<射撃ニュース6月>
6/30
(「クマに襲われた」登山中の男性をヘリで搬送:群馬)
29日正午ごろ、群馬県・桐生市にある鳴神山で50歳の男性が登山中に熊に襲われました。男性は顔や左手にけがをしたということですが命に別条ないということです。警察などによりますと29日正午ごろ、群馬県桐生市梅田町の鳴神山で、50歳の男性から「熊に襲われた」という内容の119番通報があったということです。男性は当時、鳴神山を1人で登山中で、山頂付近で熊に襲われたとみられています。男性は駆けつけたヘリコプターで病院に搬送され、顔や左手にけがをしたものの命に別条はないということです。
(工事の作業員がクマに襲われ顔にけが:富山)
26日夕方、富山県南砺市の工事現場で作業をしていた50代の男性がクマに襲われ、顔を爪で引っかかれてけがをしました。市によりますと命に別状はないということで、警察や猟友会などが周辺を捜索しています。南砺市によりますと、26日午後4時ごろ、南砺市立野原東の工事現場で作業をしていた50代の男性がクマに顔を引っかかれたということです。男性は顔にけがをして病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。現場は「南砺リサイクルセンター」から100メートルほど南にある下水道の工事現場で、最近、クマの親子が目撃されていたということで、警察や猟友会などが周辺を捜索しています。
(男性の遺体、かまれた痕も:青森)
29日午後、青森市の八甲田山系で男性1人が死亡しているのが見つかりました。遺体には動物にかまれた痕があり、付近ではクマが目撃されているほか、28日から60代の男性の行方がわからなくなっていて、警察が身元の確認を進めています。29日午後0時半ごろ、青森市の八甲田山系の山の中で、男性1人が倒れているのを警察などが見つけ、その場で死亡が確認されました。警察によりますと、遺体には動物にかまれた痕があるということです。28日、タケノコを採りに山に入った63歳の男性の行方がわからなくなっていて、警察や消防などが捜索していました。また、28日の捜索では遺体が見つかった近くにクマがいるのが確認されていて、警察は身元の確認を進めるとともに、詳しい状況を調べています。
(クマにスプレー噴射するも再び…“タケノコ採り”70代女性が襲われ重傷:青森)
24日、青森市の八甲田山中でクマに襲われたのは70代の女性です。女性は背中を引っかかれ、両足のふくらはぎをかまれるなどのけがをしました。クマに襲われた女性が八甲田山にいた理由は“タケノコ採り”です。襲われた現場付近では他にもタケノコを採っている人がいました。女性と一緒にいた男性「(クマに)スプレー掛けたら奥の方に逃げたが、またこっちに向かって来た」。男性はクマ撃退スプレーを噴射、クマはいったん逃げましたが再び戻ってきて襲いました。女性と一緒にいた男性「(クマの)爪でやられたのではと思う。ふくらはぎはえぐれていて、爪で何かでとられた感じ」。
(車に乗り込もうとした瞬間クマに襲われる:富山)
26日夕方、富山県南砺市で下水道工事をしていた男性作業員がクマに襲われ、けがをしました。南砺市によりますと、人身被害があったのは南砺リサイクルセンターから南におよそ100mほどの周囲を田んぼに囲まれたエリアです。26日午後4時ごろ、南砺市立野原東の道路上で、下水道工事をしていた50代の男性作業員が作業を終えて車に乗り込もうとしたところ、クマに襲われました。男性は額をひっかかれケガをし、その後病院に救急搬送されました。命に別状はないということです。男性を襲ったクマは成獣1頭と子グマ2頭とみられ、やぶの中に逃げたと見られています。富山県内ではクマによる人身被害は今年度4人となっています。
(銃弾か、軽トラックに“撃たれたような痕”:北海道)
大きな破裂音のような音が聞こえたということです。北海道江別市で、軽トラックの荷台に銃弾で撃たれたような痕が見つかりました。(猟友会江別支部 小岩靖志さん)「ここですね。おそらくですけどライフル銃の弾丸の痕だと思われますね」。軽トラックの荷台の壁に穴が開いています。銃弾で撃たれたような痕が見つかったのは、猟友会江別支部に所属する男性の軽トラックです。男性は6月14日、有害鳥獣駆除のため江別市角山周辺を軽トラックで走行していたところ、土手側から突然、大きな破裂音のような音が聞こえたといいます。(猟友会江別支部 小岩靖志さん)「パンクかなとその時は思ったんですよね。間髪入れずバーンとものすごい音がして、タイヤが破裂してしまったのかなと思って。まさか銃弾を受けていると思っていなかったので」。命に関わる事故になりかねない危険な事態。男性は猟友会や警察にも連絡しましたが、詳しい原因はわかっていません。(猟友会江別支部 小岩靖志さん)「撃った本人は分かっていると思うんですよね。その時に名乗り出ずにどこかへ行ってしまっている。やってしまったことに対しての責任を取ってほしいなというふうには思いますね」。猟友会江別支部は、「関係者への聞き取りの結果、該当するものがいないことを警察に報告し、対応をゆだねている」とコメントしています。警察は当時の状況を調べるなど捜査を進めています。
(豚熱に感染した野生イノシシの確認について:群馬)
6月25日、野生イノシシの豚熱検査において、豚熱に感染した野生イノシシ2頭確認されました。群馬県が令和元年10月1日から実施している野生イノシシの豚熱検査において、6月25日の遺伝子検査で2頭の陽性が確認されました。これにより、県内における野生イノシシでの豚熱感染確認事例は494~495頭目となりました。
(工場にクマ、市が緊急銃猟で駆除:青森)
26日午前、八戸市の工場にクマが入り込み、市は自治体の判断で猟銃の使用を可能にする緊急銃猟でツキノワグマ1頭を駆除しました。警察によりますと、26日未明から明け方にかけて八戸市河原木にある「東京鉄鋼八戸工場」の敷地内にクマが入り込んだという通報が相次ぎました。市によりますと、猟友会と調査を行ったところ敷地内でツキノワグマ1頭が確認されたということです。市では自治体の判断で猟銃の使用を可能にする緊急銃猟を行って午前9時に駆除しました。八戸市が緊急銃猟を行うのは県内で初めてとなった先月に続いて2回目です。市はクマを目撃した場合は決して近づかず遠くで見かけたら静かにその場を立ち去ることや、気づかれたらクマが立ち去るまで静かに待機することなどを呼びかけています。
(県警クマ駆除チーム、住宅街への出没想定し訓練:秋田)
秋田県内で連日クマの目撃が相次ぐ中、県警の「クマ駆除対応プロジェクトチーム」の訓練が26日、秋田市の県警察学校で行われました。猟友会の手配が難しい時などに自治体と協力してクマの対応にあたるチームで、その活躍に期待が高まります。26日の訓練は、入り組んだ住宅街にクマ1頭が出没したことを想定して行われました。あいにくの雨のため実際の飛行はありませんでしたが、はじめにドローンを使ってクマの位置を特定します。ここに駆け付けるのが、機動隊の隊員や警備課の警察官など4人1組で構成されたプロジェクトチームで、近くの建物の外階段近くに移動。現場指揮官と模擬銃を持った射手2人が、周囲の安全を確認した上で建物の2階へ向かいます。その後、準備が整うと、射手2人がクマが動かなくなるまで射撃を続けます。
(生態系対策、イエネコ追加へ)
環境省と農林水産省が、生態系に影響を及ぼすため対策が必要な外来生物のリスト改定で、従来は野生に限っていた猫の対象を広げ、人に頼って生きる野良猫や飼い猫も含める方向で最終調整していることが28日、分かった。屋外で不適切に餌付けされた猫などが離島で希少動物を食べたりしているため。感染症を媒介する恐れも指摘される。従来は野生猫だけを「ノネコ」として掲載していたが、猫は種名で一括して「イエネコ」とする。約10年ぶりに改定する「生態系被害防止外来種リスト」ではイエネコを「防除推進外来種」に位置付ける。屋内で適切に飼育されている飼い猫は防除の対象外だが、むやみに外に出したり、遺棄したりしないよう管理徹底を求める。法的拘束力はなく、国民に注意喚起する意味合いが大きい。
(ツキノワグマ出没『特別警報』を初発表:青森)
青森県は29日、「ツキノワグマ出没特別警報」を発表しました。期間はことし6月29日(月)から7月31日(金)までです。区域は八甲田山系で、山菜採りシーズンにおいて、短期間で2件の人身被害が発生したためとしています。人身被害が発生している場所周辺への入域は絶対に控えることや、森林法により山菜やキノコの採取は禁止されていることなどを呼びかけています。特別警報の発表は運用開始以来初めてです。宮下知事のコメントは以下の通りです。「ツキノワグマ出没特別警報の発表について本日、青森市の八甲田山中において、タケノコ採りで入山したと思われる方が、ツキノワグマに襲われ、死亡したと見られる事故が発生しました。亡くなられた方には、心よりお悔やみ申し上げます。県では、ツキノワグマに関する県の注意報・警報の発表基準に基づき、本日、八甲田地区いわゆる八甲田山系を対象に「ツキノワグマ出没特別警報」を発表しました。県民の皆様には、県のくまログあおもりで公開している出没情報を確認していただき、人身被害が発生した場所には絶対に近づかないでください。被害発生現場周辺は、広く十和田八幡平国立公園の特別保護地区となっていること、また、大半が国有林で、所有者である国の許可なく立ち入ることが禁止されており、法律で山菜やキノコの採取は禁止されています。さらに、奥山はクマの生息場所です。タケノコを含む山菜はクマが好む食糧でもあり、遭遇の危険性が極めて高くなります。このことについても改めて認識していただき、被害に遭わないよう十分御留意ください」。
(国民の命と安全を守る対策推進を、クマ等の鳥獣被害対策で提言)
被害者数、死者数が過去最多となって令和7年に続き、今年も全国各地で人の生活圏での出没や、人身被害等が相次いでいます。党鳥獣被害対策特別委員会(委員長・笹川博義衆院議員)は、クマ等の鳥獣被害への対応に向けた提言を取りまとめ、6月26日に政府の関係閣僚会議議長を務める木原稔官房長官と石原宏高環境大臣に申し入れを行いました。提言では今年3月27日に政府が取りまとめたクマ被害対策ロードマップの着実な推進を求め、国民の命と安全を守るため緊急対応体制の確保や、推定個体数・捕獲目標数の明確化等を求めました。また、鳥獣保護区におけるクマ捕獲の推進、狩猟期間の延長についても政府が各自治体と連携した対応を取ることを提言。捕獲したクマや人身被害に関する情報取集と科学的分析、ICT、ドローン、ロボット等の先端技術を活用した対策を推進することも提唱しました。ニホンジカやイノシシ等の個体数の適正水準への減少に向けた対策や、千葉県房総半島で急速に分布を拡大しているキョン(小型のシカ科動物)についても、捕獲強化や北上防止柵の設置等、集中的な対策も盛り込みました。
(東北は管理強化区域や専属ハンター整備急ぐ)
ツキノワグマの出没と被害の急増に揺れた2025年の東北地方。冬眠から目覚めたクマは市街地にも出没、被害も出始めている。一方、頭数管理や駆除の枠組みが変わり、ドローンや人工知能(AI)など技術の応用も加速する。対応の現場を追った。
(クマ出没の警報、木曽地域に:長野)
長野県は26日、木曽地域にツキノワグマの「出没警報」を出した。人間の生活圏におけるクマの目撃件数が今月1日~25日に91件となり、平年の2.3倍に達したことなどから、すでに出ていた「出没注意報」を警報に引き上げた。県内では24日にも、北アルプス地域に警報が出された。大町市の河川敷で犬の散歩をしていた女性がクマに襲われけがをしたことを受けたもの。警報はいずれも7月10日まで。ほかに松本地域でも、7月3日まで出没注意報が出ている。
(「緊急銃猟」に備え連携、全国イオンモールで初:岐阜)
イオンモール高岡(高岡市下伏間江)で25日、クマが市街地などに出没した際に自治体の判断で発砲を認める「緊急銃猟」を想定した訓練が行われた。イオンモールや市、高岡署、猟友会メンバーら約60人が緊急猟銃の手順や避難誘導の方法などを確認した。イオンモールでの訓練は全国で初めて。全国的にクマの出没や被害が相次いでいる。市内で緊急銃猟の事例はないが、5月10日にはイオンモール高岡から約1・5キロ離れた同市井口本江でクマらしき動物の目撃情報もあり、関係機関による連携訓練の実施が決まった。
(熊の緊急銃猟訓練、高速道路付近出没を想定:福島)
いわき市は26日、市役所で熊の緊急銃猟対応訓練を行った。高速道路付近で熊が出たと想定し、机上訓練で緊急銃猟に至るプロセスを確認した。
(撃退スプレー、どう使う?:栃木)
全国的に、市街地でのクマの目撃や人身被害が増加傾向にある。宇都宮市では6月初旬、オリオン通りなどの市街地でクマが初めて目撃され、市民に衝撃を与えた。4日間にわたって街なかをさまよったクマに恐怖し、対策を考える人も多かっただろう。対策グッズはさまざまな種類があり、比較的気軽に入手できるのがクマ撃退スプレーだ。同市新里町の県ライフル射撃場で6月中旬、ハンター向けのクマ対策研修があり、撃退スプレーの説明や販売が行われた。デジタル報道部の記者も参加し、スプレーの効果や使い方を取材した。クマ撃退スプレーについて解説してくれたのは、警備業などを展開し、クマ対策グッズも取り扱うトスネット首都圏の杉山和徳(すぎやまかずのり)那須営業所長(57)。スプレーには唐辛子の辛味成分カプサイシンが入っており、クマに向かって噴射することで動きを一時的に止める効果がある。アウトドアショップやオンラインショップで購入できる。
(狩猟免許試験回数を8回に増加:宮城)
クマの目撃情報が相次ぐ中、宮城県は、今年度の狩猟免許試験の回数を昨年度より2回増やし、市街地などでのクマの捕獲や駆除を担う人材を増やしていくことになりました。宮城県内では、ことし4月以降に確認されたクマの目撃件数などが、今月26日の午前9時時点で743件に上り、去年の同じ時期のおよそ2.7倍となっています。こうした状況が続いていることから県は、クマの捕獲や駆除を担う人材を増やそうと、今年度の狩猟免許試験の回数を昨年度より2回増やし、あわせて8回にすることになりました。試験の期間は今月から来年1月までで、野生動物を箱わななどで捕獲できる「わな猟免許」のほか、ライフル銃や散弾銃を使った猟を行うことができる「第1種銃猟免許」などが対象です。県によりますと、去年9月から「緊急銃猟」の制度が始まったことなどから、狩猟免許を持つ人材の需要が高まっているということです。県自然保護課は「免許を取得しても実際に銃を撃てるようになるまでは時間がかかるので、まずは免許を取得する人材を増やし、対策を強化したい」としています。
(クマ出没警報を来月末まで延長決定:富山)
今月26日に富山県南砺市城端地域で、男性がクマに襲われてけがをしたことを受け、県は緊急の対策会議を開き、ツキノワグマ出没警報を来月31日まで延長することにしました。緊急対策会議は県内でのクマによる本年度3例目となった人身被害を受け、対策の徹底と迅速な情報共有を行うことを確認のため開かれ、県や各市町村の担当者が出席しました。中では今回の人身被害の状況を確認し、クマ被害の防止対策として、カキの木の伐採やクマの目撃や痕跡を発見した際は最寄りの市町村や警察署へ速やかに連絡するよう求めました。県内では、28日までのツキノワグマの出没件数は162件、捕獲数は61件、人身被害は3件で4人と過去の同時期に比べ過去最多になっています。県はツキノワグマ出没警報を来月31日まで延長し、クマの出没情報地図「クマっぷ」などの情報を活用し、出没エリアに近づかないなどを呼びかけることにしています。
(ヒグマの気配を察知する「ベアドッグ」、2028年にも導入:北海道)
札幌市のNPO法人「EnVision 環境保全事務所」は、ヒグマのにおいや気配を察知する訓練を受けたフィンランド原産の大型犬「カレリアン・ベアドッグ」を2028年にも北海道内に導入する。この犬種をヒグマ対策に活用するのは道内で初めてで、ヒグマの市街地への出没防止が期待される。カレリアン・ベアドッグは、ヒグマなどの大型野生動物の猟犬として活用されてきた犬種で、動物を追い払ったり、優れた嗅覚と追跡能力で居場所を特定したりする能力を持つ。人懐こさも特徴で、子どもたちに囲まれたり触られたりしても落ち着いていられるという。国内では04年に長野県軽井沢町のNPO法人「ピッキオ」が、カレリアン・ベアドッグを初めて導入。ツキノワグマの追い払いなどに活用してきた。今回の導入では、道内に生息するヒグマはツキノワグマより体が大きいことや、札幌市は人口密度が高いことなどから追い払いは行わず、ヒグマの痕跡を見つけるのが主な役割だ。ヒグマの移動ルートを特定することで、電気柵の設置など、市街地への出没対策に役立てる。国内には専門の育成機関がないため、EnVisionは12月に、米国の育成機関から10か月の雄「カイ」を引き取る予定。その後は同法人の早稲田宏一研究員(51)が「ハンドラー」として自宅での養育とヒグマ捜索時の指示役を務める。日本初のベアドッグハンドラーとして軽井沢町でクマ対策に取り組んだ田中純平さん(52)が、クマのにおいや追跡方法などを覚えさせる訓練を支援する。本格的な活動は28年4月から始まる見通しだ。カレリアン・ベアドッグの譲渡費用と米国での基礎訓練、飼育管理費は合わせて約320万円で、米国から日本への輸送には約270万円かかる。国内で導入事例が限られている理由について、早稲田研究員は「金銭的な負担の大きさに加え、ベアドッグを使える体制が整っていないことが一因ではないか」と指摘。「この取り組みをきっかけに、道内への普及が進んでほしい」と話す。同法人はベアドッグの導入・育成のためのクラウドファンディング(CF)を30日まで行っている。18日に第1目標額の800万円を達成した。現在は国内での訓練の実施などに向けた資金300万円を募っており、CFサイトで受け付けている。
(農場で発生した豚熱、近くで1か月前に陽性の野生のイノシシ:宮崎)
農林水産省は24日、宮崎県都城市の農場で4月10日に発生した家畜伝染病「CSF(豚熱=豚(とん)コレラ)」について、同省の疫学調査チームが行った現地調査の概要を公表した。近くで約1か月前に陽性の野生のイノシシが見つかっていたほか、豚舎内で多数のネズミも捕獲されていた。調査は感染が分かった4月10日に実施。概要によると、発生したのは分娩(ぶんべん)・育成豚舎内の子豚184頭が飼養されていた育成室だった。農場は周囲を山林に囲まれており、10キロ圏内で昨年10月以降、野生イノシシの豚熱の陽性が約40件確認。3月8日には約400メートル離れた地点で、捕獲された野生イノシシの陽性が確認されていた。また、農場内でアナグマやネコも目撃もされ、2月下旬には分娩・育成豚舎で、体にウイルスを付着させて持ち込む可能性があるネズミが多数捕獲されたという。同省は「小動物などを介して、ウイルスが侵入した可能性は否定できない」としている。この農場では県内の農場で46年ぶりとなる豚熱の感染が判明し、豚全約5600頭が殺処分された。
(通報から緊急銃猟までの手順を確認「臨機応変な対応を」:新潟)
新潟県内でクマの出没が今年も相次ぐ中、十日町市では6月26日、市街地にツキノワグマが現れた時の対応を確認する訓練が初めて行われました。新潟県内でクマの出没が今年も相次ぐ中、十日町市では6月26日、市街地にツキノワグマが現れた時の対応を確認する訓練が初めて行われました。訓練には、市の職員や猟友会のメンバー、警察官など約30人が参加。去年、施行された『改正鳥獣保護管理法』では、人の生活圏にクマなどが出没した場合、一定の条件を満たすと市町村長がハンターに発砲を許可できる“緊急銃猟”を実施できます。【新潟県猟友会 池田富夫 会長】「やはり銃を持つということと、民間の住宅でこういう作業、いかに不安を与えないかが私たちのモットーなので、そういうふうに努めていきたいと思っている」。この日は、市街地にクマが出没したという通報を受け、緊急銃猟を行うまでの手順を関係機関が連携しながら確認しました。「周囲の安全は確認済み。準備が整い次第、捕獲者のタイミングで実施をお願いします」。【十日町市産業観光部 樋口貴行 課長】「手順を踏んでできることを確認できたのでよかったと思う。実際の場面になると臨機応変な対応が求められると思うので、今後しっかり対応できるようにしたい」。また、県警も6月クマ駆除対応プロジェクトチームを発足。緊急銃猟が難しいケースでは、警察が駆除に当たる方針です。こうした対応の強化と合わせ、私たちもクマを近づけさせないためにゴミの適切な処理など注意が必要です。
(熊ハンター育成の新射撃場「どんどん前に進める」:宮城)
宮城県議会6月定例会は25日、一般質問を続けた。クマなどを駆除するハンター育成に向けて県クレー射撃場(村田町)内にライフル銃の射撃場を新設する計画を巡り、村井嘉浩知事は県が設計費を負担する考えを示した。県南14市町、県猟友会と費用分担について協議中で、県が率先して整備する姿勢を明確にした。
(クマ対策で伐採エリアを拡大:富山)
本格的な梅雨時期を前に、富山県内の河川敷では河川災害を防止するため木立の伐採が行われますが、今年はクマの出没を防ごうと、伐採エリアを例年より広げて行われています。26日に伐採が行われたのは、富山市水橋入江の常願寺川の河川敷で、富山河川国道事務所から委託を受けた業者が重機を使って、高さ3メートルほどある木立を伐採していました。河川敷の木立や茂みはクマが身を隠しながら移動するルートになっていることが多いことから、クマが河川敷に現れるのを防ぐことも狙いとなっています。今年はクマ被害の対策強化のため、伐採エリアを常願寺川と神通川、それに小矢部川の3つの河川であわせて21ヘクタールと例年よりも広くなっています。富山河川国道事務所 河村陽一副所長「クマの隠れ家をなくすことで、河川を利用する人がクマに遭遇しないように。クマの被害が河川内で起きないように伐採作業を進めたい」。
(春グマ管理捕獲、成功の鍵は:北海道)
室蘭、登別両市のハンターでつくる北海道猟友会室蘭支部(登山英治支部長)が、来春初めて取り組むヒグマの春季管理捕獲の準備を進めている。残雪期に冬眠明けのヒグマを追跡し、捕獲するもので、知床半島でヒグマの調査・研究に取り組むNPO法人「南知床・ヒグマ情報センター」(根室管内標津町)の藤本靖主任研究員(64)を今月13日に登別市に招き、ノウハウや注意点を学んだ。藤本さんの講話のポイントを紹介する。同NPOは2006年設立。標津町を中心に衛星利用測位システム(GPS)発信器を使ったヒグマの生態・行動調査を続け、道東で乳牛ばかり襲った雄グマ「オソ18」の捕獲作戦にも携わった。藤本さんは同NPOの前理事長。北海道が春季管理捕獲を始めた2015年から講師役を務めている。
(「サルは頭が良かもん…」罠にかからない“神出鬼没”の集団と人間の知恵比べ:熊本)
「約6億8000万円」これは、2024年の熊本県内の獣や鳥による農作物の被害額です。イノシシが最も多いものの、この中にはサルの被害も含まれています。サルの存在に悩まされている熊本県錦町の集落を取材しました。住宅の中から外の様子を映した映像には、庭先の道路をゆうゆうと複数のサルが歩く姿が映っています。映像を投稿してくれた視聴者が住むのは、県南部の錦町にある平川地区。35世帯ほどが住む山間地です。平川地区 豊永勇喜 区長「きのう(6月24日)は向こうのほうに30匹来ていたみたいですね。集団化している感じです」。平川地区では、竹やぶや耕作放棄地、空き家などを“根城”にいくつかのサルのグループが集落を回遊しているといいます。実際の被害はどうでしょう?平川地区 豊永勇喜 区長「うちなんかは家庭菜園を荒らされた」。区長の家庭菜園を見に行くと、何も植えられていませんでした。何度作ってもサルが荒らすため作ることを諦めたそうです。平川地区 豊永勇喜 区長「この竹やぶに入って野菜をとりに来る人を見れば逃げていく。神出鬼没っていうか」。近くに住む女性「サルは頭が良かもん。頭が良かで罠にはかからんと」。畜産業 豊永純一さん(75)「屋根が古いので、すぐ破れる。割れてくっとよね。野菜なんかも被害にあって収穫はほとんどない状態です」。最近では、ウシの餌に混ぜたトウモロコシを狙うこともあるということです。集団のサルへの対応には、役場も苦慮しています。錦町農林振興課 牟田琢磨係長「(作物が好きない)冬場に出てくるような状況だったが、2年ほど前から4月や5月にも出て来るようになった。そもそも頭数が増えているのか」。町は3つの群れを確認しているものの、広い範囲で集落間を回遊しているとみられ、実態はつかめていません。現時点では、猟友会による駆除や電気柵の設置の補助、音で威嚇する機械の貸出など対策を講じますが、決定打とはなっていません。錦町農林振興課 牟田琢磨係長「いろいろやってはみているんですけど、人間がこうするとサルがこうして・・・とイタチごっこにような形」」。農作物への被害ですが、サルは他の害獣に比べて少なく感じますが、その理由は、被害が家庭菜園や牛舎付近の飼料などの食害がメインのため、明確なデータがないことも影響しているようです。今回取材した平川地区の区長は、「サルはどこで種をまき、苗を植え、実がなるのかなどを分かっているのではないか」とも話していました。
(野生鳥獣による農林業被害額は1億5100万円、ニホンジカの被害が突出:長野)
飯田市は26日、野生鳥獣による2025年度の農林業被害額が約1億5100万円に上り、過去10年間で最多だったと明らかにした。同日、市内で開いた市鳥獣被害対策協議会の定期総会で説明した。ニホンジカによる被害が約1億1900万円で突出していた。
(弾丸が複数回命中も逃げ続けたという「クマ」、ハンターが語った駆除までの緊迫の30分:青森)
青森県八戸市で26日朝、沿岸部の工場の敷地内に侵入したクマ1頭が緊急銃猟で駆除されました。現場を指揮したハンターが緊迫の30分間を語りました。八戸市が緊急銃猟で駆除したのは、体長約140cm・重さ100kgで成獣とみられる雄のツキノワグマ1頭です。26日朝、八戸市河原木の港近くで目撃されたクマは東京鉄鋼八戸工場の敷地内に侵入し、26日午前9時頃に駆除されました。緊急銃猟は、猟友会のハンターなど8人が集まって対応にあたりました。現場を指揮した県猟友会の八戸支部長 吉田功一郎さんは、市が発砲を許可してからクマが駆除されるまでの約30分間を次のように振り返ります。県猟友会八戸支部 吉田功一郎 支部長「(クマを追いかけるために)何往復したんでしょうね。5~6回は走り回ったのでは…。30~40分ぐらいの緊迫した状況だったんですが。最後にとどめを刺した時は、(自分が)息切れと汗をかいていた感じで」弾丸を止めるための「バックストップ」を地面にして、複数回命中しましたが、クマは逃げ続けたといいます。その後、吉田さんたちは工場の資材などが置かれた場所にクマを追い込み、駆除を完了しました。県猟友会八戸支部 吉田功一郎 支部長「市街地に出没してくるクマの大きさですよね。わたし個人的にもびっくりしている。(大きいと)当然危険度は高まると思います。ですので、それを駆除できたのは、まずよかったのかなと」当時、工場には約50人の従業員がいましたが、屋内に避難して、けがをした人はいませんでした。一方、市街地では25日から根城地区でもクマが目撃されていて、八戸市は今回駆除したクマとは別の個体とみて警戒を強めています。
(ヒグマの奇襲にクマ撃退スプレーが間に合わなかった「登山者の絶叫」:櫛田 泉)
2025年、国内ではクマによる人的被害が過去最多を記録した。環境省によると、全国で238人が被害を受け、うち13人が死亡。東北地方を中心に市街地への出没も相次ぎ、クマとの共存は全国的な社会問題となった。2026年も再びクマ出没のニュースが増え始め、警戒の季節となった。万が一、われわれ一般人がクマに遭遇してしまった場合、できることはあるのだろうか。「ヒグマが私をめがけて駆け出した瞬間、死ぬかもしれないと思いました」。こう話すのは、北海道有数の観光地である小樽市から、車で1時間半ほど西に向かった積丹半島の兜岬で、トレッキング中にヒグマに襲われ、九死に一生を得た銭函トレッキング(@zenibako_trek)さんだ。小樽市在住の銭函トレッキングさんは、普段はアマチュア歴史研究家として活動しており、文献調査や現地調査を行った様子をSNSや自身のホームページなどで発信している。3月25日、積丹半島の兜岬付近で旧道の探索をしていたところヒグマに遭遇したという。「ヒグマが私を見つけるなり、全速力で迫ってきたのです。この場所はめったに人が通りません。もしここで死んでも誰も気付いてくれないだろうなと諦めの気持ちもあったと思います。ただ、気が付いた時には『ワーッ!』という大声が出ていて、クマの噛みつき攻撃もどうにかかわせました。この大声に反応したのか、クマはすぐに立ち去ってくれました」(銭函トレッキングさん)。実は、銭函トレッキングさんがヒグマに遭遇するのはこれで2回目だという。「前回は気付かれる前に全力で逃げることで助かったので、とっさに頭に浮かんだのはその時の経験でした。しかし、今回は運悪く逃げる前にクマに襲われてしまい、同じ方法が使えなかった。クマが引き返していったのを見てすぐに岩陰に逃げ込みました。そして、ヒグマと十分に距離が取れて、こちらに戻ってこないと確信できたタイミングで、スマホのズーム機能を使ってヒグマの写真を撮り、友人にLINEで知らせました。もし、ヒグマが本気で襲いかかってきたら人間に勝ち目はありません。今回は運に助けられた面が大きかったと思います。ただ、北海道内の旧道や歴史の調査は私のライフワークでもりあります。引き続き注意を払いつつ、今後も対策をして山に入りたいと思っています」(銭函トレッキングさん)。では、われわれ一般人がクマ出没の可能性がある山中などに入る場合、どのような備えがあるのだろうか。世の中で、広く知られている備えとしては、まずクマよけの鈴がある。人の存在を知らせながら山に入ることであらかじめクマとの遭遇を回避する方法だ。また、万が一遭遇してしまった場合には、クマ撃退スプレーを噴射してクマの戦意を喪失させる方法もある。北海道東部に位置する世界遺産「知床」で、自然環境の保全活動を行っている知床財団に話を聞いたところ、ヒグマに遭遇してしまった場合には、「とにかく落ち着くこと」が重要だという。ヒグマとの距離によって対処方法は変わる。まず、100m程度の距離があり、クマがこちらに気付いていない場合は、クマに気付かれないようにそのまま立ち去れば解決する。また、50m程度の距離があり、クマがこちらに気付いている場合は、ゆっくりと両腕を高く上げて振りながら、万が一の突進に備えて、物陰に移動。周囲を冷静に観察しながら、ゆっくりとその場を離れることが推奨される。問題なのが至近距離での突発的な遭遇だ。突発的に走って逃げたり、大声で喚いたりするような行動は、クマを興奮させてしまう。とはいえ、逃げ切れそうにない場合は、倒木や石の上に立ち、自分を大きく見せ、大声を出したり音を出したり威嚇することで九死に一生を得られる場合もあるという。クマが突進してきた場合には、クマ撃退スプレーをクマの目と鼻をめがけて噴射する。また、スプレーがない場合には、バックパックをプロテクターとして、うつ伏せになって顔と腹部を守り、首の後ろに手をまわして保護することが推奨されるという。しかし、一般人が突発的にヒグマに遭遇した場合、とっさにこのような対策を取るのは難しいようだ。実際にヒグマとの遭遇で九死に一生を得た銭函トレッキングさんは、次のように振り返る。「今回、クマよけの鈴は持っていましたし、カバンの中にクマ撃退スプレーも入っていました。でも、何か大きな獣の気配がすると思ったらすぐ目の前にクマがいた。あまりに突然の出来事で、スプレーを取り出す余裕はありませんでした。ヒグマに突進された場合は正面から立ち向かって背中を見せない、というのが正しい対処法なのかもしれませんが、やはり過去の成功体験から背中を見せてでも全力で逃げたくなります」。元知床財団職員でヒグマの生態に詳しい鳥獣対策コンサルタントで獣医師の石名坂豪氏は、「クマの追跡・捕食本能を刺激する可能性が高いことから、『クマに背中を見せて走ること』は非常に危険な行為」だと警鐘を鳴らす。「ヒグマが本気を出せば時速40~50kmで走ることができるため、人間の足で逃げ切ることは到底不可能です。今回助かったのは幸運な結果に過ぎないと思います」。では、今回の銭函トレッキングさんのように、突然クマの突進を受けた場合、どのように対処するのが正解だったのだろうか。「見通しの悪い場所にさしかかる前に、クマ撃退スプレーを抜いた状態で慎重に歩くべきだったと思います。カバンの中にスプレーをしまっていたとのことなので、そもそもクマがいるとは予想していなかったのでしょう。一番の備えは、クマを発見した時にすぐに取り出せるように専用ホルスターにスプレーを入れて、腰のベルトから吊り下げておくことです。スプレーを吹くタイミングは、クマが顔を向けて突進してきて10m以内に迫った時です。この際、自分の命を守るため、風向きなどは気にせずクマの顔面に向かって噴射することが重要です。そしてクマが反転したら、噴射をやめすみやかに避難し、近くに車があるなら車内などに逃げてください。今回のクマの行動は、ブラフチャージという威嚇突進行動の可能性があり、1度では終わらないこともあります。最初の襲撃できちんと顔面にかかっていなければ、2度目もあり得る。スプレーは1回で使い切らずに、臨機応変に対応することが必要です。私が泊まり込みで山に入る際は複数のスプレーを持参することもあります」(石名坂氏)。ただ、クマ撃退スプレーの選び方には十分に注意したい。なぜなら、日本ではクマへの有効性がきちんと示されていない製品が広く流通しているからだ。
(「効果の怪しいクマ撃退スプレー」が大手通販サイトを汚染、クマの専門家が使い続ける信頼性の高いスプレーとは?:櫛田 泉)
そもそも、今回のようにヒグマにいきなり突進されるのはかなりのレアケースだという。元知床財団職員でヒグマの生態に詳しい鳥獣対策コンサルタントで獣医師の石名坂豪氏が語る。「クマのいそうな場所に入る時には、クマよけの鈴や笛、声などで音を出して、人間の接近をクマに知らせて心の準備をさせることが基本です。この基本を守っていれば、一部の例外を除き、なんの前兆もなくいきなり突進されることはほとんどないはずです。クマの出没については、例えば、近くの藪でガサガサ音がする、子グマがいる、シカの死体にカラスが群がっているなどの兆候が通常あります。こうした危険信号を見落としていなければ、クマがいきなり突進してくることはまずないと言えます」。改めて、銭函トレッキングさんに当時の状況を聞いたところ、危険信号に気付けなかった可能性はありそうだ。「ヒグマに遭遇した場所はいわゆる旧道で、海岸沿いの崖地に掘られた手掘り隧道群(ずいどうぐん)があるところです。一本道で脇道はありません。土砂で少し埋まりかけ、見通しが悪くなっていたひとつ奥の隧道から飛び出してきました。このとき子グマがいたかどうかは確認できませんでしたが、後日、付近で子グマを連れたヒグマが目撃されたそうです」。クマの出没には兆候があるとはいえ、不運にも遭遇し、間近に迫ってきてしまったら、クマ撃退スプレーで対抗するしかない。しかし日本ではクマへの有効性がきちんと示されていない製品が広く流通しており、注意が必要だという。「昨今、クマ対策への関心が急速に高まっていることから、人間用の防犯スプレーを『クマにも効く』と言って輸入業者が騙して売っているようなケースもあります。ホームセンターや大手通販サイトでも広く流通しているのが現状です。こうしたスプレーを使用して、クマが逃げずに起きるタイプの死亡事故が今後増えることを心配しています。一部では、クマ撃退スプレーを過信しない方がよいという言説もありますが、歴史ある銘柄のスプレーでは、私を含めて過去何人もの人間がクマ撃退に成功した実績がきちんとあります。要は正しい銘柄のスプレーを選んで準備できるか否かがポイントなのです。まず米国の政府機関である環境保護庁(EPA)の認証品が推奨されます。日本国内にはこのEPA認証品が6銘柄ほど輸入されていて、EPAの認証基準(飛距離やトウガラシ成分の濃度など)に準拠して製造された国産品も1銘柄あります。このあたりの製品ならば、おそらくクマに対して有効だと思います。ただし私自身や周囲の知人は『カウンターアソールト』以外の銘柄をクマに対して噴いたことがないので、これらの銘柄が絶対大丈夫とまでは言い切れません。また、あらかじめ練習をしておかなければ、迅速にスプレーを取り出してクマに噴射するのは難しい側面があります。クマ撃退スプレーの使用方法等について、座学と実習を組み合わせた講習会も私は仕事として行っています」(石名坂氏)。実際、知床岬付近でクマ撃退スプレーがハンターの命を救った事例もある。「知床財団の元同僚が、知床岬付近で環境省のエゾシカ間引き事業に参加していた時のことです。静かに歩いていたら笹薮の中から至近距離でクマが飛び出してきて、クマの爪が左頬と左腕をかすって転倒し、手に持っていた猟銃を落としてしまった。そこで、間髪を入れずにスプレーを腰から抜いてクマの顔面に向かって吹きかけたところ逃げていったそうです。元同僚は、顔と腕を数針縫う怪我を負いましたが、九死に一生を得ることができました。猟銃を持っていれば安全かというと必ずしもそうではありません。現場での発砲には法律や安全上の制約が多いからです。知床財団時代に、道路上に親子のクマが出たという通報を受けて私が現場に急行した時のことです。当時の知床の現場では、人なれをしすぎて人間に対して警戒心を抱かなくなったクマと、安易に車から降りてクマの写真を撮ろうとする人が後を絶たずカオスな状況になっていました。この時、親子グマがいつも追い払いをしてくる『危険人物』の私から逃げ始めて、まだ車外にいる人たちの方に向かって走っていってしまったのです。急いで人とクマとの間に割り込んだところ、予想どおり母グマは私に突進してきました。そこで母グマの顔面に至近距離でスプレーを噴射。無事に追い払うことができました。この時は猟銃も持っていましたが、公道上では発砲することができないので、スプレーを使用しました」(同前)。近年、国内各地でクマによる死傷者が増えていることを受けて、政府でも対策を講じ始めている。その中で2026年3月に発表された「クマ被害対策ロードマップ」では、クマの捕獲作業等に従事する自治体職員の増員や、箱わなやクマ撃退スプレーといった資機材をむこう5年間で現在の2~3倍に増やす目標が掲げられている。しかし、石名坂氏はきちんと効果が示されていないクマ撃退スプレーの流通が放置されている現状に対して改めて警鐘を鳴らす。「クマ撃退スプレーについては、全国の自治体に2万本を配置する目標となっています。ただし、日本にはスプレーに対する基準がないことから効果の不確かな製品の流通が放置されている。税金を使って配置されるスプレーが効果のないものであれば、事故を引き起こしかねません。例えば、大手通販サイトで上位にヒットする輸入品のクマ撃退スプレーの中には、北米の製品を装おうとしているのか、白人モデルを画像に使用しているものの、説明文の日本語や漢字フォントに違和感満載のものも見受けられます。また国産を謳う商品が急に増えましたが、クマに対する有効性をきちんと検証した上で販売しているのか怪しいものが多いです。こうしたスプレーについては、環境省も問題視をしており、消費者庁などとともに情報収集を始めているという話も聞きます。可能な限り早い段階での認証基準の整備や、交付金での購入を許可する(または許可しない)銘柄に関する自治体への通達がなされることを期待しています」。もはやクマとの遭遇は他人事ではなくなっている。より効果の高い対処方法を身に付け、正しいクマ撃退スプレーを選べば、もしもの時の生存率が上がる。くれぐれも誤った情報には踊らされないでほしい。
(電気柵導入の補助引き上げ:青森)
イノシシによる農作物被害が相次いでいる十和田市は25日、市内農業者に対する鳥獣被害防止電気柵導入費の補助額見直しを決めた。
(野生動物の被害防止へ、防護柵などの費用補助拡充:愛知)
愛知県西尾市は今年度から、イノシシなどの野生動物から農作物を守る鳥獣被害対策事業を拡充した。新たな補助対象と金額は、3戸以上での防護柵設置に1メートル当たり800円、イノシシ捕獲消耗品(わなに設置するえさ、銃弾など)1頭につき2000円、狩猟免許取得費用2分の1(上限2万8000円)。
(車と野生動物の衝突“ロードキル”防ぐには?:山口)
