<射撃ニュース8月>
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(ハンターが“猟銃誤射“で駐車中の車両のドアを損傷:富山)
富山県黒部市は8日、同市宇奈月町内で猟銃の発砲による物損事故が発生したと発表しました。けが人は確認されていません。黒部市によりますと、事故は6日午前8時ごろに発生しました。黒部市宇奈月町内山の地内で、市の鳥獣被害対策実施隊の隊員2名が、くくり罠にかかったイノシシを猟銃(散弾銃)で捕殺しようと発砲しました。その際、現場から約50メートル離れた資材置場に駐車されていた車両に弾が当たり、ドアを損傷させたということです。現場の隊員から市へ第一報が入ったのは午前8時40分ごろで、市は同8時45分ごろに黒部警察署へ通報。その後、午前9時半ごろに、警察と市職員が現場に到着し、実施隊員らと合同で当時の状況を確認しました。現在、黒部警察署がこの事故について詳しく調べています。市の鳥獣被害対策実施隊としての業務中の事故であるため、黒部市も今回の事態を受け、事故原因について実態調査を行うとしています。また今後の活動については、黒部警察署と協議した上で安全確保を徹底し、隊員に対して必要な指導や研修等を実施する方針です。

(シカとバイクの接触事故か、運転していた男性は意識不明の重体:兵庫)
7日午後7時半ごろ、兵庫県香美町で、車を運転していた男性から「原付バイクとシカの交通事故」と消防に通報がありました。消防が現場に駆けつけたところ、車道に男性が倒れていて、そばにはエンジンがかかったままのバイクと死んだシカが横たわっていたということです。この事故で香美町に住む53歳の男性がヘルメットをつけていたものの、頭と腹部を負傷し、意識不明の重体です。バイクの前方のタイヤには、シカのものと思われる毛がついていたということで、警察はシカとの接触事故とみて調べています。管轄する警察署によりますと、管内の山に近いところでは、過去にもシカと車やバイクが接触する事故が起きていて、特に夜間から明け方にかけての事故が多いということです。

(工場に突如イノシシ、男性の右脚にかみついて逃走:香川)
7日午前10時5分頃、香川県さぬき市志度の工場敷地内にイノシシが入り、屋外で作業をしていた男性(52)の右脚にかみついた。男性は軽傷の見込み。香川県警さぬき署の発表では、イノシシは体長1メートル程度で、逃げたという。

(クマに襲われ男性けが、ランニング中に手足かまれる:岐阜)
岐阜県高山市に入った連絡によると、7日午後6時ごろ、同市丹生川町北方の林内で、ランニングをしていた50代男性がツキノワグマに襲われ右腕と右足をかまれた。病院に運ばれたが命に別条はないという。クマはその場を立ち去り、大きさなどは不明という。県によると、今春からのクマの目撃情報は510件(7日現在)で、人的被害は県内初。市や警察は防災ラジオなどで付近住民に注意を促し、パトロールを強化する。

(野生イノシシ1頭、豚熱陽性:青森)
青森県は6日、田子町で捕獲された野生のイノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は18例目。

(野生イノシシでの豚熱感染確認(242,243頭目):兵庫)
丹波市と丹波篠山市で発見された死亡野生イノシシについて、豚熱PCR検査を実施した結果、豚熱感染が確認されました。

(クマ捕獲の許可権限を市町村に移譲へ、条例改正案を9月議会に提案:宮城)
宮城県内でクマの目撃や農作物被害が多発する中、村井知事は捕獲に必要な許可権限について、市町村に移譲することを明らかにしました。条例の改正案を、県議会9月議会に提出する予定です。これは、村井知事が仙台市内で行われた内外情勢調査会の講演で明らかにしたものです。現在、市町村がクマを捕獲する際には、宮城県の許可を得る必要があり、その権限が市町村に移譲されるのは、人身被害が懸念される緊急事態に限られていました。しかしここ数年、宮城県内でクマの市街地への出没や農作物への被害が相次いでいることから、県は緊急時に限らず市町村に権限を移譲できるようにする条例改正案を、県議会9月定例会に提出するということです。この条例の改正により、市町村は迅速にクマの捕獲ができるようになり、農作物や人への被害軽減が期待されます。

(捕獲のクマ、民家に何度も侵入した個体とDNA型一致:岩手)
岩手県雫石町で7月15日、わなにかかったクマについて、町はDNA検査の結果、町内の民家に繰り返し侵入していた個体と同じである可能性が高いと8月7日に発表しました。雫石町では、7月5日から何度も住宅などに侵入し、物が壊されたり食料が荒らされたりされる被害が確認されていました。これを受け、町が被害のあった現場周辺にわなを設置、7月15日にドラム缶式のわなにクマがかかり駆除されました。その後、町が被害のあった現場などから採取した体毛と捕獲したクマの体毛のDNA型が一致したことから、雫石町では8月7日に「加害個体を捕獲できた可能性が高いと考えられる」と発表しました。

(ガバメントハンター定着なるか:北海道)
狩猟免許所有者を公務員として任用する「ガバメントハンター」が、専門人材として定着できるかが課題となっている。ガバメントハンターは地域に根ざしたヒグマ対策の担い手として期待され、地元猟友会など関係機関との調整役も担う。北海道内では本年度、導入の動きが広がるが、「任期付き」の非正規職員として雇用する自治体も目立ち、長期的な人材確保は見通せない。北海道は3月からガバメントハンターを初めて募集し、現時点で採用したのは本庁勤務の70代の男性1人のみ。渡島総合振興局または檜山振興局、オホーツク総合振興局に配置予定の2人は採用にいたっていない。

(「思っていたより届かない」クマ撃退スプレー試射で実感)
クマから命を守る手段として注目が高まるクマ撃退スプレー。唐辛子に含まれるカプサイシンを濃縮した液体を噴射してひるませるものだが、効果的に使えるだろうか。獣医師で「野生動物被害対策クリニック北海道」代表の石名坂豪さんの指導の下、記者が体験すると、思った以上に「届かない」。練習の必要性を実感した。

(クマによる果樹園の食害相次ぐ、対策として被害木を伐採へ:北海道)
温泉施設のすぐそばでクマの食害です。6日、北海道知内町で果樹園のクリやスモモなどがクマに食い荒らされているのが見つかりました。6日午前9時前、知内町元町にある「こもれび温泉」からおよそ5メートルの場所にある果樹園で、クリやスモモ、プラムがクマに食い荒らされた跡が見つかりました。警察によりますと、高さ2メートルほどの場所になっていた実が、およそ7メートル四方の範囲にわたって食べられていたということです。現場付近では7月23日にもクマが目撃されているほか、知内町元町では去年もブドウなどの果実を食い荒らすクマが頻繁に目撃されていました。町はこれ以上クマを寄せ付けないための対策としてあす8日、食害にあった木を伐採することにしています。

(鳥獣被害対策のモデル集落を専門家らが点検・調査:青森)
相次ぐ鳥獣被害を受けて、青森県は今年度から被害対策のモデル集落をつくり、生産者自らが農地を守る取り組みを進めています。県は今年度「鳥獣被害対策モデル集落」として、弘前市と新郷村にある2つの集落を設定し、農作物の生産者が農地や集落を守る体制の構築を目指します。このほど弘前市では専門家による集落点検が行われ、モデル集落となっている一野渡大和沢地区を視察し、電気柵の設置状況などを確認しました。一野渡地区では7月、約2.8kmの電気柵を設置しましたが、住人はクマの通り道となっているエリアのさらなる対策を求めています。一大地区鳥獣害被害対策協議会 齊藤光秀 会長「一番の問題は川の木とか草とか、そういうのを県にお願いして伐採してもらえれば。(クマの)通り道がなくなれば、民家のほうにも入ってこないのではないかなと」。この日調査に入った専門家は、電気柵の1段目に動物が通り抜けられる箇所があったと指摘し、設置方法などについても周知を徹底したいとしています。

(山本知事、銃猟免許の試験に合格「クマ対策をさらに前に進めていきたい」:群馬)
狩猟免許の取得を目指してきた群馬県の山本知事は6日の定例記者会見で、1日に受けた銃猟免許の試験に合格したことを明らかにした。今後は銃の所持許可申請に向けて射撃の教習などを受ける予定で、「今回の合格を機に、県のクマ対策をさらに前に進めていきたい」と述べた。自治体職員が有害鳥獣の捕獲などを担う「ガバメントハンター」の育成に向けて結成された「県クマ撃退チーム」の県職員10人も、1日に試験を受験して全員合格した。伊勢崎、太田、藤岡、吉岡の4市町からも職員4人が受験し、このうち2人が合格したという。

(生活圏でのクマ出没を想定した緊急銃猟訓練。出没情報から猟銃で撃つまでの対応を確認:岡山)
全国でクマの出没が相次ぐ中、人の生活圏での出没を想定した緊急銃猟訓練が8月7日、真庭市で行われました。訓練には猟友会のメンバーをはじめ真庭市の職員や警察官など約70人が参加しました。参加者は、はじめに2025年9月に運用が始まった緊急銃猟制度について専門家から説明を受けました。緊急銃猟制度は人の生活圏に出没したクマに対し市町村長の判断で特例的に猟銃を使用できるものです。訓練ではクマの出没情報を受けてから猟銃で撃つまでの対応を確認しました。(真庭市農業振興課 藤田浩史課長)「実際にはクマの出没はないが、不安に思っている市民も多くいるので万全の態勢をとっておきたい。きょうを機にいろいろなシミュレーションをしていきたい」。岡山県内では2026年度、7月末までに56件のクマの出没情報があり、9頭が捕獲されています。市は今後も関係機関との連携し対応を強化したいとしています。

(シカにヒマワリ食べられ「高原まつり」中止:福島)
福島県郡山市湖南町で23日に予定されていた「郡山布引風の高原まつり」の中止が7日、決まった。咲き誇るヒマワリと風車が並ぶ絶景が人気だったが、今年はヒマワリがシカに食い荒らされ、茎も残っていない。猪苗代湖と磐梯山を望む標高1080メートルの布引高原では祭りを始めた2008年から毎年、湖南町商工会を中心に有志が約180万本のヒマワリを植えている。背景には高さ約100メートルの発電用風車が33基並ぶ。市観光政策課によると、例年シーズン中は約4万人が訪れるという。だが同商工会によると、ニホンジカによる食害が昨年ごろから目立ち始めた。ヒマワリは農作物ではないため市の電気柵設置補助制度の対象にならず、また畑は約9ヘクタールと広く、電源確保の当てもない。来年も、風車が耐用年数期限を迎えて周辺で工事が始まる予定で、開催の見通しは立っていないという。祭りの実行委員会の担当者は「高原からの雄大なパノラマは楽しめる」と話す一方で、クマの目撃情報が相次いでいることから注意も呼び掛けている。

(クレー射撃や解体を見学、「狩猟者」確保へ9月に講座:長野)
有害鳥獣の駆除や個体調整を図る狩猟の体験講座が9月、飯田市大瀬木の飯田国際射撃場で開かれる。

(クマやイノシシの被害防止に向けて研修会:山形)
クマやイノシシによる農作物などの被害防止に向け、地域で対策を担う人材を育成する研修会が、山形市で開かれました。この研修会は県内各地で鳥獣被害対策を進める指導者を育成することを目的に県が開催しています。6日は各自治体の職員などおよそ40人が参加し、クマとイノシシそれぞれの生態や被害防止の対策について専門家が解説しました。【地域環境計画 野生動物管理部 吉田淳久さん】「食べものを探してクマはあちこちを動き回る。1日で10㎞程度動き回る動物。どこか探し回って市街地に来てしまう」。県によりますと、25年度の県内の鳥獣による農作物の被害額は5億9200万円と、前の年度のおよそ1.7倍に増加しています。参加者はクマやイノシシを集落に寄せ付けない環境づくりや、地域で問題意識を共有することの重要性について理解を深めていました。「人の生活圏とクマの出没圏が近くなっているのは人の責任もある。地域でみなさんと考えて対策していく必要があると感じました」。

(「けもの相談所」、データ蓄積で鳥獣被害防ぐ:埼玉)
横瀬町における有害鳥獣対策の専門組織「けもの相談所」の本格運用が8月1日、地域おこし協力隊員3人を中心に始まった。同町では鳥獣被害の相談に対し、同組織への直通電話やウェブフォームを新たに設け、住民からの直接の相談に応じる体制を整えた。同町振興課で有害鳥獣対策担当の小菅旭央さんは、従来の被害発生後の単発的な駆除対応や、行政職員が平均2、3年で異動することによる知識や信頼関係の途切れに課題を感じていた。小菅さんは「担当者が変わっても町にデータと知識が残り続け、捕獲だけでなく寄せ付けない防護を中心に指導できる専門組織が必要だった」と、同相談所発足の経緯を明かす。同相談所の実動を担うのは、同町に移住した地域おこし協力隊の3人。2023年10月に着任した島根県出身の高田映さんは、都内でジビエを扱う飲食店で働く中で鳥獣の捕獲に関心を持ったという。先行して現場対応を進めてきたことから立ち上げのアドバイザー役を務める。4月に着任した山梨県出身の曽雌隼人さんは、以前、別の地域の市職員として働く中で、住民の相談情報がデータとして引き継がれにくい行政の構造に課題を感じていた。民間企業を経て、農山村の社会課題解決に直接携わろうと同町の協力隊に応募した。5月に着任した広島県出身の立川雄介さんは、大学の農学部時代に有害鳥獣対策の現場を調査し、課題の大きさを実感していた。一度は東京で就職したものの、やりたいことを見つめ直し、学びの原点である山の現場で課題解決に関わろうと同町へやって来た。7月29日には曽雌さんと立川さんが罠(わな)の狩猟免許試験に合格。現在は狩猟者登録などの手続きを進めながら、講習への参加や地元猟師・役場の調査同行、解体補助などを通じて現場の実務ノウハウを蓄えている。現場では約20台のセンサーカメラを設置し、地域や時期ごとに異なるシカやサル、イノシシなどの行動パターンの分析を始めた。隊員は現場巡回や地域でのあいさつ回りなども行いながら、役場に報告されていない獣の目撃情報や小さな被害の声も直接聞き取っている。現在は住民からの相談に応じながら、公式サイトでの対策事例集約や住民向けセミナーの開催に向け、体制構築を進めている。曽雌さんは「捕獲や駆除だけでは根本的な解決にならない。まずは現場で起きている事実を拾い上げ、数字やデータとして可視化することで対策につなげたい」、立川さんは「『こんなことで連絡したら申し訳ない』と遠慮してしまう人も多い。『〇〇辺りでサルを見かけた』などの小さな情報でも気軽に話してもらえるよう、地道に対話を重ねて関係を作っていきたい」と話す。高田さんは「対策のコストを考えて諦め、泣き寝入りしている住民も多い。一般的な考えを押し付けるのではなく、日常に寄り添って気軽に相談できる受け皿として組織を残していければ」と展望を明かす。同組織は今後、横瀬町内で相談対応や防護支援を重ね、専門窓口としての定着を図る。活動を通じて蓄積したデータやノウハウを生かし、将来的には秩父地域全体への展開や組織の自立を目指していく。

(知事選前にクマ対策に追われる選管:長野)
9日投開票の長野県知事選を巡り、有権者や投票所の運営スタッフの安全を確保しようと、各自治体の選挙管理委員会が工夫を凝らした取り組みを行っている。松本市選管は、市内全73か所の投票所すべてに爆竹やクマ鈴といったクマ対策グッズを用意している。投票時間やその前後に市内でクマの目撃があった場合、目撃された地点から1キロ以内にある投票所で約15分おきに爆竹を使う。爆竹はバケツの中で鳴らして音が響くようにし、クマが投票所に近づかないようにする。投票所周辺にクマが出没した場合は、建物の入り口や窓などを施錠。投票所内にいる人には投票を済ませてもらい、安全が確認できるまで、その場で待機してもらう。投票箱にはフタをして施錠し、投票を一時休止するという。同市を含む松本地域では人里へのクマの出没が相次ぎ、5月22日~7月17日、「ツキノワグマ出没注意報」が出されていた。県森林づくり推進課によると、今年5~7月の同地域でのクマの目撃件数は、前年同期比で約1・5倍の104件となっている。市選管の担当者は「クマ対策を講じているので、安心して投票に来てほしい」と話している。

(クマの緊急銃猟備え、猟友会メンバーが射撃訓練:埼玉)
人の生活圏に出没したクマを市町村の判断で駆除する「緊急銃猟」に備えた研修会が埼玉県で開かれ、猟友会のメンバーが射撃訓練を行いました。長瀞町にある射撃場で行われた研修会には、埼玉県の猟友会のメンバーらが参加しました。メンバーらは、まず岩手県の猟友会から招かれた講師の説明を聞き、現場では、クマに遭遇しても落ち着いて発砲できる対応力が求められることなどを学びました。続いて射撃場に移動して訓練を行い、およそ50メートル先にある、クマのイラストが描かれた動く的に向かって、急所に狙いを定めながら1発ずつ撃っていきました。埼玉県によりますと、県内ではこれまでに「緊急銃猟」が行われたケースはありませんが、昨年度のクマの目撃件数が過去最多になったことなどを受けて、初めて研修会を開いたということです。県みどり自然課の佐藤憲野生鳥獣対策幹は「緊急銃猟を全県でどんな場面でも行えるよう態勢を整えていきたい」と話していました。

(女性や若者中心に1.5倍、狩猟免許の実技講習会:静岡)
野生鳥獣を捕獲するための狩猟免許試験を前に、静岡市葵区で実技講習会が開かれました。クマによる被害が拡大する中若者や女性の受講者が増えています。この講習会は狩猟免許試験の受験者向けに、県の猟友会が開きました。2026年の受講者は若者や女性を中心に例年の1.5倍近くに増え、クマによる被害の増加が要因の一つです。受講者は銃の組み立て方や、銃口を人に向けないといった基本を再確認し、本番に備えていました。狩猟免許試験は8月23日に行われます。

(エゾシカ捕獲へ「囲いわな」設置作業:北海道)
エゾシカが市街地に出没し、深刻な問題を引き起こしている稚内市では、10日、捕獲を進めるための大型のわなの設置作業が行われました。稚内市では市街地に出没したエゾシカが車と衝突して事故が起きたり、家庭菜園の野菜などが食い荒らされたりする被害に悩まされています。このため、市では毎年この時期にエゾシカの捕獲を行っていて、10日、「囲いわな」と呼ばれる大型のわなの設置作業が行われました。わなは鉄パイプや金網でできた高さ3.5メートルのおりのような形で、エゾシカが多く目撃されているノシャップ岬近くのパークゴルフ場の付近に設置されました。わなには監視カメラが設置され、エサにおびき寄せられてエゾシカが中に入ると、遠隔操作で入り口を閉じて捕獲します。市によりますと、昨年度はこのわなで50頭捕獲したということで、今年度は猟銃による捕獲などと合わせて970頭の捕獲を目指すということです。稚内市で鳥獣対策を担当する大石祥治主幹は「エゾシカは急に襲ってくることはありませんが、オスには角があるので近づかず、車を運転しているときは減速するなど注意してほしい」と話していました。市では今月18日から10月上旬まで、捕獲を行うことにしています。

(行楽地で「クマ対策」進む…)
夏の観光シーズンを迎える中、行楽地ではクマの出没に備え、安全対策を進めている。クマの出没件数は昨年度、過去最多を記録し、今年度も各地で出没が相次ぐ。クマが嫌がる高周波音を出す装置や侵入防止の柵を設置するなど、行楽客の安全な受け入れに努めている。日本一の落差350メートルを誇る 称名滝しょうみょうだき (富山県立山町)周辺では5月中旬、遊歩道で男女2人が襲われる被害が発生。このため町は6月中旬、クマが嫌がる高周波音を出す装置を遊歩道に三つ設置、遊歩道に近寄らせないようにしている。6月にタケノコ採りの男性がクマに襲われ死亡するなど、人身被害が相次いだ青森県の八甲田山系。事故を受け7月1日から登山道が閉鎖されたが、今月1日に解除された。トレッキングツアーを行う団体では、クマよけスプレーやクマ鈴の携行のほか、持ち込んだ食べ物のゴミを落とさないなどの対策をして臨む。昨年度、クマの人身被害が相次いだ秋田県。同県大館市の温泉旅館「日景温泉」では、万が一のクマの侵入に備え、貸し切り露天風呂や屋外通路に100万円以上かけて柵を設置した。昨年10月、岩手県北上市の旅館で従業員が露天風呂の清掃中にクマに襲われた死亡事故の後、日景温泉でも予約キャンセルが相次いだという。石川崇代表は「安全のためできるだけのことはしているので安心して来てほしい」と話す。環境省によると、昨年度のクマの出没件数(速報値)は5万801件と、集計を始めた2009年度以降で最多だった。今年度は4~6月で1万2628件(同)と、前年度の同時期を5000件以上上回っており、今年も注意が必要だ。観光事業者向けの支援策もある。秋田県では今年度、県内での宿泊者を対象に1人最大1万2000円の割引を受けられるキャンペーンを始めた。東京海上日動火災保険(東京)は、宿泊施設などの敷地内にクマが侵入して休業となった際、予約取り消し分の損失を補償する保険を販売している。北海道や東北のホテルなどから300件以上の問い合わせがあり、成約事例も出ているという。

(都心のカラス、25年で8割減:東京)
かつて社会問題化するほどいた東京都心部のカラスがこの25年で8割以上減り、スズメの存在感が増している。全国では急減している野鳥も少なくなく、生態系が変わってきた。

