<射撃ニュース9月>
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(深夜の県道でバイクがシカと衝突、65歳の男性死亡:福岡)
10日未明、福岡県みやこ町で、バイクがシカと衝突し、運転していた65歳の男性が死亡しました。10日午前0時すぎ、みやこ町彦徳の県道で、「バイクの事故で男の人が倒れている」と通りかかった女性から消防に通報がありました。倒れていたのは、みやこ町犀川本庄に住む自営業、川寄正行さん(65)で、意識不明の状態で行橋市内の病院に運ばれましたが、およそ1時間後に死亡が確認されました。警察によりますと、川寄さんが運転していたバイクが、何らかの原因で道路にいたシカと衝突したということです。警察は、当時の状況を詳しく調べています。
(ゴルフ少年男子、プレー中コース内にクマ出没し中止:青森)
11日午前あおもり国スポのゴルフ競技会場にクマ2頭が出没したことで少年男子の競技が中止されました。クマが出没したのはあおもり国スポのゴルフ競技のうち少年男子の2日目が行われていた青森市の東奥カントリークラブです。競技が始まってまもない午前8時10分ごろ大会スタッフが7番ホール付近で親子とみられるクマ2頭を目撃しました。その後2頭のクマは隣りの2番ホールに移動し、フェアウェーにいたところをプレー中の選手が目撃しました。青森市やゴルフ競技関係者は選手の安全を考慮しきょうの競技を中止にして1日目の成績で順位を決めました。
(「クマが飼い犬を襲っている」、民家の庭でクマが犬を襲う:長野)
長野県塩尻市の民家で飼い犬がクマに襲われ、飼い主の男性が金属バットで追い払いました。男性にけがはありませんでした。クマが出たのは、塩尻市洗馬(せば)の民家の庭で、11日午後7時ごろ、「クマがいた。飼い犬を襲っている」などと、住人から警察に通報がありました。クマは成獣とみられ、飼い主の男性が金属バットで追い払うと、山の方向に逃げて行ったということです。犬は顔にけがをしたということです。住人の男性にけがはありませんでした。警察が、付近の住民に注意を呼びかけています。
(緊急銃猟で駆除、4人で10発発砲:秋田)
11日午後2時頃、秋田県羽後町で、住民から「銀行近くにクマがいる」と町に連絡があった。クマは近くの町立図書館の敷地内に移動して約2時間とどまり、町が猟銃による緊急銃猟で駆除した。けが人はいなかった。クマは体長約65センチで、雄の成獣とみられる。秋田県内で緊急銃猟が行われたのは今年度初めて。同町農林課によると、午後4時頃に図書館周辺の道路を通行止めにし、約30分後に地元の猟友会員4人が10発発砲して駆除した。図書館は同町役場の約700メートル西にあり、周辺には住宅や田畑が広がっている。近くに勤める20歳代男性は「駆除されたと聞いてほっとしたが、これからの季節は出没が増えそうで不安が残る」と話した。
(市職員に「死んだほうが良い」、市長は毅然対応「電話は全て録音」:京都)
京都府舞鶴市の大波下地区の民家にクマ2頭が居座り、やむを得ず麻酔銃による緊急銃猟が実施された件をめぐり、市に対する誹謗中傷トラブルが問題となっている。舞鶴市では2026年9月3日、民家離れの軒下にツキノワグマ2頭が居座るという事案が発生した。同市は8日、公式サイトで「舞鶴市におけるツキノワグマの民家居座りによる緊急銃猟の実施経過と対応等について」とのお知らせを公開し、その経緯を説明している。当該地区では5月下旬から周辺の山際でツキノワグマが継続して目撃されており、8月下旬からは集落内での出没も確認されていたという。緊急銃猟の前日には、近隣住宅の柿を食べている様子などが目撃され、3日も朝から目撃場所周辺の巡回パトロールを実施していた。同市は「事案の発生現場は住宅地であり、近隣には学校や病院も所在していることに加え、近隣住宅の柿を食べており、仮に追い払ってもまた戻ってくる可能性が極めて高い」うえ、「市民への危害が強く懸念される極めて危険な状況」と判断されたことから、「市民の皆様の生命と安全を守ることを最優先として、警察や京都府など関係機関とも協議の上、京都府内で初めて麻酔銃を使用した緊急銃猟を実施し、同日23時01分に殺処分を完了しました」とした。緊急銃猟に際しては、「専門業者、警察、および市職員等約30名が、近隣住民の皆様への屋内退避指示や交通規制を実施し、安全を十分に確保した上で対応」したとしている。本件をめぐっては、「電話やメール等で多数のご意見やお問い合わせ」が寄せられているといい、「いただいたご意見等は真摯に受け止めておりますが、その中には、対応にあたった職員に対する暴言や、誹謗・中傷に類する内容も含まれております」と説明。「こうしたカスタマーハラスメントに該当する内容に対しましては、『舞鶴市カスタマーハラスメントに対する基本方針』に沿って毅然とした対応を取らせていただきます」とした。同市市長の鴨田秋津氏も同日、Xを通じて本件について明かした。「土日挟んで様子を見ましたが、昨日も『職員は死んだほうが良い』『職員の親族もろくでもない』などの電話がありました」。「これまでの電話は全て録音してあります」とした上で、誹謗中傷と思われる問い合わせ等については、毅然とした対応をとるとしている。また、鴨田氏は緊急銃猟の実施翌日となる4日の投稿でも、「緊迫した対応の最中『なぜ殺すのか』『開示請求するぞ』といった電話、メールが複数あり、市役所本部と現場及びマスコミとの連絡に支障をきたしました」と説明している。「そのほとんどが府外、ましてやクマが生息していないとされる地域から」だったとし、「クマの怖さを知る地域では『可愛いそう』では済まされない場面があるのです」としていた。続く投稿では「職員は極度の緊張感の中、深夜まで対応し、今日も早朝からパトロールで出動しています」と明かし、「動物愛護を否定しませんが、脅迫めいた問い合わせはやめて下さい。対応に疲弊しています。人命を守る最終手段だったとご理解ください」と呼びかけていた。一連の呼びかけをめぐっては、「公務執行妨害で告訴するべきだと思う」「悪質な問い合わせに対応するために、自動応答サービスを使ってはどうか」といった声が寄せられている。
(猟友会が捕獲の野生イノシシ3頭、豚熱に感染:石川)
石川県は10日、金沢市内で捕獲された野生イノシシ3頭が豚熱に感染していたと発表した。県によると、3頭とも成獣で、金沢市の梅田町の1カ所、岩出町の2カ所の計3カ所で猟友会が捕獲した。県内の豚飼養施設11カ所ではワクチン接種済み。県は施設に対し、野生鳥獣の侵入防止を指導したほか、感染状況を把握するために捕獲地点から半径10キロ以内の捕獲調査も進める。
(エゾシカ衝突事故、保険金支払い件数過去最多:北海道)
毎年10月から11月にかけて多く発生するエゾシカとの衝突事故。道内での車両保険金支払件数が去年、過去最多となったことが分かりました。日本損害保険協会北海道支部が会員企業に調査したところ、去年10月と11月の車両保険金支払件数は1504件で、2010年度の調査開始以降で最多となりました。支払い金額は10億1374万円でこちらも過去最多です。市町村別では苫小牧が76件と最も多く、釧路市の70件、千歳の54件、札幌の52件と続いています。発生する時間帯は夕方から夜間が多く、午後4時以降の発生が全体の7割ほどを占めています。日本損害保険協会北海道支部は、郊外を走行する際はスピードに注意するよう呼びかけています。
(北極の犬ぞり猟師、大島育雄さん死去)
「世界最北の村」と言われるグリーンランド北西のシオラパルクで半世紀余り、犬ぞり猟師として暮らしていた大島育雄さんが8日、がんで亡くなった。79歳だった。東京都東久留米市に生まれ、日本大学では山岳部で登山経験を積んだ。山岳部OBとして1972年、北極点遠征の準備で村に入り、冒険家の植村直己さんとともに現地の人たちに犬ぞりの使い方を教わった。78年4月に日大遠征隊の一人として日本人で初めて犬ぞりで北極点に到達、植村さんは直後に犬ぞりで世界初の単独での到達に成功した。大島さんは冒険後もシオラパルクに住み、猟師となってホッキョクグマやセイウチを追い、アザラシの皮やウサギの毛皮でブーツを作るなど自給自足の伝統的な暮らしを続けた。現地女性と結婚し、子や孫に恵まれた。
(効率的に食害被害防止へ、AIでシカの個体識別:長野)
ニホンジカによる食害が県内各地で問題となる中、公立諏訪東京理科大(茅野市)のビスヌ・ゴータム教授(54)=情報通信=の研究室が、対策に活用するAI(人工知能)の開発に取り組んでいる。
(「クマ予測マップ」を県立大が開発中:岩手)
クマと遭遇するリスクを減らそうと県立大学の研究室が県のアプリ「Bears(ベアーズ)」を活用した新たなシステムの開発を進めています。県は、相次ぐクマ被害を防ぐため3月に運用を開始したクマ出没情報の共有アプリ「Bears(ベアーズ)」をより多くの人に活用してもらおうと県立大学と連携協定を結んでいます。9日、県立大学ソフトウェア情報学部の堀川三好教授の研究室に所属する学生有志が開発中のアプリ「クマ出没予測マップ」が、報道関係者に公開されました。このアプリは、AIを活用して「Bears(ベアーズ)」で寄せられたクマの目撃情報や過去の出没傾向、地形データなどからクマに遭遇するリスクを予測します。来年度からの運用開始を目指していて県が実施するクマの生態調査の結果も取り入れながら開発を進めていくということです。また、学生が制作した「Bears」の利用を呼びかけるポスターには、スマートフォンをかざすだけで県の公式LINEを追加できるタッチタグが掲載されています。このポスターは県内の駅や商業施設などに張り出される予定です。
(竹原の「ウサギの島」でイノシシがウサギ襲って捕食:広島)
福島大(福島県)や呉高専(広島県呉市)などの研究チームは、「ウサギ島」として知られる広島県竹原市の大久野島で増えたイノシシがウサギを捕食する事例を確認したとする論文を発表した。
(改造銃11丁などを所持した疑い、51歳の男を逮捕:兵庫)
実弾を発射できるよう改造したモデルガンなど殺傷力のある銃11丁や弾丸、火薬を所持したとして、兵庫県警と警視庁の合同捜査本部は11日までに、銃刀法違反(加重所持など)と火薬類取締法違反の疑いで尼崎市の会社員の男(51)を逮捕し、同日、東京地検に送検した。県警薬物銃器対策課によると、容疑を認め「本物の銃の構造に興味があった。インターネットで購入して改造した」と話している。逮捕容疑は4月14日朝、自宅アパートや尼崎市の実家マンションで、モデルガンを改造した銃や実弾を撃てる海外製の玩具銃など11丁と、弾丸3発を含む火薬類26点を所持するなどした疑い。昨年10月、真正拳銃で発射できる薬きょうの部品を男がネットオークションで落札したのを、警視庁がサイバーパトロールで発見。県警と合同で4月14日に自宅や実家を捜索し、銃などが見つかった。複数の銃には改造や補強を施した形跡があり、合同捜査本部は武器等製造法違反容疑を視野に調べる。
(先読みでワナ設置、「緩衝帯」整備:新潟)
上越市が、急増するクマ対策として、人里に出没させない取り組みを強化している。2026年度のクマ対策の事業費を前年度から2・5倍に引き上げ、過去のデータを基に出没しそうな場所にワナを事前に設置するほか、人の生活圏との境界に設ける「緩衝帯」の整備区域を2割拡大する。昨年度は市内で5年ぶりに人身被害が発生しており、クマが動きを活発化させる秋を前に準備を急いでいる。
(県職員有志「クマゲキ」、猟銃等初心者講習は山本一太知事ら全8人合格:群馬)
群馬県の山本一太知事は11日の定例会見で、県公安委員会が実施する猟銃等取扱初心者講習会の考査について、県職員有志でつくる狩猟免許取得チーム「クマゲキ」の山本知事を含むメンバー8人が受験し、全員合格したことを明かした。
(クマ出没件数4302件(4~7月)、去年同時期の約1.5倍:岩手)
ことし4月から7月までの岩手県内のツキノワグマ出没件数は4302件で、去年の同じ時期のおよそ1.5倍にのぼっています。岩手県によりますと、4月から7月までの県内のツキノワグマ出没件数は、去年の同じ時期と比べて1663件多い4302件で、およそ1.5倍にのぼっています。月別では、6月が去年のおよそ2倍にあたる1666件、7月が去年のおよそ1.3倍にあたる1326件です。東北森林管理局は、クマのエサとなる「ブナの実」について、この秋、県内では11年ぶりとなる「豊作」の予測を発表していますが、県は行動範囲を広げたクマに警戒を呼びかけています。
(クマの出没ピークは10月、「ことしはドングリが軒並み不作」で特に警戒を:兵庫)
全国的にクマの出没がピークとなる10月を控える中、専門家は「クマの主食であるドングリをつける木がおそらく軒並み不作」で、ことしは特に警戒が必要だと専門家は指摘します。6月に初めてクマの生息が確認された神戸市をはじめ、関西各地で進むクマ対策を取材しました。先週、京都府舞鶴市の住宅の軒下にツキノワグマが出没しました。自治体の判断で猟銃などが使用できる「緊急銃猟」により2頭が殺処分され、現場は一時騒然。今月に入り、各地で相次ぐクマの目撃情報が寄せられています。環境省によると昨年度の全国のクマの目撃件数は、10月がおよそ1万6000件と1年を通して最も多く、まさにこれから、さらなる警戒が必要なのです。神戸市によると、ことし6月に市内で初めてクマの生息を確認。これを受け、神戸市は『クマ対策』としてセンサー付きのカメラ200台の増設を始めました。この秋には、あわせて500台での監視が可能になります。撮影された映像は、市役所で遠隔で確認することができ、野生動物などが画面に映るとAIが判別。クマやシカなどの場合は、職員のアラートが鳴り映像を確認することができるのです。神戸市自然環境課・係長 長谷川仁美さんによると、「ツキノワグマと人が急に接触してしまうという突発的なことを避けるため、できるだけ早めに察知して急な接触を防ぐことを狙っています」ということです。冬眠前に餌を求めて里へ下りてくることもある『秋のクマ』。神戸市でクマ対策を担う専門家はことしは、特に警戒が必要だと指摘します。【神戸市鳥獣対策専門員 吉田洋さん】「ことしは、ドングリをつける木がおそらく軒並み不作なので、クマも例年よりは行動圏を広げ、それだけ人との接触が多くなる可能性があると予想してる」。近年増加するクマによる人的被害。昨年度は過去最多の238人が被害に遭い、13人が亡くなりました。様々な対策が取られる中、新たなアイテムも登場。刃物を扱う工場などに向けた防護服を作っている京都府八幡市の会社が、クマ対策の『防護服』を開発しました。「超高強力ポリエチレン繊維」という強い素材でカッターの刃も全く通しません。実際のクマでの実験でも表面の生地には穴が開いたものの、裏の生地までは貫通しませんでした。実際に着用した記者は、「見かけ以上に軽くて、関節のあたりもすごく動きやすいです」と感想を語りました。全てのパーツをそろえると24万円ほどかかりますが、自治体や猟友会などから問い合わせが相次いでいるということです。これからピークを迎えるクマの出没ですが、関西も例外ではなく注意が必要です。
(クマ捕獲数が過去最多:富山)
富山県の新田八朗知事は、県内の今年4~8月のクマ捕獲数が76頭で2024、25年の各72頭を上回り、過去最多を更新したと明らかにした。県の捕獲専門チームが富山市有峰地区で今年度初めて実施した春のクマ捕獲が13頭を数えた。県は市町村が行う箱わな購入への支援なども含め、捕獲態勢の強化に取り組んだ成果とみている。9日の県議会で答弁した。知事はクマ被害軽減に向けた河川の伐木について、国では常願寺川など3河川11カ所、県では下条川(射水市)など13河川で実施しており、今後も県管理の6河川8カ所で予定していると説明した。「橋周辺などのスポット的な草刈りや、草木の踏み倒しも今月から実施する」とした。
(富谷市に「クマ出没注意報」を発令:宮城)
富谷市の市街地において、直近1週間で2回ツキノワグマが目撃されたことを受け、発令基準に基づき、同市を対象とした「クマ出没注意報」を発令いたします。これにより、県内における「注意報」等発令地域は、栗原市と富谷市となります。確認されたクマは、再び現場周辺に出没する可能性があることから、お近くにお住まいの方々やお仕事等の用事がある方々は、十分な注意をお願いいたします。
(クマ出没が過去最多172件、31年度末までに個体数452頭を448頭に抑える目標:埼玉)
2026年度第3回埼玉県環境審議会が8日、さいたま市浦和区岸町の全電通埼玉会館あけぼのビルで行われ、次期県環境基本計画(2027~31年度)の指標で県は出没件数が増えているツキノワグマについて、目標頭数を決めて捕獲する方針を明らかにした。県による管理捕獲や市町村による有害許可捕獲、市街地に出没した際の緊急銃猟による捕獲を行い、25年度末の推定個体数452頭を31年度末に448頭となることを目指す。ツキノワグマは秩父地域を中心に生息しているが、生息域は拡大傾向にあり、近年は山間部だけでなく、山沿いの市街地近くまで出没する事例が多数発生している。県みどり自然課野生生物担当によると、県内のクマの目撃件数は2025年度が172件で過去最多となった。本年度も25年度を上回るペースで目撃されており、昨年は8月末現在で67件だったが、今年8月末現在では82件になっているという。県は8月8日にクマが市街地に出没した際に緊急銃猟を行えるハンターの確保・育成を目的として、「クマ捕獲従事者研修」を長瀞町野上下郷の県長瀞射撃場で初開催。県内の猟友会に所属するハンター20人が参加し、座学や実射練習を行い、緊急時の対応方法を学んだ。県環境政策課によると、ツキノワグマは人とのあつれきを解消し、人身被害の発生を防止することを目指して目標値を設定。シカ食害などによる生態系被害やクマによる人的被害を防止するため、狩猟や有害鳥獣捕獲、管理捕獲などによる個体数管理を実施する。また個体数管理を適切に進めるため、生息状況調査や鳥獣保護管理計画の策定と見直しも実施していく。同課の担当者は「ツキノワグマの出没件数は多いものの人身被害が発生していない現状を踏まえ、目標値を設定した」などと話した。
(過去5年間で最多「クマ」出没、県が連絡会議:鳥取)
急増するクマ対策、人里に出没させない取り組みを強化しています。鳥取県はクマの行動が活発になる時期を前に被害防止に向けた連絡会議を開き、関係者と対策を共有しました。鳥取県庁であった会議には県や市町村・警察・JA関係者などがオンライン併用で参加しました。鳥取県によると2026年度、8月末までに県内で確認されたクマの出没件数は127件と過去5年間で最も多くなっています。特に東部で70件以上と多く、鳥取市佐治町や福部町では梨が食べられる被害も出ています。県は2025年12月にクマ出没マニュアルを作成し市町村にひな形を提供。現在、13の自治体が策定しているほか、ハンターの人材バンクを構築し、これまでに15市町村で92人が登録するなどクマ対策を実施。今後も被害発生地でセンサーカメラなどによる監視を強化するほか、貸し出し用の電気柵を現在の7セットから14セットに増やすよう、9月の補正予算で要求するとしています。鳥取県鳥獣対策課クマ対策室・西信介室長:冬眠に備えてたくさん餌を取って脂肪を蓄える時期に、もうすでに入っている。早期に対策をしてもらいたい。県は山に入るときはクマよけの鈴を持って行動するほか、収穫しない栗や柿の木は伐採するなど、クマを寄せ付けない対策をするよう県民に呼びかけています。
(クマ出没“ピーク”を前に対策会議:兵庫)
神戸市でことし6月に初めてクマの生息が確認された兵庫県では、出没のピークに向けてツキノワグマの対策会議が開かれました。11日に開かれた会議には斎藤知事や有識者らが出席し、ことしのクマの出没予測や、現われた際の対策などについて意見交換が行われました。神戸市ではことし6月に市内で初めてクマの生息が確認され、センサー付きのカメラを増設するなどの対策が進められています。これから冬眠前のクマは大量の餌を食べますが、兵庫県森林動物研究センターによると、ことしはエサとなるドングリが県全体で凶作のため、注意が必要だということです。斎藤知事は、およそ3年ぶりに狩猟を解禁して個体数を管理するなどの対策を行うとしています。
(熊は秋に活動活発化、対処法講習会:新潟)
クマの出没が増える時期を前に、クマの生態や対処方法の講習会が、魚沼市青島の小出公園センターハウスで開かれた。市民ら約120人がクマによる被害を防ぐノウハウを学んだ。魚沼市が主催し、6日に行われた。鳥獣被害対策を支援する「うぃるこ」(長岡市)の山本麻希代表取締役が講師を務めた。山本さんは、ツキノワグマは冬眠前に脂肪を蓄えるため、秋は活動が活発になると説明。人里に出没する主な要因として、ブナの実などの餌不足と個体数の増加を挙げ「今秋は8年ぶりにブナの大豊作だが、来秋は恐らく大凶作」と注意を促した。
(「2026年度愛知県狩猟普及セミナー」:愛知)
愛知県では、豚熱対策及び農作物の鳥獣害対策として、野生鳥獣の保護及び管理を目的とした、鳥獣捕獲の担い手の確保・育成を行っています。この度、狩猟免許の活用方法や狩猟に関する魅力、鳥獣害対策等について知っていただくため、狩猟免許取得を検討されている方等を対象に、ベテランハンター等を講師とするセミナーを開催します。つきましては、参加者を募集しますので、お知らせします。参加費は無料ですので、狩猟に興味のある方は是非御応募ください。
(令和8年度狩猟体験会を開催します:兵庫)
日本三大猟場の一つである丹波篠山市の狩猟の魅力を、より多くの方に知っていただきたく、狩猟体験会を開催します!
(ハンター育成用ライフル射撃場整備など予算案提出:宮城)
宮城県議会が10日開会し、クマへの対策を強化するため、新たにハンターを育成するライフル射撃場を整備する費用、およそ3500万円などを盛り込んだ補正予算案などが提出されました。宮城県議会の9月定例会は10日初日を迎え、一般会計の総額でおよそ40億円となる補正予算案を含む19の議案が提出されました。このうち補正予算案では、ハンターを育成するため、新たにライフル射撃場を整備する設計費用におよそ3500万円が盛り込まれました。射撃場は村田町の「県クレー射撃場」に併設する形で整備される予定で、総事業費はおよそ2億5000万円で、国の交付金なども活用するということです。宮城県内で駆除に有効なライフル銃の射撃訓練ができる場所は、気仙沼市と登米市の民間施設に限られているため、猟友会などから県南地域での整備を求める声があがっていました。さらに、クマの移動経路となっている河川敷の木を伐採する費用などとして、およそ9億円も計上されています。村井知事は「先月には仙台市内でクマによる人身被害が発生するなど、依然として予断を許さない状況だ。市町村と連携し被害防止対策の強化を図っていく」と述べました。県議会の9月定例会は、来月14日までで、今月17日には各会派による代表質問が行われることになっています。
(ヒマワリ畑のシカ食害、「食べられにくい花」植栽へ:福島)
郡山市の布引風の高原のヒマワリ畑でシカによる食害が深刻化したことを受け、市は対策に乗り出す。試験的にシカに食べられにくい花の植栽や薬剤の散布などを検討している。9日の9月議会の一般質問で示した。高原では、来年度から風力発電設備の建替工事が始まる予定。市は一般の立ち入りが制限される工事期間を利用し、対策を進めたい考えだ。また、市は6月末現在の市内の有害鳥獣の捕獲頭数が、前年同月比155頭増の824頭だったことを明らかにした。このうち、ニホンジカは15頭増の56頭で、湖南町を含む西部地域での捕獲が多かった。市は捕獲に加え、シカの畑などへの侵入防止対策として従来より高さのある5段張りの電気柵の設置などを進めている。
(高校でクマ侵入対策の電気柵:秋田)
クマが冬眠に備え活動を活発化させる時季を迎える中、秋田高校で敷地内への侵入を防ごうと電気柵が設置されました。県立高校の敷地内に電気柵が設置されるのはこれが初めてです。人里へのクマの出没を防ごうと、秋田高校で設置が始まった電気柵。「触れたら痛い」とクマに学習させることで、近づかせない効果があります。県立高校で電気柵が導入されるのはこれが初めてです。秋田高校ではクマの大量出没が発生した去年の秋、敷地内での目撃が相次ぎました。校舎や運動部の練習場の大半が山林と接していて、そこからクマが侵入してきているとみられています。今年はクマをおびき寄せるクルミを伐採するなどの対策に力を入れてきましたが、依然として見通しの確保が難しいためフェンスのない区間、合わせて約380メートルに電気柵を設置しました。学校でのクマ被害防止対策について、県は、来年度以降、電気柵の設置を推進したり、出没状況に応じてスクールバスを導入したりするといった支援のあり方を検討していくことにしています。
(熊駆除より重要なのは「原因療法」、里山で進む緩衝地帯整備:新潟)
2025年度は新潟県や東北でクマが大量に出没し、人の生活圏に出没する「アーバンベア」も問題となった。これから冬眠に向け、クマは餌を求める時期に入る。クマの生態と変化に目を向け、共存する方策を考える。豊かな森に別荘地などが広がる長野県軽井沢町。町北部は鳥獣保護区でもある。人とクマが隣り合わせに暮らす環境で、クマの保護と被害の低減を両立させるため、駆除に頼らないクマ対策を模索する先進地だ。
(遠隔操作でエゾシカを「一網打尽」、大型の囲いわな導入:北海道)
中札内村は、農作物に深刻な被害を及ぼしているエゾシカを効率的に駆除するため10月から、西札内地区でリモコン遠隔操作式の「囲いわな」を試験的に導入する。基本的には1頭ずつしか捕獲できない「くくりわな」「箱わな」と異なり、群れで捕らえることができる。10~20頭の捕獲を目指し、農作物被害の軽減につなげる。村内ではビート、デントコーン、牧草などの食害が相次いでいる。被害額は2024年度に1000万円を超え、25年度も900万円弱に上った。例年、200~300頭を捕獲しているが、極めて強い繁殖力を前に、従来の駆除ペースでは追いつかないのが実情だ。5月に西札内地区の農家から強い要望を受け、村は重要施策として囲いわなの設置を決めた。同地区の民家から離れた場所にフェンスの高さが2メートルにも及ぶ、10メートル四方の囲いわなを設置する。数十頭のシカが同時に入れる大きさ。シカを環境に慣れさせるため、1~2カ月ほど扉を開放し、出入りを自由にさせる。付近にはセンサーや監視カメラを設置し、内部に仕掛けた餌でおびき寄せる。夜間も監視可能なカメラの映像を確認しながら、シカの警戒心が薄れ、10頭以上の群れが入ったタイミングを見計らい、遠隔操作でゲート(パネル)を落とし、閉じ込める。10月上旬に業者と契約を結び、同月中旬に設置。12月まではゲートを開放し、来年1月に最初の捕獲・駆除を実施する。その後、再びゲートを開放して2回目の捕獲を行い、3月に撤去する。事業費は、約500万円(設置や運搬など含む)。川尻年和村長は「農業を守るためにシカを一網打尽にし、被害を減らしたい」と話している。村は試験導入の効果を検証し、他地区の設置も検討する方針。帯広畜産大学と連携し、捕獲したシカにGPSを装着して生態や行動経路を分析できないか協議を重ねている。
( 獣医師ハンターが熊害(ゆうがい)のリアルに迫る)
クマによる人身被害が過去最悪となった2025年。クマに関するニュースが連日報道され、熊害(ゆうがい)は全国的な関心事となりました。クマはなぜ人間の生活圏に出没するようになったのか。獣医師であり、ハンターでもある石名坂 豪氏が、熊害の実態に迫ります。本記事は『熊害 獣医師ハンターが見たリアル』の序章をもとに構成しています。二〇二五年七月十三日未明。私は札幌市郊外の自宅を出発し、車で一人、道南(どうなん。北海道南部)の福島町(ふくしまちょう)へ向かっていた。同町三岳(みたけ)の住宅地では前日の早朝に新聞配達員の男性がヒグマに襲われて亡くなっており、ある民放テレビ局から現地取材班への専門家としての同行を依頼されたためである。主に高速道路を走って約五時間後に現地に到着し、テレビ局スタッフと合流した私は、クマ撃退スプレーを腰のベルトに二本装着し、ヘルメットを被り、デイパックを背負って、早速事故現場付近へと向かったのだった。この日、加害個体はまだ捕獲されていなかった。事故現場付近に到着すると、多くの報道関係者の姿が目についた。ご遺体の発見・収容現場となった空き地(事故発生時には草丈の高い深いヤブだったようだが、前日の遺体収容時に広く刈り払われ、見通しがよくなっていた)や、被害者が最初にヒグマに襲われたという複数の住宅の間の通路のような場所へ、皆がカメラを向けていた。なお、この時は公的機関(北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所自然環境部、以下・道総研(どうそうけん))のヒグマ専門家による現場検証調査の実施前に、私が現場へ到着する格好になってしまっていた。そのため、なるべく現場の痕跡を荒らさないよう細心の注意を払いながら、テレビ局の取材に対応した。地面が砂利や土になっている場所には極力立ち入らず、アスファルト上を中心に歩き、双眼鏡も使いながら少し引いた位置からヒグマの痕跡を探して回った。住宅とブロック塀に囲まれた襲撃現場を見た時、第一印象は「狭い通路のような場所だな」というものだった。ここで人と出会ったヒグマは、「まずい距離と場所で人と遭遇した」と感じたのではないだろうか。二〇〇八年九月の夜、標津町(しべつちょう)と別海町(べっかいちょう)の町界付近の河川沿いの狭い場所で発生した人身死亡事故のことが、私の脳裏をよぎった。それは、男性が一人、サケを捕食中のヒグマに夜間に至近距離で遭遇し、攻撃されて死亡したという事例である。今回は、事故発生の数日前から、現場付近でゴミステーションがヒグマに荒らされていたという情報も入ってきた。その後すぐに最初に荒らされたのはここらしいという場所や、コンポストを荒らされたという住宅の庭も見せてもらうことができた。別のゴミステーションにもヒグマの爪痕が残っていた。今回の事故発生時刻は午前二時半頃だという。私の頭の中で、過去に羅臼町(らうすちょう)で経験した事例と、今回の福島町の現場の状況とがつながり始めた。空腹で食べ物を探していたヒグマが夜間、警戒しながらも住宅地の縁(ふち)に侵入し、ゴミステーションの中の生ゴミのニオイに気づく。木製であれ金網(かなあみ)製であれ、通常の設計のゴミステーションはヒグマの力の前では無力である。簡単に壊され、中の生ゴミを食べられてしまう。そこに野菜くずだけでなく魚や肉が含まれていれば、ある意味我慢しながら植物中心の食生活を送っていたヒグマにとって、それは彼らの胃腸にとって消化しやすく、きわめて魅力的なごちそうになる。いったん執着心のスイッチが入ったヒグマは、なお警戒心を多少は残しているために夜間に行動するが、従来よりも大胆に市街地の中へ入り込み、住宅の間を歩き回る。同じようなニオイがすれば、もはや倉庫の中であっても扉を壊して侵入し、ニオイの元を荒らすようになる。私にはこのように推測される事故直前の福島町の状況が、かつて知床(しれとこ)財団の職員時代に根室(ねむろ)管内の羅臼町で何度も経験した危険な状況と非常によく似ているように感じた。そのように夜の住宅地を徘徊(はいかい)していたヒグマが、狭い場所で被害者と至近距離で鉢合わせし、防衛反応に近い形で最初の一撃を加えたのではないか。さらに、被害者男性の悲鳴や血のニオイに反応し、肉食動物としての側面が強く刺激され、交通事故やくくりわなで傷ついたエゾシカを捕食する時と同じように、身を隠せるヤブの中へ引きずり込んで捕食行動に移ったのではないか。以上が、私が推測している二〇二五年七月十二日の福島町における人身死亡事故発生の流れである。遺体収容現場付近や七月十八日に駆除された個体から回収された体毛などについて、道総研がDNA分析を行った結果、今回の加害個体(オス成獣、体重二一八キログラム)が、二〇二一年七月に同じ福島町内で高齢女性を襲って死亡させた個体と同一であることが示された。この結果を受けて、「加害個体は新聞配達員の男性を襲うためにつけ狙っていたのではないか」という声もネット上などで見られた。しかし、もしこの個体が人間を完全に獲物とみなす方向に学習を強めていたのであれば、四年もの間隔を空(あ)けてから再び人を襲った点は不自然である。少なくとも最初の防衛的な一撃の瞬間までは、今回の加害個体は人肉への執着よりも、生ゴミへの執着のほうが強かったのではないかと私は考えている。実際、新聞配達員の男性を七月十二日に襲った後の十四日ですら、おそらく同じヒグマが、次の人間ではなくスーパーマーケットの倉庫を破壊し、中の生ゴミを荒らしているのである。加害個体が七月十八日未明に市街地内で駆除されたことで、福島町の事件はいったん収束した。だが、その一か月後には私にとってもなじみ深い知床半島の羅臼岳(らうすだけ)で、ヒグマによるこの年二件目の人身死亡事故(後述)が起きてしまった。さらに長野や東北でもツキノワグマによる死亡事故が連続して発生したことで、クマ問題は一気に全国的な関心事となった。二〇二五年は、この福島町の死亡事故の頃からテレビで連日のようにクマ関連のニュースが流れるようになり、さらに東北地方を中心に続発した「秋の大量出没」を受けて、年末頃までクマをめぐる緊張が続いた年だった。その間、クマ類(北海道のヒグマと本州のツキノワグマ)の攻撃を受けて全国で二三八人が被害に遭い、そのうち一三人が亡くなっている(環境省発表資料)。これは、それまで過去最悪だった二〇二三年(二一九人被害、うち六人死亡)の記録を、特に死者数に関して大幅に更新してしまった。とりわけ被害の多かった北日本では、地域住民の不安が大きく高まり、通勤・通学や買い物といった日常生活にもさまざまな支障が生じた。それは私の自宅がある札幌市の郊外も、例外ではなかった。二〇二五年はヒグマとツキノワグマの双方が、人の日常生活圏を脅(おびや)かし、人とクマとの境界線の危うい現状を改めて突きつけてきた年だったと言えよう。過去最悪の人身被害の発生状況を受けて、政府は二〇二五年十一月十四日、「クマ被害対策パッケージ」を公表した。これは、関係省庁が連携して人身被害の防止や個体数管理の強化などを図るための総合的な対策・政策をまとめたものである。近年、シカやイノシシ対策には農林水産省系の予算を中心に比較的多くの国費が投入されてきたが、クマ類の管理に対する国の予算投入は、率直に言って十分とは言えなかった。この政策パッケージは、多数の死者が出た現実に押される形ではあったにせよ、ようやく国がクマ対策に本腰を入れ始めたことを示す象徴的な出来事だったと言えるだろう。二〇二五年は、日本国の「クマ被害対策元年」と呼べる年だったのかもしれない。私は職業柄、テレビや新聞などの野生動物関連のニュースには日々目を配っている。だが、二〇二五年の秋や二〇二六年の春は、その私でさえ情報収集に疲れを覚えるほど、クマの市街地出没や被害に関するニュースが大量にあふれていた。郊外の住宅地や学校周辺はもちろん、複数の県の県庁所在地の中心市街地にまでクマが侵入し、騒動や捕獲の顛末(てんまつ)がニュースとして流れた。従来からあった農業被害だけでなく、生活環境被害や人身被害がクローズアップされた。かくしてクマ類による人へのさまざまな被害、すなわち「熊害」は、もはや一部の人々だけの関心事ではなくなった。野生動物への関心がもともと高かった人や、中山間地に住む地域住民だけが気にかける問題ではなく、多くの日本人にとって日常的で身近な社会問題になってしまったのである。自分の仕事の社会的重要性が増していることを感じる一方で、クマ類による被害や犠牲者が増える状況に比例して自分の仕事も増えていく現実には、複雑な思いを抱かずにはいられない。因果な仕事である。熊害が日常化した背景に、クマ類の個体数が増えたことがある点はほぼ確実である。だが、それだけではない。人口減少にともなって人里に耕作放棄地や空き家、ヤブが増加し、山と人里の境界線がクマにとってわかりにくくなってきている。その結果、人の日常生活圏にクマが接近・侵入しやすくなり、放置されているものも含めて農作物や果樹、さらには人の排出する肉や魚を含む生ゴミに接触する機会が生まれやすくなった。地球温暖化による日本周辺の海水温の上昇によって気象が極端化し、クマが依存する自然界の食物メニューの豊作・凶作のサイクルが変化し、食物不足が発生しやすくなった。また過去三十~四十年ほど続けられた人里に出てきた問題個体だけ主に捕獲する保護寄りの政策や箱わなに依存した捕獲の結果、クマが人や人里に対して恐怖心をかつてのように抱かなくなった。このような複合的な要因により、人がクマとの陣取りゲームに敗北しつつあることが、最近の熊害の日常化や広域化につながっているのである。本書では、このようなクマ、自然環境および人間社会のさまざまな変化について、私自身の現場での経験や過去の事件史を交えながら考察し、今後私たちは、個人あるいは社会として、クマとどのように向き合っていくべきかを論じていきたいと考えている。
