<射撃ニュース8月>
8/29
(「国の回答あいまい。ハンターが安心できない」:北海道)
ヒグマ駆除のため市街地で猟銃を使える「緊急銃猟」が9月から始まります。しかし、北海道猟友会はハンターの判断で発砲を断ってよいとする通知を8月29日、全支部に出すことがわかりました。「緊急銃猟」は市街地に現れたクマに対し、市町村の判断でハンターが発砲できる制度です。北海道猟友会は、事故が起きた場合の責任や補償をめぐり国に質問していました。猟銃所持の許可取り消しのリスクについて、国は「個別の事案ごとに判断し、警察庁に確認する」とし、ハンターがケガをした際は「市町村に補償するよう推奨する」などと回答。北海道猟友会は「国の回答があいまいで、ハンターが安心できない」として、全71支部に「出動や発砲の要請を拒否してもよい」とする通知を29日午後にも出すことにしています。

(法改正でも「砂川ヒグマハンター訴訟」が引っ掛かる根本的な大問題)
新聞配達員が襲われ、学校や住宅地にまでクマが侵入する被害が全国で相次ぎ、深刻な社会問題となっている。これを受け、政府は法改正を行い、9月1日から「緊急銃猟制度」を施行。市街地に出没したクマを、市町村の判断で即時に猟銃で駆除できる仕組みを導入した。しかし現場の猟友会からは「要請があっても対応できない場合がある」との声が上がり、制度の実効性には疑問が残っている。背景には、2018年の「砂川ヒグマハンター事件」がある。北海道砂川市で子グマを仕留めた猟友会支部長が、市と警察の要請に応じたにもかかわらず、「弾の先に建物があった」として後に鳥獣保護法違反と銃刀法違反の疑いで書類送検され、さらに銃の所持許可まで取り消されたのだ。検察は不起訴としたが、裁判では一審勝訴の後、控訴審で逆転敗訴。現在は最高裁に持ち込まれている。人命を守るために駆除に当たったハンターが、長年裁判に苦しむという前例が、猟友会の消極姿勢につながっている。危機管理の専門家も「流れ弾による事故が起きた場合の責任が不明確なままでは、ハンターが銃を構えるのは難しい」と指摘する。「北海道猟友会は今回の法改正でも環境省にハンターの身分保障は大丈夫なのかと何度も問いかけた。しかし、そこにいくと環境省の返答は今ひとつ歯切れが悪かったという。そのため法改正後も、結局は地元猟友会の意向尊重というトーンになったようです」(社会部記者)。統計によれば、今年4~6月のクマ出没件数は全国で約7250件(北海道・九州・沖縄を除く)と、前年同期比1.2倍。4~7月の死傷者数も55人に達し、過去最多に迫る水準だ。環境省は来年度予算に37億円を計上し対策強化を打ち出す予定というが、実際の駆除や対応は地方自治体と猟友会に依存する構造は変わらない。人間の安全確保とクマの適切な保護管理、その両立を本気で実現するためには、国が主導する常設の責任組織を立ち上げ、抜本的な対策に踏み出す必要があるだろう。

(緊急銃猟、身分保障の要望は当然:北海道)
市町村の判断で市街地でヒグマを銃駆除できる「緊急銃猟」について、道猟友会がハンターの身分保障を求めている。特例措置が必要だと考えるか。鈴木直道知事 「いかなる場合も全ての責任がないと言ってくれ」というのは難しい。苦労して銃所持が認められ、自らの危険も感じながら(捕獲に)協力する中で保障してほしいというのは、当然思うこと。国も分かっていただいていると思う。

(市街地出没の確認、猟友会など「緊急銃猟」を想定:北海道)
檜山振興局は27日、市街地にクマが出没したことを想定した演習を檜山管内江差町内で行った。改正鳥獣保護管理法が9月に施行され、自治体の判断や一定の条件を満たせば市街地で銃によるクマの駆除「緊急銃猟」が可能になる。同町ではクマによる家庭菜園の食害など市街地へのクマ出没が続いており、関係者らが真剣な表情で実施手順を確認した。

(猟銃使用「改正法」施行前に、関係機関が手順などを確認:北海道)
市街地などでクマが出没した際に、市町村の判断で猟銃を使用できる改正法が来月1日から施行されるのを前に、旭川市では27日、関係する機関が集まって、猟銃を使用する際の手順などを確認する会合が開かれました。会合には、旭川市や警察、それに地元の猟友会などから25人が出席し、来月1日から施行される改正鳥獣保護管理法について、市の担当者が説明しました。現在の法律では市街地で猟銃を使用することは禁止されていて、警察官が同行し、人に危険が生じている場合に、別の法律に基づいて特例的に発砲が認められるケースがほとんどです。市の担当者は、改正法では猟銃以外の方法での捕獲が困難な場合や、住民などに弾丸が到達するおそれがない場合など、4つの条件を満たしたときに、市町村の判断で発砲できるようになることなどを説明しました。会合のあと、旭川市の大野晋主査は「市職員として重い責任を感じる。現場で猟友会や警察と協力し、共通認識を持って安全確保をしたうえで実施してきたい」と話していました。北海道猟友会旭川支部の高梨秀二支部長は「これまでどおりの協力関係は続けていくが、新たな法のもとでは、発砲したハンターの負うリスクが見えない部分もあるので、現場ごとの状況に応じて判断したい」と話していました。旭川市では来月、改正法に基づいた対応訓練を行うことにしています。

(市街地クマ銃猟、手順は:石川)
市街地に出没したクマへの「緊急銃猟」が自治体の判断で可能となる改正鳥獣保護管理法が9月に施行されるのを前に、県は27日、小松市民センターで初めての対応訓練をした。各市町の職員や警察署員、猟友会の会員らが、クマ出没の際の連携などを確認した。住宅が集まる地域などでクマが出没した場合、現状は銃猟を原則禁止とし、人に危険が迫ってから警察官がハンターらに発砲を命じて対応する仕組みとなっている。9月からは、住民に弾丸が到達するおそれがないことや、銃捕獲以外に的確で迅速な捕獲が困難であるなどといった一定の条件を満たせば、自治体の判断で緊急銃猟が可能となる。

(クマ出没警報を9月末まで延長:宮城)
クマの目撃が相次いでいることを受け、宮城県は8月末までとしていたクマ出没警報の発令期間を9月末まで延長しました。県によりますと、宮城県では8月に入ってから26日までにクマの目撃情報が150件寄せられていて、過去5年間の平均を27件上回っています。名取市ゆりが丘周辺では、11日以降クマの目撃が相次いでいることを受けて捕獲用の箱わなが設置されました。県によりますと、クマの餌となるブナの実が不作となる見通しで食べ物を求めて行動範囲を広げるクマが増え、今後も出没が多くなることが見込まれるということです。県は朝夕の行動を避けることや、生ごみを放置しないことなどを呼び掛けています。

(11例目の豚熱イノシシ確認:宮崎)
宮崎県は26日、宮崎県高原町で死んで見つかった、野生イノシシの雌の幼獣が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。

(野生イノシシ「豚熱」感染、半径10キロに“ワクチン入り餌”を散布:福岡)
野生のイノシシが相次いで豚熱に感染しているのが確認された福岡県久留米市で、27日からイノシシに対するワクチンの散布が始まりました。27日から久留米市などで散布が始まったのは、野生のイノシシの豚熱感染を防ぐ経口ワクチンです。久留米市では8月19日、野生のイノシシが県内では44年ぶりに豚熱に感染しているのが確認され、25日、山中で死んでいたイノシシも豚熱に感染していました。県によりますと、1頭目の発見場所から半径10キロ圏内の80地点を対象として、ビスケット状の餌に入れたワクチンを、27日から3日間、あわせて1600個散布するということです。県は、豚熱が人に感染することはないとした上で、「経口ワクチンを見かけても触らない」ことや「死んでいるイノシシを見つけたら市町村へ通報」するよう呼びかけています。

(クマ出没受け世界遺産「縄文遺跡群」の大森勝山遺跡を当面の間閉鎖:青森)
弘前市は27日午後から世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する大森勝山遺跡を当面の間閉鎖し立ち入り禁止にすると発表しました。きょう午前8時ごろ遺跡近くで親子のクマ3頭が目撃されたことを受けた対応で来訪者の安全を確保するための措置としています。

(家族連れに人気の施設『弥生いこいの広場』が“クマ出没頻発”で今年度営業休止に:青森)
弘前市は26日、弥生いこいの広場周辺及び市内各所において、クマの出没が頻繁に目撃されており、利用者の安全が十分に確保できないことから営業休止などの対応をとると発表しました。弥生いこいの広場は岩木山のふもとにあり、園内ではアライグマやペンギンなどおよそ50種類の動物や鳥が飼育されています。ポニーの乗馬体験などもあり、動物と触れあう家族連れに人気の施設です。

(深刻なシカ食害、一網打尽狙い囲いわな設置:青森)
青森県黒石市は27日、リンゴ樹を食害し市内の生産者を困らせているニホンジカ対策として、1月に特に大きい被害を受けた同市花巻の前山地区にある園地付近にシカ用囲いわなを設置した。秋まで設置を続け、群れの一網打尽を狙う。市農林課によると、県内市町村主導のシカ用わな導入は初めてという。ニホンジカ用の囲いわなは、箱わなやくくりわなに比べて大きく、複数頭をまとめて捕獲するのに向く。今冬、生産力に響くレベルの深刻な食害に悩まされてきた市は、対策強化の手段として県外の事例を研究するなどした結果、獣害対策資材を展開する「アイエスイー」(三重県伊勢市)の囲いわな「楽おりBig」の扱いやすさに着目。市鳥獣被害対策協議会(事務局・市農林課)名義で、国交付金も活用した形でわな1台を導入した。27日は初めての設置となるため関係者向けの講習会も兼ね、南黒猟友会や同課農地林務係などから15人ほどが参加。来黒したアイエスイーの担当者からレクチャーを受けながら、パイプ連結によって幅3メートル、奥行き5メートル、高さ1.8メートルのわなを組み立てた。仕掛けたばかりの時期は警戒感を抱かせる可能性があるため、少しずつ慣れさせようと入り口の手前や周囲に牧草キューブ、雌が好んで食べる岩塩などをまいた。最終的には中におびき寄せ、カメラやセンサーで詳しい状況を把握した上で複数頭をまとめて捕まえる。豪雪地帯のため冬場の設置は難しそうで、同課の三上英樹課長は「春先は特にこの花巻で被害が多く見られた。シカが群れて動く習性を利用して、冬が来る前に捕まえられたら」と展望した。

(クマ対策に“オオカミロボット”投入、国内女子ツアーで初の試み:)
ニトリレディス ゴルフトーナメント 北海道CC大沼C。クマ対策に“オオカミ”が準備された。「モンスターウルフ」という獣害対策ロボットで、大会運営事務局がクマ目撃情報の相次ぐ北海道開催であることを踏まえ、ギャラリー、選手、関係者の安全対策のために投入する。前週に苫小牧市の北海道ブルックスCCで開催された男子ツアー「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」でも投入されたが、女子ツアーでは初の試み。「モンスターウルフ」はオオカミのはく製のようなロボット。首が生きているように動き、目がLEDで赤く光る。また騒音トラブルレベル「きわめてうるさい音」の約90デシベルの“騒音”を発する仕組みで、ターゲットの獣が慣れてしまわないよう50種類以上の音を備えている。“オオカミ”はレンタルされた1台で、乗用カートに搭載して大会期間中の朝夕にコースを巡回させる。またその他の対策では7月末から毎朝、スタッフが作業開始前に爆竹を鳴らし、コースを巡回しており、函館中央警察署や自治体、猟友会との連携も強化。ペアリングの各組スタッフに笛、クマスプレーを携帯させる。国内女子ツアーでは5月の下部ツアー「ツインフィールズレディース」(石川・GCツインフィールズ)最終日にクマが出没して同日のラウンドが中止。レギュラーツアーでも7月「明治安田レディス」(宮城・仙台クラシックGC)のプロアマ戦でクマが目撃され、プロアマ戦と翌日の第1ラウンドが中止になっている。

(市街地のクマに対して発砲できる「緊急銃猟」の訓練:三重)
市街地に出没したクマに対して市町村の判断で発砲できる「緊急銃猟制度」が9月から始まるのを前に、三重県尾鷲市でこの制度についての訓練が行われました。訓練は三重県尾鷲庁舎で行われ、警察や市の職員、猟友会のメンバーなど26人が参加しました。市街地にクマが出没した際の発砲はこれまで原則禁止で、危険が生じている場合に警察官の命令でできるなどの条件がありました。国が9月から始める「緊急銃猟制度」では、安全確保などの条件を満たした上で、市町村の判断で発砲が可能になります。訓練はクマが学校の体育館に侵入したなどの想定で行われ、「緊急銃猟」を実施する際の役割分担などについて確認をしました。県の担当者は「落ち着いて緊急銃猟ができる体制をつくりたい」としています。

(野生鳥獣対策で最多2万2000頭捕獲:群馬)
野生鳥獣による農林業被害対策の一環などで2024年度に群馬県内で捕獲された主要5獣種の捕獲頭数(速報値)は、前年度比8%増の2万2168頭で、過去最多を更新したことが27日、県のまとめで分かった。被害が最も大きいニホンジカの捕獲が増えた。一方、農林業被害額(同)は約50万円減の5億4500万円と横ばいだった。抑止に向け、県は生息調査に基づく効果的な捕獲などを進める。

(野生動物による農作物被害深刻、捕獲など対策強化確認:群馬)
シカやイノシシなど野生動物による農作物被害への対策を検討する会議が前橋市で開かれ、柵の設置や捕獲などの強化を進めていくことを確認しました。県内では、野生動物による農作物への被害が深刻になっていて、県は27日、前橋市内にある群馬会館で対策本部の会議を開きました。このなかで、ニホンジカとニホンザル、カモシカ、イノシシ、それに、ツキノワグマの5種類の野生動物による被害額は、前の年度とほぼ横ばいにあたる5億4500万円に上ったことが報告されました。このうち、ニホンジカによる被害額が最も多く、2億7600万円で、前の年に比べ、率にして7%増えたということです。これに対し、昨年度1年間の5種類の野生動物の捕獲頭数は2万2168頭に上り、この10年で最も多くなったことが報告されました。捕獲頭数が増えた要因について、県の担当者は捕獲を強化したことや、冬に積雪が多かったことから足跡などの痕跡が明確で、捕獲しやすかったことなどが背景にあると分析しています。会議では、今年度に入っても食害があとを絶たない状態が続いているとして、引き続き、柵の設置や捕獲などの強化を進めていくことを確認しました。

(「トビに注意」被害相次ぐ:京都)
京都市の中心部で、空を舞うトビによる「被害」が相次いでいる。トビは食事中の人に狙いを定め、背後から急降下して食べ物を奪い去る。鴨川河川敷や京都御苑など多くの人が集う場所に出没し、くちばしや鋭い爪などが当たってけがをする人もいる。なぜ人の食べ物を狙うのか。研究者らは「そもそもの原因は人間にある」と指摘する。京都御苑で今年、「トビに注意」と記した看板が苑内5カ所に設置された。管理事務所によると、昨年12月に親子が苑内で食事をしていたところ、子どもがパンをトビに奪われた。その際にひっかき傷を負ったという。管理事務所の担当者は「トビが低空飛行しているのをよく見かける。苑内でお弁当やお菓子を食べる人も多いので心配」と話す。京都の夏の風物詩「鴨川納涼床」の飲食店も警戒する。三条大橋近くのある店では、日よけの「よしず」を外す夕方ごろにトビが上空に現れる。食べ物を奪われる被害は今のところないが、低空飛行する様子を客が怖がることがあるという。店の責任者は「お客さんが快適に食事を楽しめなくなる」。鴨川と京都御苑は数百メートルしか離れていない。長年にわたり鴨川の野鳥の観察を続ける日本鳥学会の西台律子さんは「昔はトビの数も今より少なく、人間の食事を狙うこともなかった」と説明する。もともと鴨川に10羽程度が生息していたが、1990年代から増え始めたという。西台さんの観察によると、93年に鴨川にかかる荒神橋から葵橋の間の約1キロ余りで約20羽が確認された。その後99年から2015年までは50~70羽前後、16、17年は80羽台になり、18年に約100羽になった。コロナ禍で人出が減ったためか近年は50羽前後だが、観光客らが戻ってきたことで再び増加する懸念もある。増えたきっかけについて、西台さんは「ユリカモメへの餌付けブーム」を挙げる。90年代ごろから、冬になると鴨川に飛来するユリカモメにパンなどを与える人が目立つようになった。袋に大量のパンを詰めて持参する人もおり、その「おこぼれ」をトビが狙い始めたという。餌を探さなくても簡単に栄養を取れるようになり、徐々に数を増やしたとみられる。ただ、90年代は食べ物をかすめ取るようなことはなかった。異変が起き始めたのは2010年代前半だ。このころ、気候変動などの影響で鴨川からユリカモメが減り始め、餌やりをする人も減った。「トビの数は増えたのに餌やりが減り、ついに人の食事に手を出すようになったのではないか」と西台さんは指摘する。トビは人の背後から食べ物を狙う。外で食事をする際は、壁や木などを背にする▽2人以上で向かい合って食べる▽傘を差すなどの工夫が有効だという。トビが人にとって危険な存在になっている現状について、西台さんはこう訴える。「駆除が必要という話にもなりかねず、トビにも不幸。餌やりは動物のためにならないと知って欲しい。なぜこのような状況になっているのかを考え、行動を変える必要がある」。京都市動物園の野生鳥獣救護センターによると、トビは本来は臆病で人を積極的に襲わない。だが、餌やりで人から簡単に食べ物が手に入ると学習した個体は、人から奪うようになるという。そもそも、人の食べ物はトビにとって脂質や塩分が高く、体によくない。餌やりはもとより、奪われることにも気をつけて欲しいという。京都以外の観光地などでもトビによる被害は起きている。神奈川県藤沢市は、トビに上空から襲われ負傷する人がいるとして、観光客が多数訪れる江の島に看板を設置。注意を促している。

(有害鳥獣の駆除、今秋から新たな処理導入:鳥取)
鳥取市が今秋、イノシシやシカなど有害駆除した鳥獣の簡易的な処理を導入する。大型配水管を縦に埋めて井戸のような穴を作り、有害鳥獣の死骸を腐らせる。

(「クマ・シカフォーラム」を開催:北海道)
近年標津町では、野生動物による農林水産業への被害が多発しており、その対応も増加傾向にあります。この課題に対応するため、標津町主催で「クマ・シカフォーラム」を開催し、専門家や地域住民が一体となって現状や対策を共有します。参加費は無料で当日はオンライン配信も行い、アーカイブ視聴も可能です。

(全児童生徒に「クマよけの鈴」配付:秋田)
クマの目撃が相次ぎ、人身被害も出ている、秋田県北秋田市では、2学期が始まった26日、市内の小中学校などに通う児童生徒にクマよけの鈴が配られました。北秋田市ではことし、クマの目撃が去年の同じ時期に比べおよそ2.5倍となっていて、去年はゼロだった人身被害も3件発生し、1人が死亡しています。こうしたなか、北秋田市は、登下校中の子どもたちの安全を確保するため、市内の小学校と中学校、それに義務教育学校に通う子どもたち1300人あまりにクマよけの鈴を配付することを決めました。このうち、294人の児童が通う鷹巣小学校では、クマ対策などとして、登下校時は、なるべく1人で歩かないよう指導していて、午前7時半ごろから子どもたちが集団で登校してきました。始業式では、湊貞宗校長が「大切なのはクマに出会わないことです。絶対に1人で帰ったり、夜、出歩いたりしないようにしてください」と注意を呼びかけました。このあと、それぞれの教室に戻った児童ら1人1人にクマよけの鈴が配られ、早速、ランドセルの肩ひもなどに取り付けていました。小学1年生の男子児童は「この鈴で安心できそうです。結構、大きい音なので、たぶんクマは出ないと思います」と話していました。県教育庁によりますと、県内では今年度、幼稚園や小中学校、それに高校からおよそ500メートル圏内で目撃されたクマの件数は今月22日の時点で65件と、昨年度の1年間の目撃件数の58件をすでに上回っているということです。県教育庁は「これから秋を迎え、目撃や人身被害の増加が懸念されることから、各学校には登下校時の安全確保を呼びかけている」と話しています。

(里山にも忍び寄るクマ:京都)
シカの毛が茶色に白い斑点の夏毛に生え替わっていた。京都市では猛烈な暑さが続き、山に囲われた洛北地域にも、容赦ない日差しが照りつけた今夏。7月末の正午過ぎにドローンから左京区岩倉を望むと、高く上がった太陽が、山々や住宅地に濃い影を落としていた。「暑さで獲物を運ぶのも大変」と苦笑するのは、野生鳥獣の食肉処理施設「洛北ジビエ イマイ(同区岩倉)」を家族で営む、次男の今井慶輔さん(34)。シカやイノシシの有害鳥獣駆除依頼は相次いでいるが、夏に山林へ分け入るのは体力が問われる。さらに、防虫対策や、高温で肉が傷まないような迅速な解体作業など、夏特有の苦労があるという。そんな暑さをしのげる場所が洛北の山中にある。長男亮太さん(40)は釣りざおを手に渓流へ向かった。動物の痕跡や獣道を注視しつつ、ポイントを見つけてはイワナをさっと釣り上げていた。つかの間の涼を感じられるといい、足元の水や冷気で、体感温度が5度ほど下がったような気がした。「春は山菜、夏は魚。動物だけでなく自然全体を相手にするのが猟師の根本だ」と父剛さん(74)は胸を張る。しかし猟師が対峙する自然は恵みだけではない。野生動物も必死に生きており、時として人間に牙を向く。

(農作物の「鳥獣被害対策実施隊」を猟友会会員に委嘱:大分)
もうすぐ収穫の秋です。津久見市は、ことしもミカンや栗などの農作物を野生動物から守るための対策を地元の猟友会のメンバーに委嘱しました。津久見市では毎年、地元の猟友会の会員に「鳥獣被害対策実施隊」を委嘱し、サルやイノシシなどの野生動物から農作物を守る取り組みを行っています。27日、猟友会の会員8人が津久見市役所を訪れ、石川市長から委嘱状を受け取りました。この中で、石川市長は「野生動物による被害を未然に防ぐため、今年度も力をお借りします。安全に留意して取り組んでいただきたい」と述べました。8人の任期は来月12日から1年間で、畑などを巡回するとともに、野生動物を見つけた際に猟銃で追い払ったり、わなを仕掛けて捕獲したりするということです。津久見市によりますと、昨年度1年間に市内で野生動物が捕獲された件数は2000件余りに達し、10年前に比べて2倍に急増しているということです。近年は、アナグマなど小動物による被害も多いということです。鳥獣被害対策実施隊の隊長となった野下一馬さんは「これからの季節、野生動物の動きが活発になってくる。市民から目撃情報を得るなど協力をいただきながら、少しでも被害が減るようにがんばりたい」と話していました。

(サル対策やクマ・イノシシの被害防止へ、鳥獣被害対策専門員ら2人が着任:新潟)
長岡市に着任した『鳥獣被害対策専門員』と『地域おこし協力隊』の2人が磯田達伸市長に着任の挨拶をしました。26日、長岡市役所にあいさつに訪れたのは、スマート農業人材として着任した、地域おこし協力隊の五十嵐啓太さんと長岡市初の鳥獣被害対策専門員として着任した、さいたま市出身の鈴木暁慈朗さんです。鈴木さんは、2022年に県版の地域おこし協力隊として長岡市に移住し、野生のシカなどの対策に力を注いできました。鳥獣被害対策専門員 鈴木暁慈朗さん「鳥獣対策は、これからもいろいろな技術や知識や経験を活かしていけるところがあると思いますので、これからも勉強して頑張っていきたいと思います」鈴木さんは栃尾地域のサル対策や、クマやイノシシの被害防止に向けた啓発活動などを行う方針です。

(里山にも忍び寄るクマ、最前線で野生動物から地域を守る猟師の胸に秘めた覚悟と近況:京都)
シカの毛が茶色に白い斑点の夏毛に生え替わっていた。京都市では猛烈な暑さが続き、山に囲われた洛北地域にも、容赦ない日差しが照りつけた今夏。7月末の正午過ぎにドローンから左京区岩倉を望むと、高く上がった太陽が、山々や住宅地に濃い影を落としていた。「暑さで獲物を運ぶのも大変」と苦笑するのは、野生鳥獣の食肉処理施設「洛北ジビエ イマイ(同区岩倉)」を家族で営む、次男の今井慶輔さん(34)。シカやイノシシの有害鳥獣駆除依頼は相次いでいるが、夏に山林へ分け入るのは体力が問われる。さらに、防虫対策や、高温で肉が傷まないような迅速な解体作業など、夏特有の苦労があるという。そんな暑さをしのげる場所が洛北の山中にある。長男亮太さん(40)は釣りざおを手に渓流へ向かった。動物の痕跡や獣道を注視しつつ、ポイントを見つけてはイワナをさっと釣り上げていた。つかの間の涼を感じられるといい、足元の水や冷気で、体感温度が5度ほど下がったような気がした。「春は山菜、夏は魚。動物だけでなく自然全体を相手にするのが猟師の根本だ」と父剛さん(74)は胸を張る。しかし猟師が対峙する自然は恵みだけではない。野生動物も必死に生きており、時として人間に牙を向く。

(鷹匠がムクドリ追い払い:埼玉)
埼玉県加須市は8月から、加須駅周辺などに飛来するムクドリの大群のふん被害や騒音被害を防ぐため、鷹匠(たかじょう)による追い払い対策を初めて行っている。鷹匠が夜、ムクドリの天敵である猛禽類(もうきんるい)のタカを放つと、ムクドリの大群は一斉に逃げ、効果抜群だった。鷹匠は、この道7年の三輪優奈(ゆうな)さん(24)。5歳になる雌のハリスホーク「露」(つゆ)を放って、ムクドリにストレスを与えている。対策3日目の25日は、午後6時半から約1時間実施した。三輪さんが露を連れて街中を移動するだけでも、ムクドリは反応した。同市環境政策課によると、対策は、8月に3日連続を2回、9月に4日連続を2回、10月に3日連続を2回行う計画だという。ムクドリは街路樹などをねぐらにしていて、加須駅周辺では多い時で2万羽以上がいたが、鷹匠の出動で数が減っている。三輪さんは「加須市の特徴は、ムクドリの数がかなり多いこと。3日目、4日目で効果が表れてくるが、もう、すでに、かなり減っている。いい感じです」と話した。見守る市民の間からも、「だいぶ数が減ったのが分かる」との声が上がった。市民によると、ムクドリは明け方や夜、特に大騒ぎするという。「近くの病院で入院中の患者さんも眠れなかったが、だいぶ改善されたようです」と話す。これまでは、ふんの被害、臭い、騒音が深刻だった。鷹匠の出動に、期待感たっぷりだった。

(相次ぐクマの目撃情報:長野)
県内では3000メートル級の山でも、そして里地でも相次ぐクマの目撃情報。さらには農作物を食い荒らされる被害も出ていて、私たちの生活を脅かすクマの出没に不安が広がっています。多くの登山者の間を悠々と歩く1頭のクマ。これは先週、標高3026メートルの北アルプス乗鞍岳の山頂付近で撮影された映像です。撮影した人によりますと、当時、付近にいた登山者は50人以上。体長1メートルほどの成獣とみられ、けが人はいませんでした。近くで山荘を営む男性によりますと、8月、乗鞍岳山頂付近ではほぼ毎日、クマが目撃され、27日朝も見かけたということです。一方、暗闇の中、動く黒い影。カメラが捉えたのは8月中旬、上伊那郡辰野町で畑のトウモロコシを食べる1頭のクマです。クマは成獣とみられ、およそ50分間、食べ続けていたということです。町は26日、現地の緊急点検を行い県のクマ対策員や猟友会などおよそ15人が畑やその周辺を見て回りました。クマ対策員 瀧井暁子さん「近隣でスイートコーンを狙っているクマなんじゃないかなと。スイートコーンって甘いので執着すると思う」。町は今後、点検結果を参考に広く注意を呼び掛けるほか、おりを設置する予定です。さらに、クマによる農作物被害は中野市でも…。市によりますと、25日午前7時ごろ、中野市大俣の畑でトウモロコシが食い荒らされ近くにはクマとみられる足跡があったということです。中野市では7月、近くの養鶏場でブランド地鶏「信州黄金シャモ」26羽が死んでいるのが見つかりました。現場の状況からクマに襲われたとみられています。25日、被害があった畑と養鶏場までの距離はおよそ1キロ余り。いずれも同じ個体かどうかは不明でクマの発見には至っていません。26日、松本市の宮渕地区や島内地区でクマらしき動物の目撃情報が相次ぎ、警戒に当たる警察や市の職員などで周辺は一時、騒然となりました。市によりますと、26日午後4時半すぎから市や警察などに寄せられた目撃情報は5件。近くにある丸ノ内中学校の方へ逃げたとの情報もあったということです。これを受け、丸ノ内中学校では生徒の安全を確保するため、保護者に迎えを依頼。山や里地で相次ぐクマの目撃情報や農業被害。餌となる生ごみを外に放置しないなどクマを寄せ付けない対策が求められています。

(ザリガニを捕食する2頭のクマ出没:北海道)
札幌市南区中ノ沢で8月26日、ザリガニを食べる2頭のクマが現れました。26日午前10時ごろ、70代の男性が、自宅から南方向に約200メートル離れた所にクマ2頭がいるのを目撃しました。警察によりますと、周辺では以前からクマが出没していて、男性が望遠鏡でクマがいないか確認していたところ、ザリガニを食べるクマを発見したということです。クマはザリガニを食べた後、南方向へ立ち去りました。付近に目立った痕跡はなく、人への被害はありませんでした。警察がパトロールするとともに、市が周辺を調査しています。

(深夜に貨物列車がシカと衝突:群馬)
27日午前0時45分ごろ、JR高崎線岡部―本庄間の埼玉県深谷市沓掛付近で、隅田川発新潟貨物ターミナル行き下り貨物列車(21両編成)が、線路内にいたシカと衝突した。この影響で高崎線は一時運転を見合わせた。JR東日本首都圏本部広報ユニットによると、係員による現場の確認と車両の点検を行い、同日午前1時27分に運転を再開。この影響で下り1本に最大約41分の遅れ、約150人に影響が出た。

(特産シカ肉、仲間とほおばる:北海道)
西興部村特産のシカ肉料理を味わう「第6回西興部鹿肉祭り」が、村内の屋内多目的運動場で開かれた。村内外から約70人が訪れ、村自慢の味に舌鼓を打った。

(地元猟師が提供した肉でジビエカレーづくり:京都)
子どもたちに京都府笠置町の魅力を体感してもらうイベントが23日、同町笠置のつむぎてらすであった。特産のジビエカレーづくりなどを通じて、まちの良さや課題を学んだ。山城青年会議所が催し、地元の児童ら約30人が参加した。エプロン姿の子どもたちはニンジンやタマネギを切ったり、ジャガイモの皮をむいたりし、カレーの具材を準備した。カレーを煮込む間、シカ肉を提供した町内の猟師・笠井大輝さん(27)が「食べることで食害を抑えられる。天敵がいないシカの生息数は増えており、生態系を守ることにつながる」と話した。捕獲されたシカの9割がそのまま廃棄されている現状も説明した。お昼になると、出来たてのカレーやサラダをみんなで取り分け、食事を楽しんだ。笠置小6年の女児(12)は「シカ肉はおいしい。食べやすい大きさに野菜を切れた」と話していた。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、29日午前7時50分ごろ、栗原市築館照越浅松沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、28日午前8時50分ごろ、栗原市志波姫北郷十文字にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後10時50分ごろ、仙台市青葉区芋沢高野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後8時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢吉成山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後6時15分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根石橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後6時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋獺沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後4時ごろ、仙台市青葉区八幡7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後9時50分ごろ、富谷市成田3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後7時15分ごろ、仙台市太白区山田北前町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後8時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋雁木田山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後2時40分ごろ、仙台市泉区鶴が丘1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前7時ごろ、仙台市青葉区芋沢蒲沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午前8時ごろ、富谷市西成田追分にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、27日、白石市越河観音にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
南三陸町によると、27日午前7時30分ごろ、南三陸町入谷岩沢地区にクマが出没しました。