(GPS追跡でわかった「出るクマ」と「出ないクマ」の決定的な違い:伊藤博之)
2023年、秋田県でクマの目撃が過去最多となった。元東京農業大学教授の山崎晃司氏(現・茨城県自然博物館館長)らは翌年、クマ11頭にGPS首輪を装着して行動を追跡し、クマが人里に出てくる理由や人慣れする原因を追った。GPS首輪で見えた、里に出てくるクマの実像とは? 人間もクマも大好物の「遭遇率を高める山菜」とは?2023年の秋田県内におけるクマの目撃件数が、前年の842件と比べて4.3倍の3612件(ツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」ベース)となり、過去最高の記録を更新しました。この大量出没を受けて東京農業大学地域環境科学部教授を務めていた私は、秋田県自然保護課、鹿角市、東京農工大学、NHK秋田放送局とチームを組み、「里に出るクマ、出ないクマの違いは何か」をテーマにした研究を24年7月から始めることになったのです。具体的にどんな研究だったかというと、北奥羽山脈で連なる鹿角市花輪エリアと「マタギの里」で知られる北秋田市阿仁エリアで捕獲された11頭のクマに全地球測位システム(GPS)機能付きの首輪を付けて、2時間ごとにクマの居場所を追跡するものでした。そうすることで、クマが実際にどれだけ人間の生活圏に依存しているのか、その中には1年間ずっと人の生活圏に依存しているクマがいるのか、ある時期だけ利用しているのであれば、人間の生活圏に依存していない時期はどこに行っているのかなどを調べるものだったのです。11頭のクマのうち半数以上がオスでしたが、未成獣から成獣まで幅広い構成を組めました。これまでの追跡結果からいうと、人間の生活圏に1年間ずっと依存しているクマはいませんでした。でも一部のクマは、木の実などの食べ物が減少する夏の時期に、山から人里近くにおりてきて農地に出没していたのです。とはいえ、そうしたクマであっても秋になると山に戻り、やがて冬眠して、春は山の中で生活をしています。山での行動範囲は広く、調査したクマの中には隣の岩手県や青森県まで移動するクマがいることも分かりました。冬眠明けのクマは、春先に芽吹いた山中の若葉を食べて体力を回復させます。でも、木々の葉は成熟すると、繊維質が多くなって硬くなります。すると含まれるタンパク質の割合が減って、クマにとって魅力的な食べ物ではなくなります。そこで山からおりてきて、農地で咲いているソバや大豆の花を食べたり、リンゴをはじめとする果樹園で摘果され放置されたままの果物を食べたりしていたのです。クマは学習能力がきわめて高く、食べ物がある場所を一度学習すると、同じ場所へ繰り返し出てくるようになります。クマの追跡調査は難しく、付けた首輪のGPS機能が不調になったり、首輪そのものが脱落したりすることがあります。また、せっかく首輪を付けて放獣したのに、その後に有害鳥獣対策で捕殺されてしまうこともあります。いま追跡が可能なクマは、11頭中2頭までに減ってしまいました。しかし、里に出るクマ、出ないクマの違いは何かというテーマの答えを求めて、研究は継続しています。これまで2年間の研究で少なくとも分かったことは、人里に1年中出ずっぱりのクマはいないということです。街中の生ゴミを漁(あさ)るクマの姿がテレビのニュースでよく映し出されますが、その生ゴミだけをエサにして生きているクマはまずいないでしょう。そもそも生ゴミは高カロリーで栄養価も高く、自分たちが生きていくのに有効なエサであることを学習したクマは、街中に出没するたびに人を恐れない「人慣れしたクマ」に変わっていき、とても危険なので駆除しなくてはなりません。アメリカのある国立公園管理事務所がビジター向けに配布しているバンパーステッカーには、「garbage bear, dead bear」と書かれていて、クマへの安易なエサやりに警鐘を鳴らしています。その意味は「生ゴミの味を覚えたクマは、すでに死んだのも同然のクマである。なぜなら、結局のところ捕殺されてしまうクマだからだ」ということです。そうしたクマを生み出さず、人間とクマが適切な距離を取りながら共存していくためには、人間の側から対応していくしか術がありません。生ゴミや摘果した果物をはじめ、クマの誘引物の管理を徹底する。山に近い農地はクマが入らないように電気柵で囲う。また、人里に近い場所の草やぶを刈ったり、クマの侵入経路になりやすい川沿いの草刈りを行ったりして、人間とクマの生活圏との間に空間を設ける「ゾーニング」を進めていくことが有効です。環境省も各地方自治体に提案しています。しかし、なかなか進展していないのが現実です。2024年になると秋田県内でのクマの目撃件数は1409件に低下し、出没状況がいったん落ち着いたかに思われました。ところが、翌25年は1万2956件へ跳ね上がり、26年に入ってからも7月31日時点で2987件という高い水準で推移しています。環境省が発表しているクマ類による人身被害の速報値を見ると、秋田県内では26年1月~6月末までに5件の人身被害があり、1名の死亡者を出しています。こうしたデータをストレートに受け止めて、過剰に反応する人が少なからずいらっしゃるようです。でも、ここで大切なのは物事を冷静に捉えて判断することです。秋田県のクマダスのシステムは、報告する登録者数自体が増えています。その背景として、以前だとクマを目撃しても「いつものことだし、静観しておこう」と思っていた人が、最近の状況を鑑みて敏感に反応して報告するようになったことが考えられます。登録者の絶対数が増えれば、目撃件数も自ずと増えるでしょう。また、歩き回る同じクマを複数の人が目にしたことで、目撃件数が増えている可能性もあります。とはいえクマとの距離感は以前と比べて着実に短くなっており、人間はクマに遭わないための努力を惜しんではいけません。山中に入る作業者や行楽者は、クマに人間の存在を知らせることが大切で、その手立ての一つが「クマ鈴」の活用です。クマの生態研究の泰斗であるスティーブン・ヘレロ氏は、著書『ベア・アタックス』で「ハイキング中に起きた人身事故のうち、音を立てていたのに襲われたというケースは15%(68件中10件)に過ぎない。音を立てるのはヒグマ(グリズリー)に自分たちの存在を知らせるのに役立ち、突然に遭遇する可能性を小さくすると考えられる根拠はある」と指摘しています。最近、私が特に気になって仕方ないのが毎年5月~6月のタケノコ狩り、とりわけ根曲がり竹を求めて山中に分け入る人たちです。根曲がり竹は美味で、換金性が高く、とても人気があります。しかし、クマにとっても根曲がり竹は大好物なのです。それも根曲がり竹は見通しの悪い藪の中に生えていて、人間とクマが探すのに夢中になっているうちに鉢合わせして、人身被害に至るケースが後を絶ちません。根曲がり竹を採りに行くのなら、クマと遭遇しないよう常に周囲に注意を払う必要があります。クマの出没状況は、ブナ堅果類の豊凶とリンクしてきました。2023年と25年は秋田県を含めた東北5県すべてが大凶作で、秋の食べ物が少なかったことが、秋のクマの大量出没の一つの要因になったと考えられます。そのブナは一種類の樹木と思われがちですが、実はさまざまな種類に分かれています。クマにとって秋の重要な食べ物になるのが、同じブナ科である脂質や炭水化物に富んだブナ属とコナラ属の堅果です。ブナ属は脂質の含有量が高く、コナラ属のように動物が嫌う物質であるタンニンを含んでいません。そして、堅果の結実を同調させて豊凶を使い分けることで、堅果を狙う動物の数をコントロールしています。また、広範囲かつ長期間で結実活動をコントロールするため、結実の周期が長くなり、不作の期間が数年に及びます。一方のコナラ属の堅果ですが、ブナ属ほどの地域間の同調性を持たず、結実周期もブナ属より短い点で違いがあります。また、コナラ属のミズナラは比較的広く分布し、不作の年であっても局所的には結実しているケースが見られます。このためクマにとって、ブナ属の堅果はときどきありつける「ハレの食べ物」で、ミズナラは「いつも口にしている主食の米のような食べ物」と表現する研究者もいます。7月7日に東北森林管理局が、管轄する東北5県のブナ類を対象にした145カ所における開花・結実調査の結果を発表しました。それによると、秋田、岩手、宮城、山形の4県の開花状況から見た今年秋の豊凶の予測は「豊作」で、青森県のみが「並作」でした。5県ともに「大凶作」だった前年から状況は一転する見通しになっています。この調査からはミズナラの開花状況は分かりませんが、大好物のブナ類が順当に実を結んでいけば、秋口以降のクマの里への出没は落ち着きを見せるのではないかと考えています。

(自治体業務の負担を減らす害獣処理の新しい選択肢、害獣の死骸を現地で適正処理:東京)
近年深刻化する獣害問題では、捕獲後の死骸処理が自治体業務の大きな負担となっている。高額な委託費用や保管・運搬の手間、環境面への配慮など課題は多い。そこで提案したいのが、届出不要で設置でき、害獣を現地で焼却処理できる朝田ケミカル株式会社の小型超高温焼却炉『ACE0.5型』だ。近年、熊や鹿、猪をはじめ、さまざまな獣害が深刻化している。捕獲・駆除された獣畜が食肉用として市場に出るのはごくわずかで、自治体がその処理を担っている。地方の山間部だけでなく、都市部の住宅地でも頻繁に獣害が報告されるようになり、今や獣害は日本全国どこの自治体にとっても大きな課題の一つになったと言えるだろう。獣畜処理は、さまざまな問題をはらんでいる。専門業者に委託すれば高額な費用がかかる。また、保管や運搬時は、臭気や衛生面などの周辺環境への影響にも配慮が必要だ。敷地内で焼却処理をしようにも、獣畜は脂と水分が多くて完全燃焼が難しい。完全燃焼できる一般的な焼却炉は、数千万から1億円と高額だ。森林などに埋めると、腐敗による異臭や地下水の汚染といった懸念もある。このように、獣害の処理は自治体にとって厄介な問題ばかりなのだ。それでも増え続ける獣害には対処を迫られる。中には、年間で数千頭もの獣畜を駆除した自治体もあるという。そんな自治体業務の負担軽減を目的に開発されたのが小型の超高温焼却炉、『ACE0.5型』。構造基準適合型で設置届出が不要というのが第一の特長だ。設置すれば、その場で捕獲後の害獣の焼却処理が始められ、獣畜の保管・運搬の必要がない。第二の特長は、火力。脂や水分を多く含む獣畜も、安定して高温での焼却処理が可能。焼却後は少量の骨や灰などが残るのみ。ダイオキシンの発生や煙・ニオイも大幅に抑えられるため、市街地にある自治体でも安心して設置できる。更に操作は非常にシンプル。特別な資格を必要とせず、日常業務の中で扱いやすい点も特長だ。価格も同性能帯の焼却炉と比較して導入しやすい水準で、かつ長期の使用に耐えうるという。継続的な使用を前提とした自治体導入にも適していると言えるだろう。

(クマ対策「科学的調査が大切」、知識ある人材の育成課題)
各地で増えているクマの人里への出没や人身被害。クマの生態に詳しい茨城県自然博物館の山﨑晃司館長(東京農大名誉教授、動物生態学)は、生息域の拡大はここ数年で急に起きたわけではないと指摘したうえで、有効な対策には科学的調査、分析が大切だと語る。環境省が1978年、2003年、17年に行ったクマについての全国調査をみると、たとえば25年度に人身被害件数がとくに多かった秋田、岩手両県では、03年の段階ですでに県域の7~8割くらいがクマの生息域に、17年にはそれがほぼ全域に広がっていた。昨今、急に広がったわけではない。日本の里山がこれほど茂った森林になっているのはこの数十年のことだ。1960年代の燃料革命で石油、ガスが日常的に使われるまで薪や炭をつくるために木々を伐採したり、伐採して採草地にしたりと、人々が暮らしの場として山を利用していた。鉱山付近も大量に木が伐採されてきた。戦時中は軍需、戦後は復興の住宅需要で大量の木が伐採された。クマをはじめとした森林性の動物が使える場所は、限られてきたといえる。それが、里山が使われなくなり、人口減少と高齢化によって耕作放棄や消滅集落が増えたことで、とくに里山や耕作放棄地といった標高の低い場所でクマの生息域が広がっている。人間が狩猟などで対抗しないと、クマが警戒せずに人の住むエリアに出没するようになる。東北に限らず各地で被害や出没が多発する年の間隔も短くなっているのはこうした背景がある。今年、宇都宮市、仙台市、福島市の市街地にクマが出没した。大きな雄のクマと若いクマとのことだった。クマの分布域が市街地に迫るなかで、雄が発情期のメスグマを探す行動や、母グマから別れた若いクマがさまようなかで、河川敷などを伝って気づけば市街地に入っていたというケースではないかと考えている。私たち(東京農大、東京農工大など)は、秋田県鹿角市や北秋田市で捕獲したクマにGPSとカメラを取り付けて、行動追跡調査を続けている。そのなかで分かってきたことがある。雄のクマが奥羽山地を越えて、岩手、青森に50~60キロ移動する事例が2例確認された。県境を越えて広く管理していく必要があるということだ。

(お盆のクマの注意点)
お盆の時期を控え、クマの出没が相次ぐ地域では、自治体が警報や注意報を出すなど対策が呼びかけられています。帰省や旅行を計画している人も多いと思いますが、ことしのお盆は、街では、山のレジャーではどんな点に注意をすればよいのか。独自の分析と、専門家のQ&Aで詳しくお伝えします。今年度のクマによる人身被害は、NHKのまとめで7日正午までに少なくとも全国17の都道府県で55人にのぼり、このうち6人が亡くなりました。環境省によりますと、同じ時期に亡くなった人の数は記録が残る2008年度以降、過去最多となっています。NHKでは、今年度のクマによる人身被害について、場所やその状況を自治体などに取材したうえで、専門家とともに傾向を分析しました。このうち、被害にあった「場所」では「山林」が64%を占めていました。続いて、市街地やその周辺、農地など「人の生活圏」での被害は35%でした。さらに、被害にあったときの「状況」については、62%の人が1人で行動中だったか、1人で行動していたとみられるということです。亡くなった6人のうち5人が、山菜採りで1人で山に入っていたとみられます。また、登山や散策などのレジャー中にけがをした9人のうち、6人が1人でいたとみられ、中にはクマ鈴を持参せず登山中にクマに襲われたケースもありました。NHKは、東北地方の各県がツキノワグマの出没に関する住民の通報などをまとめたマップのデータをもとに、2023年からことしまでのそれぞれ4月から7月の状況を分析しました。(岩手県のマップには対象期間のデータが掲載されていないため分析の対象地域とせず)。このうち、クマの出没に関する情報の件数を年ごとに比較したところ、ことしは5942件にのぼり、大量出没となった去年の5279件を上回ってこの4年間で最も多くなりました。さらに、クマの出没エリアの傾向についても分析しました。地図上を1キロ四方のエリアに区切り、エリアごとに出没情報があったか判定したところ、ことし、出没情報があったエリアの58%は、それまでは出没情報がなかったことがわかりました。さらに、ことし新たに出没情報があったエリアをマップで可視化すると、特に市街地に広がっていることが分かります。秋田市です。色のついているエリアが2023年からことしまでの4年間の4月から7月にかけて出没情報があったエリアです。このうち、濃いオレンジ色のエリアはことし初めてクマの出没情報が報告されました。秋田市では市役所や県庁などがある中心市街地に広がっています。仙台市です。こちらも秋田市と同じく、中心部、仙台駅の北側の住宅地に濃いオレンジ色のエリアが広がっていることが分かります。クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授に、東北地方で出没情報が広がっている状況をどうみているか聞きました。出没情報の増加だけでクマの増減を判断するのは難しい。関心の高まりや人口密集地への出没によって報告数は増えるためだ。ただ、着目すべきなのは、目撃された場所が広がっていること。これまでほとんど出没情報がなかった地域で目撃されるケースが増えており、この傾向は近年より強くなっていると言える。市街地で出没情報が広がっている原因ははっきりとは分かっていないが、1つの可能性として、去年の秋に市街地へ出没したクマの影響が考えられる。捕獲されず山へ戻ったクマが、再び同じような場所へ現れている可能性がある。また、人間の生活圏に出た経験を持つことで、「そこに何か食べ物があるかもしれない」と探索行動が強まっていることも考えられる。さらに長期的に見ると、クマの分布域そのものが拡大し生息数も増えているため、人の生活圏の近くで暮らすクマも増えている。市街地へ出没した経験があるクマは、より大胆に人の活動域へ入り込むようになる可能性がある。各地で相次ぐクマの目撃情報。帰省や旅行、山登りなどを楽しみたいとき、どういったことに注意すればよいのかについても聞きました。Q.まもなくお盆。クマが出没する地域に帰省する人、旅行に出かける人は何に注意すればよいか。A.「今までここではクマは出没しなかった」という感覚だけで判断するのは危険だ。帰省や観光の際も、過去の経験や記憶に頼るのではなく、直近1か月から数か月の最新の出没情報を確認することが重要。ただ、出没情報だけで過度に恐れる必要はない。帰省先や旅行先の観光地で、クマによる人身被害があるか確認してほしい。頻繁に人身被害があるような場所では、人に危害を加える、あるいは人の食べ物に執着したクマがいる可能性があるので、気をつけてほしい。Q.クマによる人身被害のエリアを分析すると、何が読み取れるか。A.人身被害は山林だけでなく、山林と隣接した耕作地や集落周辺でも一定数起きている。背景にはクマの生息域拡大や個体数増加があると考えられる。今まで以上に山林だけでなく、その周辺の人の生活圏でも警戒しなければ、人身被害を完全に防ぐのは難しい状況となっている。Q.山の中で被害に遭った人の特徴は。A.1人で山に入っている人の事故が多いというのが特徴だ。複数人で行動すれば、会話の音で存在を知らせられるうえ、もしクマに襲われてしまっても、仲間が救助を要請できる。クマ鈴などを持参した上で、複数の人で山に入ることによって、クマと遭遇し攻撃されるリスクを下げることができる。Q.クマによる人身被害のうち、死亡したケースから言えることは。A.これまでも死亡事故の前には、クマが人の荷物を持ち去る、人の食べ物をあさるといった事例があった。こうした経験を通じて人の食べ物に執着したクマは、行動がさらにエスカレートする可能性がある。そのため、森の中に入る登山やキャンプでは食料や荷物の管理を徹底し、人の食べ物の味を覚えさせないことが死亡事故を防ぐうえで重要になる。Q.クマの活動が活発になる秋、ことしのクマの出没状況の見通しは。A.秋には、クマは冬眠に向けてたくさん食べなければいけない時期に入る。去年、秋田県などの北東北では、クマの食べ物となるどんぐりの実りが悪く、クマが大量に人の生活圏に出没した。ことしのどんぐりの実りは、これから明らかになってくる。実りが悪いと発表された地域では、ふだんよりもより念入りに誘引物の管理をしたり、今の時期からやぶの刈り払いをしたりすることで、人の生活圏にクマを出没させないようにすることが大切だ。一方で、どんぐりが豊作だからといってクマによる人身被害が起こらないわけではない。クマの分布も広がり数も増えているので、急激に被害が減る可能性というのは低い。クマが冬眠するまでは、クマによる事故があるかもしれないというような意識を持って、自分でできる対策は徹底するということが大切だ。「クマ鈴」や「クマ撃退スプレー」を持つ、「ヘルメット」を着用するといったような個人でできる対策を徹底することが必要だ。クマの出没が相次ぐ秋田市では、夏休みのこの時期、多くの人が釣りに訪れる港でも安全に釣りを楽しんでもらおうとさまざまな対策を進めています。秋田県によりますと、今年度7月末までの秋田市でのクマの目撃情報は878件と、昨年度の同じ時期の2倍以上に増えています。目撃されるエリアは内陸部だけでなく沿岸部にも広がっていて、このうち飯島地区では目撃情報が昨年度と比較しておよそ1.8倍になっています。飯島地区にある秋田港の「北防波堤」は県内外から多くの釣り客が訪れるスポットですが、ことし4月末、防波堤に沿って設置されている海上のパイプラインの上で体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。釣り場の運営団体によりますと、クマは海で泳いだあと防波堤をよじ登り、1時間ほどで立ち去ったということです。利用者は全員避難して、けが人はいませんでした。その後も港の近くでクマの目撃情報があることから、運営団体では、▼爆竹やラジオで音を出して人の存在をアピールするほか▼スタッフがクマ撃退スプレーを持ち歩いたり、▼釣り客が多く入場待ちをする際は客に車から降りないよう呼びかけたりするなどの対策を行っているということです。さらに、今シーズンは、クマの活動が活発になる時間と重ならないよう朝の開放時間を1時間遅らせ、夕方に閉鎖する時間も1時間早めることで、釣り客の安全確保に努めています。「クマが目撃されるようになって家族連れの利用者は2割から3割減っています。万全の安全対策をとっているので、ぜひ皆さんで遊びに来ておいしい魚を釣ってほしいです」(秋田港有効利活用協会 佐々木清治副会長)。夏休みを行楽地で楽しむ人も多い中、クマが生息している「尾瀬国立公園」では、利用者が被害にあわないよう対策を進めています。福島県と群馬県など4つの県にまたがる尾瀬国立公園では、夏休みのこの時期、家族連れや団体客など多くの人が楽しんでいます。ただ、公園にはクマが生息していて、群馬県の調査では2024年度のクマの生息推定数はおよそ86頭で、この20年ほどで50頭前後増加しているとみられるということです。過去には人身被害も発生していて、2023年5月には入山者が木道から転落した際にクマと鉢合わせてひっかかれるけがをしたこともありました。公園では例年8月にクマの目撃が最も多く、昨年度は8月に44件の目撃情報が寄せられたということです。また、今年度は今月3日までに56件の目撃情報が報告されているということです。そこで、公園の管理などを行う尾瀬保護財団などは、利用者に安全に公園を楽しんでもらおうとクマ対策をまとめたパンフレットを改訂しました。改訂したパンフレットでは、目撃情報や野生動物の専門家のアドバイスをもとにクマに警戒すべきエリアを追加し、それぞれの場所での出没しやすい時期や注意点などが書かれています。このうち利用客の多くが通るという鳩待峠から山ノ鼻のルートについてはクマの好物のミズバショウの実が熟す6月から8月、ミズナラやブナの実がなる9月には、目撃情報が増えることから特に注意が必要だと紹介しています。5月の開山に合わせて公園のビジターセンターでは、500部ほどパンフレットを準備しましたが、1か月ほどですべてなくなったということです。追加で1000部を用意しましたがこの時期も手に取る人が多く、増刷を検討しています。静岡県から夫と娘2人と訪れた女性は、「最近子どもの小学校でもクマの出没が話題となっています。自分たちが行く場所のどこにクマが出る可能性があるのか知っておくことは大切だと思います。パンフレットを持って登山を楽しみたいです」と話していました。一方、財団ではクマを人が立ち入る地域に寄せつけないための対策も行っていて、7月にはミズバショウの実を刈り取る作業を行いました。ただ、今月はクマの食べ物が最も少ない時期で空腹なクマが多く出没するおそれがあるということで注意を呼びかけています。「クマに関する正しい知識を持ち、クマ鈴を携帯するなど基本的な対策を心がけてほしいです。必要以上に恐れる必要はないと思うが、パンフレットも活用してもらいながら『クマの生息地にお邪魔する』という気持ちで安全に尾瀬を楽しんでもらいたいです」(尾瀬保護財団 大槻純平企画課長)。ことしに入って、全国各地でクマが生息する行楽地だけでなく、市街地でもクマの目撃情報や人的被害が相次いでいることから環境省は国立公園を管理する職員向けにクマ被害対策の手引書を初めて作成したり、市街地でのクマの出没対策などを検討する「アーバンベア対策チーム」を立ち上げたりして対策を強化しています。お盆を前に、今月4日に行われた閣議後の会見で石原環境大臣は、「対策を徹底し、クマの被害にあわないような行動をお願いしたい」と述べ、具体的には、「生息地周辺では、クマに出会わないための6か条を守ってほしい」と呼びかけました。【クマに出会わないための6か条】(環境省) 1 出没情報を事前に確認する。2 1人で行動しない。3 早朝・夕方を避ける。4 ラジオや鈴を鳴らし続ける。5 常に周りを注意する。6 クマの痕跡を見つけたら静かに立ち去る。さらに、登山やキャンプの際には、誘引物となる食品や生ゴミを放置せずに持ち帰るよう求めています。そして、万が一、クマに出くわした場合は、電柱や木などを挟むようにしてゆっくりと距離を取るとともに、仮に襲われた場合は、顔面や頭部を覆うとともに、うつ伏せになるなどして被害を最小限にとどめる行動を取るよう呼びかけています。また、お盆の時期には墓参りをする際、供え物はクマの誘引物となるので持ち帰ってほしいとしています。