(養鶏場付近でクマ1頭を駆除:北海道)
北海道岩見沢市の養鶏場付近でニワトリやカモが相次いで襲われている問題で、9月8日、クマ1頭が駆除されました。箱わなの中で激しく動き回り、うなり声を上げるクマ…。8日午後4時ごろ、岩見沢市内に設置されていた箱わなにかかっているのが見つかり、その後、駆除されました。市などによりますと、クマは体長約1.2メートル、体重は推定100キロのオスでした。付近では2025年10月から4回にわたり、同じ養鶏場のニワトリやカモがクマに襲われ、合わせて83羽が死んでいますが、今回のクマとは別の個体とみられます。
(線路上にクマ、茂みに逃げるも夜の普通列車2本運休:北海道)
きょう(9日)午前、JR富良野駅構内の線路上でクマ1頭が目撃されました。この影響で今夜運行する予定の普通列車2本の運休が決まっています。JR北海道によりますと、きょう(9日)午前8時半ごろ、富良野駅構内で駅員と普通列車の運転士が駅構内の線路上を歩くクマ1頭を見つけました。クマは体長およそ1mで、目撃した場所から北西100mほどの線路上に現れましたが、付近の茂みに逃げていったということです。この影響でJR北海道は「暗い中で車両の留置作業などを行うのは安全が確保できない」として、午後8時42分と午後10時34分に旭川を出発する富良野行普通列車2本の運休を決めました。
(クマがナシ食い荒らす、カメラがとらえた衝撃の直立シーン:広島)
収穫シーズンを控えた三次市作木町森山西地区のナシ農園。毎日のようにナシの実が食べ尽くされ、朝、地面に散乱しています。ナシの実を食べているのは「クマ」です。10年ほど前から、夜間を中心に、山間の住宅に隣接したナシ農園に現れるようになりました。今年は特に被害が深刻です。7月ごろから、同じ地区の5軒の農園に毎日のように現れ、1軒あたり一日で50個~200個ほどのナシが被害に遭う日もあるといいます。先月…ナシ農園の近くに設置されていた、イノシシ用の箱わなにクマが入りました。ところが、力づくで破壊され、逃げられてしまいました。毎日、農園のパトロールを続けてきたクマレンジャーの坂根さんから見ても、今年は「異常」だと感じています。TSSは、被害が相次ぐナシ農園にセンサーカメラを設置。すると…8月下旬の午後10時すぎ、ナシの木を慣れた様子でよじ登る黒い影が…体長1m以上とみられるクマです。袋掛けされたナシの実を口でくわえ、袋の中身だけを器用に食べます。このクマは30分ほど同じ木に居座り続けました。明るくなると、木の上には食べ散らかした跡だけが残されていました。以前、三上さんは農園の中でクマと鉢合わせになったこともあるそうです。これまで、三次市内でクマが人を襲う事案は確認されていませんが、いつ被害が発生してもおかしくはありません。TSSのセンサーカメラは後日、別の食べ方をするクマの様子も捉えました。午後11時ごろ、クマとみられる黒い影がやってきて、後ろ足で立ち上がると、そのままナシの木を物色し始めました。木に登らない直立の「クマ」が、ナシの実を2時間ほどかけて食べ尽くしました。毎朝、被害を見つけては片付け作業に追われています。クマが出没する夜間、生産者たちは一緒に警戒をしてまわったり、花火を打ち上げ大きな音を出したり、追い払おうしますが、クマはもう慣れてしまったようです。クマの生態に詳しい、広島修道大学の奥田圭教授は、一度「えさ場」として認識されると、年間を通して人里に定着する可能性があると警鐘を鳴らします。【広島修道大学人間環境学部 奥田圭 教授】「真夏の時期は、クマにとっては一番えさが少ない時期にあたります。そういう時期に、こういったナシを見つけてしまうと、もうそれに依存した生活に変わってしまいますので。今のところですね、深夜帯に出てきていますので、(日常で)人と遭遇するっていうことがない状態かなと思うんですけれども、これから先ですね。人の活動時間と、クマの出てきてしまう時間がバッティングしてしまうと、大きな事故につながる可能性があるかなと思いますので、早急な対策が必要になってくると思います」。この夏、三次市は、新たに森山西地区にクマ用の箱わなを設置しましたが、クマが「危ない」と学習したのか、問題の解決には繋がっていません。ナシ農園だけでなく、住宅も建ち並ぶ人の生活圏に、毎日のように現れる異常事態。確実に来ると分かっていても、野生のクマは、法律により県の許可がなければ、基本的に捕獲できません。今月開かれた三次市議会の一般質問でもナシ農園の被害がテーマに上がりました。【三次市議会 増田誠宏 議員】「地域住民が安心して暮らし、果樹栽培を続けられる環境をどのように整えていくお考えなのかお伺いします」。【三次市 福岡誠志 市長】「人身被害などの未然防止の観点から、保護の規制緩和による捕獲活動を実施していくべきと考えておりまして。クマの規制緩和に向けて近隣市町と連携し、広島県へ要望していきたいと思っています」。市は近年の出没の多さを受け、クマを「捕獲」の対象にすべきと考える一方、緊急で銃器を使い捕獲などをする「緊急銃猟」については、現状「出没が夜間のため、安全を確保するのが難しい」などの理由で、慎重にならざるを得ないとしています。ナシの生産者は危険と隣り合わせの中で、これから収穫本番を迎えます。
(現役猟師「ハンターちゃん」、ジビエ料理をPR:北海道)
旭川出身の若手猟師「ハンターちゃん」ことまいさんが、ジビエ料理を楽しめるコンセプトカフェ「あにまりあ」(旭川市4条通6丁目、リースリー旭川2階)を7月にオープンしました。自ら狩猟した動物の肉をジビエ料理として提供しており、「ジビエ×アニマルコンカフェ」という新しいスタイルで話題を集めています。まいさんは、ダイエットをきっかけにエゾシカ肉に魅了され、ジビエ料理店を巡るようになりました。あるとき懇意の店主から「そんなに好きならハンターになっては」と勧められたことで狩猟免許の取得に挑戦。今年の2月、ハンターとしての一歩を踏み出しました。狩猟を進める中で、捕獲された野生動物の多くが活用されずに処分されている現状を知り、「気軽にジビエを楽しめる場を提供したい」と同店をオープンしました。一般的な飲食店ではなくコンカフェの形をとったのは、より多くの人に思いを届ける話題性を意識してのこと。もともと美容の仕事をしていたまいさんらしく、スタッフは野生動物の世界観に合わせたかわいらしい衣装で接客を行っています。料理はエゾシカ肉のローストや赤ワイン煮込み、グラタンなどを提供しており、新作のすき焼きも好評です(飲み放題60分3000円、料理1000円~)。店には現役ハンターや狩猟を目指す人も多く訪れます。まいさんは「近年は免許を持つ人が増える一方で、活動方法がわからないペーパーハンターも増えています。そうした人たちの情報交換や交流の場にもなれば」と思いを語ります。
(酒やジビエなど南信・東三河の食文化紹介、飯田線「グルメ列車」初運行:長野)
南信州のジビエや信州みそと、東三河のちくわや八丁みそといった食事を、地酒と共に提供するJR東海の「グルメ列車」が11月22日、駒ケ根-豊橋(愛知県)を初めて走る。JR飯田線の観光列車「秘境駅号」の一環。午前11時半に駒ケ根駅を出発し、午後5時に豊橋駅に到着予定。列車が走るエリアの食事や酒を順番に提供し、事業者が車内で食材のこだわりを説明する。
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(キノコ採りでクマに遭遇、70代男性がけが:長野)
長野県軽井沢町の国有林で9月6日、70代男性がクマに襲われけがをしました。キノコ採りをしていたとみられます。町や警察によりますと、6日午前11時半ごろ、「クマに襲われた人が受診している」と病院から町に通報がありました。襲われたのは佐久市野の自営業の70代男性です。午前9時ごろ、軽井沢町追分の国有林で1人でキノコ採りをしていたところクマに襲われたということです。手を噛まれたり頭をひっかかれたりしていましたが、意識はあったということです。町は、この時期のクマは食べ物を求めて広い範囲を行動するため、遭遇するリスクが高まっているとして、山などに入る際にはクマ鈴やラジオなど音の出るものを携帯し人の存在を知らせるほか、入山が禁止されている場所にはむやみに立ち入らないよう呼びかけています。県内では、5日にも、伊那市の山林で、1人でキノコ採りをしていた男性(61)がクマと遭遇して襲われ、顔や体中にけがを負いました。
(捕獲した熊にマイクロチップ、延べ数千頭のデータを管理:新潟)
2025年度は新潟県や東北でクマが大量に出没し、人の生活圏に出没する「アーバンベア」も問題となった。これから冬眠に向け、クマは餌を求める時期に入る。クマの生態と変化に目を向け、共存する方策を考える。麻酔で眠らされて横たわるツキノワグマ。その首元に注射器が当てられた。挿入されたのは個体識別用のマイクロチップ。クマはその後、山へ戻された。兵庫県では、独自の個体数管理を20年以上続けている。チップを取り付けたクマは延べ数千頭に上る。捕獲したクマのチップの有無から再捕獲率を把握でき、個体数の推定に生かす。
(税免除でハンター負担軽減)
熊による人身被害が深刻化する中、環境省は緊急銃猟を実施するハンターらの負担を軽減するため、狩猟者登録の際にハンターが都道府県に納める「狩猟税」の免除を検討している。
(4~8月出没数が過去最多261件:富山)
富山県内で今年4月から8月までのクマの出没件数が過去最多の261件に上るなか、県はドングリ類の実り具合の調査結果に基づき、「今年の秋は平野部での大量出没の可能性は低い」との予測を発表しました。しかし、出没が相次ぐ現場からは困惑の声が上がっています。富山県や市町村の担当者が集まった県の「野生動物被害防止対策会議」で、クマのえさとなるドングリ類のことしの実り具合の調査結果が報告されました。県の調査結果によりますと、奥山に生育するブナとミズナラのうち、ブナは「豊作」、ミズナラは「並作(なみさく)」。また、里山に生育するコナラは「並作」となっています。県は、過去のドングリ類の実り具合とクマの出没状況の分析から、ことしの秋は「クマの平野部での大量出没の可能性は低い」と予測しました。この結果については、市町村の担当者からは予測と現場の感覚との違いを指摘する声があがりました。立山町の担当者「春から7月まででかなり捕獲しているんですよね。例年にない状態なんですよね。少ないっていう肌感覚は立山町の中ではないんですけれども。(大量出没の)可能性が低いと言い切られると私たちの注意喚起が薄くなってしまうんかな」。富山県自然保護課 朝山弘康課長「(クマの)生息域って広がっているんではかと思っています。ですので、この秋も大量に出るとかではないですが、変わった動きをするクマはたぶん出てくるかもしれませんので、その点は十分にご理解いただければと思っています」。ことし4月から8月までのクマの出没件数は、過去最多の261件にのぼっていて、県は、河川敷近くや山すそで実ったままのカキがある民家の周辺ではクマの出没に警戒するよう呼びかけています。またブナなどは「豊作」の次の年は「凶作・不作」となる可能性が高く、県は不用なカキの伐採など来年に向けた対策を今から進めてほしいとしています。富山県自然保護課 朝山弘康課長「来年は昨年と同じようなクマの大量出没が予想されますので、クマは災害対策ととらえていただいて『必ずやってくるんだ』という点でみなさんでクマの被害防止対策を行っていただきたい」。
(獣害捕獲個体の埋却施設設置へ:静岡)
掛川市の掛川大介産業経済部長は7日の市議会8月定例会一般質問で、市や地元猟友会などでつくる市有害鳥獣被害防止対策協議会が獣害対策で捕獲したシカやイノシシをまとめて埋却処理する施設を年内にも試験的に設置する方針を示した。鈴木久裕氏(共に創る掛川)への答弁。
(災害、クマ対策にドローンを活用:秋田)
秋田県大仙市と県ドローン協会(秋田市)は、災害発生時やクマ出没時などにドローンを活用して対応する協定を結んだ。協会と県内自治体との締結は4例目。
(緊急銃猟の実地訓練を初実施:京都)
市街地に出没するクマやイノシシに備えようと、京都市は8日、同市左京区で緊急銃猟の実地訓練を初めて行った。市や京都府警、猟友会などから計約30人が参加し、銃器を使用して安全に駆除するための手順などを確認した。京都府内では今月、舞鶴市内で初めて緊急銃猟が実施されており、関係者は警戒を強めている。緊急銃猟は昨年9月に導入された制度で、住民への危害を防止するために緊急の必要がある場合、従来の警察官による命令を待たずに市町村長の判断で銃猟が可能となった。今回の訓練は京都市左京区八瀬地域の高野川河川敷にクマが出没したとの想定で実施。参加者は安全な銃猟方法の検討を行った上で、近隣住民への避難誘導や車両の通行制限などの実施手順を確認した。その後、クマ役のスタッフに対し、猟友会メンバーが橋の上から模擬銃で狙いを定め、発砲から捕獲、死体確認までの流れを実演した。府内では今月3日、舞鶴市内の民家に出没したツキノワグマ2頭に緊急銃猟が実施されるなど人的被害の懸念が高まっている。京都市内でも今年1~8月、市に寄せられたクマとみられる動物やその痕跡などの目撃情報は55件に上り、昨年同期比で21件増えた。市は昨年11月以降、「できるだけ複数人で行動する」や「出会った場合は、両腕で頭と首をガードしてうずくまる」といったメッセージを多言語で表記した看板を作成し、市内の複数箇所に設置するなどし注意を呼びかけている。訓練に参加した市産業観光局農林振興室の安藤純二室長は「年末にかけてクマが脂肪分を蓄えるために餌を捕食する時期で、10~11月は特に出没しやすいといわれている。人命に危険を及ぼす恐れが高いと判断した際はためらわず、緊急銃猟を実施できるよう訓練の成果を生かしたい」と話した。
(クマ有害捕獲109頭:青森)
青森県は8日、本年度の県内での箱わなによるツキノワグマの有害捕獲頭数が7月末時点で109頭だったことを明らかにした。県が同日行った県鳥獣被害対策連絡会議で明らかにした。
(クマ出没が過去最多172件:埼玉)
2026年度第3回埼玉県環境審議会が8日、さいたま市浦和区岸町の全電通埼玉会館あけぼのビルで行われ、次期県環境基本計画(2027~31年度)の指標で県は出没件数が増えているツキノワグマについて、目標頭数を決めて捕獲する方針を明らかにした。県による管理捕獲や市町村による有害許可捕獲、市街地に出没した際の緊急銃猟による捕獲を行い、25年度末の推定個体数452頭を31年度末に448頭となることを目指す。ツキノワグマは秩父地域を中心に生息しているが、生息域は拡大傾向にあり、近年は山間部だけでなく、山沿いの市街地近くまで出没する事例が多数発生している。県みどり自然課野生生物担当によると、県内のクマの目撃件数は2025年度が172件で過去最多となった。本年度も25年度を上回るペースで目撃されており、昨年は8月末現在で67件だったが、今年8月末現在では82件になっているという。県は8月8日にクマが市街地に出没した際に緊急銃猟を行えるハンターの確保・育成を目的として、「クマ捕獲従事者研修」を長瀞町野上下郷の県長瀞射撃場で初開催。県内の猟友会に所属するハンター20人が参加し、座学や実射練習を行い、緊急時の対応方法を学んだ。県環境政策課によると、ツキノワグマは人とのあつれきを解消し、人身被害の発生を防止することを目指して目標値を設定。シカ食害などによる生態系被害やクマによる人的被害を防止するため、狩猟や有害鳥獣捕獲、管理捕獲などによる個体数管理を実施する。また個体数管理を適切に進めるため、生息状況調査や鳥獣保護管理計画の策定と見直しも実施していく。同課の担当者は「ツキノワグマの出没件数は多いものの人身被害が発生していない現状を踏まえ、目標値を設定した」などと話した。
(初めて発生を確認、マダニが媒介の重症熱性血小板減少症候群SFTS:宮城)
マダニにかまれることで感染する重症熱性血小板減少症候群、SFTSの発生が宮城県で初めて確認されました。SFTSに感染したのは、石巻保健所管内の90代男性です。SFTSは主にウイルスを保有するマダニにかまれることで発症する感染症で、かまれた6日後から14日後に発熱やおう吐などの症状が出るほか、重症化すると死亡する場合もあるということです。男性は5日に感染が確認されたということです。宮城県での感染確認は初めてです。マダニは森林や草地などに多く生息していて、宮城県ではいずれの場所でも肌の露出を減らすなど対策するよう呼び掛けています。
(栗原市に「クマ出没注意報」:宮城)
7日時点で栗原市において、市街地での目撃等件数が直近1週間で2回以上発生したことから、栗原市を対象に「クマ出没注意報」を発令いたします。栗原市以外の市区町村は、注意報等は発令されていません。確認されたクマは、再び現場周辺に出没する可能性があることから、お近くにお住まいの方々やお仕事等の用事がある方々は、十分な注意をお願いいたします。
(シカ駆除に「囲いわな」、遠隔操作で群れを一網打尽:北海道)
中札内村は、農作物に深刻な被害を及ぼしているエゾシカを効率的に駆除するため10月から、西札内地区でリモコン遠隔操作式の「囲いわな」を試験的に導入する。基本的には1頭ずつしか捕獲できない「くくりわな」「箱わな」と異なり、群れで捕らえることができる。10~20頭の捕獲を目指し、農作物被害の軽減につなげる。村内ではビート、デントコーン、牧草などの食害が相次いでいる。被害額は2024年度に1000万円を超え、25年度も900万円弱に上った。例年、200~300頭を捕獲しているが、極めて強い繁殖力を前に、従来の駆除ペースでは追いつかないのが実情だ。5月に西札内地区の農家から強い要望を受け、村は重要施策として囲いわなの設置を決めた。同地区の民家から離れた場所にフェンスの高さが2メートルにも及ぶ、10メートル四方の囲いわなを設置する。数十頭のシカが同時に入れる大きさ。シカを環境に慣れさせるため、1~2カ月ほど扉を開放し、出入りを自由にさせる。付近にはセンサーや監視カメラを設置し、内部に仕掛けた餌でおびき寄せる。夜間も監視可能なカメラの映像を確認しながら、シカの警戒心が薄れ、10頭以上の群れが入ったタイミングを見計らい、遠隔操作でゲート(パネル)を落とし、閉じ込める。10月上旬に業者と契約を結び、同月中旬に設置。12月まではゲートを開放し、来年1月に最初の捕獲・駆除を実施する。その後、再びゲートを開放して2回目の捕獲を行い、3月に撤去する。事業費は、約500万円(設置や運搬など含む)。川尻年和村長は「農業を守るためにシカを一網打尽にし、被害を減らしたい」と話している。村は試験導入の効果を検証し、他地区の設置も検討する方針。帯広畜産大学と連携し、捕獲したシカにGPSを装着して生態や行動経路を分析できないか協議を重ねている。
(「2026年度愛知県狩猟普及セミナー」:愛知)
愛知県では、豚熱対策及び農作物の鳥獣害対策として、野生鳥獣の保護及び管理を目的とした、鳥獣捕獲の担い手の確保・育成を行っています。この度、狩猟免許の活用方法や狩猟に関する魅力、鳥獣害対策等について知っていただくため、狩猟免許取得を検討されている方等を対象に、ベテランハンター等を講師とするセミナーを開催します。つきましては、参加者を募集しますので、お知らせします。参加費は無料ですので、狩猟に興味のある方は是非御応募ください。
(従業員らが植樹活動、シカの「食害」で悩む御在所岳で:三重)
シカが植物を食べつくしてしまう「食害」に悩まされている三重県の御在所岳で、植樹活動が行われました。御在所岳では生息するニホンジカによる食害が確認されていて、樹木などの成長が妨げられています。標高1000メートルを超える山上公園では7日、三重交通グループの従業員らが森の管理などに取り組むNPOと協力し、ミズナラなどの苗木約20本を植えました。「御在所岳はシカの食害により植生が衰退している、我々の活動が自然環境保全の一助になれば」(三重交通グループホールディングス執行役員 笠井和弘さん)。苗木はシカ対策のネットを張ったエリア内で育てられ、ミズナラは20年で高さ10メートルほどに成長するということです。
(クマの鋭い爪による攻撃から上半身を守る防護服:大阪)
クマの大きく鋭い爪による攻撃から上半身を守る防護服を、大阪産業大学などが開発した。実際のツキノワグマの剥製を用いて、手を振り下ろす動作を再現。わずか4ミリメートルの厚みでも、クマの爪によってできる傷から身を守る布ができた。山形県・村山市猟友会の協力で、生きたクマでの実証実験も行った結果、素材の強度が十分であることを確かめているという。大阪産業大学システム工学部の榎真一教授(機械工学)は、金属や繊維強化プラスチック(FRP)などの材料の強度を評価する研究を続けてきた。今回、防護衣のメーカー「サクセスプランニング」(京都府八幡市)から、クマの攻撃から身を守れるような服を作りたいと打診を受け、実験に着手した。同社社長の桒原(くわばら)由香子さんがクマの手の剥製をインターネット上の剥製店舗で購入し、榎教授のもとに持ち込んだ。だが、剥製のままでは手の肉球部分がせり出しているため、「クマの攻撃」を再現できない。硬くなった肉球部分をグラインダーで削り、振り子式の衝撃試験機にセットした。振り子式衝撃試験機は、振り子の重りを利用して衝撃を与え、様々な素材の強度を測る装置だ。今回、26キログラムの重りを付け、クマが手を振り下ろして引っかくときの速度を時速17キロメートルと仮定して試験を行った。この数値は、クマが振り下ろす大きなエネルギーが爪の先に集中していると仮定して計算したものだ。まずは一般的に洋服に用いられているニットなどで試験をし、布がボロボロに引き裂かれるのを確認してから、グラスファイバーとポリエチレンをフェルト状に重ねた布でクマの爪から守れるか試した。その結果、このフェルト状の厚さ4ミリメートルの布では、クマの爪による傷がほとんどできなかった。榎教授は「爪をセットする位置が布から離れすぎても、近すぎても実験にならない。しっかり当たる位置を学生と検討した」と振り返った。桒原さんが実験結果を踏まえ、クマ被害について聞き取った事例を基に、上半身を主に守る服を作った。特に顔を守るための腕周りは強度を出して販売にこぎ着けた。防護服の割には厚みがないため動きやすいのが利点で、クマに対応する自治体職員からの問い合わせが複数あったという。今後、下半身を守る防護服についても検討したいとしている。榎教授は「今回の試験機では、人間の手や腕への評価はできていない。打撲を防げるかどうかや、腕に傷ができないかどうかといった影響を今後は調べたい」と話している。
(「備後 ジビエ製作所」が害虫獣対策事業へ:広島)
イノシシ・シカだけではなくネズミ・コウモリ・イタチ等の害獣から ゴキブリ・ハチ対策まで、広島を中心に「捕る・活かす・守る」という害虫獣対策を提案し原因を見極め再発防止までを見据えた対策を目指します。株式会社BINGO(本社:広島県神石郡神石高原町、代表取締役:前田諭志)は、備後ジビエ製作所で培った野生動物の捕獲・行動把握・侵入経路の見極めを生かし、住宅・店舗・事業所の害獣・害虫被害に対応する「備後ゴキブリ害獣駆除センター」を2026年9月から本格始動しました。年間1,500頭を超えるイノシシを扱う現場経験と、備後地域200名以上の猟師との連携を基盤に、被害の原因確認、追い出し・駆除、侵入口封鎖、再発防止まで一貫して提案します。ジビエ事業を続けるなか、地域住民や取引先から「天井裏で音がする」「ネズミやコウモリが住み着いた」「店舗のゴキブリを継続的に防ぎたい」といった相談が増えていました。一方、害虫・害獣駆除を巡っては、極端に安い広告表示をきっかけに高額請求へ至るトラブルも注意喚起されています。株式会社BINGOは、現地調査と見積もりを無料で行い、作業内容と金額を事前に説明する地域の相談窓口を目指します。
(年間5万トン以上の死骸の後始末は限界に来ている:田中淳夫)
秋が訪れれば、またクマなど野生動物の出没増加が懸念されている。そして「もっと駆除すべき!」という声が高まる。たしかにクマは人身被害が恐ろしいし、シカやイノシシ、サルにハクビシン、アライグマ、サル……なども実りの秋を食い荒らす。だから駆除数を増やせという声は理解できる。また駆除を担当する人材を増やせ、技術を磨け、という主張もよくわかる。だが、一つ大事なことを忘れていないだろうか? それは駆除した個体をどう処分するか、という問題である。野生動物を駆除……ようするに殺せば、その死骸の処理が欠かせない。なかには体重が100キロを越えるような巨体のクマやシカ、イノシシもいる。駆除現場の多くは山の中であることを考えると、その処理はとてつもない労力を必要とするだろう。ここで近年の有害鳥獣駆除数を確認しておこう。まずクマの駆除数は、2025年度は1万4601頭に達した。前年度の2倍以上である。シカとイノシシの駆除数は、25年度分はまだ公表されていないが、24年度でシカが約73万頭、イノシシ約64万頭。ほかにも多様な害獣が駆除されているが、とりあえず駆除される3種の重量の総計を推定してみよう。クマの場合、ヒグマとツキノワグマ、さらにオス、メスによって体重の幅は大きいが、ここでは1頭60キロとしておく。ニホンジカは30キロ、イノシシ40キロとする。いずれも小さめに見積もっている。これを駆除数で計算すると、クマ876トン、シカ2万2200トン、イノシシ2万6000トン。合計4万8476トン。そこにサルやアライグマ、ハクビシン、キョン……と小型の駆除害獣分を加えると、年間5万トン以上になるのではないか。もちろん大雑把すぎる計算で、実態はもっと多いと想像するが、ともかく、これだけの肉の塊の駆除個体の処分が必要となる。よく言われるジビエ利用も、心もとない。シカ、イノシシを合わせて利用される頭数は1割以下であるし、食せる肉は体重の3割もない。残った肉と毛皮、骨などの使い道も少なく、残渣の処分をしなくてはならない。処分方法は、ほとんどが埋設と焼却。化成処理や生物処理などもあるが、ごくわずかだ。そして、埋設も焼却も問題を抱えている。どこに埋めるのか。山の中で穴を掘って埋めようにも、その山の所有者の許可も必要だし、そもそも山で深さ1メートル以上の穴を掘るのは極めて難しい。表土によってはスコップを受け付けない。埋設するための場所を事前に用意しておくにしても、毎年の駆除数を考えれば相当な広さが必要になるし、埋めた後の管理も必要だ。駆除した現場(銃で倒した場所、もしくは罠にかかった場所)から埋設場所、あるいは焼却施設まで運ぶにしても、その運搬の労力は馬鹿にならない。車が近くまで入れるのか、積める荷台があるのか、そして重い個体を山の中から移動させ積み込めるのか。そうした役割はハンターに任せてしまっている。しかし駆除活動そのものが非常に肉体的・精神的に厳しい行為であるうえに、その後の処理は大きな負担になっている。狩猟免許取得者には、この後始末が辛くて現場に出なくなるケースもあるという。ちなみに有害鳥獣の遺骸は、通常は一般廃棄物扱いだ。ただし扱える廃棄物の種類で、動物死体及び付随汚物の許可を有していなければならない。また一時保管のための冷却設備が必要になる場合もある。つまり産業廃棄物業者や個人には処分できない。だからゴミ焼却場で燃やせばいいわけではない。別途、動物用の設備を追加する必要があるだろう。もし専用の施設を建設しようとすると、億単位の予算が必要だ。駆除数が増えると、埋設場所の確保に悩み、焼却炉の燃料費も高騰してしまう。自治体の負担がどんどん膨らんでいく。すでに処理は限界だとする自治体も少なくない。動物関係の処理を行う民間業者を探すと、東京に1社あっただけだった。ここは専用の焼却施設を備えて、関東各地の自治体と契約して引き受けている。だが、そのキャパにも限界があるようだ。現実の駆除個体の処理はどうしているのか。どうやら駆除現場に放置されているケースが相当あるらしい。ハンターからすれば駆除してもらえる報奨金の額では、装備費や出動費も十分に賄えないのに、運び出したり埋設したりする労力が割に合わないからだ。しかし、山に捨ておかれた駆除個体は、また別の問題を引き起こす。腐敗して水質汚染を引き起こしたり、腐敗臭が人里まで流れたり、病原菌や害虫が大発生したりする恐れがある。そして最近では、クマが駆除されたシカやイノシシを食べて栄養をつけている可能性が指摘されている。肉は、栄養価が高い。肉の味を覚えると、体格がよくなり冬眠しなくてもよくなる個体もいるようだ。人を襲い始める可能性も高まる。山中でシカなどの撃つ銃声がすると、クマが寄ってくる現象も報告されている。まさに駆除個体を餌と認識しているのだろう。獣害問題を考えると、駆除すればいいと短絡的に考えがちだが、実際は駆除を担当する人材の確保もさることながら、駆除後の後始末までトータルで考えないといけない。人が野生動物と向き合い、獣害対策を施すとは、そういうことである。
(街なかでの被害が増える背景と防ぐための「教訓」とは:川名真理)
全国でクマの出没や人身被害が相次いでいます。子どもの通学路や住宅地での目撃情報に不安を感じる保護者も少なくありません。なぜクマは人里に現れるようになったのでしょうか。2020年、上高地のキャンプ場で実際にツキノワグマに襲われた記者が、当時の体験と、その後の検証から見えてきた原因や対策、そして人とクマの共生のあり方について考えました。クマが街に出て人を襲う例が増えています。2020年夏、私は、長野県・上高地の小梨平キャンプ場でツキノワグマに数メートル先のトイレ裏までテントごと引きずられ、クマに襲われて足に裂傷を負う経験をしました。あれから6年、街でクマ出没による人身被害がこれほど増えるとは思ってもいませんでした。キャンプ場と街では原因や対策が異なる面はありますが、相手がクマである点は同じです。クマと出合ってしまったらその場でできることは限られますが、事前にクマの生態を学び、対策を打つことは可能です。実際、小梨平キャンプ場では事故の教訓を生かして対策を講じ、効果が現れているそうです。6年前の上高地で何が起きたのかを振り返りながら、市街地を含めたクマ対策と、ヒトとクマの共生のあり方について考えてみたいと思います。2020年8月8日深夜、私は上高地の小梨平キャンプ場Bエリアの角に一人用テントを張り、暑かったので寝袋には入らず、熟睡していました。ハイシーズンでBエリアは満杯でした。仲間と一緒でしたがコロナ禍の影響でそれぞれ個人テントに泊まっていました。食料はビニール袋に入れて口を縛り、テント内で保管していました。国内でテント泊をする登山者の多くはこのように食料を保管していますし、キャンプ場もそのような保管を呼びかけていました。気づくとテント全体が揺れ、最初は地震かと思いましたが、揺れ方が不規則でした。熟睡していたため異常を感じても体が重く、横たわったままじっとしているとテントが一方向に動き出し、何者かにスーッと引きずられていることがわかりました。動きが止まると大きな影が足元から立ち上がり、テントを引き裂きました。そしてなぜか私のスウェットパンツの裾を片方ずつ引っ張って脱がせたあと、覆いかぶさるような体勢で前足をバタバタさせてきました。死ぬ、と思い、私はおそらく一瞬、気を失いました。このとき右足膝の側面にクマの爪が当たったようで、横2列、長さ約8cmの裂傷を負いました(のちに上高地診療所の医師に「血管が切れていたら死んでもおかしくなかった」と言われました)。ふと気づくと静かで、すぐ横にトイレ棟が見えました。テントから10メートルほどしか離れていません。思いきって起き上がりトイレ方向へ逃げたところ、クマは追いかけてきませんでした。立ち上がるとき、ぬいぐるみのようにおすわりをしているクマの影を見たように思います。丸い耳がかわいく見えました。クマは一人でゆっくり食料にありつくために私が立ち去るのを待っていたのではないかと想像します。翌朝、現場を確認してくれた同行者によると、ナッツや菓子、パックご飯やレトルトカレーなどビニールパックされた食料はそれぞれじょうずにむかれ、なめるようにきれいに食べ尽くされていたそうです。紅茶入りペットボトルのスクリューキャップも器用にあけられていましたが、ボトル側面には爪が刺さった穴が数カ所あいていました。宴の跡はクマの賢さや器用さ、食べ物への執着心を物語っていました。臆病な性質といわれるツキノワグマが、なぜテントサイトまで出て来て、人のいるテントを襲ったのでしょう? 山でクマが人を襲うのは、人とバッタリ出くわしたクマがパニックに陥るからと言われてきましたが、私のケースではクマは意図的に自分からテントに近づいています。また上高地でクマによる人身事故が起きたのはこのときが初めてだそうです。そのようなレアケースがなぜ発生したのか、その後の検証で二つの要因があったことがわかりました。一つは、キャンプ場の営業開始日が例年より3カ月遅れたことです。通常ゴールデンウイーク前にオープンするところ、2020年はコロナ禍の影響で7月20日の営業開始となりました。もともと上高地はクマのすみかですが、キャンプ場が開かれるとクマはあえて寄りつくことはしないそうです。しかし、ヒトのいない3カ月間、クマはキャンプ場に自由に出入りしていました。私が連れ去られたトイレ裏には、2本の獣道がキャンプ場から離れた方向についていたことを、事故後、仲間が確認しています。トイレ棟の前に張った私のテントは、トイレ裏のクマの獣道まで一直線につながっていたのです。クマは身を隠す場所がないと移動しにくい習性があるそうです。小梨平キャンプ場は国立公園の中にあるため、それまではできるだけ笹やぶを残すようにしていましたが、事故後は環境省と相談の上、やぶを刈り払い、見通しをよくしました。それだけでもクマ出没を抑える効果があるそうです。市街地に出没するクマにも河川敷のやぶ沿いを移動している例がみられます。たとえば今年7月、仙台市で相次いで目撃されたクマは梅田川沿いに移動していました。人口減少や高齢化、第一次産業従事者の減少などにより、手入れされない土地が全国的に増えていますが、やぶの刈り払いがクマ対策の有効な対策の一つになることが上高地の例からもわかると思います。レアケースが発生したもう一つの要因は、私を襲ったクマが、残飯などヒト由来の食べ物を食べた「餌付きグマ」だったことです。上高地ビジターセンターで受けたレクチャーによると、野生のクマは春から夏にかけてずっと低栄養状態で過ごしているそうです。そんななか高カロリーなヒト由来の食べ物を一度口にしてしまうと、身の危険も顧みず異常行動に出てしまうのだそうです。こうしたクマを元に戻すのは困難だと言われています。事故が起きる前から小梨平キャンプ場のゴミ箱をクマがあさる様子がキャンプ場のビデオカメラに収められていたこと、事故前日にも人のいるテントからクマが食料を奪っていたこと、私が襲われた当日も複数の有人テントを襲っていたこと(人身被害は私のみ)から、私を襲ったクマは確実に餌付きグマだと思っていましたが、3年後に上高地を再訪した際、そのことを体毛調査などによって証明した論文があることを知りました。キャンプ場の支配人によると、私を襲ったクマは、その後も屋外に設置された鍵付き冷凍庫を壊して中のアップルパイを食べ尽くすなどの狼藉を働いた末、8月13日に吹き矢で麻酔を打たれ、数時間後に近くで死んでいるのが見つかったそうです。頭胴長(とうどうちょう、鼻先から尾の付け根までの長さ)約1.4メートル、体重170キロ、推定年齢21歳前後のオスグマでした。その体毛などを研究者が採取・分析し、クマの食性履歴を明らかにしていたのです。論文によるとこのクマは事故の数週間前から人為的な食物を接種するようになっていたそうです。餌付いたことが異常行動の原因でした。市街地のクマ対策として生ゴミの管理や廃屋の果樹の剪定の大切さが挙げられています。事故後、小梨平キャンプ場では、餌付けされたクマを確認したらすぐキャンプ場を閉鎖するほか、食料は、夜間は食糧庫で管理するなど新しい方針が出され、餌付きグマが出ることを防いでいます。キャンプ場とは違い、日常生活を送りながらクマに襲われた方の苦しみや理不尽さを思うと言葉もありません。餌付きグマは人と共存できないため、捕獲や殺処分が必要になると思います。ただ、クマが市街地に出没するようになった理由は、人間社会のあり方と密接な関係があることを忘れてはいけないでしょう。どうしたらクマとヒトは共生できるのか。それを考える第一歩はクマの生態を知ることから始まるのではないでしょうか。
(夏は最も厳しい季節、クマは何を食べるのか?)
