<射撃ニュース7月>
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(バイクとエゾシカ衝突、40代くらいの男性が死亡:北海道)
14日、北海道東部の別海町で40代の男性が運転するバイクがエゾシカと衝突し、男性が死亡しました。14日午後5時ごろ、別海町野付の道道で、40代くらいの男性が運転するバイクがエゾシカと衝突しました。男性は、搬送先の病院で死亡が確認されました。警察は、男性の身元の確認を進めるとともに、事故の原因を調べています。現場の道道野付風連公園線は、国内最大級の「砂嘴(さし)」として知られる観光地、野付半島を貫く直線道路で、周囲の草原には野生のエゾシカが多く生息しています。
(イノシシに男性2人かまれけが:愛知)
愛知県豊田市で13日早朝、男性2人がイノシシにかまれてけがをしました。2人をかんだイノシシは、近くで捕獲されたということです。13日午前5時40分ごろ、豊田市土橋町の会社の従業員から、敷地内でイノシシに襲われたと110番通報がありました。会社に設置された防犯カメラには、敷地内を歩く男性を1頭のイノシシが襲う様子が映っていました。男性はカゴなどで追い払おうとしましたが転倒します。別の男性が台車をイノシシにぶつけ、2分ほどでイノシシは逃げていきました。60代くらいの従業員の男性と、取引業者の50代くらいの男性の2人が、ひざや手などにけがをしましたが、いずれも軽傷です。豊田市によりますと、2人をかんだイノシシは体長約1mの成獣で、現場から約300m離れた場所で、警察官や通りがかった人約10人に捕獲され、処分されました。
(訪問医師らを散弾銃で殺傷、被告の無期懲役が確定へ:埼玉)
埼玉県ふじみ野市の住宅で2022年、訪問診療の医師らを散弾銃で殺傷したとして、殺人罪などに問われた渡辺宏被告(70)について、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は14日付の決定で被告側の上告を棄却した。無期懲役とした1審・さいたま地裁の裁判員裁判と2審・東京高裁の判決が確定する。1、2審判決によると、渡辺被告は22年1月、病死した母親の訪問診療を担当していた医師の鈴木純一さん(当時44歳)ら医療関係者7人を自宅に呼び出し、散弾銃で鈴木さんを撃って殺害したほか、理学療法士に重傷を負わせるなどした。
(野生イノシシ豚熱感染、:佐賀)
佐賀県は15日、上峰町で11日に捕まえた野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと公表した。同町での確認は初めて。生産者支援課によると、11日に同町屋形原で猟友会会員がわなにかかった幼獣を捕まえ、県中部家畜保健衛生所に連絡。14日に陽性が判明した。
(クマ生息数、2100頭前後に:秋田)
秋田県は15日、ツキノワグマの管理について、県内に約3900頭(今年4月時点)いるとされる生息数を2100頭前後に減らす目標案を明らかにした。頭数の増加を抑えることで、人身被害や農作物への被害を防ぐ狙いがある。目標案は、県が15日に県庁で開いた「野生鳥獣保護管理対策検討委員会」(委員長=星崎和彦・県立大教授)で示された。委員会は冒頭を除き非公開。
(熊による鳥獣被害額が大幅増、18倍の1800万円:栃木)
栃木県は、2025年度の野生鳥獣の農林業被害と捕獲の状況を発表した。熊による被害が大幅に増え、被害額は前年度に比べ18倍、捕獲数は倍増し70頭だった。野生鳥獣による農作物被害額は2億5600万円(前年度比5%増)で、1300万円増。獣類(鹿・熊)による林業被害は前年度並みの1億1600万円となった。作物別の被害額は、稲が1億1200万円で最多。次いで野菜が4600万円、果樹が3500万円、麦類が2600万円、いも類が1500万円など。獣種別の被害は、イノシシが1億3200万円(前年度比6%増)で全体の59%を占めた。鹿は3300万円(同83%増)、ハクビシンは2900万円(同15%減)などだった。熊による被害はハクビシンに次ぐ1800万円だったが、前年度はわずか100万円で前年度比18倍と大幅に増加した。主な獣類の捕獲状況では、鹿が1万1909頭で前年度比15%減、イノシシは6906頭で同30%減、ハクビシンは680頭で15%減といずれも減少傾向。アライグマは1126頭(同21%増)、猿は551頭(同38%増)だった。熊は70頭だが、前年度比で約2倍と大幅に増えた。獣類(鹿・熊)による林業被害は、被害面積が45ヘクタール(前年度比45%増)で、鹿28ヘクタール、熊17ヘクタール。被害額は、鹿5400万円、熊6200万円だった。県自然環境課は「熊の被害額が増えたのは単価の高い作物が狙われたのが要因。捕獲数は、昨年人身被害が3件も出たため。今後、熊などの野生鳥獣を寄せ付けない環境づくりを、さらに喚起していく」と話した。
(化学メーカー工場で実験中に爆発か、男性従業員が意識不明:兵庫)
14日午後2時45分ごろ、兵庫県姫路市豊富町豊富にある総合化学メーカー「日本化薬」の工場で「暴発して顔面から出血した」と119番があった。兵庫県警姫路署によると、30代くらいの男性従業員が顔から血を流して倒れており、意識不明の状態で病院に搬送された。もう1人の男性従業員(25)も軽傷とみられる。同署によると、事故当時、従業員が薬品を使って実験をしていたという。爆発音を聞いて駆けつけた別の従業員が消防に通報した。同署は業務上過失致傷の疑いも視野に捜査を進める。現場はJR播但線仁豊野駅から東に約2.4キロの山あいにある工場。
(ヒグマ出没想定、緊急銃猟の手順確認:北海道)
市街地に出没したヒグマを、自治体の判断で駆除する「緊急銃猟」を想定した訓練が13日、知内町中心部の知内川河川敷などで行われた。渡島総合振興局の主催で函館中央署、町、町消防、北海道猟友会木古内支部など関係機関の約70人が参加し、手順を確認した。...
