<射撃ニュース8月>
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(クマ個体数特定、捕獲に活用:青森)
全国的に出没が相次ぐツキノワグマの被害防止対策について、青森県の宮下宗一郎知事は25日、個体数を特定した上で捕獲目標などに活用させる方針を示した。キノコ採りシーズンの本格化を前に、植物の採取が禁止されているエリアの周知にも取り組み、相次ぐ人身被害の防止に本腰を入れる。

(クマ出没に備え「緊急銃猟」訓練、全国最多の4件実施:山形)
出没が相次ぐクマに備えようと、山形県鶴岡市は25日、自治体の判断で市街地で発砲できる「緊急銃猟」の訓練を同市内で実施した。市や県警鶴岡署、猟友会員ら約70人が参加し、安全を最優先としながら捕獲する手順を確認した。クマによる人身被害が増える中、緊急銃猟は2025年9月に始まった。環境省によると、これに基づいて今月18日までに14道県で80件の発砲がクマに対して行われた。鶴岡市での実施件数は仙台市と並んで全国最多の4件に上る。訓練は、体長1メートルの成獣が複数目撃されていた地区で、パトロール中の警察官が倉庫に逃げ込んだクマを発見したという想定で行われた。参加者は、日常生活への影響や緊急性など緊急銃猟が実施できる条件を満たし、発射した銃弾が跳ね返る危険性がないかなどを確認。警察が市に通報してから、捕獲するまでの手順を追った。クマが動き出し、安全確保のため、発砲を中止するケースも体験した。訓練参加者で、実際に緊急銃猟で発砲しクマを捕獲した経験があるという猟友会員は「クマはけがをすると暴れ回る危険性があり、一発で仕留めるために可能な限り至近距離での発砲が鍵になる」と指摘した。緊急銃猟実施の判断を担う市の担当職員は「迅速さと安全性の確保を両立する難しさがある。慎重に臨みたい」と気を引き締めた。鶴岡市では昨年度のクマの出没が過去最多の515件に上り、市街地への出没も相次いだことを受け人員体制を大幅に拡充。緊急銃猟実施の判断権限を持つ職員も2人から9人に増員した。今年度の目撃件数は今月24日までで118件で人身被害も2件発生している。

(警察と猟友会が緊急銃猟対処訓練:静岡)
近年、静岡県内でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、浜松市の公園でクマの出没を想定した訓練が行われました。県内ではまだ実施されていない緊急銃猟の手順の確認も。浜松市浜名区の県立森林公園で行われた8月26日の訓練には、警察や市の職員、猟友会のメンバー約30人が参加しました。訓練はクマが公園に出没した想定で行われ、公園管理者が警察に110番通報をし、警察と市と猟友会が連携を取り、緊急銃猟現地本部を設置。避難誘導やクマの駆除の仕方について話し合いました。付近の安全を確保し、猟友会のメンバーが緊急銃猟をするまでの流れを確認しました。また、訓練では練習用クマスプレーを使って噴射の距離や時間などの確認も行われました。<浜北警察署生活安全課長 加藤智秀さん>「クマの出没事案がありましたら避難誘導等を優先して行い、スムーズに連携することによって市民の安心安全を守る。そういうところに重点を置いています」。浜松市ではクマらしきものの目撃情報が2025年度から2026年度にかけて61件入っていて、そのうち12件がクマと特定されています。

(クマの人身被害を防ぐ「熊テクター」が登場:京都)
全国各地でクマの出没情報が相次ぎ、人身被害が多発する中、官民でクマから命を守る取り組みが加速している。各企業によるクマ対策商品の開発もその一つ。京都府八幡市の防刃衣料メーカー「サクセスプランニング」は防護用品「熊テクター」を開発。ツキノワグマを使った実証実験でも一定の防御効果が確認され、クマの活動が活発になる秋を前に各地から注文が寄せられているという。同社が開発した熊テクターは頭部や首、腕など上半身の各部に装着できる6種類。ピアノ線を超える強度と弾性を持つ超高分子量ポリエチレン繊維や、特注の高圧縮フェルトなどの防刃素材を採用した。開発では製品の防御効果を確認するため大阪産業大(大阪府大東市)との共同研究で耐久試験を行った。クマの爪を付けた振り子式の衝撃試験機で生地をひっかく動作を再現し生地に荷重をかけたところ、わずかな傷が残る程度だったことから今年5月に発売した。6月には山形県内で捕獲された体重約100キロの雄のツキノワグマを使った実証実験も実施。おりの中のクマが熊テクターの生地にかみついたり、鋭い爪でひっかいたりしたところ穴が空くことはなく、同社の桑原由香子社長は「思っていたよりも防御力があった」と自信を見せる。

(ヒグマ食害か、ニンジン1200本食い荒らされる:北海道)
26日午前10時ごろ、函館市古川町の畑でニンジン約1200本(重さ約150キロ)が食い荒らされているのを、畑を所有する農家が発見し、函館市などを通じて函館中央署に通報した。付近にヒグマのものとみられる足跡やふんがあり、同署はクマによる食害とみている。

(捕獲のクマやイノシシ、多彩な料理に:秋田)
ジビエ料理について学ぶ講習会が、秋田県羽後町林崎の野生鳥獣処理加工施設「猟友食肉羽後」で開かれた。日本ジビエ振興協会代表理事の藤木徳彦さん(54)が、同町で捕獲されたクマやイノシシを使用したジビエ料理を提供し、講演も行った。捕獲した野生動物にはさまざまな食べ方があるということを知ってもらおうと、日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)が「ジビエ振興2・0 GIBIER de 地方創生 料理セミナー」と題して開催した。町や町猟友会などから約20人が出席した。

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(クマスプレー、性能確認を:環境省)
環境省と消費者庁は25日、クマに襲われそうになった際に使用する「撃退スプレー」について、製品に含まれる有効成分の濃度や噴射距離などの推奨要件、使用時の注意事項を公表した。十分な効果が得られない製品が流通しているケースがあるとして「性能表示をよく確認してから購入してほしい」と呼びかけた。環境省などによると、スプレーの主成分は唐辛子の辛み成分であるカプサイシンで、噴射によりクマの攻撃を抑止する。製品の要件として、有効成分の含有濃度が1~2%程度あることに加え、噴射距離が7.5メートル以上、時間は6秒以上あることが望ましいとした。製造・販売業者には、性能などの表示も求めた。同省の鳥獣保護管理室佐々木真二郎室長は「流通する製品の中には対人用をクマ用と称し販売しているものもあった」と説明。必ずクマ用を購入し、遭遇時に備えて事前に使用方法を練習することも大切だという。また、誤噴射による事故防止のため、必要な場合以外はスプレーを持ち歩かず、安全装置が付いた製品を選ぶことや、子どもの手が届かない場所に保管することなどを求めた。

(県内推定17頭、九州のニホンカモシカに絶滅の危機:大分)
国の特別天然記念物、ニホンカモシカ。大分県内の推定生息数は、わずか17頭です。九州では、絶滅のおそれも指摘されています。なぜここまで減ったのか、詳しく見ていきます。ニホンカモシカは日本固有の大型草食動物で、主に森林に生息し、木の葉や草などを食べます。1955年、国の特別天然記念物に指定されました。かつては九州本土の広い範囲に生息していましたが、現在は、大分・熊本・宮崎にまたがる九州山地と、その周辺に限られています。この25年ほどで、推定生息数は10分の1以下に減少しました。その背景の一つとして指摘されているのが、ニホンジカの増加です。おおいた生物多様性保全センター 足立高行理事:「いま一番問題になっているのは、シカとの競合。餌が競合するということと、住んでいる場所が競合するということ。対シカの問題をどうするかが、大きなウエイトを占めている」。今月19日、NPO法人「おおいた生物多様性保全センター」が、県に保護対策の強化を求める要望書を提出しました。鳥獣保護管理事業計画への位置づけや、わなにかかった際の救護体制の整備などを求めています。熊本・宮崎でも地元の団体が同様の要望書を提出し、3県の団体で連携して保護対策を進めたいとしています。足立高行理事:「カモシカがいなくなること(だけ)ではなくて、私たちが住んでる環境自体が少し歪みが来てるんじゃないかということを感じてもらいたい」。九州で絶滅のおそれが高まっているニホンカモシカ。1955年に、国の特別天然記念物に指定されました。しかし、大分・熊本・宮崎に生息するニホンカモシカは、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされています。大分県でも、ごく近い将来、野生で絶滅する危険性が極めて高い「絶滅危惧1A類」に選定されています。実際にどれほど減っているのか。九州全体の推定生息数は、1994~95年度の2208頭から、2018~19年度には202頭に。およそ25年間で、10分の1以下に減少しました。このうち、大分県内はわずか17頭です。研究者の試算では、このまま減少が続けば、2062年には九州全体で10頭未満になるとされています。次回の調査はすでに始まっていて、県は祖母・傾山系で月に1回程度、現地調査を進めています。結果は、2028年度初めに公表される予定です。では、なぜ減ったのでしょうか。研究者が指摘する要因の一つが、ニホンジカの増加です。シカが増えたことで、カモシカの餌となる植物が減り、生息環境が悪化したとみられています。そして、こちらは、わなに誤ってかかり、左前脚を失ったとみられるカモシカです。シカやイノシシ用のわな、獣害防止ネットなどにかかり、けがをする事故も起きているということです。さらに、個体数が減るほど繁殖相手に出会いにくくなり、減少に拍車がかかるおそれもあります。絶滅を防ぐために必要とされているのが、生息状況の継続的な調査、シカの影響を減らして植生を回復させること、そして、わな事故の防止と救護です。さらに、県の「鳥獣保護計画」に、ニホンカモシカの保全を明確に位置づけることも求められています。今回の要望書を受け、県の自然保護推進室は、「様々な関係機関と連携しながら、カモシカの保全に力を入れていく」とコメントしています。絶滅を防ぐため、調査の結果を具体的な保護対策につなげられるかが問われます。

(県東部でのクマ狩猟を3年ぶりに解禁へ:兵庫)
兵庫県は24日、県東部でのツキノワグマの狩猟を11月15日から解禁する方針を公表した。クマの推定生息数が基準を上回ったからで、県の環境審議会に諮問し、承認された。県内で解禁されれば、2023年以来3年ぶりとなる。県自然鳥獣共生課によると、県内では、朝来市などを流れる円山川を境に東西二つの個体群がある。県は管理計画で、個体群の推定生息数が800頭以上となった際に狩猟禁止を解除すると定めている。今年1月時点で、円山川以東の個体群は837頭と推定され、解禁の方針を決めた。西側は710頭で、狩猟禁止を維持する。過剰な捕獲を避けるため、人身・農林業被害を防ぐ有害捕獲と狩猟を合わせ、個体群のうち県内の推定生息数(242頭)の12%にあたる29頭を上限と設定。12月14日の期間終了までに上限を超える見込みとなれば、県が狩猟自粛を要請する方針。

(野生鳥獣、農林業の被害13%減:群馬)
2025年度の野生鳥獣による農林業被害額(速報値)は、前年度比13%減の4億7100万円で、過去10年で最も少なかったことが25日、群馬県のまとめで分かった。広域捕獲などの対策を進めてきたニホンジカの食害が減少したことが主な要因。一方でクマによる被害は増加しており、県の関係部局でつくる県鳥獣被害対策本部は同日、クマ対策部会の設置を決めた。県によると、被害額の獣種別の内訳はニホンジカが最多の2億1100万円で、前年度から23%減ったものの、全体の45%を占めた。

(「緊急銃猟」訓練、河川敷にクマ潜伏想定:山形)
クマの市街地での出没が問題となっているなか、山形市では警察や猟友会などによる緊急銃猟の訓練が初めて行われました。きょう(25日)の訓練は、山形市が警察や猟友会などと合同で行ったもので、およそ50人が参加しました。県内のクマの市街地での目撃件数は、今月16日時点で346件となっています。このうち山形市での目撃件数はきょう現在で98件となっていて、市民の安全を守るため、今回はじめて訓練が行われました。きょうの訓練は、山形ビッグウイング北側の河川敷の茂みに、クマ一頭が居座っているとの想定で行われました。訓練の最大のねらいは、関係機関の連携体制を確認することです。山形市鳥獣被害対策課 樋口潤士 次長「クマやイノシシが出た場合は、交通規制や家屋からの退避が想定されるので、山形市だけでは対応できないということで警察の力も非常に大きく重要だということで、連携を図っていきたい」。緊急銃猟を実施するには、周辺の道路を封鎖したり立ち入り禁止エリアを設定したりする必要があります。そのため、各機関の連携が整っていると的確で速やかな緊急銃猟の実施に繋がるということです。訓練では、警察や猟友会が周囲の安全を確認し、現場指揮者から射撃の指示が出たあとに発砲するといった一連の流れを確認していました。例年、8月以降はクマの出没が増える傾向にあるため、山形市は今後もこうした訓練を重ね、より一層、対策を強化していきたいとしています。

(ショッピングモールにクマ侵入、緊急銃猟を想定:北海道)
旭川市のショッピングモールにクマが侵入したことを想定し、客の避難から銃で駆除するまでの手順を確認する訓練が行われました。訓練は旭川市内のショッピングモールの1階にクマ1頭が侵入したという想定で行われました。従業員らは買い物客を2階に避難させたほか、クマがエスカレーターを上らないようカートを積み重ねるなどしていました。また、警察や市はハンターと連携し、1階にいるクマに緊急銃猟を行うまでの手順も確認しました。旭川市環境部環境総務課 三好和貴 環境保全担当課長「非常に制約のある中で、ヒグマを迅速に捕獲しなければならないということで、高度な射撃技術が求められることが分かりました」。警察によりますと、ショッピングモールの中にクマが侵入したという想定での緊急銃猟の訓練は道内で初めてだということです。

(市街地にクマ出没を想定、緊急銃猟の訓練:岩手)
クマが市街地に出没したときに市町村の判断で猟銃を発砲できる緊急銃猟の訓練が、8月24日に岩手県久慈市で行われました。この訓練は県が2025年から各地で実施していて、2026年度は初めてです。24日は県や市の職員、警察、地元猟友会など約50人が参加しました。訓練は久慈市の中心部にある河川敷の藪にクマがとどまっているという想定で行われました。参加した人たちは上空からの写真を広げ、クマをどこで、どの方向から駆除するのかを話し合い、通行規制する場所を決定します。その後、ハンターが安全を確保できる距離を保ちながら猟銃を発砲するまでの手順を確認していました。緊急銃猟の制度が2025年9月に導入されてから、県内では、これまでに8件実施されています。県 自然保護課 渡邉颯太専門研究員「現地に一番近いのはどうしても猟友会、自治体や市町村の皆さんになる。スムーズに緊急銃猟という対応を選んでやっていけるようにしたい」。県では10月までに盛岡、県南、沿岸の3つの地域でも訓練をすることにしています。

(川の下流沿いに「緩衝帯」整備、クマ出没抑止へ:三重)
三重県尾鷲市の加藤千速市長は25日の定例記者会見で、クマの生息域と人の生活圏とのすみ分けを図るため、同市三木里町の沓川下流沿いに「緩衝帯」を整備すると発表した。下草刈りや支障木の伐採を行い、クマが隠れにくい環境をつくる。来月1日開会の市議会第3回定例会に提出する一般会計補正予算案に事業費41万円を計上した。市によると、市内での本年度のクマ目撃、痕跡件数は25日時点で20件。7カ月余りを残して昨年度の14件を上回っている。その中でも、約2年前からクマの出没が常習化している三木里町では11日夜、民家前で市道を駆け抜けるクマが目撃された。18、19両日には、畑の電気柵と養蜂箱をクマに壊される被害も出ている。緩衝帯の設置は、環境省の「クマ被害対策パッケージ」で、緊急的に対応することと位置付けられている。同町では、沓川下流右岸のうち、JR紀勢本線の北側(約1500平方メートル)に整備する。草木で覆われた「中山間地帯」の視界を広げることで、クマの川への侵入防止や対岸からの早期発見、生活圏への出没抑止などの効果が期待できるという。このほか、自治体の判断で駆除を可能とする「緊急銃猟」を実施する東海初の事例があったことから、実施の手順や役割、方法などを規定した「緊急銃猟マニュアル」の策定を進めていることを明らかにした。完成すれば、県内の自治体で初となる。緊急銃猟の実施に報奨金を支払う制度も導入し、出動者に1日2万円、捕獲者に3万6千円を支給する。加藤市長は緊急銃猟について「良いか悪いかは別問題だが、クマの出没に対応できたことに安堵(あんど)している」とした上で「全庁一丸となって(クマ対策の)改革はやらなければならない。マニュアルは最低限必要になる」と述べた。今後の体制に関しては「駆除はしっかりやり、住民が安心して生活できる形を構築していくつもりだ」としている。

(緊急銃猟報償費を補正予算案計上:三重)
三重県尾鷲市は25日、同市三木里町に設置した箱わなで捕獲したツキノワグマ1頭を駆除したと発表した。市内での駆除は今年度3頭目。市によると、同市三木里町で、今月19日から箱わなを仕掛けていたところ、25日午前10時20分頃、雄の成獣(体長1・24メートル)1頭がかかっているのが見つかった。民家の近くに繰り返し出没していたことから、問題個体として駆除した。同市では先月20日、民家裏のくくりわなにツキノワグマがかかり、緊急銃猟を実施。今月24日には、シカ用の箱わなにツキノワグマがかかり、近くに民家や小学校があったことから駆除している。市は9月定例会の一般会計補正予算案として、緊急銃猟報償費35万円と、クマが隠れにくいよう、同市三木里町の河川敷の草木を伐採する費用41万円を計上する。さらにクマが出没した際の対応について、市内の小中学校でマニュアルを作ることを検討している。

(牛放牧でクマ出没を防ぐ「里山再生」の挑戦:北海道)
人の住む地域へのクマの出没をどのように防ぐか――。北海道当別町で、牛の放牧を活用して人と野生動物の生活圏を分ける新たな取り組み「SUMIWAKEプロジェクト」が始まっています。日本の原風景である「里山」の機能を牛の力で再現し、持続可能な地域共生モデルを目指す現場を取材しました。北海道内をはじめ全国で相次ぐクマの人里への出没。その背景にある要因の一つとして指摘されているのが「里山の減少」です。里山とは、人間の生活域と野生動物が暮らす奥山との間に位置し、適度に人の手が加えられて維持管理されてきた土地を指します。かつてはこの里山が双方の「緩衝地帯」として機能し、野生動物の不要な侵入を防いでいました。しかし、人口減少に伴い管理が行き届かなくなった土地が増加し、里山が消失。人と動物の境界線が曖昧になり、クマが人里へと容易に足を踏み入れる要因となっています。この課題に挑む舞台となったのが、当別町にあるスキー場の跡地です。雑草が高く生い茂る荒れた土地に、4頭のアンガス牛が放牧されました。一見すると牧歌的な風景ですが、黙々と草をはむ牛たちには非常に重要な役割が与えられています。かつての里山のような緩衝帯を人工的・持続的に生み出そうという試み「SUMIWAKEプロジェクト」です。牧場経営サポートや電気柵設置を手がける「ファームエイジ」(当別町)が、自治体や大学と連携して推進。荒廃地に牛を放牧し、牛に伸び放題となった草を食べさせることで見通しの良い空間をつくり、緩衝帯を整備・維持する実証実験です。プロジェクトで牛の管理者を務める田中純平さんは、牛を活用するメリットを語ります。「人間が緩衝帯をつくろうとすると、広大な土地の藪払いが必要になり非常に大変な労力がかかります。しかし、牛や馬に草を食べてもらうことで藪がなくなり見通しが良くなります。さらに草は牛たちのタンパク源にもなり、そのまま野生動物対策にもつながるのです」。当別町で行われるこの実証実験は3年間にわたって実施される予定です。牛による緩衝帯の維持管理ノウハウを蓄積し、クマと人が共存できる新しい地域モデルの構築を目指します。また、今後は馬の放牧も予定されています。管理者の田中さんによると、牛を襲うクマは少なく、飼料の適切な管理や死骸放置を行わない徹底した対策を講じていれば、牛が襲われる過度な心配はないとのことです。

(出没相次ぐ“アーバンディア”、川伝いに移動か:北海道)
札幌市の中心部にまで相次いで現れるエゾシカいわゆる「アーバンディア」。今年度ここまでの札幌市におけるシカの出没件数は60件と、高い水準が続いています。今月12日、清田区の住宅では柵にオスの子ジカが挟まり、職員が麻酔をかけて回収。この家に40年ほど住む人は、このところ頻繁にシカが現れるといいます。西区では、花壇の花が2日連続でシカに食い荒らされる被害も。シカとの交通事故も深刻な問題です。道警によると札幌市内でのシカとの事故は、去年は208件。ここ数年増加傾向にあるといいます。森林総合研究所北海道支所主任研究員 松浦友紀子さん「どこから来てるっていうよりも、もう市街地の周辺でみんな暮らしている。本当にちょっとした隣接した森林で子育てしていると思います」。月7日、札幌市白石区の立体駐車場に迷い込んだ、オスのシカ。この駐車場に居座り、2日後には姿を消しました。本来の生息地からかけ離れた市街地に現れるシカ。一体どこからやってくるのでしょうか。札幌市内には南区や西区などの山間部から流れる川とその支流が、はり巡らされるように流れています。専門家は、この川が「カギ」だと指摘します。今年4月に西区西野で、住宅地敷地内のチューリップが、シカに食べられる被害があったほか、先月6日には中央区の寺院の境内に現れたシカが近代美術館へ移動。先月31日には豊平公園に、今月7日には白石区の立体駐車場に現れました。それぞれの出没地では、近くに川が流れています。近代美術館に居座ったシカについては、円山から夜に道路などを移動した結果、迷い込んだとみられています。シカは札幌市街地を囲むように存在する山々で生息数を伸ばし、自然の延長線として川や茂みを移動するうちに、市街地に入り込んでしまっている可能性があるという事です。松浦さん「シカとしては森林を歩いてきていたら、緑地帯それから川沿いなどを歩いていたら、気付いたら市街地に出てきてしまっているというような感じかなと思います。市街地に出るのは(シカは)びっくりしちゃう状態」。市街地に現れたシカに対し、市はシカを刺激しないためにすぐさま捕獲することは難しいといいます。札幌市環境共生担当課 坂田一人課長「急な飛び出しで交通事故が起こるというのが最悪なパターンだと思いますので、それがないようにじっと見守るしかない。安全なところに追い込めている間は特に何もしないできないというところを、市民の方々にはご理解いただきたいところではございます」。しかし、市内であっても駆除せざるを得ない状況も起きています。中心部から離れた南区の山中では、ボランティア駆除隊が、農作物を食い荒らすシカが罠にかかっていないか調べていました。市によると、昨年度の有害鳥獣による農業被害額は約5600万円で、シカによる被害はそのうちの4割ほどを占めます。農家からの依頼を受け、ハンターがボランティアとして駆除を行っていますが、年々依頼を寄せる地域が広がっているということです。さっぽろボランティア駆除隊 戸澤郡平隊長「もともと南区西区その周辺が多かったんですけども、どんどん今それが広がりまして、北区 東区 厚別区それから中央区も、西区との境界の方とかそっちの方で依頼と目撃、今後対応しなきゃならないかもって話で増えてきてます。中心部の方の河川敷の皆さんがサイクリングとか、テニスされているところでの目撃が実はずっとあったのでそれがどんどんさらに増えているんじゃないかという感じですね」。人の多い市街地になると、駆除は困難です。札幌市 坂田さん「鳥獣保護管理法の中で“市街地では銃は使えない”ということになってますからシカが出たからといってただちに人身被害が起こるとか命の危険があるというような状況ではないので、おそらく警察官職務執行法での命令というのも発せられないのかなと思います」対応が限られてしまう現状。専門家は今後、自治体間での連携が重要になってくると指摘します。松浦さん「猟友会との連携も必要だと思いますし、札幌のシカは札幌で生活が成り立っているわけではなくて、冬は別の地域・市町村にも移動してますので、広域で連携して活動管理というのはしていかなきゃいけないんだろうという風には思います」。

(出没抑制へ対策強化、環境整備などに予算追加:秋田)
大館市の9月定例議会は24日開会し、会期を9月25日までの33日間と決めた後、石田健佑市長の行政報告と議案上程を行い、散会した。市長は報告で、クマの出没が人の生活圏で目立つほか、イノシシの出没・農作物被害が増加傾向にあると指摘。「出没を抑制するための環境整備や、備品の追加を計画している」と対策を強化する考えを示した。本定例会に関連予算案を提出している。

(温暖化で分布域拡大するシカ、植物食い荒らし土石流被害もたらす)
滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山(1377メートル)。2023年に南側斜面の登山道が崩落し、翌年7月には、麓の滋賀県米原市伊吹地区の集落に土石流が流れ込む被害が1か月に3回発生した。これらの被害はニホンジカによる食害の影響が大きい。発生当時、地区の自治会長だった石河康久さん(64)は「ここに住んで約30年になるが、10年ほど前から野生のシカを見ない日がないくらいになった」と眉をひそめる。多雪地で知られた伊吹山だが、近年は地球温暖化で積雪量が減少。シカが越冬しやすくなったことで、高山植物の食害が顕著になった。20年代に入ると中腹から頂上にかけての斜面がむき出しに。シカは植物の葉っぱだけでなく、樹皮や落ち葉、新芽まで食べる。花畑で有名だった伊吹山は今や見る影もない。現地調査を行った東京農工大の石川芳治名誉教授(砂防学)は「シカの食害で山の保水力が低下し、土石流被害につながった全国初のケース」と指摘。「他の地域でもシカの食害は拡大しており、同様の被害が起こる恐れがある」と警告する。米原市はシカの捕獲を強化し、23~25年度に計1064頭を捕まえた。26年度も300頭を目標とする。さらに防護柵を設置するなどしているが、植生の回復は遅々として進まない。山とみどり再生課の川瀬雅史課長補佐(49)は「特効薬はない。地道に時間をかけてやるしかない」と話す。温暖化によるシカやイノシシといった野生動物の分布域拡大は生態系への影響にとどまらない。マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染増加にもつながると懸念されている。SFTSは致死率が3割近くに達する感染症で、元々は西日本での感染者が多かった。だが、近年は東日本に拡大し、25年には神奈川県、岐阜県、北海道などを推定感染地域とする患者が初確認された。「山にダニがいることは意識していたのに、まさか自分がかまれるとは」。そう語るのは昨年10月、SFTSを発症した静岡県伊豆市の女性(91)だ。発熱してかかりつけ医を受診したが、数日後には熱が40度台に達し、救急搬送された。ウイルス検査でSFTSが判明し、約2週間の入院を経て退院した。女性の自宅は山あいの自然豊かな住宅地。裏山にはシカやイノシシも生息する。日課の飼い犬の散歩中にマダニにかまれた可能性があるという。同県では21年の初確認以降、毎年のように感染者が出ており、昨年は過去最多13人が感染し、3人が死亡した。女性を診療した順天堂大静岡病院の大森一彦・救命救急センター長(43)は「この2、3年、SFTSが疑われる患者の搬送が増えた。初見でSFTSを疑うのは簡単ではない」と話す。初期対応を誤れば重篤な症状に陥りかねない。「感染者が出ていない地域でも、ウイルスを持ったマダニは身近にいると思う必要がある」と強調する。

(『日本のクマを追う 激動の自然環境を生きる、ヒグマとツキノワグマ』)
クマが人間を襲う事件が後を絶たない。自然環境の変化、山間部の過疎と高齢化......。悲劇が起きるたび、その背景や脅威がメディアで論じられ、クマの鋭い爪痕が社会に深く刻まれる。日本各地のクマが根城とする山林に果敢に踏み入り、10年以上にわたって彼らにレンズを向け続けるカメラマンがいる。現在、国内で最も多くクマを撮影している自然写真家の二神慎之介氏だ。7月、撮りためた写真に書き下ろしを加え、本書を上梓した。掲載された140点超のカラー写真は、カラフトマスを食い散らかすクマの雄々しい姿、雪原の足跡やふんなどバラエティに富んでいる。二神氏にクマへの思いや撮影のポリシーを聞いた。――被写体としてのクマの魅力とは?二神 ひとつは、単純にデカいこと(笑)。まだ実際に出合っていない頃、クマが捕食したカラフトマスの残骸を初めて見たときに、「これはとんでもない生き物だ」と驚かされ興味が募りました。巨大な生命体を維持するには、たくさんの自然の命を食べなければならない。北海道のヒグマであったら、サケやシカ、ドングリなど。〝自然の動植物を集約した動物〟なので、クマ自身が多様性を体現しています。そんな彼らの生態を追うことで、自然界で今起きていることも伝えたかったんです。――クマは人間に危害を加える動物でもありますが、やはり写真を見るとその圧倒的な存在感に目を奪われます。二神 クマは食物連鎖の上位に位置しています。でも、多様な自然の恵みに頼って暮らす生き物だから、環境の変化をもろに食らう。そんなはかなさやもろさがいとおしいですね。昔の人がクマを神として崇めたのも、強さとはかなさから来る畏れと尊さ故だと考えています。――どのような面でクマを取り巻く環境の変化を感じますか?二神 例えばカラフトマスの数は、30年前は遡上のシーズンになると川を黒く埋め尽くすほどでしたが、今は数えるほどしかいない。マスの来ない川にたたずむ痩せ細ったクマを見て、彼らの暮らしはどうなるのかと不安に思うこともありました。――一方で、捕食者であるクマは増えているのでしょうか?二神 専門家ではないので確たる見解はありませんが、各地の状況を見ると、全体の傾向としては増えている印象を受けます。――昨年のクマの大量出没では、ドングリの不作が原因として指摘されました。二神 もちろん、ドングリは大切な食べ物です。でもクマを追いかけると、多様な食べ物で命をつないでいることがわかる。出没が増えているのは、さまざまな要因が複合的に絡み合っているからだと思いますし、その中には私たちがまだ知らないものがあるのかもしれない。本書ではクマにまつわるたくさんの写真を掲載しましたが、それはクマの行動原理がひとつの物差しで測れないことを訴えたかったからでもあります。――クマに襲われそうになったことは?二神 危険を感じたことは何度か。一番怖いのは、クマが近くにいるのに向こうは自分の存在に気づいていないとき。次にどういう動きをしてくるのかわからないから非常に危ないです。――襲ってくるかもしれないクマを撮影していて、怖くないのですか?二神 私、もともとはビビリなんですよ(笑)。集中と緊張でなんとかしのいでいたのですが、一時、クマが猛烈に怖くなって山に入れなくなった時期がありました。緊張が限界を超えたことで、それが恐怖という感情として表れたのでしょう。そんな中でも、クマに対する武器は撃退スプレーだけです。「銃よりも生存率が高い」というアメリカのリポートがあるそうですが、至近距離から襲われたらと思うと......。――本書では撮影機材の紹介までされています。二神 もともと、クマを撮影したいと言う人には「クルーズ船からなら撮れることがありますよ」と教えるにとどめて、手法は伝えていませんでした。も、今は民家の柿の木にクマがよじ登る姿をスマホで撮影できてしまう時代。むしろこれだけ緊張して撮影しているということを伝えてもいいかと思ったんです。――そもそも、自然や動物に魅入られるようになったのは?二神 山好きの父の影響で、小さい頃から一緒に日本中の自然を回りました。15歳のときに行った沖縄の八重山諸島では、マングローブ林が茂る光景に衝撃を受けましたね。大学に進学すると、ブラジルのアマゾン川や東南アジアに行って、うっそうとしたジャングルを見て回る旅をしました。もともと、南のエリアに引かれる〝南方志向〟でしたね。――クマが生息する北方へと関心が移ったのは?二神 「ベルグマンの法則」というのがあって、暖かい南方の哺乳類ほど体が小さく、反対に寒い北方の哺乳類ほど体が大きくなりやすい。例にもれず、北海道の生物はクマもシカも大きく、そのサイズに引かれました。また、カラフルな南方の動植物と打って変わったシンプルな色合いを見ると、自然とシャッターを切りたくなりますね。――ズームアップせず、森林や雪渓といった大自然の中でポツンとたたずむクマの写真を多く撮影されているのが印象的です。二神 近い距離でクマに肉薄したり、望遠レンズでフォーカスを合わせて撮影したりした迫力のある写真は、世間の耳目を集めやすい。しかし、クマの日常というのは草を食んだり、穏やかな表情でゴロゴロする時間のほうが多いんです。そんな場面をあえてアップで撮らず、自然の風景と絡めながら〝森の住人〟としての姿を写し出すことで、彼らの本当の魅力や生態を伝えられると思っています。「クマを見て森を見ず」では、自然で暮らすクマの写真とは言えませんからね。――自然と融和する、強くて、しかし同時にはかないクマの真の姿を撮りたいと。二神 はい。今の世の中は何事も白黒はっきりつけたがりますよね。でも、物事はそんな単純ではないということをクマが示してくれている。クマへの向き合い方も、駆除と保護の二元論ではなく、共存も含めて幅広く考えてもらえたらと思います。

