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(クマ捕獲数、昨年度は1万4720頭と3倍近くに急増)
環境省は11日、2025年度のクマの出没件数(速報値)が5万776件だったと発表した。集計を始めた09年度以降で最多となった。捕獲数(同)も1万4720頭と、現在の形でまとめている06年度以降の20年間で最も多かった。出没件数はこれまで23年度の2万4348件が最も多かったが、25年度はこの2倍以上となった。都府県別では、秋田県の1万3592件が最多で、岩手県9739件、宮城県3559件と続いた。北海道は公表していない。25年度の捕獲数も前年度の3倍近くに急増。捕獲された1万4720頭のうち、99%以上の1万4601頭が捕殺されている。同省が4月に発表した25年度の人身被害者数は238人。うち死者は13人で、いずれも過去最悪だった。今年度も、4月に岩手県紫波町で女性が襲われ死亡。今月には山形県酒田市と岩手県八幡平市で、クマに襲われたとみられる遺体がそれぞれ見つかった。同省の担当者は「出没の多い地域では自治体からの情報に注意してほしい」と呼びかけている。
(クマ多発受け最高のレベル3(緊急対策)に切り替え:青森)
青森市環境保全課危険鳥獣対策室は15日、午前4時20分のクマ出没情報を受け、「青森市ツキノワグマ等の市街地等出没時対応マニュアル」の対応をレベル2(警戒)から、最高となるレベル3(緊急対策)に切り替えたと発表しました。マニュアルではレベル3は「人身被害が発生、又は発生する恐れが非常に高く、緊急的な対応が必要な場合」としています。市は対策本部を設置して、緊急銃猟への移行についても検討を進めているとしています。青森市内では14日夜から浪館地区などの住宅街でクマの目撃が相次ぎ、15日朝には中心部の長島地区などでも目撃情報が寄せられています。目撃情報があった場所付近の小学校などでは、けさ保護者が送迎するなど児童の安全を確保する対策に追われていました。
(野生イノシシの豚熱感染確認:青森)
青森県は14日、新郷村の山林で10日に捕獲した野生イノシシ1頭から家畜伝染病「豚熱」の感染を確認したと発表した。県内で野生イノシシの豚熱感染を確認したのは13例目。
(「ハンターの4割超が70代以上」クマの市街地出没、背景に構造的課題:秋田)
豊かな食と自然に恵まれた秋田県。しかしその実像は、全国に先駆けて進行する急激な人口減少と少子高齢化という、日本の地方が直面する「未来の縮図」そのものである。2020年からのわずか4年半で6万人以上の人口が失われるなか、かつては山奥に生息していたクマが市街地へ出没し、住民の平穏を脅かす事態が常態化しつつある。背景にあるのは、単なる自然現象ではなく、地域の担い手不足という構造的課題だ。ハンターの高齢化により、地域を守る「盾」となってきた人々の世代交代が急務となっている。農家もまた、電気柵の導入などによる自衛を余儀なくされるなか、生活圏の維持そのものが困難になりつつある。社会インフラの担い手が減りゆく地で、今何が起きているのか。人と野生動物の共存、そして地域の存続をかけた秋田県の切実な模索とは――。この記事は、毎日新聞記者で、2020年から秋田支局で勤務する工藤 哲氏の著書『ルポ 人が減る社会で起こること』(岩波書店、2025年4月)より一部抜粋・構成しています。各地では市街地での駆除も想定して、訓練が実施されるようになった。これまでは規制によって猟銃の使用は難しかったが、背に腹は代えられないほど事態は切実になっている。どうしたら迅速に危険を避けられるのか。関係者の模索が続く。同時に対策が必要なのが、年々高齢化が進む狩猟者の世代交代だ。秋田県はツキノワグマ、カラス、サル、イノシシ、ニホンジカといった、農作物の食害や人身事故の原因になる有害鳥獣を捕獲する狩猟者の育成を急いでいる。人口減で動物の行動範囲は拡大した。県は「狩猟免許や銃の所持許可を取得したら、ぜひ市町村の被害対策に協力していただきたい」と呼びかける。「ドーン、ドーン」。23年夏、由利本荘市の県立総合射撃場では、多くの参加者が守る中、左右から順に飛んできたクレー(円盤形の皿)をハンターが1つずつ正確に撃ち落とした。手慣れた技術に驚きの声が上がった。このイベントは、県が開いた「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」。ビームライフルやシューティングシミュレーターを使った射撃訓練を体験でき、シカやイノシシの肉を使ったカレーライスが振る舞われ、狩猟免許取得の相談窓口も設けられた。県によると、イノシシやニホンジカなど以前は県内にいなかった野生動物が確認されるようになった。生息域の拡大や個体数の増加を防ぐには被害が拡大する前に捕獲が必要だと、イベントでは関係者が「野生鳥獣の適正な管理の担い手として狩猟者の育成は喫緊の課題になっている」と訴えた。秋田県猟友会の構成員は23年3月末現在で1471人。70代以上が44%を占めている。県の狩猟者登録数は約1700人で、14年からほぼ横ばいだ。猟友会の会員の多くが自治体の要請を受けて出動する「鳥獣被害対策実施隊員」として活動しているが、緊急時に機動的に対応するには、人数の維持や人員の育成が欠かせないた、事態が深刻化するにつれ、広がってきているのが農家の電気柵の設置だ。「ワイヤは地面からの距離を一定にして下さい。農作物の美味しい味を覚えたクマは執念深く、地面を掘ってでも中に入ろうとします。ポールは4m間隔で。だいたい6歩の歩幅です」。23年夏、秋田県横手市の県果樹試験場で開かれた研修会で、電気柵を扱う北海道の業者の説明を地元農家の人々が注意深く観察していた。電気柵は田んぼや畑の周囲を囲うように設置し、電圧3000ボルト以上の電流をごく短い間隔でワイヤに流して、触れた動物に電流で痛みを与えて退散させる仕組みだ。動物の特徴によって、ワイヤを張る高さや位置を変化させる。業者によると、西日本を中心に特にイノシシやサル、シカによる食害が深刻で、農業県の千葉県などでも被害が増えている。電気柵を一部の農家が設置すると、動物は柵のない別の畑に向かうため、周囲の農家も設置せざるを得なくなっているのが実情だという。秋田県や青森県ではイノシシやシカの生息が周辺県ほどは多くないため、電気柵の普及はまだ初期段階だが、今後各地で設置が広がる可能性が高い。クマは一般的にトウモロコシやスイカ、メロン、イチゴ、リンゴ、ナシ、蜂蜜、シャインマスカットなどを好み、一度味を覚えるとどんな手段を取ってでも「また食べたい」と強く思うようになってしまうという。果実にとどまらず、枝まで折られることがあり、被害が数年に及ぶ恐れもある。県の担当者は「捕獲以外の方法で農作物を守るには音や光の装置だけでは継続性に限界があり、電気柵の設置がより現実的だ」と対策を促している。23年の大量出没によって駆除の件数が増え、クマの肉も多く獲れたという話が話題になった。秋田県内では23年にクマの目撃情報が急増。全国でクマの出没件数が過去最多となった25年には、全4万7038件のうち1万3172件が秋田県で確認されている。「冷蔵庫の中はクマの肉でいっぱい。あふれるほどだ」と関係者から耳にしたこともある。秋田の山奥ではクマの肉を口にする人も少なくない。「クマ肉」の自動販売機も実在する。秋田新幹線などが通るJR田沢湖駅(仙北市)近くの物産館「田沢湖市(いち)」の出入口付近にクマ肉販売機が置かれるようになった。新幹線の利用客が主に買い求め、関東地方から通販で取り寄せたい、という問い合わせも入るという。「24時間営業中 ツキノワグマ 熊肉 250g 2200円」。自販機には価格などと一緒に、赤身と脂身たっぷりのクマ肉の写真も表示していた。販売する肉は、地元猟友会のメンバーが市内の山で捕獲し、食肉処理施設で加工されたものだ。秋田土産にしてもらおうと、田沢湖市(いち)にある飲食店の関係者が設置した。クマの狩猟期間が限られるため、時には品切れになることもあるという。担当者は「くせがなく、冷めても柔らかいのが特徴。煮込みなど幅広く味わえる」と話す。元々クマはマタギ(東北、甲越、北関東地方で伝統的な手法で狩りをする猟師)の間では、余すところなく利用されてきたという。だが近年はそのバランスも崩れてきた。クマにも生活の範囲がある。だが人の生活圏と重なれば、不幸な結果が引き起こされる。共存の模索が続いている。近年のクマ問題には解決策はあるのだろうか。24年3月に秋田市で開かれた講座で、専門家が見解を示した。まず発表したのは、森林の成り立ちや構造、動態の研究が専門で、東京大学農学部、旧環境庁国立環境研究所研究員などを経て秋田県立大学生物資源科学部教授を務める星崎和彦氏だ。「秋田県野生鳥獣保護管理対策検討委員会」会長でもある。星崎氏は出没の現状についてから話を始めた。23年度に秋田県内での目撃件数は過去最高の3600件超に達したが、目撃情報の増加傾向が顕著だ。1995~2000年は年間100件を下回る程度だったが、01年には200件近くに増え、04年頃から200件ほどになった。10~15年には500件を上下するようになり、その後は1000件を超えている。6~7年おきに一気に増加する現象が起きている。人身被害も増えてきて、15年までは県内で数件から20件、10件起きると多い方だった。事故の半分以上はタケノコ採り目的など山奥が現場で、「ばったり遭遇」が多かったが、19年になると秋田市の市街地で人身事故が起き、23年には住宅地やその周辺のものが53件に達した。23年の大量出没の要因としては、木の実が例年より極端に少なかったことにより山奥の個体が里に下りてきた、暖冬だったことで越冬の成功率が高かった、などの可能性がある。対策を講じるためには、実態把握が欠かせない。個体数や捕獲数、データのない死亡率をいくらに仮定するかによって捕獲効果は異なり、個体数をより厳密に計算する必要がある。続いて星崎氏は、クマが市街地に出没するようになると、一体何が起きるのかについて述べた。16年に秋田市の外旭川地区で実施した住民アンケートでは、この年から過去3年の間に「何らかの影響があった」という回答が約4割に上った。「外出を控えた」という声が約3割、「農作業を含め、仕事に影響」が約1割で、里山により近いエリアで起こっていた農林業や生態系への影響というより、むしろ社会生活の質の低下に影響したことがわかった。また、住民が目撃しても警察に届け出なかった事例は多く、実際には警察の把握数の2倍近くに達していたという。
(「農作業が怖い」、クマやシカによる農作物被害が深刻化:岩手)
山あいで作業する県内農家がクマやシカなど鳥獣被害への警戒を強めている。丹精込めた果実を食い荒らされる被害が深刻化。電気柵やネット設置などするが出没は絶えず「個人では限界」と、わな設置や捕獲など行政の対策強化を求める。
(イノシシの脅威、「クマより厄介」と専門家が警鐘:秋田)
秋田県でイノシシの出没が急増し、市街地や小学校にも影響が広がっている。専門家は「今後も増加が続く」と指摘し、クマ以上に対策が難しい可能性もあるとして、地域社会に警戒を呼びかけている。鹿角市の尾去沢小学校では2026年4月、グラウンドが大きく掘り返される被害が確認された。地面には無数の穴が残り、その深さから被害の大きさがうかがえる。市が設置したセンサーカメラには、夜間に現れる2頭のイノシシの姿が映っていた。餌を探して土を掘り返したとみられる。被害を受け、学校は屋外での授業や活動を取りやめ、児童の安全確保のため保護者に送迎を要請した。教育活動への影響は深刻だ。尾去沢小学校の浅水英夫校長は「グラウンドでの活動がしづらく、いつ規制を解除できるか不安」と語る。その後、市が電気柵を設置したことで学校周辺での出没は確認されなくなったが、不安が完全に解消されたわけではない。イノシシの出没は山間部にとどまらない。2025年10月には秋田市の中心市街地で相次いで目撃され、住宅街を歩く姿に住民からは恐怖の声が上がった。鹿角市でも、「群れが市街地に近づき、生息域が人の生活圏へ拡大している可能性がある。個体数の増加に伴い、目撃や被害が増えている」と、農地林務課の青山真主幹は分析する。実際に県内の目撃件数は、2010年代初頭にはわずかだったが、2023年度には269件にまで増加。近年の急増傾向は顕著だ。秋田県立大学の星崎和彦教授は、イノシシ増加の背景に東日本大震災の影響を挙げる。「発信源は福島の浜通り。震災後、人が立ち入らない環境が広がり、イノシシにとって“天国”のような状態になった。個体数が増え、分布を広げている」という。人の活動が減った地域で繁殖した個体が北上し、秋田にも拡大しているという見方だ。さらに星崎教授は「その地域で個体数が減り始めない限り、分布拡大は止まらない。当面は増加が続く」と警鐘を鳴らす。2023年度は、秋田県内でクマによる人身被害が過去最多となった年でもある。イノシシとクマの増加に関連があるのかも注目される。星崎教授は「両者が同時に存在すると、ストレスや移動の影響で人里に出やすくなる可能性はある」としつつも、「明確な因果関係はまだ断定できない」と慎重な見方を示す。一方で、対策の難しさという点では、イノシシはクマ以上に厄介な存在とされる。星崎教授は「イノシシはもともと人の近くで活動し、農作物を狙うなど人の生活に入り込む能力が高い」と指摘。さらに「繁殖力が強く、一部を捕獲しても個体数は簡単には減らない」と語る。子どもを捕獲しても親が再び繁殖するため、継続的な対策が欠かせない。いったん地域に定着すれば排除は困難で、長期戦となる可能性が高い。今回の小学校の事例では、電気柵が有効に機能した。今後はこうした侵入防止策に加え、広域での個体数管理や自治体間の連携が重要となる。生活圏へと迫るイノシシ。増加が続くと見込まれる中、地域社会は“身近な野生動物”との新たな向き合い方を迫られている。
(クマ被害相次ぐ、遊歩道は19日まで通行止め:富山)
観光客2人がクマに襲われた富山県立山町の観光スポット称名滝周辺は、15日も緊迫した警戒が続いています。称名滝周辺では、近年、クマの出没が相次いでいましたが、専門家は「人間への警戒心が薄い個体」が定着していた可能性を指摘しています。クマによる人身被害から一夜明け、立山町の職員と警察、猟友会が現場周辺の捜索とパトロールを行いました。町などによりますと、14日午後2時ごろ、立山町芦峅寺の称名滝の遊歩道で、富山市の86歳の男性と埼玉県の54歳の女性が相次いでクマに襲われ顔や手にけがをしました。2人を襲ったクマは成獣で同一個体とみられますがまだ見つかっていません。立山町農林課 佐伯悦野課長「血痕を探していた時にスズタケを食べた跡と、それから血痕を見つけたのでたぶんここが第一現場じゃないかなということは、きのうの時点で特定しています。そこの場所はゾーン1と言ってクマがもともと生息している場所で捕獲できる場所ではない」。町は、15日も称名滝へとつながる「桂台ゲート」を閉鎖し、終日通行止めとしました。
(市街地での緊急銃猟手順を確認:秋田)
秋田県鹿角市や市猟友会などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会は、クマが市街地に出没し、車庫にとどまった想定で訓練を行った。市職員や鹿角署員ら約40人が参加。昨年から可能となった緊急銃猟のほか、捕獲のための箱わな設置などの手順を確認した。市役所近くでクマが目撃されたとの通報を受け、市職員や鹿角署員が現場に駆け付け、付近の通行を規制。市職員が現場周辺の地図を見ながら対応を協議し、弾丸を受け止める障壁(バックストップ)の有無などを確認しながら緊急銃猟の実施を決めた。
(「山に入るのは危険」、猟友会が注意喚起)
東北各地でクマにより襲われたとみられる人身被害が早くも相次いでいる。市街地での目撃情報もあるが、被害が目立つのはやはり山間部だ。猟友会の関係者は「山に入るのは非常に危険」と注意を呼び掛ける。5日午前、山形県酒田市山谷の山林。家族からの110番を受けて捜索していた県警酒田署員らが、遺体を発見した。直後にクマ1頭がやぶの中から出てきたことから、同行していた地元猟友会員が駆除した。同署によると、遺体は酒田市北俣の農業、久松幸雄さん(78)だった。3日朝に山菜採りで山に入ったまま帰宅していなかった。頭部や腕などに複数の傷を負っており、司法解剖の結果、死因は出血死だった。クマによる被害だと断定されれば、山形県内では1988年以来38年ぶりのクマによる死者となる。
(ライフル銃でクマ駆除する県警プロジェクトチームが発足:青森)
警察官がライフル銃でクマを駆除するプロジェクトチームがつくられ、県警察学校で発足式が行われました。県警察学校で行われた発足式には、ライフル銃を扱う「青森県警察熊駆除対応プロジェクトチーム」のメンバー12人が出席しました。青森県警察熊駆除対応プロジェクトチーム 奈良宗典 チーム長「本日より運用を開始いたします!」。チームは4人1組となり、緊急時に市町村で緊急銃猟ができない場合や、猟友会員が確保できない場合に出動します。現場では周囲の安全を確認した上で、市町村と連携し適切に発砲します。現在、青森市内ではクマの出没が相次いでいますが、きょうはすでに6人のハンターが出動して青森市が対応しているため、警察では通常の警戒体制のみとなりました。青森県警察熊駆除対応プロジェクトチーム 奈良宗典 チーム長「市町村や猟友会などの関係団体と連携を密にし、緊急時にプロジェクトチームが任務を完遂できるよう、研修や訓練を積み重ねてまいる所存であります」。熊駆除対応プロジェクトチームの発足は全国で5番目で、引き続きクマの出没に備えます。
(ライフル射撃場の新設を検討:宮城)
宮城県内各地でクマの目撃情報が相次ぐ中、宮城県が新たに整備を検討しているライフル弾射撃場の候補地を、県議会の特別委員会が5月15日に視察しました。村田町にある宮城県クレー射撃場を訪れたのは、県議会のクマ・鳥獣被害対策調査特別委員会の委員など13人です。現在、宮城県内にはクマの駆除や狩猟に使われるライフル弾の射撃訓練施設が1カ所しかありませんが、猟友会からの要望を受け、県は今年2月、県クレー射撃場に併設する形で、新たな訓練施設を整備する方針を表明していました。県は、2030年度の供用開始を目指すとしていますが、猟友会からはクマの大量出没を踏まえて、早期の整備を求める意見が聞かれました。県は今後、建設コストなどを考慮しながら、県南の14の市町と協議を進めていくとしています。
(渡良瀬遊水地イノシシ対策プロジェクト会議:栃木)
渡良瀬遊水地に係る4県及び6市町、環境省、国土交通省、渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団を構成員とする「渡良瀬遊水地イノシシ対策プロジェクト会議」において、今年度捕獲目標等について合意が得られたため、その結果をお知らせします。令和6年度末推定生息数(1,044頭)の半数程度を捕獲する目標(520頭)を掲げ、渡良瀬遊水地に隣接する4県による協議会及び周辺6市町で捕獲強化に取り組んだ結果、目標を上回る捕獲を達成した。
(猟友会のハンターが語る“発砲の難しさ”)
全国で頻発する生活圏へのクマの出没ですが、青森県でも緊急銃猟によるクマの駆除が相次いでいます。そのハンターが取材に応じ、発砲の難しさを語りました。今月6日に八戸市で駆除された体長およそ1メートルのメスのツキノワグマ。県内で初めて猟友会のハンターによって緊急銃猟が行われました。青森県猟友会八戸支部 吉田功一郎 副支部長「ヤブを揺らしたら、クマがその辺から飛び出した。ここで構えて、クマが走っていくので銃をふったが、水平撃ちになってしまう。弾が外れると飛んでいくので、撃つところまでいったが、引き金を引けない」。安全な場所にクマを追い詰めたものの、発砲が行われたのはクマ発見から40分後でした。青森県猟友会八戸支部 吉田功一郎 副支部長「この分厚いコンクリートをバックストップにして射撃した。市街地にクマが出た時点で、市役所は緊急銃猟ありきだという態勢でことを進めてほしい。実際に現場でクマと対峙するものは行動がとりやすい」。青森県では今年、過去最多だった去年の倍近いペースでクマが出没しています。
(ハンター歴50年のベテランに密着)
新潟・上越市の山間地でクマが目撃されました。映像にはカメラに向かって歩いてくるツキノワグマが映っています。撮影者は「こっち見ながらトコトコとかなり迫ってきたのでやっぱり怖い。手が震えちゃいますよ」と振り返ります。撮影者によりますと、クマの体長は約1メートルで、近くにはミツバチの巣箱が置かれているといいます。撮影者:私も怖くて車を動かせない状態で、(車の)カギをかけて、頼むから何もしないから森の中に帰ってくれっていう感じです。クマは、撮影者が乗る車を見て逃げていきました。14日、物々しい雰囲気に包まれたのは、多くの学生が通う盛岡市の岩手大学。成獣とみられる1頭のクマが構内にとどまり、猟友会のハンターなどが出動する事態になりました。岩手大学の学生は「怖いなと思いつつ、気をつけなきゃと思うけど、もうどうしようもないよな」と話します。警察によりますと、クマは午前5時半ごろ、盛岡駅から1km先の岩手高校付近で目撃され、その約2時間後に岩手大学でも目撃されました。クマが潜む場所はドローンなどで特定されましたが、盛岡市は14日、緊急銃猟を行わないことを決めました。これを受け、学校は全ての授業を休講にしました。番組取材班が14日に密着取材したのは、秋田・能代市で活動する猟友会のハンターです。猟友会能代二ツ井支部・斉藤正美支部長:私いま73歳。20代の頃からやっているから50年超えている。ハンター歴50年の斉藤さんに同行し、立ち入り禁止の先へ向かいました。いつクマが出てもおかしくない道路を車が進みます。斉藤さんに「ああいう木はクマが登りやすい太い木」「あれみんなクマが登った爪痕なんだよ」と説明もらったあと、取材班が向かったのはクマの巣穴です。猟銃を片手に調べたり、木の棒を突っ込みましたが、クマはいませんでした。近くの木には、2026年につけられたという、クマの爪痕がありました。アメリカでもクマの脅威がみられました。日本時間12日、アメリカ東部ニュージャージー州の住宅街に1頭のクマが現れました。クマを撮影した映像には、「すごい近い。動物園にいるみたいだ」と撮影者が話す場面もありました。現地メディアによりますと、住宅の木の上から下りてこなくなったクマは体重約70kg。警察は、ドーナツやリンゴなどを入れたわなを設置しました。映像では、地上に降りたクマが警戒するようにわなをクンクンと匂いを嗅ぐ様子がみられ、わなに入った次の瞬間、わなの扉が閉まりました。その後、無事麻酔で眠らせ、捕獲に成功しました。人身被害はなく、クマは別の場所に運ばれ野生にかえされたということです。
(アイヌ「伝説のハンター」から学んだ姿勢:北海道)
狩猟者として山で獣を追う一方、北海道猟友会の幹部として多忙な日々を送る。自治体から害獣駆除の要請があればハンターらを推薦し、地質調査で入山する人の護衛をしたり、企業からシカや野鳥の追い払いを依頼されたりと、「年を取っても毎日忙しいですよ」と笑う。自然の恵みに感謝しながら動物に向き合う姿勢は、アイヌの「伝説のハンター」に学んだことだ。趣味の狩猟を始めたのは、千歳空港で地上支援職の空港マンとして働いていた20歳代の頃。1976年に支笏湖畔で山菜採りの人たちがヒグマに襲われ、2人が死亡、3人が重軽傷を負う「 風不死岳ふっぷしだけ 事件」も起きていた。駆除に協力することで世のためになればという思いもあり、狩猟免許を取得した。猟をする中で、“アイヌ民族最後の狩人”と言われた姉崎等さん(1923~2013年)と出会った。福島県出身の父とアイヌの母の間に生まれ、ヒグマ60頭以上を仕留めたとされる伝説のハンターだ。著書「クマにあったらどうするか」は今も読み継がれ、その経験知にはヒグマ研究者も一目を置く。姉崎さんと一緒に山に入るようになり、その教えに触れた。ふだんは温厚だが、猟に出れば厳しかったという。根底にあったのは、動物や自然に対する「敬意」だった。「人間は山に入って獲物を捕らせてもらうのだから、何匹も殺していいのではない。山菜も同じ。山の命を自分が食べるだけもらうんだから残すものは残せ、と」。山に入る際も、姉崎さんに倣って「ホーホーホーホー」と声をかけてから入る。「人の家に入るときも黙って入らないでしょ。黙って入るのは泥棒だ。動物たちに入るぞと知らせる。それが礼儀だと教わった」。60歳で定年退職した後、アイヌ民族でなくても入会できる千歳アイヌ文化伝承保存会の会員になったのも自然な流れだった。千歳市はアイヌ文化の学習や伝承に力を入れる。市立末広小学校では、総合学習などの授業で全校児童が卒業までに110時間も学び、運動会では全員でアイヌの輪踊り「ホリッパ」を踊る。その指導にも協力している。80歳までは狩猟を続けたいと思う。狩猟者として受け継いだものを次の世代に引き継ぐだけでなく、「アイヌ民族の自然や動物への敬意を伝えたい。アイヌの仲間として伝承文化を一緒になって盛り上げていきたい」と願っている。
(熊との共存、模索の軌跡:長野)
NPO法人信州ツキノワグマ研究会(信州クマ研、松本市開智2)の会報「信州ツキノワグマ通信」が、平成8年6月の発行開始から100号に到達した。節目の紙面では、過去の号の内容を目次の項目で振り返る「100号のあゆみ」や初代代表の林秀剛・元信州大学理学部教授へのインタビュー、会員の寄稿などをまとめた。「クマ通信」は会員向けに年3回発行している。「あゆみ」では「クマ通信の長い歴史は、長野県のクマの歴史そのものでもあるように感じます」と記す。3号(平成8年8月)に「三郷村のクマ捕獲・射殺について」、35号(18年12月)に「クマが大量出没」、50号(23年3月)に「松本市の市街地にクマが!」といった項目が挙がる。林さんは、クマの放獣が進んだことについて、行政の変化が印象的だったとし「世の中の風向きが変わってきた」と振り返った。半面、現状のクマ対策を「撃てばいい、という話になりつつあるのが…。かえって悪い方向に行くんじゃないかな」とみる。長年、信州クマ研に関わってきた泉山茂之・信州大学山岳科学研究拠点特任教授も寄稿した。過去の大量出没の経験から、県内では、森林税を使った緩衝帯整備、広域での電気柵の設置などの実績があると指摘している。信州クマ研は、野生動物と人間との共存の実現への寄与を目的に掲げている。岸元良輔代表は、信州クマ研の活動から多くを学んだとした上で「これまでのクマ通信を読み返すことで、クマを人里に誘引させない捕獲以外の対策が、いかに重要であるかを改めて知ることができる」と話している。
(地域おこし協力隊のハンター2人着任:北海道)
新十津川町の有害鳥獣駆除を担う地域おこし協力隊として、北海道外から男性2人が4月に着任した。1人は、2011年の東京電力福島第1原発事故で被災した福島県の避難区域で有害鳥獣の駆除に従事した経験がある。もう1人は飲食店経営を通じてジビエ(野生鳥獣肉)に興味を持ち、ハンターを志した。2人は「将来的にはハンターを地域で支える仕組みを作りたい」と意気込んでいる。
(漫画家がガチ猟師に!?)
「自分の食べ物を自分で獲る喜び」を味わったことはありますか?今回ご紹介するのは、インドアな職業の代表格ともいえる「漫画家」が、大自然に飛び込み「猟師」になるという異色のエッセイ漫画『漫画家、猟師になる』です。第1話「野生が呼んでいる」から、手に汗握る狩猟のリアルな現場と、作者が感じた圧倒的な興奮をお届けします!子供の頃から漫画ばかり描いていた主人公の前田治郎は、狩猟免許を取得し、令和6年11月の狩猟解禁日に初めての猟へ向かいます。彼が参加したのは、猟犬を使って獲物を追い出し、待ち伏せして仕留める「巻き狩り」というチームプレイの狩猟。山の中に響き渡る猟犬の声、そして笹薮を駆け抜けるシカと、鳴り響く銃声……。マンガとは思えない圧倒的な臨場感で、狩猟のリアルが描かれます。見事に仕留められた大きなシカを引き上げながら、主人公は息を弾ませます。コンビニやスーパーに行けばいつでも食料が手に入る現代において、「自分の食べ物を自分で獲る喜び」を実感した瞬間でした。太古の昔から続く狩猟という遺伝子が組み込まれているかのように、「野生の本能」と「細胞の歓喜」を爆発させる主人公の姿は、読者の胸にも熱いものを呼び起こします。漫画という二次元の世界に生きていた著者が、命のやり取りという別次元の興奮に出会う第1話。アウトドアやジビエ、狩猟に興味がある方は必見の作品です!
