中、男性従業員はA氏に動転した様子で告げた。「牧場に着いたら、もう消防も警察も来ていた。国道側から牧場を見下ろしたら、熊がウロウロし、人が倒れているのが目に入った。ハナさんかシゲさんかは分からないが、横たわった人間を2頭の熊が引っぱり合っていた。私は銃の準備をするため、それから一旦自宅に帰った」(A氏)。牧場には、48メートル×20メートルの「運動場」があり、高さ約4.5メートルの塀に囲まれている(写真の「現場の図」参照)。が、事件当時、運動場の隅には雪山ができており、塀の上部まで1メートルほどしかなかった。6頭のヒグマはそこから外へと逃げ出したのだ。ヒグマの生態に詳しい北海道野生動物研究所所長の門崎允昭氏がいう。「熊と遭遇した場合、走って逃げてはダメ。“何やってるんだ、お前!”とか何でもいいから話しかけることが大事です。そうすると自分も熊も我に返りますからね。でも、今回は瞬時に襲われたのでしょう」。『シャトゥーンヒグマの森』の著者で、作家の増田俊也氏も話す。「熊というと“クマのプーさん”のようにおっとりとしたイメージがありますが、極めて身体能力が高い。大きいヒグマだと400キロくらいあるのもいる。車ならワンボックスカーくらいの大きさですよ。襲われたら人間はひとたまりもない」。そんなヒグマが6頭も塀を乗り越えて“外界”に出た。まさに火急の事態だが、消防隊員は30メートルほど離れた場所から、倒れている被害者に“声が聞こえたら手を挙げて下さい”と叫ぶくらいしかできない。猟友会には、緊急救助隊が約20名いる。全員に招集がかかった。
(殺人クマ6頭と「猟友会」攻防の一部始終:秋田)
猟友会救助隊の1人、建設業を営むB氏(57)の元に出動連絡が入ったのは、午前10時半頃だった。猟友会の中でも一、二を争う射撃の名手だというB氏が述懐する。「準備時間は10分。チョッキを着て、ブローニング・ライフル銃と“30-06弾”を車に積んでクマ牧場さ急いだ。11時半頃、牧場に着いた時には警察官が約5名、消防隊員が約10名、猟友会員は自分を含めて5人いた」。B氏は肩にライフルを担いで牧場入口へと近づいて行った。ほどなく、運動場に出来た雪山を乗り越えたその場所に、1頭のヒグマがいるのを発見した。「体長1.5メートル、体重250キロはありそうな大きなクマだった。近くにシゲさんが倒れているのには気付かなかった。早く殺らなければこっちが殺られると急く気持ちがあった」。射殺許可が出たのは昼12時頃。B氏はもう1人の猟友会員と共にヒグマににじり寄っていった。その距離、約20メートル。「ハタチ過ぎからこの歳までそれこそ何十頭も熊を仕留めてきたけど、それは全部ツキノワグマ。ヒグマは初めてだから、致命傷を与え損なったらどれほど凶暴になるのか見当がつかなかった。俺は確実に頭を狙うことにした。腹這いになって銃身を固い雪山で支え、狙いを定めた」。銃声――。「最初に引き金を引いたのは、俺だ。一拍おいて、もう1人が撃った。同時に撃つと、火薬が炸裂する衝撃と音が増幅されて、場合によっては目眩を起こす恐れがある。そんなのは阿吽の呼吸だ。弾は確実に熊の頭部に着弾した」。鳴き声を上げることもなく、その場に倒れるヒグマ。「こっちにもいるぞ!」。他の猟友会員の声が聞こえた。移動すると、そこには2頭のヒグマがいた。「そのうち1頭は2メートル、300キロ級だった。俺は近くの手すりを使って銃身を支え、頭部を狙って撃った。一拍おいて、他の会員も撃った。その熊が倒れても、近くにいるもう1頭は立ち上がるだけで、襲い掛かってくる様子はなかった」。すぐさま次の弾を装填し、もう1頭を狙って引き金を引いた。「3頭目の熊を仕留めた後、誰かが“おい、あれは人だぞ”と言った。ハナさんだったんだと思う。それを聞いて、“人を喰ってる熊なのか”と心底寒気がした。さらに探してみると、餌場の付近に4頭目の熊がいるのを見つけた。俺を含む5人が一拍おきに引き金を引いて、この熊も仕留めてやった」。それからしばらくの間、他に脱走した熊がいないか探す作業が続けられた。そして午後2時頃、発見された5頭目のヒグマに向けてライフルを発射したのは、猟友会救助隊の1人、C氏(63)だった。「他の3、4人と一緒に撃った。弾が当たった感触はあったけど、熊はくるりと体を回転させ、トタン屋根付きの餌場にもう1頭と一緒に逃げ込んでしまった」(C氏)。同じ頃、すでに現場には20名ほどの猟友会員が集まっていたが、その中にD氏(64)の姿もあった。「他の会員から“4頭を射殺し、2頭が餌場に隠れている”と聞きました。被害者2人はすでに手遅れだという。何とか助ける方法はなかったのか、と悔しかった」(D氏)。餌場からヒグマが出てきたら狙い撃つため、D氏はライフルを構えていた。「とにかく熊を撃つことに集中していた。人を襲った熊は、次も必ず人を襲う。人喰い熊は殺さなければダメなのです」。上空をヘリが飛んでいた。それは地元テレビ局のもので、カメラは横たわる被害者をとらえていたが、「内容が生々しすぎるということで放送されることはなく、映像は封印されました」(テレビ局関係者)。ヒグマは餌場から出てこない。トタンを剥がして中の様子を確かめるため、バックホー(ユンボ)に乗り込んだのは、すでに4頭に弾を命中させているB氏だ。B氏がバックホーを操ってトタンを剥がすと、先刻被弾した5頭目のヒグマが息絶えていた。B氏が話す。「その近くに6頭目の熊がいた。2メートル、300キロ級だった。距離にして5メートルの位置で、今にも飛びかからんとする体勢で、こちらを睨みつけていた。熊はじりじりと後ずさり、通路の窪みに体を潜ませ、頭部だけを出してこちらを窺っていた。熊との距離は10メートル。すぐには飛びかかってこないと判断した俺は、バックホーのドアを開けた。何かあったら身を隠せるように半身だけを車外に出し、ライフルを構えて、狙いを頭部に定めて引き金を引いた」。直後、最後の一頭が横倒しに倒れた。時刻は午後3時40分頃。脱走したヒグマとの息詰まる攻防が始まってから、5時間以上が経過していた。亡くなった田中ハナさんの長男が声を詰まらせる。「やっぱりかわいそうだよ……。なんぼ痛かったべなあって。首の骨が折れて、それが死因だって警察からは聞いている。遺体の体の部分はビニールにくるまれたままだから状態はよく分からないけど、顔は切り傷だらけになっている。クマ牧場では元々、親父が働いていて、お袋も15年以上前から一緒に働いてたんだ。孫を牧場に連れて行ったことも何度もあった。孫だもの、そりゃ喜んで、餌のパンを買ってやったりしていた」。もう1人の被害者、田中シゲさんの三男は、「ハナさんとこはもう遺体を戻してもらったけど、ウチは損傷が激しくて……。顔では判別がつかない。警察から聞いた話では、右腕と左の指がない。食べられてしまったんでしょう」。以上が事件の経緯である。クマの逃亡の原因は言うまでもなく、運動場の隅に雪山が出来たこと。ヒグマの生態に詳しい北海道野生動物研究所所長の門崎允昭氏も当時、こう語っている。「雪が吹き溜まったところを足場にして熊が外に出る事件は、70年代に北海道のクマ牧場で2件起こっています。そのうち1件では、3人が襲われて1人が亡くなりました。牧場は、どんな状況になっても、熊が囲いや檻の中から人がいるところへ出られない構造になってなければならない。それをしていなかったのだから、まさに人災だと私は判断しています」。秋田県警はその後、クマ牧場の経営者と男性従業員を業務上過失致死容疑で逮捕、2人は秋田簡裁で罰金50万円の略式命令を受けた。牧場は事件後2カ月で廃業した。「八幡平クマ牧場事件」は荒れ狂うクマの前では、人間があまりに非力な存在でしかないという事実をまざまざと示している。
(イノシシ、シカによる農作物被害への対策組織「テゴス」:広島)
野生のイノシシやシカによる農作物被害を減らすために昨年度発足した組織「テゴス」に、今年度から新たに福山市など5つの市や町が加わりました。去年4月に発足した「テゴス」は、野生動物による被害の対策に取り組むプロフェッショナル組織です。動物行動学など専門的な知識を持つスタッフで構成され、これまでに尾道市や庄原市など5つの市町に担当者を派遣し、各地で講習会を開くなど地域住民への技術指導を行ってきました。テゴスに参加した市町では、侵入防止柵の設置などを行った結果、鳥獣被害がなくなったという声が寄せられたほか、侵入防止柵が適切に管理されている集落の割合が、おととしに比べて6.7ポイント増加しました。被害抑制に向けた成果があったことから、今年度から新たに福山市や府中市など5つの市町が参加することが決まり、県は、引き続き各市町と活動状況を共有する方針です。
(クマに驚き?住宅街でウマ逃走:北海道)
17日午後、函館市の住宅街にウマが出没しました。ウマは先ほど確保されました。午後1時半前、函館市陣川町1丁目で「茶色の小型のポニーがいる」と目撃者から110番通報がありました。ウマは目撃地点からおよそ1キロ離れた小学校の校庭で草を食べるなどし、午後3時ごろ所有者によって確保されました。函館市農林水産部 石岡正直課長)「馬の飼い主の方が警察の方に説明していたのは、クマに脅かされてこっちまで来てしまったんじゃないかという話はされてました」。市によりますとこれまでのところけが人の情報などは入っていません。警察は所有者に話を聞くなどしてウマが逃げ出した経緯を調べています。
(JR東北線で貨物列車がシカと衝突:宮城)
21日午前5時ごろ、宮城県白石市のJR東北線越河―白石駅間で走行中の下り貨物列車がシカと衝突、一時運転を見合わせた。JR東日本東北本部によると、シカの撤去作業で東北線の下り列車2本が約75分遅れ、約1180人に影響した。
(クマがいる、近くの公園を臨時休園:長野)
