<射撃ニュース6月>
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(4人を襲い居座ったクマ、緊急銃猟体制の中で現場から逃げる:福島)
福島県福島市は、市内の事業所に居座ったクマに対して緊急銃猟体制を取っていたが、6月3日午後10時50分ごろ、捕獲には至らず、クマが現場から逃げたことを市が確認した。クマは6月2日午前6時半ごろ、JR福島駅から約3km離れた福島市笹木野の事業所で従業員2人を襲い、別の事業所の敷地内でも1人を、住宅地でも住民1人を襲い、男女4人がけがをした。その後クマは工場の敷地内に居座ったため、福島市が2日午後1時すぎに緊急銃猟に向けた通行制限を実施。工場内に引火性のものがあることから実弾は使用できず、麻酔銃や箱わなでの捕獲を目指し活動を続けていたが、福島市によると、被害の発生から約40時間後の6月3日午後10時50分ごろ、捕獲には至らずクマが工場の敷地内から逃げたことを確認。緊急銃猟体制を解除した。

(畑の近くで73歳女性の遺体発見、損傷激しくクマに襲われたか:秋田)
秋田市の畑近くで損傷の激しい遺体が見つかりました。遺体は女性で、周辺ではクマが目撃されていました。2日午前7時20分ごろ、秋田市河辺の畑で作業していた70代の女性の行方が分からなくなったと警察に通報がありました。警察が駆けつけたところ人が倒れていて、血がついたタオルのようなものがあったほか、クマの姿が確認されました。その後、午前9時45分ごろ近くでクマ1頭が駆除され、警察が現場を確認したところ、損傷の激しい1人の遺体が見つかりました。遺体は近くに住む竹林貞子さん(73)と確認されました。クマに襲われた可能性が高いということです。

(「猟銃です。引き金を引くところ」と110番通報、猟銃自殺を予告か:新潟)
5月28日深夜、新潟市秋葉区に住む男性から猟銃自殺をほのめかす110番通報があり、警察は一時、近隣住民に避難を呼びかけました。通報したとみられる男性は死亡が確認されました。警察によりますと、28日 午後10時ごろ、新潟市秋葉区に住むという男性から、「これから死のうと思って引き金を引くところ。猟銃です」と110番通報がありました。電話では発砲音のような音も聞こえ、警察が駆けつけたところ、住宅の1階の和室で男性が倒れていて、近くには猟銃があったということです。この家には70代の男性が住んでいて、消防によりますと、死亡したのは70代の男性だということです。警察は午前1時40分ごろ、隣接する2世帯の住民7人に避難を呼び掛けましたが、安全が確保されたとして1時間後に解除しました。

(クマに襲われ70代男性けが、タケノコ採り中:福島)
31日午前9時20分ごろ、福島県天栄村湯本の山林で、「男性がクマに襲われた」と通行人から119番があった。県警や地元消防によると、タケノコ採りをしていた70代男性が顔を引っかかれてけがをした。病院へ搬送されたが命に別条はない。県警須賀川署によると、クマは男性を襲った後立ち去ったという。

(ヒグマ駆除対応プロジェクト運用開始:北海道)
北海道警は5月、ヒグマ駆除対応プロジェクトチームを発足させた。規則改正で、警察官が威力の高いライフル銃でヒグマを駆除できるようになった。道警は深刻化する被害を防ぐための「最後の砦」として機能させたい考えだ。プロジェクトチームは、普段からライフル銃をはじめとした銃器等を使用する機動隊の銃器対策部隊4人と、管轄警察署の幹部1人で構成される。クマによる人身被害が全国的に深刻化していることを受け、2025年11月、国家公安委員会規則が改正された。これにより、警察官が警察官職務執行法に基づき、拳銃よりも威力の高いライフル銃を使用して、クマの駆除にあたることができるようになった。ヒグマの駆除は、これまで通り警察と市町村や地域の猟友会が連携して行うが、猟友会が出動できないなど、危険が迫っている場合に、本部長の指示で出動する予定だ。同様のプロジェクトチームは、青森県や秋田県など5県ですでに運用が始まっている。道内では昨年、福島町で新聞配達中の男性が、知床半島の羅臼岳で下山中の男性が、それぞれヒグマに襲われ死亡している。道警によると、過去5年間のヒグマによる人身被害の約60%が、4月から8月に集中しているという。道警はヒグマ出没情報が出たら、近づかないよう注意を呼びかけている。

(全国初の「鳥獣被害対策タスクフォース」設置、ICT技術活用で農業被害抑制へ:北海道)
全国の都道府県で初となる「鳥獣被害対策タスクフォース」が北海道に設置され、5月29日に札幌市内で本部チーム会議の初会合が開かれた。農業被害額の8割を占めるエゾシカをはじめとする鳥獣被害の抑制に向けて旭川市、富良野市、清里町、池田町、足寄町の5市町を今年度の重点支援対象に選定。3カ年計画でICT技術を活用した鳥獣被害対策の高度化を進め、農業被害の抑制を目指す。会合には農林水産省や北海道、重点支援対象の5市町の首長、関係機関・団体などが出席。各市町の対策強化プログラムの検討などが行われた。道によると、2024年度の北海道の農業被害額は64億6900万円。このうちエゾシカによる農業被害額は全体の8割を占める52億7700万円となっている。鈴木直道知事はこの日の定例会見で「昨年度のエゾシカ捕獲頭数は過去最高の15万8000頭だったが、目標の18万5000頭には到達していない」などと指摘。「5市町の取り組みがモデルケースとなるように必要な支援を行い、タスクフォースと連携して鳥獣被害防止対策に取り組む」と述べた。北海道によると、今後は重点支援対象の5町村に設置される「地域チーム」に技術的助言などを実施。地域チームは関係機関・団体と取り組みの進(しん)捗(ちょく)状況の共有などに取り組むとしている。

(県と県猟友会がクマの緊急対応訓練:茨城)
茨城県と県猟友会は、5月29日、笠間市の狩猟者研修センターで「県緊急銃猟隊」によるツキノワグマの対応訓練を実施しました。県緊急銃猟隊は、全国的なクマ被害の増加を受けて発足したもので、当日は隊員37人が参加しました。訓練では、散弾銃や威力の高いライフル銃を使用し、1人20発の射撃練習が行われました。また、捕獲経験が豊富な山形県猟友会のメンバーを講師に招き、クマと対峙する際の心構えなどの指導も行われました。緊急銃猟隊の責任者で、笠間市猟友会の支部長も務める責任者の 大須賀正弘さん70歳は「隊員は即応可能なメンバーを選抜した。県内ではクマ対応が初めての者も多いため、 技術だけでなく心構えからしっかり学びたい」と、初の実戦的な訓練に意欲を示しました。