(「射撃部体験ツアー」を開催:早稲田大学)
早稲田大学競技スポーツセンター公認学生プロジェクト「VIVASEDA」は、2026年8月1日(土)に早稲田大学射撃部の協力のもと、早稲田大学東伏見キャンパスにおいて「射撃部体験ツアー」を開催しました。VIVASEDAは、競技スポーツセンターが掲げる「早稲田スポーツの活性化」「体育各部と在学生のつながりの醸成」の実現を目的として活動しています。本体験ツアーでは、普段なかなか触れる機会の少ない射撃競技を実際に体験し、競技の魅力や射撃部の活動について理解を深めてもらうことを目的に実施しました。

(ライフル射撃体験会、健康増進を目的に:埼玉)
ライフル射撃協議体験教室の本年度第1期が8月12日と18日、上尾のスポーツ総合センター(上尾市東町3)で開催された。主催は公益財団法人「埼玉県スポーツ協会」、共催は埼玉県ライフル射撃協会。体験教室はスポーツ実施率の向上を目指して、日常的にスポーツを行う機会が少ない県民を対象に健康増進を図ることを目的に開いている。ライフル射撃はオリンピック競技に採用されている生涯スポーツ。9月のアジア競技大会にも代表チームが編成されている。体験会は各期2日間、安全な光学式の競技用ビームライフルを使い、専門の資格を持つ指導員が指導する。標的までは10メートルあり、オリンピックの競技で採用されている距離と同じ。体験者は座る位置から的の絞り方など基本的なことを学び、競技と同様に得点の記録まで体験した。指導した埼玉県ライフル射撃協会の橋本弘之さんは「競技に参加するようになると練習ではうまくできても実戦ではうまくいかないことも起こる。思うようにできないことも楽しんでほしい」とライフル射撃の魅力を体験者に伝えた。体験した親子は「一昨年のパリオリンピックでライフル競技を見て興味を持ち、応募した。1日目で構え方や呼吸法を教えてもらったので、2日目の今日はうまく的に当てることができた」と話し、次回の開催にも応募したという。埼玉県のライフル射撃競技は、国民スポーツ大会で優勝経験もある。環境面では県内に複数ある射撃部のある高校に進学すれば競技を続けることが可能だという。埼玉県スポーツ協会の浅見竜也さんは「参加者はジュニアから大人まで世代はさまざま。埼玉県の事業としてトップアスリートの発掘・育成プログラムがあり、ライフル射撃も対象の競技になっている」と話す。

(猛暑で高校射撃の「甲子園」開催地変更へ:広島)
広島県北西部の安芸太田町にある「つつがライフル射撃場」。国際大会の規格を満たす国内最大級の施設ですが、20年前から開かれてきた高校日本一を決める全国大会が、2027年から別の場所で行われることになりました。背景にあるのは、空調設備がない射撃場の厳しい暑さです。大会を目標にしてきた選手だけでなく、宿泊客を受け入れてきた地域からも惜しむ声が上がっています。安芸太田町の山あいにある「つつがライフル射撃場」では、70人が一斉に同じ種目で競うことができます。国際大会の規格を満たす国内最大級の射撃場で、これまで多くの大会が開かれてきました。利用者は射撃の魅力について「当たったときの爽快感」や「ほかのことを忘れることができる」「銃と自分の肉体とが一体となったときに非常によく当たる」と語ります。また「立派な施設で広島県の人が練習できるのは、すごく恵まれている」と施設の充実ぶりを評価する声も聞かれました。この射撃場では2006年から、高校日本一を決める全国大会が開かれてきました。2026年8月の大会にはおよそ500人が出場しました。その1人が、加計高校3年の大庭琴実さんです。大庭さんは、この大会について「筒賀の射撃場といったら、高校の集大成を出す場。野球でいう甲子園のようなもので、ここに立つことを目標としている人がすごく多いと思う」と話します。高校生にとって目標となってきた大会ですが、2027年以降この射撃場は全国大会の会場として使われないことになりました。その最大の理由が暑さです。取材した8月23日の昼ごろは、射撃場の室温は30度を超えていました。施設に空調設備がないためです。日本ライフル射撃協会の平井宏治常務理事は「32年前の広島のアジア大会のときの建物で、当時は体育施設に空調を入れることはあまり考えられていなかった」と説明します。射撃場がオープンしたのは32年前の1994年です。広島で開催されたアジア大会に合わせて整備され、当時としては最新鋭の電子標的も導入されました。一方でクーラーなどの空調設備はありませんでした。さらに射撃競技特有の事情も選手が感じる暑さを一層厳しくしています。選手は銃を構えたときに体がぶれないよう、厚さおよそ2.5ミリの特殊素材で作られた競技用ウエアを着用します。大庭さんはウエアを着用した状態について「すごく暑い。夏場は本当にしんどい」と話します。さらに、「分厚めの素材でできている。射撃は姿勢を大事にするスポーツなので姿勢を固定するために着ている。内側に熱気がこもり、汗が噴き出す感じでしんどい」と明かしました。また、射撃は高い集中力が求められる競技で、過去の大会では熱中症とみられる症状で搬送されたケースもありました。県ライフル射撃協会によると、射撃場に空調設備を導入するには数千万円が必要です。しかし会員数およそ100人の県協会だけではまかなえず、全国大会の開催地の変更がやむをえず決まりました。人口およそ5000人の安芸太田町におよそ500人が数日間にわたって訪れていた大会がなくなり影響を心配する声も上がっています。町内のあるホテルでは毎年、選手などおよそ60人が宿泊し、大会期間中は関係者による貸し切り状態になっていました。ことしの売り上げは8月全体のおよそ4分の1を占めていたということです。ホテルの責任者は「なくなるのは結構な痛手。若い人のパワーはすごいなと思ったし、それを町民が肌で感じていた部分もあったのでくなるのはとても残念」と惜しみました。全国大会は開かれなくなり、さびしさはありますが大庭さんは後輩たちのためには、やむを得ない判断だったのではないかと受け止めています。大庭さんは「本当に熱くなれた場所だと思う。やっぱり寂しいという気持ちが1番に来ますが、後輩たちにとって、これからはもっと点が伸びる環境だと思うので頑張ってほしい」とエールを送っていました。「つつがライフル射撃場」は、今後も練習場として活用されるほか高校生や社会人などを交えて行われる西日本大会などは開催されるということです。また、9月から始まるアジア大会の開催地、愛知県の射撃場には空調が新たに整備されました。日本ライフル射撃協会によりますと、今後、高校の全国大会を愛知県の会場で開くことも検討しているということです。

(獣害対策の忌避剤実証実験:三重)
三重県鈴鹿市岸田町の農地約20ヘクタールでこのほど、鹿やイノシシなどの獣害対策として、現在開発中の忌避剤を使った本格的な実証実験が始まった。市は「具体的な解決策のヒントが見つかれば」と期待を寄せる。市の令和7年度農業被害額は猿が315万1000円、鹿が627万円、イノシシが717万8千円。市農林水産課によると、現在の獣害対策の主流は電気柵など侵入を物理的に遮断するものだが、柵を設置できない道路や柵の下を掘って通るなど、防ぎ切れていないのが現状という。実証実験は東京都港区の「理研香料工業」(永井徹彦社長)と関連企業の「無臭。」(神谷宗弘社長)=東京都港区=が中心となり、市農林水産課と市農業委員会が協力する。自治体が協力するのは初めて。開発中の忌避剤を田や畑、茶畑が混在する農地に約20個設置。鹿やイノシシの通り道付近に置き、市と「無臭。」が3台のカメラで反応をモニタリングする。7月30日にスタートし、8月下旬ごろまでを見込む。忌避剤は「理研香料工業」が平成23年から研究を進める製品で、天然の精油を使ったハーブのような香りが特徴。鹿やイノシシが匂いに慣れず、効果に持続性がある。一般的な従来製品は粉砕したヒトデやオオカミの尿による悪臭で忌避させており、耕作環境面でも課題があった。両社によると、実験期間終了後に効果を検証し、早ければ秋ごろの商品化を目指すという。

(錯誤捕獲のクマを殺処分、民家付近の箱わなにかかる:三重)
三重県尾鷲市賀田町の林道で24日午前6時ごろ、有害鳥獣用の箱わなに誤ってツキノワグマがかかる「錯誤捕獲」があるのを、地元猟友会の男性が目撃し、市役所に通報した。市は県、尾鷲署と協議し、賀田小学校や民家から近いことから、危険性の高い「問題個体」と判断。約2時間半後、地元猟友会がライフル銃2発で仕留め、殺処分した。けが人はいなかった。市によると、クマは体長約1.1メートル、体重28.8キロのオスで、成獣とみられる。現場は林道の終点付近で、同小から北東に約380メートル。市は同日午前9時半ごろまで、林道の入り口などを封鎖したほか、同小と輪内中学校、とちのもり保育園への登校、登園を規制した。市内では、19日にも三木里町内でクマが目撃されており、市が引き続き注意を呼びかけている。

(ジビエ料理向けの調理器を開発:東京)
クマやイノシシ、シカなどの鳥獣被害が全国で深刻化する中、野生鳥獣肉(ジビエ)を活用してジビエ文化を根付かせることで、被害減少につなげようという動きが徐々に広がっている。安全で手軽に使えるジビエ向け調理機器を開発し、飲食店へのジビエ普及を進めているのが、日本ヒーター機器(東京都大田区)だ。八幡昇社長は「捕獲した鳥獣のジビエ利用はまだ1割程度。当社の技術でもっと気軽に街中でジビエ料理を味わえるようになり、神奈川などでも地産地消の循環サイクルが生まれれば」と意気込んでいる。八幡社長は横浜銀行出身で、コンビニエンスストアでおなじみの「中華まん加温器」で国内シェア1位の同社を約6年前に事業継承。YAHATAグループとして「食」をテーマに多様な事業を展開している。「鳥獣被害を減らすために、メーカーとして何ができるか。当社の技術を使って食に関連してSDGsに貢献し、未来の食をつくっていく思いが強いですね」ジビエ向け調理機器には、創業100年超の同社が中華まん加温器などで培ってきた技術を応用。ジビエ料理の普及拡大によって鳥獣被害を減らそうと活動する「日本ジビエ振興協会」(長野県)とも提携し、約4年かけて2機種を共同開発した。「低温調理機」は、蒸気の温度をコントロールして、食材に合わせて最適な温度で加温できるのが特長だ。「調理用オイルバス」は食材をオイルに浸し、肉本来のうまみを引き出す。衛生面などから下処理や加熱方法に手間が掛かるジビエの調理は従来、熟練技術が必要とされ、大きくて高価なスチーマーなどを導入する必要もあった。八幡社長は「ジビエ業界の声に応えて、小型で機能性もある機器を開発できた」と胸を張る。ジビエ料理をおいしく安全に提供するための厳格な温度管理や加熱効率を実現した2機器は普及価格28万~40万円と、大型機器と比べて安価。月1万円前後でリースも可能で、小規模店でも導入が容易になった。2025年の発売以来、首都圏を中心にジビエ専門店のほか、和食、中華、仏料理店などで導入が進み、八幡社長は「こだわりを持つシェフの口コミで評価が広がっている。ジビエを含めた素材の魅力を安全かつ最大限に引き出せる機器として、地域の食の現場に貢献したい」と手応えを語る。捕獲した野生鳥獣を処分せずに食材として活用すれば、廃棄物を減らして食料確保にもつながり、SDGsへ大きく貢献する。ただ農水省によると、ジビエ利用は年々増えてはいるものの、捕獲された野生鳥獣のうち、ジビエとして解体処理されるものは全国平均でまだ1割程度。施設への搬入から、加工、流通、消費に至るまでさまざまな課題があるという。八幡社長はそうした現状を踏まえつつ、「飲食店がジビエを扱うハードルが下がって良い肉を仕入れたい需要が高まれば、大手企業も参入し、もっとジビエが流通・循環するようになるはず」と先を見据える。YAHATAグループでも2025年、都内に仏料理店を開業し、ジビエ料理を扱う準備も進めている。八幡社長は「専門店だけでなく、一般の店でもジビエを扱ってもらいたい」とし、本格的な普及には調理機器に合わせたレシピ公開が鍵を握るとみて、機器納入先の飲食店などと協力してレシピ開発にも取り組んでいる。ジビエの安全な調理法の普及や衛生基準の向上で同協会との連携もさらに進める考えで、「神奈川では県西部を中心に鳥獣被害の問題がありますが、ジビエのレストランや食通の人も多い。当社の技術でジビエの輪を広げ、みんながハッピーになる地産地消に貢献したい」と話している。

(日本初のグランピングリゾートが、命の営みを「森の学び」へ変えた舞台裏:山梨)
日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、命の営みを見つめるツアーがあります。富士北麓の森で行われる「狩猟体験ツアー」。狩猟を通して命と向き合い、その命を感謝とともに食す 単なるアクティビティを超えたこの体験は、多くのゲストに「食と命」のあり方を問いかけています。富士北麓で急増するシカやイノシシ。農林業被害をもたらす一方で、捕獲された個体の約9割が捨てられている、そんな深刻な地域課題に向き合う原点は、開業直後に地元のベテラン猟師・滝口さんから届いた一塊のジビエ肉でした。当時の担当者がその肉の力強い味わいと背景にあるストーリーに感銘を受け、取引を開始。さらに、自身も狩猟の世界へ興味を持ち始めます。そこから、「猟師の方々の普段の仕事に同行するツアーをつくれば、この地域の現状と命の尊さをゲストに伝えられるのではないか」というアイディアが芽生えたのです。

(信州ジビエを味わう逸品料理:長野)
休暇村 乗鞍高原は9月1日から来年3月31日まで、夕食時の逸品料理として「信州ジビエトリプルミート」(4500円)を提供する。予約制。鹿肉のロースト、猪肉のデミグラスソース煮込み、兎肉の香草焼きという3種のジビエ料理を味わうことができる。夕食ビュッフェと組み合わせてお得に楽しめる宿泊プランもある。「やっかいもの」として地域課題になっている野生鳥獣を活用し、新たな地域価値につなげる取り組み。「自然の恵みを堪能して」と利用を勧めている。公式ホームページ(「休暇村乗鞍高原」で検索)または電話で3日前までに予約を。

(「るるぶキッチン」でランチフェアとワークショップを開催:東京)
一般社団法人国産ジビエ認証機構(長野県諏訪市/代表理事:鮎澤 廉)は、より多くの方にジビエを知って・食べていただくために、東京都新宿の飲食店「るるぶキッチン」において、令和8年9月1日(火)から9月28日(月)までジビエランチ特集フェアを開催いたします。また、それに先駆けて8月29日(土)に、イノシシオイルでスキンケアグッズを作成するワークショップを開催いたします。

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(クマと衝突か、23歳男性が死亡:北海道)
24日未明、北海道根室市の国道で乗用車が横転しているのが見つかり、運転していた23歳の男性が死亡しました。24日午前3時前、根室市湖南の国道44号で乗用車が横転しているのを通りがかった人が発見し、警察に通報しました。警察によりますと、この事故で車を運転していた根室市の会社員、大﨑虎伯さん(23)が胸や腰などの骨を折り、心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。現場は中央分離帯がある見通しの良いほぼ直線の道路で、乗用車にはクマのものとみられる毛がついていたということです。警察は乗用車がクマと衝突した後、中央分離帯に衝突して横転した可能性もあるとみて事故の原因を調べています。

(外国人男性がクマに襲われ右腕かまれる:青森)
22日午前10時10分頃、青森県十和田市の十和田湖畔の展望台近くで、観光中の30歳代の外国人男性がクマに襲われ、右腕をかまれるなどのけがを負った。ドクターヘリで搬送されたが、命に別条はないという。十和田署や消防などによると、クマの行方はわからなくなっており、同署や十和田市などが防災無線やパトロールで観光客らに注意を呼びかけている。

(イノシシとオートバイが衝突:香川)
8月23日夜、高松市の五色台スカイラインでイノシシとオートバイが衝突する事故があり、オートバイの男性が鎖骨を折る重傷を負いました。高松市によりますと、23日午後7時ごろ、高松市亀水町の五色台スカイラインでイノシシとオートバイが衝突しました。この事故でオートバイを運転していた50代の男性が左の鎖骨を折る重傷を負いました。警察が、現場付近を捜索していたところ道路の東側の雑木林でケガをしたイノシシが見つかったということです。イノシシはその場から逃げましたが住宅など周囲に危害を与える可能性はないということです。高松市は、イノシシを見つけた場合は威嚇したり追い払おうとせず、静かにその場を立ち去るようにしてほしいと呼びかけています。

(オートバイが宗谷岬付近でシカと衝突、70代男性ライダー左胸に痛み訴え重傷か:北海道)
21日朝、北海道稚内市の宗谷岬付近で、ツーリング中とみられるオートバイがシカと衝突し、70代の男性ライダーが負傷し、病院で手当てを受けています。事故があったのは、稚内市の宗谷岬から3キロほど南下した道道です。21日午前6時半前、現場近くを通りかかった人から「バイクとシカの衝突事故」と消防に通報がありました。この事故で、オートバイに乗っていた70代男性が負傷し、病院で手当てを受けています。消防によりますと、男性が負傷した部位は明らかになっていませんが、搬送時、左胸に痛みを訴えていて、けがの程度は重いということです。ただ、命には別状ないということです。男性が乗っていたオートバイは、フロントカウル(風防)が破損しました。オートバイは相模ナンバーで、大きな荷物を積んでいた状況などから、男性は道内をツーリングしていたとみられています。

(猟銃で捕殺当面停止、鳥獣対策隊が誤射:富山)
イノシシを駆除中の黒部市鳥獣被害対策実施隊員が猟銃を誤射した事故を受け、市は当面、猟銃を使った鳥獣の捕殺を停止することを決めた。上坂展弘市長が21日の定例会見で明らかにした。上坂市長は「重大な事故だった」との認識を示した上で、黒部署が事故捜査を終え、市で問題点を確認するまでの停止を自ら指示したと説明した。事故は8月6日、黒部市宇奈月町内山の県道沿いで、隊員がくくりわなに掛かったイノシシを捕殺するため散弾銃を複数回発砲した際、約50メートル離れた資材置き場に駐車中の10トントラックに弾が当たった。上坂市長は「どのような経緯で事故が起きたかをつまびらかにしなくてはならず、私たちも反省しなくてはならない。まずは捜査の結果を待つ」と語り、猟銃による捕殺を停止する間は電気ショックを使った殺処分で対応するとした。猟銃を使う隊員は約30人で、25日に再発防止に向けた研修会を開催する。捕殺とは別に、クマ出没時に自治体判断で発砲を許可する「緊急銃猟」に備え、訓練を行う考えも示した。

(車を走行中に猟銃の弾が当たった可能性、負傷の女性行き場のない怒り:秋田)
八峰町で、国道を走行中の車のガラスが突然割れ、運転していた女性が耳にけがをした事故からまもなく1カ月です。猟銃の弾が当たったとみられる事故は、まだ警察の捜査が続いていて、けがをした女性は「どこに怒りをぶつけたらいいのか」と話します。【けがをした女性】「あの時、貫通した弾の跡を見て、もしかしたら死んでいたかもしれないという恐怖感。体の力が抜けるような感覚を今でもはっきり覚えている」。7月23日、八峰町の国道101号で青森県深浦町の60代女性が車を運転していたところ、突然耳が切れて出血するけがをしました。八峰町では事故当時、近くで猟友会がサルを追い払う「追い上げ」をしていて、流れ弾によるけがとみられています。女性が運転していた軽トラックの窓ガラスには、銃弾のような跡が残り、運転席のヘッドレストの真ん中あたりは貫通していました。けがをした女性は、事故からおよそ1カ月経った今の状況として、耳鳴りがしたり、聞こえが悪くなったりと生活に支障があると不安げな表情で語ります。八峰町に隣接する深浦町民にとって、買い物や通院など生活する上で必要だという国道101号。女性は事故が起きた場所を運転していると、今も当時のことがよみがえり身がすくむ感覚もあるといいます。また女性は、八峰町や事故当時サルの追い上げをしていた猟友会から連絡が無いことに強い憤りを感じていると話します。【けがをした女性】「怒りをどこへぶつけていいのかわからない。もしあなたたちの家族が同じような目にあったらどうしますかと聞きたい」。警察は地元猟友会や八峰町へ聞き取りをし捜査を進めていて、町は警察が捜査中であることから対応できないとしています。【けがをした女性】「たった1度でいいから、猟友会でも八峰町からでも一言ほしかった。そうすれば、まだ気持ちが落ち着くのではないか。もし、またあの辺で猟銃で駆除するようなことあれば、絶対抗議したい」事故から1カ月、被害女性は行き場のない気持ちを抱えたままです。

(豚熱に感染した野生イノシシの確認:群馬)
群馬県が令和元年10月1日から実施している野生イノシシの豚熱検査において、8月20日の遺伝子検査で9頭の陽性が確認されました。これにより、県内における野生イノシシでの豚熱感染確認事例は512~520頭目となりました。

(野生イノシシ1頭、豚熱陽性:岩手)
岩手県は20日、久慈市で発見された野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。 県によると、イノシシは10日にわなで捕獲された。

(野生イノシシ1頭、豚熱陽性:青森)
青森県は21日までに、田子町で見つかった野生イノシシが、豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は19例目。

(クマはどこからやってきたのか、後手に回ったクマ対策)
全国で相次ぐクマによる被害。2025年度の出没件数は5万件を突破、人身被害者数は238人に上り、いずれも過去最多となった。国を中心とした対策が急ピッチで進められる中、全国有数のツキノワグマの生息地として知られ、20年以上前から独自に個体数管理を進めてきた兵庫県の取り組みに注目が集まっている。管理を手がけてきた兵庫県立大の横山真弓教授は全国的に個体数が急増していると危機感を募らせる。「すでに多くの人命が失われてしまっている。被害が多い地域では、捕獲を急ぐべき状況だ」。クマはどこからやってきたのか―。ここ数年で劇的にクマの出没件数が増えた背景を探ると、地方衰退が拍車をかけるという構造的な問題が見えてきた。そして、カギを握るのは都市部で暮らす人々の意識だ。大阪市内から車を走らせること約1時間半、のどかな水田と里山が広がる兵庫県丹波市に兵庫県立森林動物センターはある。2007年に開設された全国的にも珍しい野生動物の保全と管理を目的とした研究施設だ。センターの研究部長も務めている横山さんによると、クマ管理に関する取り組みはセンター開設前の2003年から始まった。当時県内では絶滅の恐れが高まっており、横山さんらは保護に役立てるため捕獲個体に識別チップを埋め込んで放獣。データを蓄積する取り組みを開始した。センター開設後は、独自の数式を基に、2011年に初めて県内の推定個体数を算出することに成功した。全国的にも先進的な取り組みだった。ところがほぼ同時期に、個体数が増加傾向となっていることが判明。それまでの保護方針から、必要に応じて捕獲を進める方向へと転じる。環境省の「クマ類ガイドライン」(2010年版)で「絶滅の恐れは当面ない」とされる800頭を駆除の基準に設定した。兵庫県では野生動物対策として、シカの頭数調整に取り組んだ経験がある。1990年代から爆発的に増加。管理体制が整っておらず、捕獲が遅れたことが原因だった。駆除を強化したのは2010年からだという。「シカの頭数を減らすまで約10年かかった。野生動物は一度数が増えきってしまうと太刀打ちできなくなってしまうので油断できない」クマについて県は現在、近隣府県との広域協議会において、2地域に分けて数を推定。2026年当初の推定値はそれぞれ700~800頭台で、絶滅の恐れがない、適正な水準に収まっている。ただし、クマの増加率は毎年約15%。捕獲をしなければ5年で倍増する計算だ。横山さんは個体数管理と並行して、クマが人の生活圏に入らないようにする「被害防除」も重要だと指摘する。では、兵庫はどのように対策を進めてきたのか。県の調査で、クマが人間の生活圏に出没した際の誘因物を調べたところ、ある集落では「カキの木」が7割を占めた。カキはクマの大好物。県は住民らと協力して、集落内のカキの木の本数と場所をマッピングし、空き家付近などで必要に応じた伐採を進めた。さらに、クマが人里に下りてこないようにする「バッファーゾーン」と呼ばれる緩衝地帯を整備。「うっそうとした森から突然視界が開けると、クマは人家に近づかなくなる」(横山さん)。山林と人間の居住区域の間の草木を刈り取り、人工的な境界を作った。クマ対策の必要性が盛んに論じられるようになったのは、2023年。全国でクマによる人身被害が過去最悪の219人を記録したことをきっかけだ。状況を重く見た国が、捕獲を支援する「指定管理鳥獣」に指定したのは2024年のことだった。だが、横山さんは国の動きは遅いと指摘。事実、長年にわたってクマ急増への警鐘を鳴らしてきた。特に被害のひどかった秋田県では、2020年時点、すでに4400頭(中央値)もいたと推定されるという。「いくら頭数が増えすぎていると声を上げても、被害が顕在化しない限り行政の腰は重かった」。クマは警戒心が強く本来は人前に現れることはないが、山奥が過密状態になれば、里側に分布が拡大する。山のえさの実りが悪ければ、さらに人里に下りてくる個体数も増える。そうした個体が長い年月をかけて複数世代にわたって人里に定着したことが、近年の大量出没の一因になっていると横山さんは指摘。市街地に出没したクマを対症療法的に駆除するだけではなく「状況に応じて山奥のクマの個体数管理も必要だ」と話す。クマなどの鳥獣保護に関する専門的な知識を持つ各都道府県の職員数はごくわずかだ。2025年4月時点で計196人で、5人以上配置されているのは16道府県にとどまる。政府は今年3月、クマ被害対策のロードマップを策定。捕獲作業などに従事する自治体職員の数を、2030年度までに現在の約3倍の2500人まで増やすことを目指すとしている。ただ目標達成は容易ではなさそうだ。「豊富な人材がいる分野ではない」。昨年度全国で最多となる67人の被害者が出た秋田県の担当者は共同通信の取材に対して、全国的な人材獲得競争が起こる可能性への懸念を示した。横山さんも国が掲げる目標には課題があると話す。「イノシシやサルなど他の野生動物の管理に加え、山林管理などとも兼業しているケースもある。せっかく専門的な知識を持った職員を入れても実務内容にギャップが生じてしまっている」。高度な知識を持ったクマ対策専業の職員を置き、待遇を改善することが必要だとした。マ問題は、どのような問題だと考えればいいのだろうか。横山さんは、近年のクマ被害を資本や人材の地域格差と結びついた「構造的な問題」だと位置付ける。対策が後手に回ってしまった理由の一つとして挙げるのは、地方の人口衰退だ。総務省の「2026年版日本の統計」によると、都道府県別人口増減率のワーストは秋田・青森・岩手の順で並ぶ。3県はいずれもクマの被害件数でも上位を占めている。「郡部ではクマの好物であるカキや栗が植えられた空き家が放置され、クマのすみかになっていた。だが、調査をする十分な人手が確保できないため状況を把握しようがなかった」。総務省によると、日本の人口の半数はいわゆる三大都市圏に集中。中でも東京圏は3割を超える。ほとんどの人はクマのいないところに住んでおり「クマ問題は他人事に感じられているかもしれない」と横山さん。元来クマが多い地域では、一次産業に関わる地域の人々が、社会とクマの境界を守ってきた。ところが、地方ではいち早く人口が減少。いまクマ被害が広がっているのは、一次産業を支えているその地域だ。担い手がいなくなった地方では、悪化に拍車がかかっている状況が浮かび上がる。そして立ちゆかなくなれば影響は間違いなく全国に及ぶと横山さんは訴える。「都市部で生活する人も自らに直結する問題として捉えてほしい」。

(クマ出没想定、緊急銃猟の手順確認:秋田)
クマの出没を想定した緊急銃猟の実地訓練が、秋田県仙北市で初めて開かれた。市と県の担当者、仙北署員、地元猟友会員ら35人が参加し、関係機関の役割分担や発砲までの手順を確認した。市の主催。訓練は、市役所角館庁舎の第2駐車場脇にある斜面にクマが長時間とどまっているとの想定で今月4日に実施。参加者は弾丸を受け止める障壁(バックストップ)があるか、市民の安全確保ができているかなどをチェックした。