長野市上松で4月21日昼前、クマの目撃情報がありました。市は近くの公園を臨時休園とし、注意を呼びかけています。クマが目撃されたのは、長野市上松の地附山公園付近です。市によりますと、21日午前11時半ころ、近くの畑で作業をしていた人がクマを見かけ、公園の管理事務所に連絡したということです。大きさや頭数はわかっていません。クマはその後、姿が見えなくなりましたが、付近では10日ほど前にも、クマのものとみられる足跡が見つかっていて、市は21日から当面の間、公園を臨時休園とすることを決めました。付近を訪れる際は、注意するよう呼びかけています。長野県内では4月に入り、飯山市と木島平村で人身被害が発生していて、県は北信地域に出没注意報を発出しています。
(シカが車のボンネットに上がるなどした後走り去る:北海道)
22日午前、帯広市の中心部にシカが現れました。車のボンネットの上にあがるなど、周辺は一時騒然としました。車のボンネットの上を飛び跳ねる1頭のシカ。22日午前11時15分ごろ、帯広市西8条南12丁目の会社の駐車場で目撃され、車に上がるなどした後、走り去りました。目撃した人はシカは興奮した様子だったと話します。市によりますと、最初にシカが目撃されたのは帯広駅のすぐ南側です。そのおよそ15分後、600メートルほど離れた会社の駐車場で目撃され、西の方へ走っていったということです。道総研は、春になりシカの行動範囲が広がって動きが活発になることから、シカの出没に気を付けるよう注意を呼びかけています。
(諏訪大社「600年前」の鹿肉料理再現:長野)
600年ほど前の室町時代に、諏訪大社(長野県)の神事で振る舞われた鹿肉料理が、氏子によって再現された。郷土研究家の協力を得て、飲食店が4月から特別メニューとして提供している。諏訪地方に伝わる食文化の普及も期待される。再現料理に挑んだのは、長野県茅野市でレストラン「匠亭」を営む青木和夫さん(70)。猟師としても活動するなか、「御柱祭」や「御頭祭」で知られる諏訪大社の食文化を地域振興に生かそうと、地元の商工会議所が17年前に始めた事業に参加し、鹿肉が神事で出されていた史実を知った。昨年11月には、自らも出演した諏訪大社の神事を扱ったドキュメンタリー映画「鹿の国」の試写会で、地域の文化や信仰を研究する三好祐司さん(46)と出会った。狩猟による殺生を忌み嫌った時代に、諏訪大社は鹿肉の食用を許す札を授けていたとされ、料理を再現できないか相談した。三好さんからは、諏訪大社の神事として1448年(文安5年)に、子どもが「 大祝おおほうり 」と呼ばれる生き神に即位する祝宴で、鹿肉料理が提供された記録があると教わった。関連の古文書を読み、諏訪市博物館で歴史や文化の知識を深め、3月に再現料理を仕上げた。再現したのは鹿肉をゆでた「生鹿」、串刺しで焼いた「焼鹿」、ゆでた鹿肉と脳みそをあえた「 脳和のうあえ 」の3品。試行錯誤の末に「芯まで火が通って軟らかい状態」に仕上げることに成功した。衛生面を考慮し、脳和の再現には、食感が脳みそに似た豆腐を使った。しょうゆなどで下味を付けたが、当時の味は分からないため、青木さんは「家族に何度も試食してもらった。野生の肉本来の味も楽しんでほしい」と言い、鹿や魚など地元食材を使った料理の普及にもつなげたい考えだ。青木さんの店では、この3品を含めて鹿肉料理8品が並ぶ「信州鹿之国御膳」(税込み3500円)を予約制で提供している。協力した三好さんは「諏訪大社の氏子で、ハンターにして料理人の青木さんだからこそ再現できた料理。文化や歴史のつながりを感じながら味わってほしい」と語る。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後11時ごろ、仙台市泉区館1丁目にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、23日午後4時20分ごろ、登米市米山町西野中島にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、23日午後4時ごろ、登米市南方町南大畑前にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、23日午前6時30分ごろ、登米市迫町佐沼上舟丁にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、22日午後5時50分ごろ、登米市石越町東郷十八引にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
利府町によると、22日午後3時58分ごろ、利府町神谷沢菅野沢にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大竹新田下にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
登米市によると、22日午前7時ごろ、登米市中田町上沼新堀北にクマが出没しました。
TOPへ
4/21
(市街地のクマ被害対策、特例で猟銃使用可に)
改正鳥獣保護管理法が18日、参院本会議で賛成多数により可決し成立した。クマなどが市街地に出没した際、市町村長の判断で猟銃を使った駆除が可能になる。一定の条件の下でハンターに委託できるようになる。公布から6カ月以内に施行する。環境省はクマの出没が増える秋までの体制整備を目指す。改正法は日常の生活圏に出現し、人の生命や身体に危害に及ぼす鳥獣を「危険鳥獣」と定義した。政令によりヒグマとツキノワグマ、イノシシを対象にする方針だ。猟銃の使用には①危害を防止する措置が緊急に必要②地域住民に弾丸が達するおそれがない――などの条件をつける。弾丸が建物に当たるといった物損が生じた場合は市町村長が補償する措置も盛り込んだ。安全確保のため市町村長による通行制限や避難指示もできる。改正前は人に危険が及ぶ恐れがあるとして住宅地での猟銃による駆除は原則禁止していた。クマによる被害は増えている。環境省によると2023年度に報告された人身被害は219人で、把握できる06年度以降で過去最多だった。山をおりて住宅地でえさを探す「アーバンベア」の出没が相次ぎ、対策が急務となっていた。
(隣接の都城での豚熱感染を受け養豚農家に石灰を配布:鹿児島)
先週、宮崎県都城市で野生のイノシシがブタの伝染病の豚熱に感染していることが確認されたことを受けて、鹿屋市はウイルスの侵入を防ごうと17日から養豚農家に消毒用の石灰の配布を始めました。鹿児島県に隣接する宮崎県都城市では、今月9日、野生のイノシシ1頭が死んでいるのが見つかり、検査の結果、ブタの伝染病、CSF=豚熱に感染していることが確認されました。これを受けて鹿屋市はウイルスの侵入を防いでもらおうと、17日から市内の養豚農家に農場周辺にまくための消毒用石灰の配布を始めました。鹿屋市は養豚が盛んな地域で、市によりますと、87の養豚農家がおよそ19万6400頭を飼育しているということです。豚熱は伝染力の強いウイルスによるブタやイノシシの感染症で、ブタでは致死率が高く養豚業への影響が懸念されています。3000頭を飼育する養豚農家は「いつウイルスが入るか心配です。農家は消毒をすることしかできないのでしっかり消毒したいです」と話していました。鹿屋市畜産課は「ウイルス侵入のおそれが高まったため緊急で行った。感染対策の意識を高めて欲しい」と注意を呼びかけています。
(「クマ被害」増加の原因は「人口減少」と「温暖化」だった:石田雅彦)
クマ被害など大型哺乳類とヒトとの遭遇・軋轢が全国で増えている。東京農工大学などの研究グループは、日本の大型哺乳類の分布域を調べ、こうした現象の原因には人口減少の加速と気候変動の進行があることを明らかにした。政府は、市街地での猟銃の使用条件を緩和する鳥獣保護法の改正案を閣議決定し、国会での決議を経て施行を目指す。この動きは、危険鳥獣(ツキノワグマ、ヒグマ、イノシシ)がヒトの生活圏に出没し、人身被害を起こすことが増えているのが背景にあり、環境省によれば2023年度のクマによる人身被害は全国で198件(219人)で統計を取り始めた2006年度度以降で最多だった。クマ、シカ、サルなどの大型哺乳類とヒトとの軋轢が増えている。2024年度のクマによる人身被害の人数は2023年度より減ったが、ブナの実やドングリなど、山林の食物が豊かな年の翌春には多産になる影響でクマとの遭遇が増加することもある。ヒトの生活環境の近くに生息域を持つクマが増えれば、それだけ遭遇や軋轢などの被害も増える。ヒトの活動域や生活圏の拡大により、世界的には大型哺乳類の生息域や分布が狭まっている。大型哺乳類には絶滅危惧種に指定されているものも多いが、世界の一部の地域では逆に大型哺乳類の個体数や生息域が増えたり広がったりしている。日本もそうした地域の一つだが、大型哺乳類が増えるなどの傾向はヒトとの遭遇や軋轢などによる被害、農作物を食い荒らすなどの問題を引き起こす。だが、大型哺乳類の個体数の回復や分布拡大の過程を長期的に記録し、国レベルで分析した研究はまだほとんどない。そのため、東京農工大学などの研究グループは、過去の約40年間の日本全国の陸棲の大型哺乳類6種(イノシシ、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル、ニホンジカ、ヒグマ)のデータを用い、各種の分布の変化にどんな因子が影響をおよぼしているかを検証し、その結果を国際的な科学雑誌に発表した。同研究グループが用いたのは、1978年、2003年、2010年代(2014年のニホンジカとイノシシの補足データ、2017年のツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル、ヒグマ)に調査された分布(5km×5kmのメッシュに存在or非存在)データだった。その結果、6種の大型哺乳類全ての分布は約40年間で急速に拡大していたことがわかった。