<射撃ニュース9月>
9/15
(住宅街で60代男性がクマに襲われ、頭などにけが:宮城)
12日夜、宮城県富谷市の住宅街で60代の男性がクマに襲われ、頭などにけがをしました。目撃者の話などからクマはそのまま逃げていったとみられるということで、警察は住民に注意を呼びかけています。警察と消防によりますと12日午後9時前、富谷市富谷新町の住宅街で、買い物に向かうため歩いていた60代の男性がクマに襲われたということです。男性は頭や上半身などにけがをして病院に搬送され、命に別状はないということです。現場近くにいた目撃者の話などからクマは体長1メートル50センチほどで、男性を背後から襲ったあと、西の国道4号線の方向に逃げていったとみられるということです。警察は詳しい状況を調べるとともに、12日夜から付近をパトロールし、住民に注意を呼びかけています。現場は富谷市の中心部で、市役所から西に500メートルほどの川沿いにある住宅街です。

(介護施設にクマ、ガラス割って侵入:福島)
南会津署によると、13日午前6時35分ごろ、福島県南会津町田部字大木沢の高齢者介護施設で、施設のガラスを割って侵入してきたクマ1頭を、職員が目撃した。その後クマは施設外に逃げ、入所者や職員にけがはなかった。同署によると、クマは体長約1メートル。その後の行方は分かっていないという。

(クマ対策で今年度初の省庁連絡会議)
北海道や東北地方でクマによる人的被害が相次ぐなか、環境省や警察庁など対策を担う関係省庁の担当者が集まり、取り組みを共有する会議が今年度初めて開催されました。11日の会議には環境省や警察庁、農林水産省、林野庁、国土交通省の担当者が集まりました。環境省からは今年7月以降、人の生活圏でのクマによる人的被害の割合が去年、おととしと比べて高くなっていることなどが報告されました。また、警察庁は9月から一定の条件を満たせば、自治体の判断で市街地でも銃を使える「緊急銃猟」制度の運用が始まったことを全国の警察官に周知したことを説明しました。クマ被害の対策で関係省庁の担当者による会議が開かれたのは今年度初めてです。

(建物等に被害が生じてもハンターの行政処分は不適当、警察庁が通達:)
市街地に出没したクマなどへの発砲を市町村長の判断で許可する緊急銃猟について、警察庁は建物などに被害が生じた場合もハンターに銃所持に関する行政処分を行うことは適当でないと通達したことが分かりました。今月から導入された「緊急銃猟」は、住民の安全が確保できる場合に限り、市町村長の判断により市街地でもハンターが猟銃を使ったクマなどの駆除が行える制度です。この制度に関して、警察庁は各都道府県警に対し発砲したハンターらに建物への損失などが生じた場合でも原則として、銃所持に関する行政処分を行うことは適当でないと通達しました。緊急銃猟の実施者は市町村長であることを踏まえたものだということです。緊急銃猟制度を巡っては、北海道猟友会が「駆除要請に応じる場合は慎重に判断するよう」呼び掛ける通知を全支部に向け出しています。

(ゴルフ場にクマ出没するも、クマ駆除の許可を得ていないハンターが発砲:北海道)
札幌市南区のゴルフ場でクマが出没し、必要な許可を得ていないハンターが猟銃で駆除していたことがわかりました。クマが駆除されたのは、札幌市南区のゴルフ場「滝のカントリークラブ」です。このゴルフ場では、先月からクマの目撃が相次いでいて、4日にもクマが出没。ゴルフ場側は、コース内にいた220人ほどを避難させたうえで、クマが出た原因を調べるため、契約していた男性ハンターにクマの痕跡を探すなどのパトロールを依頼しました。ハンターが1人で巡回していたところ、1、2mほどのオスのクマが突然現れたため、猟銃を5発撃ったということです。飛田寛大 支配人「探索していた際にご自身の4、5m前にクマが頭を出したと。その際に自分の方に足を踏み出してきたので、致し方なく発砲したと聞いている」。このハンターは、鳥獣保護管理法に基づくシカを駆除する許可はあったものの、クマを駆除する許可は得ていませんでした。狩猟免許を持つ中村憲昭弁護士は、今回のハンターの行動は、銃刀法にも違反する可能性があるといいます。中村憲昭 弁護士「(シカとクマの猟は)全然違う。大きく違うのは、シカの場合逃げるだけ。クマの場合は攻撃してくる」「銃の所持の許可を持っているからと言って、目的なくその銃を持ち歩いてはいけない」。中村弁護士はこのように話し、「シカの有害駆除の許可しかないとすれば、ヒグマの見回りで猟銃を持つこと自体が目的外所持と認定される可能性がある」と指摘しています。また、危険を避けるために、やむを得ずに発砲する「緊急避難」に該当するかについては、「立証のハードルがかなり高い」とみています。警察が当時の状況を詳しく調べています。

(ミロク純利益3.6億円、猟銃工程の不具合解消:高知)
ミロク(南国市)は12日、2024年11月~25年7月期連結決算を発表した。前年同期に発生した猟銃製造工程の不具合が正常化したことに加えて減価償却費が大幅に減少し、純利益は前年同期(948万円)の38倍となる3.6億円となった。

(猟友会「課題あるが協力」、緊急銃猟巡り意見交換:北海道)
人の生活圏に出没したクマを自治体の判断でハンターが発砲して駆除する「緊急銃猟」を巡り、北海道議会の自民党・道民会議は9日、道猟友会との意見交換会を開いた。ハンターの間では発砲に伴う責任を問われることへの懸念が高まっている。道猟友会は自治体と協力する意向を示すと同時に、ハンターの補償など制度に課題があるとの意見を伝えた。冒頭のみ公開で行われ、道議と猟友会メンバー、道や環境省の職員らが意見を交わした。出席した和田敬太道議によると、環境省が改正鳥獣保護管理法施行で始まった緊急銃猟の制度を説明した。

(『課長の判断』で発砲可能に:青森)
市町村の判断でクマなどに発砲できる「緊急銃猟制度」です。平川市が県内で初めてマニュアルを作成し、発砲について農林課長が現場で判断する方針を示しています。今月1日、鳥獣保護法が改正され、人の生活圏にクマなどが出没した場合市町村の判断でハンターなどが発砲ができる緊急銃猟制度が始まりました。7月に警察の許可のもと猟友会がクマを発砲して駆除している平川市は、制度の適用に必要となるマニュアルを作成しました。マニュアルでは緊急を要し、銃弾が到達する範囲の安全が確保されているなどの条件が満たされていれば、警察と猟友会と相談しながら農林課長の判断で発砲が可能としています。★平川市農林課 中畑高稔 課長「条件が整っていることを確認し、市のほうで許可することになります」「この緊急銃猟制度により、これまで以上にスムーズな対応ができるのではないかと考えています」。県によりますとマニュアルを作成したのは、平川市が県内で初めてとみられます。マニュアルの作成については各市町村がそれぞれ対応を進め、黒石市では11月をめどに完成させます。一方、弘前市の櫻田市長は「市町村の境界でクマが出没した場合各市町村だけで対応するのは無理がある」として、県全体の方針を示してほしいと述べていました。

(野生のクマ“待ち伏せ行為”、人慣れ進み人身事故の危険性高まる:北海道)
野生のクマを一目見ようという観光客などによる“待ち伏せ行為”が繰り返し確認されている問題で、知床国立公園のイワウベツ川沿いに、9月12日に環境省が監視カメラを設置しました。監視カメラが設置されたのは、知床国立公園のイワウベツ川沿いの道路です。カメラの設置作業中、大声を上げる職員の視線の先にいたのは一頭のクマです。知床国立公園ではイワウベツ川沿いを中心に、観光客などが車から降り、野生のクマを待ち伏せする問題行為が繰り返し確認されています。環境省によりますと、この行為によりヒグマの人慣れが進み、人身事故の危険が高まる可能性があるということです。知床の羅臼岳では8月、東京の26歳の男性が下山中にクマに襲われ死亡する事故が発生しました。(ウトロ自然保護官事務所 二神紀彦さん)「今回事故を起こしたクマも、これまでの調査でイワウベツで頻繁に出ていたクマであることが分かっている。クマをつくり出した原因の一つにイワウベツのヒグマの撮影の問題があると思う」。設置されたカメラの映像は、違反行為の有無の確認や関係機関との情報共有に利用されるということです。

(道路脇に死んでいる野生のイノシシ、豚熱に感染:福岡)
福岡県糸島市で死んでいる野生のイノシシから県内で5例目となる豚熱の感染が確認されました。県は今後、国などと協議し野生イノシシに対する経口ワクチンの散布を行う予定です。福岡県によりますと、10日、福岡県糸島市二丈鹿家の道路脇で、死んでいる野生のイノシシが見つかり豚熱の感染が確認されました。これまで豚熱の感染は、久留米市で3件うきは市でも1件確認されていて今回が5例目となります。県は、9月16日からうきは市でイノシシの死骸が見つかった地点から半径15キロメートル圏内の5市村・110の地点で、経口ワクチンを散布することにしています。県は今後、国などと協議し糸島市でも野生イノシシに対する経口ワクチンの散布を行う予定です。

(豚熱ワクチン、散布始まる:大分)
福岡県で、死亡したイノシシから豚熱の感染が確認されたこと受けて、隣接する日田市で11日から野生のイノシシへのワクチンの散布が始まりました。豚熱はブタやイノシシが感染する伝染病で、高い致死率が特徴で仮に養豚場のブタが感染すれば殺処分が行われます。福岡県うきは市では、9月2日死亡した野生のイノシシから豚熱の感染が確認され、日田市の一部が発見場所から半径10キロ以内の感染確認区域に含まれました。その後、大分県が豚熱の経口ワクチンの散布推奨地域に指定されたため、11日から日田市でワクチンの散布が始まりました。豚熱の経口ワクチンはエサに混ぜてイノシシに食べさせます。県は11日から2日間、猟友会と協力して日田市の山の中でイノシシの通り道37か所にワクチンを混ぜたエサを740個散布するということです。◆県西部振興局 農山村振興部 石田陽一部長「これ以上、豚熱のウイルスが広がらないように、日田市内の養豚の農家さんに必ず(ウイルスが)入らないようにしたい」。大分県は11日から約1か月後に2回目の散布を行う予定です。県によりますと、豚熱は人が感染することはなく、感染したブタが市場に出回ることはないということです。

(豚熱の経口ワクチン散布、野生イノシシ対策:宮崎)
CSF=豚熱のウイルスに感染した野生のイノシシが都城市と高原町で相次いで確認され、感染拡大が懸念される中、宮崎県は9日、経口ワクチンの散布を範囲を広げて実施しました。県によりますと、経口ワクチンは餌に混ぜて固形化したもので、野生のイノシシに食べさせるために、今回は都城市の45か所と高原町の6か所に合わせて1160個が散布されました。県内ではことし4月に都城市で野生のイノシシが豚熱ウイルスに感染したことが分かり、発見場所からおおむね半径10キロのエリアで経口ワクチンが散布されました。その後も、都城市と高原町で感染が相次ぎ、先月30日には経口ワクチンの散布を行っていたエリアの外側で、新たに2頭が発見されました。これまでに県内での感染例は14例に上り、感染拡大が懸念されています。今回のワクチン散布は、前回の散布場所から範囲を広げて山道や獣道などで実施され、およそ1か月後にも再度、散布を行うということです。散布した場所には「経口ワクチン散布中」という掲示が行われて、県はウイルスの拡散防止のため、近づかないよう呼びかけています。農林水産省によりますと、豚熱は豚やイノシシの感染症で、人に感染することはなく、仮に感染した肉を食べても人体に影響はないということです。豚では致死率が高く、養豚業への影響が懸念されています。

(豚熱ワクチン緊急散布、県境付近の野生イノシシ感染:鹿児島)
家畜伝染病の「豚熱」に感染した野生イノシシが宮崎県都城市の県境近くで見つかったことを受け、鹿児島県は12日、イノシシのエサにまぜた経口ワクチンの緊急散布を始めた。イノシシを介して養豚場の豚などに感染が広がる危険性を低減させる。県家畜防疫対策課によると、散布したのは感染したイノシシの死骸が見つかった地点から近い霧島市と曽於市の約30カ所。県職員や猟友会会員が、過去にイノシシが捕獲された場所やけもの道のそばなどに、引き寄せるためのエサとともにまいた。約1カ月後に2回目を散布する。養豚場の豚にはワクチンが接種されているが、野生のイノシシに注射するのは難しいことから、ワクチンを食べさせて免疫を付けさせることで、イノシシが感染した場合のウイルス放出を抑え、地域で感染が広がる危険性を下げる。県によると、感染したイノシシは、県境まで約3キロ、県内の養豚場からは約6キロの場所で見つかった。半径10キロ圏の県内には、養豚場が8施設ある。

(野生イノシシ35頭豚熱感染:三重)
三重県は10日、先月下旬から今月上旬にかけて県内で捕獲した野生イノシシ399頭のうち35頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは1227頭となった。県によると、豚熱への感染が判明した35頭の内訳は、志摩市で21頭、御浜町で4頭、紀宝町で2頭のほか、津、鈴鹿、亀山、伊賀、南伊勢、紀北、熊野、大紀の各市町で1頭ずつ。山林や田畑で捕獲されたという。

(シカ対策立体柵普及へ:岩手)
シカの食害対策に有効とされるワイヤメッシュ(溶接金網)を使った立体柵を県内各地に設置してもらおうと、県は市町村の担当者や企業関係者らを招いた説明会を開いている。今年度は遠野市と宮古市に立体柵を設置して技術実証を行う。シカによる農作物への被害は深刻化している。こうした中、県盛岡農業改良普及センターは高さ、奥行きともに1メートルの立体柵を設置。2024年に牧草の収穫量が倍増する効果を確認した。今年3月には大槌町の農地に立体柵を設置し、有効性を再確認している。県によると、柵に奥行きを加えることでシカが「飛び越えるのは難しい」と認識しているという。8月下旬には、盛岡市藪川の牧草地で説明会が行われ、盛岡市や遠野市、二戸市などの担当者や農業機器の開発・販売会社などの担当者約25人が参加した。参加者は立体柵の設置の仕方を見学するなどした後、耐用年数やメンテナンスの有無などについて熱心に質問していた。参加した盛岡市の担当者は「電気柵と違ってメンテナンスが基本的にいらないと知った。負担も少なく導入できれば恩恵があるのではないか」と話した。県農業振興課の村田就治特命課長(鳥獣被害対策)は「県オリジナルの対策を世に広めていきたい。それぞれの地域に適した侵入防止策を講じて、農業被害を減らしていきたい」と語った。

(ニホンザルが凶暴化、全頭捕獲を調整:神奈川)
神奈川県湯河原町でニホンザルによる生活被害が深刻化している。町に生息する「T1群」と呼ばれる群れが年々町中での出没頻度を増し、凶暴化も進んでいる。町内では2024年の1年間で1万854件の生活被害が確認されており、町は群れの全頭捕獲(駆除)を目標に県などと調整していく。町は町民らから生活被害の報告が相次いでいたことを受け、今年2月12日から4月25日までの間、住民430人と店舗・事務所18軒に対して、過去3年間(22~24年)のT1群による生活被害状況調査を行った。その結果、3年間で生活被害は2万6839件に上り、人的被害については計2194件発生していることが明らかとなった。調査によると、「体に乗りかかられた」が37件、「引っかかれた」が5件に上り、中には通院が必要になった事案も確認されている。町環境課は「人への危害が常態化しており、早急な対応が求められる」と危機感をにじませる。被害は宮下地区や宮上地区など山間部に近く、宿泊施設も多いエリアで集中。これらのエリアで昨年1年間で計約7千件の被害が確認された。宮上地区に住む60代女性は、「家の周りをサルに囲まれて外出できなかったこともある。早くどこかに行ってほしい」と訴える。宮下地区の70代男性も「昔は近づけば逃げたのに、今は全く逃げなくなった。サルが人間に慣れきっている」と肩を落とす。宿泊客がけがをして病院に行ったという報告もあり、被害が続けば町の基幹産業である観光業にも影響を及ぼしかねない。

(クマ対策、オニグルミやミズキの木を伐採:富山)
今年、富山県内でクマの大量出没が懸念される中、人身被害を未然に防ごうと、富山市の保育所の周辺にある秋に実をつける樹木の伐採が行われました。これからの時期は、冬に向けてクマがエサを求めて活発に動き回ることから県は早めの対応を求めています。樹木の伐採が行われたのは富山市楡原の「ほそいり保育所」の周辺の林です。林で実を付けていたのが「オニグルミ」と「ミズキ」です。ドングリ類が、実をつけるまでのつなぎの食料として、この時期、クマが特に好んで食べる木の実です。この保育所は神通川に沿って生い茂る樹木が園庭の中まで伸びていることから木の実がクマを引き寄せる恐れがあるとして、細入自治会連合会が樹木の伐採を行いました。*県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「事前のつなぎの食料として山の中でよく見るのはこの2つ、ベスト2ですね。オニグルミとミズキの実を(クマが)食べてドングリのシーズンに備えている。もう2週間くらいすると(オニグルミの実の)表面が黒くなって完熟するがもうこの段階から食べる場合もある」。伐採は市のクマ対策の補助金を活用して行われ、クマの生態に詳しい県自然博物園ねいの里の赤座久明さんと自治会の会員がオニグルミとミズキを4本伐採しました。2年前の10月、富山市大沢野ではクマの目撃情報が相次ぎ女性2人が襲われケガをしました。赤座さんによりますと当時、クマはオニグルミやミズキを食べながら林に潜み、2人を襲った可能性があると指摘しています。今年は「立山・室堂」や薬師岳の登山道などでクマの出没が相次いでいて、今年7月8月の出没件数は109件と2005年の統計開始以来最も多くなっています。その要因の一つとなっているのがクマのエサのなり具合。県内の森林では、クマの主食となるブナが凶作。ミズナラとコナラが不作となっています。この状況は、クマの出没が相次いだ2020年と同じで、その年の出没件数は599件、人身被害も5件起きました。ドングリが凶作・不作の年はエサを求めるクマが平野部で大量出没すると予想されていて、県は今月4日に「ツキノワグマ出没警報」を発令し、対策の徹底を呼びかけています。赤座さんはクマを引き寄せる柿の実を取り除くなど個人でできる対策は進めた上で、大きな木の伐採などは地域で取りまとめ、対策することが必要だとしています。*県自然博物園ねいの里 赤座久明さん「集落の中にクマが入ってしまったらやれることが限られている。事前に人里へ野生動物が出ない予防策に予算や人、時間をもっと費やすべき。経験がある人たちに集落で委託して事前に処理するのは大事なこと」。今回のように大きな樹木や、高齢者世帯の柿の木の伐採は地域で取りまとめて自治体や造園業者への委託が必要です。赤座さんは、各家庭でできる対策として住宅の庭などでこれから熟す柿の実の処理、また生ごみを放置しないなど、クマの目撃情報が出る前になるべく早く対策してほしいと呼びかけています。

(県の9月補正予算案概要、クマへの緊急対策に重点:山形)
吉村知事は臨時の記者会見を開き、県の9月補正予算案の概要を説明した。補正額は68億2300万円で、知事が「重点施策」に挙げたのが「クマ対策」だ。(吉村知事)「秋になっていて、クマのエサとなるブナの実が大凶作だと聞いている。出没増加が見込まれるため、そういった季節に向けて緊急対策として対応を進めていく」。クマの年間出没件数はすでに過去最多となる中、市街地への出没を防ぐため、緊急的に河川の藪を刈払うための費用に3400万円。市街地にクマなどが出没した際に緊急銃猟を行うのに必要な資材の購入や訓練の実施などに437万円。空港への侵入を防ぐための有刺鉄線の更新などに2648万円が計上された。また、今年6月からの山形新幹線の大規模運休で大きな影響があった観光業を支援するための宿泊キャンペーンに1億1000万円。さらに東京都銀座にある県のアンテナショップの機能強化に向けて2億7050万円も盛り込んだ。吉村知事は「リニューアルか移転を検討中で、県の魅力を総合的に発信する拠点にしたい」とした。9月補正予算案は今月19日に開会する県議会で審議される。

(秋にかけクマ出没増加のおそれ、警察官が対応学ぶ研修会:秋田)
これからの時期にクマの出没が増えるおそれがあることから、11日、クマの対応にあたる警察官などが、対処法を学ぶ研修会が開かれました。滝沢市の警察の施設で11日に開かれた研修会には、クマの出没時に対応する交番に勤務する警察官など、およそ30人が参加しました。この中では、まず、野生動物の被害対策の専門家が、ことしはブナの大凶作が予想されていて、これからの時期は冬眠前のクマがエサを求めて人里に出没する回数が増えるおそれがあると説明しました。そのうえで、クマの出没に備えて▼自治体などとの間で対応マニュアルを作ることや、▼対応方法を共有しておくことが大事だと伝えていました。この後、参加者は、クマを撃退するスプレーや追い払う花火などの道具を安全に使うための距離や持ち方を教わり、実際に試していました。警察によりますと、県内では、ことしに入って10日までにクマに襲われて1人が死亡し、14人がけがをしていて、けがをした人の数は、去年の同じ時期より7人多くなっています。参加した二戸警察署中山駐在所の伊藤将司 所長は「クマ撃退スプレーの有効な距離や効果など、実際に使って分かったことを同僚に伝えていきたい」と話していました。県警察本部地域課の池田義雄 次長は「クマの出没増加が予想されるので、関係機関と連携して被害の防止に努める」と話していました。

(クマ出没が増える時期前に対策会議:福井)
全国的にクマによる被害が相次ぐ中、県内でも出没が増える時期を前に11日、福井市で自治体や猟友会などが会議を開き、今月から始まった、クマを駆除する際の新たな制度の運用に向けてマニュアルづくりを進めることなどが確認されました。県庁で行われた会議には、自治体や警察、それに猟友会のメンバーなどおよそ60人が出席しました。はじめにことし4月から8月にかけての県内のクマの出没件数について説明があり、359件で去年の同じ時期より減っているものの、ここ5年でみると増加傾向でことしも襲われてけがをした人がいることなどが報告されました。また、クマが好む木の実のことしの生育状況も報告され、コナラが豊作な一方、ブナとミズナラが不作のため、冬にかけてエサを求めてクマが市街地に出没するおそれがあるということです。このほか今月から始まった、クマを駆除する時に市町村の判断で、特例的に市街地で猟銃が使用できる「緊急銃猟」の制度について、今後、県が支援して各自治体が運用に向けたマニュアルづくりを進めることが確認されました。県自然環境課の西垣正男参事は「人身被害を防ぐために市や町と協力してクマの捕獲に関する体制を整えていきたい」と話していました。近年、クマの市街地への出没や人への被害が相次ぐ中、被害を防ごうと、今月から新たに運用が始まったのが「緊急銃猟」という制度です。この制度は、▽クマなどが人の生活圏に侵入しているか、侵入のおそれが大きい場合で、▽緊急性があり、▽迅速に捕獲できる手段がほかになく、▽人に弾丸が到達するおそれがないという、4つの条件をすべて満たした場合に、市町村の判断で特例的に猟銃の使用が可能になるというもので、今月1日に施行された改正鳥獣保護管理法に盛り込まれています。これまでは人に危険が生じるといった緊急時のみ、「警察官職務執行法」に基づいた警察官の命令などで猟銃が使用されていましたが、人の生活圏でのクマの出没が増える中、より予防的かつ迅速な対応が求められるとして法律が改正され市町村の判断でも行われることになりました。県内では、4福井市で去年6月、クマが市街地に出没した事案がありました。福井駅からおよそ1.5キロの福井市花堂東の住宅地でクマが出没し、住宅の中に入り込んで居座りました。クマはおよそ5時間にわたって住宅の中にとどまり続け、麻酔銃での対応が困難だったことから、警察の指示で猟友会のメンバーによって猟銃で駆除されました。周辺の住民は当時の状況について「こんな市街地にもクマが出ると知って驚いた。我が家にも出たときを考えると、やっぱり怖いと感じます」と振り返りました。今後、「緊急銃猟」の制度のもとで、同様の事案が発生した際には猟銃を使う判断を自治体が行うケースが想定されますが、使用する前には周辺の住民の通行制限や避難指示を行って安全を確保することが求められます。市の担当者は、円滑な運用が出来るか不安を感じています。福井市有害鳥獣対策室の岡田剛房室長は「今までは警察がやっていた判断や指示を市ができるかに加え、銃器などに関する知識は職員にないので不安を感じる。しかし、すでに始まっている制度なのでやるしかない。今後は県から示されるマニュアルを参考にして福井市に合った対応をしていきたい」と話していました。一方、新たな制度で市町村に委託されて駆除を担うことになるハンターからは、制度の実効性について懸念の声が上がっています。県猟友会勝山支部の上弥吉支部長(75)は、ハンター歴50年以上のベテランで、長年、勝山市で捕獲されたクマの駆除などにも携わってきました。ただ、猟友会の中でも、市街地で正確に発砲できる技術を持った経験豊富な会員は数えるほどしかおらず、十分な対応が出来ないのではないかと懸念しています。上支部長は「銃を始めてから5年やそこらでは、市街地にクマが出たときに、出動してくれとは私自身が怖くて言えない。足が震えて体が動かないという人もいると思うので、そんな人に緊急銃猟をやれというのは無理だ」と話していました。また、万が一事故が起きた際は責任は市町村が負うとされていますが、それでも実際に撃つハンターには精神的に大きな負担がかかるとしています。上支部長は「クマが建物の中に入らず、歩いている場合は事故が起きる可能性が高く、あの陰から人が出てきたらどうしようなどと考えると撃てない。人間にケガをさせた場合はどう考えても撃った本人は責任を取る必要がある。やっぱり自分がかわいい」と話していました。「緊急銃猟」の制度について、市町村やハンターから不安や懸念の声が上がる中、クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授は「初めての試みで、市町村には十分なノウハウがないので、しばらくは試行錯誤が続くと思われる。経験不足を補うために緊急銃猟を行わざるをえない状況が起きた場合には、その時の対応について成功例も失敗例もきちんと記録し、都道府県レベルで共有してその後の対応の改善に役立てる必要がある」と話していました。そのうえで「高齢化や減少が進むハンターの中でもクマの捕獲技術を持つ狩猟者はわずかで、このまま放っておくと近い将来いなくなる可能性もある。国や都道府県が連携して銃猟が可能なハンターを育てていく必要がある」と制度の維持に向けた課題を指摘していました。

(緊急銃猟訓練、急ピッチ:新潟)
人の生活圏にクマが出没した場合、市町村の判断で発砲が可能となる緊急銃猟制度が始まった。秋は、冬眠に備えて餌を求めるクマの出没増加が懸念される時期。専門知識を持つ職員らの育成が課題で、自治体は環境省が7月に公表した指針に基づき、訓練など準備を急ピッチで進める。住民の安全を確保しながら、クマの動きを追い発砲するという難しい判断を迫られ、「実施のハードルは高い」と不安の声が上がる。

(市街地での猟銃使用のクマ駆除、発砲などの手順確認:北海道)
市街地でのクマの駆除をめぐり、今月から市町村の判断で猟銃の使用が可能になったことを受けて、十勝の更別村で、発砲などの手順を確認する訓練が行われました。12日、更別村の多目的施設などで行われた訓練には、村の職員や警察官、それに猟友会のメンバーなどあわせて10人あまりが参加しました。訓練は、ゴミ集積場にヒグマが出没したという想定で行われ、はじめにクマが人の生活圏に出没していることや、猟銃以外での駆除が難しいことなど、市街地で猟銃を使用するための4つの条件を満たしているかチェックしました。そして、西山猛村長から猟銃の使用を許可されたハンターが発砲し、クマを駆除するまでの流れを確認していました。西山村長は、「村民の命や暮らしを守るために責任ある判断や指示をする必要があると痛感した。猟銃の使用を判断するためのわかりやすい資料を用意するなどして備えたい」と話していました。帯広警察署の今田琢地域官は、「現場によって柔軟な対応が必要になるので、今後も訓練などを重ねていきたい」と話していました。

(「誰でも撃てるもんじゃない」、改正法施行で現場に訓練と安全の課題:島根)
市街地にクマが現れた際、一定の条件を満たせば猟銃の使用が可能となる「緊急銃猟制度」が施行された。迅速な対応が可能となる一方、発砲の安全確保やハンターの育成、自治体の判断体制など課題は多く残る。制度の運用には、住民の理解と現場の準備、そして命の尊重と安全の両立が求められている。2025年9月1日から「改正鳥獣保護管理法」が施行され、「緊急銃猟制度」が新たに導入された。この制度により、クマやイノシシが人の生活圏に侵入し、住民の生命に危険が及ぶと判断された場合、市町村長の判断により猟銃による迅速な捕獲が可能となった。緊急銃猟を実施するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要がある。1.住宅地などの日常生活圏にクマ等が侵入していること。2.人命への危害を防ぐため、緊急の措置が必要であること。3.銃以外の方法では迅速な捕獲が困難であること。4.弾丸が人に当たるおそれがないこと。島根県猟友会の細田信男会長は、今回の法改正に賛成の立場だが不安も募らせていて、「銃を持っているからといって、誰でも対応できるものではない。クマを撃つには、それなりの訓練が必要だ」と語る。一番の課題が「ハンターの育成」だ。島根県から広島県、山口県にまたがる「西中国地域」と呼ばれるエリアでは、ツキノワグマは絶滅のおそれがあるとして保護対象とされてきたため、自由に動き回るクマを撃った経験のある猟友会員は県内はほとんどいない。実弾で練習するには広島県の射撃場に行く必要があり、猟友会にとっては大きな負担となっている。またこうした課題が解消されたとしても、発砲までのハードルは低くくはない。細田会長に案内してもらったのが、2025年5月にクマが徘徊した痕跡が見つかった松江市東出雲町の現場だ。現場から数百メートル先には住宅街が広がっていた。細田会長は、「例えば標識の前にクマがいれば、その向こう側の家の二階から斜め下へ向かって撃つ。そうすれば弾は地面に入る。そういう撃ち方を常に考えている」と話すが、「(人身被害のリスクなど)そんな負担を持って銃を撃つわけにいかない。できるだけ、そういうリスクが生じないような措置を市町村とか県は、きちんととっていただきたいというのが猟友会側の考えです」と思いを吐露。跳弾による二次被害の可能性もあり、完全な安全が確保されなければ発砲はできないという。自治体側も、警察との協議やマニュアル整備、避難指示体制の構築など、制度運用に向けた準備を進めている。しかし検討すべき事項は多く、年度内の本格運用は困難との見方もある。市民の命を守るための制度であるが、ハンターの高齢化、報酬の低さ、訓練環境の不足など、現場には多くの課題が残されている。国や自治体は、報酬改善、補償制度の充実、若手育成、ICT技術の導入など、支援策を講じている。「クマを殺すな」という市民の声も根強く存在する。環境省は「科学的管理」として個体数調査を公開し、必要最小限の捕獲であることを説明。また、ジビエ利用や教育的活用を通じて、命の尊重と安全確保の両立を図っている。

(ハンターが射撃研修会、市街地での「緊急銃猟」可能を受け:佐賀)
一定の条件を満たせば自治体判断で市街地での「緊急銃猟」を可能とする改正鳥獣保護管理法が今月施行されたことを受け、13日、佐賀市の県射撃研修センターでハンターの技術向上を目的とした研修会が開かれた。参加者は注意事項を確認し、互いにアドバイスをしながら技術の向上に努めた。同研修センターを運営し、県からの認定を受けて害獣駆除を行っている有限会社「タクマ」(佐賀市)が開き、会員約10人が参加した。緊急銃猟実施者の条件は、第1種銃猟免許保有者で、1年間に2回以上の銃猟や射撃の練習をしていて、過去3年以内にクマ、イノシシ、ニホンジカの捕獲を行った経験がある人。夜間に実施する場合は追加要件として、直径5センチの円に5発連続で命中させることなどが求められており難易度が高い。参加者は夜間の要件達成を目指して、装弾と銃の相性などを確認しながら命中率を高めた。同社の坂本昭一会長(69)は、免許保有者の高齢化にも触れながら「いざという時に備えて若手の育成が急務だ」と話していた。県内ではイノシシによる農作物被害が多く、昨年10月には市街地の佐賀市白山地区にもイノシシが出没した。研修会に参加した佐賀市の会社員吉田良輔さん(39)は「今年もイノシシが田んぼに多く出没していて人ごとではない。緊急銃猟のために日頃から技術の向上に努めたい」と話した。法改正では市町村に判断がゆだねられる。坂本会長は「安全のために迅速な判断ができるよう、行政の体制も整えてほしい」と指摘していた。

(クマなどへの緊急銃猟、安全で確実な運用体制構築へ:奈良)
奈良市でも出没事例が報告されているツキノワグマへの対応として、今月1日の改正鳥獣保護管理法施行を受け、市町村を判断主体とする「緊急銃猟制度」が創設されたことについて、奈良市の仲川元庸市長は12日、「他市の動向を調査し、猟友会への委託など体制構築に必要な作業の整理を進めている」とし、「万が一の場合、市が補償責任を負うリスクを伴う。安全で確実な運用体制の構築を目指す」との考えを示した。県や関係団体との協議を急ぐ。

(クマ対策会議、クマのエサとなるブナの実は凶作:富山)
クマの出没が増えることが懸念されるなか、富山市は12日、対策会議を開き、クマが出没した際の連絡体制を確認しました。富山市下大久保の「大久保ふれあいセンター」で開かれた会議には、市や県、猟友会などからおよそ30人が出席しました。はじめに県の担当者が、クマのエサとなる木の実のことしの作柄について、▼ブナが「凶作」、▼ミズナラとコナラは「不作」となったとした上で、エサを求めて平野部にもクマが出没することが懸念されると説明しました。また、クマの生態に詳しい県自然博物園「ねいの里」の担当者は、木の実のなり具合が悪いと人への被害が増加する傾向にあるとして、▼クマがエサを求めて近づく柿の木などを早いうちに伐採することや、▼クマの活動が活発になる朝や夕方は野外での活動を控えることなど、注意事項を共有しました。このほか富山市の担当者は、クマの目撃情報などが住民から寄せられた場合は、市や県などで速やかに情報を共有し、猟友会などの関係機関に協力を要請することなど、連絡体制を確認していました。富山市森林政策課の杉林広和副主幹は「自宅など、身の回りにクマのエサとなるものが残っている場合は早めに処分してもらいたい。万が一、クマを見かけたら速やかに連絡してほしい」と話していました。

(捕獲されたイノシシなどの野生動物、過去最多に:徳島)
昨年度、徳島県内で捕獲されたイノシシやシカなどの数は2万8000頭余りで過去最多となり、県は対策の効果だとする一方、個体数自体が増えているおそれがあるとして、引き続き対策を講じることにしています。徳島県によりますと、昨年度、県内で捕獲されたイノシシとシカ、それにサルの数はあわせて2万8208頭で前の年を7100頭余り上回り、県がデータを確認できた平成5年度以降で最も多くなりました。このうち、イノシシは7330頭、サルは2186頭で、どちらも前の年の2倍以上に増えました。また、農作物の被害額は8600万円余りに上り、前の年から1割ほど増え、3年ぶりに増加しました。捕獲数が増えた背景について、県は、サルを群れごと捕獲できる大型のわなの設置や狩猟者の育成など、これまで実施してきた対策の効果だとする一方、中山間地域の過疎化や温暖化の影響で生息域が拡大していることにより、個体数が増えているおそれがあると分析しています。徳島県は「これまでの対策で過去最多の捕獲数になった一方、農林業や自然の植物への被害は発生しているので、引き続き対策を進めていきたい」とコメントしています。

(イノシシ被害、田んぼで増:埼玉)
イノシシが田んぼを荒らす被害が加須市内で増えている。4~8月にわなで捕獲されたイノシシは16頭で、すでに昨年度(15頭)を超えた。市北部にある「渡良瀬遊水地」で増えた個体が出没しているとみられ、市は対応に追われている。渡良瀬遊水地=関東平野のほぼ中心に位置し、4県にまたがる約3300ヘクタールの日本最大級の遊水地。大雨時に河川の水を一時的にため、洪水を防ぐ役割を持つ。鳥獣保護区で、キツネやタヌキ、タカの仲間などが生息している。8月上旬の早朝、同市栄の大谷寿男さん(57)が自身の田んぼに、直径1メートルほどの穴があるのを見つけた。餌のミミズを探したり、泥浴びをしたりするため、イノシシが掘り返した跡とみられる。周囲の稲は倒れて汚れてしまい、商品にならない。大谷さんは「よく育ってくれた大事な稲で、本当にがっかり。利根川の河川敷などでさらにイノシシが増えないか不安」と表情を曇らせた。シカやイノシシによる獣害被害に取り組む、渡良瀬遊水地連携捕獲協議会によると、遊水地で2024年度に生息が確認されたイノシシは1044頭で、22年度(488頭)から2倍以上になった。広大なヨシ原が広がる遊水地は、植物の根などの餌が豊富で、隠れる場所が多い環境が増加の要因とみている。野生生物研究所ネイチャーステーション代表で、農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーも務める古谷益朗さんは、遊水地で増えたイノシシが「新たな餌場やすみかを求めて移動しているのでは」と推測する。時期にもよるが、オスは基本的に単独で、メスは子どもたちと一緒に川などをつたって移動していくという。市では、米ぬかやサツマイモなどを餌にして、イノシシを誘い込む「箱わな」を設置している。これまでにイノシシが捕獲されたのは遊水地に接する市北部の北川辺地域で、荒らされた田んぼもこの辺りに集中している。遊水地の北東に位置する栃木県小山市では24年度、前年度より20頭多い、261頭のイノシシを捕獲。南東にある茨城県古河市では8頭多い16頭を捕獲したという。加須市内では24年度、34アールの田んぼがイノシシに荒らされたとみられる。今年度は被害がさらに拡大する可能性がある。市は市議会9月定例会に補正予算案を提出した。殺処分の費用などを確保する方針だ。市の担当課は「イノシシの隠れ場所を減らすために草刈りをしてほしい。余った農作物は外に放置しないで」などと呼びかけている。農水省によると、23年度の県内の鳥獣による農作物被害額は8168万円。埼玉スタジアム2002公園(さいたま市緑区)の広さほどの約33ヘクタールの農地が荒らされるなどしたという。

(エゾシカ飛び出し、ピンポイントで注意喚起:北海道)
国土交通省は本年度、苫小牧市内でエゾシカと車の衝突事故を減らすモデル事業を行う。事故が多発している国道36号の千歳市寄りの区間で、過去の事故発生の場所や時間帯などをデータベース化。衝突リスクの高い場所を絞り込み、事故が多発する10月に路面標示などを設けてドライバーに注意喚起する。野生動物を事故から守るのが狙いで、来年度以降は全国の他地域にも広げる方針。

(「ほえる」ドローン、シカ駆除:広島)
広島市が7日、猟犬の代わりに犬がほえる声をドローンから出してシカを追い込んで駆除する試みを始めた。安佐北区で近年、シカによる食害が深刻化している。市は「将来的に猟犬の確保や育成が困難となる」とし、本格導入を検討する。

(大分、熊本、宮崎でニホンカモシカの減少深刻)
大分、熊本、宮崎の九州3県で、国の特別天然記念物ニホンカモシカの減少が深刻だ。約25年間で10分の1ほどに減っており、絶滅も心配されている。野生動物の調査や保全に取り組む3県の団体は、保護対策の強化を求める要望書を環境省九州地方環境事務所に提出。関係者は「このまま何もしなければ消えてしまう」と危機感を募らせている。大分県教委文化課によると、個体群や生息環境を把握するため、3県合同でおよそ7年に1回のペースで調査をしている。直近の2018、19年度は推定生息数が過去最少の約200頭で、大分県内はわずか17頭ほどとみられる。初めて推定数を出した1994、95年度には3県で計約2200頭だった。NPO法人おおいた生物多様性保全センターの足立高行さん(74)は、減少の主な理由としてニホンジカとの競合を挙げる。カモシカがすむ高い山地や丘陵地で木の伐採・造林が進み、そこで育つ若い草木を食べにシカの群れが移動。カモシカが餌場を追われたという。「カモシカは新たな餌場を探すが、シカと違ってほとんど群れないため生息範囲が点々とし、繁殖機会が減っていると考えられる」と説明する。要望書は7月、同センターと熊本野生生物研究会、NPO法人宮崎野生動物研究会が提出。▽保護強化の対象になる「第一種特定鳥獣」への指定と保護計画策定の推進▽複数県にまたがる保護地域の指定▽国や自治体における関係部署・機関の連携強化―などを求めた。受け取った環境省九州地方環境事務所は「保護を進めるには連携が必要。本庁も含めて検討し、方法を探りたい」と述べた。鳥獣保護に関わる大分県森との共生推進室は「関係各所と協議しながら保護の進め方を考えていきたい」。県内のニホンカモシカ保護計画を策定している県自然保護推進室は「3県間での協力体制をさらに深めたい」と話している。

(クマが集落に大量出没の恐れ、「Yahoo!防災速報」で来月から通知:福井)
福井県は11日、ツキノワグマ出没対策連絡会を県庁で開いた。今年はクマが大量出没する恐れが高いとして、市町や猟友会の担当者に警戒を呼びかけた。県によると、クマが食べるブナやミズナラ、コナラのドングリ類が不作の年は、出没が増加する傾向がある。8月の調査では、今年はブナとミズナラが不作だった。この2種が不作だった2023年9月~24年3月は、534件出没し、人身被害が2件発生した。このため県は、今年も食べ物を求めて集落に大量に出没する恐れがあると報告。取り残した果実がクマを引き寄せたと考えられる事例があることから、誘引物の適切な管理を求めた。また、10月中には防災アプリ「Yahoo!防災速報」で出没情報の通知を始める予定という。県のまとめでは、県内では4月から今月10日までに379件の出没を確認。7月には、坂井市で釣りをしていた男性がクマに襲われてけがをする事案があった。クマ対策を巡っては今月、緊急性や安全面などの条件を満たせば、市町の責任で、市街地でハンターの発砲を認める「緊急銃猟」を盛り込んだ改正鳥獣保護法が施行された。県は、射撃技術向上のための研修や、市町が支払う日当の補助などに向けた関連費約257万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を、開会中の9月議会に提出しており、連絡会でも報告された。県自然環境課の担当者は「人身被害防止に向け、関係機関で連携し、迅速に捕獲ができるよう体制を整える。県民には、柿や栗の早期収穫など、クマを人里に引き寄せないよう協力をお願いしたい」としている。

(猟銃使用の新ルール”改正鳥獣保護管理法”が施行も課題アリ:山形)
クマの目撃が相次いでいる山形県内。12日は米沢市や東根市、河北町などでクマが目撃され、東根市では小中学校あわせて3校が臨時休校となるなど影響が出ました。さらに今週、クマによる食害も相次いで発生。山形市ではクリやトウモロコシが食い荒らされる被害が確認されました。こちらは、山形市蔵王堀田です。山沿いの農地で、きのうクリが食い荒らされているのが確認されました。現場の状況などからクマによるものとみられています。また、おととい午後5時ごろには山形市平清水の公民館からおよそ800メートルの路上でクマが目撃されました。同じ日の夕方4時ごろには、山形市片谷地にある畑のトウモロコシが食い荒らされているのが確認されました。こちらもクマによるものとみられています。近所でクマの被害にあった人「うちはモモとスモモが(クマに)やられました。困りましたね。今からもっと活動もするだろうし」。今年度、4月1日以降で山形市で確認されたクマの出没件数はおとといまでで131件で、前年度の同じ時期と比べて2倍以上になっています。また、県全体では今年1月1日以降で確認されたクマの目撃件数が今月7日時点で933件と去年の同じ時期のおよそ3倍になっています。今年の秋は、クマの主な食料となるブナが大凶作になる見込みで、これからの季節も人里にクマが降りてくる可能性が高いとする専門家もおり、依然として注意が必要です。今年に入り、クマの目撃件数が増えた県内。こうした中、9月1日に改正鳥獣保護管理法が施行され、人の生活エリアにクマが侵入した場合に銃を使う要件・解釈が変わりました。これまでは原則的に市街地で銃を使うことはできず、人に危険が及ぶ場合に県と警察の許可を得て使う必要がありました。しかし、今回の改正法では・・・人が生活するエリアにクマが侵入し、緊急性が高く、他に迅速に捕獲する手段がないこと。さらに、人に弾丸が届くおそれがない場合に市町村の判断で銃の使用が可能となりました。時間がない中で、「県と警察に許可を得る」という銃を使用するまでの手順が必要なくなるのです。しかし課題もあります。銃火器を使用するのには当然危険が伴います。それはどんな状況であれ。そもそも市町村が使用の判断と言っても、現場に判断を委ねるということは、考え方によっては「丸投げ」になります。的確なスキルを持った銃の使用者の育成、責任の所在の明確化と被害の補償、現場が迅速な判断を行うための安心材料の構築など、もちろん考えられていないわけではありませんが、補強すべきポイントはあるのです。しかし、クマは国や自治体の判断の遅さなど待ってくれません。クマの出没が相次ぐ中、県と警察は、県民ができる対応として、目撃された場所では夜間や早朝の外出を控えること、クマのエサとなる生ごみを家の周囲に置かないことなどを呼びかけているほか、クマを見つけた際はすぐに市や警察に通報してほしいとしています。

(小学生が地元のハンターからヒグマへの対処法学ぶ:北海道)
ヒトの生活圏へのヒグマの出没が相次ぐなか、別海町の小学生がヒグマに遭遇した際の対処法などを学びました。12日は、別海町の上春別小学校が地元のハンターを講師として招いて出前授業を開き、5年生と6年生、あわせておよそ10人が参加しました。授業では、狩猟の際に使うクマ撃退スプレーや、迷彩柄のポンチョなどを子どもたちに見せたあと、「銃を持っていてもクマにであうと怖い。まずは遭遇しないように自分の存在を知らせたり、ヒトの食べ物の味を覚えさせたりしないことが大切だ」と呼びかけました。それでもであってしまった場合は、刺激しないよう走らずに、ゆっくりと後ずさりすることが重要だと説明を受けると、子どもたちはクマとの遭遇を想定して退く動作を確認していました。子どもたちは「クマにであったらそっと静かに逃げようと思います」とか、「キャンプなどでゴミを置きっぱなしにしません」などと話していました。講師を務めたハンターで獣医師の石井裕二郎さんは、「クマが住んでいるということは、そこが豊かな環境であることを意味しています。適切な距離感を持って自然に親しんでほしいです」と話していました。

(伊吹山へ緑を、児童66人で世話:滋賀)
子どもたちの手で伊吹山に緑を取り戻そう――。ふもとの滋賀県米原市立伊吹小学校で11日、全校児童66人が5月から育てた低木のイブキジャコウソウを市側へ渡した。10月初めに市が8合目に植えて、緑の復元に役立てる。滋賀・岐阜県境の伊吹山(標高1377メートル)では、温暖化の影響で冬を越すシカが増えた。植物が食べ尽くされ、南側の斜面を中心に山肌がむき出しの裸地になっている。大雨を保水できず、2024年7月の豪雨で伊吹小学区内が3回、土砂災害にあった。その前年に登山道も崩れ、今も通れない。イブキジャコウソウは、伊吹山に自生するシソ科の低木。「百里香(ヒャクリコウ)」とも呼ばれ、ハーブのような香りがする。シカが好まない香りという。地元で伊吹山保全に取り組む「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」(高橋滝治郎会長)の竹岡昌彦さん(69)らが伊吹山の3合目で採取し、接ぎ木で苗を増やした。「自分たちに代わって山を守ってほしい」と5月7日に児童らに渡し、苗ポット150個に移した。児童らは水やりなどの世話をしてきた。6月に小さな花が咲いた。その苗ポットをこの日、小学校の体育館で角田航也市長らに渡した。6年生の花沢大和さんは「伊吹山が復活できるように使ってほしい」。堀月日(つきひ)さんは「世話は楽しかった。緑がもとに戻って元気になってほしい」と話した。竹岡さんは「子どもたちが協力してくれたのがうれしい。山に戻して大きくなり、斜面を守ってくれることを願う」。角田市長は「愛情や思いが詰まった苗が伊吹山を元気にしてくれる。まちの宝物・伊吹山を一緒に守っていってほしい」と語りかけた。

(猟友会などが登山者らにクマ鈴やクマスプレーの所持呼びかけ:北海道)
クマによる人身事故が相次いだことを受け、13日、猟友会と札幌市は合同で登山者らに警戒を呼びかけました。13日朝、札幌市南区の定山渓では、札幌市の職員と北海道猟友会札幌支部が登山道やハイキングコースを巡回し、市民や観光客にクマ鈴や熊スプレーを持ち歩くよう呼びかけました。北海道猟友会札幌支部 奥田邦博支部長「クマの動きはコントロールできない。どこに出没するか予測不能。とにかくクマに対する警戒レベルを上げてもらいたい」この呼びかけは、10月5 日までの土日、祝日も行います。