(「緊急銃猟」訓練、自治体職員や猟友会など約120人が参加:三重)
クマの目撃情報が相次ぐ中、三重県では初となる県主催の実践形式の緊急銃猟訓練が行われました。大紀町で行われた訓練には、三重県内の自治体の職員や猟友会など約120人が参加し、住宅区域にクマが出没した想定で行われました。航空写真を使い、捕獲者の配置や住民避難など安全確保の方法を話し合いながら、クマを捕獲する手順を確認しました。三重県が主催する実践形式での訓練は初めてということで、クマよけスプレーが搭載できるドローンのデモ飛行なども行われました。(三重県獣害対策課 山越裕課長)「緊急銃猟が起きた際に、円滑に対応できるようにしていきたい」。県内では今年度、8月19日までにツキノワグマの出没が46件確認されていて、7月には尾鷲市でワナにかかったツキノワグマ1頭に対し、緊急銃猟が行われています。県は「これから冬眠に向けてクマの食欲が増す時期で、特に注意してほしい」と呼びかけています。

(ヒグマの緊急銃猟訓練:北海道)
道内各地でヒグマの目撃情報が相次ぐ中、自治体の判断で猟銃を使ってヒグマを駆除する緊急銃猟の手順を確認する訓練が、20日、函館市で行われました。訓練は函館市の陣川町で行われました。陣川町では17日、畑のニンジンおよそ500本がヒグマに食べられる被害が確認されています。20日は市や警察、それに地元の猟友会のメンバーなど40人あまりが参加し、住宅の近くの畑に1頭のヒグマが出没したという想定で行われました。まず、市や警察の担当者が周辺の地図を見ながら人や車の通行制限を行う範囲を決め、拡声機で周辺の住民に避難を呼びかけました。そして駆除する場所を決めたあと、模擬の銃を持ったハンターらが車の荷台に乗り、ヒグマに見立てたパネルに銃を構えるなど、発砲までの手順を確認していました。函館市農林水産部鹿磯純志部長は「人的被害をなくし市民の安心安全を守るのが行政の役割だ。万が一に備えて訓練をいかしていきたい」と話していました。

(クマ立てこもり想定訓練:兵庫)
本格的な秋の訪れを控えて新温泉町は8月23日、浜坂地域にツキノワグマが出没したと想定する訓練を実施しました。午前中は町役場での机上訓練、午後は浜坂中学校グラウンドの体育倉庫にクマが立てこもった想定の実地訓練を行いました。兵庫県豊岡農林水産振興事務所や美方警察署、地元猟友会など関係機関が参加して、連携の手順や緊急銃猟の可否を判断する法的要件を確認しました。倉庫内をドローンで探索してクマの状態を確認し、麻酔銃で眠らせて運び出す訓練も実施しました。日曜日の午後、浜坂中学校付近でクマを目撃した住民が新温泉町役場に連絡し、110番通報を行ったーという想定で実地訓練が始まりました。町職員と美方警察署員が現場に急行してパトロールしていたところ、学校敷地内でクマ1頭を発見。車で山林へ追い払おうとしましたが、クマは体育倉庫に逃げ込みました。膠着(こうちゃく)状態となり、町担当者は休んでいる職員を呼び出し、緊急銃猟の準備を始めました。有害鳥獣捕獲班を担う地元猟友会や麻酔処置受託者、倉庫内を調べるドローンを扱う町職員が要請に応じて現地対策本部に集まりました。倉庫の床と壁はコンクリートで、猟銃の弾が跳ね返って予期しない方向に飛ぶ跳弾(ちょうだん)が発生する可能性が高いため、麻酔銃で眠らせて運び出すことになりました。麻酔弾を2回、撃ち込んで動かなくなったことを確認後、クマ用の捕獲わなに移して運び出しました。訓練には、新温泉町職員16人と美方署員6人、県豊岡農林水産振興事務所員3人、地元猟友会2人、麻酔処置受託者2人が参加し、現地本部で連携を確認しました。但馬県民局や市町の職員約20人が見学しました。クマと遭遇して重傷を負った町内の例を挙げて、西村銀三新温泉町長は「クマの出没に備え、安心・安全の対策を確認できて有意義だった」と訓練を総括しました。

(「クマアラート(注意報)」発表:三重)
三重県は8月20日、尾鷲市と紀北町を対象に「三重県クマアラート(注意報)」を発表しました。期間は10月19日までの2か月間です。尾鷲市内では8月11日、18日、19日に出没が報告されており、「集落からおおむね500メートル以内において、出没があった地点から半径1キロの範囲で、1週間以内に複数回の出没があった」という注意報の発表基準に該当しました。2026年度の県内におけるクマの出没件数は、8月20日時点で計48件と平年並みの水準ですが、地域別では尾鷲市が16件、紀北町が14件と、今回のアラート対象地域での報告が目立っています。この地域では、5月にも「三重県クマアラート(注意報)」が発表され、当初7月10日までだった期間が7月31日まで延長されています。前回の注意報解除からわずか20日での再発表となりました。県は今後、関係自治体と連携して防災行政無線などでの注意喚起や、登山道・観光施設への看板設置を進める方針です。県民に対しては、山に立ち入る際は鈴やラジオを携帯して単独行動を避けることや、餌となる生ゴミや農作物を除去するなど、クマを寄せ付けない環境づくりを呼びかけています。

(クマ鈴、撃退スプレーなど民間含む117カ所の保育所・幼稚園等に配布:岩手)
市保育・幼稚園課は24日から、市内でクマの目撃通報が相次いだことを踏まえ、民間を含む市内119カ所の保育所・幼稚園等に対し、クマ被害防止対策資材を配布する。同課が20日に発表した。なおすでに目撃情報があった地区とその近隣の35施設には配り終えている。配布する資材はクマ鈴(1施設当たり3~10個=定員によって異なる)、クマ撃退スプレー(同2本)クマ撃退ブザー(同1個)。

(都心でむき出しの散弾銃?米軍施設の警備要員が所持:東京)
米軍専用の宿泊施設「ニュー山王ホテル」(東京都港区)の出入り口で今月中旬、米軍関係者が散弾銃とみられる装備を所持していたことが分かった。当日は施設前で米軍のイラン攻撃などに抗議する市民が街宣のスピーチをしており、警備の一環とみられる。「米軍の特権を見直すべきだ」と識者は指摘する。問題の装備が確認されたのは、8月13日午前10時20分ごろ。「U.S.NAVY」と記された服を着た米軍関係者が、施設敷地内の出入り口で、長さ1メートルほどある銃身の装備を斜めがけし、警備にあたっていた。近くでは、元トラック運転手の甲斐正康さんらが、終戦の日に向けて、日米地位協定を巡る問題や米軍のイラン攻撃に抗議する街宣活動の準備をしていた。甲斐さんはこれまで施設前で15回ほど街宣活動をしてきたが「あんなに大きな銃は見たことがなかったので恐怖を感じた。こちらは平和的に抗議活動をしているだけなのになぜあんなに殺傷能力の高い武器が必要なのか」と疑問を呈する。米軍問題に詳しいジャーナリストの吉田敏浩氏は、問題のシーンが写った動画を確認した上で、「装備はおそらく散弾銃だ。長年、ニュー山王ホテルには取材で何度も訪れているが、ホルスターに入れた拳銃を携帯しているのみで、散弾銃をむき出しで装備しているのは大変珍しい」と語る。

(熊毛にエアライフル射場:山口)
周南市大河内の熊毛総合射撃場にオリンピック種目のエアライフルとエアピストル競技に対応する10メートルの射場が完成し、22日にオープニングセレモニーが開かれた。県東部の新たな競技拠点として、若手選手の育成や競技人口の拡大が期待される。熊毛総合射撃場は(一社)県クレー射撃協会が2023年7月に内富火薬銃砲㈱から運営を引き継いだ。式典には同協会の長谷川雅彦会長、県ライフル射撃協会の田中辰美専務理事、来賓の古賀洋子周南市議と関係者らが出席。藤井律子市長の祝辞が代読されたほか、古賀議員は祝辞で「今回完成したこのエア射撃場がきっかけとなり、競技人口の拡大、そして将来の選手育成につながる場所になって欲しい」と期待を寄せた。

(山で漆を採取する職人で「クマに遭遇した人」約9割:岩手)
漆の生産量日本一を誇る岩手県二戸市で、漆を採取する職人がクマの危機に直面している。漆は国宝などの文化財修理や工芸品などの塗料として欠かせないが、6月には男性職人が山中でクマに襲われ負傷。市は緊急の対策講習会を開催するなど、日本の伝統文化を守る山仕事に影を落としている。「クマを見たり、実際に遭遇したりしたことがある人はいますか」。6月下旬、同市浄法寺町の総合支所で漆の職人らを対象に実施された初の講習会。講師を務めた県自然保護課の渡辺颯太専門研究員(27)が問いかけると、参加者約40人の9割ほどが手を挙げた。講習会開催のきっかけは、職人のクマ被害だ。県警などによると、6月18日昼、漆を採りに山林に入った男性職人(33)が、帰宅途中に親子とみられる2頭に遭遇した。親グマとみられる1頭に顔や背中などを引っかかれ、軽傷を負った。市によると、職人が山中でクマに襲われるのは記録が残る2018年度以降初めて。クマ鈴などで音を出していたが、地形や風の影響で音が届きにくかった可能性があるという。漆はウルシの樹液を精製した天然塗料で、食器や工芸品、建造物の塗装・接着に使われる。同市特産の「浄法寺漆」は国産漆の約8割を占め、国宝の中尊寺金色堂(平泉町)や日光東照宮(栃木県日光市)、世界文化遺産の金閣寺(京都市)などの保存修理に重宝されてきた。漆職人はクマの行動が盛んな6~10月頃、山に入りウルシの幹に鎌やカンナで傷を付け、にじみ出た樹液を時間をかけて少しずつ採る。一人で早朝から夕方まで山中を回り、1日に80本近くをかくこともある。単独作業の上、作業に集中すると周囲の音などに気づきにくいなど、職人特有の作業環境はクマに遭遇する危険性がある。約20年にわたり漆を採取する職人の男性(76)は職人仲間が襲われたことを受け、「これまで以上に対策を強めなければならない」と警戒を強める。市内の今年1~7月のクマ出没件数は55件で、前年同期の32件から1・7倍に増加。県浄法寺漆生産組合は人身被害を受け、撃退スプレーなどの購入費の半額補助(最大1万円)を始めた。市の担当者は「現時点で生産量への大きな影響は見込んでいないが、生産者の安全確保に向け、市としてできることを考えていきたい」と話した。

(ヒグマ対策の“ガバメントハンター”に密着:北海道)
ときにはライフルを手にパトロール、ときには市役所の机でパソコンを打つ。クマの出没に対応する「ガバメントハンター」。その二刀流の仕事を追いました。ハンターとしての1日は、夜明け前から始まります。北海道・北斗市で初めてガバメントハンターに採用された吉田広さん(62)。危険を伴うため、地元の猟友会の仲間と2人でクマが出没していないか見て回ります。ハンターの免許は4年前、働きながら取得しました。吉田さんはこれまでトウモロコシ畑を荒らしたクマの駆除などに参加していて、こうした市内の見回りも地元のハンターが行っていることと違いはありませんが…自宅で休憩したあと、今度は市の職員として市役所の農林課で働きます。箱わな設置の報告書を作成していました。吉田さんは以前、民間の医療団体で30年以上、事務職を担当。パソコンは得意です。2025年、道南地方ではクマによる被害が相次ぎ、マチは対応に追われました。現在あわせて6つの自治体でガバメントハンターが活動していますが、北斗市が吉田さんを採用したのは2026年6月。事務仕事もハンターの仕事もできることを評価しました。「先日出ていたきじひき高原のクマについて、吉田さんはじめハンターさん方にも数日間継続した巡回等が必要になるかな」(北斗市 農林課 五十嵐久人係長)。会議の終了間際、1本の電話が入りました。「観光されている方ですか。道路の目の前に出てきて目が合って(クマは)そのまま山に駆け上がっていった」(農林課職員)。観光客からクマ出没の通報です。すぐに現地に向かいます。「今のところ続きはない。ただ安心はできないです」(地元のハンター)。これもガバメントハンターとしての仕事です。「(Q.ガバメントハンターになってから看板設置?)そうですよね。今まで市の職員が全てやってくれていた。自分は携わっていなかった。今回こういう立場になって一緒にやる形ですね」(吉田さん)。吉田さんを採用したことで、北斗市ではクマへの対応が1時間から2時間ほど短縮できているといいます。「市の職員は人事異動があり数年単位で(担当が)変わっていく。ハンターとの関係がなかなか築けないところがある。ハンターが横にいてくれると初動対応がかなり早くなったと実感している」(北斗市 農林課 野津功課長)。午後3時ごろ、家に帰ります。「(Q.公務員としては早い帰宅?)そうですね。まだ日が暮れてないです。ちょっとゆっくりして、畑見回って、シカ、クマ見回ってですね」(吉田さん)。休憩をはさんで夕方は箱わなを見に行きました。ハチミツなどで作ったエサを補充します。北斗市で始まったガバメントハンターの取り組み。まだ発展途上のこの制度について吉田さんはこう思っています。「それぞれ市町村でオリジナルがあっていい。北斗市でもいろいろな積み上げをしてこれから形づくられていく。まだまだこの先、工夫しながらやっていくことになると思いますね」(吉田さん)。

(シカによる食害、「芝地」になったお花畑:長野)
ニホンジカによる食害に遭い、まるで「芝地」のようになってしまったお花畑が南アルプスの三伏峠(長野・静岡県境)にある。静岡県が防鹿柵を設けてあったものの、二つに分かれるお花畑のうち東側に4年ほど前からシカが侵入。高山植物が食べ尽くされ、まるで草刈り機で刈り取ったような光景が広がる。

(伊勢原射撃場の業務再開について:神奈川)
伊勢原射撃場は、近隣の倒木等を原因とする停電により、8月20日(木曜日)から業務を停止していましたが、復旧作業を完了し、8月21日(金曜日)から全ての業務を再開しました。ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。

(狩猟ワールド、講演やジビエ料理試食:福島)
狩猟の魅力や奥深さを発信する「狩猟ワールド2026inすかがわ」が23日、須賀川市で開かれ、約80人の参加者が狩猟について学びを深めた。 県の主催。県猟友会の協力。新潟市出身で、新潟県全域を対象とした民間向け有害鳥獣駆除サービスを展開する「THE HUNT.(ザ ハント)」の西沢和斗代表が講演した。 西沢代表は、狩猟者が減り、有害鳥獣の生息密度が高まりつつある現状を「狩猟の過渡期だ」と強調。

(狩猟免許試験で出題した問題に誤り:山梨)
県は23日実施した狩猟免許の試験で、出題した問題に誤りがあったと発表しました。県は該当する問題について受験者全員の回答を正解とする措置を取ったということです。問題に誤りがあったのは、県が23日実施した「令和8年度第1回狩猟免許試験」のうち、新規の受験者を対象とした複数の試験です。このうち、複数の選択肢の中から正しい内容の選択肢を答える問題で、狩猟期間に関する選択肢の記載を本来、「10月15日から」とすべきところを「11月15日から」と誤って記載していたということです。県によりますと、受験者からの指摘で誤りが発覚したということで、該当する問題について受験者全員の回答を正解とする措置を取ったということです。県自然共生推進課は、問題のチェック体制が不十分だったことが原因だとしたうえで、「再発防止にむけて、他部署の職員も含めた確認体制を整え、試験問題のチェックを徹底したい」としています。

(イノシシの生息範囲、三浦半島で拡大:神奈川)
三浦半島でイノシシの生息範囲が拡大していることに県が危機感を強め、対策を強化している。農作物に深刻な被害を与えかねないとして、2026年度の捕獲予算を前年度から倍増。情報通信技術(ICT)を活用した遠隔監視システムも導入して定着を防ぐ考えだ。イノシシは1990年ごろまで、丹沢・箱根山地を中心とする県西部に分布しており、相模川以東で確認されていなかった。ただ2003年度以降、平塚市、大磯町、二宮町など大磯丘陵周辺に拡大。13年ごろには葉山町を中心に三浦半島でも生息していることが判明した。県自然環境保全課の担当者は「どこから来たかは定かではなく、確たる原因も分かっていない」と戸惑いを隠さない。その後も生息数が増え、葉山町だけでなく横須賀市、逗子市でも分布が拡大。鎌倉市や三浦市では定着に至っていないが、三浦市境付近まで近づいているとみられる。同市はダイコンやキャベツなど露地野菜の全国有数の産地であることから、市内に分布が拡大した場合には農作物被害が増えるとみて、県は危機感を強める。

(4日前からクマの追い払い、「日本一の芋煮会フェスティバル」:山形)
9月20日に開催される山形の秋の風物詩「日本一の芋煮会フェスティバル」の概要が発表された。相次ぐクマの目撃を受け、2026年はこれまで以上の対策を行う。今回で38回目を数える「日本一の芋煮会フェスティバル」の報道説明会。チケットは、2025年に材料費・人件費の高騰を受けて100円値上げしたが、2026年は据え置き、前売り1杯600円・当日700円で提供する。提供される芋煮は直径6.5メートルの「3代目鍋太郎」で調理し、例年同様、約3万食を用意する予定。一方、2025年は猛暑や雨が少なかった影響で、フェスティバル用に栽培されたサトイモの収穫量が例年の半分の約1.5トンとなり、不足分をほかの県産で対応した。生産者によりますと、「ことしは天候に恵まれ、出来は良好」という。また、クマの目撃が相次いでいることから、2025年は開催前日だけに行っていた花火を使ったクマの追い払いを、2026年は開催4日前の16日から行うとしている。フェスティバルは9月20日に、山形市の馬見ヶ崎川河川敷で行われる。

(サステナビリティ重視で植物に気をつかうカモシカと短期的利益重視で食べつくすシカ:東京農工大学)
富士山の高山帯に生息するニホンカモシカとニホンジカの採食行動を直接観察により5年間にわたり調べました。同種に対してなわばりを持ち、単独で同じ場所に長年とどまって生活するカモシカは、歩きながらつまみ食いをすることにより、植物にできるだけダメージを与えない食べ方をしていました。反対に、なわばりを持たずに、群れで季節移動をするシカは、立ち止まって同じ植物を集中的に採食することにより、植物に大きなダメージを与える食べ方をしていました。食物の持続可能性が生存と繁殖に重要なカモシカの社会と、持続可能性よりも短期的な利益が重要なシカの社会の違いを反映し、このような採食行動の違いが表れた可能性があります。さらに、食物をめぐる種間競争において、採食スピードの速いシカは遅いカモシカに比べて優位であることが示唆されました。

(食害防止のヒトデ忌避剤、NPOが実証実験:岐阜)
シカの食害を防ぐために、海で駆除されたヒトデを使用した対策に取り組むNPO法人里山会(揖斐郡大野町)は7月から、ヒトデを土や水に混ぜた新たな忌避剤を使用した実証実験に取り組んでいる。これまで袋詰めして木につるしていたが手間が掛かるため、発酵、培養して柿畑でもまきやすいようにした。

(シカの角、骨折治癒を大幅に加速させる可能性)
シカの角(枝角)に含まれる成分が、人間の骨折治療期間を大幅に短縮する可能性があると、研究者らが指摘している。雄ジカは毎年春、より大きな新しい角を生やす。成長中の骨は柔らかいビロード状の皮膚で覆われ、血管が酸素や栄養を届けている。米ワシントン大学と中国・寧波大学の研究チームは今回、骨の治癒を促進する可能性のある数百種類の化学物質を鹿の角から特定した。実験では、骨折させたマウスに鹿の角由来のポリペプチドを注射したところ、仮骨形成が促進され、治癒が「大幅に加速した」という。仮骨形成とは、骨が作り直される前に、骨折部の周囲に新しい軟骨や骨ができる過程を指す。治療を受けたマウスの骨は、通常2~3週間かかるところをわずか1週間で接合し、21日後には完全に治癒していた。未治療では通常約5週間かかるという。研究チームは鹿の角から300種類以上のポリペプチドを特定しており、複数の化合物がこの治癒効果に関与している可能性があるとしている。この発見は、骨折がうまく治らない患者向けの治療法開発につながる可能性がある。ヒトの骨折のうち5~10%は治癒が遅れると推定されており、患者は長期間のリハビリや痛みに苦しむことになる。医学誌『Journal of Orthopaedic Translation』の論文で研究チームは、「さまざまな治療法があるにもかかわらず、骨折の約5~10%はいまだ治癒の遅延に至っている」「骨折患者は長期のリハビリ、身体的・精神的苦痛にさらされ、医療制度に大きな負担を強いている」とし、「治癒を促進する新たな治療戦略の開発が急務だ」と述べた。さらに、「鹿の角は哺乳類の器官で唯一、完全な再生が可能な組織であり、数カ月のうちに骨、軟骨、血管、神経、皮膚を新たに作り出せる」としている。

(危ねぇ目、遭ったことねんだ。クマが避けていくからな」:北海道)
全国でクマの出没が相次ぐ現在、駆除を担うハンターにも危険が伴う。だが、そうしたリスクがあるなかで、「日本一の羆撃ち」は半世紀を超える狩猟歴で300頭ものヒグマを撃った。伝説の男・赤石正男氏(74)に、ノンフィクションライターの中村計氏が密着した。まさに糸の切れた操り人形だった。夕暮れ時、広大な牧草地に轟音が鳴り響く。瞬間、シカの白い首筋が伸びたかと思うと、草むらの中に崩れ伏した。「はっはっはっ」。羆撃ち・赤石正男の顔に刻まれた深い皺が浮かび上がる。その軽い笑いは腕を誇るというよりも、単なる照れ隠しのように感じられた。ハンターたるもの獲物を仕留めるときは全身から張り詰めた殺気が漂うものだと思っていた。しかし、赤石は違っていた。まるで公園の散歩を楽しむかのように肩の力を抜いて「撃つよぉ」と引き金を引き、命中すると子どものようにニンマリと頬を緩めるのだ。獲物を仕留めた直後、突然、初期設定のままの着信音が鳴った。赤石が「もしー」と応じる。「なんもなんも。今、1つ獲ったとこだぁ」。リアクションがいちいちのんびりとしている。電話はごく短いやりとりで終わった。「いっつも肝心なとき鳴んだ。ビリビリって」。ビリビリ――。それが赤石なりの着信音の擬音だった。赤石の愛車は1991年製のトヨタのハイラックスだ。俗にピックアップトラックと呼ばれる荷台の付いた四駆である。ところどころに錆が浮いた黒い車体は狩猟歴50年超、生きる伝説と呼ばれる痩身痩躯の、74歳の老ハンターの車にふさわしい気がした。この車にこれまで何百頭ものヒグマと何千頭ものシカを積んできたのだ。赤石は知床半島の付け根、標津町古多糠で生まれ育った。ヒグマの高密度地域である。赤石は小さい頃から釣りが大好きなアウトドアマンだった。20歳のときに狩猟免許を取得。1年目からヒグマを仕留め、以来、年間でクマを撃たなかったことはない。ひと月で14頭仕留めたという衝撃的な記録もある。その昔、トド撃ちだった時代には3か月で1000万円近く稼いだこともあるそうだ。赤石は現在、標津町にある南知床・ヒグマ情報センターの業務課長という肩書きを持つ。同センターは野生動物の調査および管理等を行なうNPO法人で、赤石はそこのエースハンターでもある。主任研究員で、赤石を描いた『羆撃ちに人生を賭けた男』の著者でもある藤本靖は言う。「北海道で狩猟免許を持っている人たちの中でもクマを撃ったことのある人は1%もいないんじゃないかな。普通は獲れない。赤ちゃん(赤石)は単独で200頭近く、巻き狩り(集団狩猟)を入れたらさらに100頭近く獲ってるから。そんな人、いないと思うよ」。クマを撃った人数が極端に少ない理由は簡単である。北海道に生息しているクマは大きいものだと300キロから400キロにもなるヒグマだ。撃ち損ねたら反撃に遭い、命を落としかねない。町民が主にシカを撃つ猟師を「鉄砲撃ち」、ヒグマも撃つ猟師を「羆撃ち」と区別するのは命がけのハンターに対する畏敬の念の表われでもある。北海道には名ハンターと呼ばれる者が、昔も今も少なからず存在する。その多くは評価の陰で懐疑の目もつきまとう。しかし、赤石に限っては彼の腕を疑う声を聞いたことがなかった。名ハンターとしての重要な資質である「足」に関しても赤石は規格外だった。普通の人なら丸1日かかる山の上り下りを日に3回もこなした。しかも10キロ近いライフルをかついで、である。「今はもうダメだけどな。糖尿病になって、体質が変わっちまった」。藤本は赤石に対して全幅の信頼を寄せながら、こうオチを付けた。「赤ちゃんはハンターとして何でもできる。ただ、嫁だけはできなかったな。3回お見合いしたらしいんだけど、一度なんて、喫茶店で1時間ぐらい無言だったらしいから」。その姿は想像できた。無愛想ではないのだが、言葉で自分を飾ることに関心がないようなのだ。ただ、彼がふと口にする短い言葉は、いつも本質を突いていた。「俺はおもしれぇ話はねぇどぉ。1回もやられたことねえから。危ねぇ目、遭ったことねんだ。クマが避けていくからな」。最後のひと言は半分冗談だとしても、名人たるものは致命的なミスさえも犯さないのだという真理を物語っていた。

(「クマは耳の穴を撃つ。体撃ったってきかねえ」:北海道)
半世紀を超える狩猟歴で300頭ものヒグマを撃った伝説の男・赤石正男氏(74)は、愛車である1991年製のトヨタのハイラックスに、これまで何百頭ものヒグマと何千頭ものシカを積んできた。ノンフィクションライターの中村計氏が、赤石氏の狩猟に密着した。赤石の車の荷台に目をこらすと、ところどころに黒い筋が固着していた。赤石がこぼす。「血はなかなか落ちねえんだ」。赤石が120メートル先のシカのところまで車で移動する。そこに横たわっていた100キロ近いシカの首の付け根には小さな穴が空いていた。「即死だ」。赤石が事もなげに言う。「だいたい前胸部を撃つんだ。首はうまく撃たねえと当たんねえから」。前胸部、つまり肩甲骨のあたりだ。前胸部はターゲットとして面積が広く、心臓や肺などの重要な臓器が集中している。ただし前胸部に命中したとしてもシカは最後の力を振り絞り数十メートルから100メートルほど逃げることがある。そのまま藪の中に逃げ込まれると見失いかねない。赤石はそうさせないために、また、苦しませずに殺すという人道的な配慮から難しいネックショットを選択するのだ。クマのときはシカ以上に一撃必殺を狙う。手負いにしてしまう危険を避けるためだ。「クマは耳の穴を撃つ。横向くのを待って、バンって。200メートル先の400キロのクマ撃ったときもそうだった。体撃ったってきかねえから。脳みそやらねえと」実は、1頭目のネックショットは序の口だった。2頭目の一撃こそ赤石の真骨頂だった。車のボンネットを台座にし、ライフルを固定する。その先に獲物がいるようだった。「撃ってみるかな……」。撃鉄が落とされる。「当たったよー。600メーター。正確には601メーター」。赤石が使用する100万円相当の超高性能スコープは、標的までの距離が表示される。赤石の四駆について行くと、またしてもきれいに首元を射貫いていた。われわれがシカの駆除に向かう際、南知床・ヒグマ情報センター主任研究員の藤本靖氏は赤石にこう告げた。「赤ちゃん、遠射を見せてあげて。700メートル、800メートルの」。それくらいまでは赤石の射程距離だということだ。ライフルの場合、一般的な射程距離は100から300メートル程度だ。弾丸は真っ直ぐ飛ぶわけではない。重力に引っ張られ、放物線を描く。距離が遠くなるほど弾道の落ち込みや風を計算しなければならない。700から800メートルともなると、話は異次元だ。毎秒1、2メートルの微風であっても数メートル横に流されてしまう。藤本が「ゴルゴ13も真っ青だよ」と冗談めかしていたが、そんな軽口も誇張とは思えないほど赤石の技術は人間離れしているのだ。赤石はかつて弾道学のスペシャリストである森圭弘らとマグノリアという射撃研究会を立ち上げ、オリジナルの銃や弾をつくっては検証を繰り返した。今は亡き森はハーバード大でロケット工学を学んだ鬼才でもあった。赤石のライフルは森のアドバイスを参考に自分好みの銃身や銃床を配した赤石スペシャルとでも呼ぶべきもので、総額は100万円近くにもなる。そこに超ハイテクなスコープを装着している。赤石のライフルは、たとえるならF1カーだ。高性能過ぎて並のドライバーでは扱うことができない。そのライフルに合わせ、弾も自作する。遠距離からの狙撃の精度を左右するのは初速だ。赤石の弾の初速は「秒速3500(フィート)ナンボだ」という。時速に換算すれば3840キロほど。つまり音速の3倍を超える高速弾である。赤石は弾をつくるたびに網走の射場へ出向き、100メートル先の1円玉大の的に5発命中するよう調整する。「変だなと思ったら、すぐ行くから」。藤本はこうあきれる。「また行ってんの? っていうくらい射場に行ってる。1か月に一度は行ってるんじゃない? 普通の人は半年に1回くらいでしょう」。そこまですると、あとはスコープが自動的に中間弾道を計算し、最適な照準位置を割り出してくれる。ただし、風の影響は「勘だな」と話す。赤石にとっては、これらの徹底した下準備こそが狩猟の大前提なのだ。それらのプロセスを経ずに銃を向けることは、彼の言葉ではこうなる。「あっち向いて、飛んでけって撃ってるだけだ」。クマが山を下り、人々の生活圏にまで迫りつつある現状は、ここ標津町でも同様だ。赤石はその原因をこう喝破する。「昔は下りてきたら、すぐ駆除したから。逃げても巻き狩りで、ぼったくり(追いかけ)回した。山に逃げても、がっつり囲んですぐやったから。今は悪さしたらやるけど、下りてきただけならほったらかしてる。だから、慣れっこになってる」。世界遺産地域に含まれる標津町においては、クマが山を下りてきたからといって一律で即駆除されるわけではない。赤石はハンターの減少、高齢化もクマ出没の原因に挙げた。「獲るだけの技術もなくなった。そっち行ったぞって言ってんのに、気づかねえんだもん。疲れっどぉ。おっかながってるしな。おっかながったら獲れねえわい」。──外したら逆襲されるんじゃないかと思うことはないんですか。「外さねえよ」。赤石のシカ猟に同行した日、2時間半ほどで瞬く間に5頭のシカを仕留めた。4、5頭目も約500メートルのロングショットだった。この日、使用した弾丸の数。それもまた5発だった。