(知事がクマ被害防止対策の支援を環境省に要望:秋田)
鈴木知事は環境省を訪れ、クマによる被害防止対策への支援などを要望しました。財政支援のほか、放置された果樹を速やかに伐採できるように、新たな制度の構築などを求めています。29日、各省庁を訪れて要望を行った鈴木知事。環境省には、クマの被害防止対策への支援拡充などを求める要望書を石原環境大臣に手渡しました。要望には、クマの出没の抑制対策や緊急銃猟などの取り組みを進めるための財政支援のほか、クマを引き寄せる放置された果樹を速やかに伐採できるような新たな制度の構築、ガバメントハンターの定義を明確にし、ガイドラインを整備することなどを盛り込んでいます。鈴木知事「春先からやはり生活圏に出てくるという異例の事態となっております。私どももこれを見越して年度当初より力を入れて春の管理捕獲、出てきにくいような環境づくり、伐採から電気柵というものを進めていこうとしております。またガバメントハンター、これも市町村が主体になりますけど、なるべくそういう体力をつけていこうということで頑張っていますが、相当限界もあるということできょうは要望に参りました」。石原環境大臣は要望を受け「十分な予算を確保しているので活用してもらい、ともに力を合わせて進めていきたい」と話しています。

(クマの出没相次ぎ各自治体が注力している「ガバメントハンター」の採用)
クマの出没が相次ぐなか、青森県内の各自治体が力を入れているのが、狩猟免許を持っている人を公務員として任用する「ガバメントハンター」です。その役割と捕獲作業の最前線を取材しました。5月15日(金)に青森市の中心街に姿を現したクマ。商業ビルの中に侵入したため、約3時間後に緊急銃猟が行われました。発砲したのは、狩猟免許を持つ自治体の職員「ガバメントハンター」で、約2mまで近付いて2発発砲したということです。今回の駆除で大きな役割を果たしたガバメントハンター。各自治体がいま、採用に力を入れていて、4月から青森市と弘前市が1人ずつ、5月から県が3人雇用しています。弘前市のガバメントハンター、太田高志さん(71)。県外でクマやイノシシなどを捕獲したことがあるほか、弘前市ではサルの生態調査をしてきました。5月13日は十腰内地区でクマの足跡が見つかった畑とリンゴ園を見回りしました。弘前市 ガバメントハンター 太田高志さん「爪の方向があるので、どっちを向いてどう来たかわかるので、ぐるっと回りながら向こうへ先に入ってから折り返して帰ったと。そして、足跡の大きさから約1m10cmくらいのクマです」。クマとイノシシの捕獲は、狩猟免許を持っている人にしかできません。弘前市は太田さんを採用したことにより、これまで猟友会に依頼していた捕獲作業を迅速に行えるようになりました。この日は、クマの通り道とみられる場所に「箱わな」を設置しました。弘前市 ガバメントハンター 太田高志さん「地元の人に聞いたら、わなのうしろは沢なので、獣は沢を通じて来る。こういう形が一番いいのかなと」。こうした捕獲作業で近年、大きな課題となっているのがクマが市街地に出没していることです。仮に発見した場合でも弾を止める遮蔽物「バックストップ」がなければ発砲することはできません。こうしたなか、注目を集めているのが2025年、岩手県盛岡市で行われた駆除でした。猟銃のかわりに使われたのが、麻酔が入った「吹き矢」です。猟銃ではなく吹き矢を使ったクマの駆除。担当したのは、盛岡市動物公園ZOOMOの辻本恒徳 園長です。2025年だけでも、クマに吹き矢を吹くため7回も出動しました。盛岡市動物公園ZOOMO 辻本恒徳 園長「こちらがいつも使っている吹き矢の筒です。1本で1mくらい。2本つなげると2mくらいになります。遠く離れたクマを狙うときは2本つなげて長くして吹きます。長くして弾道が安定するので、命中率が上がります」。獣医師である辻本園長は、動物園のクマやライオンに麻酔を打つとき、檻の中に入らないでもすむように「吹き矢」を使っています。練習でも見事、的の真ん中に命中しました。こうした吹き矢での対応が今後、増えることを想定し、盛岡市は新たに7人の人材を確保。辻本さんも指導にあたっているということです。盛岡市動物公園ZOOMO 辻本恒徳 園長「現場の状況が違うので、危険なくクマに近づく。危険なくクマに撃ち込む。実際に5~6mの距離で向き合って撃つ冷静さ・集中力。これは練習ではなかなか培えないので、一緒に現場に行って、そういう場面を見て、感じてもらうことが必要だと思います」。出没件数の増加だけではなく、人の生活圏に侵入することが相次いでいるクマ。対策の徹底は、喫緊の課題となっています。

(道がガバメントハンター採用、非常勤職員としてクマ駆除支援:北海道)
ヒグマによる被害が相次いでいることを受け、道は狩猟免許を持つ公務員「ガバメントハンター」を6月1日付で初めて採用しました。道の「ガバメントハンター」として採用されたのは、北海道猟友会札幌支部に所属する若林卓さん70歳です。若林さんは狩猟歴42年のハンターで、道の非常勤職員として、クマを駆除する支援のほか、対策への助言や人材育成などを担います。道がガバメントハンターを採用するのは今回が初めてです。(ガバメントハンター 若林卓さん)「近年、クマの出没が非常に多い。これまでの自分の経験を活かして、道民の皆様の安心安全に少しでもお役に立てればと」。道は今後、オホーツクと道南を拠点とするガバメントハンターを合わせて2人採用する予定です。

(貴重な高山植物を食べるニホンジカ、増える「食害」を防ぐ柵を設置:福島)
標高1600m以上に位置し高山植物の宝庫とされる尾瀬に春がやってきた。「訪れた人たちに尾瀬の自然を楽しんでもらえるように」希少な植物を守る取り組みも進められている。5月26日山開きした尾瀬国立公園。まだ雪が残っていたのは東北最高峰の燧ヶ岳。足もとに目を移せば、夏の思い出にも歌われるミズバショウ。青く小さな花が可憐なタテヤマリンドウに。春の湿原を黄色く照らすリュウキンカなど。厳しい冬を乗り越えた色とりどりの花が登山客を出迎える。この先にある湿原にはミズバショウなどの花が咲いている。貴重な植物を守るために柵の設置作業が進められている。高さ約2メートルの金属製の柵を相手に汗を流していたのは福島県の職員たち。県南会津地方振興局の三浦菜々副主査は「雪が溶けてからシカも入ってくるので、雪どけすぐを狙ってこの時期に設置しています。希少植物はシカの食害にあって、本当に(対策を)何もしなければ全滅してしまうのではないかと」と話す。従来、尾瀬ではニホンジカの生息は確認されていなかったが、1990年代半ばに確認されて以降、増加し生息域を広げている。環境省の発表によると、日光と尾瀬国立公園でのシカの捕獲数は2011年ころまでは2000頭以下だったが、2019年以降は4000頭以上に。ニホンジカが貴重な高山植物を食べてしまう「食害」が問題となっていて、かつては7月頃になると大江湿原の一面に咲き誇っていたニッコウキスゲはあまりみられなくなった。2018年からは国と県、檜枝岐村が共同で柵を設置するようになり、花の数も少しずつ回復してきているということだ。県南会津地方振興局の三浦副主査は「植物を守って、尾瀬の自然を守って観光客の方に尾瀬の植物を楽しんでもらいたいという思いで作業しております」と話した。