(クマの市街地出没、SNSに目立つメガソーラー原因説)
北海道や東北地方を中心に相次いでいるクマの市街地出没を巡り、山中に造られた大規模太陽光発電所(メガソーラー)の影響を指摘する投稿がSNSで目立っている。こうした声を支持する自然保護団体がある一方、否定的な見方をする専門家もいる。自治体には、発電所建造を規制する動きも出ており、アーバンベアの問題は再生可能エネルギーを問い直す議論へと発展している。《メガソーラー周辺にクマ被害が増加している》《メガソーラーでクマのすみかを奪っている》SNSでは、こうした投稿が数多く見られるようになった。ネット上の検索の傾向を測る「グーグルトレンド」によると、ウェブ上での検索ボリュームは今年の7月1日から8月31日までの間に「クマ」は約1・5倍、「メガソーラー」は約5倍に増加しており、社会的な関心の高さがうかがえる。再エネは、平成23年の東京電力福島第1原発事故をきっかけに存在感が高まった。太陽光発電は設置コストの低下によって設置が加速した経緯がある。資源エネルギー庁によると、平成23年度末に531万キロワットだった導入量は、令和5年度末には7704万キロワットに到達。東電柏崎刈羽原発(新潟県、全7基計約800万キロワット)の10倍近くに相当する出力だ。一方、昨今目立っているクマ被害。環境省によると、4月から8月末まで、クマの襲撃が要因となった死傷者は69人だった。過去最多の219人となった一昨年の同時期(71人)とほぼ同水準となっている。メガソーラーの建設は都市部から離れた山間部や里山に広がっており、野生動物の生息域と重なることも多い。SNSの投稿は、開発によってクマの行動範囲に変化が生じているのではないか、とするものだ。ただし、専門家の見解は分かれている。自然保護団体「日本熊森協会」の室谷悠子会長は「クマ被害増加の背景にはさまざまな要因があるが、メガソーラーの建設がその一因となっていることは明らかだ」と話す。室谷氏は、スギなどの人工林が増え生息域が縮小したり、温暖化で餌となるドングリが育たなかったりという理由で、クマがより標高の低い場所に移動。そこに、メガソーラー建設などに伴う森林伐採が重なり、結果として人里との距離が縮まったとの説を唱えている。こうした見方に対し、東京農業大の山崎晃司教授(動物生態学)は「因果関係があるとは一概には言えない」と語る。山崎氏によると、メガソーラーの建設で山林が切り開かれることは事実だが、問題は「その土地が以前どのような環境だったか」にあるという。「たとえば、メガソーラーの建設地がスギやヒノキの人工林であれば、餌がないためクマがほとんど利用しない場所だった可能性もあり、その場合クマの出没増加にメガソーラーの建設は直結しない」と説明する。市街地のクマ出没が増えている背景について、山崎氏は「クマの分布域拡大や個体数増加が考えられる」と分析した。一部の自治体には、野放図な再エネ導入を見直す動きが出ている。メガソーラー建設による希少生物への影響を懸念する北海道釧路市が6月に「ノーモア メガソーラー宣言」を行い、生息地を奪われた野生動物が人里に出没する危険性に言及。野生動物にはヒグマも想定されるという。同市は今月4日、10キロワット以上の事業用太陽光発電施設の設置を市全域で許可制とする条例案を市議会に提出した。可決された場合、施行予定は10月1日で、令和8年以降に着工する事業に適用する。

(すべてのクマ事故は防げる」はず…:北海道)
7月12日、北海道福島町三岳で、近くに住む男性から「新聞配達員がクマに襲われ、引きずられていった」と110番がありました。草やぶの中で倒れている新聞配達員の男性が発見され、その場で死亡が確認されました。事故があった翌13日、札幌市内の町内会で、ヒグマ勉強会が開かれました。この地域でも6月末にクマの出没があったばかりで、出没情報をどう受け止めるべきか、地域でできることは何かを考えました。ヒグマ勉強会を開いたのは、札幌市中央区の円山西町の町内会です。勉強会には、クマの専門家・間野勉さんも参加していました。3月まで北海道立総合研究機構に所属し、長くクマの研究や調査に携わってきました。前日に福島町で死亡事故が起きたばかりだったこともあり、参加者からは事故を受けての質問が相次ぎました。たとえば、福島町で通報があったのは午前3時ごろだったことから、「円山西町でも早朝に散歩する人もいるが、どうしたらいい?」という質問が出ました。間野さんは、「動物の活動時間帯は人間の影響を受けます。札幌ではこれだけたくさんの人が活動しているので、基本的にクマは日中の活動は避けている。でももしこのマチから人がいなくなったら日中も活動するでしょう。いま、日中にクマが住宅地を歩いていないということは、人を忌避している。積極的に寄ってくるクマではないと思える」と話しました。札幌市中央区円山西町の住宅地では、4月に「クマらしき動物」、6月末にはクマが目撃されていますが、いずれも夜の時間帯です。間野さんは「人の活動がおさまっている夜明けと夕暮れの時間帯に、ジョギングなどの活動をすると遭遇の確率は上がるということになります。ただ、朝はやっぱり活動したいということはあるでしょう。そのときは、人の存在をきちんと知らせる。音は漫然と出すのではなくて、どれだけ音が出るかには風向きも考える必要がある。鈴をつけてるから大丈夫ではなくて、音を知らせるということを意識する必要があります」と呼びかけました。ほとんどのクマは、「音を出す」などで人がいることを知らせると、人を避ける行動をとります。お互いに気づかずにばったり出会うと事故のリスクが高いため、クマ鈴はそれを避けるための1つの対策です。ただ例外として「人に近づいておいしいものを食べられたなど成功体験をしたクマ」は、人に積極的に近づくようになるとも話しました。7月12日の福島町三岳の事故については、HBCニュースでは、7月9日に福島町月崎で目が合うと近づいてくるクマが目撃され、荒らされたごみ箱も見つかったことや、亡くなった男性が職場の人に「2~3日前にもクマと遭遇した」と話していたことを伝えています。間野さんも、福島町の事故の個別の原因や経緯はこれからくわしく検証される必要があるとした上で、一般的に、「人を見ても逃げない」、「住宅地でごみをあさっている」など危険な兆候のあるクマがいる場合には、すぐに気づいて対処する必要があると指摘しました。今回の勉強会では、地域で対策に取り組む効果や必要性がわかり、それぞれにできるクマ対策を考える機会になりました。しかし終了後に間野さんは、個人や地域のレベルだけではなく、都道府県や国の仕組みのレベルでも対策が急がれるということも教えてくれました。「すべてのクマによる事故は防げるはずなのに、今の体制には、危険な兆候に気づいてすぐに対処するための手立てが圧倒的に足りていない。キーワードは『即応できる人と体制』」。プロの人材の育成や、各地域への配置や連携などの管理体制は、専門家らが長く訴えてきたことです。地域単位で見れば少しずつ取り組みが進んでいるところもありますが、都道府県や国全体での動きが追いつかないうちに、痛ましい事故が繰り返されています。間野さんは、「死亡事故はどういう経緯で起きたのかの検証が必要。同じ過ちを繰り返さないことしかできない」と強調します。毎日のように起きる出没。繰り返される痛ましい事故。どちらもそのときだけ漠然と不安になって終わるのではなく、1つ1つを検証し、二度と繰り返さないための対策が早急に求められています。

(「緊急銃猟」で熊捕獲しやすくなる?)
改正鳥獣保護管理法が1日に施行され、熊などが市街地や農地に出没した際、市町村長の判断で銃による捕獲を認める「緊急銃猟」が始まった。危険な熊の迅速な捕獲に期待もあるが、どれだけ捕獲しやすくなるのか。北海道内での訓練に同行すると、安全な捕獲へ、発砲前に複雑な手順を踏むことが必要な実情が見えてきた。「発砲!」。住宅街に近い札幌市西区の公園で、道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊の玉木康雄隊長が、50メートル離れた場所から1頭のヒグマ(着ぐるみの男性)に模擬銃を構えた。1発目が命中すると、別のハンターと共に徐々に熊に近づいて止め刺しを行い、捕獲した。近年、全国的に熊が人の日常生活圏に侵入するケースが増加。道内では毎日のように出没情報が寄せられ、死亡事故も発生するなど「あつれき」の高まりが問題になっている。改正法では、①住宅地などに侵入またはその恐れがある②危害防止が緊急に必要③銃猟以外では的確かつ迅速な捕獲が困難④住民らに弾丸が当たる恐れがない――場合、市町村長の判断でハンターに緊急銃猟をさせることができると明記した。銃刀法で猟銃の所持や使用に制限がある中、ハンターにとっては発砲のための「手札」が一つ増えた格好だ。訓練は体長1・2メートルのヒグマ1頭が公園周辺に出没したとの想定で実施。玉木隊長ら腕利きのハンターと、市職員、警察官ら約100人が参加し、市の作成した対応の流れに沿って動きを確認した。訓練開始は午後1時半。ハンターが無線で情報共有しつつ、二手に分かれて園内を巡視し、熊を発見した。この段階では発砲せず、全体指揮を執る市の現地本部で、その場所で本当に緊急銃猟ができるのか、射角や弾丸が跳ね返るリスクがないかを協議した。並行し出没情報も周知する。熊を監視しながら交通規制を敷き、近隣住民を避難させた。「脇道もあり、思った以上の人員や時間が必要だ」との声が相次いだ。市の担当者は段取りを終え、ハンターに実際に銃猟を指示。腕章やゼッケンなど銃猟行為を委託した「証票」を受け渡す。ハンターは銃口を上に向けないなど細心の注意を払って、配置についた。開始から1時間半近くたってようやく、緊急銃猟による発砲の準備が整った。実際はさらに時間がかかるとみられる。状況次第では、警察官職務執行法など別の手札で発砲する可能性もある。玉木隊長は「われわれが現場でやることは従来と大きく変わらない」とし、「射角が取れない場合、はしご車からの発砲を提案するなど、市町村や警察も同じ目線で条件を考えられれば円滑に捕獲が進み、住民を安心させられる」と指摘する。「警察官や行政など関わる全員の協力があって初めて、われわれはトリガー(引き金)に指をかけられる」。取材で玉木隊長の発したこの言葉が、多くのハンターが今抱いている思いの全てを言い表していると感じた。ハンターは判断を誤って事故が起きれば責任問題になりかねず、熊から反撃される可能性もある命懸けの職業だ。共に捕獲対応に当たる市町村や警察には、安心して発砲できる「お膳立て」が求められているのではないか。各自治体でバラつきが大きい専門職員の育成も、喫緊の課題だ。定期的な異動がある公務員は、ノウハウの蓄積が難しい。死亡事故が相次ぎ、熊被害が全国的な関心を集める今こそ、長期的視点から人材の発掘・育成に動く必要がある。

(クマの猛攻撃「うつぶせ」防御に驚きのエビデンス!)
今年はクマによる被害が急増している。7月に入り、北海道と岩手県で計2人が亡くなった。秋田大学の医師グループらがクマに対する「防御姿勢」の有効性を科学的に確認した。「朝、出勤すると、すでに2人が救急外来に搬送されていて、治療を受けていました。受傷者は目をそむけたくなるほど、凄惨な状態でした」。クマに襲われてできる傷、いわゆる「クマ外傷」の凄まじさについて、治療にあたった整形外科の石垣佑樹医師(現秋田大学大学院・整形外科学講座)はこう話す。「頭の皮がめくれ上がり、頭蓋骨が見えていた。顔面がえぐられて骨折し、眼球が飛び出ている人もいた」。2023年10月19日。北秋田市の中心部にクマが現れ、早朝から夕方にかけて、次々と6人を襲った事件。石垣医師が患者の生命を維持するための措置を施していると、さらに3人の受傷者が運び込まれた。北秋田市民病院の救急外来は騒然とした。重傷者は秋田市内の高度救命救急病院に転院搬送された。秋田大学医学部附属病院の土田英臣医師は、クマが人を殴打するように攻撃するパワーの凄まじさを、こう語る。「車同士の衝突事故で顔面を強打したときなどでなければ生じない、『高エネルギー外傷』と呼ばれる所見です」。23年、同病院に搬送されたクマによる外傷患者20人のうち、顔面を負傷した人は9割を占めた。目や鼻を中心に攻撃され、眼球破裂で失明した人が3人、鼻が完全にとれてしまった人も1人いた。クマが人の頭部を狙う、というデータはほかにもある。NPO日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長は、クマの生息する府県で発生した事故を明治中期の1897年から2016年まで調査した(狩猟中の事故などを除く)。全1993件、2255人の被害者の損傷部位の割合は、頭部44%、手腕部25%、足部12%。23年度は、頭部44%、手腕部34%、足部7%だった。「明治期から現在まで傾向に大きな違いはなく、クマは主に人の頭を攻撃するとみられる」と、米田さんは話す。米田さんは研究を重ね、10年ほど前から、こう訴え続けてきた。「クマに遭遇した場合、立った状態で攻撃を受けるのが最も危険。ただちに腹ばいに伏せて顔を地面につけ、両腕と手で頭部や首筋を守ってください。致命的なダメージを防ぐことが重要です」(米田さん)。4年前に改訂された環境省の「クマ類の出没対応マニュアル」にも、うつぶせになって頭部を守れ、と記述されるようになった。クマ外傷は深刻だ。どうすれば、被害を最小限に防ぐことができるのか――。石垣医師は冒頭の事件の受傷者6人の中に、クマから執拗に攻撃されながらも、重傷を免れた人がいることに気づいた。そして、環境省のマニュアルにも記されている「うつ伏せによる防御姿勢が有効なのか、検証しようと考えた」という。被害者の一人は、「ほぼうつぶせの姿勢で、クマの致命的な攻撃をかわしていた」(石垣医師)。石垣医師は、「同様のケースがあるのでは」と、20年度から4年間に秋田県内でクマに襲われて医療機関を受診した人のカルテ情報を収集し、解析した。23年度に同県内で発生したクマによる人身事故は62件、70人。このうち、うつぶせによる防御姿勢をとったのは7人(10%)で、その7人の中に重傷者はいなかった。「手で覆いきれなかった頭頂部を爪で引っかかれたり、腕をかまれたりした傷はありましたが、致命的となる首や顔面の受傷はなかった」(同)。頭を覆っていた指や手の切断もなかった。つまり、「うつぶせ」は防御姿勢として有効だということだ。実はこれまで、「防御姿勢」の有効性について、科学的なエビデンスはなかった。SNS上では「机上の空論」「うつぶせになって顔や頭を守っても食われるだけ」「攻撃こそ最大の防御!」と、防御姿勢を疑問視するコメントも少なくなかった。石垣医師は言う。「今回の研究結果を示せたことで、防御姿勢の信頼性が高まった。市街地での人身事故で重傷化を防ぐことは可能だと思います」。最近、クマによる人身被害が特に多いのが岩手県だ。今年度は12人(7月4日時点)が襲われ、昨年度1年間の10人をすでに上回った。冬眠明けの春先は山での事故が多かったが、6月以降は人里でクマと遭遇するケース、いわゆる「アーバンベア」による被害が増えている。クマは目の前に立ちはだかったものを排除しようとする性質があるという。市街地でクマを見たら、「瞬時に車内や建物内に逃げ込んでください」と、前出の米田さんはアドバイスする。もしくは物陰に身を隠して、じっとしている。電信柱や木立のような、全身は隠れないものでも効果があるという。「クマは目が悪い。頭と胴、手足があることで、相手が人間だと認識する。じっとしていることが大切で、手足をばたつかせては意味がありません」(米田さん)。唐突に至近距離で出合ってしまえば、身を隠す間もない。そんな時は、うつぶせになって、防御姿勢をとることだ。「防災というより、減災の考え方です。被害を最小限にして、救助を求めることが大切です」(同)。

(米国のロングトレイルに学ぶクマ対策:齋藤正史)
8月14日に知床・羅臼岳で起きたヒグマ事故をはじめ、クマの出没や事故に関する情報が連日メディアをにぎわせている。クマの生息エリアに足を踏み入れる際にすべきことはなにか、登山者一人ひとりがあらためて考えるべきときが来ているようだ。クマが広く分布し、ハイキング文化が根付くアメリカでは、クマとハイカーが共存するためのルールやマナーが定着している。3大ロングトレイルをはじめ、アメリカのロングトレイルを毎年歩き続け、今年もアイスエイジトレイル(1800km)に出発しようとしている斉藤正史さんに、現地で実践しているクマ対策について聞いた。そろそろ今年もアメリカにトレイルを歩きに行くシーズンになりました。クマのニュースが日本で一気に増えたからか「クマには充分注意してくださいね」と言われることが急激に増えたように思います。もちろん、アメリカにもクマがいますし、毎回遭遇しています。アメリカには、アメリカクロクマ(ブラックベア)、ヒグマの亜種(グリズリーベア・ブラウンベア)、シロクマ(ホッキョクグマ)という3種類のクマが生息しています。シロクマは北極圏に生息しているので、トレイルを歩いていて遭遇するのは、北部やロッキー山脈ではヒグマ、そのほか全米各地ではアメリカクロクマです。アメリカクロクマはオスが体長約2m、ヒグマは体長約2m、ちなみにシロクマは最大で体長約3mほどになります。日本のツキノワグマは体長1.4~1.8m、ヒグマが1.5~2mなので、アメリカのクマはかなり大きいことがわかります。アメリカのトレイルで遭遇することのある2種のクマについて、特徴を紹介します。■ヒグマ(グリズリーベア・ブラウンベア) 雑食性で、植物、ベリーのほか、魚、小型哺乳類などを捕食します。アメリカクロクマとは異なり、ヒグマは長くて強い爪があるので、穴を掘り、根、球根、塊茎、また、イエローストーン国立公園周辺では。ヘラジカの子や産卵中のマスなどの脆弱な動物、小型哺乳類、昆虫を捕食します。実にさまざまなものを食べます。ヒグマは非常に賢く、好奇心旺盛で、餌を見つけるのが得意です。餌を与えられると、人間と餌を結びつけてしまうことがあり、非常に危険です。■アメリカクロクマ 北米で最も一般的で、広く分布しているクマです。森林地帯から海岸、高山地帯まで、どこにでも生息しています。クロクマは雑食でなんでも食べます。捕食はほとんどしませんが、腐敗した動物の肉は食べます。爪が湾曲しているので、穴を掘って食べ物を探すことができません。クロクマは非常に賢く、匂いだけでなく見た目でも食べ物を認識できます。人間の食べ物を与えられたクマは、キャンプ場、バッグ、ゴミ箱、さらには車さえも食べ物と関連付けるようになります。ヨセミテ国立公園では、車の中に食料を置いていると車を破壊することさえあります。ちなみに、日本のツキノワグマは雑食性の動物ですが基本的に植物を主食にしています。季節や生息地域の環境によって食べ物が変わります。春から、新芽、若葉、花、山菜、果実、ハチやアリなどの昆虫、秋にはブナやミズナラのドングリなどを主に食べます。動物の捕食は基本的にしないと言われており、冬眠明けの食料がない場合などは、シカの死体を見つけた時に食べることもあります。3種類のクマのなかで、基本的にほかの動物を捕食するのは、グリズリーベアーやシロクマです。そのなかでも北部にいるクマは、自然の中に食べ物が少ないので捕食をしますが、同じグリズリーベアーでも、アメリカとカナダの国境付近では餌が豊富にあるため、わざわざ狩りをして体力を消耗するような行動を積極的にはしないと言われています。以前、アメリカ北部のトレイルを歩くときに友人に「グリズリーベアーが多いよね、注意しないと」と話したとき、「モンタナ州辺りのグリズリーベアーはベジタリアンが多いからそんなに心配しなくていいよ。タンポポを食べるから」と言われたことがあります。どのクマにも共通していえるのですが、食欲が非常に旺盛で、食物に執着します。人間が自然のなかに捨てた食料を野生動物が食べると、人間と食べ物を関連付けてしまいます。ハイカーがクマに遭遇しないようにするには、人間の食べ物を野生動物に与えないだけでなく、食べる機会を与えないことが大切です。これがトレイルを歩くときも普段の生活でも重要な行動となります。①におわない食料を選ぶ みなさんは、山に食料を持っていくとき、どんなものを選んでいますか? においがぷんぷんする食べ物を持っていったりしていませんか? ハイカーは、米、トルティーヤ、ジャーキー、パスタ、ナッツ、ドライフルーツ、ピーナッツバター、プロテインバーなど、コンパクトで高カロリー、かつにおいの強くない食品を中心にチョイスしています。②食料の運び方を工夫する みなさんは食料を持っていくとき、どうパッキングしていますか? パッケージのまま持っていっていく人も多いと思いますが、私はゴミにならないように食品の外箱などは事前に処分し、密閉袋に入れます。そうすると、バックパックにパンくずが落ちたり、食品の油などによって、においがバックパックに付くことがありません。食料を密閉袋に入れる場合は、しっかり空気を抜きます。③においのする「食品以外のもの」にも注意 日焼け止めや化粧品・虫よけなどはどう携行していますか? これもそのまま持っていく人が多いと思いますが、ハイカーはにおいのする食品以外のものも密閉袋に入れます。化粧品や日焼け止め、歯磨き粉などだけでなく、クマはにおいのあるものはすべて食べ物として認識するので、密閉するのがベターです。クマは旺盛な食欲と優れた嗅覚をもち、においのするものすべてを「食べ物」とみなします。私たちが自然に入る入口の準備段階で、運ぶ食料のにおいを抑えることで、野生動物やクマと遭遇する確率を事前に大きく減らすことができるのです。■トレイル沿線の町でもクマ対策 トレイル沿線のクマの多いエリアのホステルに泊まったとき、10名くらいのハイカーと外のピクニックテーブルで食事をしていたのですが、終わったらすぐに食料をホステルの中にしまうように指示されました。クマの多い地域に住む人たちは、普段からクマに人間の食べ物の味を覚えさせないよう注意して生活しています。クマによる被害をなくすためにも、「人間=食料」と関連付けされないようにしなくてはなりません。アパラチアントレイルでは、クロクマの生息地を通ることから、キャンプの際は食料の保管に注意します。クマの多い地域では、食料は絶対にテントの中で保管しません。ベアボックス(鉄製の食料保管箱)が常設されていて、食事を済ませたら匂いのする物も一緒に鉄製の箱に入れて保管します。保管箱がなくても、フードハンガー(食料を吊るす鉄製の柱)があったり、クマの手が届かない木の枝に食料を吊るすため、必ずロープを持参しています。また、同じクロクマでも、ヨセミテ国立公園エリアに生息するクマは、木に吊るされた食料はロープを切れば落ちてくると学習しています。エリアによっては、木に吊るしてもクマに食料を奪われるので、スチール製もしくは強化プラスチック製でロック機構の付いた食料保管箱(ベアキャニスター)に食料を入れて持ち運ぶことを義務付けています。また、食料保管箱はテントを張った場所から約30m以上離した平らな場所に保管します。このとき、食料保管箱を置く場所はクマが転がして川に食料が落ちないようにするため、水辺以外の場所を選びます。クマの多いエリアでは、テントを張った風下に食料保管箱を置き、安全を確保することもありますし、基本的にクマの多いエリアでは、テントから離れたところで夕食をとることで、より危険を遠ざけることもできます。また、山で余った食べ物、特に果物の皮などは土に還るからと捨てる方もいると思いますが、絶対に捨てないでください。余ったものやごみは密閉袋に入れて家まで持ち帰って捨ててください。キャンプ場でごみを燃やす方もいますが、有機物を完全に燃やすには、通常の焚火の火力より高温の炎が必要です。部分的に燃えた物でも、野生動物がにおいに引き寄せられることがあります。絶対に燃やさないでください。日本の山にはテント指定地があり、自由にテントを張れませんが、アメリカではトレイル周辺で自由にテントが張ることができるルートが多くあります。この場合、できれば森の中ではなく、森を過ぎた見晴らしのいい場所にテントを張ります。野生動物は、身を隠せない場所に現われることが少ないので、森の中よりは開けた場所の方が安全です。また、湖のそばは野生動物が水を飲みに来るので、遭遇しないよう少し離れた場所にテントを張ります。できれば、キャンプで使用するのはタープではなく、身を隠せるものがベターです。動物も姿が見えないと不安なものです。わずか生地1枚ですが、安全を担保できます。テントを張る際、寝る際、嫌な予感がする場合は、普段から必ず定期的にホイッスルを大きく吹いて、人間がいることを動物に示します。■クマに遭遇したら ①野生ではアイコンタクトは敵意の表われ 僕が初めて歩いたアメリカのロングトレイルは、アパラチアン・トレイル。アメリカ東部にあるトレイルです。私はセクションハイカーの人と歩くことが多く、いろいろなことを教えてもらいました。まず、最初に言われたのがサングラスを買った方がいいということでした。顔はクマの方向に向いていなくてはならないのですが、野生においてアイコンタクトは敵意の表われになるそうです。サングラスをかけると、絶対に目は合いません。②クマに突然遭遇しても、落ち着いて クマが人間の存在に気づいていない場合、クマとの距離があった場合は絶対に驚かせないでください。ゆっくりとクマの方を見ながら後ずさりし、クマの様子を注意深く見守ってください。ある一定の距離まで離れるとクマが安心して逃げてくれます。③クマよけスプレー(ベアスプレー)について 私がトレイルを歩いていてベアスプレーを持参したのは、唯一カナダとアメリカの国境からイエローストーン国立公園の間だけです。ここはグリズリーベアが多く生息するエリアで、僕が歩いたときは、余計な物を持たないUL(ウルトラライト)のハイカーでさえ、全員持参していました。ベアスプレーを持つときの注意点は次の通りです。・取り出しやすい場所に装着する(バックパックの中には入れない)・クマが突進したり攻撃してきたときのみ使う(15mくらいからがベスト)・できれば風上から噴射する(自分にかからず、噴射距離が長くなる)・噴射時間が短いので注意する。ちなみに、ヨセミテ国立公園やその周辺の国立公園では、人間に対するクマの被害がほとんどないのでベアスプレーは使用禁止になっているようです。間違えないでいただきたいのは、ベアスプレーはクマに出遭ってしまい、やむを得ない場合に使用するもので、最終手段として考えてください。普段からクマに遭遇しないように細心の注意を払って行動することが重要です。ベアスプレーはいたずらにクマを傷つける道具ではないことを理解してください。④人間の声が有効 ちなみに、クマ対策に熊鈴をつける方は多いと思いますが、アメリカでは熊鈴はクマに人間が近くにいることを知らせるに効果的な手段ではないと考えられています。手を叩いたり、話したり、人間が音を立てる方が効果的だと言われています。ハイカーは野生動物の住む土地に入って歩き、生活をします。だからこそ、野生動物や周辺の自然を知り、学んだ上で、危険から身を遠ざける作業が欠かせません。人間社会に動物が現われたらニュースになりますよね。私たちも同じです。野生動植物の生活を邪魔しないように、自然の一部を使わせてもらっている意識をもって歩くことが必要なのだと思います。だからこそ、アメリカの多くのトレイル団体が提唱するのが、「LEAVE NO TRACE」、(痕跡を残さない)。すなわち、ハイカーがトレイルに残していいのは足跡だけとされているのです。いかがでしたでしょうか。ハイカーのクマ対策がみなさんの安全な登山や生活のヒントになれば幸いです。

(山暮らしの大敵は野生動物:赤堀楠雄)
5月末に田植えをしてから1カ月ほどたったある朝のこと。田んぼや畑を見回りに行こうと戸外に出ると、すでに一仕事を終えたらしい隣人がいて、「〇〇ちゃんの田んぼ、シカにでかく入られちまったみたいだぞ」と声をかけてきた。〇〇ちゃんの田んぼは、当家が借りてコメ作りをしている田んぼの隣だ。隣人は「お宅の田んぼもやられてやしないか」と続ける。慌てて見に行くと、シカが歩き回った形跡はあったが、幸いなことに食べられてはいなかった。一方、隣り合う〇〇ちゃんの田んぼは、青々と茂り始めた稲の背丈が不揃(ふぞろ)いになったためのまだら模様が全体に広がっている。明らかにシカに食い荒らされた痕で、これは大変なことになったと頭を抱えたくなった。農作物に対する野生動物の食害は年々ひどくなっている。それを防ごうと、〇〇ちゃんと相談してふたつの田んぼを柵で囲っていたのだが、それを飛び越えでもしたのか、とうとうシカに入られてしまった。〇〇ちゃんの田んぼがやられたということは、味を占めたシカに今度はウチの田んぼがやられる可能性は高い。その日の日中、○○ちゃんは自分の田んぼを電気柵で囲い、私は柵の高さを2メートル以上にかさ上げする作業に追われた。稲は小さいときに葉を食われても、旺盛な成長力でまた葉を茂らせ、最終的にはちゃんとコメを実らせる。だが、穂が出る直前や出た後に食べられでもしたら、その年の収穫が見込めなくなってしまう。幸い、その後は被害がなく、現在、稲は穂を実らせて頭(こうべ)を垂れつつある。一方、今年は畑がひどくやられてしまった。トマト、ナス、オクラは丸裸と言ってもいいくらいのありさまで、サツマイモも葉がだいぶ食われた。もちろん、柵で囲っているのだが、こちらはシカだけではなく、ハクビシンやアナグマの類いも入ったのか、山間の当地に移住してから15年間で最悪と言ってもいいくらいの被害を受けてしまった。秋には大根や白菜、野沢菜といった冬野菜の栽培が始まる。葉物は食害イコール収穫ゼロになりかねないし、地中の大根も葉が食われるのはうまくない。柵を堅固にするか、電気柵を導入するか、何らかの対策を講じなければならない。「ピィー、ピィー」と、夜ごと響き渡るシカの鳴き声に神経を尖(とが)らせる日々が続いている。

(自作の拳銃で自殺か、70代男性死亡:鹿児島)
鹿児島市でおととい9日男性が自宅で死亡しているのが見つかりました。警察は、男性が自作の拳銃を使って自殺した可能性も視野に調べを進めています。おととい午後4時ごろ、鹿児島市に住む70代の男性が、拳銃のようなものを手に、自宅で頭から血を流して死亡しているのが見つかりました。男性と2人で暮らしていた親族によりますと、おととい外出先から帰宅したところ、2階の部屋で男性が仰向けで倒れているのを発見したということです。男性の右手のあたりには、自分で作ったとみられる拳銃のようなのものがあったということです。男性は、ものづくりが趣味で、これまでに鳥を撃つための道具を作っていたといいます。警察は、男性が自作の拳銃で自殺した可能性も視野に死亡した経緯や死因を調べています。また今後、拳銃と特定された場合は、銃刀法違反の疑いで調べることにしています。

(玩具を買った男性を書類送検、銃刀法違反の疑い:埼玉)
中国から殺傷能力のある玩具の拳銃を輸入したとして、埼玉県警組織犯罪対策(組対)1課と鴻巣署、東京税関の合同捜査班は11日、銃刀法違反の疑いで、越谷市の自営業男性(53)をさいたま地検に書類送検した。書類送検容疑は氏名不詳の者と共謀し、現地時間5月24日、中国国内から回転弾倉式拳銃1丁が隠された国際宅配貨物を越谷市内の自宅宛てに発送し、国内に輸入した疑い。輸入したことを認めた上で、「通販サイトで購入した。違法な銃とは思わなかった」と供述しているという。同課によると、6月4日に東京税関から情報提供を受け捜査していた。プラスチック製で、同じ材質の複数の薬きょうや弾頭も同梱(こん)されていた。実弾を発射することができる実際の拳銃と同構造で、殺傷能力があるという。県警は2022年4月ごろから、玩具と称された拳銃の国内流通を確認。いずれも中国製で、これまでに17種類が確認されている。今年新たに確認された玩具の拳銃は、国内で約1万5千丁、うち県内では1600丁流通しており、クレーンゲームの景品などとしてゲームセンターに納品されているという。現在約900丁が回収されており、県警は残りについて年内を期限に回収を呼びかけている。

(脚1本ない猫10匹、虐待か狩猟用わなか:愛媛)
愛媛県新居浜市で、脚1本がない野良猫が相次いで見つかっている。関係者によると、1年ほど前に目撃されて以降、合計約10匹に達しており、8月にも新たに脚1本がない猫が見つかった。愛媛県警新居浜署は、人為的な虐待や違法な狩猟用わなにかかった可能性などがあるとして捜査しているが、原因は不明だ。地元住民からは「不気味なので一刻も早く解決してほしい」と不安の声が上がる。

(「耳元でクマのうなり声… 死を覚悟した」)
頭の皮膚はえぐれて骨が見え、右の耳たぶはかみちぎられて無くなった。60針で留める処置を受けた傷が今でも痛む…。こう話すのは、おととし自宅でクマに襲われ、大けがを負った男性です。ものすごい勢いで襲ってくるクマ。耳元でうなり声を聞きながら男性は死を覚悟したといいます。男性は、秋田県北秋田市の中心部で菓子店を営む湊屋啓二さん(68)です。秋田県ではことし4月から8月までのクマによる被害が1人の死亡を含む8人にのぼっています。湊屋さんはおととし10月、自宅でクマに襲われました。顔には引っかかれた生々しい傷痕が今も残り、2年たった今も痛むときがあると言います。湊屋啓二さん「今も1日に何度も、引っかかれた頭の傷が痛み、かみちぎられた耳たぶも痛みを感じる」。クマに襲われたその日、湊屋さんは外出するため車を出そうと車庫のシャッターを開けたところ、車庫内に潜んでいたクマと目があいました。無我夢中で逃げようと走りましたが、迫ってくるクマに襲われました。頭を抱えて腹ばいになったところを、爪で頭や顔、背中などを引っかかれ、腹や脇下をかまれました。一瞬の隙をつき、建物の中に逃げ込み、鏡を見ると…顔は血だらけになっていました。ドクターヘリで秋田市内の病院に搬送された湊屋さん。頭の皮膚はえぐれて骨が見え、襲われた直後には気づいていませんでしたが右の耳たぶはかみちぎられて無くなっていました。顔に受けたひっかき傷があと5ミリ上だったら、失明のおそれがあったといいます。頭部は60針で留める処置を受け、8日間入院しました。湊屋さんを襲ったクマは周辺でほかにも4人を襲ったとみられています。しかし、確実な場所が分からず、クマは駆除されませんでした。そのため、いつかまたクマが襲ってくるかもしれないという恐怖が家族にはつきまとっています。妻は、「怖くて店先に立てない」と話し、この2年間、自宅に併設した店舗は営業を休止しています。湊屋啓二さん「店は創業して100年ほどだが、この周辺でクマに遭遇したという話は聞いたこともなかったし、まさか自宅でクマに襲われるとは考えも及ばなかった。当時、私を含めて5人を襲ったクマはまだ生きていて、また襲ってくるかもしれない。市街地であっても、人に危険がないということがはっきりと分かっている状態なら、発砲してクマを駆除したほうがいいと思う」。いま、全国各地でクマによる被害が相次いでいます。環境省のまとめではことし4月から8月までにクマによる人身被害は長野県、岩手県、秋田県などで合わせて69人でした。このうち、北海道で2人、岩手県、秋田県、長野県でそれぞれ1人のあわせて5人が亡くなりました。湊屋さんがクマに襲われた2023年度は、年間を通して過去最多の被害でしたが、今年度の被害もそれに匹敵する多さです。九州と沖縄、北海道を除いた7月までのクマの出没件数は全国で1万2067件で、2023年度の同じ時期の8536件より1.4倍あまりに増えています。クマによる深刻な被害が相次ぐ中、新たなクマ対策が始まりました。9月1日、改正鳥獣保護管理法が施行されて「緊急銃猟」という新たな制度が始まり、人の生活圏にクマが出没した際、市町村の判断で特例的に市街地などでの猟銃の使用が可能となりました。これまでは、住宅が密集している地域などでは猟銃を使用することは禁止され、人に危険が生じるといった緊急時のみ、「警察官職務執行法」に基づいた警察官の命令などで猟銃が使用されていました。しかし、人の生活圏でのクマの出没が増える中、より予防的かつ迅速な対応が求められることから、法律が改正されました。この制度はクマだけでなく、イノシシも対象です。どんなケースでも市街地などで猟銃が使用できるわけではありません。この4つをすべて満たすことが条件です。1 クマなどが人の生活圏に侵入しているか、侵入のおそれが大きい場合であること。2 緊急性があること。3 迅速に捕獲できる手段がほかにないこと。4 人に弾丸が到達するおそれがないこと。市街地でクマが出没した!という場合であっても、周囲にいる人の安全性が確保されなければ、猟銃は使用できません。猟銃の使用は、市町村がハンターに委託することができますが、市町村には安全性を確保するため、さまざまな役割が求められています。まず猟銃を使用する前には、周辺の住民の通行制限や避難指示などを行って安全確保を行います。そして、実際に猟銃を使用することで、コンクリートなどに当たって弾丸が跳ね返るおそれがないかや、弾丸が後方などに飛んでいくことを避ける「バックストップ」が確保されているかなども確認しなくてはいけません。万が一、物的損害や人身事故が生じた場合はハンターではなく、市町村が損失を補償・賠償することになっています。一部の自治体では市街地でクマが出没したという想定での訓練を行っています。新潟県新発田市では、8月25日に、市職員のほか警察や猟友会のメンバーなどおよそ50人が参加した訓練が行われました。訓練の中では、住民や通行人の安全を守るため、市の職員や警察官などが連携して、周囲の道路を閉鎖したり、広報車で住民に屋内への避難を呼びかける作業を模擬的に実施。そして、クマを建物内に追い込み、人に弾丸が到達するおそれがないことなど、猟銃使用に必要な条件を満たしているかをチェックし、発砲までの手順を確認していました。ただ、懸念もあります。実際にクマが市街地に現れた場合には、どういう動きをするかが読めません。過去に市内でクマが出没したときに、クマを山の方向に行かせようとして、追い込みをかけても、なかなか思うように動かなかったり、茂みの中に入って隠れてしまうことがあったといいます。訓練では、スムーズに発砲までの手順を確認できましたが、実際にクマに対処する場合、迅速に対応できるか不安が残るといいます。新発田市農林水産課 下村拓実主事「新発田市では、人の生活圏でのクマの出没が増えつつある。ただ、実際の生き物相手だと訓練のようにスムーズにはいかないだろうし、民家がたくさんある状況で簡単に銃を撃てない。また、クマを追いやる場所も近くになかったらどう対応するかなど、どうしても現場現場の判断になる。猟銃の使用で一番大切なのは市民の安全確保で、行政の責任は緊急銃猟によって増していると思っている。市街地での猟銃の使用は最終手段だと考えている」。猟銃の弾が建物に当たるなどの損害が出た場合、市町村が補償や賠償を行うことになっている中、それに備えて、保険に加入する動きも出ています。保険商品を販売している大手損保会社によると、8月までに100以上の自治体から保険に加入したいという連絡があったということです。課題の1つに、ハンター不足も指摘されています。環境省によりますと、ライフル銃や散弾銃を使用するために必要な「第一種銃猟」の免許を取得している人は、1985年度は29万7000人でしたが、2020年度には9万人に減少。全国的に担い手の確保が課題です。また、ハンターの「責任」をめぐっても懸念の声が上がっています。環境省は、「緊急銃猟」にあたっては、安全が確保されていると市町村が設定したエリア内で発砲が行われた場合などは、人身事故が発生しても、発砲した人が注意義務を怠っていない限り、刑事責任に問われることはないと考えられる、としています。しかし、北海道猟友会は会員のハンターが責任を負うリスクが拭いきれないとして、「発砲に疑念がある場合はハンター自身が中止を判断できる」とする見解を示しています。クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授は今回の改正法施行で期待される効果について、「野生動物に対する知識を持っている自治体職員が現場で判断して発砲ができれば、事案解決までの時間短縮の効果が期待される」としています。その一方で、課題を次のように指摘しています。東京農工大学大学院 小池伸介教授「自治体の鳥獣担当職員が必ずしも鳥獣に対する専門的な知識を持っているとは限らない。鳥獣だけではなく農業や林業など幅広く仕事をかけ持ち、異動もあるので専門的な知識を持った人が長期にわたり担当をするわけでもなく、そうした人が発砲の判断をしなければいけないというのは職員にとって負担が大きい。自治体が鳥獣の捕獲に専門的に従事する職員を雇用したり、時間がかかっても職員を育成したりしていくことも必要だ」。その上で、市街地への出没を防ぐための対策が必要だと指摘します。「クマやイノシシが市街地に出没するのは何かしらの原因がある。何が誘引になって動物たちが森から出てきたのか、どこから市街地に入り込んだのかを検証し、その誘因となるものを確実に除去したり、やぶを刈り払うなど侵入経路を遮断したりして、簡単に森から市街地に入り込めないよう根本的な対策をしないかぎりは市街地出没の問題は解決しない。出没した際の対応だけではなく平時から長期的な視点で地道に対策を続けなければ今後も市街地に出没して甚大な被害の発生が繰り返されてしまう」。今回の取材の中で全国の自治体の担当者に取材しましたが、「緊急銃猟」の制度について、どのような場面なら市街地での発砲を可能と判断できるか、不安を抱えている自治体も多い印象でした。クマに対処しながら、猟銃の使用による事故を防ぐというミッションをクリアするために、今後も訓練などを通して準備を強化していくことが求められています。一方、秋以降のクマのエサでもあるブナの実について東北などでは「凶作」と予測されていて、今後も市街地にクマが出没する可能性はあります。クマによる被害を防ぐため、いざというときの猟銃の使用に向けた対応のほか、そもそもクマを人里に出没させない対策を両輪で進めていくことが喫緊に求められています。

(クマが顔面を狙う事件はなぜ起きるのか?:伊藤 秀倫)
2025年の夏は全国各地でクマの目撃や襲撃が相次いだ。知床半島・羅臼岳で登山中の男性がヒグマに襲われ、遺体で発見された事件に衝撃を受けた人も多いだろう。ランニング中や人家でクマに襲われるケースも多い。クマに出会ったら、ケガをしたらどうすればよいのか……。『クマ外傷 クマージェンシー・メディシン』の編著者である秋田大学医学部の中永士師明(なかえ・はじめ)医師に話を聞いた。「クマにやられた傷は治療が難しい」。クマに関する取材をしていると、しばしば聞く話ではある。中には「クマの爪でやられると、3、4本の傷が並行するから、お互いを縫い合わせるのが難しいんだ」と訳知り顔で“解説”してくれる人もいた。なるほどそんなものか、と思っていたが、中永士師明医師(救急・集中治療医学講座 教授)は、きっぱりと否定した。「クマによる外傷がナイフのような綺麗な線状の傷になることは、ほとんどありません。傷口は、はっきりいってグチャグチャな状態になります」。その中永がクマに襲われた患者を初めて見たのは、今から30年以上前、岩手医科大学に勤務していたときのことだった。それまで大阪や横浜など都市部での救急医療に携わってきた中永にとっては、クマが出るということ自体驚きだったが、搬送されてきた患者の状態を見て、文字通り絶句したという。「襲撃時の状況など、細かいことは覚えてないのですが、顔面をひどくやられていました。それまでも犬とか馬など他の動物による外傷は見たことがありましたが、全く違っていたんですね。とにかく瞬間的にすさまじい外力(外から受ける力)が働いたことが一目でうかがえる外傷でした」。医師であっても、通常はクマによる外傷を治療する機会はほとんどなく、研修などの過程で知識としてそれを教えられることもないという。中永が初めて見るクマ外傷は、動物による傷というよりも、むしろ交通事故などによる「高エネルギー外傷」に近い印象を受けたという。「例えば、車が正面衝突したとか、工場で大きな機械に巻き込まれた、あるいは高所から転落したとかそういう時に負うのと似た感じの傷なんですね。それだけ強い外力が複雑に作用して受傷されているというのが、やはり衝撃的でした」。以来、これまでに中永が診たクマ外傷の症例数は100に近い。とくに秋田大学医学部に赴任した2008年以降、症例は加速度的に増えていき、2023年には1年で20例を診た。『クマ外傷 クマージェンシー・メディシン』は、その20例の症例をもとに中永をはじめとする秋田大学医学部で救急医療を担当する7人の医師がクマ外傷の実態を解説した稀有な本である。「もともとは別の救急医療の本のコラムとして、クマに襲われた患者さんは外傷だけでなく、心にも傷を負ってPTSDを発症するなど、治療に時間がかかるケースが多いということを書いたんです。それが医療系出版社の編集者の目にとまって、クマ外傷に特化した本を出すことになったんです」。本書は医療関係者のみならず一般読者の強い関心を惹き、救急医療の専門書としては異例の売れ行きを記録。中永も「ここまで話題になった本は初めてです」と語る。中永によると、クマによる外傷にはひとつ大きな特徴があるという。「それはクマは顔面を攻撃するということです。うちで診たクマ外傷の患者さんの実に90%が顔面に受傷していました。次に多いのが上肢(70%)で、以下、頭部(60%)下肢(40%)胸部(25%)頸部(15%)となっています」。なぜ顔面に受傷が集中するのか。それはクマの習性とも関連する。クマは周囲を警戒したり、威嚇したりするときは後肢で立ち上がることが多い。しかるのち、必要とあらば攻撃へと転じるのである。「そのため、クマによる第一撃は、立ち上がった状態から前肢で水平に薙ぎ払うことが圧倒的に多いんです。クマの立位での身長はだいたい100~150cmですので、ちょうど人間の顔の高さを振り抜くことになります。また、クマ同士で争う場合は、相手の口をかみこんで窒息死させようと顔を狙うので、人間においても顔面外傷を負うことが多いんです」。襲われた人は顔の右側に傷を負うことが多いことから、ハンターの間では“クマは左利き”という説もあるというが、中永は「恐らく右利きの人が多いので、咄嗟に右手をかざして、右半身の状態でクマの攻撃を防ごうとして、右側に傷が集中するのだと思います」と語る。いずれにしろ、その威力はすさまじいばかりだ。「以前、クマに襲われた患者さんの治療のため、傷口を洗浄して縫合しようとしたら、皮膚の中からクマの爪が出てきたこともありました。自分の爪が折れるほどの勢いで前肢を振り下ろしているのか、と驚きました」。当然のことながらそれだけの力で顔面を薙ぎ払われたら、そのダメージは深刻なものになる。中永らのデータによるとクマ外傷患者の45%が顔面を骨折し、15%が眼球破裂に至っている。本書では、患者の了解をとったうえで受傷直後の写真と治療後の写真が並べて掲載されているのだが、とくに前者の写真は「これだけの傷を負った人が死ななかったのか」と驚くほどの惨状を呈している。とりわけ私が驚愕したのは、本書の第3章・症例3として記録された70代男性のケースである。この男性は路上でクマに襲われ、倒れたところをクマにのしかかられていた。たまたま車で通りかかった人がクラクションを鳴らして追い払ったが――。〈顔面中央部を眉間から両頬、上口唇にかけて一塊に食いちぎられた。離断された顔面は路上に残っており、救急搬送時に回収された〉(『クマ外傷』より)。「このケースでは、現場に駆け付けた救急隊員がたまたま地面に落ちていた被害者の鼻周辺の組織を見つけて、それを袋に入れて患者さんと一緒に持ってきてくれました。歯とか指の脱落の場合は、ほぼ全部丁寧に持ってきてくれるのですが、鼻を持ってきてくれた救急隊員は初めてでした」。マに襲われた患者が運ばれてきたとき、中永ら救急担当の医師はICU(集中治療室)でまず「全身管理」を行う。これは患者の全身状態を総合的かつ継続的に評価・調整し、まずはその命を守るために必要な治療を施すことを指す。「とにかくバイタルサインの安定化を図ることに徹します。具体的には(A)気道確保と頸椎保護、(B)呼吸と致死的な胸部外傷の保護、(C)循環と止血の3点です。それから出血性ショックに伴う低体温症に備えて保温対策を行い、傷口が細菌で汚染されないよう感染症対策も非常に重要です。細かい診断をする前に、とにかく“死の危険を遠ざけること”が我々、救急医の役割です」。バイタルサインが安定し、いわゆる「命に別状はない」という状態になったところで、順次、必要な治療が施されていく。顔面の外傷なら形成外科医が、手足の複雑骨折などであれば整形外科医が、という具合に受傷部位によって分担していくという。「この患者さんの場合は、すぐに形成外科医が全身麻酔下で離断した組織(鼻)の再接合手術を行いました。形成外科の先生が非常に頑張ってくれて、この手術が非常にうまくいったんですね」。本書には術後半年の患者の写真も掲載されているのだが、中永の言葉通り、搬送直後の“顔のほとんどを失った”としかいいようのない状況から、奇跡といってもよいほどの回復ぶりだ。鼻も綺麗についており、違和感もほとんどない。「多くのクマ外傷治療を経験する中でわかってきたことのひとつが、『顔の傷はあまり感染を起こさない』。つまり化膿しにくいんですね。顔面には多くの動脈・静脈・毛細血管などが密に分布しており、血流が豊富なため、細菌なども排除されやすいのでしょう。それに対して四肢の傷の場合は感染が起こりやすく、残念ながら再建が難しい場合も少なくありません。ちなみに海外のクマは狂犬病に罹っていることがあるのですが、日本のクマは狂犬病ウイルスを持っていません」。一方で、治療の予後がいい顔であっても、「ここだけは、やられてしまうとどうしようもない」という器官がある。眼球である。「目だけは治せません。クマにはたかれて目が飛び出したり、眼球破裂になってしまうと、失明するしかない。我々が診たクマ外傷の20の症例では眼球損傷と眼筋の障害により、3名が失明してしまいました」。クマ外傷の場合、いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの「心の傷」も大きな問題となる。「うちで入院されたクマ外傷の患者さんのうち、だいたい40%くらいが不眠などの症状を訴えていました。襲われたときの状況がフラッシュバックするという方や、畑で襲われた70代の女性が、その後『怖くて畑に行けなくなった』というケースもありました」。本書で報告されている症例は、テレビのニュース報道であれば、「クマに襲われましたが、命に別状はありませんでした」などと報じられることになる。ところが「命に別状はなし」の実態は、かくも凄惨なものであり、被害者にとってはその後の人生に関わるほどの深刻なダメージが残る。このことは、これまであまり知られてこなかった。中永が力をこめる。「それこそ私たちがこの本で伝えたかったことです。“命に別状はない”というのは、決して軽傷ではありません。それどころか、一生を左右するほどの傷を負うこともあるのだということをもっと知ってほしい。報道でも“命に別状はありませんでしたが、被害者は重傷を負いました”という一言を付け加えるだけでも印象が変わると思います」。クマを正しく恐れることが、結果的にクマによる人身事故を防ぐことに繋がるのである。