環境省によると、2025年度のツキノワグマの出没件数は全国で5万件を超え、過去最多を記録しました。2026年も、クマが人間を襲う事件がテレビや新聞をにぎわせる中、10年以上ヒグマとツキノワグマを追い求める動物カメラマンの二神慎之介さんは「私たちは人の生活圏に押し寄せるクマと向き合うために、よりクマという動物を理解する必要がある」と語ります。そこで今回は二神さんの著書『日本のクマを追う 激動の自然環境を生きる、ヒグマとツキノワグマ』より一部を抜粋し、「現代のリアルなクマ事情」をお届けします。クマとの不幸な遭遇を避けるには、まずは本来のクマの姿を知ることが必要だ。昨今、クマに関する報道が増え、多くの人がクマの映像を目にするようになった。しかし、このことがはたしてクマを理解することにつながっているのだろうか。むしろ逆なのではないかと私は強い不安を感じている。連日のニュースで目にするのは、町中に出没して建物に閉じ込もるクマや人にけがをさせたクマ。農作物を荒らしたり家畜を襲うクマ。そういったものばかりだ。ほんの10年ほど前までクマは遠い自然にいる野生動物だったのに、現在では人の生活圏をも脅かす危険な来襲者である。その印象の変化はあまりに極端であり、断片的にすぎる情報過多はむしろクマという動物への理解から遠ざかることにもなりかねない。私はクマを山野に追う生活のなかで、なにがクマを理解するための糸口になるかを考えた。そして結論として出たのが、まずはクマの食べ物を知ることだった。クマは本当にいろいろなものを食べる。本来のクマの食性を知れば、彼らが利用する自然環境の理解にもつながり、人間との軋轢の原因も分析でき、それは対策を探るための礎にもなるはずだ。ここで、私が実際に見てきたヒグマとツキノワグマの食性を、クマや食痕の写真とともに解説したい。なお、ヒグマとツキノワグマのどちらかしか食べないものは非常にまれだと考えられるが、個人的な経験からいずれかでしか確認できていないものは、(ヒグマの場合)(ツキノワグマの場合)と表記した。これは他方が食べないことを意味するわけではない。冬を冬眠でやり過ごすクマにとって、夏は最も厳しい季節となる。新芽や草は成長して堅くなり、秋の恵みにはまだ遠い。平地にくらべてまだ柔らかい草や早い実りを求めて、7月ごろからは標高の高い場所に移動するクマが増える。ときには空腹で、動きが鈍いクマを見ることもある。登山者などによる山での目撃情報が増えるのもこの季節だ。伸びたフキの葉っぱも好んで食べるようだ。川岸などで、一帯がまるでブルドーザーが通ったかのように押し倒されているのを見ることも多い。アキタブキなどの大きなフキなら、ヒグマの身体もすっぽりと隠してしまう。こちらも見晴らしの悪い地形が多いので、見かければ近寄るべきではないだろう。斜面のガレ場で石をひっくり返したり、道路脇などの見晴らしのよい場所で草地を掘り返したりして、盛んに舐めとるようにアリを食べる。サナギなどもまとめて食べているようだ。本州の山では、森林限界より上でも執着する様子が観察できた。6~7月に多く見る印象だが、堅果類などが不作の年はツキノワグマでも9月まで確認している。長く依存度が高い食性だと言える。昆虫類では、ほかにハチなども食べることが知られている。歯と爪を使って樹皮をはがし、樹皮の内側にある層を舐めたりかじったりする。スギなどの針葉樹で多く見られるが、ミズナラなどの広葉樹でもすることがある。原因は諸説あり、糖度の高い内樹皮を摂取するためとも言われるが、クマハギが原因でスギが枯れて林業に被害が出ることから、人間社会で問題視されることも多い。海岸に漂着したクジラやトドなどの海洋哺乳類の死体に執着することも知られている。変わったところでは海鳥の巣から卵を獲る例も報告されているようだ。海と山の距離が近く、人が立ち入らない海岸が続く知床半島では、ヒグマはこうして海岸線も採餌場として利用する。雪渓の際に生えている柔らかい草を盛んに食べる姿を見ることが多い。種類の判別は私の経験では難しいが、大雪山ではハクサンボウフウの新芽が出る7月にヒグマの出没が増える。さらに8月以降も掘り返して根を食べる。この季節、ツキノワグマはどうやらガンコウランの実なども食べているようだ。高山性であるハイマツの球果(実)は、小型の哺乳類や鳥類など多くの動物が利用するが、ヒグマ、ツキノワグマにとっても夏の重要な栄養源となっている。とくに知床半島では、秋の食べ物と同様に重要な位置を占める。ハイマツは森林限界を超えた高山帯に広く分布し、ハイマツ帯を形成する。登山道などのすぐそばまでハイマツ帯は広がっていることが多いので、クマがハイマツを利用する時期は注意が必要である。
(クマ出没から考えた自然環境、オンラインで45人が学んだ「正しく知り正しく恐がる」重要性)
生活協同組合パルシステム東京(本部:新宿区大久保、理事長:西村陽子)は8月29日(土)、オンライン学習会「クマの出没から考える日本の環境のいま」を開催しました。東京農工大学大学院農学研究院で教授を務める小池伸介さんを講師に招き、全国のクマ出没回数が急増する疑問に対し、科学的データに基づく解説を聞きました。
(クマが増えたのは日本だけじゃない!)
ここ数年、日本でクマに人が襲われる被害が頻発している。市街地まで姿を現すようになり、人身被害も増えてきたため、大問題になってきた。やはり“猛獣”が身近に出てくると聞けば、人々に強い恐怖のインパクトを与えるからだろう。なぜ、日本でクマが増えたのか。なぜ人里に下りてくるのか。対策は……。そうした疑問を口にする人も増えたが、クマ問題が激化しているのは、日本だけの特殊事情ではない。世界に目を向けると、同じような事態が広がっていることに気づく。その情況を紹介しつつ、対策として何が行われているのか、日本でも可能なのかを考えてみたい。世界のニュースを追うと、野生動物が市街地に出没する事例は各地で頻発しているようだ。ここでは主にクマを中心に見てみよう。北米には、アメリカクロクマ、ヒグマ、ホッキョククマが生息する。20世紀初頭は生息数が激減していたが、現在はアメリカとカナダ両国でクロクマは約70万頭、ヒグマ約6万頭、ホッキョクグマ約2万頭と増えてきた。それだけに市街地にクマが侵入するケースは、ニュースにならないほど件数が多いという。ところが、死亡は年間15件前後、負傷者は数件しかない。ヨーロッパにヒグマは約20万頭いるが、特に問題となっているのが、ルーマニアとスロバキアだ。クマの出没は年間5000件以上もあり、ウマやウシなど2000頭超の家畜が殺され、農家に大きな経済的損失を与えている。また過去5年間にクマに襲われて計18人が死亡し、200人以上が重傷を負った。なおオオカミも増えていて、約2万頭と10年で倍増した。人身被害はないが、家畜被害が多い。アジアには、ヒグマ、マレーグマ、ナマケグマ、ツキノワグマが生息するが、被害が大きいのはインドだ。ナマケグマが人を襲う事件が年間約1000件以上起きており、うち1割が死亡している。またトラやライオン、ゾウも出没して、人身被害を発生させている。こうした事例を追うと、クマなど危険な野生動物の人里への出没は、日本だけではないことがわかる。むしろ日本が世界と同じ傾向になってきたと見るべきだろう。では、出没するクマ対策として、各国ではどんな手法が取られているだろうか。アメリカでは、クマを獲物とするハンティングが盛んで、年間約5万頭のクロクマが捕獲されている。ただ、この場合は森林や原野で行うものだ。人里に出てきたクマに対しては、意外なことに銃による駆除をあまり行われない。クマが市街地に現れると、インクが付着するペイントボールや、貫通せず衝撃を与えるビーンバッグ弾などを使って、殺さず追い払う。それ以上に重要とするのは餌となるものの管理だ。クマなどが人里に現れるのは、人の食べ物を狙っているからだとして、徹底的に餌となるものを遠ざける努力をしている。野生動物の出没の可能性のある地域では、駐車場やキャンプ場、トレイル(自然散策路)の入口に、たいていフードロッカーが設置されている。頑丈な金属製の箱で、ここに食料を保管してクマに狙われないようにする。生ゴミも同じような扱いだ。また自然公園に入場する際はクマスプレー(クマ撃退用の唐辛子成分のスプレー)の携帯することも強く推奨されており、携帯率は約60%に達する。ヨーロッパでは、クマなどに餌を与える行為は違法行為と規定され、最大約4000ユーロ(70万円以上)の罰金がある。加えて捕獲したクマにGPS発信機を取り付け、追跡して位置を把握している。ヨーロッパ全体で1500頭以上の個体に取り付けていて、もしそれらの個体が人里に近づけば警報が出される。なおヨーロッパの野生動物および自然棲息地の保全を定めたベルン条約では、クマの扱いを変えようとしている。これまで「厳重保護」だったが、引き下げようというものだ。環境団体の反対はあるが、支持する国が増えてきた。すでにベルン条約では、25年にオオカミの扱いを「厳重保護」から「保護」に引き下げ、管理(間引き)も認められているが、クマも同じようになるかもしれない。日本ではどうだろうか。日本のキャンプ場でフードロッカーを設置しているところもそんなに多くない。また利用者も、平気で食料をテントの外に置きっぱなしにしたり、テント内に収納したりしがちだろう。しかしクマは匂いで餌があることを察知する。またキャンパーや登山者で、クマスプレーを携帯している人は多くないだろう。そして市街地では、残飯を含む生ゴミがよく出される。カラス対策のゴミ箱程度では、クマに簡単に破られる。さらにイヌなどを飼う家では、庭にペットフードが出しっぱなしにしがちだ。なかにはクマなど野生動物に餌を与えようとする観光客さえいる。これらがクマなど野生動物を寄せつける要因になっている。日本でクマが人里に出没したら、真っ先に頼りにされるのが猟友会だ。銃による駆除を行うことになる。しかし猟友会は趣味の団体で、会員は民間人である。動物の生態についても学術的に学んでいるわけでもない。職業も別にあるから、すぐに出動できる体制にないし、銃規制が厳しくて、クマを撃てるようなベテランは数少ない。日本の自治体の野生動物担当係にも、野生動物の専門家は少ない。たいてい数年ごとに異動するからだ。ガバメントハンター(公務員のハンター)を設置する動きもあるが、人件費の関係で期間雇用や地域おこし協力隊員で済ませようとしがちだ。しかしクマのような猛獣に対応しようと思えば10年以上の経験が必要だろう。欧米には野生動物の専門家がいて、出没地域に配置されている。彼らは動物の生態に詳しく、地元住民などに危険を回避するよう指導を徹底する。出没時には、追い払い、そして駆除にも出動する。そもそも駆除だけでクマの被害を防ぐのは不可能だ。物理的に大規模な駆除を行うだけの人員もいないし、種を絶滅に追い込むわけにもいかない。だから「出没個体の追い払い」や「人里に侵入させない予防」が重要となる。これはクマだけでなく、シカやイノシシなどの害獣でも同じである。しかし、日本には、そうした「追い払い」や「予防」の指導などを担える人材が少ない。出没してからあわてて猟友会に駆除を頼むのでは、解決はほど遠いだろう。単にクマを遠ざけるだけではない。出没するクマの観光化を模索する動きもある。アメリカやカナダ、ルーマニアなどでは野生のクマのウォッチングツアーが盛んだ。森の中にいるクマを観察することが観光のアクティビティの一つになっているのだ。それは一般人がクマの生態を学ぶチャンスにもなる。地元からすると、クマがいることで収益を上げられるのなら、駆除だけに走らなくなるだろう。北海道では、船で沖合から海浜のクマを観察するツアーなどを行うところもあるが、まだ小規模で、一般人にクマへの理解を深めるには力不足だろう。世界の情勢と対策を俯瞰すると、日本が取るべき手法も見えてくる。保護一辺倒ではなく、頭数管理する制度が必要であること。そのためには動物の専門家の養成と出没地への配置が欠かせないこと。一方でクマのいる地域に入る登山者や観光客、そして地域住民の意識を高めて、餌となるものを排除・管理すること、出没した際の対応を身につけること……。クマと共存していくためにできる手立てはまだあるはずだ。
(住宅街でクマの目撃相次ぎ小学校が臨時休校に:山形)
山形県天童市の住宅街で、きのうの夜からけさにかけてクマの目撃情報が相次ぎました。近くの小学校が臨時休校となるなど影響が出ています。市や警察によりますと、昨夜、天童市北久野本一丁目でクマの目撃情報が複数寄せられました。さらに、けさ午前6時前にも北久野本で住民がクマ1頭を目撃しました。クマは、けさ目撃されたあと、北の方向に歩いていったということです。そのため、目撃現場の北側にある天童市立北部小学校は、きょう臨時休校となっています。これまでのところ、人や物への被害は確認されていません。市は、体長などの特徴から目撃されたのは同じ個体である可能性が高いとみていて、まだ近くにいる可能性があるとして警戒やパトロールを続けています。
(公園で体長約1mのイノシシを捕獲:香川)
7日、高松市の栗林公園で巡回中の職員が園内に設置されていた箱わなにイノシシ1頭が捕獲されているのを発見しました。栗林公園観光事務所によりますと、捕獲されたのは体長約1m、推定体重30kgのオスのイノシシです。捕獲したイノシシは香川県猟友会が処分して搬出したということです。栗林公園では、8月13日早朝にイノシシとみられる動物の目撃情報があり、園内の一部を通行止めにするほか、イノシシが潜伏しそうな場所に箱わなを設置していました。栗林公園では、捕獲したイノシシとは別のイノシシが園内にいる可能性もあるため、今後1週間程度はわなの設置を続け、一部通行止めや看板などでの注意喚起を続けるということです。
(姫新線に遅れ、列車がイノシシと接触:岡山)
JR西日本によると、姫新線は6日、中国勝山駅―久世駅間で列車がイノシシと接触したため、車両と線路を確認している。このため、姫新線の一部列車に遅れが出ている。
(国産ジビエ認証 ジビエ料理フォトコンテスト2026)
国産ジビエ認証のシカ・イノシシ肉を使った「ジビエ料理フォトコンテスト」を開催します。今回は、ジビエの中でも、農林水産省が定めた安全安心の国産ジビエ認証のあるジビエが対象です!料理は手作りでも、飲食店やイベントでも、加工品でもOKです。ジビエ好きの皆さん、Instagramで認証のジビエを使って料理を教えてください!ジビエ初心者の皆さん、ジビエはもっと身近な食材になれます。安心して認証ジビエをお召し上がりください。フライパンひとつで作れるお肉料理から、行きつけのお店の定番メニュー、お酒のおつまみまで。あなたが見つけた、おいしいジビエ料理を認証マークと一緒に、Instagramでシェアしてください!
(料理店営む現役猟師が挑む、美味しいジビエ流通への道:福井)
福井県福井市の「御料理 展(のぶ)」の店主で現役猟師の北和展さんは、市内に安全なジビエ肉を流通させるための解体処理施設をつくるプロジェクトを進めている。
(イノシシ肉の安全アピール、「豚熱検査陰性マーク」作成:島根)
島根県が家畜伝染病の豚熱の検査で、陰性が確認された野生イノシシ肉に表示できる「豚熱検査陰性表示マーク」を作成した。
(シカ肉食べ放題や冒険家の珍品競売:北海道)
西興部村特産のシカ肉料理を味わう「鹿肉祭り」が、村内の屋内多目的運動場で開かれた。今年は村内で開かれた冒険家や旅人が集まるイベント「地平線モリズム」に合わせて行われ、道内外から約110人が参加した。
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(「クマと5分ほど格闘した」キノコ採りの61歳男性:長野)
長野県伊那市高遠町の山林で、9月5日、キノコ採りをしていた男性がクマに襲われけがをしました。命に別条はないということです。クマに襲われたのは諏訪市の公務員の男性(61)です。警察や消防などによりますと、5日午前7時半ごろ伊那市高遠町長藤の山林内でキノコ採りをしていたところ、クマに襲われました。男性は自力で下山し、近くの親族の家に助けを求めました。顔面と体中に爪でひっかかれた傷を負い、諏訪市内の病院に搬送されました。命に別条はないということです。関係者によりますと、男性は「クマと5分ほど格闘した」と話していたということです。警察や猟友会が駆けつけ付近を捜索しましたが、クマは見つかっていません。伊那市高遠町総合支所 農林建設課 細田浩さん:「(クマは)大型犬くらいの大きさ。注意して山に入っていただくようお願いしていきたい」。市はその後、現場付近に罠を設置し、「クマ注意」の看板も立てて付近の住民に注意を呼びかけています。
(クマ緊急銃猟、安全確保に時間も)
クマやイノシシが市街地などに出没した際に市町村の判断で発砲できる「緊急銃猟」の開始から、9月で1年となった。環境省によると、クマでは8月末までに東北や北陸などの14道県で計81件実施され、活用が広がった。ただ、安全確保に時間がかかるケースがあるほか、捕獲経験がない自治体ではノウハウ不足が課題となっている。クマの緊急銃猟は、2025年10月に仙台市で初めて実施。それまで夜間や住宅密集地での発砲は原則禁止されていたが、自治体からは「条件さえ整えば迅速に捕獲できるようになった」との声が上がる。実施件数の7割弱が冬眠前のクマが餌を求めて活発に活動する10~12月に集中。都道府県別では、山形県が最多で19件、新潟県が14件、岩手県と富山県がそれぞれ8件などとなっている。実施で最も重要な条件となるのが、現場周辺の安全確保だ。自治体や警察は住民らに危害が及ばないよう、避難誘導や交通制限を行い、流れ弾を受け止める土手などの「バックストップ」を確保する必要がある。福島県郡山市では今年4月、住宅地に出没したクマが小学校の周辺などを移動。安全確保に時間がかかり、緊急銃猟に踏み切ったのは最初の目撃から約43時間後だった。高い技術を求められる夜間に発砲できるハンターの不在も長期化の一因になったという。福島市では6月、クマが工場内に2日間にわたって居座った。引火の可能性を考慮して麻酔銃を用いたが、捕獲には至らず、市担当者は「初事例だったこともあり、長期化した。マンパワー不足も痛感した」と振り返る。実施件数が多いほどノウハウが蓄積されるため、環境省担当者は「自治体の対応力に差が出ている」と指摘。山形県の担当者は「県内でも、警察との連携など実務的な議論を深めている市町村がある一方で、ようやく体制が整い始めたところもある」と話す。このため同省は、自治体向けの研修会で先行事例を紹介するなど、知見の共有に力を入れる考えだ。クマの捕獲や管理を担う公務員「ガバメントハンター」ら専門人材の育成も支援している。
(クマ専門家が自治体支援、環境省が実証事業を公募)
市街地でクマの目撃が増えていることを受け、環境省は4日、これまで出没が少なく対策の知見や経験が不足している自治体向けに専門家チームを編成し支援を行う実証事業の公募を始めた。10月2日の締め切りで、10件程度を選定する見通し。環境省によると実証事業では、自治体ごとに相談役を配置しクマ対策における地域の課題を整理。専門家を交えた2~3人を編成し、自治体と協力しながら対策案の試行や効果の検証などを行う。対象は、市街地への出没対策強化を検討する都道府県や市町村。経費は10件程度で計5千万円以内を見込み、環境省が負担する。
(自治体に専門家チーム派遣、ドローンやAIなど新技術を公募し効果検証へ)
クマの市街地への出没増加をうけて対策強化にむけた実証事業がスタートします。環境省は自治体向けのコンサルティングを始めるほか、ドローンなど最新技術についての効果を検証します。クマ対策の経験が少ない自治体を対象に専門家チームを派遣し、地域ごとの課題分析や対策支援を行うほか、企業などに向けて、ドローンやAIなどの新技術を公募しクマの出没防止などに効果があるか検証を行う予定です。相次ぐクマ被害を受けて、自治体の対応力強化と技術導入の促進につなげたい狙いです。
(JR、昨年度のクマ接触事故が急増43件)
東北地方では、クマの出没が相次いでいる。JR東日本の仙台と山形、福島の3事業本部管内の計15路線で、2025年度のクマとの接触事故が43件あり、24年度の9件から約4・8倍に急増したことがわかった。中でも磐越西線と奥羽線、仙山線の3線で約7割を占め、各事業本部が防止対策を強化している。JR東が8月28日に発表した資料によると、25年度のクマ接触事故件数は43件。過去3年間で最多という。うち磐越西線が12件、奥羽線が9件、仙山線も9件で、3線で30件だった。24年度は全体で9件で、磐越西線が3件、奥羽線が2件、仙山線が2件で、3線で8割近くを占めた。23年度は全体で14件で、磐越西線が2件、奥羽線が5件、仙山線が3件で、3線で7割以上を占めた。クマとの接触事故は秋ごろから増えるという。列車がクマと衝突すると、いったん停止をして運転士らが安全確認などをするため、遅延が発生するという。マ接触事故の急増を受け、三つの事業本部は列車の安全・安定輸送と、作業員の安全確保のため、今年度からクマの接触事故防止に特化した対策に乗り出した。磐越西線の磐梯熱海(福島県)―東長原(同)では8月から10月まで、河川や山林と隣接する線路沿線の雑草を取り除き、線路とクマの生息圏をすみ分けする「ゾーニング」を初めて実施している。昨年度の忌避剤散布は動物全般の薬剤を使用していたが、今年度はクマに効果がある成分を含んだ薬剤に変更。4月と10月に磐越西線の中山宿(同)―磐梯町(同)、5~7月と10月に奥羽線の板谷(山形県)―かみのやま温泉(同)、9月に仙山線の山寺(同)―高瀬(同)で忌避剤の散布をする。仙台事業本部の広報担当者は、「安全輸送のため、線路周辺の環境改善や忌避対策により、クマの接近・侵入の抑制につなげ、乗務員がクマを早く発見できることで接触事故の低減効果を期待している」と話している。
(救命医療の現場が本気で挑むクマ外傷“重症化防止”プロジェクト:秋田)
クマによる人身被害が後を絶たない秋田県。命が助かっても、重い後遺症に苦しむ人は少なくない。こうした現状を変えようと、秋田大学がクマによる外傷の重症化を防ぐプロジェクトを始動した。医療現場で得られた知見を生かし、新たな防護用品や教材の開発に乗り出している。秋田県内では2026年に入り、7人がクマに襲われるなどしてけがを負い、このうち1人が死亡している。被害の多くは山中ではなく、自宅の敷地内や農作業中など、日常生活の場で発生している。近年、クマの出没は県民にとって身近な脅威となっており、「いつ、どこで遭遇するか分からない」という不安が広がっている。こうした状況を受け、秋田大学医学部附属病院高度救命救急センターが「クマ外傷重症化軽減プロジェクト」を立ち上げた。リーダーを務めるのは、中永士師明センター長だ。センターではこれまで、クマに襲われて重傷を負った患者の治療にあたってきた。多くの患者は一命を取りとめるものの、顔面の変形や機能障害、精神的な苦痛など深刻な後遺症を抱えるケースも少なくない。患者本人だけでなく家族にも長く影響が及ぶ現実を目の当たりにし、「治療だけでなく、被害そのものを軽くする対策が必要ではないか」という思いがプロジェクト誕生につながった。センターが2023年から2025年までに治療した重症患者43人を分析したところ、約9割が顔面に、約6割が頭部にけがを負っていた。クマは立ち上がって前足で攻撃するため、顔や頭が狙われやすいとされる。分析結果は、その特徴を裏付けるものだった。こうしたデータから見えてきたのが、「顔や頭を守ることができれば重症化を防げる可能性がある」という考えだ。プロジェクトでは、東京都の廣瀬商会と秋田・由利本荘市のグループ会社・廣瀬産業と連携し、顔や頭を守る防護用品の商品化を目指す。現在試作中なのは帽子と手袋。クマの鋭い爪や牙が貫通しにくい特殊素材を採用している。特に帽子は、頭部だけでなく首元まで保護できる設計が特徴だ。一方で、防護性能だけを追求するのではなく、普段の生活の中でも違和感なく着用できるデザインを目指している。クマとの遭遇が山中だけでなく住宅地周辺でも起きるようになった今、日常的に身に着けられる防護用品の必要性が高まっている。商品開発を担う廣瀬商会と廣瀬産業は、消防の防火服など特殊素材の製品を手がける企業で、その技術を応用して試作を続けているが、クマから身を守るための明確な基準がないことから、試行錯誤が続いているという。試作品は、秋田・北秋田市にあるクマの動物園「くまくま園」の協力を得て、防護性能などを検証中だ。プロジェクトの柱は製品開発だけではない。クマに遭遇した際の適切な行動を広く知ってもらうための教材開発にも取り組む。特に普及を目指すのが、首の後ろで両手を組み、うつぶせになったり体を丸めたりして重要な部位を守る「防御姿勢」だ。クマによる被害は完全に防ぐことが難しい場合もある。しかし、正しい知識と行動によって被害の程度を軽減できる可能性がある。プロジェクトの資金を集めるため、秋田大学は9月1日からクラウドファンディングを開始した。目標額は500万円で、寄付は10月30日まで受け付ける。中永センター長は「いかに重症化を減らすかが大事。それによってもっと多くの人を救えるのではないかという思いで立ち上げた」と話す。さらに、「幸い子供のけがはほとんどないが、子供がけがをすると大ごとになる。今のうちに防ぎたい」と語る。クマとの遭遇が特別な出来事ではなくなりつつある秋田。医療現場から始まったこの挑戦は、命を救うだけでなく、その後の人生を守るための新たな一歩となりそうだ。
(悪質「クマスプレー」にいよいよメス)
玉石混交の「クマスプレー」に、とうとう国が指針を出した。8月25日、環境省は、消費者庁、国民生活センターと合同で、市販のクマスプレーの噴射テスト結果を公表、性能の推奨要件を示した。効果のあやしい商品が入り乱れるクマスプレー市場は変わるのか。「クマ用」スプレーとして売られていても、性能はバラバラだった――。そんな噴射実験の結果が、8月25日、公表された。担当者がある製品を構え、ノズルを押した。次の瞬間、迫力あるオレンジ色の飛沫が勢いよく伸びていく。約10メートル先まで、濃いオレンジ色の帯が力強く飛んだ。だが、別の製品では噴射した瞬間に白い霧が飛びだすが勢いはなく、ほんの数メートル先で地面に落ちていく。また別の製品は、わずか数秒で噴射が終わった。クマが目の前に現れたとき、果たしてこれで効果があるのか。これは、消費者庁、環境省、国民生活センターが合同で公表したクマスプレーの検証動画の一場面だ。検証されたのは、インターネット通販の大手ショッピングモールで「クマスプレー」と検索した際に上位表示された12製品と、比較用に選ばれた対人用の催涙スプレー3製品の計15製品だ。テストは常温・無風のビニールハウス内で、各製品を3本ずつ噴射する方法で行われた。「クマスプレー」の噴射時間は最短で約2秒、最長は約37秒と、20倍近くの開きがあった。噴射距離は最も短い製品で3.5メートル、最も長い製品は測定上限の10メートル以上に達し、3倍近い差があった。内容量も、最少40グラム程度から最多225グラム程度までと、5倍以上の差があった。噴射パターンも様々で、粒子が広がる霧状(ミスト状)が12製品中6製品、直線状に噴射される棒状が3製品、粒子の広がりと直線的な液流の両方が見られる混在タイプが3製品だった。国民生活センター商品テスト部の担当者は、こう語る。「棒状に噴射するタイプでは、動くクマの目や鼻、口といった粘膜が露出した部位を的確に狙うのは難しいとみられます」。有効成分の表示にもばらつきが目立った。同じカプサイシン系の刺激成分でありながら、「カプサイシン○%」「カプサイシン○%以上(カプサイシノイドを含む)」「オレオレジン・カプシカム」など、確認できただけで8通りの表記が使われていた。ビニールハウス内で次々に噴射していくなか、刺激の感じ方にも差があった。「連続して噴射しても換気の必要がないほど刺激が穏やかな製品がある一方、1本噴射しただけで換気しないと耐えられないほど刺激の強い製品もありました」(国民生活センターの担当者)。2025年度、クマによる人身被害は過去最多の238人になった。26年度も出没情報は多く、これまでクマの生息地とされてきた山林部だけでなく、市街地での目撃も相次いでいる。「クマに出合わないこと」がクマ対策の基本だが、遭遇してしまった際の「最後の手段」として、クマスプレーは関心を集めてきた。環境省の担当者は、こう語る。「クマスプレーとして流通する製品の中には、対人用催涙スプレーを『クマ対策用』と称して販売しているとみられるものや、EPA登録品のパッケージと酷似している、コピー商品のようなものもある。クマを撃退するスプレーとして適切に効果を発揮するかわからない製品が流通している状況です」。EPAとは米国の環境保護庁のことで、米国ではクマスプレーは、この機関の審査を受けて登録されなければ販売できない。登録には、クマとの遭遇を想定した噴射距離や噴射時間など、一定の性能基準を満たす必要があるとされる。だが、日本にはEPAのような規格や基準が存在しない。クマの専門家たちはかねて「日本でもEPAのような基準を設けるべきだ」と訴えてきた。検証の結果を、環境省は「クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件」にとりまとめた。野放しだった「クマスプレーもどき」に、ようやくメスを入れた形だ。推奨要件は、(1)常温・無風の条件下で噴射距離7.5メートル程度以上、噴射時間6秒程度以上を確保すること、(2)噴射パターンは「霧状(ミスト状)」で円錐状に広がることなどで、噴射時に狙いを定める必要がある棒状の液流タイプは「推奨しない」としている。また、(3)有効成分の濃度はカプサイシン等の合計濃度(CRC濃度)で1.0~2.0%程度を目安とし、(4)製品パッケージ等への性能表示などの明記を推奨する。また、(5)「実際にクマに対して使用され、十分な行動抑制や危機回避に結びついた事例」や「性能がわかる噴射試験の動画等」の公表も望ましいとしている。クマスプレーの携行・噴射研修を指導してきた野生動物被害対策クリニック北海道(HWCC)代表の石名坂豪さんは、これらを評価する。「この要件を満たせば、製品の品質は底上げされるのではないか」。一方で、こう注意喚起する。「推奨要件をすべて満たしていることが大切です。噴射距離7.5メートル、噴射時間6秒を満たせばよいというわけではないと知ってほしい」。というのも、3機関が合同で制作した注意喚起のポスターには、クマスプレーを選ぶ際のポイントとして、「噴射距離や時間などの性能表示をよく確認する」とのみあるためだ。「噴射距離と噴射時間さえクリアすればいい、という売り方や買い方をされる懸念が残る。成分の刺激性やエアゾールの広がり方などを含めて、推奨要件です」(石名坂さん)。そして、こんな期待を寄せる。「事業者が推奨要件を守って製造・販売すれば、有効性が低い製品はある程度淘汰されると思います」。だが、果たして市場が変わるかというと、石名坂さんの見方は慎重だ。「推奨」に法的拘束力はないからだ。「『クマスプレーもどき』を完全に駆逐することは難しいと思います」。石名坂さんによると、EPA登録品のラベルをそのままコピーしたとみられる模造品が、ネット通販を中心に出回っているという。「正規品の表示をコピーしているため、消費者にとっては確かな商品に見えてしまう。中身が伴っていない粗悪品や模造品は、ネットショップなどでは一定数残ってしまうのではないか」(同)。クマスプレー市場から本当に「クマスプレーもどき」が消えるかどうかは、これからだ。
(農作物の鳥獣被害最低、イノシシ減少が要因か:和歌山)
和歌山県は令和7年度の野生鳥獣による農作物被害額が約2億2300万円となり、記録が残る平成10年から過去最低となったことを明らかにした。イノシシの伝染病発生や、捕獲数が令和6年度から3割以上増加したことが影響したとみられる。県は「被害減少のため、適正な管理を進めていく」としている。県によると、農作物への被害は6年度の約2億4700万円から約10%減少した。例年、イノシシによる被害が最も多く、平成28年には約1億6930万円の被害があった。令和7年度の被害は約7630万円で、平成28年度から半分以下になり、令和6年度からは約1500万円(16.5%)減っている。2年度からイノシシや豚の伝染病である「豚熱」が発生していることや6年度に有害鳥獣として1万1089頭(前年度比37%増)が捕獲されたことで、イノシシの個体数が減ったことが、被害減少につながったとみられる。イノシシ以外の被害は、シカが約5020万円▽サルが約3780万円▽カラスやヒヨドリなど「その他」が約3680万円▽アライグマが約2120万円-だった。被害作物は、果樹が72%と7割以上を占めた。このほか、野菜が15%、水稲が7%だった。市町村別では、田辺市が約3660万円で最多。有田川町の約2670万円▽湯浅町の約2080万円▽紀の川市の約1960万円-が続いた。全国的に問題となっているクマによる農作物への被害は確認されなかったが、養蜂で巣箱を荒らされるなどの被害があったという。県は8年度までにイノシシによる被害を9000万円以下、シカによる被害を2900万円以下、サルによる被害を2900万円以下とする目標を設定し、対策を進めている。
(25年度鳥獣農作物被害:鹿児島)
