<射撃ニュース6月>
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(60代男性が襲われ顔にけが、クマによる人への被害:岩手)
クマによる人への被害が続いています。12日昼すぎ、岩手県遠野市で60代の男性がクマに襲われ、けがをしました。県内では今週2人目のクマによるけがです。警察によりますと、午後0時50分ごろ遠野市青笹町糠前にある木材加工会社の敷地内で、60代の男性従業員が、庭木の間から飛び出してきたクマ1頭に遭遇しました。男性は驚いて転倒したところをクマに襲われ、鼻や口元などを引っかかれました。会話や歩行は可能で、命に別状はありません。現場から1キロ圏内には住宅や学校があり、警察は遠野市と連携して警戒を呼びかけています。県内では10日も住田町でクマによる、人への被害が発生しています。

(クマに襲われ男性けが:岩手)
10日午前、住田町の養豚場で男性がクマに襲われ、軽いけがをしました。10日午前10時ごろ、住田町上有住の養豚場の敷地内にある雑木林で、1人で作業をしていた近くに住む会社員、小山富孝さん65歳が、クマに背中やわき腹をひっかかれ、軽いけがをしました。小山さんが逃げる途中で振り返ったところ、成獣1頭と子グマ2頭がいたということで、警察が警戒にあたっています。

(保護された絶滅危惧種オジロワシから散弾銃の弾10発:北海道)
6月、北海道千歳市で保護された絶滅危惧種のオジロワシの体内から、狩猟に使われる散弾銃の弾10発が見つかり、環境省は鳥獣保護管理法などに違反している可能性があるとして、警察に通報しました。環境省北海道地方環境事務所によりますと、6月2日、千歳市上長都の工場で弱っていたオジロワシ1羽が保護され、釧路市の猛禽類医学研究所に運ばれました。研究所が治療に当たったところ、オジロワシは左の翼の骨が折れていて、体内からカモなどの水鳥の狩猟に使われる散弾銃の弾10発がみつかったということです。

(一部のハンターが“従事者証”交付受けずに害獣駆除参加:北海道)
北海道・旭川市で、エゾシカなどの害獣を駆除するために自治体が設置する「鳥獣被害対策実施隊」が、銃を使った駆除活動を休止していることが6月10日、市や関係者への取材でわかりました。一部のハンターが駆除するために必要な許可を得ずに参加したことが発覚したためで、再開時期は未定だということです。市や関係者によりますと、6月1日に市内で行われたエゾシカの駆除で、ハンターの一部が、携帯しなければいけない「従事者証」の交付を受けないまま活動に参加したことが発覚しました。鳥獣保護法では、隊員は駆除にあたり「従事者証」の交付を受けた上で、携帯することが義務付けられています。銃を取り扱う上で安全管理体制に問題があるとして、事態を重くみた市が実施隊の活動を休止させたということです。鳥獣被害対策実施隊は自治体が設置し、隊員は非常勤の公務員として、自治体の指示で駆除に当たります。市によりますと、クマの駆除に関しては別のチームが従事するため影響はないということです。地元の猟友会は今回の事態を重く受け止めるとして、会員に対し安全管理体制の徹底を呼びかけました。市もすでに警察に報告していて、再発防止策を講じた上で実施隊の活動再開時期を検討するとしています。

(橋本元五輪相を会長に選出、ライフル射撃協会)
日本ライフル射撃協会は14日、東京都内で開いた総会と理事会で役員を改選し、副会長を務めていた橋本聖子元五輪相(60)を新会長に選出した。任期は2年。2017年から4期会長を務めた松丸喜一郎氏(71)は名誉会長となった。橋本氏は「射撃のeスポーツを含め、若者に関心を持ってもらえるよう取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

(「オウム病」の疑いで30代の妊婦が死亡:長崎)
長崎県は、県内に住む妊婦(30代)がオウム病に感染し死亡した疑いがあると発表しました。女性は去年1月、発熱や呼吸困難、意識障害などの症状で医療機関を受診しましたが、その後死亡しました。その後、検体から病原体の検査を行ったところ、オウム病の原因となるオウム病クラミジアが検出されたということです。県によりますと、オウム病はオウム病クラミジアによる人と動物が共通で感染する病気でインコやオウム、ハトなどの糞に含まれた菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることで口から菌が侵入したりして感染します特に妊婦は重症化する傾向があり、死に至る場合もあります。しかし、県の情報によると死亡した女性は家庭内で鳥類を飼育してはいなかったということです。長崎大学の森内浩幸教授は「鳥を飼っていればよりリスクは高くなるが、鳥の糞が乾燥すると、空中に一部が舞っていくことがあり、そういったものを吸い込むことによっても感染は起こりうるので、鳥を飼っていなくても、鳥の排せつ物にばく露されることがあれば十分に起こりうる」と指摘しています。森内教授は日常的な習慣からオウム病を予防するためには、以下のような対策が重要と呼びかけています。1.直接接触を避ける:「基本的に鳥を扱う時は直接の接触をしないようにする」2.手洗いの徹底:「鳥のお世話をした後は必ず手洗いをする」3.清掃の重要性:「鳥の糞が乾燥して空気中に舞い、それを吸い込むことでも感染します。糞や羽毛は定期的に掃除をすることが大事」。長崎県内でのオウム病感染者の報告は8年ぶりで、死亡例は初めてだということです。

(ネコ治療した獣医師死亡、マダニ感染症疑い:三重)
マダニを通じてウイルスが哺乳類に感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、感染したネコの治療にあたっていた獣医師が死亡していたことが、わかった。獣医師も感染していた疑いがあるという。関係者によると、亡くなったのは三重県内で動物病院を開業している獣医師。検査でSFTSと確認されたネコの入院治療にあたった後、5月に呼吸困難などSFTSの症状がみられ、病院に搬送。数日後に亡くなった。マダニにかまれた形跡はなかった。ほかの動物病院関係者や飼い主らに症状はないという。日本獣医師会は三重県獣医師会からの報告を受けて事案を把握。6月12日付で、各都道府県の獣医師会に対し、診療時の留意事項などについて注意喚起するメールを送ったという。SFTSは、森林や草むらのマダニが媒介する。マダニにかまれるほかに、感染したネコやイヌを通じてヒトに感染する。6~14日の潜伏期間の後、嘔吐(おうと)や下血、発熱が起きる。ヒトでの致死率は最大3割、ネコでは6割が死ぬとされる。

(クマによる防御姿勢は有効か?:秋田)
秋田大学(学長:南谷佳弘)大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系・整形外科学講座の石垣佑樹医員、木村竜太助教、宮腰尚久教授らの研究グループは、秋田県生活環境部自然保護課鳥獣保護管理チームツキノワグマ被害対策支援センター と共同研究により、ツキノワグマと遭遇した際に「うつ伏せによる防御姿勢」で身を守ることで、重症を防げる可能性があることを明らかにしました。この成果は、「臨床整形外科」7 月号に掲載されます。令和 5 年度に全国で発生したクマによる人身被害は 198 件(219 人、うち死亡 6 人)で、統計が残る平成 18 年以降で過去最多を記録しました。なかでも東北地方、とくに秋田県では被害が深刻で、県が把握しただけでも 70 人が被害を受け、過去最多となりました。クマと至近距離で遭遇した際には、顔を伏せてうつ伏せになる防御姿勢をとることが勧められています。クマによる攻撃を完全に避ける方法は確立されておらず、重症となりやすい顔面、頭頸部、体幹部(とくに腹側)への負傷を避けることが重要とされています。本研究チームは、実際の救急医療の現場で、うつ伏せによる防御姿勢をとったことで重症化を免れた事例を経験しました。しかし、うつ伏せによる防御姿勢の有効性について解析された報告はこれまでになく、実際の有効性についてはまだ不明な点が多いです。また、実際に重症化した場合の後遺障害や社会復帰の状況は、自治体が独自に把握することが難しく、詳細が不明でした。そこで今回、令和 5 年度に秋田県内で発生したクマ外傷症例を対象に、受傷部位や障害の程度を分析し、うつ伏せの防御姿勢の有効性と、病院受診後の経過を調査しました。令和 5 年 4 月 1 日~令和 6 年 3 月 31 日までに、秋田県内でクマに襲われて医療機関を受診した方を対象とし、秋田県が保有する「令和 5 年度クマ外傷人身事故情報」と各医療機関のカルテ情報を連携させて解析しました。令和 5 年度にクマによる被害を受けたのは 70 人で、県内 14 病院を受診していました。重症者(多発外傷、全身麻酔を要した外傷、指や手足の切断)は 23 人でした。被害にあった方のうち、防御姿勢をとることができたのは 7 人(全体の 10%)で、この7 人には重症者はいませんでした。また、受傷場所については「里地」や「居住地」といった人の生活圏内が最多で、全体の 60%を占めました。本研究は、クマに遭遇した際にうつ伏せによる防御姿勢をとることで、重症化を防いでいる可能性があることを、実際のデータに基づいて示した初の報告です。秋田県では毎年クマとの遭遇被害が発生しており、2025 年も多くの目撃情報が寄せられています。人とクマの不意の接触が避けられない中で、「いざという時の対応」を知っておくことが重症化を防ぐ、そして命を守るために重要です。本研究の成果は、地域住民への啓発や、被害の予防・軽減策の一助となることが期待されます。

(ニホンザル対策のモデル構築:岐阜)
岐阜県が募集したニホンザル対策のモデル事業で、優れたアイデアを寄せた4つの団体が助成の対象に選ばれました。これは、岐阜県が「政策オリンピック」と題して広くアイデアを募集するもので、今回は ニホンザル対策に効果のある政策や取り組みを募りました。県内16の団体から応募があり、審査の結果、4つ団体が選ばれ、岐阜県庁で行われた知事の定例記者会見で発表されました。このうち、飛騨市鳥獣被害防止対策協議会は、AI(人工知能)を活用したサルの生態調査を提案しました。捕獲したサルに「エアタグ」を装着し、気球に搭載したカメラで群れの行動範囲などを調査。さらに、AI(人工知能)で分析した餌を使って群れをおびき寄せ、捕獲を目指すことにしています。また、揖斐郡森林組合は、サルとの共生を探るプロジェクトを提案しました。サルの群れにGPS発信器を取り付けて行動域を把握し、データに基づいて里山へ追い払う方策を探ります。ほかにも、下呂市猟友会馬瀬支部と郡上市のぎふ鳥獣対策ネットワークが支援対象に選ばれました。これらの団体には、活動費として最大300万円が助成され、効果が確認されたアイデアについては他の地域にも広く展開していくということです。

(「絶滅の恐れ」だった...四国のツキノワグマ)
四国森林管理局や認定NPO法人「四国自然史科学研究センター」などは、四国のツキノワグマについて2024年度の生息調査で少なくとも26頭を確認したと13日までに発表した。これまでで最多で、親子も4組確認したという。「個体数は少ないがしっかり繁殖が行われている」としている。国内のツキノワグマは本州と四国に生息。かつて九州にもいたが、環境省が12年に絶滅宣言を出した。四国も、植林による環境変化や害獣として駆除されたことで激減。生息が確認されているのは、徳島・高知両県にまたがる剣山系とその周辺のみで、同省のレッドリストで「絶滅の恐れのある地域個体群」とされている。

(クマの出没増加、目撃・痕跡60件:兵庫)
兵庫県の但馬北部でツキノワグマの出没が増加している。今年度の目撃や痕跡が見つかった件数は、5月末時点で過去5年平均の約1・7倍で、豊岡市但東町では農作業中の住民が襲われる被害も発生した。クマの行動が活発になる繁殖期に入っており、集落周辺への出没に県や市は警戒を強めている。但馬北部では今年度になって計60件(5月末時点の速報値)の目撃と痕跡の発見があり、有害捕獲件数(17件)は過去5年平均の5倍以上に及ぶ。一方、但馬南部では目撃・痕跡件数が過去5年平均と同程度の10件で、但馬北部での出没増加が際立つ。県内には円山川を境に二つの個体群のクマが生息している。推定生息数は円山川以西の「兵庫東中国ユニット」で483頭(中央値)、円山川以東の「兵庫近畿北部ユニット」で221頭(同)いるとされる。春から初夏にかけて出没が増加している要因について、県森林動物研究センター(丹波市)の森林動物専門員、河野賢治さんは「はっきりした原因はわからない。個体数はここ数年ほぼ横ばいの状態だが、出没が多いという状況だ」とする。堅果類が不作だった昨年度の目撃・痕跡件数は、但馬全体で861件(前年度比2・4倍)だった。河野さんは「昨秋に集落に出没した個体が、(餌があるのを)覚えた可能性がある」と指摘する。こうした事態を踏まえ、豊岡市は防災行政無線で目撃情報などを伝え、市ホームページで「クマ目撃マップ」を公開するなどして注意を促している。集落周辺に出没し、人身被害の恐れがある場合は、県の許可を受けて緊急的な有害捕獲を実施しているという。集落と里山の間に緩衝帯を設ける森林整備への支援も行っている。但馬県民局は管内の市町などでつくる但馬地域クマ対策連絡会議を今月6日に開き、効率的な捕獲方法に関する情報共有や集落単位でのクマ学習会の開催、市街地への出没を想定した訓練の実施などを決めた。同センターや県豊岡農林水産振興事務所は、集落周辺にクマを寄せ付ける柿の木などの「誘因物」に着目し、不要となった柿の木の伐採や果樹園の電気柵設置などを呼びかけている。農作業前に車のクラクションを鳴らすなどして、クマとの遭遇を防ぐ対策も有効という。同事務所は「捕獲しても誘因物があると、別の個体がやってくる。誘因物の除去と両輪でやっていく必要がある」としている。

(有害鳥獣の捕獲最多1681頭、わな効果:群馬)
群馬県安中市は12日までに、2024年度捕獲された有害鳥獣捕獲数が1681頭に上り、過去最多を更新したことを明らかにした。これまで最も多かった2023年度の1602頭を79頭上回り、2年連続の更新となった。全国的に猟友会を中心とした狩猟者が減少するなどし、市街地や農地へ出没する鳥獣が増加傾向にあるが、市は「捕獲隊を中心とした捕獲体制の確立で、有害鳥獣の適切な個体管理ができている」としている。

(有害鳥獣捕獲が大幅減豚熱の影響か:広島)
広島県福山市内で2024年度に捕獲した有害鳥獣は942頭(前年度比690頭減)で、5年間で最も少なかったことが市のまとめで分かった。県内で感染が広がる伝染病の豚熱(CSF)の影響でイノシシの捕獲頭数が大幅に減ったという。一方で農作物の被害は前年度を上回っており、市は本年度、山間部と市街地の両方で対策を進める。

(特定外来生物「クリハラリス」の生息数、3分の1に:静岡)
浜松市は環境経済委員会で、2030年度の根絶を目指している特定外来生物「クリハラリス」について、対策を本格化させた20年度からの5年間で、市内生息数が3分の1程度に減少したことを報告した。環境政策課によると、19年度調査では市内に約1万5000匹が生息していると推定されていたが、市民の協力などを受けて24年度までに約8500匹を捕獲し、現在は4700匹程度に減ったとみられる。北上を防ぐために都田川や新東名高速道の南側を重点的に対策を進めているという。市は国の交付金を受けて捕獲業務の事業委託費を拡充し、5月補正予算案に277万円を盛り込んだ。クリハラリスは頭から胴までの長さと尾の長さがそれぞれ20センチほど。市内では1970年代から浜松城公園周辺で確認され、果樹の食害や家屋侵入などの被害が出ているほか、在来種との競合によって生態系への影響も懸念されている。

(シカの食害、伊吹山植生回復へ:滋賀)
シカによる食害が深刻な滋賀県米原市の伊吹山の植生を回復させようと、ボランティアの人たちが、シカが好んで食べない植物を入れた土のうづくりを行いました。伊吹山では去年(令和6年)、複数回にわたってふもとの集落に土砂が流れ出すなどの被害が相次ぎ、米原市は、シカが高山植物などを食べて山肌が露出したことが大きな要因の1つとみています。12日は、上流からの土砂が堆積している3合目で、市内外から訪れたボランティアの人たち20人が食害が特に進んでいる7合目や8合目に設置する土のうづくりを行いました。2人1組になって、やしの繊維で作られた土のう袋に土砂を詰めたあと、レモンエゴマやススキなど、シカが好んで食べない植物の苗を移植していきました。土のうはおよそ4時間で500個完成し、植物が成長した9月ごろ、ドローンを使うなどして設置されるということです。また、山の6合目では大型のドローンを使って、植物の種や肥料を上空からまく実験も行われ、今後、順調に発芽すれば山頂付近でも取り組みを進めたいとしています。米原市まち保全課の小寺真司課長は「多くの方に関わってもらい、とてもうれしい。少しでも早く伊吹山に緑を取り戻せるよう取り組んでいきたい」と話しています。

(シカの食害から高山植物を守る柵を有志らが設置:長野)
南アルプス国立公園の高山植物をシカの食害から守るため、飯田市、静岡県境にある光岳(てかりだけ)(2592メートル)山頂近くの光小屋周辺で5月30~6月1日、南信州山岳文化伝統の会メンバーや環境省、南信森林管理署、飯田市、伊那市の職員ら約10人がシカを防ぐ柵を設置した。かつての美しい高山植物が広がる景色の復活を目指し、汗を流した。南アルプスでは近年、シカの食害により高山植物が減少。特に黄色い花を咲かせるニッコウキスゲはシカの大好物で南アルプスの山々でも食い荒らされる被害が出ていた。会によると、南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークや南アルプス食害対策協議会、地元有志などが仙丈ケ岳(3033メートル)、聖岳(3013メートル)で柵を設置すると効果が出始めたという。光岳は山頂までの道のりが厳しく、手を付けられていなかったところ、伝統の会の大蔵喜福会長(74)や小屋管理人が管轄する環境省伊那自然保護官事務所(伊那市長谷溝口)に声をかけ、国の許可をもらい関係する同管理署や飯田市、伊那市も参加して昨年から始めた。柵の設置は事前にヘリコプターで資材を運搬。参加者は飯田市側から登り、5月31日の早朝から雪が残る小屋周辺で高さ約2メートルの支柱を2メートル間隔で立て、ネットを張った。小屋から20分ほど下った場所にある静高平にも資材を運び、初めて柵を設置した。雪が降る10月ごろに撤去する予定。参加した同事務所自然保護官の石橋岳志さん(62)は「国としても継続していかなければならない活動。予算や人手も限られる中で地元団体や自治体とこれからも協力して管理していきたい。続けるには地元の熱意が一番必要」と話した。