(エネルギー費高騰支援とクマ対策を柱に:鳥取)
鳥取県は6月補正の予算案について、中東情勢の悪化に伴うガスや電気などエネルギー高騰への支援を盛り込むことによって、総額が111億円を超える規模になることを公表しました。補正予算案には、このほか、鳥取県内でも目撃情報が多くなりつつあるクマへの対策についてDNA分析によるクマの個体識別の実施やGPS付きの首輪を活用した行動分析など、科学的手法による新たな取り組みに1100万円を計上しています。

(「ノウサギ研究アーカイブ」をウェブ公開)
四国森林管理局で実施してきた、全国でも事例が少ない林業被害対策としてのノウサギ研究について、その成果を分かりやすくまとめた「ノウサギ研究アーカイブ」をウェブ公開しました。四国森林管理局 森林技術・支援センターでは、近年、本格的な国産材の利用期を迎える中で、伐採後の再造林地等で問題となっているノウサギによる苗木被害の低減を目的として、平成29年度から行動調査や防護技術の検証に取り組んできました。林業被害対策としてのノウサギ研究は全国でも事例が少ないことから、このたび、当局での研究・調査の成果を分かりやすく整理した「ノウサギ研究アーカイブ」を、四国森林管理局ウェブサイト上で公開しました。

(相次ぐ“市街地クマ”や人身被害受け国と地方が初の情報共有会合:青森)
東北各地の市街地でのクマの出没や相次ぐ人身被害を受けた対応です。国と地方が情報共有を図る初めての会合が宮城県で開かれました。先月、青森市の複合商業ビルにクマ1頭が侵入し「緊急銃猟」によって駆除されるなど、市街地にもクマが出没しています。また環境省によりますとことし4月末までにクマによる人身被害は岩手や福島など全国で6件発生しています。東北各地の市街地でクマの出没や人身被害が相次ぐ事態を受け、「東北地方ツキノワグマ対策関係機関連絡会議」がきょう宮城県仙台市で開かれました。国と地方が垣根を越えて情報を共有することで効果的なクマ対策に生かします。初めてとなる会合には国や東北6県、それに新潟県の担当者などが出席し、被害や捕獲状況などを共有しました。県内では人身被害は確認されていませんが、「くまログあおもり」によりますと今年度の目撃件数は403件に上っています。

(県内、三八地域目立つ:青森)
青森県は3日、県指定管理鳥獣管理対策評価科学委員会の本年度初会合を開いた。県内でのイノシシやニホンジカの目撃情報や捕獲状況を報告。いずれも三八地域の実績が多かった。会合では2026年度の管理対策などを検討する。県によると、イノシシについては25年度、県全体で703頭の目撃情報があり、428頭を捕獲。ニホンジカは358頭の目撃情報があり、273頭を捕獲した。

(秋田市のクマ目撃数去年の4倍)
秋田市の6月議会が始まり、沼谷市長は「クマが大量に発生している現状を重く受け止め、対策を強化する」と述べました。議会の冒頭沼谷市長は、2日にクマに襲われ亡くなったとみられる女性に対し、哀悼の意を示しました。秋田市によりますと、クマの出没は去年の同時期と比べて4倍目撃されています。特に人の生活圏での出没が当初の想定を超える規模だとして、猟友会と連携して箱わなを最大限に設置し、人の生活圏への出没を抑える対策を強化します。5月時点で29基の箱わなを設置し、今年度に入ってから5頭捕獲しているということです。【沼谷市長】「公務員ハンターが所有する銃器の管理体制の整備と併せて、これまで県に依頼していた麻酔銃による捕獲について本市が独自に実施できるよう、県等への許認可申請等を進めている」。また、クマが度々目撃されている千秋公園について、公園の樹木を伐採するための費用が補正予算案に盛り込まれています。秋田市は議会におよそ10億1688万円の補正予算案を提出しています。秋田市議会の会期は6月26日までです。