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8/27
(襲撃したクマは有名な「岩尾別の母さん」:北海道)
北海道斜里町の知床半島にある羅臼岳で男性登山客を襲ったヒグマは、地元ではよく知られた個体だった。「人に無関心で、安全と言われていたベテランの母グマがなぜ」。知床を何度も訪れた観光客は驚きを隠さない。観光の大前提である安全が揺らぎ、世界自然遺産・知床は岐路に立たされている。東京都の自営業・中島拓海さん(46)は昨年、知床半島を4回訪れ、原生林の散策などを楽しんだ。10月には斜里町の山あいで車道を歩くヒグマを目撃。なじみのガイドに尋ねると「『岩尾別の母さん』ですね」と伝えられた。「何度も子を育てたベテランだと聞いた。車ですれ違ってもこちらには関心を向けなかった」そのヒグマが山中で男性を襲ったとガイドから一報を受け驚いた。同時に「自分も含め、知床全体で動物との距離感がまひしていた」と思い至った。原生林をガイドと歩く際、「知床のヒグマはエサが豊富だから人を襲わない」と聞き、何となく納得していたこと。森の中で出合うシカやキツネは警戒心が薄く、人慣れしていたこと――。今となっては「事故が起きないという思い込みが、動物との距離を誤らせたのでは」と感じる。加害個体の母グマは体長140センチ、体重117キロの11歳で、2頭の子グマとともに駆除された。野生生物の調査研究を行う知床財団は母グマを「SH」という識別コードで記録していた。知床のヒグマ目撃情報は2025年、592件(8月21日現在)に上るが、SHとみられる個体は岩尾別地区を中心に30件以上の目撃情報があり、5月以降には2頭の出生も確認されている。羅臼岳では、10日に2頭の子グマを連れて登山道を登ってきたヒグマが登山者に接近。登山者がクマ撃退スプレーを構えて後退する事態が発生した。12日にはヒグマ1頭が登山者からクマ撃退スプレーを噴射されながらも、5分間にわたりつきまとった。いずれもSHの親子とみられるという。SHは過去にも人を避けなかったり、人と出合っても逃げなかったりという行動が度々、確認されており、知床財団は追い払い対応を繰り返したという。知床財団は、餌付けされていたとの情報が一部のインターネット上で出回っていることに対し「事実が把握されたものではない」としている。一方で、ガイドや愛好家の間で人前によく現れるヒグマに愛称が付けられていることに対し「呼称は自由だが愛玩動物ではない。愛称が付くほど人と近く、距離感が失われた個体になってしまう可能性はある」と指摘した。その上で、「ヒグマ保護管理に取り組んできた財団としても重大で深刻な事案。環境保全、観光利用、住民生活に大きく影響する。事故の検証、再発防止に必要な情報提供、安全対策に積極的に提言していく」としている。

(3市長連名で県にクマ対策要望:山形)
山形県内で、市街地へのクマの出没が相次いでいる中、米沢市と鶴岡市の市長2人が26日午後、吉村知事にクマ対策の支援などを求める緊急要望を提出しました。吉村知事の元を訪れたのは米沢市の近藤洋介市長と鶴岡市の皆川治市長らです。県内ではことし、クマの出没が相次いでいて目撃件数は8月17日現在で839件に上り、記録が残る2003年以降、最多となっています。こうした中、ことし市街地への出没や人身被害が発生した米沢市と鶴岡市、新庄市は、3市長連名で、吉村知事にクマ対策の支援などを求める緊急要望を提出しました。要望では、クマが隠れやすい河川に生えている木の伐採や県主導での捕獲事業の強化、捕獲した際の報奨金への支援などを盛り込んでいます。吉村知事「様々な要望を頂戴しましたので河川の支障木(クマが隠れやすい木)の伐採など緊急に対応すべき内容につきましては9月補正予算での対応も含めて検討を進めてまいりたい」。近藤洋介米沢市長「かなり予算措置も含めて前向きに、緊急度合いももって受け止めて頂いたと感じている」。クマ対策をめぐっては、9月から改正鳥獣保護管理法が施行され、市町村の判断で市街地でもクマの捕獲に猟銃を使用できるようになります。これを受けて県は今後、自治体の担当者向けの説明会を開催する予定です。

(猟友会事務局に個人情報誤送信:静岡)
静岡県は25日、畜産振興課の職員が県猟友会事務局と西部猟友会事務局に本来送るべきでない個人情報を含んだファイルをメールで誤送信したと発表した。

(クマ出没8月時点で過去最多更新:青森)
青森県内でのツキノワグマの出没件数が1200件を超え、通年の過去最多を既に更新したことが県のまとめで分かった。記録が残る1992年以降で最も多かったのは、2023年の1133件。秋以降は冬眠に備えて食料を探し回るため、県はさらなる注意を促している。出没件数は今月24日時点で1235件。内訳は、目撃が1166件(前年同期比593件増)、食害が67件(40件増)、人身被害が弘前市内の2件(2件減)。エリア別では下北地域が全体の約4割を占め、県全域で食害が発生している。目撃時の通報の急増は、北海道などで人が襲われる被害が相次いだ影響で情報提供の意識が高まったことも背景にあるとみられる。県は5月、春先から例年の2倍以上のペースで出没が確認されたため、11月30日までを期間とする「ツキノワグマ出没警報」を発表。県ホームページには出没マップを掲載している。東北森林管理局は、餌となる今秋のブナの結実を「大凶作」と予測。収穫期の農作物を狙うクマの増加も懸念される。県自然保護課鳥獣対策グループの近藤毅マネジャーは「リンゴなどの果樹が熟れるとその匂いに寄ってくる。片付けは大変だが、野菜くずなどを放置しないでほしい」と呼びかける。

(市町村判断の「緊急銃猟」を訓練:富山)
市街地などに出没したクマを捕獲する際、市町村長の判断で銃を使える「緊急銃猟」が9月に始まるのに備えて25日、富山県が県総合運動公園(富山市)で訓練を行った。市町村職員や警察官、猟を委託される猟友会員ら145人が参加し手順を確かめた。従来、市街地などでは銃による猟が禁じられ、非常時には警察官の命令などで応急的に実施されていた。ここ数年、野生動物が頻繁に人の生活圏に現れ、人身被害も相次ぐことから、鳥獣保護管理法の改正で緊急銃猟が導入された。この日は、野生鳥獣対策連携センター(本社・兵庫県)取締役の上田剛平さんが、緊急銃猟の法的要件や、猟を担う人の心構えを説明した。山間部とは状況が全く異なり、1発の銃弾で仕留める技術や、日頃の銃の手入れなどが重要だと話した。図上演習では、会場の運動公園にクマが出没して居座ったと想定し、緊急銃猟の手順を考えて実施計画を作った。実地訓練では、富山市のチームが、周辺の通行止めや避難の呼びかけ、発砲などをシミュレーションした。県自然保護課の朝山弘康課長は「緊急銃猟では地域にいる人の安全確保が重要になる。参加者は今日の体験を持ち帰り、態勢づくりに生かしてほしい」と述べた。

(クマの緊急銃猟の訓練実施、出没から猟銃による捕獲まで:新潟)
市街地に出没したクマなどを、自治体の判断で猟銃で捕獲できる改正鳥獣保護管理法(緊急銃猟制度)の施行を9月1日に控え、新潟県新発田市は25日、市街地でのクマ出没を想定した訓練を行った。同制度導入を見据えた訓練は県内初。自治体には、住民らの安全を確保した上でクマを猟銃で捕獲できるか不安が根強く、県内21市町村の担当者が訓練の視察に訪れた。訓練は、市内で最もにぎやかな市街地にクマが出没という最悪ケースを想定。市、警察、消防団、地元猟友会など約50人が、対策本部立ち上げから、住民避難などによる安全の確保、市長による緊急銃猟実施の判断、クマの猟銃捕獲という一連の流れをロールプレーイング形式で行った。緊急銃猟は、①クマが人の生活圏に侵入し、②危害を防ぐために緊急に対策を講じる必要があり、③銃猟以外の方法では的確な対応が困難で、④住民に弾丸が到達するおそれがないこと-の4つの条件を満たした場合に、市町村長の判断で実施できる。訓練に参加した新発田市の二階堂馨市長は「重い権限を与えられ、非常に緊張している。緊急銃猟実施のための4つの条件を満たしたものについては、許可を出していく」と語った。新潟県の調査では、クマの冬眠前の餌となるブナの木の実が今秋、県内全域で実をつけない「凶作」になるとみられている。クマが餌を求めて市街地に出没する可能性が高いとして、県は注意を呼び掛けている。

(“中学校にクマ出没”想定で訓練、警察などが対応確認:北海道)
内各地でクマの出没や被害が相次ぐなか、道東の中標津町で、中学校のグラウンドにクマが現れたという想定で、警察や猟友会などが対応の手順を確認する訓練が行われました。26日の訓練には、警察や猟友会、中学校の生徒などおよそ380人が参加しました。はじめに、クマに気付いた教員が、部活動でグラウンドにいた生徒たちに対し、クマを刺激しないために静かに後ろに下がるよう呼びかけ、校舎内に避難させました。また、通報を受けて駆けつけた警察官や猟友会のメンバーが、爆竹で追い払おうとしましたが、クマが居座ったため、猟銃による駆除に切り替えました。そして、安全を考慮した上で、体育館の2階から射撃することを決め、発砲する手順を確認しました。このあと体育館で、警察官などが生徒に対し、今月14日に、知床半島の羅臼岳で発生したクマによる人身事故について説明しながら、「今まで大丈夫だったというのは通用しなくなっている。知識を得て自分の身を守ってほしい」と呼びかけていました。中標津警察署の千葉篤地域課長は「クマの活動が活発になる季節を迎えるので、訓練を通して連携を深め住民の安心・安全を図りたい」と話していました。

(市議会にハンターが加入する保険や安全確保用の盾などの予算を盛り込む:岩手)
9月1日からクマやイノシシが市街地に出没した際に猟銃の使用が可能になることを受け、盛岡市ではハンターの確保などの体制整備を進めています。これは25日の盛岡市議会全員協議会で説明されたものです。法律の改正により、市街地でクマやイノシシの捕獲に銃の使用を可能とする「緊急銃猟」が9月1日、始まります。安全対策を講じた上で、市町村が判断して実施し、盛岡猟友会から推薦を受け、市の委託を受けたハンターが銃を使用します。市は1回の対応につき3人の出動を想定していて、全体で10人程度の確保を目指します。市はハンターが加入する保険や安全確保用の盾など、必要な経費およそ55万円を盛り込んだ補正予算案を市議会9月定例会に提案します。

(ヒグマ人身被害防止へ周知、啓発活動を強化:北海道)
ヒグマの目撃件数増加や人身事故の発生を受け、道は例年9月から行っていた「秋のヒグマ注意特別期間」を初めて前倒しした。釧路総合振興局では、クマによる人身被害の防止に向けて周知、啓発に関する取り組みを強化するとしている。期間は10月31日まで。  道は、クマによる人身被害の未然防止を図るため、2002年度から、山菜・キノコ採りなどで野山に入る機会が多くなる春と秋を「ヒグマ注意特別期間」として設定。期間中は、各振興局の職員による巡視活動や普及啓発リーフレットの配布などに取り組んでいる。  道のまとめによると、クマによる人身被害は春と秋に増加。過去10年で秋(9~10月)に発生した人身被害(狩猟や駆除の際の事故を除く)は7人で、このうち3人が釧路管内で発生した。根室管内では過去10年間、秋期の人身被害は発生していない。  期間中、釧路総合振興局では、クマとの共存に向けた指針を示すリーフレットを各林道入り口で配布する回数を増やすほか、主に行政機関へ依頼していたポスター掲示やリーフレット設置を宿泊施設や道の駅などにも拡充。さらに、SNSや庁内のデジタルサイネージでの周知など、昨年に比べて取り組みを強化する。  冨樫崇くらし・子育て担当部長は「道内では、ヒグマによる人身事故の発生や人里周辺での出没が相次いでいる状況。キノコ狩りや登山などで山に入る場合は、事前の出没情報の確認や複数での行動など、ルールを守り十分注意をしていただきたい」と話していた。

(ヒグマ対策で電気柵、予算959万円計上:北海道)
野生鳥獣による農林業被害の防止対策を議論する「紋別市鳥獣被害防止対策協議会」(会長・山崎彰則市長)の通常総会が、市役所で開かれた。

(学校周辺でクマ出没相次ぐ、子どもたちを守るには)
全国で出没が相次ぐクマ。今月、岩手県滝沢市の中学校にクマが侵入し、副校長と鉢合わせとなりました。夏休みが終わり新学期が始まる中、子どもをクマからどう守るかが課題となっています。今月18日午前8時ごろ、岩手県滝沢市の一本木中学校で「学校にクマがいる」という内容の連絡が生徒から職員室に寄せられました。すでに学校の敷地内にいたクマは、わずかな時間のうちに開けていた廊下のドアから侵入したとみられ、見回っていた副校長が体育館と校舎をつなぐ廊下で鉢合わせたということです。クマは副校長の姿を見ると驚いたような様子で、校舎の外に飛び出して、隣接する林の方向に向かい、姿が見えなくなったということです。当時、中学校は夏休み期間中で、駅伝部の生徒や教職員、あわせておよそ10人が学校にいましたが、けがはありませんでした。一本木中学校 伊藤伸副校長「これまで周辺での目撃情報はあったが、校内に侵入してきたことはなかったので、驚いた。もし生徒にけが人が出たら大変なことになっていたと思うので、危機感を感じている」。学校では1人で登下校する生徒には教職員が車で併走するほか、今後、クマ対策のスプレーや爆竹の購入を検討しているということです。またドアからクマが侵入するのを防ぐため、現在、廊下と体育館のすべてのドアを閉めきっているということです。ただし、体育館にはクーラーが設置されておらず、子どもたちが熱中症になるおそれもあるとして、体育の時間中は水分を補給するタイミングを増やすほか、送風機を設置したり、窓を5センチほど開けて風を通したりする対策を取っています。学校が設置した防犯カメラには1頭のクマが突然、昇降口の前に飛び出してうろつき、侵入口と見られる廊下のドアがある方向に向かっていく様子が確認できます。また、クマの姿を見た生徒が昇降口から顔を出して様子をうかがったり、外にいた生徒らが走って校舎内に駆け込んだりする様子が確認できます。その後、クマは廊下のドアがある方向から再び、昇降口前に姿を現し、林がある方向に向かって走って行きました。NHKが全国の各放送局の取材を通してまとめたところ、北海道や東北地方を中心にことし4月から25日までに学校やその周辺で目撃されるなどしたというケースが少なくとも39件あり、夏休みが終わり学校の子どもたちをクマからどう守るか課題となっています。NHKはクマの出没情報が相次ぐ北海道と東北地方を対象に、学校やその周辺での目撃情報について取材したところ、秋田県教育委員会が幼稚園や小中学校、高校とその周辺でのクマの目撃件数を把握していて、ことし4月から今月22日までに65件でした。NHKは秋田県以外の都道府県について、学校やその周辺でクマを目撃したり足跡を確認したりしたというケースを、各地の放送局の取材を通してまとめました。それによりますと小中学校、高校の校内やその周辺、おおむね1キロの圏内でことし4月から25日までに北海道や東北地方を中心に少なくとも39件ありました。このうち山形県では25日、部活動のため学校に向かっていた中学生が道路上でクマと鉢合わせし、走って逃げたということです。また校内で目撃や足跡が確認されたというケースは6件あり、北海道では同じ中学校の敷地内で今月20日と23日にクマが確認され、青森県の中学校では先月、校舎の裏にある階段にクマがいるのを生徒が目撃したということです。児童や生徒がけがをしたケースは確認されませんでした。各地の学校ではクマが出没したという情報があると集団下校や保護者に送迎を依頼するなど対応していて、夏休みが終わり学校で子どもたちをクマからどう守るか課題となっています。クマの被害や目撃が相次ぐ地域の学校では、2学期を迎えて子どもたちが学校に戻ってくる中、警戒を強めています。このうち秋田県北秋田市の鷹巣小学校では26日朝、およそ300人の子どもたちがクマに警戒をしながら集団で登校してきました。そして体育館で開かれた始業式で湊貞宗校長は「大切なのはクマに出会わないことです。絶対に1人で帰ったり、夜、出歩いたりしないようにしてください」と注意を呼びかけました。続いて子どもたちは教室に移動し担任の教員から一人一人にクマよけの鈴が配られ子どもたちは早速、ランドセルなどに取り付けていました。小学1年生の男子児童は「クマの被害は怖いですが、大きい音が鳴る鈴をもらえて安心しました」と話していました。北秋田市によりますと、ことしに入って25日までのクマの目撃情報は264件で、去年の同じ時期に比べおよそ2.5倍に増えるなどクマへの警戒が高まっていて、2学期を迎えおよそ1300人の児童にクマ鈴を配布したということです。また学校周辺での目撃情報も増えていて、秋田県教育委員会によりますと幼稚園や小中学校、高校のおよそ500メートル圏内での目撃情報は、ことし4月から今月22日までに65件と昨年度1年間の58件をすでに上回っているということです。県教育委員会は「これから秋を迎え、さらに被害や目撃が懸念され中、各学校には登下校時の安全確保を呼びかけている」としています。北海道初山別村では今月23日、地元の猟友会の男性が中学校の敷地内にいるヒグマを見つけて発砲しました。弾はでん部の付近に当たりましたが、ヒグマは山の方向に逃走し警察などがパトロールを強化しましたが今も見つかっていません。村と道、そして地元の猟友会は、撃たれたヒグマが再び中学校に近づくのを防ぐためきのう午後、学校の周囲におよそ250メートルにわたって電気柵を設置しました。この中学校と隣接する小学校では、すでに新学期が始まっていて、当面、保護者が車で子どもたちを送迎することにしています。初山別村農林畜産係の籾山幸久係長は「ヒグマが確実に人里に近づいていると感じる。学校が近いので、子どもや近隣の住民に人身被害が出ないようにできるかぎりの対策をしたい」と話していました。北海道中標津町では中学校のグラウンドにクマが現れたという想定で警察や猟友会などが対応の手順を確認する訓練が行われました。26日の訓練には警察や猟友会、中学校の生徒などおよそ380人が参加しました。訓練は中学校のグラウンドにクマが現れたという想定で行われ、教員が生徒たちにクマを刺激しないため静かに後ろに下がるよう呼びかけ、校舎内に避難させました。そして、通報を受けて駆けつけた警察官や猟友会のメンバーが居座ったクマを体育館の2階から猟銃で駆除するまでの手順を確認しました。このあと、警察官などが生徒たちに今月、知床半島にある斜里町の羅臼岳で男性がヒグマに襲われた事案の説明をしながら「今まで大丈夫だったというのは通用しなくなっている。知識を得て自分の身を守ってほしい」と呼びかけていました。中標津警察署の千葉篤地域課長は「クマの活動が活発になる季節を迎えるので、訓練を通して連携を深め住民の安心・安全を図りたい」と話していました。新学期にむけてクマへの安全対策を進めるため、北海道教育委員会は18日、各学校に対して異例ともいえる通知を出しました。学校にはこれまでも不審者などに対応するマニュアルはありますが、今回のようにクマに対するものは全国的に珍しいということです。具体的には登下校前にクマが出没する危険性がある時は保護者による車での送迎や自宅でのオンライン授業、さらに臨時の休校を検討するよう求めています。また屋外活動についても子どもたちの安全が確保できない場合は中止することなどを求めています。クマの生態に詳しい、酪農学園大学の佐藤喜和教授は、この時期、クマが学校があるような市街地に現れていることについて「8月の下旬というのは、もともとクマの主要な食べ物である秋の木の実が熟し始めるその前の時期で、森の中には他の食べ物が少ない時期だ。特にことしは暑さが厳しかったり、雨が少なかったりとか、そういったあたりが、クマの主な餌となる植物の成長に影響を及ぼしている可能性がある」と指摘しています。また「過疎化や高齢化によって、特にクマの生息地域に近いところの環境管理に対する労力を割けなくなったことで、ますますクマが人の近くで暮らせるような環境になっている。そうした中で、人が生活圏のすぐ裏の森にクマが定着するようになり、エサ不足をきっかけに、簡単に人里に出てきやすい状況になっている」としています。そして、対策として「クマが地域で出た場合は、情報を学校に早く周知することが大切だ。校庭で遊んでいる子どもを速やかに建物の中に入らせるとか、時間帯によって対策が異なると思うので、事前にどうするのかをそれぞれの学校や教育委員会などで考えるのが大事だ。また、クマが出没しにくいような環境作りも大事で、給食関係の生ゴミなどの匂いが届かないようにゴミの管理をしっかりして、学校周辺の草ややぶを刈り、クマが潜むような場所を作らないということも大事になってくる」と話していました。クマが学校に出没する事態となる中、子どもたちの安全をどう守るべきなのか。学校現場の安全管理に詳しい常葉大学教育学部の木宮敬信教授に聞きました。Q.学校内にクマが侵入する事案も起きていて、不安を感じる保護者も少なくない。クマに人が襲われるケースも起きる中、子どもに被害が及ばないとも限らない。クマの生息地という地域差はあるが、これまで熊が見られなかった地域でも目撃情報などが相次いでいる。以前とは段階が変わっていて警戒を高めなくてはいけない状況になっている。Q.どんな対策が求められますか。不審者対策と同じで大きくは2つ。1つ目は「学校の中に入れない」こと。フェンスや柵で学校を囲むなど侵入を防ぐようにすることがまずは大事だ。そしてもう1つは「侵入後のフローを決める」こと。万が一、クマが校内に入ったとき子どもたちを安全にどう避難させるか、事前に話し合って決めておくことが大切だ。不審者への対策はマニュアルを策定し、先生たちも研修や訓練を重ねている。こうした不審者対策を転用する形で、クマ対策を考えると良いのではないか。Q.今後、学校現場はどのように対策を進めていくべきですか。多くの学校現場はお金と人手が足りないという現状があり、フェンスや柵などハード面の整備に国や自治体の支援は不可欠だ。学校やその周辺でのクマの目撃情報などを国が主導的に集約し、対策に生かしていく必要がある。

(ヒグマ駆除は米軍の特殊部隊と戦うようなもの!:梶 光一( 東京農工大学 名誉教授))
北海道南部地域の福島町で2025年7月12日、新聞配達中の男性がヒグマに襲われて死亡した。その後に駆除されヒグマがDNA鑑定によって「加害個体」であることが特定され、4年前に町内で女性を死亡させた個体と同一だったことも判明した。現在(25年8月2日時点)、道庁による「北海道ヒグマ注意報」が福島町、上ノ国町、平取町の一部地域、砂川市に発出されている。ツキノワグマによる人身事故人数(25年7月末時点の環境省による速報値)は、岩手県12人(死者1人)、長野県13人(死者1人)をはじめ16県で53人におよぶ。8月に入っても連日のようにクマ出没の報道がなされ、人の生活圏への出没が異状現象ではなく、もはや日常となっている。この背景として、餌の凶作などが挙げられているが、注目すべきはそもそものクマ類の個体数が増え(、分布も拡大し)ていることだ。対策の基本的な考え方は人の生活圏とクマ類の生息域を区分(ゾーニング)し、すみ分けを図っていくこととされているのだが、維持すべき個体数水準を定めて、個体群管理を実施しているのは都道府県で兵庫県に限られている。国は対策として、24年4月にクマ類(四国のツキノワグマ個体群を除く)を「指定管理鳥獣」に指定し、都道府県による計画的な捕獲や生息状況の調査などを国の交付金の対象とした。また、25年4月には鳥獣保護管理法を改正して「緊急銃猟制度」を創設し(9月1日施行)、人の日常生活圏にクマやイノシシが出没した場合、一定の条件を満たした時に、市町村長の判断により銃器を使用した捕獲等ができるようにした。生活圏へのクマ出没が日常と化している今、私たちは何をすべきなのか。本論では、クマ類の被害を防ぐうえでの個体群管理の重要性とその課題について論考する。ツキノワグマの大量出没の要因として、生息地における堅果類(ドングリ)の凶作により餌の供給が足りていないこと、里山の高林齢化と里地の耕作放棄地によって人里に近いところに好適な生息地となりつつあることが挙げられている(米田政明 『ツキノワグマ保護管理の課題-教訓を活かす JBN緊急クマシンポジウム&ワークショップ報告書―2006年ツキノワグマ大量出没の総括とJBNからの提言』)。兵庫県では、ドングリの豊凶把握により出没程度を高い精度で予測しており、ドングリの豊凶が出没に影響していることについては数多く報告されている。また、近年では夏季の果実の不作が夏の出没を招いていることが明らかにされている。しかし、近年の出没頻度と規模の増加は、このドングリの豊凶に加えて、分布域と生息数の増加が影響していると考えられている。ツキノワグマの出没件数と許可捕獲数および人の死傷者数の関係(2009~23年)をみると出没件数が増加するにつれて、許可捕獲数および人の死傷者数は直線的に増加している。人との軋轢の指標である許可捕獲数(駆除数)は人の死傷者数と高い相関 (r = 0.8943, P < 0.001)がみられ、同様な関係は東北5県でも報告されている。すなわち、ツキノワグマの個体数増加が出没件数の増加を招き、それにともない許可捕獲数および人身被害の急増を招いたことが推測される。ヒグマについても許可捕獲数と死傷者数は、1966年に開始された春グマ駆除が進行すると減少し、個体群回復のため春グマ駆除が廃止された90年以降に増加した傾向が読み取れる。ツキノワグマでは2023年に許可捕獲数(7858頭)と死傷者数(210人)、ヒグマでは23年に許可捕獲数(1684頭)、21年に死傷者数(14人)が過去最高記録を更新した。クマの専門家からは、たびたびクマ類はシカやイノシシと違って繁殖力は弱いとの理由で、個体群管理には否定的な見解が唱えられることが多い。確かに環境省による「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)」(環境省 2022)には、「クマ類は一般的に自然増加率がイノシシ及びニホンジカと比較して低いと考えられること、推定個体数も少ないことから、捕獲を強化することで個体数を急激に減少させることは個体群の存続にとって負の影響を与える可能性がある」と記述されている。しかし、同ガイドラインで示すツキノワグマとヒグマの自然増加率は、スウェーデンで管理不能に陥るまで急増した増加率(年率16%)とほぼ同じである。兵庫県の2つのツキノワグマ個体群も同様の増加率(16%)を示し(兵庫県 2025)、クマ類は条件が整えば、5年程度で生息数が倍増する繁殖ポテンシャルを有していると言える。したがって、クマ類の増加率はシカに比べて低いという思い込みを払拭し、増加中の個体群に対しては、個体数を確実に低減するためにモニタリングを基に個体群管理を順応的に行う必要がある。環境省が7月、「緊急銃猟制度」を策定し、そのガイドラインを公表した(環境省 2025)。この制度によって、市町村長の判断で危険鳥獣の銃猟を捕獲者に委託し、安全確保が可能な場所(農地や河川敷等)での銃猟・クマが建物に侵入した場合の銃猟・夜間での銃猟などが可能となった。これまでも日常的にクマが生活圏に出没している地域で、出没対応の経験が豊富で体制も整備されている市町村にとっては、より対応が迅速になるので評価できるだろう。また、「捕獲者」という用語を用いて、いわゆる「趣味で狩猟を行う者(ハンター)」と区別していることも、本制度が高度な専門性を有していることを際立たせている点で評価できる。本ガイドラインには「事前に必要な役割分担を整理した上で、捕獲関係者も含め、役割に応じた人員をあらかじめ特定し、緊急時に実際に迅速かつ円滑に対応できる体制を整備することが重要である。その際、知識や技能を有する者が不在である場合には、訓練の実施等も体制の整備の一環として必要」と記述されている。また、これまでの狩猟や駆除とは異なるので、捕獲技術だけでなく、市町村職員と捕獲者をつなげるといった地域の鳥獣対策のリーダーでありコーディネーターを務められるような素養を育成していくことも必要と述べられている。しかし、通常の山野の鳥獣被害対策ですら四苦八苦している市町村に、このような高度の専門性をもつ指揮官、コーディネーター、捕獲の担い手の育成と配置を委ねることができるだろうか?北海道奈井江町の北海道猟友会砂川支部奈井江部会が24年に町のヒグマ駆除への協力要請を条件面で折り合わず辞退した際、山岸辰人部会長は「ヒグマ駆除は、米軍の特殊部隊と森の中で戦うようなものだ」と危険性が軽視されていることを指摘している。そもそも、ヒグマの駆除でも専門的捕獲者は限定されている。ましてや、居住地へ出没したクマ対応は至難の業である。米国でも市街地にクマが出没しているが、大学で野生動物管理学を学んだ専門家が州の正規職員として雇用されて対応している。米国にクマの取材にあたった朝日新聞の伊藤絵里奈記者は、米国の専門家に日本の状況を説明すると「民間のハンターが市街地に出たクマに対応するなんて、釣り人が人食いザメに立ち向かうようなものだ」とのコメントを紹介している。日本には、管理を担う自治体に野生動物管理の枠組みをプランニングし、運用する人材を配置するという考えが不足している。そのため、高齢化と減少が進む狩猟者、個体数管理に踏み切れない政策、都道府県に野生動物管理専門職が不在な状況で、クマ類は増え続け、現場は管理不能な状況に陥っている。人の生活圏へのクマ類による侵入は異常現象から日常になりつつある。まずは、あふれてくるクマの駆除はもとより、緩衝地帯でも個体数調整を進めて、クマを山に押し戻し、人への警戒心を高める必要がある。そのためには、クマの個体群管理にむけた体制整備と役割分担、その担い手育成と配置を進めるべきだろう。今日、クマ類のみならず、イノシシやシカなども分布の拡大と個体数の増加によって、さまざまな軋轢が生じている。クマを含めた野生動物管理の専門職ならびに専門的捕獲技術者の養成を国は大学と連携して実施すべきである。近年になって、環境省・農林水産省の支援を受けて、大学間連携による野生動物管理教育カリキュラムが試行されている。また、知床自然アカデミーによるリカレント教育などの取り組みが開始している。これらの制度を活用しながら、特定計画の実現に必要な、都道府県レベルに科学行政官、市町村レベルに現場指導を行う鳥獣対策員を配置し、専門的捕獲技術者の育成を進める必要がある。

(クマよけスプレー、市街地で持ち歩いたら「違法」になる?)
今年も、クマによる人身被害が各地で相次いでいます。北海道警は、ヒグマ被害が増えていることを踏まえ「鈴やラジオで、人の存在を知らせる」「万が一に備え、クマ撃退スプレーを携行する」などの対策を呼びかけています。市販されている「クマ撃退スプレー」や「クマよけスプレー」の主成分は、唐辛子由来のカプサイシンです。強力な刺激物であるため、人に使用すれば危険とされます。日本護身用品協会では、クマよけスプレーは一般的な対人用催涙スプレーよりも強力で、法規制がないことから「護身具」として販売されている事例があると指摘し、その危険性を訴えています。一方で、クマ対策としての携帯は有効とされていますが、どこまでが許されるのかと不安を抱く人も少なくありません。弁護士ドットコムにも相談が寄せられました。相談者は子どもとレジャースポットを訪れる予定ですが、その地域は行政が「クマ出没」を呼びかけている場所。専用ホルダーに入れ、腰に装着するつもりですが、上着に隠れることもあるといいます。普段は持ち歩かず、自宅で保管しているとのことですが、それでも職務質問を受けた場合に逮捕される可能性があるのか、不安を感じているそうです。では、クマよけスプレーの携帯はどこまで許されるのでしょうか。猟銃所持許可取り消し訴訟の原告代理人で、クマ問題にくわしい中村憲昭弁護士に聞きました。──クマよけスプレーは、法律上、武器や護身用具として規制されているのでしょうか。クマよけスプレーは現行法で規制されていません。人に傷害を負わせる危険のある銃砲や刀剣については、銃刀法で規制されています。一定の大きさ以上のナイフや猟銃は、所持や携帯、使用が制限されています。特に、拳銃や小銃、機関銃、猟銃、金属製弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲などは、原則として所持が禁止されています。空気銃も、弾丸の運動エネルギーが一定値以上のものは規制対象です。このように、人に危害が生じるおそれのある銃砲刀剣類は、所持や携行が厳しく規制されています。ただし、銃刀法は刑罰法規を含む法律ですから、所持が禁止される対象となる「銃砲」や「刀剣」は明確に定義されています。逆にいうと、規制対象として法律上定義されているものでなければ、所持することも、携行することも違法ではありません。クマよけスプレーも、少なくとも銃刀法の規定の中に所持や携行を禁じる規定はありません。──クマよけスプレーの所持はどのようなところでも許されるのでしょうか。ただし、常にクマよけスプレーを持ち歩いて良いというわけでもありません。軽犯罪法には「正当な理由がなくて・・・人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」について、拘留または科料を科すと規定しています(同法1条2号)。職務質問を受けた際、クマよけスプレーを所持していたとすれば、所持の目的や正当な理由について追及される可能性があります。──クマよけスプレーで誤解されないためには、どのような携帯方法や説明の準備をすべきでしょうか。クマが出没しないような都市部の繁華街において、クマよけスプレーを携行することは、そもそも必要性に乏しいばかりでなく、他の人に不安を与えます。クマよけスプレーは対クマ用に開発された商品で、人体に向けて発射することを予定していません。ですから、人に対しての護身用として携行することは、携行の正当な理由にはなりません。あくまでもクマから身を守るためであるということを、警察官にきちんと説明する必要があります。私の居住する町内会にはリアルにヒグマが出没しますが、クマよけスプレーを持ち歩いている人はいません。逮捕まではされないにしても、職質を受けること自体わずらわしいものです。その意味でも、街中でクマよけスプレーを持ち歩くのは避けたほうが良いでしょう。

