<射撃ニュース4月>
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(春期クマ捕獲中のハンター、顔面や頭部に重傷:北海道)
26日午後5時5分頃、北海道島牧村泊の山中で、「男性がクマに襲われた」と119番があった。道警寿都署の発表によると、男性(69)は顔面や頭部に重傷を負い、医療機関に搬送された。命に別条はないという。道警によると、クマによる人身被害は道内では今年初めて。発表によると、男性は猟友会のハンターで、計5人で、人里周辺のクマを減らす「春期管理捕獲」の活動中だった。沢の上にいるクマに発砲したところ、命中し、斜面からクマが落下してきた。起き上がったクマに襲われたという。
(妻と一緒に山菜採りの50代男性、クマに両足かまれ負傷:福島)
26日午前9時25分頃、福島市桜本の山林で、50歳代の男性が妻と一緒に山菜採りをしていたところ、クマ(体長約1メートル)に襲われた。福島署の発表によると、男性は両足をかまれ負傷したが、命に別条はないという。
(山林で火事、クマよけの爆竹が出火原因の可能性:秋田)
26日の昼すぎ、北秋田市中屋敷の山林で枯れ草などが燃える火事がありました。クマよけの爆竹が出火の原因の可能性があり火の取り扱いに注意が必要です。北秋田警察署の調べによりますと26日午後1時15分ごろ、北秋田市中屋敷字伊勢堂山続の山林から出火しました。付近を歩いていた男性が、枯れ草などが燃え広がっているのを発見し消防に通報しました。火は約30分後に消し止められましたが、枯れ草など約40平方メートルが焼けました。けがをした人はいませんでした。通報した男性はごみの不法投棄の見回り中で、クマのもののようなフンや足跡を見つけたことから、クマよけの爆竹を鳴らしていました。警察は爆竹の火花が出火の原因の可能性があるとみています。岩手県では大規模な山林火災が発生していて、県内でも山林や草地が燃える火事が相次いでいます。火の取り扱いには十分な注意が必要です。
(クマに襲われ死亡と断定:岩手)
4月21日、警察官がクマに襲われた岩手県紫波町の山林で見つかった女性の遺体について、警察は行方不明となっていた盛岡市の55歳の女性がクマに襲われて死亡したと断定しました。死亡が判明したのは盛岡市本宮の団体職員の55歳の女性です。女性は4月20日、紫波町山屋の町道に車を停めたまま行方が分からなくなっていて、その翌日には、女性を捜索中だった男性警察官がクマに襲われ、顔などにけがをしていました。クマは猟友会によってその場で駆除され、付近からは女性の遺体が見つかっていました。
(『クマ撃退スプレーの噴射実験』で高校生3人搬送:北海道)
札幌市中央区の三角山で、高校生がクマ撃退用スプレーをテスト噴射し、3人が目の痛みを訴えて動けなくなる事故がありました。消防によりますと、24日午後4時20分ごろ、札幌市中央区宮の森の三角山で、「クマスプレーが目に入って痛みで動けない」と同行者から119番通報がありました。負傷したのは10代の女性2人と10代の男性1人のあわせて3人で、いずれも目の痛みを訴え病院に搬送されました。3人とも意識はあり、命に別条はないということです。3人は部活動の仲間6人で三角山に入山しており、クマ撃退用スプレーの噴射実験をしたところ、スプレーの成分が目に入ったとみられています。クマ撃退用スプレーにはトウガラシ由来の強い刺激成分が含まれており、目や皮膚に触れると激しい痛みを引き起こします。消防は、スプレーの取り扱いに十分注意するよう呼びかけています。
(北海道公安委員長の発言、「可能な限り速やかに原状回復を図る」と言明:北海道)
北海道内の警察署長らを集めた会議が24日、道警本部で開かれ、北海道公安委員会の委員長が、砂川市のハンターの猟銃許可を巡る最高裁の判決について「重く受け止めている」と述べました。警察署長会議には全道から約165人がオンラインなどで参加しました。この中で、北海道公安委員会の吉本淳一委員長は、猟銃所持許可を巡り、砂川のハンターが逆転勝訴した2026年3月の最高裁判決について、「重く受け止め可能な限り速やかに原状回復を図る」と述べ、行政処分の事務を適正に行うよう求めました。「まず初めに、適正な行政処分の実施についてお願いいたします。先月の最高裁判決により、銃刀法の行政処分において、鳥獣被害防止特措法の趣旨を事情として考慮できると示されました。公安委員会では、銃刀法以外にも、道交法等に基づき、国民・道民生活に深く関わる行政処分を実施しております。当委員会としても、当該判決を重く受け止め、可能な限り速やかに原状回復を図るとともに、これまでの行政処分取消判決時の対応も踏まえ、原告の方に道警幹部を通じてお詫びの意を伝えたところであります。各種行政処分の事務に携わる職員各位にあっても、適正な事務の実施をよろしくお願いいたします」。
(全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等の結果について:環境省)
環境省では、ニホンジカ及びイノシシの全国的な生息状況の動向を把握するため、統計手法を用いた個体数の推定等を平成25年度から実施しています。この度、令和5年度末時点の結果を取りまとめましたので、お知らせします。 令和5年度末における全国(北海道及び本州以南)のニホンジカの個体数は、中央値で約303万頭(90%信用区間:約156~589万頭)、本州以南のニホンジカの個体数は、中央値で約230万頭(90%信用区間:約120~443万頭)、イノシシの個体数は、中央値で約122万頭(90%信用区間:約72~206万頭)と推定されました。
(県内のクマ被害者、多くが鈴やスプレー未携行:秋田)
2025年度に秋田県内でツキノワグマに襲われた人の多くは当時、鈴や撃退スプレーなど被害を防止するための対策用品を携行していなかったことが、秋田魁新報が被害者に行ったアンケートで分かった。散歩や通勤、農作業など日常生活の場に迫るクマ。「襲われるまで気付かなかった」とする回答も目立ち、遭遇を防げなかった実態が浮き彫りとなった。 25年度は県内で67人(59件)が被害に遭い、このうち4人が死亡した。環境省によると全国の被害者数は238人(うち死者13人)。都道府県別では本県が最悪の被害だった。
(イノシシ基準値超、放射性物質測定:福島)
県は27日、県内で捕獲した野生鳥獣の肉に含まれる放射性物質の測定結果を発表した。二本松、須賀川の両市で捕獲されたイノシシ計3頭から、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
(ジビエハンターの消防団員、懸命に活動:岩手)
岩手県大槌町は近年、狩猟によって捕獲された肉=ジビエが名物の一つとなっています。そのジビエハンターの男性が、4月22日に大槌町で発生した山林火災では消防団員として愛する故郷を守りたいと活動にあたっています。大槌町消防団第1分団 兼澤幸男さん「切り立った急斜面の所の作業は足場が悪いので、消防団員同士助け合って消火活動している」。大槌町の消防団員の兼澤幸男さんは、火災発生の当日は小鎚地区で消火活動にあたり、その後は吉里吉里地区で活動してきました。大槌町消防団第1分団 兼澤幸男さん「一度は消火したと思っていたところが、また再度燃えて、我々に要請がかかって我々で消火した」。兼澤さんの本業はジビエのハンターです。シカによる農業被害を減らそうと2015年からハンターを始めた兼澤さんは、8年後の2023年には県内初となるジビエ加工場を町内に設けました。兼澤さんは、今回の火災で生態系に影響が出ることを懸念しています。大槌町消防団第1分団 兼澤幸男さん「ハンターとしては山の恵をいただく、その山に住む野生鳥獣の“すみか”がどんどん少なくなってしまっているのは、すごく悲しくて残念に思う」。その懸念を抱えつつも、自然豊かな故郷を守るため消防団の仲間と懸命に山林火災と戦っています。兼澤さんは「自分が大好きな大槌町を守りたいという、その気持ちだけ」と消火活動への思いを話しました。
(猟友会長、ヒグマ駆除の体制整備を要望:北海道)
冬眠から目覚めたヒグマが活動する春を迎え、北海道は21日、関係機関などでつくるヒグマ対策推進会議を開いた。北海道猟友会の堀江篤会長も参加し、ハンターが安心して捕獲にあたる環境や春期捕獲期間の柔軟な運用などの体制整備を求めた。堀江会長は「緊急駆除にあたった(猟友)会員の身分保障はどうなっているか。保険という形はあるが、公務でけがをした・亡くなったという場合にそれなりの保障をしないと、やはり後ずさりする」と訴えた。自治体が雇うガバメントハンターも「(任期付きではなく)すべてにおいて公務員という待遇でやってもらいたい」と要望した。道は今年度、公募で3人のガバメントハンターを配置する。ただ、1年ごとに契約する会計年度任用職員として雇用する予定だ。一方、人里へ出没するヒグマの春の捕獲期間(2~5月)について堀江会長は「年によって雪がなくなったり暖かい春が来たりすると、クマの出が早くなる。足跡がないと駆除は難しい。地域によって違いがあり、臨機応変に対応してほしい」と述べた。道は2~5月を「春期管理捕獲」期間としていて、自然環境局は「幅広く期間を取っているが、早くやりたいという声があれば柔軟に対応を検討したい」と答えた。
(クマの捕獲強化、狩猟期間延長へ:富山)
クマをはじめとする野生動物による被害を防ごうと、県は23日、市町村など関係機関と話し合う会議を富山市の県民会館で開いた。県はクマの個体数管理強化に向けた方針を示し、今月からの大型連休を前に、山菜採りなどでのクマ被害防止を呼びかけた。県内では昨年、クマの出没が相次ぎ、クマに襲われて6人が重軽傷を負った。出没件数は延べ1059件に上り、2004年以降で2番目、捕獲頭数は393頭で、04年以降で最多だった。今年に入ってからも出没が21件あった。県はクマの生息数が過剰になっているとみて、捕獲を強化する。本年度まで5年間の管理計画の改定を諮問する。
(狩猟体験に定員超える応募、なぜ:東京)
東京都猟友会は3月、青梅市で狩猟体験会を初めて主催した。参加対象は狩猟初心者やこれから狩猟免許取得を考えている人だ。青梅猟友会の協力を受け、山中で猟師と行動を共にし、鹿やイノシシを追い込み捕獲、捕獲後は解体作業もできる。定員20人を大幅に超える応募があり、狩猟に興味を持つ人の多さがうかがえる。催しの狙いを探った。他の猟師の迷惑にならないよう猟期後の有害鳥獣駆除の中で行われた。狩猟は、巻き狩りという鹿やイノシシなどを追い立てる勢子(せこ)と、それを待ち受ける射手の待ち子(まち)に分かれて協力する手法だ。参加者は若い人が多く、女性の姿もあった。体験は1班5人に分かれ、各班に1、2人の猟師がついた。勢子の班を引率する瀧嶋康廣さん(76)が猟犬を放ち、他の班と業務用無線で連絡を取りながら追い込む。先頭の瀧嶋さんが振り向きざま、人差し指を口元に近づける。猟犬の鳴き声が聞こえた矢先「ガーン」という他の班が放った銃声が山中に響いた。体験会で鹿2頭を捕獲。山小屋に運び、鹿の毛に付いているダニや血が服に付かないようにビニールエプロンとゴム手袋をして解体まで体験した。直前まで山を駆けていた鹿の内臓からは湯気が立ち上る。参加者は、真剣な面持ちで猟師の解説を聞きながらナイフで解体した。率先して解体作業に挑んでいた東京農業大学の学生は「猟友会はとっつきにくいイメージがあったが、猟の際に気を付けることや、大変な点を丁寧に教えてもらえた。入会も検討したい」と語る。主催した東京都猟友会の八尾明会長は体験会の狙いについて「興味本位だけでなく、本気で狩猟をしたいという人に正しい猟の方法と注意事項をしっかり伝えること」と話す。八尾会長が危惧するのは、初心者が動画サイトの見よう見まねで猟を始め、本人が気が付かないうちに法を犯したり、人に迷惑をかけたりすることだ。また、わなのサイズが実際の猟場で使えないものにもかかわらず、通信販売で購入し、誤って使うケースもあるという。猟は捕獲方法や運搬の際の消毒処理、解体方法など留意すべきルールやマナーが多く、猟友会に入って一つ一つ教えてもらいながら行うのが現実的だ。八尾会長は「猟友会は捕獲の技術向上への指導の前に、周知すべきことがある」と言葉を続けた。
(国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」、急増のニホンジカに追いやられ四散か:高知)
高知県は今年度から徳島、愛媛両県と合同で、国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」の生息状況などを把握する「特別調査」に乗り出す。四国では高知、徳島両県に生息しているとされ、定期的に調査を行ってきたが、近年、愛媛でも確認されている。ニホンジカに追いやられる形で、生息域が広がっているとみられ、生息密度が低くなることで出産頭数が減ってしまう恐れもあるとして早期の現状把握に努める。高知県歴史文化財課や特別調査に携わってきた認定NPO法人「四国自然史科学研究センター」などによると、ニホンカモシカは本州、四国、九州の標高1500~2000メートルの山岳地帯に生息。四国では高知、徳島両県で確認され、1988年度から計5回、生息状況や餌の分布などを調べる特別調査を実施してきた。これまでの特別調査などで、2003~11年の間に生息密度が1平方キロ・メートルあたり、1・4頭から0・1頭に減少していることが確認され、環境省は「四国地方のカモシカ」をレッドリストに選定した。四国では、かつて高知県馬路村や徳島県那賀町など県境付近の山岳地帯を中心に生息していたが、次第に、その周囲に向かってドーナツ状に広がるように移動していることが確認された。草食性のニホンジカが急増し、餌を食べ尽くす中で、餌を求めて移動を余儀なくされているとみられる。高知県内では22年に仁淀川町で、今月には室戸市の室戸岬にある御厨人窟(みくろど)付近でも確認されるなど、これまで生息していなかったエリアでの目撃が相次いでいる。愛媛県では戦後すぐに確認されたのを最後に、50年以上、目撃がなく、同県レッドデータブックでも「絶滅」としてきた。しかし、18年以降に目撃情報が相次ぎ、「絶滅危惧I類」へと修正。実態把握のため、今回の特別調査から愛媛が加わることになった。生息域が広がることで、標高の低い場所で交通事故に巻き込まれたり、シカなどを捕らえるためのわなにかかったりすることが懸念される。また、ニホンカモシカは単独行動を好み、それぞれが縄張りを作る習性があるため、出会いの機会が減って頭数の減少が進む恐れもある。調査は27年度までの2年間の予定で、同課は「3県が連携し、これまでより広域に調査を行うことで、どのエリアに定着しているのかなど、生息実態の把握に努め、どのような対策をとることができるのかなども検討したい」としている。
(クマ被害防止対策本部会議、カキの木の伐採継続など確認:宮城)
宮城県栗原市で24日、クマの対策会議が開かれ、カキの木の伐採を2026年度も継続することや緊急銃猟の実施条件などを確認しました。佐藤 智・栗原市長:「今年のクマは冬眠明けの活動が早く人に慣れた行動が相次いでいるように見受けられる」。栗原市役所で開かれたクマ被害防止対策会議には佐藤市長を始め、約30人が出席しました。栗原市は2025年12月からクマ対策として、住宅周辺にあるカキの木の伐採を進めていて、24日の会議では伐採依頼があった約4500本を2026年7月までに伐採することが報告されました。また、「クマが人の生活圏に侵入していること」など緊急銃猟に必要な4つの条件を確認しました。佐藤 智:栗原市長:「(緊急銃猟は)不安なところはある、対応できる猟友会とも詰めていかなくてはいけない。迅速な住民避難ができるかどうか、もう一度マニュアル等を確認していきたい」。市内では4月22日に築館中学校近くの国道4号をクマが横断しているのが目撃されるなど4月に入り、例年より多い7件の目撃情報があります。栗原市は山菜採りや農作業などで外出する際は、クマ鈴やラジオなど音のするものを身に着けるよう注意を呼びかけています。
(ヒグマ対策、札幌市が着々:北海道)
過去最多のヒグマ出没数が昨年度に確認された札幌市内で、市が行楽施設や住宅街からクマを遠ざける対策を進めている。クマが昨年侵入した札幌市円山動物園(中央区)は今年、外周に電気柵を設けることを決めた。藻岩山付近ではえさとなるオニグルミの木を伐採し、クマが開けられないごみ箱も設けた。市はごみ出しのルールの徹底などを呼びかけ、被害防止に苦心している。
(世界遺産の村を守る「熊ソニック」10基が本格稼働:岐阜)
春の訪れとともに、各地でクマの出没が話題になり始めた。世界遺産・白川郷合掌造り集落を抱える岐阜県白川村にとっても、クマの出没は深刻な問題だ。観光客が増える一方でクマの目撃件数も急増し、昨年10月には外国人観光客が負傷する被害も発生。そのような状況を受け、岡山理科大学の辻維周特担教授らが4月21~22日にかけて、高周波でクマを遠ざける装置「熊ソニック」10基を村内に設置した。村は「住民と観光客の安全確保につながる大きな一歩」と期待を寄せている。白川郷は1995年に世界文化遺産に登録された。2025年の来訪者数は前年比12.8%増の211万人で、半数以上が外国人観光客。一方で、村内のクマ目撃件数は2024年度の35件から2025年度は137件へと約4倍に増加。昨年10月にはシャトルバス乗り場付近でスペイン人男性が子グマに腕を引っかかれて軽傷を負い、村内に緊張が走った。村は緊急対応として「BEWARE OF BEARS(クマに気をつけて)」と書かれた看板を20カ所に設置。今年度はより踏み込んだ対策として①熊ソニックの導入②クマが好む樹木の伐採③山裾の森を30メートル下げる緩衝帯整備――の3本柱を掲げる。熊ソニックは、山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」が開発。クマが嫌う高周波を最大300メートルの範囲に発し、接近を防ぐ。富山県南砺市で効果が確認されているという。設置作業では、辻特担教授やT.M.WORKSの轟秀明社長らが村役場と協議し、目撃が特に多い5カ所を選定。太陽光パネルやスピーカーを単管パイプに取り付け、雪解け直後の山間部に次々と設置していった。村役場の高島一成・産業課長は「危険区域に入ってしまう観光客や、食べ物を捨てる人もいて頭を悩ませている。まずはクマを近づけないことが最優先」と語る。辻特担教授も「クマの脅威から村民と観光客を守れたらうれしい」と期待を込めた。世界的観光地・白川郷にとって、野生動物との距離をどう保つかは避けられない課題だ。熊ソニックの導入が、地域の安全と観光の両立にどこまで貢献するのか、今後の効果が注目される。
(クマ被害対策、河川敷で草刈りや樹木の伐採:新潟)
春になりクマの目撃が相次いでいます。近年は目撃にとどまらず人への被害も増えていることから、国土交通省は被害を減らそうと、クマの隠れ家や通り道になる河川敷の草刈りや樹木の伐採作業を進めています。作業が行われたのは関川稲田橋上流の右岸側の河川敷です。高田河川国道事務所では、これまで河川管理のため秋に草刈りや樹木の伐採などを行ってきました。しかし近年クマによる被害が増えていることや今の時期は温かくなり河川敷の利用者が増えることから、今年は時期を春にずらして行うことになりました。高田河川国道事務所河川管理課 丸山誠 課長「河川管理の樹木伐採などを春先に行うことで河川業者や地域住民のクマ遭遇機会を減らせればと思い実施した」。27日(月)は雨が降るなか、稲田橋上流の河川敷で、高田河川国道事務所の職員や整備を委託されている業者の職員など5人が、草刈り機やショベルカーを使って作業にあたりました。高田河川国道事務所河川管理課 丸山誠 課長「河川がクマの移動ルートや隠れ家になる可能性があるので利用する際は気を付けてほしい。もしクマを見かけたら自治体に連絡してほしい」。関川での作業は5月1日(金)まで行われる予定です。
(柿や栗200本伐採へ、熊対策まとめる:岩手)
岩手県一関市は27日、誘因木の伐採などのツキノワグマ対策をまとめ、発表した。昨年10月にクマによる人的被害が発生した同市厳美町の本寺、小猪岡、瑞山の各地域にある、民有地の柿や栗の木など計200本を切る。
(生活圏にクマ、対応確認:福井)
冬眠明けのクマが活発化する時期を迎え、福井市は23日、人の生活圏にクマが出没した際に自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」の想定訓練を行った。職員と猟友会メンバー約30人が参加し、一連の手順や役割分担を確認した。足羽川河川敷でクマが目撃され、市役所隣の中央公園にとどまっているという想定で実施。公園にはクマの絵が描かれたパネルを置いた。
(ヒグマ対策、河川敷などに「監視ポスト」設置:北海道)
ヒグマの活動が活発になる時期を前に旭川市や警察、専門家などが参加して今年度の対策を話し合いました。旭川市ヒグマ対策協議会には、関係機関や専門家、猟友会など約30人が参加しました。22日は、過去3年間のDNA分析による出没する地区ごとのヒグマの特徴が報告されたほか、ヒグマ対策の進め方や実践的な訓練の方法などについて意見が交わされました。旭川市は2026年度、新たに河川敷などに「監視ポスト」を設け、ヒグマの出没に備えることにしています。
(果樹畑でシカ食害相次ぐ:山梨)
サクランボの産地・南アルプス市では23日、ハウス栽培のサクランボの収穫が始まりました。そんな中、今年に入り市内にある少なくとも20か所以上の果樹畑で、シカによる食害が相次いでいることが分かりました。「赤い宝石」とも呼ばれる初夏の味覚、サクランボ。南アルプス市ではハウス栽培された早生品種「高砂」の収穫が23日から始まりました。今年は春先の夜の気温が安定していたこともあり、色付きや甘みも良く出来は上々だということです。これから夏に向け、露地物のサクランボなどさまざまなフルーツがシーズン本番を迎える南アルプス市ですが、実は今年に入り、農家を悩ます出来事が起きていました。JA南アルプス市営農経済部 手塚英男 部長「(苗木の)芽が出る直前からこういった食害が。形成層を食べてしまっているので枯れるしかないので苗としては使い物にならない」。この被害をもたらした犯人の正体は、今年1月から市内の畑周辺で目撃されているシカです。シカの食害は西野地区や上今諏訪地区にあるサクランボやモモ、スモモの畑、少なくとも20か所以上で相次いでいます。苗木のほかにも若い木の皮や芽を食べられてしまう被害が確認されていて、農家が対応に苦慮しています。JA南アルプス市営農経済部 手塚英男 部長「もともとシカが出ない地域なのでこういった被害を見るのは初めてです。何年もかけて苗を仕立ててこれから捕植(植え替え用)としてハウスのなかに入れるので、それがほぼ使いものにならないというのはショック」。被害があった畑の近くに山などはないため、1.5キロほど離れた釜無川の河川敷に住みついたシカがエサを求めてやってきている可能性があるとみられます。南アルプス市やJAは畑にわなを仕掛けるなど対策を講じていますが、捕獲には至っていません。JAでは被害が確認された地区の農家に対し、シカを見かけたら市やJAに知らせてほしいと呼びかけています。
(シカ出現、マップに:茨城)
茨城森林管理署(三重野裕通署長)は今月末から、茨城県内のシカの出現データをまとめた「シカマップ」を同署公式ホームページで一般公開する。シカの観測時期や地域、個体数、性別などを解説し、3カ月ごとに情報を更新。
(鳥獣被害対策を新たに実施する町内会への補助金を紹介します:福島)
会津若松市では、県の財源を活用して、鳥獣被害対策を新たに実施する町内会等に対して、補助金の支出やアドバイザー派遣などの支援を行います。ツキノワグマによる鳥獣被害対策を実施する町内会に対して、福島県よりアドバイザー(鳥獣対策の専門家)を派遣し、地区周辺の集落環境診断を実施します。集落環境診断後、地域に応じた対策内容を決定し、「生息環境管理」、「被害防除」 等、実施した対策について支援を行います。
(『クマ対策』の支援強化、市長会が国や県に要望へ:宮城)
宮城県内の市長が 各自治体の課題などについて話し合う会議が宮城・石巻市で開かれ、国や県にクマ対策の支援強化を求めることを決めました。27日に開かれた「宮城県市長会議」は、県内14の市長で構成され、年に2回 各自治体の課題を共有し、県や国に予算措置などの支援を要望するなどしています。27日の会議では、国や県に対し クマの被害防止対策の支援強化を求める特別決議を、可決しました。4月19日に仙台市中心部でクマが目撃され、その後『緊急銃猟』で駆除されるなど、宮城県内では市街地や住宅街にもクマが出没しています。こうした状況を踏まえ、特別決議では例年夏以降になる国のクマ対策の交付金の決定時期を早めることや、補助率の引き上げなどを求めています。また、箱わなによるクマの捕獲は、権限を持つ県の職員の現地立ち合いが必要なため、迅速な対応に課題があるとして、早期にその権限を市町村に移譲することなども合わせて求める考えです。宮城県市長会 会長・ 若生裕俊富谷市長「これは人命に関わる問題なので、14市の市長会としてもしっかりと国や県に要望していきたい」。県市長会では、5月中にも 国や県に決議文を提出する方針です。
