<射撃ニュース5月>
5/29
(クマに襲われ農作業中の77歳男性が負傷:兵庫)
兵庫県豊岡市の山中で、農作業をしていた77歳の男性がクマに襲われ、手のひらや、足の付け根をかまれて負傷しました。病院に搬送され、命に別状はないということです。警察と消防によりますと、25日午後2時40分すぎ、豊岡市但東町で、畑で農作業中だった男性(77)がクマに襲われ、左の手のひらや、右の足の付け根をかまれて豊岡市内の病院に搬送されました。消防によりますと、男性は搬送の際に意識があり、命に別状はないということです。クマを目撃した近所の人は、「小さなクマと大きなクマがいた」と話しているといい、子連れのクマに襲われたとみられます。

(中野市の4人殺害事件から2年、猟銃使用の規制強化:長野)
25日で2年の中野市の4人殺害事件では犯行に猟銃が使われ、余波が害獣駆除を担う猟友会に及んでいる。3月には、一部の猟銃に所持の規制を設けた改正銃刀法が施行され、銃使用のハードルが上がった。ただクマによる人身被害は全国で相次いでおり必要性は増している。法改正に翻弄(ほんろう)されつつ、猟師たちは安全に配慮した活動を模索している。

(〝ペーパーハンター〟なぜ多い?)
国内に約22万人いるとされる狩猟免許所持者。一方で、免許を取得したものの、狩猟者登録をしない「ペーパーハンター」の割合が増えている。なぜなのか。自治体や猟友会がそれに対して、どのように対応しようとしているのか実情を探った。狩猟免許を取っただけでは猟はできない。猟期前に、猟をする都道府県に狩猟者登録の手続きをする必要があるからだ。記者は昨年わな猟免許を取ったが「登録後のイメージが湧かない」「猟友会に知人がいない」などを理由に狩猟者登録をしなかった。きっと記者のような状況の人が、多くいるのではないかと想像しながら、東京都猟友会のホームページで見つけた初心者講習会に参加してみた。参加したのは都猟友会が主催、都環境局が協賛する初心者向けの狩猟講習会。5月中旬に千葉県印西市の成田射撃場で開かれた。開催は今回4回目で、まだ新しい取り組みだ。受講者20人のうち免許取得者は半分で、ほとんどがペーパーハンターだ。プログラムは、①ジビエハンター基礎研修②狩猟ガイダンス③射撃模擬体験④くくりわな仕掛け実演──の四つだ。座学、体験、質問の時間がバランスよく組まれている。参加者の一人は「昨年、銃とわなの免許を取ったが、その後の動き方が分からないので参加した」と言う。どうやら免許取得後と狩猟者登録後の動き方が分からずイメージできない点に、登録割合が伸びない理由があるようだ。都猟友会の八尾明会長に狩猟者登録の割合が低い理由について聞くと、「狩猟者登録後、どこで何ができるのか分からないからだろう」と答えた。八尾会長は、都内に気軽に狩猟のノウハウを教わるような十分な環境が整備されていない現状に歯がゆさを覚えるという。今回のような狩猟未経験者を対象にした講習や、ベテランと猟場へ同行し、狩猟の様子を見学できる環境を今後整備、案内できれば「本気で取り組む人を登録まで導くことができるのではないか」と考えている。仮に猟友会に頼らず、自力で狩猟者登録をして現場に出た場合、猟場の縄張りや解体作業に関するマナー、ルールを無自覚に逸脱してしまい、トラブルや事故に発展する可能性がある。そうならないよう、経験豊かな先輩からの指導は不可欠だ。八尾会長は、真剣に狩猟に興味を持っている人に対して、きめ細かい指導や案内ができる研修の機会や施設の必要性を訴える。最初、狩猟者登録者数の割合が減っていることを課題に据えたとき、登録方法さえ把握・周知すれば割合を増やすことは、たやすいものだと思っていた。しかし、実際に現場の話を聞くと、むやみに登録すれば良いものではないということが分かった。肝心なことは登録後、適切な方法に沿って猟ができるかどうかだ。費用、家から猟場の距離、猟場のマナー・ルール、捕獲方法、運搬する際の消毒処理の徹底など、猟を始めるに当たり、留意すべき点は枚挙にいとまがない。狩猟に興味がある方は、免許取得の前後に今回のような講習会に参加して先輩たちの話を聞き、自分にできるかどうか冷静に考えた上で狩猟者登録することをお勧めする。

(クマ、市街地銃猟「判断できるのか」:島根)
市街地に出没したクマの緊急銃猟を市町村判断で可能にする改正鳥獣保護管理法が4月に成立したのを受け、出没が多い島根県西部では、ハンターや市の担当職員が気をもむ。今後は市町村が猟銃使用の可否を判断し、損害が出た場合の補償も担うことになるからだ。環境省が夏ごろに示す猟銃使用の安全対策をまとめる指針について、「早くしてくれないと準備できない」との声が上がる。これまでは一般的に住宅が多い市街地での銃猟は原則禁止で、人が襲われそうになる緊急時の措置として警察官職務執行法に基づき、現場の警察官がハンターに発砲を命令する仕組みだった。島根県内では、おりの設置など駆除判断は県が担い、現場対応は市町村と県が共同で行ってきた。改正法では市町村長が(1)住宅地などに侵入(2)人命への危険防止が緊急に必要(3)銃猟以外で的確かつ迅速な捕獲が困難(4)住民を避難させ弾丸が当たる恐れがない-と判断した場合、ハンターに緊急銃猟させることが可能となる。クマが施設内で立てこもった場合などで迅速な対応につなげる。新たなルールにハンターの懸念は大きい。狩猟歴27年の三浦幸人さん(75)=浜田市三隅町下古和=は「どんなケースで発砲するのか分からない以上協力できない。間違って人に弾が当たって被害が出たら、正当性があっても心情的にはつらい」といい、「猟師任せにせず、国が専門職員を配置して対応すべきだ」と求める。判断を委ねられる市は頭を悩ませる。「(改正法は)実態に合っているのか。心配しかない」と、浜田市農林振興課の佐々木紀文課長は話す。不安視するのは、緊急銃猟時に物損が出た場合、市町村が補償する点。「緊急銃猟の判断を市が適切にできるのか」と不安を明かす。益田市農林水産課の大庭健志課長は「市職員全員が猟銃に詳しいわけではない。判断材料を十分持っていない」とし、「国から指針を早く示してもらい、中身を理解する時間が必要だ」と懸念をあらわにする。島根県内では2024年度、クマの目撃件数は1561件と14年度以降で最多だった。江津市農林水産課の山本国義課長は市街地の出没は5~6月に多いとし、「出没を未然に防ぐよう原因調査や、不要な果樹の伐採といった対策が一層大事になる」と述べた。

(エゾシカ被害、南部の生息数4倍に:北海道)
北海道内でエゾシカの生息数が急増し、農業被害額や自動車との接触事故の件数が拡大している。シカが少なかった道南でも、この10年余りで生息数が4倍近くに増え、道東が中心だったシカの被害は広域化が進む。ハンターによる狩猟や農地での有害駆除を合わせた北海道内の「捕獲数」は過去最多ペースだが、繁殖力が高いシカの増加に駆除が追いついていない。「以前は見なかったシカが頻繁に出るようになり、食害は5年間で一気に増えた。ジャガイモやニンジンの3割は売り物にならなくなり、大きな痛手だ」。函館市と北斗市の畑計30ヘクタールで農業を営む永田懸一朗さん(36)は頭を悩ませる。シカの生息数は2023年度、函館市を含む渡島、檜山、後志管内の「南部地域」で10年前の3.6倍に増え、最大22万頭に上ると推定される。同地域の農業被害額は1億9千万円で10年前の5倍に上る。道内の推定生息数は11年度の77万頭をピークに減少。その後の暖冬傾向で、冬場に弱って死ぬ個体が減ったため、増加に転じ、23年度はピーク時に迫る73万頭に上り、農業被害額は51億900万円に達した。道内全体の農業被害の6割を占める「東部地域」(オホーツク、十勝、釧路、根室の各管内)でも被害額は高止まりし、23年度は31億2700万円に上る。釧路管内白糠町の酪農業中河敏史さん(70)は、飼料用のデントコーン畑が食い荒らされるようになり、2年前に栽培をやめた。畑を牧草地に切り替えて柵を設置したが、収穫前に食害に遭うようになり、「これ以上は手の打ちようがない」と話す。農業被害の拡大を受け、道は北海道猟友会などに駆除への協力を要請し、23年度の捕獲数は過去最多の15万6863頭に達した。捕獲数を増やしても、生息数が減らないのはなぜか。道立総合研究機構の稲富佳洋研究主幹は、道内で捕獲されたシカのうち、メスの割合が10年前の水準から約10%減り、55%前後にとどまっている点を課題に挙げる。メスは2歳になると毎年1、2頭の子どもを産む。繁殖力が高く、メスの捕獲が生息数を減少に転じさせる鍵となるが、稲富研究主幹は「メスだけを狙える猟銃ではなく、扱いやすいくくりわなでの捕獲が増えており、オスとメスの選別ができないケースが多い」と指摘する。シカと衝突する事故も増え続けている。道内で24年に起きた自動車との接触事故は5460件と、8年連続で過去最多を更新した。北海道地区レンタカー協会連合会(札幌市)によると、市街地でもシカが道路に飛び出してくるケースが増えている。JR北海道の列車との接触事故は23年度、過去最多の3145件に上った。JRは侵入防止柵を10年前の2倍の範囲に設置しているが、件数は減っていない。同社広報部は「場所や被害状況によっては、運転再開に数時間かかる。いくら対応をしても完全に防げない状況になっている」と苦慮する。

(クマに襲われ男性けが、「ツキノワグマ出没警報」:富山)
今月3日、南砺市で山菜採りをしていた男性がクマに襲われケガをしていたことが分かり、県は27日、ことし初めてとなる「ツキノワグマ出没警報」を出し警戒を呼びかけています。県などによりますと今月3日、午前6時ごろ南砺市小院瀬見の山中で山菜採りをしていた60代の男性が、体長1メートルほどのクマに襲われ左足に軽いケガをしました。男性が抵抗したところクマは逃げ、男性は自力で下山したということです。その後、今月22日に南砺市がクマの出没状況について住民に聞き取り調査をしたところ、今回の被害がわかったということです。県によりますと、ことしに入ってから26日までに県内で確認されたクマの出没件数は26件で、人身被害は今回判明したケースが初めてだということです。これを受けて県は27日、「ツキノワグマ出没警報」を出し、▽山に近い集落や河川敷ではクマが隠れやすいやぶや草を刈り取ることや、▽朝や夕方はクマが活発に動くため農作業や山に入ることは控えるとともに▽外で作業にあたる際にはすずやラジオを持参するなど、十分な対策を取ってほしいとしています。クマによるけが人が出た南砺市小院瀬見の男性は「クマが動き回る夜などは出歩かないようにしたり常にクマ鈴を身につけたりして対策しています」と話していました。県や県自然博物園ねいの里によりますと、▽初夏から夏にかけては食べ物がとぼしい季節のため、クマが食べ物を探して河川敷や河岸段丘などを通って平野部まで移動してくることがあります。山菜採りや登山で山に入る際は、▽鈴やラジオなどで音を出し、▽クマ撃退スプレーや非常用の「なた」を携帯し、▽頭や顔を守るためのヘルメットを着用して、▽複数人で行動することが大切です。子連れのクマの場合は音を出していても襲われる場合があるため、身を守るための準備が必要です。そしてもし、クマに出会ってしまったらどうすればいいのか、環境省や専門家が呼びかける注意点です。▽近くにクマがいたら、クマを見ながらゆっくり後ずさりし、落ち着いて距離を取って下さい。クマは逃走するものを追いかける習性があるので、慌てて背中を見せ、走って逃げることは危険です。▽突然、クマと至近距離で遭遇してしまった場合は、両腕で顔や頭を覆い、うつ伏せになって首や頭、腹を守るなど、致命傷を避けることが重要です。▽クマ撃退スプレーがあれば、クマの顔に向かって噴射すると、攻撃を回避できる可能性が高くなるといいます。

(渡良瀬遊水地でイノシシ急増、本年度半減目指す)
群馬県と栃木、茨城、埼玉の計4県にまたがる渡良瀬遊水地におけるイノシシの生息数が2024年度は前年度比25%増の1044頭となり、初めて1000頭を越えたことが渡良瀬遊水地連携捕獲協議会の調査で分かった。昨年度の捕獲実績が263頭だったことから、同協議会はさらなる繁殖拡大を懸念。本年度の捕獲目標を520頭とし、半減を目指す。

(チューリップは好物、エゾシカの食害深刻化:北海道)
釧路市内の市街地の公園で今春、かれんな花を咲かせるはずのチューリップが、かつてないエゾシカの食害に遭っている。公園指定管理者によると、千球の球根を植えた住宅街の鳥取10号公園では約9割が食べられる被害が初めて発生、観光地の幣舞橋にほど近い幣舞公園では500本が「完食」された。専門家は市街地でシカが増え、柔らかいチューリップの「味」を覚えたことなどが要因と分析。防御ネット設置などは費用負担につながることから公園管理者らは頭を悩ませている。

(この春のアーバンベア出没傾向と最新対策は?:北海道)
市街地に出没するクマのことをアーバンベアと呼びますが、札幌でも近年、住宅地近くでの目撃が相次いでいます。今シーズンの傾向です。道警に寄せられる道内のクマの通報件数は、4月は243件で過去5年で最多。5月も22日までで246件と既に去年5月の件数を越えています。また人の被害も今年すでに美唄市で1件発生しています。今月11日、札幌市南区藤野の住宅から1キロほど離れた山林で撮影されたヒグマの写真です。本来なら人から逃げるクマが、近づいてもこちらを見続けていました。人間を恐れない「問題個体」と判断され、駆除されました。このクマは「シカを食べている」という通報が相次いでいました。北海道猟友会札幌支部の玉木康雄さんは、シカを食べるクマの増加は、人間の生活圏に大きな危険をもたらすと指摘します。雑食のクマは、ドングリなどの木の実の他に肉も食べます。近年シカが増加し、クマが容易に捕獲できるようになりました。北海道猟友会札幌支部防除隊・玉木康雄隊長「最近どうも札幌市街地近郊で見かけるクマは、やっぱりシカの肉を食べることに慣れている」「エゾシカたちも市街地近郊に大量に生息するようになってしまいましたので、当然クマの生息領域と重なりますよね。そうすると、もういつでも肉が食べられるっていう状態になってくると、クマにしてみると非常に高カロリーのエネルギーを簡単に入手できるわけです。市街地近郊でエゾシカをとらえ、肉を食べようとして土饅頭を作るクマ。これもやはり大きな問題個体のリスクかなとは思います」。ヒグマには食べきれないエサを土や枝などで隠す習性があり、その埋められたエサがある場所を「土饅頭(どまんじゅう)」といいます。ヒグマは自分が隠したエサに執着するため、知らずに山菜採りなどで人が近づくと、横取りされるのを防ぐために人を襲う危険性があるというのです。土饅頭の写真を見ても、シカの足などが出ていなければなかなか気づくことはできません。土饅頭を見つけたら、近づいたり写真を撮ったりしている暇はありません。クマがすぐそばに潜んでいる可能性があり、急いでその場を離れなければなりません。そしてもうひとつ注意しなければならないのが「人に近づいてくるクマ」です。クマは本来、警戒心が強く慎重な動物です。しかし近づいても人を恐れない場合、過去に人に近づいたことで美味しい食べ物にありついたという学習をしていた可能性があります。1度、味を覚えてしまったクマはその味に執着し、人に近づいてくる危険性があるのです。北海道大学大学院獣医学研究院 坪田敏男教授「本当に一番危ないのは人を全然気にしないで人の方に積極的に近づいてくるクマです」「もしそういうクマが存在するようでしたら、もうとにかくその場を離れて、早く警察なり猟友会に知らせて、そういうクマは排除してもらうっていうことが必要ですね」。危険なクマが生まれてしまう大きな原因は人間側の行動にあります。エサやりは絶対しない。人間の食べ物、飲み物をクマのいるエリアに捨て置かないことが重要です。道や札幌市が導入を進めているものがゾーニング管理です。クマの生息域と人間の暮らすエリアを「クマが棲むコア生息地」「市街地に近い森の緩衝地帯」「農業、果樹園などのある防除地域」「人が住む排除地域」の4つに分けて、クマを守るエリアと排除するエリアを分けます。クマが棲むコア生息地では種の保存のためにクマを保護し、逆に人は不用意に立ち入らない。また必要な場所には緩衝地帯と防除地域の間で下草刈りや電気柵の設置などを行います。札幌市で特に警戒が必要なのが藻岩山、円山、三角山、大倉山付近の、観光客が多く住宅も山の裾ぎりぎりまで密集しているエリアです。札幌市は来月から電気柵の設置工事を始めます。2018年、砂川市で市からクマの駆除の依頼を受けたハンターが駆除の際に、発砲した方向に住宅があったとして、道公安委員会がこのハンターの猟銃所持の許可を取り消しました。この処分に対して北海道猟友会が反発し、ハンターの発砲の責任を警察や自治体が負わない場合は、各支部の判断で自治体からのクマ駆除の要請を拒否してもよいと支部に通知する事態に発展していました。北海道猟友会堀江篤会長「(ハンターが)正義感で出動して、万が一、間違ってしまってそれで銃がなくなる処罰されることは大変なこと」。アーバンベアの被害が全国で増加している事態を受けて、国会では先月、一定の条件を満たせば市街地でも銃の使用を可能とする改正鳥獣保護管理法が成立し、この秋に施行される見通しです。市街地ではこれまで警察官の指示のもとでしか発砲できませんでしたが、今後は一定の条件を満たせば、市町村長の判断で発砲ができるようになります。北海道猟友会札幌支部防除隊・玉木康雄隊長「せっかく法が改正されるのであれば、改正された法にのっとって動けるように、各地域の連携をもっと深めないといけないかなと思います」。道民ひとりひとりがクマの知識を持つことで人身被害は減らせます。不幸なクマを生まないように、そしてクマとの共生を目指すために、人とヒグマが安全に暮らせる「すみ分け」を目指していきたいですね。以上特オシでした。