(「共生」を叫ぶ前にすべきこと:北海道)
旭山動物園の坂東統括園長と、漫画『クマ撃ちの女』の作者・安島薮太さんによる対談。記事前編では、クマが母親から人里での行動を学ぶ仕組みや、近年、人の生活圏を自らの生活圏にしつつある理由、食べ物との結び付きを断つための対策について語り合った。後編で語られるテーマは、街中や商業施設でクマに出くわしたらどうすべきか、クマがいなくなれば生態系は崩れるのか、そして人とクマの「共生」とは何なのか――。――さて、『クマ撃ちの女』最新刊では、商業施設にヒグマが現れます。安島:人が勝手に思い込んでいる人間圏と自然圏をバッティングさせたらどうなるのか、シミュレーションしたいと思ったのが発端です。商業施設は人の文化の最たるものですが、そこにクマが1頭現れただけですべてが壊れてしまうのは面白いなと。来るならおそらく川伝いで、ちょうど旭川の市街地は川沿いにあるし、あり得るかもしれない。坂東:構想を聞いたときは、まさか前例ができてしまうとは思わなかったよね。実際に日本のいろんなところで、そういうクマたちが出て来て。安島:なるべくリアルなものを描きたいとは思っているのですが、まさかでした。――商業施設みたいな場所で出くわしたときの最適解は何でしょう? 山と同様に、刺激しないようにゆっくりその場を離れる感じでいいのでしょうか? 坂東:別に人を食べるために来たわけではないでしょうから、クマが把握できる動きをしていれば向かって来ないと思います。逆に予測できない動き、急に走り始めるとか、目の前を横切るとか。そういう動きには反応するし、しゃがむ、背中を見せるといった無防備な体勢にも本能的にすっと一歩向かって来ます。他の動物でも同じですけど。安島:本能を刺激しない動きが重要ですか? 坂東:そうですね、肉食動物の本能というか。人も同じですよね? 鬼ごっこをやっていて、必死で逃げようとする人ほど追いたくなる(笑)。安島:商業施設に入り込んだら、クマの方も怖いのかなと思って。それで山とは全く違う空間であることに恐怖を感じて、逃げ惑う描写にしたんです。その様子に人がおびえて逃げ回り、パニックになってケガをしてしまう。坂東:ただ、今は人工物にだいぶ慣れていますからね。違和感なく、堂々と歩き回るクマもいるかもしれない。海外でそういう映像、ありますよね。スーパーに入って来たクマが棚を全部倒して、むしゃむしゃ食べてしまうとか。――もし坂東さんが街中でいきなりクマに出くわしたら? 坂東:とりあえず、何しに来たのかなと観察します。堂々と来ているなら過剰に怖がる必要はないし、こっちに向かってズカズカ歩いて来ても、ようって感じで。安島:坂東さんだからできることだと思います(笑)。坂東:平然としているなら、たぶん通り過ぎてくれますよ。先日、知床に行ったときも、たまたまクマが出てきたんです。歩道に親子連れのシカがいて変だなと思ったら、100メートルほど離れた藪にクマがいて。子ジカを狙っていたのでしょうね。どうしようかなと思ったけど、すぐに離れないと危険な感じでもなかったので、しばらく待っていました。――大事なのは、何か変だなと思ったら立ち止まって、様子を窺うことなんですね。坂東:クマは特に、たくさんサインがあると思います。向こうにしても山にいたらさまざまな生き物と出会うでしょうし、いちいち反応していられないですよ。急に走るとか、声を出したりすると、クマとの間に関係性ができて逆に危ない。安島:昨年、知床の羅臼岳では登山者がヒグマに襲われる事件もありました。北海道での登山の現状はどんな感じですか? 坂東:登山道を閉鎖した知床がどうするのかでしょうね。本来はクマ優先で、世界自然遺産でもあるのに、駆除までやってるわけで、それをどう解釈するのか。だったらどんな山でも、登山道に出てくるクマはすべて駆除すればいいともなりかねない(知床では現地確認や対策案の制定を経て、7月16日に閉鎖を解除)。安島:人がわざわざクマのいるところに行っているだけですけどね。坂東:かと言って、注意喚起だけでは何か起きたとき、具体的な対策をしていなかったと言われてしまう。登山道を閉鎖するのは簡単ですが、いつ頃、どういう理由付けで解除するのか。見極めは難しいし、そのまま人が来ないならクマは移動する理由もなく、同じ場所に住み続けます。山は重要な観光資源になっているところも多いので、経済的ダメージも大きい。山に近い場所でのお祭りやイベントも開催できなくなりましたよね。昼ならまだしも、夜ともなるとクマが近くまで来てもわかりませんし。夜、車で衝突した人に話を聞くと、黒い塊がいきなり来て、ガーンとぶつかったって。――もし自動車に衝突したら、ヒグマは死ぬのですか?坂東:すぐには死にませんけど、どこかダメージを受けているだろうし、餌をとれなくなれば生きていけないでしょう。自然の中で生きるとはそういうことですから。安島:脂肪が厚くて頑丈だから、簡単には死なないでしょうね。坂東:頭ですら筋肉の塊みたいなもので。人とは体のつくりが全然、違いますよ。安島:クマは愛らしい動物でもあり、生態系にも組み込まれているから駆除ばかりするのはどうだろうという論調もあります。実際、その辺りはどうなんでしょう? 坂東:その点だとオオカミがいい例で、いなくなっても北海道の人が困ることは何もなかったんです。牛を放し飼いにできるし、開発や観光もできるし、いいことばかりで。同様にクマがいなくなっても、都合がいいことばかりだと思います。安島:生態系が崩れたりしないのですか? 坂東:おそらく、影響ないでしょう。今、クマが果たしている生態的な役割は、たまにシカを食べるぐらいなので。人はいろいろな考えの中から自分に共鳴したものを選ぶ傾向がありますし、そうなると結局は理屈ではなく、感情の問題になります。アライグマも数が増えすぎて駆除するしかなくなったし、シカも最初はオスだけ駆除していたけど、今は増える原因となるメスを優先して駆除しようとなった。急速に被害が増えているクマに関しても、駆除の声の方が大きくなるだろうと。安島:そう言われると、やっぱり人はわがままな生き物だと感じてしまいます。坂東:ヒグマなんてそもそも、1万2000頭しかいない生き物ですし。むしろオオカミの方が自然にとって大きな役割を果たしていたけど、いなくなっても問題はなかった。ヨーロッパなんて絶滅に近かったオオカミを保護したら増えすぎて、また駆除の方向に舵を切らざるを得なくなっていますから。日本でも絶滅危惧種に指定していたタンチョウが増えて、今度は害の方がクローズアップされていますし。なのになぜ守るのかと言われたら、もう理屈ではなく感情の問題で、その生き物と一緒に生きたいと思うかどうかになるのです。私個人はヒグマのいない北海道は何か違うと思いますが、一緒に生きたいと思わない人は絶滅してもいいだろうし。最終的にはその両極端になりますよ。――正解のない問題を解いているみたいです。坂東:そうでしょうね。『クマ撃ちの女』のチアキは最終的にどうするの? 安島:どうするのでしょうね。まだ何も決めていなくて(笑)。ただ、今の坂東さんのお話を聞くと、誰もが勝手な主張ばかりだと話もまとまらないし、やっぱり動物のことに詳しく、人との関係を真剣に考えている方にお任せするのがいいのかなと。右往左往している現状を見ると、このままだと人とクマの戦いが延々と続く気もしますけど。坂東:ある意味、そうなると思います。社会的にやってはいけないことが増えて、どちらかと言えば人は弱くなってますから。昔みたいに捕ったネズミを水に浸けて殺せば残酷だと言われるし、クマだって苦痛を与えないように麻酔してから撃てと言われるかもしれない。駆除のハードルは高くなり、かと言ってクマの被害があるのは嫌だと言われ、矢面に立つ人はそういう矛盾を背負いながらの対応になる。安島:やみくもに駆除の声が大きくなるのはどうかと思いますが、逆にかわいそうだと過剰反応をする人も理解できないのです。家の中に虫がいたら普通に殺すし、牛や豚の肉を食べているのに、なぜクマになるとそうなってしまうのかなと。坂東:世界的な流れもありますよね。エビやカニを生きたまま茹でるのはどうかとか。そうやってどこまで行くのか、そのうち釣りも禁止になるのではと思ってしまいます。見方によっては、釣りなんてとても残酷ですから。あくまでも解釈の仕方で、みんな自分の中でどこか線を引いているのでしょう。その人の感覚で、許せないと思う行為はどうしても許せない。安島:そんなこと言い始めたら、人間こそ最も環境に悪影響だとなりそうです。坂東:実際、今は地球自体が健康でなければ、人の健康も守れないみたいな考えが持ち上がっていますからね。でも、人にとって都合のいいものを選びとるだけだと思います。人は病原体やダニみたいな自分たちに都合の悪いものはなくそうとするし、クマだってその気になれば絶滅させられる。数が減り過ぎたら今度は絶滅危惧種に指定して、守らなければとなるのでしょうけど。そういう自分勝手な生き物である人が主張する「共生」とは、果たしてどういうことなのか。人はまず、自分たち自身のことをもっと知るべきだと思います。――ちょっと大きな話ですが、人は自然全体に対してどう向き合っていくべきだと? 坂東:クマ対策の一環でもあるんですけど、研究の視点からも、山を豊かにしようという考えはあるのです。クマが人里に下りて来なくてもいいように、山で完結する餌環境を作る。実のなる木、コクワのように登らないと食べられない木であれば、シカと競合しませんし。ただ、それをやるとクマの栄養状態が良くなって、さらに増えるという見方もあって。安島:難しいところですね。坂東:とりあえず、北海道では国有林を伐採する際、広葉樹を切らないという政策に切り替えています。広葉樹はあまり利用しないから邪魔扱いされるけど、あえて残そうと。針広混交林を作らないと、多様な生き物が生きられる豊かな森にならないのです。見方を変えれば、山の中に動物の食べ物が増えることになりますね。安島:山を豊かにするという考え方、面白いですね。坂東:もっと大きな話をすると、世界的には「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」と掲げていて。どの国も2030年までに陸域30%、海域30%を健全な生態系、要は本来の自然に戻そうと。でも今、日本では陸域でも20%ほどです。森の多くは植林で、本来の自然には含まれない。もしクマの影響で山に入る人や住む人が少なくなれば、10%増やすには都合がいいかもしれませんね。放置された山々が自然に戻っていくので。もし陸域が30%に増えたら、クマの数も1.5倍に増えるでしょうけど。――人間が手を入れた場所が、簡単に自然に戻るでしょうか? 坂東:少し手を加える必要はあるかもしれないけど、長いスパンで見ればいつかは戻るでしょう。これは河川の話ですけど、砂防ダムを撤去して、蛇行していた元の形に戻して行こうという取り組みがあるんです。というのも、大洪水は川の経路を人為的に変えたことも一因で。もし川を元の形に戻せば、上流で小さな氾濫が起きる代わりに下流の洪水を少なくできるのではないかと。一方で川が変われば栄養が豊かな河川敷も増えて、動物にとってもっと住みやすい環境ができるかもしれません。安島:深いですね。『クマ撃ちの女』を描くためにクマのことを調べると、生き物や自然への考え方も変わって。人自体、いろいろ考え直した方がいい時期に来ているのだと感じます。坂東:日常的に山に入る人でも、自分に関係ないものは意外と見ていないのです。クマを撃つ人はクマの痕跡しか見ないし、シカを撃つ人はシカの痕跡しか見ない。でも、本当はキツツキの巣があればモモンガもいたりと、他の生き物も同様に息づいているんです。そんなふうに広い視野で森の豊かさを感じてもらえたら、人の考え方も変わる気がします。

(クマに「猪木キック」で応戦した36歳男性の"数十秒間の死闘")
2021年7月中旬、秘湯マニアの三浦靖雄さん(36歳)は、軽井沢の西側に位置する石尊山に登っているときに突如としてクマに遭遇した。全速力で突進してきたクマとの格闘はいかなるものだったのか。三浦さんの話を聞いたノンフィクションライターの羽根田治さんの著書『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』(東洋経済新報社)より紹介する――。時刻は午後2時過ぎごろ、場所は標高1180メートルあたりの平坦地、あと1キロほど歩けば人里に出るというところだった。突然、進行方向右手前方の薮のなかからガサガサという音が聞こえてきた。それは獣が薮のなかを走っているような音だったので、「あ、イノシシかな」と思った。音がする10メートルほど先の薮のほうへ目を向けた次の瞬間、薮のなかからクマが姿を現した。登山を始めて10年以上になるが、それが初めてのクマとの遭遇だった。クマの体躯は「そんなに大きくはないな」という印象だったが、飛び出してきたクマは間髪を容いれずに全速力でこちらに向かって突進してきた。野湯探しを趣味としている以上、クマと遭遇するリスクが高いことは充分認識していた。このときも、万一に備えてクマよけスプレーをザックのヒップベルトの横にホルダーで装着していた。対処法についても体験談などを読んで勉強し、遭遇した際にはすぐにクマよけスプレーを構えてゆっくり後退するというシミュレーションを何度も行なっていた。だが、クマは唸り声を上げながら、100パーセントの敵意をむき出しにして、猛スピードで襲い掛かってきた。そんな準備も心構えもまったく役に立たないシチュエーションだった。そのときの状況を、三浦はこう振り返る。「ほんと『マジかよ』と思いました。クマの襲撃が避けられない場合は防御姿勢をとるということも知っていましたが、いきなり襲われたときにカメになるというのは、恐ろしすぎて思い至りませんでした。ある意味、やられるがまま、になるわけですから、逆にすごく勇気がある人じゃないとできないと思います」文字どおり窮地に追い込まれた三浦が本能的にとった行動は、クマと闘うことであった。唸り声を上げて突進してきたクマに対し、三浦も「うぉおあー!!!」と大声を上げて立ち向かった。次の一文は、事故の顛末を綴って公開した「note」からの引用である。「大声を出す」というのは熊に遭遇した際にするべき行動ではないと聞くが(相手を興奮させるので)、どう考えてもすでに戦闘回避のフェーズではなかった。闘いはもう避けることができないことを悟って自らを奮い立たせるためと、大声を出せば逃げてくれないかなという感情が4:6で混ざった『うぉおあー!!!』だ〉。闘いの詳細はよく思い出せない部分もあるが、こちらの最初の一撃が右足での前蹴りだったことははっきりと覚えている。クマは四つん這いで向かってきたので、足裏が当たったのはおそらく頭か肩のあたりだろう。その感触が岩のような硬さだったことに戦慄した。イヌやネコに触れれば優しい柔らかさが伝わってくるが、クマは柔らかさのカケラもない、ガチガチの硬さだった。クマはその攻撃に怯まず、立ち上がって襲いかかってきて、左手の人差し指と中指を噛まれた。立ち上がったときのクマは胸の高さほどだったので、体長は120センチほどだったと思う。左手を噛まれて前屈みになったときに、左耳の後ろを爪で引っ掻かれたようだった。そのまま揉み合いになり、前蹴りで応戦しているうちに、蹴りの勢いでうしろに倒れ込んでしまった。背負っていたザックには撮影機材や多めの水が入っていて十数キロぐらいの重さだったので、それもバランスを崩した一因となった。倒れ込んだあと、のしかかってきて攻撃されるとヤバいと思い、寝転んだ体勢から蹴りを繰り出した。いわゆる「猪木VSアリ」状態である。唸り声を上げながらなおも攻撃を仕掛けようとするクマに、死に物狂いで猪木キックを連発しているときに、爪で左足首に挫傷を負わされた。襲われていた時間は、計30~40秒ぐらいに感じた。必死で蹴り続けていると、突如クマは180度方向転換をして、襲われたときと同様の猛スピードで逃げていった。出現したときとほぼ同じ場所に姿を消したのち、薮のなかから再び飛び出してこないことを確認すると、ようやく安堵感が湧いてきた。起き上がってまず考えたのは、「早く下山しないと。しかしどういう経路で下山するか」ということだった。気がついたらスマホがなくなっていた。地図アプリを見ながら歩いていたので、クマに襲われた際に放り出してしまっていたのだ。幸い、ちょっと戻ったところに落ちていたので拾い上げ、自分がどこにいるのか改めて確認した。電波は圏外となっていて、電話はかけられなかった。前述したとおり、現場から人里まではあと1キロほどの距離だったが、最短距離で人里に下りようとすると、クマが逃げていった方向に進むことになる。逆に引き返して大きく迂回するルートをとると、大幅に時間がかかってしまう。悩んだ末、最短ルートで下ることにした。クマと同じ方向に進むのは怖かったが、時間をかけて迂回するのも心細かった。出血を伴うケガも負っていた。また、迂回したとしても、絶対にクマに遭遇しないという保証もなかった。だったら一刻も早く人里に出ることを優先させようと判断したのだった。小走りで下りながら、ケガの具合をチェックした。左耳の裏の傷からはポタポタと血が垂れていたが、大きな傷ではないようで、しばらくすれば出血は止まりそうだった。左手の人差し指と中指の傷の程度は、血だらけでよくわからなかった。クマに噛みつかれたときはアドレナリンが出ていたのだろう、痛みを感じなかったが、このときは強い痛みが生じていた。10分ほどで人里にたどり着いた。耳からの出血はもう止まっていた。周囲には人の姿がまったく見当たらなかった。人家の呼び鈴を鳴らして救急車を呼んでもらおうかとも考えたが、血だらけの男がいきなり現れたらびっくりするだろうなと思い直し、電波も通じるようになっていたので、自分で119番通報した。位置情報は、民家の表札に書かれていた番地を伝えた。救急車の到着を待つ間、妻にも一報を入れた。心配はかけたくないので、「クマに襲われちゃった。とりあえず救急車で病院に行くけど大丈夫」と、そんなに大したことはないよというニュアンスで話をした。その後、水筒の水で血を洗い流したりしているうちに救急車がやってきて、軽井沢病院へ搬送された。救急車のなかでケガのチェックをしてもらったときに、ズボンの膝から下が破れていたことについて、「クマと揉み合ったときに破けちゃいました。でもケガはしていないと思います」と報告した。しかし、靴下を脱がしてもらったら、左足首がばっくりと切れていた。クマの爪による受傷だと思われたが、ほとんど痛みはなかった。ハイカットの登山靴に保護されている箇所なので、傷を負ったのが不思議だった。病院に到着後、傷の応急手当をしてもらい、軽井沢の宿泊施設までタクシーで戻った。翌日の新幹線で帰京し、地元に近い病院で再診察を受けた結果、1週間入院することになった。傷の状況は、左耳裏、左足首、左中指の挫傷および左示指中節骨の骨折という診断であった。耳と足首の傷は縫合したが、中指の腹の肉がごっそり齧り取られて縫える状態ではなかったので、消毒のみで済まされた。東京の病院だったゆえクマの襲撃による受傷者が珍しかったのだろう、傷の写真を何枚も撮られた。入院が1週間に及んだのは、傷の治療に加えて、野生生物に噛まれたことにより傷口からばい菌が入って感染症を引き起こす恐れもあったからだ。それを防ぐために、破傷風のワクチンや抗生物質も投与された。傷の治療を続けるなかで、気づいたことがある。それは、クマに負わされた傷が体の左半身に集中していたことだ。「襲われたときに、主に右足で蹴って応戦していたせいかもしれません。右側には容易に近づけないので、左側から襲いかかってきたと。でも、もしかしたらあのクマは右利きだったんじゃないかとも思うんです」。前出の「note」にも三浦はこう書いている。〈そう僕が熊から負わされた傷はすべて体の左半身に付いていたのだ。右半身には一切の傷がない。ここから導かれる仮説がある。「熊には利き腕がある」ということ。偶然でこんなに左半身だけ傷付くだろうか。あいつ絶対右利きだ。熊に出会ったらそいつの利き手(足)がどっちか見極めることがポイントになるかもしれない〉。クマに利き手があるのかどうかはわからないが、クマと対峙したときに手を開いて身構えたのは失敗だったと思っている。「手を開いていたから噛みやすかったんでしょう。もし次回、同じような状況に遭遇したとしたら、手は握っていないといけないなと思いました。そういう意味では、ボクシングのファイティングポーズって理にかなっていますよね。好んで闘いたいわけではないんですが、しっかりガードを固めていると、噛まれにくいような気がします」。事故後1カ月ほどは、目を閉じるとクマに襲われたときのシーンがまざまざと思い起こされた。闘っているときは、「もしかしたらこれで死ぬかもしれない」などとはまったく考えなかった。頭にあったのは、とにかく今のこの状況をどう切り抜けるかということだけだった。必死になって抵抗したのが功を奏したのかどうかは不明だが、クマの攻撃は短時間で終わり、致命的な重傷を負わなかったのは不幸中の幸いだった。だが、そもそもこの事故は避けられたのではないかと、三浦は考える。というのも、音によってこちらの存在をクマに知らせるクマ鈴を、携行していながらザックの中に入れたままにしていたからだ。クマよけスプレーはすぐ構えられるところに装着していたし、石尊山への登りではスマホで音楽を鳴らしながら歩いていた。しかし、下るときは音楽を流していなかった。クマ鈴を付けていなかったのは、「鈴の音がしていると興が削がれて山に集中できない」と思ったことによる。「登山をする人なら、ちょっとした道迷いや転倒などは誰しも経験しているはずです。『あれ、道を間違えたかな』『おっと、危うくコケそうになった』といった経験を通して、『気をつけよう』という思いが高まっていくのだと思います。でも、クマの場合、襲われる経験というのは滅多にないから、本気で気をつけようという気持ちにはなかなかなれません。だから、実はクマに対する警戒意識は高くなかったんじゃないかと思いました。クマよけスプレーを持っていれば、なんとかなるんじゃないかと考えてました」。事故のあとは、クマに対して「こっちはなにもしてないのに、なんで襲ってくるんだ」という、怒りに近い感情もあった。今はもうその感情はない。冷静になって考えれば、クマの生活圏に入り込んでいるのは自分のほうだし、ましてや明瞭な登山道ではないところを歩いていたわけである。クマ鈴を付けて歩いていれば防げていたかもしれないのに、それもしていなかった。その結果、至近距離でいきなり出くわしてしまい、クマも興奮状態となったのだから、非は自分のほうにある。いわば、油断が招いた事故であった。事故直後、軽井沢の病院で処置を受けているときに、地元の警察官やクマの保護管理に取り組むNPO法人「ピッキオ」のスタッフが同席し、事故の経緯などについて話を聞かれた。その際に、軽井沢の山には多くのクマが生息していることを知らされた。後日、ネットで調べてみると、事故現場の近くでクマの目撃情報があったことも知った。「軽井沢町はこまめにクマの目撃情報を発信しているんです。もしこれを見ていたら、登山道を外れないコースをたどっていたと思います。でも、最新のクマの目撃情報をチェックするにはどうすればいいのか、なかなかわかりにくいですよね。登山地図アプリなんかと連携して、地図に表示してくれるようになれば、いちばんいいんですけど」。