(各地で過去最速の「クマ出没警報」発令)
東北各県では過去最速で「クマ出没警報」が出され、早くも警戒度は“最高レベル”に!大型連休を前に、各地で対応が急がれています。すでに東北では、警戒度が最高レベルに。秋田・宮城・青森・岩手にはツキノワグマの出没に関する警報が出されていて、いずれも過去最速となっています。去年、全国でクマ被害が相次いだことを受けて政府は、クマの個体数の管理を強化するためのロードマップを決定。個体数管理のために「クマを捕獲」する方針に舵を切っています。
(鳥獣被害防止対策協議会、クマ出没で注意喚起:新潟)
上越市やJAえちご上越、県猟友会各支部などで構成される「上越市鳥獣被害防止対策協議会」は24日、同市役所で令和8年度総会を行った。昨年度の事業報告や本年度の収支予算、事業計画などを審議し、いずれも承認した。昨年度の事業報告では、協議会におけるイノシシなどの有害鳥獣の捕獲実績を説明した。7年度のイノシシの捕獲頭数は過去最多となる1003頭(成獣、幼獣含む)。本年度はイノシシやニホンジカなどの有害鳥獣捕獲活動の支援強化や各種研修会、ジビエ利活用の推進のための試食会などを予定。国交付金を活用した電子柵の新規導入など整備を進める。議案審議後には市環境部環境政策課から、ツキノワグマなど大型鳥獣対策に関する報告があった。市によると、ツキノワグマの目撃情報は7年度が101件。本年度はすでに8件(4月23日現在)の目撃があり、昨年同時期を上回るペースだという。総会後には県猟友会副会長でくびき野支部支部長の早川寿男さんが、ツキノワグマの生態などを情報共有。早川さんは本年度これまでに市内で目撃されているクマは冬眠明けの雄であると推測。雌は雄よりも冬眠明けが遅いとし、「ゴールデンウイーク明けに雌の親グマが子を連れて出てくるので非常に危険。上越地域でも里地に近い所で生息しており、体格も大きい」と話し、注意喚起を呼びかけた。
(ハンターの“新体制”発足したばかり、どう動いたのか?:北海道)
地元の猟友会が報酬をめぐって駆除への協力を辞退した奈井江町で8月3日、犬3頭がクマに襲われた。クマへの対応は問題なく行われたのだろうか。奈井江町では3日、犬の繁殖施設で犬3頭が死んでいるのが見つかった。3頭とも首に傷があり、高さ1.8メートルの塀にはクマの毛が残され、幅16センチの足跡も見つかったことから、クマに襲われたとみられている。奈井江町では地元の猟友会が報酬額が少ないなどの理由で5月に協力を辞退したことから、7月に町内外のハンター11人による新たな体制がつくられた。11人のうち、奈井江町に住んでいるのは代表の北村義行さん1人だけで、ほかは札幌市や当別町などのハンターである。このうち北村さんを含む4人のハンターが4日出動し、犬が襲われた現場から約6キロ離れた奈井江町内の山林で1頭のクマを駆除した。体長約1.5メートルのオスで、4歳くらいとみられる。「(Q:札幌から来るのは時間がかかるが?)居座って犬を殺しているなら分かるが、(クマは)夜中に来て逃げているから(問題ない)。奈井江町民のためにやる」(ハンターの新体制代表 北村義行さん)。
(緊急銃猟訓練、安全な実施へ:長野)
野生鳥獣対策の訓練です。クマが冬眠から目覚めて動き出す時期を迎え、長野県小諸市では、人の生活圏へのクマの出没を想定した緊急銃猟の訓練が行われました。住宅地に近い運動場に居座る偽物のクマ。猟友会員が猟銃を構えて狙っています。4月27日、小諸市で行われた「緊急銃猟」の訓練です。緊急銃猟は、人の生活圏にクマやイノシシなどが出没した場合に、安全が確保されているなどの条件を満たせば、自治体の判断で猟銃での捕獲ができる制度です。訓練は、小諸市が猟友会などと連携して実施したもので、大町市や上田市、安曇野市などの担当者も見学しました。参加者たちが使っていたのは大町市とシステム会社が共同で開発したアプリです。人員配置や安全確認など緊急銃猟の安全な実施に向けた70の確認事項を現場で共有できます。発見から発砲の許可まで50分ほどを要しました。クマが冬眠から目覚める時期を迎えていて、県内では4月に入り里地での目撃が20件にのぼっています。県内で緊急銃猟の実施はまだありませんが、小諸市は実施を見据えながら対応していきたいとしています。
(ニホンジカとイノシシ、個体数半減の政府目標達成厳しく)
環境省は4月23日、2023年度末時点でのニホンジカとイノシシの個体数推計結果を発表した。個体数は横ばいで、半減目標の進捗状況が芳しくないことがわかった。日本では、ニホンジカとイノシシの生息数が増加し、生息域も拡大しており、自然生態系、農林水産業及び生活環境に深刻な影響・被害を及ぼしている。環境省と農林水産省は2013年、「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を共同で取りまとめ、ニホンジカとイノシシの個体数を2023年度末までに2011年度比で半減する目標を設定していた。しかし、2023年度末の状況では、ニホンジカは2011年度の287万頭から303万頭へと5.6%増加した。イノシシも、2011年度の131万頭から122万頭へと6.9%減にとどまった。環境省と農林水産省は2023年9月、目標達成が実現できないことから、半減目標の期限を2028年度まで延長することを決定しているが、依然として目標達成の見通しは立っていない。両省は引き続き捕獲を強化していく考え。
(飼い猫がSFTS感染:千葉)
千葉県は23日、ウイルスを持ったマダニを通じて感染する人獣共通の感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染した飼い猫が、県内で初確認されたと発表した。県内でペットへの感染が見つかるのは初めて。現時点で人への感染は確認されず、この猫も回復傾向にあるという。SFTSは人間が感染すると重症化する恐れもあることから、県は感染防止策の徹底を呼びかけている。県衛生指導課によると、感染が確認されたのは屋内外で飼育されていた1歳10カ月の雄猫。食欲低下などの症状が出たことから13日に動物病院を受診し、17日に遺伝子検査で陽性と判明した。SFTSは発症すると人間、動物ともに発熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状が出る。国立健康危機管理研究機構によると、国内での人への感染は西日本を中心に年100例以上報告され、近年は東日本でも増加傾向。犬や猫の発症事例は、昨年に入り茨城県や神奈川県、東京都などでも確認されている。同課は飼い主に対し、猫は屋内飼育にとどめたり、犬は散歩後にクシをかけたりしてマダニを取り除くといった、感染防止対策を求めている。
(果樹畑でシカ食害相次ぐ:山梨)
サクランボの産地・南アルプス市では23日、ハウス栽培のサクランボの収穫が始まりました。そんな中、今年に入り市内にある少なくとも20か所以上の果樹畑で、シカによる食害が相次いでいることが分かりました。
(クマの新撃退方法)
今年もクマの目撃情報が多発しています。東北地方では、去年の同じ時期に比べ4倍近い目撃情報がある県も。最新の対策グッズも続々登場しています。クマの目撃情報が相次いでいます。そこで「クマ対策グッズ」を紹介します。クマ撃退ランチャー金太郎(2万5000円(予定価格)で、5月発売予定。・商品名は昔話の金太郎から)。元々防犯グッズなどを作っている会社が開発したもので、薬剤が入ったボールをランチャー内に入れて発射する。有効射程は15m。クマよけスプレーの有効射程は約7~8mのため、それよりも飛距離が長くなっています。クマへの効果については、実際に動物園の協力を得て実験を行いました。クマがいる場所に、強烈なにおいを発する成分が入っているボールを投げつけたところ、ボールが破裂して瞬く間に臭いが充満。クマは部屋の中をぐるぐる回って、逃げ回っている様子が確認できました。動物園の協力を得て2回実験したところ、どちらもこのような行動をとったということです。ボールの中身は、ヒトデのエキスとカプサイシンを配合したもの。魚介類が腐ったようなにおいとカプサイシンで粘膜を刺激するということです。メリットとしては、風の影響を受けない。一方で、連射ができないということで、開発したスナミヤの砂見明社長は「クマよけスプレーと一緒に持つとさらに効果が上がるのではないか」と話していました。今はクマの捜索にドローンが使われています。4月18日、仙台市の中心街にクマが出没しました。その際に、市の要請を受けて個人の方がドローンを使って捜索。実際に自宅の庭とみられる木の陰にクマがいるのをドローンで発見したということです。クマよけスプレー搭載ドローン(「Terra Drone」開発)(ドローンの機体下部にクマよけスプレーをつけることができる。・ドローンのプロペラによって、より広範囲(約10m)にクマよけスプレーを撒くことができる)。現在は約10分しか稼働ができないそうですが、この夏発売予定のものは50分稼働ができるように、今進化しているということです。温度センサー付きドローン(岩手放送が実証実験)(周囲より温度が高いところを感知して赤く表示する)。実験の際には、タヌキのような生き物が見つかったということです。クマだと、より個体が大きいので、見つけやすくなるのではないでしょうか。2025年に比べ、東北地方ではクマの目撃件数が4倍近くになっている県もあります(1月1日~4月20日)。この先、クマはどういう行動を起こすのでしょうか。クマの生態に詳しい岩手大学・農学部の山内貴義准教授によると「山の雪が溶けたらエサが豊富になるので、人里に降りてきたクマは山に戻るだろう。秋以降は、東北ではエサが豊富、西日本ではエサが不足する見通しで、クマが人里に降りてくる可能性もある」ということです。かなり広い範囲で、また注意が必要になると思います。行政も政府も含めて、やることはもちろんやっていますが、何ができるのか考えて、これからも措置をとってほしいと思います。
(“緊急銃猟制度”で注目の「公務員ハンター」:長野)
クマを含む野生鳥獣対策で、最近、注目されているのが狩猟免許などを持つ自治体職員「ガバメントハンター」です。長野県小諸市は2026年度、新たに1人を採用し、3人態勢で対応しています。小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:「(イノシシの足跡が)こう来て上がっていってますね」。やぶの中で野生動物の痕跡を確認する小諸市農林課の児玉翔さん(32)。市の職員でありながら、狩猟免許を持ち、野生鳥獣の捕獲なども行う「ガバメントハンター」です。025年度、全国で相次いだクマによる人身被害。県内でも過去10年で最も多い16人が被害に遭い、1人が死亡しました。2025年9月からは人の生活圏にクマやイノシシなどが出没した場合に、自治体の判断で猟銃を使った捕獲ができる「緊急銃猟制度」が始まりました。これまで以上に自治体にも判断力や高い専門性が求められています。そうした中、注目されているのが、「ガバメントハンター」です。「ハンター目線」での罠の設置や、行政と猟友会の連携強化により、効果的な野生鳥獣対策を講じることができると期待されています。小諸市は全国に先駆けて、2011年から「ガバメントハンター」を採用しています。現在のメンバーは3人。わな猟と銃猟の2つの免許を持つ桜井優祐さん(41)とわな猟の免許を持つ佐藤勝弥さん(29)。そして、2026年度から加わったのが、児玉さんです。市内でパーソナルトレーナーとして働いていましたが、知人に勧められ、2024年、銃猟とわな猟の狩猟免許を取得。地元の猟友会にも入り活動してきました。「地元のために狩猟免許を生かせないか」と、4月から市の会計年度任用職員として農林課で勤務しています。ハンターとしての知識や経験はありますが、動物の捕獲許可や国の補助金申請の手続きなど、行政ならではの事務作業も覚えなければいけません。頼もしい新人が加わった小諸市のガバメントハンター。児玉さんは、活動を通じて野生鳥獣対策や猟友会活動への関心も高めていきたいとしています。小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:「大きく言えば、ハンターさんの活動を広めていく。そうすると野生のシカ、イノシシ、クマの存在が近くなるかな、一般の方も。(猟友会など)ごく一部の人の対応の中で行われてきていて、関わりがなかったというのが大きいと思うので、僕はそこを開いていけるような活動や僕自身がそういうハンターになっていければいい」。
(地域おこし協力隊のハンター2人着任:北海道)
新十津川町の有害鳥獣駆除を担う地域おこし協力隊として、北海道外から男性2人が4月に着任した。1人は、2011年の東京電力福島第1原発事故で被災した福島県の避難区域で有害鳥獣の駆除に従事した経験がある。もう1人は飲食店経営を通じてジビエ(野生鳥獣肉)に興味を持ち、ハンターを志した。2人は「将来的にはハンターを地域で支える仕組みを作りたい」と意気込んでいる。
(「誰でも買える価格」で異例の大ヒット:福井)
冬眠から目覚めたクマとの遭遇が懸念される春。山歩きや農作業などで野外へ出る機会が増える中、万が一の備えは欠かせない。その対策グッズの代表格が「クマよけスプレー」である。福井・鯖江市の企業が開発したクマよスプレーが異例のヒットとなっている。その理由は、一般的なものの10分の1程度という手頃な価格にある。環境省によると、2025年度に全国でクマ被害にあった人は238人にのぼり、そのうち13人が命を落とした。これは過去最悪の数字だ。こうした事態を受け、クマスプレーを開発したのが鯖江市に本社を構えるフジコンコーポレーション。マスクなどの衛生商品やハンディ扇風機といった日用雑貨の企画販売を手がける企業だ。クマよけスプレーを開発することになった経緯について担当者は「何かクマ対策で何かできないのかとプライベートで言われることもあって…困っている人のお役に立てないかと考えた」と語る。開発に着手したのは2025年10月。これまでにもスプレー商品を扱ってきた強みを生かし、クマに効果的な成分などを一から研究。懇意にしているスプレーメーカーとの協力開発により、わずか1カ月という驚異的な短期間で商品化にこぎつけた。開発したスプレーを自社のオンラインショップや県内外の自治体に向けて販売開始。ホームセンターにも販路を拡大すると、5カ月で約およそ7万5000本を売り上げた。クマよけスプレーとしては異例のヒット商品となった。なぜ、これほどまでに売れたのか。その最大の理由は、同社が最も重視した「誰でも買える価格」にあった。「手軽に持って登山に行けるもの、というのが一番のポイントでした」と担当者。一般的に、市販されているクマよけスプレーは、海外製は1万5000円から2万円、国内製でも5000円から1万円ほどと高価しかし、同社の商品は小さいサイズが750円、大きいサイズでも1450円と、圧倒的な安価を実現させた。低価格を実現させたのは、同社が持つ独自のノウハウだ。普段から取引のある中国の工場との生産ルートを活用。さらに、商品輸送の際には、他のラッカースプレーなどと一緒にコンテナに混載することで、運送費を大幅に削減した。「ほかのスプレーと一緒に混載して満車にして入れれば、運送費もコスト的に削減できます」(担当者)。加えて、企画開発から販売までを短期間で進めたことによる人件費の抑制や、スプレーの保管に必要な特殊な倉庫を自社で保有していたこともコスト削減につながった。同社は、クマよけスプレーのほかにもクマ鈴やホイッスルといった対策グッズを自社商品として販売している。「さまざまな商品でクマ対策の売り場を充実させ、客の期待に応えていきたい」。顧客の“困りごと”を解消したい、その思いがヒット商品へとつながった。
(鳥獣供養祭を挙行:大分)
大分県猟友会(長井健三会長)は鳥獣慰霊供養祭を21日午前11時、志高湖で挙行した。火男火売神社の加藤兼司宮司が神事を斎行。長井会長、来賓の豊岡広隆別府警察署生活安全課保安営業係長、塩出政弘別府市農林水産課長、小島達雄別府市猟友会会長らがそれぞれ玉串を捧げた。長井会長が「大分県猟友会も県内にライバル団体ができ、その猟友団体がかなり活発な動きをしています。我々は、過去の先輩が築いてきた歴史、大分県猟友会をしっかり守っていかなければならない。皆さんの協力なくしてはできませんので、運営にご理解いただき、ご協力をお願いします」。来賓の北岡和彦大分県東部振興局森林管理班、豊岡別府署生活安全課保安営業係長、塩出市農林水産課長がそれぞれあいさつして、供養祭を終了した。別府市では昨年度、イノシシ433頭、シカ1384頭、小動物(アライグマ、アナグマ、タヌキなど)184頭の計2001頭を捕獲しており、昨年と比べ310頭減少している。
(「クマが出た」引き金を引くのは誰?:京都)
クマが庭先に出た時、引き金を引くのは誰だろうか。火災なら消防、事件や事故なら警察が駆けつける。では、獣害からは誰が守ってくれるのか。その問いに対するヒントがないかと、京都府福知山市の鳥獣対策員、望月優さん(33)の仕事現場を取材した。全国でも珍しい、市の正規職員として獣害対策に臨むスペシャリストだ。「庭の木にクマの爪痕がある」という地域の農家からの通報を受け、望月さんは現場に向かう。一見クマがひっかいたように見えるが、ほかの動物の痕跡のこともあるという。現場を見た結果、雄ジカが角をこすりつけた跡だと分かった。
(クマ寄せ付けない集落づくりへ連携:石川)
石川県は27日、県庁でツキノワグマの出没対応に関する連絡会議を開き、市町や県猟友会、県警などの担当者と人身被害の防止策を確認した。クマを寄せ付けない集落づくりを進めるため、やぶの刈り払いを行うボランティアと必要な集落をマッチングする取り組みを始める。秋にクマが食べ物を求めて人里付近に大量出没するかどうかを予測する県の餌資源調査で、今年は奥山に自生するブナの実が「並作以上」と判定されたことが報告された。県は3年ぶりに「出没警戒準備情報」の発令を見送る。
(クマ出没は早くも「警報レベル」…「死んだふり」は有効?)
冬眠から目覚めたクマの活動が活発化している。市街地や住宅街での出没が相次ぎ、人々の生活に深刻な脅威を与えている。4月19日には、仙台市中心部のマンション敷地にツキノワグマが出没。11時間にわたる膠着(こうちゃく)の末、緊急銃猟によって駆除された。すでに今年の出没件数が200件に迫る岩手県は22日、県内全域を対象にクマ出没警報を発令。21日には行方不明者を捜索中だった警察官がクマに顔や腕を噛まれる人身被害も発生している。昨年、全国的に出没件数が増大し、社会問題化した「クマ問題」。冬眠期間で落ち着いていたが春を迎え、市民は再び緊張の日々を強いられている。最新の状況と公的機関の情報を基に、クマ出没の現状、行政の対応、そして万一に備え、取るべき行動について整理する。環境省のデータによると、令和7年(2025年)度のクマによる人身被害は過去最多の238人に上った。前年度の85件から約3倍増で、特に東北地方では出没が相次ぎ、各県で警戒レベルが引き上げられている。宮城県では4月の目撃件数が過去5年の平均を大幅に超え、観測史上初めて4月中に「クマ出没警報」が発令された。岩手県でも人身被害が発生し、秋田県では目撃件数の急増を受け、注意報からわずか4日で警報へと切り替えられるなど、春を迎えたばかりの時期に早くも深刻な状況となっている。こうした警報の発令はどのように判断されるのか。主な指標は、クマの出没件数、人身被害の発生状況、餌となるブナの実の豊凶などに基づく。注意報、警報、特別警報と段階的に設定されており、被害の深刻度に応じ、以下のように警戒レベルが引き上げられる。1. クマ出没注意報:前年のブナの結実状況や出没件数などから、人身被害の発生が懸念される場合に発表。2. クマ出没警報:人身被害が発生した場合や、出没件数がさらに増加した場合に発表。3. クマ出没特別警報:死亡事故が発生した場合や、人身被害が多発した場合に発表(最も深刻なレベル)。東北ではすでに複数県でリスク度の高い「警報」が発令されており、十分な警戒が求められる。これら警報は、原則として県内全域を対象とし、期間を定めて発表され、県のホームページや報道機関を通じて住民に周知される。こうした情報を常にチェックし、外出を控えるなどが対策の基本となるが、市街地に出没するなど、いよいよ市民に危険が迫ってきた場合、対策の最終手段として位置づけられるのが「緊急銃猟」だ。従来、住居が集合する地域などでの銃猟は原則禁止されていたが、2025年9月改正鳥獣保護管理法の施行により、特定の条件下で市町村が委託したハンターによる銃猟が可能となった。実施条件は以下のようになっている。・クマ等が人の日常生活圏に侵入した、またはそのおそれが大きい・人の生命・身体への危害を防止するため緊急の必要がある・銃猟以外の方法では捕獲が困難・住民等に弾丸が当たるおそれがない。仙台市の緊急銃猟は、この制度に基づき実施された。当初は箱わなでの捕獲が試みられたが、捕獲できずにクマが移動した場合のリスクを考慮し、やむなく銃猟に踏み切った。市街地での銃猟には難しい判断が迫られる。加えて二次被害などのリスク管理も求められ、遂行には経験と高度な技術などが必要とされ、その人員確保も課題となっている。これだけクマの出没エリアが生活圏に近づくと、行政の対策と並行し、一人ひとりが適切な知識を持ち、行動することも被害を防ぐ上で不可欠となる。基本は、クマを寄せ付けないことだ。そのためのゴミの管理、家の周りなどの環境整備、車庫や物置などの封鎖による侵入防止は、徹底する必要がある。山に入る際には細心の注意を払うことも重要だ。入山前に、地域の出没情報を必ず確認し、鈴やラジオを携帯。自分の存在をクマに知らせることで、不意の遭遇(鉢合わせ)を防ぐことができる。単独行動は避け、複数人で行動するのも基本だ。クマ撃退スプレーも有効な自衛策となる。また、クマが活発になる明け方や夕方の入山は避け、クマの糞や足跡を見つけたら、すぐに引き返す判断もリスク回避には有効だ。それだけ注意し、警戒していても出会ってしまったらどうすればいいのか…。慌てて背中を見せて逃げるのは一番やってはいけない行動だ。クマは逃げるものを追いかける習性がある。クマから目を離さず、ゆっくりと後ずさりしてその場を離れる。子グマを見かけて、「かわいい」と思っても絶対に近づいてはならない。近くには必ず母グマがいるからだ。逃げ場を失い、いよいよクマに追い詰められた…。そうなればもう最終手段は自衛しかない。一般的に「死んだふりをする」が対策として知られている。だが実際にはその有効性は認められていない。なすがままに襲撃され、瀕死の重傷を負い、後遺症が残った被害者の事例も報告されている。そうした中で推奨されているのが、ダメージを最小限に抑える「防御姿勢」をとることだ。両腕で顔や頭部を覆い、うつ伏せになるなどして急所を守る。目の前にクマがおり、もはや逃げようがない場合の最後の抵抗といえる。クマの攻撃は長くは続かないことが多いため、急所を守り切れれば、助かる可能性はある。クマの出没は、もはや自然に囲まれたエリアだけの他人事ではない。市街地での目撃情報も増加しており、いつどこで遭遇してもおかしくない。出かける前に天気情報を確認するように、自治体が提供するクマの出没情報(岩手県の「Bears」のようなアプリなど)を日頃から確認し、クマを寄せ付けない環境づくりを徹底する。併せて、万が一の遭遇に備え、正しい対処法を身につけておく。それがこれからの時代に求められる対クマの自己防衛策といえるだろう。猟銃所持許可の取り消しをめぐる訴訟で、最高裁で逆転勝訴した北海道猟友会砂川支部長の池上治男氏(77)は、クマと人の共存について、「共栄はできても『共存』はまず無理」と断言した。生死をかけてクマと向き合ってきた同氏の言葉はあまりに重い。クマを目撃した際は、決して近づかず、速やかに市町村や警察に連絡。人が気を緩めれば、クマが牙をむくと認識し、誰もが自分に起こり得る事と捉え、行動する。その積み重ねでしか、人はクマから身を守れない。そう肝に銘じておく必要がある。
(クマによる被害、出没増の原因を広く探れ)