(天竜の恵み、罠猟で頂く:静岡)
「伝説のジビエハンター」や「 罠わな 師」など数々の異名を持つ森の名手。浜松市天竜区の山々で鳥獣や川魚を生け捕りにし、経営する 寿司すし割烹かっぽう 屋「竹染」(浜松市天竜区二俣町)でジビエ料理を提供している。大自然を 謳歌おうか した幼い頃の記憶に突き動かされ、「天竜の恵みを多くの人に届けたい」と意気込む。昨年11月、「竹染」ののれんをくぐると、塩味のだし汁で煮られたイノシシ肉の香ばしい匂いに包まれた。メニューにはイノシシ鍋のほか、シカの刺し身やもつ煮なども並ぶ。提供されたイノシシ肉を一口いただくと、やわらかい肉の触感と臭みのない脂のうま味が広がった。同区の山あいで8人きょうだいの末っ子として生まれた。家の近くには1級河川の天竜川があった。川漁が趣味の父と兄の影響で物心ついた頃からアユやウナギを取っていた。山でウサギや鳥を捕まえて家族で食卓を囲んだこともあった。ウナギの稚魚を取った時には「少しでも家の支えになれば」とトラックで浜名湖の養鰻業者のもとに運んで売った。稼ぎは生活費に充てたが、残った金で顕微鏡を買って微生物や花粉などの観察を楽しんだ。「昔から生き物が好きだった」と振り返る。中学卒業後は「手に職をつけたい」と富士宮市の割烹旅館や寿司店で働いた。資金をためて、17歳頃に姉と一緒に同市内で開業した。せわしない日々を過ごしていたが、趣味の猟で山に入ると、自然を駆け巡った子ども時代の記憶が鮮やかによみがえった。「やっぱり天竜で店を構えたいな」20歳代半ばで、念願の「天竜」に今の店を構えた。好景気の勢いで繁盛したが、その後のリーマン・ショックや大型スーパー、回転寿司の台頭などで客足は遠のいた。店の先行きを考えていた時、ふと思い浮かんだのが、幼少期に頬張ったジビエの味だった。しかし、銃で仕留めたイノシシやシカの肉には獣臭さが残った。自然の命を頂く限り、最もおいしい食材にしないと申し訳ない――。そう思うようになった。一人で山に入り、罠を仕掛けて生け捕りにし、解体小屋で処理する。暴れる時には目隠しをし、落ち着いたところで仕留める。手間はかかるが、臭みが消えて肉のうまみを引き出せるようになった。すると、ジビエブームの波にも乗って店の名は口コミやSNSで全国に広まった。「やっぱり獲物を大切にすることが大事だな」。日々、山に入ると環境の変化を肌で感じる。佐久間ダム(同区)の影響で川の水は濁り、コケが減って水生生物の生息環境が悪化。CSF(豚熱= 豚とん コレラ)の感染拡大でイノシシが減った一方で、シカは増加した。山のエサが不足して農作物への獣害が増えた。来店客にはいつも「自然とともに生きることが大切だ」と伝えている。「自然の尊さを多くの人に届け、環境の復興につなげたい」。そう願い、これからも謙虚に自然と向き合い続ける。

(人生を変えたカナダ先住民の一言「人生は一度きり」)
都心のビルに囲まれた小さな緑地に、黒い蝶が飛んでいる。黒田未来雄(くろだ・みきお)は蝶の行方を目で追いながら、軽快な足取りで坂を下った。ふいに腰をかがめ、街路に生えている野草を摘んでおもむろに香りを嗅ぐ。人びとが見過ごす小さな自然に目を留める黒田は、東京育ちの元商社マンであり、元テレビディレクターだ。現在は北海道苫小牧市に居を構え、作家業と狩猟を生業としている。「猟師といっても、皆さんが想像するほど獲っていないんですよ。2025年のシーズンに捕獲したのはエゾシカ7頭。たくさん獲っても食べきれませんからね」。肉や毛皮を売って生計を立てる者は、1シーズンで300頭以上を捕獲することもあるという。しかし黒田はどんなチャンスがあっても、家族や友人など身の回りの人が食べきれる分だけの獲物しか狙わない。「『自分や家族が食べる分以上は獲らない』という、師匠の教えがあるので」。黒田が狙うエゾシカやヒグマは、法律で毎年10月から翌年の1月~3月ごろまで狩猟が許可されている。特にヒグマが冬眠に入るまでの10~12月は、可能な限り山に入ることを決めている。銃で仕留めた獲物は、刃物でとどめを刺し、血抜きをする。体からは蛇口をひねったような強い圧力で血が流れだす。血抜きを終えたら、内臓を出す。獲物の体はまだ熱い。皮と肉を断ち、解体していく。そうして自宅に持ち帰った肉は、黒田と妻に丁寧に調理される。クマやシカはステーキやロースト、しゃぶしゃぶ、レバーペーストなど趣向を凝らしたご馳走となり、2人の空腹を満たす。ほんの数時間前まで生きていた獲物は、咀嚼され、黒田たちの体になる。一度に食べきれない肉は自宅の冷凍庫に保管し、1年をかけて大切に食されるという。狩猟をしない1年の半分は、北海道の長い冬に備えてストーブ用の薪を割ったり、自著の執筆や、企業や学校などで講演をしたりしながら暮らす。執筆や講演で多くテーマになるのは、「命との向き合い方」だ。スーパーでパック詰めされた肉を食べている聴講者に、狩猟採集生活を通じて野生動物から学んだことや、生き物から命をいただくということについて語り掛ける。かつて丸の内をスーツで闊歩し、世界をまたにかけたビジネスマンだった黒田。なぜテレビディレクターを経て、自然の中に身を置き、今の暮らしをすることになったのか。英語の個人塾を営んでいた父の影響で幼いころから海外旅行に行き、さまざまな国の文化に触れていた黒田は、海外を飛び回る仕事に憧れを抱いていた。語学力は必須だと考え、東京外国語大学に入学。「国際的に活躍ができること」を軸に選んだ就職先は、三菱商事だった。入社後は自動車部に配属され、アフリカ諸国に自動車を輸出する営業を担当した。同じ部の同期の中で最も早く海外出張を任されたのは黒田だった。入社2年目、初めての海外出張先はアンゴラ。現地に向かうファーストクラスのゆったりとした席で機内食のキャビアを食べながら、華やかなキャリアの始まりを感じ、気分が高揚した。アンゴラで黒田を待ち受けていたのは、現地テレビ局の取材だった。遠く日本から来たビジネスマンは、当時のアンゴラでは珍しい存在。政府が関係する仕事だったこともあり、当時の大統領にまで挨拶をする機会も得た。もちろん商談も大成功。数億円の契約を取り付け、「俺がこれからの経済を動かしていくんだ!」と、黒田は有頂天で取引先のビルを出た。ふと足元を見ると、何かが動いている。よく見ると、乳飲み子を紐で背中に括り付けている女性の上半身だった。両足はない。黒田はその女性の姿に衝撃を受け、息ができなくなった。女性は腕の力だけでズルズルと地面を這っている。女性が角を曲がり消えていくまで、黒田は身動き一つとることができなかった。1995年、アンゴラはポルトガルからの独立戦争による内戦がやや落ち着いたタイミングだったものの、2千万個近くの地雷が埋められていた。これは人口1人あたり2個の地雷が埋められていた計算になる。ビルの前を通り過ぎた女性も、おそらく地雷の影響で足を失ったのだろう。アンゴラはダイヤなどの宝石や石油などの資源に恵まれた国だ。うまく活用さえすれば、金銭的に豊かになれるポテンシャルを秘めている。しかし人々は憎しみ合い、傷つけあっている実情を目の当たりにした。「その時、自分の働き方を顧みました。僕がやっていた仕事は、政府に高いお金で高級車を輸出することで、困っている人を助ける仕事ではない。これでいいのだろうか、と思ったんです。金銭的に豊かであっても、心の豊かさがなければ幸せではない。では、人の心を豊かにする仕事とは何だろうと考え始めました」。時を同じくして、黒田は自然に夢中になっていた。休みがあれば会社の同僚たちとキャンプに出掛けた。いつものように数人で山に分け入った時のこと。その日はシカを見るために、いつもよりも山深い場所まで足を延ばした。お目当てのシカの姿を見つけ、テントに戻ろうとするが、あたりはすでに暗くなっている。おまけに雨まで降り出す始末だ。頼りにしていた懐中電灯の明かりまで弱々しくなり、ついには消えてしまった。あたりには「漆黒とはこういうことか」と改めて知るほどの闇が広がっていた。どんなに目を凝らしても、黒田たちの目には何も見えない。近くに落ちていた木の棒を拾い上げ、最初は首に巻いていたタオル、次は靴下をひっかけ、手持ちのウォッカをしみこませてライターで火をつけて松明を作り、なんとかテントまでたどり着いた。「遭難しかけて、自然って怖いけどすごいなって、畏怖の念を抱きましたね。社会人になってから星野道夫さんの著書を読んだり、北米の先住民族の思想に触れたりして、命や自然への興味関心がグッと増していきました」。「人の心を豊かにする」という軸で仕事を探し始めた黒田の前には、教師か自然を追うドキュメンタリーを作るテレビマンという2つの選択肢があった。教師になるには再度大学に通いなおす必要があるため、テレビマンを目指すことを決意。「自分が心から感動し、良いと思ったもの」を届けるために、スポンサーのいないNHKへの就職を志望した。一流商社マンからの大きな転身に周囲から反対の声はなかったのだろうか。「むしろ周囲は応援ムードでした。父は作家を目指していた人。認知症を患った晩年も、自費出版した本を真っ黒になるまで推敲し続けるくらい、創作に没頭していました。だから僕が“作り出す仕事”をすることは応援してくれていたように思います」。元一流商社マンという肩書も手伝って、「面白がってもらえるのでは」という目論見で中途採用に応募するも、書類選考で落選。そこで現役の大学生に混ざり、第二新卒として採用に応募することを決めた。業務の合間を縫って採用試験を受け、1999年に晴れてNHKのディレクター職として入局した。NHKのディレクター職についた新卒は、地方局に配属となりオールジャンルの番組の制作を学ぶのが定石だという。例にもれず黒田も沖縄局に配属となり、報道から『のど自慢』、『ゆく年くる年』、ドラマ撮影の補助に至るまであらゆるジャンルを担当。会社から報道分野での活躍も期待されていると感じたが、希望を貫き、念願の自然や動物を追うドキュメンタリー番組のディレクターとなった。野生動物を追う番組づくりは、黒田にとってやりがいのある仕事だった。企画さえ通れば、世界のどこへでも行くことができる。自然を相手にするだけあり、何日自然の中で粘っても野生動物が現れず、胃痛に悩まされることもあった。その分、狙い通りの映像が撮れた時の喜びはひとしおだったという。厳しい自然の中でたくましく生き、命を輝かせる野生動物の姿には何度も心を震わせられた。黒田の人生の転機となったのは、2016年の北海道支局への転勤だった。自然豊かな地に居住することが決まり、週末の時間を使って、かねてから興味のあった狩猟を始めようと思い立ったのだ。狩猟は「食うもの」と「食われるもの」という関係性が存在する。「命を奪い、食うという利己的な行為をしないと、人は生きていけないことを認め、そこまでしてなぜ自分が生きるのかを、狩猟を通じて知りたかった」と黒田は話す。

(グラドルが“意外な資格”取得を報告)
グラビアアイドルの久瑠美になが21日までに、自身のXを更新。狩猟免許を取得したことを報告した。「わーい!! 狩猟免許4種全て受かったよ」と記し、「狩猟免状」を手にした写真を公開。「網猟」「わな猟」「第一種銃猟」「第二種銃猟」の4種全てに合格したことを明かした。今後は「猟友会に入ろうと考えてます」としており、「今年2つ目の資格!年末も別の受験あるからまだまだ勉強だー!!!」とさらなる資格取得への意気込みもつづっている。この投稿には「おめでとう」「意外」「熊と戦うの?」「忙しい中で凄い」といった声があがっていた。なお久瑠美は「簿記3級」や「珠算暗算準2級」の資格も保有している。

(クマ出没時の迅速な注意喚起に向けて:東京)
イッツ・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都世田谷区 代表取締役社長:根本 敬太 以下、イッツコム)は、総務省の「令和8年度 地域社会DX推進パッケージ事業(先進的通信システム活用タイプ)」に採択され、富山県南砺市において、Wi-Fi HaLow(850MHz帯)とAIカメラ(サーマルカメラ+PTZカメラ+AIボックス)を活用したクマ出没の遠隔検知およびテレビへの情報伝達に関する実証事業を実施します。

(23羽のカモがクマに襲われる:北海道)
8月24日午前6時半ごろ、出勤してきた従業員が23羽のカモの死骸を発見しました。飼育していたカモ23羽がクマに襲われたのは、北海道岩見沢市毛陽町の養鶏場です。付近の草地や倒された木製のドアに幅約16センチの足跡が残されていたことなどから、市はクマによる被害と断定しています。この養鶏場では17日にも、飼育していたニワトリ23羽がクマに襲われているのが見つかっています。市によりますと、現場に残されていた足跡が今回の方が大きいことから、別の個体とみています。17日の被害を受け、市ではラジオやセンサー付きのライトを設置するなど対策をしていましたが、今後は電気柵の設置を早急に進めたいとしています。また、17日から安全確保のために閉鎖されていた現場近くの幌向ダム公園では、閉鎖を継続することが決まっています。

(急増するアーバンディア、察が一時通行規制:北海道)
20日午前11時ごろ、札幌市西区の住宅街や道道に、複数のエゾシカが出没しました。20日午前11時ごろ、札幌市西区宮の沢2条1丁目周辺の住宅街や道道に、エゾシカが群れで現われました。現われたエゾシカは、オスが5頭で、川沿いなどを歩いたあと手稲山の方向に去り、人との接触や車との衝突は確認されていません。出没した現場は、交通量が多い道道西野真駒内清田線沿いで、周辺には学校や医療機関が多くある地域です。

(クマに牛の餌を食べられる被害:岩手)
遠野市で、牛の餌がクマに食べられる被害がありました。20日午後10時ごろ、遠野市上郷町の住宅で、物音がしたため、住民が自宅から牛舎の方を確認したところ、クマとみられる動物を目撃し、警察に通報しました。警察官が現場に駆けつけ、その際、クマが敷地内から走り去ったのを目撃しました。夜が明けたあと、住民が牛舎を確認したところ、牛舎の引き戸があけられていて、牛の餌が入っていたドラム缶1個が倒され、餌が食べられていた被害に気づきました。遠野市ではすでにわなを設置していて、警察は、パトカーで現場周辺を警戒するとともに、付近の住民に対して、注意を呼びかけています。

(クマに「餌付け」してる?大量の食パンと鶏肉が「国立公園大山」で見つかる:鳥取)
鳥取県の国立公園・大山(だいせん)で、大量の食パンや鶏肉が道路脇に連日投棄される事案が発生している。報道によると、周辺ではクマの目撃情報もあり、餌付け目的ではないかとの指摘も出ているという。現場周辺の公園などを管理する「自然公園財団」鳥取支部・大山事業地の平木尚一郎所長は、弁護士ドットコムニュースの取材に「国立公園の中なので、動物の餌やりや不法投棄はやめてほしい」と話した。食べ物とはいえ、大量に道路脇へ捨てれば「不法投棄」として犯罪になる可能性がある。さらに、場所が国立公園であれば、別の法律に抵触することもある。

(住宅街にまさかのシカ6頭、道道を一時封鎖:北海道)
20日午前8時45分ごろ、札幌市西区西野2の9の西野やまびこ公園にシカ6頭がいるのを近隣住民が目撃し、西区役所に通報した。この影響で、近くを通る道道82号(西野屯田通)の一部が一時通行止めになった。

(「特急あずさ」イノシシとみられる動物と衝突:長野)
21日午後、茅野市のJR中央東線で、特急あずさが、イノシシとみられる動物と衝突し、およそ1時間の遅れが出ました。JR東日本によりますと、午後1時過ぎ、中央東線の青柳駅と茅野駅の間を走行中の下りの特急あずさがイノシシとみられる動物と衝突しました。乗客と乗員およそ430人にけがはありませんでした。この影響で中央東線は茅野駅と上諏訪駅の間の上下線で運転を見合わせましたが、午後2時過ぎに運転を再開しました。動物と衝突した特急あずさにおよそ1時間の遅れが出ました。

(ソバの実60kg食い荒らされる:秋田)
21日午前8時半ごろ、秋田県鹿角市八幡平字白砂館の畑でソバの実が食い荒らされているのを、畑を管理する農業法人役員の60代男性が発見した。鹿角署はクマによる食害とみている。署によると、被害はソバの実約60キロ。付近にはクマとみられる足跡があった。

(クマと特急とかち衝突:北海道)
23日午前9時10分ごろ、JR石勝線新夕張駅(夕張市)―占冠駅(上川管内占冠村)間で、札幌発帯広行き特急とかち(4両編成)がヒグマと衝突した。乗客、乗務員にけがはなかった。

(捕獲イノシシの搬入急増、館山ジビエセンター:千葉)
有害鳥獣を食肉に加工・販売する館山ジビエセンター(館山市)に搬入されるイノシシが今夏、急増している。6月と7月はいずれも月間100頭を超えた。月間の搬入数3桁は2021年の創業以来初めて。2カ月連続も異例のことだ。年度ベースでみても、8月半ばまでですでに24年度1年間分の搬入に迫る。センターは、山林の餌不足で人里に出没し、わなにかかる個体が増えているためとみている。センターでは現在、館山、南房総両市で捕獲された体重20キロ以上のイノシシを受け入れている。運営会社の沖浩志代表(43)によると、今年度の搬入数は8月19日までで459頭。24年度1年間の470頭に迫り、25年度全体の840頭を上回るペースで推移している。月別では6月が109頭、7月は120頭。それまでの月間最多は25年11月の97頭だった。この8月も19日までで84頭に及ぶ。7月は1日で10頭を超える日もあった。肉の品質を保つため、受け入れた個体は捕獲から時間を置かずに解体し、処理する必要がある。このため、日によってはアルバイトなど人手を総動員して作業に追われたという。沖さんによると、例年、捕獲が増えるのは10~11月。6月頃に生まれた幼獣が親離れする時期に当たるという。夏場は比較的、搬入数が落ち着く年の夏場の急増について沖さんは、山林の餌不足が背景にあるとみる。野生のイノシシの食べ物は、夏場は植物の若い根やカエル、ヘビなどの小動物。鼻先で地面を掘り起こして探し出す。近年は竹類が林ややぶごと一斉に枯れる現象が起き、好物のタケノコが極端に少ない場所がある。このため、餌を求めて人の生活圏に入り込む個体が増え、畑や住宅周辺のわなにかかっているのではないかという。館山市と南房総市では、わな猟免許を持ち、県から有害鳥獣捕獲の許可を受けていれば最大で1人30基のわなを仕掛けられる。野菜などの作物が荒らされるのを防ぐため、自分の畑や自宅周辺に設置する人も多い。沖さんは、知人などからの連絡で捕獲されたイノシシを引き取りに出向くが、今年は同じ人から日を空けずに連絡が入ることもたびたびあるという。両市の公表資料によると、有害鳥獣として捕獲された成獣のイノシシは、両市合計で24年度の3955頭から25年度は5927頭と約5割増えた。沖さんによると、24年度は秋から冬にかけてドングリが豊作だった一方、25年度は不作でわなにかかるケースが多かったという。このため、今秋以降の捕獲数について、沖さんは「山のドングリなどの実り次第」とみる。木の実が豊作ならイノシシが山中にとどまり、捕獲数が減る可能性があるという。近く両市内の山林に入り、今年のドングリの実りを調べる予定だ。

(親子で鹿の解体を見て、触れて、ジビエを味わおう:愛知)
2026年10月24日(土)、新盛町の「新盛集会所 扶桑館」で、親子で「命と食」について考える「鹿解体体験」が開催されるそうです。豊田市の山間地域では、自然の恵みを生かした「ジビエ」が身近な存在のひとつです。今回のイベントを主催する「株式会社 山恵」では、豊田市の山間地域で捕獲された鹿を、できる限り素早く、衛生的に処理し、その命を無駄にしない取り組みを行っています。イベントでは、実際に捕獲された鹿を題材に、普段はなかなか見ることのできない「鹿の解体」を見たり、触れたりしながら、命をいただくことについてを親子で考えます。

(「命の恵み」を一皿に:鳥取)
鳥取県の名峰 大山の南側 烏ヶ山(からすがせん)の麓にある高原リゾートホテル「休暇村奥大山(所在地:鳥取県日野郡江府町 支配人:川島 健)」では、地域とともに歩むホテルとして、江府町ではぐくまれてきたジビエ文化を多くのお客様に知っていただきたいとの想いから、地域で捕獲・加工された高品質なジビエを使用した新メニューを9月1日より提供します。休暇村で使用するジビエは、江府町でジビエ文化の発展に尽力するNPO法人「奥大山地美恵」の副会長・宇田川保さんが加工したものです。宇田川さんは長年にわたり食肉加工技術を磨き、海外での研修経験も持つ食肉加工のスペシャリストとして知られています。「いただいた命を無駄にしない」という信念のもと、捕獲から解体、衛生管理まで一貫して高い品質管理を行い、臭みがなく旨味豊かなジビエとして多くの料理人から高い評価を受けています。宇田川さんは長年培った食肉加工技術と海外で学んだ知識を生かし、高品質なジビエづくりを実践。(訪れた国は40か国以上)。加工場は、廃校になった小学校の給食室を改装、解体設備を開設し2020年4月にNPO法人「奥大山地美恵」を立ち上げました。現在も地域の食育活動や後継者育成にも積極的に取り組み、奥大山の食文化を未来へつなぐ活動を続けています。

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(鳥獣対策、「捕獲圧不十分」指摘)
総務省の行政運営改善調査の一環で実施された「野生動物による被害防止対策に関する調査」で、狩猟が禁止されている都道府県指定鳥獣保護区によってニホンジカ等の指定管理鳥獣に対する捕獲圧(個体数を抑制するための捕獲の強さ)が不十分なことや、クマの広域的な個体群管理について関係都道府県で構成される協議会による対策が進まず、国の支援を求める声があることなどが分かった。行政運営改善調査は、政策担当府省とは異なる立場から各府省の政策の実施状況を実地に調査し、各府省自身が気付きにくい政策の設計上・運営上の課題を提示することで政策改善や政策推進に資する情報を提供するもの。今回調査の対象となった鳥獣対策について、わが国では、生息数が著しく増加または生息範囲が拡大している鳥獣を「指定管理鳥獣」に指定し、個体群管理により適正な生息状態に誘導する取組が進められており、現時点ではニホンジカ、イノシシ、クマが指定されている。調査では、被害が拡大しているクマ及びニホンジカ等に焦点を当て、管理強化に向けた取組状況を対象とした。クマについては、業務負担の大きさや都道府県間で生息調査手法が異なること等から広域的な管理が進まない、都道府県間で個体群管理に関する目標の統一化が困難などの課題が分かった。こうした状況から、今回の報告が明らかとなる前に、関係府省へ事前に情報提供を実施。昨年11月にまとめられたクマ被害対策パッケージのなかに、地方環境局の体制を強化し、広域的な個体群管理を推進することが盛り込まれた。一方、ニホンジカ等については、侵入初期段階にある都道府県で、隣接都道府県との連携した対策が進んでいないことや狩猟禁止となる都道府県指定鳥獣保護区におけるニホンジカ等の指定管理鳥獣に対する捕獲圧が不十分、などの状況が分かった。これを受け、総務省では関係都道府県の連携促進に向けた支援や、捕獲圧維持に資する制度や取組の周知など、鳥獣保護区制度の適切な運用の推進、実態を踏まえた鳥獣穂の捕獲等の申請・許可手続きの見直し、を環境省に求めた。

(猟銃携行許可など緊急銃猟制度の改善、国に要求へ:岩手)
宮古市議会(橋本久夫議長、定数19)は18日の臨時会で、緊急銃猟制度の改善を国に求める議員発議の意見書を全会一致で可決した。自治体が雇うガバメントハンターを対象に、クマ出没の連絡を受けた段階からの猟銃携行許可などを要望する。市民、ハンター双方の安全を守るため制度に一石を投じる狙いだ。

(県が獣害対策支援隊、市町や被害地域に職員派遣:栃木)
クマなど野生動物による被害が増加していることを受け、県は「とちぎ獣害対策支援隊」を設置した。17人体制で、市町や被害地域に職員を派遣して、対策の実施を支える予定だ。県内では、クマやイノシシ、シカなどの野生動物に人が襲われたり、田畑や民家が荒らされたりする被害が広がっている。宇都宮市では6月、クマ1頭が市街地に出没し、混乱を招いた。獣害対策は継続的に取り組む必要があるが、市町では専門的知見を持つ人材が不足しているという。このため、県自然環境課と林業センターの9人や、庁内で募集した6人をメンバーに起用。銃猟やわな猟の免許を持つ職員も複数いる。宇都宮大と東京農工大の専門家2人も顧問として参加する。

(有識者が鳥獣被害対策の現場を視察:山形)
県の農村環境整備の取り組みにつなげようと、有識者が、山形市の地区が地域ぐるみで行っている鳥獣被害対策の現場を視察しました。農村環境に詳しい有識者で組織する県の委員会が訪れたのは、10年前からイノシシによる農作物への被害を防ぐため、地域で防護柵を設置している山形市高瀬地区です。現在は、およそ24キロにわたって防護柵が設置され、設置前と比べてイノシシによる被害を8割ほどに抑えています。こうした取り組みに活用されているのが、「多面的機能支払交付金」です。この制度は国から交付金を受け、地域ぐるみで農地や水路などを守る活動を支援するものです。高瀬地区では、この制度を活用して防護柵を設置し、その維持管理も地域ぐるみで行っています。【紅花の里会 鑓水豊会長】「これ(防護柵)を設置しないと、ここ(高瀬地区)の農地は維持管理できなかったと思う。大変いい制度だと思っている」。【県農林水産部農村計画課 斎藤和広課長補佐】「多面的機能支払交付金制度を活用してもらいながら、(他の地域でも)被害の防止をしてもらえればと思う」。今回、専門家が現地で視察した取り組みの成果などについて、県は、今後の農村環境保全の施策に生かしていく方針です。

(市街地クマ急増で初訓練:山形)
市街地でのクマの目撃が相次ぐ中、上山市で18日、緊急銃猟を想定した訓練が行われました。参加した職員はクマの目撃から捕獲までの一連の流れを確認しました。県によりますと8月9日時点でことし1月からのクマの目撃件数は819件と去年の同じ時期と比べて減少している一方で、市街地での目撃件数は324件と去年のおよそ3倍に急増しています。こうした中、去年から市街地での緊急銃猟が可能になったことを受け、上山市は18日、行政と警察などの協力体制強化を目的に初の訓練を実施しました。訓練には上山市の他に、警察や消防、地元猟友会など54人が参加しました。市担当者「クマの目撃がありましたので捜索の方をお願いいたします」。対策本部長「気を付けてお願いいたしますよろしくお願いいたします」。警察や市の担当者、地元猟友会で班を作り捜索。銃や盾を持って警戒にあたります。猟友会「ほい ほい ほい」。なぜ声を。猟友会「クマが出てくると怖いでしょ」。声を出し、人間がいることをクマに知らせながら歩きまわります。すると。市担当者「体長120センチ程度です」「刺激しないようにお願いします」。クマを発見。銃や盾を構えにらみ合いに。その後、周辺の状況を本部に報告をすると住民の避難や周辺の道路などの封鎖を指示。準備が整うと。対策本部長「銃猟することについて周辺に障害がないと確認が取れているのでこれから緊急銃猟の実施を願いたい」。猟友会「それでは緊急銃猟お願いします」「ダーン バンバン」「クマの回収をお願いします」「OK よし」「では回収をしてください」。通報からおよそ40分後クマを捕獲し回収。通報から回収までの一連の流れを確認しました。県猟友会上山支部山口富哉支部長「バックストップ(弾の跳ね返りを防ぐ防護壁)それがいかに確保できるかそれが一番課題」。山本上山市長「生きているのもに対して現場で対応しないといけないということで連携をいかにスピーディーに早く進めるかその連携の難しさを改めて感じたみなさんの安全をしっかり守っていくためのこうした訓練を続けていくことが重要と思う」。訓練後は、クマを撃退するスプレーの使い方を確認しました。上山市では今後も訓練を続け、緊急銃猟に備えることにしています。

(クマの個体数を減らす捕獲事業を開始:宮城)
各地でクマの目撃が相次いでいることから、宮城県は個体数を減らすため捕獲事業を開始し、18日に箱わなの設置作業が公開されました。宮城県の調査によりますと2025年度のクマの推定個体数は3207頭で、自然増加数などを考慮し推定個体数の1割強の390頭の削減を目標としています。18日、クマの目撃が相次いでいる川崎町のマスの養殖場付近に、箱わなを設置しました。宮城県では2026年度のクマの目撃件数は7月末時点で1028件と、2025年度の同時期と比べて490件増えています。宮城県は、クマを捕獲することで市街地への出没を抑えたい考えです。宮城県自然保護課尾形めぐみ副参事「まず390頭駆除で、猟友会と契約させていただいた。クマが市街地に出没しないように、しっかりと管理をしていきたい」。13日に園芸店の従業員がクマに襲われた仙台市青葉区上愛子で、クマが目撃されました。警察によりますと18日午前7時ごろ、青葉区上愛子の農道で車を運転していた男性から「クマが道路を横切った」と通報がありました。体長約1メートルで、近くの茂みに入っていったということです。けが人などの被害は出ていません。目撃場所から約370メートルの場所には、13日に従業員がクマに襲われた園芸店があり、警察などが警戒を呼び掛けています。 人身被害受けて宮城県は、31日まで仙台市青葉区にクマ出没警報を出しています。