(「身近な絶滅危惧種」一覧)
今年に入ってから大阪でとある“珍客”が見かけられているという。一昔前の日本ではお馴染みの存在だったものの、ここ数年はめっきり姿、形を見かけることがなくなった動物だ。「大阪府内の吹田市や豊中市、大阪市内で“アカギツネ”が度々目撃されています。ときには、餌を巡って猫と争う姿も見せている。キツネは大阪府の“絶滅危惧種”にも指定されており、都市部で発見されたことは大きな驚きです」(生物系ジャーナリスト)。ここでひとつ気になるのは、「都道府県ごとに絶滅危惧種指定が存在する」という事実。調べてみると、都道府県ごとに“レッドリスト”が作成されている。このリストはどのように作成されるのか。大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターの主任研究員の幸田良介氏が語る。「本質的には様々な生物種を対象とした調査を継続的に実施し、データに基づいて作成するべきものですが、都道府県規模では、絶滅危惧種全てを網羅するような詳細な調査は予算や時間的に厳しいのが現状です。大阪府では、各分野の研究者や大学教員など専門家11人で構成される委員会を設置し、利用可能なデータや文献をもとにリストを決定しました」。キツネの頭数が減少した理由はどこにあるのか。幸田氏が続ける。「野生動物の多くは、戦後、高度経済成長期の頃には個体数が激減していました。土地開発が進んだこと、さらに人間の生活様式の変化で動物の生息環境が大きく変わったことが理由に挙げられます。雑食性の強いタヌキのように、激変した環境に適応しやすかった動物がいる一方、肉食性が強いキツネは数を減らすようになりました」。なお、大阪府では“イタチ”も絶滅危惧種に指定されている。「正確に言うと在来種の“ニホンイタチ”を指します。ネズミ駆除用や、毛皮を獲るなどの目的で、外来種であり都市部でも生息可能な“シベリアイタチ”が持ち込まれたことで、“二ホンイタチ”は追いやられてしまったのです」(前同)。東京都でも、近年街中での暴走がワイドショーなどで伝えられる“ニホンザル”や“ニホンリス”が絶滅危惧種に指定されている。とはいえ、多摩市や稲城市など、東京都の西部は森も多く、緑豊かな地域でもある。東京都の“レッドリスト”を執筆した日本大学生物資源科学部動物学科教授の岩佐真宏氏はこのように語る。「東京近郊の“森林”の多くは人間が作った造林地です。戦中・戦後には木材の使用を予定し、広葉樹を切り倒して、スギやヒノキなど成長が早く真っすぐ育つ針葉樹を植えていました。しかし、この30年は安価な輸入材木に押され、林業が廃れています。針葉樹林の多くが放棄林と化し、森林の維持に必要な管理を施されなくなりました。結果として、木の実がなる広葉樹は消失し、残った針葉樹も細い木が乱立するようになって日光も入らなくなる。サルやリスにとっては棲家も餌となる木の実もなくなったのです」。森林の質の変化は多くの野生動物に影響を及ぼしているというわけだ。一方、東京都でよく目にする動物の代表例といえば“ネズミ”がいる。しかし、一部のネズミは東京で絶滅危惧種に指定されているのだという。「日常的に見られるネズミとしては、下水やトンネルを住処とする“ドブネズミ”や建物の配管をつたって生活する“クマネズミ”でしょう。彼らは“家ネズミ”と呼ばれ縄文時代以降に人間とともに朝鮮半島から伝来してきた種類です。一方で“ノネズミ”と呼ばれる種類は年々減少しています。特に、日本の在来種であり、草原や森林に暮らす“アカネズミ”は人間の開発により棲家を追われてしまったようです」(前出の岩佐氏)。全国的に“当たり前”に見られていた野生動物が消えてしまう日も近いのかもしれない。前出の幸田氏は以下のように語る。「環境省の調査で、全国的に“ニホンノウサギ”や“スズメ”の数が減少していることが指摘されています。かつては燃料や肥料など、生きるために“森の恵み”を享受していた人間が、燃料革命により石油や石炭に依存。森や耕作地の管理を放棄したことで“日本のふるさと”とも言える里山が失われつつあることが原因でしょう。草原などの棲家や餌が減ってきているのです」。現在では、この里山を取り戻すために、森の手入れや農地を再興させる活動を行っているという。冒頭の話題に戻るが、大阪のキツネはなぜ、自然界に戻ってこられたのだろうか。「2つの可能性が考えられます。まずは、大阪に野生動物が住めるほど豊かな緑が戻ってきた可能性。もう一つはキツネが都心で人間との生活に適応し始めた可能性です。どちらが強く影響しているのかはわかりませんが、定住しているのは間違いないでしょう」(前同)。自然環境が日々、変化しているのは間違いないようだ。

(横手市が在日外国人に狩猟免許を出すようになった?:秋田)
SNSで、秋田県横手市が在日外国人に狩猟許可を出すようになったという話が拡散されています。一方、県内で狩猟免許の取得を担当している秋田県生活環境部自然保護課にNewSphereが取材すると、「狩猟免許試験の受験資格に国籍要件はありません」と説明しました。SNSで拡散されているのは、狩猟免許を取得したと報告した中国人の投稿。「試験のポイントを教えます」というコメントもありました。横手市における外国籍人口は、2025年6月10日時点で531人にのぼっています。秋田県生活環境部自然保護課によると、2024年度の横手市内における狩猟者登録は131件です。なお狩猟免許試験の合格率は約9割。横手市では、狩猟免許を取得し地域の猟友会から推薦がある人物に対し鳥獣被害対策実施隊の隊員(実施隊員)として市が任命しています。実施隊員は、クマが出没したときなどに駆けつけている人々。この中に外国籍が1人いるそうです。同市では実施隊員に対し「特段の区別なく、狩猟免許や猟銃を取得した際に支払った費用の一部を補助している」といいます。SNSで拡散されている話について、横手市農林部農林整備課森林整備係は「SNSでの声につきまして、そのようなご意見やお考えがあることは承知しておりますが、回答は差し控えさせていただきます」とコメントしました。

(「チーム犬迫スペシャルハンターズ」結成4年:鹿児島)
鹿児島市犬迫町の住民有志でつくる「チーム犬迫スペシャルハンターズ」が、地元で深刻化する鳥獣被害に立ち向かっている。活動3年目の2024年度はイノシシ、アナグマなど173匹を捕獲。今年も害獣の動きが活発化する時期を前に、メンバー5人はさらなる成果をと意気込む。4年前、チーム副代表の今森誠二さん(53)が地域の害獣対策を消防団仲間に相談したのが始まり。駆除チームをつくるアイデアに40、50代の4人が手を挙げた。狩猟経験者の中間隆さん(66)をコーチ役に迎え、全員がわな猟の免許を取得。犬迫地区コミュニティ協議会も助成金を出すなど協力体制も整えた。1年目の捕獲数はイノシシ22匹で、2年目はイノシシ60匹、アナグマ19匹、タヌキ1匹と年々増加。中間さんは「経験を積むことで成果が上がった」とみる。ユニホームとして黒いTシャツとジャンパーもそろえた。なぜか獲物の側のイノシシが銃を手ににらむマッチョなイラストだが、力強い横文字のロゴも相まって子どもにも人気という。代表の古野剛さん(48)によると、全員勤めがあり休日にわなを仕掛け、毎日出勤前にチェック。「足跡などで通り道が分かるようになった。活動が住民に知られ、目撃情報が寄せられることも大きい」と話す。目的は駆除で、今のところ獣肉の活用は考えていない。それでも、駆除した動物の供養を全員参加で地元の寺で行うことを会則にうたう心優しきハンターたち。目下の悩みは、被害の増加にメンバーの手が回らないことだ。

(シカの食害防ぎ約4000株のアジサイ花咲かす:鹿児島)
薩摩川内市の山あいでは、シカの食害から守りながら地域の人たちが丁寧に育てているおよそ4000株のアジサイが花を咲かせ始めました。アジサイが咲き始めたのは、薩摩川内市田海町西川内の丘の斜面にあるアジサイ園です。長年、この地区に咲く、アジサイは人気でしたが、新芽や花をシカに食べられる被害が相次いだため、9年前、小山道春さんが所有する山の木を伐採して斜面にアジサイを植え替え、以来、近所の人たちと一緒に育てるようになりました。食害から守るため、シカの侵入を防ぐ電気柵で周囲を囲うなどの対策を施しながら毎年アジサイの数を増やしていき、今では、およそ4000株の青や赤、紫といった色とりどりの花が広さ10アールの斜面に咲き誇るまでになりました。小山道春さんは「皆さんがきれいですねって言ってくれるのがやりがいにつながっています。私たちの苦労が実を結んでおりますのでぜひ見に来てください」と話していました。このアジサイ園の花の見頃は、今月いっぱい続くということです。

(阿仁マタギの血を受け継ぐ若者が3年間の修行を経て故郷へ:秋田)
今から約60年前、1960年代に撮影された阿仁マタギの映像です。北秋田市の阿仁地域で狩猟を生業としてきた人たちで、身に着けている装束には、捕らえた獲物の皮や骨が使われています。独自の習慣やしきたりなどがあるマタギですが、その文化は時代の変化とともに失われつつあります。こうした中、阿仁マタギの血を受け継ぐ若者が3年間の修行を経て、この春、地元に戻ってきました。阿仁地域でマタギとして暮らすために何を学び、これから挑戦していくのか。令和のマタギを目指す若者の姿を追いました。松橋翔さん「はい お出しします モモ肉後ろ足の部位になりますね。今回は2歳のメスの個体のモモ肉を用意しております」。シカ肉の解体作業に参加できる体験ツアー。ガイドを務めたのは、阿仁マタギの家系の16代目にあたる松橋翔さんです。マタギとして生計を立てるため岩手県で3年間修行を積み、この春地元に帰ってきました。いま力を入れているのがマタギ文化を伝えながら進化させる取り組みです。松橋さん「新しいスタイルのマタギっていうのを私は『令和のマタギ』と言わせて頂いていてそこを体現できるように」。松橋さんが修行の場として選んだ岩手県大槌町。野生のシカによる農作物への被害が深刻な地域でした。駆除されたシカは野生動物の肉、ジビエの特産品として商品化されています。松橋さん「修行の場として来ているんですけど 僕自身が阿仁で暮らしていくために仕事を作りたいなと思っていたところから、ジビエ事業というところにたどり着いたんですよ」。ジビエの先進地に飛び込んだ松橋さん。ほぼ未経験で始めたシカの解体は3年間で約1,000頭にのぼりました。『地元の阿仁に戻ってマタギとして生活をする』。松橋さんの決意を家族も応援しています。見せてくれたのは松橋家に伝わるナガサ(山刀)と呼ばれる刃物です。松橋さん「これはずっと父が使っていたんですよ。(祖父から)引き継いで使ったのを私が実家を離れるタイミングで譲り受けて、いずれ戻ってくるというところを離れるタイミングから言っていたので『じゃこれを持っていって』という感じで」「おじいちゃんから一番強く受け継いでいる伝えてもらったところというのは、山からの授かりもの、そういうところに対する精神性というのが一番強いんじゃないかなって思っていて、生きるために獲っているというのがルーツじゃないですか。ただ殺して終わりっていうのが一番やっちゃいけないことで、獲らなきゃいけないっていう現実もあるし、その獲った命をどうするかっていうところがむしろ大切で」「全部余すところなく使うっていうところの精神はこれからも必要になってくると思うし」「立ち返らないといけない部分だと思っています」。大槌町で暮らし始めてから狩猟免許も取得した松橋さん。狩猟が解禁されたこの日。獲物を囲んで追い込む巻き狩りを地元のハンターと行いました。松橋さん「ハーーーイ フォーーイ!」「シカだ!シカ気づかなかった。クマだったらな、いやクマだったらいまのタイミング構えられないや」「撃った! クマかな」。仲間「シカが雌一頭ゲット」。松橋さん「シカ?」。仲間「4頭群れが来ましたけど、1頭だけ獲りました」。松橋さん「マタギっていう文化、伝統を残すというところと、獲ったところで終わるんじゃなくてそれを新しく価値として外向けに発信するというところ」「阿仁には豊かな山があるんですけど、その豊かな山から授かっている恵みを豊かな地域づくりにつなげていく」。岩手県での修行が残り2か月となった今年1月。3年間の成果報告と、お世話になった町民への感謝を伝える交流会が開かれました。松橋さん「これが狩猟に使うナイフです。私、地元が阿仁マタギ狩猟文化があるところなんですけど、そこで使っているマタギナガサというやつを使っています。これは時幸と書いてあるんですけど、祖父のナガサです。これを受け継いで祖父が現役の時から使っているので50年ものですね」。この日、松橋さんが持参したのが、祖父から受け継いだナガサと3年間の修行中に相棒としてシカを捌いてきた包丁でした。松橋さん「こっちが比較的新品のナイフ、こっちが3年間解体で使ったナイフです。もともと同じナイフでした。3年間使うと研いでいるので擦り切れてだいぶ削れて細くなっています。こうやって解体をしたのがおよそ1,000頭くらいです」。松橋さん「これからツアーだとか、ジビエバーベキューだとか、教育だとか、そういうところにつなげていきながら、大槌で学んだことを、大槌と似たようなことをしながら地元でもやっていきたいなと思っています。最後これ、おじいちゃんの写真なんですけど、おじいちゃんから受け継いでいるものっていうのが、僕にすごく受け継がれています。で、こうやって受け継がれてきたものを僕のところで途絶えさせるんじゃなくて僕からまた次の代につなげていくっていうのが僕の当面の目標です。最後になりますが、大槌町の皆さんに見守っていただいてとってもとっても温かい3年間でした。本当にありがとうございました」。3年間の修行を経て、地元に帰ってきた松橋さん。マタギ文化を発信していくために地元の観光協会に籍を置くことにしました。松橋さん「外では修業していたんですけども、まだ北秋田市内では狩猟者登録をしていない。だからまだ本家のマタギは継げてはいないんだなと私自身感じていますので、16代目にあたる人だよ、というところだけおさえていただければと思います」。観光客を対象にしたプログラムも自ら考案。初回のこの日。まず参加者に説明したのは、全国的に社会問題となっているシカやイノシシ、クマによる被害と駆除の実情です。松橋さん「仕方なく命を奪っておいて有効活用しているのは、たった17%、たった8%、残りの58万頭、46万頭の命って捨てられているんですよ。これって悲しいことじゃないですか。課題はこれですよね。奪った命を捨てているという現状です」。山の恵みでもあるシカ肉は大槌町から取り寄せました。その場で食べきれない肉は参加者全員、平等に分けるマタギのしきたり、『マタギ勘定』で取り分けます。松橋さん「どんどんジビエという利活用を増やしていって、捨てる命がなくなるように余すことなく活用できるように なっていったらいいなと思っています。きょうの体験をほかの方にもお伝え頂いたら幸いです」。伝統的な猟師の文化を次の世代につなげるために。時代にあわせたマタギの姿を追い求める松橋さんの挑戦はこれからも続きます。松橋さん「受け継いでいって受け伝えていって、これからに伝えていくフェーズ(段階)にいま差し掛かっていると思いますし」「もちろんいままで受け継いでき た大事な部分というのはそのままにしながら、私たちにいま必要になっている力というのが別にあると思っていて、その部分を取り入れた新しいスタイルのマタギというのを私は『令和のマタギ』と言わせて頂いていて、そこを体現できるように頑張っていきたいです」。

(狩猟しながら暮らす夫婦が考える「自然を守る」ということ:北海道)
森との健全な関係について考える上で避けて通れないのが野生動物といかに折り合いをつけて生きていくかということ。保護か管理か―絶対的な正解は存在しないからこそ、難しい。知床で狩猟しながら自然と命に向き合う夫婦に聞いてみた。「ヒグマがいるかもしれないから、離れないでください」。そう言って、ふたりは静かに歩く。霧が立ち込める森は視界が悪く、小さな物音でもビクビクしてしまう。川村喜一さん、芽惟さんが北海道の知床に移住したのは7年ほど前。ともに東京の芸術大学で学び、喜一さんは写真、芽惟さんはテキスタイルなど様々な素材を用いて造形物を作る。移住後に狩猟免許を取得し、農地に出没するシカの有害獣捕獲は概ね通年、秋冬の可猟期間には農地以外での狩猟を行っている。「初めてシカを撃った時、泣きたくなかったんですが、ダメでした」と芽惟さん。「命あるものを殺してしまったって、なんともいえない気持ちになって。でも狩猟を続けていく中で考えが変化してきました。命は尊い。どの命が重くて、どれが軽いかなんてことはない。野生においてはみんな平等に獲って獲られて、その中で生きている。私だって森の中でヒグマにやられてしまうかもしれない。でもそれが野生の世界に参加するということなんだって。私は銃という武器を持っているので、完全にフェアとはいえないんですけど」。もちろん喜一さんにも葛藤はある。「今でも引き金を引く前後には複雑な気持ちになります。でも常に葛藤があることが一番“確からしい”ことだと僕は思っています。有害鳥獣捕獲に関して『かわいそう』という声もありますが、農業や林業被害を受ける人にとっては切実な問題ですし、野生動物は決してひ弱な存在ではありません。どちらが正しくて、どちらが間違っているとは言えませんし、その多面性を受け止めようとする心の揺らぎこそが大切だと感じています」。そう考えるきっかけになったのは、国立公園近くの畑に囲まれた家に住み始めたことだ。「知床国立公園では保護された自然の中で野生動物の感動的な姿を見ることができる一方、そのすぐ傍らには人間の生活もあります。公園内ではかつての離農跡地を森に戻すナショナルトラスト運動が行われていますが、急増したエゾシカの食害が問題となっています。また公園内で人に慣れたヒグマが近づくようになったり、農地や市街地に出没することも。野生動物の生命の尊さに心を打たれる一方、地域の産業や住民の安全がおびやかされる現実が同時に起こっています。野生動物には鳥獣保護区と人間の居住区の線引きは通用しません。そのような環境で生活者となった今、彼らは手放しで眺めるだけの存在ではなく、時に捕獲対象にせざるを得ないこともあります。守ることと管理することを同軸で考えなくてはいけない。矛盾や葛藤を抱えながらも、それらを相反するものとしてではなく、適切なバランスの中で見極めようとする努力が必要です」。人間が自然や動物を管理する。その表現への違和感を拭いきれないが……と続ける。「人間と野生動物の生息域の陣取り合戦のような感じで、人口や捕獲圧が減れば野生動物の数が増えて色々な問題が出てくる。どちらにも偏りすぎないよう緊張関係を保っていく役割の一端を担うのがハンターです。ただ僕たちは農地を守るためにとか、一方的な正義感に燃えているわけではありません。自然の中で連綿と続いている命の輪の中で、ものごとを考えたい。その輪の中に入るためのひとつの手段が狩猟であり、獲って食べることであり、森を大切にすることでもあります」。狩猟を通して、見えてきたものがある。「野生下では、あらゆるものが様々な要因で繋がっている。例えば捕食者の減少や気候の変化など何らかの要因でシカが増えると、シカの好物とする樹木が食べ尽くされて、それで困る生き物が出てくる。そうした連続性を知るにつれて、森全体のバランスが保たれることの重要性がわかってきました。人間もその中の生き物のひとつなのだと感じることができたら、保護か管理かの二元論ではなく、その時々の状況に合わせて適切に行動していけるのではないかと感じています」。

(市や猟友会、クマ警戒続く:北海道)
千歳市本町と真々地の両地区の住宅街で11日夜から12日未明にかけて、クマとタクシーの衝突事故が発生したほか、住宅の庭でクマの足跡が見つかり、市などが警戒している。市内では今月だけで5件の出没、目撃情報があり、市は13日、現場周辺の住民に生ごみの管理徹底を呼び掛けた。猟友会も、朝夕の外出時に注意するよう周知するなど関係機関が神経をとがらせている。

(ネズミ異常発生!道南の街を席巻:北海道)
北海道南部の各地でネズミが大量発生していて、幹線道路や住宅街にも出没する事態となっています。異常なマチの実態を取材しました。先月29日、午後9時ごろ。ネズミ大量発生の一報を聞きつけ、取材班が向かったのは道南の福島町です。国道に次々と現れるネズミ。先月から道南各地で大量発生しているという「エゾヤチネズミ」や「アカネズミ」、「ヒメネズミ」などの野ネズミです。1カ月で63匹ものネズミがワナに。2匹のネコを飼っていますが、とても追い払える数ではありません。異常事態はホームセンターにも波及。「爆売れ」しているというネズミ駆除グッズ。品切れの商品も出ています。福島町を席巻するネズミ、農業被害も深刻です。5月だけで、500匹以上のネズミをとらえたといいます。なぜ、これほどまでに大量のネズミが発生しているのか。福島町内を調査した専門家は。林業試験場 南野一博主査)「(道南では)ブナの実が昨年たくさんなったので、おそらくそれが1番の要因かなと。そうなると、山で増えすぎたネズミがそこから追い出されて街中に出てきてるんじゃないかなと」。北海道では道南に分布するブナ。その実はネズミのエサになります。道総研では毎年、秋に函館の恵山地区にあるブナの保護林で、落下しているブナの実の量を調査。去年は1m2あたり600個以上あったとされています。ブナの実は5年から7年に1度の間隔で豊作になると言われていますが、なかでも去年の豊作は異常な数だったことがわかります。エサになるブナの実の大豊作により、ネズミも大繁殖したと考えられているのです。この状況、いつまで続くのでしょうか。林業試験場 南野一博主査)「春に生まれた子が大体夏頃までに死んでいくことが多いので。おそらく夏頃までには落ち着くんじゃないかなという風に考えてます」。