冬眠明けのツキノワグマが仙台市中心部に現れた。市街地に長時間居座り、最終的に駆除された。この一件は、山の獣がもはや山中にとどまらない現実を明示しているようだ。クマの脅威は、より深刻な段階に入りつつある。早急な対応が必要だ。政府は3月、「クマ被害対策ロードマップ」を策定した。緊急銃猟の活用、出没防止、個体数管理、人材育成などを柱とする中長期計画であり、クマ問題を構造的課題として捉えている。対策を全体像として明確に示した意義を評価したい。だが、計画だけでは出没と人身被害を減らせない。最大の課題は実効性だ。現場ではハンターの減少や高齢化が深刻だ。予算を整えても、運用する担い手が足りなければ機能しない。市街地に出没したアーバンベアを迅速に駆除できる態勢の強化が必要だ。装備を整えた専門チームを警察に設けることも一案だろう。クマ担当の自治体職員の確保も急がれる。アーバンベア増加の原因分析の掘り下げも不可欠だ。ドングリ類の凶作や里山の荒廃が出没増加の主因とされるが、それだけで説明できるのか。メガソーラーや風力発電の奥山開発がクマの生息環境を変えていないかなど、動物行動学での検証を進めるべきだ。見逃せないのが生息数推定の不確実性である。ロードマップは本州のツキノワグマを約4万6千頭としているが、推定値の下限と上限の間には万頭単位での幅があるはずだ。過剰捕殺によって個体群の衰退を招かぬよう、被害抑制と保全の均衡を保つ視点が欠かせない。必要なことは、人里に誘引する放棄果樹や生ごみの除去、河川敷や藪(やぶ)の管理といった地道な対策の積み重ねだ。同時に、危険個体には迅速に対処する現実的な体制整備への取り組みである。ドローンでクマ棚(樹上での食事跡)の分布を調べれば、中山間地での集落への接近状況や生息密度の把握に役立つ。21日には岩手県紫波町の山あいで行方不明者の捜索をしていた警察官がクマに襲われ、けがをした。近くでは成人女性の損傷した遺体も見つかった。山菜採りの季節である。鈴を鳴らしながら集団で行動するのはもちろん、山中に入らないことも考えたい。
(ヤマビル被害がアウトドアで急増中、ヒル増加に「シカ」や「キョン」が関係か)
山歩きやキャンプが楽しくなる季節だが、日本各地の野山で「ヤマビル」の被害が広がっている。知らぬ間に吸血され、剥がしても血が止まらない──そんな声が相次ぐ。千葉県大多喜町。タケノコの名産地として知られ、春には観光客がタケノコ掘りに訪れる。近年、その豊かな里山で、静かに、しかし確実に増えているものがある。ヤマビルだ。「タケノコ掘りに来たお客さんが、足にヒルが吸いついていたり、血まみれの靴下を見たりして、顔を引きつらせるんです。地元の農家はヒルにやられることを覚悟して山に入るけれど、慣れていない人は本当に驚くみたいですね」。そう語るのは、長年タケノコ農家として山に入ってきた高齢の女性だ。タケノコの最盛期である4月は、ヤマビルが活動を始める時期と重なる。「タケノコを掘っていると、ヒルが足元から登ってくる。噛みつかれても痛くないから、気づいたときにはもう血を吸われている。ヒルを剥がすと血がだらだら出て止まらない」。マビルは体長2~5センチほどの細長いヒルで、体の前後に吸盤を持ち、尺取り虫のように伸び縮みしながら移動する。茶褐色の体に3本の縦じまがあり、落ち葉の下や湿った斜面に潜んで、人や動物の体温、振動、二酸化炭素を感知して近づく。ヤマビルには毒や病原菌があるわけではない。だが、女性はヤマビルの姿を「魔物みたいだ」と言う。落ち葉の下からぬっと現れ、細い体を持ち上げてこちらを探すように動く。足元をトントンと鳴らすと、まるで合図を受け取ったかのように向きを変えて近づいてくるという。千葉県でヤマビルの吸血被害が顕著になり始めたのは1980年代。当初は県南部の鴨川市の一部地域に限られていたが、生息域は徐々に北上し、20年ほど前から大多喜町でも増え始めた。「今では、家の中や舗装道路以外はどこにでもいる」と、女性は言う。なぜ今、各地でヤマビルが増えているのか。「全国的にヤマビルが血を吸うシカが増加しており、その影響が大きいとみています」(森嶋さん)。環境省によると、1990年代前半に推定60万~80万頭だった全国のシカは、2023年には同約303万頭に増加。生息域も1978年から2018年にかけて約2.7倍に拡大した。「10年ほど前に秋田県から鹿児島県で行った調査でも、シカが生息する地域では、ヤマビルが吸った血の多くがシカ由来でした」(同)。シカ増加の背景には、地球温暖化による降雪量の減少やハンターの高齢化などがある。千葉県では、県南部の観光施設から逃げ出した外来種のシカ「キョン」が野生化して増加し、茨城県境に迫っている。茨城県の担当者も、「キョンが侵入すればヤマビルも一緒に入ってくる可能性が高い」と警戒する。
(西日本中心にマダニに注意)
目前に迫ったゴールデンウィーク。新緑の山やキャンプ場へのお出かけを計画している方に、忘れないでほしいのが「マダニ」への対策です。22日には、愛媛県で今年初となるマダニを媒介した感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の発症が報告されました。70代女性が感染しましたが、刺された痕が見つかっておらず、感染経路は分かっていません。マダニは深い山だけでなく、身近な住宅街の茂みなどにも潜んでいます。決して一部地域だけの問題ではないため、目前に迫った連休を安全に楽しむために、マダニに潜む危険と対策を改めて確認しておきましょう。では、体長わずか数ミリ、よく見ないと気づかないほどの小さなマダニに、どんな危険が潜んでいるのでしょうか。マダニが媒介する感染症の中でも危険なものが、通称「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」と呼ばれる病気で、マダニにかまれてから6~14日間で発症し、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出るほか、重症化すると死に至る恐れもあります。厚生労働省によりますと、マダニにかまれ、このSFTSウイルスに感染した場合、致死率は10~30%程度と極めて高く、最悪の場合、およそ3人に1人が命を落とす恐れもあります。亡くなった患者の多くは50歳以上のため、特に中高年層は注意が必要です。2013年以降、愛媛県内で確認されたSFTS患者数は57人で、このうち14人が死亡しています。具体的な対策方法としては、山に出かける際は、暑くても長袖・長ズボン、帽子や手袋などで全身をガードするほか、マダニに効く成分を含んだ防虫スプレーが効果的です。市販の防虫スプレーには、主に「ディート」と「イカリジン」と呼ばれる2種類の有効成分が含まれるものがあります。厚生労働省によりますと、▼ディートを含む防虫スプレーは、6カ月未満の乳児には利用できないとされている一方、▼イカリジンを含むものより多くの害虫に対して効果があるとされていますので、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。マダニに対してはどちらも効果があるとされていますが、これらの防虫スプレーが完全に虫がつくことを防げるわけではないため、防虫スプレーを過信することなく、長袖・長ズボンにするなど、様々な防護手段を組み合わせて対策することが大切です。万が一かまれているのを見つけても、無理に手でつぶしたり引き抜いたりするのは禁物です。体内にマダニの一部が残ってしまう恐れがあるため、そのままの状態で速やかに皮膚科などの医療機関を受診してください。過去には、松山市の住宅街の茂みでもマダニが見つかったことがあります。アウトドアなどで山や森へのお出かけ、屋外でのキャンプや農作業などを行う場合は特に、マダニなどの害虫への対策も忘れないようにしましょう。
(今そこにクマがいる、LINE通報と連動する『共有地図』)
「クマが出た!」という興奮した電話通報では、場所の特定に時間がかかり、手遅れになるかもしれません。株式会社はんぽさきは2026年4月21日、共有地図アプリ「LivMap」を活用した「住民報告型クマ対策パッケージ」を発表しました。住民のLINE報告がそのまま猟友会の地図に直結。先着30組織への無償提供も開始され、アナログな地域防犯がテクノロジーで劇的に進化しようとしています。従来のクマ対策は電話による聞き取りが主流でしたが、位置の誤認や関係各所への連絡の遅れが大きな課題でした。本パッケージは、住民が自治体の公式LINEから写真と位置情報を送るだけで、リアルタイムに「LivMap」の地図上へプロットされる仕組みです。これにより、職員や猟友会は現場へ急行しながら正確な地点を把握でき、その後の対応状況もチャット形式で記録・共有することが可能になります。
(クマが木に登ったまま動かず、膠着状態が続く:岩手)
警察によりますと、4月24日午後、岩手県遠野市綾織町で成獣とみられるクマが木に登ったまま動かなくなっているということです。警察や市が対応を検討しています。4月24日午後1時30分ごろ、遠野市綾織町新里の遠野市清養園クリーンセンター付近で、立木に登っているクマが居ると警察に連絡がありました。警察がその場にかけつけ、そのクマを発見しましたが、クマが木に登ったまま動かず、午後4時時点でも膠着状態が続いています。クマは成獣とみられるということです。警察や市が対応を検討しています。
(救急車が飛び出してきたシカと衝突、別の救急車で女性を搬送:山梨)
28日午前1時5分頃、山梨県山中湖村山中の国道138号で、緊急走行中の救急車が道路脇から飛び出してきたシカと衝突した。救急車は要請を受け、村内に滞在していた60歳代女性のもとへ向かっていたが、事故により右前方のライトが破損したため、別の救急車が女性を搬送した。搬送が15分ほど遅れたが、女性は病院で治療を受け、軽症だったという。県警富士吉田署の発表などによると、現場は山中湖畔を走る国道。シカは事故の後、どこかへ逃げ去ったという。
(銀行の店舗内にカモシカが侵入:新潟)
柏崎市で27日午後、銀行の店舗内に体長約1メートルのカモシカ1頭が侵入しました。カモシカが侵入したのは柏崎駅からほど近い駅前にある第四北越銀行柏崎支店です。警察によりますと、27日午後0時18分、第四北越銀行柏崎支店から「行内にカモシカが入ってきた」と110番通報がありました。警察が現場に直行したところ、行員が、店内の客を逃がしたあと、カモシカがATMコーナーに入ったところでシャッターを下ろして閉じ込めたということです。柏崎市によりますと銀行に侵入したカモシカは、体長約1メートルの「ニホンカモシカ」で、午後3時頃、市の委託業者が吹き矢で麻酔を打ち、カモシカはその後おとなしくなったため、様子を見て搬出されました。カモシカの侵入で、ケガをした客や行員などはいないということです。柏崎市によりますと捕獲したあと、山へ戻すということです。また柏崎市では4月に入って、市内の紅葉の名所で知られる松雲山荘付近でカモシカの目撃情報があったといい、同一個体かどうかは不明としながらも、市街地に現れるのは珍しいと話していました。ニホンカモシカは「国の特別天然記念物」に指定されているため故意に傷つけるなどした場合罰則の対象となります。
(山陽線でシカと接触、1100人に影響:広島)
27日午後8時15分ごろ、広島市安芸区上瀬野町近くのJR山陽線八本松―瀬野間で、岩国発白市行き普通列車がシカと接触した。JR西日本中国統括本部によると、線路や車両の安全確認のため山陽線の上下計5本が最大約35分遅れ、約1100人に影響が出た。
(道の駅にイノシシ肉料理専門店:佐賀)
イノシシ肉料理専門店「しし肉kitchen(キッチン) りぼん」(吉野ヶ里町松隈)が「道の駅吉野ヶ里 さざんか千坊館」内にオープンして、5月1日で2カ月がたつ。金属リサイクル事業や金属資源を使ったアップサイクル事業、認可外保育園の運営を手がける「エヌアイループ」(上峰町坊所)で、「イノシシ肉の概念をおいしく&かわいく覆す」をテーマに、イノシシ肉商品を販売する「Ribbon部門」が3月1日に開いた。同社が所在する上峰町や吉野ヶ里町の山間地ではイノシシの被害が深刻で、この影響で農業を辞める人も多いという。被害に対応するための駆除を進めているが、人手不足で駆除が追い付かず、駆除されたイノシシは9割が廃棄されてしまっているという。2023年に社会貢献を目的に新事業「Ribbon部門」を立ち上げ、「吉野ヶ里町脊振山系鳥獣処理加工センター」で加工されたイノシシ肉を使ったメニューや商品を開発。2024年2月にキッチンカーを導入し、イベントなどで販売を始めた。初の実店舗となる同店は道の駅内のレストランに出店し、カウンター形式で販売する。馬場加奈子店長は「道の駅に出店したことで、福岡方面から来られる方にもよりアピールできるようになり、これまでよりもお客さまの増え方が変わった。栄養価も高いイノシシ肉をもっと食べてもらえるよう、年配の方から子どもまで細かい工夫を凝らしているので、ぜひ味わってほしい」と呼びかける。
(高校生が考案したメニューをホテルで提供、「食のSDGs」テーマに開発:静岡)
静岡県河津町のホテルではランチビュッフェに地元の高校生が考えたメニューが登場し、地元の食の魅力を発信しました。河津町にある伊豆今井浜東急ホテルのランチビュッフェで提供されたのは地元の高校生が「食のSDGs」をテーマに開発した料理です。伊豆半島で捕獲されたイノシシやシカの肉などのジビエを使ったチャーシュー丼に生春巻きといった料理や地元の伝統食をアレンジしたデザートが並びました。ホテルでは今後も地域と連携して、食の大切さを発信していきたいとしています。
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(陸自隊員、演習場でクマに襲われけが:福島)
福島県の陸上自衛隊白河布引山演習場で22日に30代男性隊員がクマに右腕や左手首をかまれ、けがをしたことが23日、福島駐屯地への取材で分かった。枯れ葉火災が起き、消火活動後に現場を確認していたところ襲われたという。
(発見遺体は成人女性、クマに襲われた可能性:岩手)
岩手県警によると、男性警察官がクマに襲われた同県紫波町の現場付近で見つかった遺体は成人女性で損傷していた。県警はクマに襲われた可能性が高いとみて、身元を調べている。
(行方不明者捜索中に警察官の男性がクマに襲われけが:岩手)
21日午前、岩手県紫波町で、行方不明者を捜索していた警察官の男性がクマに襲われ、けがをしました。現場付近では性別不明の1人の遺体が発見されています。警察によりますと、午前10時前、紫波町の沢で行方不明者を捜索していた50代の警察官の男性がクマに襲われました。男性警察官は顔や腕をかまれたり、引っかかれたりして病院に運ばれましたが、搬送時、意識はあったということです。クマは成獣とみられています。警察によりますと、警察官を襲ったとみられるクマは午前10時ごろに駆除されました。午前、岩手県紫波町で、行方不明者を捜索していた警察官の男性がクマに襲われ、けがをしました。現場付近では性別不明の1人の遺体が発見されています。警察によりますと、きょう午前10時前、紫波町の沢で行方不明者を捜索していた50代の警察官の男性がクマに襲われました。男性警察官は顔や腕をかまれたり、引っかかれたりして病院に運ばれましたが、搬送時、意識はあったということです。クマは成獣とみられています。警察によりますと、警察官を襲ったとみられるクマは午前10時ごろに駆除されました。
(警察官襲ったクマを駆除:岩手)
岩手県警によると、21日午前9時50分ごろ、紫波町山屋字鍋沢付近の沢で、行方不明者を捜索中の警察官がクマに顔や腕をかまれ負傷した。紫波町によると、襲ったとみられるクマは駆除された。クマは成獣で体長120センチほど。現場は昨年、複数回クマが出没していた。山林に深く入った場所ではない。
(イノシシ豚熱:岡山)
岡山県は21日、真庭市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は77例目。県によると、市内で死んでいるのが見つかり、検査で陽性が確定した。発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に野生イノシシの流通自粛を求めている。
(クマのえさになるブナ、「豊作」見込む:秋田)
東北森林管理局による国有林内のブナの開花状況調査が始まりました。21日に調べた地点ではほとんどのブナで開花が確認され、この秋は山でのクマのえさになるブナの実の「豊作」が見込まれています。秋田市仁別の国有林です。太平山スキー場オーパスから、北東に3キロ以上離れた山の中で東北森林管理局が、ブナの開花状況の調査を始めました。クマ対策を万全にしながらの調査。初日の21日は約15本のブナの木を確認しました。器のようになっているのがブナの雌花、下を向いているのが雄花です。7~8メートルの高さの枝に雄花や雌花がどのくらいあるかを調査しました。この周辺のブナは、比較的、多くの開花が確認されました。ブナは寿命が数百年といわれ、ブナの実を餌とする動物も多く、生態系を形成する上で重要な樹木のひとつです。調査は始まったばかりですが、ブナを見るとほとんどの木で開花がみられ、今年はブナの実の豊作が見込まれます。花が咲いた後になるブナの「実」は、特にクマが好んで食べますが、去年はブナの実が大凶作で、人里へのクマの大量出没につながりました。東北森林管理局技術普及課 田中邦子課長「ブナの実は豊作と凶作、周期があって繰り返されるって言われれてますので、それでまず昨年凶作でしたので、その分花芽が多く出た んじゃないかなと思ってます」。ブナの開花状況の調査は、今後県内50か所以上で行われ、秋になるブナの実が豊作か凶作か、7月に予測が公表される予定です。
(クマの目撃情報は「ベアーズ」で共有を:岩手)
冬眠明けのクマの活動が活発化し、街中や山林でクマとの遭遇機会が増える時期を迎えているとして、岩手県は18日、「春のツキノワグマ被害防止キャンペーン」を開始し、注意を呼びかける。期間は5月末まで。クマの出没は例年、冬眠明けの4~5月から増え始める。県自然保護課によると、昨年3月の出没件数は26件だったのに対し、4月は224件、5月は534件と急増。登山や山菜採りなどで山林に入る機会が増えることから、人身被害の増加も危惧される。キャンペーンでは、山林で遭遇しないための注意点として「食べ残しなどエサになるものを放置しない」「音が鳴るグッズを常に鳴らして存在をアピール」、遭遇した場合には「背を向けて走って逃げない」「目を離さずに静かにゆっくり後ずさる」――を掲げ、SNSなどで発信する。県公式LINEを通して、クマの目撃情報を共有できるアプリ「Bears(ベアーズ)」の積極的な活用も促している。達増知事は17日の定例記者会見で、「クマとの遭遇リスクを避け、安全を最優先に行動していただきたい」と呼びかけた。
(前年比5倍のヒグマ対策関連費6億円、ガバメントハンター3人採用「緊急銃猟」など支援強化へ:北海道)
クマの活動が徐々に活発化するなか北海道や警察、それに猟友会などが今シーズンの対策会議を開き、連携の強化を確認しました。道庁で開かれたヒグマ対策会議には、北海道をはじめ警察や北海道猟友会など関係機関が出席しました。会議では北海道が、ヒグマ対策関連で2026年度は、前の年度に比べて約5倍となる6億500万円の予算を確保したことやガバメントハンターを3人採用したこと、さらに、2025年度から始まった市町村の「緊急銃猟」を支援していくことなどが報告されました。北海道内では、2025年度5000件を超える通報が警察に寄せられていて、北海道は関係機関とのさらなる連携の強化を図りたい考えです。
(猟友会「身分保障を」、道ヒグマ対策:北海道)
冬眠明けのヒグマが活動期を迎えるにあたり、道は21日、ヒグマ対策推進会議を道庁で開き、関係機関と今年度の重点対策を確認した。参加した道猟友会からはハンターの身分保障などを求める声が上がった。
(熊出没警報を発令、4月に出すのは初めて:宮城)
宮城県は19日、クマの目撃件数が急増し、人身被害が発生する危険があるとして、県内全域にクマ出没警報を発令した。期限は5月18日。例年6月下旬から7月にかけて発令され、4月の発令は警報の運用を始めた2023年度以降初めて。昨年の警報発令期間は7月29日~11月30日だった。4月の目撃件数は48件(19日時点)で、過去5年間の同月平均(28・2件)の1・5倍以上に達したことを踏まえて発令した。県自然保護課は①朝夕の行動を避ける②鈴など音を鳴らす③多人数で行動する―などの対策を呼びかけている。担当者は「県ホームページ(HP)にある『クマ目撃等情報マップ』を基に、なるべく目撃エリアには近づかないようにしてほしい」と話している。
(クマ出没『警報』に切り替え:青森)
青森県は20日、県内全域に発令していたツキノワグマ出没注意報を「警報」に切り替えました。県が定める基準の直近の5日間での出没件数が15件を上回ったためということです。県は今年度運用を始めた「くまログあおもり」を活用するなどして、クマが出没している場所に近づかないよう呼びかけています。
(登山者が死亡したクマ事故を受け、飯豊連峰の足ノ松尾根ルートが今期閉鎖に:新潟)
飯豊連峰の足ノ松尾根(あしのまつおね)登山道で2025年11月に発生したクマ事故を受けて、新潟県胎内市は4月20日、今シーズンの同ルート閉鎖を決めた。平年は雪解けが進む6月に開通するが、今年は足ノ松尾根登山口から大石山(1562m)までの区間を通行止めとし、5月から10月にかけて毎月パトロールを実施しながらクマの動向を調べ、来年の利用再開について検討するという。足ノ松尾根は飯豊連峰の主脈の西側に延びる尾根で、木八差岳(えぶりさしだけ)へのルートとして登られている。昨年11月の事故は、登山中に行方不明となった男性が足ノ松尾根登山口(胎内口)から約1.2km地点で顔や首などに引っかき傷や噛まれたような傷がある状態で亡くなっているのが発見されたもので、発見当時は近くでクマ1頭が目撃されていた。閉鎖に伴い、今シーズンの木八差岳登山は東側の丸森尾根(まるもりおね)や梶川尾根(かじかわおね)などを利用することになる。なお、頼母木山(たもぎやま)避難小屋、門内岳(もんないだけ)避難小屋は例年通り利用できる。
(クマの捕獲訓練、市が採用した“公務員ハンター”も参加:秋田)
クマの活動が活発化する中、鹿角市は県や警察、猟友会などと連携したクマの捕獲訓練を行いました。訓練には今年度、鹿角市が採用した“公務員ハンター”も加わり、迅速な捕獲のための手順を確認しました。今年度、鹿角市から採用された2人の公務員ハンターも参加。これまで地元猟友会のメンバーとして市からの要請を受けて出動していましたが、市の職員となることで、より迅速に現場へ向かうことができるようになりました。クマの捕獲には対応する職員とハンターとのコミュニケーションが重要です。クマを見失っても、いつでも銃が撃てる体制を維持します。今回は車庫の中に多くの資材などあり、銃弾が跳ね返って人に当たるおそれ去年の同じ時期を大きく上回る目撃情報が寄せられている県内。いざというときに備え準備を重ねます。があると判断。捕獲用のおりを仕掛ける想定で訓練を進めました。クマが逃げ出ないよう連携して対応する手順も確認しました。鹿角市農地林務課 北方康博課長「油断することなく、昨年のような大量発生も見据えた対応を新しく、ガバメントハンターもおりますので、常時見回りもできる体制もできましたので、クマ対応、力強く今後も継続していきたいと思っております」。
(クマ被害軽減へハンターの報酬増額:青森)
青森県黒石市は今月から、クマ被害の軽減へハンターの報酬を増額する。地元猟友会から「資金面で活動の継続が困難だ」との声を公明市議が議会で取り上げて実現した。このほか市は、箱わなの増設や、捕獲検知システム「わなベル」の導入などによりクマ対策を強化する。今月1日、過去最速でツキノワグマ出没注意報が発表された青森県。昨年はクマの出没が1年間に計3333件を記録し、捕獲数は全国5位の1246頭に上った。このうち、黒石市では過去最多の90件の出没を確認し、41頭捕獲。リンゴ園での食害や、紅葉の名所「中野もみじ山」での出没により観光にも打撃を与えた。黒石市で駆除に当たるのは南黒猟友会(佐藤孝文会長)。約30人いる会員のほとんどが仕事を抱え、平日の日中はわずか3人で対応している。箱わなのエサ交換も同会の役割で、20基以上のわなを回るのに車で約100キロも移動。ほぼ毎回、出動する木川武光さん(79)、佐々木幸逸さん(70)は「会員の高齢化もあり、人材不足が否めない」と話す。「命の危険も伴う中で、対価が低すぎるのではないか……」。昨秋、公明党の工藤俊広市議は木川さんと佐々木さんから活動状況を聴きながら、報酬引き上げが急務だと痛感した。市は2025年4月、前年のクマ出没多発を受けて時給を898円から1500円に引き上げていた。しかし、物価高騰の影響で弾薬やガソリン、エサの費用が上昇し、ハンターの負担は増え続けるばかり。「支出が多く活動を続けていくのは大変だ」との言葉を工藤市議は受け止め、25年9月定例会と同12月定例会でクマ被害対策を迫った。「猟友会メンバーの報酬加算を検討すべきだ」と訴えたほか、クマの捕獲を検知するシステム「わなベル」の早期導入を促した。これを受け市は、クマ被害防止へ対策を強化。今月から国の「鳥獣被害防止総合対策交付金」を活用し、時給を500円増の2000円へ引き上げた。また市独自で「鳥獣被害対策協議会補助金」を新設し、成獣1頭につき2万円、幼獣(体長80センチ未満)に1万円の捕獲報酬を支給する。このほか、見回りの負担を削減するため「わなベル」を9基用意。これは株式会社ジョイ・ワールド・パシフィック(青森県平川市)が開発した機器で、既存のわなに設置すれば、捕獲情報がメールなどで通知される仕組みだ。市内の東西の端など、移動距離が長くなりやすい地点を中心に設置するとしている。市農林課は、狩猟免許の更新費用への半額補助や箱わなの増設に加え、「狩猟免許の新規取得、装備品購入へ3分の1程度の補助も始める予定」と方向性を示している。先日、工藤市議と懇談した木川さん、佐々木さんは「報酬が上がり、資金面での悩みが軽くなった」と謝意を伝えた。工藤市議は「クマ被害を最小限に抑えられるようさまざまな対策を推進する」と応じた。