(農林水産物の鳥獣被害額、県内2年連続で増加:大分)
2025年度の鳥獣による県内の農林水産物被害額は1億7500万円で2年連続で増加した。コメなど農作物の単価上昇が被害額を押し上げた。県は各振興局単位の支援チーム拡充などに取り組み、効果的な被害対策を練る。
(シカによる被害額が増加:徳島)
野生鳥獣による県内の2025年度の農作物の被害額は8000万円あまりと、2年ぶりに前の年度を下回ったものの、シカによる被害額は増加していることが分かりました。県のまとめによりますと、2025年度の野生鳥獣による農作物の被害額は8081万円と、前の年度と比べ565万円減少しました。内訳でみると、サルやイノシシによる被害額は減っているものの、シカによる被害額は前の年度より約700万円増加し、4148万円と全体の約5割を占めています。また、捕獲頭数も2万223頭と過去最多となっていて、県によりますと、温暖化の影響でシカが冬を越えられるようになり、個体数が増えているということです。県は侵入を防ぐ柵を設置する費用の支援や、ICT技術を活用した「罠」の遠隔監視システムの導入など、対策を進めることにしています。
(千曲川河川敷で「熊の隠れ場」になる草木を伐採、踏み倒し:長野)
国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は14日、熊対策の一環として、飯山市内の千曲川河川敷での樹木の伐採や草木の踏み倒しを行った。昨年に熊が目撃された地点を中心に、今月に入って作業を開始。熊が隠れる「逃げ場」を取り除くことで、熊の早期発見や行動範囲の抑制につなげる。
(ノネコ対策用カメラ無断で持ち去られる:鹿児島)
環境省奄美群島国立公園管理事務所(広野行男所長)は13日、先月、奄美市笠利町の市道蒲生崎線で設置していたノネコ(野生化した猫)対策用の自動撮影カメラ計2台の紛失事案が発生したと発表した。奄美署に被害届を提出したところ、同署の捜査により昆虫採集をしていた人物がカメラを無断で持ち去ったことが判明した。紛失物は自動撮影カメラ一式(付属ベルト、SDカード、雨よけカバー等を含む)計2台。昨年12月に、同業務の請負事業者が同場所へカメラ1台を設置し、以降、毎月1回程度のカメラ点検を行っていたところ、先月23日に紛失(1台目)を確認。翌24日に別のカメラを同位置に再設置したところ、翌25日に再び紛失(2台目)していることを確認したという。これを受けて同日中に奄美署へ請負事業者を通じ被害届を提出。今月10日に同署から連絡がり、紛失場所で昆虫採集を行っていた人物がカメラを無断で持ち去ったことが分かった。広野所長によると、今月11日にカメラを持ち去った本人に対し、この業務の目的などを伝えた上で、今後、こうした行為を繰り返さないよう口頭で厳重注意。これに対し「今回の件は申し訳ありませんでした」と謝罪した。持ち去ったカメラの所在については「分からない」とし、請負事業者の所有物のため、同事業者に対し金銭的な賠償を行うとしたという。奄美署は被害届を受理し捜査を進めているが、「逮捕の有無等について答えることはできない」としている。カメラは、森林域におけるノネコ対策として、同所が実施する「奄美大島生態系維持・回復等業務」の中でノネコのモニタリング用に設置していたもの。昨年も島内の他箇所で複数の類似事案が発生ししおり、未然防止を図る観点から公表することとしたという。同所では、環境省、県及び奄美大島5市町村が共同で策定した「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づき、2018年から奄美大島の森林域でノネコの捕獲事業を開始し、25年度から島内全域で事業展開。この事業の一環としてノネコの分布域や生息状況を把握するための自動撮影カメラを森林域の道路内に設置(約450台)し、モニタリングを継続している。同所は「モニタリングで得られた情報は、ノネコの捕獲事業を実施するにあたり、科学的データとして蓄積されるとともに、捕獲作業にあたっての重要な情報源となるので、今後ともカメラ設置に関する理解と協力をお願いしたい」と呼び掛けている。
(狩猟免許試験を追加実施:秋田)
秋田県は15日、狩猟免許試験を来年2月7日に追加実施すると発表した。第1種銃猟(火薬銃)、第2種銃猟(空気銃)がともに来年1月開催の5回まで定員に達したため。会場は秋田市河辺の県森林学習交流館プラザクリプトン。
(今年度最初の狩猟免許試験、128人が受験:岩手)
県内でクマの出没や人身被害が相次ぐなか、今年度初めての狩猟免許試験が行われ、100人を超える受験者が試験に臨みました。12日は宮古市の岩手県立大学宮古短期大学部を会場に、わなを使って捕獲する「わな猟免許」と散弾銃やライフル銃を使って狩猟する「第一種銃猟免許」の試験が行われました。県によりますと、昨年度の1回目の試験を大きく上回る128人が受験したということで、受験者は午前9時の受け付け開始を前に列を作っていました。花巻市役所大迫総合支所に勤める60代の男性は「県内でもクマによる犠牲者が増えているので、何とか被害を減らしたいと思い取得してみようと考えた。知識や資格を持っているのは大事だと思う」と話していました。また、一関市に住む20代の女性は「祖父が猟師だったのと、狩猟の場面が出てくる漫画がきっかけで興味を持った。免許を取得して全種類のジビエを食べてみたい」と話していました。12日の試験では、▽狩猟に関係する法律などの理解を確認する「知識試験」、▽視力や聴力、運動能力を確認する「適性試験」、▽狩猟の道具の使い方を理解しているかなどを確認する「技能試験」が行われたということです。試験の結果は13日夕方に発表され、今年度はあと2回、試験が予定されているということです。
(シカ食害防止策は、かごが有効:北海道)
石狩市内で絶滅危惧種の多年草「オオバナノエンレイソウ」の保全活動に取り組む市民団体「石狩浜夢の木プロジェクト」(安田秀子代表)と北海道環境財団(札幌、大原雅理事長)は、シカの食害から群生を守るには、食害防止かごの設置が有効であることを確認した。4月に設置したかご20個のうち、16個で花や実がついた。食害を防ぎ、光合成も阻害しないという重要な2点が確認できたとしている。
(クマ出没、県が緊急でやぶの刈り取り作業を実施:宮城)
7月に入り、仙台市宮城野区原町でクマの目撃が相次いでいることから、県は14日、緊急で梅田川沿いのやぶを刈り取る作業を行いました。14日、やぶを刈り取る作業が行われた宮城野区原町3丁目では、7月8日に路上で。11日には梅田川沿いで、体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されていて、警察は、同一個体の可能性があるとみています。7月に入り寄せられた周辺のクマの目撃情報です。梅田川沿いで、相次いで目撃されていることが分かります。7月5日には、宮城野区平成2丁目の梅田川にかかる苦竹橋近くの河川敷で、仙台市が設置していたカメラにクマが映っているのが確認されています。やぶの刈り取りは、こうした状況を受けて県が緊急で行ったもので、今後1週間程度かけて、苦竹から小田原8丁目までの範囲が対象になる予定です。宮城野区は、梅田川沿いの2カ所に箱わなを設置しています。