(学校付近に野生動物の出没相次ぐ:青森)
子どもたちがいる学校の周辺に野生動物が相次いで現れました。青森市ではシカ1頭が捕獲され、七戸町ではクマが目撃されました。11日午前7時ごろ青森市蛍沢の市営団地で撮影された映像です。敷地内を歩いていたのは一頭のシカでした。市営団地に隣接する戸山西小学校では、登校中の児童もシカを目撃していました。学校では児童の登校を見守るなどの対応を取ったほか、休み時間に外に出ないよう指導したということです。シカは通報を受けて駆けつけた県の担当者によって、きょう昼前に団地の敷地内で捕獲されたということです。県によりますと、シカはオスのニホンジカと見られています。人への被害はありませんでした。一方、七戸町では午前11時ごろ七戸中学校のグラウンド付近で、体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。学校は保護者の迎えを呼びかけたほか、屋外の部活動などを取りやめたということです。町は生ごみなどを放置しないほか、クマと遭遇しても近づかないように注意を呼びかけています。

(野口健氏、自宅から15mの場所に熊の糞を発見していた:山梨)
アルピニスト野口健氏(51)が12日までにX(旧ツイッター)を更新。山梨県の自宅至近にクマの糞を発見していたことを明かした。野口氏は、今月5~6日にかけ山梨県大月市で中学校の近くなどでクマ3頭が相次いで目撃されていたことなどを報じた、YBS山梨放送のネット記事を添付。「昨年、大月にある我が家の庭作業をしていたら、うちの庭から15mぐらい離れた場所に熊の糞を発見。その数日後熊の出没がニュースに。対策として庭に柿の木が2本ありますが、伐採した方がいいのか」とつづった。そして、続くポストでも「なかなか、立派な柿の木で、伐採がもったいない。しかし、熊が大好物で柿の木に集まりやすいとも。しかも、その内の一本はかなりの巨木。あれを伐採するのはかなり大変だ…」と悩ましい思いを記した。これらの投稿に対し「クマ、気をつけて下さいませ」「何事も無いことを祈ってます」「うーん、、、、怖いですね」などとさまざまな声が寄せられている。

(クマが玄米の袋を荒らす:岩手)
6月13日朝、岩手県花巻市の住宅の敷地内にある倉庫に成獣とみられるクマ1頭が出没しました。倉庫には玄米が保管されていて、複数のコメが入った袋が荒らされていたということです。13日午前7時40分ごろ、花巻市東和町に住む70代の男性から「自宅の倉庫にクマがいる」と市に通報がありました。警察によりますと、男性は自宅の敷地内にある倉庫の前に停めてあったトラクターに乗ろうとしたところ、倉庫内にいた成獣とみられるクマ1頭と鉢合わせになったとういうことです。この後クマは北側にある山に逃げていったとみられていて、男性にけがはありませんでした。倉庫の中には玄米30キロ入りのコメ袋が9つ保管されていましたが、その全てにクマの爪痕が残されていて、このうち2つには穴が開き玄米が散乱していたということです。現場は山に囲まれた住宅が点在する地域で、警察は周囲をパトロールするなどして警戒を強めています。

(快速がシカと衝突か:兵庫)
13日午後9時10分ごろ、JR福知山線谷川-柏原間を走行中の大阪発福知山行き丹波路快速電車が、シカとみられる動物と接触して停車した。JR西日本によると、約50人の乗客にけがはなかった。同日午後10時半現在、線路と車両の確認を続けており同電車と後続の運行に遅れが出ている。

(走行中の乗用車がクマと衝突:新潟)
12日午前7時過ぎ、長岡市平の市道で、走行中の乗用車が路上にいたクマと衝突した。運転していた市内の男性にけがはなかった。長岡署によると、クマは体長約0・6メートルで、衝突後に逃げた。現場は民家まで約300メートル。

(イノシシと衝突、仙山線上下2本に遅れ:宮城)
12日午後9時35分ごろ、仙台市青葉区のJR仙山線愛子―陸前白沢間で、山形発仙台行きの上り普通列車がイノシシと衝突した。JR東日本東北本部によると、車両点検などで上下2本が最大47分遅れ、計約130人に影響した。

(シカ肉解体技術など学ぶ、飲食業関係者ら研修会:北海道)
北海道麺類飲食業生活衛生同業組合青年連合会(村岡正太郎会長)の研修・交流会中標津大会が3日、町内の岩谷学園IT専門学校と焼肉ジュージューで開かれた。大会は全道の支部の持ち回りで行われている。

(シカ肉ご当地メニュー完成:北海道)
釧路短期大で12日、エゾシカ肉と釧路市産パプリカを使ったご当地メニューのお披露目会が開かれた。考案されたハンバーグなど3品は今後、ブランド名を決め、イベントで提供するほか、メニューとして出す店を探す。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、13日午前11時ごろ、丸森町筆甫川下一にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、13日午前6時45分ごろ、栗原市築館下宮野小牧にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午後7時ごろ、仙台市太白区茂庭中谷地南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前7時40分ごろ、仙台市青葉区高野原1丁目にクマが出没しました。

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6/11
(男性がクマに襲われけが:岩手)
住田町によると、10日午前、同町上有住で男性がクマに襲われ、背中と腹部にけがを負った。

(5月のクマ目撃件数、例年より大幅増:秋田)
5月の秋田県内のクマの目撃件数は例年を大きく上回りました。県は、「出没警報」を延長し被害に遭わないよう注意を呼び掛けています。県によりますと、先月の県内のクマの目撃件数は384件でした。2020年から去年までの過去5年間の5月1カ月の平均は118件で、今年は大幅に増えました。先月県内では仙北市田沢湖(せんぼくしたざわこ)玉川(たまがわ)と鹿角(かづの)市八幡平(はちまんたい)にまたがる登山道を歩いていた男性がクマに襲われけがをしました。県は、クマの目撃が相次ぐ状況をふまえ当初先月末までとしていたクマの出没警報を来月末まで延長しました。夏は山にクマの食べ物が少なくなることなどから人の生活圏に現れやすくなるとして、県は「外に出る際は音の出るものを持つなどクマを意識した行動をとってほしい」と呼びかけています。

(夏場は「里地での出没の危険性が高まる」:長野)
6月5日朝、長野県大町市の住宅の近くの道路を歩いているクマが目撃された。夏場は山の中のエサが少なくなり、クマが里地に近づく時期だとして、長野県が注意を呼びかけている。また、里地での目撃が増えているとして、新たに木曽地域に出没注意報を発出した。のそのそと道路を歩くクマ。一度立ち止まって、周りを見た後、また歩き出して去っていった。5日午前7時過ぎ、長野県大町市平で撮影された映像。山と住宅の間には電気柵も張られているが、クマは住宅側に出ている。これからの時期は、こうした里地でのクマとの遭遇に注意が必要だ。県によると、夏場は山の中のエサが少なくなる時期だという。また、若いクマが親離れをして新たな生活域を求めたり、交尾期でオスがメスを探して歩き回ったりする時期で、里地への出没の危険性が高まるという。木曽地域では、5月25日から5月30日の間に里地での目撃が11件あり、増加傾向にあるとして、県は、出没注意報を発出した。これで、発出は3地域目となる。県は生ごみの適切な管理や人里に近いやぶを刈るなど、里地にクマを寄せ付けない対策を呼びかけている。また、山に入る際は、クマの活動が活発になる朝や夕方は避け、鈴やラジオなど音が出るものを携帯するよう呼びかけている。

(イノシシ捕獲、年間1万頭超え:島根)
島根県内で、2019年度から23年度に有害鳥獣として捕獲したイノシシが毎年度1万頭を超え、ニホンジカは23年度に最多の1639頭となった。農地や宅地の荒廃が理由とみられ、中山間地域では民家や学校の敷地内で目撃される例も出ている。夏場に向け、草刈りや果樹の撤去など人里にとどまらない取り組みが重要になっている。県鳥獣対策室のまとめで、市町村が許可を出して有害鳥獣として捕獲したイノシシは直近の23年度は1万1291頭となった。地域別は雲南が4002頭で最多となり、松江2744頭、出雲1524頭と続いた。ニホンジカの地域別は出雲が939頭で最も多く、県央334頭、雲南225頭などだった。県中山間地域研究センターによると、耕作地や宅地の管理が行き届かなくなったことで草や雑木に身を隠しながら餌のある人間の生活圏に近づきやすくなっているという。実際、13年に4332ヘクタールだった県内の荒廃農地は23年に6193ヘクタールに拡大し、空き家数は3万1500戸から5万4600戸に増えた。昨年11月には、松江市島根町加賀の島根小学校の校舎内に体長1メートルほどのイノシシの成獣がガラス戸を突き破って侵入。約1時間後に追い出し、けが人はいなかったが、警察や学校関係者、市職員らが駆け付けて騒然となった。同町内では農作物への被害のほか、イノシシが山から降りてくる際の落石で農業用水路がふさがり、県道や市道に土砂が落ちる被害が相次ぐ。同町まちづくり協議会鳥獣対策専門部会の中野雅行部会長は「人か獣かどちらがすんでいるのか分からない状態だ」と頭を抱える。6~8月は身を隠せる雑草が成長し、餌となるビワや稲も実をつけ始めるだけに警戒する。自治体は対策を進める。大田市は24年度、農業団体を対象に狩猟免許の取得に必要な講習会の受講料や試験の申請手数料を全額助成する制度を新設。松江市も免許取得の全額補助や防護柵の設置にかかる費用の半額助成に取り組む。県は22年度まで年10回だった免許取得の試験回数を13回に増やし、24年度は取得後5年未満の狩猟者がわなや銃の知識を学ぶ講習会も開催した。県鳥獣対策室の安松崇徳室長は「捕獲できる人を増やしていくことで、中山間地域を守っていきたい」と話した。

(「OSO18」、極度の肉食と判明:北海道)
北海道標茶町や厚岸町で放牧中の牛を相次いで襲撃したヒグマ「 OSOオソ 18」の骨などを調べた福井県立大などの研究チームは、OSOがエゾシカを中心とする極度の肉食の特性を持っていたと発表した。雑食性のヒグマは、春先などを除いて健康なシカを捕食するのは難しいとされるが、季節を問わず長期間にわたって食べていたという。研究成果は米科学誌に掲載された。OSOに牛が襲われる被害は2019年7月、標茶町オソツベツ地区で始まった。同町と厚岸町で計66頭が被害に遭い、うち32頭が死んだ。OSOは23年7月に釧路町で駆除された。研究チームは、OSOの上腕骨などを炭素・窒素安定同位体分析と呼ばれる手法で調べ、食性の変化をたどった。その結果、OSOは3歳から駆除される9歳まで、シカなどの動物性の栄養源に強く依存していたことが明らかになった。牛を襲うようになる前から肉食の食性を持っていたが、牛を繰り返し襲撃する行動との関連は分かっていない。また、標茶町周辺で2002~22年に駆除された他のヒグマを調べたところ、OSOと同様に肉食の傾向が確認された。ただ、同町のシカの生息密度が道内の他の地域に比べて際立って高いわけではなく、理由は今後の研究課題という。同大の松林順准教授(同位体生態学)は「標茶町周辺のヒグマはシカを利用しやすい環境になっている可能性があるが、この地域の特徴と言えるかは不明だ。道内全体のヒグマの食性を分析し、最近の変化などを調べる必要がある」と話している。

(ハンターの不足・高齢化解消へ:青森)
ハンターの確保に向けた動きです。新たに狩猟免許を取得する人に対して、青森県が一部費用を負担します。青森県内では近年、野生動物による農林業被害や人身被害が増加傾向にある一方、有害なものの捕獲に従事するハンター不足が懸念されています。最も多かった1981年度には、7000人以上のハンターがいましたが、2023年度には1888人にまで減少。このうちの半数を60歳以上が占めていて、ハンターの高齢化も課題となっています。そこで、県内で有害鳥獣の捕獲業務にあたることを条件に、新たに狩猟免許を取得する人に対して、講習会や猟銃取得にかかる一部費用、1人あたり最大およそ11万円を県が支援します。【青森県自然保護課 近藤毅総括主幹】「ぜひご興味のある方、狩猟免許試験ぜひ受験していただきたいなと思っておりますのでよろしくお願いします」。2025年度の狩猟免許の試験は、12月までに4回行われる予定です。

(クマ立て籠り訓練行う:北海道)
稚内署、北海道猟友会稚内支部などは9日北宗谷農協沼川支所倉庫でクマの出没対応訓練を行い、有事の際に備え連携や対応を確認した。昨年、秋田市のスーパーにクマが侵入し立て篭る事案などありクマ対策が急がれる中、沼川での訓練には市、宗谷総合振興局、錦産業などから約20人が参加した。沼川支所の倉庫にクマが侵入していたのを発見した農協職員がシャッターを閉めて閉じ込めた想定で訓練が行われ、倉庫内に閉じ込めたクマの居場所を錦産業の貝森貴博社長がドローンで確認し、車庫前にハンターらが箱罠を設置。クマが罠にかかった後は麻酔銃で眠らせ、近くの酪農家の敷地内で止め刺しを行うまでの一連の流れを確認していた。訓練を終えた稚内署の北川千展地域課長は「初めて室内での立て籠もり訓練では課題も見つかったが、今回の訓練を機に万が一の際には円滑に対応できるよう情報を共有し連携をして行きたい」、市の新田農政課長は「罠を使っての訓練は初めてで実際にはもっと時間がかかることが予想されます。今回の訓練で洗い出された課題を検討し、関係機関と連携を深めながら対応していきたい」と話していた。

(農家の“狩猟免許”取得を後押し!:新潟)
コメの高騰が社会問題化する中、毎年、稲に被害をもたらしているのがイノシシなどの動物です。こうした鳥獣被害を減らすためにも農家などが参加して狩猟免許を取得するための講習会が開かれました。6月8日、新潟県十日町市で行われたのは、狩猟免許の取得を希望する農家などを対象にした講習会です。より多くの人に狩猟免許を取得してもらおうと、JA魚沼と地元の猟友会が毎年講習会を開催。参加者は猟銃の扱いやワナの設置方法など実際の試験で課される課題を学びます。これからの時期、十日町市内では鳥獣による農作物の被害が多く発生し、去年は十日町市内だけで1000万円ほどの被害が出ています。さらに、十日町市では地域の高齢化が進み、狩猟免許を取得している105人のうち60歳以上が7割を占めていて、有事の際、すぐに活動できる人材が不足しているのが現状です。【県猟友会 池田富夫 会長】「『イノシシが出た。お願いします』と言われても誰も行けないというのが現状」。今後も懸念される農作物への被害。参加者から多く聞かれたのはコメへの被害の不安です。

(「害獣」駆除してほしいスポーツ選手ランキング)
人間の生活をはじめ、農作物や建物、生活環境に被害を与える「害獣」。日常生活の中で、ネズミ、イノシシ、タヌキらに遭遇した時、「この人がいてくれたら…」と思うことはないでしょうか。NEXER(東京都豊島区)が、害虫駆除などを行う駆除ワーカーズ(東京都港区)と共同で調べた、男女1000人対象のアンケート「害獣・害虫・蜂駆除してほしい現役スポーツ選手」の結果をランキングで紹介しています。調査は、5月16~26日にかけて、インターネットで実施。ランキングは有効回答1000のサンプルで作成。3位はボクシングの井上尚弥選手でした。77票を獲得。2位は米大リーグ「ロサンゼルス・ドジャース」の大谷翔平選手でした。112票。1位は「東京オリンピック」男子100キロ級で金メダリストの柔道家ウルフ・アロン選手で、137票でした。

(寺にとどまっていたクマ、わなにかかり捕獲:山形)
山形県酒田市の中心部にある寺の本堂で、今月3日から床下に入り込んでいたクマは8日夜、わなにかかり、捕獲されて山に放されました。今月3日の午後8時すぎ、酒田市若竹町の寺で「本堂の床下にクマが出入りする様子を防犯カメラで見た」と寺の関係者から警察に通報があり、警察などはクマが出られないように隙間をふさいだ上で、わなやバリケードなどを設置して警戒を続けていました。市によりますと、クマは8日午後7時ごろ、わなにかかっているのが確認され、一夜明けた9日午前4時半ごろに獣医師が麻酔銃で眠らせた上で、運び出しました。クマは体長96センチ、推定3歳のオスで、市はすでに住宅から離れた山に放したということです。付近の小中学校では児童や生徒の登下校時、保護者に車で送迎してもらうなどの対応をとっていましたが、9日から通常に戻りました。現場周辺の自治会の須田幸一会長は「子どもたちが外で遊べるようになってよかった。街なかでクマが出ると思わなかったため対策を考えていきたい」と話していました。酒田市環境衛生課の佐藤傑課長は「クマがわなをかいくぐってエサを食べた様子も確認されたため、わながうまく作動するように検討していきたい」と話していました。

(クマ、イノシシ用のワナにかかるも脱走:福島)
警察によりますと、8日午後9時半ごろ、福島市飯坂町茂庭樋ノ口で、民家の住人が敷地内にいるクマ1頭(体長約1.5メートル)を目撃しました。クマはその後、民家の南側にある川のほうへ走り去ったということです。その1時間半後の8日午後11時ごろ、数十メートルほど離れた福島市飯坂町茂庭黒沢で、民家の住人が、クマ1頭(体長約1.2メートル)が敷地内のイノシシ用のワナにかかっているのを目撃しました。15分ほど後に、再度確認した際にはクマはワナから逃げていたということです。これまでに、人や物への被害は確認されていません。警察は、福島市に情報提供するとともに、パトカーによる警戒、広報活動を行っているということです。

(クマ出没相次ぐ、2日間で10件の目撃情報:福島)
警察などによると、6月8日午後5時過ぎ、福島県会津若松市にある「会津レクリエーション公園」の駐車場に体長約1.5メートルのクマがいるのを、訪れていた人が目撃した。現在、公園を一時閉園しパトロールを強化している。一方、福島市飯坂町茂庭の住宅では8日午後11時頃、敷地内に設置されたワナに体長約1.2メートルのクマがかかっているのが発見された。クマはその後、自力で逃げ出したということだ。県内では8日から9日にかけて、クマの目撃情報が10件寄せられていて、警察が注意を呼びかけている。

(列車がシカと接触、一時運転見合わせ:京都)
9日午後7時15分ごろ、大和路線(関西線)の平城山(奈良市)-奈良(同)で列車と動物が接触した。この影響で大和路線は加茂(京都府木津川市)ー奈良、奈良線は城陽(城陽市)-木津駅(木津川市)間で一時運転を見合わせた。JR西日本によると、接触したのはシカとみられるという。

(ジビエ店、ペット向けシカ肉フードや角おもちゃ:広島)
広島市安佐北区白木町志屋地区に昨秋開業したジビエ(野生鳥獣肉)の物販店「ももんしや」が、ペット関連の商品作りに力を入れている。シカ肉の食用にしない部位を使ったフードや、角のおもちゃを商品化。「命をつなぐ」との思いも込めて精肉、総菜とともに店頭に並べる。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10日、白石市大鷹沢三沢図幸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後0時45分ごろ、仙台市青葉区郷六葛岡にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後4時30分ごろ、仙台市宮城野区岩切青麻沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、10日午前9時50分ごろ、南三陸町志津川黒崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午後4時20分ごろ、仙台市泉区実沢館沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前5時30分ごろ、仙台市青葉区八幡7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後6時30分ごろ、仙台市太白区坪沼大八上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後1時15分ごろ、仙台市青葉区芋沢黒森山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、8日、白石市小原清水にクマが出没しました。