(地域支える猟友会の役割発信:長野)
飯伊連合猟友会三穂支部による活動紹介の展示が現在、飯田丘の上結いスクエア(飯田市東和町)1階エントランスで行われている。同展示は、猟友会の活動に対する理解を深めてもらうことを目的に実施。狩猟に対して「動物を捕獲する」というイメージが先行しがちな中、地域に根差した取り組みを紹介する。猟友会の主な活動は、有害鳥獣駆除と猟期の狩猟。特に有害駆除は4月から翌年3月末まで年間を通して行い、農作物に被害を与えるシカやイノシシのほか、ハクビシン、タヌキ、キツネ、カラスなどの駆除や追い払いを行う。現在のところ、クマ出没への依頼はないという。三穂支部には9人が在籍し、地域や農家からの連絡を受けて出動。「田植えの後にシカが入ってしまった」「稲刈り前にイノシシが入ってしまった」などの声を受け、農林業を支える役割を担う。展示では、捕獲したイノシシの牙やシカの角を活用したキーホルダーや装飾品を並べる。これらは支部会員が制作したもので、支部長の代田敏則さんは角を切断し研磨、ニス仕上げを施した作品などを紹介する。同支部では、こうした加工品を毎年2月に開く三穂地区の文化祭で展示・販売しており、来場した子どもたちが興味を示す機会にもなっているという。代田さんは「こうした活動を通じて若い世代にも猟友会の取り組みが広がれば」と話す。併せて、若手組織「南信州ハンターズ」も会員を募集している。同団体は20~40代の約30人で構成し、狩猟技術の向上や地域貢献活動に取り組む。猟友会の高齢化が進む中、次世代の担い手確保を目的とする。
(シカの食害でササが消失、巣が作れなくなった鳥類が絶滅寸前に:京都)
京都府は、絶滅のおそれがある府内の野生生物をまとめた府レッドデータブックを11年ぶりに改訂し、ホームページで公開している。全22分類群のうち哺乳類など6分類群を先行で改訂。残りは今年中に公表する。府のレッドデータブックでは、程度に応じて、絶滅▽絶滅寸前▽絶滅危惧▽準絶滅危惧▽要注目に分類。哺乳類や鳥類、淡水魚類、昆虫類など種類別にまとめている。2002年に第1版が作られ、15年に第2版が公表された。府は今年3月末、哺乳類をはじめ、鳥類、コケ植物、菌類、地域生態系、人間―環境系の歴史的側面の6分類群を公表した。菌類では、絶滅が3から2種類へ減少。絶滅したと考えられていた「キイロスッポンタケ」を確認し、絶滅寸前とした。一方、鳥類は絶滅はないが、絶滅寸前が8から15種類に増えた。生息域の環境変化などが要因となっている。例えば「クロジ」は、シカの食害でササが消失し、巣が作れない状態という。また、リスト外から絶滅危惧になった「コマドリ」もシカとの関係が指摘されている。府自然環境保全課は「自然保護に役立ててもらいたい」としている。
(クマ追い払う方法学ぶ研修会:鳥取)
ツキノワグマの出没増加に備え、鳥取県は20日、クマの追い払い方法を学ぶ研修会を県林業試験場(鳥取市河原町稲常)で開いた。
(エンレイソウに食害防ぐ「かご」:北海道)
市民団体「石狩浜夢の木プロジェクト」(安田秀子代表)は20日、シカの食害からオオバナノエンレイソウの群落を守るため、食害防止かご20個を群落周辺に設置した。同プロジェクトメンバーのほか、一緒に保全活動を続けている北海道環境財団の大原雅理事長やボランティアら、合わせて約10人が参加。安田代表は「奇跡的に息を吹き返したオオバナノエンレイソウの群落を石狩の宝として守っていかなければならない」と話した。
(猟友会が鳥獣慰霊祭:大分)
県猟友会(長井健三会長)は21日、別府市の志高湖畔にある鳥獣供養塔前で、県内で捕獲したシカやイノシシなどを供養する慰霊祭を開いた。
(目撃されたシカは「国内外来種」:沖縄)
沖縄本島北部のやんばるで2024年に目撃されたシカが、宮城県由来のニホンジカであることが分かった。沖縄本島には在来のシカが生息していないことから、人為的に持ち込まれた「国内外来種」とみられる。ふんを調べたところ、世界自然遺産・国立公園内に自生する希少植物を食べていた。調査した神戸女学院大学と琉球大学などの研究グループは「国内外来種は地域の生態系を脅かすほか、感染症を持ち込むリスクもある」と警鐘を鳴らしている。やんばるはユネスコの世界自然遺産に登録されているほか、国立公園にも指定されている。ヤンバルクイナやノグチゲラ、リュウキュウヤマガメといった固有種が生息する常緑広葉樹の森が広がる。やんばるの最も北にある国頭村(くにがみそん)で2024年10月21日、オスのシカが目撃され、カメラに収められた。その数日後、県道交差点近くの林で、シカのふんも見つかった。この「事件」は、地元の人々にとって衝撃だった。やんばるの生態系がマングースなどの外来種によって脅かされてきたことから、希少な生き物を守らないといけないという意識が日頃から高いためだ。この「事件」を受けて、神戸女学院大学生命環境学部の高木俊人専任講師(分子生態学)と琉球大学理学部の小林峻助教(動物生態学)らの研究グループが調査を始めた。「大型の草食動物であるシカが外から持ち込まれたものだとすれば、やんばるの生態系に大きな悪影響があるのではないか」と懸念したためだ。高木専任講師らはシカがどこから来たのかを調べるため、ふんから抽出したDNAを調べた。その結果、宮城県の牡鹿半島の先にある離島・金華山島のニホンジカと極めて近縁であることが明らかとなった。沖縄県の慶良間(けらま)諸島には、17世紀ごろに九州から持ち込まれて定着したケラマジカが生息しているが、問題のシカはケラマジカとはDNA配列がかなり異なっていた。日本の南北で大きく2グループに分かれるニホンジカのうち、エゾシカなどの北日本グループに分類されるものとみられる。金華山島のシカは1920~70年代に捕獲され、国内の動物園や公園、神社に移送されていたことが、文献などの調査で明らかになっている。当時は全国的にシカの生息密度が低い地域が多く、今のように農作物の食害が大きくなかったため、各地に持ち込まれた際の影響についてそこまで深刻に考えられていなかったようだ。これらのシカが数十年にわたって各地で飼育され、そのうちの1頭が人の手で沖縄本島に持ち込まれた後、自力で逃げ出すか人間に放たれるかした――研究グループは、そうみている。小林助教は、シカが何を食べているのかを探ろうと5粒のフンの食性解析をした。その結果、イネ科のオヒシバ、ドングリの仲間のカシ類、ウルシやタデの仲間のほか、リュウキュウホウライカズラという絶滅危惧種を含む計28種の植物を食べていることが判明した。どのくらいの量を食べているのかは分からないが、環境省のレッドデータブックにも載る希少な植物が食べられている事実に危機感を持つべきだという。研究グループによると、目撃されたシカの行方は分かっていない。高木専任講師は「(国内外来種は)他地域から家畜伝染病や人獣共通感染症を持ち込むリスクがあり、公衆衛生も脅かす。シカのメスは早ければ1歳から繁殖を始めることができ、短期間で増えやすい動物だ。もしメスの個体もいて繁殖していたら、被害の拡大が予想される」と懸念する。高木専任講師は、法制度などの面でも課題があるという。「沖縄ではシカが野外にいることが想定されておらず、今回のような事態が発生したときに、村なのか、県なのか、環境省なのか、誰が捕獲して駆除するのかが明確には決まっていない。今後はシカ類の飼育の規制や、脱走したときの対応などのルール作りが必要だ」と訴える。鳥獣保護管理法があるものの、この法律は「環境への悪影響があるのなら狩猟をしていい」と狩猟を促すものではない。「狩猟の適正化と生物の多様性の確保」を目的として、鳥や哺乳類などの動物の猟を許可の下で限定的に認めるという運用だ。小林助教は「過度な植物の採食や地面の踏み固めは、自然や景観に影響することが日本各地で知られている。放置すれば沖縄でも同様のことが起こる恐れがある」という。また、「国内外来種が世界自然遺産内へ逃げ出してしまったときの管理体制を構築すべきだ。動物を飼う際、おりがきちんとあるかどうかなどが審査されているが、逃げたときの対応方法もきちんと決めていく必要がある」と指摘している。高木専任講師らの研究は日本学術振興会の科学研究費助成を受けており、論文は3月6日、日本哺乳類学会の英文誌「マーマル スタディ」電子版に掲載され、同日、神戸女学院大学が発表した。小林助教らの論文は同電子版に3月13日に掲載され、同19日に琉球大学が発表した。
(「クマ対策室」設置、ツキノワグマ被害防止会議を早くも開催:鳥取)
鳥取県は今年度、各地に出没し、人的被害が広がったクマ被害が県内にも大きく波及する事態に備えようと、本格的な被害防止対策に乗り出している。県鳥獣対策課内に「クマ対策室」を新設したほか、今月上旬には「ツキノワグマ被害防止連絡会議」を開催。県や関係機関で危機意識や対策を共有した。昨年度、全国のツキノワグマの出没件数(1月末まで)は前年度から約3万件増の4万9916件となり、人身被害(2月末まで)は215件、死者数は11人に上った。県内ではドングリ類が豊富だったことから、出没件数は減少。2021年以降、人身被害は発生していないが、昨シーズンの豊作でクマが山の中にとどまる環境にあり、今年は繁殖して個体数が増えている可能性が高いという。今年度の当初予算には、クマ対策として前年度比で1800万円多い4400万円を計上。3人体制の「クマ対策室」を新設し、市町村に対する出没・追い払いの技術指導や、痕跡判別、ドングリ類の豊凶調査などの取り組みを強化する。クマを誘因する恐れがある柿などの「放任果樹」の伐採支援も強化。費用の地元負担を4分の3から6分の5程度に拡充する。放任果樹の状況も緊急点検し、早期伐採を支援する。他にも、現在15市町89人を登録している「クマ人材データバンク」により、ハンターの地域間での融通を強化する。県職員のガバメントハンターは市町村への緊急銃猟の実施支援を行う。今月7日の会議は県や県警、市町村の担当者らが出席。例年6~7月と10~11月に出没が増える傾向にあることや、5月上旬頃に親子グマが冬眠穴から出て、母グマは子グマを守ろうと攻撃的になること、6月は繁殖期に入り、若いクマの行動域が拡大し、目撃が少ない地域でも遭遇する恐れがあることも報告された。県は市町村に出没時の迅速な対応を求めたほか、春の行楽シーズンを迎えるにあたって県民に対し、▽子グマが単独でいても母グマが近くにいる可能性があるため速やかに離れる▽クマと出会った場合は慌てず、背を向けずにゆっくり後退してその場を去る――などの注意を呼びかけた。平井伸治知事は「これから山菜採りで山に入る機会もある。関係機関でさらに連携し、対策を進める」と話した。市町村の職員向けに、クマ出没対策の研修会が20日、鳥取市河原町の県林業試験場で開かれ、担当職員ら約50人が参加した。県鳥獣対策課や野生動物保護管理事務所(東京都)の主任研究員らが講師となり、クマを追い払うためのヘルメットやクマスプレーなどの装備のほか、車内や車のすぐそばで追い払うことや、クマと対応する場合の距離の目安は50メートルといった注意点を確認した。同事務所は「個体ごとに対応は異なり、絶対のマニュアルはない。その場で最適な方法を考えて対応してほしい」と呼びかけた。
(クマ出没相次ぐ檜山管内、狩猟免許所持が増加:北海道)
クマの出没が相次ぐ檜山管内で、新たに狩猟免許を取る人が増えている。2024年度末の免許所持者は229人で、15年度比で約4割増。クマの駆除などを通して地域に貢献しようとする若手が目立つ。一方、実際に狩猟を行うには、北海道への登録が毎年必要で、登録者は24年度末で93人と15年度比で2割減。高齢化や弾薬などの経費負担を背景に登録を控える人が増え、実際の狩猟に参加していない「ペーパーハンター」も少なくない。
(ヒグマ対策「クマ端会議」:北海道)
知床財団は、地域住民と意見交換し、ヒグマについて考える「クマ端(ばた)会議」を知床自然センターで開いた。遭遇を避ける方法や遭遇時の対応を紹介した。
(クマ緊急猟銃マニュアルを策定:栃木)
人が住む地域に出没したクマを自治体判断で駆除する「緊急銃猟」を正しく行うため、日光市は21日までに、「市緊急銃猟実施マニュアル」を策定した。運用開始は4月1日。県内でマニュアルを策定した自治体は佐野市、鹿沼市、那須塩原市、宇都宮市に続き5自治体目という。
(ヒグマ出没防止へ、樹木伐採:北海道)
北海道は21日、ヒグマの出没防止に向けた河川の樹木伐採について、昨年度の24河川(20市町村)から、本年度は140河川(63市町村)に拡大する方針を明らかにした。見通しの良い環境を作り、クマとの突発的な遭遇などを防ぐ狙い。
(緊急銃猟 迅速さ、安全どう両立:福島)
生活圏に出た熊への発砲を自治体判断で可能とする「緊急銃猟」を巡り、市町村は速さと安全を両立する難しさに直面している。昨年9月の制度化後、福島県内で3件行われた。今月上旬の郡山市の事例は出没から安全面などが整い、駆除するまでにおよそ1日半を要した。被害防止には早急な対応が望ましいが、人員の確保や実施範囲の設定、巻き添えリスクの解消などの準備が要る。街中や夜の事案ではより困難だ。熊の出没が続く中、農繁期や登山・山菜採りの季節に入る。制度の実効性をどう保つかが引き続き問われそうだ。7日午前6時30分ごろ、郡山市富田町の公園(大島自然ふれあい広場)で体長約150センチの熊が目撃されたのを受け、市は緊急銃猟を視野に猟友会や警察と警戒態勢を敷いた。ただ、実際に発砲、駆除したのは日付をまたいだ8日午後3時40分ごろ。30時間以上を要した。この間、熊は小学校付近など各所を徘徊[はいかい]した。対応に当たった市農業生産流通課の担当者は駆除に至れなかった要因に「周辺の安全確保」を挙げる。公園が住宅街にあるだけに、警戒に約100人が従事。箱わなを仕掛けて花火や放水で追い込んだが、熊は思惑通りに動かない。逢瀬川岸のやぶに潜む時間帯もあったが、熊を撃つ場合、跳ね返り(跳弾)や誤射による被害を防ぐバックストップ(遮蔽[しゃへい]物)を確保する必要がある。コンクリート製の護岸は適さず、日没後は朝を待つしかなくなった。熊は8日午前には5キロほど北上。同市喜久田町の郡山ジャンクション(JCT)に近い磐越自動車道のり面にとどまったのを受け、午後2時ごろに発砲による危険性はないと判断。椎根健雄市長が緊急銃猟を許可した。ただ、高速道の通行を止める必要があり開始までにさらに約1時間半を要した。人口が多く、人や車の行き交う市街地では容易には実施条件が整わない実情が浮き彫りとなった。出没エリア付近の住民からは素早い対応を求める声が上がる。郡山市の逢瀬川沿いに住む50代男性は不安な2日間を過ごしたと振り返り「幹線道路沿いなど、車や人が多く行き交う場所に出る前に対処してほしかった」と注文する。市は市街地における緊急銃猟を見据え、2月に警察や猟友会などの関係機関と対応訓練を実施。役割分担や準備過程を含む手順を確認していた。今回は7日の段階で猟友会を招集するなど一定の成果が見られた一方、課題も残した。市農業生産流通課の担当者は今回のような住宅密集地への出没自体が異例とした上で「指示する側も受ける側も手探りの面があった」と認める。市や警察、ハンターが普段から意思疎通を図る必要に言及した。駆除に携わった県猟友会郡山支部長の小野信太郎さん(67)は「(緊急銃猟という)対応が決まるまで想定以上に時間がかかった」と指摘。市街地での目撃や建物への侵入など、より具体的な事態を想定して対処法を整理しておくべきだとした。県警によると、県内の今年の熊の目撃件数は16日現在で132件。前年同期の23件の約6倍に上る。人的被害こそないが、人里への出没や民家敷地内での居座りが相次ぐ。熊の生態に詳しい福島大食農学類の望月翔太准教授(野生動物管理学)は円滑な運用に向けて「関係機関の訓練と合わせ、市民が熊の生態や緊急銃猟制度などを理解する仕組みづくりも大切だ」と話す。
(山でクマ発見→「いちいち通報しないで」と議論に)
昨年、全国のクマ被害は過去最悪を更新。冬が明け、今年も各地でクマの目撃情報が寄せられている。ネット上では、山の中でクマを見かけた際の対応が議論に。クマ本来の生息地である山中であっても、自治体や警察に通報を行うべきなのか。クマ駆除の対応を行う現役のハンターに詳しい実情を聞いた。今月中旬、ネット上では「山でクマを見かけた場合、自治体や警察に通報すべきか」という議論が白熱。「山に熊がいるのは当たり前です。見かけたからといっていちいち自治体とか警察に連絡しないで」「山に行って熊がいますとか言う奴アホだろ。嫌なら入るな」「元々住んでいる山まで入って来て、通報される熊が気の毒」といった声や、「連絡はした方が良い。自治体から市・町・村ないの住民に熊目撃情報を発信する必要があるから」「駆除しろって事じゃなく、警戒しろよって事です」「情報共有は大切だと思う」という意見など、さまざまな反応が寄せられている。「実際、どのレベルから連絡すべきなんだ?」「登山道から遠く離れたところにいるのを見かけた場合でも通報した方がいいのかな」など、通報の線引きを巡り疑問の声も。「姿だけでなく、フンなどの痕跡だけでも通報を呼び掛けている自治体もあります」といった意見も上がっている。実際のところ、対応にあたる現場では頻繁に寄せられるクマの目撃情報をどう捉えているのか。関西在住で狩猟歴10年、自治体からの要請を受けて捕獲・防除を含めたクマ対策全般に携わっているという40代の男性ハンターは、「通報を受けて対応する仕事をしている立場としては、町中でも山中でもクマを見たら通報してほしい。とりあえず見たら警察や役場に連絡してほしいというのが現場の感覚です」と通報の重要性を解説する。「場合にもよりますが、山奥は基本的にクマの生息域(コアゾーン)に入るので捕獲の対象外。山でクマが出たからと直ちに駆除を行うようなことはありません。寄せられたクマの目撃・痕跡情報は、出没したクマの危険度の判断や今後の動向の推察、出没原因の推察と対策に役立てることができます。現場で適切に対応するためには情報が必要不可欠で、情報は多ければ多いほど正確かつ迅速な判断ができる。逆に通報がないと対策が遅れ、被害につながったり、人慣れや集落への依存が起きて、本来は防除で防げていたものを駆除せざるを得なくなったりします。人の安全はもちろん、クマの不必要な駆除を行わないためにも情報の集積が大切なんです」。目撃情報が寄せられると、まずは自治体や関係機関に情報が共有され、必要に応じて現場の確認や防除、誘引物の調査・除去などの対応が行われる。駆除の必要があると判断されれば、市町村を通じて都道府県に捕獲許可申請を行い、わなを設置、捕獲を行う。市町村から許可申請を行うには、出没情報や農作物の被害情報などが必要となり、情報が少ないと捕獲許可が出ないこともあるため、クマやその痕跡を発見した際はできる限り役場や警察に連絡をすることが大切だという。「昨年度の大量出没の影響で、クマ=怖いもの、というイメージが非常に強く刷り込まれてしまったように感じますが、『怖い』だけで終わらせず、現場の対策がどうなっているのか、どういう行動原理で動いているのかを知っていただく機会となれば幸いです」。この他、個体数の把握など、クマを保護していくためにも必要となる目撃情報。この先も人とクマが共存していくためにも、ためらわず積極的に通報を行っていくことが求められている。
(「クマの人への攻撃は防御目的がほとんど」では説明できない)
ドングリの不作による「エサ不足」でクマが人里に降りてくることはよく知られている。しかし、近年は、「家の中にまで侵入する」「複数人でいても襲われる」といった、専門家でも説明が難しい異常なケースが目立つ。ここでは、東京農工大学大学院農学研究院で教授を務める小池伸介氏の『 クマは都心に現れるのか? 』(扶桑社新書)の一部を抜粋。次なるフェーズに入った獣害の実態を紹介する。2025年の地域的特徴を見てみよう。以下表の都道府県別人身被害件数(12月末まで)を見ると、東北各県への集中は明らかである。秋田59件(被害者67人、死亡4人)、岩手37件(被害者38人、死亡5人)、山形12件(被害者12人)、福島21件(被害者24人)。これに対して、近畿では兵庫1件、京都2件、滋賀2件、奈良2件と桁が違う。2025年の特徴的な点は、この被害の北東北への地域的偏在である。秋田市では、駅前の千秋公園にもクマが出た。西日本にもクマはいるが、そちらの被害はほとんどない。なぜ、このような偏りが生じたのか。理由の一つは、やはりクマの個体数そのものが東北地方に多いということだろう。秋田では2025年、おそらく数千頭が捕獲されているが、その何倍ものクマが山にいると推定される。人を警戒せず、集落の裏の蕎麦畑などで日常的に食べ物を得て、秋になると山と里を往き来するような生活をしているクマが一定程度いると考えることもできる。ただし、東北地方だけが特別というわけではない。実は、近畿地方も2024年は大量出没だった。多くの人は知らないだろうが、兵庫県などでは50頭から100頭が出没した。その規模は近畿地方からすれば非常に大きな数である。絶対数だけで見れば秋田県で100頭出ても大したことないように思えるが、近畿地方で100頭出るということは大事件だ。母数となるクマの生息数が大きく異なるからである。東北地方は個体数が多いので出没する数も多いが、2024年には近畿地方や西中国地方でもそれなりにクマが出てきた。ただ、2025年の問題は単なる件数の多さだけではなかった。事故の性質そのものに、これまでとは異なる特徴が見られたのである。2025年は、早い時期から専門家でも説明のつきにくい事故が相次いだ。前述したように、6月から7月にかけ、岩手県北上市で家の中にまで侵入する事例があった。さらに、北海道福島町では新聞配達員がヒグマに襲われるというセンセーショナルな事件が起きた。福島町では4年前にも同じ個体による襲撃があり、直前にもスーパーマーケットのゴミ置き場に出没していたことから「対策しなければいけない」という雰囲気が醸成された。ところが、北海道の知床で起きた事故あたりから、社会や報道などの風向きが変わったように感じる。登山者が襲われたこの事故では、同行者が対抗しようとしても親子のクマが被害者を離さなかったという。特に、世論の動きが変わったのは岩手県北上市の瀬美温泉で起きた事故だろう。このあたりから捕獲数も増え、「クマなんかいなくていい」というゼロか100かの議論がSNS上で盛り上がるようになった。クマ被害に関する社会や世論のこうした動きは、今までにないものだ。なぜなら、東北地方を中心としたツキノワグマによる人身被害は2023年も多かったからだ。秋田県や富山県などでの事例が多く、それらは山のドングリが凶作のため、クマの行動が変わり、中山間地域や農山村に放置されたカキやクリに集まったという説明ができた。過去の事例よりも確かに規模は大きくなったが、基本的な構図は同じだった。しかし、2025年に起きた人身被害の中には、複数の人でいても襲われるというように、人を狙って襲っているかのように思える事例があった。全てではない。死亡事故13件の中の一部だが、そうした事例がどうしても目立つ。これは従来の専門的な知見では、なかなか説明が難しい。では、クマの行動が変化しているのだろうか。これまで市街地に出てきたクマは、パニックになって逃げ惑うことが多かった。ところが、2025年の事例を報告した映像などを見ると、どこか落ち着いて歩いているクマの様子が観察できる。もちろん、多くのクマに共通した行動ではないと思われるし、そうした映像は撮影しやすいからかもしれない。しかし、人に対しての警戒心が低下しているクマが増えてきているのではないか。この点は、2023年ではほとんど見られなかった2025年の特徴である。人身被害に関していえば、被害者が何かトリガーとなる行動をクマに対して行った可能性も考えられるが、特定のクマの行動が変容したのか、それとも大多数のクマの行動が大きく変わったのかは、現時点で明確に説明することはできない。しかし、従来の「クマの人への攻撃は防御目的がほとんど」という理解だけでは説明できない事故がある点が、2023年度との決定的な違いである。
(日本列島で唯一クマが絶滅した“九州”に続き、クマがいなくなる地域とは?)