(東濃地方で昔盛んだったカスミ網猟に注目、自然と人の関わり方を考える講演会を開催:岐阜)
中京学院大学短期大学部の特任講師である富田宏先生を招き、2026年5月23日(土)、ひと・まちテラス101a(岐阜県中津川市新町2-34)で自然と人の関わり方を考える講演会を開催します。中津川市でシェアスペース「まもりや」を運営するなどしている三浦祥は、2026年5月23日(土)に、中京学院大学短期大学部の特任講師である富田宏先生を招き、ひと・まちテラス101a(岐阜県中津川市新町2-34)で自然と人の関わり方を考える講演会を開催します。「法律で禁止されたからと言って、カスミ網猟にまつわる文化が丸ごと無かったことになってしまうのは惜しい」「先人の知識は今後の動物・自然保護に役立つかもしれない」「私たちが子どもの頃自然から得られた恩恵を、次世代の人びとも受け継ぎたい」という先生の想いに共感し、講演会を皮切りに、映画上映会・本作りワークショップへと続く全3弾の連続企画を開催することにしました。
(商業施設で「クマが1階に出没」、体重100キロの成獣を緊急銃猟で駆除:青森)
15日午後3時半頃、青森市長島の商業ビル「クロスタワー ア・ベイ」にツキノワグマ1頭が入り込んだ。市は午後6時過ぎ、ビル1階のパン店で寝ているクマを緊急銃猟で駆除した。けが人はいなかった。市によると、クマは雄の成獣で体重は推定100キロ。市は箱わなを設置したがわなにかからず、職員らに危害が及ぶ可能性もあるとして、市幹部が緊急銃猟の実施を判断した。ビルの1階にいた買い物客や従業員らは一時、2階より上のフロアに避難した。3階の医療機関に勤務する女性は「館内アナウンスで『クマが1階に出没した』と知らされ、患者さんと一緒に3階に閉じ込められた。怖かった」と憔悴(しょうすい)した様子だった。現場は県庁から東に約500メートルの裁判所や飲食店などが並ぶ市の中心地。ビルにはホテルやコンビニ店、飲食店などが入っている。
(住宅街近くにクマ出没、逃げた山林で駆除:山形)
冬眠から目覚めたクマが全国各地で出没する中、県内でも先月下旬、上野原市の住宅街の近くにクマが出没し、ハンターが駆除しました。県内でのクマの駆除は今季初です。県内では今年4月以降、峡南地域や東部地域などでクマの目撃情報が18件寄せられています。駆除されたクマは市から依頼を受けた猟友会が警戒中に発見しました。体長約1m、体重約40キロで、推定3歳のオスのツキノワグマです。地元のハンターは「そこで放犬したが、そのあと向こうにいたクマを犬が見つけて追跡した」。クマが見つかったのは住宅地に近い場所だったため、県内ではまだ例のない「緊急銃猟」も頭をよぎったといいます。地元のハンターはは住宅があるので絶対に発砲は禁止の場所だから。緊急銃猟の対象になるので住民や警察との打ち合わせになる」。しかし、クマが山林の奥に逃げ込んだため、通常通りの手順で仕留めることができたということです。地元のハンターは「この時期はエサがいっぱいあるから、里山に出てくるのが当たり前のようになっていて昔とは違う。人間にもクマは慣れているので住宅街も危ない」。県によりますと、銃を使ったクマの駆除は県内では今季初です。上野原市の担当者は「市の緊急銃猟マニュアルの完成は今年秋の予定で、それまでは県の指針を参考に適切に判断していきたい」と話しています。
(空港の敷地内にクマ、滑走路を一時閉鎖:岩手)
15日夕方、岩手県花巻市にある花巻空港の敷地内にクマ1頭が入り込み、滑走路が一時、閉鎖されました。岩手県の花巻空港事務所によりますと、15日午後5時半ごろ、空港の敷地内にクマが1頭いるのが見つかったということです。空港に設置しているNHKのカメラの映像では、午後6時すぎ、クマとみられる黒い色をした動物が滑走路の周辺を歩いているのが確認できました。花巻空港は午後5時半に滑走路を閉鎖し、一時、航空機2機が乗客を乗せたまま離陸できない状態で待機していました。空港事務所によりますと、その後、クマは空港の敷地の外へ出たことが確認され、滑走路に異常もなかったことから、午後6時12分に閉鎖は解除されました。待機していた航空機はすでに離陸し、空港の離着陸は再開されたということです。
(住宅から約300mで“クマ捕獲”:青森)
12日朝黒石市でクマ1頭が捕獲されました。このクマは今月市街地の近くで何度も目撃されていた個体とみられていますが、市は引き続き警戒を続けます。クマが捕獲されたのは黒石市内に複数設置された箱わなの1つで、市の職員が午前8時半に確認しました。体長およそ1メートル、体重はおよそ60キロのメスで、3才から4才の若いクマとみられます。市は捕獲した具体的な場所の公表を控えていますが、住宅からわずか300メートルしか離れていないということです。黒石市内では今月3日から7日までの間に、青山地区と八甲地区、それに上十川地区であわせて6件、クマの目撃情報が寄せられていました。市は警察や猟友会と協力して、1日2回の広報パトロールなどを続けていたほか、箱わなを設置し警戒を強めていました。黒石市農林課 齋藤充 主任主事「この早い春の時期に複数件同じような箇所で目撃があったという状況に、本当に肝が冷える思いでした。そんな中で人身の被害がないというかたちで、可能性が高い個体を捕獲できたことに安心している」。は目撃情報が寄せられた地区にほかのクマがいる可能性を捨てきれないことから、箱わなを設置し警戒を続けることにしています。県内でクマ出没が相次ぐなか、五所川原市では緊急銃猟を想定した訓練が行われ、市や猟友会などから40人が参加しました。八戸市では今月6日に県内初の緊急銃猟によるクマ1頭の駆除が行われています。また平川市でも9日に緊急銃猟で1頭が駆除されています。五所川原市ではことし5件の目撃があり、緊急銃猟に備えて警察や猟友会が出動の流れを確認しました。訓練では市民学習情報センターの敷地内に出没した想定で、模擬銃を使って発砲した際の動きを実践して備えていました。県猟友会五所川原支部 木村力 副支部長「一連の流れを確認できたというのはひじょうに大きな成果だと思います。安全のうえにも安全をはかって取り組みたいと思います」。
(日没直前にクマの緊急銃猟、約300m先に民家:青森)
9日夕方、青森県平川市の田んぼにクマが出没し、緊急銃猟で駆除されました。県内での緊急銃猟は2例目です。緊急銃猟が行われたのは平川市の田んぼで、体長約1.5mの雄のクマ1頭が駆除されました。9日午後4時半ごろ、平賀東小学校近くでクマ1頭の目撃情報があり、市や猟友会が巡回したところ、午後6時過ぎに尾崎木戸口地区の田んぼでクマを発見しました。市によりますと、この田んぼから約300mの距離に民家があったことや日没が迫り、箱わなを使う時間がなかったことなどから住民の安全確保のため、午後6時半ごろ緊急銃猟を許可したということです。県内での緊急銃猟によるクマの駆除は5月6日の八戸市に次いで2例目です。
(クマが走行中の車に衝突:長野)
10日夕方、塩尻市の国道でクマが走行中の車に衝突する事故がありました。この事故を受け近くの小・中学校では11日朝、パトロールが行われました。衝突した車の左前方は衝撃でタイヤがパンクし、周りのカバーがはずれ自走できない状態となりました。10日午後4時すぎ、塩尻市木曽平沢の国道19号で走行中の車にクマが衝突する事故がありました。けがなどはありませんでした。現場周辺には小学校や住宅があり、クマは車にぶつかった後、山の方に逃げたとみられています。この事故を受け、11日朝、現場近くの楢川小中学校では爆竹花火などで追い払いをしたほか、市の職員が学校周辺をパトロールしました。塩尻市によりますと4月からこれまでにクマの目撃情報は7件寄せられ、去年の同時期と比べて3件増えているということです。
(八高線、イノシシと衝突:埼玉)
15日午後7時55分ごろ、埼玉県ときがわ町日影、JR八高線小川町駅ー明覚間で、高崎駅発高麗川駅行上り普通列車(2両編成)がイノシシと衝突し、一時運転見合わせとなった。JR東日本高崎支社によると、列車は午後9時30分ごろ、運転を再開した。けが人はいなかった。イノシシが衝突した後、動いていたため、小川町役場の職員が到着するのを待った。役場の職員と係員がイノシシを線路外に移動するのに時間がかかったという。安全を確認し、全線で運転を再開した。八高線は上り1本が運休、上下線で5本に最大約1時間半の遅れが出た。約190人に影響が出たという。
(肉の在庫確保にも苦労する村の取り組み:青森)
青森県西目屋村の人たちが、クマ肉を使ったジビエ料理を新たな特産品として売り出している。使うのは農作物を荒らす有害鳥獣として捕獲したツキノワグマで、村の厄介者を観光資源に変えようとしている。昨年10月、クマ肉の串焼きの写真とともに「ツキノワグマを食べた!!」と書き込んだX(旧ツイッター)の投稿が話題になり、「いいね」が8万件を超えた。甘辛いタレをかけられた串焼きの肉は軟らかく、口に入れるとすぐにほぐれる。村の第3セクター「ブナの里白神公社」が販売しており、同公社によるとXの投稿が広がって以降、同村のイベントで飛ぶように売れたという。同村ではクマなどを狩る「マタギ」が暮らしてきた伝統がある。同公社はクマ肉をジビエ料理に加工し、道の駅や宿泊施設で提供している。角田克彦事務局長(50)は「全国で人身被害があり心苦しい面もあるが、村に新しい観光の材料ができたのはうれしい」と話す。村は昨年度、村営の食肉加工施設で、箱わなで捕獲したクマを44頭解体した。以前は捕獲した個体を埋め立て処分していたが、2020年に同施設ができたことで、捕獲後にすぐ解体して冷凍保存できるようになり、肉をレトルトカレーやソーセージに加工している。農地巡視員の男性(70)は「命が無駄にならなくていい。狩猟免許を持つ人はみんな同じ思いだ」とこの取り組みを歓迎する。一方、在庫の確保には苦労もある。クマの捕獲は出没が少なかった22年度は7頭、24年度は10頭にとどまった。昨年度は串焼きが好評で、肉の在庫はほとんどないという。販売拡大は無理に目指さない方針で、角田事務局長は「乱獲すればマタギの精神に反する。あるもので商売することは今後も変わらない」と話している。県によると、2025年度に県内で捕獲されたクマの頭数は1248頭で、記録が残る1992年度以降で最多だった。それまでの最多だった2023年度の626頭の約2倍で、エサ不足で人の生活圏内への出没が増えたことが原因とみられる。目撃件数も3334件と過去最多だった。クマ捕獲は2種類の目的がある。狩猟目的で捕獲されたクマは自家消費されることが多い一方、生活や農作物に被害を及ぼす有害鳥獣対策としての捕獲では、クマの多くを焼却処分するという。今年4月、クマの目撃は110件で、昨年の46件を大きく上回った。県はクマの目撃や人身被害の情報をインターネット上でまとめるシステム「くまログあおもり」の活用を呼びかけており、エサとなる生ゴミなどを屋外に放置しないよう求めている。
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(86歳男性がクマに襲われけが:富山)
富山県立山町によると、14日午後2時ごろ、同町の観光地、称名滝の遊歩道で男性(86)がクマに襲われ顔や手にけがをした。意識はあるという。
(安中総合射撃場の整備方針発表、クレーの3年後開場目指す:群馬)
群馬県は12日、銃刀法の安全基準を満たせず、整備を中断していた県安中総合射撃場(安中市中宿)のクレー射撃施設について、追加対策を行うことで基準に適合できる見通しがついたとして、2029年度中に一部施設の開場を目指す方針を明らかにした。ただ、約12億円を予定していた総事業費は約16億円に膨らむ見込みで、県は「見通しが甘かった」としている。安中総合射撃場は、シカやイノシシ、クマなど有害鳥獣を捕獲する担い手を育成するための施設。既存のクレー射撃場を改修し、ライフル射撃場を併設する形で、約12億円をかけて18年度に着工。20年7月の開場を目指した。だが、県警などから、クレー射撃場で発射された弾丸の安全性を確保する基準を満たせないと指摘があった。県はクレー射撃場の整備を中断し、室内のライフル射撃場のみ24年に先行開場した。今回発表した方針では、クレー射撃場のうち、直線に並んだ射台を移動しながら、空中に飛ぶクレー(皿)を撃つ「トラップ射台」の開場を目指す。安全基準を満たすために、弾丸が到達する範囲の民有地や国有地約1万1千平方メートルを追加取得することとし、その経費約2600万円を21日開会の県議会第2回定例会に提案する。さらに、約3億円かけて防弾ネットと防護壁を新設する。資材高騰が続けば、費用は上振れする可能性がある。一方、半円状に並んだ射台を移動しながらクレーを撃つ「スキート射台」は安全基準を確実に満たすことが困難と判断。19年ごろに1200万円かけて新設備を導入するなどの修繕をすませていたが、整備を打ち切って廃止する。山本一太知事は12日の定例会見で「前の知事の時代に決めた整備方針。現実的に遅れているのは申し訳ないが、努力をした。(開場のめどがついて)ほっとしている」と述べた。
(ストーカー疑いで警告の男性に猟銃返還:茨城)
ストーカー規制法に基づく警告が出ていた男性が所有する猟銃を一時的に預かる「仮領置」を、茨城県公安委員会が取り消していたことがわかった。預かっていたつくば署は13日、男性に猟銃を返還した。男性の弁護士によると、危害を加える恐れがないと判断されたためで、こうした理由で仮領置が取り消されるのは珍しいという。つくば市の団体職員の男性(58)は2月16日、交際相手の女性に対するストーカー規制法違反の疑いで取手署から口頭で警告を受けた。男性は県猟友会の支部に8年前から所属して猟銃2丁を所有し、シカやイノシシの猟に使っていた。県公安委は警告を受け、2丁を銃刀法に基づき仮領置することを決め、つくば署が17日に男性から猟銃を預かった。これに対し男性側は「猟友会で安全指導員をするなど模範的な活動をしており、他人に危害を加える恐れはない」と主張し、県公安委に取り消しを求めて5月7日に審査請求した。県公安委は審査の結果、11日付で仮領置を取り消した。毎日新聞の取材に対し、弁護士は「わずか4日間で取り消されるのは、仮領置の手続きがいかにずさんだったかだ」と批判。つくば署で猟銃を受け取った男性は「好きな狩猟が続けられるのでほっとしている」と話した。県警は「個別事案の答えは差し控える」としている。
(ライフル廃棄の経緯、ハンターが所有権放棄書提出:北海道)
今回のライフル廃棄の経緯です。警察は池上さんが2018年、クマ駆除のために発砲したことについて、銃刀法違反の疑いで捜査していて、証拠品として2丁のライフル銃を押収していました。池上さんは北海道公安委員会に猟銃所持許可を取り消されたことに対し訴訟を起こし、最高裁で勝訴。4月9日に北海道公安委員会からライフル銃1丁の返還を受けました。しかし、もう1丁のライフル銃について、検察は2019年、刑事事件を不起訴処分とした際に廃棄していたのです。検察は、池上さんから所有権放棄書が提出されており、事務規定に従って適正に処分したとしています。
(「熊が大繁殖しているようだ」猟友会が報告:秋田)
クマが大繁殖しているようだ。遭遇する危険性が高くなっている」。秋田県小坂町の細越満町長は8日の定例記者会見で警戒を呼びかけた。「大繁殖」は地元猟友会から寄せられた情報という。山あいの同町周辺はクマの出没が多く、2年前には隣接する同県鹿角市の山林で警察官2人が襲われるなどした事案も発生した。今年も6月末まで、現場に近い両市町の一部を入山禁止としている。一帯は山菜やタケノコが豊かな地域だが、細越町長は「危険だから入らないでとお願いしている」と強調し、クマによる人身被害ゼロへの協力を求めた。
(ツキノワグマの主食、ドングリじゃなかった:兵庫)
近畿北西部の里山に生息するツキノワグマの秋の主食が、従来主食とみられていたドングリではなく、種の周りに水分を多く含んだ果肉を持つ「液果類」だとする研究結果を兵庫県立大の研究チームがまとめ、12日付で国際学術誌に発表した。各地で被害が相次ぐクマの出没予測への活用が期待される。国内でのツキノワグマの食性研究は、これまで北日本や東日本の「冷温帯域」が中心で、暖温帯域の西日本エリアに生息するツキノワグマの食性についてはまとまった研究がなかった。研究チームは令和3年4月~6年12月、兵庫県豊岡市を中心にツキノワグマのふん288個を収集して分析。その結果、ドングリが豊作な秋のふんに、アオハダやウラジロノキなど水分を多く含む液果類が多く含まれていることが分かった。近畿北西部の里山に生息するツキノワグマの秋の主食が、従来主食とみられていたドングリではなく、種の周りに水分を多く含んだ果肉を持つ「液果類」だとする研究結果を兵庫県立大の研究チームがまとめ、12日付で国際学術誌に発表した。各地で被害が相次ぐクマの出没予測への活用が期待される。国内でのツキノワグマの食性研究は、これまで北日本や東日本の「冷温帯域」が中心で、暖温帯域の西日本エリアに生息するツキノワグマの食性についてはまとまった研究がなかった。研究チームは令和3年4月~6年12月、兵庫県豊岡市を中心にツキノワグマのふん288個を収集して分析。その結果、ドングリが豊作な秋のふんに、アオハダやウラジロノキなど水分を多く含む液果類が多く含まれていることが分かった。
(シカが暑さ対策か「鉄分や塩分を求めてレールを舐めに来ている」可能性:鳥取)
列車とシカが衝突する事故が相次いでいます。なぜこの時期に列車とシカが衝突する事故が発生するのか…調べてみると、シカがわざわざレールをなめに来ている可能性があることも分かりました。5月10日、岡山県高梁市のJR伯備線で、普通列車がシカと衝突して故障。その後特急やくも含む7本に運休や遅れの影響が出たほか、11日夜に東京駅を出発する予定だった寝台特急「サンライズ出雲」も車両の到着が間に合わず、運転中止となりました。相次ぐシカとの接触事故、地元の猟友会に話を聞くと…日野郡鳥獣被害対策実施隊 高野伸也チーフ「そもそもシカの数も増えていますので春になって夏に向かうところで、えさを求めて移動もありますので、そういったところで事故が起きる可能性がある」。鳥取県西部の山間、日野郡ではシカの捕獲数がここ数年増加傾向にあるとのこと。江府町によると今年3月から5月12日までの捕獲数は89頭。今年は去年を上回る勢いです。増えたシカが移動するついでに線路を横切るだけでなく、シカがわざわざ線路にやってくる理由もあるということです。日野郡鳥獣被害対策実施隊 高野伸也チーフ「シカが鉄分や塩分を求めてレールを舐めに来るっていう事例を聞いたことがあります」。レール自体が目当ての可能性もあるシカによる接触事故。今後の気温上昇でこうした行動がさらに増える可能性もあります。日野郡鳥獣被害対策実施隊 高野伸也チーフ「暑くなると人間が足りなくなるようにシカも同じだと思いますので、その辺は変わらずなめに来る頻度は夏の方が多いのではないか」。JR西日本では接触の多い日没後の運転で、速度を下げたり柵を設置するなど対策をしているということですが、毎年のように過去最高を更新する暑い夏と野生動物の増加も接触事故の一因となっているのかもしれません。
(「お客さま」より「シカ・イノシシ」で列車遅延)
JR九州は2026年5月11日、前年度に発生した列車の遅延事象について公表しました。2025年度における列車の遅延事象で最も多かった原因は「獣害」で、シカやイノシシなどの動物と列車が衝突したケースが488件(17.7%)発生しました。一方、踏切事故や踏切内での立ち往生などのトラブルは339件(12.3%)、急病人対応や乗客トラブルは226件(8.2%)でした。また、置石やいたずらによる踏切支障報知装置の作動など、人為的な妨害による遅延は105件(3.8%)で、人的要因による遅延件数はいずれも獣害を下回っています。
(食害対策強化、AIでシカ生息状況調査:福島)
林野庁は今年度、県内に生息するニホンジカ、ツキノワグマなどの野生鳥獣による樹木の食害対策を強化する。ニホンジカ対策では森林内に複数のカメラを一定間隔で配置し、自動撮影した画像からシカの有無を人工知能で解析する。
(シカ・クマとの衝突件数が2025年度"過去最多"を記録:北海道)
JR北海道は5月14日、2025年度のシカやクマによる列車運行への影響件数を発表しました。シカの衝突件数、クマの発見・衝突件数ともに過去最多を記録しています。2025年度のシカとの衝突件数は全道で3478件にのぼり、過去最多だった2023年度の3145件を大きく上回りました。前年度の2770件からは708件の増加です。エリア別では、本社エリアが1072件、釧路エリアが1192件、旭川エリアが1077件、函館エリアが137件となっています。本社エリアでは室蘭線や石勝線、釧路エリアでは根室線や釧網線、旭川エリアでは宗谷線や石北線での衝突が多く、全道的に増加傾向がみられます。またヒグマについても、2025年度は発見衝突件数が76件と過去最多となりました。このうち衝突したケースは57件と、こちらも過去最多です。こうした衝突により列車の遅延や運休が発生するケースが相次いでいます。特にヒグマの場合は、ハンターの手配など現場の安全を確認するため、運転再開まで時間がかかる場合が多く、影響が深刻化しています。
(札幌市は家庭菜園用の"電気柵"を貸し出しへ:北海道)
札幌市は5月13日、2026年度初めてのヒグマ対策委員会を開催。さらに5月15日から家庭菜園用の電気柵の貸し出しの受付も始めます。電気柵の能力はどんなものか。映像ではワイヤーに触れたクマがすぐに逃げ出します。クマはワイヤーが安全かどうか鼻を使って確認する習性があり、その際、濡れた鼻に電気が流れて痛みを感じるのです。今はまだ野菜や果樹の実りはない時期です。ただ、札幌市のヒグマ防除隊の隊長・玉木康雄さんは、今からの対策が重要だといいます。その理由は「シカ」です。「野生動物の中でもシカは草木類が大好きなので、それを食べにシカが入ってくる。最終的に何を意味するかというと、食物連鎖のピラミッドを考えれば分かるが、シカを食べる上位種がクマ。クマも最終的に呼び込んでしまう」(札幌市ヒグマ防除隊 玉木康雄隊長)。ただ、電気柵の使い方には注意も必要です。「例えば電圧が弱かったり、下草を刈ってないと電気柵自体が無効になってる可能性がある。管理が不適切ですと電気柵としての意味をなさない。設置するだけじゃなくて日々の保守管理もキッチリする」(札幌市ヒグマ防除隊 玉木康雄隊長)。
(マダニ媒介の「SFTS」、60代男性の感染確認:奈良)
奈良県は13日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)に中和保健所管内の60代の男性が感染したと発表した。男性は意識障害を起こして入院中という。感染症法上では4類に位置付けられ、有効な治療法がないため、県はマダニにかまれた際は医療機関での受診を勧めている。発熱や吐き気、腹痛などを発症するが、有効な薬剤やワクチンがなく、対症的な治療しかできない。致死率は6.3~30%という。マダニは森林や草むらに生息し、イエダニより大型。人や動物に取り付き、皮膚に口器を突き刺して数日から10日にわたって吸血する。県は直接手でダニを取ったりつぶしたりせず、医療機関で処置を受けるよう勧めている。また草むらや藪に入る際には長袖、長ズボンを着用するなど、肌の露出を少なくするよう注意喚起している。
(50代女性が「マダニ感染症」に:高知)
高知県は、高知市保健所管内の50歳代の女性が、マダニを介して感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染したと発表した。感染確認は今年初めて。昨年はSFTSや、同様にマダニが原因となる「日本紅斑熱」を発症した患者がいずれも過去最多にのぼった。県は農作業などの野外活動の際は長袖、長ズボンを着用して肌の露出を少なくするなどの感染予防対策を呼びかけている。県によると、女性は4月28日、発熱のため、医療機関を受診。県衛生環境研究所でのウイルス検査の結果、感染が確認された。5月1日時点で入院治療中という。日本紅斑熱も4月3日に今年初めて感染確認の届け出がされている。SFTSと日本紅斑熱は、いずれもマダニにかまれることで感染。SFTSは、6日~2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱や 嘔吐おうと などの症状が出る。致死率が約30%とされ、犬や猫などペットを通じて感染したと疑われるケースもあるという。日本紅斑熱は、2~8日の潜伏期間を経て、頭痛や発熱などがある。どちらも人から人へ感染する病気ではないという。県内では昨年、SFTSの患者は前年比5人増の15人、日本紅斑熱は同16人増の25人と、いずれも過去最多だった。マダニの活動時期は春から秋の暖かい時期とされ、昨年はSFTSは4月、日本紅斑熱は5月に県内初の感染が確認されていた。今後、感染拡大の恐れもあり、県は、農作業や庭仕事、登山などの野外活動時には肌の露出を控え、ダニの付着に気づきやすい白い色の服や、表面が滑ってダニが付きにくい素材の服を選ぶことを勧める。肌が出る部分に防虫スプレーの使用や、ペットを触った後の手洗いなどの対策も推奨している。
(クマ出没に今年も警戒を)
今年すでに人身被害も起き、活動が活発化しているクマ。個体数の管理などが対策として挙げられていますが、野生動物管理に詳しい立命館大の桜井良教授は、行政に任せるだけではなく、「住民の行動や意識が変わらないと問題は解決できない」と指摘します。都心に住む人にとっても、他人事ではないそうです。――近年、クマによる人身被害が増えています。今年はどうなりそうですか。「クマの大量出没は20年ほど前から繰り返し起きていて、決して新しい現象ではありません。ドングリなどの堅果類が数年に一度不作・凶作になるために、餌不足となったクマが人の生活圏に出てきます」。
(昨年度のクマの出没件数が発表、過去最多の3334件:青森)
昨年度のクマの出没件数が発表され、青森県内では、これまででもっと多い3334件となり捕獲数も過去最多となりました。2026年も人里でのクマの出没が相次いでいて、昨年度の倍以上のペースで目撃されています。2026年も各地で頻繁に目撃されているツキノワグマ。環境省が11日に発表した昨年度の出没件数は、県内で3334件となっていて、これまでで最も多くなっています。また、捕獲数も過去最多の1248頭でした。ただ、クマは今年度も相次いで出没していて、5月12日までに170件と前の年の倍以上のペースとなっています。人の生活圏にも出没していて、5月に入り八戸市と平川市で2回「緊急銃猟」が実施されるなど、クマへの警戒が高まっています。そうしたなか、五所川原市では県や市の職員、警察や地元の猟友会が集まり、緊急銃猟のための訓練が初めて実施されました。訓練では住宅や小学校の近くで目撃されたことを想定し、立ち位置や銃猟までの手順を確認しました。県猟友会五所川原支部 木村力 副支部長「とっかかりとしてはおおむねね良好かなと。(今後も)連絡を密にとりながら、発砲する側としては間違いのない射撃ができるように日々練習して取り組みたい」。県は「くまログあおもり」で出没情報を確認するなどして、注意・警戒するよう呼びかけています。
(獣害対策課が語る“緊迫の現場”、猟友会とは異なるハンター起用も)
クマの出没が連日伝えられ、死傷者が出る人身被害も多発した昨年の日本列島。環境省は5月12日までに、2025年度の全国のクマ出没件数と捕獲数の速報値を公表した。「公表値によると、昨年度の全国のクマの出没件数は5万776件。これは、過去最多だった2023年度の2万4348件を実に2倍以上も上回る数値であり、捕獲数も過去最多の1万4720頭にのぼっています。なお、ヒグマなどの生息地である北海道はデータ非公表、クマが生息していないとされる九州・沖縄は集計の対象外ですから、実際にはさらに多いでしょう」(全国紙社会部記者)。昨年盛んに報じられたクマの被害が、数値で如実に示されることとなった今回。また、公表と同時期には、東京都でもクマの出没が報告されている──。東京都八王子市は12日、元八王子2丁目の雑木林で、4月29日に体長1m超えのツキノワグマが出没していたと自治体の公式LINEなどで通知。多摩地域ではあるものの、都内で住宅や学校も点在するエリアの出没に、SNSでは《もしかしたら23区にも出没するんじゃない?》《住宅地の近くでの出没は不安になりますね》。《これからの時期、高尾山とか陣馬山の方へ行く人も多いだろうから、他人事じゃないですね》。などと住民以外からも不安の声が上がっている。「東京は昨年8月にも、奥多摩町で釣りをしていた50代の男性がクマに襲われ、顔や首にケガを負いました。当時、奥多摩町でクマによるケガ人が出たのは6年ぶりのことで、クマによる被害が地方だけの問題ではないことを示しているでしょう」(前同)。これまで東北地方や北海道が中心だったが、東京も他人事ではなくなったクマ被害。人々の不安も当然だろうが、八王子市はどのような対策を進めていくのだろうか。今回の出没状況も含め、市の獣害対策課担当者に聞いてみた。まず今回のツキノワグマについては、市民がイノシシの被害を防止するため、有害鳥獣捕獲の許可を持っている友人にイノシシ用の大型ワナとセンサーカメラ設置を依頼したことで発覚。その後、「5月10日にカメラ映像を確認したところ、4月29日の夜8時15分頃、1m超のクマの成獣1頭が映っていました」(担当者)とのことだ。市は12日の9時半頃にカメラの映像を入手し、専門家にも確認してもらったところ、ツキノワグマだと認定したそうだ。その後は、近隣の施設に幅広く注意喚起を行ったという。「近隣の町会、南多摩霊園、東京霊園、都立八王子霊園といった大きな霊園の管理事務所など、色々な施設に出向きまして、注意喚起と“こういう対応をとっていきます”という説明に上がっております。小中学校には、管轄の八王子市教育委員会から情報が行くと思いますが、周辺には学校も多く、漏れがあってはいけないので、高校も含めて各学校に電話で注意喚起も行っております」(八王子市獣害対策課担当者=以下同)。緊迫した状況がうかがえるが、幸いにも、現在は映像の雑木林にクマがいないことも確認しているという。「ハンターも含めた専門家とも現場を捜索しまして、その雑木林にクマがもういないことを確認しています。ただ、戻ってくる可能性もありますので、念のため、ドラム缶を使った大型のワナを先ほど(12日午後)1基設置しました。市民の安心安全のためにはずっとワナを張っていた方が良いのですが、何個もあるわけではありませんし、他の場所で出没すればそちらに移設することもありえます。その時々で、最善の策を打っていくつもりです」。ハンターに関しては、クマが多く出没する東北地方と違った特徴があるという。出没数の少なさから、東北地方に比べてクマ対策のノウハウが少ないイメージを抱く者もいるかもしれないが、その点もしっかりとカバーできているようだ。「東北の場合は猟友会の方と連携するという報道があると思いますが、八王子は猟友会ではなく、民間に委託している捕獲の専門家・専門会社に依頼をしています。猟友会は高齢化が叫ばれていますが、民間の会社なので若い方も多く、猟銃免許を持っているので銃も撃てる専門業者です。こうした業者と、継続的に対応できるような体制を作っています」冬眠が明け、クマの出没が増えてきそうなこの時期。今年は昨年よりも少なくなることを願うばかりだ。
(「狩猟の魅力・楽しさ知って」、6月にフォーラム:秋田)
秋田県は6月28日、県立総合射撃場(秋田県由利本荘市)で「秋田狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を開く。市街地でのクマの目撃や人的、農作物被害が伝えられる中、狩猟に関心を持つ人やハンターの資格者を増やす狙いがある。フォーラムは、ハンターによる射撃練習の見学▽模擬銃・わなの展示▽シューティングシミュレーターによる狩猟の雰囲気の体験▽(資格や年齢制限なしで使える)ビームライフルの射撃▽くくりわなの実演、など。狩猟免許取得の相談や、シカ、イノシシを使ったジビエ料理(カレー)の試食もできる。フォーラムは例年開いており、今年で14回目。今年度5回予定している狩猟免許試験(各回定員60人)は、6月14日分はすでに定員に到達。7月、9月、12月、1月分も受け付けており、早めの申し込みを呼びかけている。県自然保護課は「安全安心の確保のためには狩猟者が増える必要がある。狩猟への関心、楽しさや魅力を知って頂きたいので、ぜひ大勢の方に参加してほしい」としている。フォーラムは県内在住者が対象で、事前予約が必要。
(クマへの理解深めて対策:青森)
二戸郵便局(鈴木康弘局長)は8日、二戸市職員を講師に招き、局内でクマ対策講座を開いた。出席した局員約20人が参加した。
(有害鳥獣対策に専門員、狩猟免許持つ2人採用:北海道)
下川町は狩猟免許を持ち、鳥獣被害対策を担う「野生鳥獣専門員」(ガバメントハンター)として、奥山貴士さん(50)と佐藤凌也さん(24)を採用した。産業振興課の正職員として、地元猟友会と連携して目撃情報が急増しているヒグマやエゾシカなど有害鳥獣の駆除や、被害防止の計画策定などを担う。上川総合振興局などによると、上川管内で野生鳥獣専門員を採用するのは占冠村に次いで2自治体目。
(クマ対策を強化、「鳥獣被害対策専門員」採用:新潟)
三条市は本年度、クマなどの鳥獣被害対策を強化する。今月には常勤の公務員となる「鳥獣被害対策専門員」を1人採用。専門知識を生かしてより有効な対策につなげ、ノウハウの蓄積も図る。また猟銃購入で補助制度を新設するなどし、ハンターの確保を図る。2025年度に三条市内でクマや、ふんなどの痕跡の目撃情報は144件。24年度に比べ100件以上増えた。人身被害はなかったものの、市農林課の藤家憲課長は「目撃情報は餌の作況により増減するが、クマの生息域が人の生活圏に近づいていることは確か」と危機感を口にする。
(“ヒグマウォッチャー”が「春なのに親も子も大きい」と警鐘:北海道)
11日午後、北海道北部にある興部町でクマの姿が目撃されました。映像に映るのは、国道を悠々と歩く体長2メートルほどのヒグマです。さらに、市街地の外れを疾走する様子もみられ、撮影者は「怖い怖い!やばいって。警察に言った方がいい?」とおびえた様子をみせます。こうした中、同じ興部町で野生のヒグマ親子が食事をする瞬間をカメラが捉えました。画面中央で子グマがかじりつくのはエゾシカの骨。もう1頭の子グマはエサを探して、うろついています。そして、カメラに向かってきたのは、ひと回り大きな母グマ。鼻息荒くゆっくりと迫ってくる様子がみられます。5月1日の午後7時前、興部町の住宅地から近い山林に出没した親子グマ。映像を撮影したのは、20年以上ヒグマを観察している黒澤徹也さんです。北海道ヒグマチャンネル・黒澤徹也さん:親も子も春なのに大きいなという印象。今まで見たこと無いような、なかなか面白いシーンが映っていた。草を食べたり。ヒグマウォッチャーも注目する野生ヒグマが草を食べる映像では、むしゃむしゃと食べる音が聞こえ、モノクロ映像にすると、食事をしている様子がよく分かります。親子グマは警戒する様子もなく、10分以上食事をしていました。
(山菜取りの際は爆竹で大きな音と火薬の匂いをさせてから入山を:長野)
山菜取りや山へのレジャーなどが増える季節ですが、一方で心配なのが、クマへの遭遇…県内でも、目撃情報が相次いでいるクマに、どんな対策をすべきなのでしょうか?道の駅に山菜を出荷している、長野市信州新町の小林久一さん。20年以上山菜取りをするベテランで、この時季は、連日山菜を採りに山へ入っています。小林久一さん「まずは、大きな音っていうかね『爆竹』。火薬の匂いが出ますもんでね。それを最初にやります」。山菜採りの前に必ず行うのは『クマ対策』。爆竹で大きな音と火薬の匂いをさせてから、クマよけのスプレーと大きな音が鳴る笛を身に着けて、出発します。山の中を進んでいき、赤みがかった山菜『ヤマウドウ』のポイントへ。小林久一さん「見ていただいてもわかりますように山。ちょっとクマがいそうな所ですので、ここで1回笛を吹きます」。大きな音を出してから、周囲の様子を確認。異変がなければ山菜取りを始めると言います。さらに、10分ほどの間隔で笛を吹き、周囲の様子を確認しながら、山菜を採っています。小林さんは、クマに直接対峙したことはありませんが、恐怖を感じた瞬間が…。小林久一さん「何メートル先って言うのかな。バリバリバリって音がしたんですね。これはクマだなと思って。本当は逃げちゃいけないんですけど、逃げてきました。クマに見つかって逃げると追ってきますので、当然ね。だから、その時は行き会ってないから良かったんですけど」。信州ツキノワグマ研究会 瀧井暁子さん「もうすでに4月からクマが冬眠明けして、5月から本格的に活動期に入って、特にオスはこれから交尾期に差し掛かって行動も活発になる時期です」。10日、塩尻市の国道では、走行中の車と突如飛び出してきたクマがぶつかる事故がありました。運転手と同乗者にけがはありませんでしたが、衝突した車の左前方は、衝撃でタイヤがパンク…。周りのカバーは外れ、自走できない状態となりました。また今月3日には、安曇野市でクマが民家に居座り、食べ物を探している姿が撮影されました。県内では今年度、今月8日までに42件のクマの目撃情報があります。人身被害はありませんが、4月の目撃件数は28件と、過去5年間と比べて最も多くなり、5年前の1.75倍となっています。信州ツキノワグマ研究会 瀧井暁子さん「昨年の秋からのクマの報道の多さが、目撃の通報の多さにも関係しているのかなと。あとカモシカとかイノシシとか、そういった動物と間違えてしまうケースも少なからずあるので、目撃っていうのはひとつの目安かなとは思います」。しかし、ここ数年である傾向が…。信州ツキノワグマ研究会 瀧井暁子さん「冬眠場所もいままでなかったような里に近い所で。冬眠しているクマがいるっていう地域もあるので、そういった意味で『人とクマとの距離が一層近くなっている』のが現在の状況」。手入れのされていない里山や林が増え、里に近いところに自然の木の実があったり、草木が生い茂る場所があったりすることなどが、理由として考えられると言います。信州ツキノワグマ研究会 瀧井暁子さん「これから緑が濃くなってくる季節なので、そういう見通しの悪い所では、しっかりと音を出すっていうことが、出合い頭バッタリ遭遇を防ぐためにはとても大切な対策です」。県によりますと、クマに出会わないために・鈴やラジオなど音の出るものを持ち歩く・早朝・夕方は特に注意する・生ごみなどを放置しない・ヤブ払いなど見通しをよくする。こういったことを意識し、正しく恐れ正しく備えることを、呼びかけています。また、信州ツキノワグマ研究会の瀧井さんによりますと、万が一クマに遭遇してしまったら、刺激をしないことが大切で、クマを見ながらゆっくり後ずさりをすると、襲われる可能性は減るということでした。
(シカ食害でスズラン群生地“壊滅”:山梨)
スズランの名所として知られる笛吹市芦川町の群生地で、シカの食害による壊滅的な被害が確認されました。今年の開花は絶望的だということです。こちらは笛吹市芦川町にあるスズランの群生地です。花と茎の部分がシカに食べられとみられ、葉っぱだけが地面に残されています。去年の映像と比較しても甚大な被害です。今月8日、市の担当者が訪れた際に発覚しました。市や専門家によりますと、現場には電気柵が設置されているほか、スズランには毒性があるため、ここまで大きな被害は過去になかったということです。シカは電気柵の下をくぐったとみられるため、市は早急に折り返しのついた防獣ネットを設置する方針です。
(“春グマ”被害相次ぐ、ハンター育成にある“壁”とは?:兵庫)
冬眠から目覚めた“春グマ”による被害が、全国で相次いでいます。関西でも出没事例が報告される一方で、ハンターを育成する世界では大きな変化が起きていました。2年前、兵庫県三木市にオープンした広大な敷地にある施設。狩猟免許を持つ人から、競技としてのクレー射撃を楽しむ人など多くの人が訪れるこの施設。この日は、実際にイノシシやシカなど動物の狩猟の際に使用する「散弾銃」の実習訓練が行われました。指導員「(標的が)等速に運動していって、見越して撃てば物理的に当たる。必ず当たる」。市街地での「緊急銃猟」が解禁となった去年9月以降、実際の銃を撃つことができるとあって、兵庫県だけでなく周辺の自治体からも訓練や研修の依頼が増加しているといいます。狩猟や獣害駆除への関心が高まる一方、クマの狩猟について聞いてみるとーー。参加者「私の腕では無理だと思います。残念ながら。ケガだけをして逃げられたら余計に危ないので、やっぱりうまくないと無理だと思う」。参加者「クマはやりたくない。クマがいるところは嫌です。びびって撃てるかもわからないし、近づかれてミスするとやられるので、それは怖い」。クマを狩猟する際に使用することが多いのは、 殺傷能力が高いライフル銃です。兵庫県立総合射撃場・岩﨑智英 管理課長「ライフル銃の場合は、(射程距離が)1キロや2キロとなる。その分殺傷能力もある。ライフル銃が使用できるのは、シカとイノシシとクマ…ツキノワグマとヒグマに限られている」。ライフル銃を使用するためには、原則として散弾銃を10年以上連続して所持した経歴が必要となるなど、使用に関するハードルが厳しく設定されています。兵庫県立総合射撃場・岩﨑智英 管理課長「やはり頭を狙うのはメインかなと。腹に当たったりしたらその場に倒れないので、何百メートルも走る。一撃で仕留めないとこちらが被害にあってしまう」年々、急増するクマ。その一方でハンターの高齢化や減少が課題になっていて、この施設では銃になじみのない初心者や子どもでも楽しめるよう、模造銃を使ってクレー射撃や狩猟を楽しむことのできるシミュレーションも用意されるなど、後進の育成にも力を注いでいます。冬眠期間が明け、クマによる人的被害が全国で相次いでいますが、担当者は兵庫県に生息するクマについて。兵庫県立総合射撃場・岩﨑智英 管理課長「私も駆除隊の一員として毎週活動しているが、突然クマが出てきてあっということはある。クマの方も人間だということで逃げていく」。現時点では、いわゆる”人慣れ”しておらず、大きな被害は出ていないといいますが、いざという時のため訓練を続けています。(Q.目の当たりにすると怖い?) 兵庫県立総合射撃場・岩﨑智英 管理課長「こっちこないでくれと心の中では思いつつ、銃だけは向けています」。
(「肉食化クマ」が人を襲う?)