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(射撃場で散弾銃暴発、4人軽傷:埼玉)
6日午前11時半ごろ、埼玉県吉見町北吉見の「百穴射撃場」で、射撃訓練中に70代男性が使用していた散弾銃が暴発し、一緒にいた50~60代の男性4人が腹部や顔、手足を負傷した。東松山署によると、いずれも軽傷。何らかの理由で散弾銃が誤って発射されたとみて、詳しい状況を調べる。署が7日発表した。当時、男性6人が散弾銃所持の許可更新のため技能講習を受けていた。このうち3人と、近くで見学していた1人が負傷した。70代男性が引き金を引いたものの、不発だったため、不具合を確認しようとした際に暴発したという。射撃場の職員から6日午後6時ごろ、署へ通報があった。

(登山中の60代男性がクマに襲われる:滋賀)
7日朝、滋賀県長浜市の山中で登山中の男性がクマに襲われけがをしました。午前8時ごろ、長浜市高山町の山中で「クマに襲われた。出血している」と60代の男性から110番通報がありました。警察や消防によりますと、男性は石川県から1人で登山に来ていたところ、前方に現れたクマにかまれ、左目近くの骨を折ったほか、左肩や左肘にもけがをし、ドクターヘリで病院に運ばれました。意識はあるということです。クマは逃げていて、警察は周辺の登山者らに注意を呼びかけています。長浜市内では、5月にもクマの目撃情報があったほか、4月には住宅街に出没し女性が襲われ重傷を負いました。

(山菜採りの80代男性、クマに襲われ頭や首にけが:長野)
4日午後、長岡市の山の中で、1人で山菜採りをしていた80代の男性がクマに襲われ、頭や首にけがをして、病院に搬送されました。県は引き続き「クマ出没警戒注意報」を発表し対策を徹底するよう呼びかけています。警察によりますと、4日午後1時半ごろ、長岡市田之口付近の山の中で見附市に住む80代の男性が1人で山菜採りをしていたところ、クマに襲われました。男性はクマに頭や首をひっかかれ、市内の病院に運ばれましたが、意識はあり、命に別状はないということです。クマは男性を襲ったあと、山の中に逃げていったということです。県によりますと、県内でのクマによる人身被害はことしに入って3件目で、毎年この時期、クマのエサとなる山菜が少なくなり、山の中だけでなく人里に出没するケースも増えることから注意が必要だということです。県は引き続き「クマ出没警戒注意報」を発表し、山菜採りで山林に入る際は複数で出かけ、ラジオの音や声を出すほか、人里でも生ゴミなどを放置しないようにするなど、対策を徹底するよう呼びかけています。

(バイクとシカが衝突、東京都の53歳男性が重傷:長野)
長野県大町市の県道でバイクとシカが衝突し、50代の男性が重傷を負いました。事故があったのは、大町市大町の県道です。警察によりますと、6月7日午後9時20分頃、東京都町田市の会社員の男性(53)が運転していたバイクとシカが衝突しました。男性は市内の病院に搬送され、鎖骨骨折などで重傷を負いました。現場は直線道路で事故当時、辺りは暗かったということです。

(クマ駆除の猟友会員への「報酬引き上げ」の動きが出始める:長野)
4月に熊による人身被害が相次いだ北信地域(飯山市など6市町村)で、有害鳥獣対策に携わる地元猟友会員への報酬を引き上げたり、引き上げを検討したりする動きが出ている。有害鳥獣の迅速な捕獲や駆除には地元猟友会の協力が欠かせないが、物価高を受けて活動に必要な燃料費や銃弾価格が高騰。経済的負担を軽減することで、会員の活動を下支えする狙いだ。北信地域の市町村ではそれぞれ、各地の地元猟友会員らで組織する「鳥獣被害対策実施隊」に依頼するなどして有害鳥獣の捕獲や駆除に取り組んでいる。活動に対する報酬については、条例や交付要綱などで定めている。下水内郡栄村は本年度、熊1頭を捕獲した際に村が支払う報償金を2割増額した。ドラム缶などのわなを仕掛けて捕獲した人に2万4千円、捕獲者とは別にわなに掛かった熊を猟銃で仕留めた人に3600円を支払うことにした。燃料費や銃弾の価格が高騰しており、地元猟友会の要望も踏まえて決めた。下高井郡野沢温泉村も本年度、熊1頭を捕獲した際の補助金を1万5千円から2万5千円に引き上げた。パトロールの報酬は1500円だったが、パトロールの最中にわなを仕掛けた場合は2千円を上乗せして支払う。飯山市と同郡木島平村は4月に発生した熊による人身被害も受け、報酬の引き上げを検討する方針だ。4月9日に住民3人が熊に襲われた飯山市は現在、1頭を捕獲・駆除した際に1万5千円を支給。人が襲われるなど緊急時に出動する実施隊への報酬として日額5700円を支払っている。市鳥獣対策係は、担い手確保につなげるためにも「内部で引き上げを検討しないといけない」とする。木島平村は同16日に住民1人が熊に襲われ、実施隊が熊の捜索やパトロール、捕獲おりの設置などに携わった。村産業課は「猟友会がいなければ有害鳥獣を捕獲、駆除するすべがない」と強調。報酬の引き上げを検討する意向だ。野生動物による被害が深刻化する中、捕獲や駆除を最前線で担う地域の猟友会は高齢化が進み、担い手の確保が課題になっている。会員からは報酬引き上げの動きを歓迎しつつも、市町村の枠を超えた連携やより効率的で安全な作業に向けた資機材の充実などを求める声も上がっている。4月9日に飯山市、16日に下高井郡木島平村と相次いだ熊による人身被害。猟友会員や県クマ対策員らは連日、熊の捜索やわなの設置、周辺のパトロールに奔走した。「捕獲や駆除をやればやるほど、身銭を切らないといけない」。約20人が活動する同村猟友会の池田剛会長(54)は会員の窮状を代弁する。山中にわなを仕掛け、見回る作業には時間や労力がかかる。移動時の車の燃料費も負担は小さくない。訓練する射撃場の利用料も自腹だ。同村は、有害鳥獣対策に携わる実施隊へ活動報酬として1人年額6千円を支給。熊1頭の捕獲に1万円、イノシシとシカは2万円を支払い、人身被害などの緊急出動時は1回につき千円を支給する。昨年度は熊25頭、昨年3月から今年2月までにイノシシ36頭、シカ23頭を捕獲した。「猟友会員は安全安心な村づくりに貢献したいと活動している」と池田さん。待遇の不満を口にする人はいないが、「報酬は決して多いとは言えない。引き上げてくれるならありがたい」と話す。同郡野沢温泉村の猟友会はわずか10人で活動する。「人数が少なく、1人にかかる負担が大きい」と長谷川竜也会長(53)。大半が生業の傍らで活動しており、緊急時は生業を休む時もある。わなに発信器を取り付け、動物がかかったら通知する受信器を携行するなど、見回りの負担を減らす工夫もしている。県猟友会(長野市)によると、県内の猟友会員は現在計4千人余。ピークだった1976(昭和51)年の2万人近くから減少の一途だ。60、70代が多く、高齢化が進む。野沢温泉村は、有害鳥獣の捕獲に必要な狩猟免許取得の経費を全額補助しているが、十分な担い手確保にはつながっていない。長谷川さんは「飯山や木島平のような事故が野沢温泉で起きたら対応できない」と危機感を募らせており、市町村の枠を超えた広域で有害鳥獣対策に取り組む仕組みが必要―と指摘する。5月5日に飯山市の千曲川中州で熊を発見した際は、体温を感知できる赤外線カメラ搭載のドローンであらかじめ位置を把握して猟友会員らが駆除した。池田さんは、ドローンを活用できれば人員不足を補って安全な捕獲にもつなげられると指摘。「資機材の導入やオペレーターの育成が必要になる」とし、行政に必要な支援を求めている。

(“野生鳥獣の農林業被害”約3億4800万円、減少傾向も狩猟者の確保が課題:山口)
昨年度の野生の鳥獣による山口県内の農林業の被害額は、およそ3億4800万円でした。狩猟者の減少と高齢化が課題となっています。6日、県庁で鳥獣被害を防ぐための会議がありました。県内の野生鳥獣による農林業の被害額は減少傾向で、昨年度はおよそ3億4800万円でした。水稲の被害額が最も高くなっています。捕獲数は猟友会の協力により増加傾向ですが、狩猟者の減少と高齢化が課題です。県では今年度、鳥獣被害を防ごうと、6億5000万円余りの予算を確保しました。ドローンを活用したサルの追い払い技術の開発・実証のほか、ジビエの利用拡大に向け、捕獲した個体を市や町を越えて搬入する体制の整備に新たに取り組む予定です。

(「ダニ媒介脳炎」患者発生、20代の男性が発症し治療受ける:北海道)
北海道保健福祉部感染症対策局は6月6日、千歳保健所管内で20代の男性がダニにかまれて「ダニ媒介脳炎」を発症したと発表しました。男性は現在、症状が出て医療機関で手当を受けているということです。「ダニ媒介脳炎」の発生は国内8例目で、すべて北海道内で確認されています。道によりますと、「ダニ媒介脳炎」はマダニが媒介する感染症で、山林などで噛まれると7~14日程度で発熱、筋肉痛、麻痺、意識障害、痙攣、髄膜炎、脳炎などの症状が出る病気です。道内では1993年に最初の患者が報告されていて、2016年に40代男性が、2017年には70代男性が死亡するなど、重篤な経過をたどることがあります。道は、山などに入る際はダニかまれないよう、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)帽子、手袋、首にタオルを巻くなどの対策を呼び掛けています。またダニにかまれた場合は無理に自分で引っ張らず、皮膚科を受診し、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状がみられた場合は、すぐに内科などで診察を受けるよう呼び掛けています。

(クマの目撃件数増で県や自治体が対策を協議:兵庫)
兵庫県北部の但馬地域ではツキノワグマの目撃件数がことしの春以降増えているとして、県や地元の自治体などが豊岡市で会議を開き、対策を協議しました。但馬地域では先月(5月)までの2か月で、ツキノワグマが目撃されたり足跡などの痕跡が確認されたりする件数が70件寄せられ、過去5年の平均の45件を上回っています。また先月には豊岡市但東町で70代の男性がツキノワグマに襲われけがをしています。こうした状況を受けて県豊岡農林水産振興事務所では6日、クマの被害を未然に防ごうと地元自治体などと情報を共有するための会議を豊岡市で開きました。会議では、▼クマを人が生活する地域に近づけないようにするための学習会を地区ごとに開くことや、▼市街地や観光地での出没を想定した訓練を合同で行うことを確認しました。県森林動物研究センターによりますと但馬地域のツキノワグマは、保護政策がとられて数が増えていて、春から夏にかけては繁殖期で活動的になるということです。センターの河野賢治 専門員は「クマは野生動物なので、どのような行動をとるか分からない。クマの出没情報を共有するなどし、集落単位での対策などをしてクマに出会わない対策を徹底してほしい」と話していました。

(有害鳥獣の駆除手続き、アプリ開発し現場で入力:熊本)
シカやイノシシ、サルなどによる食害を防ごうと、熊本県人吉市が新たなアプリ開発などを通じて駆除の効率化を図り、関わる人員も増やすなどして対策を強化している。2023年度の農作物の被害額は約780万円に上り、植えた樹木の新芽が食べられる林業被害も後を絶たない。5月17日、市中心部から約4キロ離れた山林。車で山道を5分ほど進むと、獣道に設置された「くくりわな」に、1頭のシカがかかっていた。市鳥獣被害対策実施隊の永田春喜隊長(78)が仕留めた後、スマートフォンを取り出した。専用アプリを起動して捕獲場所やわなの種類、処理方法などを次々と入力。猟師を始めた約60年前、ほとんどシカを見なかったという永田さんは「今は被害を少しでも減らしたいという思いでやっているが、数が増えてきている」と語った。永田さんが率いる隊は市が委嘱する非常勤職員で、有害鳥獣の駆除を担う。市内の山に約300か所のわなを設置しているほか、猟銃で捕獲することもある。近年、最も捕獲数が多いのはシカだ。成獣の捕獲数は24年度が1857頭で、15年度から500頭以上増えた。隊にとって効率的な駆除の障壁となってきたのが、手続きの煩雑さ。これまでは、駆除したことを証明できる写真をカメラで撮ったり、狩猟用地図を使って捕獲場所を記録したりし、動物の種類や駆除方法といった情報とともに全てを紙の書類に手書きして市役所に持って行く必要があった。そこで、市は作業を迅速に進められるよう、必要な作業のほとんどを済ませられるアプリを昨年秋から約50万円かけて開発。1月から実証実験を開始しており、9月頃からの本格運用を目指している。永田さんも「写真を印刷しなくていいし、非常に便利になった」と手応えを感じている。さらに、今年度からは70人だった隊の定員を100人に拡充した。これまで定員を理由にあきらめていた人が応募するなどしているといい、隊員は昨年度から13人増え、81人となっている。市の調査によると、鳥獣による農作物の被害額は2020年の九州豪雨で耕作地が減っている影響もあり、減少傾向にある。ただ、23年度の被害面積は2233アールで、前年度比で約3倍に広がった。市は、高齢化や人口減少の影響で間伐などによる手入れが行き届かず、餌を求めて街に出てきていることが原因の一つとみている。シカやイノシシへの対策が進む中、新たな課題はサルへの対応だ。市によると、人の住むエリアでの目撃件数は増加しているが、昨年度の捕獲数は25匹にとどまる。頭が良く、わなにかかりにくい上、隊員もサルの駆除を忌避する傾向があるという。市は新たな対策として、捕獲したサルに全地球測位システム(GPS)機器を付け、群れの行動範囲を調べる実験を行う予定。将来的には人の住む場所へ群れが近づいた際、周辺住民にLINE(ライン)で警戒を呼びかけるシステムの構築も検討している。また、シカやイノシシといった他の鳥獣も含め、アプリのデータを収集する。捕獲場所などを地図に表示して鳥獣の生態や捕獲の傾向を可視化することにも取り組むという。市農林整備課の高田尚志課長は「対策を求める住民の声は多い。ICT(情報通信技術)を活用し、農家の被害を少しでも減らすことにつなげたい」としている。取材で捕獲作業に同行し、わなにかかったシカの姿を目にして胸が痛くなった。一方で、人吉市内の鳥獣被害は深刻化している。市によると、農地だけでなく、人が住む集落にサルやシカが現れる事例は年々、増えているといい、こうした事例を抑制する必要性も感じる。市には、駆除の効率化に加え、森林保全や林業人材の育成などを通じて、被害の防止にとどまらず、動物の生息環境の改善にも継続的に取り組んでほしい。

(鳥獣出没情報を共有、被害予防アプリ導入:三重)
三重県の伊勢市はこのほど、スマートフォンなどから鳥獣の出没情報の投稿や閲覧ができる鳥獣被害予防アプリ「けものおと」を、県内で初めて導入した。伊勢市ではサルやシカ、イノシシなどによる農作物の被害が発生していて、令和5年度の被害額は約1600万円。年間、700―千頭を捕獲している。市は昨年度、農林水産課内に獣害対策係を新設し、対策強化に取り組んでいて、市内の電子機器設計開発メーカー「アイエスイー」が開発した「けものおと」を、五つの地域の住民に体験利用してもらったところ、220件の情報が寄せられたという。野生鳥獣による農業被害の軽減や遭遇による人的被害の防止につなげるため、今回、アプリを本格導入した。運用するアプリは市や猟友会、市民らが対象。野生鳥獣の出没や被害を目撃した場所などを投稿できるほか、寄せられた情報を地図上に落とし込んだ目撃マップで出没や被害があった場所を確認できる。スマートフォンの位置情報を基に、動物の出没地周辺を通過すると警告音が鳴る機能なども搭載した。通信料のみ利用者が負担する。市は6月に配布した広報紙に、アプリをダウンロードするために必要なQRコードやID、パスワードを掲載している。鈴木健一市長は「ICT(情報通信技術)を活用したアプリを導入することで瞬時に鳥獣の情報が分かり、被害が防止できる。通学路にもサルやイノシシが出没するので、見守りの助けになれば」と期待した。

(自然観察会「ニホンジカについて知ろう!」開催:静岡)
富士山こどもの国 6月15日(日)自然観察会「ニホンジカについて知ろう!」を開催します。日本の森に広く生息する「ニホンジカ」について、映像や写真を使ったわかりやすい説明と、実際に自然の中でシカの痕跡(足跡、食痕、糞など)を探すアクティビティを通して、その生態や森との関わりを楽しく学びます。

(クマやシカの獣害対策をポスターに:岩手)
岩泉猟友会(阿部佳史会長)と岩泉町は、野生動物と人の暮らしの関わりをまとめた獣害対策ポスターを制作した。猟友会側が活動で得た経験を啓発に役立てようと提案し、手描きのイラストで危険な時季や状況を解説する。町内に全戸配布して、クマやシカ、イノシシの生態への理解と人の命を守るきっかけにする。「いわいずみ獣害カレンダー」はA2判で、表面は人が生活する里と動物が活動する山のエリアを区切ってイラスト化した。互いにどのように出入りしているのかが分かり、餌となる果実や生態も親しみやすいタッチで表現。6月は「クマとシカがフキを食べながら水辺~里へ出てくる」、7月は「道路刈り、下草刈りなどでクマと出合いやすい」と具体的に記載した。裏面は月ごとの動物の暮らしや被害の具体例、注意事項、町による対策をまとめた。電気柵設置のポイントやシカが道路に飛び出す状況などを解説。クマの脂をやけどの薬に活用したり、爪や牙をアクセサリーにしていたことにも触れ、地域の暮らしと深く結び付いてきたことを伝える。

(野生動物対策技術研究会(第15回)の開催:茨城)
野生動物対策技術研究会(第15回)の開催が決定いたしました。今年度は「鳥獣の課題を地域の施策に落とし込むには」をテーマに開催します。野生鳥獣対策の現場に携わる皆様の情報交換の場としてご活用いただければ幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております!