(名古屋城「お堀のシカ」残り1頭に:愛知)
名古屋市は、名古屋城の内堀に生息していた2頭のシカのうち、1頭が死んだと発表しました。死んだのは、親子のうち「子」と推定される12歳以上のメスです。8月5日午前9時ごろ、見回りをしていた市職員が、死んでいるのを発見しました。市によると、このシカは7月中旬から体調を崩しており、獣医師が計3回の点滴を行うなどの処置が続けられていました。一時は回復の兆しが見られたものの、その後は回復と衰弱を繰り返していたといいます。当初は原因がわからず、熱中症も疑われましたが、治療の経過から死因は「老衰」と判断されました。シカの寿命は15~20歳程度といわれています。一方で、直接的な原因ではないものの、連日の猛暑が体力を奪い、間接的に影響した可能性もあるとしています。市は熱中症対策としてミストの設置などを行っていました。名古屋城のシカは江戸時代から続く歴史を持ち、最盛期の1977年には56頭いましたが、ついに残り1頭となりました。過去に京都市の野生シカの受け入れを検討したものの、捕獲や移送のストレスで死んでしまうリスクを懸念して、断念した経緯があります。新たなシカの受け入れについて、市は「調整中」としており、具体的なめどは立っていません。長年、市民や観光客に親しまれてきた「お堀のシカ」。このまま歴史が途絶えてしまうのか、大きな局面を迎えています。

(クマが作物を食い荒らす、トウモロコシ100本の被害:北海道)
北海道函館市の畑でクマによる食害がありました。トウモロコシおよそ100本が食い荒らされていたということです。クマによる食害があったのは、函館市東山町の畑です。8月6日午後6時ごろ、トウモロコシおよそ100本が食い荒らされているのを畑の所有者が発見しました。警察によりますと、近くにはクマの足跡や数日前のものとみられるフンも見つかったという。市は付近を巡回するなどして警戒を続けるとともに、箱わなの設置も検討しているということです。函館市内では7月、鶴野町の畑でもニンジンおよそ1700本が食い荒らされる食害が確認されています。

(立体駐車場の屋上に子ジカ、2日たっても出られず居座り続ける:北海道)
札幌市白石区の立体駐車場に8月7日からシカ1頭が迷い込んでいて、現在も外に出られないまま、居座り続けています。車の横で、じっとしているシカ。警察官が心配そうに見守っています。シカが居座っているのは札幌市白石区南郷通20丁目北の立体駐車場の屋上です。シカはオスの子ジカとみられ、8月7日午後1時ごろ、近くの住民が見つけて警察に通報しました。警察によりますと、9日午前11時時点でシカは立体駐車場の中にいたままです。札幌市はシカが立体駐車場の外に出ていくまで静観する方針です。

(JR呉線で最大30分の遅れ、線路に死んだイノシシ:広島)
8日午後9時40分ごろ、広島県呉市のJR呉線安登―安芸川尻間で、三原発広行き普通列車の運転士から「通常とは異なる音を聞いたので列車を止めている」と、JR西日本広島指令所に連絡があった。JR西日本中国統括本部によると、運転士が線路を点検したところ、イノシシの死骸が見つかったという。この影響で竹原―広間の上下計3本が最大約30分遅れ、約100人に影響した。

(山形新幹線とクマが衝突:山形)
10日午前7時半ごろ、山形発東京行きの山形新幹線つばさ124号が中川(山形県南陽市)―赤湯(同)間を走行中にクマと衝突した。乗客と乗員約130人にけがはなかった。JR東日本によると、赤湯駅で車両点検を行い、安全が確認できたため約30分後に運転を再開した。この事故の影響で、奥羽線の普通列車に最大約35分の遅れが出た。

(鞄職人が挑む“命の循環”:福島)
福島県西会津町の工房に並ぶ革製品。使われているのは、会津地方で狩猟されたイノシシやクマの革だ。手掛けたのは町に移住した女性。新たな“命の循環”が生まれ、新たな産業が地域に根付きつつある。西会津町の古民家を改装し2年前にオープンした「やまあみ鞄製作所」。店内には黒や茶など自然な色合いの鞄や小物が並ぶ。立ち上げたのは神奈川県出身の片岡美菜さん。元々は東京で鞄職人として働いていた。「ミシンを踏んでいるのが幸せというか、作ることが幸せなので、それ以上良いかなと思っていた。でも『自分だったら、ここで今まで見ないようなバッグブランドができるのかな』と思って移住を決めた」。会津地方に根付いた伝統工芸品などの文化と豊かな自然に惹かれ、2020年に「地域おこし協力隊」に着任。任期が終わった後も、素材にこだわった作品を西会津町で作リ続けている。片岡さんが使用しているのは、会津地方で害獣として駆除された野生動物の革だ。「野生の動物の革なので傷とかも多くて、生きていた時の傷だと思うんですけど」。細やかなしわがあり柔らかく手になじむクマの革、丈夫で生命力に溢れるイノシシの革。しかし、狩猟された動物の革は、一般的な革と比べて製品に使える部分が多くない。鉄砲の痕など“狩猟の痕”が残っているからだ。一つ一つ傷の入り方が異なり、オスかメスか、あるいは個体の年齢によっても風合いが全く変わってくるという。町の面積の8割以上を山林が占める西会津町。イノシシやクマなどの野生動物による農作物被害が深刻で、離農を加速させる要因にもなっている。素材となる毛皮を届けてくれたのは、地域おこし協力隊としてジビエ利活用に取り組む神奈川県出身の力武未歩さんだ。地元の猟師とともに害獣駆除や解体を手伝う中で、必死に生きる動物たちの姿を前に「もったいない」というやり場のない思いを抱いていた。東京電力福島第一原発の事故後、出荷制限が続く福島県内の野生動物。西会津町でも駆除した動物の食肉利用ができず処分されているのが現状だ。そうした中、毛皮は利用が許された数少ない“命”のカタチでもある。「いただいた大切な命を少しでも活かしてほしい」。力武さんや地元の猟師たちから、その思いが片岡さんへと託された。毛皮を革に加工するために欠かせないのが「せん打ち」と呼ばれる作業。片岡さんはこの技術を独学で身に付けた。批判の対象になることもあるが「殺したくてやっているのではなく、獲った命を無駄なく使い切るためにやっている」と片岡さん。外注せず自ら手作業で行うこの工程には、制作する革製品への“命への敬意”が込められている。「自分がやらなければ捨てられてしまう皮。特に福島県は食肉の利活用が難しい現状がある」。だからこそ、皮だけでも獲った命を活かしたい。「命を活かすという意味で、この取り組みを続けていきたい」。西会津町に移住した片岡さんだからこそできる“命の活かし方”が、地域に新たな命の循環を生み出している。

(フードロスを保育園の「ジビエ給食」へつなぐ:新潟)
どろんこ会グループ(本社:東京都渋谷区)は2026年9月、ジビエ解体加工・クラフトビール醸造・飲食店機能を備えた多機能型複合施設「南魚沼ブルワリー・ジビエ(MUBG)×焚火の台所」(新潟県南魚沼市)を開設いたします。深刻化する地域課題を、命・食・保育の循環型ビジネスモデルで解決する新たな地方創生への挑戦です。どろんこ会グループは、南魚沼の農業を守り、価値ある「命の循環」を生み出すため、食育機能を兼ね備えたジビエ解体加工施設を開設します。地元猟師が捕獲した野生鳥獣を引き受け、これまで廃棄されていた命を安全なジビエへと再生。ガラス張りの設備で、子どもたちが「命をいただく」過程を肌で学ぶ環境を整えます。このジビエ肉は、将来的には全国のグループ保育施設や児童発達支援センター、学童等のほか、地元の学校へ給食食材として提供予定です。さらに、ジビエ肉や耕作放棄地で育てたホップによるクラフトビールを、併設ビアレストランや地元、さらには都市部のレストランへ流通させ、持続可能なビジネスモデルを構築。命・狩猟・農業・食育・雇用・観光の全てが循環する、全く新しい地方創生モデルを実現してまいります。

(ジビエ料理店「猪鹿鳥」が1周年:福島)
福島市松川町のジビエ焼き肉専門店「猪鹿鳥(いのしかちょう)」(福島市松川町、TEL 070-2186-1122)が8月4日で1周年を迎えた。障害児・医療的ケア児とその家族を支援する一般社団法人「みらいの光」(方木田)が運営する同店は、この1年で駆除により失われる命を「食」につなげる取り組みを進めている。この1年を振り返り、代表理事の加治 浩子さんは「駆除によって捨てられている命の多さを実感している」と話す。同店は、イノシシ肉や鹿肉といった開業当初からのメニューに加え、この1年でハクビシンやアライグマ、アナグマなど、これまで駆除後にそのまま廃棄されていた動物の肉も新たに提供を始めた。「無駄になってしまう命を食肉として提供するという活動に価値を感じている」と菅野さん。人気メニューは、「日本鹿とエゾ鹿の食べ比べセット」(2,000円)と「エゾ鹿とイノシシの食べ比べセット」(2,300円)。加治さんは「部位ごとに肉の厚さをミリ単位で調整し、柔らかくおいしい状態で提供できるよう研究を重ねている。1年かけて、そのデータがそろってきた」と話す。愛媛県など県外からも来店客がある。ハクビシンやアライグマなど、珍しいジビエを目当てに訪れる人も多いという。「ジビエは鮮度が高い状態で処理をすれば臭みは出ないので、鮮度管理は徹底している。ここまでおいしくジビエが食べられる店はなかなかないと思う」と加治さんは自信を見せる。1周年を記念して今月18日まで、会計5,000円ごとに1,000円分の食事券を進呈している。今後について、加治さんは「身近なところで無駄になっている命があることを、まだ多くの人が知らない。おいしいジビエを届けることを通じて、命の大切さを伝えていきたい」と展望を語る。

(「ジビエバーガー体験」、小中学生30人が参加:静岡)
子どもたちがジビエ食材に触れ、鳥獣被害や命の大切さを考える体験型講座「作って食べて学ぶ! ジビエバーガー体験教室」が7月30日、河津桜観光交流館(河津町笹原)で開かれた。下田青年会議所が主催した同講座。子どもたちに、地域で発生している鳥獣被害の現状や命の大切さについて学んでもらい、地域資源の活用について考えてもらう目的で企画した。当日は約30人の小中学生と保護者たちが集まった。第1部では、地域で活動する猟師の大久保里咲さんが講師を務め、山と人里の環境変化や鳥獣被害の現状、捕獲した動物を「地域の宝」として活用する取り組みについて解説した。第2部では、地元食材やジビエを活用したハンバーガー作りを実施。長年地元で弁当や仕出し料理を手がけてきた「クックランド」や静岡県立下田高校南伊豆分校などの協力を得て、参加者は鹿肉やイノシシ肉のパティ、野菜などを用いてオリジナルのジビエバーガーを調理し、試食した。参加した子どもたちからは「ジビエを初めて食べたけれど、臭みがなくておいしかった」「鹿肉とイノシシ肉の味の違いが分かった」などの感想が聞かれた。同会議所会員交流委員会の甲賀龍太委員長は「地域の課題を知るだけでなく、実際に調理して食べる体験を通じて、命の大切さや地域資源としての活用の意味を感じてもらいたかった。地域で起きていることに興味を持ち、自分たちの暮らす地域について考えるきっかけとなり、子どもたちの学びや成長につながれば」と話す。

(鹿肉セイロ始める:北海道)
末広3のそば処〝いけ田や〟で新メニューとして、稚内産のシカ肉を使用したつけ麺「鹿肉セイロ」(1450円)を提供している。池田庸介店長(43)は「稚内産のシカを名物にしたいと思い考えたメニュー。市民はじめ旅行者の皆さんにお薦めします」とPRしている。街中どこでもシカが出没し旅行者から「シカの街」と言われることが多いと言う池田さん。そのシカ肉を使った第1弾として5月から2カ月間ほど提供した「鹿肉ローストぶっかけ」が好評だったことから、第2弾として「鹿肉セイロ」を始め脂味がある鹿のカルビと、エスニックの香りが特徴のクミン、枕崎産のカツオで出汁をとった汁にニ八そばの麺をつけて食べる。鹿肉セイロは7月中旬から提供を始め、当初期間限定と考えていたが、旅行者らからの注文が多くあり定番メニューにする。食材に使う鹿肉はサラキトマナイの業者から仕入れ、稚内産の鹿肉で新たな名物したいと考えている池田店長は「次はそばツユを出汁に鹿肉を材料にしたキーマカレーなども考えています。観光客が、その土地の物を食べて〝また稚内に来たい〟と思って頂けるメニューを作っていきたい」と思いを語っていた。

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8/7
(登山中に女子高校生がクマ撃退スプレーを浴び、警察ヘリで救助:北海道)
5日、北海道新得町の大雪山系・トムラウシ山(2141m)で、登山中の岩見沢市内の高校の女子生徒がクマスプレーを浴び、北海道警察のヘリコプターで救助されました。5日午前10時半ごろ、消防にヒサゴ沼の避難小屋付近で「クマスプレーを誤って浴びたようだ」と通報がありました。午後0時10分ごろ、クマスプレーを浴びた女子高校生は道警ヘリで救助され、帯広市内の病院に運ばれました。警察によりますと、女子高校生は学校の行事で複数名の生徒と2人の引率の教師で入山していたとみられています。救助された時は、女子高校生は意識があり、会話もできる状態だったということです。

(豚熱、野生イノシシ2頭感染:佐賀)
佐賀県は5日、太良町で7月25、27日に捕まえた野生イノシシ2頭が豚熱(CSF)に感染していたと公表した。同町での確認は初めて。県生産者支援課によると、2頭はいずれも成獣で、同町早垣でわなにかかっているところを捕獲した。県中部家畜保健衛生所で4日に陽性が判明した。

(熊のすむ森、雌雄で違い:長野)
木曽地域でツキノワグマの体毛を使ったDNA調査が行われ、雄と雌で利用する森の違いや、他地域の系統を持つ熊の存在が明らかになった。県環境保全研究所、筑波大学、京都大学の研究グループによるもので、成果は学術誌に掲載された。木曽の森に、熊が通ると毛が採れる仕組みのワナ(体毛採取トラップ)を35か所設置し、集まった毛のDNAから30個体を識別した。雄はミズナラやコナラなどの広葉樹林、雌はカラマツ林で体毛が採取された。広葉樹林はドングリなどの餌が豊富だが、カラマツ林は下草が少なく見通しが良い。子連れの雌は雄との接触を避け、安全な場所を選んでいるとみられる。母方の系統が分かる遺伝子(ミトコンドリアDNA)の解析では、富山県や東北地方で報告されている系統が2個体で確認された。飛騨山脈を越えて移動した可能性があるという。研究グループは、雄と雌で利用する空間の違いがDNA解析で裏付けられた点を研究の意義として挙げる。「夏のカラマツ林では子連れの雌と遭遇しやすく、注意が必要」としている。熊の集団が健全に保たれるには、さまざまな遺伝子が次の世代に受け継がれることが欠かせない。今回の調査では、木曽地域では遺伝子の種類が十分とは言えず、偏りが進みやすい状態にあることが分かった。遺伝子の種類が少ない状態が続くと病気や環境変化に弱くなり、地域から熊がいなくなる恐れがある。研究グループは「こうした偏りが進んでいないかを定期的に確かめる必要がある」としている。

(「かぞえもん」設置シカ捕獲効果検証:鳥取)
日野郡内でニホンジカによる森林被害が増加していることを受け、行政や森林組合などでつくる「日野郡シカ・クマ森林被害対策検討会」は4日、日野町内で会合を開いた。

(柵設置時のポイント学ぶ:鳥取)
ニホンジカによる農作物被害を防ぐため、三朝町は同町実光地区でワイヤメッシュ柵での対策を学ぶ研修会を開いた。町民ら約30人が参加し、メーカー担当者から効果や設置時のポイントを学んだ。

(命の大切さ学んだよ、ジビエの解体や魚釣りを体験:静岡)
小学生がジビエ(野生鳥獣肉)の解体や魚釣りなどを通して命の大切さを学ぶ1泊2日のサマースクール「いのちのひみつ体験ツアー」(中日新聞東海本社後援)が、3、4両日に浜松市天竜区佐久間町などで開かれた。浜名湖青年会議所(JC)が主催し、湖西と浜松両市の4~6年生18人が参加。同町の「佐久間の星の駅 奏」にあるジビエ解体場で、シカやイノシシによる獣害が増えている現状と背景を学び、適切な捕獲管理が必要だと教わった。猟師が雌のシカ1匹を解体し、子どもたちはナイフを使って皮をはいだ。鹿肉は炭火で焼いて味わった。