300キロを超える「メタボグマ」の目撃が相次ぐなか、要注意なのが「肉食化したクマ」です。こうしたクマは人を襲う可能性が高まるというんです。登山道に続く林道。ヒグマは一度姿を消した直後、車に向かって戻ってきました。北海道のど真ん中に位置する新得町で、12日に撮影された映像です。目撃者によりますと、このクマ以外に子グマとみられる小さいクマが2頭いたということです。北海道で相次ぐヒグマの出没。親子とみられるヒグマです。北海道雄武町の道路を横切る姿が確認されました。この映像は、旅行中の女性が助手席から撮影しました。子グマはスルリと柵を抜け、それを追いかけるように母グマが柵を乗り越えます。撮影した人の印象に残ったのは、やはりその肉付きです。母グマでもこの大きさ。オスの成獣となれば、それ以上です。冬眠明け、北海道では巨大なヒグマの姿が相次いで確認されました。今月は興部町で推定300キロ級がカメラに映り、苫前町では体長2メートル超え、箱わなに入るのか不安になるほど丸々と太ったおよそ330キロのヒグマが捕獲されました。ヒグマはツキノワグマの倍近いサイズとされていますが、それでも冬眠明けにしては肉付きの良さが印象に残ります。冬眠から目覚めたヒグマは、どのような食事をしているのでしょうか。その様子を捉えたドローンの映像を新たに入手しました。画面中央のあたり、ヒグマが1カ所にとどまっています。食べているのはエゾシカです。ここは北海道南部の山の中、シカを夢中で食べているヒグマの腰回りは、冬眠明けにしてはたっぷり脂肪を蓄えているように見えます。BEAR FORCE 有惠啓司代表「野生動物の調査のデータをとるために、自社で(ドローンを)飛ばしている時に、偶然見つけた。イメージしていた春グマの痩せた感じとは全く違った。『本当に冬眠明けか?』くらいの健康的でまん丸い、体格の良いクマだった」。こうしたシカ肉も、ヒグマの肉付きが良くなる要因の一つとみられます。本来、ヒグマはシカを食べるものなのでしょうか。環境省の鳥獣保護管理捕獲コーディネーターで、ヒグマ防除隊隊長も務める玉木康雄さんに映像を見てもらいました。北海道猟友会 札幌支部 ヒグマ防除隊 玉木康雄隊長「自分で仕留めたシカではないことは、ほぼ確実かなと」。そもそも、クマは雑食で知られています。玉木隊長「本当に食べられるものがあれば、それに合わせていく。『日和見(ひよりみ)雑食性』といって、肉だけじゃなく穀物系のもの、草木類、それらもすべて食べて栄養摂取の糧にできるように体を改造していったのがクマという個体」。「日和見」とは、環境によって行動を変えること。シカはクマよりも俊敏で、雪がない時期にクマが自ら逃げるシカを捕らえるのは難しく、それ故、クマは山菜や木の実などに栄養を求めているといいます。ただ近年、この食性に変化が見られています。玉木康雄隊長「先ほど申し上げた日和見雑食性で、本来は堅果類、炭水化物を含む木の実を好むクマが、肉食を覚えてしまって、しかも肉が容易に手に入る」。今、簡単に肉の味を覚えてしまうクマが、人を襲う危険が高まっています。ヒグマ防除隊隊長の玉木さんは去年、それを肌で感じた出来事があったといいます。札幌市南区の住宅から1キロほど離れた山林で撮影されたヒグマです。農家から通報があって駆け付けた時、異変がありました。玉木隊長「(クマに)接近を試みた。行ったり来たりしながら、ブラフチャージ=威嚇行動、『これ以上接近すると襲いかかるぞ』みたいな」。ハンターが警戒するブラフチャージ=威嚇行動がみられたといいます。このヒグマは、人間を恐れない「問題個体」と判断され、駆除されました。玉木隊長「逃げてもいかないし、大事なものを抱えているんだろうと」。その予想通り、ヒグマの足元にはシカが横たわっていました。エゾシカの推定個体数は73万頭。2019年度に増加に転じ、増え続けています。玉木隊長「人里近くはハンターが撃てないので、シカがそこに住んでしまっている。シカの自然死個体が増えれば、クマの肉食率は高まっていく」。玉木さんは、人里近くで「シカを食べるクマ」が増える前に、シカへの対策も必要だと話していました。
(クマの早期発見へ、河川敷の草木伐採:新潟)
県内でもクマの目撃が相次ぐなか、国や県はクマが隠れやすい河川敷の草木を伐採するなど被害防止の取り組みを進めています。県内では、2026年1月~4月までのクマの目撃件数が127件と過去最多になっています。
糸魚川市の能生川で行われているのは、草木の伐採です。国や県は、水流の妨げになる草木の伐採を定期的に行っていますが、今年は比較的 住宅地に近い河川敷の見晴らしをよくすることで、クマの移動範囲の抑制や早期発見などにつなげたい考えです。糸魚川地域振興局地域整備部 古川尚副部長
「昨今、クマが人里に現れて被害が出ている。クマの移動経路として河川の中を通ると言われている。見晴らしを良くすることで効果があるのでは」。糸魚川地域振興局では今年度、市内3カ所の河川敷で草木の伐採を行うということです。
(支部長35年、荒木さんに環境大臣表彰:北海道)
北海道猟友会苫小牧支部長を約35年にわたり務めるなど地域の自然環境保全に励んできた荒木義信さん(88)=市汐見町=が、本年度の「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰の受賞者に選ばれた。道内で受賞したのは荒木さんのみ。有害鳥獣駆除や後進の育成などの功績が認められ「こんなに大きな賞をもらえるとは思っていなかった。ありがたいの一言」と穏やかな笑顔を見せた。
(「狩猟免許取得」宣言の市長は今?:東京)
新宿から快速電車で約1時間。外国人旅行者に人気の高尾山に近い東京都八王子市が5月12日、市のホームページで「元八王子町二丁目におけるツキノワグマの出没について」と題する情報を公開した。「市によると2026年4月29日20時15分ごろ、体長1メートルを超える成獣のツキノワグマ1頭が、イノシシ捕獲用のセンサーカメラに映っていたということです。これまでクマの出没が確認されていなかった、住宅地に近いエリアだと報じられています。市に通報があったのは5月11日なので、12日間が経過していますが、その間に目撃情報は寄せられず、人との接触や人的被害のおそれなどの報告もないそうです。また、周辺地域を現地調査したところ、クマの足跡やフンなどの痕跡は見つかっていませんが、市は周辺に注意をよびかけています」(社会部記者)。クマが出没した場所の近くには小学校もあり、住民の心配は募るが、同市の初宿和夫(しやけかずお)市長は2025年11月、全国でクマ被害のニュースが相次いでいたことから「市の職員は市民を守ることが責務だ」として、自ら「狩猟免許の取得」を宣言していた。初宿市長は元海上自衛隊員で、会見では「元自衛官の経験を生かして市民や来訪者が安心して過ごせる環境整備に尽力したい」と熱弁し、2026年2月に東京都狩猟会が主催する「初心者狩猟免許事前講習会」に参加することも発表した。「宣言」から半年。果たして初宿市長は狩猟免許を取得したのだろうか。市役所の広報担当に聞いた。「まだ、取得はできていないようです。試験回数も少ないことから、(公務などで)タイミングを逸してしまうこともあるようです」。環境省のホームページには「狩猟免許には、猟法ごとに、第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟免許(空気銃)、わな猟免許、網猟免許の4種類がある」と記され、試験は年に数回行われているようだ。そうしたなか、「狩猟免許を持つ八王子市出身の有名タレント」に注目が集まっている。「タレントのヒロミさんです。ヒロミさんは2015年に狩猟免許を取得。猟銃も扱えます。4月21日に出演した『DayDay.』(日本テレビ系)では、宮城県仙台市の住宅地にクマが出没したニュースに『すごい早い時期からクマが出ている。都会に出てきても恐れていない』と心配していたのですが、地元の八王子でクマが出没してしまいました。こうしたこともあり、Xには《八王子で体長1m超えの熊が確認されたらしいがきっとヒロミが解決してくれるはず》などの投稿も見受けられました」(芸能記者)。とにかく人的被害が出ないことを祈るばかりだ。
(伊吹山の緑再生みんなで:滋賀)
増えすぎた鹿の食害で緑が損なわれた滋賀・岐阜県境の伊吹山(1377メートル)。緑を復活させようという取り組みの輪は、行政や企業から子どもたちにも広がり、その効果が次第に見え始めている。「大切に育てて、山の復元に貢献しましょう」。5月7日朝、ふもとの米原市立伊吹小学校で、全校児童72人がイブキジャコウソウの苗をポット150個に植えた。伊吹山に自生する低木で、強い香りから、鹿が好まないとされる。保全活動をする「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の竹岡昌彦さん(70)が7合目で株をとり、苗を増やした。学校で育て、秋に山へ戻す取り組みは2年目。今年は市立の全6中学校でも行われる。伊吹山の山中でも対策が進む。鹿が植物を食べたり、踏んだりすることへの対策では、7合目以上にアーチ式のネットを設けた。昨夏には、タケニグサやイブキジャコウソウの植生の回復が確認された。山頂などでは花畑を守るための金属柵を設け、固有種のルリトラノオや貴重種のトモエソウを保護する。鹿の捕獲では、米原市、岐阜県関ケ原町、揖斐川町で銃猟のほか、わなの設置も強化し、生息密度が下がった。米原市は2023~25年度に1千頭以上を捕獲。26年度は300頭をめざす。治山工事は5~7合目付近の南側斜面を中心に行われている。ヤシ繊維ネット、土嚢(どのう)筋工を設けた。24年7月には荒れた斜面が雨で削れ、米原市の伊吹集落に土砂が押し寄せる被害があった。今は土砂流出が抑えられ、クサギやハダカホオズキ、レモンエゴマなどの植物が広がっている。ただ、米原市からの登山道は閉鎖中だ。付近は工事中で落石の恐れもあり、再開は未定だ。登山には関ケ原町から伊吹山ドライブウェイを使う。企業では寄付などの取り組みが広がっている。エフエム滋賀(77・0メガヘルツ、大津市)は今月8日、米原市に10万円を寄付した。局の「Save いぶきやまキャンペーン」の一環で、岐阜県関ケ原町、揖斐川町にも各10万円を贈る。情報番組「いぶきやま 花咲け ぱっ!」を火曜午後5時半ごろから5分間放送している。大森七幸(かずゆき)社長は「今後も続けて支援したい。伊吹山をもっと大切に思ってもらう一助となれば」と話す。滋賀県長浜市で「スーパーホテル滋賀・長浜天然温泉」を運営する京豊エンジニアリング(京都市伏見区)は4月末、宿泊客と同社からの寄付約29万円を米原市へ届けた。伊吹山植生復元に寄付(300円、500円、1千円)できる宿泊プランを設定しており、これまで400人(延べ550泊)が利用したという。渡辺毅彦・統括支配人は「伊吹山の復元には多くの人の関心と協力が不可欠だ。今後も応援団として市に寄付を届けたい」。通常プランよりも割高だが、「ご来光がどの山よりもきれい」「山頂のパノラマが素晴らしい」などの声が寄せられたという。
(「モンスターウルフ」製造大忙し:北海道)
クマの人里への出没が続く中、北海道奈井江町の機械部品加工業「太田精器」では、野生動物を追い払うオオカミを模したロボット「モンスターウルフ」の注文が相次ぎ、製造作業に追われている。赤外線センサーで獣を感知すると、50種類の工事現場なみの大音量と、LED(発光ダイオード)ライトによる大光量で威嚇する仕組み。シカなどの食害に悩む地元農家のため、2016年から開発に取り組み、既に380台以上を出荷してきた。人里のクマ被害が拡大するにつれて注文が増え、今年は例年の3倍以上。設置は現時点で2、3か月待ちとなっている。太田裕治社長(67)は「今まで使用先は農家などが多かったが、工事現場やゴルフ場にも広がり、人里にクマが下りてきている状況がうかがえる」と話している。
(花火やフラッシュライトでイノシシを追い払え:新潟)
長岡市美沢2の装置設計業の広井工機と新組町の安藤煙火店が、フラッシュライトや花火でイノシシなどを追い払う装置を開発し、発売した。貸し出しも行う。長岡市内では野生鳥獣がもたらす農作物被害が大きな問題となっており、被害の抑制と農家の負担軽減を目指す。プラスチック製で縦10センチ、横10センチ、奥行き17センチ。動物が装置から20メートルほどに近づくと、赤外線カメラが検知し、フラッシュライトが光る。花火をランダムで発射したり、爆竹を鳴らしたりもできる。
(ハンター目指し特訓中、移住の42歳女性:長野)
ハンターを目指す女性についてです。長野県東御市の女性が、猟師兼ジビエ料理店の店主でもある男性のもとに弟子入りして、特訓しています。4月26日、東御市で行われていたのは、シカやイノシシの狩猟で使われる「くくりわな」の講習会です。地元猟友会のメンバーに教わっているのは、東御市の矢代千波瑠さん(42)。わな猟免許の取得を目指しています。矢代千波瑠さん:「(講習会が)2回目ということもあり、だんだん仕組みがわかってきました。力がいる部分があるので、そこを思い切りためらわずに力を入れないといけないなと」。矢代さんはコロナ禍を機に、田舎での暮らしを考え、3年前に千葉県から東御市に移住。普段は、市内の工場で働いています。以前、給食の調理員として働いていたこともあり、「食育」としての狩猟やジビエに興味を持っていました。矢代千波瑠さん:「(移住して)生活もだいぶ落ち着いてきて、ふと、じゃあ次、何をやるかというので、『そうだ狩猟やってみたかったんだ』と思って、そのタイミングとテレビの放送が重なったという」。そのテレビというのは、長野放送の「みんなの信州」で3月に放送した特集です。2026年1月にオープンした東御市のジビエ料理店「ふくふく亭」の店主、福島俊治さんを取り上げたものでした。福島さんは、東御市の猟友会に所属するハンターでもあり、捕獲したシカやイノシシを自ら処理し、ジビエ料理として提供しています。矢代千波瑠さん:「興味があるだけで、実際に(猟師を)やっている方とお会いする機会がなかった。(同じ東御市で)これはぜひ行かないとという、話をすぐに聞きたいという思いでしたね」。放送を見た矢代さんは、翌日に店を訪問。福島さんに思いを伝え、「弟子入り」することになりました。山肉料理 ふくふく亭・福島俊治さん:「『実は狩猟に興味があって』ということで、そうですか!きた!と。よし、捕獲!って(笑)。これから狩猟の世界に入っていける方が1人でも増えればと思っていたので、本当にうれしい」。講習会の後は山へ。向かったのは、標高約1000mの山の中。猟友会員:「これが、わなが入っている状態だね」。けもの道に仕掛けてあるわなを使って、実践的な研修です。さらに、仕掛けてあった「箱わな」にかかっていた1頭のシカの「止め刺し」(狩猟用語で「とどめを刺すこと」)の場面にも立ち合いました。猟友会員みなで手を合わせて:「命をいただき、ありがとうございます」。矢代千波瑠さん:「2回目ですけど、命を仕留める瞬間はすごく緊張と、かわいそうだなという気持ちはまだある。共存していく上ではしょうがないのかなというのも考えながら、ぐるぐる考えながらやっていくと思う」。山肉料理 ふくふく亭・福島俊治さん:「あまり増えすぎてしまうと(人里に)被害が出てきてしまうのでこういった活動はどうしても必要だと思ってやっています。女性の猟師さんが仲間に入るだけで、活発になるというか、非常に盛り上がるんじゃないか」。矢代さんが目指すのは、福島さんのように猟師であり、料理もできるようになることです。猟師になるための狩猟免許は、わな、網、銃に分かれていて、矢代さんが目指すわな猟の試験は6月です。矢代千波瑠さん:「間を見つけながら勉強して、何とか試験で合格したい。自分一人でも貢献できたらいいなと思いますし、女性の方でもできるんだぞって、(女性で)興味ある人は絶対いると思うので」。今後は、週末にふくふく亭でアルバイトをしながら、解体や料理も学んでいきたいと話す矢代さん。あこがれのハンターになるために。その挑戦は始まったばかりです。
(山火事から“12匹の猟犬”を救い出した30代女性猟師:山梨)
今年の初め、大きなニュースとなった山梨県で2週間以上続いた山火事の現場から、猟犬12匹を避難させる女性の姿があった。猟師の江口寿瑞子(すずこ)さんだ。江口さんは、30代で東京から山梨県大月市に移住した。2020年頃から平日は東京で不動産会社に勤務し、週末は大月で狩猟を中心に過ごす2拠点生活を開始、2023年に完全移住。それから3年経った現在は相棒と呼ぶ愛犬リク、ロクと暮らし、地元の70代以上のベテラン猟師たちに混じって山を歩き、犬とともにシカやイノシシの狩りをする。彼女は、なぜ狩猟の現場で生きる道を選んだのだろうか。都会で暮らしていると、食べ物も仕事も人とのつながりも、どこか実感を伴わないものになっていく。肉はスーパーで買い、野菜はパックで手に取り、困りごとはサービスで解決する。だが、便利になるにつれて、“生きている”命の手応えもいつしか遠のいていく。彼女が選んだのは、その遠くなった命の手応えを自らの身体で取り戻していく暮らしだった。――現在、猟師としてどのような活動をされているのですか?江口:現在は東京に週2、3回ほど通い、会社勤めを継続しながら、狩猟期の11月から3月と、それ以外の時期にも有害駆除として、年間通して狩猟に出ます。山にかけておいた罠を、毎朝6時頃にチェックしに行くのが日課です。2025年からは、獲ったシカ肉をペット用のジャーキーなどに加工して販売しています。また、狩猟体験ツアーの提供や狩猟免許取得のサポート、移住の相談なども受けています。4月から大月市初のジビエ解体施設が稼働し始めて、そちらの運営もしていきます。今後はペット用だけでなく、人が食べるジビエ食材も増やしていく予定です。――狩猟体験ツアーとは具体的にはどんなことを?江口:山に行き一緒に罠を見回ったり罠のかけ方を一緒にやってみたり、シカが通った痕跡を見てもらったりします。もしそのタイミングで罠にかかったシカがいれば実際に命を止めるところ、解体するところも見せられますし、嫌でなければ解体を一緒に体験してもらっています。――毎週日曜日にチームで狩猟を行うとお聞きしました。江口:山梨県内で、東部の大月市、上野原市、都留市がまとまった東部猟友会というものがあります。その中の富浜分会という会で狩猟をしています。昔は100人以上いたそうですが、今は7、8人と少なくなったので、隣の分会と一緒に大物クラブをやっています。大物クラブというのは四つ足の動物、つまりイノシシやシカなどを狩るグループです。東京からの参加者も受け入れていて、メンバーは今、38人ほどです。日曜日に集まって近くの扇山に入ります。巻き狩りという、猟犬とチームで行う猟が中心です。――全国ニュースにもなった林野火災がとても近かったそうですね。江口:いつも猟に入る山での火災でした。家の前から山の火が大文字焼のように見えていました。だんだん火の手が下に降りてきたので、大物クラブの山小屋に繋いでいる12匹の猟犬たちをうちに避難させました。消防の方たちが山小屋のギリギリ20メートル先ぐらいで食い止めてくれて、なんとか燃えずに済みました。一匹ずつに犬小屋があるのでそのときは12個の小屋ごと運びました。普段は野生の勘が鈍らないように、基本的には山で生活している猟犬たちです。富浜分会で飼っていて、私が朝晩にご飯をあげに行っています。――山火事が起きたことで、狩猟への影響はいかがでしたか?江口:消火活動が落ち着いてから山に入ると、シカはいったん近隣の山に移動して減っている感じがしました。長い期間放水していた影響からか、狩りで使っていたけもの道がさらさらの砂地になってしまった場所もあり、足音が立ちやすくなってシカにばれて逃げられたりもしました。燃えてしまった木もあるので長い時間をかけて回復していくのかなと思っています。――江口さんは東京で働いていたそうですが、もともとジビエが好きだったり狩猟に興味があったりされたのでしょうか。江口:もともと興味はありませんでしたが、仕事仲間にスポーツで射撃をする人がいました。その人が実際に山に入って狩猟体験をするために、東京から毎月、大月の山に通うようになって。あるとき、一緒に行こうと誘われて、気軽に遊びに行くような感覚で狩猟の見学に行ったんです。もともと登山などは好きだったので、自然を感じに山に行く、という感覚だったかもしれません。――その日にどんな体験をされたのですか?江口:もう、びっくりしました。駐車場にいたときに、ちょうど自分の目の前にシカが飛び出してきて。東京から1時間ちょっとのところにこんなに自然がたくさんあって、動物が目の前に現れるような世界が存在するんだってことに衝撃を受けました。何度も通っていたはずの仕事仲間も、目の前に生きたシカが現れたのはそのときが初めてだったというんです。私は初めて訪れた日に、奇跡的にもそんな体験ができました。猟師さんは離れたところにいたので、そのシカは逃げてしまったのですが。――そこからハマって狩猟免許を取得しようと思ったのですか?江口:地元のおじいちゃん猟師たちの勢いがすごかったんですよね。女性が珍しかったのもあると思うんですけど、早く鉄砲(免許)取れとか、空き家見つけてやるとか。勢いに流されたところはあります(笑)。この流れに乗ったら楽しそうかなってノリで。ただ、狩猟免許を取得しようとしても、当時は新型コロナの影響で間隔をあけるため、試験会場の席数が少なくなっていました。東京では抽選になかなか当たらなかったので、5年ほど前に東京から山梨県大月市に住民票を移しました。狩猟免許は居住地で取得する決まりになっています。山梨なら抽選いらずでした。会社勤めも続けていたので初めは週末移住のような形でした。――なるほど。その後なぜ、完全に移住するというご決断を?江口:現地にいる日に運よく獲物がかかるかというと、そうでもなくて。だったら住んでしまえば毎日罠のチェックもできるし、ずっと飼いたくても東京では飼えなかった犬も飼えるなと。ちょうど、勤めていた会社の代表が高齢になり事業を縮小するところだったので、週3で東京に通い、一部リモートワークもしながら、大月で生活を始められる、と思いました。通勤時間も1時間ちょっとで済みますし。住むところについても、たまたま空き家が見つかったので、所有者を訪ねて直接交渉して借りられることになりました。住んでみると近所のおばあちゃんが野菜をくれるし、夜に遊びに行くこともないので、財布から出ていくお金が減りましたね。空いている土地を使わせてもらい自分でも畑を始めたので、野菜を買うことも減りました。――東京から山梨に移住して猟師になると周囲に伝えたときに、ご家族やご友人はどんな反応だったのでしょうか?江口:両親はポカーンって感じでした(笑)。突然、何?って。ただ、友人たちは別に反対することもなくて。もともと思い切った行動をするタイプだったからですかね。――それまでの江口さんをよく知っている方からすると、驚きはあまりなかったのですね。江口:そうですね。大学のときに交換留学みたいな制度を使って韓国に行ったんです。それまで韓国に全然興味なかったのに、 友人に誘われたのがきっかけで。現地の学校で出会った韓国の学生が、日本語をめちゃくちゃ流暢に話していたのに驚いて。だったら私は韓国語を習得しないと、と思ったんです。大学を卒業した後、5年ほど働いてある程度貯金して、「ちょっと韓国行ってきます」って2年半ほど韓国に住んだことがありました。実地で身に着ける方が早いかなって。現地でアルバイトしながら学校に通って日常会話はできるようになりました。別に仕事に活かしたりはしていないんですけどね。そうそう、北京経由で北朝鮮に遊びに行ったこともありましたね。そういう自分を見てきているので周りも、「今度は山梨で狩猟」と聞いてもそこまで驚かなかったと思います。――ご友人が遊びに来られるとか。江口:今、高校のときの同級生は結婚して小学生ぐらいの子供がいる人も多くて。年に4、 5回家族で泊りがけで遊びに来てくれる友達もいます。お父さんたちは狩猟に興味があって山に一緒に入ったり、子供の食育にもいいね、という話にもなったり。実際に猟をして手に入った新鮮なお肉を目の前でさばいて食べると、だいたい皆さん美味しいと言われます。みんなで食べるとより美味しいですしね。うちでは自家消費用に冷凍していて週5ほど食卓に。ひき肉にすると使いやすいですし、ローストビーフみたいにもできたり、冬は鹿しゃぶも。教えてもらってレシピが増えてきました。高校のときの後輩が絵を描いていてロゴデザインをお願いしたんですけど、彼女も年に数回遊びに来てくれて一緒に山へ行きます。狩猟文化をわかった上で描いてくれています。――はじめはポカーンとしていたご両親は、その後は。江口:遊びに来てくれますよ。実家でもともと犬を飼ってるんですけど、ここで生まれた子を飼うと言って連れ帰っていきました。――免許を取ると狩猟ができるものなのでしょうか?江口:試験は1日講習を受け、その後受験する、という流れです。ただ、狩猟免許を取っても、3年の更新をしない人は多いです。免許を取るのと実際に猟をするのは全然違います。近くの山にシカがいそうだ、と思っても山も誰かの土地ですし、勝手に入って猟犬を放すなんてことはできないわけで。初心者はどこに行って何をしたらいいか、全然わからないです。猟は1人ではできないことも多いです。山梨なら山梨県に狩猟税を納めれば県内で猟はできるのですが、地元の猟友会がいるので勝手にやると喧嘩になっちゃいますよね。地元の人と関係性を築こうにも、地域で昔からある連帯を大切にしていて、外から入りにくいケースも多いと聞きます。その点、この地域は、外部からの人の受け入れに積極的でした。女性だったから優しくしてもらえたっていうのも少なからずあるとは思います。一緒に猟に出る以外にも、お茶を飲んでご飯を食べて話をして。今では地域のお祭りとか運動会に誘われたり、畑空いてるから使いなよ、野菜持って帰りなよ、とか本当によくしてもらっています。――地域のベテラン猟師さんたちに、シカやイノシシの解体も教えてもらったのですか?江口:最初は下っ端なので全部やってみろと言われて、やりながら覚えました。5、 6回、1人で1頭解体すると慣れてきます。もちろん、いかに綺麗にするか、というところはいくらでもこだわれますが。いくつかのナイフを使い分けています。山小屋で解体するときは正解の方法があるわけでもなくて、カッターを使うおじいちゃんもいたりします(笑)。私は初めから解体の場面にショックはなかったですが、体験で参加してくださる人で血に弱い人はいますね。男性の方が弱いんじゃないでしょうか。こんなに綺麗なのかと感動する人もいます。――解体には感動があるのですね。江口:冬場は解体で湯気が出る。そのあたたかさで感動する人も多いです。季節によっては、イノシシの中に“腹子”といって子どもが入っていたこともあります。8匹ぐらい。こんなに繁殖するならそりゃ増えてしまうな、という思いと、育つ子を殺めるという意味では悲しさもあります。山小屋には“山神様”と呼んでいる神棚があって、お酒をお供えして、猟の後には毎回手を合わせます。命をいただいているんだ、という気持ちで。狩猟文化の一つですよね。お肉をスーパーで買っていてもこんな気持ちにはなったことがなかった。価値ある体験だと思います。――狩猟文化は理解されないこともあると聞きます。江口:SNSで発信していると、動物を殺すとは何ぞや、肉ならスーパーに売ってるだろう、みたいなコメントが来ることもありますけど、いや、そのスーパーの肉も誰かが殺してるんじゃない?って思います。やっぱり理解できる人、できない人がいるのはわかっているので、気にしない。そういう人を説得しようと思っても無理なんですよね。一方で、地元には地元の事情があってわかってくれている人がいる。畑の被害は度々聞きます。サツマイモを明日掘ろうと思ってたのに全部食われた、とか。悲しい顔を見るのはつらいですね。罠かけてくれ、見回ってくれ、って頼まれることもあります。――人の生活エリアにまで来てしまうと困りますね。江口:そもそも住む人がいなくなっちゃったら、それこそ獣の村になってしまう。猟をする人もですが、住む人も増えてほしいですね。興味のある人にどんどん来てほしいです。去年は狩猟体験に70組来てくれて、実際に狩猟免許を取った人が3人います。3人とも30代で、東京で会社勤めをしている男性です。そのうちの1人はこっちに家を見つけて2拠点生活を始めていて、希望があるなと思っています。せっかくだったらここで長く培われてきた狩猟文化を守りたいですね。――希望のあるお話ですね。一方、収入面でいうと実際、狩猟の仕事で生計を立てられるほどの収入は得にくいと聞きます。江口:猟師だけで生計を立てている人はほとんどいないんじゃないですかね。県内でも1人いるかいないか。獲ったシカを運ぶのは、1人でできる仕事じゃないですし。有害駆除については1頭あたりいくらと決まっていて、大月市だと1万5,000円です。自治体の予算の範囲内でお金は出ますが、上限に達したらあとはいくら獲っても報奨金はナシです。頂いた報奨金はほとんど分会のお金という扱いにして、集まりの食事代や備品代などになりますね。日当が出るわけじゃないです。設備があって仲間がいて、商品化などを進めて少しずつ収益化できれば、というところですね。この春から施設も稼働して、今まで獲っても活用方法がなくてほぼ捨てるしかなかったシカを加工できるようになるので、大月の特産品にしていくこともできるのではないかと。狩猟を通して大月を知ってもらいたいですね。食肉だけでなく、毛皮や骨など、アイデアはいろいろ浮かんでいて。例えばこのスカルも新宿のバーで飾ってくれているところがあります。不動産の仕事をしてきた経験を活かして、移住相談や空き家の活用、紹介などもしていきたいですね。空き家を持っていても貸さない人が多いのですが、家を活かす意味でもお手伝いできればなと思っています。――江口さんにとって、ここで生活していて楽しいことは何ですか?江口:ここでは犬とのびのび過ごせます。犬と遊んでいるときが一番楽しいですね。犬が楽しいときは人間も楽しいんじゃないかと思っていて。美味しいものも一緒に分かち合えますし。犬あっての猟ですから、私にとって相棒です。――都会では味わえない生活ですね。江口:それでいうと、うちに地元の人が20人以上集まってわいわい宴会することもあるんですけど、東京ではそういうのなかったなって。仲良くしてもらってありがたいなと思います。逆に言えば、つながりがないと、仕事していくのも難しいですよね。最初に空き家を探してくれた猟師のおじいちゃんが顔が広くて、その人の知り合いですっていうと話が通りやすくて助かりました。――おいくつぐらいの方なんでしょうか。江口:たぶん76歳ぐらい。皆さん、70代とか80代。その下がいないんですよ。このおじいちゃんたちが山のことを本当に全部知っている。今は元気ですが、あとどれぐらい一緒に山に入れるかわからないので、彼らが動ける間に全部吸収したい、教わりたいという思いが強いです。――まだまだ教えていただきたいことがあるのですね。江口:正直、食べているお肉がどこからきているか、なんて考えたこともなかった。関心がなかった。でもこっちに来たら、自分で野菜を作って食べている人が多いし、春はキノコも採るしタケノコも掘る。おじいちゃんたちと山に入れば、この草食べられるんだよ、山菜がここでとれるよ、とかいろいろ教えてくれて。猟でも、あそこの〇〇の木に隠れろ、とか言うんですけど、自分は全然わからなくて。何にも知らなかったことが恥ずかしくなりました。もともと福島の田舎の生まれで、田舎に暮らすことに抵抗はないんですけど、自分は自然に関心がなかったんだ、ということに気がついて。自然と暮らすっていうのが本来、人間のあるべき姿なんじゃないかって思うようになりました。その延長線上に、狩猟もあって、お肉も自然の中からいただくことができる。東京で生活していた頃とは全然違って、こっちの方が楽しいじゃんって。生きてるって感じがします。東京では適当にコンビニとかで食べたいものを買って、夜は友達と飲みに行く生活が当たり前でした。それはそれで楽しかったんですけど、大切にすることの優先順位が変わってしまって。東京にしがみつかなくていいな、こっちで楽しく暮らした方が自分の喜びになるな、っていう風に思っちゃったんですよね。 “狩猟をする人”というと、命と向き合うストイックな生き方のように思っていたが、江口さんは、地方のシビアな現実に向き合いつつも、自分と愛犬の喜びをベースにこの道を選んでいた。地元で困っている人の声を聞くから、SNSで届く批判の声は気にならない。人口が減り、害獣の増える町で、江口さんの生きる姿は明るい光に見えた。
(クマ出没、新たに箱わな設置し警戒:東京)
東京・八王子市でツキノワグマが出没したことを受け、市は新たに箱わなを設置するなど警戒を続けています。奥の竹やぶから目を光らせた黒い影が住宅の方に歩いていきます。先月29日の夜、八王子市元八王子町でツキノワグマ1頭が、イノシシ用の箱わなの近くに設置されたセンサーカメラに映っていました。市によりますと、今月11日までに周辺で人や農作物の被害は確認されていないということです。八王子市は、新たにクマ捕獲用の箱わなを設置するなどして警戒を続けています。
(岩手大学にクマが出没・敷地内に留まる、「緊急銃猟」盛岡市内で初の実施を決定:岩手)
14日午前6時半ごろ、盛岡市の岩手大学にクマが出没し、午後になっても敷地内に留まり続けています。盛岡市は市内では初となる緊急銃猟を実施することを決めました。麻酔銃による捕獲・駆除が行われるとみられます。これまでのところ、けが人は確認されていません。クマの出没を受け、岩手大学は2時限目以降の授業を休講としました。
(廃棄のエゾシカ皮を釣り用ケースなどに:北海道)
北海道情報大の学生たちが今年、駆除後に廃棄されることが多いエゾシカの皮を利活用するプロジェクト「EZOer to Angler」(エザー・トゥ・アングラー)を立ち上げた。廃棄予定のエゾシカの皮を専門業者になめしてもらい、釣りで使うルアーの保管ケースなど、釣り愛好家(アングラー)向けの皮革製品として販売するエコな取り組みだ。
(ジビエの町の「シカジャーキー」:大分)
大分県は、シカ・イノシシの捕獲頭数が北海道に次いで全国第2位という、日本屈指のジビエどころ。中でも宇佐市は、ジビエを地域資源として活用することに積極的に取り組んでいる地域です。今回は、自社工場で「国産ジビエ認証」を取得している地元企業「宇佐ジビエファクトリー」(宇佐市安心院)様を訪問しました。工場見学の際にお話を伺うと、「捕獲の傾向は年ごとに変動があるものの、近年はイノシシよりもシカの数が大きく上回っている」ということでした。こうした現在のジビエ事情を踏まえ、今回は数あるジビエ商品の中から、「シカジャーキー」をご紹介します。宇佐のシカジャーキーは、「高たんぱく・低脂質・糖質ゼロ」という栄養バランスの良さが際立つ、いまの食生活にぜひ取り入れたい食品でした。 加えて、「国産ジビエ認証」に裏付けられた安心感もあり、トレーニング中の方や日々の健康に気を配っている方には、特にうれしい一品ではないでしょうか。常温で手軽に持ち運べるため、仕事の合間のリフレッシュや、キャンプ・登山といったアウトドアシーンでの栄養補給にも最適です。宇佐市安心院を訪れた際には、ぜひ手に取ってみてください。きっとジビエが、これまで以上に身近な存在になると思います。
5/11
(山菜採りの69歳女性、クマに襲われ死亡か:岩手)
八幡平市西根寺田の山林で7日朝、クマに襲われたとみられる女性の遺体が見つかった。地元猟友会は警戒にあたり、小中学校は児童生徒を迎えに来るよう保護者に要請した。遺体で見つかったのは近くの農業熊谷智代子さん(69)。6日朝、同居する娘に「山菜採りに行く」と外出した後、行方不明になった。7日午前8時過ぎ、捜索していた地元の消防団員が林道で倒れている熊谷さんを発見した。熊谷さんの顔などには獣に引っかかれたような傷があり、県警はクマに襲われたとみて司法解剖して死因などを調べる。現場は市役所から北東に約7キロの山間部で、民家が点在する地域。市猟友会は7日朝から7人態勢で現場周辺を巡回し、警戒にあたった。近くの温泉施設職員佐々木誠さん(57)は熊谷さんについて、「いつも明るく気さくな方だった。気の毒でならない」と肩を落とした。市によると、市内のクマの目撃件数は今年度19件で、前年度同期7件の2倍超に増加。市の担当者は「山に入る際は十分な対策を取り、家の周りにクマのエサになる物を置かないでほしい」と呼びかけている。
(山菜採りで男性行方不明の山林に身元不明の遺体・複数の外傷、付近でクマ駆除:山形)
山菜採りの男性が行方不明となっている酒田市の山林で、5日に発見された身元不明の遺体には、複数の外傷があったことが新たにわかった。また、遺体発見直後にすぐ近くでクマ1頭が駆除されていて、警察が死因との関連も調べている。5月3日から行方がわからなくなっているのは、酒田市北俣の農業・久松幸雄さん(78)。警察と猟友会が、久松さんが山菜採りに入った酒田市山谷の山林を5日に捜索していたところ、午前10時前、久松さんの車が止めてあった場所から南西に約150メートルの山中で、身元不明の高齢男性の遺体を発見した。そして遺体の発見直後、すぐ近くで体長1メートルを超えるオスのクマ1頭と遭遇し、猟友会が駆除した。現場は、ひらた生涯学習センターから北に約1.5キロの山林。警察によると、見つかった男性の遺体には、頭や腕に複数の外傷があったという。警察は、遺体が久松さんである可能性が高いとみて身元の確認を急ぐととともに、今後、司法解剖を行って、遺体の外傷がクマによるものかどうかや死因との関連について調べることにしている。
(クマに襲われ70歳男性けが:山形)
山形県警などによると7日午前6時55分ごろ、同県朝日町の山中で「男性がクマに襲われけがをした」と同行者から119番があった。男性(70)は友人と2人で山菜採りに訪れており、頬を骨折するなどした。
(またもクマに襲われ山菜採りの男性がケガ:山形)
5月9日午後2時すぎ、上山市で2人で山菜採りをしていた男性がクマに襲われました。警察と消防によりますと、2人のうち、ケガをしたのは山形市に住む50歳の男性で、後頭部や顔をかまれました。男性は現在、病院に搬送され治療を受けていますが、意識はあるということです。
(学校近くで「ツキノワグマ」捕獲、ワナが外れる危険性もあり銃で殺処分:岐阜)
岐阜県大垣市では、シカ用のワナにかかったツキノワグマ1頭が捕獲されました。クマが見つかったのは、大垣市赤坂町の山林です。8日午前6時45分ごろ、ワナの見回りをしていた市の捕獲隊員が、シカ用のワナにかかったツキノワグマを見つけました。大垣市内では去年、他の地区でワナにかかったツキノワグマが2頭捕獲されていますが、この地区での捕獲は初めてで、目撃情報もありませんでした。大垣市は、今後2~3日、周辺の見回りを強化します。
(県内初の緊急銃猟、公園でクマ目撃され1頭が駆除される:青森)
八戸市によりますと、6日午後1時すぎ、八戸市沼館4丁目の沼館緑地公園でクマ目撃の目撃情報が寄せられました。その後、緊急銃猟で1頭が駆除されました。緊急銃猟でクマが駆除されたのは県内で初めてです。
(緊急銃猟を指揮したハンター「八戸市の判断が早く意思疎通できていた」:青森)
【八戸市 熊谷市長】「安全な生活を確保するためには、適切かつやむを得ない対応であったものと認識しております」。6日、青森県内で初めて行われた緊急銃猟によるクマの駆除。八戸市の熊谷市長は「市民の命を守るための決断だった」と強調しました。最初にクマが目撃されたのは八戸市沼館の公園付近。6日午後1時すぎのことでした。その後、クマは市の下水道事務所の敷地内に潜み、市は警察や猟友会と緊急銃猟について協議を開始しました。【青森県猟友会八戸支部 吉田功一郎副支部長】「きのう、私がクマを捜索したルートです。きのうここまで来て、建物の陰で、これちょっと薄くなってはいるのですが、ここと、ここと、ここでクマの新しい足跡を発見しました」。現場で指揮を執った青森県猟友会八戸支部の吉田功一郎副支部長です。市街地でのクマの駆除。足跡や音を頼りに至近距離まで接近するものの、安全性のため発砲を何度も見送る緊迫したものになったといいます。最終的に、現場に駆け付けた青森県猟友会八戸支部の5人のハンターが市や警察と連携。午後4時前、安全なバックストップ=壁を後ろに確保したうえで、スラッグ弾といわれる散弾銃用の単発の大きな弾丸4発で駆除しました。駆除されたのは、体長およそ1メートル・重さおよそ50キロのメスのツキノワグマの成獣です。青森県内初となった緊急銃猟について吉田さんは。【青森県猟友会八戸支部 吉田功一郎副支部長】「今回の成功は、やはり八戸市の判断が早かったと緊急銃猟に移行する判断が早かった」「我々の方としても、緊急銃猟に対する態勢というのも整えていましたので、その辺の意思疎通がちゃんとしていた」市の早い判断が被害ゼロにつながったと話します。そのうえで熟練ハンターの高度な判断力に加えて、初動の早さや技術の継承が今後大切になるとしています。【青森県猟友会八戸支部 吉田功一郎副支部長】「(今後は)銃の取り扱いとか射撃訓練とか、あと冷静な判断をできるような隊員をそろえていきたい。市は、今後もクマの出没が続く可能性があるとして、市民に対して警戒を呼び掛けています。