(全日本鹿協会シンポジウム、キョンについて:神奈川)
6月28日午後1時から、神奈川県相模原市の麻布大学で実施予定です。シンポジウムでは、千葉県を中心に大繁殖している外来種のシカ科「キョン」について、取り上げます。オンライン併用予定です。

(目撃件数が急増の木曽地域にツキノワグマ出没注意報:長野)
長野県は、クマの目撃情報が増えている木曽地域に対し「ツキノワグマ出没注意報」を出しました。期間は6月5日から30日までです。木曽地域では、5月25日から30日にかけて、上松町で8件、木曽町で3件のあわせて11件の目撃情報がありました。前の週は4件で、注意報を出す基準となる1.5倍以上の目撃情報になったということです。夏はクマが食べ物を求めて集落付近に近づく時期で、県では、クマの移動が活発になっているとして、注意を呼びかけています。長野県内では4月以降、6人がクマに襲われて重軽傷を負っています。このほか、北信と長野地域の注意報も継続されています。

(カラス対策、レーザー装置購入を補助:岐阜)
高岡市は中心市街地でのカラス対策で、本年度からレーザー装置を購入、設置する市民への補助制度を新設した。3日に市役所であった市カラス・ムクドリ対策推進会議で説明した。市は昨秋、約1カ月間、北陸銀行高岡支店周辺でレーザー装置を用いたカラス追い払い実験を、県内で初めて試みた。緑のレーザーが4パターンでビルの壁に照射され、拡大、縮小しながらランダムに移動する。レーザー照射中にカラスが逃げるのを目視で確認。支店前の清掃頻度がほぼ毎日から数日に1回に減る効果が見られた。装置の購入や設置工事に20万円余りかかり、10万円を上限に2分の1を補助。装置は実験とは別の種類でも可。

(クマが玄関から住宅内に侵入、ネコのエサを食べる:岩手)
6月5日夕方、岩手県北上市内の住宅にクマが現れ、縁側にあったネコのえさを食べたあと玄関から侵入しました。住人は寝室に避難し、けがはありませんでした。6月5日午後5時半ごろ、北上市和賀町横川目に住む70代の女性の住宅に「クマが入ったようだ」と近所の人から通報がありました。警察によりますと、成獣のクマ1頭が住宅の縁側付近に置いていたネコのエサを食べ、その後、扉が開いていた玄関から家の中に入り込んだということです。家の中にあった水のペットボトルが入った段ボール箱が破れていて、クマがひっかくかかじるかしたとみられています。女性は一人暮らしでクマが侵入した際には寝室に避難したため、けがはありませんでした。通報を受けて警察や市役所の職員が駆け付けた時にはクマは立ち去っていたということです。警察では、クマがネコのエサを食べるために再び現れるおそれがあるとして、家の外にエサになるものを置かないよう呼びかけています。現場はJR北上線の横川目駅から西に1.2キロほどの住宅が点在する地域で、警察は付近の住民に注意を呼びかけています。また、一夜明けた6日午前5時半ごろには、北上市大堤東で成獣とみられるクマ1頭を目撃したと近所の人から通報がありました。警察が駆け付けたところ、クマは木の上にいましたが近くの林に逃げて行ったということです。人や物への被害はありませんでした。前日、クマに侵入された住宅とはかなり距離があることから、警察では別の個体とみています。

(熊は道路上で死ぬ、高速道走行中の車と衝突:福島)
猪苗代町の磐越道で走行中の車と熊が衝突する事故がありました。車に乗っていた人にケガはありませんでした。熊は道路上で死んだということです。熊との衝突事故があったのは猪苗代町大字磐根字大神2652番5の磐越自動車道上り線102.4キロポスト付近です。5日午後8時5分頃、50代の男性が運転する普通乗用車(家族2人同乗)が走行中に、進行方向左側から高速道路上を横断してきた体長およそ1.2メートルの熊1頭と衝突したということです。この事故で車に乗っていた人にけがはありませんでした。熊は衝突後、道路上で死んでいたということです。

(シカ5頭をパトカーが追跡:奈良)
奈良市のショッピングセンター前で5月、シカ5頭が車道を疾走し、警察官らが追跡。奈良公園から約3km離れた場所での出来事で、無事保護された。茨城県では、浜辺に大量のイワシが打ち上げられ、ぴちぴち跳ねる様子が撮影された。奈良市のショッピングセンター前で5月16日午後3時頃に撮影されたのは、5頭の群れをなしたシカが、車道を走る姿だ。その後ろには、シカたちを追いかける警察官2人とパトカーの姿もあった。シカは走っては、「人間が追いかけてきたぞ」と言わんばかりに、振り返っている。シカの姿が撮影されたのは、シカで有名な奈良公園から約3㎞離れた車道だ。撮影者は「車通りが多い場所なので、無事に帰れるかが心配でした。無事に保護されたと聞いて安心しました」と話している。

(ジビエ給食で自然との共存や狩猟の意義を学ぶ:新潟)
新潟県糸魚川市の小中学校で5日、『ジビエ給食』が提供されました。この日のメニューは、イノシシ肉を混ぜたハンバーグや、地元食材をふんだんに使ったのっぺ汁など。イノシシは、地元で捕獲されたものです。2024年に糸魚川市では、新潟県内で初めて“ジビエ給食”を提供するなど、給食の『地産地消』に積極的に取り組んでいます。 この日は太田勇二教育長が視察に訪れ、子どもたちと一緒に給食を味わいました。「自然とどうやって共生していくかを、ジビエ給食を契機に学んでいただけることはすごく大事」。子どもたちは、地元猟師からも話を聞き、狩猟の意義も学んでいました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、9日午前8時40分ごろ、登米市登米町日根牛新峯畑にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前11時40分ごろ、栗原市金成小迫高見山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、6日午後4時20分ごろ、栗原市花山草木沢原井田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、6日午後0時30分ごろ、村田町村田石生にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
宮城県警によると、6日午前11時25分ごろ、大崎市松山千石松山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、6日、白石市福岡蔵本下原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
涌谷町によると、6日、涌谷町猪岡短台短台にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午後2時30分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場愛宕裏にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日未明、仙台市太白区秋保町境野羽山にクマが出没しました。

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(エゾシカ急増「危機的な水準」:北海道)
北海道内でエゾシカの生息数が急増し、農業被害額や自動車との接触事故の件数が増加している。シカが少なかった道南でも、この10年余りで生息数が4倍近くに増え、道東が中心だったシカの被害は広域化が進む。ハンターによる狩猟や農地での有害駆除を合わせた北海道内の「捕獲数」は過去最多ペースだが、繁殖力が高いシカの増加に駆除が追いついていない。「以前は見なかったシカが頻繁に出るようになり、食害は5年間で一気に増えた。ジャガイモやニンジンの3割は売り物にならなくなり、大きな痛手だ」。函館市と北斗市の畑計30ヘクタールで農業を営む永田懸一朗さん(36)は頭を悩ませる。シカの生息数は2023年度、函館市を含む渡島、檜山、後志管内の「南部地域」で10年前の3・6倍に増え、最大22万頭に上ると推定される。同地域の農業被害額は1億9千万円で10年前の5倍に上る。道内の推定生息数は11年度の77万頭をピークに減少。その後の暖冬傾向で、冬場に弱って死ぬ個体が減ったため、増加に転じ、23年度はピーク時に迫る73万頭に上り、農業被害額は51億900万円に達した。道内全体の農業被害の6割を占める「東部地域」(オホーツク、十勝、釧路、根室の各管内)でも被害額は高止まりし、23年度は31億2700万円に上る。釧路管内白糠町の酪農業中河敏史さん(70)は、飼料用のデントコーン畑が食い荒らされるようになり、2年前に栽培をやめた。畑を牧草地に切り替えて柵を設置したが、収穫前に食害に遭うようになり、「これ以上は手の打ちようがない」と話す。農業被害の拡大を受け、道は北海道猟友会などに駆除への協力を要請し、23年度の捕獲数は過去最多の15万6863頭に達した。捕獲数を増やしても生息数が減らないのはなぜか。道立総合研究機構の稲富佳洋研究主幹は、道内で捕獲されたシカのうち、メスの割合が10年前の水準から約10%減り、55%前後にとどまっている点を課題に挙げる。メスは2歳になると毎年1、2頭の子どもを産む。繁殖力が高く、メスの捕獲が生息数を減少に転じさせる鍵となるが、稲富研究主幹は「メスだけを狙える猟銃ではなく、扱いやすい囲いわなでの捕獲が増えており、オスとメスの選別ができないケースが多い」と指摘する。シカと衝突する事故も増え続けている。道内で24年に起きた自動車との接触事故は5460件と、8年連続で過去最多を更新した。北海道地区レンタカー協会連合会(札幌市)によると、市街地でもシカが道路に飛び出してくるケースが増えている。JR北海道の列車との接触事故は23年度、過去最多の3145件に上った。JRは侵入防止柵を10年前の2倍の範囲に設置しているが、件数は減っていない。同社広報部は「場所や被害状況によっては、運転再開に数時間かかる。いくら対応をしても完全に防げない状況になっている」と苦慮する。酪農学園大の伊吾田宏正准教授(野生動物管理学)の話 エゾシカの増え方は危機的な水準で、さらなる農業被害などの拡大が想定される。メスを集中的に駆除できれば、大幅な抑制が可能だが、民間のハンターは高齢化などで猟銃での対応は難しい。欧米では公的機関の職員が猟銃でシカの駆除を担うのが常識で、計画に基づいてオスとメスの個体数を調整している。国や道はハンターの活動を積極的に支援するとともに、猟銃を使える自治体職員を各地に配置するなど抜本的な対策を急ぐべきだ。

(怪物グマ【OSO18】実は“極度の肉食”だった!:北海道)
北海道東部で牛60頭以上を襲ったヒグマ「OSO18」が、エゾシカなどを主に食べる極度の肉食だったことが分かりました。道東を中心に牛60頭以上を襲って「怪物」「忍者」とも呼ばれ、2023年に駆除された「OSO18」。福井県立大学などが「OSO18」を含む北海道内のクマ約600体の骨を分析した結果、クマは本来は雑食ですが、「OSO18」は3歳から駆除された9歳まで継続してエゾシカなどを食べていた極度の肉食だったことが分かりました。「(シカの)死がいを見つけたら食べることが(通常の)やり方だが、年中食べているのが(OSO18の)特徴」(福井県立大学 松林順 准教授)。理由は分かっていませんが、「OSO18」の活動エリアだった標茶町周辺で駆除されたクマでも同様の傾向がみられたということです。

(米兵、保護鳥銃で撃つ:沖縄)
米軍嘉手納基地内で4日、鳥獣保護法で保護されているアマサギとみられる鳥を米兵が銃で駆除する様子が確認された。鳥が航空機に衝突することで重大事故の原因となるバードストライク対策の一環とみられる。米軍は通常、車両を使って鳥を追い払う対策をしているが、4日は地上にいた50羽以上の群れに対して銃を撃ち、被弾した1羽に再度発砲した。米兵が駆除した鳥を袋に入れて持ち去る様子も確認された。アマサギを含むサギ類は鳥獣保護法で許可のない捕獲が禁止されている。捕獲する場合は事前に県へ届け出る必要がある。ただ、米軍の公務に対しては、個別の取り決めがない限りは日本の法令は適用されず、今回の駆除についても鳥獣保護法の適用は及ばない。那覇空港事務所によると、那覇空港でも生息する鳥の状況を調査した上で、空包での威嚇や実包を使った駆除をする場合もある。ただ鳥獣保護法で保護される鳥を駆除することはないという。国土交通省によると、全国の空港でも空包や実包を使った対策が実施されている。

(野生イノシシ豚熱:岡山)
岡山県は4日、津山市で発見された野生イノシシが家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内での感染確認は48例目。県によると、5月27日に道路脇の斜面で死んでいるのを地元住民が見つけ、6月3日に県の検査で陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して野生イノシシの流通自粛を求めている。

(クマ被害の現場で状況確認:長野)
現在、長野地域と北信地域に出されている「ツキノワグマ出没注意報」。今年4月に男女3人がクマに襲われ重軽傷を負った飯山市で4日、クマの専門家たちが現場検証をして、状況を確認しました。飯山市常盤で行われた現場検証。今年4月9日の夕方、物置で作業をしていた65歳の男性と、近くに住む96歳男性と66歳女性がクマに襲われ重軽傷を負いました。その1週間後の4月16日、下高井郡・木島平村でも90歳の女性がクマに襲われけがをしました。人身被害が相次いだことからクマ対策員などおよそ20人が4日、飯山市の現場でクマの移動経路をたどり状況を確認しました。専門家「間違えて下の方に来ちゃってそこで刺激があって興奮状態そういうクマは手に負えない、手を付けられないので多分最初に目撃した人をアタックしてしまったのでは」。また、専門家が指摘したのはクマが入ったとみられる空き家です。専門家「クマは藪に向かって逃げるので ここらへんだとここがまとまった身を隠せる場所それでここに」。草木や藪が生い茂る場所は危険といいます。北信地域では今年、クマの目撃情報が4月に「14件」、先月に「27件」あり、いずれも去年より増え、人への被害があった4月は特に里地での目撃が多くなっています。クマ対策員ピッキオ玉谷宏夫「身を隠せるところがない開けたところに出てしまうと普段とは違った行動をとってしまいがち。見通しを良くするために木を切ったり藪を刈りはらったり場合によっては小学校とか出てきてほしくない周りでは電気柵を張ったりとかそういった対策も有効だと」。県の北信地域振興局管内では今後、森林ややぶの整備を行うほか、クマが近づかないよう放置された柿の木の伐採が行われる予定です。

(「イノシシ食害原因」、嶺南のヒメザゼンソウ盗掘疑い:福井)
嶺南地域の湿地周辺に自生する県域準絶滅危惧種の多年草「ヒメザゼンソウ」の盗掘の疑いについて、県は3日、監視カメラを設置した結果、イノシシの食害が原因とみられるとの見解を明らかにした。盗掘されている旨の通報を受け、県職員が5月26日に現場を確認。27日~6月2日、現場に2台の監視カメラを設置したところ、29日午前0時半ごろ、ヒメザゼンソウを掘り起こすイノシシの姿が確認された。県自然環境課の担当者は「被害がまだらで広範囲に見られる。鑑賞目的であれば葉も必要だが、現場に葉が残されている」とし、人為的ではないと結論付けた。

(イノシシ捕獲、年1万頭超:島根)
島根県内で、2019年度から23年度に有害鳥獣として捕獲したイノシシが毎年度1万頭を超え、ニホンジカは23年度に最多の1639頭となった。農地や宅地の荒廃が理由とみられ、中山間地域では民家や学校の敷地内で目撃される例も出ている。

(サギ営巣のご神木、全て伐採へ:富山)
舟橋村の住宅街、竹内(たけのうち)の神社で約50本あるご神木に営巣するサギが増え、ふん害や夜の鳴き声の苦情が後を絶たず、境内全ての木が伐採されることになった。我慢の限界に達した近隣住民の声を受け、宮司が「大切なご神木とはいえ、お参りしにくい環境なら本末転倒」と伐採を提案し、大多数の氏子が賛同した。11日に祭事を営んで、渡り鳥のサギが姿を消す秋以降にご神木を撤去し、木材は厄や災いを遠ざける木札や掛け時計に再生する。神社は竹内神明社で、社殿は竹内天神堂古墳の上に立つ。境内の高木全てがご神体として扱われている。サギの群れは8年ほど前からすみつくようになり、毎年3月ごろに現れて営巣を始め、秋にいなくなる。今年は15組前後のつがいが巣をつくり、幼鳥の姿が確認されている。日中から「カカカカッ」「グワッ」と鳴き声が周辺に響き渡り、境内がふんで汚れることもしばしば。住民からは「夜に寝付けない」「車や瓦にふんが落ちる」「神社隣の公園で遊ぶ子が怖がる」といった苦情が村役場などに寄せられていた。神社近くに住む女性は「特に暑い時期は臭いが強くて窓を開けられない」と顔をしかめる。苦情を受けて、舩木信孝宮司(59)は昨年に伐採を提案し、約150世帯の町内会でもおおむね賛同を得た。富山県神社庁のほか、県埋蔵文化財センターも古墳を傷つけないことを条件に伐採を容認。氏子や出身者でつくる「舟橋竹内天神堂古墳・なかよし公園整備委員会」が11日に作業の安全祈願祭を執り行い、ご神木1本1本にお神酒をかけて御霊(みたま)を鎮める。伐採に掛かる550万円は氏子や村内の企業などから寄付を募り、ご神木でつくった木札や時計が返礼品となる。昨年の宮総代で準備を進めてきた柳原誠さん(57)は「鷹匠(たかじょう)による追い払いを検討したが、多額の費用が掛かり、ロケット花火での追い払いも火災の恐れがある。伐採が根本的な解決になる」と理解を求めた。舩木宮司は「境内にはサカキのような営巣しにくい低木を植えて、新たなご神木に育てていきたい」と話した。

(全国唯一の「空白県」に迫る動物は……:茨城)
福島、茨城、栃木の3県にまたがる八溝山周辺でニホンジカが3年連続で捕獲された。シカは木や草を食べ荒らす「食害」が問題になっている。栃木県内では西部から生息数が増え、東部へと広がってきた。そこから、過去の国の調査で唯一、シカの「空白県」だった茨城にまで侵食した可能性が高まっている。3県は八溝山周辺でシカの目撃情報が増えたことを受け、2019年に「福島茨城栃木連携捕獲協議会」を設立。20年度から一帯での捕獲や生息調査を続けてきた。協議会の事務局を務める栃木県自然環境課によると、22年度に初めて4頭を、23年度は6頭を捕獲した。

(昨年度クマ目撃が過去最多:滋賀)
大津市は、昨年度のクマの出没情報が前の年度の5倍近くに急増しているとして登山などで山に入る際には、出没場所を地図上で確認できるオンラインサービスを活用して注意するよう呼びかけています。大津市で昨年度、寄せられたクマの出没情報は、過去最多の52件となり、前の年度の5倍近くに増えました。滋賀県内では、ことし4月に、長浜市で女性がクマに襲われけがをする被害がありましたが、大津市でも今年度に入り登山道近くや住宅のある地域などでの目撃情報が相次いで寄せられています。市では、インターネットのWEBサイトでクマが出没した場所などを地図上に表示する取り組みを行っていて、登山などで山に入る際に活用するよう呼びかけています。このサイトは、大津市のホームページや登録制のメール配信サービスからアクセスすることができ、地図上にあるクマの印をクリックすると、出没した日時や場所、捕獲情報などを確認することができるということです。大津市鳥獣害対策係は「被害がでないように、情報を確認して安全第一で行動してほしい」と話していました。

(利根郡信金、尾瀬シカ食害防止に貢献:群馬)
ミズバショウなど貴重な高山植物が群生する尾瀬ヶ原(群馬県片品村)をニホンジカの食害から守る利根郡信用金庫(坂井隆理事長)のボランティア活動が5年目を迎えた。シカ柵の設置・撤去の協力職員は延べ約100人に達し、植生の回復に大きく貢献している。

(山歩きでクマ対策忘れずに:北海道)
観光シーズン本格化を前に、美幌署と北海道警察北見方面本部は、標高525メートルの美幌峠周辺で、山歩きでの遭難防止策やヒグマ遭遇時の対策などについて説明する啓発活動を行った。

(鹿の解体体験会、親子で「命と食」のつながり考える:長野)
親子で「命と食」のつながりを考える体験イベント「鹿をさばき、肉を食う!」が6月14日、GAKUキャンプフィールド(泰阜村金野)で開かれる。鹿1頭の解体から調理までを体験する内容で、村内のジビエ加工施設「もみじや」代表の井野春香さんが講師を務める。井野さんは大学で鹿に関する研究を行い、卒業後は泰阜村のNPOに勤務。村長らとの交流をきっかけに地域おこし協力隊員となり、革細工などの活動を行う中で地元の猟師と出会った。その縁や在学時の経験を生かし、鹿革製品を扱う「けもかわプロジェクト」を立ち上げた。活動を進める中で、村内には鹿の解体施設がなく、捕獲された鹿を山に埋めざるを得ない現状を知り、有効活用できる体制を整えようと、村の補助を得て「もみじや」を設立。現在は鹿肉の解体・加工に取り組んでいる。日々の活動では、「命をいただいた以上、極力、無駄にしないようにする」という考えを活動の軸に据える。今回のイベントは、飯田市などで飲食店を展開する「岳」に鹿肉の提供を持ちかけたところ、体験会の提案を受けて実現した。対象は親子連れを中心に想定しているが、大人一人での参加も可能。定員は約40人。鹿1頭の解体工程の見学・体験と並行して、高森町で日本料理店「葵」を営み、長野県ジビエマイスターでもある中塚敏行さんによるジビエ料理教室も開く。昼食には「鹿肉バーガー」「鹿肉ミニカレー」を提供する。井野さんは「子どもたちには『かわいそう』でもいいので、感じたままを受け取ってほしい」と話し、「猟師という生き方が、大人になったときの選択肢の一つになれば」と期待を込める。イベントでは「安全面に配慮し、スタッフ体制を整えて丁寧な指導を行う」という。

(シカ衝突でエアポート8本運休:北海道)
4日午前10時10分ごろ、北広島市のJR千歳線北広島―上野幌駅間で、新千歳空港発札幌行き快速エアポートがシカと衝突し、停止した。JR北海道によると、乗客約330人にけがはなかった。列車は車両点検し、約30分後に運転を再開したが、小樽―新千歳空港駅間の快速エアポート8本が運休または部分運休し、約2600人に影響した。