鹿児島県のまとめによると、2025年度の野生鳥獣による県内の農作物被害額(速報値)が2億8449万円だった。ヒヨドリによる食害の影響で過去10年間で最高額となった前年度から47%減。地域別の被害額が前年度最多だった奄美(大島地域)も65%減の4260万円と大幅に減少した。奄美の鳥獣別の被害額が最も多いのはイノシシの2340万円で全体の55%を占めた。また、その他の獣類が1343万円で、その約8割に当たる1045万円がアマミノクロウサギによる被害だった。県農村振興課によると、県全体ではイノシシやシカなどによる獣類被害(2億5069万円)が全体の88%を占めており、①水稲(1億626万円)②果樹(5157万円)③イモ類(4347万円)の被害額が獣類被害の80%を占めている。鳥類被害(3379万円)は①果樹(1845万円)②野菜(905万円)③水稲(467万円)が多く、鳥類被害の95%を占めた。県内7地域の地域別被害額は、北薩(8033万円)が最も多く、次いで大隅(5987万円)、奄美(4260万円)などとなっている。奄美の被害額で最も多いのはイノシシ(2340万円)で、クロウサギなどその他の獣類(1340万円)、カラス(422万円)などとなっている。奄美の被害状況を24年度(確定値)と比較すると、ヒヨドリが59万円と前年度(8098万円)から大幅に減ったことで全体の被害額も前年度比8033万円減となった。イノシシ(前年度比214万円増)、クロウサギなどのその他獣類は(同13万円減)となっている。
(島原半島に外来リスが定着:長崎)
特定外来生物クリハラリス(別名タイワンリス)が島原半島で定着していることが確認された。五島・福江島と壱岐島では定着が確認されているが、県本土地区では初めて。かつて飼育していた観光施設から逃げ出したリスが繁殖したものとみられる。調査した森林総合研究所九州支所(熊本市)は、繁殖力が強く、農林業や生態系への深刻な影響が懸念されるとして「根絶に向けた取り組みを早急に始める必要がある」と警鐘を鳴らす。クリハラリスはもともと東南アジアなどに生息する外来リス。樹木の皮剥ぎや果樹の食害など深刻な農林業被害を引き起こす。定着が確認された南島原市布津町には、かつて観光施設「雲仙リス村」(2004年閉園)があり、閉園後も周辺で外来リスの目撃が続いていた。安田雅俊・同研究所地域研究監らの研究チームは昨年12月~今年2月に計3回の現地調査を実施。クリハラリスに特徴的な「環状食痕」(樹液を摂食するため樹皮を環状に剥いだ跡)を、雲仙リス村周辺(布津町と隣接する深江町)の8地点34カ所で確認した。自動撮影カメラに写った画像を解析し、外見的特徴からクリハラリスと判断した。6月に県生物学会誌で報告した。五島・福江島のケースでは、かつて鬼岳山麓にあった観光施設から逃げ出したとみられるクリハラリスが野生化。1997年ごろからツバキの実が食い荒らされるなどの林業被害が報告された。五島市では1匹千円の報償金を出して駆除を進めている。これまでに約4万匹が捕獲されたが根絶には至らず、2020年以降も毎年2千匹前後が捕獲されている。安田地域研究監はこうした状況から、島原半島でも調査範囲以上に生息域が広がっている可能性を指摘。「個体が拡散すれば、将来的には九州全土で農林業や生態系への深刻な影響が懸念される」として、行政などによる広域調査や早期の捕獲といった対策の必要性を訴える。対岸の熊本県宇土半島では、観光リス園から逃げ出した外来リスが野生化。一時は5千匹まで増えたが、行政と地域の連携により25年にほぼ根絶状態に到達した。
(この秋のクマ、大量出没「可能性は低い」:富山)
県はきょう、県内の山林でクマのエサとなるドングリの実り具合が「今年はおおむね良い」と発表しました。この秋は平野部でのクマの大量出没の可能性が低いと見ています。県森林研究所が今年7月から先月にかけて調査したところ、クマのエサとなる木の実の実り具合は「豊作」「並作」「不作」「凶作」の4段階のうち、奥山に生育するブナが「豊作」、ミズナラとコナラが「並作」でした。実のなり具合は、クマの出没が少なかった2018年の秋に近いということです。しかし県内では、今年4月から先月にかけてクマの目撃や痕跡などの情報が261件と例年より多いことから、県は河川敷周辺の市街地や山すその集落周辺でクマの出没に「引き続き警戒が必要だ」としています。県内でのクマによる人への被害は、今年は3件4人となっています。
(県内初のシカ集中捕獲:群馬)
シカの生息密度が高く、食害などによる林業被害額が群馬県内で最も多かった神流町は10月から、シカの集中捕獲に乗り出す。シカを適正に管理して生態系を保全するため、特定の地域や時期を定めて捕獲計画を作り、個体数を減らす取り組み。町猟友会に委託して来年2月までの5カ月で成獣60頭以上を捕獲し、林業被害を低減させる。
(減ったクマ、出没なぜ?:山形)
これまで連日のように伝えてきたクマ出没に関するニュース、最近はずいぶん減ったと感じている方も多いと思います。実際、この夏の目撃件数は25年に比べて大幅に減っています。その理由と、この秋の見通しについて専門家に聞きました。【岩手大学 山内貴義准教授】「一昨年8月が53件。(去年8月が277件)今年8月が(30日現在で)87件なのでそう考えると通常の年に戻っている感じはする」。5年、県内のクマの目撃件数は過去最多の3049件に上りました。その件数は、26年の春以降も増え続け、酒田市では1人が死亡するなど人身被害も相次ぎました。県によりますと、26年の目撃件数は、過去最多となった25年を上回るペースで推移していました。しかし、7月になるとその数は、25年比べて大幅に減少。8月については、25年に比べて3分の1程度に減りました。クマの生態に詳しい岩手大学の山内貴義准教授は要因の一つとして、この夏の「山の実なり」が、比較的良かったことをあげます。【岩手大学 山内貴義准教授】「去年は雨が少なくて高温の日が多くて、その時期に食べるエサが余りならなくてエサ不足になった。東北の話を聞くと今年は山の実なりがそれほど悪くないと言われている」。その一方で市街地の出没だけに着目すると別の傾向も出ています。全体の目撃件数が落ち着きを見せる一方で、市街地での目撃件数は、過去最多だった去年を上回るペースで推移しています。【岩手大学 山内貴義准教授】「今、集計する体制が前より整っているこことクマに対する意識が高くなってきている」。東北森林管理局によりますと、26年はクマの主食となるブナの実が8年ぶりに豊作となる予測です。豊作の年は出没件数が減る傾向にありますが、山内准教授は25年、市街地に出たクマが再び人里に降りてくる可能性を指摘します。【岩手大学 山内貴義准教授 】「去年、母親に連れられて人里に来ておいしいものを食べた個体が多分出ると思う。今の時期、盛岡でも出ているのでこういった学習した個体が出る可能性はある」。クマへの備えについて、山内准教授はこれから収穫期を迎える果樹などを放置しないことなどを呼び掛けています。
(クマ増加で気仙沼市が特殊勤務手当:宮城)
気仙沼市は本年度、近年急増しているクマの出没を受けて、捕獲などの危険な作業に従事する職員への特殊勤務手当を新設する。イノシシやニホンジカなども対象で、業務内容に応じて日額1100~1600円を支給する。市によると、県内で同様の手当てを支給する市は3市目。関係条例の改正案を、4日開会の市議会9月定例会に提出した。特殊勤務手当は、ごみ収集やし尿の廃棄物処理、感染症の防除、行旅死亡人の収容、斎場での火葬、災害派遣の5種類で支給されている。新たに加えた「危険鳥獣捕獲」の支給対象は、ツキノワグマ、ヒグマ、イノシシの危険鳥獣と、ニホンジカなど大型の有害鳥獣の捕獲、追い払い、監視、回収・運搬、死体処理などに従事した職員。国の特別天然記念物であるニホンカモシカの保護、死体処理も対象とする。クマなどの危険鳥獣は日額1640円、有害鳥獣とニホンカモシカの対応には日額1100円を支給。支給額は、クマ出没が多い秋田県などの先行事例を参考にしており、宮城県内ですでに支給している仙台市(日額300円)や栗原市(同500~1千円)を上回り、県内では最も高い。全国でクマの出没が相次いでいることを踏まえ、総務省は昨年11月に全国の自治体に対して、現場で対応する職員への特殊勤務手当の創設を通知。市町村による緊急銃猟も可能になり、クマ対策で職員が出動した際の手当の財源には、国の特別交付税が措置される。同課は「今年も秋以降、クマの目撃情報が相次ぐことが予想される。対応する職員は危険を伴う作業で精神的負担も大きく、適正な処遇確保を図りたい」と話す。今定例会で関連議案が可決されれば、4月1日にさかのぼって適用する方針だ。
(緊急銃猟を想定、実地訓練:秋田)
秋田県藤里町は4日、人の生活圏にクマが出没した場合に市町村の判断で猟銃による駆除を可能とする「緊急銃猟」の実地訓練を同町粕毛米田の旧米田小グラウンドで実施した。町内では初めての実地訓練で、町と地元猟友会、能代署から25人ほどが参加した。
(クマを引き寄せる誘因果樹伐採を強化:岩手)
岩手県内で人の生活圏へのクマ出没と人身被害を防ぐため、市町村が対策を強めている。一関市と奥州市は本年度、誘因果樹の伐採事業に着手。昨年度に人的被害があった地域や出没実績などを踏まえて判断し、所有者に代わって栗や柿などの木を伐採する。両市で計300本超が対象となる方向だ。所有者による伐採などへの補助制度がある自治体では申し込みが上限を超えた所もある。木々が実をつける季節を迎え、安全確保につながるか注視される。
(人口減でツキノワグマが集落に近づきやすく:兵庫)
人里への出没が社会問題化しているクマとの関わり方を考える公開講座「野生動物はなぜ人里に出没するのか?」が5日、兵庫県丹波篠山市黒岡の市民センターであった。県森林動物研究センター研究部長で県立大の横山真弓教授が講師を務め、クマの個体数管理の重要性などを訴えた。横山教授は、県内のツキノワグマは森林の再生によって増え、「県は2010年代に保護から管理強化に施策を転換した」と説明。集落周辺で箱わなでの捕獲を許可するなどし、この10年の推定個体数は800頭前後(中央値)を維持していると解説した。県内の状況は、クマが多く出没している東日本とは大きく異なるとし、東北地方のある県の個体数は兵庫県の10倍の8000頭程度に上るとの見方も示した。そのうえで、県内でも人口減少によってクマが集落に近づく要因が増えており、電気柵の設置や柿の木の管理・伐採などの対策を取る必要があるとし、「リスクマップなどを作って、被害が大きくなる前に対策をとる予防型の野生動物管理に進むべきだ」と訴えた。
(駅前の街路樹にムクドリ大群、追い払いへ:山梨)
甲斐市のJR竜王駅前に迷惑な厄介者です。一度は姿を消したムクドリの大群が再び現れ、騒音やふん害などをもたらしています。こちらは2日午後7時ごろの駅前の様子です。街路樹をよく見ると、枝のあちらこちらに灰色のムクドリが止まっているのが分かります。その数は数千羽に上るとみられます。景観も大きく損なうムクドリの大群。甲斐市によりますと、毎年夏から秋にかけて夕方になると竜王駅周辺に現れ、騒音やフン害への苦情が相次ぐといいます。そこで市は去年9月、光や音を使った追い払い作戦を展開。ムクドリの群れは駅前から姿を消しましたが、先月から再び、現れるようになりました。こうした状況を受け、市は新たに超音波などを取り入れ、再びムクドリの追い払い作戦に乗り出す方針です。
(香りで農作物の獣害対策実証実験:三重)
シカやイノシシなどによる農作物への被害を防ごうと、鈴鹿市は民間企業が新たに開発した忌避剤を使った実証実験を進めている。同市岸田町の農地約20ヘクタールに忌避剤入りの袋を設置し、周辺にカメラを置いて動物の反応を1カ月半ほど観察。香りによる新たな獣害対策の効果を確かめる。市内でも山間部の農地を中心に獣害が深刻となっており、農業者の営農意欲の低下や耕作放棄地の増加につながっている。市によると、昨年度の農業被害額はイノシシによるものが717万8千円、シカが627万円、サルが315万1千円に上った。
(鳥獣被害年間200億円をにおいで解決!?:愛知重)
愛知県豊橋市二川町のペット用品販売「トムキャット」狩猟部は、防獣用品を広めるプロジェクトチーム「わな道」を9月に立ち上げ、本格的な活動を開始します。物理的な防御やベテラン猟師の経験頼みの獣害対策ですが、野生動物の鋭い嗅覚を利用する手法を取り入れ、誰でも使える誘引剤を展開していきます。
(クマを検知後約3~5分でメール通知:岩手)
ソフトスタジオ株式会社(本社:岩手県一関市、代表取締役:菊地帝一)は、屋外カメラでクマなどの野生動物を検知し、AIで判定した結果をメールで知らせる「動物検知通知サービス」の提供を開始しました。カメラが動物の動きを検知すると動画を自動送信し、AIが撮影された動物を判定。検知から約3~5分を目安に、指定したメールアドレスへ結果を通知します。クマのほか、シカ、イノシシ、サルなどにも対応します。監視する動物は契約時に設定します。本サービスは、2026年6月から一関市と協働して実施している実証を継続する中で得られた知見も生かし、当社独自のサービスとして提供するものです。一般的なトレイルカメラは、撮影した映像をSDカードなどに記録し、後から現地で確認する使い方が中心です。一方、本サービスは、動物が現れたことをできるだけ早く担当者へ知らせることを目的としています。屋外カメラが動物を検知すると、撮影された動画を通信回線経由で自動送信。AIが映像を解析し、対象となる動物を判定したうえで、結果をメールで通知します。山際や獣道、林道の入口、農地の奥、集落の裏手など、常時人が確認することが難しい場所での利用を想定しています。
(野生鳥獣捕獲の担い手確保へ研修会:岩手)
野生動物によるさまざまな被害が問題となる中、狩猟の新たな担い手を確保するための研修会が矢巾町で開かれました。この研修会は捕獲の担い手の確保や育成を目的に、岩手県が年1回狩猟免許を持っていない人を対象に開いているものです。6日は県内各地からおよそ40人が参加し、現役のハンターから狩猟を始めたきっかけや魅力、現場の体験談などを聞きました。模擬銃やわなといった道具について学ぶ研修では、参加者が実際に触れながら理解を深めていました。県は今後も研修などを通じて、野生鳥獣の捕獲を担う人材の確保を進めていく方針です。
(学生向け狩猟免許試験予備講習会:静岡)
「自分で獣を捕ってみたい」「獣害に対して何かアクションを起こしたい」等、狩猟を始めたい学生の皆さん向けに狩猟免許試験の予備講習会を開催します。
(狩猟入門セミナー:静岡)
実際に狩猟をしている方を講師にお招きし、狩猟の魅力をお伝えするセミナーを開催します。狩猟になんとなく興味があるけど、どうしたらよいかよくわからない...という方はぜひご参加ください。
(ニホンジカ等捕獲・利活用研修:静岡)
獲物を美味しく食べられるような捕獲方法を学んでみませんか?本研修では、ニホンジカを中心に、自宅で食べるための捕獲方法や、県内のジビエ処理加工施設の情報などをお教えします。ただ捕獲するだけでなく、美味しくお肉をとりたい皆様はぜひご参加ください。
(初級者向け狩猟技術スキルアップ講習会:静岡)
狩猟免許取得後、大型獣の狩猟経験が浅い方向けに講習会を開催します。ニホンジカをメインに、野生動物の生態やわなの種類や特徴、銃やわなによる捕獲のコツや捕獲後の処理の方法など、豊富な経験を持つ狩猟者や専門家がわかりやすくお教えします。
(高校生が〝鹿肉解体〟も体験:長野)
佐久市で、高校生が鹿肉の解体などを体験し地域の鳥獣被害について学びました。研修会に参加したのは、佐久市や上田市で農業を学ぶ高校生約30人です。地域の鳥獣対策について体験を伴う形で身近に考えてもらおうと、授業の一環として初めて開かれました。上田市で鳥獣対策を行う団体の指導を受けながら鹿肉の解体にも挑戦しました。熊や鹿などの被害の現状に関する講演も開かれ、『見て』『触れて』鳥獣対策を考える一日となりました。
(東大教授が提言する縦割り行政の闇と「自分さえ良ければ」からの脱却)
街中の公園で相次ぐ倒木や、山中での野生クマの出没被害。一見、別々の話だが、実は「日本人が森と川の手入れを人任せにしてきたこと」という共通の根底が存在する。東京大学大学院教授で「富士癒しの森研究所」所長を務める蔵治光一郎(くらじ・こういちろう)教授は、「私たちが当たり前だと思ってきた『自然放置』や『森と川をバラバラに扱ってきた縦割り行政』が裏目に出始めた」と警鐘を鳴らす。蔵治教授に、私たちが直面している「本当の環境危機」について話を聞いた。――最近、街中や公園で大きな木が倒れたり折れたりするニュースが増えています。蔵治教授「木は本来、どんどん大きくなっていく生き物です。しかし、いずれは寿命が来ますし、病気や虫に侵されたり、風で倒れたりします。木が小さいうちは倒れても被害が出ないためニュースになりませんでしたが、大きくなった木が、何かの原因で倒れて騒ぎになっているのが現状です」「公園などの管理者が大きくなった木をそのままにしたいのであれば、立ち入り禁止区域を設けるか、倒木のリスクをこまめにチェックするしかありません。『大きな木には潜在的なリスクがある』という認識を、人間側が持たなければならない時代に来ています」。――各地で相次ぐクマなど野生動物による被害も、同じ根っこにあるのでしょうか?蔵治教授「野生動物は非常に賢いです。何千年も前から人間と折り合いをつけながら生きてきました。数十年前までは山際で人間が活発に活動していたため、『人間に近づくとロクなことがない』と動物の側が引き下がっていたんです」「しかし今、人間が都市に集中し、山の手入れや農業をやめてしまい、山際から“撤退”しました。すると動物たちは『昔人間がいたエリアまで進出しても構わないらしい』と学習した。根本的に対抗するには、人間側がある程度、その領域を押し戻さなければ防げません。山に入って手入れをしたり、人の気配をアピールし続けたりしなければ、なめられ続ける一方です」。――日本の森はかつて大量に植林され、長年放置されてきました。この問題が、川にも悪影響を与えていますか?蔵治教授「実は、水循環の観点からは、森と川は完全にセットです。明治政府以来、日本は行政の縦割りで森と川をバラバラに扱ってきましたが、水の源は森に降る雨です」「例えば、よく『環境のために植林しよう』と言われますが、実は過去に植林した木が大きくなってくると、逆に川の水を減らしてしまう懸念があります。木の葉の量が多くなればなるほど、根からたくさん水を吸い込み蒸散します。また木が大きくなればなるほど、葉や幹などに雨水が付着する量も増え、大量の水を蒸発させるからです。川の水の量が減れば水温が上がりやすくなり、冷たい水を好む魚などの生き物にも悪影響が及びます」。――“植林”よりむしろ「木を切る」ことが川を救うと?蔵治教授「山を壊さないように気をつけながら適度に木を切って、賢く利用していくことが、川に十分な水を流し、水温を下げることに繋がる可能性があります。今、全国各地の川で魚など生き物の減少が問題になっていますが、山で林業が行われなくなり、水量が減って水温が上がったことも悪影響を与えているかもしれません。植林というと素晴らしいイメージを私たちは抱きますが、そもそも何のために植えるのか。植えた木が大きくなるまでの50年間、責任をとれるのか。山に木を植えるのは、パフォーマンスになりがちです。今の日本に必要なのは、むしろ適切に木を切り、積極的に使っていくことではないでしょうか」。――日本の川の形そのものも、昔とはガラリと変わってしまいました。蔵治教授「今の日本の川は、排水路のように人工的になりすぎてしまいました。『大雨が降った時に早く水を海に流そう』という河川管理の法律に基づき、まっすぐで平らな川を作ってきたからです。その結果、川から多様な生息環境が失われ、その面でも生き物が棲みにくくなりました」「私が今熊本で関わっているプロジェクトでは、専門家たちが『早く流すポリシーから、あえて上流でゆっくり流すポリシーへ変えよう』と提言しています。あらかじめ溢れてもいい場所を用意し、上流で水を吸収させれば、大雨のときに下流への水の流れを遅らせることができます。しかし、国の河川整備の根本的なルールはなかなか変わりません」。なぜルールの変更が難しいのでしょうか?蔵治教授「国も従来型の対策には限界があるとして、2021年に“流域治水”、2024年にはさらに発展させた“流域総合水管理”という新しい考え方を打ち出しました。しかし130年前に作られた治水三法=森林法・河川法・砂防法という3つの法律の基本的な構造を変えることはできていません。法律の名前に象徴されるように森と川はバラバラ。まさに縦割りです。まず自然界の水循環があり、それを踏まえた全体計画を立ててから、実現する手段として個別計画を立てるのが本来あるべき姿です。しかし130年前、水循環の全体を見ずに最初からバラバラに個別対応すると決めてしまい、あまりにも長く続けてきたので、構造を大きく変えるのがとても難しくなっています。法律の構造を変え、それに合わせて組織や予算を変えられないと、せっかく新しい考え方を打ち出しても、机上の空論に終わってしまいます」。――こうした日本の自然と社会に対して、私たちはどう向き合っていくべきでしょうか?蔵治教授「戦後の日本社会は、経済的合理性と利便性、プライバシーを追求し、都会に人口を集中させてきました。しかし、ライフラインが絶たれた時、一番弱いのはそうした高密度な都市です。『自分さえ良ければいい』という都市型の暮らしを、今後何百年も持続できるわけがありません」「山に入るとき、すべて管理者の責任にするのではなく、自己責任で自然と向き合う文化を取り戻すこと。そして、都市に閉じこもるのではなく、もっと森や川に関心を持ち、適度に手入れをして使っていくこと。それが、次の世代にこの森や川の恵みを渡す唯一の方法です」。不都合な真実から目を背けず、人間と自然の「本当のサステナブル(持続可能)な関係」とは何かを問いかける蔵治教授。その蔵治教授も取材協力したドキュメンタリー映画をモチーフにしたTBS DOCSの舞台「サステナドール」の上演が決まった。まもなく幕を開ける。
(有害鳥獣担当の地域おこし協力隊:新潟)
新潟県加茂市は、有害鳥獣対策を専門に担う地域おこし協力隊員として、兵庫県豊岡市出身の青田貢さん(52)を採用し、9月1日付で委嘱した。任期は3年間。加茂市が有害鳥獣対策を担当する地域おこし協力隊員を採用したのは初めて。ツキノワグマやイノシシ、ニホンザルなどの捕獲や生息・被害状況の調査にあたり、捕獲の担い手不足解消につなげる。青田さんは銃猟とわな猟の狩猟免許、猟銃の所持許可を持つ。地元の猟友会豊岡支部では、イノシシやニホンジカの有害鳥獣捕獲を数多く経験してきた。加茂市では捕獲のほか、野生鳥獣の生息状況や農作物などの被害状況の調査にもあたる。日常の仕事とあわせて猟友会の活動を続けるのは、朝早くから出動するなど体力的にも厳しかった。そこで移住や地域との関わりを求める人と自治体などをつなぐ国内最大級の移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」で、有害鳥獣対策に関連した地域おこし協力隊の仕事を探し、加茂市の募集を見つけ、応募した。加茂市は6月から有害鳥獣対策担当1人を募集。市のホームページに加え、SMOUTにも「サルの群れやクマから、地域を守る。0から始める、本気のハンター暮らし。」として募集情報を掲載していた。兵庫県北部の豊岡市から加茂市までは約600キロ。車で8時間ほどかかる。遠く離れた新潟県での新たな仕事を選び、加茂市へ移住した。市は即戦力として期待を寄せる。青田さんは着任後、加茂市の有害鳥獣対策の現場も確認している。とくにニホンザルの捕獲設備について、これまで自身が活動してきた地域とは方式が異なり、加茂市の進んだ設備やシステムを見て「技術を見てびっくりした」と話した。以前の活動地域ではサルをおりで捕獲する機会はそれほど多くなく、捕獲の難しさも感じていたという。加茂市ではライブ映像などを活用する仕組みも確認し、「システムも最新」と評価。これまでの自身の経験をそのまま持ち込むだけでなく、加茂市ですでに行われている方法も学びながら対策に取り組む考えだ。一方、イノシシについては、これまでの捕獲経験を生かせる分野とみている。加茂市でもイノシシによる被害が課題となっていることから、現場の状況を把握しながら捕獲につなげていく。加茂市では、ツキノワグマ、イノシシ、ニホンザルなどによる農作物被害などへの対応を続けている。青田さんには捕獲だけでなく、生息状況や被害状況の調査など、現場の最前線での活動を担ってもらう。市は、狩猟者の高齢化などによる鳥獣捕獲の担い手不足が深刻な課題となるなか、青田さんの着任を「鳥獣対策を大きく前進させる第一歩」と位置付け、関係団体と連携して農作物被害の軽減を図る。
(養鶏場でカモ20羽がヒグマに襲われ死ぬ:北海道)
岩見沢市の養鶏場で飼育しているカモ20羽がクマに襲われる被害がありました。この養鶏場でのクマによる被害は今年で3回目です。被害があったのは岩見沢市毛陽町の養鶏場です。9月3日午前6時半ごろ、養鶏場の職員が農業用ハウス内の飼育棟で飼育していたフランス鴨のヒナ20羽が死んでいるのを見つけ、警察に通報しました。農業用ハウスや飼育棟の金網が破れていましたが、クマの足跡は残っていませんでした。この養鶏場では8月にもニワトリやカモが襲われる被害があり、市は電気柵の設置を予定しているということです。
(入山制限を解除、クマではなくイノシシと判断:兵庫)
高砂市と加古川市は4日、両市の境にある高御位山について、入山や周辺施設への立ち入り制限を解除すると発表した。県のヘリコプターによるパトロールで3日午前、クマの可能性が高い熱源が確認されたとしていたが、その後、画像データを精査した結果、クマではなくイノシシと判断した。両市は、野生動物に遭遇する可能性があるため、山歩きや公園を利用する際は十分注意するよう呼びかけている。
(食害対策で捕獲のシカ、高校生が活用法学ぶ:長野)
高校生たちが、捕獲されたシカの活用法などを学ぶ研修会が、4日、佐久市で開かれました。この研修会は、東信地域の高校で農業を学んでいる生徒を対象に開かれ、会場の佐久市にある佐久平総合技術高校には生徒30人が集まりました。生徒たちは、はじめに、上田市で狩猟コミュニティーを運営している川端俊弘さんからシカによる農作物への被害が県内で多く発生していることや、食害を防ぐためなどに捕獲したシカの活用法について説明を受けました。このあと、実際にシカの肉を処理して調理する体験が行われ、グループに分かれた生徒たちは、シカの肉を包丁で切り分けました。そして、生徒たちは、切り分けた肉をステーキに調理して味わいました。研修に参加した丸子修学館高校の男子生徒は「初めてシカの肉を食べましたが、やわらかくてとてもおいしかったです」と話していました。また、佐久平総合技術高校の女子生徒は「自分で切り分けて調理したので、『シカの命をいただいている』と強く感じました。捕獲したシカを活用することは大切だと思いました」と話していました。
(エゾシカ「ジンギスカン」販売好調:北海道)
とまこまい広域農協は町内で狩猟したエゾシカを加工した「味付鹿ジンギスカン」を6月から町錦町のスーパー「Aコープ厚真店」で販売している。シカ肉を使った商品は同農協で初めて。売れ行きは好調で、町のふるさと納税の返礼品に採用される見通しだ。
(野生動物(シカ・イノシシ)の衛生的な処理について学ぶ:徳島)
徳島県においては、シカ肉などのジビエ肉の安全の確保のため、衛生的な処理方法についてのガイドラインを定め、狩猟から流通に至るまでの一連の処理がと畜場(牛や豚などの家畜を食肉に処理・検査する施設)と同等水準以上で実施されることで、安全で安心なシカ肉・イノシシ肉が食用として供給されるよう、各処理場の指導を行っております。
(ジビエとクラフトビール味わう新拠点:新潟)
保育所などを運営する「どろんこ会グループ」(東京都渋谷区)は4日、南魚沼市大木六に野生鳥獣(ジビエ)の解体加工とクラフトビール醸造、飲食店機能を備えた多機能型複合施設「南魚沼ブルワリー・ジビエ(MUBG)×焚(た)き火の台所」をオープンする。地元で狩猟したジビエや農作物を、地元のレストランや給食で提供するとともに、観光客も立ち寄る循環型施設として、地方創生モデルを目指す。
(シカ猟師がジビエ直営店:北海道)
白老町石山のシカ猟師で北鹿社代表の島口英光さん(57)は4日、町大町に直営店「ユク・レラ」をオープンした。自ら捕獲したエゾシカの精肉や加工品を中心に、ヒグマやイノシシなどのジビエ、町内で活動する生産者らの商品を販売する。島口さんはわなで捕獲したエゾシカを自社で精肉にし、町内外の飲食店などに卸している。新店舗は「小さなアンテナショップ」として、業務用が中心だったシカ肉を家庭でも味わえる形で販売する。主な製品は、ロースのブロックやスライスが300㌘1200円。ジンギスカン風に味付けした商品も用意する。ロースやバラ、スペアリブ、ランプ、味付き肉など8種類計約600㌘を詰め合わせた焼き肉セットは2500円。「シカ肉のいろいろな部位を少しずつ楽しんでもらえれば」と話す。ヒグマの肉や知人の猟師から仕入れるイノシシ肉なども並べる。また、ペット向けのシカ肉ジャーキーや若シカのあばら骨なども販売する。ジビエ以外にも、町内で作られている商品を取り扱う。ウヨロフロマージュ(町石山)のヤギチーズやブルーサーモン(町末広町)のコーヒー、マテ茶のほか、シイタケ、ラー油などで、「白老にはいろいろなことをやっている人がいる。商品を通じてつながっていければ」と語る。店舗は、3月に82歳で亡くなった父の一夫さんが長く商店を営んでいた場所を引き継いだ。店名の「ユク・レラ」はアイヌ語でシカと風の意味。島口さんは「町民に愛される店にしていきたい」と話している。
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(「緊急銃猟」導入1年、発砲は15道県86件)
人の生活圏に出没した熊など危険性の高い野生鳥獣を、市町村長の判断で銃猟ができる「緊急銃猟制度」がスタートして1日で1年がたった。環境省によると、発砲まで至ったのは15道県の86件(速報値)。迅速な捕獲で農家らの安心につながることが期待される一方、実施の安全確保などで課題も出ている。緊急銃猟は昨年9月の鳥獣保護管理法の改正に伴い開始。人に危険が迫ってから応急措置で警察が発砲を判断していた改正前に比べ、人に危険が迫る前から予防的に捕獲する。実施件数は東北・北陸が全体の9割を占めた。県別では山形が20件で最多で、新潟の16件、富山、岩手が各8件と続く。実施場所は市街地が最多の68件で、農地7件、河川付近が6件だった。月別では11月が最多で、獣種別ではツキノワグマが78件、イノシシが5件、ヒグマが3件。実施は狩猟免許を持つ自治体職員や猟友会などが担う。同省によると、住民の避難誘導を行う自治体職員が鳥獣を専門とする人材でないなど、「銃猟の知識が十分共有できておらず、人に危険が及ぶ恐れのあるケースも見られた」と指摘。国の指針に基づくマニュアル策定が不十分な自治体や、野次馬などにより安全確保ができず、中止せざるを得なかった例も課題に挙げる。
(ツキノワグマの親子を緊急銃猟:京都)
京都府舞鶴市の住宅の軒下にクマ2頭がいるのが見つかり、府内で初となる緊急銃猟が行われました。3日午後5時すぎ、京都府舞鶴市大波下の民家で「縁の下にクマがいる」と近隣住民から警察に通報がありました。舞鶴市の映像では、建物から顔を出す黒いツキノワグマが確認できました。舞鶴市によりますと、見つかったのは親子とみられるツキノワグマ2頭で無人の離れの軒下にいたということです。市などは住宅の軒下を捕獲用のおりで囲みクマが外に出られないようにしたうえで、午後9時半ごろ、麻酔銃による緊急銃猟を行ったということです。府によりますと、クマの緊急銃猟を行うのは京都府では初めてで、クマは殺処分されました。
(緊急銃猟施件数、全国2番目の多さ:新潟)
市街地に出没したクマなどを市町村の判断で猟銃駆除ができる「緊急銃猟」が昨年9月に導入されてから1年が経過した。環境省によると、今年8月18日までに全国で86件が実施された。最多は山形県の20件で、新潟県は16件と2番目に多かった。クマの生態に詳しい新潟大の箕口秀夫名誉教授は「自治体と地元猟友会の連携がよくできていた」と評価し、関係機関の綿密な協力が、円滑な運用につながったとみている。緊急銃猟は、住宅街や公園などにクマやイノシシが出没した場合に、「住民や第三者に発砲で危害を及ぼす恐れがない」などの4条件がそろえば、市町村長の判断で実弾や麻酔銃を発砲できる。実務は狩猟免許を持つ市町村職員や猟友会員が担う。
(緊急銃猟制度開始1年、県内は実施8件:岩手)
クマによる人的被害対策として、自治体判断で発砲できる緊急銃猟制度が始まって1日で1年。本県ではこの間、8件が実行に移された。警察や地元猟友会と連携を深めて実施につなげる自治体がある一方、市街地での発砲のリスクを指摘する声も聞かれ、対応にはばらつきがある。市議会がハンターの安全対策強化を国に求める動きも。昨年、人里への出没が相次いだ秋を迎える中、制度運用を巡る態勢確立は道半ばだ。
(緊急銃猟、事前に役割分担を:青森)