(ツキノワグマ猟“解禁計画案”、審議会で大筋了承:東京)
東京都は、現在禁止しているツキノワグマの狩猟を2027年度から限定的に解禁する計画案を公表し、計画案は都の審議会で大筋で了承されました。都はツキノワグマの保護を目的に、2008年度から狩猟を禁止していて、解禁されれば、およそ20年ぶりとなります。都内では、クマによる人身被害や市街地での出没が増えていますが、都の調査によりますと都内のツキノワグマの生息数は120頭から378頭と推定しているということです。18日、東京都が公表し、大筋で了承された計画案では、島しょ部を除く都内全域を対象とし、八王子や奥多摩など7つの市町村を管理区域としています。狩猟を行う人は事前講習を受け、一定の経験がある人に限定するほか、捕獲技術や専門知識をもつ人材育成なども進めるということです。計画案は今後、さらにパブリックコメントなどを経て来年度に実施される見通しです。都は人の生活圏に侵入するクマを減らし、人的被害をゼロにすることを目標にしています。

(イノシシ被害対策、防止柵管理法伝授:茨城)
野生動物による農作物の被害を防ごうと、茨城県は9月8日、同県かすみがうら市中志筑の千代田コミュニティセンターで「侵入防止柵設置点検講座」を開く。

(全国初、クマ対策で「知事ハンター」:群馬)
今年もクマ被害が相次ぐ中、近く全国初の「知事」ハンターが登場する。群馬県の山本一太知事が今月初めに散弾銃やライフル銃といった装薬銃を扱える第1種銃猟免許の試験を受け、合格した。クマの駆除を担える人材を増やすため、県トップの知事が銃猟免許を保有し取得機運を高めるのが狙いだ。自治体職員による「公務員ハンター(ガバメントハンター)」の受験枠を一般枠とは別に新設するなど、駆除の要である猟友会会員の先細りをにらみ先手を打つ。

(イノシシが田んぼ荒らす:和歌山)
各地でイノシシやシカなどによる農作物の被害が深刻だ。和歌山県田辺市新庄町の鳥ノ巣半島では、田んぼにイノシシが侵入し、稲を荒らす被害が相次いでいる。収穫前に大きな被害を受けた農家は「ほぼ壊滅。9割が収穫できなくなった。ここまでの被害は初めて」と落胆する。鳥ノ巣半島にある4枚の田んぼ(約3千平方メートル)で米を栽培している農家の花村幸生さん(71)によると、過去にもイノシシに侵入されることはあったが、食害は少なかったという。今年は例年より半月ほど早く7月上旬から被害が出始めた。稲をなぎ倒し、田んぼ1枚を食い荒らした後、別の田んぼに移動する被害が続いた。網を設置するなどして対策を講じたが侵入され続けた。8月上旬に予定していた収穫を前倒ししたが、収量は通常の1割ほどとなった。鳥ノ巣半島では、花村さんも含めて7戸ほどが米を栽培している。花村さんは「昔は半島にイノシシはいなかったと聞いている。農作物だけでなく、道沿いの斜面を掘り崩す被害も出ている。抜本的な対策をしないと、半島の貴重な動植物にも影響が出てくるかもしれない」と不安を口にする。県によると、県内では2024年4月~25年3月、野生鳥獣による農作物被害額が約2億4700万円に上った。獣種別ではイノシシが最も多く、37%(約9100万円)。次いでシカが20・5%(約5千万円)を占めた。

(山人(やもうど)から熊猟の話を聞く:中央大学)
自然の中で行われる野外スポーツは、その活動拠点を山間地や中山間地に置くことが多いのですが、これらの地域には、豊かな自然のほか固有の文化や伝統が存在しています。スポーツ(という文化)を通して、地域の文化や伝統に触れ、それらを継承していくことも体育(あるいはスポーツ教育)に課せられた広義の使命であると考えます。私たちは3泊4日の日程で福島県南会津郡檜枝岐村にて、トレッキングや地域の歴史文化に触れる体験をしました。そうした体験を補足し、地域の自然や文化についてより深く理解するために、「山人(やもうど)」から直接お話を伺う機会を得ました。「やもうど」とは、山奥に住み、狩猟や採集、曲げわ作りなどで生計を立てる人々のことです。いまだ自然が色濃く残る奥山で細々と受け継がれてきた「やもうど」の生活・伝統・文化等の暮らしぶりにふれることによって、都市での日常生活を見つめ直し、“自然との共生”、“心と身体”等について主体的に考える力を養うことが目的です。とくに、ツキノワグマ猟にまつわるしきたり等を生(なま)で聞くことにより、地域の歴史・文化に関する理解をより一層深めることができました。

(ライフル廃棄の発端となった事件の真相を語る:北海道)
猟銃所持免許の取り消し処分に異議を唱えた裁判で逆転勝訴した 北海道砂川市のハンター・池上治男氏(77) が、8月16日、押収されたライフルの廃棄について賠償を求め、国と北海道を提訴した。この問題の発端は、とある ヒグマ駆除 で池上氏が巻き込まれたもめ事だった。駆除を終えた1時間後、その日の現場をともにしたX氏が池上氏の自宅を訪ねてきたという。当時について池上氏に訊いた(文中敬称略)。「ヤツが言うには、さっきの駆除で、オレが撃った弾が跳弾(発射された弾丸が対象に当たったあと、弾かれて別の方向へ飛んでいく現象)して、Xの銃に当たったんだ、と。それで銃の修理代を要求してきた」。仮に羆を貫通した弾が、跳弾し、8mの斜面を越えて、Xの銃に当たったのが事実なら、駆除終了直後に全員で異常がないかを確認しあったときに言うべきだろう。それにしてもXは銃床を破損した銃で、クマの“止め刺し”をしたのだろうか。池上はXの要求を拒否する。するとXはそれから約2カ月後に、池上の跳弾によって自身の銃が破損したと警察に被害を申告。検察はXが主張する跳弾については立件しなかったが、北海道公安委員会が「周囲の安全確認が不十分で危険な発砲だった」と認定し、池上の猟銃所持許可を取り消す処分を下した。そこからこの処分の取り消しと猟銃の返還を求める池上の闘いが始まったわけだが、すべての発端となったのがXの被害申告だったのである。第一審は、Xの証言には不自然な点が多いとして、これを採用せず、公安委の処分は「裁量権の逸脱、乱用」として池上側が勝訴した。ところが第二審ではXの証言を採用し、池上の撃った弾丸が周辺の建物に当たる危険性があったなどとして池上側が逆転敗訴した。池上はこう反論する。「ライフルから発射された弾は、等速直線運動で一瞬にして獲物に命中するから、ピンポン球みたいに遅い速度であちこち飛び跳ねたりしない。物理法則を無視した話を裁判所が認めちゃったら、ハンターは誰も撃てなくなるよ」。これに対して最高裁はどう判断したのか。前提として押さえておかねばならないのは、日本の司法制度において、最高裁は法律の解釈や適用の是非を判断する「法律審」であり、事実を審議する「事実審」ではないということだ。従って「跳弾があったか、なかったか」は最高裁では議論にならない。基本的には「跳弾によりXの銃は破損した」という第二審の事実認定を引き継ぐしかない。そのうえで最高裁は、「跳弾による破損はXが池上の指示に従わずに池上の射線の位置に移動したことに起因する」という可能性を指摘した。つまり池上の一方的な責任に帰するべきではなく、今回の処分は「重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠く」と断じたのである。さらに最高裁は、判決文のなかでハンターによる羆の駆除は、〈周辺住民等の生命、身体、財産及び生活環境の保護に資するという重要な意義を有する活動〉であると明確に認めた。異例のことである。「ここまで現場のことをわかってくれるのかという2倍の喜びがあった」と池上は語る。対照的だったのは警察の対応だ。真冬にストーブも焚かない極寒の部屋で長時間の取り調べを受けた。「ある刑事から『もしそこにクマでなくヤクザがいたら撃つかい?』とか『クマはあなたに噛みついたり爪を立てたりしたわけではないので、害獣とは言えない』とも言われたな。オレたちが地域社会を守るために駆除を行っているということをまったく理解していないんだ」それだけではない。最高裁の判決後、池上が押収された二挺のライフルの返還を求めたところ、そのうちの一挺を札幌地検が廃棄していたことが判明したのである。地検側は、捜査段階で池上が銃の所有権放棄書にサインしたとしているが、池上は憤りを露わにする。「その銃を返してくれ、という裁判までしている人間が、そんな書類にサインするわけないでしょ!」。

(ヒグマ駆除の熟練ハンターから猟銃を奪った、行政の“理不尽”な裏切り:北海道)
自治体の要請でクマを駆除したものの、猟銃の所持許可取り消しの処分。最高裁での逆転勝訴判決の一方で、銃が廃棄されていた理不尽な現実。約43万円の国家賠償を求めたハンターが訴えたいこととは…。「誰もできませんよ、中止」「また問題が起きたら困るから誰も」。彼らを深い絶望と萎縮に追い込んだのは、ヒグマの恐怖ではなく、国や行政、司法による「理不尽な仕打ち」でした。北海道猟友会の砂川支部長を務める池上治男さん(77歳)は、あの日に起きた「事件」についてまったく納得できないままでいます。自治体からの要請を受けてヒグマを駆除したにもかかわらず、北海道公安委員会は池上さんの「猟銃の所持許可取り消し」を決定したのです。7年以上におよぶ司法での闘いの末、今年3月に最高裁で処分取り消しが決定しました。しかし、そこに残されたのは、失われた7年と「形式的な謝罪」、そしてハンターを大きく落胆させる事実でした。事件の発端は2018年8月。砂川市宮城の沢地区で、ヒグマが3日間連続で現れ、日中も住宅の玄関先や窓の下に居座りました。住民は恐怖に怯え、池上さんのもとには市から駆除の要請が入りました。現場に駆けつけると、そこにはすでに市の職員と警察官が待機していました。池上さんは慎重に状況を見極め、「本当に駆除するか」と関係者に確認しました。その答えは「どうしても撃ってくれ」という切実な要請でした。「このあたりの人たちはクマを駆除してほしいという強い要望があった」(池上さん)。鳥獣保護法では、住宅街での発砲は原則禁止されています。しかし、市は住民の安全確保を条件に、道から特例として発砲の許可を得ていました。池上さんはその場で市の職員に確認をとり、警察官の立ち合いのもとでライフル銃を構え、ヒグマを仕留めました。当時の状況について池上さんは、「よかったよかったで解散して終わったんですよ」と語っており、その場にいた誰もが安堵したはずでした。なぜ、これが後に事件化されたのでしょうか。池上さんとヒグマとの距離は約16メートル。さらに20メートルほど先には道路沿いに住宅が2軒建っていました。平面的に見れば住宅に向かって銃口を向けたように見えるかもしれません。しかし、現場を横から立体的に見ると、池上さんと2軒の住宅の間には、高低差8メートルほどの急な斜面が存在していました。ヒグマはその斜面の中腹に位置していたのです。ハンター歴約40年の熟練の技術を持つ池上さんは、「弾がヒグマを貫通したとしても背後にある斜面(安土・あづち=バックストップ)で止まるため、住宅にあたる可能性はない」と主張します。「この場所で安土がなくて水平で建物見えてたら撃ちませんよ。これだけの高さの安土があってクマが斜面にいたら、要請されて撃たなかったら後で危害にあったらと…いつまでも住民が安心できない」。当時、外出していた近隣住民は後に、「とんでもない。一生懸命猟に来ている方を監視するなんて可哀そう。撃ち取らないとどんどん(クマが)増えるばっかりでしょ」と語り、池上さんへの感謝を口にしています。しかし、事態は思わぬ方向へ進みます。駆除から半年後の2019年2月、池上さんは突如として鳥獣保護法違反の疑いで書類送検され、刑事責任を問われる立場になったのです。警察は、池上さんが発砲した場所を「法律で禁止されている人や建物などに弾丸の到達するおそれがある場所」として問題視しました。それ以前の2012年に警察庁が出した通達には、「警察官による命令に忠実に従い、通常必要と認められる措置として駆除することについては、ハンターが刑事責任を問われることはない」と明確に記されていました。池上さんはまさにこの通達の通り、市の要請と警察官の立ち合いのもとで発砲したにもかかわらず、ハシゴを外された形となりました。その後、検察は「公共の利益のためで、悪質性は低い」として不起訴処分としました。しかしそのわずか5日後、北海道公安委員会は「建物に危害を及ぼす恐れがある場所で銃猟をした」として、池上さんの猟銃の所持許可を取り消すという極めて重い行政処分を下したのです。ハンター仲間からは、「クマに関して北海道は最前線。国民の生命と財産を守る警察の方に理解してもらえないというのは一番悲しい」と嘆きの声が上がりました。池上さんも強い怒りと孤独感を滲ませます。「依頼されるわけであって、ハンターが主導しているわけではない。私たちを守る人は誰もいないんですよ。私たちは自分で自分を守るしかない」。己の正当性とハンターの誇りを取り戻すため、池上さんは処分の取り消しを求めて北海道を提訴しました。2021年12月の1審・札幌地裁は、池上さんの主張を全面的に認め「道公安委員会の処分は著しく妥当性を欠き違法」として処分を取り消す判決を言い渡しました。しかし、道の控訴により舞台は札幌高裁へ移り、事態は再び暗転します。2024年10月、札幌高裁は「跳弾(弾が固い障害物に当たって弾道が変わること)の可能性」を指摘し、1審判決を取り消す逆転敗訴を言い渡したのです。「今回については、理解を超越している」と憤りを隠さない池上さんは、強く警鐘を鳴らします。「近距離で撃ってあっちこっち跳弾すると言われたら、誰も撃てなくなる。この高裁の判決の本当に重要な点は、常識が通らなくなったことです」。高裁の判決は、全国のハンターに冷水を浴びせるものでした。「今の状況ではハンターが全ての責任を持つことになる」。そう危惧した北海道猟友会は、自治体からのヒグマ駆除要請の拒否を検討することを明らかにする事態にまで発展しました。民間人に危険な作業を要請しておきながら、万が一の際には全責任を負わせる行政の姿勢。その深い溝は、最高裁での決着へと持ち越されることになりました。

(「ハンターの公益性」認めた最高裁判決と、師弟で挑んだ法廷闘争:北海道)
「鉄砲なしでやってる。でもこういう状況だから危ないよね」。黒い影が動く森の奥を指差し、池上治男さん(77)はつぶやいた。クマ駆除での発砲を巡り、警察から猟銃所持許可を取り消されてから7年。ハンターの「魂」である銃を奪われながらも、彼は地域の安全を守るため毎日のパトロールを欠かしませんでした。新制度「緊急銃猟」の迷走、師弟で挑んだ最高裁での法廷闘争、そして言い渡された歴史的逆転勝訴。司法がハンターの公益性を認めた裏で待っていた、残酷な結末とは。「できることはたくさんある。クマの動向を知るためにシカの分布を知る」。朝早くから砂川市内や隣接する上砂川町を見回り続ける池上さん。砂川市内でのクマ目撃件数は年々増加し、2025年には過去最多の222件に達しました。住宅街近くの親子グマ、デントコーン畑の食害痕 池上さんは銃を持たぬまま、ほぼすべての現場へ駆けつけました。市内で許可された「箱わな」を使い、2025年には15頭のクマを捕獲。しかし、殺処分には別のハンターへ銃撃を依頼せざるを得ません。さらに、跳弾の危険性を認めた札幌高裁判決の影響で、かつて駆除を行った現場でも発砲を恐れたハンターたちが箱わなすら設置できず、調査のみで終わるケースが相次ぎました。「箱わなもかけられなくなった。跳弾すると言われてしまったら撃てない。撃てなくしたのは誰かということ。警察だよ、公安委員会だよ」。連日の出没とハンターの悲鳴を受け、国も動きました。2025年9月、市街地での特例発砲を認める法改正(緊急銃猟)が施行されます。環境省のガイドラインに基づき、「人の生活圏への侵入」「人への危害防止」など4条件を満たせば市町村長の判断で発砲可能となりました。一見、環境が整ったかに見えます。しかし、現場の受け止めは冷ややかでした。札幌市担当者は「避難誘導や交通整理にかなりの時間を要する」と語る通り、実務上のハードルは非常に高かったのです。なにより大きかったのは、「発砲後に警察からハシゴを外される」というハンターたちの恐怖でした。池上さん自身も懸念を隠しません。「ハンターは不安どころじゃない、それは無理…。私のような目に遭ったらということをみんな思っている。最終的に要請がかかるハンターの身の安全(保障)がどうなるのかを決着してもらわないとだめだ」。これを受け、北海道猟友会は「発砲に疑念がある場合はハンターの判断で中断・中止できる」と全支部に通知。制度が変わっても、崩れた行政とハンターの信頼関係は戻りませんでした。孤独な闘いを続ける池上さんを支えたのは、代理人を務める中村憲昭弁護士でした。中村弁護士自身も狩猟免許を持つ現役ハンターです。2017年、銃を購入するために訪れた銃砲店で出会ったのが池上さんでした。「狩猟の始め方も分からない状態の私に、池上さんがそこにいた」と中村弁護士は振り返ります。以来、ふたりは師弟のような絆を結んできました。だからこそ、中村弁護士は池上さんがどれほどの配慮を持って引き金を引いたのかを熟知していました。現場の地形を無視し、平面図だけで「危険」を主張する道公安委員会に対し、中村弁護士はハンターの知見をフルに活用して反論。高裁での逆転敗訴には「現場に混乱を与えてしまった」と痛心しながらも、闘いの舞台を最高裁へと移しました。2025年12月、最高裁が弁論を開くことを決定。高裁判決が見直される(=覆る)可能性が極めて高いことを意味する朗報に、池上さんは「私のやったことに間違いはなかった。恐怖を打ち砕いた日だった」と胸を撫で下ろしました。2026年2月27日、弁論の日。新千歳空港から東京へ向かう池上さんは呟きました。「7年だよ、7年、長いな…。7年の長きを耐えて今日東京に行くってやつだな」。最高裁の法廷で、池上さんは裁判官へ直接訴えました。「私は地域住民の安全を念頭にハンターを続けてきました。“銃を持たないハンター”の汚名を返上し、安心して活動できるようにしていただきたい」。2026年3月27日、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、北海道公安委員会による猟銃所持許可取り消し処分を「違法」とし、処分取り消しを命じる判決を言い渡しました。池上さんの完全勝利でした。最高裁は判決で、警察・道の処分について次のように厳しく指摘しました。「酷な処分であり、民間人がハンターに任命されることをためらわせ、職務の遂行を萎縮させる」。危険を顧みず地域に貢献するハンターの公益性を、国の最高司法機関が認めた瞬間でした。判決後、池上さんは「ほとんどハンター目線でごく常識的な判断をしてもらった。ハンターの皆さんも、被害に遭った人たちもよかったと思える判決」と安堵の表情を見せ、中村弁護士も「取り消し処分は取り消された」と誇らしく宣言しました。7年におよぶ苦難が報われたかに見えた瞬間。しかし、この勝訴と引き換えに、池上さんをさらなる絶望へ突き落とす「残酷な事実」が判明するのです。

(勝訴したハンターを待っていた「形見の銃・廃棄」という絶望:北海道)
自治体からの要請でヒグマを駆除したにもかかわらず、発砲が違法だとして猟銃を取り上げられたハンターの池上治男さん。7年にも及ぶ法廷闘争の末、最高裁で逆転勝訴を勝ち取りました。しかし、ようやく返還された猟銃の裏に隠されていたのは、信じ難い“行政の裏切り”でした。地域住民を守るハンターが直面した、理不尽な現実を追います。「長い7年間だったよね。当然の謝罪の言葉だと思う」。4月9日、最高裁判決からおよそ2週間後。池上治男さんのもとに、北海道警察本部生活安全部保安課の担当者が訪れました。最高裁判決を受けた北海道公安委員会からの謝罪と、取り上げられていた猟銃を返還するためです。担当者は「公安委員会として最高裁判決を重く受け止めている。池上様にご不便・ご負担おかけし申し訳ございませんでした」と頭を下げました。しかしそれは、池上さんの憤りを鎮めるものではありませんでした。「公安委が直接来るのが当たり前、本当の意味で公安委員会が反省しているとは思えない」。7年という途方もない時間を奪われ、不当な汚名を着せられたことに対する謝罪としては、あまりにも事務的で軽いものに感じられたのです。さらに、謝罪の後、池上さんを激怒させる衝撃の事実が発覚します。返還されたライフル銃は、押収されていた2丁のうちの1丁にすぎませんでした。2018年の事件当時、池上さんが実際に発砲に使用していたもう1丁のライフル銃は、証拠品として検察に送られた後、すでに廃棄されていたのです。廃棄されたその銃は、亡くなった友人から託された、大切な思い出が詰まった銃でした。「まさか途中で当該銃がなくなる、しかも廃棄というのはあまりにひどすぎる」「謝罪に来たのだったらその時に言うべき義務があった」と、池上さんは激しい怒りを露わにしました。5月、札幌地検は代理人の中村弁護士に対し、「猟銃の所有権放棄書に基づき、捜査が終わった段階(2019年3月の不起訴後)で、適切な事務規定に従って処分した」と説明しました。中村弁護士は、「警察や検察の論理では手続き上のミスはないということだと思うが、処分自体の正当性を争う裁判が続いている最中に、原告の重要な財産であり証拠でもある銃を一方的に廃棄する行為は、あまりにも配慮に欠ける」と、検察の対応を強く批判。「私を騙していたようなもの。何のために戦ってきた7年間だったのかと思う」と、池上さんは大きく落胆しました。猟銃を取り戻した直後の4月中旬、池上さんの姿はライフル射撃場にありました。猟銃所持免許の更新に向けた実技研修で、7年ぶりの感触を確かめるためです。しかし、池上さんはある重い決断を下していました。「砂川では外では一切撃ちませんよ。私の様な目に遭うことがまだまだ起きるということがあるわけだよね」。最高裁は確かに道の処分を違法としましたが、2審の高裁が指摘した「跳弾の危険性」などについて完全に払拭したわけではありません。環境省が定めた「緊急銃猟」の新しいガイドラインに適合するような、100%安全が保証される場所など、市街地には存在しないと池上さんは考えています。結局、要請を受けて現場に赴き、引き金を引くのはハンター個人の責任になります。「発砲して何事もなければ感謝されるが、万が一の事態が起きればまた責任を被せられ、猟銃を取り上げられる」。その構造的な欠陥は、最高裁の判決を経ても本質的には変わっていないと見抜いているのです。近隣住民が「お巡りさんや役所の人が来ても気を付けてと呼びかけるだけだから」とハンターに頼り切る状況のなかで、池上さんは「こっちは当たり前のことしてるだけだから」とボランティア精神で応えてきましたが、もはや限界に達していました。道警本部では、全道の警察署長らを集めた会議が開かれ、道公安委員会の委員長が「重く受け止め可能な限り速やかに現状回復を図る」と指示を出しました。しかし、失われた7年という時間と、廃棄された友人の形見の銃は、どんな指示を出そうとも二度と戻ってはきません。池上さんは、不当な行政処分によって銃が奪われたなどとして、国と北海道に対して、約43万円の国家賠償を求めて裁判所に提訴しました。中村憲昭弁護士は「池上さんの真意に基づかない所有権放棄書を作らせた。行政処分を不服として争っていたのに銃を廃棄した」などとして、銃の廃棄処分は違法であると説明しました。また、原告の池上さんは、「捜査段階でさまざまな書類の作成があったが、ちゃんと説明してくれれば私はハンコを押さなかった。(捜査機関は)自分を騙したのではないか。自分は銃を返してほしいと一貫して訴えている」と述べました。さらに、続くことになった法廷での争い。しかし、池上さんの闘いは、単なる猟銃の奪還劇ではありません。地域住民の生命と財産を守るため、自らの命を懸けて現場に出向くハンターたちに対し、国家や行政がどのような責任を負うべきなのか、根源的な問題を問いかけています。

(クマ対策のライフル射撃場整備へ:宮城)
クマ対策として宮城県村田町につくられるライフル射撃場について、県や地元の自治体に加え、猟友会も費用を負担して整備が進められることになりました。宮城県庁では19日に、村井知事や県猟友会の生駒純一会長らが集まり、今後の方針を話し合いました。その結果、県や、県南地域の14の市と町に加え、県猟友会も費用を負担して村田町にライフル射撃場を整備することで合意しました。県南地域では初めての整備となり、ハンターの訓練場所を確保して、クマ対策の強化につなげたい考えです。村井知事:「1日でも早く整備することは、1日でも早く訓練がスタートできるということなので、できるだけ早く整備をしたい」。ライフル射撃場は、村田町のクレー射撃場の駐車場で2030年の完成を目指し整備されます。県内では、今シーズンもクマの出没が相次ぎ、人身被害もすでに2件発生しています。

(女性ハンター小野寺さん「止め刺し」資格へ腕磨く:宮城)
クマの目撃情報が相次いでいるほか、イノシシやシカによる農作物への被害が多くなっている中、気仙沼市内に若手女性ハンターが誕生した。銃による駆除には講習や経験が必要で、来年度からの実践を目指して技術向上に励んでいる。この女性は、市内本吉町岳の下、小野寺希さん(38)。東日本大震災前に酪農家「小野寺ファーム」に嫁ぎ、酪農をしながら3姉妹を育てる母でもある。同ファームはこの土地で酪農することを大事にしたい―と持続可能な酪農を目指しながら、牧草やトウモロコシなどを栽培して牛に与えている。ここ数年、イノシシが急増し、トウモロコシなどが被害に遭ったことが、ハンターを志すきっかけとなった。2024年にワナ、25年には猟銃の資格を取得した。今年4月からは、ワナによる市鳥獣被害対策実施隊員唯一の女性として、自身の牧草地や畑のほか、駆除依頼があった民家の裏山などに仕掛けたワナ約20カ所を連日、見回るのが日課だ。先月は、シカ4頭、イノシシ3頭がワナにかかったが「動物は敵ではない。ワナを仕掛けることで人里に近づけない効果もある。ワナに獣がかかっていないと安心する」とも話す。猟銃の資格を得て、11月からの猟期には、シカなどの狩猟は可能だが、ワナにかかったシカやイノシシを仕留める「止め刺し」には、猟銃の資格のほか、1シーズン猟期を経験した上で、さらに技能講習と試験を受けて、県への届け出が必要だ。このため、小野寺さんは来年度からの猟銃による鳥獣被害対策実施隊員を目指し、今月末にある講習、試験に向けて射撃場などで技術向上に励んでいる。命について考えさせられることも多いという小野寺さんは、「狩猟で捕る獲物は誰かの子どもであり、命があるのは同じ。命の大切さをつなげられる猟師になりたい」と話す。「作物の畑を守るために猟銃の資格を得たが、人間も獣も互いに心地よく暮らせる町を作っていきたい。さらに女性、同世代ハンターが増えたら」と期待している。

(顔や手に傷痕残る男性が当時の恐怖を語る:宮城)
8月13日、仙台市内で今年初めてクマによる人身被害が発生しましたが、被害に遭った男性が緊迫した当時の状況を語りました。男性は「どこでも出くわす可能性がある」と警鐘を鳴らします。13日、青葉区上愛子の園芸用品店「ガーデンガーデン愛子本店」で、60代の男性従業員がクマに襲われ、頭や腕などにけがをしました。ガーゼで覆われた男性の顔…。伊藤優太仙台市議が被害に遭った男性に当時の状況を聞き取ったところ、男性は、あっという間の出来事だったと振り返ります。クマに襲われた男性「やぶからパッと何かが飛び出してきて、すごい勢いで向かってきた。クマだと思った次の瞬間、倒されていた」。男性の顔や手には、今も生々しい傷痕が残されていました。クマに襲われた男性「成獣ではなく子グマに近いサイズ。たとえ子グマであっても本気で襲いかかってこられたら、大人でも無事ではすまないというのは伝えたい。どこでも出くわす可能性があることは頭の片隅に入れた方がいい」

(クラウドカメラの映像からAIでクマを検知して通知)
クラウド録画サービス「Safie」を提供するセーフィー株式会社は、クラウドカメラの映像からクマの出没をAIで自動検知して通知する「AI-App クマ検知」を9月1日に提供開始すると発表した。クマを検知すると、直後に管理者へメール通知するとともに、別のアプリケーションに自動で知らせる仕組み(Webhook)を通じ、社内チャット、警戒アラート灯、電光掲示板といった外部設備とも連動可能。Safieの既設のカメラで利用できるため、導入にかかる手間・時間などを抑えられ、夜間撮影に対応したカメラと組み合わせることで昼夜を問わず広範囲の検知が行えるとしている。セーフィーによると、これまでの現場対策は目撃者の通報に依拠するものが中心で、通報を受けた時点ですでにクマが移動していたり、夜間や山間部では発見そのものが遅れたりと、即時性の確保に課題を抱えていたという。「AI-App クマ検知」を活用することで、発見の遅れを解消し、迅速な初動対応や住民の安全確保、対策強化につなげられる。「AI-App クマ検知」は、セーフィーが提供している開発者向けプラットフォーム「Safie AI Studio」上で、動物検知AI技術を活用して開発したAIサービス。クマの出没は例年、秋季にピークを迎える傾向にあるとし、今回、正式に提供開始するに至った。今後は、クマのほか、イノシシやシカ、サルなどの野生鳥獣を検知するAIサービスの提供についても検討していくという。

(8月だけで3件目の被害、わな設置して注意呼びかけ:長野)
千曲市で、畑のブドウがクマに食べられているのが見つかりました。被害があったのは、千曲市森の畑で、18日午前7時ごろ、パトロール中の猟友会員がブドウの袋が落ちているのを見つけ、市に連絡しました。この畑では、シャインマスカットやナガノパープルなどを育てていて、およそ40房が食べられていたということです。8月10日と15日には、森地区から直線で2キロほど離れた倉科地区でもクマによるブドウの食害が確認されていて、8月だけで3件目の被害だということです。市と猟友会では、被害のあった場所にわなを設置し、パトロールをして注意を呼びかけています。

(JR篠ノ井線で走行中の列車とシカが衝突:長野)
18日午後7時10分ごろ、JR篠ノ井線の聖高原(東筑摩郡麻績村)-坂北(同郡筑北村)間で、走行中の普通列車(3両編成)が鹿と衝突した。JR東日本長野事業本部によると、乗客240人と乗員2人にけがはなかった。

(地元鹿肉でジビエコロッケ:静岡)
天竜商工会青年部(浜松市天竜区)のメンバーが、地元の鹿の肉を使った「オクハマジビエコロッケ」を開発した。ジャガイモなどの食材も地元産にこだわり、新たな名物として「地域のPRにつなげたい」と期待を込める。