(麻酔銃とみられる長い筒使い、公園に迷い込んだニホンカモシカを無事捕獲:愛知)
2025年6月2日、名古屋市名東区の廻間公園に現れたニホンカモシカは、3日午後4時ごろ、捕獲されました。6月2日の朝から公園に居座わり、近所の人たちの注目を集めた国の特別天然記念物のニホンカモシカについて、市は当初、捕獲せず見守る方針でしたが、ケガをしている様子があることから、一旦東山動植物園に収容することを決めました。しかし、職員が捕獲の準備を進めると、フェンスを越えようと大ジャンプを見せるなど興奮状態になり、夜間の捕獲は中止となりました。そして3日、麻酔銃とみられる長い筒を持って男性がゆっくりと近づき、警戒したニホンカモシカは公園の中を走り回りますが、午後4時ごろ捕獲されました。6月3日、ニホンカモシカの生態に詳しい専門家で、愛知学院大学歯学部の講師、子安和弘さんと公園を訪ねました。愛知学院大学歯学部の講師 子安和弘さん:ちょっと小さめですよね。3歳ぐらい。警戒しています。いい状況ではないですね。子安さんは、周囲を強く警戒している状態で、雨の中での捕獲はより一層難しいと話します。愛知学院大学歯学部の講師 子安和弘さん:ここだと食べるものがないですからね。気持ちとしては、どんどん焦りの感情が増えてくるでしょうから難しいと思います。雨がなくても難しいと思います。広い意味ではウシなんですけど、ウシの中でもヤギに近い動物。草食性で、主に日中に行動します。二ホンカモシカは、愛知県内では奥三河の山間部などを中心に生息し、県の調査ではやや増加傾向でおよそ1250頭いると推定されています。子安さんは、最近生息数が増えているシカに押し出される形で、市街地に現れることが増えていると指摘します。愛知学院大学歯学部の講師 子安和弘さん:山間部はシカの方が生息地として優勢になっていて、押し出されるような形で周辺部にニホンカモシカが下りてきている。オスは縄張りを持つのが普通なものですから、ある程度育ってくると親に追い払われる形で、どんどんカモシカ全体としては住んでいる場所が広がっているようにみえる。2日間にわたって注目を集め、無事に捕獲されたニホンカモシカ。ケガの治療のあと、本来の生息地に戻されます。

(シカがボンネットに激突 跳ね飛ばされてもすぐ立ち上がり…:熊本)
住宅街に突如現れたシカ。どこから来て、どこへ向かったのか…熊本市内で目撃情報が相次いでいます。シカはガードレールを飛び越え、車のボンネットに激突。はずみで跳ね飛ばされましたがすぐに立ち上がり、国道57号(通称・東バイパス)の方へと走り去っていきました。車を運転していた20代の男性にけがはありませんでしたが、車には衝突の跡が残っていました。突然、車の前に飛び出してきたシカ。現場はどんな場所だったのでしょうか?そして、なぜそこに現れたのでしょうか。現場は国道3号の東側にある路線バスも通る市道で、シカが横切ったとみられる住宅の庭には足跡も残っていました。では、シカはどこから来たのか。熊本市の鳥獣対策室には、同じ日にシカの目撃情報が複数寄せられていました。熊本市 鳥獣対策室 藤森浩二 室長「熊本市のシカは大きな河川(緑川・加勢川・白川)で目撃されることが多い。今回は、おそらく緑川・加勢川に生息しているシカ」。約2時間、直線距離約2.5㎞に及ぶ大移動。その理由を、藤森室長は次のように推測しています。藤森室長「エサを求めて川の上流に上がってきたときに、住宅街に迷い込んだと思う。シカ自身も『どこに向かっているのだろう』とパニック状態で、すごく慌てて移動しているのかなと思う」。草食のシカは基本的に緑がある場所にいますが、迷い込んでパニックになり、通常では近づかない場所へ移動することもあるそうです。ただ、しばらくすると本能的に元いた場所へ帰っていくことが多いといいます。シカが出没するエリアを断定することは難しいですが、2025年4月以降に熊本市で目撃された場所を、地図で示してみます。赤い場所が目撃情報が寄せられた場所です。JR西熊本駅周辺や、加勢川周辺、国道57号沿いが赤くなっています。また、熊本市北区と東区周辺も見てみましょう。JR武蔵塚駅の南東を通る、白川沿いで目撃情報が多いことが分かります。熊本市は「シカの活動時間である夜間や明け方に河川敷の近くを通る際は注意してほしい」と呼びかけています。

(住宅街にある寺の本堂の床下にクマが居座る:山形)
6月3日、山形県酒田市の市街地にある寺にクマが出没し、一夜明けた4日も建物の床下に居座っていると見られ警察が警戒に当たっています。酒田警察署によりますと3日午後8時15分ごろ酒田市若竹町2丁目の寺院・法輪寺で本堂の床下にクマ1頭が出入りしていると寺の関係者から110番通報がありました。通報を受けて出動した警察が調べたところ寺の防犯カメラの映像にはクマが建物の床下に入る様子が映っていたということです。床下の出入り口は1か所で映像ではクマが最後に入った後出てくる様子は確認されず4日正午現在も床下に居座っていると見られています。現場は、酒田市役所の南およそ1.5キロの住宅地で近くには学校や病院などがあります。そのため、警察は昨夜からけさにかけて床下の出入り口を盾で塞いだほか、4日午前6時すぎに地元猟友会が箱わなを設置しました。これまでのところ人や物への被害は確認されていません。

(貨物列車がシカと衝突:鹿児島)
JR九州によると、4日午後10時42分ごろ、鹿児島線海老津~教育大前で上り貨物列車がシカと衝突した。この影響で同11時2分現在、同線門司港~福間の上下線と日豊線小倉~柳ケ浦の上下線で遅れが出ている。

(集まれ!!ジビエ好き! 電車好き! シカ革グッズ好き!:京都)
株式会社STORYは、大阪・関西万博開催を機に世界中から訪れるお客様に対し、ジビエ喫食機会の拡大やジビエに対する正しい情報の理解認知を図るために、関西圏内のレストランや嵐山駅等においてイベントを開催。

(ジビエ肉に抹茶で最高賞:三重)
県内で捕獲されたシカのジビエ肉などを使った春巻きが、日本中国料理協会の「ご当地ハルマキ」コンテストで、中部地区本部の最高賞、金賞を獲得した。亀山市みずほ台の中華料理店「中国名菜 しらかわ」店主の白川貴久さん(49)が、地域活性化に貢献しようと開発。「生産者や地域のみなさんと一緒に勝ち取った賞。三重の中華料理にスポットがあたれば」と期待する。受賞したのは「『みえジビエ鹿肉の森のごちそう春巻き』~大地が育んだ三重の恵みが織りなす味のハーモニー~」。表面にキノコやナッツをまぶした春巻きの具材は、県が運用するみえジビエの鹿肉。亀山茶を使った抹茶塩も添えた。全国各地の人々に三重を知ってもおうと「最初はみえジビエの風味で『三重県』を食べてもらい、味変の抹茶塩をつけて『亀山市』を食べてもらうイメージで作った」と白川さんは話す。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、5日、白石市福岡蔵本秋野沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、5日午後5時35分ごろ、富谷市穀田土屋沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後7時15分ごろ、仙台市太白区長町越路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後4時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、4日午後9時ごろ、柴田町成田地獄沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後9時ごろ、仙台市泉区古内北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、4日午前8時5分ごろ、富谷市明石原川戸にクマが出没しました。

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("ドングリの木"伐採進める県に「シカ目線で見ていない」憤る研究者:奈良)
連日、大勢の観光客で賑わう奈良公園。お目当てはもちろんシカです。鹿せんべいをやったり、くつろぐシカの横で写真を撮ったり、奈良公園は野生のシカと人間が共存する、世界的にも珍しい場所です。ところが今、シカの生態が脅かされかねない問題が起きているといいます。北海道大学・文学研究院招へい教員の立澤史郎さん(65)。長年、奈良公園周辺に生息するシカの研究に取り組んできました。そんな立澤さんが最近気になっていることが「切り株」です。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「これは新しいですね。枯れてるからじゃなくて、生きている状態で切られたわけですけど。奥とか右側の切り株は伐採されているんだと思います」。公園内には木の切り株が至る所にあるのです。あちこちに、最近切られたとみられるものが目立ちます。これらは奈良県が伐採したものです。中でもドングリの木が伐採されていることに立澤さんは憤っています。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「(シカが)かなり真剣にドングリだけ狙っている感じですね。ドングリ自体が秋から冬にかけてのシカの主食ですから、食べ物を供給するという点で一番、ドングリの木の伐採は問題になってくる。『誰もシカ目線で見ていないな』というのは非常に思いました」。シカにとって、ドングリは貴重な食料で食べられなくなると冬の生存率に大きく影響するといいます。また食料として以外にも冬を乗り越えるうえで必要なものだといいます。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「奈良は冬の底冷えが結構厳しいんですけど、そういうときはたいてい、大きなドングリの木の下に集まっている。落ち葉がたまった所に乗っかってみんなで寄り添って寒さをしのいでいるんですけど、照葉樹のドングリの大木の根元は、シカにとっては冬を越せるかどうか非常にクリティカル(深刻)なポイントになる環境だと言えます」。なぜ奈良県はドングリの木を伐採するのでしょうか?理由は、2012年に県が策定した「奈良公園植栽計画」にあります。1880年、明治時代に開園した奈良公園。その美しい景観が評価され、1922年には「国の名勝」にも指定されました。ところが、時が経つにつれ公園の木々が大きく成長し景観が損なわれたとして、県は適切な樹木管理として木を伐採し、マツやサクラに植え替えていくことを決めたのです。県はこの計画に基づき2019年から本格的に伐採を始め、これまでに280本の樹木を伐採。このうち40本近くがシラカシやイチイガシなどのドングリの木でした。奈良公園のシカは今、別の問題も抱えています。春夏の主食である「芝」が減ってきているのです。急激に増えた観光客が踏んでしまうことで芝が根っこから切れてしまっています。修復を試みた場所もありますが、3年前の写真と見比べても、変化は一目瞭然です。立澤さんは、こうした食料不足は「シカだけの問題ではすまされない」と指摘します。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「自然の食べ物が減った分、人間に食べ物を依存する。人間に対する『食べ物をくれ』という要求が強まってきて、場合によっては非常に攻撃的になることが考えられます。もうひとつは、食べ物がないんだから、平たん部にいても仕方がないということで、農地の多い公園の外側へ出ていく個体が増える可能性がある。そちら側に出て行ったシカは農作物被害を起こす可能性が高くなると思います。いずれにしても、人とシカの間のトラブルがより強まる可能性があると思います」。市民からもシカの食料不足を懸念する声があがっています。ドングリの木の伐採中止と芝地の回復を求めて市民団体が署名運動を開始。1か月足らずで約2万5000人の署名が集まり、5月、奈良県の山下真知事宛てに要望書を提出しました。計画を進める奈良公園室の担当者に話を聞くと…(奈良県・観光局奈良公園室 奥田篤室長補佐)「ドングリの木は確かに切っているんですが、伐採木の1割ちょっとの本数です。奈良公園には非常にたくさんドングリがなる木があるので、急激にシカが食料危機に陥ることはないと」。シカの数は伐採が始まった2019年以降も減っておらず、食料が不足しているわけではないと主張しました。そして…(奈良県・観光局奈良公園室 奥田篤室長補佐)「当然シカも大事なんですけど、それと同時に奈良公園の景観、これは『名勝』なので文化財で、実は同じくらい重いものです。それをシカだけの考えで進めるのは難しいのかなと」。ドングリの木の伐採について奈良県の山下知事は、5月30日。(奈良県 山下真知事)「(ドングリの木)約1000本のうち(伐採するのは合計で)58本なので、それくらい切ってもほとんど影響がないと思いますけど、仮に微々たる影響があったとしても、奈良公園の外側の山に行ってドングリの実を食べればいいということなので、シカの生態には全く影響がないと認識しております」。一方、北海道大学の立澤さんは、例え1割でもドングリの木が減るとシカに影響があり、人がやる鹿せんべいに依存するシカも出てきているといいます。(北海道大学 立澤史郎招へい教員)「今は鹿せんべいを持っていると(シカが)どっと来ますから。保護が成功したから今のシカの姿があるんですけど、増やした責任は人間にあるので、これからどうするかを人間が責任を持ってうまくバランスをとってやらないといけない」。1000年以上、人とシカが共生してきた奈良。景観を重視する県とシカの専門家の間で意見が割れています。

(全国初の組織「テゴス」発足1年:広島)
イノシシやシカなどの鳥獣害対策に取り組むプロ組織「テゴス」が、本格稼働してから1年。全国初の取り組みとしてどんな成果をあげたのでしょうか。庄原市鳥獣対策のプロ組織「テゴス」のフィールドアドバイザー佐々木陽尚さん。【「テゴス」フィールドアドバイザー・来栖伸明さん】「こういうふうに農地を柵で囲って管理を徹底的にやるということで侵入防止をやってもらっている」。去年、20ヘクタールの農地にワイヤーメッシュの侵入防止柵を設置。【米農家・渡辺徹也さん】「(イノシシが)コンクリートの下をえぐり取ってのり面まで破壊する。補強のやり方を教えてもらい、特にワイヤーで角を補強した。下にパイプを入れてドアを補強したのも(侵入を)防いでいる」。対象となる動物によってその設置の方法は変わります。【「テゴス」安芸高田市フィールドアドバイザー・栗栖伸明さん】「イノシシは下側から狙って来るので、下を補強するのは良い方法」。この柵を設置してからイノシシの侵入は一度もなかったそうです。【米農家・渡辺徹也さん】「皆さんの協力によって効果をあげているのでありがたい。これまで以上にこの秋が楽しみ」。今年度からテゴスの取り組みに新たに5つの市町が参画することになり、先月26日にフィールドアドバイザーや県の担当者などが集まりました。行政側も去年1年間の成果に期待を抱いています。【昨年度から参画・北広島町】「プロパーの職員では行けなかったところにフィールドアドバイザーが積極的に現場に出たこと、また地域ぐるみという思いも共有できていることが結果かなと」。【昨年度から参画・尾道市】「イノシシ対策については、改善点を指導することで侵入防止につながっている。テゴスの活動の信頼度も日々高まっている」。県の集落実態調査によると、「テゴス」に参画した市町では、侵入防止柵が適切に管理されている集落の割合が、おととしに比べて6.7ポイント増加。柵を正しく設置することで、鳥獣被害がなくなったという声が届いています。【広島県農業生産課・出原寛之課長】「今まで思い込みでやってきたことや見よう見まねでやってきたことで被害が広がっていた。正しい知識を得て取り組んでもらうことで被害の軽減の実感につながっている」。さらに行政としての課題解消にも有効です。【広島県農業生産課出原寛之課長】「役場の職員は異動を伴うので、専門的な研修を受けても異動してしまうとまた一からと。研修を受けた専門人材が長期的に現場に入ることで、より多くの集落に正しい知識を植えつけることができる」。テゴスは同じような鳥獣被害に悩む全国の自治体が注目しています。テゴスの本部を訪ねたのは山形県の職員です。【山形県みどり自然課・木内真一課長】「20年30年を見据えたときに、広島県のテゴスの取り組みは切り札になると考えている」。山形県でも動物による農作物への被害が深刻で、おととしの被害は4億円を上回るといいます。この日視察したのは竹原市。レンコン農家と一緒に活動するフィールドアドバイザーの取り組みです。【辰已麗キャスター】「実際に被害にあった農家のところに来て点検をしているところです。柵を触ったりしながら正しい設置がされているか確認しているところです」。こちらの農家では、これまで育てていたレンコンがシカに食い荒らされてきました。【山形県・木内さん】「イノシシとかシカは狙ってくるの?」。【レンコン農家・中嶋剛さん】「シカが今出ている若い芽を食べに来てしまって…」。【「テゴス」フィールドアドバイザー・川崎治さん】「ネットを張るならしっかり留めないと(シカが)越える」。フィールドアドバイザーの指導に耳を傾けます。【山形県・木内さん】「行政が丸抱えするのは難しい。そういう意味でも住民と市町村の間に立つ中間支援組織は有効だと思った」。県は将来的にテゴスの活動を県内全域に広げたいとしていますが、フィールドアドバイザーの育成や波及効果の拡大など課題が分かってきました。【「テゴス」向谷敦志代表理事】「相談者に対する対応はできた。でも地域の周りの人に浸透していない。その人だけにとどまったりしている。いかに地域に波及させるか。こういったところを本年度力を入れたい」。農家と行政の間に立って鳥獣害対策を行うプロ集団。全国初の取り組みはまだ始まったばかりです。

(クマやイノシシの被害を減らしたい、地域おこし協力隊に初の分野で採用:新潟)
新発田市は、新たに冨岡恵人さん(23)と加藤秀明さん(50)、佐藤勝憲さん(55)の3人の地域おこし協力隊を受け入れた。冨岡さんは鳥獣被害対策を担う隊員として市が初めて採用。松浦地区を中心にクマやイノシシといった有害鳥獣の捕獲や啓発活動などに取り組み、近年目立つ人や農作物への被害を防ぐ。冨岡さんは茨城県東海村出身。協力隊として猟友会と連携し、鳥獣の捕獲や小中学校向けの啓発、新たな対策の企画などを担う。「新潟県は鳥獣の種類が多い。経験を積み、被害を減らしていきたい」と意気込んだ。

(住宅街に出没したニホンカモシカ、市が捕獲へ:愛知)
名古屋市名東区の住宅街に出没した国の天然記念物「ニホンカモシカ」について、市は午後6時半ごろから捕獲に向けた対応を取ります。名古屋市教育委員会によりますと、このニホンカモシカは、後ろ足にけがをしている様子が確認されていて、午後6時半ごろから捕獲をするということです。そして必要があれば、治療したのちに山へ放つ予定だということです。

(県産ジビエをもっと気軽に!:兵庫)
4月24日、兵庫県立美術館(神戸市中央区)に新しいレストラン『Rokumei saryu(ロクメイサリュウ)』が誕生。ジビエ料理を提供しているとのことで、早速行ってきました。同レストランは”ジビエを通じて(繋ぐ)地域を豊かに”がコンセプト。鹿やイノシシなど野生鳥獣による農作物や森林への被害対策としてジビエ流通の仕組みを作り上げた株式会社メリケンヘッドクォーターズが、元町のジビエ料理専門店『鹿鳴茶流 入舩』(神戸市中央区)に続き出店しました。

(廃棄されるエゾシカの革を「一生モノの存在」として届けたい:北海道)
今回のまいにち金メダリストは、レザークラフト ルンガの平木拓未さん。北海道で捕獲されたエゾシカの革を活用し、キーケースやコインケースなどの革製品を制作しています。金メダリストの推薦者は、有限会社ウッディクラブ竹澤 代表取締役 竹澤雅嗣さん。「私たちはエゾシカ肉の処理加工を行っているのですが、これまで廃棄されていた革をレザークラフト製品に有効活用してくださっている平木さんに感謝しています。「今後もエゾシカの有効活用を広げていきたいと考えています。食肉処理業とレザークラフトの両面から、エゾシカを余すことなく生かしていくことが目標です」と竹澤さん。「いつもありがとうございます」と、竹澤さんから平木さんへ金メダルが贈られました。「大変光栄に思います。これまでの活動が評価されて、とても嬉しいです」と、平木さん。「私が作った革製品を手に取った方には、エゾシカの革本来のぬくもりや、手触りの良さ、しなやかさを感じてほしいですね。“一生モノの存在”として選んでいただけるような作品を、これからも作っていきたいです」。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、3日午後6時50分ごろ、登米市登米町日根牛北沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、3日午後6時55分ごろ、富谷市明石下寺前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、3日午後0時10分ごろ、栗原市築館萩沢東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午前8時50分ごろ、仙台市泉区大沢3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、3日午前7時40分ごろ、利府町赤沼放森にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、5月30日、白石市小原江志屋敷廻にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、5月30日、白石市小原湯元にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、1日午前11時30分ごろ、利府町葉山2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午前6時30分ごろ、仙台市泉区松陵3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午前1時40分ごろ、仙台市泉区館7丁目にクマが出没しました。

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(草取り中の男性、シカに襲われ全身打撲:岩手)
27日午後4時55分ごろ、釜石市平田の男性(87)が「シカに襲われた」と同居する家族が119番通報した。男性は背後から襲われ転倒した後、全身を複数回蹴られ県立釜石病院に搬送された。命に別条はない。釜石署管内でシカによる人身被害は今年初めて。同署によると、男性は自宅東側の畑で草取りをしていた同日午後4時半ごろ、雌の成獣1頭に背後から襲われた。左頬と左腕から出血したほか、全身打撲を負い、自力で帰宅した。現場は三陸鉄道平田駅から西に約1キロの住宅地。シカは子連れで、東方向へ立ち去った。