(スマホで危険な野生鳥獣の出没情報を共有するアプリ導入:三重)
三重県伊勢市は、今月から市民を対象とした鳥獣の出没情報の投稿や閲覧ができるアプリを、三重県内で初めて導入することになりました。伊勢市では、山間部だけでなく街中でも鹿や猿などによる被害が発生していて、その被害額は令和5年度で1千500万円以上にのぼっています。野生鳥獣による農業被害の軽減や遭遇による人的被害の防止につなげるため、伊勢市では県内で初めて、市民を対象とした鳥獣被害予防アプリを今月から導入することになりました。運用されるアプリでは、野生鳥獣の目撃情報の投稿や目撃マップの閲覧のほか、スマートフォンの位置情報をもとに、野生鳥獣が出没した周辺を通過すると警告音が鳴る機能なども搭載されています。伊勢市では来月配布される広報にアプリをダウンロードするために必要な二次元コードやID、パスワードを掲載し、周知を図るということです。伊勢市の鈴木健一市長はアプリの利用で瞬時に鳥獣の情報が分かることによって被害が防止できるほか通学路の見守りや保護者の助けになればと期待を示しました。

(「モンスターウルフ」導入助成、農作物の鳥獣被害防止へ:北海道)
芽室町は今年度、農作物の鳥獣被害を減らすため、鳥獣忌避装置「モンスターウルフ」と「鹿ソニック」の導入費用を補助する。「モンスターウルフ」は光と音、オオカミの姿でシカやクマを撃退する。「鹿ソニック」は高周波帯域の音で、野生動物を追い払う。町内では近年、アライグマの被害も目立ってきているが、被害の中心はシカとクマ。2024年度の被害面積はシカが35ヘクタール、クマが1・12ヘクタールだった。町は電気柵設置に対して助成を設けているが、農家からは道路がまたがる畑などに柵の設置が難しい場所もあるとの声も上がっていた。町は鳥獣被害の減少に向け、両装置の効果を検証してきた。すでに使用している農家からも聞き取るなどし、使い方次第では効果が期待できると判断した。補助は購入金額の3分の1。町や関係団体でつくる町有害鳥獣対策協議会の補助事業として実施する。予算はモンスターウルフ2台、鹿ソニック6台分を計上。補助利用者にはモニターの役割も担ってもらい、装置の効果を共有してもらう考えだ。助成の受け付け開始は6月中を予定している。町農林課は「忌避装置を導入するだけではなく、電気柵と組み合わせて使うなど工夫することで効果が期待できる。補助制度が導入の入り口となり、被害を最小限に抑えられれば」としている。

(ニホンジカの食害伝える企画展:神奈川)
近年、箱根町で増加しているニホンジカによる食害などを紹介する企画展「箱根のシカ物語」が、箱根ジオミュージアム(同町仙石原)で開催されている。9月15日まで。

(親子で“命”と向き合う「狩猟の実体験イベント」:三重)
罠猟・止刺・解体を通し「生きるとは何か」を突きつけられる1泊2日の体験型イベント。参加者が設置した罠で鹿の捕獲成功も。2025年5月5日~6日、三重県鈴鹿市のキャンプ場"猿田彦ファーム"に10数名の親子が集まりました。目的はこの日行われる1泊2日のイベント「リトルハンターズアドベンチャー」で行われる、"狩猟の実体験"です。この1泊2日では、1人の小学生が仕掛けた罠で鹿の捕獲に成功しました。かかったのは推定1歳のメスの子鹿。まだ顔にあどけなさが残る可愛らしい個体です。しかし、はしゃいでいた空気が一変したのは、止め(とどめ)を刺す瞬間。目の前でハンターが鹿にナイフを刺し、血を抜いていきます。今の今で動いていた命が静かに消えていく過程を、子どもも大人も一言も発することができず、真剣な表情で見守っていました。その後は捕獲した鹿を、親子で協力しながら解体・精肉していき、食肉となるまでの過程を自らの手で経験しました。夜は焚き火を囲み、山の命をいただく食事をともにしながら、「生きるとは何か」「食べるとはどういうことか」を話し合いました。

(伊吹山の現状伝えるイベント、大阪・関西万博で開催へ)
シカによる食害が深刻な伊吹山の現状を広く知ってもらおうというイベントが来月(6月)、大阪・関西万博で開かれることになりました。これは、27日、滋賀県米原市の観光事業を担う団体「びわ湖の素DMO」が米原市役所で発表しました。米原市の伊吹山では去年(令和6年)、大雨によってふもとの集落に土砂が流れ出すなどの被害が相次ぎ、シカによる食害が大きな要因とみられています。こうした現状を広く知ってもらおうと、6月24日と25日の2日間、大阪・関西万博の関西パビリオン近くの多目的エリアにブースを設けて、▼シカによる食害の実態や、▼山の植生を復元するための取り組みについて、団体の職員が漫画などを使って紹介することにしています。イベントでは伊吹山の魅力も知ってもらおうと、山のふもとでとれる「ヨモギ」など3種類の薬草を使って入浴剤を作る体験会も開くということです。「びわ湖の素DMO」の立木麻裕さんは、「災害やシカによる食害などピンチを迎えている現状とともに、さまざまな魅力がある伊吹山を知ってもらうきっかけにしたい」と話しています。

(以前クマが出没した中学校で訓練:北海道)
上川の下川町では去年、クマの出没が相次いだことから、27日、町内の中学校で町と警察、それに猟友会がクマの出没を想定した訓練を行いました。下川町によりますと、町内では去年、クマの出没が相次ぎ、住宅地に現れた2頭が駆除されたほか、2017年には下川中学校の敷地内にもクマが出没しました。27日はその下川中学校で、クマが現れたという想定で町と警察、それに猟友会が訓練を行い、中学生を含む20人余りが参加しました。訓練では、まず体育の授業中にクマにふんした町役場の職員が校庭に現れ、教職員が生徒を校舎内に避難させたあと、警察に通報する手順を確認しました。そして、駆けつけた警察官と町の職員がドローンを使って、しげみに隠れたクマを発見し、猟友会のハンターがライフル銃で駆除するまでの流れを確認しました。名寄警察署の佐々木暢地域課長は「町や猟友会との連携を再確認できた。今後も関係機関と連携して対応していきたい」と話していました。

(重圧ばねに世界で奮闘、クレー射撃・大竹 淳さん:福島)
クレー射撃の本県代表は、トラップ団体で5位の成績を収めた。直前の東四国国体では同部門で優勝しており、ふくしま国体でも優勝を狙える位置にいたが、当時出場した県クレー射撃協会長の大竹淳さん(66)は予想以上の観客の多さが「プレッシャーだった」と当時を振り返った。  しかし、ふくしま国体の後、大竹さんは1998年の世界選手権で24位、02年のアジア選手権で7位になるなど、日本を代表する選手として活躍していた。

(住宅街にクマ、市と猟友会が捕獲:新潟)
24日午前7時から同9時前にかけて、新潟県新発田市の住宅街でクマの目撃情報が相次いだ。市と地元猟友会は、JR新発田駅の南東約1キロの同市豊町でクマを捕獲した。新発田署によると、けが人は出ていないという。調べでは、同日午前7時に同市八幡新田で目撃情報があったのをはじめ、7時20分に同市荒町、7時45分に同市大斎、8時19分に諏訪町、8時50分に捕獲現場近くの同市豊町で相次いで目撃された。クマは最後の目撃場所付近で捕獲、処分されたという。捕獲場所は近くに新発田高校もある住宅街。同市農林水産課は「クマは体長1メートル弱。寄せられた情報から目撃されたのは同一個体と推測されるが、断言はできない」と説明。午前10時すぎにクマを捕獲したという。

(列車とシカ衝突:鳥取)
JR西日本によると、山陰線の青谷駅―泊駅間で24日午後、列車がシカと衝突し、車両と線路の確認のため鳥取駅―倉吉駅間で一部列車に遅れが出た。

(スコップを振り上げる警察官!:山形)
27日朝、山形県河北町の集落でイノシシ2頭が目撃されました。警察などが対応にあたりましたが、捕獲には至りませんでした。山に帰ったとみられています。午前7時前、河北町岩木に住む男性が、地区にイノシシ2頭がいるのを見つけ、近所の人が警察に通報しました。町などによりますと、イノシシはいずれも成獣でオスとメスとみられています。午前8時ごろから警察や町の職員、それに地元の消防団らおよそ20人が出動し、捕獲にあたりました。しかし、午前8時半ごろにオスを見失い、午後3時ごろにはメスも山の方に逃げた後見失ったということです。けが人はいませんでした。町によりますと、町内で人が住む集落にイノシシが出没したのは初めてということで、町は防災無線などで注意を呼びかけています。

(「茶栽培の敵」ジビエに:京都)
山に囲まれて茶畑が広がり、府内産茶葉の半分近くを産出する和束町で唯一の精肉店「キザキ食品」を経営。町の人たちの食卓を支えるとともに、茶栽培の“害獣”でもあるイノシシやシカの肉を地元産の珍味「ジビエ」として全国に提供している。さらに最近は、わなで捕獲される数の増えたシカの肉をむだにしないよう、ペットフードとしての商品化にも取り組む。“食肉のプロ”だ。収穫前の新芽を食べ、角で茶の木を倒すシカ、根を掘り返すイノシシの存在は、町の主要産品である茶をはじめ農業にとって大きな障害だ。祖父・健之さん(故人)は1953年の南山城水害で家が流出したのをきっかけに、生活の立て直しに合わせ「地元に役立つ仕事を」と、町内で初めての精肉店を開業した。当時からイノシシ肉は、自転車で山を越えて町外から仕入れる牛肉と並ぶ主要商品の一つ。

(駆除イノシシでカレー:富山)
ギフト販売のサンエツ(富山市新屋、板川信夫社長)は、イノシシ肉を使ったレトルトカレー「獅子カリー」を発売した。駆除後に廃棄されることが多いイノシシの肉を有効活用している。

(ジビエソーセージ誕生、シカ肉使用:岩手)
遠野市内の2社がコラボした「遠野鹿ジビエソーセージ」が誕生した。毘沙門商会(及川知也、及川真共同代表)が運営するシカ肉の加工・販売場遠野ジビエの里(綾織町)の肉と上閉伊酒造(青笹町、新里佳子代表取締役)の酒かす、麦芽かすを使い、地元の持続可能な原材料で豊かな食をアピールする。ソーセージはシカ肉独特の臭みがなく、豚脂を少量加えてジューシーに仕上げた。1本60グラムと大ぶりで食べ応えがある。酒かすの香りが広がり、麦芽かすで食物繊維も豊富だ。肉のふがね(岩手町)が3本180グラム入り(1980円)を400パック製造した。

(地方創生とフードロス削減を目指す「ジビエ」販売の新たな取り組み)
食系YouTuberなどが数多く所属し、インフルエンサー・クリエイターのマネジメントを手がける 株式会社Carry On の水産販売部は、地方創生を目的として販路に課題を抱える企業と連携し、所属YouTuberのオンラインストアを活用した商品販売を展開している。この度、株式会社イェーガーとタッグを組み、日本の食料自給率向上とフードロス防止を目的に 「ジビエ」 の販売を開始した。販売は Carry On の 「うお樹水産」 および Carry On 所属んのYouTuber 「出張料理人 ミツ」 のオンラインストアで行っている。ジビエとは、食材となる野生鳥獣肉の総称である。近年、国内では 「シカ」 や 「イノシシ」 による農作物被害が深刻化しており、捕獲の推進とともに、これらを 「ジビエ」 として活用する動きが全国的に広がっている。「害獣」 とされてきた野生動物が、地域資源や豊かな食文化の一部として再評価されている。令和4年度における野生鳥獣による農作物被害額は156億円にのぼり、その約7割が 「シカ」「イノシシ」 「サル」 によるものとされる。森林被害も全国で年間約5,000ha、東京ドーム約1,100個分に相当する規模に達している。こうした被害は営農意欲の低下や土壌流出、希少植物の食害など、農山漁村に深刻な影響を及ぼしている。このような状況を受け、「ジビエ振興」 に向けた取り組みが増加している。ジビエ振興とは、被害防止のための野生鳥獣捕獲を進めるだけでなく、捕獲した鳥獣を地域資源として活用し、農山村の所得向上につなげる取り組みである。外食や小売、ペットフードなど幅広い用途への展開が期待されており、地産地消の傾向が強いジビエは食料自給率向上や環境負荷軽減にも資する。令和5年度のジビエ利用量は2,729トンと、平成28年度比で2.1倍に増加しており、フードロス防止にも寄与している。そこでCarry Onでは、「ジビエ振興」 の一環として、より多くの人にジビエを知ってもらうべく影響力のある 「出張料理人 ミツ」 のオンラインストアで販売を開始、ジビエの魅力を伝える動画も公開しており、消費者への認知拡大と販路拡大を同時に進めている。またジビエは栄養価が高く、健康的な身体づくりに欠かせない成分を豊富に含む。ビタミンやミネラルが多様に含まれ、脂肪が少なく鉄分が多いことから、筋トレやダイエット、美肌効果にも期待できる。特にイノシシ肉は豚肉と比較して鉄分や亜鉛が豊富で、ビタミンB1、B2は約3倍の含有量を誇る。野生動物による被害が増加する一方で、捕獲された鳥獣の約9割が廃棄されている現状がある。こうした命を無駄にせず、ジビエとして有効活用することは、フードロス削減と食料自給率向上につながる。Carry Onでは、今後も 「出張料理人 ミツ」 や 「うお樹水産」 のオンラインストアを通じてジビエの販路拡大を図り、地域経済や雇用の活性化にも貢献したいとしている。

(「京の鹿肉フェア」を延長:京都)
株式会社 ホテル京阪(本社:大阪市中央区 社長:山田 有希生)が運営するホテル京阪 京都 グランデ(所在地:京都市南区)2階のレストラン「オクターヴァ」にて3月25日(火)から開催しております「京の鹿肉フェア」は、ご好評につき7月31日(木)まで延長いたします。 京都府南部の笠置町を拠点としたジビエブランド「やまとある」で、捕獲・製造された新鮮な鹿肉を使用したメニューに、一年で最も美味しいとされる「夏鹿」を使用した新たな3品「夏鹿のロースト山椒味噌のグラチネ」、「夏鹿のタリアータ サルサヴェルテ」、「夏鹿とフォアグラのハンバーグ」が加わります。春先から9月頃に獲れる「夏鹿」は、豊富な若草や新芽を食べて育つため、一年の中でもっとも脂が乗り、肉質も柔らかいとされています。これまではあまり知られていなかった「夏鹿」の豊かな味わいを、この機会にぜひホテル京阪 京都 グランデでお楽しみください。

(ジビエ処理の先進地視察:長野)
筑北地域へのジビエ肉(野生鳥獣の肉)解体処理施設の設置を目指す、筑北村民ら有志の研究会「ちくほく森のめぐみの会」は、ジビエ肉活用の先進地視察を始めた。本年度はジビエ肉の解体に関わる企業・団体の取り組み状況など県内数カ所を巡る計画だ。同会は3月に発足したばかりで、地域の実情に合った持続可能な解体施設のあり方を模索する。27日にメンバーら9人が長野市を訪れ、捕殺した野生動物を機械動力で運搬する技術の普及を進める企業・オンサイテック(西澤久友社長)を視察した。同社が開発した、野生動物を丸ごと収納できる冷蔵庫と山中を踏破できる履帯を装備したリモコン式の運搬車や、履帯で自走できる1次解体処理コンテナハウスを見学。山深い現地の近くで最低限の解体処置を施し、肉質を落とさず衛生面でも安心なジビエ肉を出荷する仕組みを学んだ。農林水産省が定める「国産ジビエ認証制度」の認証機関となっている、諏訪市の一般社団法人・国産ジビエ認証機構の鮎澤廉代表とも同社で面会し、衛生管理について理解を深めた。今後、シカ肉解体に取り組む施設などを見学し、筑北独自の民間解体施設の構想を練りながら賛同者・協力者を募っていく。呼び掛け人の砂子慎哉さん=安曇野市=は「規模感やコスト、立地を探りつつ、捕獲・解体を担う地元の人たちが誇りを持ってジビエ肉を出荷できる安心安全な解体処理施設を模索したい」と話している。

(鹿肉の解体体験:長野)
子どもたちに命と食のつながりを考えてもらおうと、ラーメン店などを経営する「岳」(飯田市上殿岡)が6月14日に鹿肉の解体などを体験するイベントを同社が泰阜村から指定管理を受けて運営する同村のキャンプ場「GAKU金野キャンプフィールド」で開く。「命をいただく」という実感を子どもたちに得てもらったり、環境の変化などでシカの獣害が増えていることを学んだりしてもらう。北原広康社長(44)は「肉の加工の様子を見て、ジビエを食べる理由を考えてほしい」と呼びかける。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後8時10分ごろ、仙台市泉区朝日1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後6時ごろ、仙台市青葉区国見ケ丘5丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、27日、白石市越河山頭にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前6時15分ごろ、仙台市泉区実沢森子田下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、27日午後2時50分ごろ、栗原市栗駒渡丸西原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、27日午後3時40分ごろ、仙台市青葉区鷺ケ森1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後2時ごろ、仙台市青葉区新川原田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前6時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元白木澤にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後11時40分ごろ、仙台市青葉区水の森3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前9時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢平沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後3時45分ごろ、仙台市青葉区上愛子芦見にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後4時ごろ、仙台市青葉区芋沢柿崎下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、26日、柴田町入間田前原でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