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(クマに襲われ70代男性けが、林道をランニング中に:岐阜)
岐阜県池田町の林道でランニングをしていた70代の男性がクマに襲われました。軽傷だということです。県によりますと、16日午前10時15分ごろ、池田町片山の林道でランニングをしていた70代の男性がツキノワグマに襲われました。男性は、右の頬を爪でひっかかれ病院に運ばれましたが軽傷だということです。町によりますと、男性は林道の入り口から2.5キロメートルほど走った地点でクマに襲われました。男性は50センチから60センチほどの、子どものクマだったと話しているということです。男性を襲ったクマは見つかっておらず、町は池田山を入山禁止としました。警察と消防は現場周辺でパトロールを行っています。

(検察に廃棄された猟銃めぐり国家賠償求め提訴:北海道)
猟銃所持の許可取り消しをめぐって最高裁で勝訴した北海道砂川市のハンターが、廃棄されたライフル銃をめぐり、17日、道と国を相手に42万9750円の国家賠償を求める訴訟を起こしました。砂川市のハンター、池上治男さん(77)は、2018年、市職員からの要請で子グマを駆除した際、発砲が危険だと判断され、鳥獣保護法違反の疑いで書類送検。ライフル銃を警察に押収されていました。また、北海道公安委員会に猟銃所持の許可を取り消されました。2026年3月、最高裁は猟銃所持の許可取り消しを「違法」と判断しましたが、刑事事件の証拠品として押収されていたライフル銃は、2019年3月に不起訴となったあと、検察によって廃棄されていました。札幌地検は2026年5月、池上さんの代理人弁護士に対し、「猟銃の所有権放棄書に基づき、捜査が終わった段階で、適切な事務規定に従って処分した」と説明しています。失われた銃は、亡くなった友人から託された思い入れのある銃で、池上さんは、「まさか途中で当該銃がなくなる、しかも廃棄というのはあまりにひどすぎる」「私を騙していたようなもの。何のために戦ってきた7年間だったのかと思う」と強い憤りを露わにしていました。きょうの提訴後の記者会見で、池上さんの代理人の中村憲昭弁護士は「池上さんの真意に基づかない所有権放棄書を作らせた。行政処分を不服として争っていたのに銃を廃棄した」などとして、銃の廃棄処分は違法であると説明しました。また、原告の池上さんは、「捜査段階でさまざまな書類の作成があったが、ちゃんと説明してくれれば私はハンコを押さなかった。(捜査機関は)自分を騙したのではないか。自分は銃を返してほしいと一貫して訴えている」と述べました。

(鳥獣による農作物被害、前年度比1.7倍:山形)
鳥や動物に農作物が食べられてしまうなどの県内の被害額が、2025年度は約5億9000万円に上り、前の年度と比べて1.7倍に増えたことがわかった。県のまとめによると、2025年度、県内でイノシシやクマ・カラスなどの"鳥獣"に農作物が食べられるなどした被害額は5億9200万円に上る。これは前の年度と比べて1.7倍に増えていて、5億円を超えるのは7年ぶり。鳥獣の種類別ではイノシシが最も多く、2億1000万円と被害額全体の36%を占めている。次いで、クマによる被害で1億円あまり。これは前の年度と比べてじつに4.4倍に急増していて、クマの主なエサとなる山の中のブナの実が大凶作だったことが影響しているとみられている。大きな被害を受けた農作物を品目別でみると、イネが1億6500万円と全体の3割近くを占め、次いでサクランボが1億1800万円で全体の2割を占めている。

(農作物食い荒らす「キョン」が分布拡大の恐れ)
農作物を食い荒らすシカ科の特定外来生物「キョン」の分布が拡大する恐れが出ている。本土唯一の生息地である千葉県から出て5月末には隣接する茨城県で初めて1頭が捕獲された。同じく隣の埼玉県でも目撃情報が相次ぐ。各県などは、分布拡大を食い止めようと対策を急ぐ。茨城県古河市で農園を経営する鈴木弘晃さん(40)は5月31日昼、自宅のビニールハウスに見慣れない動物がいるのを見つけた。シカのようだが、鋭い牙が見える。大事に育てていたブドウを勢いよく食べていた。駆けつけた猟友会員に捕獲されたのは、体高40センチ程度のオスのキョン。茨城県によると、県内でキョンが捕獲されたのは初めてだった。県内では2017年、神栖市で初めてキョンの死体が見つかった。22年に石岡市で生きた個体がセンサーカメラに捉えられて以降、発見が相次ぎ、26年度の目撃情報は今月15日現在で29件に達した。鈴木さんは「農業が盛んな茨城県でキョンが繁殖したら、どれだけの被害が出るかわからない」と険しい表情を浮かべた。埼玉県でも24年6月、行田市で初めてキョンとみられる動物が目撃され、24年度は16件、25年度は6件の目撃情報が寄せられた。今年度も7月末時点で4件の目撃があった。キョンは1980年代までに千葉県勝浦市の観光施設から逃げた個体が野生化したとされる。年2回出産することもある旺盛な繁殖力で数を増やし、2006年度に1万3264頭だった推定生息数(中央値)は、25年度には約10万5700頭と約8倍に増加した。25年度時点で県内18市町で定着が確認されており、近年の農業被害額は年間500万~1000万円ほどに上る。千葉と茨城の県境には利根川が、千葉と埼玉の県境には江戸川がそれぞれ流れている。国立研究開発法人「森林総合研究所」(茨城)の亘悠哉・野生動物研究領域チーム長によると、川を泳ぐか橋を渡るかして、越境した可能性が高い。キョンが捕獲された茨城県古河市は、千葉から離れた栃木県との境でもある。亘さんは「まずいなと思った」と話し、キョンの分布について「東京を含め、どこまで広がってもおかしくない」と懸念する。千葉県外でこれまでに確認されたのはオスのみで、現時点で繁殖・定着はしていないとみられている。各県や研究者らは、放置すればいずれは定着するとみて対策に乗り出している。茨城県は侵入個体を早期に把握しようと24年度から、目撃情報に2000円、捕獲した場合は3万円の褒賞金を出す制度を導入。今年5月にはキョン用のワナを10個購入し、市町村に貸し出す態勢を整えた。埼玉県も昨年1月、特定外来生物を捕獲できる外来生物法の手続きを取り、キョンの捕獲に乗り出した。森林総合研究所や農業・食品産業技術総合研究機構(茨城)などの研究者らによるプロジェクトチームは昨年度、環境省の研究費を活用し、繁殖につながるメスの早期発見や行動把握に重点を置いた対策の研究を始めた。河川の水や大気を採取してそこに含まれるキョンのDNA情報を調べるなどの手法で、メスの生態を調べ、侵入リスクの高い場所などを明らかにするという。外来種問題に詳しい岐阜大の浅野玄准教授(野生動物管理学)は「外来種対策では早期の発見・防除が鍵となる。アプリを活用するなどして市民の通報体制を強化したり、流入ルートを特定した上で侵入防止柵やワナを設置したりするなど、押し戻す対策が必要だ」と話した。

(クマの目撃数減少は”夜行性に変化”したためか:秋田)
県内では今月に入りクマの目撃数が減少しています。クマの行動に大きな影響を与えるとされているのがエサの状況です。まもなく迎える実りの秋はエサとなるブナの実が豊作で、市街地への出没は減る見通しですが、その一方で繁殖が盛んになり個体数の増加が懸念されています県のツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」によりますと、県内では今年5月から先月まで、毎月800件以上クマが目撃されていました。1日あたりに換算すると約28件に及びます。しかし、今月に入ってからは1日あたり10件程度まで減少しました。目撃数の減少についてマタギの16代目にあたる北秋田市の松橋翔さんは「エサが減る夏の時季はクマの行動が夜行性に切り替わる個体がいる。そのため一時的に人との接触が減少しているのではないか」との見方を示しています。今後、季節が進み秋になるとブナなどのドングリ類にエサが変化していきます。東北森林管理局の調査では今年、県内のブナの実は豊作と予想されています。大凶作だった去年に比べ、今年の秋は人の生活圏への出没は減少する見通しですが、その一方でブナの実が豊作の年は繁殖が盛んになることからクマの個体数増加が懸念されています。

(ツキノワグマ狩猟が約20年ぶり解禁へ:東京)
東京都で約20年ぶりに解禁されるツキノワグマの狩猟について、狩猟期間は11月から2月、捕獲数は年間34頭程度とする見通しとなりました。東京都によりますと、都内に生息するツキノワグマは、平均値で235頭いるとみられています。18日に開かれた有識者による会議では、2027年度から、約20年ぶりに解禁される狩猟について、狩猟期間を11月から2月の間とし、捕獲数は、クマの生息が現状で維持される年間で34頭を目安とする計画案が示されました。対象の管理区域は、八王子などの多摩地域やクマの市街地出没の経路となり得る河川敷も含まれる予定です。今後、パブリックコメントを募集して正式に審議会へ諮問、決定されることになります。都内におけるツキノワグマの生息域は東京都西部の森林域のほぼ全域で年々、東側に広がっていています。目撃数も増加し、人の生活圏付近への出没割合が上昇しており、東京都は、人身事故ゼロを目標とした管理計画の策定を進めています。

(クマなどの捕獲業務にあたった市職員に手当を新設へ:青森)
青森市は、クマやイノシシの捕獲に関係する業務にあたった職員に対する手当を新設するための費用などを盛り込んだ今年度の補正予算案を発表しました。青森市の西秀記市長は17日の定例記者会見で、今月24日に開会する定例の市議会に提出する今年度の補正予算案について説明しました。このうち一般会計の総額が10億5800万円余りとなる補正予算案には、クマやイノシシの捕獲に関係する業務にあたった職員に対する手当を新設するための費用として15万円余りが盛り込まれています。手当は、▽ライフル銃を使って捕獲業務にあたった職員には日額で1640円、▽捕獲のためのサポートや住民の避難誘導などにあたった職員には日額で1100円をそれぞれ支給するとしています。このほか補正予算案には、過度な学校への要求や苦情などに対応するため、市内の全小中学校の電話機に通話の録音などをする装置を導入する費用として1400万円余りが盛り込まれています。一方、企業版ふるさと納税について、必要な国への手続きを市が行わなかったため、現段階でおよそ1700万円までしか寄付を受けることができなくなっているということです。このため、企業版ふるさと納税を財源として6月の補正予算に3000万円を計上していた小学校や子育て支援施設での遊具の購入事業を1500万円に縮小するとしています。

(「五山送り火」存続の危機、異常気象やシカ被害深刻:京都)
16日、京都の夏の風物詩「五山送り火」が行われました。毎年多くの人を魅了する一方で、異常気象やシカなどの獣害被害で存続の危機に立たされています。炎が激しく立ち上り、「大」の字がくっきりと浮かび上がります。夏の夜空を彩る「京都五山送り火」。毎年8月16日の夜、京都盆地を取り囲む5つの山に送り火が次々と点火されます。お盆に迎えた先祖の霊を見送る京都の伝統行事です。多くの人が、それぞれの想いを胸に見守りました。しかし、京都の夏を代表するこの伝統行事が今、存続の危機に直面しているといいます。(公財)京都五山送り火連合会 岩崎勉会長「異常気象に伴って土砂崩れがあり、倒木等が発生していますので、山の保全や維持管理の作業負担が大幅に増加している」。点火に使う「火床」や作業道が崩れる被害も出ています。現場は急斜面で重機が入れないため、補修はすべて人の手で行われているといいます。さらに…。「シカの獣害ですね。ツツジなどの新芽が食されまして、そうすると表土が流出しまして、周辺の火床の倒壊の恐れがので、それへの対処という課題がある」。シカの食害により、山肌が露出した様子です。作業をする人が滑落する危険も高まるなど、深刻な問題となっています。今年、設立から70年を迎えた京都五山送り火連合会。五山の送り火は、1983年に「京都市登録無形民俗文化財」に登録されています。そして今年、連合会は京都府知事から認定を受け、公益財団法人となりました。岩崎会長は、長い歴史を持つ京都五山送り火を守り続けていきたいと話します。「五山送り火を保存継承していく。毎年の送り火を安全かつ円滑に行うことが基本動作であるので。それに関わる対策も避けては通れない。新しい出発で公益財団法人になりまして、伝統行事を粛々と執り行っていきたい」。

(シカ食害の桐生、市が金網の防護柵:群馬)
桐生市の吾妻公園(宮本町)で今春、チューリップの球根1万球がシカの食害で壊滅した問題で、市は17日、対策として、金網の防護柵を花壇の周りに設置すると発表した。

(イノシシが田んぼ荒らす:和歌山)
各地でイノシシやシカなどによる農作物の被害が深刻だ。和歌山県田辺市新庄町の鳥ノ巣半島では、田んぼにイノシシが侵入し、稲を荒らす被害が相次いでいる。収穫前に大きな被害を受けた農家は「ほぼ壊滅。9割が収穫できなくなった。ここまでの被害は初めて」と落胆する。鳥ノ巣半島にある4枚の田んぼ(約3千平方メートル)で米を栽培している農家の花村幸生さん(71)によると、過去にもイノシシに侵入されることはあったが、食害は少なかったという。今年は例年より半月ほど早く7月上旬から被害が出始めた。稲をなぎ倒し、田んぼ1枚を食い荒らした後、別の田んぼに移動する被害が続いた。網を設置するなどして対策を講じたが侵入され続けた。8月上旬に予定していた収穫を前倒ししたが、収量は通常の1割ほどとなった。鳥ノ巣半島では、花村さんも含めて7戸ほどが米を栽培している。花村さんは「昔は半島にイノシシはいなかったと聞いている。農作物だけでなく、道沿いの斜面を掘り崩す被害も出ている。抜本的な対策をしないと、半島の貴重な動植物にも影響が出てくるかもしれない」と不安を口にする。県によると、県内では2024年4月~25年3月、野生鳥獣による農作物被害額が約2億4700万円に上った。獣種別ではイノシシが最も多く、37%(約9100万円)。次いでシカが20・5%(約5千万円)を占めた。

(『地方公務員アワード2026』:京都)
『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2026』、2人目の受賞者の紹介です。望月 優(福知山市 産業部 農業振興課 畜産・有害鳥獣対策係 主査・鳥獣対策員)。・全国でも数少ない鳥獣対策専門職員「ガバメントハンター」として、行政実務と第一種銃猟・わな猟の現場活動を両立。夜間銃猟にも対応できる高度な技能を持つ。・クマ出没時には直ちに現場へ駆けつけ、捕獲・処分だけでなく、住民への説明や不安の軽減まで担う、市民の生命と暮らしを守る最前線の存在。・緊急銃猟制度の開始に際し、東北の先進自治体を調査し、京都府内初の机上訓練や射撃訓練、マニュアル整備を主導した。・地域主体のICT活用などを支援し、鳥獣被害額を2年間で40万円から2.7万円へ93%削減。地域の農林水産大臣賞受賞にもつなげた。・学校、自治会、企業、職員向けに分かりやすい講座を実施し、専門知識を福知山市だけでなく周辺自治体にも惜しみなく共有している。

(人里にカモシカ、目撃はなぜ増える?:佐賀)
乱獲で数が減り、かつて「幻の動物」と呼ばれた特別天然記念物のニホンカモシカ。主に山間部に生息するが、ここ数年、人里近くでの報告例が増えてきた。急増するシカに餌やすみかを奪われているためだ。

(里山整備し「緩衝帯」、出没減へ:北海道)
里山や果樹園の整備を通して、市街地へのクマ出没を防ぐ動きが広がっている。生い茂る木の伐採で隠れ場所を減らすほか、クマを引き寄せないよう放置された果樹を除去するなど、人の生活圏とクマ生息域の「緩衝帯」を作る試み。私有地が多く行政の介入が難しい分野を企業や市民団体など民間が担っている。函館市で建築業を営む「平野建業」は、手つかずになっていた里山の樹木を加工販売する事業を2019年に開始。

(ランニング中にクマに襲われる被害なぜ?:岐阜)
ランニング中にクマに襲われる被害が。8月岐阜県で2件目です。(岐阜大学・野生動物管理学 淺野玄准教授)「走っていると、歩いたり止まったりしている人よりも、クマにとっては“急に近づいてくる”ような状況になりやすいので、クマも驚いてしまう」。岐阜大学で野生動物を専門に研究する淺野玄准教授に聞きました。(淺野准教授)「人を食べようと思って襲っているわけではない。近づいてきてびっくりして一撃をくらわしてその場から去っている。積極的に襲っている食べようとしている状況だと、軽いけがではすまない」。では、クマに出くわした時、どうすればいいのでしょうか。新たな被害を防ぐには、ランニング中なども自分の存在を遠くからクマに知らせることが必要だといいます。(淺野准教授)「最低限、鈴は絶対つけておいていただきたいのと、リスクがあることを認識して(山に)入るということが大事」。岐阜県内では今年度、クマの目撃情報が525件あり、去年の同じ時期より100件以上増えています。万が一、クマと目の前で遭遇してしまったら…(淺野准教授)「クマは首より上が急所であることを本能として知っている。地面に伏せて、首から上を守って、襲われないようにリュックサックで覆ってほしい」。

(自動車専用道路でクマ2頭と衝突:北海道)
8月15日夜、北海道遠軽町の自動車専用道路で乗用車がクマ2頭と衝突しました。車に乗っていた2人にけがはなく、クマはその場から立ち去りました。警察によりますと、15日午後7時ごろ、遠軽町旧白滝の旭川紋別自動車道で、旭川方向へ走行していた車が右側のやぶから飛び出してきたクマ2頭と衝突しました。車を運転していた50代の男性と乗車していた女性にけがはありません。衝突のはずみで車体はフロント部分が破損しましたが、走行に支障はないということです。車と衝突したクマは1頭は体長1.5メートルほどで、もう1頭は体長1.2メートルほどで親子とみられています。2頭は衝突後、道路を横切って反対側のやぶの中へ立ち去ったということです。現場は一般住宅から約400メートル離れた場所で、警察は、警戒を呼びかけています。

(住宅敷地内にイノシシ7頭、かまれた飼い犬けが:栃木)
16日午前2時半頃、栃木県大田原市黒羽田町の住宅敷地内でイノシシ7頭ほどが目撃された。飼い犬がかまれ、負傷しており、大田原署は注意を呼びかけている。同署によると、飼い犬のほえる声を聞き、目を覚ました住民が玄関先で目撃したという。大声を出すなどして追い払った。住宅や住民に被害はなかった。

(車で走っていたら、クマが飛び出す:北海道)
北海道芦別市で8月15日、乗用車とクマが衝突しました。事故があったのは、芦別市泉の道道です。15日午後3時ごろ、40代男性が運転する車が東方向に走っていたところ、突然クマが左手から道路に飛び出し車と衝突しました。車には運転手の男性の他、女性が1人乗っていましたが、2人ともケガはありません。車はボンネットが破損しましたが、自走できるということです。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで、衝突後、道路を横断し、その場から姿が見えなくなりました。クマが手負いの状態になっていることから、警察は注意を呼びかけています。

(遊園地の近くでクマが車と衝突し茂みへ逃走、緊急閉園:北海道)
きのう(16日)北見市の遊園地・「きたみファミリーランド」近くでクマが目撃されました。園は来園者の安全を確保するため緊急閉園しています。きのう午前11時ごろ、北見市若松の道道で、車で走行していた男性から「クマを目撃した」と警察に通報がありました。体長はおよそ1・5メートルで、車と衝突したあと、茂みの方に逃げていったということです。クマが立ち去った方向には、遊園地の「きたみファミリーランド」があり、園は来園者の安全を確保するため、きのう正午から緊急閉園しました。オホーツク企画 川村明義社長「世間でクマの被害とか報道されている」「お客さんが心配されると思いますので、それに対応した」。営業再開は19日を予定しています。

(約500本のニンジン食い荒らされる、周辺にはフンや幅約13センチの足跡も:北海道)
17日午前、北海道函館市の畑でニンジン、約500本がクマに食い荒らされているのが見つかりました。17日午前10時ごろ、函館市陣川町の畑で、ニンジン約500本が食い荒らされているのを畑の持ち主が見つけました。函館市によりますと、畑に電気柵は設置されておらず、幅約13センチの足跡や、フンが残されていたということです。8月6日には、約1キロ離れた畑で、トウモロコシ約100本がクマに食い荒らされる被害もあり、函館市は箱わなを設置するなど警戒を強める方針です。

(分離帯からクマ3頭飛び出し新車大破:北海道)
週末、道内ではクマと走行中の車が衝突する事故が相次ぎました。どうすれば事故を防げるのでしょうか、クマと衝突しない注意すべきポイントとは?おととい(15日)午後7時ごろ、オホーツクの遠軽町白滝にある旭川紋別自動車道で撮影された、ドライブレコーダーの映像です。道路を横断しようと飛び出してきたクマと衝突。親子でしょうか。3頭いるのが確認できます。3頭のクマと衝突した衝撃で車のバンパーなどが壊れたということです。道のヒグマ対策室によりますと、クマの目は車のライトなどの反射で光るので、光るものに注意しながら運転することが必要で、万が一、クマと衝突した際は、絶対に車の外に出ず、警察に通報するよう呼びかけています。


(空き家を「町の肉屋」に:岐阜)
郡上市高鷲町で猟師として活動している西杉山裕樹さん(37)と水上淳平さん(34)が今春、同町大鷲の空き家を改装して食肉処理施設を立ち上げた。西杉山さんはジビエレストランのオーナー。

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(クマに襲われ、釣り人の男性けが:群馬)
群馬県みどり市の山林で、釣りをしていた男性がクマに襲われ、けがをしました。クマはまだ見つかっていません。13日午前8時半ごろ、みどり市東町の山林で、「男性がクマに襲われけがをしている」と119番通報がありました。警察などによりますと、1人で釣りに来ていた60代の男性が体長80センチから90センチメートルのクマ1頭に襲われました。自力で近くにいた男性に助けを求めたということです。男性は頭や左手にけがをして病院に搬送されましたが、命に別状はありません。クマはまだ見つかっておらず、警察が注意を呼びかけています。

(クマに襲われ60代男性従業員がケガ:宮城)
13日午前8時半ごろ、宮城・仙台市にある園芸店の敷地内で、作業をしていた60代の男性従業員がクマに襲われました。直後に男性と話したという店の専務は「顔をひっかかれたような感じ」と話しました。男性は顔や手などにけが。クマは近くのやぶの方へ立ち去ったといい、周辺で警戒が続いています。

(夜の農道で“体長1mのイノシシ”と車が衝突、20代男性けが:新潟)
新潟県阿賀町で8月15日夜、イノシシが軽乗用車に衝突する事故がありました。この事故で、運転していた20代の男性が胸などにけがを負い、救急搬送されましたが軽傷の見込みだということです。15日午後8時前、運転していた男性から警察に通報がありました。警察によりますと、イノシシは体長約1mで。道路を横断してきたということで、衝突した後は逃走したということです。事故の現場は田畑や山林が多い地域で、近くに民家はありませんが、警察と阿賀町は連携して、注意を呼びかける広報活動をしたということです。

(海水浴客ら50人が避難、緊急銃猟で駆除:岩手)
15日午前10時半頃、岩手県山田町船越の浦の浜海水浴場近くにいた人から「茂みにクマがいる」と近くの交番に通報があった。駆けつけた県警宮古署員が海の近くにいるクマ1頭を見つけた。現場には海水浴客ら約50人がいて、警察官らが避難を呼びかけた。同町は海水浴場を閉鎖し、けが人はいなかった。クマはその後、地元の猟友会員によって緊急銃猟で午後2時45分過ぎに駆除された。町農林課によると、クマは体重70~80キロくらいのオスの成獣だった。町観光協会によると、16日は通常通り海水浴場を開く予定だという。

(「愛犬の腰から血が出ている」イノシシ被害か:岡山)
農作物を食い荒らすなど住民の頭を悩ませるイノシシ。被害はペットにまで広がっています。愛犬が襲われたという男性…住んでいるのは昨年、山林火災が起きた地域で、「出没が増えた」と影響を指摘する声もあります。飼い犬が被害にあったと話すのは岡山市南区に住む田村さんです。先月、愛犬のペロちゃんを散歩に連れて行こうとした際、腰から血が出ているのに気づいたといいます。自宅の畑も荒らされていました。’’犯人’’と見られるその姿を近くの家の防犯カメラが捉えていました。先月22日午後9時前に撮影されたのは…体長80センチほどの親。そして後からその模様が特徴的な幼い個体が4匹。向かったのは、田村さんの家の方向です。被害はサツマイモ畑でも…。地元の町内会で委員を務める小泉さんは、住民からの被害の相談が増えていると言います。昨年3月、県南部で発生した山林火災以降、イノシシの主食であるドングリや、虫などが山から減り、エサを求めて市街地に下りてくることが増えたのではないかと小泉さんは話します。岡山市によりますと、「山林火災の起きたエリアでは発生から数か月の間、人の居住エリアでのイノシシの目撃情報が増えたものの、現在の状況も含め、火災との因果関係は分からない」ということです。夏祭りなど夜の外出も増える盆休み。出かける際には、イノシシの親子にも注意が必要です。

(ペットのヤギが行方不明、やぶの中でヒグマに襲われているのを確認:北海道)
10日午前8時45分頃、北海道八雲町春日の牧場を経営する男性から、町役場に「ペットのヤギがいなくなっている。クマが連れ去ったのではないか」と連絡があった。町職員と通報を受けた道警八雲署員がドローンで調べたところ、近くのやぶの中で、メスのヤギ1頭がヒグマに襲われているのが確認された。けが人はなかった。同署によると、ヒグマは体長1・8メートル。牧場敷地内ではデントコーンがなぎ倒されており、同一のヒグマによる被害とみられる。町が箱わなを設置し、同署と警戒に当たっている。

(狩猟の監視にあたる76歳非常勤職員、酒気帯び運転の疑いで逮捕:愛知)
愛知県の非常勤職員が、酒気帯び運転の疑いで逮捕されていたことがわかりました。逮捕されたのは、愛知県自然環境課の鳥獣保護管理員で、非常勤職員の男性(76)です。愛知県によりますと、この非常勤職員は7月31日夜、岐阜県郡上市内で酒を飲んで乗用車を運転して車と接触し、酒気帯び運転の疑いで逮捕されました。非常勤職員は年間約30日間 鳥獣保護区などで狩猟の監視に当たっていて、愛知県は刑事処分を待って厳正に対処する方針です。

(ハンター育成へ射撃場を再整備:群馬)
熊やイノシシなどの有害鳥獣の捕獲や駆除を行うハンターを育成するため、群馬県は、安全上の理由で一部が7年以上休業中の安中総合射撃場(安中市)を再開させようと、施設改修などの対策を実施することを決めた。

(クマ目撃情報共有アプリがリリース:秋田)
秋田県はクマ目撃情報共有システム「クマダス」のスマートフォンアプリを公開した。県がウェブサイトで公開している目撃情報をより速く提供するなど、個人向けの利便性を高めたのが特徴だ。今年3月下旬に開発委託し、今月5日にiPhone向け、14日にAndroid向けを公開した。アプリでは利用者の投稿、警察や市町村への通報をもとにした出没情報を配信する。スマホの位置情報を利用し、現在地から半径500メートル、1キロメートル、3キロメートルの範囲が設定可能で、身近な出没情報を受け取れる。ウェブサイトでは情報の真偽確認などで配信までの時間がかかっていたが、アプリ版ではSNS認証を活用した確認体制を導入することで、投稿情報の即時公開が可能になったという。このほか、外出中の家族周辺の情報も確認できるペアリング機能や、市町村からの注意喚起情報などのプッシュ通知機能も持たせた。クマ以外にイノシシ、ニホンジカも選択できる。県内での利用を前提とし、日常に潜むクマ遭遇リスクの回避、人身被害の防止にやくだててもらう考えだ。クマ他被害対策としては、国際教養大学(AIU)発スタートアップのBearBell(ベアベル、秋田市)が7月、目撃情報共有アプリ「クマップ」をリリースしている。複数の情報源を参照し、人工知能(AI)による分析を加えるなど信頼性と速報性を持たせ、企業や団体向けの展開も検討している。東北地方以外でもクマ問題が注目される中、秋田県の官民アプリ競作も、今後のバージョンアップの刺激になると期待する声もある。

(「獣害対策支援隊」設置:栃木)
クマの市街地出没やイノシシ、シカによる農業被害が広がるなか、栃木県は専門職員らで構成する「とちぎ獣害対策支援隊」を設置した。被害現場の調査や対策指導を通じ、県内市町の対応力向上と人材の確保・育成を後押しする。支援隊は県の自然環境課と林業センターの職員9人、県庁内で募集した職員6人、イノシシやクマなどの専門家2人の計17人で構成する。

(相次ぐクマの出没:青森)
青森市浪岡にある梵珠山の登山道で「ツキノワグマ」が出没し、近くのキャンプ場で夜間の利用が禁止となるなど対応が取られています。カメラを覆う“黒い影”。レンズの目の前にいたのは「ツキノワグマ」です。8月3日と8日、青森市浪岡にある梵珠山の登山道「アカゲラの道」で、設置されたカメラがツキノワグマの出没を捉えました。クマが出没したのは県立自然ふれあいセンターの近くで、施設は11日から職員が不在となる夜間にキャンプ場を利用することを禁止としました。梵珠山の登山道は閉鎖されていませんが、県は山に入る際、クマの出没に注意するよう呼びかけています。また、弘前市ではクマによる食害が確認されました。11日午前5時頃、弘前市大沢の果樹園で農家の男性がクマ1頭を目撃しました。その後すぐにクマは姿を消しましたが、収穫直前の「モモ」約200個が食い荒らされる被害を確認しました。この園地から、200メートルほど離れた場所では市が設置した「わな」で7月15日にクマが捕獲され、周辺での出没が相次いでいることから農家は警戒を強めています。

(ブナの実「並作」も市街地のクマに引き続き注意:青森)
クマの好物であるブナについて、東北森林管理局はことし秋の青森県内でのブナの実のなり方は4段階のうち上から2番目の「並作」と予測しています。ただ、専門家は人が住む集落の周辺にクマが定着している場合もあるため、この秋も市街地での出没に引き続き注意する必要があるとしています。東北森林管理局は毎年この時期に国有林の地点ごとのブナの開花の割合をもとに秋の実のなり方を予測していて、このほどことしの予測を発表しました。それによりますと、青森県では38か所の調査地点のうち22か所で木の枝全体で開花が見られたことなどから、ことし秋のブナの実のなり方は4段階のうち上から2番目の「並作」の予測となりました。一番下の「大凶作」だった去年よりも、クマが食べるブナの実が山にあるという予測となりましたが、クマの生態に詳しい日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長は「クマは並作や豊作だとえさがあるため山から出づらくなると言われてきたが、近年は人が住む集落の周辺に定着している場合もある。ことしの秋も市街地での出没に引き続き注意する必要がある」と話していました。