(犬と散歩中「なす術なかった」、クマと“格闘”男性がけが:新潟)
新潟では、クマと“格闘”した男性がけがをしました。クマに襲われた男性(40代) 「もうなすすべなしですよ。もうダメ。こんな筋肉あるけど太刀打ちできません」。男性は29日、犬の散歩中、体長1.6メートルのクマに突然襲われました。その時転倒し、右肩を脱臼。クマと格闘となりました。クマに襲われた男性 「(クマが)足のところ来たので私も腰が抜けたようになって、足で蹴っ飛ばして、そしたらこの子(犬)が応戦というかほえて追い払ってくれた。すごい鳴き声だからビーグル犬だから、クマもおじけづいてひるんで逃げた。じんたいの損傷だけですんでよかった」。

(マダニが媒介の感染症で70代の女性が死亡:広島)
広島県呉市は、マダニを媒介とする「日本紅斑熱」で、市内の女性が死亡したと発表しました。マダニによる感染症での死者が確認されたのは、ことし広島県内で初めてです。呉市によりますと、亡くなったのは70代の女性で、24日に救急搬送されましたが、その日に死亡したということです。女性は亡くなる1週間ほど前から発熱などの症状がみられていたということです。日本紅斑熱とはヒトからヒトへの感染はなく、リケッチアと呼ばれる病原体を保有するマダニに咬まれたあと、2~8日の潜伏期間を経て、頭痛や悪寒を伴う急激な高熱(38~40℃)が出た後、やや遅れて全身に米粒大から小豆大の紅斑が出現する病気です。発疹部にかゆみや痛みが無いのが特徴だということです。呉市によりますと、マダニに咬まれないよう、次の対策が重要だということです。・ 屋外活動時は長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、皮膚の露出を少なくする。・ 屋外活動後は、体や服をはたき、マダニに咬まれていないか確認する。・ 吸血中のマダニに気がついた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿するなどの恐れがあるため、医療機関(皮膚科など)で処置をしてもらう。・ マダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、直ちに医療機関を受診する。

(マダニにかまれた80代女性が死亡:静岡)
静岡県は5月30日、マダニにかまれ「日本紅斑熱」に感染した80代の女性が死亡したと発表しました。県内で2000年以降、日本紅斑熱患者の死者は8人目です。県はマダニにかまれないよう注意するとともに、発熱や発疹などの症状が見られたら早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。県によりますと、死亡したのは中部保健所管内に住んでいた80代の女性です。女性は5月22日頃に全身の脱力感、倦怠感が現れ、3日後の25日に医療機関を受診、入院しました。入院時の検査で肝機能障害や腎機能障害が判明し、翌26日に容体が急変し、敗血症により死亡しました。女性は草取り中にマダニにかまれたということで、大腿部に刺し口があり、県環境衛生科学研究所の検査の結果、日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出されました。県によりますと。2000年以降、県内で確認された日本紅斑熱患者の死者は8人目です。日本紅斑熱はマダニにかまれることで感染し、2日から8日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ重症化した場合は、死に至ることもあります。県では、マダニにかまれた場合は、体調の変化に注意し、発熱、発疹などの症状が現れたら早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。

(狩猟許可外の鳥誤射撃:千葉)
印西市において、令和7年5月22日午前10時ころ、農作物被害防止のため猟銃による有害鳥の駆除を実施していたところ、誤って許可外の非狩猟鳥(オオバン)1羽を捕獲してしまったもの。

(トレイルカメラを盗んだ疑い、別のカメラに犯行に及ぶ容疑者本人の姿:大分)
大分市の山中で、くくりわなを盗んだとして逮捕された49歳の男が、イノシシなど野生動物を監視するトレイルカメラを盗んだ疑いで再逮捕されました。窃盗の疑いで逮捕されたのは、大分市本神崎に住む無職の男(49)です。警察によりますと、男は今年1月24日午前8時頃から28日午前10時頃までの間、大分市大平の山中で、トレイルカメラ2台とSDカード2枚の計4点(時価合計約1万1000円相当)を盗んだ疑いが持たれています。警察は、同じ場所でくくりわなを盗んだとして男を5月8日に逮捕していて、被害者の男性(76)が提出した別のトレイルカメラの映像に、くくりわなを持って歩く容疑者本人が映っていたということです。取り調べに対し、男は容疑を認めているということです。警察は、家宅捜索で被害者のトレイルカメラなどを押収していて、余罪や動機などについて捜査を進める方針です。

(「住民を襲ったクマとは別個体」、5月に駆除されたクマ:長野)
長野県飯山市で5月5日に駆除されたツキノワグマは、4月に住民を襲ったクマとは別の個体だったことがわかりました。クマは千曲川の中州で発見され、体の特徴などから4月9日に住民3人にけがを負わせた個体の可能性があるとして駆除されました。県は住民を襲ったクマの血痕を採取し、5日に駆除したクマとともにDNA鑑定を行った結果、2頭は別々の個体と判定されたということです。先月は木島平村でもクマによる人身被害がありました。飯山市を含む北信地域の里地では、クマの目撃件数が4月は9件、5月はきのうまでに3件と減少していますが、県は引き続き注意を呼びかけています。

(クマ出没警報、7月末まで延長:秋田)
秋田県は29日、県内全域に発令している「ツキノワグマ出没警報」の期限を5月末から7月31日まで2カ月延長すると発表した。目撃件数が例年を大幅に上回っていることに加え、例年は夏場にかけて出没が増える傾向があることを踏まえた対応。県自然保護課によると、今月1~27日の目撃件数は307件で、5月の過去5年間の平均118件を大幅に上回っている。18日には、八幡平アスピーテライン付近の登山道で今年初の人身被害が発生した。

(クマの“居座り”想定した訓練:秋田)
秋田県内では人の生活圏にクマが現れ、最近では建物に侵入したままとどまるケースが増えています。2024年11月、秋田市のスーパーにクマが侵入して従業員を襲い、捕獲までに3日を要しました。5月22日には由利本荘市西目町の製材所に一時クマがとどまりました。対応に悩まされる中、警察や市の担当者などが28日、秋田市で訓練を行い、箱わなを設置するまでの手順を確認しました。訓練には、警察や県、秋田市の担当者のほか、地元の猟友会など30人が参加しました。今回は、市内の食品加工会社から「物置で従業員がクマに襲われた。中にクマがとどまっているため助けに行けない」との通報があったという想定です。

(世界遺産「毛越寺」イノシシ侵入もう許さん、ワイヤメッシュの設置始まる:岩手)
岩手県平泉町の世界遺産、毛越寺の庭園がイノシシに掘り起こされている問題で、同寺はフェンスの隙間からの侵入を防ぐため、ワイヤメッシュの設置作業を始めた。夏までの完了を目指している。

(鳥獣保護管理法改正、スキルある「専門職員」の配置を)
鳥獣保護管理法が4月に改正され、この秋から北海道でも市街地に出没したヒグマを市町村長の判断で猟銃による駆除ができるようになる。警察官の発砲指示が不要になり、自治体によっては対応がしやすくなったが、半面、課題も多い。施行に向け、昨年、同法改正の検討委員を務めた一般社団法人エゾシカ協会(江別市)の理事でもある伊吾田宏正・酪農学園大学准教授(狩猟管理学)に聞いた。改正法では、市街地で人がヒグマに襲われる可能性があり(危険鳥獣)、猟銃による駆除が必要な場合に限って、市町村長が捕獲者(ハンター)に発砲を命じることができる(緊急銃猟)となっている。だが、ヒグマの捕獲は山野でも反撃など大きなリスクを伴う。それが住民や建物などが存在する市街地でとなると、多くの不確定要素が絡んでくる。捕獲者には特殊部隊のようなスキルが求められることもあるだろう。現在、ヒグマの出没に自治体職員が職務として駆除にあたっている占冠村などを除き、ほとんどは一般の狩猟者が駆除隊員として対応している。義務ではなく、あくまで善意で出動しており、特別な訓練を受けているわけではない。3年ごとの猟銃の更新時に必要な射撃試験は、駆除隊員の費用負担を軽減するため免除となる場合が多い。だが、公的な捕獲を担う駆除隊員には、むしろ一定の射撃訓練を義務づけるべきではないか。それだけ高い技能が必要だ。その上で、費用負担について行政が検討すればよい。今回の法改正は、住民を守るべき基礎自治体である市町村が、市街地発砲を含めたヒグマの出没対応に、本気で取り組まなければならないことを示した点は画期的で一定の評価はできる。もちろん、有用なガイドラインの提示や財政支援など、国の役割もますます重要である。かといって、市町村は職員数が限られ、通常業務も多岐にわたり、道の支援は欠かせない。道は昨年、ヒグマ管理計画を見直し、初めて個体数管理を導入した。人里周辺の森林に生息する個体を中心に捕獲を強化し、人とヒグマとの空間的すみ分けを図るとうたっている。人里に出没する個体は絶対排除、人里とコア生息地との間の緩衝地帯でも強力な捕獲圧をかけて、人里に接近させないようにすべきである。最近本州で住宅地に出没したクマを、麻酔をかけて山に放したという事例があった。これには違和感を感じる。そのような個体は再び人里に戻ってきて人身被害を引き起こす可能性があるからだ。クマを殺すことへの社会の過剰な反応を恐れての対応かもしれないが、住民の安全を最優先に考えれば、可哀想だが捕殺すべきだった。改正法を実のあるものにするためにも、最前線の市町村には高度な技術を持った野生動物対策の「専門職員」の継続的配置が求められる。北米では、聴覚や嗅覚(きゅうかく)に優れ、訓練された野生動物対策犬がクマ対応に効果を上げているという。そのような手法の導入も積極的に検討すべきである。また、市町村と連携し、広域的な対応を考える道の関与も重要だ。国はこうしたことを踏まえ、より現実的で持続可能なクマ管理の新たな体系を構築すべきである。

(花壇のチューリップをシカが「完食」でほぼ丸裸に:北海道)
北海道釧路市街地の公園で今春、花壇のチューリップがエゾシカに食べられる被害が相次いでいる。同市公園緑化協会によると、住宅街の「鳥取10号公園」では、花壇に植えられた約1000本のうち9割が食害に遭った。市中心部の 幣舞ぬさまい 橋に近い「ぬさまい公園」では、円形の花壇で育っていた約500本が、ほぼ根こそぎ食べられていた。どちらもシカの足跡があり、目撃情報もあったという。シカがチューリップを食べたのは4月以降とみられる。同協会の担当者は、「4月はまだ野草が伸びていない時期なので、花壇が狙われたのではないか。味を覚えて何度もやって来るシカもいるようだ」と話す。来年に向けて、シカよけネットの設置や植える花の種類を変えることなどを検討する。市内では近年、シカが住宅の敷地にある植栽を食べる被害などが増えている。市に寄せられた苦情などの通報は、統計を取り始めた2014年度は18件だったが、20年度以降は毎年70件を超えている。「アーバンディア」と呼ばれる、人慣れしたシカの個体も増えているという。

(「獣マップ」活用呼び掛け:福島)
今年度の福島市内のツキノワグマ目撃件数は5月29日時点で計25件となり、過去5年間の同時期平均に比べて約2.2倍となっている。木幡浩市長が30日の記者会見で発表した。市によると、5月に目撃のあった南中央の河川敷や飯坂小周辺などは民家に近く、クマの生息地帯以外での出没が目立っているという。市は過去の目撃情報を一覧にまとめ、市ホームページで公開している。目撃場所を地図上で確認できるウェブサービス「獣マップ」の活用も呼び掛けている。木幡市長は例年の傾向から「夏が近づくにつれ、目撃が増えると見込まれている」として注意を呼び掛けた。

(南部でネズミ大量発生か:北海道)
道南の広い範囲でネズミの目撃が相次いでいる。道路やごみステーションの周辺を走り回っている様子が目撃されているほか、稲のもみを食べたとみられる形跡も見つかった。専門家はえさとなるドングリが昨年豊作だったことが影響し大量にネズミが発生している可能性を指摘している。福島町三岳の米農家佐藤孝男さん(78)宅では4月下旬から稲を育成するハウスや資材などを入れる倉庫にネズミが出現するようになった。粘着式のわなを各所に置くと、毎日のようにわなに張り付いた状態で見つかっているという。田植機にセットするためのトレー式の育苗箱20枚に食べられた跡があったほか、植え付け前のトウモロコシの苗も食べられた様子で300本以上が被害に遭った。佐藤さんは「これから植えるジャガイモに被害が出ないか心配だ」と懸念。福島町ではこのほかにも1軒でコメの育苗箱の被害の報告があった。江差保健所生活衛生課によると、厚沢部町の認定こども園ではネズミの死骸が30匹ほど見つかったという。奥尻町でゲストハウスを経営する外崎雄斗さんは「夜に車を走らせると、奥尻から神威脇までで十数匹のネズミが飛びだしてくる」と驚く。このほか、木古内町内の高齢者宅や団地、木古内と函館を結ぶ函館・江差自動車道の高規格道上、知内町内のごみステーション、松前町内の民家、せたな町の農家などでの目撃情報が各町などに寄せられている。一方、渡島総合振興局環境生活課、函館市道路管理課、市立函館保健所にはネズミの大量発生や被害の情報は寄せられていないという。ホームセンターではネズミ対策の商品が品薄状態になっている。イエローグローブ福島店は殺鼠(さっそ)剤、粘着式のわな、ネズミの嫌がるにおいを発する忌避剤などを販売しているが、4月下旬から購入者が急に増え、先週は品切れ状態となった。大坂芳弘店長は「例年の4~5月に比べて今年は8~9倍の売れ行き」と説明する。鳥獣害対策に取り組む北海道立総合研究機構林業試験場(美唄市)の南野一博主査は「道南で撮られた写真を見ると、アカネズミやヒメネズミとみられる。昨年道南では、これらのネズミが好むブナやミズナラのドングリが豊作で、繁殖が活発化した可能性がある」と指摘している。

(クマ撃退スプレー「目や鼻狙って」:岩手)
盛岡市下太田の樋下建設(樋下光社長)は26日、同市の北上川ダム統合管理事務所で、クマとハチ対策の社員向け講習会を開き、命を守るすべを学んだ。林野部で作業を予定する社員ら13人が参加。クマ対策は、農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーで雫石町職員の谷崎修さん(47)が▽音の高い鈴を鳴らす▽クマ撃退用のスプレーは5メートルほどの距離から目や鼻を狙って噴射する-とポイントを伝えた。外に出て、練習用スプレーや追い払い用の花火の訓練をした。県内で労働中にハチに刺されることも多いとして、葛巻町葛巻の害虫駆除業者「虫の相談所 夢志(むし)」の志田崇代表(55)は、ハチの生態について説明。複数回刺されるとアレルギー反応が生じる危険性があることや、草むらで巣の場所を推測するこつを伝えた。

(わな猟の会、2年連続100頭超え:神奈川)
葉山町で鳥獣被害防止のため、カメラによる監視活動、罠による駆除活動、防護柵の設置などを行う「葉山わな猟の会」(臼井康之代表)が5月24日、湘南国際村のロフォス湘南で総会と懇親会を開催した。臼井代表は懇親会のあいさつで、同会が設立して10年の間に二子山山系で623頭、その内葉山で約6割、391頭のイノシシを捕獲してきたこと、今年4月の1カ月の捕獲数が過去最高の12頭だったことを報告した。同会によると、24年度1年間の捕獲数は101頭、23年度は109頭で2年連続で100頭を超えたという。また同会が健康診断で利用する、加藤メディカルアーツクリニックの加藤秀継医師による「イノシシ肉と食中毒」についての講演が行われた。寄生虫やウイルスによる食中毒の危険性があるため、中心温度が75℃で1分以上加熱することが大切だと紹介された。同会の三井修さんによると、昨年度の出産可能メスの捕獲は29頭で、前年の18頭より大幅増。これにより「今年の出産数は例年より抑えられるだろう」と期待をする。イノシシは一回の出産で4~5頭産むとされ、単純計算で約50頭の抑制につながる。

(ハンター確保に力、狩猟免許取得など支援:青森)
青森県は有害鳥獣捕獲に従事するハンターの確保と育成に力を入れる。県内で業務に従事することを条件に、新規狩猟免許取得者の試験の事前講習会受講や猟銃などの取得にかかる費用を支援。捕獲用わなと連動したICT(情報通信技術)の導入も支援し、設置後の見回りなどの負担を軽くする。青森県内の狩猟免許所持者はピークの1981年度には7283人いたが、2023年度に1888人まで減った。60歳以上の比率も51%と高まっている。支援を通じ、30年度には2300人に増やす計画だ。

(猟銃使用緩和でもハンター高齢化、猟友会頼み見直し必要)
クマによる人的被害の多発を受け、市街地で猟銃を使う要件を緩める改正鳥獣保護管理法が今秋までに施行される。捕獲や駆除を担ってきたハンターは高齢化が進み、専門家は「猟友会頼み」の仕組みを変える必要があると指摘する。生活圏への出没を防ぐため、自治体がクマの生態に詳しい専門職員を育成する動きも出てきた。