クマが全国的に注目を集める中、山口県でも「運転中にクマを目撃した」という情報が多く寄せられています。2025年7月には、山口市の中国道で乗用車がクマと衝突しました。クマは死に撤去されましたが、現場付近は11時間にわたって通行止めとなりました。ということで、気をつけたい車と動物の事故について調査しました。(2023年に調査、以降の肩書きは当時のもの)「ロードキル=road kill」。直訳すると、道で殺す…物騒な感じですが、主に「野生動物が車にひかれ死ぬ事故」のことです。LINEアンケートで視聴者に聞いたところ、回答のあった340人のうち、実に64人の方が事故にあった、あるいはあいそうになったと回答しました。では、実際にどれほどのロードキルが起きているのか。統計のある全国の高速道路に限ると、年間、何件ぐらい発生していると思いますか?正解は、約5万1000件。国交省が発表した2021度の処理件数です。タヌキやキツネなどの中型の動物と、鳥などの小型の動物が半々ぐらいです。実は、tysでは過去に衝撃的なロードキルの瞬間を収めた映像を入手したことがありました。あるドライバーが山口県下松市の国道、まっすぐな道を走っていると…突然、画面右の山側からシカが現れ、車と接触。あまりの衝撃に、シカは吹き飛ばされてしまいました。車の前側は大きく破損し、シカはその場で死にました。なかなか回避するのは難しそうです。そんな中、被害を最小限にとどめるための対策はないか、専門家に聞いてきました。JAF山口支部 近藤博嗣さん「本当に珍しい話ではなくてですね、車が壊れて自走できない、そういう事故が起こってるんです」。話を伺ったのは、JAF山口支部の近藤さんです。まず、目の前に突然、動物が現れたときは、基本的には急ブレーキです。近藤さん「急ブレーキはじわーと踏むより、ある程度足をアクセルから浮かせてブレーキの上から踏みつけるようにした方がいいんですね。車の方でもブレーキの力っていうのはアシストしてくれるので、ある程度強いブレーキを踏めれば車の方が助けてくれます」。避けようとして、急ハンドルを切ってしまいそうになりますが…基本的には、おすすめできないとのこと。近藤さん「例えば側溝があったり、路肩の方が結構崖になってたりですね、あと対向車線に出てもし対向車がいたら、事故になったり自身がけがをしたりすることもあります」。実際にLINEアンケートでも、ネコが飛び出してきてとっさにハンドルをきったら、車が横転し廃車になったという声がありました。近藤さん「そのまままっすぐ進んでしまうことも、動物が小さかったら自身の安全を守るためにはいいのではないかと思います」。ブレーキが間に合わない場合、動物を避けるために慣れない急ハンドルをきるよりも、直進して動物と衝突する方がリスクは少ない場合が多いそうです。とっさの状況で判断するのは難しいとは思いますが、頭の片隅に入れておくと役に立つかもしれませんね。また、事故にあわないためには基本的なことですが、やはり、スピードを出しすぎないことと、もうひとつはこちらです。歩行者にも有効ですが、夜間や夕暮れ時は早めのライト点灯や、ハイビームの利用を心がけましょう。光が当たると動物の目は光ります。時速60キロで走行している場合、ブレーキを踏んでとまるまでに40メートルは進んでしまうため、ハイビームを使い動物の存在に早く気が付くことも大切です。それにしても、なぜ警戒心の強い動物が車の前に飛び出してくるんだろう…とは思いませんか?そして、俊敏なはずなのになぜよけてくれないのか?気になることを、動物の専門家である県立山口博物館の田中浩学芸員に聞きました。県立山口博物館 田中浩 学芸員「本当に偶然なんです。道路上っていうのが危険であるかどうかっていうのが、あんまり認識できてない。道路に飛び出す時っていうのは、斜面を下りてきて、その勢いで出てきてる場合とかですね」。道路という概念もない動物たち。車に反応して飛び出しているわけでもなさそうです。田中学芸員「やっぱり車に驚いて固まってしまうっていう場合があります。危ないと思って戻ればいいんですけど、なかなか後ろに戻るっていうのがほ乳類は意外と苦手でして」。最後に、動物をひいてしまったときの対応についてです。野生動物との衝突は物損事故になるので、まずは警察に連絡します。物損事故は自賠責保険は補償対象外なので、車両の修理には任意保険の車両保険を使うことになります。その任意保険を使うには事故証明が必要となるため、警察への通報が必要です。また、動物が死んでいる場合は、道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡。素手で触れないようにして、交通の妨げにならないよう動物を路肩に移動させて下さい。全国共通で、固定電話と携帯電話からの通話は無料です。山口県は自然豊かで動物も増えているということで、ロードキルは発生しやすい環境だと思います。動物や自分たちを守るためにも「動物が出てくるかも」という意識を持って、ハンドルを握るようにしましょう。
(シカによる人身被害)
動物園で人気者のニホンジカですが、最近の40年で生息区域は2.7倍に拡大し、推計個体数は218万~292万頭(2020年度)と約9倍にふえています。この増加の原因は、シカを狩猟する猟師の減少、地球温暖化で積雪の減少、高い繁殖力(約2歳から毎年1頭を出産する)がいわれています。シカはその旺盛な食欲による食害で、森林破壊や農作物被害をもたらしています。シカの体格は地域により異なりますが、平均的と言われる奈良公園のシカは、体長はオス約150cm、メス約135cm、体重はオス約80kg、メス約45kgといわれています。シカによる人身被害は、シカにかまれたり前足で蹴られたりの軽いものから、鋭い角で胸や動脈を突かれ出血性ショックでの死亡例の報告もあります。特に秋の発情期のオスや出産時期のメスは、大変気が荒くなり危険といわれています。また、シカにはマダニが寄生しており、イノシシ同様、ダニ媒介性感染症への注意が必要です。シカは家畜ではなく、野生動物であるとの認識が大切です。対策としては、気が荒くなっている秋のオスや出産期のメスには近づかないこと、シカを怒らせる行動(餌をあげるしぐさをくり返したり、お辞儀を何回も強要する)をしないことが大切です。
(マタギ、薄れゆく「授かり物」クマへの畏敬:山形)
「クマは山の神からの授かり物。大事にしてきたのに、ありがたみが減っている気がする」。伝統的な狩猟集団「マタギ」の1人、山形県小国町の舟山真人さん(64)は率直な思いを口にした。猟友会員でもある。人里への出没増加に伴い、自治体の要請で駆除に追われるようになった。人身被害を心配する一方、マタギ文化とは異なる現状に複雑な思いを抱く。東北地方などの山岳地域で、集団で狩りをする「マタギ」。新潟との県境に位置する豪雪地帯の小国町では毎年5月、クマを供養し山の神に感謝する「小玉川熊まつり」が開かれている。舟山さんは父もマタギで、20歳で猟銃を手にした。クマを見つけると囲んで追い込み、仕留めると山の神に報告する言葉をそれぞれが叫ぶ。「コイヅミワー!」。その後、安全な場所に移動してさばき、雪でこしらえた祭壇に頭と心臓をささげる。致命傷を負わせたマタギが礼をし、手をたたいて感謝を伝える。こうした儀式を終えると、肉は鍋などにして食べ、毛皮は敷物や剥製に加工する。山の恵みを山分けし十二分にいただくのが、マタギの流儀だ。舟山さんによると、クマは2000年に入ったころから徐々に人里に出てくるようになった。近年は「異常なほどいる」。25年度の全国のクマ出没件数と捕獲数は、環境省の速報値でいずれも過去最多。餌となるドングリなどが山で不足する中、人里にはおいしい物があると覚えたのではと舟山さんは推測する。町からは駆除の依頼が相次ぎ、有害鳥獣の側面だけが強調されることが歯がゆい。マタギにとって本来クマは「授かり物」。マタギの高齢化で集団での狩りが減ったこともあり、若い世代に知識や技術を引き継ぐ機会が失われているのが気がかりだ。25年度と同じか、それ以上のペースで出没が続けば、古くから続くマタギの文化はどうなるのだろうか。「今はもうどんどん(駆除を)やるしかない。(マタギではない、ただの)ハンターになってしまったような気がするんだなぁ」。舟山さんは少し寂しそうに語った。
(かつては緑豊かだった伊吹山が、シカ食害で災害相次ぐ:滋賀)
近畿地方が梅雨入りした直後の5日朝。伊吹山南側斜面の3合目は煙るような霧雨に包まれていた。標高約720メートル。普段は登山道と共に立ち入りが禁じられているが、この日は県内外から集まった約40人の姿があった。斜面から流れ出て堆積した土砂を6~8合目付近に戻すため、植物の種子を混ぜて土のうを作る作業に、自ら協力を申し出たボランティアらだ。雨がやみ、白く、厚い霧が晴れた。すると徐々に、茶色い地面がむき出しになった痛々しい山肌が姿を現してきた。「間近で見るとショック」と話すのは、甲良町から駆けつけた会社員光岡りつ子さん(50)。伊吹山の景色が大好き。これまで50回は山登りに訪れたが、2023年7月の大雨で登山道が崩落して以降、山から遠ざかっていた。「緑あふれる山に戻ってほしい」と願い、作業を続けた。
(「クマ兼イノシシ用箱罠」の贈呈式:宮城)
クマの目撃が相次ぐ中、宮城県亘理町に26日、地元企業が製作した捕獲用の箱わなが贈られました。亘理町に贈られたのは、長さ1.8メートル、高さ90センチの鉄製の箱わなです。鉄線や金網などを製造する地元企業が、クマの目撃が増えていることを受け、製作し商品化しました。ぶら下げた餌にクマが食いつくと、扉が落ちる仕組みです。亘理町では、2024年に初めてクマの目撃情報が寄せられ、2025年度も4件の目撃情報がありました。町は、場所を検討し、7月上旬には設置する予定です。
(シカの捕獲数急増、奨励金増額で右肩上がり:鳥取)
農作物や森林に深刻な食害をもたらすニホンジカ。農林業が基幹産業である三朝町では、2014年に96頭だった捕獲数が25年は1463頭と約15倍に急増した。
(「シカによる食害の現状と天城山の自然を現地で学ぶ」秘境八丁池を目指すトレッキングツアー:静岡)
静岡ガス株式会社(代表取締役社長執行役員:松本尚武)は一般社団法人美しい伊豆創造センター(会長:菊地豊)と、6月6日(土)、伊豆市天城山で、トレッキングを通じて自然環境やニホンジカによる「食害」の実態を学ぶイベントを開催し、静岡県内外から環境保全や自然観察に関心を持つ20名が参加しました。これは2020年9月に締結した、一般社団法人美しい伊豆創造センターとの長期パートナーシップ協定に基づく取り組みです。当日は、新緑の天城山を歩きながら、徒歩でしか訪れることができない秘境「八丁池」を目指しました。道中では現地ガイドの案内のもと、シカの食痕や山に自生する植物を観察し、森の「今」の姿を確かめました。
(狩猟文化にアートの視点:山形)
東北芸術工科大(山形市)の学生有志4人が狩猟をテーマとした芸術作品を手がけるプロジェクト「梓(あずさ)」を始動した。野生動物と人間の関係性が各地で問題となる中、大昔から信仰や芸術、生活に深く関わってきた狩猟文化をアートの視点で見直していくのが狙い。第1弾の「狩猟免許取り方講座」が17日、同大で開かれ、学生約50人が狩猟への知識を深めた。芸術を学ぶ学生にとって、野生動物をモチーフにした作品制作や骨格標本を用いたデッサンなど、狩猟を身近に感じる機会は少なくない。こうした背景から、美術科洋画コース4年岩田奈海さん(22)=東京都出身=と、総合美術コース3年黒沢凜さん(20)=秋田県出身=が中心となって今年3月にプロジェクトを始動。2人は在学中に「わな猟」の狩猟免許を取得し、現在は山形猟友会滝山分会に所属する“学生ハンター”だ。プロジェクトが目指すのは、それぞれの得意分野を生かし、狩猟で捕らえられた動物の命を見つめ直す試みだ。廃棄される皮や骨を利活用し、アートとしてよみがえらせ、人間と野生動物の新たな関係性を模索していく。17日の講座では、岩田さんと黒沢さんが狩猟免許の取得手続きやわな猟の手法、猟友会内の交流について話し、「狩猟では動物の足跡をたどる必要があり、“山を読む”ともいわれる。猟友会では世代を超えたコミュニケーションを楽しめる」と紹介した。講座に参加した学生の動機はさまざまだ。文化財保存修復学科1年河内那月(なつき)さん(19)=東京都出身=は「東洋絵画の修復を学ぶ中で、動物のニカワについてもっと研究したい」と話し、洋画コース4年須永凌平さん(22)=埼玉県出身=は「狩猟がテーマのユーチューブ動画にはまっているから参加した」という。今後は狩猟をテーマとした作品制作や骨工芸を手がけ、県内外のイベントに出展する計画だ。プロジェクトメンバーの金属工芸専攻3年浦駿太朗さん(21)=兵庫県出身=は「人が生きるために必要だった狩猟の意味を問い直し、工芸品を通して伝えていきたい」と語る。
(狩猟を様々な視点で学ぶイベント:秋田)
狩猟を様々な視点で学べるイベントが28日、秋田県由利本荘市で開かれました。イベントは、野生鳥獣の適正な管理を担うハンターを増やしていこうと、秋田県などが企画し、今回で14回目です。会場では、模擬銃やくくりわななど実際に狩猟で使われるわなが展示されました。イタチなどの小動物の狩猟で使われる小型の箱わなも展示され、猟友会が来場者に使い方を説明しました。また、狩猟の魅力を食で感じてもらおうと、イノシシやシカなどのジビエを使ったカレーが提供されました。飛んでいる鳥などを撃ち落とす疑似体験ができるシューティングシミュレーターのコーナーもあり参加者は実際の狩猟さながらの雰囲気を体験していました。
(市街地にも現れるようになったクマはいつから増えたのか?:田中淳夫)
連日、クマの人里出没がニュースになっている。もはや農山村だけの話ではなく、市街地でも当たり前となり、東京都心に姿を見せる日も遠くないだろう……と思わせる。クマの出没が頻発する理由は、さまざまな角度から論じられているが、やはり根本は生息数が増えたからだろう。山から人里に移動したのではない。なぜなら山の中でもクマ目撃情報は多いからだ。山からあふれだすようにクマは人里に出没している。では、いつからクマはこんなに増えたんだろう、と考えてみた。一般には、ここ2、3年の出来事だと記憶されているだろう。たしかにニュースになり始めたのはその頃だ。だが我が身を振り返ると、もっと以前からクマの出没情報を聞いていたことを思い出した。1990年代、筆者は森林ジャーナリストとして各地の林業家や森林の研究者などに話を聞いて歩いたが、そこでクマの話がよく出たのだ。林業作業中にクマが現れて、大声を上げても鈴の音を立てても逃げない、それどころか近寄ってくるので人が逃げ帰ったという話も聞いた。拙著の読者からクマの出没が多くて山に入れない、大変なことになっていると伝える手紙が届いたこともある。筆者は「局所的にクマが増えている山もあるのだろう。ただ全国的にはクマは増える要素がない」と返答した記憶がある。その理由として、クマの餌が山に十分ないことと、冬眠用の樹洞がある大木が減っていることを上げた。後者は、学生時代にクマの冬眠穴調査に従事したことがあったからだ。クマは樹洞で冬眠するから大木が減ると冬を越せないと言われていたのである。今振り返ると、不明の至りである。改めて当時のクマ研究の状況を振り返ると、ツキノワグマ、ヒグマとも減少の一途であり、絶滅を危惧されていた。だからクマ類は保護すべきであって、クマハギなどの林業被害はともかく、人への危害を心配する声は小さかったのである。1976年に出版された日本の野生動物と獣害問題を論じた専門書には、ツキノワグマの生息数を約6600頭と推定していた。ヒグマはさらに少ない。また90年代に取材した野生鳥獣専門家は、「クマの生息数は狩猟された数から推定するので、捕獲すればするほど数が多く算定される」と批判的だった。実態はもっと少ないはず、というのである。こうした研究を誤りだというつもりはない。しかし、このような認識が世間に広がる裏でクマは数を増やしていった。現在、農林水産省の推定では、ツキノワグマ約4万2000頭、ヒグマ約1万1700頭(いずれも推定中央値)である。野生動物の推定生息数が増えたのは、調査法の変化もある。以前は、狩猟による捕獲数から推定するほか、調査地を歩き個体の目撃や足跡、糞、樹皮ハギなどの痕跡の数をカウントして生息密度を割り出す方法が取られてきた。しかし、同じ調査地でクマの通り道に罠を仕掛けてクマの毛を採取してDNA解析する手法を取ってみると、一気に2倍以上が数えられた。現在では、カメラトラップ法(動くものを自動的に撮影する機材を使用)なども取り入れられて、より精密にカウントされるようになった。またクマを目撃すると通報する仕組みもできて、集まる情報が増えた。その結果、推定生息数は増えてきたのだろう。肝心のクマの繁殖率はどれぐらいなのか。ツキノワグマの研究では、2歳から20歳の間に出産するとされている。ヒグマも一般的に4~5歳頃から性成熟し、20歳前後まで繁殖能力を保つ。そして冬眠中にツキノワグマはほぼ2頭、ヒグマは1~4頭を出産する。平均ではいずれも2頭だが、毎年ではなく隔年出産だ。ただ子グマが死ぬと、メスはただちに発情して次の子を生む。こうしたデータから、繁殖率を計算してみよう。クマの数を農水省の推定どおり約5万4000頭とする。メスはその半分だから約2万7000頭。幼年のクマを除いて妊娠できる成獣メスを7割ぐらいと仮定すると、約1万9000頭だ。交尾は隔年だから9500頭。ただし受精卵が子宮に着床するのは何カ月も後で、全部が出産するわけではないという。仮に7割として、一度に2頭生むから1万3300頭。これだけなら繁殖率は約25%である。ただ子グマは全部育つわけではない。2歳までに2~3割、半分が死んだ年もあるという。そう考えると、成獣になるのは1万頭前後ではないか。約18%となる。あまりに大雑把な計算だが、東京農業大学が駆除されたメスクマの歯や子宮を調査して割り出した繁殖率も約20%だった。また兵庫県の研究では約15%だった。だから繁殖率は15~20%と推定しておきたい。これはかなり高い。5年で倍増する勢いだ。なお人間による駆除は、ここ数年は毎年5000頭以上、とくに昨年は1万4720頭と史上最多だった。それでも、ようやく増加を抑えるレベルであり、減少させたとは言えない。いくら出産数が増えても、子グマが育つためには十分な餌が必要だ。クマの餌は増えたのか。雑食性だが、多くの餌は植物性である。森の中を歩けば、餌になる植物が増えていることに気づく。戦後の日本の山は、非常に植生が豊かになっている。森林保護も進んだし、近年の温暖化で植物の生長は旺盛だ。よく食べるのは液果と呼ぶノイチゴなど軟らかい果実が多いという研究も出た。ほかに若葉や花、根っこ、タケノコ、芋、そしてドングリ……とかなりの広範囲だ。スギやヒノキの人工林に餌はないと言われるが、これも現実とかなり違う。林床に草が生えていない人工林などあまりない。草本や広葉樹が繁っている人工林も多いのだ。控えめに人工林の半分がそうだとしても、莫大な餌を提供していることになる。そしてスギ、ヒノキなど針葉樹の樹皮はクマの好物でもある。クマが樹皮を剥がしてかじるクマハギ現象は、深刻な林業被害になっている。もう一つ注目されているのは、シカやイノシシの駆除個体だ。シカもイノシシも増えすぎて農作物被害が深刻なため駆除が進められているが、両者合わせると年間130万頭以上に達する(2024年はシカ73万8700頭、イノシシ64万3000頭)。駆除した個体の多くは、山に埋められる。しかしクマは臭いをかぎつけ、掘り起こして餌としていることが指摘されている。肉はクマにとって栄養豊富な餌となっている。もしかしたら、肉の味を覚えたクマが、より簡単に得られる肉として家畜や人を襲い始める可能性だって否定できない。なお筆者がかつて心配した冬眠穴も、樹洞にこだわらず岩の窪みや倒木の下など環境に合わせて利用していることがわかってきた。最近では人間が建設した作業小屋などで冬眠する例も発見されている。冬眠場所に困ることはなさそうだ。このように見ていくと、クマの生息数増加は必然だったように思える。90年代より増え始めたクマは、2000年代に入り山中で飽和状態となり、新天地としての人里に進出し始めたのだろう。まず農山村、地方都市、中核都市……と範囲を広めている。そのルートも確保されている。市街地に出没したシカやイノシシ、そしてクマの地点を衛星写真を使ってチェックしたことがあるのだが、市街地には河川が縦横に入り、その河川敷に緑が繁っていることに気づいた。その近くには公園や街路樹など緑地も増えて「緑の回廊」になっている。これなら侵入しやすい。また空き家も増えて、その庭や建物は隠れ家になる。クマにとって市街地は侵入しやすく、隠れ場所も多い新天地だった。対策はどうすればよいか。当面は出没したらいち早く駆除し、クマに「人里は危険」と覚えさせることが大切だろう。現在のクマは、市街地を安全で餌も得やすい“楽園”と見ているようだ。そんな認識を改めさせ、危険だと覚え込まさないといけない。しかしハンターの減少など課題は多い。大切なのは、出没させない予防措置だ。河川敷も含めて草を刈り街との境界線を明確にする。公園などの木々を剪定して見通しをよくする。クマが餌としそうな生ゴミ類を出さない。市民のそうした心がけでクマを誘引しないようにしてほしい。長期的には、やはりクマの生息数を減らすしかない。クマと人が棲み分けるためにも、山中に収まっていられる数まで落とすことだ。目先の対策に留まらず、長期的に取り組まないといつまでもクマの脅威は解決しないだろう。
(「奈良のシカ」過密化、公園外での出没増加:奈良)
奈良公園(奈良市)に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」が過密化し、公園外での出没が増えている。住宅街での事故などのトラブルを防ぐため、奈良県や保護団体は、シカを公園に戻す対策を強化している。観光客らによる過剰な餌やりが頭数増加につながっている可能性があり、県などは餌やりについても対応を検討している。奈良公園(奈良市)に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」が過密化し、公園外での出没が増えている。住宅街での事故などのトラブルを防ぐため、奈良県や保護団体は、シカを公園に戻す対策を強化している。観光客らによる過剰な餌やりが頭数増加につながっている可能性があり、県などは餌やりについても対応を検討している。メンバーはシカを発見すると、刺激しないように注意しながら、両手を広げて立ちふさがり、ゆっくりと公園まで誘導。自治会から追い上げの要望のあった地域を回り、2日間で約40頭が公園に戻された。追い上げは、昨年7月から始まり、今回が3回目。県奈良公園室の豊岡健士室長補佐は「追い上げを定期的に実施し、市街地での数を減らしたい」と話す。奈良公園のシカは近年、増え続け、2025年度は過去最多の1465頭。公園外のエリアでの生息密度が上昇している。公園から数キロ程度離れた「管理地区」は捕獲や駆除が可能で、県は定期的に平均生息密度を調査している。17年度は1平方キロ・メートルあたり9・4頭だったが、25年度には49頭で約5・2倍に増加している。25年度、県や愛護会に寄せられた約230件の目撃情報のうち、管理地区での目撃は9割を占め、分散が拡大している。住民からは「花壇を荒らされる」といった通報が目立つ。公園外でシカと電車がぶつかる事故なども起きている。今年4月には、奈良市の近鉄新大宮駅近くで、オスのシカが電車と衝突する事故があった。今年3月には、大阪市内でシカが捕獲された。「シカやん」と命名されたが、奈良公園から来た可能性が指摘されている。行政や有識者らでつくる「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」によると、公園から出たシカがすでに周辺地区にすみついている可能性があり、同委員の立沢史郎・奈良大教授(保全生態学)は「シカが増えれば、交通事故の発生や、感染症拡大の懸念もあり、早急な実態把握が必要」と警鐘を鳴らす。過密化の一因として、過剰な餌やりが指摘されている。愛護会によると、シカの餌とされる「鹿せんべい」は、公園を訪れる大勢の観光客が買い求め、連日完売する人気ぶりだ。一方、外国人観光客らは、持参したスナック菓子をシカに与えている様子がたびたび目撃されている。立沢教授は「奈良のシカは餌となる草や木の芽が少ない冬場を乗り越えた後、春に多数死ぬが、栄養価の高い食べ物をたくさん与え続けられ、生き残るシカが増えているのではないか」と分析している。県などはこれまでも、多言語のマナーブックを配布し、「鹿せんべい以外は与えないで」などと啓発してきた。今後、専門家会議を設置し、餌やりの状況など、増加の要因を調査し、対策を検討する方針だ。
(死体と交尾し、腐敗を見届けたイノシシ:東京農工大学)
野生下において、メスのイノシシ死体に対してオスのイノシシが交尾行動を行う様子を記録しました。同種あるいは近縁種の死体に対する交尾行動は世界的に稀で、哺乳類では11例目、陸生哺乳類では4例目、そして有蹄類では初の事例でした。オスのイノシシは、交尾行動だけでなく、メスのイノシシ死体が白骨化するまでの13日間にわたって繰り返し訪問し、死体に接触したり、死体の近くで休息したりする行動も観察されました。交尾行動を行ったオスのイノシシ以外にも2個体のイノシシが接近しましたが、当該のオスのイノシシのような死体への持続的な関心行動は確認されず、死体への反応には個体差があることが明らかになりました。本事例は、近年発展しているセンサーカメラを通じた野生動物の観察が、動物の生態学としての知見だけでなく、死生学への貴重な知見をもたらす可能性があることを提言しています。
(野生動物との共存を考える講演会「野生鳥獣を寄せ付けない集落作り」:日本熊森協会)
奈良では、シカをはじめとする野生動物による農作物被害や生活への影響が深刻になっています。そして近年、全国各地でクマによる人身事故も発生しています。野生動物との距離が近くなっている今、私たちはどう向き合えばよいのでしょうか。今回の講演では、兵庫県豊岡市で鳥獣対策に携わる岡居宏顕氏を講師にお迎えします。野生動物の習性を知ることは、被害を減らし、人と動物双方の命を守る第一歩です。一緒に学んでみませんか?
(山中にコンドームが落ちている理由、猟師が明かす“ライフハック”)
山中にコンドームが落ちている理由が、SNS上で大きな注目を集めている。「たまに山の中でコンドーム落ちてることあるけど、あれはハンターが銃にコンドームつけていて、撃ったあと破棄した後だって師匠が教えてくれたことがある」。とその事情を紹介したのは、ジビエレザー専門店VARIED代表で猟師としても活動する長谷川貴大さん。山中にコンドームが落ちているのは、雨や雪、泥、砂などが銃身の中に入るのを防ぐためだという長谷川さん。銃身に異物が入ったまま発砲すると銃口が裂け、思わぬ大事故につながってしまうそうだ。 「若手のころはこれで仲間内で笑ってたが、内容を知ってからは『ゴミ捨てやがって!』ぐらいしか思わなくなってしまった」という長谷川さんにお話を聞いた。――山中でコンドームを見かけることは、よくあるのでしょうか?長谷川:頻繁ではありませんが、猟場や林道周辺で時折見かけることがあります。特に巻き狩り(集団で狩猟をする手法)や忍び(1人~3人程度で獲物を追いかける手法)が多く行われている地域では、比較的多く見られる傾向にあります。――コンドームの使用用途を知った際の感想を。長谷川:最初はなぜ山中に落ちているのか不思議でしたが、用途を知った際には驚きとともに、狩猟をしていなければ知ることのない世界だと感じました。コンドームは、けがをした際の止血にも使えるため、狩猟装備の医療キットに入れているハンターもいます。――投稿に対し、大きな反響がありました。長谷川:多くの方が興味を持ってくださり、狩猟や山の現場について知っていただくきっかけになったことを、うれしく思っています。
(東北道でトラックがクマに衝突:岩手)
25日午後1時45分頃、岩手県奥州市の東北自動車道・水沢インターチェンジ(IC)―平泉前沢IC間の上り線で、走行中のトラックがクマ1頭に衝突した。県警高速隊によると、トラックが追い越し車線を走行中にぶつかった。けが人はなかった。クマは午後3時現在、道路上に横たわっており、同区間の上り線が通行止めとなっている。
(「牛舎の干し草が荒らされている」クマの仕業と判明:富山)
富山市大沢野の万開で27日(土)朝、クマの痕跡が確認されました。 富山市によりますと、27日(土)午前7時30分、富山市万開で、地元の住民から「牛舎の干し草が荒らされている」との通報が富山市農地林務課に寄せられました。通報を受け、富山市職員および猟友会員(実施隊員)が現地調査を実施。調査の結果、荒らされた干し草がクマによるものであることが確認されました。人身被害および物的被害の報告はありません。 富山市はパトカーや防災無線、市の広報車を通じて周辺住民への注意喚起を行っています。
(クマが車と衝突:福島)
26日 午後0時30分ごろ 主要地方道・会津若松裏磐梯線を横断するクマ1頭と車が衝突。クマは山林へ立ち去る。
(シカと衝突でJR乗客ケガ:北海道)
北海道十勝地方の浦幌町にあるJR厚内駅近くで6月27日夜、特急列車がシカと衝突し、乗客1人がけがをして病院に搬送されました。JR北海道によりますと、27日午後8時ごろ、釧路駅を午後7時に出発し札幌駅に向かっていた特急「おおぞら」が、浦幌町の厚内駅近くでシカと衝突しました。運転士が非常ブレーキをかけたところ、乗客の男性1人が転倒し、額にけがを負いました。男性は、「おおぞら」が厚内駅で緊急で停止した後、病院に搬送されたということです。この影響で「おおぞら」は約50分の遅れが発生しましたが、午後8時30分ごろ、運転を再開しました。
(熊との格闘を偶然自撮り録画、撃退ポール考案し特許取得:岩手)
鋭い爪を立てて襲いかかるクマ。男性は持っていた棒を突き出し、大声を上げて追い払おうとするが、クマは棒をひったくろうとして……。ヘルメットに付けたカメラが、格闘の一部始終をとらえていた。きのこ採りに入った山での経験をきっかけに、男性は「熊撃退ポール」を商品化。クマの危険を生々しく伝える動画とともに紹介され、大きな反響を呼んでいる。町の93%が森林で、クマが頻繁に出没する岩手県岩泉町。佐藤誠志さん(60)は、小学校の教員住宅を改装した「原生林の熊工房」で、はちみつや山菜、きのこ、オリジナルのペット用品を販売している。隣は、かつて小学校の分校だった道の駅だ。工房内に並ぶ「熊撃退ポール」の長さは、115センチから170センチまで7種類。U字形の先端は、刺せるようにとがっている。材質はアルミやステンレスなどで、500~650グラムと持ち歩きやすい重さだ。クマをやっつけるというより、距離を取るために使う。2025年春に発売し、今年2月には特許を取った。1本1万円台から2万円台のものもあるが、これまでに2500本以上を受注。供給が間に合わないという。
(登別のシカ肉ブランド化:北海道)
登別市の地域おこし協力隊として活動した増田好希さん(29)が設立し、市内企業のブランド化などを手掛ける「イブリテック」が、5月からエゾシカ肉の販売やブランド化にも事業を広げた。地元不動産会社から引き継いだエゾシカ肉処理場を経営するほか、IT企業で培った自身の経験を生かし、シカの捕獲から流通までの情報を可視化して消費者に届ける仕組みづくりにも取り組む考えだ。
(ジビエ利用手引き見直しへ)
農水省は25日開いた野生イノシシ豚熱対策検討会で、豚熱の感染が確認されている区域でのジビエ(野生鳥獣の肉)利用についてまとめた手引を、見直す方針を示した。
(ジビエのうまみ凝縮「但馬鹿肉ラーメン」:兵庫)
兵庫県朝来市和田山町枚田の「ラーメン冨貴」は、但馬産の鹿肉を使用した「但馬鹿肉ラーメン」の販売を始めた。同市和田山町高田で鹿肉の利活用に取り組む「但馬のジビエ ココ鹿」とのコラボで実現。ラーメン冨貴は小山智也さん(52)と妻の優子さん(49)が2000年に豊岡市日高地域で開業し、10年からラーメンも販売、23年に朝来市に店を構え再出発した。地産地消にこだわり、岩津ネギや「但馬とらふぐ」のアラを活用した商品も開発してきた。スープは鶏白湯をベースに、鹿の脂身とにんにくなどの自家製の香味油を投入。トッピングは鹿の切り落とし肉を赤ワインとこむらさき醸造のしょうゆなどで約3時間煮込み盛り付ける。1杯1550円。
TOPへ
6/26
(70代女性、クマに襲われけが:青森)
青森消防本部によると、24日午前9時半ごろ、青森市荒川の八甲田山中で、タケノコ採りをしていた70代女性がクマに襲われ、両足から出血するけがを負った。女性は意識のある状態で青森市内の病院に搬送された。一緒に入山していたほかの2人にけがはない。クマによる人身被害は今年、県内初。
(クマに襲われる、40代女性が大けが:長野)
長野県大町市で6月23日、犬の散歩をしていた女性がクマに襲われ、大けがを負っていたことがわかりました。県内でのクマによる人身被害は今年初めてです。大町市によりますと、23日午後2時半ごろ、平地区の鹿島川河川敷で犬の散歩をしていた40代女性がクマに襲われたということです。女性は、頭や両腕を引っかかれていて大けがとみられています。24日、女性の友人から市に通報がありました。県内でクマによる人身被害は、今年初めてです。人身被害の発生を受け、県は、北アルプス地域に「ツキノワグマ出没警報」を発出しました。期間は7月10日までです。
(クマ緊急銃猟、12道県で72件)
クマに対する「緊急銃猟」が、昨年9月の制度開始以降、今月20日までに12道県で72件実施されたことが22日、環境省のまとめで分かった。被害が相次いだ東北が全体の6割を占め、北陸や関東にも。市街地への出没が急増するクマ対策の切り札として浸透する一方、技術を持ったハンターの育成・確保が急務となっている。緊急銃猟は、住宅街や公園などにクマやイノシシが出没した場合に、「住民や第三者に発砲で危害を及ぼす恐れがない」などの4条件がそろえば、市町村長の判断で発砲できる。実務は狩猟免許を持つ市町村職員や猟友会員が担う。環境省によると、クマの緊急銃猟は昨年10月15日の仙台市を皮切りに、10月は11件、11月は30件、12月は14件実施された。冬眠期の今年1~3月は計2件のみだったが、活動が本格化した4月以降は計15件に増えている。実施場所は市街地が約8割に上った。道県別では山形が最多の19件。新潟が14件、秋田と富山が7件、岩手と福島が5件で続く。東北6県が全体の6割の計43件だった。
(夜間銃猟、東北の担い手は福島の2人だけ)
東北地方でクマの市街地への出没が相次ぐ中、日没後などに銃器を扱える「夜間銃猟」の担い手確保が課題となっている。国が主催する安全管理講習会を修了し、実施が認められているハンターは東北6県で福島県の2人。環境省は本年度、講習会を東北で初開催し、受講機会の拡大を図る。
(エゾシカの捕獲目標数、達成は2度のみ:北海道)
道内で増加し続け、70万頭以上生息するとされるエゾシカについて、道は2012年度から、毎年、捕獲の目標数を決めています。しかし、2024年度までの13年間で、目標を達成したのは2度にとどまることが分かり、エゾシカの個体数を管理する難しさが浮き彫りになっています。道によりますと、道内のエゾシカは増え続け、2024年度の時点で少なくとも73万頭が生息するとされ、農業被害は50億円余りにのぼるなど深刻化しています。道は2012年度から地域ごとに捕獲の目標数を毎年設定していますが、NHKが、2024年度までの13年間の記録を調べたところ、目標を達成したのは、2012年度と2017年度の2度にとどまることが分かりました。直近の2024年度をみると、捕獲目標が18万5000頭だったのに対し実際に捕獲できたのは15万7000頭余りにとどまっていました。この理由について道は、全国で被害が深刻化し、国から道内に支払われる交付金に限りがあることや、地方都市では捕獲にあたる猟友会などのメンバーが高齢化し、人手が足りないことなどをあげています。一方、道がエゾシカの管理計画として、多くの地域で2031年度までに個体数を20年前の水準から半減させる目標をたてていることについて、専門家の中からは、「半減というのは、現実離れした目標で、見直すべきだ」といった意見も出されています。
(クマの狩猟期間延長提言へ)
自民党の鳥獣被害対策特別委員会は23日、クマによる人身被害が各地で相次いでいることを受け、対策強化に向けた提言案を了承した。自治体ごとに定める狩猟期間の延長が柱。狩猟の担い手育成なども求めた。同委は26日、木原稔官房長官らに提言を提出する。提言案では、冬眠明けのクマによる春先の被害も出ていることや、クマが広域的に移動することを踏まえ、狩猟期間の延長などについて、各自治体が足並みをそろえて柔軟に対応することを国が促すよう要望。期間延長を通じ、ハンターの育成強化も求めた。
(自民が「クマ対策」第2次提言取りまとめ)
自民党の鳥獣対策特別委員会は23日、クマ被害に対応をする第2次提言案を取りまとめた。提言で自民党は、都道府県ごとの判断で行っているクマの捕獲や狩猟期間の延長を、クマの生息区域全体で「足並みをそろえて制度の柔軟な運用を実施するよう自治体に促すこと」を求めた。また、秋田県などがジビエの特産地化に意欲を示していることを踏まえ、駆除したクマの処理を円滑に行うための施設整備を、クマによる被害が多い東北地方で強化することも提言した。被害防止に向けては、人命や財産に危険が迫り緊急性や公共性が認められる場合は、予防的な措置であってもドローンを捜索や救助に活用できるという法の特例適用について周知することを政府に求めている。23日の会議では、通学時の安全確保のためにバスを借り上げる際、自治体が国からの重点支援地方創生臨時交付金を使えることなども確認した。会議の委員長を務める笹川博義衆院議員は、9日に栃木県宇都宮市の市街地にクマが出没して学校が臨時休校になった事例に触れ、「学業にも普通の生活にも影響が出ている。有事と捉えて対応策を強化しなければならない」と強調した。自民党は、週内にも提言を木原官房長官と石原環境大臣に手渡す予定だ。
(豚熱イノシシ1頭陽性、県内24例目:鹿児島)
鹿児島県は23日、曽於市大隅で死んで見つかった野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内のイノシシ感染は24例目。「感染確認区域外」のため、半径10キロ圏内を新たに同区域に設定した。県家畜防疫対策課によると、24例目は体長60センチの雌成獣。
(都城豚熱、農場近くに陽性イノシシ:宮崎)
農林水産省は24日、都城市の農場で4月10日に発生した豚熱について、同省疫学調査チームがまとめた調査概要を公表した。近くで1カ月前に陽性の野生イノシシが捕獲されていたほか、豚舎や周辺ではネズミなどが確認されていた。
(相次ぐクマ被害、対応は「駆除中心」66%)
毎日新聞の全国世論調査で、各地でクマに人が襲われる被害が多発していることについて尋ねると、「駆除を中心に対処すべきだ」が66%で「駆除以外の方法を考えるべきだ」(23%)を大きく上回った。「わからない」は11%だった。環境省によると、4、5月の全国のクマによるけが人を含む人的被害は、死者4人を含む19人(速報値)。4月の出没件数は1759件(同)で、4月としては記録が確認できる2009年度以降で過去最多だった。宇都宮市中心部の商店街でクマが目撃されるなど、全国的にクマの出没地域も広がっている。クマ被害は昨年も問題になっており、昨年8月の調査では「駆除中心」は63%、「駆除以外の方法」が20%だった。今回の調査は約10カ月前と比較し、それぞれ3ポイントずつ上昇。「わからない」や無回答は減少しており、クマの問題についての関心が高まっているとみられる。調査は、20、21日にスマートフォンを対象とした調査方式「dサーベイ」で実施した。NTTドコモのdポイントクラブ会員を対象としたアンケートサービスを使用し、全国の18歳以上約8000万人から調査対象者を無作為に抽出。2045人から有効回答を得た。
(目撃情報以外に批判など400件、「殺処分しないで」「山に放すべき」と市外から多数:栃木)
今月上旬の宇都宮市内でのクマ出没を巡り、市は23日、目撃情報以外で市に寄せられた電話やメールなどの問い合わせが400件以上だったと明らかにした。多くが殺処分への批判だったが、職員へのねぎらいも含まれていたという。市議会で出井昌子議員の質問に答えた。市内では今月6~9日、県庁周辺や市内最大の繁華街・オリオン通り商店街などにクマが出没し、市は9日に麻酔銃を用いて捕獲した。市農林生産流通課によると、問い合わせは6日以降に電話や問い合わせフォームなどで寄せられた。内容の約7割が苦情で、その大半が捕獲後にクマを殺処分したことへの批判だったという。具体的には、「殺処分しないでほしかった」「山に放すべきだった」「動物園で預かれないのか」などの意見で、ほとんどが市外からだった。一方、残る約3割は市内からの安全確認やねぎらいの声だった。「もう外に出て大丈夫か」といった問い合わせのほか、「不安な日々だったので感謝している」「批判もあると思うが頑張ってほしい」など、対応にあたった職員らを励ます声も寄せられた。同課によると、問い合わせはクマを捕獲した9日以降に急増し、中には30分以上にわたり苦情を伝える事例もあったという。職員の人格を否定するような言葉を投げかけられることもあったといい、同課の担当者は「一連の流れを検証していく中で、問い合わせへの回答を含めた対応を検討していく」と話した。