本州では被害が急増しているツキノワグマだが、九州に至っては1950年代にすでに絶滅している。そして、日本列島のなかで、九州に次いでクマがいなくなる地方が出てきそうなのだとか。いったいどの地域でクマが絶滅するのか。そして、なぜこれほどの地域差が生まれるのか。ここでは、東京農工大学大学院農学研究院『 クマは都心に現れるのか? 』(小池伸介 著)の一部を抜粋。知られざるクマの本当の生態と歴史を紹介する。ツキノワグマとヒグマは、全然違うという人もいれば、基本的には一緒だという人もいる。これは見方の違いであり、何を一緒とするかによる。日本各地でアンケートを取ると、多くの人がツキノワグマの食べ物について問われて「サケを食べている」を選ぶぐらい、ヒグマとツキノワグマの区別がついていない。では、実際にツキノワグマとヒグマの食生活はどれぐらい違うのだろうか。結論から言えば、実はほぼ同じである。どちらも植物を中心とする食生活であり、春は新芽や若葉を食べ、夏は果実を食べ、秋になるとドングリやヤマブドウなどの果実を食べるという生活である。ヒグマが秋に遡上してくるサケを多く食べているように考えている人もいるが、それは知床半島にいるごく一部のクマだけだ。北海道の多くのヒグマは、ほとんどサケにありつけない。また、ヒグマの中でもエゾシカを食べる割合が多少高い個体や地域もあるが、それほど山の中にエゾシカがいるわけではないので、完全に肉食の個体はいないと考えられる。これには、クマという動物の進化の歴史が関係する。クマの仲間は、古くは肉食動物であったと考えられている。しかし、食べ物としての動物を得るためには狩りをする必要があり、簡単には入手できない。そこで、クマは雑食という食生活を選択するために、独自の進化を始めた。つまり、数少ない高栄養な動物性の食べ物だけに頼るのではなく、栄養価は低いものの大量に存在する植物にも頼った食生活を選んだ。その最先端をいくのがジャイアントパンダである。そのため、多くのクマの仲間は私たちと同じように臼歯が発達している。また、よく聞かれるのは「ヒグマのほうが凶暴か」ということだが、この点については表現に気を付けなければならない。「凶暴」という言葉には、受け取る人によって違う印象が加わり、何をもってして「凶暴」かどうか、定義をはっきりさせなければならない。同じ意味で、多くの人は「クマは臆病だ」と言うが、これも表現として間違っている。私はいつもクマに関しては「警戒心が強い」という言い方をする。ツキノワグマもヒグマも非常に人間に対する警戒心が強い動物で、基本的には人間と出会いたくはないという願望のもとに生活している。そのため、基本的な対策としては鈴などを身につけて音を出し、人間の存在をクマに知らせることは共通している。クマの性格を一般的に「凶暴」とか「臆病」などと言ってしまうと、その言葉が持つ人間側の意識として、恐ろしい、弱いといったイメージを予断として持つ人が出てくる。そのため「専門家は臆病と言っていたが実は臆病ではないじゃないか」というような誤解を生んでしまう。クマは凶暴でも臆病でもなく、ときとして人間を攻撃し、普段は人間を警戒している。基本的な生態、遭遇したときの対応などに関しては、少なくとも日本ではツキノワグマもヒグマも同じ認識を持っていいのではないかと私は考えている。ここまでで2種の基本的な性質を理解したところで、本書の主題であるツキノワグマに焦点を絞り、その分布と生態を詳しく見ていこう。ツキノワグマは本州には広く分布している。一方、四国は状況が全く違う。四国にもツキノワグマが生息しているが、わかっているのは「いる」ことぐらいである。どのような生活をしているのかも、よくわからない。何頭いるのかは推定でしかないが、2016年の推定では16頭から24頭、2024年に確認できたのが最低で26頭だった。つまり、2024年の時点で26頭以上のクマが四国にいたことだけはわかっている。ただ、山中にカメラを仕掛け、その映像を全てチェックした上でのミニマム26頭という数字から見ると、おそらく30~40頭程度が実数ではないだろうか。日本クマネットワークによる2017年から2019年にかけての調査では、50台近くのカメラを3年にわたり山中に仕掛けても、それまで未確認であった個体は数頭しか発見できなかった(日本クマネットワーク2020)。この数は、個体群を維持することが難しい数と言える。26頭とすれば、オスとメスが半数でも13頭ずつ、中には子グマもいることを考えると、繁殖可能なオスとメスの数は極めて限られる。毎年、四国では繁殖の確認はできているが、そのごく限られた個体が子を産んでいる現状では今後、劇的に数が増えていくとは到底思えない。もちろん、近親交配はあると思われるが、これまでの調査では遺伝的な劣化がそこまで激しいわけではなく、むしろ近親交配の影響が出てくる前にいなくなってしまうかもしれない。そもそも満足に生息できるだけの場所が限られ、十分な広葉樹林も剣山系周辺にしか残っていない。そのため、もう分散できる場所が限られ、限定されたエリアでしか行動できなくなっている状況なのだろう。そうなれば、例えば子連れのメスがオスと出会ってしまう確率が高くなり、オスの子殺しの犠牲になり、育つことのできる子グマが少なくなってしまうこともあるだろう。つまり、四国のクマに対し、短期的にできることは、例えばトキのような形で生息域外飼育をするか、四国の西側のかつてはクマが生息していた高知県や愛媛県のほうに個体を移動させ、新しい個体群を作るかしかない。ただ、クマによる人身被害がこれだけ問題になってしまった今、四国の別の地域にクマを移動させることはとても不可能だろう。ちなみに、四国に生息するツキノワグマと本州に生息するツキノワグマとでは、遺伝的な特徴が異なる。そのため、本州のツキノワグマを四国にもっていけば問題は解決、という話にはならない。実際、10年くらい前に四国の人にアンケートした結果、家からどれぐらい離れた場所ならクマが生息してもよいかという質問項目の多くの回答が50km以上であった。現在の四国の主要な生息地である剣山から徳島駅までの直線距離が約50kmである。現状では、すでに多くの人が安心して暮らすためのクマとの距離を保つことができていないが、四国の人にとって、それぐらいクマは馴染みのない存在であり、ただただネガティブな存在でしかないのであろう。九州のツキノワグマは、通説では1950年代に絶滅したと言われている(日本クマネットワーク2014)。最後に確認されたクマは1957年に宮崎県の見立・水無川付近で発見された子グマの死体だった。明治時代以降のクマの狩猟の記録は残っているが、その記録では狩猟で獲った数は合計で50頭ほどなので、明治時代の初めでも、かなり生息数は少なかったと思われる。九州のクマは、例えば熊本県から大分県、宮崎県にかけての九重連山、祖母・傾山山系など、高標高地域の一部の落葉広葉樹林にひっそりと生息してきたのだろう。猟銃が進化・普及する前までは、それでもなんとか個体数を維持していたが、狩猟によって獲られ、鉱山開発や林業などによって山林がなくなったり、人の手が入ったりして生息域が狭められ、次第に数を減らし、私たちが気付かぬ間に絶滅した。祖母・傾山山系には、クマを獲ったら山の神さまの祟りがあるという言い伝えが残っている。「イノシシ千頭、クマ一頭」と言われるほど、クマの数が少なかったようで、クマを1頭獲るたびに「熊塚」と呼ばれる塚を建てた。熊塚や祟りの伝承は、クマの数が減少し、貴重な動物となった背景の中で、捕獲を制限しようという心理が形や戒めとして現れたものなのかもしれない。
(冬眠明けのクマは「歩きながら寝ている」状態に!? )
クマの社会は過酷だ。特定のオスが繁殖を独占するために闘争に明け暮れ、敗れたオスは淘汰されていく。山の中で彼らは一体どのような1年を過ごし、生存競争を勝ち抜いているのか。東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介による『 クマは都心に現れるのか? 』(扶桑社新書)より一部を抜粋し、知られざるクマの社会構造を紹介する。マは非常に賢い動物である。この賢さの意味は、記憶力と学習能力が高いということだ。もちろん、これらは人間の知能とは異なる能力だ。母親から教えられたり、後天的に会得した経験から食べ物を探索し、危険を察知したり避けたりする能力と言っていい。クマは生まれた後、基本的に最初の1年半は母親に育てられる。その間、母親から生き抜くために必要な様々なことを学ぶ。例えば、これが食べられる、これは食べられないなど、食べ物のことや危険な行動、場所などを学んでいく。同時に、自分なりの経験からも学習しながら育っていく。おそらく最初の1年半の母親との経験、また自分なりの記憶、経験をもとに、残りの期間を生きていくわけだから、知能というよりは記憶能力が非常に高いのだと思われる。そのため、母親の育て方や子育ての習熟度、親離れした後の自分の経験などが、一頭一頭のクマの行動に大きな影響を及ぼす。例えば、食べ物でいえば、同じ森の中に生息するクマでも一頭一頭で食べるものが微妙に異なる。それくらい、母親からの学びや自分の経験などによってバラエティ、人間的な言い方をすれば個性が生じるのが、クマという生き物である。親離れしたクマは、一頭で10年以上の期間を森の中で生きていくわけである。そうした中で、例えば食べ物が少ない年があることを考えると、かつてどこかで何を食べたとか、あそこに行ったときに危険な思いをしたというような記憶能力はとても重要になってくる。そうした記憶を頼りに生きているのだから、逆に一度でも美味しい思いをした記憶があれば、食べ物が少なくなった年には、またあそこへ行けば楽に食べ物を得られる、というようなことになるだろう。つまり、そうした美味しい記憶を経験させてしまうことは、その後のクマの行動を変える可能性がある。ここまで、クマの学習能力の高さを見てきた。では、全てのクマが同じように賢いのだろうか。実は、個体ごとに大きな違いがある。母親からうまく育てられなかったり、早いうちに母親から離れてしまったり、あるいはうまく経験を積めなかったりしたクマ、つまり賢くないクマはきっと若いうちに死んでしまうのだろう。クマに限らず野生動物というのは、厳しい環境の中で生存競争を勝ち抜くような「したたかな」個体しか生き残れない。私たちが追跡中のクマの中には29歳というクマもいたが、平均寿命はもっと短いはずで、おそらくその長寿のクマの半分程度ではないだろうか。賢いクマといっても、明らかにこの個体と指摘するのは難しい。だが、賢い個体は確かにいる。例えば、私たちは25年ぐらいずっと同じ場所にわなを仕掛け、クマを捕獲してGPSを装着する調査を続けているが、毎年のように同じ個体が捕まることがある。毎年毎年、わなにかかってしまう個体もいれば、10年に1度くらいしかかからない個体もいる。観察するために仕掛けた自動撮影カメラには撮影されるけれど、わなには決して入らない個体もいる。個体ごとに慎重さ、あるいは警戒心の違いが大いにある。そして、そうした慎重さや警戒心は、例えば山に食べ物がないときに、フラッと人里に出るか出ないかというところに表れてくるだろう。た、母親の子育て巧拙は、子グマが親離れした後の生存競争に大きく影響するようだ。私たちはいろいろなメスを長く観察しているのだが、子育てがうまいメスは2、3年に1度、コンスタントに子を生んでちゃんと育てあげる。その一方で、2、3年に1度は子どもを産むけれど、毎回のように何らかの理由で子どもを失ってしまうような母親もいるのである。やはり、次の世代をうまく残すことができるのは、クマに限らず、どんな生き物にとっても重要な資質だ。また、個体がどう生き抜いていくかということも、次世代を残せるかどうかに関係する。多くのオスは5、6歳ぐらいで身体の成長が落ち着いてくるのだが、10歳でも体重が40kgぐらいしかない個体もいるし、100kgぐらいになる個体もいる。オスの体重がどう繁殖に影響するかは、まだはっきりとはわからない。だが、身体が大きいほうが子供を多く残す傾向があるので、やはりその個体がどう生きてきたか、身体をどう大きくしたのかという能力は、生存競争を含め、繁殖をめぐる競争において子孫を多く残すことに影響しているのではないかと思われる。ここまでクマの能力や性格、個体差について見てきた。では、こうしたクマたちは、実際に山の中でどのような生活を送っているのだろうか。季節ごとの暮らしを見てみよう。オスとメスの個体数の割合は、オスが若干多いかもしれないが、どの地域でもだいたい半々だ。これは男性のほうが育ちにくいとされる人間でも同じだが、おそらくクマも出産時にはオスのほうが多く生まれるものの、その後の生存競争で淘汰され、成熟した個体ではオスとメスがほぼ同数に落ち着くのではないかと思っている。また、私たちは20年以上かけて捕獲した100頭以上のクマの家系図を描いてきたが、ある一時期に特定のオスの子ばかりが増えるような現象が起きる。その後、そのオスが年老いていくと、そのオスの子も生まれなくなる。また別のオスが出現し、同じような現象が起きる。おそらく、オスには生殖をめぐるヒエラルキーがあり、特定のオスがメスとの生殖行動をほぼ独占しているのではないかと考えられる。子を多く残しているようなオスのクマを捕獲してみると、身体中が傷だらけだったりする。日々、オス同士でメスをめぐる闘争を続け、自分の子孫を残しているというわけだ。そうしたオスも他のオスとの闘争に敗れ、いずれはいなくなってしまう。厳しい世界なのである。繁殖について述べると、オスもメスもだいたい3歳で生理的には性成熟し、生殖が可能になる。メスの場合、3、4歳で身体の成長が止まる個体が多いが、オスは前述した通り性成熟後の5、6歳まで、あるいはその後も身体の成長が続く個体もいる。オスの場合、父親になれる年齢はだいたい5歳以降になってからが多いことからも、生理的に成熟しても、オス社会での競争が非常に激しいので、まだ3歳くらいの小さいオスのクマは繁殖行動には参加できないのだろう。オスは性的に成熟した後も、ずっと身体を大きくし続け、やっと他のオスに対抗できる大きさになってから、繁殖競争に参加できるようになる。親離れ後の移動距離が長いオスの一生はあまりよくわかっていないが、性成熟後も、身体が大きくなるまではおそらくあちこちを転々として過ごしていると思われる。その間もなんとか繁殖行動に参加できないか、必死に探しながら生き延びていくのだろう。一方、メスは比較的、親離れ後も遠くには移動せず、生涯にわたって生息域は固定している傾向が強い。成長しても大きくは移動しないので、母系集団というわけではないが、地域的にはやはりある特定の母系の個体が集まっている。そうした個体群では、メス同士は母娘であったり姉妹であったりするわけで、例えば山の食べ物が少なくなっても、ある程度はお互いに争わず、寛容に行動しているのではないかと思われる。クマは山の中でどのように暮らしているのだろうか。クマの生活史から言うと、3月から4月頃に冬眠から目覚める。ただし、冬眠から目覚めても、すぐに100%元気というわけではない。穴から出ても最初のうちは、1日2時間か3時間だけ動くという感じで、徐々に活動を活発にしていく。これはウォーキング・ハイバーネーション(歩く冬眠)と言われるクマの特徴的な生態で、歩きながら寝ているような状態が冬眠明けから2週間ぐらい続く。その後、1日当たりの活動時間を徐々に増やしながら活発になっていく。その後、5月中旬頃から繁殖期に入り、だいたい7月終わり頃まで繁殖期が続く。その間、オスはひたすらメスを探す。ただし2カ月半ずっと発情しているわけではなく、波があるようで、日々オスは一生懸命メスを探すが、出会ったメスの発情が落ち着けばオスの活動量も落ちるようだ。おそらく、2カ月間も発情し続けたら消耗しつくしてしまうと考えられるため、こうした波があるのだろう。メスのほうはどうだろうか。特に、冬眠中に子を産んだメスは穴から出てくるのが最も遅い。十分に動けない子を連れて穴から出るのは危険なためであり、周囲が芽吹いた後の5月頃になってからである。こうしたメスは、3月や4月には目は覚めているが、穴の中で子と過ごし、なかなか穴から出てこない。その後、子を産んだメスは授乳をして子育てをする。一方、子がいないメスや前の年に生まれた1歳の子を連れているメスは、冬眠を終えた後は普通に行動を始める。1歳の子が親と別れるのも春から夏の間と言われる。その後、子がいないメスはオスとめぐり合い、メスが受け入れれば交尾に至り、ダメならメスは逃げていくということを繰り返す。これが6、7月頃のメスである。8月頃になると、オスもメスも繁殖行動が収まってきて、1日当たりの活動時間が一度、急激に落ちる。6、7月頃は1日15時間ほど起きているが、8月頃には1日の活動時間が10時間ほどに落ち、休んでいる時間が多くなるのだ。これを冬眠に対して夏眠という言い方をすることもあるが、寝ているかどうかという表現は別として、あまり動かなくなる時間帯が増える。おそらく、夏の山には食べ物が少なく、無駄なエネルギーを使わないようにしているのだろう。こうして活動が急激に落ちた後、お盆明け頃から再び活動時間が増えていく。そのあたりが、クマにとって冬眠前に栄養を蓄える秋モードに入るタイミングとなる。そして、秋の終わりには冬眠を始める。
(凶暴なオスの「子殺し」から逃げるため、母グマが人里へ?)
本来は人間を極度に警戒するはずのクマが、なぜ人里へ降りてきてしまうのか。生ゴミや残飯の放置が原因であることは知られているが、実は“生態的な背景”が隠されている可能性がある。ここでは、東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介氏による『 クマは都心に現れるのか? 』の一部を抜粋。思わず納得する、クマが人里に降りてきてしまう理由についての考え方を紹介する。ここまでクマについて、好奇心旺盛で探索能力に優れ、一方で警戒心が強いということを述べてきた。では、クマはどんなものに好奇心をくすぐられ、引き寄せられ、本来なら強い警戒心のために避けてきた人里へ出てきてしまうのだろうか。よくクマの誘引物として引き合いに出されるのが、防除対策のしていない農作物(果樹、トウモロコシなど)やその放置物、生ゴミや残飯などだ。その他に、ぬか漬けなどの発酵食品もにおいでクマを引き寄せる危険性があり、屋外に放置されたイヌやネコの食べ物も誘引物となる。また、ガソリンや灯油、ペンキ、シンナーなどの揮発性の物質も嗜好するとされている。ただ、これらの揮発性物質は、例えばカキやクリ、残飯などの誘引物とは異なったものだと思う。もちろん、クマが揮発性のシンナーなどのにおいを好むのは間違いなさそうで、国立公園の道路標識などにクレオソートのような防腐剤が塗布されていることがあるが、クマはよくそうした標識や看板をかじったり、執着した痕跡がうかがわれることも多い。揮発性物質を好むのは明らかだが、それがクマを街の中へ誘引するほど魅力的かというと、そうした事例もなく、クマにとってみれば揮発性物質でお腹が満たされるわけでもない。基本的に食べ物にならないものは、好奇心をくすぐられる程度であり、警戒心を解いて危険を冒して人里へ出てくるほどの強い誘引物ではないと考えている。2025年、それほどクマの被害が深刻ではなかった東北以外の地方では、農家の庭先にカキなどがたわわに実っていて放置されていたりした。そうした果実もクマを誘引するわけだが、やはりドングリなどの山の実りが豊かな場合、いくらカキがたくさん実っていてもクマは簡単には人里へ現れたりはしない。もちろん経験による記憶力が優れているので、かつてカキの実を農家の庭先で食べたことがあれば、カキを食べに行ってみようと行動に出る可能性はある。とは言っても、人里のカキの果実は確かに目立つが、その量はたかが知れている。一方、ドングリを実らせる木は前述の通り森の優占種である。それらが一斉にドングリを実らせれば、クマは移動せずに、ドングリを食べ続けることができるので、極めて効率の良い食べ物である。クマには栄養素に関する知識はないだろうから、冬眠のための脂肪を蓄えるために、どの食べ物がいいか選ぶような行動はしないと想像できるが、あちこち移動せず、安全な場所で効率的にたくさん食べることのできる食べ物をより好むのは確かだ。ただ、生ゴミや残飯など、高カロリーの食べ物があることを憶えてしまうと厄介だ。味も栄養価も自然界にはない食べ物だ。しかも、カキと違って食べてしまっても、いつの間にか人によって補充される。その経験は、人間に例えると行動依存を強めるという意味で依存性薬物に近い性質を持つようになり、執着するようになっても不思議ではない。つまり、庭先に植えているカキとうっかり放置してしまった生ゴミや残飯などは違う性質のものであり、人間が注意すれば誘引しないという意味でやはり生ゴミや残飯などの管理は徹底すべきなのである。クマ同士はコミュニケーションが取れるのだろうか。クマは基本的に山の中で一頭一頭、離れて別々に生活している。子育てと繁殖のとき以外で他の個体と一緒にいることはない。だから、山の中で出会った他のクマから、あそこに行ったら美味しいものがあったよ、という情報を教えてもらうようなことはないと考えられている。基本的なコミュニケーションは、生後1年半の間、子が母親から教わる際に取られる程度だろう。ただし、全く個体間のコミュニケーションがないかというとそんなことはなく、例えば「背こすり」という行動がある(Ogawa et al.2020)(図5)。これはクマが樹木にしがみつき、身体をこすって樹木の表面に自分の匂いをこすりつけ、その木の匂いを嗅ぐ行動だ。山を歩くと、クマが背こすりをした際に、樹皮に体毛が引っかかった痕跡のある樹木を見かけることがある。クマが背こすりでどのようなコミュニケーションを取っているのか、まだよくわからないが、繁殖期にそうした木を訪れる頻度が高まることから、おそらく森の中にこんなオスがいるとか、こんなメスがいるとか、繁殖に関わる情報を匂いを通じて個体間でコミュニケーションを取っているのだろう。俺はこんなにデカいんだぞと背こすりで体格を誇示し、若く体格が小さいクマをオス同士で威嚇し合うといった、自分の存在を主張するような行動が、背こすりと考えられる。クマの背こすりで最近わかってきたのは、主に針葉樹で行うということだ。特に、針葉樹の中でもヤニが多く出ているような木が大好きであり、あえてヤニを出すためだけに樹皮を剥ぐこともある。ヒノキ風呂の匂いに象徴されるように、針葉樹からはいい匂いがする。山の中で単独で暮らすクマにとっては、ヤニの匂いがランドマークとして機能し、その匂いを頼りにこすり木を訪れることで、他のクマの情報を得ているのかもしれない。単独性のクマにとっては、森の中での他の個体との遭遇の機会が少ないため、掲示板のように送り手がその場にいない状態であっても情報伝達が可能な、嗅覚によるコミュニケーション手段に依存していると考えられている背こすりと似た行動に、樹皮剥ぎ、通称「クマ剥ぎ」がある。背こすりとクマ剥ぎとは全く異なる行動だ。クマ剥ぎとは、クマが主に針葉樹の樹皮を剥ぎ取り、樹皮と木部との間にある形成層(養分を蓄えた部分)を食べる行動である。クマ剥ぎにあった樹木は枯れてしまったりするので、1960年代から1970年代に林業の被害対策としてクマが盛んに駆除された理由にもなった。せっかく植林した針葉樹の樹皮をクマが剥いで、樹木の形成層を食べる行動が問題視されたのである。つまり、背こすりは繁殖などのコミュニケーション行動、クマ剥ぎは食べる行動となっていて、全く別のものだ。クマの社会で、一番弱いのはやはり子グマである。特に繁殖期、夏前の子グマにとってオスの成獣が一番の天敵となる。なぜ、オスの成獣が子グマを殺すのだろうか。授乳中のメスは発情しない。そのため、オスはメスを発情させるため、子育て中のメスが連れている子を殺し、授乳する必要がない状況を作り出すことでメスの発情をうながす。動きがまだ遅い幼い子グマほど、オスによる子殺しの犠牲になりやすい。生後、最初の半年を生き延びることができるかどうかが、その後のクマの一生を左右すると言っていい。海外のヒグマの場合、0歳の子グマの死因の約8割がオスによる子殺しである。それくらいクマの生存率にオスの影響は大きい。オスの子殺しを回避し、最初の半年ほどをなんとか生き延びることができれば、どのクマもそれなりに成熟すると思われるが、その後の自然死亡率はよくわからない。私は25年以上クマの研究をしているが、クマの自然死を見たことがなく、子殺しを生き延びた後のクマの状況はよくわからない。昔から山を歩いてきた猟師などは、冬眠中に死ぬクマが多いから死体を見かけないのだという話をしてくれるのだが、一方でおそらく有害駆除率が非常に高いことも影響していると思われる。つまり、老衰や自然死しないうちに駆除されてしまうクマが多いのだろう。オスによる子殺しから母親が子を守れるかどうかは、クマの世界ではとても重要だ。それは母親の年齢や経験によって違ってくる。どうしても経験の浅い若い母親は、オスによる子殺し以前に子をうまく育てられないことが多い上、オスから守れずに子が殺されてしまうことも多いようだ。オスが近付いてくるのを感知するのが遅れたり、向かってきたオスと闘争できないなど、若さゆえに子殺しをされてしまうことが多いと思われる。そして、こうしたことを経験していく中で嗅覚を研ぎ澄ましていき、オスの匂いを早く察知できたり、オスがきにくいような場所で冬眠するなど、次第に子を残せるようになっていくのだろう。一方、オスを感知する能力が低かったりするような母親は、いつまでたってもオスに見つかってしまい、子を殺されることを繰り返していると思われる。前述したように、オスは子殺しによってメスを発情させて交尾を促す動物である。この行動により、オスから受ける一つの圧として、子連れの母親が人里へ追い出されてしまうようなケースも十分に考えられる。海外のある地域で観察された子育て中の親子グマは、オスが子殺しをする繁殖期の間、あえて人間が住んでいる場所の近くにいることが多かったという。一般的にオスのほうが人間への警戒心が強いので、人間のいる場所には近付いてこないことが多い。母親は、こうしたオスの警戒心の強さを利用して、人間の近くで子育てをするのである。この事例では、秋になると母親は子を連れて奥山に戻っていったという。こうした事例はまだ日本では実証されていないが、バッファーがなくなり、クマと人間の境界が接近している状況とは別に、ひょっとしたら警戒心の下がったクマが出現した背景には、クマの分布がじわじわと広がり、子連れの母親が子育てするためにオスがきにくい集落近くへ、より選択的に進出してきたことがあるかもしれない。つまり、森の中のクマの分布は一様ではなく、年を取ったオスのクマは山の奥のほうにいて、子育て中のクマや若い個体が集落の周りにいるという構造ができ上がっている可能性もある。そうした構造ができているとすると、それは非常に怖いことだ。なぜなら、集落周辺に常に子育て中のクマがいるということになり、そうした母親に育てられ、教えられたクマが世代を超えて増えていくことになるからだ。集落周辺で育ったクマ、特にメスは、自ら学んだことを子供に伝える。さらに、本来は淘汰圧となるオスの子殺しが少ないことで、人への警戒心が下がったクマがコンスタントに誕生、成長し、世代を超えてものすごい速さで警戒心が下がり続け、年々警戒心のより低下したクマが増えてくる可能性がある。