人の生活圏にクマが出没した場合、自治体の判断で発砲が可能となる「緊急銃猟」制度が始まり、1日で1年が経過した。この間、青森県では4件の緊急銃猟を行った。実施自治体は取材に対し、事前に役割分担を決める重要性を強調。担い手育成や緊急銃猟ができない夜間の対応、中心市街地でのクマの追跡といった課題も明らかになった。青森県での緊急銃猟は、昨年度はなかったものの、本年度に入り、5月に八戸市と平川市、青森市で相次いで実施。6月には八戸市で2件目が行われた。八戸市では、1回目は手続きがスムーズに行われなかった場面があったが、2回目は順調にできたという。1回目は市の施設の敷地内、2回目は企業の敷地内での緊急銃猟で、通行規制や住民を避難誘導する必要がなかった。市畜産林政課野生鳥獣対策グループの菊谷武夫グループリーダーは「住宅地などで行う際の経験がまだ不足している」と語る。また、「マニュアルにない綿密な役割分担を事前に決めておくことが重要」と指摘。課題に高齢化が進むハンターの育成を挙げた。青森市では、複合商業ビルに侵入したクマを駆除した。「中心市街地に入ることは想定していなかった」と市環境保全課の山口智紀課長。この日早朝に近くで目撃情報があり、すぐに緊急銃猟の態勢を整えたが、次に目撃されたのが午後3時半ごろ。山口課長は「市街地での追跡、捜索の難しさを実感した」と語る。緊急銃猟後、市街地でクマが出没した際、市は防犯協会と連携して防犯カメラの映像をクマ対策に活用できるようになった。ドローンの飛行も検討している。平川市では、日没が迫る中での緊急銃猟だった。マニュアルでは市と猟友会、警察の3者がそろった場面での駆除を想定していたが、結果的に市と猟友会のみで緊急銃猟を行った。市農林課の中畑高稔課長は「日没の時間が迫る中、2者のみでやらざるを得なかった」と振り返る。事前準備の大事なポイントとしては「情報共有と、事前に担当を明確にすること」と述べ、課題については「市街地にクマがいる場合、(緊急銃猟ができない)夜間にクマをどう確認していくのかは難しい」と語った。緊急銃猟の意義について、八戸市の菊谷グループリーダーと平川市の中畑課長は「市民の不安を払拭できた」、青森市の山口課長は「緊急銃猟制度が整ったことで、市街地での対応がしやすくなった」と語った。
(「緊急銃猟」自治体職員向け初の研修会:岩手)
クマなどの出没に備え、市町村の判断で市街地での発砲を認める「緊急銃猟」の理解を深めようと、環境省は3日、盛岡市の渋民公民館で自治体職員向けの研修会を県内で初めて開いた。同市や県、盛岡東署、猟友会の約30人が射撃や机上での訓練に臨んだほか、県内外の自治体職員ら約60人が見学して、制度の運用を学んだ。研修会は昨年9月の制度導入後、同省が全国各地で実施している。自治体の訓練のモデルにしてもらうのが目的で、今年度は岩手を手始めに、今後は全国5か所で開催する予定。この日の訓練は、同公民館周辺に成獣とみられるクマ1頭が出没したとの想定で行われた。参加者は、出没の確認から発砲後の安全確認までの流れを机上や実地訓練を通じて学んだ。机上訓練では同省職員らが講師となり、「内部プロセスを解説してください」「決定権者は誰ですか」との質問が飛ぶ中、参加者は本番さながらの緊張感で手順を確認した。実地訓練ではクマの模型を使用。規制した区域内に人が立ち入り、緊急銃猟を中止する手順も体験した。訓練を終えた盛岡市環境企画課の新井田昌幸課長は「緊急銃猟の実施には事前準備や確認が重要だと改めて感じた。今回の訓練を生かし、引き続き備えを進めたい」と振り返った。同省鳥獣保護管理室の高瀬裕貴室長補佐は「岩手の自治体は制度の理解度が高いと感じた。平時の訓練が大事なので、今後も必要な支援をしていきたい」と話した。
(野生イノシシ、成長段階によって重金属の体内分布が異なる:広島修道大学)
本学人間環境学部の奥田 圭教授、本学人間環境学部(2025年度卒業)の野村 一翔さん、および他大学の研究者らによる共同研究チームの成果が、国際学術誌に掲載されました。広島県・愛媛県で得られた野生イノシシ13個体(胎子8個体を含む)について、筋肉・心臓・肝臓・腎臓・大腿骨に含まれる銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)を分析しました。Cu、Cd、Pbでは胎子と非胎子(亜成獣・成獣)で蓄積部位に違いがみられました。一方、Znでは大きな違いはみられませんでした。野生動物を用いた環境汚染評価や、ジビエ利用に関わる食品安全上の評価において、成長段階を考慮する必要性が示唆されました。
(県内の市街地でクマ目撃が激増:山形)
山形県内でクマの目撃が相次いでいます。きょうは、河北町の民家が立ち並ぶエリアでクマの幼獣1頭が目撃されました県内では先月末までに市街地でのクマの目撃件数が353件となり、去年の同じ時期に比べ227件増加しています。こうした中、県は今月から「クマ出没特別警報」の運用を開始しています。「クマ出没特別警報」は、「1つの市町村で1週間以内に市街地でのクマの目撃件数が20件を超えた場合」や、「市街地で人身事故が起きた場合」。「山中で死亡事故が起きた場合」などに県と市町村が協議して発令することになります。発令された場合、発令地域に近づかないことや不要不急の外出を控えることなどが求められます。クマに遭遇してしまった場合は、あわてずに落ち着いて、ゆっくりとその場を離れることが大切です。県は、至近距離でクマと対峙しても決して背を向けず、落ち着いて離れること、もし襲われそうになったら両腕で顔や頭を覆い、ダメージを最小限にとどめる姿勢をとることなどを呼びかけています。また、これからの時期はクマが活発に活動する時期となっていて、県は、県や自治体の情報を確認しながらクマに注意するよう呼びかけています。
(ツキノワグマ狩猟、来年度から“20年ぶり”解禁の見通し:東京)
東京都で、ツキノワグマの狩猟が来年度から、およそ20年ぶりに解禁される見通しとなりました。1日、東京都の審議会でツキノワグマの狩猟を限定的に解禁する計画案が了承されました。都内でのツキノワグマの狩猟は、クマの保護を目的に2008年度から禁止されてきました。人の生活圏近くでのツキノワグマの出没増加が問題となる中、去年の都内の生息数は推定120頭から378頭と推定され、分布域の拡大がみられることから狩猟禁止の制限が解除されることになりました。計画案では、八王子市や奥多摩町など7市町村を重点的に対策する「管理区域」とし、捕獲数は34頭を目安に、狩猟経験など要件を満たす人に限定するとしています。今後、パブリックコメントを経て、来年度から狩猟が解禁される見通しです。
(釧路湿原エゾシカ個体数増加続く:北海道)
釧路湿原のエゾシカ対策を協議する検討会議が1日、釧路地方合同庁舎で開かれた。環境省釧路自然環境事務所などが第2期計画(2022~26年度)の取り組みを報告し、27年度から始まる第3期の方向性を議論した。湿原の植生回復に向けた短期目標の明文化や、捕獲個体の処理が追い付かず制限がかかる「出口問題」への対応が主要な論点となった。会議では、釧路川右岸堤防北寄りの赤沼から、さけ・ますふ化場付近にかけてのA地区(約70平方㌔㍍)での捕獲状況が示された。同地区では大型・中型の囲いわな4カ所を設置し、第2期で391頭を捕獲した。25年度から実施した航空カウント調査では、個体数が1557~1818頭(中央値1678頭)と20年度以降増加傾向にあることが報告された。第3期では、生息状況を減少傾向に転じさせるため、A地区の年間捕獲目標頭数を更新し、生息密度目標を約350~700頭とする案を確認した。植生については、これまで抽象的だった短期目標を「2017年の柵内状況へ回復させること」と具体化する方針が示された。会議には対面とオンラインで計30人が参加。細岡展望台周辺のB地区でも個体数が増えているため対策が必要という意見や、捕獲個体の処理を担っていた民間事業者が事業を休止したため、搬入先が釧路広域連合清掃工場のみとなり、捕獲制限がかかっている現状が共有された。参加者からは「捕った個体を効率よく処理する出口整備が必要だ」との意見が相次いだ。
(新設「クマ出没特別警報」現場はどう受け止める?:山形)
山形県が今月から「クマ出没特別警報」の運用を始めました。現場で対応にあたる市町村は、新たな制度をどう受け止めているのでしょうか。新たな注意喚起の仕組み、まず「注意報」です。これまでの発令基準は、直近1週間の市街地での目撃が「5件以上」でしたが、新たな基準では「10件以上」に。そして「警報」。これまでは県内全域を対象に発令していましたが、新たに1つの市町村で直近1週間での目撃が「10件以上」となった場合などに特定の地域に絞って発令できるようになりました。さらに今回、最も警戒度の高い「特別警報」を新設。1つの市町村で「1週間以内の目撃が20件を超えた場合」や、「市街地で人身事故が起きた場合」、「山中で死亡事故が起きた場合」に県と市町村が協議し、危険性が高いと判断した地域に連名で発令します。山形県 吉村美栄子知事「(特別警報)発令時には、発令地域に近づかないということや不要不急の外出を控えることなど、その地域で危険な状況を回避するために必要な行動を、県民の皆様にお願いすることも想定しております」。この新たな制度について山形市は。山形市環境部 鳥獣被害対策課 樋口潤士 次長「(県が)まずこうした見直しをしたということを、市民のクマに対する認識を新たにしていただくというところでは、良い機会だと思っております」。山形市では、クマなどの野生動物が出没した際、ほぼ24時間体制でSNSなどを使って情報を発信しています。樋口次長「新たな基準での注意警報、そうしたことに合わせて周知などの強化も図っていくべきかなと考えている」。一方で、県と市町村が協議して発令する特別警報は、考え方に違いが出る可能性を指摘します。樋口次長「県の仕事は広域行政なので広めにとりたい、我々は地域の方々の制限となれば限定的な方がいいだろう、というところでのエリア的な食い違いというのは出てくるかもしれない。人命優先というところで、それは判断していくべきだと思っています」。また、対象となる地域や範囲によっては、住民生活や仕事、観光などへの影響も考えられます。樋口次長「趣味でなされている方については自粛していただけるかと思うが、それを生業としている方については、非常に大きいダメージが出るのかなと思っておりますので、そうした観光業だけでなく、どういう方々に影響が出るのかというところも踏まえて、協議していく必要がある」。山形市では、特別警報が出された場合も想定し、必要となる対応について検討を進めています。
(県外からの入猟自粛要請9年ぶり解禁へ:岐阜)
11月の狩猟解禁を前に、岐阜県は豚熱(CSF)対策のため行ってきた県外からの入猟自粛の要請をやめると決めた。
(“ドローンでクマ追跡”、出没増加する秋に備えて対応訓練:秋田)
秋にかけて出没が増加するクマへの対応を強化しようと、北海道芦別市で9月2日、ドローンを使った訓練が行われました。「ヒグマの足跡を発見しました。追跡を開始します」。クマの出没が相次ぐ芦別市の公園で2日朝から、市や警察、猟友会などが連携した対応訓練を行いました。公園内にクマが出没した際、関係機関への連絡と、森に追い返す対応を迅速に行うことが目的で、ドローンを活用した追跡の手順などを確認しました。秋はクマによる人身事故が多いことから、道は「注意特別月間」として、出没情報の確認などを呼びかけています。
(クマ緊急銃猟へチーム、ハンター不在の市町に派遣:三重)
三重県は1日、ツキノワグマによる人身被害を防ぐため、猟友会のハンターらでつくる「みえのクマ緊急対応チーム(M―BEST)」を発足させると発表した。捕獲経験者をあらかじめリスト化し、県内全域でクマの捕獲体制を整える狙いがある。県によると、県内全29市町のうち4市7町でハンターが不在となっている。緊急銃猟による対応が必要になった場合、県はハンターがいない市町からの要請に応じて、同チームから対応可能な人材を派遣する。将来的には50人規模の体制を目指す。一見勝之知事は同日の記者会見で「クマはこれから冬眠に向けて、里に下りてくる機会が増える可能性がある。緊急銃猟ができる自治体ばかりではないので、県でチームを編成したい」と狙いを説明した。県は、同チームのハンターの技術向上を図るための訓練費や、装具の作製に必要な関連費230万円などを盛り込んだ今年度9月補正予算案を、14日の県議会本会議に提出する。補正予算案ではこのほか、顧客から理不尽な要求を突きつけられるカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止策として2000万円を計上し、県内の小規模事業者を対象に、録音・録画機器の購入などにかかる費用の2分の1(上限20万円)を補助する。
(秋のクマ出没に注意呼びかけ:宮城)
仙台市の郡和子市長が9月1日、秋にかけてクマの出没が増える可能性があるとして、市民に注意を呼びかけた。宮城県は8月のツキノワグマの目撃等件数が例年並みの水準で推移していることなどから、県内全域に発令していた「クマ出没注意報」と、仙台市青葉区に発令していた「クマ出没警報」を8月31日で解除した。一方で仙台市内では2022年以来となるクマによる人身被害が青葉区上愛子で8月13日に発生しており、市は引き続き警戒が必要としている。市内では昨年度、10月に371件と過去最多のクマの目撃件数を記録している。市は8月31日、2回目となる「ツキノワグマ対策本部会議」を開き、秋以降の警戒強化に向けた対策を確認。出没情報の迅速な発信や注意喚起、誘引木の伐採ややぶの刈り払い、学校や保育施設など公共施設での安全確保、監視・捕獲体制の強化などに取り組む。市街地へのクマの侵入を把握するため河川沿いなどに設置しているAIカメラを現在の9台から49台に増設するほか、ドローンを活用した監視・捕獲も進める。目撃情報をLINEやメールなどで発信する仕組みにもAI技術を活用し、迅速化を図る。市民に対しては、「クマを引き寄せない」「クマに出合わない」「クマに出合ってしまったとき」の3点について対策を求める。ごみやペットフードを屋外に放置せず、柿や栗などの果実は早めに収穫し、生ごみは収集日当日の朝に出す。外出前にはクマの出没情報を確認し、出没場所には近づかない。クマがいる可能性のある場所では鈴やラジオなどで音を出し、登山やキノコ狩りなどの際に足跡やふんを見つけた場合は引き返す。クマに出合った場合は背を向けずゆっくりと後退し、大声を出したり走ったりするなどの刺激する行動を避ける。郡市長は「これからの季節は、クマが冬眠に備えて多くの食物を求めて活発に行動する時期となり、人里へ近づく可能性もある」と話し、「日頃から出没情報を確認いただくとともに、身の回りでできる対策への協力をお願いしたい」と呼びかける。
(獣害防止へ、農林環境専門職大生が演習:静岡)
静岡県立農林環境専門職大(磐田市)の2年生6人が3日までの4日間、森林保全や獣害防止の活動を学ぶ演習を掛川市倉真の山林で行った。認定NPO法人「時ノ寿の森クラブ」のメンバーの指導で、シカやイノシシを捕獲する「くくりわな」の設置を体験した。
(山肌を覆い尽くす大量のシカ…:長野)
山肌を埋め尽くすシカの大群が撮影された長野県の、その名も「大鹿村」。現地を取材すると、たくさんのシカが草木を食い荒らすことによる深刻な問題が見えてきました。きょう未明、長野県の山沿いの道を走っていると…カメラが捉えたのは、何頭ものシカの姿です。ここは長野県大鹿村。高い標高と日中の寒暖差で育つブルーベリーなどが有名ですが、人口が835人に対し、シカの数は少なくとも3000頭はいると言われています。先月、大鹿村と伊那市の境にある山を撮影した映像には、おびただしい数のシカの姿が確認されました。大鹿村では3年前にもシカの大群が。なぜこれほどまでの大群が現れたのか。専門家は…岩手大学 山内貴義 准教授「餌を求めて、9月になってくると繁殖期に入るので、だんだん行動が活発化してくる時期にもなり、外に拡散することも非常に多くなる」。長野県大鹿村では、シカによる農業被害も。長野県によると、シカによる農作物などの被害額は2007年をピークに減少していましたが近年増加傾向で、去年は3億2000万円を超えています。さらに今、村が懸念しているのが…大鹿村 産業建設課 小林拓斗さん「林業被害です。 (シカによる)“木の皮剥ぎ”や、下草を食べたりすると地盤が緩んでしまう。それによる、土砂崩れ・土砂災害のおそれもあり、それが一番怖い」。過去にはシカの食害により、土砂崩れが起こったとされる事例も。岩手大学 山内貴義 准教授「森を丸裸にすることも考えられる。災害を起こすリスクも非常に高まる」。きょう、ハンター歴50年以上になる丸山さんとシカの大群が現れた山の麓に行ってみると…そこには十数頭のシカの姿が!県によると、積雪量の減少で越冬できるなど、シカが増えている一方で…長野県飯伊連合猟友会 丸山稔 会長「ハンターも減っているし、高齢になってやめた人もいる。若い人たちのハンターが増えない。特別な対策を考えないと難しいかもしれない」。
(猟友会向けクマ捕獲研修に同行:新潟)
人の生活圏に出没するクマが増え、人身被害のリスクが高まっていることを受け、新潟県はクマの捕獲を強化している。今春には、冬眠明けのクマの集中捕獲を実施。令和8年度の出没件数が県内市町村で2番目に多い長岡市は、捕獲担当者を対象に、安全かつ効率的に捕獲するための研修会を開いた。クマの生息域で行われた研修に同行した。研修会は7月下旬に2回開催され、長岡市内の猟友会メンバーで構成する市鳥獣被害対策実施隊の隊員計約30人が参加した。研修の目的について、市鳥獣被害対策課の酒井億(はかる)課長(55)は「隊員の安全確保のほか、捕獲スキルを向上させてクマの生活圏への出没を抑止し、市民の安全につなげること」と説明する。
(クマと共に生きてきた地域のリアル:岩手)
クマによる死者が過去最多となった昨年に続き、今年も各地で被害が発生している。全国有数のクマ生息地・岩手でもまた、一人の命が犠牲となった。クマに襲われて亡くなった85歳男性の長女が、ノンフィクションライター・中村計氏の取材に応じた。「父さんらしく、派手に逝きました。後世に残る。グーグルで『西和賀、中島達郎』って検索したら、すぐ出てくるから」。その場にそぐわないカラリとした長女の口調は、事故の衝撃度と、遺族の深い喪失感を物語っているようでもあった。岩手県西和賀町で85歳の中島達郎がクマに襲われて命を落としたのは5月20日のことだ。小柄ながら骨太で、畑仕事なども精力的にこなす集落のリーダー的存在だった。――襲ったクマは捕まっていないそうですが、父の仇を取りたいみたいな感情になるものですか?「仇だいっても、どれが仇のクマかわがんねぇもん。みんな黒いもん。赤い服着て、白い靴履いてたとかじゃないから、わがんないでしょ。はははは。だから、運だったんだなー、って思いますね。怒りとか、憎しみみたいなものはねぇな。ただ、早く捕まって欲しいとは思います。また、犠牲者が出ないように」。岩手県西和賀町は奥羽山脈の最深部、秋田県との県境に位置する人口約4500人の町だ。県内トップクラスの高齢化地域であり、ツキノワグマの高密度生息域でもある。集落は急峻な山々に挟まれた川沿いに点在していて、クマの生活圏とは常に背中合わせだ。それでも西和賀では何十年、何百年と、一般人がクマに襲われて命を落としたという話は聞いたことがなかったという。それくらい互いの領域は峻別されていたし、クマは人を恐れてもいた。達郎の長女が、幼い頃から耳にしてきた記憶をたどる。「年寄りの話だと、クマにやられた傷では死なないって、昔からそう言われてきたみたいですよ。森の中でばったり遭遇して、攻撃されたけど、無事に戻ってきたという人は結構、いましたから」。クマから受けた傷が危険でないわけはないのだが、その言い伝えは、それくらいクマは臆病で、人を死に追いやるまで攻撃はしないということの裏返しなのだろう。長女の口から漏れたこんな話もまたクマと共に生きてきた地域のリアルを感じる。「西和賀の人はみんなそうだけど、クマを見かけたぐらいで通報することは、ほとんどなかった。近所の人に『あっこにクマ、いたっけな』とかしゃべることはあっけど。北上市とか大きな街だと、クマ出た、クマ出たってなって、学校に注意喚起の連絡が入るらしいけど、西和賀ではそんなこと、まずなかったしな」。クマの目撃数とは厳密に言うと、クマを見かけた数ではなく、目撃者が市役所等の公的な機関に通報した数である。人が通報するのは「異常」に出くわしたときだ。これまで西和賀で通報するという習慣がなかったのはクマを見かけることがそれくらい日常だったことの表われでもある。ただし、近年は過疎化の影響で山際などの小さく歪な形の田んぼや畑から順に次々と人の手から離れ、藪に戻った。その結果、クマが民家周辺の柿や栗を食べに来るようになるなど両者の境界線は未だかつてないほどに曖昧になった。昨年は、全国で過去最多となる13人がクマの犠牲となった。その内、3件は隣町で起きた。つまり、西和賀でもいつ同じような事故が起きても不思議ではなかった。しかし、長く続いてきた暮らしの慣習とは根深いもので、町民の危機意識が変化することはほとんどなかった。達郎の親戚で、町会議員でもある高橋敏樹が話す。「クマとの距離が近づいてきてるとか、考えたことなかったな。いないわげねぇしな、と思ってたし。もともといる所に、自分たちも住んでるっていうイメージだから。そうやってずっと暮らしてきたわげだしな。ただ、5月20日を境に西和賀の人の脳みそがガラッと変わったのは確かだ。クマに対する意識変革の日になった」。
(“山の生活のプロフェッショナル”がクマの犠牲に…:岩手)
5月20日、岩手県の豪雪地帯、西和賀町で集落のリーダー的存在だった85歳の中島達郎さんがクマに襲われて亡くなった。中島さんの親戚で町議会議員でもある高橋敏樹さんは、「5月20日を境に西和賀の人の脳みそがガラッと変わったのは確かだ。クマに対する意識変革の日になった」と語る。ノンフィクションライター・中村計氏が、西和賀町でのクマをとりまく変化をレポートする。その日、達郎は日の出から間もない朝5時頃にわらび採りに出かけた。わらびの採集期は5月下旬から6月までで、ちょうど旬の季節が巡ってきたところだった。豪雪地帯の西和賀町で採れる「西わらび」はあくが少なく、とろっとした柔らかい食感が売りの地域の特産品である。達郎の家は谷沿いに伸びる集落のいちばん奥にあった。目の前に川が流れ、両脇に山が迫っているという、奥羽山脈の麓の典型的な立地だった。そして、やはり山際の多くの土地が耕作放棄地になっていた。自宅から、さらに200メートルほど奥に入ったところにわらび畑はあった。わらび畑といっても休耕田に自生していただけで、特別な手入れをしていたわけではない。達郎は妻との二人暮らしだった。7時を過ぎても夫が戻らないことを心配した妻が畑の方へ様子を見に行くと、遠くにクマが見えたため慌てて引き返してきた。そこから達郎の親戚数人が駆けつけ、改めて捜索に行ったところ、わらび畑の奥の藪の中で倒れている達郎と、傍らにいるクマを発見したのだという。達郎の家の隣家(隣といっても150メートルほど離れているのだが)で民泊宿を経営している工藤裕は、午前8時過ぎ、けたたましいサイレンを響かせて家の前を走り去るパトカーや救急車の音で異変を知った。「達郎さんも奥さんも前日、会ったときは元気だった。だからケガかなんかして倒れたのかなと思って。しばらくしてから達郎さん家の前まで行ったら、親族のみなさんが集まっていて、クマにやられたかもしれないって話でした。そこから警察の人とかも何のアクションも起こさないので、家族は『早ぐ助けに行けばいいのに』と言っていましたね。でも、動かねえから命ねえべって判断されちゃったのかな」。猟友会のメンバーがやってきたのは午前10時頃だった。彼らが現場の方へ入っていくと山間に何発もの銃声が響き渡った。高橋が渋面をつくる。「(クマに)当たらなかったみたいだな。後日、誰かの弾が当たったとか、血を流してるクマを見かけたとかいう噂もあったけど、ガセだろな。こういう事故が起きると、あることないこと、いろんな噂が飛び交うんだ」。銃声がやむと、道の奥から一台のワゴン車が出てきた。工藤が回想する。「窓にはカーテンが引かれていて、おそらく遺体を運んできたのだろうなと思いました。僕は遠くから聞いていたんですけど、警察官みたいな人が歩いてきて『ご遺族の方ですか?』と。本来は(遺体を)確認してもらった方がいいんですけど、見ない方がいいと思いますみたいなことを言われていましたね」。それくらい遺体の損傷が激しかったのだ。父親への思いを包み隠すように長女が語る。「葬儀のとき、ある人が『達郎君は勇敢に戦ったんだな』って言ってくれた人がいて。そのときは思わず涙が出ましたね。おそらく、戦ってないでしょうけど。はははは。怖かっただろうなー、とは思いますよ。だから、誰も見てないからわからないんだけど、自分の中では思い込むようにしてるんです。一回(一撃)で逝った、って。いでーとか思う暇なく」。達郎の死は、身内だけでなく集落全体にも深い影を落とした。普段から達郎を師と仰いでいた工藤が語る。「達郎さんは、山の生活のプロフェッショナルだったんですよ。ブルドーザーで雪をどけてくれたり、頼むと何でもしてくれて。クマも注意はしていたんでしょうけど、恐れてはいなかった。そういう人はクマにも襲われないと思ってたんですけど……。そんな達郎さんがやられたから、町中がショックを受けた。誰でもやられる可能性があるんじゃないか、って」。事件後、町中は厳戒態勢になっていた。高橋が当時の様子を振り返る。「ピリピリしてたな。会えば達郎さんの話になって、『まんずお互い、気ぃづけて歩くべな』って。夜道を1人で歩いてても暗がりがあると怖いしな。家の戸も開けっぱなしの家が多かったけど、閉めるようになったり」。事故から時間が経ち、町は日常を取り戻しつつあるようにも映る。だが、工藤はこう釘を刺す。「達郎さんが亡くなる前に戻ることはないと思います。語弊があるかもしれませんが、僕も含めて、クマを舐めていた。ここで生きていくなら、ビビってるくらいじゃないとダメだと思うんです」。工藤は畑で作業するときは必ず爆竹を鳴らすようになった。達郎の事故は、西和賀で人とクマが築いてきた何百年もの安寧を粉々に打ち砕いた。もう「前の西和賀」に戻ることはできない。高橋に話を聞いているとき、何度となく携帯の着信音が鳴った。今年の春から運用されている岩手県のクマ出没情報共有アプリ「Bears」に町内の目撃情報が届いた知らせだった。着信画面に目を落としながら、高橋がつぶやく。「みんな小まめに通報するようになったな。そこは明らかに変わった」。西和賀は変わりつつある。が、変わらないものもある。達郎のわらび畑のさらに奥にもわらび畑があり、そこを管理している80代の男性は、事故後も変わらずわらび採りにでかけていた。「これを採らねば生活できねえ。クマに襲われて死ぬか、わらび採らねえで死ぬか、どっちかだ」。笑いながらそう語る表情に暗い影はまったく見当たらなかった。達郎の長女の諦観も含め、それが西和賀で生きていくことでもあるのだ。工藤と家の周りを歩いているとき、数十メートル先の山の中から何度か木の枝が折れる音が響いた。クマが枝に手をかけたか、木を踏み抜いた音なのだという。音の主の姿は見えない。しかし、スマホの画面など確認するまでもなかった。野生の気配はすぐそこにあった。
(最大のクマ対策は「出遭わないこと」)
本稿は、山﨑晃司(編著)『クマに出遭ってしまったら?』(PHP研究所)より一部抜粋、編集したものです。子どもと一緒にハイキングや山登りを楽しむことは、自然に触れ、普段とは違う体験ができる貴重な機会です。一方で、山に入るとどうしても気になるのがクマの存在。クマスプレーは必要?走って逃げてはいけない?と、万が一の時の対策を考えることも大切ですが、何より重要なのは、そもそもクマに出遭わないことです。山や森には、実はクマが近くにいることを知らせる「痕跡」が残されていることがあります。お出かけを安全に楽しむために知っておきたい、クマの4つの痕跡について、小池伸介先生の解説をご紹介します。市街地ではめったに見つけることはできませんが、森に入るとクマ類(ここではヒグマとツキノワグマ)のいくつもの特徴的な生活痕跡を見つけることができます。残された手がかりが新しいものとわかれば、まだ近くにいる可能性のあるクマと鉢合わせないよう、対策がとれるかもしれません。代表的な痕跡の一つがフンです。クマ類のフンは大きさや形から、ほかの動物のフンと簡単に見分けることができます。ほとんどのクマ類のフンはにおいがしない点も、ほかの動物のフンと見分けるポイントです。クマ類のフンの形や色は食物の種類によって異なります。たとえば、草木の葉やドングリなどを食べたときには、多くの場合、牛フンのような形状をしています。また、ウワミズザクラなどの水分を多くふくむ果実を食べたときには、消化されないまま出てきた種子が目立つことが多く、排泄直後のフンには果肉の色が残っています。たとえば、サルナシの果実を食べたクマのフンはキウイジャムのような色に、ヤマブドウの果実を食べたクマのフンは鮮やかな紫色になります。フンは雨に流されたり、コガネムシの仲間に食べられたりするため、通常は排泄後すぐに分解が始まります。つまり、形が崩れておらず、コガネムシの仲間も飛んできていないフンがあれば、夏の場合は少なくとも24 時間以内に、そこにクマ類がいたことを示すと考えてよいでしょう。ツキノワグマが樹上につくる「クマ棚」も特徴的な痕跡の一つです。ツキノワグマは、木に登り、枝を折り、折った枝を手元にたぐり寄せて樹上で果実や花、新葉を食べます。折れた枝が樹上に残り、鳥の巣状になったものが「クマ棚」です。クマ棚は枝葉が茂っているうちは見つけにくいものですが、落葉後には簡単に判別することができます。クマ棚になっている枝の葉が新鮮な状態であれば、作られて間もないクマ棚であると判断することができます。さらに、クマが登った木の幹には爪痕が残されることがあります。一般的に、点々とした爪痕は木に登るときにつけられ、長細い線状の爪痕はクマが木から降りるときにブレーキとして爪を使った跡です。いずれも樹皮がはがれることで形成され、形成後に痕が長く残るため、はがれた樹皮が新鮮な状態であれば、最近残された爪痕だと判断できます。足跡は肉球のほか、5本の指と爪痕が残ることが多いのですが、落ち葉が積もった森林で見つけることは困難です。泥の上、砂の上や雪の上(写真6)では、すぐに発見できます。足の大きさがほかの動物にくらべて大きく、肉球も大きいので他種との区別がしやすいでしょう。歩行パターンがジグザグになることが多く、肩幅があるので左右の足の間隔が空いています。足跡はすぐに消えてしまう痕跡であることから、輪郭のはっきりした足跡が見つかったということは、直近までそこにクマがいたと考えることができます。山や森でこれらの痕跡を見つけたら、近くにクマがいるかもしれません。クマと出くわしたりしないよう、十分に警戒する必要があります。
(クマ被害の男性語る:静岡)
8月29日、浜松市の森林で作業をしていた男性がクマに襲われけがをしました。場所は浜松市の山間部、天竜区春野町気田の森林の中です。被害に遭った男性が当時の緊迫した状況を語ってくれました。全国的にクマの目撃や被害が相次ぐ中、静岡県内でも2026年初めての人的被害が出てしまいました。浜松市によりますと、29日午前10時過ぎ、天竜区春野町気田の森林で、作業をしていた森林組合職員の40歳代の男性が、ツキノワグマ1頭と遭遇しました。クマは男性の腕をひっかき山中へ逃げたということです。クマが出たのは、「スーパー林道天竜線」から東へ500メートルほど森林内に入ったところで、春野中学校なども近くにあります。被害にあった男性に当時の状況をうかがうと…。(クマ被害に遭った 森林組合の男性職員・40代)「状況で言いますと、山の整備に入る前に、事務職の方で山の境を調査するんですよ」。男性は山の整備する範囲を調査するために森林に入っていました。その際、クマに気付かず近づいていたといいます。(クマ被害に遭った 森林組合の男性職員・40代)「お互い気づいたのが、もう至近距離と言いますか、2メートル前後ぐらいの距離で自分の方が認識したっていう状況でした。クマが寝てる状態だったんですよね。猫のように丸まって。その寝てるクマに自分が先に気づいて…色が黒だったので、カモシカかなんて最初は思っていたんですけど、ちょっとサイズ感的にちょっと大きかったんで、ちょっとじっくり見てたところ、相手が起きて。起きた時にやっと耳が丸かったので、クマだっていう風に気づいたっていう形でした」。クマは立ち上がり、襲ってきたといいます。(クマ被害に遭った 森林組合の男性職員・40代)「(クマが)人の顔を狙ってくるっていう知識があったので、とりあえず自分は左腕で顔と首の辺りを守っている体勢に対して、クマが立ち上がって攻撃してきました。最初の一撃目は右手でクマの方がやってきたので、左腕でその攻撃を受けまして。その次にクマの方の左でもう一度攻撃を受けたんですけど、それは自分の右肩の方にかすめた状態でした」。その後、クマは逃げて行ったといい、幸いにも男性は、腕にひっかき傷がつく程度の軽傷でした。周辺は年に1、2回程度はクマの目撃情報があり、男性は準備不足もあったといいます。(クマ被害に遭った 森林組合の男性職員・40代)「熊鈴とかをつけなかったっていうのは、ちょっと自分が準備不足だったっていうのはありますね」。浜松市は猟友会とパトロールを行うとともに、地域の住民に注意を呼びかけています。
(シカ・イノシシ用わなにかかったクマは駆除できない?)