(効果のない「クマよけスプレー」に専門家が警鐘:北海道)
北海道・知床でヒグマ対策業務などを担う「知床財団」は8月21日、羅臼岳から男性が友人と下山中に母子グマに襲われ死亡した事故の調査速報を公表した。なぜ、同行者が所持していた「クマよけスプレー」で命が助からなかったのか。「やはり人身事故が起こってしまった、というのが正直な感想です。というのも、一歩間違えれば事故になりかねない危険事例が数多く報告されていましたから」。そう語るのは2022年まで知床財団に15年間勤め、現在も道内でヒグマ対策の実務に従事する石名坂豪さんだ。「知床世界自然遺産地域のヒグマ管理に関する有識者会議」の資料によると、知床で発生した「興味本位でヒグマに近づく」などの人間側の問題行動に起因する危険事例は、17年度は4件だったが、24年度は70件と激増した。ヒグマの問題行動に起因する危険事例も17件報告された(24年度)。「『クマは人間を恐れる』と、いまだよくいわれますが、少なくとも知床のクマの一部は人間をまったく脅威と思っていない。『人間は安全な動物』だと、ずっと学習してきたのですから」(石名坂さん、以下同)。クマ対策の基本は、クマに自分の存在を知らせ、出合わないようにすることだ。最も一般的な手段は、チリンチリンと鳴る「クマよけ鈴」だろう。クマは鈴の音を聞いて、「ああ、人間が来たな」と心の準備ができるという。「昔から一番多いのは『ばったり遭遇型の事故』です。心の準備なしにクマが人間と出合い、びっくりして『やばい、ワンパンチしてから逃げよう』となる。鈴を鳴らしていれば、多くの事故を防げる」。鈴以外にも、ホイッスルを吹く、携帯ラジオをオンにして歩く、といった方法もある。石名坂さん自身は、見通しの悪い場所の手前では「ほーい! ほい、ほい!」と、大きな声を出している。最初の「ほーい」は周囲の人を驚かさないように少し小さな声で、次の「ほい」はクマに届くよう声を上げるのがコツだという。「風や沢の音がある場合は声量を上げる。鈴であれば、手に持って強く振れば、音量が上がります」。だが、近年の知床では、音や声を出してもクマと遭遇してしまうケースは「珍しくない」。「人間が来ても、逃げも隠れもせず、登山道の脇でハイマツの実を悠然と食べ、何時間も居座る。登山者にとっては迷惑な話ですが、そこに踏み込まなければ事故にはならない」。もうひとつ、クマに遭遇する恐れのある場所に必携の品が、「カプサイシン」など強い刺激物を噴射してクマを撃退する「クマスプレー」だ。羅臼岳のヒグマ事故を受け、8月21日に知床財団が出した調査速報によると、被害者は鈴を身に着けていた。しかし、クマスプレーの携行や使用に関する証拠は「確認されておらず、不明」だという。石名坂さんは、こう語る。「クマからの攻撃を受けた場合、クマスプレーは事実上、一般の人がクマを追い返すことのできるほぼ唯一の道具です。ただし、実績のある製品を正しい距離で噴射する必要があります」。応戦と救助を試みた友人は「クマスプレー」をうたった製品を所持していたが、ヒグマに対応した製品ではなかった。使用を試みたが、噴射できなかった。現在、国内では10種類以上のクマスプレーが販売されている。自治体や国立公園管理団体、警察、自衛隊などでも採用実績があるのが米国製の「カウンターアソールト」だ。価格は2万円前後(CA230)。カプサイシン1.73%。噴射距離は約9.6メートル。連続噴射時間は約7秒。クマスプレーの主成分は、唐辛子に含まれるカプサイシンで、人や動物の体内に入っても害はない。しかし、ガス状になったカプサイシンを浴びると、目や鼻、口、のどなどの粘膜に焼けるような痛みが出て、呼吸が困難になる。「私が知る限り、クマの研究者の多くが30年以上前から国内販売されてきたカウンターアソールトを使用しています。国内でクマの撃退に成功した事例の多くは、アソールトによるものでしょう。私自身、クマ撃退に成功したのは全てこの製品です」。石名坂さんがことさら商品名を強調するのには理由がある。近年、ネット販売を中心に1万円以下の安価で“クマスプレー”が売られるケースが目立ってきたからだ。そうした商品は、実際は護身用や防犯用の対人催涙スプレーである可能性が高く、被害者の友人が所持していた製品もそのひとつとみられる。クマを撃退するには、スプレーのカプサイシン濃度や噴射時間が重要だという。石名坂さんはこう話す。「カプサイシンの濃度が薄く、噴射時間が短ければ、いざ、噴射しても効果がないか、弱い。最悪、命を奪われてしまう。そうしたクマスプレーが幅を利かせることを非常に危惧しています」。実績のある製品でも、正しく使う必要がある。カウンターアソールトの場合、4~5メートルの距離から使い切るまで噴射する。これまで石名坂さんはヒグマの「ブラフ(脅し)チャージ」と呼ばれる威嚇突進を「覚え切れないほどの回数」受けてきた。「クマと出合ったらスプレーの安全クリップを抜き、クマが突進してきたら距離5メートルを切った段階でスプレーを噴射します。それより手前でクマが止まれば、まだ『威嚇』ですから、噴射せずに、にらみ合いを続けながら、横目で足元を見つつ後退します」。クマは下唇を小刻みに動かして、フーフー息をしながら石名坂さんをにらみ、「あっちに行け」とうながす。「後退する際に転ぶと、それをきっかけに攻撃される可能性があるので、慎重に。クマスプレーはいつでも噴射できるようにしておきます」。クマスプレーは使い方や使うタイミングが難しいため、石名坂さんは有料で使用法についての講習会(座学と練習用スプレーを用いた実習)も開いている。クマスプレーは飛行機に持ち込めないが、知床自然センター(斜里町)、木下小屋(同)、知床羅臼ビジターセンター(羅臼町)などで借りられる。料金は1100円/24時間(知床自然センター)。「レンタル用に在庫している本数は限られるので、出発前にクマスプレーを購入して、陸送品として宿や宅配便の営業所に送る方法もあります」。クマスプレーを使用する前に不意に攻撃を受けたり、噴射しても攻撃が止まらない場合は、腹ばいになって顔や首を手とザックで守る防御姿勢をとる。「ただし、防御姿勢はあくまでも、攻撃された際に致命傷を避ける手段であって、攻撃を受ける前から防御姿勢をとることはお勧めできません。身を小さくすることで『こいつは弱い』と思われ、かえって攻撃を招く危険性がある」。マが単なる攻撃から「捕食モード」に入ってしまい、防御姿勢をとっても攻撃がやまない場合は必死に反撃する以外に、「助かる可能性を高める方法はない」という。「私はまだクマ相手にナイフを使用したことはありませんが、狩猟の際は、クマと戦う最終手段としてのナイフもライフル銃やクマスプレーと一緒に携行しています」。知床財団の調査速報によると、今回の事故では、母グマは子グマを守るために男性を攻撃したようだ。被害者がヒグマと遭遇したと推定される地点は、オホーツク海が望める岩峰(通称、560メートル岩峰)の南側だ。日当たりのよい岩峰付近には、アリの巣がたくさんあるという。「夏になると、それまでエサにしてきた植物が硬くなるため、アリの巣を掘って、幼虫やさなぎを食べるクマがこの場所に集中する」。登山道はその脇にある。事故現場は岩峰の陰で木々が迫り見通しが悪い場所だった。「登山者が母子グマに気づかずに接近したら、母グマは威嚇します。不用意に子グマに近づいてしまったら、母グマは攻撃してくるかもしれない。そういう状況に非常になりやすい場所でした」死亡事故発生以来、羅臼岳にいたる登山口は閉鎖され、再開のめどは立っていない。クマと遭遇する可能性がある場所を通る際は、万が一クマと鉢合わせした場合の対策を知っておきたい。

(撃たれたヒグマ今も見つからず、村など電気柵を設置:北海道)
23日、道北の初山別村で、中学校の敷地内にいたヒグマに、猟友会の男性が発砲しましたが、そのままヒグマは逃げました。村などは25日、ヒグマが再び学校に近づくのを防ぐため、周囲に電気柵を設置しました。初山別村では23日、地元の猟友会の男性が中学校の敷地内にいるヒグマを見つけて発砲しました。弾はでん部の付近に当たりましたが、ヒグマは山の方向に逃走し、警察などがパトロールを強化しましたが、今も見つかっていません。村と道、そして地元の猟友会は、撃たれたヒグマが再び中学校に近づくのを防ぐため25日午後、学校の周囲、およそ250メートルにわたって電気柵を設置しました。この中学校と隣接する小学校では、すでに新学期が始まっていて、当面、保護者が車で子どもたちを送迎することにしています。初山別村農林畜産係の籾山幸久係長は、「ヒグマが確実に人里に近づいていると感じる。学校が近いので、子どもや近隣の住民に人身被害が出ないように、できるかぎりの対策をしたい」と話していました。

(イノシシ用の箱わなにクマかかる:宮城)
宮城県名取市で、農作物への被害防止を目的に旧名取スポーツパーク近く、名取市愛島塩手字滝沢の山林にイノシシを捕獲するための箱わなを設置していたところ、24日にクマ1頭がかかったことがわかりました。クマは体長1.1mのオスだということです。一方、名取市の住宅地周辺ではクマの目撃が多発していて、23日は、今回の捕獲場所とは数kmほど離れたゆりが丘、みどり台地区に箱わなを設置しています。捕獲されたクマが、頻繁に目撃されているクマと同個体かどうかは定かでないため、市では引き続き箱わなの設置を継続するとしています。名取市の山田司郎市長は、「住民の皆様が安心して過ごせるよう、関係機関と連携しながら、被害防止に向けた万全の策を講じてまいります」とコメントしています。

(クマのしわざか、木製のごみ集積箱壊される:秋田)
25日朝、秋田県鹿角市八幡平字赤平地区の木製のごみ集積箱が破壊され、付近にごみが散乱しているのを、ごみを出しに行った60代男性が見つけた。クマのしわざとみられる。鹿角署によると、24日午後5時ごろから25日午前6時ごろまでの間に被害に遭った。直近の民家まで約60メートル。

(東武日光線運転見合わせ、シカと衝突の影響:栃木)
東武鉄道によると、25日午後7時半現在、東武日光線は新鹿沼-下今市駅間の上下線で運転を見合わせている。午後7時5分ごろ、下小代-明神駅間で列車がシカと衝突した影響という。

(令和7年度「全国ジビエフェア」参加店舗募集)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、2025年11月1日(土)より開始する「全国ジビエフェア」の参加店の募集を、2025年8月25日(月)より開始します。本フェアは、ぐるなびが5年連続で事業実施主体となる、農林水産省「令和7年度ジビエフェア開催事業」の一環で、飲食店や小売店等での国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)の利用拡大を促進し、消費者にジビエの魅力を伝え、ジビエをもっと知って・食べてもらうことを目的とした取り組みです。野生鳥獣による令和5年度の農作物被害額は164億円となっており、背景として野生鳥獣の生息分布域の拡大や、農山漁村における過疎化、高齢化の進展による耕作放棄地の増加などの影響が挙げられます。こうした野生鳥獣による農作物被害は農林漁業者の経営意欲を低下させ、耕作放棄地の増加などの問題をもたらし、さらなる被害を招く悪循環を生じさせると考えられます。一方、令和5年度のジビエ利用量(自家消費を除く)は2,609tと前年度に比べ約30%増加しました。特に、食肉として販売された数量は1,731tに達し、大きく伸長しています。しかしながら、令和11年度におけるジビエ等の利用目標量である約4,000トンに到達するためには、さらなるジビエ利用拡大に向けた需要の開拓や創出が必要です。そこで、本年も「全国ジビエフェア」を通じて、継続的に外食・小売等によるジビエの提供を活性化させること、消費者におけるジビエの喫食・購入機会を創出してまいります。また、ジビエを取り扱う飲食店の増加を目的とした、サンプル提供や購入先となる処理施設の情報などを積極的に紹介して、ジビエ利用量拡大につなげてまいります。

(狩猟とジビエのほんとうの話:福岡)
「SDGsのキッカフェ」は、SDGsを身近なこととして考え、日々の暮らしにつながるアクションの種を見つける場です。今回のテーマは「狩猟とジビエ」。NPO法人赤とんぼ代表・北條大助さんを迎え、狩猟の体験や命を余さず活かすジビエの取り組みについてお話を伺います。自然とのつながりや、食・資源の活かし方について、一緒に考えてみませんか?

(帝国ホテル第3代総料理長が巡る、サステナブルな生産地レポート:京都)
2日目は「鹿肉のかきうち」を訪問。国産ジビエ認証第1号を取得したジビエ処理施設で、徹底した衛生管理のもと、捕獲から加工まで一貫して行い、安全で高品質な鹿肉を提供しています。京都府では農業被害の深刻さから、年間2万頭ものニホンジカを駆除せざるを得ない状況が続いています。繁殖力が高いニホンジカの命を貴重な資源として“ジビエ”という形で活かすことはできないか。そうした問いに対して、真摯に向き合う施設です。金属探知機やX線による最終検査、リキッドフリーザーによる急速冷凍といった最新設備も備えており、日本国内でもトップクラスの衛生基準で運営。ジビエの普及と地域資源の有効活用を目指し、持続可能な食文化の発展に貢献しています。施設内を見学した後は、しゃぶしゃぶやソテーに仕立てた鹿肉を試食。クセのない柔らかな鹿肉は、行き届いた品質管理の賜物です。杉本さんは、「代表の垣内さんはジビエの可能性を広げる存在として、今後ますます注目されていくのではないかと感じています。処理施設を見学させていただきましたが、料理人の目から見ても非常に高い衛生基準で運営されており、感銘を受けました。肉の品質も非常に素晴らしく、丁寧な処理が施されていることがよく分かりました。帝国ホテルで培ってきた熟成技術や調理技術と組み合わせることで、付加価値が高まり、より多くの方にその魅力を伝えられるのではないかと考えています」と話します。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、26日午後1時30分ごろ、松島町高城動伝一にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後10時ごろ、仙台市青葉区大手町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午後7時5分ごろ、富谷市明石下寺前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、25日午後2時ごろ、角田市毛萱西ノ腰にクマとみられる動物が出没しました。

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8/25
(クマにハンター発砲も『仕留めきれず』、発砲時に”警察の指示なし”:北海道)
クマの出没が相次いでいる北海道北部の初山別村の中学校近くで8月23日、またクマが目撃されました。中学校の敷地内にいたクマにハンターが発砲しましたが、クマはそのまま森に立ち去りました。警察が発砲が適正だったか調べています。8月23日午前10時30分ごろ、初山別村初山別の初山別中学校の南側の田んぼでクマが目撃されました。クマの体長は1.5メートルでした。警察官と初山別村役場職員とハンターが出動。クマは中学校の東側から北側に向かった後、中学校の敷地内に入りました。その後、中学校の敷地内を歩いていたクマにハンターが1回、発砲。弾はクマの左足から左でん部付近に当たりました。銃弾を受けたクマは、そのまま北の山に立ち去ったということです。ケガをした人はいません。警察によりますと、当時、猟銃を持ったハンターは2人現場にいて、別々の場所で対応していました。発砲したハンターは男性で、当時、警察官は隣にいませんでした。役場職員が近くにいたかは分かっていません。警察は「ハンターに発砲の指示はしていない」としています。警察はハンターの発砲が適正だったか調べています。初山別中学校周辺では、23日午前9時ごろにも中学校の北側にある神社の敷地でクマが目撃されました。2学期の始業式だった8月20日にも約1.5メートルのクマ、翌21日夕方にも学校のすぐそばに居座る約1.3メートルのクマが目撃されています。相次ぐ目撃を受け、中学校は保護者に車での送り迎えを要請し、週明けには電気柵を設置する予定でした。

(クマに襲われ釣り人けが:東京)
23日夕方、東京 奥多摩町の川で、渓流釣りをしていた50代の男性がクマに襲われ、けがをしました。クマは子グマとみられ、その場から逃げたということで、町が注意を呼びかけています。奥多摩町によりますと、23日午後4時半ごろ、町内にある「奥茶屋キャンプ場」から北西に200メートルほど離れた大丹波川で、渓流釣りをしていた50代の男性がクマに顔をひっかかれました。男性はけがをしましたが、意識はあるということです。男性を襲ったクマは子グマとみられ、その場から逃げました。町の要請を受けた地元の猟友会が、クマを追い払うために爆竹を鳴らしながら、周辺をパトロールしていて、24日朝7時からパトロールを行ったうえで、捕獲用のおりの設置を検討するということです。町によりますと、ことしは7月末までに町内でクマの目撃情報が68件寄せられていますが、クマによるけが人が出たのは、数年ぶりだということです。町は、▽住民に対し、不要不急の外出を控え、外出する際には音が出るものを身につけるよう呼びかけるとともに▽周辺にある4つのキャンプ場の利用客に対し、食料やごみの管理を徹底するとともに、複数で行動するよう呼びかけています。

(ランニング中の60代男性がクマに襲われ顔にけが:秋田)
24日午後4時20分ごろ、秋田県北秋田市坊沢の道路で、顔から血を流して倒れている男性を通行人が見つけ、消防に通報した。男性は市内に住む60代で、病院に搬送されましたが、意識はあり、会話はできるということです。男性は「ランニング中にクマに襲われた」と話しています。

(ネコにえさをやろうと住宅を出た男性がクマに襲われ負傷:青森)
24日朝、青森県弘前市の住宅近くの路上で70代の男性がクマに襲われ、左肩などにけがをして病院で手当てを受けています。男性はネコのえさやりに外に出た際に襲われたと見られています。24日午前4時ごろ、弘前市大和沢の住宅付近の路上で70代の男性がクマに襲われました。男性は、左肩と左手首をけがをして病院で手当てを受けています。自宅隣の小屋で飼っていた3匹のネコはいなくなっていました。現場はJAつがる弘前千年第一冷蔵庫から北西におよそ500メートルの地点で、この地区では先月も農作業中の女性がクマに襲われる被害がありました。青森県ではことし、クマの出没件数が1160件となっていて過去最多だった2023年をすでに上回っています。

(マダニ感染症過去最多に、致死率27%)
マダニを媒介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の今年の感染者数が10日時点で135人となり、過去最多だった2023年の134人を上回ったことが、国立健康危機管理研究機構の集計で分かった。感染者数はさらに増える見通しで、重症化すると死に至ることもあるとして、厚生労働省が注意を呼び掛けている。同省によると、SFTSは主にマダニを媒介して感染するが、感染したイヌやネコからうつることもある。昨年は国内で初めて人から人への感染が確認された。感染すると6~14日の潜伏期間を経て、発熱や腹痛などの症状がみられる。重症化すると意識障害などを引き起こすことがあり、国内での致死率は27%という。これまで西日本を中心に感染が確認されていたが、今年、北海道で初めて感染が確認されるなど、東日本にも広がり始めている。感染を防ぐにはマダニにかまれないようにすることが重要だといい、同省はマダニが多い草むらややぶに入る際には長袖、長ズボンを着用し、足全体が隠れる靴を履くよう呼び掛けている。

(クマ対応の人材確保・育成強化、市街地出没備え自治体支援)
環境省は、全国でクマの出没や人身被害が相次いでいることを踏まえ、対応する自治体職員の確保や育成の支援を強化する方針を固めた。クマを含む「指定管理鳥獣」の対策費用として、2026年度予算概算要求に約37億円を計上する。市街地に出没したクマの対応を巡っては、9月1日に施行される改正鳥獣保護管理法により、市町村の判断で発砲が可能になる。住宅地などの生活圏に侵入したクマからの危害を防ぐため、迅速な対応を目指す。実際に発砲する際、現場で交通規制や周辺住民の避難誘導といった対応に当たる職員の不足も見込まれる。このため、自治体向け交付金の用途を拡大し、非正規の「会計年度任用職員」などを新規採用する場合の人件費に充てられるようにする。また、市街地での出没に備え、訓練や研修を実施する自治体の支援を強化する。改正法では、イノシシも新たに発砲の対象となることから、駆除に当たるハンターへの日当や捕獲にかかる費用も補助する方向だ。同法は、23年度にクマの被害を受けた人が219人と過去最多を更新したことを受けて改正された。25年4月から7月末までに被害を受けた人は55人。

(クマ「市街地出没」想定、法改正にあわせ体制整備へ:岩手)
クマなどが出没した際に市町村の判断で特例的に市街地での猟銃の使用を可能とする改正法が来月施行されるのに合わせ、盛岡市は、市街地での猟銃の使用も想定した新たな体制を整備する方針を固めました。クマによる被害や市街地への出没が相次ぐ中、来月1日、市街地などでクマなどが出没した際に市町村の判断で特例的に猟銃の使用を可能とする改正法が施行されます。これに合わせて盛岡市が、市街地での猟銃の使用も想定した新たな体制を整備する方針を固めたことが、市の関係者への取材で分かりました。具体的には、クマが市街地に出没した場合の対応を定めたマニュアルを改訂し、猟銃を使用する際の安全確保に向けた措置として周辺の住民の避難方法や通行の規制の方針などを新たに定めることにしています。実施については猟友会から推薦を受けたハンターに委託する一方、市街地での発砲については建物に弾丸が当たって被害などが生じるおそれがあるため、慎重な判断が必要だと指摘しています。その上で、ハンターがけがをした場合や建物が損傷した場合などに備えて、市が損害保険に加入するということです。盛岡市は新たな体制の整備に必要な費用54万円あまりを盛り込んだ補正予算案を、来月開かれる市議会に提出する方針です。

(県内でクマ食害続発:岩手)
岩手県内でクマによる農作物被害が増加している。保管中のコメや収穫期を迎えた果樹が食い荒らされ、県警が今年認知した食害を含む物的被害は33件(前年同期比14件増)。専門家は猛暑や少雨で餌となる山の実りが例年より悪く、里への出没が増えていると指摘し、住家や学校への侵入など人慣れした個体もいる。今秋はブナの実が大凶作の見込みで、関係者は警戒と対策を呼びかける。

(「駆除は生活守るため必要」羅臼岳死亡事故で苦情相次ぐなか鈴木知事が訴え:北海道)
鈴木直道知事は8月22日の定例会見で、羅臼岳で起きたクマによる死亡事故など、北海道内で相次ぐクマの出没への対応について、今後の取り組みや方針などを説明しました。今回の人身事故を踏まえ道は、有識者と協議し再発防止策を検討します。登山者の行動(単独行動・走って下山)などがリスクを高めたのではとの指摘については、一律の規制は困難としながらも注意喚起を徹底していくとしました。また登山道周辺でクマの目撃などが相次いだ場合の注意報・警報の出し方や入山規制については、自治体と協議しながら、見直すべきものがあれば対応していきたいとしました。一方、羅臼岳での駆除をめぐって電話メールなど合わせて、道の対策室に160件以上、斜里町には100件以上の苦情や意見が寄せられていることを明かし、役所が対応に時間が割かれ、業務に支障をきたしているとしました。駆除したことについては、人々の生活を守るために必要な行為であり、ハンターの方々は自らの危険を顧みず捕獲に従事しているとしたうえで、電話をする前に、まずは状況を冷静に理解するよう呼び掛けました。一部の観光客による餌やりや、写真撮影など過度な接近が問題視されていることについては、自然公園法でこうした行為は禁止されているとしたうえで、鈴・スプレーの携帯や、集団行動、ゆっくりとした下山など、基本的な行動を心掛けるよう呼び掛けました。羅臼岳でなく、道内ではクマの出没が相次いでいます。7月のクマの目撃件数は、過去5年で最多となった2023年の534件を上回り、700件ほどまで増えています。こうした状況に知事は「クマの出没傾向が例年とは異なっている」との見解を示しました。道は現在5か所に出している「ヒグマ注意報」のうち、上ノ国町の期限(22日まで)を1カ月延長することを決めました。また例年9月1日からスタートしている「秋のヒグマ注意特別期間」を初めて前倒し、8月22日から10月31日までとすることを決めました。9月1日から、自治体の判断で発砲が可能となる「緊急銃猟」については、訓練を行うなどして市町村、警察との連携を強化するとしたうえで、猟友会から上がっている『ボランティア活動におけるハンターの身分保障(事故などで猟銃許可が取り消されるなどの恐れ)』については、知事としても必要性を認識しており、猟友会と共に国に対応を要望していくなかで速やかな回答を得ていきたいとしました。今後はヒグマ出没への対応に苦慮している市町村には、道の方から「ヒグマ専門人材バンク」に登録押している専門人材を派遣をし、電気柵、自動撮影カメラの貸し出しなどの支援も行うことも表明しました。

(紀伊半島のツキノワグマ増加、保護から管理へ政策転換:和歌山)
全国各地でクマによる被害が相次ぐ中、和歌山県は紀伊半島に生息するツキノワグマの管理計画の策定を進めている。県内でもツキノワグマが増加し、人への被害の危険性が高まっており、保護から管理へと政策を転換する。県自然環境課は「適正な管理ができる計画を策定したい」としている。県によると、和歌山と奈良、三重の3県にわたる紀伊半島でのツキノワグマの生息数は平成10年度の調査で約180頭と推定。環境省のガイドラインで保護すべき個体群(400頭以下)とされ、保護政策がとられてきた。しかし、令和6年度に環境省と3県が行った生息数調査では467頭が確認され、管理政策が可能となる400頭を超えた。また、県内でのツキノワグマの目撃情報は5年度の48件から6年度には180件に増加し、人里への接近が顕著になっている。農作物や人への被害を防ぐため県は現在、管理計画の策定を進めている。計画案では、捕獲数は生息数の8%を上限とする▽人的被害などを出した個体を捕獲する▽人とクマの棲(す)み分けを図るゾーンを設定して捕獲する▽人の生活圏への出没防止を目的とした捕獲の実施-などを掲げている。県は計画案は県のホームページで公開し、パブリックコメントを受け付けている。学識経験者でつくる環境審議会に答申を求め、10月ごろの策定を目指す。

(男性を襲ったクマは4日前に登山道で目撃された「人を避けない」クマと同じ可能性高い:北海道)
知床半島の羅臼岳で男性がクマに襲われ死亡した事故で、事故の4日前に登山道で目撃されたクマが、男性を襲ったクマと同じ可能性が高いことが分かりました。羅臼岳の登山道で10日、親子グマ3頭が登山客のすぐ近くまで来るなど、周辺ではクマの目撃が相次いでいました。ヒグマの調査などを行う「知床財団」によりますと、10日に目撃された母グマは、外見上の特徴から14日に26歳の男性を襲い翌日駆除されたクマと同じ可能性が高いということです。駆除された母グマは2014年生まれの11歳で、この親子とみられるクマの目撃情報が今年に入り30件以上寄せられていて、人を避けず、人に出会ってもすぐに逃げない傾向があったということです。事故を受けて閉鎖されている登山道の閉鎖解除の見通しは立っていません。

(市町職員対象にクマ出没時対応研修会:静岡)
全国でクマの市街地出没が問題となる中、静岡県は6日、市町職員らを対象にした研修会を県庁で開き、県内のツキノワグマの目撃情報が2024年度に過去最多の156件だったと報告した。参加者はクマの生態や出没時の対応について共有した。県内のクマの目撃情報は23年度、統計を始めた13年度以降最多となる121件を記録し、24年度に更新した。25年度は7月末時点で34件の情報が寄せられ、4月には静岡市清水区山原でも発見された。北海道や東北地方を中心にクマなどの市街地出没が頻発する中、9月には改正鳥獣保護管理法が施行され、自治体判断で市街地での「緊急銃猟」が可能になる。市町職員には住民の安全確保などへの適切な対応が求められる。研修会には27市町の職員ら約70人が参加。緊急銃猟について、建物の中に閉じこもるなど膠着(こうちゃく)状態での運用を想定している点や、事前にウェブ上で周知する必要がある点など制度の概要を学んだ。県自然保護課の寺沢暢課長は「市町での判断は難しい。制度を理解し、対応に当たってほしい」と話した。同課によると、県内には富士地域と南アルプス地域の山間部に個体群が存在。昨年実施した調査では、500頭が生息すると推計された。県は現在、適切な個体群管理や生息地整備に向けた特定鳥獣管理計画の策定準備を進めている。

(クマを捜索した専門職員が話す”今後のクマ”:山形)
19日から鶴岡市の中心部にクマが出没したことについて、最前線でクマの捜索などにあたった担当者に話を聞きました。そこで担当者が感じていたのは徐々に変化してきたクマの生態でした。鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナさん「人に対する警戒心が薄れている個体とか本来いてはいけない場所にまで入り込んでいるというのは非常にまずい状態ではある」。鶴岡市役所で鳥獣対策を担当する小野寺レイナさんです。今回のクマの出没では現場にも出て、クマの捜索などを行いました。今の時期はクマの活動が活発な時期だといいます。鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナさん「一般的にクマの生態でいうと、今は山にエサがない時期なので、ちょうど春先の新芽もなくなり食べるものも無くなっている時期。一方で、農作物などがちょうど実っているというか農作物が実がなっている時期なので農作物を狙いやすい時期ではある」。これまでもクマが人里に出てくることはありましたが、今回、これまでにないほど街中にクマが出没しました。感じていたのはクマの生態の変化です。鶴岡市 小野寺レイナさん「人に対する警戒心は確実に薄れている。クマ自体の個体数も以前よりは徐々に徐々に少しずつは増えていると思うので、他のクマにやられたくない若いクマとかがクマのいない市街地にシフトしてきて、そういうところを生活圏にしつつある状態」。こうして街に出てきたクマ。今回、多数の目撃情報がありながら詳細な場所の特定に至らなかったことについては、今の街の姿にひとつの理由がありました。鶴岡市 小野寺レイナさん「意外と隠れ場所が多い。私たちも一生懸命クマを探そうとして探索しているが、例えば空き家とかちょとしたやぶみたいなところ市街地でも意外と隠れられる場所があるので、そういったところで隠れながらひっそりと身を潜めている状態」。今年はクマのエサとなるブナが大凶作になる見込みです。小野寺さんは今後も街への出没は考えられるとした上で、身の回りの環境整備の重要性を訴えます。鶴岡市 小野寺レイナさん「不要果樹とかを伐採していただいたりとか、そういったことでクマを寄せつけない環境をつくるような補助金をぜひ活用いただいて、クマを自分の家の庭に滞在させない環境を整備していただくということをお願いしています」。エサとなる樹木で不要なものを伐採するなどの補助金は、自治体のホームページなどで確認できるということです。クマと人との距離が近くなる中、暮らしの中での対策が求められる状況になっています。