(“人間由来の食べ物”学習し執着か)
ゴールデンウィークを前に、クマの出没が相次いでいます。仙台市で捕獲されたクマは、冬眠明けだと痩せているはずなのに、体重が125キロもありました。この春、何が起きているのでしょうか。クマの生態に詳しい、岩手大学の山内貴義准教授に聞きました。(Q.なぜ早くからクマの出没が相次いでいるのでしょうか)。岩手大学 山内貴義准教授「3月に暖かい日が続いたので、クマが冬眠から明けるのが早かった。冬眠明けが早いと、山菜や木の新芽など山に十分なエサがないため、市街地に下りてきたのでは。さらに、去年の秋、非常に多くのクマが市街地に出没した。その時、人の近くに美味しい物があると学習して執着し、再び町に来ているのでは」。(Q.春に市街地に出没しているクマに特徴はありますか)。岩手大学 山内貴義准教授「今年、市街地に現れている“春のクマ”の特徴として、迷い込んだ子グマなどではなく、成獣や大きい個体が目立つ。通常、冬眠明けのクマは体重が落ちてガリガリ。今回、市街地に現れたクマは、農家が外に保管しているりんご、家畜のエサなど、何らかの人間由来の物を食べて一気に太り、さらにエサを探して行動範囲を広げた可能性がある」。(Q.ゴールデンウィークで、山やキャンプに出かける機会も多いと思いますが、注意すべき点は何ですか)。岩手大学 山内貴義准教授「これから山菜などが一気に芽吹いてくるので、町にいるクマも山に戻るのでは。そのため、山や行楽地に行く際はクマ鈴やクマスプレーなどの装備をそろえておく。そして、山菜採りは被害が発生しやすいので、入山禁止の指示に従う。ゴミを放置すると、においでクマをおびき寄せるので、行楽地を訪れた人もゴミを放置しない。こうしたことに気を付けた上で、クマはこれまで出没しなかった地域に進出している。“ここには出ない”“自分は大丈夫”と思わず、常に頭の片隅にクマの存在を意識してほしい」。
(クマによる被害、出没増の原因を広く探れ)
冬眠明けのツキノワグマが仙台市中心部に現れた。市街地に長時間居座り、最終的に駆除された。この一件は、山の獣がもはや山中にとどまらない現実を明示しているようだ。クマの脅威は、より深刻な段階に入りつつある。早急な対応が必要だ。政府は3月、「クマ被害対策ロードマップ」を策定した。緊急銃猟の活用、出没防止、個体数管理、人材育成などを柱とする中長期計画であり、クマ問題を構造的課題として捉えている。対策を全体像として明確に示した意義を評価したい。だが、計画だけでは出没と人身被害を減らせない。最大の課題は実効性だ。現場ではハンターの減少や高齢化が深刻だ。予算を整えても、運用する担い手が足りなければ機能しない。市街地に出没したアーバンベアを迅速に駆除できる態勢の強化が必要だ。装備を整えた専門チームを警察に設けることも一案だろう。クマ担当の自治体職員の確保も急がれる。アーバンベア増加の原因分析の掘り下げも不可欠だ。ドングリ類の凶作や里山の荒廃が出没増加の主因とされるが、それだけで説明できるのか。メガソーラーや風力発電の奥山開発がクマの生息環境を変えていないかなど、動物行動学での検証を進めるべきだ。見逃せないのが生息数推定の不確実性である。ロードマップは本州のツキノワグマを約4万6千頭としているが、推定値の下限と上限の間には万頭単位での幅があるはずだ。過剰捕殺によって個体群の衰退を招かぬよう、被害抑制と保全の均衡を保つ視点が欠かせない。必要なことは、人里に誘引する放棄果樹や生ごみの除去、河川敷や藪(やぶ)の管理といった地道な対策の積み重ねだ。同時に、危険個体には迅速に対処する現実的な体制整備への取り組みである。ドローンでクマ棚(樹上での食事跡)の分布を調べれば、中山間地での集落への接近状況や生息密度の把握に役立つ。21日には岩手県紫波町の山あいで行方不明者の捜索をしていた警察官がクマに襲われ、けがをした。近くでは成人女性の損傷した遺体も見つかった。山菜採りの季節である。鈴を鳴らしながら集団で行動するのはもちろん、山中に入らないことも考えたい。
(マダニに注意!「日本紅斑熱」患者を確認:熊本)
22日、熊本県内で今年初めてとなる「日本紅斑熱」の患者が確認されました。熊本県の発表によりますと、日本紅斑熱を発症したのは、熊本県北部に住む64歳の公務員の男性です。男性は、発熱や発疹、肝機能異常の症状があり、入院しているということです。男性は自宅周辺の畑で作業をしていた他、4月3日に県外で登山をしていたということで、12日に発熱のため医療機関を受診しましたが熱が下がらず、16日に別の医療機関で受診して入院。22日に日本紅斑熱であることが確認されました。日本紅斑熱は、病原体を保有するマダニに咬まれることで感染します。県は、森林や草地などマダニが生息する場所に入る際には、長袖や長ズボンを着用して肌の露出を少なくし、袖や裾に隙間ができないようにするなど、対応を呼びかけています。また、もしマダニに咬まれているのを見つけた場合は、無理に取らずに医療機関で処置を受けてほしいとしています。なお、今年、全国では、4月17日時点で10件の発生報告があります。
(東大卒の女子アナ、まさかの狩猟免許取得:福井)
福井放送の揚原妃織アナウンサーが20日、自身のインスタグラムで驚きの資格を手にしたことを報告した。揚原アナは「先月、狩猟免許(わな猟)を取得しました!!」と明かし、「普通自動車免許以来の国家資格です 笑」と続けた。県知事の名前とはんこが押された証書には、目立つ位置にしっかりと「狩猟免状」と書かれている。「今後、猟友会に所属して、 狩猟の魅力やクマ対策についても専門的な発信できるといいなと考えております」とプランも記した。地元・福井出身で東大を卒業し、2022年に福井放送に入社した揚原アナ。経歴からも「狩猟」の文字はイメージとはほど遠い感がある。大学時代にはアイドルコピーダンスサークルにも所属し、3月27日には過去に韓国でアイドル体験をした際の写真を「アップするのは気が引けたものの、かなりお金をかけたのでもったいない気もして…笑 謎の1年越し投稿です」と記し、純白ドレス姿のショットを公開している。資格取得への祝福はもちろん、フォロワーも「え? 凄っ」「えっ 熊と対峙するんですか?」と驚きを隠せない。「レベチすぎる」「めっちゃ凄ない!? 尊敬するわ」「チャレンジ精神は見なわらなければ」といったコメントも寄せられていた。
(ジビエ利活用し地方創生:長野)
一般社団法人日本ジビエ振興協会(長野県茅野市北山、藤木徳彦代表理事)主催の「ジビエde地方創生協力隊セミナー」は22、23の両日、同市と富士見町を会場に開いている。2日間でジビエを一貫して学ぶ初の取り組み。ジビエの活用に関心を持つ県外の地域おこし協力隊4人が全国各地から受講。座学、解体処理講習、食体験を通じて地域でのジビエの利活用のための学びを深めている。22日は、藤木代表理事がオーナーシェフを務めるフランス料理店エスポワール(同市北山)で行った。座学で藤木さんは、国に働き掛けながら取り組んできた同協会の活動や鳥獣被害の現状、食肉処理施設(全国で800カ所のうち国産ジビエ認証は31カ所)や衛生管理を含むジビエの基礎知識などを説明した。続いて同店元スタッフで高知県香美市の地域おこし協力隊として鳥獣被害対策やジビエ振興業務に従事し、高知ジビエ工房を開業した橘木岳大さん(39)が、地域との関わりを大切にして起業した経緯などを説明。皮や内臓を取り除いた鹿の枝肉1頭分を使って、脱骨、部位分けなどの作業のポイントを紹介しながら解体処理を実演。受講者はカメラに収めたり、質問をしたりしながら説明に聞き入っていた。座学に続く食体験では、部位の食べ比べや、地元食材を用いた料理「シャルキュトリーと信州野菜の盛り合わせ」「茶碗蒸し・信州サーモンと銀杏のアクセント」「鹿ひき肉と信州産アスパラガスの春巻き」「猪メンチカツと蕗の薹の米粉バーガー」など9品を試食した。藤木さんは「ジビエは栄養価、機能性、食味などで価値ある食材。高付加価値ジビエには『作り手』と『食べ手』のオピニオンの育成が重要となってくる」と話していた。23日は、富士見町の信州富士見高原ファームで施設設備・解体処理セミナー、鹿解体実技講習などを行う予定。
(進化するジビエ料理:埼玉)
埼玉県横瀬町がジビエ(野生鳥獣肉)を使ったオリジナル料理のレシピ集をホームページで公開している。町を含む秩父地域の山あいでは、シカなどが農作物を食い荒らす「食害」が問題になっている。農家にとって厄介な駆除対象を「地元の魅力」に変えようという試みだ。掲載しているのは、1月に町内であったジビエ料理のコンテストに応募があった109種類のうち、入賞作など22種。材料や手順、目安の調理時間のほか、一般家庭で作る際の食中毒対策も紹介している。最優秀賞に選ばれた「よだれ鹿」は、中華料理の「よだれ鶏」のようにスライスした肉にピリ辛のたれをかけて食べる。クルミで香ばしさを増す工夫が施されている。秩父農工科学高校(秩父市)の生徒が考案した「横瀬の森と鹿」は「秩父愛」のあふれる一品だ。横瀬町にある武甲山のふもとで作られた「武甲紅茶」の葉でシカ肉の臭みを抑え、味付けに秩父地域特産のメープルやしゃくし菜を用いた。コンテストは、地元の猟友会などでつくる横瀬町鳥獣害対策協議会と、町内にあるジビエ加工会社「カリラボ」が開いた。
(移住4年目の猟師が奮闘:宮崎)
宮崎県内では毎年1億円以上のシカによる農作物への食害が確認されています。こうした中、4年前、西都市の銀鏡地区に移住した女性は、廃棄されるシカ肉を活用し、地域の活力につなげようと奮闘しています。須賀正子さん42歳。作っているのは鹿肉バーガーです。須賀さんは4年前、神奈川県から西都市東米良の銀鏡地区に移住しました。趣味のサーフィンを通して知り合ったパートナーの玉井克幸さんと、日本一周する中で、アルバイトのために立ち寄った銀鏡に魅了されました。(須賀正子さん)「(銀鏡で)ゆず取りのバイトがあるっていうので2~3カ月だけ働きに来ようかというつもりで来たら、人も良くて場所も良くてというのに惹かれて」。自給自足の生活に憧れ、ゆず畑や家庭菜園などを始めた須賀さんは、去年、罠猟の免許を取得し、猟師となりました。猟師になって感じたのは「命の重さ」でした。(須賀正子さん)「一番初め、自分で鹿を仕留められなかった時に、猟をやめようと思った。寝るときも鹿の鳴き声が頭の中に残っていて。猟師になるという選択を自分でしたから、その落とし前。やると決めたなら覚悟してやらないとなという感覚」。現在は、地元の猟友会で有害鳥獣の駆除としてシカを捕獲しています。県によりますと、2024年度県内のシカによる農作物への被害は約1億4262万円に上ります。銀鏡の特産・ユズの生産から加工・販売までを手掛ける「かぐらの里」では、シカの食害に頭を抱えています。(かぐらの里濱砂修司社長)「会社も50年やっているが、深刻とかそういうレベルじゃない。収量が1~2割減収というのは普通。皮まで最近は剥いで木を丸ごと枯らせる」。こちらは、食害を受けていないユズの木です。一方、柵やワイヤーなどの対策がされていないユズ畑では…。(玉井克幸さん)「結局、下の枝葉が鹿に食べられてしまうので、育つことができなくて下のほうがまったく枝がない状態」。(須賀正子さん)「本当は、食べる分だけしか狩りたくないが、生活がかかっているのでそうしないと対策できない」。人の暮らしを守るためには駆除しなければならないシカ。しかし、その多くは肉に加工されても捨てられています。去年1月に東米良にできたジビエの解体処理施設では、冷凍庫がジビエ肉でパンク状態になったこともありました。(めらんジビエ石川翔さん)「当時は力不足で在庫として結構抱えていた。正直なところ、もう少し販路を拡大してたくさんの人に手に取って食べてもらいたい」。ジビエは家畜に比べて、希少価値が高く、安売りができないためなかなか買い手がつかない現状があるといいます。須賀さんは、シカ肉ならではの長所に活路を見出しました。(須賀正子さん)「栄養価は高い。女の人が特に必要とする鉄分が抱負。あと高たんぱく」。(須賀正子さん)「なるべく火を通さずに。火を入れすぎると硬くなる」。4月19日、西都市中心部で開かれたマルシェ。シカ肉の販路拡大へ。須賀さんが考えたのが鹿肉バーガーです。(須賀正子さん)「老若男女関係なく、いろいろな人が楽しめるんじゃないかと思ってハンバーガーにした」。(須賀正子さん)「「鹿肉ですか」ってちょっと抵抗がある、けど買って食べたら「美味しいですね」と言ってくれる人がいるので、手ごたえは感じた」。須賀さんは、駆除され捨てられていたシカの命をつないだ先に、銀鏡の未来もつなぎたいと話します。(須賀正子さん)「ここに定住するという気持ちで住んでいる。もっと銀鏡の知名度があがって、こういう取り組みをしているところがあるんだと知ってもらったら、ここに10人(新たに)暮らせば限界集落というのはなくなってくる」。東米良の人口は現在212人。高齢化率56.13%の限界集落です。「銀鏡を守りたい」と話す須賀さんに住民も期待を寄せています。(山の駅銀鏡上米良隆杜さん)「嬉しい限り。だんだん東米良全体で地域住人の人数が減っている。尊敬している」。(めらんジビエ石川翔さん)「頼みの綱というか、藁をもつかむ思いというか」。(かぐらの里濱砂修司社長)「すごく頼もしい。大事な助っ人。(銀鏡の)未来を一緒に語れるのがいい。すごくいい」。命と向き合い、地域の未来を紡ごうと奮闘する須賀さんの原動力は、銀鏡への真っすぐな思いでした。(須賀正子さん)「銀鏡大好きです」。
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(クマはどこへ?春期管理捕獲で駆除されたクマはわずか1頭のみ:北海道)
札幌市ではクマのような動物の目撃情報が相次ぎました。専門家は今後より注意が必要だといいます。クマのような動物の目撃情報が相次いだ、14日夜の札幌市。目撃されたのは札幌市白石区米里の豊平川の河川敷です。14日午後7時ごろ犬の散歩をしていた人が体長80センチほどのクマのような動物を目撃しました。一夜明け、15日朝に市が現地調査を行いましたが、クマの痕跡はありませんでした。「ヒグマの活動が始まっている時期になります。不思議だなとか音が聞こえたなとかありましたら、ぜひ情報を寄せていただければと思います」(市の担当者)。さらに午後8時30分ごろには中央区宮の森で、歩いていた女性がクマのような動物の鳴き声を聞きました。周辺では2025年、クマの目撃が相次ぎ、円山動物園にも侵入。1頭が駆除されています。025年に相次いだクマの出没。しかし、2026年の春期管理捕獲で駆除されたクマは3月末までで1頭にとどまっています。一体なぜなのか。春期管理捕獲にも参加した札幌市のヒグマ防除隊、玉木康雄隊長に聞きました。「早めに起きたとしても掘り起こして食べる食べ物がないわけですから起きるタイミングをずらしている可能性があるんですよね」(札幌のヒグマ防除隊 玉木康雄 隊長)。冬眠明け最初のエサになるドングリ。しかし、2025年の不作で足りないことがわかっているため、まだ起きずにいる可能性があるといいます。そのうえで、一層注意すべき時期は迫っているといいます。「山菜のタイミングで起きる以外、食べるものがないわけですよね。今週末ぐらいを目指して起きてくる活性化してくる」(玉木隊長)。
(野生エゾシカでゲノム配列を解読:麻布大学)
麻布大学、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、アニコム先進医療研究所株式会社の共同研究グループは、長鎖リード技術を用いたゲノム情報の再構築(ゲノムアセンブリ)により、北海道に分布するニホンジカの亜種エゾシカ(Cervus nippon yesoensis)の国際基準ゲノム配列「CerNipYes1.0」を新たに整備し、公開しました。ポイント ・野生エゾシカの国際基準ゲノム配列を新規構築・ゲノムのつながりが良い高品質なゲノム情報・公開データが進化や生態・管理研究の基盤に。
(県内で今年2人目の患者確認、マダニ媒介の重症熱性血小板減少症候群:静岡)
静岡県は17日、県内で今年2人目のマダニが媒介する感染症の患者が確認されたと発表しました。県によりますと、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染が確認されたのは、県東部の住民です。患者と家族の希望により、性別や年齢などは公表されていません。4月5日に下痢の症状があり、8日に発熱、11日には体を動かすことが困難になり、県東部の医療機関に入院しました。マダニに咬まれた自覚はないものの、右肩に刺し口のようなものがあったということです。県の環境衛生科学研究所の検査で、13日に重症熱性血小板減少症候群と診断されました。発症前に草刈りを行っていたことから、マダニに咬まれて感染したとみられています。患者の住民が飼っていたネコに体調不良は認められていません。県内で感染が確認されるのは、今年に入り2人目で、県の担当者は春を迎えマダニの活動が活発になることから、草むらや畑などに入る際は肌の露出を少なくするなど注意を呼び掛けています。
(捕獲のイノシシ2頭から豚熱陽性を確認:富山)
富山県内で捕獲された野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していることが、PCR検査により確認されました。2026年度の陽性確認は今回が1頭目・2頭目です。陽性が確認されたのは、いずれも富山県氷見市日名田で4月11日、わなにより捕獲された成獣の雌2頭です。体長90cm・体重30kgの個体と、体長85cm・体重25kgの個体それぞれ陽性と判定されました。東部家畜保健衛生所では今回計5頭を検査しており、残る3頭は陰性でした。令和元年7月30日以降の累計では、検査数5,454頭のうち陽性は194頭です。なお、豚熱は豚とイノシシの病気であり、人に感染することはありません。感染した豚の肉が市場に流通することもなく、仮に食べても健康への影響はないとされています。
(新たに野生イノシシ2頭が豚熱感染:宮崎)
宮崎市高岡町と綾町で死んだ野生のイノシシが2頭見つかり、豚熱野外株の陽性でした。宮崎県は緊急でワクチンを散布する計画です。宮崎県によりますと、4月11日に宮崎市高岡町で1頭、13日に綾町で1頭、死んだイノシシが見つかりました。検査の結果、2頭とも豚熱野外株の陽性で、2頭が見つかった場所は県が経口ワクチンを緊急散布してきた範囲外でした。県は2頭が死んだ場所から半径10km圏内で、今後経口ワクチンを緊急散布します。また周辺の農場20戸に対し、防疫対策の徹底を呼びかけました。
(野生イノシシ1頭、豚熱陽性:青森)
青森県は17日までに、五戸町で捕獲された野生イノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は12例目。
(昨年度県内で捕獲されたクマ2,882頭、過去最多に:秋田)
昨年度、県内で捕獲されたクマの数は速報値で2,882頭と、これまで最も多かった2023年度を500頭以上上回ったことが県のまとめでわかりました。これは16日に開かれたクマ対策の会議で県が報告したものです。昨年度、県内で捕獲されたクマの数は15日時点の速報値で2,882頭と、これまで最も多かった2023年度を548頭上回り、過去最多を更新しています。内訳は有害駆除が2,674頭、狩猟が183頭、クマの数を調整する春の管理捕獲が16頭、緊急銃猟が9頭です。政府は2030年度までに東北の個体数を推定1万9,000頭から1万2,000頭に減らす方針で、県は今年度から管理捕獲に力を入れます。県内のクマの生息個体数は今月時点で3,900頭と推定されていて、県は夏ごろに開催する専門家を集めた会議で今年度の捕獲目標数について議論することにしています。
(林業センターが熊の林業被害や対策を発信:長野)
長野県塩尻市片丘の県林業総合センターは、県内の熊による林業被害や対策の調査研究を市民に知ってもらおうと、体験型イベントを行っている。熊が甘い幹を食べるために杉の皮をはぐ様子や枯れた杉林を捉えた画像、被害対策の資料を並べた屋内展示と、構内の森林にある野生動物の防除の試験地などを歩いて回る見学の2本立てとなっている。森林学習展示館に展示コーナーを設けた。県内は熊が杉やヒノキの皮をむく「熊はぎ」が課題で、県内の令和6年度の熊による林業被害額は約1億2000万円。鹿による約1億800万円より多い状況を説明している。熊が皮をはぐ理由や、被害が多い時期、熊が嫌がる硫黄のにおいがする忌避剤も紹介している。森林には、徒歩で10分ほどで回れる特別コースを作った。熊に木の皮をむかれない対策として幹に荷造りひもを巻いたり、網で覆ったり、薬剤を塗るなどしてあるエリアのほか、構内に出没する野生動物を撮るセンサーカメラや、鹿の侵入防止柵、復元の猪土手の設置場所など計8カ所の見学場所がある。各所に解説用のQRコード付きの札が置いてある。5月末ごろまで開く。同センター育林部の小山泰弘部長は「森の中で熊などがどうやって生きているか、どんな被害対策が行われているかを、展示館や森で実感して知ってほしい」と話している。
(去年は死者数“過去最多”に、被害防止へ河川敷で樹木の伐採始まる:新潟)
春になり、クマの活動が活発になるのを前に、新潟県糸魚川市を流れる姫川で4月15日、クマの隠れ場所を減らすため、樹木の伐採などが行われました。冬眠から目覚めたクマが活動を始めるのを前に、高田河川国道事務所は15日、糸魚川市を流れる姫川の河川敷で樹木の伐採や草木の踏み倒しを開始しました。【高田河川国道事務所河川管理課 丸山誠 課長】「これから暖かくなって樹木が元気になると、葉っぱがたくさん生い茂って、ジャングルのような状態になってしまい、クマが隠れやすい状態になるので、そうならないように未然に作業を進めている」。全国では去年、クマによる死者数が過去最多を更新しましたが、上越地域でも昨年度、クマによる人的被害が5件発生していて、目撃件数は274件にのぼっています。高田河川国道事務所はクマの目撃が多い妙高市・上越市を流れる関川の周辺でもこうしたクマの侵入を防ぐ対策を行った上で、関係機関との連携を強化していく方針です。
(クマのフン、サクラの温暖化逃避に重要な役割)
ツキノワグマが野生の山桜の実を食べ、標高の高い場所に移動してフンをすることで、自分では動けないサクラが地球温暖化による気温上昇から避難することを助けているとの研究成果を、森林総合研究所などのチームが発表した。山地の植物の温暖化逃避にクマが重要な役割を果たしていることを示す成果という。温暖化が進むと、それまでの場所で生息できなくなる動植物が増える。絶滅を避けるには高温に順応するか、標高や緯度の高い低温の場所に逃げる必要がある。植物が遠くへ移動するには、風や水、動物の力を借りて種子を運んでもらう方法が一般的だ。チームは、種子に含まれる酸素の同位体比が標高によって変化することに着目。関東山地(東京・奥多摩)▽足尾山地(栃木県日光市)▽阿武隈高原(北茨城市)――の三つの山地で哺乳類と鳥類のフンを探し、「カスミザクラ」と「ウワミズザクラ」という2種類の野生のサクラの種子が、どの動物によってどれくらい運ばれているかを調べた。その結果、関東山地と足尾山地では、哺乳類が運ぶ種子のうちツキノワグマによるものが、カスミザクラで44~80%、ウワミズザクラで54~67%を占め、それぞれ標高の高い場所に運ばれていたことが分かった。鳥類が両山地で種子を運ぶ割合は過去の研究から10~30%とされ、ツキノワグマがサクラの移動にとって最も重要な動物と推察された。一方、ツキノワグマが生息しなくなった阿武隈高原ではテンやタヌキなどに運ばれる種子が確認されたが、総量は二つの山地に比べて目立って少なかったという。チームの直江将司・森林総研主任研究員は「ツキノワグマは100種近くの果実を食べることが知られている。サクラ以外の植物についても温暖化から避難する上で役立っているのか評価していく必要がある」と話している。
(温度センサー付きドローンがクマ発見の切り札となるか:岩手)
岩手県内でも春になり、クマの目撃情報が確認されています。市街地でのクマの出没について有効と考えられているのが、上空からクマの捜索が行えるドローンです。2025年12月、盛岡中心部でクマが目撃される事案があり、その当時、IBCでは上空からクマを捜索するドローンの実証実験を行いました。温度センサー付きドローン(TBSの機体)で撮影すると、上空から温度を感知し、周りよりも温度が高い場所が赤く表示されます。肉眼で草むらの中にいる生き物を見つけるのは至難の業ですが・・・ドローンでは赤い点となり、何かしらの生き物の存在が確認できます。赤い点に対してカメラをズームしていくと・・・今回の検証ではクマの発見には至りませんでしたが、草むらの中にいる鳥などの生物を確認することができました。万一、クマが潜んでいた場合は、個体が大きいことから、発見がより容易になると思われます。また、同じ目線では見つけられないものも、上空から見ることで場所を把握できるほか、さらに温度を検知することで発見も可能となります。さらに、ドローンを活用することで次のような利点が考えられます。・捜索動員数を削減できるクマ出没の一報を受けた場合、警察や猟友会、市町村の担当者らが複数で捜索を行います。→上空からの捜索が可能になることで、人員の省力化が期待されます。・ドローンで探すことによりクマと人間との接触がない岩手県内では、クマの駆除や捜索をしていたハンターが襲われるケースも発生しています。→捜索場所を予めドローンで確認し、状況を把握してから山へ入ることで、クマと鉢合わせする危険性を減らすことができると考えられます。しかしながら導入には課題もあります。・ドローンパイロットの育成、研修はどうするか・飛行許可はどうするか。サクラも見ごろを迎え、春になったことでクマの目撃も増えるシーズンとなります。先端技術を駆使し、クマ被害を減らすことができるか。今後のドローン活用方法に注目が集まります。
(「動き回るクマを仕留める人はいない」:京都)
クマによる人身被害が全国で多発している。昨年度は237人(2月末時点)で過去最多を更新。京都府内でも人身被害が2件、出没件数は1230件だった。これを受け、国は市街地に現れたクマに対し、各自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟制度」を始めた。府猟友会宮津支部の楠敏夫会長(76)は、クマ猟への不安を抱え、会が活動を続けるための行政支援を求める。同宮津支部には、宮津市と伊根町の62人が所属する。メンバーは管内でシカやイノシシを中心に捕獲に取り組み、獣害から農地を守っている。ただ、クマ猟の経験は乏しい。府内ではツキノワグマの個体群の減少で長く狩猟が禁止されていた。「支部内では、わなに誤捕獲されたクマを仕留めたメンバーはいても、動き回るクマを殺傷した人はいないだろう」このため、大型の獣を仕留める際に使う単弾での散弾銃の射撃訓練に加え、クマの生態を深く知るための支援を求める。「クマについての知識を十分に持っていない。クマ猟の経験者を招き、習性や特徴について学ぶ講習が必要」と話す。また、狩猟そのものを一般に伝える活動も不可欠だ。府はハンターの育成や技術の向上に注力するが、「会員が増えないと、会の存続は危うい。狩猟に興味を持ってもらえる取り組みをもっともっとお願いしたい」。新たな担い手確保に向けた支援の拡充を求める。