(クマ出没相次ぐ、AI搭載カメラで監視強化:岩手)
クマの出没や人的被害が相次ぐ中、岩手県内の自治体などではAI(人工知能)を搭載したカメラで、クマを監視する動きが広がっている。人目が行き届かない山間部や夜間のクマの動きなどを把握することで、住民の安全につなげることが期待される。遠野市では地元のケーブルテレビ「遠野テレビ」が中心となり、今月からAIを活用した検知システムの実証実験を開始。システムはIT企業「アドバンテック」(東京都台東区)などが開発した。カメラは、昨年市内でクマが目撃された付近の公共施設や小学校、観光地などの6か所に設置。赤外線を搭載したカメラで撮影した映像をテレビ局内にあるサーバーに送り、AIでクマかどうか識別する。クマを検知すると、自動的にスマートフォンの専用アプリや登録者のメールなどに画像付きの出没情報を通知する仕組み。テレビ局内ではパトライトが光り、「クマを検出しました。ご注意ください」との音声が流れる。カメラは、昨年市内でクマが目撃された付近の公共施設や小学校、観光地などの6か所に設置。赤外線を搭載したカメラで撮影した映像をテレビ局内にあるサーバーに送り、AIでクマかどうか識別する。クマを検知すると、自動的にスマートフォンの専用アプリや登録者のメールなどに画像付きの出没情報を通知する仕組み。テレビ局内ではパトライトが光り、「クマを検出しました。ご注意ください」との音声が流れる。2025年度に市内でクマが目撃された件数は、24年度の2倍超の約200件。2人が襲われて負傷し、作物などの物的被害も約40件に上った。今年度の目撃情報も前年度とほぼ同水準の46件(今月1日時点)と高止まりが続く。今月4日に同局で開かれた開始式で、佐々木浩章専務は「市内に張り巡らせている通信網を使えるのが利点となる。市民の安全・安心に貢献したい」と語った。北上市は今年度、監視カメラを20台設置した。熱感知センサーで検出した動物を撮影し、AIがクマやシカ、イノシシなどを識別。撮影したクマの画像がアプリを通じて市職員のスマートフォンに即時に通知される。クマの出没場所を早期に把握することで、住民への注意喚起や捕獲など迅速な対応につながっているという。花巻市では昨年度末にAIを搭載したカメラ40台を増設し、現在は120台が河川敷や出没が相次ぐ山間部などに設置されている。市によると、出没頻度の高い場所を把握することで、効果的なわなの設置につながっているという。県は同様の監視カメラは導入していないが、担当者は「AIの認知精度などを見極める必要はあるが、人手不足の中で必要な技術なので県としても検討していきたい」と話した。
(クマ緊急銃猟の準備加速:茨城)
市街地に出没したクマなどに市町村の判断で発砲を許可する「緊急銃猟」を巡り、茨城県内では大子、日立の2市町が実施マニュアルを策定済みで、8市町が策定を予定していることが20日、茨城新聞の取材で分かった。安全対策が不可欠な緊急銃猟について、国は手順や役割分担などを定めたマニュアル整備を推奨しており、県北地域を中心に、関係機関との連携を模索する動きが広がりつつある。緊急銃猟は昨年9月に施行された改正鳥獣保護法で制度化された。クマやイノシシなどの「危険鳥獣」に対し、市町村長の判断で市街地での猟銃駆除が可能となった。環境省は実施の流れをまとめたガイドラインを公表し、各市町村にマニュアル策定を促している。茨城新聞のまとめでは、県内44市町村のうち、日立市と大子町が今年2月にマニュアルを策定。このほか、北茨城▽高萩▽常陸太田▽常陸大宮▽城里▽笠間▽水戸▽桜川-の8市町が策定を予定している。大子町のマニュアルでは、出没時の対応や関係者の役割分担、平時の事前準備などを規定。緊急銃猟の委託先は、地元猟師らでつくる町鳥獣被害対策実施隊と定めた。安全確保措置として、通行禁止・制限の範囲の在り方を設定し、住民周知は町ホームページやアプリ、地元コミュニティー放送局などで行う。捕獲者のサポート役は実施隊などから任命し、町職員らは住民避難の呼びかけや地権者との調整などを担う。日立市はマニュアル策定後、地元猟友会と勉強会を開くなどして、実効性の向上を図っている。城里町は素案を作成済みで、本年度中の策定を目指す。常陸太田市は4月、緊急銃猟マニュアルに先立ち「クマ出没時の対応マニュアル」を作成。北茨城市も出没時の初動体制を確認するマニュアルを策定中だ。宇都宮市の中心市街地では今月、中心街や中学校付近でクマの目撃情報が相次いだ。1頭は捕獲されたが、複数頭の存在も疑われたため、市がパトロール強化や学校を休校する異例の事態となった。桜川市の担当者は、宇都宮市の事例に「かなりの衝撃」と危機感を募らせ、緊急銃猟マニュアルの必要性を強調する。茨城県では昨年、大子町でツキノワグマが確認された。県は「ツキノワグマ管理計画」を改定し、緊急銃猟を新たに明記。クマが出没した市町村の要請に応じ、「県緊急銃猟隊」のハンターを派遣する業務を実施している。
(地域が一丸で鳥獣対策に取り組む地区があった:山形)
イノシシやクマの食害に悩まされていた山形県長井市の伊佐沢地区で、地域挙げての鳥獣対策が効果を上げている。住民24人がわなの狩猟免許を取り、地区の田畑を囲う電気柵は総延長約38キロに及ぶ。被害は大幅に減り、住民らは「地域が一丸となって行動した結果だ」と胸を張る。5月下旬。田植えを終えたばかりの地区の水田は、3本の線に囲われていた。「一番上は背の大きいクマ対策。真ん中の線でイノシシを防ぐ」。住民らでつくる鳥獣被害対策協議会の担当者が説明する。伊佐沢地区は市中心部から西に約3キロ離れた山あいにある。人口は約980人。コメ、スイカ、リンゴなどの生産が盛んな地域だ。
(八王子市長が狩猟免許の取得を宣言、喫緊の課題「東京のクマ対策」を市長と徹底議論!:東京)
これまで都内でも山間部ではクマが確認されていましたが、今回は八王子市の市街地に出没。クマの行動範囲が人間の生活エリアに接近しており、被害の拡大が懸念されています。こうした状況に危機感を募らせているのが八王子市。クマ出現の現場周辺に箱わなを設置したり、小学校の児童向けに鈴を配布して対応するほか、初宿和夫市長が狩猟免許の取得を宣言。自ら駆除に取り組む姿勢を示し、大きく注目されています。東京でも市街地にクマが近づきつつある中、被害を防ぎながらクマとの「共生社会」の構築は可能なのか。今回は八王子市の初宿和夫市長を迎え、東京におけるクマ対策について、元フジテレビ解説委員でジャーナリストの風間晋さん、コラムニストの河崎環さん、ライターのヨッピーさんと議論しました。
(ハンター、警察官と緊急銃猟の訓練:北海道)
「住宅地近くでヒグマが出没した」との想定で小樽市が警察や猟友会と合同で、緊急銃猟の訓練を11日に実施した。迫俊哉市長ら市職員、道猟友会小樽支部のハンター、小樽署の警察官など約40人が参加した。市が昨年12月に緊急銃猟のマニュアルを作成、マニュアルに基づく初の合同訓練となった。訓練場所に選ばれた同市の銭函浄水場付近は、住宅地に接していて、これまでにヒグマがたびたび目撃されている。午後0時20分に浄水場近くでヒグマの目撃情報があった、という想定。ヒグマを監視、防除をおこなう猟友会員らの監視班、出現場所から300メートル以内の住民の避難を呼びかける市職員の避難誘導班、道路の立ち入りを規制する小樽署員の交通規制班など、受け持つ仕事を配分した。監視班は、クマの位置や距離、大きさや、狙撃可能な地理的条件の場所にいるかを確認し、本部に報告し、駆除のタイミングをはかった。午後1時52分にハンターががけの上から約20メートル下にいる警察官がふんしたヒグマを「駆除」して訓練を終了した。道猟友会小樽支部の木田勝利事務局長は「ヒグマが出現する状況はさまざまで臨機応変に対応しなくてはならないが、現場で行政との連携を実際に確かめたのは意義深い」と話していた。
(四国で「ツキノワグマ」が絶滅の恐れ、最新調査で25頭確認)
クマに人が襲われる被害が全国的に相次いでいますが、四国に生息するクマの実態はどうなっているのでしょうか。林野庁などが実施した生息調査の結果が公表されました。林野庁四国森林管理局によりますと、四国では徳島県にある剣山の山系とその周辺地域にのみ「ツキノワグマ」が生息しているとされ、2020年に公表された環境省のレッドリストでは「絶滅のおそれのある地域個体群」となっています。四国森林管理局は環境省や認定NPO法人と連携し、約10年前からツキノワグマの生息調査を行っています。調査は「はしっこプロジェクト」と銘打って実施されていて、ツキノワグマの生息域の外縁、つまり人との接触が起きてしまわないよう生息域の一番外側、端っこを把握するのが目的です。今回公表された調査は、2025年度に香美市と安芸市のほか、徳島県内の合わせて25カ所59地点にセンサーカメラを設置して実施。25カ所のうち16カ所でツキノワグマの存在を確認しました。ツキノワグマは胸に白い三日月模様があり、個体ごとに違うことからそれぞれ精査したところ少なくとも25頭がいたということです。県内では、香美市の6カ所で合わせて9頭のツキノワグマを確認していて、そのうちのほとんどが徳島県に移動していることが分かっています。さらに全体の調査で2026年に生まれたとみられる子グマ2頭を連れた親子2組も確認。子グマを除いた21頭のうち4頭はこれまで確認できていなかった新たな個体と判明しました。Q全国的にクマの目撃情報や人への被害が確認されているが、四国では生息エリアは限定されているか?四国森林管理局計画課・見市貴司 課長:「剣山山系とその周辺のみに限られていると推定されている。実際、個体数も過去の推定では20頭前後とされているので、絶滅の恐れがあると考えられている」ひとまずツキノワグマの生息エリアはこれまでと同様、限定的だということです。できればうまく共存できる関係が理想ですが…。四国森林管理局計画課・見市貴司 課長:「人と軋轢が生まれるとどうしても駆除とかそういう話になりかねない。外縁を調べて、できる限りツキノワグマと人間が軋轢を生まないようにすみ分けができたらなと考えています」。四国森林管理局では調査の精度を高めるため、地点を適度に変えながら実施していて、2026年度も引き続き調べることにしています。
(クマ「緊急銃猟」、自治体職員やハンターが手順習得:鳥取)
クマが市街地に出没するケースが全国で相次いでいる。市町村長の判断で市街地でも猟銃が使える「緊急銃猟」について、制度の知識や実施手順を習得してもらおうと、鳥取県が県内の自治体職員や警察官、猟友会のメンバーらを対象とする研修会を開催した。研修会は6月に県内で3回開かれ、県庁で18日にあった研修会には、県東部の自治体の担当者やハンターら64人が参加。緊急銃猟制度について説明を受けたあと、地域別に六つの班に分かれ、具体的なケースを想定した図上演習をした。〈4月の土曜の夕方。集落が近くにある山林の路上で、クマ1頭を目撃したとの110番通報があった。警察が現場に駆けつけたが、クマの姿を確認できない〉〈11月の金曜の午前。集落の農地にある柿の木に登っているクマ1頭を発見。地上からの高さは約15メートル。車で木の下まで近づける〉こうしたケースについて、参加者は航空写真を広げて対応を議論。住民への注意喚起の方法▽職員やハンターらの役割分担▽緊急銃猟の際の立ち入り禁止や交通規制の範囲▽発射した銃弾が当たるおそれがある範囲――などを話し合った。八頭町産業観光課の鎌谷康平さん(29)は「現実的な話ができてよかった」。町の鳥獣被害対策を担当しており、町内の果樹園でクマが出没したとの通報が増えているという。「いざという時に的確に対応できるよう、研修で学んだ内容を生かしたい」と話した。県が2026年度に新設したクマ対策室によると、クマは6月ごろから繁殖期に入り、オスがメスを求めて活発に行動する傾向がある。また、子グマが親離れする時期にも重なり、若くて経験の浅いクマが行動範囲を広げ、普段は目撃が少ない地域でもクマに遭遇するおそれがある。県のまとめでは、26年度の県内でのクマの出没件数は6月中旬までに50件を超え、例年を上回るペースで増えているという。担当者は、イノシシなどクマと断定できない目撃情報も含まれるとしたうえで、「全国的に市街地でのクマの出没が大きなニュースとなった。県民の危機意識が高まり、通報が増えていることも考えられる」と話す。25年9月に運用が始まった緊急銃猟は、農地や河川敷、建物内など人の日常生活圏にクマなどが出没した場合、市町村が主体となって猟銃を使った捕獲ができる制度。実施するには緊急性や安全確保などの条件が定められている。県内ではこれまで実施例はない。県の担当者は「研修会では自治体と警察、ハンターが顔を合わせ、実践的な話ができた。今後も実地研修などを繰り返し、実際にクマが出没した場合の対応に備えていきたい」と話した。
(野生鳥獣による農作物被害は8081万円:徳島)
県内の2025年度の野生鳥獣の捕獲数(速報値)は2万5027頭で、前年度と比べて3181頭(11%)減った一方、全体の8割を占めるシカの数は記録が残る13年度以降で最多だったことが県のまとめで分かった。野生鳥獣による農作物の被害額(速報値)は8081万円で、前年度より565万円(7%)減少した。
(四国の山林で野ウサギの被害が拡大中)
四国の山で近年、野ウサギによる林業被害が拡大している。一定エリアの木を全て切る皆伐と再造林の流れが加速する中、 ウサギが狙いやすい苗木が増えているためだ。四国森林管理局(高知市丸ノ内1丁目)が管理する国有林では、長年深刻さが指摘されてきたシカの被害を上回っており、同管理局は対策の研究と周知に本腰を入れている。ウサギは幼い苗木の幹をかみ切ったり、皮をはぎ取って食べたりする習性がある。戦後の拡大造林政策でスギやヒノキが盛んに植えられた1950~80年代にも、その被害は全国で問題になっていた。
(クマ、シカ被害防止へPT:茨城)
茨城県議会最大会派のいばらき自民党は23日、「県イノシシ等野生鳥獣による被害の防止対策に関する条例」の改正案を検討するため、プロジェクトチーム(PT)を設置した。
(AIを使った最新クマ対策とは?)
クマ被害を減らすため、AIを使った新たな対策も…。おととしのこの時期、岐阜県で撮影された映像です。クマは撮影者に視線を向けた後、慌てる様子もなく木を降りていきます。撮影されたのは、モモを栽培する果樹園の敷地内です。さらに去年8月、果樹園の中にはクマが食い荒らしたとみられるモモが落ちていました。モモを栽培 黒内果樹園 天木政彦組合長「早い時は6月の終わりくらいから来る」「(Q.大切に育てたモモの食害は?)たまったもんじゃない、本当に」。こうしたクマの食害を防ぐため、この果樹園で実験が始まった新技術が…。岐阜大学野生動物資源学研究室 森部絢嗣准教授「こちらがAIクマスプレー『AIBeS』」。動物を感知するセンサーカメラとクマスプレーを搭載した装置です。実際のクマの画像を装置に近付けると、クマが嫌がる成分が自動で噴射されます。この装置はサル、イノシシなど様々な動物をAIで識別し、クマが近付いた時だけスプレーを噴射します。岐阜大学野生動物資源学研究室 森部絢嗣准教授「クマは(特定の場所に)執着するので、ここに来ると嫌な思いを一つでもすると、クマも学習しながらだんだん『ここは大丈夫、次来ても大丈夫』となる。それを一つでもなくしていくことが大事だと思う」。
(クマ目撃相次ぐ山間部のコンビニ、オオカミ型ロボで安全確保:群馬)
各地でクマ出没が相次ぐ中、コンビニ大手のファミリーマートは、群馬県桐生市の山間部にある「ファミリーマート日野屋黒保根店」に、野生動物を追い払うオオカミ型ロボット「モンスターウルフ」を試験的に設置し、報道陣に24日公開した。店舗周辺では今年、クマの目撃が相次いでおり、従業員や来店客の安全確保を図る。効果を検証した上で本格導入を検討する。モンスターウルフは、赤外線センサーで動物を感知すると、50種類以上の大音量とLEDライトによるまぶしい光で威嚇する装置。同社は昨年、店舗周辺でクマが出没した場合の手引を作り、今年2月末までに東北や北関東などの約500店舗にクマよけスプレーを配備したが、今年は昨年以上にクマの出没が全国で発生している。さらに対策を強化しようと、モンスターウルフを試験導入した。モンスターウルフは、店舗裏側の森林に向けて設置されている。車のクラクション並みの最大90デシベルの音も出せるが、近隣住宅への配慮から45デシベル程度に設定しており、周辺への影響を抑えながら効果が得られるかを検証する。群馬県内では昨年度、12人がクマに襲われて負傷。うち2人は、同県沼田市のスーパーに侵入したクマに襲われた買い物客だった。今年の目撃件数は1~5月で162件と前年同期の2倍以上に増えており、ファミリーマートの担当者は「クマを近寄らせず、スタッフや客の安全、安心に万全を期したい」と話した。
(市街地でのクマ出没想定し対応訓練、緊急銃猟の流れなど確認:秋田)
クマの目撃情報が多く寄せられる現状を受け、由利本荘市でクマ出没時の対応訓練が行われました。訓練には地元の猟友会をはじめ、警察や由利本荘市職員ら39人が参加し、県自然保護課からクマの出没を想定した机上訓練や、去年9月に導入された緊急銃猟の実地訓練を受けました。由利本荘市によりますと、4月からの6月24日までのクマの目撃件数は129件で、前年の1.5倍です。訓練は、本荘公園のサクラの木にクマが居座る状況を想定して行われました。現場に向かう前に地図を確認しながら誰にどんな連絡をするのか、現地でどんな対応を取ることが適切かなどを話し合います。市と猟友会、警察で方向性を決めてからクマが出た現場で再度話し合いを行います。クマの追い払いが難しいことを再確認し、緊急銃猟に向けて通行規制のほか、周辺住民や学校への広報などを市が対応します。市民の安全確認が取れたら、市長に最終判断を仰ぎ、緊急銃猟に進むなどの手順を確認しました。
(クマの危険性、対策を解説:群馬)
クマの出没が増える中で現場対応時に危険を回避してもらおうと、群馬県警沼田署は23日、沼田市の同署で署員向け講習会を開いた。署員約30人は、2025年10月に県内で初めて昭和村で実施された緊急銃猟の緊迫した状況も学んだ。
(クマがガラスドアに傷、保険きかず修繕71万円:秋田)
秋田県湯沢市の消防本部の入り口にある自動ドアのガラス3枚が昨年10月にクマに爪で傷つけられ、修繕費が71万5000円に上ったことが判明した。消防本部が毎日新聞に明らかにした。県内では人身被害のみならず、こうした物的被害も相次いでおり、県は対策を呼び掛けている。湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部によると、昨年10月20日午前4時過ぎ、クマが自動ドアを開けて建物に入り込み、3枚の入り口のドアのガラスをひっかくなどした。ガラスは割れなかったが、幾筋かの傷が入り、クマのものとみられる血がついた。
(日本百選の棚田、400年の歴史に幕:新潟)
「日本の棚田百選」に選ばれていた三条市の「北五百川(きたいもがわ)の棚田」で、大部分の作付けが、ことし限りとなる。約400年続くとされる棚田だが、高齢に加え深刻化するイノシシやサルの獣害によって、中心となる農家が来年以降の耕作を断念したためだ。棚田は粟ケ岳の裾野に広がり、水源地でもある。面積は約150アールで、約120アールを管理する佐野誠五さん(77)が、そのうち90アール分に作付けする。約400年前に先祖が移り住み、15代にわたり稲作を続けてきた。50年ほど前にほ場整備されたが、あぜの草刈りなど作業は重労働だ。 それでも佐野さんは「棚田でコメを作っていて苦労したと思ったことは一度もない。だって、四角い田んぼを知らないんだもん」と笑う。80歳までは続けたいと考えていたが、2025年秋に稲刈りを終え、26年いっぱいで最後とすることを決めた。おいしいコメを作ってきた自負があるが「心が折れた」のだという。収量を見通せない状況が、耕作をやめる決断の決定打だった。19年以降、サルに加えイノシシが出るようになった。水路や田を荒らされ、収穫前に稲穂を食べられる被害が続いた。稲を倒され、収穫を諦めた田もある。電気柵を設置するが、市の補助要件を満たさず、全て自前だ。補助があっても棚田全体に柵をすることは現実的ではない。佐野さんは全国の消費者約120人と契約する。しかし、収穫が予約分に満たなければ「家庭用のコメを出し、自分たちが食べるコメを買ってこなければならなくなる」のだ。今後は棚田の下段にある田んぼ数枚で家族向けのコメだけを作る予定だ。田植えの時期が来れば、坂を上って田んぼ一枚一枚を見て回る。稲刈りまで欠かさない日課だ。佐野さんは「来年から上まで来る必要がないと思うと寂しい」と、棚田を見下ろした。棚田の東側では、地域おこし協力隊が中心となって棚田の維持管理やイベントなどを行っており、景観の一部は残る見通しだ。
(絶滅危惧種イヌワシ、全国初の野生復帰プロジェクト:宮城)
絶滅危惧種のイヌワシを野生復帰させる全国初のプロジェクトで、宮城県南三陸町周辺の山中で飼育されていた幼鳥1羽が18日、大空に飛び立った。今回を含め、2028年までに計3回(1回最大2羽)の放鳥を予定。狩り場が失われるなど生息環境の悪化で姿を消したイヌワシの定着に向け、一歩を踏み出した。官民連携の南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会によると、午前9時15分に飼育小屋の放鳥用扉を開放。イヌワシは外の様子をうかがった後、約1分後に飛び立った。初飛行の距離は約120メートルで、苦労して杉の枝に止まる姿も見られたという。巣立ちを見守った担当者は「地上約2メートルの枝に落ち着いた後は周囲をきょろきょろし、近づいてきたヒヨドリのペアを目で追うなど、初めて見る外の世界に戸惑いながらも興味津々の様子だった」と説明した。今後はイヌワシに装着した小型発信器で1日複数回の位置測定や継続的な目視観察で健康状態を把握し、適応をサポートする。野生環境下での行動分析など、得られた知見を全国の保護活動や保全研究に生かす。幼鳥は東京都の多摩動物公園で3月誕生した雌。5月に南三陸と登米、石巻両市にまたがる翁倉山(おきなくらやま)(531メートル)周辺にある専用の小屋に移送され、野生の環境に適応できるようウサギやキジ、ヤマドリといった餌を与えて育てられた。協議会の鈴木卓也会長(54)は「巣立ちの大きなステップを超えることができ、ホッとしている。支えてくれた皆さんに感謝したい」とコメントした。翁倉山では1955年、東北で初めてイヌワシの繁殖巣が確認されたが、林業の衰退で山の荒廃が進むなどしたため、近年は姿が見られなくなっていた。
(雑草踏み倒して視界確保、相次ぐクマ目撃受け:鳥取)
倉吉市大原から同市円谷町にかけての天神川周辺でツキノワグマが相次いで目撃されたことを受け、国土交通省倉吉河川国道事務所は、河川敷一帯で人の背丈以上に伸びた雑草を踏み倒して視界を確保する作業を22日から行っている。
(クマ目撃で注意看板、熊野古道「大雲取越」:和歌山)
和歌山県新宮市は、世界遺産の熊野古道「大雲取越」のルート上にある「地蔵茶屋」(那智勝浦町)近くの山中でツキノワグマが目撃されたとして、大雲取越登り口などに注意を呼びかける看板を設置した。市商工観光課によると、ツキノワグマは今月4日、地蔵茶屋から南西約1キロの山中で林業関係者が目撃した。注意看板の大きさはA3サイズで、大雲取越の小口側登り口と小雲取越小和瀬渡し場跡の2カ所に設置した。日本語と英語、中国語で注意を呼びかけている。同課はクマを目撃した際の対応について「大声を出すなどせず、逃げる際は、背中を見せて急に走らずに熊の様子を見ながらゆっくり後退してほしい」と呼びかけている。
(イノシシ対策へ専門家と現地調査:新潟)
イノシシによる農作物被害が急増している長岡市川口地域で、住民が専門家と一緒に対策を考える「集落環境診断」が行われた。住民ら約20人が参加し、被害のあった水田周辺を歩いて現状を確認。電気柵をどこに設置するかなど、対策の進め方を話し合った。市によると、川口地域のイノシシによる農作物被害額は2024年度が約142万円。23年度の約89万円から1・6倍ほどに急増している。環境診断は、市や猟友会でつくる鳥獣被害対策協議会が企画。鳥獣被害対策の支援を手がける「うぃるこ」(長岡市)代表取締役の山本麻希さんを講師に招いた。
(狩猟免許、受験者増:秋田)
クマの出没が相次ぐ中、狩猟免許の受験者数が増加傾向にある。今年度は5回のうち3回で60人の定員に既に達している。クマ被害の深刻化で関心が高まっているとみられ、狩猟の担い手確保につながることが期待される。14日、秋田市内のある会議室で、今年度初めての狩猟免許試験が行われた。2人のキャンセルがあり58人が挑戦。年代は20~70歳代で、女性の姿も見られた。午前には、法令や猟具の取り扱いや鳥獣管理保護について問う筆記試験を実施。合否はすぐに発表され、合格者は午後、模擬銃を使った銃の組み立てや構えといった実技試験に臨んだ。受験者からは、ハンターの高齢化が進む中で「クマ被害対策に貢献したい」という思いが聞かれた。県内で今年初のクマによる死亡事案が発生した秋田市河辺地区に住む大工、須田拓也さん(35)は「猟友会員は高齢化していて、引退すれば人数が減ってしまう。駆除に携わったり、被害に遭った人の捜索に協力したりしたい」と語った。昨年夏に仙台市から潟上市に移住したという自営業女性(48)は夫婦で受験。「秋田のクマは数もずっと多くて危険を感じる」といい、「クマの有害駆除で、荷物運びでもいいので何かできたらと考えた」と話した。県自然保護課によると、試験は2024年度まで年4回の開催だったが、受験者が多かったことから、25年度から5回に増やした。定員は各60人。試験回数を増やした後も、申し込みのペースは上がっている。昨年度の前半には空きがある試験もあったが、秋のクマの大量出没を経て申し込みが増加。その傾向が今年度も継続しており、初回試験は4月20日の募集開始から2週間程度で定員に達したという。7月に大仙市で行われる2回目、9月の北秋田市での3回目も既に満員になっており、12月の4回目も第1、第2種銃はともに受け付けを終了した。狩猟免許の取得者は若年化が進んでいる。昨年度に取得した240人のうち、64%にあたる154人が20~40歳代だったという。同課の柏倉誠課長は「クマが大量出没する中、ハンターの高齢化も進み、苦労している部分もある。狩猟の楽しみもあると思うので、若い人にもどんどんチャレンジしてほしい」と呼びかけた。県では、免許取得にかかる費用を上限5万円で補助するなど後押ししている。
(狩猟免許取得に関心高まる、熊の出没や鳥獣被害の増加が背景か:長野)
松本地方で狩猟免許取得への関心が高まっている。県が実施する銃・わな猟の試験には昨年度以降、定員を上回る申し込みが集まったり、締め切り前に定員に達したりした。各地で相次ぐツキノワグマの出没、野生鳥獣による農作物被害の防止などが、関心の背景にあるようだ。20日に松本市島立の県松本合同庁舎で行われた本年度1回目の試験では38人が受験して全員合格し、狩猟免状を受け取った。試験の申し込み開始日に多くの応募があり、期限前に募集を終了した。県松本地域振興局林務課は、昨秋の熊出没に関する報道以降「試験への関心の高まりを感じる」とする。20日の試験で市職員の降籏凱さん(26)=松本市寿台4=と父の会社員・佳範さん(52)=同=は共に合格した。降籏さんは、狩猟免許を持つ公務員が野生鳥獣の被害対策を担う「ガバメントハンター」としての活動を目指す。「市内では熊の目撃情報が多く学校が休校になっている。力になれれば」と話す。佳範さんは猟友会に入り、凱さんを支援できればと思い描く。塩尻市木曽平沢の会社員・宮原拓也さん(32)は山間部に住み「動物は身近にたくさんいる」とし、地域のために狩猟に取り組むことやジビエとしての活用に関心を向けた。このほか、農作物の被害を防ぐことを免許取得の目的にした人もいた。松塩筑猟友会によると、若い年代の入会もあるが、高齢化により退会者が増えている。芦田勝弘会長(79)=松本市岡田町=は「狩猟免許に関心を持ってもらえるのはありがたい。山には危険がある。免許を取得した人は猟友会でいろいろ教わり経験を積んで有害鳥獣駆除に協力してもらえれば」と話していた。
(クマ対策「センサーカメラ100台」従来から倍増へ:大阪)
大阪府の吉村知事はきょう=17日の定例記者会見で、関西各地でクマが出没し、大阪府内でも今月10日に豊能町でクマが目撃されたことを踏まえ、北摂地域を中心にセンサーカメラを従来の50台から100台へ倍増させる方針を示しました。また6月29日には北摂地域の市町村と対策会議を開く予定であることも説明。そして「基本的にはまず檻での捕獲を実施する」としたものの、「どうしても捕獲が難しいという場合は条件のもとで、緊急銃猟も行う」という方針も示しました。吉村知事はまず、4月以降、能勢町・豊能町において、「クマらしき情報」を含めて5件の出没が確認されていることを説明。その上で「6月10日に豊能町の公民館付近で確実に子グマが確認された」として、対策の必要性を訴えました。【吉村知事】「“クマらしきもの”というのは、結構確認されることがあるんですけど、今般確実にクマそのものが6月10日に豊能町の公民館付近で確認をされました。これは子グマだったわけですけれども、付近の住民の方が子グマを確認して、そしてその通報を受けた警察官自身もその子グマを確認しています。子グマは西側の山に逃げ込んだということですけれども、子グマいるということは、親グマがいますから、母グマがいるということになりますので、これはぜひ注意が必要だと思います。山あいではありますけど、公民館付近路上で確認されていますので、大阪においてもですね、クマに注意が必要だということです」。具体的な対策としては、周辺自治体との対策会議を開催し、センサーカメラを従来の50台からさらに50台増やし、100台とすることを説明しました。【吉村知事】「今後の対策については、非常に重要ですから、特にこの北摂地域でよく見られますので、北摂地域の市町村と対策会議を6月29日に開催します。クマの目撃情報が多いのは、もう大阪北部に集中していますから、大阪北部で行うと、大阪北部を中心に100台のセンサー(カメラ)を設置するということになります」。また「東京都がクマの狩猟を解禁した」という報道を引き合いに出し、「大阪は禁止していない」と説明。その上で「基本的にはまず檻での捕獲を実施する」としたものの、「どうしても捕獲が難しいという場合は条件のもとで、緊急銃猟も行う」と説明しました。
(ツキノワグマの狩猟期間を6週間延長へ:富山)
ツキノワグマの大量出没を受け、今シーズンの狩猟期間が6週間延長されることになりました。25日に開かれた富山県環境審議会の専門部会では、ツキノワグマの出没が昨年度1068件と過去10年で最も多くなったことを受け、狩猟期間の延長を審議し、了承しました。現在の狩猟期間は、県の管理計画の中で11月15日から翌年の2月15日までの3カ月間と定められていますが、新たな計画では6週間延長し、11月15日から3月末までとします。狩猟期間の延長により、冬眠明けのクマが活動し始める期間での捕獲が可能となり、クマの個体数減少につながることが期待されています。*県猟友会副会長 黒田作専門員「春グマというのは、標高の高いところの穴から出たばかりのクマを狙うことが多い。平野部へ出てくるクマの予防という意味では非常に有効」。
(日本ライフル射撃協会選手強化委員、盗撮容疑で逮捕)
日本ライフル射撃協会は25日、選手強化委員会でライフル種目を担当する男性委員が盗撮行為の容疑で20日に逮捕されたことを発表した。協会は23日に事実を確認し、同日付で解任した。協会によると、この男性は19~21日に神奈川県の伊勢原射撃場で行われた東日本選手権に所属企業のコーチとして参加し、19日夜に同県内のホテルで盗撮を行った疑いがもたれている。協会の橋本聖子会長は「個人の問題にとどまらず、組織としての責任を真摯に認識しています。被害者への対応を最優先しつつ、再発防止に取り組んでまいります」とコメントした。
(霧多布湿原のシカ食害で講演会:北海道)
認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト(小川浩子理事長)は7月5日、「花の湿原霧多布はいずこに」を霧多布湿原センター(町四番沢20)などで開く。
(野犬は「人間の責任」、酪農家の複雑な思い:北海道)
「完全にオオカミ。クマ以上に怖い」。4月半ば、根室管内別海町の牧草地で野犬に遭遇した男性は恐怖を振り返った。作業のため草地を歩いていると、犬2匹が現れ、激しくほえ立てた。男性は操作していたドローンを間近まで飛ばして追い払った。後に画像を確認すると、周辺にはシカ14頭の死骸が散乱していた。どう猛で警戒心が強く、時に攻撃的。家畜を襲い、シカの死骸を残していく犬たちは、酪農家に脅威を与える存在だ。
(クマに遭遇、人恐れず広がる行動範囲)
これまでクマが現れなかった市街地で、人が被害に遭うケースが増えています。大きく変化を遂げたクマの生態、そこには「行動範囲」が関係していました。番組の取材班は、連日クマが出没している秋田県大館市へ。住宅近くに設置された防犯カメラが捉えたのは、画面左上の道路を歩くクマです。17日の午前10時前に出没し、近くには小学校もあります。この9日前の8日にも同じ場所で午前7時ごろ、クマが現れていました。クマの体を比べてみます。映像では、同じくらいの大きさに見えます。同一の個体なのでしょうか。さらに、その5日前には、別のカメラにもクマの姿が。土地の所有者によりますと、先月の下旬からひと月ほどで、5回もクマが映っていたといいます。奥には建物も見える中、クマが縦横無尽に歩いていきます。人に慣れたクマなのでしょうか、住宅地がすぐ近くにあるにもかかわらず、悠々と歩いているのが分かります。住宅近くの畑にも、クマとみられる痕跡が残っていました。近隣住民は、日常生活でクマと遭遇することを警戒しています。人への警戒心が薄いクマが、去年から人里に姿を現していました。先ほどの防犯カメラが捉えたのは、2頭のクマです。この後、防犯用の警告音が鳴り響きますが、クマは気にする様子もなく地面に顔を近づけ、エサを探しているように見えます。再び音が鳴ると、1頭は木にのぼっていきます。そして音が鳴りやむと木から下りてきて、ゆっくりとした足取りで去っていきました。このように人里の近くで育ったクマは、「特に注意が必要」だと専門家は警鐘を鳴らしています。クマの生態に詳しい 兵庫県立大学 高木俊准教授「人里近くで生まれたクマは基本的に人をそこまで恐れないで、そのまま育っている可能性がある。人の近くに出てくるリスクはあると考えられる」。秋田市では今月2日、70代の女性がクマに襲われ亡くなりました。付近では数日前から、ごみをあさるクマが目撃されていました。その6日後、同じ地域で別のクマと遭遇した88歳の男性は…。体長1メートルほどのクマと、シャベルで戦ったといいます。クマに鶏小屋の網を壊され、鶏を9羽食べられてしまいます。その後、駆け付けた猟友会が、鶏小屋から出てきたクマを銃で駆除したといいます。全国各地でこれまで出没が少なかった場所にも今、クマが次々と現れています。高木准教授「今の時期は若いクマが行動圏を拡大する時期。その過程でいろいろな所で出没・目撃情報が寄せられている」。兵庫県では今月11日、神戸市で初めてクマの姿が確認されています。県内の出没エリアも、この10年ほどで変化が。高木准教授「以前は北部の生息地周辺での出没が多かったが、ここ5年、10年の傾向では南部側の地域にも出没情報が出ている。南部のほうが里山、人里に近い山が広がっている。個体数が少なかったころに比べると、今は繁殖も良好と考えられていて、若いクマも人里周辺で捕まることも増えている傾向」。
(都市部に近づくクマ、ハンターの課題と恐怖)
今年に入って関東では都市部でもクマの出没が相次いでいます。東京都はツキノワグマの狩猟をおよそ20年ぶりに解禁する検討を始めました。手に木刀を握りしめ山の中を歩く男性。都内で活動するハンター歴およそ15年、小川岳人さん(43)。22日に行っていたのは、農家などに依頼され東京・日の出町に仕掛けた罠の見回りです。「(Q.罠に掛かっています?)いいえ、掛かってはいないですね。掛かってはいないんですが、罠自体は作動はしたけれども、掛からなかったパターンですね。こういうのもしょっちゅうあります。メンテナンス作業を行うのが、日々のルーティンワークになる」。ハクビシンやシカ、イノシシなどの動物を駆除するため、日の出町や隣のあきる野市にある山や畑など14カ所に罠を仕掛けています。「餌(えさ)はキャラメルコーンと決めて、これをずっと使っています。自然界にはない油と砂糖で作られているお菓子が効果が高いと。野生動物って常に高いカロリーがあるものを欲しているところがある。こういう甘くて油っぽい匂いがするのは、かなり誘引力がある」。中には、奥行き2メートルほどの箱罠も設置していました。「捕獲自体はこれでクマもとれてしまうもの。(クマが)全然入れる大きさだし、ゼロではないです」。日の出町では去年、クマの目撃が相次ぎ、住民の緊張感が高まっています。「目撃情報が増えているということは、個体数も増えているのでは」。今月だけでも都内ではすでに16件、クマの目撃情報などがありました。4月には八王子市の住宅街に出没、その姿が捉えられ、青梅市では去年、白昼堂々出没する姿も撮影されています。東京のツキノワグマ。目撃だけにとどまらず、奥多摩町では先月、男性が襲われ重傷。さらに2日後にも、クマに襲われた可能性のある遺体が見つかりました。都内に忍び寄るクマの影。都は相次ぐ人身被害などを受け、新たな方針を示しました。東京都 小池百合子知事「狩猟解禁ということでクマの管理計画の中で、狩猟の限定的解禁ということで検討をいたします」。東京都は2008年にツキノワグマの保護のために、狩猟を禁止していましたが、解禁されればおよそ20年ぶりとなります。東京都が検討する「クマの狩猟解禁」。現場のハンターはこう話します。小川さん「やっぱり鉄砲を持った、要はクマをとるぞっていう人たちが山に入ることで、クマはそれに対して警戒や恐れを抱いて、人里に近づかないようになる。必ずしも捕獲だけではなくて、猟をする人が増えることによって、クマが人里に近づかないようにするという効果はあるはず」。一定の抑止効果に期待を寄せつつも、実効性については慎重な見方を示します。「長年ずっと東京ではクマ猟がやられていなかったわけなので、どこにクマがいるのかとか、知識はかなり乏しいものがある。すぐに(クマ)とれることにはならないのではないかと思います。5年とか10年とか、そのぐらいの中長期のスパンでみるべきではないか」。一方、今年はまだ目撃情報がない中、いち早くクマ対策に乗り出した茨城県。今年2月に結成された「緊急銃猟隊」。茨城県内の狩猟免許取得者およそ3300人の中から選ばれた、37人の精鋭。ベテランハンターです。狩猟歴37年 大須賀正弘隊長「やっぱり、よそ(他県)でいっぱいクマの被害があるから、そういうものを出る前に(緊急銃猟隊を)作ろうと。出てからでは遅い。被害が出てからでは遅い」。茨城県では去年、栃木県と福島県に隣接する大子町でクマの姿を確認。クマの出没を確認したのは9年ぶりのことです。茨城県で初めてクマが出没したのが2006年。それから現在までの20年で確認されたのはたった6件と、ほとんどクマの出没情報はありません。しかし、関東の市街地での相次ぐ出没に危機感を募らせています。茨城県猟友会 冨田亮二事務局長「(Q.もしかしたら市街地だったり、住宅に出る可能性も?)それもゼロではない。何年か後には、そういう可能性もありますよね」。狩猟歴40年 坂上喜優隊員「宇都宮で出てるんだからね」。大須賀隊長「隣だからね県が」。隣接する栃木県宇都宮市では今月、人通りのある商店街を駆け抜けていくクマが目撃され、その後、住宅街など人の生活圏を逃げ回り、最初の目撃情報から3日後に捕獲されました。一般的に、対応するのは出没地域の猟友会ですが…。冨田事務局長「本当に市町村だけで対応できるのかなと。(茨城県は)クマに対して慣れてない県なので。茨城県としてはなんとかしなくちゃならないということで、市町村を越えた隊を作ろうということで」。クマに慣れていないからこそ、どの市町村で出没しても、緊急銃猟の対応ができるよう県が主導して緊急銃猟専門の隊を結成しました。さらに、迅速な対応をとるために、すでに職をリタイアした人や自営業の人など、時間に縛りのないメンバーのみで構成されました。ただ、課題もあります。「(Q.37人のうちクマを実際に撃ったことある隊員は?)2~3人くらいじゃないですかね」。狩猟歴25年 三輪英樹隊員「課題は実際にまだクマにあって緊急銃猟で出動してやっていないので、今の時点では想定して動いてるという形です」。クマの出没が少ないが故の実戦不足です。そこで、先月は山形からクマの狩猟経験が豊富なハンターを講師に招き、講習会も実施。大須賀隊長「クマの捕獲の仕方、クマの恐ろしさ、そういうものを勉強して、突然クマにあっても対応できる体制を作りたいということで」。射撃訓練の回数も増やすといいます。この日、ライフルで狙っているのは50メートル先の的。大須賀隊長「結構当たってるから大丈夫じゃん」。坂上隊員「イノシシの場合、大体は撃てば逃げちゃう。クマの場合は襲ってくる可能性がある。そういうのがやっぱり危険性。危険を伴うっていうことですね」。大須賀隊長「ただクマっていうから怖いっていうかもしれないけど、まだ恐怖心よりもそれを訓練で恐怖心なく的確に撃てるようにするのが、今の隊のまとめ方」。さらに、クマが市街地に出没した時を想定した体制も組んでいます。坂上隊員「ライフルはどっちかというと遠射が効く。近距離の場合だったらスラッグ弾(散弾銃の弾の一種)のほうが弾が大きいんで致命傷になりやすい。ライフル(遠距離)はどっちかというと近くで撃った時に貫通しちゃうとか、そういうのもありますので、そのグループで組み合わせて、ライフル担当3名でスラッグ弾(散弾銃担当)2人とか。例えば1人が外しても脇の方が補助してくれる。そういう感じで1人で撃たないで、みんなでグループにいましょうと。近くにいましょうと」。クマのいる場所や距離など、どの状況にも対応できるように、ライフルと散弾銃の混成チームを作っているといいます。大須賀隊長「来年出るか、再来年出るか分かんないけど、そういう(クマが)出てからの対策では遅い。やっぱり出る前にこういう対策をしてくれるってことは、一番住民の安心とかあるんじゃないかなって」。