最も分布を広げたのはニホンジカで平均年間174.9km平米で、ニホンジカが生息していない地域は日本にほとんどない状態という。イノシシは、東日本や北日本へ分布を広げ、ツキノワグマは西日本での分布拡大が顕著だった。一方、ニホンカモシカ、ニホンザルの拡大率はそれほどでもなかったといい、気になるヒグマは平均年間35.2km平米の最も遅い拡大だったものの分布は北海道の約80%となっていた。こうしたデータを、各メッシュ(5km×5km)ごとに、土地の利用、地形、降雪、ヒトの活動(夜間の人工光)、耕作放棄地、散布体圧(Propagule Pressure、特定生物の分布拡大の要素)といった変数と比較したところ、ヒグマ以外の5種の分布拡大は、こうした変数と関係していることがわかった。ヒグマは農地の多いエリアへ進出する可能性が高く、1978年から2003年は耕作放棄地の少ないエリアへ進出するパターンを示したという。また、1978年から2003年で本州、九州、四国のニホンジカ、イノシシ、ツキノワグマ、ニホンカモシカはヒトの活動(夜間の人工光)が少ないエリアへ分布を拡大する傾向があったが、2000年代になるとそれに加え、農地の多いエリアへ分布を拡大する傾向が強かった。6種全ては、降雪の少ないエリアへ進出し、周囲を分布域に囲まれたエリアに進出する傾向がみてとれたという。こうした結果から同研究グループは、ヒトの活動の低下や撤退による耕作放棄地の増加、降雪量の減少が大型哺乳類の分布の拡大に影響していると考えている。耕作放棄地の増加は少子高齢化による人口減少が主な原因だ。耕作地が放棄されると森林へ回復するが、その過程で野生動物の分布が拡大する。また、高緯度地域や標高の高い地域で降雪量が減少するとそこへ分布が拡大する傾向があったが、これは地球温暖化によるものだ。約40年前は、全6種が分布するエリアの中心は山岳地帯だったが、分布の拡大によって各地でヒトの生活圏である平地などへも分布が拡大した。その結果、ニホンジカやイノシシによる農作物被害のほか、車や鉄道との衝突事故、ヒグマやツキノワグマによる人身被害も急増した。同研究グループは、ニホンジカなどの生息密度が増加することによる生態系への悪影響、人獣共通感染症の感染リスクの増加など、環境負荷や公衆衛生面などへの波及も危惧している。日本では今後も温暖化、人口減少と都市部への一極集中などが加速していくだろう。そのため、大型哺乳類の分布拡大はこれからも続いていく危険性がある。同研究グループは、大型哺乳類は種ごとに分布が拡大する原因や生息域に必要な条件が異なり、今後の生息拡大の予測も種ごとに検討する必要があるという。これらの大型哺乳類とヒトとの共存を実現していくためには、これまでの管理政策を実施するだけではなく、行政での野生動物管理の専門知識を持った職員の配置や地域住民への正しい情報の普及啓発などを計画的に、そして継続的に行っていくことが必要としている。
(「アナグマが柵下に穴をあけ、イノシシが隙間に鼻を突っ込んで持ち上げる」)
全国各地で感染が確認されている家畜伝染病「豚熱」。4月、宮崎県では初めて野生イノシシの豚熱感染が確認された。感染が広がると、畜産王国宮崎への影響は計り知れない。養豚場へのウイルス侵入防止のため、県は野生動物の侵入防止対策や消毒の徹底などを呼びかけている。どうやって養豚場への侵入を防ぐのか。野生鳥獣被害対策アドバイザーに聞いた。宮崎県都城市で4月発見された死んだ野生イノシシが、豚熱に感染していたことが判明した。宮崎県で野生イノシシの豚熱感染が確認されたのは初めて。豚熱は、豚やイノシシがかかる、感染力が強くて致死率の高い家畜伝染病。豚熱対策にはどのようなことが必要なのか。宮崎市の養豚場を訪れた、鳥獣被害などを研究する室屋敦紀さん。農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーだ。イノシシによって農場にウイルスが持ち込まれないよう、敷地の外から柵などを点検した。野生鳥獣被害対策アドバイザー 室屋敦紀さん:アナグマが柵の下に穴をあけると、隙間が空く。そこにできた隙間にイノシシが鼻を突っ込んで、柵を持ち上げる。室屋さんが県内の別の場所で撮影した夜間の映像を見せてもらった。イノシシがワイヤーの隙間に鼻を突っ込み、簡単にくぐりぬけて養豚場の敷地に入ってくる。鳥獣被害対策アドバイザー 室屋敦紀さん:柵と潜み場の間に緩衝地帯があるかどうか。もう一つが、柵が完全に囲われているかどうか。これが物理柵も電気柵も共通して言えること。県内での豚熱の発生に養豚場の経営者は…パイオニアポーク 有方草太郎代表:一番には、びっくりした。養豚仲間と情報交換もして、より防疫を徹底しなければと思った。靴、服、車、全てが感染経路になる恐れがあるため、農場以外の土などを絶対に持ち込まないことを徹底することが大切。県内での豚熱確認を受けて、宮崎県は12日、緊急防疫会議を開き、生産者に防疫対策を呼びかけた。会議には、県内の養豚関係者などおよそ100人が参加した。宮崎県によると、豚熱に感染した野生のイノシシが見つかった地点から半径10キロ以内の 「感染確認区域」には養豚農場が97戸あり、およそ17万4000頭が飼育されている。県は農場へのウイルス侵入を防ぐため、野生動物の侵入防止対策や消毒の徹底などを呼びかけた。みやざき養豚生産者協議会 長友浩人会長:正直かなり驚いている。今までも衛生管理をしっかり守りながら、農場はかなり衛生レベルを上げていると思うので、各農場の意識は、またさらに高くはなると思う。宮崎県は16日から、野生イノシシを介した養豚場へのウイルス侵入を防ぐためワクチンの散布をはじめた。ワクチンの散布は、感染した野生イノシシの発見場所から半径10キロを中心に都城市と小林市、高原町で行われる。散布するポイントはあわせて109カ所で、1つのポイントにつきおよそ5平方メートル内に20個のワクチンがまかれる。1か月後にはイノシシなどがワクチンを食べたかどうか状況を見た上で2回目の散布も行われる。県は散布されたワクチンの持ち出しや、散布場所への立ち入りを控えるよう呼びかけている。
(人里にクマを近づけない対策を)
4月16日、長野県木島平村で90歳の女性が畑仕事中にクマに背後から襲われ、背中など11カ所をかまれた。また、9日には隣の飯山市で男女3人が襲われ重軽傷を負った。立て続けに起きたクマによる人身被害。専門家は、北信以外でも2025年はクマの動き出しが例年に比べて1カ月ほど早く、大量出没の可能性もあるとして注意を呼びかけている。「今年クマの動きは1カ月くらい早いです。春から動きがおかしい年は気を付けた方がいいんです」。こう指摘するのは、野生動物学が専門の信州大学農学部・泉山茂之特任教授。例年、クマは冬眠から目覚め、5月の連休明けごろから動き出すと言う。しかし、2025年は4月中にもかかわらず飯山市と木島平村の人里で人身被害が発生。中南信でもシカのワナにクマが掛かるなどの報告が寄せられていて、動き出しが例年より1カ月ほど早いと言う。ドングリなどのエサが不足していたわけではなく、理由ははっきりしないが、動き出しが早い年は、大量出没する傾向もあり注意が必要だと言う。泉山特任教授は「動きがおかしい年は、違ったことがすでに起こってるわけじゃないですか。だから気を付けたほうがいいかもしれない」と呼び掛ける。人里への出没については、クマが行動する河川敷やその周辺の環境の変化が大きいと言う。泉山特任教授は「放棄耕地が増えたり、川沿いの田んぼが作らなくなって荒れてるとか、そういうところをつたってきてしまったクマが人間のそばに来て逃げようと思っても逃げたらそこに人がいたり、不幸な遭遇が起こってしまう。クマが入り込みやすい環境がどんどんできていることが大きな問題」と指摘する。クマの出没が増える夏に向けて、人里近くの耕作放棄地や、やぶの手入れをするなどクマを近づけない対策が重要だ。泉山特任教授は「河川敷とか段丘斜面とかがクマの移動の道になりにくい環境づくりをしていく。家の周り、畑の周りは少しずつでも刈っていれば、人が何かやっているというのがクマに伝われば、ここは人が来ているとわかればそこを避けるようになりますので、少しずつでもやってください」と注意を呼び掛けている。
(農場でもシカによる被害:岩手)
シカやクマ、イノシシなどの野生動物による農作物被害は深刻さを増していますが、これまであまりシカの被害がなかった沿岸北部の田野畑村の農場に大きな群れが住みついて農家を困らせています。専門家は地球温暖化でシカが北上したことを示す象徴的な映像だとしています。田野畑村の吉塚農場の牛は、山に生える草と自前の牧草だけで育ちます。多様な草が牛を育くむ山地酪農。豊かな緑はシカの格好の住みかになっています。岩手大学でシカやクマなど野生動物の生態を研究している山内貴義准教授に、今回の映像を見てもらいました。岩手大学農学部 山内貴義准教授「温暖化も影響している。もともと雪に強くない動物足が細いので、雪に足を取られる分布を広げづらかった。雪が少なくなっている。雪があるとエサが食べられない、下草が食べられない、雪が少なくなって少し掘れば草が食べられる冬を何とかやり過ごす個体が多くなっている。そういった温暖化の影響もある」。山内准教授はハンターにシカを駆除してもらうこと。またシカ対策の防護柵を張ることが大事で、そうしたことに対する行政の補助もあるので活用してほしいと話しています。
(列車がシカと接触:岡山)
JR西日本によりますと、きょう(17日)午後7時前、JR山陽本線の三石~吉永間で、列車が鹿と接触したということです。JRでは車両と線路を確認したため、午後7時20分現在、JR山陽本線の一部の列車に、約20分の遅れが出ています。
(有害鳥獣の食肉利用推進へ:岡山)