TOPへ

5/26
(山奥のシカ食害。環境省ガイドライン改定へ)
山奥の森林で、シカによる食害でやぶが大幅に減少し、繁殖場所としているウグイスなどの鳥が姿を消している。環境省は、生態系への影響も考慮してシカの捕獲、防除などの計画が立てられるよう、都道府県に向けた新たなガイドラインの策定を進めている。埼玉県秩父市にある東京大学秩父演習林。標高1650メートルほどの突出(つんだし)峠付近は針葉樹と広葉樹が混じる森で、かつて木の下には2メートルほどのスズタケが生い茂るやぶがあった。ウグイスやコルリなどやぶを好む鳥が繁殖していたが、シカが食べてしまったためスズタケがなくなった。2007年ごろからスズタケにシカが食べた跡が見られるようになった。10年代半ばには葉のほとんどが食べられてしまい、茎の高さも低くなり、今ではほとんどなくなっている。

(住宅が全焼、室内に散弾銃や大量の銃弾も:神奈川)
22日午後2時45分ごろ、横浜市都筑区佐江戸町のアパート経営の男性(73)方から出火。木造2階建ての住宅が全焼したほか、近隣のアパートや民家など3棟の外壁が焼けた。けが人はいなかった。都筑署によると、出火元とみられる住宅には神奈川県公安委員会の許可を受けて所持していたライフル銃や散弾銃などがあり、数百発の銃弾や火薬を保管していた。銃弾1発が屋外で見つかり、火災の影響で破裂して外に飛び出したとみられるという。同署が詳しい出火原因を調べている。

(クマの目撃219件、4月としては過去最多:岩手)
岩手県内ではクマの目撃が相次いでいて、5月21日も釜石市で成獣のクマが市街地を逃げ回りました。4月に県内でクマが目撃された件数は219件と4月としては最も多くなっています。県内では4月以降、市街地も含めてクマの出没が相次いでいます。5月21日は午後1時ごろから釜石市小佐野町の河川敷で、木の上にとどまるクマが目撃され市街地を逃げ回った後、山に帰ったとみられています。県によりますと、4月に県に報告があったクマの目撃件数は219件で、前の年の同じ月を49件上回りました。統計を始めた2012年以降で4月の目撃件数として過去最多となっています。また4月1日から5月22日までにクマの被害にあった人は6人で、こちらも前の年の同じ時期に比べ倍に増えています。年代は20代から70代で、いずれも山菜取り中に襲われたということです。クマの目撃が増えている背景について、野生動物の生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんはクマの数が増えていることや生息する範囲が人の生活圏と重なってきたことを挙げています。県は山に入る際は複数人で行動し、鈴など音の出るものを持つよう呼び掛けています。

(道東だけじゃないエゾシカ被害、道南の生息数4倍:北海道)
北海道内でエゾシカの生息数が急増し、農業被害額や自動車との接触事故の件数が拡大している。シカが少なかった道南でも、この10年余りで生息数が4倍近くに増え、道東が中心だったシカの被害は広域化が進む。ハンターによる狩猟や農地での有害駆除を合わせた北海道内の「捕獲数」は過去最多ペースだが、繁殖力が高いシカの増加に駆除が追いついていない。「以前は見なかったシカが頻繁に出るようになり、食害は5年間で一気に増えた。ジャガイモやニンジンの3割は売り物にならなくなり、大きな痛手だ」。函館市と北斗市の畑計30ヘクタールで農業を営む永田懸一朗さん(36)は頭を悩ませる。シカの生息数は2023年度、函館市を含む渡島、檜山、後志管内の「南部地域」で10年前の3.6倍に増え、最大22万頭に上ると推定される。同地域の農業被害額は1億9千万円で10年前の5倍に上る。

(野生イノシシ豚熱、岡山市で初確認:岡山)
岡山県は21日、浅口、岡山市で見つかったイノシシ各1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は46、47例目で岡山市では初めて。

(“雪害より深刻”と言われる食害からりんご園を守るため「囲いわな」を県内初導入:青森)
黒石市の山あいの畑で今月ニホンジカの目撃が相次いでいます。市はりんご園での食害も発生していることから新しく「囲いわな」を設置して、被害の拡大を防ぐ方針です。こちらは今月、黒石市の農園で農家が撮影したニホンジカ3頭の群れの映像です。また市内の別の農園近くでもニホンジカ3頭の群れが確認されました。黒石市のりんご園では、ことしニホンジカによる食害が4件発生しています。皮がはがれてしまうと水や養分が行き渡らず枯れてしまうため、雪害よりも深刻だと言われています。市はニホンジカなどによる農作物被害を防止するため、捕獲駆除などを行う実施隊16人に辞令を交付しました。食害対策としてたてよこ4メートル、高さ2.4メートルのシカ用の「囲いわな」を、県内で初めて2基導入する方針です。★黒石市農林部 佐藤久貴部長「(ニホンジカが)定着していくとまたほかの園地ほかの園地と被害が広がりますのでそういうことを防ぎたいと思いますので定着することに懸念している」。「囲いわな」は早ければ来月にも、シカの食害にあったりんご園の近くに設置される予定です。

(豚熱発生に緊急対策、イノシシ対応のセンサーカメラ設置などに補正8400万円:群馬)
今年になって前橋市内で4件の豚熱(CSF)が相次ぎ発生していることを受け、群馬県は22日、感染源が疑われる野生のイノシシに対するセンサーカメラ設置や捕獲報奨金上乗せなどの緊急対策を策定し、8400万円を盛り込んだ補正予算案を同日開会した県議会定例会に提出した。前橋市も感染リスクの高い子豚を飼養する離乳舎の改修補助や、野生イノシシ捕獲用わな購入費などの緊急対策費7340万円を盛り込んだ補正予算案を発表しており、共同で発生予防に全力を注ぐ。対策を発表した山本一太知事は「今年に入って立て続けに発生していることを大変申し訳なく思っている。要因を分析した上で対策を急ぎたい」と語った。県内4例目は今月9日、前橋市内の養豚場で発生、16日に防疫措置を終えた。発生は1、2、4、5月に同市内の別々の養豚場で発生し、県などで計2万1285頭の殺処分を行った。今年全国の発生件数5例の8割を占めている。県では、これまで①野生イノシシ対策②ウイルス侵入防止対策③感染リスクの高い子豚へのワクチン接種-を3本柱に据え、令和4年10月から今年1月まで発生件数ゼロを続けていた。一転して続発する事態を受け県は今月12日、県養豚協会の担当者や獣医師らを集め対策会議を開催。要因として①子豚用豚舎での衛生管理が徹底されていない②養豚場と野生イノシシの生育域が近接している中、野生動物の侵入対策に不備がある-の2点を挙げ、緊急対策に盛り込んだ。集中捕獲に向け報奨金上乗せのほか機材増設や人件費補助、生息域の藪を刈り払いを実施し緩衝帯を広げる。子豚を守るため分娩舎や飼養用の離乳舎の改修補助や衛生物資購入経費補助などを実施する。豚熱対策として、既決の予算1億320万円と合わせると総額1億8720万円となる。

(クマ生息、調査を強化:茨城)
茨城県は、ツキノワグマの生息状況調査や県民向けの注意喚起を図ろうと、初めて「管理計画」を策定した。継続的なモニタリングに加え、クマの生態や行動を周知することで、県民から提供を受ける情報の精度を上げる。県内の生息確認は近年ないものの、全国で人的被害が相次いでいることから、出没に備えた体制づくりを進める。県は本年度から5年間の「ツキノワグマ管理計画」を新たに策定した。「恒常的な生息域でない状況を維持し、被害の発生防止」を基本方針に掲げ、生息状況のモニタリング実施▽普及啓発▽人材育成と活用▽警戒監視体制の整備-を主な柱に対応を進める。モニタリングでは、生息環境や痕跡を継続的に調べるほか、自動撮影カメラなどを使った調査も実施。県ホームページ(HP)やチラシなどを通した目撃情報を広く呼びかける。クマの生態や行動パターンを県民に啓発することで目撃情報の精度を上げるほか、遭遇した場合の対応など注意喚起も図る。県や市町村の担当職員向けに研修を行い、クマに対する知識を備えた職員の養成も促す。実際に目撃や生息の痕跡が確認された場合には、行政や猟友会などが情報共有する仕組みをつくるほか、見回りや捕獲などを含めた警戒監視体制も構築していく。県はこれまでも生息調査を行っているが、県内では2016年に常陸太田市と北茨城市で計3件の目撃や養蜂の巣箱被害があって以降、確認されていない。一方、例年1件ほどだった「クマのような姿を見た」との未確認情報は、23年に7件報告されるなど急増している。クマによる人的被害は、全国で相次ぐ。環境省によると23年度は19道府県の198件で、死者6人を含む219人(速報値)。統計が残る06年以降で最多だった。24年度のクマ類出没情報では、茨城県は0件だったものの、福島県616件、栃木県255件と隣県で多く確認されている。全国的な被害の増加を受け、国は昨年、絶滅の恐れがある四国のツキノワグマを除き、クマを広域的に管理する「指定管理鳥獣」に追加した。県環境政策課は「隣県では多く生息しており、いつ茨城県で確認されてもおかしくない。系統立てた対応を整え、広く注意を促していきたい」としている。

(野生鳥獣の若手ハンター求む、新人養成講座:宮城)
狩猟の担い手を確保してイノシシ、シカといった野生鳥獣による農作物被害を防ごうと、宮城県は「新人ハンター養成講座」を6月に開講する。今月30日まで受講生を募集している。

(知られざる狩人(ハンター)の世界!『ふくしま狩猟ワールド 2025』:福島)
「狩猟のことをもっと知りたい」「狩猟に興味はあるけどなかなか一歩が踏み出せない」「狩猟免許ってどうやって取るの?」そんな狩猟に関心のある皆さんに是非参加していただきたいイベントです!経験豊富な狩猟のプロ達が、講演会やトークショーを通して、狩猟の魅力や楽しみ方、奥深さをご紹介。射撃シミュレーションやジビエの試食などが気軽に楽しめる各種ブースもご用意します!(シカの増加でヒグマと遭遇する被害が増える危険性?:北海道)市街地に出没するクマのことをアーバンベアと呼びますが、札幌でも近年、住宅地近くでの目撃が相次いでいます。今シーズンの傾向です。道警に寄せられる道内のクマの通報件数は、4月は243件で過去5年で最多。5月も22日までで246件と既に去年5月の件数を越えています。また人の被害も今年すでに美唄市で1件発生しています。今月11日、札幌市南区藤野の住宅から1キロほど離れた山林で撮影されたヒグマの写真です。本来なら人から逃げるクマが、近づいてもこちらを見続けていました。人間を恐れない「問題個体」と判断され、駆除されました。このクマは「シカを食べている」という通報が相次いでいました。北海道猟友会札幌支部の玉木康雄さんは、シカを食べるクマの増加は、人間の生活圏に大きな危険をもたらすと指摘します。雑食のクマは、ドングリなどの木の実の他に肉も食べます。近年シカが増加し、クマが容易に捕獲できるようになりました。■北海道猟友会札幌支部防除隊・玉木康雄隊長「最近どうも札幌市街地近郊で見かけるクマは、やっぱりシカの肉を食べることに慣れている」「エゾシカたちも市街地近郊に大量に生息するようになってしまいましたので、当然クマの生息領域と重なりますよね。そうすると、もういつでも肉が食べられるっていう状態になってくると、クマにしてみると非常に高カロリーのエネルギーを簡単に入手できるわけです。市街地近郊でエゾシカをとらえ、肉を食べようとして土饅頭を作るクマ。これもやはり大きな問題個体のリスクかなとは思います」。ヒグマには食べきれないエサを土や枝などで隠す習性があり、その埋められたエサがある場所を「土饅頭(どまんじゅう)」といいます。ヒグマは自分が隠したエサに執着するため、知らずに山菜採りなどで人が近づくと、横取りされるのを防ぐために人を襲う危険性があるというのです。土饅頭の写真を見ても、シカの足などが出ていなければなかなか気づくことはできません。土饅頭を見つけたら、近づいたり写真を撮ったりしている暇はありません。クマがすぐそばに潜んでいる可能性があり、急いでその場を離れなければなりません。そしてもうひとつ注意しなければならないのが「人に近づいてくるクマ」です。クマは本来、警戒心が強く慎重な動物です。しかし近づいても人を恐れない場合、過去に人に近づいたことで美味しい食べ物にありついたという学習をしていた可能性があります。1度、味を覚えてしまったクマはその味に執着し、人に近づいてくる危険性があるのです。■北海道大学大学院獣医学研究院 坪田敏男教授「本当に一番危ないのは人を全然気にしないで人の方に積極的に近づいてくるクマです」「もしそういうクマが存在するようでしたら、もうとにかくその場を離れて、早く警察なり猟友会に知らせて、そういうクマは排除してもらうっていうことが必要ですね」。危険なクマが生まれてしまう大きな原因は人間側の行動にあります。エサやりは絶対しない。人間の食べ物、飲み物をクマのいるエリアに捨て置かないことが重要です。道や札幌市が導入を進めているものがゾーニング管理です。クマの生息域と人間の暮らすエリアを「クマが棲むコア生息地」「市街地に近い森の緩衝地帯」「農業、果樹園などのある防除地域」「人が住む排除地域」の4つに分けて、クマを守るエリアと排除するエリアを分けます。クマが棲むコア生息地では種の保存のためにクマを保護し、逆に人は不用意に立ち入らない。また必要な場所には緩衝地帯と防除地域の間で下草刈りや電気柵の設置などを行います。札幌市で特に警戒が必要なのが藻岩山、円山、三角山、大倉山付近の、観光客が多く住宅も山の裾ぎりぎりまで密集しているエリアです。札幌市は来月から電気柵の設置工事を始めます。2018年、砂川市で市からクマの駆除の依頼を受けたハンターが駆除の際に、発砲した方向に住宅があったとして、道公安委員会がこのハンターの猟銃所持の許可を取り消しました。この処分に対して北海道猟友会が反発し、ハンターの発砲の責任を警察や自治体が負わない場合は、各支部の判断で自治体からのクマ駆除の要請を拒否してもよいと支部に通知する事態に発展していました。■北海道猟友会堀江篤会長「(ハンターが)正義感で出動して、万が一、間違ってしまってそれで銃がなくなる処罰されることは大変なこと」。アーバンベアの被害が全国で増加している事態を受けて、国会では先月、一定の条件を満たせば市街地でも銃の使用を可能とする改正鳥獣保護管理法が成立し、この秋に施行される見通しです。市街地ではこれまで警察官の指示のもとでしか発砲できませんでしたが、今後は一定の条件を満たせば、市町村長の判断で発砲ができるようになります。■北海道猟友会札幌支部防除隊・玉木康雄隊長「せっかく法が改正されるのであれば、改正された法にのっとって動けるように、各地域の連携をもっと深めないといけないかなと思います」。道民ひとりひとりがクマの知識を持つことで人身被害は減らせます。不幸なクマを生まないように、そしてクマとの共生を目指すために、人とヒグマが安全に暮らせる「すみ分け」を目指していきたいですね。以上特オシでした。

(ほえて追い払うベアドッグ:長野)
近年、国内で人の生活圏に出没するクマによる被害が増えている。森と観光地が隣接する長野県軽井沢町では、特定非営利法人ピッキオが、イヌの声でクマを追い払う活動を行い、住民の安全を守っている。 クマから人を守るのは、厳しい適性テストをクリアしたベアドッグ。フィンランド原産の”カレリアン・ベアドッグ”は、鼻と耳でクマを追跡することに長けており、他のイヌに比べほえ声が大きい。クマは学習能力が高く、繰り返し追い払いを受けると「居てはいけない所」を理解していく。ベアドッグは一定の距離を保ち、クマに襲い掛かることはなく、互いに傷つけ合うこともないという。ピッキオでは昨年9月時点で、軽井沢周辺の山で生息するクマ38頭を把握。毎年春、人の活動エリア付近にわなを仕掛け、クマを捕獲して首輪型の発言器を取り付けている。ベアドッグはハンドラーと呼ばれるスタッフの指示に従い、午前7時までに人の生活エリア付近にいるクマを山の奥に追い払い、住民の安全確保に努めている。