(コンビニもクマ対策強化へ、クマよけスプレーやドローンを活用)
クマの被害が深刻さを増すなか、コンビニでの安全対策が強化されます。ローソンは、クマ対策の注意喚起シールを新たに作りました。九州と沖縄を除く、希望する約2800店に貼り出し、利用者にもクマを寄せ付けないための協力を呼びかけます。さらに約100店舗に配備していたクマよけスプレーを約1000店舗に拡大するほか、KDDIなどと連携し、ドローンを活用したクマの遠隔監視の導入も検討しています。店舗にドローンポートを常設し、迅速な現場確認や周辺監視、住民の安全確保につなげます。ファミリーマートも6月、オオカミ型の野生動物撃退装置「モンスターウルフ」を活用した実証実験を始めていて、それぞれの効果が注目されます。
(狩猟免許の取得者数が増加傾向、クマへの関心高まり背景に:青森)
青森県内で、狩猟免許の取得者が増加傾向にある。ツキノワグマなど野生鳥獣の目撃や出没が相次ぐ状況に、社会的関心の高まりが背景にあるとみられる。
(JR北海道が生んだ秘密兵器「熊キャッチャー」:北海道)
JR線で列車とクマの衝突が過去最多ペースに達するなど、衝突後のクマを取り除く作業員の安全確保が急務となっている。そこでJR北海道が独自開発したのが「熊キャッチャー」。車上からアームでつり上げるもので“体重1トン級”にも対応する。秋田では車内に退避できる巡回用軌陸車も導入された。6月30日午後8時55分ごろ、北海道苫小牧市のJR千歳線で、JR貨物の貨物列車がヒグマと衝突した。運転士にけがはなかったが、死骸処理のため特急2本を含む列車9本が部分運休。翌7月1日にも特急8本を含む列車32本が運休し、2日間で計約1万1700人に影響が出た。今年も各地でクマの出没が相次ぐなか、全国のJR線で列車とクマがぶつかる事故が起きている。「重量が大きいクマだと、人では除去できない」。あるJR担当者は言う。JRでは、列車がクマと衝突した際、基本的に保線所の作業員が軽トラックなどで死骸を回収する。必要に応じて、自治体を通じて猟友会のハンターを要請することもあるが、列車の運行を早期に再開するには迅速な処理が欠かせない。ただ、大型の個体はなかなか除去できず、手負いのクマだと暴れたり、子グマをひいた場合は周囲に親グマがいて襲われたりする危険もある。冒頭の事故が起きたJR北海道では、クマとの衝突は2022年度に45件、23年度に52件発生。24年度はいったん21件まで減少したものの、25年度は57件と1987年のJR発足後で最多を記録した。JR北によると、これまで作業員らが処理中にクマに襲われけがをした例はないが、安全確保は課題となっていた。そこで13年度に独自に開発したのが、その名も「熊キャッチャー」だ。クレーンゲームのアームのような形をしていて、重量はおよそ250キロ。これを、冬場の除雪などに使用している保守車両に取りつけて使う。最大の特徴が、「作業員が地上に降りることなくクマの移動ができること」(JR北)だ。作業員は車上からアームを操作し、クレーンゲームの要領でクマの死骸を挟んでつり上げる。体重1トン級の個体にも対応できるという。1台当たりの改造費は約180万円。現在、クマの出没が多い山間部を走るJR宗谷線に3台、JR石勝線(せきしょうせん)に1台を配備。多い年には、計10回前後出動している。「ハンターが同行できない場合も、地上に降りずクマの移動ができるようになったため、結果として、列車の抑止時間を短縮することができるようになりました」(同)。鉄道ライターの小林拓矢さんによれば、山間部では、線路は野生動物の通り道に敷かれることが多く、クマやシカ、イノシシ、サルなどと列車の衝突は避けられないという。「特にクマは体が大きく獰猛(どうもう)なので、保守・点検の作業員が危険にさらされることも少なくありません」(小林さん)。こうした危険性から、クマの出没が多い地域では、作業員の安全を守るための対策が急務となっている。昨年度、約1万4千件と全国最多のクマ出没が確認された秋田県。同県を管轄するJR東日本秋田支社管内でも、列車とクマの接触が発生している。同支社によると、昨年度は列車とクマとの接触が51件、乗務員や作業員によるクマの目撃は167件に上り、いずれも前年度に比べて5倍以上で、16年度以降で過去最多となった。線路の巡回・点検に従事する作業員のリスク低減が課題となっていた。それまで同支社では、巡回・点検には「レールスクーター」と呼ぶレール上を走るエンジン付き保守用車両で行っていた。だが、屋根もなく、作業員の体がむき出しの状態。いつクマに襲われるか分からない。そこで今年5月から導入したのが、「巡回用軌陸車」という、軽トラックをベースにした道路と線路の両方を走ることができる特殊車両だ。「車内に退避できることから、巡回・点検時の安全性向上にも寄与するものと考えています」(JR東日本秋田支社)。年内に5台を導入。導入間もないが、作業員からも「車内に退避できる点で安心感がある」といった声があるという。「引き続き、社員の安全確保を最優先に必要な対策を進めてまいります」(同)。クマとの共存が避けられないなか、JRの知恵と挑戦は続く。
(山菜採りの女性は「クマのすみか」で遺体となって…警察官も大けが:岩手)
山菜採りに出かけてくる―。盛岡市の女性=当時(55)=は、親族にそうメッセージを送った翌日、岩手県紫波町の山林で遺体となって見つかった。近くにはエンジンがかかったままの無人の軽自動車が残されていた。女性を襲ったのは、クマ。山菜採りに出かけてクマに襲われたとみられる人的被害が相次いでいる。記者は、捜索に同行した地元の猟友会長と一緒に、被害現場を歩いた。「猛スピードで飛び出してきた」。木々がうっそうと茂る山中で、何が起きていたのか。緊迫の証言から、当時の状況に迫った。5月中旬、地元猟友会の会長、阿部敏哉さん(65)が、町の中心部から車で15分ほど走った場所にある現場の山林を案内してくれた。「ここから捜索に入った」。阿部さんを先頭に、道路脇からスギ林へと足を踏み入れた。この日の空は晴れ渡っていたが、林の中は日光が届かず薄暗い。背の高さほど伸びるやぶが視界を遮り、山道に慣れた阿部さんの背中が見えなくなる時もある。沢が流れる場所はせせらぎが響き、大きな声を発さなければ会話も困難だ。取材中はクマとの遭遇に備え、ヘルメットを被り、クマ鈴と撃退スプレーを携行した。それでも、「近くにクマがいるかもしれない」と内心怖じ気づきそうになった。