中国四国農政局(岡山市北区下石井)は2月6日、捕獲した有害鳥獣の食肉利用推進などを目指す「ジビエ連携フォーラム」を同所の岡山第2合同庁舎で開く。有害鳥獣を巡っては、岡山県内では2023年度にシカが約1万6千頭、イノシシが約3万頭捕獲されており、いかに有効活用するかが課題となっている。当日はシカ肉やイノシシ肉をペットフードに加工して販売しているアートキューブ(京都府)の垣内規誠代表や、地域ぐるみで鳥獣対策に取り組む島根県美郷町の職員らが登壇する。
(自然の恵みが愛犬の健康をサポート:京都)
株式会社nullkyoto(以下、nullkyoto)では、 2025年4月3日、京都発の新ジビエペットフードブランド「Rawto(ロウトゥ)」をリリース。第一弾商品として「Rawto 鹿肉ジャーキー」を発売した。“捕獲される鹿たちの命を無駄にすることなく社会に還元したい”との想いから生まれた、注目の新商品だ。「Rawto」は、京都北部で狩猟を行なっている人とnullkyotoが出会い、野生動物の駆除に伴う大きな負担を知ったことをきっかけにスタートした。原動力は、獣害被害、狩猟者の高齢化、地方財政のひっ迫などの社会問題に向き合ったときに湧きあがった「何かできることはないか」という想い。この想いに共感し、集まったメンバーによって開発されたのが今回の「Rawto 鹿肉ジャーキー」だ。
(“猟師のシェフ”が織りなす、極上のジビエ・フレンチ:新潟)
シェフ自身がハンターであり、ジビエ料理に定評のある「Restaurant UOZEN」の冬のおまかせコースをご紹介。新潟県三条市にある「Restaurant UOZEN」は、地産地消のお手本のようなフレンチレストラン。特筆すべきは、オーナーシェフである井上和洋さん自身も猟師であること。ジビエを提供するお店は数あれど、食肉処理業の免許も取得し、敷地内に処理場を建て、自ら解体や加工までされているシェフは全国的にも稀です。
(高校の生徒がジビエ料理を考案:静岡)
伊豆半島で捕獲されたシカやイノシシの肉を使い、下田高校の生徒が考案したジビエ料理が4月19日、地元のホテルで提供されました。シカの肉を添えた「冷やしジビエ蕎麦」に、イノシシの肉を使った「ジビエのパエリア」。下田高校生活科学部の生徒がレシピを考案しました。4月19日は、生徒が盛りつけを行い、河津町の「伊豆今井浜東急ホテル」のランチでジビエ料理を提供しました。生徒たちは2024年から、「獣(けもの)と人の共存」をテーマに、地元で捕獲される動物の肉を使ったジビエ料理を考え、2024度の「ジビエ料理コンテスト」では、「猪肉の蒸し野菜」というレシピで、最高賞の農林水産大臣賞に輝きました。<下田高校生活科学部3年 長島成咲さん>「こういう大きな賞が取れたというのは、本当にうれしいことです。家でジビエ料理を調理するのは、とても難しいので、お店や、こういうビュッフェなどの場で、ぜひ食べてもらいたいです」。今回の料理は、4月21日まで地元ホテルのランチで味わうことができます。
(クマ出没:宮城)
白石市によると、16日、白石市大平森合原にクマが出没しました。
TOPへ
4/18
(90歳女性を襲ったクマ発見できず:長野)
木島平村で16日朝、90歳の女性がクマに襲われました。女性はクマの爪で背中や腕など11カ所にけがをしましたが命に別状はないということです。警察によりますと午前6時40分ごろ、木島平村穂高の畑で農作業をしていた90歳の女性が背後からクマに襲われました。女性はクマに爪で刺され、右腕や背中など合わせて11カ所にけがをしましたが軽傷で、命に別状はないということです。クマは体長1メートルほどの成獣とみられます。村の職員や猟友会が周囲を捜索しましたが、発見には至らず午前9時に捜索を打ち切りました。隣の飯山市常盤地区では9日に男女3人がクマに襲われ重軽傷を負っています。うち2人は屋内でクマに遭遇して被害に遭いました。飯山市の現場から木島平村のの現場までを地図で見ると…千曲川をはさんで直線でおよそ2.5キロの距離があります。飯山市のクマの足取りが途絶えた道の駅近くから対岸に当たります。木島平村の小学校では下校時に職員が付き添い大勢の保護者が迎えに来ました。木島平村は今後捕獲用の檻2基を現場付近の地区に設置するということです。
(クマに住民3人が襲われる被害から5日、臨時休校となっていた小中学校で授業再開:長野)
3人がクマに襲われ重軽傷を負った長野県飯山市で、警戒が続く中、臨時休校となっていた小中学校などで授業が再開されました。クマよけの鈴を鳴らしてスクールバスから降りてきた児童。城北小学校でも授業が再開され児童が登校しました。飯山市常盤で9日、住民3人がクマに襲われ重軽傷を負い、市は2つの小中学校と4つの保育園を臨時に休みとしてきましたが、保護者が送迎や付き添いをするなどして、14日再開しました。現場周辺では警察や猟友会がパトロールを行ない、警戒を続けています。
(市街地でクマ駆除「責任はどうなるの?」:北海道)
市街地を徘徊(はいかい)するヒグマの駆除を市町村の判断で可能にする鳥獣保護管理法改正案について、国会審議が進んでいる。これまでは警察が発砲許可の判断をしており、成立すれば市街地での駆除のルールが大きく変わる。政府は今秋の実施を目指すが、専門知識を持った自治体職員は不足したまま。一連の審議で具体的な対応策は示されておらず、議論は深まっていない。判断の責任を負うことになる北海道の自治体は、直近の駆除訓練でも警察による発砲許可を前提に手順を確認しており、見切り発車による混乱を懸念する。「駆除に関する知見を持った職員がいない自治体が多く、このままでは緊急銃猟に対応できない」。衆院環境委員会での審議で8日、立憲民主党など野党の議員から、体制の準備不足を指摘する声が相次いだ。浅尾慶一郎環境相は「専門知識のある職員の育成も必要」と答弁したものの、具体策は示さなかった。現行法は、市街地で猟銃による駆除を原則禁止している。緊急時の措置として警察官職務執行法(警職法)に基づき、現場の警察官が許可してきたが、命令に時間がかかったりする事例が起きていた。改正案には、市町村長が最終的に判断し、ハンターに発砲を委託する「緊急銃猟」の規定を盛り込む。市街地でのクマやイノシシの駆除判断について、法整備で初めて明確化し、迅速な対応につなげる狙いがある。警職法の適用は引き続き可能だが、環境省は3月下旬の同委員会で「今後は改正法案に基づいて対応することが基本となる」と答弁した。近く衆院を通過し、今国会中に成立する見通しだ。今秋の施行の可能性が高まるが、道内の市町村には、ヒグマの生態や駆除の知識がある職員はほとんどいない。2年前に住宅街にクマが出た室蘭市の担当者は「自治体職員は警察と違って銃器を扱うことがない。迅速な対応は難しく、むしろ判断が後手に回りかねない」と不安を抱える。市街地周辺の生息頭数が30~50頭と推定される根室市では、職員不足で本年度の欠員は既に37人に上り、駆除を担当する職員の配置自体が難しいという。同市は昨年から、北海道警察と合同で駆除訓練を始めたばかりで、担当者は「訓練は警職法を前提としてきた。駆除の流れを見直す必要があり、分からないことが多すぎる」と困惑する。改正法案は自治体に、住民の避難指示や交通規制なども求める。環境省は自治体向けに安全対策の指針を示すとしているが、公表時期は「今夏ごろまでを目指す」としており、制度の開始直前になる可能性が高い。昨年度の目撃件数が過去最多の49件に上った稚内市の担当者は「避難指示は市役所全体で対応する必要があるが、国から指針が示されず、準備もできない」とする。また、猟銃での駆除に当たるハンターが、責任を負わされるリスクは、ほとんど議論されていない。改正法案は緊急銃猟に伴う補償は、家屋などの損壊について「市町村が補償する」と定めるにとどまる。砂川市では19年に、北海道猟友会のハンターが市の要請を受けてクマを駆除した際、危険な発砲判断だったとして猟銃許可を取り消された。同会の堀江篤会長は「ハンターが守られる制度を期待していたが、そうなっていない」と懸念する。酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物管理学)は、法案について「市街地での対応に選択肢が広がる」と理解を示す。その上で「状況判断はベテランハンターでも難しく、制度開始後の混乱が予想される。国として人材育成の仕組みを整えるとともに、道も各振興局に専門職員を配置するなど、市町村への支援を急ぐべきだ」と指摘する。
(全国一の養豚地帯、厳戒:宮崎)
全国一の養豚地帯南九州に、畜産関係者が恐れていた豚やイノシシの伝染病「豚熱」のウイルスが侵入した。宮崎県都城市で野生のイノシシの死骸が見つかり、11日に感染が確認された。野生イノシシは行動範囲が広く、駆除が難しい。宮崎・鹿児島両県は養豚農場へのウイルスの侵入を防ごうと、一層の警戒を呼びかけた。豚熱は2018年9月に岐阜県の農場で確認されて以降、24都県の農場で感染が広がり、約43万頭の豚が殺処分された養豚業界を揺るがす伝染病だ。人には感染せず、感染した豚の肉も市場に出回ることはないが、感染力が高く、感染した豚は食欲不振や下痢などの症状が出て、急性の場合は死ぬことがある。家畜伝染病予防法に基づいて、感染が確認されれば農場の豚全頭が殺処分される。24年2月現在の畜産統計によると、鹿児島県は豚の飼育頭数が120万頭で全国1位、宮崎県は72万1900頭で全国3位。両県で全国の22%の豚が飼育されている。
(「豚熱」対策会議:熊本)
宮崎県で死んだ野生のイノシシから豚熱のウイルスが確認されたことを受けて、熊本県は14日、会議を開いて監視の強化を確認しました。豚熱は、感染力と致死率が高い豚とイノシシの伝染病で、ヒトには感染しません。九州では、佐賀県と長崎県で野生のイノシシへの感染が確認されていましたが、11日、新たに宮崎県都城市で死んだイノシシからウイルスが確認されました。熊本県庁での会議では、県内の養豚場166か所では異常がなかったことや今年7月までの間、野生のイノシシの血液検査の数を月60頭に倍増させることが報告されました。豚の出荷などに影響はないとしていますが、県は、登山やキャンプなどで山に入ったあとは、靴を消毒するよう呼びかけています。