(クマに襲われた人々の“その後”と、生死を分ける“防御姿勢”:伊藤 秀倫)
クマに出会ってしまったら、どうすればいいのか。全国でクマの出没が相次ぐ昨今、しばしばその対処法が話題になる。一般的には「クマから目をそらさず、背中を見せないようにゆっくりと後ずさりしながら、その場を離れる」ことが推奨されている。目をそらしたり、背中を見せた瞬間、クマは襲ってくるからだ。では中永医師らが担当したクマに襲われた患者たちの場合はどうだったのだろうか。「それが『薮の中から突然クマが飛び出してきて、対処する暇もなかった』というケースがほとんどでした。中には自転車に乗っているときにクマに襲われたけど、襲われたときの記憶がまったくないという人もいました」。驚いたことに、クマに襲われたにもかかわらず、自力で家に帰ってしまい病院に来ない人も一定数いるという。「人間は生命の危機に直面すると、副腎からアドレナリンが大量に分泌されます。このアドレナリンには、血管を収縮させて外傷による出血を抑えたり、感覚器を一時的に麻痺させて、痛みを感じないようにする作用があるんです。そのため襲われた直後は、外傷を負っているのに、痛みをほとんど感じない患者さんもいるんです」。痛みがないので「病院に行くまでもない」と自分で判断してしまうわけだが、帰宅したところで傷を見た家族が仰天して病院に連れてくることになる。「それで入院して少し落ち着いたところで、アドレナリンが切れるのか、皆さんものすごく痛がりますね」。中永によると「クマ外傷の場合、小さな傷に見えても油断できない」という。 「例えば、左腕に1cm程度の小さな裂傷があるだけなのに、実は上腕骨を粉砕骨折していたというケースもありました。クマの爪や牙による傷は、表面上は大したことないように見えて、深部組織にまで達していることが多いのです。そのため直視で深部が確認できるくらいまで必要十分に皮膚を追加切開し、汚染組織があれば切除するなどの治療が必要になります。とくに四肢の傷は顔面に比べて感染症を起こしやすく、骨が感染すると難治性の骨髄炎になることもある」。だから、クマに襲われたときは、たとえそれがどんなに小さな傷であっても病院を受診する必要がある――これも中永らがクマ外傷の症例を重ねる中で得られた知見のひとつといえる。それにしても、中永たちが担当した患者のほとんどが、「ゆっくりと後ずさり」する時間的な余裕もないまま、突然襲われているという事実には正直驚かされた。そもそも普通、クマというものは人間の存在を関知したら、これを避けるように行動するとされている。もし避けられずに人間と遭遇してしまった場合でも、攻撃に移る前に警戒・威嚇というフェーズがあるものだ。そのフェーズを経ずにいきなり攻撃しているのだとしたら、いったい日本のクマに何が起きているのだろうか。県土の約7割を山林が占める秋田県は、もともとクマによる人身事故が全国的に見ても多い地域である。だが中永は、近年の県内におけるクマ被害の状況には“ある変化”が生じていると指摘する。「以前は、山菜採りなどで山林の中に入った人がクマに襲われるというようなケースが圧倒的に多かったんです。いわばクマのテリトリーに人間が入っていったことによる事故でした。ところが近年では、市街地に侵入してきたクマに出くわした人間が襲われることが増えてきた。人間のテリトリーの中で襲われているわけです」。その結果、皮肉なことにクマに襲われた患者が病院に搬送されるまでの時間は、以前に比べて短くなっているという。昨年11月には秋田市内土崎港のスーパーマーケットの中にクマが侵入し、開店準備中だった男性従業員を襲う事故(男性は頭にケガ)が起きている。現場は土崎港と名の付く通り、海に面した港町であり、最寄りの山林までは少なくとも4、5kmは離れており、通常であれば、クマが出るとは考えづらい場所だ。クマが市街地に出没する理由としては、(1)夏から秋にかけてクマの主食となるドングリなど木の実類が山で凶作となり、エサを求めて人里まで降りてくる(2)若いオスが繁殖期に交尾相手を求めて移動し、人里に迷い込む(3)山林破壊や里山の荒廃により、ヒトとクマの生息域が接近し、人里周辺で生活する人慣れしたクマ(アーバンベア)が増えた、といったことが考えられる。いずれにしろ人里に迷い込んだクマは極度の興奮状態、もしくはパニック状態にある。そういうクマが人と遭遇した場合は、一種の防衛行動として即座に攻撃に転じる可能性が高い。今や秋田に限らず、全国的にクマの出没件数は増加傾向にあり、人里付近での人身事故も増えている。今年7月には岩手県で民家に侵入したクマが、家の中にいた老婆を襲って死亡させるという前代未聞の事故も起きている。そうした状況で人間ができる最大のクマ対策は「出会わないこと」に尽きる。「例えば春に山菜をとりに山へ行くのは、クマのテリトリーに入ることに他なりません。極力控えるべきだと思います。やむをえず山に入る場合はクマ鈴はもちろん、ヘルメットやヘッドキャップ、耐切傷性のあるケプラー軍手などを着用することを推奨しています。さらに都市部であっても、いつどこでクマが出てもおかしくないという意識で行動することが求められると思います」。秋田県では2024年から「クマダス」(ツキノワグマ等情報マップシステム)を運用し、県内におけるクマの出没情報をリアルタイムで表示している。例えば2025年7月25日~2025年8月8日までの2週間での出没情報は実に411件に達している。同じ個体に関する情報が複数寄せられているにしても、かなりの数である。「今も毎日のように目撃情報が寄せられています。ただこのクマダスの運用が始まってから、人身事故は減っているんです。2023年には年間70例だったクマ外傷の傷病者数は、24年は11件にまで減少しました。出没情報が出れば、警察のパトカーも巡回して注意喚起を促しますし、住民の方もより注意して生活するようになるので、こうした取り組みは効果があると思います」。それでも不幸にして、クマと出会ってしまった場合、生死を分けるポイントはどこにあるのだろうか。「とにかく顔と首を守ることです。先ほども言ったとおり、目は治せませんし、顔には重要な神経がたくさん通っています。首はやはり頸動脈をやられると生命に関わるので」。顔と首を守るために中永が推奨するのが、図の防御姿勢である。「首の後ろに両手を組んで、うつ伏せになったり体を丸めたりして、顔を地面に伏せることで、顔と首を守る姿勢ですね。クマは人間を食べるために近づいてくるわけではないので、しばらく攻撃すると立ち去ります。実際に私どもが担当した患者さんで、山菜とりの最中にクマに襲われたものの、この防御姿勢をとって重傷の顔面外傷は免れました」。それでも、顔面・頭部に挫滅創(咬み潰されたような傷)、鼻骨骨折、右指骨骨折、左橈骨骨折などの傷を負ったというから、クマによる攻撃がいかに強力なものであるかがわかる。「クマが立ち去った後で、パニックにならないことが大事です。出血が激しければタオルやシャツで圧迫止血を行うなどの応急処置をする。そして何よりもすぐに救急車を要請することです。重傷外傷では、いかに早く本格的な止血術を開始するかが重要で、受傷から1時間が『ゴールデン・アワー』と言われており、これを超えると死亡率は3倍に跳ねあがってしまいます。どんな場合でも携帯電話などの連絡手段を持つことは必須です」。何よりも大切なことは、と最後に中永はこうつけ加えた。「決して諦めないことです。どんなに重傷に見えても、たとえ鼻がとれてしまったとしても、治療によってかなりの程度まで回復できることがわかっています。だから決して諦めず、パニックにならずに、防御姿勢をとり、まずは生き延びることを考えてください」。

(住宅2階にクマ侵入:福島)
11日午後6時半ごろ、福島県福島市桜本字上砂田の住宅で「2階にクマがいる」と、この家に住む80代男性の親戚から福島署に通報があった。男性は逃げて無事だった。福島署によると、クマは体長約1.5メートル。男性は1人暮らしで、帰宅後に2階にいるクマに気付いたという。同署は近隣住民に戸締まりを徹底し、家の外に出ないようにするなど注意を呼びかけた。同日午後7時50分ごろには警戒中の署員がこの住宅近くで、体長約1.5メートルのクマがやぶに入るのを目撃しているが、同一個体かどうかは不明。同署は警戒を続けている。現場近くに住む70代男性は「荒川が近く、この辺りはよくクマが出る地域。クマが入りやすい家だったのではないか」と話した。県によると、4~8月のクマの目撃件数は661件で、昨年1年間の618件をすでに上回っている。県は11日、中通り、会津に発令されていたツキノワグマ出没特別注意報を最も警戒レベルの高い「出没警報」に引き上げた。浜通りには出没注意報を発令した。

(ヒグマ1頭駆除、3時間近くハンターらとにらみ合い:北海道)
10日午後2時前、北海道七飯町鳴川で車で通りかかった人が、農家の敷地内に入るクマを見つけ、警察に通報しました。七飯町役場によりますと、出没したクマはその後、道路上に居座ったり、近くの木に登ったりして3時間近く、居座りました。このため、周辺の住人が避難したほか、近くを通る自動車専用道路=函館新道の七飯本町ICと七飯大川ICの間が約1時間40分、通行止めになりました。現場には、多数の警察官やハンターが駆けつけ、クマ取り囲むようにしてにらみ合いが続きました。そして午後4時40分ごろ、事態は大きく動きます。クマの体長は約1メートル。畑の中でナシを食べた後、木の上に登り、警察官らとにらみ合いになり、木から下りてきたところを駆除されたということです。警察によりますと、今回の駆除はこれまでの有害駆除の法的な枠組みで行われ、9月から始まった緊急銃猟ではないということです。現場から750メートルほど離れた場所には、保育園や七飯高校などもあり、西側には住宅街も広がっています。今回は日中の出没で市街地ではないこと、銃弾を止めるバックストップがあったことなどから、9月に始まった緊急銃猟ではなく、これまでの有害駆除の法的な枠組みで駆除されたということです。

(「クマと車がぶつかった」:北海道)
9月8日夜、北海道広尾町の国道336号で、10代の男性が運転する乗用車がクマと衝突する事故がありました。車は前方部分が大破し、自走不能となりましたが、男性にけがはありませんでした。事故があったのは、広尾町の国道336号の市街地から2キロほど離れた郊外です。警察によりますと、8日午後7時20分ごろ、10代の男性が運転する乗用車が帯広方面から広尾市街方面に向かって走行中、道路右側から飛び出してきたクマと衝突しました。事故の直後、運転していた男性が運転席側のドアを開けたところ、体長約1.5メートルのクマが道路に横たわりながら、唸り声を上げていたということです。男性が驚いてドアを閉めると、クマは立ち去ったということです。衝突の衝撃で車は前部が大きく破損し、自走できない状態となりレッカー車で運ばれました。車を運転していた10代の男性にケガはなく、同乗者もいませんでした。その後、警察が付近をパトロールしましたが、クマは発見されず、痕跡やその他の被害も確認されていません。現場は草むらや林に囲まれた場所で、一般住宅から約600メートル離れた郊外です。警察は付近で警戒活動を続けるとともに、夜間の走行時は特に注意するよう呼びかけています。

(東武東上線でイノシシと衝突:埼玉)
東武鉄道によると、東武東上線は、7日午後7時4分ごろ、みなみ寄居―男衾駅間で発生したイノシシとの衝突の影響により、午後10時39分現在、小川町―寄居駅間の一部列車に運休および遅れが出ている。

(JR千歳線、普通列車がシカと衝突:北海道)
8日午前7時10分ごろ、苫小牧市のJR千歳線沼ノ端―植苗駅間で、苫小牧発手稲行き普通列車(6両編成)がシカと衝突し、緊急停止した。けが人はいなかった。JR北海道によると、列車は車両点検を行い同8時までに運転を再開したが、苫小牧―手稲駅間で普通列車2本が部分運休し、900人に影響した。

(高速道路で車と衝突、ヒグマ死ぬ:北海道)
7日午後7時5分ごろ、北海道美唄市の道央自動車道下り線で、乗用車とヒグマが衝突した。車には40~60代の男性計4人が乗っていたが、けがはなかった。クマは路上で死んでいた。道警高速隊によると、クマは体長約1・2メートル。車は前方が一部破損したが自走可能で、4・4キロ離れたパーキングエリアに到着後に「クマのような動物にぶつかったようだ」と110番した。現場は美唄インターチェンジから北へ約1キロ。道央道では8月30日にも滝川市内の下り線で、車とクマの衝突事故があり、体長1・3メートルのクマが死んだ。

(クマの相次ぐ出没、野外音楽フェスが延期:青森)
青森・弘前市の岩木山百沢スキー場で13日に開催予定だった野外音楽フェス「OYAMA NO NEIRO.」が開催延期を発表。理由について「クマの相次ぐ出没」と説明した。同イベントは5日、公式SNSにて「弘前市内および会場周辺におけるクマの相次ぐ出没を受け、安全確保を最優先とする市役所の判断により、会場が使用禁止措置の対象となりました」と説明。「この決定を受け、実行委員会としてもあらゆる可能性を検討してまいりましたが、現地での開催は不可能と判断せざるを得ず、苦渋の決断ではございますが、本年の開催を断念する結論に至りました」と伝えた。続けて「本来であれば皆様の温かいご支援のもと、最高の時間を共に創り上げるべく準備を重ねてまいりましただけに、このようなご報告をしなければならないことは誠に無念であり、実行委員一同、悔しさで胸がいっぱいでございます」とつづり、「現在は来年の開催を目指し、会場や日程について鋭意検討を進めております。詳細が整い次第、改めてご案内申し上げますので、引き続き変わらぬご支援を賜れますよう、心よりお願い申し上げます」と呼びかけた。

(体長1.5mのオス捕獲、シャインマスカットなど「高級ブドウ」が食い荒らされる被害相次ぐ:長野)
9月4日、長野県千曲市で体長1.5メートルのオスのツキノワグマ1頭が捕獲された。周辺ではシャインマスカットなどの「高級ブドウ」が食い荒らされる被害が相次いでいて、生産者は「毎日クマが出て、ただごとではない」と恐れていた。わなにかかった1頭のクマ。威嚇しているのか、鋭い目つきで大きな牙も見える。4日午前7時半ごろ、千曲市森地区で見回り中の地元猟友会が見つけた。体長1.5mほどでオスのツキノワグマ。クマはその場で処分された。周辺のブドウ畑では8月末にシャインマスカットなど約120房が食い荒らされる被害があり、市がわなを設置していた。森地区の隣の倉科地区でもブドウが食べられる被害が2日連続で発生していた。8月21日にはブドウ畑でシャインマスカットなど40房が食べられているのが見つかっていて、畑にはクマの足跡があったという。翌日の8月22日朝には、他の畑で実がなくなったブドウが見つかっていた。ナガノパープルやクイーンルージュなど約30房が食べ荒らされ、近くにクマのフンが落ちていたという。畑の生産者は「毎日クマが出ていて、ただごとではない」と話していた。市は捕獲したクマと同一個体の可能性もあるとみて、関係機関に検体を送り調べることにしている。

(クマがみそだる荒らす:岩手)
12日午前10時25分ごろ、二戸市浄法寺町の豆腐店の店舗兼作業小屋で、クマがみそだるを荒らす被害が確認された。二戸署によると、みそだるは建物内で保管。ふたにクマとみられる爪痕があった。

(シカが横切ったと思ったら…後ろに追走するクマ:北海道)
北海道西部の積丹町で9月13日、シカを追いかけて道路を横断するクマ1頭が目撃されました。現場は積丹町幌武意町の道道野塚婦美線の路上です。13日午前1時ごろ、車で西から東に走っていた人が左側からシカ2頭を追いかけながら道路を横断する体長約2メートルのクマ1頭を目撃しました。男性は夜が明けてから積丹町役場に連絡。13日午前10時30分、役場が警察に「走行中の車の前をシカを追いかけてクマが横切った」などと警察に通報しました。男性の車からクマまでの距離は約20メートルでした。現場周辺は山に囲まれた場所ですが、住宅も多いことから、警察が注意を呼びかけています。

(職人技光る“名刺入れ”が誕生:静岡)
ビジネスの基本マナー「名刺交換」。手にした「名刺入れ」は自分の印象を左右する重要なアイテムです。今回のしずおか産は、伊豆で誕生、蝶番を使った「名刺入れ」です。9月3日、東京でのイベントに出品展示されました。静岡県伊豆市で80年にわたって金属部品を加工する伊藤金属総業。<伊藤金属総業 伊藤徹郎社長>「よく聞かれるんですけど、数千種類の蝶番を作っていることになると思います。実はみなさんの知らないところでこんな形をした蝶番も使われています」。蝶番は扉やふたなどに取り付け、スムーズに開け閉めできるようにした金具です。この工場では、年間約100万個製造しています。<伊藤社長>「地域のものと何かをつなげて新しいものを生み出したい。そういう思いがあった中で、まさか本当に(蝶番が)名刺入れになるとは考えていませんでした。革製品とそもそも蝶番が繋がるということも全く想像していませんでした」。「蝶番でおしゃれな雑貨を作りたい」という伊藤社長の思いを形にしたのは、伊豆市の革職人でした。<松本天太さん>「はい、全部自分が作りました」。松本天太さんは、靴作りの専門学校を卒業後、3年前に伊豆市に移住。今は猟師をしながら鹿や牛などの革を使ってバッグや財布などを製作しています。<松本さん>「蝶番を使ってものづくりをしたことがなかったのでその話を聞いた時にはワクワクしました。蝶番のギミックというか、スムーズな開閉というところがすごくしっくりきて、もうこのまま名刺入れを作ろうということで何回か試作を行って、ちょうどいいバランスの名刺入れができたと」。名刺入れの蝶番には、熟練の技が光ります。<伊藤社長>「(金属の厚みが)元は1.6ミリだったものを今回は1ミリにしているので0.6mm薄くなっています」。「真鍮」でつくった蝶番。革と共に時が経つほどに風合いが増します。「名刺入れ」を手にした時の感触を良くしようと本体には「鹿の革」を使っています。<松本さん>「鹿革の特徴として滑らかさはすごく触ってもらうと感じてもらえる」。<松本さん>「手触りすごくいいですよね。ずっと触っていたくなるような滑らかさを持っています」。<松本さん>「手縫いの場合は1本で縫うので、もし、ステッチが切れてもそこで止まってくれるので耐久の面でも手縫いの方が優れているかなと思っています」。<伊藤社長>「人と人が繋がる最初の場面で活躍する名刺入れが今回であれば伊豆の鹿革であったりとか、他にも伊豆に名物、名産品があるんですけど、そういったものとつなげて新たな魅力が生まれればいいと思っています」。

(「シカじゃぶ丼」を試験販売:鳥取)
授業でマーケティングを学ぶ大学生がジビエを使った郷土料理の開発と販売に挑戦しました。9月12日、マーケティングを学ぶ公立鳥取環境大学の学生たちが鳥取市のスーパーサンマートで試験販売を行いました。サンマートと共同開発したのは、シカのもも肉を使って鳥取県東部の郷土料理「じゃぶ」を丼にした「シカじゃぶ丼」です。公立鳥取環境大学の学生「ジビエの中でも取っつきやすいほうの鹿肉とじゃぶ本来のマイルドな味。ジビエへの入りやすさを意識した味になっているそういうところは強みになるのでしっかり押し出していこうかなと」。マーケティングを肌で感じるため学生たちは今年4月にも同様に開発を手掛けた「おにぎり」を店頭販売しました。休日と比べ客足が少ない平日とあって、学生たちはチラシを見せて宣伝をしたり買い物客に対しじゃぶについて紹介をしていました。公立鳥取環境大学(竹内ゼミ)3年 平位佳音 ゼミ長「売り出す上で一番大切なのは伝えることだと思いますので、使える手段は視覚やら音声やらとことん色々使って販売しております。じゃぶというものをどこかの機会で伝えていけたら」。鳥取環境大学の竹内ゼミでは、今後も購買行動の促進につなげる方法を学んでいくことにしています。

(ジビエの腕前を故郷で:長野)
信州ジビエの立役者として知られる藤木徳彦シェフのもとで修業した飯田市南信濃出身の料理人、藤下拳成さん(26)が、道の駅遠山郷(飯田市南信濃)の指定管理者「株式会社遠山GO」のオファーに応え、郷土レストランを開業した。

(東北道でクマ2頭目撃:宮城)
警察によると、11日午後5時10分頃、富谷市富谷原前北の東北自動車道で、南進中の車両のドライバーが、道路を東から西へ横断するクマ2頭を目撃し警察に通報した。クマの体長などは不明。目撃現場の西約200メートルには中学校もあり、警察では付近をパトルールして警戒にあたった。その後、目撃情報は寄せられていない。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、12日午後8時45分ごろ、富谷市富谷新町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
石巻市によると、12日午後6時10分ごろ、石巻市南光町1丁目にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、12日午後0時30分ごろ、登米市迫町新田大浦にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、12日午前9時10分ごろ、登米市迫町新田大浦にクマが出没しました。

(カモシカ出没:宮城)
石巻市によると、11日午前8時50分ごろ、石巻市八幡町1丁目にカモシカが出没しました。

(クマ出没:宮城)
石巻市によると、10日午後6時ごろ、石巻市大手町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後5時10分ごろ、富谷市富谷原前北にクマが出没しました。

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9/12
(ハンターがゴルフ場でクマ1頭を無許可で駆除:北海道)
札幌市南区のゴルフ場で、運営会社がシカ駆除のために雇っているハンターがクマ1頭を無許可で駆除していたことがわかりました。ハンターは猟友会に所属していないということです。雄大な自然に囲まれた札幌市南区のゴルフ場=「滝のカントリークラブ」。このゴルフ場のコース内に先週、クマが出没しました。こちらはゴルフ場を訪れていた人が撮影した映像。カートのモニターから警報音が鳴り響き「全組ハウスまでお戻りください」と表示されています。今月2日から3日間連続で出没したクマ。利用客によりますと、出没のたびにアナウンスが入り、プレーを中断せざるを得ない状況となったということです。そんな中・・「シカ駆除のために雇われたハンターが、無許可でクマを駆除したということです」。3日目の出没があった4日午前。ゴルフ場はコース内にいたおよそ220人を避難させ、契約している専属のハンターの男性にパトロールを依頼したといいます。「コース内の巡回に、契約しているハンターにお願いして、3日連続同じ場所に出ているので、餌になるもの等の確認も含めて巡回をお願いした」。ハンターの男性が1人でコース内を巡回していたところ、クマに出くわしたということです。■滝のカントリークラブ・飛田寛大支配人:「目撃があった現場付近で餌になるもの等を探してた際に、大体4、5mの距離でクマが出たということで、自分の方に動いてきたということで、緊急避難的な措置として発砲したと聞いています」。この発砲で駆除されたクマ。しかし、札幌市などによりますと、このハンターの男性は猟友会に所属しておらず、鳥獣保護管理法に基づくシカの駆除許可は得ているものの、クマを駆除する許可はなかったということです。有害鳥獣としてのクマ駆除は、あらかじめ道などに申請を行ったうえで許可を得てから行う必要があります。通常は自治体が許可を得て、猟友会などに依頼し駆除してもらうケースがほとんどです。しかし、人命に危険が迫っている場合は、許可のない駆除が刑法の「緊急避難」として認められるケースもありえます。今回のケースは「緊急避難」に当たるのでしょうか。■札幌市環境共生担当課・坂田一人課長:「緊急避難で発砲すること自体がかなり特殊なケース。本当に差し迫った危機だったのか、警察としても確認をしっかりとするということでした」。猟銃免許を持つ現役のハンターでもある中村憲昭弁護士は、「緊急避難」が認められるハードルは非常に高いと話します。■現役ハンター・中村憲昭弁護士:「緊急避難っていうのはあくまでも本当に例外的な措置なんです。違法に見える行為を行った人でも、例がい的に違法性を阻却(そきゃく=退けたり妨げたりすること)しましょう、許してあげましょうという理屈なんです。ヒグマの駆除の許可を持っていないにも関わらず、ヒグマの見回りに出たとなれば、銃刀法の解釈を安易に考えすぎかなと。緊急避難で逃れられるというのは安易かなと思います」。クマによる被害が相次ぎ、駆除のあり方が問われている中で起きた今回の問題。駆除の許可を出す道は、警察などとハンター立会いのもとで現場の確認を行っていて、今回の駆除が適切だったかどうか詳しく調べています。ではスタジオで現役ハンターでもあります、中村弁護士の話を今一度まとめておきます。まず大前提としまして、猟銃所持の許可を持っていても、いつでも駆除ができるわけではないということです。事前に動物ごとに有害鳥獣駆除の申請をして、道などから許可を得た場合に限ってその動物への発砲が認められる、こういう矢印になるわけなんですね。今回はシカの駆除許可しか得ていないハンターがクマに発砲をして駆除したということです。ハンターは「緊急避難的な措置として発砲した」と話していますが、中村弁護士、緊急避難についてはこのように話しています。「例外的に違法性を許すものだが、要件が厳しい」と。具体的には「全く予期せずクマに出会った場合、そして襲われそうになった場合、命を守るために仕方なく打ったら違法性が問われない可能性がある。」そうなんですが、今回は「事前にクマの出没が確認されていて、クマの駆除を意図していた場合、この要件が満たされていないのではないか」という見方です。クマの駆除許可がないのにクマの見回りに出ていたとしたら、緊急避難そして法律の解釈が誤っていた可能性もあると中村弁護士は話しています。

(散歩中、クマに襲われけが:秋田)
7日午前6時ごろ、秋田県大館市粕田村西で、散歩中の女性(76)がクマ1頭に左肩を引っかかれ、数針縫うけがを負った。命に別条はない。クマは現場から立ち去り、大館署が警戒を呼びかけている。同署によると、道路脇から出てきた体長約50センチのクマが突進してきて押し倒された。女性は腰の痛みも訴えている。

(77歳男性が動物に襲われ大けが、クマに襲われたか:秋田)
10日夜遅く、秋田県大館市で畑を見に行った77歳の男性が動物に襲われ、顔の骨を折る大けがをしたほか、頭などをひっかかれました。警察はけがの状況から男性がクマに襲われたとみて周辺の住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、10日夜11時前、秋田県大館市雪沢で77歳の男性が自宅の近くにあるぶどうなどを栽培している畑を見に行ったところ動物に襲われました。男性は顔の骨を折る大けがをしたほか、顔と頭を複数ひっかかれ、市内の病院に運ばれましたが命に別状はないということです。畑を動物に荒らされないか心配になり様子を見に行っていたということで、警察はけがの状況から男性がクマに襲われたとみて周辺の住民に注意を呼びかけています。現場はJR大館駅から東に8キロほど離れた田んぼや畑などがある山あいの集落です。

(クマ出没多発、学校現場の苦悩:岩手)
岩手県内各地でクマの出没が相次ぐ中、新学期が始まった教育現場は対策に懸命だ。校庭周辺への電気柵の設置や、保護者の送迎が困難な場合のタクシー費用を自治体が負担するなど知恵を絞っている。滝沢市では8月、教員が校舎内でクマと鉢合わせる事例も発生。「急に出てきたら不安」と子どもたちの安全を預かる立場からは、手探りでの対策を懸念する声も漏れる。住田町世田米の住田中(遠山秀樹校長、生徒69人)では、校庭の南側から西側の斜面に沿うように約200メートルの電気柵が張り巡らされている。5月に校庭でクマが目撃されたことをきっかけに設置。周囲ではサルやイノシシの目撃もあるが、今は鳥獣の侵入は落ち着いているという。町教委は同校での出没を受け、クマよけスプレーや鈴を学校に配布。登下校の見守りや、地元の鳥獣被害対策実施隊と連携した調査などを進める。多田裕一教育次長は「さまざまな対策を講じているが、効果の検証が必要だ」と余念がない。

(猟銃使用に新ルール”改正鳥獣保護管理法”が施行:山形)
山形県内では連日クマの目撃が相次いでいます。先週、鶴岡市や山形市などでクマが目撃され、鶴岡市ではクマが網戸を開けようとしていたことがわかりました。また、鶴岡市では先月30日、由良2丁目で体長およそ1メートルのクマが、31日には湯野浜2丁目で体長およそ1メートルのクマが目撃されています。さらに、先月25日、河北町では、町の中心部などでクマの目撃が相次ぎました。県によりますと、今年、クマがこうした市街地で目撃された件数は、先月24日現在で107件と、統計を取りだした2019年以降で過去最多のペースとなっています。その理由について、岩手大学農学部の山内准教授は「エサ」が関係しているとします。岩手大学農学部 山内貴義 准教授「そもそも8月はエサが少ないが(今年は)猛暑の影響なのか雨が少ないせいなのかは分からないが(クマが)かなりエサに困って例年よりもさらにアクティブに動いている感じがする」。今年の秋は、クマの主な食料となるブナが大凶作になる見込みで、これからの季節も人里にクマが降りてくる可能性が高いということです。こうした中、9月1日に改正鳥獣保護管理法が施行され、人の生活エリアにクマが侵入した場合に銃を使う要件・解釈が変わりました。これまでは原則的に市街地で銃を使うことはできず、人に危険が及ぶ場合に県と警察の許可を得て使う必要がありました。しかし、今回の改正法では・・・人が生活するエリアにクマが侵入し、緊急性が高く、他に迅速に捕獲する手段がないこと。さらに、人に弾丸が届くおそれがない場合に市町村の判断で銃の使用が可能となりました。時間がない中で、「県と警察に許可を得る」という銃使用までの手順が必要なくなるのです。改正法を受けて県は、今後の対応などについて検討していくとしています。しかし課題もあります。銃火器を使用するのには当然危険が伴います。それはどんな状況であれ。そもそも市町村が使用の判断と言っても、現場に判断を委ねるということは、考え方によっては「丸投げ」になります。的確なスキルを持った銃の使用者の育成、責任の所在の明確化と被害の補償、現場が迅速な判断を行うための安心材料の構築など、もちろん考えられていないわけではありませんが、補強すべきポイントはあるのです。しかし、クマは国や自治体の判断の遅さなど待ってくれません。クマの出没が相次ぐ中、県と警察は、県民ができる対応として、目撃された場所では夜間や早朝の外出を控えること、クマのエサとなる生ごみを家の周囲に置かないことなどを呼びかけているほか、クマを見つけた際はすぐに市や警察に通報してほしいとしています。

(ブナの実凶作でクマ出没懸念:富山)
クマのエサとなるブナの実が凶作となり平野部でクマの出没が増えることが懸念されるなか、8日、富山市で県や自治体などが参加する対策会議が開かれ、クマを引き寄せる柿の木の伐採など住民への呼びかけを強化していくことを確認しました。この会議はクマが冬眠を前に活動を活発化させるこの時期に毎年開かれているもので県や自治体、猟友会の担当者などおよそ60人が出席しました。この中で、県の担当者はことしに入ってから先月末までに確認されたクマの出没件数は202件で、県はことし2回目となる「ツキノワグマ出没警報」を出し厳重な警戒を呼びかけていると伝えました。また、クマのエサとなる木の実の生育状況について県の担当者はいずれも県内全域でブナが凶作ミズナラとコナラは不作と報告し、クマが平野部に大量出没するおそれがあると説明しました。その上でクマを引き寄せる原因となる柿の木の伐採や車庫や空き家の戸締まりの徹底に加え、クマの目撃が相次いでいる立山の室堂平周辺では観光客が生ゴミを放置するケースがあるとして注意の呼びかけを強化していくことを確認しました。このほかにも今月1日に施行された改正鳥獣保護管理法に基づき、人の生活圏でクマなどが出没した際に市町村の判断で特例的に市街地などでの猟銃の使用が可能となる「緊急銃猟」という制度について実施の条件などが自治体の担当者に伝えられていました。

(“緊急銃猟”、9割以上の市町村で始まらず:岐阜)
住宅街などにクマが出没した際に、市町村の判断で猟銃の使用が可能になる改正法が施行されましたが、岐阜県では9割以上の自治体が制度の運用を始められていないことがCBCの取材で分かりました。今月1日に施行された改正鳥獣保護管理法では、一定の条件を満たせば市町村の判断で市街地で猟銃の使用が可能になりました。この「緊急銃猟」の制度についてCBCが岐阜県42の全市町村に取材したところ、制度の運用を「すでに始めている」のは、先週、住宅街にクマが出没した中津川市や山県市など3つにとどまりました。一方「年内の開始を目指す」としたのは、下呂市や白川村など7つで、残る32の市町村は「来年以降」または「未定」と回答しました。運用を始められない理由について自治体からは「国のガイドラインがわかりにくい」や「猟友会の人手不足」などが挙がりました。岐阜県は取材に「緊急銃猟についての市町村向けの講習会を速やかに検討する」と話しています。

(「緊急銃猟」独自マニュアルを策定し市町村を支援へ:山梨)
クマなどが人の生活圏に出没した際に市町村の判断で特例的に市街地でも猟銃の使用が可能となる改正法が今月から施行されましたが、市町村の対応が追いついていないとして県は独自の対応マニュアルを策定することを決めました。今月1日に施行された改正鳥獣保護管理法では▼クマなどが人の生活圏に侵入しているか侵入のおそれが大きい場合や▼緊急性があるなど4つの条件を満たした場合、市町村の判断で特例的に市街地などで猟銃の使用が可能になる「緊急銃猟」という制度が創設されました。環境省はことし7月にガイドラインを公表し、市町村に対して▼マニュアルの作成や▼訓練の実施などを求めていますが、今月1日の時点で県内に13あるすべての市でマニュアルを作成できていないなど対応が追いついていない現状があります。こうした中、県は市町村のマニュアルの基礎となる独自の対応マニュアルを今年度中に策定し、自治体と連携して訓練を実施することを決めました。マニュアルには猟銃を使用する際の安全確保や、連絡体制の構築のしかたなどを盛り込む予定で、専門家や猟友会の意見を聞きながら、策定を進めるということです。県自然共生推進課の小泉友則課長は「クマの出没状況から県内で直ちに緊急銃猟で対応する状況が起こるとは考えていないが、県がマニュアルを作ることで統一的かつ円滑な対応ができるようにしたい」と話しています。

(クマへの対応に備えて現場対応にあたる警察職員が専門家を招いて研修:岩手)
岩手県内でクマによる人身被害が相次ぐなか、現場対応にあたる警察職員が専門家を招いて研修を行いました。これはクマの出没や人身被害があった際、現場に臨場することになる警察職員がクマの習性や対処方法を身に付けるため、2024年から開いているものです。11日は県警本部や県内各地の警察署から32人の警察職員が参加しました。研修会では雫石町職員で農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーの谷崎修さんが、2025年はブナの大凶作が見込まれていることから、同じく大凶作だった一昨年同様9月、10月に出没が増える可能性が高いとして注意を呼びかけました。座学の後はクマを追い払うための花火や、唐辛子と同じカプサイシンの成分を噴射するクマスプレーを用いた実技訓練を行いました。訓練に参加した職員はスプレーが届く距離が5メートルほどであることや、風向きによっては高濃度のカプサイシンが自分の方に向かってくることもあることを体感していました。(二戸警察署 伊藤将司 中山駐在所長)「訓練をしているしていないというのは大きいと思います。現場に出て何もわからないで右往左往する警察官では頼りにならないと思いますので、訓練を積んで自信のある態度で住民の安全を守れたらなと思います」。県警によりますと県内では2025年、クマによる人身被害が10日現在で2024年より6件多い14件発生していて、1人が死亡、14人がけがをしています。

(クマの被害が過去最悪になった2023年度と同じペース)
クマの動きが活発になる秋を前に、環境省などは被害対策の会議を開き、今年4月から先月末までに69人の被害が出ていると明らかにしました。クマによる被害者数は、過去最悪の年とほぼ同じペースで増加しています。クマによる被害が相次ぐ中、冬眠に備えてエサを探すクマが増える秋を前に、きょう、環境省などが対策会議を開き、被害状況などを報告しました。環境省によりますと、今年4月から先月末までにクマの被害に遭った人の数は全国で69人に上っていて、最も被害者数の多かった2023年度と同じペースだということです。会議に出席した専門家は「被害が最も多かった年は、人に慣れたクマが増えたことと、ドングリが凶作に陥ったことが特徴だったが、今年も同じ状況になっている」などと分析しました。クマの被害対策をめぐっては、市町村がハンターに委託して、市街地で猟銃を使うことができる改正法が今月から施行されています。

(クマ大量出没の懸念、今秋も)
環境省は11日、クマの出没が増えるとされる秋を前に、人的被害対策などを話し合う関係省庁連絡会議を開いた。4月以降、出没は東北を中心に高水準で推移。各地でブナの実が凶作となる予想もあり、今後の大量出没が懸念されている。会議には、警察庁や農林水産省などの担当者が出席。1日の改正鳥獣保護管理法の施行で始まった緊急銃猟制度についても報告があった。また、兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)がクマの行動特性について講演。「カキなどクマの誘引物を人の生活圏から減らしたり、防護柵を設置したりといった被害防除と、個体数を減らすことを両輪でやる必要がある」と話した。

(シカ被害拡大、個体数9倍:兵庫)
田んぼに忍び込んでいるのはシカの群れです。近年増加する食害が、新米の収穫に深刻なダメージを与えています。暗闇のなか、田んぼを歩く茶色い影…シカです。今月撮影された映像で確認できるだけでも10頭近くいます。繰り返し現れるシカが狙っているものが、まさにこれから本番を迎える新米です。兵庫県南西部に位置する太子町。至る所で、収穫へ向けたコメ作りが行われている町で目立つものが、動物よけのネットです。コメ農家の男性を取材すると…。水分を含んだ田んぼには、足跡がくっきりと残っています。さらに、別の場所では…。田んぼに不自然にあいたスペース。今月に入り、シカが稲を食べに田んぼに現れ、その際に防護用ネットにかかり暴れたため、ここまで被害が大きくなりました。環境省によると、全国のニホンジカの推定個体数(中央値)は、約40年前に比べ9倍に増えています。餌(えさ)場となる放棄された畑の増加や、ハンターの高齢化などの要因が重なり、数を増やしているといいます。太子町 産業経済課 栗岡秀成課長「シカが増えて困るなかで、農作物の被害を軽減するためにも、予算を考えながら駆除しているというのが現状」。町も頭を悩ませます。栗岡課長「稲作の田植え時期の苗の食害と、稲が出だしたころの食害が増加してきている」。秋に迎える新米シーズンへの影響も懸念されます。

(クマ駆除「緊急銃猟」2900万円計上:北海道)
第3回定例道議会が開会し、鈴木知事は緊急銃猟に関するクマ対策費を盛り込んだ総額180億5100万円の一般会計補正予算案を提出しました。第3回定例道議会が開会し、鈴木知事は総額180億5100万円の一般会計補正予算案を提出しました。市街地に侵入したクマの駆除を目的とした「緊急銃猟」に関して2900万円を計上。捕獲者への日当のほか、捕獲個体の運搬、パトロールや訓練など、市町村に必要な経費の支援にあてられます。定例道議会は10月3日まで開かれ、泊原発3号機の再稼働の是非などについても議論が交わされる見通しです。

(クマに命中しても麻酔が効くまで5~20分、麻酔銃研修会:山形)
クマの市街地出没が増える中、麻酔銃使用に関する研修会が8月29日、山形県内で初めて行われた。クマなど野生動物の目撃件数が増える一方、捕獲などの際に麻酔銃を撃てる人は県内に1人しかいなかった。新たに2人が実践に向け、準備を進めている。

(猟銃射撃大会、市街地などでの猟銃使用可能に賛否の声:山形)
今月1日から、クマなどが出没した際に、市町村の判断で市街地などでの猟銃の使用が可能となる制度が始まる中、猟銃の腕を競う大会が舟形町で開かれ、参加者からは制度について賛否の声があがっていました。射撃大会は、猟銃の腕を競うとともに、安全な使い方を学んでもらおうと毎年開かれていて、7日は舟形町の射撃場におよそ100人が集まりました。はじめに、山形県猟友会の梅川信治 会長が、市街地などでの猟銃の使用が可能となる制度が始まったことを踏まえ「しっかり訓練をしてほしい」と呼びかけました。この後、参加者は、直径10センチのクレーを狙って次々に射撃を行っていました。参加者からは新しい制度について賛否の声があがっていて、このうち、50代の男性は「人々の生活と暮らしを守るために必要だと思っている」と話していました。一方、70代の男性は「あまりやりたくない。いままで市街地では撃ったことがないから難しい」と話していました。新しい制度について梅川信治 会長は「われわれも協力したいと思っているが、実際に市街地で発砲するとなると、いろいろな問題がある」と話し、猟銃の弾が建物に当たるなどの被害が出た場合にどうするかなど、運用する上で課題があるという認識を示しました。

(「シカ食害」農家に打撃、「意欲なくし休耕田増えた」:兵庫)
兵庫県太子町天満山の農地でシカの食害が頻発し、農家が対策に苦慮している。最近では田んぼの周囲に張られた獣害対策の網に絡まって倒れている姿まで見つかり、「個人の対策では限界がある。行政が対応しなければ被害が広がる」と話す。大学職員の男性(64)(姫路市)は4日朝、耕作する20アールの水田で縦10メートル、横7メートルにわたって稲が根元から食べられているのを見つけた。むき出しになった土壌には複数のシカの足跡。近くには角の生えた成獣1頭が網に絡まって動けなくなっており、太子町に連絡して回収してもらった。男性は「田植え直後の苗や収穫前の稲穂を食べられる被害はあったが、根こそぎ食べられたのは初めて」。1か月前には、夜明け前の田んぼに5頭のシカが入り、稲穂を食べているのを発見した。周囲の農家も意欲をなくし、休耕田が増えるばかりだという。「コメ不足で国が増産施策を打ち出す中、獣害対策も必要だ。丹精込めて作ったコメが台無しになる」と憤った。県がまとめた農林業被害状況によると、県内のシカによる農業被害は、2019~23年度に年間1億1400万~1億4300万円にのぼる。

(「月額8000円でハンターになれる」、鉄道会社が始めた「新ビジネス」とは:東京)
女性たちが笑顔で手にしているのは、鶏もも肉ではない。実は、東京・八王子市内で農作物を荒らしていたイノシシのもも肉とすね肉なのだという。この二人、一体何者なのか……。実は、二人は猟師ではない。杉並区に住み、都心で働く勤め人だ。この日、動物の解体を初体験。ベテランスタッフの指導の下、慣れない手つきで皮剥ぎから解体までを、汗だくになってやり遂げたのだ。これは2022年に小田急電鉄が始めた「狩猟体験」ができる新規事業「ハンターバンク」の活動。わなの仕掛け方から、捕獲、解体の仕方までを狩猟経験者に教わりながら学べるという。八王子の山中で解体実習が行われたのは8月24日。参加したのは、ハンターバンクの会員24人とサポートスタッフたちだ。実習用に用意されたシカ2頭とイノシシ1頭、それにこの日捕獲されたイノシシ4頭が解体された。これまで2回のレクチャーで「箱わな猟」の勉強をしてきたが、参加者のほとんどが解体は初体験。慣れない手つきではあったが、2時間ほどですべての作業を完了。大量の“収穫物”を分け合って持ち帰った。彼らに猟のノウハウを教え、機材を貸与し、わなを仕掛ける場所まで提供しているのがハンターバンク、つまり小田急電鉄だ。「作物を食い荒らし、人に危害を加えるなど、獣害は大きな社会問題になっています。実は鉄道会社にとっても野生動物と電車の衝突事故は大きな悩みの種です。一方、狩猟やジビエに興味を持つ若者も増えており、両者のマッチングができないかと事業化したのがハンターバンクなのです」(小田急電鉄担当者)。最も早く事業展開した小田原エリアでは2年で700人の会員が誕生。昨年1年間で82頭のイノシシが捕獲された。小田原、八王子など4エリアに加え、9月からは千葉、埼玉にもエリア展開。事業は拡大している。3カ月のレクチャー期間は月1万5000円、その後は月8000円で箱わな猟を継続できる。参加の目的はさまざま。この日の八王子には「ジビエを食べたくて参加した」という人が多かったが、狩猟そのものが目的の人も。「わな猟に興味があって免許は取ったのですが、わなを設置する場所がない。そんなペーパーハンターの私にとってはありがたい場」(20代OL)。「八王子支社への転勤が実現できたら、働きながらわな猟をしたい」(40代製薬会社勤務)。拡大するジビエ需要を満たしつつ、獣害対策の担い手づくりを支える。農家は助かり、鉄道会社にもメリットがある。“三方よし”の新事業なのである。

(原因は異常気象?過去最多のマダニ感染症『SFTS』の脅威)
マダニが媒介する感染症『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』の患者数が過去最多を更新し続けている。しかも今年は、これまで感染が確認されていなかった関東や北海道でも患者が報告され、全国に急拡大しているのだ。SFTSはマダニに刺されることで感染する“ダニ媒介感染症”。発症すると入院が必要となることが多く、一旦発症すると高齢者では致死率も高い。病名の最初に『重症』とつくことからも危険な感染症だと分かる。国内の最初の症例報告から12年。なぜ今、感染者が急増しているのか?感染症学が専門の昭和医科大学・二木芳人名誉教授に詳しく話を聞いた。【昭和医科大学 二木芳人名誉教授】マダニは、ウィルスや細菌などの病原体を保有し、吸血する際に人や家畜、ペットなどに病原微生物を感染させる節足動物です。病原体がどこから来るかというと主に野生動物です。鹿、イノシシ、ウサギ、ネズミなどの野生動物についたダニが吸血して病原体を持ち、人間やペットを吸血して感染させるのです。ここ数年の記録的な猛暑で野生動物の餌が激減、本来いるはずのない市街地まで出没し、民家や畑、草むらなどあらゆる場所にマダニを落としていっています。野生動物から落ちたダニは、草の一番上まで行って手を広げて次の獲物を待ち、そして人やペットが近づくと、飛び移って血を吸い感染させるのです。気候変動による生息地の変化や宅地開発などで野性動物との接触機会が増加し、人間社会にダニ媒介感染症が広がっていると考えられます。SFTSは、“重症”“熱性”“血小板減少”症候群。その名の通り、発熱や下痢・おう吐などの消化器症状から始まり、重症化すると出血傾向(出血しやすい、血が止まらない状態)や意識障害が起こり、死に至ることもあります。厚生労働省によると、わが国に於けるSFTSでの致死率は全体で10.6%(1185人中126人)。高齢者ほど患者も多く致死率は高くなり、80歳以上では16.5%に上ります。※データはいずれも2025年7月末現在潜伏期間は7~10日とされていますが、報告書では6日~2週間と幅があります。マダニにかまれたら、2週間程度は様子を見て下さい。そして発熱やおう吐、下痢などの異変があったら、躊躇(ちゅうちょ)せず病院に行って下さい。SFTSウィルスを保有しているマダニは、症例が出始めた頃は1%程と言われていました。しかし最近の患者数の増加をみると、その比率が上がってきている可能性があります。マダニにかまれたからといって必ずしも感染・発症する訳ではありませんが、発症すると重症化の可能性が高いので、十分な注意が必要です。SFTSにワクチンはありません。防ぐ方法は「マダニにかまれないこと」。SFTS感染のリスクの高い地域で山などへ行く時は、肌の露出を極力なくす、忌避剤(ダニ避け)を用いるなどの対策をして下さい。*服装は長袖長ズボン。特に足元が危険なので、長ズボンの上からハイソックスを履くなどして隙間を作らない。*首回りもタオルを巻くなどしてしっかりカバーする。*服の上から忌避剤のスプレーなどをかける。必ず「ダニ避け」と明記してあるものを選ぶ。*帰宅したら一番上の衣類を脱いでダニがついていないか確認。足元も細かくチェックする。それでもかまれていたら、自分で処置をせず、ダニがついたままの状態ですぐに医療機関に行って下さい。皮膚科や救急がベストですが、近隣になければ内科でも大丈夫です。自分で取ると皮膚の中にマダニの口が残ってしまう危険がありますし、上から潰したら体液が体内に入って感染が成立してしまいます。ペットも同様です。ダニを見つけたら動物病院につれて行き、早めに処置をしてもらって下さい。先にも述べましたが、SFTSにはワクチンがありません。治療薬としては昨年、「アビガン」が承認されました。一時、コロナで話題になった抗ウイルス薬です。もともとは新型インフルエンザの薬で、同じ系統、RNAウィルスのSFTSにも効果が期待されています。ただし、効果や安全性についてはまだ評価の途中段階です。ある程度の有効性はあるようですが、最終評価にはまだ時間がかかります。現状は対症療法(症状を抑えるための治療)、すなわち解熱剤や下痢止め、止血剤の投与、全身状態の管理などが主になります。SFTSは「人から人」、「動物から人」への感染が確認されています。マダニに直接かまれるだけでなく、感染者の唾液や咳、たん、血液からもうつります。また感染した犬や猫などの体液(血液や排泄物など)との接触でも感染します。コロナやインフルエンザほど感染力は強くないようですが、まだ情報が不足していますので、感染する可能性があることは知っておいてください。マダニの活動は春(3月)から秋(10月)にかけて活発になります。これから紅葉シーズンを迎え、登山やキャンプなど自然を楽しむ機会が増えると思います。重症化や死亡率の高さからも「うっかり感染した」では済まされないSFTS。服装などでしっかりガードして、行楽を楽しんでいただければと思います。(昭和医科大学 二木芳人 名誉教授)

(クマ対策へ森明るく:富山)
ドングリの不作に伴うクマ出没が懸念される中、富山市大沢野地域の住民と自治体が協力して、クマが隠れたり、移動したりする河岸段丘の森林伐採に乗り出す。

(過去1000年で「家畜は大型化」「野生動物は小型化」していた)
8000年前の新石器時代から約1000年前の中世までは、野生動物も家畜も体の大きさがほぼ同じパターンで変化していたが、最後の1000年間で大きく変化した。家畜は人間が大きな個体を選んで育てる(選択繁殖)ことで大型化し、一方の野生動物は人間の活動により小型化が進んだ。家畜は大型化し、野生動物は小型化する傾向が見られた背景には、人口増加による農地や町の拡大で野生動物の生息地が減少し、狩猟も増えたことで大型の個体ほど狙われやすくなったことがある。地球上の哺乳類全体のバイオマスに占める家畜の割合が62%、野生の哺乳類は4%しかいないという驚きの数字もある。今回の研究は、動物の骨から過去1000年の変化を明らかにし、その変化の大きな原因が「人間の活動」にあることを示した。これからは、家畜の生産性と野生動物の保護、生態系のバランスをどう保つかを考えていくことがますます重要になっている。

(「モンスターウルフ」導入後、被害ゼロに:北海道)
全国のゴルフ場で野生動物の被害に悩まされているところは多いが、その撃退対策として、“狼を飼育”しているコースがある。先頃、男子ツアーの「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」を開催した北海道ブルックスCCでは、野生動物撃退装置の「モンスターウルフ」が躍動している。ゴルフ場は自然と共生しているので、野生動物もむろん生息している。クマ、イノシシ、サル、シカ、小動物などがコースその他に被害を与える。「エゾシカがグリーンの芝を食べたり、歩き回って爪跡を残し、ふんをして……。被害に悩み、そこで2年前に薦められて採用したのがモンスターウルフなんです」(同CC支配人、宮下博樹氏)。ゴルフ場にとってグリーンはメンテナンスに一番時間と費用を要する肝のエリア。それが荒らされるのはゴルフ場にとって死活問題であり、それを救っているのがモンスターウルフというわけだ。体長1.2メートル、高さ80センチ。赤く光る2つの目、首が動くオオカミの外観で、大音量でほえ続ける。それも50種類以上の音を組み合わせているから動物に慣れさせない。さらに赤外線センサーにより強いLED点滅光を発し、威嚇して追い払う野生動物撃退システムだ。独立電源で電源確保が困難な場所にも設置可能、メンテナンスもほぼ不要という。同CCでは“2匹を飼育"。14番ホールに常駐と、もう1台は電動カートに取り付け、移動してコース全体を監視する見張り役。1~18番までカート道路を1日7~8周パトロールする。毎日午前7時~翌朝5時まで無休で動き続ける働き者だ。製作したのは㈱ウルフ・カムイという会社。「動物を傷つけることなく、獣害問題を何とかできないか?」で始まったという。「最初はレンタルで、今は買い取っています。おかげで被害は今のところ出ていません」(前出・宮下氏)同CCは1992年開場。川田太三、エド・スニードの共同設計。アメリカンテイストの18ホールを安心して楽しんでいただきたい。