(目撃1.5倍に、この秋クマ大量出没の可能性:富山)
富山県内ではこの夏、山間部を中心にクマの出没が相次いでおり、目撃情報は例年の1.5倍に増加している。そして、これからはクマが冬眠に備えてエサを探して活発に動き回る時期となる。クマの出没に大きく影響するエサとなる木の実の調査結果から、この秋はクマが大量出没する可能性が高まっていることがわかった。今月4日、標高約1600メートルの登山道でBBTが撮影した映像には、体長1メートルほどの成獣とみられるクマが映っていた。行きかう登山客を気にする様子もなく、エサを食べながら茂みへの出入りを繰り返していた。北アルプスではこのほかにも、14日に立山・室堂のみくりが池(標高約2400メートル)でクマが泳いでいるのを施設従業員が目撃。さらに今週には、薬師岳登山道沿いの薬師峠キャンプ場(標高2294メートル、通称・太郎平キャンプ場)に体長約1メートルのツキノワグマが出没し、登山客のテントと食料を持ち去る被害も発生。キャンプ場は現在閉鎖されている。県によると今夏のクマの目撃・痕跡情報は95件で、例年の約1.5倍に上るという。クマの活動が活発化するこれからの時期、特に心配されるのが平野部への出没だ。その予測に重要となるのがエサとなる木の実のなり具合である。県森林研究所の中島春樹課長による調査に同行したところ、「ブナを見ているが全く(実が)なっていない。いわば『凶作』、『無作』というか。ゼロです」と語った。黒部市の調査地点では20本のブナの標本木を確認したが、ほとんど実がなっていなかった。ミズナラについても「昨年は『並作』で結構よかったが、それに比べると多少悪くなる可能性が高い」という。20年間調査を続けてきた中島課長は、今年のドングリ類の状況は2年前と似ていると指摘。2年前の2023年、県内ではクマが平野部に大量出没し、目撃・痕跡情報は636件と過去10年で2番目に多く、9人がクマに襲われてケガを負い、うち1人が亡くなっている。その年はブナ・ミズナラともに「不作」だったが、中島課長は現時点で今年のブナをより作柄が悪い「凶作」、ミズナラを「不作」と推測している。クマに遭遇した場合、被害を最小限にするためにはどうすればよいのか。立山カルデラ砂防博物館の白石俊明学芸員は次のように助言する。「まずその場からできるだけ早く立ち去ることが大事。クマの姿をしっかり見ながら後ずさりして、できるだけ早く物陰に隠れる。木や電柱、道路標識の細い棒でもいい。隠れてじっとすることでクマは人を見失ったり、突進を受けたときもそれらが盾の役割をしてくれる効果が期待できる」。装備としてはヘルメットやクマ撃退スプレー、鈴の準備はもちろん、荷物がなくてもリュックを担ぐことで、クマの攻撃から背中を守ることができるという。さらに大けがをしないために効果的なのが「首ガード・うつ伏せ法」と呼ばれる防御姿勢だ。白石学芸員は「地面にペタッと伏して首の後ろで手を組む。クマに襲われて重傷化する場所は大部分隠すことができる」と説明する。白石学芸員は「クマとの遭遇は当たり前という時代に突入している」と指摘し、「コロナ禍で常識を変えることができた。マスクをつけた生活とか人としゃべらないとか。これからクマが生息し続ける場所で暮らしていくにはそういう常識改革が必要」と訴える。柿の木の除去や、生ごみを屋外に放置しないなどの対策も、各家庭で取り組めるクマを引き寄せない効果的な方法だ。瞬時に取るべき行動を覚えておくことは、自分の命を守るために有効である。

(止まらぬクマ食害:北海道)
センサーカメラに映る1頭のクマ。22日午前2時ごろ、道南の江差町椴川町の住宅の畑で撮影された映像です。草をかきわけて進み周りを見渡す姿は食べ物を探しているようにも見えます。住人によりますと、午前4時ごろに畑を確認したところスイカ2個とトウモロコシ3本が食い荒らされていたということです。この畑では20日にもトウモロコシ20本以上が食い荒らされる被害があり、相次ぐ食害に江差町は箱わなや電気柵の設置を進めています。一方、こちらはきのう午後9時半ごろ上ノ国町で撮影された映像。住宅の前に1頭のクマがたたずんでいます。クマはその後住宅の前に止められた車の後ろに姿を消しました。上ノ国町でも22日にスイカ7個ほどが食い荒らされているのが見つかりました。近くには足跡のようなものがあり、クマによる食害とみられています。連日の食害や目撃情報。道は上ノ国町に出していたヒグマ注意報を来月22日まで延長すると発表しました。

(クマ撃退スプレー、貸し出し人気:北海道)
北海道でヒグマの出没や被害が相次ぐ中、クマ撃退スプレーの貸し出しが道外から訪れる登山客を中心に人気だ。1本1万~2万円と高価な上、危険物のため飛行機内に持ち込んだり預けたりできず、旅先で調達しなければならない不便さを経験した東京都内の男性が起業につなげた。男性は「スプレーがあれば山に行きやすくなり、自分もクマも守ることができる」と話す。東京都内の建設コンサルタント会社に勤める白岩慎隆さん(52)が、副業として事業を思いついたのは2023年。クマスプレーは全てのアウトドア用品店で手に入るわけではなく、使用期限もある。当初はコンビニと連携し、スプレーの受け渡しをする構想を練ったが頓挫した。途方に暮れる中、北海道幕別町で農産物の直売所「ほなみマルシェ」を運営する藤原昇さん(39)と出会った。藤原さんは委託の申し出を快諾。現在はインターネットで受け付け、ほなみマルシェで貸し出すほか、道内のホテルなどに配送も行う。利用者のほとんどが神奈川や大阪など道外居住者。釣りやサイクリングで使う人もいるという。

(ヒグマ出没を想定して訓練:北海道)
環境省が主催する「緊急銃猟に係る現地研修会(北海道会場)」が21日、下川町バスターミナル合同センター及び名寄川河川敷を会場に開かれた。環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室、北海道及び上川総合振興局、北海道警察旭川方面本部及び名寄警察署、下川町、北海道猟友会名寄支部下川部会、道内各市町村担当者など、66人が出席した。冒頭、佐々木真二郎同省鳥獣保護管理室長が「今日は長丁場になりますが、訓練を通して日頃の鳥獣保護活動に生かしてほしい」などと挨拶した研修会は、座学、机上訓練、実地訓練の順で行われた。座学では、同省鳥獣保護管理室の高瀬裕貴室長補佐が「緊急銃猟制度と運用について」と題して講話した。その後、名寄川の河川敷でヒグマが目撃された―との前提で、緊急銃猟訓練を机上で実施し、昼食を挟んで現地で訓練した。実地訓練では、ヒグマの確認、警察署への通報、通行禁止区域の設置と交通規制、緊急銃猟の条件確認、銃猟職員への指示(外部委託)、緊急銃猟(発砲)などを順に実施。河川敷に姿を現したヒグマは、委託された猟友会下川部会の会員2人によって駆除。止め刺しの発砲も実施した。

(“いつ人間を襲ってもおかしくない”人慣れグマが激増中のワケ:北海道)
世間がお盆休みでにぎわう8月14日午前。北海道知床半島にある羅臼岳(1661m)には大勢の登山客が詰めかけ、世界自然遺産の雄大な景色を堪能していた。その最中である。「助けて!」。突如、登山道に悲鳴が響き渡った。声の主は、友人と2人で登山に来ていた東京都在住の会社員、曽田圭亮さん(26)。200mほど後ろを歩いていた友人が駆け付けると、1頭のヒグマが曽田さんを襲っていた。曽田さんは下半身から大量に出血しており、友人は素手でクマを叩いて助けようとしたが、クマは動じず、そのまま登山道脇の茂みの中へと曽田さんを引きずっていってしまった。通報を受けた北海道警察はハンターらと捜索を開始したが、変わり果てた曽田さんの遺体を発見したのは翌日昼すぎのこと。その直前に、現場付近で親子と見られる3頭のクマを駆除した(曽田さんを襲ったクマと同一個体かは調査中)。「恐れていたことがついに起きたという印象です」。そう語るのはNPO法人「南知床・ヒグマ情報センター」の藤本靖氏である。知床は世界有数のヒグマ密集地帯だが、2005年に世界自然遺産に登録されて以降、徹底した安全管理によりクマによる人身事故は起きたことがなかった。「ただ近年、一部の観光客や撮影者によるヒグマへの餌付けが原因で、人間とクマの距離がかなり近くなっており『危ないな』と感じていました」(同前)。ヒグマは通常、人間を避けて行動するが、一方で学習能力が非常に高い動物でもある。人間の食料の味を覚えたクマは「人間→おいしいエサにありつける」と認識し、むしろ積極的に人間に近づくようになる。「今回の事件を起こしたクマも、どこかで人間の食料を口にしたことで、人間に執着するようになった可能性が高い。人を恐れなくなった“人慣れグマ”は、いつ人間を襲ってもおかしくないんです」(同前)。実は“予兆”もあった。事件4日前の10日、同じ登山道でヒグマが登山者に3~4mまで接近する事例が発生。12日にも同様に、接近したヒグマに登山者がクマ撃退スプレーを噴射したにもかかわらず、その後、数分にわたってつきまとわれる事例が報告されていた。「本来ならこの時点で、登山道を閉鎖するなどの措置をとるべきでした」(同前)。恐ろしいのは、知床で起きたことは今や全道のどこでも起こり得るという点だ。「最近では我々が駆除に行っても、まったく逃げないクマもいます。山に入るのであれば、自分の身は自分で守る意識が必要です。万が一の場合、登山用ナイフがあるかないかで生存の確率が変わります」(同前)。それが「クマとの共生」の偽らざる現実である。

(ドローン活用、シカ駆除:北海道)
ドローンを活用したシカの一斉駆除が22日、幕別町内で行われた。幕別、大樹、広尾の3町は3月、ドローンによるシカ駆除システムの実証試験に取り組むキャリオ技研(本社名古屋市、富田茂社長)と連携。

(風力発電施設でバードストライク多発、日中稼働3か月半停止:北海道)
北海道幌延町の風力発電施設で国の天然記念物オジロワシとオオワシが風車に衝突する「バードストライク」が、運転開始から2年弱の間に計11件発生し、3か月半にわたって日中の運転停止を余儀なくされた。運営会社は再発防止策を講じたが、最多3件の衝突があった1基は、今も再開の見通しが立たずにいる。施設は風力発電大手「ユーラスエナジーホールディングス」のグループ会社が、2023年5月26日に営業運転を始めた「浜里ウインドファーム」。海沿いに高さ約150メートルの風車計14基が2列に並ぶ。ユーラス社は14~15年、建設予定地近くに2か所のオジロワシの営巣地を見つけ、つがいの生息も確認。このため巣から2キロ以上離れた場所に風車を設置した。国に提出した環境影響評価の報告書ではバードストライクの発生は年間1件にも満たないとの予測を立てた。ところが、試運転中の23年5月9日に初めて衝突事故が確認されると、今年3月までに14基中8基で計11件発生。オジロワシとオオワシ計10羽が死に、オジロワシ1羽が負傷した。道内の風力発電施設で23~24年度に発生した25件の衝突事故の半数近くを占め、同社は日の出1時間前から日没まで、全基の運転停止に踏み切った。オジロワシなどの海ワシ類は、移動経路や餌を探す場所として海岸沿いを飛ぶことが多い。営巣地のオジロワシは被害に遭っていないとみられるが、道北で冬を越したワシが北に回帰する時期にあたる今年3月には衝突事故が5件相次いだ。施設側は再発防止のためワシなどの接近をカメラで検知した際に鳴らす「忌避音」の音量を上げるなどシステムを改善し、先月から3か月半ぶりに13基で運転を再開。残る1基は専門家の意見も踏まえて日中の運転停止を続けることにした。環境省北海道地方環境事務所は「これほど立て続けに風車への衝突が起きた例は全国的にもない」とし、「事前の調査が適切であれば、バードストライクが起きる確率は低いはずだ」と指摘。同施設では今月4日にも新たな衝突事故が確認されており、ユーラス社は「重く受け止め、自然と風力発電が共生できるようしっかり対応したい」としている。

(クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”:北海道)
「クマに銃を向けた時、『これは手を出してはいけないモノに手を出したかも』と強烈な死の恐怖がよぎりました」──自身の体験についてこう語るのは、都内で飲食店を経営する40代の男性だ。この男性は昨年10月、北海道・平取(びらとり)町へ狩猟に出向き、およそ170センチのヒグマを狩った。彼が眼前にした、野生のヒグマの恐怖とは──。北海道や東方地方を中心に相次ぐクマによる人的被害。ことし4月から7月末までで、クマが絡むけが人や死亡者は55人にのぼり、年間の被害者数が過去最多の56人となった2023年度を超える勢いだ。クマ被害の増加にともなって目立つのが、問題行動が見られた個体を駆除した際に行政に殺到する“クレーム”だ。地元住民はクマによる危険が排除されることを是とする一方で、「クマを殺すべきではない」と考える人も一定数いる。「7月12日に北海道福島町の男性を死なせたヒグマの駆除に対して、道外を中心に役所へ200件以上のクレームが寄せられた。『クマ殺し』『無能』など心無い言葉を投げかける人や、『かわいそう』などとクマに同情を寄せる人、2時間以上、電話口で苦情を言い続けたケースもあったといいます」(全国紙記者)。羅臼岳で登山中の男性(26)がヒグマに襲われて亡くなり、親子グマ3頭が駆除されたが、管轄の斜里町役場に100件以上の苦情(18日時点)が寄せられているという。都市部で生活する人にとっては、クマの危険性がなかなか想像できないこともあるだろう。しかし冒頭の男性ハンターは「やつらは想像以上に恐ろしいし、頭もいい」と訴える。「昨年10月、現地ガイドに案内をお願いし、猟犬を引き連れて狩りへ向かいました。猟犬がいないと害獣を見つけるのが困難なので、狩りの際は必ず同行させます。普段はシカなどを狩っていますが、このときはたまたまクマを見つけられたんです。最初に目視したときは、だいたい40~50メートルくらい距離がありました。実物を見ると、距離はあってもやはり怖かった。でも何より、猟犬がビクビクと震え上がっていた。普段はそんなことないんですよ。クマは独特のケモノ臭がするので、犬はそれを敏感に感じ取っているようでした」。男性は一定の距離を保ちつつ、クマを追跡。担いでいた銃を手に取り、引き金を引いた。「散弾銃に一発弾(スラッグ弾)を込めて、まずは1発。これは腰のあたりに当たった。急所を外して『まずい』と思った瞬間、ガッとこっちへ向かってくるような様子を見せた。私は『これは手を出してはいけないモノに手を出したかも』と死の恐怖を感じました。しかし、当たりどころがよかったのか、足をやられたようで襲ってこなかったんです」。北海道に生息するヒグマは本州のツキノワグマに比べ、どう猛といわれる。体重300キロを超える個体もおり、そのぶん筋力や生命力も強い。男性がさらに続ける。「もちろん1発では死にません。40~50メートルを保って、2発、3発と続けて打ちましたが、なかなか仕留められない。足をやられたクマがどう動くか注視していると、なんと前足だけで木の上に登ったんですよ。とにかくものすごいんです、筋肉が。しかしダメージもあり、そのあと地面に落ちてきた。それまで頭や腰に6発ほど撃ち込んでいるんですが、なかなか死なない。最終的には頭になんとか弾を入れられて、動かなくなりました。日が沈みははじめていたので、ガイドと相談して翌日に死亡を確認することにした。夜に『まだ生きていたらどうしよう……』という考えが頭をよぎりましたが、翌朝、あらためて山に行くと死んでいてホッとしました」。男性は昨今のクマ被害についてもこう私見を述べた。「平取町も羅臼も、どこにいるクマだって危険です。北海道に行ったら、林や山があるところにはどこでもクマが出ると思ったほうがいい。エサやりをしたとかいう報道もみましたが、本当に愚かだと思う。クマはハンターでもむやみに近づかない生き物です。銃があったってヤバいと思ったくらい。クマよけスプレーやクマ鈴だとか言わず、気配を感じたら迷わずに逃げるべきでしょうね。野生をなめない。これに尽きると思います」。

(クマが人を襲う時の「意外な初動」、遭遇したら「絶対にしてはいけないこと」:伊藤博之)
列島各地でクマによる被害が相次いでいる。8月には北海道・知床半島の羅臼岳登山道で、20代の男性がクマに襲われ死亡する痛ましい事件も発生した。クマに突然遭遇した時、どうすればいいのか。猟師歴50年のベテランに、クマが人を襲う時の「意外な初動」と「生死を分ける行動」について教えてもらった。北海道紋別郡西興部村の山中の沢沿いで、エゾシカ猟のガイドをしていた中原慎一さんは、ハンターが急所を外して逃げた手負いのエゾシカを捜していた。初冬に入り、吐いた息が白くなる。うっすら積もった雪を踏みしめながら300メートルほど沢沿いを上ると、近くの上側の斜面を捜していたエゾシカが血を流しながら駆け抜けていった。そして、なんとその後を冬眠前のヒグマが追っていたのである。すると、中原さんの姿に気づいたヒグマはエゾシカを追うのをやめ、中原さんのほうへ歩みを転じた。逃げたら、獲物の後を追うヒグマの習性を刺激するだけ。たとえ逃げても、100メートルを6秒台の猛スピードで走るヒグマにすぐ追い付かれる。中原さんは、その場に立ち続けた。ベテランの猟師でもある中原さんだったが、その時は愛用のライフル銃を持ち合わせていない。とうとうヒグマの鼻息を聞き取れる距離になってしまった。「3メートルほどまで近づいてきて、『ああ、やられるな』と思いました。でも、手に獲物のエゾシカを運ぶためのロープを握っていたんですね。そのロープを『ビューン、ビューン』と音を立てながら回しました。するとヒグマの足がピタッと止まったんです。それから数秒ほど同じ状況が続いたあと、私から目をそらしたヒグマは後ろに向き直り、自分が来た道筋を戻っていきました」。現在74歳の中原さんは20代の時に、クマ撃ちの名人であった叔父さんに誘われ、猟銃の所持許可を取って猟師の仲間入りをした。すでに猟師歴は50年に及ぶ。生まれ育った西興部村は、総面積308.08平方キロメートルのうち森林が89%を占める。そうした大自然のなかで、昔から狩猟は村民にとって身近な存在であり続けてきた。翌朝、村の猟区の管理者も務める中原さんは、仲間の猟師10人と一緒にヒグマと遭遇した現場に戻り、そこに残されたヒグマと自分の足跡を見て、奇跡的に命拾いできたのだと実感した。そうした中原さんだからこそ、クマと遭遇した際のアドバイスには重みがある。「ヒグマでも、ツキノワグマでも、クマが近くにいることがわかったら、絶対に大声を出してはダメ。クマを刺激するだけだから。クマの姿が目に入って恐怖心にかられても、背を向けて走って逃げてはいけません。犬と同じように、クマは走る獲物を追いかけてきます。その場を動かず、クマを目でしっかりとらえましょう。そして、クマの様子を確認しつつ、ゆっくりと後ずさりしながらクマとの距離をあけていきます」。本来、クマは人間を恐れ、人間との距離をとりながら暮らしてきた。たまたま遭遇したクマは、自分の身を守ろうとしているだけなのかもしれない。であるならば、人間の側から余計な刺激を与え、攻撃本能を呼び起こすようなことは是が非でも避けたい。

(「クマを殺さないで」と叫ぶ人が知らない、出没地域の“危機的な実情”)
近年、日本各地でクマをはじめとする野生動物による人身被害が急増。その対策は喫緊の課題となっている。そうした中、捕獲後のクマの対応に対し、自治体などへ「殺すのはかわいそう」「もっとしっかり対応しろ!」といった声があふれることも少なくない。報道等を通じてしか現実を知らない顔の見えない声の裏側に、どのような現実があるのか。秋田県で専門職員として、クマ対策の最前線で活動する近藤麻実さんに実情を聞いた。「各種対策で対応していますが、それを上回る勢いでクマが出没しています」。逡巡(しゅんじゅん)しながら口を開いた近藤さんは、秋田県におけるクマ出没の現状をこう表現した。最前線でクマ対策に奔走する専門職員の言葉だけに、まさに生々しい「リアル」だ。近藤さんは2020年4月、クマをはじめとする野生鳥獣の対策を担う専門的な職員として秋田県庁に入庁。学生時代から野生動物の生態を学び、クマ対策に携わって5年以上になる。現場で日々、クマの状況を調査する近藤さんの言葉だけに、状況がいかに重篤で深刻かということがわかるだろう。7月に北海道福島町で発生したヒグマによる新聞配達員の死亡事故。ごく普通の日常の中でクマが人の命を奪った事実は、大きなインパクトだった。北海道では「日本百名山」のひとつ、羅臼岳(標高1661メートル)で8月14日に20代の登山者がヒグマに襲われ、死亡する人身被害もあった。ほかにも「散歩中に」「自宅の庭で」「農作業中に」など、昨今、日本全国で日常の中でクマ関連の事故が続発している。これらはクマの活動域がすでに人の生活圏と明確に重なってしまっていることの証明にほかならない。岩手県北上市では7月に81歳の女性がクマに襲われ命を落とす事故が発生した。その場所はなんと自宅居間。前代未聞で、最悪といえる事態だが、これについて近藤さんは専門職員の立場から「あり得ない」と声を大にする。理由は明確だ。「クマがいきなり人家に入ることは考えづらいです。空き家や小屋などへの侵入を繰り返すうちに行動がエスカレートしていくものと推測しています。ですから秋田県では、小屋への侵入などの”予兆”があればすぐにワナの設置について市町村と相談するようにしています。捕獲できた場合は、小屋への侵入箇所などから採取しておいた体毛と捕獲個体のDNAを照合し、侵入個体を見逃さず確実に捕獲できたかどうか確認するなど、人家侵入やそれに伴う重大事故につながらないよう、迅速かつ積極的に対応しています」(近藤さん)。クマ対策の現場を担う各自治体は、常に最善の選択で最悪の結果を防ぐべく、地域住民の安全確保に尽力している。もっとも、自治体がクマ対策に及び腰になることも否めない側面もあるという。その原因はクマ殺傷後の、ネット上などでの「殺すな、かわいそう」といった声だ。それにとどまらず、役所にクレーム電話などが殺到し、業務が滞ることもある。「捕獲したクマを殺さずに逃がす場面を見たことがあるかもしれません。しかし、小屋や畑などで人の食物を学習してしまった個体は、離れた場所に放獣したとしても、再び出没してしまったり、人の食物を求めて別の場所でも問題を起こしたりするおそれがあります。また、一度捕獲されたことで箱ワナを忌避するようになると、出没を繰り返したり、行動がエスカレートしたりした場合に、再度捕獲したくてもそれが難しくなります。もちろん、そもそも人の食物をクマに覚えさせないことが最重要ですが、一度人の食物を覚えてしまった個体については、放すべきではないと考えています。ただ、そうすると、『殺さないで』と言った声が上がる場合があります。自治体によっては、そうした可能性を考慮して、殺さずに逃がしている面もあるのかもしれません」(近藤さん)。そもそもなぜ、クマによる被害が増加を続けているのか。大きな背景には少子高齢化がある。とりわけ、地方では住民が減少し、放棄される田畑が増えたり、刈り払いなどの手入れが行き届かない場所が増えたりしている。その結果、そうしたエリアがクマなどの野生動物にとって好ましい環境に変質する。行動範囲に人里を含めてしまったクマは、人の生活圏にある農作物や庭木の実、生ゴミ、コンポストといった、一度に簡単かつ大量に得られる食物も覚える。河畔林や集落周辺の雑木材には桑やミズキ、クルミといった、人が食物と認識していない、それでいてクマにとって利用価値の高い植物も多く生育している。人間に危害を加えれば食物が手に入るという学習をしてしまうケースもある。そうやってクマは、これまで訪れなかった場所を「普段から生きる範囲」として認識するようになり、人の生活圏への出没が常態化する傾向が見られるという。上記3件の死亡事故は、環境変化によるこうしたクマの活動領域拡大がもたらした悲劇にほかならない。個体数としてクマが増えている現実のうえに、さまざまな要因が絡み合い、対策はより困難になり、限界に近づいている。そうした中で、クマ処分時に外野から上がる声が、対策活動を萎縮させる…。近藤さんが訴える。「クマと人とのあつれきは決して、北海道や東北だけの問題だけではありません。もはや人の土地利用や産業構造の変化など、私たちの暮らし方の問題で、全国で起こり得る状況です。だからこの問題を他人(ひと)ごとと考えず、現場の複雑な現実も理解し、『駆除は、地域の暮らしを守るため必要な対策の一つ』であることを認識する必要があります。行政は、必要に応じて捕獲を行っていますが、クマの出没は捕獲だけでコントロールできるものではありません。一人ひとりがクマを地域に寄せ付けない、通わせない努力をすることも不可欠です。『殺さないでほしい』と願うのであれば、その声を建設的な行動につなげてほしいと思います。たとえば、人手不足で滞りがちな藪(やぶ)の刈り払いや電気柵の設置作業など、具体的な被害対策へ協力するといったことも可能です」。増え続けるクマ被害。最前線の状況から浮き彫りになるのはその深刻さがもはや”災害級”といっても言い過ぎでないレベルに達している現実だ。日本全国で人口が減少する中、山の生態系から「ヒト」の定位置が脅かされている。ここまでくると、クマ対策はピンポイントでは焼け石に水ともいえる。クマなどの野生動物とのすみ分けも視野に入れながら、地域再構築や都市計画を、国家レベルで検討すべき一要素として位置付けていく。真剣にそうした対策を考慮する必要があるほど、状況は危機的だと認識しておいたほうがいい。

(クマによる死者、過去最多ペース:愛知)
クマに人間が襲われ、死亡する事故が止まらない。ここ2カ月で、全国で計5人が犠牲になった。この中には在宅時や新聞配達中に襲われた人もいる。深刻な被害の一方、クマの駆除への苦情電話が殺到する事態も。とはいえクマは愛玩動物ではない。現実的な向き合い方を探るべきではないか。 (山田雄之、中根政人)世界遺産・知床の羅臼岳(北海道斜里町)で14日、登山中の東京都の会社員男性(26)がヒグマに襲われて死亡した。道はDNA型鑑定の結果、男性が発見された現場付近で駆除されたヒグマの親子3頭のうち母グマが男性を襲ったと断定した。クマの被害はこうした自然の中だけでなく、人間の居住域でも続発している。

(深刻な野生鳥獣の農林作物への被害、企業が開発した対策グッズが売れ行き好調:宮崎)
全国ではクマによる被害が相次いでいます。宮崎県内の野生鳥獣被害についてです。2億7425万円。これは、2023年度の野生鳥獣による県内の農林作物の被害額です。こうした、鳥獣被害に対応するのが狩猟免許を持っているハンターですが、その数は高齢化により年々減少しています。そんな中、宮崎市の企業が開発した対策グッズの売れ行きが好調なようです。延岡市北川町に住む岩佐美基さん。およそ7ヘクタールの田んぼでコメや飼料用のイネを育てています。この時期、岩佐さんの頭を悩ませているのが、シカやイノシシによる作物への被害。夜になると、山から降りてきたシカやイノシシが、イネの実などを食べるということです。対策として岩佐さんが6年ほど前から設置しているのが電気柵です。被害は以前よりも少なくなったものの、年に数回は、シカやイノシシが柵を超えて農作物に被害が出ていると言います。野生鳥獣による作物への被害に追い打ちをかけるのが狩猟者、いわゆるハンターの減少です。県猟友会によりますと、県内の会員はピーク時の1978年には1万4700人余りでしたが、高齢化などにより年々減少。現在は、およそ2800人と、ピーク時の5分の1となっています。こうしたなか、有効な対策として注目されているのが、罠などの対策グッズです。(refactory 福士憲吾さん)「だいたい柵していますが、『それでもどうにもならない』ということで来る方が多いです」。宮崎市にあるrefactory。こちらでは罠や電気柵など1000種類以上の鳥獣被害対策グッズを販売していて、全国から注文を受けています。(refactory 福士憲吾さん)「大前提、捕獲をするという行為に狩猟免許、罠猟免許がいりますので、一般の方でも罠猟免許持ってる人は、もちろん、罠使っていらっしゃいます、罠猟免許を持っていていても、11月から2月までの間、全国で期間は違いますが、その間で狩猟期間というのが定められていて一般的な人たちは、そこでやっている」。中でも、自社製品のシカやイノシシなどを捕獲するため使われるくくり罠は、シンプルな構造と価格が安価なことから、年間1万台を超えるペースで売れているといいます。(refactory 福士憲吾さん)「罠を販売している実感もそうですし、農業被害額も見て、そこを減らすことを目的にやってるので、僕らとしても、もっと敷居を低くできるような何か取り組みをしていけたらなといつも思ってやっている」。全国的に深刻化する野生鳥獣被害。ハンターが減少する中、あの手この手で対策がとられているようです。県猟友会によりますと、高齢化に加え、暑さやマダニ対策でこの時期、外での活動が難しいそうで、猟銃ではなく、ワナによる捕獲に移行している人も多いということです。

(狩猟学ぶため磐梯に移住、若手ハンターが魅力紹介:福島)
狩猟の魅力や情報を発信する「ふくしま狩猟ワールド2025 inこおりやま」は23日、福島県郡山市で開かれ、狩猟を学ぶために磐梯町に移住した町地域おこし協力隊の細井航さんが講演した。県の主催。細井さんは東京都出身。就職活動中に狩猟をライフワークにしたいと考え、鳥獣対策員を募集していた磐梯町に移住することを決めた。2023年から協力隊として働き、地元の猟友会では最年少の若手ハンターとして活動している。講演では「わたしが狩猟を始めるまで」をテーマに、狩猟に興味を持ったきっかけなどを説明。「野生動物が相手なので予定通りにいかないことは大変だが、いかにうまく皮を剥ぐかなど、技術が向上していくことにやりがいを感じている」と、狩猟の魅力を解説した。イノシシやシカの肉を使ったジビエ料理の魅力も紹介し、「上手に解体すれば肉の臭みは感じない。家畜と違い、季節や住んでいる地域、年齢で肉質の違いなどを楽しめるのも魅力だ」と述べた。会場にはジビエ料理の試食ブースや、模擬銃などを展示した狩猟体験ブースも設けられた。県猟友会や県自然保護課の担当者は狩猟免許取得などに関する相談を受け付けた。

(中学生がクマに追いかけられる:山形)
25日午前、山形県河北町の中心部にクマが出没し、中学生が追いかけられました。クマは途中で追いかけるのを断念し、中学生にけがはないということです。場所は住宅街で、町や警察がクマの行方をさがしています。目撃現場付近では、熊のものと思われる足あとが確認されています。25日の午前7時20分ごろ、河北町谷地の河北町民体育館近くでクマ1頭が目撃され、その後クマは町内の数か所で目撃されていることがわかりました。クマの体長はおよそ1メートルとのことです。クマは最初に目撃された場所から北上するように町内の数か所で目撃されているということで、午前11時ごろに吉田東線ポケットパークで目撃されたのを最後に、見失ったということです。町や警察によりますと、現時点で人的被害や物的被害は確認されていません。警察は「付近にお住まいの方や付近を通行される方は、クマが潜んでいる可能性があります。不要不急の外出は避けて下さい」「新たにクマを目撃された方は、絶対に刺激 することなく、直ぐに自治体や警察に通報してください」と注意を呼びかけています。

(ブドウ畑がクマに荒らされる:長野)
長野市の犀川河川敷でクマの目撃が相次ぎ、市などが付近の住民などに注意を呼びかけています。千曲市では、ブドウ畑が荒らされる被害も出ています。長野市大豆島の犀川左岸の河川敷では、19日と21日午前、クマ1頭が相次いで目撃されました。現場は千曲川と犀川の合流点近く。落合橋の下で、畑や茂みが広がる場所です。21日午後には、市や県のクマ対策員などが現場を訪れ、農作物への被害や足跡などがないか確認しました。周辺を見て回りましたがクマの姿はなく、目立った痕跡も見つからなかったということです。市に寄せられた目撃情報では、クマは小さめの成獣か、子グマとみられ、住宅地も近いことから市が注意を呼びかけています。一方、千曲市によりますと、倉科地区で21日朝、畑のブドウがクマに食べられているのが見つかりました。ナガノパープルやシャインマスカットおよそ30房が食い荒らされていたということです。現場近くではクマとみられる足跡が確認されています。今のところ、周辺でクマの目撃情報はないものの、市が住民に注意を呼びかけています。

(農園で『ツキノワグマ』を捕獲:青森)
青森市の農園で21日にツキノワグマが捕獲されました。県内では、クマの出没がすでに過去最多となっているとともに、食害も相次いでいて、この農園でも8月上旬からトウモロコシ800本程度の被害が確認されています。捕獲されたのは体長150cm、体重は推定で100kg以上のオスのツキノワグマです。21日午前10時過ぎ、青森市駒込の清水ファームで農園の関係者が「箱わな」にかかっているクマを発見しました。猟友会のメンバーが「わな」に近づくと…。クマが体当たりしてきました。農園では、8月4日にトウモロコシが食い荒らされ、周辺にはクマとみられる足跡が残されていました。市が「箱わな」を設置しましたが、その後も食害は続き、9月上旬に収穫を控えたトウモロコシ約1000本のうち8割ほどが被害を受けました。この農園から1kmほど離れた青森市蛍沢でも、19日夜にクマが目撃されていました。県内でのクマの目撃件数は1160件で、すでに過去最多だった2023年を上回っています。また、食害は55件で2024年の2倍を超えています。

(住宅街でクマの目撃相次ぐ、捕獲へわなを設置:宮城)
宮城県名取市は市内の住宅街でクマの目撃が相次いでいることを受け、箱わなを設置しました。名取市のゆりが丘周辺では11日以降、クマの目撃情報が8件相次いでいます。目撃されたクマは同じ個体と見られています。23日は市の職員らが山林に入り、捕獲用の箱わなを設置しました。箱ワナは鉄製で長さ1.8m、直径70センチ。砕いたミツバチの巣にハチミツをかけたものが仕掛けられました。名取市農林水産課 相澤雅彦課長「かなりの目撃数、出没が多くなったものですから、市としても住民の安全ということで捕獲器を設置する」。市は1カ月間わなを設置し、クマが捕獲された場合は殺処分する方針です。