(クマの出没で点検が延期、自営線の保護作業も難航:愛知)
このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を取り上げている。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当している。東北地方にある太陽光発電所において、クマの出没に関して頭を悩ませることが増えている。東北の山林を切り開いて設置された太陽光発電所の近辺では、ツキノワグマが樹木で爪を研いだ痕跡が見つかることが増えている。太陽光発電所の近くでクマそのものの目撃情報があったことから、年次点検や月次点検の日程が延期になることも出てきた。例えば、エネテクがO&Mを受託している山深い場所に立地しているメガソーラー(大規模太陽光発電所)において、近隣でクマの目撃情報があった。これにより、電気保安業務を委託している地元の電気保安法人による年次点検の日程が延期となり6月にずれ込んだ。そして年次点検の結果、メガソーラーの自営線に樹木が干渉しており、自営線の電線が損傷するリスクがあることがわかった。該当する場所は、まさにクマの出没が頻繁に報告されている山林であった。クマ除けのスプレーを常時携行しているが、伐採となるといきなりクマに出くわしてしまう恐れがある。そこで新たな装備を追加した。陸上競技や運動会などで使われるスターターピストルである。火薬を装着しておき、引鉄を引くと火薬が破裂して音がなる。クマは嗅覚に優れるため、猟銃を想起させる火薬の臭いには敏感に反応する。この性質を利用して即効性の高いクマ対策として知られている。特にツキノワグマ以上に危険性の高いヒグマ対策として、北海道の太陽光発電所では早くから活用されてきた。
(古野電気、Eバンドレーダーによる山間部の獣害監視実証に成功:兵庫)
古野電気(本社:兵庫県西宮市、以下 当社)は、三重県林業研究所と連携し、Eバンド(70GHz帯)レーダーを用いた山間部における野生動物の検知・監視に関する実証実験を実施し、その有効性を確認したと発表した。
(クマ撃退に一役、「携帯型機器」「AI検知システム」:岐阜)
全国各地でクマが出没し、人的被害も続発するなか、害獣対策事業を行う専門業者の防除研究所(岐阜県大垣市)が独自に開発した「クマ対策機器」が話題となっている。出没が確認された地域で機器の試験導入や効果検証が始まっている。同社はこれまで20年以上にわたりイノシシなどの害獣のほか、害虫の駆除に携わってきた。年間に3000件超の実績を持つ。今年2月に携帯型クマ対策機器「IKAZUCHI(イカズチ)」を発売した。手持ちスピーカー状のアイテムで、最大120デシベル以上の大音量を発し、超高輝度LEDで強い光を放つのが特徴だ。クマを撃退するとともに不要な遭遇リスクを減らし、人の存在を周りに知らせる役目も果たす。続けて、3月にはAI監視検知システム「BE ALERT(ベアラート)」を商品化した。クマだけを識別できる高性能AIを搭載し、360度見渡せるカメラで100メートル以上先にいるクマを検知する。クマが苦手だとされる高周波と低周波を組み合わせた音を発し、警告する。発売以後、自治体職員や林業従事者、施設管理者らを中心に利用が始まった。クマの出没情報が相次ぐ地域では本格的な効果検証も進む。奈良県十津川村は6月、「イカズチ」の試験導入を始めた。総面積約672平方キロを有する日本最大の村で、大部分を山林が占める。クマ出没情報共有サービス「クママップ」によると、村周辺のクマ出没情報は2025年度だけで累計24件。26年度はすでに6件(今月3日現在)が確認されている。村で地域活動を行う民生委員から防除研究所が相談を受け、機器は導入された。全国でも出没事例が多い秋田、福島、岐阜の各県では前出の「ベアラート」の実地検証が始まった。今後、岩手、宮城、新潟の3県でも検証が実施されるという。十津川村で運用され始めた「イカズチ」は、山林周辺地域での高齢者宅への見守り訪問などを中心に活用されている。防除研究所によると、「利用者から『山へ入る際の安心感につながっている』との声が寄せられ、地域関係者からも、安全対策の選択肢の一つとして期待されている」という。
(クマ対策の先端技術研究会、AIを活用:岐阜)
ツキノワグマ対策の先端技術研修会が23日、飛騨市古川町地内で開かれた。人工知能(AI)がクマを識別し追い払うシステムを県内の市町村職員や猟友会関係者らが視察し、最新機器を活用した対策について理解を深めた。
(クマ撃退わな猟技術磨く:群馬)
クマの被害対策の一環として、狩猟免許の取得を目指す県職員らでつくる「県クマ撃退チーム(通称クマゲキ)」が24日、前橋市富士見町赤城山の赤城ふれあいの森でわな猟の研修を行った。猟友会の協力を受け、わな猟の免許を持つ山本知事や職員がわなの設置技術の向上に励んだ。クマゲキには、知事を含め27人が所属しており、うち23人がわな猟の免許を取得している。この日は18人が参加し、県猟友会の大矢力会長(79)らが講師を担当。えさで野生動物をおびき寄せて閉じ込める「箱わな」と、地面にしかけて野生動物が通った瞬間に足を捕らえる「くくりわな」の違いのほか、設置時の注意点などを学んだ。その後は、イノシシやシカ猟に用いられるくくりわなの設置も体験。足跡、ふんから獣道を見つける方法や、仕掛けたわなを踏ませるために周りに枝を置くといったコツを教わり、実践していった。県廃棄物・リサイクル課の茂木宏斗さん(25)は「研修で終わりにせず、個人的にも練習したい」と意欲を見せ、山本知事は「狩猟の世界はすごく深いと感じた。これを機に、狩猟に興味を持つ人を増やしていけば県のためにもなる」と語った。県は、野生鳥獣の捕獲などを担う自治体職員「ガバメントハンター」を育成する方針で、クマゲキでは銃猟の免許取得も目指している。
(県林業総合センター「クマと森の特別展」:長野)
熊が人の生活圏に現れるケースが増えています。こうしたことから塩尻市片丘の県林業総合センターは、熊を含む森林に関する研究成果を県民に伝える特別展を本年度新たに始めました。第1弾は「クマと森の特別展」(6月末まで)。同センターが5月に開いた「森の勉強会」を取材しました。参加したのは県内外の小学3年生から大人まで21人。はじめに同センター育林部主任研究員の柳澤賢一さん(45)が、野外鳥獣による森林被害について次のように解説しました。長野県の2024年度野生鳥獣による林業被害は、熊が最も多く、被害額は約1億2千万円。中でも内樹皮の甘い部分を食べるために幹の皮をぐるりと?ぐ「クマ?ぎ」の被害が深刻で、これにより材木となるスギやヒノキなどが枯死したり、材の価値が大きく損なわれたりしてしまう。センターでは簡易的で環境負荷の少ない防除法として、熊が嫌う硫黄を成分とする忌避剤を木に塗る実験を実施。熊の生息地である森林と林業の共存へ向けた研究成果を、館内に展示しました。座学の後は、森の中に作られた「野生動物のこん跡をさがせ!」がテーマの「特別コース」へ。敷地内には多くのシカが生息しており、シカの頭(口)が届く高さで食べられている葉の跡、通り道や休息所の跡などを見ることができます。案内した職員は、シカにも〝食の好み〟があるといい、枝が折れた山菜のコシアブラを見て「ぐいっと引っ張って食べた跡がある」と解説。参加者は「シカもおいしいよね」とうなずいていました。シカの行動観察のため監視カメラを設置している場所や、江戸時代に農民が田畑をイノシシから守るため作った「猪(しし)土手」を復元した場所、クマ剥ぎ対策としてテープを貼ったり忌避剤を塗ったりした木も見られます。この野外展示は、センターにある地図を見ながら、いつでも自由に見学ができます。各ポイントにはQRコードがあり、携帯電話のカメラで読み取って解説を読めます。自宅裏が山で、シカが庭に遊びに来るという朝日小学校4年の上條拓人さん(9)は、「村内で熊が出たと聞くことはあるけど、姿は見たことがない。いろいろな話が聞けて良かった」。熊の主な活動期は4~8月と聞いた塩尻市の小学3年男児(8)は、「何時に出歩きますか?」と質問。職員は「長野県の熊は人嫌いなので、誰もいない早朝に出歩く」と答え、「毎日森に囲まれて仕事をしているけれど、1年に1回遭うかどうか」と話しました。同センターは、森林に関するさまざまな研究の過程を子どもにも分かりやすく展示、体験型の野外展示も替えていく予定といいます。
(AIロボ、獣害から農業を守る:福井)
鹿やイノシシによる農作物被害に悩む南越前町は22日、大阪経済大学と獣害対策に関する実証研究開発事業協定を締結した。人工知能(AI)を使い錯誤捕獲を減らすくくり罠や動物追い払いロボットの開発などを進め、効果を検証する。同町の基幹産業である農林業の獣害対策に、同大学のAIや情報学に関する専門知識や技術を活用することで継続的な産業振興につなげるのが目的。協定締結式は同町役場で行われ、仲倉典克町長と山本俊一郎学長が協定書にサインした。実証研究は同大情報社会学部の安彦智史准教授の研究室が担当する。来年3月まで。この研究では、固定化した機器や人力による防衛から「移動・自律・AIによる共生」への転換を目指している。3本柱の一つには、銃猟禁止エリアで対象の動物を捕獲するAIくくりわなの開発を挙げた。わなの近くに設置したカメラで鹿やイノシシ、熊などの映像を学習し、対象物以外の動物が現れても作動しないようにする。二つ目は2年前から町内のスキー場で実証試験を行っている移動型追い払いロボット「ウルフムーバー」の安定的な運用を検討する。遠隔操作や自律走行によって広い面積をカバーし、光や音、予測不能な動きで長期的な忌避効果を見込む。三つ目は二次開発可能な四足歩行ロボットを改良し、足場の悪い山際や不整地での追い払いを目指す。定点カメラの映像を基に、動物が侵入したら自走して追い払うようプログラミングする。仲倉町長は「獣害対策は農業を守るという観点に加え、近年では熊の出没も増えて人命や生活環境にも関わっている。町の自然や特産物を次代につなぐため大学の研究を生かしてほしい」とあいさつした。山本学長は「産官学が連携して新しい価値を生み出し、地域の社会課題の解決に貢献したい」と述べた。同町の昨年の農作物被害面積は約21ヘクタール。被害金額は約2800万円で、年々増加傾向という。
(新たな名称「ガバメントハンター」って?:京都)
「(私は)ガバメントハンターなんですかね?」。福知山市農業振興課の望月優さん(34)は自問する。「ガバメント(公務員)ハンター」という名称は、クマによる人身被害が深刻化した2025年ごろから、新聞やテレビを中心に使われ始めた。望月さんは全国でも数少ない有害鳥獣対策専任の正規職員として、21年度から同市で勤務している。地域を守る獣害対策に注目が集まる近年、「狩猟免許を持つ公務員」の必要性が取り沙汰され始めた。第一種銃猟とわな猟の狩猟免許を持つ望月さんもいつしか「そう」呼ばれるようになったが、制度設計よりも言葉が先行する現状に首をかしげる。
(クマが食べる“クワの実”は「ぶどうみたいで甘い」:福島)
学校教員の働き方改革として国が中心になって進めている部活動の地域移行。磐梯町が取り組む新たな部活に注目します。ノコギリを使う中学生たち。切っているのは、鹿の角です。磐梯町の中学校。町では2026年から平日の放課後の部活動について、地域展開をはじめました。「えらべる放課後」を掲げた部活動の目的は?磐梯町教育委員会・中川綾教育長「子どもたちが放課後、自分がやりたいことを選んですごすことができるってことが一番の狙いです」。立ち上がったのは、これまで学校の部活にない6つの部活。磐梯町教育委員会・中川綾教育長「(地域の)大人もやりたいこととか、子どもが(放課後)やりたいことっていのがマッチするようなものができればいいよねって」。そのひとつが「クマ部」です。磐梯町教育委員会・中川綾教育長「クマのことが注目されているからクマの専門家がいる町なので『クマ部』っていうのをやりたいねって」。「クマ部」の活動をのぞいてみると、学校教員の働き方改革として国が中心になって進めている部活動の地域移行。磐梯町の中学校では運動部や文化部といった学校の部活とは別に、あらたに6つの部活「地域クラブ」ができました。そのひとつが「クマ部」です。地域クラブ「クマ部」を立ち上げた、今野万里子さん。農作物に害を与える有害動物の対策活動をするクマの専門家です。正しい知識を得て自分の身をクマから「守れる」ようにしてほしい。クマ部を立ち上げた理由です。部員は5人。毎月1回から2回、クマについて学びます。この日はクマと一緒に生息する鹿の角を使ってアクセサリーづくりに挑戦!「クマ部」に入部した理由は?有害獣対策の専門家・NPOおーでらす代表今野万里子さん「まずはクマを通して磐梯町の自然を知るというようなところからスタートして行きながら楽しくやっていきたいと」。週末、向かったのは近くの山自然のクマが地元の山でどう暮らしているのか、知識を得るためです。みんなで山を歩きながら見つけたのは、クワの実!桑の実を説明する今野さん「クマはこんなちっちゃい粒、粒を1個1個食べるわけだよ。あのおっきい体で。お腹満たされるまで食べようと思ったらいっぱい食べないとお腹満たされないじゃん」。地域クラブ「クマ部」を立ち上げた今野万里子さん「(クマが食べている物のなかで)ダントツくらいに甘くておいしいものだと思う。蜂蜜の次くらい。自分がクマだったら、あの枝先にある桑の実をどうやって食べる?」「(みんな)根元らへんで折る。バキって」「(今野)その通り!手繰り寄せてボキッって折って、食べて(枝を)下に敷いていく。それを繰り返していくと、クマ棚っていう鳥の巣のおっきいのみたいな木の根元ぐらいに出来る」。これが「クマ棚」折った枝に座りながら木の実を食べます。NPOおーでらす・堀部良太さん「縦に痕ついてるじゃん。歯でこうやって削いで。こうやってやってんの。それがいっぱいついてる」。こちらは「クマ剥ぎ」。木の皮を剥いで皮のやわらかい部分をクマが食べた痕です。皮を剥がされた木は枯れてしまい、林業被害にもつながります。自然の中でクマがどう暮らしているのか。動くものを自動撮影するセンサーカメラを取り付けました。以前、撮影された磐梯町に生息するクマの映像。木の穴にできたハチの巣の蜜を食べに来た様子です。どこなら撮影できそうか、考えるのも自分で…。クマ部の部員 「カメラ仕掛けたやつにクマが映っていたら(夏まつりで販売する)ポストカードにまとめられたらいいなと」。初めてのフィールドワーク。部員たちは?クマ部の部員「クマがどのような物を食べるとか、どのようなところを通るということを知れてよかったです」。地域クラブ「クマ部」を立ち上げた今野万里子さん「いろんな(地域の)大人と接する機会があるというのは子どもたちにとっても学びになると思いますし」。部活を通してみんなで地域の子どもを育む「えらべる放課後」。磐梯町でこれまでにない大人と子どもの関わり方が生まれ始めています。
(イノシシの食害か、植えたばかりのナガイモの『種イモ』が食い荒らされる:青森)
23日朝、青森県十和田市のナガイモ畑で、5月に植えたばかりの種イモの食害が確認されました。イノシシによるものと見られ、被害金額は50万円に上っています。イノシシによる食害があったのは、十和田市大不動のナガイモ畑です。被害は12ヘクタールの畑のうち、5アールで確認されています。畑を所有する米田拓実さんによりますと、23日午前7時ごろに訪れたときに、5月中旬に植えた種イモが被害を受けていました。種イモは12月の収穫に向けて植えられたもので、本来であれば長さ1mほどのナガイモができます。広い範囲が被害にあっていて、被害金額は約50万円に上るということです。グリーンソウル 米田拓実 代表「『やられたか』と…。いま、ちょうどニンニクの収穫時期で忙しい中、これにも人を割かなければならないのは労働力がかかるので…。だいぶショックですね。これは…。本当に…。なんとも言い切れない思いです」。市では、被害を受けて「箱わな」を設置したものの、米田さんの畑では3年前にも500万円ほどのイノシシの食害が起きています。電気柵の設置も検討していましたが、畑の周囲を覆うには1800m以上の柵が必要で経費の負担が大きく、頭を悩ませています。グリーンソウル 米田拓実 代表「近隣の農家さんも、だいぶ被害にあっていたと聞いてはいたのですが…。やはり、うちの畑にも来たな、という感じです。イノシシによる被害は6、7年前から、この辺にはだいぶ出始めてきて、どんどん頭数が増えてきている状態で…。大変いま、悩みの種になっている」。県内では2024年、イノシシによる食害は1376万円と前の年の1.8倍に。2025年の捕獲頭数は428頭と過去最多となりました。生息範囲が広がる中で、実効性のある対策が求められています。
(電気柵導入の補助引き上げ:青森)
イノシシによる農作物被害が相次いでいる十和田市は25日、市内農業者に対する鳥獣被害防止電気柵導入費の補助額見直しを決めた。
(現代日本の野生イノシシは、弥生時代のブタの遺伝子を受け継いだ:島根)
島根県松江市の西川津(にしかわつ)遺跡出土の資料から、弥生時代のイノシシ類に家畜ブタが含まれていることを確認した。下顎骨の形態や年齢構成の分析により、当遺跡ではブタ飼育と野生イノシシ狩猟が併存していたことが明らかになった。さらにブタの形態を持つ資料に飼育個体と野生個体の混在が確認され、飼育ブタの再野生化と在来イノシシとの交雑を経て、現代の野生イノシシにその遺伝的影響が残ったと考えられる。
(パークゴルフ場に現れたクマを「緊急銃猟」:北海道)
6月9日午後、連日出没が相次いでいた上川の下川町の公園で、クマ1頭が緊急銃猟により捕獲されました。緊急銃猟が行われたのは、上川の下川町西町にある桜ヶ丘公園のパークゴルフ場です。周辺では5月30日から目撃が相次いでいて、9日午後2時ごろ、クマが現れたため、緊急銃猟を実施しました。クマは体長約1.1mの親離れした中型で、ガバメントハンターが発砲しました。下川町は、「町民などが不意にクマに出会ったときに被害を受けないように実施した」としています。道内での緊急銃猟は去年10月の札幌市、今年5月の士別市に続き3例目となりました。
(海岸沿いにクマ、緊急銃猟で駆除:富山)
20日朝日町の海岸沿いでクマが出没し、町が緊急銃猟により1頭を駆除しました。この時期はクマのエサが乏しい時期で広い範囲を行動することがあり、県は注意を呼び掛けています。朝日町によりますと20日前6時すぎ、朝日町横崎新の海岸沿いで近くの防潮林へ移動したのを町の職員が確認しました。その後、笹原町長が緊急銃猟を許可し、町の鳥獣被害対策実施隊が午前7時半ごろ発砲し、1頭を駆除したということです。朝日町が緊急銃猟を実施したのは初めてです。けが人はいませんでした。クマは体長およそ1メートル、体重およそ40キロのオスの成獣でした。周辺ではクマの目撃が相次いでいて、これまで目撃されていたクマと同じとみられています。県によりますと、今の時期はクマのエサが少なく、草や昆虫などを探して広い範囲を行動することがあるということで、県は鈴など音の出るものを携帯するなど、対策を呼び掛けています。
(クマの目撃情報、公園が一時利用停止:広島)
23日未明、広島市西区の公園でクマの目撃情報があり、公園が一時、利用休止になるなどしました。警察によると、23日午前1時過ぎ、広島市西区にある竜王公園の公衆トイレ付近で、「クマのような動物が細い木で爪を研いでいる」と目撃者から通報がありました。広島市西区の担当者が23日朝、付近を捜索しましたがクマの姿はなく、爪跡や足跡などは見つかりませんでした。区が周辺の学校に注意を呼びかけ、小中学校4校が一斉下校したということです。公園は朝から利用を休止していましたが、その後、目撃情報などがないことから午後3時ごろ利用を再開しました。
(鹿肉加工ブランドが新たな活動拠点、「自然と人が出会い直す場に」:宮城)
宮城県石巻市の牡鹿半島でニホンジカの狩猟や食肉加工を手がけるブランド「Antler Crafts(アントラークラフツ)」が、新たな活動拠点を造った。主宰する猟師小野寺望さんは「自然と人が出会い直す場所として、未来に残る場所をつくりたい」と話し、活動費などを募るクラウドファンディング(CF)を実施している。拠点は同市荻浜地区有田浜に4月に設けた。山林など民有地約2ヘクタールを取得し、冷蔵、冷凍機能を備えた食肉処理場(床面積約190平方メートル)を建設した。カフェの営業もできるスペースを設け、イベントの開催を計画する。宿泊棟を建設する構想もある。新拠点開業に合わせ、北上川から牡鹿半島、太平洋までを一つの「流域」と捉え、食文化を融合させる「山と私を和(あ)える」と題したプロジェクトを立ち上げた。コラーゲン豊富なシカの前脚から取るだしや、地元産カキなどを使った特製の鍋料理を用意した。小野寺さんは気仙沼市出身。牡鹿半島に多数生息しながら有害鳥獣とされるシカをジビエとして生かそうと取り組み、全国のレストランに卸している。「生き物の命を奪うことに対して、どれだけ業(ごう)を背負えるか。礼儀を尽くしながら捕らなければいけない」と力を込める。アントラークラフツは2017年、市内で開かれた総合芸術祭「リボーンアート・フェスティバル」をきっかけに、同市小積浜に鹿肉加工施設を開設。東北電力女川原発の重大事故発生時の避難道路用地になったため、新たな拠点を整備した。CFは施設建設費や活動費に充てる。1万2000円を支援すると返礼品として、鍋の具材を贈る。CFサイト「キャンプファイヤー」で、30日まで受け付ける。小野寺さんは「活動を続けていくために仲間になってほしい」と呼びかける。連絡先はアントラークラフツinfo@antlercrafts.jp
(廃棄される鹿皮から地域の未来をつくる『Redeer』プロジェクト」:北海道)
鹿肉だけではなく、これまで捨てられていた鹿皮にも新たな命を。福祉施設との連携・製品化を通じて、地域に新しい循環を生み出します。北海道北見市の「タコスと革製品の店 CACTUS」では、オホーツク産エゾシカ肉を提供する一方、多くの鹿皮が廃棄されている現状を知りました。「命をいただくのであれば、肉だけでなく皮まで余すことなく活かしたい」。その想いから生まれたのが、鹿革ブランド「Redeer(リディア)」です。Redeerは、「Re(再生)」と「deer(鹿)」を組み合わせた造語で、廃棄される鹿皮に新たな価値を与え、地域資源として循環させることを目指しています。
(シカを狩り加工販売するハンターの挑戦:岩手)
大槌町で自らシカを狩り、加工販売までを手掛けるハンターの男性がいます。ことし4月に発生した山林火災では消防団として消火活動にあたり、さらに新たな取り組みでまちを応援しようとしています。大槌町の豊かな自然。猟銃を手に獲物を探すのは地元のハンター兼澤幸男さんです。町内ではシカが農作物を荒らす被害が多発していました。ハンターの高齢化で捕獲頭数が減り、農作物の被害は増え続けました。被害を減らすための駆除といっても兼澤さんは、命を奪うことに苦しんだ時期もありました。救ったのは、ベテラン猟師の言葉です。兼澤さん「命を奪ったからにはちゃんと食べなきゃダメだよというのを、ベテランさんたちから教わって。肉って何かの命で、それを食べることで自分の命が繋がれている、つなぐことができているという整理をした時に、罪悪感を持ちながら狩猟するのはやっぱ違うなと」。奪ったぶんだけ、命と向き合うことを決めました。ハンター4年目の時に立ち上げたのがシカ肉やその加工品を販売する会社「MOMIJI」です。搬入されたシカは工場ですぐにさばき、新鮮な状態で販売します。さらにカレーや干し肉などの加工品もつくりました。「大槌ジビエ」というブランドで売り出し、今では全国から注文が相次いでいます。シカは地元の他のハンターからも仕入れます。捕獲の時は、シカにストレスを与えないよう、頭か首だけを撃つなどルールを作り、それを守ることができるハンターとだけ契約を結んでいます。設立当初は3人だった従業員も今では14人に。兼澤幸男さん「あまりにも人間目線な言葉で、『害獣』という呼び方が。そこをなんとか町の大事な資源の1つなんだ、町の宝だという見方をする日が来たらいいなと思って我々は『害獣をまちの財産に』というコンセプトで事業を進めています」。しかしことし4月。その大槌の豊かな自然が山林火災の炎に包まれました。狩猟で山に入るどころか、会社のある場所も避難指示エリアに。10日間、営業ができませんでした。兼澤さんも地元の消防団員として消火活動にあたりました。燃えた場所の近くに兼澤さんの猟場もありました。大槌町では、ジビエを通じて命を学ぶツアーも行われています。自然豊かなこの場所に宿る”命の価値”を、兼澤さんはこれからも届けていきます。大槌町では、ジビエを通じて命を学ぶツアーも行われています。自然豊かなこの場所に宿る”命の価値”を、兼澤さんはこれからも届けていきます。
(「うまいジビエ増やす」、国内最大の加工拠点:大分)
大分県に2026年8月、ジビエ(野生鳥獣肉)の処理加工で国内最大規模の拠点が誕生する。サンセイ(同県宇佐市)が同県中津市で新施設を稼働させる。宇佐市にある既存施設と合わせ、年間処理頭数は約5500頭になる見通しだ。サンセイは中津市の地元農協から食鳥処理施設(約300平方メートル)を取得した。ジビエ専用処理施設としてリニューアルし、8月から「中津G-BASE」の名称で始動する。
(フードロスを保育園の「ジビエ給食」へつなぐ:新潟)
どろんこ会グループ(本社:東京都渋谷区)は2026年9月、ジビエ解体加工・クラフトビール醸造・飲食店機能を備えた多機能型複合施設「南魚沼ブルワリー・ジビエ(MUBG)×焚火の台所」(新潟県南魚沼市)を開設いたします。深刻化する地域課題を、命・食・保育の循環型ビジネスモデルで解決する新たな地方創生への挑戦です。
(シカのステーキ焼き味わう:山口)
山口農高(廣田正治校長)で24日、シカの肉を使ったジビエ(野生鳥獣肉)料理の調理実習があった。生活科学科の3年生24人がシェフの手ほどきを受けながら、シカ肉のステーキを作った。県中部鳥獣被害広域対策協議会(高村永悟会長)、山口農林水産事務所主催。ジビエの普及・啓発と販路拡大を目指す一環として、若い世代にジビエ料理の魅力を知ってもらおうと実施。同校では6度目。講師は防府市で洋食堂なか田を営む中田佑輔さんが務めた。シカ肉は、長門市の俵山猪鹿工房「想」から提供を受けた。最初に中田さんが調理を実演。フライパンにオリーブオイルを引き、ロース肉とモモ肉を入れてじっくりと焼き色を付けた。180度に設定したオーブンでロースは10分間、モモ肉は15分ほど焼き上げ、包丁でスライスした。調理しながら「肉を焼く時は箸やトングで動かし過ぎたら傷が付いてうま味が外に出てしまうので注意」と助言。肉の赤みをロゼと呼ばれる薄紅色にするのがポイントで、火の通し加減が重要だと伝えた。この後、生徒はグループに分かれて調理。飛び散る油に驚きながらも、肉をフライパンで焼き上げ、オーブンで仕上げていった。肉を切ってきれいな薄紅色の赤みを確認し、ソースや付け合わせのオムレツと一緒に見栄えもよく盛り付けた。試食した隅田海斗君は「肉が柔らかくておいしい。臭みもまったくない」と舌鼓を打っていた。中田さんによると、シカ肉は脂質が少なく、タンパク質を豊富に摂取できることからアスリートに好まれている。ステーキや赤ワイン煮込みにすることで一般にも食べやすい食材だという。「SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、シカ肉をはじめジビエをおいしく味わってほしい」と話した。県がまとめた2024年度の有害鳥獣による農林業被害額は3億4800万円で、うち約29%の1億100万円がシカによるものだった。
TOPへ
6/22
(クマ2頭に遭遇、顔や背中をひっかかれ男性搬送:岩手)
18日午後1時15分頃、岩手県二戸市と一戸町にまたがる山林で、同市の会社員男性(33)がクマに顔や背中などをひっかかれた。男性は病院に搬送されたが、命に別条はないという。二戸署の発表によると、男性は漆を採取するために山林へ入り、帰宅途中に親子とみられるクマ2頭と遭遇し、うち親グマと思われるクマに襲われたという。男性は近くの民家まで自力で歩き、自ら119番した。
(男性が熊にかまれけが、登山道で草むらから出てきた熊と遭遇:新潟)
20日午前11時半すぎ、南魚沼市清水瀬の登山道で、新潟市の50代男性がクマに襲われ、右手や胸にけがを負った。軽傷で命に別条はない。
(野生イノシシ3頭からウイルス検出:宮崎)
宮崎県は18日、同県三股町で捕獲された野生のイノシシ3頭から「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」のウイルスを検出したと発表した。3頭ともこれまでの豚熱経口ワクチン散布対象地域の圏外で見つかっており、県は発見地点から約10キロ圏内で経口ワクチンの緊急散布などを検討している。3頭のうち2頭は10日、1頭は15日に同町で捕獲され、18日に宮崎大の検査で3頭の豚熱野外株の陽性が確認された。昨年4月以降、野生のイノシシの感染が相次いでおり、今回で116~118例目となる。
(野生イノシシ豚熱感染:佐賀)
佐賀県は、吉野ヶ里町で8日に捕まえた野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと公表した。同町での確認は初めて。生産者支援課によると、8日に同町松隈で猟友会会員がわなにかかった成獣を捕まえ、県中部家畜保健衛生所に連絡。16日に陽性が判明した。
(クマ被害は増えハンターは減る一方、東北では負担が15年前の5倍に)
クマによる被害が急増している東北地方で、クマを撃てる人が減っている。人的被害の増加と、ハンターの減少を考慮したハンター1人あたりの負担は、15年前の5倍超に増えた。秋田県では昨秋、「県内のマンパワーでは対処できない」として、知事が自衛隊に応援を求める事態になった。環境省のまとめでは、クマによる人身被害は2010年度までの3年間では全国で269人だったが、25年度までの3年間では542人と2倍になった。東北7県では234人増えている。全国で増えた分の9割近くが東北に集中している計算だ。特に秋田と岩手の2県だけで185人増と激しい。近年は、山から離れた市街地での被害がめだつ。環境省がまとめた23、24年度のデータでは、クマが冬眠から目覚めた直後の春先をのぞき、被害の半分ほどが市街地や住宅地など、人間の生活圏で起きていた。国はこうした事態を受けて25年、鳥獣保護管理法を改正。これまで人が多い場所では禁止されていた銃を使った駆除を、市町村長が必要だと判断すればできるようにした。
(「クマ出没特別警報」、発表される条件は?:宮城)
このグラフは、宮城県が集計した2020年度から2024年度までのそれぞれの月のクマの目撃件数の平均値です。そしてこちらが、2025年度の目撃件数です。夏から秋にかけて例年を大きく上回り、10月は1239件でした。そして今年、すでに去年を上回り4月には140件、5月は312件、6月は17日の時点で例年や去年を上回る177件でした。こうした目撃件数の急増を受けて、「クマへの注意を呼びかける県の基準」が変更され、19日から運用が始まります。変更のポイントはふたつ。「特別警報」の新設。「市区町村単位での発表」です。まずは最大級の警戒を呼びかける「特別警報」についてです。ひと月の目撃件数が過去5年間の平均値の3倍以上になった時、また、クマによる死亡事案が発生した時、加えて、狭いエリアで人身被害がひと月に2回発生した時に、市区町村の単位で発表されます。さらに、7月17日まで延長が決まった出没警報、そして、注意報もこれまでは県内全域での発表でしたが、同じ市区町村の市街地で目撃が集中した場合などは、市区町村単位で細かく発表し、注意喚起の効果を高める考えです。特別警報が発表された時に私たちが求められることをまとめました。まずはクマの目撃場所付近への「外出自粛」。児童生徒の送り迎えなど、「登下校時における配慮」。開催時期の変更を含めた「野外行事でのクマ対策の徹底」など、より強い要請が県から出されます。罰則の規定はありません。県の担当者は県民ひとりひとりが自分事として受け止めて対策を講じてほしいと話しています。宮城県自然保護課 尾形めぐみ課長補佐「これまで通り注意喚起を行ってきたが、それでもなお市街地に近づいている状況があり、一歩踏み込んだ対策をとらなければならず、県民の皆様にも影響があるが、人身被害が起きてからでは遅いため、それを防ぐために協力をいただきたい」。今回の県の基準の変更について、専門家は、クマとの遭遇のリスクを減らすのに有効だとしつつ、より客観的な判断を行うためのデータ収集が必要になると指摘します。石巻専修大学 辻大和教授「そもそも今、宮城県にクマが何頭いるかすら分かっていない状況であり、判断基準となる前提となる科学的データが足りない。(クマの出没情報は)商売やっている人にとっては不利益を生じるなどのリスクもある、クマだという判断ができる手段・手法も開発する必要がある」。県はホームページでクマ目撃情報マップを公開していますし、仙台放送の特設ホームページでも、確認することができます。私たちも細かく情報を確認しながら、身を守ることが必要になります。
(クマ出没ハイペース、被害防止連絡会議で報告:島根)
鳥取県内の本年度のツキノワグマの出没件数は今月18日現在で53件で、近年で最も多かった2016年度(495件)のペースを上回る勢いで増加していることが、県のまとめで分かった。特に県中西部での増加が顕著で、県はクマに出合わない対策の強化を呼びかけている。目撃や捕獲、足跡やふんなどの痕跡の情報を基に集計。内訳は4月5件(前年同期3件)、5月31件(同7件)、6月(同8件)は同日時点で17件だった。16年は4~6月に計48件の出没があり、既に上回っている。地域別では東部19件、中部14件、西部20件で、従来出没が多い東部に加え、大山、三朝、日南、琴浦など中西部の町でも目撃された。県は19日、ツキノワグマ被害防止連絡会議を開き、島根県邑南町で17日に人身被害が発生し、鳥取県内でも出没が増えていると報告した。県によると6月はクマの繁殖期に入り、雄や若い個体の行動域が拡大するほか、山には餌が少なく、標高の低い農耕地など普段目撃されない地域でも遭遇する危険性がある。昨年はドングリが豊作で子グマが多く生まれ、母グマの攻撃性が高まっているという。県鳥獣対策課は、朝や夕方の外出時はクマよけ鈴やラジオなどを携帯し、複数人で行動することや、秋に備えてカキなどの不要な果樹を伐採するよう呼びかけている。
(県内のクマ目撃・痕跡、秋には活動活発に:兵庫)
2026年度に入り兵庫県内で確認されたクマの目撃・痕跡件数は、4月に33件(前年同月比6件減)、5月に116件(同5件減)の計149件だったとする集計結果を、県森林動物研究センター(丹波市)がまとめた。繁殖期の6、7月は例年並み(過去5年平均)程度に出没する可能性があるとしている。
(狩猟学ぶ「ハンターバンク」拡大中、小田急が展開:神奈川)
狩猟初心者でも基礎から知識や技術を学べる「ハンターバンク」が注目されている。小田急電鉄が展開し、実施エリアは南関東のほか関西にも拡大した。狩猟免許を持たない人や都市部のペーパーハンターも参加でき、農作物の獣害が増えるなか狩猟者の裾野を広げることに役立っている。ハンターバンクは小田急電鉄が2022年に神奈川県小田原市で始めた。現在は埼玉県や千葉県、京都府など沿線外を含む8エリアに導入地域が広がっている。各エリアでは林業会社などの現地パートナーが活動拠点の確保や会員対応を担い、小田急は参加者の募集や狩りに必要な道具の調達を受け持つ。小田原市で6月上旬にハンターバンクの入会会合が開かれ、20代~50代前後の男女20人程度が集まった。「漫画のゴールデンカムイで狩猟に興味を持った」。東京都内に勤務する20代男性は参加した動機をそう語った。ほかの参加者は「ジビエ料理に興味があって」「自給自足を学んでみたくて」と話し、参加のきっかけは様々だった。ハンターバンクでは3カ月かけて、箱わな猟を中心に捕獲から解体までの基礎を学ぶ。狩猟免許を持っていなくても参加でき、現地スタッフが一から教える。基礎を身に付けた後は会員同士で協力してわなの設置場所やエサのまき方を決める。動物の習性や森の生態系についても学ぶことができ、狩猟に役立つ知識を身につけられる。バーベキューなどの懇親会も開かれ、会員同士で親睦を深められるのも魅力の一つだ。活動を始めた背景には狩猟を巡るミスマッチがある。狩猟免許を持つ人は増えているのに、実際に活動をする人は限られる。神奈川県によると、県内の24年度の狩猟免許所持者は4700人程度と、この10年で2割増加した。取得が銃猟などに比べ容易なわな猟に限ると免許所持者は10年で2倍強になった。ただ、小田急によると、南関東の一都三県の狩猟免許所持者のうち約半数が活動していないペーパーハンターとみられるという。都市部に住む人にとって平日の仕事と猟の両立は困難な上、免許を持っていても狩りのノウハウを習う場がなかった。狩猟への需要はあってもそれを生かしきれない現状があった。そんな都市部の狩猟者に、ハンターバンクは配慮している。箱わなをしかけた場合、通常は毎日の見回りが必要になる。ハンターバンクでは現地スタッフが代わりに見回りを担当し、エサまきなども担う。参加のハードルを下げ、都市部の狩猟者も門をたたきやすいようにした。24年度の野生鳥獣による全国の農作物への被害は187億円と、23年度比で2割弱増加した。ハンターが高齢化し各地の猟友会の担い手が減少していることも獣害が増える一因になっている。ハンターバンクの卒業生が狩猟免許を取得し、猟友会に入った例もある。狩猟に関心を持つ人やペーパーハンターに実践の場へ踏み出してもらう取り組みは、今後も広がりそうだ。
(「クマゲキ」わな現地研修の実施について:群馬)
群馬県では、県職員から捕獲の担い手を育成するため、令和7年12月に山本知事とともに狩猟免許取得を目指す、クマ撃退チーム「クマゲキ」を発足しました。その後、メンバーの多くが令和8年2月にわな猟免許を取得したことから、この度、わな設置技術向上を図るため、一般社団法人群馬県猟友会の協力のもと、現地研修を行います。
(シカの群れと衝突し、車両が動かなくなったことを想定した訓練:岩手)
三陸鉄道で19日、シカの群れと衝突して列車が動かなくなったとの想定で訓練が行われ、参加者が対応を確認しました。この訓練は列車の安全運行を目的に、毎年行われているものです。今回は運行中にシカの群れと衝突し、車両が損傷したため、自力走行できなくなったという想定で行われました。参加したのは三陸鉄道のほか、会津鉄道や八戸臨海鉄道など、東北各県の鉄道会社の合わせて70人ほどです。参加者は動かなくなった車両を助ける救援列車を呼ぶための段取りや、故障した車両と連結し救出する一連の流れを、実際に線路上で行いました。(損傷車両を運転した成田裕夢運転士)「三陸鉄道では日頃からシカと衝突することが多いので、普段から心がけて、いつ何が起きてもおかしくないということを思いながら、これからも運転してまいりたいです」。(三陸鉄道 金野淳一運行本部長)「やはりお客さま非常に不安になると思いますのでそのお客さまたちに心配をかけないように少しでも早い時間に救済できるようにこういった訓練が本番の時に役に立つと思っております」。参加者たちは安全運行の大切さを胸に刻み、真剣に取り組んでいました。
(クマ目撃情報が県内全域に拡大、過去最多の年をも上回る53件の報告:鳥取)