(クマの推定生息数5728頭、冬眠明けで行動範囲が広がるため注意を:長野)
長野県は2025年度の県内におけるクマの推定生息数について、中央値で5728頭だったと発表しました。県環境保全研究所・黒江美紗子 研究員:「推定幅は5年前と比較しておおむね同程度で推移しており、生息数・生息域に大きな変化はなかった」。県は、2025年度の県内におけるクマの推定生息数について、中央値で5728頭だったと発表しました。調査は5年ごとに行っていて、前回2020年度の中央値・7270頭よりやや減りましたが、「生息数や生息域に大きな変化はない」としています。県内では2025年度、人の生活圏でのクマの目撃が1324件あり、人身被害は11件16人でした。これからの時期は、冬眠明けでクマの行動範囲が広がるため注意が必要だとしています。県は、人身被害を防ぐための啓発動画やリーフレットを作り、注意を呼びかけています。
(ツキノワグマの推定生息数が過去5年で最少:岡山)
岡山県はツキノワグマの生息数が減っているとして、2026年度は狩猟の自粛を要請する方針です。岡山県・兵庫県西部・鳥取県にまたがって生息するツキノワグマ「東中国地域個体群」の2026年1月の推定生息数が過去5年で最も少ない710頭であることが分かりました。3つの県でつくる協議会が捕獲履歴をもとに推定したものです。県は「狩猟などによる捕獲を一部解禁しているが、乱獲などによる急激な減少を防ぐため、2026年度は狩猟自粛を要請する」としています。一方、岡山県の4月のクマの出没件数は15日時点で7件となっています。県は「春は冬眠明けのクマが餌を探すため、出没が増える傾向にある」とした上で、生ごみを野外に放置しないことなど、被害に遭わないための対策を呼び掛けています。
(ニホンジカ、県内で定着初期か:茨城)
ニホンジカの食害を未然に防ぐため、茨城県は第2期管理計画(2026~30年度)を策定した。県内で目撃情報が急増する中、繁殖の可能性を示す雌が相次いで捕獲された近年の状況を踏まえ、現状を「低密度ながら定着が進行しつつある、あるいは定着初期段階に移行している可能性がある」と分析。関係機関の連携の下、監視体制を強化して効果的な捕獲につなげる重要性を改めて示した。第1期管理計画(21~25年度)の期間中、スギやヒノキといった植栽木や農作物に被害が発生しなかった半面、目撃情報があった地域は拡大し、県は「生息域の拡大が懸念される」と指摘した。目撃情報は20年度の14件に対し、24年度は198件と増加。25年度も昨年12月末現在で100件に上った。八溝山周辺での目撃が最も多かったものの、県南西地域の古河市や五霞町、取手市、守谷市など広い範囲で確認された。捕獲されたシカの性別をみると、23年度までに捕獲された8頭は全て雄だったが、24年度以降に捕獲された19頭(昨年12月末時点)は雌が8頭を占め、「繁殖の可能性を示す重要な指標」と位置付けた。目撃情報などから推定個体数も算出し、24年度末で39頭が生息していると予測した。基本目標では引き続き雌の定着防止を掲げつつ、定着しても農林業などに被害が発生しない水準に生息密度を維持するとした。自治体や猟友会、研究機関など関係機関が連携し、個体数や生態系への影響、農林業被害を継続してモニタリングし、雌や子鹿が確認された地域では重点的に捕獲を進める考えだ。県環境政策課の担当者は「茨城県では関係機関が一丸となって対策した結果、低密度が維持できている。被害がない状況を続けていく」としている。ニホンジカを巡っては、茨城県内で食害に対する防護柵「シカ柵」を設置する動きも出始めている。茨城森林管理署は2025年度、大子町の八溝山と花瓶山の保護林にそれぞれ柵を設置した。この保護林は希少な植物が群生している。網状の鉄製柵で20メートル四方を囲み、食害を防ぎながら柵の外の植生の変化を探る。25年10月には、設置作業を公開する現地検討会も開いた。林業担当の自治体職員や研究者らが参加し、作業を体験してもらう機会も設けた。全国的にシカ柵の設置が進む中、同署担当者は「被害が深刻な地域では、シカ柵を設置せずにスギやヒノキを植栽すると、翌日には食べられてしまう」と説明。茨城県での食害を防ぐため、関係機関の連携を一層深める必要性を示唆した。
(クマ「緊急銃猟」明記:茨城)
クマによる人的被害が増加する中、茨城県は「県ツキノワグマ管理計画」を改定し、市街地に出没したクマを市町村の判断で猟銃駆除できる「緊急銃猟」を新たに盛り込んだ。猟銃使用者の登録や市町村単位でクマ出没を想定した訓練も進め、関係機関と連携して人的被害の防止に比重を置いた対策を強化する。環境省によると、2025年度に全国で確認された人的被害は238人で、うち13人が死亡(速報値)。23年度の被害219人、死亡6人を上回り、過去最多となった。県環境政策課によると、県内では人的被害はなかったものの、大子町で昨年4、6月、山中に設置したセンサーカメラやドライブレコーダーにツキノワグマの姿が捉えられた。クマが生息しないとされる県内で確認されたのは9年ぶり。こうした状況を踏まえ、県は昨年策定した管理計画を改定。これまで意識啓発に重点を置き、警戒監視体制の整備にとどまっていたが、実際にクマが出没した場合に対応できるよう、取り組みの柱として「出没への対処」の項目を追加し、市町村の判断で猟銃駆除できる「緊急銃猟」を新たに明記した。緊急銃猟では、環境省が25年7月に改定した「緊急銃猟ガイドライン」に基づき、市町村は猟友会などへの捕獲の応援要請や、地域住民の避難、捕獲体制に伴う交通規制などの安全確保を図る。市街地で銃器を使用する場合は、県や市町村は警察との協議や連携を図るとした。このほか、クマの目撃情報を狩猟団体などと共有・提供し合う項目が盛り込まれた。改定を受け、県は本年度からライフル銃使用者の登録のほか、市町村の要請に応じて捕獲者を派遣するなど捕獲体制づくりを新たに始める。また、クマの出没や緊急銃猟を想定した訓練実施などによる普及啓発、捕獲技術の向上を図るほか、市町村でのマニュアル策定やわなの購入に対する購入補助も始め、市町村でのクマ被害防止に向けた共通認識や出没に備えた整備を促進する。新たに狩猟免許を取得する人やライフル銃を取得しようとする人に対して、経費補助も始める。県は本年度当初予算に1300万円を計上した。茨城県はクマが長年生息しないとされ、県内でクマと遭遇したり、対処したりした経験がある人は少ないとみられる。同課は今回の対策強化で「市町村における意識醸成と捕獲の担い手育成を充実させ、県の対策の底上げを図っていく」としている。
(狩猟経験のある公務員「ガバメントハンター」を3人体制に:長野)
小諸市は本年度、わな猟と銃猟の両免許を持つ狩猟経験者を新たに1人採用して市農林課に配属し、狩猟について高い専門性がある公務員「ガバメントハンター」を計3人に増員した。
(人口300人の島に300頭のイノシシ、もともとは生息していなかったのになぜ?:兵庫)
淡路島の南に約5kmほど行った離島「沼島(ぬしま)」は、人口約300人ですが、イノシシが300頭生息しているということで、被害も出ているといいます。しかし、この沼島には、もともとイノシシは生息していなかったということです。いったいなぜ離島に生息するようになったのか、そしてどこから来たのか。増殖するイノシシに、島民が憤懣しています。兵庫県南あわじ市にある離島「沼島」。島の1周は約10km、関西空港の3分の1ほどの小さな島で、約300人が漁業を中心にして暮らしています。そんな穏やかな島で頭を抱えているのが市職員の山見嘉啓さん。悩みのタネは住宅地のすぐ裏手の道にあるといいます。さらに、別の場所では…道を支える地面が大きく削られていて穴があいてしまっています。この道は、島の「周遊路」。観光客や住民が山登りや名所めぐりなどに利用し、夜に島を照らす灯台にも続いている大切な道ですが、このままでは崩れる可能性があるといいます。(山見嘉啓さん)「業者に、自治会から補修を依頼してます。通れなくなったらたちまち困ることになりますからね」。ほかにも島のいたるところで地面がえぐられた跡が見られます。その原因は…(山見嘉啓さん)「イノシシが掘ったところです。餌を求めて、おそらく昨夜の跡かな、かなり荒らしていますね」。鼻先で地面を掘り進める大きな獣。野生のイノシシです。いま沼島ではイノシシが大繁殖してしまっているというのです。
(40年で約2倍に拡大!? 気候変動の影響でイノシシの分布域が北へ広がる)
全国的に気温が上がり、特に日本海側ではこの時期としては異例の暖かさとなっています。こうした現象の背景には温暖化の影響が指摘されることが増えていますが、近年急増している大型野生動物の出没とも無関係ではないと考えられています。なかでも今回は、首都圏の住宅地周辺でも目撃が相次いでいるイノシシについて解説します。日本各地で野生動物が市街地などに出没し、話題となることが増えています。しかも、ハクビシンやタヌキだけでなく、クマやシカなどのような大型の動物についても多くなっています。「イノシシも分布域を拡大している」と東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介先生はいいます。小池先生らのグループは、過去40年の日本の大型哺乳類6種の分布域について検証しましたが、イノシシについて変化があることが示されました。「イノシシの分布域は、1978年に比べて2010年代には1.9倍に増加しています。イノシシは日本では西日本を中心に分布していましたが、北東方向へと生息域を拡大していることがわかります」(小池先生)。イノシシが活動する範囲を広げることで、人の生活にもたらす問題も大きくなっています。「イノシシによる農作物の被害額は、過去10年間平均で年間46億円になっています。千葉県や栃木県のデータを見ても上昇傾向です。自動車や鉄道との衝突事故などのリスクも増しています」(小池先生)。イノシシが分布を拡大している主な要因として、この数十年での私たちの暮らしの変化と温暖化の影響が指摘されています。「1980年代以降の急激な人口減少や高齢化があります。耕作放棄地が増え人の活動が縮小することで、市街地周辺へも分布を拡大しています。かつて山に棲んでいたイノシシが、まず人の活動が比較的少ない地域へ侵入し、さらに生活圏に近い地域へ広がってきているのです」(小池先生)。日本国内では、温暖化の影響により各地域で雪の減少傾向が現れています。「温暖化の影響で冬季の積雪パターン(量や期間)が変わり、それまでは雪が制限要因で進出できなかった高緯度地域、高標高地域にも生息できるようになったためです。積雪地帯に生息するイノシシにとって、冬季の雪はエサの確保や移動に影響しますが、温暖化の影響で降雪量や積雪量が減少したことより、適地が増えたといえるでしょう」(小池先生)。今後も日本の温暖化は進み、降雪量や積雪量も全国的に減少すると予測されています。これから人とイノシシの関係はどうなっていくのでしょうか。「温暖化は継続し、都市部への人口の一極集中も加速すると予想されており、今後もイノシシの高緯度地域、高標高地域への分布拡大は進むものと予想されます。直近は農業被害の増加が懸念されますが、将来的に、動物と人の間でうつる人獣共通感染症の拡大の可能性も危惧されます。根本的な対策は温暖化の防止ですが、イノシシ対策としては、イノシシによる農業被害対策技術はほぼ確立されているので、分布が広がる地域では、被害が発生する前から対策を行っていく必要があるでしょう」(小池先生)気候変動は生態系や野生動物との関係にも影響を及ぼしており、私たち一人ひとりの地球温暖化への意識・関心がより重要になっています。ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
(ツキノワグマ超高密度エリアに住む“義眼の老ハンター”が激白)
クマによる人身被害・死亡事故がともに過去最多を記録した昨年度に続き、今春も各地でクマの目撃情報が出始めている。全国有数のツキノワグマの生息地に73歳の老ハンターを訪ねると、個体数や餌不足の実態について語った。ノンフィクションライターの中村計氏がレポートする。意を決し、写真を撮ってもいいかと尋ねると「マスク、取ったほうがいいかな?」と返された。こちらが「よろしいですか?」と言い終える前にハンターの田村茂はマスクに手をかけていた。田村がかつてクマに襲われたことがあり、片方の目が義眼であるなど顔に大怪我を負っていることは事前に知っていた。また、本人はそのことをほとんど気にしていないようだということも共通の知人から聞いていた。なので、田村の前で、たじろぐような態度は見せまいと決めていたが、実際に損傷具合を目の当たりにし、やや躊躇しているように映ったのかもしれない。田村はこちらの覚悟を促すように語調を強めた。「撮っていいぞ」。その言葉には、田村が容姿にハンディキャップを負ってからというもの、どのような腹構えで人生を歩んできたかが表われていた。雪の下に眠る町――。新幹線の停車駅である北上駅からディーゼル車に揺られること約45分、岩手県の最西端、秋田県との県境に位置する人口約4500人の西和賀町は、冬になると、そんな様相を見せる。ここが田村の生まれ故郷だ。青森県から福島県まで南北およそ500キロメートルにわたって走る奥羽山脈の懐に抱かれた西和賀町を含む町々には、ほぼ例外なく3つの共通点がある。1つは豪雪地帯であるということ。もう1つは交通が不便であるなどの理由により高齢化地域であるということ。中でも高齢化率50パーセントを超える西和賀町は、岩手県内ではもっとも高齢化が進んでいる自治体だ。そして、3つ目。それはツキノワグマの超高密度エリアであることだ。昨年度、国内のクマの事故による死者数は統計がスタートした2006年以降、最多となる13人に達した。都道府県別に見るとトップは岩手県の5人で、それに秋田県の4人が続く。死亡事故のうち約7割がこの2県に集中しているのは、決して偶然ではない。昨年、東北地方で起きた事故のうち、真っ先に思い出される衝撃的な事案がいくつかある。人家に侵入したクマに襲われ81歳の高齢女性が死亡した事故(北上市和賀町)、露天風呂の清掃中に従業員の中年男性がクマに殺され山中に引きずられていった事故(同上)、民家の周辺で男女4人がクマの襲撃を受け1人が亡くなった事故(秋田県東成瀬村)の3件だ。これらが起きた現場は、いずれも西和賀町の隣町だ。こうした事故を見聞きすると、周辺の山々には、ツキノワグマがうようよとしている様子をイメージしてしまうかもしれないが、その想像は事実と著しく乖離している。昨秋、世間では、メディアが連日のようにクマの出没を伝え、恐怖を必要以上に煽る「クマの狂想曲」とでも呼ぶべき現象が起きた。その渦中、田村は10回以上、山に入ったが、一度もクマを見かけなかったという。「ぜんぜん見つけられなかった。いないのさ。山ん中には。ぜんぜん」。ところが里の栗や柿の木の周りに何頭ものクマが群れていた。「異常だな。ここ2~3年は。クマは縄張り意識が強いから、普通、山ん中に適度に散らばってるものなんだ。そもそもクマは臆病ものだから、人里になんて降りてこない。ただ、腹が減ってたら別よ。食べるものがないから、里の餌がある場所に集中してしまう。ここ2~3年で急にクマが増えたっていう人もいるけど、我々はそうは思ってない。奥山にはいないんだから。断わっておきますけど、西和賀では、ですよ。他の地域はわかりません」。
(クマに左目を奪われた義眼の老ハンターは今も現役)
今春も各地でクマの目撃情報が出始めている。全国有数のツキノワグマの生息地に老ハンター・田村茂氏(73)を訪ね、写真を撮ってもいいかと訪ねると「マスク、取ったほうがいいかな」と返された。かつてクマに襲われたことがあり、片方の目が義眼であるなど顔に大ケガを負っている田村氏は、そのことをほとんど気にしていないと聞いていたが、なぜマスクをしていたのか──。ノンフィクションライターの中村計氏がレポートする。よくよく話を聞くと、田村がマスクをしていたのにはこんな理由があった。「口と、鼻と、左目をやられたんだけど、(皮膚を)移植する時、太い血管しか移植できないから。毛細血管は縫い合わせることはできねえんだ。だから、血流が悪くなってね。寒いと、紫色に変色してしまうんです。それを防ぐのにマスクが必要なんです」。田村が狩猟免許を取得したのは1992年のことだ。40歳を間近に控えていた。猟師になる年齢としては遅い部類に入る。以降、林業を営む傍ら、休みの日を利用して山に入った。「うまいこと獲れたら、クマのお葬式をするんだ。まあ、供養だな。クマを食べながら、仲間とワイワイやる。それが楽しいんだ」。食卓に並ぶ料理が自分の仕留めたクマならば、充足感は何倍にもなった。事故が起きたのは、12年前にさかのぼる。猟師になって22年目の出来事だった。「鼻は完全に取れちゃっていたから、少しずつやるわけよ。そのたびに2週間くらい入院してさ。最後は、これ以上はなんともならないですね、って。見苦しい姿になっちゃったけど、命があっただけでもよかったよ」。田村は73歳となった今も現役のハンターだ。「忘れもしない。4月の28日よ。あれは完全な油断。ハンターとして、あるまじき行動だった」。その日、田村は2人で山に入った。クマによる農業被害を事前に防ぐための駆除活動だった。山にはまだ雪が残っていた。偶然見つけたクマの足跡を辿って1時間半ほど山を歩くと、200メートルほど先に動く黒い塊が目に入った。田村が所持していたライフルであれば十分、射程圏内だった。スコープを覗き、狙いを定める。田村が引き金を引いた。弾はクマの体の真ん中当たりに命中し、その場でクマが倒れるのが見えた。仕留めたと確信した田村は数百メートル離れていた仲間に無線でそのことを告げ、1人でクマがいた場所へ駆け寄った。田村がその時の心境をこう振り返る。「獲ったぞ、って。早くトドメを刺して、相棒に自慢したい気持ちがあったな」。国内有数の高密度エリアであっても年に1頭も仕留められないどころか、クマを1頭も見かけない年さえ珍しくない。高揚するのも無理はなかった。田村がクマを撃ったはずの場所に辿り着く。ところが、肝心の獲物の姿がない。田村がキョロキョロと辺りを歩き回っていた時だった。斜め後ろにただならぬ気配を感じ、振り返った時には立ち上がっていたクマの前足の爪が田村の顔を深くえぐっていた。瞬間、田村は意識を失った。クマは心臓を撃ち抜かれても、そこから何百メートルも移動できるほどタフだ。また、手負いとなったクマは、死に物狂いで攻撃を仕掛けてくる。田村はクマの生命力の強さを知りながらも、逸る気持ちから注意力が散漫になっていた。瀕死の状態に陥っていたクマは近くの藪に身を隠していたのだ。「迂闊にも、うろちょろしてしまった。本当は相棒が来るまで待っていればよかったのに。2人で探せば、こんなことにならなかった」。クマは田村に一太刀を加え、その場からいなくなってしまったという。田村は、こう推測する。「苦しかったんだと思うよ。力が十分残っていたら、クマは相手の息の根を止めるまで向かってくるから」。瀕死の重傷を負った田村は、直後、同行していた仲間に発見され、救護ヘリによって盛岡市内の病院に運ばれる。そこで緊急手術を受け、なんとか一命を取り留めた。ただし、深い傷を負った顔の整形には膨大な手間と時間を要した。約3年をかけ、計6度の手術を受けた。「唯一の道楽だから。道楽って、病でしょ。やめられない。幸いにも両眼で0.7以上あれば狩猟免許も、車の免許もオッケーなんですよ。お陰様で右目は1.0あるから」。今年もすでに各地でクマ出没のニュースが伝えられている。田村に今年のクマの出没予想を問うと、間髪入れずに答えが返ってきた。「同じじゃねえかな」。たとえ山に餌があったとしても里でありつける食べ物の味を一度でも覚えてしまったクマは必ず戻ってくるというのだ。クマの山のごちそうであるブナやナラなどの堅果類の出来も急激に好転することはないという。「このことは、まだ、どんな学者さんたちもほとんど言ってないんじゃないかな。餌不足は温暖化の影響だと思うよ。ブナの花は通常、4月の下旬ころに咲くんだけど、ここ数年は2~3週間早い。ブナは標高400~500メートルのところになるから、咲くのが早いと夜、霜が降りて、凍傷になっちゃうんだ」。西和賀町の山々は日中、20度近くまで気温が上がっても、夜は氷点下まで急降下することも珍しくない。「ブナはただでさえ弱いので、2~3年に一度くらいしかならない。でも、ここ5~6年、ずっとダメだからな。去年はナラの木もダメだった」。自分の足と目で得た情報だけに説得力があった。クマの異常行動が温暖化に起因しているとしたら、その傾向は容易に元には戻らないどころか、より加速する可能性さえある。インタビュー中、ずっと思っていたことがあった。田村の左目は義眼だと言われなければ、誰もそのことに気づかないのではないか。聞けば、東京の義眼職人に特別にあつらえてもらったものなのだという。田村は、こう得意なフリをした。「オレの義眼は保険がきかないのよ。60万もしたからな。贅沢品だ」。そうくだけた調子で言うと、声を上げて笑った。
(『家に帰ったらクマがいた』ときの記憶)
ある日、家に帰ると玄関の奥にクマがいた――。これまでクマに9回襲われた経験があるクマ研究家・米田一彦さんの新著『家に帰ったらクマがいた』(PHP研究所)から、クマが自宅に侵入した際のエピソードを一部抜粋してお届けする。1994年5月、広島県T町で、イノシシを捕獲するワイヤーの括り罠にクマがかかり放獣することになった。太さ4ミリメートル、長さ4メートルほどのワイヤーに、このクマの右前足の手首が掛かっていて、突進してきたら切れる恐れがあった。罠の端は松の木に留めてあり、半径4メートルはクマが暴れて荒れ果てていた。私は麻酔剤の吹き矢を構えてクマに近寄り、1発目を尻に当てた。クマの動きが鈍り、私はさらにもう1発撃とうと筒を向けた。するとクマはワイヤーの端を止めてある松の木に登った。良い位置にクマの尻が来たので吹き矢を向けると、ばっと翻った。クマが両腕を広げて私に覆いかぶさる刹那、後ろから銃声が轟き、クマの顔は朱の盤を貼りつけたような恐ろしい形相になった。ワイヤーはクマの体重と勢いで切れ、クマは地面に叩きつけられて「ふおっ、ふおっ」と叫びを噴き上げながら逃げ去った。クマの錯誤捕獲(仕掛けた罠に、本来の対象とは違った動物がかかること)からの開放は、最も危険な作業の部類だ。私は中国五県で、このような事例を数限りなく実施してきた。ワイヤーがクマの手首までかかっているなら良いが、多くは掌で、指先2本だけのこともある。自ら手首を切断して逃げるクマもおり、3本足のクマを見たことがある。ワイヤー罠にかかったクマに襲われる例は、狩猟者のみならず無関係の通行人でも報告されている。そのため広島県では、錯誤捕獲が多かった県北西部の広い地域をワイヤーワナ架設禁止区域に指定している。クマとの危険な接触はこれだけではない。2008年7月13日、歩道の両側の笹原の揺れに警戒しながらある現場に着く。私が読もうと思って椅子の下に置いたS・ヘレロ著『ベア・アタックス1』などの本が散乱している。本には見事に咬み痕が残っていた。私は違うが、日本のクマ研究者たちが聖書のように崇めている本にアタックするとは良くできた子たちだ。翌日7月14日、そのクマが来るのを緊張しながら待っていると突然、めりめりと腐木を割る音が聞こえた。驚いて音の方向を探すが見えず、それでも大きな音は続いた。「ちくしょう」と舌打ちをしながら空を見上げていたら、20メートル先の腐ったミズナラの上から、黒い塊がゆらゆらと体をくねらしながら降りてきた。その1ヶ月ほど前に、このクマは腐った倒木を割ってヤマトシロアリを食べていた。その姿が印象深かったので、私は空を見上げるのを忘れており、危うい経験をした。幸い襲われることはなかったが、ヒヤッとしたものである。安息の場であるべき自宅にクマが侵入して来て家族が襲われたら……想像するだけでぞっとするだろう。昭和戦後期には、そのような事故が多発していて、8人が重軽傷を負った例もある。私の家にクマが侵入したときに私は喜んだ。そのとき、クマが長靴を容器にして食べ物を運ぶのを見たからだ。1996年5月24日、私が帰宅すると玄関の引き戸が30センチメートルほど開いている。朝に締め忘れたかなと思いつつ戸を左に開けると、機材置き場になっている玄関の奥の暗がりに黒いものが溶け込んでいる。40キログラムほどのクマが前のめりに眠っていて動かないのだ。ここで暴れて機材を壊されては困る。穏やかに出て行ってもらおうと「おいっ」と声を投げかけると、クマは前の板壁に鼻を打ち、ふぉっと噴いて瞬転し私の脇腹をかすって逃げた。口には耐刃長靴をくわえていた。それを持っていかれては仕事で困るので、「置いてけー」とサンダルを投げつけるとクマの尻に当たって靴を放した。なんで靴なんかと思って見ると、中からドッグフードの粒が1リットルほども出てきた。ネズミが冬用に蓄えていたのだろう。クマは靴の上部をくわえてドッグフードを運んだということは、容器の概念があるということだ。群馬県の男性がクマに襲われて右脚の親指を咬まれ靴を持っていかれた……。そのことを思い出した。クマは、締めてある玄関を横に押し開ける動作をして私を惑わす。クマが食べ物を安全な場所に運んで食べる行動はよく見られる。たとえば被害対策を行なっている養蜂場では養蜂箱ごと川を越えた森にまで運んで破壊していた。養蜂家は、この行動を「クマは養蜂箱を肩に担いで(立って)運ぶ」と表現している。
(「撃つな! 当たる!」襲われたマタギは血まみれに)