(ヒグマ駆除ハンターの猟銃廃棄問題、新たな矛盾浮上:北海道)
自治体の要請でヒグマを駆除したハンターの猟銃が、捜査当局によって廃棄されていた問題。検察は「所有権放棄の意思を確認したうえで適正に処分した」と説明するが、当事者側は「放棄に同意した覚えはない」と反発を強めている。しかも、取材を進めると、別の疑問も浮かび上がってきた。警察は当時、「所有権が放棄された」とするライフル銃について、なおも“池上さんの銃”として「所持許可取り消し処分」の対象に含めていたのだ。「放棄された銃」なのか、「本人が所持する銃」なのか。当局の説明には、なお整合しない部分が残されている。北海道砂川市のハンター池上治男さん(77)の猟銃が廃棄されていた問題をめぐり、その猟銃を廃棄した検察が5月中旬、地元の報道機関向けに説明の場を設け、改めて処分は「適正だった」と強調した。これに先立ち、銃の持ち主である池上さんの代理人にも説明がおこなわれていた。代理人によると、検察側は廃棄理由について「所有権放棄の意思を確認した」と説明。銃を押収した警察が「所有権放棄書」なる書類を作成し、池上さん本人から署名・捺印を得たというのだ。しかし、そのライフル銃に特別な思い入れがあった池上さんは「廃棄に同意した記憶はない」と話す。代理人の中村憲昭弁護士も「仮に署名・捺印があったとしても本人に放棄の意思がなかったのは明らか」として、当局の対応に疑問を呈している。池上さんは2018年8月、自治体の要請を受けてヒグマを駆除。同年10月、銃刀法違反などの疑いで猟銃4挺を押収され、2019年4月には地元の公安委員会から猟銃所持許可を取り消された。池上さんは2020年、この処分を不服として札幌地裁に提訴。一審勝訴、二審敗訴を経て今年3月、最高裁で逆転勝訴判決が確定。池上さんの訴えがほぼ全面的に認められる結果となった。北海道公安委員会は処分の誤りを認めて謝罪。押収していた銃を7年ぶりに持ち主へ返還することになった。ところが、その“返還”された銃の中に、ヒグマ駆除で使用した最も重要なライフル銃は含まれていなかった。この顛末は、上記の記事で伝えた通りだ。池上さんにとって最も重要な1挺は、どうなったのか。“返還”翌日の4月10日、中村弁護士が銃を管理しているはずの検察に問い合わせたところ、4日後に返ってきたのは「廃棄しました」という回答だった。このとき初めて「所有権放棄書」の存在が示唆されたという。廃棄の根拠とされる「放棄書」はいつごろ、どういう経緯で作成されたのか。その書類に基づいて、実際に銃が廃棄処分となったのはいつなのか──。中村弁護士は改めて説明を求めた。これを受けて、札幌地検の担当者が中村弁護士との面会に応じたのは、1カ月ほど過ぎた5月14日だった。「とくに新しい事実は示されず、改めて『放棄書がある』『廃棄は誤っていない』との説明がありました」。中村弁護士はそう振り返る。「放棄書の署名により池上さんの所有権が失われ、銃は国庫に帰属したと。不起訴事件で国庫に入った物については、法務大臣訓令の事務規程に基づき、すみやかに処分することになっているという説明でした」。一方、放棄書の現物については、謄写(コピー)は認められないものの、本人あるいは代理人であれば閲覧は可能とされたという。検察が「不起訴記録」という言い回しを使ったように、問題のライフル銃は、不起訴となった銃刀法違反事件などの重要な証拠物だった。今回、新たに判明したのは、池上さんが「放棄書」に署名したとされる時期だ。検察によると、それは2019年1月。北海道警察・砂川警察署(のちに滝川署へ統合)が、札幌地検滝川支部に事件を送致する直前だった。その後、銃は同年2月の送致に伴って検察管理下に入り、同年7月、札幌地検によって廃棄されたという。これに対して、中村弁護士は疑問を呈する。「放棄書があれば、半年で処分できるのか、甚だ疑問です。そもそも池上さん自身に署名した記憶・認識はありません。放棄への同意とわかっていたら署名などするわけがない」さらに中村弁護士はこう続ける。「2019年6月に(猟銃所持許可取り消し処分について)行政不服審査を申し立てています。(銃の返還を求める意思は明確なのに)なぜ7月に廃棄されるのか」。中村弁護士が指摘する通り、池上さんは不起訴処分後の2019年6月に所持許可取り消し処分を不服として行政不服審査を申し立てている。申立て先は北海道公安委員会だが、検察がこの動きをまったく把握していなかったとは考えにくい。仮に把握していたとすれば、検察は銃の返還を求める池上さんの意思を知っていながら銃を廃棄してしまったことになる。中村弁護士は「審査請求を警察が検察に隠していたとしたら警察に問題があり、隠していなかったとしたら検察に問題があることになる」と指摘する。札幌地検は5月18日夕、臨時記者会見を開いて、地元報道に一連の経緯を説明した。クラブ非加盟の立場で会見に参加した筆者は、清水雅晴次席検事に対して、行政不服審査との関係などについて質問した。つまり、検察は、池上さんの行政不服審査の申立てを知らなかったというのだ。にわかには信じがたいが、会見での次席検事の回答はただ、取材を進めると、別の疑問も浮かび上がる。砂川警察署は2019年3月、道警・道公安委員会に対して、池上さんの銃所持許可取り消しを上申している。このときの上申で、砂川署は押収した4挺すべてを取り消し処分の対象とすべきとの考えを示していた。しかし、そのうち1挺は、ほかでもない砂川署自身が「放棄書」への署名・捺印を得たとする問題のライフル銃である。国庫に帰属したはずのライフル銃なのに、「池上さんの銃」として所持許可取り消しの対象にしていたことになる。もし本当に所有権が失われていたのなら、なぜ公安委への上申対象に含めたのか──。札幌地検は記者会見で「もし『やっぱりやめて』と言われたら」の問いに「再検討はできるはず」と答えている。池上さんも中村弁護士も「やっぱりやめて」とは当局に伝えていなかった。理由は今さら言うまでもない。そもそも放棄に同意した覚えがなかったためだ。一度所有権を失ったという認識があれば、その撤回も申し出られるところ、そもそも放棄した覚えがなければ「やっぱりやめて」とは言いようもない。「廃棄されたということは、譲ってくれた彼の思いを壊されたのと同じこと。私はそれで怒っているんです」。池上さんは会見の翌日の5月19日、砂川市内で筆者の取材に応じ、静かに怒りをにじませた。廃棄されたライフル銃は、若くして亡くなった狩猟仲間の形見だった。病床で託され、大切に使ってきた1挺だった。「その銃が戻ってきて初めて、裁判での争いがすべて終わった、ということになるんです。それを戻さないっていうのは、最高裁判所への冒涜でもありますよ」さらに、こうも語った。「刑事事件にならなかった時点で、警察はすべて返すべきだった。どう考えても処分する必要なんてないんだから。それをしなかったがために、7年もかけて争うことになったんでしょう」。あまつさえ一審で敗訴した公安委はこれを不服として控訴し、いたずらに争いを長引かせた。警察・検察の捜査も裁判所の審理もすべて公務、つまり税金由来の手続き。7年間の費用を納税者として背負うことになった国民はこの間、各地の猟友会と行政との緊張関係の傍らで否応なくヒグマやツキノワグマの脅威にさらされ続けた。この7年間あまりで猟銃の引き金を引くことをためらうことになったハンターは一人や二人ではない。今回の裁判の判決確定によりいくらかでも事態が好転することが期待されるが、その傍らで現場の最前線を守るハンターがあまりに大きな代償を払うことになった。二度とその手に戻らない銃について、池上さんは「もと持ち主の所へ行った」と思うことにしているという。「銃もさ、彼がいる所へ行ってしまったんだよ。そう思うしかないでしょう、なくなっちゃったんだから」。代理人の中村憲昭弁護士は近く、改めて検察を訪れ、「所有権放棄書」の現物を確認する予定だ。もっとも、仮に池上さんの署名・捺印が確認できたとしても、中村弁護士は「廃棄処分への疑義そのものは変わらない」と話している。今後の対応について、筆者は「たとえば国家賠償請求訴訟などの可能性はあるのか」と尋ねたが、現時点で池上さん側は、肯定も否定もしていない。

(県立総合射撃場(由利本荘市)、狩猟技術向上の拠点:秋田)
市街地でも出没が増えているクマを仕留めるための銃弾(スラッグ弾)は当施設では利用できませんが、各地域の猟友会員や県外の方からも定期的に当施設を利用していただく機会が多いです。