(自然やマタギ文化を生かした観光メニューで「稼ぐ組織と地域」を目指す:秋田)
観光名所や行事のPR、イベント運営などで地域を盛り上げる役割を果たす観光協会が、会員の高齢化や補助金を出す自治体の財政難などが重なり存続の岐路に立たされています。こうした中、北秋田市の観光物産協会が解散し「まちづくり」を担う、新たな組織に生まれ変わりました。若者が中心となって森吉山をはじめとする自然やマタギなどの文化を生かした体験型の観光メニューを開発して「稼ぐ組織と地域」を目指します。北秋田市観光物産協会 髙橋伸幸会長代行「地域の活性化を担う組織となるために、これまでの任意団体を解散し法人格を持つ一般社団法人北秋田まちづくり観光協会へと生まれ変わる決断をいたしました」。20日開かれた北秋田市の観光物産協会の解散総会。その資産を引き継いで新たに「北秋田まちづくり観光協会」が立ち上げられました。北秋田まちづくり観光協会 佐々木宗純事務局長「令和7年度中に旅行業を取得し、着地型商品の実証的な販売を行います」「新しい組織では、観光資源を活用した体験型の商品開発や情報発信の拡充、地域の課題解決や若い世代が参加できる仕組みづくりなど持続的に地域が盛り上がっていくように取り組み、全国や世界に向けて北秋田の魅力を広げていきたいと考えています」。新たな観光協会のキーマンとなるのが、事務局長に就任した佐々木宗純さん32歳と松橋翔さん28歳です。このうち阿仁で生まれ育った松橋さんは、マタギの頭領、シカリの家系の16代目です。松橋翔さん「1時間半みっちり、お肉と向き合っていただいて解体を体験して食べれる状態にするっていうのを自分たちでやるっていう体験になります」。岩手で3年間に及ぶ狩猟とジビエの修行を終え先月、地元の北秋田市に戻った松橋さん。地域おこし協力隊の一員として観光メニューの開発とツアーガイドを担います。松橋翔さん「まず私が持ってる武器としてはジビエとか解体とか、そういうスキルだと思っていて、その部分ってマタギ文化もそうなんですけど縄文文化とかそういう昔からあるものっていうのは北秋田はすごく豊かだと思っていて」「そういうところと連携しながらやっていく方が、よりなんか説得力があるというか、言葉に重みがあるような体験になるかなと思うので、そういうところと連携して頑張っていきたいです」。北秋田市 津谷永光市長「観光やさまざまな事業をやることによってそれから物事を作り出す、それを売ることによって稼いでもらうと」「マタギだけではなくて北田市の自然や文化や観光の素晴らしさといったもの風土・人そういうのを売り込んでいただいて北秋田市にたくさんの方が来ていただいてここで消費をしていただければ地域の方々のためになる」。地域の「稼ぐ力」を引き出す司令塔としての役割も担う北秋田市のまちづくり観光協会。将来的に観光振興と地域経済の活性化を図る組織DMO、観光地域づくり法人の登録も目指していて設立と同時に初年度の事業計画案が満場一致で承認されました。

(ニホンジカとオオセンチコガネの集団動態比較に基づく仮説を提唱:神戸女学院大学)
歴史的な集団構造の比較から、紀伊半島のニホンジカだけでなく、近畿地方のオオセンチコガネ集団の断片化も人間活動によって形成された可能性が高い。紀伊半島のニホンジカは、過去2000年の間に奈良公園、半島東部、半島西部の3つの遺伝的集団に分かれた。近畿地方のオオセンチコガネも湖南地方の祖先集団が約2000年前に分岐し、その後、さらなる分岐により湖南地域の3種類の色彩多型集団(赤、緑、瑠璃)が生まれてきた。オオセンチコガネにおける色彩多型が、1万年を超えるような地史的な時間スケールではなく、過去2000年の人間活動を契機に発生、固定したと考えられる。

(縄文人アナグマ猟遺構、トンネル状県内初確認:栃木)
県埋蔵文化財センターが野木町友沼で発掘調査中の縄文時代前期(約6500年前)の遺跡「新城しんじろ 遺跡」で、アナグマ猟に使ったとみられる「トンネル状遺構」が県内で初めて確認された。アナグマの巣穴を人間が通れる大きさに広げたり、トンネルに入る「 竪坑たてこう 」が開けられたりと、アナグマ狩りのための努力や工夫がうかがわれる。同センターは24日の現地説明会で一般公開する。発掘調査は、思川左岸の堤防強化を進める国土交通省関東地方整備局が同センターに委託したもの。昨年12月から2026年度まで思川堤防沿いの約1万9500平方メートルで実施している。調査開始から間もなく、竪穴建物とともにトンネル状遺構を確認しており、今年4月から調査していた。トンネルの総延長は数十メートルで、竪穴建物があった場所に迷路のように掘られていた。アナグマしか通れないと思われる直径30~40センチの程度の部分と、人間の手で広げられたとみられる直径50~60センチのところがあり、中には直径約90センチに大きく広げられた場所もあった。さらに地上から下りられる竪坑も数か所確認され、地下に下りる階段のような入り口のある竪坑もあった。現地で調査する同センター調査研究課の石橋宏主任は「アナグマを狩るために巣穴を広げたことがよく分かる。竪坑は明かり取りか、地下に下りるために開けられたのかもしれない。相当な手間をかけてアナグマ狩りをしていたと思う。アナグマがおいしかったからではないかと想像する」と話す。同センターの江原英副所長によると、トンネル状遺構とアナグマ猟の関連が知られるようになったのは、ここ20年ほどのことという。「トンネルが人の手で広げられたのかどうかはっきりしなかったのが、千葉県や茨城県で発掘された遺跡でアナグマとの関連が分かった。栃木でも縄文時代の小動物の猟についての実態の一部が明らかになると期待できる」と江原さんは話している。

(点字図書館で鹿の角・イノシシの牙展示:宮崎)
都城市点字図書館(都城市松元町、TEL 0986-26-1948)が現在、職員の親族が狩猟で捕獲した「鹿の角」と「イノシシの牙」を展示している。視覚障害のある人が展示物に触ることで、新たな気づきや発見を得ることを目的とした「さわってわかる『本物シリーズ』」の一環で展示。又木勝人館長は「実際に触れた人から、オーストラリア土産のブーメランや大きな貝殻など、触って楽しめるものを展示したいという声も寄せられた。そうした波及効果を生み出し、コミュニケーションが広がる場として活用してほしい」と話す。同館では視覚に障害がある人に対して、点字図書や録音図書を貸し出している。5月14日には、それらを製作する本年度の音訳・点訳ボランティア養成講座の開講式を開いた。又木館長は「図書館の利用は登録が必要で、読み書き指導も行う。点字が読めなくても、音声のものも用意しているので楽しんでほしい」と話す。ほか、館内には読み終えた点字新聞を再利用したペーパークラフト作品なども並べ、利用者以外も事前予約で見学可能。鹿の角とイノシシの牙は図書館受付に置き、予約せずに誰でも自由に触ることができる。

(クマ出没で異例の競技中断、女子ゴルフ下部ツアー最終日:石川)
国内女子プロゴルフの下部ツアー「ツインフィールズレディース」は最終日、午後0時34分にコース内でクマの出没が確認されたため、競技が一時中断された。コースのある石川県小松市では4月に3度、5月に1度、クマの出没が報告されている。

(動物園でシカ逃げ出す、5分後に捕獲:兵庫)
姫路市立動物園は、22日午後3時半過ぎ、シカ舎からメスのニホンジカ1頭が逃げたと発表しました。シカは5分後に捕獲されました。客や飼育員にけがはありませんでした。動物園によりますと、50代の男性飼育員がシカ舎で夕方のえさやりや掃除をしていたときに、鍵を閉め忘れていたため、ニホンジカ1頭(愛称ロビン)が逃げたということです。逃げたシカは捕獲時に飼育員に囲まれ、パニック状態になっていたため、鎮静剤を投与したということです。当時、園内には20人の客がいましたが、園外へ誘導し、けが人はいませんでした。シカも無傷でした。姫路市立動物園の担当者によると、年に1回、動物が逃げ出したときに備えて机上訓練をしていて、「その経験が生きたのでは」と話しています。逃げたシカは姫路市の男鹿島にある男鹿島鹿公園から移してきた個体で、年齢は不詳だということです。

(クマ“猛ダッシュ”逃走までの一部始終:岩手)
岩手・釜石市の河川敷で目撃されたのは、木の上で体を丸め、じっとしている成獣とみられるクマです。すやすやと寝ているようにも見えますが、現場では警察や猟友会の人が集まり、緊張感が漂っていました。すると、大きな声で目を覚ましたのか、むくっと立ち上がり大きなあくび。しばらく木の上にとどまっていましたが、その後、木の上から下りてくると、そこには設置されたわなが。しかし、わなにかかることなく餌を食べるクマ。腹ごしらえを済ませると、今度は土手へと移動しました。そして、クマは捕まるものかと猛ダッシュ。勢いよく走り抜け、工事現場の中へ入るとそのまま姿を消しました。4月、岩手県内で目撃されたクマの件数は219件に上り、4月としては過去最多だといいます。

(「食フェスタ」、飲食やステージイベントなど多彩:奈良)
ジビエやめはり寿司など地元グルメ  奈良県十津川村上野地の河川広場で飲食やステージイベントを楽しめる「十津川村食フェスタ2025」(同村主催)が31日に行われる。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前6時15分ごろ、仙台市泉区上谷刈赤坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午前2時ごろ、仙台市泉区野村松林下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、23日午前11時30分ごろ、栗原市築館横須賀山口にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午前8時ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後4時ごろ、仙台市泉区南中山2丁目にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、22日午前4時40分ごろ、登米市東和町米川中嶋にイノシシが出没しました。

TOPへ

5/22
(登山中の男性がクマに襲われけが:秋田)
18日午前、秋田県の登山道で、登山をしていた男性がクマに襲われけがをしました。仙北警察署によりますと、18日午前8時ごろ、仙北市田沢湖玉川地内と鹿角市八幡平地内にまたがる登山道で、登山中の能代市の男性(48)がクマ2頭に襲われ、顔や太ももをかまれるけがをして病院に搬送されました。男性は意識があり、会話可能で命に別状はないということです。男性は自力で下山し110番通報しました。クマは体長約1メートルと約30センチの2頭で、男性を襲ったあと山に走り去っていったということです。

(わなにかかったイノシシに襲われ女性重傷:兵庫)
18日午前6時15分ごろ、兵庫県三木市志染町三津田で、犬の散歩中だった40代女性が、わなにかかったイノシシに襲われ、顔や背中などに重傷を負った。周辺ではイノシシの出没情報がよく寄せられており、市などが注意を呼びかけている。

(環境省「危険鳥獣」ヒグマ指定へ、改正法9月施行)
環境省は20日、4月に成立した改正鳥獣保護管理法で、人の日常生活圏に現れ、危害を及ぼす恐れが大きい「危険鳥獣」にヒグマ、ツキノワグマ、イノシシの3種を規定するとした政令案を明らかにした。21日からパブリックコメント(意見公募)を実施。改正法の施行は9月1日となる見通し。改正法は市街地に出没したクマの緊急銃猟を自治体判断で可能とする。政令案などによると、緊急銃猟実施者の要件は(1)銃の種類に応じて決められた狩猟免許を持つ(2)過去1年以内に銃器による射撃を2回以上した(3)過去3年以内に緊急銃猟で使用する銃器と同種のものを使用してヒグマなどを捕獲した経験がある―とした。

(死亡事故を受けて“対応マニュアル”を改訂:青森)
出没が相次ぐクマへの対応です。青森市は出没時の迅速な対応につなげるため、関係機関との連携強化などを盛り込んだ対応マニュアルを改訂しました。去年6月、北八甲田でタケノコ採りの女性がクマに襲われて亡くなった事故では、国有林などがまたがることから対応する関係機関の把握に時間がかかったことが課題でした。こうしたことから、青森市は対応を明記したマニュアルを改訂しました。市が管理する区域外で国や県、猟友会に対して必要だった手続きが簡素化されたほか、発生からの手順を見える化したことで迅速な対応につなげます。★青森市環境部 佐々木浩文部長「市民のみなさんから一報を受けたあと、行政機関として市民のみなさんの安全安心を確保していくためには、まずは迅速な連絡体制を整える必要がある」。今年度、青森市内の出没件数はきょう時点で16件と去年を上回っており、市は目撃したらすぐに連絡するよう呼びかけています。

(一定条件のもと、市街地でのクマへの猟銃使用可能に:北海道)
この秋から条件を満たせば市街地でも猟銃を使用し、クマを捕獲できるようになります。道は19日、自治体との意見交換を行いました。意見交換はオンラインで行われ、自治体や振興局のクマ対策の担当者らが出席しました。今年秋に施行される改正鳥獣保護管理法では、クマが住宅地など人が生活する場所に出没した際には、一定の条件を満たせば市町村長の判断で猟銃が発砲できるようになります。出席者からは発砲する際の警察の協力や、ハンターの養成が必要などの意見が出されました。道は、国の具体的な手順などが示されたあと、秋ごろに実践的な訓練を行う予定です。

(イノシシやシカによる農作物被害1億9100万円、コメ高騰影響で最多:福井)
イノシシやシカなど野生鳥獣による福井県内の農作物被害が2024年は前年比6100万円増の1億9100万円に上り、過去25年で最多だったことが県のまとめで分かった。被害面積は26ヘクタール増の184ヘクタール。被害面積の種別で水稲が64%を占め、コメ価格の高騰が被害額の増大につながった。県鳥獣害対策会議が5月15日、オンラインで開かれ、事務局の県が報告した。県中山間農業・畜産課によると、水稲の被害は、イノシシが田んぼに入って稲を倒したり、臭いを付けたりして出荷できなくなることに加え、シカによる食害も重なった。コメ以外の農作物の価格上昇も、全体の被害額に影響したという。県内の農作物被害額は1999年に2億1400万円に上ったが、その後は7千万~1億4千万円前後で推移。2021年に6500万円まで減ったが、その後は3年連続で前年比3千万円以上増加している。会議では、被害が近年拡大しているシカの25年度の捕獲目標も示された。嶺北は前年度比1300頭増の9600頭、嶺南は同500頭増の6000頭に設定した。24年度のシカの生息状況調査によると、嶺北は全体的に増加傾向にあり、特に福井地区と丹南地区で急増している。嶺南は13年度をピークに18年度まで減少傾向だったが、その後は増加している。冬を越し生き延びる個体が増えているのが理由の一つとみられる。シカの24年度の捕獲数(速報値)は嶺北が過去最多の6460頭、嶺南は1930頭だった。会議には県と17市町の担当者ら約60人が参加した。

(ヒグマ捕獲数最多、1804頭:北海道)
北海道は3日、2023年度に道内で捕獲されたヒグマが22年度から9割増の1804頭で、過去最多を更新したと発表した。人里に出没したり、農作物を荒らしたりする個体が増えたのが原因。これまでで最も多かったのは21年度の1056頭で、22年度は940頭。道ヒグマ対策室の担当者は「猛暑の影響でドングリなどの餌が不足し、行動範囲が広がった」と指摘した。ヒグマ駆除を巡っては、北海道猟友会が先月、ハンターだけが責任を負わされることを懸念して猟友会支部が自治体からの駆除要請を拒否した場合、その判断を「尊重する」との方針を決定。今後、駆除が滞る地域が出る可能性がある。

(渡良瀬遊水地のイノシシ、初の1000頭超え:栃木)
2024年度の渡良瀬遊水地内のイノシシ生息数が1044頭に上り、初めて千頭を超えたことが20日までに、渡良瀬遊水地連携捕獲協議会の調査で分かった。前年度(834頭)の約1・3倍で、イノシシの強い繁殖力を背景に増加が続いている。3月には遊水地近くで住民2人がイノシシにかまれけがをする事案も発生。同協議会は農作物や人への被害を防ぐため、新たに情報通信技術(ICT)を活用したわななどを設置し捕獲強化を図る。

(野生イノシシ対策、養豚場周辺でワクチン散布地点増加へ:栃木)
ブタの伝染病、CSF=豚熱の感染対策について県や畜産関係者などが話し合う会議が開かれ、感染源の1つとされる野生イノシシへの対策として養豚場周辺で豚熱のワクチンの散布地点を増やすことになりました。豚熱は県内では去年、那須塩原市と栃木市の養豚場で感染が確認され、およそ1万7000頭が処分されるなど深刻な被害が出たほか、ことしに入ってからも、隣の群馬県で相次いで発生しています。20日は豚熱の感染対策などを検討する県や市町、畜産関係者などで作る協議会が宇都宮市の総合文化センターで総会を開きました。会議では、感染源の1つとされる野生のイノシシの感染状況が報告され、昨年度、県内では26頭の感染が確認されたということです。県では毎年、エサに混ぜた豚熱のワクチンを地上と空中から散布し対策をとっていますが今年度は養豚場の周囲およそ1.5キロで散布する地点数を増やし、対策を強化することを確認しました。また、養豚場での効果的な豚熱対策を探るため、モデルとなる養豚場に専門の獣医師を派遣して衛生管理などを指導する事業を新たに実施することも報告されました。県畜産振興課の飯塚綾子班長は「去年の発生もこの時期で、近い県でも起きている。豚熱はいつ起きてもおかしくないという緊張感を持って対応したい」と話していました。

(わなにかかったシカ襲うクマ、猟友会「脚しか残ってない」:北海道)
わなに捕らわれたシカをクマが襲う報告が相次いでいる。道内ではわなにかかったエゾシカをヒグマが捕食する例もあるほか、栃木県ではツキノワグマが慣れた様子でシカを襲う場面も撮影された。シカを狙ってわなの近くにクマがとどまることで人と遭遇する危険性が高まっており、北海道猟友会は来月の総会でわな猟を行っている会員に警戒を呼びかける。