クマを狩るハンターたちは、文字通り命懸けだ。こちらが銃を持っていても、お構いなしにクマが攻撃してくることも珍しくない。これまでクマに9回襲われた経験があるクマ研究家・米田一彦さんの新著『家に帰ったらクマがいた』(PHP研究所)から、クマ狩りに同行した際のエピソードを一部抜粋してお届けする。人がクマに襲われる。私に森の深遠を教えてくれたクマは人を殺すこともある。子グマを守るためであったり、突然人と出くわして退路を絶たれて反撃したり、食餌を求めて里に出て襲ったりする。ヒグマもツキノワグマも山を守ると決心して生きている。その高貴な決意を言うなら、クマは「森の守護神」だ。明治以降、開拓一色に彩られた北海道においては気候風土の厳しさと共にヒグマが人びとの侵入を押しとどめ、多くの悲劇を生みつつ衰退させられていった。人智を超えた力を秘めた強獣との軋轢。私たちはヒグマとツキノワグマの真実の姿を知りたかった。恐ろしさを押し殺し、我々世代のクマ研究者はほぼ無防備で、この獣に挑んだ。私が50年以上クマを観察し、保護や被害対策を行なってこられたわけもそこにある。初めて見たクマの神々しさは神としか言いようがなかった。私は学生のとき1週間、リンゴ園でクマが出てくるのを待っていたことがある。夕陽を背景にして目の前にいきなり黒いクマがばんと立ったとき、山には神がいるのだ、と身が震えたものだ。日々クマのいる山を歩いていて、いまはクマのいる森の中に住み、クマに会うために彷徨う。私には「クマは、そうは襲わない」という確信がある。甘く咬むクマもいるし、優しく抱擁された事故例も多い。私自身が襲われた9回は「私はクマのすべてを見たい」という思いからくるもので、結果として襲われてもクマに責任はない。クマにとっては捕まえられ、追いまわされ、越冬姿まで観察されて迷惑なことであったろう。私自身はクマに襲われた経験があるが、他人がクマに襲われる様を見る機会はそうあるものではない。それを撮影して心地が悪かった。クマの狩猟はつねに、襲われる、反撃される危険を孕んでいる。ハンターにしても、そのような過去の事例を数限りなく古老から聞いていて、自身にも起こり得る可能性を知りつつ襲われる。その瞬間、クマの側、狩猟者の側がどのような心理状態に陥っているのか興味がある。撃たれたクマの体の一部でも動いていれば「存命」の判断でハンターは次弾で「とどめ」を刺すだろうが、ぴくりとも動かなければ緊張感が解ける。しかしクマは、失われ逝く命を懸命に保ちながら最後の反撃に出る。体はすでに死んでおりながら魂でのみ反撃する藤沢周平の『必死剣 鳥刺し』の主人公のような誇り高いクマを見た。秋田県がクマを追い出して生息数を数える調査を始めた頃の1981年4月下旬、秋田県T町で行なわれたクマの巻き狩りに帯同したときのことだ。ブナ帯には残雪が2メートルほどあり、残雪上を移動するクマは黒と白のコントラストで発見しやすいので、クマ狩が行なわれる季節だ。雪消えの早い南斜面は残雪の中にパッチ状に笹原が広がってきていて、回廊になっている。この町でのクマの狩り方は勢子(射手の方向へ追い込む役割の人)による追い出し方を取らず、尾根にハンターたちを並ばせて向かいの南向きの斜面を望視する。観察斜面の裏側にはすでに私と射手が回り込んでいて、監視側がクマを発見すると600メートル先に遠射をかけて追い上げる。どうなるか……この距離ではそうは当たらない。戦場みたいに撃つ。私はブナの根元の根開けの穴に入りブナを背にして立ち、待った。ブナの木肌がほのかな熱を分けてくれる。暑い汗が一転凍り、がちがちと震えるので思い切って下着を替えた。乾パンをぽりぽり噛んで3時間、谷底の藪から若いクマが飛び出してきた。雪原を突っ切ってくる。私は500ミリレンズをぶん回した。クマまでの距離は400メートルほど、対面から30人で100発は撃った。走るクマが一瞬前のめりになって胸を雪面に打ち雪片が散った。それでもクマは立ち上がり、私の40メートルほど先で尾根を越えて来た。今度は射手が射撃に入った。クマは笹薮に隠れようとしていると思い、私は先回りした。クマが隠れた笹薮には猛烈な射撃が加えられた。と、メリヤスを着て赤い腹巻をしたマタギが漫然と幅2メートルほどの雪の回廊を歩いてクマを探している。黒い影が跳躍し、マタギは60キログラムほどのクマにのしかかられて、共倒れしてしまった。私の目の前30メートル。遠射している連中にはその様子が見えていない。腹巻氏が悲憤を上げた。「撃(ぶ)づなー、吾(わ)さ当だるー」。彼はクマと重ね餅のように撃たれる恐怖に陥った。さらに数発ほどで射撃は止まり、続いて駆けつけて来た猟友がクマに銃口を押し着けて射殺してしまった。クマを除けた男は恐怖の後の作り大笑いを見せたが、肉がたゆんだ脇腹が血まみれだ。猟友会の指導員が慌てて彼の赤い腹巻を胸までたくし上げ、腹に白い晒しをぐるぐる巻きにしていた。なぜ腹巻氏は軽傷で済んだのだろう。クマは事前に右手首から先と下あごが粉砕されていて、確実な攻撃ができなかったのだ。400メートル先の移動する黒クマに当てるのだから、さすが秋田のマタギだ。クマは雪原に身を晒さず、藪に身を隠した。圧倒的な攻撃力をもった人間に対して負傷をものともせず、藪に潜行しつつ敵の先陣に一矢を報いたクマに畏れを覚えた。
(鹿せんべい求めて人間を追う"神の使い"の変わり果てた姿:湯浅 大輝)
奈良のシカが大阪市に迷い込んだことがニュースとなった。30年以上にわたって奈良のシカを研究する奈良大学教授の立澤史郎氏は「頭数がここまで増えると、奈良市外に出ていく個体がいても不思議ではない」という。奈良のシカに起きている異変をジャーナリストの湯浅大輝さんが取材した――。「奈良を出て行ったシカを連れ戻すことはできない」(山下真・奈良県知事3月25日記者会見より)。大阪市に現れた2歳のオスとおぼしき奈良のシカ。奈良市からはるか30km先まで悠々と闊歩したことになる。この個体はあまりにも人に慣れていることから奈良のシカでほぼ間違いないだろうという意見が専門家の共通認識となっている。さて、冒頭の山下知事の発言通り、天然記念物の奈良のシカは「奈良市一円」に所在すると記載されている。よって、現在このシカは大阪市にいるわけだし、法的にはこの個体は鳥獣保護管理法に基づいて大阪府・大阪市が対処すべき、という論理自体は成り立つ。迷いジカに幸いしたのは、大阪市の配慮だろう。警察署に迷い込んだ奈良のシカを捕獲後、長年シカを飼育していた大阪府能勢町の温泉への受け入れを決定。「シカやん」と名付けられ、鹿せんべいをもぐもぐ食べる姿は「やっぱり奈良のシカやなぁ」と全国のシカファンを安堵させた。これで一件落着、とはいかない。なぜ大阪にまで遠征するシカが出てきたのか。実は以前から、奈良公園に生息するシカの数が多すぎて、管理不能になっているのではないか、という課題が専門家の間では囁かれていたのだ。奈良公園に生息する奈良のシカは2025年に1465頭と、過去10年間で最多を記録。動物学者も奈良県関係者も口を揃えて「明らかに数が増えすぎている」と語っている。折しも、迷いジカでひと騒動起きていた3月26日に第15回奈良のシカ保護管理計画検討委員会が開かれ、筆者もこれを傍聴した。同委員会委員長の村上興正氏は冒頭「奈良公園に生息するシカが増えすぎている。野生動物は密度が高まれば分散するのが当然だ」と問題提起。さらに同委員会では昨今のオーバーツーリズムも意識したのか、「奈良のシカはペットではなく野生動物。観光客はシカを『見守る』ことを原則とし、体に接触してはいけない」という基本方針(案)を打ち出すことも確認された。奈良のシカにかかわる専門家の痛切な危機意識の命題は以下のようにまとめられる。奈良公園の環境が激変する中、神鹿を神鹿のまま、次世代に継承できるのか――本稿では、この命題を解きほぐすことにしよう。野生動物の生態学が専門で、奈良のシカの研究に30年以上にわたって従事しているのが、奈良大学文学部教授の立澤史郎氏だ。山下知事を含め、いくつかの専門家は「奈良市内で増えすぎたシカの間で生存競争が激しくなっているのでは」という仮説を提示したが、立澤氏は“生存競争”という表現は正鵠を得たものではないと指摘する。「(奈良のシカも含めた)ニホンジカのオスは、1~2歳になると母親の元を離れ、単独で行動する。今回の個体のように、非常に遠くまで旅に出る個体も珍しくないが、数年で大人になり元いた場所に帰ってくる個体もいる。メスは終生母親と行動するのが一般的だが、オスは大人になる前に親元を離れる。つまり、シカの数が多いか少ないかにかかわらず、『オスは旅に出る』のだ」(立澤氏)。“シカやん”は生存競争に負けたのではなく、元々のオスジカの習性として大阪に「修行」に出た可能性があるということだ。であれば「一度奈良市を出ると、自動的に奈良のシカではなくなる」という処置は少々酷にも思える。そもそも、天然記念物の「奈良のシカ」と野生のニホンジカには法的にどのような違いがあるのだろうか。それを理解するためには奈良県のシカの保護管理体制とその歴史を説明せねばならない。768年に武甕槌命(たけみかづちのみこと)が鹿島神宮から奈良・春日大社に移る際、白鹿の背に乗っていたという伝承から春日大社の「神鹿」として保護されてきた奈良のシカ。江戸時代にもツノ切りや鹿せんべいの起源が見られるなど、人間に馴致した野生動物としては世界的にも稀なケースだ。神鹿はまったくのフィクション、というわけでもないのが不思議なところである。福島大学の兼子伸吾教授らが調査した結果によると、奈良市に生息する奈良のシカは、日本列島の他のニホンジカとは異なる「遺伝子型」を持っていることが明らかになっている。シカさんは「神さんの使い」と奈良市民はよく言うが、そのアニミズム的感性が、人間と野生動物の類を見ない共生を実現させ、奈良のシカを奈良のシカたらしめていたのだろう。ところが時代が進み、春日大社の「神鹿」ということで全てが許されるわけではなくなってきた。転機となったのは「鹿害訴訟」である。1979・1981年に提起されたこの訴訟は、奈良市に住む農家が、春日大社と奈良の鹿愛護会、奈良市・国を「奈良のシカが農作物を食い荒らす」として訴えたのだ。訴訟中、春日大社は奈良のシカの民法上の「所有権」を主張しなかったとされる。宙に浮いた奈良のシカを「誰が」「どのように」管理するのか。動いたのは文化庁だ。訴訟の和解条項(1985年)において、平坦部を中心とする奈良公園(A地区)、春日山原始林など公園山林部(B地区)、周辺地域(C地区)、その他地域(D地区)と分けた。A・B地区は歴史的にも奈良のシカと言えるから殺してはいけない。C・D地区は鹿害防止のために、悪さをする個体を麻酔銃で生け捕りにする。これまで明文化されていなかった保護管理体制を、行政があらためて組み直した。奈良のシカの保護管理体制が「近代化」したのである。2026年の保護管理体制では、A地区を《重点保護地区》B地区を《保護地区》C地区を《緩衝地区》D地区を《管理地区》と細かく、それぞれゾーニングをしている(文化庁が作成した当時のA~D地区と現在の奈良県における基準のA~D地区は面積が少し異なることを留意されたい)。ざっくり言えばA・B地区の奈良のシカは「殺してはいけない」、C地区は「農作物を食べた個体を、麻酔銃などで生け捕りする」、D地区のシカは「(第二種特定鳥獣管理計画に基づく管理として)捕獲する」。つまり、現在手厚い保護を受けているのはA・B地区の個体のみである、ということだ。実際、奈良県によると、D地区のシカは2025年5月~2026年2月にかけて450頭が捕獲(箱わな・くくりわな)されている。ただ、奈良のシカは「野生動物」であるから、「シカやん」のようにA・B地区を出て歩き回る個体も珍しくない。A地区からC地区へ、B地区からD地区へと移動するシカも存在する、ということだ。であればこれまで神鹿として手厚い保護を受けてきたシカが、野生動物としての習性を発揮して遠出したばかりに捕獲対象になることも考えられる。立澤氏はシカやんは「おそらくA地区由来の個体だと推察される」と見立てた上で、個体の移動の詳しい経路はわからない、とする。「シカやんが生存競争に負けたのではないにしても、そもそも奈良公園に限らず、A・B地区に生息する奈良のシカの頭数が飽和状態にあるのは紛れもない事実。これだけ頭数が増えると、奈良市外に出ていく個体が出てくるのも不思議ではない。しかも、数年後に帰ってくるオスジカもいる。詳しい個体調査のためにはやはりマイクロチップと発信機を活用して追跡調査をするしかない」(立澤氏)。「神鹿」として長年保護されてきた天然記念物、という側面がありながら、奈良のシカはペットではなく、他地域と同じニホンジカという野生動物である――。かつて「ふれあい」を推奨した奈良県が今、「野生動物」を強調するのは、昨今の人間による不適切な接触行為に加え、人間の食べ物を与えるなどシカを「ペット」と勘違いする人が増えてきた、という問題意識があるからだ。実際、奈良公園はインバウンドの成功もあり連日観光客で賑わっているが、それに伴いシカの人間依存度も高まっている。言うまでもなく、人間は奈良のシカに「鹿せんべい」を与えている。奈良県が2025年12月から2026年3月にかけてカメラでシカの動向を調べたところ、奈良のシカが観光客にあわせて移動していることが推察された。観光客は午前中奈良公園に滞在し、午後からは春日大社に向かう、というパターンが多いとされるが、シカも同様、人間についていくような行動を示したとされる。長年シカを研究してきた立澤氏も近年のシカの人間依存は「例がないレベル」だと危機感を強める。「現在14歳ほどの中年の母ジカに発信器をつけて7年間追跡している。彼女は若いときは比較的人と距離を置いて子育てをしていたが、今では『鹿せんべい』をもらうべく、人間を追い回すようになってしまった。奈良公園のシカの主食はシバとドングリだが、それと比べて魅力的でないはずの鹿せんべいを求めてしまう。人間に食べ物をもらう癖がついてしまったのだろう」。さらに立澤氏は、奈良公園内の芝生の状態が悪化している点も指摘する。「(上記の)母ジカの歯を最近調べる機会があったが、ほとんど歯が磨滅していて驚いた。14歳ではまだ中年と呼ぶべき年齢だが、20歳近くの老境のような状態になっていた。理由ははっきりしていて、奈良公園のシバが(人間の踏圧とシカの食圧により)短くなっていて、シカがシバの地際まで齧るから。根っこを齧ると同時に、砂も混じり、歯に『やすり』をかけたような状態になっている。野生動物であればシバとドングリを主食とするはずが、シバ環境の悪化により、鹿せんべいと人間の食べ物に依存する『ペット』と化した個体が増えているのだ。野生動物としては寿命を迎えているが、鹿せんべいや人が与える食物に依存することで延命している個体も少なくないだろう」(立澤氏)。人間と同じく、奈良公園のシカも超高齢化社会に生きているのかもしれない。奈良公園に生息していて、元気に大阪市まで歩いて行った若いオスのシカやんは捕獲され、奈良公園にとどまるシカたちは人間依存が止まらず、徐々にペット化していく――。どちらが「野生動物」なのか、分かりにくい事態だ。立澤氏は、本来の奈良のシカは、夜は春日山山麓で眠り、朝になると春日大社周辺まで出てきて、シバやドングリを食べる、という生息パターンを示していたと推測する。奈良のシカは「神の使い」として、人間のことはほぼ無視していたというのだ。シカたちに神聖を感じる人間のほうも、シカを遠目で見守るように暮らし、過剰な干渉はしなかった。シカがペットではなかったからである。「現在でも人間嫌いのシカが20~30頭いる。母親から過度に人間に依存しないことを学び、古くからの行動パターン、つまり朝夕は春日山山麓、昼は春日大社周辺という暮らしを墨守している。ショックなのは、人がB・C地区でも食べ物を与え始め、人間嫌いなシカまで、人間の食べ物の味を覚えてしまったことだ。コロナ後に観光客が急増し、鹿せんべいをはじめ人間由来の食べ物の供給量が増えて、春日山山麓から奈良公園・市街地に生息地を移した元・人間嫌いもいると思われる」(立澤氏)。筆者はあらためて奈良公園に赴き、シカたちを見ていたが、確かになんとも言えない可愛さがある。可愛いさあまり、食べ物をたくさんあげたくなる気持ちは理解できなくはない。だが、それは本来のシカと人間の付き合い方ではないのだろう。「頭数についても、人間のエゴとは別の論点が必要だ。現在の1465頭というのは面積単位で見ると明らかに多いのは確かだが、頭数だけで適正か否かを議論できないのもまた事実。江戸時代の記録を見ると、春日山の東側(現在のC・D地区)では、鹿を捕獲していたことも明らかになっている。捕獲対象のシカは、現在と同じように農作物被害を起こした個体だったようだ」(立澤氏)。奈良県は「奈良のシカ保護に関する基本方針案」の中で、「観光客はシカを『見守る』ことを原則として、体に触れるなどの接触はしない」と確認した。確かに、方針としては正しいのだろう。だが、神鹿が神鹿であるためには、細かなルールだけでは不十分で、人間が対象に対して畏れを見つけなければならなかった。当然、行政は人に認識まで強要できない。シカの方は、どうだろうか。神の使いからペットになるという気持ちは――。
(クマ対策用スプレー貸出とあわせて「ココヘリ」発信機の貸与を開始:北海道)
山や海での行方不明者の位置を特定する会員制捜索サービス「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPAN株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:久我 一総、以下 当社)は、北海道斜里町において、知床での安全対策強化の一環として、2026年4月20日(月)より、知床自然センターなど4拠点で「ココヘリ」発信機の貸与を開始します。本取り組みでは、知床自然センター、知床羅臼ビジターセンター、ルサフィールドハウスの3拠点において、クマ対策用スプレーの貸出とあわせて「ココヘリ」発信機を貸与します。加えて、道の駅しゃりでは「ココヘリ」発信機のみを貸し出します。クマ対策用スプレーを貸し出す拠点では、「ココヘリ」発信機も一体的に運用することで、来訪者が現地で安全装備の一つとして自然に携行できる体制を整えます。今回の取り組みは、来訪者が安全装備に触れやすい環境を整えるとともに、万一の際の捜索迅速化に資する仕組みを地域の実情に即して導入するものです。知床を訪れる方の安全対策の一助となることを目指します。
(イノシシ被害乗り越えボタン見ごろ:福岡)
福岡県みやま市瀬高町本吉の「清水(きよみず)山ぼたん園」(約3000平方メートル)のボタンが見ごろを迎えた。同園を荒らすイノシシの退散を願い、18、19日午前10時からぼたん鍋各150食を振る舞う。旧瀬高町(現みやま市)の商工会や本吉地区など関係団体でつくる「観光開発協議会」が1993年に開園した。かつては約80種2000本が咲く「九州最大級のぼたん園」とうたっていたが、2024年10月に花の根元にいるミミズを狙ったイノシシにほぼ全て掘り返された。開発協は庭師に頼んで植え直し、周囲の金属柵も張り替えて再生させ、今季も4月10日ごろに咲き始めた。開花は500本と減ったが、ピンク、紫、白と鮮やかさは変わらない。ただ25年秋も子供のイノシシが柵の下から侵入し、約20本が荒らされたという。開発協の野田克久会長(53)は「柵の根元にコンクリートブロックを置いて補強する。背後の山の新緑も美しい。見てもらえると苦労が報われる」と来場を呼び掛けている。
(マンション居座りの熊を捕獲:宮城)
19日午前4時20分ごろ、仙台市青葉区木町通2丁目付近で「クマが歩いている」と通行人から110番があり、市がドローンを飛ばしてマンション南側の茂みにクマ1頭がいるのを確認した。長時間とどまっていたが、市の委託業者が午後6時20分過ぎに麻酔銃を2発撃ち、いずれも命中、午後7時半ごろに捕獲した。けが人はいなかった。現場はJR仙台駅の北西約2キロにある住宅地。市地下鉄南北線北四番丁駅やイオンモール仙台上杉、小中学校も近くにあり、宮城県警が住民に外出の自粛を呼びかけ警戒態勢を敷いた。市によると、捕獲されたクマは雄で、体長約1・5メートル、体重約125キロ。自治体の判断で発砲できる緊急銃猟を適用した。安全確保が難しいとして猟銃の使用は見送った。当初は箱わなを設置し明け方までの捕獲を試みたが、クマが中心部に移動する恐れがあると判断。現場周辺を交通規制し、捕獲した。市の緊急銃猟は太白区鈎取、青葉区作並に次いで3例目。青葉区区民生活課の担当者は「安全が確保できると確認し、実施した。今後市街地に近寄らせない対策として、クマを誘引する柿、栗の木の伐採ややぶ払い、電気柵設置の検討を進めたい」と話した。
(クマの目撃が相次ぐ:宮城)
宮城県では冬眠明けのクマの目撃が増加していて、16日も栗原市や富谷市、村田町で目撃されました。警察によりますと16日午前6時半ごろ、栗原市金成普賢堂の県道で「子グマが歩いている」と車で通勤中の男性から通報がありました。クマは体長70センチメートルほどで、山の中に入っていったということです。近くで母グマなどの目撃情報はありません。16日午前9時ごろには富谷市の大亀山森林公園で、午後0時半ごろには村田町足立でそれぞれ体長1メートルほどのクマが目撃されています。
(住宅敷地内にシカの死骸とクマのフン:北海道)
クマのフンが見つかったのは、厚岸町奔渡7丁目の住宅敷地内です。17日午前4時ごろ、この家の住人が敷地内にシカの死骸があることに気づき、役場に通報しました。警察によりますと、役場職員がシカの死骸を回収していたところ、敷地内でクマのフンが見つかったということです。シカの死骸には、一部が食べられたような痕跡があり、クマに引きずられたような跡もありました。現場付近は住宅が点在していて、警察が役場とともに注意喚起をしています。
(ジビエが直面する持続性の壁:福岡)
フランス語で野生鳥獣を意味する「ジビエ」。イノシシやシカの肉は古くから欧州貴族の食卓を彩った伝統食で、近年、日本でも「低脂肪、高タンパク」の食材として注目を集めている。福岡県豊前市では、農作物被害防止のため駆除された有害鳥獣の有効活用に取り組み、衛生管理を徹底した高品質なジビエの供給体制を築いている。野生獣の食肉処理の現場を訪ねた。
(鳥獣被害の背景理解深めて、イノシシ題材に絵本作り幼保に寄贈:岡山)
元中学校長の内田隆志さん(73)=倉敷市白楽町=と保育士の川本千代子さん(64)=同市玉島八島=が、イノシシとの共生を描いた絵本を作った。
(スープカレー、野菜とジビエを生かした味で本場に挑む:千葉)
JR館山駅からさらに南へ車で走ること約20分。金運、商売繁盛のパワースポットとして人気の安房(あわ)神社の前という御利益のありそうな場所に店はあった。細見さんと、小学5年の長男(10)に出迎えられた。マラソンが得意という長男は、小さい頃から父親の仕事を手伝っているそうだ。「ぜひ食べてみてください」。細見さんがそう言って、奥の厨房(ちゅうぼう)で調理を始めた。出汁(だし)と独自配合のスパイスの利いたカレーのスープは、シチュー鍋で温められている。細見さんは、ナスを切ってフライパンで炒める。そこに、大きめにカットされてスパイスに漬け込まれた鶏肉、下ゆでしたニンジンを加えると、ジュワーっという威勢のいい音がはじけた。隣の鍋からカレースープをお玉で注ぎ入れ、煮込んでいく。最後に出汁に漬け込んだ大根、下ゆでした菜花が加わり完成した。
(ピザ考案、エゾシカとパプリカ使用:北海道)
釧路東高校(古主信校長、171人)の生徒4人が、釧路の活性化を願い、オリジナルの冷凍ピザ「エゾシカ肉とパプリカのピザ」を考案した。札幌市の大丸札幌店で初めて販売したところ好評で、早速60枚を売り上げた。7月の学校祭を皮切りに、釧路市のイベントでもお披露目する予定だ。
(新聞店がジビエしょうゆ、ヒグマとエゾシカで製造:北海道)
北海道北東部の西興部村で全国紙や地方紙などの新聞を販売する佐々木富幸さん(66)が、“ジビエしょうゆ“の販売に向け、製造を進めている。
(イノシシ肉活用、肉まんに:長野)
安曇野市堀金烏川の宿泊温泉入浴施設・ほりでーゆ~四季の郷が28日、イノシシ肉を使った肉まんの販売を始める。全国各地で獣害が深刻化する中、捕獲された動物の肉を活用しようと、渡邉三穂登料理長が商品開発した。「猪饅頭」の商品名で、売店で販売する。価格は一つ600円で1日20個限定。イノシシの肉は上松町小川の「ジビエ工房木曽」から仕入れて提供する。狩猟から1時間以内に血抜き処理をした肉を使用するため、野性獣肉特有の臭みはほとんど感じない。筋肉質で歯ごたえがありながら、ジューシーなうま味が詰まっている。ほりでーゆ~では昨年12月から、鹿やイノシシ、熊の肉を使ったメニューの開発に力を入れている。知人の紹介がきっかけでジビエ(野生鳥獣の肉)に可能性を見いだした渡邉料理長が「新たな郷土料理」としての定着を目指している。これまでに、鹿やイノシシの陶板焼きや熊のすき焼きなどを宿泊や宴会の客向けに提供し好評を得ている。渡邉料理長は「ジビエが浸透し、中信地域での加工所設立のきっかけになれば」と願い「まずは肉まんでジビエの良さを知ってほしい」と話す。
(道の駅のグルメが集結!:大阪)
全国の道の駅のご当地グルメなどが集まる「みちる旅マルシェ2026」が17~19日の3日間、大阪・梅田スカイビル(大阪市北区)で開かれている。地方創生を掲げて全国の道の駅隣接地にホテルを展開する「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」と積水ハウスの主催で2回目。連日、多くの家族連れらが訪れ、全国各地の道の駅のご当地グルメを手に旅気分を味わった。今回は11道府県から約30店が出店。兵庫県内は、酒造会社「香住鶴」(香美町)、ウイスキーを製造する「養父蒸溜所」(養父市)、鹿肉を扱う「但馬のジビエ ココ鹿」(朝来市)-など7ブースが並んだ。また甲南女子大学の学生らが淡路島の魅力を発信するコーナーもあった。会場のイベントスペースでは、トークセッションが開かれ、「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」の中本陽子マーケティング部長や道の駅で商品販売をしている地域のキーパーソンが登壇。道の駅ホテルを拠点に、その土地ならではの文化や食、風景を巡る新たな旅のスタイルを提案したほか、ホテルの開業秘話などについて語った。
(山間の町で移住者が大活躍!迷惑シカを駆除&販売:埼玉)
「地域のピンチ」を新しい価値に変えている移住者たちがいます。畑を荒らすシカは、町の名産ジビエに。捨てられていた特産のゆずは、薫り高いアロマに。移住者たちの挑戦を追いました。秩父の人気レストランのシェフが料理するのは鹿肉です。クチーナ サルヴェ坪内浩シェフ「一番の魅力というところは、わな罠で獲れたものを1頭1頭丁寧に止め刺ししていることで鮮度、特に生臭さとか血生臭さとかが全くない。鹿肉と言われなければ、これ何の肉だろうって思うぐらい、使いやすいお肉」まさに最高級品と言える味わいのこの肉は、埼玉県横瀬町で田畑を荒らし、害獣駆除された鹿なんです。今、町の特産品として注目されているこの鹿肉の仕掛け人は、東京からの移住者で、東京・世田谷区と横瀬町で二拠点生活を送る株式会社カリラボ・吉田隼介さんです。まずはおいしい肉の肝となる、わなを見せてもらういました。吉田さん「これが鹿とか猪を捕獲するくくり罠という罠ですね。この踏み板というものを踏んで、ワイヤが足にかかる」。罠を使って捕獲し、丁寧に血抜きをしていることが、肉の味に影響すると言われています。狩猟が趣味の吉田さんは、地域の猟師たちと関わり、被害の現状を知りました。横瀬町ではいろんな方法で鹿の捕獲が行われています。ところが、捕獲された鹿の活用が十分に進んでいないのが課題でした。駆除した鹿を無駄にせず有効に使いたい。地元猟師との思いが合致した吉田さんは、わなで捕獲した鹿を食用肉にする解体場を作りました。その鹿肉をインターネット上で販売。また、ふるさと納税の返礼品にするなどしました。
(シカ革で名刺入れを制作:北海道)
池田高校(佐藤秀樹校長)で14日、地元で捕獲されたエゾシカの革を活用し、名刺入れを製作する体験授業が行われた。2年生14人が授業を通じ、命の尊さや地域資源の循環について理解を深めた。
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