沢を上っていく途中、離れた所で突然、「ガサガサ!」と草木が揺れた。茶色い影が山の斜面を駆け上がり、遠くに消えた。慌ててスプレーを用意していると、阿部さんは「ウサギかな」と落ち着き払った様子で見やった。さらに進んだ所で阿部さんが立ち止まり、奥の林を指差した。枝葉で隠れた暗がりに、岩と岩が組み合わさった隙間が見える。高さ1メートルほどの岩穴だ。「あそこからクマが猛スピードで飛び出してきた」。女性は穴の入り口で、土が盛られた状態で見つかった。被害が発覚したきっかけは1本の通報だった。「エンジンがかかったままの車がある」。4月20日夕方、午前中から止まっていた車を不審に思った近隣住民から、県警に情報提供があった。道路脇に無人の軽自動車がエンジンのかかったまま止まり、車内には携帯電話も残されていた。夜には、行方不明となっている車の持ち主を見つけようと、地元消防団が捜索を開始。しかし、山林に捜しに入った団員がクマと遭遇したため、いったん活動は打ち切られた。翌朝、阿部さんら猟友会のメンバーと紫波署員約10人が現場付近に集合した。事前に、クマを追い払うための花火を鳴らし、捜索隊は林に入った。阿部さんは「普段なら、大きな音を出してクマはいなくなるはずだった」と振り返る。捜索に入って間もなく、やぶの奥から「クマだ!」という声が聞こえた。別行動をしていた巡査部長(56)にクマが馬乗りになり、顔面に噛みついて顎などに大けがを負わせていた。巡査部長は自力で歩いて戻ってきたが、脱いだシャツで顔を押さえ、痛がっている様子だった。阿部さんは「駆除しなければ」と、猟友会の仲間1人と猟犬1匹を連れて、巡査部長が襲われた方向へ。沢を数十メートル入っていくと、猟犬が立ち止まった。クマの気配を察知したようだった。注意を払いながら歩みを進めた。すると、5メートル先の岩穴からクマが突進してきた。とっさに仲間が発砲。2発目が頭部に命中して絶命した。体長1・3メートルの雌の成獣だった。岩穴の入り口には、黒い土が盛り上がっていた。泥だらけの長靴が見え、阿部さんは行方不明者だと悟った。「クマが土をかけて、そこで埋めていたんだ」。紫波町は、駆除されたクマの体毛と岩穴に残された体毛を採取し、県がDNA検査を実施。DNA型が一致したことから、そのクマが女性を襲った可能性が極めて高いと発表した。さらに現地調査で、阿部さんが案内してくれた岩穴を含め、3カ所で巣穴を確認した。いずれも調査時は使われていなかったが、町産業部の浦田文伸部長は「現場一帯はクマのすみかだった」と指摘する。「人のいる所にクマが入ったのではなく、クマのいる所に人が入ってしまった」。近隣住民によると、一帯にはワラビやシドケなど春の山菜が自生している。山菜をとって食卓に並べるだけでなく、直売所に卸して収入源にする人もいて、暮らしに根付いている。ただ、以前からクマがたびたび目撃されていた。近くに住む女性(71)は「ラジオを大音量でかけてクマ鈴を下げて、『おらはここにいるぞ』と知らせてから入る」と話す。クマが捜索に入った警察官まで襲った紫波町の事例。事前に追い払い用の花火を鳴らしたにも関わらず、なぜクマは逃げなかったのか。石川県立大の大井徹特任教授(動物生態学)は、女性の遺体の状況に着目する。大井氏によると、クマの主食は植物だが、大型動物を獲った時、後に食料にするために土に埋める習性があるという。「クマは襲った後、女性を自分の獲物として認識していた可能性がある。貴重な食料を奪われまいと、近づいてきた警察官を攻撃したのではないか」。クマが冬眠明けした4月以降、山菜採りで山林に入り襲われたとみられる死者は、7月13日時点で岩手3人、青森と山形で1人の計5人に上っている。大井氏は被害が相次ぐ理由について、「山菜を探すのに夢中になって、周囲への注意が行き届かなくなる可能性がある」と分析する。やぶで見通しが悪く、沢の近くではせせらぎで音がかき消される。人間もクマもお互いに気づきにくく、接近の恐れが高まってしまう。これから梅雨明けのキノコ狩りや秋の山菜採りのシーズンがやってくる。「山菜を採るときは、絶対に1人で行動しないことが大前提だ」。
(深夜の北陸道でクマと衝突、「自損」扱いで提示された見積もりは150万円)
6月のある土曜日の夜、筆者は北陸自動車道を愛車のアウディ「A4」で走行していました。都内の自宅を12時ごろに出発し、中央自動車道から国道158号と国道471号を通って富山に抜け、富山から北陸自動車道に乗って最終目的地である金沢を目指すという、筆者にとっては「いつものルート」でした。富山西ICから北陸自動車道に入って数分、小杉ICを過ぎたあたりで「事件」は起こりました。走行車線を走るほかのクルマを追い越した直後、左側から黒いなにかが眼前を横切ったと思った刹那、愛車は大量の空き缶を踏み潰したときのような音を立て、その場に停止しました。おそらく自身でブレーキを踏んだのだと思いますが、正直なところ、その瞬間のことは明確に覚えていません。ただ、脳裏に焼き付けられたその残像から「クマにぶつかったのだな」と直感的に理解することはできました。幸い、A4のエアバッグは展開しておらずエンジンも回り続けていたことから、ハザードランプを焚いたうえで路肩へとクルマを寄せました。ぶつかったと思われるクマはすでにどこかへと逃げてしまっていました。路肩へと愛車を寄せる際、フロントバンパーを引きずる音が聞こえました。また、エンジンの冷却に異常があることを示すチェックランプも点灯していたことから、このまま旅を続けるのがもはや困難であることは明らかでした。今回は同乗者がおらず、筆者自身にも大きなケガは見られなかったことから、救急への連絡はおこなわず、高速道路の管理者であるNEXCO中日本と警察、そして保険会社へと順番に連絡を入れました。その際、警察からはガードレールの外へと退避するよう指示を受けましたが、あいにく現場は両サイドが法面の山あいでした。クマに襲われる可能性も否定できなかったことから、そこからおよそ2km先にある高岡PAにクルマを移動させることになりました。路肩を徐行しつつ高岡PAに到着すると、しばらくして交通管理隊(ハイウェイ・パトロール)の方と警察の方が到着し、状況の確認がおこなわれました。クマによる被害が話題となることが多い昨今ですが、高速道路上でクマにぶつかったというケースは非常にめずらしいとのことでした。そのため、警察の方はフロントバンパーに付着したクマの体毛を採取していきました(猟友会の方に見せるそうです)。しばらくして、保険会社が手配したレッカー車が到着し、フロントマスクが大きく変わったA4を運んでいきました。ロードサービスの規定により砺波IC付近のコンビニで降ろされた筆者は、大きなスーツケースとともに呆然と立ち尽くしました。すでに金沢への終電はなかったことから、地元のタクシーを呼んで目的地まで行き、その日はすぐに休むことにしました。