(「クマは山神様からの授かりものです」:秋田)
相次いで報じられるクマによる人身被害。東北では山中だけでなく、学校やスーパーといった市街地にもクマが出没している。 そんななか、秋田県北部の山あいには古くからクマと向き合いながら暮らしてきた“マタギ文化”が残る。マタギ発祥の地とされる集落に移住し、自らもマタギとなった写真家・船橋陽馬さんに、マタギにとってのクマとの向き合い方や山で感じることを伺った。秋田県男鹿半島の付け根に位置する旧若美町で生まれ育った船橋さん。東京で写真家の学びを終えた翌年、2013年から現在暮らすマタギの集落、人口100人程の阿仁根子(あにねっこ)へと移住している。「東京の大学で写真を勉強しつつ、カメラマンのアシスタントをしていたのですが、その頃からいずれは秋田で写真をやろうと考えてました。そして実際、大震災の翌年、機会があって北秋田市に暮らすことになりました。それから取材で各地を回るなかでマタギのシカリ(親方)に出会って、すごく興味を持つようになったんです。この土地や暮らしのことをもっと知りたい、と2013年に根子集落に移住しました。マタギといえば『クマを獲る怖い人たち』ってイメージもあったけど、最初に出会ったシカリが本当に穏やかな人で。マタギという文化をすごく大切にされていて、そういう方がいることにも驚きましたね」。はじめは写真家として根子へ移住したが、翌年には自ら鉄砲を持つようになった。「当初はカメラを持ってマタギの方たちの猟に同行させてもらってたんですけど、ちゃんと溶け込むには時間をかけて仲間にならないといけないな、と感じたんです。それからマタギのシカリである吉太郎さんに『おまえもマタギやれ』って言ってもらえたので、狩猟免許の取得を決意しました。集団猟では役割があるので写真どころではなくなりましたけどね」。「マタギ=クマを獲るハンター」と思われがちだが、実際は似て非なるものだ。マタギとは単なる狩猟者ではなく、代々受け継がれてきた生き方や精神性を体現する存在である。「マタギはこの土地の暮らしそのものだと思います。狩猟を含めて山に親しむことも当然だし、地域の行事に参加することもそう。でも地域の人たちに、『あいつはマタギだ』と認めてもらえることで、初めてマタギだと言える気がします」。阿仁マタギの代表的な集落は根子、比立内、打当と3つあるが、いずれも奥羽山脈に囲まれた深い山あいにある。冬は深い雪に覆われ、厳しい自然とともに営みがあった。「今はスーパーで何でも手に入る時代になったけど、かつては山がなければ暮らせなかった。クマだけでなく鴨やうさぎ、山菜、キノコなど、すべては山神様からの恵み、授かりもの。実際、ここではクマを獲ることを“授かる”といいます。猟に行くときも山神様へお参りに行きます。クマを授かったら儀礼を行い解体し、マタギ勘定をしてみんなで平等に分けます」。現在も少数ながらマタギは存在しているが、皆が兼業である。薬として価値の高かった熊の胆(くまのい)が直接売買できなくなってからマタギ文化は衰退したという。現在、マタギは猟友会に所属し、秋田県でのツキノワグマの狩猟期間は11月1日~2月15日、そして県が行う生息調査の3月下旬~5月末に狩猟を行っている。ほかの期間は人的被害などのために要請を受けて有害駆除を行っているが、このふたつはまったくの別物である。「自然の中では人間もクマも対等なんです。いくら探しても出会えないこともあるし、出会えるときは出会える。撃っても当たらないときもあるし、襲われることだってある。知恵比べです。巻狩り(集団による狩猟)でクマを獲ったときは『ショウブ!』といいますが、命を授かるんです。でも有害駆除の場合は、檻を仕掛けて誘引する。檻に入った状態のクマを撃つのは、決して気持ちのいいものではない。我々も進んでやりたいことではないです」。山に入ってクマと対峙する船橋さんは、最近のクマ出没の激増をどう感じているのだろうか。「いわゆる街に降りてくるアーバンベアに関しては、本来のクマとは違って、人に対して怖いって感覚が薄れてきているように感じます。その親が里の近くで暮らしているとか、そういう環境で育ったクマでしょうね。本来、クマは臆病で山の中でも人を避けますから。街に下りてきたクマはもう捕らざるを得ないですよね。山に戻しても何を食べて良いのかわからないだろうし、結局また戻ってきてしまうような気がします」。クマの生態や動向を語るうえで外せないのが、クマの大好物であるブナの実。ブナは奥山と呼ばれる、集落周辺の里山の奥地に広がっている。「クマは雑食ですが、冬眠前には必ずブナの実を食べます。なのでブナの豊作・不作はクマの動向にかなり影響します。実の採れ高が以前は約4年周期で豊作・不作を繰り返していたのが、ここ数年は良いか悪いかの二極化が激しくなっているんです。春に山に入るとブナの花芽が確認できるので、開花状況でその年の実の採れ高がわかります。今年はブナの花芽はたくさんついていました。ブナの実がならないとクマにとっては大問題。山に餌がなかったら、当然、里に降りてきやすくなります。栗の木は人里にある木なのでクマが寄ってくる確率が高いです」。最近ではクマが肉食化し、鹿肉を食べているというニュースも見かける。「秋田でも鹿や猪の個体が増えている、クマが猪に追いやられている、なんて話を聞いたり、鹿の死骸をクマが食べるなんてニュースもあります。けど、この周辺は鹿や猪の個体数はそんなに多くない。ただ、年配のマタギさんが子供の頃は集落周辺ではクマを見なかったけど、近年では人里周辺でもクマを見かけるようになったと聞いてます。集落にクマが近づく原因のひとつにはスギ林の存在があると思います」。スギ林とは、1969年から1970年代半ばにかけて大規模に植えられた人工スギ林のことを指している。「この辺でも現在は人が山に入るのは猟とか山菜取りとか、それくらいです。かつては猟友会の人数も多かったし、炭焼きや薪作りや林業も含めて、里山と暮らしが一体となっていましたよね。もっと人が山に入っていたんです。昔からマタギの人たちが猟をする場を“クラ”と言いますが、このクラは奥山と里山の間くらいにあります。そのクラで巻き狩りをすることは、クマにとっては脅威になる。ここいると怖い目に遭うとクマも学ぶんです。人が山に入ることがクマの抑止力になる、その力が弱まったのがこの数十年だと思います。スギ林は木の実も何もなく、ただ暗いところ。クマにとって移動しやすい環境で、スギ林を通って里に近づいてきますが、秋田県では人工林のほとんどがこのスギ林で、その面積も全国で一番なんです」。近年では伐採期を迎えた人工林の放置が全国的に増加しているが、森林を管理することはクマや動物の動向にも深く関わっているのである。船橋さんは集落の仲間と合同会社を立ち上げ、ジビエ解体処理と、飲食・宿泊ができる複合施設「マタギの台所『ウヘエ』」を7月にオープンさせた。「マタギ文化が残るこの土地で、改めて『マタギとは何か?』を考えたときに、社会との接点が大切だなと感じて。ここで授かったクマを“食べる”ことで、みんながマタギ文化を理解するきっかけになってほしい。そう思って、クマの肉を東京や関西の飲食店にも卸しています。で、そのお客さんたちが興味を持ってこの土地を訪れる。そんな循環ができないかなと思って、解体処理施設だけでなく飲食や宿泊もできる場所をつくりました」。これまで根子集落には飲食店も宿泊施設もなかったが、「マタギの台所『ウヘエ』」がオープンしたことで、初めて外部からの人を受け入れることが可能になった。「ここはマタギ文化だけでなく、根子番楽という国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統芸能もあります。人口が減っているこの集落の将来を考えたときに、この土地に住んでくれる人が一人でも増えたら……。この場所がそのきっかけとなればいいですね」。

(「害虫・害獣」被害心配36%、放置空き家増加の一因)
訳あり不動産の買取事業「ワケガイ」を展開するネクスウィルは8月4日、「お盆シーズンに増加する 最新“実家じまい”トレンド発表会」を行った。地方在住の男女600人を対象に、放置空き家が引き起こす害虫・害獣リスクに関する調査を行った結果、「自身が害虫・害獣による被害を受けた」と回答した人は12.8%、「家族・知人が被害を受けた」は14.7%に上り、害虫・害獣被害が身近な暮らしに直結する課題であることが明らかになった。調査対象は、都市部・都市近郊・政令指定都市が存在する都道府県を除く33県の30~60歳以下の男女600人。地方で暮らす上で不安は何かを聞いたところ、もっとも多かったのは「生活利便に関する不安」(311人)で、以下、「自然災害」(292人)、「就職・転勤の選択肢が少ない」(257人)の順で、その次に「害虫・獣害(蜂・ハクビシン、イノシシ、クマなど)」(214人)となった。具体的には、「ツキノワグマに襲われ重傷を負った」「庭でハチに刺され手が使えなくなった」「イノシシに突進され大けがをした」といった生命に関わる被害のほか、「ハクビシンが天井裏に侵入し天井の交換が必要になった」「家庭菜園がイノシシに荒らされた」など、住宅や生活環境への被害も多く報告された。「害虫・獣害」による実際の経験については、「自身が被害を受けた」人は77人、「家族・知人が被害を受けた」と回答した人は88人となった。また、地方暮らしの不安要素では、「生活利便性」(51.8%)、「自然災害」(48.7%)に続き、「害虫・害獣被害」(35.6%)、「空き家増加による治安・景観の悪化」(34.7%)が挙げられた。放置空き家が害虫・害獣の住処となり、地域の安全や住環境の悪化につながる悪循環が浮き彫りになった。調査結果について同社代表取締役・丸岡智幸氏は、「放置された空き家が害虫・害獣の温床となり、身近な被害を受けていることは極めて深刻な課題。不動産が〝負動産〟になる負のスパイラルが進行している。『売りたくとも売れない状態』になる前に対応することが重要」とコメントした。2024年時点のわが国の空き家は約900万戸で、総住宅数に占める空き家率は13.8%。放置空き家が増加する背景には、所有者の退去・死亡により突然の相続が発生し、相続人の権利関係が複雑な一方、固定資産税の負担など管理コストも多額に上り、処分の手続きにも手間がかかることがある。同社は、こうした課題に対して、空き家所有者へのアプローチ⇒査定⇒買取・再販⇒物件の利活用をワンストップで解決するため、自治体との官民連携を強化しており、これまで全国24自治体と連携済み。発表会で、自治体との包括連携事例として愛媛県八幡浜市と岩手県柴波町の実績が紹介された。八幡浜市との連携は2025年2月からで、これまで累計21件を買い取った。同市の人口は約2.9万人、世帯数は約1.5万世帯。令和5年度の同市の空き家は4,560戸、空き家率は25.3%だ。柴波町との連携は2024年からで、累計19件を買い取った。同町の人口は約3.2万人、世帯数は約1.3万世帯。令和5年度の空き家は1,500戸で、空き家率は11.3%だ。記者は知見がないのでこの買取件数が多いか少ないか判断はできないが、ものすごい数ではないかと思う。買取価格は100万円前後、リフォームして投資家に売却する価格は約200万円、賃貸利回りは10数%というビジネスモデルが広がっているのではないか。以下は戯言。今回のテーマが「害虫・害獣」なので思いのままに書く。発表会ではクマ、イノシシ、シカ、ハクビシン、ハチなどが代表例として紹介されたが、記者はヤマヒルを追加したい。田舎に帰り、あちこちを散歩して家に帰って酒を飲んでいたら、畳の上に1~2cmの〝尺取虫〟が這っていた。尺取虫ではなくヤマヒルだと教えられた。△△が縮み上がった。古山高麗雄「フーコン戦記」を思い出したからだ。以前書いた記事をそのまま再録する。「それより怖いのはヤマヒルだ。尺取虫のようにどこからともなく忍び寄り、やわらかい皮膚に食らいつく。血を吸われても気がつかないから始末が悪い。無理に引っぱがすと、皮膚ごとはがれ、なかなか血が止まらない。ヤマヒルは山道が獣道に変わって出現するようになった。全国どこでもそうだという。日本のヤマヒルはまだたいしたことがないが、古山高麗雄が戦記小説『フーコン戦記』に書いているように、中国とビルマの国境あたりのジャングルのヒルは強暴だ。人間を察知すると、葉裏に隠れている無数のヒルが「ザザザザッ」と葉を揺るがし、頭の上から襲いかかる。そして、知らないうちに陰部などに食らいつき真っ赤に膨れ上がる。(チンポコが2つになる記述もあった)無理に引き剥がすと出血多量で卒倒するのだという。仕方がないから、食らいつかれたまま下半身をさらし、石などでつぶすしかないのだという。田舎に帰省するとこの小説が頭に浮かび、田んぼのあぜ道すら怖くなる」発表会でも報告された東京都の調査には驚いた。平成24年から令和6年まで11年間のハクビシンに関する相談件数は205件から729件へ、アライグマは24件から854件へそれぞれ激増している。小生は子どものころ、アシナガバチの幼虫を楊枝でほじくりそのままよく食べた。甘いミルクの味がする。ハクビシンもWikipediaによると「日本のハンターによれば、肉はとても美味であるといわれている」とある。このほか、小生が食べたものではシカ、イノシシ、ノウサギ、キジ、スズメ…。中でもシカの刺身は日本酒の肴として最高だ。凍らせて半解凍した肉を薄切りにしてワサビ醤油で食べる(現在は、法律によって生肉を飲食店で提供するのは禁止されているはず)。イノシシは硬いとか匂うとかで流通していないようだが、まずくはない。クマの出没ニュースが報じられるたびに〝田舎は大丈夫か〟と心配になる(今のところ三重では被害はないようだ)。そのうち、国民のほとんどが他人事ではなくなるのではないか。法律を変え、罠を仕掛け、捕獲したクマ肉を商品として流通させる手はないのか。熊を食べるシーンは、北方謙三「林蔵の貌」などの小説に登場するが、極めつけは佐藤垢石「香熊」(青空文庫)だろう。書き出しを紹介する。「ところで僕は若いときからいかものが好きであって、永い年月の間に鹿、狸、狐、猿、鼠、猫、栗鼠(りす)、木鼬(いたち)、羚羊(かもしか)、犬、鯨、海狸(ビーバー)、熊、穴熊、猪、土竜(もぐら)など、内地の獣類は、いろいろ食べたことがある。だが、不遇にも羆(ヒグマ)の肉だけは、いまもって食ったことがない」「熊掌料理を仕上げるには少なくとも十日間位を要し、その味は脂肪の固まりに似て旨味ありて、口ざわりよく、かつ軽い苦み味を持っている」そういえば、昔、食用にするため犬を捕獲する泥棒がいるという話を聞いたことがある。

(梨の食害などの出没地点でクマ捕獲:鳥取)
鳥取市佐治町の果樹園でクマによる梨の食害が続発したことを受け、鳥取県は有害捕獲を実施し、1日にクマ1頭を駆除したと発表した。県はDNA分析により、一連の被害をもたらしたクマと同一個体かどうかを調べる。

(地域住民が手づくりし設置した箱わなで親子とみられるイノシシ6頭が捕獲される:宮城)
イノシシによる農作物への被害が問題となっている宮城県加美町で、地域住民らが手づくりして設置した箱わなで親子とみられるイノシシ6頭が捕獲され、猟友会によって駆除されました。暗闇の中、姿を見せたのは、イノシシです。これは、6日午前3時過ぎに箱わな近くに設置されたトレイルカメラが捉えた映像で、数頭のイノシシが箱わなの中を動く姿が確認できます。イノシシが捕獲されたのは、宮城県加美町鹿原地区に設置されている箱わなです。中を覗いて見ると…親子とみられる体長1.2メートルのイノシシ1頭と体長50センチほどのウリ坊5頭の、合わせて6頭が箱わなに入っていました。箱わなは、イノシシによる農作物被害を減らそうと、地元住民らが伐採した竹を使い手作りしたもので、6月20日に設置されました。この箱わなでイノシシが捕獲されたのは、初めてです。鹿原地区コミュニティ推進協議会・早坂 安美・会長:「一網打尽できるような竹わなで捕獲できたことは地域にとっては大変いいこと」。イノシシは、6日午前6時ごろ、近くの住民が箱わなに入っているのを確認し、その後、地元の猟友会によって駆除されました。加美町では2025年、イノシシによる農作物被害が1200万円を超えていて、対策が課題となっています。

(クマが台所に:長野)
松本市の乗鞍高原にある住宅に、クマ1頭が侵入しました。食料品などが荒らされましたが、住人にけがはありませんでした。テープで修復された勝手口のドア。ここを突き破ってクマが侵入したとみられます。松本市安曇の乗鞍高原にある住宅。警察によりますと、午前3時すぎ、2階で寝ていて物音に気付いた男性が、1階の台所付近に体長およそ1メートルのクマ1頭がいるのを見つけました。ドアは施錠されていましたが、台所にあった買い物カゴに入った食料品や、廊下のごみ袋が荒らされたということです。家には複数人が住んでいましたがけがはありませんでした。クマは現在も見つかっておらず、周辺では、市と県の職員が車で巡回したり茂みを確認したりしました。市によりますと、周辺の地区ではこの3週間に5件ほどのクマの目撃情報が寄せられていて、箱わなの設置などを猟友会と協力して進めているということです。

(ジビエの“今”を学ぼう!)
全国各地において、野生動物、特にシカやイノシシによる農林業等への被害が深刻化しており、今後も継続的な被害対策としての捕獲が求められています。このような状況を踏まえ、株式会社一成では「ジビエまるわかりセミナー」を開催する運びとなりました。セミナーを通じて、捕獲された野生動物を地域資源として有効に活用し、被害防止と産業振興の両立を目指す取り組みを広くお伝えいたします。本セミナーでは、被害対策の現場で捕獲された個体を衛生的に処理するための基本技術から、ジビエを食肉ビジネスとして展開していく際の運営の考え方、さらに捕獲から解体、流通、販売に至るまでの一連のプロセスを体系的に学べるカリキュラムをご用意しております。単なる知識の習得にとどまらず、事業計画の立案や地域での実践に応用できる力を身につけていただきたいと考えています。ジビエ事業にこれから新たに挑戦される方はもちろん、すでに事業を進めている方、さらに関心をお持ちで知見を深めたい方まで、幅広い皆様にご参加いただけるセミナーです。ジビエの可能性を共に考え、実践につなげる絶好の機会となりますので、ぜひ多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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(作業中の男性がツキノワグマに襲われる:島根)
17日、島根県邑南町でツキノワグマによる人身被害発生しました。17日午後2時50分ころ、邑智郡邑南町鱒渕地内において、作業中の男性がクマに襲われる事故が発生しました。川本警察署によりますと、男性は林業関係者で、山中には複数で入ったが別々に作業していて、襲われた時は一人だったということです。また、襲われたあとは自力で集合場所に戻り、「さっきクマに噛まれた」という趣旨の話をしていたということです。島根県でのクマによる人身被害は今年初めてです。周辺にクマがいる可能性もありますので、戸締まりを行い、外に生ゴミを置かないようにして、十分に注意してください。クマを目撃された場合は、刺激しないように慌てず静かに立ち去り、川本警察署まで通報をお願いします。

(草を捨てにいったところクマ2頭に遭遇、頭や手をひっかかれる:岩手)
4日夕方、田野畑村で78歳の男性が自宅近くの山林でクマに襲われ頭や手にけがをしました。警察によりますと、4日午後5時ごろ田野畑村奥地の無職・佐々木仁さん78歳が庭で草刈りを終え、自宅から約100メートル離れた山林に草を捨てに行ったところ、クマ2頭に遭遇し、1頭に襲われました。佐々木さんは眉間や左手を引っかかれましたが自力で自宅に戻り、その後、病院に搬送されました。命に別条はありません。佐々木さんの家は山に囲まれた場所にあり5日、現場近くに箱わな2基を設置したほか、村の職員などが定期的に見回りを行うということです。

(エゾシカ捕獲数18万頭、4年連続で最多更新:北海道)
北海道は4日、2025年度の道内エゾシカ捕獲数(速報値)が前年度比2万2千頭増の18万頭だったと発表した。計18万5千頭と設定する捕獲目標には届かなかったが、捕獲数は4年連続で過去最多を更新した。

(県内のクマ生息数1,800~2,500頭を暫定目標に:秋田)
クマの出没や人への被害が相次ぐなか、県内のクマの生息数について、暫定の目標として1,800頭から2,500頭までとする方針がまとまりました。これに伴い今年度は1,000頭を目安に捕獲を進めることにしています。県立大学生物資源科学部生物環境科学科 星崎和彦 教授「全国の人が秋田の対応を見てるんですね。ですのでせっかく予算も出たことですし、有効な対策うてるように皆さんと一緒にいい議論ができればなと思いますので」。県内のクマの生息数の管理などについて話し合う会議には、大学教授などの学識経験者や猟友会など、関係団体の委員が出席しました。県は、今年4月時点でのクマの生息数について、過去2年間の調査などから2,400頭から5,800頭と推定しました。中央値の3,900頭をもとに人への被害が少なかった2011年の推定生息数を1,800頭から2,500頭と算定しました。今回の会議では2029年度までの計画としてクマの生息数を、2011年の水準「1,800頭から2,500頭」まで減らしていくことを暫定の目標とすることが示されました。これに伴い、今年度は1,000頭を目安に捕獲を進めます。星崎和彦委員「1,000頭ぐらいとっていけば 5年後でしたっけ、次の計画とか今期の終わりとかの時点で2,500を切れるというようなところまでは示されています」「5年で5,000頭とるというくらいの目安が提示されているというような現状です」。環境省も先月から東北6県と新潟県の一部でクマの生息数調査を始めています。出席した委員からは、今年4月の推定の生息数にも幅があることから、もう少し目標設定に「吟味が必要」という意見も出ています。県は今後、環境省の調査結果も含め、暫定とした目標の生息数と捕獲数を調整していくことにしています。

(スマート捕獲等普及加速化事業:農林水産省)
ICT機器及びデータを活用し、農地周辺における加害性の高い個体の重点捕獲対策の実証を行うモデル地区の整備及び横展開を行うため、令和8年度予算においてスマート捕獲等普及加速化事業(加害個体重点捕獲型)を開始しました。本事業を実施するモデル地区(令和8年7月末時点)の取組概要を掲載します。

(熊の緊急銃猟の要領を確認:岐阜)
岐阜県山県署は6月12日、関係機関と連携した「熊に対する緊急銃猟訓練」を山県市役所で実施した。中部管区警察局情報通信部、本部機動隊、生活安全総務課、岐阜北署、同市役所、市猟友会、岐阜市役所、県庁などから約50人が参加。訓練では「市街地に熊が出没し、住民が負傷した」と想定。山県市役所や山県市猟友会等とも連携を取りながら、地域警察官による避難誘導や熊出没エリアの交通規制、機動隊が保有するドローンによる熊の捜索と監視(写真)、緊急銃猟までの流れを確かめた。

(狩猟免許取得希望者を対象にした講習会:山形)
クマやイノシシによる農作物への被害が深刻となるなか、狩猟免許の取得を目指す人を対象にした講習会が開かれました。県内の猟友会員は1978年度の7100人余りから減少し、2014年度には過去最少のおよそ1400人まで減少しています。その後は増加に転じたものの、26年3月末時点で1700人余りと依然として人手不足が慢性化している状況です。県猟友会が開いた講習会には、村山地域から狩猟免許の取得を目指すおよそ100人が参加しました。参加者は狩猟に関する法律や鳥獣の見分け方について学んだほか、模擬銃を使った実技にも取り組んでいました。【県猟友会 梅川信治会長】「(猟友会は)高齢者が7割くらい。これから高齢の方がいなくなって、(普段は本業に)勤めている人が割合的に多くなるとなかなか緊急銃猟なども大変になってくる。猟友会の会員を増やし、有害駆除の数も減るような状況じゃないと大変」。

(ぐんま狩猟マッチング相談会を開催:群馬)
狩猟者同士の仲間づくりや、狩猟に関する疑問や不安の解決を支援するため、「ぐんま狩猟マッチング相談会」を開催します。狩猟グループとのマッチング成立後は、狩猟見学や狩猟実習への参加も可能性です。狩猟仲間を募集している狩猟グループが来場します。参加者と狩猟グループ間でプロフィールを交換しながら、参加したい狩猟グループを探す相談会です。狩猟グループが行う狩猟の見学、グループ猟への参加が可能です。グループ猟への参加を希望する方(第一種銃猟免許所持者に限定)は、射撃実習を別途実施し、最低限の銃猟の安全な取り扱いができるかどうかを確認します。狩猟を始めるための手続きや悩みについて、相談に応じます。狩猟免許を持っていない人でも参加可能です。