(「シカが海を泳いでいる」、海上保安部の救出劇もむなしく衰弱して死ぬ:青森)
23日朝、青森港付近で海を泳いでいる野生のシカが発見されました。海上保安部などがシカを陸に引き上げようとした際、衰弱した状態で、その後死んだということです。23日午前7時過ぎ、青森市沖館の青森港付近で「シカが海を泳いでいる」と市民から118番通報がありました。青森海上保安部や警察などが出動し、船で陸へ誘導してシカを引き上げようとした際には衰弱した状態で、その後死んだということです。シカの体長は推定1メートル以上で、野生のオスとみられています。付近で人や農作物への被害は確認されていません。

(秋田新幹線クマと衝突で遅れ:岩手)
JR東日本によりますと、秋田新幹線は24日の午前11時29分ごろ、こまち16号(秋田発東京行)が岩手県雫石町の赤渕駅と雫石駅の間でクマと衝突し停車しました。列車は春木場駅で車両点検が行われ、異常がないことが確認されたため午前11時47分ごろに運転が再開されています。乗員と乗客にけがはありませんでした。この影響で、午前11時20分東京発予定のこまち9号に約38分の遅れが生じました。

(炭火でジビエ、おいしく食べて理解:北海道)
美唄市の地域おこし協力隊員らが、市内に土日祝日限定のジビエ(野生鳥獣肉)専門の炭火焼き店「ヒンナヒンナ」をオープンした。ジビエを身近に味わえる場を設けることで、消費拡大と命の循環への理解促進を目指す。

(ラーメン店、シカ肉は柔らかくて極上の肉質:埼玉)
埼玉県皆野町下田野のラーメン店「創作らーめん奥我(おうが)」で、期間限定のジビエメニュー「ナツシカラーメン」(税込み1430円)の販売が始まった。店主の中村正道さん(44)が、有害鳥獣対策に取り組んでいる皆野ジビエ加工場・桜東風(さくらごち)から提供を受けた夏シカの骨を使い、臭みのない、透明感のあるスープを完成させた。1日5食限定で、24日まで販売している。奥我は、秩父市出身の中村さんが2008年に創業。卵とじにしてとろみを効かせた創作タンタンメンが長年、常連客の舌をとりこにしている。中村さんと桜東風代表の岡野直樹さんは、キッチンカーイベントで知り合って意気投合し、今回のナツシカラーメンの共同開発が実現した。地元猟師がわなで捕獲したニホンジカを解体、食肉加工し、ハンバーガーなどにして販売している岡野さんによると、夏場に捕獲したシカは、柔らかくて極上の肉質。中村さんがシカの背ガラと大腿(だいたい)骨10キロ以上を8時間ほど煮出して、自家製塩ダレで、老若男女が味わえるやさしい一杯に仕上げた。試食した岡野さんは「豚骨のようなこってり味を予想していたが、さっぱりが強く、シカラーメンとして完成させている」と評価した。ツルツルの細麺の上には、歯応え抜群で、うま味が詰まった外モモ肉の焼き肉が鎮座。ナス、トマトなどの彩り豊かな皆野町産野菜のトッピングも、夏場の食欲増進に一役買っている。中村さんは「今回のコラボのおかげで、地域が抱える有害鳥獣被害の現状に目を向けることができた。今後も町産にこだわった商品開発をすすめていきたい」と話していた。

(ペット用鹿ジャーキー開発、獣害減へ活用し販売:静岡)
静岡県西部猟友会佐久間分会(浜松市天竜区佐久間町)に所属する猟師川見卓さんがこのほど、「三遠大猟会.co」のブランド名でペットフードの製作を始めた。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、24日午後1時ごろ、松島町手樽左坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、24日午前11時55分ごろ、松島町松島葉山沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、22日午後5時ごろ、栗原市鶯沢南郷舘前にクマが出没しました。

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(7月に障害者施設でクマに襲われた女性が入院先の病院で死亡:秋田)
7月に秋田県北秋田市の障害者施設の敷地内で、クマに襲われて意識不明で入院していた入所者の女性(73)が20日、亡くなりました。警察によりますと、7月31日午後11時ごろ、秋田県北秋田市にある障害者施設「グループホームつつじ」の玄関付近で、入所している73歳の女性が血を流して倒れているのが見つかりました。女性はごみを捨てにいった際にクマに襲われたとみられ、頭や顔などをけがしていて、意識のない状態で病院に運ばれました。女性は20日、入院先の病院で死亡が確認されました。頭や顔のけがが原因だということです。敷地内の防犯カメラには、ごみを捨てに行った女性が体長約1メートルのクマに襲われる様子が映っていたということです。秋田県内でクマに襲われて、人が亡くなるのは2025年度初めてです。

(クマ駆除中に誤射でけが、賠償請求で町を提訴:山形)
おととし、小国町の山林で、町から委嘱を受けたグループがクマの駆除業務を行っていた際、1人の男性が撃った銃弾でけがを負った男性が、町を相手取り、およそ3000万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。訴えを起こしたのは、クマの駆除業務を公務で行っていて、銃弾でけがを負った小国町に住む男性です。訴状などによりますと、おととし4月、小国町から鳥獣被害対策実施隊として委嘱を受けた3人が、町内の山林でクマの駆除業務を行っていました。その際、別の隊員が撃ったライフル銃の弾が、クマを追い込む役割を担っていた男性の右ひざにあたってしまい、現在も後遺症が残っているとしています。国家賠償法の規定から、公務員の職務で発生した損害の賠償責任は自治体が負うとしていて、けがをした男性が町に対して3000万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。誤射した隊員をめぐっては、安全配慮義務を怠ったとして県がことし3月、狩猟免許を取り消しています。小国町は、「現在、訴状を確認していて、今後の対応を検討している」としています。

(クマ出没しても発砲拒否OK、猟友会が通知へ:北海道)
北海道猟友会が20日、市街地に出没したクマやイノシシを銃で駆除する「緊急銃猟」制度について、現場で状況に応じて発砲を断ってもよいと支部に通知する方針を固めました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「緊急銃猟制度とハンターの不安」を解説します。Q 緊急銃猟って聞いたよ。どんな制度なの?A 市街地に出没したクマやイノシシを銃で駆除できる新しい制度です。Q 今まではどうだったの?A これまでは市街地や夜間での発砲は原則認められておらず、警察官の許可が必要でした。Q どうして制度が変わったのかな。A クマやイノシシによる市街地での出没や人身被害が増えているため、国が鳥獣保護管理法を改正しました。Q 警察官の許可がなくても大丈夫なの?A 市町村が判断すれば、警察官の許可がなくても発砲できるようになりました。Q ハンターは不安を感じているの?A 緊急銃猟による人身被害などが起きた場合の補償制度はまだ設けられていません。発砲の責任をハンターが負う可能性があり、十分な補償や身分保障がないことに不安を感じています。Q 北海道猟友会はどう対応しているの?A 現場で状況に応じて発砲を断ってもよいと道内の全71支部に通知する方針を固めました。Q 今後どうなるの?A 北海道猟友会の堀江篤会長は「市町村から要請があった場合、協議の段階で出動を断ることもあり得る」と話し、環境省に「ハンターに不安を抱かせない環境づくりをしてほしい」と訴えています。

(猟友会は身分保障が十分ではない場合、拒否も検討:北海道)
北海道福島町の住宅街で、男性がクマに襲われ死亡した事故は記憶に新しいところですが、9月から市町村の判断で、市街地でも猟銃の発砲が可能になるのを前に、北海道北部の下川町で訓練が行われました。下川町の河川敷に集まったのは、国や町の担当者のほか警察やハンターなど約30人です。訓練の想定は、市街地に近い河川敷にクマが出没。警察官が付近の道路を通行止めにして、ハンターがクマを駆除するまでの手順を確認しました。現在、市街地での猟銃の発砲は、緊急性の高い場合のみ、警察の許可を得て例外的に行います。しかし、改正法の施行で、9月からは市町村の判断で発砲が可能になるのです。こうした中、北海道猟友会は、猟銃の発砲で万一、人身事故が起きた場合のハンターの身分保障について、国に説明を求めています。北海道猟友会・齋藤哲嗣 専務理事「例えば、自分がけがしたときにどうなるのかとか、あるいは銃が跳弾した時にどうなるのかということの具体的な説明がされていない」。北海道猟友会は身分保障が十分でない場合は、発砲要請を拒否することも検討していて、クマ被害の防止とともにハンターの不安を払拭する体制づくりが急がれています。

(「撃てば処罰される」緊急銃猟制度に潜む不安、猟友会の“発砲拒否通知”の裏に砂川事件:寒天 かんたろう)
2025年9月1日、全国で「緊急銃猟制度」が施行される。市街地に出没したクマを銃で駆除できる画期的な仕組みだ。だが、制度開始を目前にして猟友会は会員に「発砲を断ってもよい」と通達した。人々の命を守る最後の砦が、なぜ銃口を向けることを拒むのか。その背後には、6年間に及ぶ裁判劇「砂川事件」が刻んだ深い爪痕と、行政と警察の責任の押し付け合い、そして世界との制度格差がある。環境省の新ガイドラインは、住宅地など生活圏に侵入したヒグマやツキノワグマを市町村の判断で銃猟可能とするものだ。危険鳥獣が出没し、緊急性が高く、銃以外に捕獲手段がなく、住民に流れ弾の恐れがない場合に限られる。背景には深刻な被害がある。2023年度、クマによる人身被害は219人に達し、死者は6人。2016年度と比べて約3倍に増加した。かつて「秋の一時的な出没」とされたパターンは崩れ、いまや通年の脅威になりつつある。だが最前線の猟友会員は「もう撃てない」と口をそろえる。札幌近郊で活動する60代の会員は記者にこう漏らした。「撃てば町を守れる。でも、もし後で警察に『危険な発砲だ』と責められたら、生活も名誉も失う。自分や家族を守るために引き金を引けないんですよ」。猟友会を萎縮させたのは「砂川事件」だ。2018年8月、北海道砂川市で子グマが出没。市職員と現場警察官の要請を受け、当時70歳の支部長・池上治男氏は安全を確認のうえ1発で仕留めた。狩猟歴30年のベテランによる的確な対応だった。だが2か月後、警察は「弾の先に建物があった」として鳥獣保護法違反・銃刀法違反で書類送検。現場には8メートルの土手があり建物は視認できなかったが、警察は地図上の平面的な位置関係のみで危険と断じた。検察は不起訴、北海道も免許を剥奪せず、市も駆除員に任命を続けた。だが公安委員会は銃所持許可を取り消し、池上氏は裁判に訴えた。2021年に札幌地裁で「著しく妥当性を欠き違法」と勝訴するも、2024年の高裁で逆転敗訴。結局6年間、銃を奪われ裁かれ続けることになった。「正義感で町を守った人間が、法廷で人生を削られる。これじゃ、誰も撃ちたくない」ー北海道内の現役ハンターは事件をそう振り返る。砂川事件の核心は、銃を撃つ判断の責任が「誰にあるのか」が曖昧な点にある。市は「地域住民の不安」を理由に発砲を要請し、現場の警察官も同意。しかし、後になって警察本部が「危険な発砲だった」と方針を翻した。つまり、駆除の現場では行政も警察も判断をハンターに委ね、後から「自己責任」と突き放す構図が生まれている。専門家は指摘する。「自治体は政治的リスクを避け、警察は法的責任を回避する。結局すべての矢面に立たされるのは猟友会員です」。この責任の空白地帯こそ、猟友会が“発砲拒否”を選ぶ最大の理由なのだ。猟友会員に支払われる駆除報酬は決して高くない。地方都市では1頭あたり数万円にとどまる例もある。それに対して背負うリスクは計り知れない。万一流れ弾で事故が起これば刑事責任はハンター個人。さらに砂川事件のように裁判に持ち込まれれば、長期間にわたり法廷闘争を強いられる。「命を懸けて駆除に行っても、報酬はガソリン代程度。割に合わない」。現場の声は切実だ。その結果、狩猟免許を持つ人の7割が実働していない「ペーパーハンター」化し、猟友会加入率も低下。地域社会の“最後の防波堤”が崩壊の危機にある。日本だけが迷走しているわけではない。イタリアではローマ市内にイノシシが群れで出没し、2023年に都市部での狩猟を認める法律が成立した。そこでは狩猟が「公的任務」と位置づけられ、責任は自治体が負担する仕組みになっている。北米では「ベアパトロール」と呼ばれる専門チームが存在し、報酬は公務員並みに保障される。日本のように「民間ボランティア頼み」の制度は先進国の中でも異質だ。「国際比較をすれば、日本のハンターは自己責任を押し付けられたまま命を懸けている。制度の持続性を考えれば、抜本的な改革が必要です」ー野生動物管理を研究する大学教授は警鐘を鳴らす。緊急銃猟制度は、表面上は画期的に見える。だが、その実効性は「撃てば処罰される」という恐怖に覆われている。砂川事件は、行政と警察の責任の押し付け合いがハンターを孤立させた象徴だ。クマ問題は今後も拡大するだろう。だが、現場の人間が安心して引き金を引ける環境を整えない限り、この制度は絵に描いた餅に終わる。責任の明確化と報酬体系の抜本改革、それこそが制度を「実効あるもの」に変える唯一の道である。

(クマ対策交付金に37億円)
環境省は20日、2026年度予算の概算要求で、クマを含む「指定管理鳥獣」の対策に充てる自治体への交付金に、37億円を計上する方針を固めた。人身被害が相次ぐ中、自治体の専門人材育成や、市街地への出没防止を支援する。交付金は人材育成のほか、出没を想定した訓練や、自治体や警察、ハンターの連携体制を確認する「出没対応マニュアル」づくりに使える。人とのすみ分けを進めるため、放置されている果樹の除去や、市街地への侵入防止柵の整備を促す。指定管理鳥獣にはシカやイノシシも含まれる。交付金は25年度当初予算では2億円だった。

(新たに1頭が判明、豚熱の野生イノシシ:三重)
三重県は20日、県内で今月の上旬から中旬にかけて捕獲した野生イノシシ74頭のうち、名張市内の山林で11日に捕獲した1頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1168頭となった。

(野生イノシシ1頭、豚熱陽性:岩手)
岩手県は21日、洋野町で発見された野生イノシシ1頭から、豚熱(CSF)の感染を確認したと発表した。県内の養豚農場では異常は確認されていない。

(久留米で発見のイノシシは豚熱に感染、県が緊急対策会議:熊本)
福岡県久留米市で見つかった死んだ野生のイノシシが、ブタの伝染病のCSF=豚熱に感染していたことが確認されたことを受け、熊本県は緊急の対策会議を開き、対策の徹底を呼びかけました。20日、県防災センターで開かれた緊急の対策会議にはオンラインを含め、JAや猟友会のメンバーなどおよそ60人が参加しました。はじめに県の徳永浩美生産経営局長が「本県においての豚熱の発生リスクが大変高まっている。衛生対策にも取り組んでもらっているが、畜産施設などを訪れるときは消毒の徹底をしてほしい」とあいさつしました。続いて県の担当者が今回、感染がわかったイノシシがみつかったところから、おおむね50キロの圏内には、県内におよそ80の養豚場があることが説明されました。またことし4月に宮崎県で野生のイノシシから採取された豚熱のウイルスは、佐賀県で確認された遺伝子と近く人や車を介して感染が拡大した可能性があると解説していました。そのうえで具体的な対策として野生のイノシシが養豚場に近づかないために防護柵を設置することや、キャンプや登山で山林を訪れた人が山からウイルスを持ち帰らないために靴底の消毒をすることを呼びかけました。

(野生イノシシの豚熱感染確認を受け緊急会議:福岡)
久留米市で見つかった死んだ野生のイノシシがブタの伝染病CSF=豚熱に感染していたことを受けて、福岡県は20日、関係する団体などを集めて緊急の会議を開き、イノシシが見つかった地点の周辺に今後、ワクチン入りのエサを散布するなどの対策を説明しました。福岡県によりますと、今月12日に久留米市青峰の道路で野生のイノシシ1頭が死んでいるのが見つかり、19日、豚熱への感染が確認されました。これを受けて20日、福岡市博多区で緊急の会議が開かれ、自治体の担当者や畜産関係者など合わせて75人が出席しました。会議は非公開で行われましたが、県によりますと、野生イノシシへの感染拡大を防ぐための対応として、イノシシが見つかった地点の半径10キロ以内の山林を中心に今後、ワクチン入りのエサを散布することなどを説明したということです。県は野生イノシシの豚熱への感染状況を把握するため、検査の頭数や頻度を増やすなど、検査体制の強化も検討しているということです。県畜産課の能美晋課長は「豚熱はブタやイノシシの感染症で人に感染することはない。また感染した豚肉は流通しないが、万が一、食べたとしても人に影響はないので県民の皆さまには安心してほしい」と話していました。

(野生イノシシが豚熱、県内58例目:岡山)
岡山県は20日、総社市で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は58例目。県によると13日に畑で死んでいるのを地元住民が見つけ、19日に県の検査で陽性が確定。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めている。

(ツキノワグマ目撃相次ぐ中、10月から人里に近い地域で10頭捕獲へ:宮城)
宮城県庁で開かれた会議には、専門家や県の担当者など、8人の委員が出席しました。この中では、ツキノワグマによる人的被害の未然防止に向けて、適切な個体数管理計画について話し合われました。この計画は、2024年4月にクマが捕獲や被害対策を必要とする指定管理鳥獣に指定されたのを受けたものです。宮城県では、2025年10月20日頃から約2か月間、人里に近い地域=緩衝地帯である仙台市青葉区作並と栗原市栗駒中野地区で、合わせて10頭のツキノワグマの捕獲することを目標としています。計画は原案の通り了承されました。宮城県自然保護課・砂金義徳課長「非常に繁殖力の低い動物なので保護と両立して、人身被害の恐れのある生活圏への侵入の恐れが多いものについて個別に捕獲を行う」。宮城県では2025年度、クマの目撃情報が541件に上っていて全域にクマ出没警報を出して警戒を呼びかけています。

(ヒグマ注意報・警報の発表、過去最多を上回るペース:北海道)
北海道内でヒグマによる人身被害が相次いでいることを受け、道は21日、札幌市内でヒグマ対策の関係者会議を開いた。道が注意喚起などを呼びかけるヒグマ注意報・警報の発出は今年度計8件に上り、過去最多だった2023年度を上回るペース。出席者からは事故抑止に向けた人員・予算の不足などを指摘する声が上がった。注意報・警報の制度は22年度に始まり、23年度は注意報13件(8月末時点で7件)だった。今年度は21日現在、警報1件、注意報7件。福島町の市街地で7月、新聞配達中の男性が死亡した事故を巡り、渡島総合振興局は電気柵を設置以降、市街地出没がゼロになったと報告。「非常に有効に活用できたのでは。配備の強化をお願いできたら」とした。国有林を管理する林野庁道森林管理局は「事故防止の観点では、マンパワー、予算措置に限界がある。会議でルール作りを」と求めた。市街地で銃駆除できる「緊急銃猟」制度が9月1日に始まることについて、道猟友会は「捕獲者がどういう行動をするか、市町村の依頼があった時に受託するかどうかを検討して支部に連絡したい」と伝えた。

(人里への出没増えるクマ、対策は?:富山)
北アルプスの薬師峠キャンプ場にクマが現れて登山者の食料などを食べていたことは、きのうのKNB ニュース エブリィでお伝えしました。専門家は、人への警戒心が薄い若いクマが餌を求めて現れたと指摘するとともに、この秋は山の実りが少ない可能性があり、人里への出没が増えるおそれがあるとしています。おととい夕方、標高2294メートルの薬師峠キャンプ場にクマ1頭が出没。登山者のテント内にあった食料を食べたり持ち去ったりしました。このクマは、若いクマとみられています。クマの生態を約20年研究している富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「親離れはしているけど、離れて日がたってない。まだ人に対する警戒心が身についてない」。赤座さんは、夏のこの時期クマは比較的標高の高いところで餌を探すといいます。富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「(標高の)高いところは植物の芽吹きが遅いから雪解けラインを追いかけて、標高をあげながらやわらかい食べ物を食べるのが北アルプス山麓の動物の一般的な移動パターンなので、稜線(尾根)付近にクマがこの時期にいるのは、ごく普通のこと」。きのう、キャンプ場から下山した登山者の中には、クマの被害にあわないために対策する人の姿もありました。登山者「クマ鈴を大きく鳴らしながら人が歩いてるよということをクマに知らせながら、あとあまり離れないようにね」「こういった形のスプレーをカバンのここにぶら下げて、なんかあればピン抜いて噴射できるようにして準備してました」。赤座さんは、被害を防ぐにはクマの生態を理解することが必要と話します。富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「(クマは)個体差が大きい。すごいナイーブなクマとかなり人に対しても大胆なクマなど、個性が変化に富んでいる。音を鳴らしながらも、新しい糞がないかや草を踏みしめた跡がないかとか人の感覚でクマの気配を感じる努力はすべき」「(スプレーは)できたら5~6メートル、接近したところで顔面にかける。蚊とかアブとか避けるために部屋でまくようにかけても効果ない。ピンポイントにかけるのが大切」。さらに赤座さんは、秋にクマの主な餌となる木の実が今年は例年に比べて不作になる可能性があり、クマが餌を求めて人里に近づくおそれがあると指摘します。富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「春先のブナを見ると、花の付き方が少ない。去年良かっただけにその揺り戻しみたいな形で(ブナとミズナラ)両方とも不作になるかもしれない。食べないカキの実は除去する、場合によっては木を伐採して、エサ資源をなくしましょうと呼び掛ける。もう一つは移動ルート。クマは神経質な動物なので、草藪や樹林の茂みを移動する河川敷や裏山をすっきりさせて見通しをよくすると、移動しづらくなる。クマを人里へ誘い出さない準備を今の時期からしたほうが良い」。例年、秋はクマが餌を求めて人里へ出没することが多くなります。やぶの草刈りなど早めの対策が必要です。

(イノシシ農作物被害、前年度比10・4%減の1億8100万円:広島)
広島県内の2024年度のイノシシによる農作物の被害額(速報値)は前年度比10・4%減の1億8100万円で現在の調査方法になった07年度以降で最少となった。県は伝染病の豚熱(CSF)の感染拡大で県内の個体数が減少したことが要因とみている。

(地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める:北海道)
8月14日、北海道・知床半島の羅臼岳の登山道で友人と歩いていた東京都在住の会社員が突如ヒグマに襲われた。被害者は林の中に引きずり込まれて行方不明となり、翌15日に遺体で発見された。同15日に、現場付近で地元のハンターによって親子のヒグマ3頭が駆除され、DNA鑑定の結果、駆除されたヒグマが男性を襲った個体であることが道から発表された。地元の猟友会関係者が地域のヒグマ事情を明かす。「この地域では年間で2000件ほどクマの目撃情報があるのですが、人を襲うのは本当に稀なので驚きました。ヒグマは本来、用心深く、人間の気配やトラクターの音で逃げていく個体がほとんどなんです。駆除された母クマが子連れということだった。子供を守るために何かあったとき、親熊は気性が荒くなったりすることはあるものの、普段であれば子連れのクマであっても、こういったことは起きないのですが……」。クマの駆除をめぐる問題といえば、2023年に秋田県美郷町で起きた騒動が記憶に新しい。当時を知る全国紙記者が振り返る。「秋田県美郷町の畳店にクマの親子3頭が侵入し、捕獲後に猟友会によって駆除されました。地元住民などからは『安心した』という声が上がる一方、役場には『駆除しないでほしい』などの抗議の電話が殺到しました。その多くが県外からの電話でした。騒動はエスカレートし、『クマを殺すならお前も死んでしまえ』といった過激な電話も相次いだ。事態を重く見た当時の秋田県知事が『これに付き合っていると仕事ができません。業務妨害です』と、強い口調で言及するまでに発展していました」。そして今、同様の事態が羅臼岳の麓、斜里町の役場で起きている。担当者が明かす。「それぞれ何件とは言えませんが、100件ほど電話が来ていると思います(18日取材時点)。危ないからそもそも登山道を閉鎖するべきだったというご意見や、そもそも熊がいる場所だから行くのが間違えているとか、殺すことに対してそれぞれ賛否の意見を頂いております」。こうした混乱の中、前出の猟友会関係者は、ヒグマの生息地に入る際に取るべき対策の重要性を改めて強調する。「狩猟をする僕らからしても、ヒグマはおっかないんです。ヒグマを追いかければ、向かってくることもありますから。効果はあると思うので、熊鈴だったり熊よけのスプレーは持参したほうが絶対によいと思います。私達も熊よけスプレーは持っていきます。鹿を狩猟するなどで山に入るときも、熊と出くわすことがあるので持っていきます。それから、報道にあったような『車内からお菓子をあげる』ような行為は絶対に控えていただきたいです。それで味を占めて学習しちゃうと、人間に近寄ってしまいますから」。相次ぐクマ被害に対策が求められている。

(「クマよけスプレー」友人が使用試みるも噴射できずか、携行していたのは使用歴がある缶:北海道)
北海道知床半島の羅臼岳で8月14日、登山中の26歳の男性がヒグマに襲われて死亡した事故で、一緒に下山していた友人が「クマよけスプレー」の使用を試みましたが、噴射できていなかったことがわかりました。8月14日、斜里町・羅臼岳(標高1661m)の登山道で、友人と下山中だった東京都の26歳の男性がヒグマに襲われ、翌日に死亡しているのが見つかりました。登山道の脇の茂みに引きずり込まれていく男性を目撃した友人は、クマを素手で殴り、なんとか追い払おうと必死に抵抗しましたが、クマは男性を引きずりながら、茂みに消えていきました。「知床財団」は21日、今回のヒグマ人身事故に関する調査速報を公表。襲われた男性と一緒に下山していた友人は、「クマよけスプレー」とうたわれている商品を所持していて、使用を試みましたが、噴射できていなかったということです。友人が携行していた「クマよけスプレー」は、ヒグマに対応した製品ではなかったほか、新品ではなく使用歴のあるものでした。男性がヒグマと遭遇したとされる地点は、羅臼岳の標高550m付近で、夏にはヒグマのエサとなるアリが発生し、ヒグマの出没が多発する場所として知られているということです。現場付近では、母グマ1頭と子グマ2頭がハンターによって駆除されていて、母グマは11歳で体重117kg、体長140cmでした。また、子グマは体長72㎝のメスと、71㎝のオスで、体重はそれぞれ17㎏。ともに0歳でした。駆除された母グマは、2014年から知床国立公園で毎年のように目撃されていて、今年に入ってからは、今回の親子グマと思われるヒグマの目撃情報が30件以上寄せられていました。知床財団によりますと、羅臼岳の登山道では8月10日に親子グマと人が3~4メートルまで接近する事案があり、外見上の特徴から今回駆除された個体と同一である可能性が高いということです。また、12日にも羅臼岳の登山道でヒグマと人が至近距離で遭遇していて、クマ撃退スプレーを使用しても5分ほど付きまとわれる事案がありました。目撃者からは「駆除されたヒグマの特徴と似ていた」との情報提供があったということです。

(おもちゃで実弾発射可能、全16種類を画像で紹介)
玩具として出回っている中国製のオモチャの拳銃に本物の銃と同じような機能があり、弾丸を発射できることがわかったとして、全国の警察が回収を呼びかけています。今月に入り、新たに青森県などでも流通が確認されています。この銃はプラスチック製で、仮に本物の弾丸を発射した場合、危険が生じる可能性があります。この銃の所持は違法に。警察は回収期間を今年の12月31日までに設定し、それ以降に所持していた場合は検挙するとしていて、持っている人は注意が必要です。この問題に絡み、警察庁が、所持することを違法だと呼びかけている「玩具」などとして販売(景品として提供)されている銃が複数あることがわかりました。対象の銃が山形県内に流通している可能性も当然否定できず、確認が必要です。警察庁によりますと、今回回収を呼びかけている物をのぞき、違法だと呼びかけられている銃は今回のものをのぞき16種類です。玩具と称する銃の違法のポイントは・・・銃身と弾倉が貫通していて、弾丸の装てんができること、弾丸の一部を叩くことができる「撃針」と呼ばれる場所があることだとしています。警察庁は「インターネット通販サイトで販売されている海外製玩具拳銃の一部には、真正拳銃と同様の発射機能を有する違法な製品が確認されており、これまでに少なくとも16種類を把握しています」「このような製品は、玩具と称していも真正拳銃に該当し、国内で所持した場合は犯罪となり、また、国内で販売する行為も犯罪となります」「今後、新たな玩具と称し真正拳銃が販売されるおそれもありますので絶対に購入しないでください」としています。

(“マダニの運び屋”になる可能性も、タイワンリスが繁殖・増加:神奈川)
マダニ感染症ウイルスの運び屋になり得ると指摘されているのが「タイワンリス」です。観光地・鎌倉だけでなく、生息域を拡大し、いまや横浜市でも繁殖。被害が続出しています。横浜市にある公園で、けさ目の前に現れたのは、もともと台湾などに生息していた通称・タイワンリスです。カメラがいてもお構いなし!あちらこちらに姿を現します。かつて、観光地・鎌倉で大繁殖していたタイワンリスが、その生息域を横浜にも広げているのです。見た目は可愛らしいですが、農作物を荒らしたり、電線の上を猛スピードで走ったり、ときには電線をかじり、断線させたりすることも。生態系への影響などから「特定外来生物」に指定されている“厄介モノ”。実際に被害が出ている場所も…FRUIT PARK YOKOHAMA 芝口禎久さん「これ、かじられてますよ。ちっちゃめのやつのかじられたのが多いので、これリスなのかな」。こちらの農園では、去年からタイワンリスが原因とみられる被害が。先月末から、収穫直前の熟した梨が毎日5個ほど食べられ、年間の被害額はおよそ10万円に。リスの侵入を防ぐため、天井にネットをとりつけ、周囲には電気柵も設置していますが…FRUIT PARK YOKOHAMA 芝口禎久さん「これが電気柵で、ハクビシンとかそうですね。リスは小さすぎちゃって防ぎようがないですよね」。星川杉山神社では…「こういったところに小さい糞とかが落ちてたりするんですけど」。クリーン計画プロープル 引田徹 施工部長「お寺であったり自然公園とか、そういったところでの駆除依頼が増えたので」。増え続ける背景にあるのが、タイワンリスの繁殖力です。1回の出産で産む数は1、2匹。栄養状態が良ければ、最大、年に3回出産するのです。森林総合研究所・多摩森林科学園の林研究専門員は、タイワンリスが「マダニ」感染症などのウイルスの運び屋になり得ると指摘します。林典子 研究専門員(森林総合研究所 多摩森林科学園)「マダニだけではなく、ツツガムシなど、多様なダニ類・ノミ類などの外部寄生虫がついていることがあります。リスの個体数が増加すれば、人間やペットとの接触機会が増え、寄生虫が人間におよぶ機会も増えます」。

(小笠原諸島の絶滅危惧のハト、個体数増加の背景に遺伝的浄化:京都大学)
辻本大地 農学研究科博士課程学生(現:同研究員)、井鷺裕司 同教授、高柳真世 東京動物園協会職員、石井淳子 同職員、坂下涼子 上野動物園職員、堀越和夫 小笠原自然文化研究所理事長、鈴木創 同副理事長らの研究グループは、世界自然遺産・小笠原諸島にのみ生息する絶滅危惧種アカガシラカラスバトが、隔絶された小さな島で長年にわたって生き延びてきた過程において、有害な突然変異がゲノムから除去される、いわゆる「遺伝的浄化」が起きていたことを明らかにしました。一般的に生物が絶滅寸前まで減少すると、近親交配によって劣性の有害変異が発現し、個体数の回復力が著しく低下します。アカガシラカラスバトは2000年代に数十羽まで減少しましたが、外来の天敵であるノネコが捕獲されると、野生個体数が大幅に増加しました。本研究で明らかになったゲノムレベルの遺伝的浄化は、アカガシラカラスバトの回復を支えたと考えられます。本研究は、絶滅危惧種の回復力に、有害な突然変異の蓄積量などのゲノム構造が関係していることを示唆しており、生物保全に新たな視点をもたらすものです。本研究で得られた各個体の詳細なゲノム情報は、種の保存法に基づいて2001年より進められてきた本種の保護増殖事業に活用されることが期待されます。「アカガシラカラスバトは遺伝的浄化を経験しており、有害な突然変異がもたらす弊害が比較的少ない絶滅危惧種であることがわかりました。しかし、多くの絶滅危惧種では遺伝的浄化が起こっていないことも知られています。遺伝的浄化が起こうる絶滅危惧種にはどのような特徴があるのでしょうか?遺伝的問題が深刻化しやすい生物とは異なる特徴を持っているのでしょうか?こうした違いを理解することができれば、遺伝的リスクにより適切に対処することができ、いっそう効果的な生物保全に繋げることができます。今後もゲノム情報を活用し、急速に失われつつある生物多様性の保全に貢献していきたいと考えています。」(辻本大地)。