(人里出没のクマ警戒、「春季銃猟」被害の未然防止に:福井)
クマを銃を使って捕獲する「春季銃猟」が、勝山市内で行われていて、人身被害の未然防止を目指します。市街地から車で40分ほど離れた山中で、猟友会のメンバーが双眼鏡を使って探していたのはツキノワグマです。全国的にクマの出没や人身被害が増加する中、環境省は去年4月、クマを「指定管理鳥獣」に指定し、「保護」から「管理」の対象へと変更しました。これによって、県内でもクマの個体数を調整するための捕獲ができるようになり、年間156頭だった捕獲の上限は、210頭の捕獲目標へと見直されました。奥越地区に限っては、ヒトに対するクマの警戒心を高め、人里への出没を防ぐため、春先の銃を使った捕獲も可能になりました。■県猟友会勝山支部 上弥吉支部長「(ここ最近は)春のクマの有害駆除がなかった。今生きているクマは、本当に人間が怖いというのを知らないクマがほとんど。追っ払うと人間って怖いもんやなということを分かってくれれば」。18日(日)は3時間ほどかけてクマの出没を待ちましたが、発見されませんでした。■勝山市農林課 竹内隆朗係長「人身被害が一番あってはならない。それが防止できるように、いろんな取り組みをしていきたい」。春季銃猟は5月末まで続けられ、市では来年3月にも再び行うことにしています。

(クマ活動期前に警察官が猟友会から対応方法など学ぶ:富山)
クマが活発に動く時期を前に、高岡市では警察官が地元の猟友会からクマの対応方法などを学びました。高岡警察署で開かれた研修には、警察官などおよそ50人が参加し、地元の猟友会のメンバーでつくる高岡市野生鳥獣捕獲隊の松井薫隊長が講師を務めました。松井さんは、4年前の5月12日に、市中心部の高校で体長およそ1メートルのクマが出没し対応にあたったことをスクリーンを使い紹介しました。その上で、当時関係機関の連携に課題があったと振り返り、クマの捕獲に向けて猟友会のメンバーが行動しているときはクマを刺激しないことなど注意点を説明しました。また、クマの足跡などを紹介し情報共有に役立ててほしいと参加した警察官らに説明しました。富山県によりますと、これからの時期はクマが冬眠から目覚め食べ物を探すうえ人が山菜採りなどで山に入るため、目撃件数が1年の中でも多く、去年は1年間で294件目撃されたうち6月が81件とおよそ3割を占め最も多かったということです。高岡警察署の稲垣聡生活安全課長は「学んだことを生かし住民の安全を守るため捕獲隊員と連携していきたい」と話していました講師を務めた松井隊長は「クマと人が遭遇するのは互いにとって不幸だ。山に入る際は鈴やスプレーなどを持って行き複数人で行動してほしい」と話していました。

(エゾシカ対策考えるシンポジウム:北海道)
深刻な農林業被害の原因となっているエゾシカの対策について考えるシンポジウムが、江別市で開かれ、専門家からは捕獲体制のあり方を見直す必要があるといった意見がでました。このシンポジウムは、研究者などでつくる「エゾシカ協会」が18日、江別市の酪農学園大学で開いたもので、研究者や自治体の職員などおよそ120人が参加しました。この中で、エゾシカ協会の会長を務める岐阜大学の鈴木正嗣教授が、趣味で「狩猟」を行う一般のハンターが、公的な目的で行われる「捕獲」も担っているケースが多いと説明しました。その上で、専門的な捕獲従事者ではない一般のハンターに公的な捕獲を任せるだけではなく、捕獲体制のあり方を法制度を含めて根本的に見直す必要があると指摘しました。また、このあと行われた討論会では、専門家らが▽公的な捕獲における経費の補助制度のあり方や、▽専門的に捕獲を担う従事者をどう配置していくかなどについて意見が交わされていました。講演を聞いた女性は「エゾシカの問題に対応するには警察や役所など行政組織をまたいだ対応策の議論も必要になると感じた」と話していました。

(カワウ被害、放流したアユの実に7割が食害に:長野)
アユやウグイなど、千曲川に川魚の季節がやってきました。一方で漁業関係者は、ここ何年もカワウによる被害に頭を悩ませています。地域の伝統を守るために地元の漁協が始めた新たな撃退法とは。上田市の千曲川で、5月8日にアユの放流が始まりました。上小漁業組合は6月中旬の友釣りの解禁に向けて、毎年この時期、稚魚およそ2000キロを管内の千曲川やその支流に放します。この日は、様々な体験を通じて地域の伝統を知ってもらいたいと長野大学の学生を招きました。続いて体験したのは、4月下旬から始まるつけば漁です。この地域で江戸時代から続くとされる漁法で、狙うのは産卵期のウグイ。木箱に仲間を入れ、そのニオイでウグイを誘います。また、木の囲いの底に玉砂利を敷いて卵を産みやすい環境を再現し、おびき寄せたところを網でつかまえます。きれいな環境でしか卵を産まないといわれるウグイ。漁の時期が終わる6月の末まで、毎日、1日に数回玉砂利を掃除する必要があり、仕掛けを維持するのも一苦労です。一方、初夏から秋の間、千曲川沿いにはとれたばかりのウグイやアユを提供する食事処、つけば小屋が建てられます。こうした文化を脅かしているのが川魚を餌とするカワウです。諏訪湖など、県内各地で姿が確認されていて、上田地域でも10年ほど前からその数が増加。放流されるアユのうち、実に7割近くが食べられてしまうといいます。組合では放流後、漁解禁までの1か月以上、毎朝花火などを使って追い払っていますが、なかなか効果があがっていません。これ以上の被害を防ごうと、あの手この手の対策が始まりました。上小地域で、今年から本格的に導入したのが、市内の梱包資材の製造業者が開発した幅3センチ、厚さ0.1ミリのプラスチック製のバンドです。巴工業 掛川倖太郎さん:「視覚でも効果があるようにピンク色をしている。感覚器官くちばしや羽に当たったとき痛みを感じる製品。鳥は賢いので同じ対策をしても慣れてしまうが、痛みは慣れない。ここは危ないと学習させて今後近寄らなくなることを期待」。上小漁業組合 西沢徳雄さん:「漁協としては何千万匹も放しているアユですから、ただ花火で脅かしても、1時間もすればまた戻ってきてしまう。最後の切り札というか」。一方、隣の佐久地域でも、カワウの被害が深刻です。佐久市内にある水力発電のための貯水池のわきにコロニーが出来上がっていて、木々にはおよそ100個の巣があるといいます。佐久漁業協同組合 佐藤一英副組合長:「カワウは天敵がいないのでここ十数年ずっと増えて600羽くらいここに生息しています。(放流した)アユは3分の1から半分くらい食べられる」。佐久漁協は、4年前からドローンを使った撃退にのりだしました。機体から吊り下げたドライアイスを巣の中に投下し、卵の温度を下げることで羽化しなくなるといいます。佐久漁業協同組合 佐藤一英副組合長:「ここにありますね。卵のかけらです。巣の中に生体反応のない卵があるとそれを親が全部かきだす」。例年3月からおよそ2か月間、駆除作業を実施。この日は効果を確かめるためにドローンで調査を行いましたが、およそ50個の卵が巣からなくなってることが確認できました。佐久漁業協同組合 佐藤一英副組合長:「労力としては大変ですけども、佐久は伝統漁法・投網とかが盛んだった。今半分くらいに減ってしまった。なんとか駆除をしていい漁場を提供して特別漁業を復活できるようにと」。

(巨大総合射撃場を生んだ危機感、全国5位のシカ被害:兵庫)
兵庫県三木市に西日本最大級といわれている総合射撃場が誕生した。ここまでの施設が必要となった背景を調べると、同県は2023年度の農作物の鳥獣被害額が約3.6億円と近畿で最も大きく、シカに限ると全国5位という深刻な状況が浮かび上がってきた。敷地面積約80ヘクタールと甲子園20個分の広さで何ができるのか気になり訪れてみた。

(愛鳥週間にブルーベリー配布:茨城)
愛鳥週間」(10~16日)に合わせて、茨城県猟友会(村上典男会長)の笠間支部など県央地区の7支部は11日、同県笠間市美原の食品スーパー「カスミフードスクエア友部店」前で、買い物客らに野鳥が好む「実のなる木」ブルーベリーの苗木700本を無償で配った。

(田荒らす「シカ」へ、“リベンジ”の田植え:広島)
広島市にある、11年前に起こった土砂災害の被災地で、若者たちがコメを作り、復興支援の酒を造っています。悩みの種が「シカ」です。去年は、田んぼを荒らされ、酒造りを断念しました。“リベンジ”に向けた田植えがありました。11年前の広島土砂災害の被災地である、広島市安佐北区大林町桧山地区。先週末、その一角が家族連れや若者たちで賑わいました。馬場田真一代表「きょうは、田植えを体験してもらいます」。グループ「ふるさと楽舎」は、7年前から休耕地を再生しながら、20アールの田んぼでコメを作っています。活動の柱が「大林千年」という地域の酒造りです。自分たちが作ったコメを地元の酒蔵で酒にして、収益の一部を活動費にあてています。しかし、去年は酒造りを断念しました。原因は、田んぼを荒らすシカです。馬場田代表「3回入られて、品質下がっちゃう、量が下がっちゃうということになって。もう間違いなく、リベンジの田植えです」。最初は防護ネットの隙間から侵入されました。すぐに補修しましたが、今度は体当たりでネットを破ったそうです。馬場田さんは、田んぼの周りにワナを仕掛けて応戦しましたが、酒造りに必要なコメを確保できませんでした。そこで今年は、いくつか対策を打つことになりました。一つは防護ネットの強化です。馬場田代表「去年ちょうど、ここがですね倒された、体当たりによってバタンと倒されてしまった場所なので、しっかりと。支柱を打ち直して、動かんように」。また、シカの隠れ家になっていた、すぐ裏手の山の木を切りました。「これまで全然見えなかったところが、見通しが利くようになったので」「ちょっと入りたくないな、ちょっとリスクが高いなと思わせることが出来たら、人間の勝ちなのかなと」。これは今月3日、田んぼ近くのワナにかかったシカの映像です。ことしもシカはすぐそばにいます。この日、参加者たちが植えた苗は無事、収穫の日を迎えるのでしょうか?稲刈りは10月中旬の予定です。

(仙丈ケ岳周辺、植生保全でシカ捕獲強化:長野)
南アルプスの高山植物や原生林をニホンジカによる食害から守るため、伊那市と、同市などでつくる「南アルプス食害対策協議会」、環境省は今年度から、仙丈ヶ岳(標高3033メートル)周辺でシカの捕獲強化に乗り出した。これまで捕獲の空白地帯だった奥山や、移動経路ともなっている林道周辺で新たに捕獲を行い、従来の防鹿柵との両輪で高山帯の植生の再生と保護を目指す。仙丈ヶ岳はかつてシナノキンバイなどの高山植物が咲き乱れ、「花の仙丈」とも呼ばれていた。しかし、シカの食害により花畑は姿を消し、様相は一変した。危機感を抱いた地元の伊那市が中心となり、2007年度に、県、林野庁、信州大学などと協議会を設立し、08年度から徐々にエリアを拡大しながら、毎年シカの侵入を防ぐ「防鹿柵」を設置して植生の保全に取り組んできた。昨年度は環境省からの受託分も含め仙丈ヶ岳周辺だけで19か所を総延長約1990メートルのネットで囲い、今年度も同様の設置を予定している。麓の長谷地区では近年、農作物被害の軽減を目的に、春から夏にかけておおむね年200~350頭のシカが有害捕獲されている。ただし、集落周辺が主で、さらに山の奥に入ったエリアの捕獲頭数は非常に少なかった。伊那市では「狩猟がしにくい奥山での捕獲を強化しないと根本的な対策にならない」と判断。高山帯にいるシカも下りて集まるとみられる秋から初冬にかけて有害捕獲を実施することにした。信州大学が昨秋行ったシカの生息状況調査では、仙丈ヶ岳がある南アルプス北部の登山基地・北沢峠周辺の標高1900~2200メートル付近にシカが多く分布していることもわかり、「峠付近の対策が不可欠」とされた。そこで協議会では、峠に通じ、シカの移動経路となっていると考えられている「南アルプス林道」周辺で18日~6月5日に地元猟友会に委託し、くくりわな60基を設置して集中的な捕獲を試みる。また、環境省は仙丈ヶ岳山頂に近い馬の背ヒュッテ(標高約2600メートル)周辺で、21年度から実施しているくくりわなによる有害捕獲を6月に行う予定だ。同協議会会長の白鳥孝市長は「高山植物は復活の方向にあるが、以前とはほど遠い。日本で 先鞭せんべん をつけてきた取り組みであり、成果をより一層充実したものにしていきたい」と話した。

(「オオバナノエンレイソウ」の大群落でシカの食害:北海道)
北海道石狩市の石狩湾新港近くに、道内と東北の一部に生息する植物「オオバナノエンレイソウ」の大群落が点在している。この群落を通過する形で道路が建設されることになり、自然保護団体が失われる一部の群落を隣接地に移植した。ところが、なぜかシカが移植された株を集中的に食べているという。何が起きているのか。オオバナノエンレイソウの大群落は、石狩市役所から西に約2キロの民有林内にある。道が2022~25年度、この民有林を突っ切る形で約1キロの道道の建設工事を進めている。道路の建設工事を進めるにあたり、建設場所の約1ヘクタールに生息するオオバナノエンレイソウが消えた。工事に先立ち、石狩市の自然保護団体「石狩浜夢の木プロジェクト」が22年9月、失われる群落から選んだ449株を隣接する林に移植した。ところが、意外なことが起きる。移植先のオオバナノエンレイソウが食害に遭い続けていた。市民団体は23年5月と24年5月に観察会を開催。調査で確認できた移植株は、23年の201株に対し、24年は326株と増加し、移植総数の7割強が定着していた。だが、326株の大半は葉や茎だけだった。オオバナノエンレイソウは発芽から開花まで10年以上かかる。調査では、開花個体の割合は23年の35%から、24年4%と激減していたことも分かった。移植先以外の群落では、目立った被害はなかった。専門家を含めた複数の住民がこの周辺でシカを目撃しており、シカが移植場所で集中的にオオバナノエンレイソウを食べたと考えられている。道は道路建設に際し、北海道環境財団理事長で、オオバナノエンレイソウの研究をしてきた北海道大の大原雅名誉教授(植物生態学)を「専門員」に委嘱。市民団体の要望や大原さんの助言を受け、今年4月に食害対策試験を始めた。試験は、一定の範囲を食害対策試験区域と定め、園芸用の支柱を4本立ててひもで囲う▽木製の柱4本をネットで囲う▽安価な金網で作った箱をかぶせる――などの対策を施した。監視カメラも5台配備し、センサーが何らかの動きを感知した時などに自動撮影している。今月5日、大原さんらは食害対策試験区域を調査した。大原さんによると、区域内での食害は見当たらなかった。シカは対策を施した場所に踏み込まなかったらしい。一方、区域から離れた群落には茎がちぎれた株が複数見つかった。道路工事を所管する道の札幌建設管理部の片桐康博道路課長は「シカの食害は想定外だった。専門員の助言と指導をいただきながら環境に配慮した対策をできる範囲で行っていきたい」と説明する。試験の進め方について、片桐課長は「どのタイプがコストも含めて効果的かを検証し、自然保護団体に引き継いでいきたい」と話している。石狩浜夢の木プロジェクトの安田秀子代表は「消失群落の全部は救えなかったが、移植地で定着した。専門家の意見も取り入れて対応してくれた道の姿勢には感謝している。希少種の自生地をきちんと守っていきたい」と語った。群落を守る意義について、大原さんは「群落として生育できる環境をきちんと残すことが、石狩の低地林の環境全体の保全につながる」と指摘している。なぜシカは移植先のオオバナノエンレイソウのみを食べていたのか。大原さんに聞くと、首をかしげた。「シカにとって何か気に入らないことをしてしまったのか……。理由は分からない」。

(豚熱緊急対策7340万円、イノシシ対応など:群馬)
今年に入り前橋市内の養豚場で豚熱(CFS)が4例発生しているのを受け、前橋市は豚熱の緊急対策事業をまとめた。6月定例会に約7340万円の補正予算案を提出する。

(愛知県総合射撃場における土壌汚染に係る報告について:愛知)
愛知県総合射撃場(豊田市)の長寿命化改修等工事の着手に向け、土壌汚染状況調査を実施したところ、土壌含有量基準及び土壌溶出量基準を超える鉛及びその化合物が確認され、本日、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)の担当官庁である豊田市に報告しました。なお、調査地点に係る地下水は、法に規定する地下水基準に適合しております。概要については下記のとおりです。

(ながさきスーパーキッズ育成プロジェクト、ライフル射撃の選考会に小学生10人が参加:長崎)
ながさきスーパーキッズ育成プロジェクト、ライフル射撃の選考会が長崎市で開かれました。長崎市の小江原射撃場で行われたライフル射撃のセレクション。前日に体験会が行われ、この日は長崎市を中心に10人の小学生が参加しました。まずはバランス感覚を測るテスト。体幹が安定しているか。続いては、片手で的を狙うピストル。画面の緑のラインが打つ前に銃の先がたどった跡です。集中力を研ぎ澄ませて、見事、満点の10点に当たったようです。そして、ライフル。片手で打つピストルに比べ、ライフルは両手で打つことでぶれが少なく、その分より正確さが求められます。ライフルの重さは、約4kgです。児童たちは慣れない競技ながら、集中力を高め自身の適正を確かめました。全10競技で体験会や選考会などが5月上旬にかけて実施され、認定式は5月24日です。