(緊急銃猟によりクマ1頭を駆除:青森)
平川市は9日、自治体の判断で発砲する緊急銃猟によりクマ1頭を駆除したと発表しました。県内では八戸市に次いで2例目となります。市によりますと9日午後6時すぎ、目撃情報を受け巡回していた市の職員や猟友会などが尾崎木戸口地区の田んぼでクマを見つけました。周辺に交通規制をかけ、発砲場所から高低差があり田んぼをバックストップにできるといった条件が整ったとして市長が緊急銃猟を許可。午後6時半に猟友会のメンバーが1発発砲し駆除しました。クマは体長1.5m。オスの成獣だったということです。平川市 工藤貴弘 市長 「農作業が日常的に行われる場所であること。また、300メートルほどの位置には民家があること。さらには、わななど銃以外での捕獲を行う時間的な余裕がなく市民の安全を脅かすリスクがあると判断しました」。緊急銃猟によるクマの駆除は6日の八戸市に次いで県内2例目となります。
(熱源3か所、親子のクマ3頭も確認:岩手)
岩手県大槌町の山林火災は6日、火が残っていないか早朝からヘリによる調査を行ったところ、吉里吉里地区南部で炎が出ているなど3か所の熱源が確認されました。熱源の周辺には親子のクマが少なくとも3頭いるのも確認され、地上からの消火隊の投入は困難として、きょうは防災ヘリと船から消火隊を上陸させて海岸線近くを消火することにしています。
(野生イノシシの豚熱感染:宮崎)
4月23日に日之影町で捕獲された野生イノシシ2頭について、宮崎大学の豚熱ウイルスPCR検査で野外株陽性が確認されました。
(世界遺産平泉でイノシシ被害:岩手)
平泉町の中尊寺でいま、イノシシに境内の地面を掘り起こされる被害が発生しています。寺は世界遺産の構成資産でもあることから、関係者は頭を悩ませています。中尊寺ではことし4月、金色堂前の広場の土をイノシシに 掘り返される被害にあいました。寺の敷地では5年ほど前からイノシシが目撃されていましたが、ついに大勢の観光客が往来する場所が、イノシシに荒らされるようになってしまいました。中尊寺管財部 菅野靖純 次長「この場所も史跡の一部なので、そこがイノシシに掘り返されるのはとても残念で、なんとかしたいとは思うけれど」。去年、イノシシによる土の掘り返し被害を受けた毛越寺です。イノシシは参拝エリアのすぐそばまで迫り、世界遺産の庭園が被害を受けるおそれがあったことから、寺では国の許可を得て、新たな侵入防止柵を設置したほか、すでにある柵も地面とのすき間を埋める補強を行った結果、ことしは被害をゼロにすることができています。中尊寺でも侵入防止柵の設置を検討しましたが、敷地がおよそ140ヘクタールと広大なため、断念。いまのところ人への被害は発生していませんが、寺では拝観者の安全と世界遺産としての景観を守るため、侵入経路とみられる場所にネットを設置するなど、応急対策でしのいでいます。中尊寺管財部 菅野靖純 次長「日中であれば安心して拝観してもらえるように日々対策をしているし、全体としては史跡や寺を守っていく。両方とも一番です」。世界遺産を管轄する町の文化遺産センターは「文化財としての価値に影響がないイノシシ対策を模索している」として対応に苦慮しています。
(生活圏に迫るイノシシの脅威、10年で目撃数100倍以上に:秋田)
秋田県内ではクマによる被害や脅威とともに、イノシシの増加や生息域の拡大が叫ばれています。2025年10月には秋田市の中心市街地でイノシシが相次いで目撃されました。イノシシは住宅街を歩き回り、住民は恐怖を口にしました。鹿角市では2026年、小学校の敷地内で被害が確認され、市がクマとともにイノシシ対策を強化しています。鹿角市の尾去沢小学校で4月1日、グラウンドを荒らされる被害が確認されました。地面には多くの穴が残されています。市がセンサーカメラを設置すると、映っていたのは2頭のイノシシです。餌となるものを探していたのでしょうか。夜間に現れ、グラウンドの土を掘り返したとみられます。学校は、保護者に児童の送迎を要請したほか、屋外での授業や活動を取りやめました。その後もイノシシの姿はなくならず、市は電気柵を設置しました。電気柵を設置してからは、学校周辺でイノシシの姿は確認されていないということです。鹿角市農地林務課・青山真主幹:「イノシシの群れが市街地の目撃のあった場所に近づいてきていて、イノシシの生息域も人の生活圏に向かって拡大してきているのではないか。そして私たちの身の回りにいるイノシシの数もどんどん増えているのではないか。増えた結果、目撃・被害が増えている背景が想定される」。秋田県立大学の星崎和彦教授は、イノシシの増加について「イノシシの発信源は福島の浜通り。東日本大震災後、人間が立ち入れずイノシシの天国のようになってしまっている。そこで減り始めない限りは、行き場を失って分布を広げている状況が直らない。秋田の増加も背景がそこにある。当面イノシシは増える」と指摘します。県内のイノシシの目撃情報の推移を確認します。2011年度から2013年度は2件と低い水準で推移していましたが、その後はじわりじわりと増え続け、2023年度には269件に跳ね上がっています。2023年度は、県内でクマによる人身被害が過去最悪となった年です。それぞれの増加に因果関係はあるのでしょうか。秋田県立大学・星崎和彦教授:「イノシシとクマが同時にいると、片方がストレスを感じて人里に出てきやすくなるとか、長距離移動しなければならないから移動の間に人間の目に留まりやすくなるとかということがないとは思わない。ただ相関関係は、はっきりしたことを言える段階にはない」一方で星崎教授は、「イノシシは、クマよりも人に近いところで、人に隠れて人間の生活に必要な作物とかを取っていくことを昔からしている動物なので、いったん定着したイノシシを排除するのは、クマよりも大変だと推察する。子供だけ捕獲しても、親はまた子供を産むなど全く効果がないと言われている。そういう意味でクマよりも厄介」と、イノシシの増加に警鐘を鳴らします。
(エゾシカ、森林総研などゲノムを初解読)
森林総合研究所などは北海道のエゾシカのゲノム(全遺伝情報)を初めて解読した。生態や進化の謎を探る研究の基盤になる。農作物を食い荒らすエゾシカの個体数を管理する用途にも役立つ可能性がある。エゾシカはニホンジカの亜種だ。これまでに中国で飼育するニホンジカを調べたゲノムの情報が報告されていたが、ニホンジカ以外の種も含む可能性があった。そこで研究チームは野生の雄のエゾシカの筋肉の試料からDNAを抽出し、専用の装置を使ってゲノムを解読した。ゲノムの同じ場所を平均で約19回読み込み、信頼性が高いデータを構築した。エゾシカは明治時代に狩猟で個体数が減ったが、その後の禁猟などで現在は繁殖している。北海道で農作物の食害や交通事故を起こして問題になっている。今回取得したゲノムのデータを使えば、北海道の各地に生息するエゾシカの血縁関係を高い精度で推定できる。遺伝的な多様性を維持しつつ、エゾシカを捕獲して個体数を管理できる可能性がある。シカは遺伝情報や体の形などが種ごとに異なる。エゾシカと他の種のゲノムの情報を比べれば、それぞれのシカが独自の進化を遂げた経緯を知る手掛かりになる。研究成果を科学誌「データ・イン・ブリーフ」に掲載した。
(森下千里環境政務官が熊対策で地元猟友会員らに講話:宮城)
森下千里環境政務官(衆院宮城4区)が8日、宮城県大和町で開かれた大衡村の鳥獣被害対策実施隊の研修会を訪れ、クマ被害防止策に関する講話をした。研修には、同隊に参加する猟友会員ら約20人が出席。森下氏は「現場に赴く皆さんが働きやすい環境をつくる」と強調。「山のなりわいを守り、自然を保全することでクマが山から出ないようにすることも大事だ」と述べた。
(クマから村民守りたい、「公務員ハンター」:青森)
青森県が2017年にツキノワグマの「出没注意報」などの発表制度を始めてから、26年は「出没警報」の発表が最も早い年となった。佐井村役場の長島幸雄さん(56)は村幹部の福祉健康課長を務める傍ら、クマなどの有害鳥獣の駆除に当たる公務員「ガバメントハンター」でもある。一歩間違えれば命を失う危険もある中「村民の生活を守りたいという思いで活動している」。山に出かける時には「クマよけの鈴やスプレーの装備、ごみの管理などに気をつけて」と注意を呼びかけている。長島さんがガバメントハンターになったきっかけには人手不足がある。狩猟歴50年以上になる長島さんの親族・大畑武男さん(83)は、村役場職員時代にハンターとして活動した。しかし、長島さんによると大畑さんは高齢を理由に引退を考えていたという。村内在住で下北郡猟友会所属のハンターたちは、いずれも大間町に仕事場がある。平日に、村まで出張って活動するのは難しい。そこで、ニホンザルの捕獲や生息調査など野生鳥獣対策に長く取り組んできた長島さんが自分でハンターになることを決め、17年に銃の所持許可、翌年に有害鳥獣捕獲の資格を得た。長島さんは、13年に発足した「鳥獣被害対策実施隊」で、非常勤職員を含む村職員や村民など十数人と、クマの目撃情報を基に、村内の見回りやわなの設置に取り組んでいる。25年の佐井村のクマ捕獲頭数は33頭で、過去最多だった17年の23頭を上回った。隊長を務める長島さんは、わなにかかったクマに銃でとどめを刺すのも仕事だ。昨年9月10日には午前中だけで8頭を仕留めた。捕まえたクマは再び自然に放しても人里へ戻る可能性があるため、駆除するほかないという。「親子グマの場合、子が先にわなに入り、親が外にいるのがやっかい」と長島さん。親が子を守ろうと興奮状態になり、襲ってくる可能性があるからだ。有害鳥獣とはいえ命を奪うことには悩みもある。とはいえ「村民の生活の方が大事。そこは割り切って(クマが)人の生活圏に出没したら対応する」。農作物被害については仕方ない部分はある-と言いつつ「人的被害は本当に防ぎたい」と強調した。県自然保護課によると、県全体のガバメントハンターは計126人(3月時点)で、市町村ごとに会計年度任用職員などの形で採用している。県も来年3月31日まで、会計年度任用職員のハンターを採用し、東青、中南、上北の各農林水産事務所でそれぞれ1人ずつ配置する方針だ。同課の担当者は、ハンターの活動として捕獲以外にも、廃棄野菜の放置に対する農家への指導などが想定される-と話し「啓発を通じて次のハンターが育つことにつながれば」と期待を寄せる。クマはにおいの強い物に引かれるため、生ごみや犬・猫用のペットフードの残りなどが家の外にあれば食べに来る。芳香剤の甘い香りや、ペンキのシンナー臭もクマを引き寄せてしまうという。行楽シーズンを迎える中で、長島さんは「においの強いごみなどを放置しないようにしてほしい」と呼びかけている。
(二子山山系イノシシ捕獲累計800頭、生息域拡大に危機感:神奈川)
葉山町、逗子市、横須賀市にまたがる二子山山系で2013年に初めて生息が確認されたイノシシの捕獲数が4月24日に累計800頭に達した。葉山町で最初の5頭が確認されて以降、繁殖と生息域拡大を繰り返し、最近では横須賀市の大楠山で捕らえた6頭の内5頭が25年生まれと判明。当初から捕獲に取り組む葉山町鳥獣被害対策専門員の三井修さんは「もはや『二子山山系のイノシシ』という規模ではない。三浦半島に広がっており長井の春キャベツなども被害が出かねない」と危機感を隠さない。現在、捕獲活動を行っているのは葉山町鳥獣被害対策実施隊、横須賀市・逗子市による共同事業(民間委託)、神奈川県(民間委託)の3者。25年度は実施隊115頭、横須賀市・逗子市16頭(横須賀14頭/逗子2頭)、県35頭、一般狩猟者2頭の計168頭が捕獲された。このうち25年生まれの個体は100頭に上った。三井さんによれば、24年度は例年よりメスの個体を多く捕獲したことから、25年の出産数は平年の130頭予測から大幅に抑制され、90頭ほどに収まると見込んでいた。しかし、実際には100頭を超え、「考えが甘かった」と三井さんは語る。生息域の広がりも深刻だ。24年8月には大楠山への侵入が確認され、翌年には幼獣も撮影されている。横須賀市のごみ処理施設「エコミル」付近では足跡も見つかっているが、民間企業の所有地が多く、罠を仕掛けるための許可申請に1カ月ほど要することが対策の障壁となっている。さらに、横須賀リサーチパーク(YRP)内の公園の池では、環境DNA調査によってイノシシの反応が出た。既に武山方面まで生息域が及んでいる可能性も否定できない。三井さんは「長井などの農地で甘みの強い春キャベツの味を覚えられたら最後だ」と危惧する。一方、逗子市の池子の森自然公園内でも昨年、姿が撮影されており、未だに駆除に至っていないことから住宅街に近いエリアでの繁殖も懸念されている。三井さんは「葉山町は通年で対策を強化している一方で、他自治体との温度差がある。半島全体で本腰を入れなければ手遅れになりかねない」と警鐘を鳴らしている。
(クマやシカなど「鳥獣被害」対策にあたる隊員の任命式:長野)
クマやシカなど鳥獣被害の対策にあたる隊員の任命式が諏訪市で行われました。鳥獣被害対策の実施隊は、農林業被害の防止や市街地への出没に対応するもので、諏訪市の猟友会員39人が任命されました。農業被害の多いシカやイノシシなどの捕獲や駆除を目的に2024年から始まり、目標とする頭数65頭を捕獲した隊員に5万円の達成金を支給します。(猟友会員・平林梨沙さん)「実際に私の家も農業していて被害が出ているので地域の役に立てたら…」。隊員はクマが出没した際にも対応にあたるということです。
(新発想の獣害対策ネット、国有林で試行中:長野)
シカがひづめを滑らせて近づけない――? 植林したばかりの苗木をシカに食べられる被害を防ごうと、中部地方の国有林で新たな試みが始まっている。中部森林管理局は全国の国有林では初めて、2025年7月から長野県伊那市内に特殊な樹脂ネットを敷設した。岐阜、愛知の国有林と合わせて計5カ所に敷いて効果を検証している。敷設したのは、土木資材メーカー「前田工繊」が25年7月に発売したネット。特殊な成型を施して表面が滑りやすくなっており、シカやイノシシといったひづめのある動物が脚を滑らせ、進入しにくくなるという。同社によると、獣害対策のために3年がかりで開発して特許を取得し、「イノシカスライダー」と名付けて発売した。道路ののり面で食害を防ぐ目的などで、全国で20件ほど敷設されているという。長野県によると、県内のニホンジカの個体数は推定22万1230頭。シカによる県内の農業被害額は年間約1億9千万円、民有林での林業被害額も約1億1千万円に上る(いずれも24年度現在)。
(箱わな製作、被害対策に:山形)
増え続けるクマやイノシシによる鳥獣被害の対策に活用してもらおうと、鶴岡市と三川町に生産拠点を持つ自動車部品製造のヨロズ(本社・横浜市、平中勉社長)は8日、鶴岡市に捕獲用の箱わな18基を寄贈した。同社が箱わなを製作するのは初めてで、同市の猟友会メンバーと意見交換しアイデアを取り入れ作った。試作品3基を朝日地域に設置し、状況を見ながらさらに改良を加えて秋までに残り15基を製作して市に届ける。同市が所有する箱わなは簡易なドラム缶式を含めて20基で、今回の寄贈で倍増する。自動車のサスペンションを中心に世界各国のメーカーに納入するグローバル企業の同社が、昨年から製作を進めた。格子状の鉄製で長さ2メートル、間口は縦80センチ、横70センチ、重さ約140キロ。6分割して一人でも運搬・設置できるようにしたほか、鉄板の扉がスイング式となっており、クマなどを確実にわなに閉じ込められるよう工夫した。1基当たり30万円相当で寄贈品18基分について、市への企業版ふるさと納税制度を活用した。贈呈式が市朝日庁舎で行われ、ヨロズの志藤健取締役副会長が佐藤聡市長へ目録を手渡し、平中社長が「自動車のサスペンションは人の命を守る部品。これまで培った技術を駆使し、鳥獣から人の命を守るために何かできないかと考え、箱わなを作った。今後も支援をいただいて改良し、庄内で量産できる体制を整え、地域の皆さんの助けになる社会貢献へとつなげたい」とあいさつした。県猟友会鶴岡支部の亀井龍夫支部長は「現場で使いやすいよう取り組んでいただいた。箱わなが不足している中での寄贈は心強く、今後の活動の大きな助けになる。有効活用し、地域の安全・安心に努めたい」とお礼を述べた。試作の3基は先月から今月にかけ、朝日地域の東岩本と本郷地区に設置済み。地元の猟友会の協力で試験運用し、箱わなの改良につなげていく。改良を加える残り15基は完成次第、市に順次寄贈される。
(シカ食害防止かご設置:北海道)
石狩市の石狩湾新港近くにある道内最大級のオオバナノエンレイソウの大群落で、地元自然保護団体「石狩浜夢の木プロジェクト」が4月、シカによる食害を防止するかごを20個設置した。昨年食害が確認された移植地で、市民による保全活動が始まった。現場は、道路の延伸工事に伴い、夢の木プロジェクトが2022年に建設用地にあった群落(約1ヘクタール)の一部449株の根茎を移植した場所。
(「熊が大繁殖しているようだ」猟友会が報告:秋田)
クマが大繁殖しているようだ。遭遇する危険性が高くなっている」。秋田県小坂町の細越満町長は8日の定例記者会見で警戒を呼びかけた。「大繁殖」は地元猟友会から寄せられた情報という。山あいの同町周辺はクマの出没が多く、2年前には隣接する同県鹿角市の山林で警察官2人が襲われるなどした事案も発生した。
(クマ捕獲の最前線「生態は明確に変わってきている」)
関東など広い範囲でおでかけ日和となりましたが、そんな中、心配なのがクマ被害です。山菜取りの最中にクマに襲われたとみられる被害も相次ぎ、各地で警戒が続いています。捕獲の“最前線”で取材班が目にしたのは、クマが思わぬ場所で罠にかかる実態でした。一気に暖かくなった日本列島。山のレジャーも活発になる一方で、クマとの関連が指摘される死亡事故が相次いでいます。山形県酒田市では5日、山菜採りのために山に入ったまま不明となっていた高齢男性の捜索中に遺体を発見。また、岩手県八幡平市では、7日、山中で、女性の遺体が見つかっています。遺体の顔にはひっかき傷があり、クマに襲われたものとみられています。サタデーステーションが向かったのはその八幡平市のすぐ隣の岩手県滝沢市。9日朝、クマ1頭が、箱わなで捕獲されました。「ガチャガチャ」と音を立ててクマが箱から顔の覗かせました。滝沢市では、今月初めにもこの場所で1頭捕獲されていて、他にもクマがいる可能性があると警戒していました。体長1メートルほどのメスだったということです。箱わなを設置していた場所は、住宅地からおよそ100mほどの山の入口です。滝沢市では猟友会のメンバーら29人態勢で市街地に出没するクマなどの対応にあたっています。クマに襲われたとみられる事故の多くは、“山菜取り”のさなかに起きています。9日も、山形県内で山菜採りをしていた50代の男性が背後から現れたクマに後頭部や顔をかまれ、顔の骨を折る大ケガをしています。山菜採りとは、実際どんなところに入っていくのでしょうか。クマの狩猟を専門とした「マタギ」の伝統を引き継ぐ松橋さん。クマ対策のプロによる山菜採りのツアーの様子をボディカメラをつけて取材させてもらいました。ホイッスルで音を鳴らして存在を知らせます。9日は雨もちらつく天候のため、安全に配慮して、一部の行程は車での移動に変更して進めました。松橋さんの目線から見てみると、高い樹木の間にの背の低い草木や身を潜められるような起伏などがあることがわかります。その秋田県では、ひとの生活圏のすぐそばにもクマの脅威が迫っています。8日秋田県大仙市で撮影されたこの写真では木登るクマの姿。場所は、ショッピングセンターの駐車場のすぐ横。動画には警察車両などが警戒に当たる中、小走りに走っていくクマの様子が見て取れます。車が行きかう道路のすぐ横の土手を下っていく様子も。写真には、警察車両が映り込んでいて、現場が緊迫していたことがうかがえます。クマとの関連が指摘される事故は4月以降、相次いでいます。最も死者数が多かった2025年度は13人。今年は関連が疑われる事案はすでに3件です。クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授「これまでクマがいなかったところで起きているというところが、大きな今年の特徴だと思います」。この先さらにクマの出没は増えるのでしょうか。クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授「ブナについては春先の調査で、しっかりと花がついてという報告がされています」「(今後の)気象条件が平年どおりであれば、ドングリ類が、十分に実る」。東北では、木の実が豊作が期待できるため、去年ほどの出没にはならないと指摘する一方で、注意が必要なのは西日本だといいます。クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授「どんぐり類の豊作は連続するということはないので、今年は凶作になる可能性があります。そのためには注意が必要です」。
(人里に出没した個体は「必ず捕殺しなければならない」)
冬眠から目覚めたクマが、次々と人里へ姿を現している。4月19日、宮城県仙台市の中心部である青葉区で、体重125㎏のクマがマンションの茂みに14時間以上居座り「緊急銃猟」で駆除された。富山県では犬の散歩中だった40代女性が襲われ、岩手県紫波町では沢でクマに襲われたとみられる55才女性の遺体が発見されるなど、痛ましい事故も起きている。昨年度はクマ被害が相次ぎ、被害者は全国で238人にのぼり、うち13人が死亡するという過去最悪を記録した。もちろん行政を中心に対策も練られている。飼料や生ゴミなどクマを誘引する“餌”の管理が見直されたほか、クマが住宅街に近づかない方策がとられているようだが、クマそれでもクマは人間の生活を脅かし続けている。『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社新書)の著書がある東京農工大学大学院教授・小池伸介さんは「昨年の状況が尾を引いているのではないか」としてこう分析する。「市街地に出没したクマの映像を見る限り、落ち着き払っているように見えます。昨秋、人里でおいしい体験をした個体が駆除されずに森に戻って冬眠したのでしょう。そうしたクマたちが再び“何かおいしいものがあるのでは”と市街地に出没している可能性があります。なかでも、子グマを連れた母グマには注意が必要です。母グマは警戒心が強く、鉢合わせればパニック状態となり人間に襲い掛かる可能性もあります」(以下、小池さん)。さらに「繁殖期」にあたる、春から夏は危険度が高まるという。「母グマは授乳中だと発情しません。オスグマは自分の遺伝子を残そうと、子連れの母グマと出会うと子グマを殺して再び発情を促そうとする。海外の研究では、警戒心が強いオスが人里近くに行くことを好まないことを利用し、繁殖期には母グマが子を守ろうと山を下り、市街地に隣接する森に母子で留まった例も確認されています。東京都の奥多摩や青梅など、緑豊かな地域から多摩川などの河川や緑地、丘陵などを伝い、調布や府中、さらに世田谷区や大田区などから都心部へ入り込む可能性も十分に考えられます」。対策はあるのだろうか。「人里に出没した個体は必ず捕殺しなくては次の出没につながる。誘引物をなくすことに加え、ハンターが山に入る春季捕獲などを導入し、クマに対して“人間は恐ろしい存在だ”と学ばせることが急務です」。オフィス街の公園を散歩していると茂みからクマの唸り声が――そんな日常が、すぐそこまで迫っている。
(バーで出会った若き相棒とシカを撃つ:黒田未来雄)
NHKディレクターをやめて猟師になったミキオが北海道移住する前のお話。今回はシカを射止め、カナダの師匠から教わった儀式で祈りを捧げる。同行した若きバーテンダーの心にも響いた。のバーを見つけたのはある日の深夜。転勤先の北海道から東京に戻され半年近くが経った9月末のことだった。僕は愛犬の散歩をしていた。ハンターが犬を飼っているというと、当然のごとく猟犬だと思われるが、残念ながら違う。僕が飼っているのは、フレンチブルドッグ。「ぶぅ太」という名のオスだ。愛玩犬であり、狩猟にはなんの役にも立たない。水に入ることを極端に嫌がるし、雪が深いと短い足が刺さって身動きできなくなってしまう。ぶぅ太は、妻が僕と出会う前から飼っていた犬で、いわば連れ子だ。クリーム色のムチムチボディーで、いつも鼻水を垂らしてブヒブヒいっている。出会った当初から可愛いヤツだと思っていたが、徐々に溺愛の度合いが増し、やがて毎晩一緒に寝るようになった。ぶぅ太の散歩は、僕の役目だ。大通りから一本だけ裏に入った、下町の暗い路地を歩いていると、ぼんやりとした温かい明かりが浮き上がっているのが見えた。吸い寄せられるように近付く。その前にはピンク色の巨大なブタの置物が鎮座し、首からは「ワンちゃんは人間より歓迎です」と書かれた看板がぶら下がっていた。一体なんの店だろう。中を覗き込む。奥にいた女性が僕らに気付き、「どうぞどうぞ」と中に招き入れられた。そこは素敵なバーだった。控えめな照明。7メートル近くあるカウンターの奥には、若い男性バーテンダーが人懐こい笑顔でたたずんでいる。先ほどの女性オーナーと二人三脚で店を切り盛りしているという。もともと鉄工所だった建物は80平米もあって、アンティーク調の革張りのソファと、ローテーブルがゆったりとした間隔で据えられている。オーナーはアーティストでもあり、壁には彼女が描いた何枚もの絵が飾られていた。パイナップルを頭に乗せたフレンチブルドッグに、シルクハットをかぶったバセットハウンド。内容も色使いもポップなのに、彼らの目はとても静かだ。僕を見つめ、無言で何かを訴えかけてくる。居心地の良さの中に、微量の切なさがちりばめられ、無性に郷愁に駆られる。最初の訪問は5分に満たなかったが、僕はそのバーがいたく気に入ってしまった。しかし財布を持たずに家を出ていたため、後日の来店を約束し、帰路についた。以来、いい酒が飲みたくなると、その店に行くようになった。カウンターに並べられたハイスツールに、まずはぶぅ太を抱き上げて乗せ、隣に座る。すかさず、愛犬の前には新鮮な水と、バーテンダーお手製の犬用クッキーが置かれる。僕はすっきりしたカクテルか、アイラモルトのウイスキーをオーダーする。目の前に差し出された一杯をひと舐めし、店内に満ちたセピア色の空気を大きく吸い、ゆっくり吐き出す。無意識のうちに作り上げていた、精神の武装が解除される。まるで心の指圧を受けているような気分だ。「現代社会」という名の煩わしいスーツを着せられてしまった人間にとって、このバーのような秘密のポケットを持っておくことは、とても大事なことに思える。ぶぅ太もその店が大好きになり、しばらくすると散歩の度に行きたがるようになった。腰を落として体勢を低くし、シャカシャカと地面を掻く様子はまるで昆虫のようだ。「こっちです!」と全体重をかけて僕を引っ張る。店への道筋は完全に記憶している彼だが、休みがあることまでは理解できない。閉店日には、降ろされたシャッターを前に呆然と立ち尽くす。続いて前足でシャッターをガリガリと引っ掻き、首を傾げてじっと待つ。何度かそれを繰り返すと僕の方を振り向き、「どうして開いてないんですか?」と恨めしそうな涙目で見つめる。僕は肩をすくめて隣にしゃがみ、頭を撫でてあげる。しばらくすると、ぶぅ太もさすがに諦めて歩き出す。何度も何度も、名残惜しそうに振り向きながら。そして数日後、彼は雪辱を果たし、僕らはまた仲良くカウンターに肩を並べるのだった。そうした夜を繰り返しながら、僕は徐々にバーテンダーと仲良くなっていった。名前は原雅貴。まだ27歳だった。長野県出身の雅貴は自然の中で育ち、元々狩猟に興味があったらしい。シカ撃ちやクマ撃ち、カナダでの狩猟体験などについて話すと、いつも食い入るように聞いていた。やがて彼は「僕もハンターになりたいです!」と言い始めた。そして数か月後、驚いたことに、本当に銃の所持許可を取得してしまったのだった。当時、僕は山梨県まで出向いて狩猟をしていた。3月12日、山梨でのシカ猟期の最終日曜。僕は猟に出ることにした。会社を辞めて北海道に移住することを決めていたので、これが東京で狩猟をする最後の機会となる。免許だけで銃はまだ持っていないが、やる気は満々の雅貴を連れてゆくことにした。午前2時。深夜までカウンターに立ち、その後に清掃などの残務がある雅貴を、バーに車で迎えにゆく。当然、彼は一睡もしていないが、そこは27歳の若者。目は爛々と輝き、疲れた様子は微塵もなかった。3時間後、山のふもとに到着した。僕らは暗いうちから歩き始めた。発砲していいのは、日の出から日の入りまでと法律で定められているが、もし日の出前にシカに出会ってしまったとしても、単に見逃せばいいだけだ。ハンターが山を歩く季節、シカたちは撃たれない夜間に活動するようになる。だから、発砲可能な時間帯の中で、最もシカが獲れるのは日の出直後か日没直前だ。徹夜で狩猟に臨んでいる雅貴のことを考えると、できるだけ早い時間に獲ってあげたいし、そうなれば解体も明るい中でゆっくり教えられる。朝一番、森の奥に戻る前に、まだ草を食べているシカを狙いたい。可能性が高いのは草原と森の境目だ。その日歩くルートの中で、開けた草地は、稜線上の1か所だけだった。発砲していい時間帯までに、そこに辿り着きたい。息を殺してゆっくりと急斜面を登る。辺りが徐々に明るさを増し、朝日が差し込むころ。僕らはなだらかなアップダウンを繰り返す草地に到達していた。大地の盛り上がりを慎重に超えてゆく。繰り返すこと数回。草地の端に、白い丸が見えた。シカの尻尾だ。思い描いていたとおりのシチュエーション。そのシカは僕らに背を向け、1頭で草を食べていた。こちらには気付いていない。しかし距離が遠すぎる。このまま撃っても当たらない可能性がある。それならまずは、山の中でシカの後ろ姿がどのように見えるのかを、雅貴に見せてあげよう。ジェスチャーだけで、身を屈めて音を立てずにそばに来るように伝える。シカを指差すと、彼は大きく目を見開いて頷いた。突然、シカが頭を上げてこちらを振り向いた。短い角があるが、まだ枝分かれはしていない。1歳のオスだ。わずかな足音を気取られたか、人間のにおいを感じ取ったのか。ここまでは作戦どおりだったのに、残念だ。ところが意外なことが起きた。シカが再び頭を下げ、草を食べ始めたではないか。これはラッキー。姿勢を低くして、身じろぎひとつしない僕らを、岩か何かだと思ったのかもしれない。シカは緩やかなV字を描く窪みの反対側の斜面に居て、僕らが身を隠すことができるものは何もない。雅貴に絶対に動かないよう合図し、僕は這うように前進を始めた。食事中のシカは、音に疎い。草を噛みちぎる音が耳のすぐそばで鳴っているからだろう。僕は、シカが地面に口をつけている間に進み、頭を上げた瞬間に止まり、ジリジリと匍匐前進を続けた。圧倒的に人間に不利ではあるものの、シカにとっては命が懸かった「だるまさんが転んだ」が、張り詰めた静寂の中で展開される。50メートルほど進み、ようやくシカが射程圏内に入った。それまでに数回しか経験したことのない、伏射の姿勢をとる。腹ばいのまま、銃を地面に置いて安定させる。普段なら藪が邪魔でシカが見えなくなってしまう。開けた草地ならではの射撃姿勢だ。ついに、シカを完全に照準の中に捉えた。地面に寝転んでいるため、ブレはない。絶対に当たる。確信を立証するように、引き金を引く。銅弾が冷気を切り裂き、シカはその場で前のめりに倒れた。ここからは、授かった命を美味しい肉にするための作業が始まる。まずは血抜きだ。近づくとシカはピクリとも動かず、完全に事切れていた。雅貴には、僕が解体に使っているナイフを貸してあり、胸のどこを刺すかも説明してあった。ナイフを握る雅貴の右手に僕の手を添えてポジションを確認する。一気に突くと、熱い血が噴き出して彼の手を濡らす。狩猟が命をいただく行為であることを最も実感する瞬間だ。やがてシカの瞳孔は満月のように開いた。その顔をよく見て驚いた。上顎が右にねじれているのだ。下顎と噛み合っていない。怪我でここまでの変形が起きるとは考えられず、きっと生まれつきのものだろう。この顎では、満足に草を食べることはできなかったはずだ。普段は群れていることが多いのに、なぜかこの子は1頭だけで草を食べていた。仲間外れにされたのか、あるいは空腹を満たすのに時間がかかるため、自分だけ残って食べ続けていたのか。いずれにせよ、その短い一生が辛い時間の連続であったことは想像に難くない。それでもここまで生き延びたことに深い敬意を表しながら、肉の一片たりとも残さぬように解体した。雅貴の表情は真剣そのものだ。皮も鞣したいとのことで、毛皮にもナイフで穴を開けないよう、細心の注意を払った。解体の最後。首から気管を取り出して木の枝にかけた。これは、僕が初めてカナダで狩猟を体験したとき、師匠のキースから教わった儀式だ。シカが生きている間、息を吸っては吐き、気管には常に空気が流れている。しかし、狩猟が成功したことにより、呼吸は止まってしまう。解体後にその気管を枝にかけると不思議と風が吹き始め、気管には空気の流れが蘇る。そのように、シカの魂が大いなるもののもとに還ったのち、また息を取り戻して新しい命を授かるように祈るのだ。キースの「狩猟で一番大事なことだから絶対に忘れるな」という言葉を雅貴に伝え、僕らはしばらく口をつぐんで祈りを捧げた。解体の作業が終わるころには、腹が減ってきた。火をおこし、捌きたてのヒレ肉を焼くことにする。木の枝の先端を尖らせて串を打ち、ゆっくりと炙る。脂がジュウジュウと音を立てると、僕らの腹も鳴りだす。いい香りが漂い、思わずよだれが出る。ついさっき、神妙な顔をしてシカの冥福を祈っていたはずなのに、もう頭の中は彼の肉を食べることでいっぱいになっている。それは不謹慎なことなのだろうか。シカの目から光が失われ、魂が旅立ってゆく様を見届けるのは、何頭獲っても慣れることはない。いつも胸が締め付けられる思いだ。それでも、その肉を見ると猛然と食欲が湧いてくる。旨いものが食える喜びが頭をもたげる。それでいい、と僕は考えている。全ての動物は、他者を食らうことでしか、生命を維持することができない。善悪の問題ではない。それは動物としてこの世に生を受けた者の宿命だ。いくら辛かろうが、否応なしに辛さは喜びに変換されてしまう。それは僕らが動物であるからこそ。そして僕らが生きているからこそなのだ。倒木の上にシラカバの真っ白な樹皮を敷き、その上で肉を切り分ける。味付けは塩コショウを軽く振るだけで十分だ。「こんなに旨い肉、食べたことないです!」と夢中でかぶりつく雅貴を見て、思わず顔がほころぶ。帰り道、肉は全て雅貴が背負った。小柄なシカとはいえ、丸一頭分の肉の重量はなかなかのものだ。更に凍っていた土が春の日差しに解け、足元は悪い。登りで僕が使っていたストックを貸してあげたが、たまにズルズルと足を滑らせ、へっぴり腰で斜面を下っている。それでも、弱音は決して吐かない。重労働の中に、喜びを見出しているのが見てとれる。きっと彼は、いいハンターになる。僕より随分遅れて山から降りてきた雅貴の、汗だくの笑顔を見て、そう思った。シカの肉は彼の一部となり、その革は初めての狩猟体験の記憶を鮮やかに蘇らせる。僕はまた、愛犬と共にバーカウンターに座り、彼の作った酒を飲む。そして僕らはいつまでも飽きることなく、苦境にめげず力強く生きたシカを讃え、特別な一日を分かち合った喜びを言祝ぐのだ。気管を枝にかける儀式だけでなく、獲物を解体してゆくすべての過程が彼らとの対話であり、"祈り"という行為に思えてならない。
(スーパー駐車場にクマ、細い枝の上を器用に:秋田)
県内では8日もクマの出没が相次ぎました。5月に入ってから1週間の目撃は128件で、去年の同じ時期の倍以上となっています。8日朝は大仙市のスーパーの駐車場に現れ、約1時間半にわたって木の上にとどまり続けました。細い枝の上を器用に移動する1頭のクマ。現れたのは、大仙市北長野にあるスーパーの駐車場です。大仙警察署によりますと、8日午前7時半ごろ、「1頭のクマが商業施設の方向に歩いている」と近くに住む60代の男性から110番通報がありました。警察が向かうとスーパーの駐車場の木に登った体長約1.2メートルのクマを発見。クマは約1時間半にわたってとどまり続けました。その後、スーパーから西に約1キロの玉川沿いの藪の中に入ったというクマ。付近では早朝にも神社の近くでクマが目撃されています。人の生活圏に現れ続けるクマ。県は、鉢合わせを防ぐため鈴などで音を出して人の存在をアピールするよう呼びかけています。
(電車と接触しケガか、『ニホンカモシカ』側溝で動けなくなっていて無事保護:愛知)
名古屋市内で7日、国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」の目撃情報が相次ぎました。午後には無事に保護され、市は今後、住んでいた場所へ戻す予定です。警察によりますと、7日午前4時すぎから、瑞穂区や南区で「シカがいる」などと、ニホンカモシカの目撃情報が9件相次ぎました。名古屋市によると、市内では4月22日に名東区で目撃されたのを皮切りに、名古屋大学などでも目撃情報が寄せられていました。7日昼過ぎにその姿を確認したのは、南区にある阿原公園の側溝です。市によると、4月から確認されていた個体と同じとみられます。ニホンカモシカはじっと落ち着いて座ったままで、名鉄などによると、午前10時すぎ、公園の近くで電車と接触し、ケガをして動けなくなったとみられています。そして午後1時半ごろ、市の職員によってニホンカモシカは無事保護されました。東山動植物園に運んだのち、元々住んでいた場所に戻される予定だということです。
(1泊2日の狩猟体験ツアー:和歌山)
Spinelは、体験ツアー事業「PRIMAL(プライマル)」を始動。第一弾として、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町・色川地区の猟師「だものみち」と連携し、1泊2日の狩猟体験ツアーの販売を開始した。
(捕獲駆除した鹿から革製品、猟師の新たな収入源に:長野)
増加したニホンジカによる森林被害や農作物被害が深刻化する中、設計デザインなどを手掛けるケルビム(長野県諏訪市中洲、堀内智樹社長)は、諏訪地域で駆除された鹿の皮から革製品を作るプロジェクトを始めた。駆除しても廃棄されることが多い鹿の皮を、猟師の新たな収入源になるよう有効活用。次の捕獲へとつなげ、山の環境を守る循環的な取り組みとなることを目指す。開発した革製品をクラウドファンディング(CF)で先行販売している。ケルビムは1997年創業。2010年に皮革製造の宮内産業(飯田市)と連携して革製品の製造販売を始めた。希少な馬の皮をなめした「コードバン」を使った製品をブランド展開する。今回の製品は、増え過ぎたニホンジカを捕獲する個体数管理が行われる中、駆除された鹿の皮が十分に活用されていない現状に着目して生まれた。長財布とポシェットを宮内産業と共同開発した。諏訪地域で地元猟師が捕獲した鹿の皮を宮内産業がなめし、製品化して販売する。ニホンジカの皮は、しなやかさや扱いやすさといった特長がある一方で野生動物ゆえの傷が難点だったが、特殊加工で傷を”味わい”へと変え、1枚の革から効率よく製品が作れるようになったという。堀内社長は「猟師の高齢化や担い手不足が進んでいることで、個体数管理も山の保全も持続しにくくなっている」とプロジェクトの背景を説明。野生動物の生活圏が拡大したことが「里へ出没しやすい状況をつくっている」と指摘し、近年増えている熊の出没についても「背景にある構造は同じ」と警鐘を鳴らす。「猟師がきちんと報われる仕組みをつくらなければ根本的な解決はない」との思いから、廃棄される皮を有効活用して猟師の仕事を経済的に支えようと考えた。「捕獲、なめし、製品化、販売利益による猟師の定着」の循環を県内でつくることで、個体数管理と山の環境保全の両立につなげる狙いという。ブランド名は「ENDEAR(エンディア)」。サイズは長財布が縦10センチ、横19・5センチ、厚さ2・5センチ。ポシェットは縦24・5センチ、横22センチ、厚さ1・3センチ。それぞれ「深森(ブラック)」「蒼岳(ブルー)」「秋灯(キャメル)」の3色を用意した。先行販売は長野県信用組合が運営するCFサイト「Show Boat」で5月18日まで。価格は1万7500円から。返礼品として鹿革のスマートキーケースを付ける。堀内社長は「鹿の頭数増加や熊の問題は、山々に囲まれた地域で暮らす以上は避けられない現実。解決までに時間が掛かる問題だが、取り組んでいきたい」と話している。
(「低脂肪、高タンパク」で注目のジビエ)