(狩猟スタートアップセミナー:大分)
山での猟に興味を持ってもらおうと、大分市でセミナーが開かれました。セミナーは、狩りの魅力や社会的な役割を伝えるため、大分県が2015年から毎年開いています。参加した人たちは、スクリーンに映った動物をライフル銃で狙い撃つ体験をしたほか、動物の足にひっかける「くくりわな」のかけ方を学びました。大分県のまとめでは、有害鳥獣による農林水産物の被害額は2024年度1億5700万円で、11年ぶりに増加に転じています。

(ニホンジカによる影響考える:岐阜)
県森林文化アカデミーという学校は林業短期大学校を前身とした「林業」の学校でありながら、木工・木造建築・森林環境教育と多様な専攻を有するユニークな専修学校です。「森林」という言葉が人によってさまざまなイメージを持つように、多様な植物、多様な生き物、多様な環境などの資源が複雑に絡まりあって日本の森林と森林文化が成り立っています。しかし、われわれの暮らしを支えてきた森林の多様な環境が今大きく変化してきています。その一つの要因が「ニホンジカ」による森林への影響です。

(渡良瀬遊水地で目撃「木登りクマ」の正体は?:栃木)
栃木と茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地で26日に目撃されたクマらしき動物。遊水地には大量のイノシシが生息しており、過去にもあった同様の目撃情報では見間違いが指摘されていたものの、今回の動物は木に登っていたためイノシシではないとの見方が有力だ。現時点でクマがいる可能性は捨てきれないとして、関係機関は近隣住民や利用者らに警戒を呼びかけている。遊水地を管理する国土交通省利根川上流河川事務所や小山、栃木両市、小山署などに取材し、現時点で判明している情報や行政の動きなどをまとめた。そもそも遊水地周辺に山はなく、行政がクマの個体や痕跡を正式に確認したことは一度もない。今回、クマらしき動物が目撃されたのは26日午前10時半ごろ。小山市下生井と栃木市藤岡町部屋との市境付近の渡良瀬遊水地で、国の委託業者の湿地調査員が発見した。

(新聞で鳥獣被害対策:福島)
野生鳥獣による被害を防ごうと、喜多方市で「けもの新聞」が作られ、全戸に配布されている。市鳥獣被害対策実施隊(杉原吉雄隊長)が4月に始め、5月号は出没が増えている熊を特集した。熊などの生態や対策を伝えるほか、柿の放置など熊を引き寄せている現状に警鐘を鳴らす。鳥獣被害はこれまで山間部が中心だったが、熊が市街地で目撃されるなど、市全域で影響が出ている。猟友会員で組織する実施隊は、生態や現状を正しく理解してもらうことが被害防止に必要と考えた。経験を踏まえて「新聞」を毎月製作している。5月号ではツキノワグマを「嗅覚は犬並みに良い」「木登りが得意」などと説明。「放置された柿や栗の果樹、廃棄野菜などの農作物を口にした熊は味を覚え、繰り返し集落へ出没するようになる」と住民に対策を求めている。未利用果樹の伐採を支援する市補助金も紹介している。「新聞」には、住民を守るために命の危険と隣り合わせで活動する実施隊の思いがこもる。集落での度重なる出没で駆除が必要な場合は多いが、人間が熊を呼び寄せている面もある。こうした状況を見つめ直してほしいと呼びかける。「新聞」はA4判で、裏表に記載されている。市ホームページにも掲載している。今後、イノシシなどを取り上げる予定。問い合わせは市有害鳥獣対策室へ。

(クマ被害防止へ電気柵設置、市が希望者へ貸し出し:富山)
クマの被害を防ごうと、砺波市特産の柿を栽培する畑で市が貸し出した電気柵を設置する作業が行われました。クマによる人への被害が県内で相次ぐ中、砺波市は今年度、国と県の補助を受けて電気柵を購入し、希望者へ貸し出す取り組みを進めています。きょうは砺波市井栗谷新でふく福柿を生産、出荷する関係者やボランティアが柿の畑の周りに電気柵を張っていきました。クマ用の電気柵の線は、イノシシ用よりも太く、2段多い4段を張り巡らせます。本格的なクマ用電気柵の設置は、県内ではこれが初めてだということです。この周辺では昨年度、おりでクマ1頭が捕獲されています。電気柵は、雪が降る前に回収するということです。

(クマ出没受け市街地で開催、中学生が森林の大切さ学ぶ教室:山形)
中学生たちが、自然観察などを通して森の大切さを学ぶ森林教室が2日、村山市で行われました。山形県内各地でクマの出没が続発する中、40年以上続くイベントは、初めて、市街地に場所を移して開催されました。2日午前、村山市で行われた森林教室は葉山中学校の全校生徒106人が参加しました。参加した生徒たちは8つのグループに分かれて火おこしや植物観察などを体験しました。このイベントは、地元の中学生に植林や植物の観察を通して、森林や自然の大切さとふるさとを愛する心を育んでもらおうと、村山市の教育委員会が企画しました。去年までは、村山市の葉山に登り、植樹を行っていましたが、ことしは県内各地でクマが多数出没していることを受けて開催場所を市街地に変更しました。会場の一つでもある東沢バラ公園で行われた火おこしでは、生徒同士が協力して紐を引き合い、火を起こしました。

(イノシシ被害対策の優先順位を自動算出する新サービス「里カルテ」を開始:東京)
イノシシによる農作物被害が全国的に深刻化する中、株式会社スカイシーカーは、鳥獣被害対策における、「どこから対策すべきか」を可視化するドローン解析サービス『里カルテ』の提供を開始しました。『里カルテ』は、ドローンで取得した空撮データと地形・植生等の環境情報をもとに、野生鳥獣の出没リスクや対策優先度を統一した基準で数値化するサービスです。従来は30ha程度の農地に対して1日を要していた現地踏査を、約1時間のドローン調査で代替可能とし、広域エリアでも効率的な状況把握を実現します。また、独自解析エンジン「ORDERIS(オーダリス)」により、従来は経験や勘に依存していた判断を統一した基準で数値化し、「やるべき順番」までを可視化します。さらに、解析結果をそのまま説明資料として活用できる形で提供することで、調査・検討・説明の一連のプロセスを効率化し、迅速かつ説明可能な意思決定を支援します。