(記者が「狩猟免許」をとったのは…:北海道)
取材の合間を見つけ、1年あまりをかけて、記者は「狩猟免許」をとりました。きっかけは、福岡から北海道・札幌に異動し、「ヒグマが出たみたいだから取材を」と言われたことでした。都市部で出没するヒグマ、それを駆除する民間のハンター――。その関係や、現場の課題を深く知りたいと思い、決めた受験でした。上司から「ヒグマが出たみたいだから取材してくれないか」と指示されたのは、2年前の異動して間もないころでした。クマがいない九州から異動してきた記者は、内心で「クマってニュースになるものなの!?」と感じました。しかし取材をすると、札幌駅から約7キロの地域でヒグマ3頭の目撃情報があったとのこと。住宅街と山林の間にある畑で、付近からはヒグマの毛やふんも見つかりました。近隣の小学校では登校が見合わせとなりました。ヒグマに気をつければいいのでは……とも感じていましたが、市街地に出没するたびに取材を重ねていると、見え方が変わってきました。ある時は、自宅から500メートルの山林でも出没したとの情報がありました。休日の散歩コースでの出現に、夜に帰宅するときはイヤホンを外して周囲の様子に目を配りました。暗闇からのそっと出てきて偶然、出会ってしまうかもしれません。さらに取材を経て、少子化や高齢化により、中山間地域で人間の活動が減り、全国的にもクマが生息域を広げていたことを知りました。クマの出没は、実は人間たちの日本社会の変化に強く影響を受けていることもわかりました。環境省によると、1980~2020年度で全国のツキノワグマによる死傷者は2277人で、このうち40人が亡くなっています。ヒグマは死傷者の数こそ73人と比較的少ないですが、うち20人が亡くなっています。2023年度は全国的にクマが大量出没し、死傷者は過去最多の219人となってしまいました。クマの被害は命に関わる――という思いを強めました。動物駆除は民間のハンターに依存せざるをえません。「人間と野生動物の関係は、将来の日本社会において一筋縄では解決しない重要なテーマかもしれない」と感じました。クマの被害を防ぐ現場はどうなっているのか、どう向き合ったらいいのか――。そう考え、私は狩猟免許を取得しました。そして、銃を所持し、ハンターにもなりました。クマやシカなど野生動物による人身被害や農林業被害で苦しむ人に話を聞き、山へ狩りにも出ました。初めてシカを仕留めたときは、死んだシカの目を見てぎょっとしました。まっすぐに私を見つめてきた瞳は、生気を失い、近づいてもそっぽを向いたまま――。シカの命を奪った罪悪感と、初めて仕留めた興奮が入り交じっていました。駆除の是非など、野生動物の命とどう向き合えばいいのか、現場を知って、さらに答えが見えなくなる気もしました。今後も人口減少などが加速し、クマの生息域が広がるなかで、より多くの人にとって野生動物との関係は自分事になるでしょう。2023年7月には、札幌市で住宅の庭先にヒグマが出没した80代男性に話を聞きました。男性は「約60年住むなかで初めての経験」と語っていました。みなさんの身近には、どんな野生動物がいますか?自宅周辺や通勤・通学路の近くまで、実は多くの野生動物が来ているかもしれません。

(普通列車がシカと衝突:福岡)
JR九州によると、18日午後7時25分ごろ、久大線筑後大石~夜明で下り普通列車(久留米駅午後6時39分発日田行き)がシカと衝突した。この影響で同7時53分現在、同線久留米~大分の上下線で遅れが発生している。

(クマが道央道に侵入、3時間半通行止め:北海道)
18日午後0時35分ごろ、渡島管内八雲町旭丘で、農作業中の男性から八雲町役場を通して「クマがフェンスを越えて高速道路に侵入した」と八雲署に通報があった。クマの侵入により、道央道の落部インターチェンジ(IC)-大沼公園IC間が約3時間半、通行止めとなった。

(市街地にクマ、1頭駆除:山形)
16日午前7時50分ごろ、鶴岡市街地の住宅敷地内に体長約1メートルのクマ1頭がいると、住人の80代男性から110番通報があった。同市中心部などでは、同日午前1時20分から午後0時25分ごろにかけてクマの目撃情報が相次いだ。午後4時40分ごろ、同市家中新町の空き地で1頭が発見され、鶴岡署員や猟友会員に向かってきたため、警察官職務執行法に基づき猟友会が猟銃で発砲し、駆除した。同市と同署によると、人的被害は出ていない。市は別の個体も出没していた可能性があるとし、市民に引き続き警戒を促した。市内の小学校5校は児童を集団下校させる対応を取り、中学校4校と高校は生徒と保護者に注意を呼びかけた。午前7時50分ごろに通報があった住宅は、鶴岡工業高から約40メートルの地点。クマはその後、行方が分からなくなった。他の目撃情報は、午前1時20分ごろがみどり町、同7時5分ごろに市小真木原野球場の駐車場、同10分ごろに双葉町、同45分ごろに海老島町、午後0時25分ごろに日枝神社付近。いずれも同署に寄せられた。同署員と地元猟友会員は午後2時すぎから現場付近を捜索し、周囲に警戒を促した。同4時40分ごろ、猟友会員が家中新町の空き地の茂みでクマ1頭を発見。クマが向かってきて、同法に基づき猟銃を2発発砲した。この1頭は体長約1メートルで、高齢の雌だという。同市によると、近い時間帯に異なった場所でクマが目撃されたことから、複数頭が出没した可能性もあるとしている。鶴岡市家中新町の自宅内にいた男性(82)によると、午前7時45分ごろ、「ドン、ドン」という音を聞いた。音がした方向に向かうと、窓の外で体長1メートルほどのクマが窓をたたいていた。男性はすぐ窓などの施錠を確認し、110番通報した。再び窓を見に行くとクマはいなくなっていたという。山形新聞の取材に男性は「ガラスを割って家に入ってくるのではないかと思うほど、力が強かった。恐ろしくて、しばらく外に出られなかった」と話した。窓の外に張ったばかりの網戸が破られており、庭の茂みにはクマが踏んだとみられる跡が残っていた。目撃情報が相次いだ現場近くにある同市朝暘四小では、1~6年生約300人が、職員の付き添いで地区ごとに集団下校した。大川岳二校長は「児童には(自宅の)戸締まりをして、1人では行動しないよう呼びかけている」と話した。

(クマ撃退へ「熊一目散」、スプレー開発:徳島)
動物医薬品製造のバイオ科学(徳島県阿南市)が、トウガラシの辛み成分・カプサイシンでクマやイノシシなどの野生動物を撃退するスプレーを商品化した。この分野で強い米国製品と同等の性能を実現し、価格は半額程度に抑えた。クマによる被害に悩む北海道や東北地方の消防署、電力会社、建設会社などから問い合わせが相次いでいる。商品名は「熊一目散」。カプサイシンの含有率はトウガラシの一種・タカノツメの5倍に当たる2%で、酪農学園大(北海道)との共同実験では、飼育下のヒグマに噴射すると、直後に走って逃げ出した。これまでの国産品は噴射距離や時間に課題があったが、ガス圧や配合を変えながら試作を重ね、噴射距離10メートル、最長噴射時間10秒と十分な性能を持たせた。同社によると、国内で流通する撃退スプレーは、米環境保護庁が性能を保証する輸入品が多い。価格は円安などの影響で高騰し、1万円台から2万円台が中心になっている。国内ではクマによる被害が多発しており、同社は2022年、トウガラシを製造販売しているノウハウを生かしてスプレーの開発に着手。部品に既製品を多く取り入れるなど低価格化を図った。5千本を製造しており、今月末にも全国のアウトドア店やホームセンターに並ぶほか、通販サイトでも取り扱う。価格は280ミリリットル入り9900円、携行用のホルダー付きで1万4080円。開発を担当した奥谷陽企画営業部本部長は「四国では野生動物による人的被害は少ないが、釣りなどで山に入る際は命を守るお守り代わりに携帯してほしい」と話している。

(ジビエ食べて地域の課題を知って:静岡)
野生動物からとれる食肉(ジビエ)を味わいながら、獣害などの地域課題を知る催し「天竜ジビエフェス」が18日、浜松市天竜区二俣町のクローバー通り商店街と商業施設「森のマルシェきころ」であった。同区で加工されたジビエを使用する飲食店などが商店街に集まり、ジビエを使ったカレー、つくね、焼きそば、パエリアなどを販売した。焼きたてのシカの丸焼きは、大勢の来場者が見物する前で切り分けて販売された。シカの革で作ったメガネケース、ペンケースなども注目を集め、周辺の店舗も限定メニューをそろえるなど協力した。

(ジビエ料理「もっと気軽に」:鹿児島)
南さつま市坊津町泊で、イノシシの捕獲から処理加工、調理までを手がける野生鳥獣肉(ジビエ)専門ランチ店が営業を始めた。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日、仙台市太白区二ツ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、21日午後4時10分ごろ、丸森町大張大蔵松ノ塚にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前7時45分ごろ、仙台市青葉区芋沢青野木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後3時45分ごろ、仙台市青葉区上愛子樋田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午前8時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢滝ノ瀬にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後6時ごろ、仙台市泉区鶴が丘1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後7時20分ごろ、仙台市青葉区上愛子二岩にクマが出没しました。

TOPへ

5/19
(山菜採り79歳女性、クマに襲われけが:岩手)
警察によりますと16日、岩手県宮古市小国の山林で79歳の女性がクマに襲われ、顔や足にけがをしました。女性は1人で山に入って山菜採りをしていて、クマに襲われた後、自力で下山して家族に伝え、病院に搬送されたということです。搬送時に意識はあったということです。

(クマに襲われ男性けが:福島)
今月、郡山市で男性がクマに襲われ、けがをしたことを受け、県は「特別注意報」を出して、いっそうの注意を呼びかけています。12日、郡山市熱海町(あたみまち)で下山中の男性がクマに襲われて、右足をけがをする被害が発生しました。これを受け、福島県は16日から、中通りと会津に「ツキノワグマ特別注意報」を出して、いっそう注意するよう呼びかけています。これまで、県内全域に「出没注意報」が出されていましたが、中通りと会津は、「特別注意報」に格上げされました。浜通りの「出没注意報」も継続します。先月のクマの目撃は去年よりも10件多い29件で、県は目撃が多い地域に専門家を派遣して、調査を進める方針です。

(クマに襲われ登山中の男性けが:岩手)
18日、秋田県と岩手県を結ぶ観光道路「八幡平アスピーテライン」の付近で、山登りをしていた40代の男性がクマに襲われ、顔などにけがをしました。警察によりますと、18日午前8時すぎ、秋田県と岩手県を結ぶ観光道路「八幡平アスピーテライン」付近で、40代の男性から「登山中にクマ2頭に襲われた」と警察に通報がありました。男性は、「八幡平アスピーテライン」近くの登山道から山登りに行き、1時間半ほど歩いたところで、クマに顔や左足をかまれたため、自力で道路まで下りて、その後、秋田県大館市内の病院に搬送されたということです。現場は、秋田県と岩手県にまたがる八幡平と呼ばれる高原地域で、スキー場や宿泊施設、キャンプ場や温泉が点在し、観光地としても知られています。秋田県は、先月のクマの目撃件数が例年を大幅に上回っていることから、今月8日、県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出し、山に入るときは、できるだけ複数の人で行動したうえで、鈴やラジオで人の存在をアピールするほか、ゴミを必ず持ち帰ることなどを呼びかけています。

(野生イノシシ10頭豚熱感染:三重)
三重県は14日、津市、鳥羽市、大台町、伊賀市、志摩市で先月下旬から今月上旬にかけて捕獲した野生イノシシ計10頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱の感染が判明した野生イノシシは1119頭となった。

(大船渡市山林火災、住宅地には大量のシカ出現:岩手)
岩手・大船渡市で2月26日に発生した山火事は、延焼面積約3370haにおよび、平成以降で国内最大規模の山火事となった。4月7日に鎮火宣言が出された現地はどうなっているのか。「私の家は幸い被害に遭わなかったので、3月10日に自宅に帰りました。近くの山林を見たらかなり焼け焦げており、被害の大きさを実感しました。近所では、空き家も含めて14軒が全焼してしまい、被災した方は5月17日以降に仮設住宅へ入るようです」。こう話してくれたのは被災時に大船渡市立越喜来(おきらい)小学校に避難していた60代男性だ。男性が話すように、被災地域では焼け落ちた家屋がそのまま放置されていた。「被災した方は、公営住宅・建設型応急住宅・賃貸型応急住宅(みなし仮設)の3つのどれかの支援を受けることができます。公営住宅は12部屋に対して、21世帯の申し込みがありました。条件を満たした方は全員入居できる見込みです」(大船渡市役所担当者)。被災者の救済支援が進む一方で、深刻なのが火事で焼けた山林だ。幹が真っ黒に焦げた木が目立ち、倒木による土砂崩れも発生。エサを求めて山からシカの群れが現われるようになったという。「どのくらい伐採するかを岩手県が現在調査中です。それをもとに、国で『森林災害復旧事業』の査定をおこないます。被害木の伐採はそれからになりますね。森林災害復旧事業の事業対象になる要件、『人工林の中で90ha以上被害を受けたもの』を満たしていることは間違いありません」(林野庁・森林利用課担当者)。山林火災の被害の全容は、いまだに掴めていない。

(昨年度クマ目撃315件で過去最多:山梨)
昨年度、県内でのクマ目撃は315件で、これまでで最も多かった2019年度の1.5倍に上り、過去最多を大きく更新したことが県のまとめで分かりました。県のまとめによりますと、昨年度、県内でクマが目撃された件数は315件でした。これは、前の年度の172件のおよそ2倍に急増したほか、これまで年間の目撃が最も多かった2019年度の210件の1.5倍に上り、過去最多を大きく更新しました。特に夏にかけての時期に目撃が相次ぎ、5月から7月の3か月間で161件と、全体の半数余りを占めました。また、自治体別では、富士河口湖町が最も多い53件、次いで北杜市が31件身延町が29件早川町が27件などとなっています。このうち去年12月には、笛吹市で山の斜面の測量中だった29歳の男性が襲われて太ももや足首を痛めるなど、年間であわせて2人がけがをしました。今後、夏にかけて登山などの機会の増加でクマと遭遇する可能性が高まるとして、県や警察は山沿いで活動する際にはあらかじめホームページで目撃された地点を確認するなどして警戒してほしいと呼びかけています。

(30年以上続く“びわ湖の迷惑鳥”との戦い:滋賀)
びわ湖の周辺に生息する水鳥「カワウ」が、閑静な住宅街で急増。フン・臭い・鳴き声に「迷惑でしかない」と、住民たちが悩まされています。滋賀県高島市を流れ、びわ湖につながる安曇川。下流周辺には閑静な住宅街が広がっていますが、住民を困惑させる問題が起きています。自宅の壁や窓にべったりとついた白いフン。このフンの原因というのが、長い首が特徴の水鳥「カワウ」です。体長は80cmほどで、羽をぱたぱたと小刻みに羽ばたかせて飛びます。5年ほど前からこのあたりを飛び回るようにり、深刻なフン害に憤懣しています。住民がみな一様に目の敵にしているカワウ。その活動は朝早くから始まります。取材班が午前5時から取材をすると、すでに鳴き声が住宅街にこだましています。上空では数十羽の群れを作って飛び回っていました。よく見ると、木の枝や葉をくわえ運んでいます。カワウがたどり着いた林を見てみると、おびただしい数の巣が。滋賀県のカワウは今、繁殖の真っ盛り。1本に20もの巣がある木もありました。そこにはカワウのひなの姿も。周囲にはカラスに食べられたとみられる卵の殻が散乱していました。別の日の昼すぎには…昼間は巣を離れるカワウも多く、中州には数百羽が集まったり、エサを探しているのか川で泳いだりしています。日が落ち始めると、ねぐらとしている巣に帰ってきました。こうした状況は今に始まったことではありません。びわ湖の北部に浮かぶ竹生島では、カワウが1990年代に増加。2006年ごろには約2万6000羽が生息していて、全国のカワウの半数がこの島にいたとみられます。カワウが枝や葉をとりすぎたり、フンをし過ぎたりした影響で木が枯れてしまいました。行政が対策に乗りだし、卵に石鹸水を吹きかけ雛が孵化するのを阻止したり、ヘリコプターを使ってネットを木にはりめぐらせ巣作りを阻止したりする大規模な駆除作戦を敢行。銃での駆除も行い、現在は1400羽程度にまで減りました。その竹生島のカワウが減る一方で、安曇川のほかに野洲川や愛知川などびわ湖につながる川などで急増。竹生島・伊崎のエリア以外では2006年には100羽をきっていましたが、去年には約1万70000羽と爆発的に増加しました。困っているのは住民だけではありません。川をせき止め遡上してくるアユを捕まえる伝統的な「やな漁」の関係者も、カワウによる被害を警戒しています。滋賀県によりますと、県内には約1万8000羽のカワウがいるとされています。1年間で食べる魚の量は推定1370トンで、これは県内の漁獲量の約2倍にものぼります。地元の漁協はカワウによる被害を防ぐため、防鳥ネットを設置しています。(北船木漁業協同組合 山田謙二代表理事組合長)「カワウは一日の食べる量が多い。それが1000、2000と飛来してくると、とてもではないが…。子持ちのアユを捕食する、一番困る。びわ湖中の漁師が心配している」。住宅街で急増したカワウ。最新の状況を把握するため、行政からの委託を受けた民間企業が今年5月3日、調査を行いました。(イーグレット・オフィス 須藤明子さん)「(巣が)あの木とこの木に増えてしまった。外に出てきている感じ、集落側に」。双眼鏡を使って木の上にある巣や飛んでいるカワウの数をひとつずつ数えていきます。(須藤明子さん)「滋賀県全域がカワウにとっては住みやすいところ。滋賀県の中でいい川、アユが遡上する川として安曇川は1、2位を争う。安曇川か姉川か」。5年前の調査で確認されたのは568羽でしたが…(須藤明子さん)「3760羽です。全国的にみてもすごく苦労されているところというのは間違いないです。放っておくとどんどん増えるので、とにかく総数は減らして、銃器で捕獲することで圧力をかけると営巣しにくくなる」。繁殖してこれ以上カワウが増えないように今後、銃を使って駆除するということです。びわ湖周辺で30年以上続くカワウと人間の戦い。終止符が打たれるのはいつになるでしょうか。