(侵入防止柵、手入れ不十分だとニホンザル守る壁に:岩手)
野生動物の侵入を防ぐための柵は、適切な手入れをしていないと動物たちを守る道具になってしまう――。そんな研究結果を、岩手大大学院生らのグループが発表した。岩手大大学院連合農学研究科博士課程の三谷友翼(ゆうすけ)さんは、山形大の江成広斗教授と、ニホンザルの行動をテーマに研究してきた。近年、人里に野生動物の出没が相次いでいる背景について「動物たちが人を恐れなくなったから」という指摘もあるが、本当にそうなのか、恐れなくさせている要因は何か、といったエビデンス(科学的証拠)は十分でなかった。実効性のある対策のためにも、三谷さんらはサルたちの逃げ方と恐怖心に迫った。調査は2024年6月~25年5月、農作物被害があった福島県南会津町で10のニホンザルの群れを対象に実施。サルが怖がる火薬音を合計100回鳴らし、延べ576匹の逃避行動を記録した。この結果、農地や森林伐採地など人に見つかりやすい開放的な空間では、約7割が積極的に逃げた。逆に、人とサルの間に侵入防止柵(集落柵)がある場合は、約6割が逃げなかった。柵があることによって「人が来ない」とサルが学習し、警戒を弱めている可能性がある。火薬音を繰り返しても、逃避行動に影響しないこともわかった。各地を回ってきた三谷さんによると、電気を流すタイプの大規模柵は、維持管理のコストがかかる。時間が経つと管理が手薄になり、電気が流れなくなったり、穴があいたりして、効果を失っている所も多い。三谷さんは石川県立大在学中にニホンザルの研究を始め、24年春に岩手大大学院連合農学研究科の博士課程に入学。江成教授の研究室で主に東北地域のニホンザルを研究してきた。三谷さんは「効果を失った大型柵はかえって被害を助長する可能性が示された」と指摘。今後の対策の考え方について「農村の人口が減り、使えるお金も地域によって違う。どの対策を優先すべきか研究結果を参考にしてもらえたら」と話す。

(クマ出没の緊急銃猟の手順確認:三重)
伊賀市などは、ツキノワグマが出没した際の緊急銃猟までの手順を確認する訓練を、同市島ケ原の中矢地区で実施した。伊賀署や県伊賀農林事務所、猟友会など約30人が7月28日の訓練に参加した。住宅地付近にツキノワグマが出没し、住民を襲ったと想定。中矢区長からの通報を受けた伊賀署などが市、県などと連携して情報を共有し、現場近くに対策本部を設置した。

(「クマ出没警報」発令:宮城)
宮城県は、13日に仙台市青葉区上愛子で発生したクマによる人身被害を受け、31日まで青葉区に「クマ出没警報」を発令しました。青葉区以外の県全域には引き続き「クマ出没注意報」が発令されています。

(シカと衝突死亡事故受け、ライダーに交通安全呼びかけ:北海道)
7月14日に町内を走行中のオートバイがシカと衝突し運転手が死亡した事故を受け、中標津署は11日、事故現場に近い野付半島ネイチャーセンターで、ライダーに交通安全を呼びかけた。

(囲いワナで捕獲、50頭目標に:北海道)
住宅地などの出没が相次ぐエゾシカの駆除対策として、稚内市は18日からノシャップ2の旧カーリング場周辺で囲いワナによるシカ捕獲を始める。10月末まで。令和2~3年は旧西小中横、4年~5年は西浜1のテレビアンテナ塔近くの草地、6年は旧カーリング場、昨年は旧西小中敷地で行ったが、7年目の今年は、事前調査でシカが多く出没しているノシャップ地区に現れる群れを捕獲できるよう一昨年行った旧カーリング場周辺で再び行う。ワナは高さ3・5㍍縦横8㍍四方の大きさでトウモロコシや大麦4種類のエサでシカを誘い出しカメラで監視を続け、シカが囲いの中にある程度の数が入ったところで稚内猟友会のハンターがスマホの遠隔操作により扉を閉じ捕獲する。猟友会とワナの中に入れるエサの位置や扉の開閉などを調整していた市の担当者は「事前調査でノシャップ公園周辺には50頭以上の群れを確認している。50頭を目標に捕獲したい」としている。市は、警戒心が強いシカを逃すことなく捕獲するため囲いワナ周辺に近づかないよう近隣住民に対し協力を求めている。一昨年は81頭、昨年は50頭捕獲した。

(強化ごみ箱でクマ被害ゼロ:長野)
クマの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ(長野県軽井沢町)が、クマがあされないよう強化・工夫したごみ箱の全国向け販売を始めた。軽井沢では、1999年に129件あったクマによるごみ荒らし被害が、ごみ箱を導入して以降、近年はゼロが続く。ピッキオの担当者は「不幸な衝突を未然に防げれば」と意気込む。ごみ箱はBear Smart Box(ベア・スマート・ボックス)。90年代、軽井沢でクマによるごみ荒らしが多発する中、2002年にピッキオが開発した。隙間がなく、においが漏れにくい上、爪が引っかかりにくい構造で、独自のロック機能を採用。長期間の屋外利用を想定し、溶融亜鉛メッキ鋼板を使って耐久性を高めた。

(鹿から高山植物守る:長野)
まだ時折、肌寒い風が吹く6月下旬の南アルプス・仙丈ヶ岳(3033メートル)。山頂直下の馬の背ヒュッテ付近に伊那市や環境省、林野庁などの関係者15人が集まった。「そっち引っ張って」「ポール1本ください」ニホンジカの食害から高山植物を守るための「 防鹿ぼうろく 柵」を互いに声を掛けながら設置していく。柵は、金属製のワイヤが編み込まれたネット状で、高さは2メートルにもなる。柵を設置するのは、地元の伊那市や環境省、林野庁、信州大学などでつくる「南アルプス食害対策協議会」の関係者や地元のボランティア。シカが栄養価の高い高山植物を求めて高山帯に移動してくるのに合わせ、毎年6月頃に柵を据え付け、雪が降り始める10月頃に撤去している。南アルプスでシカの食害が顕在化したのは1990年代後半。かつては高山植物が咲き乱れ、「花の仙丈」と呼ばれたお花畑はほとんどが消失した。危機感を持った地元伊那市が中心になって2007年に同協議会が設立され、約20年間にわたり、対策を進めてきた。今季はこれまで対策が取られてこなかった北荒川岳で防鹿柵の設置を始め、環境省からの委託分も含め全体では約3300メートルの柵を張った。伊那市50年の森林推進課の向山一樹さん(34)は「すぐに効果が出るわけではない難しい事業だが、20年で確実に回復は進んでいる。関係機関と協力して、長期的な目線を持って取り組みたい」と語る。協議会は、シカの季節性移動に合わせて捕獲も周辺で実施しているが、柵がない場所では食害が収まる気配はなく、シカが歩き回ることでできるシカ道が無残な姿をさらしている。環境省伊那自然保護官事務所の石橋岳志さん(64)は、まばらに黄色い花を咲かせ始めたシナノキンバイを見つめながら「手間はかかっても柵がなければ植生の回復が止まってしまう」と厳しい現状を吐露する。一度失われた植生の回復は進度が遅く、かつての輝きを取り戻すための取り組みが続く。一方、これまでシカによる大きな食害が出ていなかった北アルプスでも、新たな局面を迎えつつある。昨年度、自然公園財団上高地支部などが、上高地の大正池付近で捕獲したメスジカに首輪型のGPS(全地球測位システム)発信器を装着し、行動を調査したところ、冬を迎えても標高約1600メートルの樹林帯にとどまり、シカの一定数が越冬している可能性が極めて高いことがわかった。調査は、上高地に現れるシカが別の場所から夏の間に移動してくるという前提で、シカの供給源を調べるのが目的だったが、意外な結果に関係者は驚きを隠さない。調査メンバーで同支部の香取草平さん(32)は「当初の想像を超えて定着が進んでいる可能性がある」と危機感をあらわにし、調査に参加した信州大学の泉山茂之特任教授も「対策を急がなければ南アルプスのようになりかねない」と警鐘を鳴らす。環境省などによると、上高地では14年以降にシカの目撃情報が寄せられるようになった。今のところ、上高地のシカの生息密度は低いと考えられるが、一部ではニリンソウやミツガシワなどへの 食痕しょくこん が確認され、上高地から続く蝶ヶ岳などの高山帯でもシカが目撃されているという。同省は22年から大正池付近で高山帯でのシカの試験捕獲を続けているが、今秋からは、林野庁も初めて上高地内での捕獲を始める予定だ。

(後手に回ったクマ対策、長年警鐘を鳴らしてきた先進県の研究者の指摘:兵庫)
全国で相次ぐクマによる被害。2025年度の出没件数は5万件を突破、人身被害者数は238人に上り、いずれも過去最多となった。国を中心とした対策が急ピッチで進められる中、全国有数のツキノワグマの生息地として知られ、20年以上前から独自に個体数管理を進めてきた兵庫県の取り組みに注目が集まっている。

(AIが変える獣害対策の最前線)
「人生100年時代」と言われる今、20代からの資産形成は待ったなし。とはいえ「投資の目利き力、どうやって磨く?」と悩む人も多いはず。本連載では、20代から仮想通貨や海外不動産に挑戦し、いまはバリ島でデベロッパー事業、日本では経営戦略アドバイザーも務める中島宏明氏が、投資・資産運用の知識や体験談、そして業界の注目トピックを紹介します。今回は、近年社会課題になっている獣害に関して、最先端技術を活用した獣害対策AIシステムを開発しているゼロフィールドの平嶋さんと、秋田県立大学 木材高度加工研究所の野田龍准教授にお話を伺いました。クマの市街地出没、イノシシやシカによる農作物被害、鳥類による果樹・水田への被害――。野生動物による被害は一次産業だけの問題ではなく、住民の安全、観光施設、公共交通、インフラ、防犯にも関わる社会課題になりつつあります。こうした課題に対し、AIを活用した野生動物対策プロジェクトを進めているのが、株式会社ゼロフィールドです。同社は、AI野生動物撃退装置「モリフクロウ」を開発。野生動物の行動研究を専門とする秋田県立大学 木材高度加工研究所の野田龍准教授が技術監修として参画されています。今回の取材を通して、獣害の現状、従来対策の限界、AI活用の可能性、そして「人と野生動物の共生」について掘り下げます。――まず、日本における獣害の経済損失について教えてください。クマ、イノシシ、シカ、鳥類などによる被害は、どの程度の規模になっているのでしょうか?野田准教授:獣害の中で、統計として最も把握されているのは農作物被害です。農林水産省が毎年、都道府県別の被害金額を取りまとめています。被害の中心はシカやイノシシで、そのほかカラスなどの鳥類、サル、クマによる被害もあります。全体では、毎年おおむね150億円から200億円規模で推移しています。令和6年度のデータでは約188億円となっており、近年は増加傾向にあります。シカやイノシシによる被害は全国的に見られ、東北や九州などでも深刻です。特定の地域だけの問題というより、日本全体の課題と捉えた方がよいと思います。――獣害というと、農家の方の問題という印象を持つ人も多いと思いますが、いまはそれだけではないのですね。野田准教授:そうですね。農作物被害が大きいのは事実ですが、近年は報道のとおりクマが市街地に出没するケースも増えています。住民の安全に関わる問題ですし、学校、公園、病院、観光施設、キャンプ場、ゴルフ場など、人が集まる場所にもリスクがあります。鉄道や高速道路に関わる被害も無視できません。新幹線を止めざるを得ない、夜間の保守作業員の安全をどう守るか、といった問題にもつながります。――これまでの獣害対策には、どのようなものがあったのでしょうか?野田准教授氏:鳥類であれば、田畑をメッシュ状のネットで囲う鳥ネットや、凧のように鳥の形をしたものを揺らして威嚇する方法があります。シカやイノシシに対しては、電気柵、高い柵、木の幹へのネット巻き、トタン板や波板で畑の周囲を囲う方法などがあります。案山子も今でも使われています。ただ、動物は賢いので学習します。最初は警戒しても、時間が経つと「これは危険ではない」と覚えてしまうことがあります。特にイノシシは地面を掘って侵入しますし、シカは高い柵を飛び越えることもあります。対策には労力も費用もかかりますが、それに見合う効果が得られないケースも少なくありません。――クマの場合は、さらに難しそうですね。野田准教授氏:街中にクマが出てくる場合、電気柵のような対策を設置できる場所は限られます。山林や農地で有効な対策が、市街地や公共施設でそのまま使えるとは限りません。住民の安全を守るには、早期に検知し、近づけない仕組みが重要になります。そこでAI画像認識のような技術に期待が出てきます。――ゼロフィールドが開発しているモリフクロウは、どのような仕組みなのでしょうか?平嶋氏:モリフクロウは、単なる撃退装置ではありません。カメラ映像をAIが解析し、対象物を検出します。そのうえで、それが脅威なのかどうかを判断し、必要に応じて音や光などの装置と連動して撃退処置を行います。対応した映像や履歴は保存され、管理者にリアルタイムで通知することもできます。重要なのは、「何かが映ったら全部反応する」のではなく、AIが対象を識別し、条件に応じて対応できる点です。人や車、動物などを見分け、必要なときだけ対処することで、誤作動を抑えながら運用できます。導入面では、既存のカメラ設備を活用できるという特徴もあります。専用カメラを一から設置するとなると、コストや工事の負担が大きくなります。モリフクロウは、既存環境に追加する形で導入しやすい設計にしています。また、電源が取りにくい場所ではソーラー電源への対応も想定しています。自治体、農家、観光施設、工場、学校など、現場によって事情は異なりますので、なるべく柔軟に使えることを重視しています。――野田先生は、モリフクロウの取り組みを最初に聞いたとき、どのような印象を持たれましたか?野田准教授:率直に言うと、「渡りに船」でした。私自身も、こうした仕組みが必要だと考えていましたので。ただ、私の専門は野生動物や森林・土木分野であり、AIシステムを自分で構築できるわけではありません。そこでゼロフィールドさんから話を聞き、AI画像認識を活用した対策は、費用対効果の面でも非常に可能性があると感じました。特にクマ被害の場合、街中に出てきたクマへの対応が課題になります。山中にいるクマをむやみに駆除する必要はありません。しかし、人の生活圏に入ってくる前に検知し、近づかせない仕組みは必要です。AIを使えば、人が常時見回らなくても、危険な兆候を早く捉えることができます。――野生動物は音や光に慣れてしまう、いわゆる「順化」も課題になりますね。野田准教授:そのとおりです。同じ刺激を繰り返すだけでは、動物は慣れてしまいます。大切なのは、動物の行動特性を踏まえ、どのような刺激を、どのタイミングで、どのように出すかです。光や音をランダムに変化させる、対象動物に応じてパターンを調整する、といった工夫が必要になります。AIによる検知と、行動特性に基づいた忌避刺激の設計を組み合わせることで、より実効性のある対策につながる可能性があります。――獣害対策では、動物愛護との両立も重要なテーマだと思います。AIによる撃退という考え方は、その点でどのような意味を持つのでしょうか?野田准教授:山にいる動物は、基本的には山にいてもらえばよいのです。人の生活圏に入ってこない限り、積極的に駆除する必要はありません。大切なのは、人の生活圏と野生動物の生活圏の境界線をつくることです。一方で、市街地に入り込み、一度でも人を襲った個体については、再び人の生活圏に戻って人を襲う可能性があります。だからこそ、そこに至る前に侵入を防ぐことが重要です。AIを使って早期に検知し、直接的な危害を加えずに遠ざける技術は、共生のための選択肢になり得ると思います。平嶋氏:私たちも、単に「撃退する」ことが目的ではありません。地域住民の安全を守りながら、野生動物に直接的な危害を加えず、人と動物の生活圏を分ける。そのための技術としてモリフクロウを社会実装していきたいと考えています。――モリフクロウやAI画像認識技術は、獣害対策以外にも応用できそうですね。平嶋氏:モリフクロウは野生動物対策からスタートしていますが、AIが映像から対象を検知し、判断し、通知やアクションにつなげるという仕組みは、さまざまな用途に応用できます。たとえば、太陽光発電施設や工事現場での盗難防止、不審者検知、施設内の安全管理などです。また、ドローン企業との連携も検討しています。現在の仕組みでは、動物を検知し撃退するところまではできますが、その後どこへ移動したのかまでは追えません。ドローンと組み合わせれば、撃退後の移動先の確認、個体数調査、獣道の把握などにもつながります。自治体や猟友会にとっても、データに基づいた対策を考える材料になるはずです。野田准教授:今後は、自動運転車との連携も進むのではないでしょうか。過疎化や高齢化が進む地域では、小型の循環バスや自動運転車が増えていく可能性があります。そうした車両にはカメラが搭載されていますから、そこにAI検知の仕組みを組み込めば、街中を自然に巡回しながら野生動物や不審者等の危険を検知することができます。自然公園や観光地でも活用余地があります。たとえば知床五湖のように、毎朝、人が散策路を歩いてヒグマの痕跡を確認し、通行可否を判断している場所があります。そこにAIカメラを設置すれば、人が危険を冒して確認に行かなくても、リアルタイムで判断できるようになるかもしれません。――イベント会場や観光施設にも応用できそうですね。野田准教授:人流分析にも使えると思います。イベント会場でどこに人が集まるのか、どの動線が混雑するのかを把握できれば、出店場所や誘導方法の改善にもつながります。人の動きの解析から防犯、熱中症などの体調不良者の検知、観光地の安全管理にも展開できる可能性がありますね。――最後に、獣害対策と地方創生の関係について伺います。地方で暮らす、働く、観光に行く。その前提として、やはり安全が欠かせない時代になっているように感じます。平嶋氏:地方には、農業、観光、自然体験、地域交通など、多くの可能性があります。一方で、人手不足や高齢化、過疎化が進み、見回りや対策を人力だけで続けるのは難しくなっています。AIやデータを活用し、少ない人数でも安全を守れる仕組みをつくることは、地域の持続可能性にもつながると考えています。野田准教授:野生動物は、地域の自然環境の一部です。完全に排除するのではなく、人の生活圏に入らせない、危険な接触を減らす。そのためには、現場の知見と技術を組み合わせることが大切です。研究だけでも、技術だけでも不十分です。地域の実情に合わせて、使える形にしていくことが重要だと思います。獣害対策は、農作物を守るだけの話ではなく、地域の安全、観光、交通、防犯、そして人と自然の距離感をどう設計するかというテーマでもあります。AIはその境界線を引き直すための、新しい方法になり得ます。

(都会の暮らしにマタギが一石、共存のヒントとは「山にしかない」:秋田)
全国各地でクマ出没のニュースが連日報じられ、「クマのいる山には近づくな」という声がかつてないほど強まっています。そんな過熱する世論に、クマと隣り合わせの日常を送る人たちはどのような思いを抱いているのでしょうか。秋田・北秋田市の現役のマタギ、永沢光さんは、「みんなクマのことをよく知っているな」と皮肉を込めて語ります。研究者ですら、まだまだ謎が多いと口にするクマの生態。永沢さんは、山の中にこそ、人間とクマが共存するためのヒントが隠されていると語ります。山に生きるマタギの言葉を聞きました。広島出身で、大学卒業と同時に秋田に移住した永沢さん。山とともに暮らすマタギの生き方に憧れ、2019年からマタギ文化の色濃く残る北秋田市・阿仁地区で暮らしています。「もともとは植物に興味があって、東京農業大在学中にたまたま旅行で訪れた阿仁でクロモジ茶づくりの師匠と出会い、山で暮らすライフスタイルに引かれました。マタギは職業ではなく生き方。クロモジ茶づくり、公民館の館長、小学校での活動支援など、 本業は別にいろいろありますが、『昔の阿仁では男はみんなマタギをしたものだ』という師匠の弁もあり、流れにまかせて狩猟免許を取得しました」。移住した年の暮れ、マタギのシカリ(頭領)に誘われクマの冬眠穴を訪れた際、同行していた狩猟免許を持つ秋田出身の女性と出会い、のちに結婚。マタギという生き方がつないだ縁で、山とともに生きる人生を選択しました。永沢さんが「職業ではなく生き方」と語るように、マタギは単なるハンターとは一線を画します。山の神を信仰し、猟で取った獲物は「マタギ勘定」で全員平等に分配。自分が仕留めた獲物でも、あくまで山からの授かりものと捉えます。山の中でのクマとの命のやり取りは「ショウブ(勝負)」、一方で、わなにかかったクマを行政からの依頼で駆除する有害駆除は「本来のマタギの姿ではない」と永沢さん。駆除の後には山の神に魂を返す供養の儀式を欠かしません。「クマを撃つんですけど、クマの心配もするんですよ」。「ミナグロ」と呼ばれる白い月の輪模様のないクマや、子連れのクマは撃たないという不文律もあり、矛盾をはらみながらも共存を模索してきた狩猟文化がうかがえます。そんなマタギの目に、近年のクマの大量出没はどのように映っているのでしょうか。「行動は明らかに変化しています。民家に近づかなかったクマが当たり前のように出没し、昔は興味を示さなかったそばや栗を好んで食べている。ここ何年か、場合によっては1年単位でおいしいものだと学習している。戦後の拡大造林政策が裏目に出て放置林が増えてしまったこと、高齢化と人口減少で狩猟圧が弱まったこと、原因はいろいろあるんでしょうが、今まで見てこなかっただけで、ずっとそこにあった問題。それがここにきて顕在化してきているのではないでしょうか」。行動様式には明確な変化があるとした一方、ヒグマとツキノワグマを混同した報道や、「凶暴化」と断定的に語る論調に対しては懐疑的な思いもあると永沢さん。「マタギも研究者も、クマの生態についてはよく分かっていないことが多いのに、みんなよくもまあクマのことを知っているなと思いますね。それは観察を経て科学的に解明されたことなのか、ただの予想でしかないのか。分からないことは分からないでいいのに、コンテンツが一人歩きしている」。過熱する報道の影響か、「危険なクマは絶滅させろ」「クマの出るところに住むな」など、ネット上では極端な意見も広がっています。登山や山菜採りで山を訪れ、被害に遭った人に対するバッシングの声も少なくありません。山で生きる当事者として、どのような思いを抱いているのでしょうか。「なぜ頭数が増えているのか、どういう理由で街に出てくるのか、はっきり言ってよく分かりません。だからこそ、僕らにできるのは理由を決めつけて駆除することでも、クマの生息地から離れることでもなく、観察をしてデータを集めることしかない。共存のヒントは山にしかない、クマから勉強させてもらうしかないんです。一つだけ言えるのは、人があまりにも山との生活から離れすぎてしまったということ。昔は一家総出で田植えや稲刈りをしていた光景が、今はおじいさん一人と機械が動く姿に変わった。山とかかわらず、都会でその恵みを享受しながら生きていける。そういう生活をしているうちに、気付けば都会のすぐ近くまでクマが来てしまった。まだ狩猟圧の残っている阿仁のクマは、人を見れば逃げていきますよ。クマの出るところに住むな、山には入るなというのは逆で、山の中で暮らしていくとはどういうことなのか、もう一度考え直した方がいい」。人とクマが共存するためにこそ、山から離れるのでなく、山とともに生きるという選択。1000年以上続くマタギの文化は、私たち現代人の生き方に静かに疑問を投げかけています。

(「凶暴な熊」と「臆病な熊」の議論はなぜかみ合わないのか)
サバイバル登山家の服部文祥さん、極地探検家の角幡唯介さん、写真家の石川直樹さん。旧知の3人が、2025年12月に秋田市で行われたトークイベントに招かれた。テーマは「クマと人の共生を学ぶ」。多くの被害者、犠牲者を出している今、「熊との共生」論はかなり分が悪い。被害の現場を知らない夢想に過ぎないではないか、と。しかし実際に熊が出没する山に数多く足を踏み入れ、彼らを撃ち、肉を食べる、といった経験を持つ服部さんと角幡さんは、熊対策の重要性は理解しつつも、最近の熊についての言説には違和感を覚えるという。その「熊論」は文明論にまで発展していき――。異論反論覚悟のうえ、極限を知る男たちによる大胆かつ忌憚のない座談会をお届けする。第一回は3人が過去に経験した「熊」との遭遇から一連の騒動の根底にあるものを、それぞれの視点から考察する。石川 2025年8月14日に北海道、道東の知床半島で一番高い山、羅臼岳で、登山者が下山中に熊に襲われるという出来事がありました。服部 死亡事故だよね。石川 そうです。服部 トレランをしていたとか。石川 実際には足早に下山していただけで、トレイルランナーではないですね。襲ったのは2頭の子熊を連れた母熊と言われていますが、その母熊がもしかしたら僕が7年ぐらい前に羅臼岳で出会った熊と同一個体の可能性もあって、そのときの映像を持ってきました。今からスクリーンに投影しますね。羅臼岳の山中に岩場があって、その蟻塚と呼ばれる場所で2025年に熊と下山中の登山者が鉢合わせして、熊に襲われてしまった。この映像は、残雪期のその蟻塚です。服部 北海道に蟻塚があるの?石川 塚状の巣を意味する蟻塚ではなく、蟻がたくさん生息していてそう呼ばれるに至った地名です。登山道沿いにあります。まだ雪が残る季節、たぶん5月くらいだったかな、知り合いと一緒に羅臼岳に登ったんです。チャイという北海道犬も連れていきました。この蟻塚は登山道のすぐ近くにあり、たしかに蟻がいっぱいいて、熊もよく出てくる場所です。この南側の登山道で登山者が襲われたと言われています。もう一つの動画は、2017年秋の、同じく羅臼岳の映像で、このときは羅臼岳から三ツ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳、南岳、知円別岳を経て、硫黄山まで縦走しました。羅臼岳西側の登山口にある木下小屋から入って羅臼岳に登頂しました。これが羅臼岳の頂上からの眺めです。北方領土の国後島が見えます。そして次、羅臼岳のテントサイトには(熊が匂いにつられて寄ってこないように)フードロッカーという金属製の食料保管庫があります。アラスカのデナリ国立公園などにもありますね。この近くに熊がいました。この熊は、自分が鍋を叩いて金属音を出したり、大声で何度叫び続けても逃げなかった。せいぜい一瞥をくれる程度で、同じ場所にずっといる。これが、もしかしたら、後に「岩尾別の母」と呼ばれる、2025年8月に人を襲った熊と同一の個体かもしれない、ということです。このときから、まったく人間を恐れないタイプの熊でした。石川 われわれはここで一泊しました。朝を迎えて、テントの外に出たらすぐ近くに、前日にはなかった熊の糞や足跡があったんです。服部 新たな痕跡が増えていたということね。石川 はい。テントの近くまで来てはいたけれど、ぼくたちに関心を示さず、まわりに落ちている松ぼっくりを食い続けていた。これはテントのすぐ近くの映像ですけど、松ぼっくりのいい匂いのするウンコです。服部 新品。石川 はい。ちょっと柑橘っぽい香りがしました。これは2017年9月の映像で、このときはまだ子熊はいません。2025年に羅臼岳で人を襲った熊は11歳と推定されています。そこから逆算すると、このときは3~4歳ぐらい。(別の画像を見せながら)これが2025年8月に人を襲ったと言われる熊の写真で、「岩尾別の母」と呼ばれていた個体です。パンダ目をしていて、脇に白い毛があり、人を恐れない熊だった。先ほどお見せした、僕が2017年に出会った熊と体の毛の色の特徴がよく似ていますし、逃げない、人を怖れないという性格も同じです。同一個体だとすると、2017年に自分が出会ったときは3歳か4歳のときで、現在は11歳、子熊が2頭生まれていて、蟻塚付近で人間と出くわし、人を襲い、駆除されてしまいました。人間にもいろんな性格があるように、生まれつき人間を恐れない性格の熊は一定数いる、と言われていますね。人間が持ってきた食料の味を覚えた、とか、餌付けされていたとかでは当然なくて、性格的にそういう熊だった、と。角幡 人を恐れない熊がいるのは、知床の地域的な特殊性みたいなものも、あるんじゃないかな。知床は観光客も多いし、羅臼岳もそれなりに登山者がいる。遊覧船で熊を見に来る人もたくさんいるし。石川 知床は元々、ベアカントリー、つまり「熊がいる場所」に人間が住み着いたわけで、実際に熊の個体数は多いにもかかわらず、2017年ぐらいまでの何十年間も人間と熊の事故は起こっていなかった。だから「知床の熊は人を襲わない」なんて一般的に言われるようになって、そんな知床で事故が起こったから、地元の人も僕もびっくりしたんですよね。今回の熊の場合、事故の直前になって何度か人に近づいてくるようになって警戒レベルを上げていたということですが、そこに何か原因があるのか、ということはちょっと置いておくとして、まず人を恐れない性格の熊がいること、そして、攻撃性が高まる子連れの時に、不幸にも登山者と鉢合わせして襲われてしまった、ということを知るに至ったわけです。服部 角幡君が新刊の『43歳頂点論』に書いていた、なんだっけ「安全安心快適」ってやつ。角幡 「安心安全便利快適」ですか。(社会学者の)宮台真司さんの言葉ですね。服部 その安心安全便利快適を求めて、俺たちは人間社会を作ってきて、今やその社会の内側でだけで人間が生きていけると思えるほどまでになっている。都市部に住んでいる人たちにとっては、食べ物はすべてスーパーマーケットにあって、水はどこか知らないところから地中の水道管を流れてきて、燃料も地中の管をガスが通ってきて、もう人間社会の中ですべてが完結している。本当は全部外から運び込んで買っているわけだけど、その意識はない。その延長線上に、ハエが1匹部屋に入ってきても大騒ぎするような人もいる。本来の自然生態系とは違う人間社会という別の「系」で、人間は生きていけることになっている。かつては里山などの自分たちの生活圏で作物を作ったり、山に住む熊を撃ったりして生活していたのが、里山を開墾せずに、食料も燃料もすべてよそから運んで買うことができる生活が、地方でもできるようになった。その延長で、山が不作の年には、熊が荒れ果てた里山を伝って、住宅街に出てくるようになった。なんでこうなったのか、根本的なところを突き詰めていくと、いろいろな要素があるとは思うけど、やっぱり石油だと思うんだよね。化石燃料を燃やしてそのエネルギーを人間がうまく抽出することができるようになった。その結果、人間だけが豊かな社会を作って、食料も燃料も水も、すべてよそから運ぶことで生活が成り立つようになってしまった。かつては一致していた自分の生活圏と日々の生活が、いまは分断されてしまった。たまたま地球に埋まっていた石油というエネルギー貯金を、人間が浪費して人間社会は運営されている。俺はそんな人間のひとりであることが、恥ずかしいというか、醜いっていうか、格好悪いなと思って、自分はできるだけ石油に頼らずに生きてみたいという思いから登山をしているんじゃないかな、ということに今回、改めて気がついた。石川 そこですか(笑)。服部 そう、そこ(笑)。もちろん、俺自身だってそういう人間の1人だから人のことは言えないんだけど、1年の半分くらい山間の廃村の小屋で自給自足に近い暮らしをしているのは、できるだけ石油を使いたくないから、という理由もある。石川 二人は狩猟をやってるけど、僕はやっていない。けれども、考え方としてはいつもそういう自立した生活のことを頭の片隅に置きながら生きているつもりです。だから矛盾を抱えながら生きている。服部さんがさっき、もうこの先はないんじゃないかみたいなことを言ってたけど、現実的にどうやって生きていけばいいんだろうと、話を聞きながら考え込んでしまいました。さて……、どうすればいいですかね。角幡 それがわかればなぁ……。俺が知りたいよ。服部 俺は熊と一緒に人間社会と戦うよ。角幡 (笑)。だから、服部さんの個人的レベルとか俺の個人的レベルなら、それぞれ好き勝手にやればいいけど……。社会的な対策はもう僕らが決められることじゃない。石川 日本では本当の意味で自然に近い生活はもう無理なんじゃないかみたいなことを角幡さんが言っていたけど、例えば北海道だったらアイヌの文化や受け継がれてきた祭祀儀礼もあるし、東北だったらマタギの世界とか、なんていうんでしょうかね、表面的な意味じゃなくて、精神的にも、自然ともうちょっと深い意味で共生している人はまだまだいると思うんです。角幡 個人レベルではできるし、生活も思想も自然に近いところで暮らしている人は今もたくさんいると思うけど、社会全体の方向性みたいなものが、熊が街に出没せずに山でちゃんと生きていたような昔の状態に戻るためには、里山に人が増えて、効率最優先の資本主義と距離を置かないと……。個人で何人かが自然と共生したところで、なにも変わらないわけですよ。自然との共生が大きなムーブメントになるという未来は、ちょっと今の日本じゃ考えられない。それは多分、資本主義って効率化してどんどん人に楽をさせていくシステムだから、その大本であるシステムを変更しないかぎり根本からは変わりようがない……。服部 苫小牧の近くに(アイヌの文化や歴史に触れる施設)「ウポポイ」を作ったじゃん。でも、アイヌの特別な祭とかを紹介して、これがアイヌ文化だというのは、俺は違うと思うんだよね。そうじゃなくて、彼らが日々何を食っていたか、どんな生活をしていたのかっていうことを、実際に自分たちの生活に織り込んでいく機会にならないと。テーマパークの中身がジェットコースターからアイヌのお祭りになっただけで、楽しんで消費して終わりじゃんって。石川 服部さんが言っていることはわかるけど、そこはほら、入門編じゃないけれども、少しずつ知っていくための入口として必要な部分ではありますよ。それに、ウポポイでは祭りだけを紹介しているわけじゃなくて、現代アイヌの在り方についても触れられていますよ。もちろん、特別な行事だけでアイヌのことを知るのは不十分、というのはよくわかりますが。服部 テーマパークを入口にして、奥に入っていったら熊肉を食えるようにするっていうのはどうかな。でも、金払って食ったらスーパーの豚肉と同じか。味は違うけど、体験としては変わらないか。石川 服部さんとか角幡さん以上に極端な人もいて、『グリズリーマン』という映画があって、ヴェルナー・ヘルツォークっていう、ぼくが好きなドイツの映画監督が作った作品に出てきます。『グリズリーマン』は、ティモシー・トレッドウェルという実在のアメリカ人が、アラスカで13年間熊と一緒に暮らしていた記録を編集したものです。彼は、人間の社会が嫌で熊の世界に活路を見いだし、人間と野生動物が互いに理解し合えると信じていた。そして13年間グリズリーと暮らすんだけど、最後はアラスカのカトマイ国立公園で熊に襲われて、殺されちゃう。世間一般からは、狂人というレッテルを貼られていたけど、「人間の社会じゃなくて熊の世界で俺は生きていく」と言って本当にやったのは、ちょっと新しい人類みたいに感じました。服部 もののけ姫だね。石川 この映画を作ったヘルツォーク監督を僕はずっと注目していて、フランスの洞窟壁画を追ったり、オーストラリアのアボリジニの世界観を実直に映画に生かしたりしています。彼自身は、『グリズリーマン』のなかで「自然の中に調和や愛を見ようとは思わない。私が見るのは、無関心で、混沌とした世界だ」という立場を語っています。熊が話題になっている日本でも、ぜひ多くの人に観てほしい映画なんですけど。石川 アイヌの話で言えば、弟子屈(てしかが)でアイヌの方の鹿猟に同行したときに、彼らが鹿を撃って、解体して、お祈りをして……という、狩猟の一連の所作みたいなものを見せていただいたことがあります。毛皮の中の存在が、毛皮から出てきて、解放されていくというような感覚で僕は捉えました。だからこそ、人間は毛皮を着たり、鹿の頭を飾り付けたりもする。この世では鹿は殺されたけど、とても人間に大切にされていたんだよっていうことを、撃たれた鹿があの世で、鹿の仲間たちに伝えるために飾り付けたりして、丁寧に送り出す。イヨマンテ(動物の魂を神の国に送るためのアイヌの儀式)で熊の頭蓋骨を飾り付けるというのは、現世で殺されて、魂が解放されて、熊があの世に行ったときに、人間の世界でこれだけ丁寧に扱われたよ、ということを撃たれた熊が熊仲間に言う、というような感覚ですよね。こうした儀礼をおこなうアイヌの人たちも伝統的な猟のとき以外は、普通の生活をしていると思うんだけれど、やっぱり要所要所でそういう考え方みたいなものがにじみ出てくる。