(「55年間でたった2回」山でクマの死体が消える謎:米田一彦)
市街地にクマが大量出没するようになり、大きな話題となっている昨今。有害駆除されるクマも多いものの、山では自然死体がほとんど見つからない、という事実をご存じだろうか。クマに9回襲われて生還した経験のある研究家が、知られざる生態を解説する。山野でクマの自然死体が見つからないことは研究者の間でも有名で、修士論文にしたいと私の所に訪ねて来た学生が2人いる。私がクマの自然死体を見たのは、55年間でたった2回だけだ。1980年9月19日、私がまだ秋田県自然保護課に勤務していた頃だ。クマの追跡作業中に秋田市大平野田の林道の橋を渡ると、川下の中洲の柳に黒い塊が引っ掛かっているのを見つけた。皮の所々が破けて白い脂肪、ふやけた赤肉が露出している。私は死体を回収しようと、増水した川べりに降りたが、岸辺が深みになっていて中洲まで行けなかった。時期的にみて、そのクマは岸辺にあったクリの木の上で採食中に射殺され流され、回収されなかったのだろう。だから自然死とも言い切れない。秋田県によるクマの有害駆除個体等から繁殖生理学、寄生虫学的調査を実施した多数のクマのうち、ただ1頭、自然死したものは東成瀬村の栗駒山で回収されたもので、火山性の有毒ガスによる中毒死と推定されている。なぜ野生のクマの自然死体は発見されないのだろう。理由は正直いまもわからないのだが、自然死する前に有害駆除されている、とする考え方がある。「春になるとクマは里に出て悪さをするから、足腰の弱っている冬眠明けに駆除しておく」という予察駆除制度のもと、日本海側では、残雪期にクマを捕獲するマタギ猟が行なわれていた。古い話だが、文化庁に勤務していた花井正光氏が秋田県で得られた121個体のクマの歯から年齢を調べたところ、1980年のものでは平均約7.2歳、1981年のものは約5.4歳と若いオスに偏った。残雪のブナ帯で駆除を行なうため、早く越冬を終える若いオスグマが捕獲されやすいというわけだ。大オスグマや母子グマは、若いオスグマよりもずっと遅く穴を出るのである。この予察駆除が、2025年のクマの大量出没を期に再度認識され、北海道や東北の多雪地帯で再開されようとしている。だが、クマの生息域に深く踏み込んでしまうこと、捕獲個体が若い層に偏ること、ライフルや散弾銃を遠射するため半矢(手負い)グマが出て農林・人身被害を起こすことなどから、この制度に反対してきた層は判断に苦慮している。一方で、過去の事情をリアルタイムで知らない研究者たちは最重要実施項目に挙げているとおり、研究者の間でも議論が分かれている。クマの自然死体が見つからない理由として、クマ同士が食い合って消滅しているということはあるだろうか。たしかに近年、GPSを用いた追跡調査中のオスグマが他のクマを捕食していた例は報告されている。若いクマはドングリ類が不作の年は里に出やすく、各県での有害駆除個体は若い層に偏りがちだ。野生は自由でありながら弱肉強食の日々は厳しく、手負い、病気になった瞬間に坂を転がるように死へ向かう運命だ。そして同属のクマや肉食獣に食い尽くされるのだろうか。それでも最後には大きな骨は残るはずなのに、私はそれも見たことがない。死体が見つからない理由としてもうひとつ、「越冬中に力尽きて死ぬ」と研究者の間で根強く言われている。なにしろ高標高で越冬したクマは1分間に3回ほどまで呼吸数が落ちているので、心拍数の減少や約5カ月間もの越冬期間など体への負担はあるだろう。私もこの説に傾いたことがあった。けれど、クマがいない何千もの越冬穴を夏期にのぞき込んだが、クマの骨を見たことがない。越冬中に死ぬ、ということもないようだ。ではクマが自然死する状況とはどのようなものだろう。野生動物の周りは死の罠であふれている。クマは自分の不注意でそこにハマってしまう。病弱だったり手負いになったクマが木に登って、途中のY字の枝の股に挟まって動けなくなって発見されることがあった。頭が枝の股に挟まって歯で木を咬むことができず、爪で掻いてバラすには力が入らず、死ぬことがありそうだ。私が所長を務める日本ツキノワグマ研究所にいたF氏がテレメトリー追跡調査(野生動物の身体に発信機を装着し、電波情報から動物の移動を追跡する技術)中に、子グマが椿の幹の股に頭を挟んで抜けられなくなっているのを発見した。子グマはFの姿を見て、ますます強く頭を抜こうとして爪を樹幹に叩き込んで引くので、首が股の鋭角部分に食い込んでいく。親グマが近くでうなっているので放ってもおけず、子グマに麻酔をして木の股から引き抜き、開放してやった。1996年10月には、広島県中央部の町でカキの木のY字型の股に疾病クマが引っ掛っているのが発見された。皮が融けたように緩み、体中に炎症、ただれ、瘤だらけだ。見かけた人たちは皆、きもち悪がっていた。こんなこともあった。1997年10月、私が発信機をつけて追跡していたオスグマの電波が強力に入った。電波情報を確かめてみると位置の移動はなく、死亡しているか首輪だけが落ちているかという状況だった。後日、Fがヤマザクラの樹上、10メートルの枯れ枝に首輪だけが引っかかっているのを発見した。樹下に骨片などはなく、首輪が枝に引っかかって外れたようだ。一方で、クマが樹上死した情報もある。2010年11月中頃、秋田市の山間部で地元住民が、コナラのY字型の大枝の股にクマが引っかかって死亡しているのを発見、木を切り倒してクマを引き抜こうとしたら枝が裂けた。樹上にはクマ棚があって足を滑らして落ち、股に挟まったようだ。山野では、弱ったクマがこのようにして不慮の事故で死んでいるようだ。1935年7月29日付『北國新聞』によれば、富山県立山連峰剣沢で草を食べていた30貫(約112キログラム)ほどのクマの頭に落下してきた大石が当たり即死、アルピニストたちが剣沢小屋に運んで登山客30人ほどにクマ汁を振る舞ったそうだ。人間にも不慮の死があるように、クマたちも思いがけない死に方をしているようだ。でも、やはり山中でクマの自然死体は見ないものなのだ。私はクマが「殺される」場面を何千回も見た。その状況を検分するのが私の業務だったからだ。四足歩行のクマは死ぬ瞬間、両の前足を揃えて伸ばし、その上にあごを乗せることがあった。その姿にクマは「祈る動物」だと思うようになった。母子グマが大勢の鉄砲撃ちに取り囲まれて撃ち殺された日、母グマが子グマの無事を祈ったように見えたことがあった。1994年4月、島根県Y村では、越冬している母子グマを予察的に駆除することになり、私も立ち合うことになった。広島県・島根県では、この頃になると見つけ次第即、駆除ではなく、状況を関係者で検討して判断するようになっていた。直近の人家から3キロメートルは離れていたし、子グマは寒さに弱くて母グマは守るために穴から出てこないので危険は少なく、私は「この時点での射殺は避けたい」と進言したが、地元の同意は得られなかった。県と町の担当者、ハンターたち一行の13人は、4メートルの距離で思い思いに母子グマを取り囲んだ。人間たちに取り囲まれても母グマは威嚇も攻撃もせず、なすがままに撃たれようとしていた。「ちゃー、ちゃー」と泣き叫ぶ2頭の子グマたちを、母グマは長い舌で交互に舐めた。「子煩悩じゃのう」と、年配のハンターが悔いを漏らした。鉄砲を突き出した若いハンターは引き金を引いた。轟音と共に光が走り、母グマの眉間に小孔を穿った。眉間から流れ出た血が穴の床に滴り、真砂土の低い所を探すように細く流れ下って射手の前で止まった。母グマは微動だにせず、自ら伸ばして揃えた両前足の上に頭を乗せて死んだ。哀れな。何かに祈っている姿ではないか。県庁の若い女性担当者の頬は、あふれる涙で濡れていた。