鳥取県内でツキノワグマの出没が増加していることを受け、県は19日、被害防止連絡会議を開いた。県の関係部署や県警、市町村、県猟友会などから計約60人が参加。平井伸治知事は「クマは県内全域に出てきている。人が襲われる事故も起きるかもしれない。音の出るものを持って、遭遇しないように県民に警戒を呼びかけてほしい」と話した。県鳥獣対策課によると、県内でクマやその痕跡が目撃された件数は、4~6月に53件(18日時点)あり、前年度の6月末時点と比べて35件増加。1年間で過去最多だった2016年度(6月末時点で48件)も上回るペースとなっている。これまでは県東部を中心に目撃されていたが、53件のうち14件が中部、20件が西部と中西部での出没情報が増加している。会議では同課クマ対策室の西信介室長が、17日に島根県邑南町で50歳代の男性がクマに襲われ、手足を負傷した事案にも触れ、「事故防止は情報共有が非常に重要」と出席者に求めた。鳥取市では、18日午後2時半頃にも、同市福部町湯山の県道で体長約70センチのクマが道路を横断する様子が同市職員に目撃された。同課によると、湯山地区では例年1、2件の出没だが、今年は18日時点で3件と増加しているという。
(田んぼ荒らす“イノシシ”、被害防止へ専門家が現地調査:新潟)
イノシシによる農作物の被害が増えている新潟県長岡市川口地域で6月18日、住民と専門家が農地の被害状況を調査し、今後の対策を話し合いました。18日、長岡市川口地域の武道窪集落で行われたイノシシ被害の現地調査。地元の農家や鳥獣被害対策の専門家など約20人が参加し、去年被害のあった田んぼなどを見て回りました。こちらの男性は去年9月、収穫を控えた田んぼにイノシシに入られ、稲穂が倒される被害に遭ったと言います。長岡市の野生鳥獣による農作物の被害額は2024年度で約3500万円。このうち川口地域は約140万円でほとんどがイノシシによるコメの被害です。武道窪集落では去年からイノシシが出没し、コメの被害が発生したことから、今回、専門家の指導を要請しました。集落の草むらや田んぼにはイノシシが通った跡が確認されましたが、専門家はイノシシ対策で最も有効な電気柵が設置しやすいことを指摘しました。その後、集落の公民館に戻り課題を洗い出したあと、長岡市の補助金を活用し電気柵を設置することや、他地域の猟友会などと連携し駆除の人手不足を補うことなど、今後の対策を確認しました。【うぃるこ 山本麻希 代表】「森と農地が割とはっきりしている。農地側に耕作放棄地が少ないということは、山のほうに一本、電気柵でしっかりとラインを引いてしまえば管理がしやすい。比較的、地形としてはいいところ」。野生鳥獣による被害防止へ長岡市は電気柵設置の補助や勉強会の開催など、各種対策を用意していて相談を呼びかけています。
(自動撮影カメラ倍増の240台:新潟)
県は県内のクマ生息状況の把握に向け、赤外線で動物を感知して撮影する自動撮影カメラの設置台数を、2026年度は従来の2倍となる240台に増やす。委託を受けた県猟友会は各地で設置を進め、20日は十日町市で立木に仕掛けた。県は25年度の調査で生息数を8747頭(中央値)とした推定の精度向上を目指す。県は21年度、生息数調査の精度を上げるため自動撮影カメラ120台を導入。委託を受けた事業者が県内24市町村で夏場に設置し、降雪期前に回収してきた。これに加え、県は今年3~5月に県内で行った管理捕獲の効果を検証するため、16市町村で計120台のカメラを増設。毎年同じ位置に設置すれば生息数の推定に生かせる。設置は各地の出没状況に詳しい県猟友会が6月に行っている。
(熊の出没が続く仙台で「ホタル観賞会」の中止相次ぐ:宮城)
仙台市内でクマの出没が相次いでいる影響で、ホタルの観賞会が中止や自粛を余儀なくされている。主催する保護団体にとっては苦渋の決断。関係者は「安全が最優先」と語るが、風物詩のホタルが見られない寂しい状況が続いている。保護団体「仙台旭ケ丘ホタルとメダカの会」は、台原森林公園(青葉区)で20~30日に開催予定だった観賞会を中止にした。先月20日以降、公園周辺で頻繁にクマが目撃された。出野芳典事務局長(78)は「万が一のことがあってはいけない。会員らで話し合って決めた。非常に残念」と肩を落とした。
(カウベルト始まる:富山)
中山間地の耕作放棄地に牛を放牧する黒部市のカウベルト事業が19日、同市阿古屋野地区で始まり、地元の園児が牛に餌をあげたり歌ったりして今季のスタートを祝った。
(列車とクマ衝突が過去最多、「熊キャッチャー」も投入)
各地でクマの出没が相次ぐなか、全国のJR線で起きた旅客列車とクマがぶつかる事故が、昨年度はこれまでで最も多い157件だったことが、JR旅客6社への取材でわかった。各社の統計がそろう5年前と比べ、約1.9倍に増えた。各社は保線員らの安全を守るための対策を進めている。2025年度の件数を会社別でみると、最も多いのはJR東日本の74件(30分以上の遅れが出たケース)で、北海道57件、東海21件、西日本5件(10分以上の遅れが出たケース)と続いた。四国と九州はゼロだった。動物が原因の輸送障害のうち、クマによるものの統計が出そろうようになった21年度以降でみると、25年度の157件は23年度(128件)を上回って最も多かった。最も少なかった24年度(54件)と比べると、3倍近くに膨れあがっている。
(ガバメントハンター6人採用へ:秋田)
クマの被害が各地で相次いでいる中、秋田県は19日、鳥獣捕獲にあたる自治体職員・ガバメントハンターを6人採用する方針を県議会に示しました。秋田県は、2026年度から鳥獣捕獲にあたる自治体職員・ガバメントハンターの募集をはじめ、6月1日付で県内に住む20代の男性1人を採用しました。県によりますと、採用した男性職員は19日現在、狩猟免許を持っておらず、麻酔を使った捕獲をするために必要な手続きを進めているということです。男性職員は今後、麻酔を使った捕獲や県内の市町村で実施される訓練に参加しながら狩猟免許の取得を目指すということです。自民・鈴木洋一議員:「ガバメントハンターとしてこれから採用するにしても、育てていくにしても、各地域振興局くらいにいないと現実の問題は対応できないのではないか」。県生活環境部・萩原尚人部長:「今のところ6人採用したいという気持ちでいる。それで県南・中央・県北に配置したいと思っている。なるべく早く採用して育てていきたい」。また、クマによる被害の増加から2026年度の申し込み件数がすでに過去最多となっている狩猟免許試験について、県は試験の回数や定員の増加を検討する方針も示しました。
(ニホンジカの意外と知らない角の話:長野・須坂市動物園)
皆さまご存じのニホンジカ。山でよく見る、なじみのある動物かと思います。今回はニホンジカの「角」について紹介させていただきます。シカの角は毎年、春ごろに落ち、10月頃まで新しい角を伸ばし続けます。春に角が落ちた後、どのようにして生えてくるのか、ご存じでしょうか? 実は角が新しく生えてくるときは、なじみのある白い角じゃないのです。4月から10月にかけては茶色い皮に包まれた「袋角」という状態で伸びてきます。シカの角は血液成分の沈殿によって形成されるため、この茶色い皮の中の血液のおかげで角を伸ばすことができているというワケです。そして11月頃に袋角が破れ、やっと白い角が出てきます。身近な動物ですが、意外と知らないことも多いのがニホンジカの面白さ。皆さまもぜひ、須坂市動物園で動物について新たな発見をしてみてくださいね。
(「クマ対策」はもはや「国民の安全保障問題」、それが環境省マターのままでよいのか:平野 秀樹)
先月、大型ホテル内のパン屋にクマが居座った。筆者が住む青森市でのことだ。現場が日本銀行や市役所のすぐ目の前だったからたまげた。白昼堂々とパンを平らげ、満腹になって寝ていたところを駆除された。体重100キロの雄だった。青森在住18年目になるが、以来、街ブラ(散歩)は安易な気持ちでやれなくなった。人通りも心なしか減っている。筆者はすぐさま熊撃退棒と爆竹を購入し、頭部と顔を守るために、林業用ヘルメット(PROTOS)を手配した。でも好きだった山菜キノコ採りは、もう今年は無理だろう。宇都宮市中心部に現れたクマは、関東エリアのキー局(TV)が中継できるので、全国放映された。幸い一人の負傷者も出していないが、連日ニュースで大騒ぎだ。市内の全小中学校の休校が3日間も続いた。秋田県はもっと過酷だ。4、5月の県内出没情報は1235件で、昨年同時期と比べ、2.6倍に増えた。「いまや『クマが出没しない地区』は、県内どこにもありません。目撃情報がない地区は目撃者がいないだけです」(秋田県民)クマ出没情報マップ(下図)に出没空白地区があるが、そこはヒトがいない山岳地だ。出没情報マップは秋田県の人口分布図そのものといってよい。東北全体でみると、今年の出没情報(4、5月)は昨年同期の約2.2倍で、青森、岩手、宮城、福島、山形のいずれでも急増している。この傾向は良い兆候ではない。昨年度、秋田で4人、岩手で5人がクマの犠牲になり、負傷者数は秋田67人、岩手40人だった。今年度もすでに秋田で1人、岩手で3人がクマによって命を落とされている。クマ被害があった地区の日常の安寧は根本から脅かされ、遭遇の恐怖は住民の心を深く蝕んでいる。QOL(生活の質)の低下は、これから先も続く。秋田市や盛岡市の中心部を流れる旭川や中津川は、今やクマにとってのハイウェイだ。クマが身を潜められる河川環境があり、山からマチへ一気に駆け下り、突然市街地に出没している。現場の自治体や地元レンジャーらは、目の前の出没対策に振り回され、猟友会メンバーは命がけでクマと向き合っている。問題は東北だけではない。北海道、新潟、長野、富山、福井……。クマとの長い境界域をもつ自治体では、危うい遭遇に備える一方、保護派からの電話対応に苦慮している。自然との共存や生物多様性を論ずる前に、人命尊重と人身被害の観点から、本格的な防災上の議論をし、併せて自然環境教育を浸透させていくことが急がれる。ここ数年、クマが街に出てくるようになったのは、a.過疎化や、b.緩衝帯(バッファーゾーン)の再自然化、c.誘引果実の放置も一因だが、それらの経年的進行だけでは説明がつかない。クマ出没が増えた圧倒的な理由は「クマの絶対数が桁違いに増えたから」だ。ここに前提を置いていないから被災対策がぼやけて見える。今春公表された「クマ被害対策ロードマップ」は、残念な結果であった。2030年度までに「人とクマとのすみわけ」を実現するというもので、具体的な目標値は、① この5年でクマ捕獲担当の「自治体職員数」を3倍にする(1人→3人/一市町村当たり)② この5年で「はこわな数」を2倍にする(6.5基→12基/一市町村当たり)③ この5年で「クマ撃退スプレー」を3倍にする(8本→23本/一市町村当たり)④ 2026年から精緻な捕獲目標数を設定する。令和8年度の東北6県の「捕獲目標数」を3800頭にするというものだ(クマ被害対策等に関する関係閣僚会議決定[2026.3.27]より)。予算額の記載前に予算当局に押し込まれたり、保護派を意識した結果、こうなってしまったのだろう。有事ではなく、平時の対応そのものだ。今、困っているというのに、5年間の期間中にやるべきことを書いている。このロードマップを残念がるマスコミはほぼない。心配なのは捕獲数だ。④のクマ捕獲数の上限3800頭(キャップ)は、去年の捕獲頭数(8580頭)の半分以下(4割)になる。この半世紀、人が山へ入らなくなり、緩衝地帯(バッファー)が広がって、クマの隠れ家と餌場になっている。「クマ圧」は強まり、人との境界線は里側にどんどん近づいて、住宅への不法侵入や新聞配達員、農業従事者への襲撃に及んでいる。クマ緊急対策の有識者は、生態学者ではなく、獣害対策や危機管理の専門家を軸に組成すべきではないか?緊急対策の当事者感覚が欠けた者は司令塔や予算要求の要になっていてはいけないと思う。現地の実態(ファクト)から目をそらし、都心ビル内のロッキングチェアーで「自然との共生」だけを語っていてはいけない。このペースでクマ被害が続いていくと、クマ絶滅どころか、それよりずっと前に、クマの出没地区ゆえの限界集落化と地区の消滅、地方都市の減衰が加速してしまうだろう。筆者はかつて山で働いていた。仕事柄そこで多くのクマを目撃し、対峙したこともある。現場は青森県新郷村の迷ヶ平自然休養林だった。迷ヶ平は十和利山山麓に広がり、その地名の通り、迷いやすい丘陵地だ。5~6月になると、大型良型のネマガリタケを求め、秋田側と青森県側からたくさんの採集家が入山し、一日中、山に入ってネマガリダケを収集する。プロの仲買人が何人も駐車場で待ち構えていて、その収穫物を買い付けていた。当時(1980年頃)でもキロ200円で、日がな一日、山へ入れば60キロを採る者もいた。農家にとっては稼ぎ仕事がない春先の貴重な現金収入の途だったが、遭難も多く、筆者も何度か捜索に参加した。2016年、その迷ヶ平の隣接地で「十和利山クマ襲撃事件」が発生した。ツキノワグマによる史上最多の死者数(死者4名、重軽傷者多数)を出した事件である。被災が数次、2カ月に及んだのは、無理をしてでも山に入りたい人が後を絶たなかったからだ。ネマガリダケ価格がその年、高騰していた。事件についての分析と周知が遅れたことも要因として挙げられている。事件から10年を経た今、クマ出没が日常化し、当たり前のように語られ、街中でも同様の災禍が繰り返されるようになった。にもかかわらず、各現場で目に見えるこれといった対策がとられていないことが悔しい。役所への「クマが可哀そう」という迷惑電話は論外だが、一計を案ずる前のベースラインに問題があると筆者は感じている。「環境省の省としてのカラー及び体制的に、激甚災害指定クラスのこのクマ災害を処理するのは難しいのではないか……」「いつまでも環境省(自然保護局)がクマ被害対策のとりまとめ役を担っていることに限界があるのでは?」と思う。今、被害対策は地元自治体やボランティアの猟友会などへ、ほぼ委ねられているが、予算規模が60億円レベルでも使いきれない環境省のマンパワー不足を懸念している。かつて新幹線は有力議員の地元に早く敷かれ、駅も有利につくられた。新潟、上州、山口がそうだ。クマ対策はその逆ベクトルを見ているようだ。奈良第2区(総理)や熊本第1区(官房長官)、東京第3区(環境大臣)に切実なクマ問題はないのだろう。東北人は元来、我慢強いといわれる。クマ問題に対してもそうなのだろうか? いつまでも泣き寝入りを続けるしかないのだろうか?でも、ロードマップにある対策だけでは足りないと思う。全体を統括する機関「総合クマ対策本部」を国(内閣官房等)に置き、獣害危機管理監を重点県及び拠点市に配置し、全国クマ対策のパイロットエリア(実験場)を先端特区として指定し、即時に「ガバメントハンター」とクマの動きを予見し得る専門家集団の確保を図る(または協力体制を整える)べきだ。ガバメントハンターは、警察OB・防衛OBと現役警察・消防などを対象に身分・身元が明らかなグループから選抜していく。公的位置づけを明確にし、民間法人と組み合わせ、国が後押しするシステムをつくる。併せて、クマの個体数管理(ドローン・モニタリング管理、春期管理捕獲等)、侵出防止(電気柵等ハード整備、誘因環境の整備)、緩衝帯管理(グリーンインフラの整備)などを委ねられる民間法人を、各地で地域とともに組成し、育成していくことを急ぎたい。国民の財産・生命を守る業種(保険・警備)は、すでに民間組織があるが、クマ対策を含めた野生生物の正しい理解に基づいた生息地管理(捕獲・教育)を行う業種(民間組織)について、国が積極的に後押ししていく必要があると思う。もとより、クマ災禍は国民の安全保障を揺るがしている。この緊急事態を前に、国は時間をかけることなく速やかに対策を講じてほしい。
(シカの分布拡大、経緯研究書籍に:福島)
生物の遺伝情報が記録されているDNAを調べ、ニホンジカの分布拡大の経緯などの研究に取り組んできた福島大共生システム理工学類の兼子伸吾教授(48)が、シカに関するこれまでの研究や基礎情報をまとめた書籍を執筆し、出版された。「身近な生き物だが実は知らないことが多い。書籍を通じて色々な立場の人に興味を持ち、知ってもらいたい」としている。書籍は「そのシカ、どこから来たと思います?」(緑書房)。
(クマ対策にふるさと納税を活用:宮城)
クマの目撃が宮城県でも相次いでいますが、対策グッズの購入などにふるさと納税を活用する動きが広がっています。ふるさと納税のサイトさとふるでは、富谷市や白石市など宮城県4つの自治体が返礼品無しで数千円から寄付を募っています。このうち2025年11月から募集を始めた富谷市では、全国からこれまでに約110件40万円が寄せられています。富谷市では2025年9月に発生したクマによる人身被害を受けて、2025年11月に総事業費3570万円のクマ緊急対策パッケージを決めました。富谷市財政課高橋嘉人主任主査「なかなか市の一般財源だけで賄うことはちょっと厳しいのかなというところもありましたので、少しでも寄付の方が集まれば」。富谷市のクマの目撃件数は、2025年の4月と5月は0件でしたが、2026年の4月と5月は28件となっています。寄付は、市民から依頼があったやぶの刈り払いや柿や栗の木の伐採の他、市の職員が臨場する際に着けるヘルメットや盾の購入費用などに充てられるということです。富谷市財政課高橋嘉人主任主査「正直ここまで集まるとは思っていなくて、驚いている状況でございまして。集めさせていただいた以上は、しっかりと対策に充てていきたいし、少しでも被害を食い止められるよう支えていければ良いのかなと思っております」。富谷市では今後もクマ対策を継続するため、期限を設けずにふるさと納税を募る予定です。
(竹を使った箱わなづくりに住民らが取り組む:宮城)
宮城県加美町でイノシシによる獣害に悩まされる地区の住民らが、竹を利用した箱わなづくりに取り組みました。箱わなづくりをしたのは加美町の鹿原地区に住む約20人です。竹で作る箱わなはイノシシに警戒されにくいほか、製作費用を抑えられるメリットがあります。参加者は長さ2メートルほどの竹を針金でしっかりと固定し、縦4メートル・横2メートルの箱わなを作り上げていました。企画した小山達也さん「地域みんなで一体になって1匹でも2匹でも(イノシシを)少なくすれば農業の被害も少なくなる」。この地区ではイノシシが田畑を掘りおこすなどの被害に悩まされていて、箱わなは地区のサツマイモ畑の近くに秋まで設置されるということです。
(都会の違和感、マタギが変えた:秋田)
秋田県の内陸北部にあり、四方を山に囲まれる北秋田市阿仁(あに)地域。伝統的な狩猟文化を受け継ぐ「マタギ」発祥の地とされる。岡本健太郎さん(33)がマタギに憧れ、相模原市から移住したのは、2022年のことだ。静岡県出身の岡本さんは大学卒業後、東京都内で保険代理店員やITエンジニアとして勤めていた。ただ、社会の歯車のような感覚に陥り、十分なやりがいを感じられない毎日だった。そんなとき、書店でたまたま手に取ったのが、マタギを紹介する本だった。山や川、天候といった自然に向き合いながら、クマや川魚、植物の恵みを授かる生き方――。
(公的補償なく治療費300万円、ヒグマに襲われた男性「100針以上縫う大けが」:北海道)
札幌市東区の住宅街にヒグマが出没し、4人が重軽傷を負った事故から6月18日で5年。被害者の男性はいまも後遺症に悩まされています。深刻な人身事故を繰り返さないために何が必要なのでしょうか。札幌市東区に住む安藤伸一郎さんです。5年前の6月18日、この場所で命の危険にさらされました。2021年6月18日、東区の住宅街に突如、ヒグマが現れ、安藤さんを含む男女4人を次々と襲いました。安藤さんを襲ったヒグマは、体長160センチ・体重158キロのオスで、未明から5時間近く住宅街をさまよいました。安藤さんは肋骨6本を骨折し、あわせて100針以上を縫う大けがをしました。事故から5年が経ったいまも後遺症に苦しみ、病院への通院を余儀なくされています。毎日3回、強い鎮痛剤を飲み続けていますが、痛みが完全に消えることはないといいます。これまでに支払った医療費などはおよそ300万円。しかし、道内ではクマの被害について公的な補償制度はありません。東区に出没したクマは当別町方面から石狩川を通り、水路に沿って住宅街に迷い込んだとみられます。街中でもいつ被害にあってもおかしくないクマの脅威。昨年度、札幌市内の出没件数は363件に上りました。そのうちの6割以上が「南区」でした。南区の簾舞地区です。地域の住民や市の職員が協力し、年に2回、河川敷などの草刈り作業を続けています。クマの通り道を減らすために草刈りを始めたきっかけがー7年前、住宅街でヒグマの出没が相次ぎました。住民はクマが駆除されるまで1週間近く不安な日々を過ごしました。それ以降、町内会ではクマの出没を防ぐため、住民を集めて草刈りを続けています。2025年は住宅街や公園、病院近くまで出没が相次ぐ異常事態に。そのたびに侵入を防ぐ対策がとられてきました。2026年に入っても住民の不安は消えません。札幌市中央区円山西町の住宅街では先週からクマの出没が相次いでいます。専門家の間野さんは、この時期人里に姿を現すクマにはある特徴があると言います。(道総研フェロー 間野勉さん)「ちょうどいまの時期はクマの交尾期にあたる。交尾期になりますと、オスグマがメスグマに求愛に来る。交尾をしたくないメスはオスをすごく嫌がる。できるだけクマのいない場所に逃げてくると。それがどこかというと、人間の近くになる」。ではこの先、夏から秋にかけてクマの出没は増えていくのでしょうか。出没は減るという予測の一方でー(道総研フェロー 間野勉さん)「クマの問題はたとえその10頭出たから問題というよりは、1頭でも人間の生活圏の中に侵入して、非常に深刻な問題になります。東区のクマもそうでした、たった1頭のクマです。ですから油断はできなくて、たった1頭であっても不適切な餌付けをしたりとか、そういうことがないように引き続き、生活する中でいろいろ気をつけなければいけないということだと思います」。人とクマとの距離が接近する札幌市。過去の教訓を生かし、深刻な人身事故を防いでいかなくてはなりません。
(シカと衝突、普通列車3本運休:北海道)
20日午前7時45分ごろ、JR千歳線の植苗駅(苫小牧市)―南千歳駅(千歳市)間で、苫小牧発小樽行きの普通列車(6両編成)がシカと衝突し、緊急停止した。乗客乗員にけがはなかった。
(市街地にクマ出没相次ぐ、緊急銃猟も視野に捜索続くも発見至らず交通規制継続:山形)
18日未明から寒河江市の市街地でクマの目撃が相次ぎ、市は緊急銃猟も視野に捜索しましたが、発見には至っていません。付近では交通規制が続いています。18日午前3時50分ごろ、寒河江市寒河江の寒河江工業高校東側の市道で、体長1メートルほどの成獣とみられるクマ1頭が目撃されました。また、午前9時20分ごろには、石持町の龍泉寺の裏にあるサクランボ畑でもクマが目撃されました。市によりますと、正午すぎまでに長岡山付近を中心に合わせて6件の目撃情報がありました。いずれも同じ個体である可能性が高いということです。近くには住宅地があることから、市は緊急銃猟も視野に入れ、ドローンなどでクマの行方を捜索しましたが、発見には至っていません。現在、長岡山周辺で交通規制を行っていて、19日朝まで続ける予定です。また、付近の住民に対し、建物の戸締りの徹底やクマを目撃した場合の通報を呼びかけています。
(養豚場にシカの死骸、よく見ると“食べられた跡”が:北海道)
北海道苫小牧市で6月19日、養豚場でクマに食べられたシカの死骸が発見されました。警察によりますと、19日午前8時ごろ、農場内を歩いていた職員の男性がシカの死骸を発見しました。市の職員やハンターが確認し、クマによるものと判明しました。このほかにクマによる痕跡はなかったということです。養豚場への被害も確認されていません。警察が警戒を強めています。
(クマの前足が罠にかかる、捕獲して駆除:長野)
長野県塩尻市宗賀床尾で6月19日早朝、クマ1頭が捕獲されました。塩尻市によりますと、捕獲されたのは体長約1mのオスで推定4歳の成獣です。18日午後7時、近くの住民から「クマがわなにかかっているかもしれない」と市役所に通報がありました。通報を受け、市の職員や警察官、地元猟友会員らが現地を確認したところ、シカやイノシシを捕獲する目的で設置したくくり罠に、ツキノワグマの前足が片方かかっていました。クマは暴れている状態だったということです。発見されたのが日没後でクマが逃げる恐れがないのを確認できたため、夜間は捕獲せずに周辺の住民に注意喚起し、19日午前5時ごろに専門家が麻酔で眠らせ、その後、駆除したということです。周辺ではクマの目撃が相次いでいました。
(苫小牧産シカ肉味わって:北海道)
苫小牧市表町のグランドホテルニュー王子は7月1~31日、「苫小牧産蝦夷鹿(えぞしか)肉フェア)」を開催する。市が食用にするため捕獲したシカを食肉加工し、市内の飲食店がメニュー化する初の試み。市がシカ肉230㌔をホテルニュー王子(舩坂昭夫社長)に提供し、ホテルのランチビュッフェやディナーアラカルト、フレンチコースでシカ肉メニューを用意する。同フェアは、苫小牧産シカ肉の魅力発信と地産地消を推進しようと、同社と市が連携して実施する。ランチビュッフェはシカ肉のカレーやローストを、フェア期間限定の追加メニューとして用意。ディナーアラカルトもシカ肉で、マーボー豆腐(990円)、フィレ肉のレアカツ(1320円)、チンジャオロース(990円)を提供する。利用3日前までに予約が必要なフレンチコースも、メイン料理をシカ肉料理に変更できる。市は2025年度事業で、シカ肉の加工・卸・小売・通販を手がけるウッディークラブ竹澤(北広島市)に委託し、2月~3月に市内でシカ40頭を頭数調整を兼ねて銃猟捕獲。610㌔の食肉に加工した上、380㌔を市内小・中学校などの給食や市主催のイベント用とし、残り230㌔を同ホテルに提供した。3日に同ホテルで贈呈式を行い、町田雅人副市長が舩坂社長に目録を手渡し、フェアで提供するメニューもお披露目された。シカ肉は、低温調理でじっくりと火を通すことでとても軟らかく、スパイスやハーブでくせも感じさせない食べやすい仕上がり。試食した町田副市長は「とてもおいしい。臭みもなく軟らかい。市民の皆さんに食べてもらいたい」と話した。その上で「エゾシカの被害は大きな課題。適切な頭数管理が欠かせない」と説明し、「捕獲したエゾシカを地産地消の観点から有効に活用し、市民に還元していく」と意欲。学校給食への提供も食育の一環といい、「多くの市民にシカ肉の魅力や地域資源としての価値を知ってもらえたら」と期待を寄せた。舩坂社長も「シカ肉を広く市民に提供する機会が得られたことは有意義」と感謝。21日には同ホテルで子ども食堂を始める予定で、第1回目はNPO団体を招待し、今回提供されたシカ肉を使ったカレーライスやジンギスカンを提供する。
TOPへ
6/19
(山中で林業の男性がクマに足をかまれる:島根)
警察や邑南町役場によりますと6月17日午後2時50分頃、島根県邑南町鱒渕地区の山の中で林業の従事者の男性がクマに襲われました。男性は足をかまれ搬送されましたが、命に別条はないとみられます。男性は複数人で山に入っていて、集合場所に1人で戻ってきて、かまれた旨を報告したということです。
(クマ撃退スプレー所持の男性がクマに襲われ負傷、噴射でクマは逃げる:山形)
15日午前6時半ごろ、山菜採りのため山形県鶴岡市田麦俣の山中に入っていた市内に住む自営業の男性(39)がクマに襲われ、左腕などにけがをした。鶴岡署によると、クマは体長約1・2メートルで、男性は襲われた際、クマ撃退用スプレーを噴射したところクマが逃げたという。男性は自力で下山して市内の病院を受診した。命に別条はないという。
(「クマが覆いかぶさっていた」、80代男性が顔や足など大けが:石川)
石川県小松市の山あいにある岩渕町では17日午前5時半ごろ、80代の男性が、クマに顔や足などをかまれたりひっかかれたりして大けがをしました。現場は集落近くの田んぼが広がる場所で、消防によりますと、男性は病院へ搬送される際に意識はあり、命に別状はないということです。クマは山の方へ逃げていったということで、警察などが周辺の住民に注意を呼び掛けています。石川県内で人がクマに襲われる被害は、今年に入り初めてです。
(クマ、2度にわたり男性襲う:石川)
17日午前5時半ごろ、小松市岩渕町の白山神社近くの農道で、散歩中の80代男性が成獣とみられるクマ1頭に襲われた。男性は頭や顔、両手両足をかまれるなどして重傷を負い、内灘町内の病院に搬送された。命に別条はないとみられる。目撃者によると、クマは男性を襲った後、いったん山に入ったが、再び降りてきて男性を襲った。当時、現場から200メートル離れた畑で妻と農作業をしていた男性(87)は、襲われた男性が何かを叫びながら大きな黒い動物に追い掛けられている様子を目撃。急いで現場に駆けつけたところ「クマにやられた。救急車を呼んでほしい」と頼まれ、119番通報したという。畑に残っていた妻によると、クマは男性を襲って山へ戻り、また降りてきて男性を襲った。市や署などによると、クマは男性を襲った後、山の方に逃げた。斜面の舗装シートにはクマの足跡が残っており、市職員が移動経路などを調べた。パトロールに加え、市消防本部がドローンで上空からも捜索した。現場近くの中海小と中海中は屋外活動を取りやめた。石川県によると、県内でのクマによる人身被害は2024年10月2日に加賀市河南町の山林で男性がけがを負って以来となる。小松市内では17日9時40分ごろにも、上八里町の加賀産業開発道路近くで成獣1頭が目撃された。
(クマ出没警報を更に1カ月間継続:宮城)
クマの出没が収まらない状況を受け、宮城県は全域に出しているクマ出没警報の継続を決めました。宮城県は17日、クマ対策についての会議を開催して今後の対応方針を固めました。会議では、6月のクマ目撃件数は過去5年間の平均より20件余り多い177件と、高止まりしている状況が報告されました。そして月内にクマ出没警報の発表基準に達することは確実だとして、18日を期限としていたクマ出没警報を更に1カ月間継続することを決めました。なお、6月に新設したより強く対策を促す特別警報については、基準に達していないとして見送られました。会議ではこのほか、クマの生息数を減らすために宮城県が実施する指定管理捕獲を早ければ7月から開始することが報告されました。2027年2月までに390頭を捕獲する予定です。市町村から要望されていたクマの捕獲許可に関する権限を宮城県から市町村に移すことについては、宮城県議会9月定例会で条例改正を諮る方針を確認しました。
(シカ捕獲、過去最多3万2128頭:岩手)
岩手県内の2025年度のシカの捕獲頭数は3万2128頭(前年度比16・9%増)で過去最多となった。イノシシも3072頭(同90・1%増)とほぼ倍増し、これまでで最も多く捕獲した。生息域が拡大しており、農作物の被害防止や個体数の低減に向けた捕獲強化を継続する。
(クマの緊急銃猟想定、ハンターが射撃訓練:栃木)
今月、宇都宮市の中心部でもクマが捕獲されるなど、県内各地でクマが出没する中、住民の安全を守るために緊急銃猟を行う可能性があることを念頭に、宇都宮市でハンターの射撃訓練が行われました。宇都宮市の県ライフル射撃場で行われた訓練には、県内の猟友会に所属するハンターおよそ20人が参加しました。射撃場にはクマの画像を貼り付けた大きさ1メートルほどの「的」が用意され、ハンターたちは、およそ50メートル離れた場所からライフル銃を撃ちました。実際の状況に近づけるため、クマの「的」は横に動くほか、壁に隠れてしまうこともあり、ハンターたちは「的」を確認できたうえで止まるタイミングを狙っていました。人の生活圏に出没したクマなどを市町村の判断で猟銃を使って駆除する「緊急銃猟」は、県内ではまだ行われたことはありませんが、今回参加したハンターは「緊急銃猟」を行う可能性があるということです。10発すべてを命中させたハンターは、「現実的には今回のようにクマの全身が見えるような場面はまずなく、もっともっと厳しい状況だと思います。もし緊急銃猟をする場合は、安全第一に行いたいと思います」と話していました。クマ対策などを担当している県自然環境課の丸山哲也班長は、「緊急銃猟の事態には常に備えておかなければならない。いざという時にクマを仕留めるにはまだ経験が不足していると思うので、引き続きハンターの技術向上に努めたい」と話していました。
(携帯大手、AIでクマ対策)
全国でクマによる被害が相次いでいることを踏まえ、携帯電話大手が人工知能(AI)やドローンを活用した対策に乗り出している。クマの出没をいち早く確認するサービスなどを提供し、住民の安全確保をサポートする。NTTドコモは、札幌市内の基地局にカメラを設置しクマの出没を即時に検知する実証実験を始めた。森林と住宅が隣接して住民の危険性がある地点を2カ所選んだ。AIがカメラの映像を解析し、クマが現れると即座に把握する。これまではカメラに保存されたデータを回収したり、人がモニターを目視したりする必要があった。基地局周辺は通信環境が良く、データを素早く送受信できるという。11月まで実施し、将来は全国の自治体への展開を目指す。KDDIは北海道新十津川町で、ドローンを使って出没情報があった地域を監視している。赤外線カメラで、荒天や夜間でもクマを発見できる可能性が高いという。地元猟友会が連絡を受けて現場に向かう間にクマがいなくなることがあり、サービスを始めた。
(「囲いわな」設置し検証へ:青森)
イノシシによる農作物への被害を防ぐため、被害が急増している青森県南部町で「囲いわな」による捕獲を実施し、県が効果を検証することにしています。イノシシによる農作物への被害は、県内では2019年度に田子町で確認されて以降、発生地域・被害額ともに拡大しています。2024年度の被害額は前の年度の1.8倍となる1376万円で過去最大となりました。【青森県農林水産部 栗林豊部長】「地域別では三八地域が932万円で最も多く、次いで上北地域が378万円と県南地域での被害が県全体の95%を占める状況となっています」。このため、南部町の1カ所に「囲いわな」を冬に設置してイノシシを捕獲することとし、県は南部町と連携し、効果を検証することにしています。
(銃猟経験少ない首都圏ハンター、急ピッチで勉強会や訓練実施)
首都圏でクマの出没が急増する中、銃猟経験の少ない地元ハンターの技量向上が課題になっている。北日本と異なり、クマに遭遇したことのないハンターも多く、自治体や猟友会は訓練などの対策を急ピッチで進める。専門家は、対応に慣れていない自治体やハンターを後押しする施策の必要性を指摘する。「クマはシカなどと違ってハンターに反撃してくる。こちらにも心構えが必要だ」。茨城県猟友会の大須賀正弘さん(70)はそう話す。隣接する福島、栃木県でクマの出没が相次いでいることを受け、茨城県は今年2月、同会に委託し、市街地での猟銃使用を認める「緊急銃猟」の専門チームを結成した。大須賀さんはその隊長だ。チームは市町村の要請を受け、県全域で緊急銃猟に対応する。だが、隊員37人のうち、野生のクマに遭遇した経験があるのは、大須賀さんを含め3~4人しかいない。普段はシカやイノシシを撃っているハンターが大半だ。クマに関する知見を深めようと、チームは5月下旬、山形県猟友会から経験豊富なハンターを招き、クマの生態や安全な射撃方法などを学んだ。大須賀さんは「どんなときにクマが危険か、よくわかった」と語る。茨城県も「東北に比べ、現場での対応経験に差がある」として、射撃訓練費の補助回数を増やすなど支援の強化を検討中だ。神奈川県秦野市は4月中旬、警察や地元猟友会による緊急銃猟の訓練を初めて実施した。埼玉県加須市は緊急銃猟に際して関係機関がスムーズに動けるようマニュアルを策定するという。5月下旬から今月上旬にかけて市周辺での目撃が相次いでおり、市の担当者は「クマが市に近づいてきているように感じられる。早くマニュアルをまとめたい」と話した。環境省によると、クマが生息していないとされる千葉県を除く首都圏(1都6県)では今年1~4月、クマの出没情報が168件に上り、前年同期(67件)の2・5倍を超えた。これまで出没が少なかった地域でも出没が相次いでいる。東京都八王子市では4月末、JR八王子駅の西5・5キロの住宅地にクマが出没した。体長1メートルを超える成獣とみられ、イノシシを監視するために近隣住民が設置したセンサーカメラに映っていた。出没場所の近くには小学校もある。市の担当者は「まさかこんなところに出るとは思っていなかった」と驚く。市は5月、役所内にクマの対策チームを発足させ、今後、警察や専門家と連携を強化する。兵庫県など西日本でも、市街地での目撃が相次いでいる。「弾が命中して倒れてもまだ生きていたら、ハンターが近づいた際に起きて攻撃してくることがある」。クマを100頭以上捕獲した経験を持つ秋田県鹿角市猟友会の稲垣正人会長(74)はクマ特有の対応の難しさを指摘する。稲垣さんによると、追跡も困難だ。クマは自分の付けた足跡の上に足を乗せて移動し、どう動いたか追跡者にわからなくさせることもあるという。同会は毎年春と秋、入会後5年程度の新人ハンターがベテランに同行して山に入り、野生のクマの動きを学んでいる。稲垣さんは「クマの動きを知っておくことが重要だ」と話す。クマの行動に詳しい東京農工大の小池伸介教授(生態学)は「クマはどこに出没してもおかしくない状況で、首都圏の自治体でも備える必要がある」とした上で、「国は、先進的な取り組みをしている自治体の事例を共有し、経験の乏しい自治体を積極的に支援するべきだ。経験豊富なハンターを他自治体に派遣する人材バンクのような仕組みを検討するのも一つの手だ」と指摘した。
(空き家整理をしようとしたら…納屋から拳銃のようなもの1丁と実弾のようなもの11発が見つかる:鳥取)
鳥取警察署は18日、空き家になっていた鳥取市内の家で、拳銃と実弾のようなものが見つかったと発表しました。鳥取警察署によりますと、見つかったのは拳銃のようなもの1丁と、実弾とみられるもの11発で、鳥取市内の空き家の納屋にあったということです。17日午前、この家の親族の女性が空き家の荷物整理をしようと訪れた際に発見し娘へ連絡。連絡を受けた娘が警察に届け出ました。現在、警察が詳しい状況を調べています。銃刀法では、拳銃などの銃器を見つけた場合は、最寄りの警察署に届けるよう定められています。
(収穫直前のモモ、シカに食べられる:山梨)
収穫直前のモモがシカに食べられる被害が南アルプス市に続き、笛吹市でも確認されました。こちらは今月13日朝、笛吹市石和町今井のモモ畑で撮影された映像です。大きな角を持つオスのシカが、甘い香りに誘われたのかゆっくりとモモの木に近づきます。香りをかぐような仕草を見せると、近くの土手に走り去っていきました。こちらのモモ畑では2日後に収穫を控えていましたが、現場にはかじられたモモが10個ほど落ちていたといいます。被害にあった農家は「驚いた。まさか本当にシカが出るとはね…住宅も近いし土手の上を散歩する人もいるので、あんな大きなシカに遭遇したら怖いし危ない」。JAふえふき管内でのシカによる食害は今シーズン初とみられます。JAではシカを見たら通報するよう呼びかけています。
(鳥獣捕獲減少も農作物被害拡大、イノシシとシカ狩猟強化へ:岡山)
岡山市は16日、市内での2025年度の有害鳥獣捕獲頭数について、イノシシは3340頭、ニホンジカは508頭だったと明らかにした。いずれも前年度から減少したものの、北西部や東部で農作物被害が増える傾向だ。
(ガバメントハンターの役割とは:北海道)
中途入庁コンビが目指すのは、人と動物が奏でる共生のハーモニーだ。北海道滝上町で今年4月、野生動物対応を一手に担う新部署「いきもの係」が発足した。オホーツク地方で初となる狩猟免許を持つ公務員(ガバメントハンター)を配置し、最新技術も活用してヒグマの予防的対策などを担う。中心となる専従職員2人は道庁や自治体で長く鳥獣対策に携わり、この春に滝上町役場に移籍した。ハンターとして「撃つ」よりも「街に近づけない」環境づくりをめざす。山林に囲まれ、市街地で河川が合流する滝上町は、人と野生動物の距離が近い。2021年7月にハイキング中の女性(69)が死亡するなど、20年から4年連続でヒグマによるとみられる人身被害が起きた。エゾシカなどを含めた農業被害は年間約1億円にのぼる。獣害を含めた鳥獣政策をワンストップで担当するため農林建設課内に新設されたのがいきもの係だ。4月末まで道庁職員だった高橋克巳係長(61)は、各総合振興局などで30年近く、自然公園施設の維持管理や野生鳥獣対応などの環境行政に携わっていた。プライベートで外来種ザリガニの駆除をする市民団体を主宰するなど、自然保護関係者の間では有名な存在だ。昨年、ヒグマ対策で新たな施策を模索していた滝上町から協力の打診を受けた高橋さんが、「一緒にやりたい」と推薦したのが、当時旭川市職員だった橋口城児(じょうじ)主査(42)だった。橋口さんは旭川市環境総務課在籍中、「猟友会と円滑にコミュニケーションを取るには自分もハンターにならないと」と狩猟免許を取得するなど、行政の枠を超えて鳥獣対策に取り組んできたひとりだ。
(関西のクマが人を襲う危険性は?)