(ワクチン混ぜた餌を散布へ、発見場所から半径10キロ以内の獣道などに:宮崎)
宮崎県都城市で家畜伝染病「CSF(豚熱=豚(とん)コレラ)」に感染した野生のイノシシが確認されたことを受け、県は15日、感染拡大を防ぐために16日から野生イノシシ向けの経口ワクチンを餌に混ぜて散布すると発表した。県によると、散布地点は感染したイノシシの発見場所から半径約10キロ以内にある獣道などで、同市の84か所と、隣接する小林市6か所、高原町19か所。散布地点には「豚熱経口ワクチン散布中」の貼り紙をするという。5日間以内に1回目の散布を終え、約1か月後に2回目の散布を行う予定。
(野生イノシシが豚熱感染、県内42例目:岡山)
岡山県は16日、赤磐市で発見された野生イノシシが家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は42例目で、同市では初めて。県によると、6日に地元猟師が田んぼで死んでいる個体を見つけ、県の検査で15日に陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して野生イノシシの流通自粛を求めた。
(野生イノシシ2頭が豚熱感染:佐賀)
佐賀県は16日、伊万里市と玄海町で野生イノシシ計2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内では75、76例目で、いずれも経口ワクチンの散布エリアだった。県によると、75例目は10日に玄海町普恩寺の海岸で死んでいるのを唐津土木事務所の職員が巡視業務中に発見した。76例目は14日に伊万里市松浦町山形の川沿いで死んでいるのを近くの倉庫所有者が見つけた。2頭は15日に検査した。
(AIによるクマの個体数調査や人とクマとの住み分け「ゾーニング」:北海道)
クマが出没するシーズンを迎え、北海道と猟友会などが会議を開き、被害が起きたときの連絡体制などを確認しました。会議には、北海道をはじめ、北海道警や北海道猟友会などが出席し、北海道からは、2025年度、AIによるクマの個体数調査や人とクマとの住み分けを行う「ゾーニング」を実施することなどが報告されました。また、市街地に出没したクマに自治体の判断で発砲を認める改正法が、秋にも施行されることを受け、北海道は最新の情報をハンターの研修に反映するとしています。北海道内では、例年クマによる人身被害が相次ぎ、2021年度は14人が死亡、またはけがをしました。4月3日にも、美唄市でハンターの男性が、クマに襲われ大けがをしていて、北海道は、山菜採りなどで山に入る際は注意するよう呼びかけています。
(東中国地域に生息するツキノワグマは推定763頭、2025年度の狩猟自粛をハンターに要請へ:岡山)
兵庫県の西側から岡山県・鳥取県に分布するツキノワグマの生息数について、岡山県は763頭いるとの推定を明らかにしました。環境省はツキノワグマの中でも兵庫県の西側から岡山県・鳥取県にかけて生息する集団について、とくに絶滅の恐れが高い「地域個体群」と位置付けています。岡山県はこの地域個体群の生息数が2025年1月1日時点で763頭だと推定されることを明らかにしました。2024年12月末までの捕獲履歴などから推定したものです。2024年より42頭少なく、群れが安定的に存続している基準の800頭を下回りました。県は、急激な減少を防ぐため2025年度は狩猟を自粛するようハンターに要請します。一方、県内での出没件数は2024年度134件で前の年度より15件増えました。
(クマに注意、遭遇しないためには?)
4月9日、長野県飯山市で3人がクマに次々と襲われけがをしました。近年、クマは人里におりてきて目撃情報が相次いでいますが、都内や神奈川県、埼玉県でも、クマとみられる動物や足跡などを目撃したという情報が寄せられています。これから本格化するレジャーシーズン。クマに遭遇しないためには、また、万が一、出会ってしまった場合にはどう対応したらよいのか。目撃情報や注意点についてまとめました。クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授によりますと、春から夏にかけては、2年ほど前に生まれた子グマが少しずつ親元から離れて単独の行動を始める時期であり、見知らぬ土地に足を踏み入れ、ライバルがおらずエサのある場所を求めた結果、人の生活圏の近くに来ることも多いということです。〇春先のクマの活動 早い個体だと3月半ばぐらいから順次、個体や年齢によってばらつきはあるが、冬眠から覚めていくので、4月の半ばは、多くのクマが活動しはじめる時期になる。冬眠明けだからおなかをすかせて凶暴になるということはないが、人間がとる山菜と同じようなものや、この時期に芽吹く木の芽も食べるようになるので山菜採りや春先の山登りに行った際にばったりと出会うことは起きやすい季節だ。〇クマに出会った場合 ばったり出会った時はクマも驚いている状況だと考えられる。クマのほうも、至近距離すぎて逃げられなかったり、近くにいる子グマを逃がそうとして自分は逃げられなかったりする。そのため、人間の方は、慌てず騒がずにクマの様子を見ながら、背中を向けずにゆっくりと距離を取るというのが基本的な行動になる。〇遭遇しないために 鈴を鳴らしたり手をたたいたりして人間がいることをクマに知らせることも大事だ。万が一に備えて、クマ撃退用のスプレーを持参するほか、リュックサックやヘルメットは背中や頭部を守るために有効なので、そうした装備をきちんとして、出会っても落ち着いて行動する心構えが重要だ。
(クマの被害防ぐには、人の生活圏に近寄らせないこと)
留守にしていた家に戻ったらクマがいた。果樹畑でばったり出くわした。クマに襲われ、負傷するケースが相次ぎ、住民の不安が高まっています。普段は山奥で生活しますが、ドングリなど餌となる木の実の不作や、奥山の開発で、餌を求めて人里に下りて、出くわした住人に危害が加えられる例が増えています。自治体は、猟友会の協力も得て捕獲・殺処分していますが、動物保護団体などは、捕獲後に奥山に戻すよう求めています。もし、クマに出くわしたらどうしたらよいのでしょうか。環境省のまとめだと、クマによる被害に遭った人は、2024年度は12月までで82人。うち3人が亡くなっている。2023年度は219人と多く、6人もの死者を出している。統計を取り始めた2008年度は59人、死亡1人。年ごとにでこぼこがあるのは、ドングリをはじめとする木の実などが凶作だった年と豊作だった年の差も影響しているのかもしれない。2023年度は統計を取り始めた2008年度以来、最大を記録した。出没情報を見ると、2023年度が2万4348件と最も多く、2024年度(12月まで)も1万9979件となっている。2023年はドングリの大凶作のあった年だが、数年おきに大量出没が起きている。本州に生息するツキノワグマの分布域は2003年度から2018年度までの15年間で1.4倍に広がり、北海道に生息するヒグマの分布域は同1.3倍に広がった。これは、生息域だった奥山が開発されたりしての、里山への侵入もある。里山の広葉樹はクマの好む木の実が豊富だが、これまでは人の手が入り、クマは近寄れなかった。しかし、住民の高齢化や過疎化が進み、人の手が入らないようになり、かっこうの餌場になったところも多いという。さらに里山を下ると、そこに住宅地や農地が広がる。食べ物を求めたり、迷ったりして里山からおりてきたクマと住民が遭遇することが増えた。これまで自治体は、目撃情報などをもとに、ワナを設置したり、地元の猟友会に委託したりし、捕獲してきた。だが、猟銃を持って危険な業務を行う猟友会のハンターの日当は1万円にも満たない。過疎で高齢化し、人が足りない。筆者がかつて取材したハンターは「身の危険があるうえ、都会のよそ者たちからは、クマを虐殺する悪人扱い。だれが好き好んでやりますか」と不満を語った。2024年6月に開かれた、環境省、農水省、警察庁など関係省庁で構成されるクマ被害対策業務関係者会議で、北海道の猟友会のハンターの声が紹介された。「日当8,500円。高校生でもコンビニでこれぐらいでるでしょう。それでクマに立ち向かっていくのですか。誰が行くのですか?」。法律できちんと役割を位置づけ、権限を与え、正当な報酬を払う。そんな当たり前のことを、国は怠り続けてきた。2024年度(12月まで)の捕獲数は5,101頭で、うち4,899頭が殺処分された。なんと96%が殺処分されたことになる。2023年度は9,274頭が捕獲され、9,097頭、98%。2019年度は6,285頭が捕獲され、6,039頭、96%と高い。都道府県ごとに見ると、長野県は2020年度に416頭捕獲されたが、殺処分されたのは316頭、76%と、全国で一番殺処分率が低かった。しかし、2024年度には345頭捕獲し、320頭が殺処分され、93%と高まっている。長野県は他の県に比べて、補殺率が低いようだ。その理由を林務部森林づくり推進課の担当者に聞くと、「長野県では学習放獣を施策に位置づけています。クマの出没時の対応マニュアルがあり、再出没したクマは麻酔銃を使って捕獲し、人と接触しないように学習させ、放獣させることになっています。また捕獲は頭数の目標を定めず、(捕獲の)上限の頭数を特定計画をつくって定めています」。計画は5年ごとに見直されるという。2024年にクマが特定管理鳥獣に指定されたことで、環境省の予算が一部の事業に利用できるようになったが、捕獲事業での利用はしていないという。この学習放獣を民間団体でやっているところがある。軽井沢で活動するNPO法人ピッキオがそうだ。