(動物好きの27歳ハンターが引く命の境界線:北海道)
ヒグマの個体数が倍増し、人里への出没が相次ぐ北海道。深刻なハンター不足と命の危険が隣り合わせの現場で、27歳の高崎梨徒 (たかさき・りと) さんはきょうも銃を手に取る。北海道猟友会三笠支部で支部長を務める若きリーダーだ。動物を愛するからこそ、人とヒグマの悲劇的な衝突を止めたい――。ヒグマ対策の「切り札」として3年前に復活した「春期管理捕獲」(通称・春グマ駆除)が狙い通りの成果が上げられない中、命の狭間で葛藤する若きハンターの苦悩と挑戦を追った。北海道三笠市に住む職業ハンター・高崎梨徒さん。2月から5月にかけて連日、山に入る生活が続いていた。理由は春グマ駆除のためだ。春グマ駆除とは冬眠明けのヒグマを追って人里に出没する個体を特定、計画的に捕獲することで人との軋轢を回避するのが目的だ。高崎さんの場合、通常3人でチームを組む。3月14日、高崎さんは研修のため同行者も連れて入山した。残雪の中、スノーシューを履いて進む。人里に出没しそうな危険な個体はいないか――。痕跡を探しながら、チームは傾斜がきついアイスバーンの上を慎重に歩いた。雪が消えた5月9日には、高崎さんは沢伝いにヒグマの気配を探った。時には崖のような場所を登り、泥にまみれながら山道を3キロほど歩いたが捕獲はできなかった。「1つくらい(クマの)痕跡を見てもいいかなと思いましたけど…なかったです」(高崎さん)。ヒグマの気配はあっても姿は見えない――。捕獲ゼロが続く中、高崎さんには焦燥感が募っていた。高崎さんは名古屋市出身。幼い頃から動物が好きだった。大学進学を機に北海道に移住し、農業を学ぶために進学した北海道酪農学園大学では授業などを通じて、さらに野生動物の魅力に惹かれていった。「(動物と話せる架空のキャラクター)ドクター・ドリトルに憧れていた。道路ではねられた猫を見たら悲しい気持ちになるし、負傷した鳥を見かけたら手当したい気持ちになる」(高崎さん)。人生の転機となったのは5年前、22歳のとき。6月18日早朝の出来事だ。札幌市東区の市街地でヒグマが男女4人を次々と襲う事件が起きた。高崎さんはここから「人と野生動物との軋轢」という課題に興味を持ち、野生動物と関わる「現場」に身を置くハンターになることを決意した。高崎さんは20歳の時に狩猟免許を取得。卒業後は三笠市の地域おこし協力隊として鳥獣対策に取り組み、2025年4月からは北海道猟友会三笠支部の支部長を務めるまでになった。動物を愛する心は、今も変わらない。しかし、ハンターとなり「愛情の向け方」は大きく変わった。動物が好きだからこそ、人里に出てきて起きる悲劇を止めたいという思いが募る。「野生動物は隣人であって友人ではない。だからこそ、適切な距離を保つことが共生のために最も重要」(高崎さん)。かつて動物と「話したい」と願った青年は、今、銃を手に人とヒグマの間に決して越えられない線を引くという使命と向き合う。「人間との境界線は、野生動物によって押されてきている」と高崎さんは危惧する。高崎さんが懸念を抱くのは、ヒグマの生息数だ。1966年に始まった「春グマ駆除」で生息数は減少。「保護すべき」という声が高まり、1990年に「春グマ駆除」は廃止となる。しかし1991年に5500頭だった頭数は、その後の30年余りの間に1万2300頭(2024年末)と倍増。「保護重視」の政策が皮肉にもヒグマの個体数を激増させ、人間との衝突を招く結果となった。33年の時を経て2023年、春グマ駆除が「切り札」として復活したが、捕獲数はわずか20頭前後にとどまっている。自治体の実施意向数は増え対策への熱意は高まっているものの、現実は厳しい。なぜ捕獲数が上がらないのか――。ヒグマの生態に詳しい北海道酪農学園大学の佐藤喜和教授は、雪解けが早まったことを要因の一つに挙げる。「これまではゴールデンウィークまで山を歩けば雪があったのに、もう今は4月の上旬ぐらいだと雪が消えていきますね。そうすると、これまで追えていた足跡は追えなくなっている。捕獲が可能な時期が短くなっている」(佐藤教授)。雪上でクマの痕跡を追うという従来の捕獲手法が困難になったことが、大きく影響しているとみられるのだ。さらに春グマ駆除自体が、熟練ハンターでも命の危険にさらされる過酷な任務という面がある。実際、2026年4月には北海道島牧村でハンターが襲われる人身事故も発生するなど、制度の限界も感じさせる状況だ。4月26日、「春グマ駆除」に参加していた69歳のハンターが、手負いのヒグマに馬乗りになられ、顔や頭に重傷を負った。「5発6発、当たっているのに死なずに向かってきた。あんなにしぶといクマは初めて見た」(当時 現場にいたハンター)。銃を持っていても時に手練れのハンターでさえ、ヒグマに襲われる――。現場にいた仲間の証言が、この任務がいかに命懸けであるかを物語っていた。北海道ではヒグマによる被害が後を絶たない。北海道庁によると、2016年度から2025年度まで毎年、人身事故が起きていて負傷者数は計40人を超える。この推移は、ヒグマの被害が『特異な出来事』から『日常のリスク』へと変貌したことを示している。高崎さんが活動拠点とする三笠市でも同様だ。2025年9月16日午前、市内の公営住宅でリビングの窓ガラスが割られ、体長約1.2メートルのヒグマが侵入した。ヒグマは室内で洗濯中だった女性の目の前を通り、開いていた玄関から悠然と立ち去った。幸い女性にケガはなかったが、地域住民に与えた衝撃は計り知れない。「車を玄関の前に置いてすぐに乗り降りできるようにしている」「逃げるときは、包丁とか消火器を持って走るつもり」(いずれも近くに住む人)。当時、現場に出動した高崎さんはエサになるようなものがないのに、窓ガラスを割ってまで侵入したヒグマに驚きを隠せなかった。侵入した理由は特定できなかったが、後日、高崎さんによって駆除された。ヒグマは山にいる存在ではなく、すぐ隣まで来ている。高崎さんが守る地域の安全は、緊迫した状況に置かれていた。高崎さんは、ただ駆除を繰り返すだけでは、未来はないと確信している。2025年3月、彼はクマの捕獲技術講習などを行う会社「GOE-MON(ゴエモン)」を設立した。同年11月の初回講座には39人のハンターが参加。高崎さんは春グマ駆除に新人ハンターを同行させ、適切な道具の大切さや、地形によって変わる歩き方を指導するなど後進の育成にも余念がない。春グマ駆除が終わりに近づいた5月中旬、高崎さんは、ようやく1頭を捕獲した。しかし安堵はない。根本的な解決に向けて、「人とクマが暮らす境界線を、もっと明確に引くべき」と改めて強く感じていた。目指すのはヒグマと人間が、それぞれの領域で安全に暮らすための住み分けだ。住み分けを進める上で、高崎さんが問題視するのが、一部のハンターが狩猟で撃ったエゾシカの死骸を放置するケースだ。クマを人里へと誘い込む悪循環を生みだすからだ。高崎さんは捕獲したシカをジビエとして活用する食肉加工処理施設に搬入し、命を無駄にしない持続可能な活動にも力を注ぐ。効果は徐々に表れている。高崎さんが入る山では仕留めたシカの搬出を徹底することで、ヒグマとの遭遇が減ってきていると実感する。「銃声がした後にハンターがシカ討ちしたって学習して寄ってくるクマは、このあたりにはいない。それはシカを撃ってそのままにしている地域特有のこと」(高崎さん)。高崎さんが目指すのは、ただ駆除することだけではない。ヒグマを人里へと誘い込む原因を物理的に断つことだ。野生動物の駆除と活用を両立させ、人とヒグマの距離を管理し続ける社会を目指す。愛するから、撃つ――。命の境界線を引くために奮闘する若きハンターの姿は、人と野生動物の共生のあり方を問い続けている。

(低山登山で最大のリスクはクマ!「まさか」と思っている人ほど危ない)
昨今は人里に出没するクマによる被害が深刻化しています。ましてや登山はクマの生息域にこちらから入り込むのですから、クマに遭遇するリスクは当然高まります。新刊『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』を上梓した羽根田 治氏が、直近のクマ被害事例を整理し、登山者が知っておくべきクマ遭遇のリスクについて解説します。今年の5月17日、奥多摩・三ノ木戸山の小中沢林道を下山していたロシア国籍の30代男性がクマに襲われ、顔や腕に重傷を負うという事故が起きた。さらに7月7日には、56歳男性が奥多摩・三頭山の鞘口峠付近で親子連れと見られるクマに遭遇。追い払おうとして足を蹴り上げた際にバランスを崩し、10mほど滑落して顔と膝を負傷した。立て続けに発生したこれらの事故を受け、奥多摩では複数の登山道が閉鎖される措置がしばらくとられていた(8月1日までに解除)。東京近郊のハイキング・登山エリアとして人気の高い奥多摩は、一年を通して多くのハイカーや登山者で賑わっているが、そもそもはクマの生息地である。今から約12年前の2014年9月、よく晴れた日曜日の川苔山では、34歳男性が人通りの途切れた山頂直下の登山道上でばったりとクマに出くわし、襲われて重傷を負うという事故も起きている。この事故は一部のメディアで報道されていたが、それほど大きな騒ぎにはならなかった記憶がある。また、その後、奥多摩でクマによる人身事故が起きたというニュースも聞こえてこなかった。奥多摩の登山口となる青梅線の各駅やコース上には、「クマ出没注意」の看板や直近の目撃情報などが掲示されているが、登山者がクマのリスクについてしっかり認識していたのかどうかは疑問が残る。今春の人身事故を受けて、ネット上などでにわかに「奥多摩はクマが怖い」と騒ぎ立てられたところをみると、これまではクマを自分も遭遇するかもしれない切実なリスクとして考えていた人は少なかったように思う。国内では本州と四国に生息しているツキノワグマは、森林地帯を主な生息環境とし、山麓部から標高3000mの高山帯までを活動域としている。とくに好んで利用するのが、エサとなるドングリ類が実る標高800~1500mの落葉広葉樹林帯、つまりは低山地帯である。しかも、この数十年の間にクマの分布域は大幅に拡大し、個体数もかなり増えているといわれている。早い話、奥多摩にかぎらず、全国各地のどの低山においてもクマに遭遇するリスクはあるわけで、今はそのリスクが高まっている可能性も充分考えられる(ただし九州のツキノワグマはすでに絶滅。本州では千葉県だけクマの生息が確認されておらず、四国でも剣山の周辺に30頭前後が生息するのみ。また北海道には全域にヒグマが生息する)。実際、直近でも5月27日に福島県金山町の高森山(標高1100m)で、登山道を整備していた70代男性がクマに襲われ、右腕と右太ももを噛まれて病院に運ばれる事故が起きた。群馬県桐生市の鳴神山(標高980m)でも6月29日、50代の男性が単独で登山中、山頂付近でクマに襲われて顔や左手にケガを負い、ヘリコプターで病院に搬送された。そのほか、京都の大文字山、秩父の三峯神社の奥宮参道(登山道)をはじめ、各地の山中や山麓部などでクマの目撃情報が相次いでいる。クマによる出没情報や人身被害については環境省が取りまとめて数字を発表しているが、出没件数はここ10年ほど高水準で推移し、昨年は5万801件(前年比3万288件増)と最多を更新した。人身被害は年によってかなりばらつきがあるが、昨年の被害件数216件、被害者数238人、死者数13人と、やはりいずれも過去最多となった。ただ、近年常態化しているのは人里への出没であり、昨年はそれが市街地や住宅街にまで広がったことで大きな話題となった。分布域が拡大し、個体数も増加しているのだから、山でも目撃情報や人身被害は増えているだろうが、下界ほど急増しているわけではなさそうだ。繰り返すが、山はクマの生息地であり、山にクマがいるのは当たり前の話である。そこに登山者が入り込んでいけば、お互い気をつけていたって、遭遇することもあるだろう。だから事故のリスクがゼロになることはないと、クマ研究の第一人者で、ミュージアムパーク茨城県自然博物館館長の山﨑晃司氏は話す。「山でのクマによる人身被害については、野山に生息するほかの危険生物による被害、たとえばスズメバチに刺されたり、マムシに咬まれたりするのと同様と考え、対処を誤れば被害が及ぶものだと認識するのがいい」(山﨑氏)。我々は、「登山中にクマに襲われた」というと、「滅多に起こらない、とんでもないことが起きてしまった」と思いがちだが、山﨑氏が指摘するように、クマも山にあまた存在するリスクのひとつであり、それがいつ自分の身に降りかかってきても不思議ではない。クマによる被害を回避するうえで、それを認識することは非常に重要だと思う。先日、山岳関係の書籍を出版している編集者と話をしたときに、コロナ禍以降は低山の特集を組んだ雑誌の売り上げが伸びたという話を聞いた。しかし、各地でクマが人里や市街地にまで出没し、低山でもクマのリスクが高いことが知られるようになった今、売り上げはぱったり止まってしまったそうだ。山の天気サイト「てんきとくらす」が昨年の秋に実施した「クマと登山に関するアンケート」によると、登山者の77%がクマの出没増により「不安で慎重になったり、登山をためらうようになった」と回答した。具体的な影響としては、「行く予定だった山を変更した」(61.6%)、「安全対策を強化した」(39.9%)、「計画を中止・延期した」(29.1%)といった結果が出た。山でクマの被害に遭いたくないならば、クマのいない房総の山か九州以南の山だけに行くか、登山そのものをやめるしかない。しかし、山でクマに遭遇しないための予防策と、遭遇してしまったときの対処法をしっかり学ぶことによって、リスクを低く抑えることはできる。そのノウハウについては、拙著『低山遭難』で触れた。ただ、昨今はクマ鈴の音を聞いても、人間の姿を認めても逃げていかずに、登山道周辺に悠然と居座るクマが各地の山に出没している。昨夏、知床の羅臼山で起きた人身被害事故の加害グマは、かねて「人を避けないヒグマ」と認識されていたというが、このようなクマは知床半島全域で多数確認されているそうだ。さる7月4日には、大雪山系のトムラウシ山で、登山者4人が登山道上にいたヒグマと遭遇して下山できなくなり、警察ヘリコプターに救助されるという一幕もあった。人馴れして人間を恐れないクマに、登山者はどう対処していけばいいのか。それが今後のクマ対策の大きな課題となろう。

(海と山の二刀流!猟師が感じた「海の異変」:北海道)
海と山の二刀流で生きる“りょうし”がいます。海の“漁師”と山で獲物を狙う“猟師”。海の異変に向き合いながらも、「笑顔」で2つの仕事をする姿には、これからの時代を生き抜くためのヒントがありました。明け方から昼間にかけては海の漢。しかし、陽が傾くとその姿は一変。獲物狙って駆け回る山の漢にー「漁師」と「猟師」。“令和の自然”を相手に生きる「海と山のハンター×ハンター」の物語です。太平洋を抱く北海道白糠町。暖流と寒流が交わる絶好の漁場。マチは海と共に栄えてきました。安全と豊漁を祈る例大祭では神輿が海にーこのマチで生まれ育った前田貴宏さん47歳。この時期はサケのトキシラズの定置網漁です。前田さんのトレードマークはこの「笑顔」と「笑い声」。チームで仕事をする「海の漁師」は、コミュニケーションがかけがえのない時間なのです。実は、仕事の半分以上は「網の修復」です。2025年の秋に見舞われた記録的な大雨で川が氾濫。大量の木が海へと流れ込み、網に無数の穴が。修復作業はいまなお続き、費用も数百万円以上に及びます。前田さんが漁から戻ってきました。本命のトキシラズではなく、ブリも目立ちます。どこか浮かない表情の海の漢。わずか数年前は、1回の漁で300匹に迫る勢いで水揚げされていたトキシラズ。この日は他の船と合わせても、たったのこの数です。肌で感じる「海の異変」。漁師だけでは食べていけない現実がすぐそこに。夕方、静まり返る山の中に前田さんの姿がーここが時代を生き抜くために選んだもう一つの「現場」です。チームワークの海の仕事から一転、すべてが孤独な山の仕事。白糠町ではエゾシカの有害駆除の報奨金は1頭につきおよそ1万円。深刻な食害・農業被害は2億4000万円にも迫ります。農家とは自然を相手に生業を立てる者同士。共感することも多いといいます。前田さんの思いは「さらにその先」にー駆除したシカは地元の加工業者に届けます。そのまま白糠町内の寿司店へー骨付きのロースは表面を軽く焼いたあと、オーブンで1時間以上、じっくりと火を通していきます。地元の恵みを広く発信したい。それも前田さんが目指すところです。自然相手の厳しい現実に対峙しながら、漁師と猟師の二刀流でたくましく生き抜いて見せる。前田さんの長い一日の終わりです。変わりゆく海の厳しい現実。しかし、前田さんは笑顔で海に山に向かいます。(前田貴宏さん)「(漁師は)昔みたいな働き方ではなくなってきたのかなって気がします。シカのことを勉強して、自分でも小さい工場を持ってやりたいなというのもあるし、浜ともまだこうやって関わっていたいなというのもあるので、とどまらないで登っていきたいなという思いはあります」。海を愛し、山を守る。2つのフィールドで挑み続ける「海と山のハンターハンター」の生き方は「新しい漁師像」の羅針盤と言えそうです。

(クマから守る「防刃ニット」防護服:山形)
全国でクマによる人身被害が相次ぐ中、山形県山辺町のニット製造会社「 鈴治すずはる 」が、軽くて破れにくいニットの防護服を製作した。警備服で培った防刃技術を生かした製品で、自治体や猟友会に活用を促している。同社は、県内でクマ被害が続いた昨年、約20年の実績がある防刃生地を対策に生かせないかと開発に着手。ジャケットとベスト、顔や首を守る覆面型の帽子とネックガードを今年6月に完成させて町に寄贈したところ、ズボンも求められて7月に追加で製作した。合成樹脂などが原料の伸縮性のない繊維を高密度で編み、ジャケットは約900グラムと比較的軽く、速乾性にも優れている。同県工業技術センターによる耐久性の実験では、一般的な衣料品の5倍程度の約10万回の摩擦試験に耐えた。同社の鈴木一夫会長(84)は「ハサミでも簡単に切れないほどの強度がある。現場で働く人たちに使ってほしい」と話した。県内外の自治体からも問い合わせがある。防護服のサンプルを取り寄せた新潟県鳥獣被害対策支援センターの担当者は「着用時の動きやすさや作業性を見て、猟友会などに情報提供していきたい」と話した。

(自動飛行ドローンでイノシシを追い払い:山形)
県内でイノシシによる農作物被害が深刻となっている中、山辺町ではドローンを使ってイノシシを追い払う取り組みが行われています。【山辺町産業課農村整備係 本間桃佳主事】「去年は大蕨の棚田の上の方でイノシシによる被害があったと聞いている」。近年、農家を悩ませているイノシシによる農作物被害。県によりますと2025年度の鳥獣による農作物被害額およそ5億9200万円のうち、イノシシは2億1300万円余りと最も多くなっています。こちら日本の棚田百選に選ばれている山辺町の大蕨地区では、稲の穂が出始めるこの時期に被害が目立っています。そのため、町は7月からドローンを活用した業務を請け負う「ドローンプラス」と連携し、「自動飛行できるドローン」によるイノシシの追い払いを始めました。【ドローンプラス無人航空事業部 平澤直人さん】「赤外線カメラがイノシシを感知するとその場でスピーカーとスポットライトを当てて追い払いを行う」。こちらは7月30日の夜に撮影された映像です。悪天候の暗闇の中でも赤外線カメラはイノシシ2頭の姿を捉えていました。【ドローンプラス無人航空事業部 平澤直人さん】「住民から昨年度と比べてイノシシが来ている形跡が格段減っていると報告がある。ドローンによる効果が発揮できていると実感している。事業は8月末まで行われ町は被害軽減への効果などを検証していく考えです。【山辺町産業課農村整備係 本間桃佳主事】「鳥獣被害は地域の農家にとって大きな課題になっているので今回の取り組みを通して少しでも被害軽減できればと思う」。

(野生動物の自動判定が進化、生成AIが画像から種を推定:北海道)
株式会社ハイクが開発するAI画像解析クラウド「HykeWorks(ハイクワークス)」に、生成AIを活用する新機能「生成AIモードβ」が8月5日よりProライセンス向けに提供開始される。これまで画像認識AIによりクマ・シカ・イノシシなど国内の主要な野生動物を自動判定してきたハイクワークスだが、今回の新機能により、さらに細かな種の判定が可能になる。生成AIモードβは、画像に写った動物の外見的特徴を生成AIが総合的に読み取り、種名候補に加えて、判定理由や信頼度などの情報を提示する。従来AIでは分類が難しかったニホンカモシカやタヌキ、アライグマ、キツネなどの動物や、スズメやキジ、カラスなどの鳥類、タカやフクロウなどの猛禽類についても推定できるようになった。遠隔監視カメラと連携する国内の野生動物監視クラウドサービスとして初めて、生成AIによる種名候補・判定理由・類似候補の提示機能を実装している。

(キャンプ場付近で相次いだクマの目撃、2度の緊急銃猟発令も捕獲に至らず:山形)
12日午前、山形県遊佐町のキャンプ場付近でクマ1頭が目撃され、2度緊急銃猟が発令されましたが、捕獲には至りませんでした。キャンプ場は14日まで営業を中止することにしています。12日午前8時半ごろ、遊佐町吹浦の「西浜キャンプ場」近くの月光川で、成獣とみられるクマ1頭が目撃されました。その後もキャンプ場の利用者からクマの目撃情報が複数寄せられました。

(八甲田山の登山道、クマ被害で1カ月閉鎖に:青森)
青森県の八甲田山で今夏、ツキノワグマによる被害が相次ぎ、1カ月にわたって登山道が閉鎖された。8月1日に閉鎖は解除されたが、山の関係者からは「閉鎖すれば、むしろクマの行動域が広がる」との指摘も出ている。クマがすむ山で「共生」はできるのか。青森県は7月1日、八甲田山の登山道閉鎖を発表した。宮下宗一郎知事はこの日の記者会見で、「人を繰り返し襲う可能性のあるクマがいるのは非常に危険」と主張し、「自粛では不十分」と説明した。発端はクマによる人身被害が相次いだことだ。6月下旬に山菜採りで山に入った女性がクマに襲われてけがをし、その後、クマに襲われた男性の遺体も見つかった。被害を受けて県は「特別警報」を発表し、青森市や県、省庁などによる会議で「入山自粛の呼びかけの強化」が決まったばかりだった。八甲田山の登山口は、青森駅から車で1時間ほど。青森市や陸奥湾を一望する田茂萢岳(たもやちだけ)から赤倉岳、井戸岳、大岳(標高1584メートル)を縦走して酸ケ湯温泉へ下るのが、北八甲田で人気の登山ルートだ。男性を襲ったクマと「同一個体の可能性が高い」クマが捕獲され、登山道の閉鎖は解除されたが、初夏の登山シーズンの閉鎖でガイドや宿は打撃を受けた。八甲田山荘を経営するガイドの相馬浩義さんは「7月の宿泊は例年の8割減。解除後もすぐには戻らないだろう」と話す。八甲田ロープウェーの菊池智明・事業部長は「7月の利用は4割落ちた。国道も不通でロープウェーも運休と誤解した人が地元でもいた」。酸ケ湯温泉は閉鎖の解除後にキャンプ場を再開したが、ガイド課の津川祐二さんは「八甲田は怖いというイメージが広がると困る」と心配する。

(列車とクマ2頭ぶつかる:岩手)
JR東日本は16日、岩手県八幡平市の花輪線小屋の畑―赤坂田間で、上り最終の普通列車が15日午後9時25分ごろにクマ2頭とぶつかったと発表した。乗客乗員にけがはなかった。運転士が親子とみられる3頭の姿を線路付近で確認し、うち2頭とぶつかった。線路上の死骸を撤去するため、16日は始発から一部区間で運転を見合わせた。花輪線と東北線の計8本が運休・区間運休になり、計約310人に影響した。JR東によると、死んでいたのは1頭で、もう1頭は去ったとみられる。

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