(「クマ・シカ対策フォーラム」専門家や行政が情報共有:北海道)
クマやシカといった野生動物の対策について考えるフォーラムが標津町で開かれ、専門家や行政の担当者などが情報を共有しました。このフォーラムは相次ぐクマの出没や、シカによる食害といった野生動物の対策についての情報を広く共有しようと標津町が開き、町民や近隣自治体の職員などおよそ100人が参加しました。フォーラムではドローンやロボットなどデジタル技術を活用した対策が報告され、このうち駆除の現場で互いの位置情報をGPSで確認できるシステムはハンターなどの安全確保につながると紹介されました。また、パネルディスカッションでは、現場のニーズに応える商品やサービスを開発をするためには、開発にあたる技術者が行政の担当者やハンターなどと気軽に意見を交わせる場が必要だという意見が出ていました。標津町農林課の長田雅裕係長は「町民の安心はもちろん、駆除などの対応にあたる現場の安全につながるようにデジタル技術を活用していきたい」と話していました。

(農林水産物の鳥獣被害額が11年ぶりに増加:大分)
有害鳥獣による大分県内の農林水産物の被害額が11年ぶりに増加した。県によると、2024年度は1億5700万円で前年度比1600万円(11%)の増。田畑への防護柵設置や捕獲など予防対策の効果で減り続けていたが、イノシシが増えて柵がない未対策の場所などで農作物を食い荒らされた。対策として被害箇所に集中的に防護柵の設置を進めているほか、狩猟者の育成に一層力を入れる。被害は農業が1億3100万円で8割超を占めた。林業は1700万円、水産・その他は900万円。加害鳥獣はイノシシが61%で最も多く、シカが23%、サルやカワウなど「その他」が16%だった。県振興局の管内別で見ると、被害額は北部を除く五つの振興局で増えた。豊肥が4669万円で例年同様に最も大きく、増え幅も44%で最大。西部が3044万円、中部が2697万円で続いた。増加の要因について、県森との共生推進室は「山中で増えたイノシシが食べ物を探しに人里に下り、防護柵がない場所を見つけて現われるようになった」と分析。農作物の味を覚えて繰り返し出没し、被害が拡大したとみている。イノシシは過去最多の4万4333頭を捕獲し、前年度(2万6622頭)の約1・6倍に上った。一度に多くの子どもを産むため捕獲だけでの被害防止は難しく、対策は予防が重要となる。被害の大きい集落に設置費用を助成している防護柵は、24年度は総延長958・8キロ(前年度比20%増)に設けた。本年度は756・7キロに整備する計画。捕獲が効果的なシカは4万1922頭を捕まえ、ここ数年は4万頭台で推移している。県内の狩猟免許取得者は5244人。免許申請の手数料免除やセミナー開催で人数は横ばいなものの、約7割が60代以上で高齢化が課題のため、若い世代への取得働きかけを強める。県が11年度に行政や関係者でつくる鳥獣被害対策本部会議を設置して以降、被害額は減少傾向が続いていた。同年度の3億1300万円から半減。33年度には9千万円以下にする目標を掲げている。24年度の増加を受け、集落ぐるみの対策を強化。本部長の渕野勇県農林水産部長は「予防、捕獲、狩猟者の確保、ジビエ普及の4本柱で取り組む」と話している。

(野生動物の農業被害対策、ICT活用のシステム紹介:青森)
野生動物による農業被害の対策などを話し合う会議が八戸市で開かれ、ICTを活用して動物を捕獲する最新のシステムなどが紹介されました。この会議は、八戸市と三戸郡を管轄する県の三八農林水産事務所が、野生動物による農業被害を防ごうと開いたもので、市町村や農協などの担当者、20人余りが出席しました。この中では県の担当者が県内6つの地域の中で三八地域の被害額は2番目に多く、クマを含む動物の中でもイノシシによる被害が増えていることを説明しました。また、ICTを活用して動物を捕獲する最新のシステムを、開発した三重県の企業の担当者が紹介しました。箱形のわなに通信機能を組み合わせたもので、センサーで動物を感知するとメールで通知を受け取ったり、遠隔操作でわなを作動させたりすることができるということで、全国の自治体などが使い始めているということです。出席した五戸町の担当者は、「クマもシカもイノシシも出没が増えているので、できる対策を県などと協議しながら行っていきたい」と話していました。県三八農林水産事務所の中村雄二農業普及振興室長は「農村地帯は高齢化でヒトの活動が弱まり、動物に押されている側面もある。ICT技術も向上しているので、最新の機械も使って動物と対峙していきたい」と話していました。

(クマに遭遇どう対処)
全国的にクマの目撃が相次いでいます。首都圏でも8月、神奈川県伊勢原市の観光地、大山のふもとのロープウエイ駅の近くでクマの姿が確認されたほか、東京・奥多摩町ではクマに襲われた人がけがをしました。専門家は、秋はクマが山から人里に下りてくることが非常に多いと指摘します。万が一、遭遇したらどうすればいいのか対処法を取材しました。長野県千曲市のブドウ畑の近くで、9月4日の朝、体長1.5メートルほどのツキノワグマが、市が設置したわなにかかっているのが見つかりました。この畑では8月末、シャインマスカットやクイーンルージュなどのブドウ120房以上が動物に食べられる被害が出たため市はクマによるものとみてわなを設置していました。8月27日の朝早く、神奈川県伊勢原市の観光名所、大山のふもとにあるケーブルカーの駅の近くに設置されたセンサーカメラで1頭のクマの姿が撮影されました。市によりますと、クマは大人のツキノワグマとみられます。この場所では8月17日にもクマが目撃されていて、現場の周辺には土産物店や飲食店などが並び、観光客も多く訪れることから、市は夜間や早朝の通行のほか、登山で山道に入る際には注意するよう呼びかけています。8月23日、東京・奥多摩町を流れる大丹波川で釣りをしていた50代の男性がクマに顔をひっかかれけがをしました。子グマとみられています。奥多摩町ではクマの目撃情報が例年、50件から100件程度寄せられるということですが、襲われてけがをしたのは2019年以来だということです。町は周辺の道路や登山口などにチラシを貼り出すなどして注意を呼びかけています。専門家は、秋はクマが山から人里に下りてくることが非常に多いと指摘します。クマに実際に遭遇した場合、どうすればいいか、50年以上、ツキノワグマの研究をしてきた米田一彦さんに「人里で遭ったときのクマは、山の中と危険性は違うのですか?」と質問しました。米田さんによると、クマは人里に出ると緊張状態になり、攻撃的になるといいます。そんなクマへの対処法は…。米田一彦さん(ツキノワグマを研究)「電柱の陰に隠れるとか、あるいは立木のところに隠れる。木に化ける“木化け”という方法。建物のコーナーに隠れる、あるいは車の中に逃げ込む」。ポイントは慌てて動いたり、急に走り出したりしないこと。クマは素早く動くものに反応するため、追いかけてくる可能性があるといいます。クマに気づかれてしまった場合、気をつけるべきこと、遭遇してしまった場合はどうしたらよいか聞きました。米田さん「(クマは)左右に動くのは非常によく見えている。ところが前後に動くのは距離感が取れないっていうのがあって、ある程度距離があったら下がるのは理のあること。(クマは)立ってこうやるものですから(首に)爪が入る。クマが襲ってきたら地面に伏せる。致命傷にならないようにするのが一番大事」。米田さんに聞いたポイントを改めて確認します。1つ目、まずは隠れる。遠くで目撃した場合は、木や電柱の陰に隠れるなどして気づかれないようにする。そして、2つ目。クマは左右の動きには敏感ですが、前後の動きに気付きにくいので、後ずさりする際はまっすぐにうしろに下がる。このときに注意するのは、ゆっくり動くこと素早く動くとクマが反応するかもしれません。最後に頭と首を守る。万が一、クマが襲ってきた場合は、頭や首を手で覆い、地面に伏せる。米田さんはそもそも、クマと遭遇しないための工夫が必要だと指摘します。クマが出没する可能性がある山や山の近くの市街地を歩く際はクマ鈴を複数身につけたり笛を吹きながら歩いたりして、人の存在をクマに知らせることが大切だと話していました。

(市街地にクマ「本当に撃てるのか…」:島根)
2025年9月1日から市街地にクマが出た際に一定の条件を満たせば、市町村の判断で猟銃の使用が可能になりました。スピード感ある対応が可能になる一方、本当に市街地で撃てるのか課題も多くあるようです。9月1日から施行された改正鳥獣保護管理法。これまで市街地では原則、猟銃の使用はできないとされていましたが、改正法では、「住宅地などの日常生活圏にクマが侵入」、「緊急の人への危害防止措置が必要」、「銃以外に迅速な捕獲等が困難」、「人に弾丸があたるおそれがない」と市町村長が判断した場合に、「緊急銃猟」として発砲が可能になります。「緊急銃猟」の現場は、どのように受け止めているのでしょうか。島根県猟友会・細田信男会長:島根県でも新聞配達員が襲われたとか、被害が毎年起きていますから。ある程度、不必要なクマは排除しないといけないと思います。自治体から駆除の依頼を受ける島根県猟友会の細田信男会長は、今回の法改正に賛成の立場ですが、一方で不安も募らせています。島根県猟友会・細田信男会長:銃を持っているから誰でも対応できるかというと、そんなもんじゃないのでクマを撃つということになれば、それなりの練習、訓練が必要。一番の課題が「ハンターの育成」です。島根県を含む「西中国地域」と呼ばれるエリアでは、ツキノワグマは絶滅のおそれがあるとして保護対象とされてきたため、自由に動き回るクマを撃った経験のある猟友会員は県内はほとんどいません。実弾で練習するには広島県の射撃場に行く必要があり、猟友会にとっては大きな負担です。また、こうした課題が解消されたとしても発砲までのハードルは低くくありません。島根県猟友会・細田信男会長:この道路沿いに50メートルぐらいに行ったところには、もう民家があります。2025年5月、クマがいた痕跡が見つかった松江市東出雲町の現場。数百メートル先には住宅街が広がります。島根県猟友会・細田信男会長:(例えば)40の標識にクマがいれば、その向こう側の家の2階から斜め下へ向かって撃つ。そうすれば(弾がどこかへ飛ぶことなく)地面に入る。そういう撃ち方を常に頭において考えます。跳ね返った弾による二次被害の可能性もあり、完全に安全を確保できなければ引き金は引けないといいます。島根県猟友会・細田信男会長:(人身被害のリスクなど)そんな負担を持って銃を撃つわけにいかないんですよ。できるだけ、そういうリスクが生じないような措置を市町村とか県は、きちんととっていただきたいというのが猟友会側の考えです。「緊急銃猟」の判断を下す自治体側からも懸念の声が上がっています。県内のほとんどの市で避難指示を行う警察との協議やマニュアルの制作など準備が進められていますが、検討すべき内容が多く、年度内の運用は難しいとしています。市民を守るための今回の法改正。安全な運用のためにはまだ多くの課題が残っています。

(アライグマによる食害、防護柵の実証実験:兵庫)
アライグマによる食害が但馬地域で拡大しているのを受け、兵庫県森林動物研究センター(丹波市)などが豊岡市出石町のブドウ畑で新たな防護柵を設置して食害に効果があるかを確かめる実証実験を始めた。果樹や野菜を中心に農業被害が広がっており、効果を検証した上で防護柵の普及を目指していく。アライグマは1990年代に神戸市を中心に生息が確認され、県の北部や西部に生息域を拡大してきた。雑食性で手先が器用といった特徴があり、農業被害も20年ほど前から広がっている。豊岡農業改良普及センターによると、但馬地域では2023年度、豊岡、養父、朝来の3市で37頭が捕獲されている。豊岡市特産の「豊岡ぶどう」でも食害が目立ち始めており、同センターが実施したアンケートでは回答した農家の半数以上でアライグマやハクビシンによる食害があったという。アライグマは防獣ネットや周辺の樹木などを伝って畑に侵入し、一晩に数十房を食べるケースもある。防獣ネットだけで防ぐのは難しく、森林動物研究センターでは昨年度から、アライグマなどに特化した防護柵の実証を県南部で進めている。豊岡農業改良普及センターと協力し、今年7月から県北部で初めて実証することにした。防護柵は高さ40センチ程度の樹脂ネットと電気柵を組み合わせたもので、アライグマがネットを乗り越えようとすると、鼻先が電線に触れるように設計されている。通電性の高い防草シートを周辺に敷設して効果を高めており、実証中のブドウ畑では柵の設置後、アライグマやハクビシンによる食害は確認されていないという。森林動物研究センターの担当者は「アライグマを防ぐには金網やネットだけでは不十分。被害が深刻になってから慌てて対策をするのではなく、今のうちに対策をしておくことが必要だ」と指摘する。豊岡農業改良普及センターは、防護柵に関する研修会を開くなど普及にも乗り出している。同センター経営課は「樹脂ネットは比較的軽くて設置しやすく、シカやイノシシの出没が少ない地域では有効ではないか。被害状況に応じて設置してほしい」としている。

(大学生が狩猟技術学ぶ:北海道)
農地の鳥獣被害軽減などに取り組むNPO法人ファーミングサポート北海道(札幌)は、大学生を対象とした狩猟講習会を岩見沢市内で開いた。北海道大や酪農学園大、東京大の狩猟サークルの学生12人が参加し、ワイヤを使ってエゾシカを捕獲する「くくりわな」の使い方などを学んだ。

(JAと連携しエゾシカ被害対策を検討へ:北海道)
定例会は10日に一般質問を行い、4人が登壇した。本田学町長はエゾシカによる農作物の食害被害について、JA陸別町と協議を重ね、防止策を前向きに検討する考えを示した。

(“いま日本で一番ヤバい害獣”をハンターが狙ったら)
「いま日本で一番ヤバい害獣」を聞かれたら、なんと答えますか? その回答が変わるかもしれない、有害鳥獣駆除の様子を収めた動画がYouTubeに投稿されました。動画は「想像以上に深刻だと分かった」「もっと取り上げてほしい」と反響を呼び、記事執筆時点で44万回以上再生されています。動画を投稿したのは、山の幸や海の幸を日本各地で採集して食べることを趣味としている茸本朗(たけもと・あきら)さんのYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗ch」。以前には、潮干狩りで見つけた真珠貝の中身を取り出して話題になりました。神様の使いとされたり、さまざまなキャラクターになったりと、日本人にとって身近な野生動物「シカ」。しかし、現状をよく知るハンターさんたちは「日本はシカのせいで滅ぶかもしれない」と警鐘を鳴らしているそうです。その意味を知るべく、茸本さんはシカの猟に同行させてもらいます。この日は三重県の山に来ました。これまでもさまざまな生き物をハントするところを見せてくれたハンター・シーキチンさんに同行し、有害鳥獣駆除を行う様子を見学させてもらうとのこと。ターゲットは、シーキチンさんが「野生生物の中で一番恐ろしいのではないかと思っている動物」なのだといいます。「日本に生息する動物の中で、一番恐ろしい動物は?」と聞かれ、茸本さんは「クマ」と答えました。確かにクマは人間を直接死傷させられる力を持っていますが、シーキチンさんが一番恐ろしいと思っている動物はシカなのだとか。シカは草食動物であり、人間を食べることはありません。しかし、さまざまな問題がある非常に危険な生き物でもあるのだといいます。実際に現場を回りながら、その危険性を見せてくれるとのこと。シーキチンさんいわく、一度現場を見れば最悪人が死んでしまう可能性があるというシカのヤバさがよく分かるとのことですが……?早速シカのヤバさを確かめるため、シーキチンさんが前日に仕掛けたわなを見に行くことにします。すると、死んでしまってはいたものの1個目のわなにシカがかかっており、続く2個目のわなには大暴れするシカの姿がありました。わなを16個仕掛けているとのことですが、この調子ではかなりの数のシカがかかっていそうです。シーキチンさんは、茸本さんに対して「きょう何頭持って帰ってもらえます?」と尋ねます。まさかこれほど大量に捕れると思っていなかった茸本さんは思わず口ごもってしまい、「少しいただければと思います」と返すしかありませんでした。その後、シカがかかっていたくくりわなを片付けたシーキチンさんは、おもむろに穴を掘り始めます。きょう捕ったシカは食肉に加工したり販売したりはせず、自家消費分だけ持ち帰って残りは埋設処分するとのこと。現場に埋設することは、集落の人々に合意をいただいているそうです。食肉にしない理由の1つ目は食べ切れないくらい捕れること。2つ目は食肉として販売するためには止め刺し(とどめを刺すこと)をした後、規定時間以内に処理施設に運ばなければならないといった基準が定められていることを挙げました。きょう仕掛けてあるわなを全て見回るころには、基準をオーバーしてしまうのだとか。シカを食肉にしようと思うと、1頭捕ったら締めて山を下り、施設に持ち込んで山に戻って1頭捕って……という形になり、とても間に合わない上に駆除が進みません。全力で駆除をしようと思ったら、食肉にできないのが現実なのだそうです。わなを回りつつ、シカは1年で1.2倍に増えるといわれていると話すシーキチンさん。1000頭のシカが1200頭に、2000頭のシカが2400頭に増えてしまったら、1日1頭捕っても全く間に合わないことが分かりますね。8個目のわなを見に行くと、そこには5頭目のシカがいました。どれだけのシカがいるのだろうと驚きつつ進んでいくと、シーキチンさんが「マツカゼソウ」というシカが食べない「シカ不嗜好性植物」と呼ばれる植物を見せてくれます。シカは食べられる植物を食い尽くすため、山にはシカが食べない植物だけが残るそうです。この場所は植物がたくさん生えているように見えますが、生態系的にはよくない状況なのですね。さらに、シカがリョウブの木の樹皮をはぎ、食べた形跡を発見しました。山肌を見てみると、シカの首が届く高さに全く緑がありません。一見すると豊かな林のように見えますが、よく見てみると地面には何も生えていないことが分かります。本来山の土壌は木や草の根が守ってくれるため、それほど流出することはありません。しかし、シカがそれらを食べてしまうと山の地肌がスカスカになり、雨で土壌が流れ、土砂災害などを引き起こします。シカが私たちの命を脅かすと話していたのは、このことだったのですね。この山をこのままにしておくと、新しい木が生えてこないまま古い木がどんどん古くなり、やがてはげ山になってしまうと話すシーキチンさん。仮に花粉症の原因となるスギやヒノキなど人工林にある木を切って放置しても、稚樹をシカが食べてしまうため、もとの雑木林に戻ることはないのだそうです。シカが直接私たちを食べることありませんが、日本の山をどんどん貧弱にしている一因なのですね。しかし、シカは外来生物ではなく在来生物です。そんなシカがなぜ私たちに牙をむくのでしょうか。シーキチンさんはさまざまな要因があるとしつつ、山から人間が撤退してシカの生息地が拡大していること、シカと人間の住む場所の境界線が明確化してしまったことが、その要因だと考えているそうです。また、かつて日本には「ニホンオオカミ」というシカの捕食者がいましたが、明治時代に絶滅してしまっています。断言はできないものの、それもまた一つの要因になっているのかもしれません。シカはエサがあれば際限なく増えるため、増えたら増えただけ食べ物が足りなくなり、里のほうにはみ出してきてしまいます。そんな状況の中でシカの数を減らすという役割を、シーキチンさんをはじめとしたハンターさんが担ってくれているのですね。その後もわなを見回っていくと、次はまだ若いシカがかかっていました。止め刺しをしたシカをよく見てみると、その体にはマダニがくっついています。マダニは直接吸血するという被害はもちろん、死亡率が3割といわれる恐ろしい病気を媒介することで知られています。その恐ろしい病気を持ち込むマダニがシカとともに里に下りてくると考えると、なんとも恐ろしいですね。ハンターという仕事について、命を奪うということから普通の人にはできない特殊技能のようなところがあると話すシーキチンさん。獲物となる動物に対しては敬意というより、いい意味での畏れ、畏怖を持って対峙(たいじ)しているそうです。なお、シーキチンさんが行っている有害鳥獣駆除はボランティア活動ではなく、市町村から駆除した頭数分の報奨金が出るそうです。しかし、ハンターは下準備や経験値、わなや銃に関する技術はもちろんのこと、根回しや地域住民との信頼関係などがものをいう世界であり、新規参入してすぐに成果を得るのは難しいのが現状なのだといいます。獣害は農家の問題だと思われがちですが、実際の有害鳥獣駆除は日本人全員の命と生活を守るために行っているという面が一番大きいのだそうです。畑を荒らすイノシシやヒグマの人的被害は分かりやすいですが、最も私たちに人件費や労力などを費やさせているのはシカだと思っているのだとか。ここで、シカが侵入できないように高い柵を張ってある場所とシカがいる場所を見比べてみるとその差は一目瞭然。シカの被害を受けていない山肌には背の低い緑がたくさん生え、太くて立派な木も生えていました。シカという生き物は、これだけ環境を変えてしまう力を持っているのですね。その後もわなを見回っていき、最後のわなには9頭目のシカがかかっていました。今回は16分の9というすさまじい成果ですが、シカがたくさんいるからこそこれだけ捕れると考えると、手放しで喜べないのがなんとも複雑なところですね。シーキチンさんは最後に、狩猟に興味があるけれど実際に狩猟するまではこぎつけられない人も多いと思うと、また実際に狩猟をする人と無関心の間に「理解してくれる人たちの層」が増えてきてほしいと話します。理解してくれる人の層が増えれば、それだけハンターさんも仕事をしやすくなるため、ぜひ現状を知って理解してほしいと話すシーキチンさんなのでした。帰宅した茸本さんは、いただいたシカ肉を調理することにします。「普段絶対に手に入らないような部位を調理してみたい」とシーキチンさんに相談したところ、シカの乳腺をいただいたのだとか。わなにかかったシカのほとんどはメスで、授乳中もしくは授乳後すぐと思われる個体が多かったそうです。お母さんシカを狩ると聞くとつらい気持ちになる人がいそうですが、駆除という意味では最も効果的なタイミングでもあるのがなんとも複雑ですね。なお、仕掛けた16個のわなのうち、まだシカがかかっていないわなはそのままにしておいたそうです。そして全てのわなを回収した結果、なんと11頭ものシカを捕獲しました。現場を見ながらシカの影響について話してきましたが、長崎・対馬では実際にシカの影響による土砂崩れが起きているとのこと。本州にはホンドシカ、北海道にはエゾシカが生息していることを考えると、今後日本の里山は全て同じような災害が起きるリスクがあることが分かります。シカによって、きょうあすにでも人の命が奪われる可能性がある。これは今そこにある危機であること、そんな状況まできていること、とにかくシカがヤバい生き物であること。そして日本がシカに滅ぼされかけていることを知ってほしいと話す茸本さんなのでした。シカについて話しながらさばいていた乳腺は、硬いレバーのような感触でチーズのような乳臭さがあったそうです。そこで、バター、ニンニク、焼き肉のたれで炒めて「ホンドシカの乳腺のバター焼き肉」にしたところ、とてもおいしかったそうですよ。なお、野生のシカを食べる際は寄生虫や感染症、特にE型肝炎のリスクがあるため、しっかりと火を通してくださいね。この動画のコメント欄には「気付いたら見入ってしまってた」「内容に感動して震えました」「植生の違いを見て想像以上に深刻な話だということが分かりました」「フェンスありなしでの差でかなり実感湧きました」「山の地面がスカスカすぎてびっくりしました」「これはもっと取り上げてほしいです」「かなり深刻だなと感じました」「シカは本当にヤバい」といった声が寄せられています。茸本さんは、この他にも全国各地のマニアックな食材を食べる様子をYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗ch」で公開中です。また、X(@tetsuto_w)でも情報を発信しています。

(クマ目撃続く、登山道一部閉鎖:富山)
立山・室堂でクマの出没が相次いでいることを受け、環境省が登山道の一部を閉鎖したことが8日、分かった。閉鎖するのは雷鳥沢から一ノ越に向かう「母恋坂」と、野営場管理所につながる「代替歩道」。立山管理官事務所によると、クマ対策で立山の登山道が閉鎖されるのは初めてで、登山者には目撃しても近づかず、ごみの管理を徹底するよう呼び掛ける。両登山道は元々、利用者も少ないため、別の登山道の利用を求める。出入り口付近に看板を設置して、閉鎖を知らせる。環境省と林野庁、県、立山町の4者が協議した結果、6日から立山登山線のうち「母恋坂」「代替歩道」を閉鎖することを決めた。管理事務所によると、室堂周辺には成獣2頭、幼獣2頭が居着いているとされ、両登山道は活動圏域とみられる。クマが隠れられるハイマツなどの樹木が繁茂し、地形的にも視界不良な区間もあるため、クマと遭遇した際の危険が高まると判断した。室堂周辺では7日も成獣1頭が目撃されており、最後に目撃や痕跡が確認された日から10日間、新たな目撃などがなければ閉鎖を解除する。

(住宅に体長約2mクマ連日出没:宮城)
5日午後9時半頃、宮城県加美町宮崎の住宅で住人が撮影した映像です。ガラス戸の向こうで、体長およそ2メートルのクマ1頭が、鳥の餌が入ったバケツをくわえています。また、頭には白いテープが張り付いているのが確認できます。撮影した住民によりますと、クマはその後、バケツをくわえて山の方に逃げていったということです。この住宅では8月末から9月3日にかけて、飼っていた七面鳥など13羽すべてをクマに食べられる被害がありました。この住宅の防犯カメラには連日、白いテープが張り付いたクマの姿が映っていて、同じ個体が続けて出没していると見られています。警察は、夜間のパトロールなどを強化しているということです。

(軽トラとクマが衝突:新潟)
9日午前7時半前、長岡市人面の県道で、軽トラックがクマと衝突したと、付近の住民から通報があった。軽トラックはそのまま走り去り、クマも姿を消した。クマは体長約1メートルで、目撃場所は民家直近。午前7時ごろにも、西に300メートル離れた県道で1頭が目撃されている。

(ヌートリア目撃激増:静岡)
浜松市内で特定外来生物のヌートリアの目撃件数が激増している。農作物への被害も増えており、市は、わなの無料貸し出しの対象を、農業従事者だけでなく、事前登録した市民に広げる。8日の市議会環境経済委員会で報告した。今月中旬から登録申請を受ける。ヌートリアは南米産のネズミの仲間。市によると、2015年度に目撃1件、捕獲1頭だったのが、市民に広く情報提供を呼びかけた21年度に目撃229件、捕獲117頭と急増。24年度は目撃619件、捕獲239頭と、さらに増えた。

(静かな町を襲った「アーバンベア」が捕獲されるまで:宮城)
宮城県加美町の静かな住宅街。その一角に設置された防犯カメラの映像に、黒々とした大きな影が映っていた。夜の闇に溶け込むように姿を現したのは、クマである。鼻を動かし、周囲を探るように歩き回る様子が記録されていた。この住宅では、数日前から飼育していた七面鳥やウコッケイなどが次々と襲われていた。住人は警戒のため防犯カメラを設置していたが、そこにまさに「野生の犯人」が映りこんでいたのだ。9月3日午後9時半過ぎ、住人の女性はモニターを確認して絶句した。「玄関先にクマがいる!」すぐに警察に通報したが、駆け付けたときにはすでにクマは姿を消していた。この住宅がクマに狙われたのは、この日が初めてではなかった。8月末から9月1日にかけて、七面鳥やウコッケイなど12羽が食べられてしまった。さらに9月3日、唯一残されていた七面鳥1羽も襲われた。大きな羽音とともに小屋が揺れ、クマは器用にふたを外して鳥を引きずり出したという。体重10キロにもなる七面鳥でさえ、クマにとっては抵抗にならなかった。翌4日には玄関の入口を塞ぎ、鳥かごを室内に入れる予定で準備を進めていた。だが、その前にすべての鳥が食い尽くされてしまった。そして9月5日午後9時半ごろ。ついに住人は自らスマートフォンを手に取り、クマの姿を直視することになった。ガラス戸のすぐ向こうに現れたのは、真っ黒な巨体。防犯カメラで見たときよりも、はるかに大きく感じられたという。立ち上がったその姿は、住人自身の身長の178センチとほぼ同じ。警察には「約2メートル」と通報した。クマは玄関先の風除室に悠然と侵入し、お目当ての鳥の餌入りの青いバケツに向かった。わずか数メートルの距離で、口を大きく開けてバケツをくわえ、そのまま立ち去ろうとする姿が映像におさめられていた。その後頭部には白いテープのようなものが貼り付いていた。以前、七面鳥を襲ったときにも確認されており、同じ個体とみられる。住人はそれ以前の5日早朝、クマが通った玄関先の空間を板でふさぎ、再侵入を防ぐ対策を講じていた。「完璧だと思った。」ところが、クマはさらに上を行った。天井近くに設置していた金網を力任せに折り曲げ、新たなルートから侵入してきたのである。すでに鳥は食べ尽くされていた。狙いは鳥の餌だった。最後の七面鳥が襲われた際にも、同じ場所に置かれていた餌を食べた形跡があった。この夜のクマは、記憶していた「餌場」に真っすぐ向かい、バケツごと持ち去ろうとした。住人はその一部始終を記録した際、「でかっ!」と思わず声を漏らした。緊張の続いた数日後、9月7日午前6時過ぎ。町と猟友会が仕掛けたわなにクマがかかり捕獲された。体長140センチ、体高70センチ、体重94キロ。推定7歳のオスだった。クマの体長は鼻先から尾の付け根までの長さで測るため「2メートル」ではなかったが、県のデータと比べても大きな部類である。注目された “白いテープ”の正体は、GPSつきの首輪だった。2023年ごろ、民間調査会社がクマの行動範囲を調べるために装着したものだった。ただし電池の寿命は1年ほどで、すでに切れており追跡はできていなかった。結果として、人里に行動範囲を広げていたことも記録から漏れていた。しかし安堵もつかの間、捕獲から間もなく、3キロほど離れた場所で、別のクマ目撃情報が寄せられた。町は引き続き注意を呼びかけている。七面鳥やウコッケイ13羽が食い尽くされ、玄関先にまで侵入されたこの一連の騒動は、静かな町に深い爪痕を残した。一枚のガラスを隔てて人と野生動物が対峙する異常事態。住民は「日常が破られた恐怖」を今も語っている。人慣れしたクマは、食べ物の味と場所を学習し、再び現れる可能性がある。「ごみを放置しない」「果物を早めに収穫する」といった日常の小さな備えが、被害を防ぐ第一歩になる。クマが人里に現れる背景には、山の食料不足や個体数の増加も指摘されている。静かな町を襲った「白いテープのクマ」は捕獲されたが、問題は終わったわけではない。

(キュウリ30~50本がクマによる被害:岩手)
9日朝、岩手県二戸市の畑で、キュウリ数十本がクマに食い荒らされる被害がありました。警察によりますと9日午前5時45分ごろ、二戸市福田に住む男性から「私の畑でキュウリが食べられた」と警察に通報がありました。この男性の所有する畑で、露地栽培のキュウリ30~50本が食い荒らされているのが見つかりました。男性はクマを直接見ていませんが、畑やその周りにクマのふんや足跡が確認されました。現場は安比川に沿って住宅が点在する農村地帯で、被害発生後にクマの目撃情報はありませんが、警察が付近の住民に注意を呼び掛けています。

(リンゴ約100個が食害に:秋田)
鹿角市で農作物が食い荒らされる被害が相次いで確認されました。鹿角警察署の調べによりますと、8日、鹿角市の50代の男性が鹿角市十和田大湯字上野の果樹園を確認したところ、リンゴ約100個が食い荒らされているのを見つけました。果樹園にはクマのものと思われる足跡が残されていて、歯形がついたリンゴの実が散乱していたということです。6日午後6時ごろから8日午後6時ごろまでの間の被害とみられています。また、鹿角市十和田山根字柳平では、8日、鹿角市の70代の男性が、ソバ畑が踏み荒らされ、ソバの実が食べられているのを見つけました。1日午前8時半ごろから8日午前8時半ごろまでの間の被害とみられています。

(食い荒らされたトウモロコシ、その数400本:北海道)
北海道厚沢部町で畑のトウモロコシが食い荒らされているのが見つかりました。被害にあった数はおよそ400本で、クマによる食害とみられています。被害があったのは厚沢部町美和にある畑です。9月10日午前8時ごろ、トウモロコシが食い荒らされているのを畑の所有者が発見しました。被害にあった数はおよそ400本だということです。警察によりますと、畑の中には幅およそ15センチのクマの足跡やフンが見つかったということです。警察はクマによる食害とみて警戒を強めています。

(クマ1頭をハンターが駆除:北海道)
10日午後、道南の七飯町で畑にクマが出没し、およそ3時間居座りました。午後4時半ごろハンターがクマ1頭を駆除しました。10日午後1時半ごろ、七飯町鳴川4丁目で、車で通りかかった女性から「およそ1mのクマを見た」と警察に通報がありました。クマは農家の敷地内にある梨の木の上に登り、梨を食べていたということです。その後、午後4時半ごろハンターによってクマは駆除されました。クマが目撃された場所の近くには就労継続支援施設などがあり、七飯町の職員と警察が付近には近づかないよう警戒を呼びかけ、周辺の道路も一時通行止めとなりました。

(救急車にクマ衝突、けが人なし:福島)
警察によりますと、9日午後8時37分ごろ、福島県南会津町東の国道289号で、救急車が西へ走行中、北から飛び出してきた体長1.5メートルほどのクマが、運転席側の後部に衝突しました。その後、クマは山へ逃げて姿が見えなくなったということです。当時、救急車に患者は乗っておらず、隊員にもけがはありませんでしたが、救急車の運転席側後部が損傷したということです。警察は、南会津町に情報を提供し、付近の警戒活動にあたっています。警察によりますと、9日午後8時37分ごろ、福島県南会津町東の国道289号で、救急車が西へ走行中、北から飛び出してきた体長1.5メートルほどのクマが、運転席側の後部に衝突しました。その後、クマは山へ逃げて姿が見えなくなったということです。当時、救急車に患者は乗っておらず、隊員にもけがはありませんでしたが、救急車の運転席側後部が損傷したということです。警察は、南会津町に情報を提供し、付近の警戒活動にあたっています。

(ワタミオーガニックランドのジビエカレー新発売)
岩手県陸前高田市にあるワタミが運営する循環型農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」から鹿肉カレーをお届けします。「ワタミオーガニックランド」の近くにある柳田国男の「遠野物語」の舞台となった岩手県遠野市では、近年、山間部での鳥獣被害が深刻で、特に鹿の増加による農作物被害が増え続けています。そこで、遠野市では捕獲された鹿全頭の放射能測定を実施し、食肉として利用できる流通及び管理システムを構築しました。「ワタミオーガニックランド」は「生命と向き合う場所」であることを大切にしている循環型の農業テーマパークです。遠野市の毘沙門商会様の、鹿の生命と向き合うお取り組みに共感賛同し、「ワタミオーガニックランド」で提供するバーベキューや、来園された方たちのアクティビティーとして鹿革のキーホルダーづくりなどを行うことにしました。陸前高田市でも鹿は駆除対象で、年間約2,000頭駆除されています。しかし、陸前高田市では捕獲した鹿の全頭放射能検査、加工事業者がいないことから近隣の遠野市から食材を調達することにしました。中山間地ではこのような課題もあるということを、一人でも多くの方々に伝えていきながら、自然共生社会の実現に向けて、考えるきっかけを提供していきたいと考えています。自然の中で健やかに育まれた旨みが強い鹿肉をコトコト煮込み、オリジナルの特製スパイスを使用したカレーで仕上げました。とろけるような柔らかさとスパイスが効いたカレーをお楽しみください。

(ペットと飼い主向け3商品開発:愛媛)
岡山理科大獣医学部(愛媛県今治市)は、地元の企業や自治体などと連携し、ペットと飼い主向けの3商品を相次いで開発した。非常食としてシェアできたり、ジビエ(狩猟肉)を使ったりしたペットフードなど。

(「ジビエ&フードフェスティバル」:石川)
猟師直伝の多彩なジビエ料理に、音楽やワークショップも。ペット同伴OKの野外フェス。白山市の自然豊かな温浴施設「バードハミング鳥越」で、9月13日(土)に“ジビエ&フードフェスティバル”を開催。石川県内でジビエを扱う事業者や猟師が集まり、他ではなかなか味わえない猪・鹿などの多彩なジビエ料理を提供する。会場ではビールやソフトドリンクの販売、ステージ音楽、体験型ワークショップも用意され、ジビエ初心者でも楽しめる内容だ。ペット同伴もOKで、ジビエペットフードの販売も予定。家族や友人、愛犬と一緒に白山麓のアウトドア空間でジビエを満喫しよう。

(ニホンジカの角でキーホルダー作り:長野)
飯田市本町のコミュニティ施設「りんご並木のエコハウス」で7日、市立動物園(同市扇町)で飼育している20歳のオスのニホンジカ「角太(かくた)」から落ちた角を細かく切り分け、手作りのキーホルダーに加工するイベントがあった。親子連れ10人が参加した。通常、オスのニホンジカの角は毎年春に生え替わりのため皮がはげ、自然に落ちる。伊藤崇園長(42)によると、角太の角は例年約40センチまで伸び、落ちた角は保存している。参加者にニホンジカを身近に感じ、自然の恵みを大事にする考え方に触れてもらおうと、企画した。

(「猟師に弟子入り体験」:山梨)
八ヶ岳山麓の暮らしを様々なアクティビティを通して体感できる、子ども連れ歓迎の一棟貸しオーベルジュ「Agriturismo YUTAKA(アグリツーリズモ ユタカ)」(所在地:山梨県北杜市小淵沢町、代表:馬場 優)は、地域課題である獣害と向き合うため、宿泊客を対象とした人気アクティビティ「猟師に弟子入り体験」と共に、10月1日(水)より八ヶ岳山麓でとれた旬のジビエを味わう新メニューの提供を開始します。アグリツーリズモ ユタカは「八ヶ岳南麓の自然と暮らしの魅力を伝える宿」を目指し、2024年8月に開業した、全国的に珍しい一棟貸しのオーベルジュです。子どもと参加できるアクティビティ「猟師に弟子入り体験」は、料理長であり現役猟師でもある馬場 優のもとで罠猟を疑似体験するもの。都市在住の宿泊客には馴染みが薄い狩猟の世界に子どもと一緒に触れられる体験として、通年で人気があります。

(ジビエから秦野を再発見:神奈川)
第5回はだの生涯学習講座「秦野×ジビエ」が9月20日(土)、秦野市教育庁舎3階会議室で行われる。時間は午前10時30分から正午まで。講師は神奈川県猟友会西秦野支部事務局で、中国料理北京館・代表取締役の三浦義政さん。自然が豊かである一方で、農作物の鳥獣被害といった課題もある秦野。猟師として、料理人として、捕獲した野生鳥獣を「秦野ジビエ」として活用するその知識や経験、思いを聞くことができる。

(西表島のエコシステムをイノシシ猟師から学ぶ:沖縄)
世界自然遺産に登録された西表島で、日本初の「エコツーリズムリゾート」を目指す「西表島(いりおもてじま)ホテル by 星野リゾート」では、2025年11月15日~2026年2月15日までの期間、毎週土・日曜日限定で、西表島のエコシステムをイノシシ猟師から学ぶ「カマイ狩猟文化体験ツアー」を実施します。「カマイ」とは、西表島の方言で「イノシシ」という意味です。島の猟師によるカマイについてのレクチャーやジャングルでの痕跡探し、カマイの食体験を通して、生物多様性保全の視点から西表島に生息する「カマイ」について知る、大人の学びプログラムです。西表島は、国際的に希少な固有種に代表される「生物多様性保全上重要な地域」であることが認められ、2021年7月に世界自然遺産に登録されました。マイ猟は、毎年11月15日から2月15日までが狩猟期間です。西表島には伝統の罠猟があり、西表島の生態系のバランスを保つためにも重要な役割を担ってきました。カマイは、西表島に古来から生息し、島の自然環境を構成する重要な動物の一種です。一方で、カマイによる食害や固有種の摂食など生態系に及ぼす悪影響もあるため、個体数のバランスを保つことも重要です。また、島に住む人々は、古くからカマイ肉をタンパク源として食してきました。猟期である冬にカマイが生息する山に出向き、その個性的な自然界のシステムを正しく知り、興味を持っていただきたいという思いから、2021年からカマイに関するプログラムを実施しています。島の猟師がカマイの生態について解説します。どのような見た目で、何を食べているのかといった基本情報から、猟師だから知っているカマイ特有の行動パターンについてまで、ここでしか聞けない話を深く知ることができます。また、カマイが自然界でどのような役割を担っているのかを知ることで、西表島の独特なエコシステムについて理解が深まります。

(五島のジビエを気軽に:長崎)
五島市幸町「そしじ」。島内で捕獲したイノシシやシカをさばき、首都圏などに出荷してきました。地元の皆さんにもジビエを気軽に楽しんでほしいと、今年4月に開業。店名には「愛」「感謝」「調和」という意味を持つ、かつて親しまれた漢字を用い、日本人が大切にしてきた心を表現しています。

(エゾシカ「ホットドッグ」に:北海道)
足寄町北1のコーヒー店「珈琲座間屋」(座間ゆかり店主)は、エゾシカ肉のフランクフルトソーセージを使った「ホットドッグ」(800円)を販売している。夏の新メニューとして8月に発売した。町旭町の「やせいのおにくや」が販売する「エゾ鹿フランク」と、町北2の高橋菓子店のドッグパンを使用している。「やせいのおにくや」を経営する儀間雅真さんは、エゾシカなどの狩猟と解体を手掛け、シカ肉を使ったグリーンカレーの缶詰を製造・販売。ソーセージはイベントのみで販売していた。シカ肉と豚肉が半々の割合で、ジューシー感を出している。商品にはお好みで、ケチャップとマスタードを添えて提供。座間さんは「臭みがなく、あっさりとしておいしい。豚肉100%とは違う味わいを楽しんでほしい。観光客にも食べてもらえたら」と話している。

(クマ出没:宮城)
石巻市によると、10日午前6時30分ごろ、石巻市門脇町5丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、10日午後4時30分ごろ、松島町手樽三浦にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前10時30分ごろ、仙台市泉区根白石下河原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前9時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢宅地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、9日午後5時30分ごろ、松島町幡谷大菅にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、9日午後4時45分ごろ、栗原市築館荒田沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、9日午後4時ごろ、色麻町四竃指浪にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後6時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢本郷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、9日午前9時15分ごろ、松島町幡谷地蔵にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、9日午前9時ごろ、色麻町一の関西原前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、9日午前8時10分ごろ、色麻町一の関にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後3時50分ごろ、仙台市泉区住吉台東3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、8日午後4時45分ごろ、富谷市三ノ関坂ノ下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前11時30分ごろ、仙台市泉区実沢小豆嶋岩下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後4時15分ごろ、仙台市青葉区霊屋下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前9時ごろ、仙台市泉区小角窪上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前11時ごろ、仙台市青葉区郷六岩下にクマが出没しました。

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(河川敷で除草作業中、クマに襲われ2人けが:福島)
5日午前11時半ごろ、福島県喜多方市山都町の阿賀川河川敷で除草作業をしていた会社の職員から「従業員2人がクマに襲われた」と喜多方署に通報があった。同署によると、40代と70代の男性会社員がクマに右肩や右足を引っかかれたが、かすり傷で軽傷とみられる。同署によると、同日午前10時45分ごろ、40代男性が背後から体長約1.2メートルのクマ1頭に襲われ、熊手で追い払おうとした70代男性も立て続けに襲われた。その後、40代男性は足でクマを追い払おうとしたが、クマとともに約2メートルの土手を落下。クマはその場から立ち去ったという。現場近くの木の枝には子グマとみられる別の1頭もいたという。同署によると、当時は3人で作業しており、連絡を受けた勤務先の職員が同署に通報。襲われた2人は自力で病院に行ったという。現場はJR磐越西線山都駅から西に約1キロの集落から少し離れた河川敷。

(田んぼ、60代男性がクマに襲われけが:秋田)
4日午後4時ごろ、秋田県由利本荘市小栗山で、農作業中だった同所の男性(61)がクマに襲われた。男性は右前頭部や右腕、右足を負傷し、ドクターヘリで秋田市内の病院に搬送された。会話が可能な状態だった。県内でクマによる人身事故は今年9件目。由利本荘署によると、クマは体長約1メートル。男性が自宅の東側にある田んぼの見回りをしていたところ、クマに襲われた。男性は自力で軽トラックを運転して自宅に戻り、家族が119番した。

(「クマ被害」急増でも、1頭駆除で「1万300円」の現実)
近年では、全国でクマ被害のニュースを目にする機会が増えており、クマによる事故が深刻化しています。環境省の統計によると、2023年度はクマ類による人身被害は198件発生し、219人が被害に遭い、そのうち6人が死亡しました。2024年度は人身被害は82件、被害人数85人、そのうち死亡者3人と減少しましたが、2025年度は7月末までの3ヶ月間で人身被害は48件、被害人数55人、そのうち死亡者3人と増加傾向です。このような状況の中、住民の安全のためにクマの駆除を担うハンターに支払われる報奨金の金額は適正なのでしょうか。クマによる被害増加の背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。環境省の調査によると、クマの分布域は、平成15年度と30年度の比較でヒグマは約1.3倍、ツキノワグマは約1.4倍に拡大しています。山でブナの実などが不作になった年には、クマが冬眠前のエサを求めて人里に降りてくるケースが多発しています。一方、狩猟者の数は年々減少しています。環境省の資料によると、狩猟免許取得者数は昭和50年度には約52万人でしたが、令和2年度には約22万人となっています。実に60%近い減少で、年代別に見ると60歳未満の狩猟者は約80%も減少しています。クマ駆除に対する報奨金は、自治体によって大きく異なります。一般的には1頭あたり1万円から6万円程度が相場となっています。北海道の浦河町を例に見ると、2024年時点でクマ駆除の報奨金は1万円、クマ箱わな設置は1万円、クマ出動時は5000円となっています。一方、紋別市では1頭につき6万円が支給されるなど、地域による差があります。しかし、これらの金額に対して狩猟者側からは「安すぎる」という声が上がっています。2024年5月には、北海道奈井江町の猟友会が、町から提示された1頭1万300円の報奨金に対し、4万5000円を要求したものの受け入れられず、鳥獣被害対策実施隊への参加を辞退する事態が起きました。クマ駆除は極めて危険な作業です。クマは時速60キロメートルで走ることができ、一撃で人間を死に至らしめる力を持っています。そのため、駆除には「一発で仕留める」ことが鉄則とされており、失敗すれば反撃される可能性があります。実際にクマによる人身事故の半数以上がハンターです。仮に命が助かったとしても重大な後遺症が現れることが多く、本業にも支障が出るようなケースがほとんどだそうです。狩猟者の減少には、高齢化、費用負担、社会的なイメージなど複数の要因があります。現在の狩猟者の60歳以上の割合は約60%に達しており、若い世代の参入が進んでいません。狩猟を始めるには免許取得費、銃の購入費、維持費など相当な初期投資が必要で、新規参入の壁となっています。さらに深刻なのは、クマ駆除を行ったハンターに対する外部からの批判です。クマを駆除すると苦情が自治体に殺到し、ハンター個人への攻撃も行われています。クマ駆除の報奨金が妥当かどうかを考える際、単に作業の対価だけでなく、そのリスクと社会的意義を総合的に評価する必要があります。命の危険を冒し、高度な技術と経験を要する作業でありながら、現在の報奨金は日給換算で1万円から6万円程度で地域による格差も存在します。限られた自治体予算の中で報奨金を大幅に引き上げることは、現実的には困難です。しかし、住民の安全を確保するという公共性を考えると、適正な対価を支払うことは必要不可欠です。現在、北海道猟友会は自治体からの駆除要請に原則応じない方針を検討しており、これは民間任せの駆除体制に対する問題提起でもあります。クマ被害の増加と狩猟者の減少という深刻な問題に直面している今、駆除に携わるハンターへの適正な報奨金の支払いは急務といえます。現在の1頭1万円から6万円という報奨金は、作業の危険性と社会的価値を考慮すると決して十分とはいえません。住民の安全を守るという公共の利益のために、国や自治体はハンターの処遇改善と新規参入促進に向けた総合的な対策を講じる必要があります。単に報奨金を引き上げるだけでなく、狩猟免許の取得支援、若手ハンターの育成、社会的理解の促進などのアプローチが求められるのではないでしょうか。

(「バズり」狙いでヒグマに接近、知床でも深刻化する「人慣れ」:北海道)
撮影を目的にヒグマに接近する事例が北海道内で後を絶たない。住宅地へのクマの出没が続く道南や世界自然遺産の知床のほか、都市部でも確認され、動画投稿サイトで注目を集めるための拡散が目的とみられる。クマの人慣れにつながり、地域住民にも危険が及ぶ恐れがあるが、実効性のある対策は見いだせておらず、関係者は頭を悩ませている。

(年々深刻化する鳥獣被害、個体数管理や捕獲などを協議:山形)
クマやイノシシなど鳥獣被害が年々深刻化する中、きょう県庁で野生動物の個体数の管理や捕獲などについて協議する会議が開かれました。県の環境審議会「野生生物・自然環境部会」は、大学教授や猟友会などの有識者で構成され、きょう今年度1回目の会議を開きました。県内では野生動物による農業被害が年々深刻化していて、最も被害額が大きいのがイノシシによる被害です。昨年度のイノシシによる農業被害額は、速報値で8000万円弱で、中でも水稲の被害が半数以上を占めています。会では、来年度から5年間の「第3期県イノシシ管理計画」の策定に向け、農業被害の防止に重きをおいた内容とする案が示されました。被害を防ぐために、個体数を管理した上で捕獲を強化していくことの必要性などについて、意見が交わされました。また、猟友会など捕獲の担い手は、70代以上がおよそ3割~4割を占めていることから、次世代の担い手の確保をあわせて進めていくことなども示されました。県環境審議会 横山潤 部会長「県下で野生動物が増えているというのを根本的に放置してしまうのは問題があると思う。個体数を適切なところに抑えていくという努力は続けていかなければいけない」。審議会では今後もさらに議論を進め、管理計画の策定に向けて取り組んでいくということです。