(無意識に実践していた「視線から逃れる方法」とは:米田一彦)
環境省によると、2025年度の全国のクマによる被害者数は、過去最大を上回ったそうです。そんな中で「野生のクマに3000回以上遭遇し、9回襲われたことがある」という日本ツキノワグマ研究所所長の米田一彦さんは「クマの知られざる素顔に触れてもらいたい」と語ります。そこで今回は米田さんの著書『家に帰ったらクマがいた』より一部を抜粋し、米田さんが見た「クマのありのままでほんとうの姿」をお届けします。1984年3月下旬のこと、私宛に、ある狩猟担当者から連絡があった。「太平八田で、尻に毛がないクマが冬眠してるそうだ。見に行こう」。場所は県庁から車で30分ほどの郊外で、山に向かっていく筋も沢が入り組んでいた。田の畔を行くと、50メートルほど先の沢田の縁にクマが掘り開けた丸い空洞がある。暗い空間の中に黒く丸い塊がハマるようにちょうど塞がっていて「尻に毛がないだろう。なんでだろな」と先輩が首を傾げた。その後、ハンターが呼ばれて「ズドン」と駆除し、調査用に林業試験場に運んでいった。あの毛なしの状態はどういう作用で生じたのだろうと思っていたが、次に見たのは2011年4月に広島県でのことだった。例年より積雪が多い尾根筋を歩いていると、沢の流れに沿って歩いているクマの背中が見え、その尻は広範囲で毛が抜けていた。皮膚面には産毛があるようで、剛毛だけが抜けたように見える。どういう災難でこのクマの毛が抜けたのだろうか。クマ同士の闘争では、このような毛抜けになることはない。クマは急な雪降りで慌てて簡単な穴に入ったが、尻のほうは穴に収まり切れず、寒気に晒されて凍傷になったのだろう。クマの皮下脂肪は厚くて凍傷も筋肉層にまでは至らず、その後2ヶ月ほどで、元のふさふさの尻毛に戻っている。広島など西中国地域のクマは冬季に簡易な場所で越冬することが多いことから、尻の毛抜けにつながっているようだ。4歳になっても顔に傷がない美しいオスグマが稀にいる。幼少のときに強い母グマに守られ、子別れ後も母グマの近くで暮らしているとそうなるようだ。そんなオスグマは、体の質感と黒い毛のグラデーションの滑らかさに惚れ惚れさせられる。クマは初夏になるとつねにアブの類に襲われて血を吸われ、耳の縁がただれてぼろぼろになっているものだが、このクマは耳の縁まできれいだ。若グマ、母子グマは慎重で、7月中は畑の中央に出ず、山際を移動している。この美男子グマもそのように歩いていた。8月になりダイズの背丈が伸びると、どのクマも大胆になって畑の中央まで進出して採食する。畑の中にいるクマを観察している際、クマの視線をまともに浴びてしまったときの緊張感は凄まじい。クマにはこれ以上近寄ってほしくない距離というものがある。大体は7メートルほどが臨界点で、このクマもそこまでは近寄れる。母子グマやメスグマは10メートルほどで、オスよりは逃げやすい。森林で会うクマには、立木のように立っていれば意外と気づかれないものだ。阿仁のマタギたちはクマに気取られないように立木の陰に隠れる方法を「木化け」と言っていたが、それを私は無意識にやってきたようだ。ある観察地では、2タイプの体毛が赤いクマが見られる。下の写真のメスグマのように、本来白色であるべき月の輪模様が赤い個体と、歳をとったメスグマの内の20頭に1頭ぐらいの割合で現れる背中の毛が赤い個体がいる。この写真は2018年7月に撮った、赤みが強い月の輪が特徴のメスグマだ。その足元には子グマが2頭隠れている。この赤はデジカメの現像ミスではなく、目視でも赤くてビデオでも同様だった。このクマには派手なハワイアンレイのような幅の広い月の輪が肩の後ろまで掛かっている。他の黒い毛には異常がなく、月の輪だけが赤い。上の写真では、同じクマの月の輪が4年後には白くなっていた。2018年当時は何か外的な作用で赤くなったようだ。子グマを伴っていたことから、授乳の際に乳成分が毛に影響を与えたことで、犬猫でもある「よだれ焼け」だったように思う。2018年に、この画像を私の研究所のホームページに掲載していたものだから、その後、2024年5月に秋田県鹿角市で発生したクマによる死亡・食害事故の際に、この地方にはツキノワグマとヒグマとのハイブリッド種が繁殖しているという報道が多発した。そんなデマ情報を前提に取材依頼が来るので、私は取材拒否を続けた。私はヒグマも電波追跡したことがあるが、ツキノワグマとヒグマでは体型が異なる。ヒグマは体長2~3メートルでツキノワグマよりもかなり大きく、明確に判別がつく。したがって、当地の赤毛グマは純正のツキノワグマだ。メスグマは25歳ぐらいまで出産するのだが、20歳を超えると毛の赤みが強くなる。ばさばさで体が痩せて筋張るから見るからに老グマとなるが、出産するのである。

(80歳女性が“大声”で撃退、網戸を破って侵入してきた体長1m超のクマもタジタジ:青森)
5月31日夕方、岩手県釜石市でクマ1頭が住宅に侵入しました。住人の女性が大きな声をあげたところ、クマは外へ出ていき、女性にけがはありませんでした。釜石市小川町の髙橋和子さん(80)です。5月31日午後6時半すぎ、高橋さんがひとりで暮らす住宅に、成獣とみられるクマ1頭が、侵入しました。直前までクマは、敷地内で飼われていた愛犬を追いかけていたとみられています。異変を感じた髙橋さんが犬を家に入れたところ、クマが勝手口近くの網戸を破って台所に入ってきたといいます。クマは髙橋さんが大声をあげると外に出て行ったということで、髙橋さんと飼い犬にけがはありませんでした。クマは体長1m以上だったと見られています。現場は山あいに住宅が点在する地域で、髙橋さんによりますと、これまでもクマが多く目撃されていたということです。