関西各地でクマの目撃情報が相次いでいます。神戸市内では初めて出没が確認され、京都の観光地・天橋立や、兵庫県の宝塚市、西宮市などでも目撃されています。なぜ今、クマの出没が増えているのか、その危険性について、兵庫県森林動物研究センターの横山真弓さんが詳しく解説しました。京都府宮津市の天橋立付近では10日に1頭が出没し、麻酔銃で捕獲・駆除されましたが、その2日後の12日には再び目撃情報が寄せられました。兵庫県では、11日に神戸市北区で1頭の姿がカメラに捉えられ、神戸市で初めての出没が確認されました。これを受け、13日には捕獲用の檻が設置されています。12日には西宮市名塩赤坂と中国自動車道・西宮名塩サービスエリア付近で、数分の間に2件の目撃情報がありました。さらに15日夜、宝塚市川面の県道をバイクで走行していた男性が体長約1mの黒い動物を目撃したということです。警察はクマの可能性が高いとして注意を呼びかけています。この時期にクマの出没が増える理由について、横山さんは2つの要因を挙げました。一つは「繁殖期」です。6月から8月はクマの繁殖期にあたり、特に大人のオスは繁殖のために広範囲で動き回る傾向があります。もう一つは「親離れ」です。春は、1歳になった子グマが親元を離れて自立する季節。親と過ごした場所から去り、新たな生息地を求めてさまざまなエリアを動き回ります。横山さんは、これらの要因が重なることで「大人と子どもの両方が今まで活動していなかった場所に行くので突発的な出没が増えやすい時期」と説明。これは今年に限ったことではなく、毎年この時期に見られるクマの生態的な特徴であると述べました。関西のクマの個体数は増えているのでしょうか。目撃が相次いでいる兵庫県では、クマ対策の「最先端」とも言える取り組みが実施されています。兵庫県では2003年、ツキノワグマに絶滅の恐れがあるとして保護政策を開始。個体数を把握するため、捕獲したクマにマイクロチップを装着して放獣し、生息数や行動範囲のデータを蓄積してきました。そのデータに基づき、頭数をコントロールしています。個体数が400頭未満の場合は、人里に出たクマを爆竹や唐辛子スプレーなどで脅かし、山へ帰します。一方、400頭以上に増え、人里で事故が起きた場合は「駆除」に踏み切るということです。現在、兵庫県内には2つの地域個体群が存在し、西側の「東中国地域個体群」には710頭、東側の「近畿北部地域個体群西側」には837頭と推定されています。これを受け、兵庫県は岡山、鳥取、京都の4府県と連携し、1つの個体群の数を800頭以下に調整する管理計画を進めています。横山さん「私達も試行錯誤を重ねながら進めていますが、環境省が800頭いれば絶滅しない数という基準を出しているので、まずはそれに従って800頭で管理して、被害の状況や人との共存をみているところです。おおむね、人身事故もかなり低い状況になっていて、めったに大きな事故が起こっていないという状況ですので、今はいったん800頭で管理をしています」。横山さんによると、クマによる被害が深刻化している東北地方と関西では「データの有無」が大きな違いだといいます。横山さん「(東北地方は)兵庫県よりずっと山が深くて広範囲で、クマがいて当たり前という環境の中で、あまり個体数の調査がされてきていません。気づいた時にはもう激増しているという状況です」。そのため、環境省が主導し、今年から東北でも精度の高い調査が始まる段階ではありますが、対策には約20年のタイムラグがあるということです。2026年度のクマによる人身被害の半数以上が人の生活圏で起こっています。人里の食べ物の味を覚え、人を恐れなくなった「アーバンベア」の増加が問題となっていますが、関西のクマが人を襲う危険はないのでしょうか。横山さんは次のように解説しました。横山さん「関西のクマはまだ人に慣れていない。若いクマの割合が増えてきている。若いクマに人間界のおいしいものを覚えさせないことが大事」。横山さんによると、関西では2010年頃にアーバンベアが多発した時期がありましたが、その際に人なれした高齢の「問題個体」を駆除してきた経緯があります。その結果、現在の関西のクマの個体群は、問題行動を起こす高齢のクマが少なく、若いクマの割合が多い、比較的健全な状態にあると説明しました。京都の「天橋立」付近に出没したクマの映像についても、人を恐れて逃げ惑う様子から攻撃性はなく、たまたま新しい生息地を求めて人里に出てきてしまった個体だと分析。しかし、こうした若いクマに人里の味を覚えさせないための対策が、今後ますます重要になると強調しました。万が一、クマに遭遇してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。横山さんは、クマ自身も人に会うとパニック状態に陥ることがあると指摘し、人間側が冷静に対応することの重要性を訴えました。人間がパニックになり、大声を出したり騒いだりすると、かえってクマを興奮させてしまう危険性があります。しかし、そうは言ってもパニックにならないのは難しいので、「大声を出してしまうとクマを興奮させてしまう可能性があるということを知っておくだけでも、かなり違ってくる」と述べ、冷静な避難を心がけるよう呼びかけました。
(相次ぐクマ出没、クマは増えているのか)
クマの出没が続く中、17日、奈良県下北山村で、男性がクマに襲われケガをしました。改めて、私たちはどのように対策をしていけば良いのでしょうか。まず17日、男性がクマに襲われた場所を整理します。奈良県の下北山村、山間の静かな里山です。今朝4時半ごろ60代の男性が自宅の屋外トイレから出たところを襲われました。頭や顔から出血し病院に搬送されたんですが、 命に別状はないということです。その後の捜索でもクマは見つかっておらず、捕獲用の檻をこの自宅の付近と、あとはもう一つ山側の2カ所に設置したということです。自宅から約5キロ離れたあたりでも今朝6時半ごろクマが目撃されています。一方、奈良県では、クマへの対策として、個体数などをしっかりと管理してきたということです。紀伊半島のツキノワグマは生息数が少ないことから、かつては絶滅の恐れがあるということで、環境省はレッドリストに掲載し、保護対象としていたため、原則、殺処分をしていませんでした。しかし去年、奈良県内の目撃件数が155件と過去最多になったことを受けて、去年10月から、「保護」から「管理する」ということに方針を転換しました。では、どう管理しているのか。まず、3つのゾーンに分けます。集落ゾーンと集落周辺ゾーン、森林ゾーンです。それぞれ詳しく見ていきますと、集落ゾーンは有害捕獲をするということで、クマが現われると、原則、殺処分をします。一方、集落周辺ゾーンというのは有害捕獲をするんですが、1回目は大きな音を出したり、スプレーなどを噴射したりして、人里に近づくと危ない場所ということをクマに伝える、「学習放獣」をします。2回目、同じ場所に出てきたときは殺処分をするという対応をしているということです。そして、森林ゾーンはもともと生息域のため有害捕獲をしないという対応です。奈良県の担当者は、去年は奈良県でも、人が多く住んでいる吉野川より北部で59件の目撃情報が相次いでいて、クマの行動範囲が広がった可能性があるということで、警戒をされているとしています。また、奈良だけではなく、先週木曜日には神戸市で、2018年以降に設置されたカメラで初めてこの小熊の姿が捉えられました。同一個体かどうかは分かりませんが、一昨日の夜、午後9時過ぎと10時頃には、およそ1メートルのクマが目撃されているということで、どの地域でも、クマは人里に近づいてきているんだなということを感じます。奈良県の資料を持ってきたんですけれども、ツキノワグマの生息数は増加傾向にあると推察されるという報告書をまとめています。数は確実に増えているんだと思います。そうすると、この神戸のケースもそうですし、やっぱり全国的に増えているということを前提に、いつどこでクマと出会わせてもおかしくないんだということを私たちの意識として持っている必要がある、そういうタイミングに来ているのかなというふうに感じます。なぜ人の生活圏に近づいてきているのか、専門家の方にお話を伺いました。石川県立大学・大井徹特任教授によりますと、木の資材の利用が近年減ってきていること、木や木炭などですね。さらに、農業人口が減ってきていることから、山合いと人里との境目、ゾーニングの境目が曖昧になってきているということで、人里周辺にクマが生活できる場所が、拡大してきているのではないかということです。では、遭遇しないために、私たちができることとしては、「臭いが出るものを外に放置しない」、例えば生ゴミですとかペットフード、農作物ですね。あとは、「倉庫や車庫など閉じまりを厳重にしましょう」ということです。さらに、大井特任教授によりますと、「クマとの距離」が大事だということです。多くのクマは人を襲うことはなく、襲われる場合はおよそ15メートル以内という至近距離で遭遇したケースがほとんどだということです。クマが、身近な存在になっているという意識を持って、生活の中でも対策をしっかりとしていくようにしましょう。
(「九州に熊はいない」は本当か?)
近年、“日本各地”でクマの目撃情報や人的被害が報告されます。6月上旬には、神戸市の山林で、初めてクマの出没が確認されたということです。環境省のまとめでは、昨年度はクマの出没が全国で5万件を超えました。これはそれまで最多だった2023年度の2倍に上ります。“日本各地”の中で「クマはいない」とされる地域があります。それが九州です。本当に、九州にクマはいないのか。歴史の専門家や山に詳しい登山ガイドに〝真相〟を聞きました。さかのぼること江戸時代。クマの毛皮や皮下脂肪、そして「胆のう」が、今の熊本県、肥後細川家の藩主に献上されていたことが、熊本大学の永青文庫研究センターの古文書調査で分かっています。皮下脂肪は「脂」として傷口に塗り、胆のうは薬として重用されたようです。九州でクマが最後に捕獲されたのは1987年です。大分県の祖母山系で捕獲されたというニュースは、九州に住む人達を驚かせました。当時「クマは九州では絶滅した」が定説だったからです。ところが、このクマは、遠くからやってきたものでした。森林総合研究所・東北支所による遺伝子調査で、“本州由来のクマが持ち込まれた”ことが明らかになったのです。森林総合研究所・東北支所は、“九州産のクマ”が最後に捕獲されたのは1941年と結論づけています。一方で「クマの目撃は続いている」という見方もあります。宮崎県高千穂町在住の写真家、栗原智昭さんは「祖母山系では2000年から10年間に複数の目撃があった」と専門誌に報告しています。野生動物の歴史に詳しい森林総合研究所・九州支所の地域研究監、安田雅俊さんは「いるかいないかは、はっきりとは言えない」と慎重に説明します。ただ「いるならば、個体数が増えて、もっと目撃情報が増えるはず」とも。環境省の九州地方環境事務所も「現在、九州にはいなくなった」とみています。今は九州にクマがいないとしても・・・九州は、海を挟んで四国と約14km、本州とはわずか650mしか離れていません。クマが泳いで九州へ渡ってくることはないのでしょうか?森林総合研究所の安田さんは、四国のクマが20頭ほどいるとされるものの、愛媛県内では近年は目撃・出没情報がないことに着目したうえで、九州に最も近い愛媛県の佐田岬までクマがたどり着き、さらに潮の流れがある海を泳いで渡ってくることは「考えにくい」と言います。一方で、山口県では、近年クマの目撃情報があるとのことですが、クマが泳いで島に渡ったような形跡はないといいます。これもまた、九州への到達は「考えにくい」とのことです。その上で、安田さんは「九州の山に入る時にはクマの出没を心配するよりも、ダニにかまれたり、ハチに刺されたりを気にする方が現実的では」とアドバイスしています。となれば・・・登山や渓流釣りの愛好家にとって、九州は安心して山と触れ合える貴重な場所と言えるのでしょうか?熊本市中央区などに店舗を構えるアウトドアと登山の専門店「シェルパ」の阿南大吉社長(50)は、山岳ガイドを約30年続け、特に九州の山は隅々まで知り尽くしている第一人者です。そんな阿南さんは「九州の山で、クマ独特の臭いや糞、足跡など、その気配を感じたことはない」といいます。つい最近も東京から来た登山客が「九州にはクマがいないからね」と九州の山を選んだ理由を話していたといいます。本人以上に家族が心配して九州を薦めることが多いそうです。さらに、台湾など海外からの登山客は、日本で連日報じられるクマのニュースに、より強く反応していて、九州を選んで来日しているようだと話します。阿南さんやスタッフは、本州では客を日本百名山のようなポピュラーな山に案内することが多く、そういった山にはヒトが多く、クマが近寄りにくいだろうと考えています。それでも九州外の山へ客を案内する場合には、いわゆる熊スプレーを2本携帯しているそうです。阿南さんは話します。「クマは自然界の頂点にいる。そのクマが頻繁に人里へ降りてくる昨今のニュースに接する時、クマが種として生き延びようとする進化の過程を見ている気もする。人的被害が出ているのでうかつに共存・共生ということは言えないが、クマが生活しやすい自然を整えることは、ひいてはヒトも生活しやすい環境になると言えるのではないか」。
(シカは「森の未来」も食べている?:いわさきはるか)
昨今、日本各地でシカが増えています。シカが増えることで問題になるもののひとつが、シカによる植生採食被害(食害)です。農作物が食べられる被害のほか、森林では草や若い木が食べ尽くされてしまうことも問題視されています。さらに、シカの食害は「植物が食べられて減る」というだけで終わりではありません。森の木々の世代交代への影響や、それに伴う森の炭素貯蔵力の低下などが懸念されています。シカ食害の「その先」で森に何が起きるのか。その問いに全国規模で向き合おうとしているのが、「全国シカ柵センサス」です。各地に設置された防鹿柵の内側と外側を比べることで、シカがいることによる影響を可視化し、森の変化や回復の可能性を探ろうとしています。防鹿柵を使った調査からどのように森の未来を読み解こうとしているのか。また、このような取り組みを市民科学という枠組みで行うことには、どのような意義があるのか。全国シカ柵センサス研究チームの阿部隼人先生にお話を伺いました。シカにとって食べやすいのは、自分の背丈で届く若木や草などです。特に若木を食べてしまうことは森に大きな影響を及ぼします。若木は森の木々の次世代にあたるものだからです。私たちの目から見ると森には常に同じ木々が生い茂っているように見えますが、実際は少しずつ世代交代をしています。台風や老化などで大きな木が倒れたら、そのあとに若い木が育つ。そのように、世代を入れ替えながら森はその姿を維持しているのです。しかし、シカによって若木が食べられ続けると、このような森の世代交代が妨げられてしまいます。シカは、大きな木に直接ダメージを与えられるわけではありませんが、若木を食べてしまうことで、結果的に森の木々を減らしてしまうのです。さらに、森の変化は「植物が減る」といった目に見える変化だけでは完結しません。植物は、土の中の微生物と関わりながら育っています。そのため、シカの影響で植物の構成が変われば、土壌微生物の構成にも影響が及ぶ可能性があるのです。「草や木がなくなる変化は劇的に見えますが、そもそも地上の植物は枯れたり生えたりを繰り返しているものです。だから、一度植物がなくなっても数十年以内で回復できる可能性があります。一方で、地面が劣化するところまでいくと、回復には本当に長い時間が必要になってしまいます」。このようなシカ食害の目に見えにくい変化も調べようとしているのが、全国シカ柵センサスの目的の一つです。シカによって森が変わると聞いても、自分にはどんな影響があるのかピンとこない人もいるでしょう。しかし、森には空気中の二酸化炭素を吸収する働きがあります。植物は光合成によって二酸化炭素を取り込み、自分の体をつくります。つまり森は、二酸化炭素に含まれる炭素を、木や土の中にためているのです。阿部先生は、この森の炭素の出入りを「お金」にたとえて説明してくれました。「植物が光合成によって植物体(有機物)を作る量が『収入』で、死んだ植物体を微生物が食べて呼吸で出ていくのが『支出』です。この収入と支出の差し引きで黒字経営か赤字経営かがわかります。シカというのは、稼ぎ手となる植物を食べてしまうので、それによって経営状況が悪化して、赤字を食った分が炭素の貯金額が減るという形で現れてくるのです」。もちろん、森から炭素が出ていく経路は、微生物の呼吸だけではありません。そこに棲む動物の呼吸、土壌の侵食、雨によって有機物が溶け出すことなども、炭素の「支出」にあたります。ただ、その中でも大きな割合を占めるのが、土の中の微生物の働きです。植物が減り、地面の環境が変わることは、森の炭素の出入りにも関わってくるのです。炭素を蓄える力の低下は、温暖化の問題だけに関わるものではありません。阿部先生は、森に蓄えられた炭素の量は、森がどれくらい健全に成長できているかを示す指標にもなると話します。「炭素の貯金額が減っているということは、水を蓄えて川に流す機能や、水質を保つ機能など、人が森林から受け取っているさまざまな機能も、同じように劣化している可能性があるということです」。シカ食害による変化は、すぐに目で見て分かるものばかりではありません。影響が目に見えたときにはもう手遅れということもありえます。全国シカ柵センサスは、防鹿柵の内側と外側を比べて森の変化を調べるとともに、まだ十分に知られていないシカ問題を社会に伝えていく取り組みでもあるのです。阿部先生は、市民科学という形で進める意義について、このように話してくれました。「シカが増えているのが問題と聞いても、自分とは関係ない、ピンと来ないという方も多いと思います。だから、まずは一回知ってみるところからでいいんです。支援ももちろんありがたいですけど、まずは知ってもらうだけでも支援になるのかな、と」。シカによる影響は、農作物の被害のように目に見えやすいものばかりではありません。森の世代交代や土の中の環境、炭素を蓄える力のように、すぐには気づきにくいところにも及ぶ可能性があります。見えにくい影響は、問題として共有されにくいものです。研究者が調べて論文にするだけでは、山で起きている変化が社会全体の問題として受け止められるまでに時間がかかります。だからこそ、全国シカ柵センサスでは、市民も関わる形で調査を進め、その過程を社会に開いていくことが重視されています。まずは、シカが増えた森で何が起きているのかを知ること。それが、森を守るための大切な一歩です。全国シカ柵センサスでは、現在、調査への参加者も募集しています。参加募集は7月15日までで、先着順で受け付けているとのことです。詳しくは全国シカ柵センサスのプロジェクトページをご確認ください。
(クマの目撃情報が相次ぎ、猟友会が緊急銃猟でクマ1頭を駆除:山形)
山形県南陽市内の中心部で6月17日、クマの目撃情報が相次ぎ、市の猟友会が緊急銃猟でクマ1頭を駆除しました。17日午前4時半ごろ南陽市郡山のJR赤湯駅東側で体長およそ1メートルのクマ1頭が目撃されました。さらに、午前4時50分ごろ赤湯駅から西に1キロ以内の距離にある沖郷中学校の南西側でも目撃されました。クマの目撃を受けて、沖郷中では保護者に対し、車で生徒を送迎するよう呼び掛けたということです。その後、午前6時15分ごろには市内露橋の露橋公民館近くでもクマ1頭が目撃され、南陽市は現場に猟友会の出動を要請、緊急銃猟で午前7時半ごろにクマ1頭を駆除しました。南陽市は、駆除されたクマが市内で相次いで目撃されたクマと同一個体かどうかは「不明」としています。沖郷中学校多勢 俊二 校長「安心はしているが引き続きクマの出没もあり得るので十分注意しながら対応していきたい」。クマの駆除を受けて沖郷中は生徒の下校時には、保護者による送迎は呼び掛けないということです。今年に入って、県内で緊急銃猟によるクマの駆除は3件目です。
(鹿肉ジャーキーで命無駄にしない:長野)
阿智村の村ジビエ加工施設管理組合が、ペットの犬用鹿肉ジャーキー「阿智ジビエ」の販売を、同村智里の昼神温泉郷にある観光拠点施設「ACHI BASE(アチ・ベース)」などで始めた。企画したのは村地域おこし協力隊の小田智さん(57)。「獣害対策で駆除されたシカの命を無駄にしない」との思いで活動に取り組んでいる。阿智ジビエは、一袋50グラムで1300円。袋のロゴマークには、村の象徴である星空と山々、たくましいシカの姿をデザインした。アチ・ベースのほか、カフェと土産の「昼神キヨスク」でも取り扱っている。
TOPへ
6/17
(60代男性が自宅敷地内でクマに襲われ頭部や顔面から出血:奈良)
17日未明、奈良県下北山村で60代の男性がクマに襲われ、けがをしました。17日午前4時40分ごろ、奈良県下北山村寺垣内に住む60代の男性から「外にトイレがあって、トイレから出るとクマに襲われた」と110番通報がありました。男性は、頭部や顔面から出血し病院に搬送されましたが、命に別条はないということです。警察によりますと、男性は1人暮らしで、自宅の敷地内にある屋外トイレを出たところで突然襲われたということです。下北山村役場の職員や地元の猟友会、警察が現場周辺を捜索していますが、男性を襲ったクマは見つかっていないということで、村や警察は、住民に注意を呼びかけています。
(山菜採りに山に入り、クマに襲われる:山形)
警察によりますと、15日、山形県鶴岡市田麦俣の山中に山菜採りのため入った39歳の男性が体長およそ1.2メートルのクマに襲われました。男性は左腕などにケガをしたということです。男性は自力で下山をして、医療機関で診察を受けました。現場は湯殿山スキー場から東におよそ1.6キロメートルの場所です。男性は15日午前2時10分ごろから1人で山へ入ったということです。
(通学途中の女子中学生がサルに襲われ負傷:兵庫)
サルによる被害が相次いでいる兵庫県姫路市で16日、女子中学生がサルに襲われけがをしました。午前8時ごろ、姫路市北今宿で「娘がサルに足を引っかかれた」と119番通報がありました。警察によりますと、通学のため女子中学生(13)が母親とともに歩いていたところ、サルに足を引っかかれ軽傷を負ったということです。姫路市によりますと現場周辺では12日以降、目撃情報が相次いでいて、15日も登校中の女子高校生がサルに髪を引っ張られたり腕を引っかかれたりしてけがをしたということです。目撃情報などから市は同一の個体とみて、職員2名が周辺を巡回したり捕獲用の檻を4つ設置したりするなど警戒にあたっています。
(警視庁が「クマ駆除PT」設置:東京)
東京都内でクマの目撃情報があることを受け、警視庁は12日、プロジェクトチーム(PT)を立ち上げた。目撃情報のある地域を所管する警察署の幹部やライフル銃を扱う「射撃班」、全体の調整役を担う警視庁幹部らで構成し、市町村が「緊急銃猟(駆除)」をできない場合、代役を担う。警察庁によると、こうしたPTは10日までに北海道、東北6県、新潟、長野の9警察本部で設置されている。警視庁でPTに加わるのは、クマの目撃情報がある青梅(青梅市)、五日市(あきる野市)、福生(福生市)、八王子(八王子市)、高尾(八王子市)、南大沢(八王子市)の6署。クマが住宅街や街中に現れた際、都や市町村と情報交換。市町村から駆除依頼を受けた猟友会や業者が対応できない場合など「必要がある」と判断した場合、警視総監が射撃班を含む現場チームに出動を指示する。PTは補完的な立場だが、射撃班ではクマを想定した訓練も始めているという。昨年、クマによる被害が東北地方を中心に相次いだことを受け、警察庁が国家公安委員会規則を改正し、警察官がライフル銃を使ってクマを駆除することが可能となった。
(豚熱に感染した野生イノシシの確認について:)
群馬県が令和元年10月1日から実施している野生イノシシの豚熱検査において、6月11日の遺伝子検査で5頭の陽性が確認されました。これにより、県内における野生イノシシでの豚熱感染確認事例は485~489頭目となりました。
(警視庁が「クマ駆除PT」設置:東京)
東京都内でクマの目撃情報があることを受け、警視庁は12日、プロジェクトチーム(PT)を立ち上げた。目撃情報のある地域を所管する警察署の幹部やライフル銃を扱う「射撃班」、全体の調整役を担う警視庁幹部らで構成し、市町村が「緊急銃猟(駆除)」をできない場合、代役を担う。警察庁によると、こうしたPTは10日までに北海道、東北6県、新潟、長野の9警察本部で設置されている。警視庁でPTに加わるのは、クマの目撃情報がある青梅(青梅市)、五日市(あきる野市)、福生(福生市)、八王子(八王子市)、高尾(八王子市)、南大沢(八王子市)の6署。クマが住宅街や街中に現れた際、都や市町村と情報交換。市町村から駆除依頼を受けた猟友会や業者が対応できない場合など「必要がある」と判断した場合、警視総監が射撃班を含む現場チームに出動を指示する。PTは補完的な立場だが、射撃班ではクマを想定した訓練も始めているという。昨年、クマによる被害が東北地方を中心に相次いだことを受け、警察庁が国家公安委員会規則を改正し、警察官がライフル銃を使ってクマを駆除することが可能となった。
(現在の上限数796頭を超える捕獲を推進する方針決まる:岩手)
ツキノワグマの保護や管理について協議する、岩手県と有識者らの会議が12日盛岡市で開かれ、生活圏への出没が相次でいることを踏まえて、現在の上限数796頭を超える捕獲を推進していく方針が決まりました。この方針は県内のツキノワグマの保護や生息数を管理し、県や学識経験者、猟友会などで構成される協議会で決まったものです。2026年度の県内のクマの出没件数は、4月末時点で376頭と、過去5年間の同じ時期と比べて最も多くなっています。人への被害は10日までに5人に上っていて、このうち3人が亡くなっています。県は2026年度の捕獲の上限数を、2025年度と同じ796頭としていましたが、クマの生息数がこれまで推定していた3400頭を大きく上回っていることから、上限数を超える捕獲を推進する方針を決めました。(岩手県自然保護課 千田志保クマ対策特命参事)「みなさんの安全を守っていくという取り組みが必要になってきているというふうに考えています」。2025年度は上限数を大きく上回る1271頭が捕獲されていて、2026年度も上限数の見直しは行わずに、必要な数の捕獲を進めるということです。
(豚熱イノシシ1頭陽性:鹿児島)
鹿児島県は15日、霧島市牧園で死んで見つかった野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内のイノシシ感染は22例目。1、16例目から10キロ圏内の「感染確認区域」外のため、半径10キロ圏内を新たに同区域に設定した。県家畜防疫対策課によると、22例目は体長100センチの雌成獣。
(クマ、5200頭か:岩手)
岩手県は12日、クマの頭数管理に関する有識者らの協議会を開き、県内に生息するクマが約5200頭に達するとの推定数を公表した。これまで推定していた3700頭を大幅に上回り、協議会は2026年度の捕獲数について、当初の上限とした796頭を超えて進める方針を決定。担当者は「捕獲従事者の担い手育成も並行し、対策を強化したい」としている。県は24~25年、野生のクマの体毛を回収し、地域ごとの生息数を確認する調査を実施。今回からは長距離移動する個体の性質も踏まえて頭数を推定した。現行の管理計画では26年度末時点での目標数を3400頭に設定している。
(「クマに遭遇し決めた」、今年度最初の狩猟免許試験:秋田)
クマの出没・被害が増える中で14日、秋田県の令和8年度最初の狩猟免許試験が行われた。国家試験の狩猟免許は各都道府県が試験を行い、免状を交付する。試験は網猟、わな猟、第一種・第二種銃猟がある。秋田県の第1回試験は県森林学習交流館(秋田市)で行われ、辞退の2人を除く58人が受験。1人で複数受験できるため網、わな、第一種銃猟を延べ90人近くが受験した。会場では午前10時に県の担当者が受験者に試験の流れなどを説明。各試験とも知識、適性、技能の3分野あるため夕方まで続いた。「昨年12月に銃猟を受けたので、今回はわなを受けた」と話す北秋田市の会社員男性(50)。祖父から続くマタギの家系で「自分の家族には猟師になるのを反対されていたが、クマ被害急増もあって受験した。すでに銃猟には何度も出ている」という。実家が北秋田市の阿仁地区でマタギという秋田市の会社員男性(39)も「マタギ文化を受け継ぐため、手始めに網とわなを受けた」。わなを受けた秋田市の会社員男性(31)は「キャンプなどアウトドアで過ごすことが多いのでクマが心配。何かの際に役に立てるよう受験した」。夫(55)と一緒に銃猟を受けた潟上市の自営業女性(48)は「自宅近くで犬の散歩中にクマに遭遇したことがあり、2人で受験しようと決めた」と話していた。今年は全国的に春先から人生活圏での目撃件数が多く、秋田県も年初から出していた「クマ出没注意報」を4月14日に「警報」に切り替えて継続。5月以降に人身被害が続き、6月9日現在で1人が死亡、4人が負傷。いずれも自宅近辺など生活圏での被害だった。人生活圏でのクマ出没・人身被害が5年度から全国的に急増したことで、狩猟免許試験への関心も高まっている。秋田県では6年度は全4回の試験のうち2回が定員超過で出願できない人が出た。このため県は7年度から実施を1回増やして計5回にしたが、それでも12月の第5回試験で出願できない人が出た。この事態に県自然保護課は「試験が3分野で時間がかかり、会場確保の都合もあって出願者実数の定員を毎回60人にしている。出願できない人がいないよう対応したい」と話していたが、結局、今年度も定員はそのままとなった。今年度の試験も計5回で、4月20日の受け付け開始後どの回にも出願できるため、当初から第2回以降に出願する人がいる一方で「第1回を希望しても定員超過で出願できない人が複数おり、第2回以降を案内した」と担当者。「第1種銃猟はすでに12月の第4回まで定員となり、来年1月の第5回も埋まり始めた。網とわなも7月の第2回まで定員になった。これほど出願が多いのは初めてだ」(同)と打ち明ける。隣接する岩手県もクマの人身被害が深刻で、年3回実施の狩猟免許試験は定員を設けておらず、7年度は計625人と、出願者が前年度比3割増加。県自然保護課の担当者は「特に12月の第3回試験には339人が出願しており、今後も定員を設けずに行えるかわからない」と話していた。8年度第1回試験は宮古市で行うが、会場の都合からわなと第1種銃猟のみの実施で、やはり定員は設けていない。受け付けは6月10日に締め切り、出願実数132人で、重複を入れると、わな109人、第1種銃猟69人に上る。担当者は「第1回は会場が広くないので、出願者全員を受け付けられるか薄氷を踏む思いだった。試験準備や当日の運営など人手の面も大変だが、滝沢市の県立大で行う第2、3回の受け付けはこれからで、会場も広いので出願できない人が出ないよう努めたい」と話している。
(緊急銃猟、市・猟友会・警察が手順確認:北海道)
小樽市は11日、市街地に出没したヒグマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」の訓練を市内で初めて実施した。昨年12月に作成した対応マニュアルを基に、市と北海道猟友会小樽支部、小樽署の約40人が、クマの現認から駆除までの手順を確認。クマを逃がすことなく確実に駆除するため、さらなる連携強化の必要性が浮き彫りになった。
(クマの管理へ初の計画案提示:静岡)
静岡県は5日、県内で目撃が相次ぐツキノワグマの管理計画案を有識者らでつくる県環境審議会に示した。クマが主に生息する山地と人の生活圏の間に「緩衝地域」を設定。このゾーンのうち人の生活圏に近いエリアを「管理強化区域」とし、わなや猟銃で捕獲するなどして個体数の調整を図るほか、クマが定着しない環境を整備する。県のツキノワグマ管理計画の策定は初めて。県内では2025年度のクマの目撃件数が統計を取り始めた13年度以降で最多の200件に上った。中東遠地域の市街地でも出没しており、生息域が拡大している可能性がある。計画案は「人とクマとの軋轢(あつれき)を軽減しつつ、共存すること」が目的。
(県内のクマ捕獲数、過去10年で2番目:栃木)
栃木県は、2025年度の野生鳥獣の捕獲状況を11日発表し、クマの捕獲数が過去10年で2番目に多かったことが分かりました。県内のクマの捕獲は2024年度、34頭だったのに対し、2025年度は2倍以上の70頭が捕獲されました。これは、過去10年で2020年度の93頭に次いで2番目に多い数です。これまでの過去最多は2006年度の106頭となっています。県の2024年の推計では、中央値で県内に約961頭のクマが生息しているとみられ、20年前の204頭から、年々増えています。2025年に那須塩原市で、県内では初めて市街地で人がクマに襲われる被害があり、市内で1週間の間に合わせて3件の人身被害が発生したことから、この付近で積極的に捕獲を実施したということです。目撃情報は2026年に入って5月28日までに63件あり、これは統計開始から過去最多となっています。また野菜や果物など農作物への被害では、2024年度の被害額が100万円だったのに対し、18倍となる1800万円に増えました。林業では、日光市や塩谷町など5つの市と1つの町で樹木の皮を剥ぎ取られる被害を確認していて、被害額は1500万円増加の6200万円でした。
(令和7(2025)年度野生鳥獣の捕獲状況及び農林業被害状況:栃木)
令和7年度の野生鳥獣の捕獲状況及び農林業被害状況については、以下のとおりでしたのでお知らせします。主な獣類の捕獲状況(環境森林部自然環境課) シカは11,909頭であり、対前年度比85%で減少となったものの、捕獲目標は達成した。イノシシは6,906頭であり、対前年度比70%で減少となったものの、捕獲目標は達成した。獣類(シカ・クマ)による林業被害状況 (環境森林部森林整備課) 林業の被害面積は45haで対前年度比145%、被害金額は1億1千6百万円で、対前年度比99%で減少した。被害の内容は、シカ・クマによる壮齢木の剥皮被害や、植栽地における幼齢木の食害(シカ)であった。野生鳥獣による農作物被害状況(農政部経営技術課) 鳥獣による農作物被害金額は2億5千6百万円で、対前年度比105%となった。このうち、獣類の被害金額は2億2千3百万円で、対前年度比109%となった。獣種別では、イノシシによる被害が59%を占め、次いでシカ、ハクビシン、クマの順で推移した。作物別では、稲の被害が最も多く、次いで野菜、果樹の順となった。
(改めてクマ、シカなど駆除要請:北海道)
稚内市町内会連絡協議会は、稚内市、稚内市議会にエゾシカなどの駆除を求める請願書を提出した。市内65町内の連合体である稚内町連協は、平成23年から毎年、要望活動を行っており、8日、小川文三会長ら役員4人が市役所を訪れ①エゾシカに関し個体数の減少に向け更なる駆除強化に努めること②ヒグマに関し、北海道ヒグマ管理計画(第2期)に基づき、人とヒグマの共存関係の構築を目指すよう取り組むこと③アライグマは、国及び北海道と連携を図り、徹底し防除に努めること④トドに関し、駆除など漁業被害防止対策への支援の充実・強化を進めること⑤アザラシは北海道アザラシ管理計画(第3期)に基づき漁業被害の軽減に向けた取り組み⑤エゾシカ・ヒグマのジビエ料理の研究・開発・普及に対し積極的に取り組むこと⑥これらに関する駆除ハンターの育成・編成の強化に取り組むことの6点を市長と吉田議長に要望した。町連協は平成23年から15年に亘り、要望を強く訴えてきたが、目立った成果が得られたとは言えず、近年はシカなどの個体数の増加が見られ、住民の経済的被害も多くあるとして今回、再度駆除を強く求めることにした。
(農作物被害額約1億7500万円、2年連続増加:大分)
イノシシやシカが農作物を食べる被害があとを絶ちません。被害額は2年連続で増えていて、関係者が対策を話し合いました。田植え作業が続く大分市吉野にある水田。過去、イノシシに稲が食べられる被害があったことから、5年ほど前に防護柵を取り付けました。被害は改善されたということです。県や猟友会などで作る県鳥獣被害対策本部は、毎年この時期に会議を開いていて、10日は約60人が参加しました。県によりますと、イノシシやシカ、サルなどによる農林業の被害額は減少傾向にあったものの、2024年は11年ぶりに増加しました。2025年の被害額は約1億7500万円で、2年連続で増えています。県森との共生推進室 梶原雅敏室長補佐:「地道な取り組みが必要だと思います。物理的に侵入させないこと、対策をしていかなければならないことを生産者と一緒に考えて対策をしていきたい」。イノシシやシカに農作物が食べられる被害が県内で増え続けています。2013年は2億9400万円で年々、減少していましたが2024年は約1億5700万円で11年ぶりに前の年を上回りました。そして2025年は1億7500万円で2年連続の増加となったんです。被害の約6割はイノシシによるものです。県によりますと、一度に多くの子どもを産むイノシシが増えて、食べ物を求めて山から人里に下り、防護柵のない農地に侵入して作物を荒らしているということです。そこで大切なのが対策です。一番は農地など敷地内への「侵入」を防ぐことで、効果的なのが防護柵の設置です。次に、えさ場をなくすこと、つまり収穫した農作物を置いたままにせず、きちんと徹底することが重要です。また・田んぼや畑に来るイノシシやシカを捕獲するための、箱わなやくくりわなの設置も効果的です。対策会議では2033年度までに、被害額9000万円以下を目標にしています。県の梶原さんは「地域ごとに被害の状況が異なる。それぞれに応じた対策を進めたい」と話しています。被害の実情を知って地域全体で防いでいくことが大切です。
(シカ食害の伊吹山土砂災害など、対策話し合う会議:滋賀)
土砂災害の防止対策を話し合う会議が大津市で開かれ、伊吹山での土砂災害の要因となったシカの食害対策などが紹介されました。この催しは国土交通省などが開き、大津市の会場には自治体の職員や防災に携わる企業関係者などおよそ1000人が集まりました。はじめに筑波大学の渡部圭一 准教授が講演し、比良山では江戸時代、採石が原因で土砂災害が起きたことを踏まえ、地元との間で災害を防ぐための取り決めが交わされた事例を説明しました。このあと、地元の住民や大学教授などが土砂災害が相次いだ伊吹山などの事例について、パネルディスカッションを行いました。この中で、シカの食害対策に取り組む高橋滝治郎さんは「伊吹山ではシカの食害で土がむき出しになった斜面に雨が降ったことで土砂災害が発生した。今後もシカが増えることを懸念している」と訴えました。そのうえで伊吹山では、シカが入れないようユウスゲやササユリの花が咲いている場所などに金属製の柵を設置して食害から守る対策をとり、効果が出始めていることを紹介しました。山口市の防災ボランティアの代表を務める80代の男性は「何年かに1度は災害が起こるので、地元の人の防災力を向上させるよう取り組む必要があると、きょうの講演で感じました」と話していました。
(効果的な電気柵の取り付け学ぶ講習会:青森)
地域で問題となっているイノシシによる食害を防ぐため電気柵の設置講習会が開かれ、参加した農家がより効果のある取り付け方法を学びました。新郷村が開いたイノシシによる食害防止を目的とした電気柵の設置講習会には村内の農家を中心に50人が参加しました。講習会では電気柵メーカーの担当者が、触れると電気が流れるワイヤーを張り巡らせる際、イノシシの鼻に当たるよう高さ20センチの間隔で取り付けるように指導しました。新郷村では昨年度あわせて118頭のイノシシが目撃されました。このうち63頭を捕獲しましたが農作物被害は663万円に上りました。ことしもきのうまでの2か月間で10頭を捕獲していますが被害の拡大が心配されています。新郷村 高見憲一 農林課長「行政はどうしても被害があってから対策というのでしょうか講じてきたところもあるのですが、そうではなくて、こちらから自衛するのを手助けするのにシフトするということも考えております」。新郷村は今年度電気柵設置の補助を拡充し村内全域で被害防止を図る考えです。
(クマ被害対策へ連携強化、中四国で初の連絡会議:岡山)
東北地方などで相次ぐ「クマ」被害。その対策などについて中四国地方でも情報共有しようと、初めての連絡会議が16日、岡山市で開かれました。連絡会議には中四国の環境事務所や森林管理局の職員らが集まりました。2025年度から東北を中心に全国的に相次いでいるクマの被害。岡山県では2025年度以降人への被害は出ていませんが、警戒は必要です。岡山県によりますと、2026年4月から5月にかけて県内で人が活動する範囲にツキノワグマが出没したのは30件。統計を取り始めた2000年以降の同じ期間と比べ、過去2番目に多い数です。出没した場所は県北の山間部が中心で、住宅地など人の密集するエリアではないとしています。岡山県などは、冬眠前の秋ごろも出没が多発する可能性があるとして注意を呼び掛けています。(中国四国地方環境事務所野生生物課/小林靖英 課長)「中国地方はこの春以降、去年に比べるとかなり出没が多くなってきているので、関係機関で連携して安心して生活していただけるように対策を取っていければ」。
(クマ目撃相次ぐ、専門家「行動が活発になる時期」:兵庫)