フランス語で野生鳥獣を意味する「ジビエ」。イノシシやシカの肉は古くから欧州貴族の食卓を彩った伝統食で、近年、日本でも「低脂肪、高タンパク」の食材として注目を集めている。福岡県豊前市では、農作物被害防止のため駆除された有害鳥獣の有効活用に取り組み、衛生管理を徹底した高品質なジビエの供給体制を築いている。野生獣の食肉処理の現場を訪ねた。市内の農村地帯に立地する獣肉処理加工施設「豊前ジビエセンター」。施設内では、捕獲直後のシカがつるされ、処理の工程に入っていた。担当する須田睦次郎さん(51)は、大量の水をかけて入念に洗浄した後、皮や内臓を一つ一つ丁寧に取り除いていった。作業に向き合う表情は真剣そのもの。「やはり、命を頂くということですから」。センターは2018年、市が資源の有効活用とジビエの特産品化を目的に整備した。それまで焼却処分が主流だった有害鳥獣を、販売用の食肉として活用する転換点になった。高圧スチームで洗浄する洗浄室に加え、滅菌設備や冷蔵熟成庫に加え、加工機器も備えており、処理から製品包装まで一貫して行える。須田さんは「ここまでの設備が整った施設は珍しい」と胸を張る。市によると、センターには、ワナにかかるなどしたシカやイノシシ、アナグマが持ち込まれ、23年度は421頭、24年度は424頭を精肉処理したという。品質向上に向けた創意工夫も欠かさない。養蜂業を本業としながらハンターでもある須田さんは、解体技術を磨くとともに、臭みを抑えるための独自手法を追求。アルカリ水や酸性水を用いた洗浄・殺菌など試行錯誤を重ねてきた。こうした努力が実り、販路も拡大した。市内の道の駅「豊前おこしかけ」や水産振興施設「うみてらす豊前」など地元での販売に加え、福岡市や関東圏の飲食店、企業への出荷も進む。さらに、市の地域おこし協力隊員の平野七奈さん(44)を中心に、ペット用ジャーキーも商品化した。「人が食べられる品質のシカ肉を使用している」(同センター)として人気を博しているという。実際にジビエの加工肉を口にすると、シカ肉のロースはマトンに似た味わいで、イノシシ肉などを使ったウインナーはしっかりとした歯応えが印象的だ。いずれも臭みは少なく、あっさりとした味の中にほのかなうまみが感じられた。農水省の24年度調査によると、福岡県内の農作物の野生鳥獣被害額は約6億8700万円(前年度比約9200万円増)と深刻。ジビエ普及は、被害対策に有効とされセンターの役割は小さくない。その一方で、課題も浮かび上がる。牧野正昭センター長によると、駆除の進展に伴い確保される個体数は減少傾向にある。加えて、地球温暖化も生き物の生態に影響を与えているとみられ、イノシシでは子育ての難しい冬季の妊娠例が増えるなど繁殖環境に変化が生じているという。「処理頭数が減れば、施設運営の維持にも影響が及ぶ」と懸念を示す。現在、市は鳥獣の受け入れ範囲を原則市内に限っているが、今後は市外への拡大も検討課題だという。牧野センター長は「関係者の理解と協力を得ながら、安定的な供給量を確保し、持続可能な運営につなげていきたい」と語る。
(イノシシ肉の自販機お目見え:山形)
イタリア郷土料理やジビエ(野生の鳥獣肉)料理を提供するハレトケ(鶴岡市本町二丁目)の駐車場に、イノシシ肉の自動販売機がお目見えした。背ロースやミンチなどの部位を冷凍しており、家庭でも使いやすい量で販売している。自動販売機は4月29日に設置。同店の店主でジビエ加工施設「たがわジビエ」(同市田川)のオーナーも務める佐藤昌志さんは「もともと猟師でもあり、鶴岡市の田川や湯田川地区で発生しているイノシシの食害を減らしながら、命を無駄にしないため昨年6月にジビエ肉加工施設の活動を開始した」と話した。庄内産ジビエ肉はハレトケで提供するほか、主に飲食店向けとして県内外へ流通していた。在庫を残さないようにするとともに、一般家庭へのジビエ肉浸透を図ろうと今回、「たがわジビエ」の直売で自販機を設置した。自販機のラインアップは「背ロース(スライス)」(200グラム、2000円)、「モモ肉」(200グラム、1500円)、「バラ肉」(200グラム、1800円)、「ミンチ肉」(240グラム、1500円)の4種類。背ロースなら「脂の甘みと赤身の旨味(うまみ)が際立つ、上質な一品。焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶにおすすめ」など、各部位の特長とおすすめの料理が記されている。佐藤さんは「部位の中で一番のおすすめはミンチ肉。ギョーザやハンバーグ、パスタソースなど何にでも使える。今のところバラ肉の売れ行きが良く、在庫が少し心配。バーベキューやいも煮など大勢で集まる時にぜひ食べてもらいたい」と話していた。自販機は年中無休、24時間営業。
(ジビエフレンチがオープン:北海道)
美唄市内の食肉加工会社「Mt.」が、野生の獣肉「ジビエ」などを提供する本格フランス料理店「Bistro Montagne(ビストロ・モンターニュ)」(東1南3)を4月にオープンした。狩猟から解体、調理までを一貫して行い、エゾシカやヒグマなど地元の恵みを生かした料理を提供する。ハンター自らが腕を振るう新たな食の発信拠点として注目を集めそうだ。
(ヘルシーな鹿肉などこだわりのジビエ料理が堪能できるお店:埼玉)
秩父市荒川贄川にある「いのしか亭」は、こだわりのジビエ料理を提供するお店です。ヘルシーな鹿肉を使用したメニューを豊富に展開。女性からの支持を集める「鹿肉生姜焼き定食」をはじめ、「鹿肉ハンバーグ定食」や「鹿肉カツ定食」などをラインアップしています。大自然に囲まれたお店で、周辺には「道の駅あらかわ」や「三峯神社」といった観光スポットがあります。
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(クマに田んぼ見回り中に襲われた男性(48)、ドクターヘリで搬送:秋田)
秋田県由利本荘市で5日、田んぼの見回りをしていた40代の男性がクマに襲われ、けがをしました。警察によりますと、きょう午前8時15分ごろ、秋田県由利本荘市で、1人で水田の見回りをしていた48歳の男性がクマに襲われました。男性は顔や右腕にけがをして、ドクターヘリで秋田市内の病院に運ばれました。搬送時、意識はあり、会話もできたということです。クマは1頭で、体長1メートルくらいの成獣とみられます。現場は、東由利小学校から西におよそ200メートルの田んぼに民家が点在する地域で、警察が周囲を警戒するとともに注意を呼びかけています。秋田県内でのクマによる人身被害は、今年に入って初めてです。
(山林で身元不明の男性の遺体発見、近くでクマ1頭を駆除:山形)
5日、酒田市の山林で身元不明の遺体が見つかり、その付近ではクマ1頭が駆除されていたことがわかりました。5月3日、酒田市山谷の山林に山菜採りのため入山した久松幸雄さん(78)が行方不明になっていましたが、5日、同じ山で身元不明の男性遺体が見つかっています。警察によりますと遺体の頭部や腕などには大きな傷があったということです。遺体が発見された同じ時間帯にはすぐ近くでクマが目撃されていて、地元猟友会が1頭を駆除しました。警察は男性がクマに襲われた可能性も含め、死因を調べています。
(「クマにやられた」薬局に駆け込んだ男性、出血しぐったりした姿:秋田)
秋田県由利本荘市東由利法内の田んぼで5日、一人で見回りをしていた農業男性(48)がクマに襲われ、顔や腕にけがを負った。けがの程度は不明だが、搬送時、意識はあったという。県内でクマによる人身被害は今年初めてで、駆け込んできた男性の手当てをしたという薬局の店主は「こんなことがあるのか」と驚いた表情で語った。由利本荘署の発表によると、男性が襲われたのは5日午前8時15分頃。クマは体長約1メートルで成獣とみられる。男性はドクターヘリで秋田市内の病院に搬送され、手術を受けている。現場は東由利小学校から200メートルの田んぼが広がる一帯で、石沢川を渡ると住宅街が広がる。襲われた男性はその後、車で住宅街に向かい、薬局に助けを求めた。ベルが鳴り、店頭に出た店主の女性(78)は、額などから出血した男性が店内の椅子にぐったりと座っている姿を目の当たりにした。「救急車を呼んでください。クマにやられた」。男性のうめくような声を聞き、119番した。救急車が到着するまでの約15分間、男性の額にタオルを当てて出血を抑えたり、意識が遠のきそうになる男性の体をさすったりしながら、「しっかりして」と呼びかけ続けたという。救急隊員は「傷が大きいのでドクターヘリで搬送する」と話していたといい、伊東さんは「店の前の道は近くの小学校の子どもたちが通学で使う。こんなことがあると心配だ」と振り返った。被害が発生した後、周辺は赤色灯をつけたパトカーが巡回し、県自然保護課の職員らが現場の状況を確認するなどして物々しい雰囲気に包まれた。由利本荘市は同日午後、現場の北側に広がる山林にはちみつと米ぬかを入れた箱わな1基を設置。市農山漁村振興課は「引き続き、生ゴミを放置しないことや果樹を伐採することなど、クマが来ないようにする対策を求める」と話している。県自然保護課の資料によると、2021年以降の各年最初の人身被害の発生状況は、登山(25年)や山菜採り(21、23年)などで山の中に入った人がクマと遭遇したケースが目立つ。今回、被害が発生した場所は見晴らしのいい田んぼで、近くに小学校もある人里だ。由利本荘市農山漁村振興課は「付近を森林に囲まれており、クマの通り道になっているのではないか」とみる。茨城県自然博物館の山崎晃司館長は、「山の中ではない場所では一人一人ができる対策には限界がある。誘引物の除去の他、行政がすみ分けのための許可捕獲を進めるしかない」と指摘。複数人で行動することや、体を隠して移動できる河川沿いがクマの移動経路になりやすいといった生態を知ることも有効だという。県自然保護課によると、県内の4月のクマ目撃件数(速報値)は前年同月比4・6倍の389件に上っている。
(戸口翔太郎が銅メダル、クレー射撃W杯)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は5日、カザフスタンのアルマトイで男子スキートが行われ、戸口翔太郎(NKB)が3位に入った。国際射撃連盟によると、日本勢のメダル獲得は同種目で初めて。戸口は銅メダルの快挙に「自分を信じて撃ち、いい結果を残せてうれしく思う。W杯の表彰台に立てた自分を誇りに思った。慢心せずこれからも頑張っていく」とコメントした。
(クマ餌のブナ今年は「並作以上」と予測:石川)
クマの餌となるブナの実の調査で、今年の石川県内は「並作以上」と予測されることがわかった。県と県警本部、県猟友会などが参加した「第1回ツキノワグマ出没対応に関する連絡会議」で、報告された。加賀地域を中心に、11カ所のブナの開花状況を調べた結果、並作以上と確認。6月、8月にも調べ、より精度の高い調査結果を公表する。豊凶を早期に把握し、警戒を呼びかけるのが狙いという。昨年は県のブナが「大凶作」で、クマの目撃情報は391件に上った。一方、同じく「大凶作」だった2020年は、目撃情報は869件に達し、人身被害も15件あった。県は今年も人里近くに住み着いた個体の出没が懸念されるとし、市町を支援しながらクマへの備えを強化していく。対策として5月、7月に緊急銃猟の実地訓練をそれぞれ能美市と津幡町で実施。猟銃射撃研修などもする。また、出没を抑制するため、大量出没した20年と22~25年の情報をまとめた「出没分析マップ」を県のホームページ上に公開する。また、専門家による集落点検や、ボランティアとのやぶの草刈りなどによる「クマを寄せ付けない集落づくり」にも取り組む。県自然環境課によると、近年は春から夏にかけての目撃が多い状況で、クマの生息地が奥山から里山近くに広がったことが一因という。今年もすでに5件(4月22日現在)の目撃情報があった。「これまで以上に住宅地の近くに住み着いている可能性がある」とし、注意を呼びかけている。
(クマ被害防止へ、原因となる果樹伐採に補助:群馬)
クマの出没が昨年度相次いだ群馬県みなかみ町は本年度、果樹などの伐採に対する補助金制度を創設した。クマを引き寄せる原因となる果樹の伐採を進め、人身被害や農作物被害の防止につなげる。
(最後の田植え、サル・イノシシ被害で400年以上の歴史に幕:新潟)
“日本の棚田百選”に選ばれている新潟県三条市の『北五百川の棚田』。野生動物による被害があとを絶たず、400年以上の歴史に幕を下ろすことになります。5月4日、三条市にある北五百川の棚田で行われたのは、市の新採用職員による田植え体験です。三条市は市内の様々な産業を学ぶ研修を新採用職員に行っていて、田植え体験は美しい風景が広がる棚田で農業を体験してもらおうと10年前から実施されています。1999年には農林水産省によって“日本の棚田百選”にも選ばれた『北五百川の棚田』。400年以上の歴史があり、現在は15代目の佐野誠五さんが約90アールの棚田を管理しています。2011年の豪雨では一部が崩れる被害があったものの、復旧をとげて現在までコメ作りを続けてきましたが…近年は野生動物による被害が相次ぎ、去年は600kg近くも収量が減少。予約が入っていた分のコメの確保も危ぶまれたといいます。佐野さんは市や国に対策を求めることも考えたといいますが、棚田でのコメ作りを断念。来年以降は家族で食べる分だけのコメを作るといいます。そのため三条市の『北五百川の棚田』は今年で見納めに。
(湖のハクチョウが想定を超える数に、農作物被害や生態系に影響及ぼすおそれも:山梨)
山梨県の山中湖に想定を超える数のコブハクチョウが生息していることが分かりました。このままだと生態系への悪影響や農作物被害が出るおそれがあり、山中湖村は偽物の卵と交換することで生息を一定数に管理する試みをはじめました。5月2日、山中湖村から委託されたコブハクチョウ調査グループが山中湖を訪れました。メンバーは巣に産み落とされたハクチョウの卵の一部を偽物の卵と交換していきます。山中湖で初めての試みです。コブハクチョウ調査グループ 地域自然財産研究所 篠田授樹さん:「一定数増えてくれば今度は減らすことも必要。その時に有効な方法はどんなものがあるかを今のうちに確認していくことが大事」。山中湖のコブハクチョウは湖のシンボルとして長年村や地域住民に見守られてきました。しかし、もともとは日本にいない外来種です。 村が去年、コブハクチョウの足に特殊なリングをつけて数や行動を調べ始めたところ、およそ60年前に4羽を迎え入れたコブハクチョウが、今では想定の50羽を超える70羽以上になっていることが分かりました。さらに一部が河口湖に飛来していました。山中湖で増えて別の地域に広がることがあれば農作物被害や生態系に影響を及ぼすおそれもあります。そこで村は湖の規模にあった適正な数を把握し管理していくことを決め、今回、偽の卵に交換する取り組みを試験的に始めました。
(クマ被害相次ぐ、外出先の出没情報こまめにチェックを)
冬眠から覚めたクマの出没が各地で相次ぎ、山間部だけでなく、市街地にも及んでいる。外出する際は、自治体などが発信する出没情報をこまめにチェックしたい。大型連休中、旅に出かける場合はなおさら十分な注意が必要だ。2025年度のクマによる被害者数は全国で計238人(うち死者13人)と過去最多になった。うち3分の2を占めた東北地方では、青森、岩手、宮城、秋田、山形の5県が今年4月、出没警報を出した。いずれも過去最速の発令だ。前年に大量出没があった翌春は人的被害が増える傾向があるとされる。4月には岩手の山林で女性がクマに襲われ死亡。捜索中の警察官も重傷を負った。マンションや病院、学校が集まる仙台市中心部には体長約1.5メートル、体重125キロのオスの成獣が現れ、駆除された。クマは3~5月に冬眠から覚め、エサを求めて活動を活発化させる。この時期は山菜採りや登山などで山に入る人と遭遇しやすい。繁殖期の6~7月には、若いオスが親元を離れて移動し、行動範囲を広げる習性がある。人里でエサを得た個体が、再び近寄ってくる可能性があるとして、環境省は警戒を強めている。被害を防ぐ基本は、出没情報を事前に確認し、不用意に近づかないことだ。山林に入る際は明け方や夕暮れ時を避け、クマ鈴やラジオなど音の出る装備、クマスプレーを携帯し、複数人で行動したい。万一遭遇しても慌てず、後ずさりするように距離を取る。市街地では、クマとの間に電柱や車などが入るように移動し、屋内や車内など安全な場所に避難する。襲ってきた場合の最終手段として、うつぶせになって首の後ろで両手を組み、急所を守る態勢を取る。クマスプレーは、使用法に注意して適切に用いる。住宅地では、エサになる生ゴミの管理を徹底し、寄せ付けない環境づくりが欠かせない。農地などへの電気柵の設置や市街地に通じる河川敷などの下草刈りも有効だ。自治体には、クマの出没を早期に把握し、情報をいち早く伝える体制の強化を求めたい。人手に限界がある中、24時間稼働のAIカメラなどは有効な手段になりうる。25年秋の大量出没は、主食とするドングリの不作だけでなく、人口減と高齢化による里山の荒廃や耕作放棄地の拡大、ハンター不足による狩猟機会の減少といった社会の変化による影響も指摘される。クマの生息数の実態調査を進め、個体数の適切な管理と、人とのすみわけにつなげる取り組みも急務だ。
(クマが巨大化、なぜ?)
ゴールデンウィークも度々、人里に出没するクマ。300キロを超える巨大クマが各地で目撃されています。この時期になぜここまで巨大化しているのでしょうか。各地で、クマと鉢合わせる危険が高まっています。北海道では、冬眠明けにも関わらず、巨大なヒグマの姿が確認されています。なぜ、ヒグマは巨大化しているのでしょうか?その理由が分かる映像を新たに入手しました。画面中央、振り向いたのはヒグマです。ここは、北海道の北部に位置する初山別村。よく見ると、口を動かしているように見えます。食べているのは、収穫前の「麦」。畑の所有者で、ハンターでもある秋山さんが、ヒグマの食事の実態を教えてくれました。北海道猟友会 羽幌支部 秋山哲也支部長「麦はすごく好んで食べる。大きいクマだったら放っておけば(数日で)グラウンド1枚分くらい食べる」。これまでに何度も300キロを超えるヒグマと対峙(たいじ)してきた秋山さん。警戒心の強いヒグマが、繰り返し食害を起こし、巨大化しているとみています。近年の異常な出没。その背景については…。「個体数は年々増加」「去年は初山別で約30頭駆除している。個体数は年々増加してきている」。問題は、増えすぎたクマの個体数。環境省では先月、ガイドラインを4年ぶりに改定。基本的な方針を、「保護」から「管理」へと見直しました。その中で、1つの解決策といわれているのが、冬眠明けのヒグマを撃つ「春期管理捕獲」です。本州でも事情は同じ…番組は、山形県でツキノワグマの「春期管理捕獲」に密着。山形県でも例年40~50頭ほどの捕獲目標数を倍の100頭程度に引き上げています。ハンター歴50年の木村さん。山を見て、改めて、こんな懸念を口にします。ハンター歴50年 小国町猟友会木村慶政さん(75)「普段、青くなっていないから」。本来、「春季管理捕獲」は、見通しが良い春先に、雪に残った足跡を追うのが定石。ただ、この日の気温は5月下旬並み。生い茂る青葉が捕獲の難度を上げるといいます。ここからは、目線カメラで一部始終を記録させてもらいました。ハンター木村さんの懸念通り、山の中は見通しが悪いため、さらに標高の高い所へ。すると、ようやく…。残った雪に、クマの足跡を発見。ここで、動きがありました。ハンター歴15年の金野さんが銃の照準を定めます。撃った先を双眼鏡で確認すると…。ハンター8人が山に入って、およそ8時間。それでも、クマの「捕獲」には至りませんでした。小国町猟友会では、少しずつ、若手ハンターへ技術の継承を進めてきました。ハンター歴15年 小国町猟友会金野伸さん(40)「私は15年やっているけど、『まだまだ』と思う。それでもまだ山のことは分からない。そのくらい長い時間をかけて育てなければ、ハンターによるクマの捕獲が増えることはないと思う」。「春季管理捕獲」ですぐに解決…とはいかないのが実情です。
(「マタギの里」でクマ狩り再現:山形)
マタギの里・山形県小国町で、きょう伝統の「熊まつり」が開かれ、雨の中大勢の人たちで賑わいました。マタギ文化が根付く小国町小玉川(こたまがわ)地区の恒例イベント「小玉川熊まつり」。射止めたクマの冥福を祈り、猟の収穫を感謝するこの儀式は300年以上前から受け継がれています。祭りでは、人がクマに扮して熊狩りを再現する模擬実演や、熊追いの際に必要となる大声を出す大会などが開かれました。このまつりで多くの人がお目当てにしていたのが…猟友会のメンバーが、きのうの朝から仕込んで調理した名物の「クマ汁」です。クマ大抽選会 1等の賞品は…町の特産品や民泊の宿泊券などが当たる抽選会です!一等はなんと、クマの毛皮!10万円相当だということです。クマの毛皮を当てたのは千葉県から来たこちらの男性でした。相次ぐクマの出没が人々を悩ませている今、このイベントは人々に猟友会の活動への理解を深めてもらう機会にもなっているようです。小玉川熊まつり 実行委員会 舟山衛 副実行委員長「人間からすれば有害な行動もするのかもしれませんが、(昔から)タンパク源として、食料として使ってきたものなので、できればうまく共存し合えるように、これからも続けていきたい」。
(シカ対策で蘇った山をガイドと歩く:三重)
台風やシカの食害、オーバーユースにより、植生が深刻なダメージを受けていた大台ヶ原(おおだいがはら)。20年以上に及ぶ自然再生の試みにより、現在は着実に樹林が再生しつつあります。大台ヶ原の自然をよく知る登録ガイドと立ち入り規制エリアを観察できる特別プログラムがこのほどスタートしました。大台ヶ原登録ガイドとして活動する岡田敏昭さんが、プログラムについて紹介します。大台ヶ原は、紀伊半島の南東部、奈良県と三重県の県境を分ける台高山脈の南端に位置し、紀伊半島の中では標高が高い、海抜1300~1695mの地域です。最高地点は日出ヶ岳(ひでがたけ、1695m)。地殻変動により隆起した、緩やかな台地状をした地形が特徴で、年間降水量が3000~3500mmに達する国内有数の多雨地帯です。大台ヶ原は大きく東大台と西大台に分けられます。最高峰の日出ヶ岳がある東大台には、自然分布の南限近くに位置するトウヒ林があり、日本で2カ所しかない利用調整地区である西大台では、まとまったブナ・ミズナラ林が見られます。ともに地域固有の貴重な森林生態系です。しかし、大台ヶ原の森林は、昭和期の伊勢湾台風や第2室戸台風などの大型台風による影響や、ニホンジカの増加による食害、ハイカーなどの踏みつけなどによる複合的な要因で衰退しました。特に、前述の大型台風による倒木などで明るくなった森には、コケ類に代わってミヤコザサが増え、そのササを食べるニホンジカが増加しました。ニホンジカはササのほかにも樹木の樹皮や後継樹、下層植生を食べるため、枯死した木が増え、森林更新が行なわれない状況となっています。現在も、東大台ではミヤコザサ以外の下層植生が見られないほか、西大台でも下層植生が食害を受けて地肌が露出する箇所が多く存在します。一般ハイカーが歩けるのは、定められた遊歩道及び登山道のみとなっており、特に西大台エリアは「利用調整地区」に指定され、利用制限が設けられています。大台ヶ原では、かつての健全な森林を再生させるべく、環境省が自然再生事業を実施しています。自然再生事業の取り組みの一環として、シカによる植生への被害を抑えることや、東大台の森林がミヤコザサ草地に変わりつつある場所での樹木の減少を抑えることを目的に、シカの侵入を防ぐ柵(防鹿柵)が設置されています。また、防鹿柵の外では、針葉樹をはじめとした被害を受けやすい樹種に対して、樹皮剥ぎを防止するためのネットが設置されています。これらの取り組みによりシカの樹皮の食害が防止されているほか、防鹿柵の中では、次世代を担う木々やコマドリなどの巣にも使われるスズタケが生長する様子が確認されています。大台ヶ原ではこのほど、これまで一般に立入ができなかった一部エリアに特別に立ち入りできる、「大台ヶ原登録ガイド特別プログラム」がスタートしました。2017年に始まった「大台ヶ原登録ガイド制度」では、環境省が主導するさまざまな研修を受けた登録ガイドが活躍しています。この特別プログラムは、大台ヶ原登録ガイドのなかでも、特別な講習を受講した人(2026年4月現在で11名)だけが実施できます。昨年の試行を経て本格的にスタートしたもので、東大台では2026年4月20日から12月1日(予定)の今シーズンの開山時期、西大台では7月18日から11月30日の期間が対象となります。通常は施錠されていて入れない防鹿柵の内部に入り、豊かな動植物からなる質の高い森林生態系の再生をめざす「自然再生事業」の成果や、一般のルートからは見ることができない植生の様子を見学できるというものです。今回のプログラムで限定的に立入可能になったエリアは、東大台の正木峠付近の防鹿柵内と、西大台の七つ池付近の防鹿柵内です。防鹿柵の設置後二十数年間にわたってシカの侵入を防いだ東大台では、生長が確認できたトウヒなどを観察できます。今回のプログラムで入れる防鹿柵の周辺は、古くはトウヒやヒノキなどの樹林帯でしたが、1960年代以降は、立ち枯れて白骨化した樹木が特徴的な風景を醸し出していました。その白骨林も、最近はほとんど倒れてしまい、一面のササの草原になっています。柵のカギを開けて中に入ると、柵外よりも明らかに背丈が高いミヤコザサの深いヤブが繁茂しています。限定プログラムでは、笹薮に腰まで埋もれながら、調査用の薄い踏み跡をたどります。そして、奥のほうには樹齢20年を過ぎたトウヒ群が広がっています。これらトウヒは、現地の種子を上北山村で苗木まで育ててから移植したものや、自然に生えてきたものです。西大台では、およそ100年前に製紙会社による伐採が行なわれた際に敷設されたトロッコ軌道の跡をたどり、七つ池付近から防鹿柵内を歩きます。そもそも西大台は、利用調整地区に指定されており、通常の入山でも一日あたりの入山数に制限があります。事前に入山申請と入山料(1000円)の納付が必要で、かつ、大台ヶ原ビジターセンターで簡単なガイダンスを受けてから入山するきまりになっています。今回の限定プログラムにおいても、このルールは守らなければなりません。今回立ち入ることができるエリアは落葉広葉樹が中心の森林ですが、防鹿柵内外では、林床など、緑の密度がまったく違うことが一目でわかります。カギを開けて柵中に入り、かつては線路が敷かれていたトロッコ軌道の跡を歩きます。柵内の植生は100年以上人の手が入っていない準原生的なもので、20年以上にわたりシカの侵入を防いできたため、下草や稚樹などが食害から守られています。今回の限定プログラムは、環境省による長年の保護施策により、一度は伐採された森林の自然の再生力を実感できる貴重な機会となります。これまで見ることができなかった大台ヶ原を、ガイドとともに訪れてみませんか?
(クマに9回襲われた研究家が目撃した「クマを困らす意外な天敵」:米田一彦)
猛獣として恐れられるクマだが、その実態は想像をはるかに絶する。クマに9回襲われた経験を持つNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦さんの著書『家に帰ったらクマがいた』(PHP新書)より、クマに襲われたエピソードを紹介する――。私が国内で捕まえたツキノワグマの中で最大のものは、じつに135キログラムだった。1994年の夏は酷暑で西中国山地の高原部の町ではクマの出没が多く、人びとの間では「クマが避暑に来た」と言われていた。8月31日、養蜂場で捕まった135キログラムのオスグマを移動用のドラム缶檻に押し込み、軽トラで山奥へ運んだ。中でクマが動くとドラム缶が膨らんだり縮んだりして、溶接部分がぺきぺきと割れた。放獣地点に着いたあと、地面に檻を転がり落としたら衝撃で檻の溶接箇所が割れた。歪んだ入口が抜けなくなり、軽トラで引こうと30メートルのロープを取りつけて端を軽トラの荷台に縛りつけた。ロープを引くと、缶一杯に詰まっていたクマは破裂したように中から出る。「ガッフーン」とほえ中腰で立つと、両前足で空中を、あたかも敵がいるかのように鋭く掻いた。体中の筋肉がぶよんぶよんと波打ち、耳を寝せている。軽トラを発進させると、縛ってあるロープの先の鉄板が跳ねて、がらがらと音を立てた。怒ったクマは怒濤(どとう)のように押し寄せてきた。右の前車輪ががたんと舗装から脱輪し、ぬかるみにハマってしまった。慌ててバックした途端、クマは軽トラに追いつき右のブレーキランプを叩き割って咬みついた。1メートルバックするとクマの下半身が車体の下に入ったらしく、床下を足の爪で掻く音がした。荷台にクマが半身乗りかかってきた。ギアを前進に入れてスピードを上げると、クマは手を離していったん大きく山に逃げ込み、また軽トラを襲って来たので、山道では危険なほどのスピードで逃げた。オスグマは激しくほえ続け、軽トラはなんとも頼りなく走る。缶の入口の鉄板ががらがらと賑やかに騒いで、私を笑っているようだった。オスグマには驚くべき攻撃性があることを思い知らされたのである。「アラレ」と名づけたメスグマは、最初に追跡した1983年当時はまだ3歳だった。越冬場所をしばしば変えるので探すのに振り回されたが、最終的には天然杉が途中で折れた空洞の中にいた。それが1988年に再捕獲されたときには80キログラムもの大グマになっていて、発信機を交換して追跡していたが、行動する範囲は1983年当時とそれほど違わなかった。メスグマは定着性が極めて強いのだ。1989年4月15日に基幹林道の崖の上50メートルで越冬しているのがわかったので、私は接近してみた。ブドウやマタタビのツルに足を取られて難儀し、絶壁を登りきり尾根に着いて立った途端、目の前4メートルをアラレの体全体が覆った。越冬穴から出て、我々が来るのを見て待っていたのだ。私の後ろには同行者がいて、さらに後ろは崖だ。アラレは黄色く汚れた牙をひけらかして、突進してきた。私がクマ撃退スプレーのレバーを押すとアラレは「ギャっ」と叫び、顔を手で擦りながら右手側の崖を転げ落ちていった。もしアラレと一緒に崖を転落していたら、髭面の男2人とクマは春の花園に川の字に寝て、骸(むくろ)の眼の孔から赤い花が芽吹いただろう。アラレは出産していなかった。出産していないメスグマは接近者を襲ってくることを確認した一例になった。夏の山には大型アブのウシアブが大量にいて、酪農家のウシを襲い、クマに取りつき、私の観察をも邪魔する。大きさはスズメバチと同じくらいで姿がそっくりだが、慣れると判別がつくようになり、背中から指でつまんで外に出している。ウシアブの半分ほどで白いサシバエは噛まれると強い痛みと、続いて痒みが襲ってきて、私にとってはこのほうが脅威だ。夏になるとクマたちはアブに悩まされていて、とくに肌が露出している耳の縁を噛まれ続けるので耳掻きに励んでいる。そのとき、普段は折りたたんで隠している鋭い爪を繰り出す。5センチメートルもある爪は刃物と同じく鋼色に光る。しかしアブには何の脅しにもならず、クマは堪らず耳を振って追い払うしか方法がない。サシバエで私は恐ろしい思いをしたことがある。十和利山(とわりさん)クマ襲撃事件での犠牲者4人のうちの1人は私の遠縁にあたり、取材を兼ねてその男の兄を見舞った。食害された遺体の状況をひととおり聴取したなかで、弟が事故当日に乗っていったパジェロミニの話になり、「弟の車に身内で乗る者がいなくて、近くの買取センターに置いてあるが5万円でも売れない」と話していた。私はこの事件の取材用に軽の四駆車を探していて、それを見に行った。駐車場に並んでいる車両は低額のものばかりだ。その車の後部ハッチや運転席のドアは錆びて穴が開いているが、この車ならもう少し高いものだ。そのとき周りが急に暗くなり、車体の緑色が闇に溶け込んだように感じた。私はハッチの錆び穴に指を入れて「もしや開くかな」と力を入れた。途端に腕に激痛が貫いて左手で右腕を叩いた。腕の上でサシバエが潰れて、次いでスポンジのように膨れてアスファルトの上に落ちた。痛みはクロスズメバチ以上だった。遺体の惨状を聞いたばかりだったので背筋に冷感が走った。「市街地にサシバエが……きっと弟さんは、私にこの車を買ってほしくないんだ」。1カ月後には3万円まで値が下がり、さらに2カ月後に車は消えていた。2008年夏から、山奥の観察地点に痩せたメスグマが来るようになった。そのクマは、ひと時も動きを止めることなく小刻みに体を動かしていた。8月20日、そのメスグマが奇妙な動きをした。私の右手15メートルの所へぱたぱたと急ぎ足で来て、チベット仏教での「五体投地」のように地面に体を投げ出したのだ。両前足をまっすぐに伸ばして腕の上に頭を乗せ、先を10数秒間じっと見続けると、おもむろに立ち上がって右手のほうへ駆け去った。何か行動を起こす前の類型的な動きに思えた。視線の先は広く平らな沢から続く、緩い斜面へ登る際だ。8月28日と9月4日・10日にも痩せグマは見回しては帰った。14日、この日も同じ動作をしたと思ったら、伏せたまま右前足を極限まで伸ばして地面を掘り始めたが、4メートル先のクマは近過ぎてビデオカメラを回せない。ついにクマの心にアドレナリンが充満したようだ。「ふおっ、ふおっ」とうなり続けながら右手で地面を掻いた。体を平らにして右手で地面を掻いている、どうしたことか左手の掌で鼻先を覆い、うなり声を上げる。「わっ」とクロスズメバチが30匹ほど舞い上がった。クマは鼻先・顔を両手で強く撫で回し、後ろへ、でんぐり返って体を横転させながら逃げた。クマが体を横転させて移動するのは初めて見た。クロスズメバチの巣から10メートルほど離れても、ひーひーと悲鳴を上げながら、体中を掻き続けた。そんな目にあってもクマは10分ほどで再攻撃にかかり、体を平らにして匍匐(ほふく)前進するのだが、そのとき露出している鼻鏡を左の掌で覆った。ツキノワグマはハチに刺されないように、最初から掌で自分の鼻鏡を覆って防ぐわけだ。北極圏に棲むシロクマも、アザラシを襲うとき黒い鼻鏡を左の掌で隠して匍匐前進するそうだ。クロスズメバチにまたもや撃退され七転八倒して痛がっていたが、ブナの木にもたれ、お座りして巣のほうをうかがっている。すると、小走りで巣に駆け寄り、クロスズメバチの巣穴を掘り始めた。今度は明確に掘り出すらしく、笹や木の根を爪でぶちぶちと断ち切る音が響く。クロスズメバチの白い巣の塊を痩せグマは口にくわえて20メートルほど逃げ、こちらに背を向けて地面に座ると、ハチの幼虫を食い始めた。さくさく、ぱさぱさと秘めた音がする。2分ほどで食い終わり巣のほうに目を向けたが諦めて、25メートルほど先のブナの大木の根本に仰向けにすとんと寝転がった。そして天に向かって両手をくねらせ、手踊りを始めた。合わせて首をゆっくりと左右に振ると、クマは恍惚とした表情で天を見透かした。踊りが終わって立つと、頭を垂れて溜息を漏らした。痩せグマは8月20日にはクロスズメバチの存在に気がついていながら、実際に採食したのは9月14日だった。あの場所で五体投地が始まったのは夏の終わりだった。クマはクロスズメバチの巣が大きくなるのを待っていたようだ。クロスズメバチの活発な巣への出入りから、内部にいる幼虫の量がわかるようだ。
(クマ研究家が雪山で知った「野性が放つ反撃直前のサイン」:米田一彦)
クマと人間は共生することができるのか。クマに9回襲われた経験を持つNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦さんの著書『家に帰ったらクマがいた』(PHP新書)より、クマと遭遇したエピソードを紹介する――。昔は私も、クマにどんなことをすれば危険なのかわからなかったので、随分無茶したものだ。1988年12月、私はメスグマたちの越冬穴探しに必死だった。その年はドングリ類が凶作だったのでメスグマたちは栄養状態が悪く、出産しないはずだと思っていた。このメスグマは、私たちが4年間、必死に追い続けていた。23日、学生4人と共に3時間かけて、積雪2メートルの登山道をラッセル(雪をかきわけ、踏み固めながら道をつくること)した。さらに秋田市太平山の旭川の激流を渡ると対岸は垂直の崖なので小枝をつかみ、小岩の出っ張りに爪先を乗せて体を押し上げ標高600メートルを疲労困憊の体で尾根に出た。アンテナを回すと受信機が飽和して、クマのいる方向がわからない。「尾根の上とかにいるときの電波特性だ。まずメシを食うべえ」。雪の長い盛り上がりがあって、下には太い倒木が横たわっているようだ。そこで並んで弁当を開け、学生たちと茶を回して飲んだ。「捕まったとき、いやだいやだと泣くやつでな、登山道に近いから、このまま置いちゃおけねえと思ってモッコに乗せて、オメエたちの先輩と遠くへ運んだんだ」。学生のうち3人は5年間、危険かつ過酷なクマ調査を手伝い、北海道と広島でのクマ追跡に参加して留年組となる。アンテナのコネクター部分が雪で濡れるのを防ぐため、ビニール袋に入れようと外したのに受信機は「こん、こん」と力強いパルスを打った。愕然!アンテナを外しても、この強さなら3メートル以内にメスグマがいるはずだ。私は受信機を手に慎重に雪原を歩いた。皆が座っている長い雪の盛り上がりを受信機でなぞると、学生のT君の尻の下で最大感度となった。ぞっとして皆の顔を見た。ここへ座って20分間、弁当を食ってクマたちの話をしていたのだ。私は雪の下を想像した。倒木だから長い雪の盛り上がりの尾根側が高いので、こちら側が入り口だ。「ええか、入り口に雪を詰めて固めてしまえ」。4人はスコップで雪を猛烈に掻き集め、入り口を踏みつけてかちかちに固めてしまった。その次に、倒木全体を雪で固めていった。この時代はまだ、クマ撃退スプレーを所持していなかった。クマに襲われたこともなく、その恐怖を知らないからか無限の力を発揮できるようだった。「小さな穴を開けて俺が中をのぞく。クマが出ようとしたらスコップを入り口に立てろ。クマは内側に引き込むはずだ。クマは自分で自分を閉じ込めるんだ」。スコップを肩に担いだ学生最年長のT君の髭面が笑った。棒で3センチメートルほどの穴を開けて電灯の光を差し込むと、3メートルほど奥にクマの目が光る。クマは土管状の穴の奥で丸くなっており、凶作年とは思えないほど肥(ふと)っていた。「いたいた、震えているぞ」。クマを見て皆、笑った。そういえば秋田で越冬中を観察した多くのメスグマも震えていた。クマが我々を恐れて震えているのだと、ずっと、ずっと思ってきた。しかし、そうではなかったあれから30年後、アメリカでの観察報告の中に「越冬クマは体温が下がり過ぎるのを防ぐため時々震える」とあった。あのクマたちは全身に温かい血を巡らして、我々に反撃しようとしていたのだ。山野でクマに会うと、クマはさほど視力が良くないと思えることが起こる。クマがこちらから視線を外したら私が数歩クマに向かっていき、こちらを直視したら止まることを繰り返して直近まで近寄る。いわば「ダルマさんが転んだ」みたいにして10メートルほどまで近づくと、クマは怒りを振りまいて慌てて逃げる。クマは数秒前の位置といまの位置との差が測れないようで、深視力が弱いのではないか。すなわち、前後の距離感をつかみにくいのだ。このことから私は、クマと遭遇したときの対処法として「正対しながら後ろに下がる」方法を提案している。春先の澄んだ大気の中で残雪上という条件なら、クマは500メートル離れた私を発見して逃げた。この場合、「見えた」というより私たちの動きを「察知した」感じだ。私は30代の頃は、800メートル先のクマやカモシカが見えたものだ。森林に棲むツキノワグマは遠くの獲物を視力で探し出す必要がなく、目先の昆虫や果実類を食べるし、鼻を天に突き上げて臭いで状況を確認している。それでいて、距離5メートルの樹上にいるクマが樹下の私たちに気がつかないこともある。私はクマの観察の際、つねに被害対策を念頭に置いている。1998年4月上旬、島根県匹見町(ひきみちょう)で越冬中の母子グマを観察し続けた。植林木へ巻きついたツルを切りに入った林業者たちが見つけたものだ。沢筋にはすでに草萌が広がっていた。対岸の尾根の上に陣取って越冬場所を見ると、斜面にあるただの窪地で雨に打たれる構造なのに、寝床は鳥の巣状にススキを厚く敷いただけだ。ここから30キロメートルほど北にあるアメダス測候地点では2月28日以降、積雪深がゼロだ。この冬、西日本では戦後2位の暖冬になっている。クマまでの距離は沢を隔てて50メートルほどだが、手前にある杉の幼木が邪魔をしていて姿が完全に見えるわけではない。クマが何に反応するか確かめるため、いろいろと試してみた。大出力のラジオには反応がない。南部鉄でできたクマ避け鈴と称して販売している鈴の音にも反応がないのは意外だった。登山者がザック(リュック)につけている梵鐘(ぼんしょう)型のクマ避けベルは高音域が鋭く、クマは頭を上げた。鉄板を成型したカウベルはがらがらと鳴るが、まったく反応がない。クマ避けに販売されている黄色いプラスチック製と運動会用の金属製のホイッスル音には首を回すが、吹き続けるのは息が切れた。この時期、母グマは子グマを腹の下から出そうとせず、また穴からも出ない。母子グマということを考慮して、爆竹は使用しなかった。各種のクマ避け機材のテストの成果は芳しくなかった。次に、観察者のどのような動きに反応するかを試した。こちらの様子がよく見えるようにし、まず笛を吹いてクマがこちらを見ている瞬間、私は立って両手を左右に振ったが、クマはすぐに丸くなった。続いて、ジャケットを枯れ木の先に結んで振った。今度は、はっきりとこちらを見た。クマの興味が、振る旗の面積に比例するのかを確認するため翌日、竹竿と2平方メートルのシートで旗をつくって振った。最初の15秒ほどはこちらを見続けたが、その後に寝てしまった。ほかにはこのクマの気を引く方法を見いだせなかったので、ずっと座って観察を続けるだけだった。私とクマとの距離50メートルの間に深い沢が横たわっていたので、絶対的な安心感があったようだ。このクマは私が観察しているということで駆除はされず、母子は4月下旬に旅立った。