ホームページでこう紹介している。「25年ほど前からツキノワグマによる被害(ゴミあらし、住居侵入、農業被害等)が増加していた。それまでは駆除しかなかったが、個体管理という手法を取り入れ、同時に誘引物管理を徹底した。(1999年頃より)個体管理と誘引物管理を行う事で、人の住むエリアの被害を大きく減少する事ができている」。クマの殺処分に頼る方法ではあまり効果はなく、真の原因を取り除かない限り被害は続くとし、調査し、それを基に対策を講じ、ヒトとクマが適度な距離を保ちながら、共に暮らす方法を模索している。具体的には、ワナで捕獲したクマを検査した上、電波発信器を装着し森に戻す。その際、人やイヌの大声、ゴム弾などで威嚇しながら放獣することで「人や犬は怖い」と学習させる方法(学習放獣)を採用している。しかし、各市町村が実行するためには、専門家を配置したり、予算も必要だ。ある自治体の担当者は「学習放獣は奥山に返すことだが、奥山の所有者が認めないとできず、地域によって差がある。それに奥山の多くは国有林ですが、林野庁は職員の安全面から、放獣を認めていません。学習放獣を否定しないが、条件がそろわないと難しい」と語る。一方、殺処分した自治体に対し、「殺す必要があるのか」との抗議や疑問の声が殺到することがしばしば起きている。秋田県美郷町では、2023年10月、作業小屋に入ったクマ3頭が捕獲され、その後殺処分された。その報道があった1日だけで抗議の電話が320件あり、通常業務がマヒした。「電話の応対で、通常業務に支障がありました。元々美里町はクマの被害はほとんどありません。2024年に出没情報が28件ありましたが、同じクマを住民が見ており、実際にはその半分です」と同町農政課の職員は話す。秋田県では、鹿角市で2024年6月、行方不明の人を探していた警察官2人がクマに襲われ、負傷した。県は、同年7月から、情報マップシステム「クマダス」を動かし、ホームページで県や市町村が把握したクマの出没情報を提供している。登録すると、メールで情報が得られる。2024年4月には、環境省は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)の省令を改正し、クマ類を「指定管理鳥獣」に指定した(四国の個体群は絶滅の恐れがあると未指定)。指定されると、都道府県等が計画に基づき行う捕獲や被害対策等に必要な費用を国が支援することになる。これまで環境省はニホンジカとイノシシを指定管理鳥獣に指定しているが、共に繁殖力が高く、農作物等に被害を与えている。そこで生息数を減らすというのが目的だった。しかし、クマはどの程度生息数が増えているのかも明確でなく、過度に捕獲し殺処分すると絶滅の心配があったからだ。このため、指定管理鳥獣に指定することについて専門家からなる「クマ類保護及び管理に関する検討会」では、環境省が提案する指定管理鳥獣への指定を認める一方、自治体の対策が補殺に偏ることを懸念し、それを防ぐことをもとめる報告書となった。検討会には、猟友会、農協などのほか、NPO法人ピッキオも出席し、発言した。委員「長年 軽井沢で(学習放獣など)対応を継続的に実施できているのは非常に素晴らしい。職員の育成や意識醸成などの体制はどのようにして維持・継続しているのか」。楠部真也代表「実施している作業、共存モデルの目的を理解してもらうことがまず重要です。その中で、自分たちが社会に貢献する役割を認識してもらうことが、体性とモチベーションの維持につながっていく重要な部分だと考えています」。座長「ツキノワグマ対策の事業として、軽井沢町から2,000万円の事業費が出ているという話だが、業務量などを考えると十分な人員配置は難しそうに思える。現在、ピッキオで行っているツキノワグマの保護管理事業では、軽井沢市の中でどの程度の面積を何人程度で対応しているのか」。楠部代表「保護管理に従事するスタッフは6人で、軽井沢町全域をカバーしています。夏は、長野県 東信地域の事業としては錯誤捕獲への対応も実施しています。人件費等を含め3,000万円程度は必要で、不足分は自主事業で実施しているエコツアー等の売り上げで補填(ほてん)しています」。地道な活動の実態と厳しい財政事情が明らかになった。報告書は、人とクマがすみ分けすることを目標とし、ゾーニングによる管理を求めた。そして、人の生活圏とクマの生息域を区分した。・人の生活圏(市街地・農地等)にはクマを生息させず、人の安全を最優先する。クマを呼び寄せる放任された果樹を除去し、クマの出没防止対策を徹底し、侵入したクマは速やかに排除する・緩衝地帯(人の生活圏と保護優先地域の間の地域)は、伐採や刈り払いなどの環境整備や林業等の人間活動を実施する・保護優先地域(奥山等)は、地域個体群の安定的な維持を図りつつ、クマにとって良好な生息環境を保全する と提言する。また、モニタリングに基づく順応的な管理とし、分布や個体数、軋轢(あつれき)を評価するモニタリングを定期的に実施し、個体群が適正な生息状況となるよう、順応的な保護・管理を進め、順応的な管理を行うとしている。この提言を行った検討会は毎年春に開かれていたが、2023年12月に急遽開催された。その裏には、国の姿勢に業を煮やした北海道東北地方知事会の会長、達増拓也岩手県知事ら3道県の知事、副知事が環境省と農林水産省を訪問し、クマ対策の強化を求める緊急要望書を提出した動きがあった。伊藤信太郎環境大臣に面会した知事らは、指定管理鳥獣にクマ類を追加し、財政支援を求めるとともに、クマを殺処分した自治体に非難の電話が殺到していることについて、国民に正しい情報を伝えるよう求めた。達増知事は「(クマ対策は)新たな局面に入っていると言っていい。緊急対応の部分を強化せねばならず、国の財源と専門知識に期待する」と述べた(朝日新聞など)。環境省は「クマ類保護及び管理に関する検討会」を急いで開いた。委員には、秋田県と島根県の職員も入っていた。検討会は2024年3月までに3回開かれ、まず現状について議論され、両氏が報告した。近藤麻実・自然保護課主任「ツキノワグマの大量出没はブナ科堅果類(の凶作)だけでは説明がつかない。今年は、夏季に熟していないリンゴ、スイカやクリを食害していたようだ。夏季の餌資源が不足し、その結果、行動権の拡大と共に人の生活圏への接近や人との遭遇リスクが増加したのではないか」。澤田誠吾・島根県西部農林水産振興センター主幹「島根県ではゾーニング管理を導入し、捕獲が進んでいることから、今年は大量出没を少なく抑えることができた可能性が考えられる。ゾーニング管理の効果検証が重要になる」。地域によって、餌となるドングリの生育状況が違い、住民が育てていた柑橘(かんきつ)類もクマが餌にしている状況がわかる。ゾーニングの重要性に触れた意見も多かった。小池伸介・東京農工大学教授「(提案書原案の)目的は非常に明確。その中でも、ゾーニング管理がとても重要になってくる。2000年代以降に大量出没が発生しているが、出没を抑制する取り組みが必要である。現状の特定計画では、ゾーンが描かれていたとしても、ゾーニング管理は多くの地域で実現出来ておらず、出没を防ぐための対策が進んでいない」。棲(す)み分けをするには、クマと人の活動域を区分けし、人の活動域にクマが侵入してこないように、木を伐採したり、奥山の自然を保護したりと、土地を管理することが必要になってくる。単にクマを追い払えばよいということではない。最後の第3回の検討会では、クマ研究の第一人者と言われる座長の山﨑晃司・東京農業大学教授が、こうまとめた。「指定管理鳥獣に関する議論が上がった時に、かなり迷った部分があった。シカやイノシシの指定管理鳥獣捕獲等事業の現状を考えると、クマ類を指定しても大丈夫かどうかという懸念があった」。「だが、シカやイノシシとは同一の制度ではない新たな制度や名称の変更の検討、新たな交付金メニューを作成した上で実施するということを前提とした上で、クマ類の指定管理鳥獣への指定は賛成としたい。事業がきちんと目的に沿った形で運用、評価されているのか等、国として状況を集約し順応的な指定管理事業が行われているかを見ていく必要がある」。こうして委員全員が指定管理鳥獣にすることを容認した。いずれも計画的な施策の実行を前提としていた。報告書の副題は「クマとの軋轢の低減に向けた、人とクマのすみ分けの推進」。なお、四国では絶滅のおそれが高いとして、四国のクマは除くことがきまった。四国ではすでに40年も捕獲が禁止されているのに、生息数はまったく増えず、絶滅の危機が続いている。地域ごとに生息していることが重要で、どこか別の場所に生息しているから、ここからいなくなってもよいというわけではないのだ。鳥獣保護管理法に基づく「指定管理鳥獣」と指定されると、捕獲について幾つかの特例措置が設けられている。指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画に位置付けると、捕獲の禁止(第8条)、捕獲した鳥獣の放置の禁止(第18条)、夜間銃猟の禁止(第38条第1項)といった鳥獣保護管理法で禁止されている規制が適用されず、捕獲の自由度が高まる。ところで、ニホンジカとイノシシが先に指定されていたのは、全国規模で生息数が急増し、それに伴い農作物への被害も急増したため、生息数を減らす必要があるからだ。推定される個体数(中央値)を見ると、イノシシは2011年度に121万頭あったのが、指定鳥獣に指定され、半減を目指した結果、2019年度に72万頭に、ニホンジカ(本州以南)は同233万頭から222万頭に減った。ニホンジカは半減すると計画しても、うまくいっていないことがわかる。一方、クマは生息数の把握ができていない。クマが人的被害を及ぼすのは、別の要因によって人の生活圏にクマが入り込むことがトラブルを起こしている。