今、関西地方でクマの出没が相次いでいます。影響は山林や農村地帯だけにとどまりません。都市部に近接した住宅地や観光名所にも、クマが姿を現すおそれがあるのです。専門家は繁殖期による行動の活発化と緩衝地帯の消失から、都市部近郊での目撃情報がさらに増える可能性を指摘します。一方、兵庫県は「ツキノワグマ対策連絡会議」を開くなど、自治体レベルの対策も動き始めました。11日には、神戸市北区の山林に設置されたセンサーカメラがクマ1頭を撮影。神戸市は「1歳半ぐらいの個体と推定される」と発表しました。さらに、西宮市の市街地近くや宝塚市でも目撃情報が寄せられています。宝塚市は6月16日、地元の猟友会などと協力し、前日夜に目撃情報があった場所を調査しました。現場を歩いた宝塚市猟友会の永井由崇支部長は「クモの巣が残っているので、絶対通ってないです。途中で野イチゴなんかもあったが、それを食べて休んでる気配もない」と指摘しました。足跡などの痕跡は残っておらず、クマは「道路を移動し、通り抜けていった可能性が高い」とされています。しかし永井支部長は「ここを確実に通ったという証拠がないだけで、いる可能性は十分あります」と強調します。痕跡がないことは、クマがいなかったことを意味しないのです。なぜ今、クマの目撃が関西各地で相次いでいるのか。取材班と共にクマが撮影された神戸市北区の山を訪れた、兵庫県立大学の高木俊准教授は、この時期のクマの特徴についてこう説明します。【兵庫県立大学 高木俊准教授】「今の時期ですと、ちょうど繁殖期にあたり、オスがメスを求めて動き回ったり、メスがオスに追われてまた動き回ったり、若いクマが生まれたところから離れていく、そういった時期になりますので、山の中での行動が活発になる時期と考えています」。また、クマが神戸市北区で撮影された翌日、約4.5キロ離れた西宮市・名塩でも2件の目撃情報が寄せられました。高木准教授は「森の中を移動しているので、つながっている部分であれば、障壁なく移動することができる」と述べています。では、市街地に直接クマが下りてくるリスクはどれほどあるのでしょうか。高木准教授は「住宅と市街地と接する街中で目撃情報等が一切ない段階で、すぐに街中にクマが出ることは起こりえないと思います」と現時点の見解を示しました。ただし「今後、都会に近い森林で目撃情報が増えてきたら、少し注意していただく必要はあると思います」とも付け加えています。取材班が高木准教授と別れた後、西宮市・名塩でクマのものとみられるフンが見つかったとの情報が寄せられました。現場を探した記者が手のひらほどの大きさのものを発見。高木准教授に写真を送り確認を依頼したところ、「一緒に写っている虫のサイズからすると、クマのフンに比べだいぶ小さいように見えるので、違うかな。これをもって"クマのフン発見"とは言えない」と指摘しました。西宮市では今後、専門家にも確認を依頼してクマのフンかどうか調査するとしています。兵庫県は6月15日、研究者などを集めた「ツキノワグマ対策連絡会議」を開き、県民に注意を呼びかけました。兵庫県の斎藤元彦知事は「できるだけ集落に呼び寄せないために、放置果樹や生ごみの対応をしっかりやっていただきたい」と呼びかけています。
(大型ドローンでクマ対策:福井)
通信インフラ事業などを手がける大野市の「石森電通システム」が、最大積載量80キロの最新鋭大型ドローンの実演会を旧蕨生小学校グラウンドで開いた。通信関係は反射板、電力関連は避雷針、林業は苗木など、それぞれ運搬での活用を見込む。深刻化するクマ対策として、スピーカーを搭載して警報音を鳴らすなど上空からの防除を提案した。同社はドローンによる農薬散布や技術講習、機器の販売を手がけてきた。「山間部の物流」「獣害」といった地元の課題解決に役立てようと、一式800万円で購入し、ドローン事業を拡充した。
(狩猟に触れる、担い手確保へ座学・実習:長野)
野生鳥獣による農林業被害が課題となり、熊の市街地出没も相次ぐ中、狩猟の役割や現場の実務を学ぶ「狩猟者確保・人材育成特別講座」が15日、県林業大学校(木曽町)で開かれた。県林務部や地元猟友会の講師らが座学と実習を行い、1、2年生約40人が理解を深めた。県の担当者は、捕獲と並行して延長3000キロの侵入防止柵を整備してきた県の対策を紹介。推定生息数約5700頭の熊に対し出没が比較的少ないのは「すみ分けが進んだため」とし、捕獲と河川敷伐採など防除の両立が重要と述べた。上伊那猟友会飯島町支部の小幡唯さんは、鹿の食害を見たことをきっかけに狩猟を始めた経緯や、熊と遭遇して大けがを負った経験を語り、「命を扱う行為には技術と覚悟が必要」と強調した。木祖猟友会でも会員減少と高齢化が進み、令和8年時点で約250人。技術継承と担い手確保が課題となる中、シミュレーターやわな体験など興味喚起の活動を続けていると報告した。講義を通じて、わなの仕組みや動物の行動を読む重要性を知った1年の猪瀬瑛貴さん(18)=松本市出身=は「動物との〝だまし合い〟の駆け引きに面白さを感じ、狩猟への興味が強まった」と話した。射撃体験用のシミュレーターの実演や、わなの仮設、鹿革を使ったキーホルダー作りなどを体験し、学生たちは実際の装備や技術に触れながら狩猟の現場を具体的にイメージしていた。
(シカの農作物被害に対しJAが市に緊急要請:山梨)
山梨県南アルプス市ではシカによる農作物への被害が深刻化しているとして、JAが市に対し対策を求めた緊急要請を行いました。県内におよそ4万9000頭が生息しているとされるニホンジカ。県のまとめでは2024年度のシカによる農作物への被害額はイノシシ、サルに続いて3番目に多く3000万円にのぼります。JA南アルプス市によりますと市内では去年以降、モモの実や苗木の皮などが食べられる被害が増加していて、電気柵などの対策を講じているものの被害が広範囲なため、全域での対応が困難になっているということです。JAはきょう南アルプス市の金丸一元市長に緊急の要請書を提出しました。要請書では、釜無川のシカの生息地や被害の実態調査、それに個体数の削減など6つの項目が盛り込まれています。JA南アルプス市 中澤豊一代表理事組合長:「(シカに)学習されるとそれがだんだん大きな被害になると思い市へ要請する格好になった。(市には)一日も早い対応をお願いしたいと考えている」。金丸市長は「あらゆる手段を講じなければならないと認識した」と述べました。
(クマ狩猟解禁を検討、人的被害受け「保護」から「捕獲」に:東京)
東京都は16日、クマの狩猟の限定的な解禁を検討すると明らかにした。都は2008年から保護対象として狩猟を禁じていた。都内でも山中で人的被害が出たほか、市街地でクマの出没が確認されている。鳥獣保護管理法に基づくクマの管理計画を新たに作成して捕獲できるようにする。
(「ふくしま狩猟ワールド」、講演やジビエ料理試食:福島)
狩猟の魅力や楽しみ方を紹介する「ふくしま狩猟ワールド2026」が14日、福島県喜多方市で開かれ、約60人の参加者が講演会や狩猟体験などを通じてハンターの世界に触れた。狩猟者の減少や高齢化が進む中、新規狩猟者の増加につなげようと県が2024年から開催し、今年で3年目となる。昭和村猟友会所属の玉川大輔さんが「狩猟のススメ、狩猟の今」をテーマに講演し、狩猟の魅力や役割、自然の厳しさなどを説明した。地元の飲食店に勤務しながら、1年を通して猟や駆除に出ている玉川さんは「狩猟は楽しく奥深い。不安もあると思うが、一歩踏み出してこの世界に入ってきてほしい」と話した。狩猟の相談や模擬銃・わなの展示、射撃シミュレーターによる狩猟体験も行われた。県外産の食材を使ったジビエ料理の試食ブースも設けられた。
(クマの生態、わな猟学ぶ:秋田)
クマの出没や人身事故が相次ぐ中、北秋田まちづくり観光協会は10日、クマ対策とアウトドア観光をテーマに、企業向けの研修会を開いた。JR東日本秋田支社に勤務する秋田県北地域の社員14人が参加。マタギ(猟師)の家系の生まれで同協会職員の松橋翔(かける)さん(29)が講師を務めた。はじめに松橋さんが秋田内陸線の列車内で、マタギの文化やクマの生態について解説。
(市街地へのクマ出没に備え 「緊急銃猟」想定し訓練:岐阜)
クマが市街地に出没した場合に自治体の判断で発砲を認める「緊急銃猟」を想定した訓練が12日、山県市役所であった。山県市と岐阜市、県警や山県、岐阜北両警察署などから約50人が参加。人員配置、各機関の役割、情報伝達など、いざというときの連携を確認した。訓練は山県市役所の駐車場にツキノワグマが出没し、人的被害が出たと想定。目撃者の110番を受け、警察官や市職員が市民の避難誘導や猟友会へ出動を要請した。県警機動隊がドローンでクマを確認し、関係者が捕獲方法や緊急銃猟実施の4条件を検討した。
(鳥獣被害額が過去最低の3億3300万円に:山口)
昨年度の野生鳥獣による農林被害額は2010年度以降過去最低のおよそ3億3300万円となりました。一方で食料を求めて人里に下りてきているサルやクマへの対策が必要とされています。県鳥獣被害防止対策協議会には有識者や農林業関係者が出席しました。県における野生鳥獣による農林業被害は減少傾向にあり、昨年度も被害金額は前年度を1500万円下回りおよそ3億3300万円と2010年度以降最も少なくなりました。鳥獣別にみると、イノシシ、サルは捕獲数、被害金額ともに前年度より減少したものの、シカは被害金額はほぼ変わらず捕獲数は1万2000頭あまりと過去最高を記録しています。(前年度比:+1144頭)協議会では県が昨年度山口市で実施したドローンによるサルの追い払い実証の結果が報告されました。(農林総合技術センター 松本 哲郎専門研究員)「2つの群れについてドローンで直接追い払うGPSで2分間隔でやりながら1日で1キロ平均を奥に追いやることができた」。県は今年度はさらに宇部市、下関市も加え5つの群れ対し追い払い実証を行い今後さらにほかの市町にも広げていきたいとしています。また、県内でも人里に下りてくるクマやサルなどがいる現状を踏まえ、生息地となる奥山の環境整備や集落にある柿や栗の木の伐採なども進めていく必要があるということです。
(イノシシ捕獲最多428頭、シカも急増:青森)
昨年度に県内で捕獲されたシカは273頭、イノシシが428頭に上り、過去最多だったことが県のまとめでわかった。シカの捕獲頭数は2020年度から3・7倍以上、イノシシは32・9倍以上に急増した。県内でも急速に生息域を拡大しているとみられ、農家らは農業被害を防ぐ対策を行政に求めている。シカやイノシシは、計画的に捕獲して頭数を管理する「指定管理鳥獣」となっており、昨年度は三八地域と上北地域の9自治体でわなや銃を使った捕獲が行われた。捕獲頭数には農林水産業への被害を防ぐために行う「有害捕獲」や特定の期間内に行う「狩猟」なども含まれ、全体でシカは前年度比50頭増、イノシシは283頭増だった。捕獲頭数は増加傾向にあり、いずれも過去最多を更新した。シカとイノシシの生息状況を把握するため、県はさまざまな調査を行っている。シカの定着段階を把握するための「ボイストラップ調査」では、県内7か所に録音機を設置。オスのシカが繁殖期に発するうなり声を記録した。最もうなり声が多かったのは大鰐町で、昨年9~11月に450回以上検出された。メスがいる場合にオスが発する特別なうなり声も観測されており、「定着初期~繁殖増加」の生息状況と判定された。クマと異なり、シカやイノシシによる人身被害は多くないが、農作物への被害の恐れがある。県のまとめでは、24年度の被害額はシカが1937万円、イノシシも1376万円だった。南部町の果樹農家、坂本昌人さん(56)のリンゴ園では昨春、初めてイノシシによる地面の掘り返しの痕跡が見つかった。今年は1~2月頃から掘り返しがあり、約1500平方メートルほどにまで被害が拡大した。「深いところで30センチほど掘られており、農薬散布の機械が入れないなどの支障が出ている」と坂本さんは言う。周囲の畑でもイノシシの痕跡が見つかり、被害は年々増えているといい、「来年も間違いなくイノシシはやってくる。少しでも被害を防ぐため、県や市町村に対策の強化をお願いしたい」と話している。
(イノシシ被害が前年比3割増:宮崎)
宮崎県内各地ではイノシシによる農作物被害が深刻化している。長年、鳥獣駆除に携わる日之影町の有害鳥獣駆除員は、イノシシの生息数増加と被害拡大を肌で感じており、「昔はイノシシを見ることがなかったが、今は集落近辺で子連れのイノシシが歩いている」と現状を語る。高齢化による狩猟者の減少が、この問題に拍車をかけている。九州ではクマによる被害の心配が少ない一方、宮崎県内各地ではイノシシが頭を悩ませる存在となっている。県によると、2024年度のイノシシによる農作物などへの被害額は約1億3,000万円に上り、前年度に比べ約30%増加した。日之影町で20年近く鳥獣駆除を行っている田中弘道さんは、「昔はイノシシを見かけることはなかったが、今は田んぼや集落付近でも子どものイノシシが連なって歩いている。かなり増加していると思う」と話す。田中さんが田起こしをしていた際に撮影した映像には、イノシシがトラクターの近くを平然と歩く様子が記録されている。日之影町によると、2024年度のイノシシによる農作物などへの被害額は約470万円。ここ数年、国の事業を活用して防護柵を設置するなど対策の効果があり被害額は減少傾向にあるものの、農業を基幹産業とする日之影町にとっては依然として深刻な問題である。有害鳥獣駆除員 田中弘道さん:この畑は昨年まで作付けがあったが、イノシシが全て掘り返している。ミミズを食べるために掘り起こす。今年から作付けができない状態。さらに足跡をみつけ、「かなり大きい」と話す。田中さんも農作物を守るため、防護柵など様々なイノシシ対策をとっているが…有害鳥獣駆除員 田中弘道さん:この向こう側に栗とかあるから入らないように作ったけど、獣道を通ってきて、これだけ押し上げて獣が中に入っている。かつてこの地域では、複数の猟師が協力して獲物を追い込んで仕留める「巻き狩り」が盛んに行われていた。しかし、高齢化による狩猟者の減少で「巻き狩り」が困難となり、イノシシ増加の一因となっていると田中さんは感じている。現在、田中さんは罠を仕掛けて年間約150頭のイノシシを駆除している。被害を減らすには、地道に狩猟を続けるほかないと話す。有害鳥獣駆除員 田中弘道さん:地域住民が一緒になってですね、罠で一匹一匹捕獲するしかないと思う。県内の農作物に被害をもたらすイノシシは、人にも危害を加える恐れがある。万が一イノシシに遭遇した場合、大きな声を出したり騒いだりすると突進してくる恐れがあるため注意が必要だ。イノシシに背中を向けずにゆっくりと後退し、物陰や建物の中に逃げるようにしよう。
(「とくしまハンティングスクール」:徳島)
「狩猟免許試験対策」から「実践的な捕獲技術の習得」「ジビエの利活用」までを総合的に支援する『とくしまハンティングスクール』の受講者を募集しています。「狩猟に興味はあるけれど、何から始めればよいかわからない」「免許を取得したものの、現場での実践が不安…」そんなあなたを、経験豊富な先輩ハンターがしっかりサポートします。
(SFTS患者数、過去最多を上回るペースで増加)
マダニが媒介する感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」について、ことしこれまでに全国から報告された患者数は72人と、最も多かった去年を上回るペースで増えています。国立健康危機管理研究機構は、野外で活動する際は、肌の露出が少ない服装を心がけるなどマダニ対策を徹底するよう呼びかけています。SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」は主に、原因となるウイルスを持つマダニにかまれることで感染する感染症で、発症したネコやイヌからヒトに感染するケースも報告されています。国立健康危機管理研究機構によりますと、ことしに入り今月7日までに報告された患者数は26府県で72人で、年間に報告された患者数が過去最も多かった去年の同じ時期を上回っています。都道府県別に見ると、▽静岡県、愛知県、愛媛県、長崎県で5人▽山口県、佐賀県、熊本県、大分県で4人▽神奈川県、三重県、兵庫県、徳島県、香川県、高知県、宮崎県、鹿児島県で3人などとなっていて、死亡したケースも報告されています。国立健康危機管理研究機構は、ハイキングや農作業などの野外活動の際は肌の露出が少ない服装や、「ディート」や「イカリジン」といった成分が含まれる虫よけ剤を使用するなどの対策をとるとともに活動を終えた後はマダニにかまれていないか全身を確認することが重要だとしています。また、皮膚についたマダニを見つけた場合は皮膚科などの医療機関で取り除いてもらうよう呼びかけています。SFTSの患者数が去年を上回るペースで増えていることについて、国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は「かつては西日本で多い病気だったが、いまでは静岡県や神奈川県からも報告されるようになり、感染するおそれがある地域が徐々に東に拡大しているとみられる。以前から患者が出ていた地域でも近年さらに患者の報告が増えていることがあり、感染が広がっている可能性がある」と話しています。患者数が増加している背景として「マダニはイノシシやシカといった野生動物に付着するが、こうした野生動物とヒトが接触する機会が多くなっていることやこれまで寒い地域では生き延びることができなかったマダニの生息域が温暖化にともない拡大していることが考えられる」と分析しています。そのうえで「今後、秋にかけて去年と同じくらいか、それ以上の流行が起きることも考えられるので、ハイキングや農作業などの野外活動をするときには、肌を露出しない服装をしたり、虫よけ剤を活用したりといった複数の方法を組み合わせて、マダニにかまれないための対策をすることが重要だ」と呼びかけています。
(イノシシ捕獲数3072頭、2011年度以降最多に:岩手)
昨年度、岩手県内で捕獲されたイノシシの数は、過去最も多い3072頭と前の年度のほぼ2倍に上ることがわかりました。これは、県や有識者などつくるイノシシの管理検討協議会で報告されました。県内でイノシシによる農作物被害が相次いでいることから、県はイノシシの捕獲を強化しています。その結果、昨年度の捕獲頭数は前の年度をおよそ1450頭上回る3072頭で、県内で初めて捕獲された2011年度以降、最も多くなりました。また、センサーカメラを使った生息調査の結果や目撃情報などから、県内の個体数が2024年度末時点で6223頭と推定されることが初めて分かりました。この推定個体数をもとに県は来年度から5年間の管理計画を策定する方針で、16日の会議では捕獲の強化に向けた「重点エリア」の設定など、方向性を協議しました。
(ニホンイヌワシ再び大空へ、飼育下から全国初:宮城)
空の王者、再び羽ばたけ―。国の天然記念物で絶滅危惧種のニホンイヌワシが、6月中旬にも宮城県南三陸町周辺で放鳥される。かつて日本有数の生息地だった地域で、動物園で飼育されたひなを野生復帰させる全国初の取り組み。関係者は「イヌワシと出合える町を未来に残したい」と意気込む。野生復帰に向けたプロジェクトは、南三陸町など産学官民で構成する「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会」が3年前から進めてきた。ニホンイヌワシは翼を広げると2メートルにもなる大型の猛禽類で、山の生態系の頂点に君臨する。草地など開けた場所で獲物を狩るが、林業の衰退などで山の管理が行き届かなくなり激減。国内でわずか約500羽と推定され、絶滅が危惧されている。南三陸町とその周辺では、かつて計4組のつがいが確認されたが、次々と姿を消し、定着は見られなくなっている。同協議会の鈴木卓也会長(54)は同町出身。「子どもの頃、ニホンイヌワシが悠々と飛ぶ姿を見て感激した」と振り返る。
(過熱する“クマ報道”のジレンマ、怖いのは「襲撃」だけではない)
6月に入って最大の話題はクマの出没ではないでしょうか。9日、栃木県宇都宮市の中心部にクマが出没し、民家敷地内で捕獲されたニュースが報じられたのは記憶に新しいところ。その前には2日に福島県の福島駅に近い住宅街の工場内で従業員がクマに襲われた映像、6日に栃木県の東武宇都宮駅すぐの商店街にクマが出没した映像が流れ、衝撃的でした。さらに10日にも兵庫県神戸市に初めてクマが出没したことが報じられたばかりです。一連のクマ報道は4月の段階から続いていました。テレビの情報番組では、「宮城県仙台市で138件の目撃情報があり、4月初のクマ出没警報が発令」「秋田県で4月のツキノワグマ目撃件数が395件あり、昨年の4倍以上」「埼玉県で5月のクマ目撃情報は過去5年で最多」「推定生息数は増え続け、環境省の発表では現在約5.8万頭」などのデータを次々にピックアップ。また、「東京都八王子市でクマが目撃されたことで23区にも出没するのではないか」と危機感をあおるような構成・演出も見られます。クマに襲われないための対策が求められていることは間違いないでしょう。ただ、現在の状況はそれだけにとどまらず、襲われること以外の深刻な被害が表れはじめています。その被害とはどんなことで、どんな対応が必要なのか。現状の問題を整理していきます。クマに襲われる以外の深刻な被害とはどんなことなのか。現在最も切実な危機は、クマの出没情報によって生活が脅かされていること。目撃情報が増え、範囲が広がっていることで、出没の可能性があまり高くないエリアでも「最悪の状況を回避する」ための警戒を余儀なくされています。最も影響を受けているのは子どもたちなのかもしれません。クマの出没情報によって臨時休校となり、学校に行けず、友人にも会えず、外出もままならない……。実際、住宅地で1頭が捕獲された宇都宮市はすべての市立小中学校94校が3日間にわたって臨時休校となりました。複数の個体がいる可能性は低いことから再開されたものの、それでも不安が消えたわけではないでしょう。それ以外の地域でも、臨時休校、体育などの屋外授業なし、プールや部活動などの自粛、運動会や遠足などの見送り、学童保育も休みなど、さまざまな面で影響が出ているようです。また、子どもを学校に送り出す親も、リスクの把握が難しい中、「登下校の付き添いを求められる」「『1人で留守番するのが怖い』と言われて仕事に行けない」など、仕事や生活への影響は必至。東北地方のある知人家庭に電話で話を聞いたところ、「完全に不安を拭い去れるまで子どもの登校を控えるという方針の親もいる」と語っていました。クマというより学校と家庭の対応に振り回される子どももいるのかもしれません。幼稚園や保育園も同様に「お散歩や園庭遊びを控える」「公園遊びや遠足は見送り」などの対応を余儀なくされるところもあり、もし長期化したら「心身の発達や人格形成に影響があるのでは」などと不安視する声もあがりはじめています。高齢者層への影響も大きく、「日々の買い物や通院などに支障が出ている」という声も散見されます。さらに「外出を控えることが心身の不調につながるのではないか」という指摘もあり、特に「サルコペニア(筋肉量の減少)が進んで転倒リスクが高まり、寝たきりになってしまう人がいてもおかしくない」などとリスクをあげる声もありました。数日間、「体を動かさなかった」「食欲がなかった」だけで「立ち上がれなくなった」というケースも少なくないだけに何らかのフォローが必要でしょう。買い物客の減少、イベントの中止などの商業的な影響も小さくありません。商店街の中にはクマの侵入を恐れてシャッターを閉める店や自動ドアのスイッチを切る店もあるなど、「身を守ることを優先しなければいけない」という状況がうかがえます。また、「自転車でスーパーに行くことすらためらってしまう」「車に乗るときに襲われたらどうしよう」という人もいる中、外食産業と旅行業への影響は甚大。特に後者は日光、嵐山、天橋立など人気観光地へのクマ出没情報があったことで、関係者は危機感を募らせています。山間部に多い温泉地の危機感も大きく、ホテルや旅館の正面玄関を締めたり、露天風呂の囲いを増強したり、建物周辺の木を伐採して見通しをよくしたりなどの対策を施す北関東エリアの温泉地を実際に見ました。「クマが怖いから」という理由で旅行を取りやめ、宿泊予約をキャンセルする人もいるなど、すでに営業的な被害を受けているようです。それ以外の業種でも、「営業時間を短縮した」「外回りの営業を控えている」「宅配の受注や配達が急に増えて回らない」などの影響が見られました。個別対応に頼るようなところが大きいだけに、自治体や国の組織的な早急な対策が求められています。クマが出没した東北と北関東の住民に電話で話を聞くと、「朝、ごみを出しに行くのが怖い」「犬の散歩に行けない」「友人との飲み会がキャンセルになった」などの影響を教えてくれました。さらに深刻さを感じさせられたのは、「川や雑木林のあるところはすべて疑っている」という言葉。クマは川沿いに山を下って街に近づいてくる個体が多く、なかには川を泳いで、あっという間に市街地へ到着する姿も目撃されています。雑木林に身を隠す傾向があることから、近くに出没していなくても警戒しているようですし、友人の中には「クマの出没が続いたら引っ越すしかない」と語る人もいました。木登りができるクマはフェンスを乗り越えることも、建物の2階に上がることも容易であるなど、家の中にいれば安心というわけではないのでしょう。クマ関連の識者たちは「現在出没しているクマは、昨年秋に大量出没して問題視されたクマと同じ個体である可能性が高い」などと語っていました。食べ物を得られた成功体験があり、対策が十分に施されず、暖冬の影響もあって出没が早くなり、リスクが増しているのであれば移住を考えても不思議ではないでしょう。一方で、人命優先であることは疑いようがないものの、心身への影響や経済活動の停滞、そして「悪質なデマの目撃情報もある」ことを踏まえると、過剰すぎる自粛ムードもどうかという感があります。では国や自治体の対応とは別に私たちができることは何なのか。クマに関する識者たちがメディア出演を重ねる中、クマの生態や防衛方法などの適切な情報を吟味して動くこと。目撃情報や作物被害などを早期共有すること。町内会・自治会などでの連携を確認し、困っている人がいたら手を差し伸べること。それでも不安であればクマ撃退スプレーを買い、使う練習をしておくこと。これらはクマに限ったスタンスではありませんが、「いかに正しく恐れることができるか」が問われているように見えます。そんな「正しく恐れること」を阻害しかねないのが、メディアの報道スタンス。とりわけテレビは朝から夜まで報道・情報番組でクマ出没のニュースを扱っているほか、ゴールデンタイムでもクマの特集を放送しています。これらの報道は「有益な情報を視聴者に届ける」ことと「視聴率獲得が期待できる」ことという2つの目的によるものでしょう。もちろん有益な情報もあり、参考にしたいところですが、残念なのは感情をあおるような演出が見られること。「人がクマに襲われる」「商業ビルに侵入する」などの衝撃映像を繰り返す。「駅から○m」などの近さばかりを強調する。クマの危険な生態のみをピックアップする。「ショック」「ありえない」などと怖がる住民の肉声を多用する。突出したデータのみを抜き取って見せるなどの傾向が見られます。さらに問題視されるのは、仙台など特定エリアのクマ出没映像を繰り返してネガティブキャンペーンのようになっていること。まるで危険エリアであることを喧伝するような報じ方はアンフェアであり、現地の人々にクマの恐怖とは別の危機感を抱かせかねません。人命に関わることだけに、メディアに求められるのはフラットな目線からの情報と対策。また、前述したクマに襲われること以外の被害についても報じてほしいところです。一方、それを見る私たちは営業的な意図を含む報道に感情を揺さぶられるのではなく、冷静に見極めていくべきでしょう。
(殺さないでくれ」「山に逃がせ」、役所に電話殺到で担当者は疲弊)
宇都宮の繁華街にまで侵入し、日本列島を騒然とさせているクマ問題。9日に一頭が捕獲された宇都宮市ではその後、新たな目撃情報はなく3日間続いた市立小中学校全校の休校は解除されている。しかし10日午後には京都府宮津市の日本三景の名勝「天橋立」に成獣のツキノワグマ一頭が出没し、逃げ込んだ雑木林で同日夜、麻酔銃を撃たれて捕獲された。6日に目撃情報が出て8日から市立小中学校全94校を休校にしていた宇都宮市。9日に成獣一頭を捕獲したものの、別の個体の出没の可能性も考慮して10日も措置を続けた。しかし、以降は新たな目撃情報もなく、防犯カメラ映像の分析などから新たな脅威はないと判断し、11日に休校措置を解除した。“クマ担当”の同市農林生産流通課に今回捕獲した成獣のことや、今後の方針などを聞いてみた。「オスの成獣です。市で計測したわけではありませんが、報道などから体長1m20㎝~1m40㎝とのことです。麻酔銃を撃たれ捕獲された熊は、基本的には殺処分します。処分方法は猟友会に委託しているので詳細は公表していません」。「いくら猛獣でも殺処分は酷なのではないか」というクレームが、動物愛護団体などからあると聞いたことがあるが、実態はどうなのだろうか。「めちゃくちゃきますよね。動物愛護団体を名乗られる方はいませんが、『人間が熊の居場所を壊してるからだろう』とか『人間がそうさせたんだろう』『殺さないでくれ。殺処分をやめてくれ』『本来いる場所に逃がせ』『別の山に逃がせ』とかもう様々なお声をいただきました。苦情の電話だけではありませんが、もうひっきりなしに電話はかかってきています。『殺処分しないでくれ』という意見とは反対の声も一部ではあります」。殺処分をやめてくれというクレームには何と答えているのか。「それはもう、『お答えしかねます』みたいなニュアンスでご回答するしかないですよね」。学校の休校は小中学校だけだったのか。「市立の小中学校と目撃情報のあった宇都宮大学が休講措置を取っていました。高校に関しては県の方でやっていたので、目撃情報や地域性を鑑みて校長判断でやっているのではないでしょうか」。今回のように人がたくさん生活するエリアにクマが出没したことは、これまでにあったのだろうか。「宇都宮市内でも郊外での目撃情報はありましたが、市街地での出没は調べられる記録の中にはないですね。原因も今はまだわかりません。ただ、もとから予定されていたことですが、7月に市内で実地訓練を行おうと思っております。熊が出たことを想定して訓練をやるつもりでしたので、今回の実地の経験も訓練の中に盛り込んで課題を克服していきたいと思っております。今回の最初の目撃情報は6日土曜日の午前中だったと思います。目撃情報が集中していたのは夜と明け方で、昼の時間帯には目撃情報がピタッと止まる状態でした。日中、人が動いてる時間帯はおとなしいという傾向が読み取れますね」。とりあえずひと息ついた北関東の中核都市、宇都宮。しかしその頃、遠く西に離れた日本三景のひとつ、京都府宮津市の「天橋立」でもクマが騒動を起こしていた。「10日午後4時半ごろ、天橋立の北側にクマ1頭がいるのを通行人の女性が見つけて110番通報しました。府警宮津署員が現場に急行して観光客らを退避させ、天橋立を通行止めにして様子をうかがっていたところ、クマは天橋立の中をノシノシと300メートルほど歩き、西側の『阿蘇海』に飛び込んで北に向かって泳ぎ、対岸に渡りました。クマは江尻地区の宿泊施設敷地内の雑木林に逃げ込んで、木に登って“籠城”、府から委託を受けた業者が午後10時半すぎに麻酔銃を2発撃ち命中しました。動けなくなったクマを捕獲し、こうして6時間に及ぶ大捕物が終わったのです」(社会部記者)。捕獲されたのは体長約137センチ、体重約97キロのツキノワグマ。宇都宮市と同じくオスの成獣で、すでに殺処分されている。宮津市役所の農林水産課はこう話した。「この辺りは山が近いところでありまして近隣でこれまでも目撃情報というのはありました。直近では5月15日にあがっておりました。捕獲されたクマについては委託されていた民間業者の殺処分する場所が、クマが出没したすぐ周辺でしたので、捕獲後そこに移動しその日のうちに殺処分は行われました。麻酔による薬殺という形で処分をしていただきました。麻酔で眠っている間にという形です。お会いした方々には『大変だったね』というお声がけをいただいています」人間の生活域で頻繁に見かけるようになって久しいクマ。日本全国で起こるクマとの闘いは、いつまで続くのか。
(クマはなぜ宇都宮の繁華街を駆け抜けたのか、都心の緑地や空き家が「緑の回廊」に)
栃木県宇都宮市の中心市街地にツキノワグマが現れた。深夜の繁華街を駆け抜け、3日間、住宅地に潜んだのち、麻酔銃により捕獲された。専門家は「起こるべくして起こったこと」と言う。次は東京かもしれない。クマが駆け抜けたのは、森の中ではなく、宇都宮市中心部の繁華街「オリオン通り」だった。アーケードの下に飲食店や衣料品店がひしめき、夜遅くまで人通りの絶えない、宇都宮一番の盛り場だ。6月7日午前2時20分ごろのことだった。「ちょうどその時間は、店の中で仕事をしていました。一瞬のことで、全く気がつきませんでした。ぼくは日光市の出身で、サルもシカもクマもいる土地で育ちました。それでも、人がふつうに歩く場所にクマが出るのは怖いですね」。クマが出没した場所にあるバーのマスター(36)は言う。宇都宮市教育委員会は全市立小中学校94校を8日から3日間、臨時休校にした。9日午後、クマはJR宇都宮駅から南東へ約2.5キロの民家軒下に追い詰められ、麻酔銃で捕獲された。体長約1メートル、体重約100キロのオスの成獣。けが人は出なかった。オリオン通りで老舗婦人服店を営む店主(72)は、テレビのニュースで一部始終を知った。「まさか、県庁のある宇都宮の真ん中を、クマが走るなんて。山のほうならわかるけれど、まさかこっちまで来るなんて……ありえない」(店主)。店主は何度も「ありえない」を繰り返した。本当に、ありえないことだったのか。野生動物の管理が専門の宇都宮大学・小寺祐二准教授は、2009年の大学着任直後、栃木県庁の研修会でこう「予言」していた。「10年以内にイノシシが県庁の芝生を掘りますよ。イノシシが出たら、シカやクマも出る」。大型哺乳類の分布拡大は西日本が先行している。山から農地へ、農地から街へ――生息域が広がる「順番」を、小寺准教授は現場で見てきた。果たして23年10月、イノシシが宇都宮の中心部に現れた。駅前の大通りを走り、県警本部の近くでも目撃された。豚熱の流行で時期は数年ずれたものの、「予言」は的中した。栃木県でクマが出没する地域といえば、かつては日光だった。10年ごろから鹿沼市の農地際に出るようになり、18年には宇都宮市内でも散発的に確認され始めていたという。「北部の山林でクマの頭数が飽和し、押し出されてきているのです」(小寺准教授)。山の「定員」が埋まれば、あぶれた個体は外へ出ていくしかない。玉突きのように分布が広がり、その最前線が県都の市街地に達したという。「状況としては、起こるべくして起こったということです」(同)。小寺准教授は目撃情報と地形から、クマの足取りを読みとく。最初の目撃は6月6日。市街地北部の長岡公園の方面だった。山あいの同公園の周辺は、研究者の間では「クマが出る場所」と認識されていた。問題はその先だ。緑地は、南側が狭まったくさび形に市街地の奥まで食い込んでいる。先端まで行ったクマには逃げ場がなく、街の中心に出るしかない。行き着いた先が、オリオン通りだった。その後は、人目につきにくい線路沿いや河岸段丘の雑木林を伝って南下したとみられ、9日朝には小寺准教授が勤める宇都宮大学の構内に現れた。大学は全学部を休講にした。小寺准教授がひやりとしたのは、大学の南門だ。「南門にサクラの実がたわわになっています。クマが気づいて構内に居座っていたら、大騒ぎになっていたと思います。街にクマのエサなどないと思われがちですが、サクラの木はどこにでもあります」(同)。クマはその後、再開発で空き地が残る南の住宅地へ向かい、9日午後、民家の軒下に追い詰められた。「あと500メートル南へ行けば、農地が広がっていた。そこまで行けば、さらに逃げていたでしょう」(同)。実は、今年5月、小寺准教授は宇都宮市の委員会で、市町村の判断で市街地での発砲を可能にする「緊急銃猟」制度の説明を受け、釘を刺したばかりだった。「制度も重要かもしれないが、その前にクマが出ないようにしなければ大変なことになる、と伝えました。市街地では、実際には猟銃は撃てないのですから」(同)。住宅密集地で引き金を引けば、跳弾や誤射のリスクが大きく、制度があっても使える場面は限られる。だからこそ、草刈りや誘引物の除去といった「クマを出さない対策」が先だ――そう言った直後の出没だった。現場にも危うさが見えた。報道映像では、クマを囲む人々の半数以上がヘルメットを着けず、麻酔銃の射手の後ろに控えるメンバーはクマスプレーを持っていないように見えた。「もしもクマに反撃されたら、何人のけが人が出たか。あの状況で無事故だったのは、奇跡だと思います。比較的おとなしい個体で、人間を見て、逃げ続けてくれました」(同)。宇都宮で起きたことは、地方都市の特殊事情ではない。小寺准教授から見れば、「首都圏の未来図」だというのだ。「明治時代に山の木を徹底的に伐採したことで、野生動物の生息域は縮小しました。日本の街は、大型哺乳類がいない前提で設計されているのです」(同)。の前提が、崩れ始めた。燃料が薪や炭から石油やガスに代わり、人が使わなくなった山の森は回復し、動物たちは数を増やした。一方、人口減少で山あいから人が減り、街と山を隔てる緩衝帯だった農地や里山はやぶに戻っていく。動物たちは、無人になった土地を伝って街に近づいている。実際、東京都・八王子では、すでに10年以上前からイノシシが出ている。そして、「東京でもっと危ないのは、ここです」と小寺准教授が地図で示すのは、南の多摩川周辺だ。河岸段丘の崖が、雑木林のまま、サンリオピューロランドやよみうりランドの脇を通って川崎まで延びている。この緑地が、動物たちの「緑の回廊」になりうる。神奈川県川崎市のホームページには、すでにイノシシの出没情報が載っている。「すでに、イノシシは川崎まで来ている。クマの移動能力を考えれば、ある日突然、世田谷あたりにクマが出ても全くおかしくありません」(同)。神奈川県では、イノシシが厚木のあたりから一気に飛んで、三浦半島の葉山に現れた。「もう少しすれば、横浜中華街でイノシシが暴れるかもしれません。そうなれば、クマの侵入も懸念しなければならない」(同)。追い打ちをかけるのが、近年増加している空き家だ。雑草が伸び放題になった庭が動物たちを呼び寄せる。栃木県・渡良瀬遊水地の周辺では、住宅地の空き家の庭が、すでにイノシシに掘られているという。小寺准教授は「大型商業施設」にも注意喚起する。環境に配慮した施設ほど、駐車場の周りに緑地を設ける。その緑が、イノシシの侵入路になるのだ。緑豊かな街づくりと、野生動物の侵入は、表裏一体だ。「クマが出るたびに騒いで、その都度対応する。その繰り返しで終わらせてはいけません。動物が身を隠せる草を刈り、放置された果樹のような誘引物をなくし、動物を街に入れない『防護壁』をどこに設けるか。考え始めるべき時です」(同)。6月10日、オリオン通りには、いつもの人通りが戻っていた。前出の婦人服店の店主は苦笑いする。「宇都宮も全国で有名になっちゃいましたね。餃子じゃなくて、クマで」(店主)。次に「ありえない」と驚くのは、どこの街だろうか。
(麻酔銃を撃った動物園関係者が「熊にある種の『尊敬』の念」:栃木)
6月6日から栃木県宇都宮市の市街地を徘徊し、住民たちをパニックに陥れた1頭の熊。その逃走劇は9日午後、麻酔銃によってついに決着した。舞台となったのは、市内の住宅密集地だった。宇都宮動物園で飼育課長を務める磯哲雄さん(64)は、極度のプレッシャーの中で引き金を引いた。現場では一体何が起きていたのか。磯さんが緊迫の“その瞬間”を振り返る。6月9日の午後2時頃、栃木県庁から宇都宮動物園の事務所へ出動要請が入った。磯さんは、麻酔の投薬を行う獣医とともに現場へと急行。住宅街は、警察や消防、そして大勢のマスコミが集まり、騒然としていた。熊が逃げ込んだのは民家の庭先だったが、草木の影にいて、姿をはっきりと捉えることはできなかったようだ。磯さんが語る。「私の使命はとにかく熊に麻酔銃を命中させることなので、自分の命の危険などを考える余裕はありませんでした。熊は興奮することなく落ち着いている様子でしたが、植物に隠れていて、目視で捉えられたのは胴体の一部分だけ。麻酔銃を撃つにはかなりの高難易度でした」(磯さん、以下同)。磯さんは5年前にも動物園周辺に出没した子熊に麻酔銃を撃った経験がある。その際も枝が邪魔になり、数発撃ってようやく命中したため、「動物園内と違い、屋外での麻酔銃は非常に難しい」と危惧していた。磯さんの予感は的中し、今回も最初の2発は上手く命中しなかった。「次こそは」──覚悟を決めた磯さんは場所を移動し、高さ1.8メートルのフェンス越しから狙う作戦に出た。熊との距離は、わずか1メートルだ。「あの熊なら2メートル足らずのフェンスなんて簡単に這い上がってこっちに来ることもできるし、逆方向に逃げる可能性もありました。麻酔銃を構えたとき、熊と目が合った。最悪の事態も頭をよぎりましたが、後ろには警察官が何人も私をフォローするように構えてくださっていました。『最悪、熊が来ても逃げればいいか!』と腹をくくり、とにかく命中させることだけを考えました」。磯さんと対峙した際、熊に興奮した様子は見られなかったという。「周囲の雰囲気を察知したのか、私が銃を構えても熊は興奮せず、どっしりと構えていました。私の考えですが、動物は撃たれる前に覚悟するものだと思っています。あのときの熊も、周りの状況を見て観念しているように感じました」。狙うは、ツキノワグマのトレードマークである胸のV字の白い模様。脂肪が厚く、熊へのダメージが少ない部位だ。磯さんが放った3発目の麻酔銃は、見事にその“V”を捉えた。6月9日午後、数日間にわたり栃木県宇都宮市の市街地を徘徊していた「クマ騒動」がついに決着。麻酔銃の引き金を引いた磯哲雄さん(64)は、宇都宮動物園の飼育課長で、同日午後2時頃に出勤要請を受けたという。わずか1.8メートルのフェンス越しに熊と相対した瞬間について、「最悪の事態も頭をよぎりました」と回想する磯さんだが、3発目が見事に命中し、捕獲に成功した。彼が騒動を振り返り、いま熊に抱く感情とは。命中を確認した磯さんは、銃を車へ片付けに戻った。2~3分後に戻ると、警察官から「熊は寝ているようだ」と知らされた。しかし、ここで気を抜くわけにはいかない。“大事な作業”が待っているからだ。「麻酔が効いたかの確認作業は、必ず麻酔銃を担当した本人が行う。これは私の中の絶対のルールです。もし途中で起きてしまったら大惨事になりますから。盾を持った警察官に同行してもらい近づくと、熊は撃たれた場所から2メートルほど動いて倒れていました」(磯さん、以下同)。盾の隙間から棒でつつき、反応がないことを確認した後、さらに熊の体を手でつかんで仰向けにひっくり返し、麻酔銃が命中した腹部と睡眠状態を入念にチェックした。その後はようやく搬出作業だが、ここでも苦労があった。「すぐに猟友会の方々が駆けつけてくれて、私を含めた4人で持ち上げようとしたんですが、重くて全然持ち上がらないんです。熊の体は柔らかいうえに体毛も短く、手も大きくて非常に持ちづらい。結局、カゴの場所まで引きずっていき、最後は猟友会の方が5人がかりで『1、2、3』でようやく持ち上げました」。普段はゾウやキリンなどを担当し、様々な動物の重量を体感している磯さんは、「体重100キロくらいはあったと思う」と推察した。捕獲後の熊の処遇は猟友会に引き継がれたが、市街地を大混乱に陥れたこの騒動を振り返り、磯さんは厳かな口調で、「不謹慎かもしれませんが……」と胸の内を吐露する。「6日から9日までの間、あれだけの距離を走り回りながらも、ただの1人も人を襲うことがなかったこの熊に対して、私はある種の『尊敬』の念を抱いています。また、今回は同行した獣医の麻酔の調合が本当に素晴らしかった。普段なら眠るまでに5~10分はかかるところを、今回は5分以内で熊が眠りについてくれました。無事に捕獲できたのは、何より獣医のおかげです」。宇都宮を震撼させた熊騒動は、動物に敬意を持って向き合い続けるプロフェッショナルたちの連携によって最悪の事態を免れ、幕を下ろした。