木の実や果実が実る季節となって、街中にもクマの出没が増えると予想されているが、2026年9月2日放送の「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ・フジテレビ系)は、クマ捕獲に奇妙なルールがあると伝えた。シカやイノシシ用のわなにかかるクマが増えているのだが、そのクマは山に帰さなければならないのだという。関西テレビの江口茂・解説デスクは「シカやイノシシのわなにかかってしまったクマは、クマの捕獲許可を取っていない状態なので、麻酔で眠らせて山に帰さなきゃいけないんです」と伝える。日本ツキノワグマ研究所の米田和彦理事長によると、誤ってわなにかかったクマは錯誤捕獲といい、殺処分などの駆除はできないのだという。コメンテーターの土田晃之さん(お笑いタレント)は、「ルール変えなきゃダメですよね」とちょっとびっくりしている。たしかに、人を襲ったクマがわなにかかっても、それがシカやイノシシ用のわなだったら、駆除できないというのでは融通が利かなすぎる。司会の青木源太アナは「クマは、一般的には冬眠前に栄養を蓄えるためにたくさん食べ、行動範囲が広がる。そうなると、人里にも出てくる可能性があるということなので、しっかりした対応が必要ということです」と指摘した。大急ぎでルールを変更してほしい。
(「におい」でわな猟の成果が数倍に?:愛知)
農作物の獣害は年間約200億円に上る。特にイノシシや鹿の深刻な被害が続く新城市では、電気柵の設置や捕獲活動を続けているが被害はなくならない。豊橋市二川町のペット用品販売「トムキャット」狩猟部は、防獣用品を広めるプロジェクトチーム「わな道」を9月に立ち上げ、本格的な活動を開始する。物理的な防御やベテラン猟師の経験頼みの獣害対策だが、野生動物の鋭い嗅覚を利用する手法を取り入れ、誰でも使える誘引剤を展開していく。県全体の鳥獣被害金額は2024年度に前年度比120%の5・77億円に達し、全国でも上位。新城市の被害額は約330万円(鹿174万円、イノシシ62万円など)に上り、設楽町、東栄町、豊根村を合わせると2366万10000円に達する。鹿は生息域を広げ、イノシシも冬を除くほぼ全ての時期に食害を起こすほか、農地周りのあぜや石垣を掘り崩すなどしているという。昨年11月に同市であったシンポジウムでは、東栄町で鳥獣害対策を担う小川晴那さんが「捕獲するだけが対策ではない。人里に近づく鹿やイノシシ、熊など野生動物への関心を抱き、自分なりの考え方を持つようにすることが大事だ」などと野生動物を寄せつけないこと、地域ぐるみで対策することの重要性を説いている。全国各地でプロジェクトチーム「わな道」が勧める誘引剤での獣害対策が行われている。その一つが宮崎県で「米ぬかでの誘引とは比べものにならない。とれる量が体感で数十倍違う」という。YouTubeチャンネルを運営し、宮崎県山間部で活動する猟師の大迫さんは驚きを隠さない。大迫さんが誘引剤を使用し、妻が一人で箱わなへ仕掛けに向かった翌週、イノシシの親子がかかっていた。別の日には一度に6頭を捕獲したという。これまでは米ぬかを使っていたが、腐敗すると動物が寄り付かなくなる欠点があった。さらに米の味を覚えて田んぼを襲う危険もある。「わな道」の超速効型誘引剤は腐敗の心配がなく、ピーナッツやフルーツ系など動物の好む香りを凝縮している。箱わなにトウモロコシなどのえさを設置したうえで、獣道やわなの入り口に誘引剤をまくだけというシンプルさで、初心者でも成果を出せるようになっている。もう一つの例が栃木県だ。渡良瀬遊水地でイノシシの急増が深刻な課題となっており、栃木、茨城、群馬、埼玉の4県でつくる協議会の調査では2023年度の確認数が834頭と、前年度(488頭)の約1・7倍に増えたという。「わな道」のプロジェクトリーダーの戸﨑るいさんは、農家が育てた作物が一晩でなくなる様子を栃木県の猟師らから聞き「食べる側の私たちが他人事にしてはいけない。特定の誰かに頼らなくていい仕組みを」と願っている。人と獣のすみ分けを促し、次世代を導き、命を循環させる道標として「わな道」と名付けたという。同県那珂川町でもイノシシや鹿、ハクビシンなどの獣害が後を絶たない。ベテラン猟師の鈴木敏彦さん(79)は「田んぼが1㌶ほど全部やられてしまうこともある。電気柵を飛び越えて被害が出ている」と話す。鈴木さんは獣道を差し「こうやってやるのさ」と板ばね付きのわなをつけて見せた。その付近に誘引剤をまいて待つ。これまでは米ぬかを使っていたが、使ってみて、その簡単さに驚いたという。「獲物がかかったとき、それが誘引剤のおかげか、偶然通りかかったのかを科学的に判断するのは難しい」とこぼしたが、誘引剤の卸売りを担う鎌田スプリングの熊田哲さんも「50代以上のベテランにもリピートされており、手応えは確かにある」と語る。「わな道」が勧める誘引剤は、専門家からも支持されており、教育現場でも使われている。狩猟学校「アニマルキーパーズカレッジ」講師で、静岡県河津町の体感型動物園「iZoo」飼育係長の渡部那智さんは、鹿の食害が深刻な南伊豆で誘引剤を長年活用している。「その香りは数百㍍先まで届く。ネットに入れて木につるして広範囲に拡散させ、動物が上を向いた隙に足元のわなへと誘導する技術を学生に教えています。これがこれからのわな猟のスタンダード」と語る。この誘引剤について大学などと連携した実証実験をし、捕獲効率や誘導効果を客観的なデータとして蓄積する計画だ。「わな道」の戸﨑さんは「科学的な根拠を示すことで、行政や猟友会、地元ハンターとより深く連携し、地域を支援していきたい」と話す。その思いに応え、メンバーの一人はわな猟の免許を取得。トムキャット狩猟部は購入後もユーザーが孤立しないよう、電話やメールでの相談を受け付け、スタッフ自らが使い方を漫画で描いたマニュアルをサイトで公開するなど、現場に寄り添ったサポート体制を整えている。戸﨑さんは「猟師、農家のそれぞれの視点に立ち、香りの強さと女性や高齢者でも扱いやすい手軽さをもっと伝え、獣害対策を地元、愛知県、全国へ広げていきたい」と抱負を語った。「わな道」は、現場が抱える「とれない」「手間がかかる」という悩みを「においで誘導する」アプローチで解決を目指す。誘引剤は現場の状況に応じて使えるよう、粉末や液体のほか、さまざまなフレーバーがあり全5種をラインナップ。米ぬかのかびや清掃の手間に悩む人や、広範囲から獲物を素早く引き寄せたいハンターにお勧めだ。商品の購入や導入相談、効果的な組み合わせ方については公式ウェブサイトから受け付けている。
(名古屋城のシカ、“絶滅の危機”救うのは石川県からの若いシカ!?:愛知)
名古屋城のシカをめぐって新たな動きです。8月、1匹が死んで高齢の1匹が残るだけになっていましたが、石川県から若いシカがやってくる見通しとなりました。覆い茂る草むらの中から姿を現したメスのシカ。名古屋城を訪れる観光客や地元の人に長年愛されてきた「もみじちゃん」です。もみじちゃんが暮らすのは、名古屋城の本丸エリアを囲む堀。江戸時代からシカが放し飼いされていたといい、1970年代半ばにはその数は50匹を超えていました。ところが、ここ10年以上はメスの親子2匹の状態が続き、近いうちに“絶滅”の可能性も…。「多くの来場者に親しまれていますので、シカがいなくなるのは、避けたい事態」(名古屋市 広沢一郎 市長)。名古屋市は、別の場所からシカを受け入れることを検討していましたが、話がまとまる前の8月、「もみじちゃん」の娘の「やまむらちゃん」が死にました。死因は老衰でした。「名古屋城に来た時に、内堀をのぞき込む人が多くいるでの、2匹をずっと守り抜いていくという気持ちで、これまで取り組んできたが、そのうちの1匹が死んでしまって、本当に残念な気持ちでいっぱいです」(名古屋城総合事務所 三谷幸司さん)。そんななか、9月1日明らかになったのが――「命には限りがあります。だからこそ、私はこれまで名古屋城のシカが、絶滅の危機にあることを何度も訴えてきた」(自民党名古屋市議団 浅井正仁 議員)。名古屋市議会で質問があったのは「名古屋城のシカ」についてです。新たなシカ探しに奔走してきたという市議の訴えに担当の局長は――「年齢が若いメス1匹をお譲りいただきたいと考えています。令和9年(2027年)3月に受け入れることができるよう最大限努力してまいります」(名古屋市観光文化交流局 嶋久美子 局長)。そのシカがいるのは、名古屋城から直線で約170km離れた石川県森林公園。園内の動物園では現在、16匹のシカが飼育されているといいます。なぜ、このシカが名古屋城へ行くことになったのでしょうか。「園では、ここ近年毎年のように、シカの赤ちゃんが生まれていて、頭数が増えると飼育も大変になってくるので、対応・対策を検討していたところ『名古屋城がシカを探している』という、ニュースを見てこちらから連絡を取りました」(石川県森林公園 松本聖史さん)。増えたシカの扱いに頭を悩ませていたところに、名古屋城のシカ問題が。まさに“渡りに船”となり、今回の譲渡へと調整が進んだといいます。獣医師の検査などを踏まえ、1歳以上の個体をこれから選ぶそうです。園のシカたちは非常に食いしん坊だということで――「エサやおやつの時間になると、ピーピー鳴き声がして飼育員を呼んでいる」(松本さん)。いつか名古屋城でもエサをねだる様子が見られるかも?松本さんはシカをきっかけに名古屋との交流の深まりを期待しています。「石川県から名古屋城に観光に行くとか、あるいは名古屋から石川県に来ていただくとか、そういう交流人口が増えたらいいなと思いますし、今後また複数頭譲渡するのかどうかも、考えていきたいと思っています」(松本さん)。
(イノシシと接触、山陽線に遅れ:広島)
30日午後7時半ごろ、広島市西区のJR山陽線横川―西広島間を走行していた広発五日市行き下り普通列車の運転士から「イノシシと接触して停車した」とJR西日本中国統括本部広島指令所に連絡があった。同本部によると、車両の安全確認のため、上下計4本が最大約35分遅れ、約1200人に影響が出た。
(クマか、夜中のキャンプ場で大学生21人が避難:北海道)
2026年9月1日午前3時前、北海道函館市旭岡のキャンプ場「JUNファームキャンプ場」で、利用者が「うー」という低いうなり声や動物が動くような音を聞きました。キャンプ場によりますと、前日から団体の大学生21人が十数張のテントを張ってキャンプをしていて、このうち複数人が、テントの外で「うー」という低いうなり声や、動物が動くような音を聞き、「動物の気配がする。クマがいるかもしれない」と代表者が警察に通報したということです。その後、警察とキャンプ場のオーナーが21人を迎えに行き、キャンプ場の敷地内にあるオーナーの自宅に避難し、夜が明けてからキャンプ場を後にしたということです。その後、朝になってハンターや函館市が現地に行き、調査したところ、草の倒れ方からハンターは「クマがいただろう」と話しているということです。2022年にオープンして以来このキャンプ場でクマが確認されたのは初めてのことで、2日からもキャンプ場は営業を続ける予定です。
(ジビエ通じ食育の場に:新潟)
鳥獣被害や耕作放棄地など地方が抱える課題について「食育」を通じて解決を目指そうと、東京の保育法人が4日、南魚沼市に複合施設「南魚沼ブルワリー・ジビエ×焚火の台所」をオープンする。施設内にはジビエ料理を提供するレストランが併設され、将来的には保育施設の給食でも提供する予定で、ジビエの普及や活用促進を目指す。施設は、同市や東京など全国で保育施設や児童発達支援施設など約200施設を展開する「どろんこ会グループ」が運営する。木造2階建てで、延べ床面積は約250平方メートル。1階にはジビエ加工施設が入り、地元で捕獲したシカやイノシシの解体処理や、ミンチやソーセージなどへの加工を行う。工程はガラス越しに公開され、子どもたちが「命をいただく」過程を体感する食育の場としても活用する方針だ。また、同グループが市内の耕作放棄地で栽培するホップを使ったクラフトビールの醸造所も設けた。2階にあるレストランでは、ジビエ肉を使った料理やクラフトビールを楽しめる。同グループは、2003年から同市で子どもの田植えや稲刈り体験を行っており、首都圏などから年間に約1000人の子どもたちが訪れる。中山間地で耕作放棄地が増えていることから、13年には農業法人「南魚沼生産組合」も設立した。現在は山あいの棚田を中心に約45ヘクタールでコメを生産しており、全国の保育施設などで給食として提供している。田んぼはシカやイノシシなどの鳥獣被害に遭うこともあり、同グループの設立者で、同組合の代表も務める高堀雄一郎さん(55)は、県猟友会の一員として活動する同市の笛木義徳さん(78)の指導を受けながら、狩猟を始めた。ただ、捕獲したイノシシなどを解体処理する施設は限られ、ジビエ肉の流通量も少ない。そこで捕獲したシカやイノシシを搬入してもらい、処理や加工に加えジビエ肉を提供できる施設を整備することにした。将来的には、運営する保育施設や市内の小中学校の給食で提供することも目指すという。1日には関係者を招いての内覧会が開かれ、ガラス張りの処理施設や、窓からの田園風景が美しいレストランなどが紹介された。笛木さんは「これまでは無駄にしてきた命もある。活用されるのは良いこと」と期待する。高堀代表は「地域観光の拠点となるような施設にしたい。鳥獣被害に悩む自治体にとって一つのモデルとなる道筋を作っていきたい」と話した。
(「国産ジビエ認証 ジビエ料理フォトコンテスト2026」:長野)
安全安心な国産ジビエの普及に取り組む一般社団法人国産ジビエ認証機構(長野県諏訪市 /代表理事 鮎澤廉)は、Instagramを活用した「国産ジビエ認証 ジビエ料理フォトコンテスト2026」を開催いたします。募集期間は、令和8年9月7日(月)~11月30日(月)の3カ月間。審査を経て、令和9年1月に受賞作品を発表いたします。初開催となる本フォトコンテストは、安全安心な「国産ジビエ認証」の認知拡大を目的とし、農林水産省「令和8年度鳥獣利活用推進支援事業」の一環として開催いたします。認証取得施設や飲食店協力のもと、認証マークをデザインしたフードピックを配布し、消費者と認証マークの接触機会を増やします。
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(釣り目的で歩いていた50代男性が成獣にかまれ指を骨折:岩手)
29日午前、岩手県雫石町の川沿いの道を釣り目的で歩いていた50代の男性が背後からクマに襲われ、けがをしました。指をかまれて骨折するなどの重傷ですが、命に別状はないということです。警察によりますと29日午前10時半過ぎ、雫石町西根の県道そばを流れる葛根田川の河川敷を釣りを目的に歩いていた会社員の男性(56)が、近くに停めていた車に戻る途中背後からクマ1頭に襲われ、左手※の薬指と小指をかまれました。クマは成獣で、襲う前に3頭の子グマが背後から男性の前に現れたということです。男性は車に乗り込み、病院へ行こうとしたものの、具合が悪くなり通行人が消防に通報したということです。意識はあり会話や歩くことができて、命に別条はないということです。現場はJR雫石駅から北に約5キロの県道沿いで、住宅などが点在する農村地帯です。この場所から南に約1.5キロ先は7月、住宅や工房などにクマが侵入して、食品を食い荒らす被害が相次いだ地域です。
(山中でクマに引っかかれ男性が軽傷:静岡)
29日午前10時10分ごろ、浜松市天竜区春野町気田の山中で、春野森林組合の40代男性が伐採前の調査中に体長約1メートルのツキノワグマに襲われ、左上腕に軽いけがをした。クマは成獣とみられ、山中に逃げた。市が30日に発表した。現場は秋葉山本宮秋葉神社の上社から、スーパー林道天竜線を約9キロ北上し、東に約500メートル入った山中。付近に人家はない。男性は単独で調査中、約2メートルの至近距離でクマに出くわし、頭を左腕で守ろうとして引っかかれた。クマが木の根元でうずくまっていたことに気付かず、近くを通りすぎた際に襲われたという。その後、組合の事務所に戻り、自ら傷の手当てをした。29日夜、組合が市に連絡。市や地元猟友会が30日に周辺を捜したが、クマは見つからなかった。
(「緊急銃猟」運用開始1年、86件を事故なく実施)
石原宏高環境相は1日の閣議後の記者会見で、改正鳥獣保護管理法が施行されたことに伴い「緊急銃猟」の運用が始まってから1年が経過したことについて「現場において着実に制度が活用されてきている」と評価した。緊急銃猟は、クマやイノシシが人の日常生活圏に出没した際に住民の安全安心を確保する手段の一つ。市町村長の判断で緊急的に銃猟の使用が可能となった。この1年間で、全国の自治体において86件が、事故なく実施されたという。環境省は緊急銃猟ガイドラインの改定や現地研修会、事例報告会の開催を通じ、緊急銃猟が実施されたケースや留意点などを自治体に提供し、理解を求めてきた。昨年と同様に今年、全国6カ所で現地研修会を実施する予定だという。石原環境相は会見で、今後について「ノウハウの蓄積は引き続き課題だ」と指摘したうえで「緊急銃猟の円滑な実施も含めて、地域住民の安全安心が確保されるよう全力で支援してまいりたい」と前向きな姿勢を見せた。
(クマ対策予算に83億円を要求、出没増加受け対策や施設整備の費用に)
クマによる人身被害が相次ぐなか、環境省は来年度予算の概算要求に、クマ対策として83億円を盛り込むことを決定しました。各地でクマの出没が増えるなか、自治体などからは、捕獲したクマを処理する施設や、射撃場の整備・改修を求める声が上がっていて、環境省は来年度の関連予算として83億円を計上します。また、自治体が緊急銃猟などの捕獲事業を行う際、狩猟者の登録にかかる狩猟税を免除するよう税制改正も要望します。免税対象を広げることで、狩猟免許の取得者を増やし、捕獲の担い手確保につなげたい考えです。一方、東京でも被害が拡大しているクビアカツヤカミキリなどの外来生物対策には67億円を要求します。
(クマ捕獲でハンター税免除、環境省検討)
環境省は、全国でクマによる被害が相次ぐ中、ハンターが納める狩猟税(ハンター税)を免除する新たな特例措置を設ける検討に入った。市町村の判断で発砲する「緊急銃猟」などを実施する場合を対象とする想定で、2027年度税制改正要望に盛り込む。ハンターの経済的負担を軽減し、担い手確保につなげる。ハンターは都道府県で捕獲を行うための登録に当たり、狩猟免許の区分などに応じて5500~1万6500円を納めている。ただ、狩猟シーズンや都道府県ごとに納税する必要があり、広域で活動する場合には税負担が大きくなる。そこで環境省は、市街地にクマが出没した際の緊急銃猟や個体数の維持・減少に向けた駆除を実施するケースで、ハンター税を新たに免除する考え。現行制度では、自治体から鳥獣被害対策を行う「捕獲員」に任命された場合などに非課税となるほか、特定の目的のため自治体の許可を得て捕獲する人は2分の1に減免される特例措置があり、これらの仕組みを参考に制度設計を進める。環境省によると、25年度のクマの出没件数は過去最多の5万件超に上り、13人が被害を受けて死亡した。出没時の捕獲や個体数の管理が急務となる一方、ハンターの高齢化や担い手不足が深刻化していることから、公的な捕獲事業に携わる人材への支援を強化して被害抑止を目指す。
(鳥獣被害の総額は187億5300万円で前年度比14.7%増:中沢 新)
クマの出没に関するニュースを目にする機会が増えました。人身被害への注目が集まる一方で、農業の現場では作物への被害も長年の課題となっています。野生鳥獣による農作物被害は、金額にするとどれくらいの規模になるのでしょうか。農林水産省が公表している「全国の野生鳥獣による農作物被害状況」から、獣種ごとの被害額を確認していきます。まずは全体の規模から見ていきましょう。農林水産省が令和7年12月に公表した資料によると、令和6年度(2024年度)の全国の野生鳥獣による農作物被害額は187億5300万円でした。前年度の163億5500万円から23億9800万円の増加で、率にすると14.7%増です。金額以外の指標も同じ方向に動いています。被害面積は4万4300ha(前年度比4000ha増)、被害量は73万1400t(同21万9400t増)。被害量は前年度から4割以上増えており、金額の伸びを上回るペースです。被害額は令和2年度が161億円、3年度が156億円、4年度が155億円、5年度が164億円と150億~160億円台で推移してきましたが、令和6年度は188億円台に増加しました。なお、この187億円という金額は、農業産出額全体と比べればごく小さな割合にとどまります。しかし、被害は特定の地域や特定の農家に集中して発生します。全国平均でならした数字と、被害に遭った農家一軒あたりの打撃はまったく別物である点は押さえておきたいところです。丹精込めて育てた作物が収穫直前に食い荒らされる。金額に換算しきれない精神的な負担も、営農意欲の減退という形で農業に影響を与えています。次に、どの動物による被害が大きいのかを見ていきます。令和6年度の主な内訳は次のとおりです。シカ:78億5100万円イノシシ:44億5600万円、カラス:13億6400万円、ヒヨドリ:8億600万円、サル:7億7000万円、アライグマ:6億9300万円、クマ:5億1900万円。被害額が最も大きいのはシカで78億5100万円。全体の4割超を占めています。次いでイノシシが44億5600万円、カラスが13億6400万円の順に多くなっています。増加分の内訳を見ると、全体で増えた23億9800万円のうち、シカが8億9600万円、イノシシが8億2100万円。この2種で増加分の約7割を占めています。伸び率で目立つのはヒヨドリです。前年度の3億3300万円から8億600万円へ、4億7300万円増えました。金額の規模ではシカ・イノシシに及びませんが、1年で2倍以上になっています。報道で目にする頻度が高いクマは、農作物被害額では5億1900万円。全体に占める割合は3%程度です。前年度の7億3800万円からは2億1900万円の減少で、獣種のなかではシカ・イノシシ・サル・アライグマに次ぐ5番目。鳥類のカラス(13億6400万円)やヒヨドリ(8億600万円)よりも下に位置します。ただし、金額が減ったからといって被害が縮小したとは言い切れません。クマによる被害量は前年度の2万9600tから3万2900tへ増えており、金額と量が逆方向に動いています。作物の種類や単価の違いによって、両者は必ずしも連動しません。そもそもクマの出没は、主に人身被害や生活圏への侵入という形で問題になります。一方、シカやイノシシは日常的かつ広範囲に農地を荒らします。ニュースでの扱われ方と、統計上の農作物被害額は必ずしも一致しません。シカとイノシシで全体の6割超を占める背景には、個体数と行動範囲の広さがあります。シカは群れで行動し、稲や牧草、野菜の若芽を広範囲にわたって食べます。農作物だけでなく、若木の樹皮を剥ぐことで森林にも被害を与えます。令和6年度はシカの被害面積が3万5300haと前年度から5900ha増え、被害量も63万1700tと21万1400t増えました。全体の被害量の増加分のほとんどがシカによるものです。イノシシは地面を掘り返す習性があり、作物を食べるだけでなく田畑そのものを荒らします。水田に入られると、収穫量の減少に加えて土壌の整備し直しが必要になることもあります。いずれも繁殖力が高く、里山の管理が行き届かなくなったことで人の生活圏に近づきやすくなったといわれています。鳥獣被害対策は、大きく3つのアプローチに整理されます。ひとつは「侵入防止」です。電気柵やワイヤーメッシュ柵を設置し、農地に入れないようにする方法で、最も直接的な効果があります。ふたつめは「個体数管理」です。捕獲によって生息数を適正な水準に近づける取り組みで、捕獲した個体をジビエとして活用する動きも広がっています。なお、捕獲には狩猟免許や許可が必要で、必要な手続きは自治体によって異なります。みっつめは「生息環境管理」です。農地周辺の藪を刈り払って見通しをよくしたり、収穫しない果実を放置しないようにしたりして、動物が近寄りにくい環境を整えます。これらを組み合わせて行うことが効果的とされていますが、いずれも手間と費用がかかります。高齢化が進む農村では、対策の担い手確保そのものが課題になっています。187億5300万円という数字は、あくまで作物そのものが失われた金額です。実際の負担はこれだけにとどまりません。まず、防護柵の設置費用があります。農地の規模にもよりますが、電気柵やワイヤーメッシュ柵を張りめぐらせるには相応の初期投資が必要で、設置後も点検や補修が欠かせません。次に、捕獲や見回りにかかる労力です。わなの設置と確認は毎日の作業になり、本来の農作業の時間を圧迫します。そして、営農の断念という形での損失です。被害が続く農地が耕作放棄されれば、その分の生産は統計上「被害額」ではなく、単に生産の減少として表れます。藪が広がった耕作放棄地は動物の隠れ場所となり、周辺の農地の被害をさらに広げるという悪循環も指摘されています。被害額の数字を見るときは、その背後にこうしたコストが積み重なっていることも意識しておきたいところです。一方で、捕獲した個体を資源として活かす動きも広がっています。シカやイノシシの肉をジビエとして流通させる取り組みで、専用の処理施設の整備や、飲食店・小売店との連携が各地で進められています。ペットフードや皮革製品への活用も行われています。捕獲は本来コストのかかる作業ですが、そこに収益が生まれれば、担い手の確保にもつながります。被害対策を「守り」だけで終わらせず、地域資源として循環させる発想といえるでしょう。今回は、農林水産省の資料から野生鳥獣による農作物被害額を確認しました。全国の被害総額は187億5300万円(令和6年度)、前年度比14.7%増獣種別の最多はシカの78億5100万円、次いでイノシシの44億5600万円、クマは5億1900万円で前年度から2億1900万円の減少、被害は特定の地域・農家に集中して発生する。なお、令和5年度の数値は令和7年12月に訂正されており、本記事は訂正後の数値を用いています。過去の記事や資料と数字が一致しない場合は、公表時期をご確認ください。私たちが日々口にする食べ物の背後で、こうした被害と対策が続いています。数字を通して、農業の現場の一面に目を向けてみてはいかがでしょうか。私は群馬県に住んでおり、この記事に出てくる動物は、どれも生活圏のなかにいます。クマは近隣で目撃情報が出ることがあり、他人事として読める話ではありません。シカは車を運転していると珍しくなく見かけますし、サルについては先日、隣の家の屋根の上を走っていくのを見かけました。なかでも実害として身近なのはサルです。祖父が作っているトマトが、よく食べられてしまいます。収穫を待っていたものほど狙われるようで、そのたびに落胆している様子を見てきました。その感覚でいくと、サルの7億7000万円がクマの5億1900万円を上回っているのは、なるほどと思える並びでした。一方で意外だったのは、シカが78億5100万円で最多、全体の4割超を占めていたことです。見かける機会は多いものの、たいていは道路沿いや山際にいる姿で、農地を荒らしている場面を目にしたことはありません。被害量の増加分のほとんどがシカによるものだと知り、見かける頻度と被害の規模は別の話なのだと認識を改めました。クマの被害額が前年度から減っていたのも意外でした。ただし被害量のほうは増えており、金額だけを見て判断するのは難しいようです。出没が農作物被害とは別の形で問題になるという点も、書きながら整理がついた部分です。本文では被害が特定の地域や農家に集中すると触れましたが、その集中している側の風景は全国平均の数字からは見えにくいのかもしれません。トマトを食べられる程度で済んでいる立場でも、数字の背後を想像する手がかりにはなりました。
(猟銃によるサル対策の現場付近で発生した事故から1カ月:秋田)
秋田・八峰町で7月、走行中の軽トラックの窓ガラスが突然割れ、運転していた女性がけがをした事故から1カ月が過ぎた。現場周辺では猟銃を使ったサルの追い払いが行われていたが、事故との因果関係は明らかになっていない。一方、地域では長年、ニホンザルによる農作物被害に悩まされている。被害対策に欠かせない取り組みと住民の安全をどう両立させるのか。地域が難しい課題に向き合っている。「もしかしたら死んでいたかもしれない、という恐怖感。体の力が抜けるような感覚を今でもはっきり覚えている。恐怖心はずっとこれからも残っていくのではないかなと思っている」。青森・深浦町に住む60代の女性は、事故当時をこう振り返る。女性は7月23日、八峰町八森の国道101号を軽トラックで走行中、突然窓ガラスが割れ、左耳にけがをした。当初は何が起きたのか分からず、バックミラーに映る血を見て初めてけがに気付いたという。車のフロントガラスやヘッドレストには何かが貫通したような跡が残り、車内からは銃弾のようなものも見つかった。「よくこれで頭などに当たらなかったなと思う。奇跡的に助かったのかな」と話す女性。命に関わる事態だったかもしれないという思いが、今も女性の胸に残る。事故から1カ月。傷は目立たなくなったが、耳鳴りなどの違和感や精神的な負担は続いている。女性は「音が耳にスムーズに入ってこないというか、人との会話がおっくうになるというか」と話す。さらに、「当時の、ガラスがいきなりガシャンと割れた音が気になって、茶碗を洗っている音もすごく耳に響く」と打ち明ける。現場付近の道路も以前と同じ気持ちでは通れない。「あの道路を通るとき、気持ちも思い出すので行きたくないけれど、用事があれば通らなければいけないし…」。事故は女性の日常に大きな影を落としている。事故当時、現場周辺では町の猟友会が猟銃を使ったサルの追い払いを行っていた。警察が捜査を続けているものの、事故との因果関係は現在も分かっていない。女性は「怒りをどこにぶつけたらいいか本当に分からない。毎日のように同じような話を家族で話し合っている。この後ずっと、この思いがいつまで続くのかなという感じ」と心境を語る。また、事故後に町や猟友会から連絡はなかったという。「一度でいいから、何か一言ほしかった。そうしたら今の気持ちが少し落ち着くのではないかと思う。『もしあなたたちの家族が同じような目に遭ったらどうしますか』と聞きたい」。こうした中、町は猟友会からの申し出を受け、事故の4日後にあたる7月27日、猟銃によるサルの追い払いを休止した。一方で、八峰町ではニホンザルによる農作物被害が深刻な問題となっている。町は1996年から箱わなによる捕獲を進めてきたが、農作物の被害額が約400万円に達したことを受け、2008年から猟銃による捕獲を導入した。その後は被害額が減少傾向となったものの、2025年度は約268万円に増加。町はクマの大量出没への対応が優先され、サル対策が十分に進まなかったことも要因の一つとみている。年間100頭の捕獲を目標としているが、過去10年は達成できていない。特に被害が深刻なのが青森県境に近い岩館地区だ。住民たちは防護ネットを張るなどの対策を続けているが、被害は後を絶たない。住民の1人は、「近所で5月の連休あたりにジャガイモを植えていたら、ある程度大きくなったところをみんなサルに取られた。いたずらされた」と話す。さらに、「収穫しようと思ったら、サルが電線の上から見ていて取られたという話も聞いた」と被害の実態を明かす。町は8基ある箱わなのうち半数を岩館地区に設置しているが、サルがわなを警戒するようになり、実際の捕獲は猟銃に頼る割合が大きくなっている。町は散弾銃などを使用する際、山や土手など弾を受け止める場所を確認し、安全対策を徹底するよう猟友会に呼びかけている。一方で、追い払いの実施日時や場所をその都度住民へ周知する仕組みはない。住民からは「銃による追い払いの実施情報は、知らないよりは知っていた方がいい。クマが出たときと同じで、そういう町内放送がされても差し障りないと思う」と、さらなる情報共有を求める声も聞かれる。町は、猟銃による追い払いの休止が長引けば、サルが人への警戒心を失い、農作物被害の拡大や人身被害につながる恐れがあると懸念する。事故との因果関係の解明が待たれる中、地域が向き合うのは住民の安全とサル被害対策をどう両立するかという課題だ。住民の安心を守りながら、深刻な被害にも対応する。その答えを見つけるための模索が続いている。