(鳥獣害被害47%増、1億9100万円:福井)
県と市町による県鳥獣害対策会議が15日、県庁を拠点にオンライン形式で開かれた。県は、2024年の県内の農作物被害額が23年比で47%増の1億9100万円に上り、被害額が2億円を超えていた1998~99(平成10~11)年に迫る水準だったことを報告した。イノシシによる水稲の被害が多く、米価の高騰も影響したとみられる。

(シカによる食害で“ヒメサユリ”激減:新潟)新潟県三条市の花に指定され、まもなく見頃を迎える“ヒメサユリ”。去年は野生のシカによる食害が発生し、ヒメサユリが激減しましたが、今年は対策を万全にしてイベントを迎えています。三条市下田地区森町で5月15日に始まったヒメサユリ祭り。この地域では、毎年5月ごろにピンク色の花をつけるヒメサユリの群生地があり、例年3000人以上が訪れています。ヒメサユリの群生地を囲うように4月に設置されたのが全長約1kmにわたる電気柵です。そのワケは…【越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会 熊倉芳和 会長】「シカが下を見て食べるような仕草で3頭だった。花の甘い香りというか、匂いに釣られるのではないかなと」。電気柵を設置するほどに脅威となっている野生のシカによる食害。それが明らかになったのは去年でした。【越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会 熊倉芳和 会長】「確認に来たら、最後の群生地の花が全てなくなっていた。言葉が出なかった。これは何が起きたんだと」。本来、数千本のヒメサユリが咲き誇る群生地のはずが、夜中にシカがヒメサユリの花を食べてしまったため、その数は例年の1割ほどにまで激減。本来、半月にわたって開催されるはずだったヒメサユリ祭りはわずか5日での打ち切りを余儀なくされました。【越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会 熊倉芳和 会長】「私たちも先輩から引き継いだもの。自然を守りながら来客する皆さんから楽しんでもらえる形に持っていきたい」。市の花に指定している三条市は、ヒメサユリを守ろうと実行委員会と協力し、対策費として200万円の予算を計上。電気柵のほか、監視カメラや動物の鳴き声が出るスピーカーなどを設置しました。【越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会 熊倉芳和 会長】「シカは臆病者だと思われるので、犬の鳴き声とか効果があるのではないかと。これは光も出るので」。5月15日もヒメサユリの一部には食害の跡がみられたものの、対策の効果は表れているようです。【越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会 熊倉芳和 会長】「動物が騒いだような跡はない。踏み跡も何もないし、今のところは順調に生育している。電気柵の効果が大きい」。先人たちから受け継がれ、多くの人の手によって守られてきたヒメサユリ。今年の見頃は5月20日ごろで、ヒメサユリ祭りは5月28日まで続きます。

(みかんがシカによる食害でピンチ:福井)
敦賀特産の東浦みかんは、実をつける時期を前に、葉がシカに食べられてしまい、秋のミカン狩りが楽しめなくなると心配されています。「東浦みかん」は独特の甘酸っぱさが特徴で、多くの人に親しまれています。今年は表年に当たり、多くの収穫が見込まれていましたが、栽培農家にとって困った事態となっています。冬の間、シカが餌を求めて柵を飛び越えて畑に侵入し、ミカンの葉を食べてしまったため、十分に実が付かない状況となっています。■東浦みかん特産化組合 岡本幸男 組合長「非常に寂しい限り もう少し早めに対策をしておけばよかった 特に下を食べられるので、観光みかん園にとっては被害が甚大」。こちらのミカン園では、全体の6割から7割の木で被害が確認されていて、収穫量は想定の半分およそ2トンにまで落ち込むとみられています。東浦みかんの収穫は10月ごろから始まります。

(アーバンベア、メスを探して中心部まで?:福島)
5月15日、福島県福島市の中心部などにクマが姿を現した。目撃されたのはJR福島駅の西側で、午前中に3件相次いで目撃情報が寄せられた。なぜクマが街の中に?今後も注意が必要だ。JR福島駅から1.5キロほどの中心部にある、福島市南中央4丁目。この場所の近くに姿を現したのが体長1メートルほどのクマだ。目撃した人は「茂みの境目から出てきて、こっち側に気付いて、クマが逃げていったような感じ。刺激しないように遠くから見守っていました」と話す。福島市内では、5月15日午前6時ごろから午前11時半までに相次いでクマが目撃された。追い払いを続け、その後姿を見失ったという。場所が近いことから、同一の個体である可能性があるという。山にいるはずのクマが、なぜ街の中心部に?専門家への取材でいくつかの可能性が浮かび上がってきた。クマの生態に詳しい福島大学食農学類の望月翔太准教授は「今回のケースでいえば、河川沿いをつたってクマが中央部まで出てきてしまっている状況。若いクマは、かなり長距離を移動して、これから交尾期に入るので、その準備をするような形」「“メス探し”として、広い範囲を行動することがわかっている。おそらく今回も、その過程でこれまで行ったことがないような場所まで、河川敷をつたって市街地方面まで出てきてしまったのではないか。特殊なケースではなく、これからも十分起こりうるケースだと考えている」と語る。一夜明け、16日は朝から警戒を続けた福島市。住民たちは「人里にクマがおりてこないことだけをお願いしたい」「子どもたちの安全を確保できれば」と話すように不安を感じていた。これまでのところ、新たなクマの目撃情報は寄せられていないが、福島市が引き続き注意を呼びかけている。望月准教授によると、私たちだけでなく多くのクマは基本的に人を怖がっているという。そのため、山に入る時だけでなく、散歩などで河川敷に行く時などもクマ鈴やラジオで、人の存在を知らせることが重要だという。特に人への被害が集中する朝早い時間は、より注意が必要だ。また今年は、確実に子連れのクマが多いそうだ。福島県内では2024年秋にブナなどの木が多く実をつけエサが豊富だったため、子どもを産めたクマが多かったという。子を守ろうと母親が攻撃的になる可能性があるため、子連れの出没情報が入ったら注意レベルを一段階あげる必要があると望月准教授は呼びかけている。

(急増する動物原因の鉄道輸送障害、20年で15倍超)
動物が線路に入ったことで起きたトラブルにより、鉄道の運行に支障が出るケースが急増している。国土交通省によると、過去10年で約3倍、20年では15倍以上に増えた。鉄道各社は対策を講じているが、根本的な解決は難しいのが実情だ。「1匹のヘビで新幹線が止まるなんて。対策できないのだろうか」。4月30日夕方、大阪へ帰省途中だった会社員男性(45)は東京駅で足止めされ、混雑する改札前でつぶやいた。この日の午後5時半ごろ、岐阜羽島―米原間で停電が発生。列車に電気を送る架線に、ヘビ(体長1メートル)が接触してショートした。停電の影響で下りは東京―新大阪間、上りは浜松―新大阪間で運転を一時見合わせ、午後7時ごろに再開した。上下線86本が遅れ、約6万7000人に影響が出た。ヘビだけでなく、シカやイノシシ、タヌキなどが列車と衝突する事故も相次ぐ。国交省によると、動物が原因で30分以上の遅れが生じるなどした「輸送障害」は、2003年度に81件だったが、13年度は465件、23年度は1369件に上った。一部の野生動物が増え、生息域を広げたことが一因とみられる。動物と衝突すると、列車が遅れるだけでなく、車体の損傷にもつながる。乗客がけがをする恐れもあるため、各社は動物を線路に近づかせないように対策に知恵を絞っている。JR九州では、架線を支える電柱のそばのワイヤに、帽子の形をした器具を設置。ヘビがワイヤを登って架線に近づけないようにした。電柱には、ヘビが嫌がる臭いがする薬剤をまいている。ただ、過去にはトンネルの上から落ちてきたヘビが架線に接触し、停電したことがあった。担当者は「動物が相手なので完全に防ぐことは難しい」と語る。近畿日本鉄道ではシカの侵入を防ぐため、線路の両側に高さ約2・5メートルのネットを張った場所がある。列車が通過する時間帯には、特別な装置から、シカが嫌う超音波を発信している。岩手県のJR釜石線では山間部を通る線路の周辺に、シカの天敵であるライオンのふんの成分を含んだ液剤をまいている。長岡技術科学大の山本麻希准教授(野生動物管理学)は「東日本のシカは近年、猟師の減少などによって個体数が増え、生息域を広げている。列車との衝突を減らすには、ハード面の対策に加え、野生動物の生息密度を管理する必要がある」と指摘する。

(世界遺産「平泉」で土壌被害相次ぐ:岩手)
世界遺産「平泉の文化遺産」を構成する岩手県平泉町の毛越寺、中尊寺、観自在王院跡の3カ所で、イノシシが土壌を掘り起こす被害が相次いで確認された。地下にある平安時代の遺構が破壊される恐れがあり、町や寺など関係機関は協力してイノシシからの危機を防ごうと、対策に本腰を入れ始めた。[平泉の文化遺産] 登録名称は「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園および考古学的遺跡群」。構成資産はいずれも岩手県平泉町の中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の五つ。同町の平泉文化遺産センターで13日、町などは被害対策検討協議会を設置すると同時に初会合を開催。各寺院や史跡の担当者が被害を報告した。毛越寺では1月下旬、開山堂西側の花菖蒲(はなしょうぶ)園で被害を初めて確認。栽培地のアヤメの列が荒らされていた。常行堂北側の弁財天池付近でも地面の掘り起こしが見つかった。被害箇所から数十メートル先には、平安時代の庭園遺構が眠る大泉が池がある。寺は侵入防止対策として、庭園北側のトレールウオーキングコース約400メートルに侵入防止効果が期待される青色テープを張り巡らせた。さらに効果が期待できるワイヤメッシュの設置を急ぐ方針だ。毛越寺管理部長の志羅山(しらやま)順慶さん(35)は「遺構は一度破壊されれば、取り返しが付かないことになる。再生不能になる前に対策を講じなければならない」と危機感をあらわにする。中尊寺や観自在王院跡は池の護岸が崩されるなどの損壊があったが、まだ地下の文化遺産への損害は確認されていない。現時点では被害の発生も落ち着いていると判断し、事態の推移を注視するとした。協議会では被害発生の原因として、周辺の農地で電気柵などの獣害対策が進んだことが挙げられた。イノシシは警戒心が強く、学習能力も高い。対策が手薄な寺院や史跡に入り込んで、水分を多く含む軟らかい土壌の畑や水辺に生息するミミズを狙っているとみられる。協議会は今後、獣害対策の蓄積が進んでいる西日本の事例を参考にしながら、現地の実情に合わせた対策を講じていくことを決めた。平泉文化遺産センターの高橋国博館長は「農作物の被害状況と合わせ情報を共有し、効果的な方策を考えたい」と話した。

(広がる「豚熱」感染、イノシシ対策を急がねば:岡山)
家畜伝染病「豚熱(ぶたねつ)(CSF)」に感染した野生イノシシが岡山県内で後を絶たない。昨年2月に高梁市で確認されて以降、13市町で計45件(17日現在)が見つかっている。今のところ養豚場では確認されていないが、発生すれば被害は甚大だ。未然防止のため、対策を進めたい。豚熱はウイルスによって豚やイノシシがかかる病気で、以前は「豚コレラ」と呼ばれていた。人にうつることはなく、感染した豚などの肉を食べても人体への影響はない。だが、感染力が強く、豚などは死に至る病であることから、養豚場で確認された場合は拡散を防ぐため、全頭を殺処分しなければならない。国内では1992年を最後に感染例がなかったが、2018年に岐阜県の養豚場で確認された後、感染が全国に広がっている。飼育豚の感染は24都県(4月21日現在)で起きている一方、野生イノシシについては40都府県(同)で確認されている。山野を自由に動くため、ウイルスが拡散しやすい状況がうかがえる。岡山県によると、県内で野生イノシシの感染を確認したのは初めてだ。豚熱自体は1968年以来だが、その時は津山市の養豚場だった。県内には23カ所の養豚場があり、飼育されている豚は4万頭余りに上る。各養豚業者はイノシシに対する防護柵の設置、豚へのワクチン接種といった自衛策を講じている。県も野生イノシシから飼育豚への感染を強く警戒する。養豚場に近いエリアや県境にワクチン入りの餌をまき、まずはイノシシの感染防止に努める。有害鳥獣として捕獲した狩猟者に対する助成金も本年度から、これまで対象外としていた狩猟期を含めて通年対応とした。イノシシの個体数自体を減らし、感染の広がりを抑える狙いだ。猟友会などの協力が欠かせない。農林水産省はホームページで、登山者らにも協力を呼びかける。ウイルスは土にも含まれるため、靴の泥は山で落とすことや、イノシシを誘引しないように飲食物は捨てずに持ち帰るよう求めている。注意して行動したい。養豚場にイノシシを近づけない工夫も必要だ。付近の手入れが行き届かず草が生い茂っていると、近づきやすい環境が生まれる。草刈りの徹底など、そもそもイノシシが出没しにくい環境づくりが求められよう。アジア各国では近年、豚熱とは別の家畜伝染病であるアフリカ豚熱(ASF)が広がっている。日本ではこれまで発生例はないが、昨年1月には日本へのフェリー直行便がある韓国の港近くで野生イノシシの感染が確認された。この病気に対する有効なワクチンはなく、ひとたび侵入を許すと厄介だ。空港や港湾での水際対策を強化したい。

(各地に「冬眠しないクマ」、実は人間が生み出していた)
初夏を迎え、人の生活圏へのツキノワグマ出没が増え始めた。冬眠明けで餌探しに夢中なのだが、秋田県などでは一昨年ごろから、雪深い厳冬期も冬眠せずに出没し続けるクマも増えている。専門家によると、冬眠は餌の枯渇期に体力を温存するためで、餌があれば必要ない。この餌は実は人の生活圏に放置されるものが多い。冬眠しないクマは、実は人間が生み出しているのだ。積雪が腰まで達する福島県喜多方市で昨年12月、民家の居間で菓子を食い散らかし、こたつに頭を入れて横たわるクマを帰宅した住人が発見。秋田県五城目町では今年1月、別々の民家の柿の木に登るクマが3日連続で目撃され、秋田市でも市街地の道路を横切るクマが連続目撃された。ツキノワグマは個体差があるが11月下旬から翌年4月ごろまでが冬眠期。「山に木の実など食べ物がなくなり体力を温存するために冬眠する。雪がどんなに少なくても」とクマ研究者で秋田県自然保護課主査の近藤麻実さん(41)。ところが、県内では令和5年度、冬眠期の出没が激増した。11~2月の目撃件数は計698件で、それまでの一般的な状況を示す4年度までの10年平均と比較して各月は23~75倍となった。6年度の同期間は計318件で、1月の133件は同月の10年平均(0・2件)に比べて単純計算ながら実に665倍に達した。「厳冬期でも食べ物さえあれば冬眠しない。ただし、市街地では同じクマが移動するうち何人も目撃するので、出没(目撃)件数イコール生息数なわけではない」(近藤さん)。近藤さんは県内では5年度が転換点になったと断言し、こう続ける。「この年はブナ、コナラ、サルナシ、ヤマブドウといった木の実などが全部凶作だった。山が凶作だと集落周辺に下りてクリにありついていたが、5年度はそれも足りず柿を食いだした。秋田はほとんど渋柿だがクマは平気。ドングリは柿以上に渋い。一度うまい思いをして次々に柿をあさるようになった」。冬眠期の出没傾向に関する見解として、5年度はほぼ県北、6年度は県央まで広がったとし、5年度は親子連れや親とはぐれた子グマが多かったが、6年度はほとんどが成獣だったと指摘する。枝先に残る柿、堆肥にするため地面に盛り上げた米ぬかなどが餌になり、内容物が付着したまま軒下などに保管する空き缶・びんも「においを嗅ぎつけてなめにくる」という。西日本では以前からクマが柿を餌にしており、島根県などでは対策として木の幹にトタンを胴巻きしてクマが滑って登れないようにしている。近藤さんは「人口減と高齢化などで実を収穫せず放置される柿やクリの木が増えた。クマを寄せ付けないよう伐採や胴巻きを県として呼びかけ続け、5年度以降の出没急増で対策する家が増えている」と話す。捕獲などもされることで、冬眠しないクマが人の生活圏に定着することはないだろうと前置きしつつ、「クマに冬は寝てもらうため、私たちは食いものになるものを適切に管理することが大切」と指摘する。環境省がまとめた都府県別の件数(速報値)は、年間では岩手が5年度5877件、6年度2857件と全国最多、次いで秋田が3723件、1317件。厳冬期の1月は秋田以外に新潟が5年22件、6年15件、同じく岩手が15件、17件、宮城が15件、14件、京都が5年18件、島根が同11件など。2月は岩手が5年16件、6年9件、宮城が10件、8件、島根が5年12件、青森が6年15件、福島が5年8件など。■記者の独り言 野生生物は殺気に敏感で、虫はたたこうとするとピッと逃げる体勢を取る。高齢化で猟師がいない集落にクマは殺気を感じなくなり、人の生活圏を荒らし襲う。クマが恐れるよう秋田県は市町村と調整して人の生活圏とクマの生息域の間に管理強化ゾーンを設けることにした。加賀谷一樹自然保護課長は「まずはクマを寄せ付けないこと。地域に応じてゾーンでの排除を進めたい」という。先人が確立した野生と人間の棲み分けを取り戻すことが双方の幸せになると思う。