(エゾシカの大群、放牧地で:北海道)
浦河町野深の道道348号野深荻伏停車場線の道路沿いの牧草地で軽種馬と一緒に牧草を食べるエゾシカの大群を7月31日、車を止めて静かにカメラに収めた。エゾシカは、北海道に生息するシカの一種。シカ科に属するニホンジカの亜種。北海道全域に生息。日高地方や十勝地方、釧路・根室地方、オホーツク地方など雪の少ない道東・道北の一部に限定的に生息していたが、石狩地方など西部地域への分布拡大が進んでいる。頭胴長は140~190㌢、尾長約13㌢。体重は雄で90~140㌔、雌は70~100㌔。体重は秋に最大となり、多雪寒冷環境への適応と考えられる。体毛は夏毛は茶色で、臀部後面は季節に問わず白色。雄のみが有する角は毎年4~5月に根元から外れ落ち、9月ごろには硬い石灰質の角に成長。低地から山地の森林に生息し、特に草原や牧草地との林緑を好む。100㌔以上移動することもある。草食性で幅広い植物を食べるが、大きいエゾシカは1日2~5㌔の植物を食べる。一夫多妻制と言われ、妊娠期間は約230日で、翌年の6~7月に出産する。平均寿命は3~4年で、天敵はヒグマ。一方、農林業ではエゾシカ被害が問題となっている。ほとんどは農作物被害で半数は牧草被害、トウモロコシやコムギ、テンサイ、バレイショ、豆類などの被害額は年々増加しており、52億5500万円(2024年調査時)に達している。また、エゾシカと自動車、鉄道との衝突事故が多発している。2025年の交通事故発生件数は6705件(前年比1245件増)で日高地方は273件、10~12月が多く139件発生している。

(「獣害対策」から関係人口創出へ:兵庫)
兵庫県丹波篠山市は、野生動物による農作物などの被害(獣害)対策をきっかけに、都市部の住民を巻き込んだ地域おこしへとつなげる取り組みを展開している。高齢化や担い手不足により、獣がい対策の負担が大きくなるなか、市外からの来訪者である関係人口を巻き込むことで、持続可能な獣害対策を目指していく。丹波篠山市では、サル、イノシシ、シカなど野生動物が農作物を食べてしまう被害が頻繁に起きており、農業被害額は1年間で約1000万円、被害面積は8.5ヘクタールにものぼるという。そのなかで、丹波篠山市は「獣がい対策実践塾」を開設。高校生や大学生のほか、野生動物や丹波篠山に関心がある人などを対象に、野生動物の習性や農作物被害対策の学習、獣害防護柵の点検や修繕、わなの設置やジビエ体験などの機会を提供している。

(若者はクマをどう見るか?野生動物と人間社会との共存に向けて)
日本財団は、2025年12月、「クマ被害」をテーマに75回目の18歳意識調査を実施しました。有識者に印象に残った調査結果についてインタビューを通してお考えをお聞きしています。「クマ被害」調査では、人間の生活圏に出没したクマへの対応として、若者全体の約65パーセントが「原則として駆除すべきである」と回答し、約28パーセントが「人間社会とクマの共存策をもっと検討すべきである」と回答しました。また、クマの出没数の背景として挙げられることの多い「ドングリ等の凶作」「人口減少による人への警戒心の薄れ」「過疎化による放棄地等の増加」「保護政策による個体数の増加」「人里にあるクマの食糧となる果樹や生活ごみへの慣れ」のうち、知っているものについて調査したところ、「人里にあるクマの食糧となる果樹や生活ごみへの慣れ」への認知が最も多く、全体の約68パーセントが選択しました。「過疎化による放棄地等の増加」を認知していた割合は、約41パーセントとなりました。今後のクマ駆除において中心的役割を果たすべき組織についても聞いたところ、全体の回答は多い順に、猟友会(ハンター、マタギを含む)が約43パーセント、地方自治体が約17パーセント、自衛隊が約13パーセントとなりました。これらの18歳意識調査結果について、立命館大学政策科学部教授の桜井良(さくらい・りょう)先生にお話をお聞きしました。桜井先生は、ヒューマンディメンション(※)研究をはじめとする野生動物管理・生物多様性保全の専門家でいらっしゃるほか、環境教育のご知見も持たれ、「環境教育プログラムの評価入門」(毎日新聞出版、2024年)等のご著書も出版されています。私自身もこれまでクマに対する意識調査を行ってきましたが、18歳前後を対象とした今回の調査で、駆除是認が過半数であるという結果は、世界的な傾向からするとやや特殊であると感じます。国外の研究では、年齢が高くなるほど、また地方に在住しているほど、人間の利益のために野生動物を利用、管理すべきとする考え方(Domination Wildlife Value Orientation、支配型野生動物価値志向)が強くなり、人間に危害を及ぼす野生動物は排除すべきであると考える傾向が見られます。反対に、野生動物と共存するべきだという考え方(Mutualism、共存主義の野生動物価値志向)は、若者や都市部在住者ほど持ちやすい傾向にあることが分かっています。今回の調査で駆除是認派が過半数となった背景には、2025年のクマの大量出没と被害の影響が大きいと思います。200人以上が負傷し、死者も13人出ているという状況が、若者の意識にも強く影響しているのではないでしょうか。他の調査を見ても、18歳前後の若者に限らず、日本社会全体として駆除是認派が多数となっている状況だと思います。一方で、クマの出没が広範囲にわたっているとはいえ、都市部に過半数が在住する日本国民のなかで、クマの存在を日常的に身近に感じている人はほとんどいないはずです。にもかかわらず駆除是認派が過半数であり、共存派が約28パーセントに過ぎないという結果には、メディアの影響もあるのではないかと思います。メディアで連日クマの出没や人的被害が報道されると、視聴者は影響を受けてしまい必要以上にクマを恐れてしまうようになることが先行研究から分かっています。2025年は、日本でもテレビ・新聞・SNSでクマ被害が集中的に報道されましたので、それが若者の意識にも影響を与えた可能性は高いと思います。2025年のクマに関するメディア報道は非常に特徴的でした。2023年にも大量出没はありましたが、2025年はそれ以上に社会問題として大きく取り上げられ、「今年の漢字」に「熊」が選ばれるほど、クマが象徴的に扱われる年でした。各メディアが特番を組み、1~2時間の番組でタレントや研究者が議論するケースも多く見られました。従来の報道は「出没した」「被害があった」といった事実報道が中心でしたが、2025年は複数の専門家が登場し、個体数の増加や生態など大量出没の背景についても比較的丁寧に伝える番組が増えてきた、というのが率直な印象です。その結果、一般市民のいわば“クマリテラシー”が向上してきていると感じています。今までは研究者でないと知らなかった知識でも、今は一般の人が知っていることもあり、クマへの意識、関心が高まっていると思います。今回の調査で駆除是認を選択した若者が、クマ研究者や生態学者による「クマ被害を減らすためにはクマの個体数を減らさなくてはならない」との主張や科学的知見を理解したうえで回答しているとすれば、これもメディア報道の効果なのかもしれません。今回は、クマ出没の背景に対する認知度も調査されていますが、学校教育のなかで獣害というテーマについて画一的に教えられる機会があまり存在しない現状を踏まえると、過疎化とクマ出没との関係性への認知も半数近くに上るという結果は、メディア報道で背景理解が促された影響と捉えられます。生活ごみという人間社会の問題とクマ出没との関係も約68パーセントが認知しているという結果も併せ見ると、クマ問題は人間が取り組む必要のある問題だ、という理解は18歳前後の若者に広がっているのではないでしょうか。もちろん、さらに若者の理解を向上させ、背景への認知も高めていくことが理想的です。そのためには学校教育のカリキュラムのなかで、獣害やクマ問題について学ぶ機会を増やしていく必要があると思います。現在でも地方の学校を中心に総合学習の時間などで徐々に取り上げられるようになってきていますが、学校教育で獣害問題に取り組むことの良さは、ただ生徒の子どもの意識が高まるだけではなく子どもを通じて家庭や地域に知識が広がる波及効果がある点だと感じます。地域のなかで学校が野生動物との関わり方を考えるプラットフォームとなれれば、野生動物と共存する地域づくりのために学校が大きな役割を果たすことができるでしょう。私のいる大阪のキャンパスでもキツネやハクビシン、アライグマといったあらゆる野生動物が夜な夜な姿を見せます。この傾向は東京などの都市部でも見られることと思いますし、世界的にも野生動物が都市部に戻ってくる「再野生化」という時代になってきているともいわれています。どこに住んでいても、クマに限らずさまざまな動物と出会ってもおかしくない時代が到来しています。そういったなかで、例えば野生動物を見かけても不用意に近づかない、触らない、といったような野生動物についての知識は、日本人全員が持っていて良いものになります。その意味で、安全教育としての位置付けも含めて野生動物と共存する方法を、地方だけでなく日本全国の学校で教えていくことは重要になってくると思います。クマ駆除における中心的役割を担うべき組織として「自治体」と回答した割合が約17パーセントに上りました。実際のクマの駆除は基本的には猟友会が担うため、本来であればもっと多くの人が「猟友会」と回答しておかしくないと思いますし、実際に自治体には銃などの狩猟免許を持った職員はあまりいません。それにもかかわらず自治体が回答として挙がる背景には、「駆除そのもの」ではなく「管理全体の窓口」としての役割への期待があるのではないかと思います。地域住民に最も近く最も頼られる存在はやはり自治体であり、クマ被害に困っている住民の相談役になるのは猟友会ではなく自治体になることが多いでしょう。クマの出没情報の発信や住民対応など、そういった「窓口」としての役割を自治体に求めて、約17パーセントの若者が回答した可能性はあると思います。一方で、果たして実際にクマ対策や管理ができる人材が自治体にいるかという点は大きな問題でしょう。先進国に比べ、日本は野生動物の管理や対策について専門的に学んだ人材は多くはありません。そのうえ、行政でそういった専門人材を雇用している例も一部に限られます。クマ駆除の中心的役割を自治体だけが担うのは、現状としては難しいでしょう。野生動物に関して自治体に寄せられる苦情への対応についても、アメリカやイギリスでは行政側にコミュニケーション専門の職員が何人も雇用されています。市民・住民からの苦情や要望に対して、コミュニケーションについて専門的に学んできた人材が職員としてチームで対応しているわけです。この側面も、今の日本に大きく欠けている部分だと思います。その意味でも、日本の行政にはコミュニケーションの専門人材も必要であると考えます。日本で野生動物問題の分野についてヒューマンディメンション的視点から学ぶことのできる大学は、アメリカ等に比べればまだ多くないと思います。一方で、現在、学会や研究者などが主体となって野生動物対策の専門人材を育成することのできる大学横断型のカリキュラムをつくっており、カリキュラムのなかで住民との連携、協力に関する授業も含まれています。今後は、カリキュラムの修了生が行政などで活躍できるように、人材の雇用の面でも整備していく必要があります。今回の調査結果のなかで少し気になるのは、共存策を検討すべきと回答した約28パーセントの18歳前後の若者が、どのような共存策をイメージしたのか、という点です。クマと同じ場所で生きていくことはできないので共存とは実際は棲み分け策になると思います。そういった意味での共存として回答者の若者が理解していたのか、それとも別のかたちを意識していたのか、「共存とは何か」についてさらに深堀して聞いてみたいですね。若者に限らない話ではありますが、「共存とは何か」について、私たち市民全体でさらに理解を深めていくことが、今後さまざまな合意形成をする上で重要になってくると思います。

(事業を通して自然再生に貢献、キリンが積み上げている証拠)
キリンホールディングス(HD)は事業活動によるネイチャーポジティブ(NP、自然再生)に挑んでいる。グループ会社のメルシャン(東京都中野区)は荒廃した雑木林をブドウ農園に変えることで生物多様性を復活させた。同様の活動を飲料事業の原料調達先であるスリランカの紅茶農園でも展開している。自然に負荷を与えると考えられている事業活動だが、逆にNPに貢献できる証拠を積み上げている。山梨県甲州市の山道を自動車で登っていくと、メルシャンの農園「天狗沢ヴィンヤード」にたどり着く。標高は800メートル。視界に入るのはブドウの木々と森と山だけだ。ブドウの木の根元は草地となっている。あえて植物が生えたままにする草生栽培だ。メルシャンが天狗沢ヴィンヤードを開墾したのは2017年。現地はゴルフ場にする計画があったが頓挫し、雑木林になっていた。甲州市と相談し、農園として利用することにした。雑木林の下草はシカに食べられ、残っている植物はわずか。小林弘憲シャトー・メルシャン事業本部長は「植生が貧弱だった」と振り返る。18年の調査で確認できた植物は43種。シカの侵入を防ぐ柵を立ててブドウ栽培を始めると植物が芽吹き、19年には78種、21年には103種、26年には111種と増えた。植物を求めてチョウがやって来るようになり、農園で絶滅危惧種を含むチョウ類35種が確認された。荒廃した雑木林に人の手が入り、農園となったことで生物多様性が向上した。多様な植物によるブドウ栽培への悪影響もない。地面を覆った植物が土壌の乾燥を防ぐ。また、植物の根が雨による土壌流出も抑える。天狗沢ヴィンヤードよりも標高が200メートル低い場所にもメルシャンの「城の平ヴィンヤード」がある。こちらも草生栽培をしており、25年時点で草原性希少種のメハジキやヒメハギを含む植物199種が育つ。また、個体数が減少傾向にあるホオジロやヒバリ、キジを含む鳥類20種も確認された。「草原の回復が重要と考えている」(小林本部長)と意義を強調する。草原は生物多様性が豊かな場だが、国土の1%まで減った。ブドウ農園における草生栽培は草原の復活にも貢献している。キリンHDは25年、東京大学大学院の森川想研究室との共同研究として、飲料事業の原料調達先であるスリランカの紅茶農園でも生物調査を実施した。チョウや両生類など動物種65種、植物111種が見つかった。農家の理解があり、生物多様性が保たれていた。企業には事業活動による自然への影響を回避、最小化し、回復させることが求められている。山梨とスリランカの取り組みで、事業を通じて自然を回復できる確証を得た。同社CSV戦略部の美鳥佳介さんは「NPへの貢献を科学的に分析したい」と今後を展望する。

(一流ホテルが支え続ける、家族経営みかん農家の「本物の味」:神奈川)
実は八木下農園では、野生動物の被害が深刻だ。イノシシは畑に入り込み実を食べる。大きな個体は木に乗りかかり、枝を折ってしまうこともある。猟師と連携して箱罠を仕掛け、対策を練っているという。幸い、最近はイノシシの出没は落ち着いている。ただ、シカもすぐ近くまで来ていると聞き、警戒を強めている。シカは葉っぱも幹も食べてしまうため、なんとしても阻止したい。一番手を焼いたのはサルだ。40年以上畑を荒らされ続け、被害額は1000万円以上にのぼる。「サルには本当にエネルギーを使った。メンタルもギリギリで、精神的に一番きつかった」と敏雄さんは振り返る。サルの被害を防ぐために、専門家からは落ちている実を片付けるよう言われることがある。しかし、舌の肥えたサルは、落ちた実など食べないという。「時期や場所を覚えていて、群れでわーっと来て、一番おいしい実を食べるんですよ」。あまりにも長く被害が続くため、周囲の農家の中には、諦めてしまう人もいた。行政に訴えても、なかなか動いてくれなかったという。それでも声を上げ続けた結果、徐々にメディアが報道するようになり、ようやく小田原市の職員が理解を示してくれるようになった。敏雄さんたちの声は神奈川県まで届き、2021年、サルの群れの全頭捕獲が決定した。もう同じ思いはしたくない。やっと納得できる味がつくれるようになり、多くの縁がつながった。敏雄さんの果物を楽しみにしてくれる人がいる。野生動物に脅かされる生活には戻りたくない。実は野生動物の影響は、農作物の被害にとどまらない。イノシシやシカは山からマダニを運び、人の生活圏に広げる恐れもある。近年、ウイルスを持つマダニも問題になっているため、注意が必要だ。「そうならないように、しっかり声を上げて、上まで届けないと」。

(ドラム缶型のおりでクマ1頭を捕獲・駆除:長野)
クマの出没が相次いでいた長野県塩尻市の郊外で3日、設置したおりにクマ1頭がかかり、捕獲・駆除されました。クマが捕獲・駆除されたのは塩尻市洗馬地区で、体長は1メートル、体重50キロのメスのクマ1頭です。市によりますと、7月31日に農家から「クマが頻繁に往来している」と市に通報があり、翌8月1日には農家の作業小屋に保管してあったシイタケや梅酒漬けのウメがクマに食べ荒らされる被害が出ました。これを受けて市では猟友会に依頼してドラム缶型のおりを作業小屋の隣に設置したところ、きょう(3日)クマ1頭がかかっているのが見つかったということです。市では、付近で出没していたクマと同一個体ではないかとみています。

(夏休み、シカの角で小物作り:北海道)
苫小牧市内で1日、工作教室が相次いで開かれ、子どもらが自然や科学に関心を深めながらものづくりを楽しんだ。市は1日、植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターでイベント「森のコロポックル工作DAY」を開き、子どもから大人までシカの角で小物作りを楽しんだ。近年、市街地でも出没が相次ぐエゾシカの有効活用を探るものづくり企画で、材料は市内の森などで見つかったシカの角を大小に切ったものを使った。参加者は形や色合い、肌触りなどから好みの一つを選び、市環境生活課職員の手ほどきで▽ストラップ▽ネックレス▽笛―の制作にチャレンジした。それぞれ丹念にやすりをかけたり、ひもを通したりして、特別な一品に仕上げた。家族で参加していた苫小牧東小2年の森谷結心さん(7)は「街中でも見られるシカの角からきれいなストラップができるなんて、知らなかった。ランドセルに付けたい」と喜んだ。

(ジオの恵み、捕獲に理解を:石川)
白山市役所の本庁舎1階ロビーで3日、獣害被害の防止とジビエ利活用を啓発する初の展示が始まった。迫力あるクマやイノシシなどの剥製に加え、野生動物による被害の実態、ハンターの役割を分かりやすく紹介するパネルなどを設けた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界認定を受ける白山手取川ジオパークの恵みを発信するとともに、捕獲に対する理解を深めてもらう。展示は来庁者の目に触れやすいよう正面玄関入り口のロビーを活用した。メインとなる剥製はクマが大きさ1・3メートル、イノシシが1・15メートル、シカは85センチ。人里に現れた場合、人や農作物にどれだけの被害を及ぼす懸念があるのかを視覚的に訴えている。パネルでは近年、クマやイノシシ、サル、シカといった野生動物の目撃などが増えていることを紹介。白山市の出没マップも加え、身近な暮らしや地域の自然、安全に影響が出ていることを伝えた。野生動物増加の要因としては、山間部の過疎高齢化に伴う環境の変化などを指摘。人を怖がらなくなったクマなどがえさを求めて人間の生活圏に接近するようになり、捕獲するハンターの必要性を説いている。合わせてジビエの流れも掲載し、市内では捕獲からジビエ利活用まで、命を無駄にしないサイクルで里山を守る取り組みが行われていることを示した。森林対策課の担当者は「獣害被害の実態を市民に伝え、捕獲活動が地域を守っていることを知ってもらい、危機意識とジビエ消費の向上につなげたい」と話した。

(ジビエバーガーいかが?:北海道)
有害鳥獣として捕獲したエゾシカを官民連携で地域資源として有効活用しようと、北竜町で3日、北竜ジビエバーガーのテスト販売が始まった。町ではシカによる農作物への被害が増加傾向で、防止のため2025年は約120頭を捕獲した。町内には食肉加工施設がなく活用されず廃棄されることも少なくなかった。野生の鳥獣の食肉を使ったジビエ料理への関心が高まる中、20~30代の若手町職員4人が庁内で結成した地域資源チームが、捕獲したシカを貴重な地域資源として着目した。地元の洋食店「kitchen晴晴」と共同で、手軽に味わえるハンバーガーを企画。空知地域で捕獲されたシカの肉を使い、シカならではの風味・食感を生かしつつ、豚肉とのあいびきにしてぱさつきを抑え、合わせる甘めのソースも新たに開発した。一緒に挟むトマトやレタス、タマネギは地元産を使った。

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(「おばあちゃんがクマに襲われたようだ」:福島)
福島県会津美里町で高齢の女性がクマに襲われる被害があった。警察によると、会津美里町杉屋で8月3日午前10時半過ぎ「おばあちゃんがクマに襲われたようです」と110番通報があった。襲われたのは80代の女性とみられ、近所の人が血を流して倒れている高齢女性を見つけて話を聞いたところ、女性がクマに襲われたという話をしたことから通報したという。女性は顔面をひっかかれるなどしてけがをしていて、けがの程度は分かっていないが、消防によると命に別状はないとみられている。その後のクマの行方はわかっておらず、警察などが付近の警戒を続けている。

(国有林及び道有林における令和8年度狩猟期間の対応について:北海道)
平成30年11月20日に発生した、狩猟者の誤射による北海道森林管理局職員の死亡事故を踏まえ、北海道森林管理局、北海道、北海道猟友会の3者が連携し、銃猟安全対策に取り組んでいるところです。今年度の狩猟期間においても、森林内作業者等の安全確保の徹底を図るため「銃猟立入禁止区域」を設定し、以下のとおり3者が連携して銃猟安全管理に取り組むとともに、狩猟者に対しても徹底した安全行動を求めることにより、昨年同様、「銃猟立入禁止区域」以外での一般銃猟を可能としますのでお知らせします。なお、北海道内におけるエゾシカの生息数増加及び生息域の拡大に伴い、農林業被害や交通障害など生活環境への影響のほか、生物多様性に及ぼす影響等が生じていることを踏まえ、捕獲向上や捕獲機会の確保のため、一部の銃猟立入禁止区域については、年末年始(12月29日~1月3日)の開放や、銃猟立入禁止の規制時期について、作業や入林状況等を考慮し、状況に応じて柔軟に設定することとします。また、エゾシカ捕獲対策についても、引き続き連携して取り組むこととしています。