(外来種対策に67億円、10倍に増額)
環境省は28日、2027年度の概算要求額を1兆1451億円と発表した。サクラや果樹への被害が拡大するクビアカツヤカミキリなど外来種防除の支援を強化するため、26年度当初比約10倍の67億円を要求する。人身被害が絶えないクマやシカ、イノシシの駆除や管理には計130億円を計上。そのうちクマ対策には83億円を充て、射撃場や駆除したクマの処理施設の整備を新たに支援する。また、気候変動への適応策を実践する「気候変動適応先進地域」を選定する新規事業に10億円を盛り込んだ。自治体など複数地域を選び5年程度、専門家の派遣や関係機関の連携を支援する。地域の実情に合わせた先進事例を創出し、全国に波及させる狙い。また、次世代型のペロブスカイト太陽電池の導入支援のため前年度当初比4倍の280億円を計上する。一方で27年度新規分から、自治体や企業向けの太陽光パネルの購入補助を廃止する。
(「クマ出没警報・注意報」を解除:宮城)
県では、令和8年8月31日を期限として、県内全域に「クマ出没注意報」、仙台市青葉区に「クマ出没警報」を発令しておりますが、8月のツキノワグマ目撃等件数は、例年並みの水準で推移していること等から、「クマ出没注意報」を解除することとし、また、仙台市青葉区を対象に発令中の「クマ出没警報」についても、発令期間の満了に伴い、併せて解除することとしましたのでお知らせします。
(捕獲作業が本格化、計画的に個体数削減へ:宮城)
近年のクマの人身被害や目撃数の増加を受け、宮城県は計画的な個体数削減に向けて今年度、390頭の捕獲目標を掲げる。県は7月、捕獲事業を県猟友会に委託。クマの活動が活発になる秋を前に箱わななどの設置作業を本格化させている。8月18日午後、同県川崎町の山あいで県猟友会柴田支部のメンバーたちは箱わな1基を設置し、クマをおびき寄せる蜂蜜を仕込んでいた。この日は同支部メンバー約15人が町内に計20基を仕掛けた。県猟友会の生駒純一会長は「猟友会として、県民の生命や財産を守らなくてはならない。1頭でも多くの捕獲を目指す」と話した。県内の推定個体数は2025年度時点で3207頭。26年度は箱わなを中心に27年2月までに県内各地で390頭を捕獲する計画だ。
(野生イノシシの豚熱感染事例について:宮崎)
8月24日に日南市で発見された野生イノシシ1頭について、宮崎家畜保健衛生所の豚熱ウイルスPCR検査で野外株陽性が確認されました。(138例目)
(5匹陽性、野生イノシシの豚熱:三重)
三重県は26日、多気郡大台町や多気町など県内2市5町で捕獲された野性イノシシ13匹から、豚熱(CSF)の陽性反応が確認された。
(ツキノワグマ、四国内に27頭か)
林野庁四国森林管理局(高知市)などは、2025年度の四国内におけるツキノワグマの生息調査結果を発表した。徳島県の剣山山系から高知県香美市、安芸市、馬路村に至る地域で親子2組を含む最低25頭を識別。別の調査でも他に2頭が確認されており、最低でも計27頭が識別できた。同管理局は「個体数が少ない中で複数の親子がいて繁殖が行われていることが裏付けられた」としている。四国に生息するツキノワグマは2017年時点で16~24頭と推定され、環境省レッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定される。生息状況を把握するため、同管理局は「はしっこプロジェクト」として14年度から認定NPO法人四国自然史科学研究センター(須崎市)と協力して調査を実施。15年度から環境省中国四国環境局(岡山市)も参画した。25年度は徳島、高知両県の25か所59地点に無人撮影装置(センサーカメラ)を設置。このうち16か所(徳島10か所、高知6か所)で25頭の個体が確認できた。幼獣は2組の計4頭で、成獣21頭のうち4頭が新たに確認され、17頭は以前から識別されていた個体だった。同環境局は別途、ツキノワグマを試験捕獲して全地球測位システム(GPS)機能付き首輪をつけて追跡する調査を剣山山系及びその周辺で行っており、25年度には5頭捕獲。うち2頭は、センサーカメラで捉えられていない個体だった。同プロジェクトで確認された最低識別頭数は、20年度20頭、21年度18頭、22年度15頭、23年度11頭、24年度26頭と推移。23年度を除き、親子も1~4組確認されており、絶滅の危険性が高い個体群では、繁殖が安定して行われているかということが重要な情報であるため、今回も親子が確認できた意義は大きいという。分布域は従来と変わらず、剣山山系及びその周辺の限定的な地域に限られると推測され、同管理局は「生息状況を適切に把握するため、引き続き各機関が連携して調査を行い、分布域の変化を注視していく」としている。
(ヒグマ人身被害、「ほぼ半数がハンター」)
昨今、市街地などでのクマの出没が相次ぐ中、緊急銃猟を含むクマの捕獲体制を地元のハンター(狩猟者)に依存している現状がある。一定の成果は期待できるものの、こうした状況に専門家からは限界を指摘する声も上がる。環境省も、「通常の狩猟は山野で行われるため、その経験はクマの緊急銃猟とは場の条件が異なる」と認識し、将来的には専門性を備えた、よりプロフェッショナルな「捕獲者」の必要性を示している。実際に環境省による「緊急銃猟ガイドライン」も、「趣味で狩猟を行う者との区別」を理由に、担い手(射手)のことをハンターや狩猟者とは呼んでいない。クマ問題が深刻化する中で、大きく遅れている捕獲のプロ育成も含む抜本的なクマ対策。制度が整備されたとしても実行する人材が不足していては、それは絵に描いた餅に終わる…。現在のクマ捕獲体制は、猟友会などの一般狩猟者に大きく依存している。しかし、人口減少や農山村の高齢化、ハンターの高齢化を踏まえれば、中長期的には地域にクマ捕獲従事者が不在となる可能性が高い。クマが年率15%ほどで増加する可能性を考え合わせれば、狩猟者に頼った対策はすでに実効性と持続性を欠いていると判断すべきであろう。「数々の公的なデータなどから、『地域によっては、人間社会がクマ側に圧倒されている』 との認識が欠かせないかもしれない」こう指摘するのはエゾシカ協会代表理事で岐阜大学の鈴木正嗣(まさつぐ)名誉教授。すでにクマの勢力が人間側の管理体制を超えており、危機的状況にあるというワケだ。そもそも、狩猟免許はリクリエーションとして行われる狩猟を念頭におく制度であり、試験問題の構成からも「公的な目的を有する捕獲」のウエイトは低い。多くのハンターにとっては、クマは本来のターゲットではなかったため、その対策への協力は心身ともに大きな負担にもなる。所持している銃や弾薬の性能が、クマには不向きな場合も少なくない。実際、北海道ではヒグマによる人身事故の被害者の多くが逆襲などにあったハンターである。今年に入って発生した2件は、まさにそのケースだ。鈴木名誉教授ら専門家は、地域の要請に応えることは必要だが、全面的・無期限な協力体制は自治体の覚悟や決断を先送りさせるリスクがあると指摘している。環境省による「緊急銃猟ガイドライン」は、「人の日常生活圏に出没したクマ等の対応は人の生命・身体に関わる公共の安全に必要な行為であり、本来ならば公的な存在により対応されるような性質を有する」と明記している。命の危険すらあるクマ捕獲を、経験も装備も不十分な可能性があり、あくまでも民間人であるハンターに任せる状況が健全でないことは明白だ。市民を守る捕獲者となれば、系統的なトレーニングを受けた者が本来業務として対応するのが適切。そのことは環境省も認識しており、「狩猟免許をもつ公務員」として「ガバメントハンター」という言葉も使われるようになった。だが、鈴木名誉教授はこの呼び名は誤解を生む可能性があるとして、公的な捕獲に従事する者の育成へと踏み出す前に改めるべきと力を込める。その理由として、「現在の狩猟免許は、クマの緊急銃猟に必要な技能を保証するものではないという点。もう一つは、『ハンター』という語には『リクリエーションとして狩猟を行う私人』というニュアンスがあるため、『私人への依存からの脱却』という発想が曖昧となる点」を挙げる。そのため、専門的な捕獲技術を有する正規の行政職員(公務員)の人物像をより明確にするためには、むしろ『捕獲官』という日本語の方が適切とする。クマ以外の野生鳥獣の問題も深刻化しており、対策は捕獲のみに限定されないことを考えれば、ザックリと「鳥獣対策専門官」とよぶのも一案という。これまでの報道では、「緊急銃猟でハンターがクマを撃った」や「ハンターが緊急銃猟の訓練を行った」などと、当たり前のように「ハンター」という言葉が使われている。そうした状況も踏まえ、鈴木名誉教授は、「ほとんどのメディアが、『ハンター』という用語の使用を意識的に避けている緊急銃猟ガイドラインを入念に読み込むことなく、表面的な報道を続けている可能性がある」といぶかしむ。結果的に、狩猟免許や狩猟経験を過信する風潮が社会に広まってしまった…。「クマが出れば『ハンター』に依頼すれば何とかなるというイメージの定着は、ハンターに大きな負担をかけることにもなる。少なからぬハンターが人身被害に遭っているという現実に加え、地域社会からの要望に応えるための体力的・心理的・時間的な負担も計り知れない。民間人であり、本業や私生活もあるハンターに、一過性・短時間の訓練を行ったとしても、その成果は限定的であろう。確実にクマを撃退するための保証を受けた人員が対応する状況を整備するための第一歩として、『ガバメントハンター』という名称を変えることは重要だ」(鈴木名誉教授)。そして呼び名を変えた上で、その名に相応しい人材育成を目指す必要があると力説する。前述のとおり、今の狩猟免許制度は、実質的には「リクリエーションとしての狩猟を安全かつ適法に楽しむ」ためのもの。認定鳥獣捕獲等事業者制度も、客観的な考査プロセスを欠くという点で、捕獲能力の保証としては不十分である。すなわち、緊急銃猟に限らず、一般的な有害鳥獣捕獲を含め「公的な目的を有する捕獲」を担う人材の知識や技能を客観的に保証するしくみが、今の日本には存在しない。今後、自治体が安心して「捕獲官」や「鳥獣対策専門官」を採用するためには、その知識や技能を保証する教育カリキュラムや認証システムの構築が欠かせない。鈴木名誉教授は、「このような教育カリキュラムや認証システムの整備は国の役割」と指摘する。国内では、一般社団法人エゾシカ協会が、英国の制度を参考に「シカ捕獲認証」を運用している。この「シカ捕獲認証」をモデルとした英国の認証制度は、他獣種(イノシシやアザラシ)の資格との連携のもと、 シカに対する認証が基礎的な資格として位置付けられている。クマに特化したものではないが、複数の大学が協定を結び、野生動物管理の担い手を教育する制度も始まっている。クマに対する教育カリキュラムや認証システムの整備には、このような先行制度との連動が、迅速性と効率性を確保する上で有効と考えられる。最後に鈴木名誉教授は、次のように訴えた。「国は、狩猟免許を実質的に『リクリエーションの狩猟を安全・適法に楽しむ』ための制度に据え置いたまま、許可捕獲、指定管理鳥獣捕獲等事業、緊急銃猟と『公的な目的を有する捕獲』の枠を拡大させてきた。シカやイノシシでは、すでに 8割以上が『公的な目的を有する捕獲』の枠組みで捕獲されているという現実もある。有害鳥獣捕獲等の際に発生した人身事故や物損事故も決して少なくはない。国として、『公的な目的を有する捕獲』を念頭におく免許や資格の創設を急がねば、この国の鳥獣対策は破綻する」。日本の鳥獣対策の課題はクマだけではない。社会的な関心度が高いクマ問題を契機とし、鳥獣対策全般に関わる抜本的な意識改革と制度改正の進展につなげられるかが、そこに迫る危機への懸念を回避できるかのターニングポイントとなりそうだ。
(クマ外傷は顔が9割、失明・失血死も:秋田)
クマに襲われる被害が相次ぐなか、顔の大けがや失明、死につながる外傷を防ごうと、秋田大学が「クマ外傷重症化軽減プロジェクト」に取り組んでいる。減災用品の開発や防御姿勢の普及を一日でも早く進めるため、9月1日からクラウドファンディングを始めた。秋田大学高度救命救急センターは30年にわたって「クマ外傷」の治療を担い、これまでに150人以上の患者を診てきたという。クマに襲われた人のデータを分析したところ、クマ被害は「山」で起きるというイメージとは異なり、75%は「人里」で発生していた。また、クマ外傷の9割は顔面に集中し、頭頸部(けいぶ)も6割以上に上った。顔の傷には、眼球破裂による失明や唾液(だえき)腺の損傷などもあり、その後の生活の質に大きな影響を及ぼすことがある。首の血管が切れると失血死、気管を損傷すると窒息死につながるなど、命にかかわるケースも少なくない。PTSD(心的外傷後ストレス障害)など精神面の不調を抱える人も多く、影響は長年にわたる。そこで秋田大の中永士師明(なかえはじめ)教授らは、クマ外傷による死亡や重い後遺症を防ごうと、産学連携で外傷を軽減する用品の開発に乗り出した。特殊な素材を使い、クマの爪や牙による致命的な外傷を軽減するキャップやハット、手袋などの開発を進めており、年内の実用化を目指している。ただ、大学が公的資金を得て開発しようとすれば、一般的に年単位の時間がかかる。クマ被害が広がるなか、「一刻も早く実用化につなげたい」と、クラウドファンディングで広く寄付を募ることにした。500万円を目標に、10月30日まで寄付を募る。集まったお金は、クマとの遭遇時に致命傷を避けるための防御姿勢を広める教育活動にも使いたいという。これから、クマによる被害がもっとも多い10月を迎える。中永さんは「クマに遭遇しないに越したことはないが、過剰に人間の行動範囲を狭めることは、かえってクマの行動範囲を広げることにつながりかねない。人間が正しく自衛する手段を持ち、安全な生活圏を守ることが、クマとの適切な距離を保った共存につながると思う」と話している。
(緊急銃猟1年、「出動できるハンター」10人未満が10市町村:岩手)
人里に現れたクマを市町村の判断で捕獲できる「緊急銃猟」の制度が始まり、1日で1年となった。県によると、対応マニュアルは全33市町村で整備され、遠野市や二戸市など6市町で計8件実施された。ただ、読売新聞の取材では県内33市町村のうち実際に出動できるハンターが10人未満の自治体は10市町村に上った。要件のハードルや仕事との両立の難しさなどが理由で、担い手の確保が制度運用の壁となっている。緊急銃猟を担うには、銃猟免許を持ち、過去3年以内に大型獣を捕獲した経験があることなど、国が定めた要件を満たす必要がある。市町村は猟友会に委託するなどしているが、要件を満たすハンターは限られる。読売新聞は8月、県内33市町村に対し、緊急銃猟に出動できるハンターの見込み人数を尋ねた。矢巾町と葛巻町が3人、紫波町と平泉町が5人、宮古市が6人などだった。最も少ない九戸村は「最大2人」と回答した。村内では今年度、8月下旬までに52頭のクマが出没。昨年度の27頭の倍近くに達した。村の鳥獣被害対策実施隊には9人が登録しているが、本業があって都合がつきにくい人や、ライフル銃の射撃経験が十分でない人もいるという。ハンターの平均年齢は60歳代で高齢化も進む。村産業振興課の桂川雄平主任は「撃つだけなら1~2人でもできるが、安全確認などの作業もある。5人ほどの体制が理想だ」と話す一方、「5年後も同じ人数を確保するのは難しい」とみる。村は銃猟免許の取得費を補助し、ハンター育成を促す。7人のハンターが対応する陸前高田市の担当者は、「1人でも撃てないことはない」と話すが、訓練では3人1組で編成することもあり、複数人いれば望ましいという。県内最多となる3件の緊急銃猟を実施した遠野市では、ハンターとして登録されている131人のうち、市が実際に動けるとみるのは17人にとどまる。緊急銃猟は市街地などに出没したクマを駆除することができる制度だが、盛岡市環境企画課の渡辺聡課長補佐は「街中で銃を使えることは、ほとんどない」と明かす。弾を受け止める「バックストップ」の確保が難しいためだ。市で対応できるハンターは12人。今年5月には岩手大上田キャンパスの構内に居座ったクマ1頭に対し、市は初めて緊急銃猟の実施を決め、半径約200メートルの市道を封鎖した。しかし、クマがやぶに姿を隠して追跡ができなくなり、中止せざるを得なかった。遠野市はスムーズな緊急銃猟を実施するため、警察との連携強化を図る。交通規制や通行人の避難を速やかに行う必要があるためで、市は昨年から警察と訓練を重ねてきた。ただ、3件のうち捕獲できたのは2件。市は「周辺に住宅が少なく、たまたま運が良かっただけ」とする。市町村の緊急銃猟を支援するため県は3月、狩猟免許を持つ職員「ガバメントハンター」5人を採用。自治体の習熟度を高めるため、8月24日には久慈市で緊急銃猟を想定した訓練を実施した。今年度は盛岡と沿岸、県南地域でも同様の訓練を行う予定で、県の担当者は「訓練を重ねてもらい、市町村主体で対応できるように支援したい」と話す。
(9月1日から「特別警報」運用:山形)
県はクマの出没が増える秋に向け、9月から新たに「クマ出没特別警報」の運用を始めることを明らかにした。県内のクマの出没をめぐっては、2026年5月、38年ぶりにクマに襲われ死亡する人身被害が酒田市で発生したほか、市街地での目撃件数が2025年の約3倍になるなど、警戒が続いている。これを受け県は、現在運用しているクマの出没注意報・警報について見直しを進め、吉村知事が27日の会見で新たな発令基準を発表した。新たな基準では、今の注意報と警報に加えより警戒度が高い「特別警報」を設ける。発令されるのは、「1つの市町村で、市街地での1週間の目撃が20件以上になった場合」「市街地での人身被害」「山でクマに襲われ死亡する事案」など。このうちクマによる死亡事故が発生した山では入山規制を行うことも想定しているとしている。さらに、警報と特別警報が発令される区域について、これまでの「県内全域」からクマが目撃された場所に隣接する「特定の地域」に絞ることで、県民により細かく注意を促したい考え。クマの注意報・警報の新たな発令基準での運用は9月1日からを予定している。
(野生鳥獣による県内の農林業被害額は8億3200万円:長野)
野生鳥獣による県内の2025年度の農林業被害額が前年度比2%減の8億3200万円となったことが27日、県森林づくり推進課のまとめで分かった。同課は、近年は被害額が減少しにくい傾向にあると説明。ニホンジカの生息分布が県北西部にも拡大し、捕獲対策が追いついていないことなどを背景に挙げた。
(国有林でキノコ採りダメ、クマ人身被害防止へ:青森)
キノコ採りシーズンのツキノワグマによる人身被害を防ぐため、青森市や県、国、青森署などは31日、過去に人身被害があった八甲田地区と合子沢地区で、キノコ採りを目的とする国有林への入山禁止を呼びかけるパトロールを始めた。関係機関が連携して秋に広報活動を行うのは初の試み。期間は10月31日までの予定。市の担当者によると、クマは冬眠に入る前の9月から10月、栄養を蓄えようと活動が活発化するため、登山道を外れてキノコ採りをする人と遭遇する確率が高まるという。八甲田地区の県道40号沿いに多くの人がキノコ採りに訪れるため、パトロールを決めた。また同地区は大半が国有林で、広範囲が十和田八幡平国立公園の特別保護地区のため、自然公園法により植物全般の採取が刑事罰の対象になることも合わせて周知する。パトロールでは、八甲田地区の県道40号沿いと合子沢地区を中心に、キノコ採り目的で駐車している車両や人を見つけ次第、「違法なのでやめてください」と口頭で指導し、人の姿がない車両にはワイパーに「採取は違法」と書かれたチラシを挟む。パトロールに加えて、「クマ出没注意」「植物全般の採取は違法」と書かれた注意喚起の看板を県道40号沿いにあるブナ林散策道、北八甲田赤倉岳登山道、田代平の飲食店「高原茶屋」付近に新たに設置した。市の担当者は「国有林でのキノコの採取は違法であり、民有林であっても所有者の許可がないと違法になる。山はクマがいる場所だと自覚し、不要不急の入山は控えて」と話した。
(食害予防に捕獲奨励金上げ:岡山)
岡山市は2026年度から、農作物を食い荒らすヌートリアやアナグマなど4種類の小型有害獣の捕獲奨励金を1・5~2倍に引き上げた。
(自動撮影カメラ設置1年、試行錯誤の末にレンズが捉えたのは?:新潟)
県内各地で出没が相次ぐクマの生態を探ろうと、新潟日報社は阿賀町に自動撮影カメラを設置した。それから1年。一般のカメラとは撮影ノウハウが異なるため、試行錯誤と苦労の連続だったが、クマ以外にも多様な野生動物の姿を捉えることができた。レンズが切り取った姿からは、人里からそう遠くない自然の中で暮らす生き物たちの実態が浮かび上がった。クマの生態に詳しい箕口秀夫・新潟大名誉教授(森林生態学)に指導を受けながら、土地管理者の許可を得て阿賀町内にカメラを設置したのが2025年9月。以来、撮影データの確認とカメラ点検のため、現在も月に数回の頻度で通っている。カメラはいわゆる獣道ではなく、人が通る道に仕掛けている。歩きやすい道をクマも選ぶはず、との期待を込めた箇所に設置してみたが、写るかどうかは神頼みならぬ「クマ頼み」だ。
(AIカメラ40台増設へ、冬眠前で出没増える秋ごろまでに:宮城)
仙台市は、クマの侵入経路となる川沿いにAIカメラを40台増設するなど、監視体制を強化する方針を発表しました。仙台市は市街地へのクマの侵入を迅速に把握するため、これまで広瀬川近くなどにAIカメラを9台設置しています。AIカメラは通信機能がついていて、通過した動物の画像を撮影するとAIがクマかどうかを自動的に判別。仙台市の担当者に送信します。9月1日の定例会見で仙台市の郡市長は、冬眠前にエサを求めるクマの出没が増える秋ごろまでに、目撃の多い河川付近を中心に40台増設すると発表しました。また、果樹の伐採の推進や電気柵の設置を増やすなどの対策も合わせて発表しています。
(ハンター養成用射撃場の整備やクマの通り道「河川敷」の草刈りに9億円超:宮城)
宮城県は、クマ対策の一環としてライフル射撃場の整備費などを盛り込んだ約40億円の一般会計補正予算案を県議会9月定例会に提出します。宮城県が9月定例会に提出する一般会計補正予算案は、総額約40億円です。このうち、クマ対策の一環としてハンター養成のため村田町に新たに整備するライフル射撃場の費用として3000万円、クマの通り道となっている河川敷の草刈りや木の伐採などに9億円が計上されています。
(釧路湿原のエゾシカ2倍超に:北海道)
環境省釧路自然環境事務所(釧路市)が2025年度、釧路湿原国立公園の植生を守るために捕獲したエゾシカの頭数が、過去最多の164頭を記録した。一方、捕獲個体を受け入れている食肉加工施設が運搬できる頭数や、廃棄物処理施設が同事務所に割り当てた受け入れ数「1日最大5頭」は、すでに上限に達している状況。個体数の増加に対応できる受け入れ先の確保が新たな課題となっている。
(緊急銃猟訓練、有事に備え連携体制強める:山形)
市街地でのクマの目撃が相次ぐなか、山形県大江町できょう(31日)、警察や猟友会などによる初めての緊急銃猟への対応訓練が行われました。きょうの訓練は、大江町が警察や猟友会などと合同で行ったもので、およそ40人が参加しました。県内の今月23日時点の市街地でのクマの目撃件数は352件にのぼります。そのうち、大江町では今年4月から現在までに町内で4件のクマが目撃されています。きょうの訓練は、左沢中央通り商店街で目撃されたクマ1頭が、森ノ宮公園内で確認されたとの想定で行われました。周囲の安全確認を行ったあと、捕獲部隊を、のり面の上の部隊と下の部隊の2班に分けて、射撃を行う手順を確認しました。さらに、射撃後にクマの死亡確認を行うまでの一連の流れを確認し、緊急銃猟の際の連携体制を実践的に確かめていました。猟友会大江分会 峯田稔 副分会長「我々は普通は山林に行って発砲するが、住宅地で発砲するということは、初めてなので緊張する」。大江町 総務課 五十嵐大朗 課長「きょう踏んだ手順で、何が一番優先すべきかをもう一度整理して、有事に備えたい。今年もこれから出没する可能性があるので、訓練をやっていることを通して、住民にも危機意識を持っていただきたい」。
(県内初の緊急銃猟の実地訓練:和歌山)
全国でクマの出没が相次ぐ中、和歌山県内で初めて緊急銃猟の実地訓練が行われました。訓練は、ツキノワグマが河川敷に居座っているという想定で、和歌山県の日高川町で実施され、県や町の職員、警察や猟友会などが参加しました。参加者らは、まずは机上訓練で、クマが出没した際、一定の条件を満たせば自治体の判断でクマの駆除が可能となる緊急銃猟の流れを確認。その後、屋外で、ぬいぐるみのクマへの射撃やドローンでの状況確認など実地訓練を行いました。和歌山県では、今年度、7月末の時点で、ツキノワグマの目撃件数が61件に上っています。和歌山県の担当者は、「今後も関係機関との連携を高め、迅速かつ円滑に対応できるように訓練を重ねたい」としています。
(国立公園におけるクマ被害対策:環境省)
国立公園は、日本を代表する優れた自然の風景地であり、また、国民が自然の恵みを享受し親しむ場でもあります。こうした国立公園において、ヒグマやツキノワグマ(以下、「クマ」という。)は日本の豊かな森林生態系を象徴し、国立公園の価値を構成する不可欠な存在といえます。国立公園の多くがクマの主要な生息地となっている中、特に国立公園の特別保護地区などは、クマの生息を安定的に担保し保護する場所として、極めて重要な位置付けを担う地域です。一方で、クマの生息地と公園利用者の活動域が重なる地域では、クマによる事故や被害が発生しています。特に、令和7年夏の知床国立公園羅臼岳登山道におけるヒグマによる死亡事故は、社会へ大きな衝撃を与えました。また、クマによる全国の死者数が、令和7年度には過去最多を大幅に更新するなど、国民の安全・安心を脅かす深刻な事態となりました。このような現状を踏まえ、令和7年11月14日、クマ被害対策等に関する関係閣僚会議において、関係省庁連携による緊急的な対策を含む「クマ被害対策パッケージ」が、令和8年3月27日には、クマ被害対策パッケージに含まれる施策を体系的に実施することで、クマ被害対策の継続的かつ効果的な推進を図るために「クマ被害対策ロードマップ」が決定され、国立公園に関連して「インバウンドを含めた登山客等への多言語による情報発信」や「国立公園におけるクマへの安全対策強化」が位置づけられました。これまでの国立公園におけるクマ対策は、クマの生息密度やそれに由来する事故等のリスクが国立公園毎に大きく異なることから、一律の指針はなく各現場の判断に委ねられてきましたが、クマの保護と人身事故の防止の両立に向けた対策の推進が求められているなか、被害の未然防止や現場の担当者が緊急時に迅速かつ的確に対応するためには、国立公園としてのクマ管理に対する共通の指針を示し、各公園における実効性のあるマニュアル策定や体制構築を強力に支援していくことが不可欠と考えています。本ページでは、国立公園におけるクマ被害対策を推進するに当たっての基本となる資料について、紹介します。本手引書は、国立公園におけるクマの被害対策の基本方針を示し、各国立公園におけるクマの出没防止・問題個体発生時等の対応マニュアルの作成や体制構築の一助になることを目的として作成したものです。環境省の地方環境局や国立公園の現地事務所の担当者に加え、公園施設等の管理者(関係行政機関等)やクマ対策関係者にも役立てていただき、国立公園全体でクマの被害対策の水準向上を図っていくことを目指しています。国立公園を安全に利用するためには、クマについて正しく理解し、遭遇を避けるための行動を実践することが重要です。環境省「国立公園に、行ってみよう!」サイトでは、クマの生態や、出会わないための注意点、万が一出会ってしまった場合の行動などを分かりやすく紹介しています。
(クマ目撃で立ち往生→110番通報、トムラウシ山ヘリ救助が問うもの:北海道)
「日本百名山」の一つ、北海道・大雪山系トムラウシ山(2141m)で今夏、ヒグマを目撃した登山者が立ち往生し、ヘリコプターで救助される事案があった。地元の山岳関係者は無事だったことに安堵(あんど)する一方、危機感を募らせている。「本当に必要な救助要請は、ためらうべきではない。ただ、同じような事案が当たり前になってほしくない」。関係者が問いかけるのは、「クマの生息地に自ら足を踏み入れる」という自覚と、それに見合う備えだ。道警によると、7月4日午後2時半ごろ、登山道の通称「前トム平」(標高約1740m)付近を単独で下山していた60代男性が、体長約1.5mのクマを目撃した。距離は進行方向の約50~60メートル先。クマはその後、見えなくなり、立ち去った方向はわからなかった。立ち往生した男性に後続の3人組パーティーが合流し、午後4時すぎ、一人が110番通報した。「中腹でクマを目撃して立ち往生している」。道警はヘリコプターを出動させ、午後6時ごろまでに全員を救助した。けが人はいなかった。新得署によると、4人は鈴や笛は携帯していたが、クマ撃退スプレーは持っていなかったという。この事案は、地元の山岳関係者の間で話題になった。