今回の事故で本当に頭を悩ませたのは、保険の問題です。実は、筆者はA4に対して車両保険を掛けていませんでした。A4は乗りつぶすつもりで購入したものであり、多少のキズは気にしない方針でした。また、筆者の運転環境では、大きな修理代が発生するような自損事故が起きるとは想定していなかったのも事実です。ただ、「クマへの衝突」は自損事故というあつかいになるため、車両保険に加入していないのであれば、自費での修理となります。今回の事故によりフロントバンパーとインタークーラー、ラジエターが脱落していたことから、少なくとも50万円、場合によっては100万円を超える修理費用が発生することは確実でした。A4の残存価値を考えると、それだけの金額を支払って修理する合理性はありません。しかし、このようなかたちで愛車と別れてしまうのは、筆者にとってはあまりにも悲しいことでした。いずれにせよ、さしあたってしなければならないのは、A4の受け入れ先を探すことでした。筆者が契約している任意保険は100km以内の搬送が無料であったため、自宅のある都内ではなく、事故現場の富山付近で受け入れ先を探すことにしました。また、保険会社が提携している修理工場を利用すれば、代車が無償で借りられるということでした。しかし、富山周辺の提携修理工場ではA4の修理に対応してくれるところが少ないうえ、遠距離(東京)への代車貸し出しにも難色を示されてしまいました。保険会社の担当者も白旗を挙げつつあったものの、富山市内のある修理工場がA4の受け入れと代車の貸し出しを快諾してくださり、ひとまず帰宅できることとなりました。代車のトヨタ「アクア」で東京へと戻った筆者のもとに、後日修理工場の方から1本の電話が入りました。電話の内容は、今回の修理にともなう部品代および工賃を合わせると、およそ150万円になるという衝撃的なものでした。頭のなかが真っ白になったことは言うまでもありませんが、詳しく話を聞いてみると、すべて純正部品を使用した場合の「理論上の最大値」であり、実際にはもう少し抑えることができるようです。そこで、修理工場の方と相談のうえ、主要なパーツに関しては筆者自身が手配することとしました。まず、修理工場から届いた見積書をもとに、必要となる部品のパーツナンバーを特定します。この作業ではドイツの企業が提供している有料サービスを利用しましたが、その費用は月額5000円ほどでした。その後、特定されたパーツナンバーを中古部品販売業者や国内外のオークションなどで検索し、適合するパーツを探しました。幸い、A4は輸入車の中では比較的販売台数が多いモデルであるため、フロントバンパーやインタークーラー、ラジエターといった「大物」はすぐに見つけることができました。部品代が大きく削減された結果、最終的な見積もりは70万円ほどとなりました。A4は目下修理中です。当初の見積もりから大幅に引き下がったとはいえ、およそ70万円をかけて修理する経済的なメリットはないかもしれません。また、非純正部品や中古部品を使用するため、本当の意味でかつてのようなパフォーマンスは発揮できないかもしれません。ただ、それでも筆者はA4のハンドルをもう一度握りたいと思いました。つまり、今回クマと衝突してしまったことは、結果として「A4への愛」を再認識する機会となったわけです。
(「クマは守るべき」の仕組みは限界寸前に)
とうとう東京でも市街地近くにクマが出没するようになり、住民はその脅威に怯えている。こうした状況を受け、東京都は2026年7月7日、有識者による審議会で、都内でのツキノワグマの狩猟を約20年ぶりに解禁する方針を示した。東京都は2008年度に狩猟を禁止しており、都内に生息するツキノワグマの絶滅を防ぐことが目的だったが、前提そのものがひっくり返ったのである。いま、国や各自治体はクマ対策と、その制度見直しに揺れている。2026年6月13日、兵庫県多可町の山中でシカとイノシシを捕獲するために設置された檻(おり)に、クマが入っているのが見つかった。町はこのクマを爆竹などで威嚇して、GPSの首輪を装着したうえで、翌14日に町内の山へ放した。せっかく檻に入ったのに、なぜ逃がすのか。鳥獣保護管理法では、狩猟や許可捕獲の対象以外の動物を捕獲することは禁止されている。誤って別の動物を捕獲してしまう事態(錯誤捕獲)が生じた場合には、原則として速やかに放獣しなければならない。しかも放す場所は、捕獲された同じ市町村内とされている。このクマは人への被害を出しておらず、捕獲許可の申請には至っていなかった。放獣しなければ、町が違法捕獲に問われるのだ。町の担当者は『日刊ゲンダイ』(2026年6月17日)の取材に対し、県の管理計画と町民の安全との「板挟みになっているような感じです」と胸中を明かしている。制度との板挟みということでいえば、こんなケースもあった。2018年8月21日に、北海道砂川市で住宅近くに現れたクマの駆除要請を受けたハンターが、警察官などの立ち会いのもとで発砲した。しかしその行為が、建物に向けた違法な発砲だったとして、2019年4月に猟銃の所持許可を取り消された。猟友会のメンバーとして、命がけで協力した結果が許可取り消しという事態は、社会に波紋を広げた。ハンター側は処分の取り消しを求めて提訴。2026年3月、最高裁は「処分は裁量権の逸脱・乱用にあたり違法」と判断し、許可が返還された。ただ、錯誤捕獲の放獣ルールも、砂川市での処分も、法律の規定に沿って運用された結果ではある。最高裁ですら覆さざるを得なかったこの事態が示すのは、「クマは守るべき希少な動物である」という時代の前提で設計された制度に無理が生じているということだ。個体数が増え、生息域が人の生活圏まで広がった現在、現実が制度を完全に追い越してしまっているのである。環境省の速報値によれば、2025年度のクマによる人身被害は238人、うち死亡は13人。それまで最多だった2023年度の同219人/6人を大きく上回り、出没件数も5万件を超えて過去最多を記録している。もちろん、国も手をこまねいていたわけではない。2025年9月に施行された改正鳥獣保護管理法では「緊急銃猟制度」が創設され、一定の条件を満たせば、市町村長の判断で市街地でも発砲が可能になった。だが、その先にはまだ壁がある。有害捕獲の許可手続きには依然として時間がかかり、錯誤捕獲の縛りは残ったまま。そして肝心の担い手であるハンターは高齢化と減少が進み、命の危険に見合わない報酬の問題も解決されていない。東京都の狩猟解禁にしても、狩猟期間は冬場が中心で、クマの冬眠期と重なる。実際にどれほどの効果があるのかは未知数だ。かつての前提のまま残るルールが、現実の変化の速度に追いつけないまま、そのしわ寄せが自治体職員やハンターなどの現場に押し付けられている。このいびつな構造をどう解消するかが問われている。
(「街の中心部」なぜクマ出没、何を求めて幼稚園や給食施設に?)