(学校周辺でクマの追い払い、爆竹鳴らし周囲を巡回:秋田)
マの目撃が相次ぐ中、児童生徒が安全に登下校できるよう、秋田県は6月1日から学校周辺での巡回や爆竹によるクマの追い払いなどを始めました。県は、各地でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、学校に通う子供たちが安全に登下校できるよう、学校周辺でクマよけの作業を開始しました。この取り組みは、昨秋に続いて2回目です。1日は、午前6時ごろから県から委託を受けた警備会社の職員が秋田市の御所野小学校周辺を車で巡回し、クマがいないか目視で確認しました。さらに、クマが小学校に近寄らないよう、正門付近とグラウンド裏で爆竹を鳴らしました。県の情報マップシステム・クマダスによりますと、御所野小学校の周辺では、5月25~29日までにクマの目撃情報が8件寄せられています。県保健体育課・山崎幸介さん):「去年は県内全域でクマが出没していたため、全ての学校で忌避作業を行ったが、今回は出没状況に差があるため、直近で出没情報があったエリアの学校を重点的に回る」。クマよけの作業は、7月3日まで子供たちが登下校する時間(平日午前6~8時・午後3~5時)に合わせて行われ、実施エリアはクマの出没状況に応じて1週間ごとに決定します。県はこのほか、県立高校と特別支援学校計18校を対象に、クマが学校に近寄ることを防ぐため、敷地内にある木の伐採を5月31日までに終了したということです。

(設置したイノシシ用箱わなに"クマ"1頭を捕獲し駆除:宮城)
宮城県東松島市内の山林に設置された箱わなにクマ1頭が捕獲されているのが、3日に見つかりました。周辺では、1日から、多くの目撃情報が寄せられていました。3日午前11時ごろ、宮城県東松島市浅井の山林に設置された箱わなにクマ1頭が捕獲されているのを、見回りをしていた猟友会のメンバーが見つけました。クマは、推定3歳のオスで、体長約120cm、体重は60㎏ほどで駆除されました。箱わなは、東松島市が、イノシシの捕獲用として設置、近くの監視カメラには、4月26日にクマ1頭が映っていました。同一の個体かは不明ですが、周辺では1日から、クマの目撃情報が5件寄せられていました。

(野生イノシシのジビエ利用推進:宮崎)
県は29日、県内で野生イノシシの豚熱感染が広がる中、拡大防止対策として捕獲したイノシシのジビエ利用を推進する事業費などを盛り込んだ、総額14億607万円の本年度一般会計補正予算案を発表した。6月5日に開会する6月定例県議会に提案する。中東情勢に伴う物価高などに対応する予算については「国の補正予算編成など動向を注視し、会期中の追加提案も含め検討していく」とした。

(ジビエが再評価「サステナブル」食の広がりで若者が注目)
日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回戸田氏が注目したのは、ジビエ料理。若者の間で広がる新たな食の流行に迫る!近年、野生鳥獣の肉である「ジビエ」に対する注目度がじわじわと高まっています。背景にあるのは、野生動物による深刻な農作物被害と、それを有効活用しようとする動きです。加えて、食料自給率の向上やフードロス削減への関心の高まりもこの流れを後押ししています。実際、農林水産省が発表したデータによれば、令和5年度における野生鳥獣による全国の農作物被害額は164億円に達しており、農業者の意欲減退を招くなど社会問題化。生息域の拡大に伴い、個体数調整が国主導で推進されるなか、捕獲されたシカ約75万5700頭、イノシシ約48万9000頭のうち、ジビエとして食肉利用されたのは16万1035頭で、全体で見ると食肉利用されたのは12.9%にとどまるのが現状です。それでも令和2年度の約9%に比べれば利用率は増加傾向にあり、捕獲個体を加工・流通させる取り組みが少しずつ実を結び始めました。食肉としての流通が広がるにつれて、回収した個体を地域の食資源に変える試みがSDGsの観点から賛同を集め、サステナブルな活動として受け入れられています。特に健康志向や環境意識が高い若者の間では、高タンパク・低脂肪で鉄分が豊富なシカ肉などを体づくりのための食事に取り入れる人や、倫理的な観点からジビエを選ぶ傾向も出ているようです。飲食店や専門店による商品開発の進展も相まって、身近な食材としての認知度が上昇。全国各自治体が衛生管理基準を厳格化した処理施設を整備したことで、新鮮で安全な肉が安定して供給される環境も整ってきました。その結果、コク深く甘みを持つイノシシの脂身や動物性油脂を料理の旨味として再評価する動きも加速しています。新しい価値観の広がりを受けて、昨年11月~今年2月には農林水産省主催の「全国ジビエフェア」も開催され、大きな話題となりました。「ジビエならではの奥深い味わいや、良質肉にこだわる健康志向の若者のニーズに応える形で、調理の工夫を凝らした多様なメニューも登場してきています。体を温める“温活ジビエ”や韓国料理と掛け合わせた“韓流ジビエ”、片手で気軽に楽しむ“ワンハンドジビエ”などが今後のブームを牽引していくのではないでしょうか」(グルメ誌ライター)。こうした消費者による味や品質への高い評価は、ジビエが珍しさではなく、優れた食材として定着しつつある証拠。野山から得られた恵みを食材として無駄なく使い切ることは、持続可能な食と地域の未来を守ることにつながるはずです。

(「岩手・岩泉にジビエ施設を」:岩手)
岩手県岩泉町のジビエ加工処理施設「meetme(ミートミー)」が商品開発や雇用創出に取り組んでいる。同町の地域おこし協力隊として活動していた谷田川雅基さん(34)が今年1月に設立した。谷田川さんは「地元のPRなど地域の拠点になれれば」と笑顔で話す。

(ジビエの魅力を伝える食の挑戦者:北海道)
「旅と人」が展開する「「tabibitoキッチン」は、エゾシカやヒグマといった北海道産ジビエの魅力を発信するダイニングバーです。代表取締役の川合将太さんは、飲食事業に加え、食品加工や自社での鹿肉処理場運営を通じて、ジビエの価値を最大化する取り組みを加速させています。川合さんに、ジビエの可能性と北海道の食文化を未来へ繋ぐ経営戦略について聞きました。

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