(日本ですすむ「鳥獣―人」の接近)
全国各地でイノシシをはじめ、サル、シカ、クマのような大型哺乳類が都市部に侵入、出現している。なぜ、まちに野生動物がやってくるのか。これは社会の変容により、人と野生動物のバランスが変化することによるものである。野生動物が増えるとともに、人と野生動物の境界にくらす人々が減るなど、バッファーゾーン(緩衝地帯)が消えたことにより、野生動物が人の生活圏に侵入しやすくなってきたのである。日本における野生動物被害の要因は、第一に人間活動の低下や耕作放棄地の増加といった里の変化、農業構造の変化にある。第二に温暖化等の気象の変化とそれにともなう野生動物の分布域の拡大、生息環境の変化がある。第三に狩猟者の減少や高齢化による捕獲圧(捕獲が種や個体群の存続に与える影響)の変化がある。地方部では人口減少と少子高齢化の進行により過疎化がすすみ、獣害が耕作放棄地の拡大を招くことで、さらに過疎化を加速させる要因の一つとなっている。特に農作物被害は、農業集落における営農意欲の低下や耕作放棄地の増加などを招く負のスパイラルの要因となっており、地域の活力の減退が危惧される。また、人と野生動物が接近することによる軋轢は、こうした中山間地域だけでなく、都市部でも、都市型野生動物(アーバン・ワイルドライフ)の出現として市民生活に深刻な影響をもたらしている。現在、日本では野生動物を対象とした政策が中心であるが、ワイルドライフ・マネジメント(野生動物管理)1を考えるうえでは、野生動物と環境と人の要素についての検討が望まれる。農林業被害において、被害を発生させているのは野生動物であるが、被害の発生を助長している要因が環境や人の行動にある場合も少なくない2。わたしたちの生活のなかには、ペット以外にも従来からカラスやハト、ネズミや野犬、野良猫など、人間社会の生活に依存した動物が数多く生息している。これらの都市型野生動物は生息密度が高いことが多く、一度感染症が侵入すると、人を含め、多くの動物へと感染する可能性がある。都市型野生動物は人口密集地において、人と生活空間を共有し、食料と住環境を人間社会に強く依存しながら独自の社会を形成している。これらに加え、近年では、大型哺乳類であるクマやイノシシ、特定外来生物でもあるアライグマなども市街地周辺や都市部に生息し、都市型野生動物として、わたしたちのくらしに影響を及ぼすようになってきた。特に市街地周辺や都市部に生息し、人への警戒心が比較的薄いクマは「アーバン・ベア(都市型クマ)」と呼ばれ、増加傾向にある3。本コラムで取り扱うニホンイノシシ(以下、イノシシ)についても全国的に市街地での出没による人身・生活環境被害が報告されている。これらによる被害は人身傷害や交通事故にとどまらず、農産物被害、自然環境の改変による災害リスクを高めたりするなど多様であり、深刻化している4。都市型野生動物は病原巣・感染源動物として人間社会への影響が大きいため、近年ではこれらが感染症を運ぶリスクについての議論もすすんでいる5。日本におけるイノシシの保護管理の主な目的は「人との軋轢の軽減」「個体群の安定的な維持」にある。「人との軋轢の軽減」については、これまでは農業被害低減を主としていたが、近年ではイノシシによる市街地出没にともなう人身被害の発生や豚熱(CSF)の感染拡大から、市街地出没抑制や豚熱等の感染症拡大防止も重要な管理目標となっている6。このため、環境省では被害低減のための管理目標を「農業被害低減」「その他の被害(市街地出没・感染症)低減」の2つに分け、各目標を達成するための施策を検討している。環境省が収集したイノシシによる人身被害データ7によると2016(平成28)~2021(令和3)年度は年間50件程度で推移していたが、2022(令和4)年度は64件と増加している。次に人身事故の発生場所や被害の種類等のデータによると、2017(平成29)~2023(令和5)年で発生した人身事故の発生場所は、住宅地等の市街地・集落地内が最も多く、屋内をあわせると全体の65%を占めている。また人身事故の被害の種類は咬みつきによる被害が最も多かった。現在、イノシシの全国的な推定個体数は減少しているものの、人身被害は低下していない。また全国的に農業被害は低減しているものの、いまだ高い水準にとどまっている。特に兵庫県ではイノシシによる被害がシカによる被害を上回っていることが特徴的である。兵庫県ではイノシシを含め、シカやサルなどによる農林業被害、ツキノワグマによる人身事故の不安など野生動物と人との軋轢が深刻になっている。同時に、絶滅が危惧される種の保全や、増加傾向にある特定外来生物への対策も重要な課題となっている。これまでに兵庫県は2007(平成19)年度に兵庫県森林動物研究センターを開設し、同センターの調査研究結果をふまえ、ワイルドライフ・マネジメントと順応的管理にもとづくイノシシ対策を実施してきた。現在、兵庫県では2022(令和4)年度に第3期イノシシ管理計画(対象期間:2022[令和4]年4月1日~2027[令和9]年3月31日)を策定し、これにもとづいた対策が実施されている8。兵庫県における野生動物の出没要因は、野生動物の個体数の増加、人口減少による人間活動の縮小にともなう生息環境の拡大、野生動物の学習能力の高さにあるという。歴史的には昭和初期までに絶滅寸前であった野生動物が、戦後の野生動物保護政策により絶滅を免れ、増加に転じた。それにもかかわらず、戦後、新たな生活様式を手に入れたわたしたちは、かつてのしし垣のように防護柵による人と動物の境界線をもたなかったことに一つの要因がある9。さらにわたしたちの社会の構造変化にともない、野生動物の生息地が拡大していった。かつて開拓した農地から人が撤退し、野生動物は奥山から里山へ、里山から人里へと生息地を拡大してきた。加えて農地として開拓した田畑が放棄されることにより、山と里の境界線があいまいになる場所が増えることで、そこを生息環境として野生動物が利用するようになった。つまり、人と野生動物の境界線があいまいになることで、人の身近に野生動物がくらすようになったのである。これに野生動物の学習能力の高さが加わることで、本来警戒心が強く、臆病な行動をとるはずの野生動物が人や人の社会に慣れ、大胆な行動をとるようになってきた。結果として、人が怖い動物でない、と学習した野生動物は市街地まで出没することになる10。兵庫県では阪神地域の市街地に野生動物が出没し、被害が発生している。兵庫県神戸市では六甲山の山麓付近において、1960年代からイノシシに対して餌付けが行われていた11。その後、イノシシの人馴れが進み、1970年代には六甲山の登山道や市街地で目撃されるようになった。1980年代になると生ごみを目当てにごみステーションに出没する、買い物袋(レジ袋)を持った住民が襲われるなどの被害が多発し、大胆に行動する個体が増加した。神戸市では2002年に「神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例」(イノシシ条例)が全国ではじめて施行され、2004年には餌付け禁止の規制区域を設定し、2012年から神戸市中央区の一部を追加し、東灘区・灘区を餌付け規制区域としている。神戸市では条例化により施策の効果がみられるものの、餌付け行為の根絶は難しい。同地域は1900年代の積極的な植林事業により、広葉樹が優先するイノシシの好適な生育環境となった六甲山系南側に位置し、イノシシの生息数が減少する要因は少ない。すでに同地域でイノシシ問題が発生してから60年以上が経過している。イノシシが侵入する住宅地においては、イノシシの侵入が日常の風景となっており、餌付け行為やイノシシの人馴れが続く限り、イノシシの市街地出没とそれにともなう被害の発生はなくならない(写真1、2)。また神戸市東灘区を流れる 2級河川である天上川では、河床に侵入したイノシシに対して餌付けが繰り返され、複数のイノシシが定着することで社会問題化した12。これに加え、2018年9月に岐阜県で26年ぶりに豚熱(CSF)が発生し、兵庫県内のイノシシについても、2021年3月に初めて丹波地域で感染個体が確認された後、東部から西部に感染地域が拡大し、同年7月には淡路地域でも感染個体が発見された。動物由来感染症の観点からは、イノシシの豚熱は人に感染することはないものの、狩猟捕食が制限されるほか、イノシシの豚熱への感染拡大は地域社会に影響を与える可能性がある13。また、ダニなどを媒介することによって、人獣共通感染症をもたらすことがあることにも今後は留意しなければならない。これまでのイノシシ対策は、おもに加害個体の捕獲と被害防除によってすすめられてきたが、野生動物管理における住民(市民)、市町村、都道府県、国の役割分担と連携について、地方部だけでなく、都市部においてもより積極的に検討する必要がある。被害防除に関して住民はイノシシを地域に寄せ付けないこと、地域で協力して寄せ付けないことが求められる。同時に、市町村と都道府県、国はソフト、ハード面での支援をするほか、加害個体の捕獲・駆除、頭数をコントロールするとともに被害防除に関する普及啓発活動なども必要となる。同時に野生動物と人とが接近することによるさまざまな問題は、これまでの行政による対応には限界があるため、今後はより一層住民による自発的な行動と公民連携による協働解決がのぞまれる。そもそも都市部でなぜ加害個体が生まれるのか。街場のイノシシ問題はイノシシだけの問題ではなく、イノシシをとりまくわたしたち社会の問題であり、生物多様性やワンヘルスに通じる問題でもある。わたしたちはより一層専門家から学び、正しい知識を身につけ、理解することが重要である。同時にわたしたちが学ぶ機会を設けるためには、行政は兵庫県森林動物研究センターにみられるように、専門機関などを通じて、さらなる専門家や地域のリーダーの育成、普及啓発活動のサポートが求められる。人材の育成には時間を要するが、これを長期的にかつ継続しておこなうことは、結果として、地域力の向上とともに、より安全で安心な社会の構築につながる。同時に街場のイノシシについて、正しい知識をもったひとりひとりの心がけが、現状の問題を一歩一歩解決する鍵になる。そのうえで、今後は加害個体を捕獲するといった対症療法的な政策のみならず、長期的には加害個体を生まない生活スタイルや地域づくりをめざすことが望ましい。人と野生動物の境界線をお互いにわきまえ、ともに生きていくためには、野生動物の習性をふまえたうえで、住民であるわたしたちが自分事としてイノシシ問題をとらえ、正しく理解し、考え、そして行動することが求められる。こうしたとりくみを地道におこなうことが安全・安心なまちづくりにつながることに期待したい。

(ハンター育成へ、狩猟の魅力を伝えるセミナー:奈良)
野生動物による農作物への被害が相次ぐ中、狩猟の魅力を紹介してハンターの育成や確保につなげようというセミナーが奈良県天理市で開かれました。奈良県ではシカやイノシシなどによる農作物への被害が年間およそ1億円にのぼる一方、狩猟免許を持つ人たちの高齢化が進み、担い手の育成や確保が課題になっています。県は狩猟の魅力を知ってもらおうと天理市でセミナーを開き、18歳から60代まで9人が参加しました。講師を務めたのは猟友会のメンバー3人で、猟のルールや注意すべき点のほか、自分でとった獲物を食べたり加工して道具にしたりする楽しさなどについて説明しました。このあと猟で使用する道具の扱い方も紹介され、参加者たちは「わな」や「おり」、それに模擬銃などを使った説明にそれぞれ真剣な表情で聞き入っていました。参加した19歳の男性は「学校で農業について学ぶなかで狩猟に関心を持ちました。免許が取れれば農作物への被害を防ぐことなどに役立て、農業を支えられるような猟師になりたいです」と話していました。県農業水産振興課の安川人央 課長補佐は「狩猟による捕獲は鳥獣害の対策の中でも重要な役割を担っています。きょうのセミナーをきっかけに狩猟への関心を深めてほしい」と話していました。

(ニホンジカ数、AI推計:茨城)
茨城県内でニホンジカの目撃情報が増える中、関東森林管理局と森林総合研究所(森林総研、同県つくば市)が、人工知能(AI)を活用して個体数を推計する一斉調査に乗り出す。同局茨城森林管理署などが同県大子町の八溝山周辺で6月初旬から調査を始める。森林被害や農作物被害は県内でまだ確認されていないが、全国で相次ぐことから、現状を把握し、今後の対策につなげる考えだ。「(カメラは)映し出す範囲が人の目より狭い。カメラで見える場所を確認してください」。講師役の森林総研野生動物研究領域の飯島勇人主任研究員(45)は説明を始めた。調査開始を控えた5月13日、同県笠間市内の林で調査用カメラに関する勉強会が開かれた。茨城森林管理署や県の職員ら25人が参加し、設置の際の注意点や撮影方法などを学んだ。カメラは樹木に設置され、タイムラプス(低速度撮影)で5分ごとに撮影。AIで画像を解析し、動物が映っているか否かを自動で判別する。その後、人の目でニホンジカの映り込みを確認し、生息密度を推計していく。関東森林管理局と森林総研は2013年、植栽木の食害や樹皮剥ぎなどニホンジカによる森林被害が増えていることから、被害対策に関する協定を締結。連携して被害状況の把握や分析などを進めている。本年度の調査は茨城県を含む1都10県の管内24カ所で実施。同じ期間に同じ手法で一斉に行う。6~7月と9月中旬~11月中旬のそれぞれ一定期間撮影し、地域ごとに生息密度を調べる。このうち茨城森林管理署は棚倉(福島県棚倉町)と塩那(栃木県大田原市)の両森林管理署と合同で、野生動物管理を手がける「日本自然調査機構」(茨城県水戸市)に委託。県内では大子町の八溝山周辺にカメラ12台を設置する。ニホンジカは鳥獣保護管理法で、生息数が著しく増え、生息域が拡大している「第2種特定鳥獣」に分類。24年の林野庁のまとめでは全国の森林の約3割で被害が確認され、生息域が40年間で約2.7倍に拡大している。農林水産省によると、ニホンジカの農作物被害額は全国で約70億円(23年度)。野生鳥獣による被害額全体で50.8%と最も多い。県環境政策課によると、県内で森林や農作物の被害は確認されていないが、近年は目撃情報が増加傾向にある。22年の68件に対し、24年は193件と約2.8倍まで拡大した。同課は「繁殖力がとても強い。メスの定着は警戒する必要がある」と警鐘を鳴らす。茨城森林管理署の三重野裕通署長(54)は「短期間で地域ごとの生息データが取れる。結果を基に関係機関と連携し、対策につなげたい」と調査へ意気込んだ。

(シカ解体に挑戦、有害駆除やジビエ学ぶ:秋田)
秋田県内でも目撃や被害が増加傾向にあるシカの解体作業を通じ、鳥獣被害や食について考える体験会が31日、北秋田市の前田公民館で開かれた。同市阿仁比立内で15代続くマタギ家系の松橋翔さん(28)が講師を務め、参加者が有害駆除の現状やシカ肉の調理法を学んだ。北秋田まちづくり観光協会の主催。松橋さんは将来的に阿仁でジビエ(野生鳥獣肉)事業を始めることを目指し、今年3月まで3年間、岩手県大槌町のジビエ生産加工販売会社で有害駆除や解体に従事した。これまで解体したシカは千頭超。4月に帰郷し、現在は地域おこし協力隊員として協会に勤務している。今回、ジビエや有害駆除の現状を知ってもらおうと初めて企画した。

(警察などが登山口でクマ鈴を配るなどして注意呼びかけ:秋田)
5月から札幌市中央区の盤渓地区でヒグマが複数回目撃されていることを受け、警察などは1日、三角山の登山者らに注意を呼び掛けました。1日、札幌市西区山の手の「三角山盤渓コース」の登山口では、警察や道などが登山者に無料でクマ鈴を配るなどして、クマによる人身被害に遭わないよう注意を呼びかけました。西警察署土橋将人地域官:「鈴やラジオで人がいることを気づかせることで、クマも近づいてこなくなる/出没情報を随時確認してもらい、複数で行動することが大事」盤渓地区では先月、クマの目撃情報が4件寄せられていて、警察などが注意を呼びかけています。

(タイワンリス防除は「最終段階」:熊本)
宇土半島に広がっていた特定外来生物タイワンリス(クリハラリス)の駆除に取り組む関係団体の連絡協議会が28日、宇城市の熊本県宇城地域振興局であり、2024年度の捕獲数が1匹だったと報告された。22年度に初めて捕獲ゼロとなり、23年度は1匹だったことから、協議会は「防除の最終段階」としている。タイワンリスは台湾や東南アジアに生息。08年に宇土半島で初確認され、一時は推定5千匹ほどに増えて農林業の被害が出た。県や宇城、宇土両市、研究者らは10年に連絡協議会を発足。生息地調査やわなでの捕獲に取り組み、24年度までに計6117匹を捕獲した。24年度の1匹は、宇城市三角町の果樹園付近で捕らえた。この日は、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所の安田雅俊・森林動物研究グループ長(56)が「21年度以降に捕獲したのはメスのみ。24年度の1匹は出産経験はあるが、ここ1年で妊娠した痕跡はなかった」と報告。「野生の寿命は最大4年ほどで、繁殖できていない可能性があるが、生き残りがいることも考えられる」と指摘した。協議会は秋から冬にかけて生き残りの探索、捕獲に総力を挙げる方針。

(農家兼狩猟者をめざして:新潟)
上越市谷浜(たにはま)・桑取(くわどり)地区の若手農業者「古岩 樹(ふるいわ いつき)」さんを紹介します。千葉県出身の古岩樹さんは、令和3年に谷浜・桑取地区に移住しました。3年間の研修期間を経たのち経営継承・独立し、現在は水稲3.8haと園芸6aの栽培に取り組んでいます。自然が大好きな古岩さんは、専門学校時代に鳥獣被害の現場を目にし、人と自然の境界を守れる農家兼狩猟者になりたいと思い、狩猟免許を取得しました。そしてインターンシップで訪れた上越の中山間地域に魅力を感じ、移住を決意しました。中山間地域での農業を経営する上で、作業の省力・効率化や販路開拓が課題であると考えた古岩さんは、昨年、ドローンでの水稲直播栽培や個人販売の拡大に取り組みました。さらに本取組を、2月に開催された青年農業者意見発表会で発表し、見事最優秀賞を受賞しました。今年11月に福井県で開催される北陸ブロック農業青年会議において、新潟県代表として発表を行います。また、地域の活動にも意欲的に取り組んでいます。昨年度、上越地域の4Hクラブ「ひかり」の副会長を務め、サマーフェスティバルへの出場や、会員と共にほ場巡回視察研修を開催する等、活動の企画運営に積極的に携わっています。さらに令和4年度からは上越市の鳥獣被害対策実施隊員となり、猟友会の先輩と共に活動に従事しています。古岩さんは、しっかりと経営基盤を築き、5年・10年先には手放されていく中山間農地を、綺麗なまま受け継ぎたいと考えています。「これからも、人と人とのつながりに感謝して、地域の頼れる後継者になっていきたい。」と抱負を語っています。

(線路わきでシカを食べるクマを撮影:北海道)
衝撃の映像です。道東の厚岸町の線路わきでシカを食べるクマの姿を視聴者が撮影しました。線路わきに現れたクマ。草むらの中から引っ張り上げたのは…シカです。この映像は、今月25日、午後1時ごろ、厚岸町の国道44号で、道路わきに停車した車の中から視聴者が撮影したものです。周りをきょろきょろと伺ってから…シカを食べ始めました。撮影した人によりますと当時、国道には多くの車が走っていましたが、クマは動じる様子もなくシカを食べ続けていたということです。厚岸町ではクマの目撃が年間で50件から80件ほどあるということです。最近は市街地にも出没するほどシカの数が増えていて、そのシカを食べるクマが人間の生活圏の近くにいる可能性があります。シカの死骸の周辺にはクマがいる可能性があります。うかつに近づいたりしないなど、注意が必要です。

(イノシシ用のわなにクマ:福島)
川俣町山木屋菅ノ又で5月28日、ツキノワグマ1頭が捕獲された。町によると、町内でクマが捕獲されたのは初めてという。町は、捕獲現場周辺に注意喚起を示す看板を設置するなど注意を呼びかけている。町によると、捕獲されたツキノワグマは雄で体長120センチ、体重約50キロ。同日午前8時ごろに町鳥獣被害対策実施隊がイノシシ捕獲用のくくりわなにツキノワグマがかかっているのを発見した。町は人的被害を考慮し、県や福島署川俣分庁舎に連絡して殺処分した。

(シカ肉料理、魅力味わって:北海道)
森町赤井川のエゾシカなどの解体施設「マノワラボ」が、シカのミンチ肉を使ったキーマカレーなどを提供する「こども食堂」を、町御幸町のフリースペース「今日(きょう)ワ ワニ商店」で初開催した。今後は定期開催も視野に入れている。...

(ビールとジビエで楽しもう!:東京)
今年で15周年の記念回となる「すみだストリートジャズフェスティバル 2025」が、2025年10月18日(土)・19日(日)に開催決定! 錦糸公園を中心に墨田区内の約30会場で、ジャズだけではなくさまざまなジャンルの音楽が無料で楽しめるイベントです。また、飲食ゾーンの「すみだワンコインオクトーバーフェスト&すみだジビエフェスティバル」には全国から選りすぐりのクラフトビールやジビエ料理が集結。いつも以上に盛り上がる二日間になりそうです。

(廃棄される鹿を有効活用した財布が話題:山梨)
廃棄される鹿革を有効活用し製作された財布が話題になっている。現在山梨県では、適正生息数の15倍の約70,000頭のニホンジカが生息していると推計されている。個体数調整のため、特定鳥獣保護管理計画に基づき年間13,000頭あまりを捕獲しているそう。しかし捕獲されたニホンジカが食肉などに加工される割合はわずか1%ほど。廃棄される鹿の皮を、漆を使った伝統工芸「印伝」を使用し復活させた財布は、シンプルでどんな服装にも合いそうなモダンなデザイン。

(オリジナルバーガー、エゾシカ100%:北海道)
バンズに挟まるのは、後志産エゾシカ肉100%の分厚いパティと、そのひき肉をふんだんに使ったミートソース。ジビエバーガー専門店「EBIJIN(エビジン)小樽店」の「オリジナルバーガー」(1300円)は、肉の量が約200グラムとエゾシカ肉づくしで食べ応え十分の一品だ。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、2日午前7時15分ごろ、栗原市一迫真坂新道満にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午後2時30分ごろ、仙台市泉区根白石年川屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後9時ごろ、仙台市太白区茂庭上ノ原山にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、30日午後0時50分ごろ、登米市津山町横山上の山にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後9時30分ごろ、仙台市青葉区大手町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午前7時ごろ、仙台市太白区秋保町湯元上原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後8時20分ごろ、仙台市泉区館4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、29日、白石市大鷹沢三沢黒内にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、29日午後4時50分ごろ、登米市津山町横山本町にイノシシが出没しました。

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