クマが生息する奥山が近年、太陽光発電所の設置に伴う大規模森林の伐採などで縮小し、人とクマの生活圏の間にあった里山が、過疎化で人の手が入らなくなってクマが進出。さらに人の生活圏に侵入し、柿などの柑橘類の味を覚え、滞留する例が増えているからだ。計画的に捕獲すると言っても殺処分の圧力が必要以上に強まれば、個体数が減少する恐れがある。座長が「人とクマのすみ分けの推進」を報告書の副題にすることを条件にしたり、クマの保護活動に携わる団体が指定に反対するのもこうした事情からだ。秋田県は、クマが指定管理鳥獣に指定されたことから、2024年の補正予算で、クマ出没抑制緊急対策事業を計上、環境省の交付金も得て、クマが奥山から里に降りてくるルートにある藪(ヤブ)を刈り払いし、見晴らしを良くすること、放任された柿などの果樹を持ち主の許可を得て伐採することの2つの事業を行った。県自然保護課の担当者は「クマは頭がよいので、いったん柿などを食べるとそれを覚えていて、再び果樹のある場所に戻ってきます。最近、クマが建物の中に立てこもる事例があり、環境省に対して建物の中でも麻酔銃が使えるようにしてほしいと要望していましたが、環境省では一定の条件の元で認める方向で検討しているようです」と語る。また、学習放獣については「対象となる奥山は少なく、また奥山の所有者の了解が得られない」としている。麻酔銃は、獣医や研究者に限られ、体の大きいクマは麻酔が効くのが遅く、危険だと認められてこなかった。しかし、こうした事例が相次ぎ、自治体の要望もあり、環境省が見直しに着手したとされる。秋田県は次のような対応策をホームページで示している。・単独行動を避け、できるだけ複数で行動する・ゴミは必ず持ち帰る・持ち物が奪われた・後をつけられたなど、積極的に人に接近するクマと遭遇した場合は、必ず市町村もしくは警察に通報し、情報を共有する 積極的に人に接近するのは特定の限られたクマであり、ほとんどのクマは人の気配を感じると逃げるので、鈴やラジオなどの音出しは有効な事故防止策です。県内で発生した大半の事故は、鈴やラジオなどを持たずにクマと鉢合わせをした結果、起きています。入山可能なエリアでは、音を出すことで鉢合わせによる 事故を避けましょう。もしも、クマと遭遇してしまったら ・ゆっくりと後ずさりしながらクマとの距離をとり、静かにその場を立ち去りましょう。背中を見せて走って逃げてはいけません!・住宅地では建物や車の中に避難しましょう。避難が間に合わない場合は、攻撃を受けづらくするため、電柱や塀など、自分とクマとの間に遮蔽物を挟みましょう。・万が一襲われそうになった場合、クマを退けるためにクマ撃退スプレー(強力なトウガラシスプレー)が有効です。避難先やクマ撃退スプレーが無い場合は、顔や首を守る防御姿勢(下写真)をとりましょう。
(「クマやシカとのつきあい方~野生動物との共生を考える~」を開催:北海道)
196万人の人が住む大都市札幌には、多くの野生動物が生息しています。その中でも大型動物であるヒグマとエゾシカは、北海道を代表する野生動物です。一方で最近は個体数が増え、事故や被害が発生するなど問題になることもあります。同じ北海道に生活する人と動物はどのように共生していけばよいのでしょう。動物を飼育しその生態に詳しい動物園と、札幌市内の野生のヒグマ・エゾシカ対策を行っている環境共生担当課、そして実際に農業被害対策などに携わっているハンターの方からお話を伺い、皆さんと一緒に野生動物との共生について考えてみたいと思います。
(シカ対策にネット張り:北海道)
雪融けが進み人里に下りてきたシカの畑食害に遭わないよう民家や公園などで防護ネットなどが取り付けられている。チューリップの新芽が被害に遭わないよう例年3月下旬~4月上旬にシカ対策を講じてられている中央公園は先週11日にネットを設置。過去に何度も芽が食べられる食害にあった大黒交番横の花壇も12日にネットを取り付けられた。最高気温が15度以上まで上がった先週11日以降、春の陽気で新芽が芽吹いている。公園のネット張りを終えたシルバー人材センター会員は「雪融けが一気に進み、市街地に出没するシカが目立ってきた」と話していた。シカ出没が多いノシャップ~西浜の住人は家庭菜園する畑周りのシカ対策を急いでいる。富士見地区の住人は「畑がシカの足跡だらけ。最近は20頭以上の群れを見た」と話していた。
(新人ハンター入門セミナーを開催:北海道)
近年、エゾシカの個体数の増加による各種被害の増加や、ヒグマの出没が相次ぎ、人身被害の発生が懸念される中、それらに対応するハンターの確保育成を目的に、狩猟の魅力・やりがいや支援制度、狩猟免許取得までの手続きを説明する「根室市新人ハンター入門セミナー」を開催いたします。
(旅館を営むベテランハンター:北海道)
北海道札幌市で生まれ石狩市で育ち、東京や中国・天津市でもさまざまなキャリアを積んだ後、2021年の暮れに北海道天塩町へ移住。地域おこし協力隊を経て、鍼灸師として活動する三國秀美さんが、日々の暮らしを発信します。今回は天塩町の熊ハンターをレポート。翌日は協力隊着任式という2021年11月30日、初めて天塩町を訪れた私が宿泊したのは「日の丸旅館」でした。バスターミナルからほど近く、先代から町のおもてなしの場として機能してきた宿。出張・長期滞在者を中心とし、観光者も地元の食材を楽しめる旅館です。旅館に嫁いで以来、第一線で切り盛りしている女将さんは、現在は次男の妻である若女将にその座を引き継ぐべく、食事の味つけから接客までを伝授している最中です。その女将さんが洗い物をするそばにいたもの静かな男性が、夫の高田壽裕(としひろ)さん。50年以上もヒグマを追いかけている現役のハンターです。高田さんは今年73歳。どうみても60歳くらいにしか見えず当主だと気づきませんでしたが、若々しいのは、きっとよく体を動かし、ジビエから良質な栄養をとっているからでしょう。女将さんに高田さんの武勇伝を聞くと、次から次へとエピソードが飛び出します。「長男を産むときに、陣痛が始まったのでクルマで稚内市の病院へ送ってもらったら、荷物を置くやいなやヒグマを撃ちに行っちゃって」。ハンターとしての高田さんは、迷彩柄など、いかにもそれらしい服装はしません。ジャージと長靴で春山のヒグマが冬眠から目覚めるころに、息子たちと山を歩きます。その姿は親グマと子グマの散歩のよう。北の大地にいるこうした家族の存在は、さらに天塩町が好きになった理由のひとつです。以前、テレビ番組のクルーが白いシカを撮影できるまで高田さんがガイドしたことは、町内外で有名な話。天塩ならどんな起伏も頭に入っているのだそう。高田さんは少年の頃から天塩を駆け回り、釣りや山菜採り、そして狩猟と、遊びながら地元の食を知りつくしてきました。高校時代にはビーチサンダルで標高1721mの利尻山に上った強者で、とにかく体力の衰えとは無縁です。女将さんによると、「多分、息子たちより夫のほうがまだまだ体力はあるわね」。私は、たまに高田さんの右肩の古傷に鍼治療していますが、鍛えられた筋肉を望診(皮膚のツヤなど東洋医学的な診たて)すると、人体についてたくさんの学びがあります。日の丸旅館は一貫して「地元のおいしいものを提供したい」と、手料理でもてなします。タイミングよくジビエが出たら、ラッキー。高田さんは、エゾシカなら2歳までのオスで、9月初旬から11月下旬までに捕獲した個体のみを提供するというこだわりよう。ヒグマに関しても肉のうま味が落ちないよう、急所だけを狙うことにしているそうです。日頃は笑顔が多い高田さんは、私たちにハンターの目つきを見せることはありません。ヒグマと出くわしたら、クマ笛を吹く、クマよけスプレーをこう使う、など難しいことはいわず「まずは逃げること」と言いきります。ハンターは奥が深そうです。3月に入り、町で高田さんを見かけて話しかけると、「今日も見回りに行ったけど、ヒグマはまだ歩いてないね」。雪解け前後は毎日誰よりも精力的に活動しています。
(狩猟体験で初めて見た、イノシシが絶命する瞬間…)
今回に限らず、実際の体験で感じたことをありのままにレポ漫画で発信しているあおばさん。特に釣りやキャンプについては、感想だけでなく解説や注意点もわかりやすく織り込まれている。漫画にするときに気をつけていることを聞いてみた。「なるべく、敷居が低く興味を持ってもらえるような構成を心掛けています。私自身、釣りの腕前やキャンプの熟練度はまだまだ初心者レベルだと思っています。なので、特に釣りではレジャー感覚で狙えるターゲットを題材にすることが多いですね。ただ、『特定外来生物』など、簡単に捕まえられるにもかかわらず、法律で生きたままの移動や飼育が規制されている生物もいるので、その都度説明しています」。今後もチャレンジしたいことがたくさんあるというあおばさん。最後にこれからの展望について聞いた。「まだまだたくさん、食べてみたい生き物や訪れてみたい秘境が国内にあります。近々、ウツボを捕えて食べたいと画策しています!今後は狩猟免許の取得も含め、より自然に深く関わっていきたいです。その都度、レポ漫画という形で発表していきたいと思います!」。
(世界遺産「平泉」でイノシシ被害相次ぐ:岩手)