山から離れた街の中心部に、なぜクマが現れるのでしょうか。クマの生態に詳しい岩手大学農学部 山内貴義准教授「今まで母グマと一緒にいた子グマが独り立ちする時期。自分でエサを探さなくてはならない。山のエサは探しているが、十分に探せず人里近くに依存してしまう」。
(「ガリガリと頭をかじられ...」ヒグマに襲われ左目を失った隻眼のハンター:北海道)
全国で相次ぐクマ被害。2025年度にはクマの出没件数と人的被害が過去最多となりました。クマを退治にするには猟友会の手を借りないといけないのが、今の日本の実情です。われわれはクマとどう向き合う必要があるのが、クマと退治し左目奪われた“伝説のハンター”など日本人とクマとの戦いの歴史を取材しました。北海道の雄大な雪原の中に、クマとの戦いの歴史が刻まれた場所があります。1923年8月、この地で、クマによる凄惨な事件が起きました。夏祭り帰りの一団をヒグマが襲撃。住宅にも侵入して襲い掛かり、4人が死亡、4人が重傷を負ったのです。事件を起こしたクマの毛皮です。(沼田町・学芸員 松井佳佑さん)「2mちょっとありますね。体重は340kgあったと記録されています。このクマに関して言えば“人食いグマ”。町史の方には退治した後に胃を割ったら、着物だとか…」。この事件で重傷を負いながらも、奇跡的に生き延びた男性の肉声が残されています。(肉声テープ)「弟を殺してしまって、すぐ今度は母親の後ろから襲いかかってきた」。今から50年前に録音されたもので、声の主は事件当時は15歳だった村田與四郎さん。1986年に80歳で亡くなりました。生前、親族の集まりの際にクマに襲われた時のことを語っていたのです。(肉声テープ)「クマがお母さんと出くわしてお母さんを連れて山に行きだした。今度食いだしたの、ガリガリという音が聞こえた」。與四郎さんも深い傷を負い瀕死の状態でした。(肉声テープ)「口から吸った息が(裂けた)横っ腹から出る。ぐうぐうってね。苦しい一方さ」。100年前の悲劇が伝える、クマとの戦いの歴史。被害を防ごうと、いま、その最前線に立っているのが「猟友会」です。新潟県十日町市で活動する猟友会のハンター。市からの委託でクマの捕獲を行っています。(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「今年(2025年)は本当に異常っていうほど里に降りてきている」。毎朝、欠かさず行っているのが、捕獲のために設置した箱罠の見回りです。(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「(Qそれはなんですか?)護身棒。一般の人は笛とか鈴とか使うけど、私たちはこれでクマを追い払いながら」。見回りを行う際にはクマの襲撃に備え、必ず複数人で行動するといいます。民家からほど近いこの場所では柿を狙うクマが頻繁に出没。柿の実にはクマに食べられたとみられる形跡も確認できます。次に向かった農園でも、クマが毎日のように目撃されていました。(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「2~3時間前に通った跡。なぜかというと、草が寝ている」。人里に迫るクマの実態を探るため、取材班は猟友会の許可を得て箱罠の近くにカメラを設置。周辺には…「これがウンチだよ」。クマのフンやビニールを破られた痕。クマの痕跡が至るところにあります。2日後、設置したカメラには…。(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「でかい、大きいクマだ」。映っていたのは、体長約1m30cmとみられるクマ。罠だと知っているのでしょうか。器用に餌を取り出して食べています。なかなか一筋縄ではいきません。ハンターへの同行取材を続けていたさなかでした。私たちのすぐ目の前で…「木の上!」「クマいたね」「クマだね。クマだクマだクマだ。ちょっと離れてて」。現場に緊張感が走ります。「撃つよ?いいか?撃つよ」「おりるよ、はやく。おりてきた、おりてきた」。木から降りたクマは藪の中に逃げていきます。「ここ、ここ、ここ。真正面、真正面」。駆除されたのは子グマでした。体は決して大きくありませんが、もし人間が襲われれば命を落とす危険もあります。(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「結局これを残しても来年は(成長して街に)出てくる。ハンターの宿命。残酷だなと思うだろうけど自分たちは残酷だと思わない」。別の日、あの子グマが登っていた木のすぐ近くでは、農家の人たちが作業をしていました。(農家)「クマが歩いた後は何でも作物がダメなんですよね、土が固まっちゃって。(Q猟友会の活動は?)助かります。助かります。それは、助かります」。クマの脅威から命がけで地域を守る猟友会。しかし…(新潟県猟友会十日町支部 石澤ハンター)「後継者不足、自分たちがこのあと何年続くかわからないけど、私たちのあとを継いでくれる人が見つからない。これが一番の悩み」。高齢化と担い手不足が深刻化しています。そんな猟友会に頼りきりになっているのがニッポンのクマ対策の実情なのです。こうした中、クマ被害を未然に防ぐ画期的な取り組みが。北海道・岩見沢市を守る、“隻眼のハンター”原田勝男さん(85)です。原田さんは26年前、シカ猟の途中でヒグマに襲われ左目を失いました。かつて自身を襲ったヒグマの頭蓋骨を今も倉庫に保管しています。(隻眼のハンター 原田勝男さん)「これが俺をかじったやつです。こういうふうにして噛まれた。ガリガリガリガリって大根かじるような」。頭 をかじられながらもヒグマの口の中に腕を突っ込んで抵抗。格闘の末、原田さんは重傷、ヒグマはその場で死にました。(隻眼のハンター 原田勝男さん)「俺とこれとの殺し合いだったんです。俺に殺された、この野郎、バカ者」。クマの脅威を誰よりも知る原田さんですが、銃を使うことはほとんどありません。代わりに考案したのが…(隻眼のハンター 原田勝男さん)「緩衝地帯。これね。それこそゾーニングだよね。“来ちゃダメですよ”。ここまではいいけど、ここから内側に入っちゃダメですよ、願いを込めて設置するんです」。クマの生活圏と市街地の境目に「緩衝地帯」をつくり、そこに箱罠や電気柵を設置。ここから先が人里だとクマに認識させ、山から出てくるのを防いでいるのです。人呼んで"原田式ゾーニング”。岩見沢市にはクマの生息域が多くありますが、人的被害は18年もの間出ていません。(隻眼のハンター 原田勝男さん)「山の中に行って殺す方法は教えていない。(クマが)山にいたっていいじゃないですか、“あの人ら”は“あの人ら”で山に住む権利を持っているんですから」。
(クマがエサ求めて住宅に侵入する“異常事態”)