(相次ぐクマの目撃情報、自治体はハンター配置など対策追われる:富山)
2か月で30件近くの情報。標高2000メートルを超える山岳地帯でクマの出没が相次いでいるのを受け、自治体はハンターを現地に配備するなど対策に追われています。1日、クマへの緊張感が高まる室堂に猟銃を持ったハンターの姿がありました。立山町は1日から町の職員と立山町鳥獣被害対策実施隊の各1名を室堂へ派遣。朝から夕方までの時間帯を交代制で万が一に備えます。立山町農林課 佐伯悦野課長「クマを捕獲しに来るわけではなくて。危害が加わるというのを最後の段階ですぐに対応するためには、やはり現地に入っている必要があるだろうと」。遭難者の救助とクマの出没が重なった際に警備が手薄になる山岳警備隊を支援し、警戒にあたります。佐伯課長はクマ被害防止のため、ゴミは持ち帰るなど登山者らに協力を呼びかけます。立山町農林課 佐伯悦野課長「山でゴミを出したり、クマにエサを与えたりということがあると、やはり人間の味をしめてしまうので、おいでになるお客様にも周知徹底をしてクマに人間の味を覚えてもらわないということは非常に大事なこと」。相次ぐクマの出没でアウトドア用品店ではクマ対策グッズの需要が高まっています。800メートル先まで音が届くというベアホーン。臆病な性格だとされるクマには、この大きな音が効果的で人間の存在を認識させるといいます。さらに食べ残しなどを入れる袋。臭いが外に漏れずらいというもの。夏山で大量出没を続けるクマ。訪れる際は対策を万全にすることと、クマの生息域に立ち入るという意識を忘れてはいけません。立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員「生息保護地域であって本来クマの生息地。生息エリアのコアですね。核となる場所なので。人間の方がクマに最大の配慮をしなければいけない」。

(豚熱感染を確認、畜産関係者に衛生管理の徹底呼びかけ:福岡)
福岡県久留米市で野生のイノシシの死骸が見つかり5日、家畜伝染病の豚熱に感染していることがわかりました。今年、福岡県内での豚熱の感染が判明したのは4例目となります。県によりますと2日、久留米市で野生のメスのイノシシが死んでいるのが見つかり、検査したところ5日に豚熱の感染が確認されたということです。県内の豚熱は8月に久留米市で44年ぶりに野生イノシシの感染が確認され、その後も久留米市とうきは市で野生イノシシの感染が判明し、今回が4例目となります。今回死骸が見つかったのは1例目と2例目の野生イノシシが発見された場所に近い場所でした。県は畜産関係者に衛生管理の徹底を呼びかけています。豚熱は豚やイノシシに強い伝染力がありますが、人に感染することはなく、仮に豚熱にかかった豚の肉や内臓を食べても人体に影響はないとして、県は冷静な対応を呼びかけています。

(長野県中野市の4人殺害、別の警察官が追い回されていたことが初公判で明らかに:長野)
4日の初公判では、殉職した警察官2人の同僚の男性警察官が事件直後、猟銃を手にした青木政憲被告に追い回されていたことが明らかになった。この同僚は検察側証人として出廷し「被告は銃口を上げる様子があった」とも明かし、撃たれる可能性も頭をよぎったと説明した。同僚は当時、中野署の生活安全課に所属。同僚の証言によると、「女性が男に刺された」との通報を受け、別の警察官と乗用車で現場に駆けつけた。スーツ姿で拳銃は持っていなかった。

(専門家「成功体験したクマにとってはご飯の合図、そうした状況を作らないこと」:北海道)
7月、北海道福島町で新聞配達員の男性がクマに襲われて死亡する事故があった翌日、札幌市内の町内会でヒグマに関する勉強会が開かれました。この地域でも6月末にクマ出没情報があったばかりで、クマとの向き合い方や地域でできることは何かを考えました。勉強会を開いたのは、札幌市中央区の円山西町の町内会です。この町内会での勉強会は3度目の開催。ほかにも夏祭りでクマブースを出して対策を呼びかけるなど、継続的にクマに強いまちづくりを考えてきました。そんな中で、今年は4月にはクマに似た動物、6月にはクマが目撃されるなど出没情報が相次いでいます。いざというとき、これまでの取り組みの成果が発揮されていました。6月24日、クマが目撃されたのは午後10時半ごろ。警察に通報があり、札幌市に情報が共有されました。札幌市は公式LINEで日ごろクマの情報を発信していて、このときは午後11時57分に、登録している市民のもとに出没情報が届いています。近隣の小学校・中学校にも市から連絡されました。円山西町の町内会長・有賀誠さんは、「4月の『らしき動物』の目撃情報を経験していたからこそ、深夜の段階ですぐに『クマ目撃』という情報になっていることに、確度が高いんだと理解できた。すぐに町内会の住民に知らせる必要があると考えた」と振り返ります。そして町内会の執行部や児童会館、学校、まちづくりセンター、さらに「朝練をやるかもしれないから」と地域の少年野球チームにも連絡。その結果、早朝のうちに学校からは保護者に一斉メールが出され、野球の朝練は中止の判断がされました。さらに執行部のメンバーの気づきで、早朝に散歩をする人も多い地域のシニアクラブにも情報共有がされました。地域の事情をよく知っている町内会だからこそ、市町村だけでは気づけないニーズまで気をまわして、早朝のうちに注意喚起をすることができました。さらに、町内会独自の「デジタル掲示板」も立ち上げていて、登録している約70人にも朝のうちに速報で伝えています。札幌市のLINEに加え、より自分の地域に特化した情報を得られる場所を、自分たちで作っているのです。有賀さんは、「住民の間では、クマが出たときに『まさか』ではなく、『ついに出たね』という会話になった。それが今まで取り組んできたひとつの目標のようなもの。クマを身近に考えていると、冷静に対処できると思う」と話します。実際に、この出没の調査結果に対して、有賀さんはとても冷静に分析をして住民に報告しました。札幌市では出没の後、市の担当者と、専門知識を持つNPO職員が現場を調査します。このときの調査では、クマの毛が1本と、クマが地面を掘った跡が見つかりました。ただ痕跡はそれだけで、クマを引き寄せるような原因になっているものもなく、繰り返し来ている様子もありませんでした。つまり、クマはこの地域に定着しているわけではなさそうだ、ということです。この結果を住民に説明するために、有賀さんが例に出したのが、2023年6月札幌市に出没したクマです。こちらは西区の西野市民の森に設置したカメラに映ったクマですが、その数日後に南区で相次いだ目撃情報も、現場に残されたDNAや足跡などから「同じクマ」と見られています。西区と南区の現場には15キロほどの距離がありました。さらに、その前に小樽市で見つかったクマのフンからも、同じDNAが見つかったのです。このようにオスのクマは、ときには市町村の垣根も超えて、10キロ以上の非常に広い範囲を移動します。出没情報が多いなと思うときも、クマが増えたというより、実は1頭のクマだったということがよくあります。地域に出たのが、そうした「通り過ぎた」クマなのか、それとも同じ場所に繰り返し来ているのか。ごみの不始末などクマが執着する原因になるものがないか、クマが人に慣れた様子など危険な兆候はあるのか。出没の痕跡や目撃したときの様子などを分析すると、危険度や緊急度、取るべき対策が見えてきます。「まさか」と思っていると、出没をどうとらえていいかわからず、必要以上に怯えて暮らすことになってしまいます。正しい対処を知らず、事故に遭ってしまうかもしれません。日ごろからクマについて知り、考えておくことで、いざというときも地域で声をかけあい、冷静に対処することができます。有賀さんに続いてマイクを持った、北海道大学大学院の伊藤泰幹さんは、4月と6月の出没を地域住民が予測できていたと、驚きの発表をしました。伊藤さんは1月に、円山西町でワークショップを企画。地域住民がグループに分かれ、自分たちはどこでどんなクマ対策を求めているのか、地図を広げながら話し合いました。まず過去の出没地点を書き込み、次に「クマの目線」から、出没の原因になるものを探します。伊藤さんは1月に、円山西町でワークショップを企画。地域住民がグループに分かれ、自分たちはどこでどんなクマ対策を求めているのか、地図を広げながら話し合いました。まず過去の出没地点を書き込み、次に「クマの目線」から、出没の原因になるものを探します。「クルミ」「農作物」などクマの食べものになるものがある場所、「草やぶ」などクマの通り道になる場所にシールを貼ったり、マーカーで書き込んだりしました。4月と6月の出没場所は、この1月のワークショップで「クマが出るリスクがありそう」と話していたエリアと重なっていたのです。川沿いや背の高い草やぶを移動するクマの習性を知っていることに加え、どこに草が生い茂っていて、どこに何の実がなっているかなど、地域住民だからこそわかる視点が入ると、対策が必要な場所は考えられるということが証明されたと言えます。ワークショップでは、最後に住民の目線で、通学路やバス停など、クマに絶対に出てほしくない場所を話し合っていました。「クマ目線」と「人目線」をかけ合わせることで、対策が必要な場所や、地域住民がどこでどんな対策を望んでいるのかが見えてきます。町内会のメンバーは、このワークショップの後、クマ対策になる頑丈なごみ箱の視察に行くなど、実際に対策を考える次の一歩に進んでいます。伊藤さんはこの勉強会で、ワークショップの成果を振り返り、「クマ出没を『じぶんごと』にする、というのは簡単に言われますが、では『じぶんごと』にするとは何なのかを考えてみました。クマが出たらしいと漠然とした不安を抱えるのではなくて、やることや課題を具体化していくことが『じぶんごと』なのではないかと思います」と話しました。参加者から「クマ鈴で、人だと思って逆にクマが寄ってくるようなことはないのか」などの質問が出ました。勉強会に参加していたクマの専門家・間野勉さんが質問に答えました。間野さんは今年3月まで北海道立総合研究機構に所属し、長くクマの研究や調査に携わってきました。間野さんは、「音は人間がクマに存在を知らせるしるし。多くのクマはそのしるしに反応して人を忌避する。ただ、人に近づいておいしいものを食べられたなど成功体験をしたクマにとっては、ご飯の合図のベルになってしまう。そうした状況を作らないことが大切」と説明しました。クマ鈴をつけていても事故にあったケースを見聞きしても「無意味に慌てる必要はない」ものの、危険な兆候がある場合は例外となるため、その意味でも出没の分析が必要です。人を避けるクマなら、音を出す・草刈りをして見晴らしをよくするなど、できる対策はあるといいます。ただ、危険な兆候がある「問題個体」の場合、個人や地域でできる対策だけでは限界があるのも現実です。また参加者からはクマの出没に関して「気を付けるべき時間帯」についても質問が出ていました。

(「東京23区の都心部で多くの人が襲われる可能性」クマに詳しい大学教授の衝撃発言にスタジオ騒然)
クマの生態に詳しい石川県立大の大井徹特任教授が6日、日本テレビ系「サタデーLIVE ニュースジグザグ」(土曜午前11時55分)に出演。相次ぐクマ被害の話題の中で、ナビゲーターの小澤征悦から、東京23区内にも来る可能性があるか問われ、最悪の想定として「都心部で多くの人が襲われる」とのフリップを出しながら「23区に現れた場合に都市部で多くの人が襲われる可能性があります」と語った。大井氏はクマが23区内に出没することについて「確率は低いですけど」としながら、23区内の都心部に出没した場合「クマもパニックになり、人間を、(自分を)襲うものだと捉えて、自分の身を守るために攻撃するということが起こると思います」と語った。ツキノワグマは、都内では青梅市内などで目撃されているが、「通常出没するのは森から100メートル以内ですが、それより遠くに出てくる場合、河川づたいに移動する」と語り、「例えば多摩川ですよね」と語った。続けて「例えば、ユーミンの生まれた、どこでしたっけ…。八王子。八王子のちょっと山の方ではもう出ていますよね」と指摘し、行動範囲の広がったクマが、多摩川づたいで「23区内に出てくることも否定できません」と語った。番組では、5つの疑問を大井氏にぶつけた。<1>この秋クマ出没は増える?との疑問には大井氏は○を掲げ「地域によって状況は違いますが、たくさんのクマが例年より出る地域があります」とした。<2>東京23区内には現れない?との疑問には×を掲げ「可能性は低いですが、現れることはあるかもしれません」と回答。<3>「鈴」の効果はなくなった?には×を掲げ「効果はあると考えて使っていただいていい」と回答<4>遭遇時「命を守る方法」はある?には○を掲示。<5>今後も被害は減らせない?に×を掲げ「人間の努力次第」とした。

(イノシシ捕獲技術の講習会:岩手)
近年イノシシによる農作物の被害が増加傾向にある岩手県一関市では、捕獲の技術の向上を目指して講習会が行われました。一関市東山市民センターで4日開かれた講習会は、県南広域振興局の一関農林振興センターが企画したもので、一関市と平泉町の猟友会の会員など36人が参加しました。一関市など県の南部では近年、イノシシによる農作物の被害が増加傾向で、対策が急務となっています。講習会では、地元猟友会の小岩広昭さんが講師を務め、イノシシは道路に近づくと警戒心が強くなるため、道路から10メートルほど離れた辺りにわなを設置すると効果的に捕獲できるとアドバイスしていました。4日は実際にわなの仕掛け方のレクチャーも行われ、参加者が農作物被害の軽減に向けて技術の向上を図っていました。

(小学生全員にクマよけの鈴を配布:長野)
辰野町ではクマの目撃情報が相次いでいて、登下校中の子どもたちを守ろうと4日、町内の小学生全員にクマよけの鈴が配られました。辰野町ではことし4月から3日までにクマの目撃情報が37件寄せられていて、登下校中の子どもたちを守ろうと町の教育委員会は4日、町内のおよそ780人の小学生全員にクマよけの鈴を配りました。このうち周辺の住宅地でクマが目撃されている辰野西小学校では、各教室で子どもひとりひとりが鈴を受け取り、さっそくランドセルの肩ひもなどに取り付けていました。5年生の女子児童は「辰野町は山に囲まれているので、しっかりクマ鈴を鳴らして注意したいです」と話していました。また5年生の男子児童は「クマの目撃情報が多いので登下校のときにはクマ鈴を鳴らしながら歩こうと思います」と話していました。町の教育委員会は、来月には、町内のおよそ400人の中学生全員にクマよけの鈴を配る予定だということです。

(ヤギが河川敷の草をムシャムシャ、シカ対策に除草:広島)
安芸高田市吉田町内を流れる江の川の河川敷は、背丈ほどの高さのススキが生い茂る「シカの天国」。ヤギが草を食べることでシカが集まりにくくする試みが進んでいます。

(「クマ・シカフォーラム」:北海道)
標津町農林課は9日、「クマ・シカフォーラム2025in標津」を町生涯学習センターあすぱるで開く。  「鳥獣対策のこれから、現場で進むIOTツールの活用事例」をテーマに開く。

(後絶たぬ危険鳥獣:岡山)
数年前、実家のある笠岡市でこんな話を聞いた。海辺の民家近くにイノシシが出没し、猟友会員や警察官が駆け付けた。イノシシが逃げ込んだ草むらの辺りを車などで取り囲み、膠着(こうちゃく)状態が続いたが、猟銃が発砲されることはなかった▼付近に民家があったからだ。人に危険が迫れば警察官がハンターに発砲を命じることも可能とはいえ、住宅集合地域での銃猟は原則禁止となっていた▼これからは少し対応が変わるかもしれない。人の生活圏に「危険鳥獣」が現れた場合、市町村の判断で発砲できる緊急銃猟制度が今月から始まった▼イノシシとともに危険鳥獣に指定されているのがクマである。北海道や東北地方を中心に全国で出没が相次ぐ。農作物が荒らされたり家畜が襲われたりと被害が出ている。新聞配達員が襲われて死亡する事故も起きた▼新制度の開始を前に、北海道などでは自治体が警察や猟友会と訓練をした。だが、発砲までの手順が多く、現場で動き回るクマと向き合うハンターに危害が及ぶ恐れも指摘されたという。相手に劣らぬ迅速な対応は可能になるか▼クマやイノシシを人里に近づけさせない努力も必要だ。生ごみなど誘引物を野外に放置しない、身を隠せるやぶを刈り取る。耕作放棄地の解消も求められよう。最終手段の前に、一人一人ができることもたくさんある。

(わな猟師がイベント、楽しく続けるコツ伝授:福岡)
わな猟師の大林将隆さん(45)が、福岡市博多区で「狩猟の窓口」と題したイベントを開いた。狩猟免許取得後に生じる具体的な悩みに向き合い、楽しみながら長く狩猟を続けるコツについて助言した。わな猟師7年目となる大林さんは、2023年から狩猟のイベントを開催しており今回で15回目。

(七面鳥1羽がクマに食べられる被害:宮城)
警察によると3日午後9時30分頃、加美町宮崎に住む50代の女性から「自宅の敷地内にクマがいる」と110番通報があった。家に設置していたカメラでクマを発見したということ。女性は自宅で飼っていた七面鳥1羽を食べられる被害を受け、別の日にも複数の七面鳥を食べられたということ。警察はサイレンや爆竹を鳴らし警戒にあたったがクマの行方はわかっておらず、付近住民に注意を呼びかけている。

(食害があったブドウ畑近くでクマ捕獲:長野)
動物による食害があった千曲市のブドウ畑の近くで4日朝、体長1.5メートルほどのツキノワグマが、市が設置したわなにかかっているのが見つかりました。クマが捕獲されたのは千曲市森の山あいにあるブドウ畑の近くです。4日午前7時半ごろ、猟友会のメンバーが畑の近くに設置したわなを確認するために訪れたところ、体長1.5メートルほどのオスのツキノワグマがかかっているのを見つけました。この畑では先月末シャインマスカットやクイーンルージュなどのブドウ120房以上が動物に食べられる被害が出たため市はクマによるものとみてわなを設置していました。クマはその場で処分されました。市によりますと、クマが捕獲された現場周辺の地区でも先月、ブドウが食べられる被害が相次いでいて、市は捕獲したクマと同一個体の可能性もあるとみて関係機関に検体を送ることにしています。千曲市農林課の荒井賢也主任は「この地区でクマの目撃情報や足跡が多くあったので捕獲されてひと安心だが、引き続き現れる可能性はあるので今後も警戒していきたい」と話していました。

(「用水路にシカがいる」捕獲試みるも現場から逃走:愛知)
豊田市小坂本町2の農業用水路「枝下用水」で4日、シカ1頭が入り込んでいるのが確認された。市職員らが捕獲を試みたが、発見から約5時間後、シカは自ら水路を出て、現場から立ち去った。市によると、見つかったのは体長1メートルほどの若いオス。午前9時半ごろ、目撃した女性が「用水路にシカがいる」と市に通報した。

(列車がイノシシと接触、一部列車に約20分の遅れ:岡山)
JR西日本によりますと、きょう(4日)午後7時ごろ、JR宇野線の常山~八浜間で、列車が猪と接触したため、車両と線路を確認したということです。この影響で、JR宇野線の岡山~宇野間で、一部列車に約20分の遅れが出ています。

(イノシシ用の箱わなにクマ、けが人の情報なし:山口)
4日、山口県岩国市の山の中でクマが目撃されました。警察によると午前6時ごろ、市内に住む70代の男性が、設置したイノシシ用の箱わなのセンサーが反応したため見に行ったところ、体長およそ1.2メートルのクマがわなにかかっているのを確認しました。男性は警察に通報し、午前9時40分ごろ、猟友会員や県の職員、警察官などと再び見に行きましたが、クマはわなから抜けだし、いなくなっていたということです。けがをした人の情報は、今のところ入っていません。警察は付近をパトロールするなど、熊への注意を呼びかけています。

(新聞配達中に“クマ”と衝突、先月も別の配達員が衝突しけが:福島)
原付バイクで新聞配達中の男性とクマとみられる動物がぶつかる事故がありました。警察によりますと、6日午前4時ごろ、福島市桜本の市道で原付バイクで新聞配達をしていた50代の男性が飛び出してきたクマのような動物とぶつかり、男性は右の鎖骨を折る重傷です。動物は体長1.2メートル程で、草むらへ逃げたということです。先月1日にも別の男性配達員が原付バイクでクマにぶつかってけがをしていました。警察は警戒を強めるとともにクマに注意するよう呼び掛けています。

(3頭のクマ、養殖場の魚を“物色中”:岩手)
魚の養殖場で、クマが魚をあさる様子を捉えていました。岩手県大槌町で1日、不審者の侵入を伝えるサイレンが鳴り響く中、防犯カメラにうつっていたのは3頭のクマ。大きな音にもまったく動じる様子がありません。約15万匹のマスの稚魚を飼育している養殖場で、クマはバケツに入っていた約30匹の死んだマスを食べていたということです。この養殖場では数年前からたびたびクマが出没していて、いけすの水の中に入って魚をとろうとしたこともあったということです。この翌日未明にも現れたクマ。けが人や施設への被害はありませんでしたが、養殖場の担当者は「近くに釣りに訪れる人も大勢いるので警戒してほしい」と話しています。

(畑でカボチャの食害:青森)
青森市によりますと、9月5日午前9時28分ごろ、青森市四ツ石字里見の畑でクマとみられる糞が見つかり、カボチャの食害がありました。現場は横内中学校から南東へ約300メートルの畑です。市はクマを見かけたり、足あとを発見した場合はただちに連絡するよう呼びかけています。またエサとなっておびき寄せてしまう可能性があるとして、生ゴミなどを戸外に放置しないよう呼びかけています。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、7日午前10時45分ごろ、登米市中田町上沼小塚前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前8時38分ごろ、栗原市若柳川南堤通にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、6日午後0時30分ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、6日午後3時45分ごろ、登米市津山町横山黒沢にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、6日午前8時ごろ、登米市中田町上沼中ノ土手にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、5日午後4時30分ごろ、富谷市富谷仏所にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後8時50分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、5日午前11時40分ごろ、色麻町高根にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後2時ごろ、仙台市泉区実沢橘川屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、4日午後4時15分ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

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(「クマに噛まれた」と消防に通報:秋田)
由利本荘警察署と消防によりますと、4日午後4時20分ごろ、「クマに噛まれた」と消防に通報がありました。けがをした人は腕と顔をかまれて出血していますが、命に別条はないということです。現場は由利本荘市小栗山の、大内ダム付近とみられています。今年、県内でクマに襲われてけがをしたのは9人目です。県内では、春からクマの出没が多発しているほか、ブナの大凶作も予想されていることから、これからの季節は人身事故のリスクが高まると懸念されています。県は9月1日から10月31日までを「秋のクマ事故防止強化期間」として、県民に対し、人身事故防止のための正しい知識を身につけ、対策を心がけるよう呼びかけています。

(クマによる人身被害、全国で69人うち5人死亡)
全国各地でクマによる被害が相次ぎ、環境省によりますと、ことし4月から8月末までにクマによる人身被害は全国で69人で、このうち5人が死亡しました。年間で過去最多の人身被害だった2023年度の同時期とほぼ同じ水準で、死亡した人は3人多くなっています。環境省のまとめでは、ことし4月から8月末までにクマによる人身被害は▽長野県と岩手県が13人▽秋田県が8人▽福島県、新潟県で5人などの合わせて69人でした。このうち▽北海道で2人▽岩手県、秋田県、長野県で、それぞれ1人の合わせて5人が亡くなりました。今の形式で統計を取り始めた2006年度以降で年間を通じて過去最多となった2023年度は8月末までの人身被害は71人で、今年度はほぼ同じ水準となっています。このうち死亡した人は、2年前は年間を通して6人で、同時期の8月末までは2人だったことから、今年度は3人多くなっています。また、九州と沖縄、北海道を除いた7月までのクマの出没件数は全国で1万2067件で、2023年度の同じ時期の8536件より1.4倍余り増えています。環境省によりますと、秋以降にどんぐりなどクマの餌が山の中で少なかった場合は、市街地などでの出没が増える可能性もあるとして、生ゴミなどを長時間外に出さないことなどを呼びかけています。クマなどの野生生物の生態に詳しい福島大学の望月翔太准教授は被害が全国で相次いでいる要因について、「過疎や高齢化に伴い、耕作放棄地が増えて、動物たちが隠れやすい場所ができている中、人間とクマの生活圏の境界線があいまいになり、人里に出てきやすい状況となっている。こうした中、人里に近いところをすみかとするクマが子どもを産むと、その子どもたちも山ではなく人里近くがすみかになってしまい、人との接触の機会が増加してくると思う。また、温暖化や気候変動の影響もあると考えられ、特にことしは全国的な猛暑の影響でヤマグワやキイチゴなどが実をつけなかったり、水分不足でボソボソとした状態になったりして、全体的にクマの餌資源が少なく、餌を求めて早い段階から人里に出てきていたのではないかと考える」と指摘しています。そして、クマの今後の出没の見通しについては、「ことしは場所によってはミズナラやコナラなどが実をつけるところもあるかもしれないが、ブナはあまり実をつけないとされている。このうち、ブナの実はクマにとって非常に重要な餌資源ですし、それを食べて脂肪分をつけて、冬眠、出産へと進んでいくので、ブナの実が食べられないとなれば、やはり山奥から人里の近くに出てくるクマも増えてくる可能性もある。近年、人里近くで生活するクマも徐々に増えている上に、餌がないという状況になると過去より非常に危険な状態になる可能性はあると思う」と指摘しています。今後求められる対策としては、「まずはクマが出没しにくい環境を整備することが大前提だ。クマの隠れ場所をなくすため、草刈りを徹底してほしいし、クマの餌になりそうな果樹などが放置されていれば伐採してほしい。また、農作物がクマに食べられたことがあれば、電気柵などで囲って食べられないようにすることが大事だ。それでも人里に出てくるケースについては、しっかりと駆除してメリハリをつけた対策が求められる。特に保育所や学校、公共施設、病院の周りなどでクマが出ると、重大な事故につながりやすいので、優先順位をつけて草刈りやヤブの除去などを行っていく必要がある」と話しています。秋以降のクマの出没に影響する「どんぐり」の実り予測についてNHKが都道府県などに取材したところ、東北地方のすべての県や神奈川県や新潟県などは「凶作」と予測していることがわかりました。過去最多の被害となった2023年度も「凶作」で、秋以降のクマの出没がさらに増える可能性があるため、より注意が必要です。クマは冬眠前に、山のどんぐりを食べて栄養を蓄えますが、主食のどんぐりが不作だと、餌を求めて移動し、人里に出没しやすいとされています。NHKではクマが出没する都道府県が行うブナやミズナラ、そしてコナラの初夏の開花状況などを踏まえた秋の「どんぐり」の実りの予測を取材し、「凶作」「並作」「豊作」に分類しました。東北地方に多い「ブナ」は、東北のすべての県や神奈川県や新潟県、富山県、石川県、鳥取県は「凶作」だったほか、東京都と山梨県が「並作」でした。また、北海道から九州の山地に分布する「ミズナラ」は、神奈川県、富山県が「凶作」、東京都と山梨県、鳥取県は「並作」、福島県、石川県は「豊作」でした。さらに北海道南部から九州にかけて分布する「コナラ」は、富山県と鳥取県で「凶作」、福島県や東京都、神奈川県、山梨県、石川県で「並作」でした。どんぐりが不作だった年は秋以降にクマによる人身被害が増加する傾向で、過去最多の人身被害が出た2023年度は東北でブナが「凶作」で、9月以降に被害が大きく増えました。

(クマ対策財政支援・ハンター確保など環境省に要望:北海道)
各地でクマによる被害が相次ぐ中、北海道や道内の市長会などの代表が、3日環境省を訪れ、被害を防ぐための財政支援やハンターの確保に向けた取り組みなどを求める要望書を提出しました。クマによる被害は全国で相次いでいて北海道では、7月に道南の福島町で、また8月には知床半島にある羅臼岳でヒグマに襲われて死亡するなど被害が深刻になっています。3日は北海道と道内の市長会、町村会の代表が環境省を訪れ、小林副大臣に対し被害を防ぐための財政支援などを求める要望書を提出しました。要望書では、市街地などにクマが出没した場合、イベントの中止や店の営業時間の短縮などを強いられ、地域経済に多大な影響をおよぼすことなども考慮して、対策費に十分な予算措置を講じることや、地元の猟友会などの協力のもとで行う、パトロールなどへの財政支援を求めています。また十分なハンターの確保が非常に困難だとして、退職した自衛官など幅広い人材を任用できるよう国の対応を求めました。このほか、1日から人の生活圏でクマなどが出没した際に市町村の判断で市街地などでの猟銃の使用が可能になったことを受けて、猟銃の使用でハンターの責任が問われないようにすることなどを求めました。要望書を提出した北海道環境生活部の谷内浩史部長は「市町村がクマの出没の抑制や出没時の対応を行うのには相当な予算が必要になる。ハンターの人材育成や確保についても国の支援をお願いしたい」と話していました。

(ハーフライフル銃規制を強化、審査は厳正に)
長野県中野市で4人が殺害された事件では、散弾銃よりも威力の強い猟銃の一種「ハーフライフル銃」が使用された。警察庁は事件後、銃刀法を改正し、ハーフライフル銃の規制を厳格化。所持許可を出す際の調査や使用状況の確認も細かくし、悪用防止対策を進めている。ハーフライフル銃は銃身の内側の約半分にらせん状の溝があり、散弾銃より射程が長く命中精度が高い。散弾銃と同じ扱いで初心者でも許可申請ができたが、3月の改正銃刀法施行後は10年以上の猟銃所持歴があることなど、原則ライフル銃と同様の厳しい基準になった。ただ、施行前の駆け込み購入もあり、2024年の登録数は7604丁と前年から倍増。警察庁の担当者は「散弾銃を厳密に登録し直した例も多い。特例で基準が緩和された北海道のように害獣対策の需要も高い」とし、数ではなく適切な管理が重要だと強調する。また改正法では、長く使われていない「眠り銃」対策として、許可取り消しとなる不使用期間を3年から2年に短縮。昨年6月には所持許可の申請に対する身辺調査や審査をより厳正に行うよう全国の警察に通達した。通達を受け、各警察は本人との面談や、近隣住民や知人らに行う聞き取り調査の人数を増やすなどして対応。申請者の認知症兆候の発見や、家族の暴力トラブルを察知して保管条件を見直すなど成果も出ているという。同庁担当者は「保有者にも警察にも負担は大きいが、不正利用防止のため取り組みを徹底する」と話している。

(補正予算案「緊急銃猟」経費やハンターの日当補助へ:北海道)
北海道は2日、2025年度一般会計を181億円増額する補正予算案を発表した。市街地に出没したヒグマなどへの「緊急銃猟」に関し、捕獲した個体の運搬といった経費やハンターの日当を市町村が支払う際の補助金として3千万円を計上した。補正後の一般会計は3兆745億円。

(大雪山の登山道で"ヒグマ接近"40代男性が『スプレー噴射』で追い払う:北海道)
8月30日、大雪山国立公園の山中で、1人で登山中の男性がクマと遭遇しました。男性はクマが近づいてきたため、スプレーを使い、無事でした。男性とクマが遭遇したのは、大雪山国立公園の高根ヶ原分岐から忠別岳側へ約2キロの登山道です。環境省によりますと、30日、午後4時ごろ、「ヒグマが近づいてきて撃退スプレーを噴射して追い払った」と登山中の40代男性が白雲岳避難小屋の管理者に届け出ました。男性は、鈴を携帯し、ラジオを流しながら登山中にクマと遭遇したということです。クマと男性との距離はわずか10メートル。クマの体長は分かっていません。環境省は、薄暗い時間帯は行動しない、複数人で離れず行動してほしいと注意を呼び掛けています。

(「強い危機感」、宮崎県で豚熱確認で緊急対策会議:鹿児島)
鹿児島県に隣接する宮崎県都城市で死んだ野生のイノシシが豚熱に感染していたことが確認されました。県境から3キロの場所です。県は、緊急の対策会議を開き、養豚農家に感染予防の徹底を呼びかけています。「豚熱」は豚やイノシシがかかる病気で、人には感染しませんが、強い伝染力と高い致死率が特徴です。豚熱に感染した死んだ野生のイノシシ2頭が発見されたのは、都城市御池町です。宮崎では今年10件以上確認されていますが、今回は県境から最も近い3キロの場所でした。鹿児島県によりますと、半径10キロ圏内には霧島市と曽於市の8つの養豚場がありますが、今月2日時点で異常は確認されていません。県は、養豚農家に対して野生動物の侵入を防ぐ防護柵の点検や、人や車両の消毒の徹底を指示しました。(県家畜防疫対策課 藏薗光輝課長)「豚熱が鹿児島県に入った場合は、地域経済に大きな影響を与える。日常の観察を徹底し、早期発見・早期通報をお願いしている」。県は、山に入った時はその場で泥を落とすなど、ウイルスの拡散を防ぐ協力を呼びかけています。

(クマは都会が好き。クマの出没は世界中で起きていた:田中淳夫)
市街地での「緊急銃猟」を可能とする、鳥獣保護管理法が今月1日、施行された。これによって、市街地にクマなど危険獣が現れた際に、原則禁止だった猟銃による駆除が可能となった。ただ今回は、一歩引いて市街地にクマが出る理由について考察したい。今年も春先から各地でクマ(ヒグマ、ツキノワグマ)の出没が相次いで被害が出ている。最近の特徴は、それが山中や農地など郊外ではなく市街地であることだ。なぜクマなど野生動物が、人の多く住む市街地に出没するようになったのか、さまざまな推測が出ている。農山村の過疎化やハンターの減少など、専門家たちが上げる条件は、もっともなものばかりだ。ただ森の果実の豊凶など日本特有の事情とするものもある。実は、注意深く世界のニュースを追うと、野生動物が市街地に出没する事例は、世界中に頻発している。いずれも人が多く住んでいる地域に、動物が恐れることなく侵入し、ときに人家まで入ってきたケースが起きているのだ。またクマやイノシシだけでなく、トラやゾウのような完全に野生の世界と思っていた動物まで市街地に姿を現している。当然ながら、そうした国々の事情は、日本と違う。世界中で野生動物が市街地に侵入する共通の条件とは何か。いろいろ情報を収集してみたが、それについて詳しく調査研究した報告を、私は見つけられなかった。ただ事例を集めていると、それなりの傾向は見えてくる。そこで推測混じりになるが、野生動物から見た市街地について考えてみよう。まず外国の事例を上げる。ヨーロッパでもっともヨーロッパヒグマが多いとされるルーマニアでは、市街地に出没する事例が頻発して、人が襲われるケースは毎年多数発生している。イタリアでは、ローマなど大都会にもイノシシが多数出没して、人や自動車と衝突したり、人にかみつくなど被害が続出している。スペインのバルセロナでもイノシシが市街地に出没が頻発して問題になってきた。家のプールで泳ぐ姿も目撃されている。ドイツではオオカミが急激に増えている。家畜が狙われて、2022年は4366頭ヒツジとヤギが被害を受けた。アメリカでは、ニューヨークの住宅街にコヨーテが現れて、子供を襲った。ロサンゼルスでピューマが公園に住みつき、動物園のコアラやペットのイヌを襲う事件も起きた。アメリカクロクマは北アメリカに約80万頭も生息し、よく市街地に侵入して住宅の庭にも出没するものの、件数が多くてあまりニュースにもならないという。インドでは、保護されていたライオンが増えて、市街地に現れるようになった。「ホテルの地下駐車場や民家の屋上、テラスでくつろいでいる」のだそうだ。またゾウもインドの他、中国南部でも群で市街地を闊歩した事件が起きた。探し出したらきりがないほど事例は出てくる。なぜ21世紀になって、世界中で野生動物が市街地に侵入してくるのだろうか。一般に都会と言えば、緑が少なく、動物にとって餌となる植物も獲物も少ない土地だというイメージがある。動物にとって住みやすくないはずだ、と。すぐに考えるのは「開発で本来の生息地である森が失われた、餌が少なくなり飢えて市街地に出てくるのだ」。つまり、動物も仕方なしに市街地に出てくると思いがちだ。だが調査によると、生息数は“本来の生息地”でも増えていた。その理由としては、やはり保護区の設定が進んでいることが上げられる。そして森をはじめとする自然も豊かになったようだ。面積が増えただけではなく、植物の数と種類が豊富になっているのだ。日本の場合、森林の約4割が人工林になっているが、スギやヒノキ林でも、高林齢化すると、下層に広葉樹や草が多く繁る。だから人工林でも果実や若葉など餌となる植物が豊富にあった。植物が繁れば昆虫や小動物も多くなるから、雑食性の動物の餌となるのだろう。同じことは欧米の森でも言えるようだ。市街地に出てくる動物側からすると、市街地はどんな環境だろうか。たしかに人は多いが、意外と人は自分たちを追わない。むしろ避けてくれる。危険ではないのだ。そして、また都市の緑化も行われ緑も多い。公園や街路樹は増えて繁っている。また空き家の庭にも草木は豊富だ。いずれも隠れ場所にも餌場にもなる。そして餌が多かった。残飯を含む生ゴミは、都会ほど飲食店が多い分、たくさん出る。ペットを飼う家では、庭にペットフードが出しっぱなしになっている。ときに野生動物にもペットフードなどを撒く人もいる。付け加えれば、観光地などでは観光客が面白がって餌となる食品をばらまくケースが起きがちだ。また地元の農家も、農業廃棄物などをちゃんと片づけないことが、野生動物への餌の供給になってしまう。つまり都会は、動物にとって隠れる所も餌も豊富な新天地なのである。少し整理しよう。まず自然保護の概念が広がるにつれて、森林は豊かになり、また安易な駆除は減った。ハンター人口も減り、田舎の過疎化も影響しているだろう。おかげで生息数は増えてきた。そして動物側も、市街地という新たに住めそうな土地に気づく個体が増えてきた。従来の生息地は過密気味だ。だから新天地に足を伸ばす……。現場の担当者や研究者の指摘でハッとしたのは、「野生動物は環境によって生態を変える」という点だ。これまで森など自然界に住む動物の生態を研究してきて、「〇〇の習性はこうだから、〇〇すべき」という想定をする。だが、それが崩れかけているという。クマは基本的に臆病で、人を見たら避けるとされていたが、最近のクマは、人の声を聞くと近づいてくる。またクマやイノシシは、森にあるドングリが好きなはず、というのも思い込みで、実験してみると、ドングリより人が栽培した野菜を好む。品種改良でアクをなくし甘く美味しくした野菜を食べると、ドングリにはもどらないという。驚くのは、草食性のシカが小鳥を食べるシーンが目撃されていることだ。ごみ箱をあさってフライドチキンを食べていた話もある。シカでも肉を食べられるのだ。クマは雑食性だが、これまで餌の9割が植物性だったとされる。だが、それは肉が手に入りにくかったから。生ゴミをあされば、あるいは家畜などを襲えば肉が簡単に手に入るなら、肉食に傾斜しても不思議でもなんでもない。人間のつくった加工食品も、栄養たっぷりで美味しいと気がつけば、積極的に求めるようになるだろう。腹をすかせてしぶしぶ食べるのではないのだ。一方で生態系の寡占化も起きていた。すべての動物が都市部に適応しているのではなく、適応できる動物だけが増えているというのである。結果的に生物多様性は低下してしまうが、適応した動物は増えやすくなる。これまで適応できた動物と言えばネズミぐらいだと思っていたが、そこにクマも加わった……。そうした視点で見ると、クマだけでなくオオカミやイノシシなどは、非常に適応力が高く、行動を柔軟に変化させることができる動物なのだろう。むしろ市街地に出てくることで、認知能力が増しているという指摘もある。新たな環境に刺激を受けて、知能を発達させているのかもしれない。クマなど一部の野生動物が市街地という環境に適応して、そこを新たな生息地として認知し始めたのなら、今後も市街地への出没が途切れるようには思えない。いくら頑張って駆除しても、次々と侵入してくることになる。対策としては、「市街地は危険で住みにくい」と彼等に学習させるしかないだろう。そのためには市街地と森林の境目に柵などを接して侵入しにくくするとか、餌となるものを出さない、公園など緑地も頻繁に管理して隠れにくくする、そして侵入した個体は確実に駆除する……こうした対策を積み上げていくしかあるまい。

(クマ警戒、登下校時に合同パトロール:岐阜)
岐阜県中津川市坂下で2日夜、学校から帰宅途中だった男子高校生がクマに襲われたことを受け、市や中津川署、地元の猟友会は3日、児童・生徒の登下校の時間帯に合同パトロールを行った。同日朝には地区の中心部で「クマのような生き物を見た」という目撃情報が市に寄せられ、住民たちは不安な一日を過ごした。被害に遭ったのは、坂下地区に住む高校1年の男子生徒(16)。2日午後7時15分ごろ、自宅近くの川上川にかかる坂下橋の南側で襲われた。市や家族などによると、頭と背中に引っかき傷を負ったが、いずれも軽傷とみられ、3日に搬送先の病院から自宅に戻った。男子生徒の小中学生時代、空手を教えた空手指導者の園原完一さん(77)=同市山口=は「まさか教え子が被害に遭うとは。命に関わるけがでなかったのが不幸中の幸いだ」と話していた。被害の発生を受け、地元の坂下小・中学校は保護者に送迎を依頼。やさかこども園では園舎から離れた駐車場ではなく、園庭まで車を乗り入れてもらうように求めた。

(ヒグマ被害防止でハンターが登山道警戒へ:北海道)
ヒグマに襲われる被害を防止しようと、札幌市の猟友会は観光客に人気の定山渓温泉で猟銃を所持するハンターが登山道の警戒にあたることになりました。被害の未然防止を目的とした出動は道内で初めてとみられます。ヒグマによる被害が相次ぐ中、猟友会札幌支部は、市と連携して道内有数の観光地の定山渓温泉で被害の防止に向けた新たな取り組みを始めることになりました。3日は担当者が観光協会を訪れ、ハイキング客が多い今月13日から来月5日までの土日と祝日に、猟銃を所持するハンターが登山道を見回って警戒にあたると説明しました。ヒグマのふんや体毛を見つけたときは回収し、市がDNA鑑定を行って、個体の特定や活動エリアの把握につなげるとしています。北海道猟友会によりますと、ハンターはヒグマの出没を受けて出動することがほとんどで、被害の未然防止を目的とした出動は道内で初めてとみられるということです。定山渓エリアでネイチャーガイドを務める男性は「5、6年前からヒグマに頻繁に遭遇するようになり、目の前でシカを襲うこともあった。定山渓でも人身事故はひと事ではないのでよい取り組みだと思う」と話していました。猟友会札幌支部の奥田邦博支部長は「羅臼岳の人身被害を受け、危機感をもってクマ対策を考えてきた。レジャーは優先度が低くなりがちだが、危険性は何も変わらず、命が失われる被害をできる限り防いでいきたい」と話していました。

(住宅街でのクマ“緊急銃猟”、県内8割の市町が「運用できず」:石川)
住宅街などにクマが出没した際に、市町村の判断で猟銃の使用が可能になる改正法が1日施行されましたが、石川県内では8割近くの市町が当面は制度を運用できないことが分かりました。クマの出没をめぐっては、これまで住宅密集地での猟銃の使用が禁止され、人に危害が及ぶといった緊急時に限って警察官の命令で猟銃の使用が認められていました。しかし、市街地への出没が相次ぎ、より迅速な対応が求められることから、1日、改正鳥獣保護管理法が施行され、一定の条件を満たせば市町村の判断で市街地でも猟銃の使用が可能になりました。新たに可能になった「緊急銃猟」の制度について、北陸放送が石川県内19の市町に取材したところ、施行と同時に制度の運用を始めたのは金沢市、小松市、白山市、能美市の4つの市にとどまり、残る15の市町は当面、制度を運用できないことが分かりました。自治体の担当者は、「ハンターが確保できていない」や「猟友会など関係機関との調整が整ってから運用を始める」などとしています。またクマの目撃件数が比較的少ない能登地方の自治体からは「目撃情報がほとんど無いため他の市町の動向を見て運用自体を検討する」といった回答もありました。石川県は運用に必要な装備品の購入を支援したり、ハンター向けの講習会を開いたりして、緊急銃猟の制度運用を支援していきたいとしています。

(市街地で猟友会がクマなど駆除する『緊急銃猟』、識者からは「専門の従事者が理想」との声も:岐阜)
全国でクマの被害が相次いでいて、岐阜県中津川市でも9月2日、男子高校生がクマに襲われケガをしました。2025年9月から、市街地でも猟銃の発砲が市町村の判断でできるようになる新たなルール「緊急銃猟」がスタートしました。条件は4つで、すべて満たした上で、市町村が判断します。・市街地などに侵入のおそれ・緊急性あり・銃以外で捕獲が困難・住民にあたる恐れがない。中津川市でも、地元の猟友会と勉強会を開き、マニュアルを作成したということです。この制度に、野生動物の問題に詳しい専門家が指摘します。岐阜大学応用生物科学部の浅野玄准教授:「趣味の範囲の中で、野生鳥獣を捕獲する方々を狩猟者・ハンターと呼びますが、専門の捕獲者、従事者がいることが理想である」。猟友会も市街地での発砲は「怖い」と話していて、ハンターにかかる負担は大きいようです。

(ニホンジカ調査へ、情報提供呼びかけ:沖縄)
国頭村で目撃例があるシカの捕獲に向け村が動いている。村は6月、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可を県と環境省に申請し、7月に許可を受けた。「野生の鳥獣」として捕獲する方針。同村では昨年10月ごろから、シカの目撃情報が複数報告されている。村によると、民間事業者が、目撃されたシカのものと見られるふんを確認したところ、本土由来のニホンジカと推測された。人的に持ち込まれた可能性が高い。今年4月、村安田の周辺で目撃されたのを最後に行方が分かっていない。村はシカの捕獲に向け、9月から10月にかけて、村内の狩猟免許保持者の協力のもと、村内東部地域を中心に調査を進める。シカの定着地域を絞った後に、捕獲方法を検討するとしている。村環境保全課の担当者は「目撃した際には連絡してほしい」と情報提供を呼びかけている。

(雨竜沼湿原守れ、シカ食害対策模索:北海道)
今年11月にラムサール条約湿地登録20周年を迎える雨竜沼湿原で、観光資源となっている植物を食い荒らす「シカ食害」への対策が続いている。標高約850~900メートルの山岳高層湿原だけに、即効性のある対策は難しく、エゾシカによる食害は依然として続いているのが実情だ。空知総合振興局は、今年も衛星利用測位システム(GPS)を活用したシカ捕獲に乗り出している。

(南アルプスの高山植物が"シカの食害"で危機に:静岡)
高山植物の宝庫、南アルプス。しかし、いま、その生態系が静かに崩れつつあるのをご存知でしょうか。今回、その現場と保全の取り組みを取材しました。静岡県最北端に位置する南アルプス。3000メートル級の山々が連なり、氷河期の頃からこの地に生息する可憐な花々が咲き誇ります。しかしいま、その自然が危機に瀕しています。原因はニホンジカによる食害。地球温暖化の影響で、標高の高い所まで上がってきているのです。その結果、生える植物が少なくなり、豊かな自然が失われつつあります。そこで、土地の所有者である特種東海製紙グループの管理会社「十山」は静岡市などと連携しながら、15年ほど前から防鹿柵と呼ばれるシカよけの柵を設置。2025年は、山の中腹にも取り付け、斜面を囲っていま残る植物を守ります。脅威はシカだけではありません。標高約2600メートルにある千枚小屋。本来生えていなかったシロツメクサが広がっています。本来ならその地域に生えていない植物が広がれば、固有の生態系を失う恐れがあります。そこで、十山は登山客によって他の地域から植物の種が持ち込まれるのを防ごうとこの夏、ブラシと看板を6か所の登山口に設置しました。シカよけの柵とブラシの設置。十山と、親会社・特種東海製紙、大成建設との環境保全に関する3社協定に基づき実施されました。ブラシの設置には、地元の家具部品メーカーも協力。地域と企業が一体となって“静岡の宝”を守ろうとしています。脅かされる自然を前に、人と自然が共に生きる道をどう築いていくのか。私たち一人一人の意識にかかっています。

(猫が持つSFTS(マダニが媒介する感染症)ウイルス「あぶらとり紙」で簡単に発見:宮崎)
マダニが媒介する感染症SFTS=重症熱性血小板減少症候群についてです。県内では、今年に入ってSFTSへの感染が2人確認されていて、うち1人が亡くなりました。累計の感染者数は119人で、全国で最も多くなっています。SFTSの感染経路はマダニからヒトだけでなく、ペットのネコやイヌからヒトに感染した事例も報告されています。そうした中、宮崎大学などの研究チームが、あぶらとり紙を使ってネコへの感染を簡単に検査できるという研究結果を発表しました。あぶらとり紙を使ったネコのSFTSウイルスの検出に成功したのは、宮崎大学農学部の齊藤暁准教授と獣医学科3年の福嶋優莉さん、それに宮崎市の研究グループで、3日記者発表が行われました。研究では、フィルム製のあぶらとり紙を使い、ネコの耳から皮脂を採取。その皮脂に含まれる遺伝子、RNAを利用してSFTSウイルスや猫エイズウイルスを検出することに成功しました。これまであぶらとり紙を使ってヒトの皮脂を採取し、肌や体の状態を把握する研究は行われていましたが、今回、ネコにも応用できることを世界で初めて確認したということです。この検査では採血をする必要がなく、飼い主が自宅で検体を採取することもできるため、ネコへの負担軽減や獣医師の感染・ケガのリスクを減らすことも期待されています。研究グループはこの技術について特許を申請していて、今後さらに精度を上げ、実用化を目指していきたいとしています。この技術は理論上、他の動物にも応用が可能だということで、今後さらに研究を進めていくと話していました。ワクチンや有効な治療法がない中、感染を未然に防ぐために、この技術の実用化に大きな期待がかかります。

(買うと高価なクマスプレー、気軽なレンタルで身を守る:北海道)
9月になり本格的な秋の行楽シーズンを迎えようとしています。山菜採りなどで山に入る場合に注意しなければいけないのが、クマとの遭遇です。身を守るためにはどのような準備が必要なのでしょうか。札幌市北区のリサイクルショップです。2025年4月から始めたのは、クマ対策グッズの定番・クマスプレーのレンタル。買うとなると1本1万円を超えるものが多いクマスプレーですが、こちらの店では1泊2日から1000円でレンタルすることが可能です。貸出数は4月からの5か月間ですでに300件。使用した場合の費用は2万円かかりますが、レンタルという手軽さが反響を呼んでいるといいます。(なんでもリサイクルビッグバン釣具館札幌北32条店 山口茜さん)「備えがあるということを知らない人もいて、クマスプレーを買うと非常に高価ですので、ハードルを下げて備えてもらえたらと始めました」。道内では2025年、クマに関する警察への通報件数は8月末時点で2689件と、過去10年間で最多のペースになっています。さらには悲惨な事故も相次いでいます。8月、羅臼岳の登山道で26歳の男性がクマに襲われ死亡。その後の調査で男性のクマスプレーの所持は確認されませんでした。こちらはクマスプレーの使い方を紹介した映像です。有効な射程距離で噴射するなど、正しく使用することも重要です。対策グッズはほかにもーこの店のクマ対策グッズの売り上げは2024年と比べ倍に。なかでも人気なのはー(ジョイフルエーケー屯田店 新酒英暁副店長)「使うときは鳴るんですけど、山に行くまでの移動のときにうるさく音が鳴らないストッパーが付いている鈴が売れている」。クマに特化したこんな製品もー猟銃や爆竹などの電子音でクマを近づけない効果が期待できます。クマから身を守るために、山に入る時には万全の対策が必要です。【クマスプレーの正しい使い方】・クマが射程距離に入るまで待つ(目安は5メートル以内)・目と鼻を狙う・出なくなるまで噴射を続ける。いざというときに慌てないように事前に使い方を予習しておくことが重要です。