(宇都宮のクマ、現場ルポ:栃木)
走る、泳ぐ、よじ登る。市街地へのクマの出没が相次いでいる。昨年度の人身被害は過去最高を記録したが、冬眠が明けた今年度は住宅地や市街地での目撃が相次ぎ、社会生活への影響が確実に広がっている。6月に入ると栃木県宇都宮市の中心部で数日間にわたって目撃情報が頻発。同9日には住宅の敷地内でオスの成獣一頭が麻酔銃で撃たれて捕獲されたが、複数個体の可能性も指摘されている。厳戒態勢の続く宇都宮市で、記者がクマの足跡(そくせき)を追った。クマによる人身被害に限れば、環境省が4月に発表した2025年度は速報値で238人(うち死亡13)となり、過去最高とされた2023年度の219人(うち死亡6)を上回った。今年度に入ってからも4月に岩手県内でクマに被害を受けたとみられる女性の遺体が見つかり、5月にも岩手県と山形県でそれぞれクマに襲われたとみられる男性の遺体が見つかっている。さらに6月に秋田県でも女性の遺体が見つかった。出没件数(北海道は非公表)でみれば2023年度が2万4348件だったのに対し、2025年度は5万801件と2倍以上になっていることから、クマが人目につくエリアにじわじわ生息域を広げていることは明らかだろう。この5月には宮城県仙台市の東北大学青葉山キャンパスや仙台城跡付近で目撃情報が相次ぎ、東京都内でも多摩エリアでは住宅街に近い場所に出没するなど、人が多く住むエリアに現れる傾向が強まっている。しかし、6月6日に宇都宮市に出没が確認された地点は、これまでとは一線を画すほどの繁華街だった。しかも縦横無尽に行動するクマの姿が直接目撃されたり、防犯カメラに映ったりし、全国のお茶の間を震撼させた。東武宇都宮駅直近の「宇都宮オリオン通り商店街」振興組合の関係者は取材にこう証言した。「宇都宮市でも山の方ではクマが出たという話は聞いたことありましたが、街中、ましてやオリオン通り商店街でクマが出たなんて話は聞いたことありませんでしたし、考えたこともありませんでした。学校も休校になって大変な状況ですが、実際、クマと遭遇したら恐怖ですよね。オリオン通り商店街は昼間に関しては極端にお客さんが来なくなったという話は聞きませんが、一連のクマの報道が始まってから居酒屋さんなど夜をメインにしているお店は『お客さんが減った』という話はしていました。一頭は捕獲されたとのことですが、複数いるかもしれないって報道もありますし、そのあたりが早くはっきりわかってほしいですね」。記者がオリオン通り商店街を訪れたのは、捕獲翌日の10日午後。同商店街の70代女性商店員は不安そうにこう語った。「今日に関しては人が少ないって感じはありますね。いつもならもうちょっと人の往来があるから減ったは減ったんでしょうね。オリオン通り商店街の防犯カメラの映像見ました? そうそう。昨日まではクマが走っていった通りを見にくる人たちが多かったけどね。なんだってこんなところにクマが出るんだか本当に怖いわよねえ」。テレビのニュース映像でも再三報じられたが、クマは用水路を泳ぎ、堤防をよじ登って上がった先の袋小路の住宅街に追い詰められた。そして民家の敷地内で、獣医に麻酔銃を撃たれ捕獲された。近くに住む男性は興奮気味にこう語った。「ちょうどお昼休みの時だったのですが、近所で『クマがいるから家の中に入ってくれ』と騒いでる人がいて事態を把握しました。外に出るとあたりが騒々しいので用水路の方に行くと、対岸の家の庭というか、敷地の脇をクマが移動しているのが見えました。表側が袋小路になっている住宅街で、そこに警察官や猟友会の人とおぼしき服装の人たちがグルグル周っていました。クマはそれに気づいて敷地内を逃げているように見えました。人がいる表に出ようと思えばすんなり出られるんだけど、熊は表には行かずフェンスをよじ登って用水路に飛び込んだんです。本当、人間みたいにバシャーンって。その後、泳いで行ったけど、水門を越えられなかったのか、泳いで引き返してきて壁をよじ登って表の方に出ていきました。後で気づいたんですが、ウチの庭にクマの足跡があって、一歩間違えれば時間的に鉢合わせしていてもおかしくなかったんです。いや、本当恐ろしいですよ」。近くに住む女性は祈るようにこう話した。「クマが捕獲された方のおうちの近くにはパトカーがたくさん止まって、猟友会の方たちや大勢の人があたりを包囲していました。クマがいるから危険だから家の中に入れと指示されてから、1時間以上は経っていたと思いますが、クマが軽トラに乗せられて運ばれていくのを見ました。何かをかぶせられていたので顔とかは見えませんでしたけどね。ここに何十年も住んでますけど、これまでクマなんて出たことないんですよ。だから複数のクマがいるんじゃないかと言う人もいるけど、私はあの一頭だけなんじゃないかって思っています」。クマ騒動の余波で、宇都宮市立の小中学校は10日も全校が休校になった。中学生の保護者はこう話した。「正直言うと子供は学校が休みになったことを『やったー』って喜んでいますよ。一応今日(10日)まで休校ということは聞いていますが、その後のことは私はまだ聞いていません。親とすればクマが出ているとなればやっぱり心配ではありますよ。最初はここから10キロくらい離れた雑木林があるエリアで目撃情報が出ていました。でもこの辺は雑木林もない住宅街ですし、こっちまではこないだろうと思っていました。そしたら近くでクマが捕獲されてこの騒ぎですからね……。本当驚きました。休校の影響で運動会も延期になってしまったんですよ。一応、16日に行なう予定ですけど、それもダメだと今度は中止になってしまうんです。運動会に関しては楽しみにしているんですけどね……」。クマと運動会なんてシャレにならない事態は絶対に避けなければならない。市役所職員によると、9日に捕獲されたクマは「基本的には殺処分される」という。
(「阿仁マタギ」の視点から見るクマ、”臆病”と言われながら人や動物を襲う理由:秋田)
今年度、秋田県内でもクマによる人身被害が複数発生しています。県がツキノワグマ出没警報を発令してクマへの注意が呼びかけるなか、県民は再び日常生活での警戒を強いられています。ABSラジオのキャンペーン特集「クマを多角的に知る…ということ」。5回目のテーマは「変わりゆく山の生態系とマタギの知恵」。北秋田市阿仁の比立内で代々続くマタギの家系で16代目にあたるという、松橋翔さんに話をうかがいました。関向:きょうのゲストは阿仁マタギの松橋翔さんです。お電話がつながっています。松橋さん、おはようございます。松橋:おはようございます。よろしくお願いします。関向:松橋家は北秋田市阿仁の比立内で代々続くマタギの家系です。翔さんはその 16代目にあたるということなので、詳しくお話聞いていきましょう。県内では春先から冬眠明けのクマの出没が相次ぎ、けが人や死者も出ています。松橋さんがお住まいの北秋田市ではどのような状況でしょうか。松橋:今のところ人身被害というのは報告されていませんが、私が住んでいる阿仁の方だと鶏舎が襲撃されてニワトリが食害に遭ってます。目撃頭数というのは例年より多い傾向です。関向:どのくらい増えているものなんでしょう。松橋:かなり多かった昨年度とほぼ同じ水準になっておりまして、例年と比べると 1.5倍以上の目撃情報が寄せられております。関向:阿仁では6月の9日に民家まで15メートルほどという近さの鶏舎でニワトリがクマの食害に遭ったということなんです。松橋家代々続くマタギの家系というふうにご紹介いたしましたが、「マタギ」という言葉自体は、秋田県に住む皆さんなら一度は聞いたことがあるかと思います。ただマタギといわゆるハンターという言葉、何がどう違うのか教えてください。松橋:様々な動物を捕獲する人たちのことをハンターというふうに呼ぶかと思います。一方で、マタギという言葉の定義自体というのはすごく難しいんですけれども、狩猟だけではなくて、山菜であったりとか、渓流釣りであったりとか、様々な山の恵みを授かりながら生活するような、そういう山の生活者というふうな位置づけだと考えております。関向:山との結びつきというのが、市街地だとか、里に住む人たちに比べてはるかに強いということなんですね。ABSのスタジオには、クマの取材を続けている秋田放送の川口大介記者がいます。川口:おはようございます。よろしくお願いします。関向:川口記者はいつ頃から松橋さんの取材を続けているんでしょうか。川口:岩手県大槌町で(松橋さんが)地元阿仁に戻って生活するための修業をしていた、2023年から取材をさせていただいています。去年、 3年間の修業を終えて地元の北秋田市に戻り、まちづくり観光協会でガイドとして働きながら、マタギとしての経験を積んでいらっしゃいます。川口:松橋さんに山に入る狩猟者の目線でお聞きしたいんですが、今、県内ではクマだけでなくて、イノシシとかシカですとか、そういったものが生息域を広げています。今まで森の中で王者として君臨していたクマにとって、この新たに入ってきたシカとかイノシシがどういうふうに影響しているというふうにご覧になってますか。松橋:クマっていうのは比較的臆病な性格をしていて、気が弱いので、他の動物を避けるように移動する傾向が見られます。夜間のドローンによる空撮とかでは、イノシシとクマが鉢合わせた際にクマが移動するような、そういう様子も見られています。そのため、シカとかイノシシなどの動物が山の中に増えてくると、ほとんどの場合はクマの方がその生息圏を追い出されるような形で移動します。この際に、一部のクマについては里の近くに生息圏を移すというような個体もいます。松橋:また一部の食べ物もかぶっているため、それらがかぶらないように食性を変化させるという場合もあります。阿仁のほうでは、これまで食べていなかったソバとかコメを食べるようなクマも確認されていますが、これまでにない傾向です。私が修業していた岩手県の大槌町では、罠にかかったシカがクマに襲われて死んでいる場面にも出くわしています。そういったクマの食べ物が変化する際に、肉食に極端に寄ってしまうような状況というのが一番怖いと考えています。関向:前回、写真家の加藤明見さんにお話を聞いたときも、撮影中にクマがイノシシを避けている様子を見たというふうにおっしゃっていました。自然の中では私たちが知らないクマの姿っていうのが、松橋さん、多々見られるんですね。松橋:山の中のクマっていうのは非常に臆病なので、そういった様子が多く見られるかと思います。関向:ちょっと意外でした。観光ガイドとしても活躍している松橋さんにお話を伺っていますけれども、今月5日にクマ対策研修会というものが開かれて、川口さんはその取材にも行ったようですね。川口:県や出先機関で観光に携わる職員などを対象にした研修会で、松橋さんが講師としてクマの生態や行動を解説する内容でした。フィールドワークに使った広場にはイノシシの痕跡もあって、かなり実践的な内容だと感じました。今、県内ではクマの出没によって観光への影響、ダメージを心配する声がありますが、今回の講習会はどういった狙いで開催したんでしょうか。松橋:県内外で連日クマの報道があると思うんですけれども、それらによってクマに対する漠然とした恐怖というのが蔓延していると感じております。「秋田県に行ったらクマに会うんじゃないですか」とか、そういった問い合わせが実際に寄せられております。北秋田市阿仁では昔からクマと向き合い、共生してきたマタギ文化がございますので、そのための知恵であったりとか、クマに対する知識や対応についてお伝えさせていただいて、特に秋田県への観光に関するクマによるマイナスなイメージの改善を図りたいというふうな狙いでした。川口:今、「クマに向き合う」というキーワードをいただいたんですけども、私が秋田でクマの取材を始めた当初から、「クマと誰が対峙するのか」=人材というところが、ずっと課題になっていて、結局その課題に対して明確な答えがないまま、7~8年時間が経過してしまっているんですけども、最近は職員ハンター、いわゆるガバメントハンターという言葉が聞かれるようになってきたんですけども、出てくるクマとの対峙に関しては、マタギの家系の松橋さんの立場からも見て、どういうふうにお考えですか。松橋:マタギというのは山の中での生活とか、あるいは山の中での狩猟というのを得意としております。そのため、クマを含むような山の中での変化というのは日々いち早く感知するのが得意です。一方で、里に出没したクマへの対応というところについては、マタギもまだまだ不十分なところがございますので、そこはガバメントハンターなど、里の狩猟に適した人材を確保するといった、そういう役割分担が必要になるのではないかと考えています。マタギだけに任せるではなくて、ガバメントハンターだけに任せるでもなくて、そういった複数の機関の連携が必要だというのが私の考えです。川口:マタギは春グマ猟、冬明けのクマを追っていくような猟をしていて、それにならったような形で、県の方で市街地の出没を抑制しようと、春先の管理捕獲というのが先月末まで実施されました。有害(駆除)と狩猟の内訳は非公表ですが、今年度、6月9日時点では県内で65頭が捕獲、駆除されていると公表されています。ネット上では「推定生息数に比べて捕獲、駆除された頭数が不十分だ」という声もあるんですけれども、この山に入っていって猟をすることの効果とか意味合いはどう感じられますか?松橋:山の中のクマっていうのは比較的臆病で、人を避ける傾向が強いんですよ。里に下りてきて、車であったりとか、人の生活音とか、そういうのにさらされることで、音に鈍感で人を恐れないような性質になると考えています。山でクマが増えると、もしくは狩猟圧がなくなると、クマは里に近づいてきますので、山での狩猟というのはそういうふうにならないための、ある意味予防策の一つと言えるというふうに考えております。川口:つまり、人が怖いものだという存在を学ばせる、学習させるという効果ということでいいですかね。松橋:そうですね。関向:マタギが果たしている役割というのは、アーバンベア問題の予防策ともとらえることができるんですね。ただ、今はマタギ一本で生活できる時代ではないかとも思います。今、マタギと言える人っていうのはどのくらいいらっしゃるんですか。松橋:阿仁の猟友会のメンバーが大体40人弱なんですけれども、そのうちいわゆるマタギ集落である打当、八内、根子といったマタギのメンバーは20名程度になります。川口:こうした中、松橋さんは阿仁で暮らしていくために、ジビエを柱にしていこうということで岩手で修業してきたわけですけども、現在の進捗状況とか、これからについてちょっと教えてもらっていいですか。松橋:処理施設の整備と、あと出口の確保と、そういう2つを同時に進めております。処理施設については、今年度中に設計などを進めて、年度内もしくは来年度からの稼働開始を目指しております。出口の確保については、飲食店の営業許可であったりとか、あるいは加工品の製造場所の確保を現在進めている最中になります。現在はジビエを身近に感じてもらおうと、ジビエメニューを提供するようなキッチンカーの営業を開始しております。ジビエとしての解体製造体制を整えることで、現在は有害駆除で埋却、焼却処分されている命を余すことなく活用する、そういったマタギの精神性に改めて立ち返りたいなというふうな考えです。関向:ABSラジオでは三年にわたって阿仁マタギを取材したドキュメンタリー「マタギの森」という番組を2024年の年末に放送しました。取材はクマの大量出没が報じられ始めた時期にあたり、取材に応じていただいたマタギたちは有害駆除を依頼されるが、それはマタギ本来の狩猟とは全く違うと、置かれた立場に苦悩する姿を描きました。最後に松橋さん。クマによる被害を減らしていくために何か提言というのはありますでしょうか。松橋:クマはここ数年、生息域や食性など大きく変化しているというふうに感じています。これがある意味クマにとっての環境適応であると捉えるとするならば、これはその変化に対して人も適応していかないといけないというふうに考えております。マタギというのは昔から自分たちを自然の一部だというふうに捉えて、自然の中に適応して生活してきた歴史がございます。クマとの共生のために、情報収集体制の充実、ゾーニングなどを進めていきながら、自分自身がその地域の自然要素の一端を担っているというふうな、自然の一部だというふうな自覚を持ってですね、適応していくことが必要なのではないかと考えております。関向:クマとの共生のための適応というところに一つ進んでいかなければいけないというところなんですね。今日は松橋さんからマタギの視点からクマのことを伺いました。松橋さんがガイドを務めるツアーが随時開催されています。詳しくは北秋田まちづくり観光協会のホームページをご確認ください。
(「上海のサファリパーク」で起きた悲劇:中野タツヤ)
冬眠シーズンが明け、各地でクマによる事故が相次いでいる。クマ問題を取材する中野タツヤさんは「クマによる被害は北海道・東北の山間部などの特殊事情ではなく、都市部でも起こり得る。例えば2020年に中国・上海で起きた事件がある」という――。日本全国にクマが大量出没し、悲惨なニュースが大々的に報じられた2025年が過去のものとなり、明けた2026年も、はや半分が過ぎようとしている。クマ類の冬眠が明ける4月ごろから、あちこちでクマ出没情報が報じられているが、クマによる被害が本格化するのは初夏から秋にかけて、つまりこれからの時期が本番と言える。このままの状況が続けば、2026年もクマに振り回される一年になりそうである。とはいえ、北海道・東北や山間部の住民を除けば、関東以南の都市部住民の大半は、クマによる被害にリアリティを感じていないのではないか。都会の人々にとって、クマが人を襲うニュースは、あくまで自分とは直接関係のないどこか遠くで起こった事件に過ぎない。東京は世界でも珍しい「クマが生息する首都」なのだが、現実問題として、東京都の都市部、特に23区住民で、クマを恐れている人はほとんどいないはずだ。筆者はなにも、都会の人の認識が間違いだというつもりはない。現実問題として都市部の人がクマにおびえる必要はない。確かに、東京農工大学の小池伸介教授のように、多摩地区の山あいに生息するツキノワグマが、多摩川河川敷に侵入すれば、府中あたりまで進出しうる、つまり「クマは都心までやってくる」と指摘している識者もいる。ただ、実際問題として、クマが都心部に出没する可能性はほとんどない。人間の気配を嫌うクマが、都心の住宅密集地まであえて移動してエサを探す、そんな状況は考えにくいわけだ。ただ、クマによる被害は、都市部でも起こりうる。山間部など「田舎」だけの特殊事情ではない。クマによる被害は、いつどこで発生するか予想できない。絶対安全だと思われていた場所でも、意外な形で被害にあうこともある。上海野生動物園の男性飼育員、朱さん(26歳)は、その日、クマ飼育エリアで行われていた植物の掘削工事の監督をしていた。上海野生動物園は、中国最大級の動物園だ。上海市の中心部から約35kmの距離に位置し、敷地面積は実に約153ヘクタール(東京ドーム32個分)もある。その広大な敷地に、約200種類、1万頭もの動物を飼育する、中国初の「国家級野生動物園」である。「国家級野生動物園」とは、国家林業局(現・国家林業・草原局)と地方政府が共同で建設・管理する、大規模な動物園のこと。中でも、この上海野生動物園は、中国初の国家級野生動物園であり、中国の観光地としては最高ランクの「国家5A級観光地」にも指定されている。経営は、上海申迪集団有限公司が同公園の経営権の66.67%を所有し、中国野生動物保護協会が33.33%を保有している。ちなみにこの上海申迪集団は、土地開発、インフラ建設、および関連産業開発に従事する国有企業だ。この上海野生動物園では、「放養式」といって、動物と人との間に檻や柵を設けず、動物に接近して鑑賞できる展示方法を採用していた。この方法は日本でもサファリパークなどで採用されている。上海野生動物園の場合、草食でおとなしい動物の展示エリアは徒歩で見ることができるが、大型動物や肉食獣など危険動物の展示エリアでは、観客はサファリバスに乗って周遊する仕組みだ。上海野生動物園の朱さんは、工業専門学校でツアーガイドの資格を取得後、上海野生動物園に入社していた。はじめは園内をめぐるバスのツアーガイドを担当していたが、その後、念願かなってトラの飼育員になった。朱さんは毎日、トラを檻の外に出してから、檻の中を掃除し、トラの餌を用意。観光客のツアーが終わった後、「シマウマ模様の車両」を使ってトラを檻に戻すのが日課だった。ちなみに、「シマウマ模様の車両」とは、上海野生動物園の業務車両のことだ。シマウマをイメージしたのだろう、車体がゼブラ柄に塗装されている。動物が好きで入社した朱さんにとって、この仕事はまさに天職だったのかもしれない。朱さんの母親は中国メディア財新の取材に、「息子は夕食時に動物園の仕事について話すのが好きだった。すべてのトラの名前を記憶していた」と語っている。そんな朱さんが事件に巻き込まれたのは、2020年10月17日。3日前の10月14日、上海野生動物園では、クマ飼育エリアの植物撤去作業を、外部業者に依頼することを決定していた。頑丈な木の根っこかなにかを掘り起こして撤去することになったのだと思われる。その後、10月16日には、外部業者の上海石油化工金義工業建設有限公司から派遣された運転手、およびショベルカーが、クマ飼育エリアで植物の撤去作業を開始していた。10月17日にも、同じ作業を行うため、外部業者および、上海野生動物園のスタッフが集まった。午前8時頃、上海野生動物園側の現場監督の「季さん」が、金義公司のショベルカー運転手である「徐さん」を車に乗せ、クマ飼育エリアまで案内したのが、午前8時30分ごろだった。上海野生動物園からは、季さん、閔さん、そして、朱さんの三人が、交代で、シマウマ模様の車両の中から作業を監督していた。一方、徐さんはショベルカーに乗り、植物の掘り起こし作業を行っていた。作業は順調に進んでいたが、午後4時30分頃になって異変が起こった。ショベルカーの徐さんが、急に運転席から外に出たのである。この間の事情は現地報道でもあまり定かではないが、おそらく機械のトラブルかなにかがあったのだろう。徐さんは歩いてショベルカーの右側にまわり、状態を確認していた。ただ、そこはクマ飼育エリアのど真ん中である。動物園のルール上、危険動物を飼育するエリアにおいては、たとえ機械の故障であったとしても、外部業者の人間が無断で車を降りることは許されていない。異変に最初に気づいたのが、先ほどご紹介した、上海野生動物園のトラ飼育員である朱さんだった。徐さんが許可なく車両から降りたのをシマウマ模様の車両の中から目撃した朱さんは、その行動の危険性を認識する。ただ、徐さんを助けようとするあまり、朱さんもまた、許可を得ることなくシマウマ模様の車両から降りてしまう。朱さんは徒歩で徐さんに近づき、急いで運転席に戻るよう声をかけたとされる。だが、時すでに遅かった。この時、ショベルカーとシマウマ模様の車両の周囲には、すでに10頭あまりのヒグマが集まっていた。朱さんは、徐さんにすぐ戻るよう注意すると、シマウマ模様の車両に戻ろうとした。だが、その瞬間、突然飛び出してきたヒグマが朱さんを襲った。最初の一撃で重症を負ったのだろう、朱さんはあっけなく地面の上に倒れこんでしまう。と、そこに、周囲で様子をうかがっていたほかのヒグマが、集団になって、地面に伏した朱さんに、一斉に襲いかかった。ヒグマの群れは、朱さんの身体を水場の近くまで引きずると、爪を突き立て、キバで噛みつき、朱さんの肉を引きちぎっていく。この時、事件現場のすぐ近くに、ちょうどクマ飼育エリアを通過中の観光バスがいた。そのバスの中から、多くの観光客が、朱さんがヒグマの群れに襲われる一部始終を目撃していた。中には、ヒグマが朱さんの身体に食らいつき、肉を引きちぎる残酷な場面をスマホで撮影する人もいた。この動画が、WeChat(中国のメッセージアプリ)経由でネット上に流出してしまったのである。動画には、水場のほとりに横たわる朱さんのまわりに多数のヒグマが群がり、朱さんの身体と思われるものを食いちぎっている様子が収められている。また、観光バスの乗客が、不安げに見守っている姿も確認できる。一方、ショベルカーの運転手の徐さんは、ヒグマを追い払って朱さんを救出しようと試みる。だが、ヒグマの数があまりにも多すぎた。10頭以上ものヒグマが朱さんの身体に食いついていて、近づくことさえ難しかった。徐さんは自力での救出をあきらめ、ショベルカーの運転席から電話で助けを求めた。その後、午後4時36分頃、事故を聞きつけた上海野生動物園の季さんが、シマウマ模様の車両で現場に駆けつけ、ヒグマを追い払う。季さんは、上海野生動物園の動物部門のマネージャーである謝さんに報告。午後4時39分頃、謝さんが、獣医や飼育員を含む約20人を率いて救助に向かう。彼らは、シマウマ模様の車両5台、トレーラー1台、高圧放水車1台、大型掘削機1台を用意しており、これでようやくヒグマを追い払い、朱さんの遺体の一部を回収することができたという。この事件については、現地政府が詳細な事故報告書を公開している。その中で、動物園としては「危険動物のエリアにおける作業については、きちんとしたマニュアルがあった」とし、事故が起こった原因は「あくまで現場の作業員がルールを破り勝手にショベルカーを降りたことにある」としている。ただ、そのマニュアルがなぜ守られなかったのかが、事故原因を探る上で本来最も重要な点のはずだ。いかにマニュアルがあろうとも、それを無視した作業が横行していたのであれば、動物園全体の安全管理のあり方に疑問符がつく。結局、「マニュアルがあるから動物園の対応は問題なし」とはなっていない。現場の責任者9人が懲戒処分を受けているため、当局は一定程度、動物園側の落ち度を認めた格好になっている。では動物園の落ち度はどこにあったのか、事故報告書にはその点が抜けて落ちている。そのため、これはトカゲの尻尾切りではないかという疑問がぬぐえない。上海野生動物園は中国トップの動物園の一つということもあるのか、経営トップ層には共産党幹部も名を連ねているようだ。そこまで責任追求の手が及ばないよう、あえて事故原因を曖昧なままにしているのではないのか。共産党一党独裁という中国独特の事情が、クマ問題にも影を落としているようだ。誰もが利用する動物園での事故は絶対にあってはならないものだが、残念ながら事故はたびたび発生している。過去の記事で、韓国の動物園でヒグマがライオンを襲った事件についてご紹介したが、その中で2016年に日本で発生した群馬サファリパークでの事故についても書いた。群馬サファリパークでの事故とは、ヒグマを放し飼いにしているエリアを車で巡回していた従業員が、ヒグマに襲われて落命した事件だ。この時、ヒグマは車の窓を破り、車の中にいた従業員を食害している。窓には防護用のステンレスパイプが設置されていたが、その時はたまたま外れていたという。そんな不運もあったとはいえ、車の窓すら突き破るヒグマのパワーは凄まじいとしか言いようがない。中国では2025年にも浙江省杭州の動物園で、観客の眼前で飼育員がクマに襲われるという事件が発生しており、その時の映像を世界中のメディアが報じている。中国における動物園の管理体制は本当に問題ないのか不安視する向きもある。ただ、こうした事故は中国に限らず、日本でも起こるし、世界中どこでも起きうるものだ。その意味で、クマを含めた動物の安全管理や、危険性は、都会の人にとっても他人事ではなく、社会全体の問題であり、行政による取り組みが必要だと言えるだろう。
(クマの緊急捕獲実施:富山)
クマの目撃が相次いでいる黒部川河口付近でけさ入善町側の地域で目撃がありました。正午前に緊急捕獲が行われ、クマは駆除されたとみられます。入善町によりますときょう午前4時半ごろ入善町芦崎地区の海沿いの堤防近くで、クマ1頭が朝日町方向へ歩いていくのが目撃されたということです。さらに午前11時20分ごろ、芦崎漁港近くで作業員が堤防を登っていたクマ1頭を目撃しました。現場を取材しているKNBの記者によると、正午前に緊急捕獲が行われたとみられ、銃声が複数聞こえたということです。※一報段階では「緊急銃猟」としましたが、その後町役場などが「緊急捕獲」と取材に回答しました。
(「飼い犬が腹から出血」クマに襲われたか:宮城)
6月10日午前6時頃、宮城県蔵王町平沢の住宅の敷地内で「飼っているイヌがクマに襲われたようなけがをしている」と町役場に通報がありました。役場と警察によりますと、通報したこの住宅に住む女性はクマの姿を見ていないものの、飼っているイヌの腹部にはクマの爪痕のような傷が残っていて、皮がめくれ出血していたということです。また、住宅の隣にある畑ではクマのものとみられる足跡も見つかりました。警察が周辺をパトロールするなどして警戒を呼び掛けています。
(クマと軽自動車が衝突、2人けが:宮城)
12日夜、登米市中田町の自動車専用道路で軽自動車がクマと衝突し、乗っていた2人が顔などにけがをしました。警察によりますと12日午後8時半すぎ、登米市中田町石森の自動車専用道路、「みやぎ県北高速幹線道路」で軽自動車がクマと衝突しました。クマは体長およそ1メートル、体重40キロほどで、道路の脇から車道に飛び出して車と衝突し、そのままセンターライン上に倒れたということです。この事故で、軽自動車は前の部分が大きく壊れ、運転していた30代の男性が胸の痛みを訴えて登米市内の病院に搬送されました。また、同乗していた40代の女性も顔にけがをしましたが、いずれも命に別状はないということです。クマは地元の猟友会などによって死んでいるのが確認され、除去されました。現場は、「みやぎ県北高速幹線道路」の佐沼インターチェンジから南東の方向におよそ500メートル離れた場所で、付近では12日にクマの目撃が相次いでいました。
(親グマと子グマ2頭を目撃、体長1m50cmの親グマを猟銃で駆除:長野)
長野県朝日村でクマ3頭が目撃され、このうち1頭が駆除されました。11日午前11時ごろ、住民から「畑作業中、クマらしきものを見た」と村役場に通報がありました。クマが目撃されたのは、朝日村古見で、現場に駆け付けた村の職員や警察官、猟友会が正午ごろ、藪の中にいた親グマ1頭と子グマ2頭を発見しました。午後1時前、猟友会が猟銃で体長1メートル50センチの親グマを駆除しました。子グマ2頭は見失ったということです。
(神戸に「クマ」が出没、市内での確認は初めて:兵庫)
神戸市北区の山林で、成獣とみられるクマ1頭が出没していたことがわかりました。市内でクマの出没が確認されるのは初めてだということです。神戸市によりますと、11日午後5時すぎ、北区道場町(どうじょうちょう)の山林でシカやイノシシなどを捕獲するために設置されたセンサーカメラに、成獣とみられるクマがうつっているのが確認されたということです。画像は神戸市内の山林で6月11日に撮影されたもので、オリの奥にうつっているのが成獣とみられるクマです。市によりますと、神戸市内でクマの出没が確認されたのは初めてのことで、市は、地元の自治会や教育委員会などにも情報共有を行ったということです。神戸市は市民に対し、以下の注意喚起をしています。▽夕方から朝方にかけての外出を控える▽クマを見かけた場合は距離を保ち、落ち着いてその場を離れる▽大声を出したり、追い払おうとしたりしない▽食べ物や生ごみを屋外に設置しない▽不用意に山林や草むらに立ち入らないまた、クマを見かけた場合、市の「鳥獣相談ダイヤル」に知らせるよう求めています。
(クマがオリにかかったものの山に返される:兵庫)
兵庫県多可町の山中で13日、設置されていたオリにクマが入っていたものの、山に返されていたことが分かりました。理由は、オリがシカとイノシシを捕獲するために設置されたもので、クマは誤って入っていただけだったため、法律上、捕獲できなかったからでした。多可町よりますと、13日午後2時ごろ、多可町八千代区大和の山中に設置されていたオリに、クマが入っているのを点検に来た住民が見つけました。クマは成獣のオスで、体長は65センチ、体重は34キロだったということです。クマが入っていたオリは、シカとイノシシを捕獲するために設置されていたもので、クマの捕獲は誤って入ったことによる、「錯誤捕獲」と呼ばれるものでした。鳥獣保護管理法では、有害鳥獣を捕獲するには都道府県の許可が必要となっています。多可町はクマの捕獲について県と協議していたものの、実際に被害が確認されていなかったことなどから、許可を申請するには至らなかったということです。捕獲された動物は原則として同じ市町村内に放獣しなければならず、多可町は県の指導のもと、翌14日に町内の山中にクマを放したということです。多可町はクマを放した14日、住民に対し、クマを確認したことを防災無線で伝え、注意を呼びかけたということです。多可町によりますと、町内では4月以降に4件の目撃情報がありましたが、今回捕獲されたクマが同一の個体かどうかは分からないということです。
(東北道で男性の車がクマと衝突:岩手)
12日午前、岩手県北上市の東北自動車道を走行中の車がクマと衝突しました。けが人はなく、ドライブレコーダーには衝突の瞬間が収められていました。映像が撮影されたのは北上市内の東北自動車道下り線です。12日午前8時半ごろ、仙台市の男性が仕事で盛岡市に向かっていたところ、車が中央分離帯から飛び出してきたクマと衝突。衝撃でクマは跳ね飛ばされてしまいました。車には2人が乗っていましたがけがは無く、このあと警察に通報しました。車を見てみると、バンパーが割れていて、クマの毛がついているのが分かります。ぶつかったクマは体長50cmから60cmほどだったということです。10日は西和賀町を走る秋田道の錦秋湖サービスエリアでもクマが目撃されおり、高速道路を走行する際は注意が必要です。
(「天橋立」にクマ出没、麻酔銃使い捕獲:京都)
10日、京都府の日本三景の一つ『天橋立』にクマが出没し、その後、捕獲されました。近くの小学校では児童が保護者に付き添われ登校しています。10日午後4時半ごろ、京都府宮津市の『天橋立』で、「クマが出た」と通りかかった女性から通報がありました。クマは成獣の1頭で、海を泳ぎ住宅街の方へ移動したということです。警察や市の職員が監視を続けていましたが、午後10時半ごろ、府に委託された民間業者が麻酔銃を撃って捕獲しました。けが人はいませんでした。11日朝、近くの小学校では、児童らが保護者に付き添われて登校する姿が見られました。市の担当者によりますと、天橋立でクマが出没するのは珍しいということです。
(クマ目撃で太閤山ランドなど立ち入り制限:富山)
富山県内の施設では、クマ目撃情報による影響が出ています。きのう午後8時過ぎ、射水市黒河でクマのような動物1頭の目撃情報がありました。目撃場所から近い射水市の太閤山ランドでは、安全が確認されるまで立ち入りを制限しています。ランドによりますと、すでに園内を散歩している人へは、園内放送で園から出るように呼びかけをしています。また、きのう午後5時半ごろ、富山市三熊の県が管理する野鳥の園で、体長1メートルほどのクマの目撃情報があったため、今月14日まで利用を停止しています。
(列車がシカと衝突し一部区間で運転見合わせ:群馬)
JR東日本によりますと、吾妻線は群馬県の小野上温泉駅と市城駅の間で列車がシカと衝突したため、この区間の上下線で運転を見合わせています。運転再開は午後4時20分ごろになる見通しです。
(自作のパイプ式銃と弾を所持した疑い、45歳の男を再逮捕:香川)
自作のパイプ式銃と弾を所持したとして、香川県三豊市に住む元食肉加工作業員の45歳の男(現在は無職)が、銃刀法と火薬類取締法違反の疑いで16日、再逮捕されました。警察によりますと、男は2月17日、観音寺市の住宅で母親(当時71)ら2人に暴行を加えてけがをさせた上、母親の額に拳銃のようなものを突き付け「殺してやる」などと脅迫した疑いで2月20日に逮捕されました。警察が男の自宅近くに駐車していた車の後部座席からパイプ式銃1丁と弾2発を押収して調べたところ、弾2発は不発でしたが、銃には発砲する機能があることが分かり、所持した疑いで6月16日、再逮捕しました。男は「私が作った銃と、弾を所持したことに間違いありません」と容疑を認めているということです。
(緊急走行中の救急車と道路に飛び出してきたシカが衝突:静岡)
6月16日未明、静岡県下田市で緊急走行中の救急車と、道路に飛び出してきたシカが衝突する事故がありました。警察によりますと、16日午前3時半頃、下田市横川の県道で、緊急走行中の救急車と道路に飛び出してきたシカが衝突しました。救急車を運転していた下田消防署の男性消防士(22)と、同乗していた消防士2人にけがはありませんでした。また、車内に傷病者も乗っていましたが、けがはないということです。
(シカ肉使った“ジビエ給食”:新潟)
新潟県糸魚川市の小中学校で、地元で捕獲されたシカ肉を使った “ジビエ給食” が提供されました。学校での楽しみの一つ、給食。6月12日の献立は・・・糸魚川市で獲れたシカ肉を50%使ったハンバーグに、ヒスイ色をしたほうれん草のポタージュなどです。糸魚川市では食育月間に合わせて、市内の小中学校や特別支援学校で、ジビエ給食が提供されました。このうち磯部小学校には、糸魚川市の久保田市長が訪れ、給食の様子を視察しました。【糸魚川市 久保田 郁夫市長】「子どもたちの心と体を作るのと、未来を作る。食の大切さを感じた」。また、児童たちは猟師から直接話を聞き、地域環境と命の大切さを学んでいました。
(イノシシソーセージ人気:島根)
雲南市木次町の山中にある食肉処理・加工施設「KANUKA PARK(カヌカパーク)」で作られる新鮮なイノシシ肉を使った味わい深いソーセージが人気を集めている。施設を運営するシェフの 鹿糠かぬか 俊二さん(44)は、自ら山に出向いて命と向き合う。「一人でも多くの人にイノシシ肉のうまさを伝えたい」と話す。鹿糠さんは、横浜市出身。調理師を養成する専門学校を卒業し、関東のイタリアンレストランやオセアニア料理店で腕を磨いた。2018年、農業体験のため、雲南市に移住。イノシシが田畑を荒らす「やっかいもの」として扱われ、捕獲後にすぐ廃棄されることを知った。イノシシ肉は、牛肉や豚肉より低カロリーで高たんぱく。鉄分や亜鉛などを多く含む。中でも雲南市や奥出雲町の豊かな自然で育ったイノシシは、うま味が強いという。廃棄されてきた肉を「おいしい資源」に変えようと決意した。肉の鮮度にこだわる。猟師には生きたイノシシがワナにかかった時は、昼夜を問わずすぐに連絡がほしいと伝えている。すぐに駆けつけ、狩猟免許を持つ鹿糠さんが自ら血抜きを行いカヌカパーク近くの処理場で内臓を取り除くことで肉質を保つ。20年にカヌカパークを整備し、21年からイノシシ肉を使ったソーセージの販売を開始。▽イノシシ肉と塩のみでうま味が凝縮された「ORIGINAL」▽木次乳業のチーズを入れた「CHEESE」▽桜チップで 燻製くんせい した「SMOKE」――の3種類がある。イタリア出身のタレント、パンツェッタ・ジローラモさんも食べたことがあり、絶賛したという。主に週末はキッチンカーで県内のイベントでイノシシ肉を使った料理を販売する。粗くひいたイノシシ、シカの合いびき肉のパテを地元パン屋がまき窯で焼いた専用バンズで挟むなどしたプレミアムチーズバーガーが人気だ。著名シェフとコラボした料理企画も随時、開催している。鹿糠さんは「この地でとれるイノシシ肉は、日本有数の肉質だと自負している。自らの料理でおいしさを届けたい」と意気込む。
TOPへ