各地であとを絶たないクマの出没。取材班は、異常事態が続いている岩手・雫石町に向かった。町では6日連続でクマが出没。被害は半径600メートル以内に集中している。松原さんの住宅の敷地内には、この1週間だけでクマが4回侵入した。父親は、部屋に入ってきたクマと至近距離で“目が合う”という危機一髪の場面もあったという。クマ被害に遭った松原勇太さん:(クマが)家の中に入ってきて、父親の顔の横付近、一番近づいてきたというか。それで目が合って…。さらに、子牛用の粉ミルクや飼料が食い荒らされるなどの被害にも遭った。5日前の9日午前1時半頃、クマが勝手口から侵入。味を占めたのか、14日にも同じ場所に現れたという。勝手口の窓枠には、クマの爪でえぐられたような跡が残っていた。さらに同じ日、“物音”が聞こえた先では・・・。クマ被害に遭った松原勇太さん:(スマホを見せる)きのうの朝に(農業用ハウスを)見たときに、(鉢植えが)崩れていて、よく見たらここ・・・(農業用)ハウスの入り口に穴が開いていた。(中で)キャットフードを食べた跡があった。農業用ハウスに開いた大きな穴。中に侵入したクマはキャットフードを食べて出て行ったという。クマ被害に遭った松原勇太さん:(クマは)一度寄った家をキープしながら新たなエサ場を探して動き回っている。いやー精神的にきついですね。いつ(クマが)来るのか分からないというのが。同じ町内に住む男性は、7月11日にクマによって自宅を荒らされたばかり。14日も庭にクマが出没したという。クマ被害に遭った住人:(母が)音を鳴らしながら外に出た。そしたら近くから(クマが)走って逃げた。1回侵入したところを2回、3回と狙ってくる感じ。夜になるのが怖い。専門家は、クマがエサを求めて住宅に侵入する行為は非常に危険だと指摘する。岩手大学 山内貴義准教授:今回の場合は完全に食べ物を狙って、しかも人が近くにいる、もしくは(家の)中にいることを認識して侵入している。人間に対する危険度が下がってしまうと、食欲の方が勝り、だんだん行動がエスカレートすることになる。それがブレーキになって箱わなになかなか入らない。かなり異常な状態。
(捕食目的で人を襲った、危険すぎるクマの生態:北海道)
北海道南部の福島町で、新聞配達員の男性がクマに襲われて死亡する事故から、2026年7月12日で1年が経った。悲劇を防ぐ取り組みが続いているなか、男性の母親が今の思いを語った。「(息子は)優しい子だよ。私は本当に一人になってしまった」(亡くなった男性の母親)。福島町に住む70代の女性。2025年7月12日、当時52歳だった息子は、新聞配達中にクマに襲われた。男性は100メートルほど引きずられ、その後、草やぶの中で死亡が確認された。男性は事故の前にも複数回クマに遭遇していた。「(男性は仕事を)休まないで正義感の強い子だった。やさしい子」(母親)。UHBは北海道に対し、このクマへの対応をまとめた資料の情報公開請求を行った。そこに書かれていたのは、危険すぎるこのクマの生態だった。「被害者を捕食目的で積極的に襲った可能性が考えられる」「被害者を連れ去り、離れた場所で草をかけるなどして確保していた」〈道の文書〉。このクマは1週間後に駆除された。体毛からDNA鑑定を行った結果、2021年に町内の畑で人を襲ったクマであることがわかった。さらに、2025年の事故の前にはゴミを持ち去るなどの出没を繰り返し、夜にゴミなどを探して市街地を徘徊していた可能性があるという。町は対策を続けている。「住宅地の外れに来ています。隣には山が広がっていて、町は1年が経った今もクマが侵入しないよう、電気柵を設置しています」(阿部空知記者)。事故後、山と住宅地の境目に約5キロに渡って電気柵を設置した。さらに、ゴミも収集日の当日に出すよう呼びかけている。「(ゴミの)においを嗅いで来るというのがあるから(ルールを)守ってますよ、皆さん」(福島町民)。こちらの男性は、犬がクマに襲われないよう家の中で飼っているという。「どっから出てくるかわからないからね。クマも生き物だしね」(福島町民)。今回クマについて調べた専門家は、生活の意識を変えていく必要があるという。「クマがいるかもしれないということを十分に意識して生活することが重要。普段のゴミなどクマを誘引するようなものの管理を今まで以上に意識して徹底する」(道総研 釣賀一二三さん)。こうした対策で2026年4月以降、町内でのクマの目撃件数は3件と、2025年に比べて大幅に減少した。さらに、住宅地での出没はゼロだ。町は7月10日に市街地に出没したクマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」の訓練を初めて行った。「ちょっとつらくなるな、振り返ってみると。もう二度とあのような悲惨な事故は起こしたくない。もう(被害を)出さないように私たちが一生懸命頑張ってます」(道猟友会松前支部 道下志郎支部長)。さらに、隣接する松前町と地元の猟友会の三者で再発防止に向け連携協定を結んだ。福島町にはクマの駆除ができるハンターが1人しかおらず、人員不足が課題となっていた。今回の協定で福島町の市街地に出没した際は、松前町のハンターもすぐに駆除活動を行えるようになる。「同じ過ちを二度と繰り返すことのないという強い決意で行った」(福島町 鳴海清春町長)。クマに襲われて亡くなった男性の母親。被害が繰り返されないことを願う。「息子みたいにならないようにしてもらいたい」(亡くなった男性の母親)。
(クマ対策に“犬型ロボット”、「フィジカルAI」技術を活用)
国内でクマによる被害が増えるなか、その対策にむけて、「フィジカルAI」を活用した技術開発が進められています。こちらの企業が開発しているのは、犬型ロボットを使ってクマを遠ざける技術です。クマを見つけると、周囲の状況を分析して、・体当たりする・大きな音を出す・位置情報を発する機器をクマにつけるなどのなかから、最適な行動を自ら考えてとることができるといいます。最高速度は秒速8メートルで、人間とクマを見分けることができ…記者「クマを見つけると攻撃をするのですが、人を見つけると止まってくれます」。ドーナッツロボティクス 小野泰助CEO「24時間、皆さんの警備をしてくれるような。クマのエリアに住んでいる方たちは、少し安心に暮らせるんじゃないかなと」。「フィジカルAI」を活用したクマ対策は、様々なロボット企業で研究開発が進められています。
(軽量・低価格の熊捕獲用箱わな「まもるベアー」開発:福島)
福島県白河市の金属加工会社「東(あずま)工業」と同県棚倉町の鈴木銃砲火薬店がクマ捕獲用の箱わな「まもるベアー」を共同開発した。駆除現場に出る関係者の意見やニーズを採り入れ、軽量化と低価格化を図った。県内企業が箱わなを製造販売するのは珍しいという。
(推定4歳オスの成獣、猟友会が駆除:長野)