(狩猟体験イベントの実施について:長野)
佐久地域振興局より、狩猟技術の習得支援やその魅力発信を目的とした「狩猟入門コース」(わな猟体験)を、佐久穂町有林にて開催するとの通知がありましたので、ご承知おきください。詳細につきましては開催要領をご確認ください。

(中野市4人殺害事件、初公判始まる:長野)
2023年、長野県中野市で警察官を含む男女4人が殺害された事件の裁判員裁判の初公判が長野地方裁判所で開かれました。殺人などの罪に問われた青木政憲被告は「黙秘します」と話しました。殺人などの罪に問われているのは、中野市の青木政憲被告(34)です。起訴状などによりますと、被告は2023年5月、散歩中の女性2人をナイフで刺して殺害した上、駆け付けた警察官2人を猟銃やナイフで殺害したとされています。9月4日の開廷を前に、地裁前には傍聴券を求める人たちの長い列が出来ました。午前10時からの初公判で青木被告は、裁判長から起訴内容は間違いないかと聞かれると、10秒ほど沈黙したあと、小さな声で「黙秘します」と述べました。裁判では、被告の「刑事責任能力」と「量刑」が争点です。検察側は、犯行当時、完全な責任能力があったとしているのに対し、弁護側は、精神疾患により善悪の判断力などが著しく低下した「心神耗弱」の状態だったと主張しています。裁判員裁判は5日以降も開かれ、犯行の動機などが明らかになるか注目されます。判決は10月14日に言い渡されます。

(クマやイノシシなど害獣を人里に近づけない!:広島)
クマやイノシシなどの出没が県内各地で相次ぐ中、「ある液体」を使って害獣を人里から遠ざけようとする実験が安芸高田市で始まっています。人里のすぐ近くまでやってきたとみられる「クマ」の痕跡。クマやイノシシ、鳥などを含む野生動物全般を「未然に」追い払おうと安芸高田市内では、この夏からオリジナルのある「液体」を使って効果を検証しています。【江の川漁協・熊高昌三 組合長】「この辺を避けて通っているんだということになれば、さらにそれを広げていって人里から遠ざける形ができれば目的を達成できる」。クマが来たとみられる木に液体を吹きかけ、およそ1カ月…周辺に、新たな痕跡は見られなくなりました。【江の川漁協・熊高昌三 組合長】「カプサイシンの臭いに反応したのかなと。いま実証実験中なので、記録をしているんですけどね」含まれているのはトウガラシから取り出した辛み成分「カプサイシン」クマに直接吹きかける「クマよけスプレー」にも使われる刺激の強い成分に着目し、江の川漁協が実験に乗り出しました。重要な成分「カプサイシン」は庄原市東城町で生産されたトウガラシを使います。【吉岡香辛料研究所・吉岡紘 代表】「国内で手に入る品種の中では一番辛いものになりまして、ハバネロの8倍くらいの辛みを持っている激辛トウガラシになります」。【吉岡香辛料研究所・吉岡紘 代表】「動物を忌避する商品っていうのは、必ずカプサイシンが入っているんですよ。人間と同じで異常はかなり感じると思います」。クマだけでなく、イノシシの出没エリアもカプサイシン入りの液体をまいてから変化が見え始めたと言います。畑の周辺に「カプサイシン」の液体をまいたところ、臭いに敏感なイノシシは農作物に一切手をつけることなく引き返していました。江の川漁協では、今後、さらに実験データを増やし、「カプサイシン」の効果を確かめたい考えです。【江の川漁協・熊高昌三 組合長】「まだまだ実証中なので分かりませんけれども、一定の成果は見えてきたのかな。柵は手間もかかるし、お金もかかるし、柵をシカは飛び越しますし、その辺を二次的に防ぐようなもので臭いというものを使えないかなと」。一方、専門家は「カプサイシン」の効果の持続性を課題にあげます。【広島市安佐動物公園・野田亜矢子 獣医師】「臭いによる刺激って、慣れてしまうと思うんですね。舐めたり鼻についたときにそこに痛いという刺激が続くのであれば、ある程度、もしかしたら『ここは危ない』という認識につながってくれるかもしれないですけれども」。一度まいた「カプサイシン」の効果がどこまで持続するのか…野生動物への「見えないバリケード」をつくるためのハードルになりそうです。

(企画展「クマ ― かわいい? こわい? ― “知る”という選択」開催:東京)
多摩森林科学園(八王子市)は、野生動物としてのクマの生態や人とのかかわりを、写真・原画・標本・体験展示で立体的に紹介する企画展「クマ ― かわいい? こわい? ― “知る”という選択」を開催します。子どもから大人まで、“楽しく知ることができる”プログラムを多数ご用意しました。

(山形新幹線でつばさとクマが衝突:山形)
4日午前、山形新幹線・上りのつばさが走行中にクマと衝突し、緊急停車しました。けが人はいませんでした。クマと衝突したのは午前9時山形発東京行きの山形新幹線上りのつばさ132号です。JR東日本によりますと午前10時ごろ、米沢市の奥羽線・板谷駅から福島市の庭坂駅の区間を走行中に線路内に進入したクマと衝突したものです。この事故でつばさ132号は緊急停車し、庭坂駅で車両点検を行い、44分遅れで運転を再開しました。事故によるけが人はいませんでしたが、およそ220人に影響が出ました。今年度、山形新幹線つばさとクマとの衝突事故は6月以来2回目です。

(駆除のクマ、家庭菜園荒らした個体とDNA一致:北海道)
檜山管内江差町は3日、8月29日に同町内で駆除したクマのDNAを分析した結果、同町の市街地や同管内上ノ国町北部で家庭菜園を荒らすなどしていたクマのふんのDNAと一致したと明らかにした。

(ニワトリ2羽がクマに襲われる:長野)
クマによるニワトリの被害があった中野市の養鶏場で、再びニワトリが襲われました。市や警察によりますと、2日午前3時ごろ、七瀬地区の養鶏場にクマが侵入しました。ニワトリ2羽が襲われ、けが人はいませんでした。この養鶏場には、7月26日にもクマが侵入して26羽が襲われています。所有者の男性は、市が設置したセンサー付きのカメラの映像でクマの侵入に気が付いたということです。クマは、体長1メートル20センチほどの成獣で、同じ個体とみられています。市内では、トウモロコシやブドウなどクマによる農産物の被害も確認されていて、市や警察が周囲をパトロールするなど警戒を強めています。

(「スイカの残骸が道に…」クマによる食害か:北海道)
北海道乙部町で家庭菜園のスイカが食い荒らされているのが見つかりました。クマによる食害の可能性があるとして、警察が注意を呼び掛けています。被害があったのは乙部町緑町の家庭菜園です。9月3日午前9時まえ、「スイカの残骸が道に落ちている」と110番通報がありました。警察によりますと、被害にあった住民は「きのう午前6時ごろにスイカ2個が食い荒らされてるのを見つけた」と話していたということです。周辺でクマの足跡やフンなどの痕跡は見つかっていないということですが、警察はクマによる食害の可能性もあるとして注意を呼び掛けています。

(クマ食害か、トウモロコシ20本食べられる:北海道)
3日午前7時ごろ、厚沢部町美和の畑でトウモロコシ20本が動物に食べられているのを、営農する60代男性が発見し、江差署に通報した。トウモロコシはまるごとなぎ倒されており、同署はクマによる食害とみて注意を呼び掛けている。

(ゴルフ場にクマ、客ら250人避難:北海道)
3日午前9時45分ごろ、札幌市南区滝野のゴルフ場滝のカントリークラブの敷地内にクマ1頭がいるのを従業員が見つけ、支配人を通じて110番した。プレー中の客や従業員約250人がクラブハウスに避難し、同ゴルフ場は午前の営業を中止した。

(同じクマを錯誤捕獲か:静岡)
シカやイノシシ用に仕掛けられたワナにクマがかかってしまう「錯誤捕獲」。静岡県富士宮市の山林で体長1メートルあまりのツキノワグマが捕獲され、山の奥へと戻されました。このクマの錯誤捕獲は2回目とみられます。ワナから抜け出そうとしているのか、木の枝を噛み、引きちぎろうとしているクマ。山梨県との県境の富士宮市北部の山林で地元の猟友会のメンバーがシカやイノシシ用のワナを見に来たところ、クマがかかっていました。体長は106cm、体重は32kgほど、2歳くらいとみられるオスのツキノワグマです。麻酔銃で眠らされたあと捕獲されました。このクマの右耳についていたオレンジ色のタグ。以前同じようなワナにかかり、その時につけられたものです。県内では「自粛」となっているツキノワグマの狩猟。イノシシやシカによる農作物などへの被害を防ぐためにワナを仕掛けている猟友会側も対応に苦慮しています。クマを発見者した地元猟友会のメンバー:「できるだけかからない場所を選んで(ワナを)かけているが、どうしてもかかってしまう。クマがかかりにくいワナを試しているところ」。捕獲されたクマはデータを記録した後、県の職員や業者が人のいない山の奥へと戻したということです。県内ではクマの目撃情報が2025年度50件で、錯誤捕獲は15件と、2024年に比べ少ないものの生息地域の外での目撃情報もあり、県が注意を呼び掛けています。

(無数の爪痕が、りんご園で食害多発:青森)
過去最多の目撃が寄せられているクマ、青森市浪岡のりんご園ではクマによる食害が多発しています。きょうだけで3件の通報が寄せられ市や猟友会が現地を調べました。きのう午前10時前青森市の山中で撮影された映像です。七戸町から青森市へ向かう車の中から撮影した映像には道路を横切る子グマの姿が…。現場は田代平湿原から4キロほど離れた国道394号です。先月までの目撃が1,300件を超え過去最も多くなっているクマ。木の表面に残る無数の爪痕…。クマの食害があったのは青森市浪岡王余魚沢の園地です。所有者は浪岡猟友会会長の坪田清春さん。今月1日、農薬散布をしようとしたところりんごの木の枝が折れているのを発見。表面には無数の爪痕、さらに収穫直前のりんごの「つがる」5個ほどが食べられているのが確認されました。被害は別の園地でも…浪岡地区ではきょうだけで3件クマの被害の通報が寄せられました。市の職員や猟友会の坪田会長が枝折れや食害などの被害状況を確認しました。園地はこれからが収穫本番で、クマが嫌がる忌避剤を設置するなどの対策をしました。★青森市農林水産部農林政策課 戸嶋和也 主幹「これから収穫期を迎えますので農家の方が安心して作業できるように箱わなや忌避剤の設置などにより農作物の被害がないように取り組んでまいります」。青森市によりますと浪岡地区のクマの出没件数は昨年度は10件。今年度は先月までで既に50件、今月も急増していて警戒を強めています。

(クマ3頭、繰り返し養殖場に:岩手)
岩手県大槌町で1日から2日にかけて、3頭のクマが淡水魚の養殖場に繰り返し現れ、魚をあさるなどしました。これらのクマによるけが人はいないということです。岩手県大槌町の山中にある養殖場では、体長5センチから10センチほどのマスの稚魚およそ15万匹を管理していますが、養殖場によりますと、暑さで死んだおよそ30匹をバケツに入れたまま回収し忘れていたところ、クマに食べられたということです。養殖場の生けすに設置された防犯カメラには、1日午後8時半ごろから3頭のクマが複数回現れ、サイレンが鳴る中でバケツをひっくり返し、魚を食べる様子が写っていました。さらに、2日午前2時半ごろの映像では、3頭のクマが再び現れ、地面をなめる姿も確認できます。これらのクマによるけが人はいないということです。養殖を行う男性は「養殖場は広く、対策を講じるのは難しいが、どんな方法が可能か検討していきたい」と話していました。

(高速道路上にクマ、警察が注意を呼びかけ:山形)
警察によりますと、4日の午後2時28分ごろ、鶴岡市下川の鶴岡市立西郷小学校から西におよそ300メートルほどのところにある高速道路上で、クマ1頭の目撃情報があったということです。クマは高速道路上を南の方向に立ち去ったということですが、付近に潜んでいる可能性があります。警察が「付近にお住まいの方は十分お気を付けください。なお、クマを目撃した際は、不用意に近付くことなく、速やかに行政機関に連絡をするか、110番通報をお願いします」と注意を呼びかけています。

(4日連続でクマ、家庭菜園の食害や足跡の発見が相次ぐ:北海道)
北海道知内町でクマの痕跡や目撃が相次ぎ、警察やハンターが警戒を強めています。9月3日午前8時ごろ、知内町重内で70代の男性ハンターが住宅地から約300メートル離れた場所にクマの足跡を発見し、役場に届け出ました。この周辺では8月31日と9月1日に家庭菜園のブドウが荒らされていて、クマによる食害とみられています。また9月2日午後6時ごろにも、町内上雷付近の山中で、警戒中の30代の男性ハンターが、体長80センチほどの子グマを目撃し、役所に届け出ました。現場は一般住宅から約600メートルの距離でした。北海道は9月1日から30日までの1か月間、知内町全域に「ヒグマ注意報」を発表。警察も24時間体制でパトロールを行っており、町と警察は住民に対し、農作物の管理や外出時の注意を呼び掛けています。

(駆除した大型ネズミをジビエに?:静岡)
静岡県磐田市は3日、農作物に被害をもたらす南米原産の大型ネズミ「ヌートリア」を駆除したうえで、ジビエとして食材に活用する研究を始めると発表した。地元の猟友会、JA、県立農林環境専門職大学(同市)と組んでデータを集め、栄養価などを分析してもらう。4者で連携協定を結び、まずは来春まで活動する。猟友会が金網のわなや空気銃を使って捕獲し、JAが集める農作物被害の情報とともに、どこで、どんな個体が見つかったかといったデータを積み上げて被害の防止策を練る。専門職大学の生産環境経営学科の研究者らは、ヌートリアそのものについても調べる。栄養素や肉質、さらには味などを分析してメニューを提案するところまで視野に入れているという。県内にも、ヌートリアの肉を使った料理を出す店があるものの、栄養価などの情報は乏しいという。記者会見した草地博昭市長は、ソーセージとトマト煮込みを試食し、「おいしいし、商品として問題はないと思う。やっかいものだとして終わりにするのではなく、活用出来ないかを考えたい。循環型社会の実現にも寄与できるのではないか」と話した。磐田市でのヌートリアの目撃情報は2021年が最初で、年に数頭が捕獲され、ブロッコリーや水稲がかじられたとの情報も寄せられているという。

(「山で気づいた命のこと。」:福岡)
今回のテーマは「狩猟とジビエ」。NPO法人赤とんぼ代表・北條大助さんは、狩猟の現場で、人と自然との関わりを改めて考えるようになった。そこで「命を余さず使う」という視点から、ジビエ活用に取り組み、食肉だけでなく、革や骨、毛など、命を最後まで生かす工夫を続けている。当日は、ジビエの試食も交えながら、自然とのつながりや、食・資源の活かし方について、一緒に考えてみてはいかが?

(ペットフードのレトルトどうぞ:石川)
里山のにぎわい創出に取り組む企業「山立会」(白山市木滑)が、ジビエを活用した犬猫用のレトルトペットフードを作り、販売を始めた。野生鳥獣の肉を乾燥させてジャーキーなどに加工する事例はあるが、湿度を保ったレトルト加工により長期保存を可能にしている製品は珍しいという。原料となるのは、イノシシやシカの肉のうち、調理しにくかったり、食感が固かったりする部分。ミンチにして、一袋80~100グラムに小分けし、専用の機械でレトルト殺菌する。殺菌処理の強度次第で、消費期限を最長で2年程度まで延ばすことができる。添加物を一切加えない点も特徴だ。

(イノシシの革おしゃれに:富山)
廃棄資源を有効活用 自然の風合い残す 県内のグループ「boar TOYAMA(ボアトヤマ)」は、農作物などを食い荒らすイノシシの皮革の有効活用を始めた。県内で捕獲されたイノシシはジビエとして利用されることはあっても、毛皮は廃棄されることがほとんど。

(ジビエ料理店が1周年記念イベントを開催:東京)
ジビエ料理店「あまからくまから 浅草店」(所在地:東京都台東区雷門1-20-5、有限会社ティナズダイニング代表:林 育夫)は、2025年9月4日をもちまして、開店1周年を迎えます。これもひとえに皆様のご支援あってのことと、心より感謝申し上げます。日頃の感謝を込めて、2025年9月4日(水)から9月29日(日)の期間中、1周年を記念した特別イベントを開催いたします。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、4日午後4時45分ごろ、丸森町筆甫下北山三にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
登米市によると、4日午後4時45分ごろ、登米市東和町錦織大木沢にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、4日午後3時30分ごろ、松島町幡谷大菅にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後11時10分ごろ、仙台市青葉区下愛子舘にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後2時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢小坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午前0時30分ごろ、仙台市泉区実沢道祖神にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、3日、白石市福岡深谷地蔵堂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午前7時15分ごろ、仙台市青葉区川内追廻にクマが出没しました。

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(帰宅中の男子高校生がクマに襲われる:岐阜)
2日午後7時15分頃、岐阜県中津川市坂下の路上で、歩いて帰宅途中だった同市の男子高校生(16)がクマに頭部と背中をひっかかれ、市内の病院に搬送された。けがの程度は不明だが、意識はあるという。市によると、高校生は近くの民家に逃げ込み、この家の住民が消防に通報した。市は県警などとパトロールを実施し、市民に向けて注意を呼びかけるメールを配信した。同市では今年4月以降、クマの目撃情報が31件あるという。

(「路上に衰弱したクマ」移動させようと近づいた男性、手足をかまれてけが:岩手)
1日午後7時50分頃、岩手県宮古市茂市の国道340号で、同市の会社員男性(73)が、道路上に倒れて動かなくなっているクマを移動させようと近づいたところ、右腕と左太ももをかまれた。男性は病院に搬送されたが、命に別条はないという。県警宮古署の発表によると、同7時半頃、通行人から「道路上に衰弱したクマがいる」との通報を受け、警察や市役所関係者が現場に駆けつけた。そこにたまたま居合わせた男性が襲われたという。クマは体長約1メートルの成獣とみられ、男性を襲った後、近くの山に逃げたという。同署が警戒を呼びかけている。

(渓流釣りの男性がクマに襲われ顔に計23針縫う大ケガ:群馬)
先月31日午前11時ごろ、群馬県嬬恋村で釣りをしていた長野県佐久市在住の45歳の男性がクマに襲われ、大ケガをしました。警察によりますと、男性は山の中で1人で渓流釣りをしていたところ、体長およそ1.5メートルのクマが突然現れ、顔をひっかかれたということです。男性はクマに襲われたあと、「クマに一撃くらった」と自ら警察に通報し、その後、自分で長野市内の病院に行って治療を受けたということです。鼻やほおなどを計23針縫う全治1か月の重傷です。男性が襲われたのは別荘地から1.2キロほどの山の中で、日頃からクマやシカ、イノシシなどがいて地元の人はあまり近づかないということです。いまのところ、農作物が食い荒らされる被害などは確認されていませんが、警察や地元の猟友会は付近をパトロールするなどして注意を呼びかけています。

(「シカを避けようと…」車が川に転落し炎上:北海道)
31日朝早く札幌市手稲区の市道で乗用車が川に落ちて車両が燃えました。運転手は「シカを避けようとした」と話しています。31日午前4時半前、札幌市手稲区西宮の沢6条1丁目の市道で近くに住んでいる人から「側道から川の方向に転落し車内から火が出ている」と消防に通報がありました。消防車など8台が出動し火はおよそ1時間後に消し止められましたが、運転手の40代の男性が首の痛みを訴えて病院に搬送されました。搬送時、男性は会話可能で自力で歩くこともできる状態でした。警察によりますと運転手の男性は「シカを避けようとした」と話しているということです。現場は北1条・宮の沢通の近くで警察は車を運転する際、野生動物の飛び出しに注意をするよう呼びかけています。

(イノシシが豚熱感染、県内で今年3例目:福岡)
福岡県うきは市で死んでいる野生のイノシシから豚熱の感染が確認されました。県内では2025年に入って3例目で、県は「経口ワクチンの散布を国と協議しながら調整を進める」としています。福岡県によりますと8月28日、うきは市の山林で死んでいる野生のイノシシ見つかり、豚熱の感染が確認されました。8月18日と25日にも久留米市でそれぞれ死んでいる野生のイノシシから豚熱の感染が確認されていて、2025年では今回で3例目となります。県は8月27日から3日間、1例目の発見場所から半径10キロ圏内に経口ワクチンの散布を実施しましたが、今回、死んでいるイノシシが見つかったのは、1例目の発見場所から約21キロ離れていたということです。福岡県は、「野生のイノシシ向けの経口ワクチンの散布について、国と協議しながら調整を進めている」としています。

(野生イノシシが「豚熱」感染:宮崎)
宮崎県は2日、都城市御池町で、死んで見つかった野生イノシシの幼獣2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。発見場所から半径10キロ圏の「感染確認区域」に鹿児島県の霧島、曽於両市が含まれ、複数の養豚農家がある。鹿児島県は3日、対策本部会議を開き対応を協議する。宮崎県内の野生イノシシ感染は、都城市高崎町で初確認された4月以降、13、14例目。過去12例は同市高崎町と隣接する高原町だった。1例目確認に伴い経口ワクチンを散布した10キロ圏を超えての確認は初めて。宮崎県家畜防疫対策課によると、幼獣の死骸は13例目の雄が1例目から西に14.3キロ、14例目の雌が同14.6キロ離れた道路脇で、ともに8月30日見つかった。宮崎家畜保健衛生所が9月2日実施したPCR検査で陽性を確認した。いずれも経口ワクチン由来ではない野外株だった。宮崎県は2日、豚熱対策本部会議を開き、10キロ圏内に経口ワクチンを緊急散布する方針を確認した。散布日は国と協議して決める。圏内の養豚農家39戸(約9万4000頭)には口頭で注意を呼びかけた。鹿児島県によると、2024年2月1日現在、県内387戸が計120万頭を飼養する。県内養豚のワクチン接種率は100%。豚熱は人にはうつらず、仮に感染した豚の肉や内臓を食べても影響はない。一方で、豚やイノシシへの感染力は強く致死率も高い。

(野生イノシシ豚熱、県内59例目:岡山)
岡山県は3日、吉備中央町で発見された野生イノシシ1頭が家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと公表した。県内での感染確認は59例目。県によると8月28日に町内の畑で死んでいるのが見つかり、県の検査で陽性が確定した。県は発見場所から半径10キロ圏内を感染確認区域に指定し、狩猟者に対して捕獲した野生イノシシの流通自粛を求めている。

(事故前にヒグマへの餌付け疑われる事案:北海道)
北海道・羅臼岳で2025年8月14日、登山客の男性がヒグマに襲われ死亡した事故を受けて、知床財団は9月1日、調査の続報を発表しました。報告書によりますと、羅臼岳では事故が起きる2週間ほど前の7月29日、岩尾別地区でヒグマへの餌付けが疑われる事案が発生していたことが新たにわかりました。いまのところ、男性を襲ったヒグマとの関連性はわかっていませんが、男性を襲ったヒグマは、これまで岩尾別地区を中心に活動していて、2025年度も5月ごろから同地区を中心に目撃されていました。また報告書では、被害者の男性と一緒に登山していた友人が事故発生直後、現場周辺のオホーツク展望で救助を待っている間に、登山道を下ってくるヒグマ1頭を目撃していたことがわかりました。これについて知床財団は「体サイズ等の情報から、この個体は加害個体と同一である可能性がある」としています。被害者の男性は事故当時、友人から200メートルほど離れ、1人で走って下山していたとみられていますが、「トレイルランニング」と呼ばれるスタイルで登山していたという情報はないということです。知床財団は引き続き、事実関係の整理や調査を進め、行政機関とともに事故の概要や検証結果をまとめる方針です。

(クマ被害は過去最悪へ、猟友会頼みも進む高齢化とハンター減少)
全国でクマによる被害が過去最多を記録している。環境省によると、2023年度には過去最悪となる219件の人的被害が報告された。2025年度の速報値では、4月から7月末までの人的被害は23年度とほぼ同水準の55人にのぼり、そのうち3人が死亡するなど、最悪のペースとなっている。これまでクマは「山奥の動物」という認識が一般的だったが、農林水産省の資料によると、2000年代以降、温暖化や過疎化による里山の放棄が進み、クマの生息域は里山から市街地周辺へと拡大している。特に秋田・岩手・長野などでは住宅地周辺での目撃例が急増しており、都市近郊でもクマの出没が増加している。こうしたクマの駆除は、長らく猟友会の有志によって担われてきた。しかし、担い手の高齢化が進み、全国のハンター数はピーク時の4分の1以下にまで減少している。一般社団法人 大日本猟友会のウェブサイトによれば、会員の約6割が60歳以上だという。その結果、駆除の空白地帯が各地で生まれつつあり、住民の安全確保が難しくなる深刻な状況となっている。こうしたなか、注目されているのが「ガバメントハンター制度」である。これは、野生鳥獣の調査・捕獲・住民対応・啓発活動などを専門に担う職員を地方自治体が直接雇用し、制度的に対応体制を構築する取り組みである。先行事例としては、長野県小諸市が挙げられる。平成23(2011)年度に野生動物対策を専門に担う「鳥獣専門員(ガバメントハンター)」を任命し、平成25年4月からは地方上級公務員として正規雇用されている。さらに、北海道でも占冠村をはじめとする4市町村でガバメントハンターが設置され、クマなどの大型獣対策に取り組んでいる。とはいえ、ガバメントハンター制度は全国的にはまだ限定的な施策にとどまっている。たとえば山形県では、住民から制度導入の要望があったものの、2024年7月の県広聴では「他県における活用状況等を調査しながら研究していきたいと考えているところ」という回答にとどまっている。現在、多くの自治体では依然として猟友会に依存した対応が主流だ。県職員が現地に赴いたとしても、実務対応は難しく、現場との連携不足や判断の遅れがしばしば問題となっている。制度の全国展開には複数の課題がある。その一つが、高い人材要件である。クマ対策に用いられるライフル銃の免許は、散弾銃の所持歴が10年以上なければ取得できない。さらに、野生動物の生態に関する知識、地域住民とのコミュニケーション能力、法制度への理解など、幅広いスキルが求められ、人材育成には相当な時間を要する。加えて、その育成にも財政支援が不可欠であり、自治体単独での対応には限界がある。こうした課題をどう乗り越えるかが、制度を広く展開させる鍵となるだろう。マの出没が増加する傾向にあるなか、2024年9月には「改正鳥獣保護管理法」が施行される。これまでは、市街地でクマが出没しても発砲には制限があり、警察官の発砲許可がなければ対応できなかった。改正後は、市町村の判断により、市街地での猟銃使用が特例として可能となる。とはいえ、市街地での発砲には高い狙撃技術を有する人材が必要であり、依然として人材不足という根本的課題は解消されない。クマ被害がこれほど深刻化している現状において、場当たり的な法改正だけでは不十分であり、人材育成のための段階的かつ多層的な制度設計が求められる。そのための社会的インフラの一つとして、ガバメントハンター制度は、今まさに本格的な検討をすべきタイミングではないだろうか。

(緊急銃猟制度で「免許取り消しのおそれ」、猟友会「駆除依頼に応じる判断は慎重に」全支部に呼びかけ:北海道)
北海道猟友会は来週月曜日から始まる緊急銃猟制度を前に「駆除要請に応じる場合は慎重に判断するよう」呼び掛ける通知を全支部に向け出しました。鳥獣保護管理法の一部改正で市街地で猟銃を使った駆除が市町村長の判断で可能になるいわゆる「緊急銃猟制度」が始まります。北海道猟友会は、鳥獣保護法に「駆除に関する応諾義務」がないことから、市町村が発砲を判断しても安全の確保に疑念がある場合は、「ハンター自身が中止を判断することができる」と猟友会全支部に向け通知文を出しました。通知文には、撃った弾で住民などに被害が出た場合に「猟に必要な銃の免許が取消される恐れがある」ことなどが記されていて、駆除の依頼を引き受ける時には慎重に判断するよう呼び掛けています。

(市街地でもクマ発砲可能に)
市街地に出没したクマを捕獲するため、市町村の判断で発砲を可能にする改正鳥獣保護管理法が9月1日に施行される。環境省によると、クマによる攻撃でけがや死亡した人は2023年度に219人に上り、統計がある06年度以降で過去最多となった。今年度もすでに各地で被害が頻発。クマ出没のさらなる増加が懸念される秋に備え、被害防止につなげる。現行制度では、住宅密集地での銃の使用は原則として禁止されており、危険が差し迫って警察官が命令を出した場合に限って認められる。ただ、判断の遅れで発砲のタイミングを逃す事例もあったことから、市町村から委託を受けたハンターによる捕獲を行えるようにする。発砲は、市町村が警察などと連携して現場周辺の通行制限や住民の避難誘導を行い、安全が確保されていることが条件。クマが建物内に立てこもったり、河川敷や木の上でこう着状態になったりしているケースが想定される。銃弾が周囲の建物などに当たり、損害が生じた場合は市町村が補償する。クマのほか、イノシシも「危険鳥獣」と定義され、発砲の対象となる。改正法では、市町村が都道府県に応援を要請できる一方、これまでにクマの対応経験が少ない地域では人材やノウハウの不足が見込まれる。そこで環境省は、ハンターを含む専門人材と自治体をマッチングさせ、事前に訓練や研修を行うことで、平時から備えてもらう。自治体職員の増員も支援して対応力の底上げを図る。 

(林官房長官「国民の安全確保に資するもの」、自治体の専門職員の育成や体制整備に課題も)
クマによる人への被害が多発している事態を受けて改正された鳥獣保護管理法が1日、施行された。これによって、市街地にクマなどが現れた場合に一定の条件のもとで、原則禁止だった猟銃による駆除が可能となった。林官房長官は、午前の記者会見で「これによってクマ等の出没に対し、安全かつ迅速に対応することが可能となり、国民の安全の確保に資するものだ。今般の改正法について理解いただき、地域でのクマの出没に関する自治体からの情報に注意するなど、引き続き十分警戒してほしい」と法改正の意義を強調した上で、改めて注意喚起した。今回の法改正で、クマなどの被害を防ぐため迅速な対応が期待される一方、市街地での銃の使用を判断する自治体における専門知識をもつ職員の育成や、安全の確保のための体制整備が課題として指摘されている。

(市街地で猟銃使用可能に:岩手)
クマの人的・物的被害が相次ぐ中、市街地での猟銃使用を可能とする改正鳥獣保護法が1日に施行される。市町村の判断で発砲を認める「緊急銃猟」の新設が柱で、自治体は体制整備を急ぐ。ただ発砲を委託するハンターの育成などの課題も山積する。盛岡駅の北約650メートルの住宅街で4月、体長約1・5メートルのクマ1頭が出没した。寺の木に登り、麻酔入りの吹き矢で捕獲された。職場で様子を見ていた岩手県矢巾町の男性(49)は「まさかこんなところに出るとは。市内を横切ってきたと思うと怖い」と振り返る。市内では8月にも小学校付近や市中心部などで相次いでクマとみられる動物が目撃されている。これまでの鳥獣保護法では、警察官が命じた場合などを除き、市街地での発砲は原則禁止だった。環境省は7月、自治体向けに緊急銃猟の実施指針を公表。〈1〉人の日常生活圏に侵入するか侵入の恐れが大きい〈2〉緊急性がある〈3〉銃猟以外で捕獲が困難〈4〉人に危害が及ぶ恐れがない――などの条件を満たす必要があるとした。改正法の施行に向け、各自治体では体制の構築が進む。盛岡市は国の指針に基づきマニュアルを改定し、住民避難や通行規制など安全確保の措置を図る。市環境企画課の冨手真一課長は「安全確保を市が担うのは重責だ。安易に緊急銃猟に踏み込むことなく、クマを寄せ付けない対策にも力を入れたい」と話す。市町村に大きな負担がのしかかる中で、県は独自に「緊急銃猟対策チーム」を新設する。市町村に緊急銃猟の検討や手順の確認などについて助言し、今秋に模擬訓練を実施する方針だ。緊急銃猟は、市町村から委託された猟友会員らが担う想定だ。跳弾や流れ弾が民家に当たる危険が伴い、ハンターには高い技量と正確な判断力が求められる。8月に連日のようにクマが出没している花巻市。市猟友会では、約140人の会員のうち街中で発砲できる技能を持つハンターは10人ほどで、いずれも70歳以上のベテランだ。若手の育成に向け、座学での銃の安全講習や射撃場訓練を実施しているが、クマ出没時に駆けつけられるのは、会社勤めをしていないベテランが多い。藤沼弘文会長(79)は「安全確保などの判断は、銃を長年扱っていないと難しい」と実践経験の重要性を語る。岩手大の山内貴義准教授(野生動物管理学)は「対応が難しい自治体もあるため、県主導で複数の市町村を集めた協議会を機能させることが望ましい。机上、実地訓練を重ねることも重要だ」と指摘。その上で「今回の法改正は各市町村がクマ対策を考える出発点となるだろう」と強調する。岩手県内ではクマの出没数が増加傾向にある。県によると、今年度は7月末現在で2586件に上り、前年度同期比で593件増。7月は1024件で昨年同月と比べて約2倍に急増した。クマの出没数は2023年度が最多で、1か月間で1000件を超えるのは、同年10月以来という。今年度のクマの人身被害は8月3日時点で12件に上り、既に昨年度の被害件数を上回っている。7月には北上市で、在宅中の高齢女性がクマに襲われ死亡。奥州市でも自宅近くの畑で農作業をしていた高齢女性が襲われ、重傷を負った。

(緊急銃猟可能とする「改正鳥獣保護管理法」施行、県が対応マニュアル改定:岩手)
クマによる被害が相次ぐ中、市町村の判断で市街地での「緊急銃猟」を可能とする「改正鳥獣保護管理法」が1日、施行されました。これに合わせて、岩手県は対応マニュアルを改定しました。緊急性など一定の条件を満たせば、市町村の判断で市街地でのハンターによる猟銃の発砲、「緊急銃猟」を可能とする「改正鳥獣保護管理法」が1日、施行されました。県が改定した対応マニュアルは、「緊急銃猟」の実施の流れや関係機関の連絡体制を今まで運用してきたマニュアルに加えました。さらに、これまでの追い払いや麻酔による捕獲のほか、市町村が状況に応じて「緊急銃猟」ができるよう対応の手順を変更しました。また、「緊急銃猟」の可能性が高まった際、現地で実施条件や安全確保などを確認し、市町村の実施判断をサポートする対策チームも新たに設置しました。改正法の施行を受け、県は9月から10月にかけて、「緊急銃猟」を想定した訓練を机上と実地の両方で行う予定です。

(クマ対策の緊急銃猟、「発砲する場面限られる」:岩手)
市街地に出没したクマなどへの発砲を市町村の判断で行うことができる「緊急銃猟」について、盛岡市の内舘茂市長は「発砲する場面は相当限られる」などとして、制度の運用に慎重な姿勢を示した。「緊急銃猟」は、▽銃弾が人に当たる恐れがない▽銃猟以外の対応が困難――などの条件を満たせば、市町村の判断で人の生活圏で発砲できる新たな駆除制度。9月から始まった。全国的に被害が顕在化しているツキノワグマについては、盛岡市でも今年4月にJR盛岡駅近くの寺に現れるなど、市街地での目撃情報が増えている。2日の定例記者会見で制度の運用などについて問われた内舘市長は「対応マニュアルの改正や必要な人員の確保などを進めている」とした上で、「(発砲するのは)相当な場合なんだろうと思っている」と話した。市環境部も「緊急銃猟は、人家など人がいるところではできない。時間がない中で、非常に難しい判断が求められる。(ツキノワグマへの対応は)専門家や猟友会などとも相談して対応を進めたい」などとした。

(“市街地で猟銃”可能に:岐阜)
人の生活圏でクマなどが出没した際に、市町村の判断で特例的に市街地などでの猟銃の使用が可能となる改正法が1日、施行され、市街地近くでクマが目撃された岐阜県高山市でも、住民の避難方法などのマニュアル作りや地元の猟友会との話し合いといった対応が進められています。人の生活圏でクマなどが出没した際に、市町村の判断で特例的に市街地などでの猟銃の使用が可能となる「緊急銃猟」の制度が創設された改正鳥獣保護管理法は1日、施行されました。岐阜県内でも今年度、けが人は出ていないものの、クマの目撃件数は31日までに山間部の自治体を中心に333件にのぼっています。このうち高山市ではことし7月に市街地近くの学校や住宅などが立ち並ぶ地域でクマの目撃情報が2週間の間に18件寄せられ、市は地元の猟友会に依頼し、わなで捕まえたうえで殺処分をしました。市は改正法の施行を前に、先月から環境省のガイドラインに従って緊急銃猟を行う際の役所内の体制作りや、周辺住民の避難方法などを記したマニュアル作り、地元猟友会と話し合い、実際の運用に向けた準備を進めてきました。一方で周辺住民の安全確保などの観点から市街地での猟銃の使用に不安は拭えないとしています。高山市の松井ゆう子農政部長は「市民の安全や、銃でしとめ損なった際の被害を考えると、猟銃の使用判断はなかなか難しい。人命を守るのが大前提なので、やむをえない場合の緊急銃猟に加えて、日頃の駆除のあり方なども今後考えていきたい」と話しています。【専門家は】改正法について、岐阜県と岐阜大学が共同で設置し、野生動物の調査や被害対策に取り組んでいる県野生動物管理推進センターの鈴木正嗣センター長は「制度の創設で、行政による予算措置が可能になるほか、銃猟に至る判断基準が示されたことは評価できる」とした一方で「きょう施行された改正法では猟銃の使用で人身事故が発生した場合に、ハンターに対してどのような行政処分が行われるか明確にされていない点が課題として残っていて、銃猟にあたるハンターの不安を払拭するためには明確化が必要だ」と指摘しています。

(住宅地でのクマの緊急銃猟可能に:栃木)
各地でクマに人が襲われる被害が相次ぐ中、市街地で一定の条件を満たせば銃を使った捕獲を可能にする制度が1日から始まりました。栃木県内でもことし、人的被害が立て続けにありクマがせい息する地域の関係者の反応を取材しました。森ではなく、建物の中を徘徊するクマ。この映像は、2年前の8月に、奥日光・中禅寺湖の近くの宿泊施設の防犯カメラに映っていたものです。ことし6月と7月には、那須塩原市でクマに人が襲われる被害が立て続けに3件あり、このうちの1件は、山から離れた住宅街で発生しました。北海道や東北でもクマに襲われる被害が相次いでいて、クマによる人的被害は、ことし4月から7月にかけて全国で55人に上り、過去最多だった2023年度の同じ時期と同じ水準となっています。こうした被害を防ぐため1日、改正鳥獣保護管理法が施行されました。住宅地など人の日常生活圏に現われ危害を及ぼす恐れが大きいクマなどを「危険鳥獣」に指定し市町村のトップが緊急的に銃を使った捕獲をハンターに委託できます。これまでは、住宅集合地域では銃を使った捕獲を原則禁止し危険が迫ってから警察官がハンターに発砲を命じる仕組みでした。新しい制度で自治体は、ハンターなどと地図を見ながら安全確保の計画を立て実施要件を満たしていれば、銃での猟を可能とします。市の面積の9割以上を森林が占める日光市。住民からクマへの対応を求める声が多く、去年、狩猟免許を取得し、地元の猟友会に所属する瀬高哲雄市長は、新しい制度をこう受け止めます。瀬高日光市長:「緊急的に対応できることが少し前進した程度の認識。市街地で条件整って発砲は相当ハードル高いのではないか」。一方、7月に那須塩原市で人がクマに襲われた際に出動したハンターは。ハンター:「責任を自治体がきちんと負ってくれるなら撃つ。出動要請などはほぼボランティア、危険を冒してまで撃ちたくない」。栃木県猟友会では、全国組織の大日本猟友会から8月8日付けで新しい制度に協力を求める通知があったことから、この意向に従うとしています。一方、ヒグマによる被害があった北海道猟友会では、人身事故が起きた場合のハンターへの補償が十分でないとして自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針を示しました。改正法によって迅速な対応が期待されますが自治体の体制整備や安全確保、専門知識のある職員の人材育成が課題となります。県は9月末に、今回の改正法に関係する初めての訓練を実施する予定です。

(「とる(捕獲)しかない…」相次ぐ“クマ被害”で市街地での猟銃使用が可能に)
市街地へのクマの出没が相次ぐ中、9月1日から市街地でも特例的に猟銃を使う「緊急銃猟」制度が始まった。クマ被害急増の原因や対策について、専門家に詳しく話を聞いた。5月、秋田市で住宅の間をすり抜け我が物顔で庭を駆け抜けていくクマが撮影された。また8月14日、北海道の羅臼岳で登山をしていた20代の男性がヒグマに襲われ死亡した。東京・奥多摩町でも23日、川で釣りをしていた50代男性が子グマとみられるクマに顔を引っかかれるなど被害が相次いでいる。例年よりも増えているようなクマの出没や遭遇事件について、長年クマの研究を行っている東京農業大学の山崎晃司教授に話を聞いた。「この数年間、増加傾向にあると言って良い。特に2023年、過去最高の記録をしているが、今年はそれに迫る統計値になる可能性もあるとみている」(東京農業大学・山崎晃司教授、以下同)。今年は過去最高レベルの捕獲数・事故件数になる可能性もあるとのことだが、なぜ今クマの出没が増加しているのだろうか。「(クマの)出没の傾向・背景は実はもっと前から起こっていて、江戸時代もしくは中世の頃から、日本の山は人々が生活のために非常に強度に利用してきた。木を切り建築材にしたり、炭や薪にしたりしてきた」「戦争からの復興のために木材需要が多くなり、国を挙げて拡大造林政策があった。ヒノキが日本中の山に植えられていくが、針葉樹の森は木の実がならない。つまり動物にとって利用価値のない森になる。拡大造林政策が1970年代に終わり、それ以上針葉樹への転換が起こらなくなった。日本の山は急速に森が回復していく。その中でクマだけではなく、森林性の動物が分布を拡大させてきた」。伐採による動物のすみか縮小や、過疎化や高齢化で人がいなくなった集落が森に戻ったことも、クマの増加に大きく作用したとのことだ。しかしなぜ、クマが人間の生活空間に出没するようになったのか。「メカニズムは地域によって異なっていて、基本的にクマが人の生活空間の近くに現れる理由は、楽に手に入る食べ物があることが一つの大きなこと。例えば耕作地。リンゴ畑や家の周りに柿や栗が植えてあったり、残飯の処理が不十分だったりペットフードを外に置くと、クマが食べにくる。頭が良いため学習して、繰り返し出るようになるのがまず最初の集落に接近する一つのきっかけだ」。さらにクマの親子の間の“教育”の影響も考えられるとのことだ。「人を恐れないクマがその集団の中で情報を共有しているわけではなく、お母さんから子どもなど縦の学習の機会に教えていることはある」。では、市街地にむしろ好んで接近するクマに対して、どう対処すればいいのだろうか。「一度そういうことを覚えてしまったクマを矯正するのはすごく難しい。どこでもとっていいわけではないが、集落周辺で定着してしまっているクマの前提で、基本的にはとる(捕獲)しかない」。クマ捕獲で長年中心的な役割を担ってきたのが、猟友会に所属するハンターたちだが、時代とともに顕在化した課題に向き合う必要があると、山崎教授は語る。「狩猟自体が今の時代の若い人に受け入れられる趣味ではないため、狩猟者人口はどんどん減っている。地域によって違うが平均年齢は60~80代と、高齢化と会員数の減少が起こっている」。らに9月からの法改正により、ハンターたちはより板挟みになる可能性を危惧している。「市街地の発砲要件を緩和した。緊急銃猟といって、市町村の長がゴーサインを出した場合において発砲することができる。ただ市街地の発砲はすごく難しい。もともと一般のハンターは市街地で銃猟はしないため、全く知らない場所で新しい経験になる。受ける方もかなり不安に思っていて、北海道では『要請に対して断ることも視野に入れてください』と北海道の猟友会・猟友会員に通達している。万が一、事故があったときの補償についても少し曖昧なところがあるため、現行のやり方だと二の足を踏む人が多い」。ただでさえ高齢化が進むハンターを先細りさせないためにはどうすれば良いのだろうか。山崎教授は“3つの対策”があると述べる。「一番良いのは行政内部に野生動物の捕獲・管理に従事する専門職員を雇用すること。アメリカで言う『ガバメントハンター』を自前で雇用することだ。それができないときは、スキルを持った人を市町村の職員と同じような形で、デスクを与えて派遣するやり方もある。それもできない場合は認定鳥獣等捕獲事業者の制度が日本にあり、都道府県の知事が認定する捕獲のためのプロフェッショナルな団体だ。対価のお金をもらって契約して遂行する」。

(クマ被害、市町村判断で猟銃使用可能に)
クマの市街地への出没や人への被害が相次ぐ中、人の生活圏でクマなどが出没した際に市町村の判断で特例的に市街地などでの猟銃の使用が可能となる改正法が1日、施行されました。1日に施行された改正鳥獣保護管理法では、▽クマなどが人の生活圏に侵入しているか、侵入のおそれが大きい場合で、▽緊急性があり、▽迅速に捕獲できる手段がほかになく、▽人に弾丸が到達するおそれがないという、4つの条件をすべて満たした場合に猟銃の使用が可能になる「緊急銃猟」という制度が創設されました。法律の改正前は、住宅が密集している地域などでは猟銃を使用することは禁止され、人に危険が生じるといった緊急時のみ、「警察官職務執行法」に基づいた警察官の命令などで猟銃が使用されていました。しかし、人の生活圏でのクマの出没が増える中、より予防的かつ迅速な対応が求められることから、法律が改正され、市町村の判断で行うことになりました。市町村は猟銃の使用をハンターに委託でき、猟銃を使用する前には、周辺の住民の通行制限や避難指示などを行って安全を確保することが求められます。また、コンクリートなどに当たって弾丸が跳ね返るおそれがないかや、弾丸が後方などに飛んでいくことを避ける「バックストップ」が確保されているかなどを確認する必要があります。それでも物的損害や人身事故が生じた場合はハンターではなく、市町村が損失を補償・賠償するとしています。環境省は、ことし7月にガイドラインを公表し、市町村に対し、マニュアルの作成や訓練の実施、それに損害が出た場合に備えた保険の加入を推奨しています。「緊急銃猟」の制度が創設された背景には、人の生活圏にクマが出没し襲われるケースが近年相次いでいることがあります。秋田県北秋田市で菓子店を営む湊屋啓二さん(68)は、おととし10月、市内の中心部にある自宅で、車庫に潜んでいたクマに襲われ頭や腹など全身を引っかかれたりかまれたりしました。秋田市の病院に搬送されましたが、頭部の皮膚はえぐれ骨が見える状態だったほか、右の耳たぶはかみちぎられて無くなっていて、頭部は60針で留める処置を受けました。2年たった今も傷痕が腫れたり、傷口が痛んだりすることがあるといいます。湊屋さんは「まさか自宅でクマに襲われるとは考えも及ばなかった。クマが襲ってくる勢いはすごくて、耳元でクマのうなり声を聞きながら死を覚悟していた。当時、私を含めて5人が襲われたので、人に危険がないということがはっきりと分かっている状態なら、町なかであっても発砲してクマを駆除したほうがいいと思う」と話していました。秋田県ではおととしはクマによる被害は年間70人にのぼり過去最多で、このうち9割近くの61人は人間の生活圏である「里」でクマに遭遇していたということです。ことし4月から8月までにクマに襲われて死亡した人はNHKのまとめで全国で5人にのぼっています。環境省は、とくに秋は、クマが冬眠に備えて食べ物を探すために活動が活発になるほか、山の中にクマの食べ物が少なくなった年には秋以降に人身被害が増加する年もあることから、今後も注意が必要だとしています。市街地での猟銃使用の判断を担う自治体の中には新しい制度に対応するため訓練を実施して備えているところもあります。新潟県新発田市では、8月25日、市や県の職員、猟友会のメンバーや警察などおよそ50人が参加して大規模な訓練が行われました。訓練は市街地でクマが目撃されたという想定で行われ、住民や通行人の安全を守るため、市の職員や警察官などが周囲の道路を閉鎖したり、広報車で住民に屋内への避難を呼びかける手順を確認しました。そして、クマを建物内に追い込み、人に弾丸が到達するおそれがないことなど、猟銃使用に必要な条件を満たしているかをチェックしていました。万が一、物損被害などが出た場合は、市町村が補償を行いますが、実際にクマが市街地に現れた場合にどういう動きをするかが読めず、担当者は迅速に対応できるか不安だとしています。新発田市農林水産課 下村拓実 主事「実際の生き物相手だと訓練のようにスムーズにはいかない。民家がたくさんある状況で簡単に銃を撃てないし、クマを追いやる場所も近くになかったりしたらどう対応するかなどどうしてもやっぱり現場現場の判断になる。市街地での猟銃の使用は最終手段だと考えている」と話していました。Q.改正法施行の背景は?A.近年、ヒグマやツキノワグマ、イノシシの人の生活圏への侵入が相次いでいて、人身被害も多く発生していることが背景にあります。とりわけ、令和5年度には、クマによる人身被害の件数が過去最多となり、早急な対策強化が求められていました。Q.今年度のクマ被害は?A.環境省のまとめではことし4月から7月末までにクマに襲われてけがをするなどの被害にあった人は長野県が13人、岩手県が12人、秋田県、福島県、新潟県でそれぞれ4人などの合わせて55人となっています。このうち、北海道と岩手県、長野県でそれぞれ1人、合計3人が死亡しました。過去の同じ時期と比べると、年間を通じて過去最多の被害者数となった2023年度は56人で、今年度はほぼ同じ水準となっています。また、学校やその周辺でもクマの出没が相次いでいて、命を守るための対策が引き続き求められています。Q.改正法の施行によりどのような場面で猟銃が使用されるようになる?A.場所としては主に、クマなどが建物に侵入している場合や、農地、河川敷が想定されています。猟銃の使用に当たっては、人に弾丸が到達するおそれがなく安全性が確保されていることなど4つの条件をすべて満たす必要があり、どんなケースでも猟銃が使用できるわけではありません。猟銃の使用の判断は市町村が行い、実際の発砲は、ハンターに委託でき、市町村は事前に避難誘導や通行制限などを行います。Q.ハンターに求められる要件は?A.要件は免許を持ち、1年に2回以上、銃を用いた猟または射撃の練習をしていること、過去3年以内に市街地などで使用する銃と同じ種類の銃を使用して、クマやイノシシ、二ホンジカの捕獲を行った経験などがある人です。ハンターをめぐっては、全国的に数が減少しているという課題があります。環境省によりますと、ライフル銃や散弾銃を使用するために必要な「第一種銃猟」の免許を取得している人の数は、1985年度は29万7000人でしたが、2020年度には9万人に減っているということです。Q.自治体は改正法施行に向けてどんな準備を進めているの?A.一部の自治体では市街地でクマが出没したという想定での訓練を行っています。例えば、新潟県新発田市では、8月25日に、市職員のほか警察や猟友会のメンバーなど合わせておよそ50人が参加した訓練が行われ、人が近づかないように周囲の道路を閉鎖したり、広報車を使って住民に避難を呼びかけたりするなど、一連の流れを確認していました。また、万が一、猟銃の弾が建物に当たるなどの損害が出た場合に備えて、保険に加入する動きも出ています。保険商品を販売している大手損保会社によると、8月までに100以上の自治体から保険に加入したいという連絡があったということです。Q.期待される効果は?クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授は、今回の改正法施行で期待される効果について、「野生動物に対する知識を持っている自治体職員が現場で判断して発砲ができるので、事案解決までの時間短縮の効果が期待される」としています。Q.今後の課題は?一方、課題について「自治体の鳥獣担当職員が必ずしも鳥獣に対する専門的な知識を持っているとは限らない。鳥獣だけではなく農業や林業など幅広く仕事をかけ持ち、異動もあるので専門的な知識を持った人が長期にわたり担当をするわけでもなく、そうした人が発砲の判断をしなければいけないというのは職員にとって負担が大きい。自治体が鳥獣の捕獲に専門的に従事する職員を雇用したり、時間がかかっても職員を育成したりしていくことも必要だ」と指摘しています。その上で、「クマやイノシシが市街地に出没するのは何かしらの原因がある。何が誘引になって動物たちが森から出てきたのか、どこから市街地に入り込んだのかを検証し、その誘因となるものを確実に除去したりやぶを刈り払うなど侵入経路を遮断したりして、簡単に森から市街地に入り込めないよう根本的な対策をしないかぎりは市街地出没の問題は解決しない。出没した際の対応だけではなく平時から長期的な視点で地道に対策を続けなければ今後も市街地に出没して甚大な被害の発生が繰り返されてしまう」と話していました。林官房長官は午前の記者会見で「改正法により、クマなどの出没に対し、安全かつ迅速に対応することが可能となり、国民の安全の確保に資するものと承知している。銃猟を安全かつ円滑に実施するための規定も整備されており、円滑運用に努めていく」と述べました。その上で「改正法について理解をいただき、地域でのクマの出没に関する自治体からの情報に注意をするなど、引き続き十分な警戒をお願いしたい」と述べました。