(総務省、野生動物の被害対策を調査)
総務省は31日、野生動物の被害防止対策に関する調査結果を公表し、クマの広域的な個体群管理について関係都道府県による対策が進んでいないなどと指摘した。環境省と農林水産省に対し、野生動物の生態の把握などで自治体間の連携を促すよう支援を求めた。調査は、行政運営の評価を所管する総務省として関係省庁に対して勧告や情報提供を行い、改善を促すのが目的。周知の不足などで有効活用されていない行政制度を点検する。今回は、人口減少や耕作放棄地の拡大などでクマやニホンジカ、イノシシなどによる被害が深刻化する中、野生動物の捕獲に関する対策状況を調べた。クマの生態把握については、自治体同士を調整する協議会の業務負担が大きく、自治体間での調査手法が異なることもあり、個体群管理に関する目標の統一が困難になっていると指摘した。制度上は鳥獣保護区でも可能な許可捕獲について、被害が発生している市町村の6割が、保護対象の鳥獣が不明確などとして「実施していない」と回答。狩猟対象を柔軟に設定できる狩猟鳥獣捕獲禁止区域制度の活用も約3割にとどまった。総務省は制度の周知不足を解消し、適切な運用を推進するとともに、捕獲に関する申請手続きを簡略化するなど、自治体職員の負担を軽減するよう求めた。

(県内野生イノシシにおける豚熱の確認:宮城)
豚熱ウイルスの侵入を監視するため、野生イノシシの豚熱検査を行っておりますが、県内で新たに1頭の陽性が確認されましたのでお知らせします(県内341例目)。

(売り上げの一部を熊本地震支援金に、山林火災時の「恩送り」:岩手)
ジビエ事業を展開する大槌町のMOMIJI(モミジ、兼沢幸男代表取締役)は30日、オンラインショップの売り上げの15%を熊本地震の被災地支援に充てる取り組みを始めた。東日本大震災や山林火災で全国から寄せられた支援のバトンを「恩送り」として熊本に届ける。

(「うさぎの島」でイノシシがウサギを捕食:広島)
「うさぎの島」として知られる広島県の大久野島で、野生のイノシシがウサギを捕まえて食べている――。福島大学などの研究チームがそんな現場を目撃し、論文として発表した。大久野島にはペットとしても飼われる外来種のアナウサギ(カイウサギ)が数百匹生息し、たくさんの観光客が訪れる。チームは2024年3月、観光客のフェリー乗り場付近で、イノシシがオスのウサギを捕獲する様子を目撃した。争っていた2匹のオスにイノシシが近づき、1匹をくわえて捕らえて鼻先で転がし、石垣に打ち付けた後、森の中へ持ち去ったという。さらに調べたところ、この島では17年にも、生きたウサギをイノシシが捕まえて食べた事例を観光客が目撃していたことがわかった。これまでもイノシシが、死んだり弱ったりしたウサギを食べることは知られていたが、健康なウサギを捕まえる可能性は低いとみられていたという。チームは「従来のイノシシに対する見解を覆すものだ」と考察している。

(有害鳥獣の発酵処理の実証実験:島根)
松江市が有害鳥獣の新たな処理方法の実証実験に乗り出す。狩猟者の高齢化や捕獲頭数の増加で、狩猟者が行っている埋設処理の負担が増しているのを解消することを目指す。

(シカ事故多発でタクシー会社が対策苦慮:北海道)
シカの出没が慢性化し、車との衝突や接触事故が道内で最も多い苫小牧市で、タクシー会社が対策に苦慮している。ドライバーへの注意喚起を強化し、シカよけの笛を車両に取り付けるなどしているが、事故は毎年一定数発生しており、修理費が経営を圧迫している。

(熊出没しても発砲拒否OK、北海道猟友会の方針にSNS上の受け止めは?)
市街地に出没したヒグマなどの「緊急銃猟」を自治体判断で可能とする改正鳥獣保護管理法が9月に施行されるのを前に、北海道猟友会が、ハンターが自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針を8月中に各支部に通知することが29日までに明らかになりました。人身事故が起きた場合のハンターへの補償が不十分なことが理由だといいます。改正法は、建物などに被害が出た場合は市町村長が損失を補償する仕組みです。人身事故の場合は国家賠償法での対応を想定しているが、道猟友会はハンターへの補償制度が設けられておらず、発砲に伴う刑事、行政責任を問われる可能性があるとして、発砲要請に応じないことを容認する内容です。北海道猟友会が、ハンターが自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針を固めたことに対して、SNS上ではコメントが相次ぎました。emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。感情分析の結果、コメントは大きく以下のように分類されました。主な「理解・支持」の声(45%)・主な「制度改革提案」(30%)・主な「懸念・批判」の声(15%)・主な「皮肉・嘲笑」の声(10%)。今回の分析では、北海道猟友会がハンターが自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針を固めたことに対し、多くのコメントは、ハンターへの補償が不十分であることへの理解を示し、この決定を支持しています。命を危険にさらす仕事に対し適切な保護制度がないことへの批判のほか、国や自治体が責任を持って対策を講じるべきだという意見が目立ちます。また、警察が専門部署を設立して駆除を担当すべきという提案のほかに、公務員としてのハンター制度の確立を求める声もあります。一部では「熊に襲われる住民はどうなるのか」という懸念の声もありました。

(ツキノワグマの目撃情報、希少種指定を除外し緊急銃猟も:三重)
全国的にクマによる人的被害が急増しているなか、三重県でもツキノワグマの目撃情報が増えている。県内のクマは「紀伊半島地域個体群」として保護の対象だったが、県は昨年12月、保護の指定を解除。今年7月20日には尾鷲市で東海3県で初めてとなるクマの「緊急銃猟」が実施されており、今後は早急なクマ対策が求められそうだ。7月24日、県は熊野市内で「ツキノワグマ被害対策人材育成講座」を開いた。2026年度に初めて企画した講座で、クマ対策に関わるケースが想定される市町や県警、林業関係者ら約60人が参加。東京農業大学の左村公准教授やNTTドコモビジネスの担当者が、四足歩行ロボットやドローンなどの先進技術を使ったクマの監視方法を紹介した。県獣害対策課によると、県内のクマ目撃情報は東紀州地域を中心に23年度以降、増えている。22年度までは毎年20頭前後だったものの、23年度は40頭に増加。24年度は162頭に急増し、25年度は98頭だった。26年度は7月末時点で40頭に迫っている。頭数だけでなく、生息域も拡大しているという。

(クマ出没に備え初の緊急銃猟訓練:奈良)
人の生活圏でクマの目撃が相次いでいることを受け、奈良市で初めてとなる緊急銃猟の訓練が行われました。31日午後、奈良市の職員や地元の猟友会など46人が参加し、クマが市街地に出没した想定で訓練が行われました。緊急銃猟は人の生活圏に侵入したクマなどに対して、市町村長の判断で銃器を用いて捕獲できる制度で、訓練では周囲の安全確保など銃猟に必要な手順を確認しました。奈良県では7月、東吉野村でクマが倉庫に侵入し居座る事案があり、近畿で初めて緊急銃猟で捕獲されています。奈良市観光経済部・笹本祐農政課長 「いつ奈良市にツキノワグマが出没して、市民にケガを与える可能性があってもおかしくないという緊張感のもと、緊急銃猟訓練を実施するものです」。奈良市では、クマの出没が増える秋に向けて警戒を強めています。

(クマ出没注意報の発令を継続:宮城)
県では、本日を期限として、県内全域に「クマ出没注意報」を発令しておりますが、7月におけるツキノワグマ目撃等件数は、前月までと比べ、減少傾向にはあるものの、依然として、例年より高い水準で推移していること等から、県内全域を対象に発令中である「クマ出没注意報」を来月末まで継続いたします。警戒レベルは警報から注意報へ緩和されましたが、県民の皆様には、引き続きクマと遭遇しないための基本的な対策をお願いいたします。

(クマ等出没時対応マニュアル:鳥取)
近年、全国的にクマ、イノシシ等の人の生活圏への侵入が相次ぎ、人身被害も多く発生している状況を鑑みて、令和7年4月に「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の一部が改正されました。これにより、地域住民の安全確保のための措置を十分に講じた上で、大型獣の中でも特に人身被害を生じさせる恐れの高いクマ等について、住居集合地域等よりも広い人の日常生活圏での銃猟を可能とする制度(緊急銃猟)が創設されました。これを受け、倉吉市ではクマ等が出没した際の対応方法と、人の日常生活圏で行う緊急銃猟の準備段階から実施後の原状回復までの対応手順を示し、現場での迅速かつ安全な作業を実施することを目的として「倉吉市クマ等出没時対応マニュアル」を策定しました。

(インフラ企業作業員がクマ対処法学ぶ:青森)
近年のクマ出没の増加を受け、東北電力ネットワーク青森支社とNTT東日本青森支店は31日、青森市滝沢の東北電力ネットワーク訓練所で、住民の生活や産業を支えるインフラに携わる企業を対象としたクマ対策の合同トレーニングを行った。市内に事業所がある電気・水道・ガス、通信などの13企業・団体の作業員や管理者ら約100人が、クマと出合わないための対策や遭遇した場合の対処法などを学んだ。

(緊急銃猟への対応を強化へ:長野)
県猟友会は31日、設立100周年記念となる本年度(6月~来年5月)の通常総会を長野市内で開いた。役員や代議員ら約70人が出席。竹入正一会長(82)は熊との向き合い方など難しい課題に直面しているとし「全国に先駆けて、危険の少ない熊への対応を考えていきたい」と表明した。同会は1926(大正15)年に設立。全国の都道府県猟友会を統括する「大日本猟友会」よりも歴史が長い。75年には約2万人の会員がいたが、現在では4千人強に減っている。本年度の事業計画では、県と協力して熊などの緊急銃猟に対応できる会員を養成していく方針を掲げた。来賓として出席した新田恭士副知事は「ツキノワグマの出没対策など地域住民の安全確保に尽力いただいていることに感謝したい」と述べた。

(鳥獣被害の中でもイノシシが最も多い:山形)
県内では野生鳥獣による農作物の被害が深刻。なかでも被害額が最も多いのはクマではなく、何とイノシシ。被害に悩む酒田市の農家を取材した。酒田市の山間部・小林地区でソバ栽培を行う工藤真義さん。7月中旬、工藤さんが夏ソバの収穫を終えた畑を訪れ、鳥獣被害の確認作業を始めた。刈り取りを終えた畑。その一方...。工藤さんは15年前から水田の転作としてソバを栽培。7月に収穫を迎えた夏ソバ3.5ヘクタールのうち、約1.5ヘクタールがイノシシの被害を受けた。一方、サツマイモを植えていたという畑を見てみると。イノシシは鼻で土を掘り返しながらエサを探す習性に加え、ソバやイネを踏み倒し、畔(あぜ)や水路も壊すことからその被害は甚大。工藤さんが管理する山間部のソバ畑は田んぼ250枚分で、面積にして20ヘクタール。その全てに電気柵を設置することは不可能で、見回りにも限界があるという。県によると、2025年度の鳥獣による被害金額は5億9200万円で、前の年の約1.7倍となった。内訳はイノシシの被害が最も多くクマの倍以上で、被害額は2億1300万を超えている。7月7日には、酒田市小泉で県内初となるイノシシの緊急銃猟も実施された。収穫間際の農作物に被害を与え生産者の心を折る鳥獣被害。農家の営農意欲の低下は大きな課題で、安心して農作物を育てられる環境づくりが求められている。工藤さんは「自分が農業をやめれば平野部にイノシシがエサを求めて下りていく。今は防波堤の役割も担っていると思い頑張っている」と話していた。そうした農家の努力にも限界がある。地域と行政の一体となった対策が求められそう。

(さらに進むシカによる食害、高山植物が消えていく南アルプス:長野)
ニホンジカによる高山植物の食害は北アルプスにも迫りつつある。先行する形で食害が広がった南アでは、高山植物の群生地である「お花畑」が2000年代に入ってから10年ほどで失われていった。そうした食害地の現状はどうなっているのか。

(夏の花々見頃、一方でシカによる食害深刻化:福島)
自然の宝庫、福島県檜枝岐村の尾瀬では夏の花々が見頃を迎えています。一方で、ある動物による被害が深刻化しています。いったい何が起きているのでしょうか。湿原を鮮やかに彩る「ニッコウキスゲ」に。夏の日差しを浴びきらめく「キンコウカ」。檜枝岐村の尾瀬では、いま湿原を彩る夏の花々が訪れた人たちを出迎えています。29日は、小雨が降るあいにくの天気となりましたが、県内外から訪れたハイカーたちは、夏の尾瀬を楽しんでいました。「自然の宝庫」の尾瀬ですが、いま深刻化しているのがニホンジカによる食害です。こちらはシカに食べられたニッコウキスゲです。花が咲いた状態と比べてみるとこの部分が食べられてしまい茎だけになっています。檜枝岐村によりますと、1995年以降、湿原の植物がシカに食べられる被害が続いているといいます。こちらは環境省が行ったシカの頭数調査のグラフです。大江湿原では、21年をピークに減少するも再び少しずつ増えていて、去年は、1回の調査でシカ33頭が確認されたといいます。その大江湿原では以前はこのように、たくさんのニッコウキスゲが咲く年もありましたが、いまではシカの食害などの影響で、ピーク時の2割以下にまで減っているといいます。現在は湿原周辺に金網を設置するなどし対応していますが、完全に囲うことはできないため、抜本的な解決は難しいということです。

(狩猟の世界に若者や女性続々、人気のレジャーに:愛知)
狩猟に魅せられる若者、女性が県内で急増中だ。特に女性は狩猟免許の取得者が5年で3倍以上に増えるなど、人気のレジャーになりつつある。野生動物による農作物への深刻な被害を減らしている「やりがい」も、背景にあるようだ。終盤にさしかかった狩猟シーズン。毎週末、銃を手に山へ向かう理由とは……。「野生動物との駆け引きが求められ、この緊張感は他では味わえない」。豊田市の会社員鈴木誠人(まこと)さん(32)はそう魅力を話す。一昨年秋から地元猟友会の先輩猟師たちと行動を共にしている。動物の足跡を見て、山を知ることが必要だと教えられ、奥深さを実感した。

(市街地が“ミニ奈良公園”に!?:奈良)
今、奈良公園を遠く離れた住宅地などでシカの出没が相次ぎ、周辺住民が困惑しています。民家の庭に我が物顔で侵入したり、畑の野菜を食べたりするシカも…。なぜ奈良公園の外に群れを作っているのか?シカの頭数が増えている原因は?奈良市内の現状を2日にわたり取材しました。国の天然記念物で、“神の使い”とも呼ばれる奈良公園のシカ。2026年7月8日も、多くの観光客がシカと触れ合っていました。しかし、この奈良公園のシカに今、異変が起きています。なんと、奈良公園から多くのシカが外に出て、遠く離れた街中が“ミニ奈良公園”と化しているというのです。その現状を探るべく、番組は、奈良公園から2キロ以上離れた市街地を取材しました。そこにいたのは、車通りも多い街の公園でくつろぐ3頭のシカ。すると、そのうちの1頭が車道を走っていきました。幸い事故はなかったものの、シカの動きが予測できないためか、車もとりあえず止まるしかないようです。別の場所では、空き地の草をムシャムシャと食べるシカの群れを発見しました。空き地の隣の家に住む人は、こうした光景が当たり前になっていると話します。8日、取材班は、雑草などを食べるシカの姿を何度も目撃しました。中には、角を器用に使ってポールを外し、侵入した空き地で草をむさぼるシカも…。さらに、住宅街に出没するシカは、住民に直接的な被害も与えています。また、畑では…。収穫前の野菜は葉っぱや実が食べられてしまい、その周りにはシカのものとみられる足跡もありました。被害を受け、男性は畑の周りにネットを設置するなど、シカ対策に追われているといいます。住民を困惑させている奈良のシカ。一体なぜ、市街地での出没が相次いでいるのでしょうか?(奈良の鹿愛護会・中西康博副会長)「奈良公園の中のシカが増えたことが要因だと思います。頭数が増えた原因は餌やりです」。シカは、公園内の芝生など、自然の餌を主食としています。一方、外国人観光客の増加で、2026年は鹿せんべいの売り上げが過去最高水準となる見込みです。また、公園内では鹿せんべい以外の餌やりは禁止されていますが、お菓子や残飯など栄養価の高い食べ物が与えられることもあり、メスの妊娠率が高くなっているといいます。2026年7月16日に鹿愛護会が発表した調査結果によると、奈良公園にいるシカの数は、過去最多の1687頭。公園内にシカが増えると、その影響は市街地に及ぶといいます。(奈良の鹿愛護会・中西副会長)「元々、過密でなくても、オスは(奈良公園から)弾かれます。過密がどんどん進んだことによって、メスがメスを追い出すことになったんです」。こうして、奈良公園から追い出されたオスとメスが、街中に定住地を作り、繁殖し始めたことで、市街地のシカは増加しているといいます。こうした中、『奈良の鹿愛護会』などは、街に出没したシカを奈良公園に戻す“追い上げ”という取り組みを行っています。しかし、何度追い払っても、再び街に戻ってきてしまう状況が続いているといいます。(奈良の鹿愛護会・中西副会長)「市街地の中に“ミニ奈良公園”ができて、住民にとって良いはずもないので、どういうふうにして“ミニ奈良公園化”をストップするのかが今後の課題で、今やっているところです」。

(イノシシ被害の対策学ぶ「けもの大学」:長崎)
イノシシによる食害などが問題となっている五島市岐宿町で、研修会「けもの大学」が開かれました。有害鳥獣から畑を守るための知識と技術を身につけ、協力して対策しようと、岐宿まちづくり協議会山内支部が主催した「けもの大学」。町内外から30人が参加しました。講師は、野生生物研究所ネイチャーステーション代表の古谷益朗さん。古谷さんは、過去に撮影したイノシシの映像やデータを示しながら、野生動物の生態や被害対策などについて説明した上で、地域づくりと担い手確保の重要性を強調しました。野生生物研究所ネイチャーステーション・古谷益朗さん:「学習能力の高い動物っていうのは実は対策しやすいんです。正しいことができる方っていうのをたくさん増やしていくことが強い地域をつくることにつながってくる」。実際に被害が出ている現場にも足を運び、対策を考えました。ファームランド五島・山下勝志代表:「思い込んでた部分が大きい。こうすればイノシシが来ないんだろうなっていうのは全く無知だったなって。いっぱい参加してもらって自分たちの地域を守っていけるきっかけにつながっていけばいいかなと思います」。「けもの大学」は全3回で、次回は10月に開かれます。

(熊の生態知り、わな捕獲率&安全性アップへ:新潟)
クマの出没が増えている長岡市栃尾地域で27日、捕獲用わなに関する研修会が開かれた。市内の猟友会員が参加し、効果的な設置場所や見回りの際の注意点を学んだ。栃尾地域の昨年度のクマ出没は220件で、市全体の3分の2を占めた。本年度も26日時点で、市全体の73件のうち栃尾は44件となっている。

(「えひめ狩猟フェスティバル2026」:愛媛)
野生鳥獣による生態系や農林水産業などへの被害が深刻化する一方で、狩猟の担い手の減少や高齢化が懸念されているため、新たな担い手の確保が課題となっています。このため、愛媛県は、「狩猟」の意義や、「野生鳥獣問題」などについて発信する「えひめ狩猟フェスティバル2026」を開催します!