長野県塩尻市宗賀本山で7月13日、ツキノワグマ1頭が箱わなに捕獲されているのを確認し、駆除されました。塩尻市によりますと、捕獲されたのは体長1.15メートルのオスで推定4歳の成獣です。13日午前9時半頃にパトロールしていた市の職員が、箱わなにクマがかかっているのを見つけました。その後、地元の猟友会員がその場で駆除したということです。捕獲から約1カ月前の6月15日に「夜間に畑に出没するクマがいる」と近所の人から通報があり、市は翌日にクマ捕獲用の箱わな1基を畑の近くに設置していました。付近の畑では、果樹を食い荒らす被害があったということです。
(4度侵入され「人をなめているように感じる」:岩手)
今月に入り、岩手県雫石町の複数の民家にクマが侵入し、屋内の食べ物を食べたり、建物を壊したりする被害が相次いでいる。成獣とみられるクマは同じ家に何度も入り込み、同一の個体の可能性が高い。けが人は出ていないが、県と町は捕獲に向けて民家周囲に電気柵や箱わなを設置した。11日午後6時頃、同町の農業男性(70)から「家の土間にクマがいる」と110番があった。男性が大声で追い払ったが、侵入経路とみられる玄関脇の窓ガラスが1枚割られていた。
(クマが和菓子工房に侵入、冷蔵庫内のドーナツなど食べられる:岩手)
クマの出没が相次いでいる雫石町で12日夕方、クマが和菓子工房の中に侵入し、冷蔵庫の食品を食べられるなどの被害がありました。警察によりますと、12日午後6時半ごろ雫石町長山篠川原の和菓子工房にクマが侵入しているのを近くに住む人が見つけ、警察に通報しました。侵入したのは成獣のクマ1頭で、その後、クマは立ち去りましたが工房の中は荒らされ、冷蔵庫の中のドーナツなどが食べられたということです。町内では、今月5日からクマが住宅などに侵入し、中を荒らす被害が6件確認されていて、町は箱わなの設置や注意喚起など対策を強化しています。
(有害鳥獣の駆除活動中、県道にシカ飛び出し車と接触:兵庫)
三田市は14日、同市福島の山中で有害鳥獣の駆除活動を実施した11日に、シカと猟犬が県道に飛び出し、車2台と接触する事故があったと発表した。2台は前方部分が破損したが、けが人はいなかった。市によると、猟友会員らでつくる市鳥獣被害対策実施隊の11人が同日午前、地区や農会の依頼で県立有馬富士公園近くの山中でシカの駆除に従事していた。活動開始から5分後の9時半ごろ、シカ1頭が県道に飛び出し、市外の女性が運転する車と衝突。同55分ごろには、別のシカを追っていた雑種の猟犬も市内男性の車とぶつかった。市農村整備課はシカが飛び出した原因について「過去の活動では例がない方向へ逃げ込んでしまった」と説明。猟犬はGPSで位置を確認し監視員が近くで待機していたが、「一瞬の出来事で対応できなかった」という。
(ジビエ処理加工施設整備に向けたサウンディング型市場調査:岩手)
本サウンディング調査は「宮古市ジビエ処理加工施設」の整備にあたり、民間事業者の皆様から本事業への参画意向並びに参画に際して望ましい事業条件等に関するご意見・ご提案をいただきます。これにより、民間事業者による施設運営に関するアイデアや採算性等を把握し、実現可能性の高い整備・運営スキームの検討及び整理を行うことを目的としています。
(ジビエで町おこし:神奈川)
全国でクマなどの野生動物の被害が深刻化しています。そんな中、被害を逆手に取り、「町の財産」としてジビエで町おこしに取り組む自治体を取材しました。神奈川県秦野市の鶴巻温泉で、ジビエマルシェが開催されています。会場の外まで伸びる大行列!お目当ては「ツキノワグマの串焼き」です。用意された50本は、開始からわずか1時間で完売するほど人気を集めました。会場では、この他にも地元の店によるバラエティー豊かなジビエ料理が並びました。鶴巻温泉ジビエマルシェ実行委員長 川上拓郎さん「2020年から鶴巻温泉をジビエの食べられる町とテーマに町おこしを始めまして、(ジビエマルシェは)去年から始まったものです」。山々に囲まれた自然豊かな神奈川県秦野市。シカやイノシシによる農作物への被害が年々増えていて、被害を防ぐため年間100頭から200頭を捕獲しています。しかし、その処分にかかる手間や費用の負担が課題となっていました。そこで秦野市は、近隣の市や町にある3カ所の食肉加工施設と契約。捕獲したシカやイノシシを振り分け、速やかに食肉として加工できる仕組みを整えました。去年は捕獲したニホンジカ131頭、イノシシ27頭が食肉として処理され、合わせて4トンを超えるジビエが市場に流通しました。食肉の卸売も手掛ける川上さんによりますと、販売量はこの5年間でおよそ3倍に増えたといいます。通常、捕獲したシカやイノシシを動物霊園で焼却処分する場合、1頭あたりおよそ1万4000円かかり、その費用は市が負担しています。対して食肉加工施設での処理費用は、1頭あたりおよそ3000円。焼却処分のおよそ4分の1に抑えられ、市の費用負担の軽減にもつながっています。かし、課題もあります。猟師として63年間活動し、食肉加工施設も営む大館秀孝さん(85)はこう話します。「大体1頭で皮むきからやると4時間かかる。1人で全部やるんだよ。大変ですよ。簡単にはいかない」。猟師の負担が軽減されれば、さらにジビエは普及すると川上さんは話します。「猟師さんが全部やっている。すごく負担がいっているから、なかなか進まない。(海の漁師は)取ってきて市場にあげれば、市場が全部買い取って。市場が卸業者に全部卸していって、それぞれが処理していく、そういうシステムが山の猟師にできれば、もっと世界は広がると思います」。
(ホテルでシカ肉料理味わって:北海道)
苫小牧市表町のグランドホテルニュー王子は31日まで、苫小牧産エゾシカ肉を楽しめる「蝦夷鹿(えぞしか)肉フェア」を同ホテル内のスカイレストラングランビューで開いている。ランチビュッフェやディナーのアラカルトで、ホテルシェフによるエゾシカ肉を味わえる。
(イノシシ肉で作った「ししドック」、高校生が開発:佐賀)
こちらのホットドッグ。ソーセージにはほぼ100%イノシシ肉を使ったその名も「ししドック」です。開発したのは佐賀市の高志館高校食品クラブの生徒たち。9割が加工されずに処分されるというイノシシの食肉のおいしさを知ってもらおうと15日県庁で試食会が開かれました。ししドックのパンも地元のパン屋さんの指導を受け自分たちで開発しました。【高志館高校食品クラブ 大久保麻結部長】「臭みがあるとか思われている方が多いと思うんですけど、香辛料を入れたりして臭みを減らすようにしています」。今後は地元のイベントやキッチンカーでの販売なども計画しているということです。
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