(クマへの新対策、見切り発車で開始)
住宅街にある真っ暗な空き地に、体長2メートルの獣が潜んでいた。7月18日未明、北海道南部の福島町。数人のハンターらが対峙(たいじ)していたのはヒグマだ。空き地は周囲より一段低く、銃弾が人や民家に到達するのを地面が遮る地形だった。それを確認した警察官がハンターに発砲を命令する。ヒグマは明るみに出てくると、攻撃しようと四つんばいで前傾姿勢に。頭を下げた瞬間、ハンターが頭部に向けて発砲した。福島町では6日前、住宅街で男性がヒグマに襲われて死亡していた。DNA型鑑定で射殺されたヒグマが男性を襲ったと特定され、町は安堵(あんど)に包まれた。市街地に出没したクマを確実に駆除するには銃猟しかないが、鳥獣保護管理法は市街地での発砲を禁じる。福島町の事例は警察官職務執行法に基づく緊急措置だ。そこに9月、新たな発砲の選択肢が加わる。緊急銃猟と呼ばれる制度で、住民が銃弾に当たる恐れがないなど特定の条件を満たせば、市町村の判断と責任の下、生活圏で発砲できる。警察官不在の場合や、警職法では対象外だった無人の建物内に侵入したケースでも銃猟が可能となる。背景にあるのはクマと人のあつれきの高まりだ。2023年度はクマによる全国の人身被害が198件、219人と過去最多を記録。市街地への出没が相次ぎ、銃猟の選択肢を増やすべきだとの声が強まった。

(猟友会「ガイドラインにハンターの意見入らず」広がる懸念)
改正鳥獣保護管理法が9月1日から施行され、市街地に出没したクマの「緊急銃猟」が自治体の判断で可能となります。しかし、出没が相次ぐ地域からは新たな制度に懸念の声があがっています。8月20日、留萌の初山別村の中学校で中庭を歩くクマ1頭が目撃されました。人を恐れず町中に降りて来たクマ。3日後、再び出没した際にはハンターが発砲した銃弾1発が命中しましたが、そのまま立ち去っていきました。市街地で相次ぐクマの出没。その中、自治体はいま新たな課題に直面しています。(初山別村 大西孝幸経済課長)「(発砲するまでに)手続きが多いので、本当に捕獲までいけるものなのかなと考えている」。クマの捕獲に関して1日から施行されたのが、改正鳥獣保護管理法です。市街地での発砲はこれまで警察のみ許可することができ、時間を要しました。今回の改正法では、猟銃以外で捕獲が困難な場合や緊急性が認められる場合などの条件をクリアすれば、自治体の判断で発砲が可能になり、より迅速な対応が取れるようになります。鈴木知事は先週、緊急銃猟で人的被害が出た際のハンターの責任について、「通常は問われることはない」と国から説明があったことを明かしました。しかし、自治体は懸念を感じています。(初山別村 大西孝幸経済課長)「発砲をお願いしますと自治体から簡単な形でハンターにお願いできかねる状況になっている」。改正法では、発砲による物損・人的被害などの損害について、自治体が補償するようにと記載されています。一方でハンターがけがをした場合や、銃の所持許可が取り消される可能性については記載されていません。北海道猟友会はこれを受けて、道内71の支部に、安全性などで銃猟に疑念がある場合は「ハンターの判断で中止してもよい」という趣旨の通知を出しています。(北海道猟友会標茶支部 後藤勲支部長)「(国は)ガイドラインなどを決めているけど、ハンターの意見は何も入っていない。せめて国なり道なりが全てそういう問題については引き受けるというシステムを作ってもらわないと、誹謗中傷でまいる人もたくさんいる」。専門家はー(中村憲昭弁護士)「万が一不幸で跳弾などで人的被害が生じたときにどうなるのかについてはなにも条文には書いていない。損害が生じたときは緊急銃猟の命令に従っていないのではないか、そういった形での捜査が開始される可能性はあると思います」。人命だけでなく自治体やハンターの立場を守ることができるのか。改正法の実効性をどのように高めていくのかが問われています。9月1日から、市町村の判断で市街地などでも特例的に猟銃を使う「緊急銃猟」が可能になります。・人の生活圏に侵入・緊急性が認められる・銃以外で捕獲困難・安全性の確保。全ての条件を満たしている場合に、自治体の判断で発砲が可能になります。自治体側は、発砲までの手続きが多いため、捕獲できるのかという疑念があるということです。ハンター側は、ガイドラインにハンターの意見が入っていないため、すべてを引き受けるシステムが必要だと述べています。弁護士は、制度が運用されるためにはガイドラインに柔軟性が必要なのではないかと指摘しています。

(クマ出没多発するなか緊急銃猟制度の開始:青森)
人の生活圏にクマなどが出没した場合、市町村の判断でハンターなどが発砲ができる緊急猟銃制度がきょうから始まりました。これまでは市街地での猟銃の使用は原則禁止され、人に危険が迫り警察官の命令などがあった場合に限って猟銃が使用できました。新しい制度は、クマなどが人の生活圏に侵入または侵入のおそれがある、緊急性がある、迅速な捕獲ができる手段がほかにない、人に弾丸があたるおそれがないという条件を満たした場合、猟銃の使用ができるとしています。発砲前には周辺の住民の通行制限や避難指示などを行う安全対策の計画も求められます。それでも発砲によって物や人への被害が生じた場合は、ハンターではなく市町村が損失を補償・賠償します。★県猟友会 十二役 美喜男 会長「まだ市町村の体制がはっきりしなくて、実際にきょうからできるってなってますけど、先がまったく見えていない気がしますね」。県によりますと、すべての市町村がこれから対応マニュアルを作成するということです。

(ヒグマ駆除の銃声が「消えた」街、猟銃所持許可取り消しの波紋:北海道)
街からヒグマ駆除の銃声が「消えた」――。北海道砂川市では、約6年前から発砲によるヒグマの駆除ができなくなり、箱わな捕獲のみで対応している。ヒグマによる死亡事故が相次ぐ中、9月1日から市町村の判断で市街地での発砲を認める「緊急銃猟制度」が始まるが、発砲がタブーとなった街は不安に包まれている。きっかけは2018年8月に砂川市の要請を受けた猟師の池上治男さん(76)が警察官も居合わせた中でヒグマ1頭を駆除した際の発砲方法を問われ、道公安委員会に猟銃所持の許可を取り消されたことだった。池上さんは取り消しを求めて道を提訴し、1審は勝訴した。だが、2審の札幌高裁判決は「弾が周辺の建物に到達する恐れがあった」などと判断。逆転敗訴した池上さんは上告し、再び猟銃を手にするめどは立っていない。態を受け、道猟友会砂川支部は市に対し発砲によるヒグマの駆除を拒否。ただし、箱わなで捕獲された時のみ、銃を使った駆除を引き受けている。同支部の岩谷繁さん(73)は「ヒグマを撃つには高い技術が必須でハンターのごく一部しかできない。行政にはしごを外されるリスクがあるなら、誰も駆除に協力できない」と話す。一方、砂川市も苦悩している。砂川は道内でもヒグマの出没が多く、問題個体を狙って箱わなを設置するが、場所は山あいや農地など人が少ない所に限られる。民家近くではエサでヒグマを寄せ付けてしまうことになり、危険が高まるためだ。道南部の福島町では7月、新聞配達中の男性がヒグマに襲われ死亡する事例が起きた。ただ、こうした市街地での緊急事態では箱わなのみでは即応できない。砂川市農政課の担当者は「本当に危険な状況になったら(発砲も)やらないといけない。裁判の結果待ちで『無策でした』では許されないので、猟友会と議論していきたい」と危機感を示す。市と猟友会は、池上さんの猟銃所持許可取り消し後も、出没情報の共有や箱わなでの捕獲などで連携を続けている。また、市は数年前から、農政課職員のわな猟免許取得を進めている。担当者は「猟友会の方々と共有できる経験が少しでもあるのと、全くの素人とは違う。銃の専門性を身につけるのは難しいが、ヒグマの危険性や習性への知識は持ちたい」と話している。

(もう誰もクマ撃てない、「地域の安全守りたいのに」:北海道)
早朝5時、ヒグマの痕跡を探し、住宅地や山中を一人歩く。もしヒグマに遭遇しても身を守る猟銃はない。7年前、民家近くに出没した子グマを撃った。駆除は不要だと進言したが、市職員に要請されたため引き受けた。警察官も立ち会う中で行ったその発砲は、後に鳥獣保護管理法が禁じる「弾の届く恐れのある建物に向けた発砲」と判断される。所有するライフルなどは全て没収された。「それでも毎日できることをやるだけ」。40年以上、地域の安全を守ってきたハンターのライフワークは、銃を失った今も変わらない。北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(76)がヒグマ猟に携わるようになったのは、10年ほど前だ。地元の砂川市は道内でもヒグマの出没が多い。山あいに点在する住宅付近に姿を見せるだけの個体は森に追いはらうが、民家近くに居座ったり、ごみをあさったりする問題個体は駆除することになる。危険で責任も重いが、地域の安全に直結する重要な役割だった。

(ヒグマとの「共生神話」崩壊で揺れる観光地:北海道)
世界自然遺産登録から20年を迎えた北海道・知床が、観光地としての存続に向けて大きな課題を突きつけられている。世界遺産登録後、初めてとなるヒグマによる死亡事故が8月14日に発生。観光に訪れる人間と豊かな自然の中で生きるヒグマの「共生神話」は崩壊した。斜里町と羅臼町にまたがる知床半島のヒグマは世界屈指の高密度で生息している。1982年に狩猟が制限される国の鳥獣保護区に知床が指定され、90年には冬眠明けのヒグマを狙う「春グマ駆除」が道内で廃止に。保護対象として、手つかずの自然の中で個体数が増えてきた。90年に約280頭だった推定生息数は、約20年で400~500頭まで増加。市街地などへの出没が相次いだ2023年に両町内で約170頭が駆除されたが、現在は300~400頭に回復したとみられる。

(クマ被害、秋以降も後絶たず?)
ツキノワグマによる襲撃被害が後を絶たない。それも山深い森でなく、人里に下りてきたクマが人を襲うケースが多発している。7~8月、東北や北関東では、農作業中や在宅中だった住民が被害に遭う事例が相次いだ。秋に入って冬眠に備えるクマだが、特に東北では9月以降も人里に出没する恐れが高まっているとして、林野庁や自治体が注意を呼びかけている。背景にあるのが、クマが暮らす森で観測された「ある現象」だ。環境省によると4~7月、クマによる人身被害は全国で55件あった。ここ10年の同期比では、最も多かった2023年度の56件に並ぶペースだ。8月にも福島市や秋田県大館市で人が襲われて負傷する事故があった。群馬県警によると、31日には長野県境の嬬恋村で渓流釣りをしていた男性(45)が襲われ、顔をひっかかれて23針を縫う大けがをしたという。命を落とすケースも複数起きている。岩手県北上市では7月4日、女性(81)が自宅に侵入してきたクマに襲われて死亡。北秋田市の障害者施設でも7月31日、入所する女性(73)が襲われて亡くなった。いずれも、普段から人が暮らす生活圏で起こっている。9月以降も餌を求めて人里に出てきたクマとの遭遇に注意する必要がある。東北では今秋、クマの主な餌となるブナの実が2年ぶりに「大凶作」になると予測されている。予測は東北森林管理局が毎年出しており、調査対象の東北5県(福島県以外)全てで大凶作が見込まれるのは、今と同じ調査を始めた04年以降では2年ぶり2度目という。ブナは豊作の翌年が凶作になり、おおむね5~6年周期で豊作になるとされる。大凶作だった23年度は、クマによる人身被害が全国で219件(死者6人)と最近10年で最も多かった。その半数以上に当たる111件が9、10月の2カ月間で起きていた。森林総合研究所によると、ツキノワグマが人里や市街地に出てくる頻度は、山にあるブナやドングリ類の「なり具合」が関係しているといわれる。特に、ブナの実が豊作だった翌年には「親子グマが人里に出没する可能性が高い」という。豊作の年に十分な栄養を蓄えたメスが冬眠中に出産するためだ。24年は青森県で四半世紀ぶりに豊作となるなど、各県で並作や豊作の年になった。そもそも、クマは00年ごろから出没数が増え、駆除数は増加傾向にある。クマ自体の個体数が増えている可能性が指摘され、生息域も広がっているという。森林総研は、クマと人の生活圏が「隣接するようになってしまった」と説く。9月1日には、人の生活圏でクマやイノシシが出た場合に備え、市街地でも市町村の判断で猟銃の使用が可能になる改正鳥獣保護管理法が施行された。クマに襲われれば大けがをする可能性は高く、命を落としかねない。森に暮らすクマと街に暮らす人はどう共存するか、警戒と試行錯誤は続く。

(全国でクマ出没も、狩猟者登録は減少傾向)
全国でクマの出没が相次いでいます。そのクマを駆除できるライフル銃などを使うには、第1種銃猟免許の取得のほかに都道府県の狩猟者登録などが必要ですが、狩猟者登録が全国的に減少しているといいます。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「クマ対策のハンター不足」について解説します。Q どうすればクマを駆除できるハンターになれるの?A 第1種銃猟免許を取る必要があるほか、警察の猟銃所持許可と都道府県の狩猟者登録を行う必要があります。Q 狩猟のための免許を取る人が減ってるの?A 具体的には免許を持っている人で狩猟者登録する人が減っているようです。岩手県では2024年度、第1種銃猟免許の所持者が2年連続で2000人を超えました。 でも、実際に狩猟者登録をした人は1471人と少なく、20年度に次ぐ少なさでした どうして?A 登録手続きは銃所持許可の申請と同時に行い、警察による身辺調査などがあり、手間がかかるため、登録をためらう人が多いようです。Q ハンターの年齢は高いの?A 岩手県内のハンターの半数は60歳以上です。県猟友会の寺長根実副会長は「今指導しないと、10年後はクマ撃ちの担い手がいなくなるかもしれない」と心配しています。Q 北海道では増えているの?A 北海道では第1種免許を持つ登録者が14年度から5200人台をほぼ維持していますが、道外からの狩猟者登録は増えているそうです。 とはいえ、長期的にみるとハンターは減少傾向にあります。

(クマ駆除で猟友会員の出動増加、日当引き上げる条例改正案を提出:長野)
長野県飯山市は2日開会した市議会定例会で、クマの駆除などで出動した猟友会員に対し、日当を2倍近くに引き上げる条例改正案を提出した。5700円から1万円になる。可決されれば10月1日から引き上げる。同市では今年4~8月のクマの出没件数が112件で、前年同期より13件増えた。4月には同市常盤の住宅などで、60~90歳代の男女3人が相次いでクマに襲われ重軽傷を負い、猟友会員が出動した。市はクマの出没件数の増加に加え、猟友会員の出動時の危険性や金銭的な負担などを考慮し、日当を引き上げることにした。

(ヒグマの「緊急銃猟」で市町村に2900万円支援:北海道)
北海道は2日、市街地でのヒグマの駆除を目的とした「緊急銃猟」に関し、市町村に必要な経費を支援する2900万円を含む2025年度一般会計補正予算案を発表した。9日開会の第3回定例北海道議会に提出する。

(人里に押し寄せるクマ、息絶えたクマの周辺に散乱していたのは殺虫剤:秋田)
鹿角市で7月に撮影された小屋は、クマが入口を破壊して、保管していた米ぬかを食い荒らしました。今年はこのように倉庫や車庫にクマが入り込んで保管中のコメなどがねらわれるケースが多発しています。人里への頻繁な出没とそこで食べ物を得られたという経験がクマの行動をさらに活発化、エスカレートさせ、人身被害にもつながりかねません。高い学習能力を持つとされるクマが小屋に入り込んだ大館市のある集落の事例を取材しました。大館市役所から北西に約8キロの場所にある山田地区。集落ではクマの出没や農作物が食い荒らされる被害が相次いでいます。去年まで地区の自治会長を務めていた赤坂実さん。先月22日、赤坂さんが設置したセンサーカメラが1頭のクマを捉えました。撮影されたのは午前2時半ごろ。近くの畑では栽培していたトウモロコシがクマに食い散らかされたあとが残っていました。クマが撮影された自宅裏の畑にある倉庫も荒らされました。赤坂さんは中に置いてあったはずの農薬の殺虫剤、3袋がなくなっていることに気がつきます。倉庫から50メートルほど離れた場所でクマはすでに息絶えていました。その周辺にはクマが口にしたとみられる殺虫剤の袋が散乱していました。今年の夏、畑で育てていたトウモロコシはクマの食害で壊滅状態になったという赤坂さん。クマの学習能力の高さを肌身をもって感じています。エサを求めて人里に現れるクマ。赤坂さんは人口減少や高齢化によって野生動物を押しとどめるヒトの力が弱まっていると強く感じています。今年は特に家庭菜園の被害と倉庫・車庫などへの侵入が多くなっています。県自然保護課などによりますと、家庭菜園ではこれまでクマが口をつけてこなかったというきゅうりやトマト、カボチャといった作物で被害が確認されています。また、倉庫や車庫にクマが入り込んで保管しているコメなどが荒らされるケースが多発しています。今年6月には五城目町でクマと鉢合わせた男性が襲われけがをしました。行動がエスカレートする背景には本来クマが持っている警戒心や習性を人間側の不注意や要因で崩してしまったものが見受けられます。事故防止の第一歩はクマの生態を理解することです。今年はブナの大凶作が予想されていて、これから先、エサ不足によってクマの出没がさらに増加することが懸念されています。クマを集落に引き寄せる可能性がある果樹や農作物、生ごみの管理を徹底すること、場合によっては電気柵の設置や作物の撤去も必要かもしれません。鳥獣保護管理法が改正され、1日から市町村の判断で緊急的に銃の使用が可能となりましたが、まずは身近な対策が必要です。

(北アルプス、クマ対策で町猟友会員を派遣:富山)
人を見ても恐れず、逃げようとしないクマの目撃が、北アルプス室堂平(標高2450メートル)周辺で相次いでいることから、登山者や観光客でにぎわう9月1日から12日までの間、町職員と町猟友会員である鳥獣被害対策実施隊員が、日中は県警山岳警備隊員の後方支援にあたることになりました。北アルプス立山の室堂周辺では、クマの出没が相次いでいます。7月から8月26日までの目撃件数は22件に上り、例年の約1.5倍に増加しています。8月14日には観光名所のみくりが池でクマが目撃されたほか、登山道でも成獣とみられるクマが確認されています。こうした状況を受け、立山町は8月28日に「立山室堂におけるクマ対策緊急連絡会議」を開催。会議には県自然保護課や山岳警備隊など約20人が参加し、対応策を協議しました。会議では、室堂周辺で目撃されているクマが人を恐れず逃げようとしない点が指摘され、観光客や登山者に対して食料・ゴミの管理徹底を呼びかけることが確認されました。協議の結果、9月1日から12日まで、立山町農林課職員1名と町鳥獣被害対策実施隊員1名を室堂平周辺に派遣することになりました。派遣された職員らは環境省職員1名とともに、県警山岳警備隊の後方支援を行います。派遣者は毎朝現地に向かい、夕方に下山する予定で、職員等はそれぞれ交代で対応します。富山県自然保護課の朝山弘康課長は「なかなかない異常な状況」と述べ、「クマのエサとなるごみを捨てるようなことがあると、人の食料に興味を持ってしまうので、絶対にやめていただきたい」と話しています。室堂でのクマの出没は9月下旬ごろまで続くとみられています。これから冬眠に向けてクマの行動範囲が広がることから、引き続き注意が必要です。

(ニホンジカ越冬、生態明らかに:福島)
雪が多い地域で生息が難しいとされるニホンジカが近年、東北地方に定着している。山形大農学部の江成広斗教授(森林動物管理学)らが福島県での調査を基に、雪国で越冬する生態の一端を明らかにした。積雪の状況で餌を変え、他の動物よりも幅広い樹種を食べていることが分かった。積雪量が多い年は、樹木の枯死につながる樹皮剥ぎが急増する傾向にある。シカは、積雪量が1メートルを超える環境では定着できないと考えられてきた。本県では絶滅したとされていたが、2009年度に大石田町で見つかって以降、目撃件数が増加傾向にある。県によると、23年度は239件だった。江成教授らは21~23年の晩冬、東北の中でも生息域の拡大が先行する福島県奥会津地方を山スキーで踏査した。シカが食べた樹木の種類や木の部位、採食量を記録し、1864本の樹木ではみ跡を確認。枝先や樹皮を食べた広葉樹、針葉樹は112種類に上った。樹種の多さは、同様の地域に生息するサルやカモシカの約4倍という。雪の中で効率よく餌を探すため、積雪量の増減に合わせて樹木を選び、食べていることも判明した。雪が多い年(1メートル以上の積雪が冬季の7割)は少ない年(同3割)と比べ、樹皮を食べる割合が7倍となった。樹皮は冬芽に比べて栄養面で劣るが、若木が雪に埋まり、樹皮を食べて空腹を満たしていることなどが考えられるという。シカは下草を食べ尽くし、樹皮を剥ぎ取るなど森林生態系に悪影響を及ぼす恐れがある。江成教授は本県などの生態系を予測する上で、奥会津の状況を注視する必要があると強調。「奥会津では、10年もかからずに植生の衰退が顕在化した地域がある。シカの分布拡大への対応は待ったなしの状態だ」と話す。調査結果は論文にまとめ、日本生態学会が発行する国際誌に掲載された。

(2024年度の野生鳥獣による農作物へ被害が3億円超:岡山)
岡山県が、2024年度の鳥獣による農作物の被害をまとめました。イノシシによる被害額が増加し、2016年度以降で最高額になりました。県によりますと、2024年度、イノシシ・シカ・サル・カワウなど鳥獣による農林水産業の被害額は約3億500万円でした。前年度よりも約2300万円増加しました。鳥獣別では、イノシシによる被害額が約1億1000万円で最も高く、前年度よりも約2600万円増えました。シカによる被害額が約2800万円、サルによる被害額が約2000万円でした。県は、防護対策を行っていない場所へイノシシが移動していることや、狩猟者の高齢化で捕獲が追い付かないことなどが要因だとしています。岡山県の狩猟者の登録数は、2024年度は4577人で、前年度よりも128人減りました。狩猟者うち6割以上が60歳以上です。イノシシの2024年度の捕獲頭数は2万9424頭で、2年連続で減っています。

(野生動物による農作物被害、昨年度は8000万円余り:鳥取)
県内で野生動物による農作物の被害額は、昨年度、8000万円余りで、前の年度より3000万円増えました。県のまとめによりますと、イノシシやシカなどの野生動物による農作物や林業への被害額は8100万円で、前の年度より3100万円増えました。このうち、イノシシによる被害が5800万円余りで最も多く、全体の7割を占めています。次いで、カラスが1000万円余り、シカが590万円余り、クマが50万円余りとなっています。被害額は、令和2年度以降、3年連続で減少していましたが、昨年度は増加に転じました。県は高温や乾燥などの影響で動物の餌となるドングリが少なくなり、動物が農地に出たことで被害が増えたとみています。県は、これから季節はコメや梨、柿などが収穫の時期を迎えることから、被害を防ぐための対策を農家などに呼びかけています。県鳥獣対策課は「被害を防ぐには、水田や畑などへの侵入を防ぐ柵の設置が効果的だ。これからの時期は被害が増える傾向にあるので、設置している柵の点検や管理の徹底をお願いしたい」と話しています。

(ハンターデビュー講座受講者を募集:長野)
県では狩猟者の育成や地域への定着を促進するため、狩猟免許を取得してから3年以内の人を対象に、実践的な知識・技術を習得できる「ハンターデビュー講座」を開催します。特に、狩猟経験が少なく、現場での活動に不安を感じている人はぜひご参加ください。

(クマ出没など相次ぐ中、麻酔銃扱う人材育成へ研修開始:山形)
県内の市街地でクマの出没などが相次いでいることを受けて、県は、市街地での捕獲に必要な麻酔銃の研修会を初めて開き、麻酔銃を扱える人材を増やす方針です。県によりますとクマやカモシカなどが出没した場合に市街地で利用されてきた麻酔銃を扱えるのは、山形市の獣医師1人しかおらず、緊急時や複数か所での出動が必要な場合の対応が課題となっています。県は麻酔銃を扱える人材を増やそうと8月末に寒河江市で初めての研修会を開きました。参加したのは新たに麻酔銃を使用する許可を得た、鶴岡市で鳥獣被害の対策にあたる担当者や、東根市の獣医師、そして捕獲に関わる猟友会や自治体の担当者およそ50人です。このなかで野生動物の生態に詳しい岐阜大学の淺野玄教授が講師を務め、▽麻酔銃から発射される「投薬器」が命中しても薬はすぐに効かないので命中したあとの動物の動きに注意することや、▽「投薬器」には薬が残っている可能性もあるので必ず回収するよう呼びかけていました。研修会は今年度中にあと2回行われ、麻酔銃の使用許可を得た2人が実際の現場で手順を確認するということです。鶴岡市の鳥獣被害対策推進員の小野寺レイナさんは、「研修を通して自分の経験値を高めていきたい」と話していました。

(多発する野生動物との交通事故、二次事故を防ぐ運転のポイント:北海道)
車体の前方は大きく壊れ、車内は真っ黒に焼けています。8月31日午前4時半前、札幌市手稲区西宮の沢6条1丁目の市道で、川岸に転落した車が炎上。火はおよそ1時間後に消し止められましたが、運転していた40代の男性が首の痛みを訴えて病院に搬送されました。警察によりますと、男性は「シカを避けようとした」と話しているということです。動物が関わる事故は他にも。8月30日午後8時ごろ、滝川市江部乙町の道央道で乗用車とクマが衝突。乗っていた4人にけがはありませんでしたが、車は前方のライトが壊れ自走できなくなったということです。運転していた男性は警察に対し、走行中、目の前に突然2本足で立つクマが現れたと話しています。クマは体長およそ1.3メートルで、その場で死にました。相次ぐ野生動物との交通事故。車で走行中に動物と遭遇した場合は、急ハンドルを避け減速することが大切だといいます。JAF札幌支部・山本洋平事業課長)「急なハンドルを切ってしまうと横に車がいるとそちらの方にぶつかっていってしまう可能性もありますし、もしくは道を逸れて滑落してしまうことも考えられるので、二次事故を考えると思いきりブレーキを踏んでいただいてできる限りぶつかった時の衝撃を少なくするのが重要です」。また夜間は遠くの動物に早く気づけるよう、ハイビームの活用も有効だといいます。動物や自分たちを守るため、「動物が飛び出すかも」という意識を常に持つことが大切です。

(シカ対策に協力を、那須塩原市が自治体版CF:栃木)
ふるさと納税の仕組みを利用した「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」で、市ネイチャーポジティブ課は犬猫の避妊・去勢手術の助成金と、湯本塩原の大沼園地でのシカの侵入防止柵の維持管理費を募る二つのプロジェクトを進めている。いずれも10月7日まで。市は2018年度から飼い犬と飼い猫、24年度からは野良猫も対象に避妊・去勢手術の助成金交付事業を実施。24年度は約650匹の犬猫に対して助成を行った一方、予算不足のために助成できないケースも生じたという。こうした状況を踏まえ、同課の月井翔平(つきいしょうへい)主事が財源確保のためにGCFを提案し、犬猫の殺処分ゼロにつなげようとプロジェクトを始動させた。目標額は200万円としている。GCFのアイデアは湿原保全事業にも応用した。大沼園地では、シカによるエゾミソハギやクサレダマなど希少な植物の食害が問題となっており、市は対策として24年に侵入防止柵の設置工事を行った。柵は今年完成したが、維持管理費などに必要な安定的な予算確保が課題だという。目標額は100万円。月井主事は「両プロジェクトとも多くの人の支援が不可欠。ぜひ協力してほしい」と呼びかけている。寄付は最低2千円から1円単位で受け付ける。返礼品はない。

(「銃砲店らしくない銃砲店」をつくる5代目:滋賀)
琵琶湖に面した滋賀県大津市に、「銃砲店らしくない銃砲店」をうたうユニークな店があります。1923年(大正12年)創業、100年以上の歴史を持つ「濵﨑銃砲火薬店」です。「狩猟や射撃の魅力をもっと多くの人に伝えたい。そして、その体験を通じて、自分が愛する滋賀の素晴らしさも広めたい」そんな想いを胸に、3年前に家業を継いだ次期社長・濵﨑航平さんは、店を拠点に新たな挑戦を続けています。狩猟や競技射撃に携わる人口は、約50年前をピークに減少の一途をたどり、現在ではその約6割が60歳以上。10年後、20年後を見据えたとき、若い世代に射撃の魅力を伝える必要があります。でも、銃砲店って正直入りにくいイメージがあるでしょう。だからまずは、気軽に足を運べる"きっかけ"をつくりたかったんです。その思いから、「銃砲店らしくない銃砲店」というコンセプトのもと、オリジナルのアパレル商品を展開し、誰もが立ち寄りやすい空間づくりに取り組んでいます。店に入ったお客さんは、『Tシャツが気になったから...』って言えるでしょう。さらに今年7月には、店舗の3階にクレー射撃のシミュレーター体験スペースを新設しました。今後は、ジビエ料理の教室や狩猟文化に関するトークイベントの開催も予定しています。大学進学を機に大阪へ通うようになってから、同級生に「滋賀って何があるん?」と尋ねられることが増えました。そのたびに「めっちゃ、ええとこなんやで」と説明するのですが、言葉だけではうまく魅力が伝わらない。滋賀の良さって、実際に暮らしてみないと実感しづらいんです。そんなやりとりを重ねるうちに、「自分は滋賀のことが好きなんや」と気付きました。ではその魅力をどう伝えれば良いのか?ちょうどドキュメンタリー番組を制作するゼミに所属していたこともあり、「やっぱり映像だ」と思ったんです。そこでもっと腕を磨こうと決意し、修行のつもりで東京に出ることにしました。月400時間も働いて、過労で体調を崩してしまったんです。実家に戻っても、1カ月ほどはダラダラと過ごしていました。特に目標ややりたいことが見つからなかったため、ひとまず家業を手伝うことになりました。4代目である父は長男だったため家業を継ぎましたが、本当はほかにやりたいことがあったそうです。僕は3人兄弟(濵﨑さんは次男)ですが、父には昔から「子どもに無理に継がせたくない」という思いがあったようで、家業について話をされることはありませんでした。だから正直、どんな商売をしているのかよく分かっていなかったんです。就職活動の時に「後を継ぐ」という選択肢が頭をよぎったこともありましたが、「あまり儲かりそうにないし、やりたくないな」と思いました。実際に店を手伝うようになると、銃についての知識がなければ、お客さんに商品を説明することすらできない。そこで銃砲所持の許可を取り、初めてクレー射撃を体験してみたら......これが驚くほど面白かったんです。クレー射撃は、「クレー」と呼ばれる素焼きの皿を空中に飛ばし、それを散弾銃で撃つ競技です。クレーが割れた瞬間の爽快感と達成感は、ほかのスポーツではなかなか味わえません。加えて、「日常生活では触れることのない実銃を撃つ」という、ある種の特別感もある。最初の一発は、心臓が高鳴るほど緊張しました。でも、それは体験してみないと分からない感覚なんです。そのとき、気が付いたんです。僕にはずっと「滋賀の魅力を伝えたい」という想いがあった。だったら、この「銃」というコンテンツを活かして、滋賀を盛り上げることができるのではないか、と。しかも、自分には家業という経営資源があるわけです。僕が「一から街づくりを始めます」と言ったところで、一人でできることには限界がある。でも、この店には、長年にわたって築かれてきた人脈、培った知識や技術がある。それらを活用すれば、自分にもできることがあるかもしれない。家業を継ぐことに対する不安はもちろんありました。けれど、その時はじめて「家業を継ぐ理由」ができたように思いました。だから、まずはみなさんにきっかけを提供することが大切だと考えています。それはジビエ料理を味わうことでも、サバイバル体験をすることでも構いません。最終的には、狩猟やクレー射撃に興味を持ってもらえれば、とても嬉しいです。実際に、ジビエ料理をきっかけとして狩猟を始めた女性もいらっしゃいます。やりたいことはたくさんありますが、その一つが琵琶湖でのピクニック。湖岸にシートを広げて、ジビエを使ったハンバーガーやおにぎりを楽しんでもらう。そこにガイドを招いて、滋賀の魅力を語ってもらうのも面白いでしょうね。毎日がおもしろくて仕方ありません。 仕事でもプライベートでも、僕の判断基準はただひとつ「楽しいかどうか」。自分自身がワクワクしているからこそ、その魅力を人に伝えられると思うんです。「アトツギ甲子園」という、全国の後継ぎたちが新規事業のアイデアを競う大会に出場するようになってからは、アトツギの仲間も増えました。昼間は店番をしているので、閉店後にそうした仲間や街づくりに取り組む人たちに会いに行っています。実は、大学生になるまで夢というものがありませんでした。 小学校の卒業文集でも「将来やりたいこと」を書けなかったんです。 でも今は、「狩猟や射撃、滋賀の魅力を多くの人に伝えたい」という明確な夢ができて、やりたいことが山ほどあり、体が足りないくらいです。大切なのは「何をやりたいか」だと思います。 「やりたいこと」が明確にあって、それを最短で実現する方法を模索したとき、上手に活かせば家業は最高の資産になるんです。先ほどもお話ししたように、家業には資産も人脈も経験も備わっています。 だから、家業を単に継ぐのではなく、むしろ「乗っ取る」くらいの気持ちで挑む。知り合いの後継ぎたちも、多くが何かしら「やりたいこと」を持っていますね。そういう人のほうが、義務感だけで家業を継いだ人よりも魅力的ですし、商売も成功している印象があります。仕事とは関係ありませんが、実はベッドにはかなりこだわっています。やりたいことが多すぎて、どうしても睡眠時間が短くなりがちなんです。だからこそ、限られた時間でしっかり疲れを取るために、睡眠の質をとことん追求しています。最近、大手航空会社のファーストクラスで使われているというムートンシーツを使ったベッドを購入しました。無重力の中に浮かんでいるような寝心地で、これまでにない快適さを実感しています。やっぱり一番の趣味は射撃ですね。月に2回ほど、全国各地で開催されているクレー射撃の大会に出場しています。今年6月には、福岡県で行われた日本クレー射撃協会の大会で自己ベストを更新し、6位に入賞することができました。この結果、全日本選手権への出場権を獲得し、さらに、2032年ブリスベンオリンピック出場を目指す「ネクストアスリート(次世代強化対象)」にも選んでいただきました。

(クマ逃げ出す音の「弾丸」装置:福島)
福島市は、住宅街を含む市内でツキノワグマの出没が例年に比べて激増していることから、クマが嫌がる音を出す装置を移動経路とみられる荒川流域の6カ所に設置した。装置は電子音を無作為に組み合わせて慣れを防ぎ、周波数を急激に変えて高い音圧で「弾丸」のようにぶつけることで恐怖感を与える。

(クレー射撃の宮坂七海がセトラスホールディングスに就職)
日本オリンピック委員会(JOC)は1日、就職支援制度「アスナビ」を利用し、クレー射撃女子の宮坂七海がセトラスホールディングス(高松市)に同日付で入社したと発表した。

(市街地でのクマ出没が増加)
市街地で相次いでいるクマの出没と人身被害が、9月以降、さらに増加する可能性がある。警戒心が強いとされるクマが、なぜ人前に現れるのか。クマの生態から見えてきた最新事情と、襲撃から身を守る対処法とは──。「駆除されたクマは地名にちなんで、“岩尾別の母さん”として知られていた雌のヒグマです。おとなしいクマとして地元でも有名で、“岩尾別の母さんがまた顔を出していた”という住民同士の会話も珍しくはなかった。人間を襲うなんて誰も想像していなかったと思います」(地元住民)。月14日、日本百名山のひとつ、北海道・知床の羅臼岳(標高1661m)で悲鳴があがった。午前11時頃、下山中だった26才の男性がクマに襲われ、翌日に遺体で発見された。現場周辺にいたヒグマと子グマ2頭が駆除され、その後のDNA鑑定で体長約1.4m、体重117kgの“岩尾別の母さん”が男性を襲った個体であることが判明した。「現場付近は狭い登山道で、ヒグマの餌となるアリの巣が集中しているエリアでした。現場にはクマ出没の注意喚起の看板が立っており、通過時に強い獣臭を感じる登山者も少なくない場所です。ふだんはおとなしい母グマが、足早に下山してきた被害男性に驚き、子グマを守るために襲撃したとみられています」(捜査関係者)。マの被害は登山者に限った話ではない。近年、市街地に出没する「アーバンベア」が一般の人々を襲うケースが増えている。7月4日、岩手県北上市で81才の女性が、自宅の居間に上がり込んできたクマに襲われて死亡。同月12日には北海道福島町で、新聞配達員の男性(52才)がヒグマに襲われて亡くなった。草むらに隠されるように倒れていた被害者の体には、腹部を中心に噛まれた痕跡が多数あったという。7月31日には、秋田県北秋田市で73才の女性がクマに襲われ、後日、死亡が確認された。首都・東京も例外ではない。8月12日には西多摩郡日の出町で、20日には青梅市の市街地で子グマが目撃された。23日には奥多摩町で渓流釣りをしていた50代の男性がクマに襲われ、顔を爪でひっかかれたという。別掲のグラフは、環境省による全国のクマの「出没件数」と「人身被害者数」の現状をまとめたものだ。2023年度の「出没件数」は2万4348件で、過去最高を記録。同年度はクマの餌となるどんぐりが凶作だったため、飢えたクマが街に出たと考えられていた。しかし、どんぐりが豊作となった翌年度も出没件数は2万件を超えた。東京農工大学教授でクマの生態に詳しい小池伸介さんが解説する。「少子高齢化や大都市への人口集中で地方の人口が減り、柿や栗が実っても、そのまま放置される地域が増えています。クマは学習能力が非常に高く、どんぐりの凶作をきっかけに山を下りたクマが柿や栗の味を覚え、“街にはどんぐりよりも魅力的な餌がある”と学習した。“人間が危害を加えない”ことも学んで、どんぐりの出来に関係なく、人前に現れるようになった可能性があります。また子グマは1年ほど母グマと過ごしますが、2023年度に母グマと街で餌を得た“成功体験”のある子グマが、親離れ後に山を下りているとも考えられます」。すでに大きな被害と恐怖心を作り出している“クマ被害”は、この先も注意を要する。今秋は再びどんぐりの「大凶作」が予想されている。冬眠を前にした飽食期に入る9月以降、クマは通常時の約3倍の餌を必要とするとされており、専門家の間では出没件数が凶作年の2023年度を大きく上回るのではないかとの懸念もある。さらには餌を求めたクマが生息域を広げ、予想だにしない場所に出没する危険性も指摘されている。万が一クマを前にしたらどう対処すればいいのか。小池さんは「個体差があり“絶対”はない」と前置きした上でこう話す。「大事なのは、クマを興奮させないこと。そのためには人間側がパニックに陥らないよう努める必要があります。大きな声を出したり、背を向けて走って逃げるのは絶対にNG。クマは動くものに反応する習性があり、時速50kmで追いかけてきます。クマの動きを見ながら、ゆっくりと後ずさりして距離を置くようにしてください」(小池さん・以下同)。では、出会った時点で距離が近く、いきなり襲われた場合はどうしたらいいのか。「骨格的にクマは、振り上げた腕を真下にしか下ろせません。二本足で立ったクマに腕を振り下ろされて、頭に大けがをする人が多いのはこのためです。クマ事故での死因は失血死が多く、太い血管を守ることが重要と考えられます。そのためにクマが攻撃してきたら抵抗せずにうつ伏せになり、両手を首の後ろで組んで首回りの動脈を守る。その間、強烈な攻撃を受けたり噛まれたりするかもしれませんが、クマが立ち去るまでがまんするしかありません」。一方で、市街地に出没したクマは駆除されるケースもある。冒頭の事件もそうだが、クマの駆除には非難の声も聞こえる。「クマ対策で難しいのは、人々のクマに対する印象が“怖い”と“かわいい”に分かれるところにあります。ただ、住宅街に現れたクマを檻で捕らえて山に返してしまうと、クマは“人間に捕まっても帰ってこられる”と学習し、すぐにまた人前に現れてしまう。一度でも人前に現れたり人間を襲ったクマは、安全のために駆除するしかないのが実情です」駆除されたクマはどうなるのか。2019~2023年に北海道で乳牛など66頭を襲い32頭を殺したと推定されるヒグマ(通称・OSO18)は、2023年7月に駆除され、食肉処理されて都内を含む数店舗のジビエ料理店で熊肉として提供された。「食肉として流通するのは、ほんのわずかな個体です。ほとんどの場合、クマの肉は食用にならず、地中に埋めて処理されるのが一般的です」。クマが人間の生活圏に侵入することが増えたことで、今年9月から「緊急銃猟ガイドライン」がスタートする。これまでは市街地にクマが出没しても、都道府県と警察官の許可がなければ猟銃の使用が認められなかった。だが今後は、市町村長の判断と指示で、委託を受けたハンターが猟銃を用いて素早く駆除できるようになる。法改正が必要なほど、クマの脅威はすぐそばに迫っているのだ。

(クマがスーパーに現れる時代:秋田)
散乱しているのは、かじられて間もないリンゴの皮や芯。枝は折られ、幹には爪の跡が。残されたフンの量感に驚く。秋田市河辺にある果樹園でツキノワグマによる食害の実態を見た。「やられたのは昨夜か今朝。わせ種『つがる』だけを狙っている。熟していない他品種には手も触れていません」。一休農園を経営する島田雄一郎さん(51)は侵入防止の電気柵を張りめぐらせた。だがクマは用心深い。枝伝いに飛び込んだり、地下の古い土管からもぐりこんだり。巧みに感電を避ける。過去にはレーザー光を飛ばし、ラジオを夜通しで流したが、効き目は限定的。「僕ら果樹農家には毎日が命がけの知恵比べ。危ないからアルバイトも雇えない。かじられたリンゴの損害も大きい。本当に困っています」。林野庁は7月、今秋の東北のブナの実りを大凶作と予報した。ミズナラやコナラまで凶作となればクマはエサに窮する。「その秋の豊凶をクマは春先に察知します。林野庁よりも早い。凶作とわかれば春や夏から人里に現れます」と秋田市の写真家、加藤明見さん(76)。クマを追って30年。狩猟者らと連携し、警戒先には感知式カメラを設置してきた。加藤さんの案内で、日本海に近い土崎港のスーパーを訪ねた。昨年11月末、侵入したクマが従業員にケガを負わせ、丸2日間も居座った店だ。加藤さんによれば、クマは自ら意図して店を襲うわけではない。たまたま安全圏から迷い出し、人と鉢合わせをしてパニックに陥ったとしか思えないと話す。周囲を歩くと、安全圏らしき草地がスーパーの近くに迫っていた。貨物専用の線路の跡だ。廃線となって雑草が茂り、クマの通り道に。スーパー侵入は、人間社会の撤退が招いた帰結の一つだったのかもしれない。「今年で終戦から80年ですが、クマから見ると前半40年と後半40年で生息環境が激変しました」。そう解説するのは、東京農工大教授の小池伸介さん(46)。

(キノコ採り中の恐怖の体験を男性が告白)
警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、クマとの遭遇について。「クマが上から降ってきた」。栃木県那須塩原市に住む男性K氏は、昨年、山中でキノコ採りをしていてクマに出会ったという。「突然のことだった。クマがいないか周りを警戒しながら採っていたんだが、頭上からクマが降ってくるとは想像していなかった」。この時K氏は、ブナの木の下でキノコを探していた。K氏の上に降ってきたのは子グマだ。それは文字通り、降ってきたという。「襲おうと飛び降りてきたのではなく、木を降りる途中で足を滑らせて落ちてきたという感じだった」。頭上の木の枝がガサっと大きく揺れた瞬間、見上げる間もなく、丸まった黒い物体が目の間にドサッと音を立てて転がったのだ。「クマだ!と思った瞬間、やられると思った」。子グマとはいえクマはクマだ。そのクマがK氏の目の前にいた。クマよけに爆竹を持ち、背中にしょっていた竹籠の中に手製の短いヤリを持っていたというK氏。「慌てて起き上がった子グマと目が合った。だけどオレは動かなかった。怖かったがジッと動かず、声も出さず、子グマを睨んだ」。K氏を見た子グマの目はおびえたように見えたという。「しばらく見合っていたら、子グマの方が背を向けて逃げていったんだ。木登りしながら遊んでいたのか、母クマが登らせていたのか、それともドングリを食べていたのか。オレはそれに気が付かず、木に近づいたんだろう。もし樹上にいたのが母グマだったら、オレはその場で殺されていたな」(K氏)「あそこで慌てて大声を出し、子グマを威嚇していたら…竹籠からヤリを出そうと動いたり、子グマにヤリを向けていたら…。近くにいただろう母グマに確実に襲われていたと思う。あまりに突然のことで、本当は驚いて身動きできなかったんだが、それがよかったんだろう。急な動きや大声はクマたちを驚かせる、襲われる危険が増すんだ。子グマがやられると思った母グマは、容赦なく人間に向かってくる。親子連れのクマはおっかないからね」とK氏は振り返る。「キノコ採りに夢中になっていると、下ばかり向いているから、近くにクマがいても気が付かないことがある。数メートルという距離で遭遇しても背中を向けて逃げてはダメ。急に立ち上がってもダメ。ゆっくり後ずさりするのがいいと言われるが、足場の悪い山の中で、クマを見ながら後ずさりすれば転ぶだけだ。転べばクマに襲われる。じっと我慢してやり過ごすしかない。クマに出くわした友人はそうやって助かった」とK氏。「これまでクマは、よほどのことがなければ人を襲ってこなかった。あっちだって人間が怖い。でも今のクマは違う。すぐに逃げなくなった。人間を見るのが初めてではないんだろう。こっちが動きを間違えば一瞬で向かってくる」。今までは人間を見つけると向こうから立ち去っていたが、今のクマは逃げないというのだ。「先日は県境の山の中でクマと出くわした」というが、それは山奥ではなく道路脇近くだったという。「気が付いた時には7~8メートル先にクマがいた。こっちを見ているので、オレも動かずクマと睨みあった。あそこで動いていたら襲われただろう。クマが背を向けて離れていったからよかったが、にらみ合った数分間は生きた心地がしなかった」と話す。K氏の周りでも、住宅街や別荘地でクマに出くわした、目撃したという話が増えているという。「クマが出たとニュースになった地域周辺の家で、高齢男性が裏の畑で飼い犬を連れて農作業していたら、犬がクマにやられて戻ってきたと聞いた。林にむかって犬が吠えたので、リードをはずしたら、そっちに向かって飛び込んでいった。キャーンという叫び声が聞こえて犬は戻ってきたが、クマの爪でやられたらしく、顔が血だらけだったそうだ」。いつまたクマが出るのか恐ろしいが、クマよけとなる有効な対策はないらしい。K氏は毎年お盆過ぎになると、キノコ採りに栃木や福島の山に入る。しかし酷暑のせいか、今年はキノコがほとんど生えていないという。「暑さで山に実る果物の出来もよくないようだ。どんぐりなどの木の実はまだ熟していないし、山の中にクマが食べてきたような食物が少ないんだろう」。「これまで人間はクマの住む山奥に入り彼らの生活を脅かしてきた。今は彼らが人間の住む街に降りてきて生活を脅かしている」というK氏。人里だけでなく住宅街にもクマが出る。クマの住む場所と人間の住む場所の間にあったはずの緩衝地帯がなくなったからだといわれる。どこがクマとの隣接地域なのか、クマの出没で初めて人間にはそれがわかる。目撃や出没情報のある近隣住人や山に入る人々には、避難訓練や防災訓練ならぬクマ被害対策シミュレーションが必要な時代になってきたようだ。