世界文化遺産に登録されている平泉町の毛越寺や中尊寺などで、イノシシによるとみられる地面が掘り起こされる被害が相次ぎ、2つの寺や町は地中の遺構などに被害が及ぶ恐れもあることから、対策に乗り出しています。このうち平泉町の毛越寺ではことし1月に、境内のあやめ畑の一部で地面が掘り起こされているのが確認されたということです。以前から周辺ではイノシシが目撃されていて寺はイノシシによる被害とみています。今回被害がみられたのは山林の近くですが、境内の中央にある浄土庭園には、地中に平安時代の貴重な遺構が多く残されていることから、毛越寺ではイノシシが侵入しないよう柵を金網にして強化するほか新たな防護柵も設置することにしています。毛越寺の千葉秀覚執事長は「遺構を守っていかなければいけない。庭園に被害が及ぶ可能性が十分にあるのでしっかりと対策を講じていきたい」と話しています。また、中尊寺でもイノシシによるとみられる被害が確認されています。大池跡や白山神社の周辺のほか、金色堂に近い弁財天堂の池の護岸でも地面が掘り返される被害が出ているということで、中尊寺では防護柵の対策などを検討しています。こうした状況を受けて平泉町は2つの寺と連携して対策を進めることにしています。平泉文化遺産センターの島原弘征館長補佐は、「900年近く守られてきた文化財が、失われてしまうことは避けなければならない。次の世代に安定的に文化財を伝えていくためにも、早急に獣害対策の措置を構築していく必要がある」と話しています。県によりますと、イノシシには、えさとなる動植物を探して土を掘り起こす習性があるということです。県内では近年、生息域が広がっていて、平泉町でも、農地の掘り起こしや農作物の被害が増えているということです。
(野生動物の目撃が増加、県が注意呼びかけ:埼玉)
大野元裕知事は15日の記者会見で、埼玉県内での野生動物の目撃情報が4月1~14日に23件に上っているとして、「もしも野生動物を見つけたら、物を投げたり、大声を出すなど刺激を与えず、慌てず落ち着いて、その場を静かに立ち去って」と注意を呼びかけた。県みどり自然課によると、目撃情報の内訳は、左手のない同一個体とみられるサルが計15件(本庄、深谷、桶川、上尾、さいたま、戸田市)を占め、クマが計5件(秩父、飯能市、皆野町)、カモシカ(狭山市)、ニホンジカ(さいたま市)、イノシシ(日高市)がそれぞれ1件。左手のない同一個体とみられるサルは、昨年から東京や神奈川など広範囲で目撃情報が相次いでいて、人を恐れない様子から餌付けされた可能性も指摘されている。クマの目撃情報は、秩父市で6日に山田地区、10日に久那地区、飯能市で7日に上赤工地区、11日に小岩井地区、皆野町で5日に野巻地区。さいたま市では3月下旬から西区や北区でニホンジカの目撃が相次ぎ、3日に西区中釘付近で目撃されている。昨年度同時期の目撃情報は1件で、増加の理由について県みどり自然課は「クマについては食料の問題など全国的な傾向の中で、埼玉でも目撃情報が増えていると理解している」と説明した。大野知事は「人に慣れるので、絶対に餌はあげないで。地元の市町村や警察署に一報を。クマの出没マップや具体的な対応は、県のホームページで確認を」と呼びかけた。
(浜通りでツキノワグマを“初めて捕獲”:福島)
大熊町で14日、仕掛けた罠にかかっているツキノワグマが見つかり、その後殺処分されました。浜通りでツキノワグマが捕獲されたのは、初めてだということです。大熊町によりますと14日の午前9時半ごろ、イノシシやアライグマを捕獲するための罠にツキノワグマがかかっているのを、町が委嘱している有害狩猟鳥獣捕獲隊が見つけました。連絡を受けて合流した町の職員と捕獲隊が協議し、逃がすことを検討しましたが、人的被害が出るおそれがあることなどから、県と警察に連絡をしたうえで殺処分にしたということです。県自然保護課によりますと統計が残る2013年以降、浜通りでツキノワグマが捕獲されたのは初めてだということです。県と町では熊が捕獲された場所になるべく近づかないようにするなど注意をするよう呼び掛けています。
(クマ目撃相次ぐ、桜の名所に影響も:岩手)
岩手県紫波町でクマの目撃が相次ぎました。桜の名所にも影響が及んでいます。紫波町によりますとけさ8時ごろ城山公園内や紫波町二日町向山でクマを目撃したと、町民から3件の通報がありました。これを受け、町は16日から当面の間城山公園の入場を規制するほか、現場近くでは動物の動きに反応して作動するカメラが取り付けられていました。また、実際にクマに遭遇した住民も。城山公園近くでクマが目撃されてからおよそ30分後の午前8時半ごろには、城山公園から700mほどの紫波町日詰朝日田でも1mほどの成獣のクマ1頭が目撃されました。近所の人や警察によると、クマは国道4号付近から城山公園がある東方向に向かったということです。これまでに人や物への被害は確認されていませんが、警察や町はパトロールを行うなど注意を呼び掛けています。
(国道走行中「クマとぶつかりました」:北海道)
北海道・釧路市阿寒町で2025年4月13日午後6時すぎ、国道240号を走行していた乗用車の運転手から警察に「クマとぶつかりました」と110番通報がありました。警察によりますと、乗用車の左フロント部分がへこんでいたということです。車にはドライブレコーダーなどはついておらず、警察は警戒を強めています。
(害獣をジビエ特産品に:宮城)
宮城県大崎市でイノシシなど駆除した害獣をジビエとして商品化する動きが本格化している。市が食肉加工施設を稼働させジビエの流通に乗り出した。食肉として道の駅などで販売するほかフランクフルトなど加工食品も開発、まずは地産地消でおいしさを磨く。イノシシによる農産物の被害への対策と消費拡大の「一石二鳥」をねらう。
(キャンプやBBQに美味しいジビエ専門店:神奈川)
2025年4月8日、小田原市堀之内にジビエ専門の販売店「小田原シビエめぐみラボ」がオープンしました。店舗の場所は神奈川県道717号沿い、コーナンビーバートザン富水店のすぐ隣にあります。店内に一歩入ると、鹿のはく製や頭蓋骨、毛皮などがずらりと並び、ジビエの世界観に引き込まれるような独特の雰囲気。これらの展示品も一部を除き販売されており、興味のある方は購入も可能です。鹿角を使ったアクセサリーやアパレル類もあり、食品以外にもジビエの魅力を感じられるアイテムがそろっています。ジビエ肉は仕入れ状況に応じておすすめの部位が変わるとのこと。価格は部位や個体の大きさによって異なり、店内にはわかりやすい価格表も掲示されています。この日は、店主さんのご厚意で鹿の骨付きモモ肉を見せていただきました。見た目にも迫力のある一品で、BBQにもぴったりです。他にも、鹿モモ肉・背ロース・猪モモ肉なども並び、用途や好みに応じて選べるのが魅力。ジビエが初めての方でも、店主さんが「どんな部位がどんな料理に合うのか」を丁寧に教えてくれるので、安心して購入できます。なお、販売されているお肉の一部は、「小田原畜産 プライム桑原店」でも購入可能とのこと。精肉店でも取り扱いがあるのは嬉しいですね。これから迎える行楽シーズン。キャンプやBBQのお供に、普段とは違うジビエ肉を取り入れてみるのもおすすめです。ぜひ一度、こだわりの詰まった「小田原シビエめぐみラボ」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(老舗の猪肉専門店、市街地に新店をオープン:兵庫)
兵庫県丹波篠山市にある老舗の猪肉専門店「丹波篠山おゝみや」が、4月12日(土)、新たに「城下町店」をオープンしました。丹波篠山市役所と道を挟んだ北側に店舗を構える、城下町店。店内には古材などを利用したインテリア、そして、天井には丹波篠山の空をイメージした竹細工の雲のオブジェがあり、まるで丹波篠山の山の中にいるような、落ち着いた雰囲気の中で買い物を楽しむことができます。天然国産猪肉を使ったお土産品などがずらりと並ぶ店内。香ばしいジャーキーはちょっとしたプレゼントにも大人気なんだそう。1908(明治41)年3月に、大阪より歩兵第70連隊が篠山に移転したのを機に、ぼたん鍋は料理旅館を中心に丹波篠山を代表する鍋として定着。戦前は大見春太郎商店として仲買業務を通じて猪を取り扱い、そのノウハウをもとに全国的にも珍しい天然猪肉を専門に取り扱う専門問屋として、現在まで商いを続けている、「おゝみや」。猪肉を使った郷土料理「ぼたん鍋」は2022(令和4)年に分化庁が認定する「100年フード」に選出され、ジビエ料理としても栄養面からも近年注目を集めています。そんな話題の猪肉をはじめとするジビエやジビエの加工食品が、店内にはバラエティー豊かにそろっています。そのほかにも、ショップ内には地元の土産品、工芸品、名産品がズラリ。自然派のコスメやお酒、お茶などもあり、丹波篠山の街ナカで買い物を楽しめる城下町店は、新スポットとしても注目です。お店の担当者は、「丹波篠山に来た際はぜひお立ち寄りください」と来店を呼びかけていました。なお、秋には併設のレストランもオープン予定とのことです。
(シカ肉ジンギスカン発売:北海道)
新得町内のトムラウシ温泉東大雪荘(山崎隆宏支配人)は、同荘の名物シカ肉を使った「総料理長特製タレ 蝦夷鹿肉ジンギスカン」を販売している。大自然の恵みが詰まったシカ肉を、家庭で楽しむことができる。ジンギスカン(1000円)は、昨年3月に就任した料理長の佐藤智さん(51)が土産用に考案し、今年3月に発売した。野生のエゾシカを捕獲・飼育しているドリームヒルトムラウシで下処理した肩ロースを使用。しょうゆベースのたれは、ニンニクとコショウでアクセントを利かせている。中火でじっくり焼き、焦がさずにタマネギ、キャベツなど好みの野菜と合わせて食べるのがお薦め。ご飯との相性も良く、丼やチャーハンの具材など、いろんなアレンジが可能だ。宿泊客限定で希少部位のランプ肉を使用した陶板焼き、竜田揚げ(ザンギ)も提供している。佐藤さんは「ヘルシーなシカ肉のうま味を楽しめる逸品。ぜひ味わってほしい」と話している。
(ジビエレザー魅力知って:香川)
香川県木田郡三木町の手袋メーカー・レガンが、高松市の栗林公園内にあるかがわ物産館「栗林庵」でイノシシやシカの革を活用したレザー製品の展示販売会を開いている。日用雑貨のほか、素朴な風合いを生かしたキャンプ用品が多数そろい、ジビエレザーの魅力をアピールしている。22日まで。
(クマ出没:宮城)
松島町によると、17日午後5時10分ごろ、松島町幡谷原ケ沢にクマが出没しました。
(クマ出没:宮城)
丸森町によると、16日午後6時ごろ、丸森町大内鬼ケ柵にクマが出没しました。
TOPへ