(シカ捕獲、6年前の3倍に:愛知)
新城市猟友会は7月31日、毎年恒例の鳥獣慰霊祭を桜淵公園で執り行った。佐藤勝彦会長をはじめ約40人が参列し、慰霊碑に向かって玉串をささげた。近年はシカが急増し、昨年度の捕獲頭数は6年前の約3倍に上った。 猟友会の会員は約180人。

(イノシシ捕獲活動強化週間:福岡)
八女猟友会、八女東部猟友会では、秋の収穫時期を前にイノシシ捕獲活動を強化し、農林作物の被害防止に努めます。箱ワナや周辺には看板を表示しますので、ケガ防止のため気を付けてください。

(クマ専用の防護服『熊テクター』とは?:京都)
全国で相次ぐクマ被害。環境省によると、昨年度の全国のクマの出没件数は過去最多の5万776件で、2023年度の倍以上でした。また、昨年度は238人が被害を受け、そのうち13人が死亡しました。そんな中、京都の企業がクマから身を守る防護服「熊テクター」を開発。一体、どんなものなのか?本物のクマに対して有効なのか?対クマの防護服「熊テクター」。京都府八幡市にある企業「サクセスプランニング」(2003年設立)が開発しました。刃物を扱う加工場などで働く人に向けて、防災・防護服を作る会社です。今回「熊テクター」を開発したきっかけは…(サクセスプランニング 桒原由香子社長)「昨年、その前から、クマがだんだん街中に出て来ている。何か対策はないかと」「もともと防護服を作っている会社だったので、この素材を使ってクマ対策の防護服を作れないかと」。使用している素材は「超高強力ポリエチレン繊維」。強力な対刃性・耐久性を持つ素材です。実際のクマに対しても有効なのでしょうか?大阪産業大学と共同で実験が行われました。振り子のおもり(26kg)に生地を取り付け、下に構えた本物のクマの手のはく製に向けて振り下ろした結果…一般的なニットは大きく破れましたが、「熊テクター」と同じ生地は薄く跡が見える程度でした。さらに、今年6月には本物のクマでも確かめました。山形県の猟友会の協力を得て、捕獲したクマに「熊テクター」と同じ生地を与えることに。興奮したクマは生地に噛みつき、食いちぎろうとしますが…生地の表側は破れたものの、裏まで貫通するには至りませんでした。(サクセスプランニング 桒原由香子社長)「動きやすくて、曲げやすい。猟友会の方も、銃を構えやすいということです」「素材が生地で、鉄とかではないので、軽くて着心地がいいと思います」。記者が着用したものは、複数のパーツを合わせて値段が約24万円で、必要に応じてパーツごとの購入が可能。「熊テクター」は今年5月に発売され、これまでに自治体や猟友会など、全てのパーツを合わせて400点近く売れているということです。(サクセスプランニング 桒原由香子社長)「命を守るためだと思う。これを着ていたら絶対大丈夫、クマと戦えるまではいかないですが、初動対応として、何も付けずにいるよりも、身を守るものとして付けていただけたら」。

(車内に実弾818発保管したアジア競技大会射撃の韓国代表)
2026愛知・名古屋アジア競技大会の射撃代表選手が車のトランクに規定量を超過した実弾を保管して摘発され、警察の取り調べを受けている。大韓射撃連盟は選手の国家代表資格を剥奪した。射撃界によると、今年アジア競技大会クレー射撃・トラップ種目の韓国代表に選抜されたA選手は最近、忠清北道鎮川(ジンチョン)国家代表選手村に車を駐車した後、中国杭州で開催された国際射撃連盟(ISSF)ワールドカップ(W杯)出場のため出国した。その後、選手村の関係者がトランクが開いたままになっていたA選手の車両を確認する過程で、クレー射撃競技用の散弾818発が発見された。選手が一度に保有できる散弾は規定上、最大400発だ。通報を受けた警察が捜査に着手し、A選手はW杯競技に出場できないまま帰国して取り調べを受けている。大韓射撃連盟は実弾管理規定を違反したA選手のアジア競技大会の代表資格を剥奪した。連盟は同日、公式ホームページを通じてアン・デミョン(釜山広域市庁)を代替選手として公表し、来月7日まで異議申し立てを受け付けることにした。

(夏のクマは特に注意!!キャンプで子どもを守る「遊び場選び」と「必携クマ対策グッズ」とは)
「クマに襲われケガ」「市街地にクマ出没」──連日のようにクマのニュースが報道されています。環境省の速報値では、2025年度は人的被害238人(うち死亡13人)、出没件数5万801件(北海道を除く)で、いずれも2006年度の統計開始以降で過去最悪を更新。個体数の増加と生息域の拡大により、今やクマは山奥だけの話ではありません。昨年は秋の事故が目立ちましたが、「実は、夏こそ気をつけるべき季節です」と、クマの生態を研究する岩手大学農学部の山内貴義(きよし)准教授は話します。だからといって、クマを過度に恐れたり悪者扱いする必要はありません。大切なのは、クマの習性を知り、リスクを見極め、「正しく恐れる」こと。夏休みのレジャーで、クマから我が子を守るための「失敗しない遊び場選び」や、「持っておきたい対策グッズ」、そして子どもに「必ず伝えておきたい鉄則」を伺いました。猛暑が続く夏は涼を求めて、キャンプや川遊び、ハイキングといった山間部へ家族で出かけたくなる季節です。しかし、私たちが何気なく楽しんでいるその裏で、夏のレジャーエリアは“最悪の条件”が重なる場所にもなり得ます。まず、出かける前に確認するべきなのが、目的地周辺のクマ情報です。自治体のホームページやクマ出没マップなどで、最近の出没情報を確認すること。目的地周辺で出没が相次いでいる場合は、場所やタイミングを変更することも検討してください。なぜなら夏は、クマの行動が活発になる季節だからです。そこには生態に関わる理由があります。「6~7月の繁殖期は、雄グマが、雌グマを探して広範囲を移動します。この時期に、もっとも警戒すべきなのが『子連れの母グマ』です。雄グマには、自分の子孫を残すために血縁のない子グマを排除して、母グマを再び発情させようとする習性があります。そのため、子育て中の母グマは周囲への警戒心がいっそう強くなり、我が子を守ろうとして、人間を脅威と判断すると攻撃してくることがあります」(山内准教授)。さらに8月のクマは、空腹状態にあります。「8月は、葉が硬くなるなど山の食べ物が減るため、常に腹を空かせた彼らは、エサを求めてより広い範囲を動き回るようになります。トウモロコシやスイカなど、農作物の被害が増えるのもこの時期ですね」(山内准教授)。そこへ格好の相手として現れるのが、食材やお菓子、ゴミを無防備に放置するレジャー客です。「エサを必死に探しているクマにとって、食材やゴミの匂いは強烈な誘惑です。管理をおこたる人間の油断が、クマを呼び寄せる最大の原因になります」(山内准教授)。クマは、遠くからでも匂いを嗅ぎ分ける優れた嗅覚と、食べ物への強い執着心を持つ動物。いったん「エサのある場所」と認識すると、繰り返し同じ場所へ現れるようになります。だからこそ徹底したいのは、「匂い」の対策です。キャンプなどで親が無意識にやりがちなのが、お菓子やジュースを出しっぱなしにすること。たとえ中身が空であっても、匂いでクマを引き寄せます。「お菓子を含む食材、ゴミなどは、匂いが外に漏れないよう、密閉性の高いプラスチック袋などに入れて外に放置しないことです。テントや車内に保管するか、施設のゴミ箱を利用してください。食料やゴミ、使用済みの食器類を外にそのままにして就寝することは厳禁です」(山内准教授)。アメリカの国立公園などでは、丈夫で匂いの漏れない耐クマ容器「ベアキャニスター」を使用し、さらにクマの手が届かないよう木の高い場所に吊るすなどして保管するのが一般的です。日本でも近年、頑丈な「フードロッカー(専用食糧庫)」を設置するアウトドア施設が増えています。こうした施設を積極的に選びましょう。また、意外な落とし穴も。「クマは揮発性(きはつせい)の物質が大好きなんです。香水やアロマオイルなど人工的な強い香りにも興味を示すことがある。ハチやアブなどの虫も引き寄せるため、山での使用はおすすめしません」(山内准教授)。匂い対策を徹底したら、次に重要なのは「どこで遊ぶか」。クマと遭遇しにくい遊び場を選ぶことも、家族を守る大切な備えになります。キャンプ場やバーベキュー場などアウトドア施設を利用する際は、管理者による対策、例えば「電気柵」の設置や、見通しをよくするための「草刈り」、「定期的な見回り」などがされているかをチェックしましょう。「実際、クマが多数出没しているエリアでも、安全管理が行き届いたキャンプ場では被害はほとんど起きていません。近くまで来てはいるようですが、適切に人の手で管理された領域であれば、クマは基本的に人間を嫌がって近づかないのです。また、川沿いはクマの通り道になりやすいため避けるのが賢明です」(山内准教授)。クマ対策の本質は「ここに人間がいる」ということをクマに正しく認知させ、クマから自発的に避けてもらうことにあります。その意味では、「静かにしなさい!」と注意したくなるような子どものうるささも、必ずしもマイナスではありません。「クマは本来、臆病な動物です。実際、子どもの被害が比較的少ないのは、よく声を出していることも一因かもしれません」(山内准教授)。クマ鈴やホイッスルも、子どもの声と同じように、「人がいる」とクマに伝える役割を果たします。「クマ鈴は、クマを追い払うためではなく、『人がいますよ』と知らせ、先に逃げてもらうための道具です。私も山ではクマ鈴を携行し、さらにホイッスルも吹き続けます。沢沿いや風下にいる場合、また雨の日は、鈴の音がかき消されることがあるため、広範囲に音が届くホイッスルが役立ちます」(山内准教授)。クマ鈴は、子どもの腰回りにも装着し、動くたびに自然と鳴るようにしましょう。また、選ぶ際は、遠くまで音が届く「遠達性(えんたつせい)」もポイントです。一般的に、真鍮製は高音域で澄んだ音色になりやすく、音も遠くまで届きやすい傾向があります。ただし、人に慣れた個体の中には、鈴やホイッスルの音を聞いても逃げないケースもあるため、過信は禁物です。さらに“最後の備え”として携行したいのが、クマ撃退スプレー。万が一クマに襲われそうになった際に身を守るための、ほぼ唯一の防御手段です。「ただし、持っているだけでは意味がありません。すぐに取り出せる位置に携行し、就寝中もすぐ使えるよう常にそばに置いてください。事前に安全装置の外し方や噴射方法を確認しておくことが必須です」(山内准教授)。最後に、夏のレジャーに出かける前に、親子で確認しておくべきことがあります。「まず大切なのは、子ども一人で行動しないことです。『ちょっと先を見てくる』『トイレに行ってくる』と親から離れてしまうと、人の気配が伝わりにくくなり、不意の遭遇につながる危険があります。必ず大人といっしょに複数人で行動してください」(山内准教授)。また、もしクマを見つけても、絶対に大声を上げたり、走って逃げてはいけません。「クマが攻撃するのは、出会い頭に驚いたり、自分や子グマを守ろうとするときがほとんどです。また、動くものを反射的に追いかける習性もあります。普段から『クマに出会ったら走らない』『大人のそばを離れない』などと親子で話し合っておくことが大切です。いざというときは、とっさの判断ではなく、普段から話していたことが行動につながります」(山内准教授)。クマは本来、人を避けて暮らす野生動物です。だからこそ、正しい知識と備えがあれば、多くのリスクは減らせます。しかし、どれだけ準備をしていても、生息エリアにおいてはクマと遭遇してしまう可能性はゼロではありません。もし目の前にクマが現れたら、親はどう行動すべきなのか。あせって取りがちな行動の多くが命取りになる可能性があります。次回は、クマに遭遇したときに親子の命を守るために本当に取るべき行動を解説します。

(夏の山でクマと鉢合わせたら!子連れレジャーで全親が絶対知っておくべき「子どもの命を守る行動」)
東京都が、現在は禁止しているツキノワグマの狩猟を、約20年ぶりに解禁する方向で検討しているなど、連日クマを巡るニュースが後を絶ちません。「夏のキャンプは十分気をつけるべき」と警鐘を鳴らすのは、20年以上クマの生態を研究してきた岩手大学農学部の山内貴義准教授。特に夏は、キャンプや川遊びを楽しむ機会が増える一方で、クマの活動がもっとも活発になる時期でもあります。もし、親子の前に突然クマが現れたら──。親はどう対応し、子どもは何を覚えておけばいいのか。引き続き、山内貴義准教授に伺いました。クマは本来、臆病で人を避ける動物です。しかし、人間の突然の行動によって興奮し、防御のための攻撃に転じることがあります。そのため、驚かせない、興奮させないことが大前提です。「クマを見ても、『大声を出さない』『走らない』という約束を、子どもと必ずしてください。『ギャー!』とか『クマだ!』と叫んだり、あわてて走り出したりするのがもっとも危険です。子どもが取り乱しそうなら抱き寄せて落ち着かせ、必要に応じて口もとを手でおおうなどして、とにかく大声を出させないこと。急な動きや大声でクマを刺激しないことが何より大切です」(山内准教授)。そのうえで重要になるのが、クマとの距離です。遠くで見つけた場合と、近距離で遭遇した場合では、取るべき行動は異なります。〇遠く(100m以上先)にクマを見つけたとき すぐに襲ってくることはほとんどありません。クマの様子を見ながら静かに後ずさりしましょう。後退する際の共通ポイントは、岩や木などの“障害物”を間に挟むこと。障害物を利用して、クマが一直線に突進できない状況をつくることが、身を守ることにつながります。〇近距離(数十m)で遭遇したとき 数十m先にクマを見つけた場合も同じです。もし、まだこちらに気づいておらず、近寄ってきた場合は、手を振ったり穏やかに声をかけたりして、人間の存在を知らせましょう。人間だと認識すれば、多くは自らその場を離れていきます。逃げない、またはこちらに興味を示してきた場合は、クマ撃退スプレーを構えながら静かに後ずさりしましょう。「私が以前、遭遇したクマは、ドングリを夢中で食べていて、こちらが声をかけてもその場を離れませんでした。ホイッスルを吹いて近づくと唸り声を上げたため、それ以上近づくのは危険と判断。目的地まであと10分の場所でしたが、Uターンし、1時間以上遠回りをして下山しました。無理に進まず、引き返すことも大切です」(山内准教授)〇至近距離で遭遇したとき 小さな子どもと一緒なら抱きかかえ、大声を出さずに落ち着いて後退してください。クマ撃退スプレーがあれば準備をする……というのが理想ですが、実際は、あ然としている間にクマが去っていくことも多いです。それでも突進してきた場合、時速40~50kmで走るクマから逃げ切ることは、“人類最速の男”ウサイン・ボルトでも不可能です。いちばんは、クマ撃退スプレーを使うこと。それも難しい場合に、最後の手段となるのが「防御姿勢」です。「両手を首の後ろで組んで頸動脈を守り、うつ伏せになって体を丸めます。子どもの体格や状況によって可能であれば、親は、子どもにおおいかぶさるようにしてください。リュックを背負っている場合は、プロテクター代わりになります」(山内准教授)。クマは、一撃を加えた後にそのまま立ち去るケースも少なくないとか。「クマの攻撃は、比較的短時間で終わることが多いとされています。攻撃中は反撃したり、立ち上がって逃げようとせず、防御姿勢を崩さずに攻撃が止むまで凌ぐことが重要です」(山内准教授)。子どもに状況別の対応を教えても、いざという場面で判断するのは難しいでしょう。山内准教授は、子どもには①「大声を出さない」②「走らない」③「後ろへ下がる」④「襲ってきたら、防御姿勢」という基本だけを繰り返し伝えておけば十分だと話します。「これらを親子で何度も確認しておくだけで、いざというときの行動は大きく変わるはずです」(山内准教授)。クマとの遭遇は、ある日突然起こります。だからこそ、親子で共通の行動を決めておくことが何よりの備えになります。実は、子どもがクマに襲われるケースは非常に少ないといいます。このテーマは講演会などでも必ず話題に上がるそうです。「私が知る限り、約25年前に岩手県で、自転車に乗っていた中学生が後ろからクマに押し倒されて負傷した事故はありました。しかし、子どもが被害に遭った事例は国内ではほとんど聞いたことがありません」(山内准教授)。被害者の多くは60代以上であり、なぜ子どもの被害はまれなのか、その理由は分かっていません。ただし、海外では子どもが被害に遭う事例も複数報告されています。親子連れや学校行事中の集団がクマに襲われたケースもあり、子どもだから安全というわけではありません。「2009年に岐阜県の乗鞍岳畳平バスターミナルで、クマが観光客や従業員など10人を次々に襲って重軽傷を負わせた事故のように、何らかのきっかけでクマがパニックや興奮状態に陥った場合は話が別です。そうなると、ターゲットを特定せず、目の前にいる人間を次々と無差別に襲撃する危険性があるため、子どもであっても決して例外ではないでしょう」(山内准教授)。こうした被害を防ぐためには、正しい知識と適切な備えが欠かせません。さらに山内准教授は、「クマはただ恐ろしい動物」というイメージだけで終わらせてほしくないと話します。「近年、市街地に出没するクマは『アーバンベア』と呼ばれ、あたかも新しい生態のクマが誕生したかのように報じられることがあります。でも、クマ自身は何も変わっていないんです」(山内准教授)。なぜ、人とクマが遭遇する機会がこれほど増えたのか。私たちはこれからどう向き合っていけばいいのでしょうか──。次回は、小学校での出前授業も行う山内准教授に、子どもといっしょに考えたい「野生動物や自然との向き合い方」について分かりやすく解説していただきます。

(「クマは山神様からの授かりものです」)
現在、マタギは猟友会に所属し、秋田県でのツキノワグマの狩猟期間は11月1日~2月15日、そして県が行う生息調査の3月下旬~5月末に狩猟を行っている。ほかの期間は人的被害などのために要請を受けて有害駆除を行っているが、このふたつはまったくの別物である。「自然の中では人間もクマも対等なんです。いくら探しても出会えないこともあるし、出会えるときは出会える。撃っても当たらないときもあるし、襲われることだってある。知恵比べです。巻狩り(集団による狩猟)でクマを獲ったときは『ショウブ!』といいますが、命を授かるんです。でも有害駆除の場合は、檻を仕掛けて誘引する。檻に入った状態のクマを撃つのは、決して気持ちのいいものではない。我々も進んでやりたいことではないです」。山に入ってクマと対峙する船橋さんは、最近のクマ出没の激増をどう感じているのだろうか。「いわゆる街に降りてくるアーバンベアに関しては、本来のクマとは違って、人に対して怖いって感覚が薄れてきているように感じます。その親が里の近くで暮らしているとか、そういう環境で育ったクマでしょうね。本来、クマは臆病で山の中でも人を避けますから。街に下りてきたクマはもう捕らざるを得ないですよね。山に戻しても何を食べて良いのかわからないだろうし、結局また戻ってきてしまうような気がします」。クマの生態や動向を語るうえで外せないのが、クマの大好物であるブナの実。ブナは奥山と呼ばれる、集落周辺の里山の奥地に広がっている。「クマは雑食ですが、冬眠前には必ずブナの実を食べます。なのでブナの豊作・不作はクマの動向にかなり影響します。実の採れ高が以前は約4年周期で豊作・不作を繰り返していたのが、ここ数年は良いか悪いかの二極化が激しくなっているんです。春に山に入るとブナの花芽が確認できるので、開花状況でその年の実の採れ高がわかります。今年はブナの花芽はたくさんついていました。ブナの実がならないとクマにとっては大問題。山に餌がなかったら、当然、里に降りてきやすくなります。栗の木は人里にある木なのでクマが寄ってくる確率が高いです」。

(飛び出してきたクマが口開き車“襲撃”:北海道)
道路脇の草むらから車に向かって飛び出してきた、黒い影。体長1.5メートルほどのクマです。7月31日、北海道・知内町の国道を走行していたところ、突然飛び出してきたクマと衝突したといいます。脱落したバンパーには、くっきりとクマの歯型のような痕が…。車体にも傷が残されていました。クマはその後、道路脇のやぶに姿を消したということです。

(体重100キロのクマを捕獲・駆除:長野)
長野県塩尻市で31日夕方、オスのクマ1頭が捕獲・駆除されました。市によりますと、31日午後4時ごろ、塩尻市の宗賀牧野地区に、市の依頼で猟友会が設置したおりで、クマ1頭が捕獲されました。クマは体重100キロ、体長1メートル30センチ、推定15歳のオスで、駆除されました。宗賀牧野地区では、今月24日から25日にかけてクマの目撃情報が3件相次いでいました。捕獲されたクマが、目撃情報があった個体と同じかどうかはわかっていません。市や警察では引き続きクマに注意するよう住民に呼びかけています。

(「クマにトウモロコシを食べられたり、踏み倒された」:岩手)
8月2日、岩手県八幡平市の畑で、クマにトウモロコシが踏み倒され、食べられる被害がありました。警察によりますと2日午前10時半ごろ、八幡平市上の山の自宅敷地内の畑で「クマにトウモロコシが食べられたり、踏み倒された」と家族から警察に通報がありました。被害があったのはトウモロコシの茎5・6本で、茎にはクマの足跡のようなものが残っていて、トウモロコシ数本に食べられた跡があったということです。臨場した警察官は、クマの姿を確認できず、その後の目撃情報はないということです。警察は付近の住民などに、警戒を呼びかけています。

(クマが玄関のガラス割る:岩手)
岩手県雫石町で1日夜、住宅の玄関のガラスがクマに割られる被害がありました。被害があったのは雫石町南畑の住宅で、1日午後9時40分ごろ、玄関から入ろうとするクマを住民が目撃しました。住民が声を出したところ、クマは逃げていったということです。けが人はいませんが、玄関のガラスが割られていました。玄関のそばには牛の飼料が置かれていたということです。クマは成獣と見られています。

(JR山陽線で貨物列車がシカと接触:広島)
2日午後8時50分ごろ、JR山陽線本郷―河内間で、仙台貨物ターミナル発広島貨物ターミナル行きの下り貨物列車がシカと接触し、緊急停車した。JR西日本中国統括本部によると、安全を確認して運転を再開したという。

(公園に1頭のシカ、夏休み中一部エリアを封鎖:北海道)
7月31日に札幌の豊平公園で1頭のシカが目撃されました。シカはオスだということです。いまの様子はどうなっているのでしょうか。豊平公園の中の様子をご覧いただいています。アジサイがいま中心部分に咲いているのですが、そのアジサイの近くの草むらにシカが1頭隠れているということです。現状カメラで捉えることはできません。およそ3分ほど前にこの草むらの中に入ったという情報を担当者の方から聞きました。午前10時ごろに市民の方が目撃したという情報があります。その後この豊平公園の職員の方、また警察の方なども含めまして、このエリアで見守りを行っているところです。シカは朝から出没してこの付近をずっとうろついていまして、あまりエリアとしては移動していないということなんですね。こうやって見ますと森の中のように見えるんですけれども、豊平公園ですからすぐ近くには地下鉄の駅の出入口があります。その奥はマンションなどもありまして、まさに住宅街、そして交通量も多い場所です。さらにいま私がいるこの場所というのは、すぐ「北海きたえーる」があるところなんですよね。ですからシカが何かに怯えて飛び出してきた時には、人や車にぶつかってしまう可能性も考えられますので、危険な状況だと豊平公園としては判断したということなんです。いま夏休み、お子さんの声が本来この公園から聞こえるのですが、豊平公園は一部エリアを封鎖しています。現在コーンがたてられまして、危険ですから中へ入らないでくださいと表示がされているんですね。現在は一部エリアでの封鎖が続いていますが、先ほど公園の管理をされている方に聞きましたところ、現在豊平公園全面封鎖を検討していて、準備を行っているということです。ですから先ほどからこの付近の出入口をすべて封鎖する作業が始められています。いま職員の方がひとり、アジサイの方を向いていますが、あの職員の方がいるあたり、この付近数メートルのエリアにシカがいるということです。1頭だということです。そして公園の担当者の方と先ほどお話をしていたんですけれども、シカがやはり毎年のように出る場所ではなく、シカがこの場所に出るのは珍しいというお話でした。ただ4、5年ほど前にこのエリアにシカが出たことがあって、その時はこの公園から飛び出していき、近くのマンションだとか住宅の方に出没したそうなんですね。公園の方によりますと、その時に窓ガラスなどを割るということをシカがやっていたということで、今回もそのようなことにならないように、周りから警察なども含めて見守りを続けているということです。

(町役場の若手チームと地元飲食店がコラボ:北海道)
有害鳥獣として捕獲されたシカやイノシシを、地域資源として活用する動きが全国で加速しています。そんな中、北竜町では、ただ活用するだけでなく、活用する「プロセス」までもとことん楽しみ、町民みんなで盛り上げようと、エネルギッシュに取り組んでいます。北海道ならではの、エゾシカを活用したジビエバーガーの豊かな味わいで、皆さんを笑顔にしたい。まちのみんなのエネルギーも込めてお届けします!

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