(牧場を襲ったヒグマ VS 取り残された牡牛:直良信夫『野外教室 : 生物生活の観察記』)
今夏、ヒグマによる人身被害の痛ましいニュースが世間を驚かせた。北海道では、歴史的にみてもヒグマによる人身や家畜への被害と隣り合わせの暮らしを営んできた。日本史上最悪の熊害事件「三毛別羆事件」や、登山中の学生らを襲った「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」など、多くの犠牲者を出した事件も少なくない。昭和23年(1948)に刊行された『野外教室 : 生物生活の観察記』には、家畜被害に関する興味深いエピソードが掲載されている。筆者は考古学者として数々の先駆的功績を残した直良信夫である。時は大正、直良氏の友人・Nさんは北海道の野を切り拓いて牧場にし、牛を20~30頭ほど飼育していたという。決して儲かっているわけではなかったので、人を雇うこともなく膨大な仕事を日々1人でこなしていた。夏も終わりに近づいたある夕暮れ時、Nさんは自分が牛たちを小屋に戻すのを忘れていたことに気づく。すると、突然ウーッ、ウーッという唸り声と共にモーウッ!と牛の荒々しい鳴き声がした。この時点でNさんは「どうせ牛同士が喧嘩でもしているのだろう」と思っており、目の前の仕事が終わるまで放っておこうと思った。しかし、外の騒々しさは増すばかり。そこでNさんが、牡牛を1頭柵の中で繋いでいることを思い出し、もしやヒグマの襲来かということに思い至った。途端に心配になって駆け出し、牛舎の角を曲がった所で、黒い巨体の後ろ姿が目に入った。ヒグマだ。ヒグマは牧場に侵入し、柵の中にいる牡牛を狙っているところだったのである。Nさんはヒグマの姿を見た瞬間に牛舎の脇にサッと身を隠した。そして、ヒグマと牡牛の様子を注視し、牡牛救出のタイミングを待つことにした。ヒグマは猛然と前足をあげ、牡牛に飛びかかると頭部を叩いた。ところが牡牛はそれでやられることなく、ぐっと耐えて頭を振ると、次の瞬間には角でヒグマの胸部を勢いよく突いたのである。強靭な角で力一杯突き上げられたヒグマは、その場に倒れると苦しんでもがきだした。胸からはどくどくと血が流れ、ヒグマがのたうち回るので辺りにも飛び散り、目も当てられないほどの凄惨な現場になったという。Nさんは慌てて牡牛のほうに駆け寄り、持っていた銃でヒグマにとどめを刺した。直良氏はこのエピソードの締めくくりとして、「ヒグマは、日本に棲む動物のうちでは、一番おそろしいけだものです」と記している。

(商業施設の倉庫など荒らされる、クマによる被害か:岩手)
31日朝、岩手県大槌町のショッピングセンターの敷地内で米ぬかを保管するための倉庫などが荒らされているのが見つかりました。警察はクマによる被害とみて詳しく調べるとともに、今月15日にも同様の被害が起きていることから注意を呼びかけています。31日朝、6時半ごろ、大槌町小鎚にあるショッピングセンター、「シーサイドタウンマスト」で、「敷地内にある倉庫がクマに荒らされたようだ」と従業員から警察に通報がありました。警察によりますと、駐車場の一角に設置されている精米機の脇にある、米ぬかを保管するための倉庫の扉を覆っていた段ボールが破られていたほか、同じ敷地内の別の倉庫の中にあったゴミが倉庫の外に散乱していたということです。警察は、現場にクマのものとみられる足跡や爪痕が残っていたことから、いずれもクマによる被害とみて詳しい状況を調べています。このうち、米ぬかの保管倉庫は今月15日にも扉を壊され、中にあった米ぬかを荒らされる被害を受けていて、管理するショッピングセンターはそれ以降、精米機の使用を中止しているということです。また、もう一つの倉庫は、ショッピングセンターの敷地内にあるホームセンターが管理していて、店長によりますと、31日朝の被害を受けて、倉庫にごみを置かないようにしたほか、倉庫に鍵やセンサーライトを設置するなどの対策をとったということです。ショッピングセンターに買い物に訪れた近くに住む70代の女性は、「去年もすぐ近くでクマを目撃しているので改めて不安です」と話していました。現場の周辺には住宅が多く建ち並んでいることから、警察が住民などにクマに注意するよう呼びかけています。

(トウモロコシ食害相次ぐ、クマか:秋田)
秋田県湯沢市でクマによるとみられるトウモロコシの食害が相次いでいる。8月以降、湯沢署が把握しているだけで7件確認され、被害は計700本余りに上る。いずれも民家が近いことから、署が注意を呼びかけている。「近所でトウモロコシの被害が出たと聞き、確認したらうちの畑もやられていた。ビニールハウスも壊され、困ったものだ」。湯沢市の70代男性が、食い荒らされた数本のトウモロコシを見ながらこう嘆いた。自宅裏の畑にあるビニールハウスは引き裂かれ、周辺にはビニールが散らばっていた。

(衝突したヒグマ死ぬ:北海道)
30日午後8時頃、北海道滝川市江部乙町の道央自動車道下り線で、乗用車がヒグマ1頭と衝突した。車を運転していた50歳代男性にけがはなく、クマは死んだ。道警高速隊の発表によると、現場は片側2車線のほぼ直線。クマは体長約1・3メートルだった。男性は「走行車線を走っていたところ、目の前にクマが立っており、はねた」と話しているという。

(ハウス内のブドウ食い荒らす、近くでクマの足跡やフン発見:北海道)
知内町でビニールハウスで栽培されていたブドウがクマに食い荒らされる被害がありました。被害があったのは知内町元町の住宅に隣接するビニールハウスです。(2025年8月31日)午前6時ごろ、この家に住む男性がビニールハウスに穴が開き中のブドウが食い荒らされているのを発見し役場に連絡しました。近くではクマの足跡と成獣のものとみられるフンも見つかっています。知内町内では今月(8月)上旬にも別の畑のデントコーンが食い荒らされる被害があり、警察は警戒を強めています。

(ハンターが猟銃を発砲するも、捕獲には至らず:北海道)
30日夕方、北海道南部のせたな町の民家近くでクマが相次いで目撃されました。このうち1頭にハンターが発砲しましたが、捕獲には至らず、警察が警戒を強めています。警察によりますと、30日午後5時半すぎ、せたな町瀬棚区北島歌で民家から約5メートルはなれた裏山で、木に登ったクマ1頭をパトロール中の警察官が目撃しました。クマは体長約1.2メートルで、30分後に木を下りて山の方に立ち去ったため、近くにいたハンター2人が追跡。山の中で1発を発砲しましたが捕獲に至らず、山の中に逃げて行ったということです。せたな町瀬棚区北島歌では、この日午前9時半ごろにも、別の民家の敷地にある物置の扉をひっかくクマ1頭が目撃されていて、警察がパトロールを強化していました。この2軒の民家は300メートルほどしか離れておらず、警察は同じクマの可能性もあるとみて、引き続き警戒を強めています。

(果樹園のモモ約500個がクマに食い荒らされる:秋田)
鹿角市の果樹園でモモやリンゴが食い荒らされているのが相次いで確認されました。痕跡からクマによる被害とみられています。鹿角警察署の調べによりますと、2日朝、80代の男性が鹿角市八幡平字一本漆の果樹園を確認したところ、モモ約500個が食い荒らされているのを見つけました。19日午後6時ごろから2日午前5時半ごろまでの間の被害とみられています。果樹園から直近の民家までは約80メートルです。また、鹿角市十和田大湯字下内野の果樹園では、1日、80代の男性がリンゴ約60個が食い荒らされているのを見つけました。31日午前9時ごろから1日午前9時ごろまでの間の被害と見られています。果樹園から約350メートルの場所には小学校もあります。いずれの被害も痕跡からクマによるものとみられていて、警察が注意を呼びかけています。

(今度はブドウ被害、2日続けてクマに食い荒らされる:北海道)
またクマによる被害です。北海道南部の知内町で、9月1日、家庭菜園のブドウが食い荒らされているのが見つかりました。現場は知内町元町にある住宅街の家庭菜園です。1日午前5時ごろ、農業用ハウス内にあるブドウが食い荒らされているのをパトロール中の町の職員が見つけました。ハウスは突き破られていて、中にはクマの足跡も複数残されていました。この近くにある別の農業用ハウスでも、8月31日にブドウの被害が確認されていました。これを受けて北海道は1日、知内町一円に「ヒグマ注意報」(期間:9月1日~9月30日)を発表。警察が24時間体制でパトロールを行うなど住民に注意を呼び掛けています。

(ウドがむさぼり食われ近くではクマの足跡:北海道)
北海道・小樽市の休耕地で8月31日、クマの足跡が確認されました。近くではウドがむさぼり食われた跡がも見つかっています。午前5時半ごろ、小樽市星野町の休耕地で、土地の所有者の70代男性がクマの足跡を発見しました。男性は地元の猟友会に所属するハンターに相談。このハンターが午前6時半ごろ、警察に通報しました。クマの足跡の近くではウドがむさぼり食われていて、クマによるものとみられています。小樽市は箱わなを設置する方針です。

(リンゴ園に出没した体長1・1メートルのツキノワグマ1頭を捕獲:青森)
青森県黒石市のリンゴ園で31日昼ごろ、体長約1・1メートルのメスのツキノワグマ1頭が捕獲されました。周辺では前日30日にリンゴ園でクマが目撃されていて、市は個体の特徴から同じクマと見ていますが、引き続き警戒にあたっています。捕獲されたのは体長約1・1メートルのメスのツキノワグマです。31日正午過ぎ、黒石市高館甲高原のリンゴ園に設置されたわなにクマが捕まっているのを園の関係者が見つけ、市に連絡しました。市内では前日30日にこのリンゴ園の周辺でクマが目撃されていて市は体長などの特徴から同一の個体の可能性が高いと見ています。一方で市内では31日までに15頭のクマが捕獲されています。4日時点では捕獲数は3頭だったため、この3週間あまりで急増しています。市は、クマの出没情報を確認・危険な地域には近づかないことを促すとともに、山に入る際などは複数人での行動や鈴やラジオなどを携行し、音を出しながら歩くことを呼びかけています。

(クマがまたブドウを:長野)
長野県千曲市で31日、クマによってブドウ畑が荒らされました。千曲市では、別の地区で21日と22日にもブドウが被害にあったばかりです。千曲市によりますと、31日朝、千曲市森地区の窪山展望公園付近のブドウ畑で、クマによる農業被害が確認されたということです。千曲市では、今回の場所からは直線でおよそ2キロほど離れた倉科地区でも、21日と22日にブドウ畑がクマに荒らされたばかりです。クイーンルージュとシャインマスカット、ナガノパープルなどが被害に遭いました。千曲市では、住民や通行する際に注意を呼びかけるとともに、夜間の外出を出来るだけ控えるよう呼びかけています。また、住宅や農業用倉庫などは鍵をかけてほしいとしています。

(クマ目撃、物置の扉をひっかく:北海道)
30日朝、道南のせたな町で、ヒグマが住宅の敷地内にある物置の扉をひっかいているのをこの家に住む人が目撃しました。物置の中には魚を保存している冷凍庫などがあったということで、警察は付近の警戒を強化するとともに住民に注意を呼びかけています。警察によりますと30日午前9時半ごろ、せたな町瀬棚区北島歌の住宅で敷地内にある物置のそばにヒグマがいるのをこの家に住む人が目撃したと、通報がありました。ヒグマの体長は1メートル80センチほどで、立ち上がって物置の扉をひっかいていたということです。物置の中には魚を保存している冷凍庫などが置かれていたということですが、ヒグマは扉を開けず、10分ほどで森がある南の方向に立ち去っていったということです。住人にけがはありませんでした。警察によりますとその後、現場近くにヒグマがいることが確認されたため、午後6時すぎにハンターが1発発砲しましたが、駆除はできなかったということです。現場は、須築漁港の近くの住宅が点在する地域で、警察は付近の警戒を強化するとともに住民に注意を呼びかけています。道南のせたな町で30日朝、ヒグマを目撃したという70代の女性は、「2、3年前にも自宅の裏山にヒグマが出没したことはあったが、おとといに続き、けさも自宅の目の前にまで来てびっくりしました。ヒグマは人の背丈ほどの大きさがあり、10分くらいはうろついていたと思います。ヒグマは体も顔もすごく大きくて、恐ろしかったです」と話していました。

(クマがウコッケイくわえて立ち去る:岩手)
1日午後3時55分ごろ、雫石町長山の農業野々村正男さん(69)方の畑で、ウコッケイ1羽をくわえて立ち去る体長約1メートルのクマを妻が目撃した。敷地内の鶏小屋で2羽が死んでいるのが確認された。

(シカのフン拾い観光資源に:大分)
シカのフン、買い取ります――。大分県 九重ここのえ 町の 九重くじゅう ・ 飯田はんだ 高原観光協会は6日、くじゅう連山の麓、 長者原ちょうじゃばる 園地で観光客らが拾い集めたフンを買い取るイベントを開く。芝生広場のあちこちで目にするフンを固形燃料や着火剤として商品化できないかどうか今後、検討する。「ただ楽しむだけではない観光」を掲げ、観光客らが地域の課題に主体的に関わるきっかけを提供しようと、初めて企画した。園地周辺で6、7日に開催する「やまなみ感謝祭」の関連イベントとして、6日午前11時~午後3時に買い取り所を開設する。フンを500グラム以上集めた人に300円を支払う。軍手や火ばさみなどは受付で配布する。シカやイノシシなど鳥獣による農作物被害は全国的な課題となっている。九重町内では近年、特にシカの害が目立つという。大分県によると、2024年度の同町内の捕獲数はイノシシの876頭に対し、シカは2481頭に上る。シカは2000頭を上回る年が続いており、過去にイノシシの駆除を優先していた影響もあるとみられる。カが増えるにつれてフンも目につくようになり、関係者からはイメージダウンを心配する声が上がる。同観光協会事務局次長の川辺憲親さん(51)は「園地ではこれから秋にかけて、シートを広げて寝転がるお客さんも多くなる。(フンは)衛生的にも良くない」と話す。同観光協会によると、感謝祭の実行委員がイベントの内容を話し合う中で、観光客らを巻き込んだ買い取り所開設のアイデアが浮かんだという。長崎県西海市の動植物園「長崎バイオパーク」では、乾燥・加熱処理したキリンなどの草食動物のフンが着火剤として利活用された実績があり、固形燃料や着火剤として商品化できないか検討する。じゅう連山一帯ではこれまで、地元の住民やNPO法人、企業などが登山道の整備や、野焼きに代表される自然環境を守る活動に取り組んできた。同観光協会は今後、こうした活動を観光資源と捉え、観光客らに参加を促したり、理解を深めてもらったりする「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」に本格的に取り組む考えだ。川辺さんは「フンの買い取りは、その第一歩。従来の消費型観光とは違う新しい観光モデル構築のきっかけにしたい」と参加を呼びかけている。

(ジビエ知るきっかけに:石川)
里山のにぎわい創出に取り組む山立会(白山市木滑)は、ジビエを使った料理などを楽しめるイベントを13日に同市上野町のバードハミング鳥越で、シカによる植生や田畑への被害を学ぶシンポジウムを27日に野々市市の県立大で、それぞれ開く。13日のイベントは「ジビエ&フードフェスティバル」で、県内の食肉処理業者や狩猟団体などがジビエを使った料理を提供。イノシシのミートボールやから揚げ、シカの焼き肉などが味わえる。野生動物の肉をもとに製造したペットフードや、シカの骨を使ったアクセサリーを販売する。

(シカ肉の缶詰を商品化:徳島)
三好市東祖谷の食料品卸業・谷口商店が、ニホンジカを使ったジビエ(野生鳥獣肉)の缶詰「鹿缶」を発売した。ジビエの有効活用と地場産加工品の消費拡大で、地域の活性化につなげるのが狙い。鹿缶は、みそとしょうゆの2種類の味付けを用意。国産ジビエ認証を取得している地元の食肉加工処理施設「祖谷の地美栄」で処理されたニホンジカの新鮮なもも肉を使い、歯ごたえがある地場産の祖谷こんにゃくと一緒にじっくり煮込んだ。パッケージは、爽やかな笑顔の落ち武者が迷惑そうな表情のシカと肩を組むインパクト抜群のデザイン。インバウンド(訪日客)にも手に取ってもらえるよう、上下両面に英語で商品名を印字している。同商店は旅館「旅の宿奥祖谷」を運営しており、宿泊客らに提供しているジビエ料理をベースに東祖谷ならではの土産物を開発しようと企画。経済産業省の小規模事業者持続化補助金を活用し、商品化にこぎつけた。谷口晃司代表取締役(65)は「山の恵みをおいしく詰め込んだ。お酒のおつまみや熱々のごはんに相性ぴったりなので、ぜひ味わって」と話している。市内外の観光・宿泊施設や道の駅などで販売している。174グラムで、価格は900~950円(税別)。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午後4時ごろ、仙台市青葉区みやぎ台4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午後1時40分ごろ、仙台市泉区松森戌亥沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、2日午後5時10分ごろ、富谷市穀田土屋沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後7時ごろ、仙台市泉区北中山3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午前6時ごろ、仙台市青葉区上愛子遠野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、1日午後2時30分ごろ、富谷市今泉瀬戸ケ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8月31日午後2時20分ごろ、仙台市泉区小角日陰にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8月31日午前4時50分ごろ、仙台市泉区小角日陰にクマが出没しました。

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(道猟友会“市街地ではハンターが発砲中止判断可能”の見解:北海道)
緊急時に市町村の判断で市街地のクマを猟銃を使って駆除することが可能になるのを前に、北海道猟友会は、ハンターが責任を負うリスクが拭いきれないとして発砲に疑念がある場合は、ハンター自身が中止を判断することができるとする見解をまとめました。法改正によって来月1日からはクマが市街地に出没したときに市町村の判断で猟銃を使って駆除することが可能になることから、北海道猟友会は実際に発砲するハンターの対応手順や人身事故が起きたときの責任の範囲などの確認を進めています。こうした中、道猟友会はこれまでの国の説明ではハンターが責任を負うリスクが拭いきれないとして、市町村が発砲を判断しても安全の確保に疑念がある場合はハンター自身が中止を判断することができるとする見解をまとめ、29日、道内の各支部に通知することにしています。また、市町村からの出動の要請に応じないことも容認する方針で、猟友会の堀江篤会長は「自分の身は自分で守るためにも各地の猟友会や現場のハンターには出動や発砲の要請ごとに慎重に判断してもらうしかない」と話しています。

(ハンター責任「通常、問われず」、環境省が回答と知事:北海道)
北海道の鈴木直道知事は29日の会見で、市街地に出没したヒグマなどの「緊急銃猟」で、人的被害が出た場合のハンターの責任について、環境省から26日に「市町村長の安全確保のもとで実施をされ、通常、捕獲者の責任を問われることにならない」と回答があったことを明らかにした。ハンターの間では発砲に伴う刑事、行政責任を問われるとの懸念が根強く、北海道猟友会はハンターが自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針だ。北海道は29日、回答内容を道猟友会に説明した。鈴木知事は「猟友会の不安解消に向けて、国も含めてしっかり向き合って対応していくことが大事だ」と述べた。

(クマ対策で来年度当初予算37億円計上)
環境省は29日、2026年度当初予算の概算要求を発表した。25年度当初比19%増の7097億円で、クマに対応する人材の育成のほか、金属やプラスチックの資源循環を加速させる新規事業を盛り込んだ。クマ関連では37億円を計上した。自治体が専門職員を雇用する際の費用を補助するほか、防護柵の設置や、クマが人里に出てこないよう森との間に「緩衝帯」を設ける取り組みも進める。

(「クマ出没警報」来月30日まで延長へ:山形)
県内でクマの目撃情報が相次いでいることを受けて、吉村知事は先月から出している「クマ出没警報」について、来月30日まで延長することを明らかにしました。警報発令の延長は初めてだとして注意を呼びかけています。県内ではことしに入ってからクマの目撃が相次ぎ今月24日までの件数は903件にのぼり、年間で最も多かった令和2年の795件をすでに上回り過去最多となっているほか、クマに襲われ5人がけがをしています。これを受けて吉村知事は29日の記者会見で先月3日から31日までの期間で出されている「クマ出没警報」について、来月30日まで延長することを明らかにしました。吉村知事は「警報発令の延長は今回が初めてで異例のことだ。山に入ったり農作業を行ったりする際は、音が出るものを携行するなど、1人1人が身を守る行動を取って欲しい」と注意を呼びかけました。クマをめぐっては市街地への出没も相次いでいて米沢市など県内の3つの市はクマが川沿いを移動して出没するケースが多いとして、川沿いなどに生え、クマが隠れやすい「支障木」の伐採を進めることなど6項目の対策を県に要望しました。これを踏まえて吉村知事は「緊急に対応すべき内容、例えば支障木の伐採については9月補正予算での対応を含め、検討したい」と述べています。

(改正法施行前に対応手順確認の研修会:岩手)
クマなどが出没した際に市町村の判断で特例的に市街地で猟銃が使える改正法が来月1日から施行されるのを前に、対応の手順を確認する研修会が岩手県釜石市で開かれました。29日県と釜石市が主催した研修会には沿岸部にある市町村や地元の猟友会、警察の担当者など合わせて30人あまりが集まり、県の担当者から、クマの生態や、来月から施行される改正鳥獣保護管理法に沿ったガイドラインの内容について説明を受けました。この中で担当者は、特例的に市街地で猟銃を使用できるのは、▽危険な鳥獣が人の日常生活の圏内に侵入していることや、▽緊急に被害を防ぐ必要があること、▽猟銃以外の方法では迅速な捕獲が難しいこと、▽住民などに弾丸が到達するおそれがないことといった、4つの条件を満たす必要があると説明しました。また住民の安全確保などのため、通行禁止や住民の避難が必要だとして、参加者に具体的な手順を示していました。県沿岸広域振興局の菊池恭志保健福祉環境部長は「クマの対応としてはこれまでと変わらず追い払いや出没しない環境づくりを中心としつつ、いざという時に慌てないように体制整備を進めていただきたい」と話していました。

(クマへの対策強化に関わる補正予算400万円を発表:青森)
クマの目撃が過去最多を更新するペースになっていることから、青森県弘前市が対策強化に乗り出しました。「箱わな」の購入経費の補助引き上げや、すべての小中学校への撃退スプレーの配備などが盛り込まれています。弘前市の櫻田宏 市長は29日に会見を開き、クマへの対策強化に関わる補正予算400万円を発表しました。弘前市のクマ目撃件数は27日時点で80件、過去最多となった2023年度の同じ時期より21件増えています。また、捕獲は96件で23年度より41件増え、対策は急務です。これを受け、「箱わな」を購入する時の補助率を「2分の1」から「3分の2」に、クマの侵入を防ぐ電気柵の補助率を「3分の1」から「2分の1」に引き上げる方針です。弘前市 櫻田 宏 市長「今年は2件の人身被害も発生しております。身の危険を感じるような状況になっているので、まさに災害のような対応をしなければいけない」このほか、子どもたちの安全を守るために市内すべての小中学校にクマ撃退スプレーを1つの校舎に2本ずつ配備するなど、クマ対策を喫緊の課題として強化しています。

(マツタケを狙うサルの姿に生産者も困惑:長野)
サルがマツタケを食べる衝撃のシーンも…生産者の課題、悩みは尽きないようです。県内のマツタケ生産関係者向けの研修会が塩尻市で開かれました。研修会には、県内のマツタケ生産関係者や、各自治体の林業担当者など約70人が参加しました。長野県が日本一の生産量を誇るマツタケですが、県産に限らず国産マツタケは生産量が激減しています。再び、マツタケの採れる山・環境づくりのノウハウを共有しようというのが、研修会の目的です。ただ、課題は多く…。安曇野市の生産関係者の発表の中で、サルがマツタケを食べるシーンが紹介されました。これまでも、サルが「マツタケをちぎっているのでは…」という疑いがありましたが、実際に食べている場面を映像で捉えたということです。獣害に加え、今年は高温も気になります。長野林業総合センター 古川仁特産部長「高温が秋まで続くとちょっと困ったものだが、ある程度の暑さはシロ(マツタケが出る母体)の成長には良いというデータもある」。暑さは吉と出るのか凶と出るのか…。「信州のマツタケ」シーズンはすぐそこです。

(令和7年度ジビエハンター育成研修(オンライン)の受講者募集)
9月末より、ジビエハンター育成研修(オンライン)を4日程で開催。全国でニホンジカ・イノシシによる農林業被害が深刻化し、捕獲が推進されています。一方で、優良な食肉資源であるシカやイノシシ肉をより多くの皆様に安全安心な品質で供給するためには、捕獲者が、野生動物を捕獲するだけではなく、「食材」として扱うための高度な知識と技術が必要です。そこで、農林水産省では、2023年(令和5年)3月よりジビエハンター育成研修制度を開始し、これまで約1,000名の方にジビエハンター育成研修を受講いただいております。この度、株式会社一成では、本制度の委員会事務局として、今年度も野生動物の捕獲従事者を対象とした食肉利用に適した捕獲、異常の確認、および衛生管理等の知識を習得いただく、ジビエハンター育成研修(オンライン)を4回開催します。受講者いただいた方には、本研修会の研修修了証を受講者に授与します。(但し、全てのカリキュラムの受講と理解度チェックを回答した者に限ります)。※ ジビエハンターとは、シカ、イノシシを食肉に適した方法で捕獲から搬入までの衛生管理を学んだ捕獲従事者としています。ご自身のジビエの食肉処理施設で本研修を開催する実施機関を希望される場合は、別途問い合わせください。

(全国で“クマ被害”が急増、専門家が警告)
2005年に「世界自然遺産」に登録され、国内外から多くの観光客が訪れる北海道・知床。その知床半島にそびえる知床火山群の主峰である羅臼岳(らうすだけ)で、痛ましい事故が起こった。夏山シーズン真っ盛りの今月14日、登山中の20代男性がヒグマに襲われ、その後、遺体で見つかった。その翌日にハンターらが親子グマ3頭を駆除。DNA鑑定の結果、母グマが男性を襲った個体であることが発表されている。クマの被害は本州でも……。秋田県では、7月に障害者施設でクマに襲われ意識不明だった入所者の女性が、そのケガが原因で死亡。23日には、東京・奥多摩町のキャンプ場近くで川釣りをしていた50代の男性がクマに襲われ、顔を負傷している。他にも岩手県の中学校では、クマが校舎に侵入。副校長が身をていして生徒を守ったというニュースが報じられた。さらに富山県の北アルプス・薬師岳の山道でもキャンプ場にクマが出没し、お菓子や飲み物などを持ち去ったという。幸い岩手県と富山県の2つの事例は人的被害が発生しなかったが、クマが人間の生活圏に近づいていることは間違いないだろう。このように特に今年は全国的にクマの被害が目立つ。実際、環境省のまとめによると、4月から7月末までにクマに襲われて負傷するなどの被害にあった人数は、全国で55人に上っているという。ネットでも連日、クマの被害に関するニュースは注目を集めているが、目立つのが「(人里に下りてきた)クマは問答無用で駆除されるべきだ」という意見。実際に、8月14日からYahoo!ニュースの『みんなの意見』で、「クマが出没する地域の安全対策としてどのような方法が有効だと思いますか?」というアンケートが実施されているが、8割以上の投票者が「ハンターによる駆除」を選んでいる(8月27日現在)。ではなぜ、人間の生活圏にクマが頻繁に出没するようになったのだろうか。「2010年頃までは市街地にクマが出てくることは、稀だったのですが……」。そう話してくれたのは、北海道野生動物研究所の所長であり、農学博士、獣医学修士の門崎允昭氏だ。門崎氏は北海道に生息するヒグマの生態を長年調査。ヒグマの研究をライフワークとする、この道50年以上のキャリアを誇る第一人者である。門崎氏によると、明治時代から市街地や農地、放牧場などに出てきたクマは害獣として、ほぼ年中、銃で駆除されていた。それ以外にも日本では狩猟としてクマを銃で捕殺してきた歴史があるという。「2010年頃までは、銃によるクマの捕獲が主流で、強烈な爆発音(銃声)を恐れたクマは、市街地に出てこなかったのです。ところが、その後、檻罠を仕掛けてクマを獲るようになった。その結果、罠にかからなかったクマが人里や市街地に出てくるようになり、今に至っています」。門崎氏は「鉄砲だと、人が常にクマを探し回る必要があるが、罠だとそれが必要ない。そのため、銃によるクマの捕獲が減り、結果的にそれがクマ出没の増加につながっている」と推測している。ただ知床のように、人とクマがうまく共存してきた地域があることも確かだ。行政はクマ対策としてクマよけスプレーを携行し、いざという時は噴射することを推奨している。しかし、その対策は本当に正しいのだろうか。門崎氏によると「行政が携行を奨励している『クマよけスプレー』は、本気で人を襲ってくるクマには全く無力。クマはガスで吹きつけられても、人を襲い続けます」と断言する。さらに実際にクマに襲われた際の対応方法にも疑問を呈した。「北海道の担当部署が作成したパンフレットでは、クマの攻撃は30秒から1分で終わるため首の後ろを手で覆い、地面に伏して、頸部や後頭部への致命傷を防ぐという方法を勧めています。しかし、クマに襲われた場合、そんな対応は全く無意味です。北海道(行政)のヒグマに対する知識は素人以下といえます。私が過去に調査した事例を見ると、クマに襲われて生還した人の多くは刃物で反撃するなどしていたことがわかっています」。それらを踏まえたうえで、門崎氏が推奨する必須アイテムが2つある。「ホイッスルとナタです。クマは人と不意に遭遇すると、人を排除する目的で襲ってくる事があります。それを避けるためにも、遠くまで音が鳴り響くホイッスルを吹きながら歩くべき。北海道は熊鈴の携行も推奨していますが、ラジオは風や流水の音が大きいと聞こえないため、適していません。ナタはもちろんクマに反撃するためのものです。クマは少しでも血が出るような傷を負うと、攻撃を止めることがわかっています」。つまり、クマと出くわしたら最後、死んだ振りやスプレーはほとんど意味をなさず、ナタという武器を手に本気で格闘する覚悟を持たないといけないということだろう。ただ、登山や山菜取りに行ってクマと遭遇するならそれもわかるが、民家や市街地の道路などでクマに出くわすことも珍しくなくなってきている。普段からナタを持ち歩くことは現実的ではない。そこで行政が取るべき対策の一つとして門崎氏が推奨するのが、人とクマとの境界線に有刺鉄線の柵を張り巡らせることだ。「クマは有刺鉄線の柵を越えて出てくることはありません。柵の設置は、現在すでに設置されている高速道路の動物侵入防止柵の状況を見れば可能なはずです」と門崎氏は提言する。クマの出没が増えたのは、ここ数十年の間の気象条件の変化や、自然環境の破壊、観光客による“餌付け”などが要因になっていることは想像に難くない。人とクマを取り巻く環境は大きく変化しており、クマとの付き合い方も再考する時期にきているのは間違いないだろう。「『この大地は全ての生き物の共有物』という考えから、我々にできることはたくさんある」という門崎氏。「(特に)有刺鉄線の柵の設置は急ぐべき。そうしない限り、クマが市街地に出てくるなどの問題は、今後何十年も続くでしょう」と締めくくった。日本ではハンターの高齢化と後継者不足により、クマの駆除もそう簡単にできる時代ではなくなっていくだろう。行政には手遅れになる前に必要な対策を講じてもらいたい。

(クマによる人的被害は過去最多ペースに、「まちづくり」は発想の転換を:オルタナ総研所長=町井則雄)
記事のポイント ①クマによる人身被害やシカによる食害など、野生動物による被害が深刻化する ②まちづくりには、野生動物リスクに対するレジリエンスな視点が不可欠に ③自然から借りていた「場所」を自然に還していくという発想転換が重要に。近年、クマによる人的被害、シカやイノシシによる食害など、野生動物による被害が深刻化している。これからのまちづくりには、「自然との共生」を前提とした野生動物リスクに対するレジリエンスな視点が欠かせない。これまで自然から借りていた「場所」を自然に還していくという発想を持たなければいけない。環境省のデータによると、2023年のクマによる人的被害は過去最多の219人に達し、今年も7月末時点で55人と同様のペースで推移する。政府は4月、改正鳥獣保護管理法を成立させ、これまでは一切認められていなかった市街地での猟銃使用を市町村の判断で可能にするなど、法制度も現実に合わせた対応を迫られる事態となっている。しかし、その現場対応を担うハンターの数は高齢化に伴い激減している。環境省のデータによると、狩猟免許所持者は1975年の約52万人から2020年には約22万人まで減少し、うち約58%が60歳以上である。この数には猟に出ていないペーパーハンターも含まれており、狩猟登録をして猟を行っているハンターは約13.7万人と免許所持者全体の63%程度だ。制度は前進したが、現場の担い手不足という課題はむしろ後退している。

(りんごの『ニホンジカ食害』も深刻!囲いわな初導入で対策へ:青森)
黒石市はことしの冬ニホンジカによるりんごの木の深刻な食害が発生したことを受け、シカ用の囲いわなを初めて導入しました。黒石市花巻地区で開かれた囲いわな設置講習会には、地元のハンター6人が参加し、組み立て方や運用方法を学びました。わなは鉄製のパネルや扉をパイプで連結するしくみです。シカがエサを求めて入ると、センサーが検知して扉が閉まります。黒石市では昨年度、ニホンジカにりんごの木の皮を食べられる被害が多く発生し、被害額は1,733万円にのぼります。りんご園の9割にあたる180本の木がニホンジカの被害に遭った生産者は、囲いわなに期待しています。黒石市では囲いわなを秋まで設置し、効果を検証することにしています。

(外傷なくても肺破裂「クマは追い払った!」と胸を張る男性)
クマに襲われて大けがをするなど、各地で動物によるけがの事例が起きています。野外での活動が多くなる夏場は、動物にかまれたり刺されたりする被害が多くなる時期です。もし被害に遭ったら、どのように対処すればいいのでしょうか。国際医療福祉大学医学部教授(救急医学)の大塚洋幸さんに聞きました。――動物によるけがで救急を受診する例には、どのようなものがありますか。比較的多くみられる事例は2種類あります。一つは犬や猫などのペットによるけが、もう一つは身近な生き物であるハチや蚊といった昆虫、マムシなどのヘビによる被害です。ただ、どのような動物と接触するかは地域によっても異なっていて、以前勤めていた神奈川県の病院では、クマやイノシシといった大型の動物に襲われた事例も診ました。また、海が近い場所では、毒のあるクラゲやオコゼなどに刺される例も多いです。――診察された患者さんで、印象に残っている症例はありますか。以前、神奈川県で診た男性は、何かに足をかまれたものの、ポチッとした点があるくらいだったので、1週間ほど放っておいたそうです。そうしたら足がゾウのように腫れあがり、皮膚もぐちゃぐちゃになってしまい、受診されました。ダニが媒介するツツガムシ病という感染症でした。男性は糖尿病で、その影響もあって感染が広がってしまったのです。足の切断まではいきませんでしたが、皮膚を何度か移植し、半年ほど入院しました。回復したものの、関節や足首を菌にやられてしまい、歩行には障害が残りました。イノシシに衝突された患者さんを診たこともあります。爪や牙による外表面上の傷はなく、「痛みはない」とおっしゃっていたのですが、調べてみると、ぶつかった時の衝撃で背骨が折れており、体内では 脾臓ひぞう が破裂して出血していました。イノシシやクマなどの大きな動物に襲われた場合によくみられるのですが、けがの直後は興奮状態のため、痛みを感じないことがあります。クマに襲われた男性を診た時も、 肋骨ろっこつ が折れ、肺が破裂していたにもかかわらず、「クマは追い払った」「痛いところはない」とおっしゃっていました。動物の口内には雑菌が多く存在しています。そのため、かまれた傷から細菌やウイルスに感染する恐れがあります。野生動物だけでなく、ペットも注意が必要です。ある統計では犬にかまれて受診する例が猫の10倍近くあるといわれていますが、感染が重症化する例は猫の方が多いです。また、福祉施設や保育施設などで人にかまれることもありますが、これも軽くみてはいけません。人間も動物ですから、唾液には雑菌が多く含まれています。毒を持つ動物にも注意が必要です。毒ヘビとして知られるヤマカガシは、かまれると大きく腫れ、血の巡りが悪くなって患部が 壊死えし することがあります。ヘビは種類によって対応が異なりますので、余裕があれば、かんだ動物を携帯などで撮影しておいてもらえると参考になります。ちなみに、マムシ、ハブ、ヤマカガシなどの毒を持つヘビにかまれた場合は、入院が必要となることが多いです。――動物にかまれたら何をすればいいですか。手足の太い動脈をかまれたりして大出血している場合や、ハチに刺されるなどして全身に強いかゆみが出たり、息苦しい、血圧が下がって意識を失うといったアナフィラキシーを起こしている場合は、迷わず救急車を呼んでください。そこまでではない場合、自分でできる対処としてはまず止血です。服の上からのけがで患部が分からない場合は、服を脱いだり切ったりして、出血している部位を押さえてください。おおむね血が止まったら、感染予防のため、水でよく洗い流します。流水で5分以上流すのがポイントです。その後は、氷などで布の上から冷やして、腫れを予防してください。海の生物の場合は少し異なります。クラゲに刺された場合は、真水ではなく海水で洗ってください。そして、毒針をピンセットなどで極力、取り除いてください。オコゼの場合は、冷やすと痛みが強くなるので、温水で温めてください。毒の不活化にも役立ちます。――大出血やアナフィラキシーの場合は救急車を呼ぶと分かりましたが、それ以外で病院に行くかどうか見極めるポイントはありますか。かまれた場所がすごく腫れてきたり、痛みが全然引かなかったり、症状が悪化していると感じた場合はすぐに受診してください。感染の重症化を防ぐには、感染源の除去、破傷風予防、抗生剤投与など早期の適切な治療が重要です。大きな動物の被害に遭った場合は、外傷がなくても骨や内臓が損傷していることがあるので、医療機関で診てもらってください。特に、糖尿病の人やステロイドを内服している人、抗がん剤治療で免疫が低下している人など、基礎疾患や治療中の病気があると、感染症がひどくなりやすいです。時間がたつと感染部位が広がって重篤化してしまいますので、なるべく早く受診することが大切です。場合によっては皮膚の組織を切り取るなどの処置が必要となるので、受診先は救急科や外科(形成外科)などの外科的対応が可能な医療機関が良いと思います。必要に応じて、専門家を紹介してもらうことをお勧めします。

(エサの木の実の実り具合を調査:富山)
これからはクマの活動が活発になる時期です。現在、県内の山ではクマのエサとなる木の実の実りが、ミズナラが「不作」、ブナは「凶作」となる見通しで、平野部へのクマの出没が心配されています。きょう、木の実の実り具合を調査する現場を取材しました。県森林研究所森林環境課・中島春樹課長「見えますかね、木の皮剥がれてますよね。あれがクマハギといって」。きょう午後。クマが木の皮を剥ぐ「クマハギ」の生々しい痕跡が残る立山町芦峅寺の山中です。山にはクマのエサとなるミズナラが群生していて、県森林研究所が毎年この時期に木の実の実り具合を調べています。実りは4段階で判定され、凶作に近いほどクマがエサを求めて平野部に下りやすいとされていますが…県森林研究所森林環境課・中島春樹課長「パッと見あんまりついてないですよね、これね。これなんか成長途中で悪くなっちゃった実がここにありますよね」。ミズナラに実をつけたドングリの数はわずか。県森林研究所の中島さんは4段階のうち下から2番目の「不作」だと話します。同じくクマのエサとなるブナについても。県森林研究所森林環境課・中島春樹課長「こちら側から見ると実はついてないように見えるんですが」。県全体の木の実の実り具合は来月公表される予定で、現在のところ、ミズナラは「不作」、ブナは最も少ない「凶作」となる見通しです。中島さんは、この状況は、平野部でクマの出没が相次いだ2年前、2023年と似ていると指摘します。県森林研究所森林環境課・中島春樹課長「秋になってクマが食べ物を求めて、より低標高の平野部の近いほうに活動域を広げやすくなりまして。その一部が平野部のほうにさらに出てしまう恐れがある。おびき寄せないということになると、柿の木のことですとか、不要な生ほみの処理とか、そういったものをきちんとしていただく」。県は木の実の実り具合の調査結果を来月8日に公表する予定です。

(音〟の力で熊との不要な遭遇を防止する新発想の熊よけグッズ「ベアビビール」を開発:秋田)
和洋電器製作所は、熊との出会いを「未然に防ぐ」ことを目的とした音響サイレン機器「BEAR VIVIR(ベアビビール)」を開発し、製品化・普及に向けた支援プロジェクトをクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて開始した。和洋電器製作所は秋田県北秋田市阿仁に拠点を構える拡声器振動板メーカー。同社が開発した「ベアビビール」は、“音”の力で熊との不要な遭遇を防ぐ新発想の熊よけグッズだ。山菜採りや登山、林業など、人の活動エリアと熊の生活圏が重なる場面で、人間の存在を音で知らせることで事故を防ぐことを目的に開発された。「ベアビビール」には、ウエストベルト式の「VIVIR-03」(発売中)、肩掛け式の「VIVIR-02」(2025年10月発売予定)の2モデルがある。「VIVIR-02」には約10秒に1回、2秒間サイレンが鳴る間欠機能を搭載。そのほかの仕様は共通で、サイズは132mm×214mm×88mm、重量は約600g(電池含まず)、カラーはホワイト、電源は単三電池4本(別売り)、音声到達距離は約100m、サイレン周波数は3kHz(高周波)となる。

(クマ出没をAIカメラ検知:富山)
富山市は同市熊野地区と月岡地区で、AI(人工知能)カメラがクマを検知すると、自動的に防災行政無線が放送されるシステムの運用を開始した。両地区の周辺では2023年、クマに襲われて死亡したとみられる事故が発生し、2人が重傷を負う被害もあった。事故を受け、市がシステム導入を決めた。システムでは、カメラを人里に近い河川敷などクマが出没しそうな複数箇所に設置。クマがカメラに映ると、カメラがAIに画像を送り、瞬時に見分け、自動的に注意を呼びかける放送が流れる。AIカメラを開発した、ほくつう(金沢市)によると、同社は富山県の予算で21年にAIカメラを開発。同年にクマを感知すると、防災メールを配信する実証実験を富山市で始めた。今回は全国に先駆け、防災行政無線とAIカメラを組み合わせたシステムを導入。熊野、月岡地区に計8台を設置した。これまでは、通報を受けた同市森林政策課の職員が現場で確認し、その後に防災行政無線やメールなどで注意喚起を行っていたため、発見から呼びかけまで30分以上かかっていた。新システムでは、検知から3分ほどで、防災行政無線が放送できるようになった。運用を開始した7月22日には、熊野地区の河川敷でクマの模型を使用した試験も実施された。1メートルほどの棒の先についたAIカメラの数メートル先にクマの模型を置くと、まもなく近くの防災無線から、「クマが検知されました。外出の際には十分注意してください」と放送が流れた。現場を視察した藤井裕久富山市長は「クマの被害は深刻。早期発見につながるシステムだ」と話し、熊野校下自治振興会の会長(63)は「いつどこに出るのか不安だった。警戒しやすくなる」と期待した。システムは大沢野地区でも9月上旬までに5か所で導入を完了させる予定だ。富山市では今年計34件の目撃があり7月が最多の21件だった。

(イノシシと車・自転車が衝突、連続3件発生:新潟)
29日(金)午前11時過ぎ、上越市内の道路でイノシシと車、自転車が衝突する事故が立て続けに3件発生しました。この事故で、自転車に乗っていた人が、すねに擦り傷を負ったということです。上越警察署によりますと、1件目は午前11時6分頃、上越市藤野新田地内の運輸会社の前の道路を軽トラックが走行中、体長1メートルのイノシシが突進し車体の右側面に衝突しました。2件目は午前11時8分頃、上越市下門前の結婚式場の前の道路を軽自動車が走行中、体長およそ1メートルのイノシシが飛び出して来て正面衝突しました。3件目は午前11時10分頃、上越市新光町3丁目のコンビニエンスストア近くの道路で、自転車が走行中、体長およそ1メートルのイノシシが突進し自転車の右側面に衝突しました。この衝撃で自転車が倒れ、運転していた人は、すねに擦り傷を負ったということです。警察によりますと、1件目と2件目の事故現場は100メートルしか離れていないことから、イノシシは同一個体の可能性があるということです。3件目の事故のあと、イノシシは用水路に入って西に向かったということです。警察は付近をパトロールし警戒を強化し、注意喚起をしています。また上越市などに情報提供を行ったということです。

(クマ捕獲、食害繰り返すクマと同一個体か:北海道)
クマによる食害が相次いでいる北海道の江差町と上ノ国町でそれぞれクマ1頭が捕獲されました。町などはこれまで出没を繰り返していたクマと同一個体か調べる方針です。江差町によりますと午前3時頃、江差町砂川にある畑で設置していた箱わなにクマ1頭が捕獲されました。クマはオスで体長およそ1メートル75センチで駆除されたということです。江差町では連日クマによる食害が相次いでいてこの畑では19日にスイカおよそ100個を食い荒らされる被害にあっていました。また27日、ゴミ箱を荒らすクマが目撃され、箱わなが設置されていた上ノ国町でも29日のあさにクマ1頭が駆除されました。道によりますと江差町や上ノ国町の5か所で出没していたクマは同一個体と判明していて江差町は今後、今回捕獲されたクマのDNA鑑定を行い同じ個体か調べる予定です。クマの駆除をめぐっては新たな動きも。来月から一定の条件で市町村長の判断のもと市街地でも発砲ができるようになるのを前に、北海道猟友会はハンターが発砲に伴う人身事故などのリスクを負わないために出動や発砲を拒否できるとする見解を示しました。

(「スイカを思いっ切り食べて」オスのクマ1頭捕獲:北海道)
クマによる食害が相次いでいた北海道江差町と上ノ国町で、それぞれクマ1頭が箱わなで捕獲されたことが分かりました。江差町砂川地区では食害があった畑に箱わなを設置したところ、8月29日朝早く、オスのクマ1頭を捕獲したということです。畑の所有者によりますと、この畑には8月19日と24日にもクマが出没し、スイカおよそ300個が食べられる被害が出ていたということです。町は捕獲したクマのDNA鑑定を行い、町内で出没している個体と同一であるか調査を進めるとしています。また、隣の上ノ国町でもクマ1頭が箱わなにかかり駆除されました。町内では27日にクマがごみ箱を荒らすなど、食害が続いていました。

(「ジビエを食べよう、ランチ特集フェア」開催)
JTBパブリッシングは、直営飲食店舗「るるぶキッチン」において、9月1日~30日まで、国産ジビエ認証機構と連携し、「ジビエを食べよう ランチ特集フェア」を開催する。「るるぶキッチン」は、「るるぶ」の編集者が全国各地を旅して見つけた「おいしい」を届けるリアル店舗メディア。飲食店として料理の提供に加えて、全国各地で作られている「本物」の食・食材を発掘。「るるぶキッチン」にてオリジナル料理を通じて、その価値や魅力を消費者に届けてきた。このたび、国産ジビエ認証機構と連携し、農林水産省の国産ジビエ認証を取得したジビエ食肉処理施設で生産されたイノシシ肉を使用し、安全・安心なジビエ料理を提供する。「いのしし肉と蒸し野菜のヘルシーランチ 」は、イノシシのロース肉をたっぷりの野菜とともに蒸し料理として提供するもの。レシピは「2024 年度第9回ジビエ料理コンテスト小・中・高校生部門」の農林水産大臣賞受賞メニューをアレンジした。イノシシ肉のロースはジューシーで、脂もさっぱりしている。白味噌とすだちを合わせた、爽やかな香りとコクのあるオリジナルソースに、たっぷり野菜と一緒にディップして楽しむ。ジビエ料理は、増えすぎた野生鳥獣が、畑の作物や樹木を食い荒らしてしまう鳥獣被害の問題を解決する手段のひとつとして、注目を浴びている。鳥獣被害対策として捕獲されたシカやイノシシの命を大切にいただき、おいしい食材として活かす取り組みを、当特集フェアにて紹介する。

(ジビエ施設に国認証:静岡)
富士吉田市新屋のジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設「DEAR DEER(ディアディア)」が、衛生管理や加工処理上の安全性を担保する農林水産省の「国産ジビエ認証」を取得した。取得は県内3例目で、全国では42施設目。施設は、市が建設し、ふじよしだまちづくり公社が運営する形態で2024年7月にオープンした。扱う商品は主に富士山麓に生息するシカやイノシシ。血抜きや運搬に関する研修を受けた猟友会員らから買い取る形で、加工処理を行う。24年度実績として、シカとイノシシ計149頭を処理。店舗での売り上げは1742万円だった。国産ジビエ認証制度は、農水省が消費者の安心確保を目的に18年5月に創設。国が認める審査機関が、衛生管理の順守や、個体ごとの出荷までの流通履歴記録などの要件に基づいて現地調査する。審査を通過すると、認証マークを商品に貼り付けることができ、安全性のお墨付きが得られる仕組みだ。公社は今年3月に認証を申請。5月に審査機関の現地調査が入り、8月6日に認証が決まった。

(クマ、カレー・丼・ソーセージで美味しく活用:青森)
青森県西目屋村の『道の駅 津軽白神』では、全国的にクマの出没が増える中、村で捕獲したクマの肉を加工した土産品が注目を集めています。西目屋村によると、今年度のクマの捕獲数は26頭(2025年8月29日現在)に達し、例年より早いペースとのことです。捕獲したクマを活用した村の取り組みは5年目を迎え、現在、村内の施設では、クマ肉を使った鍋や串焼きなどを提供する“白神ジビエフェア”も開催中です。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、29日午後8時25分ごろ、富谷市鷹乃杜4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、29日午後6時5分ごろ、利府町沢乙高嶋にクマが出没しました。


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