(クマを麻酔銃で眠らせ捕獲、駆除:長野)
4日午前、長野県原村にあるレストラン敷地内でクマが目撃され、警察や猟友会などが対応にあたり、午後、クマは捕獲されました。警察によりますと、4日午前10時20分ごろ、住民から「店舗兼住宅の敷地内にクマがいる」と通報がありました。クマが目撃されたのは、長野県原村にある「レストラン・ペチカ」の敷地内です。警察官や猟友会、村の職員などが駆け付け、レストランの近くにある野菜直売所の周辺でクマを確認、対応にあたり、午後2時前、麻酔銃で眠らせ捕獲し、駆除しました。クマの体長は約1メートル10センチです。レストランの敷地内では、4月30日午後にも、クマ1頭が目撃されていました。
(高校生考案の「シカ肉カレー」:徳島)
池田高校(三好市)探究科の生徒が地元食材を生かして考案し、農林水産省のコンテストで最高賞に輝いた「おかわりシカたなしカレー」が、同市池田町のアンテナショップで提供される。
(HUNTERドリンク×ジビエ串:東京)
「青果祭」に出店し、HUNTERドリンクとジビエ串(鹿・猪・穴熊・ツキノワ熊など)を販売。国内外の来場者から高い関心を集め、人気商品は初日完売となりました。pH株式会社(本社:東京都目黒区、代表:椛島将太、以下 当社)は、2026年4月に開催された大型フードイベント「青果祭」に出店し、オリジナル商品「HUNTERドリンク」とジビエ串の販売を行いました。青果祭は、農林水産省や大阪市などが後援する大型フードイベントで、全国から多くの来場者が集まる注目イベントです。2026年開催でも会場は大きな賑わいを見せ、話題性の高いフードコンテンツや体験型企画が多数展開されました。当社ブースでは、“ジビエという新しい食体験”をテーマに、鹿・猪・穴熊・ツキノワ熊などのジビエ串を提供。さらに、肉料理シーンに寄り添うオリジナル商品「HUNTERドリンク」と組み合わせることで、これまでにない食体験を提案しました。今回販売したジビエ串は、普段なかなか食べる機会の少ない食材ということもあり、多くの来場者から高い関心を集めました。特に反響が大きく、2日間開催のイベントにも関わらず、多数の商品が初日で完売となりました。
(血抜きで知った命の重さ、山奥でジビエ体験:千葉)
自然界では爆発的に増え続ける外来種の動物たちによって、在来の生態系を大きく脅かしています。ただ日本に持ち込まれた外来種たちは、元々食用として持ち込まれたものが多いそうです。漫画家・あおばさんの作品『おいしい外来種 獲って食べてみた』からの抜粋エピソード『狩猟体験行ってみたレポ』では狩猟に興味を抱き、外来種や有害鳥獣を実際に食べてみた作者の実体験が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約2.5万いいねを獲得し注目を集めました。作者は以前より狩猟に興味があり、とある猟師さんのインタビュー動画から狩猟を体験できる場所があると知ります。さっそく作者はそれに参加するために千葉県の山奥へと向かうのでした。狩猟体験の1日目は、野生動物についての学習から始まります。主催者によると現在千葉県内では、キョンをはじめとした有害鳥獣が爆発的に増加しているにも関わらず、猟師の減少も著しいそうです。座学の後は実際に山へ足を踏み入れます。そこでは、キョンの糞や食べられた枝葉ばかり見つかりました。山を降りた後は、お楽しみのジビエ試食会へと移ります。ジビエ試食会では、まずイノシシのハツ(心臓)、レバー(肝臓)、フワ(肺)をいただきました。味や風味は豚より強い感じで、とくにフワはマシュマロのような面白い食感だそうです。そして次の日、メインイベントである捕らえた獲物の解体がおこなわれます。すでに箱罠にイノシシが掛かっているとのことで、参加者たちは罠の場所に向かいました。箱罠には、大小2頭のイノシシがかかっていました。猟師は「心の準備をしてくださいね」と忠告したあと、イノシシにトドメを刺す電気ヤリを打ち込みます。イノシシはヤリを打ち込んだ瞬間、身体を硬直させ、力なく崩れ落ちました。そして箱罠からイノシシを取り出したあと、耳の後ろあたりにナイフを突き刺し放血させると、2頭のイノシシは完全に絶命します。血抜きのため小さいイノシシを逆さにして持つと、ケモノ独特の臭いやまだ温かい体のぬくもりがじんわりと伝わります。有害鳥獣であっても彼らも必死に生きている命であると、作者は思い知るのでした。血抜きしたイノシシたちを持ち帰ると、すぐさま解体作業へと移ります。猟師の手ほどきのもと、参加者たちで解体をおこないました。自らの手で解体したイノシシの味は、本当に美味しかったようです。その後はキョンの皮を使ったレザークラフト体験をおこない、狩猟体験の全行程が終了します。この体験を経て作者は、有害鳥獣や家畜も含めて、人間の犠牲となった動物たちへの敬意が大切だと思うのでした。読者からは「ジビエ体験やってみたい!」「自分も命に感謝しようと思う」などの声が寄せられています。そこで、作者のあおばさんに話を聞きました。―狩猟体験について描こうとお考えになったきっかけについて教えてください。元々狩猟に興味があり、軽い気持ちで狩猟体験に申し込みました。しかし、そこでの体験は人生において鮮烈なものとなり、これは描いて残しておかなければならないと思いレポ漫画という形にしました。―作品内では「狩猟免許を取るかどうかはもう少し考えてみよう」と話されていましたが、現在は取得されたのでしょうか?現在、まだ免許は取得していません。獲物を捕った際のとどめ刺しが自分にできるかどうかという点で、二の足を踏んでいる状態です。ただ、いずれは取得したいと考えています。―同作で登場した外来種以外にも、食べたものはありますか?アライグマ、ブルーギル、ブラックバス、アメリカナマズ、ブラウントラウト、ダントウボウ、セイヨウタンポポ、キクイモなどを食べた経験があります。おもに、生態系に影響を与える恐れのある外来種をターゲットにしています。最近、フェモラータオオモモブトハムシという外来昆虫の幼虫を捕まえて食べました!茹でて二~三日おくと杏仁豆腐の風味がするとのことで、実際食べてみると本当に杏仁豆腐でビックリしました!今後も色々な外来種を捕まえて食べ、その模様を漫画にして発信していきたいと考えています!ただいま、初書籍『おいしい外来種 獲って食べてみた』が発売中です!この本だけの特別編も収録していますので、ぜひお読みいただけたらと思います。
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(シカと衝突し転倒したとみられるバイク男性、後続車にひかれ死亡:群馬)
シカと衝突して転倒したとみられるバイクの男性を軽乗用車でひいて逃走したとして、群馬県警渋川署は30日、車を運転していた同県東吾妻町、職業不詳の女(61)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。ひかれた同県高崎市、会社員野口正己さん(61)は搬送先の病院で死亡した。発表によると、女は29日午前1時30分頃、同県渋川市の上信自動車道で倒れていた野口さんをひいて逃走した疑い。近くに野口さんのバイクとシカの死骸があったという。
(クマ1頭を駆除、女性が襲われ大けが:富山)
富山市の住宅街で29日夜、犬の散歩をしていた女性がクマに襲われ大けがをしました。現場付近で、30日、自治体の判断で発砲できる緊急銃猟によりクマ1頭が駆除されました。富山市によりますと、駆除されたクマは体長150センチ、体重は推定110キロのオスの成獣1頭です。駆除された現場に近い富山市森では29日午後7時半すぎ、犬の散歩をしていた45歳の女性がクマに襲われ、顔や頭、首などをひっかかれる大けがをしました。30日午前、ヘリコプターによる探索で、近くのやぶの中にクマとみられる熱源が見つかったため、富山市長が緊急銃猟の許可を出しました。猟友会があわせて12発を撃ち、午後1時ごろ、クマの駆除を確認したということです。女性がクマに襲われたのは、富山市北部の海に近いエリアの住宅街です。富山県内でのクマによる人身被害はことし初めてです。
(真昼の住宅街に銃声12発、初発命中も起き上がる:富山)
真昼の住宅街に「パン、パン」と乾いた銃声が何度も響き渡った。30日、富山市森2丁目で実施された緊急銃猟で、市猟友会のハンターがやぶに逃げ込んだクマに立て続けに散弾銃12発を発射し、現場は張り詰めた雰囲気が漂った。1発では仕留められずにクマがハンターを追いかける一幕もあり、駆除の難しさを印象付けた。住民は「まさか海に近い住宅街にクマが出るとは」と表情をこわばらせた。富山市の緊急銃猟発令を受け、富山中央署員と市猟友会員の17人がクマを捜索。やぶに潜むクマを発見した。ハンターが近づくとやぶから飛び出して襲いかかってきたことから1発を発砲し、腹部に命中させた。ハンターが数メートルの距離まで接近すると、倒れたクマが起き上がって追いかけてきたため、別のハンターが発砲して動きを止め、事なきを得たという。駆除に至るまで発砲数は12発に及んだ。「弾が急所になかなか命中せず、まったく気を抜けなかった」。富山市猟友会の中川稔会長(83)は当時の緊迫した状況を振り返った。富山市などによると、通常、緊急銃猟で駆除に要するのは1~3発が標準とされる。弾数が増えると流れ弾のリスクが高まる。今回、クマが逃げ込んだやぶの背後に工場のブロック塀があったことや、発砲場所が小高い丘状になっており、地面に向けて発射が可能だった。山口拓志森林政策課長は「緊急銃猟の安全性は確保されており、ハンターは適切な判断をした」と述べた。被害に遭った女性(45)の夫(47)によると、妻が犬の散歩途中にクマに頭と首をひっかかれたものの、頭蓋骨は折れておらず、富大附属病院の集中治療室(ICU)から一般病棟に移ったという。「まさか自分の身内にふりかかるとは思わなかった」と話した。現場は岩瀬漁港から約1・5キロに位置し、現場近くに住む温井淑子さん(86)は「一体、どこからクマが来たのか。びっくりした」と困惑した表情を浮かべた。近くの企業で働く会社役員赤井勇一さん(57)は「新興住宅街が近く子どもがたくさん住んでおり、迅速に駆除されて安心した」と語った。
(冬眠明けで山にいるはずのクマが市街地に出没、4月の目撃は昨年の4倍)
冬眠明けでまだ山にいるはずのクマが、東北、北陸の市街地に出没している。宮城、秋田、福島の各県では、4月の目撃件数は前年の4倍前後。大型連休で人の行き来が増える中、識者は「人に慣れたクマが出ているとみられ、見かけたら建物内に避難して」と呼びかけている。東北各県の4月のクマ目撃件数(速報値、集計中の岩手を除く)は、青森、秋田、宮城、福島の4県で前年より増加。青森が前年比2・3倍の105件、宮城が同4・5倍の116件、秋田が同4・6倍の389件、福島が同3・9倍の112件と、ハイペースで目撃情報が集まっている。そのため、各県が住民への注意喚起で運用しているクマ出没警報・特別注意報は4月中に6県全てが発表。いずれも過去最速だった。4月の出没で衝撃的だったのは、福島県郡山市と仙台市のケースだ。郡山市で6~8日に現れたクマは、JR郡山駅から約3キロ西の住宅地の奥深くに侵入。市は花火や放水などで追い払いを試みた。最終的に高速道路のり面に逃げたところを緊急銃猟で駆除したが、対応した市農業生産流通課の結城弘勝課長(54)は「こんな出没は初めて。追い払いで街中に向かわせる恐れもあり、リスク回避が難しかった」と振り返る。17~19日に仙台市青葉区に現れたクマは、緊急銃猟が困難な市街地を 徘徊はいかい 。最後は宮城県庁から約800メートル北西のマンション敷地の茂みに10時間以上とどまり、麻酔銃で捕獲された。隣接する住宅の植木には爪痕も残され、住人女性(86)は「こんな都会にクマが来るなんてびっくりだし、怖い」と声を震わせた。異例の出没は東北以外にも広がり、富山市では4月29日、犬の散歩中だった40歳代女性がクマに襲われ、顔や首などを負傷。翌日駆除された。場所は神通川の河口に近い平野部の住宅街で、河川敷が侵入経路になった可能性があるという。出没したのは3件とも雄の成獣(体長約1・5メートル)だった。クマの行動に詳しい東京農工大の小池伸介教授(生態学)は「昨秋、人里の良さを覚え、再び出てきている可能性がある。遭遇時はクマ鈴などで存在をアピールするより、車や建物に避難する方が安全だ」と話す。外出時の準備については「現在の出没地域は、昨秋の出没地域と重なる部分がある。旅行先の昨秋の出没地域も確認した方がいい」とアドバイスする。大型連休のさなか、民間事業者や自治体はクマへの警戒を強めている。キャンプ場を備える岩手県釜石市の観光施設「根浜シーサイド」では、利用客にクマスプレーを無料で貸与。4月中旬からは「みちのく潮風トレイル」を歩くハイカーにも、大音量が鳴る「クマ 除よ けホーン」とスプレーの貸与を始めた。観光シーズンに合わせた措置で、スタッフの佐藤奏子さん(47)は「いざという時に身を守れるようにしてほしい」と訴える。貸し切りバスなどを運行する仙南交通(仙台市)は、全車両にクマ対策スプレーを常備。連休中も乗客の乗降時は乗務員がスプレーを携行して警戒にあたる。秋田県鹿角市は山菜採り中の人身被害をなくそうと、1日から6月末まで、過去に被害が多発している十和田高原地区を「入山禁止」に。バリケードを11か所に設置した。福島市は、クマの移動経路とみられる河川沿いにクマが嫌がる音を出す装置を昨年から設置。センサーがクマを感知すると音を出して追い返す。4月には8台を追加し、計14台が稼働中だ。昨年は設置場所から下流域で目撃情報がなかったという。
(クマ被害対策、関係省庁の会議で情報共有)
東北地方などで冬眠明けのクマの出没が増えているなか、関係省庁の担当者が集まり、被害対策ロードマップの進捗状況などについて情報を共有しました。クマによる被害対策について話し合う関係省庁の会議が開催されるのは今年度初めてで、国土交通省や林野庁など9省庁の担当者が集まりました。国交省からは、被害対策のロードマップに記されたクマの移動が見えるよう河川の樹木を伐採することについて、都道府県と連携を強化し、場所に優先順位を付けて取り組みたいと報告がありました。林野庁からはクマが餌(えさ)とするブナやドングリの実の「実のり」の状況について、調査の結果をなるべく早く共有したいと報告がありました。冬眠明けのクマの出没が増えていることから、連休前の会議開催となりました。
(クマ被害と労働法、労災保険で補償)
冬眠明けのクマが各地で出没している。仕事中にクマに襲われてけがをすれば労災保険の対象になり、事業主の安全配慮が問われる。危険が大きい場所での就労を労働者が拒否できることもある。「ツキノワグマ出没注意報を例年より1カ月早い3月24日出していたが、4月22日に警報に上げた」。岩手県自然保護課は人身被害の続発に神経をとがらせる。同21日、紫波町で行方不明者を捜索していた警察官が襲われて負傷し、近くで女性の遺体が見つかった。2025年度のクマ被害の死亡者数は全国で13人と、前年度の3人から急増した。岩手県内は5人。10月には北上市の温泉旅館で露天風呂を清掃中の従業員が襲われて死亡した。全国的なニュースとなり、山林近くのリゾート地や建設現場、工場で働く労働者に被害が他人事ではないことを印象付けた。労働者が就業中にクマの被害に遭った場合、労働法はどのように関係するか――。まずは労災保険だ。厚生労働省補償課の樫村竜太中央労災医療監察官は「配達業務中に犬やイノシシにかまれた場合と同様に、業務遂行性と業務起因性の要件が満たされれば補償対象になる」と話す。業務遂行性とは事業主の支配下で就労中であること、業務起因性は仕事が原因の被害であることを意味する。通勤する途上の場合も通勤災害として対象になりえる。実際、24年に中部地方で50代の建設会社社員が工事予定地の調査で山林に入り、クマに襲われて死亡した事例が労災認定を受けたもようだ。樫村氏は「労働基準監督署が個別に判断するが、一般論としてクマ出没が予見される状態で業務に従事し、事故が起きたのなら認められるだろう」と説明する。労災認定されれば、けがの治療が必要な場合、「療養の給付」が現物支給される。指定医療機関で自己負担なしに診察や薬の提供などを受けられるものだ。仕事を休み、賃金が受けられない場合は、休業4日目から休業補償給付などとして日割り賃金相当額の8割が支給される。障害が残れば程度に応じ障害補償年金や一時金が支給され、死亡した場合は遺族に遺族補償年金や一時金が出る。労災保険は事業主による金銭補償を代替する性格を持つが、全ての責任を肩代わりするわけではない。労働裁判に詳しい岡芹健夫弁護士は「クマの出没や被害を予測するのは難しいが、事業主は労働契約法5条が規定する安全配慮義務の不履行を問われる可能性がある」とみる。5条は陸上自衛隊で起きた死亡事故について国の責任を認めた1975年の最高裁判例を基に規定された。民間の労働者のほか公務員や一部の請負労働者も幅広く保護対象となる。岡芹弁護士は労働者や遺族が事業主を相手取り損害賠償を求めて裁判を起こした場合、「まずクマ被害が予測できたかが争点になる。予測可能なら判決で事業主の責任が問題になるだろう」と予測する。東北地方などの多くの自治体が、クマ出没情報や危害情報を電子マップとして配信している。事業主が危険地域での対策に無頓着なまま被害が起きれば安全配慮を欠いたと問題視される可能性が高い。東京商工リサーチが2月に全国の5140社にクマ対策について聞いたところ、8%が実施済みだった。地方別の実施率は東北が28%と最高で、北陸が20%で続いた。内容は従業員への危険の周知・啓蒙が82%、護身グッズの設置や配布が46%で、クマを検知する機器を設置したり、エサになる樹木を伐採したりする例もあった。危険を避けるために休業する必要が生じることも考えられる。事業主の判断で休業すると、労働基準法26条に基づき、労働者に日割り賃金相当額の60%を休業手当として払う必要性が考えられる。ただし自治体などが休業を勧告し、代替就労ができない業種の場合は不可抗力による休業として手当の支払いが不要になる可能性も大きい。一方、クマがうろついて危険なのに事業主が山林などで就労を命じた場合、労働者は拒否できるか。岡芹弁護士は最高裁が1968年に出した「電電公社千代田丸判例が先例になる」とみる。国交がなかった韓国に日本漁船が次々と拿捕(だほ)されていた56年、米軍の依頼を受けた旧電電公社がケーブル敷設船千代田丸を出動させ、日韓間海底ケーブルを修理しようとしたことに端を発した裁判だ。拿捕や攻撃の危険を理由に出動拒否を指示した労働組合の役員が解雇されたことの可否が争われた。最高裁は本来予想される海上作業に伴う危険とは異なる危険があることから「乗組員の意に反して(就労)義務の強制を余儀なくされるものとは断じがたい」として、就業規則に基づく就労義務自体を否定し、解雇も認めなかった。クマの危険が大きい場合も同様に、通常の環境下での業務とは異なる危険があると認められ、業務命令に従わなくても就業規則違反にならない可能性がある。
(農相「クマ対策は市町村に相談を」)
農作業が本格化する時期を迎え、クマの被害にあう危険性が高まっているとして、鈴木農林水産大臣は農家に対しクマ侵入防止柵の設置などの必要な対策について、市町村に相談するよう呼びかけました。環境省によりますと、昨年度、全国でクマの被害にあった238人のうち、農地の周辺で36人がケガ、1人が死亡し、農作業が本格化する春を迎えて危険性が高まっています。こうした状況について鈴木農林水産大臣は、28日の閣議のあとの記者会見で、農家に対して1人での作業は避け、とりわけ早朝や夕方には周囲に気をつけることや、ラジオなど音の出るものを携帯してクマに対して存在をアピールすることなど注意のポイントを示しました。そのうえで「農林水産省としては、『とる』、『守る』、『寄せつけない』の3つの視点でクマ対策の支援に取り組んでおり、最寄りの市町村に相談をもらえればクマの侵入防止柵の設置など対策を早急に進めていく」と述べ、必要な対策について市町村に相談するよう呼びかけました。
(沖縄で目撃されたシカは「国内外来種」、宮城に由来と判明)
沖縄本島北部のやんばるで2024年に目撃されたシカが、宮城県由来のニホンジカであることが分かった。沖縄本島には在来のシカが生息していないことから、人為的に持ち込まれた「国内外来種」とみられる。ふんを調べたところ、世界自然遺産・国立公園内に自生する希少植物を食べていた。調査した神戸女学院大学と琉球大学などの研究グループは「国内外来種は地域の生態系を脅かすほか、感染症を持ち込むリスクもある」と警鐘を鳴らしている。やんばるはユネスコの世界自然遺産に登録されているほか、国立公園にも指定されている。ヤンバルクイナやノグチゲラ、リュウキュウヤマガメといった固有種が生息する常緑広葉樹の森が広がる。やんばるの最も北にある国頭村(くにがみそん)で2024年10月21日、オスのシカが目撃され、カメラに収められた。その数日後、県道交差点近くの林で、シカのふんも見つかった。この「事件」は、地元の人々にとって衝撃だった。やんばるの生態系がマングースなどの外来種によって脅かされてきたことから、希少な生き物を守らないといけないという意識が日頃から高いためだ。この「事件」を受けて、神戸女学院大学生命環境学部の高木俊人専任講師(分子生態学)と琉球大学理学部の小林峻助教(動物生態学)らの研究グループが調査を始めた。「大型の草食動物であるシカが外から持ち込まれたものだとすれば、やんばるの生態系に大きな悪影響があるのではないか」と懸念したためだ。高木専任講師らはシカがどこから来たのかを調べるため、ふんから抽出したDNAを調べた。その結果、宮城県の牡鹿半島の先にある離島・金華山島のニホンジカと極めて近縁であることが明らかとなった。沖縄県の慶良間(けらま)諸島には、17世紀ごろに九州から持ち込まれて定着したケラマジカが生息しているが、問題のシカはケラマジカとはDNA配列がかなり異なっていた。日本の南北で大きく2グループに分かれるニホンジカのうち、エゾシカなどの北日本グループに分類されるものとみられる。金華山島のシカは1920~70年代に捕獲され、国内の動物園や公園、神社に移送されていたことが、文献などの調査で明らかになっている。当時は全国的にシカの生息密度が低い地域が多く、今のように農作物の食害が大きくなかったため、各地に持ち込まれた際の影響についてそこまで深刻に考えられていなかったようだ。これらのシカが数十年にわたって各地で飼育され、そのうちの1頭が人の手で沖縄本島に持ち込まれた後、自力で逃げ出すか人間に放たれるかした――研究グループは、そうみている。小林助教は、シカが何を食べているのかを探ろうと5粒のフンの食性解析をした。その結果、イネ科のオヒシバ、ドングリの仲間のカシ類、ウルシやタデの仲間のほか、リュウキュウホウライカズラという絶滅危惧種を含む計28種の植物を食べていることが判明した。どのくらいの量を食べているのかは分からないが、環境省のレッドデータブックにも載る希少な植物が食べられている事実に危機感を持つべきだという。研究グループによると、目撃されたシカの行方は分かっていない。高木専任講師は「(国内外来種は)他地域から家畜伝染病や人獣共通感染症を持ち込むリスクがあり、公衆衛生も脅かす。シカのメスは早ければ1歳から繁殖を始めることができ、短期間で増えやすい動物だ。もしメスの個体もいて繁殖していたら、被害の拡大が予想される」と懸念する。高木専任講師は、法制度などの面でも課題があるという。「沖縄ではシカが野外にいることが想定されておらず、今回のような事態が発生したときに、村なのか、県なのか、環境省なのか、誰が捕獲して駆除するのかが明確には決まっていない。今後はシカ類の飼育の規制や、脱走したときの対応などのルール作りが必要だ」と訴える。鳥獣保護管理法があるものの、この法律は「環境への悪影響があるのなら狩猟をしていい」と狩猟を促すものではない。「狩猟の適正化と生物の多様性の確保」を目的として、鳥や哺乳類などの動物の猟を許可の下で限定的に認めるという運用だ。小林助教は「過度な植物の採食や地面の踏み固めは、自然や景観に影響することが日本各地で知られている。放置すれば沖縄でも同様のことが起こる恐れがある」という。また、「国内外来種が世界自然遺産内へ逃げ出してしまったときの管理体制を構築すべきだ。動物を飼う際、おりがきちんとあるかどうかなどが審査されているが、逃げたときの対応方法もきちんと決めていく必要がある」と指摘している。高木専任講師らの研究は日本学術振興会の科学研究費助成を受けており、論文は3月6日、日本哺乳類学会の英文誌「マーマル スタディ」電子版に掲載され、同日、神戸女学院大学が発表した。小林助教らの論文は同電子版に3月13日に掲載され、同19日に琉球大学が発表した。
(住宅街でクマ被害、「河川敷の樹木伐採を検討」:秋田)
今回、平野部の住宅街でクマによる人への被害が発生したことを受け、新田知事は、移動ルートの可能性がある河川敷の樹木を伐採するなど対策を検討する考えを示しました。新田知事「今回(クマが)海に近いところまで行ったということで、この河川敷ルートがあるということが改めて現実となったわけです。河川敷の樹木伐採について早期に実施できるように検討したいと思います」。定例会見で新田知事はこのように述べ、対策が必要だとしました。今年に入り、県内で確認されたクマの出没は、きょう正午までに28件で、去年の同じ時期の13件の2倍以上です。また、今月の16件は、過去5年の平均(9.8件)を上回っています。新田知事は、インターネット上の県のクマ出没情報「クマっぷ」などで確認し、大型連休中も安全対策を徹底してほしいと呼びかけました。一方、県は、この春初めてクマの個体数管理のための捕獲を富山市有峰地区で行いました。既に目標の10頭に達したことから、この春の捕獲を終了するということです。
(相次ぐクマ被害、猟友会が考える課題は人材確保:愛知)
クマ被害について、東海地方の猟友会も頭を悩ませています。狩猟歴65年、愛知県新城市で猟友会会長を務める佐藤勝彦さんは、全国でクマが増えすぎていることを危惧しています。新城市でも、ことし既に1件の目撃情報がありました。(新城市猟友会 佐藤勝彦会長)「爪で引っかかれたら耳も鼻も取れちゃう。保護するとあっという間に増えて、『駆除してくれ』と言ってもなかなか駆除できるものではない。“シカの例”を見ても分かる」。佐藤さんによると、16年前には県内で1480頭捕獲されたシカが、2024年には7640頭に。自身が営む観光ホテルでジビエ料理を提供するなど、捕獲したシカの活用にも取り組んでいますが、とても食べ切れる量ではなく、一度増えてしまった動物の個体数を管理するのは、非常に難しいと実感していると言います。愛知に隣接する長野や岐阜では、年に300頭以上を捕獲。熊が山を超えて愛知に入ってくるのも、時間の問題ですが…。(佐藤会長)「新城でクマに対処できる人は1人くらい。危険が伴わなければ、誰にでも言えるけれど、もしけがをされたら大変なことになってしまう」。新城には、200人ほどの猟友会の会員がいますが、銃が使えるのは40人。(佐藤会長)「10年、20年先を見据えて会員を育てていかないとどうしようもない」。熊問題への関心の高まりで、ことし狩猟免許の講習会を受講する人が、例年の2倍になったということですが、10年先を見据えた人材確保が課題です。
(洞爺湖中島のエゾシカ駆除「最終章」:北海道)
胆振管内の洞爺湖町と壮瞥町にまたがる洞爺湖の中島(大島)で、環境省などが半世紀近く取り組むエゾシカの駆除作業が大詰めを迎えている。シカの食害が森林植生荒廃の原因となったため、猟銃やわなによる捕獲を行った結果、最大450頭いたシカは数十頭に減少。「2029年度までにゼロ」を目標に異例の夜間銃猟などにも取り組むが、「島まるごと」の野生鳥獣の根絶は国内でほぼ事例はなく、成否が注目される。
(リンゴ園でニホンジカ食害相次ぐ:青森)
青森県黒石市のリンゴ園で、ニホンジカによる樹皮などの食害が相次いでいる。髙樋憲市長らが1日、鳥獣被害の現場を視察、山手にある2地区のリンゴ園では食害が周辺の園地に及ぶほど広い範囲で確認された。市は調査を進めて被害防止策を検討するとともに、県にも対策を要望する考え。同市花巻地区の千葉幸一さん(47)の園地では、ほぼ全ての木に食害がみられ、樹皮をはがされた部分が白っぽい木肌をさらしていた。数年前から近隣で被害が増え、廃園した生産者もいるといい、千葉さんは「被害状況を見ると、苗木を植えても食べられてしまうだろう。(低所の園地に)下りる準備をしなければ」と肩を落とした。同市石名坂地区の佐藤義暢(よしまさ)さん(46)の園地でも、ほぼ全域で食害があった。「昨年もシカに食われた上に、秋はクマに実を食われてほぼ収穫がなかった。もうここでは(栽培を)やらない」と苦渋の決断をした。市によると、ニホンジカによる食害は1~3月の積雪期に発生しているとみられる。2024年度の被害面積は約1万4600平方メートル、被害額は1732万5千円に上る。25年度分は調査中で、現状は今回の2園地で約7900平方メートルだが、被害はさらに増える見通しだ。髙樋市長は「わなを仕掛けるなど対策をしてきたが効果が見られない。被害拡大を防ぐ対応を考えていきたい。県には県全体での対策を要望したい」と語った。リンゴの若木などが植えられた地面がイノシシに掘り起こされる被害に遭った、同市田代平地区の園地も視察。一帯に張ったクマ侵入防止フェンスの一部が持ち上げられたり破られたりして侵入ルートになっているとみられ、市は生産者と電気柵設置を検討している。
(リンゴ園のシカ被害などを視察:青森)
シカやイノシシによる深刻な農作物への被害を受け、青森県黒石市の髙樋憲市長は、県全体で対策を取るよう県に要望する考えを示しました。髙樋市長は、山あいにあるリンゴ園を訪れ、被害状況を確認しました。このリンゴ園では、1月下旬から3月にかけてニホンジカにより木の皮や細い枝が広範囲にわたり食いちぎられ、被害額はおよそ1733万円に上っています。さらに、4月にはイノシシが土を掘り起こし、植えたばかりのリンゴの木の根や新芽が食べられる被害も確認されました。黒石市 髙樋憲市長「昨年と今年の(農作物被害の)経験を踏まえて、特にシカ被害に関しては県と綿密な打ち合わせをしながら、県全体での対応・対策を考えていただけるように要望していきたい」。
(仙台中心部のクマ、緊急銃猟の舞台裏:宮城)
東北最大の都市・仙台市の中心部に現れたクマに対し、4月19日に緊急銃猟が実施された。クマはマンションの敷地内にとどまること十数時間。市や関係者への取材から、対応の舞台裏を追った。県庁や市役所にも近い市街地への出没が報じられ大騒動となる前の19日午前2時ごろ、野生動物の調査・研究などを手がける民間会社「東北野生動物保護管理センター」代表の宇野壮春(たけはる)さん(47)に、市環境共生課の職員から電話があった。「木町通にクマが出ました。麻酔銃で協力してもらえませんか」。深夜に、緊急銃猟の依頼。従来は考えられなかった場所への出没。緊急事態だと分かったが、答えはノーだった。「クマは麻酔が効くまで7~8分は動ける。夜間で視界が悪く、しっかり包囲できていない状態では、対応できません」。野生動物と向き合って27年の宇野さん。緊急銃猟を盛り込んだ鳥獣保護管理法改正の検討会で委員も務めた。一発で急所を撃ち抜いて仕留められる猟銃での駆除が適切だとアドバイスして断った。午前6時すぎ、今度はドローン事業を手掛ける「BlueDrone」の青屋宰(つかさ)さん(45)に連絡が入った。「木町通に出たクマが茂みに入ってしまって見失いました。ドローンで捜してもらえませんか」。就寝中だったが、市職員からの依頼を二つ返事で引き受けた。青屋さんは国家資格「一等無人航空機操縦士」を取り、ドローンでの撮影、映像制作、インフラ点検などが仕事。猟友会員でもあり、わなに動物がかかっているか確認する際に危険が多いことから、ドローンで巡回するなど活用法を模索してきた。昨年、猟友会のクマ勉強会に参加し、自分の仕事を役立てられないかと提案。非常時に備えて、入り組んだ建物の間や木々を縫うように飛ぶ技術を磨いていた。午前7時半。現場に着いた青屋さんは、専用のゴーグルを着け、小回りがきくFPVドローンで探索。1時間もしないうちに、木の下に黒々とした塊を見つけた。クマは、マンション敷地の境界にある壁に頭を向け、尻をこちらに向けてうずくまっていた。「くつろいだ様子でドローンを見上げていて驚きました。人慣れしてる印象でした」と青屋さん。市は猟銃による緊急銃猟を検討し、ハンターに依頼。しかし、人口密集地では困難だった。午前9時半ごろ、猟友会のメンバーらが蜂蜜をエサに箱わなを設置。捕獲を試みたが、約7時間半、クマは茂みにとどまり続けて膠着(こうちゃく)状態が続いた。夜になれば再びクマが動き出す危険性がある。市は緊急銃猟のため、県警に付近の道路の交通規制を依頼。現場周辺に近づかないよう、近隣住民らに呼びかけた。午後5時前、再び宇野さんに麻酔銃での緊急銃猟の要請があった。「これ以上引き延ばせない」。市と意見が合致し、引き受けることにした。日没直前の午後6時ごろ、市は緊急銃猟の実施を決めた。クマが動いた時に見失わないよう、逃走経路になりうる場所に警察官が待機。青屋さんが現場付近に止めた車からFPVドローンで、クマが昼間いた場所から移動していないことを確認した。
(市街地にクマ、対応は想定外の連続:福島)
福島県郡山市で4月上旬にクマが緊急銃猟された問題で、市は5月1日、県警や県、県猟友会の関係者を招いて検証のための意見交換会を開いた。最初の目撃から約43時間後に、けが人もなく、解決できたが、課題は出た。クマは4月6日夜に市内の八山田で目撃後、翌7日朝には市街地の公園に。ところが、やぶに潜んで特定できない。環境省の事例集にあった空から追跡した過去の例を市の担当者が思い出し、設備点検用のドローンを投入した。意見交換会では「職員は5メートル近くまで接近した可能性がある。危なかった」と指摘があったという。市街地なのでコンクリートに銃弾が跳ねる危険性があり、銃猟は断念。花火や放水でも、やぶから出てこず、麻酔銃も使えないまま2日目の夜に入った。8日朝、北上し住宅街を経て磐越道の築堤へ。のり面を登って高速道に入れば大事故になりかねない。市はNEXCO東日本に依頼し、通行止めにしてもらったうえで緊急銃猟に踏み切った。全長180センチ、体重120キロ、推定で3~5歳の大型のオスで、胃の中は空っぽだったという。市農商工部は「放水も高速道路も想定にはなかった。場所の特定までに時間がかかったことが特に問題だった」という。市は、さらに関係者の意見を聞いたうえで、今秋までにマニュアルを改訂し市街地を想定した訓練をすることにした。夜間でも緊急銃猟ができるよう、東北では未実施の講習会を開くよう福島県を通じて環境省に要望する。
(なかなか減らない動物衝突“ロードキル”)
4月29日未明、群馬県渋川市の国道で男性がバイクで倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡する事故があった。目撃者は「バイクと人が倒れていて、ひいた車が逃走した」と110番通報。現場の路上では野口正己さんが倒れていたほか、なぜか近くにシカが倒れていた。野口さんのそばには転倒したバイクがあり、警察はバイクで走っていた野口さんが路上でシカと衝突して転倒した可能性があり、その後2台の車に次々にひかれたとみている。警察はひき逃げ事件として捜査していたが、30日未明、1台目の軽自動車を運転し現場から逃走していた笹川ルリ子容疑者を逮捕。笹川容疑者は容疑を認めている。笹川容疑者が走り去った数分後、野口さんをひき、現場にとどまっていた会社員男性からも話を聞いている。このような道路上での動物との衝突事故は「ロードキル」と呼ばれている。国土交通省のデータによると、2020年、全国での発生件数は直轄国道で7万件、高速道路で5.1万件とかなり多い。動物の内訳は、国道では犬・猫29%、タヌキ28%、鳥類11%、シカ8%、キツネ3%。高速道路では中型動物(タヌキ、キツネ、犬、猫)52%、小型動物(鳥類など)42%、大型動物(シカ、クマ、イノシシなど)5%となっている。国は道路上で注意書きやフェンスなど対策を講じてはいるが、発生件数は横ばいでなかなか減らないのが現状だ。「もともと動物の生息域だったところに道路が建設され、生息域が分断された結果、動物が道路を横断せざるを得なくなったのが主な原因とされています」というのは自動車雑誌編集者。「そのためトンネル上部を樹林化して、動物が通れるようにするなどの対策もされていますが、ドライバー側の対策も重要です。防止策としては、夜間はハイビーム、注意標識がある道路ではスピードを出し過ぎない、動物に遭遇しても急ハンドルは避けるなどがあります。また、もし衝突したら、任意保険を使うには事故証明が必要なので必ず警察に通報することです」。ロードキルは野生動物だけでなく、ドライバーの命にもかかわってくる。ゴールデンウィークで車やバイクを運転する人は注意していただきたい。
(初確認から1年、野生イノシシの豚熱感染が100例を超える:宮崎)
宮崎県は1日、家畜伝染病の豚熱(CSF)に感染した野生イノシシの確認事例が、昨年4月の初確認以来100例を超えたと発表した。県家畜防疫対策課によると、4月22日に西都市で捕獲された成獣雄、同28日に宮崎市田野町と同市高岡町で死んで見つかった成獣雌2頭の計3頭が、PCR検査で陽性と確認された。都城市高崎町で初確認された昨年4月以来99~101例目になる。3頭とも経口ワクチン由来でない野外株。西都市や宮崎市田野町は豚熱ワクチンの散布圏外のため、県は今後、半径10キロ圏内でワクチンを緊急散布する方針。都城市や高原町など同県西部が中心だった野生イノシシ感染が県央部へと拡大した形。鹿児島、熊本両県にも広がっている。4月10日には都城市で養豚場の感染が確認され、飼養中の5600頭が殺処分された。同課は「わなによる捕獲強化やワクチン散布により、野生の感染個体の数を減らすとともに、防疫強化で養豚場へのウイルス侵入を防いでいくしかない」と話している。
(野生イノシシへの豚熱経口ワクチンの定期散布及び緊急散布の終了:宮崎)
豚熱経口ワクチン定期散布(春期1回目)及び4月16日に野生イノシシにおいて豚熱陽性が確認された96・97例目に係る経口ワクチン緊急散布については、4月28日に終了しました。
(野生イノシシの豚熱感染:宮崎)
4月22日に西都市で捕獲された野生イノシシ1頭について、宮崎大学での豚熱ウイルスPCR検査で野外株陽性が確認されました。
(野生イノシシの豚熱感染:宮崎)
4月28日に宮崎市田野町で発見された野生イノシシ1頭について、宮崎家畜保健衛生所の豚熱ウイルスPCR検査で野外株陽性が確認されました。
(野生イノシシでの豚熱感染確認(223~225頭目):兵庫)
丹波篠山市、三木市で発見された捕獲野生イノシシについて、豚熱PCR検査を実施した結果、豚熱感染が確認されました。
(野生イノシシ、豚熱感染:群馬)
県は4月30日、桐生市平井町などで捕獲した4頭の野生イノシシが豚熱に感染していたと発表した。遺伝子検査によって陽性が確認されたもので、いずれも成獣。平井町で捕獲されたのは雌の成獣2頭で、捕獲地点の半径10㌔以内に5カ所の養豚場があるが、県内すべての養豚場でワクチン接種が済んでおり、監視対象となる農場はない。4頭のうち残りの2頭は東吾妻町で捕獲されたもの。県内で豚熱感染が確認された野生イノシシは、検査を開始した2019年10月以降、これで471頭となった。
(マダニ媒介の感染症「SFTS」患者確認:静岡)