(葛葉緑地でシカ被害増加:神奈川)
公益財団法人かながわトラストみどり財団が8月から、財団設立40周年寄附金募集事業を行っている。集まった寄付の一部は、シカによる食害などを受ける葛葉緑地(秦野市曽屋)のシカ侵入防止柵設置に活用される。葛葉川ふるさと峡谷(通称・葛葉緑地)は土地所有者と同財団の間で緑地保全契約が結ばれ、1987年に県内の失われゆく緑地の保全に取り組む「かながわのナショナル・トラスト」の第1号に指定されている。12月末までの今回の寄附金募集事業では、葛葉緑地のほかに久田緑地(大和市)と小網代の森(三浦市)も対象となる。葛葉緑地では2010年頃からシカが入り込み始め、ヤマビルが増加する被害が出ていた。そのため同財団の支援を受け、葛葉川からシカが侵入しないよう柵を設け一定の効果を出していたという。しかしここ2~3年、シカが人が通るルートから入り込み始め、定着し繁殖。センサーカメラでほぼ毎日その姿が確認されているほか、人の活動エリアにも入り込み昼間でも目撃されるように。食害も酷くなり始め、その中には貴重な植物もあるほか、特定のものばかり食べるため、植物や昆虫などの生態系が変わってしまう恐れもある。今回はかながわ鳥獣被害対策支援センターの協力を得て葛葉川の上流300mの位置に設置するが、全体をカバーするにはまだ足りず、同緑地にあるくずはの家では「今後も川の下流など継続した設置を検討していきたい」としている。

(クマの市街地への出没相次ぐ、理由は?被害どう防ぐ?:北海道)
北海道では、人の生活園にヒグマが出没して、作物などが荒らされる被害が相次いでいます。相次ぐ市街地への出没の理由は?どうすれば被害を防ぐことができるのか?ヒグマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授に、聞きました。Q. 8月前後の時期、ヒグマは本来であれば何を食べているのでしょうか?A. この時期は本当に山でヒグマの食べ物が少ない時期ですけれども、例えばまだやわらかいような植物を食べていたり、アリやハチなどの昆虫を掘って食べていたりします。8月半ば以降になってくると、熟すのが早いくるみや木イチゴなどの木の実も少しずつ食べるような時期になってきます。ただ、今は山の中で草がだいぶ硬くなっていると思いますし、まだ木の実が熟すには少し早い時期ですから、どうしても人里の農作物には寄ってきやすい時期だと思います。9月の下旬ぐらいになれば、普通ですと山の中に木の実がたくさんつきますので、それまでは警戒を続けた方がいいと思います。ただ、今年の秋の山の実りがもしも悪いと、それが10月ぐらいまで続いてしまう可能性がありますので、今年は去年に比べたら要注意ということで、特に畑の周辺などはしっかりと守っていただきたいと思います。Q. クマは嗅覚が鋭く、遠くのにおいも嗅ぎつけると聞きますが、どれくらい鋭いのでしょうか。A. 犬よりも嗅覚が鋭いという話もありますので、かなり鋭いと思います。地形とか湿度にもよるかもしれませんが、いい匂いがすれば、1キロ以上離れたようなところからでも匂いを嗅ぎつけて寄ってくるというようなこともありますので、非常に嗅覚は鋭いということは、まずは知っておいていただければと思います。Q. ヒグマはそもそも市街地によってくるものなのでしょうか?A. 市街地に出没するパターンはいろいろあると思いますが、基本的に市街地にはクマが誘引されるようなものはふだんはありません。出てくるとしたら、迷い込んでくるパターンで、例えば森から川につながる河畔林沿いに間違えて入ってきてしまうようなパターンや、繁殖期に親子連れのクマがオスグマを避けるために、あえて人の近くにいてそれが目撃されるようなパターン、それらが一番多いと思います。そして、だんだん季節が進行していくにつれて、山に食べるものが少なくなり、食べ物を求めてクマが歩き回る季節になったときに、市街地に管理が不十分なゴミがあったり、庭先のコンポストから生ゴミの臭いがしていたり、畑でトウモロコシやスイカなどクマの好む作物がいい匂いをさせたりしていると、今度はそれを求めてクマが下りてきます。ですから、市街地出没と一口に言っても、いろんなパターンが混ざっていますが、特に危険なのはその匂いにつられて市街地に来るというのが最悪ですので、そういったケースがないように、しっかり管理していくことが大事だと思います。Q. ことしは特に市街地への出没が多いように思われますが、なぜでしょうか?A. 特にことしというのが、直接何が原因かとかわからないところもありますが、去年は比較的静かで、その前の2023年にかなりの出没があり、このところ道内では2年おきぐらいにクマの出没の多い年が続いています。そういった意味では、ことしは多い可能性は十分あるかなと思います。それに加えてことしは非常に暑い年ですので、森の中で植物の生育状況がいつもとは違うかもしれません。今、畑の作物についても生育状況にずれがきているというような報道があると思いますが、山の中でも同じようなことが起きていて、それがクマの夏場のエサ不足を助長している可能性はあるかなと思います。そうすると、いつもよりもちょっと早い段階で畑に降りてきて、作物を求めて食べているというようなことが起きているかもしれないと思っています。Q. 北海道の南部(道南)では、特にクマの出没が多くなっています。この地域には、人とクマが遭遇しやすくなる特徴があるのでしょうか?A. そもそも道南のクマの生息率は高く、それは森林の環境が豊かであるということが要因の一つだと思います。このため、道内の他の地域に比べても、森林の中で割と多くのクマが暮らしているという状況になります。さらに道南は、地形的に山が海岸線まで迫っているような半島状の地形をしていて、人の生活圏がわりと海岸線の間に広がっていたり、川沿いの河口付近に広がる若干の平野に人が住んでいたりするような地域が多くあります。そのため、クマと人の生活圏が非常に近くて、その範囲が長い距離にわたっているというのが特徴だと思います。そうするとどうしても、クマと人との出会いや出没被害が増えやすいという特徴があるのではないかと思います。Q. 道南のクマは、気性などの特徴があるのでしょうか?A. 最近よく聞かれますが、私の知る限り、特に道南のクマは気性が荒いとか、そういうようなことはないと思います。やはり地形的な影響で、人とクマの距離が近いということが、問題が多く発生しやすい状況に関係しているのかなと思います。Q. ヒグマを駆除することについては、反対する意見もあります。A. 北海道のヒグマというのはやはり北海道民にとっては大事な存在だと思いますし、ヒグマとの共存を進めていくことが大切だと思います。一方で、やはり人の安全を守るということも非常に重要ですので、その二つの目標を同時に達成するために、すみ分けによるゾーニング管理ということを導入したところもあります。人の安全を守るためには、人の生活圏に入ってきたクマは、確実に駆除するというようなことも、非常に重要な取り組みだと思いますので、決して全てのクマを駆除すると言っているわけではなく、共存を目指しながら人の安全を守るために必要なことが、駆除しますよということだろうと思いますので、ご理解いただければと思います。Q. ヒグマと人の生活圏が近い地域では、どのような対策が必要なのでしょうか?A. “クマと共存しながら人の安全を守る”という大目標がありますが、そのためにはやはりクマの生息する場所と人の住む場所を極力離しておくということがまずは大事です。そのためにはすみ分けを実践するための「ゾーニング計画」というのが重要な役割を果たすと思います。人の生活圏に入れないために、草刈りや電気柵の設置といった対策が、まずは大事です。また森林の中でも、特に人の生活圏に近いところでクマの密度を下げる、またはそこに定着しているクマをなくしていくような対策を通じて、(人への)警戒心がないようなクマが人の近くにいない状況を作るということがまずは大事なことだと思っています。ゴミ出しについてもやはり基本ルールである、収集日の朝にしっかりと出すということを徹底してほしいですし、事業者が夜から外に出さなければならない場合でも、決してクマに壊されないような構造、または匂いの漏れないような構造のものの中に、保管していただくことが大事だと思います。Q. 道南では電気柵の切れ目となる、沢や道路から侵入したケースもあると聞きますが、設置にあたっての注意点について教えてください。A. 電気柵は、まずは適切に設置していただくということが大事です。地上から20センチの高さに1本目を張るというような、必ずクマに適した張り方をしないと、せっかく張ったのに侵入されてしまいますし、『電気柵効かないんじゃないか』というような雰囲気になるかと思いますので、まずはクマ用の張り方をしっかりとしていただくことが大事だと思います。ただどうしても、川沿いや道など、電気柵だけでは防げないような場所も必ず出てくると思います。そういった場所からの侵入は100%防ぐというのは難しいかもしれません。まずできるところはしっかり対策をしていただいて、万一侵入してしまった場合に対して、地域でしっかりと侵入してきた個体を追い払うとか、捕獲するとか、そういった緊急的な対応をしっかりできるような体制を整えておくことも重要かなと思います。8月前後の時期は、山の中で冬眠前のクマの食べ物となる木の実などがない時期である一方、畑では農作物や果樹が実りの時期を迎えていて、どうしても誘引されてクマが出てきてしまいます。まずは、誘因物があるようなところはきっちりと電気柵で囲っていただくということが必要だと思います。また、いくつかの町で取り組みがあると思いますが、小さな集落であれば集落を丸ごと囲むというようなことも大事だと思います。特に過去に侵入してきた場所は把握できていると思いますので、そういうところは重点的に、手厚く柵を設置していくというようなことが必要だと思います。Q. 個人や地域でできる対策について教えてください。A. 個人や地域では、クマの出没が起きるような侵入ルートがあるところは、草刈りなどを進めていただくことと、畑や家庭菜園などクマを誘引してしまうものがあるところでは、しっかりと電気柵を設置するなど、クマが近づいてきても決して食べられないような、そういった対策を徹底していただきたいと思います。人の生活圏の中では、ふだんからクマよけの対策をするのは難しいと思います。クマの出没情報がある地域では、早朝や夜間などの外出を控える、犬の散歩などもクマの住むようなやぶや森の近くではしない、というようなことが必要かなと思います。街の中でクマと出会ってしまったときには、決して背中を向けて走り出さずにゆっくりと後ずさりし、可能であれば建物や車の中に入る、それが難しい場合にも、電柱や車の影など何かの陰に隠れて目立たないようにすることが、まずは大事かなと思います。

(果樹園近くで体長1メートル超のクマ捕獲:宮城)
宮城県登米市で、モモが食い荒らされるなどクマの目撃情報が相次いでいた果樹園近くで、クマ1頭が捕獲された。登米市の住宅敷地内にある箱わなで、20日朝、クマ1頭が捕獲されていた。この近くの果樹園では17日、モモを食べるクマなどの目撃情報が相次ぎ、市などがモモを入れた箱わなを設置していた。市などによると、捕獲されたクマは体長1メートル以上の雄で、地元では安堵の声が聞かれた。今年はクマの餌となるブナの実が「大凶作」と予測されていることなどから、県は警報を出して注意を呼びかけている。

(倉庫内にクマの足跡、住家敷地に玄米散乱:岩手)
20日午前6時ごろ、一関市厳美町の会社員男性(62)方の敷地に玄米が散乱しているのが確認された。一関署によると、自宅に併設する倉庫内の保管庫に二つの米袋があったが、一つがなくなっていた。倉庫内にクマとみられる足跡があった。けが人はいない。

(ごみステーション荒らすクマ:北海道)
8月20日朝、北海道夕張市でごみが荒らされているのが相次いで見つかり、付近ではクマ3頭が目撃されました。江差町でもトウモロコシが食い荒らされる被害があり、警察が付近の警戒にあたっています。ごみステーションが倒され、地面に散乱した大量のごみ。被害があったのは夕張市沼ノ沢にあるごみステーションです。午前5時半ごろ、この家に住む女性がごみが荒らされているのを発見しました。隣にはクマのものとみられる足跡も確認されました。さらに、隣の家でもごみステーションが荒らされているのが見つかり、付近を警戒していた警察が親子とみられるクマ3頭を目撃したということです。また、連日クマによる食害が相次いでいる江差町でも午前5時ごろ、家庭菜園のトウモロコシが食べられる被害が見つかりました。トウモロコシは20本から30本食べられていたということです。畑の中にクマのものとみられる足跡が複数見つかったことから、警察はクマがトウモロコシを食い荒らしたとみて付近の警戒にあたっています。

(中学校の中庭にクマ出没「恐怖心と隣り合わせの生活」:北海道)
学校の中庭にもクマが出没です。20日、北海道北部の初山別村にある中学校でクマが目撃されました。中学校の中庭をゆっくりと歩く1頭のクマ。20日、2学期が始まった初山別中学校で、教諭の一人が撮影した映像です。当時、校内では1年生から3年生まで生徒18人が授業を受けていましたが、けが人はいません。クマは体長約1.5メートルで、その後、林に姿を消しました。初山別中学校 鷲見空我教諭「正直怖いなと思った。自分が子どものころよりもクマが身近にいる。恐怖心と隣り合わせの生活は緊張感がある」。学校では中庭の草刈りを進めるほか、週明けには電気柵を設置する予定です。22日までは一斉下校とし、保護者にも車での送迎を呼びかけています。

(クマがハチミツに誘われたか、民宿の壁が壊される被害:山形)
米沢市で、クマが民宿の壁を壊すという被害がありました。市によりますと、20日の午後9時ごろ、米沢市の関でクマ1頭(体長1m未満)による建物の損壊被害がありました。民宿の壁が壊されていて、建物の内部に作られていた蜂の巣に誘われたことが原因だということです。市は「最近、えさを求めて民家の近くにクマが出没する事例が増えております。誘引物を除去するなどの対応をお願いいたします。新たにクマを目撃された方はすぐに市役所又は警察に通報してください」と注意を呼びかけています。

(クマがメロンくわえて去る:岩手)
岩手県矢巾町で18日、住宅の庭に植えていたメロンをクマがくわえたまま去って行き、警察と町が現場付近をパトロールするなどして注意を呼びかけています。警察によりますと、18日午前9時前、矢巾町北伝法寺で、クマ1頭が住宅の庭をうろついている姿をこの家に住む人が見つけ、警察に通報しました。通報を受けた警察が確認したところ、庭に植えていたメロン2個が食い荒らされていたということです。その後、昼すぎに再びクマが現れ、メロン1個を持ち去りました。家の中から撮影された映像では、体長1メートルほどと見られるクマが庭を物色し、メロンを見つけると口でくわえてつるから引きちぎり、くわえたまま去って行く姿が確認できました。この家に住む人は17日朝から18日午後にかけて、家の近くであわせて4回にわたってクマを目撃したということです。警察と町が現場付近をパトロールするなどして、注意を呼びかけています。

(JR青梅線、運転見合わせ:東京)
JR青梅線は、青梅駅と宮ノ平駅の間で車両がシカと衝突した影響で、午後8時半ごろから青梅駅と奥多摩駅の間の上下線で運転を見合わせています。

(キャンプ場のテント脇でクマが食料あさり:富山)
きのう夕方、北アルプスの薬師峠キャンプ場で登山者のテントと食料がツキノワグマに持ち去られる被害がありました。キャンプ場の利用者が撮影した映像には、テントの脇でクマが食べ物をあさる姿が映っていました。管理する県はきょうから当面の間キャンプ場を閉鎖しました。テントのそばで何かを食べるクマ。きのう午後5時前、薬師峠キャンプ場で撮影された映像です。動じることなく、悠々と食べているようにも見えます。別の映像では、スプレーでクマを撃退する様子も映っていました。突然の出没に一気に緊張感に包まれました。県自然保護課などによりますと、きのう午後4時45分ごろ、子グマとみられるツキノワグマ1頭が登山者のテントをあさり、テント内にあった菓子や飲み物のほか、別のテントのそばにあったコメなどを持ち去ったということです。現場は、富山市にある標高2294メートルの薬師峠キャンプ場=通称・太郎平キャンプ場です。当時、キャンプ場には登山者およそ50人がいましたが駆け付けた山岳警備隊員がスプレーを噴射するなどしてクマを追い払い、けが人はいませんでした。その後も、周辺でクマの目撃が相次ぎました。出没を受け、キャンプ場で宿泊を予定していた人たちは太郎平小屋や薬師岳山荘に避難しました。太郎平小屋ではおよそ40人の登山者が、屋外のテント場で一夜を過ごしました。そしてきょう、薬師峠キャンプ場を管理する県は、当面の間キャンプ場を閉鎖すると発表しました。きょう午前8時半ごろには、薬師岳山荘周辺の登山道わきで再びクマ1頭が目撃されました。キャンプ場からおよそ6キロ離れた折立登山口ではきょう、足早に下山する登山者の姿がみられました。一方、立山室堂では今月14日「みくりが池」でクマが泳ぐ姿も目撃されています。夏山シーズンで室堂周辺や各キャンプ場には多くの登山者や観光客が訪れていることから、県や警察は、クマに近寄らないこと、食べ物やゴミは持ち帰ること、鈴などで自分の存在を知らせることなどを呼びかけています。

(令和7年度ジビエハンター育成研修会(オンライン))
全国でニホンジカ・イノシシによる農林業被害が深刻化し、捕獲が推進されています。一方で、捕獲した個体をジビエとして有効活用する取組も広がってきており、捕獲者の皆様にも食肉衛生の知識をつけていただくことで、優良で安全なシカやイノシシ肉の供給を増やすことができます。そこで、捕獲者を対象とした食肉利用に適した捕獲、異常の確認、および衛生管理等に関する研修会を開催します。研修終了後、受講者に対して、研修カリキュラムの理解度を確認し、研修修了証を受講者に授与します。※ ジビエハンターとは、シカ、イノシシにおける食肉に適した捕獲から搬入までの方法や衛生管理を学んだ捕獲者としています。

(エゾシカ肉をペットフードに:北海道)
北海道函館市に移住して地域活性化に取り組む。前職は神奈川県警山岳救助隊の警察官。妻の実家がある旧椴法華(とどほっけ)村でハンターとなり、エゾシカ肉をペット用ジャーキーとして販売するスタートアップ「熊鹿庁」を起業した。椴法華は函館市の中心部から車で約1時間かかる、半島の先端の地域だ。父親も神奈川県で警察官を務め、山間部にある駐在所で勤務していた。

(森の恵みをいただくジビエ料理体験:静岡)
天竜区水窪町にて、鹿肉を使ったミートソースパスタの調理教室を開催します!まずは、森の恵みに感謝しながらいただく食の大切さについて簡単なお話をします。その後、オーガニック素材を使って、鹿肉のミートソースパスタを皆さんで一緒に調理します。新鮮な鹿肉と有機野菜が織りなす、深みのある味わいをぜひご堪能ください。料理を通じて、自然の恵みを体感していただける内容です。初心者の方でも安心してご参加いただける、アットホームな雰囲気の教室です。ぜひ一緒に、美味しくて心あたたまるひとときを過ごしましょう!

(ジビエ活用で村に恩返し:群馬)
人口わずか1400人、総面積の9割が森林という群馬県南牧村。この小さな山村で、一組の若い移住夫婦が新たな挑戦に踏み出している。広島県出身の宮崎大輔さん(34)と、ハンガリー・ブダペスト出身の妻テオドーラさん。ともに地域おこし協力隊員として村に赴任し、2023年に結婚した2人は、縁を結んでくれたこの村に恩返しをしたいと、ジビエ(野生鳥獣肉)の活用に取り組んでいる。テオドーラさんは15年に国費留学生として来日し、森鴎外の文学研究に没頭。博士号取得後、日本での就職に苦労する中、趣味の登山で偶然訪れた南牧村で地域おこし協力隊の制度を知った。得意の英語で村の観光振興に役立てたらと、21年に移住。そこで出会ったのが、バイクツーリングがきっかけで1年前から暮らしていた大輔さんだった。

(ジビエDXコミュニティ「罠ブラザーズ」がつなぐ都市と山:長野)
猟師が獲ったシカの肉を無駄にしないためにはじまった、オンラインで「罠をシェア」するコミュニティ「罠(わな)ブラザーズ」。新たに東京から、使命感に駆られた仲間が運営に加わりたいと押しかけます。ウェブとデザインに長けたニューメンバーが仕掛けた「DX」によって、罠ブラザーズはより広く知られていきます。Facebook で「罠のオーナー(ブラザー)」となる仲間を募り、ネットショップ作成サービスBASEを利用して、猟師が獲ったシカ肉をシェアする「罠ブラザーズ」は、コロナ禍初期の2020年にはじまりました。夏シカを対象にした最初の罠オーナー募集に応えたブラザーのなかに、都内在住の小川大暉さんと橋香代子さんがいました。2人ともシステム開発エンジニアで、仲間たちと同じマンションの一角をシェアして暮らしていました。小川「当時、僕はずっと部屋にこもって、パソコンの前で仕事をしていました。環境問題とか耳にするけど実感はない。何かやるべきかもしれないけど都市の生活から自然は遠い。モヤモヤしていたところに、知人から罠ブラザーズのことを聞き、興味が湧きました」。現在の罠ブラザーズは、参加を申し込み、決済が完了すると、公式LINEアカウントに招待され、期間中は罠やシカの状況、山の様子、猟師の活動などをまとめたレポートが定期的に配信されます。こうしたレポートを通して小川さんは狩猟への興味をつのらせるとともに、野山を駆けていたシカが「生きものから食べもの」へと変わる「野生のリアル」を追体験します。その衝撃も冷めやらぬうちに、小川さんのもとに、獲れたシカ肉が届きました。小川「動画で見たシカと、届いたお肉がつながって、それまで食べていた”抽象的な動物の肉”ではなく、個体性のある“あのシカの肉“になったんです。自然と『いただきます』と手を合わせたときに、その意味が腑に落ちて、自分は感謝していただくことしかできないんだって思いました」。命をいただくという、人間も含めた万物をつなげる自然界の摂理に触れて、シカへの恩返しなのか、命への感謝なのか、自分にできる何かをしなければという衝動に、小川さんは駆られました。小川「罠ブラザーズからすごい本質的で大切なことを学べた気がして。自分はITの仕事をしていますが、こんなにもインターネットが豊かさにつながっていることを、実感したのは初めてでした」。小川さんと共同生活を送る橋本さんも、届いたシカ肉を一緒に食べていました。橋さんは生活共同体TSUMUGIを運営し、千葉近郊の田んぼでお米を育てたり、都内のビルの屋上で菜園に挑戦したり、食や農業に関わる活動を積極的に手がけています。橋「私は生まれも育ちも東京で、野生動物や自然との関わりが一切ないまま生きてきました。誰がどこで作っているものかを知らずに消費ばかりしている自分を省みる機会があって、一次生産までプロセスをさかのぼりたいと思っていました」。橋「田んぼに通って仲間たちと自ら農作業をして、できたお米はみんなで分ける。できあがったお米を買うのではなく、田んぼの区画整理の段階から共有するTSUMUGIのやり方と、肉ではなく罠を買ってもらう罠ブラザーズのやり方は、重なるなと思いました」。小川「でも、こんなに感動したのに、罠ブラザーズのことを友だちに紹介しようにも、当時はFacebookグループ上のクローズドなコミュニティでしかなかった。これはもう、Webサイトを自分たちで作るしかないかなって。自分たちのスキルを、意義ある活動に使えないかなと思ったんです」。そして小川さんと橋さんは、周囲のエンジニアやデザイナー、フォトグラファーなどフリーランス仲間に声をかけ、罠ブラザーズのオフラインの現場である長野県上田市へ向かいました。東京から上田に移住して兼業猟師をはじめ、罠ブラザーズを立ち上げた川端俊弘さんは、こう振り返ります。川端「2人が仲間と一緒にわざわざ上田まで来て、罠ブラザーズのことをもっといろんな人に知ってもらうべきだって強く言ってくれたんです。大暉は一緒に温泉につながら『シカ肉をもらえればいいから、Webサイトを作らせてくれ』って」。小川「潤沢に資金があるようにはお世辞にも見えなかったし、お金もうけがしたいわけでもない。猟師の活動やシカ肉だけでなく、そこから得られる体験とか思いとか、いろんなものをシェアしたいという純粋な気持ちでした」。橋「関わる人間が全員フリーランスなので自分の食い扶持(ぶち)は本業で稼ぎつつ、本当に意味あることを、ライフワークとしてやりたいっていう気持ちが集まって、原動力になったのかなと思います」。川端「僕と、ボブさん(共同運営者の一人、石川祥史さん)がはじめたことに、そこまでの意味があるという自覚がなかったんです。もともと余ってしまうシカ肉を食べてもらうことが目的だったので。でも彼らといろいろ話していくうちに、上田に限らず日本中で獲られているシカのほとんどが捨てられていて、それを知ってもらうこと、食べてもらうことが大事なんだと気づかされました」。猟師として日々、命と向き合うなかで、当然ながらさまざまな思いや感情は去来する。でも、それを押しつけることはしたくない。一方で、罠の仕組みや里山の様子、どんな場所に罠を仕掛けるか。伝えたいことはたくさんある。そんな川端さんの思いをくみつつ、もともとの枠組みはそのままに、課題と目的を明確にして、敷居を上げすぎず、楽しく、より多くの人の共感を呼ぶように設計・デザインされた罠ブラザーズの公式Webサイトが作られました。2022年、罠ブラザーズは「猟師と街で暮らす人をつなぐ体験のデザイン」が評価され、グッドデザイン賞を受賞します。さらに同年、内閣府地方創生推進室による「関係人口創出・拡大のための対流促進事業」の一つに採択されます。小川「オンラインでの活動を続けるなかで新たな課題も見えてきました。ひとつはオフラインとの解像度の差。もっと伝えたいことはいろいろあるのに、オンラインで見えることには限りがある。もうひとつは、僕らがブラザーのことを知ることができないこと。チャットでは伝わることに限りがあるし、ブラザーの側もLINEでは話しづらいかもしれないので」。そんな課題の解決を模索していた矢先の事業採択を機に、新たに、年間プランと現地体験ツアーの構築に取り組みます。のちにそれぞれ「アメイジング罠ブラザーズ」「僕たちはどう食べるかツアー」と名づけました。「アメイジング罠ブラザーズ」は、シカ肉を日常的に食べたい人や、中長期視点で罠ブラザーズに関わりたい人たちに向けたプランです。年間を通じて罠のオーナーとなり、毎月の活動レポートと3カ月ごとのシカ肉を受け取り、さらに猟師の見回りに同行できたり、現地体験ツアーが割引されたりする特典があります。橋「畜産とちがって、ジビエは安定して決まった量が獲れるわけではもありません。そのリスクも含めて応援してもらう仕組みです。コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー(コミュニティ支援型農業)という仕組みの一つと考えています」。「僕たちはどう食べるかツアー」は、1泊2日の食体験のツアーです。猟師に同行して罠を仕掛けたり、食肉処理施設で精肉を体験したりして、夜にはジビエ尽くしの晩ごはんを食べられます。グッドデザイン賞とプラン拡大はより多くの人との関わりを生み、北は北海道から南は熊本まで、全プランの参加者は累計350人ほどにまで増えました。メディアで取り上げられる機会が増え、罠ブラザーズの取り組みは、さらに広く知られていきます

(ぶるぼんさんが高校生に狩猟体験伝える:山口)
「よしもと住みます芸人」のぶるぼんさんが下関市の高校でイノシシやシカの狩猟体験を生徒たちに伝えました。出前授業には山口農業高校西市分校の生徒およそ20人が参加しました。講師を務めたのは「よしもと住みます芸人」のぶるぼんさんです。ぶるぼんさんは「わな猟免許」を取得していてJAグループ山口の協力のもと農業や狩猟について伝える活動をしています。生徒たちはことし10月に山口市で開かれる「ゆめ花マルシェ」で地元、豊田町産のジビエ商品を販売することになっていてぶるぼんさんは命に敬意を払ってジビエの魅力を伝えて欲しいと話しました。会場では生徒たちが販売することになっているジビエ商品の試食会も行われました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、22日午前9時10分ごろ、栗原市栗駒泉沢谷地田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後6時ごろ、仙台市青葉区新川中村にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、21日午後6時ごろ、丸森町舘矢間山田永作にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、22日午前7時30分ごろ、登米市津山町横山伊貝にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午前1時15分ごろ、仙台市青葉区新川中村にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後4時15分ごろ、仙台市青葉区芋沢座当にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、20日午後5時ごろ、角田市藤田峯にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、20日午後6時ごろ、富谷市明石原川戸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午前9時30分ごろ、仙台市青葉区新川佐手山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、20日午後0時ごろ、丸森町峠革踏石にクマが出没しました。

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8/20
(シカ?避けようと軽乗用車がのり面に衝突:山梨)
17日夜、山梨市の国道で動物を避けようとした軽乗用車が道路脇ののり面に衝突し、男女3人が重軽傷を負いました。日下部警察署によりますと、17日午後7時20分ごろ、山梨市牧丘町隼の国道140号で軽乗用車が道路にいた動物を避けようとしたところ、対向車線にはみ出し道路右側ののり面に衝突しました。この事故で軽乗用車に乗っていた男女2人が胸や足首の骨を折る重傷を負ったほか、女性1人が軽いけがをしました。目撃情報からシカが道路を横切ったとみられ、警察が詳しい状況を調べています。

(羅臼岳のヒグマ襲撃、死亡男性の遺留品に付着した体毛のDNAが駆除の母グマと一致:北海道)
北海道・知床半島の 羅臼らうす 岳(1660メートル)で登山客の会社員曽田圭亮さん(26)(東京都墨田区)がヒグマに襲われて死亡した被害で、曽田さんの遺留品に付着していた体毛のDNA型が、現場付近で駆除されたクマの親子3頭のうち、母グマのものと一致したことが分かった。道警などの発表によると、曽田さんは14日午前11時頃、友人とともに下山していたところをヒグマに襲われ、登山道脇の茂みに引きずり込まれた。遺体は15日に約200メートル離れた場所で見つかり、死因は全身をかまれるなどしたことによる失血死と判明した。現場付近では同日、曽田さんの捜索中に出没したヒグマの親子3頭が駆除されていた。曽田さんを襲った個体かどうかを調べるため、道立総合研究機構(札幌市)が採取した試料のDNA型鑑定を進めていた。

(ヒグマに襲われた男性は失血死、格闘し両脚から出血:北海道)
北海道警は16日、斜里町の知床半島にある羅臼岳(標高1661メートル)で14日にヒグマに襲われて死亡した東京都の20代男性の死因は、全身多発外傷による失血死と発表した。道警などによると、男性は14日午前にヒグマに襲われ、格闘して両太ももから出血。その後、林に引きずり込まれた。15日の捜索で、男性が襲われた登山道から、林に入り50~200メートルの場所に破れた紺色のシャツと財布、腕時計などが散らばっているのを発見。シャツや現場周辺の樹木、地面には血痕があった。道警などは男性の捜索中にヒグマ3頭を発見。ハンターが発砲し、3頭を駆除した。1頭は親グマ、2頭は子グマだった。男性の遺体は3頭がいた場所で見つかった。道内では7月に南部の福島町の住宅街で男性がヒグマに襲われて死亡している。

(豚熱感染の疑いあるイノシシ死体:福岡)
福岡県は19日、同県久留米市で家畜伝染病「CSF(豚熱=豚コレラ)」に感染した疑いがある野生のイノシシの死体が発見されたと発表した。国の検査で陽性が確定すれば、同県では1981年以来の発生となる。県によると、感染した疑いがあるのは12日に発見された雌で、県の検査で陽性反応が確認された。国による遺伝子検査が行われ、19日夜には結果が判明する予定。県は19日午前、対策本部会議を開催し、県内の養豚農家に消毒の徹底を呼びかけるなど対応を確認した。県内で飼育されている豚にはすべてワクチン接種が行われているという。

(生活圏へ侵入のクマに発砲「緊急猟銃」9月から可能に、安全確保など対応力課題に)
自治体の判断で市街地にいるクマに発砲する緊急銃猟を可能にする改正鳥獣保護管理法が9月に施行される。これまでは人に具体的な危険が迫った段階で警察官がハンターに発砲を命令してきたが、クマが人の生活圏に侵入するなどした際、自治体は発砲をハンターに委託する形で緊急銃猟を実施できるようになり、迅速な対応が期待される。クマ出没が続発する新潟県新発田市では今月25日、市、警察、地元の猟友会などが合同で訓練を行い、交通規制、住民避難、銃猟という一連の流れを確認する。実施条件には銃猟で人に危害が及ばないことも含まれ、市担当者は「訓練はイメージをつかむことが目的だが、住民に安全確保の行動を促せるか不安だ」と話す。山梨県富士吉田市では、外国人ら観光客に人気の新倉山浅間公園の周辺でクマの目撃情報が相次いだ。市担当者は交通規制に従わない人が出る懸念もあるとし「どこまで強制力を発揮できるのか」と頭を悩ませる。栃木県那須塩原市の担当者はクマが動くことで状況が刻一刻と変わり、警察と自治体のどちらの権限で発砲するか判断が難しいケースもあり得ると指摘。「警察と十分なすり合わせが必要になる」と話した。