(国スポ控え競技力向上へ、県ライフル射撃競技場が完成:宮崎)
国スポ開催を控え改修工事が進められてきた宮崎県ライフル射撃場が完成し、お披露目されました。新たな施設は2階建てで、ライフル射撃の全ての種目が行えます。最新の「電子標的」が導入されオリンピックの競技基準を満たす素早く、正確な採点が可能となりました。また、標的に命中しなかった場合の跳ね返りを防ぐため、壁などに県産の木材が使われ安全面への配慮が施されています。17日は、初心者向けの体験会で小中学生が、実弾を使用しない「ビームライフル」を教わりました。指導したのは、東京オリンピックで日本代表のコーチを務めた礒部直樹選手です。(磯部直樹選手)「細部にもこだわっていて床が滑りにくくなっていたり立派な施設」「日本代表も合宿したがると思います」。施設はおよそ8億円をかけてリニューアルされ今後は競技力向上や競技人口の増加に期待がかかります。

(ハンターの卵、模擬銃体験:北海道)
根室市主催の新人ハンター入門セミナーが、市役所で開かれた。市内で急増するエゾシカやヒグマに対応できる人材を育てる2年目の取り組みで、市民11人が狩猟について学んだ。

(宮内庁、鴨場見学会の参加者募集)
宮内庁は、埼玉県と千葉県にある「鴨場」で6月に開く見学会の参加者を募集している。参加費は無料で応募多数の場合は抽選となる。詳細はホームページで公表している。締め切りは5月21日。鴨場は皇族が外交団を招いて伝統のカモ猟を披露する接待場所。参加者はカモ猟に関するビデオを見た後、場内を回る。埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」は6月17日と25日、千葉県市川市の「新浜鴨場」は6月19日と27日に実施する。各回定員30人で、いずれの日も午前と午後の計2回催す。小学生以下は保護者らの同伴が必要となる。

(山の環境「見える化」サイト公開)
公益社団法人日本山岳会(以下、日本山岳会)、東邦大学の下野綾子准教授、東北大学大学院生命科学研究科の近藤倫生教授がプロジェクトリーダーを務める「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」(以下、NP拠点事業)は、写真を通じて山岳環境の変化を「見える化」し共有することを目的に、過去に撮影された山岳写真のデータベースを作成し、2025年4月より公開したことを発表します。山岳は古くから多くの登山者に親しまれ、数多くの写真が撮影されてきました。これらは山岳環境の変化を知るうえで貴重な記録となることから、登山者からの未公表の写真提供も募集します。高山・亜高山帯は、厳しい自然環境に適応した固有性の高い生物が生息・生育し、生物多様性保全の観点からも重要な地域です。しかし、近年急速に進行している地球温暖化などの気候変動の影響を受けやすい繊細な生態系であり、加えて増加したニホンジカの食圧によっても、その植生が急速に変化しています。これらの変化は過去の記録があるからこそ検出できると言えますが、残念ながら日本の多くの山岳では変化の有無を判断する科学的知見が不足しています。この不足を補える有力な記録は、過去の写真です。写真は調査記録を補う客観的な記録となり、過去と最近の写真の比較ができれば、植生の変化を検討することが可能となります。こうした中、NP拠点事業と日本山岳会と東邦大学では、山岳環境の変化を「見える化」し、登山者と共有することが生物多様性保全のために重要と考え、1960年代から撮影された山岳写真のデータベースを構築しました。一般登山者の方からも写真を提供いただくことを通じて、山岳環境を共にモニタリングしていく体制を作り、ネイチャーポジティブなマインドやアクションを社会に啓発していくことも目指します。現在、増えすぎたニホンジカが高山帯にまで進出し、シカによる高山植物の食害が深刻となっています。今年は、特にニホンジカの食害による植生変化が深刻な南アルプスを重点的に、南アルプスの写真データを拡充し、具体的な保全活動の一助となることを目指します。

(有害鳥獣を捕獲する若手を育成、「ハンター体験会」:兵庫)
農作物などに被害を及ぼす有害鳥獣の捕獲活動に理解を広めようと、兵庫県三木市で5月17日、ハンター体験会が開かれました。三木市の県立総合射撃場で開かれた17日の体験会には、会社員や定年で一線を退いた人など55人が参加しました。講義で狩猟者になるために必要な免許などについて学んだ参加者は、射撃場に移動し猟友会によるデモンストレーションを見学しました。他にもイノシシを捕獲するためのわなの使い方やジビエの試食など、参加者は、真剣な表情で狩猟について学んでいました。有馬猟友会 小南正洋会長「獣害の報告が神戸市にたくさん来ている、一頭でも二頭でもという立場で関わっている」「少しでも興味がある人はハンターになってください、一緒にやりましょう」。主催した神戸市は、体験会の開催を通じて狩猟に興味を持ってもらい、若い担い手を育成したいとしています。

(“的”は新領域、魅力PR:滋賀)
中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」全国大会に2月、県内初出場を果たした濵﨑(はまさき)銃砲火薬店。次期代表に就任予定の濵﨑航平さんは、世代交代を機に既存の経営資源を活用した新領域への挑戦で、永続的な経営と社会に新たな価値を生み出す「ベンチャー型事業承継」のロールモデルとして新風を起こしています。1923年にスポーツ用品店として創業後、長崎の本家から譲り受けた銃砲販売に加え、産業用火薬・爆薬の販売、公共工事などを請けて事業拡大した同社は、今年102年目を迎える老舗企業です。近年、銃に関わる人口減少や高齢化、後継者不足などで市場が縮小する中、当初は家業に関心のなかった航平氏の夢は「好きな滋賀をまちづくりで盛り上げること」。滋賀の魅力を伝えるために大学で映像を学び、大手広告代理店でCM制作に携わり帰郷。非正規で家業を手伝ううちにクレー射撃の面白さに気づき、「銃砲店によるまちづくり」というコンセプトが閃きました。大津町家で精力的にまちづくりをする経営者との出会いも、5代目を決意する後押しとなりました。「銃砲」と「まちづくり」という意外な組み合わせが興味をそそるところ。初心者をターゲットに門戸を広げ、狩猟をカジュアル化し、その先にある楽しみにつなぐ体験型の商業リゾートを目指しているのです。

(1人暮らしの92歳が《伝説のマタギ》と呼ばれているワケ:秋田)
これから人は100年生きるという。しかし、お金や孤独、健康不安がなく老後を迎えられる人はどれくらいいるだろう。年を取ることが怖いーー。多くの人が漠然とした不安を抱く中、老後の人生こそ謳歌している人もいる。その元気は、気力は、生きがいは、いったいどのようにして手に入れたのか。本連載では、“後期高齢者”になってなお輝いている先達に、老後をサバイブするヒントを聞く。春の山菜採りや行楽シーズンが始まり、全国各地で冬眠明けの熊が相次いで目撃されている。餌を求めて活動が活発化しているのだ。ツキノワグマの目撃情報が例年を大きく上回った秋田県では、5月8日に「ツキノワグマ出没警報」を発令して、県内全域に注意を呼び掛けている。そして、ここ数年、熊害の対策とともに注目されているのが、伝統的な狩猟方法で熊を追い続けてきた「マタギ」たちである。秋田県北秋田市の最南部、マタギの里として有名な阿仁地区比立内(ひたちない)に住む松橋吉太郎さん(92歳)は、「伝説のマタギ」として比立内マタギの歴史に名を残す1人だ。マタギの頭領の座である「シカリ」を30年余りも務め、山と猟の達人マタギ集団を束ねてきた。「俺の人生の生きがいは熊獲り。熊と勝負して、鉄砲一発で仕留めたときが最高に気持ちいいな」。名マタギは朗らかに笑って、スポーツドリンクをぐびっと飲み干す。昭和8年(1933年)生まれ。「9人兄弟の6番めか7番め」と指折り数えても記憶があいまいなところはご愛敬。祖父も父もマタギという一家で育ち、シカリだった父は「鉄砲撃ちの名人」として鳴らした。小学生の頃から父に「山さ、あべ(行くぞ)」と連れられて、マタギの集団狩猟・巻き狩りの手伝いをしてきたという。16歳からは営林署の作業員として働きはじめ、25歳のとき、地元の材木会社に転職。仕事に邁進しながら、松橋さんは迷うことなく父の跡を継いでマタギになった。山の地形や熊の通り道、棲み処から山菜やキノコの採れる場所まで頭の中に叩き込まれている。そこに鉄砲撃ちの技術と経験を積み重ねていき、50歳のとき、比立内マタギのシカリを担う。熊との武勇伝は数知れず。60歳の秋の猟期の頃、他の地区のマタギが松橋さんを訪ねてきた。前日、比立内の山で熊を撃ち逃がしてしまった、自分は比立内の山を知らないから案内してくれないかという。松橋さんは二つ返事で引き受ける。だいたいの場所を聞きながら山を進むと、当たりをつけたブナ林の中に小柄な熊の姿が見えた。無心に木の実を食べている。件のマタギは松橋さんの後ろにいて、なかなかやってこない。(打ち損ねたのは子熊だったのか? )と思いながら、松橋さんは銃をかまえた刹那、左側の藪の中から母熊が飛び出してきた。松橋さんがすぐさま銃を向けると、母熊は山が割れるほどの咆哮をあげて立ちあがる。その距離、銃先からわずか30㎝。松橋さんは動じることなく、「このばがけ! (ばかもの)」と叫んで、熊の急所である胸の白い三日月を狙って一撃。撃たれた熊がドサリと松橋さんにかぶさった。「俺も熊もいた場所が悪かった。そのまま熊と一緒に山の斜面を数メートルも転がり落ぢてしまってな。そこから死んだ母熊を俺が1人でしょって(背負って)、山を下りたよ。一緒に行ったマタギがしょわねがら(笑)」。母熊には鉄砲の玉がかすれた跡があった。おそらく前日に負ったものだ。母熊は今日、また同じ場所に人間が撃ちにくるとわかっていたはずだと、松橋さんは言う。「人間が来たらやっつける気で身を隠して待ち構えていたんだと思う。それくらい子熊を連れた母熊は子を守るために獰猛で、頭がいい。俺が子熊を撃っていたら母熊にやられていたな、まちがいなく」。母熊は90キロはあっただろうという。解体した熊肉はきっぱり二等分した。仕事の内容も年齢も立場もまったく関係なく、分け前は平等。これが伝統のマタギ勘定だ。そんな武勇伝をけろりと語ってくれる松橋さんだが、10年前の82歳のとき、自らシカリの引退を宣言した。同時に猟銃の所持許可証を警察に返納して、「現役シカリ最高齢」の名誉とともにマタギも引退する。「シカリをやめることは自分で決めた。耳が聞けねぐなったんだよな。熊獲りは耳が一番大事だ。熊の足音、息、藪のゆれる音、1つでも聞き逃したら近づいてきた熊にやられてしまう。目も鼻も大事だけど、俺は目はいい目してたし、鼻も問題ねがった。だけども耳がな。いいところでやめるのが大事だと思ったんだ」。シカリとして30年余り。マタギの伝統的な狩猟方法の巻き狩りでは、その伝統を守りながら自分のやり方でマタギたちを引っ張ってきた。巻き狩りは、沢筋から大声を出して熊を山の尾根に追い上げていく「勢子(せこ)」と、尾根上で鉄砲をかまえて熊を仕留める「ブッパ」がいる。誰が何をやるかという番割りはシカリが差配する。松橋さんは常に適材適所とチームワークを考えた。勢子は無線で連絡を取り合いながら、同じスピードで歩を進めて横の包囲網を作り、熊をどんどん追い込んでいかなければいけない。1人でもスピードが落ちたら、横一列のそこに穴があく。熊は人の声がしないところを突破して逃げるので、藪が深くて遠回りしなければいけない勢子が出たら、遅い人に合わせてスピードを落とす。「早く進んだ者が遅れている者を待てる気持ちがなければいけない。巻き狩りは絶対チームワークだ」と松橋さんは力説する。チームワークを築くために、松橋さんがシカリとして徹底したのは、仲間内のけんかは絶対禁止。誰のこともいじめてはならない。皆、平等。「俺の指示に従ってもらうために、俺は人よりもやれるだけ仕事をやった。自分ができることはなんでもやって、自分が知っていることはなんでも人に教えた。それこそキノコや山菜の採れる場所もみんなに教えてやった。俺のものでない、山の神のものだから」。巻き狩りは勝負の世界だから、熊が1頭も獲れないときだってある。そういうときは皆を帰して、1人で熊を獲るまで山に残った。そうやって結果を出してきたから、マタギたちが自分を認めてくれたと思うと、松橋さんは振り返る。「俺より年上のマタギもいたけれど、俺に従ってくれた。それで30年もシカリをやらせてもらって、俺は幸せだなと思ったよ」。本業の林業でもシカリの精神が生きる。30人からの作業員を率いて、皆に「親方」と慕われた松橋さんの人心掌握術は、教えること、待つことから始まる。新人にはどういう仕事をやりたいのか、聞く。そして手本を見せて、機械の使い方から手入れまで全部を教える。「なんぼ教えたって、最初はできね」ということもわかっている。だから、松橋さんはある程度の時間は待つ。そのうえで技量を見極めて、できない人には次の指示を告げる。「あんたの技術はここまでだから、苦手なこととできることを自覚して自分で仕事の仕方を考えてくれ。そこから先はあんたの努力だ」。そして松橋さんは、真面目に努力する人間は成果を上げられなくても、仲間として認めた。「努力を認めたら、俺がやることはその人が結果を出せる持ち場に割り振ること。そういう使い方をしてあげねば、人はくさってしまう」。適材適所で活躍の場を作る。マタギの番割りと一緒だ。マタギの引退に続き、松橋さんは88歳のとき、定年退職後も続けていた林業の仕事を完全に引退した。16歳から営林署の作業員として働きだしたが、6カ月ごとの契約で日当180円。20歳を過ぎても待遇は変わらず生活設計が立たない松橋さんに、近所の木材会社の社長が「山の伐採の仕事をやらないか?」と声をかけてくれた。営林署の仕事ぶりから責任者を任せたいと言われ、それから林業ひと筋である。狩猟シーズンには作業員に日当を出し、全員を引き連れて巻き狩りをした。その日の仕事は他の日に何倍も働いて挽回する。とはいえ、それは勤務中に副業をしていたということで、ちょっとまずいのでは? 「んだ。ちょっと俺もずるかった。とにかく猟期になると熊獲りに行きたくて血が騒ぐんだものな」。エヘヘと笑い、松橋さんは右手でこつんと自分の頭を叩く。社長にも、親方の自分についてきてくれた仲間にも、それから人生のほとんどの喜びを授けてくれた山の神にも感謝しかない。「88歳まで、伐採した丸太の一番上を歩いてチェーンソー使ってたんだよ。どうしてそんな危ないことをって言われても、それをできる人が88歳の俺しかいねがったからって話だ」。けろりと話し、今度は大きな声で笑った。

(ハンターに同行、シカ狩猟を撮影:北海道)
写真家の大川原敬明さん(39)によるエゾシカの狩猟をテーマにした写真展「shooting a life」が札幌市東区のギャラリーカフェ「茶廊法邑(さろうほうむら)」で開かれている。銃で仕留める狩りの瞬間や、ナイフ1本で肉を丁寧に解体する様子を捉えた力作50点が並ぶ。22日まで。

(市街地で出没していたクマ捕獲:山形)
16日未明から中心市街地でクマの目撃情報が相次いでいた鶴岡市で夕方、クマ1頭が捕獲されました。捕獲されたのは、体長1メートルほどの年老いたメスのクマ1頭です。午後5時前、鶴岡公園西側の鶴岡市家中新町で、クマの足跡を追っていた警察や地元猟友会などがクマ1頭を発見しました。鶴岡市によりますと、発見されたクマが襲ってきたため、猟友会が緊急発砲し、クマは射殺されました。近所の住民によりますと、銃声が2発聞こえたということです。鶴岡市では午前7時過ぎから鶴岡市双葉町などの中心市街地で、複数の住民から「クマを目撃した」などと110番通報が相次いでいました。

(庭にクマ…住民パニック:秋田)
秋田市の住宅の庭にクマが侵入した。東北地方では、住宅地でクマの出没が相次いでいる。なかでも秋田市内では今週だけで27件目撃されるなど、例年を大幅に上回っている。秋田市内で撮影された緊迫の瞬間。住宅の庭に突然現れたのは1頭のクマ。思いもよらない訪問者に、住人はパニックに。クマは塀を乗り越え、隣の家の庭へ移動。その後、車と家のすき間を抜け姿を消した。秋田市内では、5月に入ってからクマの姿が度々目撃されている。11日午前8時すぎ、画面左側建物の影から姿を現した1頭のクマ。体長は1メートルを超えるとみられる。クマは、そのまま住宅の庭を駆け抜けて横断した。周辺には小中学校があり、クマが現れた庭のすぐ目の前は通学路。近隣では13日、登校中の小学生が体長およそ1メートルのクマを目撃していたという。秋田市内では11日から14日にかけ、27件クマが目撃されている。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、16日午後5時35分ごろ、栗原市金成片馬合手柄にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午前4時ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前5時15分ごろ、仙台市泉区加茂2丁目にクマが出没しました。

TOPへ