浜松市は5月1日、市内在住の人が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染したと発表しました。浜松市内では2026年初、県内では3人目の感染確認です。春から秋にかけてマダニの活動が活発化する時期を迎えるため、市では野外活動時の対策を呼びかけています。浜松市によりますと、患者は浜松市在住で、4月24日以降に発熱、倦怠感、食欲不振の症状が現れました。4月29日に浜松市保健環境研究所の検査でSFTSウイルス遺伝子が検出され、SFTSの感染が確認されました。患者は5月1日現在も入院加療中ということです。患者の性別や詳しい容体などは明らかにしていません。患者は屋外でマダニにかまれて感染した可能性がありますが、マダニの刺し口は認められず、感染経路の特定には至っていないということです。2026年に浜松市でSFTSの患者が確認されたのは初めてで、県内では3人目です。県によりますと、SFTSは、SFTSウイルスを保有するマダニにかまれることが主な感染経路ですが、SFTSウイルスに感染している犬や猫の体液から感染することも報告されています。マダニにかまれてから6日から14日の潜伏期間の後、発熱や消化器症状などが現れ、重症化した場合には死に至ることもあるということです。浜松市は、春から秋にかけてマダニの活動が活発となることから、野山や草むら、畑などに入る場合は、耳を覆う帽子、首に巻くタオル、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して肌の露出を極力避けること、マダニに有効な忌避剤(虫よけ剤)を使用すること、野外活動後はマダニが付着していないか確認することなど、注意を呼びかけています。
(マダニ感染症「SFTS」、重症化すると死亡することも:宮崎)
マダニを媒介した感染症、重症熱性血小板減少症候群「SFTS」の患者が、宮崎県内で、今年初めて確認されました。SFTSは、重症化すると死亡することもある感染症で、去年、全国では過去最多の患者が報告されています。SFTSの感染が確認されたのは、宮崎市の60代の男性です。宮崎市によりますと、男性は、今月24日、腹痛や下痢それに嘔吐などの症状が出たため、今月28日、宮崎市内の医療機関を受診しSFTSへの感染が確認されました。男性の体に、ダニにかまれた跡は確認されませんでしたが、今月中旬、山に立ち入っていたということです。宮崎県内で、SFTSの患者が報告されたのは今年初めてです。宮崎県は、SFTSの感染事例が、全国で最多となっていて、2013年以降、今回を含め125件の報告があり、31人の死者が確認されています。SFTSの患者は、これまで西日本を中心に報告されていましたが、最近は、関東や北海道でも確認されていて、去年は、全国で過去最多の180人以上の患者が報告されています。このため、厚生労働省は、全国的にSFTSの感染リスクがあるとして、これまで感染報告のない地域でも注意が必要としています。マダニは、春から秋にかけて活動が活発になり、SFTSの感染防止対策としては、草むらや畑など屋外で活動する際は、長袖・長ズボンで肌の露出を控えることが重要です。また、ペットにマダニが付着する可能性もあるため、散歩の後などは、ペットの体表を確認しマダニの駆除を適切に行うことも必要だということです。
(マダニ接触でSFTS感染か:京都)
京都府は28日、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に、山城北保健所管内に住む70代男性が感染したと発表した。京都市伏見区でマダニと接触したとみられ、同市内でSFTSに感染したとみられるケースは初めて。男性は発熱や下痢などの症状があり、現在も医療機関に入院している。SFTSはウイルスを保有するマダニに刺されて感染する。府によると、男性は4月上旬に同区の竹やぶで作業し、20日に発症した。2013年の統計開始以来、府内での感染確認は21例目で、府南部で感染したとみられるケースは25年の宇治田原町に続いて2例目。府は「草むらややぶに入る際は、府南部でも肌の露出を少なくし、虫よけ剤を使ってほしい」としている。
(マダニが媒介する感染症「SFTS」「日本紅斑熱」患者相次ぐ)
マダニが媒介する感染症「SFTS」「日本紅斑熱」の患者が相次いでいる。重症化すると死亡することもある。感染のピークは春と秋。大型連休はアウトドアの機会が増えることから注意が必要だ。佐賀県によると、2026年4月13日から19日までの1週間で70代の女性が「SFTS」に感染、60代の女性と70代の男性が「日本紅斑熱」に感染した。「SFTS」「日本紅斑熱」いずれもマダニにかまれることにより感染する。かまれてから1週間から2週間後に症状が現れ、重症化すると死亡することもあるという。また「日本紅斑熱」は発熱や発疹などが特徴的な症状。いずれも感染のピークは春と秋といわれていて、大型連休はアウトドアの機会が増えることから注意が必要だ。県は、山や草むらなどで活動する場合は肌の露出を少なくし、かまれたら自分で取り除かず、すぐに医療機関を受診するよう呼びかけている。
(伊吹山の緑、市民の力で再生を:滋賀)
滋賀・岐阜県境の伊吹山(1377メートル)の緑を取り戻すため、市民も活動に参加しよう――。鹿の食害を防ぐための防護柵を設置する作業が4月18日にあった。失われた自然を守り、地域の宝を未来につなごうという取り組みだ。滋賀県長浜市、米原市の経済人らでつくる長浜東ロータリークラブの一行約40人が参加した。この日、今季の営業を始めた伊吹山ドライブウェイ山頂駐車場(1260メートル)から少し登ったところで、金属柵を立ち上げて固定する作業にあたった。金属柵は高さ2メートル、長さ250メートル。冬の間は、雪で壊れないように倒している。家族で参加した小学4年の大塚健翔(けんと)さんは「動物が来ないようになるといい」と話した。滋賀・岐阜県境の伊吹山(1377メートル)の緑を取り戻すため、市民も活動に参加しよう――。鹿の食害を防ぐための防護柵を設置する作業が4月18日にあった。失われた自然を守り、地域の宝を未来につなごうという取り組みだ。滋賀県長浜市、米原市の経済人らでつくる長浜東ロータリークラブの一行約40人が参加した。この日、今季の営業を始めた伊吹山ドライブウェイ山頂駐車場(1260メートル)から少し登ったところで、金属柵を立ち上げて固定する作業にあたった。金属柵は高さ2メートル、長さ250メートル。冬の間は、雪で壊れないように倒している。家族で参加した小学4年の大塚健翔(けんと)さんは「動物が来ないようになるといい」と話した。4月16日には、スキー場「グランスノー奥伊吹」(米原市)を運営する奥伊吹観光が、チャリティー営業の売り上げの一部や募金などで集まった計213万円余を、市の伊吹山植生復元事業に寄付した。草野丈太社長は「雪はスキー場には恵みだが、時に自然災害にもなりうる。美しい伊吹山が戻るまで支援を続けたい」と述べた。
(狩猟免許を持つ専門職員を任命:新潟)
相次ぐクマの出没を受けて、県内では4つの市が国の交付金を活用して鳥獣対策を進めています。そのひとつ、三条市は狩猟免許を持つ男性を『鳥獣対策の専門職員』に任命しました。5月1日、滝沢三条市長から辞令を受け取ったのは、市内在住で狩猟免許を持つ西澤和斗さんです。『鳥獣被害対策専門員』は、クマやイノシシなどのわなの設置のサポートや被害防止のための啓発活動などを担当。地元猟友会との連携を円滑にする役目も担います。三条市農林課 藤家憲課長「高齢化が進んでいて捕獲の担い手確保が喫緊の課題であると受けて、市としてもノウハウを蓄積していく必要がある」。辞令交付のあとは、地元猟友会のメンバーと滝沢市長らを交えてクマの出没状況や今後の鳥獣被害対策について意見を交わしました。県猟友会三条支部 渡邉英男支部長「クマがもう出ている話も聞いている。これから山菜採りもあるので、気を付けて行動するように広報していただきたい」。三条市では、2025年度クマの目撃や痕跡の発見が過去10年でもっとも多い144件ありました。三条市鳥獣被害対策専門員 西澤和斗さん「鳥獣被害の対策が必要なところがかなり出てきたので、地域のためになればという思いで今回応募に至った」。このほか、猟友会からは「緊急銃猟の訓練を実施してほしい」といった意見が上がりました。
(四足歩行ロボット投入、クマ調査へ)
ゴールデンウイーク前から各地でクマの目撃情報が相次いでいます。この時期からナゼ、街なかに現れるのか。バンキシャは、ハンターの証言からクマが冬眠する場所に注目。新型ロボットを使い調査した。そのカメラが捉えたものとは──。26日、バンキシャは岩手・花巻市へ。行われていたのはマラソン大会です。そして、そのスタート地点で見つけたのは、オレンジのベストを着たハンターたち。この大会では、初めて、クマ対策として猟友会が警備に加わっていました。彼らは、スタートの2時間半前に会場にやってきました。持っていたのは、クマよけ用の花火。これを打ち上げて大きな音を鳴らします。ランナーを守るため、スタート前から対策をしているのです。花巻市では26日、クマの目撃が報告されました。隣接する紫波町でも21日、警察官がクマに襲われ大けがをしています。冬眠から目覚めたクマたち…。各地で目撃が相次ぎ、住宅地にも連日姿を現す異例の事態となっています。いったい、なぜなのか。25日、バンキシャは『ツキノワグマ出没警報』が発令されている秋田県へ向かいました。秋田県での4月の目撃情報は25日までで277件にのぼり、去年のおよそ4.2倍に増えています。取材中も、携帯電話に、秋田市内でクマが目撃されたという情報が送られてきました。目撃された場所は市街地にある公園、何度も取材で通った場所だ。バンキシャは再び、公園へ向かいました。同じ地区では防犯カメラにもクマの姿が捉えられていました。今月14日の正午すぎ、現れたクマは住宅地にある道路を横切ると、そのまま家の間を抜けて、姿を消しています。その10秒後には、近くを歩く人の姿が。家の中からクマの様子を見ていたと言います。今月19日、宮城・仙台市の住宅地に、体長1.5メートルのクマが出没。マンションに一時居座ったが、駆除されました。その仙台市では、そこかしこの掲示板に張り紙がされていました。目撃情報があったエリアを回っていると、害獣用の箱ワナが仕掛けられているのを見つけました。中にはクマも食べるという米ぬかが置かれています。その隣の畑には……。畑の所有者によると、市はクマのものだと判断したと言います。また、クマはやってくるのか。バンキシャは許可を得て、畑とワナの方向を狙うカメラを設置しました。春のこの時期に、市街地でクマの目撃が相次ぐのはなぜなのか。花巻市の猟友会会長で、ハンター歴59年の藤沼弘文さんは、「異変」を感じていると言います。見せてくれたのは、今年2月に駆除したクマの写真です。一般的にクマは山間部の穴などの中で冬眠します。それにもかかわらず、なぜ写真のクマの毛はきれいだったのか。花巻市猟友会・藤沼弘文会長「どこかの納屋だとか、そういう所に入って冬ごもりしてたんじゃないかと」。藤沼さんは、出没したのは空き家や廃屋が多い場所だと言います。専門家も、環境が整えば空き家などでクマが冬眠する可能性があると指摘します。石川県立大学・大井徹教授「(クマが冬眠する環境は)外敵から安全に過ごせる場所、気温が安定してる場所、また暗くて静かな場所。市街地周辺でクマの冬眠に適した場所というのは、いくつかあると思います。そのために市街地に出てくる可能性が高くて、そうしたクマが目撃されているのではないか」。では、空き家や廃屋でクマが冬眠する環境は整うのか。バンキシャは調査を行うことにしました。クマとの遭遇を避けるため、四足歩行ロボットを開発している企業「Highlanders」に協力してもらいました。登場したのは大型犬ほどの大きさの四足歩行ロボットです。モーター音を響かせて立ち上がります。市街地に出たクマを追い払うために開発されたものだということで、現在、実証実験が行われています。さらに、安全を確保するため、ハンター歴52年の菅実さんにも同行を依頼しました。所有者の許可を得て調査するのは、クマが出没したエリアにある空き家です。ロボットに搭載されているのはサーモカメラと目線カメラ、バンキシャのカメラも装着してもらいました。ロボットが空き家に向けて歩き出します。猟友会のハンター・菅さんとともに、ロボットが撮影する映像をモニタリングします。ロボットが空き家の前に到達します。周囲には草が生い茂り、建物はかなり古びているように見えます。家の外壁に沿って進んでみると、ハンターの菅さんがある場所に注目しました。指摘したのは床下と地面の隙間。すぐ近くにも同じような隙間がありました。続いてロボットは向きを変え、空き家の裏側へ。ここも床下と地面の間に隙間がありました。専門家に映像を見てもらうと、この空き家も十分に冬眠の条件を満たすと言います。石川県立大学・大井徹教授「空き家ですから、人に邪魔されずに静かに冬眠できる場所だと思います。気温の変化も比較的少ないと思います。冬眠場所としては条件を1つ満たすことになります」。
(クマとの棲み分け「ゾーニング」で一定効果:長野)
クマの市街地への出没や人身被害が、連日のように話題となってから半年。季節は巡り、冬眠から目覚めたクマと人とのあつれきが再び報じられるようになりました。クマに限らず、シカやイノシシなども人の活動域に現れ続けています。人口減が進む今の日本で、野生動物とどう向き合えばいいのか。実践を続ける現場を訪ねて考えました。アルプスの山々に挟まれた長野県箕輪町は、人口2万5千人弱の小さな町だ。2024年6月、散歩中の住民がツキノワグマと鉢合わせし、けがを負った。この春まで町の獣害対策を担当していた井上貴之さんは、「町始まって以来の事態でした」と振り返る。シカやイノシシによる田畑の被害はそれまでにもあったが、柵を張るなどで「対応可能な水準」だった。だが、この年はクマの出没が急増していた。放置すれば通学路も危ない。折しも、県が音頭をとって動物と人の活動域を分ける「ゾーニング」管理を推進しており、導入を決めた。山が迫る立地を考えると、取り組みは今後も続ける必要があり、行政だけでは手が回らない。ゾーニング管理は「住民が担い手」にならざるをえない。「幸い、小さい町なので役場と町民の距離が近く、危機感を共有できた」と井上さんは話す。2025年1月のワークショップには、町民や猟友会、警察、学校関係者のほか、県のクマ対策専門家ら約50人が参加した。目撃情報を集約すると、出没は6~9月が中心で、川の近くが多かった。
(野生鳥獣の被害対策に必要なものとは)
クマをはじめとする野生動物とどう向き合うか。田舎だけでなく都会でもアライグマなどが増え、被害は今や全国に。「人間は完全に負けている」と専門家は言います。現地の自治体や住民で対応するだけでなく、外からヒトやノウハウ、お金を呼び込む仕掛けも必要なようです。クマに限らず、野生動物による被害は日本中で起きている。「今、人間は野生動物に完全に負けている」。兵庫県森林動物研究センターの横山真弓研究部長は言う。クマに限らず、野生動物による被害は日本中で起きている。「今、人間は野生動物に完全に負けている」。兵庫県森林動物研究センターの横山真弓研究部長は言う。1930年代ごろまで、薪炭用の広葉樹伐採で里山は動物が身を隠しにくいハゲ山として境界線の役割を担った。シカやイノシシは肉や毛皮目当てで頻繁に捕獲された。クマは絶滅が危ぶまれ、保全の対象だった。その後、燃料や食生活の変化で、人が山の生態系から外れる。高度成長期まで建材用に針葉樹の植林はあったものの、国内の森林面積のうち人工林は半分程度。放置された広葉樹林は野生に戻り「多くの動物を養える場」になった。気がつけば、山の中で動物は激増していた。人を怖がらず人里に下りてきた動物は、おいしい野菜や果樹の味を覚える。1990年代にはシカ、2000年代にはイノシシが、2010年以降はクマの出没が目立ち始めた。農林業への被害が大きいシカやイノシシは、2013年に環境省が「10年間で個体数半減」を掲げて捕獲を強化した。しかし両方で年間計130万頭を捕獲しても目標達成は遠く、期限は2028年まで延長されている。
(害獣をヨソモノ呼び込む「資源」に)
野生動物が人間の領域に踏みこまないよう、新たな「境界線」づくりが必要です。ですが、過疎化と高齢化で「地元」だけでは解決できない地域も少なくありません。獣の存在を逆手にとり、都会から「ヨソモノ」を呼び込む仕掛けづくりも始まっています。SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)ではないが、「ヨソモノ」とうまく連携して乗り越えようとする地域もある。2026年3月中旬の日曜日、兵庫県丹波篠山市畑地区でイベント「さく×はた合戦」があった。獣よけに設置した総延長約12キロに及ぶ柵の修理に、地区内外の人が参加する春の行事だ。この日は、神戸や大阪からも人がやって来た。滑る斜面を長靴で上り下りし、動物がぶつかってゆがんだり破れたりした箇所を直す。イノシシが泥浴びする「ぬた場」が点在し、動物の気配は濃厚だ。初訪問で不慣れな人向けには、事前に来て柵を見回り、修理箇所を地図にまとめる「外部支援者点検隊」もある。「さく×はた」は「柵」と地区の名前「畑」をかけあわせた。これまでも、猿被害に遭う前に地区の柿を収穫する「さる×はた」合戦や、イノシシ被害に遭う前にタケノコを掘り出す「たけ×はた」合戦などを催してきたという。この日はたっぷりのフキノトウがお土産になった。10集落からなる「みたけの里づくり協議会」が主催し、2021年から実施している。集落と里山を仕切る柵は定期的な点検と修理が欠かせない。だが過疎化で住民832人の高齢化が著しく、対応には限界があった。
(2026年もクマに警戒必要か)
4月に入り、近畿地方でもクマの目撃情報が相次いでいます。専門家は特に春に行動が活発になる親子グマへの注意を呼びかけています。野生のクマの行動に詳しい野生動物保護管理事務所の野瀬遵さんの解説です。今月の近畿地方でのこれまでのクマの目撃情報は、京都府内で42件となっているのをはじめ、滋賀県で5件、奈良県で4件、和歌山県で4県となっています。特に目撃情報が多い京都府では25日、京都市右京区にある清滝川河川敷で、住民が親子とみられるクマ3頭を目撃しました。親グマの体長は150センチから170センチほどで、2頭の子グマと共に河川敷を歩いた後、川上方向にゆっくり立ち去ったといいます。26日午前には、福知山市内の交差点付近で住民が目撃したほか、伊根町の国道178号でも子グマの目撃情報が。警察は、クマを発見した際はゆっくり後ずさりして避難すること、生ゴミなどエサになるものを屋外に置かないことなどを呼びかけています。関西で目撃情報が増加する中、野生動物保護管理事務所・野瀬遵さんはこの時期のクマについて、“親子グマ”に対しての注意を呼びかけています。野瀬遵さん「去年、西日本ではドングリの成りが良い豊作の地域が多かったため、この冬の出産成功率が高かった可能性があります。4月中旬~下旬からは親子グマの活動が始まるため、例年以上に親子グマの目撃数が増えるかもしれません。母グマは子グマを守るため神経質になることがあり、より攻撃的になる恐れがあるので注意が必要です」。
(クマ大量出没の“本当の理由”:小池伸介)
2024年頃から突如クマが人里に現れるようになり、日本列島はパニックに陥った。メガソーラーの設置や山林の減少でクマの住める場所が減ったのが原因とよく言われているが、むしろクマの生息地は広がっているという。クマが人間の生活圏に侵入し始めた本当の理由を専門家が解説。2024年には兵庫県や近畿地方でクマの大量出没があったが、その理由は、クマの秋の主要な食べ物であるブナ科の果実、一般的には堅果類とも呼ばれる、いわゆるドングリの凶作の影響である。ドングリと呼ばれるコナラやミズナラの果実は、晩夏から秋にかけてのクマの主な食べ物であり、これらの凶作が秋の大量出没の鍵になる。2025年の北東北地方では、ブナもコナラもミズナラも、クマが常食するドングリがどの種も軒並み凶作だった。まるで凶作のゾロ目が出たような状態となったことで、山の中のクマの食べ物の量が極めて少ない状態であった。さらに、秋田県ではミズナラがナラ枯れ(カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌という病原菌による枯死現象)で、そもそもドングリの実りを測定できなかった地域もあった。ナラ枯れは2000年代以降、日本海側を中心に拡大している森林病害で、ミズナラやコナラなどのブナ科樹木を枯死させることもある。枯死した木では当然ドングリの生産ができないため、ナラ枯れの拡大もクマの食物環境に直接的な影響を与えた可能性がある。2024年は、兵庫県や近畿・西中国地域においてもミズナラが軒並み凶作だった。クマが出没する前の段階から、その年は危ういのではないかという予測が発表されており、その結果として通常は出現しない場所にクマが現れたり、通常は近付かない集落内のカキの木に近付いたりする事態が発生した。秋田県で起きているような庭先への出没が、当時も近畿地方でちらほら見られた。ただし、全国的なニュースにはならなかった。近畿地方では報道がなされ、出現した個体の駆除も実施された。駆除数は例年と比較して多かったが、これは大量出没を踏まえた行政側の対応である。ドングリが実らないことが事前にわかっていたため、出没が予想されるとの共通認識が行政と住民にあった。実際に出没が始まってからも、果樹の管理や夕暮れ時の外出を控えることをより徹底してほしいという呼びかけがなされた。通常、出現しない場所に現れた個体については、粛々と駆除を進めていく対応が取られた。規模の大小はあるものの、どの地域においても秋の山の実りが悪い状況になると、通常とは異なる数のクマが出没する現象が起きる。つまり、ドングリの凶作が大出没を引き起こすという基本的なメカニズムは、全国共通である。しかし、興味深いことに、その発生年は地域によって異なる。秋のクマの大量出没の地域的なズレには、いくつかの要因が複合的に関わっている。第一に、樹種によって木同士で実りの程度を同調させる範囲が異なる。例えば、北関東ではミズナラだと約7km以内、コナラだと約4.5km以内の木同士は、似たような実りの程度になる一方で、東北地方のブナでは100kmを超える範囲内の木同士で実りの程度を同調させる(Suzuki et al. 2005, Masaki et al. 2020)。つまり、地域や樹種によっては、ある山では凶作だが、隣の山では豊作といった状況が起きる。凶作の広がりがクマが移動できる範囲内であれば、クマは食べ物が存在するところまで移動すれば済む。しかし、たまたまこの山も隣の山も、その隣の隣の山も凶作といった状況になると、クマの移動できる範囲を超えてしまうことになる。第二に、地域によって秋のクマのメニューが異なる。日本列島は南北に長いため、地域によって森に生育する木の種類は異なる。そのため、クマの秋の主食となるドングリの種類も異なり、それぞれの地域で大量出没の鍵となる食べ物も異なる(森林総合研究所2011)。第三に、樹種によってドングリの豊作と凶作のパターン(間隔)が異なり、ある種は豊作と凶作を1年おきに、ある種は3年に1回の頻度で豊作を迎える(Shibata et al. 2002)。ある種のドングリが凶作であっても、森には何種類ものドングリが存在するため、他の種類のドングリが実ればクマとしては森で食べ物を確保できる。つまり、何種類ものドングリの凶作が重なることで、森の中のクマの食べ物の量が極端に低下し、大量出没が誘発される。さらに、地域ごとに生育するドングリの種類の組み合わせが異なることで、凶作のゾロ目が出るタイミングも変わる。大量出没は全国一斉に起きているわけでもなく、年、地域によって状況は異なるので、それぞれの状況に応じた対応を考えることが大切である。その上で、地域による行政の情報収集体制および発信体制の違いが、実際の大量出没に伴う様々な被害の発生量の違いにも結びつく。事前にドングリの豊凶情報を発信することで、クマの出没を予測、警告し、住民の行動変容を促すことができれば、被害を未然に防げる可能性が高まる。そのため、大量出没年の被害に関する統計数値の増加には「実際の出没増」と「捕捉・通報体制の強化」が複合的に関与している可能性がある。つまり、クマの秋の大量出没およびそれに伴う被害の地域差は、生態と社会の複合システムによって生じていると考えられる。しかし、ドングリの凶作の影響だけでは、2025年の事態の本質は理解できない。そのためには、なぜクマの分布域が拡大し、人里近くまで進出するようになったのか、なぜ人に対する警戒心が低下したクマが現れるようになったのか、この問いに向き合う必要があり、その答えには、より長期的な視点が必要になる。なぜなら、後述する個体数の増加と分布域の拡大、人間側の環境変化(農山村の過疎・放置地増加)といった要因が、被害を加速度的に増加させてきたからだ。戦後80年をかけて、日本の山と人とクマの関係はどう変わってきたのだろうか。クマが人の前に出現するようになった現象の原因や背景について、広葉樹林が針葉樹人工林に変わったせいだとか、山中に設置されたメガソーラーが影響しているのでは、といったこともよく耳にする。つまり、クマが生息する山林の環境が悪化し、生息環境を奪われたクマたちが仕方なく人間の前に姿を現しているというわけだ。だが、日本の山林面積自体は減ってはいない。増えても減ってもいないのだ。人工林自体は、1980年代ぐらいまでしかほとんど大規模な造林はなく、80年代以降の面積は変わっていない。確かに伐採はするが、昔のように極端な伐り方はしない。1960年代以降の拡大造林の結果、人工林が増えたせいでクマが住む場所がなくなったという意見について言えば、たしかに1980年代、1990年代にクマが置かれていた環境に影響を及ぼしたのは事実だろう。しかし、今の状況を作り出した原因に関して、人工林の増減はほとんど関係ない。奥山、つまり昔からクマの生息地とされる環境は今もほぼ変わらない。クマが奥山に押し込められていた時代であっても、それでも人はかなり山の奥まで入り込んでいたし、そうした環境でもなんとか耕作して農作物を育てていた。それが、ずっと続いてきたのが中山間地域であるし、多少の山であっても林業もするし農業もするのが日本人だ。山のかなりの傾斜地でも耕作地にして頑張ってきた。昔からそういう山の使い方をしてきており、クマとの関係はずっと変わらなかった。また、「里山がなくなったせいだ」と言われることもある。里山というときれいな響きに聞こえるが、実際は斜面にへばりついて耕作してきたのが日本各地の農業の姿である。平地があって奥山があって、その間のところになんとか畑を作り、みんなで頑張って耕作してきた。ただ、この50年で大きく変わったのは山の中身、つまりどこが森で、どこが耕作地かという内訳が大きく変わったのである。この40年から50年の間で日本社会が大きく変わり、少子高齢化や都市圏への一極集中による過疎化、自然資源への依存の低下などが起こった。昔であれば、山菜やキノコだけでなく、薪、柴、堆肥(たいひ)にする落ち葉を取りに人は山に入っていたが、次第に人は山に入らなくなっただけでなく、中山間地域から撤退し、山から人は姿を消していった。耕作地は手入れがなくなり、農作物を作らなくなればそこは耕作放棄地になる。耕作放棄地の面積は、日本で徐々に広がってきている。耕作という作業は、土地が森に戻ろうとする流れを止め続ける作業である。耕作放棄地が森に戻っていくことで、クマを含む動物が住める場所が広がっていった。実際に、ツキノワグマの場合、過去40年間で耕作放棄地が広がったところに分布がじわじわと広がってきた。人工林が増えたというより、ただ人がいなくなった場所が森に戻っていっただけである。植林をするわけでもなく、ただ自然の摂理に合わせて森に戻っていく。さらに、木々は炭や木材などとして伐採されることもなく、ただ放っておかれることで成長する。成長した木々は、クマの食べ物となる果実を多く実らす。「山の総面積」は変わっていないが、「山の質」はクマをはじめとする野生動物にとって向上し続けてきた。かつては奥山にクマがすみ、平地に人が住み、中山間地域に人がいて林業や農業をしており、その中山間地域がクマと人を隔てるバッファー(緩衝地帯)になっていた。しかし、農業人口の高齢化と後継者不在、過疎化などによって中山間地域が消失し、バッファーとして機能していたエリアがなくなってしまった。一方、動物たちはしたたかに、人がいなくなったところに分布を広げていく。その結果、人とクマの間の物理的な距離が縮まってきた。人とクマの居住地が隣り合うような、あるいは重複するような状況が各地で生じてきたのである。そして、奥山と人里の間に存在していた「人間が利用する空間」が消えることは、クマと人との物理的な距離だけでなく、山から人間の気配が消えたという意味で、クマにとっての心理的な障壁、両者の間にあった緊張感も徐々に薄れてきたと思われる。人の生活圏と隣接して生活してきたようなクマは、世代交代していく間に、奥山にいるクマに比べて人への警戒心が下がってきた可能性がある。注意したいのは、警戒心が下がることは、イコール凶暴化ではない。以前は警戒していた人に対し、警戒もせず、脅威とも思わないようなクマが増えてきているのではないかという意味だ。
(69歳猟師が語ったヒグマとの死闘:『ドキュメント クマから逃げのびた人々』)
北海道紋別郡滝上町は2025(令和7)年3月末時点で、人口2182人。オホーツク紋別空港から車で約50km、旭川空港からは約100kmの距離に位置する。地形は三方を山に囲まれた盆地で、オホーツク海に注ぐ渚滑川の支流・オシラネップ川、サクルー川などの清流は、釣りスポットとしても知られる。昼夜や四季の寒暖差が激しい特有の気象条件は、農作物にとっては好条件で、馬鈴薯(ジャガイモ)の他に小麦やテンサイ、シソ、ハッカなどを作る畑作農家が多い。しかし、作付面積としてもっとも広いのは、酪農家を支える牧草地とウシの飼料用デントコーン畑だ。酪農業を営む、1953(昭和29)年生まれの猟師・山田文夫さん(当時69歳)は、滝上町中心部から少し離れた通称・第4区という地域で、父親から「山田牧場」を継いだ。その頃から、山田さんの家の前に広がるデントコーン畑を狙い、人里にヒグマが姿を現すようになっていた。山田さんがヒグマに襲われたのは、2022(令和4)年7月。ヒグマを初めて撃ったのが40代前半だったので、それから二十数年が経っていた。遡って、初めてヒグマを撃ったときから振り返ってみる。牧場内のはずれにあった畑で、母親が作業をしている50~60m先にヒグマが現れた。体重70~80kgくらいの大きくはない個体だった。「一発で仕留めないとおふくろが襲われるかも」と、ものすごい緊張で脂汗が出た。幸い一発で、ヒグマはバタリと倒れた。以来、約100頭のヒグマを駆除してきたが、その半分近くは箱罠による捕獲と駆除だ。罠猟免許も取得した山田さんは、箱罠の名人でもあった。「箱罠は置けばいいってもんじゃない。クマっていうのは本当に賢くてね。知恵くらべさ。シカ肉で仕掛けても食いつかなくてね。ハチミツで試してみたけれど、ハチに食べられたり、雨で流れたりして何回も補給しなくちゃいけないの。それで紋別の魚屋まで行って、投げる(捨てる)ようなシャケのアラをもらってきて仕掛けてみたら、一週間も経たずに300kgのクマがかかったね」以来、もっぱらシャケのアラを使うようになり、面白いようにクマが獲れたという。箱罠は、なるべく鉄の部分が見えないように草を敷き詰めたり、茎がしっかりした草を入口に立てかけてカモフラージュするなど、細かな工夫も欠かさなかった。山田さんが有害鳥獣駆除の活動を本格的に取り組むようになったのは、家業を息子に引き継ぐことが決まった頃から。62~63歳まではいっしょに酪農をやっていたが、息子が一人立ちしてくれたのを機に、銃を持って歩く時間が増えた。駆除で獲ったクマは処分場で処理する決まりになっているので、自身ではクマ肉を食べたことはない。一方、爪や内臓につく脂だけは処分する前に譲ってもらっている。秋口に獲ったクマは、内臓のまわりにたっぷりと網状の「網脂」がついていて、これがとくに良質なもの。鍋で煮て、浮いてきて固まった脂分を水で洗って瓶に入れて保存している。ケガや火傷によく効き、保湿クリームにもなる。自身がクマに襲われた傷も、クマの網脂を傷に塗って治したという。猟友会に所属し、狩猟指導員として後進の指導にも当たっている山田さん。有害鳥獣駆除の活動では報酬金が出るが、ヒグマは一頭につき2万円。しかし、必ず二人以上でクマを撃ちにいかなければならないので、実質は一人1万円の報酬金となり、滝上町でもそれが問題となっている(※2025年4月から5万円)。弾一発も安くはない金額がかかり、時間もとられる。何より、命がけの活動であることに対しての報酬が少なすぎるとして、滝上町でも見直し・検討は進められている。北海道の夏は湿度が低く、暑い日があっても総じて爽やかで過ごしやすい。山田さんがヒグマに襲われた7月。盆地の滝上町もそれなりに気温は上がるが、天候は曇りで暑くはなかった。そして、一年の中でも昼間がもっとも長い時期だった。その頃山田さんは、夏季に牧草を刈り取るアルバイトをするくらいで、酪農の仕事はほとんど行っておらず、要請があれば駆除活動を行っていた。その日の夕方、牧草を刈る作業がちょうど休みだったので、トラックに乗って見回りに出た。いつも走る道で仲間のトラックに会い、すれ違いざまに「またあそこにクマ出とるわ」。「なら、やっつけなきゃいかんな」と会話を交わした。午後5時30分ごろに役場に連絡が入り、80代の猟師Sさんと待ち合わせをして2人で駆除を行うことになった。Sさんのシカ撃ちの腕は山田さんも認める実力だったが、クマ撃ちは経験が浅かった。二頭のヒグマが居座っていた現場は、山田さん宅から2kmほど離れた場所の開けた牧草地。その現場へ向かう途中、渚滑川から分かれる"熊出沢川”という名の川を渡る。その名の通り、この川沿いは昔からクマの通り道だったという。サラサラと流れる沢沿いに、芽吹いたばかりのフキノトウが連なっていた。北海道の原風景が異様に美しい。左手に滝西神社、右手に廃校になった滝西小学校を過ぎると、その道は一気に開ける。左手はまだ何も育っていないデントコーン畑で、道を挟んで右手が現場となった、真っ平の牧草地が広がる。その土地は細長い半楕円の形で、曲線の淵は落ちて崖になっており、崖下は深いササ藪と林だった。その牧草地に、6月半ばごろから毎日のように二頭のヒグマが出没していた。そこへと降りていく短い坂から、50~60m先の車返しのスペースに二台のトラックを停め、ここで30代の猟師Sさんと合流した。山田さんとSさんの二人は銃を持ち、現場に向かう。道路上では発砲できないため、高くなった道から下のくぼ地へと降り、身をかがめクマに気づかれないよう身を隠した。そこから草を食べている二頭を狙う。距離は約60m。地形は知り尽くしていた。山田さんは牧草地の内側にいる一頭を、Sさんは牧草地の淵にいる一頭に向かって同時に発砲。しかしSさんの弾は外れ、驚いたクマは崖下へと逃げていった。山田さんの弾は狙ったクマの横腹に当たった。クマは一度倒れたが起き上がり、牧草地の淵まで歩いていった。そして、淵ぎりぎりの場所に座り込んだ。「逃げたクマよりは、目の前のほうをやっつけるのが先。その座り込んでいるほうを二人で同時に撃ったら、その反動で崖の下に転がって落ちたんだわ。これがまず、一つ目の誤算さ」。崖の高さは6~7mほど。二人はお互い二発ずつ撃ったあと、急いでクマが落ちた地点へと走り、上から下を覗いた。山田さんは地面についた血のり、転がっていった跡のササに血がついていたことから「クマは死んでから転がっていった」と思った。しかし一部分のササ藪がガサガサと動く。「なんだよオイ。動いてるわ!」と、山田さんは動くササ藪から目を離さないようにしながらSさんを崖の上にとどまらせ、崖の中腹まで下りて足場を固めた。「姿が見えたら撃ってやろうと思ってさ。そうしたら、動いていたササが動かなくなってね。あれ? と思ったら、先に逃げていた一頭がどこからか走ってきて、木につつつーって登ったのよ。上にいるSくんが撃ったら、今度はそのクマは滑るようにして木から落ちてきたから、弾当たったかな? と思っているうちに、さっきまでピンポイントで凝視していたクマの居場所を見失っちゃって。これが二つ目の誤算」。しばらく見当をつけてササ藪を見つめるものの、動きはない。「少なくても二発は当たっているし、今度こそ死んでいるな」と思った山田さんは、クマの死骸を確認するため、さらに崖を下りていった。「確かこのへんだったよなぁ」とササ藪を進む。上にいるSさんの「山田さん! 動いているわ!」という叫び声が聞こえたか聞こえないうちに、突然、ササ藪の中から半矢(手負い)のクマが正面から襲いかかってきた。その瞬間、山田さんは仰向けに倒され、持っていた銃はどこかに飛ばされてしまった。クマと目は合っていない。気づいたら鼻先が顔の目の前にあり、クマの開いた口や牙が見えたかと思うと、顎に食いつかれた。実際にはその前に頭を爪で引っかかれ、その傷はかなりの深さだった。「どう噛まれたかなんて、順番は分からん。ただクマとくっついて格闘して引っ張り回されたな。顎にがっつり噛みつかれてたから、下の入れ歯は割れて、口は裂けたしね。目のところも引っかかれてさ。クマの爪痕がまぶたの上と下に残っているんだけど、眼球をえぐられなくて良かったよ。腕や腹も噛まれながら、足で蹴ったり手で殴ったりと抵抗したな」。自身が命がけの格闘を続ける中、Sさんには「来るなよ! 来るなよ!」と叫んでいた。「しつこい! しつこい! いつになったら離れるんだ!」という思いが繰り返し脳裏をよぎった。クマは体重70~80kgくらいで、そんなに大型ではなかったという。Sさんが「うわーっ!」と大声を出すと、ふっと自分の身体からクマが離れて隙間ができる瞬間があった。「これはと思って、空砲を撃ってもらえばもっと離れるんじゃないかと思ってさ『Sくん! 撃ってくれ!』って叫んだのさ。そうしたら『山田さん、弾ないんだわ! 取ってくるわ!』って言って、車まで弾を取りに行っちゃったのさ。あれは参ったな(笑)」。やむなく再び一人でクマと闘っているうちに、偶然にも繰り出した右拳が口の中に入った。さすがにひるんだのか、鼻先にあったクマの顔が離れ、一気に視界が広がった。クマの顔の他に腹や脚までが見えた。「最初に一発、弾が当たった横腹から、腸が飛び出ているのが目に入ったんだよね。思わず左手をのばしたらうまいこと届いて、その腸をグッと掴んで思いっきり引っ張ったらベロベローッと出てきてね。そこで初めてクマはあきらめて、腸を引きずりながら離れていった。手も腕も噛まれていたけど、興奮状態だったから痛みは分からなかったね」。弾を取って崖の上に戻ってきていたSさんが、慌てて下りてきた。そのとき、「山田さん、手に何持っているのさ?」って言うので目をやると、クマの腸を50cmくらい左手に握りしめていた。とにかく血だらけだったが、起き上がってライフルだけは自分で探して右手で持って、左手で腸を持って上へあがって行った。下半身はやられていなかったから、歩くことはできた。知らぬ間に、猟師仲間が何人も集まっていた。「『大丈夫かっ』という声に『大丈夫じゃない、やられた!』ってしゃべったことは覚えているんだけど、あとは記憶ないね。腸はその場で投げた(捨てた)よ(笑)」。クマの口に入った右手には今も歯痕が残っており、親指は神経が損傷してしまい曲がらなくなっている。クマとの格闘は5分以上続いたとみられるが、69歳とはいえ、やはり元ラガーマンだった山田さんだったからこそ、これだけの死闘を繰り広げることができたのだろう。恐怖心はなかったのだろうか。「不思議と怖くはなかったね。振り回されたときは一瞬、『死ぬかな? ダメかな?』とは思ったかな。クマがどういうふうに俺を食べるのか見届けなきゃな、という冷静な自分もいたね。首に噛みつかれていたら、たぶんダメだったと思うね」。町立病院に救急搬送されたのが午後6時30分過ぎ。ストレッチャーに乗ったまま、そこの病院では、医師がひと目見て「これはどうにもならん」と言われ、そのまま50km先の紋別の病院へと運ばれた。
(クマは「最初の一撃で頭部を狙い、必ず噛みついてくる」:『ドキュメント クマから逃げのびた人々』)