(鳥獣被害対策の強化を要請:北海道)
北海道農民連盟(出嶋辰三委員長)は27日、エゾシカなどの野生動物による農作物・家畜被害が増加している現状を踏まえ、北海道の鈴木賢一農政部長に鳥獣害対策の強化などを求める要請書を提出した。
(警察・自衛隊OB対象に狩猟免許取得の説明会:北海道)
ヒグマに対応できるハンターの人材確保を目的に、8月30日、札幌で警察や自衛隊のOBなどを対象にした狩猟免許取得の説明会が開かれました。説明会はヒグマやエゾシカの出没や被害が増加する中、新たなハンターを確保するため去年に続いて開かれ、警察や陸上自衛隊のOBなどが参加しました。北海道内のハンターは2024年の時点でピークの半分以下に減少しているとされ、半分以上が50歳以上と、高齢化も進んでいます。説明会では北海道の担当者がヒグマなどの鳥獣対策を紹介した後、免許取得者が経験談を語りました。免許取得に必要な手続きのほか試験の概要や、猟銃の所持についての説明も行われ、出席者は熱心に耳を傾けていました。
(狩猟免許所持者らと狩猟グループが交流:群馬)
狩猟に関する疑問や不安の解決を支援する「ぐんま狩猟マッチング相談会」が30日、群馬県安中市の県安中総合射撃場で開かれた。狩猟免許所持者ら約10人が訪れ、シカやイノシシを捕獲する狩猟グループと交流した。
(農作物荒らす鳥獣対策、市民も巻き込んで:兵庫)
野生のシカやアライグマ、イノシシなどに農作物が食い荒らされる被害が深刻化している。令和6年度の被害額は前年度から約15%増の約188億円。被害を食い止めるためには有害捕獲や狩猟などの手段があるが、一般の人たちの理解と協力も不可欠だ。関西で被害額が最も多い兵庫県では、市民を巻き込みながら野生鳥獣と向き合う取り組みが進められている。7月中旬、兵庫県立総合射撃場(同県三木市)に「バンッ」と大きな音が響いていた。市民ら36人が参加した「狩猟の魅力体験会」で、迫力のあるライフル銃の発射実演を見学。参加者は狩猟免許制度や鳥獣保護管理法などの説明を受け、光線で的を狙うビームライフルも体験した。狩猟やジビエ食、有害鳥獣の捕獲などに興味を持ってもらい、狩猟免許の取得者を増やすのが目的。友人と参加した50代の女性は「模擬のビームライフルでも重さを感じた。楽しかったし、狩猟者登録をした際にかかる狩猟税などの費用についても知ることができた」とほほえんだ。同射撃場は令和6年にオープン。狩猟者が100メートル先の標的をライフルで狙える専用設備のほか、五輪競技でもあるクレー射撃の射場やジビエの処理加工室などを備える。野山を走るイノシシの映像に向かって模擬ライフルで射撃するシミュレーターなど、一般人が楽しめる設備も。敷地面積は約80ヘクタール(甲子園球場およそ20個分)、西日本最大級の射撃施設だ。施設を管理する「野生鳥獣対策連携センター」の長谷川雄大さんは「狩猟者だけでなく、一般の人にも来てほしい。イベントなどを通じて射撃や狩猟が身近になれば、狩猟者も活動しやすくなる」と説明する。一方、神戸市では、市民の協力を得ながら野生鳥獣を捕獲している。アライグマの捕獲に取り組む市民団体などを「KOBEアライグマバスターズ」として登録し、箱わなの貸し出しや、講習会の実施などでサポート。徐々に成果を上げはじめているという。アライグマは生態系や農産物に影響を及ぼす特定外来生物で、農作物を食い荒らしたり納屋などに住み着いたりし、さまざまな問題を引き起こしている。神戸市北区で活動する「道場町移住促進チームたすき」では、箱わなの設置や見回り、餌の交換、捕獲時の連絡などを担う。友人の畑のスイカがアライグマの被害を受け、活動を始めたという梶原ひろみさん(66)は「(捕獲後の)処分までしなくていいのでハードルが下がった。地域で協力して被害を減らし、住みやすい里山づくりを進めていきたい」と力を込めた。
(農作物を野生動物から守る、猟友会会員に対策委嘱:大分)
これから収穫期を迎えるミカンや柿などの農作物をサルやシカなどの野生動物の被害から守ろうと、津久見市は地元の猟友会の会員に対策を委嘱しました。津久見市は毎年、地元の猟友会の会員で構成する「鳥獣被害対策実施隊」を結成し、野生動物から農作物を守る取り組みを行っています。27日、津久見市役所で委嘱状の交付式が行われ、石川市長から猟友会の会員8人に手渡されました。この中で石川市長は「農作物被害の減少に努め、安全と体調に十分に気をつけて活動してください」と述べました。8人の任期は来月12日から1年間で、前半の半年間にはミカン畑などを定期的に巡回するとともに、野生動物を見つけた際には猟銃で追い払ったり、わなを仕掛けて捕獲したりすることになっています。市によりますと、サルやシカ、それにイノシシなどの野生動物の捕獲件数は市内で昨年度、1700件余りに上り、近年はアナグマなど小動物による被害も増えているということです。津久見市鳥獣被害対策実施隊の野下一馬隊長は「皆さんの目撃情報が頼りになるのでご協力をお願いしたい。少しでも被害を減らせるように頑張ります」と話していました。
(シカ食害で防護柵設置へ、チューリップ球根1万個被害:群馬)
群馬県桐生市宮本町の吾妻公園で今春、花壇に植えていた約1万個のチューリップの球根がシカに食べ尽くされた問題で、市は来春以降に向けて防護柵を設置することを決めた。関連事業費1346万円を補正予算に盛り込み、来年2月までに設置する。同公園では毎年春に恒例の「チューリップまつり」が開かれ、例年約3万人が訪れていた。だがシカの食害がここ数年でひどくなり、62回目を迎えた今年は電気柵を設けるなどの対策を進めていたが防ぎきれず、壊滅状態になった。導入する防護柵は金網で、高さ2メートルと2.7メートルの2種類あり、シカが飛び越えないように周辺の状況などを考慮して設置する。チューリップ花壇や花菖蒲(しょうぶ)園などの全体を囲むように400メートル張りめぐらせる。市はこれまでシカが嫌がる音を出したり、監視カメラの映像をもとに追い払ったりといった対策を検討した結果、一切の侵入を防ぐ防護柵が最も効果があると判断したという。
(絶景“北五百川の棚田”で最後の稲刈り:新潟)
400年の歴史に幕を下ろすことになります。新潟県三条市の『北五百川の棚田』で収穫作業が始まりました。絶景から地域の内外の人に親しまれる棚田ですが、その景色を見られるのは今年で最後となりそうです。山あいに広がる黄金色の棚田。8月24日、三条市下田地区の『北五百川の棚田』で稲刈り作業が始まりました。400年以上の歴史を持ち、その景観の良さから国の『日本の棚田百選』にも選ばれた北五百川の棚田ですが、この景色を見られるのも今年で最後となります。棚田を管理する15代目の佐野誠五さんを悩ませるのが、野生動物による被害。これまで自前で電気柵を取り付けるなどの対策を講じてきたものの、広い敷地全てに設置することは難しく、90アールの棚田のうち、今年は10アールほどが被害にあっているといいます。収量は今年300kg近く減少する見込みで、現在77歳の佐野さんはあまりの被害の大きさに今年でコメづくりを断念することを決めました。次々と刈り取られていく稲。長年守られてきた景色が失われる瞬間でもあります。稲刈りはこの週末で終える予定で、来年以降は数枚の田んぼで家族用のコメのみを作ることにしています。
(国道に「シカ注意」の路面標示:北海道)
シカと車両の衝突事故が増える秋を前に、「シカ注意」の路面標示が町内の国道に登場した。事故を減らそうと、帯広開発建設部が広尾署と協議してペイントした。
(自然観察会、無念の休止:青森)
青森県八戸市蟹沢地区で20年以上にわたり自然観察会など環境教育に取り組んできた市民団体「がんじゃ里山の会」(関下斉=ひとし=会長)が今夏、同地区での活動に終止符を打った。田んぼや小川の生き物観察などを通じ子どもに自然を体験してもらう場だったが、周辺でイノシシ目撃やクマの痕跡発見があり、安全に活動することが困難になったため。今後、活動ができる場を探し、会の名称と活動場所を変えて自然観察会を続けたい考えだ。活動場所の上流側では十数年前から釣り人がクマを目撃していたが、人を見ると逃げる従来型のクマでさほど問題視していなかった。だが近年は野生鳥獣が増え、今年は7月1日にイノシシが目撃された。イノシシは、泥を体に塗る「ぬた場」としてため池を利用する。会では以前から、イノシシが出没したら、安全面や病害虫対策などから活動しないことを確認していた。今後一切の活動を行わないと決め、予定していた観察会を中止した。数日後、バス乗り場と観察会の場所との間の通路で、子グマのふんが見つかった。「子グマ、雌グマ、追いかける発情期の雄グマがいると推測される」。活動中止の判断が補強される形となった。関下会長(65)は「小川、田んぼ、手足を洗う場、バス駐車場など全て整っている場所だった。残念」と語る。里山の会は2004年5月に設立。当初は企業と連携し、清酒を造るための米作りをした。その後、自然観察会の活動が増えた。現在の会員は28人。自主事業のほか、八戸市の小学生対象の「環境学習会」の一部は、がんじゃ里山の会の協力で行ってきた。市が同会の協力で実施した事業は、24年度は9回で参加者542人、25年度は11回で541人だった。本年度は予定していた10回のうち、会の活動中止の決定を受け4回を中止。このほか3回は悪天候や地震で中止されており、開催は3回にとどまった。市市民環境部の森林崇浩次長は「子どもたちが参加する上で大切な安全性が確保できる適切な場所が見つかった場合は、従来と同様に会への協力をお願いしたい」と話している。
(英ガーディアンが日本のクマ大量捕殺を特集:日本熊森協会)
英国の大手紙「The Guardian(ガーディアン)」が8月27日、日本で進むクマの大量捕殺について特集記事を掲載しました。日本熊森協会の室谷悠子会長も取材を受け、「捕殺を続けるだけでは被害はなくならない」「集落へ近づけないための対策が必要」との見解を伝えています。現在、国が進めている「クマの数を減らすことを中心とした対策」に対して、国内外の研究者や保護関係者から疑問が出ていることが詳しく紹介されています。クマの被害を止めようと思えば、捕殺より、誘引物の除去、藪刈り、被害防除等のクマを寄せ付けない環境整備や集落付近からの追い払いが何より重要で、同時にクマの生息地である奥山の乱開発を止め、自然林を再生する必要があると、10年近く前から、私たちが問題提起をしてきました。私たちは、今、クマ出没に悩む地域を支援し被害予防、被害防除こそ有効な対策であることを実感してもらい、捕殺中心の政策の方向転換を、改めて国に求めたいと考えています。ガーディアン紙の記事は、日本の対策を見直すきっかけをつくるたくさんの知見が含まれており、英語ではありますが多くの方に読んでいただきたいです。2025年、日本では230人以上がクマに襲われ、13人が死亡しました。とくに秋田県や岩手県など東北地方で被害が集中しました。ガーディアンはその背景として、クマ増加説ではなく、熊森が主張する記録的な暑さによるブナやドングリ類の不作、人口減少が進む農山村で放置された果樹園や森林が増えたことなどを挙げています。こうした状況を受け捕獲が強化され、2025年4月から2026年1月までのわずか10カ月間で、1万4,000頭を超えるクマが捕殺されました。うち約1万2,000頭がツキノワグマ、約2,000頭がヒグマです。ツキノワグマは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「Vulnerable(危急種)」に分類され、世界全体でも6万頭未満と推定されています。一方、日本国内では約4万2,000頭が生息するとする推定値が使われていますが、ガーディアンは、この数字自体にも大きな不確実性があると指摘しています。全国規模でツキノワグマの個体数が推定されたのは2011年で、当時は約1万3,000~2万1,000頭でした。その後使われるようになった約4万2,000頭という数字を裏付ける新たな全国調査は行われていません。IUCNクマ専門家グループ共同議長のデイブ・ガーシェリス氏は、個体数推定が大きく間違っていれば、「4分の1を減らしているつもりが、実際には半数を失っていた」という事態も起こり得ると警告しています。環境省は今年、新たな全国統一手法によるクマ生息数推定調査を始めましたが、結果が出るまで約3年かかる見込みです。ガーディアンが問いかけているのは、これほど多くのクマを捕殺して、本当に人身被害は減ったのかということです。今年4月以降も、少なくとも9都県で35人以上がクマに襲われ、6人が死亡しています。それにもかかわらず、政府は今年度さらに8,800頭を捕殺する目標を掲げています。室谷会長はガーディアンに、クマの数を減らすことだけに重点を置く政策では、クマそのものがいなくなるまで問題は解決しないとの懸念を伝えました。記者が熊森の懸念を理解されたもようです。記事では、当協会と異なる見解も紹介されています。日本クマネットワーク代表の小池伸介氏は、中央日本のある調査地域では、2023年にツキノワグマが年間11~12%増加したとの研究結果を紹介しています。ガーディアンはこうした見解も示したうえで、そもそもの個体数が正確に分からないまま、大量捕殺を続けることの危険性についても取り上げています。記事の後半では、当協会研究者が現地で調査してきた「森の異変」を詳しく紹介されました。ミズナラなどの広範囲な枯死、ゾウムシ類によるドングリへの被害、ブナの実りの悪化、花粉を運ぶ昆虫の減少による液果類の実りの低下などです。クマが山から出てきたとき、「クマが増えたから」とだけ考えるのではなく、その前に、クマが暮らしている森で何が起きているのかを見る必要があります。これは、当協会が長年訴え続けてきたことです。ガーディアンは、長野県軽井沢町で活動するピッキオの取り組みも大きく紹介しています。軽井沢では、訓練されたカレリア犬による追い払いや、必要に応じて麻酔で捕獲して山へ戻すなど、「現れたクマを殺す」のではなく、人里へ近づかないことを学習させる対策を続けています。ピッキオによれば、軽井沢周辺の農村・集落地域では2015年以降、人がクマに襲われる事故は起きていないとされています。さらに記事では、カナダや米国の研究も紹介されています。広範囲にクマを捕殺する方法は、問題を起こした特定個体への対応などと比べ、長期的には人とクマとの軋轢を減らす効果が乏しい場合があるとされています。放置果樹や耕作放棄地を管理し、人里をクマにとって魅力の少ない場所にするなど、捕殺以外の対策も提案されています。当協会が求めているのは、クマを人里に放置することではありません。人の生活圏へクマを寄せつけない対策を徹底すると同時に、クマが本来暮らせる奥山を再生し、人とクマの「すみ分け」を取り戻すことです。1万4,000頭ものクマを殺しても、人身事故は続いています。さらに8,800頭を殺すことで、本当に問題は解決するのでしょうか。人の安全とクマの命、その両方を守るために、捕殺一辺倒ではないクマ対策へと転換するときです。熊森の保護飼育グマである「とよ」の写真も大きく掲載されています。日本のマスコミが熊森を一切取材しない中、イギリスの新聞社が日本のクマ研究者の意見と共に民間の自然保護団体である熊森の主張も大きく載せて両論併記しているのは、日本より民主主義が根付いている証拠で、すばらしいと感じました。
(乗用車がクマの成獣と接触、運転手にけがなし:島根)
29日午後3時ごろ、雲南市掛合町入間の国道54号で、乗用車とクマが接触する事故があった。運転手にけがはなかった。市林業振興課などによると、乗用車が北進中、左の山側から出てきたクマと接触した。クマは国道を横断し、近くの三刀屋川の方に去ったという。成獣とみられる。
(市街地でクマ1頭捕獲:群馬)
桐生市で27日、クマが捕獲されました。桐生市相生町では今月1日からクマの出没が相次いでいたため、市が捕獲用のおりを設置したところ27日午前、クマ1頭が捕獲されました。市によりますとクマは体長およそ120センチ、体重は60キロほどのメスで、推定4歳です。このクマは市街地の近くを生息場所としていたことから、市民の安全を考えて殺処分されたということです。近くには別の個体が生息している可能性もあることから今後も警戒を続け、捕獲用のおりも継続して設置する方針です。
(クマ1頭が林の中の箱わなで捕獲されているのを市の職員が発見 猟友会が電気槍で駆除:宮城)
28日午前9時頃、仙台市泉区上谷刈の林に設置された箱わなに、クマ1頭が捕獲されているのを市の職員が見つけ、猟友会が電気槍で駆除しました。現場は「水の森公園」付近で、近くのトレイルカメラに、箱わなに入ったクマが映っていたということです。捕獲されたクマはオスで体長約1メートル、体重は26.7キロでした。年齢はまだ分かっていません。周辺では2026年5月からクマの目撃情報が複数件寄せられていて、箱わなは仙台市がクマの捕獲用として設置したものです。市は他にも複数のクマがいるとみて、引き続き箱わなを継続して設置し、周辺を警戒するということです。
(南アルプスにシカの大群、山肌埋め尽くす500頭:長野)
南アルプスの山肌を埋め尽くす、おびただしい数のシカが撮影されました。少なくとも500頭近くはいるとみられ、地元で長年生活する人も「こんな数は見たことがない」と衝撃を口にしています。低空旋回していたヘリコプターから撮られた映像です。すさまじい数の野生のシカが群れています。今月1日午前10時半ごろ、長野県の南アルプス、伊那市と大鹿村の境にある二児山の北側の斜面で撮影されました。シカの大群を目撃し、おもわずスマホで動画を撮ったのは、ヘリコプターの整備士・川崎さんです。東邦航空 川崎龍未整備士「芝生の色が変わっているのかと思ったが、近づいていくにつれてシカの大群だと分かって。普段からきれいな景色とかは撮るようにしているが、シカの大群を見て正直ゾッとした、衝撃的な感じ」。実は先月も同じ場所を飛行した同僚がシカの大群を目撃していました。「200から300頭はいたんじゃないかなと思う」。実際に番組のスタッフが画面を止めて数えてみたところ450頭以上のシカがいました。もちろん画面の外にはまだまだいます。同じ南アルプスにある山小屋の管理人・斎藤さんは、これほどの大群は見たことがないと話します。ただ、過去にはシカによる食害に悩まされてきたといいます。実際に見てみると。また、花畑を作ろうと、柵を設置していますが…。実際、長野県のシカの数は増え続けています。県の調べによると、今から10年前は15万頭ほどでしたが、もっとも最近のデータである2024年には22万頭を超えました。その要因を専門家が分析します。信州大学 農学部 池田敬助教「昔に比べて狩猟者が高齢化して減少している。積雪が減ることにより冬季に死亡する個体が少なくなっている」。さらに林業が衰退し、人間が入らない場所が増えたため、シカの生息地が広がったことも要因の一つだといいます。シカの増加に伴い被害も深刻化しています。長野県のホームページによれば、農業被害額は年間約1億9000万円、林業被害額も約1億円を超えています。(いずれも24年度現在)。ただ、長野県だけで、シカが増えているわけではありません。京都ではシカの食害により山肌が露出。夏の伝統行事「京都五山の送り火」の運営が危うくなるなどの影響が出ています。さらに、見事に咲き誇るヒマワリで有名な郡山布引風の高原では、9ヘクタールに及ぶヒマワリ畑、コスモス畑、それぞれの苗がシカに食い荒らされ、跡形もなく消えてしまいました。郡山湖南まつり実行委員会 村松千尋副実行委員長「ヒマワリの苗がなくなっていた。全滅に近いような状況」。結果、今月開催予定だった祭りは中止となりました。各地で増えるシカによる食害、その影響について専門家は…。池田助教「(シカの食害で)森林が枯死してしまい倒れてしまうと、そこに大雨が降ると直接土壌にあたり、土壌の浸食が進んでしまい土砂崩れが発生する可能性がある。ある程度、数を減らすためには人間側が対策をしていかないといけないと思う。捕獲数がまだ全然足りていない状況で、人間側がもっと捕獲をしていかないといけない」。
(学校の駐車場にクマ!屋外での活動を中止:青森)
けさ弘前市の小中学校の駐車場でクマが目撃されました。学校では屋外での活動が中止されたほか保護者が登下校の送迎をするなど子どもたちの安全対策が取られました。岩木山の麓にある常盤野小中学校では、ことし学校の近くで3回クマの目撃情報がありました。けさは学校の駐車場で体長80センチほどのクマが目撃されました。学校ではこれまでも忌避剤を置いたり電気柵などでクマ対策をしてきましたが児童・生徒の安全を考慮し、きょうから屋外での活動を中止しました。また徒歩で通学する児童・生徒は保護者による送迎としています。ことしのクマの目撃は県内で1000件を超えていて県は出没警報を出して警戒を呼びかけています。
(3日間で「ニンジン約1800本」を食い荒らしたか:北海道)
北海道函館市の畑で8月28日、ニンジン約600本とトウモロコシ約30本が食い荒らされているのが見つかりました。現場は、函館市古川町にある畑です。28日午後0時ごろ、畑を所有する農家が、トウモロコシ約30本が食い荒らされているのを見つけました。畑には幅約18センチの足跡も残されていました。農家は周辺の畑も確認したところ、現場から約200メートル離れた別の畑でも、ニンジン約600本が被害に遭っていました。現場の状況から、市などはクマによる被害と断定しました。このトウモロコシ畑から約500メートル離れた別の畑では、26日にニンジン約1200本が食い荒らされる被害が見つかっています。市は、足跡の大きさなどから同一個体による被害とみています。付近には福祉施設があり、市は被害の拡大を防ぐため、箱わなの設置の検討も含めて対策を急いでいます。
(避難所で猟友会炊き出し:熊本)
熊本地震の発生から1か月となった28日、熊本県八代市にある避難所では猟友会が炊き出しを行い、イノシシの炭火焼きなどを振る舞いました。熊本県猟友会は、28日、およそ120人が避難する八代市立第二中学校の体育館の前で炊き出しを行いました。ふるまわれたのは、いずれも県内で捕獲されたイノシシの炭火焼きや鹿のシチューなどおよそ300食分で、避難所で過ごしている人や地域の住民などが温かい食事を次々と受け取っていました。近くの自宅から3人の幼い子どもと来たという30代の男性は、「家の片づけが追いつかない中、食事を受け取れてうれしい。地震のあと子どもたちは不安な様子でしたが、保育園も再開し少しずつ日常が戻ってきていると感じます」と話していました。また、避難所にいる母親に食事を持っていくという40代の女性は、「地震で母親の家では家具が倒れるなどしたため、避難所に身を寄せています。母親は非常食ばかり食べているので、いつもと違うおいしい食事を食べてほしい」と話していました。熊本県猟友会の立山比呂志 会長は、「地震のあと、初めて肉料理を食べたという人もいました。炊き出しでみなさんが少しでも元気になってほしいです」と話していました。
(ジビエ売り上げ熊本支援:岩手)
大槌町のジビエ加工販売会社「MOMIJI」はオンラインショップの売り上げの15%を熊本地震の被災地支援に充てる取り組みを続けている。東日本大震災で被災した社長の兼沢幸男さん(41)は「困ったときはお互いさま。できる限りの支援を続けていきたい」と話す。兼沢さんは震災当時、商船の乗組員として働いていた。大槌町の自宅で同居していた母・幸子さん(当時53歳)は町内に住む祖母を車で迎えに行ったまま津波で行方不明になった。その後、兼沢さんは地元のガス会社に就職。しばらくして親戚から「鹿にコメを食い荒らされて困っている」と聞かされた。このことをきっかけに猟銃の免許を取得。「害獣」として駆除される鹿肉をジビエに有効活用できないかと考え、仕留めた害獣などを加工販売する同社を2019年に起業した。被災時には全国から集まったボランティアらの炊き出しや生活物資の支援などを受け、時間の経過とともに、兼沢さんは「人は助け合わなければいけない」との思いを強くしたという。24年の能登半島地震では地震発生直後から約半年間、輪島市内の避難所を巡って炊き出しなどのボランティア活動を行ったほか、同年9月の石川県内の大雨被害では、被災地住民たちとともにスコップで泥をかき出したりした。今年4月に起きた大槌町の山林火災。加工食品の購入者に熊本県民もおり、熊本地震に心を痛めた。「その恩返しの意味も込めた」。同社は鹿のカレーやシチュー、ギョーザなどの約30種類を扱っており、7月30日には同社のサイトでの支援を始めた。兼沢さんは「支援金は熊本県の氷川町など被害が甚大な自治体に送りたい。今後も被災地のニーズを把握して支援したい」と語った。
(阿波地美栄衛生処理講習会を開催:栃木)
徳島県においては、シカ肉などのジビエ肉の安全の確保のため、衛生的な処理方法についてのガイドライン(阿波地美栄処理衛生管理ガイドライン)を定め、捕獲から流通に至るまでの一連の処理が、と畜場(牛や豚などの家畜を食肉に処理・検査する施設)と同等水準以上で実施されることで安全で安心なシカ肉・イノシシ肉が食用として供給されるよう、各処理場を指導しております。
(るるぶキッチン、国産ジビエの鹿肉:東京)
JTBパブリッシング(盛崎宏行社長、東京都江東区)は9月1日(火)~28日(月)まで、直営飲食店舗「editor’s fav るるぶキッチン」で、国産ジビエ認証を受けた鹿肉を使用したランチメニューを提供する。高たんぱく・低脂質で鉄分も豊富なヘルシーなニホンジカを、ジビエならではの野趣あふれる旨みと美味しさを存分に引き出した一皿として堪能できる。メニュー名は、「ニホンジカ肉ローストと茸のガーリックライス」。国産ジビエ認証制度の認証を受けた施設で処理されたニホンジカを直送で仕入れ、柔らかくなるように下処理したうえで、仕上げにフライパンとオーブンで焼き上げている。ジビエの野趣あふれる肉の旨みと、ガーリックライスの相性は抜群。ボリュームたっぷりの一皿を楽しめる。価格は税込1780円。今回のランチ特集フェアは、農林水産省「令和8年度鳥獣利活用推進支援事業」の一環として開催するもので、安全・安心なジビエの消費拡大が狙い。営業時間はランチタイムが午前11時30分~午後2時30分(2時LO)、ディナータイムが午後5~10時(9時30分LO)。不定休。住所は東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋書店 新宿本店 地下1階(紀伊國屋ビルディング地下名店街)。
(イノシシの骨から絶品ラーメン:佐賀)
上峰町で、捨てられるはずだったものに新たな価値を生み出す取り組みが進んでいます。手がけているのは、金属のリサイクルを行う「エヌアイループ」。廃材をアート作品へと生まれ変わらせる「アップサイクル」に加え、通常は廃棄されるイノシシの骨や脂を使った「しし骨ラーメン」も誕生しました。一見するとまったく違う金属とラーメン。しかし、どちらにも共通しているのは「捨てられるものを生かし、地域の課題解決につなげる」という発想です。
(イノシシ対策で竹林を整備、「東京メンマ」新たな特産品:東京)
東京西部にある日の出町では、イノシシなどによる農作物被害が相次いでいます。こうした被害への対策として始まった竹林の整備が、地域の新たな特産品づくりにつながっています。東京都では2024年度、イノシシによる農作物の被害額は952万円に上り、被害量は22トンに及びました。日の出町でも、イノシシによる農作物被害が相次いでいます。さらに都内では、ツキノワグマの生息数が平均235頭と推定され、生息域の拡大や生活圏近くでの出没が課題となっています。東京都はツキノワグマの狩猟について、来年度から19年ぶりに解禁する予定です。農業を支えようと地元の有志も立ち上がりました。荒れ果てた竹林は、イノシシなどのすみかになります。野生動物が入り込みにくい環境をつくるためにも、竹林の整備は大切だと考えています。そして、切った竹はただ捨てるのではありません。地域の資源として活用します。それが「東京メンマ」。2~3メートルほどの若い竹を収穫して下ゆでし、塩漬けでおよそ1カ月熟成。地元の加工施設で、塩抜き・味付けをして「東京メンマ」が完成します。4年をかけて、日の出町の竹を“町おこしの名物”へと生まれ変わらせたのです。
(シカ肉でペットフード「この事業は夢がある」:北海道)
エゾシカが増えて食害が深刻になる中、シカ肉を原料にペットフードの量産に乗り出しているのが、3年前に十勝管内足寄町で食肉加工の「K&D」を設立した金大蔵さん(54)だ。群馬県で人材派遣会社を営む傍ら、足寄に3億円規模の投資を行い、国内販売だけでなく米国向けの輸出も計画する。商売の嗅覚にたけた中国出身者の多くがそうであるように、リスクもいとわずにシカ肉の将来性にかけた格好で、狩猟したシカの処理に難渋していた地元ハンターにとってありがたい存在となりつつある。金さんにエゾシカビジネスにかける思いなどを聞いた。――そもそもエゾシカ肉を扱おうと考えた理由は。「コロナの時でした。私もさまざまな商売をやっていますが、ペットフードの事業をしている東京の知人から『シカ肉のペットフードが人気で、欠品が出ている』と聞いたのです。シカ肉は高タンパク、低カロリーで、牛肉や鶏肉のようなアレルギーも少ない。ただ、野生のものなので原料を集めづらく、さらに加工の人手を集めるのも難しいため、この分野で大きな工場は少ないのです。一から始めるのは簡単ではないと聞きながら、私は『シカ肉を集めて製品にすれば、みんな買ってくれるはず』と単純に考えてしまいました。それで設備の契約を結んで改装し、エゾシカの搬入も始めて、という具合に」。――足寄町とは何かつながりがあったのですか。「『足寄はシカが一番集まる場所だ』と聞いたものの、一度も来たことはありませんでした。2023年秋に会社を設立しましたが、それまで何度も群馬から足を運ぶなど場所探しに1年ほどかかりました。最後は町役場を通じて、地元農協が持っていた土地や建物を紹介されたのです」。
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