(四国のクマ生息数、これまでの推定上回る26頭を確認)
四国森林管理局(高知市)と中国四国地方環境事務所(高松市)、四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)は、2024年度の四国内におけるツキノワグマの生息調査結果を公表した。徳島県の剣山山系から香美市に至る周辺で、これまで16~24頭が生息すると推定されている中、最低でも26頭を識別した。調査開始以来で最も多く、親子4組も確認されたといい、同局は「繁殖も行われ、地域個体群は維持されている」とみている。四国のツキノワグマは、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされている。3団体は14年度から、「はしっこプロジェクト」と銘打って調査を実施している。今回の調査は24年4~12月、34か所83地点にセンサーによる無人撮影装置を設置して実施。このうち徳島県の三好、美馬両市とつるぎ、那賀両町、香美市など19か所(徳島県12か所、高知県7か所)で、個体が確認された。19か所のうち15か所は、これまで生息が確認されている「分布中心地域」で、残る4か所は17年以降に生息が確認された地域の辺縁地域だった。依然として、剣山山系及びその周辺の限定的な地域が、分布域として推察される。絶滅の危険性が高い個体群では、繁殖が安定して行われているかどうかが重要。今回、複数の親子が確認されており、個体数が少ない中でも、確実に繁殖が行われていることが確認できたことの意義は大きいという。調査ではツキノワグマのほかにも、特別天然記念物のニホンカモシカが27か所で撮影されていた。四国森林管理局は、「今後も四国のツキノワグマの生息状況を適切に把握するために、今回生息が確認された辺縁地域も含め、各機関の連携により調査を継続し、恒常的な分布域であるかを確認していく」としている。

(シカ・クマによる林業被害4年ぶり減:栃木)
県内の2024年度のシカとクマによる林業被害額は前年度比49%減の1億1700万円で、4年ぶりに減少したことが17日までに県のまとめで分かった。過去10年間では20年度と同額で最も少なかった。被害面積は52%減の31ヘクタール。24年度のシカの捕獲数が1万4072頭と前年度比で11%増加しており、捕獲数の増加が被害の減少につながったとみられる。

(野生ニホンジカによる農作物被害 昨年度は過去最悪に:青森)
昨年度の野生動物による県内の農作物の被害は、ニホンジカによる被害額が1900万円あまりと急増し、過去最悪となったことがわかりました。県によりますと、昨年度の野生動物による農作物の被害額の速報値は全体で6444万円で、前の年度からおよそ3割減りました。作物別では、りんごを中心とした果樹が4295万円と全体の7割近くを占めて最も多く、次いで、野菜の1450万円、水稲の596万円などとなっています。また、動物の種類別では、最も多かったのがニホンジカで1937万円、次いで、イノシシが1367万円などとなっていて、いずれも、今の方法で調査を始めた2007年度以降、過去最悪となりました。このうち、ニホンジカによる被害の98%あまりは果樹で、特に黒石市で、りんごの木の皮が食べられる被害が多く、被害額は1733万円に上ったということです。県農林水産部では、「近年では、岩手県側からニホンジカやイノシシが北上して、県内での食害が増加している。猟友会と連携して、農作物の被害の低減に努めたい」としています。

(クマ情報アプリ来月全域で運用開始:長野)
クマによる被害が相次ぐ中、県は19日、対策を検討する会議を開き、市町村がクマの目撃情報をリアルタイムで更新できる民間のアプリを来月から県内全域で運用を始めることなどを共有し、各地で対策を進めていくことを確認しました。県庁で開かれた会議には鳥獣害対策や観光などを担当する部署の幹部らが出席しました。会議では、県内の里地でのクマの目撃情報はことしは、去年に比べて少なくなっている一方、登山客なども含めた人身被害が相次いでいて、すでに去年1年間の合計と同じ13人に上っていることが報告されました。このあと、対策としてクマの生息域をエリアで分けて管理する「ゾーニング」を先月末までに県内10の市町村で導入したことや、市町村がクマの目撃情報をリアルタイムで更新でき、一般の人も見ることができる民間のアプリ「けものおと」を県内全市町村で、来月から運用を始めていくことなどが共有されました。そのうえで、クマが人に慣れると被害が拡大するリスクがあり、先手を打った対策を進めていくことや、登山中の被害も発生していることから、登山客などへの注意喚起にも力を入れていくことなどを確認しました。

(平泉・毛越寺、イノシシ防護柵設置:岩手)
イノシシに地面を掘り起こされる被害を受けていた平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)は、防護柵の新設など境内への侵入を防ぐ対策を施した。その後新たな被害は確認されておらず、世界遺産平泉の構成資産となっている浄土庭園の景観と地中の遺跡は守られている。同寺では防護効果を確認しながら警戒を続ける。同町ではここ数年、同寺と中尊寺、観自在王院跡の各構成資産でイノシシによる被害が発生している。国の特別史跡・特別名勝にもなっている毛越寺では1月、常行堂や講堂跡、開山堂、弁天池の付近など、山林に近いエリアで被害を確認。中心的景観で庭園遺構も多い大泉が池まで拡大することを懸念し、国などの了承を

(囲いワナ設置、20日からシカ捕獲:北海道)
住宅地などの出没が相次ぐエゾシカの駆除対策として、稚内市は20日から旧西小中敷地に囲いワナを設けシカ捕獲を始める令和2~3年は旧西小中横、4年~5年は西浜1のテレビアンテナ塔近くの草地、昨年はノシャップ2の旧スポーツセンター裏手で行ったが、6年目の今年は、事前調査でシカが多く出没している西浜地区に現れる群れを捕獲できるよう初年度から2年間行った旧西小中に場所を再び戻した。ワナは高さ3・5㍍縦横8㍍四方の大きさでトウモロコシや大麦4種類のエサでシカを誘い出しカメラで監視を続け、シカが囲いの中にある程度入ったところで稚内猟友会のハンターがスマホの遠隔操作により扉を閉じ捕獲する。囲いワナは10月上旬まで設置する。13日午前、猟友会とワナの中に入れるエサの位置などを調整していた市の担当者は「事前調査でワナ付近には30頭前後の群れを確認し、周辺にはそれ以上の群れがいる。1頭でも多く捕獲したい」としている。一昨年は54頭、昨年は81頭捕獲した。

(メルカリ「空の薬きょう」など出品禁止に)
大手フリマアプリのメルカリは、空の薬きょうなどを出品禁止としました。警察庁からの協力要請を受けたメルカリは、先月から空の薬きょうなどを出品禁止としました。空の薬きょうはアクセサリーなどに加工する人がいる一方、警察庁によりますと、火薬や鉛玉などを詰めれば実弾として使用できる可能性があり、過去に事件で使用されたこともあるということです。メルカリは、「より安心安全な取引環境の構築に努める」とコメントしていて、警察庁はテロ防止のため、ほかのEC事業者にも協力を求めています。

(松山ケンイチ、射撃でど真ん中撃ち抜く腕前に反響)
俳優の松山ケンイチ(40)が、20日までに自身のYouTubeチャンネルを更新。何度もど真ん中を撃ち抜く射撃姿を公開した。松山は「松山ケンイチ、ゴルゴへの道【射撃訓練】」と題した動画で、猟銃の所持許可を取得して10年目であると紹介。今回は射撃場に訪れて、毎年行っているというスコープの調整と射撃練習の様子を披露した。「いきま~す」と軽やかな口調、真剣な表情で撃ち始め、慣れた手つきで1発目から100メートル先にあるという的の中心を撃ち抜く。隣にいた男性も「あ~いいね!」とお褒めのコメント。その後も次々と中心を打ち抜き、普段のイメージとは一変したクールな姿を見せている。数発だけが中心をずれたが、ラストもど真ん中を撃ち抜き「僕的にはかなりいい感じにできたと思います」と満足した様子を見せていた。この動画を見たファンからは「銃をもっている松山さんいつにもましてかっこよすぎます」「銃を支える腕、指が き、きれい…」「ゴルゴもびっくりの凄い腕前!!」「手の動きが全て美しい」などと反響が集まっていた。

(もっと“生存率が高まる防衛術”とは、クマ外傷治療のエキスパートが提案:秋田)
今年も「クマ被害」のニュースが後を絶たない。環境省の発表によると、今年の4月から7月末までの期間で、クマに襲われてけがをした人や死亡した人は全国で55人にのぼり、過去最多の被害があった2023年とほぼ同じ水準となっているという。クマシーズンが始まる直前の5月28日、出版されたのが『クマ外傷 クマージェンシー・メディシン』(新興医学出版社)だ。30年にわたってクマによる外傷の治療に携わってきた、秋田大学医学部救急・集中医療医学講座の中永士師明(ナカエ・ハジメ)教授がまとめたこの本には、凄惨なクマ被害と、救急救命医療の“リアル”が綴られている。クマと出会った時の対処法や「クマと人間の距離感」について、中永教授に話を聞いた。クマ外傷について、中永教授は「9割が顔に傷害を負う」と明かす。症例を多数診てきた中永教授は、集まった知見から、クマに遭遇したときに死を避けるための防衛術を提案している。「一般的には『目をそむけず、ゆっくり後ずさりしながら立ち去れ』と言いますが、それはかなり距離が離れている場合。もしこちらに向かってきたら、クマは時速50kmで走れるので、逃げるのは不可能です。離れるも何も、藪からいきなり出てきて襲ってきたという例も多い。ですから近い距離でクマと出会った場合は、被害を最小限にすることを考えるべきです。クマは人間の顔の高さを攻撃してくるので、顔面と首の横の頸動脈を守ることが最優先になります。首の後ろで指を組んで、腕で顔と首を守り、小さく丸くかがんでクマに背を向ける。外から腕を攻撃される可能性はありますが、人間の身体で比較的硬い背中を向け、じっとうずくまって耐えて、立ち去るのを待つのです。北海道にいるヒグマのなかには、エゾジカや家畜を食べて肉の味を覚えた個体がいて、食べるために人を襲ったりします。一方東北にいるツキノワグマは基本的に人を食べず、パニックになって襲っているだけなので、致命傷を負わないよう耐えてやり過ごせば、生き残れる確率は高くなります」(中永教授、以下同)。実際にこの防御体制をとって耐えた人の症例があるという。クマに横から殴られて腕を骨折したが、顔と首は守り、命に別状はなかった。怪我は避けられないものの、致命傷を負わないことを優先すべきだ。ところで、北海道でヒグマに遭遇したときはどうすればいいのか。「難しいですね……クマの撃退スプレーなどを携帯して身を守るしかないですが、どれほど効果があるかはわかりません。東北でも同じですが、林業などの方は仕方がないとして、山菜採りや栗拾い、登山など趣味的な理由で、むやみに山に入らないこと。クマとの遭遇を避けることが第一です」。日本全国でクマによる被害が増えているが、クマを駆除すると、「山に帰せばいいのに、なぜ殺処分した」「駆除をやめろ」などと自治体に抗議の電話をかけてくる人々が多数いる。こうした意見について、中永教授はどう考えるか。「里に下りてきて、倉庫にある米だとか柿の木の実だとかを食べ、人間の食べ物の味を覚えてしまったクマは、仮に捕獲して山に帰しても必ずまた里に下りてきます。そういうクマは駆除するしかありません。クマが生活するテリトリーは、昔と比べると確かに広がってきていると感じる。それは、かつてクマを狩る存在だった“マタギ”が減少したことで、クマが人間に対して恐怖を覚えなくなったこと、また純粋にクマの頭数が増加したという背景もあるのではないかと思います。そういう意味でも、2023年、被害件数が多かった年にクマを多く狩ったことで、翌年の被害件数は減少しましたよね。人間がクマのテリトリーに入っていく必要はありませんが、人間とクマがそれぞれの生活を守るために、距離感を保っていかなければいけないと思います」。これからクマは冬眠に向け、エサを求めて行動範囲を広げていく。クマとの接触はできるだけ避け、万が一遭遇した場合も、中永教授の「防衛術」を参照するべきだろう。

(猟師が話すリアルな「ヒグマ」に620万表示の反響)
7月18日、男女2名を襲い死亡させたエゾヒグマ1頭が北海道福島町で駆除された。7月27日には、北海道知床半島の羅臼町の住宅街を通る国道で生きたエゾシカを襲撃したヒグマが駆除されている。相次ぐ駆除の報道を受け、北海道庁や地元役場には、「クマを殺すな」といった苦情の電話が殺到。業務に大きな支障が出ており、浅尾環境相も、過度な苦情を自粛するよう呼びかけた。その一方で、「日本からクマを絶滅させるべき」といった過激な声もあがっている。こういった「クマ」への過剰な反応に対して、「みんな熊にビビり過ぎ。よく見るサイズなら、せいぜい力士に爪と牙が付いて言葉や法律が一切通じない程度のヌイグルミだぞ」とX(旧Twitter)に投稿した、さっと(@sattosatto900)さん。さっとさんは現役の猟師。羅臼で駆除されたヒグマの解体場の後片付けにも加わったという。「熊目撃のニュースってほとんど盛られててデカくなってる。よく『2メートルの熊が目撃され~』とか言われるが、生き物はデカく見えるのが普通。子牛を襲った熊はニュースで足幅17センチとか言われてたが、実際は10センチなかった。嘘もあるし、素人に熊の足幅の測り方は分からない」。620万以上表示され、5万以上のいいねがついたさっとさんの投稿に対して、多くの驚きの声が寄せられた。「まず一般人は力士には勝てないところから」「時速50キロ位でしか走らないしね」「時速40~60キロの力士のぶちかましは、全身を強く打って亡くなるレベルじゃないでしょうか」「あと、複数人で行動中のレンジャーに不意打ち先制攻撃ができる隠密行動力がある程度ですね」「そう考えると、力士が許されてるのは、爪と牙がなくて言葉や法律が通じるからなんだな…」。福島町で駆除されたオスのヒグマは、体長208センチ、体重218キロ。羅臼で駆除されたメスのヒグマは、体長120センチ、体重94キロ。対する「力士」のサイズは、幕内力士の平均で、身長185センチ、体重157キロ。クマは雌雄でかなりサイズが異なるが、駆除が報道された雌雄のヒグマの中間値を考えると、さっとさんの投稿通り、力士の平均サイズに近いイメージだ。「人との遭遇率が高く、駆除されやすい個体はそのくらいのサイズになります。近年、駆除への理解が深まり、駆除推進を後押ししてくれています。その反面、ヒグマの保護や共存の可能性を訴える人たちを攻撃する人たちもいます。北海道ではヒグマに対するいろいろな保護活動が行われています。現場も駆除は最後の手段だと考えています」(さっとさん)。北海道では、学識経験者からなる「北海道ヒグマ保護管理検討会」を設置し、ヒグマの保護管理を行なっている。また、駆除については、人とヒグマの共存に向けた取り組み「北海道ヒグマ管理計画」に基づき、段階的に判断が行われているそうだ。

(「熊の命を奪うな」「山に返してやれ」に地方在住の編集者が眉をしかめる理由)
山から下りてきて田畑を荒らしたり、人に危害を加えたりした熊の駆除をしたと発表すると、「命を大切にしろ」「あんなにかわいいのに」「山に返してやれ」とクレームが役所・ハンターの元に殺到することが定番となった。罵詈雑言すらあるという。北海道では、クレーム電話が2時間に及ぶ例まであったそうで、完全に業務妨害である。そんな中、札幌市議会議員の成田祐樹氏はXに、熊関連の電話はナビダイヤルで1分300円にすればいい、といった趣旨の提案をした。さすがに2時間で3万6000円を払う人間はいないだろうから、このやり方は業務妨害対策として優れているかもしれない。この手の電話のほとんどは別の自治体の住民からのもののようで、多くが地元の実情を把握しておらず、妙なヒューマニズム(ベアーイズム? )にもとづいたクレームとなっている。はっきり言って、この手のクレーム電話をする者は自己中の浅はか者である。都会の人間が多いのだろうが、田舎では害獣は本当に害をもたらす。最悪の場合、人間が命の危険に晒されることもある。実際、2025年の熊による死傷者数は8月7日現在ですでに55人にのぼり、最多だった2023年の56人を上回るペースで進んでいる。秋田県の佐竹敬久前知事は、2024年12月、クレーマーに対し、県議会で「私なら『お前のところにクマを送るから住所を送れ』と言う」と発言。ナビダイヤルと佐竹前知事の提案を実際に実行されたらクレーマーの方が困るだろう。私は熊がいない九州・佐賀県唐津市在住だが、害獣というものは実に厄介な存在だ。この地域にもイノシシ・鹿・猿・アライグマ・タヌキ・ハクビシンといった動物が農作物を食い荒らし、時には車に突っ込んできてフロントガラス粉砕、車は廃車、なんてこともある。地元の人や農家からはその迷惑さ加減を頻繁に聞く。ましてや熊だったらもっと大きく、狂暴なため、人間が命を落とすこともあり、その迷惑さたるや無限大である。確かにこれらの動物も、子ども時代はかわいい。イノシシの子どもの「ウリ坊」なんて、かわいさだけでできていると言っても過言ではない。熊も子熊はかわいいし、そもそも熊自体が動物園にいるのんびりした白熊や、ディズニーアニメの「熊のプーさん」のようなイメージがあるから、クレーム電話をするのだ。だが、実際の熊は本当に恐ろしい。秋田の山中を牛耳る巨大熊「赤カブト」と犬軍団の死闘を描く『銀牙 流れ星銀』ほどではないにせよ、やはり猛獣である。熊を20年飼っていた長野県の75歳男性が2022年にその熊によって殺されるという事故もあった。野生動物というものは犬や猫と違ってなつかないのである。カワウソやイタチもかわいいが、ペットにするには無理があるから普及しないのだ。ましてや熊である。ヤツらは腹が減ったら恩義もなにもなく手当たり次第に襲い掛かる。その実態を知らない人間が安易にクレームをしているのだ。かわいいから殺してはいけないだと? アァ、そうですか。牛、可愛いですよね? 豚もブーブー鳴いてかわいいですよね。イカだってハゼだってカサゴだって無茶苦茶かわいいけど、刺身やら天ぷらにしてうめぇうめぇ、と食べるではありませんか。魚を釣り上げると、残酷にも頭を切り落とし、内臓を掻き出し、背開きで中骨を外していく。挙句の果てにはまだ生きているイカにワサビと醤油をつけてパクリ。死んだ後も油風呂にぶち込んで「ハゼの天ぷらは最高だね」なんて言う。人間の原罪というものは、人間が地球の生物ピラミッドの頂点にいるため、その下にいる生き物を食べなくてはいけないところにある。ヴィーガンやベジタリアンも結局は生命体である野菜を食べているわけだ。これはもう「仕方ない」のである。そして、この世は人間中心のものになっており、人間様に害をもたらす獣は駆除するしかないのだ。まぁ、猿は条例で駆除はできず追い払うが。こうした格闘を日々している佐賀県の農家・A氏は熊問題も絡め、害獣駆除についてこう語る。農家が生産しないと我々はメシが食えないのである。そこのところ、クレーマーは理解するように。「イノシシの被害が多いので、罠を仕掛け、槍で一気に脳天を刺して血を出させて殺します。すぐに内臓を取り出して水で洗う。こうすることにより、おいしい肉が食べられる。我々だって本当は殺したくないですよ。でも、殺さないと農作物が壊滅的打撃を受けるんです。そして、上手に捌いたらそれは皆に分けて感謝しながら食べる。害獣との付き合い方はコレしかないんです」。こんな事情を把握してもまだ害獣駆除に激しくクレームをつける者には、佐竹前知事の発言ではないが、ぜひ野生の熊やイノシシを大事に庭で育ててくださいね。

(「登山者が悪い」「クマがかわいそう」は正しいか:原田隆之 筑波大学教授)
知床・羅臼岳で8月14日に発生したヒグマによる死亡事故は、多くの人に衝撃を与えました。報道によれば、20代男性が同行者と下山中にヒグマに襲われ、藪の中に引きずり込まれた挙句、のちに遺体で見つかりました。登山道は閉鎖され、周辺では駆除した個体のDNA鑑定などが進められています。事実関係の細部は捜査中ですが、「山に登る側が悪い」「駆除されるクマがかわいそうだ」という反応がネット上で繰り返されています。これらの見方は妥当でしょうか。まずは心理的メカニズムから整理します。最初に働きやすいのが「公正世界信念」です。人は「世界は基本的に公平で、良い行いには良い結果が、悪い選択には悪い結果が返る」と信じたい傾向を持ちます。悲劇が報じられると「きっとどこかに当人の落ち度があった」と考えることで、自分の身に降りかかるかもしれないリスクから心理的に距離を取ろうとするのです。これは古典的研究で繰り返し示されてきました。次に、「基本的帰属の誤り」を指摘することができます。私たちは他者にふりかかった出来事を、状況要因よりも個人の判断や性格に帰属しがちです。山岳の現場条件(天候、地形、クマとの遭遇確率、クマ個体の凶暴性など)よりも、「軽率に山へ行った」という物語のほうが、頭の中で処理しやすいからです。さらに「リスク感情仮説」「感情ヒューリスティック」と呼ばれる傾向があります。これは、「リスクは感情として知覚されやすい」という現象のことです。クマ出没というイメージは強い感情を喚起し、冷静で認知的な確率計算(人を襲う凶暴なクマとの遭遇、そして凄惨な結果につながる確率)よりも、直感的な不安・怒り(3頭も駆除されてかわいそう、罪のない子グマまで殺さなくてもいいのに)が判断を左右します。その結果、「自分は行かない=安全」、「危険な山に登ったのだから自業自得」という単純な線引きが強化され、被害者への不当かつ厳しい評価につながりやすいのです。さらに、野生動物への「擬人化(アンスロポモーフィズム)」も強力です。人は非人間に人間らしい心を見出す傾向があり、とりわけ大型哺乳類には「親子」「愛情」「空腹」などの心情を想像しやすいといえます。擬人化はその対象への道徳的配慮を高めることが知られています。したがって「生き延びようとしただけのクマを殺すのは不当」という直感的な義務論的反応が起こりやすいのです。道徳判断はしばしば「まず直感、あとから理由づけ」で動きます。頭では「人的安全のために一定の管理が必要」と理解していても、心は「無垢な自然」を守りたいと訴える。心理学ではこの道徳判断における直感優位という傾向が、数多くの実験で示されてきました。ここで重要なのは「感情」と「エビデンス」を結び直すことです。ヒグマ事故の抑止に関して、海外の研究は次の示唆を与えます。問題個体の致死的管理(いわゆる駆除)は、短期的効果がある。カナダ・ブリティッシュコロンビアの準実験では、殺処分後に一時的に通報や被害が減ることがわかっています。ただし、それは必ずしも長続きするものではありませんでした。施設・資源側の対策(電気柵、ゴミ管理、餌付け防止)は効果が高い。メタ分析では、ゴミ管理や餌付けの防止、そしてとりわけ電気柵が高い効果を示しました。このような科学的エビデンスに裏付けられた対策を講じることは、被害の防止だけでなく、クマを人から遠ざけることによってさらなる殺処分の防止にもつながるのです。心理学者として強調したいのは、直感はしばしば誤った結論を導く場合もあるということを自覚し、科学的エビデンスが示す事実と対策に引き戻す「二段構えの思考」です。カーネマンは、前者(直感的思考)を「早い思考」、後者を「遅い思考」と呼び、それぞれに一長一短があるものの、「早い思考」のもつ危うさを強調しています。「早い思考」に基づく公正世界信念や帰属バイアスが働くと、私たちは容易に「自己責任」に流れます。そして、被害者非難や一方的な動物擁護に陥ります。しかし、前述のように、山の事故は、偶然・天候・地形・出没タイミングといった状況要因の総体で起こります。こうした事実を慎重な「遅い思考」によって十分に検討する必要があります。被害者非難は再発防止にも役立ちません。同様に、「早い思考」に基づく動物の擬人化と共感は、自然への敬意や倫理を支えますが、餌付けなどによって「人を危険視しなくなった個体」や「人域に繰り返し進入する個体」に同じ反応をそのまま適用すると、地域の安全と相克を起こします。管理は動物愛護の反対語ではなく、共存のための「遅い思考」に基づく懸命な方略なのです。「登山者が悪い」「クマがかわいそう」という二項対立は、私たちの直感的な心が自然に選びがちな「物語」です。上記のように、心理学はその物語がどのように生まれるかを説明しますが、社会として必要なのは、被害者を責めず、クマだけを神格化も悪魔化もしない現実的なリスク管理と対策です。専門家による効果のエビデンスに基づいた「遅い思考」によって、何が有効なのかを明確にし、効果的な対策を積み上げることが、結果として人命もクマも守ります。最後になりましたが、今回の不幸な事故で犠牲になった方のご冥福を心からお祈りします。

(ヒグマの“観光利用”検証を:北海道)
北海道・知床の羅臼岳で発生したヒグマによる登山者の死亡事故を巡り、各方面で波紋が広がっている。ネット上では被害に遭った男性の死を悼む声の一方、「ヒグマのいる山に入った登山者にも責任がある」という自己責任論や「殺処分されたクマがかわいそう」といった感情論、反対に「ヒグマは絶滅させるべき」といった極論など、さまざまな意見が飛び交っている。中には亡くなった男性を冒涜(ぼうとく)するかのような誹謗(ひぼう)中傷に近い内容のコメントもあるが、なぜ山での事故はここまで当事者の責任を問う声が大きいのか。登山を趣味とし、事故のあった羅臼岳でヒグマに遭遇した経験もある記者が、登山を巡る自己責任の在り方について考察した。一連の報道によると、今月14日、東京から羅臼岳を訪れていた20代の男性が登山道を通行中にヒグマに襲われ、藪の中に引きずりこまれるところを同行していた友人が目撃。友人はその後下山し警察に通報した。襲われた男性は翌朝遺体で発見され、付近にいた親グマ1頭と子グマ2頭がハンターにより駆除された。道警などはDNA鑑定などから駆除されたヒグマが男性を襲ったものと同一個体であるかを調査している。羅臼岳は日本百名山の1つに数えられ、年間5000人ほどの登山者が訪れる人気の山。長年知床でヒグマ対策にあたってきたハンターによると、羅臼岳を境にした羅臼町では年間100回、斜里町では年間800回ものヒグマの出没報告があるという。今回事故があったオホーツク展望は斜里町側の登山口から1時間ほどのところに位置し、当日は150人近い登山者が入山していたという情報もある。今回の報道を知った瞬間、「まさか」と思った。30代の記者は3年前、友人と2人、東京から登山に訪れた羅臼岳でヒグマに遭遇した経験がある。今回の事故はとてもひとごととは思えなかった。後方羊蹄山、雌阿寒岳など、道内の日本百名山を巡る4泊5日の登山旅行の4日目だった。知床は特にヒグマが多いと聞いていたため、旭川市内の専門店で事前にクマスプレーをレンタル。クマスプレーは1本1万円以上で、引き金を引いたら内容物がすべて噴射される1回使い切りの構造となっており、飛行機にも積みこめないため、最近になってこういったレンタル需要が急増していると店主に聞いた。午前9時、レンタカーで登山口に到着。道中、林の中の川べりでヒグマ撮影目的のカメラマンが大勢待機していた光景を覚えている。ヒグマと遭遇したのは、下山し温泉で汗を流し終えた午後5時頃。車で朝の“撮影スポット”を通りがかった際、待ち構えていた20人ほどのカメラマンから次々と歓声が上がった。見ると、川の対岸をヒグマが悠々と歩いている。人に慣れている様子で、観光客の声や目まぐるしいカメラのフラッシュも、気にしているそぶりは見られなかった。川を挟んでいるとはいえ、川の水深は大人の膝下以下で、距離にしてわずか20メートルほど。時速40キロで走るヒグマがその気になれば2~3秒で到達できる距離で、とてもではないが車から降りる気にはならなかった。近くにいたカメラマンの1人は「君たち、山に登ってきたの? ラッキーだね! 今日は朝から粘って出てきたのは1度きりだよ」と興奮しながら教えてくれた。世界遺産・知床で野生のヒグマを間近に見ることができたのは、確かに“ラッキー”な経験だったかもしれない。ただ、どんな行動を起こすか予測のつかない野生動物のすぐそばで、丸腰の人間が夢中でカメラを向ける姿は、やはり危機意識に欠けるのではとも感じた。登山者がクマ鈴やラジオ、クマスプレーを携行し、水分補給のスポーツドリンクを飲むにも匂いを気を遣っているからなおのこと、観光客の遠慮のなさに閉口した記憶がある。いち登山者として、また、ツキノワグマ被害の多発する秋田県出身者として、全国で相次ぐクマの問題に関心を抱き、政府の専門家検討会で座長を務めたクマ研究者の第一人者や、50年来のツキノワグマ研究者、知床で長年ヒグマの駆除を担ってきた獣医師兼ハンター、駆除への抗議を行うクマ保護団体の代表など、これまでに多くの関係者の取材にあたってきた。北海道でヒグマ猟への同行取材も敢行。クマの駆除を巡っては、これまで「クマがかわいそう」という抗議の声が上がることが多かったが、登山者が犠牲となった今回の事故では「クマの生息地に入った方にも責任がある」との見方が多いように感じる。クマによる被害に限らず、山岳遭難は他のレジャー事故と比較しても「自ら危険な場所に行ったのだから自己責任」「危険な場所に行く方が悪い」といった批判を招きやすい傾向にある。あくまでもレジャーである以上、「わざわざ危険な場所に行く方が悪い」という見方があるのももっともだが、同じアウトドアである海や川での事故よりもこうした批判を受けやすいのは、山に登る人がそれらのレジャー経験がある人と比べて少数派なためだろうか。これに付随して「遭難時の救助費用を全額自費にしろ」という声も根強い。前提として、登山は確かに自己責任だ。いざという場合に命の危険があるということは、大なり小なり、登山者であれば誰もが覚悟しているし、そうならないための準備と対策を講じて、わが身に降りかかる確率とも天秤にかけて山に登る。救助費用の自己負担も、山岳保険の拡充とセットであれば妥当な意見といえる。しかし、装備や計画を整え、十分な実力を有し、ルールやマナーを守った上で山に登った登山者が不慮の事故に遭った際、安全地帯から「自業自得」などと断罪するのはあまりにも暴論だ。今回の事故を巡っても、一部ネット上では「クマがかわいそう」という感情論や「救助や駆除にあたった人を危険にさらした」といった責任論がない交ぜとなり、亡くなった男性に対する目を背けたくなるような暴言の数々が並んでいる。山岳事故に関して「危険な場所に行く方が悪い」という批判は、単純明快であるがゆえに山に登らない多く人の共感を得るが、それが再発防止につながるような建設的議論に発展することはなく、現状は単なる当事者へのバッシングに留まってしまっている。再発防止のために必要なのは事故が発生した当時の天候や状況といった現場の検証で、それすらせずに登山者の行動にすべての責任があるとするのは、いわゆる“山を知らない”人が納得しやすい単純な結論を求めているように思えてならない。あるいは「すべての登山道を立ち入り禁止にすれば、山岳事故は発生しない」という極端な意見もあるかもしれないが、私有地でもない登山道を封鎖することは憲法で保障された「行動の自由」の侵害にもあたる。御嶽山や浅間山、草津白根山、霧島連山など、日本百名山であっても火山活動により立ち入りを一部禁止したり、規制したりしている山は存在する。今回事故のあった羅臼岳は現在、二次被害を防ぐために環境省が周辺への立ち入りを禁止しているが、今後、ヒグマによる異例の立ち入り規制が常態化していくかは議論の余地があるだろう。だが、入山規制という最後の手段を講じる前に、観光客による餌付けなどの不適切な行動がなかったか、過度にヒグマを刺激する撮影行為や観光資源としての利用を行政が黙認してこなかったかの検証は不可欠だ。全国でクマ被害が急増する中、世界で最もクマと人の距離が近い場所の一つである知床が今後どのような判断を下すのか。早急な対策が求められる。