2023(令和5)年の環境省の調査によると、ツキノワグマの出没件数は、岩手県と秋田県の2県で全国の約40%を占める。その最前線で長年、クマによる傷病者と向き合ってきた医師がいる。秋田大学大学院医学系研究科教授で、秋田大学医学部附属病院高度救命救急センター長を務める中永士師明(なかえはじめ)氏だ。秋田大学に赴任して20年以上、これまで同センターで直接治療に当たったクマによる傷病者は50人にのぼる。前任の岩手医科大学でも、クマによる受傷の治療に携わるとともに、受傷に関する学会発表も手がけてきた。そんな中永教授が診てきた症例と患者の証言には、熊害対策やいざというときの危機管理術のヒントが詰まっている。秋田大学医学部附属病院高度救命救急センター(以下、同センター)では、傷病者の治療の際に、クマに襲われた状況をできるだけ聞くようにしている。人がクマに襲われるシチュエーションは変わってきているのだろうか。「2024(令和6)年の秋田県内の傷病者には、クマ狩りで山に入って受傷した猟師の方が1名いましたが、この方以外は、山に入っても自分からクマに遭おうと向かって行ったのではなく、偶然にも遭遇して襲われたという状況です。また、これまではクマと遭遇する場所で多いのは山の中。山菜採りなどで山に入って受傷される方が大多数を占めていましたが、近年は市街地の例が多くなっています。たとえば犬の散歩中に襲われた方。この方は、飼い犬が『ワンワンワン』と吠え出したので、『何だろう?』と不審に思っていたら、突然、クマがガバッと襲ってきたといいます。自転車に乗っていて襲われた方もいらっしゃいます。クマが見えた瞬間にはもう目の前まで迫っていて、あとはもう『何が起こったか覚えていない』と話していました。特殊な例では、自宅の庭で遭遇し襲われた方もいます。このケースは遭遇場所としてはかなり珍しいでしょうね」。市街地か山中かに関わらず、クマとの遭遇は突然だった例が多い。山菜採りの最中に襲われる人などは、夢中になって山菜を探していて、気づいたときにはすぐそばにクマがいた、という話はよくある。「クマは視力はあまりよくないのですが、嗅覚は優れています。においを嗅ぎつけて近づいてくることもある。従って、見通しの悪い場所では、クマは人間の存在に気づいていても、人間はクマの存在に気づけていないということがあります。傷病者から聞いた情報で、遭遇したときのクマとの距離に注目すると、遠くから長い距離を走って襲ってくる、というクマはあまりいないようです。やはり互いに気づかず出会い頭で、というパターンが多い。ただし、子グマにちょっかいを出してしまうと話は別です。子グマを守ろうとする母グマが、走って襲いかかってきます。これは私の知人の例ですが、渓流釣りの最中に子グマを見かけて、子どもだと思って安心してかまってしまった。すると母グマが現れて襲われ、その弾みで、母グマと一緒に崖から落ちたのです。その知人は以来、肩が外れやすくなってしまいました」。中永教授によると、クマによる受傷部位で圧倒的に多いのは、頭部や顔。クマが相手を威嚇するために立ち上がり前脚を振ると、ちょうど人間の頭部あたりの高さになるのがその理由だ。「同じ野生動物でも、イノシシは突進してきますが、クマは少し異なります。遭遇したら最初、バーッと迫ってきますが、ビッと後ろ脚で立ち上がり、ガッと前脚を振り下ろしてきます。ただし、前脚での一撃だけでなく、噛まれて受傷することが多い。受傷したほとんどの人は、前脚と口の両方で攻撃されています。一方で、前脚の爪にやられた傷だけという人は、私の知る限りほぼいません。事実、患者さんは結構な確率で噛まれています。攻撃の中心は口で、前脚での攻撃は最初の一撃のみということが多い」。ただし、最初の一撃のみだとしても、さすがにクマの力はすさまじい。しかも、頭部や顔面をやられてしまえば、かなりの重傷を負ってしまう確率は高い。そして、クマの動きは想像以上に俊敏だ。襲われた人たちはみな、クマの素早さと襲われたことへの動揺で、詳しい記憶は残っていないこともよくあるという。「もちろん例外はありますが、クマが人間を攻撃した後、いつまでもその場に残ることは稀です。襲われた後、『気づいたときにはもういなくなっていた』という証言もあります」。ところで、「クマは左利きなので、左脚から最初の一撃が飛んでくる」という俗説もある。もしそれが正しければ、あらかじめ予測し対処もできそうだが──。「クマにも個体ごとに利き手はあるのでしょうが、左利きがとくに多いということはなさそうです。20年以上クマに襲われた症例を診ていますが、右からも左からもやられています。優位な差はほとんど確認できません」。クマに襲われた受傷者のケガの状況と治療について、中永教授にいくつか重症となった実例を挙げてもらった。「衝撃的な受傷例でいうと、クマの一撃を受けて鼻が取れてしまった患者さんがいました。現場に駆けつけた救急隊員が、取れて落ちていた鼻を拾い、患者さんの搬送の際、一緒に持ってきてくれたので、当院の形成外科医の手術で接合できました。鼻は大部分が軟骨ですので、取れやすく、接合しやすいのです。一方、眼となると話は違ってきます。不運にも眼球にクマの一撃を受けてしまった場合、事後の治療ではどうにもならず、失明してしまった例はいくつもあります。頭がい骨骨折の事例も起こっています。ただし、顔面骨折が多く、脳まで損傷するという事例はあまりないですね。クマは頭もガブッと噛んできますので、骨折には至るのですが」。重傷者でも、クマに襲われた直後は痛みを感じなかった、と証言する人は多い。興奮してアドレナリンが出ていることで、痛みの感覚の閾値が上がっているのだ。その後、救助され病院で治療を受けているうちに、どんどん激しい痛みを感じるようになってくる。いつまでも痛みやしびれが残る、といった身体的な後遺症は8割程度の傷病者に見受けられる、と中永教授は言う。一方で、精神的な後遺症も。「PTSDに陥るケースも多々あります。襲撃後、何カ月も経ってからPTSDが現れることもある。襲われた当時の話を聞いている最中、理由もなく涙が出てきたり、クマの夢、悪夢を見るといった例も多いですね。先に挙げたマタギを生業とする傷病者の方は、『次にクマが襲ってきたら、必ずやり返してやる』と息巻いていましたけれど、これはレアケースです。普通の人は、自分の人生でまさか、クマに襲われるなんて予期していませんからね。しかも、市街地で『まさかこんなところで……』という場所で襲われることもあります。ですから心の傷としても遺ってしまうのです。私が調べた範囲では、傷病者の8割ほどはPTSD的な反応を示しています」。
(クマに遭ったら終わり?「正解はない」中で命を守る最後の手段:小池伸介)
クマによる人身被害が急増したことで、ネット上には真偽不明のクマ撃退法があふれている。万が一クマに出遭ってしまったとき、我々はどうしたらいいのだろうか。専門家が解説する。東北地方を中心に、クマ(ツキノワグマ)による人身被害が後を絶たなかった。環境省のまとめでは、2025年度は12月末時点でヒグマによる事件も含め、13人の死者を含む236人が被害に遭った。単年度として死者数、被害者数ともに統計開始以来過去最悪という深刻な事態である(環境省資料:人身被害について)。被害拡大の背景には、人の生活圏にクマが多く出没するようになったことがある。環境省の調べでは、2023年の人身被害のうち、市街地など人の生活圏で起きた割合は7月と8月がともに5割ほどで、9月に7割となった。ところが、2025年は7月の時点ですでに7割に達していた。夏の早い時期から人の生活圏にクマが出没するケースが増えている。これは、クマの行動パターンが夏の段階から例年とは異なっていたことを示す重要な指標と言える。環境省の資料によれば、近年のクマによる人身被害件数は下の表のように推移している。この数値が示すのは、2023年度にクマによる人身事故が大きく増加し、2024年度に一旦落ち着いたかに見えたが、2025年度は再び200件を超える事態になったということである。なお、これらは事故件数であり、被害者数とは異なる。1件の事故で複数人が被害に遭うケースがあるためで、2025年度の被害者数は12月までの速報値で236人に達した。被害者の年代として、岩手県が発表している資料(2018年から2025年)によれば、70代・80代が圧倒的多数であり、高齢者(特に70代以上)に被害が集中していることが明確になっている。70代が最多、80代が次に多く、50代・60代も一定数あるが、40代以下は少数で、20代・30代は散発的である。山菜採り、農作業、散歩中、自宅周辺作業など、高齢者の日常行動と被害が結びついているようだ。同様に、秋田県や山形県が発表している資料(2025年)では、年代は明示していないが、農作業・散歩・帰宅途中など日常生活の行動中の被害が中心であることから、被害者は高齢者(中高年から高齢層)が主体と読み取ることができる。これは、過疎化と高齢化が進む中山間地域で、高齢者が日常的に野外活動を行っている実態を反映している。実際にクマと遭遇した人の中には、走って逃げのびた人もいる。伝説のカラテの達人のように素手で戦って勝ったとされている人もいるし、クマの口に手を入れたらクマが去っていったという人もいる。ナイフを使って勝つことができた人もいる。キノコ狩りに行った人がクマに遭遇し、持っていた棒で叩いたら、たまたま鼻に棒が当たったクマが驚いて退散したという事例もある。過去にはそういった事例も確かにあるが、それは誰でもできるわけではないし、戦おうとして命を落とした人もいるはずだ。戦ったわけではなく助かった事例として、大声を出したらクマが驚いて逃げていったというものがある。この事例の場合、クマは親子で、シカの死体などを手に入れ、少しずつ食べるために「土饅頭」と呼ばれる死体に土をかけたものを作っていたようである。一方の人間のほうは複数人いて、登山中にその土饅頭に遭遇してしまったようである。母グマは子グマや自分の獲物を守ろうとして、本来なら非常に怒って当然なのだが、なぜか助かったという。人間のほうがたくさんいて大声を出したという状況で、母グマは子グマを守り、自分の食べ物を盗られなければいいと考え、威嚇しただけですんだのかもしれない。このように、クマとの遭遇の状況や、そのときのクマの反応は1件1件違うため、やはりクマに遭ったときの正解はないのである。心配なのは、たまたまうまく撃退できた動画などが拡散し、クマと対峙しても戦えばなんとかなると思ってしまう人間が増えることだ。どんなことが起きるかわからないのが自然界であり、実際にクマに遭ってしまったときに私たちができることはほとんどないことを考えれば、できるだけクマと不意に遭遇しないようにすることが最も効果的な対処法ということは言える。そして、それでも鉢合わせしてしまったら、誰にでもできて致死率や重傷化率を下げる方法となると、適切なクマ用撃退スプレーを適切な方法で使うか、地面にうつ伏せになった防御姿勢でなんとか助かることを祈るしかなさそうだ。改めてにはなるが、クマと出遭った際にできることは何もないと考え、クマと出遭わないことが、人身被害を発生させないための基本である。それでもクマに遭ってしまうことはあるため、それぞれの対処法を示す。ただし、クマに出遭ってしまったときの正解はないと考え、落ち着き、柔軟な対応が求められる。クマによる人身被害は、突然の至近距離での遭遇時に起きやすい。早朝・夕方(薄明薄暮)や見通しの悪い場所は、クマも人も互いを発見しにくい。・生活圏および出かける先の地元自治体の出没・目撃情報を確認する。特に、例年と異なった場所や時期に出没や目撃がある場合には、予想外の場所でクマに遭遇する可能性がある。・鈴・ラジオ・声・拍手といった音でクマに人間の存在を知らせる。特に雨の日や沢沿いなど音が消されやすい場所では、複数人で大声を出す、手を叩くといった、より積極的なアピールを組み合わせる。・単独行動は避ける。クマとの死角となる藪際・沢沿い・林縁を警戒する。・クマが人間を攻撃する場合、捕食目的よりも驚き(自身の防衛、子連れ防衛、食べ物防衛など)のケースが多く、人間側の行動が攻撃の引き金になりやすい。・基本は「逃げる・追う・近付く」を避け、状況に応じて落ち着いて距離を取る。・遠くにいるクマを見つけた場合:まず距離を取り、静かにその場を離れる(刺激しない)。写真撮影や接近はしない(母グマがいたり、近くに確保した食べ物がある可能性)。・近距離で遭遇してしまった場合:走らない(追跡を誘発する)、大声で威嚇しない/急に近付かない(驚かせない)。クマの様子を見つつ、ゆっくりと後退して距離確保(視界を保ちながら)。子グマが見えたら特に危険で、近くに母グマがいることが多い。・人間の生活圏(庭・畑・通学路など)で遭遇した場合:基本的には上記と同じであるが、近くに家や車があれば中に避難する。
(暖冬の影響でクマの生活リズムに“乱れ”)
GW中のこの時期、注意が必要なのが“春のクマ”です。ことしは春のクマの生態に異変が起きている事が分かってきました。クマの生活リズムに変化があり、“冬眠入り”が遅く、“冬眠明け”は早いというのです。大阪市北区にある登山とアウトドア用品の専門店「好日山荘」。今、売れ行きが好調だというのが…クマよけの「鈴」から、「爆音クラッカー」まで、音の出るクマ対策のグッズです。中でも、特に売れているというのが、一番安いもので1万9800円だという元祖クマよけスプレーです。以前は、年に10本程度だったと言いますが、10倍近くの売れ行きだといいます。まず取材班が向かったのは、実際に“春のクマ”を見ることができるという大阪府内の山の中。たどり着いたのは、大阪・豊能町にある高代寺。【高代寺・福永耕秀住職】「とよ、とよ、とよちゃん」。住職が名前を呼ぶと寄ってきたのは、体長およそ1.3メートルのツキノワグマ「とよ」。12年前に寺にやってきました。【高代寺・福永耕秀住職】「大阪府が殺処分ということになっていたので、『飼って下さい』という手紙が回ってきて。かわいそうやからね」。もともとは野生のクマで、町内の山でイノシシ用のワナにかかっているところを発見されましたが、近くに民家があるため山へ戻すことができず、大阪府は殺処分を検討しました。それに待ったをかけたのが、クマの調査などを行う自然保護団体でした。行き場を探す中で、高代寺が「オリを建てていいよ」と申し出てくれたのです。3カ月かけてオリを作り、飼育許可も得て、「とよ」がここで暮らすことになりました。野生のころと変わらず、トヨは今も毎年冬眠します。担当者が毎日エサをあげ、今の季節はカラムシを夢中で食べているといいます。しかしこの春、例年と明らかに違うことが起きました。【日本熊森協会・小西慶子さん】「冬眠(入り)が遅れてしまったんすね。冬眠も本当なら3月半ばまでするんですけど、2月26日に冬眠明けてしまって、暖かかったので。もうだいぶ動き回ってる」。例年は3月末頃に冬眠を終え、この時期、とよはまだボ~ッとしているはずですが、ことしは暖冬で早く目覚め、活発に動き回っているのです。気候の変化により、“この時期のクマの生活リズム”が変わっているそうです。関西の観光スポットにも“春グマ”の影響が出ています。取材班が向かったのは、京都府綾部市。こちらは観光名所「シャガ」の群生地です。淡い紫色の模様が美しい花、「シャガ」は、例年この時期に見頃を迎え、多い年は1万人以上が訪れていましたが、ことしは開園を見送りました。【水源の里老富・酒井省吾代表】「全国的にクマの被害、もう昨年も200名以上が被害に遭われてますからね」。この辺りでクマの目撃はまだないということですが、万が一のことを考えて開園を見送っていて、来年の見通しも立っていません。【水源の里老富・酒井省吾代表】「今の時期は、もう白い花がいっぱい咲いてますよ。切ないですよ。ほんとに」。綾部市全体でみると、今年に入り5件のクマの目撃情報が寄せられています。クマの対応に当たった綾部市の担当者は…【市の担当者】「この辺りで警察と一緒に監視を続けていたんですけども、そうしたら、その下のところからクマが顔をひょこっと出して。それが夜まで続いてという状況ですね」。オリを設置し、夜間も警戒を続けましたが、クマは朝になり山の方に移動したといいます。クマの行動を受けて、これまでの警戒レベルを大きく引き上げた自治体があります。京都府南部の木津川市では、去年初めてクマの出没が確認されました。前例がない事態に、市は今年3月、緊急時に市街地での発砲を認める「緊急銃猟」に対応するための装備一式を5セット用意しました。しかし、知識が少なく、探り探りで揃えた装備…【木津川市農政課・木下勝史課長】「そうですね。フルフェイスなのでどうしても重たさもあるので暑いかなと」。なぜ、春のクマはここまで人里に近づくようになったのでしょうか。クマの研究を30年続ける日本熊森協会の室谷会長は「人とクマの住み分け」に問題があると指摘します。【日本熊森協会・室谷悠子会長】「山がスギ・ヒノキの人工林、開発、温暖化の影響だったり、熊の生息に適さなくなった。一方で人里は過疎と高齢化が急激に進んで、耕作放棄地がたくさんあって、クマは里山のほうが住みやすくなりそれで下りてきている」。本来はお互いに出会いたくはない人とクマ。これ以上被害を出さないための対策が急がれます。
(クマとの遭遇回避、注目の最新研究とは?:岐阜)
このゴールデンウィークも気がかりなのが、各地で出没が相次ぐクマです。山菜採りや渓流釣りなど山のレジャーも本格的なシーズンを迎える中、どうすればクマとの遭遇を防げるのか…最新の研究を取材しました。世界遺産・白川郷は外国人観光客もたくさん訪れていました。「最初来るかいからどうしようと迷ったんですけど、(子どもが)来たいというからクマ鈴つけてきました」。白川郷は去年、スペイン人の観光客がクマに襲われてケガをする事故が起きたこともあり、今年は対策を強化しています。先端には黒いスピーカーが取り付けられている装置を道路わきに設置してクマが嫌がる高周波の音を発することで人里に近づかないようにするものです。同様の仕組みの装置をヒグマに使用した映像では、クマが逃げていきます。白川村では、村内5カ所に10基設置したということです。岡山理科大学 辻維周 特担教授「高周波で音のバリアを作って、近寄らせないというのがこの機械の狙いです」。
(海沿い地域にクマなぜ?専門家に聞く:富山)
県内ではおとといからきょうにかけて、海に近いエリアでクマの出没や被害が相次ぎました。クマの生態に詳しい専門家は「海と山が川や丘陵でつながる富山の地形の特性を念頭に平野部でもクマ対策が必要」と話しています。県内ではおとといの夜、富山市北部の海に近いエリアで女性がクマに襲われてけがをしました。またけさは、滑川市の川の河口に近い河川敷付近でクマが目撃されました。いずれも富山湾に近い平野部です。県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「(県東部は)山際から海岸までずいぶん近いんですよね距離が。10キロあるかないかというところ。そうするとあっという間に海岸に出て、クマが人里へ出たら一気に移動してしまう地域の特性があると思います。今回のところも上市川、白岩川、もう少し西へ行くと常願寺川が注いでいる地域ですよね。上流から何かのきっかけで下流へ向かってきた(クマ)が、あっという間に人家が集合している海岸近くまで出てしまうっていうリスクがある」。県自然博物園ねいの里の赤座久明さんは、けさ滑川市で目撃情報があったクマは上市川など「川沿いを伝って下りてきたのではないか」と指摘します。実際きのう午前には、きょうの目撃現場から5キロほど川の上流にあたる上市町放士ケ瀬でクマの足跡が見つかっています。またおととい富山市森で女性にけがをさせたクマについて、赤座さんは「呉羽丘陵を伝って来た可能性」を指摘します。県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「去年のブナ、ミズナラの不作でですね、上流から降りてきたクマが呉羽丘陵伝いに、ずっと八ケ山の方まで森続きですよね。そこを伝ってくるルートも一つ考えられるんじゃないかなと思います。現に婦中町の河原町で人身被害があったりして、いつになく婦中町の西側のクマの気配って多かったですよね。だから一つその大きな流れがどんどん下流域までルートができたと。昭和28年(1953)にやっぱり大量出没があった年がありましてね。当時の国鉄ですよね、そこのトンネル付近でクマが実際には目撃されています。ですからあの呉羽丘陵のグリーンベルトというのは、移動ルートとしては大きいんじゃないかなと思ってますね」。赤座さんは、平野部へのクマ出没を防ぐために「クマの隠れ場所になるやぶの刈り取りなどを進めるべきだ」と指摘します。県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「人口の多い、家屋の多いところに入られると、被害が大きくなって長引くので、山間部から平野を通って海にそそぐ途中の大小の河川の河川敷をきれいにするというのが(クマの)移動ルートを断つという意味で大事だと思います」「河川敷の管理だとか、それからその河川敷の付け根にあたる上流域の里山の整備が大事だと思うんですね。(クマが)出てしまってからではなかなか対応が難しいです」。
(鹿の狩猟・精肉から、「いただきます」の意味を考えた:木村 倫子)
取材現場で心を動かされた言葉、記事にはならなかった小さな発見、そして、日常の中でふと感じたサステナビリティのヒント。本コラムでは、編集局メンバーの目を通したそんな「ストーリー」を、少し肩の力を抜いて、ゆるやかにつづっていきます。「食べるということは、時に他の生き物の命をいただくこと」。頭では分かっているつもりでも、スーパーのトレーに並ぶお肉を手にするとき、私たちはその事実をどこまで意識できているでしょうか。生態系のバランスを保つために、野生動物を駆除せざるを得ない現実がある一方で、その命を無駄にしないために動く人たちがいます。今回私が参加した1泊2日のプログラムは、猟師とのジビエランチから始まり、実際の狩猟現場を歩き、自らの手で鹿肉を解体し、その命を夕食でいただくという濃密な食体験ツアー。生命が食卓に並ぶまでのプロセスをさかのぼり、リアルに向き合った体験をお伝えします。ツアーを企画した「罠ブラザーズ」は、罠のオーナーとなることで、狩猟からジビエ肉をいただくまでの過程を追体験できるコミュニティ。長野県上田市を拠点に活動し、2022年にグッドデザイン賞、2025年に環境省グッドライフアワード「EXPO2025いのち動的平衡賞」を受賞しています。ツアーの1日目はまず、山小屋に集合。運営を担い、猟師でもある川端俊弘さん・小川大暉さんたちを囲み、鹿肉をいただくランチから始まりました。鹿肉のローストとリエットのサンドイッチは、ジビエ特有の臭みやパサつきがなく、しっとりなめらか。シンプルな味付けなのに、噛むたびにしっかりとした旨味が湧き出てくる、うっとりするほどのおいしさでした。しかし、そのおいしさの背後には、山と狩猟に関する現実があります。長野県では近年、鹿が急増。2024年度、同県内の農林業被害8億4千万円のうち、ニホンジカによる被害が35.5%と最多となっています。手塩にかけた作物を奪われることは、農家にとって死活問題です。農作物を守るため、山林と農地の境界には総延長1000キロメートルに及ぶ防護柵(野生動物の侵入を防ぐ金網や電気柵)が張り巡らされていますが、倒木や雪による破損、雑草による漏電など、防護柵の維持管理は困難で、突破されるケースも後を絶ちません。このため長野県では2021年度~2025年度の5年間、年間4万頭もの捕獲計画が立てられていました。一方で、捕獲された鹿が食肉利用される割合はわずか24%。多くは狩猟によって仕留められた後、そのまま山に廃棄されているといいます。鹿は家畜に向かず、1頭から取れるお肉が10~15キロほどしかない上、おいしく安全に食べるには、「止め差し」後30分以内の解体が理想とされるなど、流通のハードルが非常に高いのです。ランチの後、まさに先ほど一部をいただいた鹿の最期の様子を、動画で観ました。罠にかかり、頭を叩かれ、止め刺しされて命を落とす瞬間。足がちぎれそうになるまで逃げようとする鹿の悲痛な鳴き声と、血を流して動かなくなる姿に、いたたまれない気持ちになります。特に印象に残ったのは、猟師・川端さんの姿でした。罠に絡まった鹿の足をそっとなでて「痛いよね、すぐ外すからね」と声をかけ、絶命を確認すると目を閉じて合掌する。そこには「処理」という言葉では表せない、命への真摯(しんし)な向き合い方がありました。「かわいそうだから食べない」と決めるのは簡単ですが、背後には農家の暮らしや生態系崩壊の現実があり、どの視点に立つかで「正義」は変わります。そんな問いについて参加者同士で語り合う時間には、涙をこらえきれない方もいらっしゃいました。その後は処理場に移動し、私たちが実際に鹿を精肉していきます。解体された後ろ足の部位が目の前に置かれた瞬間、「食材としての鹿」と「生き物としての鹿」が同じ個体であることを実感し、言葉を失いました。しかし、包丁を手に取り、部位ごとに肉を分けていくうちに、不思議なことにおなかが空いてきます。さっきまで涙をこらえていたのに、いつの間にか「生き物」ではなく「食材」として向き合い、みんなで「おいしそう!」と笑いながら楽しく作業をしていました。午後は山へ移り、罠をかける体験をしました。直径12センチほどの丸い罠で、足を踏み入れるとワイヤーが締まる仕組みです。小川さんは「鹿がここを通ったみたいだね」と言いながら、落ち葉のへこみ方やフン、足跡から個体のルートを予測していきます。私も手探りながら場所を考えて、設置しました。鹿の気持ちになり、「このルートを通るだろう」と考えながら罠を仕掛けるのは、心理ゲームのようで楽しい時間でした。でも、ふと「私がかけた罠に本当にかかってしまったら」と思った瞬間、喜々として生き物を殺すことに加担している自分に気付き、急に怖くなりました。夜ご飯はジビエ料理店で、自分たちで精肉したお肉を料理していただきました。プレートが出た瞬間、鹿の鳴き声が脳裏によみがえり、「ごめんなさい」と言いたくなると同時に、おなかが鳴ります。私は(非情にも)お肉を食べる生き物でした。みんなで手を合わせ、「いただきます」と声をそろえます。それはランチの時とは全く違う重みを持つ言葉でした。感謝の気持ちがあふれ、自然と目を閉じます。いただいたお肉はとてもおいしく、私はお肉を食べることをやめられないな、と思いました。このツアーのメッセージは、「感謝して食べよう」というものではありません。実際に命をいただき、山を歩き、猟師の思いを共有する中で、「私はどう食べるか」という問いに自ら向き合う時間です。狩猟への向き合い方も多様で、鉄砲猟のほうが個体が苦しむ時間が短いと考える人や、血抜きの方法にこだわる人もいます。川端さんは「罠で捕まえたあと、頭を叩いて気絶させ、心臓を突いて止め刺しするのが一番個体に恐怖を与えない方法だと思っている。でも自分が経験しているわけではないから、これが本当に一番いいのかも分からない。命を奪っている事実は変わらないけどね」と、悩む心を言葉にしてくれました。ある大手メーカーでは、イノベーションの視点を社員に育んでほしいという思いから、「わくわく」を刺激しながら社会課題も体感できる社員研修として、このプログラムを実施しているそうです。私自身も、サステナビリティに関わる仕事をしていても、食の現場からこれほど遠くにいた自分を知りました。「いただきます」の言い方も気持ちも、この日を境に変わりました。命をいただいて生きている全ての人に、ぜひ体験してほしいと感じます。
(「漫画家、猟師になる」)
「横浜ロック」や「HERO アカギの遺志を継ぐ男」などで知られる前田治郎「漫画家、猟師になる」1巻が、本日4月28日に日本文芸社より発売された。マンガ家兼猟師の前田が描く実録猟師マンガだ。長期連載を終え時間を持て余していた前田は、ふらっと訪れた故郷の山で、ある猟師と出会ったことをきっかけに猟師への転身を決意する。そうして狩猟免許を取得し、臨んだ狩猟デビュー戦。猟組のメンバーとともに獲物を追い込み、“自分の食べ物を自分で獲る喜び”を感じた前田は、さらに狩猟の世界にのめり込んでいく。週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で連載中。
(狩猟者の育成などに尽力、「春の叙勲」:愛知)
様々な分野で社会に貢献し、功労があった人に贈られる「春の叙勲」で、東海三県では249人の受章が決まりました。愛知県で旭日双光章を受章した、新城市の佐藤勝彦さん85歳。狩猟歴は65年で、愛知県猟友会の会長として、猟の初心者講習会を創設し、狩猟者の育成などに尽力しました。また、県のツキノワグマ専門家会議の構成員として、クマが市街地に出没した際のマニュアル改善や、体制整備に貢献したことが認められました。(佐藤勝彦さん)「狩猟が好きで65年やってきた。まさか受章するとは、夢にも思わなかったからびっくりした」。
(緊急銃猟でイノシシ駆除:群馬)
群馬県藤岡市は1日、自治体判断で発砲を可能とする「緊急銃猟」により、藤岡市上落合の住宅敷地内に出没した野生イノシシ1頭を駆除したと発表した。けが人はいなかった。
(クマが民家の庭に4時間、猟友会が麻酔銃を使って捕獲:長野)
長野県安曇野市の民家にきのう、クマ1頭が出没し、庭に4時間ほど居続けたため麻酔銃で捕獲されました。クマが出没したのは、安曇野市の民家で、3日午前9時ごろ、「クマが家の庭を歩いている」と警察に通報がありました。警察などが近くを捜索したところ、別の民家の庭でクマ1頭が見つかりました。クマは民家の軒先にあったケース内をあさるなどして、4時間ほど庭に居続けたため、猟友会が麻酔銃を使って捕獲しました。クマは体長およそ1メートルの成獣とみられ、けがをした人はおらず、建物などにも被害はありませんでした。
(市街地付近で越冬の“アーバンベア”:青森)
青森県内でツキノワグマ出没警報が発表されているなか、階上町の住宅街にクマが姿を現す様子が撮影されました。30年ほど暮らしている住人も、クマの目撃は初めてで、不安を募らせています。4月25日に階上町蒼前西2丁目で撮影された映像。画面右側から姿を現したのは体長が1.5mほどのクマ1頭です。道路をゆっくりと渡ると、周囲の様子を確かめるような仕草をしたあと、林の中に入っていきました。この映像は、近くに住む男性が防犯カメラを確認して見つけました。現場の近くには、八戸工業大学や八戸工業大学第二高校と附属中学校があり、通行する人は多くいます。また、近くの林ではいまの時期、タラの芽を採ることができますが、男性は当面、山菜採りを控えるとしています。県内は、ツキノワグマ出没警報が過去最も早く発表されていて、県全体の出没件数は「くまログあおもり」の28日正午時点で119件となっています。クマは5月頃から山菜、昆虫、木の実などを探してよく動き回るため、県は出没情報に注意することなどを呼びかけています。階上町では、28日だけで3か所でクマの目撃情報が寄せられています。このうち、2件は25日に目撃情報があった地点から国道45号を挟んで、ほど近い蒼前東1丁目と蒼前東2丁目で、いずれも正午前後に体長1mほどのクマが目撃されています。ツキノワグマの生態に詳しい米田一彦さんは、階上町で目撃されたのは市街地付近で越冬したいわゆる“アーバンベア”であるとしています。ツキノワグマの生態に詳しい 米田一彦さん「4月に目撃するというのは、この近くで越冬したという意味。山の奥から出てきて、今、平野部で活動しているというわけではなく、つまり“里ぐま”なんですよね。越冬を終えるのが東北全体で2週間ぐらい早い。(今春は)暖かいし。海岸部のクマは相当暖かく、消耗が少なかったみたいで、みんな太っている。映像を見ると」。米田さんは、この時期に目撃される“アーバンベア”の特徴を(1)体が大きく(2)県内では上北地方、十和田や奥入瀬では生活圏ができ定着していると見ています。さらに山菜採りシーズン、大型連休明けごろからは、さらに警戒が必要だといいます。ツキノワグマの生態に詳しい 米田一彦さん「問題は5月の10日ごろから繁殖活動の時期が始まるわけです。2か月にわたって。このころは若い熊は1週間で40kmぐらい移動する。繁殖活動の時期の中心をなす6~7歳の元気なのが出てくると、メスや若いクマが緊張度が上がって近くを通る人間を攻撃しやすくなる」。県は、クマの出没情報をまとめた「くまログあおもり」を公開しています。出没場所を把握することが一番の身を守るすべです。特に山に近づく際には、こうした情報をきにとどめながら細心の注意が必要です。
(市道でクマと軽乗用車が衝突:宮城)
仙台市泉区でクマ1頭と軽乗用車が衝突する事故がありました。運転手にけがはありませんでした。警察によりますと、29日午後11時半ごろ、仙台市泉区南中山5丁目の市道で「走行中の軽乗用車にクマが衝突した」と運転していた男性から110番通報がありました。クマは体長1.5メートルほどで、車の左前方部分にぶつかった後、西側の茂みに逃げていったということです。車はタイヤのカバーが壊れるなどしましたが、運転手にけがはありませんでした。現場近くの宮城県光明支援学校では、30日は屋外での活動を中止にしたということです。
(330キロ超の巨大ヒグマを捕獲:北海道)
北海道苫前町で、冬眠明けとしては異例ともいえる巨大なクマが捕獲・駆除されました。27日、北海道苫前町長島地区に設置された箱わなにクマが入っているのが見つかりました。体長は約2.2m、体重は約330kgもありました。冬眠明けのこの時期としては、これほど大きなクマは珍しいといいます。北海道猟友会苫前部会 林豊行部会長「びっくりした。なんでこんなに太ってるのかって。(近くの)麦畑に被害を与えていた可能性が高い」。付近では、過去にクマによる食害などが確認されていました。地元の猟友会は、同じくらいの大きさのクマがまだいる可能性もあると見ています。
(運転見合わせ、列車がシカと接触:岡山)
JR西日本によると、津山線は28日午後8時13分ごろ、佐良山―亀甲間で列車がシカと接触したため、津山―亀甲間で運転を見合わせている。また亀甲―岡山間の一部列車に遅れが出ている。
(東北道で熊が雑木林から飛び出す:宮城)
3日午前0時ごろ、宮城県栗原市一迫柳目の東北道下り線で、クマが乗用車と衝突した。運転していた60代男性にけがはなかったが、車の左前方部が破損した。県警高速隊によると、クマは体長約1メートルで雑木林から飛び出し、その場を立ち去った。
(有害鳥獣の解体処理施設がオープン:宮城)
クマやイノシシの出没が増える中、宮城県加美町では、捕獲したクマなどを処理する施設が完成しました。この日は、石山敬貴加美町長や地元の猟友会のメンバーらが出席して開所式が開かれ、施設の完成を祝いました。この施設は、捕獲したクマやイノシシなどを解体し、処理するものです。クレーンなどが完備し、処理時間が従来の半分ほどで済む上、内臓などは冷蔵し産廃の業者に引き渡すことができます。加美町には、これまでこうした施設が無かったため、猟友会のメンバーが自宅などで処理することもあったと言います。猟友会のメンバー「私たちは山で解体しても、よほど深く穴を掘って埋めなきゃいけない。その労力が大変。それが軽減されるだけでもかなり助かる」。加美町の猟友会のメンバーの平均年齢は68歳で、処理の負担が減ることで、若いメンバーが加わることも期待しているということです。
(鍾乳洞で「ジビエ」に「曲げわっぱ」?:熊本)
熊本県球磨村にある九州最大級の鍾乳洞「球泉洞」で29日、地元産の食材を使ったマルシェが開かれました。この「球磨村マルシェ」は、球泉洞を運営する球磨村森林組合が、ゴールデンウイークに村をさらに楽しんでもらおうと企画したものです。マルシェでは、地元で獲れたシカやイノシシのジビエや、一勝地赤豚の串焼き、ヤマメの塩焼きなどが並び、訪れた人たちが次々と買い求めていました。
(ジビエに合う日本酒どうぞ:三重)
野生鳥獣の肉を意味する「ジビエ」の料理に合う日本酒を、四日市市川島町の丸彦酒造が仕込んだ。「ジビエ」という名のにごり酒で、5月2、3日に菰野町で限定販売するとともに鹿肉と一緒に味わえる試飲会を開く。丸彦酒造の藤原大地社長(31)は「肉のうまみを引き立たせるため、香りが立ちすぎないよう抑えた」と話す。2022年から毎年仕込んでおり、今年はボトルのラベルを一新した。菰野町にある湯の山温泉の宿泊施設「ホテル湯の本」では300ミリリットルのびん入りの提供も始める。
(「鹿カレー」を5月2日より販売開始:長野)
この度、互恵株式会社グループであるeternal story株式会社 (所在地:長野県長野市 代表取締役:村上達哉)が運営する 道の駅 中条 (長野県長野市中条)にて、地域資源の有効活用と持続可能な社会の実現を目的とした「山駆けるGIBIER」シリーズの新商品として、「山駆けるGIBIER 鹿カレー」を2026年5月2日(土)より発売いたします。「山駆けるGIBIER」は、長野市ジビエ加工センター(所在地:長野県長野市中条)で処理された鹿肉を活用し、“命を無駄にしない”という想いから、2023年に誕生しました。近年、野生鳥獣による農作物被害や山林の荒廃、営農意欲の低下など、地域の農林業を取り巻く課題が深刻化しています。こうした背景のもと、捕獲された野生獣を単なる“駆除対象”として終わらせるのではなく、「新たな地域資源」として活かす取り組みが進められています。
(ジビエラーメン試食会:北海道)
えんがる町観光協会(大西孝拡会長)は、遠軽発の新名物の開発に向けて、町産エゾシカ肉を使ったジビエラーメンの試食会を町メトロプラザで開催した。東京農大生物産業学部(網走)の学生有志でつくる「ジビエラーメン研究所」が全面的に協力。町内の飲食店や食品加工業の関係者ら16人が試食し、道の駅「遠軽 森のオホーツク」などでの販売を視野に、意見を述べ合った。
(ペットフードに“ジビエ”活用のワケとは?:鳥取)
鳥取県のシカやイノシシによる農作物被害は2024年度8000万円を超え、大きな課題となっています。こうした中、捕獲したシカの命を無駄にしない新たな利活用先として、ペットフードが注目されています。トイプードルの蘭丸くん15歳が食べているジャーキー。使用しているのはシカ肉です。わかさ29工房 施設管理責任者 河戸建樹さん「もう作り始めて商品の余りとか家に持って帰ってほぼほぼ完食しています」。このジャーキーを開発したのは、飼い主の河戸建樹さん。パッケージには、無添加・無着色の文字と、愛犬・蘭丸くんの写真があしらわれています。わかさ29工房 施設管理責任者 河戸建樹さん「蘭丸は15歳になるんですけど、人間でいうと76歳のおじいちゃん。でもシカ肉のおかげかどうかは分からないですけどすごい今は元気で、食欲も旺盛な状態です」。河戸さんはハンターが仕留めたシカやイノシシを解体するわかさ29工房の施設管理責任者です。わかさ29工房 施設管理責任者 河戸建樹さん「猟師さんがシカとかを捕獲されてくる。本来ならそれが捨てられたりとか、利活用うまくいっていないこともあって、処理施設を運営している身としては、それを何とか利活用していきたい」。わかさ29工房は、捕獲したシカやイノシシの肉を有効活用しようと、若桜町が2013年に設立し、施設の維持・管理を若桜町と八頭町で設立しました。その背景にあるのが、野生鳥獣による農作物への被害です。鳥取県での被害額は2004年度、2005年度には2億円を超え、当時イノシシによる被害が特に深刻化しました。その後、わかさ29工房のような施設が整備されたり、県を挙げた侵入防止柵の設置支援などによって被害額は年間6000万円から8000万円前後で推移しています。わかさ29工房は県内最大の処理施設で、2024年度は、鳥取県で捕獲されたシカの2割、およそ2600頭を解体。ここでさばかれた鮮度抜群のジビエは県内外100店舗以上のレストランに出荷されています。そんな中、わかさ29工房がペット用のジャーキーを手掛けるきっかけなったのは、「コロナ禍」でした。わかさ29工房 施設管理責任者 河戸建樹さん「在庫がかなりたまってきましてどうしようかって悩んだときに、うちで作れるのはジャーキーがいけるかなということで、ペット用のジャーキーをつくったのがはじめのきっかけです」。シカ肉は低カロリーで高タンパク、鉄分も豊富に含まれています。牛肉や豚肉と比べて低脂肪でアレルギーにもなりにくいため、健康志向のペットオーナーの需要をつかみました。また、解体から販売まで一貫して行うことで販売価格も抑えられ、1月に国内最大級のペットイベントに出展したところ、個人発注の依頼が増えたということです。これには、鳥取県も・・・。鳥取県食パラダイス推進課 山本美紀 課長補佐「主は人間用のジビエの推進というのがメインになってくるんですけども、未利用部位というものが出てきますのでそれを有効に利用していくということで、ペットフードは有効な利用先ではないかと思っております」。河戸さんがつくるシカ肉のジャーキーは、レストランに出荷している良質なジビエと栄養価に大きな違いはありません。また、精肉にならない部位をペットフードの原料として長野や富山などに出荷したり、これまで廃棄されてきた皮を兵庫のなめし工場に出荷するなど河戸さんは、捕獲鳥獣の有効活用、命の循環にも積極的に取り組んでいます。わかさ29工房 施設管理責任者 河戸建樹さん「今後さらにちょっとレパートリーを増やすような感じで新商品とかそういったものも着手していけたらいいかな」。シカ肉ジャーキーは、道の駅若桜やサンマート湖山店で70グラム726円300グラム2420円で販売されています。
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