(地元役場が指摘する餌付け、食べ物廃棄の影響:北海道)
8月14日、北海道・知床半島の羅臼岳(標高1661メートル)を登山中だった20代の男性がヒグマに襲われた。世界有数のヒグマの生息地とも言われる知床だが、夏場、日本百名山の一つである羅臼岳は登山客で賑わう。実際、その日も登山道には40~50人がいたという。なぜそんなところにヒグマが出没したのか。北海道東部の斜里町と羅臼町にまたがり、付け根の幅は約25キロ、そこから北東に向かって約70キロ、オホーツク海に突き出しているのが知床半島だ。ここに400~500頭のヒグマが生息しているという。被害に遭った男性は標高230メートルにある岩尾別温泉登山口から山に入り、羅臼岳に登った後、下山の途中でヒグマに襲われ、ヤブに引きずり込まれたという。羅臼町役場でヒグマなどの野生動物の情報をとりまとめる産業創生課に聞いた。「羅臼岳の登山道は、斜里町側の岩尾別コースとカムイワッカ湯の滝のあたりから登る硫黄山コース、そして羅臼町側の熊ノ湯のあたりから登る羅臼温泉コースの3つがあります。なかでも岩尾別のコースは比較的初心者向きなので登山客が多いんです」(羅臼町役場産業創生課)。ヒグマはそう簡単に、大人の男性を引きずり込めるものなのだろうか。「雄のエゾシカまで引きずっていくくらいですから、人間など軽いものです」(同前)。日本に生息する陸棲哺乳類の中で最大、最強と言われるのがヒグマだ。とはいえ、そんなヒグマも人間を恐れ、近づいてくることはないと言われてきた。ところが近年、道内各地でヒグマの出没情報が急増している。北海道庁によると、砂川市では今年5月以降、8月4日までに54件の目撃情報があり、同じく上ノ国町では23件、平取町では住宅のベランダに足跡らしきものも確認された。江差町では8月1日から12日の間に12件もの目撃や食害の情報が寄せられている。なぜヒグマは、これほど人間を恐れなくなってきているのだろう。「基本的にヒグマは、与えられたエサやゴミをあさったりすることでその味を覚え、しかも忘れない。そのため人里へ降りてくるのです。羅臼でも魚を求めて港にまで降りてくることがあります。知床の場合、斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道(国道334号)でヒグマを目撃することが多いのですが、そこで観光客がエサを与えたり、投げ捨てていった食べ物でヒグマが味を覚えてしまったと考えられます」(羅臼町役場産業創生課)。ネット上には、まるでサファリパークのように車の窓を開けてヒグマにエサを与えている観光客の様子が紹介されている。防止策はないのだろうか。「完全になくすことは難しいですね。エサを与えることは結局、ヒグマが殺されることになってしまうわけですが、それを周知するキャンペーンを行ってもエサをやる人はなくなりません。車を停めてエサやりをすれば、渋滞にもつながります。そこで斜里町と羅臼町が設立した野生生物の保護や管理を行う知床財団のスタッフ、時には警察が出動することもあります。とはいえ、知床峠に常駐するわけには行きませんからね」(同前)。10年ほど前には斜里町の市街地に近い幌別川にヒグマが頻出したこともあったという。「釣り人の荷物を荒らしたり、釣った魚を横取りしたり、自転車を壊すといったことがありました。このときは知床財団のスタッフが追い払ったりしたのですが、状況はあまり変わりませんでした。効果があったのは、一定期間、釣り人の川への立ち入りを禁じたこと。そして、釣った魚を捌いた後の残滓を放置しない、釣った魚や荷物を適切に管理することを周知することでヒグマの出没は減ったんです」(羅臼町役場産業創生課)。結局は人間が呼び寄せているわけだ。そして羅臼岳の登山道では、7月末からヒグマが頻出していることも呼びかけていた。知床財団のSNSでは、8月2日にはヒグマが登山者の3メートル近くにまで接近したこと、10日には3~4メートルまで接近されたが熊よけスプレーでやり過ごせたこと、12日には至近距離でヒグマに遭遇し、熊よけスプレーを噴射したもののつきまとわれたことなどが発信されていた。そしてこれ以前の7月29日には、知床国立公園内で車内からヒグマにスナック菓子などのエサを与える者がいたという通報があったことも……。「知床はヒグマと人間が共存するところであり、ヒグマ出現の周知には力を入れています。それでもヒグマと隣り合わせになってしまうのが登山道なのです。ヒグマが住んでいるところへ人間が入って行っていることは忘れないでいただきたいです。登山道に限りませんが、エサやりや食べ物の廃棄などは決して行わないでいただきたいです」(同前)。8月15日、登山客を襲ったと思われるヒグマと子グマ2頭が射殺され、被害に遭った男性は残念ながら遺体で発見された。

(自治体に「無理解」抗議200件、電話2時間「非常につらい」)
人に危害を加えたクマを駆除した自治体に抗議や苦情が殺到し、自治体の業務を圧迫している。「クマ殺し」「無能集団が」。死者が出た北海道福島町での駆除に対しては、町役場や道庁に、こうした苦情が計200件以上寄せられている。苦情には職員が一つ一つ対応を強いられているが、中には1回の電話が2時間以上続いたケースもあったとされる。道庁のヒグマ対策室の担当者は「感情的で誹謗中傷に近い内容もあり、非常につらく感じる部分もある」と訴える。秋田県でも昨年12月、スーパーに侵入したクマを駆除した際、県に苦情が殺到。当時の知事だった佐竹敬久氏が、県議会答弁で「(電話で苦情を寄せてくる相手に対し)私なら『お前にクマ1頭送る。住所を教えろ』と言う」と述べた。佐竹氏の発言は、波紋を呼んだが、自治体の対応への「無理解」の苦情はやまない。浅尾慶一郎環境相は、今月5日の記者会見で「職員やハンターを萎縮させ、新たな事故につながりかねない」として「自粛」を求めている。

(クマが中学校に進入、副校長がクマの前に立ちはだかりにらみ合い:岩手)
8月18日朝、岩手県滝沢市の中学校の校舎にクマが進入しました。数人の生徒がいましたが、副校長が身を挺して守ったため被害はありませんでした。一本木中学校の防犯カメラ映像には、午前8時前、画面右側から突然現れたクマが捉えられていました。玄関前をしばらくうろついた後、画面の外側へと消えていきます。クマを発見した生徒が、おそるおそる玄関から顔を出して様子を見ています。そして登校してきた2人の生徒がクマに気付き慌てて玄関へと走っていく様子が映っていました。18日午前8時前、滝沢市巣子の一本木中学校で、1頭のクマが校舎に進入したのを生徒が発見し、職員室の教諭に伝えました。生徒に助けを求められた伊藤伸副校長が駆け付けたところ、体育館へと通じる廊下に体長が1mに満たないくらいの子グマがいたため、伊藤副校長は生徒たちを下駄箱があるスペースへと逃がし、クマの前に立ちはだかって生徒たちを守りました。一本木中学校 伊藤伸副校長「生徒の安全を確保しなければいけなかったので『隠れていろ』という指示を出しました。自分の安全よりも、まず親グマもいるかもしれないとちょっと心配したので」。しばらくにらみ合うとクマは開放されていた廊下の非常口から外へ逃げて行ったということです。クマが逃げていく様子は防犯カメラにもしっかりと映っていました。一本木中学校は夏休み期間でしたが、18日朝は駅伝大会に向けた練習があり、当時は5人の生徒が校舎の中にいました。中学校は18日の練習を中止し、保護者に迎えに来てもらうなどして生徒を家に帰す対応を取っています。人や物への被害はありませんでした。クマは体育館の湿気を逃がすため開放されていた非常口から進入したとみられていて、中学校は3日後の始業式に向けた換気は行わず、校舎の窓や入口を全て閉め切る措置を取りました。伊藤副校長は「窓を開閉の管理を含めて、もう1回確認しなければと思うし、生徒の登下校も心配なので見守りを可能な限りしっかり対応する」と話していました。

(公園にクマ現る、公園は現在閉鎖中:北海道)
札幌市豊平区の西岡公園で8月17日朝、クマが相次いで目撃され公園は閉鎖されました。午前8時ごろ札幌市豊平区の西岡公園で利用者2組が相次いでクマを目撃し、直後に別の利用者も獣の鳴き声を聞きました。目撃されたのは公園の入口から500メートルほど離れた池の近くで、クマは林へ姿を消しています。「調査の結果、クマの痕跡はなかったが、目撃者が複数で明るい時間なのでクマで間違いないと思う」(市の担当者)。クマの目撃を受けて公園は閉鎖されていて警察は周辺のパトロールを強化しています。

(「駆除されなければ来年は作らない」同じ家庭菜園が2日間連続スイカを食い荒らされる:北海道)
これは17日午後7時すぎに江差町南浜町の家庭菜園で撮影された写真です。クマがスイカのようなものをくわえているのが確認できます。この家庭菜園では18日午前6時前、スイカ15個が食い荒らされているのを巡回中のハンターが発見しました。近くの別の家庭菜園ではコンポストが倒されていたほか、クマとみられる足跡も見つかっていているということです。被害にあった住民:「(クマを)駆除出来れば来年も作れる。駆除できなかったら来年は作らないほうがいいかな。クマが(食べない)全然関係ないものを作るかな」。また17日も同じ江差町南浜町にある3つの家庭菜園でスイカおよそ10個、トウモロコシおよそ35本などが食い荒らされていたということです。また近くでクマが目撃されています。町はクマによる食害が相次いでいることから、ハンターの巡回強化や箱わなの設置のほか家庭菜園などでの早期収穫を呼びかけています。

(「クマだ!」スキージャンプ台を横断:北海道)
北海道名寄市のスキージャンプ施設で8月17日、ジャンプ台を横断するクマ1頭が目撃されました。当時、高校生がジャンプの練習中でしたが、避難して無事でした。名寄市ピヤシリシャンツェで撮影された映像です。17日正午ごろ、ジャンプ台の着地地点付近にクマ1頭がいるのを管理人が目撃し、警察に通報しました。警察よりますと、クマは体長およそ1.2メートルだということです。クマはジャンプ台を横切ったのち、北東側の茂みに立ち去りました。管理する施設によりますと、当時、高校生10人ほどが練習中でしたが、避難して無事でした。施設は当面の間、ジャンプ台の利用を見合わせるということです。

(クマがブドウを食い荒らす:山形)
16日午前、川西町でブドウが食い荒らされているのが見つかりました。クマによる食害とみられ、町と猟友会が警戒を強めています。川西町によりますと、16日午前11時ごろ、大塚地区のJA山形おきたま西部配送センター近くの畑で、ブドウが食い荒らされているのが見つかりました。現場周辺の状況から、クマによる食害とみられています。町と猟友会では、16日午後4時過ぎに被害があったブドウ畑に集まり、箱ワナを設置するなどして付近の警戒を強めています。町では周辺に再びクマが現れる可能性もあるとして、自宅の鍵掛けなど対策の徹底と注意を呼びかけています。

(クマの仕業、牛舎内で飼料箱がひっくり返され食べ荒らされる:北海道)
8月16日、北海道北部の中頓別町で、酪農家の牛舎内で飼料箱が荒らされた痕跡が見つかり、さらに牛舎の外ではクマの足跡が発見されました。16日午前9時ごろ、酪農家の男性が牛舎内で飼料箱がひっくり返されているのを発見しました。飼料にはトウモロコシなどが含まれ、男性によると飼料の3分の2が食べられたうえ、残りは付近に散らばっていたということです。男性は役場と猟友会に連絡。役場の職員や猟友会のハンターが確認したところ、牛舎の外で縦30センチ幅18センチの巨大なクマの足跡を発見しました。牛舎内には約20頭の牛がいましたが、被害はありませんでした。道内ではクマによる食害が続いていることもあり、警察は付近をパトカーで続けています。

(クマが夢中でモモを食い荒らす:宮城)
宮城県内では週末にかけてクマの目撃が相次ぎ、登米市では収穫前のモモをクマが食べる様子を住民が撮影しました。どっしりと腰を下ろし、夢中で何かを食べる1頭のクマ。8月17日午後6時過ぎ、登米市中田町上沼で撮影された動画です。クマが食べているのは収穫期を迎えたモモ。住宅敷地内の果樹園で、実を食い荒らしていったということです。この場所にクマが現れたのは初めてだといいます。また、17日はこの周辺で同じ個体とみられるクマの目撃情報が相次ぎました。警察によりますと17日午前6時半ごろには、この果樹園から北東に500メートルほど離れた神社でもクマ1頭が徘徊しているのが目撃されています。また、名取市ゆりが丘の周辺では、17日までの2日間でクマの目撃情報が5件寄せられています。

(エゾシカ肉の料理味わう「鹿肉祭り」:北海道)
地元でとれたエゾシカ肉の料理を味わう「鹿肉祭り」が、オホーツク海側の西興部村で開かれました。「鹿肉祭り」は、エゾシカ肉の魅力を多くの人に知ってもらおうと、地元のNPO法人が開きました。17日は地元でとれたエゾシカ肉をふんだんに使った赤ワイン煮込みやもも肉の丸焼きなど6種類の料理が用意され、観光客や地元の人たちがおいしそうに味わっていました。また、会場にはエゾシカの角も展示され、訪れた人たちが実際に角に触れて固さや手触りを体感していました。秋田県から訪れた20代の男性は「野生のシカの肉だと聞いたので、クセがあるのかと思いましたが、おいしく、食べごたえがありました」と話していました。「鹿肉祭り」を主催したNPO法人の伊吾田順平さんは「低カロリーで鉄分が豊富な鹿肉のおいしさを多くの人に知ってもらいたい」と話していました。

(ジビエや缶詰…「静岡の食」の魅力を再発見:静岡)
ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡市駿河区)の移動展示が18日、下田市の道の駅開国下田みなとで始まった。「食」をテーマに静岡県の豊富な1次産品や加工品の歴史や現状を紹介している。9月7日まで。約50点の食材に関するパネルや加工品をテーマごとに展示している。ジビエ(野生鳥獣肉)に関する一角では、伊豆半島中央部の天城山が明治から大正にかけ皇室の狩猟場だったと解説。県内のジビエ提供店の地図やイノシシの剥製標本も並ぶ。静岡県が他地域に比べ漬物の特産品が少ない点について、冬も新鮮な産物が収穫できるため「秋に採れた野菜を漬物として保存する必要がない」との仮説を紹介。函南町の丹那盆地では1920~30年代のトンネル工事による水不足を要因に、各農家が酪農へ転換したとの経緯や、全国有数の生産地である静岡県の缶詰が戦時中は軍需品として活用されたとの歴史も学べる。道の駅では9月に「昆虫の世界」、11~12月に「魚の世界」と題した移動展示も実施する。同館は「郷土の魅力を再発見する機会にしてもらいたい」としている。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、20日午前9時40分ごろ、松島町桜渡戸芦ケ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、19日午後3時30分ごろ、登米市中田町上沼八幡山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午前11時ごろ、仙台市青葉区折立3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、19日、白石市斎川東明堂山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、18日午後6時20分ごろ、登米市中田町上沼八幡山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午前8時30分ごろ、仙台市青葉区新川水口にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、18日午後1時10分ごろ、登米市中田町上沼八幡山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、17日、白石市越河鍛冶内にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、17日午後2時25分ごろ、富谷市富谷熊谷上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、17日午後4時20分ごろ、登米市中田町上沼小塚前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、17日午後2時20分ごろ、登米市中田町上沼八幡山にクマが出没しました。

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(バイクがカモシカとみられる動物と衝突、男性死亡:愛知)
愛知県豊田市でバイクがカモシカとみられる動物と衝突し、バイクを運転していた男性が死亡しました。警察によりますと、16日午前3時45分ごろ豊田市の猿投グリーンロード下りで、男女2人が乗ったバイクがカモシカとみられる動物と衝突しました。バイクは転倒し、運転していた市内に住む専門学校生の大橋巧暉さん(20)が胸を強く打ち死亡しました。後ろに乗っていた21歳の女性は足の骨を折るなどの重傷です。現場は、ほぼ直線の道ですが、当時は薄暗く見えづらかった可能性があるということで、警察は事故の状況を詳しく調べています。

(60代男性がクマに襲われけが、命に別状なし:新潟)
15日夜、新潟県南魚沼市で60代の男性がクマに襲われ、足をかまれたり腕をひっかかれたりするけがをしました。クマは現場から逃げていて、警察が注意を呼びかけるとともに周囲の警戒にあたっています。警察によりますと、15日午後9時20分ごろ、新潟県南魚沼市山谷で60代の男性が自宅の近くでクマに遭遇しました。クマは男性を襲って左の太ももをかんだり、右腕をひっかいたりしましたが、男性が持っていた懐中電灯でたたくなど抵抗したところ、逃げていったということです。男性は南魚沼市内の病院に搬送されて治療を受けていますが、足や腕にけがをしているものの意識はあり命に別状はないということです。クマは体長およそ1メートルで、男性を襲ったあと現場から西にある山の方に逃げていったということです。現場はJRの六日町駅から東に4キロほど離れた山沿いの集落で、警察は住民に注意を呼びかけるとともに周辺の警戒にあたっています。新潟県内ではことし4月から7月までのクマの出没件数が過去最多となり、人身被害も多く発生していることなどから、新潟県は今月7日に「クマ出没警戒警報」を出し、被害を防ぐために山に入る場合は複数で行動し、ラジオや鈴など音の出るものや、クマ撃退スプレーを携行することや、クマの活動が活発な早朝や夕方の行動を避けることなどを呼びかけています。

(遺体を発見、親子とみられる3頭を駆除:北海道)
北海道の羅臼岳でクマに襲われ、安否不明となっていた男性とみられる遺体が見つかりました。本来は人に近づいてくる動物ではないというクマ。なぜ登山客が襲われたのでしょうか。山に入ったのは、警察の救助隊やハンターなど18人です。クマに襲われ、安否不明となっていた男性の捜索が雨の中、再開されました。14日午前11時すぎ、北海道・知床の羅臼岳で、友人の男性と2人で登山中だった20代の男性がクマに襲われました。当時2人は、およそ200メートル離れて登山道を下山中だったといいます。すると、前を歩いていた男性が友人の名前を叫びます。友人が近づくと、そこにはクマと格闘する男性の姿が…。その際、男性は太もも付近から、かなりの出血がありました。男性は、その後、クマに襲われ、やぶの中に引きずり込まれたとみられています。その場に居合わせたという登山客は、緊迫の様子を目の当たりにしていました。救助された登山客「(襲われた男性の友人は)電話しながら声が震えていたり、スマホを持つ手が震えていたり、なんて声かけたらいいのか分からない状態でした」そして15日、捜索が再開され、遺体が発見されました。斜里町役場によりますと、所持品などから遺体は安否不明となっている男性とみられるということです。また、男性が襲われたとみられる場所付近でクマ3頭も発見。3頭は親子とみられ、いずれもハンターによって駆除されました。このクマが男性を襲ったクマかどうかは分かっていません。ヒグマの生態に詳しい専門家は、本来、人に近づいてくる動物ではないと話します。NPO法人南知床・ヒグマ情報センター、藤本靖前理事長「そんなに人に近づいてくる動物ではない。人をクマは恐れるので、人を見ると逃げるケースが大多数」それでも起きてしまったクマと登山客の接触。その理由は、いくつか考えられると指摘します。藤本さん「間違って、車の中から何か物を与えてしまったりとか、人間がいると何かくれるという判断をした可能性も、なきにしもあらず」。そして、目撃が多いクマの大きさから考えられることも…。藤本さん「今、目撃が非常に多い個体のサイズが大体1.5メートル。親から離れて、すぐのクマというのが多い。人間でいう幼稚園児が街中、歩いてるのと同じ状況なので、人のそばまで来てしまうことは大いにある」。警察などは、見つかった遺体の身元を調べています。

(遺体はクマに襲われた26歳男性と判明:北海道)
北海道の羅臼岳で20代の男性がクマに襲われ、2025年8月15日の捜索でみつかった遺体は、東京都の26歳の男性だったことがわかりました。死亡が確認されたのは、東京都の会社員・曽田圭亮さん26歳です。曽田さんは8月14日、羅臼岳で登山中にクマに襲われ行方がわからなくなっていました。警察は8月15日、曽田さんが襲われた現場周辺で遺体を発見。その後の調べで、遺体はクマに襲われた曽田さんと判明したということです。警察によりますと、曽田さんの父親は、「野生動物に襲われて死んでしまったことが悲しい」と話しているということです。曽田さんの遺体が見つかった現場周辺では、親グマ1頭と子グマ2頭がハンターによって駆除されています。このクマが曽田さんを襲った個体かどうかは分かっていませんが、道総研が今後DNA分析を実施するとしています。

(発砲判断は「自治体」、市街地で銃を使った駆除可能に:北海道)
クマについて9月1日から、一定の条件を満たせば市街地で銃を使った駆除が可能になります。ただ、発砲の判断と責任を負うのは「自治体」です。ハンターや警察との連携を確認する訓練が札幌で行われました。札幌市西区の公園で実施されたクマ駆除の訓練の様子です。公園の周辺で断続的にクマが出没している想定で行われました。しかし、市街地では原則発砲が禁止されています。そこで発砲を許可したのは、警察やハンターでもなく札幌市の職員。(札幌市の職員)「準備整い次第、撃っていただいて構いません」。許可を受け、ハンターらが模擬銃を構えます。訓練では「ヒグマ緊急銃猟」という腕章を身に着けた担当の市職員の許可で発砲するという駆除が実施されました。7月に道南の福島町で男性を襲い死亡させたクマが駆除されたのも、発砲が原則禁止されている住宅街の中の茂みでした。このときは警察が法令に基づいて発砲を命令しましたが、9月1日からは改正鳥獣保護管理法が施行されます。これによって住民の安全が確保できるなどの条件を満たしていれば、自治体がハンターに対し、市街地での発砲いわゆる「緊急銃猟」を委託できます。この緊急銃猟の運用にあたり、自治体はどのような対応が必要なのでしょうか。(札幌市環境局 清尾崇さん)「要件を満たしている中で、安全確保の一つに射線の確保とバックストップが確保できているかどうかがポイント。銃をこっちから狙った時に銃弾が突き抜けたとしても、斜面のところで止まって奥の住宅地にの中にいかないという地形だから、ここで発砲することができた」。(札幌市環境局 清尾崇さん)「平坦だったり下がっている場合は、向こうの住宅地の方に飛んでいく場合があるので、ここでは発砲することはできない」。第一に優先しなければならないのは安全の確保。自治体はこれまで以上に難しい判断が求められ、発砲の責任も負うことになります。(札幌市環境局 坂田一人さん)「やはり制度の中でも、かなり手順や安全確認が必要。実際に速やかに捕獲までつなげるパターンは限定的なのかな。壁面がコンクリートだったり住宅街のど真ん中にクマが出没した場面になった時に、果たしてこの制度が使えるのかどうか。課題が色々見えてきた」。

(目撃情報が相次ぐクマ、県が管理計画を見直し:宮城)
宮城県内で目撃情報が相次ぐクマについて、県はこれまでの管理計画を見直し、被害を防止する目的でクマの捕獲を始める方針を示しました。宮城県庁で12日に開かれた専門の委員会では、クマに加えて、サルやイノシシ、シカについて、県の2025年度の捕獲目標などが示され、自然保護団体の代表や有識者が話し合いました。会議の中でクマについては、2024年度は目撃情報が800件あり、県内の推定の生息数は3000頭あまりであることが報告されました。そして、これまでは被害が出てから有害鳥獣としてクマを捕獲していましたが、2025年度からは個体数の管理と被害防止へ向け、生態調査の名目で捕獲を始める方針が示されました。2025年度の捕獲数は10頭を目標にして、仙台市と栗原市で11月から12月にかけて実施する予定です。また住宅地などにクマが現れた場合は、法律の改正で銃の使用が緩和されたことも報告されました。検討委員会・阿部育子副委員長「仙台市内とか住宅地とかにクマやシカ、カモシカが出てくるので、住民も日頃からどういうことを気を付けておいたらいいのか、食べ物を外に出しておかないとか、対策が必要だと思う」。

(市街地のクマの銃駆除認める法改正前に、模擬銃使った訓練:北海道)
市街地でクマが出没した際などに市町村の判断で猟銃を使用できる改正法が9月から施行されるのを前に、模擬の銃を使って駆除の手順を確認する訓練が札幌市で行われました。9月施行される改正法では、市街地などの人の生活圏内にクマやイノシシが出没した際、市町村の判断で猟銃の使用が特例的に可能となります。14日、札幌市内の公園で行われた訓練には、北海道と札幌市、それに警察や猟友会のメンバーなどおよそ30人が参加しました。訓練は、出没情報を受けて出動したハンターが、公園内でヒグマを見つけたという想定で行われ、はじめに市の職員や警察官が周辺での交通規制や住民の避難誘導の手順を確かめました。その後、市の職員が、人に弾丸が到達するおそれがないことなど、必要な4つの条件を満たしているかチェックしていきました。そのうえで、模擬の銃を持った4人のハンターが配置につき、隊長の合図で発砲するなど、駆除までの一連の流れを確認していました。札幌市の坂田一人 環境共生担当課長は「ヒグマが市街地などに出没した際に適切に対応できるよう、今後も関係機関と連携して訓練を重ねていきたい」と話していました。

(“迷惑リス”が農作物荒らし、電線かじる:神奈川)
タイワンリスが神奈川県内で大繁殖して、農作物に深刻な被害が出ています。数年前までは湘南周辺だけでしたが、今では横浜や川崎での捕獲も相次いでいます。また、多摩川を越えた東京・世田谷区での目撃都情報もあり、都内に定着する恐れもあります。横浜駅の隣・東神奈川駅から徒歩6分の場所にある反町公園。子どもたちも大勢遊ぶ公園の一角に今、多くのタイワンリスが住み着いています。タイワンリスといえば近年、三浦半島で大繁殖し、2023年度に鎌倉市では過去最多の2861匹が捕獲されました。閉園した動物園やペットとして飼われていたものが逃げ出し、繁殖・定着したといわれるタイワンリス。その被害は深刻で、野菜や果物が食い荒らされるだけでなく、電線をかじられたり、住宅の雨どいに巣を作られたりなどの報告もあります。昨年度には鎌倉市での捕獲数は2202匹に減少しましたが、過去にも増減を繰り返しているため油断はできません。年々、タイワンリスの捕獲数が増加している横浜市。市から駆除の委託を受けている業者に付いていきました。こちらの住宅では今年1月に罠を設置してから、すでに15匹捕獲しているといいます。別のタイワンリスによる樹木の被害です。木の皮がかじられミミズ腫れのようになっています。ここから浸水すると木が腐り、倒木の危険性もあります。この日、駆除をしたタイワンリスは3匹。こちらの業者では4月だけで50匹の駆除を行ったといいます。リス駆除業者 明誠 池田洋一さん「じわじわ北上しているかなという感じ。実際に回収・調査を担当したところの北限は港北区の新横浜の新幹線の駅のそばまで」。すでに東京の目と鼻の先にまで生息範囲を広げているタイワンリス。専門家は、都内に侵入してくるのも時間の問題だといいます。国立環境研究所 五箇公一室長「東京都も非常に緑地が多いところになるので、そういった部分で別に県境に塀が立っているわけでもバリアーがあるわけでもありませんから、基本的にいつ入ってもおかしくない。場合によっては入っていても、気づいていないという可能性もある」。五箇室長「本当、見た目はかわいいんですが、結果的に彼らが繁殖することで、日本の野鳥やあるいはムササビのような動物、そういったものの生息域を奪ってしまう。樹木を枯らしてしまうことで、森林の生態系に悪影響を及ぼす。また人の家に近づくことで、寄生虫等の感染症のリスクも上げてしまう。言ってみれば、人間社会そのものに対しても安心安全な持続性という部分を大きく損なう可能性がある」。

(深刻化する農作物被害の改善へ、有害鳥獣対策を強化:大阪)
山林が多い高槻市北部では、近年シカやイノシシ、アライグマなどの有害鳥獣による農作物被害が深刻化しており、農家からは被害に悩む相談が次々と寄せられている 。そこで市は7月4日に「有害鳥獣等特別対策本部」を発足 。有害鳥獣被害対策を強化することで、被害に苦しむ農業者の安心感の担保と、営農意欲低下の防止を目指して、これまで以上に市と農協、猟友会等の関係機関の連携を深めて対応するとしている 。同日、北部の原公民館で開催された対策本部の発足式では、大阪府猟友会高槻支部や民間事業者による有害鳥獣対策のデモンストレーションも行われた 。

(高速道路上でクマと衝突:北海道)
2025年8月14日午後9時ごろ、日高自動車道下り線(厚真町共和付近)で、乗用車とクマが衝突する事故がありました。警察によりますと、帰宅途中だった運転手が、右から左に道路を横断するクマ1頭を目撃しました。運転手はクマをかわそうとしたものの間に合わず、車体の右側面と衝突したということです。クマは体長約1.5メートルで、衝突後、立ち去ったということです。警察はパトロールなど付近の警戒活動を実施しています。

(人見ても逃げない“クマ”出没:宮城)
宮城県内では、クマの目撃が相次いでいます。大和町では、15日朝、県道を横切るクマの様子をカメラが捉えました。人を怖がる様子もなく十分な注意が必要です。道路を横切り山林の中へ入るクマ。15日午前7時頃、宮城県大和町吉田の県道147号で撮影された映像です。逃げていったかと思われましたが、道路脇に留まり、じっとこちらを見つめていました。怖がる様子もありません。現場近くには、住宅や農地があり、地元の人からは不安の声が聞かれました。県によりますと、2025年4月以降、県内で確認されたクマの目撃情報は、14日までに541件に上り、例年を上回るペースとなっています。2024年、餌となるブナの実などが豊作だったため、繁殖に成功したクマが増え、活動範囲も広がっていると見られていて、警察や県が、注意を呼び掛けています。

(クマがブドウを食い荒らす:山形)
16日午前、川西町でブドウが食い荒らされているのが見つかりました。クマによる食害とみられ、町と猟友会が警戒を強めています。川西町によりますと、16日午前11時ごろ、大塚地区のJA山形おきたま西部配送センター近くの畑で、ブドウが食い荒らされているのが見つかりました。現場周辺の状況から、クマによる食害とみられています。町と猟友会では、16日午後4時過ぎに被害があったブドウ畑に集まり、箱ワナを設置するなどして付近の警戒を強めています。町では周辺に再びクマが現れる可能性もあるとして、自宅の鍵掛けなど対策の徹底と注意を呼びかけています。

(ガイド付き箱罠猟見学とジビエランチ:兵庫)
10月25日に多可町を訪ねる体験イベント「多可町の自然を学ぶ『いのちをいただくということ』ガイド付き箱罠猟見学とジビエランチ」が開催されます。この体験ツアーでは、野生動物の現状を学び、猟師の説明を受けながら箱罠猟の現場を見学します。また、ジビエを含むランチも提供。さらに、ジビエを無駄なく活用するドッグフード工場の見学もあり、自然と命の循環を深く理解できます。

(都市からオンラインで狩猟体験。罠シェアリングの仕組みとは)
政府も後押しする右肩上がりのジビエ市場で、「罠(わな)ブラザーズ」というシェアリングコミュニティが話題を呼んでいます。肉を売らずに罠をシェアする枠組みは、自然を敬い、感謝してその恵みを「いただく」という人類古来の営みのDXであると言えそうです。さて、そのユニークな活動とは?罠ブラザーズの「罠シェアリング」は、こんな仕組みで運営されています。所定の料金(税込み2万2千円)を支払うとユーザーは、長野県上田市周辺の山々に猟師たちが仕掛ける罠の、1カ月限定のオーナーとなる権利を得ます。オーナーはブラザーと呼ばれ、公式のLINEを使ったコミュニティに招待されます。コミュニティには、定期的に、罠の近況や狩猟の様子、猟師の暮らしなどをまとめたレポートがアップされます。ブラザーは罠を見回りながら自然と対峙する活動を追体験し、期間の最後には、クール便で届くシカ肉を受け取ります。悪天候だったり、クマが出たり、必ずしも「自分が選んだ罠のエリア」でシカが獲れるとは限りません。そのリスクを共有しつつ、少なくとも約1kgの「お裾分け」はもらえる設定です。さらには、ブラザーが集まってともにシカ肉を味わうごはん会にも招待されます(会費は別料金)。そんな罠ブラザーズの仕組みを考えたのは、東日本大震災をきっかけに、東京から上田市へ移住したブックデザイナーでした。川端俊弘さんは、ブックデザイナーを本業とし、仕事の息抜きがてら身近な山に親しみ、やがて狩猟に興味をもつようになりました。知り合った猟師に誘われるまま巻き狩り(複数の猟師で猟場に獲物を追い込む手法)に参加し、そこでの圧倒的な体験から、本人いわく「生きている実感」を得て、自身も猟師になることを決め、狩猟免許を取得しました。川端さんに狩猟の醍醐味を教えてくれた地元の先輩猟師の多くは、本業は農家で、シカによる農作物の食害に困り、必要に迫られて狩猟をはじめていました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、17日午前7時15分ごろ、登米市中田町上沼八幡山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、16日午後1時30分ごろ、登米市中田町上沼本宮にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、15日午後6時15分ごろ、登米市中田町上沼裏にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、15日午後2時10分ごろ、登米市東和町錦織天留居にクマが出没しました。

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